JP2023518413A - ヘリックス状ステープルペプチドおよびその使用 - Google Patents

ヘリックス状ステープルペプチドおよびその使用 Download PDF

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ユエ-メイ ジャン,
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Abstract

一部の実施形態では、本開示は、ステープルペプチドおよびその組成物を提供する。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、エストロゲン受容体に結合して、この機能をモジュレートすることができる。一部の実施形態では、本開示は、様々な状態、障害または疾患を処置するための技術を提供する。とりわけ、本開示は、生体膜を通過して、細胞内標的に高い親和性で結合することが可能な分子を提供する。一部の実施形態では、このような分子(moleucle)は、ペプチドであるか、またはこれを含む。一部の実施形態では、このような分子は、ステープルペプチドであるか、またはこれを含む。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2020年3月17日出願の米国仮出願第62/991,032号への優先権を主張する。
背景
本開示は、生物学および化学、特に細胞生物学および有機化学の分野に関する。
ヒト疾患標的を特定する最近の進歩は、同時に起こるそれらの標的を治療する能力の進歩と一致するわけではない。これは、大部分が、承認された治療剤の二大クラスである、生物製剤および低分子の欠点の結果である(例えば、Verdine and Walensky, Clinical Cancer Research 2007, 13 (24), 7264を参照されたい)。生物製剤は、多様な標的タンパク質に関与する優れた能力があるにもかかわらず、そのサイズおよび極性のために生物製剤は生体膜を通過することができないため、細胞外の作用空間(operating theatre)に大きく制限される(Carter and Lazar, Nature Reviews Drug Discovery 2018, 17 (3), 197-223; Nature Reviews Cancer 2012, 12 (4), 278-287)。対照的に、低分子は、細胞内空間に接近することが可能であるが、細胞内空間において見られる大部分のタンパク質に対して高い親和性で結合することはできない(Jin et al., Annual Review of Pharmacology and Toxicology 2014, 54 (1), 435-456; Ran and Gestwicki, Current Opinion in Chemical Biology 2018, 44, 75-86)。
したがって、疾患標的を特定する能力と、細胞膜を通過して細胞内標的に高い親和性で結合することができる新規なクラスの薬物を用いて、疾患標的を治療する能力とを結びつけることが必要とされている。
Verdine and Walensky, Clinical Cancer Research 2007, 13 (24), 7264 Carter and Lazar, Nature Reviews Drug Discovery 2018, 17 (3), 197-223 Nature Reviews Cancer 2012, 12 (4), 278-287 Jin et al., Annual Review of Pharmacology and Toxicology 2014, 54 (1), 435-456 Ran and Gestwicki, Current Opinion in Chemical Biology 2018, 44, 75-86
要約
とりわけ、本開示は、生体膜を通過して、細胞内標的に高い親和性で結合することが可能な分子を提供する。一部の実施形態では、このような分子(moleucle)は、ペプチドであるか、またはこれを含む。一部の実施形態では、このような分子は、ステープルペプチドであるか、またはこれを含む。
一部の実施形態では、本開示は、ペプチドである様々な化合物を提供する。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、例えば、メタセシスにより、ステープルペプチドを調製するのに有用である。一部の実施形態では、本開示は、様々な利点、例えば、膜透過性の調節、N末端がマスクされていないアミドNH数の低下などを実証するステープルペプチドを提供する。
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、本明細書に記載されているアミノ酸残基Bを含む。一部の実施形態では、ペプチドは、P-Iの構造またはその塩形態を有する残基を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、P-IIの構造またはその塩形態を有する残基を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、P-IIIの構造またはその塩形態を有する残基を含む。
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、B-X-Z-J-X-X-Z-X-X-X10-X11-X12-X13もしくはその塩であるか、またはこれを含み、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、B’-X-Z-J’-X-X-Z-X-X-X10-X11-X12-X13もしくはその塩であるか、またはこれを含み、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、B-Z-X-J-X-Z-X-X-X-X10-X11-X12-X13もしくはその塩であるか、またはこれを含み、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、B’-Z-X-J’-X-Z-X-X-X-X10-X11-X12-X13もしくはその塩であるか、またはこれを含み、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、B-X-X-J-X-X-X-O-X-X10-X11-X12-X13もしくはその塩であるか、またはこれを含み、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、B’-X-X-J”-X-X-X-O’-X-X10-X11-X12-X13もしくはその塩であるか、またはこれを含み、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、B-X-X-J-X-X-X-X-X-X10-O-X12-X13-X14もしくはその塩であるか、またはこれを含み、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、B’-X-X-J”-X-X-X-X-X-X10-O’-X12-X13-X14もしくはその塩であるか、またはこれを含み、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、以下の構造:
Figure 2023518413000001
またはその塩(式中、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである)を有する。
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、以下の構造:
Figure 2023518413000002
またはその塩(式中、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである)を有する。
一部の実施形態では、本開示は、ペプチドまたは薬学的に許容されるその塩、ならびに薬学的に許容される担体および/または薬学的に許容される賦形剤を含む、またはこれらを送達する医薬組成物を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、エストロゲン受容体の機能および/もしくは特性のうちの1つまたは複数をモジュレートするための方法であって、エストロゲン受容体を含む系に提供されるペプチドまたは組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、エストロゲン受容体の機能および/もしくは特性のうちの1つまたは複数をモジュレートするための方法であって、エストロゲン受容体に提供されるペプチドまたは組成物を接触させるステップを含む、方法を提供する。
提供される技術は、とりわけ、様々な状態、障害もしくは疾患を予防または処置するのに有用である。一部の実施形態では、本開示は、エストロゲン受容体に関連する状態、障害もしくは疾患を処置する方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、状態、障害もしくは疾患を処置または予防する方法であって、それらに罹患している対象またはそれらに罹患し易い対象に、有効量の提供されるペプチドまたは組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、状態、障害または疾患を処置する方法であって、それらに罹患している対象に、治療有効量の提供されるペプチドまたは組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、状態、障害または疾患はがんである。
図1Aおよび1Bは、α-ヘリックス状ペプチドの概略図である。図1Aでは、この概略図は、要求を満たさない4つのN末端アミドNH結合を有する、N-アセチルキャップされたヘリックス状ペプチドを示す(灰色の球形として示されている)一方、アミドNH結合の残りは、必要に応じておよび独立して、ヘリックス状ペプチドに特有の内部水素結合ネットワークの部分である。図1Bは、図1Aのヘリックス状ペプチドにおける、5つのN末端アミドのNH結合の拡大図を提示する。
図1Cおよび1Dは、本開示の非限定的なステープルペプチドの概略図である。図1Cは、ProLockステープルペプチドが、どのようにして、要求を満たさないアミドN末端NH結合を1つしか有さないよう設計されるかを示している。図1Dは、図1C中のProLockステープルペプチドにおける、5つのN末端アミドNH結合の拡大図を示す。i+1残基のアミドNHしか、溶媒水に容易に接近することができない状態にある。
図2は、N-アセチル-PL3-OH(「PL3」)の合成スキームを示す概略図である。L-プロリンは、還流下、抱水クロラールと、オキサゾリジノン-1を形成した。
図3Aおよび3Bは、エストロゲン受容体結合ドメイン(ER LBD)のX線結晶構造(図3A)、およびER LBDに結合するリガンドの配列を示す表(図3B)である。
図4は、PAMPアッセイ用プレートシステムを示す概略図図面である。このPAMPAプレートシステムは、リン脂質注入膜によって隔てられた2つのコンパートメント、すなわちドナーおよびアクセプターからなる。
図5は、ERβ LBDによるFITC-ERL4プローブの直接的な蛍光偏光(FP)値を示す線グラフである。プローブのKは、Hillの傾きを含む1:1結合モデルにより、160nMと求まった。FP値は、二連の独立したレプリケートの平均値±標準誤差である。
図6は、第1世代ProLockステープルペプチドの競合FPデータを示す線グラフである。各アッセイ用プレートからの高い偏光データおよび低い偏光データを使用して、これらのデータを正規化し、これを、Hillの傾きによる1:1結合モデルにあてはめて、EC50を求めた。正規化後のFP値は、少なくとも4つの独立したレプリケートの平均値±標準誤差である。
図7は、CHI LogDを求めるために使用した、10種の標準化合物の較正曲線を示す線グラフである。保持時間の値は、二連の独立したレプリケートの平均値±標準誤差である。
図8は、本明細書に記載されているいくつかの非限定的なアミノ酸残基のアナログの構造を示す概略図である。
図9Aは、本明細書に記載されている様々な非限定的なステープルペプチドのためのステープリング反応を示す概略図である。
図9Bは、4つの異なる時間点(30分間、60分間、120分間および240分間)における、2種の触媒濃度(15mol%のGrubbs-Iおよび25mol%のGrubbs-I)での、2つの閉環メタセシス(RCM)温度(室温および37℃)での、6つのペプチドの生成物変換率を示す、一連の線グラフである。
図9Cは、すべて240分後の、2つのRCM温度および2種の触媒濃度における、4位にS3、S4およびS5ステープリング用アミノ酸を含む3種のペプチドの生成物変換率および異性体分布を示す棒グラフである。生成物変換率の棒グラフは、各ステープルタイプによる、異性体分布に基づいて分類している。
図9Dは、図9Cからの5種のProLockステープルした生成物のすべてのCDスペクトルを示す線グラフである。CD分析に基づくと、PL3-S5ステープルProLockペプチド異性体2は、正準なα-ヘリックス構造を有する。
図9Eは、第1世代ProLockステープルペプチドのCDスペクトルを示す線グラフである。PLL4-4を除く第1世代のペプチドはすべて、スペクトル中、208nmおよび222nmにおいて2つの極小値が存在することによって判定される通り、ヘリックス立体配座をとる。
図10Aは、本開示の非限定的なステープルペプチドである、PLL4-5 ProLockステープルペプチドのNMR溶液の分析結果を示す線グラフである。PLL4-5の2個のオレフィンプロトンに対応するピークを使用して、アルケニル結合の幾何形状を決定する。10.1Hzおよび11.7HzにおけるJ-カップリング値は、PLL4-5ペプチドの異性体-2のステープルした生成物のオレフィンは、シス立体構造をとることを暗示した。
図10Bは、PLL4-5の5つの最低エネルギー構造のアンサンブルを示す模式図である。重なり合った構造は、このペプチドが、最初の1.5ターンによりα-ヘリックス状フォールディングをとることを示している。この重ね合わせの主鎖RMSDは、0.49Åであった(RMSDは、MOEソフトウェアにおける、タンパク質コンセンサスツールを使用して計算した)。
図11は、6種のProLockステープルペプチドの5つの設計バリアントをPAMPAアッセイにおいて試験し、ProLock設計構成要素の重要性を評価したことを示す模式図である。試験した設計特徴は、N末端アセチルキャップ(キャップペプチド対非キャップペプチド)、i+1残基の残留溶媒曝露アミドNH結合(通常ペプチド対デプシ連結ペプチド)、C末端メチルアミドキャップ(メチルアミド対アミドキャップ)、およびProLockステープル(ProLockステープルペプチド対非ステープルペプチド対S5-S5ステープルペプチド)とした。
ある特定の実施形態の詳細な説明
ある特定の細胞内分子の発現異常および/または機能異常が、がんなどの疾患に関連していることが知られている(Sever and Brugge, Cold Spring Harb Perspect Med 2015;5:a006098)。例えば、myc発がん遺伝子ファミリーのメンバーは、ヒトがんの50%超において、調節異常される(Chen et al., Signal Trnasduction and Targeted Therapy (2018) 3: 5)。しかし、現在のところ、ヒトがんを処置するために、mycを標的とするFDA承認されている治療剤はない。他の細胞内標的は、ヒト疾患を推進することが知られているが、薬にすることができない、いわゆる、「創薬不能な」標的である。これらの細胞内標的が創薬不能である理由の少なくとも一部は、細胞内標的には、低分子が結合するために通常、必要とする深い疎水性ポケットがないからである。言い換えると、低分子治療剤は、細胞膜を通過し、したがって細胞内標的に接近することができるが、その標的を効果的にモジュレートする程、十分に高い親和性で標的に結合し、こうして、その標的を有する細胞の成長および/または挙動をモジュレートすることができない。
本質的に、このような「創薬不能な」標的(例えば、タンパク質)は、マクロ環式分子、大抵の場合、ペプチド構造体によって結合されることが多く、マクロ環式分子が低分子に比べてサイズが大きいことにより、このような標的の表面に、高い親和性および特異性で結合することが可能となる(Dang and Sussmuth, Accounts of Chemical Research 2017, 50 (7), 1566-1576; Naylor et al., Current Opinion in Chemical Biology 2017, 38, 141-147)。これらの天然物が細胞に進入する機構を解明するために多大な努力が行われており、このような天然物は、低分子創薬における細胞浸透の典型的な範囲をはるかに超える、700~1200Da、またはこれより大きな分子量を有することが多い(Bockus et al., Journal of Medicinal Chemistry 2015, 58 (18), 7409-7418; Andrew et al., Current Topics in Medicinal Chemistry 2013, 13 (7), 821-836; Whitty et al., Drug Discovery Today 2016, 21 (5), 712-717; Over et al., Nature Chemical Biology 2016, 12 (12), 1065-1074; Wang and Craik, Peptide Science 2016, 106 (6), 901-909; Matsson and Kihlberg, Journal of Medicinal Chemistry 2017, 60 (5), 1662-1664)。
細胞に進入する機構は複雑であり、分子ごとに様々となるが、ペプチド性のマクロサイクルに関する研究の実体は、1つの重要な傾向:受動的膜透過性を可能にする際のアミドプロトンのクローキングの重要性に着目したものである(Rader et al, Bioorganic & Medicinal Chemistry 2018, 26 (10), 2766-2773; Bockus et al., Journal of Medicinal Chemistry 2015, 58 (11), 4581-4589; Hickey et al., Journal of Medicinal Chemistry 2016, 59 (11), 5368-5376)。ポリペプチド鎖中の各残基間に存在するアミドプロトンは、電気的陽性が高く、水と強力な相互作用を形成する。水は、脂質二重層に進入する前になくならなければならないので、このような強力な相互作用は、受動的膜透過性にとって大きな障害を引き起こす。露出したアミド基は、それらの不利な静電相互作用である、膜内部の低い誘電性環境のために、膜への進入時に、さらなるエネルギー面での負荷を受ける(Ahlbach et al., Future Med Chem 2015, 7 (16), 2121-2130)。したがって、大部分のペプチドおよびタンパク質は、受動的に膜を通過することができない(Yang and Hinner, Methods Mol Biol 2015, 1266, 29-53)。
受動的膜透過性を示すペプチドマクロサイクルでは、これらの解決が困難なアミドプロトンは、通常、アミド-NHのOによる置き換え(いわゆる、デプシペプチド連結)、アミドプロトン自体のメチル基による置き換え、またはアミドプロトン基と分子内のどこか(多くの場合、カルボニルの)水素結合受容基との間の分子内水素結合の形成による、溶媒である水からのアミドプロトンのクローキングのいずれかによって除去される(Rader and Reichart, Bioorganic & Medicinal Chemistry 2018, 26 (10), 2766-2773: Ahlbach et al., Future Med Chem 2015, 7 (16), 2121-2130; Wang et al.. The Journal of Physical Chemistry B 2018, 122 (8), 2261-2276; Rezai et al., Journal of the American Chemical Society 2006, 128 (43), 14073-14080; Rezai et al., Journal of the American Chemical Society 2006, 128 (8), 2510-2511; Biron et al., Angewandte Chemie International Edition 2008, 47 (14), 2595-2599)。実際に、頑強な細胞膜曝露を示すペプチドマクロサイクルの系列的な例である、シクロスポリンA(CsA)は、N-メチル化と渡環水素結合によるクローキングの両方を使用する(Ahlbach et al., Future Med Chem 2015, 7 (16), 2121-2130)。いくつかの研究グループによる広範な研究により、これらの戦略を設計原理として適用し、人工マクロサイクルに受動的に膜を通過する能力を付与することができることが示されている(Rader et al, Bioorganic & Medicinal Chemistry 2018, 26 (10), 2766-2773; Hickey et al., Journal of Medicinal Chemistry 2016, 59 (11), 5368-5376; Biron et al., Angewandte Chemie International Edition 2008, 47 (14), 2595-2599; Hewitt et al., Journal of the American Chemical Society 2015, 137 (2), 715-721; Beck et al., Journal of the American Chemical Society 2012, 134 (29), 12125-12133; Thansandote et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry 2015, 23 (2), 322-327)。
フォールディングされたタンパク質の状況では、自然は、アミドプロトンのクローキングの問題に対する代替となる構造的解決策:1つの残基のアミドプロトン基とそこから3つの残基のN末端に位置するアミノ酸のカルボニルとの間の分子内水素結合を繰り返すことによって定義されるタンパク質の二次構造、すなわち、α-ヘリックスを提供してきた。α-ヘリックスがそれ自体のアミドプロトンをクローキングする固有の能力により、天然の膜貫通(TM)タンパク質に、α-ヘリックスが広い範囲に広がっていることが説明される(White and Wimley, Annu. Rev. Biophys. Biomolec. Struct. 1999, 28, 319-365: Heyden et al., Soft Matter 2012, 8 (30), 7742-7752)。真核生物において核にコードされたTMタンパク質は、ほぼ独占的にα-ヘリックス状をしており、天然において見られる唯一の代替TMのフォールディングは、細菌由来のベータ-バレルであり、これは、合成薬の開発にとって実現困難な単一α-ヘリックスよりもかなり大きな構造となるにもかかわらず、分子内水素結合ネットワークによりアミドプロトンをクローキングしている(Vinothkumar et al., Q Rev Biophys 2010, 43 (1), 65-158)。
CsAが、疑似的なヒート(heat)トゥテールの環化ペプチドリガンドの設計に対するインスピレーションとして役立ったのと同じように、タンパク質性α-ヘリックスは、「ステープル」としても知られている、構造による留め具の組み込みにより、α-ヘリックス立体配座を超安定化させる小さな合成ペプチドにおける、天然の設計特徴を再現しようとする努力に刺激を与えた(Walensky and Bird, Journal of Medicinal Chemistry 2014, 57 (15), 6275-6288; Verdine and Hilinski, ”Stapled peptides for intracellular drug targets”. In Methods in Enzymology: Protein Engineering for Therapeutics, Vol 203, Pt B, Wittrup, K. D.; Verdine, G. L., Eds. Elsevier Academic Press Inc: San Diego, 2012; Vol. 503, pp 3-33; Schafmeister et al., Journal of the American Chemical Society 2000, 122 (24), 5891-5892)。これらの研究所において最初に発見された、上記の1つである全部が炭化水素のステープルが、広範囲に研究されており、これは、難題の核細胞質タンパク質HDM2およびHDMXを標的とする薬物候補に対する基礎となるものであり、現在、第II相臨床試験が進行中である(Chang et al., Proceedings of the National Academy of Sciences 2013, 110 (36), E3445-E3454)。
しかし、既存のα-ヘリックスステープリングシステムにおいて頑強な受動的細胞質曝露を得ることは、依然として厄介な難題である(Sawyer et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry 2018, 26 (10), 2807-2815)。とりわけ、本開示は、これらの従来のシステムは、α-ヘリックスの本体内部のアミドプロトンのクローキングという効果的な任務を果たすことができるが、それらのシステムは、α-ヘリックスのN末端におけるアミドプロトンの曝露に対処することができないという認識を包含する。本開示は、α-ヘリックスの立体構造面での安定化をやはり維持すると同時に、「クローキングされていない」N末端アミドプロトンの数を減少させると、受動的膜透過が促進されるという洞察に由来する。一部の実施形態では、本開示は、クローキングされていないN末端アミドプロトンの数の減少した、ステープルペプチドを提供する。一部の実施形態では、本開示は、水に曝露されると、水と水素結合を形成する、「遊離」N末端アミドプロトンの数が減少したステープルペプチドを提供する。一部の実施形態では、減少は、1以下にすることである。本明細書において実証される通り、多数の実施形態では、提供されるステープルペプチドは、ヘリックス構造を有することができ、様々な利点を実現することができる。
一部の実施形態では、提供される技術(例えば、ペプチド、組成物、方法など)は、ペプチドのN末端における溶媒に曝露したアミドプロトンの数をやはり減少させると同時に、α-ヘリックス立体配座のペプチドを安定化させる、新規なステープリングシステムであるProLock(商標)の開発に由来する。ProLock(商標)ステープルを生物学的に関連性のある配列に組み込むと、経口により生物学的に利用可能な薬物の一部に匹敵するレベルで、膜を受動的に通過する能力をそれらに付与することができると同時に、低いマイクロモル濃度またはサブマイクロモル濃度の親和性で、その標的タンパク質に結合する能力を保持する。驚くべきことに、本明細書において実証される通り、複数の極性側鎖および荷電側鎖を有するProLock(商標)ステープルペプチドでさえ、強健なレベルの受動的膜透過性を示すことが見出された。これらの結果により、有効なリガンド結合のための極性官能基または荷電官能基を必要とする、タンパク質を標的とすることが可能となる。
一部の実施形態では、本開示は、α-ヘリックスステープリングシステムである、ProLock(商標)ステープリングシステム(Fog Pharmaceuticals,Inc.によって商標されている)であって、要求を満たさないN末端アミドプロトンのうちの1個もしくは複数(例えば、一部の実施形態では、それらの4個のうちの3個)を除去またはクローキングすることによって、ならびにヘリックスを核化およびその形成を安定化することによって、α-ヘリックス状ペプチドが受動的透過するのを可能にするよう設計されている、ProLock(商標)ステープリングシステムを対象とする。一部の実施形態では、本開示は、このようなステープリングシステムを含むペプチド、ならびにその組成物および方法を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、同じペプチド内の2つのステープルまたはそれより多いステープルを含む、ステープリングシステムを対象とする。一部の実施形態では、単一アミノ酸が、2つのステープルに結合される。一部の実施形態では、同一ペプチド内の2つまたはそれより多いステープルのうちの少なくとも1つは、ProLock(商標)ステープルである。
様々な実施形態では、本開示は、生体膜(例えば、細胞膜)を通過し、やはりまた細胞内標的に高い親和性で結合することができる、化合物、例えばステープルペプチドを提供する。
本明細書において言及される、公開特許、特許出願、ウェブサイト、会社名および科学文献は、当業者が利用可能な知識を確立し、それぞれが、具体的かつ個々に示されて、参照により組み込まれているかのごとく、同じ程度に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。本明細書において引用されているいずれの参照文献と本明細書の特定の教示との間のなんらかの矛盾は、後者の本明細書の教示を優先して解決されるものとする。
本記載および特許請求の範囲に定義または使用されている用語は、文脈が特に要求しない限り、示されている意味を有するものとする。本明細書において使用される技術的および科学的用語は、特に定義しない限り、本開示が関係する当業者によって一般に理解されている意味を有する。語または言い回しの当分野で理解されている定義と、本明細書において具体的に教示されている語または言い回しの定義との間の矛盾はいずれも、後者の本明細書において具体的に教示されている語または言い回しの定義を優先して解決されるものとする。本明細書で使用する場合、以下の用語は、示されている意味を有する。単数形「a」、「an」および「the」は、本明細書において使用される場合、その内容が特に明確に指示しない限り、それらが指す用語の複数形を具体的にやはり包含する。用語「約」は、本明細書において、ほぼ、おおよその、または周辺の領域内にあることを意味するために使用される。用語「約」が、数値範囲に関係付けて使用されている場合、それは、説明されている数値より上の境界および下の境界にまで拡張することによってその範囲を修飾する。一般に、用語「約」は、本明細書において、20%の分散分、明記されている値より上および下の数値を修飾する。
特定の官能基および化学用語の定義は、以下により詳細に記載されている。化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics, 75th Edの表紙の内側の元素周期表(CAS版)に従って特定され、特定の官能基は、本明細書に一般に定義されている。さらに、有機化学の一般原理、ならびに特定の官能基部分および反応性は、Organic Chemistry, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito, 1999; Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001; Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;およびCarruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。
本明細書に記載されている化合物、アミノ酸およびポリペプチドは、1個または複数の不斉中心を含むことができ、したがって、様々な異性体、例えば鏡像異性体および/またはジアステレオマーで存在することができる。例えば、本明細書において記載されている化合物、アミノ酸およびポリペプチドは、個々の鏡像異性体、ジアステレオマーまたは幾何異性体の形態で存在することができるか、またはラセミ混合物、および1つまたは複数の立体異性体に富む混合物を含めた、立体異性体の混合物の形態で存在することができる。異性体は、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびキラルな塩の形成および結晶化を含めた、当業者に公知の方法によって、混合物から単離することができる。または、好ましい異性体は、不斉合成により調製することができる。例えば、Jacques et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981); Wilen et al., Tetrahedron 33:2725 (1977); Eliel, E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962);およびWilen, S.H. Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)を参照されたい。本開示は、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体として、および代替として、様々な異性体の混合物として、本明細書に記載されている化合物、アミノ酸およびポリペプチドをさらに包含する。
本開示全体で使用されている場合、値の範囲が列挙されている場合、これは、この範囲内の各値および部分範囲を包含することが意図されている。例えば、「C1~6アルキル」は、C、C、C、C、C、C、C1~6、C1~5、C1~4、C1~3、C1~2、C2~6、C2~5、C2~4、C2~3、C3~6、C3~5、C3~4、C4~6、C4~5およびC5~6アルキルを包含することが意図されている。同様に、「1~6個の脂肪族炭素原子を含有する脂肪族基」は、脂肪族基が、1個の脂肪族炭素原子、2個の脂肪族炭素原子、3個の脂肪族炭素原子、4個の脂肪族炭素原子、5個の脂肪族炭素原子または6個の脂肪族炭素原子を含有することを包含することが意図されている。
用語「脂肪族」は、本明細書で使用する場合、完全に飽和な、または1つもしくは複数の不飽和単位を含有する、直鎖(すなわち、非分岐状)もしくは分岐状の置換または無置換炭化水素鎖、あるいは完全に飽和な、または1つもしくは複数の不飽和単位を含有する、置換もしくは無置換の単環式、二環式または多環式炭化水素環、あるいはそれらの組合せを意味する。別段の指定がない限り、脂肪族基は、1~100個の脂肪族炭素原子を含有する。一部の実施形態では、脂肪族基は、1~30個の脂肪族炭素原子を含有する。一部の実施形態では、脂肪族基は、1~20個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1~10個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1~9個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1~8個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1~7個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1~6個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、脂肪族基は、1~5個の脂肪族炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、脂肪族基は、1個、2個、3個または4個の脂肪族炭素原子を含有する。好適な脂肪族基には、以下に限定されないが、直鎖もしくは分岐状の置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびそれらの混成体、ならびにシクロアルキル基およびシクロアルケニル基が含まれる。一部の実施形態では、脂肪族基は、1つまたは複数の官能基により必要に応じて置換されている。当業者によって理解される通り、「脂肪族」は、本明細書において、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルおよびシクロアルケニル部分を含むことが意図されている。
用語「複素脂肪族」とは、本明細書で使用する場合、例えば、炭素原子の代わりに、酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素原子のうちの1個または複数を含有する脂肪族部分を指す。複素脂肪族部分は、分岐状、非分岐状の環式または非環式であってもよく、モルホリノ、ピロリジニルなどの飽和複素環および不飽和複素環を含む。ある特定の実施形態では、複素脂肪族部分は、複素脂肪族部分の水素原子の1個または複数を、以下に限定されないが、脂肪族;複素脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アリールアルキル;ヘテロアリールアルキル;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;-F;-Cl;-Br;-I;-OH;-NO;-CN;-CF;-CHCF;-CHCl;-CHOH;-CHCHOH;-CHNH;-CHSOCH;-C(O)R;-CO(R);-CON(R;-OC(O)Rxa;-OCOxa;-OCON(Rxa;-N(Rxa;-S(O)xa;-NRxa(CO)Rxaを含めた、1つまたは複数の部分により独立して置き換えることによって置換されており、Rxaは出現ごとに、以下に限定されないが、脂肪族、複素脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルを独立して含み、上記のおよび本明細書に記載されている脂肪族、複素脂肪族、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル置換基のいずれも、置換もしくは無置換の、分岐状または非分岐状環式あるいは非環式とすることができ、上記および本明細書において記載されているアリールまたはヘテロアリール置換基のいずれも、置換されていてもよく、または無置換であってもよい。一般に、適用可能な置換基(substitutent)の追加例は、本明細書に記載されている実施例中に示されている特定の実施形態によって例示される。
本明細書で使用する場合、「アルキル」は、当分野におけるその通常の意味が与えられており、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基およびシクロアルキル置換アルキル基を含めた、飽和脂肪族基を含むことができる。一部の実施形態では、シクロアルキル環は、その環構造中に約3~10個の炭素原子、代替として、その環構造中に約5個、6個または7個の炭素を有しており、この場合、このような環は、単環式、二環式または多環式である。一部の実施形態では、アルキル基は、低級アルキル基であってもよく、この場合、低級アルキル基は、1~4個の炭素原子(例えば、直鎖低級アルキルの場合、C~Cである)を含む。数字によるなんらかの表示が存在しない場合、「アルキル」は、その中に、1~20個(これらを含む)の炭素原子を有する、鎖(直鎖または分岐鎖)である。
一部の実施形態では、アルキルは、1~100個の炭素原子を有する。ある特定の実施形態では、直鎖または分枝鎖アルキルは、その主鎖中に約1~20個の炭素原子(例えば、直鎖の場合、C~C20であり、分岐鎖の場合、C~C20)を有する。一部の実施形態では、アルキル基は、1~20個の炭素原子を有する(「C1~20アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1~10個の炭素原子を有する(「C1~10アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1~9個の炭素原子を有する(「C1~9アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1~8個の炭素原子を有する(「C1~8アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1~7個の炭素原子を有する(「C1~7アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1~6個の炭素原子を有する(「C1~6アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1~5個の炭素原子を有する(「C1~5アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1~4個の炭素原子を有する(「C1~4アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1~3個の炭素原子を有する(「C1~3アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1~2個の炭素原子を有する(「C1~2アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(「Cアルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2~6アルキル」)。C1~6アルキル基の例には、メチル(C)、エチル(C)、n-プロピル(C)、イソプロピル(C)、n-ブチル(C)、tert-ブチル(C)、sec-ブチル(C)、イソ-ブチル(C)、n-ペンチル(C)、3-ペンタニル(C)、アミル(C)、ネオペンチル(C)、3-メチル-2-ブタニル(C)、三級アミル(C)およびn-ヘキシル(C)が含まれる。アルキル基の追加例には、n-ヘプチル(C)、n-オクチル(C)などが含まれる。別段の指定がない限り、各場合のアルキル基は、独立して、無置換である(「無置換アルキル」)か、または1つもしくは複数の置換基により置換されている(「置換アルキル」)。ある特定の実施形態では、アルキル基は無置換C1~10アルキル(例えば、-CH)である。ある特定の実施形態では、アルキル基は、置換C1~10アルキルである。
「パーハロアルキル」は、水素原子のすべてが、ハロゲン、例えば、フルオロ、ブロモ、クロロまたはヨードによって独立して置き換えられている、本明細書で定義されている置換アルキル基である。一部の実施形態では、アルキル部分は、1~8個の炭素原子を有する(「C1~8パーハロアルキル」)。一部の実施形態では、アルキル部分は、1~6個の炭素原子を有する(「C1~6パーハロアルキル」)。一部の実施形態では、アルキル部分は、1~4個の炭素原子を有する(「C1~4パーハロアルキル」)。一部の実施形態では、アルキル部分は、1~3個の炭素原子を有する(「C1~3パーハロアルキル」)。一部の実施形態では、アルキル部分は、1~2個の炭素原子を有する(「C1~2パーハロアルキル」)。一部の実施形態では、水素原子のすべてが、フルオロにより置き換えられている。一部の実施形態では、水素原子のすべてが、クロロにより置き換えられている。パーハロアルキル基の例には、-CF、-CFCF、-CFCFCF、-CCl、-CFCl、-CFClなどが含まれる。
本明細書で使用する場合、「ヘテロアルキル」とは、1~30個の炭素原子を有する直鎖または分岐状飽和炭化水素基のラジカルであって、親鎖内に含まれる、酸素、窒素および硫黄から独立して選択される1~10個のヘテロ原子をさらに含む、上記のラジカル(「C1~30ヘテロアルキル」)を指す。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、1~20個の炭素原子および1~10個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C1~20ヘテロアルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、1~20個の炭素原子および1~10個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C1~10ヘテロアルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、1~9個の炭素原子および1~6個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C1~9ヘテロアルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、1~8個の炭素原子および1~5個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C1~8ヘテロアルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、1~7個の炭素原子および1~4個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C1~7ヘテロアルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、1~6個の炭素原子および1~3個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C1~6ヘテロアルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、1~5個の炭素原子および1~2個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C1~5ヘテロアルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、1~4個の炭素原子および1~2個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C1~4ヘテロアルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、1~3個の炭素原子および1~2個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C1~3ヘテロアルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、1~2個の炭素原子および1個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C1~2ヘテロアルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、1個の炭素原子および1個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「Cヘテロアルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、2~6個の炭素原子および1~3個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C2~6ヘテロアルキル」)。別段の指定がない限り、各場合のヘテロアルキル基は、独立して、無置換である(「無置換ヘテロアルキル」か、または1つもしくは複数の置換基により置換されている(「置換ヘテロアルキル」)。ある特定の実施形態では、ヘテロアルキル基は、無置換C1~10アルキルである。ある特定の実施形態では、ヘテロアルキル基は、置換C1~10ヘテロアルキルである。
本明細書で使用する場合、「アルキニル」とは、2~30個の炭素原子、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合および必要に応じて1つまたは複数の二重結合を有する、直鎖または分岐状炭化水素基のラジカル(「C2~30アルキニル」)を指す。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~20個の炭素原子を有する(「C2~20アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~10個の炭素原子を有する(「C2~10アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~9個の炭素原子を有する(「C2~9アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~8個の炭素原子を有する(「C2~8アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~7個の炭素原子を有する(「C2~7アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2~6アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~5個の炭素原子を有する(「C2~5アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~4個の炭素原子を有する(「C2~4アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~3個の炭素原子を有する(「C2~3アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2個の炭素原子を有する(「Cアルキニル」)。1つまたは複数の炭素-炭素三重結合は、内部(2-ブチニル中など)または末端(1-ブチニル中など)に存在することができる。C2~4アルキニル基の例には、非限定的に、エチニル(C)、1-プロピニル(C)、2-プロピニル(C)、1-ブチニル(C)、2-ブチニル(C)などが含まれる。C2~6アルケニル基の例には、前述のC2~4アルキニル基、およびペンチニル(C)、ヘキシニル(C)などが含まれる。アルキニルの追加例には、ヘプチニル(C)、オクチニル(C)などが含まれる。別段の指定がない限り、各場合のアルキニル基は、独立して、無置換である(「無置換アルキニル」)か、または1つもしくは複数の置換基により置換されている(「置換アルキニル」)。ある特定の実施形態では、アルキニル基は、無置換C2~10アルキニルである。ある特定の実施形態では、アルキニル基は、置換C2~10アルキニルである。
本明細書で使用する場合、「ヘテロアルキニル」とは、2~30個の炭素原子、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合、必要に応じて1つまたは複数の二重結合を有する直鎖または分岐状炭化水素基のラジカルであって、親鎖内に含まれる、酸素、窒素および硫黄から独立して選択される1~10個のヘテロ原子をさらに含む、上記のラジカル(「C2~30ヘテロアルキニル」)を指す。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~20個の炭素原子および1~10個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C2~20ヘテロアルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、2~10個の炭素原子および1~10個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C2~10ヘテロアルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~9個の炭素原子および1~6個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C2~9ヘテロアルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~8個の炭素原子および1~5個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C2~8ヘテロアルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~7個の炭素原子、および1~4個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C2~7ヘテロアルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~6個の炭素原子および1~3個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C2~6ヘテロアルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~5個の炭素原子および1~2個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C2~5ヘテロアルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~4個の炭素原子および1~2個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C2~4ヘテロアルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~3個の炭素原子および1~2個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C2~3ヘテロアルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2個の炭素原子および1個のヘテロ原子(これを含む)を有する(「Cヘテロアルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~6個の炭素原子および1~3個のヘテロ原子(これらを含む)を有する(「C2~6ヘテロアルキニル」)。別段の指定がない限り、各場合のヘテロアルキニル基は、独立して、無置換である(「無置換ヘテロアルキニル」)か、または1つもしくは複数の置換基により置換されている(「置換ヘテロアルキニル」)。ある特定の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、無置換C2~10ヘテロアルキニルである。ある特定の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、置換C2~10ヘテロアルキニルである。
一般に、本明細書で使用する場合、接尾語「エン(-ene)」で終わる置換基名は、本明細書で定義されているモノラジカル基からさらなる水素原子を取り除いて誘導されるビラジカルを指す。したがって、例えば、モノラジカルアルキルは、アルキルからさらなる水素原子を除去する、ビラジカルアルキレンである。同様に、アルケニルはアルケニレンである;アルキニルはアルキニレンである;ヘテロアルキルはヘテロアルキレンである;ヘテロアルケニルはヘテロアルケニレンである;ヘテロアルキニルはヘテロアルキニレンである;カルボシクリルはカルボシクリレンである;ヘテロシクリルはヘテロシクリレンである;アリールはアリーレンである;およびヘテロアリールはヘテロアリーレンである。
したがって、本明細書で使用する場合、「アルキレン」は、二価アルキル基を指す。
同様に、本明細書で使用する場合、「アルケニレン」とは、二価アルケニル基を指す。
本明細書で使用する場合、「カルボシクリル」または「炭素環式」とは、非芳香族環系に、3~10個の環炭素原子(「C3~10カルボシクリル」)および0個のヘテロ原子を有する、非芳香族環式炭化水素基のラジカルを指す。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、3~8個の環炭素原子を有する(「C3~8カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~6カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~6カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、5~10個の環炭素原子を有する(「C5~10カルボシクリル」)。例示的なC3~6カルボシクリル基には、非限定的に、シクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)などが含まれる。例示的なC3~8カルボシクリル基には、非限定的に、前述のC3~6カルボシクリル基、およびシクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)などが含まれる。例示的なC3~10カルボシクリル基には、非限定的に、前述のC3~8カルボシクリル基、およびシクロノニル(C)、シクロノネニル(C)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ-1H-インデニル(C)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)などが含まれる。上述の例が例示する通り、ある特定の実施形態では、カルボシクリル基は、単環式(「単環式カルボシクリル」)、または多環式(例えば、二環式系(「二環式カルボシクリル」)または三環式系(「三環式カルボシクリル」)などの、縮合環系、架橋環系またはスピロ環系を含有する)のいずれかであり、飽和とすることができるか、あるいは1つもしくは複数の炭素-炭素二重結合または三重結合を含有することができる。「カルボシクリル」とは、上で定義したカルボシクリル環が、1つまたは複数のアリール基またはヘテロアリール基と縮合している環系であって、結合点が、カルボシクリル環上に存在し、このような場合、炭素の数が、炭素環式環系中の炭素原子の数を指定し続ける環系をやはり含む。別段の指定がない限り、各場合のカルボシクリル基は、独立して、無置換である(「無置換カルボシクリル」)か、または1つもしくは複数の置換基により置換されている(「置換カルボシクリル」)。ある特定の実施形態では、カルボシクリル基は、無置換C3~10カルボシクリルである。ある特定の実施形態では、カルボシクリル基は、置換C3~10カルボシクリルである。
一部の実施形態では、「カルボシクリル」は、3~10個の環炭素原子を有する、単環式飽和カルボシクリル基である(「C3~10シクロアルキル」。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、3~8個の環炭素原子を有する(「C3~8シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~6シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、5~6個の環炭素原子を有する(「C5~6シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、5~10個の環炭素原子を有する(「C5~10シクロアルキル」)。C5~6シクロアルキル基の例には、シクロペンチル(C)およびシクロヘキシル(C)が含まれる。C3~6シクロアルキル基の例には、前述のC5~6シクロアルキル基、ならびにシクロプロピル(C)およびシクロブチル(C)が含まれる。C3~8シクロアルキル基の例には、前述のC3~6シクロアルキル基、ならびにシクロヘプチル(C)およびシクロオクチル(C)が含まれる。別段の指定がない限り、各場合のシクロアルキル基は、独立して、無置換である(「無置換シクロアルキル」)か、または1つもしくは複数の置換基により置換されている(「置換シクロアルキル」)。ある特定の実施形態では、シクロアルキル基は、無置換C3~10シクロアルキルである。ある特定の実施形態では、シクロアルキル基は、置換C3~10シクロアルキルである。
一部の実施形態では、シクロアルキル環は、その環構造中に約3~10個の炭素原子、および代替として、その環構造中に約5個、6個または7個の炭素を有しており、この場合、このような環は、単環式、二環式または多環式であることに留意されたい。一部の実施形態では、アルキル基は、低級アルキル基であってもよく、この場合、低級アルキル基は、1~4個の炭素原子(例えば、直鎖低級アルキルの場合、C~Cである)を含む。
本明細書で使用する場合、「ヘテロシクリル」、「複素環式」、「ヘテロシクリル」、「複素環式ラジカル」および「複素環式環」は、互換的に使用され、飽和または部分不飽和であり、かつ1個または複数のヘテロ原子環原子を有する、単環式、二環式または多環式環部分(例えば、3~30員)を指す。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、ホウ素、窒素、酸素、ケイ素、硫黄またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、ケイ素、硫黄またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素または硫黄である。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、飽和または部分不飽和のいずれかである、安定な5~7員の単環式複素環式部分または7~10員の二環式複素環式部分であって、炭素原子に加えて、1個または複数の、好ましくは1~4個の上で定義したヘテロ原子を有する、上記の複素環式部分である。複素環の環原子を参照して使用する時、用語「窒素」は、置換されている窒素を含む。一例として、酸素、硫黄または窒素から選択される0~3個のヘテロ原子を有する、飽和または部分不飽和な環では、窒素は、N(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリルにおけるような)、NH(ピロリジニルにおけるような)またはNR(N-置換ピロリジニルにおけるような)であってもよい。複素環式環は、安定な構造をもたらす、任意のヘテロ原子または炭素原子において、そのペンダント基に結合することができ、これらの環原子のいずれも、必要に応じて置換され得る。このような飽和または部分不飽和な複素環式ラジカルの例には、非限定的に、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニルおよびキヌクリジニルが含まれる。用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環式基」、「複素環式部分」および「複素環式ラジカル」は、本明細書において互換的に使用され、ヘテロシクリル環が、インドリニル、3H-インドリル、クロマニル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロキノリニルなどの、1つもしくは複数のアリール、ヘテロアリールまたは脂環式環に縮合しており、ラジカルまたは結合点が、複素脂肪族環上に存在する基も含む。ヘテロシクリル基は、単環式であってもよく、二環式であってもよく、または多環式であってもよい。用語「ヘテロシクリルアルキル」とは、ヘテロシクリルによって置換されているアルキル基を指し、アルキル部分およびヘテロシクリル部分は、独立して、必要に応じて置換されている。
別段の指定がない限り、各場合のヘテロシクリルは、独立して、無置換である(「無置換ヘテロシクリル」)か、または1つもしくは複数の置換基により置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。ある特定の実施形態では、ヘテロシクリル基は、3~14員の無置換ヘテロシクリルである。ある特定の実施形態では、ヘテロシクリル基は、3~14員の置換ヘテロシクリルである。
一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~10員の非芳香族環系であり、ヘテロ原子はそれぞれ、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「5~10員のヘテロシクリル」)。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~8員の非芳香族環系であり、ヘテロ原子はそれぞれ、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「5~8員のヘテロシクリル」)。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~6員の非芳香族環系であり、ヘテロ原子はそれぞれ、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「5~6員のヘテロシクリル」)。一部の実施形態では、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される、1~3個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される、1~2個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
1個のヘテロ原子を含有する例示的な3員のヘテロシクリル基には、非限定的に、アジルジニル(azirdinyl)、オキシラニルおよびチオレニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な4員のヘテロシクリル基には、非限定的に、アゼチジニル、オキセタニルおよびチエタニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基には、非限定的に、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリルおよびピロリル-2,5-ジオンが含まれる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基には、非限定的に、ジオキソラニル、オキサチオラニルおよびジチオラニルが含まれる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基には、非限定的に、トリアゾリニル、オキサジアゾリニルおよびチアジアゾリニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基には、非限定的に、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニルおよびチアニルが含まれる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基には、非限定的に、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニルおよびジオキサニルが含まれる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基には、非限定的に、トリアジナニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員のヘテロシクリル基には、非限定的に、アゼパニル、オキセパニルおよびチエパニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な8員のヘテロシクリル基には、非限定的に、アゾカニル、オキセカニルおよびチオカニルが含まれる。例示的な二環式ヘテロシクリル基には、非限定的に、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、オクタヒドロクロメニル、オクタヒドロイソクロメニル、デカヒドロナフチリジニル、デカヒドロ-1,8-ナフチリジニル、オクタヒドロピロロ[3,2-b]ピロール、インドリニル、フタルイミジル、ナフタルイミジル、クロマニル、クロメニル、1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピニル、1,4,5,7-テトラヒドロピラノ[3,4-b]ピロリル、5,6-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-b]ピロリル、6,7-ジヒドロ-5H-フロ[3,2-b]ピラニル、5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラニル、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジニル、2,3-ジヒドロフロ[2,3-b]ピリジニル、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジニル、4,5,6,7-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジニル、4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-b]ピリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジニルなどが含まれる。
本明細書で使用する場合、単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」、「アリールオキシアルキル」などのような、より大きな部分の一部として使用されている用語「アリール」は、合計が5~30の環員を有する単環式、二環式または多環式環系であって、これらの系中の少なくとも1つの環が芳香族である、上記の環系を指す。一部の実施形態では、アリール基は、合計で5~14の環員を有する、単環式、二環式または多環式環系であって、これらの系中の少なくとも1つの環が芳香族であり、この系における各環が、3~7の環員を含有する、上記の環系である。一部の実施形態では、アリール基は、ビアリール基である。用語「アリール」は、用語「アリール環」と互換的に使用することができる。本開示のある特定の実施形態では、「アリール」とは、以下に限定されないが、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ビナフチル、アントラシルなどを含む、芳香族環系を指す。一部の実施形態では、アリール環の各環の0個、1個、2個、3個または4個の原子が、置換基によって置換されている。一部の実施形態では、芳香族環系において与えられているヘテロ原子は0個である(例えば、「C6~14アリール」)。
一部の実施形態では、アリール基は、6個の環炭素原子(「Cアリール」;例えば、フェニル)を有する。一部の実施形態では、アリール基は、10個の環炭素原子(「C10アリール」;例えば、1-ナフチルおよび2-ナフチルなどのナフチル)を有する。一部の実施形態では、アリール基は、14個の環炭素原子(「C14アリール」;例えば、アントラシル)を有する。「アリール」は、上で定義したアリール環が、1つまたは複数のカルボシクリル基またはヘテロシクリル基と縮合している環系であって、ラジカルまたは結合点が、アリール環上に存在し、このような場合、炭素原子の数が、アリール環系中の炭素原子の数を指定し続ける環系をやはり含む。別段の指定がない限り、各場合のアリール基は、独立して、無置換である(「無置換アリール」)か、または1つもしくは複数の置換基により置換されている(「置換アリール」)。ある特定の実施形態では、アリール基は、無置換C6~14アリール基である。ある特定の実施形態では、アリール基は、置換C6~14アリール基である。一部の実施形態では、同様に、用語「アリール」の範囲には、本明細書において使用されている通り、芳香族環が、インダニル、フタルイミジル、ナフトイミジル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロナフチルなどの、1つまたは複数の非芳香族環に縮合している基であって、ラジカルまたは結合点が、アリール環上に存在する、上記の基も含まれる。
「アラルキル」は、「アルキル」のサブセットであり、本明細書で定義されているアリール基により置換されている、本明細書で定義されているアルキル基であって、結合点がアルキル部分に存在する、アルキル基を指す。用語「アリールアルコキシ」とは、アリールにより置換されているアルコキシを指す。
単独で、またはより大きな部分の一部として使用される、用語「ヘテロアリール」および「ヘテロアロ-(heteroar-)」、例えば、「ヘテロアラルキル」または「複素アラルコキシ」とは、例えば、合計で、5~30、例えば、5、6、9、10、14などの環員を有する、単環式、二環式または多環式環系であって、この系中の少なくとも1つの環が芳香族であり、少なくとも1つの芳香族環原子がヘテロ原子である、上記の環系を指す。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素または硫黄である。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、5~10個の環原子を有する基(すなわち、単環式、二環式または多環式)、一部の実施形態では、5個、6個、9個または10個の環原子を有する基である。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、環式アレイ中に6個、10個または14個のπの電子を共有して有し、かつ炭素原子に加えて、1~5個のヘテロ原子を有する。ヘテロアリール基には、非限定的に、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニルおよびプテリジニルが含まれる。一部の実施形態では、ヘテロアリールは、ビピリジルなどの複素ビアリール基である。用語「ヘテロアリール」および「ヘテロアロ-」はまた、本明細書で使用する場合、複素芳香族環が、1つもしくは複数のアリール環、脂環式環またはヘテロシクリル環に縮合している基であって、ラジカルまたは結合点が、複素芳香族環上に存在する、上記の基を含む。非限定例には、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H-キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルおよびピリド[2,3-b]-1,4-オキサジン-3(4H)-オンが含まれる。ヘテロアリール基は、単環式であってもよく、二環式であってもよく、または多環式であってもよい。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」または「複素芳香族」と互換的に使用することができ、これらの用語のいずれも、必要に応じて置換されている環を含む。用語「ヘテロアラルキル」と、ヘテロアリール基によって置換されているアルキル基であって、アルキル部分およびヘテロアリール部分が、独立して、必要に応じて置換されている、アルキル基を指す。
一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、環炭素原子、および芳香族環系中に提供されている1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~10員の芳香族環系であって、ヘテロ原子がそれぞれ、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される、芳香族環系(「5~10員のヘテロアリール」)である。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、環炭素原子、および芳香族環系中に提供されている1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~8員の芳香族環系であって、ヘテロ原子がそれぞれ、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される、芳香族環系(「5~8員のヘテロアリール」)である。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、環炭素原子、および芳香族環系中に提供されている1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~6員の芳香族環系であって、ヘテロ原子がそれぞれ、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される、芳香族環系(「5~6員のヘテロアリール」)である。一部の実施形態では、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される、1~3個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される、1~2個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。別段の指定がない限り、各場合のヘテロアリール基は、独立して、無置換である(「無置換ヘテロアリール」)か、または1つもしくは複数の置換基により置換されている(「置換ヘテロアリール」)。ある特定の実施形態では、ヘテロアリール基は、5~14員の無置換ヘテロアリールである。ある特定の実施形態では、ヘテロアリール基は、5~14員の置換ヘテロアリールである。
1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基には、非限定的に、ピロリル、フラニルおよびチオフェニルが含まれる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基には、非限定的に、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリルおよびイソチアゾリルが含まれる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基には、非限定的に、トリアゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルが含まれる。4個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基には、非限定的に、テトラゾリルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基には、非限定的に、ピリジニルが含まれる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基には、非限定的に、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニルが含まれる。3個または4個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基には、非限定的に、それぞれ、トリアジニルおよびテトラジニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員のヘテロアリール基には、非限定的に、アゼピニル、オキセピニルおよびチエピニルが含まれる。例示的な5,6-二環式ヘテロアリール基には、非限定的に、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジニルおよびプリニルが含まれる。例示的な6,6-二環式ヘテロアリール基には、非限定的に、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニルおよびキナゾリニルが含まれる。例示的な三環式ヘテロアリール基には、非限定的に、フェナントリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルおよびフェナジニルが含まれる。
用語「ヘテロアルキル」は、当分野におけるその普通の意味が与えられており、1個または複数の炭素原子が、ヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リンなど)によって置き換えられているアルキル基、またはヘテロアリール基によって置換されているアルキル基であって、結合点がアルキル部分上に存在する、アルキル基を指す。ヘテロアルキル基の例には、以下に限定されないが、アルコキシ、ポリ(エチレングリコール)-、アルキル置換アミノ、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、モルホリニルなどが含まれる。
用語「ヘテロ原子」は、炭素ではなく、水素でもない原子を意味する。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素またはケイ素(窒素、硫黄、リンまたはケイ素の任意の酸化形態を含む;任意の塩基性窒素または複素環式環の置換可能な窒素の四級化形態(例えば、N(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリルにおけるような)、NH(ピロリジニルにおけるような)またはNR(N-置換ピロリジニルにおけるような)など)である。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、ホウ素、窒素、酸素、ケイ素、硫黄またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、ケイ素、硫黄またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素または硫黄である。
本明細書で使用する場合、用語「部分不飽和な」とは、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む、基を指す。用語「部分不飽和な」は、複数の不飽和部位を有する環を包含することが意図されているが、本明細書において定義されている芳香族基(例えば、アリール部分またはヘテロアリール部分)を含むことは意図されていない。
本明細書で使用する場合、用語「飽和の」とは、二重結合または三重結合を含有しない基、すなわちすべて単結合を含む基を指す。
本明細書で定義されている、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基は、必要に応じて置換されている(例えば、「置換」もしくは「無置換」アルキル、「置換」もしくは「無置換」アルケニル、「置換」もしくは「無置換」アルキニル、「置換」もしくは「無置換」カルボシクリル、「置換」もしくは「無置換」ヘテロシクリル、「置換」もしくは「無置換」アリール、または「置換」もしくは「無置換」ヘテロアリール基)。一般に、用語「置換されている」は、用語「必要に応じて」が前に付くか否かに関わらず、基(例えば、炭素原子または窒素原子)に存在する少なくとも1個の水素が、許容される置換基、例えば、置換されると、安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離または他の反応などによって変換を自発的に受けない化合物をもたらす、置換基により置き換えられていることを意味する。特に示さない限り、「置換されている」基は、その基の1つまたは複数の置換可能な位置に置換基を有しており、任意の所与の構造中に1つより多い位置が置換されている場合、この置換基は、各位置において、同一であるか、または異なるかのどちらか一方となる。用語「置換されている」は、有機化合物の許容されるすべての置換基による置換、すなわち安定な化合物の形成をもたらす本明細書に記載されている置換基のいずれをも含むことが企図されている。本開示は、安定な化合物に到達するため、ありとあらゆるこのような組合せを企図する。本開示の目的のため、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満足し、かつ安定な部分の形成をもたらす、本明細書に記載されている水素置換基および/または任意の好適な置換基を有していてもよい。
例示的な炭素原子置換基には、以下に限定されないが、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-ORaa、-ON(Rbb、-N(Rbb、-N(Rbb 、-N(ORcc)Rbb、-SH、-SRaa、-SSRcc、-C(=O)Raa、-COH、-CHO、-C(ORcc、-COaa、-OC(=O)Raa、-OCOaa、-C(=O)N(Rbb、-OC(=O)N(Rbb、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCOaa、-NRbbC(=O)N(Rbb、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb、-OC(=NRbb)N(Rbb、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb、-C(=O)NRbbSOaa、-NRbbSOaa、-SON(Rbb、-SOaa、-SOORaa、-OSOaa、-S(=O)Raa、-OS(=O)Raa、-Si(Raa、-OSi(Raa-C(=S)N(Rbb、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa、-SC(=S)SRaa、-SC(=O)SRaa、-OC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaa、-SC(=O)Raa、-P(=O)aa、-OP(=O)aa、-P(=O)(Raa、-OP(=O)(Raa、-OP(=O)(ORcc、-P(=O)N(Rbb、-OP(=O)N(Rbb、-P(=O)(NRbb、-OP(=O)(NRbb、-NRbbP(=O)(ORcc、-NRbbP(=O)(NRbb、-P(Rcc、-P(Rcc、-OP(Rcc、-OP(Rcc、-B(Raa、-B(ORcc、-BRaa(ORcc)、C1~10アルキル、C1~10パーハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~14カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員のヘテロアリールが含まれ、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールはそれぞれ、0、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのRdd基により独立して、置換されている、
または炭素原子上の2個のジェミナルな水素が、基=O、=S、=NN(Rbb、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)aa、=NRbbまたは=NORccにより置き換えられており、
各場合のRaaは、C1~10アルキル、C1~10パーハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員のヘテロアリールから独立して選択されるか、または2つのRaa基は一緒になって、3~14員のヘテロシクリル環または5~14員のヘテロアリール環を形成し、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールはそれぞれ、0、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのRdd基により独立して、置換されており、
各場合のRbbは、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)aa、-P(=O)(Raa、-P(=O)N(Rcc、-P(=O)(NRcc、C1~10アルキル、C1~10パーハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員のヘテロアリールから独立して選択されるか、または2つのRbb基は一緒になって、3~14員のヘテロシクリルまたは5~14員のヘテロアリール環を形成し、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールはそれぞれ、0、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのRdd基により独立して、置換されており、
各場合のRccは、水素、C1~10アルキル、C1~10パーハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員のヘテロアリールから独立して選択されるか、または2つのRcc基は、一緒になって、3~14員のヘテロシクリルまたは5~14員のヘテロアリール環を形成し、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールはそれぞれ、0、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのRdd基により独立して、置換されており、
各場合のRddは、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-ORee、-ON(Rff、-N(Rff、-N(Rff 、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-COH、-COee、-OC(=O)Ree、-OCOee、-C(=O)N(Rff、-OC(=O)N(Rff、-NRffC(=O)Ree、-NRffCOee、-NRffC(=O)N(Rff、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff、-OC(=NRff)N(Rff、-NRffC(=NRff)N(Rff、-NRffSOee、-SON(Rff、-SOee、-SOORee、-OSOee、-S(=O)Ree、-Si(Ree、-OSi(Ree、-C(=S)N(Rff、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)ee、-P(=O)(Ree、-OP(=O)(Ree、-OP(=O)(ORee、C1~6アルキル、C1~6パーハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~10員のヘテロシクリル、C6~10アリール、5~10員のヘテロアリールから独立して選択され、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールはそれぞれ、独立して、0、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのRgg基により置換されているか、または2つのジェミナルなRdd置換基は一緒になって、=Oまたは=Sを形成することができ、
各場合のReeは、C1~6アルキル、C1~6パーハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、C6~10アリール、3~10員のヘテロシクリルおよび3~10員のヘテロアリールから独立して選択され、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールはそれぞれ、0、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのRgg基により独立して、置換されており、
各場合のRffは、水素、C1~6アルキル、C1~6パーハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~10員のヘテロシクリル、C6~10アリールおよび5~10員のヘテロアリールから独立して選択されるか、または2つのRffは一緒になって、3~14員のヘテロシクリルまたは5~14員のヘテロアリール環を形成し、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールはそれぞれ、0、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのRgg基により独立して、置換されており、
各場合のRggは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-OC1~6アルキル、-ON(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル) 、-NH(C1~6アルキル) 、-NH(C1~6アルキル)、-NH 、-N(OC1~6アルキル)(C1~6アルキル)、-N(OH)(C1~6アルキル)、-NH(OH)、-SH、-SC1~6アルキル、-SS(C1~6アルキル)、-C(=O)(C1~6アルキル)、-COH、-CO(C1~6アルキル)、-OC(=O)(C1~6アルキル)、-OCO(C1~6アルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)N(C1~6アルキル)、-OC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)C(=O)(C1~6アルキル)、-NHCO(C1~6アルキル)、-NHC(=O)N(C1~6アルキル)、-NHC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)NH、-C(=NH)O(C1~6アルキル)、-OC(=NH)(C1~6アルキル)、-OC(=NH)OC1~6アルキル、-C(=NH)N(C1~6アルキル)、-C(=NH)NH(C1~6アルキル)、-C(=NH)NH、-OC(=NH)N(C1~6アルキル)、-OC(NH)NH(C1~6アルキル)、-OC(NH)NH、-NHC(NH)N(C1~6アルキル)、-NHC(=NH)NH、-NHSO(C1~6アルキル)、-SON(C1~6アルキル)、-SONH(C1~6アルキル)、-SONH、-SO1~6アルキル、-SOOC1~6アルキル、-OSO1~6アルキル、-SOC1~6アルキル、-Si(C1~6アルキル)、-OSi(C1~6アルキル)、-C(=S)N(C1~6アルキル)、C(=S)NH(C1~6アルキル)、C(=S)NH、-C(=O)S(C1~6アルキル)、-C(=S)SC1~6アルキル、-SC(=S)SC1~6アルキル、-P(=O)(C1~6アルキル)、-P(=O)(C1~6アルキル)、-OP(=O)(C1~6アルキル)、-OP(=O)(OC1~6アルキル)、C1~6アルキル、C1~6パーハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、C6~10アリール、3~10員のヘテロシクリル、5~10員のヘテロアリールであるか、または2つのジェミナルなRgg置換基は一緒になって、=Oまたは=Sを形成することができ、Xは対イオンである。
本明細書で使用する場合、用語「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」とは、-OH基を指す。用語「置換ヒドロキシル」または「置換ヒドロキシル」とは、さらに述べると、親分子に直接、結合している酸素原子が水素以外の基により置換されている、ヒドロキシル基を指し、-ORaa、-ON(Rbb、-OC(=O)SRaa、-OC(=O)Raa、-OCOaa、-OC(=O)N(Rbb、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)N(Rbb、-OS(=O)Raa、-OSOaa、-OSi(Raa3、-OP(Rcc、-OP(Rcc、-OP(=O)aa、-OP(=O)(Raa、-OP(=O)(ORcc、-OP(=O)N(Rbbおよび-OP(=O)(NRbbから選択される基を含み、Raa、RbbおよびRccは、本明細書で定義されている通りである。
本明細書で使用する場合、用語「チオール」または「チオ」は、-SH基を指す。用語「置換チオール」または「置換チオ」とは、さらに述べると、親分子に直接、結合している硫黄原子が水素以外の基により置換されているチオール基を指し、-SRaa、-S=SRcc、-SC(=S)SRaa、-SC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaaおよび-SC(=O)Raaから選択される基を含み、RaaおよびRccは、本明細書で定義されている通りである。
本明細書で使用する場合、用語「アミノ」は、基-NHを指す。用語「置換アミノ」は、さらに述べると、本明細書で定義されている、一置換アミノ、二置換アミノまたは三置換アミノを指す。
本明細書で使用する場合、用語「一置換アミノ」とは、親分子に直接、結合している窒素原子が、1個の水素、および水素以外の1つの基により置換されているアミノ基を指し、-NH(Rbb)、-NHC(=O)Raa、-NHCOaa、-NHC(=O)N(Rbb、-NHC(=NRbb)N(Rbb、-NHSOaa、-NHP(=O)(ORccおよび-NHP(=O)(NRbbから選択される基を含み、Raa、RbbおよびRccは、本明細書で定義されている通りであり、基-NH(Rbb)のRbbは、水素ではない。
本明細書で使用する場合、用語「二置換アミノ」とは、親分子に直接、結合している窒素原子が、水素以外の2つの基により置換されているアミノ基を指し、-N(Rbb、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCOaa、-NRbbC(=O)N(Rbb、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb、-NRbbSOaa、-NRbbP(=O)(ORccおよび-NRbbP(=O)(NRbbから選択される基を含み、Raa、RbbおよびRccは、本明細書で定義されている通りであり、ただし、親分子に直接、結合している窒素原子は、水素によって置換されていないことを条件とする。
本明細書で使用する場合、用語「三置換アミノ」または「四級アミノ塩」または「四級塩」とは、窒素が陽イオン性となるよう、4つの基に共有結合により結合している窒素原子を指し、この陽イオン性窒素原子は、例えば、式-N(Rbb および-N(Rbbの基などの陰イオン性対イオンによりさらに錯体を形成しており、RbbおよびXは、本明細書で定義されている通りである。
本明細書で使用する場合、「対イオン」または「陰イオン性対イオン」は、電気的中性を維持するため、陽イオン性四級アミノ基に結合している、負に荷電した基である。例示的な対イオンには、ハロゲン化物イオン(例えば、F、Cl、Br、I)、NO 、ClO 、OH、HPO 、HSO 、スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、10-カンファースルホン酸イオン、ナフタレン-2-スルホン酸イオン、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホン酸イオン、エタン-1-スルホン酸-2-スルホン酸イオンなど)、およびカルボン酸イオン(例えば、酢酸イオン、エタン酸イオン、プロパン酸イオン、安息香酸イオン、グリセリン酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、グリコール酸イオンなど)が含まれる。
本明細書で使用する場合、用語「スルホニル」とは、-SON(Rbb、-SOaaおよび-SOORaaから選択される基を指し、RaaおよびRbbは、本明細書に定義されている通りである。
本明細書で使用する場合、用語「スルフィニル」とは、基-S(=O)Raaを指し、Raaは、本明細書で定義されている通りである。
本明細書で使用する場合、用語「アシル」とは、親分子に直接、結合している炭素が、sp混成しており、酸素、窒素または硫黄原子により置換されている、基を指す。したがって、一部の実施形態では、アシル基は、二重結合した酸素原子およびアルキル基を含有し、一般式-C(=O)-アルキルを有する(アルキルは、例えば、無置換または置換アルキルとすることができる(例えば、アセチルなどのC1~10アルキル))。アシル基の非限定例には、ケトン(-C(=OR)C)などの-C(=O)-アルキル、カルボン酸(-COH)、アルデヒド(-CHO)、エステル(COCなどの-CO-アルキル、チオエステル(-C(=O)S-アルキル、-C(=S)S-アルキル)、アミド、チオアミドおよびイミンが含まれる。
本明細書で使用する場合、用語「アジド」とは、式:-Nの基を指す。
本明細書で使用する場合、用語「シアノ」とは、式:-CNの基を指す。
本明細書で使用する場合、用語「イソシアノ」とは、式:-NCの基を指す。
本明細書で使用する場合、用語「ニトロ」とは、式:-NOの基を指す。
本明細書で使用する場合、用語「ハロ」または「ハロゲン」とは、フッ素(フルオロ、-F)、塩素(クロロ、-Cl)、臭素(ブロモ、-Br)またはヨウ素(ヨード、-I)を指す。
本明細書で使用する場合、用語「オキソ」とは、式:=Oの基を指す。
本明細書で使用する場合、用語「チオオキソ」とは、式:=Sの基を指す。
本明細書で使用する場合、用語「イミノ」とは、式:=N(R)の基を指す。
本明細書で使用する場合、用語「シリル」とは、基-Si(Raaを指し、Raaは、本明細書で定義されている通りである。
窒素原子は、原子価が許容する場合、置換されることができるか、または無置換とすることができ、一級、二級、三級および四級窒素原子を含む。例示的な窒素原子置換基には、以下に限定されないが、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)aa、-P(=O)(Raa、-P(=O)N(Rcc、-P(=O)(NRcc、C1~10アルキル、C1~10パーハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員のヘテロアリールが含まれるか、または窒素原子に結合している2つのRcc基は一緒になって、3~14員のヘテロシクリルまたは5~14員のヘテロアリール環を形成し、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールはそれぞれ、0、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのRdd基により独立して、置換されており、Raa、Rbb、RccおよびRddは、上で定義されている通りである。
ある特定の実施形態では、窒素原子上に存在する置換基は、アミノ保護基(本明細書において、「窒素保護基」とも称される)である。アミノ保護基には、以下に限定されないが、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa、-C(=NRcc)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、C1~10アルキル(例えば、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員のヘテロアリール基が含まれ、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリールおよびヘテロアリールはそれぞれ、0、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのRdd基により独立して、置換されており、Raa、Rbb、RccおよびRddは、本明細書で定義されている通りである。アミノ保護基は、当分野で周知であり、参照により本明細書に組み込まれている、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを含む。
例えば、アミド基(例えば、-C(=O)Raa)などのアミノ保護基には、以下に限定されないが、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3-フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3-ピリジルカルボキサミド、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p-フェニルベンズアミド、o-ニトロフェニルアセトアミド(nitophenylacetamide)、o-ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’-ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3-(p-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3-(o-ニトロフェニル)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4-クロロブタンアミド、3-メチル-3-ニトロブタンアミド、o-ニトロシンナミド、N-アセチルメチオニン誘導体、o-ニトロベンズアミドおよびo-(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドが含まれる。
カルバメート基(例えば、-C(=O)ORaa)などのアミノ保護基には、以下に限定されないが、メチルカルバメート、エチルカルバメート(carbamante)、9-フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9-(2-スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9-(2,7-ジブロモ)フルオレニルメチル(fluoroenylmethyl)カルバメート、2,7-ジ-t-ブチル-[9-(10,10-ジオキソ-10,10,10,10-テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD-Tmoc)、4-メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2-トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2-トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2-フェニルエチルカルバメート(hZ)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1-ジメチル-2-ハロエチルカルバメート、1,1-ジメチル-2,2-ジブロモエチルカルバメート(DB-t-BOC)、1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1-メチル-1-(4-ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1-(3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-1-メチルエチルカルバメート(t-Bumeoc)、2-(2’-および4’-ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2-(N,N-ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t-ブチルカルバメート(BOC)、1-アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1-イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4-ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8-キノリルカルバメート、N-ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p-メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p-ニトロベンジル(nitobenzyl)カルバメート、p-ブロモベンジルカルバメート、p-クロロベンジルカルバメート、2,4-ジクロロベンジルカルバメート、4-メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9-アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2-メチルチオエチルカルバメート、2-メチルスルホニルエチルカルバメート、2-(p-トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2-(1,3-ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4-メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4-ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2-ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2-トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1-ジメチル-2-シアノエチルカルバメート、m-クロロ-p-アシルオキシベンジルカルバメート、p-(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5-ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバメート、2-(トリフルオロメチル)-6-クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m-ニトロフェニルカルバメート、3,5-ジメトキシベンジルカルバメート、o-ニトロベンジルカルバメート、3,4-ジメトキシ-6-ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o-ニトロフェニル)メチルカルバメート、t-アミルカルバメート、S-ベンジルチオカルバメート、p-シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p-デシルオキシベンジルカルバメート、2,2-ジメトキシアシルビニルカルバメート、o-(N,N-ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1-ジメチル-3-(N,N-ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1-ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2-ピリジル)メチルカルバメート、2-フラニルメチルカルバメート、2-ヨードエチルカルバメート、イソボルニルカルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p-(p’-メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1-メチルシクロブチルカルバメート、1-メチルシクロヘキシルカルバメート、1-メチル-1-シクロプロピルメチルカルバメート、1-メチル-1-(3,5-ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1-メチル-1-(p-フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1-メチル-1-フェニルエチルカルバメート、1-メチル-1-(4-ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p-(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6-トリ-t-ブチルフェニルカルバメート、4-(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメートおよび2,4,6-トリメチルベンジルカルバメートが含まれる。
スルホンアミド基(例えば、-S(=O)aa)などのアミノ保護基には、以下に限定されないが、p-トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,-トリメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6-トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6-ジメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6-テトラメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6-ジメトキシ-4-メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β-トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9-アントラセンスルホンアミド、4-(4’,8’-ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミドおよびフェナシルスルホンアミドが含まれる。
他のアミノ保護基には、以下に限定されないが、フェノチアジニル-(10)-アシル誘導体、N’-p-トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’-フェニルアミノチオアシル誘導体、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N-アセチルメチオニン誘導体、4,5-ジフェニル-3-オキサゾリン-2-オン、N-フタルイミド、N-ジチアスクシンイミド(Dts)、N-2,3-ジフェニルマレイミド、N-2,5-ジメチルピロール、N-1,1,4,4-テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5-置換1,3-ジメチル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、5-置換1,3-ジベンジル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、1-置換3,5-ジニトロ-4-ピリドン、N-メチルアミン、N-アリルアミン、N-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N-3-アセトキシプロピルアミン、N-(1-イソプロピル-4-ニトロ-2-オキソ-3-ピロオリン(pyroolin)-3-イル)アミン、四級アンモニウム塩、N-ベンジルアミン、N-ジ(4-メトキシフェニル)メチルアミン、N-5-ジベンゾスベリルアミン、N-トリフェニルメチルアミン(Tr)、N-[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N-9-フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N-2,7-ジクロロ-9-フルオレニルメチレンアミン、N-フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N-2-ピコリルアミノN’-オキシド、N-1,1-ジメチルチオメチレンアミン、N-ベンジリデンアミン、N-p-メトキシベンジリデンアミン、N-ジフェニルメチレンアミン、N-[(2-ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N-(N’,N’-ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’-イソプロピリデンジアミン、N-p-ニトロベンジリデンアミン、N-サリチリデンアミン、N-5-クロロサリチリデンアミン、N-(5-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N-シクロヘキシリデンアミン、N-(5,5-ジメチル-3-オキソ-1-シクロヘキセニル)アミン、N-ボラン誘導体、N-ジフェニルボリン酸誘導体、N-[フェニル(ペンタアシルクロムまたはタングステン)アシル]アミン、N-銅キレート、N-亜鉛キレート、N-ニトロアミン、N-ニトロソアミン、アミンN-オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミデート、ジベンジルホスホロアミデート、ジフェニルホスホロアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o-ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4-ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2-ニトロ-4-メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミドおよび3-ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)が含まれる。
ある特定の実施形態では、酸素原子上に存在する置換基は、ヒドロキシル保護基(本明細書において「酸素保護基」とも称される)である。ヒドロキシル保護基には、以下に限定されないが、-Raa、-N(Rbb、-C(=O)SRaa、-C(=O)Raa、-COaa、-C(=O)N(Rbb、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb、-S(=O)Raa、-SOaa、-Si(Raa3、-P(Rcc、-P(Rcc、-P(=O)aa、-P(=O)(Raa、-P(=O)(ORcc、-P(=O)N(Rbbおよび-P(=O)(NRbbが含まれ、Raa、RbbおよびRccは、本明細書で定義されている通りである。ヒドロキシル保護基は、当分野で周知であり、参照により本明細書に組み込まれている、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを含む。
例示的な酸素保護基には、以下に限定されないが、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t-ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p-メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4-メトキシフェノキシ)メチル(p-AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t-ブトキシメチル、4-ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2-メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2-トリクロロエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3-ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1-メトキシシクロヘキシル、4-メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S-ジオキシド、1-[(2-クロロ-4-メチル)フェニル]-4-メトキシピペリジン-4-イル(CTMP)、1,4-ジオキサン-2-イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロ-7,8,8-トリメチル-4,7-メタノベンゾフラン-2-イル、1-エトキシエチル、1-(2-クロロエトキシ)エチル、1-メチル-1-メトキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-トリメチルシリルエチル、2-(フェニルセレニル)エチル、t-ブチル、アリル、p-クロロフェニル、p-メトキシフェニル、2,4-ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、o-ニトロベンジル、p-ニトロベンジル、p-ハロベンジル、2,6-ジクロロベンジル、p-シアノベンジル、p-フェニルベンジル、2-ピコリル、4-ピコリル、3-メチル-2-ピコリルN-オキシド、ジフェニルメチル、p,p’-ジニトロベンズヒドリル、5-ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α-ナフチルジフェニルメチル、p-メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p-メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p-メトキシフェニル)メチル、4-(4’-ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4”-トリス(4,5-ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”-トリス(レブリノイルオキソフェニル)メチル、4,4’,4”-トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3-(イミダゾール-1-イル)ビス(4’,4”-ジメトキシフェニル)メチル、1,1-ビス(4-メトキシフェニル)-1’-ピレニルメチル、9-アントリル、9-(9-フェニル)キサンテニル、9-(9-フェニル-10-オキソ)アントリル、1,3-ベンゾジチオラン-2-イル、ベンゾイソチアゾリルS,S-ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルヘキシルシリル(dimethylthexylsilyl)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ-p-キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t-ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、フォーメート、ベンゾイルフォーメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p-クロロフェノキシアセテート、3-フェニルプロピオネート、4-オキソペンタノエート(レブリネート)、4,4-(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロエート、アダマントエート、クロトネート、4-メトキシクロトネート、ベンゾエート、p-フェニルベンゾエート、2,4,6-トリメチルベンゾエート(メシトエート)、メチルカーボネート、9-フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、エチルカーボネート、2,2,2-トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2-(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2-(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2-(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、イソブチルカーボネート、ビニルカーボネート、アリルカーボネート、t-ブチルカーボネート(BOC)、p-ニトロフェニルカーボネート、ベンジルカーボネート、p-メトキシベンジルカーボネート、3,4-ジメトキシベンジルカーボネート、o-ニトロベンジルカーボネート、p-ニトロベンジルカーボネート、S-ベンジルチオカーボネート、4-エトキシ-1-ナフチルカーボネート、メチルジチオカーボネート、2-ヨードベンゾエート、4-アジドブチレート、4-ニトロ-4-メチルペンタノエート、o-(ジブロモメチル)ベンゾエート、2-ホルミルベンゼンスルホネート、2-(メチルチオメトキシ)エチル、4-(メチルチオメトキシ)ブチレート、2-(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2,6-ジクロロ-4-メチルフェノキシアセテート、2,6-ジクロロ-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4-ビス(1,1-ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシネート(monosuccinoate)、(E)-2-メチル-2-ブテノエート、o-(メトキシアシル)ベンゾエート、α-ナフトエート、硝酸エステル、アルキルN,N,N’,N’-テトラメチルホスホロジアミデート、アルキルN-フェニルカルバメート、ホウ酸エステル、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4-ジニトロフェニルスルフェネート、硫酸エステル、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネートおよびトシレート(Ts)が含まれる。
「チオール保護基」は、当分野で周知であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを含む。保護されているチオール基の例には、以下に限定されないが、チオエステル、カーボネート、スルホネートアリルチオエーテル、チオエーテル、シリルチオエーテル、アルキルチオエーテル、アリールアルキルチオエーテルおよびアルキルオキシアルキルチオエーテルがさらに含まれる。エステル基の例には、フォーメート、アセテート、プロピオネート、ペンタノエート、クロトネートおよびベンゾエートが含まれる。エステル基の具体例には、フォーメート、ベンゾイルフォーメート、クロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、p-クロロフェノキシアセテート、3-フェニルプロピオネート、4-オキソペンタノエート、4,4-(エチレンジチオ)ペンタノエート、ピバロエート(トリメチルアセテート)、クロトネート、4-メトキシ-クロトネート、ベンゾエート、p-ベニルベンゾエート(benylbenzoate)、2,4,6-トリメチルベンゾエートが含まれる。カーボネートの例には、9-フルオレニルメチル、エチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリメチルシリル)エチル、2-(フェニルスルホニル)エチル、ビニル、アリルおよびp-ニトロベンジルカーボネートが含まれる。シリル基の例には、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、トリイソプロピルシリルエーテルおよび他のトリアルキルシリルエーテルが含まれる。アルキル基の例には、メチル、ベンジル、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、トリチル、t-ブチルおよびアリルエーテルまたはそれらの誘導体が含まれる。アリールアルキル基の例には、ベンジルエーテル、p-メトキシベンジル(MPM)エーテル、3,4-ジメトキシベンジルエーテル、O-ニトロベンジルエーテル、p-ニトロベンジルエーテル、p-ハロベンジルエーテル、2,6-ジクロロベンジルエーテル、p-シアノベンジルエーテル、2-および4-ピコリルエーテルが含まれる。
用語「アミノ酸」は、「アミノ酸残基」および「アミノ酸残基アナログ」と互換的に使用され、アミノ基およびカルボキシル基の両方を含有する分子を指す。アミノ酸には、アルファ-アミノ酸およびベータ-アミノ酸が含まれ、これらの構造は、以下に図示されている。ある特定の実施形態では、アミノ酸は、アルファ-アミノ酸である。ある特定の実施形態では、アミノ酸は、非天然アミノ酸である。ある特定の実施形態では、アミノ酸は、天然アミノ酸である。ある特定の実施形態では、アミノ酸は、非天然アミノ酸である。
Figure 2023518413000003
例示的なアミノ酸には、非限定的に、ペプチド中に見出される20種の共通した天然アルファアミノ酸のD-異性体およびL-異性体などの天然アルファ-アミノ酸、非天然アルファ-アミノ酸、天然ベータ-アミノ酸(例えば、ベータ-アラニン)および非天然ベータ-アミノ酸が含まれる。本開示のペプチドの構築に使用されるアミノ酸は、有機合成によって調製されてもよく、または例えば、天然源の分解または天然源からの単離などの他の経路によって得てもよい。アミノ酸は、市販されていることがあり、または合成されてもよい。
ある特定の実施形態では、各場合のアミノ酸(または、アミノ酸残基アナログ)は、独立して、表Aに提示されている天然のL-アミノ酸、または表B、C、Dおよび/もしくはEに提示されている非天然アミノ酸である。
Figure 2023518413000004
Figure 2023518413000005
Figure 2023518413000006
Figure 2023518413000007
Figure 2023518413000008
Figure 2023518413000009
一部の実施形態では、アミノ酸残基は、例えば、オレフィンメタセシスにより、ステープリングするのに好適である。
Figure 2023518413000010
Figure 2023518413000011
Figure 2023518413000012
Figure 2023518413000013
多数の公知の非天然アミノ酸が存在し、そのいずれも、本開示のペプチドに含まれてもよい。例えば、S. Hunt, The Non-Protein Amino Acids: In Chemistry and Biochemistry of the Amino Acids, edited by G. C. Barrett, Chapman and Hall, 1985を参照されたい。非天然アミノ酸の一部の追加例は、4-ヒドロキシプロリン、デスモシン、ガンマ-アミノ酪酸、ベータ-シアノアラニン、ノルバリン、4-(E)-ブテニル-4(R)-メチル-N-メチル-L-トレオニン、N-メチル-L-ロイシン、1-アミノ-シクロプロパンカルボン酸、1-アミノ-2-フェニル-シクロプロパンカルボン酸、1-アミノ-シクロブタンカルボン酸、4-アミノ-シクロペンテンカルボン酸、3-アミノ-シクロヘキサンカルボン酸、4-ピペリジル酢酸、4-アミノ-1-メチルピロール-2-カルボン酸、2,4-ジアミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、2-アミノヘプタン二酸、4-(アミノメチル)安息香酸、4-アミノ安息香酸、オルト-、メタ-およびパラ-置換フェニルアラニン(例えば、-C(=O)C;-CF;-CN;-ハロ;-NO;-CHにより置換されている)、二置換フェニルアラニン、置換チロシン(例えば、-C(=O)C;-CF;-CN;-ハロ;-NO;-CHによりさらに置換されている)およびスタチンである。さらに、本開示に使用するアミノ酸は誘導体化されて、ヒドロキシル化されている、リン酸化されている、スルホン酸化されている、アシル化されている、アルキル化されている、ファルネシル化されている、ゲラニル化されている(geryanylated)および/またはグリコシル化されている、アミノ酸残基を含むことができる。
「ペプチド」または「ポリペプチド」は、ペプチド(アミド)結合によって一緒に連結されたアミノ酸残基のポリマーを含む。この用語は、本明細書で使用する場合、任意のサイズ、構造または機能のタンパク質、ポリペプチドおよびペプチドを指す。この用語は、本明細書で使用する場合、ステープルポリペプチド、非ステープルポリペプチド、ステッチングポリペプチドおよび非ステッチングポリペプチドを含む。通常、ペプチドまたはポリペプチドは、長さが少なくとも3つのアミノ酸になろう。ペプチドまたはポリペプチドは、個々のタンパク質、またはタンパク質の集合体を指すことがある。ペプチドまたはポリペプチド中のアミノ酸の1つまたは複数は、例えば、炭水化物基、ヒドロキシル基、ホスフェート基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、コンジュゲート用のリンカー、官能基化または他の修飾などの化学実体を付加することによって修飾されていてもよい。ペプチドまたはポリペプチドはやはり、単一分子であってよく、またはタンパク質などの多分子複合体であってもよい。ペプチドまたはポリペプチドは、単に天然タンパク質またはペプチドの断片であってもよい。ペプチドまたはポリペプチドは、天然、組換えもしくは合成物、またはそれらの任意の組合せとすることができる。
一部の実施形態では、ポリペプチドは、天然に生じるアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、ポリペプチドは、天然に生じないアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、ポリペプチドは、ヒトの手の操作により設計されている、および/または生成されている点で操作されているアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、ポリペプチドは、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、もしくはそれらの両方を含むことができる、またはこれらからなることができる。一部の実施形態では、ポリペプチドは、天然アミノ酸だけもしくは非天然アミノ酸だけを含んでもよく、または天然アミノ酸だけからもしくは非天然アミノ酸だけからなってもよい。一部の実施形態では、ポリペプチドは、D-アミノ酸、L-アミノ酸またはそれらの両方を含んでもよい。一部の実施形態では、ポリペプチドは、D-アミノ酸しか含まないことがある。一部の実施形態では、ポリペプチドは、L-アミノ酸しか含まないことがある。一部の実施形態では、ポリペプチドは、1つもしくは複数のペンダント基、または他の修飾、例えば、ポリペプチドのN末端、ポリペプチドのC末端、またはそれらの任意の組合せにおける、1つもしくは複数のアミノ酸側鎖の修飾またはこれらへの結合を含んでもよい。一部の実施形態では、このようなペンダント基または修飾は、アセチル化、アミド化、脂質化、メチル化、ペグ化など(これらの組合せを含む)からなる群から選択されてもよい。一部の実施形態では、ポリペプチドは、環式であってもよく、および/または環式部分を含んでもよい。一部の実施形態では、ポリペプチドは、環式ではなく、および/または環式部分を含まない。一部の実施形態では、ポリペプチドは線状である。一部の実施形態では、ポリペプチドは、ステープルポリペプチドであってもよく、またはこれを含んでもよい。一部の実施形態では、用語「ポリペプチド」は、参照ポリペプチドの名称、活性または構造に付け加えられることがある。このような場合、それは、本明細書では、関連活性または構造を共有するペプチドを指すよう使用され、したがって、ポリペプチドの同じクラスのメンバー、またはポリペプチドのファミリーと見なされ得る。このようなクラスの各々に関して、本明細書は、そのアミノ酸配列および/または機能が公知である、クラス内の例示的なポリペプチドを提供する、および/または当業者は、このようなポリペプチドを認識している。一部の実施形態では、このような例示的なポリペプチドは、ポリペプチドクラスまたはファミリーに対する参照ポリペプチドである。一部の実施形態では、ポリペプチドクラスまたはファミリーのメンバーは、このクラスの参照ポリペプチド(一部の実施形態では、このクラスの範囲内のポリペプチドのすべて)とかなりの配列相同性もしくは同一性を示す、上記の参照ポリマーと共通の配列モチーフ(例えば、特徴的な配列要素)を共有する、および/または(一部の実施形態では、同等のレベルで、または指定された範囲内で)、上記の参照ポリマーと共通の活性を共有する。例えば、一部の実施形態では、メンバーポリペプチドは、少なくとも約30~40%となる、および多くの場合、約50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%を超えるまたはそれより高い総合的な程度の、参照ポリペプチドとの配列相同性または同一性を示す、および/あるいは多くの場合、90%を超える、または95%、96%、97%、98%または99%にもなる、非常に高い配列同一性を示す、少なくとも1つの領域(例えば、一部の実施形態では、特徴的な配列要素となり得る、またはこれを含み得る保存領域)を含む。このような保存領域は、通常、少なくとも3~4つ、および多くの場合、最大で20またはそれより多いアミノ酸を包含する。一部の実施形態では、保存領域は、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15またはそれより多い、連続したアミノ酸からなる少なくとも1つの長さ(stretch)を包含する。一部の実施形態では、関連ポリペプチドは、親ポリペプチドの断片を含むことがあるか、またはこれからなることがある。一部の実施形態では、有用なポリペプチドは、複数の断片を含むか、または複数の断片からなることができ、その各々は、目的のポリペプチドに見出されるものとは互いに異なる空間配置で同じ親ポリペプチドに見られ(例えば、親に直接連結している断片は、目的のポリペプチド中では空間的に分離されている、またはその逆となることがあり、および/または断片は、目的のポリペプチド中では、親中とは異なる順序で存在することがある)、したがって、目的のポリペプチドは、その親ポリペプチドの誘導体である。
ある特定の実施形態の詳細な説明
一部の実施形態では、本開示は、P-Iの構造:
-N(Ra1)CH(Ra2)-C(O)-
(P-I)
を有するアミノ酸残基、またはその塩形態を含むペプチドを提供する(式中、
a1およびRa2は、介在原子と一緒になって、環Aを形成し、
環Aは、Ra1が結合している窒素に加え、0~3個のヘテロ原子を有する、置換されている、3~10員の飽和または部分不飽和な環であり、環の少なくとも1つの置換基は、-K-Ra3または-K-であり、Kは、必要に応じて、リンカーSを介して、第2のアミノ酸残基の側鎖炭素または主鎖炭素に連結しており、
Kはそれぞれ、独立して、共有結合、または必要に応じて置換されているC1~20脂肪族、または1~6個のヘテロ原子を有する複素脂肪族鎖であり、1つまたは複数のメチレン単位は、必要に応じておよび独立して、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)O-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-C(O)S-または-C(O)O-により置き換えられており、
a3はそれぞれ、独立して、-CH=CHおよび-C≡CHから選択される、必要に応じて置換されている基であり、
-Cy-はそれぞれ、独立して、C3~20脂環式環、C6~20アリール環、5~20員のヘテロアリール環(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)および3~20員のヘテロシクリル環(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)から選択される、必要に応じて置換されている二価の基であり、
は、-Sp1-Sp2-Sp3-であり、Sp1は、Kに結合しており、Sp3は、第2のアミノ酸残基の側鎖炭素または主鎖炭素に結合しており、
p1、Sp2およびSp3はそれぞれ、独立して、Sであり、
はそれぞれ、独立して、結合、置換もしくは無置換C1~10アルカン、置換もしくは無置換C1~10アルキレンまたは必要に応じて置換されている二価のC~C20脂肪族基であり、脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位は、必要に応じておよび独立して、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)O-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-C(O)S-または-C(O)O-により置き換えられており、
R’はそれぞれ、独立して、-R、-C(O)R、-CORまたは-SORであり、
Rはそれぞれ、独立して、-H、またはC1~30脂肪族、C1~30複素脂肪族(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)、C6~30アリール、C6~30アリール脂肪族、C6~30アリール複素脂肪族(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)、5~30員のヘテロアリール(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)および3~30員のヘテロシクリル(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)から選択される、必要に応じて置換されている基である、または
2つのR基は、必要に応じておよび独立して一緒になって、共有結合を形成する、または:
同一原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、その原子と一緒になって、この原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する、または
2個もしくはそれより多い原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、それらの介在原子と一緒になって、この介在原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する)。
一部の実施形態では、本開示の構造中のヘテロ原子はそれぞれ、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される。一部の実施形態では、環Aは、単環式である。一部の実施形態では、環Aは、飽和である。一部の実施形態では、環Aは、部分不飽和である。一部の実施形態では、-K-は、Ra2が結合している-CH-に結合している(Hが置き換わっている)。一部の実施形態では、Ra3は、-CH=CHおよび-C≡CHである。一部の実施形態では、Ra3は、必要に応じて置換されている-CH=CHである。一部の実施形態では、Ra3は、-CH=CHである。一部の実施形態では、Ra3は、必要に応じて置換されている-C≡CHである。一部の実施形態では、Ra3は、-C≡CHである。一部の実施形態では、Kは、必要に応じて置換されている二価のC1~10脂肪族(alphatic)である。一部の実施形態では、Kは、必要に応じて置換されている二価のC1~10アルキレンである。一部の実施形態では、Kは、二価の線状C1~10脂肪族である。一部の実施形態では、Kは、二価の線状C1~10アルキレンである。一部の実施形態では、Kは、1~4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている二価のC1~10ヘテロ脂肪族(heteroalphatic)である。一部の実施形態では、Kは、1~4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている二価のC1~10ヘテロアルキレンである。一部の実施形態では、Kは、1~4個のヘテロ原子を有する、二価の線状C1~10ヘテロ脂肪族である。一部の実施形態では、Kは、1~4個のヘテロ原子を有する、二価の線状C1~10ヘテロアルキレンである。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、式P-IIの構造:
-C(O)-N(Ra1)CH(Ra2)-C(O)-
(P-II)
を有する残基、またはその塩形態を含み、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、式P-IIIの構造:
-N(Ra1)CH(Ra2)-C(O)-
(P-III)
を有する残基、またはその塩形態を含む(式中、Rは、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;またはリンカーによって必要に応じて連結されている標識であり、リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;および置換もしくは無置換ヘテロアリーレンから、またはこれらの1つもしくは複数の組合せから選択される基であるか;またはRは、ペプチド部分であるか、もしくはこれを含み、可変基は互いに、独立して、本明細書に記載されている通りである)。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているアシルである。一部の実施形態では、Rは、R-C(O)-である。一部の実施形態では、Rはアセチルである。一部の実施形態では、アミノ酸は、R-N(Ra1)CH(Ra2)-C(O)OHの構造またはその塩を有する。一部の実施形態では、Rは、ペプチド部分であるか、またはこれを含む。一部の実施形態では、Ra3は、あるペプチドの別の二重結合または三重結合とメタセシス生成物の連結部、例えば、-CH=CH-を形成してステープル部を形成する。一部の実施形態では、環Aは、-K-Ra3により置換されている(例えば、ある特定の非ステープルペプチド、アミノ酸中など)。一部の実施形態では、環Aは、K、-K-により置換されており、Kは、必要に応じて、リンカーSを介して、第2のアミノ酸残基の側鎖炭素または主鎖炭素に連結している。
本開示における様々な提供される化合物は、Rを有してもよい。一部の実施形態では、Rは、Hである。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているアシルである。一部の実施形態では、Rは、好適なアミノ保護基である。一部の実施形態では、Rは、Fmocである。一部の実施形態では、Rは、t-Bocである。上記の通り、ある特定の実施形態では、Rは、R-C(O)-である。一部の実施形態では、Rはアセチルである。
一部の実施形態では、式P-Iの残基は、
Figure 2023518413000014
の構造、またはその塩形態を有しており、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。
一部の実施形態では、本開示は、アミノ酸残基Bを含むペプチドを提供する(式中、
は、BまたはB’であり、
Bは、
Figure 2023518413000015
またはその塩形態であり、
B’は、
Figure 2023518413000016
またはその塩形態であり、
vは、1または2であり、
Kは、共有結合、または二価の脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の複素脂肪族基、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択される置換もしくは無置換の二価の基であり、Bは、B’であり、Kは、必要に応じて、リンカーSを介して、第2のアミノ酸残基の側鎖炭素または主鎖炭素に連結しており、
は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;またはリンカーによって必要に応じて連結されている標識であり、リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;および置換もしくは無置換ヘテロアリーレンから、またはこれらの1つもしくは複数の組合せから選択される基であり、
各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
yは、0、1、2または3であり、
各場合の
Figure 2023518413000017
は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表し、
は、-Sp1-Sp2-Sp3-であり、Sp1は、Kに結合しており、Sp3は、第2のアミノ酸残基の側鎖炭素または主鎖炭素に結合しており、
p1、Sp2およびSp3はそれぞれ、独立して、Sであり、
はそれぞれ、独立して、結合、置換もしくは無置換C1~10アルカン、置換もしくは無置換C1~10アルキレンまたは必要に応じて置換されている二価のC~C20脂肪族基であり、脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位は、必要に応じておよび独立して、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)O-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-C(O)S-または-C(O)O-により置き換えられており、
-Cy-はそれぞれ、独立して、C3~20脂環式環、C6~20アリール環、5~20員のヘテロアリール環(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)および3~20員のヘテロシクリル環(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)から選択される、必要に応じて置換されている二価の基であり、
R’はそれぞれ、独立して、-R、-C(O)R、-CORまたは-SORであり、
Rはそれぞれ、独立して、-H、またはC1~30脂肪族、C1~30複素脂肪族(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)、C6~30アリール、C6~30アリール脂肪族、C6~30アリール複素脂肪族(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)、5~30員のヘテロアリール(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)および3~30員のヘテロシクリル(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)から選択される、必要に応じて置換されている基である、または
2つのR基は、必要に応じておよび独立して一緒になって、共有結合を形成する、または:
同一原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、その原子と一緒になって、この原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する、または、
2個もしくはそれより多い原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、それらの介在原子と一緒になって、この介在原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する)。
一部の実施形態では、本開示は、アミノ酸残基Bを含むペプチドを提供し、Rは、ペプチド部分であるか、またはこれを含み、可変基は互いに、独立して、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、Rは、R’-[X]d-であり、dは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20である。一部の実施形態では、R’は、R-C(O)-である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。
一部の実施形態では、Bは、本明細書に記載されているBである。一部の実施形態では、Bは、Bであり、提供されるペプチドは、その側鎖が二重結合または三重結合を含む、第2のアミノ酸残基を含む。一部の実施形態では、第2のアミノ酸残基は、二重結合を含む。一部の実施形態では、第2のアミノ酸残基は、末端二重結合を含む。とりわけ、好適な条件下、Bおよび第2のアミノ酸残基は、例えば、メタセシスにより、ステープル部を形成することができる。一部の実施形態では、Bは、本明細書に記載されているB’である。一部の実施形態では、第2のアミノ酸は、本明細書に記載されているJである。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、本明細書に記載されている1つまたは複数のZを含む。Jおよび/または1つもしくは複数のZ残基の好適な位置は、本明細書における配列に記載されているものを含む。一部の実施形態では、第2のアミノ酸残基は、本明細書に記載されているJ’である(Sを含む)。一部の実施形態では、ステープル部は、位置i位と位置i+3における2つの残基の間に存在し、iは、Bの位置である。一部の実施形態では、JまたはJ’は、位置i+3に存在する一方、Bは、位置iに存在する。一部の実施形態では、iは1である。
一部の実施形態では、基、例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、複素脂肪族、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシルなど(例えば、R、R、Ra1、Ra2、Ra3などにおいて列挙されているもの)などの一価の基、または二価の脂肪族基もしくは複素脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンなど(例えば、K、S、Sp1、Sp2、Sp3、Sに列挙されているものなど)などの二価の基は、C1~2、C1~4、C1~6、C1~8、C1~10、C1~15またはC1~20であり、0~10個のヘテロ原子を有しており、さらに必要に応じて置換されている。一部の実施形態では、ヘテロ原子はそれぞれ、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される。
一部の実施形態では、Sは、第2のアミノ酸残基の主鎖炭素(例えば、アルファ-炭素)に結合している。一部の実施形態では、Sは、第2のアミノ酸残基の側鎖(例えば、L)に結合している。一部の実施形態では、Kは、-CH-である。一部の実施形態では、Kは、-CHCH-である。一部の実施形態では、Kは、-CHCHCH-である。一部の実施形態では、Sは、-CH=CH-CH-である。一部の実施形態では、Sは、-CH=CH-CHCH-である。一部の実施形態では、Sは、-CH=CH-CHCHCH-である。一部の実施形態では、Kは、-CH-であり、Sは、-CH=CH-CHCHCH-であり、Sは、第2のアミノ酸残基のアルファ炭素に結合している。一部の実施形態では、Sにおける二重結合は、シスである。一部の実施形態では、Sにおける二重結合は、トランスである。
第1の態様では、本開示はペプチドを提供し、ペプチドは、
B-X-Z-J-X-X-Z-X-X-X10 11-X12-X13(配列番号1)
もしくはその塩であるか、またはこれらを含み、
Bは、
Figure 2023518413000018
またはその塩もしくは立体異性体であり、
vは、1または2であり、
Kは、共有結合、または二価の脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の複素脂肪族基、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択される置換もしくは無置換の二価の基であり、
は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;またはリンカーによって必要に応じて連結されている標識であり、リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;および置換もしくは無置換ヘテロアリーレンから、またはこれらの1つもしくは複数の組合せから選択される基であり、
各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
yは、0、1、2または3であり、
各場合の
Figure 2023518413000019
は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表し、
Jは、
Figure 2023518413000020
またはその塩もしくは立体異性体であり、
各場合のRおよびRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;またはハロであり、
各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
各場合のZは、独立して、必要に応じて置換されているC4~6(例えば、C、CまたはC)脂肪族側鎖を含むアミノ酸残基、またはロイシンアミノ酸残基もしくはそのホモログ(例えば、ロイシンアミノ酸残基、イソロイシンアミノ酸残基、ホモロイシンアミノ酸残基、アロイソロイシンアミノ酸残基、ノルロイシンアミノ酸残基およびtert-ロイシンアミノ酸残基からなる群から選択される残基など)であり、ホモログは、D立体異性体またはL立体異性体とすることができ、
、X、X、X、X、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、独立して、D立体異性体またはL立体異性体であってもよい、アミノ酸残基であり、
、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、必要に応じて存在する。
一部の実施形態では、Xは、Zである。
一部の実施形態では、本開示は、ペプチドを提供し、ペプチドは、
B-X-Z-J-X-X-Z-X-X-X10-X11-X12-X13(配列番号1)、もしくはその塩であるか、またはこれを含む(式中、Rは、ペプチド部分であるか、またはこれを含み、可変基は互いに、独立して、本明細書に記載されている通りである)。一部の実施形態では、Rは、R’-[X]d-である。一部の実施形態では、R’は、R-C(O)-である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。
第1の態様では、本開示はペプチドを提供し、ペプチドは、
B’-X-Z-J’-X-X-Z-X-X-X10-X11-X12-X13、もしくはその塩であるか、またはこれらを含み、
B’は、
Figure 2023518413000021
またはその塩もしくは立体異性体であり、
vは、1または2であり、
Kは、共有結合、または二価の脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の複素脂肪族基、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択される置換もしくは無置換の二価の基であり、
は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;またはリンカーによって必要に応じて連結されている標識であり、リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;および置換もしくは無置換ヘテロアリーレンから、またはこれらの1つもしくは複数の組合せから選択される基であり、
J’は、
Figure 2023518413000022
またはその塩もしくは立体異性体であり、
はそれぞれ、独立して、-Sp1-Sp2-Sp3-であり、Sp1はKに結合しており、
p1、Sp2およびSp3はそれぞれ、独立して、Sであり、
はそれぞれ、独立して、結合、置換もしくは無置換C1~10アルカン、置換もしくは無置換C1~10アルキレンまたは必要に応じて置換されている二価のC~C20脂肪族基であり、脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位は、必要に応じておよび独立して、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)O-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-C(O)S-または-C(O)O-により置き換えられており、
-Cy-はそれぞれ、独立して、C3~20脂環式環、C6~20アリール環、5~20員のヘテロアリール環(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)および3~20員のヘテロシクリル環(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)から選択される、必要に応じて置換されている二価の基であり、
R’はそれぞれ、独立して、-R、-C(O)R、-CORまたは-SORであり、
Rはそれぞれ、独立して、-H、またはC1~30脂肪族、C1~30複素脂肪族(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)、C6~30アリール、C6~30アリール脂肪族、C6~30アリール複素脂肪族(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)、5~30員のヘテロアリール(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)および3~30員のヘテロシクリル(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)から選択される、必要に応じて置換されている基である、または
2つのR基は、必要に応じておよび独立して一緒になって、共有結合を形成する、または:
同一原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、その原子と一緒になって、この原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する、または、
2個もしくはそれより多い原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、それらの介在原子と一緒になって、この介在原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成し、
各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;またはハロであり、
各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
各場合位のZは、独立して、必要に応じて置換されているC4~6(例えば、C、CまたはC)脂肪族側鎖を含むアミノ酸残基、またはロイシンアミノ酸残基もしくはそのホモログ(例えば、ロイシンアミノ酸残基、イソロイシンアミノ酸残基、ホモロイシンアミノ酸残基、アロイソロイシンアミノ酸残基、ノルロイシンアミノ酸残基およびtert-ロイシンアミノ酸残基からなる群から選択される残基など)であり、ホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよく、
、X、X、X、X、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、独立して、D立体異性体またはL立体異性体であってもよい、アミノ酸残基であり、
、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、必要に応じて存在する。
一部の実施形態では、Xは、Zである。
一部の実施形態では、本開示は、ペプチドを提供し、ペプチドは、
B’-X2-Z-J’-X5-X6-Z-X8-X9-X10-X11-X12-X13
もしくはその塩であるか、またはこれを含み、Rは、ペプチド部分であるか、またはこれを含み、可変基は互いに、独立して、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、Rは、R’-[X]d-である。一部の実施形態では、R’は、R-C(O)-である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。
別の態様では、本開示は、ペプチドを提供し、ペプチドは、
B-Z-X-J-X-Z-X-X-X-X10-X11-X12-X13(配列番号2)
もしくはその塩であるか、またはこれを含み、
Bは、
Figure 2023518413000023
またはその塩もしくは立体異性体であり、
vは、1または2であり、
Kは、共有結合、または二価の脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の複素脂肪族基、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択される置換もしくは無置換の二価の基であり、
は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;またはリンカーによって必要に応じて連結されている標識であり、リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;および置換もしくは無置換ヘテロアリーレンから、またはこれらの1つもしくは複数の組合せから選択される基であり、
各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
yは、0、1、2または3であり、
各場合の
Figure 2023518413000024
は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表し、
Jは、
Figure 2023518413000025
またはその塩もしくは立体異性体であり、
各場合のRおよびRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;またはハロであり、
各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
各場合のZは、独立して、必要に応じて置換されているC4~6(例えば、C、CまたはC)脂肪族側鎖を含むアミノ酸残基、またはロイシンアミノ酸残基もしくはそのホモログ(例えば、ロイシンアミノ酸残基、イソロイシンアミノ酸残基、ホモロイシンアミノ酸残基、アロイソロイシンアミノ酸残基、ノルロイシンアミノ酸残基およびtert-ロイシンアミノ酸残基からなる群から選択される残基など)であり、ホモログは、D立体異性体またはL立体異性体とすることができ、
、X、X、X、X、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、独立して、D立体異性体またはL立体異性体であってもよい、アミノ酸残基であり、
、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、必要に応じて存在する。
一部の実施形態では、Xは、Zである。
一部の実施形態では、本開示は、ペプチドを提供し、ペプチドは、
B-Z-X-J-X-Z-X-X-X-X10-X11-X12-X13(配列番号2)
もしくはその塩であるか、またはこれを含み、Rは、ペプチド部分であるか、またはこれを含み、可変基は互いに、独立して、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、Rは、R’-[X]d-である。一部の実施形態では、R’は、R-C(O)-である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。
別の態様では、本開示は、ペプチドを提供し、ペプチドは、
B’-Z-X-J’-X-Z-X-X-X-X10-X11-X12-X13
もしくはその塩であるか、またはこれを含み、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。
一部の実施形態では、本開示は、ペプチドを提供し、ペプチドは、
B’-Z-X-J’-X-Z-X-X-X-X10-X11-X12-X13
もしくはその塩であるか、またはこれを含み、Rは、ペプチド部分であるか、またはこれを含み、可変基は互いに、独立して、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、Rは、R’-[X]d-である。一部の実施形態では、R’は、R-C(O)-である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。
一部の実施形態では、各アミノ酸残基(例えば、X、X、X、X、X、X10、X11、X12およびX13、X、Zなど)は、独立して、天然アミノ酸残基である。一部の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸残基は、独立して、天然アミノ酸残基のホモログである。
様々な実施形態では、Jは、
Figure 2023518413000026
Figure 2023518413000027
またはその塩もしくは立体異性体であり、各場合のqは、独立して、1、2または3であり、
各場合の
Figure 2023518413000028
は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表す。
一部の実施形態では、
Figure 2023518413000029
は、単結合である。一部の実施形態では、
Figure 2023518413000030
は、二重結合である。一部の実施形態では、
Figure 2023518413000031
は、三重結合である。
一部の実施形態では、Rは、-Hである。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。
一部の実施形態では、Jは、S3残基である。一部の実施形態では、Jは、R3残基である。一部の実施形態では、Jは、S4残基である。一部の実施形態では、Jは、R4残基である。一部の実施形態では、Jは、S5残基である。一部の実施形態では、Jは、R5残基である。
一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているアシルである。一部の実施形態では、Rは、-C(O)Rであり、Rは、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~6脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。様々な実施形態では、Rは、置換または無置換アセチルである。一部の実施形態では、Rは、CHC(O)-である。
一部の実施形態では、Bは、本明細書に記載されているBである。一部の実施形態では、Bは、本明細書に記載されているB’である。一部の実施形態では、Bは、
Figure 2023518413000032
であり、nは、1~10であり、Rは、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、Bは、
Figure 2023518413000033
である。一部の実施形態では、Rは、メチルである。一部の実施形態では、Bは、
Figure 2023518413000034
である。一部の実施形態では、Bは、
Figure 2023518413000035
である。一部の実施形態では、B’は、
Figure 2023518413000036
であり、nは、1~10であり、Rは、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、B’は、
Figure 2023518413000037
である。一部の実施形態では、Rは、メチルである。一部の実施形態では、B’は、
Figure 2023518413000038
である。一部の実施形態では、B’は、
Figure 2023518413000039
である。一部の実施形態では、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。一部の実施形態では、nは1である。一部の実施形態では、nは2である。一部の実施形態では、nは3である。一部の実施形態では、nは4である。一部の実施形態では、nは5である。一部の実施形態では、Bは、
Figure 2023518413000040
である。一部の実施形態では、Bは、
Figure 2023518413000041
である。一部の実施形態では、B’は、
Figure 2023518413000042
である。一部の実施形態では、B’は、
Figure 2023518413000043
である。様々な実施形態では、Bは、以下:
Figure 2023518413000044
Figure 2023518413000045
またはその塩もしくは立体異性体からなる群から選択される。一部の実施形態では、
Figure 2023518413000046
は、単結合である。一部の実施形態では、
Figure 2023518413000047
は、二重結合である。一部の実施形態では、
Figure 2023518413000048
は、三重結合である。様々な実施形態では、B’は、以下:
Figure 2023518413000049
またはその塩もしくは立体異性体からなる群から選択される。一部の実施形態では、Kは、必要に応じて置換されているC1~10アルキレンである。一部の実施形態では、Kは、-CH-である。一部の実施形態では、Kは、-CHCH-である。一部の実施形態では、Kは、-CHCHCH-である。一部の実施形態では、Bは、N-アセチル-PL3残基である。
一部の実施形態では、vは1である。一部の実施形態では、vは2である。
一部の実施形態では、Kは、BまたはB’のアルファ-炭素に結合している。一部の実施形態では、Kは、必要に応じて置換されている二価の脂肪族である。一部の実施形態では、Kは、必要に応じて置換されている二価の複素脂肪族である。一部の実施形態では、Kは、必要に応じて置換されているC1~10アルキレンである。一部の実施形態では、Kは、-CH-である。一部の実施形態では、Kは、-CHCH-である。一部の実施形態では、Kは、-CHCHCH-である。一部の実施形態では、Kは、-CHCHCHCH-である。一部の実施形態では、Kは、-CHCHCHCHCH-である。
一部の実施形態では、Rは、-Hである。
一部の実施形態では、J’は、
Figure 2023518413000050
である。一部の実施形態では、J’は、
Figure 2023518413000051
である。
一部の実施形態では、Rは、-Hである。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。
一部の実施形態では、Rは、-Hである。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。
一部の実施形態では、Sは、必要に応じて置換されている-CH=CH-である。一部の実施形態では、Sp1は、-CH=CH-である。一部の実施形態では、Sは、-CH=CH-Sp2-Sp3である。一部の実施形態では、Sは、共有結合である。一部の実施形態では、Sp1は、共有結合である。一部の実施形態では、Sp2は、共有結合である。一部の実施形態では、Sp3は、共有結合である。一部の実施形態では、Sは、必要に応じて置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、Sp2は、必要に応じて置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、Sp3は、必要に応じて置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、必要に応じて置換されているC1~6アルキルは、-CH-である。一部の実施形態では、必要に応じて置換されているC1~6アルキルは、-(CH-である。一部の実施形態では、必要に応じて置換されているC1~6アルキルは、-(CH-である。一部の実施形態では、必要に応じて置換されているC1~6アルキルは、-(CH-である。一部の実施形態では、必要に応じて置換されているC1~6アルキルは、-(CH-である。一部の実施形態では、Sは、-CH=CH-CH-である。一部の実施形態では、Sは、-CH=CH-CHCH-である。一部の実施形態では、Sは、-CH=CH-CHCHCH-である。一部の実施形態では、Kは、-CH-であり、Sは、-CH=CH-CHCHCH-である。一部の実施形態では、-CH=CH-は、シスである。一部の実施形態では、-CH=CH-は、トランスである。
一部の実施形態では、Xは、ロイシンアミノ酸残基、イソロイシンアミノ酸残基、アラニンアミノ酸残基、シクロプロピルアラニンアミノ酸残基、リジンアミノ酸残基およびトレオニンアミノ酸残基から選択されるアミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。一部の実施形態では、Xは、ロイシンアミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。一部の実施形態では、Xは、アラニンアミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。
一部の実施形態では、Xは、ヒスチジンアミノ酸残基、ノルロイシンアミノ酸残基、ロイシンアミノ酸残基およびアルギニンアミノ酸残基から選択される、アミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。一部の実施形態では、Xは、ロイシンアミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。
一部の実施形態では、Xは、アルギニンアミノ酸残基、アスパラギンアミノ酸残基、ロイシンアミノ酸残基、チロシンアミノ酸残基、ノルロイシンアミノ酸残基、シクロプロピルアラニンアミノ酸残基およびヒスチジンアミノ酸残基から選択されるアミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。一部の実施形態では、Xは、アルギニンアミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。一部の実施形態では、Xは、チロシンアミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。
一部の実施形態では、Xは、ロイシンアミノ酸残基、ヒスチジンアミノ酸残基、チロシンアミノ酸残基およびノルロイシンアミノ酸残基から選択されるアミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。一部の実施形態では、Xは、ロイシンアミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。
一部の実施形態では、Xは、ロイシンアミノ酸残基、グルタミンアミノ酸残基、ヒスチジンアミノ酸残基およびアラニンアミノ酸残基から選択されるアミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。一部の実施形態では、Xは、ロイシンアミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。
一部の実施形態では、Xは、グルタミンアミノ酸残基、ロイシンアミノ酸残基、ヒスチジンアミノ酸残基、トレオニンアミノ酸残基、アラニンアミノ酸残基、チロシンアミノ酸残基、アスパラギン酸アミノ酸残基およびアスパラギンアミノ酸残基から選択されるアミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。一部の実施形態では、Xは、グルタミンアミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。一部の実施形態では、Xは、アスパラギン酸アミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。一部の実施形態では、Xは、チロシンアミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。
一部の実施形態では、Xは、チロシンアミノ酸残基、アスパラギン酸アミノ酸残基およびアスパラギンアミノ酸残基から選択されるアミノ酸残基またはそのホモログであり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。一部の実施形態では、Xは、アスパラギン酸アミノ酸残基であり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。一部の実施形態では、Xは、チロシンアミノ酸残基であり、このホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。
一部の実施形態では、本開示は、以下から選択されるペプチドを提供する。
Figure 2023518413000052
Figure 2023518413000053
Figure 2023518413000054
当分野で公知の通り、「親和性」は、特定のリガンド(例えば、薬剤)がそのパートナー(例えば、エストロゲン受容体、またはエストロゲン受容体のリガンド-結合ドメインなどのその一部)に結合する強さの尺度である。一部の実施形態では、親和性は、定量的アッセイによって測定される。一部のこのような実施形態では、結合パートナー濃度は、生理的条件を模倣するよう、リガンド濃度を過剰にして固定してもよい。代替としてまたはさらに、一部の実施形態では、結合パートナー濃度および/またはリガンド濃度を変えてもよい。一部のこのような実施形態では、親和性は、比較可能な条件(例えば、濃度)下での基準値と比較してもよい。
親和性は、様々な方法で測定することができる。一部の実施形態では、親和性は、その標的に対して示されたステープルペプチドの最大半数有効濃度(EC50)として表わされる。一部の実施形態では、EC50は、最大半数応答をもたらす、示されているペプチドの濃度のことである。一部の実施形態では、親和性は、その標的の阻害における、示されているステープルペプチドの最大半数阻害濃度(IC50)として表わされる。一部の実施形態では、IC50は、示されているペプチドの濃度であり、この場合、その標的への結合が半分、減少する。EC50とIC50のどちらの場合も、数値が小さいほど、親和性が高い。一部の実施形態では、1.3uM未満、または1.0uM未満、または0.75uM(750nM)未満、または0.5uM(500nM)未満、または0.25uM(250uM)未満、または0.1uM(100nM)未満、または75nM未満、または50nM未満、または25nM未満、または10nM未満、または5nM未満のIC50を有する、高い親和性が達成される。一部の実施形態では、1.3uM未満、または1.0uM未満、または0.75uM未満(750nM)未満、または0.5uM(500nM)未満、または0.25uM(250uM)未満、または0.1uM(100nM)未満、または75nM、または50nM未満、または25nM未満、または10nM未満、または5nM未満のEC50を有する、高い親和性が達成される。
様々な実施形態では、本明細書に記載されているペプチドは、高い親和性でその標的に結合する。
一部の実施形態では、本ペプチドは、高い親和性でエストロゲン受容体に結合する。一部の実施形態では、ペプチドは、約3.0uM未満の最大半数効果濃度(EC50)でエストロゲン受容体に結合する。一部の実施形態では、ペプチドは、約1.0uM未満のEC50でエストロゲン受容体に結合する。
本明細書に記載されている通り、炭化水素のステープリングシステムにより立体構造が安定化されたN末端プロリンキャップの導入によるヘリックスのN末端アミドプロトンのクローキングにより、細胞膜に浸透することが可能であり(例えば、PAMPAアッセイによって評価される)、かつ標的(例えば、エストロゲン受容体リガンド結合ドメインなどの細胞内標的)に対して高い親和性を有するペプチドがもたらされるという発見に基づくと、ヘリックス形成におけるペプチドのC末端部分を保持するために第2のステープル部を追加すると、ペプチドの細胞膜透過特性および/または親和性のさらなる改善をもたらすことが予想される。
したがって、一部の実施形態では、本明細書に記載されているペプチドは、少なくとも1つの追加のステープル部をさらに含み、この場合、この追加のステープル部は、ペプチドのN末端には存在しない。ペプチドのステープルは、例えば、PCT公開番号WO2014/159969およびWO2019/051327および米国特許第10,487,110号において公知であり、これらに記載されている。
一部の実施形態では、本ペプチドは、2つのステープルに結合されたアミノ酸残基のアナログを含む。
したがって、本明細書に記載されているペプチドの一部の実施形態では、Jは、
Figure 2023518413000055
またはその塩もしくは立体異性体であり、
は、
Figure 2023518413000056
またはその塩もしくは立体異性体であり、
は、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
は、独立して、結合、二価の置換もしくは無置換C1~10脂肪族または複素脂肪族、置換もしくは無置換C1~10アルキレン、-C(O)O-、あるいは-C(=O)OR-であり、
は、独立して、結合、N、必要に応じて置換されているCHまたはC(R)であり、
は、独立して、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
およびRはそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、-NO、-OH、-CNまたはC1~6アルキルであり、
jおよびj1はそれぞれ、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、
各場合の
Figure 2023518413000057
は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表す。
一部の実施形態では、Jは、
Figure 2023518413000058
またはその塩もしくは立体異性体であり、
、X10およびX11はそれぞれ、存在し、
11は、
Figure 2023518413000059
またはその塩もしくは立体異性体であり、
は、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
各場合の
Figure 2023518413000060
は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表し、
は、独立して、結合、二価の置換もしくは無置換C1~10脂肪族または複素脂肪族、置換もしくは無置換C1~10アルキレン、-C(O)O-、あるいは-C(=O)OR-であり、
は、独立して、結合、N、必要に応じて置換されているCHまたはC(R)であり、
は、独立して、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
およびRはそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、-NO、-OH、-CNまたはC1~6アルキルであり、
jおよびj1はそれぞれ、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、
各場合の
Figure 2023518413000061
は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表す。
別の態様では、本開示は、ペプチドを提供し、ペプチドは、
B-X-X-J-X-X-X-O-X-X10-X11-X12-X13
もしくはその塩であるか、またはこれを含み、
Bは、
Figure 2023518413000062
またはその塩もしくは立体異性体であり、
vは、1または2であり、
Kは、共有結合、または二価の脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の複素脂肪族基、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択される置換もしくは無置換の二価の基であり、
は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;またはリンカーによって必要に応じて連結されている標識であり、リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;または置換もしくは無置換ヘテロアリーレンのうちの1つまたは複数の組合せからなる基であり、
各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
yは、0、1、2または3であり、
各場合の
Figure 2023518413000063
は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表し、
Jは、
Figure 2023518413000064
またはその塩もしくは立体異性体であり、
各場合のqは、独立して、1、2または3であり、
各場合の
Figure 2023518413000065
は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表し、
は、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
Oは、以下の式
Figure 2023518413000066
またはその塩もしくは立体異性体であり、
は、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
各場合の
Figure 2023518413000067
は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表し、
は、独立して、結合、二価の置換もしくは無置換C1~10脂肪族または複素脂肪族、置換もしくは無置換C1~10アルキレン、-C(O)O-、あるいは-C(=O)OR-であり、
は、独立して、結合、N、必要に応じて置換されているCHまたはC(R)であり、
は、独立して、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
およびRはそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、-NO、-OH、-CNまたはC1~6アルキルであり、
jおよびj1はそれぞれ、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、
、X、X、X、X、X、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、独立して、D立体異性体またはL立体異性体であってもよい、アミノ酸残基であり、
、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、必要に応じて存在する。
一部の実施形態では、本開示は、ペプチドを提供し、ペプチドは、
B-X-X-J-X-X-X-O-X-X10-X11-X12-X13
もしくはその塩であるか、またはこれを含み、式中、Rは、ペプチド部分であるか、またはこれを含み、可変基は互いに、独立して、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、Rは、R’-[X]d-である。一部の実施形態では、R’は、R-C(O)-である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。
別の態様では、本開示は、ペプチドを提供し、ペプチドは、
B’-X-X-J”-X-X-X-O’-X-X10-X11-X12-X13
またはその塩であるか、またはこれを含み、
J”は、
Figure 2023518413000068
またはその塩もしくは立体異性体であり、
は、-Sp1-Sp2-Sp3-であり、Sp1はKに結合しており、
は、-Ss1-Ss2-Ss3-であり、Ss3は、Lに結合しており、
O’は、以下の式
Figure 2023518413000069
またはその塩もしくは立体異性体であり、
p1、Sp2、Sp3、Ss1、Ss2およびSs3はそれぞれ、独立して、Sであり、
可変基は互いに、独立して、本明細書に記載されている通りである。
一部の実施形態では、本開示は、ペプチドを提供し、ペプチドは、
B’-X-X-J”-X-X-X-O’-X-X10-X11-X12-X13
もしくはその塩であるか、またはこれを含み、Rは、ペプチド部分であるか、またはこれを含み、可変基は互いに、独立して、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、Rは、R’-[X]d-である。一部の実施形態では、R’は、R-C(O)-である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。
別の態様では、本開示は、ペプチドを提供し、ペプチドは、
B-X-X-J-X-X-X-X-X-X10-O-X12-X13-X14
もしくはその塩形態であるか、またはこれを含み、
、X、X、X、X、X、X10、X12、X13、X14はそれぞれ、独立して、D立体異性体またはL立体異性体であってもよい、アミノ酸残基であり、
、X、X10、X12、X13およびX14はそれぞれ、必要に応じて存在する。
一部の実施形態では、本開示は、ペプチドを提供し、ペプチドは、
B-X-X-J-X-X-X-X-X-X10-O-X12-X13-X14
もしくはその塩であるか、またはこれを含み、Rは、ペプチド部分であるか、またはこれを含み、可変基は互いに、独立して、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、Rは、R’-[X]d-である。一部の実施形態では、R’は、R-C(O)-である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。
一部の実施形態では、本開示は、ペプチドを提供し、ペプチドは、
B’-X-X-J”-X-X-X-X-X-X10-O’-X12-X13-X14
もしくはその塩形態であるか、またはこれを含み、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。
一部の実施形態では、本開示は、ペプチドを提供し、ペプチドは、
B’-X-X-J”-X-X-X-X-X-X10-O’-X12-X13-X14
もしくはその塩であるか、またはこれを含み、Rは、ペプチド部分であるか、またはこれを含み、可変基は互いに、独立して、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、Rは、R’-[X]d-である。一部の実施形態では、R’は、R-C(O)-である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~10アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。
一部の実施形態では、Sは、必要に応じて置換されている-CH=CH-である。一部の実施形態では、Ss2は、-CH=CH-である。一部の実施形態では、Sは、-Sp1-CH=CH-Sp3-である。一部の実施形態では、Sは、共有結合である。一部の実施形態では、Ss1は、共有結合である。一部の実施形態では、Ss2は、共有結合である。一部の実施形態では、Ss3は、共有結合である。一部の実施形態では、Sは、必要に応じて置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、Ss1は、必要に応じて置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、Ss3は、必要に応じて置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、必要に応じて置換されているC1~6アルキルは、-CH-である。一部の実施形態では、必要に応じて置換されているC1~6アルキルは、-(CH-である。一部の実施形態では、必要に応じて置換されているC1~6アルキルは、-(CH-である。一部の実施形態では、必要に応じて置換されているC1~6アルキルは、-(CH-である。一部の実施形態では、必要に応じて置換されているC1~6アルキルは、-(CH-である。一部の実施形態では、Sは、-(CH-CH=CH-(CH-であり、mおよびnはそれぞれ、独立して、1~10である。一部の実施形態では、-CH=CH-は、シスである。一部の実施形態では、-CH=CH-は、トランスである。
本明細書に記載されているペプチドの様々な実施形態では、Bは、
Figure 2023518413000070
またはその塩もしくは立体異性体から選択される。
さらに別の態様では、本開示は、以下の構造を有するペプチド:
Figure 2023518413000071
またはその塩もしくは立体異性体を提供し、
B’は、
Figure 2023518413000072
またはその塩もしくは立体異性体であり、
vは、1または2であり、
Kは、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;またはハロであり、
は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;またはリンカーによって必要に応じて連結されている標識であり、リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;または置換もしくは無置換ヘテロアリーレンのうちの1つまたは複数の組合せからなる基であり、
およびRはそれぞれ独立して、R’であり、
は、R’、-OR’または-N(R’)であり、
Xはそれぞれ、独立して、D立体異性体またはL立体異性体であってもよい、アミノ酸残基であり、
a、bおよびcはそれぞれ、独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20であり、
は、炭素原子であり、
は、以下の式:
Figure 2023518413000073
またはその塩もしくは立体異性体であり、
は、独立して、結合、二価の置換もしくは無置換C1~10脂肪族または複素脂肪族、置換もしくは無置換C1~10アルキレン、-C(O)O-、あるいは-C(=O)OR-であり、
は、独立して、結合、N、必要に応じて置換されているCHまたはC(R)であり、
は、独立して、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
およびRはそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、-NO、-OH、-CNまたはC1~6アルキルであり、
jおよびj1はそれぞれ、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、
は、-Sp1-Sp2-Sp3-であり、Sp1は、Kに結合しており、Sp3は、Cに結合しており、
は、-Ss1-Ss2-Ss3-であり、Ss1は、Cに結合しており、Ss3は、Lに結合しており、
p1、Sp2、Sp3、Ss1、Ss2およびSs3はそれぞれ、独立して、Sであり、
はそれぞれ、独立して、結合、置換もしくは無置換C1~10アルカン、置換もしくは無置換C1~10アルキレンまたは必要に応じて置換されている二価のC~C20脂肪族基であり、脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位は、必要に応じておよび独立して、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)O-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-C(O)S-または-C(O)O-により置き換えられており、
-Cy-はそれぞれ、独立して、C3~20脂環式環、C6~20アリール環、5~20員のヘテロアリール環(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)および3~20員のヘテロシクリル環(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)から選択される、必要に応じて置換されている二価の基であり、
R’はそれぞれ、独立して、-R、-C(O)R、-CORまたは-SORであり、
Rはそれぞれ、独立して、-H、またはC1~30脂肪族、C1~30複素脂肪族(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)、C6~30アリール、C6~30アリール脂肪族、C6~30アリール複素脂肪族(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)、5~30員のヘテロアリール(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)および3~30員のヘテロシクリル(酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する)から選択される、必要に応じて置換されている基である、または
2つのR基は、必要に応じておよび独立して一緒になって、共有結合を形成する、または
同一原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、その原子と一緒になって、この原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する、または、
2個もしくはそれより多い原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、それらの介在原子と一緒になって、この介在原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する。
様々な実施形態では、bは6であるか、またはbは3であるか、またはaは2である。一部の実施形態では、aは、2である。一部の実施形態では、bは、3である。一部の実施形態では、bは、6である。一部の実施形態では、aは2であり、bは3である。一部の実施形態では、aは2であり、bは6である。
本明細書に記載されている通り、様々な実施形態では、B’は、
Figure 2023518413000074
またはその塩もしくは立体異性体である。一部の実施形態では、Kは、-CH-である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているアシルである。一部の実施形態では、Rは、-C(O)Rである。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~6脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。
一部の実施形態では、Zは、必要に応じて置換されているC4~6(例えば、C、CまたはC)脂肪族側鎖を含む、アミノ酸残基である。一部の実施形態では、Zは、必要に応じて置換されているC4~6(例えば、C、CまたはC)アルキル側鎖を含む、アミノ酸残基である。一部の実施形態では、Zは、C4~6(例えば、C、CまたはC)アルキル側鎖を含む、アミノ酸残基である。一部の実施形態では、Zは、ロイシンアミノ酸残基またはそのホモログ(例えば、ロイシンアミノ酸残基、イソロイシンアミノ酸残基、ホモロイシンアミノ酸残基、アロイソロイシンアミノ酸残基、ノルロイシンアミノ酸残基およびtert-ロイシンアミノ酸残基からなる群から選択される残基など)であり、ホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい。一部の実施形態では、Zは、ロイシン残基である。
一部の実施形態では、ペプチドは、ヘリックス構造を形成することができる。
一部の実施形態では、ペプチドは、リン脂質注入膜(例えば、PAMPAアッセイにおける膜または細胞膜)を横断することができる。
本開示は、細胞における生物学的経路を改変する方法であって、該細胞を1つまたは複数の本明細書に記載されている様々な非限定的なステープルペプチドまたはその塩により処置するステップを含む、方法をさらに提供する。このような方法は、in vitroまたはin vivoでの方法(例えば、ヒト対象におけるがん細胞などの細胞が、対象に存在してもよい)を含む。このようなペプチドは、例えば、細胞アッセイのための研究手段として有用となることがある。
本開示は、本明細書に記載されている、1つまたは複数のステープルペプチドまたはその塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、治療的使用のための組成物、および化粧用組成物を含む。このような組成物は、1種または複数の追加の治療活性剤を必要に応じて含んでもよい。一部の実施形態によれば、本発明の組成物を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与する方法が提供される。一部の実施形態では、本発明の組成物は、ヒトに投与される。本開示の目的の場合、「活性成分」は、本明細書に記載されている様々なステープルペプチドの1つまたは複数を一般に指す。
本明細書において提供される医薬組成物の説明は、ヒトに投与するための医薬組成物を原理的に対象としているが、このような組成物は、一般に、すべての種類の動物への投与に好適であることが当業者によって理解されよう。様々な動物に投与するための医薬組成物の修正は、十分に理解されており、通常の技量を有する獣医学の薬理学者であれば、もしある場合、単に通常の実験によりこのような修正を設計および/または実施することができる。
本明細書に記載されている医薬組成物は、薬理学の分野において公知の任意の方法、または今後、開発される方法によって調製することができる。一般に、このような予備的な方法は、活性成分を賦形剤および/または1つもしくは複数の他の副成分と一緒にするステップ、次に、必要な場合および/または望ましい場合、生成物を所望の単回用量単位もしくは多回用量単位に成形および/または包装するステップを含む。
本開示の医薬組成物は、単回単位用量として、および/または複数の単回単位用量として、調製されてもよく、包装されてもよく、および/またはバルクで販売されてもよい。本明細書で使用する場合、「単位用量」とは、所定量の活性成分を含む、個別量の医薬組成物のことである。活性成分の量は、対象に投与される活性成分の投与量、および/または例えば、このような投与量の2分の1もしくは3分の1などのこのような投与量の好都合な画分に一般に等しい。
本開示の医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容される賦形剤および/または任意の追加成分の相対量は、処置される対象の識別、サイズおよび/または障害に応じて、およびさらには本組成物が投与される経路に応じて様々になるであろう。例として、本組成物は、0.1%~100%(w/w)の間の活性成分を含むことができる。
本明細書で使用する場合、言い回し「薬学的に許容される」とは、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしに、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに好適な、妥当な医療的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合う、そのような化合物、物質、組成物および/または剤形を指す。
本明細書で使用する場合、薬学的に許容される賦形剤には、特定の所望の剤形に適した、ありとあらゆる溶媒、分散媒体、希釈剤または他の液状ビヒクル、分散助剤または懸濁助剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、防腐剤、固体結合剤、滑沢剤などが含まれる。Remington’s The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, A. R. Gennaro, (Lippincott, Williams & Wilkins, Baltimore, MD, 2006)は、医薬組成物を処方する際に使用される様々な賦形剤、およびそれを調製する公知技法を開示している。任意の望ましくない生物学的作用を生じること、またはそうでない場合、医薬組成物の任意の他の構成成分と有害に相互作用することなどにより、任意の慣用的な担体媒体がある物質またはその誘導体と不適合である場合を除いて、慣用的な担体媒体の使用は、本開示の範囲内にあることが企図される。
一部の実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または100%純粋である。一部の実施形態では、賦形剤は、ヒトにおける使用、および獣医学的使用が承認されている。一部の実施形態では、賦形剤は、米国食品医薬品局によって承認されている。一部の実施形態では、賦形剤は、医薬品グレードである。一部の実施形態では、賦形剤は、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、英国薬局方、および/または国際薬局方の基準を満たす。
用語「薬学的に許容される塩」は、本明細書で使用する場合、医薬品の状況において使用するのに適切なこうした化合物の塩、すなわち、妥当な医療的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく、ヒトおよび下等動物の組織に接触させて使用するのに好適であり、かつ妥当な利益/リスク比に見合う塩を指す。薬学的に許容される塩は、周知である。例えば、S.M.Bergeらが、J. Pharmaceutical Sciences, 66: 1-19 (1977)において、薬学的に許容される塩を詳細に記載している。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、以下に限定されないが、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸を用いて形成される、またはイオン交換などの他の公知の方法を使用することにより形成される、アミノ基の塩である非毒性の酸付加塩を含む。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩には、以下に限定されないが、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩には、以下に限定されないが、提供される化合物の酸性基(例えば、オリゴヌクレオチドのリン酸エステル連結基、オリゴヌクレオチドのホスホロチオ酸エステル連結基など)と塩基とによって形成されるものなどの、非毒性の塩基付加塩が含まれる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの塩が含まれる。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、アンモニウム塩(例えば、-N(R) )である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩には、適切な場合、非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、ならびにハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、1~6個の炭素原子を有するアルキルスルホン酸イオンおよびアリールスルホン酸イオンなどの対イオンを使用して形成されるアミン陽イオンが含まれる。
医薬組成物の製造に使用される薬学的に許容される賦形剤には、以下に限定されないが、不活性希釈剤、分散剤および/または造粒剤、表面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、防腐剤、緩衝化剤、滑沢剤ならびに/または油が含まれる。このような賦形剤は、本発明の製剤に必要に応じて含まれ得る。カカオ脂および坐剤用ワックスなどの賦形剤、着色剤、コーティング剤、甘味剤、着香剤および芳香剤が、処方配合者の判断に従い、本組成物中に存在することができる。
例示的な希釈剤には、以下に限定されないが、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム ラクトース、スクロース、セルロース、マイクロクリスタリンセルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、トウモロコシデンプン、粉末糖およびそれらの組合せが含まれる。
例示的な造粒剤および/または分散剤には、以下に限定されないが、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クレイ、アルギン酸、グアーガム、柑橘パルプ、寒天、ベントナイト、セルロースおよび木材生成物、海綿、陽イオン交換樹脂、炭酸カルシウム、シリケート、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル-ピロリドン)(クロスポビドン)、ナトリウムカルボキシメチルデンプン(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカロメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(デンプン1500)、微結晶デンプン、非水溶性デンプン、カルシウムカルボキシメチルセルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、第四級アンモニウム化合物およびそれらの組合せが含まれる。
例示的な表面活性剤および/または乳化剤には、以下に限定されないが、天然の乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックスおよびレシチン)、コロイド状クレイ(例えば、ベントナイト[ケイ酸アルミニウム]およびVeegum[ケイ酸アルミニウムマグネシウム])、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、一ステアリン酸トリアセチン、二ステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリルおよびモノステアリン酸プロピレングリコール、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマーおよびカルボキシビニルポリマー)、カラゲナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン[Tween(登録商標)20]、ポリオキシエチレンソルビタン[Tween(登録商標)60]、一オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン[Tween(登録商標)80]、モノパルミチン酸ソルビタン[Span(登録商標)40]、一ステアリン酸ソルビタン[Span(登録商標)60]、三ステアリン酸ソルビタン[Span(登録商標)65]、モノオレイン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン[Span(登録商標)80])、ポリオキシエチレンエステル(例えば、一ステアリン酸ポリオキシエチレン[Myrj45]、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシメチレンおよびSolutol)、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、Cremophor)、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル[Brij30])、ポリ(ビニル-ピロリドン)、モノラウリン酸ジエチレングリコール、オレイン酸トリエタノールアミン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic F68、ポロキサマー188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドキュセートナトリウムおよび/またはそれらの組合せが含まれる。
例示的な結合剤には、以下に限定されないが、デンプン(例えば、トウモロコシデンプンおよびデンプンペースト);ゼラチン;糖(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトール);天然ガムおよび合成ガム(例えば、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスの抽出物、パンワーガム(panwar gum)、ガッチガム、イサポール外皮の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マイクロクリスタリンセルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニル-ピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)およびカラマツアラビノガラクタン);アルギネート;ポリエチレンオキシド;ポリエチレングリコール;無機カルシウム塩;ケイ酸;ポリメタクリレート;ワックス;水;アルコール;およびそれらの組合せが含まれる。
例示的な防腐剤は、抗酸化剤、キレート剤、抗微生物防腐剤、抗真菌防腐剤、アルコール防腐剤、酸性防腐剤および他の防腐剤を含むことができる。例示的な抗酸化剤には、以下に限定されないが、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル(acorbyl palmitate)、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムが含まれる。例示的なキレート剤には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸一水和物、エデト酸二ナトリウム、エデト酸二カリウム、エデト酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、エデト酸ナトリウム、酒石酸およびエデト酸三ナトリウムが含まれる。例示的な抗微生物防腐剤には、以下に限定されないが、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコールおよびチメロサールが含まれる。例示的な抗真菌防腐剤には、以下に限定されないが、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウムおよびソルビン酸が含まれる。例示的なアルコール防腐剤には、以下に限定されないが、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール性化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾエートおよびフェニルエチルアルコールが含まれる。例示的な酸性防腐剤には、以下に限定されないが、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータ-カロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸およびフィチン酸が含まれる。他の防腐剤には、以下に限定されないが、トコフェロール、酢酸トコフェロール、デテルオキシムメシレート(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluened)(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall115、Germaben II、ネオロン(Neolone)、KathonおよびEuxylが含まれる。ある特定の実施形態では、防腐剤は、抗酸化剤である。他の実施形態では、防腐剤は、キレート剤である。
例示的な緩衝化剤には、以下に限定されないが、クエン酸緩衝溶液、酢酸緩衝溶液、リン酸緩衝溶液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプチン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D-グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、リン酸水素カルシウム、リン酸、第三リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム(calcium hydroxide phosphate)、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物(potassium mixture)、リン酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱物質不含水、等張性生理食塩水、リンゲル液、エチルアルコールおよびそれらの組合せが含まれる。
例示的な滑沢剤には、以下に限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの組合せが含まれる。
例示的な油には、以下に限定されないが、アーモンド、杏仁、アボカド、ババス、ベルガモット、カシス(black current seed)、ルリヂサ、ケード、カモミール、キャノーラ、キャラウェイ、カルナウバ、ひまし、シナモン、ココアバター、ココナッツ、タラ肝、コーヒー、コーン、綿実、エミュー、ユーカリ、マツヨイグサ、魚、亜麻仁、ゲラニオール、ひょうたん、ブドウの種、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、リセアクベバ、マカデミアナッツ、アオイ科の植物、マンゴーシード、メドウフォームの種子、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、ヤシ、ヤシの実、ピーチ核、ラッカセイ、ケシの実、かぼちゃの種、菜種、米ぬか、ローズマリー、紅花、サンダルウッド、サスカナ、セイボリー、シーバックソーン、ごま、シアバター、シリコーン、大豆、ひまわり、ティーツリー、アザミ、つばき、ベチバー、クルミおよび小麦胚芽の油が含まれる。例示的な油には、以下に限定されないが、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱物油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーンオイルおよびそれらの組合せが含まれる。
経口および非経口投与向けの液状剤形には、以下に限定されないが、薬学的に許容されるエマルション剤、マイクロエマルション剤、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。液状剤形は、活性成分に加えて、例えば、水、またはエチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物などの他の溶媒、可溶化剤および乳化剤などの、当分野において一般に使用される不活性希釈剤を含んでもよい。本経口組成物は、不活性希釈剤の他に、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、着香剤および芳香剤などのアジュバントを含むことができる。非経口投与向けのある特定の実施形態では、本開示のコンジュゲートは、Cremophor、アルコール、油、改変油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマーおよびそれらの組合せなどの可溶化剤と混合される。
分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤を使用して公知技術に準拠し、注射調製物、例えば注射可能な滅菌水性懸濁液剤または油性懸濁液剤が製剤化されてもよい。滅菌注射調製物はまた、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液剤として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の注射用滅菌溶液剤、懸濁液剤またはエマルション剤とすることができる。使用することができる、許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液、U.S.P.および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌不揮発油が、溶媒または懸濁媒体として、慣用的に使用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の不揮発性油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製に使用される。
注射可能な製剤は、使用前に、例えば、細菌保持フィルターにろ過することにより、または滅菌水もしくは他の滅菌注射用媒体中に溶解または分散することができる滅菌固体組成物の形態の殺菌剤を配合することにより滅菌され得る。
薬物の作用を延長するため、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を減速させることが望ましいことが多い。これは、水への溶解度に乏しい、結晶性物質またはアモルファス性物質の液体懸濁液の使用により行うことができる。次に、薬物の吸収速度はその溶解速度に依存し、ひいては結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。代替的に、薬物を油性ビヒクルに溶解するまたは懸濁させることにより、非経口投与される薬物形態の遅延吸収が達成される。
直腸または膣投与向けの組成物は、通常、坐剤であって、本開示のコンジュゲートを、周囲温度において固体であるが、体温において液体であり、したがって直腸または膣腔内で融解して活性成分を放出する、カカオ脂、ポリエチレングリコールまたは坐剤用ワックスなどの非刺激性賦形剤または担体と混合することにより調製することができる坐剤である。
経口投与向けの固形剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が含まれる。このような固形剤形では、活性成分は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1種の不活性な薬学的に許容される賦形剤もしくは担体、ならびに/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸などの充填剤もしくは増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシアなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、バレイショデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のシリケートおよび炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤、f)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例えば、セチルアルコールおよび一ステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイトクレイなどの吸収剤、ならびにi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの滑沢剤、ならびにそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は、緩衝化剤を含んでもよい。
同様のタイプの固体組成物を、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、軟質および硬質ゼラチンカプセル中の充填剤として使用することができる。錠剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形は、医薬調合分野において周知の、腸溶コーティング剤および他のコーティング剤などのコーティング剤およびシェルを用いて調製することができる。それらは、乳白剤を必要に応じて含んでもよく、それらは、腸管のある特定の部分において、必要に応じて遅延させて、活性成分だけをまたは活性成分を優先的に放出する組成物とすることができる。使用することができる組成物を埋め込む例には、ポリマー物質およびワックスが含まれる。同様のタイプの固体組成物を、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、軟質および硬質ゼラチンカプセル中の充填剤として使用することができる。
活性成分(例えば、本明細書に記載されているペプチド)は、上記の1種または複数の賦形剤とのマイクロ封入形態にあることもできる。錠剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形は、医薬調合分野において周知の、腸溶コーティング剤、放出制御コーティング剤および他のコーティング剤などのコーティング剤およびシェルを用いて調製することができる。このような固形剤形では、活性成分は、スクロース、ラクトースまたはデンプンなどの少なくとも1種の不活性希釈剤と混合されてもよい。このような剤形は、通常作業の通り、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムおよびマイクロクリスタリンセルロースなど(such a)の錠剤化用滑沢剤および他の錠剤化助剤を含んでもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は、緩衝化剤を含んでもよい。それらは、乳白剤を必要に応じて含有してもよく、それらは、腸管のある特定の部分において、必要に応じて遅延させて、活性成分だけをまたは活性成分を優先的に放出する組成物とすることができる。使用することができる組成物を埋め込む例には、ポリマー物質およびワックスが含まれる。
本開示のコンジュゲートの局所投与および/または経皮投与向け剤形には、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、溶液剤、噴霧剤、吸入薬またはパッチ剤が含まれ得る。一般に、活性構成成分は、薬学的に許容される担体および/または任意の必要な防腐剤および/または必要となり得る緩衝化剤と滅菌障害(sterile disorder)下で混合される。さらに、本開示は、身体への活性成分の制御送達の実現という追加の利点を多くの場合、有する、経皮パッチ剤の使用を企図する。このような剤形は、例えば、適切な媒体中に活性成分を溶解および/または分注することによって調製することができる。代替としてまたはさらに、速度制御膜を設けること、ならびに/またはポリマーマトリックスおよび/もしくはゲル中に活性成分を分散させることのどちらか一方によって制御することができる。
本明細書に記載されている皮内用医薬組成物を送達する際に使用するのに好適なデバイスは、米国特許第4,886,499号;同第5,190,521号;同第5,328,483号;同第5,527,288号;同第4,270,537号;同第5,015,235号;同第5,141,496号;および同第5,417,662号に記載されているものなどの、短いニードルデバイスを含む。皮内組成物は、PCT公開WO99/34850に記載されているものなどの、ニードルが皮膚に貫通する有効長さを制限するデバイス、およびその機能的等価体によって投与されてもよい。ジェット注射デバイスは、例えば、米国特許第5,480,381号;同第5,599,302号;同第5,334,144号;同第5,993,412号;同第5,649,912号;同第5,569,189号;同第5,704,911号;同第5,383,851号;同第5,893,397号;同第5,466,220号;同第5,339,163号;同第5,312,335号;同第5,503,627号;同第5,064,413号;同第5,520,639号;同第4,596,556号;同第4,790,824号;同第4,941,880号;同第4,940,460号;およびPCT公開WO97/37705およびWO97/13537に記載されている。代替としてまたはさらに、皮内投与の古典的なマントゥー法に慣用的なシリンジを使用してもよい。
局所投与向け製剤には、以下に限定されないが、リニメント剤、ローション剤などの液体および/もしくは半液体調製物、クリーム剤、軟膏剤および/もしくはペースト剤などの水中油型エマルション剤および/または油中水型エマルション剤、ならびに/あるいは溶液剤ならびに/あるいは懸濁剤が含まれる。局所投与可能な製剤は、約1%~約10%(w/w)の活性成分を例えば含むことができるが、活性成分は、溶媒への活性成分の溶解限度と同じ程度に高い濃度であってもよい。局所投与向け製剤は、本明細書に記載されている追加成分の1種または複数をさらに含んでもよい。
本開示の医薬組成物は、口腔による肺投与向け製剤で調製されてもよく、包装されてもよく、および/または販売されてもよい。このような製剤は、活性成分を含む乾燥粒子であって、約0.5~約7ナノメートルまたは約1~約6ナノメートルの範囲の直径を有する、乾燥粒子を含むことができる。このような組成物は、乾燥粉末レザーバーを備えるデバイスであって、この乾燥粉末レザーバーに噴射剤のストリームを向けて粉末を分散させるデバイスを使用して、ならびに/または活性成分を密封コンテイナー内に低沸点噴射剤中に溶解および/もしくは懸濁して含むデバイスなどの自己噴射型溶媒/粉末分注コンテイナーを使用して投与するための乾燥粉末形態にあるのが好都合である。このような散剤は、重量基準で少なくとも98%の粒子が0.5ナノメートルを超える直径を有する、および数基準で少なくとも95%の粒子が7ナノメートル未満の直径を有する、粒子を含む。代替的に、少なくとも重量基準で95%の粒子が1ナノメートルを超える直径を有する、および数基準で少なくとも90%の粒子が6ナノメートル未満の直径を有する。乾燥粉末組成物は、糖などの固体微粉末希釈剤を含んでもよく、単位用量形態で都合よく提供される。
低沸点噴射剤は、大気圧で65°F未満の沸点を有する液体噴射剤を一般に含む。一般に、噴射剤は、本組成物の50~99.9%(w/w)を構成することができ、活性成分は、本組成物の0.1~20%(w/w)を構成することができる。噴射剤は、液状の非イオン性および/もしくは固体の陰イオン性界面活性剤、ならびに/または固体希釈剤(これらは、活性成分を含む粒子と同じ程度の粒子サイズを有することができる)などの、追加成分をさらに含んでもよい。
肺送達のために製剤化される本開示の医薬組成物は、溶液および/または懸濁液の液滴の形態で、活性成分を供給することができる。このような製剤は、活性成分を含む、水性および/もしくは希釈アルコール溶液ならびに/または懸濁液(必要に応じて、滅菌状態にある)として、調製されてもよく、包装されてもよく、および/または販売されてもよく、任意の噴霧デバイスおよび/または微粒子化デバイスを使用して都合よく投与することができる。このような製剤は、以下に限定されないが、サッカリンナトリウムなどの着香剤、揮発油、緩衝化剤、表面活性剤および/またはメチルヒドロキシベンゾエートなどの防腐剤を含めた、1種または複数の追加成分をさらに含んでもよい。この投与経路によって供給される液滴は、約0.1~約200ナノメートルの範囲の平均径を有することができる。
肺送達に有用なものとして本明細書に記載されている製剤は、本開示の医薬組成物の鼻腔内送達に有用である。鼻内内投与向けの別の製剤は、活性成分を含み、かつ平均粒子が約0.2~500マイクロメートルを有する粗粉末である。このような製剤は、匂いを嗅ぐような方法で、すなわち、鼻孔に近づけて保持した粉末コンテイナーから鼻道を介する急速吸入によって投与される。
鼻腔投与向け製剤は、活性成分を約0.1%(w/w)と少ない量から100%(w/w)と多い量まで、例えば含んでもよく、1種または複数の本明細書に記載されている追加成分を含んでもよい。本開示の医薬組成物は、口内投与向けの製剤で調製されてもよく、包装されてもよく、および/または販売されてもよい。このような製剤は、例えば、従来の方法を使用して作製した、錠剤および/またはロゼンジ剤の形態にあってもよく、例えば、0.1~20%(w/w)の活性成分が存在し、残りは、経口により水溶性および/または分解性の組成物、ならびに必要に応じて、1種もしくは複数の本明細書に記載されている追加成分を含む。代わりに、口内投与向け製剤は、活性成分を含む、粉末剤および/またはエアロゾル化溶液剤および/または微紛化溶液剤および/または微紛化懸濁液剤を含んでもよい。このような粉末化製剤、エアロゾル化製剤および/またはエアロゾル化製剤は、分散させた場合、約0.1~約200ナノメートルの範囲の平均粒子サイズおよび/または液滴サイズを有することができ、1種または複数の本明細書に記載されている追加成分をさらに含んでもよい。
本開示の医薬組成物は、眼内投与向けの製剤で調製されてもよく、包装されてもよく、および/または販売されてもよい。このような製剤は、例えば、水性または油性液体担体中に、例えば、活性成分の0.1/1.0%(w/w)溶液および/または懸濁液を含む、点眼剤の形態にあってもよい。このような点眼液は、緩衝化剤、塩および/または1種もしくは複数の本明細書に記載されている他の追加成分をさらに含んでもよい。有用な他の眼に投与可能な製剤には、マイクロ結晶形態にある、および/またはリポソーム調製物中に活性成分を含むものが含まれる。点耳剤および/または点眼剤は、本開示の範囲内にあることが企図されている。
医薬剤の製剤および/または製造において一般に考慮されることは、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 21st ed., Lippincott Williams & Wilkins, 2005に見出すことができる。
本明細書において提供される本発明のペプチドは、投与を容易にするため、および投与量を均質とするために、投与単位形態で通常、製剤化される。一部の実施形態では、本ペプチド(または本ペプチドを含む薬学的に許容される組成物)は、治療有効量で対象(例えば、ヒト)に投与される。本明細書で使用する場合、および別段の指定がない限り、化合物(例えば、本明細書に記載されているステープルペプチド)の「治療有効量」とは、処置される対象において、疾患(または障害)の処置に治療利益を実現するほど、あるいは疾患(または障害)に関連する1つもしくは複数の症状を遅延させるほどまたは最小限にするほど十分な量のことである。用語「治療有効量」は、総合的な治療法を改善する、疾患(または障害)の症状もしくは原因を軽減するまたは回避する、あるいは別の治療剤の治療的効力を増強する量を包含することができる。
しかし、本開示の組成物の1日あたりの合計使用量は、妥当な医療的判断の範囲内で、主治医により決定されることが理解されよう。任意の特定の対象に対する具体的な治療有効量(例えば、治療有効用量レベル)は、疾患(例えば、乳、卵巣、結腸直腸、前立腺または子宮内膜のがんなどのエストロゲン受容体が関与する疾患)、障害、または処置される障害、および障害の重症度、使用される具体的な活性成分の活性、使用される具体的な組成物、対象の年齢、体重、一般的な健康状態、性別および食事、投与時間、投与経路ならびに使用される具体的な活性成分の排出速度、処置期間、使用される具体的な活性成分と組み合わせてまたはこれと同時に使用される薬物、ならびに医療技術において周知の同様の因子を含めた様々な因子に依存するであろう。
1つまたは複数の本明細書に記載されている様々なステープルペプチド、その塩またはその医薬組成物は、任意の経路によって投与されてもよい。一部の実施形態では、本明細書に記載されている1つまたは複数のステープルペプチド、その塩またはその医薬組成物は、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、鞘内、皮下、心室内、経皮、皮内、直腸、膣内、腹腔内、局所(散剤、軟膏剤、クリーム剤および/または点眼剤のように)、粘膜、鼻腔、頬内(bucal)、経腸、舌下を含めた様々な経路によって;気管内注入、気管支滴注および/または吸入によって;および/または口腔スプレー、鼻スプレーおよび/またはエアロゾルとして投与される。具体的に企図される経路は、全身性静脈内注射、血液および/またはリンパ液への供給を介する局所投与、および/または罹患部位への直接投与がある。一般に、最も適切な投与経路は、薬剤の性質(例えば、胃腸管の環境におけるその安定性)、および対象の障害(例えば、対象が経口投与に耐えることができるかどうか)を含めた、様々な因子に依存する。現在、経口および/または点鼻および/またはエアロゾル経路が、肺および/または呼吸器系に治療剤を直接、送達するために最も一般に使用される。しかし、本開示は、薬物送達の科学における有力な進歩を考慮に入れた任意の適切な経路によって本発明の医薬組成物を送達することを包含する。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されているステープルペプチド、またはその塩またはその医薬組成物は、所望の治療効果が得られるよう、対象の体重を基準にして、1日あたり約0.001mg/kg~約100mg/kg、約0.01mg/kg~約50mg/kg、約0.1mg/kg~約40mg/kg、約0.5mg/kg~約30mg/kg、約0.01mg/kg~約10mg/kg、約0.1mg/kg~約10mg/kgまたは約1mg/kg~約25mg/kgを、1日に1回または複数回、送達するのに十分な投与レベルで投与されてもよい。所望の投与量は、1日3回、1日2回、1日1回、1日おき、3日おき、毎週、2週間ごと、3週間ごとまたは4週間ごとに送達されてもよい。ある特定の実施形態では、所望の投与量は、多回投与(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回またはそれより多い投与)を使用して送達することができる。
本明細書に記載されている用量範囲は、提供されている医薬組成物を成人に投与するためのガイダンスを提供することが理解されよう。例えば、子供または青年に投与される量は、医師または当業者によって決定することができ、成人に投与される量よりも少ないか、または同じとすることができる。有効量を達成するために必要な本発明のポリペプチドの正確な量は、例えば、対象の人種、年齢および一般障害、副作用または障害の重症度、特定の化合物が何であるか、投与様式などに応じて、対象ごとに様々となろう。
一部の実施形態では、本開示は、本発明のポリペプチドを含む「治療カクテル」を包含する。一部の実施形態では、本発明のポリペプチドは、複数の標的に結合することができる単一種を含む。一部の実施形態では、本発明の様々なポリペプチドは、様々な標的部分の化学種を含み、様々な標的部分の化学種のすべてが、同じ標的に結合することができる。一部の実施形態では、本発明の様々なポリペプチドは、様々な標的部分の化学種を含み、様々な標的部分の化学種のすべてが、異なる標的に結合することができる。一部の実施形態では、このような異なる標的は、同じ細胞タイプに関連することがある。一部の実施形態では、このような異なる標的は、異なる細胞タイプに関連することがある。
本発明のポリペプチドおよび本開示の医薬組成物は、併用療法に使用することができることが理解されよう。組合せレジメンに使用する治療法(治療剤または手順)の特定の組合せには、所望の治療剤の適合性および/または実現される所望の治療効果が考慮に入れられる。使用される治療法は、同じ目的(例えば、腫瘍を検出するのに有用な本発明のコンジュゲートは、腫瘍を検出するのに有用な別の薬剤と同時に投与されてもよい)のために所望の効果を実現することができるか、またはそれらは、異なる効果(例えば、いかなる有害作用も制御する)を実現することができることが理解されよう。
本開示の医薬組成物は、単独で、または1種もしくは複数の治療活性剤と組み合わせてのどちらか一方で投与されてもよい。「と組み合わせて」とは、複数の薬剤が同一時間に投与されなければならないこと、および/または一緒に送達するよう製剤化されなければならないことを暗示することを意図するものではないが、これらの送達方法は、本開示の範囲内にある。本組成物は、1種または複数の他の所望の治療剤または医療手順と同時に、これらより前に、またはこれらの後に行われてもよい。一般に、各薬剤は、その薬剤に関して決められた用量および/または時間スケジュールで投与されよう。さらに、本開示は、その生体利用率を改善することができる、その代謝を低減および/もしくは改変することができる、その排出を阻害することができる、ならびに/または身体内でのその分布を改変することができる薬剤と組み合わせて、本発明の医薬組成物を送達することを包含する。このような組合せにおいて利用される、治療活性剤および本発明のポリペプチドは、単一組成物中で一緒に投与されてもよく、または異なる組成物中で個別に投与されてもよいことがさらに理解されよう。
組合せレジメンに使用する具体的な組合せには、治療活性剤および/もしくは手順と本発明のポリペプチドとの適合性、ならびに/または実現される所望の治療効果を考慮に入れる。使用される組合せは、同じ障害のために所望の効果を実現することができる(例えば、本発明のポリペプチドは、同じ障害を処置するために使用される別の治療活性剤と同時に投与されてもよい)、および/またはそれらは、異なる効果を実現することができる(例えば、いかなる有害作用も制御する)ことが理解されよう。本明細書で使用する場合、「治療活性剤」とは、障害の処置、予防、遅延、低減または改善のために、医薬として使用するためのいかなる物質も指し、予防的処置および治療的処置を含めた治療に有用な物質を指す。治療活性剤はまた、例えば、本明細書に記載されている様々なステープルペプチドの効力を増強するか、またはその有害作用を低減することによって、別の化合物の効果または有効性を増大する化合物を含む。
ある特定の実施形態では、治療活性剤は、抗がん剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗HIV剤、抗寄生生物剤、抗原虫剤、麻酔剤、抗血液凝固剤、酵素の阻害剤、ステロイド剤、ステロイド系または非ステロイド系抗炎症剤、抗ヒスタミン薬、免疫抑制剤、抗新生物剤、抗原、ワクチン、抗体、充血除去薬、鎮静薬、オピオイド、鎮痛剤、解熱剤、避妊剤、ホルモン、プロスタグランジン、プロゲステロン剤、抗緑内障剤、眼用薬剤、抗コリン作動薬、鎮痛剤、抗うつ薬、抗精神病薬、神経毒、催眠薬、鎮静剤、抗けいれん薬、筋弛緩剤、抗パーキンソン剤、鎮けい薬、筋収縮剤、チャネル遮断薬、縮瞳剤、抗分泌剤、抗血栓剤、抗血液凝固剤、抗コリン作動薬、β-アドレナリン遮断剤、利尿剤、心血管活性剤、血管作用剤、血管拡張剤、血圧降下剤、抗血管新生剤、細胞-細胞外マトリックス相互作用のモジュレーター(例えば、細胞成長阻害剤および抗接着分子)、またはDNA、RNA、タンパク質-タンパク質相互作用、タンパク質-受容体相互作用の阻害剤/インターカレーターである。
一部の実施形態では、本発明の医薬組成物は、がんの1つもしくは複数の症状または特徴を処置する、軽減する、改善する、緩和する、その発病を遅延させる、その進行を阻害する、その重症度を低下させる、および/あるいはその出現率を低下させるために有用な、任意の治療活性剤または手順(例えば、手術、放射線療法)と組み合わせて投与されてもよい。
A.キット
本開示はまた、本開示のポリペプチドの1つまたは複数を含む、様々なキットを提供する。例えば、本開示は、本発明のポリペプチドおよび使用説明書を含むキットを提供する。キットは、複数の異なるポリペプチドを含むことがある。キットは、いくつかの追加の構成成分または試薬のいずれかを任意の組合せで含んでもよい。様々な組合せのすべてが明示的に説明されているわけではないが、各組合せが本開示の範囲に含まれる。
本開示のある特定の実施形態によれば、キットは、例えば、(I)送達される、1つまたは複数の本発明のポリペプチド、および必要に応じて1種または複数の特定の治療活性剤、(ii)それを必要とする対象への投与のための使用説明書を含むことができる。
キットは、通常、例えばプロトコルを含むことができる、および/または本発明のポリペプチドの生成のための障害、それを必要とする対象への本発明のポリペプチドの投与、新規な本発明のポリペプチドの設計を説明することができる、使用説明書を含む。キットは、1つまたは複数の容器またはコンテイナーを一般に含み、したがって、個々の構成成分および試薬の一部またはすべてが、個別に収容され得る。キットはまた、商業的販売を行うための比較的厳重な封止、例えばプラスチック製の箱に個々のコンテイナーを包むための手段を含んでもよく、この中に、使用説明書、スタイロフォーム(登録商標)などの包装用材料が、封入されていてもよい。識別物、例えば、バーコード、無線周波数認識(ID)タグが、キット内もしくはその表面に、あるいはキットに含まれる容器もしくはコンテイナー中に、またはその1つもしくは複数に存在してもよい。識別物を使用して、例えば、品質管理、在庫管理、トラッキング、ワークステーション間での移管を目的とする、キットを独自に特定することができる。
本明細書に記載されている本開示が一層完全に理解され得るために、以下の実施例を説明する。これらの実施例は、例示目的に過ぎず、本開示を制限するものと決して解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
本明細書に記載されている本開示が一層完全に理解され得るために、以下の実施例を説明する。これらの実施例は、例示目的に過ぎず、本開示を制限するものと決して解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
(実施例1)
この実施例は、ProLock(商標)ステープルシステムの開発、および様々な標的、例えばエストロゲン受容体を標的とするProLock(商標)ステープルペプチドにおけるその使用を説明する。
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、そのアミノ基が二級アミン、例えばプロリンであるアミノ酸残基を含む。一般的な天然アミノ酸の中で、プロリンは、タンパク質においてα-ヘリックスの始点となる最強の残基であることが報告されている(Yun et al., Proteins: Structure, Function, and Bioinformatics 1991, 10 (3), 219-228; Richardson and Richardson, Science 1988, 240 (4859), 1648を参照されたい)。プロリンは、一級アミンよりもむしろ二級アミンを有する点で、天然アミノ酸の中では独特のものであるので、プロリンは、N-アルキル化によって、1個のN末端プロトンを独特なことに追い出す。さらに、プロリンのN-アセチル化は、曝露されているN末端プロトンの1個または2個をクローキングする、ヘリックス内水素結合の形成をもたらす。当業者が理解しているように、二級アミノ基を含む他のアミノ酸も同様に挙動することができる。ProLock(商標)ステープリングシステムは、これらの設計原理を組み込んでおり、とりわけ、例えば、i)N-アシル化(例えば、N-アセチル化)プロリンまたはそのアナログを組み込むことによりN末端アミドプロトンを除去することによって、およびii)例えば、N-アセチル基のカルボニルとの分岐水素結合により、1個または複数(例えば、残る3個のうちの2個)の要求を満たさないN末端アミドプロトンをクローキングする立体構造で、プロリンまたはそのアナログを安定化させることによって、水との相互作用に利用可能なアミドプロトンの数を減少させることができる。一部の実施形態では、アナログは、そのアミノ基が二級アミンであるアミノ酸である。一部の実施形態では、提供されるペプチド中の残基としてのアナログは、以下の構造
Figure 2023518413000075
を有しており、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、提供されるペプチド中の残基としてのアナログは、以下の構造
Figure 2023518413000076
を有しており、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、提供されるペプチド中の残基としてのアナログは、式P-Iの構造またはその塩形態を有する。一部の実施形態では、本開示の構造中のヘテロ原子はそれぞれ、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される。一部の実施形態では、環Aは、単環式である。一部の実施形態では、環Aは、飽和である。一部の実施形態では、環Aは、部分不飽和である。一部の実施形態では、-K-は、Ra2が結合している-CH-に結合している(Hを置き換えている)。一部の実施形態では、Ra3は、-CH=CHおよび-C≡CHである。一部の実施形態では、Ra3は、必要に応じて置換されている-CH=CHである。一部の実施形態では、Ra3は、-CH=CHである。一部の実施形態では、Ra3は、必要に応じて置換されている-C≡CHである。一部の実施形態では、Ra3は、-C≡CHである。一部の実施形態では、Kは、必要に応じて置換されている二価のC1~10脂肪族である。一部の実施形態では、Kは、必要に応じて置換されている二価のC1~10アルキレンである。一部の実施形態では、Kは、二価の線状C1~10脂肪族である。一部の実施形態では、Kは、二価の線状C1~10アルキレンである。一部の実施形態では、Kは、1~4個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換されている二価のC1~10ヘテロ脂肪族である。一部の実施形態では、Kは、1~4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている二価のC1~10ヘテロアルキレンである。一部の実施形態では、Kは、1~4個のヘテロ原子を有する、二価の線状C1~10ヘテロ脂肪族である。一部の実施形態では、Kは、1~4個のヘテロ原子を有する、二価の線状C1~10ヘテロアルキレンである。一部の実施形態では、残基は、式P-IIの構造またはその塩形態を有しており、その各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、残基は、式P-IIIの構造またはその塩形態を有しており、その各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているアシルである。一部の実施形態では、Rは、R-C(O)-である。一部の実施形態では、Rはアセチルである。一部の実施形態では、アミノ酸は、R-N(Ra1)CH(Ra2)-C(O)OHの構造またはその塩を有する。一部の実施形態では、Ra3は、あるペプチドの別の二重結合または三重結合とメタセシス生成物の連結部、例えば、-CH=CH-を形成し、ステープル部を形成する。一部の実施形態では、環Aは、-K-Ra3により置換されている(例えば、ある特定の非ステープルペプチド、アミノ酸中など)。一部の実施形態では、環Aは、K、-K-により置換されており、Kは、必要に応じて、リンカーSを介して、第2のアミノ酸残基の側鎖炭素または主鎖炭素に連結している。
本開示における様々な提供される化合物は、Rを有してもよい。一部の実施形態では、Rは、Hである。一部の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているアシルである。一部の実施形態では、Rは、好適なアミノ保護基である。一部の実施形態では、Rは、Fmocである。一部の実施形態では、Rは、t-Bocである。上記の通り、ある特定の実施形態では、Rは、R-C(O)-である。一部の実施形態では、Rはアセチルである。
一部の実施形態では、式P-Iの残基は、以下の構造
Figure 2023518413000077
またはその塩形態を有しており、各可変基は、独立して、本明細書に記載されている通りである。
一部の実施形態では、本開示は、アミノ酸のN末端のカルボニルは、時として、ちょうど1個よりもむしろ、要求を満たさない残りのN末端アミドプロトンの2個との分岐水素結合を形成することが可能となり得る立体構造で、プロリン(またはそのアナログ)の方向に向いていることを認識するものである。この知見の一般性を確認するため、タンパク質の構造データマイニングを使用した。42,380個の固有のタンパク質鎖の結晶構造を含むデータベースをマイニングして、N末端におけるプロリンによるヘリックス状ペプチドのすべてを抽出した。抽出したヘリックスは、8つを超えるアミノ酸、ヘリックスのN末端にプロリン残基、およびヘリシティ率の計算値が60%を超えるものとした。手短に述べると、MOE(Santiago et al., Current Topics in Medicinal Chemistry 2008, 8 (18), 1555-1572を参照されたい)を使用して、合計で31,933のヘリックス状ペプチドをこれらの判断基準に特定した。プロリンのN末端に結合したアセチル基(i-1)とi+2およびi+3残基のアミドNH結合との間の水素結合は、MOEモデリングソフトウェアを使用して判定した。アクセプターとドナーとの間の水素結合エネルギーは、拡張Huckel H-結合モデルによって、NOEで決定する(Gerber, P. R., Journal of Computer-Aided Molecular Design 1998, 12 (1), 37-51を参照されたい)。このモデルは、Kirchoffの静電理論(シグマ結合の場合)と従来的なp-起動MO計算(パイ系の場合)とを一体化して、水素結合エネルギーを推定するものである。水素結合エネルギー計算に基づくと、上記のヘリックスのうちの7,680のヘリックス(約24%)が、プロリンのN末端に結合しているアセチル基とi+2およびi+3のアミドNH結合との間で分岐H結合を示すと判定された。言い換えると、N末端にプロリンを有するヘリックス全体の約24%が、プロリン(これは、本明細書において位置iと表示される)の窒素に結合しているカルボニル基とi+2およびi+3のアミドプロトンとの間に分岐水素結合パターンを有するように思われる。
これらの結果に基づくと、適切な方向に向いているN-アセチル化プロリンアナログは、分岐水素結合により、要求を満たさないN末端アミドプロトンの2個をクローキングすることが可能となり、これにより、水分子との相互作用を妨害することが本出願人によって認識された。とりわけ、本開示は、このような残基、例えば、N-アセチルプロリンなどのN-アシル化プロリン、-C(O)-N(Ra1)CH(Ra2)-C(O)-、R-C(O)-N(Ra1)CH(Ra2)-C(O)-、R-C(O)-N(Ra1)CH(Ra2)-C(O)-、またはそれらの塩形態を含むペプチドを提供する。
このような配向でN-アシル化プロリンアナログ(例えば、N-アセチルプロリンなどのN-アシル化プロリン、-C(O)-N(Ra1)CH(Ra2)-C(O)-、R-C(O)-N(Ra1)CH(Ra2)-C(O)-、R-C(O)-N(Ra1)CH(Ra2)-C(O)-、またはそれらの塩形態)を安定化するため、ステープリングシステムをペプチドに組み込んだ。一部の実施形態では、ステープルは、(i、i+3)ステープルである。一部の実施形態では、N-アシル化プロリンアナログは、位置iに存在する。一部の実施形態では、短い(i、i+3)ステープルが、プロリンアナログ(i)のα-炭素とi+3残基のα-炭素とを連結する、ステープル(例えば、炭化水素ステープリングシステム)を設計した。図1A~1Dは、一例として、ProLock(商標)ステープリングシステム、およびこのシステムが、どのようにα-ヘリックスのN末端のアミドプロトンをクローキングするかを示している。図1Aに示されている通り、ステープリングされていないN-アセチルキャップしたヘリックス状ペプチドは、要求を満たさない4個のN末端アミドNH結合(図1A中の灰色の球形として示されている)を有する。図1Aに示されている通り、アミドNH結合の残りは、ヘリックス状ペプチドに固有の内部水素結合ネットワークの一部となる。図1Bは、図1Aのヘリックス状ペプチドにおける、5つのN末端アミドのNH結合の拡大図を提示する。図1Cに示されている通り、様々なProLock(商標)ステープルペプチドは、要求を満たさないアミドN末端NH結合を1つしか有さないよう設計されている。図1Cに示されている通り、N末端アミド結合は、N-アセチルキャップされたプロリンを組み込んでいることにより、結合した水素を有していない。i+2およびi+3の位置にある残基のアミドNH結合は、N末端アセチルキャップのカルボニル酸素との分岐水素結合によって制御されている(図1Cを参照されたい)。プロリンのアルファ炭素に由来するi、i+3のステープルは、ヘリックス状フォールディングを安定化し、ペプチドのC末端の方向にヘリシティを伝播するよう設計されている(図1Cを参照されたい)。図1Dは、図1CのProLock(商標)ステープルペプチドにおける、5つのN末端アミドのNH結合の拡大図を提示する。i+1残基のアミドNHだけが、溶媒である水に容易に接近することができる状態にある(図1D中の「制御されていない」i+1を参照されたい)。
したがって、図1A~1Dに概略的に示されている通り、この設計は、i+2およびi+3残基のアミドプロトンへの最適な水素結合のための、プロリン(またはそのアナログ)のN-アセチルキャップを位置付けるα-ヘリックス立体配座にあるN末端アミノ酸を組織化するよう意図されている。さらに、α-ヘリックス立体配座中にN末端アミノ酸を拘束することによって、この設計は、他のα-ヘリックス安定化システムにおいて発生する、ヘリックス核形成による、ステープリングされたi、i+3領域を超えて、ヘリックス立体配座を伝播することが期待されるか、またはヘリックス構造を形成するよう作成され得る。全体として、N末端プロリンに基づくステープリングシステムを含むProLock(商標)ステープリングシステム設計は、要求を満たさない4~1個のN末端アミドプロトンの数を減少することができ、すべてのペプチドがヘリックス立体配座内にあるよう促進することができる。
ProLock(商標)ステープルペプチドを構築するため、プロリンのα-炭素に結合した水素によって元々占有されていた位置に、アリル基を組み込んだプロリンアミノ酸残基アナログPL3を設計した。このPL3ステープリング用アミノ酸を設計し、以下の通り合成した。当業者は、本明細書に記載されている他のアミノ酸、例えば、R-N(Ra1)CH(Ra2)-C(O)OHの構造またはその塩を有するものもまた、利用することができることを理解している。
PL3(Ac-PL3-OH((R)-N-アセチル-2-(2’-プロペニル)プロリン))は、PCT公開番号WO2014/052647において既に記載されている通り(「PS3」としてこの文書中に言及されている)、3工程で合成し、図2に示されている概略図に化合物3として図示している。手短に述べると(および、図2中の化合物1、2および3を参照する)、第1の工程において、逆ディーン-スタークトラップを使用して、L-プロリン(25.0g、217mmol)および抱水クロラール(54.0g、325mmol)からなる懸濁液を還流下、クロロホルム(250mL)中で6時間、加熱した。この溶液を水(2×75mL)により洗浄した。洗浄後の溶媒からの有機層をクロロホルム(125mL)でさらに抽出した。クロロホルム中の合わせた有機層を乾燥(NaSO)し、ろ過して溶媒を真空で除去し、明褐色固体を得た。粗生成物を40℃でエタノール(200mL)から再結晶し、オキサゾリジノン(図2中の化合物1)(32.2g、62%)を白色固体として得た。再結晶した生成物は、白色針状晶を形成し、化合物1の分光分析データは、類似化合物に関して以前に報告されたものと一致した(Amedjkouh and Ahlberg, Tetrahedron: Asymmetry 2002, 13 (20), 2229-2234を参照されたい)。第2の工程において、n-ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、17.5mL、28mmol)を、窒素雰囲気下、-78℃で乾燥THF(44mL)中のジイソプロピルアミン(4.0mL、28mmol)の撹拌溶液に滴下して加えた。この溶液を0℃まで5分間、温め、15分間、撹拌した。この溶液をオキサゾリジノン(化合物1)(4.4g、17.9mmol)の乾燥THF(88mL)溶液に、-78℃で20分間かけて滴下して加え、さらに30分間、撹拌し、次に、5分間かけて、臭化アリル(4.9mL、56.6mmol)を滴下して加えた。この溶液を-40℃まで温めて、2時間、撹拌した。水(66mL)を加え、この溶液を室温まで温めて、クロロホルム(3×175mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(NaSO)してろ過し、真空で蒸発乾固すると、暗褐色油状物が得られた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(5%~10%の酢酸エチル-ヘキサン;グラジエント溶出)によって残留物を精製すると、オキサゾリジノン(化合物2)(3.6g、70%)が無色油状物として得られた。化合物2の分光分析データにより、類似化合物に関して以前に報告されているものと一致した(Hoffmann et al., Angewandte Chemie International Edition 2001, 40 (18), 3361-3364を参照されたい)。最終工程では、65%AcOH-6N HCl(75mL)中の化合物2(1.50g、5.3mmol)の溶液を窒素雰囲気下、48時間、室温で撹拌した。溶媒を減圧下で除去すると、ほぼ透明の淡褐色油状物が得られた。この油状物を無水酢酸(3.6mL)に溶解し、濃HSOを数滴加えた。この反応混合物を室温で24時間、撹拌し、次いで、0℃でジクロロメタンおよび水を添加した。有機相を分離してNaSOにより乾燥してろ過し、真空で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%~100%酢酸エチル-ヘキサン+0.1%AcOH;グラジエント溶出)によって精製し、酢酸エチル-ヘキサンから再結晶すると、化合物3(0.75g、72%)が白色固体として得られた。再結晶した生成物は、白色針状結晶を形成した。
融点(酢酸エチルおよびヘキサン):107~108℃。H NMR (500 MHz, CDCl): 9.41 (br s, 1H), 5.68-5.57 (m, 1H), 5.20-5.12 (m, 2H), 3.65-3.57 (m, 1H), 3.48-3.39 (m, 1H), 2.97 (dd, J = 7.0, 7.0 Hz, 1H), 2.76 (dd, J = 7.0, 7.0 Hz, 1H), 2.68-2.55 (m, 1H), 2.14 (s, 3H), 2.00-1.84 (m, 3H). 13C NMR (125 MHz, CDCl): 173.8, 172.9, 131.5, 120.2, 71.6, 50.9, 37.7, 34.3, 23.3, 23.1.FT-IR(無溶媒):3449、3014、2980、2880、2360、2342、1706、1604、1448、1424、1245、1214、920、755cm-1。HRMS(ESI)計算値C1016NO:198.1125。実測値:198.1129。
Fmoc-PL3-ロイシン酸-OH((S)-2-(((R)-1-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)-2-アリルピロリジン-2-カルボニル)オキシ)-4-メチルペンタン酸)を2工程で合成した。第1の工程では、Fmoc-PL3-OH(5g、13.25mmol)を、窒素雰囲気下、室温で撹拌することによって、15mLの乾燥ジクロロメタンに溶解した。この溶液にジメチルホルムアミド(DMF)を1滴加えた後、この溶液に、塩化オキサリル(1.14mL、13.25mmol)を滴下して加えた。塩化オキサリルの添加後、この溶液は、直ちに黄色に変わった。この反応物を室温で4時間、撹拌した。ジクロロメタン溶媒および未反応塩化オキサリルを真空で除去すると、淡黄色油状物が得られた。第2の工程では、(S)-2-ヒドロキシ-4-メチルペンタン酸(1.75g、13.25mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(0.16g、1.325mmol)およびN-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(13.85mL、79.5mmol)の15mLの乾燥ジクロロメタン溶液を、窒素の雰囲気下、室温で撹拌することによって15mLの乾燥ジクロロメタンに溶解した前の工程からの粗生成物に添加した。この混合物を室温で16時間、撹拌した。溶媒を真空で除去し、Biotage Isoleraを使用する逆相精製をこの混合物に施した(0.1%トリフルオロ酢酸を含む、40~100%水-アセトニトリルのグラジエントを使用して、生成物を精製した)。微量の不純物を含む最終生成物を凍結乾燥し、デプシ連結ProLockステープルペプチド合成(1.45g、29%)に使用した。
H NMR (500 MHz, d6-DMSO): 13.05 (br s, 1H), 7.90 (dd, J = 7.5, 1.0 Hz, 2H), 7.68 - 7.61 (m, 2H), 7.45 - 7.26 (m, 4H), 5.62 (dddd, J = 16.9, 10.1, 7.9, 6.6 Hz, 1H), 5.14 (dd, J = 2.5, 1.3 Hz, 1H), 5.11 (dt, J = 7.4, 2.6 Hz, 2H), 4.88 - 4.79 (m, 1H), 4.66 (ddd, J = 10.9, 9.6, 4.7 Hz, 1H), 4.18 (t, J = 4.9 Hz, 1H), 3.55 (ddd, J = 10.1, 7.7, 4.7 Hz, 1H), 3.29 (dd, J = 10.2, 7.5 Hz, 1H), 3.06 - 2.98 (m, 1H), 2.58 (m, 1H), 2.26 - 1.95 (m, 2H), 1.85 - 1.75 (m, 1H), 1.78 - 1.69 (m, 2H), 1.71 - 1.51 (m, 2H), 0.93 - 0.82 (m, 6H).
最終のPL3アミノ酸残基アナログ(図2中の化合物3)は、以下の構造:
Figure 2023518413000078
を有する。
この設計により、PL3と末端オレフィン基を有する市販の炭化水素ステープリング用アミノ酸を含めた好適なアミノ酸残基とを対にして、閉環メタセシス(RCM)により上記の2つを架橋することによって、長さおよび立体化学が様々なステープルの合成が可能になる。N-アセチルキャップしたPL3は、総収率31%で、3合成工程でL-プロリンから合成した。
ProLock(商標)ステープリングシステムの性能を評価するため、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER LBD)の天然のα-ヘリックス状ペプチド結合剤に基づいたモデルペプチドを合成した(Warnmark et al., Journal of Biological Chemistry 2002, 277 (24), 21862-21868; McDevitt et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2005, 15 (12), 3137-3142; Koide et al., Proceedings of the National Academy of Sciences 2002, 99 (3), 1253; Nettles et al., Nature Chemical Biology 2008, 4 (4), 241-247; Fuchs et al., Journal of the American Chemical Society 2013, 135 (11), 4364-4371を参照されたい)。
ER LBDは、ステロイドホルモン核内受容体(SHR)ファミリーのメンバーである、エストロゲン受容体(ER)から誘導した(Evans, R. M. S Science. 1988;240(4854):889-895)。SHRは、N末端活性化ドメイン、中央のDNA結合ドメイン、およびC末端リガンドの結合ドメイン(LBD)を有する(Tsai and O’Malley, Annu. Rev. Biochem. 1994;63:451-486)。他のステロイド受容体と同様に、ERは、シャペロンタンパク質から解離して、標的DNAまたは遺伝子転写に関与する他のタンパク質に結合することによってその同族アゴニストに結合すると、転写因子として機能する(Beato et al., Cell 1995;83(6):851-857; Brzozowski et al., Nature 1997;389(6652):753-758)。
ER LBDの天然のα-ヘリックス状ペプチド結合剤は、ER LBDと核内受容体共活性化因子タンパク質とのタンパク質-タンパク質相互作用(PPI)を阻害する状況で広範囲に検討されている、9~12の短いアミノ酸長のペプチドである(Speltz et al., Angewandte Chemie International Edition 2016, 55 (13), 4252-4255; Phillips et al., Journal of the American Chemical Society 2011, 133 (25), 9696-9699)。これらのペプチドは、2つの主な理由のため、ProLock(商標)ステープリングシステムの評価にとって魅力があることが見出された。第1に、これらのペプチドの大部分は、一対の保存されたロイシン残基を含有するが、この配列内に残されたアミノ酸に重要な多様性が存在し、広い範囲の電荷および極性をもたらす。図3Aは、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ER LBD)との複合体中のα-ヘリックス状ペプチドリガンド構造と配列との重ね合わせを提示している。6つのペプチド結合剤のうちの2つの保存されたロイシン残基が、図3A中に、青色の棒で示されており、図3Bにおいて、これをペプチドの配列を整列するために使用した。図3Bに示されている通り、6つの配列のうちの2つ、すなわちタンパク質データベースID番号4J24および4J26を有するものは、ヘリックスのN末端の方向に、図3Aにおいて暗灰色の棒で示されている、天然のプロリンを有する。ER LBDの天然のα-ヘリックス状ペプチド結合剤中の多様化は、様々な物理化学特性を有するペプチドにおいて、ProLock(商標)ステープリングシステム性能の一般性を評価する機会を提供する。第2に、いくつかの公知のER LBD結合剤は、その配列中にN末端プロリンを有する。ER LBDに結合したこれらのペプチドの共結晶構造の精査により、PL3プロリンアナログをi+3の位置に連結させる炭化水素ステープルは、溶媒にかなり曝露されていることが示された。これによって、ER LBDに結合する状況では、それらの位置におけるProLock(商標)ステープルの組み込みが許容され得ることが示唆された。
既知のER LBD結合剤の配列に基づいて、10のProLock(商標)ステープルペプチドの最初のパネルを設計し、PAMPAアッセイを使用する人工膜を通過する受動的透過性(細胞膜を通過する通路を反映させるため)を試験して、PAMPA有効透過率(P)、ならびにER LBDに結合する最大半数効果濃度(EC50)および疎水度(CHI LogD)を得た。
ペプチド合成に関すると、メチルインドールAM樹脂(EMD Millipore;Burlington、MA)を、C末端メチルアミドキャップを有するペプチドを合成するための樹脂として使用した。C末端アミドキャップを有するペプチドを合成するための樹脂として、ProTide Rinkアミド樹脂(CEM Corporation)を使用した。ペプチドは、標準法に従い、標準的なFmocに基づく固相ペプチド合成(Fmoc-SPPS)によって合成した(Verdine and Hilinski, ”Stapled peptides for intracellular drug targets”. In Methods in Enzymology: Protein Engineering for Therapeutics, Vol 203, Pt B, Wittrup, K. D.; Verdine, G. L., Eds. Elsevier Academic Press Inc: San Diego, 2012; Vol. 503, pp 3-33を参照されたい)。特に指定しない限り、25mol%のGrubb’s-I触媒を用い、37℃で2時間、閉環メタセシス反応を2回、行った。このペプチドは、0.1%のギ酸を含む水およびアセトニトリルのグラジエントによる、Zorbax C8半分取カラム(Agilent)を用いる逆相半分取HPLC(Agilent)によって精製した。このペプチドは、逆相C18カラム(Phenomenex)を使用するHPLC-MS(Agilent)によって分析した。
以下の表1に示されている通り、ライブラリフォーマットにおけるペプチドを試験するよう、スプリットプールProLockステープリングライブラリを設計した。
Figure 2023518413000079
表1に示される通り、基本となるペプチド配列中の4つの位置(X1からX4まで)を列挙した天然および非天然アミノ酸残基で置き換え、ここで、Cpaは、シクロプロピルアラニンであり、KM2は、N,N’ジメチルリジンであり、RM2は、対称ジメチルアルギニンである。このライブラリは、長さが8および9の残基であるペプチドを有するよう設計した。
こうして、メチルインドールAM樹脂(EMD Millipore)を使用して、スプリット-プールProLock(商標)ステープルペプチドライブラリを合成した。スプリット-プール合成は、表1に示されている可変位置におけるものを除いて標準Fmoc-SPPSに従った。可変位置では、Fmoc脱保護した後、樹脂を異なる反応容器に分けて、次いで、複数のアミノ酸のカップリングを行った。次に、さらに進める前に、カップリング工程後に樹脂を一緒にプールした。樹脂から開裂させた後に、ProLock(商標)ステープルペプチドライブラリをプレートベースのC18カートリッジ(Sep-Pak)精製によって精製した後、さらなる分析および特徴付けへと進めた。
合成したペプチドをまず、PAMPAアッセイにより分析した。PAMPA(並行人工膜透過性アッセイ)は、化合物の受動的透過性を測定するために使用されるin vitroアッセイである(Avdeef, A., Expert Opinion on Drug Metabolism & Toxicology 2005, 1 (2), 325-342)。このPAMPAプレートシステムは、リン脂質注入膜によって隔てられた2つのコンパートメント、すなわちドナーおよびアクセプターからなる。アクセプターウェルからドナーウェルにインキュベート時間にわたり移行した化合物の量を使用して、化合物の受動的透過性を求める。
PAMPAアッセイは、膜を含むドナーコンパートメント(ドナープレート)が、底部のアクセプターコンパートメント(アクセプタープレート)の内側に位置する、96ウェルフォーマット中で、通常、行った(図4中の典型的なPAMPAウェルを参照されたい)。2枚のプレートはリン脂質を注入した膜によって隔てられている。アクセプターウェルからドナーウェルにインキュベート時間にわたり移行した化合物の量を使用して、化合物(例えば、ステープルペプチド)の有効透過率(Pe)を求める。一方から他方に移行した化合物の量は、逆相HPLC-質量分析法によって、通常、定量する。PAMPAアッセイを広範囲に使用して、低分子の受動的透過性を求め、このアッセイは、ペプチドマクロサイクルの受動的透過性を測定するよう改良されている(Hewitt et al., Journal of the American Chemical Society 2015, 137 (2), 715-721; Wang et al., Proc Natl Acad Sci U S A 2014, 111 (49), 17504-17509; Hickey et al., Journal of Medicinal Chemistry 2016, 59 (11), 5368-5376; Rader et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry 2018, 26 (10), 2766-2773)。
細胞透過性は、本明細書に記載されているステープルペプチドによる所望の特性の1つであり、したがって、一層高いPe値を有するペプチドを探求した。手短に述べると、PAMPAアッセイはすべて、構造化されたリン脂質からなる独占所有権のある膜を使用する、Corning製の市販のPAMPAプレートシステムを使用して行った。プラスチック製PAMPA自体は、ポリスチレンで作製されており、これはペプチドに強力に結合し、したがって、実験の終了時のペプチドの保持は低いので、ペプチドをベースとするPAMPAアッセイを複雑にする。プレートへの非特異的ペプチド喪失を防止するため、Corning製PAMPAプレートのアクセプターウェルを、Dulbeccoのリン酸緩衝液生理食塩水(DPBS)(pH=7.4)中に0.1% Triton X-100を含む5%無脂肪乳で一晩、ブロッキングし、次いでしっかりと洗浄した後にアッセイした。ドナーウェルおよび膜自体は、ミルク/Triton溶液に曝露させなかった。CsAとワルファリンのどちらも、以前に報告された値に類似したPe値をもたらしたので、ミルク/Triton溶液によりポリスチレンアクセプタープレートをブロッキングすると、透過率の値自体に影響を及ぼすことなく、溶液中の大部分のProLockペプチドの保持が中度から高度になる(Chen et al., Pharmaceutical Research 2008, 25 (7), 1511-1520; Rezai et al., Journal of the American Chemical Society 2006, 128 (8), 2510-2511)。本明細書に記載されているPAMPA実験は、Corningのロット番号9112010、ロット番号9112011およびロット番号7317005(Corning Inc.、Corning、New York、USA)製のプレートを使用して行った。
PAMPAアッセイを設定するため、PAMPAプレートシステムを少なくとも1時間、室温で平衡にした後に、このアッセイを設定した。ミルクブロッキング溶液と共に事前インキュベートしたアクセプタープレートを水、次いでDPBS緩衝液により洗浄した。DPBS中の5%DMSO(pH=7.4)300μLを事前にブロッキングしたアクセプタープレートに加え、DPBS中の5%DMSO(pH=7.4)を用いて作製した10μMの化合物200μLをドナープレートに加えた。次に、ドナープレートとアクセプタープレートとの界面に気泡を形成しないようにして、蓋をしたドナープレートをアクセプタープレートに注意深く挿入した。PAMPAアッセイ用プレートをアルミニウムホイルで覆い、37℃のインキュベータ中に5時間、置いた。すべての化合物の10μMの投入溶液を20倍に希釈して、最終アセトニトリル濃度を50%にした後、逆相HPLCおよびQ-Exactive plus質量分析計によって分析した。5時間の終了時に、PAMPAドナーおよびアクセプタープレートを分離し、それぞれ20倍および2倍に希釈して、最終アセトニトリル濃度を50%にした。PAMPAドナーおよびアクセプタープレートの希釈溶液を逆相HPLCおよびQ-Exactive plus質量分析計によって分析した。投入試料のMS分析からの化合物のイオン強度、インキュベート時間の終了時のドナー試料およびアクセプター試料を使用して、各化合物の有効透過率(Pe)および%保持を測定した。
Peは、PAMPAアッセイにおいて試験した各化合物の受動的透過性を測定するものである一方、%保持は、投入試料と比較した、このアッセイの終了時における溶液中に保持された化合物の量を測定するものである。このアッセイの場合には、プレートごとのばらつきが観察される恐れがあるので、2種の承認されている経口により生物学的に利用可能な薬物であるワルファリン、シクロスポリンA(CsA)、および適度なPAMPA透過性を有する数種のProLockステープルペプチドを各PAMPAプレートに対する対照として使用し、アッセイ結果の品質を確認した。本明細書において報告されたPAMPAデータはすべて、プレートに由来し、この場合、ワルファリンの平均有効透過率(P)は、7×10-6cm/秒~11×10-6cm/秒の間であり、CsAのPは、0.2×10-6cm/秒~0.5×10-6cm/秒の間であり、これらは、以前に報告された値に類似した(例えば、Chen et al., Pharmaceutical Research 2008, 25 (7), 1511-1520; Rezai et al., Journal of the American Chemical Society 2006, 128 (8), 2510-2511を参照されたい)。
10種の第1世代のProLock(商標)ステープルペプチドのPAMPA分析により、4種のペプチドPLL4-4、PLL4-5、PLL4-7およびPLL4-10は、0.3×10-6cm/秒~0.7×10-6cm/秒となるP値で、PAMPA膜を通過することができることが示された(以下の表2を参照されたい)。これらの値は、多数の経口により生体利用可能な薬物に比べると、比較的低いが、それらは、同じ実験条件下では、CaAの値と同等である。
PAMPAアッセイに加え、第1世代のProLock(商標)ステープルペプチドのエストロゲン受容体βリガンド-結合ドメイン(ERβ LBD)への親和性を検討するため、競合フォーマットでの蛍光偏光(FP)結合アッセイを、内因性ERβ LBDリガンドエストラジオールの存在下で使用した。競合的蛍光偏光(FP)アッセイをペプチドに行い、その最大半数有効濃度(EC50)を求めた。これを実施するため、FITC標識ERL4ペプチド(FITC-βAla-His-Pro-Leu-Leu-Nle-Arg-Leu-Leu-Leu-Ser-Pro-CONH2)を合成し、既存の文献(Fuchs et al., Journal of the American Chemical Society 2013, 135 (11), 4364-4371)に基づいて、蛍光プローブとして使用した。直接FPは、黒色384ウェルプレート(Corning)で行った。各アッセイウェルの最終体積は40μLとし、FITC標識ERL4ペプチドの濃度は一定(10nM)にし、ERβ LBDタンパク質の濃度を様々にした。
ERβ LBD発現および精製は、以下の通り行った。BL21(DE3)pLysS E.coli細胞を、N末端His6-yBBr-TEVタグと共に、ERβ LBDを含有するpET28a+ベクター(残基261~500)により形質転換した。50μg/mLのカナマイシンを含有するTB培地10mL中で、単一の細菌コロニーから一晩、培養物を調製した。続いて、一晩の培養物を、50μg/mLのカナマイシンを含有するオートクレーブ処理済みTB培地1リットルに加え、0.6~0.8のODに到達するまで37℃で振とうした。この培養物にIPTGを加え、6時間、振とうした。細菌培養物をペレットにし、溶解緩衝液中に再懸濁した。再懸濁した細菌培養物を0℃で10分間、インキュベートした後、Bransonソニファイヤーを使用して10秒サイクルで65%の振幅で超音波照射した。次に、この溶解物を8000xgで20分間、遠心分離によって取り除いた。ERβ LBDをIMAC親和性(Ni-NTA樹脂)精製、次いで、35mM Tris(pH8.0)、150mM NaCl、10%グリセロール、1mM DTTからなる緩衝液を用いるSECクロマトグラフィー(Superdex200 10/300 increase)によって精製した。ERβ LBDタンパク質の予測される分子量は、30.8KDaであり、その分子量は、SDS PAGE分析によって確認した。精製後のERβ LBDを90μMになるまで濃縮し、-80℃の緩衝液で保管した。
エストラジオール(10μM)と事前に混合したERβ LBDタンパク質(5μM)をこのアッセイにおいて試験した最高濃度とした。その後のタンパク質濃度は、5μMの最高濃度からの3倍希釈液とした。各ウェルに試料を添加して、プレートを10秒間、3000rpmで遠心分離し、4℃で1時間、インキュベートした。FP測定は、Clariostarマイクロプレートリーダー(BMG Labtech)を使用して、485nmおよび535nmでの励起波長および発光波長を用い、室温で行った。直接的なFP結果をPrism7(GraphPad)によって解析した。図5は、ERβ LBDによるFITC-ERL4プローブの直接的な蛍光偏光を示す。図5におけるプローブのKは、Hillの傾きによる1:1結合モデルにより、160nMと求まった。図5に示されているFP値は、二連の独立したレプリケートの平均値±標準誤差である。したがって、図5が示す通り、直接的なFPデータの非線形回帰解析により、FITC標識ERL4ペプチドのKが、Hillの傾きを用いる1:1結合モデルを用いて160nMと推定された。
競合FPアッセイも使用した。これらは、黒色384ウェルプレート(Corning)で行った。各アッセイウェルの最終体積は、一定濃度のエストラジオール(1μM)およびFITC標識ERL4(10nM)を含有する、80μLとした。ERβ LBD濃度は、ProLockステープルペプチド(10μMから3倍希釈)の濃度を様々にしながら、一定(200nM)に保持した。各ウェルに試料を添加して、プレートを10秒間、3000rpmで遠心分離し、4℃で1時間、インキュベートした。FP測定は、Clariostarマイクロプレートリーダー(BMG Labtech)を使用して、485nmおよび535nmでの励起波長および発光波長を用いて室温で行った。各プレートは偏光が高い試料および低い試料を有し、これらの試料を使用して、アッセイデータを正規化した。競合FP結果をPrism7(GraphPad)によって解析した。データの非線形回帰解析を使用して、ProLockステープルペプチドの最大半数有効濃度(EC50)を求めた。代表的な競合FPデータが図6に示されている。図6に示される通り、各アッセイ用プレートからの高い偏光データおよび低い偏光データを使用して、これらのデータを正規化し、これを、Hillの傾きによる1:1結合モデルにあてはめて、EC50を求めた。図6に示されている正規化後のFP値は、少なくとも4つの独立したレプリケートの平均値±標準誤差である。
表2に示されている通り、3種のProLock(商標)ステープルペプチド、すなわちPLL4-1、PLL4-2およびPLL4-3は、ERβ LBDに対して、最大半数有効濃度(EC50)値がそれぞれ、200nM、400nMおよび700nMというサブマイクロモル濃度での結合を示した。表2が示す通り、検出可能なPAMPA透過性を有する2種のペプチドであるPLL4-5およびPLL4-10は、ERβ LBDに対して、それぞれ3μMおよび1.5μMのEC50値という中度の親和性があることを示した。これらの結果は、ProLockステープルペプチドが、標的結合と受動的膜透過性の両方を可能にすることができることを実証している。
最後に、疎水度を測定するため、CHI LogD測定アッセイを使用した。これを実施するため、保持時間(t)に基づいたクロマトグラフィー疎水性指標(CHI)を相関付けるための較正曲線を標準セットとして使用した10種の低分子を使用してプロットした(Valko et al., ADMET & DMPK 2018, 6 (2), 162 - 175を参照されたい)。この曲線が図7に示されており、10種の標準化合物を用いて、保持時間およびクロマトグラフィー疎水性指標(CHI)をプロットする。保持時間の測定は、Phenomenex Gemini C-18カラム(3uM、50×3mm)を備える逆相HPLCおよびQ-Exactive質量分析計を使用して行った。逆相クロマトグラフィーは、pH=7.4の10mM酢酸アンモニウムとアセトニトリル溶媒とのグラジエントを使用して行った。同一溶媒設定、グラジエントおよび流速を使用して、ProLockステープルペプチドをカラムに注入して、ペプチドのtを求めた。図7に示されている較正曲線を使用して、tRをCHIに変換する。CHIは、以下の式を使用して、CHI LogDに変換した。
Figure 2023518413000080
以下の表2は、それぞれ、配列番号:7(PLL4-1)、8(PLL4-2)、9(PLL4-3)、10(PLL4-4)、11(PLL4-5)、12(PLL4-6)、13(PLL4-7)、14(PLL4-9)、15(PLL4-10)および16(PLL4-12)の配列を有する、10種の第1世代ProLock(商標)ステープルペプチドの生物物理学的および生化学的特徴付けを示す。これらの配列は、脂肪族、芳香族、酸性および塩基性アミノ酸という多様性に及ぶよう、およびFmocをベースとする固相ペプチド合成(Fmoc SPPS)における天然アミノ酸に対して一般に使用される側鎖保護基のすべてを代表するよう選択した。保存されたロイシン結合残基に関して、2種の異なる登録で、ステープリング用アミノ酸の対を組み込んだ。PAMPA有効透過率(P)、ER LBDに対する最大半数効果濃度(EC50)および疎水度(CHI LogD)測定値が、表2に示されている。2種の経口により生体利用可能な薬物である、ワルファリンおよびシクロスポリンA(CsA)を各PAMPAプレートに対する対照として使用し、アッセイの再現性を確認した。PAMPA、EC50およびCHI LogD値は、それぞれ、少なくとも8回、4回および3回の独立したレプリケートの平均値±標準誤差である。
Figure 2023518413000081
Figure 2023518413000082
上記の表中の「Ac」は、アセチル基(CHC(O)-)であることに留意されたい。
様々なProLock(商標)ステープリング用アミノ酸の組合せおよびステープリング条件をさらに評価した。10種の設計したペプチドの1つであるPLL4-5をモデル配列として使用し、PL3とステープリングするための位置i-3における最適アミノ酸、および最適なステープリング条件を特定した。異性体分布、総収率およびα-ヘリシティを評価した。位置iにおけるステープリング用アミノ酸としてPL3を固定し、6種の異なるアミノ酸:S3、S4、S5およびそれらの鏡像異性体R3、R4およびR5を用いて、位置i+3におけるステープリング用アミノ酸の長さおよび立体化学を様々にした。S3、S4、S5、R3、R4およびR5アミノ酸の構造を図8に図示する。
図9Aは、6種のペプチドをFmoc SPPSによってどのように合成し、どのように固相での閉環メタセシス(RCM)を施したかを示す概略図である。手短に述べると、モデルペプチド配列であるPLL4-5のN末端アミノ酸をN-アセチルPL3に固定した一方、4番目の残基を、6種の異なるα-メチル化したステープリング用アミノ酸:S5、S4およびS3、ならびにそれらの鏡像異性体R5、R4およびR3により置換した。図9Aにおける反応の場合、RCM反応は、2つの異なる濃度のGrubbs-I触媒(15mol%および25mol%)、ステープリングに2つの異なる温度(室温(RT)および37℃)、および4つの異なる反応時間(30、60、120および240分間)を使用して行った。240分間の試験の場合、触媒を120分後に樹脂から洗い落とし、新しい触媒のさらなる処理を導入した。ステープリング後、トリフルオロ酢酸(TFA)によりペプチドを樹脂から切り離し、逆相HPLC-MSによって分析して、生成物の変換収率および異性体分布を評価した。
反応の結果が図9Bに示されており、最大量の生成物は、すべての試験条件下で、ステープル組合せの大部分について240分間で形成されたことを示唆している。図9Bは、2つのRCM温度、2つの触媒濃度、および4つの異なる時間点における6種のペプチドすべての生成物変換率を示している。37℃での25%触媒による処理により、ステープル組合せの大部分に対して、最高の変換率がもたらされ、一般に、位置i+3では、R-立体異性体と比べて、S-立体異性体と一層高い生成物変換率が観察された(図9Bを参照されたい)。図9Bが示す通り、PL3-S4およびPL3-S5ステープル組合せは、すべての他のステープル組合せに比べた場合、優れた変換を示した。PL3-S3ステープル組合せは、単一生成物のピークをもたらした一方、PL3-S4およびPL3-S5の組合せは、HPLCにおける2本の分離可能なピークによって証拠立てられる通り、2つの異なるステープルした生成物を生成した。2つの生成物の質量は、同じであったので、これらのピークは、二重結合がシスおよびトランスの異性体であることに起因しており、これは、他の炭化水素ステープリングシステムにおいて一般に観察されるものである。一対の異性体の各々に関して、早い方の保持時間を有するステープルした生成物は、生成物異性体1と識別された一方、遅い方の保持時間に溶出したステープルした生成物は、異性体2と識別した。当業者は、ステープルペプチドが、本開示による様々なメタセシス触媒および条件を含めた、様々な好適な方法を利用して調製することができることを理解している。
MOEソフトウェアを使用し、構造を含む距離および二面角拘束を用いるLowMode MDシミュレーションを行うことによって、PLL4-5の溶液中でのNMR構造を生成した(Labute, P., Journal of Chemical Information and Modeling 2010, 50 (5), 792-800)。MOEにおける「タンパク質コンセンサス」ツールを使用して、5つの最低エネルギー構造の主鎖RMSDを推定した。
PLL4-5の場合、図10Aに示されている溶液NMR分析により、異性体2生成物は、シス構造をしていることを示し、異性体1生成物が、トランス構造であることを暗示した。PL3-S4およびPL3-S5ステープル組合せのどちらも、異性体2生成物の方がかなり高い変換率をもたらした(図9C)。図9Cは、2つのRCM温度および2つの触媒濃度における、位置4のS3、S4およびS5ステープリング用アミノ酸による3種のペプチドの生成物変換率および異性体分布を示す。優れた異性体2生成物の変換に基づいた最適ステープリング条件は、25%のGrubbs-I触媒、37℃で240分間であった。PL3との組合せにおいて、R-立体異性体からステープルした生成物は、変換率が低いため、後続の実験から除外した。
S-立体配置をとるi+3のステープリング用アミノ酸に由来する5種のステープルした生成物のすべての二次構造を、タンパク質およびペプチドの二次構造を検討するために適用することができる解析技法である円二色性(CD)分光法によって解析した。手短に述べると、ProLock(商標)ステープルペプチドのCDスペクトルは、10mMリン酸緩衝液(pH=7.4)中、50μMのペプチド濃度でJasco J-810分光偏光計を使用して得た。CD測定は、各ペプチドに対して、8回のスキャンで20℃の固定温度で行った。CDスペクトルを平均残基楕円率(deg cm/dmol)でプロットした。図9Dに示されている通り、CDの結果により、α-ヘリックス状フォールディングの特徴である、208nmおよび222nmにおいて最小値が存在することによって評価される通り、PL3-S5異性体2が、α-ヘリックス立体配座をとる唯一のステープルした生成物であることが示された(Greenfield, N. J., Nat. Protoc. 2006, 1 (6), 2876-2890)。PL3-S3ステープルした生成物のCDスペクトルは、222nmに比べると、208nmにおいてかなり一層深い最小値を有するものの、α-ヘリックスと類似したCDプロファイルを有する、310ヘリックス立体配座に最も似ている(Toniolo et al., Journal of the American Chemical Society 1996, 118 (11), 2744-2745)。残りのステープルした生成物は、十分に明確にされた二次構造に類似するCDプロファイルを有してはいなかった。
これらの結果に基づいて、PL3-S5の組合せを、PLL4-5配列の状況では、α-ヘリックス状ペプチドを効率的に形成するための最適なステープル対と特定し、最適ステープリング条件は、25%のGrubbs-I触媒、37℃で240分間であった。これらの最適化したステープリング条件を使用し、PL3-S5ステープル組合せを用いて上の表2に列挙されているモデルER LBDペプチドの最初のパネルを合成した。10種の第1世代の配列のすべてに対して、ステープリングされた異性体2生成物が主要生成物となった。これらの異性体2のペプチドの大部分は、α-ヘリックス立体配座と一致したCDスペクトルを与え、PL3-S5組合せのヘリックス安定化は、様々な配列バックグラウンドにおいて起こり得ること実証している(図9Eを参照されたい)。したがって、この検討の残りにおいて議論するペプチドは、特に明記しない限り、PL3-S5をステープリングしたProLock(商標)ステープルペプチドの異性体-2生成物である。
次に、NMR検討を行い、溶液中のPLL4-5異性体2ペプチドのオレフィン幾何および溶液構造を決定した。20mMリン酸緩衝液(pH7.4)へのPLL4-5異性体2の溶解度は、880μMと求まり、水性緩衝液中でのNMR溶液での構造決定が可能であった。PLL4-5 ProLock(商標)ステープルペプチド異性体の溶液での構造決定のためのNMR測定はすべて、5mmのTCI cryoprobeを装備したBruker Avance 800MHz NMR分光計で行った。試料は、20mMリン酸緩衝液(pH7.4)を含有する、500μLの10%D2O/90%H2Oに溶解したペプチド850μMを使用して、標準5mm NMRチューブで分析した。完全共鳴帰属を行うため、293Kにおいて、同核1H、1H COSY、TOCSYおよびROESY実験を使用した。Brukerライブラリにおいて利用可能な標準パルスプログラムをすべての実験に使用した。WATERGATE法を使用して、NMR測定中の強力なH2O共鳴を抑えた(Liu et al., Journal of Magnetic Resonance 1998, 132 (1), 125-129)。NMRスペクトルをMestReNova NMRソフトウェアで処理し、ピーク帰属を行うため、CcpNMR Analysis v2.4.2にインポートし、距離および二面角拘束を生成した(Vranken et al., Proteins: Structure, Function, and Bioinformatics 2005, 59 (4), 687-696)。PLL4-5 ProLock(商標)ステープルペプチドの帰属したHプロトンのケミカルシフトが、以下の表3に示されている。
Figure 2023518413000083
COSY、TOCSYおよびROESY実験からの2D NMRデータを使用して、PLL4-5ペプチドのHスペクトルにおけるプロトンピークの完全な帰属を達成した。位置2のリジンから始まり位置7のロイシンまでに至る隣接アミドプロトン間に、連続したi、i+1のNOEが存在することにより、このペプチドの少なくとも最初の1.5回転分にα-ヘリックスフォールディングがあることが支持される。トレオニンおよびチロシンのアミドプロトンと隣接アミドプロトンとの間にNOEがないことは、このペプチドは、このペプチドのまさにC末端においてそのヘリックス構造が失われていることを示している。
PLL4-5ペプチドのNOEデータは、90の距離拘束および5つの二面角拘束に書き換えられ、MOEソフトウェアを使用するPLL4-5ペプチドモデルにこれらをロードした。LowMode MDによるシミュレーションとその後の拘束モデルペプチドのエネルギー最小化により、考えられる構造のデータベースが生成した。図10Aに示されている通り、PLL4-5ペプチドのHスペクトルは、このスペクトルのアミド領域において十分に分離されたピークを示した。4.8ppmにおける水シグナルを抑えるためのWATERGATE法を利用した後に、2組の個別のオレフィン性プロトンピークが、5.3~5.5ppmの間に観察された。2個のオレフィン性プロトン間のスピン-スピン分裂のJカップリングは、両組のピークを使用して、10.1および11.7Hzと測定された。これまでのステープルペプチド文献に基づくと、これらの値は、ProLock(商標)によりステープリングされた異性体-2生成物は、シスオレフィン幾何をとることが示唆される(Yuen et al., Chemical Science 2019, 10 (26), 6457-6466)。
図10Bに示されている通り、5つの最低エネルギー構造の統一性は、最初の7つの残基にα-ヘリックス立体配座が存在することと密接に一致することを示しており、最後の2つの残基はほどけている。図10Bに示されているこれらのNMRデータは、PLL4-5では、ProLock(商標)ステープルペプチドのキャップは、上で議論したCDデータと一致する、意図したヘリックス構造をとっていることを示している。
(実施例2)
第2世代のProLock(商標)ステープルペプチドの設計および特徴付け
第1世代のER LBDペプチドの親和性および受動的膜透過性に対する検討を行った。これに対処するため、最良のPAMPA透過性およびERβ LBD結合親和性を有するペプチドを融合した。さらに、ProLockペプチドの組合せライブラリの予備プールしたPAMPAスクリーニングを行い、このライブラリからヒットしたものを個々に精製した化合物として合成および評価するために選択した。合計で、18種の配列を合成し、上記の実施例1に記載されている方法を使用して、α-ヘリシティ、受動的膜透過性、ER LBDへの結合親和性およびカラムをベースとする疎水度を評価した。
以下の表4は、第2世代のProLockステープルペプチドの生物物理学的および生化学的特徴付けを示している。PAMPA有効透過率(P)、ER LBDに対する最大半数効果濃度(EC50)および疎水度(CHI LogD)測定値が示されている。2種の経口により生体利用可能な薬物である、ワルファリンおよびシクロスポリンA(CsA)を各PAMPAプレートに対する対照として使用し、アッセイの質を確認した。PAMPA、EC50およびCHI LogD値は、それぞれ、少なくとも8回、4回、3回の独立したレプリケートの平均値±標準誤差である。
Figure 2023518413000084
以下の表5は、PAMPAアッセイにおいて試験した化合物の保持率(%)の要約を示している。
Figure 2023518413000085
上の表4が示す通り、18種の第2世代のProLock(商標)ステープルペプチドのうちの8種が、1×10-6cm/秒を超えるP値を有するPAMPA透過性を示した。最高の値は、PLL7-1の場合であり、Pは2.1×10-6cm/秒であった。これらは、このように高いレベルで報告された受動的膜透過性を有する、最初のヘリックスにより安定化されたペプチドであることを示している。第2世代のペプチドのうちの2種は、ERβ LBDへの結合にサブミクロンモル濃度のEC50値を示し、1×10-6cm/秒を超えるP値を有する8種のペプチドのうちの3種は、0.8μM~1.3μMの範囲のEC50値を示した(PLL5-2、PLL7-7およびPLL7-9)(表4を参照されたい)。
留意すべきことに、1×10-6cm/秒を超えるP値を有する、表4に示されている8種のペプチドのすべてが、少なくとも1つの荷電残基を有した。このような一連の特定のペプチドでは、透過性ペプチドの大部分が、ペプチドのC末端の方向に、負に荷電したアスパラギン酸残基を1つまたは2つのどちらかを有した。1×10-6cm/秒を超えるP値を有するペプチドは、-2~中性の間の範囲の正味の電荷を示した(第1世代のペプチドに由来するPLL4-5は、+1の正味の電荷を有しており、Pは、0.7×10-6cm/秒であることに留意されたい)。これらのデータは、複数の荷電残基を含有するペプチドの場合でさえも、中度のレベルの受動的透過性が実現され得ることを示している。さらに、1×10-6cm/秒を超えるP値を有する一部の配列に、アルギニン残基が見られるが、それらの残基は、常に、i+3またはi+4の位置に負に荷電した残基を伴っており、アルギニン含有配列が膜を受動的に移動するためには、一対の電荷が必要となり得ることを示唆している。
中度の膜透過性およびERβ LBD親和性の両方を有するProLock(商標)ステープルペプチドを特定することにより、受動的膜透過性を維持するためのProLock(商標)ステープルペプチド設計の構成要素の重要性を検討した。この検討に関すると、様々な膜透過性を有する6種のProLock(商標)ステープルペプチド:PLL4-5、PLL4-10、PLL5-2、PLL7-7、PLL7-9およびPLL7-20を選択した。
ProLock(商標)ステープル設計の構成要素の重要性を評価するために、ProLock(商標)ステープリングシステムの様々な特徴を系統的に除いた各ペプチドのために、バリアントのパネルを合成した。この取り組みの部分として試験した特徴は、N末端アセチルキャップ、i+1残基の残留溶媒に曝露したアミドプロトン、C末端メチルアミドキャップおよびProLock(商標)ステープルそのものとした。合成した対応する設計バリアントは、以下とした:N末端アセチルキャップをキャップのないものと置き換えたもの(遊離NH)、位置i+1のアミド連結基をデプシ連結基により置き換えたもの(エステル結合)、C末端アミドキャップをキャップのないものに置き換えたもの(カルボキサミドC末端)、ProLock(商標)ステープルの代わりにS5-S5ステープルを組み込んだものの、および非ステープル型のペプチドを得るためオレフィンメタセシスによる架橋を省略したもの。図11は、設計バリアントを概略的に図示している。S5-S5型は、PL3の位置をアラニン残基により置き換えたもの、およびS5残基のN末端をアラニン(すなわち、i-1の位置)に組み込んだものを含んだ。これらの変更に加え、i+1の位置におけるアミドのN-メチル化(アミドプロトンを除去するため)を含んだバリアントも設計した。しかし、以下のペプチドの合成および精製は成功しなかった:PL3は、N-メチル化末端残基を樹脂表面でペプチドに連結することができず(マイクロ波条件下でさえ)、十分に延びたペプチドの直接的なアルキル化による均一な生成物を得ることができなかった(White et al., Nature Chemical Biology 2011, 7 (11), 810-817を参照されたい)。
合成および精製に続いて、親ProLock(商標)ステープルペプチドおよびそれらのバリアントの疎水度(CHI LogDによる)を試験した。N末端アセチルキャップまたはC末端メチルアミドキャップを除去すると、LogDが低下し、この結果は、さらなる極性官能基の導入と一致した。位置i+1におけるアミド連結基をデプシ連結基により置き換えると、LogDが向上し、この結果は、極性基の除去と一致した。最後に、一層長いS5-S5ステープルの使用、または非ステープル型のものを得るためのオレフィンメタセシス架橋の省略により、LogDが向上した。これらのことは、追加的な炭化水素含有物の導入による可能性があるが、ペプチドの長さ、ヘリシティおよびペプチドのマクロ双極子に関する影響がこの解釈を複雑にしている。PAMPA結果は、ProLock(商標)ステープルペプチドバリアントのほぼ全部が、その元々のProLock(商標)ステープル親ペプチドと比べて、受動的膜透過性に劣ることを示した。上記の結果の例外の1つは、N末端アセチルキャップのないPLL7-9バリアントは、親ProLock(商標)ステープルペプチドに比べると、驚くほど高いCHI LogDを示したという発見であった(以下の表6を参照されたい)。
Figure 2023518413000086
したがって、試験した25種のペプチドのうちの1種において、PLL5-2の非ステープル型は、親ProLock(商標)ステープルペプチドに比べて、わずかに高いPAMPA P値を有した(それぞれ、1.7×10-6cm/秒対1.6×10-6cm/秒)。
予想外なことに、表6に示される通り、デプシ連結ペプチドの場合のPAMPA透過性は、元々のProLock(商標)ステープル型のPAMPA透過性よりも一貫して低かった。デプシ連結基により、ヘリックスのN末端に存在する残留する要求を満たさない1個のアミドプロトンが取り除かれることを考慮すると、この傾向は、アミドプロトンがなくなると、受動的透過性の改善が予想されることが妥当であるので、驚くべきことであった。理論によって限定されることを意図するものではないが、アミド連結基の立体構造優先性とはかなり異なる、デプシ連結基の立体構造優先性により、ProLock(商標)ステープリングシステムの安定性および/またはアミドプロトンクローキング特性が妨害される可能性がある。
これらの結果は、ProLock(商標)ステープリングシステムの様々な設計特徴が、有利な受動的膜透過性を維持するために一般に必要であることを示している。理論によって制限されることを意図するものではないが、このことは、ステープリングシステム、例えば炭化水素ステープリングシステムによって立体構造が安定化されるN末端プロリンキャップの導入により、ヘリックスのN末端アミドプロトンのクローキングの改善に関する基礎となる仮説を支持するものである。N-Fmoc-PL3-OH(N-アセチル-PL3-OHではなく)の合成により、ProLock(商標)ステープル設計の追加試験、特に、アセチル基を、i+2およびi+3のアミドプロトンとの分岐水素結合を形成することができないと思われる別のキャッピング基により置き換えることが可能となると思われる。
表7は、実施例1および2に記載されている、ペプチドの名称、様々なペプチドの理論および実測m/z、ならびに電荷(Z)の要約を提示している。デプシ連結ペプチドの場合、位置2のアミノ酸は、Lec(ロイシン酸)として示されている。
Figure 2023518413000087
Figure 2023518413000088
Figure 2023518413000089
Figure 2023518413000090
これらの実施例1および2では、ペプチドのN末端における溶媒に曝露したアミドプロトンの数をやはり減少させると同時に、α-ヘリックス立体配座におけるペプチドを安定化させる、新規なステープリングシステムであるProLock(商標)の開発を記載する。ProLock(商標)ステープルを生物学的に関連性のある配列に組み込むと、経口により生物学的に利用可能な薬物の一部に匹敵するレベルで、膜を受動的に通過する能力をそれらに付与すると同時に、低いマイクロモル濃度またはサブマイクロモル濃度の親和性で、その標的タンパク質に結合する能力を保持する。
他のペプチド構造への受動的膜透過性を操作しようとする際に多くの場合に必要となる通り、ペプチド主鎖中のほぼ全部のアミドプロトンを本質的にクローキングすることによって、ProLock(商標)ステープリングシステムは、アミド結合のクローキングまたはアイソステアへの変換に多大な努力を注ぐ必要がなくなる。この発見により、受動的膜透過性、標的結合および他の生理化学的特性において、側鎖の役割に着目したさらなる検討が可能となる。このシステムは、創薬不能な標的の受動的透過性阻害剤の開発に対する価値の高い基礎を提供する。
(実施例3)
この実施例は、N末端アミドプロトンをクローキングするためのProLock(商標)ステープルおよびヘリックス立体配座中のペプチドのC末端部分を保持する第2のステープルの両方を備える、ステープルペプチドを対象とする。一部の実施形態では、第1のステープル(例えば、ProLock(商標)ステープル)および第2のステープルは、同じアミノ酸残基に結合している。第2のステープルとなり得るステープルは、公知である(例えば、PCT公開番号WO2014/159969およびWO2019/051327および米国特許第10,487,110号を参照されたい)。
本開示における様々な表(例えば、表7)は、単一ProLock(商標)ステープルを含むいくつかのペプチドの配列を列挙している。ProLock(商標)ステープルペプチドからの結果に基づくと、ProLock(商標)ステープルと第2のステープルの両方を含むペプチドは、リン脂質(phosphospholipid)注入膜(例えば、PAMPA膜または細胞膜)を横切る能力もしくは標的(例えば、ER LBD標的)に対する親和性の向上、またはそれらの両方に関して、優れた質を有することが予想される。
上記の通り、一部のペプチドでは、ProLock(商標)ステープルを添加するだけでは、ペプチドがリン脂質注入膜を横切る能力が劇的に向上することも起こり得ず、その標的に対して親和性が劇的に向上したペプチドをもたらすことも起こり得ない。
例えば、天然のペプチドは、例えば750nMのEC50で、その標的に結合可能となり得る。ステープルペプチドがリン脂質注入膜を横切る能力が、非ステープルペプチドに比べて向上している場合でさえも、ProLock(商標)ステープルは、ペプチドがその標的に結合することを妨害するので、ProLock(商標)ステープルをペプチドに追加しても、EC50は、非ステープルペプチドに比べて、劇的に低下しないことがある(または、実際には、向上することがある)。一例では、ProLock(商標)ステープルと第2のステープルの両方が、ペプチドに追加された場合、EC50は、ProLock(商標)ステープルしか有していないペプチドのEC50に比べた場合、同じまま留まるか、もしくは低下すること、または天然の(すなわち非ステープル)ペプチドのEC50と同じまま留まるか、もしくはこれ未満に低下することが予想される。別の例では、ProLock(商標)ステープルと第2のステープルの両方が、ペプチドに追加された場合、PAMPA透過性の値は、ProLock(商標)ステープルしか有していないペプチドのPAMPA数に比べた場合、同じまま留まるか、もしくは向上すること、または天然の(すなわち非ステープル)ペプチドのPAMPA値と比べて、同じまま留まるか、もしくは向上することが予想される。これは、ステープルペプチド中のProLock(商標)ステープルを検討および最適化するための本明細書に記載されている分析のために、当業者には予想外と思われるが、2つのステープルを用いるこのような改善が予期される。
細胞透過性に関して、同様の結果が予想される(例えば、PAMPAアッセイを使用する)。
上記の本開示の実施形態は、単なる例示を意図するに過ぎない。多数の変形および修正が当業者に明白となろう。このような変形および修正のすべてが、いずれの添付の特許請求の範囲に定義されている本開示の範囲内にあることが意図される。

Claims (79)

  1. P-Iの構造:
    -N(Ra1)CH(Ra2)-C(O)-
    (P-I)
    またはその塩形態を有するアミノ酸残基(式中、
    a1およびRa2は、介在原子と一緒になって、環Aを形成し、
    環Aは、Ra1が結合している窒素に加え、0~3個のヘテロ原子を有する、置換されている、3~10員の飽和または部分不飽和な環であり、前記環の少なくとも1つの置換基は、-K-Ra3または-K-であり、Kは、必要に応じてリンカーSを介して、第2のアミノ酸残基の側鎖炭素または主鎖炭素に連結しており、
    Kはそれぞれ、独立して、共有結合、または必要に応じて置換されているC1~20脂肪族、または1~6個のヘテロ原子を有する複素脂肪族鎖であり、1つまたは複数のメチレン単位は、必要に応じておよび独立して、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)O-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-C(O)S-または-C(O)O-により置き換えられており、
    a3はそれぞれ、独立して、-CH=CHおよび-C≡CHから選択される、必要に応じて置換されている基であり、
    -Cy-はそれぞれ、独立して、C3~20脂環式環、C6~20アリール環、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~20員のヘテロアリール環および酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~20員のヘテロシクリル環から選択される、必要に応じて置換されている二価の基であり、
    は、-Sp1-Sp2-Sp3-であり、Sp1は、Kに結合しており、Sp3は、第2のアミノ酸残基の側鎖炭素または主鎖炭素に結合しており、
    p1、Sp2およびSp3はそれぞれ、独立して、Sであり、
    はそれぞれ、独立して、結合、置換もしくは無置換C1~10アルカン、置換もしくは無置換C1~10アルキレンまたは必要に応じて置換されている二価のC~C20脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位は、必要に応じておよび独立して、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)O-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-C(O)S-または-C(O)O-により置き換えられており、
    R’はそれぞれ、独立して、-R、-C(O)R、-CORまたは-SORであり、
    Rはそれぞれ、独立して、-H、またはC1~30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1~30複素脂肪族、C6~30アリール、C6~30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC6~30アリール複素脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員のヘテロアリールおよび酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員のヘテロシクリルから選択される必要に応じて置換されている基である、または
    2つのR基は、必要に応じておよび独立して一緒になって、共有結合を形成する、または:
    同一原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、前記原子と一緒になって、前記原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する、または、
    2個もしくはそれより多い原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、それらの介在原子と一緒になって、前記介在原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する)
    を含むペプチド。
  2. 式(P-II):-C(O)-N(Ra1)CH(Ra2)-C(O)-の残基またはその塩形態を含む、請求項1に記載のペプチド。
  3. 式(P-III):R-N(Ra1)CH(Ra2)-C(O)-の残基またはその塩形態を含む、請求項1に記載のペプチド。
  4. 環Aが、Ra1が結合している窒素に加え、0~3個のヘテロ原子を有する、置換されている3~10員の飽和または部分不飽和な環であり、前記環の少なくとも1つの置換基が、-K-Ra3である、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  5. a3が-CH=CHである、請求項4に記載のペプチド。
  6. a3が-C≡CHである、請求項4に記載のペプチド。
  7. 環Aが、Ra1が結合している窒素に加え、0~3個のヘテロ原子を有する、置換されている3~10員の飽和または部分不飽和な環であり、前記環の少なくとも1つの置換基が、-K-であり、Kが、必要に応じて、リンカーSを介して、第2のアミノ酸残基の側鎖炭素または主鎖炭素に連結している、請求項1から3のいずれか一項に記載のペプチド。
  8. Figure 2023518413000091
    またはその塩形態を含むペプチド(式中、
    vは、1または2であり、
    Kは、共有結合、または二価の脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の複素脂肪族基、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択される置換もしくは無置換の二価の基であり、必要に応じてリンカーSを介して、第2のアミノ酸残基の側鎖炭素または主鎖炭素に連結しており、
    は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;または必要に応じてリンカーによって連結されている標識であり、前記リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;および置換もしくは無置換ヘテロアリーレンから選択される基、またはこれらの1つもしくは複数の組合せであるか、あるいはRは、ペプチド部分であるかまたはこれを含み、
    各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
    yは、0、1、2または3であり、
    は、-Sp1-Sp2-Sp3-であり、Sp1は、Kに結合しており、Sp3は、第2のアミノ酸残基の側鎖炭素または主鎖炭素に結合しており、
    p1、Sp2およびSp3はそれぞれ、独立して、Sであり、
    はそれぞれ、独立して、結合、置換もしくは無置換C1~10アルカン、置換もしくは無置換C1~10アルキレンまたは必要に応じて置換されている二価のC~C20脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位は、必要に応じておよび独立して、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)O-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-C(O)S-または-C(O)O-により置き換えられており、
    -Cy-はそれぞれ、独立して、C3~20脂環式環、C6~20アリール環、5酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する~20員のヘテロアリール環および酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~20員のヘテロシクリル環から選択される、必要に応じて置換されている二価の基であり、
    R’はそれぞれ、独立して、-R、-C(O)R、-CORまたは-SORであり、
    Rはそれぞれ、独立して、-H、またはC1~30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1~30複素脂肪族、C6~30アリール、C6~30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC6~30アリール複素脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員のヘテロアリールおよび酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員のヘテロシクリルから選択される、必要に応じて置換されている基である、または
    2つのR基は、必要に応じておよび独立して一緒になって、共有結合を形成する、または:
    同一原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、前記原子と一緒になって、前記原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する、または、
    2個もしくはそれより多い原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、それらの介在原子と一緒になって、前記介在原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する)。
  9. Figure 2023518413000092
    またはその塩形態を含むペプチド(式中、
    vは、1または2であり、
    Kは、共有結合、または二価の脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の複素脂肪族基、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択される置換もしくは無置換の二価の基であり、
    は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;または必要に応じてリンカーによって連結されている標識であり、前記リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;および置換もしくは無置換ヘテロアリーレンから選択される基、またはこれらの1つもしくは複数の組合せであるか、あるいはRは、ペプチド部分であるかまたはこれを含み、
    各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
    yは、0、1、2または3であり、
    各場合の
    Figure 2023518413000093
    は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表す)。
  10. アミノ酸残基Bを含むペプチドであって、
    はBまたはB’であり、
    Bは、
    Figure 2023518413000094
    またはその塩形態であり、
    B’は、
    Figure 2023518413000095
    またはその塩形態である、ペプチド(式中、
    vは、1または2であり、
    Kは、共有結合、または二価の脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の複素脂肪族基、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択される置換もしくは無置換の二価の基であり、BがBである場合、Kは、必要に応じてリンカーSを介して、第2のアミノ酸残基の側鎖炭素または主鎖炭素に連結しており、
    は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;または必要に応じてリンカーによって連結されている標識であり、前記リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;および置換もしくは無置換ヘテロアリーレンから選択される基、またはこれらの1つもしくは複数の組合せであるか、あるいはRは、ペプチド部分であるかまたはこれを含み、
    各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
    yは、0、1、2または3であり、
    各場合の
    Figure 2023518413000096
    は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表し、
    は、-Sp1-Sp2-Sp3-であり、Sp1は、Kに結合しており、Sp3は、第2のアミノ酸残基の側鎖炭素または主鎖炭素に結合しており、
    p1、Sp2およびSp3はそれぞれ、独立して、Sであり、
    はそれぞれ、独立して、結合、置換もしくは無置換C1~10アルカン、置換もしくは無置換C1~10アルキレンまたは必要に応じて置換されている二価のC~C20脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位は、必要に応じておよび独立して、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)O-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-C(O)S-または-C(O)O-により置き換えられており、
    -Cy-はそれぞれ、独立して、C3~20脂環式環、C6~20アリール環、5酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する~20員のヘテロアリール環および酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~20員のヘテロシクリル環から選択される、必要に応じて置換されている二価の基であり、
    R’はそれぞれ、独立して、-R、-C(O)R、-CORまたは-SORであり、
    Rはそれぞれ、独立して、-H、またはC1~30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1~30複素脂肪族、C6~30アリール、C6~30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC6~30アリール複素脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員のヘテロアリールおよび酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員のヘテロシクリルから選択される、必要に応じて置換されている基である、または
    2つのR基は、必要に応じておよび独立して一緒になって、共有結合を形成する、または:
    同一原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、前記原子と一緒になって、前記原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する、または、
    2個もしくはそれより多い原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、それらの介在原子と一緒になって、前記介在原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する)。
  11. がBであり、前記ペプチドが第2のアミノ酸残基を含み、その側鎖がオレフィンを含む、請求項1に記載のペプチド。
  12. がBであり、前記ペプチドが第2のアミノ酸残基を含み、その側鎖が末端オレフィンを含む、請求項1に記載のペプチド。
  13. がBであり、前記ペプチドが、第2のアミノ酸残基Jを含む、請求項1に記載のペプチド。
  14. が、B’であり、Bが、ステープル部を介して第2のアミノ酸残基に連結している、請求項1に記載のペプチド。
  15. が、B’であり、Bが、第2のアミノ酸J’に連結している、請求項1に記載のペプチド。
  16. (位置i)と第2のアミノ酸残基(位置i+3)との間に2つのアミノ酸残基が存在する、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  17. iが1である、請求項16に記載のペプチド。
  18. 以下:
    B-X-Z-J-X-X-Z-X-X-X10-X11-X12-X13(配列番号1)
    またはその塩形態であるか、またはこれを含むペプチドであって、
    Bは、
    Figure 2023518413000097
    またはその塩もしくは立体異性体形態である、ペプチド(式中、
    vは、1または2であり、
    Kは、共有結合、または二価の脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の複素脂肪族基、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択される置換もしくは無置換の二価の基であり、
    は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;または必要に応じてリンカーによって連結されている標識であり、前記リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;および置換もしくは無置換ヘテロアリーレンから選択される基、またはこれらの1つもしくは複数の組合せであるか、あるいはRは、ペプチド部分であるかまたはこれを含み、
    各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
    yは、0、1、2または3であり、
    各場合の
    Figure 2023518413000098
    は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表し、
    Jは、
    Figure 2023518413000099
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    各場合のRおよびRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;またはハロであり、
    各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
    各場合のZは、独立して、必要に応じて置換されているC4~6(例えば、C、CまたはC)脂肪族側鎖を含むアミノ酸残基、またはロイシンアミノ酸残基もしくはそのホモログ(例えば、ロイシンアミノ酸残基、イソロイシンアミノ酸残基、ホモロイシンアミノ酸残基、アロイソロイシンアミノ酸残基、ノルロイシンアミノ酸残基およびtert-ロイシンアミノ酸残基からなる群から選択される残基など)であり、前記ホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよく
    、X、X、X、X、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、独立して、D立体異性体またはL立体異性体であってもよい、アミノ酸残基であり、
    、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、必要に応じて存在する)。
  19. 以下:
    B’-X-Z-J’-X-X-Z-X-X-X10-X11-X12-X13
    またはその塩形態(式中、
    B’は、
    Figure 2023518413000100
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    vは、1または2であり、
    Kは、共有結合、または二価の脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の複素脂肪族基、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択される置換もしくは無置換の二価の基であり、
    は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;または必要に応じてリンカーによって連結されている標識であり、前記リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;および置換もしくは無置換ヘテロアリーレンから選択される基、またはこれらの1つもしくは複数の組合せであるか、あるいはRは、ペプチド部分であるかまたはこれを含み、
    J’は、
    Figure 2023518413000101
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    は、-Sp1-Sp2-Sp3-であり、Sp1はKに結合しており、
    p1、Sp2およびSp3はそれぞれ、独立して、Sであり、
    はそれぞれ、独立して、結合、置換もしくは無置換C1~10アルカン、置換もしくは無置換C1~10アルキレンまたは必要に応じて置換されている二価のC~C20脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位は、必要に応じておよび独立して、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)O-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-C(O)S-または-C(O)O-により置き換えられており、
    -Cy-はそれぞれ、独立して、C3~20脂環式環、C6~20アリール環、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~20員のヘテロアリール環および酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~20員のヘテロシクリル環から選択される、必要に応じて置換されている二価の基であり、
    R’はそれぞれ、独立して、-R、-C(O)R、-CORまたは-SORであり、
    Rはそれぞれ、独立して、-H、またはC1~30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1~30複素脂肪族、C6~30アリール、C6~30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC6~30アリール複素脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員のヘテロアリールおよび酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員のヘテロシクリから選択される、必要に応じて置換されている基である、または
    2つのR基は、必要に応じておよび独立して一緒になって、共有結合を形成する、または
    同一原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、前記原子と一緒になって、前記原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する、または、
    2個もしくはそれより多い原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、それらの介在原子と一緒になって、前記介在原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成し、
    各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;またはハロであり、
    各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
    各場合のZは、独立して、必要に応じて置換されているC4~6(例えば、C、CまたはC)脂肪族側鎖を含むアミノ酸残基、またはロイシンアミノ酸残基もしくはそのホモログ(例えば、ロイシンアミノ酸残基、イソロイシンアミノ酸残基、ホモロイシンアミノ酸残基、アロイソロイシンアミノ酸残基、ノルロイシンアミノ酸残基およびtert-ロイシンアミノ酸残基からなる群から選択される残基など)であり、前記ホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよく
    、X、X、X、X、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、独立して、D立体異性体またはL立体異性体であってもよい、アミノ酸残基であり、
    、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、必要に応じて存在する)
    であるか、またはこれを含む、ペプチド。
  20. 以下:
    B-Z-X-J-X-Z-X-X-X-X10-X11-X12-X13(配列番号2)
    またはその塩形態であるか、またはこれを含むペプチドであって、
    Bは、
    Figure 2023518413000102
    またはその塩もしくは立体異性体形態である、ペプチド(式中、
    vは、1または2であり、
    Kは、共有結合、または二価の脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の複素脂肪族基、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択される置換もしくは無置換の二価の基であり、
    は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;または必要に応じてリンカーによって連結されている標識であり、前記リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;おまたは置換もしくは無置換ヘテロアリーレンの1つもしくは複数の組合せからなる基であるか、あるいはRは、ペプチド部分であるかまたはこれを含み、
    各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
    yは、0、1、2または3であり、
    各場合の
    Figure 2023518413000103
    は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表し、
    Jは、
    Figure 2023518413000104
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    各場合のRおよびRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;またはハロであり、
    各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
    各場合のZは、独立して、必要に応じて置換されているC4~6(例えば、C、CまたはC)脂肪族側鎖を含むアミノ酸残基、またはロイシンアミノ酸残基もしくはそのホモログ(例えば、ロイシンアミノ酸残基、イソロイシンアミノ酸残基、ホモロイシンアミノ酸残基、アロイソロイシンアミノ酸残基、ノルロイシンアミノ酸残基およびtert-ロイシンアミノ酸残基からなる群から選択される残基など)であり、前記ホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよく
    、X、X、X、X、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、独立して、D立体異性体またはL立体異性体であってもよい、アミノ酸残基であり、
    、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、必要に応じて存在する)。
  21. 以下:
    B’-Z-X-J’-X-Z-X-X-X-X10-X11-X12-X13(配列番号2)
    またはその塩形態(式中、
    B’は、
    Figure 2023518413000105
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    vは、1または2であり、
    Kは、共有結合、または二価の脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の複素脂肪族基、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択される置換もしくは無置換の二価の基であり、
    は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;または必要に応じてリンカーによって連結されている標識であり、前記リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;および置換もしくは無置換ヘテロアリーレンから選択される基、またはこれらの1つもしくは複数の組合せであるか、あるいはRは、ペプチド部分であるかまたはこれを含み、
    J’は、
    Figure 2023518413000106
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    は、-Sp1-Sp2-Sp3-であり、Sp1はKに結合しており、
    p1、Sp2およびSp3はそれぞれ、独立して、Sであり、
    はそれぞれ、独立して、結合、置換もしくは無置換C1~10アルカン、置換もしくは無置換C1~10アルキレンまたは必要に応じて置換されている二価のC~C20脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位は、必要に応じておよび独立して、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)O-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-C(O)S-または-C(O)O-により置き換えられており、
    -Cy-はそれぞれ、独立して、C3~20脂環式環、C6~20アリール環、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~20員のヘテロアリール環および酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~20員のヘテロシクリル環から選択される、必要に応じて置換されている二価の基であり、
    R’はそれぞれ、独立して、-R、-C(O)R、-CORまたは-SORであり、
    Rはそれぞれ、独立して、-H、またはC1~30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1~30複素脂肪族、C6~30アリール、C6~30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC6~30アリール複素脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員のヘテロアリールおよび酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員のヘテロシクリから選択される、必要に応じて置換されている基である、または
    2つのR基は、必要に応じておよび独立して一緒になって、共有結合を形成する、または
    同一原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、前記原子と一緒になって、前記原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する、または、
    2個もしくはそれより多い原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、それらの介在原子と一緒になって、前記介在原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成し、
    各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;またはハロであり、
    各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
    各場合のZは、独立して、必要に応じて置換されているC4~6(例えば、C、CまたはC)脂肪族側鎖を含むアミノ酸残基、またはロイシンアミノ酸残基もしくはそのホモログ(例えば、ロイシンアミノ酸残基、イソロイシンアミノ酸残基、ホモロイシンアミノ酸残基、アロイソロイシンアミノ酸残基、ノルロイシンアミノ酸残基およびtert-ロイシンアミノ酸残基からなる群から選択される残基など)であり、前記ホモログは、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよく
    、X、X、X、X、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、独立して、D立体異性体またはL立体異性体であってもよい、アミノ酸残基であり、
    、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、必要に応じて存在する)
    であるか、またはこれを含む、ペプチド。
  22. 以下:
    B-X-X-J-X-X-X-O-X-X10-X11-X12-X13
    またはその塩(式中、
    Bは、
    Figure 2023518413000107
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    vは、1または2であり、
    Kは、共有結合、または二価の脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の複素脂肪族基、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択される置換もしくは無置換の二価の基であり、
    は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;または必要に応じてリンカーによって連結されている標識であり、前記リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;または置換もしくは無置換ヘテロアリーレンの1つもしくは複数の組合せからなる基である、あるいはRは、ペプチド部分であるかまたはこれを含み、
    各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
    yは、0、1、2または3であり、
    各場合の
    Figure 2023518413000108
    は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表し、
    Jは、
    Figure 2023518413000109
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    各場合のqは、独立して、1、2または3であり、
    各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
    各場合の
    Figure 2023518413000110
    は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表し、
    Oは、以下の式
    Figure 2023518413000111
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    は、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    各場合の
    Figure 2023518413000112
    は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表し、
    は、独立して、結合、二価の置換もしくは無置換C1~10脂肪族または複素脂肪族、置換もしくは無置換C1~10アルキレン、-C(O)O-、あるいは-C(=O)OR-であり、
    は、独立して、結合、N、必要に応じて置換されているCHまたはC(R)であり、
    は、独立して、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    およびRはそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、-NO、-OH、-CNまたはC1~6アルキルであり、
    jおよびj1はそれぞれ、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、
    、X、X、X、X、X、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、独立して、D立体異性体またはL立体異性体であってもよい、アミノ酸残基であり、
    、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、必要に応じて存在する)
    であるか、またはこれを含む、ペプチド。
  23. 以下:
    B’-X-X-J”-X-X-X-O’-X-X10-X11-X12-X13
    またはその塩形態であるかまたはこれを含むペプチドであって、
    B’は、
    Figure 2023518413000113
    またはその塩もしくは立体異性体形態である、ペプチド(式中、
    vは、1または2であり、
    Kは、共有結合、または二価の脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の複素脂肪族基、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択される置換もしくは無置換の二価の基であり、
    は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;または必要に応じてリンカーによって連結されている標識であり、前記リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;および置換もしくは無置換ヘテロアリーレンから選択される基、またはこれらの1つもしくは複数の組合せであるか、あるいはRは、ペプチド部分であるかまたはこれを含み、
    J’’は、
    Figure 2023518413000114
    またはその塩もしくは立体異性体形態であり、
    は、-Sp1-Sp2-Sp3-であり、Sp1は、Kに結合しており、
    は、-Ss1-Ss2-Ss3-であり、Ss3は、Lに結合しており、
    p1、Sp2、Sp3、Ss1、Ss2およびSs3はそれぞれ、独立して、Sであり、
    はそれぞれ、独立して、結合、置換もしくは無置換C1~10アルカン、置換もしくは無置換C1~10アルキレンまたは必要に応じて置換されている二価のC~C20脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位は、必要に応じておよび独立して、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)O-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-C(O)S-または-C(O)O-により置き換えられており、
    -Cy-はそれぞれ、独立して、C3~20脂環式環、C6~20アリール環、5酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する~20員のヘテロアリール環および酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~20員のヘテロシクリル環から選択される、必要に応じて置換されている二価の基であり、
    R’はそれぞれ、独立して、-R、-C(O)R、-CORまたは-SORであり、
    Rはそれぞれ、独立して、-H、またはC1~30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1~30複素脂肪族、C6~30アリール、C6~30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC6~30アリール複素脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員のヘテロアリールおよび酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員のヘテロシクリルから選択される、必要に応じて置換されている基である、または
    2つのR基は、必要に応じておよび独立して一緒になって、共有結合を形成する、または:
    同一原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、前記原子と一緒になって、前記原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する、または、
    2個もしくはそれより多い原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、それらの介在原子と一緒になって、前記介在原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成し、
    O’は、
    Figure 2023518413000115
    またはその塩もしくは立体異性体であり、ここで、
    は、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    は、独立して、結合、二価の置換もしくは無置換C1~10脂肪族または複素脂肪族、置換もしくは無置換C1~10アルキレン、-C(O)O-、あるいは-C(=O)OR-であり、
    は、独立して、結合、N、必要に応じて置換されているCHまたはC(R)であり、
    は、独立して、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    およびRはそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、-NO、-OH、-CNまたはC1~6アルキルであり、
    jおよびj1はそれぞれ、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、
    、X、X、X、X、X、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、独立して、D立体異性体またはL立体異性体であってもよい、アミノ酸残基であり、
    、X10、X11、X12およびX13はそれぞれ、必要に応じて存在する)。
  24. 以下:
    B-X-X-J-X-X-X-X-X-X10-O-X12-X13-X14
    またはその塩(式中、
    Bは、
    Figure 2023518413000116
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    vは、1または2であり、
    Kは、共有結合、または二価の脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の複素脂肪族基、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択される置換もしくは無置換の二価の基であり、
    は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;または必要に応じてリンカーによって連結されている標識であり、前記リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;および置換もしくは無置換ヘテロアリーレンから選択される基、またはこれらの1つもしくは複数の組合せであるか、あるいはRは、ペプチド部分であるかまたはこれを含み、
    各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
    yは、0、1、2または3であり、
    Jは、
    Figure 2023518413000117
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    各場合のqは、独立して、1、2または3であり、
    各場合のRは、独立して、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり、
    各場合の
    Figure 2023518413000118
    は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表し、
    Oは、以下の式
    Figure 2023518413000119
    またはその塩もしくは立体異性体であり、ここで、
    は、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    各場合の
    Figure 2023518413000120
    は、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表し、
    は、独立して、結合、二価の置換もしくは無置換C1~10脂肪族または複素脂肪族、置換もしくは無置換C1~10アルキレン、-C(O)O-、あるいは-C(=O)OR-であり、
    は、独立して、結合、N、必要に応じて置換されているCHまたはC(R)であり、
    は、独立して、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    およびRはそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、-NO、-OH、-CNまたはC1~6アルキルであり、
    jおよびj1はそれぞれ、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、
    、X、X、X、X、X、X10、X12、X13およびX14はそれぞれ、独立して、D立体異性体またはL立体異性体であってもよい、アミノ酸残基であり、
    、X、X10、X12、X13およびX14はそれぞれ、必要に応じて存在する)
    であるか、またはこれを含む、ペプチド。
  25. 以下:
    B’-X-X-J”-X-X-X-X-X-X10-O’-X12-X13-X14
    またはその塩形態であるかまたはこれを含むペプチドであって、
    B’は、
    Figure 2023518413000121
    またはその塩もしくは立体異性体形態である、ペプチド(式中、
    vは、1または2であり、
    Kは、共有結合、または二価の脂肪族基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価の複素脂肪族基、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクレン、カルボシクレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択される置換もしくは無置換の二価の基であり、
    は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;または必要に応じてリンカーによって連結されている標識であり、前記リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;および置換もしくは無置換ヘテロアリーレンから選択される基、またはこれらの1つもしくは複数の組合せであるか、あるいはRは、ペプチド部分であるかまたはこれを含み、
    J’’は、
    Figure 2023518413000122
    またはその塩もしくは立体異性体形態であり、
    は、-Sp1-Sp2-Sp3-であり、Sp1は、Kに結合しており、
    は、-Ss1-Ss2-Ss3-であり、Ss3は、Lに結合しており、
    p1、Sp2、Sp3、Ss1、Ss2およびSs3はそれぞれ、独立して、Sであり、
    はそれぞれ、独立して、結合、置換もしくは無置換C1~10アルカン、置換もしくは無置換C1~10アルキレンまたは必要に応じて置換されている二価のC~C20脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位は、必要に応じておよび独立して、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)O-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-C(O)S-または-C(O)O-により置き換えられており、
    -Cy-はそれぞれ、独立して、C3~20脂環式環、C6~20アリール環、5酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する~20員のヘテロアリール環および酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~20員のヘテロシクリル環から選択される、必要に応じて置換されている二価の基であり、
    R’はそれぞれ、独立して、-R、-C(O)R、-CORまたは-SORであり、
    Rはそれぞれ、独立して、-H、またはC1~30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1~30複素脂肪族、C6~30アリール、C6~30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC6~30アリール複素脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員のヘテロアリールおよび酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員のヘテロシクリルから選択される、必要に応じて置換されている基である、または
    2つのR基は、必要に応じておよび独立して一緒になって、共有結合を形成する、または:
    同一原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、前記原子と一緒になって、前記原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する、または、
    2個もしくはそれより多い原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、それらの介在原子と一緒になって、前記介在原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成し、
    O’は、
    Figure 2023518413000123
    またはその塩もしくは立体異性体であり、ここで、
    は、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    は、独立して、結合、二価の置換もしくは無置換C1~10脂肪族または複素脂肪族、置換もしくは無置換C1~10アルキレン、-C(O)O-、あるいは-C(=O)OR-であり、
    は、独立して、結合、N、必要に応じて置換されているCHまたはC(R)であり、
    は、独立して、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    およびRはそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、-NO、-OH、-CNまたはC1~6アルキルであり、
    jおよびj1はそれぞれ、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、
    、X、X、X、X、X、X10、X12、X13およびX14はそれぞれ、独立して、D立体異性体またはL立体異性体であってもよい、アミノ酸残基であり、
    、X、X10、X12、X13およびX14はそれぞれ、必要に応じて存在する)。
  26. Figure 2023518413000124
    またはその塩もしくは立体異性体形態の構造を有するペプチド(式中、
    B’は、
    Figure 2023518413000125
    またはその塩もしくは立体異性体形態であり、
    vは、1または2であり、
    Kは、水素;置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;置換もしくは無置換ヒドロキシル;置換もしくは無置換チオール;置換もしくは無置換アミノ;またはハロ;
    は、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;または必要に応じてリンカーによって連結されている標識であり、前記リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;または置換もしくは無置換ヘテロアリーレンの1つもしくは複数の組合せからなる基であるか、あるいはRは、ペプチド部分であるかまたはこれを含み、
    およびRはそれぞれ、独立して、R’であり、
    は、R’、-OR’または-N(R’)であり、
    Xはそれぞれ、独立して、D立体異性体またはL立体異性体であってもよい、アミノ酸残基であり、
    a、b、およびcはそれぞれ、独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20であり、
    は、炭素原子であり、
    は、以下の式
    Figure 2023518413000126
    またはその塩もしくは立体異性体であり、ここで、
    は、独立して、結合、二価の置換もしくは無置換C1~10脂肪族または複素脂肪族、置換もしくは無置換C1~10アルキレン、-C(O)O-、あるいは-C(=O)OR-であり、
    は、独立して、結合、N、必要に応じて置換されているCHまたはC(R)であり、
    は、独立して、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    およびRはそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、-NO、-OH、-CNまたはC1~6アルキルであり、
    jおよびj1はそれぞれ、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、
    は、-Sp1-Sp2-Sp3-であり、Sp1は、Kに結合しており、Sp3は、Cに結合しており、
    は、-Ss1-Ss2-Ss3-であり、Ss1は、Cに結合しており、Ss3は、Lに結合しており、
    p1、Sp2、Sp3、Ss1、Ss2およびSs3はそれぞれ、独立して、Sであり、
    はそれぞれ、独立して、結合、置換もしくは無置換C1~10アルカン、置換もしくは無置換C1~10アルキレンまたは必要に応じて置換されている二価のC~C20脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位は、必要に応じておよび独立して、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)O-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-C(O)S-または-C(O)O-により置き換えられており、
    -Cy-はそれぞれ、独立して、C3~20脂環式環、C6~20アリール環、5酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する~20員のヘテロアリール環および酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~20員のヘテロシクリル環から選択される、必要に応じて置換されている二価の基であり、
    R’はそれぞれ、独立して、-R、-C(O)R、-CORまたは-SORであり、
    Rはそれぞれ、独立して、-H、またはC1~30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1~30複素脂肪族、C6~30アリール、C6~30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC6~30アリール複素脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員のヘテロアリールおよび酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員のヘテロシクリルから選択される、必要に応じて置換されている基である、または
    2つのR基は、必要に応じておよび独立して一緒になって、共有結合を形成する、または:
    同一原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、前記原子と一緒になって、前記原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する、または、
    2個もしくはそれより多い原子上の2つまたはそれより多いR基は、必要に応じておよび独立して、それらの介在原子と一緒になって、前記介在原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リンおよびケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換されている3~30員の単環式、二環式または多環式環を形成する)。
  27. bが6である、請求項26に記載のペプチド。
  28. bが2である、請求項26に記載のペプチド。
  29. bが3である、請求項26に記載のペプチド。
  30. aが2である、請求項26から29のいずれか一項に記載のペプチド。
  31. Bが、
    Figure 2023518413000127
    またはその塩もしくは立体異性体からなる群から選択され、B’が、
    Figure 2023518413000128
    Figure 2023518413000129
    またはその塩もしくは立体異性体から選択される、
    前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  32. Kが、必要に応じて置換されているC1~10アルキレンである、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  33. Kが、-CH-である、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  34. vが1である、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  35. が、水素、置換もしくは無置換脂肪族;置換もしくは無置換複素脂肪族;置換もしくは無置換アリール;置換もしくは無置換ヘテロアリール;置換もしくは無置換アシル;樹脂;アミノ保護基;または必要に応じてリンカーによって連結されている標識であり、前記リンカーは、置換もしくは無置換アルキレン;置換もしくは無置換アルケニレン;置換もしくは無置換アルキニレン;置換もしくは無置換ヘテロアルキレン;置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン;置換もしくは無置換カルボシクレン;置換もしくは無置換ヘテロシクレン;置換もしくは無置換アリーレン;または置換もしくは無置換ヘテロアリーレンの1つもしくは複数の組合せからなる基である、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  36. が、置換または無置換アシルである、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  37. が、-C(O)Rである、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  38. が、-C(O)CHである、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  39. Bが、
    Figure 2023518413000130
    であるか、またはB’が、
    Figure 2023518413000131
    である、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  40. Bが、
    Figure 2023518413000132
    であるか、またはB’が、
    Figure 2023518413000133
    である、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  41. が、-CH=CH-(CH)n-であり、nが、1~10である、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  42. が、-(CH)mCH=CH-(CH)n-であり、mおよびnがそれぞれ独立して、1~10である、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  43. nが3である、請求項41から42のいずれか一項に記載のペプチド。
  44. Jが、
    Figure 2023518413000134
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    各場合のqが、独立して、1、2または3であり、
    各場合の
    Figure 2023518413000135
    が、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表す、
    前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  45. がZである、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  46. がZである、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  47. Zがロイシン残基である、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  48. 約3.0uM未満の最大半数効果濃度(EC50)でエストロゲン受容体に結合する、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  49. 約1.0uM未満のEC50で前記エストロゲン受容体に結合する、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  50. Jが、式:
    Figure 2023518413000136
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    が、式:
    Figure 2023518413000137
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    が、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    が、独立して、結合、二価の置換もしくは無置換C1~10脂肪族または複素脂肪族、置換もしくは無置換C1~10アルキレン、-C(O)O-、あるいは-C(=O)OR-であり、
    が、独立して、結合、N、必要に応じて置換されているCHまたはC(R)であり、
    が、独立して、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    およびRがそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、-NO、-OH、-CNまたはC1~6アルキルであり、
    jおよびj1がそれぞれ、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、
    各場合の
    Figure 2023518413000138
    が、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表す、
    前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  51. J”が、
    Figure 2023518413000139
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    が、式:
    Figure 2023518413000140
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    が、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    が、独立して、結合、二価の置換もしくは無置換C1~10脂肪族または複素脂肪族、置換もしくは無置換C1~10アルキレン、-C(O)O-、あるいは-C(=O)OR-であり、
    が、独立して、結合、N、必要に応じて置換されているCHまたはC(R)であり、
    が、独立して、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    およびRがそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、-NO、-OH、-CNまたはC1~6アルキルであり、
    jおよびj1がそれぞれ、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である、
    前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  52. Jが、式:
    Figure 2023518413000141
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    、X10およびX11がそれぞれ、存在し、
    11が、
    Figure 2023518413000142
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    が、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    が、独立して、結合、二価の置換もしくは無置換C1~10脂肪族または複素脂肪族、置換もしくは無置換C1~10アルキレン、-C(O)O-、あるいは-C(=O)OR-であり、
    が、独立して、結合、N、必要に応じて置換されているCHまたはC(R)であり、
    が、独立して、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    およびRがそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、-NO、-OH、-CNまたはC1~6アルキルであり、
    jおよびj1がそれぞれ、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、
    各場合の
    Figure 2023518413000143
    が、独立して、単結合、二重結合または三重結合を表す、
    前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  53. J”が、
    Figure 2023518413000144
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    、X10およびX11がそれぞれ、存在し、
    11が、
    Figure 2023518413000145
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    Figure 2023518413000146
    またはその塩もしくは立体異性体であり、
    が、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    が、独立して、結合、二価の置換もしくは無置換C1~10脂肪族または複素脂肪族、置換もしくは無置換C1~10アルキレン、-C(O)O-、あるいは-C(=O)OR-であり、
    が、独立して、結合、N、必要に応じて置換されているCHまたはC(R)であり、
    が、独立して、水素;アシル;置換もしくは無置換C1~6アルキル;またはアミノ保護基であり、
    およびRがそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、-NO、-OH、-CNまたはC1~6アルキルであり、
    jおよびj1がそれぞれ、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である、
    前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  54. ヘリックス構造を形成することができる、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  55. マスクされていないアミドNHを1つまたは2つ以下しか含まない、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  56. マスクされていないアミドNHを1つ以下しか含まない、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  57. 前記請求項のいずれかに記載のペプチドまたは薬学的に許容されるその塩、ならびに薬学的に許容される担体および/もしくは薬学的に許容される賦形剤を含む、あるいはこれらを送達する医薬組成物。
  58. 対象における疾患を処置する方法であって、前記対象に治療有効量の前記請求項のいずれか一項に記載のペプチドまたは組成物を投与するステップを含む、方法。
  59. 前記対象がヒトである、請求項58に記載の方法。
  60. 前記疾患ががんである、請求項58または59に記載の方法。
  61. が、ロイシンアミノ酸残基、イソロイシンアミノ酸残基、アラニンアミノ酸残基、シクロプロピルアラニンアミノ酸残基、リジンアミノ酸残基およびトレオニンアミノ酸残基から選択される、アミノ酸残基またはそのホモログであり、前記ホモログが、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  62. が、ロイシンアミノ酸残基である、請求項51に記載のペプチド。
  63. が、アラニンアミノ酸残基である、請求項51に記載のペプチド。
  64. が、ヒスチジンアミノ酸残基、ノルロイシンアミノ酸残基、ロイシンアミノ酸残基およびアルギニンアミノ酸残基から選択される、アミノ酸残基またはそのホモログであり、前記ホモログが、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  65. が、ロイシンアミノ酸残基である、請求項54に記載のペプチド。
  66. が、アルギニンアミノ酸残基、アスパラギンアミノ酸残基、ロイシンアミノ酸残基、チロシンアミノ酸残基、ノルロイシンアミノ酸残基、シクロプロピルアラニンアミノ酸残基およびヒスチジンアミノ酸残基から選択されるアミノ酸残基またはそのホモログであり、前記ホモログが、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  67. が、アルギニンアミノ酸残基である、請求項56に記載のペプチド。
  68. が、チロシンアミノ酸残基である、請求項56に記載のペプチド。
  69. が、ロイシンアミノ酸残基、ヒスチジンアミノ酸残基、チロシンアミノ酸残基およびノルロイシンアミノ酸残基から選択される、アミノ酸残基またはそのホモログであり、前記ホモログが、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  70. が、ロイシンアミノ酸残基である、請求項59に記載のペプチド。
  71. が、ロイシンアミノ酸残基、グルタミンアミノ酸残基、ヒスチジンアミノ酸残基およびアラニンアミノ酸残基から選択される、アミノ酸残基またはそのホモログであり、前記ホモログが、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  72. が、ロイシンアミノ酸である、請求項61に記載のペプチド。
  73. が、グルタミンアミノ酸残基、ロイシンアミノ酸残基、ヒスチジンアミノ酸残基、トレオニンアミノ酸残基、アラニンアミノ酸残基、チロシンアミノ酸残基、アスパラギン酸アミノ酸残基およびアスパラギンアミノ酸残基から選択される、アミノ酸残基またはそのホモログであり、前記ホモログが、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  74. が、グルタミンアミノ酸残基である、請求項63に記載のペプチド。
  75. が、アスパラギン酸アミノ酸残基である、請求項63に記載のペプチド。
  76. が、チロシンアミノ酸残基である、請求項63に記載のペプチド。
  77. が、チロシンアミノ酸残基、アスパラギン酸アミノ酸残基およびアスパラギンアミノ酸残基から選択される、アミノ酸残基またはそのホモログであり、前記ホモログが、D立体異性体であってもよく、またはL立体異性体であってもよい、前記請求項のいずれか一項に記載のペプチド。
  78. が、アスパラギン酸アミノ酸残基である、請求項67に記載のペプチド。
  79. 一部の実施形態において、Xが、チロシンアミノ酸残基である、請求項67に記載のペプチド。
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