JP2023532641A - 煙点を特定するための試験装置及び煙点を特定する方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】炭化水素の煙点を特定するための試験装置と方法。この装置は:ASTMD1322-19規格又は同等の規格の仕様に準拠する煙点を特定するための装置と、火炎の一連のデジタル画像を撮影するための撮像装置と、相対湿度を測定するための周囲相対湿度センサと、温度を測定するための周囲温度センサと、撮像装置からのデジタル画像を解析して火炎高さを測定し、温度センサ及び湿度センサによって測定された相対湿度と温度を用いて絶対湿度を計算し、計算された絶対湿度と正規化された絶対湿度との差の関数として測定された火炎高さを補正し、好ましくは火炎高さ測定中の圧力と正規化された圧力との差の関数として測定された火炎高さを補正するようプログラムされた、撮像装置、湿度センサ及び温度センサに接続されたコンピュータシステムと、を含む。

Description

本発明は、測定した煙点を周囲の湿度や温度、任意選択で圧力を考慮して補正して煙点を特定するための試験装置及び法と煙点を特定する方法を提供する。
炭化水素の煙点は、石油精製所の研究所で、ケロシン、航空燃料、ランプオイルなどで日常的に測定されている特性である。この特性は、試験する特定の燃料の炭化水素の組成に直接関係する、重要なパラメータである。実際には、炭素(C)と水素(H)との比率(C:H)が大きいほど、つまり芳香族化合物の含有量が少ないほど、煙点が高くなり、燃料の燃焼挙動が良くなる。言い換えると、煙点は放射熱の移動の可能性と定量的に結びついており、この熱移動が金属部品の温度に強い影響を及ぼす以上、煙点は上記の金属部品の寿命の予測指標となる。
しかし、煙点を予測指標として用いる場合、その測定が難しいという欠点があった。通常、標準化された分析方法を用いて検出を可能にし(例えば、ASTM D1322-19, Standard Test Method for Smoke Point of Kerosene and Aviation Turbine Fuel(ケロシン及び航空タービン燃料の煙点の標準試験方法), ASTM International, West Conshohocken, PA, 2019, www.astm.org に記載の方法、及びISO 3014、IP 57、NF M 07-028 などの同等物を参照することにより本書に組み込まれ、次に煙の形成が測定されることなく試験された炭化水素試料の最大火炎高さを測定する。この測定は、通常、ミリメートル(「mm」)で表され、10分の1mm単位の精度である。ASTM D1322-19規格とISO、IP、NF、GOST、JISなどの規格の間に違いはない(又は、ほとんどない)。
このような測定では、炭化水素試験試料は、ろうそくと芯とを有するウィックランプ(ASTM D1322-19規格にも記載されている)で燃焼される。この試験では、芯の高さの設定を必要とし、ろうそくの位置を変動させることで、以下の火炎外観の連続(flame appearance sequence)において火炎の高さと外観とを徐々に変化させる。火炎の高さと外観は、先端が比較的細長く飛び出し、先端が上方に窪んで見え、火炎の上端から軽い煙が放出される状態から、火炎高さが短く、火炎の上端が完全に丸くなった状態へとゆっくり変化する。この2つの火炎の状態の間で、試験オペレータは2つの中間火炎の形状、すなわち、先端が細長く、端が窪んで見える中間火炎の形状と、火炎の先端がちょうど消え火炎がわずかに丸く(少し鈍く)なった煙のない中間火炎の形状とを、区別もしなければならない。火炎がこのように最後の外観であるとき、火炎の高さを、ランプの内部で背面にあるmm単位の目盛りに、オペレータ又は自動測定装置が(デジタル画像を用いて)記録する。煙点での火炎高さを、火炎外観の連続を繰り返しながら3回個別に観測し、合計3回の連続した測定をすること。これらの測定値が1.0mmを超える範囲で変化する場合は、新しい試料と別の芯で試験を繰り返すこと。分析中の試料について保持する煙点の最終値は、0.1mm単位で計算された連続する3回の測定値平均値である。
ASTM D1322-19規格に規定されている手動煙点測定法は、この種のすべての解析法と同様であるが、精度の点で限界がある。例えば、試験オペレータが、火炎の外観が正しいかどうか判断し、火炎高さを目盛りで測定するべき瞬間が正しいかどうか判定するのは難しいことが多い。品質結果を確実にするために、火炎高さを測定するときには、一定の手順や予防策を実施すべきであるが、そのような手順や予防策の実施は、すべて試験オペレータに委ねられている。このように、標準化された試験の繰り返し性と再現性は、それぞれ2mmと3mmとなる。
Reminiacらの米国特許番号7,829,343は、手動方法の改善として、ASTM D1322規格又はその同等物に従って炭化水素の煙点を特定する自動方法及び装置を開示している。ReminiacらのUS 7,829,343は、炭化水素の煙点を特定する方法及び装置を開示しており、ASTM D1322規格又はその同等物に定義された異なるステップの中で、ランプ内のバーナーの位置による火炎の異なる態様のうち、この火炎の特定の態様の識別とこの火炎の高さを目盛り(mm)で読み取ることとを備えている。それは、デジタルカメラなどを用いて火炎の一連のデジタル画像を、十分短い間隔で撮影、記録し、これらのデジタル画像を解析することによって、火炎形状の急変が検出可能となり、この火炎形状が急変した瞬間の火炎の高さを測定するという事実によって特徴づけられる。その高さは、試験した炭化水素の煙点と見なされる。この特許取得済みのシステムを採用した商用装置として、AD Systems社のAutomated Smoke Point-SP10がある。AD Systems Automated Smoke Point-SP10は、火炎を観測するビデオカメラに関連する火炎の大きさを調整するシステムを用いている。火炎が試験方法に記載された形状になると、SP10は火炎の高さを記憶し、報告する。SP10はASTM D1322の判定方法に指定されている。ASTM D1322-19の6.2.2項には、「デジタルカメラの解像度は人間の目と比べて圧倒的に優れているため、煙点の測定は、利用可能な場合は自動装置で行うものとすると述べている。手動と自動の結果に論争がある場合は、判定者を自動方式とする。」
しかし、現在のシステムや方法で得られる煙点測定値は、試験場で経験したり遭遇したりする周囲圧力条件によって悪影響を受けることがある。そのため、現在のシステムは気圧を考慮して較正されている。
手動装置において、ASTM D1322-19の10項によると、オペレータはその日の最初の使用前にASTM D1322-19の10.1.3項に従って装置の較正を確認するか、必要があればASTM D1322-19の10.1.1項に従って較正することになっている。装置やオペレータに変更があった場合、又は気圧の読みに0.7kPaより大きな変化があった場合には再較正を行う。ASTM D1322-19の7.4項に規定されている基準燃料ブレンドのうち2種類を、ASTM D1322-19の11項に規定されている手順で試験し、可能であれば試料の煙点を挟む(bracketing)ことで装置の較正を行う。これが不可能な場合は、試料の煙点に最も近い煙点を持つ2種類の試験ブレンドを使用する。本装置の補正係数f(ランプ係数と呼ばれることもある)を以下の式(1)より特定する。
Figure 2023532641000002

ここで
As = 第1の基準燃料ブレンドの標準煙点。
Ad = 第1の基準燃料ブレンドに対して特定された煙点。
Bs = 第2の基準燃料ブレンドの標準煙点、及び
Bd = 第2の基準燃料ブレンドに対して特定された煙点とする。
自動装置を使用する方法において、ASTM D1322-19の10項によると、自動装置は、保存されている基準データを用いて、式(1)に従って補正係数fを自動的に計算することができる。本装置は,ASTM D1322-19の表1に規定される基準燃料ブレンドの値を保存するための較正データベースを有するものとする。
Figure 2023532641000003

基準燃料ブレンドを用いて実行した各較正試験は、さらに較正を実行した瞬間に観測された気圧とともに、このデータベースに保存されるものとする。ASTM D1322-19の10.2.1項には、自動装置は、較正データベースにおいて、表1に規定された基準燃料ブレンド値を、11項に規定された手順と12項に規定された計算を用いて自動的に選択し、可能ならば試料の煙点を挟むことによって、式(1)に従って補正係数fを自動的に計算する機能を有していなければならないことが開示されている。これが不可能な場合は、試料の煙点に最も近い煙点を持つ2種類の試験ブレンドの結果を使用するものとする。デジタルカメラとデジタルカメラに関連するソフトウェアが、オペレータの目の代わりに火炎を観測する。そのため、オペレータが変わっても自動装置の再調整を行う必要がない。
ASTM D1322-19の12項では、以下の式(2)を介して、0.1mm単位で煙点を計算することが開示されている。
Figure 2023532641000004

ここで
L=3つの個々の火炎高さの読み取りの平均値、
及び、f=ASTM D1322-19の10.1.2項の補正係数とする。
手動装置では、この計算をオペレータが行う。しかし、自動装置では、煙点が自動的に計算される。
しかし、自動装置に関しては、ASTM D1322-19の10.2.2項で、気圧を記録し、その記録された圧力±0.7kPaで機器が較正されたことを較正データベースで確認することが開示されている。表1で規定された7種類のブレンドについて、観測された圧力±0.7kPaでの較正値が存在しない場合、ASTM D1322-19の10.2.2項では10.2.3項に従って装置を較正することが開示されている。表1に規定された7種類のブレンドについて較正値が存在する場合、言い換えると、観測された圧力ですでに機器が較正されている場合、ASTM D1322-19では、10.2.4項に従って装置を確認することが開示されている。自動装置には、異なる気圧の基準燃料を用いて得られた煙点が保存されている。このように、観測された圧力ですでに機器が較正されている場合は、気圧の読み取りに0.7kPaより大きな変化が生じても、装置を再較正する必要はない。試験開始時に入力された気圧に応じて、装置は自動的に燃料ブレンドで得られて保存された正しい値を用いる。正しい値がまだ保存されていない場合,装置はオペレータに対して、ASTM D1322-19の7.4項に規定された7種類の基準燃料ブレンドを試験することによって装置を較正するよう開示するASTM D1322-19の10.2.3項に従って、11項に規定された手順を用いて再度観測した圧力での較正を実行するよう促す。
このように、従来の方法では、圧力が0.7kPaより大きく変動した場合(手動方法 ASTM D1322-19の10.1項)、又は自動装置の較正データベースに試験時の大気圧が0.7kPa以内の較正値の保存がない場合(ASTM D1322-19の10.2.2項)、装置の新規較正が必要となる。
(自動)試験装置が異なる大気圧での較正値を記録していても、現在の圧力に近い圧力で実施した較正値が保存(格納)されていない場合、試験する特定の燃料試料の煙点測定を実行する前に、7種類の基準燃料ブレンドで較正しなければならない制約が残る。
例えば、試験する燃料試料の煙点値は事前に分からないため、試験手順の測定を実行する大気圧と同等の大気圧で、7種類の基準燃料ブレンドのすべての値(すなわち較正値という)を有することが(理論上)必要である。これが難儀なのは、0.7kPa刻みの較正値をすべて揃えることが困難だからであり、そのため試験法を行う前に適切な圧力で較正することが頻繁に必要となる。このため、多くの試験オペレータは、既存の較正値を持つ圧力値を入力することで較正作業を簡略化(すなわち、「ごまかし」)している。
煙点測定の自動補正を改善するための装置と方法とを提供することが望ましい。
(概要)
ASTM D1322-19では、補正は湿度や温度の関数として記述されていない。ASTM D1322-19では、自動装置は、測定時の空気圧力(air pressure)を補正するために、その表1に規定された基準燃料ブレンドの値を保存するための較正データベースを有するものとするとされている。ASTM D1322-19の較正プロセスは、主に大気圧(atmospheric pressure)の変動を補正するために行われる。これには、各装置の固有パラメータの補正も含まれるが、それは長期的に変化するものではない。手動装置や現在の自動装置では、オペレータが別の気圧計で現在の空気圧力を測定し、測定値を手動で装置に入力する。ASTM D1322-19の測定補正は、実行される試験と同じ条件で、その基準製品(基準燃料ブレンド、混合物1から7)で測定された偏差との比較に基づいている。同じ条件で試験を行えば、補正は正確である。しかし、実際には、通常このようにはならない。というのは、較正値は保存されており、したがって、現在の試験の数日前、数か月前、あるいは数年前に実行された試験に基づいており、較正試験時には大気圧のみが記録され、結果に影響を与える可能性のある他の変数、例えば湿度、温度、その他のパラメータは記録されないからである。
較正は、101.3kPaの基準圧力値と比較することによって、測定値の偏りを補正するために用いられる。しかし、煙点の測定において、最終的な測定結果に影響を及ぼす可能性のある偏りの原因は、較正を実行する大気の湿度に起因するものである。従来の装置や方法は、湿度状態を測定、記録しないため、湿度に起因する偏りや誤差を低減、除去することはできない。このように、較正中又は同時期と同じ圧力でケロシンに対して特定の試験を行っていることが分かっていても、(湿度は測定、記録されないため)湿度条件が異なる場合がある。これにより、煙点測定誤差が発生し、試験の繰り返し性が変化する。
空気湿度及び周囲温度は、試験方法に従って煙点を測定するとき、結果に大きな影響を与える(影響を及ぼす)可能性がある。例えば、湿度の高い地域(例:モンスーン時期の東南アジア)では、較正中の測定値がASTM D1322-19規格の認定範囲外となるため、既知の試験装置で試験方法を実施することは困難である。
本発明は、ASTM D1322-19規格又はISO 3014、IP 57、NF M 07-028などの同等物によって、煙点の測定に与える大気条件の影響を自動的に補正するものである。ASTM D1322-19規格とISO、IP、NF、GOST、JISなどの同等規格との間に違いはない(又は、ほとんどない)。本装置及び方法は、これらの同等規格に適合する。したがって、ASTM D1322-19規格の仕様に準拠した煙点を特定する装置は、同等規格の仕様に準拠した煙点を特定する装置でもある。したがって、ASTM D1322-19規格の仕様に準拠した煙点を特定する方法は、同等規格の仕様に準拠した煙点を特定する方法でもある。
本発明は、湿度が煙点の測定に与える影響を自動的に補正する。好ましくは、本発明は、湿度及び圧力が煙点の測定に与える影響を自動的に補正する。
本発明は、大気条件に従って煙点測定値(火炎高さは通常ミリメートル単位)を自動的に補正する装置及び方法を提供し、例えば、装置及び方法は、周囲(大気)空気温度及び湿度について自動的に補正する。特に、本発明では湿度係数を考慮することで、湿度変動による誘導誤差を排除する。空気中の水分量は、ケロシンの燃焼を妨げるため、煙点の値が乱される。空気中の水蒸気の密度を絶対湿度といい、単位は、Kg/m3である。湿度センサは、相対湿度(RH)を%RHで表示する。相対湿度から絶対湿度を計算することは、当技術分野では十分に文書化されている。相対湿度から絶対湿度を計算することは、相対湿度と同時に空気温度(air temperature)と大気圧の測定を必要とする。したがって、本発明装置には、相対湿度、空気温度、通常、大気圧を測定するセンサが搭載されている。ただし、注意すべきは、この絶対湿度の計算には大気圧の影響はほとんどない(250hPaの変動で0.1%以下)ということである。
本発明では、大気条件及び他の要因の変動を補正して、すべての影響因子を補正できるようにする。本発明では、測定した煙点値を湿度や温度に対して自動的に補正する。本発明では、煙点測定値(火炎高さmm)を、計算した絶対湿度と正規化した(normalized)絶対湿度との差の関数として補正する。本発明では、好ましくは、煙点測定値を7gr/m絶対湿度で正規化することを選択する。というのは、その値が基準混合物の通常の値であるからである。ただし、これは別の値でもよく、通常は0から40gr/mの絶対湿度の正規化の値である。本発明は、既存の較正における煙点の測定値(火炎高さmm)を、外部の気圧計又は一体型センサで測定した現在の大気圧と較正中に記録した圧力との差の関数として補正する。圧力測定は、火炎高さの測定値をリアルタイムで補正し、煙点の測定値を101.3kPa(1013hPa(ヘクトパスカル)又は1気圧としても知られる)で正規化するためにも用いられる。本発明では、好ましくは、1013hPaで煙点測定値を正規化することを選択する。というのは、その値が基準混合物の通常の値であるからである。ただし、これは別の値でもよく、通常は800から1100hPaの地球上における大気圧の正規化の値である。
本発明では、また、本発明の装置において、空気湿度センサ及び周囲温度センサも一体化し、その測定値を用いて火炎高さの測定値を補正している。火炎高さ測定中又は煙点結果に対してリアルタイムで補正を適用することができる。また、本発明の装置には、大気圧センサを一体化してもよい。ただし、大気圧は外部の気圧計で読み取り、その値を装置に入力することもできる。圧力センサの一体化により、主に気圧計を読み取るときのオペレータのミスや、入力時のオペレータのタイプミスを回避することができる。また、圧力センサを一体化することで、試験のより良いトレーサビリティも確実にする。
好ましくは、本発明は、測定した煙点値を湿度や温度に対して補正するだけでなく、大気圧に対しても補正して、較正中の圧力から±0.7kPaより圧力が大きく変動するたびに較正を行う(あるいは、以前に行って保存しておく)必要がないようにすることである。
本発明の圧力補正と、現在ASTM D1322-19規格で適用されている補正とでは、異なる点がある。ASTM D1322-19規格では、0.7kPaより大きな圧力変化がある場合は較正をやり直すことを示すことで、基準混合物を用いた較正プロセスと大気圧との間に暗黙のうちに関連性を持たせているのである。
ただし、上記に示されるように煙点の結果は様々な要因に影響される。大気圧や湿度、カメラ又はレンズの故障あるいは調整公差など、煙点の測定に用いるカメラ自体に関する誤差がある。
ASTM D1322-19規格では、カメラ又はレンズの故障或いは調整公差など、煙点の測定に用いるカメラ自体に関する誤差を考慮するためのランプ係数「f」を採用し、0.7kPaより大きな圧力変化のときには較正のやり直しを要求することによって圧力変化を考慮するとしている。ただし、他の大気要因を考慮して、これを改善する必要がある。また、最初の較正時から試験試料の測定時までに0.7kPaより大きな圧力変化があったときに、較正をやり直す必要がないように、圧力変動に適応させるより良い方法も必要である。
ASTM D1322-19規格では、煙点の測定結果を、(その結果を挟む)2種類の基準混合物を用いて得られた測定結果と比較し、これらの混合物の基準値に関して得られた測定偏差の平均値を補正に適用することにより、煙点の測定結果の補正を行っている。
これは、混合物の測定(較正という)と試験されるケロシンの測定が同じ条件、すなわち同じ圧力、同じ湿度で行われれば正確である。
しかし、ASTM D1322-19規格では湿度を考慮せず、試験と較正との間を大気圧に近い状態に保つためだけに較正を繰り返すことを要求する。このため、ケロシンの煙点の測定に誤差が生じる可能性がある。
例えば、圧力980hPa、湿度9gr/mで較正を行い、同じく圧力980hPa、湿度21gr/mで煙点試験を行った場合、規格の方式を適用すると、結果は980hPa、9gr/mの条件に対応する値Xで補正されることになる。この値Xは、較正と煙点の測定との間の湿度の差12gr/mを考慮しないため、正しくない。
湿度が結果に非常に強い影響を与え、試験の再現性に大きな問題を引き起こすことを本発明者は発見した。この問題を解決するために、本発明では較正中及び試験中又は較正及び試験と同時に湿度を測定し、湿度補正係数fを適用することによって湿度を考慮する。このように、本発明者は、湿度(考えられる他の影響による変数を一定に保ちながら、湿度のみ)の煙点結果への影響について検討した。この研究から、本発明者は、測定結果を絶対湿度の関数として補正するために、補正係数fを用いた絶対湿度補正式を導き出した。絶対湿度補正係数fを用いた湿度補正式は、データから経験的に求めることができる。潜在的に、湿度補正係数fを用いた湿度補正式を理論的に求めることができる。この湿度補正式は、従来のASTM D1322-19規格のプロセスでは教示も示唆もされていない。
このように、本発明の第1の態様は、相対湿度、周囲温度及び周囲大気圧の測定値を用いて、絶対湿度を計算することによって、絶対湿度を特定することである。絶対湿度の計算は、当業者には周知されている。ただし、本発明者は、この絶対湿度の測定において、大気圧がほとんど影響を与えないことを指摘する。好ましくないが、測定した大気圧を採用するのではなく、1013hPa(1atm)などの標準圧力を仮定することによって絶対湿度の計算を簡略化する方法もある。
次に、本発明では、この絶対湿度値と正規化された絶対湿度値との差の関数として湿度補正を、絶対湿度の影響が排除された同等の測定値を得るために実施した煙点(火炎高さ)測定に適用する。
このように、本発明は、ASTM D1322-19規格の標準プロセスに適応し、異なる湿度条件下で較正や試験を行ったとしても機能するようにしたものである。
ただし、試験圧力に近い圧力で較正を行う必要性と、それゆえに試験前に較正を行わなければならないことが多いという必要性とによって、起こる問題が残されている。
本発明の好ましい第2の態様は、この問題を解決するために採用される。この目的は、圧力が0.7kPaより大きく変化するたびに再較正を行う必要がないようにすることである。
本発明の第2の態様は、7種類の基準混合物に対して1つの較正セットのみを作成し、圧力補正係数fを適用することにより較正値を圧力の関数として再計算することによって、測定中の大気圧がどうであれ7種類の基準混合物を使用できるようにすることである。これは、湿度の影響を取り除いた本発明の第1の態様も採用した場合にのみ可能である。本明細書の文脈では、用語「試験中」は、試験と同時又は同時期に行われるものを包含する。同時期は、試験当日又は±1時間以内を含む。
しかし、湿度を補正する本発明の第1の態様を適用しても、圧力が結果に与える影響は不明であり、圧力が結果に与える影響をどのように補正するかは未知数であった。ASTM D1322-19規格では、圧力変動に応じた補正を適用するための計算式は教示していない。
そこで、本発明者は、圧力(考えられる他の影響による変数を一定に保ちながら、圧力のみ)が煙点の結果に与える影響について検討した。この検討から、本発明者は、測定結果を圧力の関数として補正するための圧力補正係数fを用いた圧力補正式を導き出した。圧力補正係数fを用いた圧力補正式は、データから経験的に求めることができる。潜在的に、圧力補正係数fを用いた圧力補正式を理論的に求めることができる。この圧力補正式は、従来のASTM D1322-19規格のプロセスでは教示も示唆もされていない。この圧力補正式は、従来のASTM D1322-19規格の暗黙の圧力補正とは異なる。従来のASTM D1322-19規格は、湿度変動を考慮していないため、圧力の計算を正しく考慮していない可能性がある。従来のASTM D1322-19規格では、圧力が0.7kPaより大きく変化するたびに再較正する必要があり、たとえ再較正しても湿度の変動は考慮されていない。
本発明は、その圧力補正を、本明細書に記載された異なる方法で適用することができる。煙点の測定値は、1013hPa(1atm)又は正規化に適した別の圧力に正規化することができる。この1013hPaでの正規化は必須ではないが、結果の比較を容易にする。したがって、好ましくは、本発明はその圧力補正を適用し、1013hPaで、(方法1、この明細書の他の箇所でより詳細に説明する)3つの測定値を補正してその後平均化させるか、(方法2、この明細書の他の箇所でより詳細に説明する)3つの測定値を補正なしで、圧力の関数として、平均化することによって、正規化された較正を記録する。次に、本発明は、1013hPaへ)測定値を補正し、方法1に対応する1013hPaで既に保存されている較正値を適用することにより、圧力の関数として試験結果を補正することができ、又は、圧力の関数として測定値を補正せず、1013hPaから方法2に対応する試験中の圧力まで較正値を再計算することにより、試験結果を補正することも可能である。
その結果、本発明では、ASTM D1322-19規格の10項に従って、補正係数f(ランプ係数としても既知である)を計算するために、装置の初期較正を行う。この補正係数fは、カメラ、レンズ又はそれぞれの装置固有の設定の不具合など、カメラの固有誤差に対して補正するだけである。本発明の装置又は方法のオペレータは、このような理由から、また、規格への準拠を維持するためにも、これらの較正を維持することになる。本規格で記載する較正及びランプ係数方式は、圧力による補正ではなく、基準混合物の圧力に近い圧力で測定中に記録された偏差(原因は何であれ)を各装置固有のものとして、煙点の測定結果に適用するものである。この初期較正を行う際、オペレータは周囲の湿度、温度、圧力に注意する必要がある。
このように、本発明は、炭化水素の煙点を特定するための試験装置及び方法を提供する。その試験装置は:ASTM D1322-19規格の仕様書に準拠した煙点を特定するための装置と;
火炎の一連のデジタル画像を撮影するための撮像装置と;
相対湿度を測定するための周囲相対湿度センサと;
温度を測定するための周囲温度センサと;
撮像装置からのデジタル画像を解析して火炎高さを測定し、温度センサ及び湿度センサによって測定された相対湿度と温度を使用して絶対湿度を計算し、計算された絶対湿度と正規化された絶対湿度との差の関数として測定された火炎高さを補正し、好ましくは火炎高さ測定中の圧力と正規化された圧力との差の関数として測定火炎高さを補正するようプログラムされた、撮像装置、湿度センサ及び温度センサに接続されたコンピュータシステムと;を含む。通常、正規化された絶対湿度値は、0gr/mから40gr/mの範囲の値であり、好ましくは7gr/mである。通常、正規化された圧力値は800から1100hPaの間の値であり、好ましくは1013hPaである。
本発明は、圧力補正された炭化水素の煙点を特定するための試験装置も提供し、試験装置は:
ASTM D1322-19規格の仕様書に準拠した煙点を特定するための装置と、
火炎の一連のデジタル画像を撮影するための手段と、
周囲の圧力を測定するための周囲圧力センサと、
火炎の一連のデジタル画像を撮影するための手段に接続され、周囲圧力センサに接続されたコンピュータシステムであって、一連のデジタル画像を撮影するための手段によって撮影されたデジタル画像を解析して火炎高さを測定し、圧力センサによって測定された圧力を用いて、試験中に圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と正規化された周囲圧力との差の関数として周囲圧力センサによって測定された周囲圧力に基づいて炭化水素の測定された引火点(flame point)の値を補正できるようプログラムされたコンピュータシステムと、を備える。本発明は、圧力補正された炭化水素の煙点を特定するための試験装置の使用方法も提供する。
以下の図は、本開示の特定の態様を説明するために含まれており、排他的な実施の形態と見なされるべきではない。開示された主題は、本開示の範囲から逸脱することなく、形態及び機能においてかなりの修正、変更、組み合わせ、及び均等物が可能である。
従来技術の手動煙点試験装置の一例の等角図である。
は、本発明による、大気条件の関数として測定された煙点値を自動的に補正するための本発明の自動煙点試験装置の例の概略図である。
コンピュータの概略図である。
通常の火炎外観の例を示す。
及び 図2の自動煙点試験装置の構成例を示す。
絶対湿度に対する湿度ベースの補正係数fのプロットである。
及び 湿度ベースの補正係数fを導き出すために利用される煙点測定値の例である。これらのグラフは、異なる絶対湿度でのいくつかの測定値(点で表されている)の例であり、図9及び図10にそれぞれプロットされた線は、EXCELによって計算され、影響の直線性を示すために用いられる傾向曲線であり、したがって、これらの線は、本明細書の他の箇所で説明される湿度補正係数fではない。
大気圧に対する大気圧ベースの補正係数のプロットである。
本開示による、煙点試験方法に組み込むことができる圧力補正方法1による較正測定の例を示す。
圧力補正方法1による試験測定の例を示す。
本開示による、煙点試験方法に組み込むことができる圧力補正方法2による較正測定の例を示す。
圧力補正方法2による試験測定の例を示す。(詳細な説明)
本開示は、炭化水素煙点測定装置、より具体的には、大気条件に従って煙点測定値を自動的に補正するための装置及び方法に関する。
本明細書で説明する発明は、大気圧、周囲温度、及び/又は空気湿度などの大気条件又はパラメータに従って煙点測定値を自動的に補正するための装置及び方法を対象とする。試験装置は、大気条件(すなわち、湿度及び温度)を測定する湿度センサ及び周囲温度センサを含み、そのような測定値(データ)を利用して火炎高さ測定値を補正することができる。このように、本発明では、試験装置に一体化された湿度センサで測定した現在の大気湿度(絶対湿度に換算)と正規化した絶対湿度基準値との差の関数として、既存の較正における煙点測定値(火炎高さmm)を通常、補正する。本発明は、好ましくは、圧力センサ、好ましくは試験装置に一体化された圧力センサによって測定された現在の大気圧と較正中に記録された圧力との差の関数としても、既存の較正における煙点測定値(火炎高さmm)を補正する。また、圧力測定は、火炎高さの測定値をリアルタイムで補正し、煙点測定値を通常101.3kPa(1atm,1013hPa)に正規化するために用いることもできる。好ましくは、選択され正規化された圧力値は1013hPaであるが、800から1100hPaの間の任意の値として選択することが可能である。
ケロシン及び航空タービン燃料の煙点の標準試験方法は、ASTM D1322-19,Standard Test Method for Smoke Point of Kerosene and Aviation Turbine Fuel(ケロシン及び航空タービン燃料の煙点の標準試験方法), ASTM International(4月 2018)又はその同等物(総称して「試験方法」)に規定されている。この試験方法は、一般に、試験装置内で燃料試料を燃焼させるステップと、次にその結果得られる火炎の最大高さを、燃料試料で煙なしで測定するステップとを備える。試験装置は一般に、煙点が既知の純粋な炭化水素ブレンドに対して較正された密閉型芯出しランプを備える。試験装置は、手動試験装置でも自動試験装置でもよく、試験方法は、いずれの試験装置を利用するための手順も規定する。
より具体的には、この試験方法は、以下のステップ:(i)ASTM D1322-19試験方法の9項に記載されているように試験装置を準備するステップと;(ii)ASTM D1322-19試験方法の10項に記載されているように試験装置を較正するステップと;(iii)ASTM D1322-19試験方法の11項に規定されている手順を介して燃料試料を試験するステップと;(iv)ASTM D1322-19試験方法の12項に記載されているように煙点を計算するステップと;(v)ASTM D1322-19試験方法の13項に記載されているように結果を報告するステップと;を備える。上述したように、前述のステップの特定の手順は、試験装置が手動試験装置であるか、自動試験装置であるかに依存する場合がある。
図1は、ASTM D1322-19試験方法の11項に従って燃料試料を試験するための従来の手動煙点試験装置100の例を示す図である。
図1を参照すると、従来の(手動煙点)試験装置100は、ギャラリ102と、ギャラリ102の中に移動可能なろうそく104とを含む。ろうそく104は、燃料試料(すなわち、試験試料)が充填されたタンクを備え、ろうそく104のタンクに浸漬されたときに試験試料が染み込む芯W(図2参照)を支持する。ろうそく104は、移動してから、燃料を染み込ませた芯をギャラリ102の中に配置し、そこで煙点試験のために芯を点火することができる。従って、ギャラリ102内に火炎が発生し、図示のように、火炎の高さを測定するための目盛り106がギャラリ102内に設けられる。また、結果として生ずる燃焼ガスやヒューム(fumes)を排出するために、ギャラリ102に煙筒108を設けてもよい。ろうそく104は、点火される前にギャラリ102に導入される。ギャラリ102には、ろうそく104を受け止め支持するためのろうそく受け110が設けられる。ろうそく受け110と流体連通している芯ガイド112は、芯Wをギャラリ102内に誘導し導入するためにギャラリ102内に設けられている。ろうそく104の位置は、ろうそく受け110内で垂直に位置決め可能であり、それによって、芯ガイド112から延びる芯Wの量、及び、それによって、試験方法中に点火されるギャラリ102内に露出する芯Wの量を制御又は変化させる。芯ガイド112から延びる芯Wの長さを調整することで、試験方法を実施するときに必要な火炎の大きさを制御することができる。
(手動煙点)試験装置100を用いるとき、煙点における試験試料の火炎高さLを目盛り106を介して視覚的に読み取り(測定し)、ASTM D1322-19試験方法の11.5項に従って火炎高さL(すなわち、L、L、L)の3回そのような観測をして、次に一緒に平均化して平均読み取り値「L」を計算する。次に、平均煙点の読み取り値に補正係数「f」(ランプ係数と呼ばれることもある)を乗じることで、補正後の煙点が計算可能である。
図2は、本発明による、測定された煙点値を大気条件の関数として自動的に補正するように構成された自動煙点試験装置200(以下、試験装置200)の概略図である。試験装置200は、ASTM D1322-19試験方法の11項(すなわち、ステップiiiを実施するための方法)の手順に従って燃料試料を試験するために利用することができる。
試験装置200は、デジタルカメラ202とコンピュータ204とを含む。図3に見られるように、コンピュータ204は、マイクロプロセッサ222、メモリストレージ224、例えばセンサ212、214、216及びデジタルカメラ202から信号を受信するための1つ以上のデータ/信号入力226、及び例えば炭化水素の補正された煙点を報告するための、又はろうそく移動システム206を制御するための1つ以上のデータ/信号出力228を備える。デジタルカメラ202は、光検出型のCCD(電荷結合デバイス)、CMOS(相補型金属酸化物半導体)画像センサ又はその他の画像センサで、好ましくは紫外線から赤外線までの範囲の波長をカバーするもので構成されていてもよい。任意選択で、デジタルカメラ202はズームを有する。ただし、デジタルカメラ202は異なる構成であってもよい。試験準備の間(During the test method)、ろうそく104の芯Wに燃料試料を染み込ませ、次に点火して火炎Fを発生させる。デジタルカメラ202は、ギャラリ102に対して配置され、芯ガイド112から上方に延びる芯Wから燃え上がる火炎Fの画像(又は動画)を捕捉(記録)できるように適切に照準を定める。デジタルカメラ202は、デジタルカメラ202から受け取った画像を解析して火炎Fの高さを特定(測定)及び記録するためのソフトウェアを有するコンピュータ204に接続されている。さらに、試験装置200は、火炎Fの高さ(「L」)を調節するためのろうそく移動システム206を含む。ろうそく移動システム206は、ギャラリ102内でろうそく104をより高く持ち上げ、それによって芯ガイド112から突出する芯Wの量を増加(又は減少)させるための電動コンベアシステムであってもよく、これは、火炎Fの大きさ(高さ)を増加(又は減少)する効果を有する。移動システム206は、方向矢印Vによって示すようにろうそく104を垂直に移動し、燃焼用にギャラリ102内に露出する芯Wの量を制御することができる。図示の例では、ろうそく104は、芯W上に火炎Fがない状態で芯ガイド112の下方(外側)に位置するときと、ギャラリ102内の芯W上に高さLの火炎Fが発生した状態で芯ガイド112の内側に位置するときの両方が図示されている。
試験装置200は、一連のデジタル画像を撮影するために、火炎Fとデジタルカメラ202との間に配置された抗赤外線フィルタ(図示せず)をさらに含んでもよい。
試験装置200は、測定された煙点値を、湿度及び温度、ならびに通常は圧力の大気条件も関数として自動的に補正するように構成されている。再び図2を参照すると、試験装置200は、相対大気湿度を測定する相対湿度センサ212と、周囲温度を測定する温度センサ214と、火炎高さ測定中、又はデジタル画像の撮影日やデジタル画像の撮影前後の1時間以内などの火炎高さ測定と同時期(同時点)の周囲の大気圧を測定する圧力センサ216とを有することが示されている。また、相対湿度センサ212、温度センサ214、及び圧力センサ216は、コンピュータ204と通信(例えば、有線で接続されるか、又は1つ以上の様々な無線通信プロトコルを介して接続される)する。したがって、コンピュータ204は、(湿度センサ212を介して)現在の相対大気湿度、(温度センサ214を介して)現在の周囲温度、及び(圧力センサ216を介して)現在の大気圧を示すデータを受信することができる。図2は、湿度センサ212、温度センサ214、及び圧力センサ216が試験装置200内に一体化され、コンピュータ204に接続されている様子を示す。ただし、相対湿度センサ212、温度センサ214、及び圧力センサ216のいずれか1つ以上は、試験装置200内に一体化される必要はない。しかし、一体型圧力センサの利用は、試験オペレータが(便利ではあるが)間違った圧力データを入力することを防ぐことになる。本発明の自動圧力補正が採用されない場合、一体型圧力センサの利用は、対応する較正値が存在しない場合、試験オペレータが圧力で新しい較正を実行することも確実にすることになる。湿度センサ212と温度センサ214は、結果として得られる煙点の測定値に対する湿度の影響を補償するために利用可能である。
湿度センサ212、温度センサ214、及び圧力センサ216は、それぞれ別部品として設けられてもよい。しかし、湿度センサ212、温度センサ214、及び/又は圧力センサ216のうちの1つ以上が、個別のコンポーネントとして一体化され、一緒に組み合わされてもよい。例えば、湿度センサ212と温度センサ214とを一緒に一体化し、個別の部品として提供してもよい。他の例では、温度センサ214と圧力センサ216とを一緒に一体化し、個別のコンポーネントとして提供されてもよい。温度センサ214を湿度センサ212及び/又は圧力センサ216のいずれかと一体化することで、内部の温度ドリフトを補うことができる。
圧力センサ216は、試験装置400内に一体化され、コンピュータ204に接続される必要はない。むしろ、試験オペレータは、任意選択の気圧取得システム208などの大気圧を測定する他の手段を利用し、その後、例えば、データ入力210を介してコンピュータ204に大気圧を手動で入力することができる。
コンピュータ204は、温度、湿度、及び任意選択で圧力などの他の大気パラメータによって引き起こされる可能性のある煙点測定結果のドリフトを自動的に補正するためのソフトウェアを含む。コンピュータ204は、測定された煙点の結果を、以下、(a)湿度センサ212によって測定された相対湿度から計算された絶対湿度と、温度センサ214によって測定された周囲温度との差、及び/又は(b)試験中又は試験と同時期に圧力センサ216によって測定された現在の大気圧と正規化された圧力値との間の差、のいずれか又は両方の関数として自動的に補正する。
図5~図7もまた、本開示の1つ以上の実施の形態による、試験装置200の構成の例を示す図である。図示された実施の形態では、試験装置200は、ハウジング402と、電源404と、装置200のセンサ212、214、216からの測定値に基づく計算を実行するためのマイクロプロセッサ222及びメモリ224(図3)を有するコンピュータ204を含む電子装置406と、を含む(図2)。電源404及び/又は電子装置406は、ハウジング402内で熱を発生することがあるので、試験装置200は、換気手段を設けてもよい。例えば、試験装置200は、空気流410が周囲温度であってハウジング402に入る吸気口(又は入口)412から、試験装置200内で加熱された空気流410が加熱空気流419としてハウジング402の外へ排出される排気口(又は出口)414に至るまで、ハウジング402を通る空気流410を作り出すように配置されたファン408を含んでもよい。ここで、吸気口412はハウジング402の下側のシャーシ(chassis)416に配置され、ファンはハウジング402の後部壁418に配置され、吸気口410を介してハウジング402内に流入した空気流410を、ハウジング内を通って、空気流を排出する排気口414に引き込む。試験装置200は、情報又は命令を入力又は受信したり、試験結果又は他のパラメータ等の情報を表示したりするためのタッチスクリーン等の表示画面420も有する。
湿度センサ212、温度センサ214、及び/又は圧力センサ216のうちの1つ以上は、吸気口412に近接して配置されてもよい。図示の実施の形態では、全てのセンサ212、214、216は、吸気口412に近接するシャーシ416上の位置でハウジング402の内部に配置される。このようにして、ハウジング402に入り、センサ212、214、216と相互作用する空気流410は、ハウジング402の外部の実際の空気温度を代表する「新しい」空気である。このように、センサ(すなわち、温度センサ214)は、そのような「新しい」空気が、その後、実際の周囲空気温度を超えて「新しい」空気を加熱する可能性がある電源404及び/又は電子機器406などの試験装置200の種々の内部構成部分を冷却するためにハウジング402を経由する前に、実際の周囲空気温度を示す温度であるそのような「新しい」空気を解析することができる。さらに、吸気口(複数可)410を、試験装置200の下方、例えば図示のようにシャーシ416上からの空気を取り込むことができる位置に配置することにより、試験準備中にランプ内で最終的に燃焼される空気の実際の周囲空気温度を最も代表する空気温度を測定することが可能となる。
図6は、ろうそく104が第1の位置にあるときの図2及び図5の要素を備えた試験装置200を示す。図7は、ろうそく104が試験装置200に挿入された第2の位置にあるときの図2及び図5の要素を備えた試験装置200を示す。試験装置200を使用するには、ろうそく104を、図6に示す試験装置200から離れた第1の位置から、図7に示す試験装置200のろうそく移動システム206のコンベア上の第2の位置に移動させる。必要であれば、試料の詳細をすべて入力し、現在の大気パラメータの少なくともいくつかの自動測定につながる試験を開始する。詳しくは、装置メーカの取扱説明書を参照のこと。ろうそくは自動的にランプに導入され、ASTM D1322-19の11.5項に規定されている火炎外観の連続を経る。これには、ろうそく104の点火が含まれる。次に、火炎が約10mmの高さになり、ランプが5分間燃焼するように、ろうそくのレベルが自動的に調整される。5分間の安定時間の後、ろうそくは煙の尾が現れるまで自動的に上げられ、その後、次の火炎外観の連続を経てゆっくりと下げられる。長い先端; わずかに見える煙;不安定で跳ねる火炎。図4は火炎「F」を示す。図4において、火炎「A」は高すぎる、火炎「B」は正常であり、火炎「C」は低すぎる、「X」は火炎の基部である。図4(火炎A)に示すように、細長い、尖った先端は、先端の側面が上向きに窪んで見える。尖った先端は消えたばかりで、図4(火炎B)に示すように非常にわずかに鈍い火炎が残る。ギザギザの不安定な明るい火炎が、真の火炎の先端の近くで観測されることがあるが、これらは無視されるものである。図4(火炎C) に示すように、十分に丸みを帯びた先端。火炎Bの高さを、手動方法では0.5mm単位で、自動方法では0.1mm単位で特定する。観測した高さを記録すること。
装置200のソフトウェアは、デジタルカメラで撮影された火炎の画像を解析する。そのソフトウェアは、図4にも示すASTM D1322-19の11.5.3項の火炎Bに相当する火炎形状を自動検出する。そのソフトウェアは、火炎Bの高さを0.1mm単位で特定する。試験装置400は、観測された高さを記録する。ろうそくコンベアがろうそく104を下ろすと、自動的に火炎が消え、コンベアは静止位置に戻る。デジタルカメラの火炎高さの解像度により、火炎高さは0.1mm単位で記録される。この装置では、ASTM D1322-19の11.5項に規定されている火炎外観の連続を繰り返すことにより、煙点での火炎高さを3回個別に観測する。これらの値が1.0mmを超える範囲で変動した場合、試験装置400は試験オペレータに警告を発するものとする。新しい試料と別の芯で試験を繰り返す。コンベアからろうそく104を取り除き、ヘプタンでリンスし、エアーでパージして再利用できる状態にする。
コンピュータ204は、(例えば、温度センサ214からの)温度データ及び圧力センサ216又は気圧取得システム208とともに、湿度センサ212によって測定されたデータを用いて、絶対湿度の関数として測定された煙点結果を自動的に補正する。このように、本開示の態様は、湿度を煙点の計算の考慮に入れることによって、試験方法の再現性と煙点結果の精度を向上させる。
湿度とは、空気中に含まれる水分子の量を表す大気の状態である。湿度はケロシンの燃焼を妨げるため、煙点の数値に悪影響を及ぼす。空気中の水蒸気の密度を絶対湿度(以下、AH)といい、単位はKg/mで表す。空気中に存在する水蒸気の量を、同じ温度で飽和するのに必要な量に対する割合で表したものを相対湿度(以下、RH)と呼び、パーセント(%RH)で表す。AHは、RH、周囲空気温度(T)、大気圧(P)に基づいて計算することができる。したがって、試験装置200は、RHを測定する湿度センサ212と、周囲空気温度Tを測定する温度センサ214と、現在の大気圧Pを測定する圧力センサ216とを含むことができ、次に、コンピュータ204はこれらの測定値を用いて(RHからAHの変換式を介して;RHからAHへの変換式は既知である)AHを計算することができる。AHの計算例を以下の「計算例ー相対湿度-絶対湿度変換式」と題する項にて示す。また、コンピュータ204は、これらの測定値を用いて、煙点の計算を実行するときに湿度補正係数fh(すなわち、AHベースの補正)を適用し、測定された火炎高さを、計算された絶対湿度と正規化された絶対湿度値との差の関数として補正することができる。
大気圧はAHの計算にほとんど影響を与えないことが観測されている (250hPaの変動に対して 0.1%未満)。
周囲空気温度Tが結果の計算に大きな影響を与える可能性があることも観測されている。したがって、温度センサ214は、周囲空気温度Tの測定値が、試験方法が実施される環境の実際の空気温度を表すように、試験装置200(及びそのエンベロープ)に対して適切に配置される。
本発明は、試験装置200が標準(正規化)湿度での煙試験測定値に再較正することを可能にし、正規化された湿度値は、0gr/mから40gr/mの範囲の値で、好ましくは7gr/mである。
図示の例では、試験装置200は、圧力センサ216のような大気圧の測定器を利用してもよいし、圧力センサ216の代わりに、任意選択で外部気圧取得システム208を利用してもよい。圧力センサ216は、周囲の空気圧力の値(ambient air pressure value)をコンピュータ204(又は他の制御ユニット)に通信することになる。外部気圧取得システム208は、周囲圧力の値を得る(受け取る)ことになる。次に、オペレータは、外部気圧取得システム208からコンピュータ204(又は他の制御装置)のデータ入力210に、周囲気圧値を手動で伝達(入力(input)又は入力(enter))することになる。例えば、気圧取得システム208は、周囲気圧を測定するための外部(又は個別)の気圧計を含み、測定された大気圧の値を得ることができるが、この測定された空気圧力値をコンピュータ204に直接供給することはない。試験オペレータは、コンピュータ204がこの測定された空気圧力値を用いることができるように、コンピュータ204と一体化されたデータ入力210に手動で入力することができる。したがって、データ入力210は、タッチスクリーン、キーパッド、ダイヤル、又はコンピュータ204が使用するデータを試験オペレータが手動で入力できる他の手段で構成されてもよい。
本発明の好ましい態様によれば、コンピュータ204は、圧力補正係数「f」を採用して測定された火炎高さを補正するために、圧力補正を自動的に行う。この自動圧力補正により、ASTM D1322-19規格が示す、0.7kPaより大きな圧力変化時に行わなければならない再較正が不要になった。このように、この自動圧力補正により、例えば、較正データベースに保存されていない場合など、現在の圧力±0.7kPaでの較正値が得られない場合に、試験オペレータが新たに較正を実行する必要がなく、試験方法の性能を促進する。
このように、本発明の方法又は装置が本発明による圧力補正を用いる場合、測定に最も近い圧力での較正を選択する必要はない。
ただし、ユーザ(オペレータ)が同じ基準混合物に対していくつかの較正を行い、最も測定に近い圧力での較正を選択したい場合、最も測定に近い圧力での較正を引き続き選択することは可能である。本発明は、試験装置200が、標準の正しい大気圧、通常101.3kPa(1気圧)での煙試験測定値に再較正することを可能にする。コンピュータ204は、試験装置200が、標準の正しい大気圧、通常101.3kPa(1気圧)での煙試験測定値に自動的に較正するのに使用するために、圧力センサ216又はデータ入力210を介して入力された情報を利用することができる。このように、コンピュータ204又は気圧取得システム208は、後述する補正係数(ランプ係数「f」)を自動的に計算するとき、正しい較正値を選択するための較正データベースと関連付けることができる。較正データベースは、コンピュータ204のメモリに保存することができる。
本開示は、コンピュータ204が、1013hPaに正規化され保存された較正値を用いて実行された試験中に圧力センサ216によって測定された現在の大気圧における較正データを自動的に計算する装置及び方法を提供することもできる。
煙点試験の実行、大気条件下での煙点の計算と補正
このように、煙点値とは、火炎の端の微細形状における火炎高さの測定値Lで、試験試料の燃焼によって煙が発生する前の高さの限界値である。図4は、共通の火炎基部「X」を有する火炎Fと、火炎基部Xから延びる種々の火炎変動の例とを示し、特に、図4は、先端の側面が上方向にわずかに窪んで見える細長い尖った先端を有する火炎変動「A」を示す。図4には、火炎変動「B」と「C」も示されており、火炎変動Bはやや鈍い火炎先端からなり、火炎変動Cはよく丸まった先端からなる。火炎基部Xから延びる火炎変動Aが大きすぎ、逆に火炎変動Cが小さすぎる。このように、試験手順は、手動装置100を用いる場合、火炎Fが火炎変動Bに対応する火炎形状を有するときを特定し、観測された高さを0.5mm単位で記録するように試験オペレータに指示する。
試験装置200を用いる場合、コンピュータ204のソフトウェアは、デジタルカメラ202によって撮影された火炎Fの画像を解析し、火炎Fが火炎変動Bに対応する火炎形状を有するときに自動的に検出し、次に自動装置200は、その火炎Fの高さLを0.1mm単位で求め、その高さLを値として記録する。デジタルカメラ202は、火炎とデジタルカメラとの間に抗赤外線フィルタなどのフィルタを含むことができる窓を通して火炎Fを見る。
上述の通り、ASTM D1322-19試験手順では、ASTM D1322-19試験手順の11.5項に規定された火炎の外観の連続を繰り返すことにより、煙点での火炎高さ(L、L、L)を3回個別に観測することが要求されている。次に、これらの観測値や読み取り値を一緒に平均化して、平均読み取り値「L」を計算する。
ASTM D1322-19によると、最終的な煙点は、ASTM D1322-19の12項の式(2)により、「煙点=Lxf.」として(0.1mm単位で)計算される。この式において、「L」は火炎高さLnの3つの個別読み取り値又は観測値の平均に等しく、「f」は補正係数(ランプ係数と呼ばれることもある)である。上述したように、補正係数「f」は、試験手順(ステップiii)を実行する前に、ASTM D1322-19試験手順の10項(すなわち、ステップii)と一致させて計算される。
しかし、本発明では、煙点は、ASTM D1322-19の式(2)を用いるだけでなく、湿度補正係数fで湿度を補正し、任意選択に圧力補正係数fで圧力を補正して修正されたアプローチを介して、通常(0.1mm単位で)計算される。カメラやレンズの故障や調整公差など、煙点の測定に用いるカメラ自体に関係する誤差を考慮した補正係数「f」を特定する装置較正は、湿度や好ましくは圧力を補正した煙点値を用いて較正するため、より正確である。
試験装置200を使用する場合、デジタルカメラ202、コンピュータ204とその関連ソフトウェア、及び移動システム106が協働して、ASTM D1322-19試験方法の11.6項に従って、煙点における火炎高さの3つの個別の観測結果を読み取り、記録する。コンピュータ204は、火炎高さL,L,Lの3つの読み取り値又は観測値を自動的に平均化して平均読み取り値「L」を計算し、次に平均読み取り値「L」に湿度補正係数である補正係数「f」を乗じることにより煙点を計算する。コンピュータ204は、任意選択で、圧力補正係数である「f」も計算する。
次に、式の結果を、試験した試料の煙点として報告し、試験方法の13項(すなわち、ステップv)に従って0.1mm単位で丸めてもよい。
試験装置200は、測定された平均火炎高さを補正するのではなく、観測された各火炎高さLをAH(絶対湿度)の値の関数として補正してもよい。前述のように、試験方法では、オペレータに煙点での火炎高さを3回個別に観測することが指示されており、AHを上げると、それに応じて煙点の値が下がることが観測されている。このように、湿度補正をリアルタイムで適用することで、3回観測した火炎高さをそれぞれ補正することができる。特に、コンピュータ204は、火炎高さLの各観測値に湿度補正を乗じてから、平均読取値Lを計算することができる。
図8は、本開示の1つ以上の実施の形態による、絶対湿度(AH)の関数としての湿度補正係数fのプロットである。このプロットでは、定義された基準値は、20℃で40.4%RHに対応する7gr/mの絶対湿度で得られた。ここで、プロットのX軸に表された特定の絶対湿度(AH)に基づいて湿度補正係数fの特定の値を規定する、曲線500が導出されている。図8に見られるように、AHの正規化された値7gr/mでは、補正係数fは1である。コンピュータ204は、1つ以上のセンサを介して測定されたデータを用いて計算可能な、試験装置200の特定の使用中に遭遇する実際の湿度(AH)に対応する湿度補正係数fを特定できるように、曲線500(又はそれに類似する1つ以上)をコンピュータ204のメモリに保存してもよい。次に、コンピュータ204は、3回個別の火炎高さの観測値L,L,Lのそれぞれが火炎高さに対する湿度の影響を考慮するように、観測された火炎高さL(すなわち、L,L,L)のそれぞれに湿度補正係数fを乗じてもよい(すなわち、湿度補正された火炎高さの観測値f*L,f*L,f*L)。湿度f*L,f*L,f*Lに基づいて補正された3つの火炎高さの観測値を一緒に平均化して平均読み取り値Lを得ることができる。このように、平均読み取り値Lは、以下の式(3)を用いて得ることができる。
Figure 2023532641000005
図8の曲線500は、絶対湿度AHの関数としての湿度補正曲線である。曲線500は、例えば湿度や温度を調節するのに適した部屋や試験環境において、異なる湿度条件下で様々な煙点測定を実施することによって確立されたものである。7.4項で規定した7種類の基準燃料ブレンド(すなわち混合物1から混合物7)及びいくつかのケロシン試料について、11項で規定した手順を用いて様々な煙点測定が行われた。これらの様々な煙点の測定により、湿度補正係数fを絶対湿度(AH)と測定された火炎高さの関数として推測することができる。図9及び図10は、ASTM D1322-19 混合物7及びケロシン(Kero ADS05)に対して実施した煙点測定試験を示す試験データのデータ点のプロット、及びデータ点を通るプロット線である。この試験データのプロットを利用して、絶対湿度(AH)と測定された火炎高さの関数として湿度補正係数fの計算式を確立した。これらのグラフは、異なる絶対湿度でのいくつかの測定値(ドットで表される)の例である。図9及び図10のプロット線は、それぞれEXCELで計算した傾向曲線(直線トレッド線)であり、影響の直線性を示すために用いられる。この線は補正係数fではない。この実験データ及び試験データを用いて、湿度補正係数fの計算のための経験式が確立されることがある。具体的には、湿度補正係数fは、次の式(4)によって計算することができる。
Figure 2023532641000006
ここで
は、測定された火炎高さである。
AHは、絶対温度であり、
は湿度補正係数である。
この経験式は、大量の測定値(図9及び図10はその一部を表す)から得られたものであり、すべての補正点はEXCELグラフにプロットされ、次にこれらの点を結ぶ直線が計算された。K及びKはこの直線(ax+bのタイプの方程式)を記述する定数値であり、例えばAHのみを変化させた基準物質を用いた試験から得られた図9及び図10の経験データに線形回帰又は他の適切な解析を適用することによって展開できるものである。
その後、湿度に基づいて補正された火炎高さの平均読み取り値Lにランプ係数fを乗じることによって、最終的な煙点の結果を得ることができる。
圧力に基づいて補正を適用する方法
このように、ASTM D1322-19試験手順では、ASTM D1322-19試験手順の11.5項に規定された火炎外観の連続を繰り返すことにより、煙点での火炎高さ(L、L、L)を3回個別に観測することが要求される。次に、これらの観測値又は読み取り値を平均化して、平均読み取り値「L」を計算する。次に、平均読み取り値「L」に補正係数「f」(ランプ係数)を乗じて周囲圧力を補正し、最終的な煙点を得る。
上述のように、較正中に記録された火炎高さLの測定値には、様々な原因によるいくつかの偏りが組み込まれている可能性がある。試験測定器自体及び/又は他の環境配慮により、偏りが生じることがある。例えば、火炎高さLの測定自体の誤差や、カメラ202の光学系の欠陥の可能性から、偏りが生じることがある。場合によっては、この偏りが非常に小さく、定数と見なせることもある。
上述したように、大気圧も煙点測定に影響を与えるもう一つの大気条件である。特に、大気圧が高くなると、煙点値は低下する。
上述したように、オペレータは、ASTM D1322-19の補正係数「f」を得るために通常初期較正を実行する。しかし、本発明は、その好ましい態様において、現在の測定圧力に対して初期較正時の圧力差が±0.7kPaより大きい(下に0.7kPaより低いか、上に0.7kPaより高いかのいずれか)場合に、再較正の必要性を回避するために圧力補正係数「f」を採用する。ASTM D1322-19では、ランプ係数「f」の計算時及び現在の測定時に較正中の圧力を記録する。ASTM D1322-19では、現在の測定圧力と対して較正時の圧力との圧力差が±0.7kPaより大きい場合は、再較正が要求される。
ASTM D1322-19試験方法の補正係数「f」は、ASTM D1322-19試験法の7.4項及び表1に規定する基準燃料ブレンド(又は混合物)について、同一の圧力条件下(±0.7kPa以内)で行った測定値から計算される。ASTM D1322-19試験方法の表1には,7種類の異なる基準燃料ブレンド(すなわち,混合物1、混合物2、混合物3、混合物4、混合物5、混合物6、混合物7)が識別されており,それぞれがトルエンとイソオクタンとの異なる混合率(%V/V)から成り、さらにその7種類の異なる基準燃料ブレンドのそれぞれに対して標準煙点(101.3kPa時)が提供されている。試験オペレータは,試験する燃料試料で測定される値を囲む(frame)(挟む)値を持つ2種類の基準燃料ブレンドを選択しなければならない。7種類の異なる基準燃料ブレンドの較正値は、コンピュータ204のメモリに保存された較正データベースに組み込むことができる。しかし、上述したように、この試験方法は、手動試験方法の時点で圧力が0.7kPa(すなわち±0.7kPa) より大きく変動した場合(10.1項参照)、又は自動試験方法の時点で大気圧の0.7kPa以内の較正データベースには保存した較正値が存在しない場合(10.2.2項参照)に、新たに試験装置の較正が必要である。
例えば、試験方法を実行する前に、試験オペレータは気圧(barometric pressure)を記録し、記録された圧力又は記録された圧力±0.7kPa以内に関連付けられた較正値に対する較正データベースを確認する。記録された圧力±0.7kPaに較正値が存在する場合、試験オペレータは試験方法を実行することができ、自動装置は試験した試料の煙点を挟む2つの較正値を選択する。ただし、記録された圧力±0.7kPaでの較正データベースに7種類のブレンド(混合物1から混合物7)に対する較正値が存在しない場合、試験方法は記録された圧力で新たに較正を実行するようオペレータに指示するが、これは研究室のしばしば忙しいスケジュールを考慮すると時間がかかり不便である。このように、新たに較正を実行する指示に直面する試験オペレータは、実際の圧力に対応した値を用いるより、較正値が存在する気圧を単純に入力(使用)してしまい、結果として偏った結果を出してしまうのである。
本発明は、湿度補正係数fを採用することによって湿度に対する追加補正を提供することによって、ASTM D1322-19のように圧力を考慮することを改善した装置と方法も提供する。この場合、ランプ係数fは、火炎の高さxfの式に従って、湿度に対して補正された火炎高さから計算される。この代替案では、本発明の試験装置200は、現在の大気圧「P」をリアルタイムで測定するための圧力センサ216を含み、後に、コンピュータ204は、煙点の計算を実行するときに圧力に基づいた補正(すなわち、圧力ベースの補正「f」)を適用するためにこの測定データを好ましく用いることができる。また、ASTM D1322-19による初期較正があるが、この改善された方法により、圧力が±0.7kPaより大きく変動するたびに補正係数「f」を特定するために較正をやり直す(又は過去に較正を行い保存する)必要がなくなる。また、カメラやレンズの故障や調整公差など、煙点の測定に用いるカメラ自体の誤差を考慮したこの補正係数「f」は、湿度や圧力を補正した煙点値を用いて較正するため、より正確である。
圧力ベースの補正「f」は、2つの異なる方法で適用することができる。試験装置200は、試験オペレータによって選択されたいずれかの圧力ベースの補正を実行するように構成することができる。
第1の方法において、試験オペレータは、湿度ベースの補正の適用に関して上述したのと同様に、観測された3つの火炎高さL測定値のそれぞれに圧力ベースの補正をリアルタイムで適用することを選択することができる。このように、3つの火炎高さの観測値L,L,Lのそれぞれに、圧力ベースの補正「f」を乗じ、一緒に平均化して平均測定値Lを求めることができる。 このように、圧力に対して補正された平均読み取り値Lは、以下の式(5)を用いて得られる。
Figure 2023532641000007
その後、圧力に基づいて補正された火炎高さの平均読み取り値Lにランプ係数fを乗じることによって、最終的な煙点の結果を得ることができる。
圧力ベースの補正を適用する第1の方法は、湿度ベースの補正の適用と同様の方法で火炎高さの測定値をリアルタイムで補正することを必要とする。ここで、各火炎高さの測定値を補正して、正規化された圧力、たとえば1013hPaでの高さを得る。したがって、混合物を用いた較正では、その特定の正規化された圧力(たとえば、1013hPa) の基準値が記録される。したがって、このようにして、較正は試験装置200に対して固有の偏り(たとえば、光学系の欠陥)のみを含む。次に、ケロシン試料の通常の試験準備中に、火炎高さLnも圧力の関数としてリアルタイムで補正されるため、結果は正規化された圧力 (たとえば、1013hPa) と同等の測定値になる。したがって、ASTM D1322-19試験方法に記載されているランプ係数「f」に従った補正計算では、正規化された圧力 (たとえば、1013hPa) での値を使用した較正が用いられる。ここでは、7種類の混合物を含む単一の較正セットを利用でき、それ以上行う必要はない。
図11は、本開示の1つ以上の実施の形態による、ヘクトパスカル(hPa)単位の大気圧(P)の関数として大気圧補正係数「f」を示す補正係数対大気圧のプロットである。このプロットでは、大気圧補正係数は1013hPaの圧力に対して1に等しく、基準値はこの圧力での標準的な試験方法によって定義される。このプロットは、プロットのX軸上に表される特定の大気圧(P)に基づいて、圧力補正係数「f」に対して特定の値を規定する導曲線600を示す。曲線600(又はそれに類似するもの)は、コンピュータ204内に保存されてもよく、そのため、コンピュータ204は、試験装置の特定の使用中に遭遇し圧力センサ216を介して測定される、実際の圧力「P」に対応する圧力ベースの補正係数「f」を識別することができる。次に、コンピュータは、観測された火炎高さLのそれぞれに対してその圧力ベースの補正係数「f」を乗じ、3改個別の火炎高さの観測値 (すなわち、L、L、L) のそれぞれが火炎高さに対する大気圧の影響を考慮するようにする。このように、3つの火炎高さ観測値L、L、Lのそれぞれに、圧力ベースの補正「f」を乗じて、次に平均測定値Lを得るために一緒に平均化することができる。平均読み取り値Lは、前述の式(5)を用いて得られる。
その後、平均読み取り値「L」にランプ係数「f」を乗じて、上述の式(2)を介して最終の煙点を得る。fに対するプロットの形成と同様に、圧力のみを変動させた基準物質を用いた試験から得られた試験データに線形回帰又は他の適切な解析を適用することによって、図11のようなfのプロットを作成することができる。
図12及び図13は、圧力補正方法1による較正測定及び試験測定のための湿度ベースの補正、圧力ベースの補正、及びランプ係数を適用する第1の方法を実施するプロセスの例を示す。図12は、圧力補正方法1を用いた較正測定を示す。この方法では、1つの基準混合物につき1回の較正、すなわち7回の較正がある。図12は、このプロセスが、較正測定が実施又は実行される第1のセグメント702(すなわち、較正測定セグメント702)を備える圧力補正方法1を用いた較正測定を、一般に、含み得ることを示す。これは、較正ステップの第1のセット706が、(例えば985hPa及びAH 12.5g/mで)火炎高さを測定するステップと、この測定火炎高さに湿度補正係数fを乗じて湿度補正火炎高さ(例えば7g/m AH測定値に等しい)を計算するステップと、を備えることを示す。次に、この値に圧力補正係数fを乗じて、(例えば、1013hPaの圧力測定に等しい圧力での)湿度及び圧力補正された火炎高さを計算する。図示の例では、較正測定セグメント702は、7回の較正が行われるように、7種類の基準燃料ブレンド混合物のそれぞれに対して実行される。このように、較正測定セグメント702は、7種類の基準燃料ブレンド混合物のそれぞれで1回ずつ、7回個別に実行される。火炎高さLの測定に関連する較正ステップの第1のセット706は、3回個別に実行され、それによって火炎高さの3回個別の観測値(L、L、L)が得られる。図示された例では、較正ステップの第1のセット706は、各測定された火炎高さLに湿度補正係数fを乗じるステップ、及び次にその結果の積に圧力ベースの補正fを乗じる(すなわち、L*f*f)ステップ、も含む。このように、較正ステップの第1のセット706は、湿度及び圧力に基づいてそれぞれ補正された3つの火炎高さ測定値(すなわち、湿度及び圧力補正された火炎高さの測定値。L*f*f;L*f*f;L*f*f)をもたらす。次に、較正測定セグメント702は、3つの湿度及び圧力補正された火炎高さの測定値(すなわち、L=[(L*f*f)+(L*f*f)+(L*f*f)]/3)から平均読み取り値Lを計算するステップを含む。次に、較正測定セグメント702は、この較正データをコンピュータ204のメモリ及び/又は較正データベースに格納又は保存するステップを含む。
図13は、第2のセグメント704を備える圧力補正方法1を用いた試験測定を示し、試験測定が実施又は実行される(すなわち、試験測定セグメント704)。その後、図13に示されるように、試験試料を、試験測定セグメント704に従って測定することができる。試験測定セグメント704は、火炎高さを観測する(すなわち、火炎高さLを測定する)ステップに関連付けられた試験ステップの1つのセット708を含み、この試験ステップの第1のセット708は、3回個別に実行され、火炎高さの3つの個別の観測値(L、L、L)を得る。図示の例では、試験ステップのセット708は、各測定された火炎高さLに湿度補正係数fを乗じるステップ、及び次にその結果の積に圧力ベースの補正fを乗じる(すなわち、L*f*f)ステップも含む。このように、試験ステップの第1のセット708は、湿度及び圧力に基づいて補正された3つの火炎高さ測定値(すなわち、湿度及び圧力補正された火炎高さの測定値。L*f*f;L *f*f;L*f*f)をもたらす。次に、試験測定セグメント704は、3つの湿度及び圧力補正された火炎高さの測定値(すなわち、L=[(L*f*f)+(L*f*f)+(L*f*f)]/3)から平均読み取り値Lを計算するステップを含む。次に、試験オペレータ又はコンピュータ204は、平均読み取り値Lを囲む(又は挟む)2つの較正を選択し、式(1)を用いて、測定値を挟む/囲む前述の2つの較正を用いてランプ補正係数「f」を計算してもよい。その後、試験オペレータ又はコンピュータ204は、式(2)を介して最終的な煙点を計算し(すなわち、煙点=L*f)、後に、煙点に対する最終結果をコンピュータ204のメモリに保存し及び/又は報告することができる。
注意すべきは、図12及び図13に例示されるプロセスは、湿度及び圧力に基づいて補正するが、他の例では、湿度ベースの補正を実行せずに圧力ベースの補正を利用することができる。
あるいは、第二の方法において、試験オペレータは、較正測定から得られるランプ係数補正係数「f」が火炎高さ測定に適用されるのではなく、圧力補正を含むように、ある正規化された圧力値(例えば、1013hPa(ヘクトパスカル))において、圧力ベースの補正を較正測定結果に適用することを選択してもよい。このように、火炎高さの測定誤差を較正中に補正し、所定の圧力における7種類の基準燃料ブレンドのそれぞれについて較正値の1つのセットを得ることができる。次に、試験試料(例えば、ケロシン)に対する通常の試験の間、測定された高さは、この第2の場合において、圧力に従って補正されないが、ランプ係数を計算するために必要な較正値は、試験中に測定された圧力値の関数として、101.3KPaで記録された値を補正することによって計算される。
図14及び図15は、圧力補正方法2を用いた較正測定及び試験測定に対して、湿度ベースの補正、圧力ベースの補正、及びランプ係数を適用する代替の第2の方法を実施するプロセスの例を示す図である。図14は、圧力補正方法2を用いた較正測定を示す。この方法では、1つの基準混合物につき1つの較正、すなわち7つの較正がある。図15は、圧力補正方法2を用いた試験測定を示す。図14に見られるように、圧力ベースの補正を適用する、この第2の方法は、ランプ補正係数「f」を計算するために利用した較正値に対して、湿度ベースの補正fと圧力ベースの補正fとの適用を必要とする。図15に見られるように、その後、これに平均読み取り値「L」を乗じて、最終的な煙点を得る。ここでは、試験中及び較正中に個別の火炎高さ測定値Lに対して圧力ベースの補正は適用されない。むしろ、圧力ベースの補正fが較正測定平均結果に適用され、正規化された圧力、たとえば1013hPaでの値が得られる。したがって、この方法は、正規化された圧力 (たとえば、1013hPa)での値で保存された較正値を用いる。試験は現在の周囲圧力で実行されるため、煙点の測定はこの圧力で実行される。ランプ係数「f」の計算では、較正値は現在の圧力の±0.7kPa以内でなければならない。システムは、1013hPaで記録された較正値をベースとして、圧力差に対応する補正を適用して、必要な圧力 (試験圧力の圧力) で較正値を生成する。試験試料の火炎測定値を挟む(囲む)2つの計算された較正値を選択し、次に式(1)でランプ係数「f」を計算し、式(2)で説明するように平均読み取り値Lで乗じて最終煙点を生成し、最終結果を報告することができる。
したがって、圧力ベースの補正を適用する第2の方法は、図14に例示するように、所望の圧力で具体的に実施した較正の代わりに、1013hPaで正規化され保存された較正値から計算された較正を用いる以外は、標準試験方法と同一である。
特に、1013hPaについて記録された較正値は、試験圧力での較正値が得られるように、試験中に測定された圧力に対応する圧力補正係数で除算される。試験試料の火炎測定値を挟む又は囲む2つの較正値が選択され、式(1)を介してランプ係数を計算するためにASTM規格のように用いられる。例えば、較正中に火炎高さ測定値の誤差を補正して、所与の圧力における7種類の異なる基準燃料ブレンドのそれぞれについて較正値の1つのセットを得ることができる。次に、試験試料(例えば、ケロシン)に対して試験方法を実行する場合、この第2の方法では、測定された高さLは圧力に応じて補正されない(ただし、測定された高さLはそれぞれ湿度補正係数fを乗じてから平均して平均値Lを得ることによって湿度を補正してもよい)が、ランプ係数fを計算するために必要な較正値は、試験中に測定した圧力値を関数として101.3kPaで記録した数値を補正して計算することになる。
図14は、圧力ベースの補正を適用する第2の方法を実施するための圧力補正方法2を用いた較正測定のプロセスの例を示す。示されるように、このプロセスは、一般に、較正測定が実施又は実行される第1のセグメント802を含むことができる(すなわち、較正測定セグメント802)。図15は、試験測定が実施又は実行される第2のセグメント804を示す(すなわち、試験測定セグメント804)。
図14において、較正測定セグメント802は、7回の較正が実行されるように、7種類の基準燃料ブレンド混合物のそれぞれに対して実行される。言い換えると、較正測定セグメント802は、7種類の基準燃料ブレンド混合物のそれぞれで1回ずつ、7回個別に実行される。較正測定セグメント802は、(例えば、1022hPa及びAH8.1g/mで)火炎高さを測定するステップを備える較正ステップの第1のセット806を含む。較正ステップの第1のセット806は、3回個別に実行され、それによって火炎高さの3つの個別の観測値(L、L、L)が得られる。次に、較正ステップの第1のセット806は、湿度補正された火炎高さの測定値を生成するステップを含み、ここで、火炎高さ測定値(L、L、L)のそれぞれは、湿度補正係数fを各測定火炎高さに乗じて湿度補正された火炎高さ(例えば7gr/m AH測定値に等しい)を計算することによって湿気に基づいて補正される。ここで、例えば、較正ステップの第1のセット806は、このように、各測定火炎高さLに湿度補正係数fを乗じるステップ(すなわち、L*f)を含み、較正ステップの第1のセット806が、湿度に基づいて補正された3つの火炎高さ測定値(すなわち、湿度補正された火炎高さ測定値:L*f;L*f;L*f)をもたらす。次に、較正測定セグメント802は、湿度補正された火炎高さ測定値の平均読み取り値Lを計算するステップ(すなわち、L=[(L*f)+(L*f)+L*f)]/3)を含む。次に、較正測定セグメント802は、この較正データをコンピュータ204のメモリ及び/又は較正データベースに格納又は保存するステップを含む。
図14及び図15に例示されるプロセスは、湿度及び圧力に基づいて補正するが、他の例では、湿度ベースの補正を実行することなく、圧力ベースの補正を利用することができる。
その後、図15に見られるように、試験試料を、試験測定セグメント804に従って測定することができる。試験測定セグメント804は、火炎高さの観測を行うステップ(すなわち、火炎高さLを測定するステップ)に関連付けられた試験ステップの第1のセット808を含み、この試験ステップの第1のセット808は、平均読み取り値Lを得るために一緒に平均化できる火炎高さの3回個別の観測値(L、L、L)を得るために3回実行される。図示の例では、試験ステップの第1のセット808には、それぞれ計測された火炎高さLに湿度補正係数f(すなわちL*f)を乗じるステップも含まれる。このように、試験ステップの第1のセット808は、湿度に基づいて補正された3つの火炎高さの測定値(すなわち、湿度補正された火炎高さの測定値:L* f;L*f;L*f)をもたらす。次に、試験測定セグメント804は、3つの湿度補正された火炎高さの測定値から平均読み取り値Lを計算するステップ(すなわち、L=[(L*f)+(L*f)+(L*f)]/3)を含む。次に、試験オペレータ又はコンピュータ204は、正規化された圧力(例えば、1013hPa)で記録された較正データと圧力ベースの補正fpを用いて、周囲圧力(例えば、996hPa)での較正データを計算することができる。特に、較正データは、較正測定セグメント802の間に記録された較正データを圧力ベースの補正fpで除することによって、試験測定セグメント804の間に計算される。次に、試験オペレータ又はコンピュータ204は、(3つの湿度補正された火炎高さの測定値の)平均読み取り値Lを囲む(又は挟む)2つの較正値を選択し、式(1)を用いて、測定値を挟む/囲む前述の2つの較正を用いてランプ補正係数「f」を計算することができる。その後、試験オペレータ又はコンピュータ204は、式(2)を介して最終的な煙点を計算し(すなわち、煙点=L*f)、後に、煙点に対する最終結果をコンピュータ204のメモリに保存し及び/又は報告することができる。
したがって、前述の2つの方法のいずれにおいても、7種類の異なる基準燃料ブレンドを用いて1回より多くの較正バッチ(calibration batch)を作る必要がなくなり、圧力が±0.7kPaより大きく変化するたびに再較正するという制約がなくなり、試験方法の実行がさらに簡単かつ容易になる。
したがって、開示されたシステム及び方法は、よく適合され、言及された目的及び利点ならびにそれらに固有のものを達成する。上記に開示された特定の実施の形態は単に例示に過ぎず、本明細書の教示は、その教示の利益を有する当業者に明らかであるが、修正され異なるものの同等の様式で実施することができる。さらに、本明細書に示される構造又は設計の詳細については、以下の特許請求の範囲に記載されている以外に、いかなる制限も意図していない。したがって、上記に開示された特定の実施の形態の例は、変更、組み合わせ、又は修正することができ、そのようなすべての変形は、本開示の範囲内にあると考えられることは明らかである。本明細書に例示的に開示されるシステム及び方法は、本明細書に具体的に開示されていないいずれの要素及び/又は本明細書に開示される任意選択のいずれの要素がない場合には、適切に実施することができる。
(本発明の特定の実施形態)
以下のパラグラフは、本発明の特定の実施の形態を提示する
パラグラフA 本発明は、炭化水素の煙点を特定するための試験装置を提供し、試験装置は:
ASTM D1322-19規格の仕様書に準拠した煙点を特定するための装置と;
火炎の一連のデジタル画像を撮影するための手段と、
相対湿度を測定するための周囲相対湿度センサと;
温度を測定するための周囲温度センサと;
火炎の一連のデジタル画像を撮影するための手段に接続され、湿度センサに接続され、温度センサに接続されたコンピュータシステムであって、そのコンピュータシステムは、一連のデジタル画像を撮影する手段によって撮影されたデジタル画像を解析して火炎高さを測定し、周囲温度センサによって測定された温度と相対湿度センサによって試験中に測定された相対湿度とを組み合わせて使用して絶対湿度を計算し、計算した絶対湿度と正規化された絶対湿度値との差の関数として、測定した火炎高さを補正するようにプログラムされるコンピュータシステムと、を備える。
パラグラフAの試験装置は、以下の変更のいずれも含むことができる。
パラグラフAの試験装置は、コンピュータシステムに接続された周囲圧力センサをさらに備え、そのコンピュータシステムが、試験中に圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と正規化された圧力値との差の関数として炭化水素の測定された引火点の値を補正することができる。
パラグラフAの試験装置において、周囲温度センサは、周囲相対湿度センサの一部であってもよいし、周囲相対湿度センサと別体であってもよい。
パラグラフAの試験装置は、コンピュータシステムに接続された周囲圧力センサをさらに備え、そのコンピュータシステムは、周囲圧力センサによって測定された周囲圧力に基づいて炭化水素の測定された引火点の値を補正することができる。
パラグラフAの試験装置において、火炎の一連のデジタル画像を撮影する手段は、デジタルカメラを備えてもよい。
パラグラフAの試験装置は、ASTM D1322-19規格の仕様に準拠した煙点を特定するための装置と一連のデジタル画像を撮影する手段との間に配置された抗赤外線フィルタをさらに備えてもよい。
パラグラフAの試験装置において、正規化された湿度値は、0gr/mから40gr/mの範囲の値であってもよいが、好ましくは7gr/mである。
パラグラフAの試験装置において、火炎の一連のデジタル画像を撮影する手段は、デジタルカメラを備えてもよい。
ここで、ASTM D1322-19規格の仕様に準拠した煙点を特定するための装置は、芯を保持するためのろうそく、火炎高さを測定する目盛り、火炎と目盛りのデジタル画像を撮影するために構成されたギャラリ、ろうそくの芯からの火炎の高さを調整するためのろうそく移動システムと、を備える。
パラグラフAの試験装置は:
電源と;
ハウジングと;を備え、そのハウジングは:
デジタルカメラと、
周囲相対湿度センサと、
周囲温度センサと、
一連のデジタル画像を撮影する手段と接続されたコンピュータシステムであって、そのコンピュータシステムはマイクロプロセッサを備える電子装置を備える、コンピュータシステムと、をさらに備えることができる。
パラグラフAの試験装置において、その試験装置は、換気手段と、試験装置ハウジングに空気流を入れる吸気口と、試験装置ハウジング内で加熱された空気流をハウジング外に排出する排気口とを備えることができる。
パラグラフAの試験装置において、周囲温度センサは、周囲相対湿度センサの一部であっても、周囲相対湿度センサと別体であってもよく、コンピュータシステムは、試験中に周囲圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と正規化された圧力値との差の関数として測定された火炎高さを補正する。
パラグラフAの試験装置において、火炎の一連のデジタル画像を撮影する手段は、デジタルカメラを備えてもよい。
ここで、ASTM D1322-19規格の仕様に準拠した煙点を特定するための装置は、芯を保持するためのろうそく、火炎高さを測定する目盛り、火炎と目盛りのデジタル画像を撮影するために構成されたギャラリ、ろうそくの芯からの火炎の高さを調整するためのろうそく移動システム、を備える。
ここで、正規化された圧力値は、800から1100hPaの値であり、好ましくは1013hPaである。
パラグラフAの試験装置において、周囲温度センサは、周囲相対湿度センサの一部であっても、周囲相対湿度センサとは別体であってもよく、コンピュータシステムは、試験中に圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と較正中に記録済の正規化された、前の周囲圧力との差の関数として、一体型周囲圧力センサによって測定された周囲圧力に基づいて測定された火炎の高さを補正する。
パラグラフAの試験装置において、周囲相対湿度センサは、温度を測定する温度センサも含むように構成されてもよい。
パラグラフAの試験装置において、周囲温度センサは、周囲相対湿度センサの一部であっても、周囲相対湿度センサと別体であってもよく、コンピュータシステムは、試験中に周囲圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と正規化された圧力値との差の関数として測定された火炎高さを補正し、吸気口及び排気口を有するハウジングをさらに備え、周囲相対湿度センサは吸気口に近接して設けられる。
パラグラフAの試験装置において、周囲温度センサは、周囲相対湿度センサの一部であっても、周囲相対湿度センサとは別体であってもよく、コンピュータシステムは、試験中に周囲圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と正規化された圧力値との差の関数として火炎の測定高さを補正し、吸気口と排気口を有するハウジングをさらに備え、周囲相対湿度センサは吸気口に近接して設けられており、周囲相対湿度センサはハウジングのシャーシ上に設けられている。
パラグラフAの試験装置において、周囲温度センサは、周囲相対湿度センサの一部であっても、周囲相対湿度センサとは別体であってもよく、コンピュータシステムは、試験中に周囲圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と正規化された圧力値との差の関数として火炎の測定高さを補正し、吸気口と排気口を有するハウジングをさらに備え、周囲相対湿度センサは吸気口に近接して設けられており、周囲相対湿度センサは、ハウジングのシャーシ上に設けられ、ハウジングは吸気口と排気口を有し、周囲温度センサは吸気口の近くに設けられる。
パラグラフB 本発明は、炭化水素燃料試料の煙点を特定する方法も提供し、その方法は:
周囲相対湿度センサを用いて周囲相対湿度を測定するステップと、
周囲温度センサを用いて周囲温度を測定するステップと、
燃料試料を試験するステップと、を備え、その試験するステップは:
ランプ内のバーナーの位置に応じた火炎の異なる外観の中で、火炎の特定の外観を識別するステップと、
目盛りで火炎の高さを読み取るステップと、
デジタル画像を撮影及び保存する手段を用いて、これらのデジタル画像を解析することにより、火炎の形状の変化の検出を可能にするのに十分に近い間隔で一連の火炎のデジタル画像を撮影及び保存するステップと、
火炎の形状の変化の瞬間の火炎の高さを測定するステップであって、その高さを試験中の炭化水素の測定された煙点と見なす、測定するステップと、
測定された火炎の高さ、測定された周囲相対湿度、及び測定された周囲温度を、デジタル画像を取得及び保存する手段、周囲相対湿度センサ、及び周囲温度センサに接続されたコンピュータシステムに入力するステップと、
ここで、上記コンピュータシステムは、火炎の一連のデジタル画像を撮影する手段と接続し、湿度センサに接続し、温度センサに接続し、そのコンピュータシステムは、一連のデジタル画像を撮影する手段によって撮影されたデジタル画像を解析して火炎高さを測定し、周囲温度センサによって測定された温度と試験中に相対湿度センサによって測定された相対湿度とを組み合わせて用いて絶対湿度を計算し、計算された絶対湿度と正規化された絶対湿度値との差の関数として測定した火炎高さを補正して、補正された煙点を計算し、
補正された煙点を報告するステップと、を備える方法。
パラグラフBの方法は、以下の変更のいずれも含むことができる。
パラグラフBの方法は、ASTM D1322-19規格の仕様に準拠する煙点を特定することができる。
パラグラフBの方法は、コンピュータシステムに接続された周囲圧力センサを用いて周囲圧力を測定するステップをさらに備えることができ、ここで、そのコンピュータシステムは、試験中に圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と正規化された周囲圧力値との差の関数として、圧力周囲センサによって測定された周囲圧力に基づいて、炭化水素の測定された引火点の値を補正する。
パラグラフBの方法では、測定された煙点を自動的に補正するステップは、一体型圧力センサによって測定された現在の大気圧と正規化された標準値、好ましくは、圧力の正規化標準値は800から1100hPa、最も好ましくは1013hPaとの差の関数として試験装置が較正中に、較正値を補正することを含むことができる。
パラグラフBの方法では、デジタル画像を撮影及び保存する手段がデジタルカメラを備え、ここで、測定された煙点を自動的に補正するステップが、デジタルカメラによって行われたリアルタイムでの引火点の測定値を標準圧力に正規化するステップを備えることができる。
パラグラフBの方法では、デジタル画像を撮影及び保存する手段がデジタルカメラを備え、ここで、測定された煙点を自動的に補正するステップが、デジタルカメラによって行われたリアルタイムで引火点の測定値を標準圧力に正規化するステップを備えることができる。ここで、圧力の正規化された標準値は101.3kPaである。
パラグラフBの方法は、コンピュータシステムに接続された一体型周囲圧力センサをさらに備えることができ、そのコンピュータシステムが、試験中に圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と較正中に記録された、前の周囲圧力との差の関数として、一体型周囲圧力センサによって測定された周囲圧力に基づいて、測定された火炎の高さを補正する。
パラグラフBの方法では、画像撮影間隔は0.1秒から2.0秒の間であってもよい。
パラグラフBの方法では、画像撮影間隔は0.5秒から1秒の間であってもよい。
パラグラフBの方法では、火炎の形状の変化の検出は、火炎の画像のフェレ径の減少速度の急激な変化を測定することによって達成できる。
パラグラフBの方法では、火炎の形状の変化の検出は、火炎の画像のフェレ径の減少速度の急激な変化を測定することによって達成できる。ここで、フェレ径の減少速度の急激な変化を検出するために、このフェレ径は、45°未満の角度αで測定される。
パラグラフBの方法では、火炎の形状の変化の検出は、火炎の画像のフェレ径の減少速度の急激な変化を測定することによって達成できる。ここで、火炎の高さは、火炎の像のα=0°に対するフェレ径に等しい。
パラグラフBの方法では、火炎の形状の変化の検出が、火炎の画像のフェレ径の減少速度の急激な変化を測定することによって達成できる。ここで、フェレ径の減少速度の急激な変化に対応するデジタル画像が閾値処理(二値化処理としても知られている)に付され、閾値処理は、既知の煙点 (ASTM D1322-19)を有する1つ以上の標準燃料混合物(トルエン/2,2,4-トリメチルペンタン)を活用して特定された閾値を用いて、特定された閾値未満のグレーレベルを有する全ての画素をゼロに設定し、閾値を超える値を有する全ての画素を1に設定するステップを備える。ここで、試験下の燃料の測定煙点につながる火炎の絶対高さを与える閾値は、ASTM D1322-19規格が煙点を示す1つ以上の標準混合燃料(トルエン/2,2,4-トリメチロールプロパン)を用いて特定される。
パラグラフBの方法の方法では、デジタル画像を撮影及び保存する手段は、電荷結合デバイス (CCD)デジタル カメラ、相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサ、又は他の画像センサで、好ましくは紫外線から赤外栓の範囲の波長をカバーするもので構成されていてもよい。
パラグラフBの方法の方法では、デジタル画像を撮影及び保存する手段は、電荷結合デバイス(CCD)デジタルカメラ、相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサ、又は他の画像センサで、好ましくは紫外線から赤外栓の範囲の波長をカバーするもので構成されていてもよい。ここで、フレームとデジタル画像を取得及び保存する手段との間に抗赤外線フィルタを配置することができる。
パラグラフBの方法の方法では、デジタル画像を撮影及び保存する手段は、電荷結合デバイス(CCD)デジタルカメラ、相補型金属酸化物半導体(CMOS)イメージセンサ、又は他の画像センサで、好ましくは紫外線から赤外栓の範囲の波長をカバーするもので構成されていてもよい。ここで、デジタル画像を取得及び保存する手段は、少なくとも256のグレーレベルでデジタル画像を保存することができる。
パラグラフBの方法の方法では、画像撮影間隔は0.5秒から1秒の間にでき、デジタル画像を撮影及び保存する手段は、ランプから約10cmから15cmの距離に配置することができる。
パラグラフBの方法の方法では、画像撮影間隔は0.5秒から1秒にでき、デジタル画像を撮影及び保存する手段は、ランプから約10cmから15cmの距離に配置することができ、デジタル画像を撮影及び保存する手段は、保存されたデジタル画像が煙点を特定するための装置のすべての目盛りの画像を含むように設定される。
パラグラフBの方法の方法では、それぞれの一連のデジタル画像の数は、少なくとも10に等しい場合がある。
パラグラフBの方法では、この方法は、パラグラフAの任意の試験装置又はパラグラフAの変更を加えたパラグラフのいずれも用いることができる。
パラグラフC 本発明は、炭化水素の煙点を特定するための試験装置も提供し、試験装置は:
ASTM D1322-19規格の仕様書に準拠した煙点を特定するための装置と、
火炎の一連のデジタル画像を撮影するための手段と、
周囲の圧力を測定するための周囲圧力センサと、
火炎の一連のデジタル画像を撮影するための手段に接続され、周囲圧力センサに接続されたコンピュータシステムであって、一連のデジタル画像を撮影するための手段によって撮影されたデジタル画像を解析して火炎高さを測定し、圧力センサによって測定された圧力を用いて、試験中に圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と正規化された周囲圧力値との差の関数として周囲圧力センサによって測定された周囲圧力に基づいて炭化水素の測定された引火点の値を補正できるようプログラムされたコンピュータシステムと、を備える。
パラグラフCの試験装置において、火炎の一連のデジタル画像を撮影する手段は、デジタルカメラを備えてもよい。
ここで、ASTM D1322-19規格の仕様に準拠した煙点を特定するための装置は、芯を保持するためのろうそく、火炎高さを測定する目盛り、火炎と目盛りのデジタル画像を撮影するために構成されたギャラリ、ろうそくの芯からの火炎の高さを調整するためのろうそく移動システム、を備える。
パラグラフCの試験装置は:
電源と;
ハウジングと;を備え、そのハウジングは:
デジタルカメラを備える火炎の一連のデジタル画像を撮影する手段と、
周囲圧力センサと、
一連のデジタル画像を撮影する手段と接続されたコンピュータシステムであって、そのコンピュータシステムはマイクロプロセッサを備える電子装置を備える、コンピュータシステムと、をさらに備えることができる。
パラグラフCの試験装置において、その試験装置は、換気手段と、試験装置ハウジングに空気流を入れる吸気口と、試験装置ハウジング内で加熱された空気流をハウジング外に排出する排気口とを備えることができる。
パラグラフD 本発明は、炭化水素燃料試料の煙点を特定する方法も提供することができ、その方法は:
周囲圧力センサを用いて周囲の圧力を測定するステップと、
燃料試料を試験するステップと、を備え、その試験するステップは:
ランプ内のバーナーの位置に応じた火炎の異なる外観の中で、火炎の特定の外観を識別するステップと、
目盛りで火炎の高さを読み取るステップと、
デジタル画像を撮影及び保存する手段を用いて、これらのデジタル画像を解析することにより、火炎の形状の変化の検出を可能にするのに十分に近い間隔で一連の火炎のデジタル画像を撮影及び保存するステップと、
火炎の形状の変化の瞬間における火炎の高さを測定するステップであって、その高さを試験下の炭化水素の測定された煙点と見なす、測定するステップと、
測定された火炎の高さ、及び測定された周囲圧力を、デジタル画像を取得及び保存する手段、ならびに周囲圧力温度センサに接続されたコンピュータシステムに入力するステップと、
ここで、上記コンピュータシステムは、周囲圧力センサによって測定された周囲圧力を自動的に用いて、試験中に圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と正規化された周囲圧力との間の差の関数として炭化水素の測定された火炎高さの値を補正して、補正された煙点を計算し、
補正された煙点を報告するステップと、を備える方法。
パラグラフDの方法では、ASTM D1322-19規格の仕様に準拠する煙点を特定することができる。
パラグラフDの方法では、この方法は、パラグラフCの任意の試験装置又はパラグラフCの変更を加えたパラグラフのいずれも用いることができる。
パラグラフDの方法では、火炎の形状の変化の検出は、火炎の画像のフェレ径の減少速度の急激な変化を測定することによって達成できる。
構成及び方法は、様々な構成要素又はステップを「備える(comprising)」、「包含する(containing)」、又は「含む(including)」という観点から説明されるが、構成及び方法は、様々な構成要素及びステップ「から本質的に成る」又は「から構成される」こともできる。上記で開示したすべての数値と範囲は、多少異なる場合がある。下限及び上限を伴う数値範囲が開示される場合は常に、その範囲内にある任意の数値及び任意の含まれる範囲が具体的に開示される。特に、本明細書で開示される値(「およそaからおよそbまで」、又は同等に「約aからbまで」、又は同等に「約a~bまで」の形式の)のすべての範囲は、値のより広い範囲内に含まれるすべての数値と範囲を規定する、と理解されるべきである。また、クレームの用語は、特許権者によって明示的かつ明確に定義されていない限り、平易で通常の意味を持つ。さらに、特許請求の範囲で用いられる不定冠詞「a」又は「an」は、本明細書では、それが導入する要素の1つ以上を意味するように定義される。本明細書と、参照により本明細書に組み込まれる可能性のある1つ以上の特許又はその他の文書の単語若しくは用語の使用法に矛盾がある場合は、本明細書と一致する定義を採用するべきである。
上、下、上部、下部、上向き、下向き、左、右などの方向用語の使用は、それらが図に示されているように、例示的な実施の形態に関連して使用され、上向き又は上方向は対応する図の上部に向かう方向であり、及び下向き又は下方向は、対応する図の下部に向かっている。
本明細書で使用するように、一連の項目の前にある語句「少なくとも1つ」は、項目のいずれかを区切る用語「及び」又は「又は」とともに、リストの各メンバー(すなわち各項目)ではなく、全体としてリストを修飾する。語句「の少なくとも1つ」は、項目のいずれか1つのうちの少なくとも1つ、及び/又は、項目の任意の組み合わせのうちの少なくとも1つ、及び/又は、項目のそれぞれの少なくとも1つを含む意味を許容する。例として、語句「A、B、及びCの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCの少なくとも1つ」はそれぞれ、Aのみ、Bのみ、又はCのみを、A、B、及びCの任意の組み合わせを、及び/又は、A、B、及びCのそれぞれの少なくとも1つ、を指す。
サンプル計算 - 相対湿度から絶対湿度への変換式
1. 水の飽和蒸気圧
16°Cから30°Cの間の水の飽和蒸気圧は、次の式で概算できる:
Figure 2023532641000008

ここで:
・ svP: パスカル単位の水の飽和蒸気圧(Pa)
・ : 摂氏温度 (°C)

2. 部分蒸気圧
Figure 2023532641000009
ここで:
・ pvP: パスカル単位の部分蒸気圧(Pa)
・ %RH: パーセント単位の相対湿度(%)

3. 乾燥空気密度
Figure 2023532641000010
ここで:
・ : kg/m単位の乾燥空気密度
・ : パスカル単位の大気圧(Pa)
・ :kg/mol単位の乾燥空気のモル質量 =0.028965kg/mol
・ R : J/(K・mol)単位での一般気体定数 =8,3144621J/ (K・mol)
・ : ケルビン単位の温度(K)

4. 絶対湿度
Figure 2023532641000011
ここで:
Figure 2023532641000012
5. 一般的な変換式
Figure 2023532641000013

ここで:
Figure 2023532641000014
・ : 摂氏温度 (°C)
・ %RH : パーセント単位の相対湿度(%)
・ : kg/m単位の乾燥空気密度
・ : パスカル単位の大気圧(Pa)
・ :kg/mol単位の乾燥空気のモル質量=0.028965kg/mol
・ R: J/(K・mol)単位の一般気体定数 =8.3144621J/ (K・mol)
・ : ケルビン単位の温度(K)

6. 適用
試験実験室の環境:
・ 相対湿度:RH=40%
・ 温度:T°C=22°C
・ 周囲圧力:Patm=1013hPa
Figure 2023532641000015



Claims (26)

  1. 炭化水素の煙点を特定するための試験装置であって:
    ASTM D1322-19規格の仕様書に準拠した前記煙点を特定するための装置と;
    火炎の一連のデジタル画像を撮影するための手段と;
    相対湿度を測定するための周囲環境相対湿度センサと;
    温度を測定するための周囲温度センサと;
    火炎の前記一連のデジタル画像を撮影するための前記手段に接続され、前記湿度センサに接続され、前記周囲温度センサに接続されたコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、一連のデジタル画像を撮影するための前記手段によって撮影されたデジタル画像を解析して火炎高さを測定し、前記周囲温度センサによって測定された温度と前記相対湿度センサによって測定された相対湿度とを組み合わせて使用して前記絶対湿度を計算し、前記計算された絶対湿度と正規化された絶対湿度値との差の関数として、前記測定された火炎高さを補正するようにプログラムされる、コンピュータシステムと、を備える、試験装置。
  2. 前記コンピュータシステムに接続された周囲圧力センサをさらに備え、前記コンピュータシステムが、試験中に前記圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と正規化された圧力値との差の関数として、前記一体型周囲圧力センサによって測定された周囲圧力に基づいて、前記炭化水素の測定された引火点の値を補正する、請求項1に記載の試験装置。
  3. 周囲温度センサは、前記周囲相対湿度センサの一部であるか、前記周囲相対湿度センサと別体である、請求項1に記載の試験装置。
  4. 前記コンピュータシステムに接続された周囲圧力センサをさらに備え、前記コンピュータシステムは、前記周囲圧力センサによって測定された周囲圧力に基づいて前記炭化水素の測定された引火点の値を補正する、請求項1に記載の試験装置。
  5. 前記正規化された湿度値は、0gr/mから 40gr/mの範囲の値である、請求項1に記載の試験装置。
  6. 火炎の一連のデジタル画像を撮影する前記手段は、デジタルカメラを備え、
    ASTM D1322-19規格の仕様書に準拠した前記煙点を特定するための前記装置は、芯を保持するためのろうそく、火炎高さを測定する目盛り、前記火炎と前記目盛りの前記デジタル画像を撮影するために構成されたギャラリ、前記ろうそくの前記芯からの火炎の高さを調整するためのろうそく移動システムと、を備える、請求項1に記載の試験装置。
  7. 前記コンピュータシステムは、試験中に前記周囲圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と正規化された圧力値との差の関数として測定された前記火炎の高さを補正する、請求項3に記載の試験装置。
  8. 前記正規化された圧力値は、800から1100hPaの間である、請求項6に記載の試験装置。
  9. 前記コンピュータシステムは、試験中に前記圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と較正中に記録済の正規化された、前の圧力値との差の関数として、前記一体型周囲圧力センサによって測定された周囲圧力に基づいて測定された前記火炎の高さを補正する、請求項3に記載の試験装置。
  10. 前記周囲相対湿度センサは、温度を測定する前記温度センサも含むように構成される請求項1に記載の試験装置。
  11. 吸気口及び排気口を有するハウジングをさらに備え、前記周囲相対湿度センサは、前記吸気口に近接して設けられる、請求項3に記載の試験装置。
  12. 前記ハウジングは、吸気口及び排気口を有し、前記周囲湿度センサは、前記吸気口に近接して設けられる、請求項11に記載の試験装置。
  13. 炭化水素燃料試料の煙点を特定する方法であって:
    周囲相対湿度センサを用いて周囲相対湿度を測定するステップと、
    周囲温度センサを用いて周囲温度を測定するステップと、
    前記燃料試料を試験するステップと、を備え、前記試験するステップは:
    ランプ内のバーナーの位置に応じた火炎の異なる外観の中で、火炎の特定の外観を識別するステップと、
    目盛りで前記火炎の高さを読み取るステップと、
    デジタル画像を撮影及び保存する手段を用いて、これらのデジタル画像を解析することにより、前記火炎の形状の変化の検出を可能にするのに十分に近い間隔で一連の前記火炎のデジタル画像を撮影及び保存するステップと、
    前記火炎の形状の前記変化の瞬間における前記火炎の高さを測定するステップであって、前記高さを試験下の前記炭化水素の測定された煙点と見なす、前記火炎の高さを測定するステップと、
    測定された前記火炎の高さ、測定された周囲相対湿度、及び測定された周囲温度を、デジタル画像を取得及び保存する前記手段、前記周囲相対湿度センサ、及び前記周囲温度センサに接続されたコンピュータシステムに入力するステップと、
    前記コンピュータシステムは、前記火炎の一連のデジタル画像を撮影する前記手段と接続し、前記湿度センサに接続し、前記温度センサに接続し、前記コンピュータシステムは、一連のデジタル画像を撮影する前記手段によって撮影されたデジタル画像を解析して火炎高さを測定し、前記周囲温度センサによって測定された温度と前記相対湿度センサによって測定された相対湿度とを組み合わせて用いて前記絶対湿度を計算し、前記計算された絶対湿度と正規化された絶対湿度値との差の関数として前記測定された火炎高さを補正して、補正された煙点を計算し、
    前記補正された煙点を報告するステップと、を備える、方法。
  14. 前記コンピュータシステムに接続された周囲圧力センサを用いて周囲圧力を測定するステップをさらに備え、前記コンピュータシステムは、試験中に前記圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と正規化された周囲圧力値との差の関数として、前記周囲圧力センサによって測定された周囲圧力に基づいて、前記炭化水素の測定された引火点の値を補正する、請求項13に記載の方法。
  15. 測定された煙点を自動的に補正するステップは、前記一体型圧力センサによって測定された現在の大気圧と正規化された標準値との差の関数として前記試験装置の較正中に較正値を補正するステップを備える、請求項13に記載の方法。
  16. デジタル画像を撮影及び保存する前記手段は、デジタルカメラを備え、測定された煙点を自動的に補正するステップは、前記デジタルカメラによって行われたリアルタイムで引火点での測定値を標準圧力に正規化するステップを備える、請求項13に記載の方法。
  17. 前記正規化された圧力の標準値は、101.3kPaである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記コンピュータシステムに接続された一体型周囲圧力センサをさらに備え、前記コンピュータシステムは、試験中に前記周囲圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と正規化された圧力値との差の関数として、測定された前記火炎の高さを補正する、請求項13に記載の方法。
  19. 画像撮影の間隔は、0.1秒から2.0秒の間である、請求項13に記載の方法。
  20. 前記火炎の前記形状の変化の前記検出は、前記火炎の前記画像のフェレ径の減少速度の急激な変化を測定することによって達成される、請求項13に記載の方法。
  21. 前記フェレ径の前記減少速度の前記急激な変化に対応する前記デジタル画像が閾値処理(二値化処理としても知られている)に付され、前記閾値処理は、ASTM D1322-19規格が示す既知の煙点を有する1つ以上の標準燃料混合物(トルエン/2,2,4-トリメチルペンタン)を活用して特定された閾値を用いて、前記特定された閾値未満のグレーレベルを有する全ての画素をゼロに設定し、前記閾値を超える値を有する全ての前記画素を1に設定するステップを備え、試験下の前記燃料の前記測定された煙点につながる前記火炎の絶対高さを与える前記閾値は、ASTM D1322-19規格が前記煙点を示す1つ以上の標準混合燃料(トルエン/2,2,4-トリメチロールプロパン)を用いて特定される、請求項20に記載の方法。
  22. デジタル画像を撮影及び保存する前記手段は、電荷結合デバイス(CCD)デジタルカメラ、相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサ、又は他の画像センサで、好ましくは紫外線から赤外線までの範囲の波長をカバーする、請求項13に記載の方法。
  23. 前記方法は、前記炭化水素の煙点を特定するために試験装置を採用するが、前記試験装置は:
    ASTM D1322-19規格の仕様書に準拠した前記煙点を特定するための装置と;
    火炎の一連のデジタル画像を撮影するための手段と;
    相対湿度を測定するための周囲相対湿度センサと;
    温度を測定するための周囲温度センサと;
    前記火炎の一連のデジタル画像を撮影するための前記手段に接続され、前記湿度センサに接続され、前記周囲温度センサに接続されたコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、一連のデジタル画像を撮影するための前記手段によって撮影されたデジタル画像を解析して火炎高さを測定し、前記周囲温度センサによって測定された温度と前記相対湿度センサによって測定された相対湿度とを組み合わせて使用して前記絶対湿度を計算し、前記計算された絶対湿度と正規化された絶対湿度値との差の関数として、前記測定された火炎高さを補正するようにプログラムされる、コンピュータシステムと、を備える、請求項13に記載の方法。
  24. 炭化水素の煙点を特定するための試験装置であって:
    ASTM D1322-19規格の仕様書に準拠した前記煙点を特定するための装置と;
    火炎の一連のデジタル画像を撮影するための手段と;
    周囲の圧力を測定するための周囲圧力センサと、
    前記火炎の一連のデジタル画像を撮影するための前記手段に接続され、前記周囲圧力センサに接続されたコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、一連のデジタル画像を撮影するための前記手段によって撮影されたデジタル画像を解析して火炎高さを測定し、前記周囲圧力センサによって測定された圧力を用いて、試験中に前記周囲圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と正規化された周囲圧力値との差の関数として前記炭化水素の測定された引火点の値を補正するようプログラムされる、コンピュータシステムと、を備える、試験装置。
  25. 炭化水素燃料試料の煙点を特定する方法であって:
    周囲圧力センサを用いて周囲の圧力を測定するステップと、
    前記燃料試料を試験するステップと、を備え、前記試験するステップは:
    ランプ内の前記バーナーの位置に応じた火炎の異なる外観の中で、火炎の特定の外観を識別するステップと、
    目盛りで前記火炎の高さを読み取るステップと、
    デジタル画像を撮影及び保存する手段を用いて、これらのデジタル画像を解析することにより、前記火炎の形状の変化の検出を可能にするのに十分に近い間隔で一連の火炎のデジタル画像を撮影及び保存するステップと、
    前記火炎の形状の変化の瞬間における前記火炎の高さを測定するステップであって、前記高さを試験下の前記炭化水素の測定された煙点と見なす、前記火炎の高さを測定するステップと、
    測定された前記火炎の高さ、及び測定された周囲圧力を、デジタル画像を取得及び保存する前記手段、ならびに前記周囲圧力温度センサに接続されたコンピュータシステムに入力するステップと、
    前記コンピュータシステムは、前記周囲圧力センサによって測定された周囲圧力を自動的に用いて、試験中に前記周囲圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と正規化された周囲圧力との間の差の関数として前記炭化水素の測定された前記火炎の高さの値を補正して、補正された煙点を計算し、
    前記補正された煙点を報告するステップと、を備える方法。
  26. 前記方法は、炭化水素の煙点を特定するために試験装置を採用するが、前記試験装置は:
    ASTM D1322-19 規格の仕様書に準拠した前記煙点を特定するための装置と;
    火炎の一連のデジタル画像を撮影するための手段と;
    周囲の圧力を測定するための周囲圧力センサと、
    前記火炎の前記一連のデジタル画像を撮影するための前記手段に接続され、前記周囲圧力センサに接続されたコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、一連のデジタル画像を撮影するための前記手段によって撮影されたデジタル画像を解析して火炎高さを測定し、前記周囲圧力センサによって測定された圧力を用いて、試験中に前記周囲圧力センサによって測定された現在の周囲圧力と正規化された周囲圧力値との差の関数として前記炭化水素の測定された引火点の値を補正するようプログラムされる、コンピュータシステムと、を備える、請求項25に記載の方法。
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