JP2023509522A - 着用可能な眼振検出デバイスおよびその使用方法 - Google Patents
着用可能な眼振検出デバイスおよびその使用方法 Download PDFInfo
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Abstract
着用可能な眼振検出デバイスが提供される。着用可能なデバイスは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、センサに動作可能に結合され、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出するように構成された回路、ならびに/または第1および第2のセンサによって感知された信号を遠隔回路に送信するように構成された送信機であって、送信機によって送信された信号を受信することと、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出することとを行うように構成された送信機とを備える。また、デバイスを含むシステムおよびキット、ならびに対象の眼球運動を監視するためにデバイスおよびシステムを使用するための方法も提供される。デバイス、システム、方法、およびキットは、様々な異なる用途における使用が見出される。
Description
本明細書に記載の主題は、対象の眼球運動に関連する角膜網膜電位信号を検出または導出するセンサ、およびセンサに動作可能に結合された回路を備えた着用可能なデバイスに関する。
眼振とは、基礎となる前庭または神経学的な疾患から発生するめまいの発作を経験した患者に生じ得る特徴的な眼球運動を指す。このような特徴的な眼球運動、眼振事象は、内耳と眼との間の神経接続、すなわち、前庭眼反射から生じ、一般に患者がめまいを経験していないときには起こらない。眼振事象は、患者が呈する眼球運動の性質に基づいて特徴付けることができる。眼球運動のタイプを区別することにより、患者の基礎となる前庭または神経学的な疾患の診断が容易にされ得る。
例えば、良性発作性頭位めまい症を有する患者は、典型的には、少なくとも3つの明確な方向性パターンにおいて約60秒未満持続する誘発眼振を呈する傾向がある。メニエール病の患者は、20分~12時間持続する単方向性水平拍動眼振を呈し、次いで、発作後は方向が反転する傾向がある。前庭性偏頭痛を有する患者は、最大数時間~数日間持続する垂直方向および水平方向の眼振の組み合わせを呈する傾向がある。したがって、これらの異なる疾患を有する患者は、すべて、めまいの発作の一般的な愁訴を表現し得るが、眼振事象の性質を調べることは、基礎となる前庭または神経学的な疾患の診断を容易にし得る。これらの疾患の正確な診断は、部分的には、良性発作性頭位めまい症のための再位置付け操作から、メニエール病のための経鼓室注射または手術、前庭性偏頭痛のための経口薬まで、各疾患についての大規模な治療範囲のため、重要である。
従来は、患者は、異なる眼振事象の検出および関連する基礎疾患の診断のために、病院または他の臨床環境を訪問する必要があった。現在、診療所でこれらを行うための一般的な技術は、ビデオ眼振記録法(VNG)である。VNGには、診療所における約2時間の検査中に患者の眼球運動を画像化および記録する赤外線カメラを備えたヘッドマウント眼鏡を装着した患者を必要とする。患者は必ずしも診療所で検査を受けている間にめまい発作を経験するとは限らないため、残念ながらVNGの診断精度は概して低い。VNGの他の限界としては、前庭機能の代表的でない亜生理学的測定値、かさばる据置型機器および非常に熟練した科学技術者または聴覚訓練士の必要性に起因するVNG検査へのアクセスの遅延ならびに制限、保険会社への高コスト、眼を閉じているときに測定を実施することができないなど、眼球運動を直接画像化および記録することに起因する制限、まばたき、アイメイク、または構造的に目障りなまぶたアーキテクチャからのアーチファクトの感知が挙げられる。
したがって、患者の眼振事象を検出するように眼球運動を監視するための代替的な技術は、診断および患者の治療を改善するとともに、関連するコストを低減する可能性を有する。本明細書に記載されるデバイス、システム、方法、およびキットは、そのような技術を提供する。
一態様では、対象の眼球運動を監視するための着用可能なデバイスが提供される。デバイスは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、センサに動作可能に結合され、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出するように構成された回路とを備える。
一実施形態では、着用可能なデバイスは、使用中に対象の顔面の片面に適用されるように構成されている。
一実施形態では、回路は、アナログフロントエンドおよびデジタル回路を備える。
一実施形態では、アナログフロントエンドは、ノイズフィルタリング回路および増幅回路を備える。
一実施形態では、デジタル回路は、アナログデジタル変換器およびマイクロコントローラを備える。
一実施形態では、デジタル回路は、デジタル信号プロセッサをさらに備える。
一実施形態では、第1および第2のセンサは、眼球運動と相関する電気信号を測定するように構成されている。
一実施形態では、第1および第2のセンサは、対象の角膜と網膜との間の電位の差を測定するように構成されている。
一実施形態では、第1および第2のセンサは、筋肉の電気活動を測定するように構成されている。一実施形態では、第1および第2のセンサは、外眼筋および顔面筋の電気活動を測定するように構成されている。
一実施形態では、第1のセンサは、1つ以上の第1の電極を備え、第2のセンサは、1つ以上の第2の電極を備える。一実施形態では、第1のセンサは、単一の第1の電極を備え、第2のセンサは、単一の第2の電極を備える。一実施形態では、第1のセンサは、2つ以上の第1の電極を備え、第2のセンサは、2つ以上の第2の電極を備える。
一実施形態では、1つ以上の第1の電極は、1つ以上の第1の位置に位置決めされ、1つ以上の第2の電極は、1つ以上の第2の位置に位置決めされ、1つ以上の第1および第2の位置は、対象の1つの眼に近位である。
一実施形態では、1つ以上の第1の電極および1つ以上の第2の電極は、瞳孔と交差する水平軸および垂直軸に対して非対称に位置決めされる。
一実施形態では、1つ以上の第1の電極および1つ以上の第2の電極は、表面電極である。一実施形態では、センサ、電極または表面電極は、乾電極である。別の実施形態では、センサ、表面電極および/または電極は、湿電極である。
一実施形態では、第1のセンサおよび第2のセンサは、デバイス上の回路と動作可能に結合される3つ以上の電極を備え、回路は、信号処理のためのアルゴリズムと通信する。
一実施形態では、デバイスは、眼球運動を連続的に監視するように構成されている。一実施形態では、デバイスは、眼球運動をほぼリアルタイムで監視するように構成されている。
一実施形態では、デバイスは、対象の頭部運動、位置、および/または配向を感知するように構成された第3のセンサをさらに備え、回路は、第3のセンサに動作可能に結合され、第3のセンサからの信号に基づいて、頭部運動、位置、および/または配向を検出するようにさらに構成されている。一実施形態では、デバイスは、頭部運動、位置、および/または配向に基づいて、眼球運動を監視するように構成されている。別の実施形態では、第3のセンサはまた、眼球運動に関連する信号の検出を開始するために、デバイス上の1つ以上の電極を作動させるトリガとして機能する。
一実施形態では、第3のセンサを備えるデバイスは、3つの軸に沿って、頭部運動、位置、および/または配向を監視するように構成されている。一実施形態では、第3のセンサは、加速度計である。一実施形態では、第3のセンサは、慣性質量ユニット、ジャイロスコープ、加速度計、または磁力計である。一実施形態では、第3のセンサは、これらの組み合わせである。一実施形態では、第3のセンサは、三次元の頭部位置、運動、および/または配向を検出するように構成されている。別の実施形態では、第3のセンサは、頭部運動と関連付けられた方向、運動速度、および/または加速度を検出するように構成されている。
一実施形態では、デバイスは、記憶構成要素をさらに備え、記憶構成要素は、回路に動作可能に結合され、回路および記憶構成要素は、眼球運動データ、ならびに頭部運動、位置、および/または配向データを記憶構成要素に記録するように構成されている。
一実施形態では、記憶構成要素は、取り外し可能なメモリカードである。
一実施形態では、デバイスは、送信機をさらに備え、送信機は、回路に動作可能に結合され、回路および送信機は、眼球運動データ、ならびに頭部運動、位置、および/または配向データを送信するように構成されている。
一実施形態では、送信機は、無線送信機および回路であり、無線送信機は、眼球運動データ、ならびに頭部運動、位置、および/または配向データを無線で送信するように構成されている。
一実施形態では、無線送信機は、無線ネットワークインターフェースコントローラである。
一実施形態では、無線送信機は、Bluetoothインターフェースコントローラである。
一実施形態では、デバイスは、眼球運動データ、ならびに頭部運動、位置、および/または配向データをほぼリアルタイムで送信するように構成されている。
一実施形態では、デバイスは、周囲光を感知するように構成された光センサをさらに備え、回路は、光センサに動作可能に結合され、光センサからの信号に基づいて、周囲光を検出するように構成されている。
一実施形態では、デバイスは、眼球運動、頭部運動、位置、および/または配向、ならびに周囲光を連続的に監視するように構成されている。一実施形態では、デバイスは、眼球運動、頭部運動、位置、および/または配向、ならびに周囲光をほぼリアルタイムで監視するように構成されている。
一実施形態では、第1、第2、および第3のセンサと、回路とは、単一の基板上に統合されている。
一実施形態では、基板は、プリント回路基板である。
一実施形態では、第1、第2、および第3のセンサと、回路と、記憶構成要素とは、単一のプリント回路基板上に統合されている。別の実施形態では、第1、第2、および任意選択的な第3のセンサは、電子構成要素および/または記憶構成要素とは別個の基板上にある。
一実施形態では、第1、第2、および第3のセンサと、回路と、無線ネットワークインターフェースコントローラとは、単一のプリント回路基板上に統合されている。
一実施形態では、第1、第2、および第3のセンサと、回路と、光センサとは、単一のプリント回路基板上に統合されている。
一実施形態では、デバイスは、単一の着用可能なパッチを備える。
一実施形態では、デバイスは、2つ以上の着用可能なパッチを備える。
一実施形態では、着用可能なパッチは、対象の顔面の位置に接着するように構成されている。
一実施形態では、着用可能なパッチは、非接着性材料を使用して対象の顔面の位置に取り付けられるように構成されている。
一実施形態では、着用可能なパッチは、対象の顔面の位置に適合されるように可撓性である。
一実施形態では、着用可能なパッチは、対象の顔面の位置にピッタリと適合されるように、調整可能であるか、適合されるか、もしくは適合可能であるか、または成形可能である。
一実施形態では、着用可能なパッチは、対象の顔面の位置に適合されるために引き裂かれるように構成されている。別の実施形態では、着用可能なパッチは、対象の顔面の位置に適合されるために組み立てられるように構成されている。別の実施形態では、着用可能なパッチには、単一の単体基板と、1つ以上の電極と、センサと、電子構成要素とからなる別個の構成要素が提供され、提供された構成要素は、対象の顔面の位置に合わせて適合するように組み立てられる。使用後、構成要素は、再利用または使い捨てのために、基板およびユーザの顔面から取り外される。
一実施形態では、デバイスは、防水である。
別の態様では、対象の眼球運動を監視するための着用可能なデバイスは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、第1および第2のセンサによって感知された信号を遠隔回路に送信するように構成された送信機であって、送信機によって送信された信号を受信することと、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出することとを行うように構成された送信機とを備える。着用可能なデバイスは、使用中に対象の顔面の片面に適用されるように構成されている。
別の態様では、対象の眼球運動を検出するためのシステムは、本明細書に記載される着用可能なデバイスと、デバイスとインターフェースするために記憶された命令を含むメモリならびに追加の記憶構成要素に動作可能に結合されたプロセッサを有するモバイルデバイスにインストール可能なソフトウェアアプリケーション、を備える。着用可能なデバイスおよびモバイルデバイスは、第1および第2のセンサから発生するデータがモバイルデバイスにアクセス可能であるように、動作可能に結合される。
一実施形態では、システムの着用可能なデバイスは、頭部運動、位置、および/または配向を感知するように構成された第3のセンサをさらに備え、回路は、第3のセンサに動作可能に結合され、第3のセンサからの信号に基づいて、頭部運動、位置、および/または配向を検出するようにさらに構成されており、着用可能なデバイスおよびモバイルデバイスは、第1、第2、および第3のセンサから発生するデータがモバイルデバイスにアクセス可能であるように、動作可能に結合される。
一実施形態では、デバイスとモバイルデバイスとの間の動作可能な結合は、無線接続である。
一実施形態では、プロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令は、異なる眼球運動を分類するために、データにアルゴリズムを適用するように構成されている。
一実施形態では、プロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令は、水平方向と、垂直方向と、ねじれ方向との眼球運動を区別するために、データにアルゴリズムを適用するように構成されている。
一実施形態では、プロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令は、1つ以上の特徴的な眼球運動を含む眼球運動センサデータの1つ以上の特定のパターンを認識するために、データにアルゴリズムを適用するように構成されている。
一実施形態では、プロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令は、中立視線、左方向視線、右方向視線、上方向視線、および下方向視線に対応する特徴的な眼球運動を認識するために、データにアルゴリズムを適用するように構成されている。
一実施形態では、プロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令は、眼振事象に対応する特徴的な眼球運動を認識するために、データにアルゴリズムを適用するように構成されている。
一実施形態では、アルゴリズムは、ねじれ方向の眼球運動を検出するように構成されている。
一実施形態では、アルゴリズムは、水平方向と、垂直方向と、ねじれ方向との眼球運動を区別するように構成されている。
一実施形態では、アルゴリズムは、1つ以上の特徴的な眼球運動を含む眼球運動センサデータの1つ以上の特定のパターンを認識するように構成されている。
一実施形態では、アルゴリズムが認識するように構成された特徴的な眼球運動は、中立視線、左方向視線、右方向視線、上方向視線、および下方向視線を含む。
一実施形態では、アルゴリズムが認識するように構成された特徴的な眼球運動は、眼振事象である。
一実施形態では、アルゴリズムは、眼振事象をほぼリアルタイムで認識するように構成されている。
一実施形態では、アルゴリズムは、水平方向の眼振事象と、垂直方向の眼振事象と、ねじれ方向の眼振事象との特徴的な眼球運動を区別するように構成されている。別の実施形態では、アルゴリズムは、眼球運動のパターンを検出するように構成されており、これには、律動眼振、振子様眼振、先天性眼振、反跳眼振、頭位眼振、視線誘発眼振、および視線終端眼振が含まれるが、これらに限定されない。そのような眼球運動のパターンは、自発的に生じ得るか、または特定の誘導物質によって引き起こされ得る。他の実施形態では、アルゴリズムは、円滑性追跡眼球運動ならびにその異常な反復および/または衝動性運動ならびにその異常な反復を検出するように構成されている。
一実施形態では、アルゴリズムは、良性発作性頭位めまい症に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動を認識するように構成されている。
一実施形態では、アルゴリズムは、メニエール病に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動を認識するように構成されている。
一実施形態では、アルゴリズムは、前庭神経炎に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動を認識するように構成されている。
一実施形態では、データに適用されるアルゴリズムは、機械学習アルゴリズムである。
一実施形態では、システムは、眼振事象をほぼリアルタイムで認識するように構成されている。
一実施形態では、システムは、水平方向の眼振事象、垂直方向の眼振事象、およびねじれ方向の眼振事象に対応する特徴的な眼球運動を区別するように構成されている。
一実施形態では、システムは、良性発作性頭位めまい症に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動を認識するように構成されている。
一実施形態では、システムは、メニエール病に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動を認識するように構成されている。
一実施形態では、システムは、前庭神経炎に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動を認識するように構成されている。
一実施形態では、プロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令は、第1および第2のセンサから発生するデータを追加の記憶構成要素に記録するように構成されている。
一実施形態では、プロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令は、第1、第2、および第3のセンサから発生するデータを追加の記憶構成要素に記録するように構成されている。
一実施形態では、プロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令は、第1、第2、および第3のセンサ、ならびに光センサから発生するデータを追加の記憶構成要素に記録するように構成されている。
一実施形態では、モバイルデバイスは、ディスプレイをさらに備え、プロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令は、第1および第2のセンサから発生するデータのグラフ表示をディスプレイ上に表示するように構成されている。
一実施形態では、システムは、第1および第2のセンサから発生するデータのグラフ表示をほぼリアルタイムで表示するように構成されている。
別の態様では、対象の眼球運動を検出するためのシステムは、対象の眼球運動を監視するための着用可能なデバイスを備え、着用可能なデバイスは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2の着用可能なセンサと、第1および第2のセンサによって感知された信号を遠隔回路に送信するように構成された送信機であって、送信機によって送信された信号を受信することと、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出することとを行うように構成された送信機とを備える。システムはまた、デバイスとインターフェースするために記憶された命令を含むメモリならびに追加の記憶構成要素に動作可能に結合されたプロセッサを有するモバイルデバイスに、インストール可能であるか、またはインストールされたソフトウェアアプリケーションを備える。着用可能なデバイスおよびモバイルデバイスは、第1および第2のセンサから発生するデータがモバイルデバイスにアクセス可能であるように、動作可能に結合される。
別の態様では、対象の水平方向および垂直方向の眼球運動を検出する方法が提供される。本方法は、対象の第1の位置で眼の電気活動を感知することと、対象の第2の位置で眼の電気活動を感知することと、対象の第1および第2の位置で感知された電気活動に基づいて、眼球運動と相関する電気信号を測定することとを含み、第1および第2の位置が、対象の顔面の片面上にある。
一実施形態では、対象の第1および第2の位置で感知された電気活動に基づいて、眼球運動と相関する電気信号を測定することが、対象の第1および第2の位置で感知された電気活動に基づいて、対象の角膜と網膜との間の電位の差を測定することを含む。
一実施形態では、対象の第1および第2の位置で感知された電気活動に基づいて、眼球運動と相関する電気信号を測定することが、対象の第1および第2の位置で感知された筋肉の電気活動を測定することを含む。
一実施形態では、本方法は、着用可能なデバイスを使用して実施され、デバイスは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、センサに動作可能に結合され、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出するように構成された回路とを備える。
一実施形態では、本方法は、着用可能なデバイスを備えるシステムを使用して実施され、デバイスは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、第1および第2のセンサによって感知された信号を遠隔回路に送信するように構成された送信機であって、送信機によって送信された信号を受信することと、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出することとを行うように構成された送信機と、デバイスとインターフェースするために記憶された命令を含むメモリならびに追加の記憶構成要素に動作可能に結合されたプロセッサを備えるモバイルデバイスに、ダウンロード可能であるか、またはダウンロードされたソフトウェアアプリケーションとを備える。着用可能なデバイスおよびモバイルデバイスは、第1および第2のセンサから発生するデータがモバイルデバイスにアクセス可能であるように、動作可能に結合される。
一実施形態では、本方法は、対象の第3の位置で頭部の配向および/または加速度を感知することと、対象の第3の位置で感知された加速度に基づいて、対象の頭部の運動を測定することとをさらに含む。一実施形態では、センサは、頭部運動の始まり、速度、ならびに開始点および終了点を含む、頭部運動の三次元の頭部位置、および/または加速度を検出する。
一実施形態では、本方法は、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、対象の頭部運動を感知するように構成された第3のセンサと、第1、第2、および第3のセンサに動作可能に結合され、第1および第2のセンサからの信号に基づいた水平方向および垂直方向の眼球運動、ならびに第3のセンサからの信号に基づいた頭部運動を検出するように構成された回路とを備える、着用可能なデバイスを使用して実施される。
一実施形態では、本方法は、着用可能なデバイスを備えるシステムを使用して実施され、デバイスは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、対象の頭部運動を感知するように構成された第3のセンサと、第1、第2、および第3のセンサによって感知された信号を遠隔回路に送信するように構成された送信機であって、送信機によって送信された信号を受信することと、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出し、第3のセンサからの信号に基づいて、頭部運動を検出することとを行うように構成された送信機とを備える。システムはまた、一実施形態では、デバイスとインターフェースするために記憶された命令を含むメモリならびに追加の記憶構成要素に動作可能に結合されたプロセッサを有するモバイルデバイスに、ダウンロード可能であるか、またはダウンロードされたソフトウェアアプリケーションを備える。他の実施形態では、ソフトウェアアプリケーションは、サーバ、またはコンピュータ、または非モバイルデバイスに記憶される。着用可能なデバイスおよびソフトウェアアプリケーションを有するモバイルデバイスまたは非モバイルデバイスは、第1、第2、および第3のセンサから発生するデータが、モバイルデバイスまたは非モバイルデバイスにアクセス可能であるように、動作可能に結合される。
一実施形態では、本方法は、周囲光を感知することと、感知された周囲光に基づいて、周囲光を測定することとをさらに含む。
一実施形態では、本方法は、着用可能なデバイスを使用して実施され、デバイスは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、対象の頭部運動を感知するように構成された第3のセンサと、周囲光を感知するように構成された光センサと、第1、第2、および第3のセンサ、ならびに光センサに動作可能に結合され、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動、第3のセンサからの信号に基づいて、頭部運動、位置、および/または配向、ならびに光センサからの信号に基づいて、周囲光を検出するように構成された回路とを備える。
一実施形態では、本方法は、システムを使用して実施され、システムは、着用可能なデバイスを備え、デバイスは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、対象の頭部運動、位置、および/または配向を感知するように構成された第3のセンサと、周囲光を感知するように構成された光センサと、第1、第2、および第3のセンサ、ならびに光センサによって感知された信号を遠隔回路に送信するように構成された送信機であって、送信機によって送信された信号を受信することと、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動、第3のセンサからの信号に基づいて、頭部運動、位置、および/または配向、ならびに光センサからの信号に基づいて、周囲光を検出することとを行うように構成された送信機とを備える。システムはまた、デバイスとインターフェースするために記憶された命令を含むメモリならびに追加の記憶構成要素に動作可能に結合されたプロセッサを有するモバイルデバイスに、ダウンロード可能であるか、またはダウンロードされたソフトウェアアプリケーションを備える。ソフトウェアアプリケーションは、着用可能なデバイスからの信号を処理するためのアルゴリズムを備える。デバイスおよびモバイルデバイスは、第1、第2、および第3のセンサ、ならびに光センサから発生するデータがモバイルデバイスにアクセス可能であるように、動作可能に結合される。別の実施形態では、ソフトウェアアプリケーションは、サーバ、コンピュータ、または他の非モバイルコンピューティングデバイス上にある。着用可能なデバイスおよびソフトウェアアプリケーションを有するモバイルデバイスまたは非モバイルコンピューティングデバイスは、第1、第2、および第3のセンサから発生するデータを、アルゴリズムによって処理するためのモバイルデバイスまたは非モバイルデバイスに送信するために、無線通信している。
別の態様では、対象の眼球運動を監視するためのキットは、本明細書に記載されるように、対象の眼球運動を監視し、使用中に対象の顔面の片面に適用されるように構成された着用可能なデバイスを備え、デバイスは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、センサに動作可能に結合され、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出するように構成された回路と、デバイスのためのパッケージとを備える。
上述の例示的な態様および実施形態に加えて、さらなる態様および実施形態は、図面を参照することによって、および以下の説明の研究によって明らかになる。
本デバイス、システム、方法、およびキットの追加の実施形態は、以下の説明、図面、実施例、および特許請求の範囲から明らかになる。前述の説明および以下の説明から理解することができるように、本明細書に記載される各々ならびにすべての特徴、およびそのような特徴のうちの2つ以上の各々ならびにすべての組み合わせは、そのような組み合わせに含まれる特徴が相互に矛盾しないことを条件として、本開示の範囲内に含まれる。加えて、任意の特徴または特徴の組み合わせは、本開示の任意の実施形態から具体的に除外され得る。本開示の追加の態様および利点は、特に添付の実施例および図面と併せて考慮されるときに、以下の説明および特許請求の範囲に記載される。
デバイス、システム、キットおよび方法がより詳細に説明される前に、それらは、説明される特定の実施形態に限定されるものではなく、したがって、当然ながら変更され得ることを理解されたい。また、デバイス、システム、キットおよび方法の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用される専門用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものであり、限定することが意図されるものではないことも理解されたい。
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしない限り、その範囲の上限と下限との間の、下限の単位の10分の1までの各中間値、およびこの記載の範囲内の任意の他の記載される値または中間値が本発明に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立してより小さい範囲に含まれ得、記載の範囲において任意の具体的に除外された限界に従って、同様に本発明に包含される。記載された範囲が限界の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかまたは両方を除外する範囲も、同様に本発明に含まれる。
ある特定の範囲は、「約」という用語によって先行される数値を伴って本明細書において提示される。「約」という用語は、本明細書において、それが先行する正確な数、ならびにその用語が先行する数に近いか、または近似しているその数についての文字通りの裏付けを提供するために使用される。ある数が具体的に列挙された数に近いか、または近似するか否かを判定するとき、その近いまたは近似する列挙されない数は、それが提示されている文脈において、具体的に列挙されている数の実質的な等価物を提供する数であり得る。
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料も、本発明の実施または試験に使用され得るが、代表的な例示的な方法および材料が、以下で説明される。
本明細書で引用されるすべての刊行物および特許は、あたかも各個々の刊行物または特許が、参照することによって組み込まれるように具体的かつ個々に示されているかのように、参照することによって本明細書に組み込まれ、方法および/または材料を開示および記載するために、参照によって本明細書に組み込まれ、これらの方法および/または材料に関連して刊行物が引用される。いかなる刊行物の引用も、出願日以前のその開示に関するものであり、本発明が、先行発明を理由に、そのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供された公開日は、実際の公開日とは異なる場合があり、独立して確認される必要がある場合がある。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、「a」、「an」、および「the」という冠詞は、別途文脈が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、あらゆる任意選択的な要素を除外するように起草され得ることにさらに留意されたい。したがって、この記述は、特許請求要素の列挙に関連した「もっぱら」、「のみ」などの排他的用語の使用のための、または「消極的な」限定の使用のための先行詞として機能することが意図される。
本開示を読むと当業者には明らかであるように、本明細書に記載および例証される別個の実施形態の各々は、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、他の様々な実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、またはこれらと組み合わされ得る別個の構成要素および特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順序、または論理的に可能な任意の他の順序で実行され得る。
I.着用可能なデバイスおよびこのデバイスを備えるシステム
対象の眼球運動を監視するためのデバイス、システム、方法、およびキットが提供される。デバイス、システム、方法、およびキットは、例えば、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、または前庭性偏頭痛を有する対象など、対象の水平方向および/または垂直方向の眼球運動の存在に基づいて、疾患を診断する様々な異なる用途における使用が見出される。
対象の眼球運動を監視するためのデバイス、システム、方法、およびキットが提供される。デバイス、システム、方法、およびキットは、例えば、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、または前庭性偏頭痛を有する対象など、対象の水平方向および/または垂直方向の眼球運動の存在に基づいて、疾患を診断する様々な異なる用途における使用が見出される。
一実施形態では、デバイスは、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極および第2の電極に動作可能に結合された回路とを備える、単体基板からなる。単体基板は、第1の電極および第2の電極を位置決めして、水平方向および垂直方向の眼球運動と相関する電気信号を検出するように、ユーザの顔面上に片側配設するために寸法決定される。
別の実施形態では、対象の眼球運動を監視するための着用可能なデバイスは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、センサに動作可能に結合され、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および/または垂直方向の眼球運動を検出するように構成された回路と備える。デバイスは、別の実施形態では、第1および第2のセンサによって感知された信号を遠隔回路に送信するように構成された送信機であって、送信機によって送信された信号を受信することと、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および/または垂直方向の眼球運動を検出することとを行うように構成された送信機とを備える。別の実施形態では、着用可能なデバイスは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、(i)センサに動作可能に結合され、センサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出するように構成された回路、および/または(ii)第1および第2のセンサから発生するデータを、センサからの信号に基づいて水平方向および垂直方向の眼球運動を検出するように構成された遠隔回路に送信するように構成された送信機とを備える。これらの実施形態では、各センサは、単一の電極、2つの電極、3つの電極、4つの電極、またはそれ以上を備え得る。
以下でより詳細に説明されるように、着用可能なデバイスは、着用可能なデバイスおよびモバイルデバイス上のソフトウェアアプリケーションからなるシステムの一部として機能する。ソフトウェアアプリケーションは、着用可能なデバイスからのデータの分析のためのアルゴリズム、および以下で説明される他の特徴を有し得る。
着用可能なデバイスの実施形態は、図1Aに示されている。デバイス100は、第1のセンサ102および第2のセンサ104からなる。実施形態はまた、さらなる任意選択的なセンサ106、108を含む。本実施形態では、センサは、単一の電極を備えるが、センサはまた、2つ以上の電極を備え得ることが企図される。センサは、電極以外の構成要素であることも企図され、例えば、いくつかの実施形態では、センサという用語は、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、または慣性質量ユニットを指す。デバイス100はまた、回路110を備える。センサおよび回路は、単一の単体基板112上に統合される。本実施形態における単体基板112は、プリント回路基板であるが、他の実施形態も可能であり、企図される。例えば、図1Bは、第1の電極124および第2の電極126、ならびに任意選択的なセンサもしくは第3の電極128が装着されるか、埋め込まれるか、または固定される単体基板122を有する着用可能なデバイス120の別の実施形態を例示する。一実施形態では、第1、第2、および/もしくは任意選択的なセンサ、または第3の電極は、単体基板上または単体基板内に取り外し可能に挿入可能である。区画130は、単体基板122上に少なくとも部分的に位置決めされ、電子構成要素132を受容し、任意選択的に解放するように寸法決定される。電子構成要素は、以下で記載される電子機器を備えたプリント回路基板を備え得る。電子構成要素は、区画内に挿入可能であり、好ましくは取り外し可能に挿入可能である。区画内に挿入されるとき、電子構成要素は、配線またはリード線134など、基板上の回路の他の要素によって、基板上の第1の電極、第2の電極、および任意選択的なセンサ、または第3の電極と電子通信している。図1A~図1Bの実施形態では、第1および第2のセンサ、または第1および第2の電極と、回路とは、基板内もしくは基板上に装着される、すなわち、基板によって接合される。基板は、実質的に「L」字型であるが、他の幾何学的形状が可能である。本実施形態では、第1および第2のセンサ、または電極は、基板上で互いに分けられている。デバイスまたはデバイスの一部分は、再利用可能または使い捨てとすることができる。例えば、統合されたセンサを有する基板は、再利用可能とすることができ、基板は、使い捨てとすることができ、未加工で未使用の基板への挿入によって再利用可能である、取り外し可能に挿入可能なセンサおよび/または電子構成要素を有することができる。
デバイスが対象の顔に着用されるとき、対象の顔面上の第1および第2のセンサ、または電極の位置は、少なくとも部分的に、基板上の第1および第2のセンサの位置によって画定される。図2A~図2Bを参照すると、ユーザの顔面上の片側だけに固定された着用可能なデバイスの実施形態が示されている。図2Aでは、デバイス200は、第1のセンサ202と、第2のセンサ204と、回路206とからなる。デバイス200は、対象またはユーザの顔面208の片面に適用されるように構成されている。図2Aの実施形態では、第1のセンサ202および第2のセンサ204は、対象の片眼に近接する第1および第2の位置に位置決めされる。より具体的には、デバイスが顔に固定されるとき、第1のセンサ202は、「y」と示される破線によって示される、真っすぐ前を見たときに、眼の瞳孔と交差する垂直軸に対して非対称に位置決めされる。第2のセンサ204は、「x」と示される破線によって示される、真っすぐ前を見たときに、眼の瞳孔と交差する水平軸に対して非対称に位置決めされる。センサの非対称位置は、図2Aの検査によって明らかであり、第1のセンサ202は、中心を有する円形幾何学的形状を有し、垂直軸yは、中心に対して非対称である。同様に、中心を有する円形幾何学的形状を有する第2のセンサ204の非対称位置もまた、垂直軸xが中心に対して非対称であるため、明らかである。
図2Bは、対象の顔222の片側だけに位置決めされたデバイス220の別の実施形態を示す。デバイス220は、第1の電極226、第2の電極228、およびセンサ、または電極230を備える単一の単体基板224を有する。デバイスは、電極および/またはセンサに動作可能に結合された回路を備え、本実施形態では、回路は、電極228の領域に電子構成要素を含む。単体基板224は、右眼または左眼のうちの1つの下縁を通過する横断(水平)平面よりも上位にあるセンサ230、および眼の鼻骨縁を通過する矢状平面に対して時間的に電極226を位置決めするように、ユーザの顔面上に片側配設するために寸法決定される。一実施形態では、第1のセンサは、ユーザの顔面上に配設されるときに、第1のセンサを通る平面の中点が、右眼または左眼のうちの1つの下縁を通過する横断(水平)平面よりも上位にあるように、基板上に位置決めされ、第2のセンサは、ユーザの顔面上に配設されるときに、第2のセンサの平面の中点が、眼の鼻骨縁または内角を通過する矢状平面に対して時間的に位置決めされるように、基板上に位置決めされる。電極および/またはセンサの配設は、以下で考察される図2D~図2Gの構成のうちのいくつかに示されるように、瞳孔の垂直および/または水平軸に沿っている必要はないことが理解される。
図2Bのデバイスは、1つの電極が片眼の外角の近くに配設され、第2の電極が同じ眼の真上に配設されている配置を示している。任意選択的な第3の電極またはセンサは、3つの電極(または2つの電極およびセンサ)が実質的に直角を形成するように、第1および第2の電極の間に配設される。集合的に、説明を容易にするために、感知ユニットという用語は、電極およびセンサの両方を指す。図2D~図2Gは、着用可能なデバイスの追加の実施形態を示し、感知ユニットは、対象の顔面の片面から単眼の眼球運動を感知するために様々な位置に配置されている。いくつかの実施形態では、感知ユニットのうちの1つは、眼の外角に位置決めされる(例えば、図2C、図2E、図2G、および図2H)。いくつかの実施形態では、2つの感知ユニットは、眼の上方に位置決めされる(図2D、図2F、図2G、図2H)。一実施形態では、着用可能なデバイスは、3つの電極、または2つの電極、および感知ユニットからなり、第1の電極は、垂直方向の眼球運動に関連する信号を感知するように配設され、第2の電極は、水平方向の眼球運動に関連する信号を感知するように配設される。感知ユニットは、ジャイロスコープ、加速度計、慣性質量ユニット、もしくは磁力計などのセンサとすることができるか、または共通電極または基準電極であり得る電極とすることができる。一実施形態では、垂直方向の眼球運動に関連する信号を感知する電極は、デバイス内の他の2つの感知ユニットの間に実質的に位置決めされる。一実施形態では、水平方向の眼球運動に関連する信号を検出するための電極は、デバイス内の2つの感知ユニットの間に実質的に位置決めされるか、または端子もしくは遠位電極のうちの1つである(例えば、電極は他の2つの感知ユニットの間に実質的に位置決めされない)。以下で説明されるように、3つの感知ユニットからの信号が収集され、垂直方向、水平方向および/またはねじれ方向の眼球運動を決定するためのアルゴリズムで処理される。
図2A~図2Gに示される感知ユニットの配置は、図2Iに示されるように、従来技術のデバイスから逸脱しており、図2Iでは、一対の電極が、垂直面v内で整列されて垂直方向の眼球運動に関連する信号を検出し、一対の電極が、水平面h内で整列されて水平方向の眼球運動に関連する信号を検出する。水平面h内の電極対は、両眼的に位置決めされる。これに対して、本明細書の着用可能なデバイスは、感知ユニットの単眼配設のために顔に片側配設されるように構成されている。単眼角膜網膜電位は、両眼の角膜網膜電位よりも低いため、本デバイスは、角膜網膜電位信号を増幅し、信号とノイズとの比率を改善するための回路を備える。回路は、共有基準電極の使用を可能にし、電極またはセンサが水平面および垂直面(それぞれ、図2Iのhおよびv)で完全に整列されないことを可能にする。以下で説明されるように、電極またはセンサ、回路およびアルゴリズムは、水平方向および垂直方向の眼球運動に関連する電極またはセンサによって検出された信号を単眼角膜網膜電位から切り離すように動作する。他の実施形態では、電極またはセンサは、単眼と関連付けられた外眼筋または顔面筋に関連する電気活動を検出する。
デバイスの回路の実施形態が、図3Aに示されている。デバイス300は、概略的な形態で示されており、デバイスは、代表的なセンサ302、304によって示されるセンサ、および回路306が、単一の着用可能な基板308上に構成され、電線310を介して動作可能に接続されるように構成されている。回路306は、アナログフロントエンド312およびデジタル回路314を備える。アナログフロントエンド312は、増幅器316およびノイズフィルタリング回路318を備える。デジタル回路314は、アナログデジタル変換器320、マイクロコントローラ322、デジタル信号プロセッサ324、および任意選択的に無線送受信機である送信機326を備える。
上記のように、いくつかの実施形態では、デバイスは、第3のセンサまたは第3の電極を備え得る。場合によっては、第3のセンサは、対象の頭部運動、位置、および/または配向を感知するように構成されたセンサである。図3Bを参照すると、着用可能なデバイスに追加的に組み込まれ得る第3のセンサ350が示されている。本実施形態では、第3のセンサは、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、または慣性質量ユニットである。図3Bのパネル360は、第3のセンサによって検出され得る、対象の例示的な頭部位置を示している。パネルは、頭部運動に伴って内耳の位置がどのように変化するかを示している。ドット362、363などの黒いドットは、平衡管としても知られる三半規管内の耳石、およびそれらが頭部運動、位置、または配向によってどのように位置を変化させるかを示している。パネル360の左上から始まり、方向矢印によって示されるように時計回りに移動し、上の行は、頭部を後ろの位置に移動し、次に頭部を上方位置に、次に身体を上方位置または直立位置に戻す人間を示している。眼振を引き起こす頭部位置、方向、および加速度を知ることによって、三半規管における潜在的な耳石の位置を決定することができる。第3のセンサの追加により、着用可能なデバイスは、対象の水平方向ならびに/または垂直方向の眼球運動、ならびに頭部運動、位置、および/または配向を含む、両方の眼球運動を監視するように構成され得る。一実施形態では、デバイスは、3つの軸に沿って、頭部運動、位置、および/または配向を監視するように構成されている。デバイスの回路は、第3のセンサに動作可能に結合され、センサから受信された信号に基づいて、頭部位置、運動、および/または配向を検出および/または識別するように構成されている。
一実施形態では、第3のセンサはまた、眼球運動に関連する信号の検出を開始するために、デバイス上の1つ以上の電極を作動させるトリガとして機能する。例えば、第3のセンサによって検出された頭部の特定の位置、運動、または配向は、電極に信号を送り、眼球運動に関連する電気活動の記録を開始する。代替的に、および以下で考察されるように、デバイスまたはシステムは、デバイスを作動または停止させるための物理的または電子的ボタンを備えることができる。
上述したように、本デバイスの特徴は、対象の顔面の片側のみに適用され、対象の顔面の片側のみに適用されたセンサから得られたデータを採用するように構成されていることである。「対象の顔面の片側のみ」とは、採用されたときに、デバイスが対象の片眼の片側のみに適用され、対象の各眼の側面に適用されないことを意味する。デバイスは、対象の顔面の片面、例えば、単眼のみに近位に適用される第1および第2のセンサのみ、例えば、電極のみで動作するように構成されている。加えて、ある特定の実施形態では、デバイスはまた、対象の頭部運動、位置、および/または配向を感知するように構成された第3のセンサ、周囲光を検出するように構成された光センサ、記憶構成要素、および/または送信機を含み得る。
デバイスによって検出された信号を処理し、着用可能なデバイスのユーザのためのインターフェースを提供するためのアルゴリズムを用いてソフトウェアアプリケーションを説明する前に、デバイスの構成要素、例えば、基板、センサ、および回路をさらに説明する。
着用可能なデバイスの構成要素は、単一の単体基板上に統合され得る。基板とは、デバイスの構成要素が装着され、留められ得る、機械的ベースとしての機能を果たす基礎材料または層を意味する。基板は、各構成要素が基板の平坦面上の領域を占める、実質的な平坦面であり得る。基板は、各構成要素が平面基板上または平面基板内の領域を占める、実質的な平面部材であり得る。一実施形態では、「平坦な」とは、例えば、基板の厚さが約35mm未満であり得、他の例では、基板の厚さが約30mm未満、28mm未満、27mm未満、26mm未満、25mm未満、24mm未満、23mm未満、22mm未満、21mm未満、または20mm未満であることを意味する。デバイスの構成要素は、基板の平坦面の一方または両方に装着され得るか、留められ得るか、固着され得るか、または基板内に埋め込まれ得る。
基板は、任意の好都合な材料からなり得る。例えば、基板は、プリント回路基板であり得る。代替的に、基板は、可撓性材料であり得る。例えば、基板は、シリコーンゲルまたはハイドロゲルなどの半硬性コロイドであり得る。代替的に、基板は、キャンバス生地またはダック地などの布であり得る。代替的に、基板は、プラスチック布などの成形可能なプラスチックであり得る。代替的に、基板は、積層体であり得る。代替的に、基板は、樹脂と組み合わせた紙または布などの樹脂を含み得る。
デバイスの構成要素は、任意の好都合な方法で、基板上に、または基板内に接着され、装着され、封入され、かつ/または留められ得る。例えば、デバイスの構成要素は、電気化学反応または化学反応を通じて基板上に接着され得る。代替的に、デバイスの構成要素は、ハードウェア留め具を使用して、基板上に固着され、装着され、かつ/または留められ得る。ハードウェア留め具は、ねじ、リベット、ボルト、ピン、クランプ、ステープル、PEMナット、フック、およびループ留め具(例えば、Velcro(登録商標))などを含み得る。代替的に、デバイスの構成要素は、基板に接着させることによって、基板上に固着され、装着され、かつ/または留められ得る。例えば、デバイスの構成要素は、接着剤、接合剤、のりなどを使用して、基板上に固着され、装着され、かつ/または留められ得る。接着性物質を使用して構成要素を基板に固着する、装着する、かつ/または留めることは、場合によっては、構成要素を基板にテーピングすることを含み得る。代替的に、デバイスの構成要素は、それらを基板上または基板内に縫い付けることによって、基板上または基板内に固着され、装着され、かつ/または留められ得る。基板がプリント回路基板であるとき、デバイスの構成要素は、例えば、プリント回路基板にはんだ付けされ得る。
基板は、任意の好都合な形状を採り得る。例えば、基板は、実質的に卵形状、または実質的に涙滴状、または実質的に三日月形状であり得る。代替的に、基板は、互いにほぼ直角に配向された2つの「アーム」(例えば、長方形アーム、曲線アームなど)を形成し得る。すなわち、基板は、実質的に「L」字型を採り得、そのような形状の縁部は、所望に応じて、直線的または曲線的であり得る。基板のサイズは、基板の「平坦」側のうちの1つの表面積によって測定され得る。基板の面積は、変更され得、いくつかの事例では、約2~70cm2、約4~65cm2、約10.0~65.0cm2、約10~50cm2、約15~40cm2、または約20.0cm2の範囲であり得る。基板の長さおよび幅は、変更され得、いくつかの事例では、約0.1~10cm、約0.2~8cm、約1~8cm、約3~8cm、または約5.0cmの範囲である。基板が、その形状が互いにほぼ直角に配向される2つの「アーム」を備えるように、実質的に「L」字型で構成されるとき、いくつかの事例では、「アーム」の各々は、約1~15cm、2~10cm、または3~8cmの長さと、0.5~4.0cmの幅とを有し得る。基板がこのような「L」字型で構成されるとき、基板の「アーム」の各々の長さは、同じ長さであり得るか、または長さが異なり得る。例えば、基板の2つのアームの長さは、約0.1~4.0cm、約0.5~3cm、0.5~2cm、または1~2cmの間で異なり得る。例示的なL字型デバイスは、約50~65cm、52~60cm、または55~60cmの長さを有する第1のアームと、第1のアームの長さよりも約5%、8%、10%、12%、15%または20%短い長さを有する第2のアームとを有する。
ある特定の実施形態では、基板の形状は、基板上に装着された第1および第2のセンサの所望の位置に基づいて、実質的に決定される。すなわち、基板は、デバイスがヒト対象によって着用されるときに、第1および第2のセンサが対象の片眼の近位に位置決めされるように形作られる。ある特定の実施形態では、対象の眼のうちの1つの運動を感知するために、基板は、第1および第2のセンサが対象の眼のうちの1つの近位に位置決めされ得るように構成され得る。具体的には、センサは、真っすぐ前を見たときに、近位眼の瞳孔と交差する仮想上の垂直軸に対して非対称に、また、真っすぐ前を見たときに、近位眼の瞳孔と交差する仮想上の水平軸に対して非対称に、眼の近位に位置決めされ得る。ある特定の実施形態では、第1および第2のセンサが基板上または基板内に装着される位置は、第1のセンサと第2のセンサとの間の距離が実質的に最大化されるように決定される。すなわち、ある特定の実施形態では、基板の最長寸法は、第1のセンサと第2のセンサとの間の所望の距離によって実質的に決定される。いくつかの事例では、第1および第2のセンサが装着された基板の形状は、デバイスがヒト対象によって着用されるときに、1つのセンサが対象の片眼の実質的に上方または実質的に下方に装着され、他方のセンサが対象の同じ眼の側面に実質的に装着されるように構成されている。所与の構成では、第1のセンサと第2のセンサとの間の距離は、いくつかの事例では、約0.25~8cm、約0.5~8cm、または約0.50cm~5.60cm、または約4.0cmの範囲で変更され得る。
着用可能なデバイスはまた、対象の眼のうちの1つの運動を感知するように構成された第1および第2のセンサを備える。第1および第2のセンサは、眼球運動に関連する電気活動を測定することによって、対象の眼のうちの1つの運動を感知し得る。ある特定の実施形態では、第1および第2のセンサは、対象の眼の角膜と網膜との間の電位の差を測定することによって、対象の眼の運動を感知し得る。他の実施形態では、第1および第2のセンサは、対象の筋肉、例えば、外眼筋および顔面筋の電気活動を測定することによって、対象の眼の運動を感知し得る。第1のセンサは、1つ以上の電極を備え得、第2のセンサは、1つ以上の電極を備え得る。ある特定の実施形態では、第1のセンサは、単一の第1の電極を備え、第2のセンサは、単一の第2の電極を備える。代替的に、いくつかの実施形態では、第1のセンサは、2つ以上の第1の電極を備え、第2のセンサは、2つ以上の第2の電極を備える。具体的には、1つ以上の第1の電極および1つ以上の第2の電極は、表面電極であり得、その場合、それらは乾電極であり得る。別の実施形態では、1つ以上の第1の電極および1つ以上の第2の電極は、湿電極であり得る。ある特定の実施形態では、デバイスは、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、対象の眼球運動を連続的および/またはほぼリアルタイムで監視するように構成され得る。
第1および第2のセンサが、1つ以上の第1の電極および1つ以上の第2の電極をそれぞれ備える場合、電極は、任意の好都合な電極であり得る。電極とは、非金属物質と接触させるために使用される電気伝導体を意味する。いくつかの事例では、電極は、電極の一端が対象と電気的に接触し、電極の他端がデバイスの回路に電気的に接続されるように、デバイスに組み込まれる。いくつかの事例では、電極は、近位端および遠位端を有し、近位端は、デバイスの回路構成要素に電気的に接続され、遠位端は、使用するときに対象と電気的に接触する。したがって、本発明では、電極を使用して、対象によって生成され、電極によって感知された電気信号をデバイスの回路構成要素に伝導し得る。ある特定の実施形態では、1つ以上の第1の電極および1つ以上の第2の電極は、対象の眼の角膜と網膜との間の電位の差を測定し得る。他の実施形態では、上記で考察されるように、1つ以上の第1の電極および1つ以上の第2の電極は、対象の筋肉、例えば、外眼筋および顔面筋の電気活動を測定し得る。
ある特定の実施形態では、1つ以上の第1の電極および1つ以上の第2の電極は、表面電極である。表面電極とは、対象の外面に適用して、電極に近位の組織の電気活動を測定する電極を意味する。すなわち、表面電極は、対象の皮膚を貫通しない電極である。表面電極は、3M(商標)から市販されているRed Dot(商標)電極のライン、またはCovidienから市販されているDisposable Surface Electrodes、もしくはComepaから市販されているECG Pre-Gelled電極など、任意の好都合な市販の表面電極であり得る。ある特定の実施形態では、表面電極は、布、発泡体、プラスチックテープ、プラスチックフィルム、または任意の他の好都合な材料である下地材料からなり得る。表面電極は、接着性物質を使用して対象の表面に適用され得る。接着性物質の強度は、所望に応じて変更され得る。接着性物質自体は、伝導性であり得る。表面電極は、デバイスの機能を改善するために必要に応じて、対象に好都合に再位置決めされるように設計され得る。
ある特定の実施形態では、表面電極は、乾電極であり得る。乾電極とは、電極がデバイス内で機能するために、対象の皮膚と電極の遠位表面との間にゲルまたは他の流体を塗布する必要がないことを意味する。ある特定の実施形態では、乾表面電極は、対象の表面に適用されるときに機能するために、皮膚擦過などの皮膚準備を必要としない。電極が乾電極でないとき、ゲルまたは他の同様の流体は、対象と表面電極との間の電気的接続を促進するために、皮膚と電極との間の対象の表面に適用される。ある特定の例では、乾電極は、ゲルまたは他の流体が乾燥するにつれて、ゲルまたは同様の流体を再適用する必要性を緩和することによって、電極の長期使用を促進し、したがって、デバイスの長期使用を促進する。湿電極は、より長期間にわたって安定した信号の利点を提供する。
表面電極は、任意の好都合な形状を採り得る。ある特定の実施形態では、表面電極は、実質的に丸い、または実質的に長方形、または実質的に卵形、または実質的に涙滴形であり得る。表面電極は、対象の表面の変更される面積を被覆し得、いくつかの事例では、被覆された面積は、1.0cm2など、0.05~10.0cm2の範囲である。第1の電極の形状または表面積は、第2の電極の形状または表面積と異なり得る。例えば、第1の電極は、実質的に円形であり得、第2の電極は、実質的に長方形であり得る。第1の電極は、第2の電極よりも大きくても小さくてもよく、いくつかの事例では、任意の差の大きさは、約0~12cm2、約0~9.95cm2、約0~7cm2、約0~3.75cm2、または約2.0cm2の範囲である。
上記で考察されるように、ある特定の実施形態では、基板の形状は、基板上に装着された第1および第2のセンサの所望の位置に基づいて、実質的に決定される。第1および第2のセンサが第1および第2の電極であるように構成されたときに、基板上に装着された第1および第2の電極の位置は、第1および第2の電極が対象のどこに位置するかを決定する。対象の第1および第2の電極の位置は、第1および第2の電極によって感知され得る対象の眼球運動に関連する電気信号を部分的に決定する。基板上に装着された第1および第2の電極の位置は、第1の電極の中心と第2の電極の中心との間の距離に基づいて説明することができ、いくつかの事例では、約0.25~8cm、または約0.5~8cm、または約0.1~7.0cm、または約4.0cmの範囲である。
基板が、その形状が互いにほぼ直角に配向される2つの「アーム」を備えるように、実質的に「L」字型で構成されるとき、1つのセンサは、「アーム」の各々に装着され得る。ある特定の例では、センサは、「L」字型の頂点から離間した最も遠い点の近くの各「アーム」上に装着される。ある特定の実施形態では、センサは、デバイスが対象によって着用されるときに、2つのセンサのうちの1つが対象の片眼の実質的に上方に位置し、他方のセンサが対象の同じ眼の側に実質的に位置するように、基板上に装着され得る。そのような実施形態では、センサは、前方を見たときに、眼の瞳孔と交差する仮想上の垂直軸に対して非対称に、および前方を見たときに、眼の瞳孔と交差する仮想上の水平軸に対して非対称に位置決めされる。
上述したように、デバイスは、対象の顔に着用可能である。例えば、デバイスは、自宅または職場などの臨床環境外で対象が着用することができる。一実施形態では、デバイスは、単一の着用可能なパッチを備えるか、または他の実施形態では、デバイスは、2つ以上の着用可能なパッチを備える。単一の着用可能なパッチを備えるとは、デバイスが装着される基板自体が、単一の着用可能なパッチに組み込まれることを意味する。2つ以上の着用可能なパッチを備えるとは、デバイスを構成する構成要素が2つ以上の着用可能なパッチに統合されることを意味し、その結果、着用されたときに、各着用可能なパッチが、互いに物理的に分けられ、電線を介して電気的に接続され得るか、または互いに無線通信され得る。
単一の着用可能なパッチは、任意の好都合な形態を採り得、任意の好都合な材料または複数の材料を含み得る。例えば、単一の着用可能なパッチは、対象の顔面の部分の上に形作られ得る布ベースの材料などの可撓性材料を含み得る。単一の着用可能なパッチはまた、同じもしくは異なる材料の層から形成され得るか、または同じもしくは異なる材料の積層体であり得る。デバイスが単一の着用可能なパッチを備えるように構成された場合に、着用可能なパッチは、対象の顔面の位置に接着され得るか、または非接着性材料を使用して対象の顔面の位置に取り付けられ得る。ある特定の実施形態では、単一の着用可能なパッチは、接着剤、接合剤、またはのりを使用して対象の顔面の位置に接着され得る。ある特定の実施形態では、単一の着用可能なパッチは、接着性物質を使用することによってではなく、代わりに、例えば、弾性バンドまたは眼鏡フレームなどの引張方法を使用することによって、対象の顔面の位置に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、単一の着用可能なパッチは、対象の顔面の位置に適合されるように可撓性であり得る。顔面の位置に適合されるように可撓性であるとは、単一の着用可能なパッチの表面が剛性または堅固ではなく、代わりに、対象の顔面の非平坦な輪郭のパターンに従うように位置決めされ得、対象の顔面の非平坦な輪郭と整列され得ることを意味する。いくつかの実施形態では、単一の着用可能なパッチは、対象の顔面の位置にピッタリと適合されるように成形可能であり得る。対象の顔面の位置にピッタリと適合されるように成形可能であるとは、単一の着用可能なパッチの表面が、対象の顔面の非平坦な輪郭のパターンに従うように操作されて形成され得、対象の顔面の非平坦な輪郭と整列され得、さらに、そのように形成されたときに、そのような成形された位置を保持することを意味する。いくつかの実施形態では、単一の着用可能なパッチは、対象の顔面の位置に適合されるために引き裂かれるように構成され得る。対象の顔面の位置に適合されるために引き裂かれるように構成されているとは、着用可能なパッチの材料が、着用可能なパッチの平坦面を引き裂くようにユーザを誘導するように構成されており、その結果、着用可能なパッチの他の平坦面は、対象の顔面の、より実質的に丸い表面または湾曲した表面に適用されることを、より良好に受け入れ得ることを意味する。
単一の着用可能なパッチまたは単一の着用可能なデバイスの例示的な実施形態が、図4に例示されている。デバイス400は、それぞれ、第1のセンサおよび第2のセンサ402、404と、回路406と、を備える。回路406は、電子構成要素408と、電線または配線410とを備え、これらはすべて、単一の単体基板412に埋め込まれているため、ファントムで示されている。一実施形態では、単体基板は、シリコーンゴムなどの可撓性ポリマーであり、構成要素は、可撓性ポリマー内に埋め込まれている。電子構成要素408は、例えば、本明細書に記載される電子構成要素のうちの1つ以上を備えるチップまたはプリント回路基板とすることができる。本実施形態における第1および第2のセンサは、各々が、センサ404上の留め具414などのスナップ型留め具を各々有する単一の電極であることが示されている。留め具414は、部材416など、デバイスの皮膚接触面上の部材と取り外し可能に係合する。デバイス400は、接着性物質、またはテープなどによって、皮膚に固着される電極によって、および電極上の嵌合部材と取り外し可能に係合する、デバイス上の留め部材によって、対象の皮膚に固定される。デバイス400は、デバイスのこの領域に接着性物質付き第3のセンサ電極がない場合、電子構成要素の領域内の皮膚接触側に接着性物質部分を備え得る。デバイス400はまた、ユーザの顔面上にデバイスの位置決めを誘導するための基準マークまたは整列マークを備え得る。例えば、整列マークは、瞳孔との整列を示し得る。整列マークは、デバイスが顔に固定された後、デバイスの外面から剥離される取り外し可能な層の形態を採り得る。
図4の実施形態から、様々なデバイス構成が理解され得る。一実施形態では、着用可能なデバイスは、回路を備える再利用可能で使い捨てではない単体基板を備える。第1および第2のセンサまたは電極は、基板に取り外し可能に取り付け可能であり、使用後に処分され得る。再利用可能な単体基板は、各々がその後の使用のために、未加工の一対の未使用電極またはセンサに取り付けられる。別の実施形態では、デバイスの基板および電極は、使い捨てであり、回路の大部分は、再利用のために基板から取り外し可能である。本実施形態の一例は、図1Bに示されており、回路の電子構成要素は、基板から取り外し可能である。完全に使い捨てであるか、または完全に再利用可能なデバイスもまた企図される。別の構成では、着用可能なデバイスは、第1のセンサおよび第2のセンサ、ならびに電子構成要素からなり、電子構成要素は、第1のセンサおよび第2のセンサが固定されている基板とは別個の基板上にある。別個の基板とセンサとの間の回路は、センサを電子構成要素と動作可能に接続する。また、説明されるように、皮膚接着性物質層および追加の材料を備え、別個の構成要素を一緒に組み立てて、デバイスを形成し、それを皮膚に固定するためのデバイスも企図される。
したがって、実施形態では、対象の皮膚に接着させるためのデバイスが提供される。デバイスは、接続点で接合される第1のアームおよび第2のアームと、第1のアーム上に位置決めされた第1の電極と、第2のアーム上に位置決めされた第2の電極とを有する単体基板を備える。デバイスはまた、データ収集回路などの電子構成要素を備え、接続点に近似して取り外し可能に固定されている。第1および第2の電極は、第1のアームおよび第2のアームの各々の底面とそれぞれ一体であり、基板に固定されるとき、電子構成要素に電気的に接続される。デバイスはまた、皮膚と接触するための、各アームの底面上の接着性物質と、電極および電子構成要素の外部外配向面を覆う可撓性オーバーレイとを備え得る。デバイスのアームは、基板が形成される材料に応じて、可撓性または剛性であり得る。別の実施形態では、対象の皮膚に接着させるためのデバイスは、第1のアームおよび第2のアーム、ならびにデータ収集部材、または電子構成要素を有する層状基板とすることができる単体基板を備える。第1および第2の電極は、基板への別個の個々の接続点に取り外し可能に固定され、接続点は、第1のアームおよび第2のアームの各々の皮膚接触面上にある。基板上または基板内に挿入された電子構成要素は、第1および第2の電極と電気接続されている。接着性物質は、電極の皮膚接触面上に存在し得、可撓性オーバーレイ材料は、電極および電子構成要素の外部外配向面を覆い得る。
上述のように、第1のセンサは、2つ以上の電極を備え得、第2のセンサは、2つ以上の電極を備え得る。いくつかの事例では、第1および第2の電極は、第1および第2のセンサの2つ以上のグループを備える。このような例では、第1および第2のセンサのグループは各々、一対の電極を備え得る。いくつかの事例では、第1および第2のセンサのグループは各々、3つ以上の電極を備え得る。場合によっては、第1および第2の電極の各グループは、同じ数の電極を備え、場合によっては、第1および第2の電極の各グループは、異なる数の電極を備える。
デバイスの一実施形態が第1および第2のセンサのグループを含むとき、第1および第2のセンサのグループは、異なる構成で幾何学的に配置され得る。いくつかの事例では、第1および第2のセンサのグループは、対象の瞳孔を通る垂直軸または水平軸に対して対称的に幾何学的に配置され得、いくつかの事例では、第1および第2のセンサのグループは、対象の瞳孔を通る垂直軸または水平軸に対して非対称的に幾何学的に配置され得る。いくつかの事例では、第1および第2のセンサの1つ以上のグループは、対象の垂直方向の眼球運動を単離するように幾何学的に配置され得る。いくつかの事例では、第1および第2のセンサの1つ以上のグループは、対象の水平方向の眼球運動を単離するように幾何学的に配置され得る。いくつかの事例では、第1および第2のセンサの1つ以上のグループは、対象のねじれ方向の眼球運動を単離するように幾何学的に配置され得る。いくつかの事例では、第1および第2のセンサの複数のグループは、対象の垂直方向、水平方向、およびねじれ方向の眼球運動を単離するように幾何学的に配置され得る。
デバイスの一実施形態が第1および第2のセンサのグループを含むとき、第1および第2のセンサの異なるグループからの信号は、回路によって同時に受信され得る。すなわち、回路は、第1および第2のセンサの各グループによって検出された信号のすべてを受信し得る。他の事例では、第1および第2のセンサの異なるグループからの信号は、回路によって時間区切り方式で受信され得る。すなわち、いくつかの事例では、第1および第2のセンサの異なるグループからの信号は、回路によって受信される前に多重化され得る。いくつかの事例では、第1および第2のセンサの異なるグループからの信号は、回路が、実質的に等しい持続時間でセンサの各グループからの信号を受信するように、多重化され得る。他の事例では、第1および第2のセンサの異なるグループからの信号は、回路がセンサの別のグループからの信号を受信するよりも長い持続時間にわたって、回路がセンサの1つのグループからの信号を受信するように、多重化され得る。
ここでデバイスの回路を参照すると、回路は、第1および第2のセンサに動作可能に結合され、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および/または垂直方向の眼球運動を検出するように構成されることが好ましい。回路は、アナログフロントエンドおよびデジタル回路を備え得る。アナログフロントエンドは、センサからの信号を受信し、ノイズフィルタリング回路および増幅回路を含み得る。デジタル回路は、アナログフロントエンドから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するように構成されたアナログデジタル変換回路、ならびにマイクロコントローラを含み得る。いくつかの実施形態では、デジタル回路はまた、アナログフロントエンドから出力された信号をさらに処理するためのデジタル信号プロセッサを含み得る。
第3のセンサを備えるデバイスの実施形態では、回路は、第3のセンサに動作可能に結合され、第3のセンサからの信号に基づいて、頭部運動、位置、および/または配向を検出するようにさらに構成されている。他の実施形態では、デバイスは、光センサをさらに備え、回路は、光センサに動作可能に結合され、光センサからの信号に基づいて、周囲光を検出するように構成されている。他の実施形態では、デバイスは、記憶構成要素をさらに備え、回路は、記憶構成要素に動作可能に結合され、回路および記憶構成要素は、眼球運動データ、ならびに頭部運動、位置、および/または配向データを記憶構成要素に記録するように構成されている。他の実施形態では、デバイスは、送信機をさらに備え、回路は、送信機に動作可能に結合され、回路および送信機は、眼球運動データ、ならびに頭部運動、位置、および/または配向データを送信するように構成されている。
回路とは、電気信号が電気伝導体を介して伝達され、電気信号の電圧および/または電流が、例えば、抵抗器またはコンデンサもしくは電圧源あるいは電流源などの電子構成要素によって操作され得る電子回路を意味する。回路は、トランジスタまたは集積回路などの半導体デバイスである電気構成要素からさらになり得る。回路を備える電子構成要素は、アナログおよびデジタルの両方の電子構成要素から構成され得る。
実施形態では、回路のアナログ構成要素は、例えば、演算増幅器などの1つ以上の増幅器と、例えば、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタなどの1つ以上のアナログフィルタとを備え得る。実施形態では、1つ以上の増幅器が、第1および第2の電極から発生する電子信号を増幅するために、回路内で使用される。具体的には、1つ以上の増幅器およびアナログフィルタを回路内で使用して、水平方向または垂直方向の眼球運動に関連する第1および第2の電極から受信された信号の態様を増幅およびフィルタリングし得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の増幅器およびアナログフィルタを回路内で使用して、例えば、中立視線、左方向視線、右方向視線、上方向視線、および下方向視線などのねじれ方向の眼球運動もしくは特徴的な眼球運動、または他の実施形態では、眼振事象に関連する眼球運動に関連する、第1および第2の電極から受信された信号の態様を増幅およびフィルタリングし得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の増幅器およびアナログフィルタを回路内で使用して、水平方向の眼振事象と、垂直方向の眼振事象と、ねじれ方向の眼振事象との特徴的な眼球運動の区別を容易にする、第1および第2の電極から受信された信号の態様を増幅およびフィルタリングし得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の増幅器およびアナログフィルタを回路内で使用して、良性発作性頭位めまい症に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動、またはメニエール病に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動、もしくは前庭神経炎に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動に関連する、第1および第2の電極から受信された信号の態様を増幅し得る。加えて、1つ以上の増幅器およびアナログフィルタを回路内で使用して、第1および第2の電極が回路の追加の電子構成要素によってさらに処理され得るように、第1および第2の電極から受信された信号を調整し得る。
いくつかの実施形態では、回路のデジタル構成要素は、アナログデジタル変換器、マイクロコントローラ、およびデジタル信号プロセッサを含み得る。アナログデジタル変換器とは、電気信号のアナログ形式または符号化から、デジタル形式または符号化に変換するために使用される電子回路を意味する。ある特定の実施形態では、アナログデジタル変換器を使用して、回路のアナログ電子構成要素によって既に処理されているアナログ信号をデジタル信号に変換し、その結果、結果として生じるデジタル信号を、回路の追加の電子構成要素によってさらに処理することができる。マイクロコントローラとは、1つ以上のプロセッサ、メモリ、および1つ以上の入力/出力インターフェースを備える電子回路を意味する。ある特定の実施形態では、マイクロコントローラは、第1および第2の電極によって測定された信号に対応するデジタル信号、ならびに加速度計などの第3のセンサによって測定された信号に対応するデジタル信号、および光センサによって測定された信号に対応するデジタル信号をさらに処理するようにプログラムされ得る。マイクロコントローラはまた、送信機を介してデジタル信号を送信することを容易にするように、またはデジタル信号を外部記憶構成要素に記憶することを容易にするようにプログラムされ得る。マイクロコントローラはまた、ADC変換されたデータをフェッチし、データ通信をスケジュールし、およびローカル信号処理を容易にするようにプログラムされ得る。デジタル信号プロセッサとは、デジタル信号を測定すること、デジタル信号を基準波形と比較すること、デジタル信号をフィルタリングすること、またはデジタル信号を圧縮することなどのような、信号処理動作を実施するために最適化された特別な目的のマイクロプロセッサを意味する。ある特定の実施形態では、デジタル信号プロセッサを使用して、生センサ測定値をスケールおよびバイアスすること、測定された波形を基準波形と比較することによって、特徴的な波形を識別すること、測定された波形の特定の特性を識別すること、または波形を送信または記憶する前に、波形のデジタル表現を圧縮することを行い得る。例えば、デジタル信号プロセッサを使用して、第1および第2のセンサによって測定された信号に対応するデジタル信号の特徴的な波形を識別するとき、デジタル信号プロセッサは、測定された信号を、水平方向または垂直方向の眼球運動に関連する、眼球運動に対応する基準波形、またはねじれ方向の眼球運動に関連する、眼球運動に対応する基準波形、もしくは例えば、中立視線、左方向視線、右方向視線、上方向視線、および下方向視線などの特徴的な眼球運動に対応する基準波形、あるいは眼振事象に関連する、特徴的な眼球運動に対応する基準波形、または水平方向の眼振事象、垂直方向の眼振事象、およびねじれ方向の眼振事象に関連する、特徴的な眼球運動に対応する基準波形、もしくは良性発作性頭位めまい症に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動に対応する基準波形、あるいはメニエール病に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動に対応する基準波形、または前庭神経炎に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動に対応する基準波形と比較し得る。
いくつかの実施形態では、上述の電子構成要素は、集積回路の形態で提供され得る。代替的に、いくつかの実施形態では、上述の電子構成要素のうちの1つ以上は、構成可能な集積回路の形態で提供され得る。例えば、上述の電子構成要素のうちの1つ以上は、同一の機能性を実装するように構成されているフィールドプログラマブルゲートアレイ上に提供され得る。
いくつかの実施形態では、回路を作成する電子構成要素は、市販の「既製の」構成要素である。例えば、演算増幅器、アナログフィルタ、アナログデジタル変換器、マイクロコントローラ、およびデジタル信号プロセッサを備える集積回路は、Texas InstrumentsまたはAnalog Devices and Marvellから市販されている。上述の電子構成要素のうちの1つ以上を実装するように構成され得るフィールドプログラマブルゲートアレイは、XilinxまたはIntelおよびAlteraから市販されている。
回路からの信号を処理するアルゴリズムは、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および/または垂直方向の眼球運動を検出することができる。いくつかの実施形態では、アルゴリズムは、ねじれ方向の眼球運動、例えば、中立視線、左方向視線、右方向視線、上方向視線、および下方向視線を認識することを含む、1つ以上の特徴的な眼球運動を含む眼球運動センサデータの1つ以上の特定のパターン、または水平方向の眼振事象、垂直方向の眼振事象およびねじれ方向の眼振事象、もしくは良性発作性頭位めまい症に関連する眼振事象、あるいはメニエール病に関連する眼振事象、または前庭神経炎に関連する眼振事象を含む眼振事象など、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、追加の眼球運動を検出するように構成され得る。ある特定の実施形態では、第1のセンサおよび第2のセンサが、ヒト対象の片眼の近位に位置決めされるとき、アルゴリズムは、第1および第2のセンサから、眼球運動と相関するアナログ形式の電気信号の第1の受信によって、眼球運動を検出するように構成され得る。眼球運動と相関する信号とは、例えば、対象の角膜と網膜との間の電位の差を表す信号、または筋肉の電気活動を表す電気信号を意味する。筋肉の電気活動とは、第1および第2のセンサが、眼球運動に関連する外眼筋および顔面筋の電気活動を測定するような位置、およびそのように構成されていることを意味する。このようなアナログ電気信号を第1および第2のセンサから受信すると、回路は、上述のように、例えば、対象の角膜と網膜との間の電位の差を含む信号の一部、または眼球運動に関連する外眼筋および顔面筋の電気活動を含む信号の一部を特に増幅するために、アナログ増幅器を使用して信号を選択的に増幅するように構成され得る。一実施形態では、外眼筋および顔面筋の電気活動を含む信号は、デバイスから収集された信号から除去または減算される。
信号を増幅すると、回路は、上述のように、例えば、対象の角膜と網膜との間の電位の差の測定値、または眼球運動に関連する外眼筋および顔面筋の電気活動などの筋肉の電気活動の測定値に対応していないアナログ電子信号の一部を除外および除去するために、アナログフィルタを使用して、増幅信号をフィルタリングするように構成され得る。アナログ電子信号を増幅およびフィルタリングすると、回路は、上述のように、アナログデジタル変換器を使用して、アナログ信号をデジタル信号に変換するように構成され得る。信号をデジタル信号に変換すると、回路は、上述のように、水平方向または垂直方向の眼球運動に関連するデジタル信号の特性を識別するために、デジタル信号プロセッサを使用して信号の態様を測定するように構成され得る。ある特定の実施形態では、デジタル信号プロセッサは、ねじれ方向の眼球運動、例えば、中立視線、左方向視線、右方向視線、上方向視線、および下方向視線を認識することを含む、1つ以上の特徴的な眼球運動を含む眼球運動センサデータの1つ以上の特定のパターン、または水平方向の眼振事象、垂直方向の眼振事象およびねじれ方向の眼振事象、もしくは良性発作性頭位めまい症に関連する眼振事象、あるいはメニエール病に関連する眼振事象、または前庭神経炎に関連する眼振事象を含む眼振事象など、眼球運動に関連するデジタル信号の追加の特性を識別するように構成され得る。
上記のように、デバイスは、対象の頭部運動、位置、および/または配向を感知するように構成された第3のセンサを含み得る。対象の頭部運動、位置、および/または配向を感知するとは、デバイスが、対象の頭部が空間内を前後、上下、または左右に並進されるとき、ならびに頭部が左右または前後もしくは上下、あるいはこれらの組み合わせで回転されるときを検出するように構成されていることを意味する。
いくつかの実施形態では、第3のセンサは、加速度計であり得る。加速度計とは、空間内の三次元上の加速度など、身体の加速度を測定する構成要素を意味する。加速度計は、機械的電子デバイスまたは微小電気機械システム(MEMS)を備え得る。例えば、加速度計は、圧電効果を利用して加速度を測定し得る。典型的には、デバイスに組み込まれた加速度計は、市販の「既製の」構成要素である。例えば、加速度計を備える集積回路は、Analog DevicesまたはTexas InstrumentsまたはMarvellから市販されている。
代替的に、第3のセンサは、ジャイロスコープであり得る。ジャイロスコープとは、空間内の三次元における身体の配向の変化など、身体の位置または回転の変化を測定する構成要素を意味する。ジャイロスコープは、機械的電子デバイスまたは微小電気機械システム(MEMS)を備え得る。例えば、ジャイロスコープは、圧電効果を利用してコリオリ力に反応し、それにより、センサの回転を測定するように設計された振動型ジャイロスコープであり得る。典型的には、デバイスに組み込まれたジャイロスコープは、市販の「既製の」構成要素である。例えば、ジャイロスコープを備える集積回路は、Analog DevicesまたはTexas InstrumentsまたはMarvellから市販されている。第3のセンサはまた、磁力計または慣性質量ユニットであり得る。
いくつかの実施形態では、デバイスは、第3のセンサからの信号に基づいて、対象の頭部運動、位置、および/または配向を連続的にかつ/もしくはほぼリアルタイムで監視するように構成され得る。対象の頭部運動、位置、および/または配向を連続的に監視するとは、デバイスが、第3のセンサによって感知される実質的にすべての信号に基づいて、対象の頭部運動、位置、および/または配向を監視するように構成され得ることを意味する。対象の頭部運動、位置、および/または配向をほぼリアルタイムで監視するとは、デバイスが、信号が第3のセンサによって感知され、回路によって受信された後に、対象の頭部運動、位置、および/または配向をほぼリアルタイムで分析および評価するように構成されていることを意味する。
デバイスのある特定の実施形態は、対象の近傍の周囲光を感知するように構成された光センサを含み得る。対象の近傍の周囲光とは、光センサを含むように構成されたデバイスを着用した対象に近接する光の光度を意味する。場合によっては、周囲光はまた、光度の変化または対象に近接する光の波長特性の変化などの、光の他の特性も含む。
光センサとは、結果として得られる電子電流がデバイスの回路によって測定され得るように、光を光ダイオードなどの電子電流に変換することができる電子構成要素を意味する。典型的には、デバイスに組み込まれた光センサは、市販の「既製の」構成要素である。例えば、光センサを備える集積回路は、Texas InstrumentsまたはAnalog DevicesまたはMarvellから市販されている。
いくつかの実施形態では、デバイスは、光センサからの信号に基づいて、対象の近傍の周囲光を実質的にリアルタイムで監視するように構成され得る。対象の近傍の周囲光をほぼリアルタイムで監視するとは、デバイスが、信号が光センサによって感知され、デバイスによって受信された後に、対象の近傍の周囲光の特性をほぼリアルタイムで分析および評価するように構成されていることを意味する。
デバイスはまた、記憶構成要素を備え得る。本実施形態では、回路および記憶構成要素は、眼球運動データ、ならびに頭部運動、位置、および/または配向データを記憶構成要素に記録するように構成されている。眼球運動データ、ならびに頭部運動、位置、および/または配向データを記憶構成要素に記録するとは、第1および第2のセンサと、第3のセンサとによって感知された信号、または処理された信号、もしくは第1および第2のセンサと、第3のセンサとによって感知された信号から導出された情報を、記憶されたデータに後でアクセスできるように、永続的メモリ記憶デバイスに電子的に保持することを意味する。
記憶構成要素とは、データに後でアクセスし、読み取ることができるような方法で、書き込まれたデータが経時的に持続するように、書き込まれ、読み取ることができるか、または書き込まれ、読み取られた電子データを有する電子構成要素を意味する。典型的には、デバイスに組み込まれた記憶構成要素は、市販の「既製の」構成要素である。例えば、フラッシュメモリ記憶構成要素は、IntelまたはSamsungまたはToshibaから市販されている。
記憶構成要素は、取り外し可能であり得る。例えば、記憶構成要素は、SDカードなどの取り外し可能なメモリカードであり得る。取り外し可能とは、記憶構成要素が、デバイスの回路から物理的および電子的に分けられ、取り外され、後でデバイスに物理的および電子的に再び組み込まれ得るように構成され得ることを意味する。記憶構成要素は、記憶デバイス上のデータを読み取り、遠隔コンピュータシステムにダウンロードすることができるように、デバイスから分けられ得る。
ある特定の実施形態では、デバイスは、眼球運動データ、ならびに頭部運動、位置、および/または配向データをほぼリアルタイムで記憶構成要素に記録するように構成され得る。眼球運動データ、ならびに頭部運動、位置、および/または配向データをほぼリアルタイムで記憶構成要素に記録するとは、デバイスが、第1および第2のセンサと、第3のセンサとによって感知された信号、または信号が第1および第2のセンサと、第3のセンサとによって感知され、回路によって受信された後に、第1および第2のセンサと、第3のセンサとによって感知された信号から導出された信号もしくはデータを、ほぼリアルアイムで記憶するように構成されていることを意味する。
デバイスはまた、送信機を備え得る。本実施形態では、回路および送信機は、第1および第2のセンサと、第3のセンサとから発生した眼球運動データ、ならびに頭部運動、位置、および/または配向データを送信するようにそれぞれ構成されている。送信機とは、電子信号を入力として受信し、そのような信号を遠隔受信機に伝達する電子構成要素を意味する。
いくつかの実施形態では、送信機は、無線送信機であり得る。無線送信機とは、送信機が、電子信号を受信し、その信号に対応するアンテナを介して電磁波を生成し、その信号が、デバイスから電子的および物理的に分離されることを意味する、遠隔にある受信機によって受信され得ることを意味する。いくつかの事例では、無線送信機は、無線ネットワークインターフェースコントローラであり得、これは、例えば、電波を介して無線ベースのコンピュータネットワークに接続することができるデバイスを意味する。代替的に、無線送信機は、Bluetoothインターフェースコントローラであり得、例えば、電波を介してBluetooth対応の遠隔デバイスに接続することができるデバイスを意味する。典型的には、デバイスに組み込まれた送信機は、市販の「既製の」構成要素である。例えば、無線ネットワークインターフェースコントローラは、IntelまたはNordicまたはQualcommから市販されており、Bluetoothインターフェースコントローラは、MotorolaまたはNordicまたはQualcommから市販されている。
いくつかの実施形態では、デバイスは、送信機を介して眼球運動データ、ならびに頭部運動、位置、および/または配向データをほぼリアルタイムで送信するように構成され得る。送信機を介して眼球運動データ、ならびに頭部運動、位置、および/または配向データをほぼリアルタイムで送信するとは、デバイスが、第1および第2のセンサと、第3のセンサとによって感知された信号、または信号が第1および第2のセンサと、第3のセンサとによって感知され、回路によって受信された後に、第1および第2のセンサと、第3のセンサとによって感知された信号から導出された信号もしくはデータを、ほぼリアルアイムで送信するように構成されていることを意味する。
デバイスの代替的な実施形態では、デバイスは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、第1および第2のセンサによって感知された信号を遠隔回路に送信するように構成された送信機であって、送信機によって送信された信号を受信することと、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出することとを行うように構成された送信機とを備える。対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサとは、上記で詳細に説明されたように、第1および第2のセンサを意味する。第1および第2のセンサによって感知された信号を送信するように構成された送信機とは、上記で詳細に説明されたように、送信機を意味する。遠隔回路とは、第1および第2のセンサから測定された信号を受信および処理するように構成され得る、任意の好都合な回路を意味する。遠隔とは、使用中に対象と相互作用する構成要素から離れた位置を意味する。例えば、遠隔位置は、対象の同じ近傍の別の位置、例えば、部屋の異なる部分、異なる部屋など、対象とは異なる近傍の別の位置、例えば、同じ建物の別個の部分など、異なる都市、州の別の位置、異なる国の別の位置などであり得る。したがって、1つの品目が別の品目から「遠隔」であると示されるとき、これが意味するのは、2つの品目が、一緒ではなく少なくとも異なる位置にある、例えば、25フィート以上離れていることを含む、10フィート以上離れているなど、1~5フィート以上離れていることである。
上述のデバイスの実施形態とは異なり、デバイスのこの代替的な実施形態では、回路を備えない場合がある。代わりに、上述のように、デバイスは、送信機から信号を受信することと、送信機から受信した信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出することとを行うように構成された遠隔回路に信号を送信する送信機を備える。いくつかの実施形態では、遠隔回路は、ねじれ方向の眼球運動、例えば、中立視線、左方向視線、右方向視線、上方向視線、および下方向視線を検出することを含む、1つ以上の特徴的な眼球運動を含む眼球運動センサデータの1つ以上の特定のパターン、または水平方向の眼振事象、垂直方向の眼振事象およびねじれ方向の眼振事象、もしくは良性発作性頭位めまい症に関連する眼振事象、あるいはメニエール病に関連する眼振事象、または前庭神経炎に関連する眼振事象を含む眼振事象など、他の眼球運動を検出するように構成され得る。
いくつかの実施形態では、代替的な実施形態は、対象の頭部運動、位置、ならびに/または配向を感知するように構成された第3のセンサをさらに備える。第3のセンサとは、上記で詳細に説明されたように、第3のセンサを意味する。そのような実施形態では、送信機は、第3のセンサによって感知された信号を、送信機からの信号を受信することと、送信機から受信された信号に基づいて、対象による頭部運動、位置、および/または配向を検出することと、を行うように構成された遠隔回路に送信するようにさらに構成されている。
いくつかの実施形態では、代替的な実施形態は、対象の近傍の周囲光を感知するように構成された光センサをさらに備える。光センサとは、上記で詳細に説明されたように、光センサを意味する。そのような実施形態では、送信機は、光センサによって感知された信号を、光センサからの信号を受信することと、送信機から受信された信号に基づいて、対象の近傍の周囲光を検出することとを行うように構成された遠隔回路に送信するようにさらに構成されている。
所望される場合、本明細書に記載のデバイスは、例えば、上述のように、何らかの方法で、デバイスの構成要素に動作電力を提供する、様々な異なるタイプの電源のうちのいずれか1つを含み得る。電源の性質は、変更され得、電力管理回路を含んでいても、含んでいなくてもよい。いくつかの事例では、電源は、バッテリを含み得る。存在するとき、バッテリは、1回限りの使用バッテリまたは充電式バッテリであり得る。充電式バッテリの場合、バッテリは、限定されないが、非接触充電などの無線充電プロトコルを含む、任意の好都合なプロトコルを使用して充電され得る。いくつかの用途では、デバイスは、0.1時間~120日、14~30日、8時間~30日、8時間~12日、12時間~24時間、0.5~10時間の範囲のバッテリ寿命を有し得る。
上記で詳細に説明されたように、いくつかの実施形態では、第1および第2のセンサと、第3のセンサと、回路とはすべて、上述のように、プリント回路基板などの単一の基板上に統合される。さらに、他の実施形態では、単一のプリント回路基板は、記憶構成要素、または無線ネットワークインターフェースコントローラ、もしくは光センサをさらに備え得、それらの各々が、プリント回路基板上に統合され得る。
加えて、いくつかの実施形態では、デバイスは、防水であり得る。防水とは、デバイスが水に対して実質的に耐性があることを意味する。すなわち、デバイスは、近位またはデバイス上の水の存在にかかわらず、正しく、一貫して機能し続ける。例えば、デバイスは、雨の中または高湿度環境で外にいる対象が着用するときに機能するように構成され得る。ある特定の実施形態では、デバイスは、実質的に防水であるプラスチックハウジングなどのハウジング内にデバイスを包み込むことによって防水であるように構成され得る。
別の態様では、対象の眼球運動を検出するためのシステムが提供される。システムは、上述のものなどの着用可能なデバイスと、ソフトウェアアプリケーションとを備える。一実施形態では、ソフトウェアアプリケーションは、モバイルデバイスにダウンロード可能である。ソフトウェアアプリケーションは、(i)着用可能なデバイスからのデータの分析のためのアルゴリズム、(ii)データ記憶デバイスへの接続性、(iii)介護士にデータを送信するためのオプションを含むユーザインターフェース、および(iv)仮想現実を使用して、従来の眼振試験のバッテリを遠隔で管理する能力のうちの1つ以上を含む。システムの特定の実施形態は、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、センサに動作可能に結合され、センサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出するように構成された回路とを備える着用可能なデバイスと、着用可能なデバイスとインターフェースするために記憶された命令を含むメモリに動作可能に結合されたプロセッサを備えるモバイルデバイスに、インストール可能であるか、またはインストールされたソフトウェアアプリケーションとからなる。一実施形態では、ソフトウェアアプリケーションは、着用可能なデバイスによって取得され、モバイルデバイスに送信される信号の分析のためのアルゴリズムを備える。例示的なアルゴリズムを以下で記載する。システムはまた、記憶構成要素を備え得る。着用可能なデバイスおよびモバイルデバイスは、第1および第2のセンサから発生するデータがモバイルデバイスによって、またはモバイルデバイス上でアクセス可能であるように、動作可能に結合される。加えて、ある特定の実施形態では、システムはまた、ディスプレイも含み得る。加えて、ある特定の実施形態では、システムの着用可能なデバイスの構成要素はまた、対象の頭部運動、位置、および/または配向を感知するように構成された第3のセンサと、周囲光を検出するように構成された光センサとを含み得る。
対象の眼球運動を検出するためのシステムの代替的な実施形態では、システムは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、第1および第2のセンサによって感知された信号を遠隔回路に送信するように構成された送信機であって、送信機によって送信された信号を受信することと、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出することとを行うように構成された送信機とを備える、着用可能なデバイスと、着用可能なデバイスとインターフェースするために記憶された命令を含むメモリならびに追加の記憶構成要素に動作可能に結合されたプロセッサを備えるモバイルデバイスにダウンロード可能なソフトウェアアプリケーションとを備え、着用可能なデバイスおよびモバイルデバイスは、第1および第2のセンサから発信するデータがモバイルデバイスにアクセス可能であるように、動作可能に結合される。いくつかの実施形態では、システム内の着用可能なデバイスは、対象の頭部運動、位置、および/または配向を感知するように構成された第3のセンサと、周囲光を検出するように構成された光センサとを含み得る。
第1および第2のセンサと、第3のセンサと、光センサとは各々、上述のとおりである。ここで、モバイルデバイス、追加の記憶デバイス、およびディスプレイ構成要素について簡単に説明する。モバイルデバイスは、第1および第2のセンサから発生するデータがモバイルデバイスにアクセス可能であるように、着用可能なデバイスと動作可能に結合される。例えば、モバイルデバイスおよび着用可能なデバイスは、有線または無線接続を介して動作可能に結合され得る。「モバイル」とは、使用中に対象がモバイルデバイスを移動できることを意味する。例えば、モバイルデバイスは、システムが使用されている間、対象の手または対象のポケットに携帯することができる。代替的に、モバイルデバイスは、使用中に、医療提供者などの対象以外の誰かが保持することができる。モバイルデバイスは、デバイスとインターフェースするために記憶された命令を含むメモリならびに追加の記憶構成要素に動作可能に結合されたプロセッサを含む。デバイスとモバイルデバイスとの間の動作可能な結合とは、デバイスおよびモバイルデバイスが、第1および第2のセンサから発生するデータがモバイルデバイスにアクセス可能であるように、論理的に接続されることを意味する。任意の好都合なプロトコルは、デバイスとモバイルデバイスとを接続するために実装され得る。例えば、ある特定の実施形態では、電線または一連の電線、すなわち、バスは、デバイスとモバイルデバイスとを動作可能に接続し得る。代替的に、Bluetooth接続を含む無線接続は、デバイスとモバイルデバイスとを動作可能に接続し得る。
モバイルデバイスは、任意の好都合なモバイルデバイスであり得る。モバイルデバイスの性質は、例えば、本明細書に記載されるように変更され得るが、いくつかの事例では、モバイルデバイスは、タブレットまたはスマートフォンである。モバイルデバイスは、市販の「既製の」モバイルデバイスであり得る。例えば、モバイルデバイスは、例えば、アップルのiPhone(登録商標)またはサムスンのGalaxy phoneであり得る。
システムのある特定の実施形態では、システムの着用可能なデバイスの構成要素はまた、対象の頭部運動、位置、および/または配向を感知するように構成された第3のセンサを含み得る。そのような実施形態では、着用可能なデバイスおよびモバイルデバイスは、第1、第2、および第3のセンサから発生するデータがモバイルデバイスにアクセス可能であるように、動作可能に結合される。着用可能なデバイスおよびモバイルデバイスは、上述のように動作可能に結合され得る。システムのある特定の実施形態では、システムのデバイスの構成要素はまた、対象の近傍の周囲光を感知するように構成された光センサも含み得る。そのような実施形態では、デバイスおよびモバイルデバイスは、第1、第2、および第3のセンサ、ならびに光センサから発生するデータがモバイルデバイスにアクセス可能であるように、動作可能に結合される。デバイスおよびモバイルデバイスは、上述のように動作可能に結合され得る。
いくつかの実施形態では、プロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令は、センサから発生したデータにアルゴリズムを適用するように構成されている。いくつかの実施形態では、データに適用されたアルゴリズムは、異なる眼球運動を分類し、水平方向、垂直方向、およびねじれ方向の眼球運動を区別し、例えば、中立視線、左方向視線、右方向視線、上方向視線、および下方向視線に対応する特徴的な眼球運動、または眼振事象に対応する特徴的な眼球運動を含む、1つ以上の特徴的な眼球運動を含む眼球運動センサデータの1つ以上の特定のパターンを認識するためのアルゴリズムであり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、データに適用されるアルゴリズムは、機械学習アルゴリズムであり得る。
図5A~図5Fは、いくつかの実施形態による、システムの着用可能なデバイスによって検出された信号に適用され得る処理アルゴリズムおよびその構成ステップを例示する。図5Aは、一実施形態による、センサから発生した記録された電気眼振検査(ENG)信号505に適用される例示的なアルゴリズム500のステップを示す。ステップ510では、ノイズフィルタが信号に適用されて、ノイズをフィルタリングする。例えば、60Hzのノイズフィルタを信号に適用して、60Hzのノイズをフィルタリングすることができる。デジタルバンドパスフィルタは、望ましくない高周波結合を回避するために、0.1~100Hzの間でない信号をフィルタリングするために適用され得る。例として、所望の眼球運動信号が60Hzに近い場合、60Hzのデジタルノッチフィルタを適用して、環境ノイズをフィルタリングし得る。いくつかの実施形態では、フィルタが、センサから発生した信号に適用された後、信号は、「クリーニングされた」と称され得る。
ステップ515では、クリーニングされた信号は、スケールおよび/またはバイアスされ得る。例えば、信号は、後の処理を容易にするために0にバイアスされ得る。100Hz未満の信号について、生物学的背景で信号を感知するために、DC電極オフセットキャンセルが必要であり得る。したがって、いくつかの事例では、DC電極オフセットキャンセルはまた、ステップ515で信号に適用され得る。
前処理後、ステップ520では、アルゴリズムに関連して使用されるパラメータは、ユーザが、アルゴリズムがダウンロードまたは記憶されるモバイルデバイスに表示される命令に従うときに較正される。ユーザがモバイルデバイス上に表示される命令に従うときに取得されるそのような較正データは、保存され、ラベル付けされる。較正プロセスは、図5Bに関して、以下でさらに説明される。較正データは、特定のタイプの眼球運動を分類することができる人工知能アルゴリズムを含む、より専門的なアルゴリズムを後から訓練するために使用され得る。較正データはまた、1つ以上の独立信号抽出アルゴリズム、例えば、限定されないが、一般の独立信号抽出アルゴリズムおよび独立成分分析(ICA)アルゴリズムを調整、較正、または訓練して、独立成分分析分離を行うために使用され得る。いくつかの事例では、ICA分離は、機械学習アルゴリズムを使用して行われる。ICA分離を使用して、収集された信号505、すなわち、観測されたENG信号のみを使用して、対象の眼の明確な水平方向および垂直方向の動きを「分離させ」得る。較正後、ステップ525では、較正データを使用して、ICA分離が信号上で行われ、対象の眼の明確な水平方向および垂直方向の動きを単離する。ICA分離については、以下でさらに説明される。
一例では、ICA分離を行った後、パターン認識ステップ530が適用され、眼振事象に対応する水平方向および垂直方向の眼球運動のパターンが識別され得る。パターン認識後、分類ステップ535が適用され、眼球運動のパターンが分類される。例えば、場合によっては、アルゴリズムは、眼球運動のパターンを、良性発作性頭位めまい症に関連するものとして分類し得る。場合によっては、アルゴリズムは、眼球運動のパターンを、メニエール病に関連するものとして分類し得る。場合によっては、アルゴリズムは、眼球運動のパターンを、前庭神経炎に関連するものが識別され得るとして分類し得る。いくつかの事例では、パターン認識ステップの結果に基づいて、アルゴリズムは、処理された信号が、めまい発作540などのめまい発作に関連すると判定し得る。
上記の較正プロセスは、図5Bにさらに例示される。システム555に関連する較正プロセス550の一例は、着用可能なデバイス510およびモバイルデバイス515にインストールされたソフトウェアアプリケーションを備える。図に見られるように、命令520は、モバイルデバイス515の出力画面上に表示される。命令520は、ドットがモバイルデバイス515の出力画面上に表示されると、対象の眼で、代表的なドット530などのドットを追跡するように対象525を誘導する。場合によっては、一度に単一のドットが、モバイルデバイス515上に表示され得、水平方向および/または垂直方向に移動し得る。いくつかの事例では、単一のドットは、水平方向に排他的に移動し、その後、垂直方向に排他的に移動し得、またはその逆もまた同様である。いくつかの事例では、ドットは、対象によるねじれ方向の眼球運動を引き起こすために移動され得る。ドットが移動する速度は、任意の好都合な速度であり得、変更され得る。モバイルデバイスは、較正プロセスを適用するときに、対象の眼から固定された距離だけ離間して保持され得る。例えば、モバイルデバイスは、60cmなど、顔面から30cm以上離間して保持される必要があり得る。いくつかの事例では、モバイルデバイスは、対象の顔面からほぼ一定の距離に保持されなければならない。いくつかの事例では、対象を誘導する命令は、対象に、モバイルデバイスを対象の顔面からさらに離れて、またはより近くに移動するように指示し得る。典型的には、モバイルデバイスは、モバイルデバイスを固定された直立配向に保持するように対象を誘導する。いくつかの事例では、対象を誘導する命令は、対象に、モバイルデバイスを直立配向に移動または回転させるように指示し得る。
図5Cは、対象525による異なる特徴的な眼球運動に応答して、観測されたENG信号505の、ある特定の特性を例示する。システムの着用可能なデバイス510の構成要素は、第1および第2のセンサ560、562と、回路564とを含む。着用可能なデバイス510は、対象525の眼の近位に位置決めされ、対象の顔面の片面に適用されるセンサ560、562の2つの電極間の電圧差を検出する。眼は水平方向および垂直方向に異なる視線範囲を有するため、水平方向および垂直方向の各々における観測信号505は、図5Cの挿入グラフに見られるように、異なる振幅を呈する。
図5Dは、下層組織570における電気活動によって生成された着用可能なデバイスのセンサ560によって測定された信号505が、どのように2つの信号の線形混合であるかを例示する。具体的には、センサ560によって測定された信号は、対象の眼の水平方向の運動580に対応する信号と、対象の眼の垂直方向の運動590に対応する信号との線形混合である。図5Dは、ICA分離が、対象の眼の水平方向の運動に対応する信号580と、対象の眼の垂直方向の運動に対応する信号590とを「分離させる」または単離するために、センサによって測定された信号505(観測されたENG信号)に適用されることを例示する。
図5Eは、センサによって測定された信号505が、どのように眼の水平方向の運動に対応する信号(ライン592)と眼の垂直方向の運動に対応する信号(ライン594)との2つの信号の線形混合であることを例示する。センサによって測定された信号は、図5D~図5Eに示されるように、水平方向および垂直方向の眼球運動成分の線形組み合わせであるため、独立成分分析(ICA)を使用して、記録された混合信号から垂直方向および水平方向の眼球運動信号に対応する独立ソース信号を導出し得る、すなわち、「分離させ」得る。代替的に、ある特定の実施形態では、垂直方向および水平方向に整列された電極の対を通して多重化することはまた、記録された混合信号から垂直方向および水平方向の眼球運動信号に対応する独立ソース信号を切り離し得る、すなわち、「分離させ」得る。独立成分分析は、以下でさらに説明される。
ICA分離を使用して、収集された信号、すなわち、観測されたENG信号のみを使用して、対象の眼の明確な水平方向および垂直方向の動きに対応する信号を「分離させ」得る。上記および図5D~図5Eに例示されるように、水平方向の眼球運動および垂直方向の眼球運動は、観測されたENG信号の独立成分である。すなわち、観測されたENG信号は、水平方向の運動に対応する信号と、垂直方向の運動に対応する信号との線形組み合わせである。したがって、デバイスのセンサによって検出された観測されたENG信号は、以下の数学者が使用する表記法で記述され得る。
x=As
式中、上記では、ベクトルxは、センサからの記録信号を表し、ベクトルsは、ソース信号(すなわち、眼球の動きの垂直および水平成分に対応する明確な信号)を表し、行列Aは、「混合」行列である。ソース信号を再構築するために、ICA分離が適用され得る。ICAは、行列Aの逆行列を素早く見つけるためのアルゴリズムである。行列Aの逆行列は、「分離」行列と呼ばれ、一般的にWとして表される。すなわち、W=A-1となる。したがって、s=Wxが成り立つ。よって、「分離」行列Wが計算されると、ソース信号s(すなわち、眼球の動きの垂直および水平成分に対応する明確な信号)の再構築は、「分離」行列Wと記録された信号xとの間の行列乗算の問題である。
x=As
式中、上記では、ベクトルxは、センサからの記録信号を表し、ベクトルsは、ソース信号(すなわち、眼球の動きの垂直および水平成分に対応する明確な信号)を表し、行列Aは、「混合」行列である。ソース信号を再構築するために、ICA分離が適用され得る。ICAは、行列Aの逆行列を素早く見つけるためのアルゴリズムである。行列Aの逆行列は、「分離」行列と呼ばれ、一般的にWとして表される。すなわち、W=A-1となる。したがって、s=Wxが成り立つ。よって、「分離」行列Wが計算されると、ソース信号s(すなわち、眼球の動きの垂直および水平成分に対応する明確な信号)の再構築は、「分離」行列Wと記録された信号xとの間の行列乗算の問題である。
ICAアルゴリズムは、本明細書に記載されるように、センサによって検出された信号に適用されるために、ハードウェアまたはソフトウェアに実装され得る。ソフトウェア実装に関して、任意の好都合なソフトウェア実装が適用され得る。例えば、Pythonのscikit-learnなど、ICAアルゴリズムのオープンソースの実装は、都合が良いように適用され得る。
ある特定の実施形態では、上述の較正データは、手動ラベル更新を通じて更新され得る。図5Fは、例示的な手動ラベル更新プロセス595を例示する。較正後、ユーザの視線範囲の抽出に従って、基本的な訓練データセット596が確立される。訓練データセットは、外れ値信号599である観測信号との比較598のための基準値597として使用される。外れ値信号599が基準値597よりも大きい場合、ML更新プロセスは、上述のように、「分離」行列Wの新しいパラメータの更新をトリガする。また、更新フラグは、外れ値信号599に関連する事象の正確性を確認するために、ユーザインターフェースに送られ得る。場合によっては、対象はまた、訓練データセット596における事象に関連するラベルを手動で更新することができる。典型的には、この手動ラベル更新プロセスの精度は、追加の記録された訓練データおよびラベルを用いて向上する。
良性発作性頭位めまい症、前庭性偏頭痛、およびメニエール病などの異なる原因に対応するめまい事象は、異なる信号パターンと関連付けられるため(例えば、図5Aを参照)、追加のパターン認識および分類ステップが信号に適用され得る。パターン認識および分類ステップは、記録された信号の電圧振幅および周波数を解釈することによって、眼球運動、およびいくつかの事例では、頭部運動、位置、および/または配向パターンを認識するために適用される。図6Aは、対象610に関連して、システムの着用可能なデバイス600の構成要素およびその使用の例を提供する。デバイス600は、第1および第2のセンサと、第3のセンサと、回路とを備える。第1および第2のセンサは、対象の眼球運動を感知するように構成されている。第3のセンサは、対象の頭部運動、位置、および/または配向を感知するように構成されている。デバイス600はまた、無線送信機620である送信機を備える。図6Aは、眼球運動630、ならびに頭部運動、位置、および/または配向640から生じる、例示的な電圧振幅および周波数パターンを示す。システムは、例えば、良性発作性頭位めまい症に関連する眼振事象、またはメニエール病に関連する眼振事象、もしくは前庭神経炎に関連する眼振事象などの眼振事象に関連する、特徴的な眼球運動ならびに頭部運動、位置、および/または配向のある特定のパターンを認識することに基づいて、診断提案650を提供するように構成され得る。図6Bは、対象の観測されたENG信号を、対象が左、右、下、または上を見ているか、または中立視線を維持していることに対応する5つの異なるカテゴリに分類する一例を示す。図6Bの上パネルは、着用可能なデバイスからの生データを示す。図6Bの中パネルは、前処理されたデータを示し、下パネルは、眼球運動の方向および振幅を読みやすくするために、アルゴリズムを使用した信号処理後のデータを示す。
追加のデータが収集されると、検出された信号に適用されたアルゴリズムは、特徴的な眼球の動きだけでなく、基礎疾患そのものを分類するために、機械学習を使用するように拡張され得る。例えば、長期短期モデル(LSTM)は、心疾患のための着用可能なECGデバイスデータなどの時系列データを堅牢に分類するために示されている、リカレントニューラルネットワークの一種である。本発明に従って収集された信号データにLSTMを適用することにより、治療速度を増加させるために、疾患診断が医師に推奨され得る。
システムは、追加の記憶構成要素を含み得る。追加の記憶構成要素とは、デバイスによって測定された信号情報および関連データを読み書きすることができる電子メモリデバイスを意味する。典型的には、追加の記憶構成要素は、市販の「既製の」メモリユニットである。例えば、異なる実施形態では、追加の記憶構成要素は、外部ハードドライブ、フラッシュメモリドライブ、SDカードなどの電子メモリデバイスであり得る。追加の記憶構成要素は、プロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令が、追加の記憶構成要素にデータを記録するように構成されるように、プロセッサ、および命令を有するメモリに動作可能に結合される。例えば、システムの異なる実施形態では、プロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令は、第1および第2のセンサから発信するデータを追加の記憶構成要素に記録すること、または第1、第2、および第3のセンサから発信するデータを追加の記憶構成要素に記録すること、もしくは第1、第2、および第3のセンサ、ならびに光センサから発信するデータを追加の記憶構成要素に記録することを行うように構成され得る。
いくつかの実施形態では、モバイルデバイスは、ディスプレイをさらに備え得る。例えば、モバイルデバイスは、デジタル読み出し、画面、モニタなどを含み得る。モバイルデバイスがディスプレイをさらに備える場合、プロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)などで、データのグラフ表現をディスプレイ上に表示するように構成され得る。例えば、第1および第2のセンサからモバイルデバイス上のディスプレイ上に発生するシステムの異なる実施形態では、プロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令は、第1および第2のセンサから発生するデータのグラフ表現をディスプレイ上に表示すること、または第1、第2、および第3のセンサから発生するデータのグラフ表現をディスプレイ上に表示すること、もしくは第1、第2、および第3のセンサ、ならびに光センサから発生するデータのグラフ表現をディスプレイ上に表示することを行うように構成されている。システムは、データのグラフ表現をディスプレイ上にほぼリアルタイムで表示するように構成され得る。
別の実施形態では、システムは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、第1および第2のセンサによって感知された信号を遠隔回路に送信するように構成された送信機であって、送信機によって送信された信号を受信することと、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出することとを行うように構成された送信機とを備える、着用可能なデバイスと、デバイスとインターフェースするために記憶された命令を含むメモリならびに追加の記憶構成要素に動作可能に結合されたプロセッサを備えるモバイルデバイスとを備え、デバイスおよびモバイルデバイスは、第1および第2のセンサから発生するデータがモバイルデバイスにアクセスできるように、動作可能に結合される。着用可能なデバイスから送信された信号を処理するためのアルゴリズムを備えるソフトウェアアプリケーションは、モバイルデバイスにインストールされる。
加えて、ある特定の実施形態では、システムにおけるデバイスの構成要素はまた、対象の頭部運動、位置、および/または配向を感知するように構成された第3のセンサも含み得る。このような実施形態では、送信機は、第3のセンサによって感知された信号を、送信機から信号を受信することと、送信機から受信された信号に基づいて、対象による頭部運動、位置、および/または配向を検出することとを行うように構成された遠隔回路に送信するようにさらに構成されている。
加えて、いくつかの実施形態では、システムにおけるデバイスの構成要素はまた、対象の近傍の周囲光を感知するように構成された光センサも含み得る。このような実施形態では、送信機は、光センサによって感知された信号を、光センサから信号を受信することと、送信機から受信された信号に基づいて、対象の近傍の周囲光を検出こととを行うように構成された遠隔回路に送信するようにさらに構成されている。
プロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令が、眼振事象に対応する特徴的な眼球運動を認識するためにデータにアルゴリズムを適用するように構成されたシステムの実施形態では、システムは、眼振事象をほぼリアルタイムで認識するようにさらに構成され得る。このような実施形態では、システムは、水平方向の眼振事象、垂直方向の眼振事象、およびねじれ方向の眼振事象に対応する特徴的な眼球運動を区別するようにさらに構成され得る。他の実施形態では、システムは、良性発作性頭位めまい症に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動を認識するように、またはメニエール病に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動を認識するように、もしくは前庭神経炎に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動を認識するように構成され得る。
例示的なシステムが図7に例示されている。対象の眼球運動を監視するためのシステム700は、代表的なセンサ720などの第1および第2のセンサと、回路730とを有する、着用可能なデバイス710を備える。システムはまた、モバイルデバイス740にダウンロード可能であるか、または例示のように、モバイルデバイス740にダウンロードされたソフトウェアアプリケーションを備える。第1および第2のセンサは、対象の眼球運動に関連する電気信号を感知するように構成されている。図7に例示されるシステムでは、第1および第2のセンサは、表面電極である。回路730は、センサ720に動作可能に接続するために、デバイス710内に挿入可能であり、好ましくは、取り外し可能に挿入可能である。モバイルデバイス740は、着用可能なデバイス710とインターフェースするために記憶された命令を含むメモリならびに追加の記憶構成要素に動作可能に結合されたプロセッサを備える。システム700のモバイルデバイス740のプロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令は、眼振事象などの特徴的な眼球運動を認識するために、センサ720によって検出されたデータにアルゴリズムを適用するように構成され得る。例えば、システムのプロセッサ、メモリ、およびメモリに記憶された命令は、良性発作性頭位めまい症に関連する眼振事象、またはメニエール病に関連する眼振事象、もしくは前庭神経炎に関連する眼振事象を認識するためのアルゴリズムを適用するように構成され得る。センサによって検出されたデータに適用されるアルゴリズムは、機械学習アルゴリズムであり得る。
デバイスのいくつかの実施形態では、アルゴリズムは、ねじれ方向の眼球運動を検出するように構成されている。いくつかの実施形態では、アルゴリズムは、水平方向、垂直方向、およびねじれ方向の眼球運動を区別するように、または例えば、中立視線、左方向視線、右方向視線、上方向視線、および下方向視線を認識すること、もしくは他の実施形態では、眼振事象を認識することを含む、1つ以上の特徴的な眼球運動を含む眼球運動センサデータの1つ以上の特定のパターンを認識するようにさらに構成されている。アルゴリズムは、眼振事象をほぼリアルタイムで認識するように構成され得る。他の実施形態では、アルゴリズムは、水平方向の眼振事象、垂直方向の眼振事象、および/またはねじれ方向の眼振事象の特徴的な眼球運動を区別するように構成され得る。アルゴリズムは、良性発作性頭位めまい症に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動を認識するように、またはメニエール病に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動を認識するように、もしくは前庭神経炎に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動を認識するようにさらに構成され得る。
本明細書に開示された実施形態に関連して説明された様々なアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実装され得る。このハードウェアおよびソフトウェアの互換性を明確に例示するために、様々な例示的なステップは、概して、それらの機能の観点から上述されている。そのような機能がハードウェアまたはソフトウェアとして実装されるかは、システム全体に課される特定の用途および設計制約事項に依存する。記載された機能を、各特定の用途に対して様々な方法で実装し得るが、このような実装の意思決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものと解釈されるべきではない。
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的なステップ、構成要素、およびコンピューティングシステムは、汎用プロセッサ、グラフィックプロセッサユニット、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートまたはトランジスタ論理、離散ハードウェア構成要素、または本明細書に記載の機能を実施するように設計されたこれらの任意の組み合わせなどの機械によって実装または実施され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシン、これらの組み合わせなどであり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せた1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のこのような構成として実装され得る。本明細書では、主にデジタル技術に関して説明されるが、プロセッサは、主にアナログ構成要素を含むこともできる。コンピューティング環境は、限定されないが、マイクロプロセッサに基づくコンピュータシステム、グラフィックスプロセッサユニット、メインフレームコンピュータ、デジタル信号プロセッサ、ポータブルコンピューティングデバイス、パーソナルオーガナイザ、デバイスコントローラ、およびアプライアンス内の計算エンジンなどを含む、任意のタイプのコンピュータシステムを含むことができる。
本明細書に開示された実施形態に関連して説明された、方法、プロセス、またはアルゴリズムのステップ、および当該ステップで使用されるデータベースは、ハードウェア、プロセッサによって実行されたソフトウェアモジュール、または2つの組み合わせで直接具現化され得る。ソフトウェアモジュール、エンジン、および関連するデータベースは、RAMメモリ、FRAM(登録商標)メモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当該技術分野で既知の任意の他の形態の非一時的コンピュータ可読記憶媒体、媒体、または物理的コンピュータ記憶装置などのメモリリソースに存在することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合され得る。代替として、記憶媒体は、プロセッサに統合され得る。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに存在することができる。ASICは、ユーザ端末に存在することができる。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内の別個の構成要素として存在することができる。
前述した内容に基づいて、着用可能なデバイスが企図されることが理解される。デバイスは、デバイスを着用しているユーザによる眼球運動に対応する出力データを提供するように構成されたセンサと、(i)センサからの出力データ取り出す、および/または受信する、もしくは取得することであって、出力にはユーザの眼球運動に関する情報を含む、取り出す、および/または受信する、もしくは取得するための、および(ii)信号の診断プロファイルを作成するために、出力データの、水平方向の眼球運動を示すデータおよび/または垂直方向の眼球運動を示すデータへの相関の除去または分離のための、ならびに(iii)診断のために診断プロファイルを伝達するための命令を含む制御論理とを備える。一実施形態では、出力データは、ユーザの頭部の動きに対して敏感であり、制御論理は、頭部の動きを説明または除外するためのアルゴリズムを備える。一実施形態では、診断プロファイルは、本明細書に記載されるようなアルゴリズムによって処理される着用可能なデバイスからの信号に基づいている。
また、本明細書に記載されるように、一実施形態では、着用可能なデバイスは、角膜網膜電位(CRP)データの混合信号を、この混合信号を分析するコンピューティングデバイスに送信して、水平方向のCRP電位および垂直方向のCRP電位から生じる信号を混合信号データセットから分けて、めまい発作を確認する、かつ/またはめまい発作の原因を診断するために、これらの信号のうちの1つまたは両方を使用することを理解されたい。
システムの別の実施形態は、着用可能なデバイスと、ソフトウェアアプリケーションとを備え、ソフトウェアアプリケーションは、コンピューティングデバイス上に存在し、(i)着用可能なデバイスのユーザに命令/フィードバック(例えば、接着性の喪失または失敗、明らかなめまい事象の送信の成功)を提供するために、(ii)デバイスから収集されたデータの分析および/または着用可能なデバイスもしくは分析されたデータから医療機関への生データの送信のために、および/または(iii)めまい事象ならびに/もしくは臨床的に有意な指示的眼球の動きおよび/あるいは基礎疾患の可能性を分類するためのレポートの生成のために、着用可能なデバイスと相互作用するように構成されている。一実施形態では、コンピューティングデバイス上のカメラは、事実上の着用可能なデバイスの適切な配設に関するフィードバックを提供するために使用される。一実施形態では、システムからの生データまたは分析されたデータは、集中記憶装置および分析コンピューティングシステムに送信される。
II.使用方法
また、対象の水平方向および垂直方向の眼球運動を検出する方法も提供される。本方法は、第1の位置で対象の眼の電気活動を感知することと、第2の位置で対象の眼の電気活動を感知することと、第1および第2の位置で感知された電気活動に基づいて、眼球運動と相関する電気信号を測定することとを含む。対象の水平方向および垂直方向の眼球運動は、異なる方法で検出され得、例えば、対象の第1および第2の位置で感知される電気活動に基づいて、対象の角膜と網膜との間の電位の差を測定する。代替的に、対象の水平方向および垂直方向の眼球運動は、対象の第1および第2の位置で感知された筋肉の電気活動を測定することによって検出され得る。
また、対象の水平方向および垂直方向の眼球運動を検出する方法も提供される。本方法は、第1の位置で対象の眼の電気活動を感知することと、第2の位置で対象の眼の電気活動を感知することと、第1および第2の位置で感知された電気活動に基づいて、眼球運動と相関する電気信号を測定することとを含む。対象の水平方向および垂直方向の眼球運動は、異なる方法で検出され得、例えば、対象の第1および第2の位置で感知される電気活動に基づいて、対象の角膜と網膜との間の電位の差を測定する。代替的に、対象の水平方向および垂直方向の眼球運動は、対象の第1および第2の位置で感知された筋肉の電気活動を測定することによって検出され得る。
別の実施形態では、発作性めまいの原因を診断するための方法が提供される。本方法は、着用可能なデバイスを提供することと、発作性めまいのリスクがあるか、または発作性めまいを経験している対象に、デバイスを配設するように指示すること、または配設することとを含む。
別の実施形態では、CRP活動に関連する電気データを監視するための方法が提供される。本方法は、着用可能なデバイスを人間の顔面皮膚に適用することであって、このデバイスが、ハードウェアプロセッサと、CRP活動からの信号を検出または導出するように構成された2つの電極とを備える、単一の単体接着性物質アセンブリを備える、適用することと、電極から検出または導出された信号をプロセッサに記憶することと、信号をコンピューティングシステムに無線で送信することと、信号を分析して、CRP活動のベースラインを確認し、かつめまいの発作に接続されたCRP活動を検索することとを含む。
別の実施形態では、発作性めまいの原因を診断するための方法が提供される。本方法は、着用可能なデバイスをユーザの顔面に適用することであって、このデバイスが、すべての電極が、顔面の中心を通過する矢状平面、および鼻の底部を通過する横断平面によって境界される領域内に含まれるように構成された2つ以上の電極を備える、適用することと、電極から検出または導出された信号をプロセッサに記憶することと、信号を分析して、CRP活動のベースラインを確認し、かつめまいの発作に接続されたCRP活動を検索することとを含む。代替的に、本方法は、本明細書に記載の着用可能なデバイスを提供することと、発作性めまいのリスクがあるか、または発作性めまいを経験している対象に、デバイスを配設するように指示すること、または配設することとを含む。一実施形態では、デバイスは、発作性めまいの発作中のユーザの眼球運動と相関する信号を捕捉し、それにより、因果関係の正確な診断を改善する。
別の実施形態では、前庭機能を評価するための方法が提供される。本方法は、着用可能なデバイスをユーザの顔面に適用することであって、このデバイスが、顔面の中心を通過する矢状平面、および顔面の鼻の底部を通過する横断平面によって境界される領域内に含まれるように構成された2つ以上の電極を備える、適用することと、電極から検出または導出された信号をプロセッサに記憶することと、一対の電極からの信号の、CRPの水平および垂直成分に関連する信号への相関を除去することとを含む。
別の実施形態では、CRP情報を分析する方法が提供される。本方法は、CRP活動からの信号を検出または導出するように構成された2つの電極を有する着用可能なデバイスから情報を収集することであって、この情報は、正常なCRP活動および発作性めまいのCRP活動を含む、収集することと、2つ以上の電極からの信号の、水平信号および垂直信号に関連する信号への相関を除去することと、相関を除去された信号を分析して、レポートを生成することと、任意選択的にレポートまたは診断をユーザに提供することとを含む。
別の実施形態では、CRP活性に関連する電気データを監視する方法が提供される。本方法は、着用可能なデバイスを人間の顔面皮膚に適用することであって、このデバイスが、ハードウェアプロセッサと、眼球の動きから生じるCRP活動を捕捉するように構成された少なくとも2つの電極とを備える、単一の単体接着性物質アセンブリを備える、適用することと、電極から検出または導出された信号を記憶することと、オンボードのデバイス上で集められた信号を処理することと、信号をコンピューティングシステムに無線で送信することと、信号を分析して、CRP信号および頭部の動きの解釈可能な読み出しを医師に確認して、めまいの発作に接続されたCRP活動を検索することとを含む。
本方法はまた、対象の第3の位置における対象の頭部の加速度を感知することと、第3の位置において感知された加速度に基づいて、対象の頭部の運動を測定することとを含み得る。本方法は、周囲光を感知することと、感知された周囲光に基づいて、周囲光を測定することとをさらに含み得る。
対象の水平方向および垂直方向の眼球運動は、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、センサに動作可能に結合され、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出するように構成された回路とを有する着用可能なデバイスによって、第1および第2の位置における対象の眼の電気活動を測定することによって検出され得る。すなわち、第1および第2のセンサは、センサからの信号を処理するために使用される回路と統合され得る。他の事例では、対象の頭部の運動は、対象の頭部運動、位置、および/または配向を感知するように構成された第3のセンサをさらに備える着用可能なデバイスによって、第3の位置における対象の頭部の加速度を感知することによって検出され得、回路は、第3のセンサに動作可能に接続され、第3のセンサからの信号に基づいて、対象の頭部運動、位置、および/または配向を検出するように構成されている。さらに他の事例では、周囲光は、周囲光を感知するように構成された光センサをさらに備える着用可能なデバイスによって、周囲光を感知することによって検出され得、回路は、光センサからの信号に基づいて、周囲光を検出するように構成されている。
代替的に、対象の水平方向および垂直方向の眼球運動は、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、第1および第2のセンサによって感知された信号を、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出するように構成されたアルゴリズムなどの遠隔処理ソフトウェアに送信するように構成された送信機と、モバイルデバイスとを備える、システムによって、第1および第2の位置における対象の眼の電気活動を測定することによって検出され得る。すなわち、第1および第2のセンサからの信号を処理するために使用される回路および/またはアルゴリズムは、センサから遠隔であり得る。他の事例では、対象の頭部の運動は、前述のシステムによって第3の位置における対象の頭部の加速度を感知することによって検出され得、構成デバイスは、対象の頭部運動、位置、および/または配向を感知するように構成された第3のセンサをさらに備え、送信機は、第3のセンサによって感知された信号を、第3のセンサからの信号に基づいて、頭部運動、位置、および/または配向を検出するようにさらに構成された遠隔回路に送信するように構成されている。さらに他の事例では、周囲光は、前述のシステムによって周囲光を感知することによって検出され得、構成デバイスは、周囲光を感知するように構成された光センサをさらに備え、送信機は、光センサによって感知された信号を、光センサからの信号に基づいて、周囲光を検出するようにさらに構成された遠隔回路に送信するようにさらに構成されている。
デバイス、システム、および方法は、対象の水平方向および垂直方向の眼球運動の検出が所望される、任意の用途で採用され得る。ある特定の事例では、デバイス、システム、および方法は、対象の頭部運動、位置、ならびに/もしくは配向、または対象の水平方向および垂直方向の眼球運動を同時に検出しながら、対象の近くの周囲光の検出における使用が見出せる。
いくつかの実施形態では、デバイスまたはシステムは、患者がデバイスを作動および/または停止するための、デバイス上のボタンもしくはスイッチ、またはソフトウェアアプリケーションによって提示される電子ボタンなどの事象トリガ機構を備える。事象トリガは、データの読み取り機が、患者が報告した発作の開始および終了を認識することを可能にする、記録されたデータを符号化し得る。
いくつかの事例では、デバイス、システム、および方法は、めまい、またはめまい発作を経験する対象の診断および治療に採用される。他の事例では、デバイス、システム、および方法は、例えば、水平方向の眼振事象、垂直方向の眼振事象、またはねじれ方向の眼振事象を検出するなど、眼振事象の診断に採用され得る。例えば、デバイスの事例は、良性発作性頭位めまい症に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動を認識することによって、良性発作性頭位めまい症を診断するために使用され得、デバイスの事例は、メニエール病に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動を認識することによって、メニエール病を診断するために使用され得、またはデバイスの事例は、前庭神経炎に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動を認識することによって、前庭神経炎を診断するために使用され得る。
いくつかの事例では、デバイス、システム、および方法は、対象が自宅または職場にいるときなど、臨床環境外で発生する眼振事象を測定するために採用される。
他の実施形態では、デバイスおよびシステムは、前庭動眼反射、円滑性追跡眼球運動、視線、および/または衝動性眼球運動に影響を及ぼし得る前庭障害または神経障害を検出するために使用される。別の実施形態では、デバイスおよびシステムは、外傷性脳損傷を有する人間に使用される。
また、例えば、上述のように、少なくとも1つ以上の着用可能なデバイスを含むキットも提供される。いくつかの事例では、キットは、デバイスの一部またはシステムの異なる構成要素を含み得る。キットの構成要素は、パッケージ内に存在し得、そのパッケージは、所望に応じて、滅菌され得る。
また、キットの構成要素を使用するための命令もキット内に存在し得る。この命令は、好適な記録媒体に記録され得る。例えば、命令は、紙またはプラスチックなどの基板上に印刷され得る。したがって、命令は、キットの容器のラベル、またはその構成要素などに(すなわち、パッケージまたはサブパッケージと関連付けられて)添付文書としてキット内に存在し得る。他の実施形態では、命令は、好適なコンピュータ可読記憶媒体、例えば、ポータブルフラッシュドライブ、DVD、またはCD-ROMなどに存在する電子記憶データファイルとして存在する。他の実施形態では、命令は、ユーザが閲覧および/またはダウンロードできる所与のウェブサイトアドレスにおいてアクセス可能である。命令は、デバイスを使用するための方法、またはデバイスを修理するための方法についての完全な命令を含む、任意の形態を採り得る。
したがって、一実施形態では、対象の眼球運動を監視するためのキットは、本明細書に記載されるように、対象の眼球運動を監視し、使用中に対象の顔面の片面に適用されるように構成された着用可能なデバイスを備える。デバイスは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、センサに動作可能に結合され、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出するように構成された回路と、デバイスのためのパッケージとを備える。
一実施形態では、キットのデバイスは、頭部運動、位置、および/または配向を感知するように構成された第3のセンサをさらに備え、回路は、第3のセンサに動作可能に結合され、第3のセンサからの信号に基づいて、頭部運動、位置、および/または配向を検出するようにさらに構成されている。
一実施形態では、キットのデバイスは、周囲光を感知するように構成された光センサをさらに備え、回路は、光センサに動作可能に結合され、光センサからの信号に基づいて、周囲光を検出するように構成されている。
一実施形態では、キットのデバイスは、回路に動作可能に結合された記憶構成要素をさらに備え、回路および記憶構成要素は、眼球運動データ、ならびに頭部運動、位置、および/または配向データを記憶構成要素に記録するように構成されている。一実施形態では、回路は、眼振事象を含む眼球運動センサデータの1つ以上の特定のパターンを認識するようにさらに構成されている。
別の実施形態では、対象の眼球運動を監視するためのキットは、対象の眼球運動を監視し、使用中に対象の顔面の片面に適用されるように構成された着用可能なデバイスを備える。デバイスは、対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、第1および第2のセンサによって感知された信号を遠隔回路に送信するように構成された送信機であって、送信機によって送信された信号を受信することと、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出することとを行うように構成された送信機と、デバイスのためのパッケージとを備える。
本明細書に記載されるデバイス、システム、方法、およびキットは、対象の眼球運動を監視するためのものである。したがって、対象の水平方向および垂直方向の眼球運動を検出し、それらを区別するためのデバイス、システム、方法、およびキットが提供される。場合によっては、提供されるデバイス、システム、方法、およびキットを使用して、水平方向、垂直方向、およびねじれ方向の眼球運動を検出し、それらを区別し得る。場合によっては、提供されるデバイス、システム、方法、およびキットを使用して、対象の頭部運動、位置、および/または配向、ならびに対象の近傍の周囲光を検出し得る。したがって、デバイス、システム、方法、およびキットは、対象における良性発作性頭位めまい症、メニエール病、および前庭性偏頭痛などの、めまい発作に関連する様々な疾患の診断を容易にし得る。対象は、概して、ヒト対象であり、男性または女性であり得、任意の年齢であり得る。
対象の水平方向および垂直方向の眼球運動を測定するためのプロトタイプの着用可能なデバイスを開発した。このプロトタイプを、眼球運動を追跡する際に、プロトタイプの着用可能なデバイスが少なくとも、「ゴールドスタンダード」VNGと同じ記録を複製できるか否かを決定するために、めまい発作を評価するために臨床環境で現在使用されているシステムなどのビデオ電気眼振検査(VNG)システムと比較することによって評価した。VNG眼鏡およびプロトタイプを同時に患者に適用し、VNG眼鏡およびプロトタイプの着用可能なセンサの両方を介して、眼球運動を記録することによって、直接比較した。
図8は、対象の眼球運動を監視するためのプロトタイプの着用可能なデバイスを示す。対象の眼球運動を監視するための着用可能なデバイス800は、810によって集合的に示される第1および第2のセンサと、回路820とを備える。第1および第2のセンサは、上記で詳細に説明されたように、対象の眼球運動を感知するように構成されている。本実施形態における第1および第2のセンサは、1つ以上の第1および第2の電極であり、これらの電極は、乾電極である表面電極である。上記で詳細に考察されたように、アルゴリズムは、第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出するように構成されている。
図9A~図9Cは、対象の眼球運動を監視するためのプロトタイプの着用可能なデバイス900を示す。デバイスは、対象の顔面位置に接着される単一の着用可能なパッチからなる。着用可能なデバイスは、910によって集合的に示される第1および第2のセンサと、回路920とを備える。図9Aは、対象が前方を向いているときのデバイスの図を示している。図9Bは、対象がわずかに前方、およびわずかに側方を向いているときのデバイスの図を示している。図9Cは、対象が側方を向いているときのデバイスの図を示している。
一実施形態では、デバイスまたはシステムは、ユーザがデバイスを作動または停止することを可能にする機構をさらに備える。例えば、デバイスは、ユーザがデバイスを作動または停止するために押し下げるか、または押すことができるボタンを含むことができる。代替的に、ソフトウェアアプリケーションは、ユーザがデバイスを作動または停止するために触れることができる電子ボタンを含むことができる。トリガ機構は、ユーザが眼球運動の監視を開始し、眼球運動の監視を停止するか、またはラベルをデータセットに取り付けることを可能にする。例えば、めまいの症状、または実際のめまいを経験しているユーザは、その症状、または実際のめまいが発生したときにトリガ機構に触れることができる。データを検査するアルゴリズムは、ラベルを探して、ラベル付けされた時間枠内のデータを精査し、めまいが発生したか否かを決定することができる。ラベルを用いてデータを一括りにするために、めまい発作が知覚された最初に、および発作の終わりに、トリガ機構に触れるか、またはトリガ機構を作動することができる。ラベルは、アルゴリズムによって容易に検出されるデータセット内の電気的スパイクの形態を採ることができる。デバイスまたはシステムはまた、低バッテリ、回路故障、オンまたはオフ状態などの情報をユーザに警告するための指標を含むことができる。この指標は、光、音、触覚などであり得る。
図10A~図10Gは、眼球運動を検出および監視するために、本明細書に記載されるビデオ眼振記録法(VNG)と着用可能なセンサのプロトタイプとの直接比較の結果を要約している。この研究では、図8に示されるような着用可能なデバイスを使用した。両方のデバイスを使用した眼球運動の記録は、衝動性運動、円滑性追跡眼球運動、および視線運動性の条件下で行われた。図10A~図10Bでは、200~800mVの範囲にあるプロトタイプの着用可能なデバイス(図10B、上部および下部のグラフ「着用可能なENG」)によって記録された信号が、赤外線VNGメガネからの任意のノイズアーチファクトに対する不透過性を呈することが示されている。測定値の対象間での変動性については、初期段階で、衝動性運動(2つの標的間の素速い眼球運動)、円滑性追跡眼球運動(標的を円滑に追跡すること)、および視線運動性(水平方向に運動する繰り返し標的を追跡する眼球運動)の領域で、難なく5人の個人への試験で対処された。チェッカー盤を使用して、右から左または左から右の視線運動刺激を誘導し(図10G)、データ信号のトレーシングのサンプルを図10Fに示す。得られた結果に基づいて、プロトタイプの着用可能なデバイスが、水平方向の眼球運動の検出においてVNGと同等の性能を達成し、垂直方向の眼球運動の検出においてVNGよりも優れた性能を達成することが見出された(図10Eに示されるように、VNGがまぶたのアーチファクトに対して敏感であるという事実に起因する可能性が高い)。
図11A~図11Dは、視線運動性記録における下配向VNG(図11A)とプロトタイプの着用可能なデバイス(図11B)との直接比較の結果を示している。プロトタイプの着用可能なデバイスは、垂直方向の眼球運動のより正確で信頼性が高い記録を呈した。着用可能なデバイスは、ねじれ方向の眼球運動(回転する眼球運動)を検出することができた。ねじれ方向の眼球運動の記録のために、従来のVNG(図11C)は、垂直ねじれ方向の変化を検出することができなかった。VNGが垂直ねじれ方向の変化を検出することができないのは、上記で考察されたまぶたのアーチファクトに起因する可能性がある。プロトタイプの着用可能なデバイスは、水平方向のチャンネルと垂直方向のチャンネルとの両方でねじれ方向の変化を同期的に記録することができた(図11D)。頭部運動、位置、および/または配向センサもまた、眼球運動ならびに頭部運動、位置、および/または配向を記録するためにプロトタイプのデバイスに組み込まれた。場合によっては、頭部運動、位置、および/または配向センサを備えることにより、診断精度を改善することができる。プロトタイプの着用可能なデバイスで行われた研究の結果は、眼球運動を分類するための臨床的なゴールドスタンダードであるVNGを上回ることを示した。
さらに、本明細書に記載の着用可能なデバイスなどのENGデバイスを着用することの許容性を調査するために、準備された調査フォームを用いて10人の患者を面接した。この調査は、デバイスの着用に関連して社会的な恥ずかしさに関する情報を引き出すために、様々な社会的環境における患者の受容性に挑戦するように設計された。社会的環境とは、自宅にいるか、または寝ている環境から、友人との夕食、もしくはデバイスを着用してテレビを見るなど、多岐にわたった。調査のフィードバックは、特にバンド補助具(患者の90%が着用する可能性が高いと示した)と同様に、カムフラージュされた設計に対して肯定的であった。
別の研究は、3つの電極を有する単体基板からなる、本明細書に記載の着用可能なデバイスを使用して行われた。対象の顔面の片側だけにデバイスを固定した後、単眼の眼球運動が30秒間検出され、最初の15秒間は、対象に、意図的な水平方向の眼球運動を行うように、残りの15秒間は、意図的な垂直方向の眼球運動を行うように求めた。図12Aは、各電極によって検出された信号からの生データを示し、各パネル(上パネル、中パネル、および下パネル)は、1つの電極からのデータを示している。水平方向および垂直方向の眼球運動からの混合信号である生データを処理して、ノイズおよびベースラインドリフトを除去し、各電極についての処理されたデータを図12Bの3つのパネルに示している。次いで、処理されたデータをアルゴリズムによって分析して、水平方向の眼球運動に関連する信号を、垂直方向の眼球運動に関連する信号から識別または分離した。図12Cは、アルゴリズムによって処理された後のデータを示し、図12Cの上パネルは、研究の最初の15秒間に行われた水平方向の眼球運動に関連する信号を示すために分けられるか、または分離された信号を示し、下パネルは、その後の15秒間に行われた垂直方向の眼球運動に関連する信号を示している。したがって、一実施形態では、第1および第2のセンサは、アルゴリズムを処理して抽出する信号と動作可能に結合される3つ以上の電極から導出された水平方向および垂直方向の信号を備える。
現在、めまい発作を監視するためのFDAに承認された方法はない。臨床医が使用する現在の方法は、診療所で赤外線保護用眼鏡を着用するビデオ眼振記録法(VNG)である。VNG/ENGの診断精度は低く、患者の大部分は診療所で発作を経験しない。家庭用のVNG診断ツールを作成する試みはいくつかあるが、それらは高価で煩雑なヘッドセットを必要とし、発作中に対象がデバイスをセットアップする必要があるため、実用的ではない。カメラの使用を必要とするビデオベースの住宅内監視システムがわずかにあるが、これらのシステムは、監視のために視界の妨害を伴う。また、このようなデバイスは、使用するためにアタッチメントおよびスマートフォンを必要とする。さらに、装置を着用することができない可能性があるため、対象が発作を起こしている間にデバイスをセットアップし、迅速に適用しなければならない。これにより、大部分の患者にとって実用化は非常に困難となる。ビデオ録画方法に関連する別の主な問題は、患者がビデオによって監視されるように眼を開いたままにする必要があることである。これは、重度の回転および吐き気を経験しているときに患者が眼を閉じることを好むため、発作中の患者の欲求に反する傾向がある。さらに、通常の過程において患者がまばたきすること、ならびに患者のアイメイクから生じる有意なアーチファクトに起因して、限界が存在する。したがって、本明細書に記載されるデバイスのような、このような着用可能なENGなど、住宅内を監視するために使用され得る、着用可能でポータブルなデバイスの必要性がある。
本明細書に記載されるデバイス、システム、方法、およびキットの多くの変形例は、本開示から明らかである。例えば、実施形態に応じて、本明細書に記載されるアルゴリズムのうちのいずれかの、ある特定のアクション、事象、または機能は、異なる順序で実施され得るか、追加され得るか、融合され得るか、または完全に省略され得る(例えば、説明されるアクションまたは事象の全てが、アルゴリズムの実施に必要ではない)。
さらに、ある特定の実施形態では、アクションまたは事象は、連続してではなく、例えば、マルチスレッド処理、割り込み処理、または複数のプロセッサもしくはプロセッサコアを通じて、あるいは他の並列アーキテクチャ上で同時に実施され得る。加えて、異なるタスクまたはプロセスは、一緒に機能し得る、異なる機械および/またはコンピューティングシステムによって実施され得る。
上記の発明は、明確な理解のために例示および例により多少詳しく説明されてきたが、当業者であれば、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の趣旨または範囲から逸脱することなく、特定の変更および修正が行われ得ることが、容易に明らかである。
したがって、上記は単に本発明の原理を例示するにすぎない。当業者は、本明細書に明示的に記載または示されていないが、本発明の原理を具現化し、その精神および範囲内に含まれる様々な配置を考案することができることが理解される。さらに、本明細書に列挙されるすべての例および条件付き用語は、主に、読者が、本発明の原理、および当該技術分野をさらに進めるために発明者らによって提供された概念を理解することを助ける点を意図しており、そのような具体的に列挙される例および条件に限定されるものではないと解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態を記載する、本明細書のすべての記述、ならびにその具体例は、その構造的および機能的等価物の両方を包含することが意図される。さらに、そのような等価物は、構造に関係なく、現在知られている等価物と、将来開発される等価物との両方、すなわち、同じ機能を実行するように開発された任意の要素を含むことが意図される。さらに、本明細書に開示されるいかなるものも、そのような開示が特許請求の範囲において明示的に記載されているか否かにかかわらず、公に献呈するように意図されない。
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、説明される例示的な実施形態に限定されることを意図しない。むしろ、本発明の範囲および精神は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。特許請求の範囲においては、米国特許法第112条(f)または米国特許法第112条(6)は、「のための手段(means for)」と完全に一致する語句、または「のためのステップ(step for)」と完全に一致する語句が、特許請求項における限定の始まりに記載されるときにのみ、特許請求項におけるそのような限定のために適用されるものと明確に定義されており、そのような完全に一致する語句が、特許請求項における限定に使用されていない場合、米国特許法第112条(f)も米国特許法第112条(6)も適用されない。
関連出願の相互参照
本出願は、2020年1月6日に出願された米国仮特許出願第62/957,563号の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2020年1月6日に出願された米国仮特許出願第62/957,563号の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
Claims (33)
- 着用可能なデバイスであって、
第1のセンサと、第2のセンサと、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサに動作可能に結合された回路とを有する、単体基板を備え、
前記単体基板が、水平方向および垂直方向の眼球運動と相関する電気信号を検出するために、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサを位置決めするように、ユーザの顔面上に片側配設するために寸法決定される、
着用可能なデバイス。 - 前記単体基板上に少なくとも部分的に位置決めされた区画をさらに備え、前記回路が、前記区画内に取り外し可能に挿入可能な電子構成要素を備え、前記区画内に挿入されたときの前記電子構成要素が、前記回路と電子通信する、請求項1に記載のデバイス。
- 前記回路が、アナログフロントエンドおよびデジタル回路を備える、請求項1または2に記載のデバイス。
- 前記アナログフロントエンドが、ノイズフィルタリング回路および増幅回路を備える、請求項3に記載のデバイス。
- 前記デジタル回路が、アナログデジタル変換器およびマイクロコントローラを備える、請求項3に記載のデバイス。
- 前記デジタル回路が、デジタル信号プロセッサをさらに備える、請求項3に記載のデバイス。
- 前記第1のセンサおよび前記第2のセンサが、(i)単眼角膜網膜電位、(ii)単眼と関連付けられた外眼筋運動、または(iii)顔面筋運動に関連する電気活動を感知するように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記第1のセンサが、ユーザの顔面上に配設されるときに、前記第1のセンサの平面の中点が、右眼または左眼のうちの1つの中心を通過する横断(水平)平面よりも上位にあるように、前記単体基板上に位置決めされ、前記第2のセンサが、ユーザの顔面上に配設されるときに、前記第2のセンサの平面の中点が、真っすぐ前を見たときに、眼の瞳孔を通過する矢状平面に対して時間的に位置決めされるように、前記単体基板上に位置決めされる、請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
- 第3のセンサをさらに備え、前記第3のセンサが、前記ユーザの頭部位置、頭部運動、および/または頭部の配向を感知するように構成されており、前記回路が、前記第3のセンサに動作可能に結合される、請求項1~8のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記第3のセンサが、加速度計、慣性質量ユニット、磁力計、ジャイロスコープ、またはこれらの組み合わせである、請求項9に記載のデバイス。
- 前記デバイスが、眼球運動および頭部位置、運動、または配向を連続的に監視するように構成されているか、または前記デバイスが、眼球運動および頭部位置、運動、または配向をほぼリアルタイムで監視するように構成されている、請求項9または10に記載のデバイス。
- 前記回路に動作可能に結合された記憶構成要素をさらに備え、前記回路および前記記憶構成要素が、眼球運動データ、および頭部位置、運動、または配向データを前記記憶構成要素に記録するように構成されている、請求項9~11のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記記憶構成要素が、取り外し可能なメモリカードである、請求項12に記載のデバイス。
- 前記回路に動作可能に結合された送信機をさらに備え、前記回路および前記送信機が、眼球運動データ、頭部運動データ、頭部位置データ、頭部の配向データ、またはこれらの組み合わせを送信するように構成されている、請求項9~13のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記送信機が、無線送信機および前記回路であり、前記無線送信機が、眼球運動データ、および頭部運動、位置、または配向からのデータを無線で送信するように構成されている、請求項14に記載のデバイス。
- 周囲光を感知するように構成された光センサをさらに備え、前記回路が、前記光センサに動作可能に結合され、前記光センサからの信号に基づいて、周囲光を検出するように構成されている、請求項1~15のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記回路が、ねじれ方向の眼球運動を検出するようにさらに構成されている、請求項1~16のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記第1のセンサおよび前記第2のセンサが各々、単一の電極である、請求項1~17のいずれか一項に記載のデバイス。
- 対象の眼球運動を監視するための着用可能なデバイスであって、
前記対象の眼球運動を感知するように構成された第1および第2のセンサと、
前記第1および第2のセンサによって感知された信号を遠隔回路に送信するように構成された送信機であって、前記送信機によって送信された信号を受信することと、前記第1および第2のセンサからの信号に基づいて、水平方向および垂直方向の眼球運動を検出することとを行うように構成された送信機とを備え、
前記着用可能なデバイスが、使用中に対象の顔面の片面に適用されるように構成されている、
着用可能なデバイス。 - 前記対象の頭部運動、頭部位置、または頭部の配向を感知するように構成された第3のセンサをさらに備え、前記送信機が、前記第3のセンサによって感知された信号を、前記送信機によって送信された信号を受信することと、前記第3のセンサからの信号に基づいて、頭部位置、配向、および/または運動を検出することとを行うように構成された遠隔回路に送信するようにさらに構成されている、請求項19に記載のデバイス。
- 周囲光を感知するように構成された光センサをさらに備え、
前記送信機が、前記光センサによって感知された信号を、前記送信機によって送信された信号を受信することと、前記光センサからの信号に基づいて、周囲光を検出することとを行うように構成された遠隔回路に送信するようにさらに構成されている、請求項20に記載のデバイス。 - 対象の眼球運動を検出するためのシステムであって、
請求項1~21のいずれか一項に記載の着用可能なデバイスと、
前記着用可能なデバイスから受信されたデータを処理するためのアルゴリズムを有するソフトウェアアプリケーションと
を備える、システム。 - 前記ソフトウェアアプリケーションが、モバイルデバイスにダウンロード可能である、請求項22に記載のシステム。
- 前記モバイルデバイスが、前記アルゴリズムの記憶のためにメモリに動作可能に接続されたプロセッサを備え、前記アルゴリズムが、前記データを処理して、(i)水平方向、垂直方向、およびねじれ方向の眼球運動を区別するように、または(ii)眼球運動の1つ以上の特定のパターンを認識するように構成されている、請求項23に記載のシステム。
- 前記アルゴリズムが、前記データを処理して、中立視線、左方向視線、右方向視線、上方向視線、下方向視線、または眼振事象に対応する、眼球運動の1つ以上の特定のパターンを認識する、請求項23に記載のシステム。
- 前記システムが、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、または前庭神経炎に関連する、眼振事象の特徴的な眼球運動を認識するように構成されている、請求項22~25のいずれか一項に記載のシステム。
- 発作性めまいを検出する方法であって、
請求項1~21のいずれか一項に記載のデバイスを提供することと、
発作性めまいのリスクがあるか、または発作性めまいを経験している対象に、前記デバイスを配設するように指示すること、または配設することと
を含む、方法。 - 発作性めまいを検出する方法であって、
着用可能なデバイスをユーザの顔面に適用することであって、前記デバイスが、ハードウェアプロセッサと、角膜網膜電位(CRP)活動からの信号を検出するように構成された2つ以上の電極とを備える、単一の単体接着性物質アセンブリを備え、前記2つ以上の電極が、前記顔面の中心を通過する矢状平面、および鼻の底部を通過する横断平面によって境界される領域内に含まれるように位置決めされる、適用することと、
前記検出された信号を前記プロセッサに記憶することと、
めまいの発作に接続されたCRP活動について、前記検出された信号を分析することと
を含む、方法。 - 分析することが、前記信号を分析して、CRP活動のベースラインを識別し、かつめまいの発作に接続されたCRP活動の信号を識別することを含む、請求項28に記載の方法。
- 分析することが、モバイルデバイスに記憶されたアルゴリズムによって実施される、請求項28または29に記載の方法。
- 前庭機能を評価するための方法であって、
着用可能なデバイスをユーザの顔面に適用することであって、前記デバイスが、ハードウェアプロセッサと、角膜網膜電位(CRP)活動からの信号を検出するように構成された2つ以上の電極とを有する、単一の単体接着性物質アセンブリを備え、前記2つ以上の電極が、前記顔面の中心を通過する矢状平面、および鼻の底部を通過する横断平面によって境界される領域内に含まれるように位置決めされる、適用することと、
前記検出された信号を前記プロセッサに記憶することと、
前記検出された信号の、前記CRPの水平および垂直成分に関連する信号への相関を除去することと
を含む、方法。 - 相関を除去することが、モバイルデバイスに記憶されたアルゴリズムによって実施される、請求項31に記載の方法。
- 前記相関を除去された信号を分析することと、レポートを生成することとをさらに含む、請求項31または32に記載の方法。
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