JP2023528751A - 分配システム - Google Patents

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Abstract

物体を分配するための移送面と、物体を移送するためのキャリアとを備える分配システムが説明される。駆動システムが、移送面上でキャリアを移動させる。分配システムの制御システムが、移送面上で出発位置から最終目的位置へと計画ルートにて移動するようにキャリアを制御するように構成される。制御システムは、移送面をノードおよびグラフでモデル化し、知識を用いたウインドウ化階層的協調探索アルゴリズムを使用することによって、移送面上の少なくとも2つのキャリアのための計画ルートを計算するように構成されたルート選択システムを備える。ルート選択システムは、各々のノードについて予約済み時間ウインドウおよび空き時間ウインドウを決定するように構成される。ルート選択システムは、空き時間ウインドウ上の次の移動のために各々のキャリアに個別の予約長を割り当てるように構成され、論理位置のノードに無限の予約時間を割り当てる。

Description

本発明は、サンプル容器、特には分析対象の生物学的流体で満たされた管、試薬、試薬で満たされたカセット、試料スライド、組織材料、廃棄物、あるいはピペット先端部、管キャップ、または診断検査室における小分け用の空の管などの消耗品を移送するためのキャリアの移動を制御するためのシステム、方法、および装置に関する。本システム、方法、および装置は、物品、倉庫の商品、製造現場において製造される製品、または他の物体などのペイロードを移送面上で移送することができるキャリアの移動の制御にも適用可能である。
この種の分配システムは、当技術分野において知られている。
検査室診断分配システムが、例えば、欧州特許出願公開第3 095 739号明細書または国際公開第2012/158541号パンフレットに記載されている。これらの刊行物は、移送面上の受動キャリアまたは自走キャリアによる検査室サンプル分配システムを記載している。
例えば、国際公開第2008/148513号パンフレットが、1つ以上の搬送装置、特には可動パレット、車、あるいは車輪またはころに取り付けられた容器を移動させる電磁平面モータを備える保管または搬送システムを記載している。
国際公開第2017/186825号パンフレットが、使用時にグリッド状に配置された複数のセル間を行き来することができるロボット荷物ハンドラを備えるロボット荷物ハンドラ協調システムを記載している。
ルート選択システムにおいて使用されるルート選択アルゴリズムも、当技術分野において知られている。「Cooperative pathfinding」(Silver,D.,2005,‘‘Cooperative pathfinding’’,Young,R.M.,and Laird,J.E.,eds.,AIIDE,117-122.AAA I Press)が、エージェントが、別個の目的地までのルートを、他のエージェントのルートに関する全情報に鑑みて発見する必要があるいわゆるマルチエージェント経路発見問題を解決するアルゴリズムを開示している。これらのアルゴリズムは、リアルタイム戦略ゲームおよび他のリアルタイム環境における使用に適している。提案されたアルゴリズムは、グリッドが空間を表すと仮定し、コスト関数を計算するための基礎としていわゆるマンハッタン距離を使用する。それらは、ウインドウ化階層的協調A*(Windowed Hierarchical Cooperative A*)(WHCA*)と呼ばれる限られた固定の協調探索深度を有するウインドウ化探索を使用する。また、これらのアルゴリズムの欠点も説明されている。特定の種類の問題は、最適経路を事前に計算する切り離された欲張り(greedy)アルゴリズムによって解くことができず、すなわち、これらの問題が無限の計算ループに行き着くと考えられる。
B.Zahy et al.,‘‘Conflict-Oriented Windowed Hierarchical Cooperative A’’,2014 IEEE International Conference on Robotics and Automation(ICRA),IEEE,May 31,2014,pages 3743-3748,XP03265061 8,DOl:10.1 109/ICRA.2014.6907401が、マップと、別個のソース位置およびゴール位置を有する一群のエージェントとを考慮するマルチエージェント経路発見問題(MAPF)を記載している。MAPFソルバーは、それらの目的に基づいていくつかの種類に分けることができる。それらの種類のうちの1つは、経路の探索がエージェントの実際の物理的な移動とインターリーブされるオンラインMAPFアルゴリズムという種類である。この種類における著名なアルゴリズムは、経路が各々のエージェントについて個別に計画され、協調が予約テーブルを使用して得られるウインドウ化階層的協調A*アルゴリズム(WHCA*)である。
定義
キャリアは、ペイロードを支持および搬送するための支持構造体である。キャリアは、特には、物体を必要なやり方および向きにて支持し、必要であれば固定するための適切な保持手段を備える。キャリアは、自走式であってよく、あるいは移送面によって推進させられ、移送面上を移動してもよい。
移送面は、キャリアがこの面に沿って少なくとも2次元に移動することができるように配置される任意の種類の2次元の平面、表面、床、ベッド、層、プラットフォーム、または平台である。例えば、移送面は、診断検査室内に取り付けられた摺動面、あるいは製造現場または製造ホール内の地面であってよい。移送面は、傾斜面を含む垂直または水平に設置することが可能である。湾曲した移送面も可能である。キャリアは、摩擦を使用した駆動および移動の制御が可能であるように表面に接触することができ、あるいはキャリアは、例えばキャリアと表面との間に小さなギャップをもたらす空気または磁気浮上によって、非接触で移動することができる。第3の次元に関して、面は、上向きおよび下向きの傾斜における対応する制限に対応して形成され、あるいは制御を失うことなく到達することができる高さに対応する制限を有する磁気浮上またはエアクッション技術などの何らかの種類の浮上機構が設置される。第3の次元における垂直移送のために、エレベータ/パターノスター機構を設置することもできる。
駆動システムは、移送面上でキャリアを移動させる。駆動システムは、例えばバッテリおよび電子機器が接続された電気モータに接続された車輪など、キャリア自体に実装されてよい。別の可能性は、リニアモータである。受動キャリアも可能である。例えば、磁気装置がキャリア内に固定され、電磁コイルなどの磁気的にアクティブな駆動可能要素によってもたらされる磁力が、発生させた電磁場によってキャリアを移動させる。コイルを、移送面の下方、上方、側方、または移送面内に設置することができる。例えば、移送面の下方の磁気コイルの配置が、例えば欧州特許第2566787号明細書または国際公開第2013/098202号パンフレットに記載されている。
論理位置は、キャリアの停止、出発、および/または方向の変更が可能である位置として移送面上で画定される。欧州特許第2566787号明細書または国際公開第2013/098202号パンフレットに記載されているようなシステムにおいて、駆動システムは、これらの論理位置をハードウェアの制限によって定める。これらのシステムにおいて、通常は、論理位置は、電磁コイルの上方に定められる。これらの位置において、キャリアを停止させ、次の移動で方向を変えることが可能である。他の移送面において、論理位置を、有用な一群の交差点、合流点、出発位置、および停止位置を形成するように、所望または必要に応じて定めることができる。論理位置は、ルート選択アルゴリズムにおける仮想の位置および/または現実の移送システム上の位置であってよい。論理位置は、キャリアを停止させることができる離散位置であってよい。特には、論理位置を、電磁コイルまたはレールなどの可能な経路の交差など、駆動システムの少なくとも1つの物理的な実体によって定めることができる。
論理位置は、受動キャリアが到達できる任意の位置、あるいはキャリアの方向の変更、停止、または識別もしくは登録システムによる識別が可能な任意の位置であってよい。識別および登録システムは、サイズ、種類、またはバーコードなどのキャリアまたは物体上の任意の光学的シグネチャを識別するカメラシステムあるいは光学センサおよびスキャナであってよい。これに代え、あるいは加えて、キャリアまたはキャリア上の物体の固有のRFIDを読み取るRFIDリーダシステム、または移送面の内部のセンサを使用して、論理位置を識別し、キャリアの位置を特定することができる。さらなる選択肢は、特にはWi-Fiおよび/またはGSM信号で強化された高精度GPSであってよい。
部分的に確率的な挙動を有し、すなわちキャリアが常に同じ速度プロファイル(加速度、減速度、または一定速度の変動)で移動するとは限らないルート選択システムの場合、過度の将来までの計画は、計算の労力を増やし、ルートが失敗しがちになるリスクが増す。さらに、他のキャリアのルートの実行がまだ進行中であるときに、出発位置から最終目的位置までキャリアを移送するための新たな指令が受信される。したがって、ルート選択システムの効率を高めるために、時間的に先の計画に係る移動の回数を制限することができる。加えて、計算時間がもはや移送システムのサイズに比例しない。ルータが先んじて計画する最大時間は、時間長Tの協調探索ウインドウと呼ばれる。
各々の論理位置について、その位置の状態が、キャリアの移動の可能性ゆえに予約されているか、あるいは空いているかのいずれかである時間ウインドウが定義される。時間ウインドウが空きである場合、対応する時間におけるキャリアの移動を計画するために使用することができる。したがって、各々の論理位置について、個々の持続時間を有する個々の空き時間ウインドウおよび予約時間ウインドウからなる時間シーケンスが定義される。時間ウインドウのこれらの持続時間は、各々の論理位置のウインドウの持続時間を個別に計画することができ、それらの値が多数の離散時間ステップではなく、自由に定義可能な値であるという意味で、個別かつ連続的である。したがって、通常の当技術分野で知られている離散化時間ウインドウとは対照的に、連続的な持続時間が定義される。
ルート選択アルゴリズムは、移送面上の各々のキャリアについて、出発位置から最終目的位置に向かう中間目的位置までのルートを計算するアルゴリズムである。
出発位置は、アルゴリズムがルートの計算を開始するときにキャリアが位置する移送面上の論理位置である。
最終目的位置は、キャリアが向かうべき移送面上の論理位置である。最終目的位置は、とりわけ特別な機能を有する移送面上の論理位置であり、例えば、サンプル管、サンプルの一部、または消耗品が、移送面と、分析器あるいは分析前もしくは分析後システムまたは保管システムとの間で受け渡しされる論理位置である。製造現場の場合、最終目的位置は、特には、半製品に対して何らかの製造プロセスを実行する機械ステーションに対応する論理位置である。或るキャリアの出発位置が、特には、別のキャリアの最終目的位置になることもあり、さらに特には、同じキャリアの最終目的位置になることもある。
ルート選択アルゴリズムは、通常は、出発位置としての論理位置上のキャリアの現在位置から出発して中間目的位置に至る各々のルートのためのいくつかの直線移動を計算する。中間目的位置も、論理位置である。各々の移動は、論理位置での出発および停止を有することができる。ルートの最後の移動の停止は、中間目的地または最終目的地のいずれかである。
ノードは、ウインドウ化階層的協調探索アルゴリズム(windowed hierarchical cooperative search algorithm)によって使用される時間ウインドウ情報(予約または空き)と共に論理位置として定義される。グラフは、ウインドウ化階層的協調探索アルゴリズムによって使用されるノードの構造およびノード間の可能な接続である。
通常は、分配システムは、2つの部分を含む。
・ルータソフトウェアによって計算された所与のルートに従って可能な限り良好にキャリアの移動を実行する移送システム。移送システムは、キャリアのすべての位置変化または予め定義された位置変化ならびに移送システムの潜在的なエラーを制御システムに通信する。
・ソフトウェアシステムは、論理位置上のキャリアの位置およびエラーに関する状態更新を受信し、この状態更新およびキャリアを最終目的位置に移送するための新たな要求に基づいて、次の移動を含む新たなルートを計算する。これらの移動は、実行のために移送システムへと送信される。
分配システムに問題が発生した場合、例えば、位置がアクセス不可能であるために計画が実行できない可能性があり、あるいは移動の実行に計画よりも長い時間を要する場合に計画が遅れる可能性がある。両方の状況において、計画の実行は「失敗」と定義される。
知識を用いたウインドウ化階層的協調探索アルゴリズム(windowed hierarchical cooperative informed search algorithm)は、A*またはD*探索アルゴリズムなどの知識を用いた探索アルゴリズムである。最終目的地を有する各々のキャリアについて、探索アルゴリズムは、それぞれの最終目的位置へと向かう時間長Tの協調探索ウインドウ内のノード上の出発位置から中間目的位置までのルートを計算する。ルートは論理位置の空き時間ウインドウしか通過できないため、探索は協調的である。必要とされる空き時間ウインドウを有する論理位置について、空き時間ウインドウの必要な持続時間が、それぞれの論理位置の必要な時間スロットについて、「空き」から「予約済み」に変化する。したがって、空き時間ウインドウは、予約時間ウインドウと、1つまたは2つのさらなる空き時間ウインドウとに分割される。したがって、探索は、論理位置の他のキャリアのための予約時間ウインドウを尊重することによって、協調時間ウインドウT(cooperative time window T)に関して協調的である。
ルート選択システムは、協調時間ウインドウT内で知識を用いたウインドウ化階層的協調探索アルゴリズムを使用して計画ルートを計算するように構成される。知識を用いたウインドウ化階層的協調探索アルゴリズムを、連続する時間において時間ウインドウを予約するように、現実的な時間移動モデルに基づいて設計することができる。現実的な時間移動モデルは、近似であってよい。現実的な時間移動モデルを、実質的にすべての移動を計画された時間内に、特には時間を確保しすぎて時間を浪費することなく実行できるように構成することができる。現実的な時間移動モデルの情報を、実システムにおける測定から得ることができる。現実的な時間移動モデルは、楽観的および/または悲観的な移動時間の考慮を含むことができる。楽観的および悲観的な移動時間モデルは、現実よりも早い到着および遅い到着をそれぞれ予測するモデルを指す。現実的な時間移動モデルは、一定の加速、減速、および安定期速度の考慮を含むことができる。これらに関するモデルパラメータを測定することができる。わずか少数の位置の小さな移動では、安定期速度に到達しない可能性があり、加速および減速だけしか存在しないかもしれない。モデルパラメータを、測定値、したがって現実的な値から選択することができる。モデルパラメータを、悲観的になるように調整することができる。これは、移動を完全に実行するために充分な時間が実質的に常に確保されることを保証することができる。モデルパラメータを、移動のためにさらに多くの時間を計画するように調整することができる。モデルパラメータを、自動的に調整することができる。モデルパラメータを、時間が不充分であるためにあまりにも多くの計画が失敗する場合や、過度に多くの時間が予約されることが過度に頻繁であり、キャリアが移動の間にあまりにも長時間にわたって待たなければならない結果となる場合に、自動的に調整することができる。例えば、短い移動が失敗した場合、加速および減速を修正することができる。例えば、長い移動が失敗した場合、最大速度をより低い値に調整することができる。例えば、計画に従う移動の数が≧99%である場合、モデルパラメータを自動的に調整することができる。モデルパラメータは、1つの位置の移動および/またはより長い位置の移動を評価することによって自動的に調整することができる。例えば、1つの位置の移動であっても最高速度の影響を受けるような加速および減速が充分に速い場合には、1つの位置の移動であっても評価することができる。そのような移動が多くの場合に悲観的な推定よりも遅く、あるいは楽観的な推定よりも早い場合、ルータは最高速度を調整することができる。具体的には、ルート選択システムは、連続的な持続時間(continuous time duration)を考慮して協調時間ウインドウT内で知識を用いたウインドウ化階層的協調探索アルゴリズムを使用して計画ルートを計算するように構成される。対照的に、既知の知識を用いたウインドウ化階層的協調探索アルゴリズムは、離散時間(discrete times)を使用することによって時間ウインドウを予約することができる。したがって、本発明は、本明細書において連続的WHCA*と称されるウインドウ化階層的協調A*(WHCA*)アルゴリズムの修正版の使用を提案する。連続的な持続時間は、移送システムが動作のために離散時間フレームを使用しないため、移動をいつでも開始できるがゆえに、アルゴリズムをより効率的にすることを可能にできる。さらに、連続的な持続時間を考慮することにより、計算の必要性を低減することができる。技術水準の離散化された時間の場合、離散化された時間は、例えば10ms(2秒の移動は200個の時間セグメントになる)などのきめ細かいやり方で格納される。メモリにおいて、これは、きわめて小さい時間区間の巨大なアレイの格納につながりかねない。連続的な持続時間を使用することで、粗い離散化、過剰な予約、および時間の浪費を回避することができる。ルート選択システムは、決定論的または部分的に確率論的な移動速度に直面する実際の移送システムに使用される。確率論的影響が存在する場合、各々の移動に必要な時間を正確に予測できない可能性がある。ルート選択システムを、現実的な移動時間モデルに基づいて時間ウインドウを予約するように構成することができる。対照的に、既知のWHCA*は決定論的であり、確率をモデル化することができない。このように、連続的WHCA*アルゴリズムは、楽観的および悲観的な到着時間を、確率論的変動を含む実際の移動の大部分またはすべてがこれら2つの推定内で生じるようなやり方で、各々の時間ウインドウへとモデル化することによって、部分的に確率論的な時間挙動を有するプロセスのルート選択を可能にすることができる。これにより、それに応じて後続の移動の最適な場合の開始および悲観的な場合の終了を計画することを可能にできる。
連続的WHCA*アルゴリズムを、各々のキャリアの経路を個別に計画するように設計することができ、協調を予約テーブルを使用して得ることができる。ルート選択システムは、移送面上の論理位置に無限の予約時間を割り当てるように構成される。無限の時間ウインドウの使用は、予約テーブルが常に無競合であることを保証することができる。無競合とは、論理位置に同時に最大1つのキャリアしか割り当てられないため、衝突が発生しないことを指すことができる。連続的WHCA*アルゴリズムを、すべてのキャリアが常に時空において無競合の経路を有することを保証するために、すべての部分経路が無限の予約で終わることができるように設計することができる。
連続的WHCA*を、各々のキャリアの最適な出発時間を独立して用いてキャリアのルートを計画するように設計することができる。離散時間とは対照的に、これは、移動の開始が離散時間において生じる必要がなく、したがって多数のキャリアが同時に出発する可能性がないため、計算急増を回避することを可能にできる。
連続的WHCA*は、効率的かつ動的応答なやり方で生体外診断検査室におけるサンプル移送システムなどの移送システムにルートを提供するために好適であり得る。例えば、連続的WHCA*は、例えば実際のシステムにおいてキャリアが例えば分析器から移送システム上に配置された場合や、その逆の場合に、任意の時点においてWHCA*アルゴリズムにおけるキャリアを生成および削除すること、例えば或る分析器がもはや利用できず、新たな分析器が割り当てられる場合に、任意の時点においてキャリアの最終目的地を変更すること、例えばキャリアの移送面との摩擦の影響による移動時間の確率論的変動を考慮すること、例えば移送要素の破損による移動の失敗の可能性を考慮すること、計画された時間に従った移動の実行が例えば移送要素の摩耗や汚れに起因して失敗する可能性を考慮すること、例えば不調または意図的なオフに起因して突然に位置を通過することができなくなる可能性を考慮すること、のうちの1つ以上などの機能を可能にすることができる。実行ユニットを、センサによって検出された突然の障害をルート選択システムに提供するように構成することができ、ルート選択システムは、影響を受けた計画を取り消し、それらを再計画することができる。
分配システムを、数千を超えるキャリアなどの多数のキャリアを分配するように構成することができる。キャリアの密度が、多数のキャリアが隣接するキャリアによってブロックされ、トラフィック密度が低下するまで移動することができないレベルまで、きわめて高くなる可能性がある。連続的WHCA*を、キャリアの高密度を考慮して無競合のルートを計画するように設計することができる。
中間目的地は、時間Tの後に到達することができる論理位置である。また、中間目的地は、最終目的地がT以内に到達可能である場合、最終目的地と一致することができる。
キャリアは、移動時に、定常速度に達するまで加速し、定常速度の後に減速して、中間位置または目的位置に停止する。例えば1つの論理位置など、きわめて短い移動の場合、加速および加速に直接続く減速だけしか存在しない可能性がある。そのような場合、定常速度には到達しない。
用語「無限予約時間(infinite reservation time)」は、その位置をルート選択に利用することができないことを示すためにルータによって使用される、論理位置の追加の状態に関連し得る。最初は、すべての位置が利用可能であってよい。位置が有限の持続時間にわたって「予約済み」に設定される場合、その位置は、一時的な予約が終わると、再び移動に利用可能になる。位置が特定の時間からは「無限予約時間」に設定される場合、ルータは、その時間からもはやその位置を計画において考慮しない。しかしながら、前記特定の時間までは、ルータは前記位置も考慮に入れる。
無限予約は、それぞれマイナス無限大およびプラス無限大において開始および/または終了する予約テーブル内のエントリである。これを、位置がルート選択に利用できないことを示すためにルータによって使用することができる。位置が有限の持続時間にわたって「予約済み」に設定される場合、その位置は、一時的な予約が終わると、再び移動に利用可能になる。予約が無限大において開始および終了する場合、ルータは、もはやその位置を計画において考慮しない。予約が有限の時間において開始し、無限大において終了する場合、ルータは、その無限の予約の開始前の利用可能な時間ウインドウにおいてのみこの位置を使用することができる。
本発明の目的は、分配システム、分配システムを制御するための方法、および分配システムを実現するための装置であって、分配システムにおける改善されたより効率的かつ信頼できる移送を可能にする分配システム、方法、および装置を提供することである。
この目的は、請求項1に記載のシステムによって実現される。
本発明の第1の態様は、複数の物体を分配するための移送面を備える分配システムに関する。複数のキャリアが、移送面上で物体を移送する。駆動システムが、移送面上でキャリアを移動させる。システムは、キャリアが移送面上で出発位置から最終目的位置へと計画ルートにて移動するように駆動システムを制御するように構成された制御システムをさらに備える。制御システムは、ルート選択システムを備える。ルート選択システムは、移送面をノードのグラフでモデル化することによって、移送面上のすべてのキャリアのルートを計算するように構成される。そのようにするために、ルート選択システムは、各々のノードについて予約済み時間ウインドウおよび空き時間ウインドウを決定するように構成される。キャリアのルートを計算するために、ルート選択システムは、協調時間ウインドウT内で知識を用いたウインドウ化階層的協調探索アルゴリズムを使用する。特には、知識を用いた協調探索アルゴリズムは、ダイクストラ(Dijkstra)アルゴリズムまたはベルマン・フォード(Bellman-Ford)アルゴリズムであり、あるいは、さらに特にはA*アルゴリズムである。Tは、典型的には1~300秒の範囲内であり、特には約10秒である。ルート選択システムは、キャリアが個別に出発および停止するように、各々のキャリアのために空き時間ウインドウを有する論理位置について次の移動のためのノードの数としての個別の予約長を割り当てるように構成される。移送面上の一論理位置に無限の予約時間が割り当てられる。移送面上の論理位置に、その位置においてキャリアについて移動が計画されておらず、あるいはその位置が利用できないとマーキングされている場合に、無限の予約時間を割り当てることができる。制御システムは、計画ルートを実行してキャリアをそれぞれの出発位置からそれぞれの最終位置へと移送するように構成された少なくとも1つの実行ユニットを備える。
計画ルートの計算は、ルートの計画を含むことができる。制御システムは、キャリアのルートを計画するためのルート選択システムを備えることができる。計画は、移送面を横切るキャリアの最適ルートの決定を含むことができる。最適ルートを、時間、リソース消費、コスト、摩耗のバランス、良好な全体としての移送性能のうちの1つまたは2つ以上などの少なくとも1つの最適化目標に関して決定することができる。ルート選択が協調的であるため、ルート選択システムは、必要であれば個々のキャリアの最終目的地までの最短時間を犠牲にして、すべてのキャリアが正味の効率的なやり方で運ばれるように注意を払うことができる。それぞれのキャリアのための最適ルートは、例えば最終目的位置への到達に要する時間などの最適化目標を最小化する複数の可能なルートから選択されるルートであってよい。計画は、移送面を横切って移動中の1つのキャリアだけでなく、存在する複数のさらなるキャリアおよび/または障害物および/または少なくとも1つの物理的エンティティの故障などを考慮することができる。ルートの計画は、移送面および/または駆動システムに関する状態更新情報の受信を含むことができる。状態更新情報は、障害物の有無、論理位置を通過するキャリア、移動を開始/終了するキャリア、論理位置に対応する物理的エンティティの故障などの論理位置に関する情報であってよい。故障情報は、制御システムへと別個に送信されてよく、制御システムは、ルート選択に関して特定の位置を取り出し、あるいは位置を無限の予約時間で予約するように、ルート選択システムに知らせることができる。ルート選択システムを、特定の時間にわたって移動がないことを発見することによって、渋滞または膠着状態を識別するように構成することができる。ルート選択システムを、受信した状況更新情報に応じてキャリアのルートを計算し、特には演算するように構成することができる。ルート選択システムを、ルートの計画を実行するためのコンピュータまたはコンピュータネットワークとして設計することができる。
ルート選択システムを、実行ユニットによって実行されるキャリアのためのルートを提案するように構成することができる。制御システムは、計画ルートを実行するための実行ユニットを備えることができる。ルート選択システムおよび実行ユニットは、同じコンピュータに配置されても、別々のデバイスとして具現化されてもよい。制御システムは、計画ルートに関する情報をルート選択システムから実行ユニットへと伝達するための少なくとも1つの伝達接続を備えることができる。例えば、伝達接続は、有線接続または無線であってよく、例えば、インターネット接続、Bluetooth接続、NFC接続、誘導結合、などとして設計され得る。
具体的には、実行ユニットは、計画ルートを開始する。実行ユニットは、特にはキャリアを移動させるための実行プロセスを実行するためのコンピュータまたはコンピュータネットワークとして設計されてよい。計画ルートを、衝突が生じないように生成することができる。分配システムを、以下の機構による良好なルート選択によって衝突を禁ずるように構成することができ、以下の機構とは、実行ユニットが例えばモジュールまたはエリアの通過、移動の終わりへの到達などの特定の地点に到着したキャリアに関する情報をルート選択システムへと送信することである。したがって、ルート選択システムは、すでに通過した予約位置が安全であり、衝突のリスクなしに次のキャリアに使用できることを知る。随意により、実行ユニットも、キャリアが衝突しないように注意を払うことができる。実行ユニットを、衝突が発生しかねない誤った計画を(仮定的に)受信した場合に、それ以上何もせずに休止するように構成することができる。このように、実行ユニットは、追加の安全機構を備えることができる。
実行ユニットは、キャリアを移動させることによって可能である計画ルートの実行を試みることができる。キャリアが電磁力と摩擦との組み合わせによって駆動されるような移送方法は、移動するキャリアの速度プロファイルにおいて確率論を呈する。一般に、摺動面間の摩擦力は、異なるキャリアに関し、さらには時間につれて、かなりばらつく因子となり得る。さらに、キャリアの表面および移送摺動面が、表面全体にわたって均一ではないかもしれない。例えば、摩耗の相違、材料の不均一性、汚れまたは埃、あるいは水分などに起因して、移送表面において粗度がばらつく可能性がある。また、いくつかのモジュール表面プレートが、他のプレートよりも最近に更新されていて、より古いプレートとは異なる摩擦レベルを示す可能性もある。キャリアの移送面との接触面についても同様である。これらのばらつく摩擦力の結果として、移動に要する時間が、予測不可能な確率論的成分も有する可能性がある。実際の摩擦が平均よりも大きい場合、キャリアの加速がゆっくりとなり、平均定常速度に到達できない可能性がある。また、キャリアの減速も速くなる可能性がある。移動を制御する実行ユニットは、これを調整しようと試みることができるが、依然として移動およびキャリアについて、加速度および速度プロファイルのばらつきが見られる。このように、確率論的影響、例外、およびエラーのために、すべての計画されたルートがルート選択システムによって提案されたとおりに正確に実行されるとは限らない。
移送面は、移送システムの状態情報を検出するように構成された少なくとも1つのセンサを備えることができる。例えば、状態情報は、キャリアの位置、移送面上の利用できず、もしくは破損した位置またはノード、あるいは移送面上の汚れのうちの1つ以上を含むことができる。例えば、センサは、カメラシステムおよび適切な画像処理であってよく、あるいはその一部であってよい。ホールセンサ、電流センサ、導電性センサ、静電容量センサ、誘導センサ、または光学バリアなどの他の位置検出システムも可能である。センサは、検出された状態情報を実行ユニットに提供するように構成されてよい。実行ユニットは、受信した検出された状態情報に応じて最新の状態情報を更新することによって、状態更新情報を生成するように構成されてよい。実行ユニットは、移送面、移送キャリア、および/または駆動システムに関する状態更新情報をルート選択システムに提供するように構成されてよい。
ルート選択システムは、移送面上の論理位置に無限の予約時間を割り当てるようにさらに構成される。ルート選択はいくらかの協調を失うが、知識を用いた探索アルゴリズムの既知の欠点である無限の計算ループを回避する。
分配システムのさらなる実施形態において、ルート選択システムは、以下、すなわち
・論理位置が、最終目的地を有さないキャリアの位置である、
・論理位置が、破損しており、もしくはブロックされている、
・協調時間ウインドウTの最中に論理位置のキャリアを移動させる可能性が見られない、
のうちの1つ以上が実現された場合に、論理位置に無限の予約時間を割り当てるように構成される。
したがって、移送面上の異なる論理位置に対して、これらの状況のいずれか1つ、2つの組み合わせ、または3つすべてが可能である。
論理位置に割り当てられる予約時間は、キャリアがこの論理位置を移動するように計画および/または予想される持続時間であってよく、あるいはそのような時間に対応できる。ルート選択システムは、キャリアが、特にはそのモデルに従って、1つまたは複数の位置を移動するために必要とする限りにおいて、その計画において1つまたは複数の位置を予約することができる。例えば、移動のためのすべての位置が、完全な移動が行われる限りにおいて予約されたままであってよい。例えば、位置は、移動が特定の論理エリア内で続く限りにおいて予約されていてよい。例えば、位置は、その位置をキャリアが通過するまで予約されていてもよい。例えば、位置を、各々の論理位置を通過するとすぐに解放することができる。例えば、位置を、論理位置のブロックの境界を通過した場合に解放することができる。ルート選択システムは、ルートの計画に一時的に利用できないか、あるいは永続的に利用できないかに応じて、論理位置に異なる種類の予約時間を割り当てるように構成されてよい。ルート選択システムは、キャリアによって一時的に占められると予想される論理位置に有限の予約時間を割り当てるように構成されてよい。したがって、論理位置に有限の予約時間が割り当てられた場合、この論理位置はルートの計画に利用可能であり得るが、例えばルートにおいて待ち時間を計画することによって、一時的に利用不可能であることを考慮する必要がある。ルート選択システムは、例えば、論理位置が最終目的地を持たないキャリア(例えば、留め置かれているキャリア)の位置である、論理位置が破損し、もしくはブロックされている、あるいは協調時間ウインドウTの最中に論理位置上のキャリアが移動する可能性がない、などの理由でキャリアの移動に利用できないと予想される論理位置に、無限の予約時間を割り当てるように構成されてよい。ルート選択システムは、永続的に利用することができない論理位置に無限の予約時間を割り当てるように構成されてよい。特には、無限の予約時間は、ルートの計画に利用することができない論理位置に割り当てられてよい。ルート選択システムは、知識を用いたウインドウ化階層的協調探索アルゴリズムが前記論理位置を使用不可能または利用不可能と見なすことができるように、無限の予約時間を前記論理位置に割り当てるように構成されてよい。具体的には、知識を用いたウインドウ化階層的協調探索アルゴリズムは、ルートの探索において無限の予約時間が割り当てられた論理位置を無視することができる。そうでない場合、すなわち、有限または無限の予約時間が論理位置に割り当てられていないすべての場合、論理位置は、特には利用可能という意味で空きであると見なされる。
論理位置の状態は、分配システムの動作の最中に変化し得る。例えば、永続的に利用できないと見なされる論理位置の状態が、メンテナンス後に「空き」に変化し得る。例えば、空きであると見なされる論理位置の状態が、移送面および/または駆動システムの物理的エンティティが破損した場合に、永続的に利用不可能に変化し得る。
例えば、ルート選択システムは、論理位置が破損しており、あるいはブロックされていると考えられる場合に、論理位置に無限の予約時間を割り当てるように構成されてよい。論理位置を、例えば移送面のこの特定の位置における駆動システムの故障および/または移送面の故障などのためにもはや使用することができない場合に、破損しているみなすことができる。論理位置を、論理位置が原理上は使用可能であり、すなわちこの論理位置の物理的エンティティが適切に機能しているが、論理位置がキャリアによって予約されている場合、ブロックされていると見なすことができる。ルート選択システムは、ルートの計画に関して駆動システムおよび/または移送面の故障および/または変化および/または障害物を考慮に入れるように構成されてよい。例えば、移送面上の他のキャリアの存在が、キャリアの可能なルートに影響を及ぼす可能性がある。例えば、ルート選択システムは、トラフィック、渋滞、予約された論理位置、汚れ、などを考慮に入れるように構成されてよい。例えば、ルート選択システムは、電磁コイルのうちの1つの電磁コイルの故障など、駆動システムおよび/または移送面の変化を考慮に入れるように構成されてよい。特には、ルート選択システムは、キャリアのさらなる移送を妨げる論理位置にキャリアを移動させることを防止するように構成されてよい。ルート選択システムは、これらの論理位置に無限の予約時間を割り当てることによって故障および/または変化および/または障害物を考慮に入れるように構成されてよい。ルート選択システムは、知識を用いたウインドウ化階層的協調探索アルゴリズムが前記論理位置を使用不可能または利用不可能と見なすことができるように、無限の予約時間を前記論理位置に割り当てるように構成されてよい。ルート選択システムは、まだルート選択が行われていないキャリアによって占められた論理位置に無限の予約時間を割り当てるように構成されてよい。例えば、システムが再起動され、したがってすべてのキャリアが計画を有さず、同時にルート選択されなければならない場合、ルート選択システムは、最初にルート選択されるキャリアを除くすべてのキャリアの位置に無限の予約を割り当てることができる。例えば、故障によっていくつかのキャリアの計画が無効になった場合、ルート選択システムは、それらの計画をキャンセルし、計画を有さないいくつかのキャリアのルート選択をやはり同時に行わなければならない可能性がある。無限の予約を、物理的な理由が存在しても、単にソフトウェアによって設定された理由であっても、無限の予約が有効である限りにおいて、ルートの生成に関して無限の予約を有する位置が無視されるルート計画を実行するために、ルート選択システムにおいて使用することができる。
分配システムのさらなる態様は、各々が独自の予約長および持続時間tiを有する複数(例えば、n個)の移動が協調時間ウインドウT内で開始されることである。計画されたn個の移動のうちの最後の移動は、協調時間ウインドウT内で始まるが、この協調時間ウインドウ内で終了する必要はない。したがって、
Figure 2023528751000002
と結論付けることができる。移動の長さおよび持続時間tiは、主にトラフィックの密度に依存する。高いトラフィック密度においては、キャリア間の相互作用(例えば、経路の横断)がより激しくなるため、より多数の、しかしながらより短い時間tiの短い移動が行われる。予約長は、移動のために予約されたノードおよび/または論理位置の数であってよい。「移動」という用語は、「アクション」を指すことができ、次の移動が行われるまでの待機時間を含まなくてよい。
移動の持続時間は、予約長に依存し得る。移動は、本発明の開示において、1つの論理位置から出発して第2の異なる論理位置で停止する直線でのキャリアの1つの移動として定義される。移動は、1つまたは複数の論理位置のキャリアの変位で構成され得る。第1の最終目的地から第2の最終目的地への移動は、中間目的地を伴う1つ以上の移動で実行されてよい。次の移動が開始される前に、各々の中間目的地において、より長い待ち時間またはより短い待ち時間が存在し得る。計画のルート選択は、すべての移動または第2の最終目的地に到達するまでに実行される次のいくつかの移動のみを含むことができる。移動は、最大予約長を超えない異なる予約長を有することができる。各々の移動の予約長は、移動を行うために予約されるべき論理位置を含むことができる。最大予約長を、一度にあまりにも多数の論理位置が予約され、これらの位置があまりにも長時間にわたって他のキャリアに関してブロックされてしまう状況を回避するように、定義することができる。所与の移動長について移動に要する時間を推定するためのモデルを有することによって、論理位置を予約するための完全な時間計画を作成することができる。この時間計画は、移動時間および次の移動が実行可能になるまでの待ち時間、ならびに使用されるべきでなく、あるいは次の目的地への移動の計画を持たないキャリアを含んでいる位置に関する無限の予約時間を含むことができる。
約10秒の協調探索ウインドウを有する診断検査室移送面の場合、nは1~12、特には3~8、さらに特には6であってよい。
さらなる実施形態において、予約長は、移動について特定的に定められ、例えば、特定のエリアのキャリアは、他のエリアよりも長い移動を行うことができる。
分配システムのさらなる態様は、ルート選択システムが、協調時間ウインドウTにおいて最大n個の可能な移動のうちの次の移動のために、特には決定された最大予約長以下の利用可能な最も大きい予約長を使用するように構成されることである。特には、ルート選択システムは、n>1となるように最大予約長を使用するように構成される。移動のための最大予約長は、固定数として定められる。他の実施形態において、最大予約長は、トラフィック密度が低い状況においてより長い移動を行うことができるように、時間ごとに調整可能である。
さらなる実施形態において、ルート選択システムは、フィールドを過度に長時間にわたって不必要にブロックすることがないように、移動のための最大予約長を制限するように構成される。この設定された最大予約長は、他の移動するキャリアのために、あまりにも多くの論理位置がブロックされることがないようにするために必要とされる。
別の実施形態においては、時間長Tのこの協調探索ウインドウにおける全ルートが計算されたルートに従って実行される必要はない。キャリアは、最後の予約された論理位置である中間目的位置により早く到着する可能性があり、したがって時間ウインドウTの後よりも早くに新たなルートを作成することができ、あるいは作成する必要がある。典型的には、新たなルートは、例えば協調探索ウインドウ時間Tの20%などの定められた持続時間が経過した後に計算され、あるいは移送システムがルート失敗または移動失敗または最終もしくは中間目的地への到達などの新たなルートの計算の必要性をトリガする更新を送信した直後に計算される。これにより、ルートを計算するための移送面上の状況のより最新の情報により、スループットの改善が可能になる。したがって、不確実性の累積が低減されるため、ルートがより効率的である。
分配システムの別の実施形態の別の態様は、ルート選択システムが移送システムから状態情報を受信するように構成されることである。受信した状態情報は、記憶装置に記憶され、ルート選択システムに記憶された最新の状態情報と比較される。この比較によって状態の変化が検出されると、ルート選択システムによって使用される予約マップが更新され、新たな予約長による新たな最終的に変更されたルートが、キャリアについて計算される。状態情報は、例えば、キャリアが移送面上の所定の境界を通過したかどうか、任意の論理位置または所定の論理位置についてキャリアが出発し、通過し、もしくは到着したとき、あるいは移送システムによってエラーが検出されたときであってよい。
分配システムのさらなる実施形態において、分配システムにおけるエラーは、例えば、正常でない故障した論理位置、もはや移動することができない故障または立ち往生したキャリアおよびそれらの関連の論理位置、ならびに最終目的位置に対応するシステムが利用できないがゆえのブロックされた最終目的位置を含む。
分配システムの他の実施形態において、論理位置ごとの移送面の使用頻度が、搬送システムの状態情報であってよい。
別の実施形態において、ルート選択システムは、本明細書においてルータとも称されるルート選択システムが作成する計画およびその検出されたずれからステータス情報自体を計算するように構成される。
分配システムのさらなる態様は、ルート選択システムが、各々のルートが成功裏に実行されると仮定して、現在のルートの後の後続のルートを決定するように構成されることである。
これにより、移動が成功したと確認され、すなわち各々のキャリアが現在のルートに従って計画された中間または最終目的地に到達した場合に、次のルートのための移動を、ルートがすでに利用可能であるがゆえに最初にルートを計算する時間を失うことなく直接実行することができるため、より高速なルート選択が可能になる。これは、ピークではなく連続的な計算負荷によるルート選択システムのより良好なCPU使用をさらに可能にする。
分配の別の態様は、ルート選択システムが、すべてのキャリアが計画された時間ウインドウ内に到着するかどうかをチェックするように構成され、計画された時間ウインドウ内に到着しないキャリアが検出されると、停止位置あるいは中間または最終目的位置に到着しなかったこれらのキャリアの計画された時間ウインドウが引き伸ばされ、影響を受ける計画がそれぞれ引き伸ばされることである。
さらなる実施形態において、影響を受ける計画、すなわちルートが、再計算される。
さらなる実施形態においては、摩擦および不連続な駆動力などの物理的影響および制御機構に応じて、加速度、定常速度、および減速度が、一定の値を有さず、時間につれて変動し得る。結果として、出発から停止までの移動時間が変動し得る。移動について現実的な時間ウインドウ、したがって論理位置の予約を定めるために、加速度、定常速度、および減速度の値が仮定される。例えば、最も遅い予想加速度および減速度、ならびに最低の速度が選ばれる。移動すべき論理位置の数と併せて、移動のための時間ウインドウを計算することができる。最終的には、失敗する計画があまりにも多く生成されることを避けるために、5、10、20、または30パーセントなどのわずかに長い時間が選ばれる。
別の実施形態において、協調探索ウインドウTの賢明な長さは、将来への計画の不確実性のレベルおよび次の一式の移動を計算するために必要な計算時間の量に依存する。確率論的な移動の挙動が強い場合、決定論的な移動の挙動が強い場合と比較して、将来の移動を計画どおりに実行できる確実性が低い。したがって、協調探索ウインドウTの時間長は、確率的論的な移動の挙動が強い場合により短くなるように選択され、決定論的な挙動が強く支配する場合により長くなるように選択される。より長い協調探索ウインドウT、したがってより多くの移動を伴う計画の作成は、ルートあたりの計算時間をより長くする。目的は、充分に大きな協調探索ウインドウTで、その時間ウインドウ内のすべての含まれる移動を高い確実性で実行できるように、計画を行うことである。これにより、再計画の頻度が低下し、したがって計算能力が少なくて済む。
さらなる実施形態においては、位置を予約するための時間ウインドウの計算に式を使用する代わりに、1個、2個、3個、・・・、nmax個(ここで、nmaxは最大予約長である)の位置の移動に対して時間を事前に計算したルックアップテーブルを使用することも可能である。これらの時間は、やはりモデル化され、あるいは経験的に決定された速度、加速度、および減速度に基づく。位置は等間隔に分布している必要はない。例えば、移送タイルの境界の両側の2つの論理位置間の距離は、タイル内の2つの論理位置間の距離より大きくてよい。結果として、1つのタイルから次のタイルへの移動は、境界を越えるがゆえに追加の時間を要する可能性がある。時間を計算するためのモデルは、この追加の時間を考慮に入れることができる。
分配システムのさらなる態様は、ルート選択システムが、論理位置のうちの少なくとも1つを、キャリアの最終目的位置としてのみ指定することを可能にし、キャリアを最終目的位置へと移送するための中間目的位置として使用することを禁止するように構成されることである。
これにより、分配システムによって移送される物体を、例えば診断検査室の分析装置などの別途管理される移送エリアまたはシステムなどに円滑に受け渡すことが可能になる。
分配システムの別の態様は、移送面が論理サブエリアに分けられることである。
これにより、システム全体を体系化する必要なくサブエリアを体系化することができる。サブエリアを、例えば移送システムが個々のモジュールから構築されるなど、ハードウェアモジュールによって定めることができる。また、サブエリアを、例えば物体の受け渡しエリア、高速移送エリア、仕分けエリア、物体の何らかの種類の中間保管をもたらすためのバッファエリア、空のキャリアのためのエリア、または1つの電源ユニットによって電力供給されるモジュールなど、論理エリアによって定めることも可能である。
異なる走行速度、キャリアの加速または減速の挙動、例えば待ち行列における先入れ先出しなどのキャリアの移動に関する特別なルール、などのキャリアのさまざまな挙動を、サブエリアに割り当てることができる。
分配システムのさらなる態様は、ルート選択システムが、移送面の定められたサブエリア内のキャリアの限られた数の同時移動のみを許すように構成されることである。
さらに、受動キャリアに関して、論理エリアについて可能な最大電力消費を制限することにより、電力消費に関して定められた最大しきい値によって駆動システム用の電源を設計することが有利である。
分配システムの別の態様は、ルート選択システムが、サブエリア上の現在の移動によって予約された各々のノードを、キャリアが移送面上の所定の論理位置を通過した後に解放するように構成されることである。ここで、ノードを解放するとは、ノード情報において、それぞれの論理位置のそれぞれの時間ウインドウが予約済みから空きに設定されることを意味する。第1の例として、すべてのノードは、キャリアが計画された移動においてそれぞれの論理位置を通過して次の論理位置に到達した後に、さらなる計画のために直接解放される。別の可能性は、キャリアがそれぞれのサブエリアの境界を通過した後に、サブエリア内のすべてのノードを解放することである。
これらの境界は、例えば移送面がタイル状の移送モジュールから構築されている場合の移送面のモジュールと次のモジュールとの境界などの移送システムの論理エンティティに一致することができる。他の境界を、定められた境界を形成する論理位置を定めることによって、あるいは光ゲートもしくはカメラシステム、誘導、容量、導電、もしくは高周波センサなどによって、キャリアが所定の位置を通過したか、所定の位置に進入したか、または所定の位置を離れたかを検出する検知システムによって、人工的に定めることができる。
分配システムのさらなる態様は、ルート選択システムが、計画された移動の成功または失敗をチェックするように構成され、計画モデルのパラメータが、関連のエリアにおける失敗した計画の数に応じて、移送エリアの全体について同じ値で調整され、あるいは各々のサブエリアごとに異なる値で調整されることである。上述したように、確率論的影響、例外、およびエラーのために、ルート選択システムによって計画されたすべてのルートがルート選択システムによって提案されたとおりに実行されるとは限らない。計画されたルートを実行するための実行時間が計画された時間範囲内であれば、計画されたルートを実行することができる。ルート選択システムは、計画された移動の成功または失敗をチェックするために実行時間および計画された時間範囲を監視するように構成されてよい。例えば、ルート選択システムは、計画された時間範囲を超えた移動の数をカウントするように構成されてよい。ルート選択システムは、移動を実行するための実行時間が少なくとも許容誤差の範囲内で計画された時間範囲に含まれる場合に、移動、特には個々の移動を、「成功」と判断するように構成されてよい。しかしながら、計画されたルートの移動を実行するための実行時間が計画された時間範囲を超える場合、他の移動を妨げ、計画の失敗につながる可能性がある。例えば、特定のエリアにおける移動が、計画の実行に頻繁に失敗する場合、これは、モデルがこのエリアに関して楽観的すぎることを知らせている可能性がある。例えば、キャリアが表面のどこに位置しているかにかかわらずキャリアが個々の移動の実行に頻繁に失敗していることが検出される場合、システムは、キャリアがもはや「健全な」キャリアのモデルに従って移動してはいないと識別することができる。その理由は、例えば、キャリアの摺動面の摩耗またはキャリアの摺動面の汚れであり得る。この情報に基づいて、制御システムは、キャリアを取り出すことができ、あるいはキャリアの計画モデルを調整し、最終的には、次のシステムの保守によってキャリアを更新または清掃することができように、キャリアの状態が良好でないと登録することができる。ルート選択システムは、移動を実行するための実行時間が計画された時間範囲を超える場合に、移動を「失敗」と判断するように構成されてよい。ルート選択システムは、計画された時間範囲を超えた移動の数が所定のしきい値を超えた場合に、「失敗」と判断するように構成されてよい。例えば、時間またはエリアまたはキャリアごとの最大許容失敗数についてしきい値を使用することができる。失敗と判断された場合に、ルート選択システムは、計画モデルのパラメータを移送エリアの全体について同じ値で調整し、あるいは各々のサブエリアごとに関連のエリアにおける失敗した計画の数に応じた異なる値で調整するように構成されてよい。例えば、ルート選択システムは、計画モデルにおける予約長を定めるパラメータを調整するように構成されてよい。
システム条件が、キャリアの移動の可能性に影響を及ぼし得る。したがって、計画モデルのパラメータを、ルート選択システム内のキャリアの実際の可能性を反映するように調整することができる。計画モデルは、キャリアの移動可能性を体系化し、これは、パラメータとして、達成可能または決定された加速度/減速度および最大速度を意味する。
分配システムの別の実施形態において、ルート選択システムは、モデル化された移動時間と実際の移動時間との間のずれを測定し、計画モデルのパラメータをそれぞれ調整するように構成される。
分配システムのさらなる態様は、ルート選択システムが、最大予約長を、最大予約長と計画された予約長とのずれに応じて調整するように構成されることである。ルート選択システムは、成功したルートに関して最大予約長を最適化するための少なくとも1つの自己学習アルゴリズムを実行するように構成されてよい。具体的には、ルート選択システムは、移動のために予約可能な論理位置の最大数と計画された予約長とを比較するように構成されてよい。計画された予約長は、キャリアのルートの計画において成功するルートに関して最適であるとルート選択システムが考える予約長であってよい。計画された予定長は、移動に割り当てられた個別の予約長であってよい。最大予約長は、可能な予約長の上限を定める計画モデルの境界条件であってよい。ルート選択システムは、移動のために予約可能な位置の最大数と計画された予約長との間のずれに応じて、移動のために予約することができる論理位置の最大数を調整するように構成されてよい。
ここで、調整とは、キャリアの計画されたルートの大部分または80%または90%または100%が最大予約長に等しい移動長を使用する場合に、ルート選択計画に使用される最大予約長をより長くすることを意味する。これにより、システム、あるいは少なくともトラフィック強度が低く、もしくは平行移動のレベルが高いエリアが高速化される。
分配システムのさらなる態様は、ルート選択システムが、移送面の各々のキャリアおよび/またはサブエリアについて、失敗した計画の数をカウントするように構成され、失敗した計画の数が所定の数を超え、あるいは失敗の頻度が所定の数を超える場合には、キャリアは、各々のキャリアのための制御システムにおいて「メンテナンスが必要である」とマーキングされ、あるいはサブエリア内のノードを、「メンテナンスが必要である」とマーキングされ、もしくはルート選択システムにおけるさらなるルート選択にもはや使用せず、もしくは移送問題の回避に必要な場合に限って使用を最小限にすることである。ルート選択システムは、論理位置について失敗した計画への関与の頻度を判断し、さらには/あるいは、ルート選択からの論理位置の除外、メンテナンスの必要性の通知、などのうちの1つ以上など、しきい値数を超えた場合にルート選択システムがトリガするアクションを決定するように構成されてよい。制御システムなどの分配システムは、移送面の各々のキャリアおよび/またはサブエリアについて失敗した計画の数が所定の数を超え、あるいは失敗の頻度が所定の数を超えた場合に、例えばメンテナンスが必要である旨の少なくとも1つの情報を表示するように構成された少なくとも1つのユーザインターフェースを備えることができる。ユーザインターフェースは、1つ以上のデータまたはコマンドの交換など、例えば一方向または双方向に情報を交換する目的で、周囲の環境と対話するように構成されてよい。例えば、ユーザインターフェースは、ユーザと情報を共有し、ユーザによって情報を受信するように構成されてよい。ユーザインターフェースは、ディスプレイなどのユーザと視覚的に対話する機能、またはユーザと音響的に対話する機能であってよい。ユーザインターフェースは、一例として、グラフィカルユーザインターフェース、無線および/または有線データインターフェースなどのデータインターフェース、のうちの1つ以上を備えることができる。
マーキングを、ルート選択システムの記憶装置、メモリ、またはデータベースに記憶されたログファイルまたはレジストリファイルにおいて行うことができる。これにより、問題を有するキャリアを定期的にチェックして、それらを片付けることができ、あるいは移送面上のキャリアのための保守または交換エリアへとそれぞれのルート選択/目的地によって送ることができる。さらに、キャリアがもはや適切に移動していない移送面上のエリアを識別することが可能である。したがって、これらのエリアを、ルート選択において回避、またはあまり使用しないようにすることができ、あるいはメンテナンスまたは汚れに関してチェックし、能動型の移送面については駆動手段における問題に関してチェックし、例えば移送面の清掃あるいは移送面またはモジュールの交換によってそれぞれの問題を解決する必要な措置をとることができる。
分配システムのさらなる実施形態において、例えば表面またはキャリアに内蔵されたLEDの色を変え、あるいは制御コンピュータまたはモバイルクライアントデバイスの画面上に示すことにより、エリアおよびキャリアを視覚的にマーキングすることも可能である。
分配システムの別の態様は、ルート選択システムが、ノードに対して、このノードにおけるキャリアの通過、出発、または停止の頻度に応じて使用コストを割り当て、計画される各々の移動について使用コストを最小にするように構成されることである。
これは、移送面の均等に分散された使用をもたらす。出発位置/ノードにおける加速および終了位置/ノードにおける減速は、移送面への負荷が大きいため、加速および減速の回数をコスト関数に含めて、ノード間で均等にすることができる。これにより、システムの寿命および信頼性を向上させることができ、メンテナンスを削減することができる。
分配システムのさらなる態様は、ルート選択システムが、キャリアが互いをブロックしていて、k個(k>1)のキャリアについて無限の時間においても移動を行う可能性がなくなっていないかどうかを、チェックするように構成されることである。この状況は、「膠着状態」として示される。
分配システムのさらなる態様は、次のtout秒(toutは設定可能であり、例えば2~60秒の範囲、あるいは2、5、または10秒である)にわたって移動が見られない場合にも、ルート選択システムによって膠着状態が認定されることである。
分配システムの別の態様は、ルート選択システムが膠着状態が発生したかどうかをチェックするように構成されることである。ルート選択システムは、膠着状態が検出された場合に、関係するすべてのキャリアについて最終目的地のメトリックを無視し、関係するすべてのキャリアが最終目的地のメトリックを無視して可能な移動の中から選択される1つ以上の移動を行うように構成されてよい。特には、移動をランダムに選択することができる。これにより、膠着状態の解消をもたらす空間を作り出すことを可能にできる。特には、移送面上または移送面の定められたエリア上のすべてのキャリアが、最終目的地のメトリックを無視して、可能な移動の中から選択される1つ以上の移動を行う。膠着状態が検出された場合、膠着状態の起点の近傍に位置するすべてのキャリアについて、次のn個の移動を、最終目的地へのメトリックを無視して、可能な移動の中から、特にはランダムに選択することができる。膠着状態は、少数のキャリアによって始まり、他のキャリアも巻き込む可能性がある。
最終目的地へのメトリックを無視することにより、キャリアは、すべての方向に移動し、すなわち後方にも移動し、あるいは最終目的地の方向に対して直角にも移動する。
膠着状態に関係するキャリアの一部または全部が、最短の時間または距離で最終目的位置に到達するという目的を達成する移動とは異なる可能な移動を行う。ランダム性を、各々のキャリアのすべての可能な移動に対して正規化された乱数発生器を用いて実現することができる。そのような移動を、ランダムな方向および移動長さで行うことができる。したがって、n個の移動に関して、キャリアはブラウン運動のように挙動する。
代替の実施形態においては、移動の方向および長さを、例えば膠着状態に関係するキャリアの間に選択された方向の空き通路または空き位置のパターンを生じさせる移動を行うように決定された値で選択することができる。これらの移動の後に、通常のルート選択プロセスが、膠着状態に関係していたキャリアを含むキャリアに再び適用される。
ルート選択システムの別の実施形態において、キャリアの状態は、計画された移動の「予約された論理位置を移動中」または「論理位置において待機中」のいずれかである。キャリアについて移動を計算することができない場合、キャリアは移動が可能になるまで待機する。協調時間ウインドウTの間にキャリアを移動させる可能性が見つからない場合、キャリアが待機しなければならないノードに、無限の予約時間が割り当てられる。その後の計画の最中に、キャリアを移動させる可能性を見つけることができ、その後に、そのノードに有限の時間予約が割り当てられる。さらに、例えば使用されるのを待っているキャリアなどの目的地を持たないキャリアが存在するノード、あるいは協調時間ウインドウTよりも長い時間にわたってブロックされる必要があるノードも、無限の予約時間を受け取る。この方法は、無限のサイクルにつながる協調A*のサイクル問題を回避する。さらに、本方法は、例えば移送システムの部品を整備するときに、ノードの使用を防止するために使用可能である。
本発明のさらなる態様は、移送面上でキャリアを移動させるための分配システムのための方法である。分配システムは、移送面と、物体を移送するためのキャリアと、移送面上でキャリアを移動させるための駆動システムとを備える。分配システムの制御システムが、移送面上の出発位置から最終目的位置までの計画ルートにおけるキャリアの移動を制御する。分配システムのルート選択システムが、ノードのグラフでト移送面をモデル化する。ノードは、キャリアを出発および停止させることができる移送面上の論理位置、すなわちキャリアにとって可能な出発位置あるいは最終または中間目的位置である。ルート選択システムは、論理位置の少なくとも一部について、空き時間ウインドウおよび予約時間ウインドウを決定する。ルート選択システムは、協調時間ウインドウT内でウインドウ化階層的協調探索アルゴリズムを使用して、移送面上の少なくとも2つのキャリアのためのルートを計算する。ルート選択システムは、協調時間ウインドウT内の次の移動のために各々のキャリアに個々の予約長を割り当てる。ルート選択システムは、少なくとも1つ以上の論理位置に無限の予約時間を割り当てる。
特には、無限とは、ここでは少なくとも時間ウインドウTに及ぶことを意味する。
本方法のさらなる実施形態において、ルート選択システムは、以下、すなわち
・論理位置が、最終目的地を有さないキャリアの位置である、
・論理位置が、破損しており、もしくはブロックされている、
・協調時間ウインドウTの最中に論理位置からキャリアを移動させる可能性が見られない、
のうちの1つ以上が実現された場合に、論理位置に無限の予約時間を割り当てるように構成される。
無限とは、ここでは、例えば新たな最終目的地がキャリアに割り当てられる、論理位置が修復され、もしくはブロックされていない状態となる、あるいは新たな移動の可能性が発見されるなど、無限の予約につながる条件が解消されるまで、論理位置が予約されることを意味する。
ルート選択システムは、論理位置が、ルートがまだ計画されていないキャリアの位置である場合、および/またはルートがキャンセルされた/キャンセルされなければならなかったキャリアの位置である場合に、その論理位置に無限の予約時間を割り当てるようにさらに構成されてよい。
発見的方法(heuristic)が、キャリアがその最終目的位置に向かうことを確実にするために使用され、各々の論理位置から他の各々の論理位置まで、または各々の論理位置から関連の最終目的位置までの予め計算され、あるいは測定された移動時間のテーブルが、ルート選択システムまたは制御システム内に記憶される。これらの移動時間を事前に計算するために、キャリアは、最終目的位置まで他のキャリアによって妨げられることなく、所定の速度、加速度、および減速度で移動することができると仮定される。所定の速度、加速度、および減速度は、実際のキャリアの測定された速度または1m/秒などの任意の速度に基づくことができる。
本方法の別の実施形態において、論理位置の最終目的地位置までの距離を、そのようなルックアップテーブルについて使用して、キャリアをそれらの最終目的位置に向かって案内することができる。
発見的方法が、ルート選択システムが、論理位置が空き時間ウインドウを有するノードだけでなく、最終目的地までの移動時間または距離を減少させるノード、したがって論理位置も、次のノードとして選択できることを保証する。
本方法のさらなる態様は、ルート選択システムが、ルート上に利用可能な空き時間ウインドウを有するキャリアの各々の直線移動について、所定の最大予約長以下の最も利用可能な予約長を使用することである。
これにより、分配システムのキャリアの迅速かつ信頼できるルート選択が可能になる。したがって、キャリアについて目的地までのルート上の論理位置の空き時間ウインドウを協調して探索しているときに、次の移動に利用することができる必要な空き時間ウインドウを有する論理位置が存在しない場合、個々のキャリアの探索は停止される。理論的には、これは最終目的地であり得る。各々のキャリアは、次の移動のために計画された異なる個々の予約長を有することができる。
本方法の別の態様は、ルート選択システムが移送システムの状態情報を受信し、この状態情報をルート選択システムのメモリデバイスに記憶し、状態情報を以前に記憶された状態情報と比較することである。ルート選択システムは、この比較によって移送システムの状態の変化を検出すると、ルート選択システムは、移送システムの最新の既知の状態を考慮して、新たな予約長を有する次の移動のためのキャリアの新たなルートを計算する。加えて、新たな目的地がキャリアに割り当てられた場合に、新たなルートが計算される。
通信される状態情報は、キャリアが移送面上の何らかのソフトウェア定義の境界またはハードウェア境界を通過したこと、すなわち移送面の或る特定のエリアから別のエリアに移動したこと、最終目的地に到達したこと、あるいは移送面のいくつかのエリアがブロックされており、もしくは不調であること、またはいくつかのキャリアが不調であること、などの情報であってよい。
本方法のさらなる態様において、ルート選択システムは、キャリアの各々の移動が成功すると仮定して、現在の移動後の後続のルートを決定する。
これにより、特定のキャリアが最後に計画された移動の最終目的地または中間目的地に到達した直後に、移動をより迅速に、あるいは連続的にさえ実行することができ、コンピュータリソース容量をより効率的に使用することができる。
本方法のさらなる態様は、ルート選択システムが、すべてのキャリアが計画された時間ウインドウ内に到着したかどうかをチェックし、計画された時間ウインドウ内に到着しないキャリアが検出された場合に、次の計画された予約長を引き伸ばし、影響を受ける他のキャリアの計画を計算し直すことである。特には、ルート選択システムは、次の計画された予約長を延長するように構成されてよい。分配システムは、自己学習システムであってよい。ルート選択システムは、計画された予約長を、特には手動の相互作用を必要とせずに自動的に調整するように構成されてよい。ルート選択システムは、ルートの計画を自動的に最適化するように構成されてよい。最適化は、成功したルートに関してモデルのパラメータを最適化することを含むことができる。
本方法のさらなる態様は、ルート選択システムが、予約されたノードのうちの少なくとも1つを、キャリアが最終目的地としてのみアドレス指定することを可能にし、そのノードをキャリアを最終目的値へと移送するための中間点として使用することを禁止するように構成されることである。
これにより、特定のタスクを実行するためにあまり占有されていない移送面上の特定の地点/ノードを特定のタスクのために予約することができる。例えば、キャリアから、またはキャリアへと物体を取り扱うための受け渡し位置が、移送面上のそのような特別なノードであってよい。別の例は、搬送された物体の何らかの種類の情報を読み取る必要がある読み出し位置、または物体に関して何らかの種類の操作が行われるハンドリング位置であってよい。
本方法の別の態様は、ルート選択システムが、移送面の定められたサブエリア内のキャリアの限られた数の同時移動のみを許容することである。
移送面内に駆動システムを有する移送システムの場合、これは、特定の領域において過度に多くのエネルギーが引き出されることも回避し、あるいは、より少数またはより小型の電源を使用することも可能にする。
本方法のさらなる態様は、ルート選択システムが、サブエリア上の現在の移動によって予約された各々のノードを、キャリアが移送面上の指定されたノードを通過した後に解放することである。
これらの指定されたノードは、単にキャリアが通過した最後のn番目のノード(nは、1~20または1~10または1~5の整数であってよい)であってよく、あるいは移送面のサブエリアの境界に位置するノードであってよく、通過したサブエリアのノードが一度に解放される。
本方法の別の態様は、ルート選択システムが、特には移送面上の定められたエリアおよび/またはキャリアについて、計画された移動の成功/失敗をチェックするように構成され、ルート選択システムが、キャリアに関する失敗した計画の数または関連のエリアにおける失敗した計画の数に応じて、計画モデルのパラメータを、移送面の全体について調整し、あるいはサブエリアごとに異なる値で調整し、あるいはキャリアごとに個々の値で調整し、あるいは特定のサブエリア内のキャリアについて調整することである。
これにより、移送面、移送面上のサブエリア、またはキャリアの異なる特性に反応することができ、ルート選択システムがより効率的かつ信頼性の高いものになり、より高速なルート選択も可能になる。
本方法のさらなる態様は、ルート選択システムが、キャリアの現在の実移動時間に対する移動の計画時間のずれに応じて、計画モデルのパラメータを調整することである。
例えば、キャリアが目的地に時間内に到達する場合、計画モデル内のキャリアの移動速度を高めることができ、あるいは移動時間を短くすることができる。他方で、キャリアが計画時間内に目的地に到達しない場合、計画モデルにおいて、最大速度を下げることができ、あるいは移動時間を増やすことができる。
本方法または分配システムの別の実施形態においては、短い移動だけが失敗するかどうかに応じて、加速度/減速度の値が変更され、速度の値は同じに保たれる。より長い移動の計画だけが失敗する場合、速度の値のみが調整される。
これにより、より効率的または信頼性の高いルート選択が可能になる。
本方法の別の態様は、ルート選択システムが、移送面の各々のキャリアおよび/またはサブエリアについて、失敗した移動の数をカウントし、失敗した移動の数が所定の数を超え、あるいは失敗した移動の頻度が所定の数を超える場合に、キャリアをメンテナンスが必要であるとマーキングし、あるいは移送面または移送面のサブエリアを、メンテナンスが必要である、将来のルート選択に使用しない、または将来のルート選択にあまり使用しないとマーキングすることである。
本方法のさらなる実施形態において、制御システムは、メンテナンスが必要なキャリアを指定し、それらを移送面上の特定のメンテナンスエリアへとルート選択させる。これにより、例えば、キャリアを新しいキャリアと交換することができ、キャリアの部品を新しい部品と交換することができ、電池などのエネルギー貯蔵装置を充電または交換することができ、あるいはキャリアの部品を清掃し、もしくはメンテナンス物質/流体で処理することができるなど、メンテナンスを実行することができる。
移送面に関しては、清掃または新しい表面であってよく、新たなアクチュエータまたは新たな作動電子機器が必要であり、あるいは何らかの障害物を除去する必要がある、などであってよい。
ルート選択のさらなる態様は、ルート選択システムが、ノードに対して、このノードにおけるキャリアの通過、出発、または停止の頻度に応じて使用コストを割り当て、計画される各々の移動について使用コストを最小にすることである。
探索アルゴリズムは、発見された最良のルートを決定するためにコスト関数を使用する。このコスト関数は、最終目的地または中間目的地までの実際の距離に依存でき、あるいは、例えばマンハッタン距離が使用される。「最良の」ルートを見つけるために、このコスト関数上で最適化される追加のコストを追加することができる。したがって、最良のルートは、幾何学的距離の意味での最短ルートである必要はない。さらに、例えば、他のエリアと比べてあまり使用されていない移送面上のエリアを通るルートのコストを低くする、頻繁に使用されるエリアのルートのコストを高くする、より長い移動を有するルートのコストを低くする、他のキャリアまでの距離が好ましい距離であるルートのコストを低くする、方向転換の少ないルートのコストを低くする、キャリアの出発および停止が少ない位置を通るルートのコストを低くするなど、他の態様もコスト関数において考慮することができる。
さらなる実施形態においては、さらなるコスト関数を、計画されたすべての移動のすべての予約長およびキャリアの待ち時間の合計として計算することができるリソース消費のコストとして実現することができる。そのようなコストは、とりわけ、わずかに速い到着のためにジグザグ移動を行うために多くのリソースを使用するよりもむしろ、少し長く待つことを有利にする。
本方法のさらなる態様は、ルート選択システムが知識を用いた探索アルゴリズムとしてA*アルゴリズムを使用することである。これにより、キャリアの信頼性が高く高速なルート選択が可能になる。
しかしながら、本明細書に開示される特徴の組み合わせに関連する他の実施形態が実施可能である。
上記において、システムのすべての特徴を本方法において使用することができ、すべての方法ステップを、そのようにするために採用されるそれぞれのシステムまたはシステムの一部によって実行することができる。
用語「実施形態」および「態様」は、同義語として使用される。
要約すると、さらなる可能な実施形態を排除することなく、以下の実施形態を想定することができる。
実施形態1.
分配システムであって、
複数の物体を分配するための複数の論理位置を備えている移送面と、
前記物体を移送するための複数のキャリアと、
前記移送面上で前記キャリアを前記論理位置の間で移動させるための駆動システムと、
前記移送面上で出発位置から最終目的位置へと計画ルートにて移動するように前記キャリアを制御するように構成された制御システムと
を備え、
前記制御システムは、前記移送面をノードのグラフでモデル化し、協調時間ウインドウTにおいて知識を用いたウインドウ化階層的協調探索アルゴリズムを使用することによって、前記移送面上の少なくとも2つのキャリアのための計画ルートを計算するように構成されたルート選択システムを備え、
前記ルート選択システムは、各々の論理位置について予約済み時間ウインドウおよび空き時間ウインドウを決定するように構成され、
前記ルート選択システムは、空き時間ウインドウを有する論理位置について次の移動のために各々のキャリアに個別の予約長を割り当てるように構成され、
移送面上の一論理位置に無限の予約時間が割り当てられる、分配システム。
実施形態2.
前記ルート選択システムは、以下、すなわち
・論理位置が、最終目的地を有さないキャリアの位置である、
・論理位置が、まだ計画が作成されていないキャリアの位置である、
・論理位置が、計画が取り消され、あるいは取り消されなければならなかったキャリアの位置である、
・論理位置が、破損しており、もしくはブロックされている、
・協調時間ウインドウTの最中に論理位置からキャリアを移動させる可能性が見られない、
のうちの1つまたは2つ以上が実現された場合に、論理位置に無限の予約時間を割り当てるように構成されている、実施形態1に記載の分配システム。
実施形態3.
前記ルート選択システムは、特には決定された最大予約長を下回る直線移動に利用可能な最も大きい予約長を使用するように構成されている、実施形態1または2に記載の分配システム。
実施形態4.
前記ルート選択システムは、前記移送システムの状態情報を受信し、
特には、前記状態情報を前記ルート選択システムに記憶された最新の状態情報と比較し、さらに特には、前記比較によって状態の変化が検出された場合に、新たな予約長による新たな計画ルートを次の移動のために計算するように構成されている、実施形態1~3のいずれか一項に記載の分配システム。
実施形態5.
前記ルート選択システムは、各々の移動が成功すると仮定して現在の移動の後の後続の計画ルートを決定するように構成されている、実施形態1~4のいずれか一項に記載の分配システム。
実施形態6.
前記ルート選択システムは、すべてのキャリアが前記計画された予約長のうちに到着したかどうかをチェックし、前記計画された予約長のうちに到着しないキャリアが検出された場合に、次の計画された予約長を引き伸ばし、影響を受ける他のキャリアの計画を計算し直すように構成されている、実施形態1~5のいずれか一項に記載の分配システム。
実施形態7.
前記ルート選択システムは、前記論理位置のうちの少なくとも1つを、前記キャリアが最終目的地としてのみアドレス指定することを可能にし、キャリアを最終目的位置へと移送するための中間目的位置として使用することを禁止するように構成されている、実施形態1~6のいずれか一項に記載の分配システム。
実施形態8.
前記移送面は、論理サブエリアに分けられる、実施形態1~7のいずれか一項に記載の分配システム。
実施形態9.
前記ルート選択システムは、前記移送面の論理サブエリア内でのキャリアの限られた数の同時移動のみを許すように構成されている、実施形態8に記載の分配システム。
実施形態10.
前記ルート選択システムは、現在の移動によって予約された各々の論理位置を、前記キャリアが前記移送面上の所定の論理位置を通過した後に解放するように構成されている、実施形態8または9に記載の分配システム。
実施形態11.
前記ルート選択システムは、前記計画された移動の成功/失敗をチェックするように構成され、失敗した計画の数に応じて、前記計画モデルのパラメータが、前記移送面の全体について同じ値で調整され、あるいは、前記論理サブエリアごとに異なる値で調整され、あるいは、特には特定のサブエリアのキャリアについて個別のパラメータで調整される、実施形態8~10のいずれか一項に記載の分配システム。
実施形態12.
前記ルート選択システムは、前記最大予約長を、当該最大予約長と前記計画された予約長とのずれに応じて調整するように構成されている、実施形態1~11のいずれか一項に記載の分配システム。
実施形態13.
前記ルート選択システムは、前記移送面の各々のキャリアおよび/またはサブエリアについて、失敗した計画の数をカウントするように構成され、
失敗した計画の数が所定の数を超え、あるいは失敗の頻度が所定の数を超える場合には、前記キャリアは、メンテナンスが必要であるとマーキングされ、あるいは
前記移送面または前記サブエリアは、メンテナンスが必要であるとマーキングされ、および/またはさらなるルート選択に関して回避されるか、もしくはあまり使用しない、実施形態1~12のいずれか一項に記載の分配システム。
実施形態14.
前記ルート選択システムは、論理位置に、この論理位置におけるキャリアの通過、出発、または停止の頻度に応じて使用コストを割り当て、計画される各々の移動に関して前記使用コストを最小化するように構成されている、実施形態1~13のいずれか一項に記載の分配システム。
実施形態15.
前記ルート選択システムは、膠着状態が生じたかどうかをチェックし、膠着状態が検出された場合に、膠着状態の近傍のすべてのキャリアについて、次のn個の移動を、前記最終目的地までのメトリックを無視して可能な移動の中から選択し、特にはランダムに選択するように構成されている、実施形態1~14のいずれか一項に記載の分配システム。
本発明のさらなる随意による特徴および実施形態が、好ましくは従属請求項と併せて、好ましい実施形態の後続の説明においてさらに詳細に開示される。その中で、それぞれの随意による特徴は、当業者であれば理解できるとおり、独立した様相ならびに任意の実行可能な組み合わせにて実現されてよい。本発明の範囲が、好ましい実施形態によって限定されることはない。実施形態は、図中に概略的に示されている。ここで、これらの図における同一の参照符号は、同一または機能的に同等の要素を指す。
分配システムの概略の斜視図を示している。 分配システムの移送面上を移動するキャリアの時間-速度図を示している。 図2Aに示した移動をどのようにパラメータ化するかの3つの可能性の時間-速度図を示している。 実際の移動およびそのパラメータ化による時間-速度図を示している。 図3Aに示した移動の別のパラメータ化による時間-速度図を示している。 予約長の分配の概略図を示している。 予約テーブルおよび移送面の対応する部分を、実行される移動と共に示している。 予約テーブルおよび移送面の対応する部分を、実行される移動と共に示している。 移送面上の膠着状態の2つの例を示している。 ランダム移動によってどのように膠着状態を解消できるのかを示している。 その後のルート選択によってどのように膠着状態を解消できるのかを示している。 分配システムの一実施形態の通信接続を概略的に示している。 次のルートがどのように計算されて実行されるのかについてのフロー図を示している。 異なる移送システムエリアレイアウトおよび予約されたフィールドの解放の方法を示している。 異なる移送システムエリアレイアウトおよび予約されたフィールドの解放の方法を示している。 異なる移送システムエリアレイアウトおよび予約されたフィールドの解放の方法を示している。 すべての論理位置が利用可能である移送システムレイアウトにおけるキャリアのルートを、いくつかの論理位置がブロックされた同じレイアウトと比較して示している。 すべての論理位置が利用可能である移送システムレイアウトにおけるキャリアのルートを、いくつかの論理位置がブロックされた同じレイアウトと比較して示している。 分配システムの一実施形態を示している。 ガント図を示している。 ルート選択における移動の確率論的影響を示している。 移動に関する確率論的影響の結果を示している。 ゲームにおける離散時間WHCA*アルゴリズムを連続的WHCA*アルゴリズムと対比させて示している。 可能な移動を示している。
図1は、特には患者について検査結果を得るための診断検査室の移送システムなどの分配システム10の概略の斜視図を示している。分配システム10は、キャリア14内の物体16を分配システム10のステーション18間で移送するために必要とされる。
分配システムは、移送面12と、C1、C2、およびC3としても示されているキャリア14とを有する移送システム11を備える。各々のキャリア14、C1およびC2は物体16を搬送し、キャリア14、C3は空である。移送面12上で、キャリア14は移動させられ、あるいは自身で移動する。キャリア14を移動させるために、移送システム11は、駆動システムを備える。駆動システムを、移送面の下方の電磁コイルおよびキャリア14内の永久磁石によって実現することができる。これにより、コイルが発生させる磁場が、キャリア14内の永久磁石、したがってキャリア14を、移送面12上で押すこと、および/または引っ張ることができる。移送面12上のキャリア14の位置を特定するために、光学センサ、磁気センサ、容量センサ、または誘導センサなどのセンサを、移送面12に埋め込むことができる。他の選択肢は、キャリア14の位置を特定するための画像分析ソフトウェアを有するカメラシステム21であってよい。
センサと、モータと、バッテリ、特には充電式バッテリなどのエネルギー貯蔵部とを備える自走式キャリア14など、他の実施形態における他の駆動システムも可能である。したがって、これらの自走式キャリア14は、移送面12上を自律的に走行することも可能である。この場合、制御装置は、キャリアの一部であっても、あるいはキャリア14に分散していてもよい。
物体16をステーション18に引き渡すことができる。キャリア14は、引き渡し位置で物体16を待っても、あるいは走り去ってもよく、物体16は、それぞれのステーションにおける処理の後に必要に応じて別のキャリア14に配置される。
さらなる実施形態において、移送面12を、ステーション18の内部でキャリアを直接移送するために、ステーション18の内部で使用することもできる。
例えば、診断検査室において、分配システム10は、例えば生物学的サンプル流体および/または消耗品あるいは組織、試薬、廃棄物、または使い捨て品などの他の種を含む管をステーション18間で移送するために使用される。ステーション18は、例えば小分け生成ステーション、遠心分離機、あるいは単一の分析を実行する分析モジュールまたは全体分析器、分析前または分析後ステーション、ピペットシステム、インキュベータ、ミキサ、または検出ユニットなど、診断検査室のモジュールであってよい、他の実施形態において、分配システム10は、物体16としての物品を棚および梱包ステーションなどのステーション18間で分配する倉庫の分配システムであってもよいし、あるいは物体16が例えば機械工場において作業ステーション間で移送される必要がある未加工品または半完成品である製造現場であってもよい。
キャリア14の移動を制御するために、制御システム20が分配システムの一部である。制御システム20は、例えば、駆動システム、例えばコイルの電流を制御し、さらには/あるいはキャリア14の位置情報を収集することができる。
図7に示されるように、分配システムは、ルート選択システム50を備え、ルート選択システム50は、制御システム20の一部であってよく、あるいは情報交換のために制御システム20に少なくとも接続されてよい。ルート選択システム50は、出発位置から最終目的位置または中間目的位置までの移送面12上の少なくとも1つ以上のキャリア14の計画ルートを計算するためのコンピューティングデバイスおよびメモリデバイスを備える。それを行うために、ルート選択システム50は、ノードのグラフを用いて移送面をモデル化する。最終的なルートまたは移動は、制御システム20に送信され、制御システム20は、キャリア14を移送面12上で決定されたルートにて移動させるために、駆動システムに適切な情報を送信する。
図1に示される破線が、例えばN1~N7などの論理位置を定めるそれらの交点の間のグラフまたは可能なルートを表す。図1においては、すべての論理位置に番号が付されているわけではない。この例において、グラフは長方形のメッシュを形成する。また、例えば曲線上のルートによる他のモデルも可能である。いくつかの駆動システムに関して、論理位置は、移送面12上の技術的に可能な出発-停止位置によって与えられる。これは、例えば、移送面12の下方にコイルを有する駆動システムの場合である。他方で、自走式キャリアの場合には、キャリアが移送面12上のあらゆる位置において出発および停止可能であるため、純粋にソフトウェアによって定められる論理位置が可能である。少なくとも論理位置は、2つのキャリア14が互いに隣接して位置できるように移送面12上で離れている必要がある。
ルート選択システム50は、各々の論理位置について予約時間ウインドウおよび空き時間ウインドウを決定し、WHCA*などの知識を用いたウインドウ化階層的協調探索アルゴリズムを使用して、出発位置から最終目的位置へと向かう移送面12上の少なくとも2つのキャリア14の最小コストルートを計算する。これにより、最終目的地への方向を失わないことによって協調時間ウインドウ内の協調ルート選択が可能になる。通常は、最終目的位置に到達するまでに、いくつかの中間目的位置が必要である。これは、移送システム12の寸法に依存する。最終目的位置は、ステーション18への受け渡し位置またはステーション18における操作位置であってよい。
例えば、診断検査室の場合に、生物学的流体を含む管などの物体16が、1つの最終目的位置において分析前システムからキャリア14へと配置される。さらなる最終目的位置は、分析器などのステーション18に位置することができ、このステーションにおいて、管が把持されて分析器に配置され、あるいは流体の一部を最終目的位置においてピペットで操作することができる。これらの種類の最終目的位置は、物体がキャリア14からステーション18に受け渡され、あるいはその逆に受け渡されるため、受け渡し位置とも呼ばれる。
ステーション18自体に同一または同様の移送システムを有するステーション18の場合、最終目的位置は、キャリア14がステーション内に移動することができる移送面12上の論理位置であってよい。さらなる実施形態において、最終目的位置は、例えば診断検査室におけるピペット位置または製造側における溶接位置など、ステーション18の内部にあってよい。
図5が、予約テーブル13、15、ならびに3つの別個のモジュール1、2、3にまたがるさらなる論理位置N1~N15に沿ったさらなる移送面12上のキャリア14の2つの可能な直線移動のルートを示している。右側に、論理位置N1~N15が移送面12上に示され、キャリア14の3つの移動4、5、6が示されている。図5の左側の図は、各々の移動4、5、6の終わりよりも早期に、予約済みの論理位置を解放するために、境界横断による解放が実施される時の状況についての、時間における予約を図示している。
キャリアの図5Aにおける第1のルート上の第1の移動4は、4つの論理位置からなる移動の所定の最大予約長を用いる、論理位置N4から論理位置N8までの移動である。第1の予約テーブル13に示されるように、この移動のすべての論理位置N4~N8は、この第1の移動4の所要時間について予約されるが、N6からN7へと移動するときに、モジュール1とモジュール2との間の境界が横断され、論理位置N4~N6の予約は、論理位置N8での第1の移動4の終了よりも前に解放される。キャリアが例えばモジュール1からモジュール2へとモジュールの境界を横断した後に早期に解放される論理位置は、第1の予約テーブル13においてクロスハッチングによって示されている。
予約済みフィールドを解放する方法のさらなる実施形態が、図9A、図9B、図9Cを参照して以下で説明される。
図5Aの実施形態に示されるように、論理位置N8に到達した後に、論理位置N8は、4つの論理位置からなる最大予約長を有する、論理位置N12において終わる第2の移動5のために予約されたままである。この第2の移動5においては、モジュールの境界を横断することがないため、論理位置が早期に解放されることはない。第1の予約テーブル13において見られるように、予約された位置は、目的地にかかわらず、この第2の移動5の終了時に解放される。
このルートの中間最終位置N15への最後の移動は、この実施形態の所定の最大予約長を下回る3つの論理位置からなる長さしか必要としない。モジュール2とモジュール3との間の境界を通過するとき、論理位置N12に関するこの移動のための予約は、キャリアが論理位置N13においてモジュール3に到達したときに解放される。
キャリアがその目的地点N15に到達した後に、目的位置N15を除くすべての予約された位置が再び解放される。この目的位置は、N15の長い斜線によって示されるように、次の移動が実行されるまで、理論的には無限の予約長にわたって予約され続ける。
さらなる実施形態においては、キャリア14が移送面12から取り除かれるときにも予約を除去することができる(図示せず)。
時間軸に沿った予約テーブル内の正方形が、時間がこの刻みにて離散化されることを意味していないことを、強調しておかなければならない。簡単にするために、時間は離散的な刻みとして示されているが、本提示の方法は、連続的な時間スケールを使用する。また、時間は比例尺で図示されているわけではない。例えば、3つの論理位置を有する最後の移動は、時間における加速および減速部分が4つの論理位置に沿った移動の場合と比べて多くなるため、4つの論理位置に沿った移動に要する時間の4分の3よりも多くの時間を要する。
図5Aにおいては、キャリアは交差するトラフィックに出会うことがなく、したがって最初の2つの移動について最大予約長が使用される。
図5Bにおいて、直線としての、論理位置N4から論理位置N15までの、5つの論理位置からなる最大予約長を有する第2のルート7の一例が示されている。このルートに、別のキャリアの別のルート8が論理位置N10において交差している。第2のルート7の移動の計算のために、この交差は、下側の予約テーブル15内のN10の論理位置上の黒色の予約によってマーキングされる。第2のルート7の第1の移動25は、論理位置N4から出発し、論理位置N9において停止する。論理位置N6から論理位置N7への通過によって、モジュール1とモジュール3との間の境界が横断され、論理位置N4~N6の予約が、別の移動に使用されるように解放される。ルート7の第2の移動26は、論理位置N8から出発する。論理位置N10が移動8を行う別のキャリアのためにすでに予約されているため、キャリアは論理位置N9までしか予約することができず、論理位置N9において、位置N10が再び利用可能になるまで待たなければならない。N10が再び利用可能になった後に、第2の移動26は、論理位置N13まで、5つの論理位置からなる最大予約長について再び計画される。論理位置N12と論理位置N13との間でモジュール2とモジュール3との間の境界が横断されるため、論理位置N9~N12の予約は、キャリアが論理位置N13に到達したときに解除される。第2のルート7の第3の移動27は、論理位置N13から出発し、第2のルート7のキャリアの中間または最終目的地である論理位置N15において停止する。
ここでも、第2の予約テーブル15において、時間が時間ブロックによって図示されているが、これは説明を簡単にするためのものにすぎない。しかしながら、アルゴリズムは連続的な時間スケールを使用する。
さらなる実施形態において、ルート選択システム50は、移送面の管理サブエリア内のトラフィックの密度に応じて、計画される移動に割り当てることができる最大予約長を調整する。例えば、移送面のサブエリア内のノードの30%超がキャリアによって占められている場合、最大予約長は3つの論理位置に設定され、サブエリア内の論理位置のうちでキャリアによって占められている論理位置が30%未満である場合、最大予約長は6つの論理位置に設定される。
最終目的地がルート選択システム50に知られていないキャリア14に関して、ルート選択システム50は、そのようなキャリアの論理位置のノードに無限の予約時間を割り当てる。無限の予約時間は、ノードをさらなるルート選択に使用することが、そのノード上のキャリアが新しい最終目的地を再び取得するか、あるいは移送面12から除去されるまで、不可能であることを意味する。
キャリア14の最終目的位置を、例えば診断検査室移送システムの場合の検査室情報システムなどの上位の指令管理システム70(図7および以下を参照)から指令を受け取る指令管理システム60によって決定することができる。次いで、この指令管理システム60は、キャリア14のための必要な最終目的位置を制御システム20および/またはルート選択システム50に転送する。主に、移送面12上の最終目的位置は、キャリア14によって移送される物体16の必要性によって決定される。
別の実施形態において、指令管理システム60は、例えば分析器などの識別子のみを定め、制御システム20が、これをルート選択システム50のための位置に変換する。
また、ステーション18が特定の物体16または積み込み用の空のキャリア14を要求し、ステーション制御システムが、キャリア14に新たな最終目的地を与えるように、指令管理システム60または検査室情報システムに要求を送信することも可能である。
通常は、検査室情報システムは、上位指令管理70から得られる情報に従って、物体16を例えば可能なステーション18に均等に分配し、物体を正しいステーションによって処理することができるように、物体が送られるべきステーション18のワークフローを実現する。さらなる実施形態において、上位指令管理70は、ミドルウェアと呼ばれることも多い中間ソフトウェア層である。指令管理システム60は、この情報を移送面12上の目的位置に変換し、それぞれの最終目的位置を意味するキャリア14の最終目的位置の割り当てを提供する。さらなる実施形態において、処理後にステーション18から物体16を移送するための空のキャリア14の分配は、制御システム20のレベルまたは指令管理60のレベルにおいて体系化される。
さらなる実施形態において、空のキャリアは、それらのそれぞれの最終目的位置へとステーション18に必要に応じてジャストインタイムで提供される。
移送面12は、移送システムの状態情報を検出するためのセンサを備える。例えば、キャリアの位置、移送面上の利用できず、もしくは破損した位置/ノード、あるいは移送面上の汚れを、カメラシステム21および適切な画像処理によって検出することができる。ホールセンサ、電流センサ、導電性センサ、静電容量センサ、誘導センサ、または光学バリアなどの他の位置検出システムも可能である。
他の実施形態においては、キャリア14の位置のみが移送面12によって検知される。キャリア14が次の論理位置に到達するまでに時間がかかり過ぎる(タイムアウト)場合、ファームウェアは、キャリアを再び移動させようと試みる。数回の試行の後に、それは停止し、エラーを発生させる。したがって、関連する位置が、制御システムによって「破損」とマーキングされる。例えば、キャリア14が位置1から2を経て3に移動すべきであるが、3に到達せず、2を通過したことが検知された場合、システムは、キャリア14が2と3との間で立ち往生したと結論付ける。したがって、制御システム20は、位置2、3およびその間の直線上のすべての位置(および、evt.その周囲の位置)を利用不可能であるとマーキングする。
この状態情報は、ルート選択システム50に転送され、ルート選択システム50は、この状態情報を半導体メモリなどの記憶装置に記憶する。ルート選択システム50は、新たに受信した状態情報をメモリ装置に記憶された最新の状態情報と比較する。例えば移送面上のいくつかの領域が破損し、もしくは汚れており、あるいは破損したキャリア14が論理位置をブロック、必要または有意義であれば隣接する論理位置もブロックしているなど、状態の変化が検出された場合。ルート選択システム50は、影響を受けるキャリア14のための新しいルートを、キャリア14の最終目的位置を維持することによって計算する。さらに、受け渡し位置または処理位置、すなわち最終目的位置が、例えば対応するステーション18が動作を停止したため、もはや利用できないように見える可能性がある。このステーション18は、この情報を、指令管理システム60、LIS、またはその間の上位の指令管理システム70に送信する。ルート選択システム50は、それぞれの最終目的位置をもはや利用することができないとしてブロックする。これも移送面12の状態の変化である。
ルート選択システム50は、すべてのキャリア14がそれらの中間または最終目的位置に到達すると仮定して、キャリア14がそれらの中間または最終目的位置に到達する前に、キャリア14のその後の移動を計算する。次の移動は、ルート選択システム50による次のルートの計算を待つことなく実行される。これにより、キャリア14のルート選択がより高速になる。
ルート選択システム50は、計画モデルに基づいて、各々の移動の後にキャリアがそれらの停止位置に到達するかどうかをチェックする。図6A、図6B、図6Cに、膠着状態に陥る原因となるキャリアの移動の例が示されている。図6Aの左側に、キャリアの2つの対向する移動が互いをブロックするという事実に起因する膠着状態が示されている。図6Aの右側においては、キャリアの移動が互いを相互にブロックするような環状の依存関係が発生している。
図6Bに、ランダムな移動を使用する膠着状態解消方法が示されており、図6Aの膠着状態の依存関係が壊れるように、キャリアはランダムな方向に移動させられる。この後に、図6Cに示されるように、キャリアが再び前進することを可能にする通常のルート選択の計画が再び生成される。
図1において、ルート選択システム50は、いくつかのノードを次の計画される移動の最終目的地としてのみ使用する。例えば、ノードN1およびN7は、協調探索において中間目的地として使用されることがない。これらのノードは機器18との受け渡し位置であるため、位置N1およびN7は、これらの機器によって処理される必要のないキャリアによってブロックされてはならない。これらの位置を不必要にブロックすることは、これらの器具の処理能力に関して不都合であると考えられる。
図1における点線は、移送面12を4つの論理サブエリア24に分けている。ルート選択システム50は、移送面12の論理サブエリア24内のキャリアの限られた数の同時移動のみを許容する。例えば、ルート選択システム50は、論理サブエリア24内の移動の開始をカウントし、同時移動の数を制限するために、この論理サブエリア24のための別の移動を計画しない。同時移動の最大数は、システム全体に対して固定されても、領域ごとに定義されてもよい。例えば、搬送タイルまたはソフトウェア定義による領域ごとに最大8つのキャリアの同時移動が許される。さらに、許容される同時移動の最大数は、その領域内の論理位置の数にも関連できる。例えば、論理サブエリア24内の最大許容同時移動は、例えば、論理サブエリア24内の利用可能な論理位置の数の1%~70%または5%~50%または10%~30%または15%~25%の範囲内であってよい。これにより、その領域の最大電力消費ピークが制限され、したがってより少ない電源またはより小さい電源を使用することができ、あるいは電子回路を急速な劣化または損傷から保護することができる。
移送面12上のキャリアの移動をモデル化するために、ルート選択システム50は計画モデルを使用する。図2Aが、キャリア14の移動の速度時間図を示している。加速、定速移動、および減速は、移送面12上の摩擦および異なる環境条件、埃、よごれ、または変動する材料摩擦に起因する駆動システム内の乱れ、別個のモジュール間の移行(例えば、わずかなすき間または段差)、あるいは他の影響のために、一定ではなく、完全に再現することができない可能性がある。キャリア14は、実到着時間30においてその中間または最終目的位置に到着する。図2Aは、時間につれてのキャリアの実際の速度プロファイルを示す。各々のキャリアは、移動ごとにわずかに異なるプロファイルを有する可能性がある。図2Bが、加速、減速、および最大到達速度のパラメータが異なる3つの計画モデルを示している。異なる計画モデルは、異なる計画到着時間32をもたらす。
破線34は、計画による到着時間32が図2Aの実到着時間30によく似ている現実的なモデルを表す。一点鎖線36は、保守的な計画モデルを表す。この計画による到着時間32は、図3Aにおいて実到着時間30よりもはるかに遅い。不揃いな破線38は、過度に楽観的な計画モデルを表す。この計画による到着時間32は、図3Bにおいて実到着時間30よりもはるかに早い。計画モデルは、加速、減速、および最大速度についてのパラメータを含む。例えば、加速および減速を異なる加速度値および減速度値を有する時間区間に分割し、あるいは加速度よりも変位微分を考慮に入れるなど、より複雑なパラメータ化が可能である。具体的には、図2Bが、異なるモデルの速度プロファイルを示している。モデル36は保守的(より低い速度および加速度を仮定している)であり、モデル34はきわめてよく一致し、モデル38は過度に楽観的である。モデル38を用いて生成された計画は、新しい更新がハードウェアから利用可能になった場合に計画が調整されなければならないように、あまりにも頻繁に失敗する。モデル36を用いて生成された計画は、成功するが、不必要に長い予約時間ゆえに或る程度性能が失われる可能性がある。
図3Aおよび図3Bが、速度時間図において、計画モデルの2つの選択肢を、破線としての実際の移動と比較して、実線で示している。図3Aにおいて、保守的なモデルは、移動後の実到着時間30よりも遅い予定到着時間32を想定する。図3Bにおいて、過度に楽観的なモデルは、実到着時間30よりも早い予定到着32を提供する。したがって、3Bの計画は、移動の実到着時間が計画よりも遅くなるため失敗すると考えられる。
計画モデルの良好な選択肢は、実際の移動を実際のように表す。この計画による到着時間32は、実到着時間以降である必要がある。しかしながら、移動時間の確率論的変動に起因して、過度に多くの計画が失敗することがないように、保守的なモデルが必要とされる。そうでなければ、キャリア14が、計画された予約の持続時間の間に中間または最終目的位置に到達しない。これは、計画された時間ウインドウ内に到着しなかったキャリアに関する時間計画における変更、および影響を受ける他のキャリアの再計画を必要とし、ルート選択アルゴリズムの効率を下げることになる。再計画が頻繁に必要となる場合、それは、ルータについて計算電力消費がはるかに大きくなることも意味する。
一実施形態において、ルート選択システム50は、失敗した計画の数がしきい値とも称される所定の数を超える場合に、計画モデルを調整する。所定の数は、定められた時間区間内の5、10、または100などの絶対数であってよく、あるいは或る時間区間において5%~50%が失敗、10%~25%が失敗、または1%~10%が失敗など、作成された計画に対する失敗した計画の比率であってよい。
時間区間は、例えば、最大予約長にわたってキャリアを移動させるために必要な時間、あるいは数分、数時間、または数日程度の所定の固定された時間であってよい。
別の実施形態において、移動の時間を増加させるようにモデルを調整することは、必ずしも1ステップで行われる必要はない。実際の移動時間が測定され、モデル計画が、古いモデル化された移動時間と測定された移動時間との間の不一致の割合によって更新される(時間が増やされる)。特には、モデルは、小さな固定の増分パーセンテージステップで移動の時間を増加させ(移動の数をチェックし)、定められた期間または移動回数においてもはや計画が失敗しなくなるまでさらに増加させるように、計画モデルを調整することができる。
さらなる実施形態において、ルート選択システム50は、計画された移動の100%がそれらの中間または最終目的地に到達する場合、計画モデルを所定のステップでより高速な移動へと調整する。
例えば、別の実施形態において、ルート選択システム50は、時間内に中間または最終目的位置に到達するキャリアの割合に応じて、計画モデルのパラメータを調整する。
これは、ルート選択システム50が、計画された移動をキャリア14の到達停止位置と比較することを意味する。例えば、すべての計画された移動のうちの5%~10%または10%~25%において、キャリアが計画された予約時間ウインドウ内で計画された停止位置あるいは中間または最終目的位置に到達しない場合、ルート選択システム50は、計画モデルにおいて減少させた最大速度または加速/減速を使用する。すべての計画された移動のうちの90%~100%が計画された目的地に到達する場合、ルート選択システム50は、計画モデルにおいて増加させた到達可能速度を使用する。
別の可能性は、ルート選択システム50または制御システム20が、それぞれ、モデル化された移動時間と実際の移動時間との間のずれを測定または計算し、この情報を使用して計画モデルを調整するように構成されることである。
理想的には、失敗する計画は存在しない。したがって、理想的には、システムは実際の移動時間に注目し、モデル化された移動時間が実際の移動時間に小さな正のデルタ時間を加えたものに等しくなるようにモデルを調整する。別の実施形態において、ルート選択システムは、計画が失敗し始めるまで、より楽観的になるように計画モデルを段階的に変更し、計画が失敗し始める前の100%成功した最後の設定を採用する。多数の移動について実際の移動の時間とモデル化された時間との間のデルタ時間を測定することにより、モデルまたはルックアップテーブルを、移動についてより正確であるが早すぎない到着時間を提供するように調整することができる。
ルート選択システム50は、個々のキャリア14に対し、移送面12の論理またはハードウェアベースのサブエリア24に対しても、計画モデルを割り当て、調整することができる。
別の実施形態において、ルート選択システム50は、各々のキャリアについて失敗した計画の数をカウントして登録し、失敗した計画の数が例えば20~100の範囲内の所定の数を超える場合に、ルート選択システム50は、失敗したキャリアをメンテナンスが必要であるとマーキングし、失敗したキャリアを、失敗したキャリアがオペレータにとってアクセス可能であり、あるいは失敗したキャリアを選別して移送面12から取り除くことができるエリアへと導く。また、失敗した計画についてのしきい値を超えたキャリアについて、ルート選択システム50は、制御システム20または指令管理システム60によって他の利用可能なキャリア14と比べて低い優先度で使用されるようにフラグを立てることができる。失敗した計画の特定のしきい値に達した後にフラグを立てる代わりに、移送システムのための制御システム20または指令管理システム60は、失敗した計画の数がより少ないキャリアを、失敗した計画の数がより多いキャリアよりも優先して使用することもできる。
さらなる実施形態において、ルート選択システム50は、論理サブエリア内の失敗した計画された移動の数をカウントし、例えば計画された移動のうちの20%~50%または5%~25%または1%~5%が失敗した場合に、このエリアに「メンテナンスが必要」とフラグを立てる。またさらなる実施形態において、このフラグ立てをユーザインターフェースを介してオペレータに示し、メンテナンスが必要であること、およびどの移送モジュールまたはエリアを修理する必要があるかを知らせることができる。あるいは、ルート選択モデルを、計画が失敗したエリアにおいて移動のための予約時間を増やすように、この領域についてのみ修正することができる。
別の実施形態において、ルート選択システム50は、ノードに対して、このノードにおけるキャリアの出発、停止、および通過の頻度に応じて、使用コストを割り当てる。例えば、表面の摩耗への各々の動作の影響を示すために、ノードに対して、出発は2のコストを与え、通過は1のコストを与え、停止は3のコストを与えることができる。ルート選択システム50は、その計画において、探索アルゴリズムにおいて通常である距離コストだけでなく、計画される各々の移動の全体コストを最小化するように、通過、出発、および停止コストも考慮する。摩耗に関するこのコスト関数の効果は、表面におけるよりバランスのとれた摩耗負荷となり、移送面のより長い寿命およびより良好な信頼性をもたらす。
さらなる実施形態において、ルート選択システム50は、移送面上のキャリア14の出発ならびに中間または最終目的位置が移送面12上の論理位置にできるだけ均等に分散されるように予約長を使用する。図4A、図4B、図4Cが、各々の移動に最大予約長を使用することができるように少数のキャリア14を有する移送システムに関していくつかの中間目的位置48を有する出発位置44から最終目的位置46までのキャリア14の移動のやり方について、3つの異なる可能性を示している。使用される位置が、斜線、白色、または黒色の長方形として表されている。斜線の位置は、キャリアが出発または停止する位置である。
図4においては、最終目的位置46に到達するための最後の移動まで、常に最大予約長40が使用される。このため、システムの斜線の位置は、統計的に、他の位置よりも頻繁にキャリア14の停止および出発に使用される。結果として、これらの斜線の位置は、黒色の位置よりも速く摩耗する。最大予約長による移動は、横断交通がほとんど存在しないエリアにおいてきわめて一般的である。結果として、これらのエリアにおいて、最大予約長に等しい互いの距離に配置された論理位置において摩耗が大きいパターンが生じる。
一実施形態において、ルート選択システムは、論理位置に対して、この論理位置におけるキャリアの通過、出発、または停止の頻度に応じて使用コストを割り当て、計画される各々の移動について使用コストを最小にするように構成される。したがって、パターンでの摩耗増を回避することができ、より分散した摩耗を達成することができる。
図7が、さまざまなソフトウェアモジュールとハードウェア構成要素との相互作用について、1つの可能な実施形態を表している。上位の指令管理システム70が、指令管理システム60との間で、指令を転送し、指令実行の確認を受け取る。上位の指令管理システム70は、ミドルウェアソフトウェアまたは検査室情報システム(LIS)であってよい。
指令管理システム60は、ステーション18におけるキャリアの到着を通信し、例えばペイロード配置や、キャリア処理が準備完了/利用可能であるかどうかなどのステーションの必要な情報を、ステーション18から取得する。指令管理システム60は、キャリアに物体16を割り当て、ミドルウェア/LIS/上位指令管理タスクを、関連のキャリアをキャリア14によって運ばれる物体16を処理するためにステーション18の位置へと運ぶタスクへと変換する。
指令管理システム60は、機器の目的地を制御システム20に通信し、制御システム20から最終的な目的地への到着の確認を受け取る。ルート選択システム50は、ここでは、この実施形態に関して、制御システムの一部として示されており、制御システム20に移動およびルートを提案する。制御システム20は、移動の計画を駆動システム22に転送し、位置およびエラーの更新などの駆動システム22の状態更新を受信する。駆動システム22は、移送面12上でキャリア14を移動させる。
構成部分である指令管理システム60および制御システム20は、必ずしも異なるコンピュータである必要はない。実際、上位の指令管理70および/またはLISも、同じメインフレーム上で動作することができる。また、ルート選択システム50を含むことができる指令管理システム60および制御システム20は、1つのソフトウェアであってよい。例えば、これらの異なるソフトウェアモジュールは、一体に統合されても、あるいは同じコンピュータ上のソフトウェアバスを介して互いに通信する別個のサービスであってもよい。
さらなる実施形態において、他の構成も可能である。例えば、ルート選択システム50を制御システム20に組み込むことができ、別の実施形態においては、制御システム20も移送テーブル12の一部であってよい。
図8は、二次元の移送面12上の診断検査室における管キャリアのルート選択システム50のフロー図を表している。
開始ステップ100において、ルート選択システムは、通常は指令管理システム60からキャリア14の最終目的位置を取得する。新規目的地チェックステップ101において、ルート選択システムは、目的地が新規であるかどうかをチェックする。目的地が新規である場合、この情報を用いて、ルート選択システム50は、ルート選択ステップ102において、例えば10秒などの時間T内に開始する例えばn=5などの必要な空き時間ウインドウを有する論理位置上のn個の移動を、空き時間ウインドウを有する論理位置上の最終目的位置に向かってA*アルゴリズムを用いて計算する。
一実施形態において、発見的方法は、最終目的地までの最短距離、または移送面上の他のキャリアを無視して最終目的地まで移動する最短時間に基づく。
n個の移動のうちの各々の計画された移動は、例えば論理位置6つ分である最大予約長以下かつ1以上である論理位置k個分の予約長を有する。
次の送信ステップ103において、ルート選択システム50は、移動のための計画を、例えば移送面12の駆動システムなどの移送システムに送信する。
分配システム10の移送システム11が移送面12上で実行ステップ202においてキャリア14の移動を実行する間、ルート選択システムは、「待機」ステップ104において移送システムの状態更新の受信を待つ。移送システムは、状態更新を状態送信ステップ204において、例えば60msごとにルート選択システムに送信する。状態メッセージ間の時間間隔は、一定である必要はない。これは、例えば計画された停止あるいは目的位置または中間目的位置に到達したかどうかなど、キャリアの状態も含む。ルート選択システムは、チェックステップ105において、移送システムの状態を最新の記憶された状態と比較して、計画がまだ有効であるかどうかをチェックする。「チェック」ステップ105において、移動が不可能であること、すなわち計画が失敗したことを検出すると、ルート選択システムは、ルート選択ステップ102に戻り、時間Tについてのn個の移動を再び計算する。
移動が依然として可能である場合、ルート選択システム50は、目的地チェックステップ101において新たな目的地が利用可能であるか否かを再びチェックする。利用可能な新たな目的地が存在する場合、ルート選択システム50は、ルート選択ステップ102に進み、新たなルートを計画する。
新たな目的地が利用可能でない場合、ルート選択システムは、計画寿命チェックステップ106において、計画が例えば2秒などの所定の持続時間よりも古いかどうかをチェックする。計画が所定の持続時間よりも古い場合、ルート選択システムは、ルート選択ステップ102において、例えば10秒に及ぶ次の時間ウインドウのための新たな計画、したがってルートを計算する。計画が古くない場合、ルート選択システムは、待機ステップ104において状態更新を待ち、以下同様である。
図9A、図9B、図9Cが、予約済みの論理位置の解放について、可能な実施形態を示している。1つ以上のすでに通過された予約済み論理位置が解放される。エリアの境界が、黒塗りの論理位置としてマーキングされている。図9Aにおいては、6つのモジュールが互いに接続され、キャリアがモジュール間の境界を過ぎると、予約済みの論理位置が解放される。キャリアは、出発点から最終目的地Tまで移動する。キャリアが、第1の移送モジュールからの黒色の論理位置を離れ、B!で示される次の移送モジュールの黒色の論理位置を通過すると、第1の移送モジュール上のこの移動のために予約された論理位置が解放される。また、予約済みの論理位置を、M!で示される移動の終了の後、およびT!で示される最終目的位置に到達した場合に、解放することができる。
例えば、移動のためのすべての位置が、完全な移動が行われる限りにおいて予約されたままであってよい。例えば、位置は、移動が特定の論理エリア内で続く限りにおいて予約されていてよい。例えば、位置は、その位置をキャリアが通過するまで予約されていてもよい。例えば、位置を、各々の論理位置を通過するとすぐに解放することができる。例えば、位置を、論理位置のブロックの境界を通過した場合に解放することができる。
図9Bが、同じ移送システムのレイアウトを示しているが、予約済みの論理位置を解放するためのエリアが、モジュールの境界によって定められているのではなく、エリアの境界が、ソフトウェアにおけるマーキング位置によって定められている。解放は、定められたエリアを通過することによるメッセージによって引き起こされる。A!で示されるようにエリアの境界を通過し、別のエリアに進入すると、左側のエリアにおけるこの移動の予約済みの論理位置が解放される。
図9Cは、論理位置の通過のたびに論理位置解放メッセージが送信される直接的解放を示している。したがって、ルート上の各々の論理位置が固有の解放エリアを定める。
図10A、図10Bは、例えばフィールドまたはモジュールの破損時に論理位置をマスクした場合の効果を示している。図10A、図10Bの両方は、2×4のモジュールを有する移送面12の同じレイアウトを示している。キャリアの各々の移動が矢印で示されている。
図10Aは、すべての論理位置が使用可能である状態を示している。出発点から最終目的地まで、移動毎の論理位置の量が異なる6つの移動からなるルートが示されている。
他方で、図10Bは、例えば、右上のモジュール80の全体を交換する必要があり、3×8の論理位置からなるエリア82も移送に関してマスクされている状況を示している。ルート選択システム50は、X印でマークされた位置を利用できないことを、例えばそれらの位置に無限の予約時間を設定し、あるいは位置のレイアウトを更新して、利用可能な論理位置上のルートを計算しようと試みることによって、考慮に入れる。これにより、図10Aと同じ出発点から同じ最終目的地まで、8つの移動からなるルートがもたらされる。
図11は、分配システム10の実施形態を示している。分配システム10は、ルート選択システム50と実行ユニット51とを備える。例えばペイロード19を移送するための移送面12上のキャリア14のルートを計画するために使用されるルート選択アルゴリズムは、物理的に同じコンピュータ内に展開されてよいが、ルート選択システム50と実行ユニット51との間のこの分割は、ルート選択システム50が移動のみを提案することを可能にできる。実行ユニット51は、計画されたルートの実行を試みるが、確率論的影響、例外、およびエラーのために、すべての計画を定められたとおりに実行できるとは限らない。
図12は、番号1~5で示されるキャリアについて、計画による時間に対する移動(実行)時間の例を示すガント図を示している。実行時間が計画による時間の範囲内であれば、計画されたルートを実行することができる。そうでない場合、移動が計画による時間を超え、他の計画された移動を妨げ、計画が失敗に終わる可能性がある。上方から下方へと、キャリア1および2は、計画の実行成功の実施形態を示している。キャリア3は、例えば別のキャリアの遅延により、移動の開始が計画よりも遅れる可能性があるが、キャリアは依然として時間内に到着でき、したがって計画が正常に実行されたことを示している。キャリア4は、2つの遅延した到着を示し、キャリア5は、最後の到着が遅延していることを示している。
図13は、ルート選択における移動の確率論的影響を示している。キャリア14が電磁力と摩擦との組み合わせによって駆動されるような移送方法は、確率論を呈する。一般に、摺動面間の摩擦力は、かなり変動する要因となり得る。さらに、キャリアの表面および移送摺動面が、表面全体にわたって均一ではないかもしれない。例えば、摩耗の相違、材料の不均一性、汚れまたは埃、あるいは水分などに起因して、移送面12の移送表面において粗度がばらつく可能性がある。また、いくつかのモジュール表面プレートが、他のプレートよりも最近に更新されていて、より古いプレートとは異なる摩擦レベルを示す可能性もある。キャリアの移送面との接触面についても同様である。これらのばらつく摩擦力の結果として、移動に要する時間は予測不可能な確率論的成分も有する。摩擦が平均摩擦よりも大きい場合、キャリアの加速がゆっくりとなり、同じ定常速度に到達できない可能性がある。また、キャリアの減速も速くなる。移動を制御する実行ユニットは、これを調整しようと試みるが、依然として移動およびキャリア14について、加速度および速度プロファイルの変動が見られる。図13に、確率論的影響の作用の例が示されており、上側の図が、摩擦の小さいキャリア1(点線)、中程度の摩擦を考慮したモデル(実線)、および摩擦の大きいキャリア2(破線)について、キャリアの異なる摩擦レベルの影響を簡略化して示している。線は、一定速度で移動するキャリアの走行距離を示している。現実には、これらは直線ではなく、むしろランダムな変動(その平均速度が簡略化されてこれらの線に似る)を示し得る。キャリア1が決定論的モデルが仮定するよりも低い摩擦を有する場合、キャリア1はより速く移動し、したがって、より多くの摩擦を示すキャリア2のより悲観的なモデルよりも速く移動する。中央の図に示されるように、異なる移送面でも同じことが起こり得る。中央の図は、低摩擦の移送面上のキャリア(点線)、中程度の摩擦を考慮したモデル(実線)、および高摩擦の移送面上のキャリア(破線)について、対応する影響を示している。下側の図は、移送面上の局所的な摩擦の違いの実施形態を示しており、一定の摩擦を有する移送面を移動するキャリアが、点線で示されており、一定の摩擦を仮定したモデルが、実線で示されており、より摩擦の大きい局所エリアを有する移送面を移動するキャリア、例えばキャリア2が、破線で示されている。特には、下側の図は、一定の摩擦で或る距離を移動するキャリア、より低い速度を仮定したより悲観的な決定論的モデル、および最初と最後の部分が同じ摩擦を有するが、両者の間のエリアは摩擦が大きく、したがってキャリアの平均速度が低くなるキャリアの移動状況について、影響を示している。
図14は、移動に対する確率論的影響の結果を示している。確率の結果として、移動時間にばらつきが生じる。図14は、何が起こり得るかの一例を示しており、決定論的モデルがさまざまな移動長の所要時間を仮定している。ここでは、最大移動長(最大予約長)が6であると仮定されている。多数回の測定において、値は薄灰色のバーで示されているとおりであり、移動の平均時間はモデルが仮定するよりも短い。しかしながら、2位置および4位置の移動において、いくつかの移動は、モデルによる時間よりも長時間を要した。したがって、これらの移動に関して、移動の終了位置への到着時間が計画よりも遅いため、計画は失敗する。
図15は、例えばB.Zahy et al.‘‘Conflict-Oriented Windowed Hierarchical Cooperative A’’,2014 IEEE International Conference on Robotics and Automation(ICRA),IEEE,May 31,2014,pages 3743-3748,XP03265061 8,DOl:10.1 109/ICRA.2014.6907401に記載されているようなゲームにおける離散時間WHCA*アルゴリズムを、本発明に従って提案される連続的WHCA*アルゴリズムと対比して示している。
ゲームにおいて、イベントの持続時間が通常は離散化される一方で、本発明は、連続時間を使用することを提案する。ゲームにおいて、離散時間ステップは、典型的には、ゲームのフレームレートに関連する。本発明によるルート選択システムにおいては、おそらくは離散時間ステップを使用する必要がない。連続時間は、移動をいつでも開始できるため、より効率的なルート選択アルゴリズムを可能にすることができる。図15が、ゲームにおける離散的な時間および空間と、空間に関して離散的であるが時間に関して連続的である本発明との間の相違を説明している。時間が横軸に示され、論理位置が縦軸に示されており、論理位置は、各々の時間において予約済み(灰色)または空き(白色)である。キャリアが位置1から2まで移動する場合、離散時間によるルート選択方法では、各々の予約計画を離散時間ステップに合わせなければならないため、速度が低くなる可能性がある。対照的に、任意の時間を使用できる場合、次の計画を、離散時間ステップを考慮に入れる必要なく、移動モデルに適合するように行なうことができる。
ゲームにおいては、ゲームエンジンがイベントを生成する。これは、すべてのイベントが自己定義され、したがって予測可能であることを意味する。しかしながら、物体を移送するためのキャリアのための分配システムの技術分野においては、現実世界を考慮しなければならない。現実世界には、移動における確率論的影響などの予測不可能な要素が存在し、新たな移動の指令が予期せずもたらされる可能性があり、機器がキャリアを配置し、もしくは要求する可能性があり、フィールドが損傷する、キャリアがもはや移動できなくなる、エリアがルート選択に関して一時的にブロックされる、移動に予想よりもはるかに長い時間が必要になる、あるいは移動が完全に失敗するなどの例外およびエラーが生じる可能性がある。ルート選択システムは、これらのイベントに影響を及ぼすことはできないが、これらのイベントに反応できる必要がある。したがって、本発明におけるルート選択システムを、あらゆる予期せぬ状況を解決するための解決策を見つけることができるように、よりロバストなやり方でルート選択を実行するように設計することができる。ゲームにおいて、予測不可能なイベントがプレイヤから発生する可能性がある。しかしながら、これらのイベントは予測不可能であるが、すべてこの「予測不可能な」情報に基づいてルート選択を生成するゲームエンジンを介してすべて実行される。これは、ゲームにおけるルータにとって、ルートを生成する前にすべての情報を入手できることを意味し、ルートが、この完全に既知の状況に基づいて、エージェントの移動を計画に従って実行することができるように生成される。本発明によるルート選択システムの場合には状況が異なり、ルート選択システムは、キャリアを移動させるべき目的地に関する情報、ならびに移動の成功および失敗についての更新、および最終的には他の状態情報しか受信することができない。ルート選択システムは、現実世界のイベントを制御することができず、どの計画が成功するか否か、およびいつ移動が終了するかがわかるまで待つことしかできない。したがって、ゲームエンジンとは対照的に、ルート選択システムは、予期せぬ事態に対処すべく堅牢であるように設計されてよい。
物体を移送するためのキャリアのための分配システムの技術分野において、エージェント、すなわち分配システムのキャリアの数は、1000を超える可能性がある。ゲームの場合、これは、典型的には、はるかに少ない。さらに、キャリア密度が、多くのキャリアが隣接するキャリアによってブロックされ、トラフィック密度が低下するまで移動することができないレベルまで、きわめて高くなる可能性がある。ゲームの場合、エージェントが移動に使用することができる空間は、典型的には制約されず、前述のように、ゲームエンジンが完全な制御を有し、何が発生しているかを承知している。ユニット間のこのより低い相互作用がゆえに、ほとんどのゲーム(例えば、スタークラフト2)は、マルチエージェント経路探索を考慮せず、代わりに、2つのユニットが偶然に交差する場合に軌道をわずかに調整する何らかの「ステアリング挙動」発見的方法と組み合わせて、単一エージェント経路探索のためのA*の変種を使用する。このように、ゲームの技術分野および物体を移送するためのキャリアのための分配システムの技術分野は、きわめて異なり、異なる要件を有し、したがって異なる特定の解決策を必要とする。
図16は可能な移動を示している。「S」が、最終目的点「E」へと移動するタスクがもたらされるまでキャリアが留め置かれるキャリアの出発点であってよい。ルート選択システムが、移動の計画を生成することができる。各々の移動は、円で示される中間目的地で終わることができる。ルート選択システムは、例えば10秒など、所定の時間量だけ先を計画することができる。このため、第1の計画において、M1からM3までのルート部分だけを計画することができる。その後の計画において、他の移動を計画することができる。各々の移動は、時間計画において予約される所定数の位置の長さを有することができる。計画の実行中に、移動M6について斜線付きの位置によって示されるように、次の移動のための計画位置を予約することができる。例えば計画の実行の最中に計画において予約することができる位置の数は、どの位置が利用可能であるか(例えば、その時点において他のキャリアによって占められていないか)、および最大予約長に依存する。例えば、この例において、最大予約長は、位置6つであってよい。移動M2のための位置予約のみがこの最大予約長によって制限されてよく、他の移動は、より短く、例えば他のキャリア(この図には示されていない)に起因するこの時点における位置の利用可能性によって制限される。他のトラフィックは、例えば、直線的な移動を続ける可能性を別のキャリアがブロックするがゆえに、キャリアが移動M4に関して方向を変える理由にもなり得る。
「S」から「E」までの移送の完了に要する時間は、各々の移動に要する時間および円で示される中間目的点での待ち時間に依存し得る。移動時間は、移動長(各々の移動に関する位置の数)ならびに速度プロファイル(加速度、定常速度、減速度)に依存し得る。速度、加速度、および減速度は、各々の移動について常に同じ(決定論的)であり得るが、本発明は、速度、加速度、および減速度の確率論的変動も取り扱うためにきわめて好適である。したがって、同じ移動長の移動が、異なる時間を要してよい。
1 モジュール1
2 モジュール2
3 モジュール3
4 第1の移動
5 第2の移動
6 第3の移動
7 第2のルータ
8 交差ルート
10 分配システム
11 移送システム
12 移送面
13 第1の予約テーブル
14 キャリア
15 第2の予約テーブル
16 物体
18 ステーション
19 ペイロード
20 制御システム
21 カメラシステム
24 論理サブエリア
25 第2のルートの第1の移動
26 第2のルートの第2の移動
27 第2のルートの第3の移動
30 実到着時間
32 計画到着時間
34 破線
36 点線
38 不均等な破線
40 最大予約長
42 可変予約長
44 出発位置
46 最終目的地
48 中間目的地
50 ルート選択システム
51 実行ユニット
60 指令管理システム
70 上位の管理システム
80 右上のモジュール
82 エリア
100 開始ステップ
101 目的地チェックステップ
102 ルート選択ステップ
103 送信ステップ
104 待機ステップ
105 チェックステップ
106 計画寿命チェックステップ
202 実行ステップ
204 状態送信ステップ

Claims (16)

  1. 分配システムであって、
    複数の物体を分配するための複数の論理位置を備えている移送面と、
    前記物体を移送するための複数のキャリアと、
    前記移送面の上で前記キャリアを前記論理位置の間で移動させるための駆動システムと、
    前記移送面の上で出発位置から最終目的位置へと計画ルートにて移動するように前記キャリアを制御するように構成された制御システムと
    を備え、
    前記制御システムは、前記移送面をノードのグラフでモデル化し、協調時間ウインドウTにおいて知識を用いたウインドウ化階層的協調探索アルゴリズムを使用することによって、前記移送面の上の少なくとも2つのキャリアのための計画ルートを計算するように構成されたルート選択システムを備え、
    前記ルート選択システムは、各々の論理位置について予約済み時間ウインドウおよび空き時間ウインドウを決定するように構成され、
    前記ルート選択システムは、空き時間ウインドウを有する論理位置について次の移動のために各々のキャリアに個別の予約長を割り当てるように構成され、
    移送面の上の一論理位置に無限の予約時間が割り当てられ、
    前記制御システムは、前記計画ルートを実行して前記キャリアをそれぞれの出発位置からそれぞれの最終位置へと移送するように構成された少なくとも1つの実行ユニットを備える、分配システム。
  2. 前記ルート選択システムは、以下、すなわち
    論理位置が、最終目的地を有さないキャリアの位置である、
    論理位置が、破損しており、もしくはブロックされていると考えられる、
    前記協調時間ウインドウTの最中に論理位置から前記キャリアを移動させる可能性が見られない、
    のうちの1つまたは2つ以上が実現された場合に、前記論理位置に無限の予約時間を割り当てるように構成されている、請求項1に記載の分配システム。
  3. 前記ルート選択システムは、特には決定された最大予約長を下回る直線移動に利用可能な最も大きい予約長を使用するように構成されている、請求項1または2に記載の分配システム。
  4. 前記ルート選択システムは、前記移送システムの状態情報を受信し、
    特には、前記状態情報を前記ルート選択システムに記憶された最新の状態情報と比較し、さらに特には、前記比較によって状態の変化が検出された場合に、新たな予約長による新たな計画ルートを次の移動のために計算するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の分配システム。
  5. 前記ルート選択システムは、各々の移動が成功すると仮定して、現在の移動の後の後続の計画ルートを決定するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の分配システム。
  6. 前記ルート選択システムは、すべてのキャリアが計画された予約長のうちに到着したかどうかをチェックし、前記計画された予約長のうちに到着しないキャリアが検出された場合に、次の計画された予約長を引き伸ばし、影響を受ける他のキャリアの計画を計算し直すように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の分配システム。
  7. 前記ルート選択システムは、前記論理位置のうちの少なくとも1つを、前記キャリアが最終目的地としてのみアドレス指定することを可能にし、キャリアを最終目的位置へと移送するための中間目的位置として使用することを禁止するように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の分配システム。
  8. 前記移送面は、論理サブエリアに分けられる、請求項1~7のいずれか一項に記載の分配システム。
  9. 前記ルート選択システムは、前記移送面の論理サブエリア内でのキャリアの限られた数の同時移動のみを許すように構成されている、請求項8に記載の分配システム。
  10. 前記ルート選択システムは、現在の移動によって予約された各々の論理位置を、前記キャリアが前記移送面の上の所定の論理位置を通過した後に解放するように構成されている、請求項8または9に記載の分配システム。
  11. 前記ルート選択システムは、前記計画された移動の成功または失敗をチェックするように構成され、失敗した計画の数に応じて、前記計画モデルのパラメータが、前記移送面の全体について同じ値で調整され、あるいは、前記論理サブエリアごとに異なる値で調整され、あるいは、特には特定のサブエリアのキャリアについて個別のパラメータで調整される、請求項8~10のいずれか一項に記載の分配システム。
  12. 前記ルート選択システムは、前記最大予約長を、当該最大予約長と前記計画された予約長とのずれに応じて調整するように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の分配システム。
  13. 前記ルート選択システムは、前記移送面の各々のキャリアおよび/またはサブエリアについて、失敗した計画の数をカウントするように構成され、
    失敗した計画の数が所定の数を超え、あるいは失敗の頻度が所定の数を超える場合には、前記キャリアは、メンテナンスが必要であるとマーキングされ、あるいは
    前記移送面または前記サブエリアは、メンテナンスが必要であるとマーキングされ、および/または、さらなるルート選択に関して回避されるか、もしくはあまり使用しない、請求項1~12のいずれか一項に記載の分配システム。
  14. 前記ルート選択システムは、論理位置に、この論理位置におけるキャリアの通過、出発、または停止の頻度に応じて使用コストを割り当て、計画される各々の移動に関して前記使用コストを最小化するように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の分配システム。
  15. 前記ルート選択システムは、膠着状態が生じたかどうかをチェックし、膠着状態が検出された場合に、膠着状態の近傍のすべてのキャリアについて、次のn個の移動を、前記最終目的地までのメトリックを無視して可能な移動の中から選択し、特にはランダムに選択するように構成されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の分配システム。
  16. 前記知識を用いたウインドウ化階層的協調探索アルゴリズムは、時間ウインドウを、連続的な時間において、少なくとも1つの現実的な時間移動モデルに基づいて、予約するように設計されている、請求項1~15のいずれか一項に記載の分配システム。
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