JP2023525788A - 超伝導電磁石 - Google Patents

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Abstract

1つ以上の溝を有する電磁石。各溝は、溝に設けられた、溝の軸に沿って電流を伝導するための超伝導体材料の1つ以上の層を含む導体要素を有する。導体要素は、互いに傾斜した第1及び第2の楔面を通して溝の側壁に接触するように配置され、導体要素を軸に垂直な方向に付勢する力が、力に垂直な成分を有する方向に沿って導体要素を圧縮するように作用する反対の接触力を楔面に生成するようになっている。

Description

本発明は、超伝導体材料を含む電磁石に関する。特に、限定されるものではないが、トカマク核融合炉で使用される電磁石などのプラズマチャンバで使用される電磁石、例えばトカマクのプラズマチャンバ用のトロイダル磁場コイルの中心柱で使用される電磁石に関する。
トカマクは、強いトロイダル磁場、高いプラズマ電流、及び通常は大きなプラズマ体積とかなりの補助加熱の組み合わせを特徴とし、高温で安定したプラズマを提供する。これにより、トカマクは核融合が起こる条件を作り出すことができる。補助加熱(例えば、高エネルギーH、D又はTの数十メガワットの中性粒子ビーム入射による)は、核融合が起こるのに必要な十分に高い値まで温度を上昇させるため、及び/又はプラズマ電流を維持するために必要である。
問題は、一般に必要とされる大きなサイズ、大きな磁場、及び高いプラズマ電流のために、建設コスト及びランニングコストが高く、磁石システムとプラズマの両方に存在する大きな蓄積エネルギーに対処するためにエンジニアリングが堅牢でなければならず、プラズマはメガアンペアの電流が猛烈な不安定性において千分の数秒でゼロまで減少する「崩壊」のリスクがあることである。
この状況は、従来のトカマクのドーナツ形のトーラスをその限界まで収縮させ、芯を抜いたリンゴのような外観を有すること、すなわち「球形」トカマク(ST)によって改善することができる。英国のカルハムにあるSTARTトカマクでのこの概念の最初の実現は、効率の大幅な向上ことを実証した。高温のプラズマを閉じ込めるのに必要な磁場は、10分の1に減らすことができる。また、プラズマの安定性が向上し、建設コストが削減される。
経済的な発電(すなわち、電力入力よりもはるかに多くの電力出力)に必要な核融合反応を得るために、従来のトカマクは、熱核融合が起こるのに十分なほどプラズマが高温になるようにエネルギー閉じ込め時間(プラズマ体積にほぼ比例する)を十分に長くできるように巨大でなければならない。
特許文献1には、中性子源又はエネルギー源として使用するためのコンパクトな球形トカマクの使用を含む代替アプローチが記載されている。球形トカマクにおける低アスペクト比のプラズマ形状は、粒子の閉じ込め時間を改善し、はるかに小さな機械での正味の発電を可能にする。しかしながら、小さな直径の中心柱が必要であり、これはプラズマ閉じ込め容器及び関連する磁石の設計に課題を提示する。
トカマクの電磁コイルは2つのグループに分けることができる。ポロイダル磁場コイルは、それらの中心がトカマクの中心柱に位置するように巻かれた水平な円形コイルであり、ポロイダル磁場(すなわち、中心柱と実質的に平行な磁場)を生成する。トロイダル磁場コイルは、中心柱を通って垂直に、かつプラズマチャンバの外側(「リターンリム」)の周りに巻かれ、トロイダル磁場(すなわち、中心柱の周りの円形の磁場)を生成する。ポロイダル磁場とトロイダル磁場の組み合わせによりプラズマチャンバ内にヘリカル磁場が生成され、プラズマは閉じ込められたままとなる。
トロイダル磁場に必要な電流は非常に大きい。コンパクトな球形トカマクの場合、中心柱の直径は可能な限り小さくする必要がある。これは、超電導材料であっても達成できる電流密度が限られているため、相反する要件を提示する。
大きな電流は、トカマクの大きな磁場と相まって、大きなローレンツ力を発生させ、トカマクの一部を変形させたり、他の方法で損傷させたりする可能性がある。
超伝導材料は通常、「高温超伝導体」(HTS)と「低温超伝導体」(LTS)に分けられる。Nb及びNbTiなどのLTS材料は、その超伝導性をBCS理論で説明できる金属又は金属合金である。すべての低温超伝導体は、約30K未満の臨界温度(それを超えるとゼロ磁場でも材料が超伝導になり得ない温度)を有する。HTS材料の挙動はBCS理論では説明されず、このような材料は約30Kを超える臨界温度を有する可能性がある(ただし、HTS及びLTS材料を定義するのは臨界温度ではなく、超伝導動作と組成の物理的な違いであることに注意する必要がある)。最も一般的に使用されるHTSは「銅酸化物超伝導体」、BSCCO又はReBCO(ここで、Reは希土類元素、通常はY又はGd)などの銅酸化物(酸化銅基を含む化合物)をベースとするセラミックスである。他のHTS材料は、鉄ニクタイド(例えば、FeAs及びFeSe)及び二ホウ化マグネシウム(MgB2)を含む。
ReBCOは通常、テープとして製造され、テープは、全体として約100ミクロンの厚さであり、基板(通常は電気研磨された約50ミクロンの厚さのハステロイ)を含み、基板の上に、IBAD、マグネトロンスパッタリング、又は他の好適な技術によって、約0.2ミクロンの厚さのバッファスタックとして知られる一連のバッファ層が堆積される。エピタキシャルReBCO-HTS層(MOCVD又は他の好適な技術によって堆積される)がバッファスタックを覆い、通常は1ミクロンの厚さである。1~2ミクロンの銀層がスパッタリング又は他の好適な技術によってHTS層上に堆積され、銅安定化層が電気めっき又は他の好適な技術によってテープ上に堆積され、これは多くの場合テープを完全に封入する。
基板は、製造ラインを通して供給されかつ後続の層の成長を可能にすることができる機械的なバックボーンを提供する。バッファスタックは、その上にHTS層を成長させるための二軸配向結晶テンプレートを提供するために必要とされ、その超伝導特性を損なう基板からHTSへの元素の化学拡散を防止する。銀層は、ReBCOから安定化層への低抵抗界面を提供するために必要とされ、安定化層105は、ReBCOのいずれかの部分が超伝導を停止する(「常伝導」状態になる)場合に代替的な電流経路を提供する。
市販のHTSテープは、約400MPaより大きな内部応力で劣化し始める。
国際公開第2013/030554号
本発明の目的は、上記の問題に対処するか又は少なくとも上記の問題を軽減する、トロイダル磁場コイル用の中心柱を提供することである。
本発明の第1の態様によれば、1つ以上の溝を含む電磁石が提供される。各溝は、溝に設けられた、溝の軸に沿って電流を伝導するための超伝導体材料の1つ以上の層を含む導体要素を有する。導体要素は、互いに対して傾斜している第1及び第2の楔面を通して溝の側壁に接触するように配置され、導体要素を軸に垂直な方向に(例えば、溝内に)付勢する力が、力に垂直な成分を有する方向に沿って導体要素を圧縮するように作用する反対の接触力を楔面に生成するようになっている。
電磁石は、電磁石の動作中に発生する応力が超伝導体材料に関連する閾値応力を超えないように構成することができる。閾値応力は、例えば、HTS材料の劣化及び/又はHTS材料の超伝導体として機能する能力の低下に基づいて決定することができる。
溝又は各溝は、導線要素が溝の壁によって囲まれないように、「開いた」溝であることができる。代わりに、溝の壁が導体要素を取り囲むように溝は「閉じている」ことができ、例えば、溝は支持部材にある貫通孔であり得る。
場合によっては、電磁石は中心軸を有することができ、1つ以上の溝の軸が中心軸に平行に配置され得る。この場合、超伝導体材料の1つ以上の層は、中心軸に平行に電流を伝導するように配置される。軸に垂直な方向に導体要素を付勢する力は、中心軸の方向に向けることができる。
各導体要素は、1つ以上の高温超伝導体(HTS)テープの積層体を含むことができ、各HTSテープは、溝に沿って延びるHTS材料の層を含む。HTS材料はReBCOであり得る。
各導体要素は、HTSテープの積層体と溝の側壁の1つとの間に設けられた楔部材を含むことができ、第1の楔面は楔部材に設けられる。楔部材は、HTSテープの積層体に固定することができる。
楔部材は、HTS材料の層に対して実質的に垂直な積層体と接触する面を含む。
1つ以上の導体要素について、第1の楔面と積層体と接触する面との間の鋭角は、1度より大きいか、3度より大きいか、又は5度より大きいことができる。
各導体要素は、1つ以上のHTSテープの積層体に取り付けられた他の楔部材を含むことができ、第2の楔面は他の楔部材に設けられる。
導体要素の楔面のそれぞれと溝の側壁との間の静止摩擦係数は、0.1から0.3までであるか、0.3より大きいか、又は0.4より大きいことができる。
導体要素のそれぞれは、ポッティングする(絶縁体の中に埋め込む)ことができる。
電磁石はさらに支持部材を含み、溝は支持部材に設けられる。支持部材は、溝の1つ以上に平行な成分を有する方向に延びる1つ以上の貫通孔を含むことができる。1つ以上の貫通孔は、溝の側壁の1つ以上に隣接して配置することができる。1つ以上の貫通孔は、電磁石を冷却するために使用することができる。
本発明の第2の態様によれば、トカマクプラズマチャンバのトロイダル磁場コイル用の中心柱が提供される。中心柱は、本発明の第1の態様による複数の電磁石を含む。溝は中心軸の周りに間隔を置いて配置され、超伝導体材料の1つ以上の層は中心軸に平行に電流を伝導するように配置される。力は、中心軸に向かって導体要素を付勢する半径方向の力である。
溝は、単一の支持部材に設けることができる。
中心柱は、支持部材又は各支持部材を貫通する1つ以上の孔を含むことができ、各孔は中心軸に平行に延びている。1つ以上の孔は、導体要素の半径方向内縁の半径方向外側に配置することができる。孔は、例えば孔に冷却液を流すことによって、中心柱を冷却するために使用することができる。1つ以上の孔にもかかわらず、トロイダル磁場コイルは、中心柱の既知の設計に比べて中心柱の内部応力が低い結果として中心柱を変形させずに動作することができる。
支持部材又は各支持部材は、1つ以上の取り外し可能な角度セグメントを含むことができ、各角度セグメントは複数の溝のうちの1つ以上を含むことができる。
本発明の第3の態様によれば、トカマクプラズマチャンバのトロイダル磁場コイル用の中心柱が提供される。中心柱は、中心軸の周りに間隔を置いて配置された複数の溝を有する支持部材を含む。各溝は、溝に設けられた、中心軸に平行に電流を伝導するための超伝導体材料の1つ以上の層を含む導体要素を有する。導体要素は、互いに対して傾斜している第1及び第2の楔面を通して溝の側壁に接触するように配置され、中心軸に向かって導体要素を付勢する半径方向の力が、半径方向の力に垂直な成分を有する方向に沿って導体要素を圧縮するように作用する反対の接触力を楔面に生成するようになっている。
各導体要素は、1つ以上の高温超伝導体(HTS)テープの積層体を含むことができ、各HTSテープは中心軸に平行に延びるHTS材料の層を含む。
HTS材料はReBCOであり得る。
各積層体内のHTS材料の層は、中心軸を横切る平面内で中心軸から延びかつ対応する導体要素を通る半径方向の線に対して実質的に垂直であり得る。
1つ以上の導体要素について、第1の楔面と半径方向の線との間の鋭角は、1度より大きいか、3度より大きいか、又は5度より大きいことができる。
各導体要素は、HTSテープの積層体に取り付けられた楔部材を含むことができ、第1の楔面は楔部材に設けられる。各導体要素は、1つ以上のHTSテープの積層体に取り付けられた他の楔部材を含むことができ、第2の楔面は他の楔部材に設けられる。
導体要素の楔面のそれぞれと溝の側壁との間の静止摩擦係数は、0.1から0.3までであるか、0.3より大きいか、又は0.4より大きいことができる。
中心柱は、中心軸に平行に延びる支持部材を貫通する1つ以上の孔を含むことができる。1つ以上の孔は、導体要素の半径方向内縁の半径方向外側に配置することができる。
支持部材は、1つ以上の取り外し可能な角度セグメントを含むことができ、各角度セグメントは複数の溝のうちの1つ以上を含むことができる。
導体要素は、ポッティングすることができる。
本発明の第4の態様によれば、第1、第2又は第3の態様による中心柱を含む、トカマク用のトロイダル磁場コイルが提供される。
本発明の第3の態様によれば、第4の態様によるトロイダル磁場コイルを含むトカマクが提供される。
図1Aはトカマクの概略断面図である。図1Bは図1のトカマクの中心柱の概略軸方向断面図である。 トロイダル磁場コイルの中心柱の角度セグメントの概略軸方向断面図である。 本発明によるトロイダル磁場コイルの中心柱の角度セグメントの一部の概略軸方向断面図である。 異なる楔角及び摩擦係数に対する半径方向応力(垂直応力)の有限要素法(FEM)計算の結果のグラフプロットである。 FEM計算から得られた応力を示す等高線プロットである。 FEM計算により計算されたミーゼス応力の等高線プロットである。
図1Aは、トロイダル磁場コイル101と、ポロイダル磁場コイル103と、トロイダル磁場コイル101内に配置されたトロイダルプラズマチャンバ105を含む球形トカマク100の垂直断面を示す。トカマク100はまた、プラズマチャンバ105とトロイダル磁場コイル101及びポロイダル磁場コイル103の中心を通って延びる中心柱107を含む。トロイダル磁場コイル101のそれぞれは、中心柱107の軸A-A’に沿って延びる直線部分109と、直線部分109の両端に電気的に接続されて閉ループを形成する曲線部分111とを含む。
図1Bは、軸A-A’に沿って見た中心柱107の軸方向断面を示す。この例のトカマク100は、12個のトロイダル磁場コイル101を含み、トロイダル磁場コイル101のそれぞれの各直線部分109は、中心柱107の軸A-A’を中心に等角配置で角度方向に間隔を置いて配置されている。中心柱は、銅から作られた支持部材113を含み(他の金属及び/又は合金を使用することもできるが)、支持部材113は、軸A-A’に沿って延び、トロイダル磁場コイル111の直線部分109が収容される複数の溝115を有する。直線部分109は、それぞれが中心柱107に沿って延びる長さのHTSテープの積層された配置を含み、それぞれの各面を通して互いに接触するように配置されている。テープのHTS層は、軸A-A’に平行に延びている。
図2は、中心柱107の角度セグメントの軸方向断面であり、トロイダル磁場コイル101の1つの直線部分109の1つを示す。この例では、直線部分109は6つのHTSテープの積層体(スタック)201A~Fを含み、互いに同じ厚さ(すなわち、直線部分109の中心を通りかつテープを横切る中心柱107の半径方向の線B-B’に沿った方向に同じ長さ)を有する4つの内側の積層体201B~Eが2つの外側の積層体201A、Fの間に設けられ、2つの外側の積層体201A、Fはそれぞれが内側の積層体201B-Fよりも小さい厚さを有する。積層体201A~Fは、それらの半径方向の最も外側の縁が整列した状態で互いに接着されている。各溝115は、トロイダル磁場コイル101の対応する直線部分109の輪郭(すなわち、線A-A’に垂直な溝115の断面における外周の形状)に対応する断面形状を有する。
使用中、HTSテープの積層体201A~Fは、方位磁場内で軸方向の電流を流すため、柱107の中心に向かって(すなわち、破線B-B’で示される半径方向に沿って)作用するローレンツ力203を受ける。これらのローレンツ力は、HTSテープ201A~Fに半径方向に作用してHTSテープ201A~Fを中心柱107の支持部材113に押し付け、それによりHTSテープの積層体201A~Fの半径方向最内縁と溝115の壁との間に接触力205を生成する。したがって、ローレンツ力203と接触力205の組み合わせは、HTSテープ201A~Fを損傷するか、さもなければ大電流を流す能力を低下させる可能性がある圧縮応力をHTSテープ201A~F内に発生させる。
図3は、楔部材301A~Dが積層体201A、201B、201E、201Fの最も外側の面に固定されてトロイダル磁場コイル101の直線部分109の円周方向外側部分を形成している中心柱300を示すことを除いて、図2と同様である。支持部材113を通る溝115は、直線部分109の増大したサイズに対応するために拡大されている。この例の楔部材301A~Dは、軸A-A’に平行な並進対称で延びる三角柱である。楔部材の断面を形成する三角形は、実質的に直角三角形であることができ、楔部材は、各三角柱の最大の外面(すなわち、三角形断面の斜辺)がHTSテープ201A~Fから離れるように配置することができ、三角柱の幅が狭い方の(尖った)端部は、三角柱の幅が広い方の端部(すなわち、三角形の最鋭角から最も遠い三角形の辺)の半径方向内側に配置される。すなわち、楔部材301A~DはB-B’方向に沿って半径方向内側に向かって先細になっている。溝115のそれぞれはまた、溝115の側壁が楔部材301A~Dの対応する外面と平行になるように、半径方向内側に向かって先細になっている。実際、溝115の側壁は、楔部材301A~Dの対応する外面に接している。この例では、楔角305(三角柱の幅が狭い方の端部における、楔部材301A~Dの2つの大きな面の間の内角)は5度である。
使用中、HTSテープA~Fの直線部分109に半径方向に作用するローレンツ力203は、楔部材301A~Dの外面と溝115の側壁との間に接触力303を発生させる。接触力303は楔部材301A~Dの外面に垂直に向けられ、すなわち、接触力303は径方向成分(径方向軸B-B’に沿っている)と周方向成分(径方向軸B-B’に向けられている)を有する。したがって、楔部材301A~Dは、中心柱101内の半径方向応力がフープ応力と交換される機構、すなわち、中心柱内の半径方向応力が減少する一方でフープ応力が増加する機構を提供する。このトレードオフにより、HTSテープ201A~Fの積層体は、HTSテープに機械的な損傷を与えることなく、より高い電流を伝導することが可能になる。
図4は、中心柱101を通る28MAの電流でトカマクを動作させるときにHTSテープ201A~Fの積層体内に発生する半径方向応力の有限要素法(FEM)計算の結果のグラフプロットを示す。この電流は、HTSテープの半径方向最外縁で26.9Tのピーク磁場をもたらす。磁場は、中心柱101から離れて単調に減衰し、中心柱101から1.4mの距離で4Tの大きさを有する。プロットされた結果は、コイルの半径方向応力(MPa)(垂直、Y軸)を、楔部材301A~Bの外面と対応する溝115の側壁との間の摩擦係数(水平、X軸)の関数として示している。
2つの最上のデータ点401、403のセット(塗りつぶされた円として示される)は、それぞれ1度と5度の楔角に対する外側の積層体201A、Fにおける半径方向応力の計算値を示す(各楔部材301A~Dに同じ楔角が使用されている)。これらの結果は、楔角が大きいほど半径方向応力が低く、両方の角度で、摩擦係数を大きくすると半径方向応力が徐々に小さくなり単調に減少することを示している。同様の結果(図示せず)が1度から5度の範囲の他の角度に対しても得られ、半径方向応力の計算値は、データ点401、403のセットに対する半径方向応力の中間の値を有する。5度を超える角度も、例えば、10度、30度、45度、又は60度のいずれかまで使用することができる。所望の半径方向応力に応じて、摩擦係数は0.1から0.3まで、0.2から0.4まで、又は0.4より大きく、例えば1.0まで変化することができる。
2つの最下のデータ点405、407のセット(塗りつぶされた三角形として示される)は、それぞれ1度と3度の楔角に対する内側の積層体201B~Eにおける半径方向応力の計算値を示す(各楔部材301A~Dに同じ楔角が使用されている)。半径方向応力の計算値は、1度の楔角(データ点405)では摩擦係数の増加と共に単調に減少するが、3度の楔角では0.2の摩擦係数で最小値に達する。2度、4度、5度の楔角に対する半径方向応力の計算では、概ね、1度と3度の楔角で得られた値の間の値が得られる。
外側のHTSテープの積層体201A、Fにおける350MPaの目標最大半径方向応力は、0.3の摩擦係数と1度より大きい楔角を使用して達成することができる。
図5及び図6は、3度の楔角及び0.3の摩擦係数に対して計算した、中心柱300の軸方向断面内の半径方向応力の計算値及びミーゼス応力の計算値の等高線プロットを示す。計算効率のために図3に示す角度セグメントの半分に対して計算を行い、中心柱300の対称性に関してFEM解の対称性を強化するために境界条件を適用する。
HTSテープ107の積層体内の半径方向応力は400MPa未満と計算される。HTSテープの積層体201A~Cのそれぞれの半径方向応力の最大値は、積層体の半径方向最内側面にあり、積層体201Aでは272.4MPa、積層体201Bでは313.43MPa、積層体201Cでは327.51MPaの計算値である。
支持部材113内のミーゼス応力の計算値は、ほとんどが楔部材301A、Bに隣接する約240MPa未満である。これは、中心柱を過度に弱めることなく、任意選択で中心柱300のこの部分、すなわち溝115の間に、軸A-A’に平行に延びる冷却孔を設けことができるほど十分に低い。
上記の説明は、HTSテープを含む中心柱に焦点を当てているが、ワイヤなどの他の形態のHTS材料を使用することもでき、HTS材料の代わりに又はHTS材料と同様にLTS材料を使用することもできる。HTSテープは、例えばHTSテープの積層体をはんだで包むことにより、「ポッティング」することができる。
本開示はトロイダル磁場コイル用の(トカマクプラズマチャンバ用などの)中心柱によって例示されているが、トロイダル磁場コイルを含まない他の多くの用途が可能である。例えば、電磁石は、航空機、無人航空機、人工衛星、宇宙船、ロケット推進機、自律探査機に含まれる航空宇宙用途で使用することができる。実際、上述の楔面/楔部材の使用は、一般に支持部材に押し付けられる導電体への応力を低減する(又は少なくとも再分配する)ために使用され得ることが理解されるであろう。このような楔面/楔部材の使用は、閾値を超える応力で劣化するか又は効果的に機能しなくなる超伝導体(LTS及び/又はHTS)材料に特に有益である。

Claims (20)

  1. 1つ以上の溝を含む電磁石であって、各溝は、前記溝に設けられた、前記溝の軸に沿って電流を伝導するための超伝導体材料の1つ以上の層を含む導体要素を有し、前記導体要素は、互いに対して傾斜している第1及び第2の楔面を通して前記溝の側壁に接触するように配置され、前記導体要素を前記軸に垂直な方向に付勢する力が、前記力に垂直な成分を有する方向に沿って前記導体要素を圧縮するように作用する反対の接触力を前記楔面に生成するようになっている、電磁石。
  2. 各導体要素は、1つ以上の高温超伝導体(HTS)テープの積層体を含み、各HTSテープは、前記溝の軸に沿って延びるHTS材料の層を含む、請求項1に記載の電磁石。
  3. 前記HTS材料はReBCOである、請求項2に記載の電磁石。
  4. 各導体要素は、前記HTSテープの積層体と前記溝の側壁の1つとの間に設けられた楔部材を含み、前記第1の楔面は前記楔部材に設けられている、請求項2又は3に記載の電磁石。
  5. 前記楔部材は前記HTSテープの積層体に固定されている、請求項4に記載の電磁石。
  6. 前記楔部材は、前記HTS材料の層に対して実質的に垂直な、前記積層体と接触する面を含む、請求項4又は5に記載の電磁石。
  7. 前記導体要素の1つ以上について、前記第1の楔面と前記積層体と接触する面との間の鋭角は、1度より大きいか、3度より大きいか、又は5度より大きい、請求項6に記載の電磁石。
  8. 各導体要素は、前記1つ以上のHTSテープの積層体に取り付けられた他の楔部材を含み、前記第2の楔面は前記他の楔部材に設けられている、請求項7に記載の電磁石。
  9. 前記導体要素の楔面のそれぞれと前記溝の側壁との間の静止摩擦係数が0.1から0.3までであるか、0.3より大きいか、又は0.4より大きい、請求項1から8のいずれか一項に記載の電磁石。
  10. 前記導体要素のそれぞれがポッティングされている、請求項1から9のいずれか一項に記載の電磁石。
  11. 支持部材をさらに含み、前記溝は前記支持部材に設けられ、前記支持部材は、前記溝の1つ以上に平行な成分を有する方向に延びる1つ以上の貫通孔を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の電磁石。
  12. 前記1つ以上の孔は、前記溝の側壁の1つ以上に隣接して配置される、請求項11に記載の電磁石。
  13. トカマクプラズマチャンバのトロイダル磁場コイル用の中心柱であって、請求項1から12のいずれか一項に記載の電磁石を複数含み、前記溝は、中心軸の周りに間隔を置いて配置され、前記超伝導体材料の1つ以上の層は、前記中心軸に平行に電流を伝導するように配置され、前記力は、前記導体要素を前記中心軸に向かって付勢する半径方向の力である、中心柱。
  14. 前記溝は単一の支持部材に設けられている、請求項13に記載の中心柱。
  15. 前記支持部材又は各支持部材を貫通する1つ以上の孔を含み、各孔は前記中心軸に平行に延びる、請求項13又は14に記載の中心柱。
  16. 前記1つ以上の孔は、前記導体要素の半径方向内縁の半径方向外側に配置される、請求項15に記載の中心柱。
  17. 前記支持部材又は各支持部材は、1つ以上の取り外し可能な角度セグメントを含む、各角度セグメントは前記複数の溝のうちの1つ以上を含む、請求項13から16のいずれか一項に記載の中心柱。
  18. トカマクプラズマチャンバのトロイダル磁場コイル用の中心柱であって、中心軸の周りに間隔を置いて配置された複数の溝を有する支持部材を含み、各溝は、前記溝に設けられた、前記中心軸に平行に電流を伝導するための超伝導体材料の1つ以上の層を含む導体要素を有し、前記導体要素は、互いに傾斜した第1及び第2の楔面を通して前記溝の側壁に接触するように配置され、前記中心軸に向かって前記導体要素を付勢する半径方向の力が、前記半径方向の力に垂直な成分を有する方向に沿って前記導体要素を圧縮するように作用する反対の接触力を前記楔面に生成するようになっている、中心柱。
  19. トカマク用のトロイダル磁場コイルであって、請求項13から18のいずれか一項に記載の中心柱を含むトロイダル磁場コイル。
  20. 請求項19に記載のトロイダル磁場コイルを含むトカマク。
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