JP2023526097A - 硬化物品を製作するためのシステム及び方法 - Google Patents

硬化物品を製作するためのシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

浸液を収容するチャンバと、前記浸液と混和しない硬化性液体が入っており、硬化性液体を前記チャンバの中に移送するように構成されたポートと流体連通する、リザーバと、前記リザーバと動作可能に連通するように構成されたアクチュエータと、前記硬化性液体と結合するように構成され、前記ポートと動作可能に連通する支持体とを含む、製作システムである。さらに、所定の形状を有する硬化物品を製造するための方法が提供される。【選択図】図8D

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2020年5月19日に出願された米国特許仮出願第63/026,870号の、35U.S.C.§119(e)に基づく優先権の利益を主張するものである。上記の出願の内容はすべて、その全体が十分に記載されているかのように参照により組み込まれる。
本発明は、一般に、硬化物品の分野に関する。
レンズは、顕微鏡から望遠鏡、ホログラム、メガネ、データストレージ、レーザなどの、あらゆる光学系の重要なコンポーネントである。レンズの直接製作は、形状設定方法を通じたもの又は微細構造化技術によるものであるかどうかにかかわらず、研削及び機械加工などの機械的処理とそれに続く光学面の研磨に依存する。高品質面の要件では特殊な高価な機器が必要となり、標準的でない光学面の製作には課題が残っている。成型に基づく方法では、単一のモールドを使用して多数のレンズを製造できるので、製作の費用対効果が大幅に向上する。しかしながら、モールド自体の製作には直接製作と同様の難しさがある。
レンズの製作に現在必要とされるインフラストラクチャに起因して、ラピッドプロトタイピングには大きな課題が残っている。3Dプリント技術をレンズのプロトタイピングのための可能性あるプラットフォームと考えるのは自然であるが、これまでのところ、プリント品質は高品質の光学用途には不適切である。さらに、3Dプリント時間は、プリントする体積に比例し、したがって、大きなレンズ又は多数のレンズを製作するにはかなりの時間が必要である。
非常に小さなレンズは、小さなポリマー液滴の平滑な気液界面を利用し、その後、重合させることによって、迅速に高い表面品質で製造することができる。標準条件でのほとんどの液体で<3mmである液体ポリマーの毛管長によって特徴付けられる表面張力に対する重力の相対的重要性によってサイズの制約が課される。液滴の直径が毛管長に近づくと重力が支配的になる。水平面上では、大きな液滴は重力によって平らになり、球形が失われる。そのようなレンズのサイズはまた、非常に狭い範囲の小さな直径に制限される。したがって、サイズに制限されず、特殊な機器を必要としない、高い表面品質の様々なレンズを迅速に製作するための簡単な方法を提供することが非常に有利である。
関連技術の上記の例及びそれに関連する制限は、例示することを意図しており、排他的ではない。関連技術の他の制限は、本明細書を読めば当業者には明らかとなるであろう。
以下の実施形態及びその態様は、システム、ツール、及び方法に関連して説明及び図示されており、これらは例示及び説明となることを意味し、範囲を限定するものではない。
本発明の一態様では、製作システムであって、浸液を収容するのに適したチャンバと、硬化性液体が入っているリザーバと流体連通するように適合されたポートと、前記リザーバと動作可能に連通し、前記ポートに向かう前記硬化性液体の流れを生じさせるように構成されたアクチュエータと、前記ポートと動作可能に連通し、前記硬化性液体と結合するように構成された支持体と、前記支持体に接触する前記硬化性液体を提供するために、前記ポートに向かう所定の体積の前記硬化性液体の流れを生じさせるべく、前記アクチュエータを制御するように構成された制御ユニットと、を含み、前記所定の体積は、所定の曲率の少なくとも1つの表面を有する物品を成形するのに十分な体積である、製作システムが提供される。
一実施形態では、硬化性液体と前記浸液は混和せず、前記支持体上の前記硬化性液体の接触角は90°未満である。
一実施形態では、物品は前記浸液に浸漬され、制御ユニットは、前記浸液によって生じる浮力に基づいて、前記物品の所定の曲率を決定するように構成される。
一実施形態では、制御ユニットは、(i)前記物品の所定の曲率を受信し、(ii)受信した所定の曲率に従って、硬化性液体の流れを生じさせるべく前記アクチュエータを制御するように構成される。
一実施形態では、制御ユニットはさらに、さらなるアクチュエータと動作可能に通信し、前記制御ユニットは、前記物品の所定の曲率を受信するように構成され、さらに、(ii)前記さらなるアクチュエータを介して、受信した所定の曲率に従って、浸液の(i)体積及び(ii)密度のうちの少なくとも1つを制御するように構成される。
一実施形態では、支持体は、結合層、コンテナ、又は結合フレームの形態である。
一実施形態では、チャンバは、物品の第1の表面に面する第1のリザーバと、物品の第2の表面に面する第2のリザーバを含み、前記第1のリザーバ及び前記第2のリザーバは、前記浸液を収容するように構成される。
一実施形態では、支持体は、前記第1のリザーバと前記第2のリザーバとの間に配置される。
一実施形態では、制御ユニットは、第1の表面及び第2の表面の所定の曲率を受信するように構成され、さらに、受信した所定の曲率に従って、前記第1のリザーバ及び前記第2のリザーバ内の浸液の(i)体積及び(ii)密度のうちの少なくとも1つを制御するように構成される。
一実施形態では、製作システムは、硬化性液体を均一に硬化させるのに適した硬化要素をさらに含む。
一実施形態では、硬化要素は、光源、加熱要素、又はその両方から選択される。
別の態様では、所定の曲率をもつ物品を製造するための方法であって、浸液を収容するチャンバと、前記浸液と混和しない硬化性液体が入っており、アクチュエータと動作可能に連通する、リザーバと、前記リザーバと流体連通するポートと、前記ポートと動作可能に連通し、前記硬化性液体と結合するように構成された支持体とを含む製作システムを提供することと、(ii)前記浸液に浸漬された前記硬化性液体の少なくとも1つの表面を得るべく、所定の体積の前記硬化性液体を前記支持体上又はその近傍に注入し、これにより、前記少なくとも1つの表面に所定の形状を提供することと、(iii)硬化するのに十分な条件下で前記所定の体積の硬化性液体を提供し、これにより、前記物品を製造することとを含む方法が提供される。
一実施形態では、ポートは、前記支持体と接触する前記硬化性液体を提供するように構成される。
一実施形態では、物品は、所定の曲率をもつ少なくとも1つの光学面を有するレンズである。
一実施形態では、前記少なくとも1つの光学面の曲率は、前記浸液によって生じる浮力及び前記硬化性液体の体積によって予め決定される。
一実施形態では、所定の体積は、(i)前記硬化性液体を前記支持体に結合する及び(ii)前記物品を成形するのに十分な体積である。
一実施形態では、浸液は、前記物品を製造するのに十分な浮力をもたらすように設定された密度を有する。
一実施形態では、方法は、a)前記浸液の体積及びb)前記硬化性液体の体積、のうちの少なくとも1つを変更することによって前記曲率を制御するステップ(iv)をさらに含む。
一実施形態では、硬化するのに十分な条件は、前記硬化性液体を熱放射、UV/可視照射、又はその両方に曝すことを含む。
一実施形態では、製作システムは本発明の製作システムである。
別の態様では、硬化ポリマーを含み、式1:
Figure 2023526097000002

式中、rは、正規化された半径変数であり、hは、正規化された表面高さ変数であり、添字は、半径方向又は方位角方向に関するhの空間導関数を示し、A及びBは自由パラメータである、
によって特徴付けられる非球面且つ非円筒面を有する物品が提供される。
一実施形態では、物品は光学物品レンズである。
一実施形態では、表面は、異なる焦点距離を有する複数の領域を含む。
一実施形態では、レンズは光軸を有する。
一実施形態では、物品は、UVからIRの波長範囲では透明である。
例示的な実施形態が参照図に示されている。図面に示されている構成要素及び特徴の寸法は、一般に、提示の便宜及び明瞭さのために選択され、必ずしも一定の縮尺で示されているわけではでない。図面を以下に挙げる。
本発明の例示的な球面物品のプロファイル測定を表す顕微鏡写真である。 図2A~Gは、流体成形法を用いて作製された固体レンズの画像である。図2Aは正の球面レンズである。図2Bは、2段階プロセスで作製されたダブレットレンズであり、負レンズが、異なる材料から作製された正レンズ(ここでは、見やすくするために青色に着色されている)の結合フレームとして使用されている。図2Cはサドル(トロイダル)レンズであり、図2Dは、同じ長方形の結合面に異なる体積のレンズ液を注入して作製された円筒レンズである。図2Eは、第1のレンズが半分に切断され、異なる曲率をもつ第2のレンズの新しい結合面の一部として用いられる2段階プロセスで作製された二焦点レンズである。図2Fは、レンズの下に囲まれる体積を増加させることによって作製された負のメニスカスレンズである。図2Gは、直径200mmの球面望遠鏡レンズである。 図3A~Cは、本発明の例示的な製作システムの概略的な限定ではない図を示す。図3Aは、結合層(例えばパッド)の形態の支持体を表す。図3B1~B2は、正の曲率(図3B1)又は負の曲率(図3B2)をもつ物品を製作するための結合フレーム(例えば結合リング)の形態の支持体を表す。図3Cは、2つの隣接するリザーバ間に配置された結合フレームの形態の支持体を表す。 本発明の例示的な物品の表面固有パラメータを示す概略図である。 非球面を有する本発明の例示的な物品を示す画像である。図5は、実験結果(液体コンテナ内の画像)と理論的予測(青色の曲線と赤色の曲線との重ね合わせ)との比較を表し、△ρ=-6.5kg/mm、D=87.2mm、V=48ml、及びγ=0.02N/mのとき、フィッティングパラメータなしで良好な一致が得られた。 図6A~Cは、本発明の例示的な球面及び非球面の硬化物品の画像である。リング形の結合面を使用して作製された球面レンズの実験画像である。図6Aでは、V>Vframeの中性浮力条件により、正の対称球面レンズが得られ、レンズの曲率は、注入体積によって決まる。図6Bでは、一定の体積(ここではV>Vframe)に対して浸液の密度を僅かに変化させることで、非対称球面レンズが得られる。図6Cでは、V<Vframeの中性浮力条件により、負の対称球面レンズが得られ、図6Aと同様に、光学パワーは注入体積によって制御することができる。 図7A~Bは、本発明の例示的な物品の製作に使用できる、例示的な製作方法及び例示的な結合フレームの図である。図7Aは、流体成形法を使用した自由形状の光学物品の製作のワークフローを示すスキームである。(a)3Dプリンタを使用して、所望の方位高さ変化のある結合フレームをプリントする。(b)フラットウィンドウを使用してフレームの底部を密封し、より大きなコンテナの底に配置する。(c)その設計に従って体積Vの光学液体をフレームの内部に充填する。(d)所望のボンド数によって設定される密度ρimの浸液をコンテナに充填する。フレームと光学液体が完全に沈められている限り、浸液の体積は重要ではない。(e)光学液体を平衡化させ、その最小エネルギー状態を達成し、次いで、UV光を照射して硬化させる。(f)固体の例示的な物品を浸液から取り出すことができる。フレームと浸液は両方とも、さらなる例示的な物品の製作のために再利用することができる。図7Bは、限定ではない結合フレームの幾何学的形状を示す概略図である。 図8A~Gは、例示的なカトルフォイル光学レンズの設計及び製作を表す画像である。結合フレームの境界条件はu(Rframe,θ)=3sin(4θ)mmであり、ここで、Rframe=18mm、例示的な物品の体積V=4ml、及びボンド数Bo=0.2である。図8Aは、予測された3D表面の画像である。図8Bは、例示的な物品の曲率(屈折力)分布を表す。パワー勾配は主に四隅にある。図8Cは、3Dプリントされた結合フレームの画像である。図8Dは、フレーム内で固化した例示的な物品の画像である。図8Eは、Thorlabsホルダ内にマウントされた例示的な物品の画像である。図8Fは、円形の参照オブジェクトの画像である。図8Gは、カトルフォイルを通して視覚化された同じオブジェクトの画像であり、隅でのパワー勾配の影響を示しており、円形がほぼ正方形に変わっている。 図9A~Bは、例示的なカトルフォイル光学レンズの光学面のグラフ及び原子間力顕微鏡(AFM)での顕微鏡写真である。図9Aは、3つの断面0°、30°、60°についての測定した光学面と理論面との誤差のプロットを表す。破線は、3つのラインについての誤差の二乗平均平方根を示し、RMS=690nmである。図9Bは、RMSが1nm未満である例示的なカトルフォイル光学レンズの表面粗さのAFM測定を表す。 図10A~Fは、例示的なCフレームの図である。図10A~Bは、Cフレームの等角断面図を表す。図10C~Fは、フレームへの注入時に最初に周辺チャネルを満たし、次いで全方向から放射状に浸透して内腔を満たし、硬化性液体(硬化性液体はコントラストをより良くするために青色に染色される)の液体ボリュームを形成して例示的なレンズを画定する、液体を表す画像である。 図11A~Iは、本発明の例示的なデバイスの限定ではない図である。図11Aは、本発明の例示的なデバイスのCAD図を表す。図11B~Dは、例示的なデバイス内に配置され、レンズ液供給チューブに接続された弾性結合フレーム(線で指摘されている)を示す。図11E~Iは、例示的なレンズの製作のフローチャートを示している。レンズを配置するには、浸液を入れたチャンバをフレームが十分に沈むように上昇させ、フレームをその内部体積が最小になるように引き伸ばす。フレームに、その内面を十分に濡らすべく最初に少量の硬化性液体を、充填する。次いで、適正な乱視補正を得るべくフレームを所望の形状に弛緩させ、残りの硬化性液体を注入する。最後に、LED光源をオンにして硬化性液体を凝固させることで、硬化レンズを形成することができる。 図12A~Cは、閉ループ制御下での本発明の例示的な製作方法を表す図である。図12Aは、製作されたレンズを通してリアルタイムでイメージングされた標的の概略図であり、センサによって得られた画像に基づいて、制御ユニットが、予定された形状又は曲率が形成されるまで硬化性液体を追加又は除去するべく、高精度シリンジのアクチュエータを制御する。図12B~Cは、液体レンズを通してイメージングされたUSAF 1951標的を表す画像であり、適正なレンズ曲率でのみ焦点が合っているように見える(図12C)。
一態様によれば、製作システムであって、浸液を収容するのに適したチャンバと、硬化性液体をチャンバの中に移送し、支持体と接触させるように構成され、硬化性液体が入っているリザーバと流体連通するように適合されたポートと、リザーバと動作可能に連通するように構成されたアクチュエータと、ポートと動作可能に連通し、硬化性液体と結合するように構成された支持体と、ポートに向かう硬化性液体の流れを生じさせ、支持体と接触する又は近接する所定の体積の硬化性液体を提供するべく、アクチュエータを制御するように構成された制御ユニットとを含む製作システムが提供される。
一部の実施形態では、製作システムであって、浸液を収容するのに適したチャンバと、硬化性液体が入っているリザーバと流体連通するように適合されたポートと、リザーバと動作可能に連通し、ポートに向かう硬化性液体の流れを生じさせるように構成されたアクチュエータと、ポートと動作可能に連通し、硬化性液体と結合するように構成された支持体と、支持体と接触する硬化性液体を提供するために、ポートに向かう所定の体積の硬化性液体の流れを生じさせるべく、アクチュエータを制御するように構成された制御ユニットとを含み、所定の体積は、所定の曲率の少なくとも1つの表面を有する物品を成形するのに十分な体積である、製作システムが提供される。
一部の実施形態では、支持体は、硬化性液体を受け入れるように構成される。一部の実施形態では、支持体は、本明細書で説明されるように、少なくとも物品を製作するのに十分な時間にわたって、硬化性液体と接触又は結合した状態を保つことができる。
チャンバ
一部の実施形態では、製作システムは、浸液を収容するのに適した寸法(例えば、長さ、深さ、高さ)のチャンバを含み、浸液の体積は、硬化性液体の少なくとも1つの表面を浸漬するのに十分な体積である。一部の実施形態では、浸液の体積は、硬化性液体に浮力を与えるのに十分な体積である。一部の実施形態では、浸液の体積は、硬化性液体の少なくとも1つの表面と接触するのに十分な体積である。一部の実施形態では、少なくとも1つの表面は硬化性液体の上面である。
一部の実施形態では、後述するように、浸液(例えば水性溶液)は硬化性液体と混和しない。
一部の実施形態では、「硬化性液体」という用語は、固化又は凝固することができる1つ又は複数の流体を指す。一部の実施形態では、「硬化性液体」と「固化性液体」という用語は、本明細書で交換可能に用いられる。一部の実施形態では、硬化性液体は、固体又は半固体になるように凝固することができる。一部の実施形態では、硬化性液体は、固化又は凝固すると固体状態になる。一部の実施形態では、硬化性液体は、その流動性が実質的に低下するように凝固することができる。一部の実施形態では、硬化性液体は、液体である又は液体を含む。一部の実施形態では、硬化性液体は、硬化することができる液体を含む。一部の実施形態では、硬化性液体は液体状態である。一部の実施形態では、硬化性液体は液体ポリマーを含む。一部の実施形態では、液体ポリマーは硬化可能である。一部の実施形態では、硬化性液体は硬化性ポリマーを含む。
一部の実施形態では、チャンバは、制御ユニットと動作可能に通信する加熱要素を含み、加熱要素は、浸液の温度を制御するように構成される。
一部の実施形態では、チャンバは、浸液の体積を制御するのに適したさらなるポートを含む。一部の実施形態では、さらなるポートは、制御ユニットと作動的に通信する。一部の実施形態では、さらなるポートは、所定の体積の浸液をチャンバの中に提供するように構成される。一部の実施形態では、さらなるポートは、さらなる液体をチャンバの中に提供するように構成され、これにより、浸液の密度を制御する。
一部の実施形態では、チャンバは、浸液を収容するのに適した第1のリザーバ及び第2のリザーバを含む。一部の実施形態では、第1のリザーバと第2のリザーバは、互いに流体連通するように構成される。
一部の実施形態では、第1のリザーバは、第1の浸液を収容するのに適しており、第2のリザーバは、第2の浸液を収容するのに適している。一部の実施形態では、第1の浸液の密度と第2の浸液の密度は同じである又は異なる。
一部の実施形態では、第1のリザーバ、第2のリザーバ、又はその両方は、アクチュエータと動作可能に連通するさらなるポートをさらに備える。一部の実施形態では、さらなるポートはチャンバと流体連通する。一部の実施形態では、制御ユニットと動作可能に通信するアクチュエータは、さらなるポートを介して第1のリザーバ及び/又は第2のリザーバ内の浸液の体積を制御するように構成される。
ポート
一部の実施形態では、製作システムは、硬化性液体を注入するように構成されたポートを含む。一部の実施形態では、ポートは、支持体と接触する又は近接する所定の体積の硬化性液体を与えるべく、硬化性液体を注入するように構成される。一部の実施形態では、ポートは支持体と接触する又は近接する。一部の実施形態では、ポートは、硬化性液体を支持体上又はその近傍に移送するように構成される。一部の実施形態では、ポートは、支持体と接触する硬化性液体を提供するように構成される。一部の実施形態では、ポートは、支持体上に硬化性液体を流すことができるように形状設定される。一部の実施形態では、ポートは、支持体(例えば結合フレーム)によって画定された内腔の中に硬化性液体を流すことができるように形状設定される。
一部の実施形態では、ポートは支持体と動作可能に連通する。一部の実施形態では、ポートはチャンバと動作可能に連通する。一部の実施形態では、ポートはチャンバと流体連通する。一部の実施形態では、ポートはチャンバ内に配置される。一部の実施形態では、ポートは分与機構の形態である。一部の実施形態では、ポートは弁(例えば注入弁)を含む。一部の実施形態では、ポートは複数のポートを含む。
一部の実施形態では、ポートは、硬化性液体が入っているリザーバと流体連通し、硬化性液体をリザーバからチャンバの中に移送又は注入するように構成される。一部の実施形態では、ポートはチャネルを介してリザーバと流体連通する。一部の実施形態では、ポートは、硬化性液体の体積を制御するように構成される。一部の実施形態では、ポートは、リザーバに向かう浸液の逆流を防ぐように構成された逆流防止器をさらに含む。
一部の実施形態では、ポートはアクチュエータと動作可能に連通する。一部の実施形態では、アクチュエータは、ポートを介してリザーバからチャンバへの硬化性液体の流れを生じさせるように構成される。随意的に、硬化性液体は、アクチュエータによって、リザーバからポートを介して支持体に向けて移送される。
一部の実施形態では、デバイスは複数のポートを含む。一部の実施形態では、複数のポートは、硬化性液体の同時注入を可能にするべく、支持体の周囲に分布又は割り当てられる。
支持体
一部の実施形態では、支持体は固体である。一部の実施形態では、支持体は、硬化性液体の物理的支持体を提供するように構成される。一部の実施形態では、支持体は、硬化性液体を受け入れるように構成される。一部の実施形態では、支持体は、物理的支持体を提供する又は硬化性液体と結合するように構成され、支持体と接触又は結合している硬化性液体は本発明の物品の形状を画定する。一部の実施形態では、支持体の少なくとも1つの表面は硬化性液体で濡らすことができる。一部の実施形態では、支持体への硬化性液体の親和性は、支持体からの硬化性液体の分離を防止するのに十分である。一部の実施形態では、硬化性液体は、浸液への親和性よりも高い支持体への親和性を有する。一部の実施形態では、支持体上の硬化性液体の接触角は90°未満である。
一部の実施形態では、支持体は結合層の形態である。一部の実施形態では、支持体はコンテナの形態である。一部の実施形態では、支持体の少なくとも1つの表面は、硬化性液体に結合又は付着するのに適している。
ここで、例示的な製作システムの限定ではない構成を実証する図3Aを参照する。
製作システムは、随意的に浸液が充填されたチャンバ100を含み得る。製作システムは支持体110を含み得る。支持体110は結合層の形態であり得る。支持体110は、硬化性液体120に結合又は付着するように構成することができる。
一部の実施形態では、支持体は結合フレームの形態である。一部の実施形態では、結合フレームは円形又は楕円形の形状を有する。一部の実施形態では、結合フレームは長方形の形状を有する。一部の実施形態では、結合フレームは硬化性液体の少なくとも一部に結合することができる。一部の実施形態では、支持体(例えば結合フレーム)は内腔を画定する。一部の実施形態では、支持体(例えば結合フレーム)に結合した硬化性液体は、内腔を実質的に満たしている(例えば、内腔の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、それらの間の任意の範囲を含む)。一部の実施形態では、支持体は、内腔内で硬化性液体と結合する又は封入するように構成され、内腔内の硬化性液体は、本発明の物品の形状を実質的に画定する。一部の実施形態では、結合フレームはポートと接触しており、ポートは、内腔に面する開口部である。
ここで、例示的な製作システムの限定ではない構成を実証する図3B1~B2を参照する。
製作システムは、随意的に浸液が充填されたチャンバ200を含み得る。製作システムは、結合フレームの形態の支持体210又は220を含み得る。支持体210又は220は、硬化性液体230に結合又は付着するように構成され得る。支持体210又は220は、硬化性液体230と接触することができ、硬化性液体は、支持体210又は220によって画定された内腔を実質的に満たしている。支持体210は、正の曲率をもつ物品(例えばレンズ)を形成するのに十分な高さを有することができ、支持体220の高さは硬化性液体の高さよりも低い。支持体220は、負の曲率をもつ物品(例えばレンズ)を形成するのに十分な高さを有することができ、支持体220の高さは、硬化性液体の高さよりも高い。製作システムは、支持体210又は220上又は内にポート240を含み得る。製作システムは、例えば、支持体210又は220の周囲に配置された複数のポート240を含み得る。
一部の実施形態では、支持体は高分子材料を含む。一部の実施形態では、高分子材料は硬化ポリマーを含む。一部の実施形態では、高分子材料は疎水性ポリマーを含む。一部の実施形態では、高分子材料は脂肪親和性ポリマーを含む。
一部の実施形態では、高分子材料は熱硬化性ポリマーを含む。一部の実施形態では、高分子材料は硬化性液体と同じポリマーを含む。一部の実施形態では、高分子材料は、本明細書で説明される接触角によって特徴付けられるポリマーを含む。一部の実施形態では、ポリマーは、少なくとも95°、少なくとも100°、少なくとも110°、少なくとも120°、少なくとも130°、少なくとも140°、少なくとも150°、少なくとも160°の水接触角によって特徴付けられ、それらの間の任意の範囲を含む。
支持体を製造するのに適したポリマーの限定ではない例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリカプロラクトン、ポリアミド、硬化フォトポリマー(例えばColoradoフォトポリマー)、硬化フォト接着剤(例えばNOA81)、硬化脂肪族ポリエステルウレタンアクリレートオリゴマー、硬化ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、硬化(メタ)アクリレート樹脂、硬化(メタ)アクリレートアミンオリゴマー樹脂、硬化脂環式エポキシ樹脂、硬化シアネートエステル系樹脂、硬化されたシリコンポリウレタン樹脂、及びデュアルキュア樹脂(エポキシ、シリコンなど)、又はその任意の組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、支持体の寸法(例えば高さ、直径)は、所定の体積の硬化性液体を受け入れるように適合される。一部の実施形態では、支持体の寸法(例えば高さ、直径)は、所定の体積の硬化性液体と結合する又は封入するように適合される。一部の実施形態では、所定の体積は、所定の幾何学的形状を有する物体(例えば、凹レンズ)を成形するのに十分な体積である。一部の実施形態では、結合フレームの高さは、所定の体積の硬化性液体を支持するのに十分な高さである。一部の実施形態では、図3B2に例示されるように、結合フレームの高さは、本明細書で開示される物品(例えば、凹レンズ)の厚さと実質的に同じである。
一部の実施形態では、支持体は、本発明の製作プロセスで使用するのに十分に安定している。一部の実施形態では、支持体は、硬化プロセスで使用するのに十分に安定している。一部の実施形態では、支持体は、硬化性液体のための支持体(例えば、フレーム又はハウジング)を提供するのに十分な機械的及び化学的安定性(機械的変形、熱膨張に起因する変形、UV/可視放射などのパラメータに応答して)を有する。
一部の実施形態では、支持体は調節可能である。一部の実施形態では、支持体は変形可能である。一部の実施形態では、支持体(例えば、結合フレーム)は可撓性である。一部の実施形態では、支持体(例えば、結合フレーム)は拡張可能である。一部の実施形態では、支持体は、トリガ(例えば信号)に応答して、その幾何学的形状又は形を(例えば、円形から楕円形に)変えることができる。
一部の実施形態では、支持体は拡張機構と動作可能に連通し、拡張機構は、支持体の幾何学的形状の変化(例えば、収縮及び/又は伸長)を可能にするように構成される。一部の実施形態では、支持体は拡張機構と動作可能に連通し、拡張機構は制御ユニットと動作可能に通信する。
一部の実施形態では、支持体は、加熱要素と、加熱要素及び制御ユニットと動作可能に通信するコントローラとをさらに備える。一部の実施形態では、加熱要素は、支持体を所定の温度に加熱するように構成される。一部の実施形態では、加熱要素は、支持体の温度を制御するように構成される。一部の実施形態では、加熱要素は、支持体及び/又は支持体と接触している硬化性液体の温度を制御するように構成される。一部の実施形態では、支持体は、支持体と接触する硬化性液体の温度、断面、及び/又は曲率のいずれかを制御するように構成される。
一部の実施形態では、支持体はチャンバと流体連通する。一部の実施形態では、支持体は、支持体と接触又は結合している硬化性液体(本明細書では「未硬化物品」とも呼ばれる)を浸液に浸漬するように構成される。一部の実施形態では、支持体はチャンバと流体連通する。一部の実施形態では、支持体は、未硬化物品を浸液に浸漬するように構成される。一部の実施形態では、支持体は、未硬化物品(又は少なくともその一部)を浸液に浸漬できるように、チャンバ内に配置される。
一部の実施形態では、支持体の垂直及び/又は水平位置は、(例えば制御ユニットを介して)調節可能である。一部の実施形態では、支持体の垂直及び/又は水平位置は、未硬化物品を浸液に浸漬できるように調節可能である。
一部の実施形態では、支持体は、第1のリザーバと第2のリザーバとの間に配置される。一部の実施形態では、支持体の頂部は第1のリザーバに面しており、支持体の底部は第2のリザーバに面している。一部の実施形態では、支持体の頂部は第1のリザーバと流体連通し、支持体の底部は第2のリザーバと流体連通する。一部の実施形態では、支持体の頂部は第1の浸液に面しており、支持体の底部は第2の浸液に面している。
一部の実施形態では、硬化性液体は、90°未満、85°未満、80°未満、70°未満、75°未満、60°未満、50°未満、45°未満、40°未満の支持体との接触角を有し、それらの間の任意の範囲を含む。一部の実施形態では、接触角は後退接触角である。
本明細書で説明されるアクチュエータはポンプを含み、リザーバ内の流体圧力は、流体(例えば、浸液及び/又は硬化性液体)をポンプでリザーバに送り込む及び/又はリザーバから送り出すことで調節可能である。
ここで、例示的な製作システムの限定ではない構成を実証する図3Cを参照する。
システムはチャンバ300を含む。チャンバ300は、第2のリザーバ320の上に第1のリザーバ310を有し得る。第1のリザーバ310及び第2のリザーバ320は、第1のリザーバ310及び/又は第2のリザーバ320内の浸液の体積を制御するように構成されたアクチュエータと動作可能に連通するさらなるポートを有し得る。システムは、第1のリザーバ310と第2のリザーバ320との間に配置された結合フレーム350を有し得る。結合フレーム350はポート340と動作可能に連通し得る。ポート340は、硬化性液体が入っているリザーバと液体連通し得る。結合フレーム350は、硬化性液体330に結合し、これにより、第1のリザーバ310と第2のリザーバ320とを分離し得る。硬化性液体330の上面(又は未硬化物品の第1の表面)は第1のリザーバ310に面し、硬化性液体330の下面(又は未硬化物品の第2の表面)は第2のリザーバ320に面している。一部の実施形態では、未硬化物品の第1の表面は第1のリザーバに面しており、未硬化物品の第2の表面は第2のリザーバに面している。一部の実施形態では、未硬化物品の第1の表面は第1の浸液と接触しており、未硬化物品の第2の表面は第2の浸液と接触している。
一部の実施形態では、硬化性液体330に結合された結合フレーム350は、第1のリザーバ310に充填されている第1の浸液と第2のリザーバ320に充填されている第2の浸液との混合を実質的に防止することができる。
一部の実施形態では、本明細書で説明されるシステムは、少なくとも1つの成形可能面を有する硬化ポリマー物品を製造するように構成される。一部の実施形態では、システムは、所定の曲率の少なくとも1つの表面を有する物品を成形又は製造するためのものである。一部の実施形態では、システムは、支持体と接触する硬化性液体の体積(例えば所定の体積)、支持体の形状及び/又は寸法、浸液及び硬化性液体の物理的特性(例えば、粘度、表面張力、密度)、リザーバ内の圧力及び/又は温度のいずれかによって予め決定される曲率をもつ少なくとも1つの表面を有する物品を成形又は製造するためのものである。
一部の実施形態では、図3Cに例示されるシステムは、所定の曲率をもつ2つの表面を有する物品を製造するためのものである。一部の実施形態では、図3Cで説明されるシステムは、所定の曲率をもつ2つの表面を有するレンズ(例えば、両凸レンズ、両凹レンズ、二焦点レンズ、又はメニスカスレンズ)を製造するためのものである。一部の実施形態では、システムは、レンズの光学面のいずれか1つの曲率及び/又は形状を制御するためのものである。
制御ユニット
一部の実施形態では、システムは、ポート、アクチュエータ、及び随意的に支持体(例えば調節可能な支持体)と動作可能に通信する制御ユニットを含む。一部の実施形態では、制御ユニットはさらに、硬化要素と動作可能に通信する。一部の実施形態では、制御ユニットは電子回路ユニットを含む。一部の実施形態では、制御ユニットは遠隔的に制御される。
一部の実施形態では、制御ユニットは、ポートに向かう硬化性液体の流れを生じさせるべくアクチュエータを制御するように構成される。一部の実施形態では、制御ユニットは、1つ又は複数のポートを介してリザーバから支持体に向かう硬化性液体の流れを生じさせるべくアクチュエータを制御するように構成される。一部の実施形態では、制御ユニットは、液体の流れを制御するように構成される。一部の実施形態では、制御ユニットは、流量(例えば1つ又は複数のポートの流量)を制御するように構成される。
一部の実施形態では、制御ユニットは、支持体の寸法(例えば、断面及び/又は幾何学的形状)を制御するように構成される。一部の実施形態では、制御ユニットは、拡張機構を介して支持体の構成を制御するように構成される。
一部の実施形態では、制御ユニットは、浸液の体積を計算するように構成される。一部の実施形態では、制御ユニットは、浮力条件下で(例えば、未硬化物品は浸液に浸漬される)物品を製作するのに十分な硬化性液体の体積を計算するように構成され、物品は所定の曲率によって特徴付けられる。一部の実施形態では、制御ユニットは、浮力条件下で物品を製作するのに十分な硬化性液体の体積を計算するように構成され、物品は、所定の幾何学的形状及び/又は所定の寸法(例えば直径又は断面)によって特徴付けられる。一部の実施形態では、硬化性液体の体積は所定の体積である。
一部の実施形態では、制御ユニットは、浸液によって生じる浮力に基づいて、硬化性液体の所定の体積を計算するように構成される(以下の式2.3参照)。一部の実施形態では、制御ユニットは、浸液によって生じる浮力に基づいて、物品(例えば、未硬化物品又は硬化物品)の所定の曲率を決定するように構成される。一部の実施形態では、制御ユニットは、浸液の密度及び硬化性液体の密度に基づいて、随意的に硬化性液体の粘度及び/又は表面張力に基づいて、浮力を計算するように構成される。一部の実施形態では、制御ユニットはさらに、硬化性液体にかかる重力を計算するように構成される。
一部の実施形態では、制御ユニットは、i)物品の所定の曲率を受信し、(ii)受信した所定の曲率に従って、支持体に向かう硬化性液体の流れを生じさせるべくアクチュエータを制御する、ように構成される。一部の実施形態では、制御ユニットは、受信した所定の曲率に従って、所定の体積の硬化性液体の流れを生じさせるように構成される。
一部の実施形態では、システムは、物品の曲率を制御するように構成され、システムは、第1のリザーバ及び第2のリザーバを含むチャンバと、第1のリザーバと第2のリザーバとの間に配置された支持体(例えば結合フレーム)とを含み、制御ユニットが、第1のリザーバに面している物品の第1の表面及び第2のリザーバに面している物品の第2の表面の所定の曲率を受信するように構成され、制御ユニットはさらに、受信した物品の所定の曲率に従って、第1のリザーバ及び/又は第2のリザーバ内の浸液の(i)体積及び(ii)密度のうちの少なくとも1つを制御するように構成される。一部の実施形態では、制御ユニットは、受信した物品の所定の曲率に従って、第1のリザーバ及び/又は第2のリザーバ内の圧力を制御するように構成される。
一部の実施形態では、制御ユニットは、少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、プログラム命令を記憶している一時的でないコンピュータ可読記憶媒体とを含み、プログラム命令は、(i)浸液によって生じる浮力(例えば、以下の式2.3による)、(ii)支持体の寸法(例えば、断面及び高さ)を含むデータを受信し、受信したデータに基づいて物品の曲率を計算するべく、少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行可能である。
一部の実施形態では、制御ユニットは、少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、プログラム命令を記憶している一時的でないコンピュータ可読記憶媒体とを含み、プログラム命令は、物品の所定の曲率を受信し、(i)浸液によって生じる浮力(例えば、以下の式2.3による)、(ii)支持体の寸法(例えば、断面及び高さ)を含むデータを受信するべく、少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行可能であり、制御ユニットはさらに、受信したデータに基づいて及び受信した物品の所定の曲率に従って硬化性液体の流れを生じさせるべくアクチュエータを制御するように構成される。
製作物品
一態様によれば、硬化ポリマーを含む物品が提供され、物品は、(i)表面高さの二乗平均平方根(RMSh)が10nm未満であり、(ii)RMShの標準偏差が1nm未満であることを特徴とする第1の表面を含む。
一部の実施形態では、物品は硬化物品であり、硬化は本明細書で説明されている通りである。一部の実施形態では、物品は硬化ポリマーを含む。一部の実施形態では、ポリマーは少なくとも部分的に硬化している。一部の実施形態では、物品の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.9%は、硬化ポリマーを含み、それらの間の任意の範囲を含む。一部の実施形態では、物品はポリマー物品である。一部の実施形態では、物品は硬化ポリマー物品である。一部の実施形態では、硬化ポリマーは実質的に均質である。
一部の実施形態では、物品の製作に使用されるポリマーは、本明細書で説明される硬化性ポリマーである。一部の実施形態では、物品の製作に使用されるポリマーは疎水性ポリマーである。一部の実施形態では、物品の製作に使用されるポリマーは、本明細書で説明される水不混和性ポリマーである。
一部の実施形態では、物品は固体である。一部の実施形態では、物品は、硬化ポリマーの融点よりも低い温度では固体である。一部の実施形態では、物品は、300℃未満、280℃未満、260℃未満、240℃未満、220℃未満、200℃未満、180℃未満、150℃未満、100℃未満、50℃未満、40℃未満の温度では固体であり、それらの間の任意の範囲又は値を含む。
一部の実施形態では、物品は、硬化ポリマーの融点よりも低い温度では実質的に安定している。一部の実施形態では、物品は、300℃未満、280℃未満、260℃未満、240℃未満、220℃未満、200℃未満、180℃未満、150℃未満、100℃未満、50℃未満、40℃未満の温度では実質的に安定しており、それらの間の任意の範囲又は値を含む。
本明細書で用いられる場合の「安定している」という用語は、物品がその構造的及び/又は機械的一体性を維持できていることを指す。一部の実施形態では、組成物が動作可能な条件下で十分な機械的一体性を特徴としている場合、組成物は安定していると言及される。一部の実施形態では、動作可能な条件は、UVから可視光照射、多くとも70℃、多くとも60℃、多くとも50℃、多くとも40℃、多くとも30℃の温度への熱暴露を含み、それらの間の任意の範囲又は値を含む。一部の実施形態では、安定している物品は動作可能な条件下で化学的に不活性である。一部の実施形態では、安定している物品は動作可能な条件下で剛性である。
一部の実施形態では、物品は、あらゆる光学デバイスとの適合性がある。一部の実施形態では、物品は、あらゆる公知の光源との適合性がある。
一部の実施形態では、硬化物品は、光照射に対して実質的に不活性(すなわち、非反応性)である。一部の実施形態では、硬化物品は、UV放射に対して実質的に不活性である。一部の実施形態では、硬化物品は、UV及び/又は可視光放射に対して実質的に不活性である。
一部の実施形態では、物品は、UV及び/又は可視光放射に曝されても実質的に硬化又は重合しない。一部の実施形態では、物品は、熱放射に曝されても実質的に硬化又は重合しない。
一部の実施形態では、硬化物品は、組成物の総重量に基づいて10重量%未満、5重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.1重量%未満の量の不飽和部分を有する化学種を含む。
一部の実施形態では、硬化物品は、組成物の総重量に基づいて10重量%未満、5重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.1重量%未満の量の熱硬化可能な化学種を含み、熱硬化可能な化学種は本明細書で説明されている通りである。
一部の実施形態では、物品又は硬化物品は、硬化ポリマー層の形態である。一部の実施形態では、物品又は硬化物品は1つの層を含む。一部の実施形態では、物品又は硬化物品は複数の層を含む。
一部の実施形態では、物品又は硬化物品は、(i)表面高さの二乗平均平方根(RMSh)が10nm未満であり、(ii)RMShの標準偏差が0.1~10%であることを特徴とする第1の表面と、第2の表面とを含む。
一部の実施形態では、本発明の物品の少なくとも1つの表面には、表面欠陥(例えば、ひっかき傷、裂け目、又は擦り傷)が実質的にない。一部の実施形態では、本発明の物品の少なくとも1つの表面には、1つ以上の研磨法(例えば、レンズ研磨法)から生じる表面欠陥が実質的にない。一部の実施形態では、本発明の物品の少なくとも1つの表面は、同じ表面積をもつ研磨された物品(例えばレンズ)と比べて、1つ以上の研磨法から生じる表面欠陥の多くとも20%、多くとも10%、多くとも5%、多くとも3%、多くとも1%、多くとも0.1%、多くとも0.01%、多くとも0.001%の表面欠陥を有し、それらの間の任意の範囲を含む。
一部の実施形態では、本発明の物品の少なくとも1つの表面は、RMShが10nm未満、8nm未満、7nm未満、6nm未満、5nm未満、4nm未満、2nm未満、1nm未満、0.5nm未満であることを特徴としており、それらの間の任意の範囲又は値を含む。一部の実施形態では、本発明の物品の少なくとも1つの表面は、RMShが0.5~10nm、0.5~1nm、1~2nm、2~4nm、4~10nmであることを特徴としており、それらの間の任意の範囲又は値を含む。
一部の実施形態では、本発明の物品の少なくとも1つの表面は、RMShの標準偏差が0.1~10%、0.1~0.5%、0.5~1%、0.1~1%、1~5%、5~10%であることを特徴としており、それらの間の任意の範囲を含む。一部の実施形態では、物品の表面全体は、RMShの標準偏差が0.1~10%、0.1~0.5%、0.5~1%、0.1~1%、1~5%、5~10%であることを特徴としており、それらの間の任意の範囲を含む。
一部の実施形態では、表面全体(例えば、第1の表面などの少なくとも1つの表面)の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、少なくとも99.9%は、(i)RMShが0.5~10nm、0.5~1nm、1~2nm、2~4nm、4~10nmであり、それらの間の任意の範囲又は値を含むこと、(ii)RMShの標準偏差が0.1~10%、0.1~0.5%、0.5~1%、0.1~1%、1~5%、5~10%であり、それらの間の任意の範囲を含むこと、又は(i)と(ii)の両方であること、のいずれかを特徴としている。
一部の実施形態では、第1の表面のRMShは、10nm未満、8nm未満、7nm未満、6nm未満、5nm未満、4nm未満、2nm未満、1nm未満、0.5nm未満であり、それらの間の任意の範囲又は値を含む。
本明細書で用いられる場合のRMSh(又はRMS)という用語は、評価する長さ内で記録された、平均ラインからのプロファイル高さの偏差(すなわち表面収差)の絶対値の算術平均を指す。RMSは、式1に従って計算される:
Figure 2023526097000003
ここで、Zは、高さとゼロベースラインとの差である。
本明細書で用いられる場合の「粗さ」という用語は、表面テクスチャ(すなわち表面収差)における不規則性に関係する。不規則性は表面の山及び谷である。表面の粗さは、走査型電子顕微鏡(SEM)によって決定することができる。
一部の実施形態では、第1の表面は、実質的に一定のRMShによって特徴付けられる。一部の実施形態では、第1の表面は、表面高さの実質的に一定のプロファイルによって特徴付けられる。一部の実施形態では、第1の表面は、複数の表面収差の実質的に一定の高さによって特徴付けられる。一部の実施形態では、第1の表面の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%は、実質的に一定のRMShによって特徴付けられる。一部の実施形態では、第1の表面は実質的に均質である。
本明細書で用いられる場合の「実質的に一定のRMSh」又は「実質的に均質な表面」という用語は、表面全体でのRMShの標準偏差(SD RMS)が、多くとも10%、多くとも8%、多くとも5%、多くとも3%、多くとも2%、多くとも1%、多くとも0.5%、多くとも0.1%であり、それらの間の任意の範囲又は値を含むことを指す。
一部の実施形態では、第1の表面の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%のSD RMSは、0.1~10%、0.1~0.5%、0.5~1%、1~3%、1~5%、5~10%、5~7%、7~10%であり、それらの間の任意の範囲又は値を含む。
一部の実施形態では、第1の表面の収差プロファイルは、周期性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、第1の表面は実質的に等方性である。
本明細書で用いられる場合の等方性表面という用語は、分析の方向に関係なく、実質的に同じ表面粗さを特徴とする表面を指す。例えば、球面物品(例えば本発明の物品)の等方性表面は、球面物品の横方向に沿って又は半径方向に沿って測定された実質的に同じ表面粗さを特徴とする。異方性の粗さを有する表面の例は、不均一に分布した表面高さ値(横方向、半径方向のクラックなど)を呈する、機械的手段(例えば、研削、機械加工、及び研磨)によって製作されたレンズである。さらに、等方性表面は、maximum peak-to-valley height(SRmax ISO)によって定義され得る。SRmax ISOは、サンプリング長内での最も高い山の頂部と最も深い谷の底部との間の垂直距離として定義される。これはすべてのpeak-to-valley値の最大値である。SRmax ISO測定技術は当該技術分野ではよく知られている。
一部の実施形態では、本発明の物品は、(i)表面高さの二乗平均平方根(RMSh)が10nm未満、5nm未満、又は1nm未満であり、(ii)RMShの標準偏差(SD RMS)が0.1~10%、0.1~0.5%、0.5~1%、0.1~1%、1~5%、5~10%であり、それらの間の任意の範囲を含むことを特徴とする第2の表面をさらに含む。
一部の実施形態では、第2の表面のRMShは、第1の表面について本明細書で説明されている通りである。一部の実施形態では、第2の表面のRMShと第1の表面のRMShは実質的に同じである。
一部の実施形態では、第2の表面のSD RMSは、第1の表面について本明細書で説明されている通りである。一部の実施形態では、第2の表面のSD RMSと第1の表面のSD RMSは実質的に同じである。
一部の実施形態では、第1の表面、第2の表面、又はその両方は、曲面である。一部の実施形態では、第1の表面、第2の表面、又はその両方は、独立して、正の曲率又は負の曲率を特徴とする。一部の実施形態では、物品は、正の曲率をもつ第1の表面と、負の曲率をもつ第2の表面を含む。一部の実施形態では、物品は、負の曲率をもつ第1の表面と、正の曲率をもつ第2の表面を含む。
一部の実施形態では、第1の表面、第2の表面、又はその両方は、一定の平均曲率を特徴とする。一部の実施形態では、第1の表面及び/又は第2の表面の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%は、一定の平均曲率を特徴とする。一部の実施形態では、一定の平均曲率の標準偏差は、0.01~10%、0.01~0.05%、0.05~0.1%、0.1~0.5%、0.5~1%、1~3%、1~5%、5~10%、5~7%、7~10%であり、それらの間の任意の範囲又は値を含む。
図1に示すように、レンズの平均曲率の標準偏差は約0.5%である。
一部の実施形態では、本発明の物品はレンズである。一部の実施形態では、レンズは少なくとも1つの光学面を有する。一部の実施形態では、レンズは複数の光学面を有する。一部の実施形態では、物品の第1の表面及び/又は第2の表面は光学面である。
一部の実施形態では、本発明の物品は複数の層を含む。一部の実施形態では、物品は、基板を含む第1の層と、本明細書で説明される外面を有する本発明の硬化ポリマーを含む第2の層とを含む。一部の実施形態では、本発明の硬化ポリマーは、基板上のコーティングの形態である。そのようなコーティングは、本明細書を通じて説明されるように、事前定義された表面粗さ及び/又は曲率をもつ物品を得るために使用され得る。
一部の実施形態では、レンズの直径は、後述するように、レンズの製造に使用される未硬化の硬化性液体の直径によって事前定義される。
一部の実施形態では、レンズの表面高さ(又はレンズの高さ)は、未硬化の硬化性液体の毛管長よりも実質的に大きい。一部の実施形態では、レンズの高さは、未硬化の硬化性液体の毛管長よりも少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍大きく、それらの間の任意の範囲を含む。
一部の実施形態では、レンズの高さは、少なくとも4mm、少なくとも6mm、少なくとも8mm、少なくとも10mm、少なくとも12mm、少なくとも15mm、少なくとも20mm、少なくとも30mm、少なくとも40mm、少なくとも50mm、少なくとも60mm、少なくとも70mm、少なくとも80mm、少なくとも90mm、少なくとも100mmであり、それらの間の任意の範囲を含む。
一部の実施形態では、レンズの高さは、本明細書で説明するように、(i)未硬化の硬化性液体の体積及び(ii)浸液の密度と未硬化の硬化性液体の密度との差によって予め決定される。
一部の実施形態では、レンズの表面高さ(又はレンズの高さ)は、後述する通りである。
一部の実施形態では、レンズは、正の曲率又は負の曲率をもつ少なくとも1つの光学面を有する。一部の実施形態では、レンズは2つの光学面を有する。
一部の実施形態では、2つの光学面はレンズの周囲で互いに接触している。一部の実施形態では、レンズの周囲は、垂直リムによって特徴付けられる。一部の実施形態では、レンズは、正の曲率又は負の曲率によって独立して特徴付けられる、上側光学面及び下側光学面を有する。
一部の実施形態では、レンズの光学面は、前述したように、一定の平均曲率によって特徴付けられる。一部の実施形態では、レンズの光学面は、第1の表面について前述したように、RMSh及びSD RMSによって特徴付けられる。一部の実施形態では、レンズの光学面は、(i)一定の平均曲率を有し、(ii)等方性である。一部の実施形態では、レンズの光学面は、(i)一定の平均曲率と、(ii)前述したRMSh及びSD RMSを有する。
一部の実施形態では、物品(例えばレンズ)の少なくとも1つの表面は非球面又は非円筒面を有し、少なくとも1つの表面は式1によって特徴付けられる:
Figure 2023526097000004
式中、rは、正規化された半径変数を表し、hは、正規化された表面高さ変数を表し、添字は、半径方向又は方位角方向に関するhの空間導関数を示し、A及びBは自由パラメータである。一部の実施形態では、レンズの少なくとも1つの光学面は式1によって特徴付けられる。一部の実施形態では、少なくとも1つの表面上の各点は式1によって特徴付けられ、A及びBは、表面固有の定数である。
本明細書で用いられる場合の「表面高さ」という用語は、物品の表面の最高点と最低点との間の垂直距離として定義される。本明細書で用いられる場合の「半径」という用語は、物品の表面の最高点と最低点との間の水平距離として定義される。一部の実施形態では、表面はレンズの光学面である。
限定ではない図では、密度ρimの浸液に懸濁され、半径R及び高さdの円筒フレームに注入された、密度ρlensのレンズ液が存在する。レンズ液がシリンダの内壁を濡らし、浸液との2つの別個の界面、すなわち、上面u(r,θ)及び下面l(r,θ)を形成すると仮定する(図1参照)。これらの表面の形状は、ボンド数
Figure 2023526097000005
によって特徴付けられる表面張力と重力のバランスによって決定され、ここで、
Figure 2023526097000006
は毛管長であり、ρ=ρlens-ρimは密度差であり、γは2つの液体間の界面エネルギーであり、gは負の
Figure 2023526097000007
方向に向かう地球の重力である。
Figure 2023526097000008
のとき、表面力が重力よりも支配的であり、両面が球面キャップの形状をとる。
Figure 2023526097000009
のとき、重力が表面力よりも支配的であり、構成が不安定になり、定常状態解の出現が妨げられる。
Figure 2023526097000010
のときのパラメータ域、すなわち、重力と表面力が同等に重要な場合を考慮する必要がある。
上面及び下面は、レンズ液の体積が一定であるという制約の下で、自由エネルギー汎関数:
Figure 2023526097000011
を最小にすることによって説明することができ、ここで、
Figure 2023526097000012

である。
積分記号の下の最初の3つの項は、それぞれ、表面エネルギー及び重力ポテンシャルエネルギーを表し、最後の項は、ラグランジュ乗数λを使用した体積制約を表す。
エネルギーポテンシャルの最初の変化が消失する、すなわち、
Figure 2023526097000013
のときに平衡に達し、標準のEuler-Lagrange式
Figure 2023526097000014
が得られ、これは以下のように明示的に書くことができる:
Figure 2023526097000015
次に、それに続いて、正規化された変数は以下のように定義される:
Figure 2023526097000016
ここで、hは特徴的な変形長さスケールであり、
Figure 2023526097000017
である。式1.4の変数を正規化された変数に置き換えると、式1.6が得られる:
Figure 2023526097000018
式1.6と式1は等しい。所与の(例えば、測定された)表面U、Lと無次元数の固定値Boについて、Pは式1.6によって決定される。本発明の方法によって作製された表面について、Pが一定のままである一方で、R及びθがそれらの定義域を通じて変化するようなBoの値が存在する。他方では、表面が異なる方法で作製されている場合、R及びθを変化させることで、Boの値に関係なくPの値が変化する。Boの値の妥当な範囲は0~100である。
式1又は式1.6によって定義される非球面を有する例示的な物品が図5で表される。
一部の実施形態では、レンズは光軸を有する。一部の実施形態では、レンズは所定の焦点距離を有する。
一部の実施形態では、レンズは、UVから可視及び/又はIR範囲では実質的に透明である。一部の実施形態では、レンズは、150~2000nm、150~200nm、200~300nm、300~400nm、400~500nm、500~600nm、600~700nm、700~800nm、800~1000nm、700~1000nm、1000~1500nm、1000~1300nm、1300~1500nm、1500~2000nm、1500~1700nmの範囲において実質的に透明であり、それらの間の任意の範囲又は値を含む。
一部の実施形態では、本発明のレンズには、機械的製作がない。
一部の実施形態では、レンズは、球面又は非球面の形状又は幾何学的形状によって特徴付けられる。一部の実施形態では、レンズは、球又は半球の形態である。一部の実施形態では、レンズは、平凸レンズ、平凹レンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、二焦点レンズ、メニスカスレンズ、又はこれらの組み合わせから選択される。
一部の実施形態では、本発明の物品(例えばレンズ)は、少なくとも1つのさらなる層と接触している第1のポリマー層を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのさらなる層はポリマー層である。一部の実施形態では、物品は複数の層を含み、各層は異なるポリマーを含む。一部の実施形態では、物品(例えばレンズ)は、複数のポリマーを含む多層物品であり、各ポリマーは異なる屈折率を有する。一部の実施形態では、複数のポリマーは少なくとも部分的に硬化している。
一部の実施形態では、物品は、硬化ポリマーを含む固体であり、硬化ポリマーは本明細書で説明されている通りである。
一部の実施形態では、レンズの光学面は、異なる曲率をもつ複数の領域を含む。一部の実施形態では、複数の領域は同じ硬化ポリマーを含む。一部の実施形態では、複数の領域は同じ屈折率によって特徴付けられる。一部の実施形態では、レンズの光学面は、焦点距離が異なる複数の領域を含む。
一部の実施形態では、本発明のレンズは二焦点レンズである。一部の実施形態では、二焦点レンズは、焦点距離が異なる複数の領域を有する少なくとも1つの光学面を有する。
一部の実施形態では、物品(例えばレンズ)には、金属粒子が実質的にない。一部の実施形態では、レンズには、磁性粒子が実質的にない。一部の実施形態では、本発明のレンズには、機械的製作(例えば研磨)がない。一部の実施形態では、本発明のレンズは非機械的に製作されたレンズである。一部の実施形態では、本発明のレンズは、本明細書で説明される本発明の製作プロセスによって製造される。
一部の実施形態では、レンズの光学面は非球面の形状を有する。一部の実施形態では、レンズの光学面は、様々な曲率によって特徴付けられる。一部の実施形態では、本発明のレンズは、正の球面レンズ、負の球面レンズ、円筒レンズ、又はサドルレンズを含む。例示的なレンズが図2及び図6に表される。
例示的な実施形態では、半径a及び高さHの円形フレームによって固定される密度ρlensの液体レンズが、密度ρimの混和しない浸液に懸濁される。ボンド数が十分に小さくなるように密度の差は十分に小さいと仮定すると、
Figure 2023526097000019
であり、式中、
Figure 2023526097000020
は毛管長であり、ここで、△ρ=ρlens-ρimであり、gは地球の重力である。この仮定の下では、表面張力が支配的であり、2つの流体間の界面は、上側半径Rup及び下側半径Rlowをもつ球面キャップの形状とみなす。液体レンズの体積はVとみなされ、2つのキャップの体積と結合フレームに囲まれたシリンダの体積の和に等しい。表面のうちの1つが負の曲率をもつ、すなわち、キャップが内向きに(フレームの方に、図6C参照)湾曲している場合、その体積も負になる。hlow及びhupをフレームの縁に対する球面キャップの高さとして定義すると、レンズの体積は式2.1で表すことができる:
Figure 2023526097000021
ここで、hは、
Figure 2023526097000022
を通じてRに関連付けられる。
懸濁したレンズ液に作用する2つの力は、表面張力
Figure 2023526097000023
と、重力
Figure 2023526097000024
であり、互いにバランスがとれている必要があり、
Figure 2023526097000025
である。
式2.2を式2.1に代入すると、式2.3が得られる:
Figure 2023526097000026
所望の球面半径Rup及びRlowを指定すると、hup及びhlowの値が設定され、レンズの体積に対する一意解が得られる。式(2.2)は、毛管長、したがって、必要な密度差を得るために使用することができる。
一部の実施形態では、制御ユニットは、加熱要素のいずれかの温度を制御するように構成され、これにより、浸液及び/又は支持体の温度を制御する。
随意的に、開示されるシステムは、コンピュータプログラム製品をさらに含む。
随意的に、コンピュータプログラム製品はコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体は、それで具体化されるプログラムコードを有し得る。コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用される命令を保持及び記憶することができる有形のデバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、又は上記の任意の適切な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の網羅的でないリストとしては、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能でプログラム可能な読出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、パンチカード又は命令が記録されている溝内の隆起構造などの機械的にエンコードされたデバイス、及び上記の任意の適切な組み合わせが挙げられる。本明細書で用いられる場合のコンピュータ可読記憶媒体は、電波又は他の自由に伝搬する電磁波、導波管又は他の伝送媒体を通じて伝搬する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通る光パルス)、又はワイヤを通じて送信される電気信号などの一時的な信号自体であると解釈されるべきではない。
本明細書で説明されるコンピュータで読み取り可能なプログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、又はネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、及び/又は無線ネットワークを介して外部コンピュータ又は外部記憶装置にダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、及び/又はエッジサーバを含み得る。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワークアダプタカード又はネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータで読み取り可能なプログラム命令を受信し、コンピュータで読み取り可能なプログラム命令を、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に格納するべく転送する。
本発明の動作を実行するためのコンピュータで読み取り可能なプログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、或いは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかであり得る。コンピュータで読み取り可能なプログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、独立型のソフトウェア・パッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上及び部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続することができ、又は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)外部コンピュータへの接続がなされ得る。一部の実施形態では、例えば、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実行するために電子回路をパーソナライズするべく、コンピュータで読み取り可能なプログラム命令の状態情報を使用することによって、コンピュータで読み取り可能なプログラム命令を実行することができる。
本発明の態様は、本発明の実施形態に係る方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品の図面及び/又は図を参照して本明細書で説明される。各イラスト及び/又は図面及びその組み合わせは、コンピュータで読み取り可能なプログラム命令によって実装できることが理解されるであろう。
これらのコンピュータで読み取り可能なプログラム命令は、マシンを作製するために汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供することができ、命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行され、図面で指定された機能/動作を実行するための手段をもたらす。これらのコンピュータで読み取り可能なプログラム命令はまた、特定の様態で機能するようにコンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置、及び/又は他のデバイスに指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に格納することができ、命令を格納しているコンピュータ可読記憶媒体は、図面で指定された機能/動作の態様を実行する命令を含む製造品を含む。
コンピュータで読み取り可能なプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他のデバイスにロードして、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、又は他のデバイス上で、コンピュータで実行されるプロセスを実施するべく一連の動作ステップを実行させることができ、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、又は他のデバイス上で実行される命令は、図面で指定された機能/動作を実行する。
一部の実施形態では、プログラムコードは、ハードウェアプロセッサによって実行可能である。
一部の実施形態では、ハードウェアプロセッサは、制御ユニットの一部である。
一部の実施形態では、開示されるシステム又はデバイスで実行されるアッセイの読み出しは、当該技術分野では公知の任意の適切な検出又は測定手段を使用して検出又は測定され得ることがさらに提供される。検出手段は、アッセイの読み出しの性質に応じて変えることができる。例えば、蛍光の読み出しを提供するアッセイの場合、検出手段は、反応部位でフルオロフォアを励起するための適切な波長の蛍光光源と、適切な波長で放出された蛍光を検出する手段を含み得る。励起光は、光がレンズを通ってコリメートされる前に、帯域幅フィルタを使用してフィルタリングされ得る。同じ(例えばフレネル)レンズが、蛍光の照射の合焦及び集光のために使用され得る。別のレンズが、蛍光を検出器の表面(例えば、光電子増倍管)に合焦するのに使用され得る。蛍光の読み出しはまた、CCDカメラ及びソフトウェアを搭載した標準的な蛍光顕微鏡を使用して検出され得る。一部の実施形態では、開示されるシステムはまた、その任意の実施形態におけるデバイスを含む装置、及び本明細書で説明する検出手段に関係する。
一部の実施形態では、システムは、光源をさらに含む。一部の実施形態では、光源は、制御ユニットと動作可能に通信する。一部の実施形態では、光源は、適切な波長(例えばUV範囲内)の光を放出するように構成される。一部の実施形態では、光源は、硬化性液体を硬化するのに十分な強度を有する、適切な波長のUV光を放出するように構成された、UV光源である。一部の実施形態では、光源は、硬化性液体と光通信するように構成される。一部の実施形態では、制御ユニットは、UV光源の強度を制御するように構成される。一部の実施形態では、システムは、制御ユニットからの信号に応答してUV光を提供し、硬化性液体の硬化をもたらすように構成される。
方法
本発明の別の態様では、硬化物品を製造するための方法であって、(i)浸液を収容するチャンバと、浸液と混和しない硬化性液体が入っており、アクチュエータと動作可能に連通する、リザーバと、リザーバと流体連通するポートと、硬化性液体に結合するように構成され、ポートと動作可能に連通する支持体とを含む製作システムを提供することと、(ii)浸液に浸漬された硬化性液体の少なくとも1つの表面を得るべく、所定の体積の硬化性液体を支持体上又はその近傍に注入し、これにより、少なくとも1つの表面に所定の形状を提供することと、(iii)硬化するのに十分な条件下で所定の体積の硬化性液体を提供し、これにより、所定の曲率及び/又は所定の形状を有する物品を製造することを含む方法が提供される。一部の実施形態では、製作システムのポートは、支持体と接触する硬化性液体を提供するように構成される。
一部の実施形態では、方法は、光学物品を製造するためのものである。一部の実施形態では、光学物品は、レンズ、光学ミラーなどを含む。一部の実施形態では、方法は、少なくとも1つの光学面を有するレンズを製造するためのものであり、少なくとも1つの光学面は本明細書で説明されている通りである。一部の実施形態では、方法は、少なくとも1つの寸法(例えば高さ)が材料(すなわち硬化性液体)の毛管長よりも大きいことを特徴とするレンズを製造するためのものである。一部の実施形態では、硬化性液体は液体ポリマーである。一部の実施形態では、液体ポリマーは硬化可能である。一部の実施形態では、物品は本発明の物品である。一部の実施形態では、「物品」及び「硬化物品」という用語は本明細書で交換可能に用いられる。
一部の実施形態では、方法のステップ(i)は、本発明の製作システムを提供することを含む。一部の実施形態では、ステップ(i)は、3Dプリンティング法によって製作システムを製造することを含む。そのような3Dプリンティング法は当該技術分野ではよく知られている。
一部の実施形態では、ステップ(i)は、製作システムを提供し、さらに、チャンバに浸液を充填することを含む。一部の実施形態では、ステップ(i)は、下側リザーバに浸液を充填することを含む。一部の実施形態では、浸液の体積は、硬化性液体の少なくとも1つの表面を浸液に浸漬するのに十分な体積である。一部の実施形態では、浸液の体積は、硬化性液体の上面及び下面を浸漬するのに十分な体積である。
一部の実施形態では、ステップ(i)は、ポートと流体連通する硬化性液体が入っているリザーバを提供し、これにより、ポートを介して所定の体積の硬化性液体をチャンバの中に注入するように構成されたシステムを得ることを含む。一部の実施形態では、ステップ(i)は、硬化性液体に結合するように構成された支持体を提供することを含む。一部の実施形態では、ステップ(i)は、支持体の少なくとも1つの表面を前処理し、これにより、硬化性液体への少なくとも1つの表面の親和性を高めることを含む。一部の実施形態では、前処理は、支持体の少なくとも1つの表面の濡れ性を制御するのに適した任意の処理を含む。
一部の実施形態では、この方法は、(i)製作システムを提供すること、(ii)所定の体積の硬化性液体をチャンバの中に注入し、これにより、支持体に結合又は付着した硬化性液体を得ることを含み、さらに、(iii)チャンバに浸液を充填することを含み、チャンバは本明細書で説明されている通りである。
一部の実施形態では、この方法は、(i)製作システムを提供すること、(ii)所定の体積の硬化性液体を支持体上又はその近傍に注入し、これにより、支持体に結合又は付着した硬化性液体を得ることを含み、さらに、(iii)チャンバに浸液を充填することを含み、チャンバは本明細書で説明されている通りである。
一部の実施形態では、本発明の浸液は、浸液としての使用に適した粘度などの十分な流動学的特性によって特徴付けられる。浸液は、浸液に浸漬された硬化性液体ボリュームの所定の曲率及び/又は幾何学的形状の形成を可能にしなければならないことを当業者は理解するであろう。一部の実施形態では、本発明の浸液は、浸液への硬化性液体ボリュームの浸漬を可能にするのに十分な密度によって特徴付けられる。一部の実施形態では、浸液の密度は、所定の浮力(例えば、硬化性液体の少なくとも1つの表面の曲率を事前定義するのに十分な浮力)を提供するように設定される。一部の実施形態では、本発明の浸液の密度は、中性浮力条件を提供するように設定される。一部の実施形態では、浸液の密度は、中性浮力からの偏差が30%以内、25%以内、20%以内、15%以内、10%以内、5%以内、3%以内の条件を提供するように設定され、それらの間の任意の範囲を含む。一部の実施形態では、本発明の浸液は、硬化性液体と混和しない。一部の実施形態では、浸液は親水性の液体を含み、硬化性液体は疎水性である。一部の実施形態では、本発明の浸液は脂肪親和性の液体を含み、硬化性液体は親水性である。一部の実施形態では、浸液は極性溶媒を含む。一部の実施形態では、本発明の浸液は水を含む。
一部の実施形態では、本発明の浸液は水性溶液を含む。一部の実施形態では、本発明の浸液はグリコールの水性溶液を含む。一部の実施形態では、本発明の浸液はポリオールの水性溶液を含む。一部の実施形態では、本発明の浸液はグリセロール又はグリセロールと水の混合物を含む。一部の実施形態では、浸液は、溶媒としての水と、有機塩及び/又は無機塩(例えば、酢酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物、水酸化物、硫酸塩、チオ硫酸塩、又は重炭酸塩)、有機水混和性化合物(グリセリン、メタノール、エタノール、アセトンなど)などの添加物を含む。一部の実施形態では、浸液は硬化条件下で化学的に安定している。一部の実施形態では、浸液は製造条件に適合する沸点を有する。一部の実施形態では、浸液は硬化性液体に対して化学的に不活性である。一部の実施形態では、浸液はフルオロカーボン油を含む。そのようなフルオロカーボン油は、ほとんどの他の液体と混和せず、したがって、様々な硬化性液体のための浸液として作用することができる。フルオロカーボン油の密度は、いくつかのタイプのフルオロカーボン油を混合することによって、又はそれと混和する特定の有機化合物(例えばヘキサン)と混合することによって制御することができる。そのようなフルオロカーボン油は、とりわけ、パーフルオロパーヒドロフェナントレン、テトラデカフルオロヘキサン、メトキシパーフルオロブタン、1H,1H,2H,2H-パーフルオロ-1-オクタノール、Kritox、Fluorinert、Cytopなどを含む。
一部の実施形態では、本発明の浸液は、本発明の硬化性液体の密度とは異なる密度を有する。一部の実施形態では、浸液の密度は硬化性液体の密度よりも高い。一部の実施形態では、本発明の浸液の密度は本発明の硬化性液体の密度よりも低い。一部の実施形態では、本発明の浸液は、硬化性液体の少なくとも1つの表面(例えば上面)の曲率を事前定義するのに十分な浮力をもたらすように設定された密度を有する。一部の実施形態では、本発明の浸液は、本発明の硬化性液体の2つの表面(上面及び下面)の曲率を事前定義するのに十分な浮力をもたらすように設定された密度を有する。一部の実施形態では、浸液は、本発明の硬化性液体の2つの表面(上面及び下面)の曲率を事前定義するのに十分な浮力をもたらすように設定された密度を有する。
一部の実施形態では、物品を製造するための方法が本明細書で提供され、物品の高さは、毛管長によって提供される高さよりも実質的に高い。一部の実施形態では、物品の高さは、硬化性液体の毛管長よりも少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも50倍大きく、それらの間の任意の範囲を含む。
一部の実施形態では、本発明の浸液は、浸漬した硬化性液体にかかる重力に打ち勝つのに十分な浮力をもたらすように設定された密度を有する。一部の実施形態では、硬化性液体の密度よりも高い密度を有する本発明の浸液は、硬化性液体に正の浮力を提供し、これにより、ポリマーの上面の正の曲率を増加させる。一部の実施形態では、浸液は、硬化性液体の少なくとも1つの表面の曲率を予め決定するのに十分な浮力をもたらすように設定された密度を有する。一部の実施形態では、浸液は、硬化性液体の2つの表面の曲率を予め決定するのに十分な浮力をもたらすように設定された密度を有する。一部の実施形態では、浸液は、少なくとも1つの表面(例えば上面)の所定の曲率を得るのに十分な浮力をもたらすように設定された密度を有する。一部の実施形態では、正の曲率をもつ上面を備える物品を製造する方法は、製作システムを提供することを含み、硬化性液体の密度よりも高い密度を有する浸液がチャンバに充填される。一部の実施形態では、硬化性液体の所定の曲率を形成するのに十分な密度は、式2.2に基づいて計算される。
一部の実施形態では、硬化性液体の密度よりも小さい密度を有する本発明の浸液は、硬化性液体に負の浮力を提供し、これにより、ポリマーの少なくとも1つの表面の正の曲率を減少させる。一部の実施形態では、硬化性液体の密度よりも小さい密度を有する浸液は、負の曲率をもつ少なくとも1つの表面を有する物品を形成する負の浮力を提供する。一部の実施形態では、浸液は、収縮した形状(すなわち、高さは少なくとも1つの表面(例えば上面)の所定の曲率よりも低い)をもつ少なくとも1つの表面を得るのに十分な負の浮力をもたらすように設定された密度を有する。
一部の実施形態では、方法は、中性浮力条件下で光学物品を製造するためのものである。一部の実施形態では、この方法のステップ(ii)は、所定の体積の硬化性液体をチャンバの中に注入することを含む。一部の実施形態では、硬化性液体は、ポートを介してチャンバの中に注入される。一部の実施形態では、制御ユニットからの信号に応答して、アクチュエータが、ポートを介してチャンバの中への硬化性液体の注入を開始する。一部の実施形態では、アクチュエータは、硬化性液体をチャンバの中に移送するべく、硬化性液体が充填されたリザーバ内の圧力を増加させる。一部の実施形態では、本発明の方法のステップ(ii)及び/又はステップ(iii)は、中性浮力条件下で行われる。一部の実施形態では、浸液と硬化性液体は、中性浮力条件になるように選択される。
一部の実施形態では、ステップ(ii)は、硬化性液体を支持体に結合するためのものである。一部の実施形態では、制御ユニットは、物品の所定の寸法及び所定の表面曲率に従って、ポリマーの所定の体積を計算する。一部の実施形態では、所定の体積は、(i)硬化性液体を支持体に結合する及び(ii)物品を成形するのに十分な体積である。一部の実施形態では、所定の体積は、硬化性液体の少なくとも1つの表面を支持体に結合するのに十分な体積である。一部の実施形態では、所定の体積は、支持体(例えば結合フレーム)によって画定された内腔を実質的に満たすのに十分な体積である。一部の実施形態では、所定の体積は、球面又は非球面レンズ(両凹、両凸、二焦点、ダブレット、シリンドリカルサドル、又はメニスカス構造)を形成するのに十分であり、レンズは、少なくとも1つの所定の寸法及び所定の曲率の少なくとも1つの表面を有する。
一部の実施形態では、本発明の硬化性液体は浸液と混和しない。一部の実施形態では、本発明の硬化性液体は水と混和しない。一部の実施形態では、硬化性液体は、浸液と混和せず、硬化可能である。一部の実施形態では、硬化性液体は、レンズを形成するのに適している。一部の実施形態では、本発明の硬化性液体は、UVから可視及び/又はIR領域では透明である。一部の実施形態では、本発明の硬化性液体は未硬化ポリマーを含む。一部の実施形態では、本発明の硬化性液体は架橋可能ポリマーを含む。一部の実施形態では、本発明の硬化性液体は熱硬化性ポリマーを含む。
重合又は硬化は、例えば、重合又は架橋反応を開始するのに十分なエネルギーを有する電磁放射又は熱放射を照射するなどの任意の様態で行うことができる。一部の実施形態では、硬化性液体は、重合反応などで別のモノマー化学種の同じ又は異なる官能基又は部分と反応して1つ又は複数の共有結合を形成できる1つ以上の官能基又は部分を有する化学種などのモノマー化学種を含む。重合反応は、一部の実施形態では、フリーラジカル重合を含む。本明細書で用いられる重合又は硬化は、実質的に固体物品をもたらす固化プロセスを指す。一部の実施形態では、硬化物品は安定している物品を指し、安定しているとは本明細書で説明されている通りである。
随意的に、本発明の硬化性液体は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、又はそれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む組成物を指し、組成物は、UV及び/又は可視範囲の光に曝されると(例えばフリーラジカル重合により)少なくとも部分的に重合可能である。一部の実施形態では、硬化性液体は、UV光に曝されると重合する任意のメタクリレート又はアクリレート樹脂を含む液体ポリマーである。一部の実施形態では、重合は、フリーラジカル光開始剤の存在下で起こる。一部の実施形態では、液体ポリマーは、メタクリレート、ジメタクリレート、トリアクリレート、及びジアクリレート、又はその任意の組み合わせなどの1つ又は複数の低分子量材料を含む。
一部の実施形態では、光開始剤は、好ましくは200nm~400nm又は300nm~385nmのUV光を吸収してフリーラジカルを発生するように動作可能なα開裂型(単分子分解プロセス)光開始剤又は水素引き抜き光増感剤-第三級アミン相乗剤を含む。
一部の実施形態では、液体ポリマーはフォトポリマーを含む。
本明細書で用いられる場合の「フォトポリマー」という用語は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、又はそれらの混合物の形態である、光重合性分子を指す。1つの例示的な実施形態では、光重合性分子は光重合性不飽和部分(例えば、ビニル基又はアリル基)を含む。一部の実施形態では、光重合性分子は、約200nm~約400nmの範囲の波長で光重合可能又は光硬化可能である。代替的に、光重合性分子は、可視波長の電磁スペクトルで光重合可能である。
光重合性分子の限定ではない例としては、スチレン、N-ビニルピロリドン、アリルアクリレート、ジアクリレート(アクリレートによって官能基化されたエポキシド、ウレタン、エーテル、又はエステルなど)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、2-フェノキシエチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、単官能脂肪族ウレタンアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、トリデシルメタクリレート、トリ(メタ)アクリレート(例えば、1,1-トリメチロールプロパントリアクリレート又はメタクリレート、エトキシル化又はプロポキシル化1,1,1-トリメチロールプロパントリアクリレート又はメタクリレート、エトキシル化又はプロポキシル化グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールモノヒドロキシトリアクリレート又はメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、及びトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート)、又はその任意の組み合わせが挙げられる。
一部の実施形態では、液体ポリマーは自己硬化性ポリマーを含む。一部の実施形態では、液体ポリマーは疎水性ポリマーを含む。一部の実施形態では、液体ポリマーは脂肪親和性ポリマーを含む。
一部の実施形態では、液体ポリマーは熱硬化性ポリマーを含む。一部の実施形態では、液体ポリマーは、ポリマーを熱放射に曝すことによって硬化可能である。一部の実施形態では、液体ポリマーは支持体と同じポリマーを含む。
一部の実施形態では、本発明の硬化性液体は、無機粒子をさらに含む。一部の実施形態では、硬化性液体は、溶媒又は硬化性ポリマー中の無機粒子の分散液である。一部の実施形態では、硬化性液体は分散液又はエマルジョンの形態である。一部の実施形態では、硬化性液体は複合材料である。一部の実施形態では、複合材料は、無機粒子(例えばシリカナノ粒子)と、硬化性ポリマー又は樹脂(例えば、アクリレート系又はアクリレートエステル系樹脂)を含む。一部の実施形態では、無機粒子は、直径が10~500nm、10~50nm、50~100nm、100~150nm、150~200nm、200~300nm、300~500nmのナノ粒子であり、それらの間の任意の範囲を含む。一部の実施形態では、無機粒子は金属酸化物粒子である。一部の実施形態では、無機粒子は、シリカ、ジルコニア、チタニア、酸化鉄(III又はII)、酸化マグネシウムのいずれか、又はその任意の組み合わせを含む。
一部の実施形態では、本発明の硬化性液体(随意的に、分散液又はエマルジョンの形態)は、注入デバイスに適合する流動性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、本発明の硬化性液体(随意的に、分散液又はエマルジョンの形態)は、硬化性液体の注入に適した粘度によって特徴付けられる。一部の実施形態では、本発明の硬化性液体(随意的に、分散液又はエマルジョンの形態)は注入可能である。一部の実施形態では、本発明の硬化性液体(随意的に、分散液又はエマルジョンの形態)は、注入可能であり、本明細書で説明される粘度によって特徴付けられる。一部の実施形態では、本発明の硬化性液体(随意的に、分散液又はエマルジョンの形態)は、硬化性液体の注入に適した流動性によって特徴付けられる。液体の注入に適した流動性範囲は、当該技術分野では公知であり、とりわけ、液体の物理化学的パラメータ(例えば、粘度、表面張力)及び/又は温度、圧力などの周囲条件に依存する。
一部の実施形態では、硬化性液体は、硬化性ポリマー(例えばHEMA)と無機ナノ粒子(例えばシリカ)を含む。一部の実施形態では、硬化性液体内の無機ナノ粒子(例えばシリカ)のw/w濃度は、5~80%、5~10%、10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%であり、それらの間の任意の範囲又は値を含む。
一部の実施形態では、支持体上の硬化性液体は、本明細書で説明される接触角によって特徴付けられる。
一部の実施形態では、硬化性液体は、少なくとも95°、少なくとも100°、少なくとも110°、少なくとも120°、少なくとも130°、少なくとも140°、少なくとも150°、少なくとも160°の接触角によって特徴付けられ、それらの間の任意の範囲を含む。
液体ポリマーの限定ではない例は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリアクリレート、ポリウレタン、フォトポリマー(例えばColoradoフォトポリマー)、フォト接着剤(例えばNOA81)、脂肪族ポリエステルウレタンアクリレートオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、(メタ)アクリレートアミンオリゴマー樹脂、脂環式エポキシ樹脂、シアネートエステル系樹脂、シリコンポリウレタン樹脂、及びデュアルキュア樹脂(エポキシ、シリコンなど)、又はその任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、硬化性液体は、本明細書で説明される硬化方法のいずれかを適用することによって実質的に重合可能又は硬化可能である。一部の実施形態では、硬化性液体は、本明細書で説明するように硬化条件下で実質的に重合可能である。
本明細書で用いられる場合の「硬化」という用語は、ポリマー鎖の架橋によって高分子材料を固化することを指す。そのような架橋は、三次元ポリマーネットワークの形成をもたらし得る。随意的に、硬化は、炭素-炭素二重結合などの不飽和部分のUVにより生じる架橋を指し得る。
一部の実施形態では、硬化性液体は、少なくとも2cP、少なくとも10cP、少なくとも20cP、少なくとも30cP、少なくとも50cP、少なくとも100cP、少なくとも1000cP、少なくとも5000cPの粘度によって特徴付けられ、それらの間の任意の範囲を含む。一部の実施形態では、硬化性液体は、500~7000cP、約1000~約10000cPの粘度によって特徴付けられ、それらの間の任意の範囲を含む。一部の実施形態では、硬化性液体は、本発明の製造プロセス(例えば、ステップi及びii)中に硬化性液体の構造的一体性を維持するのに十分な粘度を有する。
一部の実施形態では、方法のステップi及びステップiiは、所定の幾何学的形状又は曲率をもつ物品を得るためのものである。一部の実施形態では、方法のステップi及びステップiiは、所定の曲率の少なくとも1つの表面を有する物品を製造するためのものである。一部の実施形態では、方法のステップi及びステップiiは、少なくとも1つの所定の寸法(例えば直径)を有する物品を得るためのものである。一部の実施形態では、物品の幾何学的形状及び/又は表面曲率は、浸液の密度及び硬化性液体の体積によって予め決定される。一部の実施形態では、方法のステップi及びステップiiは、基板をコーティングするためのものである。一部の実施形態では、方法は、基板をコーティングし、これにより、本明細書で説明される粗さによって特徴付けられる基板の表面を得るためのものである。一部の実施形態では、物品の少なくとも1つの表面(例えば光学面)の曲率は、浸液によって生じる浮力及び硬化性液体の体積によって予め決定される。
別の態様では、物品の少なくとも1つの表面曲率を制御するための方法が本明細書で提供される。一部の実施形態では、物品の少なくとも1つの表面曲率を制御するための方法は、(i)硬化性液体の体積、(ii)第1の浸液及び第2の浸液のうちのいずれか1つの体積、のうちの少なくとも1つを制御することを含む。一部の実施形態では、レンズの複数の表面曲率を制御し、これにより、後述するメニスカスレンズを製造するための方法が本明細書で提供される。
一部の実施形態では、本発明の方法は、硬化性液体(例えば、成形ポリマー)を硬化させるステップ(iii)を含む。一部の実施形態では、硬化するのに十分な条件は、ステップ(ii)の硬化性液体を熱放射、UV/可視照射、又はその両方に曝すことを含む。一部の実施形態では、ステップ(ii)の硬化性液体は、所定の形状及び/又は曲率をもつ硬化性液体(すなわち、成形ポリマー)である。
一部の実施形態では、硬化は、支持体と接触している未硬化の硬化性液体を、硬化性液体を少なくとも部分的に硬化するのに十分な時間にわたって電磁放射(UV放射、電子ビーム、X線など)に曝すことを含む。一部の実施形態では、硬化は、熱硬化及びUV硬化から選択されたプロセスを含む。一部の実施形態では、硬化は熱硬化及びUV硬化を含む。一部の実施形態では、熱硬化とUV硬化は同時に又は連続して行われる。
一部の実施形態では、熱硬化は、硬化性液体の少なくとも一部を40~1000℃の温度にすることを含む。一部の実施形態では、熱硬化は、乾燥をさらに含む。一部の実施形態では、熱硬化は、焼結などの後処理技術をさらに含む。焼結は、熱(800~2000℃)又は圧力によって基板の圧縮又は硬化をもたらすために多孔質無機基板(例えば、ガラス又はシリカ、セラミックス、チタニア、ジルコニアなど)に適用されるよく知られている手順である。
一部の実施形態では、硬化は、支持体と接触する第1の硬化性液体を可視及び/又は赤外光スペクトルの電磁放射に曝すことによるものである。一部の実施形態では、硬化は、硬化性液体を波長400~2000nm、400~600nm、600~800nm、800~1000nm、700~1000nm、1000~1500nm、1500~2000nmの電磁放射に曝すことによるものであり、それらの間の任意の範囲又は値を含む。
一部の実施形態では、熱硬化が、熱硬化性化合物(例えば、前述した熱硬化性ポリマー)を含む硬化性液体に適用される。
一部の実施形態では、UV硬化は、硬化性液体の少なくとも一部の硬化に適した条件下で硬化性液体の少なくとも一部をUV又は可視放射に曝すことを含む。一部の実施形態では、硬化又はUV硬化により、少なくとも部分的に硬化された硬化性液体が得られる。
一部の実施形態では、硬化に適した条件は、0.1~100秒(s)の範囲の照射時間を含む。一部の実施形態では、硬化に適した条件は、10~80℃の温度への熱暴露を含む。一部の実施形態では、硬化に適した条件は、10~80℃の温度への熱暴露及び0.1~100sの範囲の照射時間を含む。一部の実施形態では、硬化に適した条件は、10~60℃、10~20℃、10~25℃、10~30℃、20~30℃、20~60℃、20~50℃、20~40℃、25~40℃、25~50℃、50~100℃、100~200℃、200~300℃、300~400℃、400~500℃、500~600℃、600~700℃、700~800℃の温度への熱暴露を含み、それらの間の任意の範囲又は値を含む。
一部の実施形態では、硬化に適した条件は、0.1~100s、0.1~100s、0.1~100s、0.1~100s、0.1~100s、0.1~100s、0.1~100s、0.1~100s、0.1~100s、0.1~100s、0.1~100sの範囲の照射時間を含み、それらの間の任意の範囲又は値を含む。
一部の実施形態では、照射時間は、硬化性液体を少なくとも部分的に硬化又は凝固するのに十分な時間である。一部の実施形態では、照射時間は、硬化性液体(例えば第1の液体ポリマー)の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%を硬化又は架橋するのに十分な時間である。
一部の実施形態では、硬化は、未硬化の硬化性液体を50~400mJ/cm2、150~400mJ/cm2、50~150mJ/cm2、150~400mJ/cm2、200~400mJ/cm2、300~400mJ/cm2の範囲の電磁放射線量に曝すことを含み、それらの間の任意の範囲又は値を含む。
一部の実施形態では、硬化に必要な放射線量は、少なくとも100mJ/cm2、少なくとも150mJ/cm2、少なくとも200mJ/cm2、少なくとも300mJ/cm2、少なくとも400mJ/cm2であり、それらの間の任意の範囲又は値を含む。
一部の実施形態では、この方法は、堆積(ALD、CVD、PVDなど)などの後処理方法のいずれかをさらに含む。
一部の実施形態では、硬化物品には、接着性がない。一部の実施形態では、硬化物品は、未硬化物品の硬度よりも高い硬度によって特徴付けられる。一部の実施形態では、硬化した組成物の硬度は、未硬化物品又は未硬化の硬化性液体の硬度よりも、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも500%、少なくとも1000%、少なくとも5000%、少なくとも100000%高く、それらの間の任意の範囲又は値を含む。
一部の実施形態では、硬化物品は、1~95%、1~10%、1~5%、5~15%、5~20%、5~25%、10~30%、30~50%、50~70%、70~80%、80~95%の範囲の硬化性ポリマーの架橋度によって特徴付けられ、それらの間の任意の範囲又は値を含む。
一部の実施形態では、硬化は、硬化性ポリマーの少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%の架橋をもたらす。
一部の実施形態では、硬化物品は、少なくとも1つの表面の表面粗さが前述した通りであることを特徴とする。
一部の実施形態では、硬化物品は硬化ポリマーを含む。一部の実施形態では、硬化物品は硬化有機ポリマー(例えば、硬化フォトポリマー、硬化された熱硬化性ポリマー)を含む。一部の実施形態では、硬化物品は硬化無機ポリマー(例えばシリカ又はガラス)を含む。一部の実施形態では、硬化物品は複数の硬化ポリマーを含む。
一部の実施形態では、メニスカスレンズを製造するための方法は、上側リザーバ及び下側リザーバを含むシステム(図3Cで説明される)を提供するステップ(i)を含む。一部の実施形態では、この方法は、第2のリザーバに第2の浸液を充填することを含む。
一部の実施形態では、方法は、ポートを介して硬化性液体をチャンバの中に移送し、これにより、結合フレームに結合された硬化性液体を得るステップ(ii)をさらに含み、ポリマーの下面は第2の浸液に面しており又は接触しており、ポリマーの上面は上側リザーバに面している。一部の実施形態では、支持体に結合された硬化性液体は、第1のリザーバと第2のリザーバとを分離する。
一部の実施形態では、方法は、上側リザーバに第1の浸液を提供し、これにより、第1の浸液と第2の浸液とを分離するポリマー層を得るステップ(iii)をさらに含み、ポリマー層は所定の曲率をもつ複数の表面を有する。一部の実施形態では、第1の浸液と第2の浸液は異なる密度を有する。一部の実施形態では、第1の浸液は、硬化性液体(例えば、両凹、両凸、二焦点、ダブレット、シリンドリカルサドル、又はメニスカス構造)の上面の曲率を事前定義するのに十分な浮力をもたらすように設定された密度を有し、第2の浸液は、下面の曲率を事前定義するのに十分な浮力をもたらすように設定された密度を有する。
一部の実施形態では、この方法は、硬化性液体の体積及び/又は浸液の体積を変化(例えば、増加又は減少)させ、これにより、メニスカスレンズの形態の硬化性液体を得るステップ(iv)をさらに含む。一部の実施形態では、ステップ(iv)は、第2の浸液の体積を変化(例えば、増加又は減少)させ、これにより、硬化性液体の表面のいずれか1つの曲率を制御することを含む。一部の実施形態では、方法は、硬化性液体を硬化させ、これにより、メニスカスレンズを製造するステップ(v)をさらに含む。
実施例
実施例1
流体成形による光学物品の製作
材料及び方法
浸液:浸液は、水とグリセロールを様々な濃度で混合することによって調製された。この組み合わせにより、室温の水の0.997g/mLから純グリセロールの1.263g/mLまでの任意の密度に到達することができる。正確な密度は、浸液の既知の体積を測ることで直接測定することができる。中性浮力条件を検証する最も簡単な方法は、結合フレームなしで、小体積のレンズ液を浸液に直接注入することによるものである。浸液が中性浮力にあるとき、注入されたレンズ液は球形の液滴の形状になり、表面に浮く又は底に沈むことなく静止したままになる。
レンズ液及び硬化条件:適切な浸液を特定できれば、任意の硬化性液体を使用してレンズを形成することができる。本発明者らは、PDMS(Sylgard 184,Dow,MI)及びUV接着剤(NOA61、NOA63、NOA81、Norland,NJ)の硬化を上手く利用して、本発明の例示的なレンズを形成した。PDMSレンズは、80℃で1.5時間、60℃で4時間、又は室温で24時間インキュベートすることで硬化させる。UV接着剤は、レンズの厚さ及び選択される特定の接着剤に応じて、365nmの光(36Wの消費者向けグレードのネイルランプ)に2~5分曝すことで硬化させる。PDMSとNorland接着剤はどちらも水に混和せず、およそ1.03(PDMS)g/mL~およそ1.12g/mL(Norland)の密度を有するので、水/グリセロールベースの浸液で密度の差を正確に制御することができた。
球面レンズ
図3で例示されるように、混和しない浸液環境内に沈められた結合フレームに硬化性レンズ液を注入することを考える。そのような条件下では、重力に加えて、レンズ液は浮力を受ける。浸液の密度がレンズ液の密度と一致するとき、中性浮力条件が達成され、重力の影響がなくなり、無限の毛管長が得られる。得られるレンズの形状は、注入体積と、レンズ液と接触している結合面の幾何学的形状によって決定される。前述したように製造された例示的な球面レンズが図6Aに表される。例示的なレンズ(V)を成形する硬化性液体の体積が、結合フレームによって取り囲まれる体積Vframe=πR *dよりも大きいとき、硬化性液体ボリュームは正の曲率(すなわち凸レンズ)を得ることになり、ここで、Rは、結合フレームの半径を指し、dは、フレームの高さを指す。図6Aは、注入体積を変化させることで正レンズの曲率を制御できることを実証する。図6Cは、V<Vframeのより高いフレームの同様の結果を示しており、この場合、硬化性液体の界面は内向きに突き出し、負(凹形)レンズが得られる。
図6Bは、浸液の様々な密度での正の固定体積レンズの形状を示す。上下の対称性は、(例えば本明細書で説明される制御ユニットにより)硬化性液体の体積を変化させることによっても破ることができ、したがって、レンズ液を効果的に膨張又は収縮させることでメニスカス型レンズが得られる。
硬化性液体が最小エネルギー形状になると、標準的な方法で固化することができる。本発明者らは、材料及び方法で説明したように、PDMSの熱硬化及び光学接着剤のUV硬化に基づく様々なレンズの製作を実証した。
図2は、流体成形法で作製された固体レンズのコレクションを示す。図2Aは、リング形の結合面を使用して作製された正の球面レンズの最も簡単なケースを示す。図2Bは、2段階プロセスで作製されたダブレットレンズを示しており、最初に負レンズが形成され、次いで、異なる材料から作製された正レンズ(ここでは、見やすくするために青色に着色されている)のベースとして使用される。図2C及び図2Dは、それぞれ、側面に2つの垂直壁を有する長方形のパッドからなる結合面に注入される異なるボリュームを使用して作製されたサドル(トロイダル)レンズ及び円筒レンズを示す。図2Eは、1つの曲率のレンズが半分に切断され、異なる曲率をもつレンズの新しい結合面の一部として用いられる2段階プロセスで作製された二焦点レンズを示す。両方の部品が同じポリマー(PDMS)を使用して作製されているため、それらはシームレスな単一ユニットを形成した。図2Fは、レンズの下に取り囲まれる体積を増加させることによって作製された負のメニスカスレンズを示す。このタイプのレンズは、球面収差を減らすことが知られており、眼鏡業界で標準的に使用されている。最後に、図2Gは、流体成形法のスケール不変性を実証する、200mmの球面望遠鏡レンズ(典型的な毛管長よりも2桁大きい)を示す。
本明細書で説明される例示的な手法は、極めて高い表面品質を有するレンズを作製する。20×20ミクロンの領域に原子間力顕微鏡(AFM)測定を行うと、RMS=1.15nm及びRa=0.84nmの表面粗さ値が得られた。表面品質は流体界面の平滑度の直接的な結果であり、したがって、レンズの形状とは無関係であることを強調しておく。さらに、重合可能なアクリレート樹脂(例えばMethylmetacrylate又はHEMA)とナノサイズのシリカ粒子の分散液が、本発明の例示的な物品を製作するために本発明者らによって使用されてきた。
例示的な物品を製作するために本発明者らによって上手く利用されたPDMS及びNorland接着剤は、水に不溶であり、およそ1.03(PDMS)g/mL~およそ1.12g/mL(Norland)の密度を有する。したがって、本発明者らは浸液として水を使用し、水の密度をグリセロールで調整した。より高い密度を有する他のポリマーは、適切な浸液を必要とする。例えば、ポリカーボネートは、グリセロールで達成できた密度を上回るおよそ1.3gr/cmの密度を有する、一般的なよく特徴付けられた光学ポリマーである。さらに、分散液(例えばHEMA-シリカベースの分散液)の形態の硬化性液体はまた、約1.6gr/cmのさらにより高い密度によって特徴付けられる。この場合、水の密度を3.1gr/cmまで正確に調整できるように、ポリタングステン酸ナトリウムが使用され得る。さらに、浸液としてFC770(1.8g/cm)などの重質フッ素油を使用することができる。重質フッ素油は、高品質の光学面の形成に必要な浸液の正確な密度を調整するために、ヘキサン(0.65g/cm)と混合することができる。
非球面レンズ
中性浮力から僅かに逸脱すると、対称性が破れるが、レンズの表面は球面形状を維持する。式(1、1.6、及び2.3)は、システムの注入体積、封入体積、及びボンド数を制御することで、広範囲の非球面ベッセル形状レンズを得ることを可能にする。これらの流体形状は、Bo値がおよそ1であっても大きな外乱に対して安定していることに注目することが重要である。
式1又は式1.6によって定義される非球面を有する例示的な物品が図5で表され、これは、理論によって得られる上界面及び下界面の解と、実験的に測定されたものとの非常に良好な一致を示している。この特定の実験では、関連する物理パラメータは、△ρ=-6.5kg/mm、D=87.2mm、V=48ml、及びγ=0.02N/mであった。注目に値するのは、このモデルにはフィッティングパラメータがなく、システムの実際の物理パラメータを使用して結果が直接得られることである。
この目的のために、本発明者らは、光学系の初めてのラピッドプロトタイピングを可能にする、高品質の光学物品を流体成形するための方法を実証した。この方法はスケール不変であり、対応する3Dプリンティングとは異なり、必要な製作時間は、作製する体積に比例せず、したがって、任意のサイズの例示的な物品を迅速に製作することが可能となる。加えて、この方法は、様々な光学的及び機械的特性をもつ多様な硬化性液体との適合性がある。本発明者らは、例示的な流体光学物品を設計するための4つの自由度、すなわち、支持体の体積、支持体と接触する硬化性液体の封入体積、ボンド数、及び物品の表面の形状又は曲率を特定した。重要なことに、この方法は特殊な機器を必要とせず、クリーンルーム環境、高価な機器、又は複雑な後処理(例えば研磨)の必要なしに、ナノメートルスケールの表面品質が自然に達成される。この方法の簡素さと手頃な価格により、これは、とりわけ、現在面倒な高価なプロセスで作製されている、手頃な価格のアイウェア又は大きな高品質の望遠鏡レンズを作製するためのプラットフォームとして役立つ自然な候補となる。
実施例2
自由形状の光学物品の流体成形
本発明者らは、自由形状の光学物品の迅速な製作のために流体成形法を使用した。標準的な3Dプリンタで作製された結合フレームを使用して、本発明者らは、いくつかの自由形状の例示的な物品の製作の容易さを実証した。サドル、チルト(二焦点)、及びカトルフォイルなどの一般的な自由形状の表面を実証するために単一の波数によって定義されるフレーム、並びに、任意の所望の表面を生み出すウェーブの重ね合わせによって定義されるフレームが使用されている。これらの例示的な物品はすべて、その後の研磨ステップの必要なしに、流体成形法の特徴である1nmのオーダーの表面品質を享受する。
図7Bで例示されるように、結合フレームは、楕円形又は長方形のフレーム(周縁に沿って高さが変化する)であり得る。楕円形のフレームは、そのようなフレームは、球面補正と乱視補正との両方を備えた表面をもたらすことが期待されるため、アイウェアに関連して特に関心がもたれる。長方形フレームも、格子及びプリズムなどのデカルト対称性をもつ構造体の作製を可能にするため、特に関心がもたれる。さらに、その経路に沿って任意の高さ変化を有する任意のフレーム形状が本発明者らによって使用され得る。
図7Aは、流体成形法を使用した自由形状の表面の製作プロセスを例示する。本発明者らは、市販の3Dプリンタ(Form 3,FormLabs,United states)を使用して、方位角方向に沿って所望の高さ変化を有する剛性の円筒結合フレームをプリントした。本発明者らは、フレームの底を平坦なガラス基板で密封し、それをより大きなコンテナの底に配置した。本発明者らは、所望の体積の光学液体をフレームの中に注入し、フレームが完全に沈むまでコンテナに浸液を充填した。この時点で、液体とフレームの内面全体との適正な接触を確保しながら、さらなる光学液体をフレームの中に加えることができる。最後に、光学液体を凝固させるために、コンテナにUV光を数分間照射した。これで光学物品の準備が整い、浸液から取り出すことができる。結合フレームは、例示的な物品から取り出して再使用することができ、又は取り付けられたままにして機械的インターフェースとして作用することができる。
図8は、u(Rframe,θ)=3sin(4θ)mmの結合フレーム条件によって定義されるカトルフォイルの例示的な物品の設計及び製作を示す。図8Aは、ボンド数0.2及び体積4mlでの期待される得られる表面を示す。図8Bは、この例示的な物品から得られる空間曲率(屈折力分布と線形相関する)を示す。画像での重ね合わされた白い円で例示されるように、例示的な物品の視野を満たす円形オブジェクトは四隅で歪みを示すことが予想される。
図8Cは、市販の3Dプリンタでプリントした直径36mmの円筒フレームを示し、所望の境界条件(すなわち、円周上に4つの周期をもつ6mmのピークツーピーク正弦波)を実装している。上記の手順で説明したように、直径46mmのガラスウィンドウをその底に取り付け、密度1.07g/mlの4mlの光硬化性ポリマー(エポキシUV樹脂グルー、Vidarosa)を充填した。所望のボンド数0.2を達成するために、脱イオン水中28.8%のグリセロールからなる浸液をコンテナに充填した。レンズを凝固させるために、例示的な物品からおよそ10cmの距離で波長365nmの12WのUVランプを3つ使用して、3分間かけて完全に硬化させた。図8Dは、得られた例示的な物品を示し、図8Eは、標準的な2インチのレンズホルダ(SM2NFM2,Thorlabs,New Jersey)内に取り付けたところを示す。製作プロセス全体が完了するまでに40分を要し、そのうち30分はフレームの3Dプリンティングに費やされ、10分は液体の手動注入、硬化、コンテナからの除去、及び乾燥に費やされた。図8F~Gは、このカトルフォイル要素によって生成される不均一な屈折力の定性的表現を提供し、図8Fは、中間光学物品なしの円形オブジェクトの画像を示し、一方、図8Gは、カトルフォイルを通して像形成したときの同じ円形オブジェクトの画像を示す。図8Bから予想されるように、円形オブジェクトの画像は四隅で変形し、正方形の形状が生じる。
得られた物品の表面粗さを、原子間力顕微鏡(AFM)を使用して測定し、図9A~Bによって表されるように1nm未満のRMS値が得られた。デジタルホログラフィック顕微鏡(DHM R-1000 LynceeTec,Switzerland)を使用して、3つの半径方向のライン(0°、30°、60°)に沿って得られた自由形状の表面のトポグラフィが、回転ステージ(PR01/M,Thorlabs,New Jersey)によって設定された角度で測定されている。各ラインに沿って、電動X-Yステージ(MS 2000,ASI,Oregon)を使用して、本発明者らは、それらの間が部分的に重なり合う状態で一連の500×500μmの画像を40枚とり、隣接する画像間の相互相関によって連続したラインを形成するようにそれらをつなぎ合わせた。この目的のために、本発明者らは、Matlabの「fminsearch」アルゴリズムを使用して、自由パラメータとして作用する、ボンド数、注入体積、及びフレームの高さ変化の振幅を用いて、3つのラインと理論モデルとの間の最小平均二乗を見つけた。フィッティングから得られた値は、Bo=2.91、V=3.21ml、b=0.56mmであり、現在の例示的な製造プロセスの予想される許容誤差内にある。図9Aは、抽出されたパラメータを使用する、3つの半径方向のラインに沿って測定された表面高さと、これらのラインに沿った理論値との差を示す。結果は、8mmよりも小さい半径では、理論値と測定値との差はおよそ1μmに抑えられ、フレームの縁に向かうにつれて4μmまで大きくなることを示す。3つのラインすべてにわたる誤差のRMSは690nmである。図9Bは、原子間力顕微鏡(AFM)を使用して得られたコンポーネントの表面粗さの測定値を示し、液液界面の平滑度から予想されるように、1nm未満のRMS値を示している。
実施例3
製作システム
図11は、レンズなどの硬化物品の製造に適用可能な本発明の例示的なデバイスの図を示す。例示的なデバイスは、結合フレーム(その中にレンズ液が注入される)、浸液コンテナ、液体注入システム、重合用の光源、及び所定の曲率及び/又は形状に従って注入体積とフレームの形状との両方を制御する制御ユニットを含む。コンテナに浸液(グリセロールを含む水)を予め充填することができ、複数のレンズの生産のために繰返し使用することができる。レンズを作製するために、ユーザは、弾性円形フレームをフレームホルダ(緑色で示されている)の中に挿入し、LEDのアレイを含む蓋を閉じ、コントローラでレンズの所望の球面及び円筒面補正力を設定することができる。次いで、フレームが浸液に十分に沈むまで、液体コンテナを自動的に上昇させることができる。図10F~Hで例示されるように、結合フレームは、最初に内部体積が最小になるようにその最大長さまで引き伸ばすことができ、フレームが十分に濡れるまで初期量の液体がフレームの中に注入される。引き伸ばしは、所定の曲率をもつ液体レンズを形成するべく残りの量の硬化性液体が注入される状態で所望の乱視補正を達成するのに必要とされる適切な長さに弛緩させることができる。次いで、ユーザは、硬化性液体を固化(又は硬化)させて固化又は固体レンズを得るのに十分な時間にわたってLEDをオンにすることができる。最後に、液体コンテナを下降させ、固体レンズを取り出すことができる。
図11Aは、視力矯正用のレンズの製造に適用可能な本発明の例示的なデバイスのCAD図を表す。図11B~Dは、例示的なデバイス内に配置され、硬化性液体(桃色で示されている)が充填された供給コンテナに接続された弾性結合フレーム(緑色で示されている)を表す。レンズを配置するために、浸液を入れたチャンバを結合フレームが十分に沈むように上昇させ、結合フレームをその内部体積が最小になるように引き伸ばすことができる。結合フレームに、その内面を十分に濡らすべく最初に少量の硬化性液体を充填する。次いで、図11B~D及びE~Iに示すように、適正な乱視補正を得るべく結合フレームを所定の形状に弛緩させ、残りの硬化性液体を注入する。最後に、LED光源をオンにして硬化性液体を凝固させることで、硬化又は固化レンズを得ることができる。
注入システムは、高粘性液体(およそ1000~5000cSt)の注入に必要な大きな力を適用しながら正確な体積の硬化性液体を分与することができるアクチュエータ(シリンジポンプ)を含み得る。注入は、図11E~Iに示すように、結合フレームに存在するポートと流体連通するチューブ(桃色で示されている)によって行うことができる。主なエネルギー消費は、120秒(硬化時間)でおよそ20Wを必要とする光源と、およそ10秒(注入時間)の短時間に20Wを必要とするシリンジポンプによるものである。両方を交互に使用するため、最大消費電力は20Wであり得る。デバイス全体は、18V 4000mAhの充電式Liイオンバッテリで動作することができ、1回の充電でおよそ100個のレンズを製作することができる。各レンズは、およそ10~20mlの硬化性液体を必要とし、したがって、50~100個のレンズには1リットルの供給コンテナで十分である。このレンズの製作は支持構造体を必要としないため(例えば、FDM/SLA 3Dプリンティング法とは対照的に)、100%の材料利用率があり、したがって、実質的に無駄がない。これにより、この方法は環境に優しく、組織化された廃棄物処理インフラストラクチャがない場所での運用が可能となる。
得られたレンズは、屈折力と乱視補正との両方を測定できる標準的なレンズメーターを使用してキャラクタライズすることができる。このデバイスは、眼鏡産業で日常的に使用されており、ディオプターの分数の許容精度を備えている。
チャンバ(例えば浸漬チャンバ)に単一の材料からなる浸液を充填して、対称両凸又は両凹レンズを得ることができる。しかしながら、非球面メニスカス形状のレンズ(例えば眼鏡用)の場合、レンズよりも上及び下の浸液の体積を別々に制御して図3Cに示すメニスカスレンズを得るために、複数のコンテナを備える層状チャンバを使用することができる。さらに、本発明の例示的なデバイスを使用することで多焦点レンズを製作することが可能である。多焦点レンズは、異なる屈折力をもつ複数の別個の領域からなる連続した物品であり、通常、その下側領域では正のディオプター、その上側領域では負のディオプターである。そのようなレンズを製造するために、3Dプリンタを使用して、図7Bに示すような例示的なフレームを作製することができる。
表面粗さ以外に、光学部品の品質についての重要な特徴の1つは、その表面の不規則性、すなわち、所定の表面形状及び/又は曲率からの実際の表面の偏差である。精密光学系での所望の値は、特定の用途によるが、波長の分数のオーダーである。所望の精度を達成するために、注入体積、液体密度の差、照明の均一性、及び硬化に起因する材料の応力などの様々な製作パラメータを正確に制御する必要がある。
制御する重要なパラメータの1つは、浸漬チャンバに注入される硬化性液体の所定の体積である。球面レンズ(単純な円形フレームで完全な中性浮力の下で得られる)の場合、注入体積の硬化性液体がその曲率を直接事前決定する。直径50mmのレンズで100ナノメートルの表面精度を実現するには、注入される液体をおよそ100nLのレベルに制御する必要がある。非常に粘性の高い材料に対してより大きな力でわずか12nL/minの制御された流量を提供することができる高精度シリンジポンプが市販されており(例えば、Cetoni neMESYS XL 7000N)、このタスクのために実装され得る。
代替的に、注入手順は、閉ループ制御システムによってガイドされる最初の迅速な低精度のフェーズと、それに続くゆっくりとした/高精度のフェーズからなり得る。最も簡単なフィードバック制御は、分析グレードの天秤で浸液チャンバ全体の重量を測定することである。さらなる可能なフィードバックシステムは、液体レンズを通した像形成によって液体レンズをリアルタイムで光学的にキャラクタライズするものであり得る。図12B~Cは、このようなシステムの原理を示し、背面照射されたUSAF 1951ターゲットを像形成するために液体レンズが使用されている。注入する液体の量が少なすぎる又は多すぎるとき、画像の焦点が合わず、レンズ度数がターゲットまでのイメージング距離と一致するときにのみ焦点が合う。そのような画像には、コントラスト及び位相検出(オートフォーカス機構で行われるような)又は変調伝達関数(MTF)評価を含むいくつかのコスト関数を適用することもできる。代替的に、レンズの点拡がり関数(PSF)を得るために点源をイメージングすることもでき、又は波面センサを使用することもできる。どの場合においても、例えば、Zemaxなどの標準的な光学シミュレーションソフトウェアを使用することで、浸液の影響を考慮する必要がある。
正確に制御しなければならない別のパラメータは、浸液の密度である。浸液は、異なる密度の2つの混和性液体の混合物を含む場合があり、その場合、混合物中の特定の比率によって浸液の最終密度が決まる。例えば、発明者らは、水/グリセロール溶液が、水よりも僅かにより重い多様なポリマーを懸濁させることができる有用な浸液をもたらすことを見出した。直径50mmのレンズの表面形状の100nmの偏差で必要とされる精度の密度はおよそ8mg/litである。簡単な解決策は、正確な絶対測定を可能にする十分な量の浸液を調製することである。市販の化学天秤(例えばMettler Toledo)は、mgレベルの測定値を容易に提供することができた。ここでも、閉ループ制御システムを実装することができ、レンズの直接的なキャラクタライゼーションにより、浸液の密度をそれぞれ増加又は減少させるべく(例えば)グリセロールと水の添加が制御される。
注入体積の精度と浸液の密度の精度は、前述の方法で、できればサブ波長まで下げることができる。重合に起因するレンズ形状の変化(例えば収縮及び/又は変形)を最小にするために、2D Hoberman機構に組み込まれるものなど、その円形の形状を維持しながら重合中に収縮することができる可撓性フレームの使用を当業者は考えるかもしれない。別の可能性のある解決策は、剛性のフレームを使用することであるが、その断面プロファイルは、図10に示されているように、開口部が内側を(例えば硬化性液体ボリュームの方に)向いている英字「C」の形状である。したがって、このような「Cフレーム」の周囲は、図10C~Fに示すように、液体をすべての方向からフレームの中に放射状に注入する流体チャネルとして作用する。重合(及び関連する収縮)中に、さらなるレンズ液が周囲Cチャネル(重合が起こらない液体供給として作用する)から自然に「引き出され」、したがって、構造体の応力が減少する又はなくなる。
液体成分をリアルタイムでキャラクタライズするために、Shack-Hartmann波面センサを使用することができる。固化したコンポーネントの表面を測定するために、本発明者らの実験室にあるホログラフィック顕微鏡(DHM,LynceeTec)が適応し、これは、大きな領域にわたる表面トポグラフィを提供するのにおよそ4nm RMSの表面読取精度を提供する。現在、本発明者らはそれを使用して小さな領域にわたる表面トポグラフィを取得しており、それをXYZステージと結合し、スティッチングアルゴリズムを開発することで、妥当な走査時間で重要な表面領域をキャラクタライズすることができると予想される。
全般
本明細書で用いられる場合の「約」という用語は、±10%を指す。
「備える」、「含む」、「有する」という用語及びそれらの活用形は、「~を含むがそれらに限定されない」を意味する。
「からなる」という用語は、「~を含み且つそれらに限定される」を意味する。
「本質的に~からなる」という用語は、追加の成分、ステップ、及び/又は部分が、特許請求される組成、方法、又は構造の基本的な新規な特徴を実質的に変えない場合にのみ、組成、方法、又は構造が、追加の成分、ステップ、及び/又は部分を含み得ることを意味する。
「例示的な」という言葉は、本明細書では、「例、事例、又は例示として役立つ」を意味するように用いられる。「例示的な」として説明される実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましい又は有利である及び/又は他の実施形態からの特徴の組み込みを除外すると解釈されるべきではない。
「随意的に」という言葉は、本明細書では、「一部の実施形態では提供され、他の実施形態では提供されない」を意味するように用いられる。本発明のどの特定の実施形態も、そのような特徴が矛盾しない限り、複数の「随意的な」特徴を含み得る。
本明細書で用いられる場合の「結合した」又は「結合する」という用語は、一部の実施形態では、取り付ける、締結する、及び/又は境界条件を提供することを指す。
本明細書で用いられる場合の単数形(「a」、「an」及び「the」)は、文脈上他の意味に明白に規定される場合を除き、複数形の言及を含む。例えば、「化合物」又は「少なくとも1つの化合物」という用語は、それらの混合物を含む複数の化合物を含み得る。
本明細書で用いられる場合の「実質的に」という用語は、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%を指し、それらの間の任意の範囲又は値を含む。本出願の全体を通して、本発明の様々な実施形態が範囲形式で提示される場合がある。範囲形式での説明は、単に便宜及び簡潔さのためであって、本発明の範囲を確固として限定すると解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、具体的に開示されたすべての可能な部分範囲、並びに、該範囲内の個々の数値を有すると考えられるべきである。例えば、「1~6」などの範囲の説明は、「1~3」、「1~4」、「1~5」、「2~4」、「2~6」、「3~6」などの具体的に開示された部分範囲、並びに、該範囲内の個々の数値、例えば、1、2、3、4、5、及び6を有すると考えられるべきである。これは範囲の広さに関係なく当てはまる。
本明細書で数値範囲が示されるときにはいつでも、示された範囲内の任意の数字(小数又は整数)を含むように意図されている。第1の指示数字「~」第2の指示数字「の範囲」及び第1の指示数字「から」第2の指示数字「の範囲」という文言は、本明細書で交換可能に用いられ、第1の及び第2の指示数字とそれらの間のすべての小数及び整数の数字を含むように意図されている。
本明細書で用いられる場合の「方法」という用語は、化学分野、薬理学分野、生物学分野、生化学分野、及び医療分野の医師に公知であるか又は公知の様態、手段、技術、及び手順から容易に開発される様態、手段、技術、及び手順を含むがこれらに限定されない所与のタスクを達成するための様態、手段、技術、及び手順を指す。
明確にするために個別の実施形態との関連で説明される本発明の特定の特徴はまた、単一の実施形態に組み合わせて提供され得ることが分かる。逆に、簡潔さのために単一の実施形態との関連で説明される本発明の種々の特徴はまた、別々に又は任意の適切な部分的組み合わせで又は本発明の任意の他の説明した実施形態において適切なように提供され得る。種々の実施形態との関連で説明される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは効力がないというわけではない限り、それらの実施形態の本質的な特徴と考えられるべきではない。
本開示をその具体的な実施形態と併せて説明してきたが、多くの代替、修正、及び変形が当業者に明白であることは明らかである。したがって、付属の請求項の精神及び広い範囲内に入るすべてのこのような代替、修正、及び変形を包含することが意図されている。
本明細書に記載されているすべての刊行物、特許、及び特許出願は、個々の刊行物、特許、又は特許出願が参照により本明細書に組み込まれることが具体的に且つ個々に示された場合と同程度に、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。さらに、本出願における参考文献の引用又は識別は、そのような参考文献が本開示の先行技術として利用可能であることの自認として解釈されるべきではない。項目の見出しが用いられることにおいて、それらは必ずしも限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (24)

  1. 製作システムであって、
    浸液を収容するのに適したチャンバと、
    硬化性液体が入っているリザーバと流体連通するように適合されたポートと、
    前記リザーバと動作可能に連通し、前記ポートに向かう前記硬化性液体の流れを生じさせるように構成されたアクチュエータと、
    前記ポートと動作可能に連通し、前記硬化性液体と結合するように構成された支持体と、
    前記支持体に接触する前記硬化性液体を提供するために、前記ポートに向かう所定の体積の前記硬化性液体の流れを生じさせるべく、前記アクチュエータを制御するように構成された制御ユニットと、
    を含み、前記所定の体積は、所定の曲率の少なくとも1つの表面を有する物品を成形するのに十分な体積である、製作システム。
  2. 前記硬化性液体と前記浸液は混和せず、前記支持体上の前記硬化性液体の接触角は90°未満である、請求項1に記載の製作システム。
  3. 前記物品は前記浸液に浸漬され、制御ユニットは、前記浸液によって生じる浮力に基づいて、前記物品の所定の曲率を決定するように構成される、請求項1及び請求項2のうちのいずれか一項に記載の製作システム。
  4. 前記制御ユニットは、(i)前記物品の所定の曲率を受信し、(ii)前記受信した所定の曲率に従って、前記硬化性液体の流れを生じさせるべく前記アクチュエータを制御するように構成される、請求項1~請求項3のうちのいずれか一項に記載の製作システム。
  5. 前記制御ユニットはさらに、さらなるアクチュエータと動作可能に通信し、前記制御ユニットは、前記物品の所定の曲率を受信するように構成され、さらに、(ii)前記さらなるアクチュエータを介して、前記受信した所定の曲率に従って、前記浸液の(i)体積及び(ii)密度のうちの少なくとも1つを制御するように構成される、請求項1~請求項4のうちのいずれか一項に記載の製作システム。
  6. 前記支持体は、結合層、コンテナ、又は結合フレームの形態である、請求項1~請求項5のうちのいずれか一項に記載の製作システム。
  7. 前記チャンバは、前記物品の第1の表面に面する第1のリザーバと、前記物品の第2の表面に面する第2のリザーバを含み、前記第1のリザーバ及び前記第2のリザーバは、前記浸液を収容するように構成される、請求項1~請求項6のうちのいずれか一項に記載の製作システム。
  8. 前記支持体は、前記第1のリザーバと前記第2のリザーバとの間に配置される、請求項7に記載の製作システム。
  9. 前記制御ユニットは、前記第1の表面及び前記第2の表面の所定の曲率を受信するように構成され、さらに、受信した所定の曲率に従って、前記第1のリザーバ及び前記第2のリザーバ内の前記浸液の(i)体積及び(ii)密度のうちの少なくとも1つを制御するように構成される、請求項7及び請求項8のうちのいずれか一項に記載の製作システム。
  10. 前記硬化性液体を均一に硬化させるのに適した硬化要素をさらに含む、請求項1~請求項9のうちのいずれか一項に記載の製作システム。
  11. 前記硬化要素は、光源、加熱要素、又はその両方から選択される、請求項10に記載の製作システム。
  12. 所定の曲率をもつ物品を製造するための方法であって、
    (i)浸液を収容するチャンバと、
    前記浸液と混和しない硬化性液体が入っており、アクチュエータと動作可能に連通する、リザーバと、
    前記リザーバと流体連通するポートと、
    前記ポートと動作可能に連通し、前記硬化性液体と結合するように構成された支持体と、
    を含む製作システムを提供することと、
    (ii)前記浸液に浸漬された前記硬化性液体の少なくとも1つの表面を得るべく、所定の体積の前記硬化性液体を前記支持体上又はその近傍に注入し、これにより、前記少なくとも1つの表面に所定の形状を提供することと、
    (iii)硬化するのに十分な条件下で前記所定の体積の前記硬化性液体を提供し、これにより、前記物品を製造することと、
    を含む方法。
  13. 前記ポートは、前記支持体と接触する前記硬化性液体を提供するように構成される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記物品は、所定の曲率をもつ少なくとも1つの光学面を有するレンズである、請求項12及び請求項13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記少なくとも1つの光学面の曲率は、前記浸液によって生じる浮力及び前記硬化性液体の体積によって予め決定される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記所定の体積は、(i)前記硬化性液体を前記支持体に結合する及び(ii)前記物品を成形するのに十分な体積である、請求項12~請求項15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記浸液は、前記物品を製造するのに十分な浮力をもたらすように設定された密度を有する、請求項12~請求項16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記方法は、a)前記浸液の体積及びb)前記硬化性液体の体積、のうちの少なくとも1つを変更することによって前記曲率を制御するステップ(iv)をさらに含む、請求項12~請求項17のうちの一項に記載の方法。
  19. 前記硬化するのに十分な条件は、前記硬化性液体を熱放射、UV/可視照射、又はその両方に曝すことを含む、請求項12~請求項18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 硬化ポリマーを含み、式1:
    Figure 2023526097000027

    式中、rは、正規化された半径変数であり、hは、正規化された表面高さ変数であり、添字は、半径方向又は方位角方向に関するhの空間導関数を示し、A及びBは自由パラメータである、
    によって特徴付けられる非球面且つ非円筒面を有する物品。
  21. 前記物品は光学物品レンズである、請求項20に記載の物品。
  22. 前記表面は、異なる焦点距離を有する複数の領域を含む、請求項20及び請求項21のいずれか一項に記載の物品。
  23. 前記レンズは光軸を有する、請求項20及び請求項21のいずれか一項に記載の物品。
  24. UVからIRの波長範囲では透明である、請求項20~請求項23のいずれか一項に記載の物品。
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