JP2023530679A - フェノテロール臭化水素酸塩、β2アドレナリン受容体アゴニスト、及びその誘導体を用いて近視を予防及び治療するための方法及び組成物 - Google Patents

フェノテロール臭化水素酸塩、β2アドレナリン受容体アゴニスト、及びその誘導体を用いて近視を予防及び治療するための方法及び組成物 Download PDF

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Abstract

本開示は、眼疾患を予防及び/又は治療するための方法及び組成物に関する。特に、本開示は、β2アドレナリン受容体アゴニストであるフェノテロール臭化水素酸塩、又はその誘導体の全身投与又は局所投与による近視の予防及び/又は治療に関する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月11日に出願された米国特許出願第63/037,891号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、眼疾患を予防及び/又は治療するための方法及び組成物に関する。特に、本開示は、βアドレナリン受容体アゴニストであるフェノテロール臭化水素酸塩、及びその誘導体の全身投与又は局所投与による近視の予防及び/又は治療に関する。
近視(myopia、nearsightedness)は、世界で最も一般的な眼障害である。米国における近視の有病率は、過去40年間に25%から48%に増加している。1、2アジアの一部では、人口の80%超が近視に罹患している。近視の世界的な有病率は、2020年の25%から2050年までに50%に増加すると予測されている。近視は、年間で世界的に2500億ドルの生産性損失をもたらす。
近視は、しばしば失明につながる、網脈絡膜萎縮、網膜分離症、網膜裂孔、網膜剥離、及び近視性黄斑変性症等の重篤な病理学的合併症をもたらす。5、6それはまた、しばしば視力障害及び視力喪失をもたらす白内障及び緑内障等の多数の他の重篤な眼疾患の主要な危険因子を表す。7、8有病率が増加しているため、近視は急速に視力喪失の主な原因の1つになりつつあり、世界保健機関は、5つの優先健康状態の1つとして近視を指定した。5、9
近視の発症は、環境因子及び遺伝因子の両方によって制御される。10ヒト集団研究は、ヒト近視を引き起こす主要な環境因子が、精密作業及び読書であることを示唆しており11-13、これらは遠近調節の遅れ、すなわち、対象が精密作業を行った時の近くの物体に対する不十分な強度の遠近調節反応によって生じる遠視性焦点ぼけに関連する。14、15遠視性焦点ぼけによって生成される光学的ぼけは、過度の眼の成長を駆動し、近視を引き起こす信号であると考えられる。16、17例えば、(読書に一日の大部分を費やした)オーソドックスなユダヤ系の学生及び(読書にあまり時間を費やさなかった)世俗的なユダヤ系学生における近視の発生率の分析により、オーソドックスな学生は、世俗的な学生と比較して、近視のはるかに高い発生率及び程度を有することが見出され18、これは、読書が近視を引き起こす因子であることを示唆している。更に、近視は、専門家、教育を受けた患者、コンピュータユーザ、大学の学生の間で都市部でより一般的であり、知性の増加に関連することを示す多くの疫学的研究がある。19-23近視はまた、顕微鏡学者等の眼の増加した使用の必要がある作業を行う個人においても増加する。24光学的焦点ぼけと近視との間の関連性は、拡散レンズ又は負レンズのいずれかを使用した視覚入力の分解が、魚、ニワトリ、ツパイ、サル、モルモット及びマウス等の多様な種において過剰な眼の成長及び近視を引き起こすことを見出した多数の動物研究によって裏付けられた。25
最近数十年における近視の有病率の増加は、主に幼児の精密作業への曝露が急速に増加していることに起因するが26、近視発症に対する遺伝的因子の寄与は60%~80%であると推定されている27。両親が近視である場合、近視の発生率が増加する。20多数の研究が、両親の屈折異常が近視の発症の最も重要な予測因子であることを示している。28、29近視発症における遺伝的因子の役割に対する強力な裏付けはまた、一卵性双生児30と二卵性双生児とを比較する研究からもたらされる。31、32。近視は、数百の遺伝子によって制御される複雑な遺伝性疾患であり、身長及び体重と同様である27、33。遺伝子研究は、ヒト近視の発症に対する900を超える遺伝子を示唆した。27、33
したがって、環境因子及び遺伝因子の両方が近視発症に寄与することが示されている。10更に、最近の研究では、屈折性眼発達に対する近視形成(myopiagenic)環境因子の影響を調節する遺伝子の存在が実証された。34近視の発症における遺伝子-環境相互作用の更なる裏付けは、近視の発症が眼における遺伝子発現の大規模な変化を伴うことを明らかにした遺伝子発現プロファイリング研究からもたらされ、これは、精密作業が、過剰な眼成長を刺激する眼における分子シグナル伝達経路を活性化し、近視の発症をもたらすことを示唆している。33、35-37いくつかの研究は、眼が成長速度の局所的変化を伴う光学的焦点ずれの局所的変化に応答することを明らかにし、したがって、光学的焦点ずれに関する情報が網膜の表面全体にわたって合計され、統合された信号が眼の成長を調節することを示唆する。38、39重要なことに、眼は、視神経が切断された場合であっても、近視形成(myopiagenic)光学的焦点ぼけに応答することができ、39屈折性眼発達を調節するシグナル伝達カスケードが眼自体の中に位置し、脳からのフィードバックを必要としないことを実証している。
近視は、6~16歳の影響を受けやすい期間中に最も進行するようであり、その後、減速し始める。40、41以前の世代では、近視進行は20歳前後で終了すると想定されていた。しかしながら、より多くの学生が大学院に入り、その後に8時間の持続的なコンピュータ作業を必要とする仕事が続いたため、これは変化している。42この推測は、平均年齢が35歳である大学卒業以降のコホートにおいて最近研究された。43コンピュータの前で多くの時間を過ごしたコホートの約10%において、近視が進行することが見出された。コンピュータの前で時間を過ごさなかった対象は、それほど進行しなかった。
近視に対する現在承認されている治療選択肢は、眼鏡又はコンタクトレンズを使用した光学補正に限定されている。近視のために最も広く使用されている治療選択肢である単焦点補正レンズを使用した光学的補正は、近視の進行を停止させず、疾患に関連する盲目となる病理学的合併症を予防しない。44、45二焦点レンズを有する眼鏡、多焦点、及びOrtho-Kコンタクトレンズ等、近視の進行を遅らせるためのいくつかの実験的光学ベースの臨床介入は、いくらかの有望性を示しているが、これらの治療選択肢は有効性が低い。46
二焦点レンズを備えた眼鏡は、近視の進行を制御するために最初に使用された。単焦点眼鏡レンズと比較して、二焦点が近視の進行を遅らせることができるかどうかを決定するように設計された多施設COMET研究は、二焦点が近視の進行を最初の1年間で20%遅らせたことを実証したが、効果は2~4年目に有意に減少した。47
2つの別個のメタ分析では、Ortho-Kレンズが近視進行を遅らせる能力が分析され、48、49近視進行を約45%減少させることができることが見出されたが、1つの研究は、Ortho-Kレンズを中止した場合にかなりのリバウンド効果があることを見出した。50
最近、Ortho-Kの光学系を再現するためのソフト多焦点コンタクトレンズの使用に対する関心が高まっている。51-538つの研究から587人の対象が含まれるメタ分析は、同心リング及び距離中心の多焦点コンタクトレンズが、24ヶ月にわたって近視の進行を30~38%遅らせることを見出した。54
近視制御のための現在利用可能な薬理学的選択肢は、有意な副作用及び/又は比較的低い有効性を有する2つの薬物、アトロピン及び7-メチルキサンチンに本質的に限定される。
非選択的ムスカリンアンタゴニストであるアトロピンは、眼科診療において散瞳薬及び毛様体筋麻痺薬として伝統的に使用されている、アトロパ・ベラドンナ(Atropa belladonna)によって産生されるアルカロイドである。いくつかの臨床試験では、近視進行に対する異なる濃度のアトロピンの効果、及び小児の視覚機能に対するその長期効果が評価されている。第1の試験である、近視1(ATOM1)の治療のためのアトロピンは、1%アトロピン点眼薬が2年間の治療期間にわたって近視の進行を約76%遅らせることを明らかにした。55しかしながら、追跡調査は、治療の中止が強いリバウンド効果をもたらし、アトロピンの中止後の最初の12ヶ月間にプラセボと比較して近視進行速度の300%の増加をもたらし、2年間の治療効果の約60%を排除したことを見出した。56更に、1%アトロピンは、羞明、調節幅の低減、及びかすみ目等の不快な副作用を引き起こした。追跡試験ATOM2は、小児における近視の進行に対する0.5%、0.1%、及び0.01%のアトロピンの効果を評価し、0.5%のアトロピンが近視の進行を75%抑制し、0.1%及び0.01%のアトロピンが進行をそれぞれ68%及び59%遅延させることを見出した。57治療の中止は、薬物の投与を中止した後の最初の12ヶ月間に、0.5%アトロピンで治療した群ではプラセボと比較して進行速度の218%のリバウンド増加を引き起こし、0.1%アトロピンで治療した群では170%の増加を引き起こした。58しかしながら、進行速度は、0.01%アトロピンで治療した群では約30%低下した。58これらの所見は、最近の5年間の追跡調査によって強化され、この調査は、より高い初期アトロピン用量が治療停止後に子供がより大きな近視進行を起こしやすくすることを明らかにし、0.01%のアトロピンが約30%の抑制効果と共に最良の長期転帰を提供することを示唆した。59これらの所見は、低用量アトロピンが近視進行に対して用量依存的抑制効果を有することを示唆した最近の試験、Low-Concentration Atropine for Myopia Control(LAMP)試験によって精緻化された60。この試験は、それぞれ0.025%及び0.05%アトロピンで達成される43%及び67%と比較して、0.01%アトロピンが1年間にわたって27%近視の進行を遅延させることを見出した。しかしながら、最近の研究では、若年霊長類におけるアトロピンの使用が眼構成要素の発達及び正規化に対して長期有害作用を有することが見出され、これは、抗近視薬としてのアトロピンの有用性に疑問を投げかける。61
非選択的アデノシン受容体アンタゴニストである7-メチルキサンチン(7-MX)は、いくつかの植物種によって産生され、カカオ、コーヒー及び茶の主要成分である2つのアルカロイドであるカフェイン及びテオブロミンの天然代謝産物である。7-MXが近視制御のための潜在的な薬物であり得るという最初の指標は、7-MXが強膜の肥厚及び強膜コラーゲン原線維の直径の増加を引き起こすという観察結果から得られ、62すなわち、それは近視眼で観察されるものとは反対の強膜の変化を引き起こす。小規模のフォローアップ臨床試験では、小児の近視の進行に対する400mg(約15mg/kg)の7-MXの毎日の経口摂取の影響が分析され、7-MXは、進行の遅い近視の対象では近視を約22%抑制する可能性があるが、進行速度の速い対象では近視の進行に影響を及ぼさないことが明らかにされた。63モルモットにおいて、300mg/kg用量の7-MXは、近視を49%抑制することが示された。64同様に、30mg/kg用量の7-MXは、ウサギにおいて誘発された近視の程度を約67%減少させた。65サルでの研究からの最近のデータはまた、7-MXが霊長類の近視を抑制することができるが、その効果は特定の対象の遺伝的背景に強く依存することを示唆した。66したがって、予備的データは、7-MXが、ゆっくりと進行する近視を有する対象において近視制御のための治療的可能性を有することを示唆するが、ヒトにおける有効な用量及び有効性の問題は明確にされていない。小児における7-MXの毎日の経口摂取の安全性プロファイル及び長期効果は、現在のところ不明である。
いくつかの他の化合物は、近視を様々な程度に抑制することが示唆されている。ムスカリン受容体アンタゴニストであるピレンゼピン及びヒンバシンは、ツパイ、アカゲザル及びニワトリにおける実験的近視の発症を阻害することが示された。67、68ピレンゼピンは小児において近視の進行を40%抑制することが見出されたが、重篤な副作用のために臨床試験は最終的に中止された。69(1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-4イル)メチルホスフィン酸(TPMPA)、CGP46381及び(3-アミノシクロペンタニル)ブチルホスフィン酸(3-ACPBPA)等のいくつかのGABA及びGABA受容体アンタゴニストは、ニワトリ及びモルモットにおける近視発症を抑制することが示された。70-72更に、クロニジン及びグアンファシン等のα-アドレナリンアゴニストは、ニワトリにおいて実験的に誘発された近視を阻害することが示されたが、73ブリモニジンは、ニワトリ73及びモルモット74において近視を抑制した。更に、ドーパミン受容体アゴニストであるアポモルヒネは、いくつかの動物モデル、例えばニワトリ、マウス及び非ヒト霊長類において近視発症を阻害することが見出され、75、76眼内圧低下薬ラタノプロストは、モルモットにおいて近視の進行を減少させることが見出された。77最後に、近視のマウスモデルにおける最近の薬物スクリーニングにより、クロセチン、すなわち、クロッカスの花及びクチナシ(Gardenia jasminoides)の果実に見出される天然カロテノイドが、潜在的な抗近視剤として特定された。78
近視の有病率は、近年世界中で指数関数的に増加しており、多くの国で既に流行性の割合に達している。近視の有病率は2050年までに世界人口の50%に増加すると予測されており、低~中度の近視の8%及び高近視の29%が近視性黄斑変性症を発症し、視力を失うため、世界は間もなく視力喪失の公衆衛生上の危機に直面する。79近視のための現在利用可能な光学ベースの治療選択肢は、有効性が低く、近視の進行を遅らせるのみであり、それを止めることはできない。現在利用可能な薬理学的選択肢は、低い有効性及び/又は重篤な有害作用のいずれかを有する。明らかに、現在入手可能な製品と比較して、はるかに大きな有効性を達成することができ、子供に安全に使用することができる近視制御用の製品を開発する緊急の医学的必要性がある。
[課題を解決するための手段]
本開示は、抗近視薬物開発のための薬理ゲノムパイプラインを使用して同定された薬物化合物又は薬剤を含む経口組成物、持続薬物放出製剤又は組成物、コンタクトレンズによる持続薬物送達、又は点眼薬を使用して、近視の発症の根底にある眼シグナル伝達経路を抑制することによって、近視の予防及び/又は治療を必要とする対象における近視を予防及び/又は治療する方法を提供する。
したがって、一実施形態は、近視の予防及び/又は治療を必要とする対象における近視を予防及び/又は治療する方法であり、治療有効量の、抗近視薬物開発のための薬理ゲノムパイプラインを使用して同定された活性薬物化合物を含む組成物を対象に投与することを含む。
一実施形態では、活性な薬物化合物は、以下の構造を有するβ2アドレナリン受容体アゴニストであるフェノテロール臭化水素酸塩
Figure 2023530679000002
又はその誘導体である。
いくつかの実施形態では、本開示は、近視発症の感受性期間中に、治療有効量のフェノテロール臭化水素酸塩又はその誘導体を、経口組成物、持続薬物放出製剤若しくは組成物、コンタクトレンズによる持続薬物送達、又は点眼薬の形態で対象に投与することによって、近視を予防及び/又は治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、近視発症の感受性期間中に、治療有効量のフェノテロール臭化水素酸塩又はその誘導体の反復用量を、経口組成物、持続薬物放出製剤若しくは組成物、コンタクトレンズによる持続薬物送達、又は点眼薬の形態で対象に投与することによって、近視を予防及び/又は治療する方法を提供する。
更なる実施形態では、活性薬物化合物は、β2アドレナリン受容体アゴニストである。
いくつかの実施形態では、βアドレナリン受容体アゴニストとしては、ビトルテロール、イソプレナリン、レボサルブタモール、レブアルブテロール、オルシプレナリン、メタプロテレノール、ピルブテロール、プロカテロール、リトドリン、サルブタモール、アルブテロール、テルブタリン、アルホルモテロール、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、及びそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
したがって、更なる実施形態では、本開示は、近視発症の感受性期間中に、治療有効量のβ2アドレナリン受容体アゴニストを、経口組成物、持続薬物放出製剤若しくは組成物、コンタクトレンズによる持続薬物送達、又は点眼薬の形態で対象に投与することによって、近視を予防及び/又は治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、近視発症の感受性期間中に、治療有効量のβ2アドレナリン受容体アゴニストの反復用量を、経口組成物、持続薬物放出製剤若しくは組成物、コンタクトレンズによる持続薬物送達、又は点眼薬の形態で対象に投与することによって、近視を予防及び/又は治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、組成物は、対象に1日1回投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、週に1回投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、週に2回投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、週に3回投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約5年間~約10年間連続的又は断続的に対象に投与される。
いくつかの実施形態では、対象は若年成人、すなわち30歳未満である。いくつかの実施形態では、対象は、子供、すなわち18歳未満である。いくつかの実施形態では、対象は、約4歳~約30歳である。いくつかの実施形態では、対象は、約6歳~約20歳である。いくつかの実施形態では、対象は、約8歳~約15歳である。いくつかの実施形態では、対象は、約10歳~約12歳である。
いくつかの実施形態では、対象は近視を有する。いくつかの実施形態では、対象は近視のリスクがある。いくつかの実施形態では、対象は近視になりやすい。
いくつかの実施形態では、対象は近視の抑制についてモニタリングされ、薬物化合物の投与の治療有効量及び/又は頻度が抑制の程度に応じて調整される。近視の抑制は、当技術分野で公知の方法を用いてモニタリングされ得る。
本開示の更なる実施形態は、開示される方法を実施するための組成物及び薬剤を含むキットである。
本発明を説明する目的で、本発明の特定の実施形態が図面に示されている。しかしながら、本発明は、図面に示された実施形態の正確な配置及び手段に限定されない。
マウスにおいて実験的に誘発された近視は、ヒト近視の特徴を有する。 -25Dレンズで近視に誘導されたマウスを示す図である。 -25Dレンズで21日間処置したマウスの眼で観察された屈折の統計的に有意な近視シフトを示すグラフである。 マウスにおけるレンズ誘発性近視が、ヒト近視のように、硝子体腔深さの統計学的に有意な増加に起因することを示す図である。 誘導近視実験についての統計的パワーと動物の数との間の関係を実証するパワーシミュレーションを示す図である。ACD、前房深度;CRC、角膜曲率半径;LT、レンズ厚;VCD、硝子体腔の深さ;OD、右(近視)眼;OS、左(対照)眼。エラーバー、SD。P、有意な値。 フェノテロール臭化水素酸塩1mg/kgの全身投与により、実験的に誘発された近視マウスにおける近視の発症が約90%抑制されたことを示す図である。
定義
以下の定義及び説明は、以下の実施例において明確かつ明白に変更されない限り、又は意味の適用が任意の構成を無意味又は本質的に無意味にする場合を除き、任意の構成において優先することを意味し、意図する。用語の構成がそれを無意味又は本質的に無意味にする場合、定義は、Webster’s Dictionary又は当業者に公知の辞書、例えば、Oxford Dictionary of Biochemistry and Molecular Biology又は同様のものから解釈されるべきである。
本明細書を通して引用された特許、特許出願、及び参考文献の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、特に指示しない限り、「a」及び「an」という用語は、「1つ」、「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」を意味すると解釈される。文脈上他に要求されない限り、本明細書で使用される単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。
「近視」又は「近視の」という用語は、眼の後部が眼の屈折力に対して大きすぎ、焦点が網膜の前に位置し、したがって、ぼやけた遠方視力をもたらす眼疾患状態を意味するものとする。
「遠視」又は「遠視の」という用語は、眼の後部が眼の屈折力に対して小さすぎ、焦点が網膜の後ろに位置し、したがって、ぼやけた近くの視力をもたらす眼の状態を意味するものとする。
「負レンズ」という用語は、眼の焦点を眼の後ろ側にシフトさせ、このようにして、眼を遠視にする、レンズを意味するものとする。
「遺伝子ネットワーク」という用語は、生理学的又は生物学的プロセスを調節する相互接続された遺伝子のネットワークを意味するものとする。
「差次的に発現される」という用語は、環境因子によって誘導される遺伝子発現レベルの変化、遺伝的背景の変化、又は他の内部若しくは外部の傷害若しくは影響を意味するものとする。
「実験的に誘発された近視」という用語は、ここでは、眼への負レンズの適用等の実験的操作によって動物モデルにおいて誘発された近視を説明するために使用される。
「全ゲノム遺伝子発現プロファイリング」という用語は、全ゲノムレベルでの差次的遺伝子発現を分析し、したがって、ゲノムによってコードされる全ての遺伝子の発現に関する情報を提供する方法を指す。
「遺伝子ベースのゲノムワイド関連研究」という用語は、全ゲノム遺伝子発現プロファイリング等の他の実験アプローチによって疾患過程に関与することが以前に見出された、ゲノムにおける遺伝的変異と特定の遺伝子のレベルでの疾患との間の統計的関連を分析する遺伝子研究を指す。
「正の光学的焦点ぼけ」という用語は、眼の焦点が網膜の前に位置する時の状態を意味するものとする。
「負の光学的焦点ぼけ」という用語は、眼の焦点が網膜の背後に位置する時の状態を意味するものとする。
「誘導体」という用語は、化学反応によって化合物から誘導される化合物の構造類似体を指す。構造類似体とは、他の化合物と同様の構造を有するが、ある特定の成分に関して異なる化合物である。それは、他の原子、基、又は部分構造で置き換えられた1つ又は複数の原子、官能基、又は部分構造が異なり得る。構造類似体はまた、別の化合物に付加されるか、又は別の化合物から差し引かれる1つ又は複数の原子、官能基、又は部分構造が別の化合物と異なり得る。構造類似体は、少なくとも理論的には、他の化合物から当業者によって形成されると推測することができる。
本出願で使用される「対象」という用語は、ヒト対象を意味する。本発明のいくつかの実施形態では、「対象」は、近視を有するか、近視のリスクがあるか、又は近視になりやすい。
「治療する」、「治療」等の用語は、疾患の症状の少なくとも1つを減速、軽減、改善若しくは緩和する、又は疾患の発症後に疾患を逆転させる手段を指す。
「予防する(prevent)」、「予防(prevention)」等の用語は、明白な疾患発症の前に作用して、疾患の発症を予防するか、疾患の程度を最小限に抑えるか、又はその発症の経過を遅らせることを指す。
「それを必要とする」という用語は、近視に罹患していることが知られているか、又は疑われる対象である。
治療を必要とする対象は、疾患又は状態を既に発症している対象であろう。予防を必要とする対象は、疾患又は状態の危険因子を有する対象であろう。
本明細書で使用される「薬剤」という用語は、効果を生成するか、又は効果を生成することができる物質を意味し、化学物質、医薬品、生物製剤、有機小分子、抗体、核酸、ペプチド、及びタンパク質を含むが、これらに限定されない。
「治療有効量」という語句は、本明細書では、対象において臨床的に有意な状態の改善を引き起こすのに十分な量、又は疾患に関連する1つ又は複数の症状を遅延若しくは最小化若しくは緩和するのに十分な量、又は対象において所望の有益な生理学的変化をもたらすのに十分な量を意味するために使用される。
薬理ゲノムパイプラインを使用した抗近視薬の同定
近視発症を抑制することができる薬物化合物を同定するために本発明者らによって開発された薬理ゲノムパイプラインの使用の結果が本明細書に示される。80システム遺伝学アプローチを使用して、屈折眼発達及び近視の発症の根底にある遺伝子、遺伝的ネットワーク、及びシグナル伝達経路を同定した。システム遺伝学アプローチは、全ゲノム遺伝子発現プロファイリングを使用した実験的に誘発された近視を有する動物の眼において差次的に発現される遺伝子の同定、及び遺伝子ベースのゲノムワイド関連研究を使用したヒトにおける近視に関連する遺伝子の同定を含んでいた。本発明者らの研究の一例は、米国仮特許出願第62/730,301号に記載されている、(近視を抑制する)正の光学的焦点ぼけ及び(近視の発症を促進する)負の光学的焦点ぼけに対する眼の応答の根底にあるシグナル伝達経路が、大きく異なる2つのシグナル伝達カスケードを介して伝播することを見出した。
本発明者らは、この観察をいくつかの脊椎動物種に拡張し、近視発症の根底にあるシグナル伝達カスケードが、ヒトを含む脊椎動物種にわたって進化的に高度に保存されていることを実証した。次いで、本発明者らは、Tkatchenko et al.2019に記載されている膨大な近視関連遺伝子データセット(3,500を超える遺伝子を含む)及び計算ツールを使用して、81近視発症を制御する遺伝的ネットワークを再構築し、近視発症を促進するシグナル伝達経路を抑制し、近視発症を阻害する経路を刺激することができる薬物化合物を同定した。
抗近視の可能性を有する合計138の薬物化合物を同定した。遺伝子経路及びzスコアを使用して、これらの薬物化合物を、近視及び既知又は予測される副作用を抑制する予測されたそれらの可能性に基づいて、上位10、上位20、上位40、上位80、及び低優先順位のカテゴリーに割り当てた。次いで、これらの薬物化合物を近視のマウスモデルで試験した(実施例1)。
フェノテロール臭化水素酸塩、β2アドレナリン受容体アゴニスト、及びその誘導体を使用する近視の予防及び/又は治療のための方法及び組成物
本開示は、いくつかの態様では、治療有効量のフェノテロール臭化水素酸塩又はその誘導体を、それを必要とする対象に投与することを含む、近視を予防及び/又は治療する方法を提供する。
特定の実施形態では、フェノテロール臭化水素酸塩又は誘導体は全身投与される。特定の実施形態では、フェノテロール臭化水素酸塩又は誘導体は経口投与される。特定の実施形態では、フェノテロール臭化水素酸塩又は誘導体は局所投与される。いくつかの実施形態では、フェノテロール臭化水素酸塩又は誘導体は眼に直接又は眼内に投与される。いくつかの実施形態では、フェノテロール臭化水素酸塩又は誘導体は注射によって投与される。他の実施形態では、フェノテロール臭化水素酸塩又は誘導体は、持続薬物放出製剤若しくは組成物、コンタクトレンズによる持続薬物送達、又は点眼薬として投与される。
特定の実施形態では、フェノテロール臭化水素酸塩は、薬物中の有効成分として直接使用される。他の実施形態では、フェノテロール臭化水素酸塩を化学的に修飾して、その有効性を改善し、副作用を低減し、眼組織への浸透を改善し、安定性を増加させ、又はバイオアベイラビリティを改善することができる。
特定の実施形態では、フェノテロール臭化水素酸塩(又はその誘導体)は薬物の唯一の成分である。他の実施形態では、本明細書に記載の方法及び組成物は、フェノテロール臭化水素酸塩(又はその誘導体)を含む医薬製剤の使用を含む。
「医薬製剤」という用語は、フェノテロール臭化水素酸塩(又はその誘導体)及び追加の成分、例えば近視を抑制することができる他の薬物又は賦形剤(ビヒクル、添加剤、保存剤、緩衝剤)を含む製剤を指し、有効成分(複数可)の有効性を改善するか又は有効成分(複数可)の安定性を増加させるために対象に合理的に投与することができる。有効成分(複数可)がそれらの物理的特性、及び/又は化学的特性、及び/又は生物学的活性を室温(15~30℃)で少なくとも1週間、又は2~8℃で3ヶ月~1年間本質的に保持する場合、製剤は安定である。
フェノテロール臭化水素酸塩(又はその誘導体)は、色及び/又は透明度の目視検査時に、又は光散乱若しくは他の適切な当技術分野で認識されている方法によって測定して、分解、及び/又は凝集、及び/又は沈殿について規定の仕様を満たす場合、その物理的特性を医薬製剤中に保持すると考えられる。
フェノテロール臭化水素酸塩(又はその誘導体)は、有効成分含量が医薬製剤の調製時の量の約90%以内であれば、医薬製剤中でその化学的安定性を保持すると考えられる。化学的分解のいくつかのタイプには、酸化及び加水分解が含まれ、これは、例えば、LC-MS/MSに基づく方法によって評価することができる。
フェノテロール臭化水素酸塩(又はその誘導体)は、所与の時点での有効成分が、例えばインビボ試験によって決定されるように、医薬製剤が調製された時点で示された生物学的活性の約90%以内である場合、医薬製剤中にその生物学的安定性を保持すると考えられる。
本開示の文脈において、フェノテロール臭化水素酸塩(又はその誘導体)の治療有効用量は、近視を少なくとも部分的に予防及び/又は治療するのに十分な量である。治療有効用量は、疾患に関連する症状又は状態の漸増変化さえも生じ得る場合に十分である。治療有効用量は、疾患を完全に治癒する必要も、症状を完全に排除する必要もない。好ましくは、治療有効用量は、疾患に罹患している対象における近視の進行を有意に遅らせることができる。この使用に有効な薬物投与の用量及び頻度は、他の因子の中でも、疾患の重症度(すなわち、低進行対高進行近視)、近視のタイプ(すなわち、症候性近視対一般的な近視)、対象の年齢、対象の体重、及び投与経路に依存する。薬物投与の用量及び頻度は、検眼及び眼科的実務においてよく理解され、一般的に使用されている最先端技術を使用して調整することができる。
本明細書に記載のフェノテロール臭化水素酸塩は、近視の予防及び/又は治療のための追加の薬剤を含む他の薬剤と同時投与することができる。薬剤の同時投与は、本明細書に記載の任意の投与によるものであり得る。更に、追加の薬剤は、フェノテロール臭化水素酸塩と同じ組成であり得る。追加の薬剤は、フェノテロール臭化水素酸塩とは別の組成物であってもよい。2つ以上の組成物の投与は、同時、同時発生的又は逐次であり得る。
本開示は、いくつかの態様において、近視を予防及び/又は治療する方法を更に提供し、治療有効量のβ2アドレナリン受容体アゴニストを、それを必要とする対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、β2アドレナリン受容体アゴニストとしては、ビトルテロール、イソプレナリン、レボサルブタモール、レブアルブテロール、オルシプレナリン、メタプロテレノール、ピルブテロール、プロカテロール、リトドリン、サルブタモール、アルブテロール、テルブタリン、アルホルモテロール、バンブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、サルメテロール、又はそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、β2アドレナリン受容体アゴニストは全身投与される。特定の実施形態では、β2アドレナリン受容体アゴニストは経口投与される。特定の実施形態では、β2アドレナリン受容体アゴニストは局所投与される。いくつかの実施形態では、β2アドレナリン受容体アゴニストは、眼に直接又は眼内に投与される。いくつかの実施形態では、β2アドレナリン受容体アゴニストは注射によって投与される。他の実施形態では、β2アドレナリン受容体アゴニストは、持続薬物放出製剤若しくは組成物、コンタクトレンズによる持続薬物送達、又は点眼薬として投与される。
更なる実施形態では、β2アドレナリン受容体アゴニストは、薬物中の有効成分として直接使用される。他の実施形態では、β2アドレナリン受容体アゴニストを化学的に修飾して、その有効性を改善し、副作用を減少させ、眼組織への浸透を改善し、安定性を増加させ、又はバイオアベイラビリティを改善することができる。
特定の実施形態では、β2アドレナリン受容体アゴニストは薬物の唯一の成分である。他の実施形態では、本明細書に記載の方法及び組成物は、β2アドレナリン受容体アゴニストを含む医薬製剤の使用を含む。
「医薬製剤」という用語は、β2アドレナリン受容体アゴニスト及び追加の成分、例えば近視を抑制することができる他の薬物又は賦形剤(ビヒクル、添加剤、保存剤、緩衝剤)を含む調製物を指し、有効成分(複数可)の有効性を改善するか又は有効成分(複数可)の安定性を増加させるために対象に合理的に投与することができる。有効成分(複数可)がそれらの物理的特性、及び/又は化学的特性、及び/又は生物学的活性を室温(15~30℃)で少なくとも1週間、又は2~8℃で3ヶ月~1年間本質的に保持する場合、製剤は安定である。
β2アドレナリン受容体アゴニストは、色及び/又は透明度の目視検査時に、又は光散乱若しくは他の適切な当技術分野で認識されている方法によって測定して、分解、及び/又は凝集、及び/又は沈殿について規定の仕様を満たす場合、その物理的特性を医薬製剤中に保持すると考えられる。
β2アドレナリン受容体アゴニストは、有効成分含量が医薬製剤の調製時の量の約90%以内であれば、医薬製剤中でその化学的安定性を保持すると考えられる。化学的分解のいくつかのタイプには、酸化及び加水分解が含まれ、これは、例えば、LC-MS/MSに基づく方法によって評価することができる。
β2アドレナリン受容体アゴニストは、所与の時点での有効成分が、例えばインビボ試験によって決定されるように、医薬製剤が調製された時点で示された生物学的活性の約90%以内である場合、医薬製剤中にその生物学的安定性を保持すると考えられる。
本開示の文脈において、β2アドレナリン受容体アゴニストの治療有効用量は、近視を少なくとも部分的に予防及び/又は治療するのに十分な量である。治療有効用量は、疾患に関連する症状又は状態の漸増変化さえも生じ得る場合に十分である。治療有効用量は、疾患を完全に治癒する必要も、症状を完全に排除する必要もない。好ましくは、治療有効用量は、疾患に罹患している対象における近視の進行を有意に遅らせることができる。この使用に有効な薬物投与の用量及び頻度は、他の因子の中でも、疾患の重症度(すなわち、低進行対高進行近視)、近視のタイプ(すなわち、症候性近視対一般的な近視)、対象の年齢、対象の体重、及び投与経路に依存する。薬物投与の用量及び頻度は、検眼及び眼科的実務においてよく理解され、一般的に使用されている最先端技術を使用して調整することができる。
本明細書に記載のβ2アドレナリン受容体アゴニストは、近視の抑制、予防及び/又は治療のための追加の薬剤を含む他の薬剤と同時投与することができる。薬剤の同時投与は、本明細書に記載の任意の投与によるものであり得る。更に、追加の薬剤は、β2アドレナリン受容体アゴニストと同じ組成であり得る。追加の薬剤は、β2アドレナリン受容体アゴニストとは別個の組成物であり得る。2つ以上の組成物の投与は、同時、同時発生的又は逐次であり得る。
薬物の経口組成物は、カプセル、錠剤、粉末、顆粒、溶液、シロップ、懸濁液(非水性又は水性液体中)、又はエマルジョンの形態であり得る。錠剤又は硬ゼラチンカプセルは、ラクトース、デンプン又はその誘導体、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム、ステアリン酸又はその塩を含み得る。軟ゼラチンカプセルは、植物油、ワックス、脂肪、半固体、又は液体ポリオールを含み得る。溶液及びシロップは、水、ポリオール、及び糖を含み得る。経口投与を意図した活性剤は、胃腸管における活性剤の崩壊及び/又は吸収を遅延させる材料でコーティング又は混合され得る。したがって、持続放出は、長時間にわたって達成され得、必要に応じて、活性薬剤は、胃内での分解から保護され得る。経口投与のための医薬組成物は、特定のpH又は酵素条件に起因する特定の胃腸位置での活性薬剤の放出を促進するように製剤化され得る。
特に上述した成分に加えて、組成物は、問題の製剤の種類を考慮して当技術分野で慣用的な他の薬剤を含んでもよく、例えば経口投与に適したものは香味剤を含んでもよいことを理解されるべきである。
持続薬物放出製剤又は組成物は、長期間にわたって薬物を徐々に放出することができるナノスポンジ、パッチ、ゲル又は他のデバイスの形態であり得、これは、眼の前部若しくは後部に注射されるか、又は眼の前部若しくは後部表面に投与若しくは適用される。
コンタクトレンズによる持続薬物送達は、レンズの内面が薬物でコーティングされているか、又はレンズの全体積が薬物で充填されている、プラノコンタクトレンズ、単焦点補正コンタクトレンズ、又は多焦点コンタクトレンズの形態であり得る。
点眼薬は、当業者に周知であり、一般的に使用される従来の点眼薬の形態、又は厳密に制御された量の薬物を眼に送達する微小用量装置の形態であり得る。
いくつかの実施形態では、組成物は、対象に1日1回投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、週に1回投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、週に2回投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、週に3回投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、約5年間~約10年間連続的又は断続的に対象に投与される。
いくつかの実施形態では、組成物は2回以上投与される。
本発明の方法及び組成物を用いた治療は、必要な限り継続することができる。
一実施形態では、近視の対象における治療の有効性が3~6ヶ月ごとに評価され、薬物投与の用量及び/又は頻度が近視抑制の程度に応じて調整される。対象が近視の更なる進行を何ら示さないならば、治療を一旦中止し、これは、治療を一時的に中止し、屈折異常の変化を1ヶ月~6ヶ月にわたって、十分に理解されている最新技術を用いて検眼及び眼科の実務において測定することによって評価することができる。
いくつかの実施形態では、対象は、子供、すなわち、18歳未満である。いくつかの実施形態では、対象は若年成人、すなわち30歳未満である。いくつかの実施形態では、対象は、約4歳~約30歳である。いくつかの実施形態では、対象は、約6歳~約20歳である。いくつかの実施形態では、対象は、約8歳~約15歳である。いくつかの実施形態では、対象は、約10歳~約12歳である。
いくつかの実施形態では、対象は近視を有する。いくつかの実施形態では、対象は近視のリスクがある。いくつかの実施形態では、対象は近視になりやすい。
近視の危険因子には、近視を有する1人又は複数の親を有することが含まれ得るが、これらに限定されない。
キット
開示された方法を実施するためのキットも本開示の範囲内である。
いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に記載の方法のいずれかで使用するための説明書を含むことができる。含まれる説明書は、対象において意図される活性を達成するための対象への薬剤の投与の説明を含み得る。キットは、対象が治療を必要としているかどうかを識別することに基づいて、治療に適した対象を選択する説明を更に含み得る。
本明細書に記載される薬物の使用に関する説明書は、一般に、意図される治療のための投薬量、投薬スケジュール、及び投与経路に関する情報を含む。容器は、単位用量、バルクパッケージ(例えば、複数回用量パッケージ)又はサブ単位用量であり得る。本開示のキットに提供される説明書は、典型的には、ラベル又は添付文書に記載された説明書である。ラベル又は添付文書は、医薬組成物が対象の疾患又は障害を治療、発症の遅延及び/又は緩和するために使用されることを示す。
本明細書で提供されるキットは、適切な包装中にある。適切な包装には、バイアル、ボトル、瓶、フレキシブル包装等が含まれるが、これらに限定されない。
キットは、任意選択的に、緩衝剤及び解釈情報等の追加の構成要素を提供することができる。通常、キットは、容器と、容器上の又は容器に添付されるラベル又は添付文書とを含む。いくつかの実施形態では、本開示は、上記のキットの内容物を含む製造物品を提供する。
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために含まれる。本開示に照らして、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、開示されている特定の実施形態では多くの変更を行うことができ、同様又は類似の結果を依然として得ることができることが当業者によって理解されるべきである。
近視は、負の眼鏡レンズを使用して哺乳動物において誘発され得る
近視を、24日齢のC57BL/6J(B6)マウスにおいて、右眼の上にプラスチックの3D印刷フレームに配置された-25ジオプター(D)レンズを取り付けることによって誘導した。反対側の眼を対照とした。マウスをレンズを付けて3週間飼育した。3週間後、レンズを取り外し、レンズ処置眼及び反対側の対照眼の屈折異常を比較した。レンズ処置は、対照眼(平均屈折異常=+0.6±0.6D)と比較して、レンズ処置眼(平均屈折異常=-14.6±0.3D)において近視をもたらし(図1)、屈折異常の眼間差(-15.2±0.7D)は非常に有意であった(P<0.0001)。高解像度MRIは、処置された眼における眼及び硝子体腔の拡大を明らかにした。レンズ処置した眼の直径は平均して65±8μm大きく(P<0.0001;図1C)、レンズ処理した眼の硝子体眼房の深さは、対照の僚眼のものよりも61±4μm長かった(P<0.0001;図1D)。前房深度、角膜曲率半径及び水晶体厚に有意な眼間差は観察されず(図1D)、負レンズで処置したマウスの眼で誘発される変化が、ヒトの近視と同様に、主に眼の後部に限定されることを示唆している。統計的パワー分析により、眼間の屈折異常の0.5ジオプターという小さな差を、22匹のマウスのサンプルサイズで90%の統計的パワーで識別できることが明らかになった。
フェノテロール臭化水素酸塩はレンズ誘発近視の対象において近視を抑制する
フェノテロール臭化水素酸塩は、抗近視薬開発のための薬理ゲノムパイプラインを使用して、上位10の薬物候補のうちの1つとして同定された。フェノテロール臭化水素酸塩の全身経口投与は、近視を92%阻害することが発見された(図2)。
B6マウスの実験群は、1mg/kgのフェノテロール臭化水素酸塩を補充した食餌で3週間、右眼上に-25Dレンズを付けて飼育し、一方、右眼上に-25Dレンズを有するB6マウスの対照群は、通常の非薬用食餌で飼育した。3週間のレンズ処置後のフェノテロール処置動物におけるレンズ処置眼と対照眼との間の眼間屈折異常差は、対照群における-10.47±3.02Dに対して-0.8±1.80Dであり、P=2.47×10-08であった。図2を参照されたい。
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Claims (15)

  1. 近視の予防又は治療を必要とする対象における近視を予防又は治療する方法であって、治療有効量のフェノテロール臭化水素酸塩又はその誘導体を含む組成物を前記対象に投与することを含む、近視の予防又は治療を必要とする対象における近視を予防又は治療する方法。
  2. 前記対象が約4歳~約30歳である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記対象が約6歳~約20歳である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記組成物を前記対象に1日1回投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記組成物を前記対象に週に約1回、2回又は3回投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記組成物を前記対象に約5年間~約10年間連続的又は断続的に投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記対象が近視の抑制についてモニタリングされ、前記治療有効量又は投与頻度が前記抑制の程度に応じて調整される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記組成物が、経口、点眼薬、注射、パッチ又はコンタクトレンズを通して投与される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記組成物が持続放出形態である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記コンタクトレンズが、プラノコンタクトレンズ、単焦点コンタクトレンズ及び多焦点コンタクトレンズからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  11. 前記組成物が、前記レンズの内面又は前記コンタクトレンズの全体積に充填される、請求項8に記載の方法。
  12. 前記組成物が持続薬物放出製剤又は組成物である、請求項1に記載の方法。
  13. 前記持続薬物放出製剤又は組成物が、ナノスポンジ、パッチ、及びゲルからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記組成物が、近視を抑制、予防又は治療する賦形剤又は追加の薬剤を更に含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記フェノテロール臭化水素酸塩又はその誘導体が、その有効性、眼組織への浸透、安定性及び/又はバイオアベイラビリティを改善するため、及び/又は副作用を低減するために改変される、請求項1に記載の方法。

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