JP2023522613A - 注入訓練デバイス及びそれを使用する方法 - Google Patents

Abstract

注入訓練デバイスは、対応する注入デバイスの動作に関連付けられた触覚感覚及び力をシミュレートするように構成されている。しかしながら、注入訓練デバイスは、薬剤又は針を担持しない。注入訓練デバイスは、回転するようにロータを駆動させるように押し下げられるプランジャを含む。粘性流体は、ロータの回転に抵抗し、それによって、プランジャの押し下げに抵抗する。

Description

（関連出願の相互参照）
本出願は、２０２０年４月１６日に出願された米国特許出願第６３／０１１，１５４号の優先権を主張するものであり、その開示は、その全体が本明細書に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。

多くの薬剤は、人体内に注入することによって送達される。特に、注入デバイスは、典型的には、薬剤を含有する外筒と、外筒に取り付けられた針と、外筒から、針を介して、薬剤を駆動するように、外筒内で押し下げられるプランジャと、を含む。異なる注入技術を使用して、異なる薬剤を送達することができる。場合によっては、プランジャを迅速に押し下げて、完全な投与量の薬剤を送達することができる。しかしながら、他の場合では、注入プロセスは、長期間にわたって発生するように設計され得る。例えば、いくつかの薬剤は、プランジャの押し下げに抵抗する高粘度を有し得る。したがって、ユーザは、薬剤を注入するときに、ユーザが慣れている可能性がある多くの抵抗を受ける。

いくつかの薬剤は、医師、看護師、又はケアセンターでの他の医療提供者による注入を介して送達されるように設計されている。他の薬剤は、自宅で注入を介して送達されることが示されている。薬剤を注入する人物が、プランジャを押し下げることに対する抵抗を提供する薬剤を注入する相当な経験を有するか、又はそのような経験を欠いている患者若しくは何らかの他の人物かにかかわらず、したがって、高粘度薬剤を注入する触覚感覚をシミュレートする注入訓練デバイスを提供することが望ましくあり得る。そのような注入訓練デバイスは、注射器及び針を通して薬剤を送達するときになると、ユーザが、注入訓練デバイスを動作させることを、自分の得られた経験から引き出すことができる。

一例では、注入訓練デバイスは、外筒と、プランジャ、及びプランジャに結合されたダンパハウジングを含む、第１のアセンブリと、を含むことができる。第１のアセンブリは、外筒に対して並進可能であり得る。注入訓練デバイスは、ロータを含む第２のアセンブリを更に含むことができることにより、ダンパチャンバは、ロータとダンパハウジングとの間に画定される。粘性流体は、ダンパチャンバ内に配置することができる。第１のアセンブリの並進は、ダンパハウジングに対して回転軸を中心にロータを回転させる力をロータに加えさせることができる。粘性流体は、ダンパハウジングに対する軸の周りのロータの回転に抵抗する。

別の例では、注入訓練デバイスを動作させる方法は、外筒に対して遠位方向にプランジャを押し下げ、それによって、プランジャに、遠位方向に移動するようにロータを駆動させる力をロータに対して加えさせるステップを含むことができる。方法は、押し下げるステップに応答して、ダンパハウジング内のロータを、軸を中心として第１の回転方向に回転させることと、ロータとダンパハウジングとの間のダンパチャンバ内に配置された粘性流体を用いて、ロータの回転に対して回転反力を提供することと、を更に含むことができる。

更に別の例では、注入デバイスは、外筒と、プランジャ、及びプランジャに結合されたダンパハウジングを含む、第１のアセンブリと、を含むことができる。第１のアセンブリは、外筒に対して並進可能であり得る。注入デバイスは、ロータを含む第２のアセンブリを更に含むことができることにより、ダンパチャンバは、ロータとダンパハウジングとの間に画定される。粘性流体は、ダンパチャンバ内に配置することができる。第１のアセンブリの並進は、ダンパハウジングに対して回転軸を中心にロータを回転させる力をロータに加えさせることができる。粘性流体は、ダンパハウジングに対する軸の周りのロータの回転に抵抗する。

以下の詳細な説明は、添付図面とともに読むと一層良く理解され、添付図面においては、例解目的のための例示的な実施形態が図中に示されている。しかしながら、本開示が示される正確な配置及び手段に限定されないことを、理解しなければならない。
初期非展開位置に示されている注入訓練デバイスの斜視図である。 最終展開位置に示されている、図１Ａに示される注入訓練デバイスの斜視図である。 図１Ａに示されている注入訓練デバイスの分解斜視図である。 図１Ａに示されるような初期非展開位置にある注入訓練デバイスの断面側立面図である。 図３に示されている注入訓練デバイスの一部分の拡大断面側立面図である。 図４に示されている注入訓練デバイスのクラッチ及びロータの分解斜視図である。 図５に示されているクラッチ及び封止ガスケットの分解斜視図である。 ロータとダンパハウジングとの間のダンパチャンバを示し、粘性流体がダンパチャンバ内に配置されている、図１Ａに示されている注入訓練デバイスの断面図である。 図７に示されている注入訓練デバイスの断面図の拡大部分である。 図１Ａに示されている注入訓練デバイスのクラッチアセンブリの切断斜視図である。 図１Ｂに示されている最終展開位置にある注入訓練デバイスの断面側立面図である。 図１０の線１１－１１に沿ってとられた注入訓練デバイスの断面端立面図である。

最初に図１Ａ～図１Ｂを参照すると、注入訓練デバイス２０は、患者に薬剤を送達する対応する注入デバイスの動作に関連付けられた触覚感覚及び力をシミュレートするように構成されている。注入訓練デバイス２０は、外筒２２と、図１Ａに示されている初期又は非展開位置から図１Ｂに示される最終又は展開位置まで遠位方向に押し下げられるように構成されているプランジャ２４と、を含む。注入デバイスの外筒は、典型的には、外筒から針又は他の好適な送達部材に送達される薬剤を含有することが理解される。しかしながら、注入訓練デバイス２０の外筒は、いくつかの例では、薬剤を含有しない。むしろ、注入訓練デバイス２０は、実際に薬剤を送達することなく、注入デバイスの動作をシミュレートするように構成されている。

外筒２２は、近位端２２ａ及び遠位端２２ｂを画定する。遠位端２２ｂは、シミュレートされたルアーロック接続２６を画定することができる。これに関して、注入デバイスは、典型的には、ルアーロックを介して、外筒に取り付けられている針、輸液セットなどを含むことが認識されている。しかしながら、シミュレートされたルアーロック接続部２６は、針、輸液セットなどに取り付けるように構成されておらず、むしろ、対応する注入デバイスのルアーロックの外観をシミュレートする。代替的に、注入訓練デバイス２０は、外筒２２の遠位端２２ｂから延在するシミュレートされた針、又は遠位端２２ｂから延在する任意の好適な代替的な構造を含むことができる。シミュレートされたルアーロック、シミュレートされた針、又は遠位端２２ｂから延在する他の構造が、主に美観を提供することを認識すると、注入訓練デバイス２０は、代替的に、遠位端２２ｂから延在する構造を含まない可能性があることが認識される。

以下の説明から理解されるように、注入訓練デバイス２０は、プランジャ２４の押し下げに対する抵抗を提供するように構成されている。一定の所定の速度でのプランジャの押し下げに対する抵抗は、一定の所定の速度で対応する注入デバイスから薬剤を送達するときに、ユーザが経験する抵抗と実質的に等しくなり得る。注入訓練デバイス２０の例は、大量の皮下注入をシミュレートするように構成することができる。例えば、注入訓練デバイス２０の実施形態は、ニュージャージー州ラリタンにおける事業所を有するＪａｎｓｓｅｎ Ｐｈａｒｍａｃｅｕｔｉｃａｌｓ，Ｉｎｃ．によって販売されているＤａｒｚａｌｅｘ Ｆａｓｐｒｏ（商標）（ダラツムマブ及びヒアルロニダーゼの合剤）皮下製剤の注入をシミュレートするように構成することができる。しかしながら、以下の説明から、注入訓練デバイス２０を調整して、他の薬剤の送達をシミュレートすることができることが理解されよう。

一例では、プランジャを初期又は非展開位置から最終又は展開位置に移動させるための所望のストローク時間は、約４分など、約３分～約５分の範囲であり得るが、任意の好適な代替的なストローク時間は、所望に応じて達成され得る。しかしながら、注入訓練デバイス２０のユーザは、プランジャを押し下げるために、所望に応じて任意の好適な力を加えることができることが理解される。更に、注入訓練デバイス２０のユーザは、対応する注入デバイスから薬剤の投与量を完全に送達するものと同じであり得るか、又は対応する注入デバイスから薬剤の投与量を完全に送達するものと異なり得る可能な期間の範囲にわたってプランジャを押し下げることができる。注入訓練デバイス２０は、薬剤が、患者に薬剤を効率的に、しかし最小限の痛みで完全に送達するように設計されている速度で、対応する注入デバイスから患者に送達されることを可能にする、一定の所定の速度で、ユーザがプランジャを押し下げる練習をすることを可能にするように、ユーザに触覚フィードバックを提供する。対応する注入デバイスは、所望に応じて、約１５ｍｌなど、その外筒内の任意の好適な体積の薬剤を含むことができる。

人間工学的に、注入訓練デバイス２０は、対応する注入デバイスをシミュレートするように設計されている。例えば、注入訓練デバイス２０は、外筒２２の近位端２２ａから延在する外筒フランジ２８と、プランジャ２４の近位端から延在するプランジャフランジ３０と、を含むことができる。ユーザは、ユーザが自分の親指を介して、遠位方向に並進するようにプランジャを駆動させる展開力を、遠位方向に、プランジャ２４に、特に、プランジャフランジ３０に加えるため、外筒フランジ２８に対して、自分の指を支持することができる。注入訓練デバイス２０の構成要素の各々は、近位端及び遠位方向に近位端と反対側にある遠位端を画定する。更に、構成要素の各々の近位端は、遠位端から、遠位方向とは反対である近位方向に離間されている。

ここで図２を参照すると、注入訓練デバイス２０の構成要素について説明する。特に、注入訓練デバイス２０は、上述のように、外筒２２と、プランジャ２４と、を含む。注入訓練デバイス２０は、ダンパハウジング３２と、近位方向及び遠位方向に配向されている回転軸３５を中心にダンパハウジング３２内で回転するように設計されているロータ３４と、を更に含む。注入訓練デバイス２０は、例えば、ロータ３４の近位端で、ロータ３４に取り付けるように構成されているロータキャップ３６を更に含むことができる。注入訓練デバイス２０は、ダンパハウジング３２に取り付けるように構成されているロータリテーナキャップ３８と、ロータリテーナキャップ３８及びロータ３４の間のインターフェースを封止するように構成されている封止ガスケット４４と、を更に含むことができる。注入訓練デバイス２０は、外筒２２内に支持されるように構成されているシャフト４０と、シャフト４０と嵌合し、ロータ３４と係合するように構成されているクラッチ４２と、を更に含むことができる。一例では、シャフト４０は、クラッチ４２とねじ篏合するねじ付きシャフトとして構成することができる。例えば、クラッチ４２は、ロータ３４に回転可能に固定することができる。注入訓練デバイス２０は、ロータリテーナキャップ３８から遠位方向に延在するように構成されているダンパハウジングキャップ４６を更に含むことができる。注入訓練デバイス２０は、ダンパハウジングキャップ４６からクラッチ４２に延在するコイルばね、エラストマーなどの付勢部材４８を更に含むことができ、クラッチ４２をロータ３４の遠位端に対して付勢することができる。

注入訓練デバイス２０の構成要素の各々は、軸方向に沿って延在すると言うことができる軸３５を取り囲む環状構成要素として構成することができることが認識されている。軸方向は、近位方向及び遠位方向の両方を含むことができる。更に、注入訓練デバイス２０の構成要素が、別個の構成要素として説明されているが、構成要素のいくつかは、代わりに、単一のモノリシック構成要素を画定することができることを理解されたい。逆に、構成要素のうちのいくつかが単一の単体構成要素として記載されているが、構成要素は、代替的に、互いに取り付けられている２つの別個の構成要素によって定義され得る。

ここで図２～図４を参照すると、外筒２２は、内部外筒空隙２３を画定し、プランジャ２４は、内部プランジャ空隙２５を画定する。ダンパハウジング３２は、プランジャが非展開位置にあるときに、内部外筒空隙２３及び内部プランジャ空隙２５の各々に延在することができる。内部外筒空隙２３は、内部プランジャ空隙２５の遠位に配置することができる。プランジャ２４は、非展開位置で外筒空隙２３から延在することができ、内部外筒空隙２３内で遠位方向に展開位置に向かって並進するように構成されている。プランジャ２４は、環状プランジャ本体２７及びプランジャ本体から近位方向に延在するハンドル部分２９を画定することができる。プランジャフランジ３０は、ハンドル部分２９の近位端から半径方向に延在することができる。

ダンパハウジング３２は、環状プランジャ本体２７内に配置することができる。ダンパハウジング３２は、半径方向外面３２ａ及び半径方向外面３２ａとは反対である半径方向内面３２ｂを有する環状本体として構成することができる。半径方向内面３２ｂは、ロータ３４に面することができる。半径方向外面３２ａの近位部分は、プランジャ本体２７の半径方向内壁に面することができ、半径方向外面３２ａの遠位部分は、外筒２２の半径方向内壁に面することができる。これに関して、注入訓練デバイス２０は、軸３５から離れて延在する半径方向外向き方向、及び軸３５に向かって延在する半径方向内向き方向を画定することができる。ダンパハウジング３２は、ダンパハウジング３２が、遠位方向及び近位方向の各々にプランジャ２４とともに移動するように、プランジャ２４に並進可能に結合され得る。

ロータ３４は、ダンパハウジング３２内に少なくとも部分的又は完全に配置され得る。ロータ３４は、ダンパハウジング３２の半径方向内面３２ｂに面する半径方向外面３９を有する半径方向外壁３７を画定する。ロータ３４は、軸３５を中心にダンパハウジング３２に対して回転するように構成されている。例えば、プランジャ２４が遠位方向に押し下げられるときに、ロータは、軸３５を中心に第１の回転方向に回転する。注入訓練デバイス２０は、ロータ３４とともに回転するように、ロータ３４に取り付けられるように構成されているロータキャップ３６を含むことができる。ロータキャップ３６は、ダンパハウジング３２の近位側の遠位対向面に当接する近位対向面を画定する。一例では、近位対向面は、ダンパハウジング３２との点接触を画定するように、近位方向に延在するため、先細にすることができ、それによって、ダンパハウジング３２に対するロータ３４の回転を容易にする。特に、ロータキャップ３６、したがって、ロータキャップ３６に回転可能に固定されているロータ３４は、ロータキャップ３６及びダンパハウジング３２の間のインターフェースに画定された点接点を中心にダンパハウジング３２に対して回転することができる。

図７～図８も参照すると、ダンパチャンバ４１は、ロータ３４の外面３９とダンパハウジング３２の内面３２ｂとの間に、軸３５に垂直である方向に沿って配置されている。軸３５に垂直な方向はまた、いくつかの例では、半径方向と称され得る。注入訓練デバイス２０の構成要素のうちの少なくともいくつかは、互いに垂直であり、かつ長手方向に沿って延在すると言うことができる軸３５に垂直である横方向及び横断方向を画定する形状を画定することも想定される。したがって、本明細書に記載される半径方向外向き及び内向き方向は、代替的に、横方向及び横断方向の一方又は両方に沿って、軸３５から離れる方向及びそれに向かう方向としてそれぞれ表され得る。

粘性流体５３は、軸３５を中心としたダンパハウジング３２に対するロータ３４の回転に抵抗するダンパチャンバ４１内に配置することができる。更に、ロータ３４は、ダンパハウジング３２に面するざらざらに加工された半径方向外面５５を有することができ、特にダンパハウジング３２の半径方向内面３２ｂに面する。したがって、ざらざらに加工された表面５５は、ダンパチャンバ４１を少なくとも部分的に画定することができる。ざらざらに加工された表面５５は、ロータ３４の半径方向外面からダンパハウジング３２の半径方向内面３２ｂまで、半径方向に沿って可変距離を画定する。ロータ３４が軸３５を中心にダンパハウジング３２に対して回転するように駆動されると、粘性流体５３は、ざらざらに加工された表面５５の動きに干渉し、それによって、ロータ３４の回転を更に妨げる。ざらざらに加工された半径方向外面５５は、ダンパハウジング３２の半径方向内面３２ｂに向かって、半径方向外向きに突出する複数のローレット５７を含むことができる。ローレット５７は、軸３５に対して垂直に配向されている平面に沿って互いに離間され得る。このため、ローレット５７は、周方向に離間され得る。ローレット５７は、軸３５に平行な方向に沿って、更に配向され得る。ロータキャップ３６は、ロータ３４に関して上述したように、ざらざらに加工された外面を画定することができる。

したがって、ロータ３４の半径方向外面３９は、ざらざらに加工され得、ダンパハウジングの半径方向内面３２ｂは、一例では、平滑であり得る。代替的に、ダンパハウジングの半径方向内面３２ｂは、ロータ３４に関して上述したように、ローレット加工など、ざらざらに加工され得、ロータ３４の半径方向外面３９は、平滑であり得る。代替的に、また、ロータ３４の半径方向外面３９及びダンパハウジングの半径方向内面３２ｂの両方は、ロータに関して上述したように、ローレット加工など、ざらざらに加工され得る。

ここで図２～図５を参照すると、ロータ３４は、近位方向に沿って外壁３７の遠位端内に延在する環状空隙５０を画定することができる。したがって、ロータ３４は、環状空隙５０によって互いに半径方向に分離されている半径方向内壁５２及び半径方向外壁３７を画定することができる。半径方向内壁５２は、半径方向外壁３７から半径方向内向き方向に離間されている。更に、半径方向内壁５２は、半径方向外壁３７を越えて遠位に延在することができる。環状空隙５０は、ロータ３４の遠位部分に配置することができる。ロータ３４の遠位部分の外面３９は、ロータ３４の近位部分で外面３９に対して半径方向外向きにオフセットされ得る。これに関して、ロータ３４の外面３９は、プランジャ２４の半径方向外面と実質的に整列することができる。

ロータ３４は、ねじ付きシャフト４０に動作可能に結合されておりることにより、遠位方向にロータ３４に加えられる力は、ロータ３４を、軸３５を中心に第１の回転方向に回転させる。特に、図９も参照すると、ねじ付きシャフト４０は、少なくとも１つのねじ山４５を画定する外面４３を有する。少なくとも１つのねじ山は、螺旋ねじ山であり得る。クラッチ４２は、ねじ付きシャフト４０とねじ篏合する少なくとも１つのねじ山４７を更に画定する。したがって、クラッチ４２は、クラッチが近位方向及び遠位方向の各々で移動するときに、少なくとも１つのねじ山４７に沿って移動する。したがって、クラッチ４２に力が遠位方向に加えられると、クラッチ４２は、シャフトがねじ付きシャフト４０に沿って移動するときに、軸３５を中心として第１の回転方向に回転する。クラッチ４２に近位方向に力が加えられると、クラッチ４２は、シャフトがねじ付きシャフト４０に沿って近位方向に移動するときに、軸３５を中心に第２の回転方向に回転する。第２の回転方向は、第１の回転方向と反対である。

クラッチ４２がシャフト４０にねじ篏合して示されているが、クラッチ４２が遠位方向に移動するときに、近位方向に回転する他の変形例が企図されることを理解されたい。例えば、クラッチ４２の半径方向外面は、代替的に、外筒２２の半径方向内面によって支持されるねじ山とねじ篏合することができる。この例では、外筒２２の外筒空隙２３を通って延在するシャフト４０を含まない。内部外筒空隙２３は、患者に送達される薬剤又は他の薬物を含有することができる。これに関して、針は、従来の方法で、ルアーロックなどを使用して外筒２２の遠位端に取り付けることができる。ダンパハウジングキャップ４６、ロータリテーナキャップ３８、ダンパハウジング３２、又は任意の好適な代替的な構造は、プランジャ２４が遠位方向に押し下げられるときに、外筒空隙２３内の遠位方向に移動するその遠位端にストッパを含むことができる。したがって、プランジャ２４の遠位方向の押し下げは、ストッパに、内部外筒空隙２３から針内に薬剤を駆動させる。したがって、薬剤は、針を介して、患者に送達され得る。したがって、デバイス２０は、上述のような注入訓練デバイスとして構成され得るか、又はいくつかの例では、注入デバイスとして代替的に構成され得ることが理解される。

ここで図５を参照すると、クラッチ４２は、第１の回転方向にロータ３４と回転可能に係合される。したがって、第１の回転方向におけるクラッチ４２の回転は、クラッチ４２とともに第１の回転方向に回転するように、ロータ３４を駆動する。特に、クラッチ４２は、複数の歯５４などの少なくとも１つの歯５４を画定することができる。歯５４は、クラッチ４２の表面から近位方向に延在することができる。一例では、歯５４は、クラッチ４２の近位端から延在することができる。同様に、ロータは、クラッチ４２の少なくとも１つの歯５４と係合するように構成されている複数の歯５６などの少なくとも１つの歯５６を画定することができる。歯５６は、ロータ３４の内壁５２の遠位端から遠位方向に延在することができる。歯５４及び５６は、第１の回転方向に互いに係合するように構成され得る。したがって、クラッチ４２が第１の回転方向に回転するように駆動されるときに、歯５４及び５６は嵌合し、ロータ３４をクラッチ４２に回転可能に固定するように互いに嵌合することができる。したがって、クラッチ４２が第１の回転方向に回転すると、ロータ３４は、クラッチ４２とともに第１の回転方向に回転する。

引き続き図５を参照すると、歯５４及び５６の少なくとも一方又は両方は、クラッチが第２の回転方向に回転するときに、互いに乗り越えるように角度付けされ得る。例えば、ロータ３４の歯５６及びクラッチ４２の歯５４は、第２の回転方向に延在するため、近位方向に傾斜することができる。したがって、クラッチ４２は、第２の回転方向でロータ３４から回転可能に係合解除され得ることにより、第２の回転方向におけるクラッチ４２の回転は、第２の回転方向において回転するようにロータ３４を駆動させない。したがって、ロータは、軸３５を中心に回転するようにクラッチによって駆動されることなく、近位方向に移動することができる。一例では、歯５４及び５６は、クラッチが第２の回転方向に回転するときに互いに沿って摺動することができ、それによって、クラッチが第２の回転方向に回転することを示すために、ユーザに可聴及び／又は触覚フィードバックを提供する。代替的に、歯５４及び５６は、互いに回転可能に固定するように構成され得ることにより、ロータ３４は、軸３５を中心として第２の回転方向にクラッチ４２とともに回転する。

再び図２～図４を参照すると、クラッチ４２は、クラッチ４２がロータ３４に当接するように、ロータ３４と係合するように付勢され得る。特に、クラッチ４２の歯５４は、ロータ３４の歯５６に当接することができる。注入訓練デバイス２０は、近位方向において、クラッチ４２に対して力を提供し、それによって、クラッチ４２をロータ３４と当接するように付勢する付勢部材４８を含むことができる。代替的に、付勢部材は、クラッチ４２に対して遠位にロータ３４を付勢することができる。付勢部材４８は、コイルばね、エラストマーなどのばねとして構成することができるか、又は任意の好適な代替的な実施形態に従って構成することができる。

付勢部材４８は、所望に応じて、任意の好適なばね台座５９に対して着座することができる。例えば、注入訓練デバイス２０は、一例では、ばね台座５９を画定するダンパハウジングキャップ４６を含むことができる。ダンパハウジングキャップ４６は、半径方向外面６３ａ及び半径方向外面６３ａとは反対の半径方向内面６３ｂを画定する環状本体６１を画定することができる。ダンパハウジングキャップ４６は、ダンパハウジング３２に取り付けることができる。例えば、ダンパハウジングキャップ４６の半径方向外面６３ａは、ダンパハウジング３２の半径方向内面３２ｂに取り付けることができる。したがって、ダンパハウジングキャップ４６は、近位方向及び遠位方向の各々で、ダンパハウジング３２とともに移動する。ダンパハウジングキャップ４６及びダンパハウジング３２が金属である場合、ダンパハウジングキャップ４６をダンパハウジング３２に溶接することができる。ダンパハウジングキャップ４６は、所望に応じて、ダンパハウジング３２に代替的に取り付けることができることを理解されたい。ダンパハウジングキャップ４６は、ダンパハウジングキャップ４６の半径方向内面６３ｂから半径方向内向きに延在するばね台座５９を含むことができる。ばね台座５９は、近位対向面であり得る。したがって、付勢部材４８は、付勢部材４８がクラッチ４２を近位方向に付勢する力をクラッチ４２に対して加えるように、圧縮構成で、ばね台座５９とクラッチ４２との間で捕捉され得る。いくつかの例では、付勢部材は、それぞれの歯５４及び５６が上記の様式で互いに接触するように、クラッチ４２をロータ３４に付勢する。

引き続き図２～図４を参照すると、注入訓練デバイス２０は、ダンパチャンバ４１を封止するように構成されている（図８も参照）。具体的には、注入訓練デバイス２０は、組み合わせて、粘性流体５３がダンパチャンバ４１から漏出するのを防止し、したがって、ダンパチャンバ４１内に粘性流体５３を保持する、ロータリテーナキャップ３８及び封止ガスケット４４を含むことができる。ロータリテーナキャップ３８は、ダンパハウジング３２に取り付けることができる。例えば、ロータリテーナキャップ３８は、ダンパチャンバ４１の遠位場所及びダンパハウジングキャップ４６の近位場所で、ダンパハウジング３２に取り付けることができる。一例では、ロータリテーナキャップ３８は、ダンパハウジング３２の半径方向内面３２ｂに取り付けることができる。ロータリテーナキャップ３８及びダンパハウジング３２が金属である場合、ロータリテーナキャップ３８をダンパハウジング３２に溶接することができる。ロータリテーナキャップ３８は、所望に応じて、ダンパハウジング３２に代替的に取り付けることができることを理解されたい。ロータリテーナキャップ３８は、近位方向及び遠位方向の各々で、ダンパハウジング３２とともに移動することができる。

一例では、ロータリテーナキャップ３８は、基部６４及び基部６４から近位方向に延在する環状アーム６６を画定することができる。ロータリテーナキャップ３８は、近位方向にロータ３４内に延在することができる。特に、アーム６６は、ロータ３４の環状空隙５０内に延在することができる。アーム６６は、ロータリテーナキャップ３８が動作中にロータ３４の回転を妨げないように、ロータ３４の半径方向外壁３７及び半径方向内壁５２から半径方向に離間され得る。基部６４は、上述される方式で、ダンパハウジング３２に取り付けられ得る。したがって、ダンパチャンバ４１内の粘性流体は、ロータリテーナキャップ３８及びダンパハウジング３２の間のインターフェースを通して、ダンパチャンバ４１から遠位方向に流れることができない。ロータリテーナキャップ３８は、基部６４から延在するフランジ６５を画定することができる。フランジ６５は、外筒２２から半径方向内向きに離間され、かつロータ３４の半径方向内壁５２から半径方向外向きに離間された場所で、基部６４から遠位方向に延在することができる。クラッチ４２は、ロータリテーナキャップ３８とロータ３４との間の場所まで延在する環状フィンガ６８であり得るフィンガ６８を含むことができる。例えば、フィンガ６８は、フランジ６５とロータ３４との間の半径方向の場所まで延在することができる。一例では、フィンガ６８は、フランジ６５とロータ３４との間の半径方向の場所、特に、内側ロータ壁５２に対して、近位方向に延在することができる。フィンガ６８は、クラッチ４２の歯５４に対して、半径方向外向きに配置することができる。

代替的又は追加的に、ダンパハウジングキャップ４６は、ロータリテーナキャップ３８に取り付けることができる。例えば、ダンパハウジングキャップ４６の近位端は、ロータリテーナキャップ３８の基部６４及びフランジ６５の一方又は両方に取り付けることができる。一例では、例えば、ロータリテーナキャップ３８並びにダンパハウジングキャップ３８及び４６が金属であるときに、ロータリテーナキャップ３８及びダンパハウジングキャップ４６は、互いに溶接され得る。ダンパハウジングキャップ４６がロータリテーナキャップ３８、ダンパハウジング３２、又はその両方に取り付けられているかどうかにかかわらず、ダンパハウジングキャップ４６、ロータリテーナキャップ３８、及びダンパハウジング３２は全て、互いに並進可能かつ回転可能に固定されている。

図６も参照すると、注入訓練デバイス２０は、ロータリテーナキャップ３８及びロータ３４の間のインターフェースを封止する封止ガスケット４４を更に含むことができる。封止ガスケット４４は、粘性流体５３がロータリテーナキャップ３８及びロータ３４の間のインターフェースで、ダンパチャンバ４１から漏れ出ることを防止するように構成されている。封止ガスケット４４は、ロータリテーナキャップ３８のフランジ６５からロータ３４の半径方向内壁５２まで半径方向に延在するリング形状の本体７２（図２も参照）を含むことができ、それによって、ダンパチャンバ４１内に配置されている粘性流体５３に対して、基部６４及び半径方向内壁５２の間のインターフェースを封止する。したがって、ロータリテーナキャップ３８は、封止ガスケット４４と組み合わせて、注入訓練デバイス２０の動作中に、ダンパチャンバ４１内の粘性流体５３を効果的に封止する。封止ガスケット４４は、ロータリテーナキャップ３８の半径方向内面とロータ３４の半径方向外面との間の一定の圧縮下であり得る。封止ガスケット４４は、本体７２から遠位方向に突出する複数の局所的な隆起７４を更に含むことができる。局所的な隆起７４は、クラッチ４２のフィンガ６８と点接触することができる。封止ガスケット４４は、所望に応じて、任意の好適なエラストマー又は他の材料から作製することができる。

再び図２～図４を参照すると、プランジャ２４、ダンパハウジング３２、ロータリテーナキャップ３８、及びダンパハウジングキャップ４６は全て、第１のアセンブリ７８を画定するように、並進に対して互いに取り付けられ得ることを理解されたい。第１のアセンブリ７８は、軸３５を中心に回転することなく、外筒２２に対して近位方向及び遠位方向の各々で並進可能である。したがって、プランジャ２４、ダンパハウジング３２、ロータリテーナキャップ３８、及びダンパハウジングキャップ４６は、互いに回転可能に固定され得る。更に、基部２２は、回転に対してダンパハウジング３２及びプランジャ２４に固定することができる。

特に、図２及び図１１を参照すると、プランジャ２４及びダンパハウジング３２は、プランジャ及びダンパハウジング３２を互いに回転可能に固定するように、互いに連結するように構成されている。例えば、プランジャ２４及びダンパハウジング３２は、プランジャ２４及びダンパハウジング３２が互いに回転可能に固定されるように、互いに連結する相補的な係合部材を画定することができる。プランジャ２４は、半径方向外面３１ａ及び半径方向外面３１ａとは反対側の半径方向内面３１ｂを画定する。プランジャ２４は、半径方向内面３１ｂに半径方向に延在し、軸方向に沿って細長い少なくとも１つの溝９０を画定することができる。少なくとも１つの溝９０は、互いから周方向に離間されている複数の溝９０を含むことができる。ダンパハウジング３２は、半径方向外面３２ａから半径方向に突出する少なくとも１つのリブ９２を画定することができる。少なくとも１つのリブ９２は、互いから周方向に離間されている複数のリブ９２を含むことができる。リブ９２は、溝９０に相補的であり、ダンパハウジング３２の近位端がプランジャ２４の遠位端に受容されるときに、プランジャ２４をダンパハウジング３２に回転可能に固定するように、溝９０にそれぞれ挿入されるように構成されている。代替的に、ダンパハウジング３２は、少なくとも１つの溝を画定することができ、プランジャ２４は、少なくとも１つのリブを画定することができる。代替的に、また、プランジャ２４及びダンパハウジング３２の係合部材は、所望に応じて、任意の好適な代替的な実施形態に従って構築することができ、プランジャ２４及びダンパハウジング３２の幾何学的断面形状を含むことができることを理解されたい。更に、プランジャ２４の遠位端は、代替的に、ダンパハウジング３２の近位端に受容され得る。

引き続き図２及び図１１を参照すると、基部２２は、基部２２、ダンパハウジング３２、及びプランジャ２４を互いに回転可能に固定するように、ダンパハウジング３２及びプランジャ２４の一方又は両方に結合することができる。特に、プランジャ２４及びダンパハウジング３２の一方又は両方は、それぞれの第１の係合部材を画定することができ、基部２２は、基部２２、ダンパハウジング３２、及びプランジャ２４を互いに回転可能に固定するように、第１の係合部材と連結する第２の係合部材を含む。一例では、プランジャ２４は、その半径方向外面３１ａ内に延在し、軸方向に沿って細長い、少なくとも１つの第１のスロットセグメント９４ａを画定する。少なくとも１つの第１のスロットセグメント９４ａは、互いから周方向に離間された複数の第１のスロットセグメント９４ａを含むことができる。ダンパハウジング３２は、その半径方向外面３２ａ内に延在し、軸方向に沿って細長い、第２のスロットセグメント９４ｂを画定する。少なくとも１つの第２のスロットセグメント９４ｂは、互いに周方向に離間された複数の第２のスロットセグメント９４ｂを含むことができる。プランジャ２４がダンパハウジング３２に結合されることにより、それぞれの係合部材が連結されるときに、第１及び第２のスロットセグメント９４ａ及び９４ｂは、第１及び第２のスロットセグメント９４及び９５が組み合わされて少なくとも１つのスロット９５を画定するように、整列する。

第１及び第２のスロットセグメント９４ａ及び９４ｂ、したがって、少なくとも１つのスロット９５は、基部２０をプランジャ２４及びダンパハウジング３２の各々に回転可能に固定するように、基部２０の相補的な係合部材と連結するように構成されている、それぞれの係合部材を画定する。特に、基部２２は、基部２０の半径方向外面９７ｂとは反対の基部２２の半径方向内面９７ａから半径方向内向きに突出する突出部９６を含むことができる。半径方向内面９７ａは、プランジャ２４が初期位置にあるときに、ダンパハウジング３２に対向し、プランジャが押し下げられたときに、ダンパハウジング３２及びプランジャ２４に面する。突出部９６は、プランジャが初期非押し下げ位置と完全押し下げ位置との間を移動するときに、スロット９５内に乗る。ダンパハウジング３２及びプランジャ２４は、互いに回転可能に固定されているため、プランジャ２４が非押し下げ位置にあるとき、及びプランジャ２４が押し下げ位置にあるときに、基部２２も第１のアセンブリに回転可能に固定される。一例では、プランジャ２４の係合部材及びダンパハウジング３２は、スロットを画定し、基部２２の相補的な係合部材は、リブを画定し、係合部材は、所望に応じて、代替的に構成され得ることが認識される。例えば、基部２２の係合部材は、スロットを画定することができ、プランジャ２４及びダンパハウジング３２の係合部材は、突出部を画定することができる。

再び図２～図４を参照すると、ロータ３４、クラッチ４２、及びロータキャップ３６は、第２のアセンブリ８２を画定するように、少なくとも第１の回転方向に対して、互いに回転可能に固定されている。第２のアセンブリ８２は、第１の回転方向で第１のアセンブリ７８に対して回転可能である。更に、第１及び第２のアセンブリ７８及び８２は、遠位方向及び近位方向の各々で外筒２２に対して一緒に移動するように構成されている。

第１のアセンブリ７８は、注入訓練デバイスがその完全展開位置に移動すると、遠位方向の第１のアセンブリ７８の並進を防止する第１又は遠位停止アセンブリを画定する。遠位停止アセンブリは、プランジャ２４が完全押し下げ位置に移動したときに、互いに当接する第１及び第２の遠位停止部材７３及び７５によって画定される。一例では、第１の遠位停止部材７３は、外筒２２の第１の遠位停止面７７によって画定され得る。第１の遠位停止面７７は、遠位方向に外筒２２内に延在する内部環状ギャップ７９の遠位端を画定することができる。第２の遠位停止部材７５は、ダンパハウジングキャップ４６によって画定され得る。第２の遠位停止部材７５は、第１の停止面７７に当接するように構成されている第２の遠位停止面８０を画定することができる。第２の遠位停止面８０は、第２の遠位停止部材７５の遠位表面によって画定され得る。図１０に例解されるように、プランジャ２４が完全押し下げ位置に到達すると、第２の遠位停止部材７５は、第１及び第２の遠位停止面７７及び８０が互いに当接するまで内部環状間隙７９に受容され、それによって、外筒２２に対して遠位方向にプランジャ２４の更なる移動を防止する。

再び図２～図４を参照すると、注入訓練デバイス２０は、プランジャが初期又は非押し下げ位置に２４であるときに、外筒２２に対する近位方向のプランジャ２４の移動を防止するように構成されている第２の又は近位停止アセンブリを更に含む。近位停止アセンブリは、プランジャ２４が初期又は非押し下げ位置にあるときに、互いに当接する第１及び第２の近位停止部材８４及び８６によって画定され、それによって、プランジャが外筒２２に対して近位方向に移動するのを防止する。一例では、第１の近位停止部材８４は、ダンパハウジング３２によって画定され得、ダンパハウジング３２の半径方向外面３２ａから半径方向外向きに突出することができる。第１の近位停止部材８４は、第１の近位停止面８５を画定する。第２の近位停止部材８６は、外筒２２によって支持され得る。特に、注入訓練デバイス２０は、外筒２２に取り付けられ得、したがって、外筒２２によって支持され得る保持部材８８を含むことができる。保持部材８８は、外筒フランジ２８と半径方向に整列する場所、又は任意の好適な代替的な場所に配置することができる。保持部材８８は、第１の近位停止面８５に面する第２の近位停止面８７を画定することができる。プランジャ２４が初期非押し下げ位置にあるときに、第１及び第２の近位停止面８５及び８７は互いに当接し、それによって、外筒２２に対して近位方向のプランジャ２４の移動を防止する。したがって、近位停止アセンブリは、プランジャ２４が外筒２２から不注意に引き出されることを防止することができる。

ここで、図２～図１０を参照して、注入訓練デバイス２０の動作について説明することにする。図２～図４に示されるように、デバイスは、第１の又は非展開位置で始まり、それによって、プランジャ２４は、非押し下げ位置にある。注入をシミュレートするために、ユーザは、遠位方向に、第１のアセンブリ７８を付勢して、外筒２２に対して遠位方向に並進させるのに十分な展開力をプランジャ２４に対して加える。一例では、第１のアセンブリ７８は、プランジャ２４及びダンパハウジング３２が遠位方向に並進するにつれて回転を受けないように、回転可能に固定され得る。したがって、第１の方向の第１のアセンブリ７８の移動は、純粋な並進であり得る。第１のアセンブリ７８、特に、プランジャ２４の遠位方向の並進は、ロータが回転軸３５を中心として第１の回転方向にダンパハウジング３２内で回転するときに、ロータ３４を遠位方向に移動させる力を、ロータ３４に対して加えさせる。特に、ロータ３４は、クラッチ４２に対して遠位方向の力を加え、それによって、遠位方向に移動するようにクラッチ４２を駆動する。クラッチ４２が遠位方向に移動すると、ねじ付きシャフト４０は、クラッチ４２を第１の回転方向に回転させる。クラッチ４２が第１の回転方向に回転すると、歯５４及び５６（図５を参照）は、ロータ３４がクラッチ４２とともに回転するように係合する。

上述したように、また図７～図８を参照すると、ロータは、軸３５を中心とした第１の回転方向でダンパハウジング３２に対して回転する。ロータ３４及びダンパハウジング３２は、ロータ３４の半径方向外面３９からダンパハウジング３２の半径方向内面３２ｂまで半径方向に延在するダンパチャンバ４１を画定する。ダンパチャンバ４１内に配置された粘性流体５３は、ロータ３４の回転に抵抗し、それによって、クラッチ４２の遠位方向の回転にも抵抗する、回転反力を提供し、それによって、遠位方向のプランジャ２４の移動に抵抗する抵抗力も提供する。したがって、ユーザは、薬剤を送達するために対応する注入デバイスのプランジャ２４を押し下げるときに、ユーザが経験する抵抗をシミュレートする、プランジャ２４を押し下げるときの抵抗を経験する。ユーザは、プランジャ２４が図１０に例解される完全押し下げ位置に到達するまで、粘性流体５３によって提供される抵抗に対してプランジャを押し出し続け、それによって、第１及び第２の遠位停止部材が互いに当接し、それによって、プランジャ２４の遠位方向の更なる移動を防止する。遠位方向のプランジャ２４の移動に対する抵抗は、プランジャ２４を初期非押し下げ位置から最終完全押し下げ位置まで移動させる期間をもたらす。期間は、対応する注入デバイスから薬剤を完全に送達する期間をシミュレートすることができる。

注入訓練デバイス２０は、遠位方向のプランジャ２４の移動に対する抵抗、また、プランジャ２４を第１の非押し下げ位置から最終完全押し下げ位置まで移動させるための結果として生じる期間を変化させるように調整され得ることを理解されたい。例えば、ダンパチャンバ４１に配置された粘性流体５３の粘度は、ダンパハウジング３２に対するロータ３４の回転に対する反力を変化させ、その結果、プランジャ２４の押し下げに抵抗する抵抗力を変化させるように調節することができる。より高い粘度の流体は、ダンパハウジング３２に対するロータ３４の回転に対する抵抗を増加させるが、より低い粘度の流体は、ダンパハウジング３２に対するロータ３４の回転に対する抵抗を減少させるであろう。一例では、粘性流体は、中国、広東省に事業所を有するＤｏｎｇｇｕａｎ Ｖｎｏｖｏ Ｌｕｂｒｉｃａｎｔｓ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ Ｃｏ．，Ｌｔｄ．から市販されているＤＧ４８１０減衰グリースであり得る。粘性流体は、２０℃で約１０，０００ＣＳＴの粘度を有することができるが、注入訓練デバイス２０は、ダンパハウジング３２に対するロータ３４の回転に抵抗する実質的に任意の粘度で作用するように調整され得ることが認識されている。更に、ローレット５７のサイズ、したがって、ロータ３４からダンパハウジング３２への半径方向距離もまた、ロータ３４の回転に対する反力に影響を与え得る。一般に、ロータ３４からダンパハウジング３２までの半径方向距離が大きいほど、ロータ３４の回転に対する反力を減少させる。一般に、ロータ３４からダンパハウジング３２までの半径方向距離の減少は、ロータ３４の回転に対する反力を増加させる。一例では、ロータ３４の近位部分は、ロータ３４の遠位部分とは異なる外径を有することができる。例えば、ロータ３４の近位部分の外径は、ロータ３４の遠位部分の外径よりも小さくあり得る。ロータ３４の近位部分では、ローレットの半径方向最外面からダンパハウジング３２までの第１の近位半径方向距離は、約０．０９ｍｍなどの約０．０１ｍｍ～約０．３ｍｍの範囲であり得る。ロータ３４の近位部分では、ロータ３４の半径方向外面からダンパハウジング３２へのローレットのうちの隣接するものの間の第２の近位半径方向距離は、第１の近位半径方向距離よりも大きい。第２の近位半径方向距離は、約０．３５ｍｍなどの約０．１ｍｍ～約０．７ｍｍの範囲であり得る。ロータ３４の遠位部分では、ローレットの半径方向最外面からダンパハウジング３２までの第１の遠位半径方向距離は、約０．１２ｍｍなどの約０．０１ｍｍ～約０．３５ｍｍの範囲であり得る。ロータ３４の遠位部分では、ロータ３４の半径方向外面からダンパハウジング３２へのローレットのうちの隣接するものの間の第２の遠位半径方向距離は、第１の遠位半径方向距離よりも大きい。例えば、第２の遠位半径方向距離は、約０．５９ｍｍなどの約０．１５ｍｍ～約１ｍｍの範囲であり得る。代替的に、ロータ３４の近位部分の外径は、ロータ３４の遠位部分の外径よりも大きくあり得る。これらの距離は、粘性流体の粘度に応じて、大きく変化し得ることが認識されている。サイズ、形状、距離、又は他のパラメータを参照して本明細書で使用される場合、「約」という用語は、記載されたパラメータ、並びに記載されたパラメータよりも最大１０％大きく、記載されたパラメータよりも最大１０％小さいものを含むことができる。更に、ロータ３４の半径方向外面及びダンパハウジング３２の半径方向内面３２ｂの一方又は両方は、ざらざらに加工され得る。ざらざらに加工された表面積が高いほど、一般に、ロータの回転に対する反力を増加させる。ざらざらに加工された表面領域の低減は、一般に、ロータ３４の回転に対する反力を減少させる。

注入訓練デバイス２０は、プランジャ２４が、非押し下げ位置の遠位の位置に移動した後に、初期非押し下げ位置に戻ることができるように設計されている。特に、プランジャ２４が非押し下げ位置の遠位の位置、例えば、最終完全押し下げ位置に移動すると、ユーザは、プランジャ２４に対して戻り力を加えることができる。戻り力は、近位方向に方向付けられ、プランジャ２４を、外筒２２に対して初期非押し下げ位置に向かって近位方向に移動するように付勢する。プランジャ２４に加えられる戻り力はまた、近位方向の移動に対してプランジャ２４に結合されているダンパハウジング３２、及び近位方向の移動に対してダンパハウジング３２に結合されているダンパハウジングキャップ４６に加えられる。ダンパハウジングキャップ４６の近位方向の移動は、付勢部材４８にクラッチ４２を付勢させて、近位方向に移動させる。クラッチ４２がロータ３４と接触しているため、クラッチ４２の近位方向の移動は、ロータ３４を近位方向に移動させる。代替的又は追加的に、ロータキャップ３６は、プランジャ２４に並進可能に固定され得る。したがって、ロータ３４に取り付けられているロータキャップ３６は、プランジャ２４に対して回転することができるが、プランジャ２４と並進する。いずれにせよ、近位方向のプランジャ２４の並進は、クラッチ４２及びロータ３４を近位方向に移動させる。

上述のように、クラッチ４２はシャフト４０とねじ篏合しているため、クラッチ４２が近位方向に移動するときに、ねじ付きシャフト４０は、第２の回転方向に回転するようにクラッチを駆動する。しかしながら、クラッチ４２の歯５４及びロータ３４の歯５６は、第２の方向回転に対して結合されていないため、クラッチ４２が第２の回転方向に回転するときに、歯５４はロータ３４の歯の上を滑る。したがって、クラッチ４２は、第２の回転方向において回転するようにロータ３４を駆動させない。その結果、ロータ３４は、第２の回転方向における回転を受けることなく、近位方向にプランジャ２４と並進する。クラッチ４２の歯５４とロータ３４の歯５６との間の接触は、粘性流体５３によって提供される抵抗に応じて、ロータ３４に少量の回転を受けさせることができるが、そのような回転は、発生する場合、不連続である。したがって、ロータは、近位方向に並進するときに、回転可能に固定されていると言うことができる。したがって、粘性流体５３は、近位方向のプランジャの移動に対する反力を提供しない。

代替的な実施形態では、歯５４及び５６は、ロータ３４がクラッチ４２とともに第２の回転方向に回転するように、第２の回転方向に回転可能に固定され得ることが認識される。代替的に、クラッチ４２及びロータ３４は、単一の単体構成要素であり得る。この実施形態では、粘性流体５３は、ダンパハウジング３２に対する第２の回転方向におけるロータ３４の回転に対する回転反力を提供する。回転反力は、近位方向のプランジャ２４の移動に対する抵抗力を生じさせる。

図に示された実施形態及び実施例の例解及び考察は、単に例示のためにすぎず、本開示を限定するものと解釈すべきではないことに留意されたい。当業者は、本開示が、本明細書に記載の様々な態様、実施形態、及び実施例の可能な修正例の範囲を企図することを理解するであろう。加えて、上記の実施形態及び実施例とともに上記の概念が、単独で又は上記の他の実施形態及び実施例のいずれかとの組み合わせで用いられ得ることを理解されたい。特に指定しない限り、例解される一実施形態に関して上に記載された様々な代替例を、本明細書に記載される全ての他の実施形態及び実施例に適用することができることが更に理解されるべきである。したがって、特許請求の範囲を参照する。

Claims (20)

1. 注入訓練デバイスであって、
   外筒と、
   プランジャ、及び前記プランジャに結合されたダンパハウジングを含む、第１のアセンブリであって、前記第１のアセンブリが、前記外筒に対して並進可能である、第１のアセンブリと、
   ロータを含む第２のアセンブリであって、ダンパチャンバが、前記ロータと前記ダンパハウジングとの間に画定され、粘性流体が、前記ダンパチャンバ内に配置されている、第２のアセンブリと、を備え、
   前記第１のアセンブリの並進が、前記ダンパハウジングに対して回転軸を中心に前記ロータを回転させる力を前記ロータに加えさせ、前記粘性流体が、前記ダンパハウジングに対する前記軸を中心とした前記ロータの回転に抵抗する、注入訓練デバイス。
2. 前記第２のアセンブリが、前記第１のアセンブリに対して回転可能である、請求項１に記載の注入訓練デバイス。
3. 前記第１のアセンブリが、回転可能に固定されている、請求項１に記載の注入訓練デバイス。
4. 遠位方向における前記プランジャの並進が、前記ロータを第１の回転方向に回転させる、請求項１に記載の注入訓練デバイス。
5. 前記遠位方向における前記プランジャの並進は、前記ロータが前記第１の回転方向に回転するときに、前記ロータを前記遠位方向に移動させる、請求項４に記載の注入訓練デバイス。
6. 前記遠位方向とは反対の近位方向における前記プランジャの並進が、前記ロータを前記近位方向に移動させる、請求項４に記載の注入訓練デバイス。
7. 前記ロータが、前記軸を中心に回転するように駆動されることなく、前記近位方向に移動する、請求項６に記載の注入訓練デバイス。
8. 前記ロータに動作可能に結合された螺旋ねじ付きシャフトを更に備えることにより、前記力が前記遠位方向において前記ロータに対して加えられるときに、前記螺旋ねじ付きシャフトが、前記ロータを前記第１の回転方向に回転させる、請求項４に記載の注入訓練デバイス。
9. 前記第２のアセンブリが、前記螺旋ねじ付きシャフトとねじ篏合し、かつ前記ロータと係合する、クラッチを更に備える、請求項８に記載の注入訓練デバイス。
10. 前記ロータが、前記クラッチに対して、前記遠位方向に前記力を加え、それによって、前記クラッチを前記遠位方向に移動するように駆動させ、前記クラッチは、前記クラッチが前記遠位方向に移動するときに、前記螺旋ねじ付きシャフトに沿って前記第１の回転方向に回転する、請求項９に記載の注入訓練デバイス。
11. 前記クラッチが、前記第１の回転方向において前記ロータと回転可能に係合されることにより、前記第１の回転方向の前記クラッチの回転が、前記ロータを前記第１の回転方向に回転するように駆動させ、前記粘性流体が、前記第１の回転方向の回転に抵抗する、請求項９に記載の注入訓練デバイス。
12. 前記螺旋ねじ付きシャフトは、前記クラッチが前記遠位方向とは反対の近位方向に移動するときに、前記クラッチを前記第１の回転方向とは反対の第２の回転方向に回転させる、請求項１１に記載の注入訓練デバイス。
13. 前記クラッチが、前記第２の回転方向において前記ロータから回転可能に係合解除されることにより、前記第２の回転方向における前記クラッチの回転が、前記第２の回転方向において回転するように前記ロータを駆動させない、請求項１２に記載の注入訓練デバイス。
14. 付勢部材を更に備え、前記付勢部材は、前記遠位方向とは反対の近位方向において、前記クラッチに対して力を提供し、それによって、前記クラッチを前記ロータと当接するように付勢する、請求項９に記載の注入訓練デバイス。
15. 前記付勢部材が、コイルばねを備える、請求項１４に記載の注入訓練デバイス。
16. 前記ダンパハウジングに取り付けられているダンパハウジングキャップを更に備え、前記ダンパハウジングキャップが、前記ダンパハウジングキャップから前記クラッチに延在する前記付勢部材の台座を画定する、請求項１４に記載の注入訓練デバイス。
17. 前記ダンパハウジングキャップが、前記第１のアセンブリの前記遠位方向の更なる並進を防止するように、前記外筒に当接する停止面を画定する、請求項１６に記載の注入訓練デバイス。
18. 前記ダンパハウジングに取り付けられており、かつ前記ロータ内に延在する、ロータリテーナキャップと、前記ロータリテーナキャップ及び前記ロータの間のインターフェースに配置された封止部材と、を更に備える、請求項１に記載の注入訓練デバイス。
19. 前記ロータが、前記ダンパハウジングに面するざらざらに加工された外面を有し、前記ロータの前記外面及び前記ダンパハウジングから可変距離を画定する、請求項１に記載の注入訓練デバイス。
20. 前記ざらざらに加工された外面が、前記軸に対して垂直に配向されている平面に沿って互いに離間されている、複数のローレットを備える、請求項１９に記載の注入訓練デバイス。

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