JP2023526983A - 生体サンプルを処理する装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

スライド上のサンプルを処理する方法及び装置が提供される。毛細管処理モジュールが、スライドを昇降させるクランク、又は流体をスライドに適用する側部入口あるいはそれらの両方を有する。クランクがスライドを下降させたときに、スライドと毛細管処理モジュールのチャンバ床との間に毛細管間隙が形成される。毛細管現象により、流体が毛細管空間を通して処理領域にわたって広がり、サンプルに接触する。クランクがスライドを上昇させると、毛細管間隙が消失するため、流体がスライドの処理領域から抜き出される。【選択図】図3

Description

本発明は、毛細管処理モジュールを使用してスライド上の生体サンプルを処理する装置及び方法に関する。
[関連出願の相互参照]
該当なし
組織学、細胞学、分子病理学、生化学、免疫学、微生物学における分析、並びに他の化学的及び生物学的分析に向けたサンプル処理は、サンプルに対する1つ又は複数の処理ステップを伴いうる。所望の処理ステップのうちのいくつか又は全てを実行する前に、サンプルをスライド上に配置することができる。例えば、スライド上のサンプルは、サンプルの成分を標識する及び/又はサンプルの成分と反応させる(つまり、サンプルの成分を標識する又はサンプルの成分と反応させるあるいはそれらの両方の)1つ以上の試薬と接触させることができる。これらの分野では広範な処理ステップが既知であり、及び/又は、それらの処理ステップは、特定の分析を実行するために発展させることができる(つまり、広範な処理ステップが既知であり、又は、それらの処理ステップは、特定の分析を実行するために発展させることができ、あるいはそれらの両方である)。
生体サンプルの処理に使用される多くの試薬は、高価で、入手が困難で、及び/又は潜在的な危険性があり(つまり、高価で、又は入手が困難で、又は潜在的な危険性がある、あるいはそれらの全てである)、そのため、サンプルの処理に使用される試薬の量は、低減又は最小化することが望ましい。液体試薬の場合、液体中に溶解される試薬の濃度は維持しながらも、サンプルの処理に利用される試薬の体積は低減することが、多くの場合に望ましい。スライド上の生体サンプルの場合、より小さな体積の液体試薬を使用することは困難となる。なぜなら、より小さな体積では、サンプルを完全にカバーすることができず、したがって、サンプルの処理が一貫せず又は不適切になるためである。
液体試薬によるサンプルのカバー範囲を増大する1つの方法は、スライドの平坦な表面と対向する表面との間に毛細管間隙(capillary gap)を形成することによって、スライドのある範囲にわたって試薬を広げることである。そのような毛細管間隙内の液体は、毛細管力に起因して毛細管空間に広がり、毛細管空間を満たす傾向があり、それにより、スライドの平坦な表面及びスライド上のサンプルをカバーする。しかしながら、液体が広がって毛細管空間を満たすと、毛細管間隙内の液体の更なる動きが毛細管力によって制限される。毛細管間隙内の液体の受動的な混合及び再分配は、遅延するか又は不適切となりうる。液体中に溶解された試薬が、スライド上に置かれたサンプルに反応又は結合することによって消費されると、試薬の濃度が低い領域がサンプルの周りに形成される場合がある。この空間内の液体試薬を混合、再分配、又は新たな試薬と交換することによって、この低濃度領域内の試薬を補充しない限り、サンプルによって試薬が消費されることで、処理の完遂に必要な時間が遅延及び延長される。さらに、低濃度領域と他の領域との間の濃度差により、サンプルのある範囲にわたる処理が一貫性を失い、染色勾配(staining gradients)等の望ましくない作用を生む結果となりうる。
スライドを処理する従来の装置に伴ういくつかの欠点は、これらの装置が比較的大きな体積の処理液体を必要とすること、装置の性能が手動処理に劣ること、及び/又は、装置が比較的複雑であり、若しくは多数の可動部品を必要とすること(つまり、比較的大きな体積の処理液体を必要とすること、又は装置の性能が手動処理に劣ること、又は装置が比較的複雑であり、若しくは多数の可動部品を必要とすること、あるいはそれらの全て)である。他の欠点は、これらの装置では、スライドを急速に加熱若しくは冷却することができないこと、及び/又はスライドの周りに温度勾配を与えてしまうこと(つまり、スライドを急速に加熱若しくは冷却することができないこと、又はスライドの周りに温度勾配を与えてしまうこと、あるいはそれらの両方)である。
Larsenらの特許文献1は、スライド上に配置される少なくとも1つの生体サンプルを処理する方法及び自動化装置を記載している。少なくとも1つの毛細管染色モジュールが、スライドを保持するように構成されるスライドラックを着脱可能に保持するように構成されるスライドラックホルダと、毛細管蓋を保持するように構成される毛細管蓋ラックを着脱可能に保持するように構成される毛細管蓋ラックホルダとを備え、スライドラックは、毛細管蓋ラックの取外しとは独立して取り外すことができる。第1の流体チャンバは、第1の流体を有する。装置は、1つ以上のスライドを自動的に回転させ、蓋をスライドに向かって移動させて、各スライドと各毛細管蓋との間に、毛細管チャンバとして機能する毛細管間隙を自動的に形成し、或る量の第1の流体をスライドに供給するように構成される。
米国特許第10,018,542号
1つの態様として、本開示は、スライド上の生体サンプルを処理する方法を提供する。本方法は、毛細管処理モジュール内にスライドを配置することを含む。毛細管処理モジュールは、チャンバ床を有するチャンバと、スライドの一部をチャンバ床に対して昇降させるように位置決めされるクランクとを備える。本方法は、スライドの一部を昇降させるようにクランクを回転させることも含む。スライドが下降位置にあるときに、チャンバ床とスライドとの間に毛細管間隙が形成される。例として、クランクは、スライドの第1の端部を昇降させることができ、その間、スライドの第2の端部は、チャンバ床上又はチャンバ床から延出するスライド支持体上に留まる。
別の態様として、本開示は、毛細管処理モジュール(CPM:capillary processing module)を提供する。CPMは、チャンバ床と、1つ以上のチャンバ側壁(例えば、1つの連続的なチャンバ側壁又は隅部によって結合した4つのチャンバ側壁)とを有するチャンバを備える。CPMは、回転するとスライドの一部を昇降させるように位置決めされるクランクも備える。クランクは、クランクが回転するとスライドに係合及び係脱するように位置決めされる曲げ部分及び/又は非対称部分(つまり、曲げ部分又は非対象部分あるいはそれらの両方)を有することができる。スライドが下降位置にあるときに、チャンバ床とスライドとの間に毛細管間隙が形成される。
毛細管処理モジュールは、チャンバに対するチャンバ蓋も備えることができる。チャンバ蓋は、開放位置と閉鎖位置との間で(蓋とチャンバとを接続するチャンバヒンジ等によって)可動である。CPMは、チャンバ蓋上のポートと、ポートをシールするように構成されるポートプラグと、端部にポートプラグを有するプラグアームとを備えることもでき、プラグアームは、ポートプラグをポートに接離する、又はポートに出入させるように構成される。CPMは、チャンバ上及び/又はチャンバ蓋上(つまり、チャンバ上又はチャンバ蓋上あるいはそれらの両方)の1つ以上のヒータ、及び/又は、チャンバの外側かつチャンバ床の下に位置決めされる1つ以上の冷却装置(つまり、チャンバ上及び/又はチャンバ蓋上の1つ以上のヒータ、又は、チャンバの外側かつチャンバ床の下に位置決めされる1つ以上の冷却装置、あるいはそれらの両方上)(例えば、ブロワ)を備えることもできる。CPMは、チャンバ上及び/又はチャンバ蓋上に1つ以上の温度センサを備えることもできる。毛細管処理モジュールは、チャンバにおける排出口と、排出口に流体接続されるポンプとを備えることができる。排出口は、チャンバのクランクとは反対側の端部に位置することができる。CPMのチャンバは、処理領域によって分離される第1の凹部及び第2の凹部を有することができ、第1の凹部は、クランクのシャフトが内部に配置され、第2の凹部は、排出口が内部に配置される。
本方法及び装置のいくつかの実施形態において、スライドの第1の端部は、スライドの表面とチャンバ床とが0度~15度、又は0度~11度、又は0度~2度の角度を形成するように上昇される又は持ち上げられる。クランクを回転させてスライドを下降させることによって、チャンバ床とスライドとの間に毛細管間隙が形成される。スライドが下降位置又は上昇位置にあるときに、好ましくは、毛細管染色モジュールの入口において流体を供給することによって、チャンバ床に或る量の第1の流体を供給することができる。第1の流体は、スライドが下降位置にあるとき又は下降位置に向かって移動するときに、毛細管力によってスライドの処理領域にわたって広がる。スライドは、クランクを回転させることによって上昇させることができ、第1の流体は、スライドの上昇によって処理領域から抜き出される。本方法は、クランクを一方向及び/又は双方向(つまり、一方向又は双方向あるいはそれらの両方)に回転させることによってスライドを繰り返し昇降すなわち上昇及び下降させ、それにより、流体を混合する又は試薬の局所的な枯渇を防止する等のために、第1の流体を抜き出して広げることを含むことができる。本方法及び装置のいくつかの実施形態において、クランクを回転させることによってスライドを上昇させるとともに、排出口において吸引をもたらす機構(ポンプ等)を作動させることにより、排出口を通してCPMから第1の流体を除去する。いくつかの実施形態において、スライドが下降位置にある間に上記機構を作動させることによって第1の流体を除去し、チャンバから(スライド支持体とチャンバ床との間に形成される容積を除く)実質的に全ての流体を除去した後、クランクを回転させることによってスライドを上昇させ、排出口を通して吸引を続行し、残留流体を除去する。
本方法及び装置のこれらの特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲とともに、以下の詳細な説明から明らかになる。
本教示は、添付の図面とともに読まれるときに、以下の詳細な説明から最も良く理解される。それらの特徴は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
本装置及び方法において使用するクランクの一実施形態の概念図である。 本装置及び方法において使用するクランクの一実施形態の概念図である。 本装置及び方法において使用するクランクの一実施形態の概念図である。 本装置及び方法において使用するクランクの一実施形態の概念図である。 本装置及び方法の別の実施形態の図である。 本装置及び方法の別の実施形態の図である。 本装置及び方法の別の実施形態の図である。 本装置及び方法の別の実施形態の図である。 本開示に係るCPM実施形態の斜視図である。 本装置及び方法において使用するいくつかの異なるクランク設計の図である。 クランクが非対称部分を有する、本装置及び方法の別の実施形態の図である。 クランクが非対称部分を有する、本装置及び方法の別の実施形態の図である。 クランクが非対称部分を有する、本装置及び方法の別の実施形態の図である。 本装置及び方法の別の実施形態、特にCPMのチャンバの様々な要素の図である。 本装置及び方法の別の実施形態、特にCPMのチャンバの様々な要素の図である。 本装置及び方法の別の実施形態、特にCPMのチャンバの様々な要素の図である。 本装置及び方法の別の実施形態、特にCPMのチャンバの様々な要素の図である。 本装置及び方法の別の実施形態、特にCPMのチャンバの様々な要素の図である。 本装置及び方法の別の実施形態、特にCPMのチャンバの様々な要素の図である。 クランクが非対称部分を有する、本装置及び方法の別の実施形態の図である。 クランクが非対称部分を有する、本装置及び方法の別の実施形態の図である。 クランクが非対称部分を有する、本装置及び方法の別の実施形態の図である。 可動プラグ及びポートを備えるCPMの一実施形態の図である。 可動プラグ及びポートを備えるCPMの一実施形態の図である。 可動プラグ及びポートを備えるCPMの一実施形態の図である。 チャンバの自動的な開閉を容易にするようにフレームに取り付けられるチャンバ蓋を備えるCPMの一実施形態の図である。 チャンバの自動的な開閉を容易にするようにフレームに取り付けられるチャンバ蓋を備えるCPMの一実施形態の図である。 チャンバの自動的な開閉を容易にするようにフレームに取り付けられるチャンバ蓋を備えるCPMの一実施形態の図である。 冷却機構を備える毛細管染色モジュールの一実施形態の図である。 毛細管処理モジュールの温度センサの一実施形態の図である。 毛細管処理モジュールの頂面の有利なヒータ設計の図である。 毛細管処理モジュールの底面の有利なヒータ設計の図である。 複数の毛細管処理モジュールを備える自動化染色装置の一実施形態の概略斜視図である。
種々の実施形態について記載する前に、本開示の教示は、記載される特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。別段定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。本明細書において参照される全ての特許及び刊行物は、引用することにより明示的に本明細書の一部をなすものとする。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、「略(approximately)」及び「約(about)」という用語は、通常の意味に加えて、当業者にとって許容可能な限度又は量内であることを意味する。「約」という用語は、概して、示された数の±15%を指す。例えば、「約10」は、8.5~11.5の範囲を示すことができる。例えば、「略同じ」とは、当業者には比較される事物が同じであるとみなされることを意味する。本開示において、数値範囲には、その範囲を規定する数字が含まれる。記載の値又は記載の範囲内にある値と、他の任意の記載の値又は記載の範囲内にある値との間の各下位範囲も開示されるものとする。記載の範囲が限度値を含む場合、含まれる限度値のいずれか又は双方を除外した範囲も本開示に含まれる。本明細書において開示される任意の範囲は、それらの端点間の全ての部分範囲を含む。本明細書において使用される場合、「a」、「an」、及び「the」という用語は、文脈によって別段明記されない限り、単数及び複数の双方の指示対象を含む。したがって、例えば、「a fluid」は、1つの流体及び複数の流体を含む。別段示されない限り、「第1」、「第2」、「第3」という用語、及び他の序数は、本明細書において、本装置及び方法の異なる要素を区別するために使用され、数値的な制限を与えるようには意図されない。第1の層及び第2の層と称する場合、装置が2つの層のみを有することを意味するように解釈すべきではない。第1の要素及び第2の要素を有する装置は、別段示されない限り、第3の要素、第4の要素、第5の要素(以下略)も含むことができる。
概して、図面及び図面に示された様々な要素は、縮尺どおりに描かれていないことが理解される。さらに、「上」、「下」、「頂」、「底」、「上側」、「下側」、「左」、「右」、「鉛直」、及び「水平」等の相対的な用語は、添付図面に示されうるような様々な要素の互いに対する関係を説明するために使用される。これらの相対的な用語は、図面に示される向きに加えて、装置及び/又は要素(つまり、装置又は要素あるいはそれらの両方)の異なる向きを包含するように意図されることが理解される。例えば、毛細管処理モジュールが図面の視点に対して反転される場合、例えば、別の要素の「上」として記載される要素は、ここではその要素の「下」となる。同様に、装置が図面の視点に対して90度回転される場合、例えば、「鉛直」として記載される要素は、ここでは「水平」となる。
「クランク(crank)」という用語は、回転運動を直線運動に及び/又はその逆に(つまり、回転運動を直線運動に又はその逆にあるいはそれらの両方に)変換する任意の機構又は装置を指す。クランクは、概して、回転するように構成されるシャフトと、シャフトの別の部分よりも大きな円弧を描いて移動する部分とを有する。いくつかの実施形態において、曲げ部分は、図4に示されているように直角に曲げられている。曲げ部分は、開放していても、閉鎖ループを形成してもよい。クランクは、回転される又は回転のためにアクチュエータに係合するアームを備えることができる。アームは、シャフトと一体であっても、シャフトに取り付けられる別個の部片であってもよい。クランクは、アームが物理的に接触し、回転力が印加される場合、又は磁力によってシャフトを回転させる場合等、直接又は間接的に回転させることができる。クランクの回転は、完全な回転又は限られた円弧上等の部分的な回転を含むことができ、約90度前後の円弧を旋回すること等により、完全な回転に満たないシャフトの前後移動を含む。いくつかの実施形態において、シャフトは、円形、楕円形、長円形、又は非円形の断面形状を有する部分を有する。横長形、多角形、正方形、長方形等の様々な形状を、使用のために適切に選択することができる。
いくつかの実施形態において、クランクは、回転を円滑にするために直角等の角度をなしてシャフトに接続されるアームを備える。シャフトは、中間にあるU字形に軸方向にオフセットされた一体的な曲げ部等の、曲げ部分又は非対称部分を有することができる。シャフトは、軸方向に位置合わせされる端部も有することができる。
クランクは、通常、軸受を備え、チャンバは、通常、CPMの両側部の1つ又は2つのチャンバ側壁上に軸受穴を有する。軸受穴は、貫通孔又は止まり穴とすることができ、CPMは、それぞれの穴を1つずつ有してもよい。クランクは、1つ以上のジャーナル、すなわち、シャフトのうち軸受に接触するように特に構成される部分を有することができる。クランクは、チャンバ穴に挿入され、ジャーナルに対する軸受面を提供する1つ以上のブッシュを備えることもできる。いくつかの実施形態において、クランクは、1つ以上のチャンバ側壁から延出し、チャンバ床を通って延在しない。
クランクは、CPMにおいて、シャフトの回転によってスライドを昇降させるように構成される。シャフトの一部(曲げ部分又は非対称部分等)がスライドに係合し、スライドを上昇させることから、この部分は、スライドとの摩擦を低減するコーティング又は表面処理を有することができる。代替的に、コーティング又は表面処理により、摩擦を増大する又は係合を強化することで、クランクによってスライドに付勢力を印加することができる。いくつかの実施形態において、シャフトは閉鎖ループを形成し、閉鎖ループは、長方形又は別の形状とすることができる。
本明細書において使用される場合、「スライド(slide)」とは、生体サンプル又は化学サンプルに対する少なくとも1つの実質的に平坦な表面を有する任意のサンプルホルダ、支持体、又は基板のことを指す。したがって、スライドは、少なくとも1つのサンプルを支持することができるキャリア、試験管、チップ、アレイ、又はディスクとすることができる。通常、スライドは、第1のスライド主面及び第2のスライド主面を有する。
サンプルは、様々な方法でスライド上に配置することができる。いくつかの実施形態において、サンプルは、皮膚、腫瘍、又は他の組織の層又は切片等の生体サンプルである。組織又は他のサンプルは、ホルムアルデヒド(formaldehyde)中又はパラフィン(paraffin)等の包埋剤(embedding medium)中に保存することができる。パラフィン又は他の包埋剤中のサンプルは、脱パラフィン等のステップに供することができ、それにより、サンプルを被覆している及び/又はサンプルに浸透している(つまり、サンプルを被覆している又はサンプルに浸透しているあるいはそれらの両方の)パラフィンを除去する。
「導管(conduit)」という用語は、包括的に、流体が1つの点(例えば、導管の入口)から別の点(例えば、導管の出口)に移動するような流路を画定するように構成される任意の構造を包含するが、導管は、流体を中間点にも送達することができる。導管は、可撓性、剛性、又は幾分若しくは部分的にその双方とすることができる。例えば、導管は、長い管、短い継手、又は、複数の入口及び/又は出口(つまり、複数の入口又は複数の出口あるいはそれらの両方)を有するマニホールドとすることができ、プラスチック、金属、シリカ、及び他の材料から形成することができる。
本開示は、毛細管処理モジュール(CPM)に関し、これには、毛細管染色モジュール、又は本明細書に記載される1つ以上の処理ステップを実行する他のモジュールも包含される。本方法及び装置は、概して、本明細書に記載のCPMを使用する。CPMは、スライドを収容し、スライド上で1つ以上の処理ステップを実行するチャンバを備える。チャンバは、任意の所望の形状若しくはサイズとすることができ、任意の所望の材料から形成することができる。いくつかの実施形態において、チャンバは、長辺及び短辺を有する実質的に長方形である。CPMは、サンプルの処理のために流体(試薬を含む液体等)をチャンバに導入するチャンバ入口を有することもできる。いくつかの実施形態において、チャンバ入口は長辺上にある。いくつかの実施形態において、長辺は、短辺の約3倍の長さである。チャンバは、頂部が開放していることができ、CPMは、チャンバを閉鎖するチャンバ蓋を備えることができる。チャンバは、1つ以上の区域を有することができる。いくつかの実施形態において、処理領域は第1の区域内に位置し、クランクは第2の区域内に位置する。
いくつかの実施形態において、毛細管処理モジュールは、金属、ポリマ、又は複合材料から形成される。例えば、チャンバは、ステンレス鋼に機械加工することができ、処理領域は、加工軌跡を除去して、非常に滑らかな表面をうるために、研磨することができる。いくつかの実施形態において、次いで、チャンバ又は処理領域の表面は、表面硬化のために処理され(例えば、コールスタライジング処理(Kolesterised))、その後、処理の残滓を除去するために電解研磨される。次いで、その表面は、耐腐食摩耗性、化学的不活性、及び付着防止特性をもたらすように処理することができる。CPMは、多くのガラススライドが非常に高い硬度及び鋭い縁部を有するため、擦傷に耐えるのに十分な硬度を有し、底面に染色残留物が蓄積することにも耐えることができることが好ましい。
いくつかの実施形態において、CPMは、擦傷に耐えるように、コールスタライジング処理等の表面硬化によって処理されたステンレス鋼合金(SMO254等)から作製される。いくつかの実施形態において、CPMの表面は、アモルファスシリコン、酸素、及び炭素によるバリア等の不活性の耐腐食性コーティングを有する。コーティングは、耐腐食摩耗性、化学的不活性、及び付着防止特性のうちの1つ以上をもたらすように選択することができる。例えば、いくつかの実施形態において、コーティングは、Dursan等の不活性の耐腐食性コーティングとすることができる。そのようなコーティングは、組織残留物及び染色残留物等のCPMの底面に残る残留物を防止又は低減することができる。コーティングは、化学蒸着(CVD:chemical vapor deposition)等の任意の好適な技法によってCPMの表面に施すことができる。
本明細書において使用される場合、「自動化(automated)」とは、実質的に機械的な手段、コンピュータ手段、及び/又は電子手段(つまり、機械的な手段、コンピュータ手段、又は電子手段、あるいはそれらの全て)によって実行される複数のステップとして定義されるが、記載の特徴又はステップのうちの1つを手動で入れ替える等の人間が介入する何らかのステップを除外するものではない。本明細書において使用される場合、自動化サンプル処理装置は、自動化染色装置、又はサンプル処理の1つ以上のステップを実行する他の自動化装置も指す。
いくつかの実施形態において、スライドを処理のためにCPMに自動的に挿入し、次いで、CPM内で1つ以上の処理ステップが実行された後に、CPMからスライドを取り出す。スライドの挿入及び/又は取出し(つまり、挿入又は取出しあるいはそれらの両方)は、例えば、ロボットアーム上のスライドグリッパによって実行することができ、そのため、本装置及び方法は、個々のスライドを移動させる自動化システムを更に備えることができる。スライドをCPMのクランクによって或る角度(例えば、11度の固定角)まで上昇させることにより、スライドグリッパ又はロボットアームの機械公差によってスライドの取出しが実現不能又は実施不能になることなく、スライドグリッパによるスライドの自動的な取出しが可能になる。
いくつかの実施形態において、本方法及び装置は、スライドハンドリング能力に関して有利である。チャンバは、スライドの収容のために開放し、スライドの挿入後に閉鎖することができる。チャンバは、スライドをチャンバに挿入する際に、スライドをその端部ラベルにおいて保持するグリッパを収容する空間(すなわち、凹部)を提供する。CPMは、スライドに与える撹拌も生成し、X方向、Y方向、及び/又はZ方向(つまり、X方向、又はY方向、又はZ方向、あるいはそれらの全て)における1つ以上のキャッチ等、スライドをチャンバ内の所望の位置に付勢する機能部を有する。クランクの回転により、スライドは、チャンバの端部に向かってY方向に付勢することができる。CPMは、スライドをX方向に付勢する1つ以上のガイドピンを有することができる。いくつかの実施形態において、自動化及び機械学習を円滑にするために、カメラ教示点が含まれる。
本装置及び方法は、CPM内に位置決めされるクランクを使用して、スライド又はスライドの一部を昇降させることができる。クランクは、運動を1つの次元又は方向から別の次元又は方向に変換する、特に回転運動を直線運動に変換するのに好適な任意の設計とすることができる。クランクは、回転運動を、スライドの主表面に対して実質的に垂直な方向における直線運動に変換するように構成することができる。図1A~図1Dは、スライド102を昇降させるようにクランクを構成することができる方法の概念図を提供する。クランクは、軸107上で回転するように構成されるシャフト106を備え、曲げ部分108がスライド102に係合又は係脱するようになっている。図1A及び図1Cは、スライド102の長縁部から見た図を提供し、図1B及び図1Dは、スライド102の短縁部から見た図である。図1A及び図1Bは、CPMのチャンバ床104に対して下降した位置にあるスライド102を示している。図1C及び図1Dにおいて、スライド102は、シャフト106の回転によって、CPMのチャンバ床104に対して上昇している。シャフト106は、スライド102に係合してスライド102を上昇させる曲げ部分108を有する。シャフト106は、図の平面において水平に延在する軸の周りに回転するように構成される。図1Dにおいて、シャフト106は、約180度回転、すなわち半回転しており、それにより、曲げ部分108がチャンバ床104よりも上にあり、スライド102に係合する又はスライド102を上昇させる。回転により、クランクの鉛直側壁によるX方向(長辺)の付勢を制御することもできる。図1Bに示されているように、曲げ部分は、CPMの凹部109内に配置することができ、凹部109内では、曲げ部分108がチャンバ床104の平面及び/又はシャフト106の回転軸(つまり、チャンバ床104の平面又はシャフト106の回転軸あるいはそれらの両方)よりも下に延在することができる。チャンバ床104は、傾斜床111によって凹状床(recessed floor)109から分離される。
図1A及び図1Cは、スライド102とチャンバ床104との間で毛細管間隙を形成及び破壊することができる様子も示している。図1Aにおいて、スライド102が下降位置にあるときに載るスライド支持体117及び118の高さによって規定される高さを有する、毛細管間隙が存在する。本明細書において使用される場合、「毛細管間隙(capillary gap)」とは、2つの表面間に毛細管現象を可能にするのに十分な、それらの表面間の距離のことである。毛細管現象(capillary action)(毛細管作用又はウィッキングとも呼ぶ)は、液体と固体表面との間の分子間力に起因して、狭い空間内で液体が流れる又は移動することである。いくつかの実施形態において、CPMは、チャンバ床と下降位置におけるスライドとの間に、約0.01mm~約0.3mm、代替的には約0.07mm~約0.1mmの毛細管間隙を提供し、及び/又は、約10μL~約300μL、代替的には約80μL~約100μLの毛細管間隙容積を提供する(つまり、約0.01mm~約0.3mm、代替的には約0.07mm~約0.1mmの毛細管間隙を提供し、又は、約10μL~約300μL、代替的には約80μL~約100μLの毛細管間隙容積を提供する、あるいはそれらの両方を提供する)ように構成される。スライドに取り付けられるサンプルは、下方に面し、毛細管間隙は、スライドとCPMの幾何形状とによって画定される。より詳細には、サンプルは、第1のスライド主面に取り付けられ、本方法は、サンプルを有する第1のスライド主面がチャンバ床に面するように、スライドをチャンバに挿入することを含む。スライドの形状、CPMの幾何形状、材料の表面特性、スライドの上昇速度、スライドの角度、及び適用される流体(複数の場合もある)の特性が、CPMにおいてサンプルに適用される流体の挙動を制御する因子である。図1Cにおいて、スライド102は上昇位置にあり、スライド102を上昇させてチャンバ床104からの距離を増大させるようにクランクを動作させることにより、毛細管間隙が破壊されているため、毛細管間隙は存在しない。スライド102は、スライド支持体118には接触しないが、スライド支持体117に接触したままとすることができるか、又はチャンバ床104若しくはチャンバの後壁等の別の部分に接触することができる。毛細管間隙を破壊する一方で、処理流体の制御を依然として維持するとともに、毛細管間隙の再形成を可能にすることは、大きな利点である。さらに、液体の適用後にスライドを昇降させるようにクランクを使用することで、試薬の混合が可能になり、試薬が局所的に枯渇することなく、50μL~150μL等の小体積の液体試薬を使用することができる。スライドは、特定の高さ及び/又は角度(つまり、特定の高さ又は特定の角度あるいはそれらの両方)まで、或る速度で制御された様式で上昇させることができ、適用される流体及びバッファ中の試薬の混合を、90μL等の小体積の試薬及び2000μL等のより大きな体積のバッファによって実行することができるようになっている。染色プロトコルの洗浄ステップ中に混合を実行することができる場合、洗浄効率が増大する。
図2A~図2Dは、本装置及び方法の別の実施形態を示している。ここでは、曲げ部分128がスライド122の幅よりも大きい幅を有し、回転軸がスライド122よりも上にある。このようにして、クランクは、その曲げ部分128内にスライド122を収容又は保持するように構成される。この構成では、CPMは、より広い角度範囲にわたってスライド122を昇降させることができる。
図3は、本開示に係るCPM140の斜視図を提供する。CPMは、ハウジング141及び蓋143を備え、蓋143が下降位置にあるとき、閉鎖チャンバが形成される。シャフト146は、軸受穴を通って、ハウジング141のチャンバ床144及び蓋143によって画定されるチャンバ内に延在する。ハウジング141は、クランクが下降位置にあるときにクランクの曲げ部分148を収容する凹部149を有し、そこでは、シャフト146は、曲げ部分148が凹部149内に配置され、チャンバ床144よりも上に延在しなくなるまで回転させることができる。シャフト146は、回転を可能にする軸受151、152によって軸受穴内に支持される。ハウジング141は、チャンバ床144から凹部149内に至る傾斜床153を有する。
クランクを使用することにより、周囲環境からシール又は閉鎖されるチャンバの形成が容易になるという点で、容易には明らかでない利点がもたらされる。本装置は、外部環境からCPMチャンバ内に侵入又は移動する昇降機構又は電力線の使用を回避する。また、昇降力を提供する電源をCPMチャンバ内に配置する必要も、磁力を使用して動作を駆動する必要もない。機構がCPMの底部を通り抜ける場合、チャンバの漏れ及び損傷の可能性を回避するために、その底部を十分にシールする必要がある。さらに、ガラス残滓、ごみ、及び液体が、底部において昇降機構に入り込み、損傷をもたらす可能性がありうる。本装置は、チャンバの側壁にクランクが位置することで、これらの問題点を回避する。本装置は、比較的単純な機械的回転を使用して、CPM内でスライドを所望の高さに上昇させるように制御する。接線力を使用して、設計及び回転方向に応じて、スライドを付勢する又は付勢を解くように、スライドを能動的に移動させることができる。また、本装置は、クランク及びCPMの壁(複数の場合もある)によってスライドを処理のための所望の位置に付勢するため、スライドをロボットによって処理位置に挿入する際の高精度が要求されることが低減又は回避される。
図4は、本装置及び方法において使用される異なる設計を示している。クランクは、シャフト156と曲げ部分158との間に2つの隆起部154、155を有する。隆起部154、155は、或る距離だけ離隔し、スライド(より具体的には、スライドの短辺)がその間に嵌まることを可能にする。この設計は、クランクがスライドを上昇させるときに、スライドのX方向の移動の更なる制御をもたらす。
図5A、図5B、及び図5Cは、本装置及び方法の別の実施形態を示している。スライド202は、CPMにおいてクランクによって昇降される。クランクは、スライド202に係合する非対称部分208を有する。非対称部分208は、シャフト206の一部を切り欠く又は省くことによって作製することができる。いくつかの実施形態において、シャフトは、楕円形、長円形、又は偏心シャフト等の、スライドに係合する非対称部分を有する。シャフト206は、チャンバ201の側壁205における軸受211によって支持される。チャンバ201は、チャンバ蓋212によって閉鎖され、スライド202を処理する隔離空間を形成する。シャフト206は、スライド202が最上昇位置に上昇したときも、スライド202がチャンバ蓋212に物理的に接触しないように構成される。ヒータ213は、チャンバ蓋212に熱的に接触する。図5Aに示されているように、ヒータ213は、チャンバ蓋212の第1の側部の領域の実質的に全てを覆うプレートである。ヒータは、チャンバ201の底部に設けることもできる。ヒータ213は、チャンバ蓋212及びチャンバ201に実質的に均一な熱を与えることができる。チャンバ201は、チャンバ床204を有し、スライド202が下降位置(全体的に図5Aに示されている)になるようにシャフト206及び非対称部分208が回転すると、スライド202とチャンバ床とは、小さな間隙によって分離される。この間隙は、チャンバ床204から延出する1つ以上の支柱によって、チャンバ床204の上に小さな距離を置いてスライドを支持することによってもたらすことができる。チャンバ202は、チャンバ床204からシャフト206の方向に凹状床215まで延在する傾斜床214も備えることができ、それにより、チャンバ201は、シャフト206又はその一部を収容することができる凹部216を有する。側壁205は、曲率を有する湾曲隅部218においてチャンバ床204に結合する。チャンバ201の他の表面は、隅部218とは異なる曲率又は他の特性を有することができる湾曲隅部219において、側壁205に結合することもできる。湾曲隅部は、処理流体をチャンバ201から完全に除去することを容易にする。いくつかの実施形態において、CPMは、約0.5mm~約5mmの曲率半径を有する湾曲隅部によってチャンバ床に結合する1つ以上のチャンバ側壁を有することができる。
図5Cは、非対称部分208が軸受211、221間にあるクランクの断面を示している。クランクは、駆動端部222を有し、駆動端部222は、クランクを回転させる駆動部に係合する1つ以上の機能部を有する。駆動端部222は、駆動チェーン224又は他の作動機構によって回転させることができる歯車223に係合する。駆動端部222及び歯車223は、相互形状部を有することができ、又は別の方法で締結することができる。熱又は流体がチャンバから失われず、所望の湿度レベルを維持することを確実にするために、圧縮ばね225が、好適な力(例えば、約2.6N)を印加するように、歯車223と駆動端部222との間に位置決めされ、それにより、チャンバ201を周囲環境からシールする。
本方法及び装置は、チャンバ内のスライド位置及び液体位置に基づいて規定の染色領域をもたらすという点で有利である。染色領域は、斜面、スライド縁部、及び/又はスライド上(つまり、斜面、又はスライド縁部、又はスライド上、あるいはそれらの全て)のラベルによって部分的に画定することもできる。
図6A~図6Fは、本装置及び方法の別の実施形態、特にCPMのチャンバ301の様々な要素を示している。スライド302は、チャンバ床304及び傾斜床314を有するチャンバ301内に位置決めされる。支柱317、318は、チャンバ床304の上に短い距離を置いてスライド302を支持する。チャンバ301は、スライド302を収容することが可能なスライド空間を画定する。スライド空間は、チャンバ長さL及びチャンバ幅Wによって画定される領域を有する。いくつかの実施形態において、Lは約74mm~約106mm(例えば、約90mm)であり、Wは約24mm~約36mm(例えば、約30mm)である。チャンバ302は、処理長さL及び処理幅Wによって画定される処理領域Aを画定することもでき、処理領域Aは、処理流体がスライド302とチャンバ床304との間に毛細管力によって広がることによってカバーされる領域である。いくつかの実施形態において、Lは約42mm~約54mm(例えば、約48mm)であり、Wは約26mm~約32mm(例えば、29mm)であり、及び/又は、Aは約1000mm~約1800mm(例えば、約1400mm)である(つまり、Lは約42mm~約54mm(例えば、約48mm)であり、Wは約26mm~約32mm(例えば、29mm)であり、又は、Aは約1000mm~約1800mm(例えば、約1400mm)であり、あるいはそれらの両方である)。処理幅Wは、毛細管間隙がスライドの表面によって画定されるため、スライド幅Wsと実質的に同じである。処理長さLは、毛細管間隙が傾斜床314によって破壊されるため、チャンバ床304の長さによって規定される。
本方法及び装置は、チャンバ蓋を開放することなくチャンバに液体を追加することを可能にするポートを有すること等により、優れた液体分注能力及び特徴も有する。CPMは、ディスペンサの公差を含め、ピペット等のディスペンサの先端位置を収容するように構成される1つ以上の入口を有することができる。入口は、液体が閉じ込められることを防止するとともに、スライド及びチャンバ床によって形成される毛細管間隙に接続するように構成することができる。いくつかの実施形態において、入口は、チャンバ内に存在するスライドの下に、丸みを帯びた領域及び/又は或る容積(つまり、丸みを帯びた領域又は或る容積あるいはそれらの両方)を有する。いくつかの実施形態において、液体を分注する機能部は、チャンバ床又はチャンバ側部に1つ以上の孔を有し、この孔は、洗浄バッファ等の液体を外部から送達する導管に接続することができる。例えば、そのような孔は、チャンバ床の湿気リザーバ領域又は別の領域に位置することができる。CPMは、液体を処理領域内により速く分注することを可能にする。CPMは、スライドとチャンバ床との間に、より具体的には平坦な処理領域において、毛細管間隙をもたらすように構成される。例えば、CPMは、チャンバ床から延出する3つのノブ(又は異なる数のノブ)を有することができ、スライドは、それらのノブに載る。ノブの高さは、毛細管間隙の高さを確立する。CPMにおいて、毛細管力を使用してチャンバの処理領域内に流体を分配することを容易にする他の機能部を含むこともできる。いくつかの実施形態において、自動化及び機械学習を円滑にするために、ピペット教示点が含まれる。
図6Bは、図6Aに示されている線に沿った断面図であり、処理流体を上昇位置にあるスライド302に分注することができる方法を示している。スライド302は、本明細書に記載されるクランク又は別の機構によって上昇させることができる。流体ディスペンサ320をチャンバ入口322に挿入する。いくつかの実施形態において、スライドが上昇位置にあるときに又はスライドが上昇位置から下降される間に、流体を分注する。図6Aにおいて、チャンバ入口322は、チャンバ301の長辺に沿って位置するが、長辺に加えて又は長辺の代わりに短辺に位置してもよい。流体は、スライドが下降位置にあるときに分注することができ、流体は、分注する間に毛細管力によって入口から排出される。スライドの上昇時に流体が分注される場合、流体を処理領域にわたって広げるように分注した後、スライドを下降させる。流体の分注の前又は後に、スライド302は、スライド302とチャンバ床304との間の毛細管力を回避又は破壊するのに十分な高さ又は角度まで上昇させることができる。ディスペンサ320からのいくらかの流体は、入口322に留まることができるが、一部は分注圧力によってスライド302の下に部分的に押し出される。スライド302が下降すると、流体は、流体を処理領域にわたって分配する毛細管力を受け、流体は、クランクによって上昇していないスライドの端部に向かって移動する。この端部は、チャンバの排出口326を有する端部とすることができる。クランクがスライド302を徐々に下降させる際、流体は、上昇しており下降中のスライド302の端部に向かって広がる。流体は、毛細管力によってチャンバ床304にわたって広がり、傾斜床314が始まる場所において、スライド302と傾斜床314との間の間隙が毛細管力を回避するのに十分に大きいことから、広がるのを実質的に止める又は抑制する。
いくつかの実施形態において、流体は、一連の液滴として分注され、流体は、全ての流体が分注されるまで処理領域にわたって広がり始めることができるが、流体の一部は、後続の各液滴が追加される際に入口に留まるべきである。
分注の速さ及び処理領域に広がる速さは、均衡させるべきであり、分注は適切なスピード又は速さで行われるべきである。流体は、一部がスライドの頂面上に飛び散る又は流れるほど速く分注すべきではない。いくつかの実施形態において、流体を入口内に分注する速さは、流体の液体分類に基づく。様々な液体分類の分注速さの例として、水と同様の粘度(20℃において約1センチポアズ(centipoise))を有する液体の場合は0.1mL/s~1mL/sであり、in situハイブリダイゼーションバッファ等のより高い粘度を有する液体の場合は0.01mL/s程度と低い速さが挙げられる。
図6A及び図6Bに示されているCPMにおいて、第1のチャンバ入口322は、実質的に平坦な入口壁323及び実質的に平坦な入口床325を有する。CPMは、傾斜した入口壁及び/又は傾斜した入口床(つまり、傾斜した入口壁又は傾斜した入口床あるいはそれらの両方)を有する第2のチャンバ入口324も有する。入口324も、チャンバ301の長辺において示されているが、排出口326に最も近い辺等の短辺に位置することもできる。CPMの実施形態は、これらの入口設計のそれぞれを有することができ、又は同じ設計の2つ(又はそれを越える)の入口を有することができる。チャンバ入口の設計は、スライドを下降させる際に流体を毛細管間隙内に引き込みたいタイミング及び量に基づいて選択することができる。
図6C及び図6Dは、チャンバ入口322をより詳細に示している。チャンバ入口322の平坦設計は、入口の床において分注された流体の大きな滴を形成するように構成される。この滴は、広がらないように抑制される。寸法φ(例えば、4.5)及び入口幅W(例えば、4.5mm)は、流体を毛細管表面に押し出すように選択される。入口壁323は、外方湾曲隅部328によって入口床325に結合し、この湾曲は、半径R1(例えば、R1は1.45mmとすることができる)を有する。いくつかの実施形態において、R1は、流体が下降するスライドの毛細管力の増大によって捉えられると、チャンバ入口内に留まる流体が実質的になくなることを確実にするように選択される。D1(例えば、6.3mm)は、遠くの壁から小さなスライド(24.43mm幅のスライド等)までの距離であり、この距離は、流体が到達する必要がある距離に対応する。チャンバ301は、半径R2(例えば、R2は0.8mmとすることができる)を有する外方湾曲隅部329によってチャンバ床に結合する側壁を有する。D2(例えば、4.47mm)は、入口に最も近いときのチャンバ壁からスライド縁部までの距離である。D2は、スライドが入口に最も近いときにディスペンサがスライド縁部に接触しないことを保証するように選択することができる。φ、W、R1、D1、R2、及びD2は、上記に記載した例示的な寸法以外の寸法を有することができることが理解されよう。
チャンバ301の長辺におけるチャンバ入口の平坦設計は、スライドが付勢されるか否かにあまり左右されないこと、流体がスライドの頂部で終わらないこと、チャンバ入口の底部が平坦であるため、ディスペンサのX方向、Y方向、及びZ方向の公差に左右されないことを含め、いくつかの利点を有することができる。
図6E及び図6Fは、チャンバ入口324をより詳細に示している。チャンバ入口324の傾斜設計は、入口における液滴の形成を低減又は防止するように構成される。チャンバ入口324は、チャンバ床304とともに角度A(例えば、100度~150度、又は約120度の角度A)を形成する壁330を有し、これにより、有意の量の流体が壁330に付着することを低減又は防止する。
図7A、図7B、及び図7Cは、本装置及び方法の別の実施形態を示している。スライド402がチャンバ401内に配置されている。チャンバ床404は、スライドが下降位置にあるときにスライド402とともに毛細管間隙を形成し、流体が毛細管力によって毛細管空間全体を通って広がる。チャンバ401は、チャンバ床404と凹状床415との間に傾斜床414を有する。傾斜床414とスライド402との間のより大きな間隙に毛細管力が存在しないため、流体は傾斜床414上に広範に広がることはない。CPMは、凹状床415の上、チャンバ床404の平面の下に位置決めされるシャフト406及び非対称部分408を有するクランクを備える。図7Bにおいて、Dは、チャンバ床404と凹状床415との間の高さの差である。いくつかの実施形態において、Dは、約1.5mm~約4.5mm、又は約3mmである。チャンバ401は、長辺のそれぞれにおいて軸受穴432、434を有する。軸受穴432は止まり穴であるが、軸受穴434は、シャフト406をチャンバ401の外部の作動機構に接触させる貫通孔である。シャフト406は、軸受433、435によって回転可能に保持される。
いくつかの実施形態において、CPMのチャンバ床は、CPMがより大きな体積の流体を収容することを可能にするタング(tongue)444を有し、スライドの下に流体を保持しながら、クランクからの汚染又はクランクに対する損傷のリスクを低減する。タングは、毛細管間隙を通した流体の排出も容易にし、一方で、液体がクランクに到達することを防止する。タングは、毛細管現象、側部から離れる流体の移動、側部における丸み、ガイドピンXにおける丸み、及びモジュール角度の結果として流体の漏れを防止する。タングの例示的な寸法は、約20mm×20mmのタング面積を含む。チャンバは、湿気リザーバ460も有することができ、湿気リザーバ460は、試薬からの蒸発を低減し、蒸気犠牲機構(vapor sacrifice mechanism)のように作用する。湿気リザーバ460には、ピペット又はディスペンサによって脱イオン水(DI)又は別の液体を充填することができ、湿気リザーバ460は、チャンバの開放時及びスライドの処理の合間に、ピペッタによって、又は残留液体を蒸発させるように加熱することによって、又は底部の管等の配管によって、空にすることができる。リザーバの過充填又は残留液体が溢れることを回避するように、定期的に空にすることが望ましい。
図7A、図7B、及び図7CのCPMは、スライド402の位置を複数の方法で制御する。Y方向において、スライド402の所望の位置決めは、クランクの動作によって制御又は促進される。シャフト406が(図7Bの視点から見て)反時計回り(CCW:counter-clockwise)に回転するとき、スライド402は、チャンバの遠くの端部(排出口426を有する端部)に向かって移動又は付勢される。スライドを挿入後に付勢位置にすることができ、染色中に同じ位置に留まるように、スライドがCPM内で付勢されることが望ましい。この付勢により、サンプルの染色されない領域、クロスコンタミネーション、又は非特異的染色もなく、染色試薬のインキュベーション、洗浄ステップ、及び流体除去を実行することが可能になる。X方向において、排出口426付近のガイド440、441及び/又はタング444付近のガイド442、443(つまり、出口426付近のガイド440、441又はタング444付近のガイド442、443あるいはそれらの両方)によって、スライド402の所望の位置決めが制御又は促進される。図7Cに示されているように、チャンバ401は、X方向のキャッチ(catch)450と、スライドがゆっくり滑り降りることを可能にするグライド(glide)452と、X方向においてスライドに係合する制御部454とを備える。キャッチ450、グライド452、及び制御部454の例示的な寸法は、キャッチがX方向に29mmであることを含み、スライド位置を制御するために26.5mm以内に狭められる。キャッチ、グライド、及び制御形状部により、スライドは、不正確に送達された場合でも、チャンバ401内に正確に位置決めされる。
いくつかの以前のスライド処理装置とは対照的に、本装置は、スライドキャリアがスライドを所望の位置に維持することを必要とせず、そのため、いくつかの実施形態においてスライドキャリアは存在しない。さらに、いくつかの以前のスライド処理装置は、スライドを固定位置に手動で挿入すること、又はスライドキャリアがスライドラックのようにスライドを保持することを必要としていた。ラック又は固定機能部へのスライドの物理的な取付けが必要とされうる。本装置は、スライドがチャンバ又はスライドキャリアに物理的に取り付けられないが、チャンバ内でスライドの制御された移動を実行することができ、スライドをチャンバから容易に取り外し、装置によって別の場所に移動させることができるという点で独自性がある。スライドがCPMに物理的に取り付けられないことから、装置は、広範なサイズのスライドに適応することができる。したがって、本装置及び方法のいくつかの実施形態において、スライドは、CPMに物理的に取り付けられず、スライドキャリア又はラックによって保持されない。また、CPMに挿入されるとクランクがスライドを付勢し、チャンバの端壁に押し付け、それにより、スライドを処理する予測可能かつ再現可能な処理長さ及び処理領域が得られることから、異なるサイズのスライドが収容される。
本装置及び方法は、一組のスライドの中でスライドを個々に処理することも可能にする。一組のスライドの各スライドは、固有のCPMに挿入することができ、それにより、その組の各スライドを固有のクランクの動作によって昇降させ、固有の組の流体試薬を投与し、所望の温度に及び/又は所望の速さで(つまり、所望の温度に又は所望の速さであるいはそれらの両方で)加熱若しくはコード化し、又は、他の個別に制御されたステップ若しくはパラメータに供することが可能である。
図8A及び図8Bは、入口ポートと、ポートを閉鎖する可動プラグとを備えるCPMを示している。図8Aにおいて、CPMは、スライドを挿入することができるチャンバ501と、スライドをチャンバ床504に対して昇降させるように構成されるクランクとを備える。上述したように、スライドが下降位置にあるときに、毛細管間隙が形成される。クランクは、シャフト506及び非対称部分508を有し、傾斜床511が、シャフト506及び非対称部分508の位置する凹部に通じている。CPMは、スライド502をチャンバ501に挿入することを可能にするように開放することができ、チャンバ501内に断熱空間を形成するように閉鎖することができるチャンバ蓋512も備える。チャンバ蓋512は、ヒンジ又は他の機構によってチャンバ501に接続することができる。CPMは、図8Aに示されているようにプレートの形態のヒータ514も備えるが、ヒータは、チャンバ蓋512に接触するワイヤ又は他の抵抗加熱素子等の他の形態であってもよい。ヒータ514は、誘導加熱素子(例えば、ペルチェ素子又は同様の装置)、又はヒータ箔(heater foil)とすることができる。CPMは、チャンバ蓋512、チャンバ501、又はCPMの他の部分の温度を測定する1つ以上の温度センサ(白金測温抵抗体(RTD:resistance temperature detector)又は熱電対等)も備えることができる。測定温度は、温度コントローラに通信することができ、温度コントローラは、測定温度に基づいて加熱及び冷却装置を調整することができる。チャンバ蓋512及びヒータ514の構成により、チャンバ501内の温度に関してより大きな制御を与えることができる。
いくつかの実施形態において、本装置及び方法は、チャンバ501内における鉛直方向の温度勾配(vertical temperature gradient)を低減又は回避する。サンプルの染色時、CPMチャンバ床及びチャンバ蓋は実質的に同じ温度にあることが望ましい。なぜなら、これにより、スライドの上又は周りの鉛直方向の温度勾配が回避又は低減されるためである。スライドはCPMの温度を呈するため、処理方法において、一般に、CPM温度を制御すれば十分である。チャンバの処理領域において、水平方向の温度勾配は、底部ヒータの電力分配及び周囲への損失によって制御することができる。したがって、本装置及び方法は、チャンバ蓋及びチャンバ底部を加熱するように構成される1つ以上のヒータを有することができる。温度制御は、1つ以上のヒータ装置及び/又は1つ以上の冷却装置(つまり、1つ以上のヒータ装置又は1つ以上の冷却装置あるいはそれらの両方)を制御する温度コントローラを通して制御される電子ヒータ/クーラ装置によってもたらされる伝熱によって維持される。温度コントローラは、CPMコントローラ内に含めることができるか又はCPMコントローラと通信することができる。
いくつかの実施形態において、CPMは、チャンバから流体を除去することを容易にするように位置決めされる液体排出口を有する。CPMは、排出口ノブを有し、排出口ノブは、毛細管力によって流体をその周りに集中させるように構成される。排出口斜面が、流体を斜面の方に向ける。いくつかの実施形態において、チャンバ床に対するスライドの角度は、流体を撹拌し、流体の除去を円滑にすることができるように、(クランクの回転等によって)調整される。染色領域は、X次元及び/又はY次元(つまり、X次元又はY次元あるいはそれらの両方)において角度を付けることもできる。例えば、染色領域は、X軸の周りに、0.1度~10度、又は約5度の角度等の角度を付けることができる。チャンバは、排出口の前部又は後部の周りに、馬蹄様の形状とすることができるバリアを備え、流体の通過及び/又は空気の侵入(つまり、流体の通過又は空気の侵入あるいはそれらの両方)を防止する。スライドは、この馬蹄の上に載り、馬蹄の開放部により、スライドが角度をなさず又は上昇しておらず、ポンプが稼働しているときに、空気の進入を可能にする。この構成により、排出口を通して流体を制御して排出することが保証される。スライドが角度をなす/持ち上がっている場合、上記開放部のほとんどは閉鎖され、それにより、排出の効力及びスピードが増す。
いくつかの実施形態において、スライドは下降位置にあり(傾斜せず)、スライドの縁部とチャンバ床との間に流体が閉じ込められることを防止する。CPMは、側部の丸み、斜面側部の切落し、隅部の丸み、後部の丸み、及び/又は後部の2つの支持体(つまり、側部の丸み、又は斜面側部の切落し、又は隅部の丸み、又は後部の丸み、又は後部の2つの支持体、あるいはそれらの全て)を有すること等により、液体がチャンバ内に閉じ込められることを防止する。
図8Aに示されているCPMは、流体をチャンバ501から抜き出すことを可能にする排出口526も有する。流体は、所望の期間、サンプルに接触した後に抜き出すことができる。上記期間は、所望のアッセイ又はプロトコルに応じた所定の期間とすることができる。流体は、スライドが上昇位置又は下降位置にあるときに抜き出すことができるが、抜き出す時間の一部にわたってスライドを上昇させて毛細管間隙を破壊することで、抜出しを容易にすることができる。いくつかの実施形態において、チャンバ床504は、排出口526に向かって僅かに傾斜することで、その方向への移動を促進する。いくつかの実施形態において、排出口526は、管材を取り付けることができるノズル527に通じ、流体を除去する吸引をもたらすポンプ又は他の排出口機構に流体接続することができる。能動的な吸引によって排出口を通して流体を除去することは、スライドを制御して上昇させて、流体を排出口の方に向けることによって加速することができる。スライドを傾ける又は持ち上げることなく、能動的な吸引によって流体を除去すると、スピードは落ちるが、染色領域のみを液体が満たすまで、液体の前縁がゆっくりと後退することから、排出に対するより大きな制御がもたらされる。別の流体が適用される場合、その適用後にスライドが下降されると、CPM内で流体を分配することができるように、体積及び流体特性に応じてスライドを上昇させることが有益である。スライドの上昇時に流体を適用することで、チャンバ入口から流体が広がるのにより速い方法を提供するようになっている。その後、スライドの下降時に流体が広がり、流体は、狭い毛細管間隙を通って進入し、広がる必要はない。
図8A及び図8Bに示されているように、CPMは、プラグ546も備え、プラグ546は、チャンバ501を外部環境から断熱することができるように、チャンバ蓋512上のポート547に係合する。流体をチャンバ501に追加する場合、チャンバ蓋のプラグアーム548を作動させて、プラグ546をポート547から遠ざけ、それにより、ポート547を通して流体ディスペンサを挿入することができる。ポート547は、チャンバ501の端部付近に示されているが、図6Aに示されている側部チャンバ入口の上の側部位置等の他の場所に位置してもよい。チャンバ蓋512の可動プラグ546により、チャンバ501内の温度及び湿度に対して更により大きな制御が可能になる。プラグ546は、剛性材料又は可撓性材料を含む任意の好適な材料から形成することができる。
図8Bは、プラグ546をプラグアーム548に取り付けることを含め、ポート547に係合したプラグ546の拡大図を示している。プラグ546は、プラグ面552から延出するプラグステム550を有し、プラグアーム548は、ステム550を収容するキャビティ549を有する。ステム550及びプラグアーム548は、プラグ546をプラグアーム550に保持するためにダボ551を挿入することができるように、穴を有する。キャビティ549は、ステム550よりも大きな断面を有し、ステム550における穴は、ダボ551よりも大きく、プラグ546がキャビティ549内で僅かに回転することを可能にする。そのようにダボ551の周りに僅かに回転するが、キャビティ549の側部によって制限されることにより、プラグ面551がポート547に係合する方法に柔軟性が与えられ、それにより、熱及び湿気が失われないように、ポート547にわたるシールの形成が容易になることがわかっている。
図8Cは、チャンバ蓋に係合するプラグアーム548を示している。プラグアーム548は、好適な力、例えば、約1.5Nでプラグをポートに押し付ける。そのような力は、CPM内にばね553を備え、ばね553がプラグアーム548を閉鎖位置(より詳細には、プラグがポートをシールする位置)に付勢するようにばね553を位置決めすることによってもたらすことができる。CPMは、歯車554等の作動機構も備えることができ、歯車554は、回転させて、ばね553によって印加される力に打ち勝つことにより、プラグアーム548を開放位置に移動させる。
図9A~図9Cは、チャンバの自動的な開閉を容易にするように、チャンバ蓋512をフレーム560に取り付ける手法を示している。いくつかの実施形態において、チャンバ蓋512は、フレーム560に可撓性を有して取り付けられ、X方向及び/又はY方向(つまり、X方向又はY方向あるいはそれらの両方)における僅かな移動を可能にするようになっている。フレーム560は、フレーム560及び取り付けられたチャンバ蓋512を開放位置と閉鎖位置との間で移動させることができる歯車等のアクチュエータに取り付けることができる。図9B及び図9Cは、フレーム560のチャンバ蓋512に対する取付け部の拡大図であり、チャンバ蓋512は、締結具を収容する2つの受け部561、562を有する。受け部561、562は、ねじを収容するようにねじ切りすることができる。フレーム512は、締結具が貫通し、受け部561、562に係合する孔を有する。孔は、締結具と受け部との間に所望の嵌合をもたらすように上、下、又は内部に位置決めされる1つ以上のワッシャを備えることができる。例えば、蓋ワッシャ563、564が孔の上に位置決めされ、蓋肩部565、566が孔の内部かつ下に位置決めされる。蓋肩部565、566は、孔と実質的に同じ断面(例えば、直径)を有することができるか、又は、僅かに動くことができるようにより小さな断面を有することができる、内側部分を有する。図9Bにおいて、前方の蓋肩部565の内側部分567は、チャンバ蓋512の孔と実質的に同じ断面を有し、図9Cにおいて、後方の蓋肩部566の内側部分568は、孔よりも小さい断面を有する。この手法は、チャンバ蓋512がチャンバ501に下降する際に僅かに動くことを可能にし、それにより、チャンバ501の内部のより良好なシールが得られることがわかっている。チャンバ蓋の前部において、蓋フレームによって蓋肩部565に約3Nの圧力を印加することができる。蓋ワッシャ563と蓋フレームの孔との間のZ方向における間隙と、蓋肩部の小さな直径とにより、X方向及びY方向に柔軟な接続が保証される。それにより、チャンバ蓋は、底部フランジを処理するように調整され、公差を効果的に吸収し、良好なシールを保証する。チャンバ蓋の後部において、Y方向及びZ方向における大きな間隙により、Y方向及びZ方向には負荷/力がかからないことが保証される。蓋肩部566とフレーム560の孔との間のX方向における小さな間隙は、Z軸の周りにチャンバ蓋を位置決めする。
本方法及び装置は、CPMにおけるサンプルの染色を向上する様々な特徴を有する。試薬がスライド上のサンプルを染色するのに使用される時間、温度、及び/又は濃度(つまり、時間、又は温度、又は濃度、あるいはそれらの全て)は、短縮、低減、又はより良好に制御することができる。CPMは、試薬を分配された後に簡単に撹拌することができ、試薬の枯渇、及びサンプルの一部が反応しなくなる泡の形成を回避する。また、CPMは、チャンバ内の湿度に対する向上した制御をもたらすことができ、及び/又は、高い相対湿度(最大100%rHを含む)を有する閉鎖区画を、区画内の流体の凝縮を防止しながら形成することができ(つまり、チャンバ内の湿度に対する向上した制御をもたらすことができ、又は、高い相対湿度(最大100%rHを含む)を有する閉鎖区画を区画内の流体の凝縮を防止しながら形成することができ、あるいはそれらの両方ができ)る。いくつかの実施形態において、CPMは、チャンバ床にリザーバを有し、より良好な湿度制御を可能にする。湿度は、プロセス制御を通して調整及び選択することもできる。
図10は、冷却装置を備える毛細管処理モジュールを示している。染色及び他の処理を制御するために、本CPMは、処理全体を通して再現可能な一貫した温度プロファイルを有することが望ましい。これには、温度上昇及び冷却(温度の上昇及び低下の速さ)の制御を含む。一般に、温度上昇及び冷却にかかる時間は、質量の減少等によってCPMの熱容量が低減すると減る。いくつかの実施形態において、CPMの処理領域(例えば、染色領域)は、200秒以下、若しくは150秒以下、若しくは120秒以下で37.0℃から95.0℃に上昇し、及び/又は、900秒以下、若しくは800秒以下、若しくは700秒以下で97.0℃から35.0℃に冷却される(つまり、200秒以下、若しくは150秒以下、若しくは120秒以下で37.0℃から95.0℃に上昇する、又は、900秒以下、若しくは800秒以下、若しくは700秒以下で97.0℃から35.0℃に冷却される、あるいはそれらの両方である)。上昇時間は、概して、熱容量、ヒータ出力、及び周囲環境への損失に関連する。冷却は、概して、熱容量、及び空気流又は強制対流等の能動的な冷却に関連する。CPMの底部は、ブロワ又は他の冷却装置からの低温の周囲空気によって主に冷却され、チャンバ蓋は、CPMの底部への伝導によって主に冷却される。
図10において、CPMは、図8AのCPMに関して記載したものと同様に、チャンバ床604と、傾斜床611と、チャンバ蓋612と、ヒータ614とを有するチャンバ601を備える。排出口626が、流体をチャンバ601から抜き出すことを可能にし、管材を取り付けることができるノズル627に通じる。図10において、チャンバ蓋ポート647は開放しているが、チャンバ蓋プラグによって閉鎖することができる。ブロワ650は、CPMハウジング651内に配置され、冷却空気又は他のガスをチャンバ601にわたって提供するように、好ましくはチャンバ床604に対向して位置決めされる。フレームは、チャンバ601の周りに冷却ガスの流路を画定するように、チャンバの周りに位置決めすることができる。例えば、下側チャンバフレーム652及び上側チャンバフレーム653は、冷却ガスがチャンバ601の下からヒータ614に移動するための流路を画定するように位置決めされる。これにより、チャンバ601の周りの再現可能な一貫した温度プロファイルも容易になる。
温度センサを、チャンバ蓋612、ヒータ、チャンバ床604、又はCPMの他の部分のうちの1つ以上に配置することができる。上述したように、本装置及び方法は、温度センサから温度測定値を受信し、加熱装置及び/又は冷却装置(つまり、加熱装置又は冷却装置あるいはそれらの両方)(例えば、ブロワ)を動作させる温度コントローラ及び/又はCPMコントローラ(つまり、温度コントローラ又はCPMコントローラあるいはそれらの両方)を備えることもできる。加熱装置及び/又は冷却装置(つまり、加熱装置又は冷却装置あるいはそれらの両方)は、CPM又はその一部の温度を調整するように、オン/オフ式又は高速/低速式に動作することができる。
図11は、チャンバ蓋のセンサの一実施形態を示している。センサ702は、接点704を介してチャンバ蓋710の表面にあるヒータ708に接触する。センサ702は、センサ702から高さHCだけ分離したカバー706によって包囲することができる。
本装置及び方法は、有利な閉鎖区画設計を有する。CPMのいくつかの特徴が閉鎖区画設計に寄与する。例えば、CPMのいくつかの実施形態は、図3Bに示されているように、クランクブッシュにおいて密封される。CPMのいくつかの実施形態は、図8Bに示されているように、ポートの密封閉鎖具を有するように構成される。CPMは、ポートプラグがチャンバ蓋と(X-Y平面における)平坦な重なりを有するように設計することができる。図8Bに示されているように、ポートプラグは、(直接又はポートプラグに取り付けられたプラグアームを介して)ポートに確実に密接するようにZ次元にばね付勢することができ、ポートプラグは、Z次元に浮動懸架されるように構成することもできる。CPMのいくつかの実施形態は、チャンバ蓋がチャンバに密接するように構成される。CPMは、チャンバ蓋がチャンバと(X-Y平面における)平坦な重なりを有するように設計することができる。図9A~図9Cに示されているように、チャンバ蓋は、(直接又はチャンバ蓋に取り付けられたフレームを介して)チャンバと確実に密接するようにZ次元においてばね付勢することができ、チャンバ蓋は、Z次元に浮動懸架されるように構成することもできる。
本装置及び方法は、有利な熱的設計を有する。本方法及び装置は、ヒータ出力の分配によって水平方向の温度勾配を低減又は最小化し、底部及び蓋が同じ温度を有する場合、鉛直方向の勾配は生じない。いくつかの実施形態において、処理領域は(底部において)±0.5C以内の温度勾配を有する。いくつかの実施形態において、CPMの全ての内面を選択された温度(例えば、97.0℃)の±2.0℃以内に維持することにより、CPM内の凝縮が防止される。冷却装置及び温度センサ等のCPMのいくつかの機能部が、有利な熱的設計に寄与する。この熱的設計は、チャンバ蓋上及びチャンバの底部上のヒータの設計によっても実施される。いくつかの実施形態において、CPMヒータは、一連の層を有し、それらの層のうちの少なくとも1つは、抵抗加熱素子である。例えば、CPMヒータは、一連の異なる層を含み、150℃のUL認証ヒータとなりうる。最下層は、ヒータをチャンバの表面又はチャンバ蓋に接着するようになっている。最下層の例示的な材料は、アクリル系感圧接着剤(acrylic PSA)を含む。アルミニウムフィルム等の熱分配層を最下層の上に配置し、抵抗加熱素子から熱を受け取り、チャンバ表面にわたって熱をより均一に分配することができる。熱分配層と加熱素子層との間に絶縁層を配置することができる。絶縁層は、最小限の損失で熱の伝達を可能にしながら、電気的絶縁性を有するべきである。加熱素子層は、電流が流れると熱を発生する銅ニッケル合金等の抵抗加熱素子による1つ以上のヒータトラックを有することができる。ヒータトラックのサイズ及び材料は、必要とされる導電性を有するように適合することができ、ヒータトラックは、水平方向の勾配を最小限にするように力の分配を制御するように設計される。最上層は、ヒータトラックを保護する絶縁層とともに接着剤を有することができる。CPMヒータは、所望に応じて1つ以上の追加の層を有することができることも想定される。
図12及び図13は、例示的な有利なヒータ設計を示している。図12は、チャンバ蓋のCPMヒータにおける抵抗加熱素子の設計を示している。この設計は、ヒータトラックを有する単一の被加熱ゾーン720と、ヒータトラックを有しない4つの非加熱ゾーン732、733、734、735とを含む。図13は、チャンバ底部のCPMヒータにおける抵抗加熱素子の設計を示している。この設計は、ヒータトラックを有する3つの被加熱ゾーン740、742、744を含む。いくつかの実施形態において、チャンバ蓋ヒータは、24V、20Wに向けて設計される1つの加熱ゾーンを有する。非加熱ゾーンは、固定のトラック幅及び空間が使用される場合にホットスポットを防止し、それにより、チャンバのX方向又はY方向における熱勾配を低減又は回避するという点で有利であることがわかっている。いくつかの実施形態において、CPMヒータにおけるヒータトラックは、実質的に同一の幅を有する。温度上昇時のオーバーシュートを制限するために、ホットスポットゾーン内にセンサを配置することができる。また、この設計により、電力利用に対するセンサの迅速な応答が保証され、すなわち、比例積分微分(PID)制御器によって見られる負荷時定数が低減される。
いくつかの実施形態において、チャンバ底部ヒータは3つの加熱ゾーンを有し、そのそれぞれは別個に制御することができる。例えば、1つの加熱ゾーンを染色領域に位置決めすることができ、2つの加熱ゾーンを、取付け損失を補償するように位置決めすることができ、それにより、染色領域にわたって低い勾配が可能になる。いくつかの実施形態において、CPMの排出口726付近の加熱ゾーン740は、24V、8.0Wに向けて設計され、それにより、取付け足部727、728における導電損失を補償し、利用可能な領域が限られることに起因して高電力密度で稼働する。流体入口の下に温度センサを配置することができ、温度センサを使用して、流体が分注されたときを検出することもできる。例えば、約2℃以下の温度変化が、流体が分注されたことを報じるものとすることができる。液体試薬が適切に分注又は排出されたことを判断するために温度センサ(複数の場合もある)を使用することは、追加の流量計又はセンサの必要性を回避することができるという点で非常に有利とすることができる。液体の排出を検出する温度センサは、排出口又は液体を排出する導管において、導管の内側又は導管の外面のいずれにも配置することができる。
図13に示されている実施形態において、中央加熱ゾーン742は、例えば、24V、14.7Wに向けて設計され、サンプルを染色又は他の処理に供することができる処理領域をカバーする。非加熱ゾーン743、745は、ヒータトラックを有せず、特に排出口ゾーンに向かって、望ましくないホットスポットを防止するために含まれる。処理領域の中央に又は中央付近にセンサ(図11のセンサ等)を配置することができる。クランク及び/又はスライド(つまり、クランク又はスライドあるいはそれらの両方)のラベル付近の加熱ゾーン744は、例えば、24V、17.3Wに向けて設計され、取付け点における導電損失を補償する。非加熱ゾーン747は、クランク駆動部の付近の損失に起因して非対称である。水の蒸発を制御するように湿気リザーバに向かってセンサを配置することができる。ワイヤは、切欠き部に配置することができ、センサの冷却を防止するように、センサから遠ざけられる。しかしながら、ヒータトラックの抵抗は、センサワイヤを遠ざけることができる距離を制限する。
本方法及び装置は、厳密に制御された温度プロファイルを有するCPMをもたらすことができる。例えば、いくつかの実施形態において、チャンバ空間(より具体的には、処理領域)を、95.5℃~98℃、代替的には95.8℃~97.8℃、代替的には96.6℃~97.3℃の範囲の内部温度に加熱することができる。
本方法及び装置は、例えば、95.5℃~98℃、代替的には95.8℃~97.8℃、代替的には96.6℃~97.3℃の範囲の内部温度を有する、チャンバ蓋の厳密に制御された温度プロファイルももたらす。チャンバ蓋の温度プロファイルを厳密に制御する能力は、いくつかの機能を果たすことができる。例えば、チャンバ蓋は、内面における凝縮を可能する温度に設定し、ひいてはチャンバ蓋が湿気リザーバのように作用することを可能にすることにより、液体を収集して、湿度を低減するように動作することができる。代替的に、チャンバ蓋は、温度を上昇させることによって内面における凝縮を防止し、液体が処理領域内に垂れて、試薬が希釈されることがないように動作することができる。
本方法及び装置は、熱損失を低減又は最小化するヒータ設計を有する。いくつかの実施形態において、チャンバ底部は、取付け領域における導電損失を低減するために、プラスチック製支持体を有する。いくつかの実施形態において、CPMは、自然対流及び放射損失を低減するために、鉛直側部及び下面をカバーする空気ガイドを備える。
本装置及び方法は、様々なプロセス制御特徴を有する。本方法は、クランクの動作によってスライドを昇降させるステップに加えて、サンプルに対する1つ以上の処理ステップを含むことができる。処理ステップは、スライドを下降させ、流体をサンプルにわたって広げる前、間、及び/又は後(つまり、広げる前、又は間、又は後、あるいはそれらの全て)に実行することができる。処理ステップは、スライドを上昇させ、流体をサンプルから抜き出す前、間、及び/又は後(つまり、抜き出す前、又は間、又は後、あるいはそれらの全て)に実行することもできる。
特に、本装置及び方法は、スライド上の少なくとも1つの生体サンプル、例えば組織切片の処理、例えば、化学処理及び/又は染色(つまり、化学処理又は染色あるいはそれらの両方)に関し、また、処理中の流体試薬及び温度の制御に関する。例えば、本発明のいくつかの実施形態は、少量の処理流体を使用して薄い生体サンプル、例えば組織切片を処理することに関する。
本方法及び装置は、サンプルに対して以下の処理ステップのうちの1つ以上を実行することができることが想定される。その処理ステップとは、ベーキング、脱蝋、標的賦活化(TR:target retrieval)、洗浄、クリーニング、脱水、染色、ハイブリダイゼーション、消化、変性、固定化(アルコール又は架橋等によるもの)、酵素反応(西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等によるもの)、トレーサ、色原体、又は蛍光色素の沈殿又は架橋反応等である。例えば、いくつかの実施形態において、本方法は、以下の処理ステップのうちの1つ以上を含むことができる。その処理ステップとは、75℃±2℃におけるベーキング;60℃±2℃において脱蝋し、パラフィン又は他の包埋剤を溶剤中に溶解させ、その後、EtOHによって洗浄すること;TRバッファ中のHIERによるTR等による97℃±2℃におけるTRの後、WB/DIによって洗浄すること;サンプルをEnvision Flex+:pAB、Block、Linker、HRP、DABに接触させること等による37℃±2℃におけるIHCの後、WBによって洗浄すること;サンプルをDI、HTX、DI、WBに接触させること等による対比染色;IF:pAB等による37℃±2℃におけるIF、及びWBによる洗浄である。いくつかの実施形態において、本方法は、37℃±2℃におけるペプシン消化;37℃±2℃におけるプローブの適用及び分配;80℃±2℃等の温度による変性;45℃±2℃等の温度によるハイブリダイゼーション;並びに61℃±2℃等のSWBにおけるストリンジェント洗浄のステップ等、FISHアッセイの1つ以上のステップを含むことができる。上述のステップは、洗浄バッファ又は水を用いた洗浄を先又は後に行う処理ステップの一部とすることができる。いくつかの実施形態において、本方法は、サンプルの内因性酵素活性のブロッキング、酵素結合抗体とのインキュベーション、トレーサ又は色原体の沈着、色原体によるトレーサの可視化、及び他の関連する処理ステップ等、37℃±2℃におけるCISHアッセイの1つ以上のステップを含むことができる。WBによる洗浄;37℃±2℃における洗浄バッファ封入、及びEtOHにおける脱水;並びに、NaClOにおけるインキュベーションを伴う37℃±2℃におけるクリーニング、及びWBによる洗浄。洗浄バッファ又は水。
本装置及び方法は、細胞学、組織学、分子病理学、生化学、免疫学、微生物学、細胞生物学、分子細胞遺伝学、及び免疫組織化学の分野において使用することができ、したがって、本方法は、これらの分野において使用される1つ以上の処理手順を含むことができる。本方法及び装置は、免疫組織化学(IHC)、in-situハイブリダイゼーション(ISH)、蛍光in-situハイブリダイゼーション(FISH)、発色in-situハイブリダイゼーション(CISH)、特殊染色(SS)、銀in-situハイブリダイゼーション(SISH)、マイクロアレイ(組織、タンパク質、RNA、DNA、PNA、LNA等)、並びに他の化学的及び/又は生物学的用途(つまり、他の化学的用途又は他の生物学的用途あるいはそれらの両方)における生体サンプルを処理する、1つ以上のプロセス又は流体を含むことができる。本方法は、特にin-situハイブリダイゼーション(ISH)技法に向けた脱パラフィン、標的賦活化、及び染色等のプロセスを含むことができる。本方法は、疾患を引き起こす又は別様に疾患に関連するDNA、mRNA、miRNA、調節RNA、非コードRNA、及び/又はタンパク質(つまり、DNA、又はmRNA、又はmiRNA、又は調節RNA、又は非コードRNA、又はタンパク質あるいはそれらの全て)の検査を含む、分子レベルでのサンプルの検査を行うプロセスを含むことができる。そのような検査は、組織学的検査又は細胞学的検査に使用することができる。
本方法は、スライド上のサンプルの染色又は他の処理に使用する場合、サンプルを複数の異なる流体試薬又は洗浄流体に接触させることを含むことができる。いくつかの実施形態において、サンプルを、脱パラフィン、洗浄、抗原賦活化、内因性ビオチン又は酵素ブロッキング、免疫学的試薬、分子プローブ、二次可視化試薬、及び様々な色原体試薬とのインキュベーション、洗浄ステップ、並びに対比染色等のCPMにおける処理プロセスに供する。本方法は、クランクを回転させることによってスライド(より具体的には、第1の端部等のスライドの一部)を上昇させることと、第1の流体試薬を適用することと、クランクを回転させることによってスライドを下降させ、それにより、スライドの処理領域にわたって第1の流体試薬を広げることと、クランクを回転させることによってスライドを上昇させ、それにより、第1の流体試薬を抜き出すことと、第1の流体試薬を処理領域から除去することとを含むことができる。いくつかの実施形態において、第1の流体試薬を混合又は撹拌するために、スライドの昇降を1回以上の追加の回数行う。いくつかの実施形態において、第1の流体試薬を除去した後に第2の流体試薬を適用する。本方法は、第2の流体試薬を適用する前に、クランクを回転させることによってスライドを上昇させることと、クランクを回転させることによってスライドを下降させ、それにより、スライドの処理領域にわたって第2の流体試薬を広げることと、クランクを回転させることによってスライドを上昇させ、それにより、第2の流体試薬を抜き出すことと、第2の流体試薬を処理領域から除去することとを含むことができる。同様に、上述のプロセスを、第3の流体試薬、第4の流体試薬、乃至10、12、又は他の所望の数の流体試薬によって実行することができる。さらに、上述のプロセスを、流体試薬の代わりに1つ以上の洗浄流体によって実行することができる。
サンプルを処理するISH等のいくつかのプロトコルにおいて、サンプルの染色等によって処理を続行する前に、サンプルの脱水を行う。サンプルの効率的な乾燥又は脱水を得るために、効率的な蒸発が起こりうるように毛細管間隙を除去又は破壊することができ、蓋を上昇させて、更なる蒸発のために空気体積を増大させることができる。また、本方法は、脱水又は乾燥に十分な時間にわたってスライドを上昇させることを含むことができる。
本装置及び方法は、任意のスライドに対して総じて好適であるが、標準サイズのスライドに対してチャンバのサイズ及び形状を選択することができることが想定される。例示的なスライドとして、25mm×75mmの典型的な寸法を有するガラススライド、DakoFlex、及びSuperFrostPlusが挙げられる。いくつかの実施形態において、スライドは、ラベル部分を有することができ、ラベル部分は、シャフトの軸の上に位置決めすることができる。ラベル部分及び/又は曲げ部分(つまり、ラベル部分又は曲げ部分あるいはそれらの両方)は、係合を容易にする表面特徴又は形状を有することができる。例えば、ラベル部分は、スライドのサンプル部分の表面とは異なる表面コーティングを有することができる。表面コーティングは、ラベル部分と曲げ部分との間の摩擦を増減するように適合することができる。
本装置及び方法は、他の構成要素及び特徴を含む組織染色装置を構成するか又はその中に含めることができる。例として、組織染色装置は、本明細書に記載されるCPMを含むことができ、CPMは、コントローラと、流体を分注するピペッタと、スライドを把持して移動させるロボットアームと、試薬バイアルと、試薬バイアルを保管及び/又は移動(つまり、保管又は移動あるいはそれらの両方を)させる装置とのうちの1つ以上に(直接又は間接的に)接続される。組織染色装置は、クランク、チャンバ蓋、ポンプ、ヒータ(複数の場合もある)、冷却装置(複数の場合もある)、及び/又はCPMの他の機能部(つまり、クランク、又はチャンバ蓋、又はポンプ、又はヒータ(複数の場合もある)、又は冷却装置(複数の場合もある)、又はCPMの他の機能部、あるいはそれらの全て)の動作のために構成又はプログラムされる1つ以上のコントローラを含むことができる。コントローラは、システムの構成要素の動作のためのハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組合せを含むことができる。コントローラは、スライド染色手順を有するプログラム等の、サンプルを有するスライドを処理する1つ以上のソフトウェアプログラムを含むことができるか、又はソフトウェアプログラムを受信及び実行するように構成することができる。本組織染色装置は、試薬バイアル、試薬バイアルを保管する装置、及び/又は、1つ以上の試薬バイアルをピペッタによって使用するために提供する装置(つまり、試薬バイアル、又は試薬バイアルを保管する装置、又は1つ以上の試薬バイアルをピペッタによって使用するために提供する装置、あるいはそれらの全て)も備えることができる。CPMと他の構成要素との間の接続は、物理的接続、流体接続(導管を介するもの等)、電気的接続、情報的接続(信号のワイヤレス伝送を介するもの等)、及びそれらの組合せとすることができる。
図14は、様々な構成要素及び特徴を含む自動化組織染色装置1の一実施形態を概略的に示している。自動化組織染色装置1は、第1の毛細管染色モジュール140と、第2の毛細管染色モジュール140’と、第3の毛細管染色モジュール140’’とを備えるが、毛細管染色モジュールの数は変更することができることを理解すべきである。いくつかの実施形態において、第1の毛細管染色モジュール140、第2の毛細管染色モジュール140’、及び第3の毛細管染色モジュール140’’は、例えば、免疫組織化学的(IHC)用途及びin-situハイブリダイゼーション(ISH)用途に向けて構成することができる。
染色装置1は、3つの階層を有することができる。例えば、下側の第1の階層Iは、例えば、バルク流体容器、廃棄物、弁、及びポンプを含み、中間の第2の階層IIは、例えば、複数の処理ユニット、スライド保管部、ロボット機構、及び試薬バイアルを含み、上側の第3の階層IIIは、例えば、カバースリッパ及び制御ユニット及び通信インタフェースを含む。制御ユニット151等の或る特定の要素は、視線の高さのディスプレイを大まかに可能にするように、階層IIIに位置決め可能とすることができるか、又は、階層II内のモジュールに手動でアクセスする際に邪魔にならないように、階層Iに位置決め可能とすることができる。
図示のように、自動化染色装置1は、スライド保管ユニット6及び1つ以上の毛細管染色モジュール140、140’、140’’等の1つ以上の処理ユニットを備えることができる。
自動化染色装置1は、サンプルを有するスライドバスケットを、処理を行う装置に挿入する、サンプル装填ステーション17を備えることができる。
1つ以上のスライド保管ユニット6は、1つ以上のスライド10を保管するように構成され、スライド10は、横並びに置かれた複数のスライド10を保持するように構成される1つ以上のスライドバスケット20上に配置される。スライド保管ユニット6は、スライドを水平位置、鉛直位置、又は別の好適な位置において収容するように構成される。
自動化染色装置1は、洗浄溶液、バッファ溶液、脱パラフィン溶液、標的賦活化溶液、又は、水溶液、例えば、精製水、抗体入り溶液、ヘマトキシリン、エオジン等のバルク染色溶液、DAB除去溶液等のクリーニング溶液等、当業者に既知のバルク流体8aの複数の容器8を更に備えることができる。
自動化染色装置1は、バルク流体容器(複数の場合もある)8を1つ以上の処理ユニット2、140、140’、140’’に接続する管材9と、バルク流体容器(複数の場合もある)8から1つ以上の処理ユニット2、140、140’、140’’へのバルク流体8aの流れを制御する弁7と、バルク流体容器8から1つ以上の処理ユニット2、140、140’、140’’へのバルク流体の流れをもたらすように構成される1つ以上のポンプ5とを更に備えることができる。
さらに、自動化染色装置1は、1つ以上の処理ユニット2、140、140’、140’’からの管材(図示せず)によって除去された廃棄流体を貯留するように構成される廃棄物容器11を備えることができる。
図14に概略的に示されているように、自動化染色装置1は、1つ以上のスライド10又は1つ以上のスライドバスケット20を、矢印X及びYによって示されているようにX及びY(及びZ)方向に移送するように構成されるスライドロボット12を更に備える。スライドロボット12により、スライド/スライドラックは、染色装置100の異なる処理ユニット2、140、140’、140’’と保管部6との間で移送することができ、それにより、スライド上に配置された生体サンプルを所望に応じて処理することができる。
図14において、スライドロボット12がスライド10をスライド保管部6からY方向に沿って持ち上げる様子が概略的に示されている。さらに、矢印によって示されているように、スライドロボット12は、X方向に沿って、例えば、第1の毛細管染色モジュール140、140’、140’’へと左に移動することができる。
スライドロボット12は、スライド10上のサンプルを処理するために、サンプル引出し17からスライド10を把持し、染色モジュール140、140’、140’’又は湿/乾取出しモジュール6等の任意のステーションに、スライドラック20及びスライド10を移送することができる。
スライドロボット12が毛細管染色モジュールのスライド位置の上方の位置に配置されると、スライドロボット12は、図14のY方向に沿った下向き矢印によって示されているように、スライドをY方向に沿って毛細管染色モジュール内に下降させ、スライドを毛細管染色モジュール内の正しい位置に挿入するように構成することができる。
さらに、スライドロボット12は、スライド10を、水平、鉛直、又は水平と鉛直との間の或る角度で位置決めするように構成することができる。例えば、スライドロボット20は、装填ステーション17からスライド10を水平の向きで把持又は解放することができる。更なる例として、スライドロボット12は、スライド10を前処理モジュール2又は取出しステーション6において鉛直の向きで把持又は解放することができる。更に別の例において、スライドロボット12は、染色モジュール140、140’、及び140’’のように、スライド10を水平と鉛直との間の角度の付いた向きで把持又は解放することができる。
さらに、自動化染色装置1は、矢印X及びYによって示されているように、プローブ16をX及びY(及びZ)方向に移動させる流体ロボット14を備える。流体ロボット14は、プローブ16を1つ以上の流体容器18、混合ステーション、毛細管染色モジュール140、140’、140’’の上方に位置決めすることができる。
流体ロボット14は、スライド上のサンプルを選択的に染色又は処理するために、任意の試薬容器18に収容された試薬18aの一部を吸引し、その試薬18aの一部を移送して、毛細管染色モジュール140、140’、140’’のうちの1つ以上に配置された1つ以上のスライド10に適用するように、プローブ16を更に動作させることができる。図14に概略的に示されているように、1つ以上の流体容器18は、流体容器ラック19内に配置することができる。
したがって、流体ロボット14は、プローブ16を自動化染色装置1内の異なる位置間で移動させるように構成される。流体ロボット14は、例えば、プローブ16を、例えば、試薬容器18における吸引位置に移動させ、プローブ16が試薬容器18から或る量の試薬18aを吸引するように構成することができる。さらに、X方向に沿った左向き矢印及びY方向に沿った下向き矢印によって概略的に示されているように、流体ロボット14により、プローブ16は、スライド上のサンプルを選択的に染色又は処理するために、例えば、毛細管染色モジュール140、140’、140’’内に配置されたスライド10における分注位置に移動することができ、その分注位置において、或る体積の吸引された試薬18aをスライド10に分注することができる。
さらに、本明細書に記載される毛細管チャンバは、ロボット式ピペット、プローブ、管、直接分注ボトル、マニホールド等を含む流体分注機構と併せて使用することができる。
プローブ16は、或る量の可能な異なる第2の流体を吸引する前に、洗浄流体容器18’に移動することができ、プローブ16によって或る量の可能な新たな流体を吸引する前にプローブ16をクリーニングするために、或る量の洗浄流体を吸引することができる。
図14に概略的に示されているように、1つ以上の試薬容器18、18’を試薬容器ラック19に配置することができる。複数の試薬容器ラックは、連続的なワークフロー、すなわち、スライドの処理の進行中の試薬の追加又は除去に適応するために、個別に挿入可能及び/又は取外し可能(つまり、挿入可能又は取外し可能あるいはそれらの両方)であるように構成することができる。
さらに、自動化染色装置1は、カバースリッパ13を更に備えることができ、カバースリッパ13は、スライド10上に配置された処理される生体サンプルの上にカバーガラス(図示せず)を配置するように構成される。
図14に概略的に示されているように、自動化染色装置1は、処理制御及び入出力インタフェースを含む制御ユニット151を備えることもできる。好適な入力部はキーボードとすることができ、好適な出力部はモニタとすることができ、又は、制御ユニット151は、タッチスクリーンディスプレイを含むことができる。
[例示的な実施形態]
ここで開示されている主題により提供される例示的な実施形態は、以下を含むが、これらに限定されない。
実施形態1。スライド上の生体サンプルを処理する方法であって、毛細管処理モジュール内にスライドを配置することであって、毛細管処理モジュールは、チャンバ床を有するチャンバと、スライドの一部をチャンバ床に対して昇降させるように位置決めされるクランクとを備えることと、スライドの一部を昇降させるようにクランクを回転させることであって、スライドが下降位置にあるときに、チャンバ床とスライドとの間に毛細管間隙が形成されることとを含む、方法。
実施形態2。クランクは、スライドの第1の端部を昇降させ、その間、スライドの第2の端部は、チャンバ床上又はチャンバ床上に配置されるスライド支持体上に留まる、実施形態1に記載の方法。
実施形態3。スライドの第1の端部は、スライドの表面とチャンバ床とが約0.1度~約25度の角度を形成するように上昇される、実施形態1又は2に記載の方法。
実施形態4。或る量の第1の流体をチャンバ床に供給することと、第1の流体を毛細管力によってスライドの処理領域にわたって広げることと、クランクを回転させることによってスライドを上昇させることであって、第1の流体は、スライドの上昇によって処理領域から抜き出されることとを更に含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態5。約2000μL以下の第1の流体を供給することを更に含む、実施形態4に記載の方法。
実施形態6。クランクを回転させることによってスライドを繰り返し昇降させ、それにより、流体を混合する、試薬の局所的な枯渇を防止する、及び/又は泡を移動若しくは除去する(つまり、流体を混合する、又は試薬の局所的な枯渇を防止する、又は泡を移動若しくは除去する、あるいはそれらの全て)等のために、第1の流体を抜き出して広げることを更に含む、実施形態4に記載の方法。
実施形態7。クランクを回転させることによってスライドを上昇及び/又は下降(つまり、上昇又は下降あるいはそれらの両方を)させるとともに、排出口における吸引をもたらす機構を作動させることにより、CPMから排出口を通して第1の流体を除去することを更に含む、実施形態4に記載の方法。
実施形態8。スライドは、排出口を通した第1の流体の除去が完了する前に下降される、実施形態7に記載の方法。
実施形態9。スライドは、第1のスライド主面及び第2のスライド主面を有し、サンプルが第1のスライド主面に取り付けられ、方法は、サンプルを有する第1のスライド主面がチャンバ床に面するように、スライドをチャンバに挿入することを更に含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
実施形態10。クランクを回転させてスライドを下降させることにより、チャンバ床とスライドとの間に毛細管間隙を形成することを更に含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
実施形態11。チャンバ床及び1つ以上のチャンバ側壁を有するチャンバと、回転するとスライドの一部を昇降させるように位置決めされるクランクとを備える、毛細管処理モジュール。
実施形態12。クランクは、1つ以上のチャンバ側壁から延出し、チャンバ床を通って延在しない、実施形態11に記載の毛細管処理モジュール。
実施形態13。クランクは、クランクが回転するとスライドに係合及び係脱するように位置決めされる曲げ部分を有する、実施形態11又は実施形態12に記載の毛細管処理モジュール。
実施形態14。クランクは、クランクが回転するとスライドに係合及び係脱するように位置決めされる非対称部分を有する、実施形態11~13のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態15。クランクは、歯車に係合する駆動端部を有し、チャンバが周囲環境からシールされるように、1つ以上のばねが、歯車から駆動端部に力を印加するように位置決めされる、実施形態14に記載の毛細管処理モジュール。
実施形態16。チャンバの外側のチャンバ床の下に位置決めされる冷却装置を更に備える、実施形態11~15のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態17。チャンバにおける排出口と、排出口に流体接続される排出機構とを更に備える、実施形態11~16のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態18。毛細管処理モジュールは、排出後のチャンバ内の残留流体を最小限にするようになっている、実施形態17に記載の毛細管処理モジュール。
実施形態19。排出口の一部を囲むバリアを更に備える、実施形態17に記載の毛細管処理モジュール。
実施形態20。バリアは、スライドが下降位置にあるときに、バリアの開放部によって排出口への進入を可能にするように、排出口の前部を囲む、実施形態19に記載の毛細管処理モジュール。
実施形態21。チャンバに可動に接続されるチャンバ蓋を更に備え、チャンバ蓋は、開放位置と閉鎖位置との間で可動である、実施形態11~20のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態22。チャンバ蓋上の流体ポートと、ポートをシールするように構成されるポートプラグとを更に備える、実施形態21に記載の毛細管処理モジュール。
実施形態23。チャンバ蓋は、チャンバ蓋を開放位置と閉鎖位置との間で移動させるように構成されるフレームに取り付けられる、実施形態20~22のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態24。チャンバ蓋は、チャンバ蓋の長軸に沿って位置決めされる複数の締結具によってフレームに取り付けられ、フレームは、チャンバ蓋の短軸の周りの角運動においてチャンバ蓋を移動させ、角運動の軸により近い締結具は、移動量の制限を可能にしながら、フレームをチャンバ蓋に取り付ける、実施形態23に記載の毛細管処理モジュール。
実施形態25。CPMは、フレームの孔内に1つ以上のワッシャを有し、後部ワッシャは、孔よりも小さい断面を有する内側部分を有する、実施形態24に記載の毛細管処理モジュール。
実施形態26。ポートプラグは弾性材料である、実施形態22に記載の毛細管処理モジュール。
実施形態27。端部にポートプラグを有するプラグアームを更に備え、プラグアームは、ポートプラグをポートに接離するように構成される、実施形態22又は実施形態26に記載の毛細管処理モジュール。
実施形態28。チャンバ上及び/又はチャンバ蓋上(つまり、チャンバ上又はチャンバ蓋上あるいはそれらの両方上)にヒータを更に備える、実施形態11~27のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態29。毛細管処理モジュールは、チャンバ内の湿度に対する制御を提供し、及び/又は最大100%の相対湿度を有する閉鎖区画を形成する(つまり、チャンバ内の湿度に対する制御を提供し、又は最大100%の相対湿度を有する閉鎖区画を形成する、あるいはそれらの両方をする)ようになっている、実施形態11~28のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態30。ヒータは、抵抗加熱材料から作製されるヒータトラックを有する、実施形態29に記載の毛細管処理モジュール。
実施形態31。ヒータトラックは、1つ以上の被加熱ゾーン及び1つ以上の非加熱ゾーンを画定するように位置決めされる、実施形態29に記載の毛細管処理モジュール。
実施形態32。ヒータ上に温度センサを更に備える、実施形態29~31のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態33。温度センサから温度測定値を受信し、温度測定値に基づいて、ヒータ又は冷却装置を調整するように構成されるコントローラを更に備える、実施形態32に記載の毛細管処理モジュール。
実施形態34。CPMは、1つ以上のチャンバ側壁において入口を有する、実施形態11~33のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態35。1つ以上のチャンバ側壁は、湾曲隅部によってチャンバ床に結合する、実施形態11~34のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態36。チャンバは、処理領域によって分離される第1の凹部及び第2の凹部を有し、第1の凹部は、クランクのシャフトが内部に配置され、第2の凹部は、排出口が内部に配置される、実施形態11~35のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態37。毛細管処理モジュールは、チャンバ内のスライドの下に液体を保持し、スライドからの液体のウィッキングを防止する1つ以上の機能部を有する、実施形態11~36のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態38。チャンバは、表面硬化ステンレス鋼から形成される、実施形態11~37のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態39。チャンバは、ステンレス鋼合金SMO254から形成される1つ以上の表面を有する、実施形態11~38のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態40。チャンバは、コールスタライジング処理によって硬化される1つ以上の表面を有する、実施形態11~39のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態41。チャンバは、不活性の耐腐食性コーティングを有する1つ以上の表面を有する、実施形態11~40のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態42。チャンバは、アモルファスシリコン、酸素、及び炭素によるバリアによってコーティングされる1つ以上の表面を有する、実施形態11~41のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュール。
実施形態43。毛細管処理モジュールを備える組織染色装置であって、上記毛細管処理モジュールは、組織サンプルを載せたスライドを受け取るようになっているチャンバと、回転すると上記スライドの一部を昇降させるようになっているクランクであって、上記スライドが完全な下降位置にあるとき、上記スライドと上記チャンバの床との間に毛細管間隙が形成されるようになっている、クランクとを備える、組織染色装置。
実施形態44。毛細管処理モジュールは、スライドの取出しを可能にするようになっている、実施形態43に記載の組織染色装置。
実施形態45。毛細管処理モジュールに接続される1つ以上のコントローラを更に備える、実施形態43又は実施形態44に記載の組織染色装置。
実施形態46。1つ以上のコントローラは、クランク、チャンバ蓋、ポンプ、1つ以上のヒータ、及び/又は冷却装置(つまり、クランク、又はチャンバ蓋、又はポンプ、又は1つ以上のヒータ、又は冷却装置、あるいはそれらの全て)の動作のために構成又はプログラムされる、実施形態45に記載の組織染色装置。
実施形態47。1つ以上のコントローラは、スライド染色プロトコルによってスライドを処理する1つ以上のソフトウェアプログラムを含むか、又はソフトウェアプログラムを受信及び実行するように構成される、実施形態45又は46に記載の組織染色装置。
実施形態48。流体を分注するピペッタを更に備える、実施形態43~47のいずれか1つに記載の組織染色装置。
実施形態49。毛細管処理モジュールは、1つ以上のチャンバ側壁において入口を有し、入口は、ピペッタから流体を受け取るようになっている、実施形態48に記載の組織染色装置。
実施形態50。1つ以上のチャンバ側壁は、湾曲隅部によってチャンバ床に結合する、実施形態49に記載の組織染色装置。
実施形態51。スライドを把持して移動させるロボットアームを更に備える、実施形態43~50のいずれか1つに記載の組織染色装置。
実施形態52。組織染色装置は、1つ以上の試薬バイアルを更に備える、実施形態43~51のいずれか1つに記載の組織染色装置。
実施形態53。組織染色装置は、試薬バイアルを保管及び/又は移動(つまり、保管又は移動あるいはそれらの両方を)させる装置を更に備える、実施形態43~52のいずれか1つに記載の組織染色装置。
実施形態54。実施形態11~42のいずれか1つに記載の毛細管処理モジュールを備える、組織染色装置。
本明細書において使用される用語が、特定の実施形態を説明するためのものであり、制限的であることを意図されないことが理解される。規定される用語は、規定される用語の技術的及び科学的意味に加えて、本教示の技術分野において一般に理解され受け入れられているようなものである。
本開示を考慮して、方法及び装置を、本教示を踏まえて実装することができることが留意される。さらに、種々の構成要素、材料、構造、及びパラメータは、単に例証及び例として含まれ、制限的な意味で含まれない。本開示を考慮して、本教示を、添付特許請求項の範囲内に留まりながら、他の用途並びに構成要素、材料、構造、及び機器で実施することができる。

Claims (15)

  1. チャンバ床及び1つ以上のチャンバ側壁を有するチャンバと、
    回転するとスライドの一部を昇降させるように位置決めされているクランクと
    を備える毛細管処理モジュール。
  2. 前記クランクは、前記1つ以上のチャンバ側壁から延出し、前記チャンバ床を通って延在していない、請求項1に記載の毛細管処理モジュール。
  3. 前記クランクは、
    (i)該クランクが回転すると前記スライドに係合及び係脱するように位置決めされる曲げ部分又は非対称部分あるいはそれらの両方と、
    (ii)歯車に係合する駆動端部と
    の1つ以上を有し、前記チャンバが周囲環境からシールされるように、1つ以上のばねが、前記歯車から前記駆動端部に力を印加するように位置決めされている、請求項1又は2に記載の毛細管処理モジュール。
  4. a)前記チャンバの外側の前記チャンバ床の下に位置決めされている冷却装置と、
    b)前記チャンバにおける排出口、及び該排出口に流体接続される排出機構と、
    c)前記排出口の一部を囲むバリアであって、好ましくは、前記スライドが下降位置にあるときに、該バリアの開放部によって前記排出口への進入を可能にするように、前記排出口の前部を囲むバリアと、
    d)前記チャンバに可動に接続されるチャンバ蓋であって、該チャンバ蓋は、開放位置と閉鎖位置との間で可動であり、好ましくは、前記チャンバ蓋上の流体ポートと、該ポートをシールするように構成されるポートプラグとを更に備え、該ポートプラグは、好ましくは弾性材料であり、該チャンバ蓋は、任意選択的に、端部に前記ポートプラグを有するプラグアームを更に備え、該プラグアームは、前記ポートプラグを前記ポートに接離するように構成されるチャンバ蓋と、
    e)前記チャンバ上又は前記チャンバ蓋上あるいはそれらの両方上のヒータであって、該ヒータは、好ましくは、抵抗加熱材料から作製されるヒータトラックを有し、該ヒータトラックは、最も好ましくは、1つ以上の被加熱ゾーン及び1つ以上の非加熱ゾーンを画定するように位置決めされているヒータと
    のうちの少なくとも1つを更に備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の毛細管処理モジュール。
  5. 該チャンバ蓋は、該チャンバ蓋を開放位置と閉鎖位置との間で移動させるように構成されるフレームに取り付けられ、前記チャンバ蓋は、好ましくは、該チャンバ蓋の長軸に沿って位置決めされる複数の締結具によって前記フレームに取り付けられ、該フレームは、前記チャンバ蓋の短軸の周りの角運動において前記チャンバ蓋を移動させ、前記角運動の軸により近い前記締結具は、移動量の制限を可能にしながら、前記フレームを前記チャンバ蓋に取り付け、最も好ましくは、前記毛細管処理モジュールは、前記フレームの孔内に1つ以上のワッシャを有し、該後部ワッシャは、前記孔よりも小さい断面を有する内側部分を有する、前記蓋を備える請求項4に記載の毛細管処理モジュール。
  6. 該ヒータ上に温度センサを更に備え、任意選択的に、前記温度センサから温度測定値を受信し、該温度測定値に基づいて、前記ヒータ又は冷却装置を調整するように構成されるコントローラを更に備える、前記ヒータを備える請求項4に記載の毛細管処理モジュール。
  7. 前記毛細管処理モジュールは、前記1つ以上のチャンバ側壁において入口を有することと、
    前記1つ以上のチャンバ側壁は、湾曲隅部によって前記チャンバ床に結合していることと、
    前記チャンバは、処理領域によって分離される第1の凹部及び第2の凹部を有し、前記第1の凹部は、前記クランクのシャフトが内部に配置され、前記第2の凹部は、排出口が内部に配置されていることと
    の1つ以上を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の毛細管処理モジュール。
  8. 前記チャンバは、
    表面硬化ステンレス鋼から形成され、
    ステンレス鋼合金SMO254から形成される1つ以上の表面を有し、
    コールスタライジング処理によって硬化される1つ以上の表面を有し、
    不活性の耐腐食性コーティングを有する1つ以上の表面を有することと、アモルファスシリコン、酸素、及び炭素によるバリアによってコーティングされる1つ以上の表面を有することとの1つ以上を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の毛細管処理モジュール。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の毛細管処理モジュールを備える組織染色装置。
  10. a)前記毛細管処理モジュールに接続される1つ以上のコントローラであって、該1つ以上のコントローラは、好ましくは、(i)前記クランク、又はチャンバ蓋、又はポンプ、又は1つ以上のヒータ、又は冷却装置、あるいはそれらの全ての動作のために構成若しくはプログラムされることと、(ii)スライド染色プロトコルによってスライドを処理する1つ以上のソフトウェアプログラムを含むか、若しくは該ソフトウェアプログラムを受信及び実行するように構成されることとの1つ以上を含む、1つ以上のコントローラと、
    b)流体を分注するピペッタであって、前記毛細管処理モジュールは、好ましくは、1つ以上のチャンバ側壁において入口を有し、該入口は、該ピペッタから流体を受け取るようになっている、ピペッタと、
    c)スライドを把持して移動させるロボットアームと、
    d)1つ以上の試薬バイアと、
    e)試薬バイアルを保管又は移動あるいはそれらの両方をさせる装置と
    を更に備える請求項9に記載の組織染色装置。
  11. スライド上の生体サンプルを処理する方法であって、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の毛細管処理モジュール内にスライドを配置することと、
    前記スライドの一部を昇降させるように前記クランクを回転させることであって、前記スライドが下降位置にあるときに、前記チャンバ床と前記スライドとの間に毛細管間隙を形成することと
    を含む方法。
  12. 前記クランクは、前記スライドの第1の端部を昇降させ、その間、前記スライドの第2の端部は、前記チャンバ床上又は該チャンバ床上に配置されるスライド支持体上に留まる、請求項11に記載の方法。
  13. 前記スライドの前記第1の端部は、前記スライドの表面と前記チャンバ床とが約0.1度~約25度の角度を形成するように上昇される、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 或る量の第1の流体、好ましくは約2000μL以下の前記第1の流体を前記チャンバ床に供給することと、
    前記第1の流体を毛細管力によって前記スライドの処理領域にわたって広げることと、
    前記クランクを回転させることによって前記スライドを上昇させることであって、前記第1の流体は、前記スライドの前記上昇によって前記処理領域から抜き出されることと、
    任意選択的に、(i)前記クランクを回転させることによって前記スライドを繰り返し昇降させ、それにより、前記流体を混合する、又は試薬の局所的な枯渇を防止する、又は泡を移動若しくは除去する、あるいはそれらの全て等のために、前記第1の流体を抜き出して広げることと、(ii)前記クランクを回転させることによって前記スライドを上昇又は下降あるいはそれらの両方をさせるとともに、排出口における吸引をもたらす機構を作動させることにより、前記毛細管処理モジュールから前記排出口を通して前記第1の流体を除去することとの1つ以上を含むことであって、前記スライドは、好ましくは、前記排出口を通した前記第1の流体の前記除去が完了する前に下降されることと
    を更に含む請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記スライドは、第1のスライド主面及び第2のスライド主面を有し、サンプルが前記第1のスライド主面に取り付けられ、前記サンプルを有する前記第1のスライド主面が前記チャンバ床に面するように、前記スライドを前記チャンバに挿入することを更に含む請求項11~14のいずれか1項に記載の方法。
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