JP2023519157A - 心調律管理システム及び方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置、例えば、ILP30と、少なくとも1つの第2の植込み型刺激装置、例えば、皮下植込み型除細動器1又は第2のILPとを備えた、費用効果が高く、節電できるモジュール式の心調律管理システム及びそれぞれの方法に関し、少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置は、患者の心調律を検出するように適合された第1の検出ユニットと、検出された患者の心調律を分析して第1の抗頻拍ペーシング治療のための信号を送達するのに適合された第1のプロセッサとを備え、少なくとも1つの第2の植込み型刺激装置は、患者の心調律を検出するのに適合された第2の検出ユニット200、203と、検出された患者の心調律を分析してショック治療又は第2の抗頻拍ペーシング治療のための信号を送達するように適合された第2のプロセッサとを備え、第1のプロセッサは、予め定められた先行期間A内の患者の心調律の分析によって、予め定められた頻拍基準A’と、ショック治療をしていないこととが明らかになる場合にのみ、抗頻拍ペーシング治療のための信号の送達を可能にするように適合され、及び/又は第2のプロセッサは、予め定められた先行期間B300内の患者の心調律の分析によって、予め定められた頻拍基準B’と、少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置によって提供される第1の抗頻拍ペーシング治療が行われていないこととが明らかになる場合にのみ、ショック治療又は第2の抗頻拍治療のための信号の送達を可能にするように適合される。

Description

本発明は、一般に、心不整脈の電気刺激治療のために使用することができる心調律管理システム(CRMS:cardiac rhythm management system)に関する。このような心調律管理システムは、少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置、例えば、植込み型リードレス・ペースメーカー(ILP:implantable leadless pacemaker)と、少なくとも1つの第2の植込み型刺激装置、例えば、皮下植込み型除細動器(S-ICD:subcutaneous implantable cardioverter defibrillator)又はILPとを備え、少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置は、患者の心調律を検出するのに適合された第1の検出ユニットと、検出された患者の心調律を分析して第1の抗頻拍ペーシング治療のための信号を送達するのに適合された第1のプロセッサとを備え、少なくとも1つの第2の植込み型刺激装置は、患者の心調律を検出するのに適合された第2の検出ユニットと、検出された患者の心調律を分析してショック治療又は第2の抗頻拍ペーシング治療のための信号を送達するように適合された第2のプロセッサとを備える。
植込み型心臓ペースメーカー又はILPのような植込み型刺激装置は、患者の心臓に刺激を与えるよく知られた医療機器である。一般に、これらの医療機器は電池式であり、刺激構成要素は、心臓の心室又は心房内に直接植え込まれる。植込み型心臓ペースメーカーは、少なくとも細長い刺激用リードを有し、その刺激用リードは、装置筐体から心腔内へと到達し、そこで固定される。ILPは、心腔内に完全に植え込まれた小型ペーシング装置である。
除細動機能を有する植込み型刺激装置は、例えば、植込み型除細動器(ICD:implantable cardioverter-defibrillators)又は皮下植込み型除細動器(SICD)のように、当該技術分野において公知である。このような装置は、典型的には、装置筐体と、その筐体から延びる少なくとも1つの細長い刺激用リードとを備えている。ICDの筐体は、典型的には、鎖骨下の皮膚ポケットに植え込まれ、刺激用リードは、心臓の心室内に到達し、そこで固定される。SICDの筐体及び刺激用リードは、心室を通って延びるショック・ベクトルがリードの刺激電極とSICD筐体との間に作成されるような方法で、皮膚の下に(すなわち、皮下に)植え込まれる。
医療機器は、患者の心臓の状態、すなわち、必要とされる心臓治療に従って選択される。
植込み型ペースメーカー又はILPは、徐脈を患っている患者のために、すなわち、心臓の拍動が遅すぎて患者の生理的欲求を満たせない場合に使用される。植込み型ペースメーカー又はILPは、生理学的に適切な心拍数を生み出すために心臓に電気刺激を印加する。
ICDは、心室頻拍及び心室細動を患う患者のために使用される。ICDは、頻拍を終了させるために、抗頻拍ペーシング(ATP:antitachycardia pacing)治療(すなわち、頻拍レートよりも速い刺激レートで心臓のペーシングを行うこと)、又は、頻拍がATPの試行後に持続する場合に、ショック治療(すなわち、頻拍を終了させて心臓を生理的リズムに戻すために心室に印加される高エネルギーの電気ショック)を適用することができる。
SICDは、ショック治療を提供するが、ペーシング治療又はATP治療を提供しないように構成されている。それは、刺激用リードと心腔との間に距離があることによって、低エネルギーの刺激パルスを心臓ペーシング部位に効果的に送達することができないためである。
ILPは、ペーシング治療及びATPを提供することはできるが、ショック治療を提供することはできない。装置のサイズが非常に制限されているために、電池容量が小さく、ショック治療を提供するために必要なコンデンサを充電するためのスペースが不足している。
さらに、埋め込み型リードは、患者にリスクをもたらし、したがって、問題になり得る。リードは、装置筐体から心臓の静脈系内に達する細長い絶縁電極ワイヤであって、心室に固定される。それは、心臓が鼓動するごとに様々な力及び動きを受け、リードの移動と、絶縁不良と、リードの破損という結果に至る。この問題は、SICD及びILPでは生じないが、それは、これらの装置が心臓内の細長いリードを有していないためである。適切な血管アクセスのない、又は感染症のリスクの高い患者には特に、心臓内に細長いリードを植え込むことはできない。
しかしながら、一人の患者が、異なる心臓治療を必要とする様々な心不整脈を患っているという状況がある。そのような場合、CRMSは、少なくとも2つの医療機器又はユニットを備えて植え込まれてもよい。
さらに、患者にとって異なる治療が適切で、ある処置がより好ましい、例えば、ある処置がより快適であるという不整脈が存在する。さらに、いくつかの治療は、他の不整脈を引き起こす可能性があり、その結果、この不整脈を止めるために追加の治療が必要となる。実際には、心室頻拍は、例えば、ATP治療又はショック治療を用いて治療することができ、ショック治療は、ショックが突然発出され、痛いことがあるため、患者にとっては不快であることが多い。さらに、ショック治療は、電池の寿命を著しく低下させる原因となる。それにもかかわらず、心室頻拍が心室細動に至る場合は、ATP治療が細動を治療するのに最適ではないため、ショック治療は不可避である。
例えば、心臓内の細長いリードが禁忌であり、心室頻拍を患っている患者は、ペーシング治療、ATP治療及びショック治療が必要である。このような場合、CRMSは、少なくとも第1の植込み型刺激装置と、第2の植込み型刺激装置とを備えて植え込まれてもよく、第1の植込み型刺激装置はILPであってもよく、第2の植込み型刺激装置はSICDであってもよい。
別の実例によれば、患者が、心臓内の細長いリードが禁忌であり、ペーシング治療及び/又はATP治療が必要である場合、心室に(又はヒス束に)及び心房に、CRMSが、少なくとも第1の植込み型刺激装置と、第2の植込み型刺激装置とを備えて植え込まれてもよく、第1の植込み型刺激装置は第1のILPであってもよく、第2の植込み型刺激装置は第2のILPであってもよい。
複数の治療療法を含む心調律管理システムは、例えば、先行技術文献である米国特許出願公開第2019/0160285(A1)号及び米国特許出願第10,265,534(B2)号に開示されているように、S-ICDとILPとの組み合わせによって提供される。治療が同時に適用された場合に効果がない可能性があるため、このようなシステムの連携は、適切な治療を行うために必須である。
したがって、米国特許出願公開第2019/0160285(A1)号の文献に記載のシステムは、心不整脈の刺激治療の提供を可能にする複数の医療機器の使用を開示しており、システムの医療機器間の通信が、必要な連携を行うために記載されている。米国特許出願第10,265,534(B2)号の文献は、リードレスの第1の植込み型刺激装置と、通信メッセージの交換を含む他の植込み型装置とを有するシステムのためのさらなる通信方法を開示している。
しかしながら、CRMS内の、すなわち、1つの植込み型医療機器と外部装置との間の、又は2つの植込み型医療機器間の外部又は内部通信には、いくつかの欠点がある。これらの欠点は、主に、通信が通信インタフェースを必要とすることによってエネルギー消費が増加することに起因する。さらに、通信インタフェースは、サイバー攻撃に弱い。さらに、CRMSを確実に機能させるために、影響を受けない通信チャネルが必要である。
米国特許出願公開第2019/0160285(A1)号 米国特許出願第10,265,534(B2)号
したがって、本発明の目的は、複合的な治療を提供する第1の植込み型刺激装置及び第2の植込み型刺激装置の併用から利益を受け、いかなる個別の通信チャネルも使用せずに同期が行われる心調律管理システムと、それぞれの方法とを提供することである。さらに、本発明の目的は、ユーザフレンドリーな、確実に機能するCRMSを提供することである。
この課題は、請求項1の特徴を有する心調律管理システム、及び、請求項11の特徴を有する心調律管理システムのための心調律管理方法を有する心調律管理システムによって解決される。
特に、本発明による心調律管理システムは、少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置、例えばILPと、少なくとも1つの第2の植込み型刺激装置、例えば、皮下植込み型除細動器又はILPとを備えて開示されている。両方の医療機器、すなわち、ペーシング及び第2の植込み型刺激装置は、胸腔内に植え込むことができる。より正確には、第1の植込み型刺激装置は、1つの心室又は心房に植え込むことができ、第2の植込み型刺激装置は、心臓外に植え込むことができる。さらに、少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置は、例えば、心臓の組織内に植え込むように適合された1つ又は複数の電極を備える、患者の心調律を検出するように適合された第1の検出ユニットと、検出された患者の心調律を分析して第1の抗頻拍ペーシング(ATP)治療のための信号を送達するのに適合された第1のプロセッサとを備える。第1の検出ユニットと第1のプロセッサとを備える第1の植込み型刺激装置は、一体型構造として形成することができる。
さらに、少なくとも1つの第2の植込み型刺激装置は、患者の心調律を検出するのに適合された第2の検出ユニットと、検出された患者の心調律を分析してショック治療又は第2の抗頻拍ペーシング(ATP)治療のための信号を送達するのに適合された第2のプロセッサとを備える。
第2の植込み型刺激装置がS-ICDである場合、第2の検出ユニットは、患者の心調律を検出するための少なくとも1つの検出電極を備えていてもよく、第2のプロセッサは、電極リードを介して少なくとも1つのショック用コイル及び/又はパルス発生器に電気的に接続されてもよい。電極リードは、パルス発生器に固定してもよく、又は、コネクタ・ピンを介して接続してもよい。さらに、S-ICDは、完全に皮下に植え込むことができ、構成要素は、心臓の周りには配置されるが、心臓内には配置されない。ショック用コイル及びS-ICDの筐体は、ショック用コイルによって生成された電気ショック波が、少なくとも1つの心室を経由してS-ICDの導電性筐体に伝達されるように収容される。S-ICDの構成要素は心臓に直接挿入されるものは無いので、S-ICDの利点は、結果として、心臓への刺激が少なく、感染のリスクが低く、構成要素の機械的ストレスが少ないことである。S-ICDは、解剖学的指針に従って配置することができ、X線画像システムなどのいかなる画像システムも必要としない。S-ICDの電極リードは、胸骨に平行に挿入することができ、パルス発生器と第2のプロセッサとを備えた筐体は、左胸壁に配置することができる。
この実施例によれば、第1の植込み型刺激装置の第1のプロセッサは、予め定められた先行期間A内の患者の心調律の分析によって、予め定められた頻拍基準A’と、ショック治療をしていないこととが明らかになる場合にのみ、ATP治療のための信号の送達を可能にするように適合され、及び/又は、第2の植込み型刺激装置の第2のプロセッサは、予め定められた先行期間B内の患者の心調律の分析によって、予め定められた頻拍基準B’と、少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置によって提供される第1の抗頻拍ペーシング治療をしていないこととが明らかになる場合にのみ、ショック治療又は第2のATP治療のための信号の送達を可能にするように適合される。
したがって、第1のプロセッサによって生成される信号によってトリガされるATP治療は、上記の条件が満たされる場合に第1の植込み型刺激装置によってのみ提供することができる。ATP治療は、第1のプロセッサのそれぞれの信号によってトリガされ、第1の植込み型刺激装置のそれぞれの第1の信号生成器によって提供され、それぞれの第1の信号生成器は、第1のプロセッサに接続されており、少なくとも2つの電極のサブセットによって患者の心臓に送られる信号を生成する。或いは、又はさらに、第2のプロセッサによって生成されるそれぞれの信号によってトリガされるATP治療又はショック治療は、上記の条件が満たされる場合に第2の植込み型刺激装置によってのみ提供することができる。ATP治療は、第2の植込み型刺激装置のそれぞれの信号生成器によって提供され、それぞれの信号生成器は、第2のプロセッサに接続されており、第2の植込み型刺激装置の筐体に接続された少なくとも2つの電極のサブセットによって患者の心臓に送られる信号を生成する。ショック治療は、第2の植込み型刺激装置のショック・ユニットによって提供され、ショック・ユニットは、第2のプロセッサに接続されており、リードによって第2の植込み型刺激装置の筐体に接続された少なくとも1つのショック用コイルを介して少なくとも1つのショック信号を生成する。
予め定められた頻拍基準A’又は第2の頻拍基準の存在は、例えば、予め定められた心拍数又はQRS時間を、期間A又は期間B内にある患者の検出された心調律が上回った場合に明らかにされ得る。したがって、第1及び第2のプロセッサは、検出された患者の心調律を分析するように適合されていてもよく、検出された患者の心調律は、検知された心電図(ECG:electrocardiogram)によって実現され得る。例えば、ATP治療が提供される予め定められた心拍数は、120~180拍/分(bpm:beats per minute)であってもよく、特に160bpmであってもよい。この基準は、頻拍基準A’の一部であってもよい。
期間A又は期間Bは、例えば10~60秒、1分、2分、3~5分、特に実際の/直近の時点よりも前の60秒とみなしてもよい。期間A又は期間Bは長さが異なり、例えば、期間Aは期間Bよりも長い。
さらに、第1の植込み型刺激装置及び/又は第2の植込み型刺激装置のそれぞれのインパルス発生器によって提供されるATP治療は、パターン要素、例えば、少なくとも1つのバースト、及び/又は少なくとも1つのランプ(ramp)、及び/又は期外刺激を伴う少なくとも1つのバーストを含んでいてもよく、好ましくは、パターン要素の数は少なくとも8である。
さらに、除細動装置によって提供されたショック治療の有無は、検出された患者の心調律の分析によって第1のプロセッサによって明らかにされてもよく、また、検出された患者の心調律は、検知されたECGによって与えられてもよい。例えば、適用されたショック治療の検出は、印加された高い電圧の検出に基づいており、任意選択で、典型的なショック波形(例えば二相性)の検出に基づいている。ショックが印加されているか否かの決定は、第1のプロセッサによって、例えば、ピーク高さ、ピーク幅及びピークの経時的な分布に関するECG信号の詳細な分析によって行われる。ECGにおいて、ショック信号が期間A内で検出されない場合、第1のプロセッサによるECG信号の分析の結果は、ショック治療は期間Aの間に除細動装置によって行われなかったということになる。
さらに、第1の植込み型刺激装置によって提供されたATP治療の有無は、検出された患者の心調律の分析によって第2のプロセッサによって明らかにされてもよく、また、検出された患者の心調律は、検知されたECGによって与えられてもよい。例えば、ATPの提供の検出は、典型的なATPパターン(一定の間隔の5~10ペーシング・パルス[バースト]又は中間パルス間隔当たりの短くなっている間隔の長さ[ランプ])の認識に基づくものであり得る。ショックが印加されているか否かの決定は、第2のプロセッサによって、例えば、ピーク高さ、ピーク幅及びピークの経時的な分布に関するECG信号の詳細な分析によって行われる。ECGにおいて、ATP治療信号が期間B内で検出されない場合、第2のプロセッサによるECG信号の分析の結果は、ATP治療は期間Bの間に第1の植込み型刺激装置によって行われなかったということになる。
上記発明の解決策は、CRMSの第1の植込み型刺激装置及び第2の植込み型刺激装置が、実際の/最近の時点よりも前のそれぞれの予め定められた期間内で、別の装置によって行われた治療があったか否かを検出するために、それぞれ他の装置の電気信号を使用することを示す。例えば、電波又は他の通信チャネルを使用する装置の追加的な通信は不要である。したがって、追加的な通信ユニット/インタフェース、又は、個別の通信のため若しくは通信ユニットをアクティブに保つためのエネルギー消費は不要である。少なくとも2つの装置の治療の調整/管理は、それぞれの患者によって生成された、又は同じ患者の治療のために植え込まれた装置の電気信号を使用することによって機能する。関連する電気信号は、例えばペーシング・パルス(0.2~10Vの間の大きさ、0.1~1.5msのパルス幅)、及び、除細動ショック(単相性又は二相性の波形、100~1400V、4~80msのパルス持続時間)である。さらに、本発明のCRMSの使用方法は、ユーザフレンドリーであると同時に構造が簡単で費用効果が高い。
一実施例では、第1のプロセッサは、期間A内の患者の心調律の分析によってショック治療の提供が明らかになる場合、期間Cの間にATP治療のための信号の送達を防止するように適合されている。一実施例では、ATP治療のための信号の送達の防止は、永久的であってもよく、又は、操作者がATP治療のための信号の送達を再開するまでであってもよい。したがって、期間Cは、CRMSのチェックが実行されるまで続く可能性があり、この結果、期間Cは操作者によって終了される。さらに、不整脈の終了を明らかにする予め定められた基準が検出された場合、期間Cは終了されてもよい。或いは、期間Cは、3~5秒、6~10秒、10~15秒、15~20秒、20~25秒、25~30秒、30~40秒、40~50秒、50~60秒、又は、1~1.5分、1.5~2分、2~2.5分、2.5~3分、3~5分、5~60分、数時間までの特定の予め定められた長さを有していてもよい。ショック治療の提供が明らかになった後、第1のプロセッサが期間Cの間にATP治療のための信号の送達を防止するように適合されていない場合、ATP治療及びショック治療は、同時に、又は時間的に近接して適用され得る。しかしながら、ATP治療及びショック治療の同時適用は、その治療のいずれか一方の有効性に影響を与え得る。さらに重要なことに、両方の治療の同時適用は、ATP治療の適用によって患者の心調律が変化することがよくあるため、ショックが有効に印加されるべき時点が見逃される可能性があるので、患者に害を及ぼす可能性さえある。
一実施例では、第2のプロセッサは、期間B内の患者の心調律の分析によって第1のATP治療の提供が明らかになる場合、期間Dの間にショック治療又は第2のATP治療のための信号の送達を防止するように適合されている。一実施例では、ショック治療又は第2のATP治療のための信号の送達を防止することは、永久的であってもよく、又は、操作者がショック治療又は第2のATP治療のための信号の送達を再開するまでであってもよい。したがって、期間Dは、CRMSのチェックが実行されるまで続く可能性があり、この結果、期間Dは操作者によって終了される。さらに、不整脈の終了を明らかにする予め定められた基準が検出された場合、期間Dは終了されてもよい。或いは、期間Dは、3~5秒、6~10秒、10~15秒、15~20秒、20~25秒、25~30秒、30~40秒、40~50秒、50~60秒、又は、1~1.5分、1.5~2分、2~2.5分、2.5~3分、3~5分、5~60分、数時間までの特定の予め定められた長さを有していてもよい。第1のATP治療の提供が明らかになった後、第2のプロセッサが期間Dの間にショック治療又は第2のATP治療のための信号の送達を防止するように適合されていない場合、第2のATP治療又はショック治療は、第1のATP治療と同時に、又は時間的に近接して適用され得る。以上に示したように、ATP治療及びショック治療の同時適用は、その治療のいずれか一方の有効性に影響を与える可能性があり、又は患者に害を及ぼす可能性がある。
期間Dは、第1のATP治療の適用のために必要な期間だけずっと続いてもよい。ATP治療後すぐにショック治療を適用するために、第2の植込み型刺激装置は、ATP治療中に少なくとも1つのショックのための充填を開始する場合、有利であり得る。この早すぎる充電スタートの、よりバッテリを節約する変形例は、特に、検出された患者の心調律の連続的な分析を含み、その結果、第1のATP治療後に不整脈が継続中である可能性が高いと見られるときに、ショックのための充填がスタートする。
一実施例では、第2のプロセッサは、期間B内の患者の心調律によって、心拍数が予め設定された限界値よりも上であることが明らかになる場合、ショック治療のための信号の送達を可能にするように適合される。この場合、患者を助けるために、ショック治療の即時の適用が必要とされてもよい。さらに、病理的なQRS波形、病理的なECG信号パターン(例えば10~20秒以上)、急激な速度上昇、及び/又は速度の安定性/不安定性のパラメータ(単独の、又は組み合わせた)に基づいて、ショックが送達され得る。
一実施例では、第1のプロセッサは、期間Cの間、予め定められた頻拍基準A’に従って患者の心調律を再分析するように適合され、及び/又は、第2のプロセッサは、期間Dの間、予め定められた頻拍基準B’に従って患者の心調律を再分析するように適合される。つまり、ショック治療又はATP治療が行われた場合、すなわち、期間C又は期間Dの間に、患者の心調律の再分析が行われる。この実施例では、患者の心調律の再分析は、頻拍を最初に検出する際と同じ方法で、すなわち、予め定められた頻拍基準A’又は予め定められた頻拍基準B’を用いて行われる。例えば、期間C又は期間Dは、5~120秒の長さを有していてもよい。
別の実施例では、期間C又は期間Bの間、様々な予め定められた頻拍基準が、患者の心調律の分析に使用される。この実施例では、第1のプロセッサは、期間Cの間、予め定められた頻拍基準C’に従って患者の心調律を再分析するように適合され、及び/又は、第2のプロセッサは、期間Dの間、予め定められた頻拍基準D’に従って患者の心調律を再分析するように適合され、予め定められた頻拍基準C’は、予め定められた頻拍基準A’とは異なり、予め定められた頻拍基準D’は、予め定められた頻拍基準B’とは異なる。
予め定められた頻拍基準C’又は頻拍基準D’の存在は、例えば、予め定められた心拍数又はQRS時間を期間C又は期間D内にある患者の検出された心調律が上回った場合に明らかにされ得る。予め定められた心拍数は、例えば、120~220bpmの心拍数である。したがって、第1及び第2のプロセッサは、検出された患者の心調律を分析するように適合されていてもよく、検出された患者の心調律は、検知された心電図(ECG)によって実現され得る。
一実施例では、第1のプロセッサ及び/又は第2のプロセッサは、終了信号を受信すると、期間C及び/又は期間Dを終了させるように適合される。この終了信号は、例えば外部装置への通信を介して、操作者又はプログラム・ルーチンによって提供することができる。例えば、ATP治療の提供が、ショックの送達のためのショック・ユニットの充填期間の間に検出される場合、短い確認検出段階の間に患者の心調律の再評価が行われる。
第2の植込み型刺激装置によるショック治療の間、少なくとも1つのショックの送達が高い電圧を必要とするので、ショック治療は、少なくとも1つのショックがショック・ユニットによって患者に印加される前に充填/充電期間を含む。この充填期間は、ショック・ユニットの少なくとも1つのコンデンサ又は別の容量素子を充電するために必要とされる。
一実施例で、ショック治療がショック・ユニットの少なくとも1つのコンデンサを充填/充電することによって始まる場合でさえも、この実施例では、充填期間中又は充填期間後の期間E内の患者の心調律が、予め定められた頻拍基準E’に対応しない場合、ショック・ユニットによる少なくとも1つのショックの印加は防止され、予め定められた頻拍基準E’は、頻拍基準A’~D’のうちのいずれか1つ又はいくつかとは異なっていてもよい。期間Eは、例えば充電後1~10秒であってもよい。充電のプロセスは、典型的には1~24秒かかる。予め定められた頻拍基準E’の存在は、例えば、予め定められた心拍数又はQRS時間を期間E内にある患者の検出された心調律が上回った場合に明らかにされ得る。したがって、第1及び第2のプロセッサは、検出された患者の心調律を分析するように適合されていてもよく、検出された患者の心調律は、検知された心電図(ECG)によって実現され得る。このような予め定められた頻拍基準E’は、心拍数を含むことができる。検出された心拍数が予め定められた心拍数より低い場合、例えば、少なくとも1つのショックの印加は不要である。これにより、患者のストレスが軽減され得る。予め定められた頻拍基準E’は、(単独の、又は組み合わせた)120~220bpmの心拍数、病理的なQRS波形、病理的なECG信号パターン(例えば10~20秒以上)、急激な速度上昇、速度の安定性/不安定性であり得る。
一実施例では、第1の植込み型刺激装置の第1のプロセッサは、徐脈ペーシング治療又は血圧低下のための心臓刺激などの少なくとも1つの別の心臓治療のための信号を送達するように適合される。
血圧低下のための刺激では、心房を刺激するタイミングは、生理的に有効な心周期に対してわずかに非同期的に実行される。その結果、患者の血圧の低下が実現される。
上記の課題は、
少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置、例えば、ILPと、
少なくとも1つの第2の植込み型刺激装置、例えば、皮下植込み型除細動器、又はILPと
を備える、心調律管理システムのための心調律管理方法によっても解決され、
少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置の第1の検出ユニットが、患者の心調律を検出し、少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置の第1のプロセッサが、検出された患者の心調律を分析し、
少なくとも1つの第2の植込み型刺激装置の第2の検出ユニットが、患者の心調律を検出し、少なくとも1つの第2の植込み型刺激装置の第2のプロセッサが、検出された患者の心調律を分析し、
予め定められた先行期間A内の患者の心調律の分析によって、予め定められた頻拍基準A’と、ショック治療をしていないこととが明らかになる場合にのみ、第1のプロセッサが、第1の抗頻拍ペーシング治療のための信号を送達し、及び/又は、
予め定められた先行期間B内の患者の心調律の分析によって、予め定められた頻拍基準B’と、第1の抗頻拍ペーシング治療をしていないこととが明らかになる場合にのみ、第2のプロセッサが、ショック治療又は第2の抗頻拍ペーシング治療のための信号を送達する。この方法は、上述のシステムと同じ利点を提供する。
さらに、システムの上述の制限及びさらなる説明は、上記で定義され、下記に記載されるシステムの実施例にも適用される。
心調律管理方法の一実施例によれば、第1のプロセッサは、期間A内の患者の心調律の分析によってショック治療の提供が明らかになる場合に、期間Cの間の抗頻拍ペーシング治療のための信号の送達を防止する。
一実施例によれば、第2のプロセッサは、期間B内の患者の心調律の分析によって第1の抗頻拍ペーシング治療の提供が明らかになる場合に、期間Dの間のショック治療のための信号の送達を防止する。
本方法の一実施例によれば、第2のプロセッサは、期間B内の患者の心調律によって、予め設定された制限を超える心拍数が明らかになる場合に、ショック治療又は第2の抗頻拍ペーシング治療のための信号を送達する。
本方法の一実施例によれば、第1のプロセッサは、期間Cの間、予め定められた頻拍基準A’に従って患者の心調律を再分析し、及び/又は、第2のプロセッサは、期間Dの間、予め定められた頻拍基準B’に従って患者の心調律を再分析する。
本方法の一実施例によれば、第1のプロセッサは、期間Cの間、予め定められた頻拍基準C’に従って患者の心調律を再分析し、及び/又は、第2のプロセッサは、期間Dの間、予め定められた頻拍基準D’に従って患者の心調律を再分析し、予め定められた頻拍基準C’は、予め定められた頻拍基準A’とは異なり、予め定められた頻拍基準D’は、予め定められた頻拍基準B’とは異なる。
本方法の一実施例によれば、第1及び/又は第2のプロセッサは、終了信号を受信すると、期間C及び/又は期間Dを終了させる。
一実施例によれば、第2の植込み型刺激装置のショック・ユニットによるショック治療の間の少なくとも1つのショックの送達は、少なくとも1つのショックがショック・ユニットによって患者に印加される前に、充填期間を待つことを含む。
この実施例では、充填期間中又は充填期間後の期間E内の患者の心調律が、予め定められた頻拍基準E’に対応しない場合、ショック・ユニットは、少なくとも1つのショックを送達しない。
一実施例によれば、第1の植込み型刺激装置の第1のプロセッサは、徐脈治療又は血圧低下のための刺激などの少なくとも1つの他の心臓治療のための信号を送達する。
次に、本発明は、添付の概略図を参照して、さらに詳細に説明される。
人間の患者の体内の本発明の心調律管理システムの例示的な植込みを示す。 本発明の心調律管理方法のフロー・チャートを示す。 ショック治療の間の心調律管理方法の別の実施例の動作を示す。 ショック治療の間の心調律管理方法の別の実施例の動作を示す。 ショック治療の間の心調律管理方法の別の実施例の動作を示す。 抗頻拍ペーシング治療の信号を含む心電図を示す。 ショック治療の信号を含む心電図を示す。
図1は、人間の患者の体内に植え込まれた心調律管理システムの第1の実施例を示す。本システムは、筐体10と筐体10に接続された電極リード2とを有する第2の植込み型刺激装置として、皮下植込み型除細動器(S-ICD)を備える。さらに、本システムは、1つの、例えば、心臓Hの右心室内に植え込まれた第1の植込み型刺激装置として、ILP(ILP)30を備える。
ILP30は、心臓Hの電気信号を検知するための第1の検出ユニットとして、1つ又は複数の電極を備える。さらに、1つ又は複数の電極は、抗頻拍ペーシング(ATP)治療又は他の心臓治療を適用するために使用され得る。検出された電気信号は、ILP30内に収容された第1のプロセッサに送信される。第1のプロセッサは、心臓の電気信号(例えば、EGC信号)を分析することによって、図7に示すように、通常の心調律420、心室頻拍性不整脈400、又は抗頻拍治療としてS-ICDによって提供されるショック430を含み得る患者の心調律を判定する。第1のプロセッサは、ATP治療のための信号を生成して、ILP30の1つ又は複数の電極に送達するようにさらに適合されている。ATP治療に関する第1のプロセッサの機能は、例えば、外部の制御ユニットとの通信リンクを介して、操作者によって起動可能であってもよい。
S-ICD1は、その筐体10内に、第2のプロセッサとショック・ユニットとを備える。リード2は、胸骨20に沿って皮下に植え込まれ、第2の検出ユニットとして2つの検出電極200、203と、電気的除細動又は除細動ショックの印加のためのショック・コイル202とを備える。検出電極200、203は、心臓Hの電気信号及び心臓Hの周りの電気信号を検出し、これらの信号を筐体10内に収容された第2のプロセッサに送信する。第2のプロセッサは、心臓の電気信号(例えば、ECG信号)を分析することによって、図6に示すように、通常の心調律520、頻拍性不整脈500、又は抗頻拍治療としてILP30によって提供されるATP信号510を含み得る患者の心調律を判定する。第2のプロセッサは、抗頻拍治療のための少なくとも1つの電気的除細動又は除細動ショックを生成するショック・ユニットに送信される信号を生成して、ショック・コイル202に送達するようにさらに適合されている。ショック・ユニットは、ショック治療として、ショック・コイル202によって送達される1つ又は複数のショックに必要な電圧が生成される充填/充電時間を通して動作する必要がある。
図2のフロー・チャートは、患者の心調律を示す信号としてECG信号をILP30に使用することに関する本発明の心調律管理方法を示す。第1のステップ(図2のステップ208を参照)では、ILP30の第1の検出ユニットの1つ又は複数の電極は、心臓Hの電気信号を受信し、それぞれのECGを分析する第1のプロセッサにそれらの電気信号を送信する。ECGが頻拍を含む場合、第1のプロセッサは、最初にこの頻拍を検出する。次のステップ210では、第1のプロセッサは、先行期間Aの間、それぞれのショック信号(図7の信号430を参照)によるショック治療の適用があるか否かをチェックする。期間Aの間にショック治療が行われていない場合、次のステップ220では、ATP治療をILP30によって行うことができる。したがって、第1のプロセッサは信号を生成し、その信号に基づいて、ILP30の1つ又は複数の電極は、ATPパルスを心臓Hに印加する。次のステップ230及び240では、第1のプロセッサは、頻拍が終了されるか否か、及び/又はATP治療ユニットの最大数が適用されるか否かをさらにチェックする。これらの基準のいずれも満たさない場合、本方法は、ステップ210を継続する(上記を参照)。これらの基準の少なくとも1つを満たす場合、心臓Hの次の頻拍が第1のプロセッサによって検出されるまで、あらゆるATP治療の適用が阻止される(ステップ260を参照)。期間Aの間にショック治療があることが明らかになった場合、ステップ250では、期間Cの間は、ATP治療が阻止される。期間Cは、予め定められた時間にわたって、又は次の操作者のILP30のチェックまで継続することができる。
図2のフロー・チャートに類似して、本発明の心調律管理方法は、S-ICD1に関しても実現することができる。検出されたECG信号が頻拍を示す場合、第2のプロセッサは、最初にこの頻拍を検出する。次のステップでは、第2のプロセッサは、先行期間B(図3に参照番号300で表示された期間を参照)の間、それぞれのATP信号(図6の信号510を参照)によるATP治療の適用があるか否かをチェックする。期間Bの間にATP治療が行われていない場合、次のステップでは、ショック治療をS-ICD1によって行うことができる。したがって、第2のプロセッサは信号を生成し、その信号に基づいて、S-ICDのショック・コイル202は、1つ又は複数のショック・パルスを心臓Hに印加する。ショックの印加(図3の稲妻のような記号320を参照)は、参照番号310によって図3に示される充填時間を経た後に行われる。次のステップでは、第2のプロセッサは、頻拍が終了されるか否か、及び/又はショック治療ユニットの最大数が適用されるか否かをさらにチェックする。これらの基準のいずれも満たさない場合、本方法は、期間Bの間にATP治療又は頻拍があるか否かをチェックすることを継続する(上記を参照)。これらの基準の少なくとも1つを満たす場合、心臓Hの次の頻拍が第2のプロセッサによって検出されるまで、あらゆるATP治療の適用が阻止される。期間B300の間に任意のATP治療があることが明らかになった場合、参照番号300’で示された図4に示す実施例にある期間Dの間は、ショック治療が阻止される。期間Dは、ATP治療後に任意の頻拍がいまだに存在するか否かをチェックするのに十分な時間を有するために、期間Bと同一の長さであり得る予め定められた時間にわたって、又は次の操作者のS-ICD1のチェックまで継続することができる。
さらに、図5に示すように、一実施例では、ILP30によるATP治療の提供は、充填時間310の間に検出することができる。この場合、充填時間310の終了後、ATP治療後にショック療法が必要な頻拍がいまだに検出されるか否かをチェックするために、期間D330(確認期間)の間は、ショック・ユニットによるショックの印加が防止される。頻拍が患者にとっていまだに危険なレベルである場合にのみ、ショック320は、期間D330が経過後に印加される。
上記のシステム及び方法は、任意の別々の通信チャネルを提供する必要なく、同じ患者に植え込まれた抗頻拍治療を行う2つの装置のモジュール式の心調律管理を提供する。本システム及び方法は、各装置の動作の調整のために、とにかく提供された患者の心調律の分析を使用するだけである。したがって、本システムは、費用効果が高く、節電できるとともに、信頼性があり、ユーザフレンドリーである。本発明のシステム及び方法は、サイバー攻撃を回避する。
1 S-ICD
2 電極リード
H 心臓
10 筐体
20 胸骨
30 ILP
200 検出電極
202 ショック・コイル
203 検出電極
208 心調律管理のための本発明の方法のステップ
210 心調律管理のための本発明の方法のステップ
220 心調律管理のための本発明の方法のステップ
230 心調律管理のための本発明の方法のステップ
240 心調律管理のための本発明の方法のステップ
250 心調律管理のための本発明の方法のステップ
260 心調律管理のための本発明の方法のステップ
300 最初の頻拍が検出された期間B
300’ 心臓信号の頻拍特性のチェックのためにショック治療が阻止される期間D
310 充填時間
320 ショック
330 心臓信号の頻拍特性のチェックのためにショック治療が阻止される期間D
340 検出されたATP治療の時点
400 頻拍性不整脈
410 ATP治療
420 通常の心調律
430 ショック治療
500 頻拍性不整脈
510 ATP信号
520 通常の心調律

Claims (15)

  1. 少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置、及び少なくとも1つの第2の植込み型刺激装置を備え、
    前記少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置は、患者の心調律を検出するように適合された第1の検出ユニットと、前記検出された患者の心調律を分析して第1の抗頻拍ペーシング治療のための信号を送達するのに適合された第1のプロセッサとを備え、
    前記少なくとも1つの第2の植込み型刺激装置は、前記患者の心調律を検出するのに適合された第2の検出ユニット(200、203)と、前記検出された患者の心調律を分析してショック治療又は第2の抗頻拍ペーシング治療のための信号を送達するのに適合された第2のプロセッサとを備え、
    前記第1のプロセッサは、予め定められた先行期間A内の前記患者の心調律の前記分析によって、予め定められた頻拍基準A’と、ショック治療をしていないこととが明らかになる場合にのみ、抗頻拍ペーシング治療のための信号の送達を可能にするように適合され、及び/又は、
    前記第2のプロセッサは、予め定められた先行期間B(300)内の前記患者の心調律の前記分析によって、予め定められた頻拍基準B’と、前記少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置によって提供される第1の抗頻拍ペーシング治療をしていないこととが明らかになる場合にのみ、ショック治療又は第2の抗頻拍治療のための信号の送達を可能にするように適合されている、心調律管理システム。
  2. 前記第1のプロセッサは、前記期間A内の前記患者の心調律の前記分析によってショック治療の提供が明らかになる場合、期間Cの間に抗頻拍ペーシング治療のための信号の送達を防止するように適合されている、請求項1に記載の心調律管理システム。
  3. 前記第2のプロセッサは、前記期間B内の前記患者の心調律の前記分析によって第1の抗頻拍ペーシング治療の提供が明らかになる場合、期間D(300’、330)の間にショック治療又は第2の抗頻拍ペーシング治療のための信号の送達を防止するように適合されている、請求項1又は2に記載の心調律管理システム。
  4. 前記第1のプロセッサは、前記期間Cの間、前記予め定められた頻拍基準A’に従って前記患者の心調律を再分析するように適合され、及び/又は、前記第2のプロセッサは、前記期間D(300’、330)の間、前記予め定められた頻拍基準B’に従って前記患者の心調律を再分析するように適合されている、請求項2又は3に記載の心調律管理システム。
  5. 前記第1のプロセッサは、前記期間Cの間、予め定められた頻拍基準C’に従って前記患者の心調律を再分析するように適合され、及び/又は、前記第2のプロセッサは、前記期間Dの間、予め定められた頻拍基準D’に従って前記患者の心調律を再分析するように適合され、前記予め定められた頻拍基準C’は、前記予め定められた頻拍基準A’とは異なり、前記予め定められた頻拍基準D’は、前記第2の予め定められた頻拍基準とは異なる、請求項2又は3に記載の心調律管理システム。
  6. 前記第1及び/又は第2のプロセッサは、終了信号を受信すると、前記期間C及び/又は前記期間Dを終了させるように適合されている、請求項2から5までのいずれか一項に記載の心調律管理システム。
  7. 前記第2の植込み型刺激装置のショック・ユニットによる前記ショック治療の間の少なくとも1つのショックの前記送達は、前記少なくとも1つのショックが前記ショック・ユニットによって前記患者に印加される前の充填期間(310)を含み、前記充填期間(310)中又は前記充填期間(310)後の期間E(330)内の前記患者の心調律が、予め定められた頻拍基準E’に対応しない場合、前記ショック・ユニットによる前記少なくとも1つのショックの前記印加は防止される、請求項1から6までのいずれか一項に記載の心調律管理システム。
  8. 前記第1の植込み型刺激装置が、植込み型リードレス・ペースメーカー(ILP)であり、前記第2の植込み型刺激装置が、皮下植込み型除細動器(1)又は第2のILPである、請求項1から7までのいずれか一項に記載の心調律管理システム。
  9. 少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置、例えば、ILP(30)と、
    少なくとも1つの第2の植込み型刺激装置、例えば、皮下植込み型除細動器(1)又は第2のILPと
    を備える、心調律管理システムのための心調律管理方法であって、
    前記少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置の第1の検出ユニットが、患者の心調律を検出し、前記少なくとも1つの第1の植込み型刺激装置の第1のプロセッサが、前記検出された患者の心調律を分析し、
    前記少なくとも1つの第2の植込み型刺激装置の第2の検出ユニット(200、203)が、前記患者の心調律を検出し、前記少なくとも1つの第2の植込み型刺激装置の第2のプロセッサが、前記検出された患者の心調律を分析し、
    予め定められた先行期間A内の前記患者の心調律の前記分析によって、予め定められた頻拍基準A’と、ショック治療をしていないこととが明らかになる場合にのみ、前記第1のプロセッサが、第1の抗頻拍ペーシング治療のための信号を送達し、及び/又は、
    予め定められた先行期間B(300)内の前記患者の心調律の前記分析によって、予め定められた頻拍基準B’と、第1の抗頻拍ペーシング治療をしていないこととが明らかになる場合にのみ、前記第2のプロセッサが、ショック治療又は第2の抗頻拍ペーシング治療のための信号を送達する、心調律管理方法。
  10. 前記第1のプロセッサは、前記期間A内の前記患者の心調律の前記分析によってショック治療の提供が明らかになる場合に、期間Cの間の抗頻拍ペーシング治療のための信号の送達を防止する、請求項9に記載の心調律管理方法。
  11. 前記第2のプロセッサは、前記期間B内の前記患者の心調律の前記分析によって第1の抗頻拍ペーシング治療の提供が明らかになる場合に、期間D(300’、330)の間のショック治療又は第2の抗頻拍ペーシング治療のための信号の送達を防止する、請求項9又は10に記載の心調律管理方法。
  12. 前記第1のプロセッサは、前記期間Cの間、前記予め定められた頻拍基準A’に従って前記患者の心調律を再分析し、及び/又は、前記第2のプロセッサは、前記期間D(300’、330)の間、前記予め定められた頻拍基準B’に従って前記患者の心調律を再分析する、請求項9から11までのいずれか一項に記載の心調律管理方法。
  13. 前記第1のプロセッサは、前記期間Cの間、予め定められた頻拍基準C’に従って前記患者の心調律を再分析し、及び/又は、前記第2のプロセッサは、前記期間Dの間、予め定められた頻拍基準D’に従って前記患者の心調律を再分析し、前記予め定められた頻拍基準C’は、前記予め定められた頻拍基準A’とは異なり、前記予め定められた頻拍基準D’は、前記予め定められた頻拍基準B’とは異なる、請求項9から11までのいずれか一項に記載の心調律管理方法。
  14. 前記第1及び/又は第2のプロセッサは、終了信号を受信すると、前記期間C及び/又は前記期間Dを終了させる、請求項10から13及び請求項15から16のいずれか一項に記載の心調律管理方法。
  15. 前記除細動装置のショック・ユニットによる前記ショック治療の間の少なくとも1つのショックの送達は、前記少なくとも1つのショックが前記ショック・ユニットによって前記患者に印加される前に充填期間(310)を待つことを含み、前記充填期間(310)中又は前記充填期間(310)後の期間E(330)内の前記患者の心調律が、予め定められた頻拍基準E’に対応しない場合、前記ショック・ユニットが、前記少なくとも1つのショックを送達しない、請求項9から14までのいずれか一項に記載の心調律管理方法。
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