JP2023529944A - エアロゾル形成基体の誘導加熱によってエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置 - Google Patents

エアロゾル形成基体の誘導加熱によってエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置 Download PDF

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Abstract

本開示は、エアロゾル形成基体を誘導加熱することによってエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置に関する。装置は、加熱されるエアロゾル形成基体を取り外し可能に受容するために構成された空洞を備える装置ハウジングを備える。装置は、空洞内に変化する磁界を発生させるための少なくとも一つの誘導コイルを含む誘導加熱配設をさらに含み、誘導コイルは、受容空洞の少なくとも一部分の周りに配設されている。加えて、装置は、誘導コイルの少なくとも一部分の周りに配設され、かつ装置の使用中に少なくとも一つの誘導加熱配設の変化する磁界を空洞に向かって歪めるように構成された磁束集中器を備える。磁束集中器は、少なくとも第一の支持層で積層された少なくとも一つの磁気層を有する多層磁束集中器ホイルを含み、磁気層は、軟磁性合金の複数の分離された断片を含む。本開示は、こうした装置とエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムにさらに関し、物品は、加熱されるエアロゾル形成基体を含む。さらに、本開示は、こうした装置の多層磁束集中器ホイルを製造するための方法に関する。【選択図】図1

Description

本開示は、エアロゾル形成基体を誘導加熱することによってエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置に関し、装置は、磁束集中器ホイルを備える。本開示は、こうした装置とエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムにさらに関し、物品は、加熱されるエアロゾル形成基体を含む。さらに、本開示は、こうした装置の多層磁束集中器ホイルを製造するための方法に関する。
吸入可能なエアロゾルを形成する能力を有するエアロゾル形成基体を誘導加熱するためのエアロゾル発生システムは、先行技術から一般的に公知である。こうしたシステムは、加熱される基体を受容するための空洞を有するエアロゾル発生装置を備えてもよい。基体は、装置で使用するために構成されているエアロゾル発生物品の一体部分であってもよい。基体を加熱するために、装置は、空洞内に変化する磁界を発生させるための誘導コイルを含む誘導加熱配設を備えてもよい。磁場は、システムの使用時、加熱されるために基体と熱的に近接して、または基体と直接、物理的に接触して配設されているサセプタ中に、熱発生渦電流またはヒステリシス損失のうちの少なくとも一つを誘導するために使用されている。一般に、サセプタは装置の一体部分、または物品の一体部分のいずれでもよい。
磁場は、サセプタを誘導加熱するだけでなく、エアロゾル発生装置の他の感受性の部分、または装置に近接した感受性の外部物品にも干渉し得る。こうした望ましくない干渉を低減するために、エアロゾル発生装置には、磁束集中器によって囲まれた容積内に、加熱配設によって発生された磁場を実質的に閉じ込めるように作用する、誘導加熱配設の周りに配設された磁束集中器が提供されてもよい。しかし、例えば装置が誤って落下した後に、過度な力の衝撃またはショックを受けた場合、閉じ込め効果はしばしば低減したり、失われたりすることが観察されている。加えて、多くの磁束集中器は、かなりかさばるため、エアロゾル発生装置の全体的な大きさおよびサイズを著しく増加させ得る。さらに、特にメガヘルツの範囲内で変化する磁界内で装置を動作させる際、磁束集中器が装置の使用時に望ましくないほどにそれ自体を加熱することが観察されている。
したがって、先行技術の解決策の利点を有しつつも、それらの制限を軽減する、エアロゾル形成基体を誘導加熱するためのエアロゾル発生装置およびシステムを有することが望ましい。特に、強化された堅牢性およびコンパクトな設計を有する磁束集中器を備えるが、装置の使用時にそれほど加熱されない、エアロゾル発生装置およびシステムを有することが望ましい。
本発明の一態様によると、エアロゾル形成基体を誘導加熱することによってエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置が提供されている。装置は、加熱されるエアロゾル形成基体を取り外し可能に受容するために構成された空洞を備える装置ハウジングを備える。装置は、空洞内に変化する磁界を発生させるための少なくとも一つの誘導コイルを含む誘導加熱配設をさらに含み、誘導コイルは、受容空洞の少なくとも一部分の周りに配設されている。加えて、装置は、誘導コイルの少なくとも一部分の周りに配設され、かつ装置の使用中に少なくとも一つの誘導加熱配設の変化する磁界を空洞に向かって歪めるように構成された磁束集中器を備える。磁束集中器は、少なくとも第一の支持層で積層された少なくとも一つの磁気層を有する多層磁束集中器ホイルを含み、磁気層は、軟磁性合金の複数の分離された断片を含む。
本発明によると、磁束集中器ホイルを含むか、または磁束集中器ホイルで作製された磁束集中器は、他の磁束集中器構成、例えば、フェライト中実体よりも柔軟であることが見出された。このため、磁束集中器ホイルは、良好な衝撃吸収特性を提供し、よって、割れることなく、より高い過度な力の影響または衝撃に耐えることができる。例えば、焼結フェライト粉末から作製されたサセプタと比較して、柔軟な磁束集中器ホイルは、偶発的な落下に起因するものなどの衝撃荷重に対して、大幅に向上した耐性を提供する。さらに、磁束集中器ホイルは、その小さな寸法により、エアロゾル発生装置のよりコンパクトな設計を可能にする。特に、焼結フェライト磁束集中器と比較して、磁束集中器ホイルは著しく薄く作ることができる。さらに、中実体磁束集中器とは対照的に、磁束集中器ホイルは、製造公差を補償すること、ならびに、誘導率を微調整することを可能にする。特に、磁束集中器ホイルは、有利なことに、温度で誘導コイルのインピーダンス安定性を強化するのに役立ち得る。一般に、誘導コイルのインピーダンスは、磁束集中器の存在によって影響を受ける。磁束集中器ホイルを使用する時、誘導加熱システムのコンダクタンスは、特に大容量の中実体磁束集中器と比較して、ホイルの容積が小さいため、温度による変化がより少ない可能性がある。この結果、インピーダンスも温度による変化がより少ない可能性がある。また、磁束集中器ホイルは製造が容易である。
最も重要なことに、磁気層は、複数の分離された断片を含むため、単一の断片それぞれが渦電流が形成される限られた空間のみを提供することに起因して、磁気層における渦電流の形成が部分的に阻止される。すなわち、断片化されていない磁気層と比較して、断片化された磁気層は、低減されたAC抵抗を有する。結果として、断片内には、エネルギーの散逸が全くないかまたはほとんどなく、磁束集中器ホイルは全体として、あったとしてもわずかに加熱されるのみである。したがって、変化する磁界によって提供されるエネルギーの大部分は、サセプタ内に散逸され、それ故に、空洞内のエアロゾル形成基体を加熱するために効果的に使用される。
本明細書で使用される「磁場を集中させる」という語句は、磁場の密度が空洞内で増大するように、磁束集中器が磁場を歪めることが可能であることを意味する。
空洞に向かって磁場を歪めることによって、磁束集中器は、磁場が誘導コイルを越えて伝搬する範囲を減少させる。すなわち磁束集中器は、磁気シールドとして働く。このことは、装置の隣接する感受性の部分(例えば金属の外側ハウジング)の望ましくない加熱、または装置の外部の隣接した感受性の物品の望ましくない加熱を低減しうる。望ましくない加熱損失を低減することによって、エアロゾル発生装置の効率は、さらに改善されうる。
さらに、空洞に向かって磁場を歪めることによって、磁束集中器は有利なことに、空洞内に磁場を集中または集束させることができる。これは、磁束集中器を有しない誘導コイルと比較して、誘導コイルを通過する所与のレベルの電力に対してサセプタ中に発生する熱のレベルを増加させうる。それ故に、エアロゾル発生装置の効率は改善されうる。
本明細書で使用される「ホイル」という用語は、厚さの方向に直角を成す任意の方向の寸法よりもはるかに小さい厚さを有する薄いシート材料を指す。本明細書で使用される「厚さ」という用語は、ホイルの主要表面に直角を成すホイルの寸法を指す。磁束集中器ホイルは、0.02ミリメートル~0.25ミリメートル、特に0.05ミリメートル~0.2ミリメートル、好ましくは0.1ミリメートル~0.15ミリメートルの範囲内の厚さを有してもよい。例えば、磁束集中器ホイルは、62マイクロメートルの厚さを有してもよい。磁束集中器ホイルは、最大150マイクロメートル、特に最大100マイクロメートル、好ましくは最大80マイクロメートルの厚さを有してもよい。厚さのこうした値は、エアロゾル発生装置の特にコンパクトな設計を可能にする。さらに、これらの値は、装置の使用中に、誘導加熱配設の交流磁場を空洞に向かって十分に歪めるのに十分な大きさである。
磁束集中器の厚さは、磁束集中器の厚さに直角を成す任意の方向に沿って実質的に一定であってもよい。他の実施例では、磁束集中器の厚さは、磁束集中器の厚さに直角を成す一つ以上の方向に沿って変化してもよい。例えば、磁束集中器の厚さは、一方の端から他方の端に、または磁束集中器の中央部分から両方の端に向かって、先細りしていてもよい、または減少してもよい。磁束集中器の厚さは、その周囲の周りで実質的に一定であってもよい。その他の実施例において、磁束集中器の厚さは、その周囲の周りで変化してもよい。
磁気層は、15マイクロメートル~100マイクロメートル、特に18マイクロメートル~40マイクロメートルの範囲、例えば、20マイクロメートルの層の厚さを有してもよい。磁気層は、最大100マイクロメートル、特に最大50マイクロメートル、好ましくは最大40マイクロメートルの層の厚さを有してもよい。磁気層は、最大75%、特に50%、より具体的には少なくとも40%、好ましくは少なくとも35%の磁束集中器ホイルの層の厚さを有してもよい。
有利なことに、第一の支持層は、第一の支持層で積層された断片を結合および担持するように機能する。好ましくは、多層磁束集中器ホイルは、少なくとも一つの磁気層の側面上に、または、以下でさらに説明するように、複数の隣接する磁気層の側面上に第一の支持層に対向する第二の支持層をさらに含んでもよい。第一の支持層と同様に、第二の支持層は、好ましくは、少なくとも一つの磁気層、または該当する場合には、複数の隣接する磁気層で積層される。有利なことに、第二の層もまた、断片を結合および担持するために使用される。
少なくとも第一の支持層、および存在する場合には、第二の支持層基体層は、高分子フィルムを含んでもよい。高分子フィルムは、ポリエステル、ポリイミド、ポリオレフィン、またはそれらの組み合わせから選択されてもよい。基体層は剥離ライナーを含んでもよい。好ましくは、第一の支持層、および存在する場合には、第二の支持層のうちの少なくとも一つは、接着層、電気絶縁層、または電気絶縁接着層のうちの一つであってもよい。電気絶縁接着層を使用することにより、有利なことに、少なくとも一つの磁気層、または該当する場合には、第一または第二の支持層にそれぞれ隣接する複数の隣接する磁気層内の断片の短絡が回避される。
第一の支持層、および存在する場合には、第二の支持層は、多層磁束集中器ホイルの縁部層、すなわち、多層磁束集中器ホイルの二つの最も外側の層の一つであってもよい。
本明細書で使用される「磁性」という用語は、強磁性またはフェリ磁性のいずれか一つを指す。すなわち、軟磁性合金は、強磁性またはフェリ磁性のいずれかである。
本明細書で使用される場合、軟磁性合金という用語は、低磁気保磁力、特に最大100A/m(アンペア/メートル)、好ましくは最大50A/m(アンペア/メートル)、より好ましくは最大10A/m(アンペア/メートル)、最も好ましくは最大5A/m(アンペア/メートル)の磁気保磁力を有する磁性合金を指す。磁気保磁力は、磁性材料が、消磁されることなく、外部磁場に耐える能力の尺度である。低磁気保磁力に起因して、軟磁性合金は有利なことに、低ヒステリシス損失を有する。
軟磁性合金は、脆いことが好ましい。これは、軟磁性合金を複数の分離された断片へと亀裂させることに関して有利である。
磁束集中器ホイルの軟磁性合金は、磁場を歪めるのに適切な任意の材料または材料の組み合わせを含むか、またはこれらから作製されてもよい。
好ましくは、軟磁性合金は、金属ガラス(非結晶性金属)またはナノ結晶性軟磁性合金、特にナノ結晶性軟磁性Fe系合金であってもよい。
特に 磁束集中器ホイルの軟磁性合金は、Fe100-a-b-c-x-y-zCuabcSixzの組成物よび最大0.5原子%の異物であるか、またはこれらを含んでもよく、Mは、Nb、MoおよびTaから成る群のうちの一つ以上であり、Tは、V、Cr、CoおよびNiから成る群のうちの一つ以上であり、Zは、C、PおよびGeから成る群のうちの一つ以上であり、また、0.5原子%<a<1.5原子%、2原子%≦b<4原子%、0原子%≦c<5原子%、12原子%<x<18原子%、5原子%<y<12原子%、および0原子%≦z<2原子%である。
例えば、磁束集中器ホイルの軟磁性合金は、VACUUMSCHMELZE GmbH & Co.KG社(ドイツ)からVitrovac(登録商標)またはVitroperm(登録商標)という商標で販売されている合金を含んでもよく、またはこの合金で作製されていてもよい。Vitroperm(登録商標)合金は、ナノ結晶性軟磁性合金である。例えば、磁束集中器ホイルは、Vitroperm 220、Vitroperm 250、Vitroperm 270、Vitroperm 400、Vitroperm 500、またはVitroperm 800を含んでもよく、またはそれで作製されていてもよい。特に、軟磁性合金は、Fe73.8Nb3Cu1Si15.66.6の組成物であってもよく、またはこれを含んでもよい。この組成物は、Vitroperm 800に相当する。
本明細書で使用される「磁束集中器」という用語は、誘導コイルによって発生した磁場または磁力線を集中させる、および導くように働く、高比透磁率を有する構成要素を指す。本明細書で使用される「高比透磁率」という用語は、少なくとも100、特に少なくとも1000、好ましくは少なくとも10000、さらにより好ましくは少なくとも50000、最も好ましくは少なくとも80000の比透磁率を指す。これらの例示的な値は、最大50kHzの周波数および25℃の温度での比透磁率の最大値を指す。「比透磁率」という用語は、磁束集中器などの材料または媒体の透磁率と、自由空間の透磁率μ0との比を指し、μ0は、4π・10-7N・A-2(4・Pi・10E-07ニュートン/平方アンペア)である。従って、軟磁性合金は少なくとも、少なくとも100、特に少なくとも1000、好ましくは少なくとも10000、さらにより好ましくは少なくとも50000、最も好ましくは少なくとも80000の比透磁率を有することが好ましい。これらの値は、最大50kHzの周波数および25℃の温度での比透磁率の最大値を指すことが好ましい。
本発明の方法に関してより詳細に後述するように、断片化された磁気層は、磁気層が複数の分離された断片へと亀裂する、少なくとも第一の支持層で積層された軟磁性合金の少なくとも一つの磁気層を有する多層磁束集中器ホイルからもたらされ得る。磁気層の亀裂は、例えば、外力を磁束集中器ホイルに、ホイル平面に対して横断方向に加えることによって達成され得る。磁気層は複数の断片へと亀裂するが、第一の支持層、および存在する場合には、第二の支持層は、断片化された磁気層を一緒に保持するために、無傷のままであり、断片へと亀裂しない。
磁気層を断片へと亀裂させるために使用されるツールおよび方法に応じて、複数の分離された断片は、複数の亀裂中心を含むパターンで配設されてもよく、複数の亀裂は、ウェブ形状のパターンで各亀裂中心から半径方向外向きに広がる。
また、使用されるツールおよび方法に応じて、断片は、異なる種類の形状を有し得る。例えば、断片は、フレーク様の形状を有してもよい。
好ましくは、単一の断片それぞれは、最大で1ミリメートル、特に最大で750マイクロメートル、または最大で500マイクロメートルの断片サイズを有してもよい。同様に、複数の分離された断片は、最大で1ミリメートル、特に最大で750マイクロメートル、または最大で500マイクロメートルの平均断片サイズを有してもよい。こうした断片サイズの値は、磁気層のAC抵抗のさらなる低減を可能にし、したがって、磁束集中器ホイルにおける渦電流損失のさらなる低減を可能にする。
一般に、多層磁束集中器ホイルは、単一の(一つの)磁気層を含み得る。また、多層磁束集中器ホイルが、複数の隣接する磁気層を含むことも可能である。複数の隣接する磁気層は、磁束集中効果を強化し得る。さらに、複数の隣接する磁気層を有するホイルを使用することで、多磁気層磁束集中器ホイルの単一の巻線が、互いの上にある複数の巻線における誘導コイルの周りに配設された単一の磁気層磁束集中器ホイルと同じ効果を達成し得るため、誘導コイルの周りに磁束集中器ホイルを配設する労力が低減され得る。
複数の隣接する磁気層を有する磁束集中器ホイルに関して、多層磁束集中器ホイルは、接着フィルム、特に、隣接する磁気層の各対間に配設される電気絶縁接着フィルムを含み得る。有利なことに、接着フィルムは、様々な磁気層の複数の断片を結合および担持するように機能する。電気絶縁接着フィルムの使用により、接着フィルムを介して一つの磁気層または隣接する層内の断片の短絡が回避される。隣接する磁気層の各対間に配設される接着フィルムはまた、中間支持層としても示される。すなわち、磁束集中器ホイルは、少なくとも一つの中間支持層も含み得る。中間支持層は、一対の隣接する磁気層の間に配設されてもよい。本発明による方法に関するより詳細が以下に記載されており、本明細書に記載の本発明によるエアロゾル発生装置に等しく当てはまる。
例えば、多層磁束集中器ホイルは、(底部から上部へと)以下の層を含み得る:
- 接着性(非PET)の第一の支持層と、
- 軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製された第一の磁気層と、
- 接着性(非PET)の中間支持層と、
- 軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製された第二の磁気層と、
- 接着性(PET系)の第二の支持層。
以下でより詳細に説明するように、多層磁束集中器ホイルは、封止された多層磁束集中器ホイルであってもよい。すなわち、多層磁束集中器ホイルは、断片がホイルから横方向に漏れ出ることを防止するために封止されてもよい。このため、封止接着テープは、(非封止)磁束集中器ホイルの一方の側面または各側面上に配設されてもよく、接着封止テープは、磁束集中器ホイルの対向する(切断)縁の横断方向に、同じ方向、すなわち、(非封止)磁束集中器ホイルの対向する切断縁に対して横断方向に、非封止磁束集中器ホイルの幅延長部よりも大きな幅延長部を有する。結果として、(非封止)磁束集中器ホイルの各側面上の封止接着テープは、横方向に突出するウィングを含み、ウィングは、(非封止)磁束集中器の縁部を封止するように、互いに接着接触し得る。一例として、封止された多層磁束集中器ホイルは、(底部から上部へと)以下の層を含み得る:
- 第一の接着層と第二の接着層との間に挟まれた(PEN系またはPI系)フィルムを含む第一の三層接着封止ラミネートと、
- 接着性(非PET)の第一の支持層と、
- 軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製された第一の磁気層と、
- 接着性(非PET)の中間支持層と、
- 軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製された第二の磁気層と、
- 接着性(PET)の第二の支持層と、
- 第一の接着層と第二の接着層との間に挟まれた(PEN系またはPI系)フィルムを含む第二の三層接着封止ラミネート。
別の例として、封止された多層磁束集中器ホイルは、(底部から上部へと)以下の層を含み得る:
- 第一のPET系接着フィルムと、
- 接着性(非PET)の第一の支持層と、
- 軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製された第一の磁気層と、
- 接着性(非PET)の中間支持層と、
- 軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製された第二の磁気層と、
- 接着性(PET)の第二の支持層と、
- 第二のPET系接着フィルム。
第一および第二の三層接着封止ラミネートは、第一の接着層と第二の接着層との間に挟まれたPEN(ポリエチレンテレフタレート)系フィルムを含み得る。同様に、三層接着封止ラミネートは、第一の接着層と第二の接着層との間に挟まれたPI(ポリイミド)系フィルムを含み得る。PEN(ポリエチレンテレフタレート)系フィルムは、2~5マイクロメートル、特に3マイクロメートルの厚さを有してもよい。同様に、PI(ポリイミド)系フィルムは、2~8マイクロメートル、特に5~7マイクロメートルの厚さを有してもよい。合計で、三層接着封止ラミネートは、3~15マイクロメートル、特に4~13マイクロメートル、例えば、5マイクロメートル、または7マイクロメートル、または9マイクロメートル、または13マイクロメートルの厚さを有してもよい。三層封止接着テープの第一および第二の接着層は、非PET(ポリエチレンテレフタレート)系接着剤を含み得る。
第一および第二のPET系接着フィルムは、2~5マイクロメートル、特に3マイクロメートルの厚さを有してもよい。
接着性(非PET系)の第一および第二の支持層および接着性(PET系)の第三の支持層は、2マイクロメートル~10マイクロメートルの範囲、特に2マイクロメートル~5マイクロメートルの範囲、例えば3マイクロメートルの厚さを有してもよい。
第一および第二の磁気層は、15マイクロメートル~25マイクロメートルの範囲、特に18マイクロメートル~23マイクロメートルの範囲、例えば、21マイクロメートルの厚さを有してもよい。
様々なテープ、フィルム、および層のさらなる詳細は、本発明による方法に関して以下でさらに記載されており、本明細書に記載の本発明によるエアロゾル発生装置に等しく当てはまる。
本明細書で使用される場合、「分離された断片」という用語は、渦電流効果の抑制を可能にするように、隣接する断片または隣接する断片クラスターと直接接触していない、特に電気的に接触していない、複数の断片または複数の断片クラスターを含む磁気層の構成を指す。
複数の分離された断片または断片クラスターの間のギャップは、結合剤などの電気絶縁材料、例えば、シリコンなどのポリマーで少なくとも部分的に充填されてもよい。特に、複数の分離された断片または断片クラスターの間のギャップは、第一の支持層の材料、または存在する場合には、第二の支持層の材料、または存在する場合には、隣接する磁気層間の接着フィルムの材料のうちの少なくとも一つで、または軟磁性合金のマトリクス材料(結合剤)で少なくとも部分的に充填されてもよい。ギャップを充填することは、有利なことに、複数の断片または断片クラスターを、互いから永久的に分離したままにし、それ故に磁束集中器ホイル全体が変形した場合でも、渦電流効果を永久的に抑制するのに役立つ。
さらに、エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの誘導コイルと磁束集中器との間に半径方向のギャップを備えてもよく、磁束集中器は、誘導コイルを少なくとも部分的に囲む。従って、ギャップもまた、誘導コイルを少なくとも部分的に囲む。ギャップは、40マイクロメートル~400マイクロメートル、特に100マイクロメートル~240マイクロメートルの範囲、例えば、220マイクロメートルの半径方向延長部を有してもよい。有利なことに、ギャップは、誘導コイルの損失を低減し、加熱されるサセプタの損失を増加させること、すなわち、エアロゾル発生装置の加熱効率を増加させるのに役立ちうる。
ギャップは、空気ギャップまたは充填材料で少なくとも部分的に充填されたギャップ、例えば、Kapton(登録商標)としても知られるポリ(4,4’-オキシジフェニレン-ピロメリチイミド)などのポリイミド、または任意の他の適切な誘電材料であってもよい。特に、第一の誘電ラッパーは、誘導コイルと磁束集中器との間に誘導コイルの少なくとも一部分の周りに配設されてもよい。例えば、誘導コイルは、少なくとも一つの誘導コイルと磁束集中器の間の半径方向のギャップを埋めるように、Kaptonテープの一つ以上の層によって巻かれてもよい。Kaptonテープの一層は、40マイクロメートル~80マイクロメートルの範囲の厚さを有してもよい。
さらに、エアロゾル発生装置は、磁束集中器の周りに配設される導電性遮蔽ラッパーを備えてもよい。有利なことに、導電性遮蔽ラッパーは、装置内の磁場から装置の環境を遮蔽するように機能する。
さらに、エアロゾル発生装置は、磁束集中器の周りに、特に、存在する場合には、遮蔽ラッパーの周りに配設される、第二の誘電ラッパーを備えてもよい。第一の誘電ラッパーと同様に、第二の誘電ラッパーは、誘導コイルの損失を低減し、加熱されるサセプタの損失を増加させること、すなわち、エアロゾル発生装置の加熱効率を増加させるのに役立ち得る。
一般に、磁束集中器は、任意の形状を有してもよく、さらに好ましくは、集中器が少なくとも部分的に配設された少なくとも一つの誘導の形状と一致する形状を有してもよい。
例えば、磁束集中器は、実質的に円筒形状、特にスリーブ形状または管状形状を有してもよい。すなわち、磁束集中器は、管状磁束集中器または磁束集中器スリーブまたは円筒状の磁束集中器であってもよい。こうした形状は、少なくとも一つの誘導コイルが、実質的に円筒形状を有するらせん誘導コイルである場合に特に適切である。こうした構成において、磁束集中器は、コイルの軸方向長さの延長部の少なくとも一部分に沿って少なくとも一つの誘導コイルを完全に囲む。管状形状またはスリーブ形状は、空洞の円筒形状に関して、ならびに誘導コイルの円筒状および/またはらせん状の構成に関して特に有利である。この形状に関して、磁束集中器は任意の適切な断面を有しうる。例えば、磁束集中器は、正方形、楕円形、長方形、三角形、五角形、六角形または同様の断面形状を有しうる。磁束集中器は円形断面を有することが好ましい。例えば、磁束集中器は、環状の円筒形状を有しうる。
また、磁束集中器は、少なくとも一つの誘導コイルの周囲の一部の周りにのみ延びる可能性もある。
これらの構成のいずれにおいても、磁束集中器は、少なくとも一つの誘導コイルの中心線と同軸に配設されることが好ましい。磁束集中器および少なくとも一つの誘導コイルは、空洞の中心線と同軸であることが、さらにより好ましい。
一般に、誘導加熱配設は、単一の誘導コイルまたは複数の誘導コイル、特に二つの誘導コイルを備えてもよい。単一の誘導コイルの場合、磁束集中器は、単一の誘導コイルの少なくとも一部分の周りに、好ましくは、誘導コイルの周りに完全に配設され得る。複数の誘導コイルの場合、磁束集中器は、誘導コイルのうちの一つの少なくとも一部分の周りに、好ましくは、誘導コイルのそれぞれの一つの少なくとも一部分の周りに、さらにより好ましくは、各誘導コイルの周りに完全に配設されてもよい。
磁束集中器ホイルは、管状磁束集中器または磁束集中器スリーブを形成するように、特に端部が相互に重なり合うか、または相互に当接して、巻かれてもよい。相互に重なり合うか、または相互に当接する端部は、相互に取り付けられてもよい。同様に、相互に重なり合うか、または相互に当接する端部は、相互に緩く重なり合うか、または相互に緩く当接してもよい。
特に、磁束集中器ホイルは、磁束集中器ホイルの単一の巻線を備える管状磁束集中器または磁束集中器スリーブを形成するように、単一の巻線で巻かれてもよい。別の方法として、磁束集中器ホイルは、複数の特に渦巻き状巻線を備える管状磁束集中器または磁束集中器スリーブを形成するように、複数の回転/巻線で巻かれてもよい。
磁束集中器ホイルはまた、相互に重なり合う磁束集中器ホイルの一つ以上のらせん状巻線を備える管状磁束集中器または磁束集中器スリーブを形成するように、巻線軸に関して軸方向にらせん状に巻かれてもよい。
また、磁束集中器ホイルは、相互に重なって別々の同心巻線で巻かれることも可能である。すなわち、磁束集中器は、相互に重なって別々の同心の単一(回転)の巻線で巻かれた複数の磁束集中器ホイルを備えてもよい。同様に、磁束集中器ホイルは、相互に重なって別々の複数の渦巻き状または複数の巻線で巻かれる可能性もある。すなわち、磁束集中器は、相互に重なって別々の同心の複数渦巻き状またはらせん状(回転)の巻線で巻かれた複数の磁束集中器ホイルを備えてもよい。
さらに、磁束集中器は、相互に隣り合うように配設された複数の磁束集中器ホイルを備えることが可能であり、各磁束集中器ホイルは、単一の巻線で、または相互に重なり合う複数の渦巻き状巻線で、または相互に重なり合う別々の同心巻線で巻かれている。
磁束集中器ホイルの複数の、特に複数の渦巻き状もしくは複数のらせん状の巻線、または相互に重なり合うの複数の別々の同心巻線を含む構成は、有利なことに、多層磁束集中器ホイルまたは多層磁束集中器を生成するために使用されてもよく、各巻線は一つの層に相当する。例えば、磁束集中器は、二つ、または三つ、または四つ、または五つ、または六つ、または七つ以上の複数の渦巻き状または複数のらせん状巻線または複数の別々の同心巻線を備えてもよい。従って、こうした多層磁束集中器ホイルまたは多層磁束集中器は、単層またはホイルの厚さに、巻線または層の数を乗じたものに実質的に対応する厚さを有してもよい。例えば、ホイルが、0.02mm(ミリメートル)~0.25mm(ミリメートル)、特に0.05mm(ミリメートル)~0.2mm(ミリメートル)、好ましくは、0.1mm(ミリメートル)~0.15mm(ミリメートル)の範囲の厚さを有する場合、六つの層を備える多層磁束集中器ホイルまたは多層磁束集中器は、0.12mm(ミリメートル)~1.5mm(ミリメートル)、特に0.3mm(ミリメートル)~1.2mm(ミリメートル)、好ましくは、0.6mm(ミリメートル)~0.9mm(ミリメートル)の範囲の厚さを有してもよい。
磁束集中器ホイルが、管状磁束集中器または磁束集中器スリーブを形成するように、特に単一巻線で巻かれている場合、磁束集中器ホイルは、巻かれた磁束集中器ホイルの弾性復元力の部分的解放による圧力ばめ様式で、装置ハウジングの内表面に取り付けられてもよい。すなわち、弾性復元力は、磁束集中器ホイルを装置ハウジングの内表面に対して半径方向外向きに押しつける。この構成では、巻かれたホイルの端部は、相互に緩く重なり合うか、または相互に緩く当接することが好ましい。有利なことに、この構成は、特に追加の固定手段なしでの、磁束集中器の単純な取付けを可能にする。
また、磁束集中器は、磁束集中器ホイルを磁束集中器の最終形状へと直接押し出すことから生じることも可能である。特に、磁束集中器は、押出成形された磁束集中器ホイル、例えば、押出成形された管状磁束集中器ホイルまたは磁束集中器ホイルスリーブ、または押出成形された円筒状の磁束集中器ホイルを備えてもよく、またはそれであってもよい。押出成形された管状磁束集中器ホイルまたは押出成形された磁束集中器ホイルスリーブまたは押出成形された円筒状の磁束集中器ホイルは、0.05mm(ミリメートル)~0.25mm(ミリメートル)、好ましくは0.1mm(ミリメートル)~0.15mm(ミリメートル)の範囲の壁厚さを有してもよい。壁厚さはまた、0.12mm(ミリメートル)~1.5mm(ミリメートル)、特に0.3mm(ミリメートル)~1.2mm(ミリメートル)、好ましくは0.6mm(ミリメートル)~0.9mm(ミリメートル)の範囲であってもよい。
誘導加熱配設は、装置の一部である少なくとも一つのサセプタ素子を含んでもよい。同様に、少なくとも一つのサセプタ素子は、加熱されるエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品の一体部分とすることが可能である。装置の一部として、少なくとも一つのサセプタ素子は、使用中にエアロゾル形成基体と熱的に近接または熱的に接触するように、好ましくは物理的に接触するように、少なくとも部分的に空洞内に配設されているかまたは配設可能である。
本明細書で使用される「サセプタ素子」という用語は、変化する磁界に供された時に電磁エネルギーを熱へと変換する能力を有する要素を指す。これは、サセプタ材料の電気的特性および磁気的特性に依存して、サセプタ内で誘導されたヒステリシス損失または渦電流のうちの少なくとも一つの結果であってもよい。ヒステリシス損失は、変化する磁界の影響下で切り替えられるサセプタ材料内の磁区に起因して、強磁性またはフェリ磁性のサセプタ内で生じる。渦電流は、サセプタが導電性である場合に誘発される場合がある。導電性の強磁性またはフェリ磁性サセプタの場合、渦電流とヒステリシス損失の両方によって熱が発生しうる。
従って、サセプタ素子は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタ素子は金属または炭素を含む。好ましいサセプタ素子は、強磁性材料(例えばフェライト鉄)、または強磁性の鋼鉄またはステンレス鋼を含みうる。適切なサセプタ素子はアルミニウムであってよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタ素子は、400シリーズのステンレス鋼、例えばグレード410、またはグレード420、またはグレード430のステンレス鋼から形成されてもよい。
サセプタ素子は、様々な幾何学的構成を含みうる。サセプタ素子は、サセプタピン、サセプタロッド、サセプタブレード、サセプタ細片、またはサセプタプレートを含みうるか、またはそれらでありうる。サセプタ素子がエアロゾル発生装置の一部である場合、サセプタピン、サセプタロッド、サセプタブレード、サセプタ細片、またはサセプタプレートは、好ましくは、エアロゾル発生物品を空洞の中に挿入するための空洞の開口部に向かって、装置の空洞内に突出し得る。
サセプタ素子はまた、フィラメントサセプタ、メッシュサセプタ、ウィックサセプタを含んでもよく、またはそれらであってもよい。同様に、サセプタ素子は、サセプタスリーブ、サセプタカップ、円筒形サセプタ、または管状サセプタを含んでもよく、またはそれらであってもよい。好ましくは、サセプタスリーブ、サセプタカップ、円筒形サセプタ、または管状サセプタの内側空隙は、加熱されるエアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品の少なくとも一部分を取り外し可能に受容するように構成されている。
前述のサセプタ素子は、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、または任意の他の適切な形状などの任意の断面形状を有してもよい。
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、基体を加熱することによってエアロゾルを発生させるように、少なくとも一つのエアロゾル形成基体と相互作用する能力、特にエアロゾル発生物品内に提供されたエアロゾル形成基体と相互作用する能力を有する電気的に作動する装置を概して指す。エアロゾル発生装置は、ユーザーによってユーザーの口を通して直接吸入可能なエアロゾルを発生するための吸煙装置であることが好ましい。特に、エアロゾル発生装置は手持ち式のエアロゾル発生装置である。
誘導コイルに加えて、誘導加熱配設は交流(AC)発電機を備えてもよい。AC発電機はエアロゾル発生装置の電源によって電力供給されてもよい。AC発生器は、少なくとも一つの誘導コイルに動作可能に連結される。特に、少なくとも一つの誘導コイルは、AC発生器の一体部分であってもよい。AC発生器は、変化する磁界を発生させるために誘導コイルを通過する高周波振動電流を発生するように構成されている。AC電流はシステムの起動後、誘導コイルに連続的に供給されてもよく、または断続的に(例えば毎回の吸煙ごとに)供給されてもよい。
誘導加熱配設は、LCネットワークを含むDC電源に接続されたDC/ACコンバータを含み、LCネットワークはコンデンサと誘導コイルの直列接続を備えることが好ましい。
誘導加熱配設は、高周波の変化する磁界を発生させるように構成されることが好ましい。本明細書において言及されるように、高周波の変化する磁界は、500kHz(キロヘルツ)~30MHz(メガヘルツ)、特に5MHz(メガヘルツ)~15MHz(メガヘルツ)、好ましくは5MHz(メガヘルツ)~10MHz(メガヘルツ)の範囲内であってもよい。
エアロゾル発生装置は、装置の動作を制御するように構成されたコントローラをさらに備えてもよい。特に、所定の動作温度へのエアロゾル形成基体の加熱を制御するために、コントローラは、好ましくは閉ループ構成で誘導加熱配設の動作を制御するように構成されてもよい。エアロゾル形成基体の加熱に使用される動作温度は、少なくとも180℃、特に、少なくとも300℃、好ましくは少なくとも350℃、より好ましくは少なくとも370℃、最も好ましくは少なくとも400℃であり得る。これらの温度は、エアロゾル形成基体を加熱するが燃焼させないための典型的な動作温度である。動作温度は、180℃~370℃、特に、180℃~240℃、または280℃~370℃の範囲内であることが好ましい。概して、動作温度は、加熱されるエアロゾル形成基体のタイプ、サセプタの構成、およびシステムの使用におけるエアロゾル形成基体に対するサセプタの配設のうち少なくとも一つに依存しうる。例えば、システムの使用においてエアロゾル形成基体を囲むようにサセプタが構成・配設される場合、動作温度は、180℃~240℃の範囲内としうる。同様に、システムの使用時にエアロゾル形成基体内に配設されるようにサセプタが構成される場合、動作温度は、280℃~370℃の範囲内としうる。上述の動作温度は、使用時のサセプタの温度を指すことが好ましい。
コントローラは、マイクロプロセッサ、例えばプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積回路チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有するその他の電子回路を備えてもよい。コントローラは、少なくとも一つのDC/ACインバータおよび/または電力増幅器、例えば、クラスC、クラスDまたはクラスE電力増幅器など、さらなる電子構成要素を含んでもよい。特に、誘導加熱配設はコントローラの一部であってもよい。
エアロゾル発生装置は電源、特に、誘導加熱配設にDC供給電圧およびDC供給電流を提供するように構成されたDC電源を備え得る。電源はリン酸鉄リチウム電池などの電池であることが好ましい。代替として、電源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要としてもよい、すなわち電源は再充電可能であってもよい。電源は、一回以上のユーザー体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は約六分間、または六分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電源は所定の吸煙回数、または誘導加熱配設の個別の起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
エアロゾル発生装置は、誘導加熱配設のうちの少なくとも一つ、特に少なくとも一つの誘導コイル、磁束集中器、コントローラ、電源、および空洞の少なくとも一部分を含むことが好ましい主本体を備えうる。
主本体に加えて、エアロゾル発生装置は、特に装置と共に使用されるエアロゾル発生物品がマウスピースを含まない場合、マウスピースをさらに備えうる。マウスピースは、装置の主本体に据え付けられてもよい。マウスピースは、マウスピースを主本体に取り付けると受容空洞を閉じるように構成されてもよい。マウスピースを主本体に取り付けるために、主本体の近位端部分は、マウスピースの遠位端部分にて対応する相手側と係合する磁気的マウントまたは機械的マウント、例えばバヨネットマウントまたはスナップ嵌めマウントを備えてもよい。装置がマウスピースを備えない場合、エアロゾル発生装置と共に使用されるエアロゾル発生物品はマウスピース、例えばフィルタープラグを備えてもよい。
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの空気出口、例えばマウスピース(存在する場合)の空気出口を備えてもよい。
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの空気吸込み口から、受容空洞を通って、そして場合によってはさらに、もしあれば、マウスピースの空気出口に延びる空気経路を備えることが好ましい。エアロゾル発生装置は、受容空洞と流体連通する少なくとも一つの空気吸込み口を備えることが好ましい。その結果、エアロゾル発生システムは、少なくとも一つの空気吸込み口から受容空洞の中に延びる、および場合によっては物品内のエアロゾル形成基体とマウスピースを通してユーザーの口の中にさらに延びる空気経路を備えてもよい。
少なくとも一つの誘導コイルおよび磁束集中器は、装置ハウジング内に配設されている、かつ装置の空洞の少なくとも一部分を形成するか、またはその周りに円周方向に配設されている、特にその周りに取り外し可能に配設されている誘導モジュールの一部であってもよい。
これに関して、本発明はまた、装置の空洞の少なくとも一部分を形成するか、またはその周りに円周方向に配設されているように、エアロゾル発生装置内に配設可能な誘導モジュールを提供し、空洞は、誘導加熱されるエアロゾル形成基体を取り外し可能に受容するために構成されている。誘導モジュールは、使用時に空洞内に変化する磁界を発生させるための少なくとも一つの誘導コイルを備え、少なくとも一つの誘導コイルは、誘導モジュールが装置中に配設されている時、受容空洞の少なくとも一部分の周りに配設されている。誘導モジュールは、少なくとも一つの誘導コイルの少なくとも一部分の周りに円周方向に配設された、かつ誘導モジュールが装置の中に配設されている時、使用中に空洞に向かって誘導コイルの変化する磁界を歪めるように構成された磁束集中器をさらに備える。磁束集中器は、本発明による、本明細書に記載されるような、磁束集中器ホイルを備えるか、またはそれで作製されている。すなわち、磁束集中器ホイルは、少なくとも第一の支持層で積層された少なくとも一つの磁気層を有する多層磁束集中器ホイルであり、磁気層は、軟磁性合金の複数の分離された断片を含む。
誘導モジュール、特に誘導コイルおよび磁束集中器のさらなる特徴および利点は、エアロゾル発生装置に関して説明されており、等しく当てはまる。
本発明の別の態様によると、本発明による、および本明細書に記載のエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムも提供されている。システムは、装置で使用するエアロゾル発生物品をさらに備え、物品は、装置によって誘導加熱されるエアロゾル形成基体を含む。エアロゾル発生物品は、少なくとも部分的に装置の空洞の中に受容されているか、または受容可能である。
本明細書で使用される「エアロゾル発生システム」という用語は、本明細書にさらに記載のエアロゾル発生物品と、本発明による、本明細書に記載のエアロゾル発生装置との組み合わせを指す。システムにおいて、物品と装置は呼吸に適したエアロゾルを発生させるように協働する。
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を、加熱された時に放出する少なくとも一つのエアロゾル形成基体を含む物品を指す。エアロゾル発生物品は、加熱式エアロゾル発生物品であることが好ましい。すなわち、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図されている少なくとも一つのエアロゾル形成基体を含む、エアロゾル発生物品である。エアロゾル発生物品は、消耗品、特に単回使用後に廃棄される消耗品であってもよい。例えば、物品は、加熱される液体エアロゾル形成基体を含むカートリッジであってもよい。別の方法として、物品は従来の紙巻たばこに似ているロッド状の物品(特にたばこ物品)であってもよい。
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成するために、加熱に伴い揮発性化合物を放出することが可能なエアロゾル形成材料から形成されるか、またはそれを含む基体を意味する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図される。エアロゾル形成基体は、固体エアロゾル形成基体、液体エアロゾル形成基体、ゲル様エアロゾル形成基体、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例はグリセリンおよびプロピレングリコールである。エアロゾル形成基体はまた、ニコチンまたは風味剤などのその他の添加物および成分を含んでもよい。エアロゾル形成基体はまた、ペースト様の材料、エアロゾル形成基体を含む多孔性材料のサシェ、または例えばゲル化剤または粘着剤と混合されたばらのたばこであってもよく、これはグリセリンなどの一般的なエアロゾル形成体を含むことができ、これはプラグへと圧縮または成形される。
前述の通り、エアロゾル形成基体を誘導加熱するために使用される少なくとも一つのサセプタ素子は、エアロゾル発生装置の一部ではなく、エアロゾル発生物品の一体部分であってもよい。従って、エアロゾル発生物品は、物品が装置の空洞に受容されているとき、使用時にサセプタ素子が誘導加熱配設によって誘導加熱されることが可能なように、エアロゾル形成基体と熱的に近接または熱的に接触して位置付けられた少なくとも一つのサセプタ素子を備え得る。
本発明によるエアロゾル発生システムのさらなる特徴および利点については、エアロゾル発生装置に関して説明されており、等しく当てはまる。
本発明の別の態様によると、本発明による、および本明細書に記載のエアロゾル発生装置の多層磁束集中器ホイルを製造するための方法が提供されている。方法は、
- 少なくとも第一の支持層で積層された軟磁性合金の少なくとも一つの磁気層を有する多層磁束集中器ホイルを提供することと、
- 外力を磁束集中器ホイルに、ホイル平面に対して横断方向に加えることによって、少なくとも一つの磁気層を複数の断片へと亀裂させることと、
- 引張り力下で磁束集中器ホイルをホイル平面に平行に引っ張ることによって、磁束集中器ホイルを伸展させることと、を含む。
特に、引っ張ることによって磁束集中器ホイルを伸展させることは、引張り力下で磁束集中器ホイルをホイル平面に平行に、少なくとも一つの縁部上で、特に一つの縁部上のみで引っ張ることを含み得る。
本発明によると、磁束集中器ホイルの磁気層は、まず外力を磁束集中器ホイルに、ホイル平面に対して横断方向に加え、その後、引張り力下で磁束集中器ホイルをホイル平面に平行に、特に少なくとも一つの縁部上で伸展させることによって、複数の分離された断片へと容易に断片化され得ることを見出した。第一の工程は、磁気層が複数の断片へと亀裂することにつながり、第二の工程は、断片をさらに小さな断片に亀裂させ、最も重要なことに、互いから分離されるように引き離す。有利なことに、第二の工程は、磁気層のAC抵抗のさらなる減少をもたらし、それ故に、断片が引き離されることに起因して、磁束集中器ホイルの磁気層の渦電流損失のさらなる減少をもたらす。
少なくとも一つの磁気層を複数の分離された断片へと亀裂させることは、磁束集中器ホイルを、通過する磁束集中器ホイル上に圧迫力を加える、少なくとも一対のローラー、特に逆回転ローラーに通過させることを含み得る。すなわち、通過するホイルが二つのローラー間で圧迫されるように、圧力が加えられてローラーを互いに対して押し付ける。ローラーの少なくとも一つは、その外表面上に複数の突出部を含んでもよく、突出部の各々は、局所的に、力を磁束集中器ホイルにホイル平面に対して横断方向に加える。それぞれの他のローラーは、対向ローラーとして作用する。ローラーの各々がその外表面上に複数の突出部を備える場合、亀裂が強化され得る。両方のローラー上の複数の突出部は、相補的な突出部として形成されてもよい。例えば、動作中、一方のローラーの突出部は、それぞれの他方のローラーの突出部の間に嵌合し得る。また、ローラーのうちの一つのみが複数の突出部を備え、それぞれの他方のローラーが滑らかな外表面を備えることも可能である。複数の突出部を有するローラーは、金属、例えば、ステンレス鋼で作製されてもよい。滑らかな外表面を有するローラーは、ゴムで作製されてもよい。ゴム材料は、亀裂を可能にする適切な硬度を有するべきである。磁束集中器ホイルは、一対のローラーまたは一連のローラー対のいずれかを通過してもよい。少なくとも一つの磁気層を複数の分離された断片へと亀裂させるために、4バール~8バールの範囲、例えば6バールの破壊圧力を、特にローラーを介して、磁束集中器ホイル上にホイル平面に対して横断方向に加えてもよい。少なくとも一つの対のローラーの通過前および通過後に、磁束集中器ホイルは、それぞれ、巻き出され、巻き戻されてもよい。少なくとも一対のローラーの通過前および通過後の磁束集中器ホイルの巻き出しおよび巻き戻しは、40~60N(ニュートン)、例えば、50N(ニュートン)の引張り力、および5~10m/分、例えば、7m/分の巻線速度で生じ得る。
外力を磁束集中器ホイルに、ホイル平面に対して横断方向に加えることによって少なくとも一つの磁気層を複数の断片へと亀裂させる工程は、数回、例えば、1回または2回繰り返されてもよい。したがって、磁束集中器ホイルは、少なくとも一対のローラーを2回または3回通過し得る。また、磁束集中器ホイルは、少なくとも一対のローラーを一回だけ通してもよい。
磁束集中器ホイルを少なくとも一つの縁部上のみで引っ張ることは、磁束集中器ホイルを少なくとも一つの縁部上で前後に、特に、繰り返し前後に、例えば、4~6回前後に引っ張ることを含み得る。前後に引っ張ることで、断片を引き離すことが強化され得る。
少なくとも一つの縁部は鋭利な縁部であることが好ましい。すなわち、少なくとも一つの縁部は、最大1ミリメートル、特に最大0.3ミリメートル、好ましくは最大0.2ミリメートル、より好ましくは最大0.15ミリメートルの丸み半径を含んでもよい。
縁部上で引っ張ることは、60度~120度、特に80度~100度の範囲、好ましくは90度の角度下で生じ得る。すなわち、磁束集中器ホイルは、縁部上で引っ張られる際にその角度だけ曲げられる。角度は、縁部の上流にあるホイルの一部分と縁部の下流にあるホイルの一部分との間で測定される。
磁束集中器ホイルを引っ張る間、引張り力は、20N(ニュートン~60N(ニュートン)、特に25N(ニュートン)~40N(ニュートン)の範囲、例えば、30N(ニュートン)であってもよい。これらの値は、断片を引き離すのに特に有益であることが実証されている。磁束集中器ホイルを縁部上で引っ張ることは、速度5~15m/分、例えば、10m/分で生じ得る。
少なくとも第一の支持層で積層された軟磁性合金の少なくとも一つの磁気層を有する多層磁束集中器ホイルを提供する工程は、以下の:
- 軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製されたリボンを提供することと、
- 軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製されたリボンをアニーリングすることと、
- 第一の支持層を含む第一の接着テープを提供することであって、第一の支持層は接着剤である、提供することと、
- 第一の支持層と、軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製された(アニーリングされた)リボンを、第一の積層配設をもたらすように一緒に積層することと、のうちの少なくとも一つを含み得る。
多層磁束集中器ホイルを提供する工程は、以下の:
- 上述の、リボンを提供する工程、リボンをアニーリングする工程、接着剤である(中間)支持層を含む(中間)接着テープを提供する工程、中間支持層を含む(中間)接着テープを含む中間積層配設をもたらすように、(中間)支持層および(アニーリングされた)リボンを積層する工程、を繰り返すことと、
- 第二の支持層を含む第二の接着テープを提供することであって、第二の支持層は接着剤である、提供することと、
- (非封止)多層磁束集中器ホイルをもたらすように、第一の積層配設、中間積層配設、および第二の接着テープを積層することであって、中間積積層配設は、第一の積層配設と第二の接着テープとの間に挟まれる、積層することと、のうちの少なくとも一つをさらに含み得る。
軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製されたリボンは、15マイクロメートル~25マイクロメートルの範囲、特に18マイクロメートル~23マイクロメートルの範囲、例えば、21マイクロメートルの厚さを有してもよい。軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製されたリボンは、ロールまたはボビン上に提供されることが好ましい。軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製されたリボンをアニーリングする前に、リボンを、例えば、一つから他方のボビンまたはロール支持体に巻き戻して、リボンの張力を調整してもよい。例えば、軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製されたリボンは、20N(ニュートン)±10%の引張り力を有する第一の工程で、および10N(ニュートン)±10%の引張り力を有する第二の工程で巻き戻されてもよい。巻き速度は、第一の工程の間は30m/分±10%、第一の工程の間は20m/分±10%であってもよい。
軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製されたリボンをアニーリングする工程は、軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製されたリボンを、例えば、450℃~520°Cの範囲の温度、例えば、495℃で、300分~500分の範囲の間、例えば、450分間加熱することを含み得る。
第一の接着テープの第一の支持層および中間接着テープの中間支持層は、接着剤、特に非PET(ポリエチレンテレフタレート)系接着剤を含み得る。第一の支持層および中間支持層は、2マイクロメートル~10マイクロメートルの範囲、特に2マイクロメートル~5マイクロメートルの範囲、例えば3マイクロメートルの厚さを有してもよい。第一の/中間支持層に加えて、第一の/中間接着テープは、第一の/中間接着テープを(アニーリングされた)リボンに取り付ける前に、接着性の第一の/中間支持層の両側面上に第一および第二の剥離フィルムを含んでもよい。すなわち、第一のおよび/または第二の剥離フィルムは、接着性の第一の/中間支持層を任意の他の物体に取り付ける前に除去される。したがって、第一の/中間支持層を軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製されたリボンに積層する工程は、第一の/中間接着テープから第一の剥離フィルムを除去すること、(アニーリングされた)リボンを、接着性の第一の/中間支持層に、第二の剥離フィルムに対向する側面上に取り付けること、および好ましくは、軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製された(アニーリングされた)リボンの上に第一の剥離フィルムを再び取り付けることを含み得る。前述の工程は、第一の/中間接着テープおよび(アニーリングされた)リボンを巻き出すこと、第一の剥離フィルムを除去すること、巻き出された(アニーリングされた)リボンおよび巻き出された接着性の第一の/中間テープ(第一の剥離フィルムを含まない)を互いに接触させて互いに取り付けること、第一の剥離フィルムを再び取り付けること、圧力を結果として得られる第一の/中間積層配設に加えること、および随意に、第一の/中間積層配設を巻き戻すこと、によって実現され得る。第一の/中間接着テープおよび(アニーリングされた)リボンを巻き戻すことは、40~60N(ニュートン)、例えば、50N(ニュートン)の引張り力、および5~10m/分、例えば、7m/分の巻き速度で生じ得る。同様に、第一の/中間積層配設の巻き戻しは、40~60N(ニュートン)、例えば、50N(ニュートン)の引張り力、および5~10m/分、例えば、7m/分の巻き速度で生じ得る。
同様に、第二の接着テープの第二の支持層は、PET(ポリエチレンテレフタレート)系接着剤を含み得る。第二の支持層は、2マイクロメートル~10マイクロメートルの範囲、特に2マイクロメートル~5マイクロメートルの範囲、例えば3マイクロメートルの厚さを有してもよい。第二の支持層に加えて、第二の接着テープは、第二の接着テープを中間積層配設に取り付ける前に、接着性の第二の支持層の両側面上に第一および第二の剥離フィルムを含んでもよい。すなわち、第一のおよび/または第二の剥離フィルムは、接着性の第二の支持層を任意の他の物体に取り付ける前に除去される。したがって、第二の支持層を中間積層配設に積層する工程は、第二の剥離フィルムを第二の接着テープから除去し、接着性の第二の支持層を中間積層配設に、第二の剥離フィルムの対向する側面上に取り付けることを含み得る。前述の工程は、第二の接着テープ、第一の積層配設、および中間積層配設を巻き出すことと、第二の剥離フィルムを第二の接着テープから除去すること、第一および第二の剥離フィルムを中間積層配設から除去し、第一の剥離フィルムを第一の積層配設から除去することと、巻き出された第一の積層配設(第一の剥離フィルムを含まない)、中間積層配設(第一および第二の剥離フィルムを含まない)、および第二の接着テープ(第一および第二の剥離フィルムを含まない)および第二の接着テープ(第二の剥離フィルムを含まない)を互いに接触させて一緒に取り付けることと、圧力を結果として得られる(非封止)多層磁束集中器ホイルに加えた後、多層磁束集中器ホイルを巻き戻すこととによって実現され得る。第二の接着テープ、第一の積層配設および中間積層配設を巻き出すことは、40~60N(ニュートン)、例えば、50N(ニュートン)の引張り力、および5~10m/分、例えば、7m/分の巻き速度で生じ得る。同様に、多層磁束集中器ホイルを巻き戻すことは、40~60N(ニュートン)、例えば、50N(ニュートン)の引張り力、および5~10m/分、例えば、7m/分の巻き速度で生じ得る。
前述のプロセスは、(底部から上部へ)以下の層を含む(非封止)多層磁束集中器ホイルをもたらし得る:
- 接着性(非PET)の第一の支持層(第一の積層配設に由来)と、
- 軟磁性合金(第一の積層配設に由来)を含むか、または軟磁性合金(第一の積層配設に由来)で作製された(アニーリングされた)リボンの第一の磁気層と、
- 接着性(非PET)の中間支持層(第二の積層配設に由来)と、
- 軟磁性合金(第二の積層配設に由来)を含むか、または軟磁性合金(第二の積層配設に由来)で作製された(アニーリングされた)リボンの第二の磁気層と、
- 接着性(PET系)の第二の支持層(第二の積層配設に由来)。
さらに、多層磁束集中器ホイルは、接着性の第二の支持層(第二の接着テープに由来)上に第一の剥離フィルムを、接着性の第一の支持層(第一の積層配設の第一の接着テープに由来)下に第二の剥離フィルムを含み得る。第一の剥離フィルム(第二の接着テープに由来)および第二の剥離フィルム(第一の積層配設の第一の接着テープに由来)は、多層磁束集中器ホイルを、多層磁束集中器ホイルが使用されるエアロゾル発生装置の誘導コイルの少なくとも一部分の周りに配設する前に除去される。同様に、第一の剥離フィルム(第二の接着テープに由来)および第二の剥離フィルム(第一の積層配設の第一の接着テープに由来)は、本明細書に記載の方法の可能なさらなる工程の前に、特に、(非封止)磁束集中器の一つ以上の切断端を封止する前に、より具体的には、(非封止)磁束集中器ホイルの一方の側面または各側面に接着封止テープを取り付ける前に、除去されてもよい。
さらに、方法は、磁束集中器ホイルを曲げるために、少なくとも一つのローラー、特に一連のローラー上で、磁束集中器ホイルを引張り力下でホイル平面に平行に引っ張ることを含み得る。有利なことに、この工程は、断片をさらに小さな断片に亀裂させ、それ故に、磁気層のAC抵抗のさらなる減少をもたらし得る。磁束集中器ホイルを少なくとも一つのローラー上で引っ張ることは、磁束集中器ホイルを少なくとも一つの縁部上で引っ張る前に実施されてもよい。
少なくとも一つのローラーは、最大50ミリメートル、特に最大30ミリメートル、好ましくは最大10ミリメートルの半径を有してもよい。
磁束集中器ホイルを少なくとも一つのローラー上で引っ張るための引張り力は、20N(ニュートン)~60N(ニュートン)、特に25N(ニュートン)~40N(ニュートン)の範囲、例えば30N(ニュートン)であってもよい。
方法は、磁束集中器ホイルを所定のサイズに切断することをさらに含み得る。切断は、磁気層を複数の断片へと亀裂させる前に、または磁束集中器ホイルを少なくとも一つの縁部上で引っ張る前に、または磁束集中器ホイルを少なくとも一つの縁部上で引っ張る後に生じてもよい。
方法は、サイズに切断された磁束集中器ホイルの一つ以上の切断縁を封止することをさらに含んでもよい。有利なことに、これは、断片がホイルから横方向に漏れ出ることを防止する。
サイズに切断された(非封止)多層磁束集中器ホイルの一つ以上の切断縁を封止することは、サイズに切断された磁束集中器ホイルの一つの側面または各側面上に封止接着テープを取り付けることを含んでもよく、接着封止テープは、磁束集中器ホイルの対向する切断縁の横断方向に、同じ方向、すなわち、磁束集中器ホイルの対向する切断縁に対して横断方向に、サイズに切断された磁束集中器ホイルの幅延長部よりも大きな幅延長部を有する。結果として、(非封止)磁束集中器ホイルの各側面上の封止接着テープは、横方向に突出するウィングを含み、ウィングは、(非封止)磁束集中器の切断縁を封止するように、互いに接着接触し得る。
接着封止テープは、第一の接着層と第二の接着層との間に挟まれたPEN(ポリエチレンテレフタレート)系フィルムを含む、三層接着封止ラミネートを含み得る。同様に、接着封止テープは、第一の接着層と第二の接着層との間に挟まれたPI(ポリイミド)系フィルムを含む、三層接着封止ラミネートを含み得る。PEN(ポリエチレンテレフタレート)系フィルムは、2~5マイクロメートル、特に3マイクロメートルの厚さを有してもよい。同様に、PI(ポリイミド)系フィルムは、2~8マイクロメートル、特に5~7マイクロメートルの厚さを有してもよい。合計で、三層接着封止ラミネートは、3~15マイクロメートル、特に4~13マイクロメートル、例えば、5マイクロメートル、または7マイクロメートル、または9マイクロメートル、または13マイクロメートルの厚さを有してもよい。三層封止接着テープの第一および第二の接着層は、非PET(ポリエチレンテレフタレート)系接着剤を含み得る。三層接着封止ラミネートに加えて、接着封止テープは、第一の接着層上に第一の剥離フィルムを(PEN系またはPI系フィルムに対向して)、第二の接着剤層上に第二の剥離フィルムを(PEN系またはPI系フィルムに対向して)含んでもよく、第一および第二の剥離フィルムのうちの一方は、封止接着テープをサイズに切断された磁束集中器ホイルに取り付ける前に除去され、第一および第二の剥離フィルムのうちのそれぞれの他方は、封止された多層磁束集中器ホイルを多層磁束集中器ホイルが使用されるエアロゾル発生装置の誘導コイルの少なくとも一部分の周りに配設する前に除去される。
同様に、接着封止テープは、PET(ポリエチレンテレフタレート)系接着フィルムを含んでもよい。PET(ポリエチレンテレフタレート)系接着フィルムは、2~5マイクロメートル、特に3マイクロメートルの厚さを有してもよい。PET系接着フィルムに加えて、接着封止テープは、PET(ポリエチレンテレフタレート)系接着フィルムを挟む第一の剥離フィルムおよび第二の剥離フィルムを含んでもよく、第一および第二の剥離フィルムのうちの一方は、封止接着テープをサイズに切断された磁束集中器ホイルに取り付ける前に除去され、第一および第二の剥離フィルムのうちのそれぞれの他方は、封止された多層磁束集中器ホイルを多層磁束集中器ホイルが使用されるエアロゾル発生装置の誘導コイルの少なくとも一部分の周りに配設する前に除去される。
したがって、封止接着テープをサイズに切断された多層磁束集中器ホイルに取り付ける工程は、第一および第二の剥離フィルムのうちの一方を、二つの(封止接着テープの各々から除去することと、封止接着テープを多層磁束集中器ホイルに、多層磁束集中器ホイルの各側面上に一つ取り付けることを含み得る。上述の工程は、二つの封止接着テープを巻き出すことと、第一および第二の剥離フィルムのうちの一方を封止接着テープから除去することと、該当する場合には、第一の剥離フィルム(第二の接着テープに由来)および第二の剥離フィルム(第一の積層配設の第一の接着テープに由来)を多層磁束集中器ホイルから除去することと、多層磁束集中器ホイル(第一および第二の剥離フィルムを含まない)および巻き出された封止接着テープ(第一および第二の剥離フィルムのうちの一方を含まない)を、一方の封止接着テープを多層磁束集中器ホイルの各側面に、封止接着テープの横方向に突出するウィングが、互いに接着接触するように、互いに接触させて一緒に取り付けることと、圧力を結果として得られる封止された磁束集中器ホイルに加えることと、随意に、封止された多層磁束集中器ホイルを巻き戻すことと、によって実現され得る。
前述のプロセスは、(底部から上部へ)以下の層を含む、封止された多層磁束集中器ホイルをもたらし得る:
- 第一の接着層と第二の接着層との間に挟まれた(PEN系またはPI系)フィルムを含む第一の三層接着封止ラミネートと、
- 接着性(非PET系)の第一の支持層(第一の積層配設に由来)と、
- 軟磁性合金(第一の積層配設に由来)を含むか、または軟磁性合金(第一の積層配設に由来)で作製された(アニーリングされた)リボンの第一の磁気層と、
- 接着剤(非PET系)の中間支持層(第二の積層配設に由来)と、
- 軟磁性合金(第二の積層配設に由来)を含むか、または軟磁性合金(第二の積層配設に由来)で作製された(アニーリングされた)リボンの第二の磁気層と、
- 接着剤(PET系)の第二の支持層(第三の接着テープに由来)と、
- 第一の接着層と第二の接着層との間に挟まれた(PEN系またはPI系)フィルムを含む第二の三層接着封止ラミネート。
同様に、前述のプロセスは、(底部から上部へ)以下の層を含む、封止された多層磁束集中器ホイルをもたらし得る:
- 第一のPET系接着フィルムと、
- 接着性(非PET系)の第一の支持層(第一の積層配設に由来)と、
- 軟磁性合金(第一の積層配設に由来)を含むか、または軟磁性合金(第一の積層配設に由来)で作製された(アニーリングされた)リボンの第一の磁気層と、
- 接着剤(非PET系)の中間支持層(第二の積層配設に由来)と、
- 軟磁性合金(第二の積層配設に由来)を含むか、または軟磁性合金(第二の積層配設に由来)で作製された(アニーリングされた)リボンの第二の磁気層と、
- 接着剤(PET系)の第二の支持層(第三の接着テープに由来)と、
- 第二のPET系接着フィルム。
さらに、封止された多層磁束集中器ホイルは、第一の剥離フィルムを第二の三層接着封止ラミネートまたは第二のPET系接着フィルム上にそれぞれ、および第二の剥離フィルムを第一の三層接着封止ラミネートまたは第一のPET系接着フィルム下にそれぞれ含んでもよい。第一および第二の剥離フィルムは、封止接着テープに由来してもよく、封止された多層磁束集中器ホイルを多層磁束集中器ホイルが使用されるエアロゾル発生装置の誘導コイルの少なくとも一部分の周りに配設する前に除去されてもよい。
磁束集中器ホイルは、磁束集中器テープ、特に連続的な磁束集中器ホイルとして提供されることが好ましい。有利なことに、これは、リール・ツー・リールプロセスとして方法を実現することを可能にする。
本発明による方法のさらなる特徴および利点は、エアロゾル発生装置に関して説明されており、等しく当てはまる。
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちの任意の一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
実施例1:
エアロゾル形成基体を誘導加熱することによってエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置であって、
- 加熱されるエアロゾル形成基体を取り外し可能に受容するように構成された空洞を備える装置ハウジングと、
- 空洞内に変化する磁界を発生させるための少なくとも一つの誘導コイルを含む誘導加熱配設であって、誘導コイルは受容空洞の少なくとも一部分の周りに配設されている、誘導加熱配設と、
- 誘導コイルの少なくとも一部分の周りに配設され、かつ装置の使用中、少なくとも一つの誘導加熱配設の変化する磁界を空洞に向かって歪めるように構成された磁束集中器であって、少なくとも第一の支持層で積層された少なくとも一つの磁気層を有する多層磁束集中器ホイルを含み、磁気層は、軟磁性合金の複数の分離された断片を含む、磁束集中器と、を備える、エアロゾル発生装置。
実施例2:
軟磁性合金は、ナノ結晶性軟磁性合金、特にナノ結晶性軟磁性Fe系合金である、実施例1によるエアロゾル発生装置。
実施例3:
軟磁性合金は、Fe100-a-b-c-x-y-z Cuabc Sixzの組成物よび最大0.5原子%の異物を含み、Mは、Nb、MoおよびTaから成る群のうちの一つ以上であり、Tは、V、Cr、CoおよびNiから成る群のうちの一つ以上であり、Zは、C、PおよびGeから成る群のうちの一つ以上であり、0.5原子%<a<1.5原子%、2原子%≦b<4原子%、0原子%≦c<5原子%、12原子%<x<18原子%、5原子%<y<12原子%、および0原子%≦z<2原子%である、実施例1または2のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
実施例4:
軟磁性合金は、Fe73.8Nb3Cu1Si15.66.6の組成物を含む、実施例1~3のいずれか一つによるエアロゾル発生物品。
実施例5:
単一の断片それぞれは、最大で1ミリメートル、特に最大で750マイクロメートル、または最大で500マイクロメートルの断片サイズを有する、実施例1~4のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例6:
複数の分離された断片は、最大で1ミリメートル、特に最大で750マイクロメートル、または最大で500マイクロメートルの平均断片サイズを有し得る、実施例1~5のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例7:
軟磁性合金は、少なくとも100、特に少なくとも1000、好ましくは少なくとも10000、さらにより好ましくは少なくとも50000の比最大透磁率を有する、実施例1~6のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例8:
複数の分離された断片は、複数の亀裂中心を含むパターンで配設され、複数の亀裂は、ウェブ形状のパターンで各亀裂中心から半径方向外向きに広がる、実施例1~7のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例9:
多層磁束集中器ホイルは、複数の隣接する磁気層を含む、実施例1~8のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例10:
接着フィルム、特に電気絶縁接着フィルムは、隣接する磁気層の各対間に配設される、実施例9によるエアロゾル発生装置。
実施例11:
多層磁束集中器ホイルは、少なくとも一つの磁気層、または該当する場合には、複数の隣接する磁気層の側面上に第一の支持層に対向する第二の支持層を含む、実施例1~10のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例12:
第一の支持層、および存在する場合には、第二の支持層のうちの少なくとも一つは、接着層、電気絶縁層、または電気絶縁接着層のうちの一つである、実施例1~11のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例13:
複数の分離された断片間のギャップは、電気絶縁材料で、特に第一の支持層の材料、または存在する場合には、第二の支持層の材料、または、存在する場合には、隣接する磁気層の間の接着フィルムの材料のうちの少なくとも一つで、または軟磁性合金のマトリクス材料で少なくとも部分的に充填される、実施例1~12のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例14:
磁束集中器ホイルは、0.02ミリメートル~0.25ミリメートル、特に0.05ミリメートル~0.2ミリメートル、好ましくは0.1ミリメートル~0.15ミリメートルの範囲の厚さを有する、実施例1~13のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例15:
誘導コイルと磁束集中器との間に、第一の誘電ラッパーが誘導コイルの少なくとも一部分の周りに配設される、実施例1~14のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例16:
導電性遮蔽ラッパーは、磁束集中器の周りに配設される、実施例1~15のいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例17:
第二の誘電ラッパーは、磁束集中器の周りに、特に、存在する場合には、遮蔽ラッパーの周りに配設される、実施例1~16のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例18:
空洞内に少なくとも部分的に配設された少なくとも一つのサセプタ素子をさらに備える、実施例1~17のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
実施例19:
サセプタは、管状サセプタまたはサセプタスリーブである、実施例18によるエアロゾル発生装置。
実施例20:
実施例1~19のいずれか一つによるエアロゾル発生装置と、装置の空洞内に少なくとも部分的に受容された、または受容可能なエアロゾル発生物品とを備え、エアロゾル発生物品は、加熱されるエアロゾル形成基体を含む、エアロゾル発生システム。
実施例21:
エアロゾル発生物品は、物品が装置の空洞に受容されているときに、使用時にサセプタが誘導加熱配設によって誘導加熱されることが可能なように、エアロゾル形成基体と熱的に近接または熱的に接触して位置付けられた少なくとも一つのサセプタを備える、実施例20によるエアロゾル発生システム。
実施例22:
実施例1~21のいずれか一つによるエアロゾル発生装置の多層磁束集中器ホイルを製造するための方法であって、方法は、
- 少なくとも第一の支持層で積層された軟磁性合金の少なくとも一つの磁気層を有する多層磁束集中器ホイルを提供することと、
- 外力を磁束集中器ホイルにホイル平面に対して横断方向に加えることによって、磁気層を複数の分離された断片へと亀裂させることと、
- 引張り力下で磁束集中器ホイルをホイル平面に平行に引っ張ることによって、磁束集中器ホイルを伸展させることと、を含む、方法。
実施例23:
磁気層を複数の分離された断片へと亀裂させることは、磁束集中器ホイルを、通過する磁束集中器ホイル上に圧迫力を加える、少なくとも一対のローラーに通過させることを含み、ローラーのうちの少なくとも一つは、その外表面上に複数の突出部を含む、実施例22による方法。
実施例24:
それぞれの他方のローラーは、滑らかな外表面を有する、またはローラーの各々は、その外表面上に複数の突出部を含む、実施例23による方法。
実施例25:
引っ張ることによって磁束集中器ホイルを伸展させることは、引張り力下で磁束集中器ホイルをホイル平面に平行に、少なくとも一つの縁部上、特に一つの縁部上のみに引っ張ることを含む、実施例22~25のいずれか一つによる方法。
実施例26:
磁束集中器ホイルを少なくとも一つの縁部上のみに引っ張ることは、磁束集中器ホイルを少なくとも一つの鋭利な縁部上に前後に、特に、繰り返し前後に、好ましくは、4~6回前後に引っ張ることを含む、実施例25による方法。
実施例27:
少なくとも一つの縁部は、最大1ミリメートル、特に最大0.3ミリメートル、好ましくは最大0.2ミリメートル、より好ましくは最大0.15ミリメートルの丸み半径を含む、実施例25または26のいずれか一つによる方法。
実施例28:
引張り力は、20N~60N、特に25N~40Nの範囲内、例えば30Nである、実施例22~27のいずれか一つによる方法。
実施例29:
磁束集中器ホイルを曲げるために、少なくとも一つのローラー、特に一連のローラー上で、磁束集中器ホイルを引張り力下でホイル平面に平行に引っ張ることをさらに含む、実施例22~28のいずれか一つによる方法。
実施例30:
少なくとも一つのローラーが、最大50ミリメートル、特に最大30ミリメートル、好ましくは最大10ミリメートルの半径を有する、実施例29による方法。
実施例31:
引張り力は、20N~60N、特に25N~40Nの範囲内、例えば30Nである、実施例29または30のいずれか一つによる方法。
実施例32:
磁束集中器ホイルは、磁束集中器テープとして提供される、実施例22~31のいずれか一つによる方法。
実施例33:
磁束集中器ホイルは、連続的な磁束集中器ホイルとして提供される、実施例22~32のいずれか一つによる方法。
実施例34:
磁束集中器ホイルを所定のサイズに切断することをさらに含む、実施例22~33のいずれか一つによる方法。
実施例35:
サイズに切断された磁束集中器ホイルの一つ以上の切断縁を封止することをさらに含む、実施例34による方法。
実施例36:
方法は、リール・トゥ・リールプロセスとして実現される、実施例22~35による方法。
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムの長軸方向の概略断面図を示す。 図2は、図1による誘導モジュールの詳細図である。 図3、4a~4bは、図1による装置内で使用される多層磁束集中器ホイルの詳細を示す。 同上。 図5~8は、本発明による磁束集中器ホイルの異なる配設を示す。 同上。 同上。 同上。 図9は、複数の磁気層を含む多層磁束集中器ホイルの例示的な実施形態を模範的に示す。 図10は、本発明の第二の実施形態による誘導モジュールの詳細図である。 図11は、本発明の別の実施形態によるエアロゾル発生システムの長軸方向の概略断面図を示す。 図12~15は、本発明による方法の様々な工程を模範的に示す。 同上。 同上。 同上。 図16は、図1による装置で使用することができ、複数の磁気層を含む、多層磁束集中器ホイルの別の実施例の詳細を示す。 図17は、封止接着テープによって封止されている、図16による多層磁束集中器ホイルを示す。
図1は、本発明によるエアロゾル発生システム1の第一の例示的な実施形態の概略断面図を示す。システム1は、エアロゾル形成基体91を誘導加熱することによってエアロゾルを発生させるために構成されている。システム1は、加熱されるエアロゾル形成基体91を含むエアロゾル発生物品90、および物品90と併用するためのエアロゾル発生装置10の、二つの主な構成要素を備える。装置10は、物品90を受容するための受容空洞20と、物品90が空洞20に挿入される時に物品90内の基体91を加熱するための誘導加熱配設とを備える。
物品90は、従来の紙巻たばこの形状に類似したロッド形状を有する。本実施形態では、物品90は、同軸整列で配設された四つの要素である、基体要素91、支持要素92、エアロゾル冷却要素94、およびフィルタープラグ95を備える。基体要素は、物品90の遠位端に配設され、加熱されるエアロゾル形成基体を含む。エアロゾル形成基体91は、例えばエアロゾル形成体としてグリセリンを含む均質化したたばこ材料の捲縮したシートを含んでもよい。支持要素92は、中央空気通路93を形成する中空コアを備える。フィルタープラグ95は、マウスピースとして機能し、例えば、セルロースアセテート繊維を含み得る。四つの要素はすべて、順々に連続的に配設されている実質的に円筒状の要素である。要素は、実質的に同一の直径を有し、円筒状のロッドを形成するように、紙巻たばこ用紙で作製された外側ラッパー96によって囲まれている。外側ラッパー96は、ラッパーの自由端が互いに重なり合うように、前述の要素の周りに巻かれてもよい。ラッパーは、ラッパーの重なり合った自由端を相互に接着する接着剤をさらに含んでもよい。
装置10は、実質的に円筒状の装置ハウジングによって形成された実質的にロッド状の主本体11を備える。装置10は遠位部分13内に、電源16(例えばリチウムイオン電池)と、装置10の動作を制御するための、特に加熱プロセスを制御するためのコントローラを含む電気回路17とを備える。遠位部分13と反対側の近位部分14内に、装置10は受容空洞20を備える。空洞20は装置10の近位端12で開いていて、それ故に物品90を受容空洞20の中に容易に挿入することが可能である。
受容空洞の底部分21は、装置10の遠位部分13を、装置10の近位部分14から、特に受容空洞20から分離する。底部分は、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの断熱性材料で作製されていることが好ましい。それ故に、遠位部分13内の電気的な構成要素は、空洞20内のエアロゾル発生プロセスによって生成されるエアロゾルまたは残留物から分離された状態に保たれうる。
装置10の誘導加熱配設は、交流の、特に高周波の変化する磁界を発生させるための誘導コイル31を含む誘導源を含む。本実施形態において、誘導コイル31は、円筒状の受容空洞20を円周方向に包囲するらせん状コイルである。誘導コイル31はワイヤから形成されていて、空洞20長さ延長部に沿って延びる複数の巻または巻線を有する。ワイヤーは、正方形、長円形、または三角形などの任意の適切な断面形状を有してもよい。この実施形態において、ワイヤーは円形断面を有する。他の実施形態において、ワイヤーは平坦な断面形状を有してもよい。
誘導加熱配設は、誘導コイル31によって発生される変化する磁界を経験するように受容空洞20内に配設されているサセプタ素子60をさらに含む。本実施形態において、サセプタ素子60はサセプタブレード61である。その遠位端64で、サセプタブレードは、装置の受容空洞20の底部分21に配設されている。そこからサセプタブレード61は、装置10の近位端12にある受容空洞20の開口部に向かって受容空洞20の内側空隙の中に延びる。サセプタブレード60の他方の端、すなわち遠位自由端63は、サセプタブレードが物品90の遠位端部分内のエアロゾル形成基体91を貫通することを可能にするように、先細りしている。
装置10が作動する時、高周波の交流電流が誘導コイル31を通過する。これはコイル31に、空洞20内に変化する磁界を発生させる。結果として、サセプタ素子60の材料の磁気特性および電気特性に依存して、渦電流および/またはヒステリシス損失に起因して、サセプタブレード61が加熱する。次にサセプタ60は、エアロゾルを形成するのに十分な温度まで物品90のエアロゾル形成基体91を加熱する。エアロゾルはエアロゾル発生物品90を通して下流に引き出されて、ユーザーによって吸入されうる。
高周波の変化する磁界は、500kHz(キロヘルツ)~30MHz(メガヘルツ)、特に5MHz(メガヘルツ)~15MHz(メガヘルツ)、好ましくは5MHz(メガヘルツ)~10MHz(メガヘルツ)の範囲内であり得る。
本実施形態において、誘導コイル31は、エアロゾル発生装置10の近位部分14とともに配設されている誘導モジュール30の一部である。誘導モジュール30は、実質的にロッド状の装置10の長軸方向中心軸Cと同軸に整列した実質的に円筒状の形状を有する。図1から分かる通り、誘導モジュール30は、空洞20の少なくとも一部分、または空洞20の内表面の少なくとも一部分を形成する。
図2は、誘導モジュール30をより詳細に示す。誘導コイル31の他に、誘導モジュール30は、らせん状に巻かれた円筒状誘導コイル31を運ぶ管状の内側支持スリーブ32を備える。一方の端において、管状内側支持スリーブ32は、コイル31を内側支持スリーブ32上の所定位置に保持するように内側支持スリーブ32の周囲の周りに延びる環状の突出部34を有する。内側支持スリーブ32は、プラスチックなどの任意の適切な材料から作られうる。特に、内側支持スリーブ32は、空洞20の少なくとも一部分、すなわち、空洞20の内表面の少なくとも一部分であってもよい。
誘導コイル31と内側支持スリーブ32の両方は(突出部34を除いて)、16ミリメートル~18ミリメートルの範囲内であってもよい誘導コイル3の長さに沿って延び、管状磁束集中器33によって包囲されている。磁束集中器33は、装置10の使用中に誘導コイル31によって発生された変化する磁界を、空洞20に向かって歪めるように構成されている。基本的に、磁束集中器33は、外部物体の望ましくない加熱または外部物体との干渉を低減するために、磁気シールドとして作用する。さらに、磁束集中器33は、空洞20内の磁場の密度が増大するように誘導モジュール30の内部容積内の磁力線を歪ませる。これは、空洞20中に位置するサセプタブレード61内に発生される電流を増大しうる。このようにして、電磁場を空洞20に向かって集中させて、サセプタ素子60のより効率的な加熱を可能にすることができる。
本発明によれば、磁束集中器33は、多層磁束集中器ホイル35で作製される。図3(正確な縮尺ではない)および図4a~4bは、多層磁束集中器ホイル35のそれぞれの部分をより詳細に示す。図3は、多層磁束集中器ホイル35を通した断面図である。図4aは、磁気層36の標本の一部分の白黒写真である。図4bは、亀裂および断片39の可視性を高めるために反転色を有する、図4aによる磁気層36を示す。図3に示すように、本発明による多層磁束集中器ホイル35は、三つの層、すなわち、軟磁性合金の磁気層36、第一の支持層37および第二の支持層36を含み、磁気層36は、第一の支持層37と第二の支持層38との間に積層される。本発明によれば、磁気層36は、複数の分離された断片39を含む。断片化に起因して、磁気層36内の渦電流の形成は、フレーク様の断片39が互いから分離され、したがって、すべての単一の断片39が、渦電流が形成される限られた空間のみを提供するために、部分的に阻止される。したがって、断片化されていない磁気層と比較して、断片化された磁気層36は、低減されたAC抵抗を有する。結果として、変化する磁界に曝露された時、断片39内には、エネルギーの散逸が全くないかまたはほとんどなく、磁束集中器ホイル35は全体として、あったとしてもわずかに加熱されるのみである。したがって、変化する磁界によって提供されるエネルギーの大部分は、サセプタ内で放散される。図4a~4bに示すように、複数の分離された断片39は、複数の亀裂中心を含むパターンで配設されてもよく、複数の亀裂は、ウェブ形状のパターンで各亀裂中心から半径方向外向きに広がる。見て分かる通り、分離された断片は、各々異なる断片サイズを有する。平均断片サイズは、最大で1ミリメートル、特に最大で500マイクロメートルであってもよい。
軟磁性合金は、例えば、Vitroperm 800で作製されたナノ結晶性軟磁性合金であることが好ましい。Vitroperm 800は、50Hertzの磁場周波数で、20.0000を超える最大比透磁率を有する。したがって、この材料は、誘導コイルによって発生される磁場を集中させる、および導くのに特に適している。さらに、Vitroperm 800は、むしろ脆く、それ故に、複数の断片へと亀裂し易い。
第一の支持層37および第二の支持層38は、基本的に、特に、積層構造に磁気層36の断片39を接合することによって、断片化された磁気層36が砕けるのを防ぐために、脆弱な磁気層36を保護するよう機能する。その目的のために、第一の支持層37および第二の支持層38は、好ましくは接着層である。例えば、第一の支持層37および第二の支持層38は、透明な接着剤またはプラスチックテープで作製されてもよい。第一の支持層37および第二の支持層38の材料は、分離された断片39の短絡を防止するために電気的に絶縁されることが好ましい。
本実施形態において、磁気層36は、20マイクロメートルの層の厚さを有してもよい。第一の支持層37および第二の支持層38は、各々22マイクロメートルの層の厚さを有してもよい。したがって、磁束集中器ホイル35は、全体として64マイクロメートルの厚さを有し得る。
図1および2に示す実施形態において、磁束集中器ホイル35は、誘導コイル31を囲む磁束集中器ホイル35の単一の巻線を備える管状磁束集中器または磁束集中器スリーブを形成するように、単一の巻線で巻かれている。原理的には、磁束集中器ホイル35は、誘導コイル31の周りに異なる方法で巻かれてもよい。第一の実施形態によれば、図5に示されるように、磁束集中器ホイル35は、その自由端351が相互に当接して巻かれてもよい。すなわち、エアロゾル発生装置10の長さ軸Cに沿って延びる、磁束集中器ホイル35の長軸方向の縁部は、相互に当接する。第二の実施形態によれば、図6に示されるように、磁束集中器ホイル35は、自由端351が相互に重なり合って巻かれてもよい。すなわち、エアロゾル発生装置10の長さ軸Cに沿って延びる、磁束集中器ホイル35の長軸方向の縁部は、相互に当接する。図7に示す第三の実施形態によると、磁束集中器ホイル35は、相互に重なり合う磁束集中器ホイルの複数の、特に渦巻き状巻線を備える、管状磁束集中器または磁束集中器スリーブを形成するように、複数の巻線で巻かれてもよい。図8に示す第四の実施形態によれば、磁束集中器ホイル35、13はまた、磁束集中器ホイル35、135の一つ以上のらせん状巻線を備える、管状磁束集中器または磁束集中器スリーブを形成するように、巻き軸に対して軸方向に、すなわち、エアロゾル発生装置のCの長さ軸に沿って、らせん状に巻かれてもよい。
図9は、多層磁束集中器ホイル235の第二の実施形態を示す。図2および図3に示す実施形態と比較すると、図9による多層磁束集中器ホイル235は、第一の支持層237と第二の支持層238との間に積層された複数の磁気層236を含む。さらに、電気絶縁接着フィルム270は、隣接する磁気層236の各対の間に配設される。特に、図7および図8に示される複数巻線構成に関して、複数の磁気層236は、巻くのに必要な巻線の数を制限し得る。有利なことに、これは、磁束集中器の製造を単純化し得る。
図1および図2をさらに参照すると、磁束集中器ホイル35は、誘導コイル31と磁束集中器ホイル35との間に半径方向の間隔を実質的に有することなく、誘導コイル31の周りに直接巻かれている。
図10は、誘導モジュール130の別の実施形態を示しており、磁束集中器ホイル135は、誘導コイル131から半径方向に間隙を介している。すなわち、エアロゾル発生装置は、誘導コイル131と磁束集中器ホイル135との間に半径方向のギャップ181を備える。本実施形態では、ギャップ181は、第一の誘電ラッパー182で充填される。例えば、誘導コイル131は、誘導コイル131と磁束集中器133との間の半径方向のギャップ181を充填するように、Kaptonテープ182の一つ以上の層によって巻かれてもよい。ギャップ181または第一の誘電ラッパー182はそれぞれ、40マイクロメートル~240マイクロメートルの範囲、例えば、80マイクロメートルの半径方向延長部を有してもよい。有利なことに、ギャップ181は、誘導コイルの損失を低減し、加熱されるサセプタの損失を増加させること、すなわち、エアロゾル発生装置の加熱効率を増加させるのに役立ち得る。別の方法として、ギャップは空気ギャップであってもよい。さらに、図10による誘導モジュール130は、電界ループを電気的に閉じることによって、装置の外側部分の追加的な遮蔽を提供するために、磁束集中器の周りに配設される導電性遮蔽ラッパー183を備える。例えば、導電性遮蔽ラッパー180は、磁束集中器135の周りに1回または複数回巻かれたアルミニウム箔であってもよい。さらに、誘導モジュール130は、磁束集中器135および遮蔽ラッパー183を保護するために、磁束集中器135および遮蔽ラッパー183の周りに配設されるKaptonテープで作製された第二の誘電ラッパー185を含む。さらに図1および図2に示す実施形態とは対照的に、図10に示す実施形態によるサセプタ素子160は、物品が受容空洞に受容された時に物品を囲むように、内側支持スリーブ132の内表面に配設されたサセプタスリーブ161である。それ以外は、図10に示す実施形態は、図1および図2に示す実施形態と非常に類似している。従って、同一または類似の特徴は同一の参照符号で示されているが、100だけ増分されている。
図11は、本発明によるエアロゾル発生システム1のさらに別の実施形態の概略断面図を示す。システムは、サセプタを除いて、図1に示すシステムと同一である。従って、同一の特徴に対して同一の参照番号が使用されている。図1に示す実施形態とは対照的に、図11によるシステムのサセプタ68は、エアロゾル発生装置10の一部ではなく、エアロゾル発生物品90の一部である。本実施形態では、サセプタ68は、金属、例えば、ステンレス鋼で作製されたサセプタ細片69を含み、これは基体要素91のエアロゾル形成基体内に位置する。特に、サセプタ68は、装置10の空洞20への物品90の挿入後に、サセプタ細片69が空洞20、特に誘導コイル31内に配設されて、使用時にサセプタ細片69が誘導コイル31の磁場を経験するように、物品90内に配設されている。
図12~15は、本発明によるエアロゾル発生装置の多層磁束集中器ホイルの製造に使用される、本発明による方法のいくつかの工程を模範的に示す。さらに上述したように、方法は、とりわけ、外力を磁束集中器ホイルに、ホイル平面に対して横断方向に加えることによって、多層磁束集中器ホイルの一つ以上の磁気層を複数の断片へと亀裂させる工程を含む。これは、通過するホイルが二つのローラー710と720との間で圧迫されるように、磁束集中器ホイルを、互いに対して押し付けられる少なくとも一対の逆回転ローラー710、720に通過させることによって達成され得る。図12および図13に示すように、ローラー710の少なくとも一つは、その外表面上に複数の突出部711を備え、突出部の各々は、局所的に、力を磁束集中器ホイルにホイル平面に対して横断方向に加える。図12では、上部ローラー710および下部ローラー720の各々は、亀裂効果を高めるために、複数の突出部711、721を含む。好ましくは、両方のローラー710、720上の複数の突出部711、721は、相補的な突出部として形成され得る。例えば、動作中、上部ローラー710の突出部711は、下部ローラー720の突出部721の間に嵌合し得る。対照的に、図13に示すように、ローラー710のうちの一つのみが複数の突出部711を含み、それぞれの他のローラー720が突出部711の対向表面として作用する滑らかな外表面を含むことも可能である。簡略化の理由から、図12および図13は、それぞれのローラー710、720上の4列の突出部711、721のみを示す。しかしながら、ローラーは、好ましくは、それぞれのローラーの周囲の周りに均等に分布した4列より多い突出部を有する。
方法は、引張り力下で磁束集中器ホイル35をホイル平面に平行に、少なくとも一つの縁部730上で引っ張ることをさらに含む。これは図14に示されており、ここで矢印731は引張り力を示す。この工程により、断片はさらに小さな断片へと亀裂し、そして最も重要なことに、互いからさらに引き離されるように引っ張られる。有利なことに、これは、磁気層のAC抵抗のさらなる減少をもたらし、それ故に、磁束集中器ホイルの磁気層の渦電流損失のさらなる減少をもたらす。好ましくは、少なくとも一つの縁部730は、最大0.3ミリメートル、特に最大0.2ミリメートル、好ましくは最大0.15ミリメートルの丸み半径を含む。ホイル35を縁部730上で引っ張ることは、図14に示すように、60度~120度の範囲の、例えば、80度の角度732下で生じ得る。ホイル35を縁部730上で引っ張るために使用される引張り力731は、20N~60N、特に25N~40Nの範囲、例えば30Nであってもよい。
さらに、方法は、図15に示されるように、磁束集中器ホイル35を曲げるために、一連のローラー740上で、磁束集中器ホイルを引張り力741下でホイル平面に平行に引っ張ることを含み得る。有利なことに、この工程は、断片をさらに小さな断片に亀裂させ、それ故に、磁気層のAC抵抗のさらなる減少をもたらし得る。この工程は、磁束集中器ホイルを少なくとも一つの縁部上で引っ張る前に実施されてもよい。
図16は、複数の磁気層を含む、本発明による多層磁束集中器ホイルの(正確な縮尺ではない)別の実施例を示す。底部から上部へ、図16による多層磁束集中器ホイルは、以下の層:
- 接着性(非PET)の第一の支持層340と、
- 軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製された第一の磁気層350と、
- 接着性(非PET)の中間支持層360と、
- 軟磁性合金370を含むか、または軟磁性合金370で作製された第二の磁気層と、
- 接着性(PET系)の第二の支持層380と、を含む。
以上でより詳細に説明したように、多層磁束集中器ホイルは、断片がホイルから横方向に漏れ出ることを防ぐために封止されてもよい。このため、封止接着テープ330、390は、図16による(非封止)磁束集中器ホイルの一方の側面または各側面上に配設されてもよい。こうした封止された多層磁束集中器ホイルを図17に示す。そこで分かるように、接着封止テープ330、390は、非封止磁束集中器ホイルの対向する縁部の横断方向に、同じ方向、すなわち、(非封止)磁束集中器ホイルの対向する縁部に対して横断方向に、非封止磁束集中器ホイルの幅延長部よりも大きな幅延長部を有する。結果として、非封止磁束集中器ホイルの各側面上の封止接着テープ330、390は、横方向に突出するウィング335、395を含み、ウィングは、(非封止)磁束集中器の縁部を封止するように、互いに接着接触し得る。したがって、図17による封止された多層磁束集中器ホイルの具体的な実施例は、(底部から上部へ)以下の層:
- 第一のPET系接着フィルム331(第一の接着封止テープ330)と、
- 接着性(非PET)の第一の支持層340と、
- 軟磁性合金を含むか、または軟磁性合金で作製された第一の磁気層350と、
- 接着性(非PET)の中間支持層360と、
- 軟磁性合金370を含むか、または軟磁性合金370で作製された第二の磁気層と、
- 接着剤性(PET系)の第二の支持層380と、
- 第二のPET系接着フィルム391(第二の接着封止テープ390)と、を含む。
第一および第二のPET系接着フィルム331、391は、2~5マイクロメートル、特に3マイクロメートルの厚さを有してもよい。接着性(非PET系)の第一の支持層340と第二の支持層360と、接着性(PET系)の第三の支持層380は、2マイクロメートル~10マイクロメートル、特に2マイクロメートル~5マイクロメートルの範囲、例えば3マイクロメートルの厚さを有してもよい。第一の磁気層350および第二の磁気層370は、15マイクロメートル~25マイクロメートルの範囲、特に18マイクロメートル~23マイクロメートルの範囲、例えば、21マイクロメートルの厚さを有してもよい。
第一のPET系接着フィルム331および第二のPET系接着フィルム991の代わりに、第一の封止テープ330および第二の封止テープ390はまた、第一および第二の三層接着封止ラミネートを含んでもよく、各々は、第一の接着層と第二の接着層(図17には図示せず)との間に挟まれた(PEN系またはPI系)フィルムを含んでもよい。
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示される最大点および最小点を含み、それらの任意の中間範囲を含み、それらは本明細書に具体的に列挙されている場合も列挙されていない場合もある。したがって、この文脈において、数AはA±5%として理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むとみなされ得る。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用される一部の実例において、特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に著しく影響しない限り、上記に列挙される割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示される最大点および最小点を含み、それらの任意の中間範囲を含み、それらは本明細書に具体的に列挙されている場合も列挙されていない場合もある。

Claims (15)

  1. エアロゾル形成基体を誘導加熱することによってエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置であって、
    加熱される前記エアロゾル形成基体を取り外し可能に受容するように構成された空洞を備える装置ハウジングと、
    前記空洞内に変化する磁界を発生させるための少なくとも一つの誘導コイルを含む誘導加熱配設であって、前記誘導コイルが前記受容空洞の少なくとも一部分の周りに配設されている、誘導加熱配設と、
    前記誘導コイルの少なくとも一部分の周りに配設され、かつ前記装置の使用中、前記少なくとも一つの誘導加熱配設の前記変化する磁界を前記空洞に向かって歪めるように構成された磁束集中器であって、少なくとも第一の支持層で積層された少なくとも一つの磁気層を有する多層磁束集中器ホイルを含み、前記磁気層が、軟磁性合金の複数の分離された断片を含む、磁束集中器と、を備える、エアロゾル発生装置。
  2. 前記軟磁性合金が、金属ガラスまたはナノ結晶性軟磁性合金、特にナノ結晶性軟磁性Fe系合金である、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
  3. 前記軟磁性合金が、Fe100-a-b-c-x-y-zCuabcSixzの組成物よび最大0.5原子%の異物を含み、Mは、Nb、MoおよびTaから成る群のうちの一つ以上であり、Tは、V、Cr、CoおよびNiから成る群のうちの一つ以上であり、Zは、C、PおよびGeから成る群のうちの一つ以上であり、0.5原子%<a<1.5原子%、2原子%≦b<4原子%、0原子%≦c<5原子%、12原子%<x<18原子%、5原子%<y<12原子%、および0原子%≦z<2原子%である、請求項1または2のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
  4. 前記多層磁束集中器ホイルが、複数の隣接する磁気層を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
  5. 前記多層磁束集中器ホイルが、前記少なくとも一つの磁気層、または該当する場合には、前記複数の隣接する磁気層の側面上に前記第一の支持層に対向する第二の支持層を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
  6. 前記第一の支持層、および存在する場合には、前記第二の支持層のうちの少なくとも一つが、接着層、電気絶縁層、または電気絶縁接着層のうちの一つである、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
  7. 前記複数の分離された断片の間のギャップが、電気絶縁材料で、特に、前記第一の支持層の材料、または存在する場合には、前記第二の支持層の材料、または存在する場合には、前記隣接する磁気層の間の接着フィルムの材料のうちの少なくとも一つで、または前記軟磁性合金のマトリクス材料で少なくとも部分的に充填される、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
  8. 前記誘導コイルと前記磁束集中器との間に、第一の誘電ラッパーが前記誘導コイルの少なくとも一部分の周りに配設される、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置の多層磁束集中器ホイルを製造するための方法であって、前記方法が、
    - 少なくとも第一の支持層で積層された軟磁性合金の少なくとも一つの磁気層を有する多層磁束集中器ホイルを提供することと、
    - 外力を前記磁束集中器ホイルにホイル平面に対して横断方向に加えることによって、前記磁気層を複数の分離された断片へと亀裂させることと、
    - 引張り力下で前記磁束集中器ホイルを前記ホイル平面に平行に引っ張ることによって、前記磁束集中器ホイルを伸展させることと、を含む、方法。
  10. 前記磁気層を複数の分離された断片へと亀裂させることは、前記磁束集中器ホイルを、通過する前記磁束集中器ホイル上に圧迫力を加える、少なくとも一対のローラーに通過させることを含み、前記ローラーのうちの少なくとも一つが、その外表面上に複数の突出部を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記それぞれの他方のローラーが、滑らかな外表面を含む、または前記ローラーの各々が、その外表面上に複数の突出部を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記磁束集中器ホイルを引っ張ることが、引張り力下で前記磁束集中器ホイルを前記ホイル平面に平行に、少なくとも一つの縁部上で、特に一つの縁部上のみで引っ張ることを含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記磁束集中器ホイルを曲げるために、少なくとも一つのローラー、特に一連のローラー上で、前記磁束集中器ホイルを引張り力下で前記ホイル平面に平行に引っ張ることをさらに含む、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記磁束集中器ホイルを所定のサイズに切断することをさらに含む、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. サイズに切断された前記磁束集中器ホイルの一つ以上の切断縁を封止することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
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