1.序文
重複するベーシックサービスセット(OBSS)シナリオでも動作できる、共有TXOPにおけるマルチユーザ(MU)アップリンク(UL)送信を可能にする新たなプロトコルについて説明する。共有TXOPは、1つのTXOPの最中に異なるユーザ間でチャネルアクセスが共有可能であることを意味する。具体的に言えば、非AP STAは、チャネルを取得(獲得)すると、APからのトリガーフレームを待つことなくMU UL送信を開始することができる。この非AP STAは、共有TXOPアクセスを開始して、次の共有TXOPに参加する用意がある(同じBSS内又はOBSS内の)他の非AP STAのチャネルアクセスリソースをスケジュールできる、TXOP所有者STAとして機能する。限定ではなく一例として、開示する解決策は、BSSの事例よりも困難であるという理由でOBSSの事例に焦点を当てる。開示する解決策は、チャネル利用効率を高めてOBSS干渉及びチャネルアクセス競合遅延を減少させ、従って柔軟性及びリアルタイムアプリケーション(RTA)性能を高める。
2.WLANのための現在のIEEE802.11
現在の802.11技術は、アップリンク(UL)マルチユーザ(MU)送信をAPレベルで開始する。このため、非AP STAは、APにULデータ(UL DATA)を送信する必要があってチャネルが利用可能であることを感知した場合でも、単純に送信を開始することができない。非AP STAは、ULデータ送信を開始するために、関連するAPからトリガーフレームを受け取るまで待つ必要がある。
本開示では、MU UL OFDMA送信のための、非AP STAレベルで開始される共有TXOPプロトコルについて説明する。開示する解決策では、チャネルアクセス権を獲得した非AP STAが共有TXOPを開始し、MU ULデータ送信のために他の非AP STAに異なるチャネルリソースを割り当てることができる。
2.1.遅延に影響を与えるWLAN機能
2.1.1.チャネルアクセス及び遅延許容範囲
WLAN装置では、競合ベースのアクセス及び競合なしアクセスの両方が可能である。競合ベースのアクセスでは、装置がチャネルを感知し、チャネルがビジーである度にチャネルへのアクセス権を獲得するために競合する必要がある。これによってさらなる送信遅延が発生するが、これは衝突回避のために必要なことである。競合なしチャネルアクセスでは、APが競合せずにチャネルへのアクセス権を獲得することができる。この競合なしチャネルアクセスは、他のSTAによって使用されるDIFS(分散型フレーム間スペーシング(Distributed Inter-Frame spacing))と比べてPIF(PCFフレーム間スペーシング(PCF Inter-Frame spacing))と同等の短いフレーム間間隔を使用することによってチャネルアクセス調整が行われるハイブリッド制御チャネルアクセスにおいて可能である。競合なしアクセスは、競合遅延を避けるための実行可能な解決策のように思えるが、多くの欠点があるため広く普及しておらず、大部分のWi-Fi装置は競合ベースのアクセスを使用している。
STAは、チャネルにアクセスするために、チャネルを感知してビジーであるかどうかを判定する必要がある。このチャンネルがビジーとみなされるのは、(a)STAがフレームのプリアンブルを検出し、検出されたフレームの長さにわたってチャネルがビジーであるとみなされる場合、(b)STAが最小感度の20dBを上回るエネルギーを検出した場合、或いは(c)STAが検出されたフレームのNAVを読み取ることによってチャネルが事実上ビジーであることを検出した場合である。
802.11axでは、NAVタイマを誤ってリセットしてしまうことによって生じ得る衝突を避けるために2つのNAVが導入された。一方のNAVはBSS STAのためのものであり、他方のNAVは非BSS STAのためのものである。STAは、2つのNAVを個別に維持する。
802.11axは、全てのレガシーな802.11WLAN装置と同様に、チャネルアクセスにCSMA/CAを使用する。APは、UL MIMO送信のためのトリガーフレームを送信するために、依然としてチャネルアクセス権を求めて競合する必要がある。802.11axは、APが自機のBSS内のどのSTAよりも優先してチャネルアクセス権を獲得する(勝ち取る)ことができるように、802.11ax装置のみのために第2の拡張分散チャネルアクセス(EDCA)セットを導入して、レガシーな非802.11ax装置がEDCAを使用して自由にチャネルにアクセスし、APがUL 又はDL OFDMA MIMOデータ送信をスケジュールするためにチャネルアクセス権を獲得する機会を増やすことができるようにしている。
2.1.2.マルチユーザ送信及び受信
802.11WLAN装置は、OFDMAチャネルアクセスのみならず送信及び受信にもMIMOアンテナを使用することができる。IEEE802.11axは、アップリンク(UL)及びダウンリンク(DL)の両方でマルチユーザ送信をサポートする。
これにより、例えば802.11acのSU-MIMO DLにおける最大8つのストリームを通じた1又は2以上のユーザへのマルチストリーム送信、或いは802.11acにおいて定められるMU-MIMO DLを通じた複数のユーザへのマルチユーザ送信が可能になる。従って、APは、自機のBSS内のSTAに1又は2以上のストリームを割り当てることができる。
データ送信に最大160MHzの幅広いチャネルを使用する場合、チャネルは、一部の周波数が他の周波数とは異なる干渉レベルを受ける干渉周波数選択的になると予想される。この結果、予想達成可能速度が影響を受けて性能が悪化する恐れがある。この問題を解決するために、802.11axでは、隣接するサブキャリアをリソースユニット(RU)にグループ化するOFDMAが導入された。これらのRUを異なる受信機に割り当てて送信レートを最大化することができる。このスケジューリングの結果、各受信機の信号対干渉プラスノイズ比(SINR)を最大化してより変調及び符号化スキーム(MCS)を可能にすることができ、従って達成されるスループットを高めることができる。
OFDMAでは、複数のユーザが同時に同じ時間リソースを利用して周波数領域を分割することができ、この結果、多くのユーザを同時にスケジュールできるため、リソース使用が改善されて遅延時間が減少する。また、(RTAに代表されるような)通信すべきデータ量が少ないSTAが占めるRUを狭くしてスケジューリング効率を高め、少量のデータのためにアクセスを必要とするアプリケーション間のリソース配分を改善することができる。これにより、チャネルアクセス時間と、フレームヘッダ及びプリアンブルに関連するオーバーヘッドとを低減することができる。
OFDMAは、MIMO送信と組み合わさった時にさらに効率的になることができる。STAのMIMO容量に応じて、1つのRUを使用して複数の空間ストリームをSTAに送信することができる。また、複数のSTA間の共有のために1つのRUを割り当てることもでき、この場合、各STAがSTAのMIMO容量に応じて1又は2以上の空間ストリームを有することができる。より多くのSTAを同じリソースに詰め込むことで、STA及びAPの遅延時間を有利に減少させることもできる。
図1に、DL OFDMA MIMO送信の例を示す。APは、STAの周波数/RUマッピング及びRU割り当てを指定するPHYプリアンブルを全てのSTAに送信している。プリアンブルの後に、APは、このSTAのRU割り当てを使用して特定の局にDLデータを送信する。STAがDLトリガーフレームの受信後にSIFSの送信を開始する場合、マルチユーザACK送信はDLデータフレームの受信に同期すべきである。
図2に、UL OFDMA MIMO送信の例を示す。APは、STAのための周波数/RUマッピング及びRUの割り当てを含むトリガーフレームを全てのSTAに送信している。STAがDLトリガーフレームの受信後にSIFSの送信を開始する場合、UL MIMO送信はこのフレームの受信に同期すべきである。
2.1.4.再送
図3は、IEEE802.11下のWLANシステムにおいてSTAがパケット送信及び再送のためにCSMA/CAを使用してチャネルへのアクセス権を取得する動作のフロー図である。CSMA/CAシステムでは、STAが各送信及び再送前にチャネルを感知し、チャネルアクセス権を求めて競合するためにバックオフ時間を設定する必要がある。バックオフ時間は、0とコンテンションウィンドウのサイズとの間の一様なランダム変数によって決定される。STAは、バックオフ時間にわたって待機してチャネルがアイドルであることを感知した後にパケットを送信する。
STAがタイムアウト前にACKを受け取らなかった場合には再送が必要であり、そうでなければ送信は成功である。再送が必要である場合、STAはパケットの再送回数をチェックする。再送回数が再試行制限を上回る場合、パケットは破棄されて再送はスケジュールされない。そうでなければ再送がスケジュールされる。再送がスケジュールされる場合には、再送のためのチャネルアクセス権を求めて競合するために別のバックオフ時間が必要となる。コンテンションウィンドウのサイズが上限に達していない場合、STAはコンテンションウィンドウのサイズを増やす。STAは、新たなコンテンションウィンドウのサイズに応じて別のバックオフ時間を設定する。STAは、再送のためにバックオフ時間にわたって待機し、以下同様である。
図4に、通常のWLANシステムにおけるデータフレームフォーマットを示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信者のアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのアドレスを含む。シーケンス制御(Sequence control)フィールドは、パケットのフラグメント番号及びシーケンス番号を含む。
図5に、通常のWLANシステムにおけるACKフレームフォーマットを示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信者のアドレスを含む。
図6に、CSMA/CAにおける再送によってバックオフ時間が増加する一例を示す。データパケットフレーム及びACKフレームは、それぞれ図4及び図5に示すようなフォーマットを使用する。送信側は、最初のパケット送信後にタイムアウトまでACKを受け取っていない。この結果、送信側は、コンテンションウィンドウのサイズがnスロットである別のバックオフ時間を設定する。送信側STAは、バックオフ時間にわたって待機した後に初めてパケットを再送する。しかしながら、この再送にも失敗している。送信STAはパケットを再送する必要があり、チャネルアクセス権を求めて競合するために再びバックオフ時間を設定する。今回は、再送であることによってコンテンションウィンドウのサイズが2倍の2*nスロットである。このコンテンションウィンドウサイズによって予想バックオフ時間も2倍になる。2回目の再送は、タイムアウト前にACKを受け取ったため成功している。
図7に、再送回数が再試行制限を上回った後にパケットが破棄される一例を示す。データパケットフレーム及びACKフレームは、それぞれ図4及び図5に示すようなフォーマットを使用する。図示のように、送信側STAは最初のパケット送信に失敗した後にこのパケットを複数回再送している。しかしながら、どの再送も成功していない。N回の再送後に、再送回数が再試行制限を上回る。送信側STAはこのパケットの再送を停止し、このパケットは破棄される。
図8に、再送回数が再試行制限を上回った後にパケットが破棄される他の例を示す。データパケットフレーム及びACKフレームは、それぞれ図4及び図5に示すフォーマットを使用する。図示のように、送信側STAは最初のパケット送信に失敗した後にこのパケットを複数回再送している。しかしながら、どの再送も成功していない。N回の再送後に、再送回数が再試行制限を上回る。送信側STAはこのパケットの再送を停止し、このパケットは破棄される。
図9に、再送回数が再試行制限を上回った後にパケットが破棄される一例を示す。データパケットフレーム及びACKフレームは、それぞれ図4及び図5に示すようなフォーマットを使用する。図示のように、送信側STAは最初のパケット送信に失敗した後にこのパケットを複数回再送している。しかしながら、どの再送も成功していない。N回の再送後に、再送回数が再試行制限を上回る。送信側STAはこのパケットの再送を停止し、このパケットは破棄される。
2.1.5.UL OFDMA ランダムアクセス
802.11axでは、どのSTAが送信すべきデータを有しているかをAPが認識していない場合、又は関連しないSTAがデータを送信したいと望んでいる場合のUL送信のために、UL OFDMAランダムアクセスが導入された。トリガーフレームは、ランダムULチャネルアクセスのためにいくつかのRUを割り当てることができる。APがアップリンクランダムアクセスのために特定のRUを割り当てると、STAは、OFDMAバックオフ手順を使用して、ランダムアクセスチャネルにアクセスするか否かを決定する。この決定は、ランダムバックオフ値を選択し、これをランダムアクセスのために割り当てられたRUの数と比較することによって行われる。現在のランダムバックオフ値がRUの数よりも小さい場合、STAは、ランダムアクセスのために割り当てられたRUのうちの1つにランダムにアクセスする。ランダムアクセスは、効率的なショートパケット送信を可能にすると期待されている。
3.課題の記述
802.11n/acなどのMU UL送信では、パケット衝突を防ぐのに役立つように送信要求/送信可(RTS/CTS)、又はチャネルアクセススキームでの拡張機能を含むRTS/CTSを実装している。しかしながら、このスキームでは一度に1人のユーザしかチャネルを占有することができない。さらに、RTS/CTSフレーム交換機構のオーバーヘッドによって長い遅延が導入される。
比較すると、802.11ax技術は、異なるユーザが同時にチャネルにアクセスすることを可能にするOFDMAスキームを実装することによって、チャネル利用効率を改善して平均遅延を減少させている。しかしながら、現在の802.11ax技術は、共有TXOPのためにAP局がUL送信を開始することに依拠する。すなわち、非AP STAは、チャネルが利用可能であることを感知してAPに送信すべきデータを有している場合、ULデータ送信を開始するために、関連するAPからトリガーフレームを受け取るまで待つ必要がある。また、非AP STAは、APが利用可能なチャネルリソースをスケジュールして、このチャネルを取得した非AP STAと他の非AP STAとの間で配分することに依拠する必要もある。この場合、低いチャネル利用効率、従って遅延の増加を含む複数の問題が導入される。
隣接するBSSからの干渉によってチャネルにアクセスする際の競合が増すOBSSの場合を考慮すると、この遅延問題はさらに悪化し、従って遅延が長期化してしまう。
4.本発明の寄与
本開示は、OBSSシナリオの共有TXOPにおけるマルチユーザ(MU)アップロード(UL)送信を可能にする新たな解決策を提供する。共有TXOPは、1つのTXOP中に異なるユーザ間でチャネルアクセス権を共有できることを意味する。具体的に言えば、非AP STAは、チャネルを取得(獲得)すると、APからのトリガーフレームを待たずにMU UL送信を開始することができる。この非AP STAは、共有TXOPアクセスを開始して、共有TXOPに参加する用意がある他の(同じBSS内又はOBSS内の)非AP STAのためのチャネルリソースをスケジュールするようにこのプロトコル内で構成されるTXOP所有者STAとして機能する。検討するシナリオは、サブセットBSSの事例よりもロバストであるという理由で主にOBSSの事例に焦点を当てている。開示する解決策は、チャネル利用効率を改善し、非AP STA側のOBSS干渉及び遅延を減少させ、従って非AP STA側の柔軟性及びリアルタイムアプリケーション(RTA)性能を高める。
5.非AP STAハードウェア設定
図10に、非AP STAを含む無線局の実施形態例10を示す。図示の回路12は、アプリケーションにアクセスするための外部I/O14を有する。I/O14は、通信プロトコルを実装するプログラムを実行(起動)する少なくとも1つのCPU18及びメモリ20(例えば、RAM)に結合されたバス16に接続する。
ホストマシン10は、少なくとも1つの帯域において隣接するSTAとの間でデータフレームを送信/受信する、指向性又は全方向性とすることができる少なくとも1つのモデム22を収容する。モデム22は、物理信号の生成及び受信を行う少なくとも1つのRFモジュール24、28に接続される。少なくとも1つの実施形態では、RFモジュールが、周波数変換器及びアレイアンテナコントローラなどを含む。この例では、図示のRFモジュールが、送信及び受信のためにビームフォーミング又は全方向通信を実行するように制御される複数のアンテナ26a、26b、26c~26n及び29に接続される。このように、STAは、複数組のビームパターンを使用して信号を送信することができる。これに加えて、モデム及びアンテナも全方向動作のために構成することができる。
なお、本開示の局ハードウェアは、例えばミリ波帯及びsub-6Ghz帯などのいずれかの所望の帯域上での通信のために構成することができると理解されたい。また、本開示の教示から逸脱することなく、複数のSTAをマルチリンク装置(MLD)などとしていずれかの所望の構成でグループ化(クラスタ化)することもできる。
プロセッサ18上では、STAがアクセスポイント(AP)局又は非AP(通常)局(STA)の機能を果たせるように実行される通信プロトコルを実装するプログラムを実行するためのメモリ20からの命令が実行される。また、このプログラミングは、現在の通信状況でどのような役割を果たしているかに応じて異なるモード(ソース、送信機、中間、宛先、受信機、第1のAP、他のAP、第1のAPに関連する非AP局、非AP TXOP所有者局、非AP TXOP参加者局、非AP TXOP非参加者局、別のAPに関連する局、調整機(coordinator)、及び被調整機(coordinatee)など)で動作するように構成されると理解されたい。
図85に、無線通信局がマルチリンク装置(MLD)ハードウェア構成で所属している実施形態1950としての、図10の変形形態を示す。MLD内の各STAは異なる周波数のリンク上で動作する。各局10’は、図10で説明するようなものとすることができ、それぞれがCPU、RAM、モデム、RF回路及び1又は2以上のアンテナを有する。この図では、図示のMLDのn個の局の各々が異なるリンクを提供することが分かる(例えば、リンク1、リンク2~リンクnを示す)。
MLDは、少なくとも1つのプロセッサ(CPU)1954と、MLDのアプリケーションにアクセスしてMLDレベルでの通信プロトコルを実装するための外部I/Oを提供するメモリ1956とを有するMLD管理エンティティの回路1952を有することも分かる。MLDは、各所属するSTAにタスクを配分し、各所属するSTAから情報を収集し、所属するSTA間で情報を共有するように構成される。
また、MLDの各STAは独自のプロセッサ及びメモリを有する必要はないと理解されたい。少なくとも1つの実施形態では、MLD内の1又は2以上の局がこれらの局間でプロセッサ及びメモリを共有することができ、又はMLD回路のプロセッサ及びメモリを共有することができる。従って、本開示は、MLD内の複数のリンクを介した通信のための多くの可能な構成を企図する。
6.トポロジー及びシナリオの説明
6.1.検討するトポロジー
図11に、BSS1 44がAP(AP1)32及び3つのSTA33、34及び36から成る、2つの重複するBSSから成るWLAN OBSSシナリオを示すトポロジーの実施形態例30を示す。これらの中で、STA3 36は、一例としてチャネルを取得して自機のTXOPを他の非AP STAと共有する非AP TXOP所有者STAとして示しており、他の2つのSTA33、34は、TXOP所有者としてチャネルを取得せずにTXOP所有者STAによって共有されるTXOPに参加する用意がある非AP共有TXOP参加者STAである。BSS2 46はAP(AP2)38から成り、この例ではBSS2内のSTA1’ 42及びSTA2’ 40を含む2つのSTAが非AP TXOP参加者STAである。
なお、非AP局又はAPは、いずれもTXOPを取得した場合にはTXOP所有者の役割を果たすことができるので、TXOP所有者局の役割は固定されたものではない。このトポロジー例は、開示する解決策の説明に使用されるものであるが、本開示は、単一の又は複数のBSSを有する、及びAP当たり1又は2以上の局を有するあらゆるWLANトポロジーに制限なく適用することができる。
6.2.シナリオの説明
検討するシナリオでは、各BSSが1つのAP及び複数の非AP STAを含む。各非AP STAは、関連するAPに送信する必要がある、定期的又は非定期的に生成されるパケットを有する。本開示は、各非AP STAとAPとの間のスケジューリングの複雑度が高いことによって遅延時間が常に重要な問題となるアップリンク(UL)直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)送信の使用に主に焦点を当てているが、本明細書における技術は他の使用事例にも適用可能である。
802.11axでは、複数のSTAが共有TXOP内でULデータシーケンスを同時に送信することができ、チャネル利用効率を改善することができる。
802.11axでは、APがULデータ送信を開始できる唯一の装置である。通常、APは、非AP STAにトリガーフレーム(例えば、BSRP)を送信してこれらの非AP STAのバッファステータス及びトラフィック優先度を問い合わせ、これらの非AP STAから応答フレーム(例えば、BSR)を受け取る。APは、非AP STAがULデータシーケンスを送信する際に使用できるように、これらの非AP STAにリソース割り当て情報を含む別のトリガーフレーム(例えば、ベーシックトリガー)を送信する。
APによって開始されるTXOPは、特に送信すべきRTA(リアルタイムアプリケーション)パケットを有している非AP STAについて、非AP STA側からの動的ニーズを捉えることができない。通常、RTAパケットは小さなサイズであるが、高速、低遅延の送信を必要とする。OBSSシナリオにおける干渉はより激しいチャネル競合を引き起こして遅延が長くなるので、例示するOBSSシナリオでは遅延性能がさらに厳しい。
本開示では、非AP STAの観点からのOBSSシナリオのための、具体的にはチャネルが利用可能であることを感知して直ちにAPに送信すべきパケットを有している非AP STAのための新たな解決策について説明する。共有TXOPスキームは、チャネルアクセス権を取得して自機のTXOP内のチャネルアクセス権を他のSTAと共有する用意があるSTAによって可能になる。非AP STAとAPとの間の協調により、各装置が共有TXOPに参加することによってチャネルにアクセスする効率が高まる。共有TXOPにおける非AP STA参加者は、同じBSS又はOBSSから参加することができる。OBSSシナリオの複数の協調装置間の共有TXOPスキームは、OBSS干渉を効率的に低減する一方で、遅延を減少させて同じBSS又はOBSSからの競合するSTA間のより効率的なチャネル利用を提供することができる。
具体的には、本開示は以下のように動作する。いずれかの非AP STAは、チャネルアクセス権を取得すると直ちに次の共有TXOPを開始することができる。本明細書では、この非AP STAを非AP TXOP所有者STAと呼ぶ。本明細書では、次の共有TXOPに参加する用意がある非AP STAを非AP共有TXOP参加者STAと呼ぶ。
非AP TXOP所有者STAは、同じ又は他のBSS内の他の非AP共有TXOP参加者STAと周波数領域においてTXOPを共有する。非AP TXOP所有者STAは、APが共有TXOPアクセスを開始するのを待つ必要がない。非AP TXOP所有者STAは、利用可能な周波数リソースをスケジュールして他の非AP共有TXOP参加者STAに配分することができる。非AP TXOP所有者STAは、共有TXOP内のアクセスリソースが予約されると、関連するAPにスケジューリングを実行させることもできる。潜在的非AP TXOP所有者STAは、所定のスケジューリングを使用してチャネルアクセスリソースを割り当てることもできる。本開示は、チャネルにアクセスするための遅延時間を低減するとともにチャネル利用効率も高めるプロトコルを提供する。
図12に、非AP TXOP所有者STAによって開始されるOBSSシナリオにおける開示する共有TXOPプロトコルの大雑把な例の実施形態50を示す。この図には、受信側AP(AP1)52と、共有TXOP参加者54、56としてのBSS1内の2つの非AP送信側と、非AP送信側TXOP所有者58との間の相互作用を示す。図示のOBSSは、受信側AP(AP2)60と、非AP共有TXOP参加者STA62及び64とを含む。TXOP設定手順66が実行される。
TXOP設定手順では、非AP STAが、単一BSS内の関連するAPの協調を通じて共有オファー及び共有要求などのTXOP共有可能性情報を交換する。また、異なるBSSのAPも、その関連するSTAの共有オファー/要求情報を交換する。
この図には、2つのTXOPが実行される例を示す。非AP TXOP所有者STA58は、チャネルを取得すると共有TXOPを初期化し、(自機のBSS及びOBSSからの)どの非AP STAが共有TXOPに参加する用意があるかを確認することが必要となり得る。TXOP所有者STAは、共有TXOPに参加する用意がある(自機のBSS及び重複するBSSからの)他のSTAにチャネルアクセス権(RU)を割り当てる。
特定の非AP共有TXOP参加者STAに割り当てられるRUは、例えば第1のTXOP68及び第2のTXOP92などの異なるTXOPにおいて異なることができる。共有TXOPアクセスが開始すると、TXOP所有者STAは予約されたRU上でULデータを送信する。非AP共有TXOP参加者STAは、割り当てられたRU上でULデータを送信する。第1のTXOP68には、STA3 58のTXOPを共有する(70、72及び74)STA1、STA2及びSTA1’と、AP1 52への送信のヘッダ及びデータ76、78、80、82、84及び86と、AP2 60への送信のヘッダ及びデータ88及び90とを含むデータを示す。第2のTXOP92には、STA3 58のTXOPを共有する(94、96)STA1及びSTA2’と、AP1 52への送信のヘッダ及びデータ98、100、102及び104と、AP2 60への送信のヘッダ及びデータ106及び108とを含むデータを示す。
6.3.シナリオの分類
本開示では、動的シナリオ及び半静的シナリオを含む異なる実施形態について説明する。動的シナリオでは、APの協調を伴う場合及び伴わない場合の2つの側面からの解決策を説明する。半静的シナリオでは、コーディネータとしてのAPが必要である。
第7節ではOBSSトポロジーにおける解決策を分析し、その後に第8節でフレームフォーマット設計を紹介し、その後に本開示の概要を示す。
7.OBSSシナリオのプロトコル設計
7.1.プロトコル設計の概要
本節では、共有TXOPアクセススケジュールがオンザフライで行われる動的シナリオと、共有TXOPアクセススケジュールが予め定められている半静的シナリオとを有するOBSSプロトコルについて説明する。OBSSシナリオでは、APが常にBSS間の協調に関与する必要がある。
図13に、AP52と、複数の非AP共有TXOP参加者STA54及び56と、非AP TXOP所有者STA58とを含み、開示するプロトコルが、図12に示す共有TXOP設定段階66と、共有TXOP初期化段階112と、TXOPスケジュール及びアクセス段階114とを含む3つの段階を有する動的シナリオの実施形態例110を示す。
共有TXOP設定段階66では、TXOP所有者STA及び共有TXOP参加者STAを含む非AP STAが、STAに共有TXOPを共有オファー/要求する用意があるかどうかを示すTXOP共有可能性情報を認証フレーム又はアソシエーションフレーム、或いはその他の交換されるフレームに埋め込むことによって、協調するAPの協調を通じてTXOP共有可能性情報を交換する。
共有TXOP開始段階112では、非AP TXOP所有者STAがチャネルアクセス権を獲得し、例えばTXOPが共有可能であることを示すMU-RTS共有フレームを潜在的TXOP参加者STAにブロードキャストすることなどによって、自機のTXOPを他の非AP STAと共有する用意があることを告知する。次の共有TXOPに参加する用意がある他の非AP STAは、(CTS共有フレームを返送することによって)TXOP所有者STAに応答して参加を確認する。
TXOPスケジュール及びアクセス段階114では、非AP TXOP所有者STA及び非AP共有TXOP参加者STAが同時にチャネルにアクセスする。非AP TXOP所有者STAは、予約されたRUを使用してULデータを送信する。非AP共有TXOP参加者STAは、どのチャネルアクセスプロトコルが利用されるかに応じて、割り当てられたRUを使用して又は残りのRUにランダムにアクセスしてULデータを送信する。
7.2.共有TXOP設定段階
図14に、OBSSシナリオの共有TXOP設定段階における共有情報交換手順の実施形態例130を示す。先行例と同様に、受信側AP1 52と、共有TXOP参加者54、56としての2つの非AP送信側と、非AP送信側TXOP所有者58とを有する第1のBSS(BSS1)の相互作用を示す。第2のBSS(BSS2)には、受信側AP60と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側62、64とを示す。
非AP STAは、例えば関連するAPに送信される認証/アソシエーション要求フレームに自機の共有オファー/要求情報132を示す。これらの管理フレーム、或いは非AP STAの共有オファー/要求情報を交換するための認証/アソシエーション応答フレーム又はビーコンフレームなどのAPと交換される他のいずれかのフレームには、STA TXOP共有可能性要素として設計された新たな要素が埋め込まれる。
共有フレームの伝達によってNAV(共有)期間136が開始する。関連するAPは、このSTA TXOP共有可能性要素を含む共有フレームを受け取ると共有可能性情報をチェックし、例えば認証又はアソシエーション応答を通じて応答して(138)正常な受信を確認する。次に、APは、全ての関連する非AP STAの共有オファー/要求情報を共有オファー/要求フレームでブロードキャストする(140)。この場合、非AP STAは、共有オファー/要求フレームを受け取ると、他の非AP STAの共有可能性を認識して自機のデータベースを更新する。
次に、APは、隣接するBSSの別のAPにOBSS共有STAフレームをユニキャストして(142)、全ての関連する非AP STAの共有可能性を示す。OBSS共有フレームが送信されたことに応答してNAV(OBSS)間隔が開始する(146)。
OBSS内の他のAP60は、OBSS共有STAフレームを受け取ると、TAフィールドによって示される非AP STAの共有オファー/要求情報をチェックし、受け取られたOBSS共有STAフレームに示されるTAとして設定されたBSSIDを含む共有オファー/要求フレームを使用して自機のBSS内でこの情報をブロードキャストする(144)。
次に、BSS2内の非AP TXOP参加者62は、共有オファー/要求情報を示す共有フレーム150をAP60に送信して、NAV(共有)152が開始する。AP60は、共有フレームを確認して(154)、自機のBSS内の全ての関連する非AP STAの共有オファー/要求情報156を共有オファー/要求フレームでブロードキャストし、その後にBSS1のAP52にOBSS共有STAフレームをユニキャストして(158)、NAV(OBSS共有)160が開始する。BSS1のAP52は、このOBSS共有STAフレームを受け取ったことに応答して共有オファー/要求162をブロードキャストする。
図15に、APによって処理されるOBSSシナリオの共有TXOP設定段階の実施形態例170を示す。共有TXOP設定段階が開始した後に、APは、他の非AP STAと共有TXOPを提供/要求する用意があるかどうかを示す認証フレーム又はアソシエーション要求フレームなどの管理フレームを非AP STAから受け取る(172)。APは、この非AP STAの共有可能性情報を保持し、認証フレーム又はアソシエーション応答フレームを返送して(174)正常な受信を確認する。
次に、APは、新たな関連する非AP STAの共有可能性を更新するために、内部BSS内の全ての非AP STAに共有オファー/要求フレームをブロードキャストする(176)。共有オファー/要求フレームのBSSIDフィールドがTAフィールド内のMACアドレスと同じMACアドレスを示す場合には、共有オファー/要求フレームが内部BSSの非AP STAから共有可能性情報を配信していることを意味する。そうでなければ、共有オファー/要求フレームが、BSSIDによって示されるIDを有するインターBSSの非AP STAからの共有可能性情報を配信していることを意味する。また、APは、インターBSSのAPにOBSS共有STAフレームをユニキャストする(178)ことによって、OBSSに対して共有可能性情報を更新する。インターBSSのAPは、OBSS共有STAフレームを受け取った後に、更新された共有可能性情報を非AP STAにブロードキャストする(180)。
図16に、非AP STAレベルで処理されるOBSSシナリオの共有TXOP設定段階の実施形態例190を示す。共有TXOP設定段階が開始した後に、非AP STAは、共有TXOPの共有オファー/要求情報を示すために関連するAPに管理フレームを送信し(192)、OBSS内での送信によって生じる干渉を防ぐためにNAVも設定される。
チェック194において、関連するAPから応答が受け取られたかどうかが判定される。非AP STAが、認証フレーム又は共有可能性情報を含むアソシエーションフレームを送信した後のタイムアウト期間内に関連するAPからフィードバックを受け取らなかった場合には、ブロック196に到達して管理フレームタイムアウトとなり、本実施形態では実行がブロック192に戻って、STAは、共有可能性を示すために関連するAPに管理フレームを再送すべきである。
一方で、関連するAPから応答が受け取られた場合には、非AP STAが共有オファー/要求フレームを受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる(198)。
ブロック198において共有オファー/要求が受け取られなかった場合、プロセスは終了する。一方で、非AP STAが共有オファー/要求フレームを受け取った場合、ブロック200において、STAは、共有オファー/要求フレームのBSSIDフィールド及びTAフィールドが異なるMACアドレスを示す場合にはインターBSSからの、或いは共有オファー/要求フレームのBSSIDフィールド及びTAフィールドが同じMACアドレスを示す場合には内部BSSからの他の非AP STAの最新の共有可能性情報を更新する。
7.2.共有TXOP初期化段階
図17に、OBSSシナリオの共有TXOP初期化段階におけるパケット交換プロセスの実施形態例210を示す。先行例と同様に、受信側AP1 52と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側54、56と、非AP送信側TXOP所有者58とを有する第1のBSS(BSS1)の相互作用を示す。第2のBSS(BSS2)には、受信側AP60と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側62、64とを示す。なお、説明を単純にするためにNAV間隔は示していない。
このシナリオでは、非AP TXOP所有者STAが、自機のBSSの共有TXOP参加者STAのAID(アソシエーションID)のみを知る必要があり、非AP TXOP所有者STAは、内部BSSの共有TXOP参加者STAのアクセスをスケジュールして、インターBSSの共有TXOPSTAのスケジューリング作業を関連するAPに委ねることができる。従って、インターBSSの他の共有TXOP参加者STAについては、そのAID情報が関連するAPによって記録され、非AP TXOP所有者STAはこれを必要としない。
この段階では、非AP TXOP所有者STAがチャネルを取得して、内部BSS又はインターBSSの他の非AP STAとの間でTXOPを共有する用意がある。非AP TXOP所有者STAは、他のどの非AP STAが内部BSSから自機の共有TXOPに参加する用意があるかを確認する必要がある。
非AP TXOP所有者STAは、共有TXOP所有者BSSという名前の内部BSS内の他の非AP STAに向けたビームフォーミング情報を収集するために、最初にチャネルサウンディングを実行する(212)。
次に、非AP TXOP所有者STAは、各指定された非AP STAの帯域幅(BW)が示されたマルチユーザ送信要求(MU-RTS)共有フレーム214を潜在的非AP共有TXOP参加者STAに送信する。非AP STAは、このMU-RTS共有フレームを受け取ると、次の共有TXOPに参加する用意がある場合には、受け取られたMU-RTS共有フレームに示されるBWを使用してCTS共有フレーム216、218で非AP TXOP所有者STAに応答する。
非AP TXOP所有者STAは、共有TXOPの開始を告知するために、関連するAPにもMU-RTS共有フレーム214を送信する。APは、このMU-RTS共有フレームを受け取ると、共有TXOPが開始したことを認識する。次に、CTS共有フレーム後に、APは、共有TXOP参加者BSSという名前のインターBSSの別のAPにOBSS TXOP参加者STAフレームをユニキャストする(220)。OBSS TXOP参加者STAフレームは、非AP共有TXOP参加者STAの情報を含んでいない。
共有TXOP参加者BSSのAPは、非AP共有TXOP参加者STAの情報を含んでいないOBSS TXOP参加者STAフレームを受け取った後に共有TXOPが開始したことを認識し、各指定された非AP STAが応答するためのBWが示されたMU-RTS共有フレーム224を潜在的非AP共有TXOP参加者STAに送信する。
共有TXOP参加者BSSの非AP STAは、このMU-RTS共有フレームを受け取ると、次の共有TXOPに参加する用意があるかどうかを関連するAPにCTS共有フレーム226、228で応答する。
共有TXOP参加者BSSのAPは、次の共有TXOPに参加する用意がある非AP TXOP参加者STAから全てのCTS共有フレームを受け取った後に、共有TXOP参加者STAの最新情報を含むOBSS TXOP参加者STAフレーム230を共有TXOP所有者BSSのAPにユニキャストする。
APは、共有TXOP参加者STAの情報を含むOBSS TXOP参加者STAフレームを他のBSSから受け取った後に、共有TXOP参加者BSS内の共有TXOP初期化作業が終了したことを告知するCTS-to-self共有フレームをブロードキャストする(232)。
非AP TXOP所有者STAは、関連するAPからCTS-to-self共有を受け取ると、TXOPスケジュール及びアクセス段階を開始することができる。
図18に、非AP TXOP所有者STAレベルで処理される、OBSSシナリオの共有TXOP初期化段階の実施形態例250を示す。
非AP TXOP所有者STAは、チャネルが取得されると、最初にチャネルサウンディング252を実行し、次に潜在的非AP共有TXOP参加者STA及びAPにMU-RTS共有フレーム254を送信(ブロードキャスト)する。
ブロック256において、全てのCTS共有フレームを受け取ったかどうかについてのチェックが行われる。非AP TXOP所有者STAがMU-RTS共有フレームタイムアウト前にCTS共有フレームを受け取らなかった場合にはMU-RTS共有フレームタイムアウトが発生し(258)、実行はブロック254に戻って、非AP TXOP所有者STAはMU-RTS共有フレームを再送する。
CTS共有フレームが受け取られた場合には、ブロック260において、CTS-to-self共有フレームが受け取られたかどうかを判定するチェックが行われる。非AP TXOP所有者STAがOBSS TXOP参加者STAフレームタイムアウト前にCTS-to-self共有フレームを受け取らなかった場合にはタイムアウト264に到達し、ブロック266において、非AP TXOP所有者STAは自機のBSSの共有TXOPスケジュール及びアクセス段階を開始する。
一方で、CTS-to-self共有フレームが受け取られた場合、非AP TXOP所有者STAは、ブロック262においてOBSSシナリオの共有TXOPスケジュール及びアクセス段階を開始する。
図19A及び図19Bに、APレベルで処理されるOBSSシナリオの共有TXOP初期化段階の実施形態例270を示す。ブロック272において、APがMU-RTS共有フレームを受け取ったと判定された場合、APは、共有TXOP参加者STA情報を示さずに共有TXOP参加者BSSの他のAPにOBSS TXOP参加者STAフレームをユニキャストする(274)。
ブロック276において、APが非AP共有TXOP参加者STAの情報を含まないOBSS TXOP参加者STAフレームを受け取ったと判定された場合、APは、共有TXOPが開始したことを認識し、各指定された非AP STAが応答するためのBWが示されたMU-RTS共有フレームを潜在的非AP共有TXOP参加者STAに送信する(278)。
ブロック280において、APが次の共有TXOPに参加する用意がある非AP TXOP参加者STAから全てのCTS共有フレームを受け取ったと判定された場合、図19Bにおいて、APは、共有TXOP参加者STAの最新情報を含むOBSS TXOP参加者STAフレームをTXOP所有者BSSのAPにユニキャストする(282)。
ブロック286において、APが共有TXOP参加者STAの情報を含むOBSS TXOP参加者STAフレームを他のBSSから受け取ったと判定された場合、APは、共有TXOP参加者BSS内の共有TXOP初期化作業が終了したことを告知するためにCTS-to-self共有フレームをブロードキャストする(286)。
一方で、ブロック272、276、280又は284におけるいずれかのチェックに失敗した場合、プロセスはいずれのアクションも実行せずに終了する。
図20に、非AP TXOP参加者STAレベルで処理されるOBSSシナリオの共有TXOP初期化段階の実施形態例290を示す。
非AP STAがMU-RTS共有フレームを受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる(292)。MU-RTS共有フレームが受け取られなかった場合、このプロセスは終了する。
一方で、非AP STAがMU-RTS共有フレームを受け取った場合には、非AP STAが次の共有TXOPに参加する用意があるかどうかがチェックされる(294)。局に参加する用意がある場合、ブロック296において、非AP STAは、割り当てられた周波数帯を使用して自機のAIDを示すことによってCTS共有フレームで応答する。
一方で、非AP STAは、共有TXOPに参加する予定がない場合には、共有TXOPに参加しないことを示すようにAIDを0に設定したCTS共有フレームを返送する(298)。
7.3.TXOPスケジュール及びアクセス段階
本節では、(a)スケジュールされた帯域上でのランダムアクセス、(b)スケジュールされた帯域上でのベーシックトリガー、(c)タイムシフトを伴うベーシックトリガー送信、(d)非AP TXOP所有者によってトリガーされる、TXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトのユニキャスト、(e)APによってトリガーされる、TXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトのユニキャスト、(f)非AP TXOP所有者によってトリガーされる、TXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトのブロードキャスト、(g)APによってトリガーされる、TXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトのブロードキャスト、といった変形形態を含むTXOPスケジュール及びアクセス段階の設計のための複数の解決策について説明する。
図21に、OBSSシナリオのスケジュールされた帯域上でのランダムアクセスを含むTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例310を示す。この手順は、共有TXOP初期化手順の実行を必要としない。この図には、一次帯域315を使用する第1のBSSと、二次帯域316を使用する第2のBSSとを示す。先行する相互作用例と同様に、受信側AP1 52と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側54、56と、非AP送信側TXOP所有者58とを有する第1のBSS(BSS1)を含む例を示す。第2のBSS(BSS2)には、受信側AP60と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側62及び64とを示す。なお、説明を単純にするためにNAV間隔は示していない。
最初に、非AP TXOP所有者STAは、RU割り当てサブフィールド及びUL BWサブフィールド内に予約されたRUを示し、自機が非AP TXOP所有者STAであることを示すために優先度フィールドを1に設定したTXOP優先度トリガーフレームを関連するAPにユニキャストする(312)。
共有TXOP所有者BSSのAPは、TXOP優先度トリガーフレームを受け取った後に、(予約帯域TXOP所有者BSSフィールドのランダムアクセスサブフィールドを1に設定することによって)共有TXOPにおいてランダムアクセスが使用されることを示すとともに、共有TXOP所有者BSSの予約された周波数帯を示すOBSS共有トリガーフレーム314を送信し、従って残りの周波数帯をTXOP参加者BSSのために残しておく。
次に、共有TXOP所有者BSSのAPは、共有TXOP所有者BSSの予約された周波数帯を使用してTXOPランダムアクセス要求トリガーフレームをブロードキャストする(318)。
共有TXOP参加者BSSのAPは、OBSS共有トリガーフレームを受け取った場合、共有TXOP参加者BSSの残りの周波数帯を使用してTXOPランダムアクセス要求トリガーフレームをブロードキャストする(320)。
非AP TXOP所有者STAは、TXOPランダムアクセス要求トリガーフレームを受け取った後に、予約されたRUにアクセスすることによってULデータ326を送信する。非AP共有TXOP参加者STAは、利用可能なRUにランダムにアクセスして、関連するAPにULデータ322、324、328及び330を送信する。
APは、非AP STAからULデータを受け取るとMU-BAフレーム332、334を返送する。
図22に、非AP TXOP所有者STAレベルで処理される、OBSSシナリオのスケジュールされた帯域上でのランダムアクセスを含むTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例350を示す。非AP TXOP所有者STAは、共有TXOPにおいて自機が最も高い優先度を有していることを示すとともにULデータ送信のための予約されたRUを示すTXOP優先度トリガーフレームを関連するAPに送信する(352)。チェック354において、非AP TXOP所有者STAがTXOPランダムアクセス要求トリガーフレームを受け取ったかどうかが判定される。このTXOPランダムアクセス要求トリガーフレームがTXOP優先度トリガーフレームタイムアウト前に受け取られなかった場合にはブロック358に到達し、その後にブロック352に戻って、非AP TXOP所有者STAはTXOP優先度トリガーフレームを再送する。そうでなければ、非AP TXOP所有者STAは、予約されたRUを使用して関連するAPにULデータを送信する(356)。
図23に、APレベルで処理される、OBSSシナリオのスケジュールされた帯域上でのランダムアクセスを含むTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例370を示す。
TXOP優先度トリガーフレームを受け取ったかどうかについてチェックが行われる(372)。受け取られなかった場合、実行はブロック384のチェックに進み、TXOP参加者BSS内のAPがOBSS共有トリガーフレームを受け取ったかどうかを判定する。
APがTXOP優先度トリガーフレームを受け取った場合、このBSSはTXOP所有者STAのBSSであり、実行はブロック374に到達して、STAは、共有TXOP参加者BSSの他のAPにOBSS共有トリガーフレームをユニキャストして、共有TXOP参加者BSSの残りの周波数帯を示す。
共有TXOP所有者BSS内のAPは、(共有TXOP所有者BSSのために予約された)一次帯域上でTXOPランダムアクセス要求トリガーをブロードキャストして(376)、TXOP所有者BSSのランダムアクセスに利用可能なBWを示す。
APがULデータを受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる(378)。共有TXOP所有者BSSのAPは、ULデータを受け取った場合、予約された帯域を使用してMU-BAフレームを送信して(382)プロセスは終了する。そうでなければ、ブロック380に到達してデータフレームタイムアウトになり、APは、ブロック376と同様にTXOPランダムアクセス要求トリガーフレームを再ブロードキャストする(376)。
次に、OBSS共有トリガーフレームが受け取られたかどうかを判定するブロック384に戻る。トリガーフレームが受け取られなかった場合、プロセスは終了する。そうでなければ、APは、トリガーフレームを受け取った後に、ブロック386において二次帯域(共有TXOP参加者BSSのための残りの周波数帯)でTXOPランダムアクセス要求トリガーをブロードキャストして、TXOP参加者BSSのランダムアクセスに利用可能なBWを示す。
ULデータを受け取ったかどうかについてチェックが行われる(388)。共有TXOP参加者BSSのAPは、ULデータを受け取った場合、TXOP参加者BSS用の帯域を使用してMU-BAフレームを送信して(392)プロセスは終了する。一方で、ULデータが受け取られなかった場合にはデータフレームタイムアウトが発生し(390)、APはTXOPランダムアクセス要求トリガーフレームを再ブロードキャストする(386)。
図24に、非AP共有TXOP参加者STAレベルで処理される、OBSSシナリオのスケジュールされた帯域上でのランダムアクセスを含むTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例410を示す。TXOPランダムアクセス要求トリガーフレームが受け取られたかどうかを判定するチェックが行われる(412)。非AP TXOP参加者STAは、TXOPランダムアクセス要求トリガーフレームを受け取った場合、関連するAPにULデータを送信して(414)利用可能なBWにランダムにアクセスした後にプロセスは終了する。一方で、ブロック412においてトリガーフレームが受け取られなかったと判定された場合、プロセスは終了する。
7.3.2.スケジュールされた帯域上でのベーシックトリガーを含むTXOPスケジュール及びアクセス段階
図25に、OBSSシナリオのスケジュールされた帯域上でのベーシックトリガーを含むTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例430を示す。この手順は、共有TXOP初期化手順を必要としない。先行する相互作用例と同様に、この図には、受信側AP1 52と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側54、56と、非AP送信側TXOP所有者58とを有する第1のBSS(BSS1)を示す。第2のBSS(BSS2)には、受信側AP60と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側62及び64とを示す。なお、説明を単純にするためにNAV間隔は示していない。
各BSSでは、AP及びSTAがBSRP及びBSRフレームで定期的にバッファステータス及びトラフィック優先度情報を交換する。最初に、非AP TXOP所有者STAは、RU割り当てサブフィールド及びUL BWサブフィールド内に予約されたRUについての指示を含んで自機が非AP TXOP所有者STAであることを示すために優先度フィールドを1に設定したTXOP優先度トリガーフレームを関連するAPにユニキャストする(432)。
TXOP所有者BSSのAPは、TXOP優先度トリガーフレームを受け取った後に、共有TXOP参加者BSSの他のAPにOBSS共有トリガーフレームユニキャストして(434)(予約帯TXOP所有者BSSフィールドの予約帯サブフィールドを設定することによって)共有TXOP所有者BSSのために予約された周波数帯を示し、従って残り周波数帯をTXOP参加者BSSのために残しておく。
共有TXOP所有者BSS内のAPは一次帯域436を使用し、TXOP所有者BSSのための予約帯域である一次帯域上でベーシックトリガーフレーム440をブロードキャストする。共有TXOP参加者BSS内のAPは、二次帯域438(共有TXOP参加者BSSの残りの帯域)上でベーシックトリガーフレーム450をブロードキャストする。ベーシックトリガーフレームは、非AP共有TXOP参加者STAのためのRU割り当てを示す。
非AP TXOP参加者STAは、ベーシックトリガーフレームを受け取ると、割り当てられたRUを使用して関連するAPにULデータ442、444、452及び454を送信し、TXOP所有者STAは、自機の予約されたRUにおいてULデータ446を送信する。
APは、共有TXOP所有者BSS/共有TXOP参加者BSSからULデータを受け取ると、それぞれ共有TXOP所有者BSS/共有TXOP参加者BSSのための帯域を使用してMU-BAフレーム448、456を送信する。
図26に、非AP TXOP所有者STAレベルで処理される、OBSSシナリオのスケジュールされた帯域上でのベーシックトリガーを含むTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例470を示す。
非AP TXOP所有者STAは、次の共有TXOPにおいて自機が最も高い優先度を有していることを示すとともにULデータ送信のために予約されたRUを示すTXOP優先度トリガーフレームを関連するAPに送信する(472)。
チェック474において、非AP TXOP所有者STAがベーシックトリガーフレームを受け取ったかどうかが判定される。TXOP優先度トリガーフレームタイムアウトの前にベーシックトリガーフレームが受け取られなかった場合、実行はタイムアウトブロック476に到達し、ブロック472に戻ってTXOP優先度トリガーフレームを再送する。一方で、トリガーフレームが受け取られた場合、実行はブロック478に到達し、非AP TXOP所有者STAは、予約されたRUを使用して関連するAPにULデータを送信する。
図27に、APレベルで処理される、OBSSシナリオのスケジュールされた帯域上でのベーシックトリガーを含むTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例490を示す。
チェック492において、TXOP優先度トリガーフレームが受け取られたかどうかが判定される。受け取られていない場合、実行は異なるチェックのためにブロック504に進む。
TXOP優先度トリガーフレームが受け取られた場合、このAPは共有TXOP所有者BSSのAPであり、APは、共有TXOP参加者BSSの他のAPにOBSS共有トリガーフレームをユニキャストして(494)共有TXOP所有者BSSのために予約された周波数帯を示し、従って残りの周波数帯をTXOP参加者BSSのために残しておく。
共有TXOP所有者BSS内のAPは、一次帯域(TXOP所有者BSSの予約帯域)上でベーシックトリガーフレームをブロードキャストして(496)、非AP共有TXOP参加者STAのためのRU割り当てを示す。
共有TXOP所有者BSSのAPがULデータを受け取ったかどうかについてのチェックが行われる(498)。APは、ULデータを受け取った場合、予約帯域を使用してMU-BAフレームを送信する(502)。一方で、ブロック498においてデータフレームタイムアウト期間内にULデータが受け取られなかった場合にはデータタイムアウトが発生し(500)、実行がブロック496に戻ることによって、APはベーシックトリガーフレームを再ブロードキャストする。
ブロック492において受け取られたフレームがTXOP優先度トリガーフレームでなかった場合には、ブロック504に到達する。ブロック504では、APがOBSS共有トリガーフレームを受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる。このフレームが受け取られなかった場合、処理は終了する。一方でこのフレームが受け取られた場合、このAP局は共有TXOP参加者BSS内に存在する。APは、TXOP参加者BSS内の非AP共有TXOP参加者STAのためのRU割り当てを示すベーシックトリガーを二次帯域(共有TXOP参加者BSSのための残りの周波数帯)でブロードキャストする(506)。
ブロック508において、APがULデータを受け取ったかどうかについてのチェックが行われる。ULデータが受け取られた場合、APは、TXOP参加者BSSの帯域を使用してMU-BAフレームを送信する(512)。一方で、ブロック508においてデータフレームタイムアウト期間内にULデータが受け取られなかったと判定された場合、実行はタイムアウトブロック510に到達し、APは、ブロック506に戻ることなどによってベーシックトリガーフレームを再ブロードキャストしようと模索する。
図28に、非AP共有TXOP参加者STAレベルで処理される、OBSSシナリオのスケジュールされた帯域上でのベーシックトリガーを含むTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例530を示す。非AP TXOP参加者STAは、ベーシックトリガーフレームを受け取った(532)場合にはブロック534に到達し、割り当てられたRUを使用して関連するAPにULデータを送信する。
7.3.3.タイムシフトを伴うベーシックトリガー送信を含むTXOPスケジュール及びアクセス段階
図29に、OBSSシナリオのタイムシフトを伴うベーシックトリガー送信を含むTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例550を示す。この手順は、共有TXOP初期化手順の実行を必要としない。先行する相互作用例と同様に、この図には、受信側AP1 52と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側54、56と、非AP送信側TXOP所有者58とを有する第1のBSS(BSS1)を示す。第2のBSS(BSS2)には、受信側AP60と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側62及び64とを示す。なお、説明を単純にするためにNAV間隔は示していない。
各BSSでは、AP及びSTAがBSRP及びBSRフレームで定期的にバッファステータス及びトラフィック優先度情報を交換する。
最初に、非AP TXOP所有者STAは、この非AP TXOP所有者STAのために予約されたRUを示すTXOP優先度トリガーフレームを関連するAPにユニキャストする(552)。APは、TXOP優先度トリガーフレームを受け取った後に、共有TXOP参加者BSSの他のAPにOBSS共有トリガーフレーム554をユニキャストして、共有TXOP参加者BSS内の送信スケジューリングの(TF遅延(TF Delay)フィールドに設定された)TF遅延558及び(MU-BA遅延(MU-BA Delay)フィールドに設定された)MU-BA遅延561を示す。次に、APは、共有TXOP所有者BSS内の非AP共有TXOP参加者STAのRU割り当てと(データ遅延フィールドに設定された)対応するデータ遅延期間とを示すベーシックトリガーフレーム556をブロードキャストする。
共有TXOP参加者BSS内のAPは、OBSS共有トリガーフレームを受け取ると、トリガーフレーム(TF)遅延558の後にベーシックトリガーフレーム560をブロードキャストして、共有TXOP参加者BSS内の非AP共有TXOP参加者STAのためのRU割り当てを示す。
非AP TXOP参加者STA又は非AP TXOP所有者STAは、ベーシックトリガーフレームを受け取った場合、ベーシックトリガーに示されたデータ遅延562期間をチェックする。非AP TXOP参加者STA又は非AP TXOP所有者STAは、データ遅延期間後に、割り当てられた又は予約されたRUを使用して関連するAPにULデータ564、566又は568を送信する。共有TXOP参加者BSS内の参加者STAも、関連するAPに自機のULデータ570、572を送信する。
共有TXOP所有者BSSのAPは、ULデータを受け取ると直ぐにMU-BAフレーム574を送信する。共有TXOP参加者BSSのAPも、OBSS共有トリガーフレームを受け取ってからMU-BA遅延後にMU-BAフレーム576を送信する。
図30に、非AP TXOP所有者STAレベルで処理される、タイムシフトを伴うベーシックトリガー送信を含むTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例590を示す。非AP TXOP所有者STAは、次の共有TXOPにおいて自機が最も高い優先度を有することを示すとともにULデータ送信のために予約されたRUを示すTXOP優先度トリガーフレームを関連するAPに送信する(592)。
ベーシックトリガーフレームを受け取ったかどうかについてのチェックが行われる(594)。非AP TXOP所有者STAがTXOP優先度トリガーフレームタイムアウト前にベーシックトリガーフレームを受け取らなかった場合にはタイムアウトブロック596に到達し、その後にSTAは、ブロック592に戻ることによって示すようにTXOP優先度トリガーフレームを再送する。そうでなければ、非AP TXOP所有者STAは、ベーシックトリガーフレームを受け取った後、最初にベーシックトリガーフレームに示されるデータ遅延期間だけ待機した後に、予約されたRUを使用して関連するAPにULデータを送信する(598)。
図31に、APレベルで処理される、OBSSシナリオのスケジュールされた帯域上でのベーシックトリガーを含むTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例610を示す。
TXOP優先度トリガーフレームが受け取られたかどうかを判定するチェックが行われる(612)。APは、TXOP優先度トリガーフレームを受け取った場合、ブロック614において共有TXOP参加者BSSの他のAPにOBSS共有トリガーフレームをユニキャストして、共有TXOP参加者BSSにおける送信スケジューリングのTF遅延及びMU-BA遅延を示す。
共有TXOP所有者BSS内のAPは、非AP共有TXOP参加者STAのためのRU割り当て及びデータ遅延期間を示すベーシックトリガーフレームをブロードキャストする(616)。
ULデータが受け取られたかどうかについてのチェックが行われる(618)。所定の時間内にULデータが受け取られなかった場合にはデータフレームタイムアウト620が発生し、実行がブロック616に戻ることなどによってAPはベーシックトリガーフレームを再ブロードキャストする。一方で、ブロック618においてULデータが受け取られたと判定された場合、共有TXOP所有者BSSからのAPは直ちにMU-BAフレームを送信する(622)。
ブロック612に戻り、優先度トリガーフレームが受け取られなかった場合、実行はブロック624に進んで、APがOBSS共有フレームを受け取ったかどうかをチェックする。OBSS共有フレームが受け取られなかった場合、実行は終了する。一方で、OBSS共有フレームが受け取られた場合、このAPは共有TXOP参加者BSSのAPであると判定され、TF遅延の後にベーシックトリガーフレームをブロードキャストして(626)、TXOP参加者BSS内の非AP共有TXOP参加者STAのためのRU割り当てを示す。
ULデータが受け取られたかどうかについてのチェックが行われる(628)。所定時間内にULデータが受け取られなかった場合にはデータフレームタイムアウト630が発生し、実行がブロック626に戻ることなどによって、APはベーシックトリガーフレームを再ブロードキャストする。一方で、共有TXOP参加者BSSのAPは、ULデータを受け取った場合、OBSS共有トリガーフレームを受け取ってからMU-BA遅延後にMU-BAフレーム632を送信する。
図32に、非AP共有TXOP参加者STAレベルで処理される、タイムシフトを伴うベーシックトリガー送信を含むTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例650を示す。
チェック652において、非AP TXOP参加者STAがベーシックトリガーフレームを受け取ったかどうかが判定される。トリガーフレームが受け取られていない場合にはプロセスを終了する。一方で、非AP TXOP参加者STAがベーシックトリガーフレームを受け取った場合、実行はブロック654に到達し、ベーシックトリガーに示されるデータ遅延期間をチェックする。データ遅延期間の経過後に、STAは、割り当てられたRUを使用して関連するAPにULデータを送信する(656)。
7.3.4.(非AP TXOP所有者によってトリガーされる)ユニキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階
図33に、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階におけるフレーム交換プロセスの実施形態例670を示す。先行する相互作用例と同様に、この図には、受信側AP1 52と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側54、56と、非AP送信側TXOP所有者58とを有する第1のBSS(BSS1)を示す。第2のBSS(BSS2)には、受信側AP60と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側62及び64とを示す。なお、説明を単純にするためにNAV間隔は示していない。
このプロセスは、共有TXOP初期化手順672の実行を要求する。
非AP TXOP所有者STAは、共有TXOP所有者BSS内の各非AP共有TXOP参加者STAに(ユーザ情報フィールドの単一BSSサブフィールドが0に設定された)ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレーム674、678を送信して、これらの各非AP共有TXOP参加者STAのULデータ送信を開始するための(ユーザ情報フィールドのRU割り当てサブフィールド及び共通情報フィールドのUL BWサブフィールドに示される)割り当てられたRU及び(ユーザ情報フィールドのデータ遅延サブフィールドに定められる)対応するデータ遅延676、680を示す。次に、非AP TXOP所有者STAは、(ユーザ情報フィールドの単一BSSサブフィールドが0に設定された)TXOPアクセススケジューラトリガーフレーム682を関連するAPに送信して、(RU割り当てサブフィールド及びユーザ情報フィールドのUL BWサブフィールドに示される)TXOP所有者BSSのために割り当てられたRU及び(ユーザ情報フィールドのデータ遅延サブフィールドに設定される)共有TXOP参加者BSSのための更新データ遅延期間686を示す。
共有TXOP所有者BSSのAPは、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームを受け取った後に、共有TXOP参加者BSSの他のAPにOBSS共有トリガーフレーム684をユニキャストして、共有TXOP参加者BSSにおける送信のための更新されたデータ遅延、利用可能な周波数帯及びMU-BA遅延を示す。
共有TXOP参加者BSSのAPは、OBSS共有トリガーフレームを受け取り、利用可能な周波数帯に基づいて各非AP 共有TXOP参加者STAにRUを割り当てる。その後に、更新されたデータ遅延694及び割り当てられたRUを示すユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレーム688、692を各非AP共有TXOP参加者STAに送信する。
非AP局は、必要なデータ遅延686、680及び676の後に、自機のBSSのAPにULデータ694、696及び698を送信する。OBSSでは、非AP TXOP参加者STAが、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームを受け取ってから対応するデータ遅延694後に、予約されたRUを使用してULデータ700、702を送信する。非AP TXOP参加者STAは、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームに示される対応するデータ遅延後に、割り当てられたRUを使用して関連するAPにULデータを送信する。
共有TXOP所有者BSSのAPは、ULデータを受け取った直後にMU-BAフレーム704をブロードキャストする。共有TXOP参加者BSSのAPは、ULデータを受け取った場合、OBSS共有トリガーフレームを受け取ってからの時間を参照するMU-BA遅延690後にMU-BA706をブロードキャストする。
図34に、非AP TXOP所有者STAレベルで処理される、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例710を示す。
非AP TXOP所有者STAは、ULデータ送信を開始するための割り当てられたRU及び対応するデータ遅延を示すユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを各非AP共有TXOP参加者STAに送信する(712)。
次に、非AP TXOP所有者STAは、関連するAPにTXOPアクセススケジューラトリガーフレームを送信して(714)、共有TXOP所有者BSSのための使用すべきRU及び更新されたデータ遅延を示す。
ブロック716に到達して、非AP TXOP所有者STAは、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームが送信された以降の時間から決定される非AP TXOP所有者STAのデータ遅延にわたって待機した後に、予約されたRUを使用してULデータを送信する。
図35に、APレベルで処理される、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例730を示す。
TXOPアクセススケジューラトリガーフレームが受け取られたかどうかを判定するチェックが行われる(732)。APは、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームを受け取った場合には共有TXOP所有者BSSのAPであることが分かり、共有TXOP参加者BSSにおける送信のための更新されたデータ遅延、利用可能な周波数帯及びMU-BA遅延を示すOBSS共有トリガーフレームを共有TXOP参加者BSSのAPにユニキャストする(734)。
ULデータが受け取られたかどうかについてのチェックが行われる(736)。ULデータが受け取られなかった場合、プロセスは終了する。そうでなければ、共有TXOP所有者BSSのAPは、ULデータを受け取った後に、ブロック738においてMU-BAフレームをブロードキャストする。
ブロック732に戻り、フレームがTXOPアクセストリガーフレームでなかった場合、実行はブロック740に進んでOBSS共有トリガーフレームが受け取られたかどうかを判定する。このOBSS共有トリガーフレームが受け取られなかった場合、プロセスは終了する。
そうでなければ、共有TXOP参加者BSSのAPは、OBSS共有トリガーフレームを受け取った後にブロック742に到達し、利用可能な周波数帯に基づいて各非AP共有TXOP参加者STAにRUを割り当てて、各非AP共有TXOP参加者STAのための更新されたデータ遅延及び割り当てられたRUを示すユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送信する。
ULデータが受け取られたかどうかについてのチェックが行われる(744)。所要時間内にULデータが受け取られなかった場合にはデータフレームタイムアウト746が発生し、実行はブロック742に戻って再びTXOPアクセス要求フレームをユニキャストする。
一方で、共有TXOP参加者BSSのAPは、ULデータを受け取った場合、OBSS共有トリガーフレームを受け取ってからMU-BA遅延後にMU-BAをブロードキャストする(748)。
図36に、非AP TXOP参加者STAレベルで処理される、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例750を示す。
チェック752において、非AP TXOP参加者STAがユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取ったかどうかが判定される。非AP TXOP参加者STAは、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取った場合、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームに示される対応するデータ遅延後に、割り当てられたRUを使用して関連するAPにULデータを送信する(754)。
7.3.5.(APによってトリガーされる)ユニキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階
図37に、(APによってトリガーされる)ユニキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例770を示す。先行する相互作用例と同様に、この図には、受信側AP1 52と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側54、56と、非AP送信側TXOP所有者58とを有する第1のBSS(BSS1)を示す。第2のBSS(BSS2)には、受信側AP60と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側62及び64とを示す。なお、説明を単純にするためにNAV間隔は示していない。
このプロセスは、共有TXOP初期化手順772の実行を要求する。非AP TXOP所有者STAは、関連するAPにTXOPアクセススケジューラトリガーフレーム774を送信して、自機のための予約されたRUと、TXOP所有者BSS内の各非AP共有TXOP参加者STAのための割り当てられたRU及び対応するデータ遅延776とを示す。
共有TXOP所有者BSSのAPは、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームを受け取ると、ULデータ送信を開始するための割り当てられたRU及び対応するデータ遅延782、786を示すユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレーム778、780を各非AP共有TXOP参加者STAに送信する。次に、共有TXOP所有者BSSのAPは、共有TXOP参加者BSSのAPにOBSS共有トリガーフレーム784をユニキャストして、共有TXOP参加者BSSにおける送信のための更新されたデータ遅延776、利用可能な周波数帯及びMU-BA遅延を示す。
共有TXOP参加者BSSのAPは、OBSS共有トリガーフレームを受け取った後に、利用可能な周波数帯に基づいて共有TXOP参加者BSSの各非AP共有TXOP参加者STAにRUを割り当てる。次にAPは、対応する更新されたデータ遅延792及び割り当てられたRUを示すユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレーム788、790を各非AP共有TXOP参加者STAに送信する。
非AP TXOP所有者STAは、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームを受け取ってから対応するデータ遅延後に、予約されたRUを使用してULデータ798を送信する。非AP TXOP参加者STAは、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームに示された対応するデータ遅延後に、割り当てられたRUを使用して関連するAPにULデータ794、796、800、802を送信する。
共有TXOP所有者BSSのAPは、ULデータを受け取った後にMU-BAフレーム804をブロードキャストする。共有TXOP参加者BSSのAPは、ULデータを受け取った場合、OBSS共有トリガーフレームを受け取った以降の時間から登録されるMU-BA遅延789後にMU-BA806もブロードキャストする。
図38に、非AP TXOP所有者STAレベルで処理される、(APによってトリガーされる)ユニキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例810を示す。非AP TXOP所有者STAは、自機のための予約されたRUと、TXOP所有者BSS内の各非AP共有TXOP参加者STAのための割り当てられたRU及び対応するデータ遅延とを示すTXOPアクセススケジューラトリガーフレームを関連するAPに送信する(812)。その後、非AP TXOP所有者STAは、対応するデータ遅延後に、予約されたRUを使用してULデータを送信する(814)。
図39に、APレベルで処理される、(APによってトリガーされる)ユニキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例830を示す。
チェック832において、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームが受け取られたかどうかが判定される。TXOPアクセススケジューラトリガーフレームが受け取られた場合、このAPは共有TXOP所有者BSSのAPであり、ブロック834において、ULデータ送信を開始するための割り当てられたRU及び対応するデータ遅延を示すユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを各非AP共有TXOP参加者STAに送信する。
次に、APは、共有TXOP参加者BSSにおける送信のための更新されたデータ遅延、利用可能な周波数帯及びMU-BA遅延を示すOBSS共有トリガーフレームを共有TXOP参加者BSSのAPにユニキャストする(836)。
チェック838において、ULデータが受け取られたかどうかが判定される。共有TXOP所有者BSSのAPが所要時間内にULデータを受け取らなかった場合にはデータフレームタイムアウト840が発生し、APは、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを再送することが好ましい。一方で、共有TXOP所有者BSSのAPは、ULデータを受け取った場合には、ブロック842において直ちにMU-BAフレームをブロードキャストする。
ブロック832に戻り、APによって受け取られたフレームがTXOPアクセススケジュールトリガーフレームでないと判定された場合、実行はブロック844に到達してOBSS共有トリガーフレームが受け取られたかどうかをチェックする。OBSS共有トリガーフレームが受け取られた場合、このAPは共有TXOP参加者BSSのAPであり、ブロック846において、利用可能な周波数帯に基づいて、各非AP共有TXOP参加者STAにRUを割り当てた後に、各非AP共有TXOP参加者STAのための更新されたデータ遅延及び割り当てられたRUを示すユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送信する。
チェック848において、ULデータが受け取られたかどうかが判定される。所要時間内にULデータが受け取られなかった場合にはデータタイムアウト850が発生し、APは、ブロック846に戻ることによって示すようにユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを再送する。一方で、共有TXOP参加者BSSのAPは、ULデータを受け取った場合、OBSS共有トリガーフレームを受け取ってからMU-BA遅延後にMU-BAをブロードキャストする(852)。
なお、非AP共有TXOP参加者STAレベルで処理される、(APによってトリガーされる)ユニキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図は、図36に示すものである。
7.3.6.(非AP TXOP所有者によってトリガーされる)ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階
図40に、(非AP TXOP所有者による)ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階におけるフレーム交換の実施形態例870を示す。先行する相互作用例と同様に、この図には、受信側AP1 52と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側54、56と、非AP送信側TXOP所有者58とを有する第1のBSS(BSS1)を示す。第2のBSS(BSS2)には、受信側AP60と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側62及び64とを示す。なお、説明を単純にするためにNAV間隔は示していない。
このプロセスは、共有TXOP初期化手順872の実行を要求する。非AP TXOP所有者STAは、自機のための予約されたRUと、TXOP所有者BSS内の(ユーザ情報フィールドのAIDサブフィールドに示される)各非AP共有TXOP参加者STAのための(ユーザ情報フィールドのRU割り当てサブフィールド及び共通情報フィールドのUL BWサブフィールドに示される)スケジュールされたRU及び(ユーザ情報フィールドのデータ遅延サブフィールドに定められる)対応するデータ遅延876とを示す(ユーザ情報フィールドの単一BSSサブフィールドが0に設定された)ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレーム874を送信する。
共有TXOP所有者BSSのAPは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取ると、TXOP参加者BSSの他のAPにOBSS共有トリガーフレーム878をユニキャストして、共有TXOP参加者BSSにおける送信のための更新されたデータ遅延、利用可能な周波数帯及びMU-BA遅延を示す。
共有TXOP参加者BSSのAPは、OBSS共有トリガーフレームを受け取った後に、利用可能な周波数帯に基づいて各非AP共有TXOP参加者STAのRUを割り当て、共有TXOP参加者BSSの各非AP共有TXOP参加者STAのための更新されたデータ遅延及び割り当てられたRUを示すブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレーム880を送信する。
非AP TXOP所有者STAは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取ってから対応するデータ遅延後に、予約されたRUを使用してULデータ888を送信する。非AP TXOP参加者STAは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームに示される対応するデータ遅延後に、割り当てられたRUを使用して関連するAPにULデータ884、886、890、892を送信する。
共有TXOP所有者BSSのAPは、ULデータを受け取った後にMU-BAフレーム894をブロードキャストする。共有TXOP参加者BSSのAPは、ULデータを受け取った場合、OBSS共有トリガーフレームを受け取ってからMU-BA遅延882後にMU-BA896をブロードキャストする。
図41に、非AP TXOP所有者STAレベルで処理される、(非AP TXOP所有者による)ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例910を示す。
非AP TXOP所有者STAは、自機のための予約されたRUと、TXOP所有者BSS内の各非AP共有TXOP参加者STAのためのスケジュールされたRU及び対応するデータ遅延とを示すブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送信する(912)。
その後、非AP TXOP所有者STAは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取ってから対応するデータ遅延後に、予約されたRUを使用してULデータを送信する(914)。
図42に、APレベルで処理される、(非AP TXOP所有者による)ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例930を示す。
受け取られたフレームをチェックして(932)、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームであるかどうかを判定する。受け取られたフレームがブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームである場合、このAPは共有TXOP所有者BSSのAPであり、TXOP参加者BSSの他のAPにOBSS共有トリガーフレームをユニキャストして(934)、共有TXOP参加者BSSにおける送信のための更新されたデータ遅延、利用可能な周波数帯及びMU-BA遅延を示す。共有TXOP所有者BSSのAPは、ULデータを受け取った後にMU-BAフレームをブロードキャストする(936)。
ブロック932に戻って、TXOPアクセス要求トリガーフレームが受け取られなかった場合、ブロック938においてフレームがOBSS共有トリガーフレームであるかどうかがチェックする。OBSS共有トリガーフレームでない、この処理は完了する。一方で、フレームがOBSS共有トリガーフレームである場合、このAPはOBSS共有トリガーフレームを受け取った共有TXOP参加者BSSのAPであり、利用可能な周波数帯に基づいて各非AP共有TXOP参加者STAにRUを割り当て、共有TXOP参加者BSSの各非AP共有TXOP参加者STAのための更新されたデータ遅延及び割り当てられたRUの指示を含むブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送信する(940)。
チェック942において、ULデータが受け取られたかどうかが判定される。所要時間内にデータが受け取られなかった場合にはデータフレームタイムアウト944が発生し、図示のようにブロック940に戻ることなどによってTXOPアクセス要求トリガーフレームが再ブロードキャストされる。
共有TXOP参加者BSSのAPがULデータを受け取った場合、APは、OBSS共有トリガーフレームを受け取ってからMU-BA遅延後にMU-BAをブロードキャストする(946)。
図43に、非AP TXOP参加者STAレベルで処理される、(非AP TXOP所有者による)ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例950を示す。
非AP TXOP参加者STAがTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取ったかどうかについてのチェックが行われる(952)。条件が満たされた場合、ブロック954において、非AP TXOP参加者STAは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームに示される対応するデータ遅延後に開始する割り当てられたRUを使用して関連するAPにULデータを送信する。
7.3.7.(APによってトリガーされる)ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階
図44に、(APによる)ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階におけるフレーム交換プロセスの実施形態例970を示す。先行する相互作用例と同様に、この図には、受信側AP1 52と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側54、56と、非AP送信側TXOP所有者58とを有する第1のBSS(BSS1)を示す。第2のBSS(BSS2)には、受信側AP60と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側62及び64とを示す。なお、説明を単純にするためにNAV間隔は示していない。
このプロセスは、共有TXOP初期化手順972の実行を要求する。
非AP TXOP所有者STAは、自機のための予約されたRUと、TXOP所有者BSS内の(ユーザ情報フィールドのAIDサブフィールドに示される)各非AP共有TXOP参加者STAのための(ユーザ情報フィールドのRU割り当てサブフィールド及び共通情報フィールドのUL BWサブフィールドに示される)割り当てられたRU及び(ユーザ情報フィールドのデータ遅延サブフィールドに定められる)対応するデータ遅延976とを示す(ユーザ情報フィールドの単一BSSサブフィールドが0に設定された)TXOPアクセススケジューラトリガーフレーム974を関連するAPに送信する。
共有TXOP所有者BSSのAPは、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームを受け取ると、共有TXOP所有者BSSの各非AP共有TXOP参加者STAのための(ユーザ情報フィールドのデータ遅延サブフィールドに定められる)更新されたデータ遅延及び(ユーザ情報フィールドのRU割り当てサブフィールド及び共通情報フィールドのUL BWサブフィールドに示される)割り当てられたRUを示す(ユーザ情報フィールドの単一BSSサブフィールドが0に設定された)ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送信する(978)。次に、共有TXOP所有者BSSのAPは、共有TXOP参加者BSSにおける送信のための更新されたデータ遅延、利用可能な周波数帯及びMU-BA遅延984の指示を含むOBSS共有トリガーフレーム980をTXOP参加者BSS内の他のAPにユニキャストする。
共有TXOP参加者BSSのAPは、OBSS共有トリガーフレームを受け取った後に、利用可能な周波数帯に基づいて各非AP共有TXOP参加者STAのRUを割り当て、共有TXOP参加者BSSの各非AP共有TXOP参加者STAのための更新されたデータ遅延及び割り当てられたRUを示すブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレーム982を送信する。
非AP TXOP所有者STAは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取ってから対応するデータ遅延後に、予約されたRUを使用してULデータ990を送信する。非AP TXOP参加者STAは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームに示される対応するデータ遅延後に、割り当てられたRUを使用して関連するAPにULデータ986、988、992、994を送信する。
共有TXOP所有者BSSのAPは、ULデータを受け取った後にMU-BAフレーム996をブロードキャストする。共有TXOP参加者BSSのAPも、ULデータを受け取った場合、OBSS共有トリガーフレームを受け取ってからMU-BA遅延後にMU-BAフレーム998をブロードキャストする。
図45に、非AP TXOP所有者STAレベルで処理される、(APによる)ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例1010を示す。
非AP TXOP所有者STAは、自機のための予約されたRUと、TXOP所有者BSS内の各非AP共有TXOP参加者STAのための割り当てられたRU及び対応するデータ遅延とを示すTXOPアクセススケジューラトリガーフレームを関連するAPに送信する(1012)。
チェック1014において、この非AP TXOP所有者STAがブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取ったかどうかが判定される。タイムアウト間隔内にトリガーフレームが受け取られなかった場合にはタイムアウト1016が発生し、その後にブロック1012に示すようにTXOPアクセススケジューラトリガーフレームが再送される。
ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームが受け取られた場合、ブロック1018において、非AP TXOP所有者STAは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームの受信から予約されたRUの使用までに決定される対応するデータ遅延後にULデータを送信する。
図46に、APレベルで処理される、(APによる)ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーを有してスケジューラ内でタイムシフトを実行するTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例1030を示す。
チェック1032において、APがTXOPアクセススケジューラトリガーフレームを受け取ったかどうかが判定される。条件が満たされた場合、このAPは共有TXOP所有者BSSのAPであり、共有TXOP所有者BSSの各非AP共有TXOP参加者STAのための更新されたデータ遅延及び割り当てられたRUを示すブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送信する(1034)。
次に、共有TXOP所有者BSSのAPは、TXOP参加者BSS内の他のAPにOBSS共有トリガーフレームをユニキャストして(1036)、共有TXOP参加者BSSにおける送信のための更新されたデータ遅延、利用可能な周波数帯及びMU-BA遅延を示す。
チェック1038において、ULデータが受け取られたかどうかが判定される。タイムアウト間隔中にULデータが受け取られなかった場合にはデータフレームタイムアウト1040が発生し、APはブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを再送すべきである(1036)。ブロック1038における条件が満たされて共有TXOP所有者BSSのAPが適時にULデータを受け取った場合、APは直ちにMU-BAフレームをブロードキャストする(1042)。
ブロック1032に戻り、受け取られたフレームがTXOPアクセススケジューラフレームでない場合には、ブロック1044において、このフレームがOBSS共有トリガーフレームであるかどうかを判定するチェックが行われる。条件が満たされない場合、処理は終了する。そうでなければ、APはOBSS共有トリガーフレームを受け取っており、従ってこのAPは共有TXOP参加者BSSのAPであり、ブロック1046において、利用可能な周波数帯に基づいて各非AP共有TXOP参加者STAにRUを割り当て、共有TXOP参加者BSSの各非AP共有TXOP参加者STAのための更新されたデータ遅延及び割り当てられたRUを示すブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送信する。
チェック1048において、ULデータが受け取られたかどうかが判定される。タイムアウト間隔中にULデータが受け取られなかった場合にはデータフレームタイムアウト1050が発生し、処理はブロック1046に戻ってTXOPアクセス要求トリガーフレームを再ブロードキャストする。一方で、共有TXOP参加者BSSのAPは、ULデータを受け取った場合、OBSS共有トリガーフレームを受け取ってからMU-BA遅延後にMU-BAをブロードキャストする(1052)。
なお、非AP共有TXOP参加者STAレベルで処理される、(APによる)ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガー及びスケジューラのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階のフロー図は、図43に示すものと同じであると理解されたい。
7.4.半静的シナリオの概要
このシナリオでは、共有TXOP設定段階、並びにTXOPスケジュール及びアクセス段階を含む2つの段階が設計される。
共有TXOP設定段階では、各非AP STAがAPとの間で共有TXOPの共有オファー/要求情報を交換する。これに加えて、各潜在的非AP TXOP所有者STAは、他の非AP共有TXOP参加者STAのRU割り当ても告知し、関連するAPの協調を通じて他の非AP STAとの間でこの割り当て構成情報を交換する。
半静的構成は開始段階で実行され、TXOPスケジュール及びアクセス段階における複雑なスケジューリングプロセスを迂回することができる。半静的構成は、いつでもリセット又はリピートが可能である。非AP STAは、共有TXOP設定段階において構成される割り当てられたRUで直接TXOPチャネルにアクセスする。半静的シナリオでは、異なるBSSのAPがコーディネータとして関与する。
半静的シナリオでは、説明するプロトコルが、(1)共有オファー/要求設定サブ段階及びTXOP所有者構成設定サブ段階を含む共有TXOP設定段階、並びに(2)タイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階又はスケジュールされた帯域上でのTXOPスケジュール及びアクセス段階によって達成できるTXOPアクセス段階、という2つの段階を有する。
7.4.1.半静的プロトコルの共有オファー/要求設定サブ段階
図47に、OBSSシナリオの半静的プロトコルの共有オファー/要求設定サブ段階におけるフレーム交換シーケンスの実施形態例1070を示す。
先行する相互作用例と同様に、この図には、受信側AP1 52と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側54、56と、非AP送信側TXOP所有者58とを有する第1のBSS(BSS1)を示す。第2のBSS(BSS2)には、受信側AP60と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側62及び64とを示す。
非AP STAは、TXOP共有オファー/要求情報が埋め込まれた認証/アソシエーション要求フレームなどの管理フレーム1072を関連するAPに送信して、共有TXOPをオファー又は要求する用意があることを示すとともに、オファー又は要求するTXOPアクセスリソースをそれぞれ示し、NAV(共有オファー/要求)1074間隔が開始する。APは、非AP STAから共有オファー/要求フレームを受け取り、共有可能性情報を保持する一方で応答フレーム1076を非AP STAに返送する。その後、APは、共有オファー/要求フレーム1078をブロードキャストして、自機のBSS(BSS1)内の全ての非AP STAに対して最新の共有可能性情報を更新する。その後、APは、BSS1の非AP STAの共有可能性を示すOBSS共有STAフレーム1080を他のBSS(BSS2)の別のAP(AP2)にユニキャストし、NAV(OBSS共有)1082が開始する。
AP2は、OBSS共有STAフレームを受け取ると、共有オファー/要求フレーム1084をブロードキャストして、BSS2の全ての非AP STAに対してBSS1の非AP STAの最新の共有可能性情報を更新する。
次に、図の右側に、非AP TXOP参加者STAのうちの1つがAPに共有オファー/要求フレーム1086を送信してNAV(共有オファー/要求)間隔1088が開始し、APが応答フレーム1090を返送して、共有オファー/要求1092の後にOBSS共有STAフレーム1094を伝え、この時点でNAV(OBSS共有)1096が開始し、共有TXOP所有者のBSS内のAPが共有オファー/要求1098を送信することを示す。
図48に、非AP STAレベルで処理される、OBSSシナリオの半静的プロトコルの共有オファー/要求設定サブ段階の実施形態例1110を示す。非AP STAは、共有オファー/要求情報が埋め込まれた管理フレーム(例えば、認証/アソシエーション要求フレーム)を関連するAPに送信する(1112)。チェック1114において、タイムアウト間隔内にAPから応答が受け取られたかどうかが判定される。非AP STAが管理フレームタイムアウト内に関連するAPからフィードバックを受け取らなかった場合には管理フレームタイムアウトが発生し(1116)、非AP STAはブロック1112において管理フレームを再送する。
一方で、条件が満たされて非AP STAがAPから応答を受け取った場合には、APからブロードキャスト共有オファー/要求フレームが受け取られたかどうかを判定するチェックが行われる(1118)。条件が満たされない場合、この処理は終了する。そうでなければ、APからブロードキャスト共有オファー/要求フレームが受け取られており、非AP STAは、他の全ての非AP STAの共有可能性1120を更新する。
図49に、APレベルで処理される、OBSSシナリオの半静的プロトコルの共有オファー/要求設定サブ段階の実施形態例1130を示す。APは、共有オファー/要求情報が埋め込まれた管理フレーム(例えば、認証/アソシエーション要求フレーム)を非AP STAから受け取る(1132)。APは、共有可能情報を保持して(1134)、非AP STAに応答フレーム(例えば、認証/アソシエーション応答フレーム)を返送する。
次に、APは、共有オファー/要求フレームをブロードキャストして(1136)、自機のBSS(BSS1)内の全ての非AP STAに対して最新の共有可能性情報を更新する。その後、APは、BSS1の非AP STAの共有可能性を示すOBSS共有STAフレームを他のBSS(BSS2)の別のAP(AP2)にユニキャストする(1138)。
チェック1140において、OBSS共有STAフレームが受け取られたかどうかが判定される。条件が満たされない場合は、処理は終了する。一方で、AP2は、OBSS共有STAフレームを受け取ると、共有オファー/要求フレーム1142をブロードキャストして、BSS2の全ての非AP STAに対してBSS1の非AP STAの最新の共有可能性情報を更新する。
7.4.2.半静的プロトコルのTXOP所有者構成設定サブ段階
図50に、OBSSシナリオの半静的プロトコルのTXOP所有者構成設定サブ段階におけるフレーム交換プロセスの実施形態例1150を示す。
先行する相互作用例と同様に、この図には、受信側AP1 52と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側54、56と、非AP送信側TXOP所有者58とを有する第1のBSS(BSS1)を示す。第2のBSS(BSS2)には、受信側AP60と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側62及び64とを示す。
潜在的非AP TXOP所有者STAは、最初に関連するAPにTXOP所有者構成フレーム1152を送信して、他の非AP共有TXOP参加者STAへのRUのスケジュール及び配分を示す。NAV(共有オファー/要求)1154が開始する。
APは、非AP STAからTXOP所有者構成フレームを受け取った後に、共有TXOPアクセススケジューリング情報を保持して非AP STAに応答フレーム1156を返送する。次に、APは、TXOPアクセス構成フレーム1158をブロードキャストして、自機のBSS(BSS1)内の全ての非AP STAに対して最新のTXOPアクセススケジューリング情報を更新する。その後、APは、他のBSS(BSS2)の別のAP(AP2)にOBSS TXOPアクセス構成フレーム1160をユニキャストして、BSS1の共有TXOPアクセススケジューリングを示す。NAV(OBSS共有)1162が開始する。
AP2は、OBSS TXOPアクセス構成フレームを受け取ると、TXOPアクセス構成フレーム1164をブロードキャストして、BSS2の全ての非AP STAに対してBSS1の非AP STAの最新の共有TXOPアクセススケジューリング情報を更新する。
次に、非AP TXOP参加者STAのうちの1つがBSS2のAPにTXOP所有者構成フレーム1166を送信し、NAV(共有オファー/要求)1168が開始する。APは応答フレーム1170を返送した後にTXOPアクセス構成フレーム1172を送信し、その後にOBSS TXOPアクセス構成フレーム1174を送信して、NAV(OBSS共有)間隔1176が開始する。BSS1内のAPは、このOBSS TXOPアクセス構成フレームを受け取ると、TXOPアクセス構成フレーム1178を送出する。
図51に、非AP STAレベルで処理されるOBSSシナリオの半静的プロトコルのTXOP所有者構成設定サブ段階の実施形態例1190を示す。
非AP STAは、関連するAPにTXOP所有者構成フレームを送信して(1192)、他の非AP共有TXOP参加者STAへのRUのスケジュール及び配分を示す。
チェック1194において、この非AP STAがAPから応答フレームを受け取ったかどうかが判定される。非AP STAがTXOP所有者STA構成フレームタイムアウトする前に関連するAPからフィードバックを受け取らなかった場合にはタイムアウト1196が発生し、非AP TXOP所有者STAは、ブロック1192に戻ることなどによってTXOP所有者構成フレームを再送する。
非AP STAがAPから応答を受け取った場合には、チェック1198において、TXOPアクセス構成フレームが受け取られたかどうかが判定される。条件が満たされない場合、プロセスは終了する。そうでなければ、TXOPアクセス構成フレームが受け取られており、非AP STAは、全体的なTXOPアクセス構成のデータベースを更新する(1200)。
図52に、APレベルで処理されるOBSSシナリオの半静的プロトコルのTXOP所有者構成設定サブ段階の実施形態例1210を示す。
APは、非AP STAからTXOP所有者構成フレームを受け取り(1212)、共有TXOPアクセススケジューリング情報を保持して非AP STAに応答フレームを返送する(1214)。次に、APは、TXOPアクセス構成フレーム1216をブロードキャストして、自機のBSS(BSS1)内の全ての非AP STAに対して最新のTXOPアクセススケジューリング情報を更新する。その後、APは、BSS1の共有TXOPアクセススケジューリングを示すOBSS TXOPアクセス構成フレームを他のBSS(BSS2)の別のAP(AP2)にユニキャストする(1218)。
チェック1220において、BSS2のAPがOBSS TXOPアクセス構成フレームを受け取ったかどうかが判定される。条件が満たされない場合、処理は終了する。そうでなければ、APはOBSS TXOPアクセス構成フレームを受け取っており、TXOPアクセス構成フレームをブロードキャストして(1222)、BSS2の全ての非AP STAに対してBSS1の非AP STAの最新の共有TXOPアクセススケジューリング情報を更新する。
7.5.1.タイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階
図53に、OBSSシナリオのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階の半静的プロトコルの実施形態例1230を示す。
先行する相互作用例と同様に、この図には、受信側AP1 52と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側54、56と、非AP送信側TXOP所有者58とを有する第1のBSS(BSS1)を示す。第2のBSS(BSS2)には、受信側AP60と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側62及び64とを示す。なお、説明を単純にするためにNAV間隔は示していない。
TXOP設定段階が実行される(1232)。次に、非AP TXOP所有者STAは、TXOPスケジュール及びアクセス段階の開始を示すTXOP共有要求トリガーフレーム1234を関連するAPにユニキャストする。
APは、TXOP共有要求トリガーフレームを受け取った後に、共有TXOP参加者BSSの他のAPにOBSS共有トリガーフレーム1236をユニキャストして、共有TXOP参加者BSSにおける送信スケジューリングのためのTF遅延1240及びMU-BA遅延1246を示す。次に、APは、データ遅延期間1244を示すTXOP共有応答トリガーフレーム1238をブロードキャストする。
共有TXOP参加者BSSのAPは、OBSS共有トリガーフレームを受け取って、TF遅延1240後にTXOP共有応答トリガーフレーム1242をブロードキャストする。
非AP TXOP参加者STA又は非AP TXOP所有者STAは、TXOP共有応答トリガーフレームを受け取った場合、ベーシックトリガーに示されたデータ遅延期間をチェックする。各非AP STAは、データ遅延期間の後に、構成されたRUを使用して関連するAPにULデータ1248、1250、1252、1254及び1256を送信する。
共有TXOP所有者BSSのAPは、ULデータを受け取ると直ちにMU-BAフレーム1258を送信する。その後、共有TXOP参加者BSSのAPは、OBSS共有トリガーフレームを受け取ってからの時間を示すMU-BA遅延1246後にMU-BAフレーム1260を送信する。
図54に、非AP TXOP所有者STAレベルで処理される、OBSSシナリオのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階の半静的プロトコルの実施形態例1270を示す。非AP TXOP所有者STAは、関連するAPにTXOP共有要求トリガーフレームを送信して(1272)TXOPアクセスが開始する旨を示す。
チェック1272において、TXOP共有応答トリガーフレームが受け取られたかどうかが判定される。条件が満たされずに、非AP TXOP所有者STAがTXOP共有要求トリガーフレームタイムアウト前にTXOP共有応答トリガーフレームを受け取らなかった場合にはタイムアウトが発生し(1276)、実行がブロック1272に戻ることなどによって非AP TXOP所有者STAはTXOP共有要求トリガーフレームを再送する。一方で、TXOP共有応答トリガーフレームが受け取られた場合、ブロック1278において、非AP TXOP所有者STAは、TXOP共有応答トリガーフレームに示されるデータ遅延期間後に、構成されたRUを使用して関連するAPにULデータを送信する。
図55に、APレベルで処理される、OBSSシナリオのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階の半静的プロトコルの実施形態例1290を示す。
チェック1292において、TXOP共有要求トリガーフレームが受け取られたかどうかが判定される。APがTXOP共有要求トリガーフレームを受け取った場合、このAPは共有TXOP所有者のBSSのAPであり、共有TXOP参加者BSSの他のAPにOBSS共有トリガーフレームをユニキャストして(1294)、共有TXOP参加者BSSにおける送信スケジューリングのためのTF遅延及びMU-BA遅延を示す。
次に、共有TXOP所有者BSSのAPは、データ遅延期間を示すTXOP共有応答トリガーフレームをブロードキャストする(1296)。
チェック1298において、タイムアウト間隔内にULデータが受け取られたかどうかが判定される。時間内にULデータが受け取られなかった場合にはデータフレームタイムアウト1300が発生し、実行がブロック1296に戻ることなどによって、APはTXOP共有応答トリガーフレームを再ブロードキャストする。
共有TXOP所有者BSSのAPは、ULデータを受け取った場合には直ちにMU-BAフレームを送信する(1302)。
ブロック1292に戻り、受け取られたフレームがTXOP共有要求トリガーフレームでなかった場合、実行はブロック1304に到達し、受け取られたフレームがOBSS共有トリガーフレームであったかどうかをチェックする。条件が満たされない場合、フレームはこれらの条件をいずれも満たさず、この処理は終了する。そうでなければ、このAPは、OBSS共有トリガーフレームを受け取ったので共有TXOP参加者BSS内に存在する。APは、TF遅延後にTXOP共有応答トリガーフレームをブロードキャストして(1306)、TXOP参加者BSS内の非AP共有TXOP参加者STAに対してデータ遅延を示す。
チェック1308において、ULデータが受け取られたかどうかが判定される。タイムアウト期間内にULデータが受け取られなかった場合にはデータフレームタイムアウト1310が発生し、APはTXOP共有応答トリガーフレームを再ブロードキャストする。そうでなければ、共有TXOP参加者BSSのAPはULデータを受け取り、OBSS共有トリガーフレームを受け取ってからMU-BA遅延後にMU-BAフレームを送信する(1312)。
図56に、非AP共有TXOP参加者STAレベルで処理される、OBSSシナリオのタイムシフトを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階の半静的プロトコルの実施形態例1330を示す。
チェック1332において、TXOP共有応答トリガーフレームが受け取られたかどうかが判定される。条件が満たされない場合、この処理は終了する。
非AP TXOP参加者STAは、TXOP共有応答トリガーフレームを受け取った場合、ブロック1334において、TXOP共有応答トリガーに示されたデータ遅延期間をチェックする。非AP TXOP参加者STAは、データ遅延期間後に、構成されたRUを使用して関連するAPにULデータを送信する(1336)。
7.5.2.スケジュールされた帯域上でのTXOPスケジュール及びアクセス段階
図57に、OBSSシナリオのスケジュールされた帯域上での、一次帯域1358及び二次帯域1360上での動作を示すTXOPスケジュール及びアクセス段階の半静的プロトコルの実施形態例1350を示す。先行する相互作用例と同様に、この図には、受信側AP1 52と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側54、56と、非AP送信側TXOP所有者58とを有する第1のBSS(BSS1)を示す。第2のBSS(BSS2)には、受信側AP60と、共有TXOP参加者としての2つの非AP送信側62及び64とを示す。なお、説明を単純にするためにNAV間隔は示していない。
共有TXOP設定1352が実行される。次に、非AP TXOP所有者STAは、TXOPスケジュール及びアクセス段階の開始を示すTXOP共有要求トリガーフレーム1354を関連するAPにユニキャストする。APは、TXOP共有要求トリガーフレームを受け取った後に、共有TXOP参加者BSSの他のAPにOBSS共有トリガーフレーム1356をユニキャストして、共有TXOP所有者BSSの予約帯域である(予約帯域TXOP所有者BSSフィールドに設定された)一次帯域1358を示す。従って、APは、共有TXOP参加者BSSのために二次帯域1360である残りの帯域を残す。次に、共有TXOP所有者BSSのAPは、TXOP共有応答トリガーフレーム1362を一次帯域上でブロードキャストする。
共有TXOP参加者BSSのAPは、OBSS共有トリガーフレームを受け取った場合、TXOP共有応答トリガーフレーム1372を二次帯域上でブロードキャストする。
非AP TXOP参加者STA又は非AP TXOP所有者STAは、TXOP共有応答トリガーフレームを受け取った場合、構成されたRUを使用して関連するAPにULデータ1364、1366、1368、1374及び1376を送信する。
共有TXOP所有者BSSのAPは、ULデータを受け取った場合、直ちに一次帯域上でMU-BAフレーム1370を送信する。そうでなければ、TXOP共有応答トリガーフレームを再ブロードキャストする。
共有TXOP参加者BSSのAPは、ULデータを受け取った場合、直ちに二次帯域上でMU-BAフレーム1378を送信する。そうでなければ、TXOP共有応答トリガーフレームを再ブロードキャストする。
図58に、非AP TXOP所有者STAレベルで処理される、OBSSシナリオのスケジュールされた帯域上でのTXOPスケジュール及びアクセス段階の半静的プロトコルの実施形態例1390を示す。非AP TXOP所有者STAは、関連するAPにTXOP共有要求トリガーフレームを送信して(1392)、TXOPアクセスを開始すべきであることを示す。
チェック1394において、TXOP共有応答トリガーフレームが受け取られたかどうかが判定される。非AP TXOP所有者STAがTXOP共有要求トリガーフレームタイムアウト前にTXOP共有応答トリガーフレームを受け取らなかった場合にはタイムアウト1396が発生し、非AP TXOP所有者STAは、ここではブロック1392に戻ることによって示すようにTXOP共有要求トリガーフレームを再送する。そうでなければ、非AP TXOP所有者はTXOP共有応答トリガーフレームを受け取り、STAは構成されたRUを使用して関連するAPにULデータを送信する(1398)。
図59に、APレベルで処理される、OBSSシナリオのスケジュールされた帯域上でのTXOPスケジュール及びアクセス段階の半静的プロトコルの実施形態例1410を示す。
チェック1412において、TXOP共有要求トリガーフレームが受け取られたかどうかが判定される。APは、TXOP共有要求トリガーフレームを受け取った場合、共有TXOP参加者BSSの他のAPにOBSS共有トリガーフレームをユニキャストして(1414)、共有TXOP所有者BSSの予約帯域である一次帯域を示す。従って、APは、二次帯域上である残りの帯域を共有TXOP参加者BSSによる使用のために残しておく。
共有TXOP所有者BSSのAPは、一次帯域上でTXOP共有応答トリガーフレームをブロードキャストする(1416)。
チェック1418において、タイムアウト間隔内にULデータが受け取られたかどうかが判定される。条件が満たされない場合にはデータフレームタイムアウト1420が発生し、ここでは実行がブロック1416に戻ることで示すように一次帯域上でTXOP共有応答トリガーが再ブロードキャストされる。
条件が満たされて、共有TXOP所有者BSSからのAPがULデータを受け取った場合、APは直ちに一次帯域上でMU-BAフレームを送信する(1422)。
ブロック1412に戻り、TXOP共有要求トリガーフレームが受け取られなかった場合には、1424においてフレームがOBSS共有フレームであるかどうかを判定するチェックが行われる。
APがOBSS共有トリガーフレームを受け取った場合、このAPは共有TXOP参加者BSSのAPであり、二次帯域上でTXOP共有応答トリガーフレームをブロードキャストする(1426)。
チェック1428において、タイムアウト間隔内にULデータが受け取られたかどうかが判定される。条件が満たされない場合にはデータフレームタイムアウト1430が発生し、ここでは実行がブロック1426に戻ることによって示すように二次帯域上でTXOP共有応答トリガーが再ブロードキャストされる。
共有TXOP参加者BSSのAPは、ULデータを受け取った場合には直ちに二次帯域上でMU-BAフレームを送信する(1432)。
図60に、非AP共有TXOP参加者STAレベルで処理される、OBSSシナリオのスケジュールされた帯域上でのTXOPスケジュール及びアクセス段階の半静的プロトコルの実施形態例1450を示す。
チェック1452において、TXOP共有応答トリガーフレームが受け取られたかどうかが判定される。条件が満たされない場合、この処理は終了する。一方で、非AP TXOP参加者STAは、TXOP共有応答トリガーフレームを受け取った場合、ブロック1454において、TXOP共有応答トリガーに示されるデータ遅延期間をチェックする。非AP TXOP参加者STAは、データ遅延期間後に、構成されたRUを使用して関連するAPにULデータを送信する。
8.フレームフォーマット設計
本節では、本開示による、既存の802.11プロトコルを拡張するフレームフォーマットの例を示す。なお、具体的に説明していないフィールド/サブフィールドについては、同じフィールド/サブフィールドが他の箇所においてどのように説明されているか、又は既存の802.11標準に基づいてこれまでどのように利用されていたかに従って動作すると理解されたい。
8.1.STA TXOP共有可能性要素
図61に、APと非AP STAとの間で交換される認証又はアソシエーション要求フレーム、認証又はアソシエーション応答フレーム、ビーコンフレーム及び他のいずれかの管理フレームなどの管理フレームに含まれ、各非AP STAが関連するAPに自機のTXOP共有オファー/要求情報を通知するために使用されるTXOP共有可能性要素の実施形態例1470を示す。共有可能性要素は、以下のフィールドを有する。要素ID(Element ID)フィールドは要素の識別子であり、この例ではこの要素がSTA TXOP共有可能要素であることを示すように8の値に設定される。APは、要素IDフィールドが8に設定された認証又はアソシエーション要求フレームを受け取った場合、(STA情報フィールドに示される)各STAの全ての共有オファー/要求情報を記録し、正常な受信を示すために認証又はアソシエーション応答フレームを返送する。長さ(Length)フィールドは、要素IDフィールド及び長さフィールドを除いた要素のオクテット数を示す。複数のSTA情報フィールドも存在し、そのサブフィールドについては図62で説明する。
図62に、以下のサブフィールドを有する、図61に示すTXOP共有可能性要素のSTA情報(info)フィールドの実施形態例1490を示す。AIDサブフィールドは、TXOP共有可能性が示されるSTAのAIDを含む。TXOP共有所有者(TXOP share holder)サブフィールドは、このSTAのTXOP所有者としての共有可能性を示す。TXOP共有所有者サブフィールドは、第1の値(例えば、1)に設定されると、TXOP所有者として動作するこのSTAが他のSTAとTXOPを共有する用意があることを示す。TXOP共有所有者サブフィールドは、第2の状態(例えば、0)に設定されると、TXOP所有者として動作するこのSTAが他のSTAとTXOPを共有する用意がないことを示す。
TXOP共有参加者サブフィールドは、このSTAのTXOP参加者としての共有可能性を示す。TXOP共有参加者サブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、共有TXOP参加者STAとして動作するこのSTAがTXOP所有者STAによって共有されるTXOPに参加する用意があることを示す。一方で、TXOP共有参加者サブフィールドが第2の状態(例えば、0)に設定されると、共有TXOP参加者STAとして動作するこのSTAがTXOP所有者STAによって共有されるTXOPに参加する用意がないことを示す。
8.2 共有オファー/要求フレーム
図63に、共有オファー/要求フレームフォーマットの実施形態例1510を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドはフレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信者のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。BSSIDサブフィールドは、非AP STAが関連するAPのMACアドレスである。BSSIDがTAと同じMACアドレスを示す場合には、共有オファー/要求フレームが内部BSSから非AP STAの共有可能性情報を配信していることを示し、そうでなければ、共有オファー/要求フレームが、BSSIDによって示されるIDを有するインターBSSから非AP STAの共有可能性情報を配信していることを意味する。フレームは、非AP STAのTXOP共有オファー/要求情報を含むとともに図64で説明するサブフィールドを有する複数のSTA共有オファー/要求情報フィールドを含むことができる。
図64に、以下のサブフィールドを含むSTA共有オファー/要求情報フィールドフォーマットの実施形態例1530を示す。STA優先度フィールドは、STAのバッファに記憶されたトラフィックの優先度を示し、TXOP所有者又はAPがTXOPアクセススケジューラ設計のために使用することができる。STA AIDは、非AP TXOP参加者STAのAIDである。TXOP共有要求サブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、このSTAが共有TXOPを要求していることを示し、そうでなければ第2の状態(例えば、0)に設定される。APは、TXOP共有要求フィールドが1に設定された共有オファー/要求フレームを受け取ると、このフレームを送信したSTAが共有TXOPに参加する用意があると認識することができる。
TXOPリソース要求サブフィールドは、この実施形態ではベーシックRU(26トーン)で示すように、この非AP STAが共有TXOPにおいて要求している連続するRUの数を示し、1~37の有効値範囲を提供する。APは、この情報を共有オファー/要求フレームでブロードキャストする。
TXOP共有オファー(TXOP Share Offered)サブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、このSTAが非AP TXOP所有者STAになって自機のTXOPを他のSTAと共有する用意があることを示し、そうでなければこの値は第2の状態に設定される。APは、1として設定されたTXOP共有オファーフィールドを有する共有オファー/要求フレームを受け取ると、このフレームを送信したSTAが自機のTXOPを他のSTAと共有する用意があると認識することができる。
TXOPリソースオファー(TXOP Resource Offered)サブフィールドは、このTXOP所有者STAが他のSTAと共有する用意がある連続するRUの数をベーシックRU(26トーン)で示し、有効値は1~37である。APは、この情報を共有オファー/要求フレームでブロードキャストする。
8.3.OBSS共有STAフレーム
図65に、OBSS共有STAフレームフォーマットの実施形態例1550を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドはフレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、このトリガーフレームの受信先BSSIDを示す。TAフィールドは、このトリガーフレームの送信元BSSIDを示す。
このフレームには、図64でそれぞれの内容を説明した1又は2以上のSTA共有オファー/要求情報フィールドを提供することができる。
OBSS共有STAフレームは、APから別のAPに送信される。APは、OBSS共有STAフレームを受け取ると、非AP STAの共有オファー/要求情報及び送信元BSSIDをチェックして、この情報を自機のBSS内でブロードキャストする。
8.4.MU-RTS共有
図66に、以下のフィールドを有するMU-RTS共有フレームの実施形態例1570を示す。MACヘッダは、フレーム制御、期間、RA及びTA情報を含む。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信者のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。共通情報(common info)フィールド及びリストユーザ情報(list user info)フィールドも示す。共通情報フィールドは、以下のサブフィールドを有することを示す。共通情報フィールドのトリガータイプ(Trigger Type)サブフィールドは、トリガーフレームの変種を識別する。少なくとも1つの実施形態では、これらのフィールドが3に設定されてTXOP共有サブフィールド(B63)が1に設定された場合、フレームがMU-RTS共有フレームであることを示す。AP又は非AP STAは、MU-RTS共有フレームを受け取った場合に共有TXOPが初期化されることを認識し、MU-RTS共有フレーム内に(共通情報のUL BWサブフィールド及びユーザ情報フィールドのRU割り当てサブフィールドによって)示される指定されたRUを使用してCTS共有フレームでこれに応答すべきである。アップロード(UL)長さ(UpLoad(UL)Length)サブフィールドは、要求されるHE TB PPDUのL-SIG LENGTHフィールドの値を示す。さらなるTF(More TF)サブフィールドは、後続のトリガーフレームの送信がスケジュールされているか否かを示す。必要CS(CS Required)サブフィールドは、ユーザ情報フィールド内で識別されるSTAが応答すべきであるか否かを判定する際に媒体状態又はNAVを考慮する必要があるか否かを示す。UL BWサブフィールドは、HE TB PPDUのHE-SIG-Aにおける帯域幅を示す。GI及びHE-LTFタイプサブフィールドは、HE TB PPDU応答のGI及びHE-LTFタイプを示す。MU-MIMO HE-LTFモードサブフィールドは、GI及びHE-LTFタイプサブフィールドが2×HE-LTF+1.6fKs GI又は4×HE-LTF+3.2fKs GIを示す時に、非OFDMA MU-MIMO HE TB PPDU応答のHE-LTFモードを示す。そうでなければ、このサブフィールドは、HEシングルストリームパイロットHE-LTFモードを示すように設定される。HE-LTFシンボル数及びミッドアンブル周期性(HE-LTF Symbols And Midamble Periodicity)サブフィールドは、ドップラー(Doppler)サブフィールドが第1の状態(例えば、0)に設定された場合には、HE TB PPDUに存在するHE-LTFシンボルの数を示し、ドップラーサブフィールドが第2の状態(例えば、1)に設定された場合には、HE-LTFシンボル数及びミッドアンブルの周期性を示す。
フィールドは、ビット26において、要求されるHE TB PPDUのSTBCエン符号化の状態を示すUL STBCサブフィールドに続く。LDPCエクストラシンボルセグメント(LDPC Extra Symbol Segment)サブフィールドは、LDPCエクストラシンボルセグメントの状態を示す。AP/非AP TXOP所有者STA Tx電力(AP/non-AP TXOP owner STA Tx Power)サブフィールドは、AP(コーディネータとしてのAPを伴う動的シナリオの場合)又は非AP TXOP所有者STA(コーディネータとしてのAPを伴わない動的シナリオの場合)のトリガーフレームの送信に使用される全ての送信アンテナのアンテナコネクタにおける20MHz帯域幅に正規化された合計送信電力をdBm単位で示す。Pre-FECパディング因子(Pre-FEC Padding Factor)サブフィールドは、Pre-FECパディング因子を示す。PE明瞭性(PE Disambiguity)サブフィールドは、PE明瞭性を示す。UL空間再使用(UL Spatial Reuse)サブフィールドは、要求されるHE TB PPDUのHE-SIG-Aフィールド内の空間再使用フィールドに含めるべき値を伝える。ドップラー(Doppler)サブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、HE TB PPDUにミッドアンプルが存在することを示し、そうでなければ第2の状態(例えば、0)に設定される。UL HE-SIG-A2予備(UL HE-SIG-A2 Reserved)サブフィールドは、要求されるHE TB PPDUのHE-SIG-A2サブフィールドの予備フィールドに含めるべき値を伝える。共通情報フィールドのTXOP共有サブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、送信者が他の非AP STAとTXOPを共有する用意があることを示し、そうでなければ第2の状態(例えば、0)に設定される。任意に、トリガータイプフィールドの値に基づいてトリガー依存共通情報(Trigger Dependent Common Info)サブフィールドが存在する。
図の上部に戻ると、ユーザ情報1フィールド、ユーザ情報2フィールド~ユーザ情報nフィールドを示すリストユーザ情報(List user Information)フィールドを示しており、これらの各フィールドは、図の中央部に示す以下のようなサブフィールドを有する。ユーザ情報フィールドは、特定のSTAに割り当てられたRU情報を含む。ユーザ情報フィールドのAID12サブフィールドは、AID12サブフィールドの値に等しいAIDを有する特定のSTAに一定のRUを割り当てるために使用される。RU割り当て(RU Allocation)サブフィールドは、共通情報フィールド内のUL BWサブフィールドと共に、RUのサイズ及び位置を識別する。UL FEC符号化タイプ(UL FEC Coding Type)サブフィールドは、要求されるHE TB PPDUのコードタイプを示す。UL HE-MCSサブフィールドは、要求されるHE TB PPDUのHE-MCSを示す。UL DCMサブフィールドは、要求されるHE TB PPDUのDCMを示す。SS割り当てサブフィールドは、要求されるHE TB PPDUの空間ストリームを示す。RA-RU 情報サブフィールドは、RA-RU 情報を示す。ULターゲットRSSI(UL Target RSSI)サブフィールドは、割り当てられたRU上で送信されるHE TB PPDUのHE部分の予想受信信号電力を示す。任意に、トリガータイプフィールドの値に基づいてトリガー依存ユーザ情報(Trigger Dependent User Info)サブフィールドが存在する。
8.5.CTS共有
図67に、以下のフィールドを有するCTS共有フレームの実施形態例1590を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドはフレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信者のMACアドレスを含む。TXOP共有参加者AID(TXOP Share Participant AID)フィールドは、このCTS共有フレームを送信したTXOP共有参加者のAIDを示す。TXOP所有者は、以前に送信されたMU-RTS共有フレームの即時応答としてのCTS共有フレームを受け取ると、TXOP共有参加者AID情報を確認することによってどのSTAが共有TXOPに参加する用意があるかを認識し、これに応じてこれらのSTAにリソースを割り当てる。非AP STAは、自機のためのMU-RTS共有フレームを受け取ったもののAPに送信するものを何も有していない場合には、少なくとも1つの実施形態ではTXOP共有参加者AIDを0に設定して次の共有TXOPに参加しない旨を示す。
8.6.OBSS TXOP参加者STAフレーム
図68に、以下のフィールドを有するOBSS TXOP参加者STAフレームフォーマットの実施形態例1610を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドはフレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、このトリガーフレームの受信先BSSIDを含む。TAフィールドは、このトリガーフレームの送信元BSSIDを含む。1又は2以上のTXOPリソース要求STAフィールドも示しており、このフィールドのサブフィールドは図69に示す。
図69に、以下のサブフィールドを有するTXOPリソース要求STAフィールドの実施形態例1630を示す。TXOPリソース要求サブフィールドは、図64で説明したものと同じである。APは、MU-RTS共有フレームを受け取ると、共有TXOPが開始したことを認識する。その後、APは、共有TXOP参加者BSSの他のAPにOBSS TXOP参加者STAフレームをユニキャストする。OBSS TXOP参加者STAのフレームは、非AP共有TXOP参加者STAの情報を含まない。
共有TXOP参加者BSSのAPは、OBSS TXOP参加者STAから非AP共有TXOP参加者STAの情報を含まないフレームを受け取った後に共有TXOPの開始を認識し、潜在的非AP共有TXOP参加者STAにMU-RTS共有フレームを送信する。
共有TXOP参加者BSSのAPは、次の共有TXOPに参加する用意がある非AP TXOP参加者STAから全てのCTS共有フレームを受け取った後に、共有TXOP参加者STAの最新情報を含むOBSS TXOP参加者STAフレームを共有TXOP所有者BSSのAPにユニキャストする。
APは、共有TXOP参加者STAの情報を含むOBSS TXOP参加者STAフレームを他のBSSから受け取った後に、共有TXOP参加者BSSにおいてCTS-to-self共有フレームをブロードキャストして共有TXOP初期化プロセスが完了したことを告知する。
8.7.CTS-to-self共有
図70は、以下のフィールドを有するCTS-to-selfフレームフォーマットの実施形態例1650を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信者のMACアドレスを含む。単一BSSシナリオでは、TXOP所有者STAが、TXOP送信のための媒体を予約するために、最初にRAフィールドが自機のMACアドレスに等しいCTS-to-selfフレームをAPにユニキャストすることができる。APは、CTS-to-selfフレームを受け取ると、潜在的TXOP共有参加者STAにMU-RTS共有フレームをブロードキャストする。OBSSシナリオでは、APが、共有TXOP参加者STAの情報を含むOBSS TXOP参加者STAフレームを他のBSSから受け取った後に、共有TXOP参加者BSSにおいてCTS-to-self共有フレームをブロードキャストして共有TXOP初期化プロセスが終了したことを告知する。
非AP TXOP所有者STAは、CTS-to-self共有フレームを受け取ると、TXOPスケジュール及びアクセス段階を開始することができる。CTS-to-selfフレームの期間(Duration)フィールドにはNAVを設定することができる。設定ビット0~13は、1~16,383のNAV継続時間値を含む。設定ビット14~15は共有情報を含み、01に設定されると、TXOP所有者が他のSTAとTXOPを共有する用意があることを示す。TXOP所有者STAからCTS-to-selfフレームを受け取ったAPは、潜在的TXOP共有参加者STAにMU-RTS共有フレームを送信する。
8.8.TXOP優先度トリガーフレーム
図71に、以下のサブフィールドを有するTXOP優先度トリガーフレームフォーマットの実施形態例1670を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信者のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。共通情報(Common Information)フィールド及びリストユーザ情報(List User Info)フィールドについては後述する。
図示の共通情報フィールドは、以下のサブフィールドを有する。この例では、トリガータイプサブフィールドが、このフレームがTXOP優先度トリガーフレームであることを示すように(以前は予備であった)12に設定される。TXOP所有者STAは、自機のためのRUを予約して残りのRUを他のSTAと共有する。TXOP所有者は、TXOP優先度トリガーフレームをAPにユニキャストした後に、スケジュールされたTXOPアクセス情報を含むAPからのトリガーフレームを待つ。APは、TXOP優先度トリガーフレームを受け取った後に、共有TXOPアクセススケジューリング及びトリガーUL送信を実行する。APは、TXOP所有者STAにより多くのリソースを割り当てる。
AP/非AP TXOP所有者STA Tx電力(AP/non-AP TXOP owner STA Tx Power)サブフィールドは、AP(コーディネータとしてのAPを伴う動的シナリオの場合)又は非AP TXOP所有者STA(コーディネータとしてのAPを伴わない動的シナリオの場合)のトリガーフレームの送信に使用される全ての送信アンテナのアンテナコネクタにおける20MHz帯域幅に正規化された合計送信電力をdBm単位で示す。
リストユーザ情報(List User Info)フィールドは、以下のサブフィールドを含む。ユーザ情報フィールドのAID12サブフィールド(1~2007)は、AID12サブフィールドの値に等しいAIDを有する関連するSTAにアドレス指定され、このSTAは共有TXOP参加者STAである。RU割り当て(RU Allocation)サブフィールドは、共通情報フィールド内のUL BWサブフィールドと共にRUのサイズ及び位置を識別する。ユーザ情報フィールドの優先度サブフィールドは、TXOP優先度トリガーフレームを送信したSTAの優先度を示す。このサブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、送信側がTXOP所有者であることを示し、従ってAPは、RU割り当てサブフィールド及びUL BWサブフィールドによって示されるRUサイズ未満ではない十分なRUサイズを割り当てるべきである。
8.9.OBSS共有トリガーフレーム
図72に、以下のサブフィールドを有するOBSS共有トリガーフレームの実施形態例1690を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドはフレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、このトリガーフレームの受信先BSSIDである。TAフィールドは、このトリガーフレームの送信元BSSIDである。予約帯域TXOP所有者BSS(Reserved Band TXOP Holder BSS)フィールドは、共有TXOP所有者BSSがデータ送信に利用できる予約された周波数帯を示し、従って共有TXOP参加者BSSは残りの周波数帯を利用することができる。TF遅延(TF Delay)フィールドは、APがOBSS共有トリガーフレームを受け取ってからトリガーフレームを送信するまでの遅延期間を示す。データ遅延(Data Delay)フィールドは、OBSS共有トリガーフレームの受信からULデータの受信までの遅延期間である。MU-BA遅延(MU-BA Delay)フィールドは、APがOBSS共有トリガーフレームを受け取ってから関連するAPにMU-BAフレームを送信するまでの遅延期間を示す。
図73に、以下のサブフィールドを有する予約帯域TXOP所有者BSSフィールドの実施形態例1710を示す。予約帯域TXOP所有者BSSフィールドの予約帯域(Reserved Band)サブフィールドは、OBSS共有トリガーフレームがTXOP所有者BSSのために周波数帯を予約し、TXOP参加者BSSのために残りの周波数帯を残すことを示す。ビットB0~B3とビットB4~B5との組み合わせによって、予約された周波数帯を示す。予約帯域TXOP所有者BSSフィールドのランダムアクセス(Random Access)サブフィールドは、OBSS共有フレームが共有TXOP BSS内の非AP STAのランダムアクセスをトリガーすることを示す。予約帯域TXOP所有者BSSフィールドのスケジュールアクセス(Scheduled Access)サブフィールドは、OBSS共有フレームが共有TXOP BSSの非AP STAのスケジュールアクセスをトリガーすることを示す。
8.10.TXOPランダムアクセス要求トリガーフレーム
図74に、以下のサブフィールドを有するTXOPランダムアクセス要求トリガーの実施形態例1730を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信者のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。共通Info(情報)(Common Info (Information))フィールド及びリストユーザInfo(情報)(List user Info (Information))フィールドについては後述する。
共通Info(情報)フィールドは、以下のサブフィールドを有する。この実施形態例のトリガータイプ(Trigger Type)サブフィールドは、このフレームがTXOPランダムアクセス要求トリガーフレームであることを示すように(以前は予備であったビットを使用して)8に設定される。TXOP所有者STAは、自機のためのRUを予約して残りのRUを他のSTAと共有する。TXOP所有者STAは、TXOPランダムアクセス要求トリガーの送信又は受信後に、予約されたRUでAPにULデータをユニキャストする。TXOP共有参加者STAは、TXOPランダムアクセス要求トリガーを受け取った後に、共有RUを求めて競合する際にチャネルにランダムにアクセスする。TXOP所有者STAは、予約されたRUを使用してチャネルにアクセスする。AP/非AP TXOP所有者STA Tx電力(AP / non-AP TXOP owner STA Tx Power)サブフィールドは、AP(コーディネータとしてのAPを伴う動的シナリオの場合)又は非AP TXOP所有者STA(コーディネータとしてのAPを伴わない動的シナリオの場合)のトリガーフレームの送信に使用される全ての送信アンテナのアンテナコネクタにおける20MHz帯域幅に正規化された合計送信電力をdBm単位で示す。
リストユーザInfo(情報)フィールドは、以下のサブフィールドを有する。TXOP所有者STAは、共通情報のUL BWサブフィールド及びユーザ情報フィールドのRU割り当てサブフィールドにおいて、予約されたRUを告知する。また、TXOP所有者STAは、少なくとも1つの実施形態では1~2007である自機のAIDをAID12サブフィールドにおいて告知する。他の関連するSTAでは、ユーザ情報フィールドのAID12サブフィールドが0として設定され、ユーザ情報フィールドのビットB26~B31がRA-RU情報サブフィールドに設定される。この場合、ユーザ情報フィールドのSS割り当て/RA-RU情報サブフィールドはRA-RU情報を示す。図示のRA-RU情報(RA-RU information)サブフィールドは、RA-RU数(Number of RA-RU)及びさらなるRA-RU(More RA-RU)というさらなるサブフィールドを有する。
RA-RU数(Number of RA-RU)サブフィールドは、UL OFDMAランダムアクセス(UORA)のために割り当てられた連続するRUの数を示す。RA-RU数サブフィールドの値は、連続するRA-RU数から1をマイナスした数に等しい。さらなるRA-RU(More RA-RU)サブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、このユーザ情報フィールド内のAID12サブフィールドによって示されるタイプのRA-RUが後続のトリガーフレームにおいて割り当てられて、このフィールドを伝えるトリガーフレームが送信されるTWT SPの終了まで送信されることを示し、そうでなければ第2の状態(例えば、0)に設定される。共通情報フィールドのさらなるTFフィールドが0に設定された場合、さらなるRA-RUサブフィールドは予備である。
8.11.ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレーム
図75に、以下のフィールドを有するユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームフォーマットの実施形態例1750を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信者のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。共通情報(Common Info)フィールド及びリストユーザ情報(User Info)フィールドについては後述する。
図示の共通情報フィールドは、以下のサブフィールドを有する。この実施形態例のトリガータイプサブフィールドは、このフレームがユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームであることを示すように9(これまでこれらのビットは予備であった)に設定される。
8.11.1.単一BSSシナリオの場合
TXOP所有者STAは、(TXOPアクセス開始フラグサブフィールドによって示される)最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送出した後に、予約されたRUでAPにULデータをユニキャストすべきである。
TXOP共有参加者STAは、(たとえ宛先が別のSTAであったとしても)最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取った後に、割り当てられたRUでAPにULデータをユニキャストすべきである。
8.11.2.OBSSシナリオの場合
非AP STAは、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームの送信及び受信後、このトリガーフレームに示されるデータ遅延後にULデータを送出する。
AP/非AP TXOP所有者STA Tx電力(AP/non-AP TXOP owner STA Tx Power)サブフィールドは、AP(コーディネータとしてのAPを伴う動的シナリオの場合)又は非AP TXOP所有者STA(コーディネータとしてのAPを伴わない動的シナリオの場合)のトリガーフレームの送信に使用される全ての送信アンテナのアンテナコネクタにおける20MHz帯域幅に正規化された合計送信電力をdBm単位で示す。
リストユーザ情報(List User Info)フィールドは、以下のサブフィールドを含む。ユーザ情報フィールドのAID12サブフィールド(1~2007)は、AID12サブフィールドの値に等しいAIDを有する共有TXOP参加者STAである関連するSTAにアドレス指定される。RU割り当て(RU Allocation)サブフィールドは、共通情報フィールド内のUL BWサブフィールドと共にRUのサイズ及び位置を識別する。単一BSS(Single BSS)サブフィールドは、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームが単一BSSシナリオで送信されるか、それともOBSSシナリオで送信されるかを示す。単一BSSシナリオでは、最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを示すためにTXOPアクセス開始フラグ(TXOP Access Start Flag)サブフィールドが使用される。単一BSSシナリオでは、データ遅延(Data Delay)サブフィールドは使用されない。OBSSシナリオでは、データ遅延サブフィールドがデータ送信の遅延を示すために使用され、TXOPアクセス開始フラグ(TXOP Access Start Flag)サブフィールドは使用されない。
TXOPアクセス開始フラグサブフィールドは、このユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームがTXOP所有者によって最後のTXOP共有参加者STAに送信されたかどうかを示す。最後のTXOP共有参加者STAである場合には、このフラグが第1の状態(例えば、1)に設定され、そうでない場合には第2の状態(例えば、0)に設定される。
ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーを受け取った各TXOP共有参加者STAは、たとえこれらのSTAにフレームが送信されていない場合でも、TXOPアクセス開始フラグサブフィールドをチェックする。このフィールドが0である場合、STAはデータを保持し、1である場合、STAはAPにデータを送出する。
データ遅延(Data Delay)サブフィールドは、非AP STAがユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送信/受信してからULデータを送出するまでの遅延を示す。
8.12.TXOPアクセススケジューラトリガーフレーム
図76に、以下のフィールドを有するTXOPアクセススケジューラトリガーフレームフォーマットの実施形態例1770を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信者のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。共通情報(Common Information)フィールド及びリストユーザ情報(List User Info)フィールドについては後述する。
図示の共通情報(Common Information)フィールドは以下のサブフィールドを有する。共通情報フィールドのトリガータイプサブフィールドは、このフレームがTXOPアクセススケジューラトリガーフレームであることを示すように、この実施形態例では11(これらのビットは以前は予備であった)に設定される。
8.12.1.単一BSSシナリオの場合
TXOP所有者STAは、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームを送出した後、最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取った後にAPにULデータをユニキャストする。
APは、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームを受け取った後に、各TXOP共有参加者STAにユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送信する。APは、最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送信する際に、TXOPアクセス開始フラグのサブフィールドを1に設定する。
8.12.2.OBSSシナリオの場合
TXOP所有者STAは、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームを送出した後、データ遅延期間後にAPにULデータをユニキャストする。APは、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームを受け取った後に、対応するデータ遅延期間を設定することによって各TXOP共有参加者STAにユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送信する。
AP/非AP TXOP所有者STA Tx電力(AP/non-AP TXOP owner STA Tx Power)サブフィールドは、AP(コーディネータとしてのAPを伴う動的シナリオの場合)又は非AP TXOP所有者STA(コーディネータとしてのAPを伴わない動的シナリオの場合)のトリガーフレームの送信に使用される全ての送信アンテナのアンテナコネクタにおける20MHz帯域幅に正規化された合計送信電力をdBm単位で示す。
リストユーザ情報(List User Info)フィールドは、1又は2以上のユーザ情報セットを含み、各フィールドは以下のサブフィールドを有する。ユーザ情報フィールドのAID12サブフィールド(1~2007)は、AID12サブフィールドの値に等しいAIDを有する関連するSTAにアドレス指定される。このSTAは、共有TXOP参加者STAである。RU割り当て(RU Allocation)サブフィールドは、共通情報フィールド内のUL BWサブフィールドと共にRUのサイズ及び位置を識別する。ユーザ情報フィールドのデータ遅延(Data Delay)サブフィールドは、AID12サブフィールドの値に等しいAIDを有する非AP STAがULデータを送信するための遅延期間を示す。
8.13.ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレーム
図77に、以下のフィールドを有するブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームフォーマットの実施形態例1790を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信者のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。共通情報(Common Information)フィールド及びリストユーザ情報(List User Info)フィールドについては後述する。
図示の共通情報フィールドは以下のサブフィールドを有する。この実施形態例の共通情報フィールドのトリガータイプ(Trigger Type)サブフィールドは、このフレームがブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームであることを示すように10(これまでこれらのビットは予備であった)に設定される。
8.13.1.単一BSSシナリオの場合
TXOP所有者STAは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送出した後に、予約されたRUでAPにULデータをユニキャストする。TXOP共有参加者STAは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取った後に、割り当てられたRUでAPにULデータをユニキャストする。
8.13.2.OBSSシナリオの場合
TXOP所有者STAは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送出した後のデータ遅延後に、予約されたRUでAPにULデータをユニキャストする。TXOP共有参加者STAは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取った後のデータ遅延後に、割り当てられたRUでAPにULデータをユニキャストする。
AP/非AP TXOP所有者STA Tx電力(AP/non-AP TXOP owner STA Tx Power)サブフィールドは、AP(コーディネータとしてのAPを伴う動的シナリオの場合)又は非AP TXOP所有者STA(コーディネータとしてのAPを伴わない動的シナリオの場合)のトリガーフレームの送信に使用される全ての送信アンテナのアンテナコネクタにおける20MHz帯域幅に正規化された合計送信電力をdBm単位で示す。
リストユーザ情報(List User Info)フィールドは、以下のサブフィールドを含む。ユーザ情報フィールドのAID12サブフィールド(1~2007)は、AID12サブフィールドの値に等しいAIDを有する関連するSTAにアドレス指定される。このSTAは、共有TXOP参加者STAである。RU割り当て(RU Allocation)サブフィールドは、共通情報フィールド内のUL BWサブフィールドと共にRUのサイズ及び位置を識別する。ユーザ情報フィールドのデータ遅延(Data Delay)サブフィールドは、AID12サブフィールドの値に等しいAIDを有する非AP STAがULデータを送信するための遅延期間を示す。
8.14.TXOP所有者構成
図78に、以下のフィールドを有するTXOP所有者構成フレームフォーマットの実施形態例1810を示す。フレーム制御(Frame Control)、期間(Duration)、RA及びTAフィールドは上述した通りである。各特定STAのTXOPアクセス割り当てを示す1又は2以上のSTA TXOPアクセス割り当て(STA TXOP Access Allocation)フィールドが含まれる。
図79に、以下のフィールドを含むSTA TXOP割り当てフィールドフォーマットの実施形態例1830を示す。TXOP所有者MACアドレス(TXOP Holder MAC Address)サブフィールドは、TXOP所有者のMACアドレスを示す。TXOP参加者MACアドレス(TXOP Participant MAC Address)サブフィールドは、TXOP共有参加者STAのMACアドレスを示す。割り当て制御情報(Allocation Control Info)フィールドは、図80で説明したようなTXOPリソース割り当て情報を含む。
APは、TXOP所有者構成フレームを受け取った後に、STA TXOPアクセス割り当て情報を記録してSTAに確認応答フレームを送信する。
図80に、特定のTXOP共有参加者STAのためのTXOPリソース割り当てを示す、以下のサブフィールドを有する割り当て制御情報サブフィールドの実施形態例1850を示す。優先度(Priority)サブフィールドは、TXOP共有参加者STAのトラフィックの優先度を示す。AID12(1~2007)サブフィールドは、AID12サブフィールドの値に等しいAIDを有する関連するSTAに割り当て制御情報サブフィールドがアドレス指定されることを示す。割り当て制御情報サブフィールドのUL BWサブフィールドは、HE TB PPDUのHE-SIG-Aにおける帯域幅を示す。RU割り当てサブフィールドは、UL BWサブフィールドと共に、割り当てられたRUのサイズ及び位置を識別する。
8.15.TXOPアクセス構成
図81に、TXOPアクセス構成フレームフォーマットの実施形態例1870を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドはフレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、このトリガーフレームの受信先BSSIDである。TAフィールドは、このトリガーフレームの送信元BSSIDである。1又は2以上のSTA構成(STA Configuration)フィールドが組み込まれる。
STA構成フィールドは、各非AP STAの構成を示し、1又は2以上のSTA TXOPアクセス割り当て(STA TXOP Access Allocation)フィールド(例えば、1~n)を含む。STAは、TXOP所有者(コーディネータとしてのAPを伴わない場合)又は関連するAP(コーディネータとしてのAPを伴う場合)のいずれかからトリガーを受け取った後に、割り当てられたRUを使用してAPにデータを送信する。
8.16.OBSS TXOPアクセス構成
図82に、以下のフィールドを有するOBSS TXOPアクセス構成フレームフォーマットの一実施形態例1890を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信者のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。BSSIDフィールドは、TXOPアクセス構成情報を生成するBSSのIDを示す。BSSIDは、そのBSS内のAPのMACアドレスである。残りのフィールドは、図81に示すTXOPアクセス構成フレームと同じである。
OBSS TXOPアクセス構成フレームは、送信側APのBSSの完全なTXOPアクセス構成を示すために1つのAPから別のAPに送信される。
8.17.TXOP共有要求トリガー
図83に、以下のフィールドを有するTXOP共有要求トリガーフレームフォーマットの実施形態例1910を示す。なお、TXOP共有要求トリガーフレームフォーマットでは、ユーザ情報リスト(User Info List)フィールドは不要である。TAフィールドは、TXOP所有者のMACアドレスとして設定すべき、送信局のMACアドレスを含む。RAフィールドは受信側のMACアドレスであり、以下のように設定される。コーディネータとしてのAPを伴わないシナリオでは、RAフィールドがブロードキャストMACアドレス(ff:ff:ff:ff:ff)として設定される。TXOP所有者は、TXOP共有要求トリガーフレームをブロードキャストする。TXOP共有参加者STAは、このフレームを受け取ると、共有TXOP構成段階で構成される割り当てられたRUを使用して、関連するAPにULデータを送信する。TXOP所有者は、TXOP共有要求トリガーフレームを送信した後に、予約されたRUを使用して関連するAPにULデータを送信する。
コーディネータとしてのAPを使用するシナリオでは、RAフィールドが関連するAPのMACアドレスとして設定される。TXOP所有者は、TXOP共有要求トリガーフレームをユニキャストする。APは、このフレームを受け取ると、TXOP共有応答トリガーフレームをブロードキャストする。その後、全てのSTAは、共有TXOP構成段階で構成される割り当てられたRUを使用して、関連するAPにULデータを送信すべきである。
その他のフィールドは、本明細書の前節において説明した通りである。
8.18.TXOP共有応答トリガー
図84に、以下のフィールドを有するTXOP共有応答トリガーフレームフォーマットの実施形態例1930を示す。なお、TXOP共有要求トリガーフレームフォーマットには、ユーザ情報リスト(User Info List)フィールドを含める必要はない。RAフィールドは受信側のMACアドレスであり、コーディネータとしてのAPのシナリオではブロードキャストMACアドレス(ff:ff:ff:ff:ff)として設定される。データ遅延(Data Delay)フィールドは、OBSSシナリオにおいてTXOP共有応答トリガーを受け取ってからULデータを送信するまでの遅延時間を示す。その他のフィールドは前節で説明した通りである。
9.実施形態の一般的な範囲
提示した技術の説明した強化は、様々な無線ネットワーク通信局内に容易に実装することができる。また、無線ネットワーク通信局が1又は2以上のコンピュータプロセッサ装置(例えば、CPU、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、コンピュータ対応ASICなど)、及び命令を記憶する関連するメモリ(例えば、RAM、DRAM、NVRAM、FLASH、コンピュータ可読媒体など)を含むように実装されることにより、メモリに記憶されたプログラム(命令)がプロセッサ上で実行されて、本明細書で説明した様々なプロセス法のステップを実行することが好ましいと理解されたい。
また、これらのコンピュータシステムにおけるコンピュータ可読媒体(命令を記憶するメモリ)は「非一時的」なものであり、ありとあらゆる形態のコンピュータ可読媒体を含むが、唯一の例外が一時的伝搬信号であると理解されるであろう。従って、開示した技術は、ランダムアクセス型であるもの(例えば、RAM)、定期的なリフレッシュを必要とするもの(例えば、DRAM)、時間と共に劣化するもの(例えば、EEPROM、ディスク媒体)、又は短期間にのみ及び/又は電力の存在時にのみデータを記憶するものを含むいずれかの形態のコンピュータ可読媒体を含むことができ、一時的な電子信号には「コンピュータ可読媒体」という用語が当てはまらないという点が唯一の制約である。
本明細書では、コンピュータプログラム製品としても実装できる、本技術の実施形態による方法及びシステム、及び/又は手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式又はその他の計算表現のフローチャートを参照して本技術の実施形態を説明することができる。この点、フローチャートの各ブロック又はステップ、及びフローチャートのブロック(及び/又はステップ)の組み合わせ、並びにいずれかの手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はコンピュータ可読プログラムコードの形で具体化された1又は2以上のコンピュータプログラム命令を含むソフトウェアなどの様々な手段によって実装することができる。理解されるように、このようないずれかのコンピュータプログラム命令は、以下に限定されるわけではないが、汎用コンピュータ又は専用コンピュータ、又は機械を生産するための他のいずれかのプログラマブル処理装置を含む1又は2以上のコンピュータプロセッサによって実行して、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で実行されるコンピュータプログラム命令が、(単複の)特定される機能を実施するための手段を生み出すようにすることができる。
従って、本明細書で説明したフローチャートのブロック、並びに手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現は、(単複の)特定の機能を実行する手段の組み合わせ、(単複の)特定の機能を実行するステップの組み合わせ、及びコンピュータ可読プログラムコードロジック手段の形で具体化されるような、(単複の)特定の機能を実行するコンピュータプログラム命令をサポートする。また、本明細書で説明したフローチャートの各ブロック、並びにいずれかの手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現、及びこれらの組み合わせは、(単複の)特定の機能又はステップを実行する専用ハードウェアベースのコンピュータシステム、又は専用ハードウェアとコンピュータ可読プログラムコードとの組み合わせによって実装することもできると理解されるであろう。
さらに、コンピュータ可読プログラムコードなどの形で具体化されるこれらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置に特定の態様で機能するように指示することができる1又は2以上のコンピュータ可読メモリ又はメモリ装置に記憶して、これらのコンピュータ可読メモリ又はメモリ装置に記憶された命令が、(単複の)フローチャートの(単複の)ブロック内に指定される機能を実施する命令手段を含む製造の物品を生産するようにすることもできる。コンピュータプログラム命令をコンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置によって実行し、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で一連の動作ステップが実行されるようにしてコンピュータで実施される処理を生成し、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で実行される命令が、(単複の)フローチャートの(単複の)ブロック、(単複の)手順、(単複の)アルゴリズム、(単複の)ステップ、(単複の)演算、(単複の)数式、又は(単複の)計算表現に特定される機能を実施するためのステップを提供するようにすることもできる。
さらに、本明細書で使用する「プログラム」又は「プログラム実行文」という用語は、本明細書で説明した1又は2以上の機能を実行するために1又は2以上のコンピュータプロセッサが実行できる1又は2以上の命令を意味すると理解されるであろう。命令は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで具体化することができる。命令は、装置の非一時的媒体に局所的に記憶することも、又はサーバなどに遠隔的に記憶することもでき、或いは命令の全部又は一部を局所的に又は遠隔的に記憶することもできる。遠隔的に記憶された命令は、ユーザが開始することによって、或いは1又は2以上の要因に基づいて自動的に装置にダウンロード(プッシュ)することができる。
さらに、本明細書で使用するプロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、中央処理装置(CPU)及びコンピュータという用語は、命令、並びに入力/出力インターフェイス及び/又は周辺装置との通信を実行できる装置を示すために同義的に使用されるものであり、プロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、CPU及びコンピュータという用語は、単一の又は複数の装置、シングルコア装置及びマルチコア装置、及びこれらの変種を含むように意図するものであると理解されるであろう。
本明細書の説明から、本開示は、限定ではないが以下の内容を含む複数の技術的実装を含むと理解されるであろう。
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、(a)同じベーシックサービスセット(BSS)内の又は重複するベーシックサービスセット(OBSS)からの少なくとも1つの他の局と少なくとも1つのチャネルを介して無線で通信する第1の局として構成された無線通信回路と、(b)無線ネットワーク上で動作するように構成された局内で前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、(c)プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的メモリとを備え、(d)前記命令は、プロセッサによって実行された時に、(d)(i)自機の送信機会(TXOP)をこの共有TXOP所有者BSSの他の非アクセスポイント(AP)局と共有する際に、AP局との間で共有オファー及び要求情報を交換してAPに通知し、及び/又はAPによる承認を得ることと、(d)(ii)前記共有オファー及び要求情報が、共有TXOP参加者BSSとしての重複するBSSのAPとの間で共有されることと、(d)(iii)少なくとも1つのチャネルへのアクセス権を獲得した時に、他の局との間で情報を交換して、次のTXOPが共有に利用可能であることを示すとともに、次の共有TXOPに参加する用意がある局を識別することと、(d)(iv)共有TXOP参加者BSSのAPが共有TXOP参加者STAの識別を実行することと、(v)TXOP所有者BSSにおいて、非AP TXOP所有者局による共有TXOP参加者局のためのリソースユニット(RU)配分を可能にする一方で、共有TXOP参加者BSSにおいて、共有TXOP参加者局のためのRUのスケジューリング及び配分がAPレベルで決定されることと、を含むステップを実行することによって、周波数領域においてOBSS内の他の局とTXOPを共有することを実行する、装置。
ネットワークにおいて無線通信を実行する方法であって、(a)周波数領域においてOBSS内の他の局と送信機会(TXOP)を共有するために、第1の局として構成された無線通信回路と、同じ又は他のベーシックサービスセット(BSS)内の又は重複するベーシックサービスセット(OBSS)からの少なくとも1つの他の局との間で、少なくとも1つのチャネルを介して無線で通信することと、(b)自機のTXOPをこの共有TXOP所有者BSSの他の非アクセスポイント(AP)局と共有する際に、AP局との間で共有オファー及び要求情報を交換してAPに通知し、及び/又はAPによる承認を得ることと、(c)前記共有オファー及び要求情報が、共有TXOP参加者BSSとしての重複するBSSのAPとの間で共有されることと、(d)少なくとも1つのチャネルへのアクセス権を獲得した時に、他の局との間で情報を交換して、次のTXOPが共有に利用可能であることを示すとともに、次の共有TXOPに参加する用意がある局を識別することと、(e)共有TXOP参加者BSSのAPが共有TXOP参加者STAの識別を実行することと、(f)TXOP所有者BSSにおいて、非AP TXOP所有者局による共有TXOP参加者局のためのリソースユニット(RU)配分を可能にする一方で、共有TXOP参加者BSSにおいて、共有TXOP参加者局のためのRUのスケジューリング及び配分がAPレベルで決定されることと、を含み、(g)前記方法が、非一時的媒体に記憶された命令を1又は2以上のプロセッサが実行することによって実行される、方法。
無線通信を実行するための装置であって、無線LANネットワークにおいて送信機会(TXOP)を取得した局(STA)が、(a)アクセスポイント(AP)局とメッセージを交換して、自機のTXOPを他の非AP STAと共有することを通知し、及び/又はその承認を得て、重複するBSSのAPがさらにこの情報を互いに交換するステップと、(b)チャネルへのアクセス権を獲得した時に、他のSTAと情報を交換して、次のTXOPが共有に利用可能であることを示すとともに、次の共有TXOPに参加する用意があるSTAを識別するステップと、(c)非AP TXOP所有者STAが、内部BSSにおいて共有TXOP参加者STAのためのRU配分を割り当てるステップであって、共有TXOP参加者BSS内で、共有TXOP参加者STAのためのRUのスケジューリング及び配分がAPレベルで実行されるように委ねられており、異なるBSS間の干渉を避けるために、異なる帯域がスケジューリング又はタイムシフトスキームと共に使用されるステップと、(d)単一BSSのSTAが、APの協調を伴う管理フレームの交換を通じてTXOP共有可能性の情報を交換し、異なるBSSのAPが、OBSS共有STAフレームを送信することによってこの情報を交換するステップと、を実行することによって、周波数領域において自機のTXOPをOBSS内の他のSTAと共有する、装置。
異なるBSS間で共有動作を同期させるためにOBSS TXOP参加者局フレームが利用される、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
異なるBSS間の干渉を避けるために異なる周波数帯が使用され又はタイムシフトが実行される、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記非AP局は、AP局の協調を伴う管理フレームの交換を通じてTXOP共有可能性に関する情報を交換する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記管理フレームは、認証要求フレーム、アソシエーション要求フレーム、認証応答フレーム、アソシエーション応答フレーム及びビーコンフレームから成る一群のメッセージフレームから選択される、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
異なるBSSのAPは、OBSS共有局フレームの交換を通じてTXOP共有オファー/要求情報に関する情報を交換する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、共有TXOP所有者局又は各BSSのAPがマルチユーザ送信要求(MU-RTS)共有フレーム及び送信可(CTS)共有フレームを交換することによって共有TXOP参加者局を識別することを含む1又は2以上のステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、共有TXOP所有者BSS内のAPから共有TXOP参加者STAが指定されていないOBSS TXOP参加者局フレームを受け取ることによって共有TXOP参加者BSSにおいて共有TXOP初期化段階を開始し、全ての共有TXOP参加者局が指定されたOBSS TXOP参加者局フレームを共有TXOP所有者BSS内のAPに返送することによって終了することを含む1又は2以上のステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、異なるBSSにおいて同時に、ただし異なる周波数帯でフレームを送信することによって、或いは同じ帯域上で、ただし時間に関してシフトさせてフレームを送信することによって、重複するBSS間の共有TXOPアクセスによる干渉を避けることを含む1又は2以上のステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
異なる帯域上での共有TXOPアクセスは、ランダムアクセスとベーシックトリガーを含む専用トリガーとに基づくスケジューリングの実行を含む、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
タイムシフトを使用する共有TXOPアクセスは、ベーシックトリガー、コーディネータとしてのAPを使用する又は使用しないユニキャストTXOPアクセス要求トリガー、及びコーディネータとしてのAPを使用する又は使用しないブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーに基づくスケジューリングを含む、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
共有TXOP所有者BSSと共有TXOP参加者BSSとの間のタイムシフト情報は、OBSS共有トリガーフレームを利用することによって交換される、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
非AP TXOP共有参加者局は、APからトリガーフレームを受け取ると、トリガーフレーム内に示されるアクセス情報に従って少なくとも1つのチャネルにアクセスすることを実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
非AP局は、自機のTXOPにアクセスする同じBSS及びOBSSの他の非AP局について、単一BSS又はOBSSシナリオにおいてAP協調を使用するメッセージ交換を通じてリソースユニット(RU)割り当て及びアクセス順の両方を半静的構成で決定することを実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
非AP STAは、(a)非AP局が各BSSにおけるAP協調を通じて互いに共有オファー/要求フレームの交換を実行し、APがこの共有可能性情報をOBSSの別のAPにさらに転送し、その後に他のAPが受け取った共有可能性情報をブロードキャストする半静的構成、(b)非AP局が各BSSにおけるAP協調を通じて半静的TXOP共有スケジュールの構成を互いに交換し、APが共有TXOPアクセススケジューラをOBSSの別のAPにさらに転送し、その後に他のAPが受け取った共有TXOPアクセススケジューラをOBSSにおいてブロードキャストする半静的構成、及び(c)TXOP共有において異なる帯域を利用する異なるBSS間の干渉を避けるスケジューリング方法又はタイムシフト方法を実行し、非AP局が構成されたRUを使用して共有TXOPにアクセスする半静的構成、を設定するための設定手順を実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
リソースユニット(RU)配分の割り当ては、非AP TXOP所有者局が共有TXOPアクセスの割り当てスケジュールを広告し、同じBSS/OBSSからのTXOPを共有する非AP局が広告された割り当てスケジュールに従うことを含む、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
共有TXOPアクセスは、非AP TXOP所有者局がTXOP共有要求トリガーをユニキャストすることで開始し、APは、これに応答して、OBSS干渉を避けるためにタイムシフト又は異なる帯域スケジューリングを伴ってTXOP共有応答トリガーをブロードキャストする、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
タイムシフトを伴う前記応答トリガーは、OBSS共有トリガーフレーム内で共有TXOP所有者BSSと共有TXOP参加者BSSとの間でタイムシフト情報を交換することによって実行される、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
非AP局は、APからブロードキャストTXOP共有応答トリガーを受け取った後、受け取られたトリガーフレームに示される対応するデータ遅延の後に、自機のRU割り当てで広告された割り当てスケジュールに基づいて共有TXOPのアクセスを実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
各BSSにおいて、APは、MU-RTS共有フレーム及びCTS共有フレームを交換することで共有TXOP参加者STAを識別する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。共有TXOP参加者BSSでは、共有TXOP所有者BSSのAPから共有TXOP参加者STAが指定されていないOBSS TXOP参加者STAフレームを受け取ることによって共有TXOP初期化段階が開始し、共有TXOP所有者BSS内のAPに(全ての共有TXOP参加者STAが指定された)OBSS TXOP参加者STAフレームを返送することによって終了する。
重複するBSS間の干渉を避けるために、フレームは異なるBSSで同時に、ただし異なる周波数帯で送信することができ、或いは同じ帯域上で、ただしタイムシフトを伴って送信することができる、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
異なる帯域での共有TXOPアクセス方法は、ランダムアクセス及び専用トリガー(ベーシックトリガー)に基づくスケジューリングを含む、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
タイムシフトを伴う共有TXOPアクセス方法は、ベーシックトリガー、(コーディネータとしてのAPを伴わない)ユニキャストTXOPアクセス要求トリガー、及び(コーディネータとしてのAPを伴わない)ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーに基づくスケジューリングを含む、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
共有TXOP所有者BSSと共有TXOP参加者BSSとの間のタイムシフト情報は、OBSS共有トリガーフレームによって交換される、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
他の非AP TXOP共有参加者STAは、APからトリガーフレームを受け取ると、トリガーフレーム内に示されるアクセス情報に従ってチャネルにアクセスする、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
非AP STAは、単一BSS/OBSSシナリオにおいてAPの協調を伴うメッセージの交換を通じて、自機のTXOPにアクセスする同じBSS又はOBSSの他の非AP STA、並びにRU割り当て及びアクセス順を半静的に決定することができる、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
非AP STAは、半静的構成を設定する設定手順を実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
非AP STAは、各BSSにおけるAPの協調を通じて互いに共有オファー/要求フレームを交換し、APは、この共有可能性情報をOBSSの別のAPにさらに転送し、他のAPは、受け取った共有可能性情報をブロードキャストする、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
非AP STAは、各BSS内のAPの協調を通じて、構成、半静的TXOP共有スケジュールを互いに交換する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。APは、共有TXOPアクセススケジューラをOBSSの別のAPにさらに転送し、他のAPは、受け取った共有TXOPアクセススケジューラをOBSS内でブロードキャストする。
異なるBSS間の干渉を避けるために、共有TXOPアクセスにおいて異なる帯域スケジューリング方法又はタイムシフト方法が使用される、いずれかの先行する実装の装置又は方法。非AP STAは、構成されたRUを使用して共有TXOPにアクセスする。
自機のTXOPを同じBSS/OBSSからの他の非AP STAと共有する非AP STAは、広告された割り当てスケジュールに従う、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
非AP TXOP所有者STAは、共有TXOPアクセスを開始するためにTXOP共有要求トリガーをユニキャストし、応答として、APは、OBSS干渉を避けるためにタイムシフト又は異なる帯域スケジューリングを使用してTXOP共有応答トリガーをブロードキャストする、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
共有TXOP所有者BSSと共有TXOP参加者BSSとの間のタイムシフト情報は、OBSS共有トリガーフレームによって交換される、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
非AP STAは、APからブロードキャストTXOP共有応答トリガーを受け取ると、広告されたRU割り当てに基づいて、受け取られたトリガーフレームに示される対応するデータ遅延後にチャネルにアクセスする、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
本明細書で使用する「実装」という用語は、本明細書で説明する技術を実践するための実施形態、実施例又はその他の形態を制限なく含むように意図される。
本明細書で使用する単数形の「a、an(英文不定冠詞)」及び「the(英文定冠詞)」は、文脈において別途明確に示されていない限り複数形の照応を含む。ある物体に対する単数形での言及は、明確にそう述べていない限り「唯一」を意味するものではなく、「1又は2以上」を意味する。
本開示における「A、B及び/又はC」などの表現構造は、A、B又はCのいずれか、或いは項目A、B及びCのいずれかの組み合わせが存在し得ることを表す。「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」の後にリストされた一群の要素が続くものなどを示す表現構造は、該当する際にはこれらのリストされた要素のいずれかの考えられる組み合わせを含む、これらの一群の要素のうちの少なくとも1つが存在することを示す。
本開示における「ある実施形態」、「少なくとも1つの実施形態」又は同様の実施形態という言い回しについて言及する参照は、説明する実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを示す。従って、これらの様々な実施形態の表現は、必ずしも全てが同じ実施形態、又は説明されている他の全ての実施形態とは異なる特定の実施形態を意味するわけではない。実施形態という表現は、所与の実施形態の特定の特徴、構造又は特性を、開示する装置、システム又は方法の1又は2以上の実施形態においていずれかの好適な形で組み合わせることができることを意味するものとして解釈すべきである。
本明細書で使用する「組(set)」という用語は、1又は2以上の物体の集合を意味する。従って、例えば物体の組は、単一の物体又は複数の物体を含むことができる。
本文書における第1及び第2、頂部及び底部などの関係語は、1つの実体又は行動を別の実体又は行動と区別するために使用しているにすぎず、必ずしもこのような実体又は行動同士のこのようないずれかの実際の関係又は順序を必要としたり、又は意味したりするものではない。
「備える、有する、含む(comprises、comprising、has、having、includes、including、contains、containing)」という用語、又はこれらの用語の他のあらゆる変化形は、非排他的包含を含むことが意図されており、従って、ある要素リストを備える、有する又は含むプロセス、方法、物品又は装置は、これらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙していない、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に特有の他の要素を含むこともできる。「~を備える、有する、又は含む(comprises … a、has … a、includes … a、contains … a)」に続く要素は、その要素を備える、有する又は含むプロセス、方法、物品又は装置にさらなる同一要素が存在することを、さらなる制約を受けることなく除外するものではない。
本明細書で使用する「近似的に(approximately)」、「近似する(approximate)」、「実質的に(substantially)」、「基本的に(essentially)」及び「約(about)」という用語、又はこれらのいずれかの変形形態は、わずかな変動の記述及び説明のために使用するものである。これらの用語は、事象又は状況に関連して使用した時には、これらの事象又は状況が間違いなく発生する場合、及びこれらの事象又は状況が発生する可能性が非常に高い場合を意味することができる。これらの用語は、数値に関連して使用した時には、その数値の±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下、又は±0.05%以下などの、±10%以下の変動範囲を意味することができる。例えば、「実質的に」整列しているということは、±5°以下、±4°以下、±3°以下、±2°以下、±1°以下、±0.5°以下、±0.1°以下、又は±0.05°以下などの、±10°以下の角度変動範囲を意味することができる。
また、本明細書では、量、比率及びその他の数値を範囲形式で示すこともある。このような範囲形式は、便宜的に単純化して使用するものであり、範囲の限界として明確に指定された数値を含むが、この範囲に含まれる全ての個々の数値又は部分的範囲も、これらの各数値及び部分的範囲が明確に示されているかのように含むものであると柔軟に理解されたい。例えば、約1~約200の範囲内の比率は、約1及び約200という明確に列挙した限界値を含むが、約2、約3、約4などの個々の比率、及び約10~約50、約20~約100などの部分的範囲も含むと理解されたい。
本明細書で使用する「結合される(coupled)」という用語は、「接続される」と定義されるが、必ずしも直接的な機械的接続ではない。特定の形で「構成される(configured)」装置又は構造は、少なくともその形で構成されるが、列挙していない形で構成することもできる。
利点、長所、問題解決手段、及びいずれかの利点、長所又は解決手段を生じさせる、又はより顕著にするいずれかの(単複の)要素は、本明細書で説明した技術、或いは一部又は全部の請求項の重要な、必要な又は不可欠な特徴又は要素として解釈すべきでない。
また、上述した開示では、開示を合理化する目的で様々な実施形態において様々な特徴を共にグループ化することができる。本開示の方法は、請求項に記載する実施形態が、各請求項に明示的に記載する特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映したものであると解釈すべきではない。本発明の主題は、開示した単一の実施形態の全ての特徴よりも少ないものによって成立することができる。
本開示の要約書は、読者が技術開示の本質を素早く確認できるように示すものである。要約書は、特許請求の範囲又はその意味を解釈又は限定するために使用されるものではないという理解の下で提示するものである。
管轄によっては、出願後に本開示の1又は2以上の部分の削除を求める慣行もあると理解されたい。従って、読者は、本開示の元々の内容については出願日時点の出願を参照すべきである。開示内容のいずれかの削除は、当初出願時の出願のいずれかの主題の放棄、失権又は公衆への献呈として解釈すべきではない。
以下の特許請求の範囲は、各請求項が単独の発明主題として自立した状態で本開示に組み込まれる。
本明細書の説明は多くの詳細を含んでいるが、これらは本開示の範囲を限定するものではなく、現在のところ好ましい実施形態の一部を例示するものにすぎないと解釈すべきである。従って、本開示の範囲は、当業者に明らかになると考えられる他の実施形態も完全に含むと理解されるであろう。
当業者に周知の本開示の実施形態の要素の構造的及び機能的同等物も、引用によって本明細書に明確に組み入れられ、本特許請求の範囲に含まれるように意図される。さらに、本開示の要素、構成要素又は方法ステップは、これらが特許請求の範囲に明示されているかどうかにかかわらず、一般に公開されるように意図するものではない。本明細書における請求項の要素については、その要素が「~のための手段」という表現を使用して明確に示されていない限り、「ミーンズプラスファンクション」の要素として解釈すべきではない。また、本明細書における請求項の要素については、その要素が「~のためのステップ」という表現を使用して明確に示されていない限り、「ステッププラスファンクション」の要素として解釈すべきではない。