JP2023530305A - 干渉信号を低減するための作用電極凹凸平滑化を特徴とする検体センサ - Google Patents

干渉信号を低減するための作用電極凹凸平滑化を特徴とする検体センサ Download PDF

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Abstract

検体センサは、様々な検体を生体内でモニタするために益々使用されている。検体センサは、干渉物質種から得られた信号に対処するための強化を特徴とすることができる。一部の検体センサは、その上に配置された活性区域とそこからレーザ平滑化された電極凹凸とを備える作用電極を備える検体センサを備えることができ、活性区域は、検体応答性酵素を備える。方法は、作用電極をレーザ分離する段階を含み、作用電極は、その上に配置された活性区域と電極凹凸とを備え、活性区域は、検体応答性酵素を備える。【選択図】図1

Description

〔関連出願への相互参照〕
この出願は、本明細書に引用によってその全体が組み込まれている2020年6月16日出願の米国仮特許出願第63/039,768号に対する優先権及びその利益を主張するものである。
個人内の異なる検体の検出は、時として彼らの健康状態をモニタするのに必須であることがある。正常検体レベルからの逸脱は、多くの場合にいくつかの生理学的状態を示すことができる。例えば、グルコースレベルは、糖尿病患者において検出及びモニタするのに特に重要であることがある。グルコースレベルを十分な規則性と共にモニタすることにより、糖尿病患者は、有意な生理学的障害が発生する前に是正アクションを取ることができると考えられる(例えば、グルコースレベルを下げるためにインスリンを注射することにより、又はグルコースレベルを上げるために摂食することにより)。他の様々な生理学的状態に関して他の検体のモニタが望ましい場合がある。複数の検体のモニタも、一部の事例では、特に2又は3以上の検体の同時異常調節を互いとの組合せでもたらす併発状態に関して望ましい場合がある。
米国特許出願公開第2011/0213225号明細書 米国特許第6,605,200号明細書 米国特許第8,268,143号明細書 米国特許出願公開第2020/0237275号明細書 米国特許出願第16/774,835号明細書 米国特許出願公開第2020/0241015号明細書 米国特許出願第16/582,583号明細書 米国特許出願公開第2019/0320947号明細書 米国特許出願公開第2020/0060592号明細書 米国特許第6,134,461号明細書 米国特許第6,736,957号明細書 米国特許第7,501,053号明細書 米国特許第7,754,093号明細書 米国特許第8,444,834号明細書 米国特許第6,605,201号明細書 米国特許第8,983,568号明細書
多くの検体は、適切な検出化学作用を識別することができることを前提として生理学的解析に対する興味深いターゲットを表している。この目的に対して、様々な生理学的検体を検定するように構成された生体内検体センサが開発されて近年にわたって改善されており、その多くは、検出特異性を容易にするために酵素ベースの検出戦略を利用する。実際に、血中グルコースレベルをモニタするためにグルコース反応性酵素を利用する生体内検体センサは、現在では糖尿病患者の間で一般的に利用されている。複数の検体をモニタすることができる生体内検体センサを含む他の検体のための生体内検体センサは、様々な開発ステージにある。少量検体に対する感度不足は、特に作用電極又は他の検体感知化学作用構成要素との干渉物質の相互作用から生じる背景信号に起因して、一部の検体センサに対して特に問題である場合がある。
以下の図は、本発明の開示のある一定の態様を示すために含められるが、限定的な実施形態として見てはならない。開示する主題は、本発明の開示の範囲から逸脱することなく形態及び機能においてかなりの修正、変更、組合せ、及び均等物が可能である。
本発明の開示の検体センサを組み込むことができる例示的感知システムの図である。 単一活性区域を備える検体センサの断面図である。 単一活性区域を備える検体センサの断面図である。 単一活性区域を備える検体センサの断面図である。 2つの活性区域を備える検体センサの断面図である。 2つの活性区域を備える検体センサの断面図である。 2つの活性区域を備える検体センサの断面図である。 活性区域がその上に各々存在する2つの作用電極を備える検体センサの断面図である。 活性区域をその上に有する従来の炭素作用電極の上面図である。 膜がその上に配置されていない作用電極の上面視点の写真である。 図6Aに示す線に沿った深さプロファイルを示す図である。 膜がその上に配置された作用電極の上面視点の写真である。 図7Aに示す線に沿った深さプロファイルを示す図である。 本発明の開示の1又は2以上の態様によるレーザ平滑化された作用電極の3D視野を示す写真である。 膜及び活性区域がその上に配置されていない作用電極の上面視点の写真である。 図9Aに示す線に沿った深さプロファイルを示す図である。 本発明の開示の1又は2以上の態様によるレーザ平滑化の後の図9Aの作用電極の上面視点の写真である。 図9Cに示す線に沿った深さプロファイルを示している。 本発明の開示の1又は2以上の態様によりレーザ平滑化の後に膜がその上に配置されておらずかつ活性区域が配置された作用電極の上面視点の写真である。 図10Aに示す線に沿った深さプロファイルを示す図である。 干渉アスコルビン酸に応答する活性区域を有するか又は活性区域を欠くかのいずれかの平滑化及び非平滑化作用電極を比較する一対差異試験のグラフである。 レーザ平滑化されていない作用電極の写真である。 本発明の開示の1又は2以上の態様によりレーザ平滑化された作用電極の写真である。 レーザ平滑化されていない作用電極の写真である。 本発明の開示の1又は2以上の態様によりレーザ平滑化された作用電極の写真である。 本発明の開示の1又は2以上の態様によりレーザ平滑化された作用電極の写真である。
本発明の開示は、一般的に生体内使用に適する検体センサ、より具体的には、検出感度の改善を促進するために干渉物質種を示す信号を低減する又は排除するための1又は2以上の強化を特徴とする検体センサ及びその生成及び使用の方法を説明する。
そのような強化は、センサテール(組織の中への挿入のためのセンサの部分)の上の作用電極面の利用可能性、特に、干渉物質がその上で反応して検体に関連付けられない信号に寄与する場合があるセンサテールの上の炭素作用電極の縁部の利用可能性を低減することを含むことができる。本明細書に説明する検体センサは、少なくとも1つの作用電極、特に炭素作用電極とその上に配置された活性区域とを備えるセンサテールを備える。質量搬送制限膜が、次に、炭素作用電極の上に配置される(すなわち、センサテールを形成する活性区域と活性区域を欠くあらゆる異質炭素作用電極との両方の上に配置される)。様々な炭素電極凹凸が、炭素作用電極の縁部に沿って存在する場合があり、それらは、質量搬送制限膜で不十分に被覆されるか又は全く被覆されず、それによって干渉物質が反応を受けて作用電極での測定信号に寄与する炭素面を提供する場合がある。本明細書に使用する時に、用語「凹凸」及びその文法的変形は、面に沿う(例えば、作用電極に沿う)粗い縁部を意味する。凹凸は、作用電極の縁部に沿うリッジの形態にあり、それによってこの場所で質量搬送制限膜の不十分なコーティングに至る場合がある。そのような干渉信号を低減する又は排除するために、本発明の開示は、炭素凹凸をそこから除去するために炭素作用電極の1又は2以上の縁部の分離(切除)を提供し、それによって作用電極面のより均一なプロファイルを提供する。作用電極が炭素以外の材料から形成される場合に、そのような凹凸は、特定の作用電極の組成に同等に存在する場合がある(「電極凹凸」)。
本明細書では、各タイプの強化の具体的な詳細及び更に別の利点をより詳細に説明する。本発明の開示の検体センサは、特定の必要性に依存して1つの検体を検出するか又は複数の検体を同時又はほぼ同時に検出するように構成することができる。
酵素ベースの検出を使用する検体センサは、特定の基質又は基質部類に対する酵素の高頻度の特異性に起因してグルコースのような単一検体を検定するのに一般的に使用される。単一酵素と協働的に作用する複数の酵素を備える酵素システムとの両方を使用する検体センサは、この目的で使用することができる。本明細書に使用する時に、用語「協働的に」及びその文法的変形は、第1の酵素反応の生成物が第2の酵素反応に対する基質になり、第2の酵素反応又はその後の酵素反応が検体の濃度を測定するためのベースとして機能する共役酵素反応を意味する。更に、1よりも多い検体タイプを検出するために酵素及び/又は酵素システムの組合せを使用することができる。検出を容易にするための酵素又は酵素システムを特徴とする検体センサを使用することは、他に検体モニタに必要とされる場合がある体液の頻繁な抜き取りが行われることを回避するのに特に有利である場合がある。
生体内検体センサは、真皮液、間質液、血漿、血液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄液、又は羊水などのような着目する生体液内の1又は2以上の検体をモニタする。そのような流体は、検体センサの作用電極と作用電極(例えば、炭素作用電極)自体の上で直接に又は電極上に配置された1又は2以上の感知化学作用構成要素とのいずれかで反応することができる1又は2以上の干渉物質を含む場合がある。本明細書に使用する時に、用語「干渉物質」及びその文法的変形は、着目する検体ではないあらゆる存在する電気活性種(例えば、着目する検体ではない生体内電気活性種)を意味する。その例は、アスコルビン酸(ビタミンC、アスコルビン酸塩とも呼ぶ)、グルタチオン、尿酸、パラセタモール(アセトアミノフェン)、イソニアジド、サリチル酸塩など、及びこれらのあらゆる組合せを含むがそれらに限定されない。これらの干渉物質の作用電極との反応は、着目する検体から発する信号から分離不能又は簡単には分離することができない電気化学信号を発生させる場合があり、これは、そのような検体、特に少量(例えば、低濃度からミリモル以下の濃度まで)のものの正確な検出を複雑にする場合がある。干渉物質が発生させる電気化学信号は、干渉物質からの信号の大きさがターゲット検体からの信号に近づく時に特に問題である場合がある。これは、例えば、干渉物質の濃度が着目する検体の濃度に近づく又はそれを超える時に発生する場合がある。一部の干渉物質は生体内に遍在し、簡単には避けられない。従って、生体内解析中にこれらの干渉物質の影響を最小にする技術が非常に望ましいと考えられる。
本開示は、下記でより詳細に説明するように、単一検体と互いに組み合わされる複数の検体との両方に対する検出感度を単体又は他の強化との組合せのいずれかで改善することができる検体センサ強化を提供する。すなわち、本発明の開示は、生体内干渉物質からもたらされる背景信号の低下を提供することができる小さい炭素作用電極縁部凹凸を有する検体センサを提供する。本発明の開示のある一定の態様は、炭素作用電極の強化に関連するが、本明細書の開示に従って他のタイプの電極を同じく強化することができることは認められるものとする。本明細書の開示の使用によって強化することができる電極のタイプは、金、プラチナ、及びPEDOTなども含む。
一般的にかつ限定ではなく、1又は2以上の干渉物質強化を備える本発明の開示の実施形態は、本明細書で詳述するように、少なくとも、これらの強化を欠くセンサと比較して100%までとすることができる約20%よりも大きい範囲、又は例えば、約20%から約70%又はそれよりも大きい範囲、好ましくは、少なくとも約40%大きく、少なくとも約45%大きく、又は少なくとも約50%であり、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、上限と下限が分離可能な範囲のアスコルビン酸干渉物質信号のような干渉物質信号の低減を可能にすることができる。干渉物質の低減の量は、センサの特定の構成(例えば、1又は2以上のどの強化が選択されるか)及び体液内の干渉物質の濃度など及びこれらのあらゆる組合せを含むがそれらに限定されないいくつかの因子に依存する場合がある。
本開示の検体センサ及びその強化をより詳細に説明する前に、本発明の開示の実施形態をより良く理解することができるように、最初に、適切な生体内検体センサ構成及びこれらの検体センサを使用するセンサシステムの簡単な概要を提供する。図1は、本発明の開示の検体センサを組み込むことができる例示的感知システムの図を例示している。図示のように、感知システム100は、有線又は無線、一方向又は双方向、及び暗号化又は非暗号化とすることができるローカル通信の経路又はリンク140を通して互いに通信するように構成されたセンサ制御デバイス102と読取器デバイス120とを含む。一部の実施形態により、読取器デバイス120は、センサ104又はそれに関連付けられたプロセッサによって決定された検体濃度及び警告又は通知を見るための出力媒体を含み、更に、1又は2以上のユーザ入力を可能にすることができる。読取器デバイス120は、多目的スマート電話又は専用電子読取計器とすることができる。1つの読取器デバイス120しか示していないが、ある一定の事例では、複数の読取器デバイス120が存在することができる。
読取器デバイス120はまた、有線又は無線、一方向又は双方向、及び暗号化又は非暗号化とすることができる通信経路/リンク141及び/又は142をそれぞれ通じてリモート端末170及び/又は高信頼性コンピュータシステム180と通信することができる。読取器デバイス120は、同じく又はこれに代えて、通信経路/リンク151を通してネットワーク150(例えば、携帯電話ネットワーク、インターネット、又はクラウドサーバ)と通信することができる。ネットワーク150は、更に通信経路/リンク152を通してリモート端末170に、及び/又は通信経路/リンク153を通して高信頼性コンピュータシステム180に通信的に結合することができる。これに代えて、センサ104は、介在読取器デバイス120が存在することなくリモート端末170及び/又は高信頼性コンピュータシステム180と直接に通信することができる。例えば、一部の実施形態により、センサ104は、本明細書に引用によってその全体が組み込まれている米国特許出願公開第2011/0213225号明細書に説明されているように、ネットワーク150への直接に通信リンクを通してリモート端末170及び/又は高信頼性コンピュータシステム180と通信することができる。
通信の経路又はリンクの各々に対して近距離無線通信(NFC)プロトコル、無線周波数識別(RFID)プロトコル、BLUETOOTH(登録商標)プロトコル又はBLUETOOTH(登録商標)低エネルギプロトコル、又はWiFiなどのようなあらゆる適切な電子通信プロトコルを使用することができる。一部の実施形態により、リモート端末170及び/又は高信頼性コンピュータシステム180は、ユーザの検体レベルに興味を有する1次ユーザ以外の個人によってアクセス可能とすることができる。読取器デバイス120は、ディスプレイ122と任意的な入力構成要素121とを備えることができる。一部の実施形態により、ディスプレイ122は、タッチ画面インタフェースを備えることができる。
センサ制御デバイス102は、センサ104を作動させるための回路及び電源を収容することができるセンサハウジング103を含む。任意的に、電源及び/又は能動回路は除外することができる。センサ104にプロセッサ(図示せず)を通信的に結合することができ、プロセッサは、センサハウジング103又は読取器デバイス120の中に物理的に位置付けられる。一部の実施形態により、センサ104は、センサハウジング103の下面から突出し、かつセンサハウジング103を皮膚のような組織面に接着させるように構成された接着層105を通って延びる。
センサ104は、皮膚の真皮層又は皮下層内のような着目する組織の中に少なくとも部分的に挿入されるようになっている。これに代えて、センサ104は、表皮を貫通するように適応させることができる。更に別の代替として、センサ104は、皮膚上の汗内の1又は2以上の検体を検定する時のように面上に配置され、組織を貫通しない場合がある。センサ104は、所与の組織内の望ましい深さまでの挿入に十分な長さのセンサテールを含むことができる。センサテールは、1又は2以上の着目する検体を検定するのに適するように構成された少なくとも1つの作用電極と酵素又は酵素システムを備える活性区域とを備えることができる。
対電極は、少なくとも1つの作用電極との組合せで、任意的に基準電極との更に別の組合せで存在することができる。センサテール上の特定の電極構成に関して下記で図2A~図4を参照してより詳細に説明する。様々な実施形態により、活性区域内の1又は2以上の酵素は、活性区域を備えるポリマーに共有結合させることができる。これに代えて、酵素は、活性区域内にカプセル封入又は物理的同伴等によって非共有的に会合させることができる。真皮液、間質液、血漿、血液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄液、又は羊水などのような着目する生体液内で1又は2以上の検体をモニタすることができる。特定の実施形態では、本発明の開示の検体センサは、生体内の検体濃度を決定するために真皮液又は間質液を分析することに適応させることができる。しかし、本発明の開示の範囲から逸脱することなく、センサ制御デバイス102の全体は、1又は2以上の着目する検体を検定するために組織の下及び1又は2以上の体液内への完全埋め込みを可能にする1又は2以上の様々な構成を有することができることは認められるものとする。
再度、図1を参照すると、センサ104は、読取器デバイス120にデータを自動的に伝達することができる。例えば、検体濃度データは、自動的かつ定期的に、例えば、データが得られた時又はデータを伝達までメモリに格納して予め決められた期間が経過した後に予め決められた頻度(例えば、1分毎、5分毎、又は他の予め決められた期間)でBLUETOOTH(登録商標)プロトコル又はBLUETOOTH(登録商標)低エネルギプロトコル等によって通信することができる。異なる検体に関するデータを同じ頻度又は異なる頻度で及び/又は同じか又は異なる通信プロトコルを用いて伝達することができる。他の実施形態では、センサ104は、読取器デバイス120と非自動方式でかつ設定スケジュールに従うことなく通信することができる。例えば、データは、センサ電子機器が読取器デバイス120の通信距離の中に入れられた時にRFID技術を用いてセンサ104から通信することができる。読取器デバイス120に通信されるまで、データは、センサ104のメモリに格納されたままに留まることができる。従って、ユーザは、常時読取器デバイス120との至近距離を維持する必要はなく、代わりに都合の良い時間に自動的又は非自動的にデータをアップロードすることができる。更に他の実施形態では、自動データ伝達と非自動データ伝達との組合せを実施することができる。例えば、データ伝達は、読取器デバイス120がもはやセンサ104の通信距離に存在しなくなるまで自動ベースで継続することができる。
組織内へのセンサ104の導入を促進するために一時的に導入器が存在する場合がある。例示的実施形態では、導入器は、針又は類似の尖頭体又はその組合せを含むことができる。代替実施形態では、シース又はブレードのような他のタイプの導入器が存在することができることは認識されるものとする。より具体的には、針又は他の導入器は、組織挿入の前にセンサ104の近くに一時的に存在することができ、その後にそれを引き抜くことができる。存在する間には、これらの針又は他の導入器は、センサ104が辿るためのアクセス経路を開くことによって組織内へのセンサ104の挿入を容易にすることができる。例えば、1又は2以上の実施形態により、針は、センサ104の埋め込みを行うことを可能にするための真皮に至るまでのアクセス経路として表皮の貫通を容易にすることができる。アクセス経路を開いた後に、針又は他の導入器が尖傷を示すことのないようにこれらを引き抜くことができる。例示的実施形態では、適切な針は、中実又は中空、ベベル又は非ベベル、及び/又は円形断面又は非円形断面とすることができる。より具体的な実施形態では、適切な針は、約250ミクロンの断面直径を有することができる鍼灸針と断面直径及び/又は先端設計が同等とすることができる。しかし、適切な針は、特定の用途に合わせて必要に応じて大きめ又はより小さい断面直径を有することができることは認識されるものとする。例えば、約300ミクロンから約400ミクロンまでの範囲の断面直径を有する針を使用することができる。
一部の実施形態では、最初に針が組織を貫通してセンサ104のためのアクセス経路を開くように、針の先端を(それが存在する間に)センサ104の終端の上に傾斜させることができる。他の例示的実施形態では、センサ104は、針の管腔又は溝の中に存在することができ、針は、同じくセンサ104のためのアクセス経路を開く。いずれの場合にも、針は、センサの挿入を容易にした後に引き抜くことができる。
対応する単一検体の検出に適するように構成された単一活性区域を特徴とするセンサ構成は、図2A~図2Cを参照して本明細書で更に説明するように、二電極又は三電極の検出モチーフを使用することができる。その後に、別々の作用電極又は同じ作用電極のいずれかの上での別々の検体の検出に適する2つの異なる活性区域を特徴とするセンサ構成を図3A~図4を参照して別々に説明する。複数の作用電極を有するセンサ構成は、同じセンサテールの中に2つの異なる活性区域を組み込むのに各活性区域からの信号寄与を各作用電極の別々の評価によってより容易に決定することができるので特に有利とすることができる。各活性区域は、同じか又は異なる組成の質量輸送制限膜で保護することができる。
検体センサ内に単一作用電極が存在する時は、三電極センサ構成は、作用電極と対電極と基準電極とを備えることができる。関連の二電極センサ構成は、作用電極と第2の電極とを備えることができ、この場合に、第2の電極は、対電極と基準電極の両方として機能することができる(すなわち、対/基準電極)。様々な電極は、センサテール上で少なくとも部分的に上下に積み重ねる「層状にする」、及び/又は横方向に互いに離間させることができる。本明細書に開示するセンサ構成のいずれでも、様々な電極は、誘電材料又は類似の絶縁体によって互いに電気的に隔離することができる。
複数の作用電極を特徴とする検体センサもまた、少なくとも1つの追加電極を備えることができる。1つの追加電極が存在する時は、この電極は、複数の作用電極の各々に対する対/基準電極として機能することができる。2つの追加電極が存在する時は、追加電極の一方は、複数の作用電極の各々に対する対電極として機能することができ、追加電極のうちの他方は、複数の作用電極の各々に対する基準電極として機能することができる。
以下で説明する作用電極構成のいずれも、センサテールの上の作用電極の縁部凹凸の利用可能性を低減することに関する下記の更に別の開示から利益を得ることができる。
図2Aは、本明細書の開示での使用に適合する例示的二電極検体センサ構成の図を例示している。図示のように、検体センサ200は、作用電極214と対/基準電極216の間に配置された基板212を含む。これに代えて、作用電極214及び対/基準電極216は、基板212の同じ面上に位置付けることができ、これらの電極の間に誘電材料が挟み込まれる(構成を示していない)。活性区域218は、作用電極214の少なくとも一部分の上に少なくとも1つの層として配置される。活性区域218は、本明細書で更に議論するように、検体の検出に適するように構成された複数の不連続スポット又は単一連続スポットを備えることができる。
引き続き図2Aを参照すると、一部の実施形態により、膜220が、少なくとも活性区域218を保護し、任意的に作用電極214及び/又は対/基準電極216の一部又は全て又は検体センサ200の全体を保護することができる。検体センサ200の一方又は両方の面を膜220で保護することができる。膜220は、活性区域218への検体流束を制限する機能を有する1又は2以上のポリマー膜材料を備えることができる(すなわち、膜220は、着目する検体に対してある程度の透過性を有する質量輸送制限膜である)。膜220の組成及び厚みは、活性区域218への望ましい検体流束を容易にし、それによって信号の望ましい強度及び安定性を与えるように変更することができる。検体センサ200は、電量測定、電流測定、電圧測定、又は電位差測定の電気化学検出技術のうちのいずれかによって検体を検定するように作動可能とすることができる。
図2B及び図2Cは、本明細書での開示での使用に同じく適合する例示的三電極検体センサ構成の図を例示している。三電極検体センサ構成は、検体センサ201及び202(図2B及び図2C)内への追加電極217の包含を除いて図2Aの検体センサ200に関して示したものと同様とすることができる。この場合に、追加電極217を使用することにより、対/基準電極216は対電極又は基準電極のいずれかとして機能することができ、追加電極217は、他に対処されていない他の電極機能を充足する。作用電極214は、その元来の機能を充足する。追加電極217は、誘電材料の分離層がその間にある状態で作用電極214又は電極216のいずれかの上に配置することができる。例えば、図2Bに示すように、誘電材料層219a、219b、及び219cは、電極214216及び217を互いにか分離し、電気的隔離を提供する。これに代えて、図2Cに示すように、電極214216及び217のうちの少なくとも1つを基板212の対向する面の上に位置付けることができる。従って、一部の実施形態では、電極217(基準電極)が電極214又は216の一方の上に位置付けられ、誘電材料によってこれらの電極から離間した状態で、電極214(作用電極)と電極216(対電極)とを基板212の対向する面の上に位置付けることができる。電極217の上には基準材料層230(例えば、Ag/AgCl)が存在することができ、基準材料層230の場所は、図2B及び図2Cに示すものに限定されない。図2Aに示すセンサ200の場合と同様に、検体センサ201及び202内の活性区域218は、複数のスポット又は単一スポットを備えることができる。更に、検体センサ201及び202もまた、電量測定、電流測定、電圧測定、又は電位差測定の電気化学検出技術のうちのいずれかによって検体を検定するように作動可能とすることができる。
検体センサ200と同様に、膜220は、検体センサ201及び202内の活性区域218、並びに他のセンサ構成要素を保護することができ、それによって質量輸送制限膜として機能する。一部の実施形態では、追加電極217は、膜220で保護することができる。膜220は、ここでもまた浸漬コーティング又は原位置光重合によって生成することができ、様々な場所で組成が異なるか又は同じとすることができる。図2B及び図2Cは、電極214216及び217の全てを膜220で保護されるものとして示すが、一部の実施形態では作用電極214又は活性区域218のみを保護することができることは認識されるものとする。更に、電極214216及び217の各々での膜220の厚みは、同じか又は異なる場合がある。二電極検体センサ構成(図2A)の場合と同様に、図2B及び図2Cのセンサ構成でも、検体センサ201及び202の一方又は両方の面を膜220で保護することができ、又は検体センサ201及び202の全体を保護することができる。従って、図2B及び図2Cに示す三電極センサ構成は、本明細書に開示する実施形態を限定しないものとして理解しなければならず、代わりの電極構成及び/又は層構成が依然として本発明の開示内に留まっている。
図3Aは、単一作用電極を有し、その上に2つの異なる活性区域が配置されたセンサ203に関する例示的構成を例示している。図3Aは、作用電極214上の2つの活性区域、すなわち、異なる検体に応答し、作用電極214の面上で互いに横方向に離間した第1の活性区域218aと第2の活性区域218bとの存在を除いて図2Aと同様である。活性区域218a及び218bは、各検体の検出に適するように構成された複数のスポット又は単一スポットを備えることができる。膜220の組成は、活性区域218a及び218bで異なるか又は同じとすることができる。下記で更に議論するように、第1の活性区域218aと第2の活性区域218bとは、その対応する検体を互いに異なる作用電極電位で検出するように構成することができる。
図3B及び図3Cは、それぞれ、第1の活性区域218a及び第2の活性区域218bがその上に配置された単一作用電極を各々が特徴とするセンサ204に関する例示的三電極センサ構成及び205に関する例示的三電極センサ構成の断面図を例示している。図3B及び図3Cは、図2B及び図2Cと他に同様であり、これらの図の引用によってより良く理解することができる。図3Aの場合と同様に、膜220の組成は、活性区域218a及び218bで異なるか又は同じとすることができる。
図4は、本明細書での開示での使用に適合する2つの作用電極、基準電極、及び対電極を有する例示的検体センサ構成の断面図を例示している。図示のように、検体センサ400は、基板402の対向する面の上に配置された作用電極404及び406を含む。第1の活性区域410aは、作用電極404の面上に配置され、第2の活性区域410bは、作用電極406の面上に配置される。対電極420は、作用電極404から誘電材料層422によって電気的に隔離され、基準電極431は、作用電極406から誘電材料層423によって電気的に隔離される。基準電極431及び対電極420の上に外側誘電材料層430及び432がそれぞれ配置される。様々な実施形態により、膜440は、少なくとも活性区域410a及び410bを保護することができ、任意的に検体センサ400の他の構成要素又は検体センサ400の全体は、同じく膜440によって保護される。ここでもまた、膜440は、各場所での検体流束を差別的に調整するのに適する透過率値を与えるために、活性区域410a及び410bで必要に応じて組成が異なるとすることができる。
複数の作用電極を有し、図4に示す構成とは異なる代替的センサ構成は、別々の対電極420と基準電極431の代わりに対/基準電極を特徴とし、及び/又は指定しているものとは異なる層配置及び/又は膜配置を特徴とすることができる。例えば、対電極420の配置と基準電極431の配置とは、図4に示すものと逆にすることができる。更に、作用電極404と406は、必ずしも図4に示す方式で基板402の対向する面の上に存在する必要はない。
炭素作用電極は、本明細書に開示する検体センサのうちのいずれかで作用電極を適切に構成することができる。炭素作用電極は、電気化学検出で非常に一般的に使用されるが、電気化学感知でのその使用は、困難を伴わないわけではない。特に、活性区域が検体と相互作用し、活性区域に隣接する炭素作用電極の部分に電子を伝達した時にのみ、着目する検体に関する電流がもたらされる。着目する検体を含有する体液は、活性区域によって保護されていない炭素作用電極の炭素面と同じく相互作用するが、これらの場所に検体から作用電極への電子伝達を促進する酵素又は酵素システムが存在しないので検体信号には寄与しない。しかし、干渉物質は、活性区域を欠く作用電極の部分で酸化を受け、全体の信号に背景に寄与する可能性がある。従って、電極面上に外部(又は「露出」)炭素区域を有する炭素作用電極は、検体信号に大きく寄与せず、一部の場合は背景信号の寄与を招く場合がある。着目する検体を直接検出しない余分な面区域を有する他の電極も、類似の背景信号を受ける場合があり、本明細書での開示の修正によって強化することができる。
様々な干渉物質は、本明細書に説明する検体センサの作用電極と相互作用する可能性があるが、アスコルビン酸は、生体液内に一般的に存在し、炭素作用電極で背景信号を発生させる可能性がある干渉物質の一例である。例えば、アスコルビン酸は、作用電極で酸化してデヒドロアスコルビン酸を生成する。本明細書では、本発明の開示の様々な実施形態をアスコルビン酸である干渉物質に関して以下に説明するが、しかし、本明細書に説明する実施形態及び検体センサ構成は、他の干渉物質(着目する検体を有する体液内にある電気活性種)に等しく当て嵌めることができることは理解されるものとする。
上記で提供したように、本明細書に説明する活性区域は、複数の感知スポットを有する単一感知層又は互いに圧縮された複数の感知スポットを有し、従って、実質的に単一感知層に対応する感知層とすることができる。次に、図5を参照すると、複数の感知スポット518を含む活性区域504がその上に配置された従来の炭素作用電極500の上面図が例示されている。検体が活性区域504と相互作用した時に、感知スポット518を含む炭素作用電極500の部分のみが、着目する検体に関する信号に寄与する。炭素作用電極500は、活性区域504の中に6つの感知スポット518を示すが、本発明の開示の範囲から逸脱することなく、6よりも少ないか又は多い感知スポット518を炭素作用電極500上に含めることができることは認められるものとする。外部炭素区域510には感知スポット518が直接重ねられず、この区域は、検体に関する信号に寄与しないが、1又は2以上の干渉物質に関する背景信号を発生させる場合がある。従って、炭素作用電極500での干渉物質の酸化は、干渉物質との相互作用に使用される可能性がある外部炭素区域510の面積に比例する。実際に、炭素作用電極500でのアスコルビン酸の酸化は、使用される可能性がある外部炭素区域510の面積と共にほぼ線形に強弱する。
図示のように、活性区域504は不連続であり、複数の感知スポット518の形態にある。本明細書で定める場合に、用語「不連続」及びその文法的変形は、いずれの単一スポット(感知要素)も隣接スポットと縁部又は境界を共有しない(例えば、接触しない)ことを意味する。
炭素作用電極500を備える本発明の開示に説明するセンサテールは、センサテールの追加の層状要素(例えば、誘電材料及び他の電極など)と共にテンプレート基板材料(図2A~図2B、図3A~図3C、図4参照)の上に調製される場合がある。センサ製作中に、炭素作用電極500を備えるセンサテールは、その後に1又は2以上の手段によって分離される。分離は、以下に限定されるものではないが、レーザ分離、スリット加工、剪断、及び押し抜きなどを含む1又は2以上の切断又は分離プロトコルによって達成することができる。センサテールの分離は、センサテールの遠位先端(すなわち、組織の中に最も深く挿入されることになるセンサテールの部分)に向けた炭素作用電極500の上への活性区域の付加の前又は後に実行することができる。本明細書に使用する時に、センサテールの遠位「先端」は、センサテールの最も遠位の縁部又は組織の中に最も深く挿入される部分として参照される。
センサテールの1又は2以上の部分はレーザ分離され、典型的には、センサテールを望ましい形状に切断するために複数のレーザ通過を必要とする。センサテールの先端には、作用電極及び活性区域の少なくとも一部分を備える。典型的には、レーザ分離されたセンサテールは、約100μmから約500μmの範囲の幅及び約3mmから約10mmまでの長さのような約50μmから約800μmの範囲の幅及び約1mmから約20mmまでの長さを有し、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限は分離可能である。一般的に、センサテールの遠位部分は、約0.1mmから約5mmまでのような約0.1mmから約10mmの遠位長さを占め、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。レーザ分離の後に、少なくとも1つのセンサ先端上に質量搬送制限膜が堆積される。
質量搬送制限膜を配置する前に、レーザ分離過程に起因して炭素電極の縁部に沿って炭素凹凸が存在する場合がある。これらの炭素凹凸は、干渉物質がその上で反応して検体センサに背景信号に寄与する可能性がある面を提供する。
炭素作用電極のレーザ分離は、約1μmから約75μm、約5μmから約50μm、又は約10μmから約30μmの範囲のような約75μm又はそれ未満の幅を有する炭素凹凸の形成をもたらす場合があり、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。更に、これらの炭素凹凸は、約1μmから約50μm、約1μmから約30μm、約1μmから約20μm、又は約2μmから約10μmの範囲のような約50μm又はそれ未満又は約20μm又はそれ未満の高さを有する場合があり、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。従って、これらの炭素凹凸は、干渉物質が相互作用する可能性がある実質的な面積を与える場合がある。更に、凹凸は、質量搬送制限膜の不定のカバレージ(厚み)に寄与する場合がある。これらの炭素凹凸は、下記で説明するように1又は2以上のレーザ平滑化によって低減するか又は除去することができる。
最初に図6Aを参照すると、かつ本発明の開示に従って炭素凹凸を低減するか又は除去するためのいずれかのレーザ平滑化の前に、図示しているのは、センサテールの少なくとも一部分として使用するための質量搬送制限膜がその上に堆積されていないレーザ分離された炭素作用電極の例の拡大図である。他の手段によって望ましい形状に切断された電極も類似のサイズの凹凸を有することができる。炭素凹凸は、干渉物質がそれと反応する可能性がある作用電極の縁部に沿って現れている。図6Bは、図6Aに示す線に沿って識別された430.71μmの深さプロファイルに沿って評価された深さプロファイルを例示している。この3D光学プロファイルは、ZEGAGE(登録商標)3D Optical Profiler、ZYGOOR Corporation(米国コネチカット州ミドルフィールド)を用いて取得したものである。図6Bに示すように、例示的分離センサテールの分離(切除)縁部に沿う炭素凹凸は、約30μm幅までかつ約10μm高さまでである。
質量搬送制限膜は、異質炭素区域(例えば、図5の異質炭素区域510)への干渉物質のアクセスを低減するか又は防止することができる。レーザ分離された炭素作用電極(及びその上の活性区域)の上に配置された時に、薄膜の厚みは、有意な凹凸が存在する場合は作用電極の幅にわたって変化する。典型的には、薄膜は、炭素凹凸が位置付けられる場所でもある電極縁部に沿って最も薄い。従って、薄膜が存在する時であっても、炭素凹凸は、それとの干渉物質の相互作用を十分に低減するか又は防止するほど十分には薄膜によって被覆されない場合がある。
図7Aを参照すると、かつ本発明の開示に従って炭素凹凸を低減するか又は除去するためのいずれかのレーザ平滑化の前に、図示しているのは、質量搬送制限膜が配置された例示的レーザ分離炭素作用電極の拡大図である。図7Bは、図7Aに示す線に沿って識別された345.53μmの深さプロファイルに沿って評価された深さプロファイルを例示している。この3D光学プロファイルは、ZEGAGE(登録商標)3D Optical Profiler、ZYGOOR Corporation(米国コネチカット州ミドルフィールド)を用いて取得したものである。図7Bに示すように、薄膜は、炭素作用電極の分離リッジに沿ってかなり薄めである。
本開示は、センサテールを形成するのに使用するための炭素作用電極を1又は2以上の1回通過又は複数回通過のレーザ平滑化切断によって平滑化する方法及び検体センサを提供する。一部の実施形態では、レーザ深さを作用電極の厚みよりも浅く設定する1回通過レーザ平滑化方法が使用される。例えば、レーザ平滑化は、炭素層の上部約50%のような炭素層の上面部分を除去することができる。炭素層は、一般的に、5μmから約20μmの範囲にあり(凹凸を除いて)、一部の実施形態ではそこから約5μmから約10μmまで(例えば、約20%、30%、40%、50%、60%、又は70%、100%まで)を除去することができる(例えば、図9Cを参照されたい)。本明細書の開示によるレーザ平滑化は、凹凸の突出を除去するか又は低減することができる。
一部の実施形態では、炭素凹凸を低減するか又は排除するために各々が作用電極の中間長さに徐々に近づく約20個よりも少ない(又は約15個、又は約10個の)のような1よりも多い1回通過レーザ平滑化切断を行うことができる。そのような方法では、最初のレーザ平滑化切断は、いずれかの単一炭素凹凸の最も外側の場所で行うことができ、次に、複数のレーザ平滑化切断を作用電極の中線長さの場所に向けて行って圧延縁部を生成することができ、この圧延縁部は、約90°の段階状縁部とするか又は例えば電極の中線に最も近いレーザ平滑化切断部が真の90°角をもたらさない場合は斜角縁部とすることができる(レーザ平滑化切断部(縁部)810を剪断90°角度縁部ではなく傾斜縁部として示す図8を参照されたい)。例えば、一実施形態では、約1μmから約100μmの間のような各々が約0.1μmから約200μmの離間距離を有する約2個から約10個までのような約1個から約20個までの1回通過レーザ平滑化切断を行うことができ、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。特定のレーザ平滑化通過回数及びその離間距離の選択は、炭素凹凸の形状及びサイズ、作用電極の長さ及び幅、及び作用電極の上に配置されたいずれかの膜のカバレージプロファイルなど、及びこれらのあらゆる組合せを含むがこれらに限定されないいくつかの因子に基づく場合がある。
レーザ平滑化は、炭素作用電極を備える分離されたセンサテールから全炭素凹凸面積のうちの少なくとも約5%から約100%まで又はこれらの間のあらゆる値及び部分集合をほぼ包含する範囲にある面積を除去するのに支配的に使用することができる。一部の実施形態では、炭素凹凸のうちの100%までが除去されるか又は全炭素凹凸面積のうちの約5%から約75%まで、約5%から約50%まで、又は約5%から約25%までの面積が除去され、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。好ましい実施形態では、炭素凹凸全面積のうちの少なくとも約50%が除去される。特定の炭素凹凸除去量は、炭素凹凸の密度、形状、及びサイズ、及び分析中の体液内で関与する可能性がある干渉物質の濃度と比較した着目検体の濃度など、及びこれらのあらゆる組合せを含むがこれらに限定されないいくつかの因子に基づく場合がある。図8は、本発明の開示の1又は2以上の実施形態によるレーザ分離切断部(リッジ)805と炭素作用電極の縁部の一部分(炭素層又は電極層)を除去することでセンサテールの縁部から陥入したレーザ平滑化切断部(縁部)810とを示すセンサテール800の縁部の写真を例示している。すなわち、レーザ平滑化切断部810は、作用電極の薄めの部分が外側周囲に沿って(かつ活性区域を備えない電極の反対部分で)残ったままで炭素電極の上側部分又は上面部分(活性区域が存在する場所)に沿って炭素凹凸を低減することに向けられる。
本明細書に開示する検体センサのいずれかでの活性区域は、単体で作用するか又は酵素システム内で協働的に作用するかのいずれかである1又は2以上の検体反応性酵素を備えることができる。1又は2以上の酵素は、活性区域を備えるポリマーに共有結合させることができ、同じく1又は2以上の電子伝達剤は、活性区域内に位置付けることができる。
各活性区域内の適切なポリマーの例は、例えば、内部で四級化ピリジン及びイミダゾール基が電子伝達剤又は電子伝達酵素に対する取付点として機能するポリ(4-ビニルピリジン)及びポリ(N-ビニルイミダゾール)又はこれらのコポリマーを含むことができる。活性区域に存在することができる他の適切なポリマーは、本明細書に引用によってその全体が組み込まれている米国特許第6,605,200号明細書に説明されているもの、例えば、ポリ(アクリル酸)、スチレン/マレイン酸無水物コポリマー、メチルビニルエーテル/マレイン酸無水物コポリマー(GANTREZポリマー)、ポリ(ビニルベンジルクロリド)、ポリ(アリルアミン)、ポリリジン、カルボキシペンチル基によって四級化されたポリ(4-ビニルピリジン)、及びポリ(ナトリウム4-スチレンスルホナート)を含むがこれらに限定されない。
活性区域内のポリマーに共有結合され、検体検出を容易にする機能を有する酵素は、具体的に限定されるとは考えられない。適切な酵素は、グルコース、ラクタート、ケトン、又はクレアチニンなどを検出する機能を有するものを含むことができる。これらの検体のいずれも、複数の検体を検出する機能を有する検体センサ内で互いとの組合せで検出することができる。これらの検体を検出するのに適する酵素及び酵素システムを以下で説明する。
一部の実施形態では、検体センサは、センサテール上に配置されたグルコース反応性酵素を備えるグルコース反応性活性区域を備えることができる。適切なグルコース反応性酵素は、例えば、グルコースオキシダーゼ又はグルコースデヒドロゲナーゼ(例えば、ピロロキノリンキノン(PQQ)又は補因子依存性グルコースデヒドロゲナーゼ、例えば、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)依存性グルコースデヒドロゲナーゼ又はニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)依存性グルコースデヒドロゲナーゼ)を備えることができる。グルコースオキシダーゼとグルコースデヒドロゲナーゼは、グルコースを酸化する時に酸素を電子受容体として利用する機能によって区別され、グルコースオキシダーゼは、酸素を電子受容体として利用することができ、それに対してグルコースデヒドロゲナーゼは、天然又は人工電子受容体、例えば、酵素補因子に電子を伝達する。グルコースオキシダーゼ又はグルコースデヒドロゲナーゼは、検出を容易にするのに使用することができる。グルコースオキシダーゼとグルコースデヒドロゲナーゼとの両方は、グルコース反応性活性区域を備えるポリマーに共有結合させることができ、これら両方は、同じくポリマーに共有結合させることができる電子伝達剤(例えば、オスミウム(Os)複合体又は類似の遷移金属複合体)と電子を交換することができる。適切な電子伝達剤に対しては、下記でより詳細に説明する。グルコースオキシダーゼは、電子伝達剤と電子を直接交換することができ、それに対してグルコースデヒドロゲナーゼは、補因子を利用して電子伝達剤との電子交換を促進することができる。FAD補因子は、電子伝達剤と電子を直接交換することができる。それとは対照的に、NAD補因子は、ジアホラーゼを利用して補因子から電子伝達剤への電子伝達を促進することができる。グルコースオキシダーゼ又はグルコースデヒドロゲナーゼを組み込んだグルコース反応性活性区域、並びにそれを用いたグルコース検出に関する詳細は、例えば、本明細書に引用によってその全体が組み込まれている本発明の出願人所有の米国特許第8,268,143号明細書に見出すことができる。
一部の実施形態では、本発明の開示の活性区域は、ケトンを検出するのに適するように構成することができる。ケトンに対して反応性を有する酵素システムに関する追加の詳細は、2020年1月28日に出願されて米国特許出願公開第2020/0237275号明細書として公開された本明細書に引用によってその全体が組み込まれている「グルコースとケトンとの二重検出を特徴とする検体センサ及び感知方法(Analyte Sensors and Sensing Methods Featuring Dual Detection of Glucose and Ketones)」という名称の本発明の出願人所有の米国特許出願第16/774,835号明細書に見出すことができる。そのようなシステムでは、β-ヒドロキシブチラートは、生体内で形成されるケトンに対する代用物として機能し、本明細書で更に説明するように、少なくとも1つの作用電極の面上に配置されたケトン反応性活性区域内のケトンの検出を容易にするβ-ヒドロキシブチラートのデヒドロゲナーゼ(HBDH)及びジアホラーゼを含有する酵素システムとの反応を受ける。ケトン反応性活性区域内では、β-ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼは、β-ヒドロキシブチラート及び酸化ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)をそれぞれアセトアセタート及び還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)に変換することができる。用語「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)」は、上述の酵素補因子のホスファート結合形態を含むことは認められるものとする。すなわち、本明細書での用語「NAD」の使用は、NAD+ホスファートとNADHホスファートとの両方、特に、一方がアデニン核酸塩基を含有し、他方がニコチンアミド核酸塩基を含有する2つのヌクレオチドを結合するジホスファートを意味する。NAD+/NADH酵素補因子は、本明細書に開示する協働的酵素反応を促進することを助ける。形成された状態で、NADHは、ジアホラーゼ媒介の下で酸化を受けることができ、この処理中に電子が伝達されて作用電極でのケトン検出に対する基礎が与えられる。すなわち、作用電極に伝達される電子の量と変換されるβ-ヒドロキシブチラートの量との間には1:1のモル相応関係がある。作用電極への電子の伝達は、下記でより詳細に説明するように、オスミウム(Os)化合物又は類似の遷移金属複合体のような電子伝達剤の更に別の媒介の下で発生することができる。活性区域内にはアルブミンが安定剤として更に存在することができる。β-ヒドロキシブチラートのデヒドロゲナーゼ及びジアホラーゼは、ケトン反応性活性区域を備えるポリマーに共有結合させることができる。NAD+は、ポリマーに共有結合させる又はさせない場合があるが、共有結合させない場合はケトン反応性活性区域内に物理的に保持することができ、例えば、ケトンに対して同じく透過性を有する質量輸送制限膜がケトン反応性活性区域を保護する。
ケトンを酵素的に検出するための他の適切な化学作用は、本発明の開示の実施形態に従って利用することができる。例えば、β-ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼ(HBDH)は、ここでもまたβ-ヒドロキシブチラート及びNAD+をそれぞれアセトアセタート及びNADHに変換することができる。作用電極への電子伝達をジアホラーゼ及び適切な酸化還元媒介剤によって完了させる代わりに、還元型のNADHオキシダーゼ(NADHOx(Red))が、反応を受けて対応する酸化型(NADHOx(Ox))を形成する。次に、NADHOx(Red)が、分子酸素との反応によって再形成されてスーパーオキシドを生成することができ、スーパーオキシドは、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)媒介下でその後の過酸化水素への変換を受けることができる。次に、過酸化水素は、作用電極で酸化を受けて、最初に存在していたケトンの量に相関させることができる信号を供給することができる。様々な実施形態により、SODは、ケトン反応性活性区域内のポリマーに共有結合させることができる。β-ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼ及びNADHオキシダーゼは、ケトン反応性活性区域内のポリマーに共有結合させることができ、NAD+は、ケトン反応性活性区域内のポリマーに共有結合させる又はさせない場合がある。NAD+は、共有結合されない場合にケトン反応性活性区域内に物理的に保持することができ、膜ポリマーが、ケトン反応性活性区域内のNAD+の保持を改善する。ここでもまた、作用電極に伝達される電子の量と変換されるβ-ヒドロキシブチラートの量との間に1:1のモル相応関係があり、それによってケトン検出に対する基礎が与えられる。
ケトンに対する別の酵素検出化学作用は、β-ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼ(HBDH)を利用してβ-ヒドロキシブチラート及びNAD+をそれぞれアセトアセタート及びNADHに変換することができる。この場合の電子伝達サイクルは、NAD+を再形成する1,10-フェナントロリン-5,6-ジオンによるNADHの酸化によって完了し、その後に、1,10-フェナントロリン-5,6-ジオンは、電子を作用電極に伝達する。1,10-フェナントロリン-5,6-ジオンは、ケトン反応性活性区域内のポリマーに共有結合させる又はさせない場合がある。β-ヒドロキシブチラートデヒドロゲナーゼは、ケトン反応性活性区域内のポリマーに共有結合させることができ、NAD+は、ケトン反応性活性区域内のポリマーに共有結合させる又はさせない場合がある。活性区域内へのアルブミンの包含は、応答安定性の驚くべき改善を提供することができる。適切な膜ポリマーは、ケトン反応性活性区域内のNAD+の保持を改善することができる。ここでもまた作用電極に伝達される電子の量と変換されるβ-ヒドロキシブチラートの量との間に1:1のモル相応関係があり、それによってケトン検出に対する基礎が与えられる。
一部の実施形態では、検体センサは、協働的に作動してクレアチニンの検出を容易にする酵素システムを備えるクレアチニン反応性活性区域を更に備えることができる。クレアチニンは、クレアチニンアミドヒドラーゼ(CNH0029)の存在下で可逆的かつ加水分解的に反応してクレアチンを形成することができる。更に、クレアチンは、クレアチンアミドヒドラーゼ(CRH)の存在下で触媒加水分解を受けてサルコシンを形成することができる。これらの反応のいずれも電子の流れ(例えば、酸化又は還元)を生成せず、クレアチニンの電気化学検出に対する基礎を提供する。クレアチンの加水分解によって生成されたサルコシンは、酸化型のサルコシンオキシダーゼ(SOX-ox)の存在下で酸化を受けてグリシン及びホルムアルデヒドを形成し、それによってこの処理で還元型のサルコシンオキシダーゼ(SOX-red)を発生させることができる。酸素の存在下では、過酸化水素が発生する可能性もある。次に、還元型のサルコシンオキシダーゼは、酸化型の電子伝達剤(例えば、Os(III)複合体)の存在下で再酸化を受けることができ、それによって対応する還元型の電子伝達剤(例えば、Os(II)複合体)が生成され、電子流れが作用電極に送出される。
酸素は、上述の開示に従ってクレアチニンを検出するのに使用される協働的な反応シーケンスと干渉する場合がある。具体的には、還元型のサルコシンオキシダーゼは、酸素との反応を受けて対応する酸化型のこの酵素を再形成するが、電子伝達剤と電子を交換することなく再形成することができる。酸素との反応が発生する時は、酵素は、全て活性状態に留まるが、電子は、作用電極に流れない。理論又は機構はさておき、動力学効果から酸素との競争反応がもたらされると考えられる。すなわち、酸素による還元型のサルコシンオキシダーゼの酸化は、電子伝達剤によって容易にされる酸化よりも速く発生すると考えられる。酸素の存在下では、過酸化水素も形成される。
クレアチニンの検出を容易にするのに望ましい反応経路は、酵素システムの周りに脱酸素剤を含めることによって促進することができる。グルコースオキシダーゼのようなオキシダーゼ酵素を備える様々な脱酸素剤及びその配置を適切とすることができる。低分子脱酸素剤が適切である場合もあるが、これらの脱酸素剤は、センサ寿命が他に完全に尽きる前に完全に消費される場合がある。それとは対照的に、酵素は、可逆的な酸化及び還元を受け、それによってより長いセンサ寿命を提供することができる。酸素による還元型のサルコシンオキシダーゼの酸化を消勢することにより、電子伝達剤との緩慢な電子交換反応を発生させ、それによって作用電極での電流生成を可能にすることができる。生成される電流の強度は、最初に反応したクレアチニンの量に比例する。
本発明の開示のいずれの実施形態でも、望ましい反応を促進するのに使用される脱酸素剤は、オキシダーゼ酵素とすることができる。酵素に適する基質も存在し、それによってオキシダーゼ酵素の存在下で酸素と反応するための試薬を供給することを前提として酵素システムの周りでの脱酸素を促進するのにあらゆるオキシダーゼ酵素を使用することができる。本発明の開示では、脱酸素に適切とすることができるオキシダーゼ酵素は、グルコースオキシダーゼ、ラクタートオキシダーゼ、及びキサンチンオキシダーゼなどを含むがこれらに限定されない。グルコースオキシダーゼは、様々な体液内のグルコースの即座の利用可能性に起因して脱酸素を促進するのに特に望ましいオキシダーゼ酵素とすることができる。下記の反応1は、酸素の除去を提供するためにグルコースオキシダーゼによって容易にされる酵素反応を例示している。
β-D-グルコース+O2――→D-グルコノ-1,5-ラクトン+H22
反応1
生体内で利用可能なラクタートの濃度は、グルコースの濃度よりも低いが、脱酸素を促進するのには依然として十分である。
グルコースオキシダーゼのようなオキシダーゼ酵素は、本明細書に開示する検体センサでの脱酸素を促進するのに適するいずれの場所にも配置することができる。グルコースオキシダーゼは、例えば、グルコース検出を容易にするのに適するように機能するように及び/又は機能しないようにセンサテール上に配置することができる。グルコース検出を容易にするのに適するように機能しない時に、グルコースオキシダーゼは、グルコース酸化中に生成される電子が、グルコースオキシダーゼを作用電極から電気的に隔離することなどによって作用電極に到達することが不可能であるようにセンサテール上に配置することができる。
クレアチニンに対して反応性を有する酵素システムに関する追加の詳細は、2019年9月25日に出願されて米国特許出願公開第2020/0241015号明細書として公開された本明細書に引用によってその全体が組み込まれている「クレアチニンを検出するための検体センサ及び感知方法(Analyte Sensors and Sensing Methods for Detecting Creatinine)」という名称の本発明の出願人所有の米国特許出願第16/582,583号明細書に見出すことができる。
一部の実施形態では、検体センサは、センサテール上に配置されたラクタート反応性酵素を備えるラクタート反応性活性区域を備えることができる。適切なラクタート反応性酵素は、例えば、ラクタートオキシダーゼを備えることができる。ラクタートオキシダーゼ又は他のラクタート反応性酵素は、ラクタート反応性活性区域を備えるポリマーに共有結合させることができ、同じくポリマーに共有結合させることができる電子伝達剤(例えば、オスミウム(Os)複合体又は類似の遷移金属複合体)と電子を交換することができる。適切な電子伝達剤に対して下記でより詳細に説明する。本明細書に引用によってその全体が組み込まれている本発明の出願人所有の米国特許出願公開第2019/0320947号明細書により詳細に説明されているように、センサ反応性を安定化するためにヒト血清アルブミンのようなアルブミンは、ラクタート反応性活性区域に存在することができる。ラクタートレベルは、例えば、摂食、ストレス、運動、敗血症又は敗血症性ショック、感染、低酸素、又は癌性組織の存在などを含む数々の環境因子又は生理学的因子に応答して変化する場合がある。
一部の実施形態では、検体センサは、pHに対して反応性を有する活性区域を備えることができる。pHを決定するのに適するように構成された適切な検体センサは、本発明の出願人所有で本明細書に引用によってその全体が組み込まれている米国特許出願公開第2020/0060592号明細書に説明されている。そのような検体センサは、第1の作用電極と第2の作用電極とを備えるセンサテールを備えることができ、第1の作用電極上に位置付けられた第1の活性区域は、pH依存性酸化還元化学作用を有する基質を備え、第2の作用電極上に位置付けられた第2の活性区域は、pHと共に変化することが実質的にない酸化還元化学作用を有する基質を含む。第1の信号と第2の信号の間の差を取得することにより、この差は、検体センサが露出される流体のpHと相関させることができる。
2つの異なるタイプの活性区域は、上記で議論した炭素作用電極のような単一作用電極上に位置付けて互いに離間させることができる。各活性区域は、酸化還元電位を有することができ、活性区域の一方からの信号の独立した生成を可能にするために、第1の活性区域の酸化還元電位は、第2の活性区域の酸化還元電位から十分に分離される。非限定例として、これらの酸化還元電位は、少なくとも約100mVだけ、少なくとも約150mVだけ、又は少なくとも約200mVだけ異なることができる。これらの酸化還元電位間の分離の上限は、生体内作用電気化学窓に依存する。強度が互いに十分に分離された2つの活性区域の酸化還元電位を有することにより、2つの活性区域の一方内で(すなわち、第1の活性区域又は第2の活性区域内で)他方の活性区域内に電気化学反応を実質的に誘起することなく電気化学反応が発生することができる。従って、第1の活性区域又は第2の活性区域の一方からの信号は、その対応する酸化還元電位(下位の酸化還元電位)、又はそれよりも大きいが他方の活性区域の酸化還元電位よりも小さい電位で独立に生成することができる。異なる信号は、各検体からの信号寄与を分解することを可能にすることができる。
本明細書に開示する検体センサの一部又は全ての実施形態は、少なくとも1つの作用電極の面上に位置付けられて同じか又は異なる検体を検出する1又は2以上の活性区域を特徴とすることができる。膜は、少なくとも活性区域(検体反応性酵素を備える)を保護することができ、かつ作用電極の全て又は活性区域を欠くその部分(作用電極の露出部分又は外部部分)を保護することができる。膜は、質量輸送制限膜とすることができ、膜の単層、2つの異なる膜ポリマーの二重層、又は2つの異なる膜ポリマーの混成物とすることができる。
本明細書に開示する活性区域のうちのいずれの中にも電子伝達剤が存在することができる。適切な電子伝達剤は、1又は2以上の検体が対応する活性区域内で酵素酸化還元反応を受けた後の隣接作用電極への電子の搬送を促進することができ、それによって特定の検体の存在を示す電子流れを発生させる。発生する電流の量は、存在する検体の数量に比例する。活性区域内で異なる検体に対して反応性を有する電子伝達剤は、使用されるセンサ構成に依存して同じか又は異なる場合がある。例えば、2つの異なる活性区域が同じ作用電極上に配置される時に、各活性区域内の電子伝達剤は、異なる(例えば、これらの電子伝達剤が異なる酸化還元電位を示すように化学的に異なる)場合がある。複数の作用電極が存在する時は、各作用電極は別々に評価することができるので、各活性区域内の電子伝達剤は、同じか又は異なる場合がある。
適切な電子伝達剤は、標準カロメル電極(SCE)の酸化還元電位を数百ミリボルト超えるか又は下回る酸化還元電位を有する電気還元性及び電気酸化性のイオン、複合体、又は分子(例えば、キノン類)を備えることができる。一部の実施形態により、適切な電子伝達剤は、本明細書に引用によってその全体が組み込まれている米国特許第6,134,461号明細書及び第6,605,200号明細書に説明されているような低電位オスミウム複合体を備えることができる。適切な電子伝達剤の追加の例は、本明細書に引用によってその各々の開示が全体的に組み込まれている米国特許第6,736,957号明細書、第7,501,053号明細書、及び第7,754,093号明細書に説明されているものを備える。他の適切な電子伝達剤は、例えば、ルテニウム、オスミウム、鉄(例えば、ポリビニルフェロセン又はヘキサシアノフェラート)、又はコバルトの金属化合物又は金属複合体にこれらのメタロセン化合物を含めたものを備えることができる。例えば、金属複合体に適する配位子は、例えば、ビピリジン、ビイミダゾール、フェナントロリン、又はピリジル(イミダゾール)のような二座又はそれよりも多い座数の配位子を備えることができる。他の適切な二座配位子は、例えば、アミノ酸、シュウ酸、アセチルアセトン、ジアミノアルカン、又はo-ジアミノアレイーンを備えることができる。金属複合体内には、最大の配位圏を達成するように単座、二座、三座、四座、又はそれよりも高い座数の配位子のあらゆる組合せが存在することができる。
本明細書に開示する検体のうちのいずれかを検出するのに適する活性区域は、電子伝達剤が共有結合されるポリマーを備えることができる。本明細書に開示する電子伝達剤のいずれも、活性区域内のポリマーへの共有結合を促進するのに適する官能基を備えることができる。ポリマー結合電子伝達剤の適切な例は、本明細書に引用によってそれらの開示が全体的に組み込まれている米国特許第8,444,834号明細書、第8,268,143号明細書、及び第6,605,201号明細書に説明されているものを備えることができる。活性区域内への包含に適するポリマーは、ポリビニルピリジン(例えば、ポリ(4-ビニルピリジン))、ポリビニルイミダゾール(例えば、ポリ(1-ビニルイミダゾール))、又はこれらのいずれかのコポリマーを備えることができるがこれらに限定されない。活性区域内への包含に適切とすることができる例示的コポリマーは、例えば、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、又はアクリロニトリルのようなモノマー単位を含有するものを含む。2又は3以上の異なる活性区域が存在する時は、各活性区域内のポリマーは、同じか又は異なる場合がある。
活性区域内のポリマーへの電子伝達剤の共有結合は、共有結合された電子伝達剤を担持するモノマー単位を重合することによって発生させることができ、又はポリマーが予め合成された後に電子伝達剤をポリマーと別々に反応させることができる。二官能性スペーサは、電子伝達剤を活性区域内のポリマーに共有結合させることができ、この場合に、第1の官能基は、ポリマーとの反応性を有し(例えば、ピリジン窒素原子又はイミダゾール窒素原子を四級化する機能を有する官能基)、第2の官能基は、電子伝達剤との反応性を有する(例えば、金属イオンを配位する配位子との反応性を有する官能基)。
同様に、活性区域内の酵素のうちの1又は2以上は、活性区域を備えるポリマーに共有結合させることができる。所与の活性区域内に複数の酵素を備える酵素システムが存在する時は、一部の実施形態では複数の酵素の全てをポリマーに共有結合させることができ、他の実施形態では複数の酵素の一部分のみをポリマーに共有結合させることができる。例えば、酵素システムを備える1又は2以上の酵素は、ポリマーに共有結合させることができ、このポリマーの中に非共有結合酵素が物理的に同伴されるように少なくとも1つの酵素をポリマーと非共有会合させることができる。所与の活性区域内のポリマーへの酵素の共有結合は、適切な架橋剤を用いて導入された架橋体を通して発生させることができる。酵素中の遊離アミノ基との(例えば、リジン中にある遊離側鎖アミンとの)反応に適する架橋剤は、例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)又は他のポリエポキシド、シアヌル酸クロリド、N-ヒドロキシサクシニミド、イミドエステル類、エピクロロヒドリン、又はこれらの誘導変異体のような架橋剤を備えることができる。酵素中にある遊離カルボン酸基との反応に適する架橋剤は、例えば、カルボジイミドを含むことができる。ポリマーへの酵素の架橋は、一般的に分子間のものであるが、一部の実施形態では分子内とすることができる。特定の実施形態では、所与の活性区域内の酵素の全てをポリマーに共有結合させることができる。
電子伝達剤及び/又は酵素は、活性区域内のポリマーと共有結合以外の手段によっても会合させることができる。一部の実施形態では、電子伝達剤及び/又は酵素は、ポリマーとイオン会合又は配位会合させることができる。例えば、荷電ポリマーは、逆荷電の電子伝達剤又は酵素とイオン会合させることができる。更に他の実施形態では、電子伝達剤及び/又は酵素は、ポリマーに結合させることなくその中に物理的に同伴させることができる。物理的に同伴させた電子伝達剤及び/又は酵素は、活性区域から実質的に浸出することなく依然として流体と適切に相互作用して検体の検出を容易にすることができる。
活性区域内のポリマーは、それに共有結合されていないNAD+又は別の補因子の外方拡散が制限されるように選択することができる。補因子の外方拡散の制限は、十分な内方検体拡散を可能にして検出を促進しながらも、ある程度のセンサ寿命(数日から数週)を増大することができる。
一部の実施形態では、センサの機能を改善して望ましい感度及び安定性を達成するために、本明細書に説明する検体の活性区域内に安定剤を組み込むことができる。そのような安定剤は、例えば、抗酸化剤及び/又は酵素を安定化する同伴蛋白質を備えることができる。適切な安定剤の例は、血清アルブミン(例えば、ヒト又はウシの血清アルブミン、又は他の適合するアルブミン)、カタラーゼ、及び他の酵素抗酸化剤など、及びこれらのあらゆる組合せを含むことができるがそれらに限定されない。安定剤は、共役又は非共役とすることができる。
本発明の開示の特定の実施形態では、1又は2以上の活性区域を保護する質量輸送制限膜は、架橋ポリビニルピリジンのホモポリマー又はコポリマーを備えることができる。質量輸送制限膜の組成は、この膜が異なるタイプの活性区域を保護する場合に同じか又は異なる場合がある。膜組成が2つの異なる場所で異なる時に、膜は、2つの異なる膜ポリマーの二重層膜又は均一な混成物を備えることができ、これらの膜ポリマーの一方は、架橋ポリビニルピリジン又は架橋ポリビニルイミダゾールのホモポリマー又はコポリマーとすることができる。活性区域上に質量輸送制限膜を堆積させるのに適する技術は、例えば、スプレーコーティング、塗布、インクジェット印刷、スクリーン印刷、刷り込み、ローラーコーティング、浸漬コーティング、類似のもの、及びその組合せを含むことができる。浸漬コーティング技術は、ポリビニルピリジン及びポリビニルイミダゾールのポリマー及びコポリマーに特に望ましいとすることができる。
ある一定の実施形態では、上記で議論した質量輸送制限膜は、ポリビニルピリジン及びポリビニルイミダゾールのポリマーのような複素環窒素基を含有する架橋ポリマーで構成される膜である。実施形態はまた、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、又はこれらに化学的に関連する材料で製造された膜、又はシリコーンなどで製造された膜を含む。
一部の実施形態では、膜は、上記で議論したものを含むポリマーを双性イオン部分、非ピリジンコポリマー成分、並びに任意的に親水性又は疎水性のいずれかを有する及び/又は他の望ましい特性を有する別の部分で改質したものを原位置架橋することによって緩衝溶液(例えば、アルコール緩衝溶液)中で形成することができる。改質されたポリマーは、複素環窒素基を含有する前駆体ポリマーから製造することができる。例えば、前駆体ポリマーは、ポリビニルピリジン又はポリビニルイミダゾールとすることができる。任意的に、親水性又は疎水性の改質剤を用いて、得られる膜の着目する検体に対する透過性を「微調整」することができる。ポリ(エチレングリコール)改質剤、ヒドロキシル改質剤、又はポリヒドロキシル改質剤、及び類似の改質剤、及びこれらのあらゆる組合せのような任意的親水性改質剤を用いて、ポリマー又は得られる膜の生体適合性を強化することができる。
一部の実施形態では、膜は、ポリ(スチレン-コ-マレイン酸アンヒドリド)、ドデシルアミン、及びポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)(2-アミノプロピルエーテル)をポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)ビス(2-アミノプロピルエーテル)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(エチレンオキシド)とポリ(プロピレンオキシド)とのコポリマー、ポリビニルピリジン、ポリビニルピリジン誘導体、ポリビニルイミダゾール、及びポリビニルイミダゾール誘導体など、及びこれらのあらゆる組合せと架橋したものを含むがそれらに限定されない化合物を備えることができる。一部の実施形態では、膜は、ピリジン窒素原子の一部分が非架橋ポリ(エチレングリコール)テールによって官能化され、ピリジン窒素原子の一部分がアルキルスルホン酸基によって官能化されたポリビニルピリジン-コ-スチレンポリマーを備えることができる。他の膜化合物は、単体で又は上述のいずれかの膜化合物との組合せで4-ビニルピリジンとスチレンとアミン非含有ポリエーテルアームとの適切なコポリマーを備えることができる。
本明細書に説明する膜化合物は、本明細書に説明する酵素に関連して上記で列挙したものを含む1又は2以上の架橋剤と更に架橋することができる。例えば、適切な架橋剤は、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)、グリセロールトリグリシジルエーテル(Gly3)、ポリジメチルシロキサンジグリシジルエーテル(PDMS-DGE)、又は他のポリエポキシド、シアヌル酸クロリド、N-ヒドロキシサクシニミド、イミドエステル、エピクロロヒドリン、又はこれらの誘導変異体、及びこれらのあらゆる組合せを含むことができるがそれらに限定されない。類似の末端化学作用を有する分岐物も本発明の開示に適切である。例えば、一部の実施形態では、化学式1は、トリグリシジルグリコールエーテル、PEDGE、及び/又はポリジメチルシロキサンジグリシジルエーテル(PDMS-DGE)と架橋することができる。
膜は、活性区域及びそこに含まれるいずれかの追加の化合物(例えば、電子伝達剤)の上に架橋体と改質ポリマーとのアルコール緩衝溶液を付加し、この溶液を約1日間から2日間又は他の適切な期間にわたって硬化させることによって原位置で形成することができる。架橋体-ポリマー溶液は、膜溶液の1又は複数の小滴をセンサテールの少なくともセンサ要素の上に配置すること、センサテールを膜溶液の中に浸漬すること、膜溶液をセンサ上にスプレーすること、いずれかのサイズの層(個別又は全て包含のような)内への単体化、膜の蒸着、及び膜の粉末コーティングなどの前又は後のいずれかに膜を熱プレス又は溶着すること、及びこれらのあらゆる組合せによって活性区域の上に提供することができる。センサの遠位縁及び側縁を被覆するために、センサ電子前駆体(例えば、電極)の付加(例えば、単体化)に続いて膜材料を付加することができる。一部の実施形態では、電子前駆体の付加に続いて1又は2以上の膜を付加するために検体センサが浸漬被覆される。これに代えて、検体センサは、スロット-ダイ被覆することができると考えられ、検体センサの各側部が別々に被覆される。上述の方式で付加される膜は、質量輸送制限(すなわち、活性区域に到達する1又は2以上の検体及び/又は化合物の流束の低減又は排除)、生体適合性の強化、及び干渉物質の低減など、及びこれらのあらゆる組合せを含むがこれらに限定されない様々な機能のうちのいずれかを有することができる。
一般的に、膜の厚みは、膜溶液の濃度、付加される膜溶液の小滴の個数、センサが膜溶液内に浸漬される回数、及びセンサ上にスプレーされる膜溶液の体積など、及びこれらの因子のあらゆる組合せによって制御される。一部の実施形態では、本明細書に説明する膜は、約0.1マイクロメートル(μm)から約1000μmの範囲であってこれらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、上限と下限が分離可能な範囲にわたる厚みを有することができる。上述のように、膜は、1又は2以上の活性区域の上に重なることができ、一部の実施形態では、活性区域は、約0.1μmから約50μmであってこれらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、上限と下限が分離可能な範囲にある厚みを有することができる。一部の実施形態では、望ましい厚みの活性区域及び/又は膜を達成するために、一連の小滴をそれらの直径を実質的に増大させることなく(すなわち、望ましい直径又はその範囲を維持しながら)互いの上に付加することができる。例えば、各単一小滴を付加し、次に、それを冷却又は乾燥させ、それに1又は2以上の追加の小滴を続けることができる。活性区域及び膜は、全体を通して同じ厚み又は組成とすることができるが、そうである必要はない。
一部の実施形態では、本発明の開示の質量輸送制限層として使用するのに適する膜組成は、レベリング剤として使用するのに適する(例えば、膜組成又は活性区域組成の接触角を低減するための)ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリジメチルシロキサンジグリシジルエーテル(PDMS-DGE)、及びアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンなど、及びこれらのあらゆる組合せを含むことができる。類似の末端化学作用を有する分岐物も本発明の開示に適している。例えば、本明細書に引用によってその開示が全体的に組み込まれている米国特許第8,983,568号明細書に見出されるようなある一定のレベリング剤を追加的に含めることができる。
一部の事例では、膜は、活性区域との1又は2以上の結合を形成することができる。本明細書に使用する時に、用語「結合」及びその文法的変形は、化合物間が互いに会合を形成することを可能にする共有結合、イオン結合、双極-双極相互作用、水素結合、及びロンドン分散力など、及びこれらのあらゆる組合せ等であるがそれらに限定されない原子又は分子間のいずれかのタイプの相互作用を意味する。例えば、膜の原位置重合は、膜のポリマーと活性区域内のポリマーとの間の架橋を形成することができる。一部の実施形態では、活性区域への膜の架橋は、センサからの膜の剥離の発生の低減を容易にする。
本明細書に開示する実施形態は、以下を含む:
A.検体応答性酵素を有する活性区域がその上に配置された作用電極をレーザ分離し、得られるレーザ分離された作用電極が電極凹凸を備える段階と、電極凹凸の少なくとも一部分をレーザ平滑化し、レーザ平滑化部がレーザ分離された作用電極の縁部から窪み、その結果としてレーザ平滑化された作用電極がもたらされる段階とを備える方法。
B.検体応答性酵素を有する活性区域がその上に配置された作用電極であって、作用電極が最初にレーザ分離され、それによって電極凹凸がもたらされ、その後に、作用電極から電極凹凸の少なくとも一部分を除去するために作用電極の縁部がレーザ平滑化され、それによってレーザ平滑化された作用電極がもたらされる上記作用電極を備える検体センサ。
C.検体応答性酵素を有する活性区域がその上に配置された作用電極をレーザ分離し、得られるレーザ分離された作用電極が電極凹凸を備える段階と、活性区域の少なくとも一部分の上に膜を配置する段階と、電極凹凸の少なくとも一部分をレーザ平滑化し、レーザ平滑化部がレーザ分離された作用電極の縁部から窪み、その結果としてレーザ平滑化された作用電極がもたらされる段階とを備える方法。
D.検体応答性酵素を備える活性区域がその上に配置され、電極凹凸がレーザ平滑化されたレーザ平滑化作用電極を備える検体センサ。
E.検体応答性酵素を備える活性区域がその上に配置され、電極凹凸がレーザ平滑化されたレーザ平滑化作用電極を備える検体センサを体液に露出する段階を備える方法。
実施形態Aは、以下の追加の要素のうちの1又は2以上をあらゆる組合せで有することができる。
要素A1:レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示す。
要素A2:レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示し、干渉物質の干渉信号低減は、約20%よりも大きい。
要素A3:レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示し、干渉物質の干渉信号低減は、約20%から約70%の範囲であり、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
要素A4:レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示し、干渉物質はアスコルビン酸である。
要素A5:電極凹凸の全面積のうちの少なくとも約5%を除去する段階を更に備える。
要素A6:電極凹凸の全面積のうちの約5%から約75%の範囲の電極凹凸面積を除去する段階を更に備え、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
要素A7:レーザ平滑化は、複数の1回通過レーザ平滑化切断を備える。
要素A8:レーザ平滑化は、複数の1回通過レーザ平滑化切断を備え、複数の1回通過レーザ平滑化切断は、レーザ分離作用電極の縁部に対して直角のもの又はレーザ分離作用電極の縁部に対して斜角のもののうちの少なくとも一方である。
要素A9:電極凹凸は、1μmから約75μmの範囲の幅を有し、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
要素A10:電極凹凸は、約1μmから約50μmの高さを有し、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
要素A11:活性区域は、複数の不連続活性区域又は単一連続活性区域から構成される。
要素A12:活性区域は圧縮される。
要素A13:検体応答性酵素は、グルコース応答性酵素である。
要素A14:活性区域の少なくとも一部分の上に膜が配置される。
非限定例としてAに適用可能な例示的組合せは、AとA1~A14のうちのいずれか1又は2以上又は全てとのあらゆる組合せを含むがこれらに限定されない。
実施形態Bは、以下の追加の要素のうちの1又は2以上をあらゆる組合せで有することができる。
要素B1:レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示す。
要素B2:レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示し、干渉物質の干渉信号低減は、約20%よりも大きい。
要素B3:レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示し、干渉物質の干渉信号低減は、約20%から約70%の範囲であり、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
要素B4:レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示し、干渉物質はアスコルビン酸である。
要素B5:電極凹凸の全面積のうちの少なくとも約5%が除去される。
要素B6:電極凹凸の全面積のうちの約5%から約75%の範囲の電極凹凸面積が除去され、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
要素B7:電極凹凸は、1μmから約75μmの範囲の幅を有し、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
要素B8:電極凹凸は、約1μmから約50μmの高さを有し、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
要素B9:活性区域は、複数の不連続活性区域又は単一連続活性区域から構成される。
要素B10:活性区域は圧縮される。
要素B11:検体応答性酵素は、グルコース応答性酵素である。
要素B12:活性区域の少なくとも一部分の上に膜が配置される。
非限定例としてBに適用可能な例示的組合せは、BとB1~B12のうちのいずれか1又は2以上又は全てとのあらゆる組合せを含むがこれらに限定されない。
実施形態Cは、以下の追加の要素のうちの1又は2以上をあらゆる組合せで有することができる。
要素C1:レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示す。
要素C2:レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示し、干渉物質の干渉信号低減は、約20%よりも大きい。
要素C3:レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示し、干渉物質の干渉信号低減は、約20%から約70%の範囲であり、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
要素C4:レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示し、干渉物質はアスコルビン酸である。
要素C5:電極凹凸の全面積のうちの少なくとも約5%を除去する段階を更に備える。
要素C6:電極凹凸の全面積のうちの約5%から約75%の範囲の電極凹凸面積を除去する段階を更に備え、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
要素C7:レーザ平滑化は、複数の1回通過レーザ平滑化切断を備える。
要素C8:レーザ平滑化は、複数の1回通過レーザ平滑化切断を備え、複数の1回通過レーザ平滑化切断は、レーザ分離作用電極の縁部に対して直角のもの又はレーザ分離作用電極の縁部に対して斜角のもののうちの少なくとも一方である。
要素C9:電極凹凸は、1μmから約75μmの範囲の幅を有し、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
要素C10:電極凹凸は、約1μmから約50μmの高さを有し、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
要素C11:活性区域は、複数の不連続活性区域又は単一連続活性区域から構成される。
要素C12:活性区域は圧縮される。
要素C13:検体応答性酵素は、グルコース応答性酵素である。
非限定例としてCに適用可能な例示的組合せは、CとC1~C13のうちのいずれか1又は2以上又は全てとのあらゆる組合せを含むがこれらに限定されない。
実施形態D及びEは、以下の追加の要素のうちの1又は2以上をあらゆる組合せで有することができる。
要素D/E1;レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示す。
要素D/E2:レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示し、干渉物質の干渉信号低減は、約20%よりも大きい。
要素D/E3:レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示し、干渉物質の干渉信号低減は、約20%から約70%の範囲であり、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
要素D/E4:レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示し、干渉物質はアスコルビン酸である。
要素D/E5:電極凹凸の全面積のうちの少なくとも約5%が除去される。
要素D/E6:電極凹凸の全面積のうちの約5%から約75%の範囲の電極凹凸面積が除去され、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
要素D/E7:電極凹凸は、1μmから約75μmの範囲の幅を有し、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
要素D/E8:電極凹凸は、約1μmから約50μmの高さを有し、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
要素D/E9:活性区域は、複数の不連続活性区域又は単一連続活性区域から構成される。
要素D/E10:活性区域は圧縮される。
要素D/E11:検体応答性酵素は、グルコース応答性酵素である。
要素D/E12:活性区域の少なくとも一部分の上に膜が配置される。
非限定例としてD/Eに適用可能な例示的組合せは、D/EとD/E1~D/E12のうちのいずれか1又は2以上又は全てとのあらゆる組合せを含むがこれらに限定されない。
本明細書に説明する実施形態のより明快な理解を容易にするために、以下の様々な代表的な実施形態の例を提供する。以下の例は、本発明の範囲を限定又は定めるものと読解すべきでは決してない。
(実施例1)
この例では、図9Aに示す例示的レーザ分離作用電極に対してレーザ平滑化を実行した。図9Aは、その上に配置された活性区域を備えない。図9Bは、識別された深さプロファイルに沿って評価された図9Aの分離された作用電極の一部分の3D光学プロファイルを例示している。この3D光学プロファイルは、ZEGAGE(登録商標)3D Optical Profiler、ZYGOOR Corporation(米国コネチカット州ミドルフィールド)を用いて取得したものである。図9Bに示すように、分離されたセンサテールの縁部にある電極凹凸は、約1μmから約5μmの高さを示す。
炭素凹凸の縁部に配置され、電極の中線に向けて約5μmから約10μmまでのような約5μmから約20μmで徐々に離間させる10%レーザ電力の3本の1回通過レーザ線を用いてレーザ平滑化を実行した。本明細書に説明する例では、UVレーザを用いたが、レーザ平滑化を実行するのに本発明の開示の範囲から逸脱することなくいずれのレーザも使用することができることは認めるものとする。図9Cは、センサテールの作用電極の斜角縁部を示す平滑化されたセンサテールの写真である。図9Dは、電極凹凸が除去されたことを示す識別されたプロファイル線に沿う3D光学プロファイルである(上述のように取得したもの)。
(実施例2)
図10Aを参照すると、この実施例では、活性区域1010がその上に分注されたレーザ平滑化された炭素作用電極1000が、実施例1に従って調製された。活性区域1010を備える非平滑化炭素電極を示していないが、「非平滑化された、分注された」電極と呼ぶことになる。図10Bは、平滑化の結果として僅かな電極凹凸のみを示す識別されたプロファイル線に沿う3D光学プロファイルである(上述のように取得したもの)。
(実施例3)
一対差異試験を実行した。図9Aの非平滑化電極と活性区域を持たない図9Cの平滑化された電極と(それぞれ「平滑化なし、分注なし」と「平滑化された、分注なし」と)を実施例2の「非平滑化された、分注された」電極と共に精査し、複数の感知スポットを有する図10Aの平滑化された電極は、37℃で100mM PBS内で50mg/dLのグルコースと2mg/dLのアスコルビン酸とで別個に評価された。結果を下記の表1に提供しており、図11にグラフ表示している。
表1
Figure 2023530305000002

*背景補正されたもの、**対照に対してレーザ平滑化されたもの
図示のように、一対差異試験は、レーザ平滑化された電極の非平滑化対応物と比較した約25%から約30%の2mg/dLnoアスコルビン酸の低減を例証した。
(実施例4)
以下の調製されたレーザ分離作用電極に対して一対差異試験を実行した。非平滑化「対照」作用電極は、複数の感知スポットの活性区域を備えたものであった。「圧縮された」として説明する電極は、同じ凝集度の活性区域(圧縮活性区域)を備えるが、複数の感知スポットが互いに近い及び/又は電極の先端に近い。例えば、各不連続活性区域の間のピッチ(隣接する感知スポット間の距離)は、約50μmから約500μmまでのような約50μmから約800μmであり、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能であるとすることができる。本明細書に使用する時に、用語「ピッチ」及びその文法的変形は、各隣接感知スポットの中心から測定した活性区域感知層内で隣接する感知スポット間隔を意味する。一般的に、最も遠位にある活性区域は、体液内で最も遠位に位置付けされる作用電極の先端(センサテールの先端に等しい場合がある)から少なくとも約200μmから300μmの場所(当該活性区域の感知中心から測定して)に位置付けられ、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。
圧縮されたか否かに関わらず、全てのサンプルに対する検体応答性酵素の全ては同じであった。レーザ平滑化は、各々が最初の非平滑化電極の縁部からの特定の距離にある3つの別個の1回通過レーザ線に関して説明する(「平滑化スキーム」)。例えば、「20-40-60」は、第1の1回通過レーザ線が非平滑化電極の縁部から20μmの場所にあり、第2の1回通過レーザ線が非平滑化電極の縁部から40μmの場所にあり、第3の1回通過レーザ線が非平滑化電極の縁部から60μmの場所にあることを意味する。
表2
Figure 2023530305000003
一部の事例では、表2の電極12A~12Eを下記の表3に示す厚みを有する質量搬送制限膜で被覆される。一対差異試験(平均でn=6/条件)を37℃で100mM PBS内で50mg/dLのグルコースと2mg/dLのアスコルビン酸とで別個に実行した。結果を下記の表3に提供する。
表3
Figure 2023530305000004
表3に示すように、この実施例での一対差異試験は、レーザ平滑化された電極が非平滑化対応物と比較して約20%よりも有意なアスコルビン酸信号干渉の低減を明らかにすることができることを例証した。従って、本発明の開示の実施形態は、少なくとも、検体センサの構成に依存して100%までである場合がある又は約20%から約70%の範囲又はそれよりも多く、好ましくは少なくとも約40%又はそれよりも多く、少なくとも約45%又はそれよりも多く、又は少なくとも約50%のような約20%よりも大きい範囲の干渉信号の低減を可能にし、これらの間のあらゆる値及び部分集合を包含し、かつ上限と下限が分離可能である。更に、結果は、比較的小さいレーザ平滑化量であっても有効である可能性があることを示している。
従って、本発明の開示は、様々な検体を生体内でモニタするための検体センサを提供する。検体センサは、干渉物質種から得られた信号に対処するための強化を特徴とすることができる。一部の検体センサは、検体応答性酵素を備える活性区域がその上に配置され、電極凹凸がレーザ平滑化された作用電極を備える検体センサを備えることができる。本方法は、検体応答性酵素を備える活性区域がその上に配置され、電極凹凸を備える作用電極をレーザ分離する段階と、電極凹凸の少なくとも一部分をレーザ平滑化する段階とを含む。
他に示さない限り、本明細書及び関連する特許請求の範囲内で数量などを表す全ての数字は、全ての事例では用語「約」によって修飾されるものと理解されるものとする。従って、反意を示さない限り、本明細書及び特許請求の範囲に言及する数値パラメータは、本発明の実施形態によって取得することが求められる望ましい特性に依存して異なる場合がある近似値である。最低限でもかつ特許請求の範囲に対する均等論の適用を限定しようとする試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有意桁の数字を踏まえて通常の丸め技術を適用することによって解釈しなければならない。
様々な特徴を組み込む1又は2以上の例示的実施形態を本明細書に提示する。本明細書では、明瞭化の目的で、物理的実施の全ての特徴を説明又は図示するわけではない。本発明の実施形態を組み込む物理的な実施形態の開発において、実施毎にかつ時々に異なるシステム関連、商取引関連、政府関連、及び他の制約条件の遵守のような開発者の目標を達成するために、数々の実施独特の決定を行わなければならないことは認められるものとする。開発者の労力は時間を消費する可能性があると考えられるが、それにも関わらず、そのような労力は、本発明の開示の利益を有する当業者にとってはルーチン作業であると考えられる。
本明細書では様々なシステム、ツール、及び方法を様々な構成要素又は段階を「備える」という用語で説明するが、システム、ツール、及び方法はまた、様々な構成要素及び段階で「基本的に構成する」又は「構成する」ことができる。
本明細書に使用する時に、一連の項目に続く「のうちの少なくとも1つ」という表現は、これらの項目のうちのいずれかを分離するための「及び」又は「又は」という用語と共に列挙事項の各構成単位(すなわち、各項目)ではなく列挙事項を全体的に修飾する。「のうちの少なくとも1つ」という表現は、項目のうちのいずれかのもののうちの少なくとも1つ、項目のあらゆる組合せのうちの少なくとも1つ、及び/又は項目の各々のうちの少なくとも1つを含む意味を許容する。一例として、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」という表現の各々は、Aのみ、Bのみ、又はCのみ、AとBとCとのあらゆる組合せ、及び/又はA、B、及びCの各々のうちの少なくとも1つを意味する。
すなわち、本発明の開示のシステム、ツール、及び方法は、言及した目的及び利点、及びこれらのシステム、ツール、及び方法に内在する目的及び利点を獲得するように十分に適応される。本発明の開示の教示は、その利益を有する当業者に対して明らかに異なるが均等な方式で修正及び実施することができるので、上記に開示した特定の実施形態は例示的ものに過ぎない。更に、下記の特許請求の範囲に説明するもの以外に本明細書に示す構造又は設計の詳細へのいずれの限定も意図していない。従って、上記に開示した特定の例示的実施形態を変更すること、組み合わせること、又は修正することができ、全てのそのような変形は、本発明の開示内であると見なされることは明らかである。本明細書に例示的に開示するシステム、ツール、及び方法は、本明細書に具体的に開示しないいずれの要素及び/又は本明細書に開示するいずれの任意的な要素もなしに適切に実施することができる。システム、ツール、及び方法を様々な構成要素又は段階を「備える」、「含有する」、又は「含む」という用語で説明するが、システム、ツール、及び方法は、様々な構成要素及び段階で「基本的に構成する」又は「構成する」ことができる。上記に開示した全ての数字及び範囲は、一部の量だけ異なる場合がある。下限と上限を有する数値範囲を開示する時は必ず当該範囲に収まるあらゆる数字及び含まれるあらゆる範囲を具体的に開示している。特に、本明細書に開示する全ての値範囲(「約aから約bまで」又は同等に「近似的にaからbまで」又は同等に「近似的にa-b」の形態の)は、広い当該値範囲内に包含される全ての数字及び範囲を列挙すると理解されるものとする。同様に、特許請求の範囲での用語は、本特許権者が他に明示的かつ明確に定めない限り、当該用語の平易な通常の意味を有する。更に、本明細書では、特許請求の範囲に使用する複数形ではない名詞は、特許請求の範囲が導入する1又は1よりも多い要素を意味するものとして定める。本明細書での言葉又は用語の使用と引用によって本明細書に組み込まれる場合がある1又は2以上の特許文献又は他の文献での言葉又は用語の使用とでいずれかの矛盾があった場合は、本明細書と合致する定義が採用されなければならない。

Claims (24)

  1. 検体応答性酵素を有する活性区域がその上に配置された作用電極をレーザ分離する段階であって、得られるレーザ分離作用電極が電極凹凸を備える前記レーザ分離する段階と、
    前記電極凹凸の少なくとも一部分をレーザ平滑化する段階であって、前記レーザ平滑化部が前記レーザ分離作用電極の縁部から窪んでおり、それによってレーザ平滑化作用電極をもたらす前記レーザ平滑化する段階と、を備えている、
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示す、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記干渉物質の干渉信号の前記低減は、約20%よりも大きい、
    請求項2に記載の方法。
  4. 前記干渉物質は、アスコルビン酸である、
    請求項2に記載の方法。
  5. 前記電極凹凸の全面積の少なくとも約5%を除去する段階を更に備えている、
    請求項1に記載の方法。
  6. 前記レーザ平滑化する段階は、複数の1回通過レーザ平滑化切断を備えている、
    請求項1に記載の方法。
  7. 前記複数の1回通過レーザ平滑化切断は、前記レーザ分離作用電極の前記縁部に対して直角のもの、及び該レーザ分離作用電極の該縁部に対して斜角のもののうちの少なくとも一方である、
    請求項6に記載の方法。
  8. 前記電極凹凸は、1μmから約75μmの範囲の幅を有する、
    請求項1に記載の方法。
  9. 前記電極凹凸は、約1μmから約50μmの高さを有する、
    請求項1に記載の方法。
  10. 前記活性区域は、複数の不連続活性区域から構成される、
    請求項1に記載の方法。
  11. 前記活性区域は、単一の連続活性区域から構成される、
    請求項1に記載の方法。
  12. 前記活性区域は、圧縮される、
    請求項1に記載の方法。
  13. 前記活性応答性酵素は、グルコース応答性酵素である、
    請求項1に記載の方法。
  14. 膜が、前記活性区域の少なくとも一部分の上に配置される、
    請求項1に記載の方法。
  15. 検体センサであって、
    検体応答性酵素を有する活性区域がその上に配置された作用電極を備え、
    前記作用電極は、最初にレーザ分離され、それによって電極凹凸をもたらし、
    その後に前記作用電極の縁部が、そこから電極凹凸の少なくとも一部分を除去するためにレーザ平滑化され、それによってレーザ平滑化作用電極をもたらす、
    ことを特徴とする検体センサ。
  16. 前記レーザ平滑化作用電極は、平滑化されなかった作用電極と比較して干渉物質の干渉信号の低減を示す、
    請求項15に記載の検体センサ。
  17. 前記干渉物質の干渉信号の前記低減は、約20%よりも大きい、
    請求項16に記載の検体センサ。
  18. 前記干渉物質は、アスコルビン酸である、
    請求項16に記載の検体センサ。
  19. 前記電極凹凸の全面積の少なくとも約5%が除去される、
    請求項15に記載の検体センサ。
  20. 前記電極凹凸は、1μmから約75μmの範囲の幅を有する、
    請求項15に記載の検体センサ。
  21. 前記電極凹凸は、約1μmから約50μmの高さを有する、
    請求項15に記載の方法。
  22. 前記活性区域は、複数の不連続活性区域から構成される、
    請求項15に記載の方法。
  23. 前記活性区域は、単一の連続活性区域から構成される、
    請求項15に記載の方法。
  24. 前記活性区域は、圧縮される、
    請求項15に記載の方法。
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