JP2023506283A - 医薬物質を注射するための注射装置およびこのような注射装置のための注射装填部 - Google Patents

Abstract

本発明は、医薬物質を注射するための注射装置（１）に関する。注射装置（１）は、注射を実施する駆動部（７）を有する近位部（５）と、注射装填部（３）を収容するように構成されている遠位部（１３）とを備える。注射装填部（３）は、包装手段受入部（１７）と、包装手段受入部（１７）に保持されて、中に医薬物質を受け入れる一次包装手段（２３）とを有する。注射装填部（３）が遠位部（１３）に配置されると、医薬物質は注射装填部（３）から注射可能である。遠位部（１３）は、注射装填部（３）を遠位部（１３）へと軸方向に挿入可能に構成されている。注射装置（１）は、注射装置（１）の使用中に、注射装填部（３）の注射針（２５）がユーザから隠されるように構成および配置されているスクリーン（１５）を有する。【選択図】図３

Description

本発明は、医薬物質を注射するための注射装置に関し、このような注射装置で使用される注射装填部に関する。

ここで説明されている種類の注射装置は、特に、医薬物質の１回限りまたは反復的な注射に使用される。従来のペンのような特に単純な構成では、カートリッジが交換可能に取り付けできる駆動装置を有することができる。次に注射針がカートリッジに接続できる。注射を行って、注射針を介して医薬物質を放出するために、駆動装置がカートリッジ内でピストンを変位させることができる。ペンの使用時、注射針はユーザに見える。このことは、心理的および／または身体的な防衛反応を引き起こす可能性があり、究極的には治療計画の順守に悪影響となる可能性がある。このようなペンは、空のカートリッジを駆動装置から分離させ、新しいカートリッジと交換することで再利用できる。ペンは１度の注射用に提供されることもでき、駆動装置を含むペン全体が注射後に廃棄される。このようなペンは一体的に構成されている。したがって、医薬物質の異なる一次包装には適応できない、および／または適用毎に新しく開発しなくてはならない。加えて、このような使い捨てペンの使用は高価であるため、高価な医薬物質向けのみとして考えられている。バイエルにより製造されているBETACONNECT（登録商標）は、特別に構成された注射器をその中に装填できる既知の注射装置である。注射装置は再利用可能であり、注射装置に装填されている注射器の注射針が使用中にユーザから隠されるようにスクリーンを有する。注射装置の使用は比較的複雑である。特に、注射器は、注射装置を開き、注射器を横から挿入すること、機器内に挿入されなくてはならない。加えて、前述のように、本注射装置は特定の種類の注射器と共に使用するように構成されているため、他の一次包装材料とは使用できない。

本発明は、挙げられたデメリットが発生しない注射装置およびこのような注射装置のための注射装填部も作成することを目的とする。

この目的は、本技術的教示、特に、独立請求項ならびに従属請求項および明細書に開示されている実施形態の教示を作成することによって達成される。

この目的は、特に、医薬物質を注射するために構成されている注射装置を作成することによって達成される。注射装置は、注射を実施するように構成されている駆動部を有する近位部を有する。注射装置はまた、注射装填部を受け入れるように構成されている遠位部を有し、これは、包装手段受入部と、包装手段受入部に保持される一次包装手段とを有する。医薬物質は一次包装手段に保持され、注射装填部が遠位部に配置されると、医薬物質を注射装填部から注射することが可能である。遠位部は、注射装填部が遠位部へと軸方向に挿入可能に構成されている。注射装置は、注射装置の使用中に注射装填部の注射針がユーザから隠れるように構成および配置されているスクリーンを有する。近位部と遠位部とを有して、注射装置は、単純で、特に明確に構造化されたデザインを有する。特に、近位部と遠位部との間に機能的な分離が提供されており、近位部には駆動部が設けられ、遠位部は注射装填部を収容するように機能している。その結果、近位部と比較して、遠位部は、単純で費用効果の高い方法で構成でき、このことはまた、究極的に、注射装置の製造における全体的な複雑性および全体的な費用を削減する。特定のデザインに応じて、従来のペンの既知の近位部、すなわち駆動装置を、遠位部によって補って、使用することもできるため、注射装置を特に容易に、ほとんど微調整なくおよび／または製造の複雑性なく提供できる。加えて、注射機器は操作が簡単で、その機能もユーザにとって理解が容易である。

遠位部が注射装填部を収容するように構成され、こうしてひいては一次包装手段を収容するという事実は、注射装置を異なる一次包装手段に容易に適合させることができることを意味する。必要なことは、一次包装手段が注射装填部に収容でき、注射装填部が遠位部に収容できるように、注射装填部を対応する一次包装手段に適合させることだけである。したがって、注射装置は、異なる用途に柔軟に適合させることができる。

好適な構成では、注射装置、特に遠位部および近位部は、医薬物質の反復注射用に構成され、再利用可能な注射装置として、特に再装填可能であるように構成されることが可能である。特に、遠位部および近位部は、複数回使用できる部品として構成されている。使用済みの注射装填部は、その後、新しい注射装填部と簡単に交換できる。注射装填部は、使い捨て部品として構成されていることが好ましい。

しかしながら、注射装置は医薬物質の１回の注射に使用することもできる。特に、その後、使用済みの注射装填部と共に廃棄できる。それにもかかわらず、近位部、遠位部、および注射装填部を有するマルチパート構造のため、異なる一次包装手段への適応の単純さ、したがって、異なる適用の選択肢が可能であるという利点は残存する。

スクリーンは、有利には、注射装置のユーザが注射針を見ないようにできるため、関連する身体的および／または心理的防衛反応が防止される。その結果、注射装置の使用に関連するコンプライアンスも高くなる。

有利には、スクリーンは、注射装置の使用中に注射針が視覚的のみならず、触覚的にもユーザから隠されたままとなるような穿刺からの保護でもある。これは、注射装置を使用する際に実際に行われる注射以外の、不必要な刺傷を防止する。

スクリーンとは特に、特に視界から、しかしながら、好適にはユーザによる意図しない接触からも注射針を隠すように構成および配置されている装置または要素を意味する。

注射装置が使用されている間、注射針がユーザから隠されるという事実は、特に、注射が行われている間、好適には、注射装填部が遠位部に装填されている間および注射中、特に好適には、注射装填部が取り除かれている間にも、視界から、および好適にはユーザによる望ましくない接触からも注射針が隠されることを意味する。

好適な実施形態では、スクリーンは、ユーザが注射の進行または一次包装の充填レベルを観察することを防止しない。特に、観察窓は、好適には、遠位部の周壁に形成され、それを通して、特に注射が行われている間、ユーザが注射の進行および／または一次包装手段の充填レベルを観察できる。

医薬物質は、特に、医薬または医療効果を生み出す、ならびに／または医薬および／もしくは医療目的のために注射される、物質または物質の混合物を意味すると理解されるだろう。このような医薬物質は、特に、少なくとも１つの活性物質および／または補助物質、特に少なくとも１つの薬剤を有することができる。

ここで、および以下において、「近位」とは、特に、注射装置を使用して注射が行われる注射部位から反対側を向くように意図されている注射装置および／または注射装填部の座標系における方向を指す。対応するように、「遠位」は、注射装置および／または注射部位に面するように意図されている注射装填部の座標系における方向を示す。対応するように、注射装置の近位部は、意図の通りに使用中に注射部位から反対を向き、遠位部は、意図の通りに使用中に注射部位に面する。

近位部は、特に注射装置の後端である。特に、これは本質的に既知の注射ペンの従来の後端であることもできる。

遠位部は、特に注射装置の前端である。

遠位部は、近位部に機械的に接続可能である、または接続されている。好適な実施形態では、遠位部が近位部と一体に形成されることが可能である。

駆動部は、機械的駆動部または電気的駆動部として構成されることが好ましい。機械的駆動部は、特にユーザによって手動で操作できる駆動部である。駆動部は、特に電気的駆動部として、注射を自動的に実施するように構成されていることが好ましい。好適な実施形態では、近位部は、注射を実施するために駆動部を制御するように構成されている制御装置を有する。

駆動部が注射を実施するように構成されているという事実は、特に、駆動部を作動させると医薬物質を放出させることができ、このようにして、注射を引き起こすことを意味する。

注射装填部は、特に、遠位部へと挿入でき、好適には遠位部から取り外すことができ、一次包装手段、すなわち、医薬物質を保持する部分である。特に、注射装填部は、遠位部に交換可能に収容できることが可能であることが好ましい。

一次包装手段は、特に、医薬物質をその内部に直接保持するように構成されている。特に、一次包装手段は、注射器またはカートリッジとして構成されることが好ましい。一次包装手段は、注射針を有することが好ましく、これは、特に一次包装手段の遠位端に配置され、特に脱着可能または脱着不可能な方法で一次包装手段に接続できる。

遠位部は、明確な伸長方向を有することが好ましく、明確な伸長方向でのその伸長は、明確な伸長方向に垂直な２つの方向での伸長よりも長くなっている。この明確な伸長方向は、軸方向と呼ばれる。このように、遠位部は、特に軸方向に沿って細長く構成されている。「軸方向」という用語は、特にこの軸方向を指す。円周方向は同軸に軸方向を含む。半径方向は軸方向に垂直である。

注射装填部が遠位部へと軸方向に挿入可能であるという事実は、特に、注射装填部が、特に前部で軸方向に遠位部へと挿入でき、好適には同様に遠位部から取り外すことができることを意味することが好ましい。

本発明の改良型によれば、近位部の駆動部が注射装置の唯一の駆動部であることが提供されている。特に、このさらなる駆動部のなし得る目的にかかわらず、駆動部はこれ以上提供されないことが好ましい。近位部の駆動部は、ピストンロッドを軸方向に変位させるために、特に注射装填部から医薬物質を放出するために、および注射が行われた後にピストンロッドを反対方向に動かして戻すために、注射装置のピストンロッドに作用することが好ましい。注射装置は、注射装置の少なくとも１つの他の機械的機能がピストンロッドの変位によって実施されるように構成されていることが好ましい。このようにして、駆動部は、注射を実際に駆動することに加えて、少なくとも１つの追加的機能を実施する。これは、注射装置の特に経済的で単純な構成を成す。

少なくとも１つのさらなる機械的機能は、以下からなる群から選択されることが好ましい。スクリーンの下の注射部位へと注射針を挿入すること、特に、注射を実施する注射位置、または不要な注射を防止する休止位置において注射装填部および／またはスクリーンをロックすること、特に注射針を注射部位へと挿入できるようにするために、注射装填部および／またはスクリーンのロックを解除すること。

本発明の改良型によれば、注射装置は、ペンまたは自動インジェクタとして構成されることが提供されている。このようにして、注射装置は、他の従来の注射装置から既知の方法で構成されている。それらの動作は一般的に既知である。したがって、ユーザにとって注射装置を使用する上で大きな問題がない。特に、注射装置は、有利には、注射装置を使用するための医療専門家が不要となるように、患者による医薬物質の自己注射用に構成されている。

一方では、以下に開示されるさらなる発展および好適な構成は、互いに独立して、本発明をさらに精緻化し、他方で、それらは、好適には互いに組み合わされて、本発明の第１の好適な実施形態を形成する。

本発明の改良型によれば、遠位部が近位部に脱着可能に接続されていることが提供されている。このようにして、遠位部および近位部は、互いに独立して処理および操作されることが有利に可能である。特に、このようにして、従来のペンに従来の後端を使用して注射装置を提供し、本発明に従って構成されている遠位部に本質的に既知の後端を接続することによって注射装置を提供することが可能である。この場合、遠位部は、特に、従来は後端に接続されているカートリッジの代わりに、後端に接続されることができる。しかしながら、当然、近位部が、本発明による注射装置のために特別に構成され、提供されることも可能である。

遠位部が近位部に脱着可能に接続されている場合、近位部が特に遠位部から分離できる。近位部からの遠位部のこのような分離は、特に、注射装填部を遠位部に導入するために、および／または保守もしくは修理目的のために提供できる。

注射装置は、遠位部を近位部に脱着可能に接続するように構成されている接続機構を有することが好ましい。好適な実施形態によれば、接続機構は、プラグイン／回転接続として、特にバヨネットロックとして構成できる。

しかしながら、代替的に、遠位部が近位部に恒久的に接続されることも可能である。「恒久的に」という用語は、特に、破壊されることなしに、または少なくとも力を加えることなく、遠位部が近位部から分離できないことを意味する。

本発明の改良型によれば、スクリーンが遠位部に固定的に提供または配置されることが提供されている。この場合、スクリーンを遠位部に対して変位させることができない。スクリーンは、遠位部と一体に、好適には同じ材料で形成されることが好ましい。特に好適な実施形態では、スクリーンは遠位部によって形成される。これは特に、遠位部自体が少なくとも特定の領域でスクリーンを構成することを意味する。特に単純で機能的に信頼できる方法で、注射針は、遠位部を通してユーザの視界から隠されたままであり、遠位部は、ユーザが注射針に誤って接触することも防止することが好ましい。遠位部は、穿刺保護としても機能する。

本発明の改良型によれば、遠位部の近位端面は、注射装填部を、それを通して遠位部へと挿入できる装填開口部を有することが提供されている。このようにして、装填開口部は、注射装填部が遠位部へと挿入されることを可能にするように配置および構成されている。注射装填部は、意図された使用中に注射部位から離れている側から遠位部へと挿入される。銃器の概念的説明と同様に、本実施形態による注射装置は、後装式として構成されている。

注射装填部を遠位部へと挿入できるようにするために、遠位部は、遠位部の近位端面にアクセスできるように、近位部から切り離されることが好ましい。したがって、本構成では、遠位部は、近位部に脱着可能に接続されることが好ましい。

本発明の改良型によれば、遠位部にばね装置が配置され、ばね装置には注射装填部が載置され、注射装填部が遠位部に配置されると、注射を行うために、注射装填部は、そのばね力に抗して、遠位方向へと遠位部で変位することができることが提供されている。こうして、注射を行うために、注射装填部は、遠位部内において、注射部位の方向に遠位部に対して変位される。好適な実施形態では、注射を行うには、遠位部の遠位端面を注射部位の領域で患者の皮膚上に配置し、注射装填部が、遠位部内において、遠位方向に遠位部に対して変位されることで、注射針が患者の皮膚を穿刺し、注射を行うことができる。その後、注射針も再度完全に遠位部の中に配置されるように、注射装填部は、ばね装置のばね力によって再び押し戻される。遠位部はスクリーンとして機能すると同時に穿刺保護として機能することが好ましい。

ばね装置は、その遠位端によって遠位部の肩部に支持されることが好ましいが、注射装填部は、ばね装置の近位端に接している。好適な実施形態では、ばね装置は、ばねとして、特に巻きばねとして構成されている。

遠位部内の注射装填部の変位は、近位部のピストンロッドによって、つまり、同時にその駆動部によって実現されることが好ましい。

特に、注射装填部は、注射針が完全に遠位部の中に配置される保護位置と、注射針が遠位部の遠位端面を超えて突出し、注射が行われる注射位置との間で、遠位部で変位可能である。注射を行うために、注射装填部は、ばね装置のばね力に抗して軸方向に保護位置から注射位置へと変位する。注射が行われた後、特にピストンロッドが引き戻されると、ばね装置が注射装填部を保護位置へと注射位置から押し出して戻す。

本発明の改良型によれば、注射装置は、遠位部の装填開口部を通して遠位部へと挿入でき、注射装填部の近位接触面に載置されるように構成されているロック部を有することが提供されている。ロック部は、基体と、基体上で旋回可能に連結されている少なくとも１つのロック要素とを有する。ロック部は、特に、ロック解除位置とも呼ばれる第１軸方向位置と、ロック位置とも呼ばれる第２軸方向位置との間で、遠位部内において変位させることができる。第１軸方向位置では、ロック部は、遠位部の周壁に形成されているロック開口部から間隔を隔てて配置されている。第２軸方向位置では、ロック部はロック開口部の高さに配置される。ロック部が第１軸方向位置に配置されると、ロック要素は基体へと旋回される。ロック部が第２軸方向位置に配置される場合、ロック要素は、旋回して外に出ることができ、特に、遠位部に対する注射装填部の軸方向変位をロックするために、ロック開口部を通過できる。これは、特にばね装置が制限ストップに抗して動くことによって、ばね装置によって既に防止されていない限り、注射針が患者の身体へと深く穿刺しすぎることを有利に防止し、他方では、注射中にばね装置の力によって注射装填部が保護位置の方向に押し戻されすぎて、その結果、注射針が患者の身体へと十分に深く穿刺しないこと、または注射部位から完全に滑り出し得ることも防止する。このようにして、有利には、ロック要素によって行われるロックは、注射が行われている間、遠位および近位方向の両方で、注射装填部の軸方向の変位を防止することが好ましい。遠位部内の注射装填部の軸方向変位に関して一定の許容差があるように、ロック要素とロック開口部とを互いに一致させることが可能であり、ここで、ロック開口部は、近位および遠位方向の両方のロック要素のために、ストップ、特に、軸方向ストップを提供する。注射中の注射装填部の可能な軸方向変位は、このようにして、ロック開口部によって制限される。

少なくとも１つのロック要素は、L字型であることが好ましい。特に、L字型ロック要素は、互いに接続され、好適には一体および／または同じ材料から形成されている２つの脚部を有し、L字型ロック要素は、２つの脚部の接続領域においてロック部の基体上で連結されていることが好ましい。

ロック部は、近位部に取り付けられることが好ましい。有利には、特に注射装填部を遠位部へと挿入するために、遠位部が近位部から分離すると、ロック部は脱落できない。しかしながら、ロック部が分離した要素として存在することも可能である。この場合、注射装填部を遠位部に挿入するために、ロック部が遠位部から手動で取り外されることが好ましく、注射装填部が遠位部に挿入され、その後、近位装填開口部も介して、ロック部が遠位部へと再挿入される。

複数のロック要素は、ロック部の基体上で旋回可能に連結されていることが好ましい。特に好適な実施形態では、２つのロック要素が存在する。ロック要素は、基体上で均一に、すなわち、円周方向から見たときに互いから等しい角距離で連結されていることが好ましい。２つのロック要素が提供される場合、それらは、直径方向に向き合っていることが好ましい。遠位部の周壁には、少なくともロック部がロック要素を有するのと同じ数、好適には正確に同じ数のロック開口部があることが好ましく、ロック要素がロック位置でロック開口部に係合できるように、円周方向から見たロック開口部の位置は、ロック要素の位置と一致していることが好ましい。特に好適な実施形態では、２つの直径方向に向き合っているロック開口部が、遠位部の周壁に提供されている。

本発明の改良型によれば、ロック部は、ピストンロッド用の軸方向の通路開口部を有し、ロック部は、少なくとも１つのロック要素が第１軸方向位置で通路開口部に係合するように構成されることで、通路開口部がピストンロッドのためにロックされ、ロック部はピストンロッドによって、特に注射装填部と共に、すなわち、同時に一次包装手段と共に変位させることができるようになり、ここで、第２軸方向位置では、ロック要素が通路開口部をロックしないことで、ピストンロッドが、通路開口部を通過でき、特に一次包装手段のピストンを一次包装手段内で注射針に対して変位させるために、ロック部に対して変位できて、医薬物質が一次包装手段から放出される。このようにして、ロック要素は、解放位置にあるピストンロッドに制限ストップを提供することで、ロック部が第２軸方向位置に達し、したがって、ロック位置に達するまで、ピストンロッドはロック部および注射装填部を共に遠位方向に変位させることができる。その後、ロック要素は、旋回して外に出ることができ、特に、ロック要素がロック開口部を通過するようにピストンロッドによって旋回され、同時に、ピストンロッドがロック要素を過ぎて移動してロック部を通過でき、一次包装手段のピストンに作用することができるように通路開口部を解放する。特に、解放位置では、L字型ロック要素は、ピストンロッドが内側脚部に突き当たるように、その２つの脚部の内側脚部と通路開口部で係合する。ロック部がロック開口部の領域へと移動する場合、２つの脚部の外側脚部がロック開口部を穿刺でき、内側脚部が通路開口部から旋回して出るため、通路開口部を通るピストンロッドの通路が解放される。注射完了後に、プランジャロッドが通路開口部から引き抜かれる場合、ロック部はばね装置の力によって近位方向に押され、ロック要素が基体へと旋回して戻ることができる。その後、ロック要素はもはやロック開口部を通って到達せず、ロック部は、注射装填部と共に近位方向に変位できる。

ここで、互いに組み合わされることで、好適には第１実施形態を形成する改良型および好適な構成が終了する。

以下に開示されるさらなる発展および好適な構成は、互いに独立して本発明をさらに発展させる一方、他方で、それらは、好適には互いに組み合わされることで、本発明の第２の好適な実施形態を形成する。

本発明のさらなる改良型によれば、スクリーンが遠位部で変位可能に保持されることが提供されている。特に、スクリーンは静止位置と露出位置との間で移動可能である。静止位置では、注射が行われていない限り、注射針が隠されるが、露出位置では、注射のために注射針が露出される。スクリーンは特に軸方向に動かすことができる。スクリーンは、その外周面に好適には放射状の突起を有することが好ましい。この放射状突起は、最も露出した位置、つまり、近位方向の可能な限り最大の変位にある時、遠位部の遠位端面または調整可能な制限ストップに突き当たる。このようにして、近位方向へのスクリーンの変位が有利に制限される。

スクリーンは、静止位置へとプリロードがかけられることが好ましく、静止位置から露出位置へのプリロードに抗して変位可能である。この目的のために、遠位部は、スクリーンを静止位置へとプリロードをかけるように構成されているプリロード装置を有することが好ましい。プリロード装置は、遠位部に配置されている巻きばねとして構成されることが好ましく、これは、スクリーンと相互作用し、スクリーンを静止位置へと付勢する。

注射装置が患者の身体に配置され、注射を行うために患者の身体に押し付けられると、スクリーンは露出位置へと変位されることが好ましい。スクリーンが露出位置へと移動すると同時に、注射針は患者の身体を穿刺できる。患者の身体を穿刺していない注射針の部分は常にスクリーンで覆われているため、注射針は常にユーザの視界から隠されたままである。

スクリーンが遠位部に変位可能に保持される注射装置の構成では、第１実施形態に関連して上記で説明したように、特に遠位部を近位部に恒久的に接続することが可能である。しかしながら、上記でも説明したように、特に修理または保守目的で、遠位部を近位部から脱着可能にすることも可能である。

本発明の改良型によれば、遠位部の遠位端面は、注射装填部を、それを通して遠位部へと挿入することができる装填開口部を備えることが提供されている。この場合、注射装填部は、注射部位に面することを意図している側から遠位部に挿入される。この点で、注射装置は前装式の一種として構成されている。特に、注射装填部は、スクリーンを通して遠位部へと挿入されることが好ましい。

注射装填部は、遠位部へと回転、特にねじ込むことができることが好ましい。この目的のために、一方では遠位部と、他方では注射装填部とがそれぞれ相補的なねじ山を有する。少なくとも１つのねじ山、特に右ねじが遠位部に形成されることが特に好ましい。特に単純な構成では、ねじ山突起が注射装填部に配置され、これは、ぴったりとねじ山と相互作用し、ねじ山にねじ込まれるように構成されている。そうすると、注射装填部にねじ山を分離して形成する必要がなくなるため、その構造を特に単純にすることができる。２つのこのようなねじ山は、遠位部に配置されることが好ましく、注射装填部は、対応して同時に２つのねじ山突起を有する。

代替または追加として、注射装填部は、遠位部に軸方向に固定される方法で配置できることが好ましい。このようにして、遠位部の注射装填部のための安全で安定した軸方向位置を提供でき、注射装填部は遠位部に保持され、それに対して軸方向に固定されている。特に、少なくとも１つのねじ山は、注射装填部の軸方向位置を定義する不完全ねじ部を有することができる。代替的には、例えばバヨネットロックのように、遠位部および注射装填部は固定機構を有することが可能である。

本発明の改良型によれば、遠位部は、軸方向変位に抗して、特に静止位置と露出位置との間の変位に抗して、ロック位置でスクリーンをロック、好適には錠止し、解放位置にある際にスクリーンの変位を許可するように構成されているスクリーンロック機構を有することが提供されている。有利には、スクリーンロック機構は、スクリーンが不注意に露出位置へと動くことを防止でき、このようにして、注射が行われていない際に注射針を露出させることを防止できる。意図せずに注射針を見てしまうこと、さらに悪いことには、意図しない注射針による刺傷は、特に安全な方法で防止することができる。

スクリーンロック機構は、注射装填部が挿入された際に、特に注射装填部が遠位部へと回転またはねじ込まれる際に、ロックを解除するように構成されていることが好ましい。特に、スクリーンロック機構は、注射装填部を遠位部へと挿入、特に回転、またはねじ込むことにより、ロックを解除するように構成されている。「ロック解除」とは、静止位置から露出位置へのスクリーンの変位が許可されていることを意味する。したがって、単純な方法で、ユーザにとって追加の労力をかけることなく、意図した通りに注射装填部を遠位部に挿入することで、対応するスクリーンの変位を可能にすることができる。

代替的または追加的に、スクリーンロック機構は、駆動部に割り当てられているピストンロッドによってロックされるように構成されていることが好ましい。このようにして、スクリーンは、注射が行われた際、または注射が行われた後に、ユーザによるさらなる追加の介入なしに、再び自動的に、有利にロックすることができる。スクリーンロック機構は、遠位方向へのピストンロッドの軸方向変位によって、すなわち、注射が行われる際にロックされることが好ましい。このアプローチは、注射が行われた後の、典型的に、注射が行われる以前よりもユーザの注意が低下する瞬間の想定外の刺傷を非常に確実に防止する。

本発明のさらなる改良型によれば、スクリーンロック機構は、ロック位置と解放位置との間で遠位部の長手方向軸周りで回転できるように、遠位部に配置されている回転ディスクを有し、回転ディスクは少なくとも１つの凹部通路を有し、少なくとも１つの凹部通路を有する回転ディスクは、スクリーンのロック突起が解放位置の凹部通路を通って変位できるように構成および配置され、ロック突起は、ロック位置で、特に遠位側から回転ディスクに突き当たることが提供されている。回転ディスクは、スクリーンに単純で機能的に信頼できるロックを提供する。回転ディスクがロック位置に配置されている場合、凹部通路は、特に、凹部通路を通って押すことができないようにロック突起から背いており、したがって、代わりに、スクリーンが静止位置から露出位置に変位できないように、回転ディスクに突き当たる。他方で、解放位置では、少なくとも１つの凹部通路を有する回転ディスクは、ロック突起が凹部通路を通過できるように、ロック突起の変位通路を露出するように旋回される。その後、スクリーンを静止位置から露出位置へと変位させることができ、その結果、注射を行うことができる。

通路の凹部は、回転ディスクの開放端凹部として、特に回転ディスクの外周上の放射状オフセット領域として構成されることが好ましい。

ロック突起は、遠位方向に下向きに傾斜している斜面形を有することが好ましく、ばね舌上に配置される、またはばね舌の一部である。これには、回転ディスクがロック位置に配置されている際、スクリーンを露出位置から静止位置へと戻すこともできるという利点がある。例えば、スクリーンロック機構、この場合は回転ディスクが、ピストンロッドによって、その軸方向変位中に解放位置からロック位置へと変位する場合、これは、スクリーンが露出位置に配置されたままで通常起こる。特に、注射装置がその後、患者の皮膚から取り除かれると、スクリーンは露出位置から静止位置へと戻るように付勢される。その後、ロック突起は、それが一部である、またはそれが配置されているばね舌のプリロード力に抗して半径方向外向きに旋回でき、このようにして、特にその斜面形の構成に起因して、回転ディスク、特に回転ディスクの外周線を過ぎて摺動することができる。逆に、まさにロック突起の斜面形またはくさび形のデザインのために、スクリーンを静止位置から露出位置へと動かそうと試みると、ロック位置で回転ディスクを過ぎて摺動できない。特に、ばね舌上のロック突起の斜面形のデザインは、回転ディスクがロック位置にある際に、回転ディスクの近位側からその遠位側に通過することを可能にするが、反対方向には通過させない。

遠位部では、少なくとも２つのラッチ位置が回転ディスク用に提供されることが好ましく、回転ディスクは、特に、ロック位置のラッチ位置の一方および解放位置のラッチ位置の他方に係合し、このようにして、その角度位置に関してしっかりと保持されている。

本発明のさらなる改良型によれば、回転ディスクは、注射装填部が遠位部へと回転、特にねじ込まれる際に、回転ディスクがロック位置から解放位置へと回転するように、注射装填部のドライバと相互作用するように構成されている少なくとも１つの駆動面を有することが提供されている。これは、注射装填部がねじ込まれている際に、注射装填部によって回転ディスクを作動させる単純で機能的に信頼できる方法を表している。

少なくとも１つの駆動面は、回転ディスク上に伸長し、回転ディスクの端面から始まって軸方向に、特に遠位方向に伸長する駆動突起上に形成されることが好ましい。ドライバは、補完的な方法で、好適には、注射装填部上、特に機能スリーブ上の駆動突起として構成され、ここで、ドライバは、特に、注射装填部の遠位端面から始まって近位方向に伸長する。

駆動面およびドライバは共に咬合継手を形成することが好ましい。

回転ディスクは、互いに直径方向に向かい合うことが特に好ましい、２つの駆動面、特に、２つの駆動突起を有することが好ましい。対応して、注射装填部は、２つのドライバを有することが好ましく、各ドライバは、回転ディスクの１つの駆動面と相互作用する。

代替的または追加的に、回転ディスクは、ピストンロッドが、特定の方向、すなわち近位または遠位にある回転ディスクに対して軸方向に移動する際に、回転ディスクが解放位置からロック位置へと回転するように、ピストンロッドの作動構造がその上で動ける少なくとも１つの流出面を有することが好ましい。このようにして、解放位置からロック位置への回転ディスクの変位は、単純で機能的に信頼できる方法でピストンロッドによって作動させることができる。

作動構造は、アクチュエータ突起またはアクチュエータピンとして構成されることが好ましく、アクチュエータ突起またはアクチュエータピンは、ピストンロッドの外周面から始まって半径方向に半径方向外向きに伸長する。

回転ディスクは、２つのこのような流出面を有することが好ましく、ピストンロッドは２つの作動構造を有しており、各作動構造は、流出面の１つと相互作用している。流出面、および対応して、作動構造は、互いに直径方向に向かい合って配置されていることが好ましい。

特に、少なくとも１つの流出面は、作動構造を有するピストンロッドが遠位方向に回転ディスクに対して軸方向に変位する際、特に作動構造が流出面に沿って遠位方向に移動、特に、摺動する際に、回転ディスクが回転するように構成されている。これは、特に、ピストンロッドによって注射が達成され、医薬物質が注射装填部から放出される際に、回転ディスクが解放位置からロック位置に回転することが好ましいことを意味する。

通路窓は、円周方向に少なくとも１つの流出面に隣接して配置されることが好ましい。作動構造は、ピストンロッドの逆向きの軸方向変位が起こった場合に、回転ディスクを変位させずに、この通路窓を通過できる。特に、ピストンロッドが回転ディスクに対して近位方向に軸方向に変位する際に、作動構造は通路窓を通過できる。ピストンロッドの逆向きの軸方向変位、特にピストンロッドの近位変位が起こった場合の回転ディスクの回転はこのようにして防止される。つまり、特に、一方ではロックの機能、他方ではロック解除の機能は、回転ディスクに関して分離されている。注射装填部がねじ込まれると、回転ディスクはロック解除され、つまり、ロック位置から解放位置に回転する。ピストンロッドが回転ディスクに対して特定の方向、特に遠位方向に軸方向に変位すると、回転ディスクはロックされ、すなわち、解放位置からロック位置へと回転する。

本発明の改良型によれば、注射装置、特に遠位部は、変位可能なスクリーンのための調整可能制限ストップを有することが提供されている。スクリーンは、露出位置で調整可能制限ストップに突き当たることが好ましい。患者の身体への注射針の穿刺深度は、調整可能制限ストップによって、有利に調整、特に事前指定できる。スクリーンが露出位置で調整可能制限ストップに当たるように調整可能制限ストップが構成されている場合、注射中にスクリーンの位置を遠位部に対して直接変更でき、これにより注射針の穿刺深度が自然に変化する。

ここで、互いに組み合わされることで、好適には第２実施形態を形成する改良型および好適な構成が終了する。

この目的は、本発明による注射装置、または上記の実施形態のいずれかによる注射装置で使用するように構成されている注射装填部を作成することによっても達成される。注射装填部は、一次包装手段が保持されている包装手段受入部を有し、一次包装手段中には医薬物質が配置されている。特に、注射装填部は、注射装置の遠位部に収容されるように構成されている。注射装填部の文脈ですでに説明されている利点は、特に注射装置で達成される。

注射装填部は、注射装置に関連して明示的または暗黙的にすでに説明されている方法で構成されることが好ましい。

本発明のさらなる改良型によれば、包装受入部が機能スリーブおよび保持部を有し、一次包装は機能スリーブに収容され、一次包装は保持部によって機能スリーブに締結され、好ましくは固定されることが提供されている。機能スリーブは、注射装置の遠位部において注射装填部を案内および保持するように構成されていることが好ましい。代替的または追加的に、特に第２実施形態に関連して、機能スリーブは、スクリーンロック機構のロックを解除するように構成されている。代替的または追加的に、機能スリーブは、注射装填部が遠位部に配置されている、またはこれから配置される際に、手動除去のために針保護部を露出させるように構成されていることが好ましい。

一次包装が機能スリーブに受け入れられて固定されるという事実は、特に一次包装が機能スリーブに保持されることを意味する。これは、ひいては、特に、一次包装手段が機能スリーブから脱落したり、または機能スリーブから意図せずに解放されたり、または機能スリーブから分離されたりすることができないことを意味する。

保持部は、一次包装手段を機能スリーブに締め付け、特に固定するために、一次包装手段が機能スリーブに配置される際に機能スリーブにクランプまたはクリップされるクランプリング、クリップ部、またはクリップリングとして構成されることが好ましい。

本発明の改良型によれば、注射装填部は、機能スリーブに脱着可能に接続され、針保護部が機能スリーブに接続されると、一次包装手段の注射針を隠す針保護部を有することが提供されている。これは、注射装填部が注射装置の遠位部に配置されていないとしても、注射針が隠されるという利点を有する。注射を行うためには、針保護部を機能スリーブから外す必要があり、特に機能スリーブから引き抜く必要がある。

針保護部が機能スリーブに脱着可能に接続されているという事実は、特に、針保護部が機能スリーブに直接的に接続されていること、および／または針保護部が一次包装手段を介して機能スリーブに間接的に接続されていることを意味する。一次包装手段に直接的に接続することもできる。しかしながら、一次包装手段は次に機能スリーブに接続されるため、針保護部もその後、少なくとも間接的に機能スリーブに接続される。

針保護部が注射針を隠すという事実は、特に、ユーザが注射針を見ないように光学的および触覚的に注射針を隠すことを意味し、針保護部が機能スリーブに接続されている際、注射針は視覚的および触覚的にアクセスできないため、注射針に接触することによる想定外の刺傷も防止される。

本発明の改良型によると、針保護部は、外側把持スリーブと、それと共に動くことができるように把持スリーブの内側に配置されている弾性保護要素とを有することが提供されている。注射針は、針保護部が機能スリーブに接続されている際、弾性保護要素に収容されている。保護要素は、特に、医薬用ゴムまたは同様の材料からできている、または構成されることができる。ユーザは、外側の把持スリーブ上の針保護部を把持して、注射を行いたい際に機能スリーブから引き抜くことができる。外側把持スリーブを有する針保護部は、ユーザが針保護部の外側把持スリーブを容易に把持して、機能スリーブから針保護部を引き出すことができるように、注射装填部が遠位部に収容されている際、遠位部から突出し、特に、スクリーンを超えて突出していることが好ましい。

弾性保護要素が、把持スリーブと共に動くことができるように、把持スリーブ内に配置されているという事実は、特に、外側把持スリーブが機能スリーブから引き抜かれる際に弾性保護要素が注射針から引き抜かれることを意味する。特に、弾性保護要素は把持スリーブと共に動かされる。

本発明のさらなる改良型によれば、注射装填部は、注射装填部が遠位部へと挿入されると、そのロック位置から解放位置へと回転ディスクが回転するように、スクリーンロック機構の回転ディスクの駆動面と相互作用するように構成されている少なくとも１つのドライバを有することが提供されている。ドライバは、近位方向に伸長し、注射装填部上、特に機能スリーブ上の軸方向の突起として構成されることが好ましい。注射装填部は、２つのこのようなドライバを有することが好ましい。これらの２つのドライバは、注射装填部上で互いに直径方向に向かい合って形成されることが好ましい。

本発明の改良型によれば、好適には、注射装填部が遠位部に配置されている際のみ、針保護部を機能スリーブから分離のみできるように、針保護部が機能スリーブにロックされることが提供されている。有利には、注射装填部が遠位部の外側に配置されている、したがって、注射が行われることが意図されていない限り、針保護部は機能スリーブから不注意に分離されることはできない。このようにして、特に非常に効率的にユーザへの刺傷が防止できる。

針保護部が機能スリーブにロックされるという事実はまた、好適な実施形態では、針保護部が機能スリーブにクランプされることを意味する。したがって、針保護部と機能スリーブとの間に形状結合がある必要は全くない。それでも、このような形状結合を提供することは可能である。

注射装填部が遠位部に配置されている際に、針保護部を機能スリーブから分離のみできるという事実は、特に、針保護部は、その構成で、非破壊的な方法、特に、力の使用なしに、機能スリーブから分離のみできることを意味する。

機能スリーブは、半径方向外向きに弾性的にプリロードがかけられる少なくとも１つのばねアーム、好適には、半径方向外向きに弾性的にプリロードがかけられる２つのばねアームを有することが好ましく、少なくとも１つのばねアームは針保護部を保持する。少なくとも１つのばねアームは、そのプリロードに抗して半径方向内側に付勢され、このようにして、注射装填部が遠位部に配置されると、針保護部を解放する。特に、ばねアームは、その後、遠位部の内周面によって半径方向内側に付勢される。

少なくとも１つのばねアームは、クランプアームまたはロックアームとして構成されることが好ましい。

少なくとも１つの作動ラグがばねアーム上に配置されることが好ましい。その後、注射装填部が遠位部に配置されると、ばねアームがプリロードに抗して半径方向内側に付勢されるように、この作動ラグは遠位部と相互作用する。

本発明は、以下において、図面を参照して、さらに詳細に説明されている。
注射装置の第１実施形態および注射装置のための注射装填部の第１実施形態である。 第１機能位置にある図１による装填部を有する注射装置の詳細な長手方向断面図である。 第２機能位置にある図１による注射装置および装填部である。 第３機能位置にある図１による注射装置および装填部である。 注射装置の第２実施形態および注射装填部の第２実施形態である。 図５による注射装填部を有する注射装置の詳細な長手方向断面図である。 第１機能位置にある図５による注射装填部を有する注射装置の詳細な長手方向断面図である。 第２機能位置にある図５による注射装置および注射装填部である。 図５による注射装置および注射装填部のさらに詳細な長手方向断面図である。 図５による注射装置および注射装填部の詳細な断面図である。

図１は、a）注射装置１の第１実施形態、およびb）注射装置１と共に使用するため、特に注射装置１で使用するために構成されている注射装填部３の第１実施形態を示す。

注射装置１は、医薬物質を注射するために構成されており、後端とも呼ばれる近位部５を有する。近位部５は、内側に位置し、注射を実現するように構成されている駆動部７を有する。ここでは概略的に示されているのみであり、特に観察者には見えない。駆動部７は、例えば、ピストンロッド（図１には不図示）に作用して、ピストンロッドを軸方向に変位させるための電気モータを有することができる。駆動部７には、アキュムレータまたはバッテリからエネルギを供給できる。駆動部７は、ギアを介してピストンロッドに動作可能に接続されることが可能である。

注射装置１はまた、図１には同様に示されていないが、特に近位部５の内側に配置されている制御装置を有することが好ましい。制御部は、駆動部７を作動させるように構成される。概して、注射装置１を制御し、注射を行うように構成されていることが好ましい。センサによって検出される少なくとも１つのパラメータに応じて注射を行うことを可能にするため、制御装置を少なくとも１つのセンサに接続することが可能である。

近位部５は、特に制御装置に動作可能に接続され、作動ボタン９を作動させることによって注射を開始および／または終了できるように構成されていることが好ましい作動ボタン９を有する。

さらに、近位部５は、表示装置１１、特にディスプレイを有することが好ましく、これは、制御装置にも接続されて、ユーザへの指示、特に段階的な指示、パラメータ値、および／または注射の過程を表示するように構成されていることが好ましい。

近位部５は、従来の注射ペンの従来の後端として構成されることができる。

注射装置１はまた、注射装填部３を収容するように構成されている前端とも呼ばれる遠位部１３を有する。遠位部１３は、注射装填部３を遠位部１３に軸方向に挿入可能となるように構成されている。

この場合の軸方向は、特に、注射装置１の最長の伸長方向であり、好適には、遠位部１３の方向でもあり、特に、図１a）において垂直に伸長する方向である。円周方向は軸方向を同軸に含む。半径方向は軸方向に垂直である。

注射装置１はまた、注射装置１が使用されている際に、注射装填部３の注射針（図１には不図示）が使用者から隠されるように構成および配置されているスクリーン１５を有する。これにより、注射を、特に心理的により心地の良いものにする。同時に、穿刺保護は、スクリーン１５によって提供されることが好ましく、これはユーザが注射針で自分自身を不注意に傷つけることを防止する。

この場合の「遠位」という用語は、注射部位、特に患者の皮膚、すなわち、図１a）において、特に下端に面することを意図している注射装置１上の方向を指す。他方で「近位」という用語は、注射部位、図１a）において、したがって、特に注射装置１の上端から離れている注射装置１上の方向を示す。

第１実施形態では、遠位部１３は、近位部５に脱着可能に接続されている。この目的のために、例えば、バヨネットロックのように構成できる接続機構が特に提供される。

注射装置１は、唯一の駆動部として駆動部７を有することが好ましい。注射装置１は、注射装置の少なくとも１つの他の機械的機能が、ピストンロッドの変位によって、特に、スクリーン１５の下での注射針の穿刺作用によって、ならびに／または注射装填部３および／もしくはスクリーン１５のロックおよび／もしくはロック解除によって、実施されるように構成されていることが好ましい。

注射装置１は、ペンまたは自動インジェクタとして構成されていることが好ましい。

注射装填部３は、図１b）では隠されている一次包装手段が保持されている包装手段受入部１７を有する。注射用の医薬物質は、一次包装手段に配置されている。注射装填部３が遠位部１３に配置されると、注射装填部３から医薬物質を注射できる。

包装受入部１７は、一次包装が受容される機能スリーブ１９を有することが好ましい。加えて、包装受入部１７は、図１に不図示の保持部を有し、それにより、一次包装が機能スリーブ１９に締め付け、特に固定される。

注射装填部３は、機能スリーブ１９に脱着可能に接続され、針保護部２１が機能スリーブ１９に接続されると、一次包装手段の注射針を隠す、針保護部２１を有する。

図２は、図１による注射装填部３の第１の実施形態を有する注射装置１の第１実施形態の詳細な長手方向断面図であり、注射装填部３は遠位部１３に収容されている。

同一および機能的に同一の要素には、同じ参照記号が付けられているため、この点においては前述の説明を参照する。

図２の断面図では、機能スリーブ１９に収容されている一次包装手段２３を見ることができ、これは、特に注射器またはカートリッジとして構成されている。一次包装２３は、この場合、一次包装２３の包装体２６に固定、特に包装体２６の遠位端に接着されている、注射針２５を有する。一次包装手段２３内で軸方向に変位させることができるストッパまたはプランジャ２７のように、医薬物質（不図示）が一次包装手段２３に配置されている。変位されると、医薬物質はそれ自体が既知の方法で一次包装手段２３から放出されることができる。

この場合、一次包装手段２３を機能スリーブ１９内にしっかりと安定して保持している保持部２９が機能スリーブ１９に接続されている。保持部２９は、クランプリングとして、クリップ部として、またはクリップリングとして構成されることが好ましい。

針保護部２１は、外側把持スリーブ３１と、把持スリーブ３１と共に動くことを可能にするように把持スリーブ３１内に配置されている、医薬用ゴム製であることが好ましい弾性保護要素３３とを有する。注射針２５は、針保護部２１が機能スリーブ１９に接続されている際、弾性保護要素３３に収容されている。ユーザは、外側把持スリーブ３１上の針保護部２１を握って、針保護部２１を機能スリーブ１９から引き抜くことができる。同時に、弾性保護要素３３は針保護部２１と共に動かされ、注射針２５から引き抜かれる。その結果、注射が可能なように注射針２５は露出される。把持スリーブ３１は、特に遠位方向に、遠位部１３の遠位端面３５を超えて突出しているため、把持スリーブ３１はユーザによって容易に把持して引き抜くことができる。把持スリーブ３１および弾性保護要素３３が引き抜かれた後であっても、注射針２５は、少なくとも最初はまだスクリーン１５内に配置されており、したがって、視覚的に、および好適には触覚的にの両方でユーザから隠されている。

第１実施形態では、スクリーン１５は、遠位部１３上で剛性である。特に、スクリーン１５は遠位部１３によって形成されている。スクリーン１５は、この場合、特に、遠位部１３の周壁６１の一部である。

遠位部１３の近位端面３７は、それを通して注射装填部３を遠位部１３内に挿入できる装填開口部３９を有する。この目的のために、ユーザは、最初に近位部５から遠位部１３を切り離し、その後、注射装填部３を遠位部１３に挿入できる。その後、遠位部１３は、近位部５に再度接続されることができる。

図２において見られるように、近位部５に接続されると、駆動部７によって軸方向に変位できる近位部５のピストンロッド４１も、装填開口部３９を通して遠位部１３内へと突出する。

ばね装置４３は、遠位部１３に配置され、この場合、巻きばねとして構成されることが好ましい。注射装填部３は、ばね装置４３の近位端にあるフランジ４４で支持されている。次に、ばね装置４３は、その遠位端によって、遠位部１３の肩部４５に支持されている。注射装填部３は、図２においては、保護位置で示されている。保護位置では、注射針２５は、完全に遠位部１３内に、したがって、特にスクリーン１５内に配置されている。注射装填部３は、遠位方向のばね装置４３のばね力に抗して、遠位部１３内で注射位置へと変位できる。注射位置では、注射針２５は、遠位部１３から、特に遠位端面３５を超えて、部分的に突出する。この注射位置で注射を行うことができる。以下に説明されるように、遠位部１３内の注射装填部３の変位は、ピストンロッド４１によってもたらされる。

注射装置１は、装填開口部３９を通して遠位部１３に挿入できるロック部４７を有する。ロック部４７は、注射装填部３の近位接触面４９に載置されるように構成されている。ロック部４７は、基体５１と、基体５１に旋回可能に連結されている少なくとも１つのロック要素５３、ここに示される実施形態では、基体５１に旋回可能に連結されている２つの直径方向に向かい合うロック要素５３とを有する。注射の実施に関連するロック部４７の機能は、図３および４を参照して以下でより詳細に説明される。

ロック部４７は、近位部５と共に動くことができるように近位部５に取り付けることができると同時に、ピストンロッド４１が同時にロック部４７に対して変位できるように、近位部５に対して変位可能であることができる。この構成には、ロック部４７の取り扱いが容易であり、紛失できないという利点がある。しかしながら、代替的に、ロック部４７が、特に注射装填部３が遠位部１３に挿入された後に、装填開口部３９を通して挿入される別の要素として構成されることもできる。その後、ロック部４７は、注射が行われた後に注射装填部３を取り外すために、装填開口部３９を介して遠位部１３から再び取り外すことができる。

ロック要素５３はL字形であり、内側脚部５５および外側脚部５７を有し、ロック要素５３は、内側脚部５５と外側脚部５７との間の接続または交点の領域において、基体５１上で旋回可能に連結されている。内側脚部５５および外側脚部５７は、好適には、互いに垂直である。

遠位部１３は、少なくとも１つのロック開口部５９、この場合、特に互いに直径方向に向かい合う２つのロック開口部５９を有し、これらは、特に、遠位部１３の周壁６１の窓として構成されている。ロック開口部５９のうちの１つも図１a）に示されている。

図２において、ロック部４７は、遠位部１３内の第１軸方向位置に示され、これは、ロック解除位置とも呼ばれ、ロック部４７は、軸方向にロック開口部５９から間隔を隔てて配置されている。この第１軸方向位置および解放位置において、ロック要素５３は、基体５１へと旋回する。

ロック部４７は、ピストンロッド４１のための軸方向の通路開口部６３を有する。通路開口部６３は、ピストンロッド４１が、少なくともロック部４７の機能位置において、通路開口部６３を通って基体５１を穿刺できるように、基体５１を穿刺する。

図２に示される第１軸方向位置、すなわち解放位置では、この場合ではロック要素５３の内側脚部５５が通路開口部６３に係合することで、通路開口部６３がピストンロッド４１のためにロックされる。

ロック部４７は、そのためピストンロッド４１によって、注射装填部３と共に、変位でき、ピストンロッド４１が遠位方向に変位する際には、ピストンロッド４１によって運ばれる。同時に、注射針２５を有する一次包装手段２３も遠位方向に変位する。

図３は、注射装置１の第１実施形態を示しており、注射装填部３を有し、針保護部２１が取り外されており、機能位置にあり、ロック部４７が第１軸方向位置から第２軸方向位置の方向にピストンロッド４１によって変位しており、この第２軸方向位置は、ロック位置とも呼ばれる。しかしながら、図３では、ロック部４７はまだ第２軸方向位置に達していない。しかしながら、注射針２５はすでにスクリーン１５、特に遠位端面３５を超えて突出しており、ばね装置４３は図２と比較すると圧縮されていることが分かる。ロック部４７の軸方向変位中に、ロック要素５３は、ロック開口部５９の領域内へと移動する。図３に示すように、これらはこの領域で半径方向外側に旋回できる。

図４は、注射装置３の第１実施形態を示しており、注射装填部３は、さらなる機能位置、特にこの場合、ロック部４７の第２軸方向位置、すなわち、ロック位置にあり、注射装填部３は現在、注射位置に同時に配置されている。ロック部４７の第２軸方向位置において、ロック要素５３は、ロック開口部５９の位置で旋回して出て、ロック開口部５９を通過、特に、その外側脚部５７がロック開口部５９を通過する。同時に、ロック要素５３は、特に、少なくともピストンロッド４１が内側脚部５５の間を通過するために十分な距離を取るように内側脚部５５を通路開口部６３から出すように旋回させることで、ピストンロッド４１の通過のために通路開口部６３を開放する。このようにして、ピストンロッド４１はまた、通路開口部６３を通過し、ロック部４７に対して変位できる。注射装填部３の軸方向位置が遠位部１３に対して固定された状態で、ピストンロッド４１は現在、ピストン２７を、一次包装手段２３内で遠位方向に、それに対して、変位させることができ、こうして、医薬物質を一次包装手段２３から放出する。このようにして、注射装填部３の注射位置で注射が行われる。

一方で、遠位部１３に対する注射装填部３の軸方向変位は、注射装填部３のさらなる遠位方向への変位がその最大移動量に達したばね装置４３によってすでに制限されていなければ、遠位方向と、そして近位方向との両方において、ロック開口部５９を通って伸長するロック要素５３によってロックまたは少なくとも制限されて、一次包装手段２３内のプランジャ２７の摺動によって摩擦が減少する際に、注射装填部３が、ばね装置４３のばね力に抗して遠位部１３内で引き戻されることができないようになり、こうして、患者の皮膚から戻し出される可能性がある。軸方向におけるロック開口部５９内のロック要素５３の正確な位置は、特に、一次包装手段２３内のピストン２７の滑り摩擦に応じて決定される一方、他方で、注射中のばね装置４３の復元力に応じて決定される。

特に注射完了後、ピストンロッド４１が近位方向に引き戻され、その結果、ロック要素５３から外れるのであれば、注射装填部３は、ロック部４７と共にばね装置４３の力によって近位方向へと強制される。ロック要素５３は現在、基体５１内に旋回して戻り、注射装填部３は、ばね装置４３によってその保護位置へと変位されて戻される。

図５は、a）注射装置１の第２実施形態、およびb）注射装置１と共に、特に第２実施形態による注射装置１において使用されるように構成されている注射装填部３の第２実施形態を示す。

注射装置１の本第２実施形態では、スクリーン１５は、変位可能な方法で、特に軸方向に変位可能な方法で、特に静止位置と露出位置との間で、遠位部１３上に保持される。スクリーン１５は、図５では静止位置にある。

注射装置１の本第２実施形態では、遠位部１３は、近位部５に取り外し不可能に接続されていることが好ましい。しかしながら、例えば、保守または修理目的で、遠位部１３が近位部５に脱着可能に接続されている実施形態も可能である。

第２実施形態によっても、注射装填部３は、第１実施形態と同様に、機能スリーブ１９および保持部２９を有する包装受入部１７を有する。保持部２９は、この場合、クリップリングとして構成されており、特に、機能スリーブ１９のクリップ凹部６５（この場合は観察者にはそのうちの１つしか見えないため、１つのみ示されている）に係合するクリップ突起を有する。一次包装手段２３は、包装手段受入部１７の機能スリーブ１９内に配置され、保持部２９によってそこに固定されている。

第２実施形態による注射装填部３は、少なくとも１つのドライバ６７、この場合、２つの直径方向に向かい合うドライバ６７を有し、その機能は以下に説明される。ドライバ６７は、特に機能スリーブ１９の近位突起として構成されている。

第２実施形態では、注射装填部３が遠位部１３に配置されている場合、機能スリーブ１９を破壊せずに、針保護部２１を機能スリーブ１９から分離のみできるように、針保護部２１が機能スリーブ１９にロックされることが好ましい。この目的のために、機能スリーブ１９は、この場合、特に少なくとも１つ（この場合は２つ）のばねアーム６９を有し、これらは、半径方向外側に弾性的にプリロードがかけられ、針保護部２１がロックされたままにする。作動ラグ７１が、各ばねアーム６９に配置されている。注射装填部３が遠位部１３に挿入される場合、作動ラグ７１は、遠位部１３の周壁６１によって半径方向内側に押され、ばねアーム６９は、針保護部２１を解放して、針保護部２１を機能スリーブ１９から引き抜けるようにする。

図５a）に戻り、観察窓７３は、遠位部１３の周壁６１に形成されていることが好ましく、それを通して、ユーザは、特に注射が行われている間、注射の進行および／または一次包装手段２３の充填レベルを観察できる。

図６は、注射装置３の第２実施形態の詳細な長手方向断面を示しており、注射装填部３は、遠位部１３に収容されている状態である。

図６による図は、スクリーン１５がプリロード装置７５によって静止位置にプリロードがかけられていることを示している。プリロード装置７５は、特に遠位部１３内に配置され、巻きばねとして構成されていることが好ましい。スクリーン１５は、静止位置から露出位置へのプリロード装置７５のプリロードに抗して軸方向および近位方向に変位されることができる。

図６は、注射装置１が、可動スクリーン１５のための調整可能な制限ストップ７７を有することが好ましいことも示している。スクリーン１５は、露出位置で調整可能な制限ストップ７７に突き当たることが好ましい。特に、遠位部１３は、その外周にストップスリーブ７９を有し、これは、特に内側半径方向突起として、特に内側環状カラー７８として、または外側環状カラーとして、または単純に遠位端面８０として、制限ストップ７７を有し、スクリーン１５は、その半径方向外側環状カラーによって、露出位置で制限ストップ７７に突き当たる。制限ストップ７７は、平坦形状を有する必要はなく、特に、少なくとも１つのストップ点を提供することもできる。遠位部１３のスリーブ本体８１に対するストップスリーブ７９の軸方向位置は変更可能で、制限ストップ７７の軸方向位置を同時に変更できる。この目的のために、一方ではストップスリーブ７９、他方ではスリーブ本体８１が、相補的な噛み合うねじ部を有することが好ましく、特に、スリーブ本体８１が雄ねじを有し、ストップスリーブ７９が対応する雌ねじを有することが好ましい。ねじ山部は、互いに戻り止めねじ山を形成することが好ましい。したがって、ストップスリーブ７９を動かすことで、注射中の露出位置における遠位部１３に対するスクリーン１５の位置が変化し、このようにして、注射針２５の患者の体内への穿刺の深度も変化する。

注射装置１の第２実施形態では、遠位部１３の遠位端面３５は、注射装填部３を遠位部１３に挿入できる装填開口部３９を有する。特に、スクリーン１５の遠位端面８３は、対応するスクリーン装填開口部８５を有し、それを通して、注射装填部３を遠位部１３の内部に挿入することができる。このようにして、注射装填部３は、特にスクリーン１５を通して遠位部１３に挿入される。この場合、注射装填部３は、遠位部１３内へと回転、特にねじ込むことができることが好ましい。この目的のために、遠位部１３は、ねじ手段、特に少なくとも１つのねじ山８７を有することが好ましく、注射装填部３は、少なくとも１つのねじ突起、好適には２つのねじ突起（各側に１つ）と係合することが好ましく、こうして、注射装填部３は、少なくとも１つのねじ山８７にねじ込むことができる。

注射装填部３は、遠位部１３に軸方向に固定されるようにして配置できることが好ましい。この目的のために、少なくとも１つのねじ山８７は、特に不完全ねじ部を有することができる。

遠位部１３は、スクリーンロック機構８９を有し、スクリーンロック機構８９は、スクリーンロック機構８９のロック位置において、スクリーン１５をロックするように、すなわち、静止位置と露出位置との間の軸方向変位に対してスクリーンをロックするように配置され、解放位置で、この変位を許可するように配置される。スクリーンロック機構８９は、注射装填部３が遠位部１３内に挿入、特に回転またはねじ込まれている最中に、ロック解除され、特に遠位方向の、特にその軸方向変位中に、ピストンロッド４１によってロックされるように構成されていることが好ましい。この目的のために、スクリーン変位機構８９は、図６で垂直にある遠位部１３の長手方向軸周りでロック位置と解放位置との間で回転できるように、遠位部１３に配置されている回転ディスク９１を有することが好ましい。解放位置では、スクリーン１５のロック突起９３は、回転ディスク９１の遠位側からその近位側に変位でき、ロック突起９３は、ロック位置で回転ディスク９１の遠位側に突き当たっている。その後、スクリーン１５の露出位置への変位がロックされる。

図７は、注射装置１の第２実施形態のさらに詳細な長手方向断面を示し、注射装填部３は、第１機能位置、この場合は特にスクリーンロック機構８９の解放位置にある。注射装填部３を遠位部１３内に回転またはねじ込むことによって、回転ディスク９１が解放位置へと回転されて、スクリーン１５が、そのロック突起９３によってプリロード装置７５のプリロード力に抗して近位方向へと露出位置に変位する。図６と比較すると、ロック突起９３は現在、もはや回転ディスク９１の遠位側に配置されておらず、むしろその近位側に配置されている。このようにして、注射針２５は覆われておらず、ピストンロッド４１を遠位に変位させることによって注射することができる。第２実施形態では、注射装填部３は、注射を行うために軸方向に変位されないことに留意すべきである。

図８は、注射装置１の第２実施形態の図を示し、図７の図に対応しており、注射装填部３は第２機能位置にある。図面は、注射を行うためにピストンロッド４１を軸方向に変位させると、回転ディスク９１がピストンロッド４１によってロック位置へと回転することを示している。つまり、ピストンロッド４１は、この場合、２つのアクチュエータピン９７の形態である作動構造９５を有しており、作動構造９５は、作動構造９５が近位側から遠位側の方向へとやって来て回転ディスクを通過する際に、回転ディスク９１をそのロック位置の方向に回転させる。

それに対して、ピストンロッド４１、特に作動構造９５が回転ディスク９１の遠位側から近位側に戻される際は、回転ディスク９１のそれ以上の回転はない。注射終了後、ロック突起９３がばね舌９４上に配置され、斜面の形態に構成されているので、針保護部１５は、プリロード装置７５のプリロード力によって駆動されて、それでもなお露出位置からその静止位置へと戻ることができ、こうして、ロック突起９３は、回転ディスク９１と接触すると半径方向外側に偏向され、したがって、回転ディスク９１は、近位方向からやって来て遠位側に通過できる。

図９は、注射装置１の第２実施形態のさらに詳細な図を示し、注射装填部３を有する。この図は、回転ディスク９１が少なくとも１つの駆動面９９、特に互いに直径方向に向かい合う２つの駆動面９９を好適には有しており、駆動面９９は、注射装填部３が遠位部１３にねじ込まれる際に、回転ディスク９１がロック位置から解放位置へと回転するように、注射装填部３のドライバ６７の１つと協働するように構成されていることを明らかにしている。駆動面９９は、特に、回転ディスク９１上で遠位方向に伸長する駆動突起上に配置されている。特に、ドライバ６７と駆動面９９は、好適には、咬合継手のように協働する。

図１０は、注射装置１の第２実施形態の詳細な断面図であり、注射装填部３を有しており、この場合の断面は、回転ディスク９１の真上、すなわち近位に配置されている。

この図では、回転ディスク９１が少なくとも１つの凹部通路１０１、この場合は特に２つの直径方向に向かい合う凹部通路１０１を有し、それを通って、図１０に示される解放位置において、スクリーン１５のロック突起９３、この場合、２つの直径方向に向かい合うロック突起９３を変位させることができることが明らかである。凹部通路１０１は、特に放射状の、開放端切り欠きとして構成されている。

加えて、回転ディスク９１は、少なくとも１つの流出面１０３、この場合、特に２つの、好適には直径方向に向かい合う流出面１０３を有することが好ましく、作動構造９５、特にピストンロッド４１のアクチュエータピン９７は、ピストンロッド４１が遠位方向に変位する際に、流出面１０３から移動できることが図１０の図から明確である。ピストンロッド４１が回転ディスク９１に対して遠位方向に軸方向に変位する際、特に作動構造９５、特にアクチュエータピン９７が近位側から遠位側の方向にやって来る回転ディスクを通過する際に、回転ディスク９１は解放位置からロック位置へと回転する。

この場合、注射装填部３は、不完全ねじ部の対応する角度によっても逆戻りすることが好ましい。しかしながら、少なくとも１つのねじ山８７の不完全ねじ部の構成により、遠位部１３に対する注射装填部３の軸方向の変位がない、または、あったとしてもわずかとなることが好ましい。一次包装手段２３は、自由に回転可能な方法で機能スリーブ１９に収容されることが好ましいため、患者の体内での注射針２５の回転は、少なくとも大部分は回避されることが好ましい。

円周方向の流出面１０３に隣接して、通路窓１０５が形成され、これを通して、作動構造９５は、ピストンロッド４１が引き戻される際に、好適には回転ディスク９１に接触することなく、遠位側から近位側に戻るように変位させることができる。つまり、注射が行われた後、ピストンロッド４１が近位方向に引き戻される際に、回転ディスク９１は回転しない。

図１０はまた、回転ディスク９１が、好適には、遠位部１３の周壁６１の対応するラッチ凹部１０９、１１１に、一方では解放位置に、そして他方ではロック位置にラッチできるラッチラグ１０７を有することを示している。第１ラッチ凹部１０９は、図１０に示される解放位置に機能的に割り当てられている。第２ロック凹部１１１は、機能的にロック位置に割り当てられている。特に、ラッチ凹部１０９、およびその中のラッチラグ１０７のラッチも、特に、注射装填部３が完全に遠位部１３に配置されている、つまり、注射の準備ができているという機械的／触覚的（またおそらく音響的）フィードバックをユーザに提供するように機能する。

このように、図１０の観察者の方向から見ると、回転ディスク１３は、注射装填部３がねじ込まれると、ロック位置から解放位置まで反時計回りに回転し、その一方、作動構造９５が流出面１０３から移動すると、解放位置からロック位置へと時計回りに回転することも明確である。

Claims (21)

1. 医薬物質を注射するための注射装置（１）であって、
   注射を実施する駆動部（７）を有する近位部（５）と、
   注射装填部（３）を収容するように構成された遠位部（１３）であって、前記注射装填部（３）は、包装手段受入部（１７）と、前記包装手段受入部（１７）に保持されて、中に医薬物質を受け入れる一次包装手段（２３）とを有し、前記注射装填部（３）が前記遠位部（１３）に配置されると、前記医薬物質が前記注射装填部（３）から注射可能である、遠位部（１３）と、を備え、
   前記遠位部（１３）は、前記注射装填部（３）を前記遠位部（１３）へと軸方向に挿入可能に構成されており、
   前記注射装置（１）は、前記注射装置（１）の使用中に、前記注射装填部（３）の注射針（２５）がユーザから隠されるように構成および配置されているスクリーン（１５）を有する、注射装置（１）。
2. 前記注射装置（１）は、前記近位部（５）の前記駆動部（７）を唯一の駆動部（７）として有し、前記駆動部（７）は、特に、ピストンロッド（４１）上で作用して前記ピストンロッド（４１）を軸方向に変位させ、前記注射装置（１）は、好ましくは、前記注射装置（１）の少なくとも１つの他の機械的機能が前記ピストンロッド（４１）の前記変位によってさらに実現されるように構成されている、請求項１に記載の注射装置（１）。
3. 前記注射装置（１）は、ペンまたは自動インジェクタとして構成されている、請求項１または２に記載の注射装置（１）。
4. 前記遠位部（１３）は、前記近位部（５）に脱着可能に接続されている、請求項１から３のいずれか一項に記載の注射装置（１）。
5. 前記スクリーン（１５）は、前記遠位部（１３）上に固定され、好ましくは前記遠位部（１３）により形成されている、請求項１から４のいずれか一項に記載の注射装置（１）。
6. 前記遠位部（１３）の近位端面（３７）は、装填開口部（３９）を有し、前記注射装填部（３）は前記装填開口部（３９）を通過して前記遠位部（１３）へと挿入可能である、請求項１から５のいずれか一項に記載の注射装置（１）。
7. 前記遠位部（１３）にばね装置（４３）が配置され、前記ばね装置（４３）に前記注射装填部（３）が載置され、前記注射装填部（３）が前記遠位部（１３）に配置されると、前記注射装填部（３）は、前記ばね装置（４３）のばね力に抗して、注射を行うために遠位方向へと前記遠位部（１３）で変位できる、請求項１から６のいずれか一項に記載の注射装置（１）。
8. 前記注射装置は、装填開口部（３９）を通して前記遠位部（１３）へと挿入可能であり、前記注射装填部（３）の近位接触面（４９）に接触するように構成されているロック部（４７）を有し、前記ロック部（４７）は、基体（５１）と、前記基体（５１）上で旋回可能に連結され、前記遠位部（１３）の周壁（６１）に形成されているロック開口部（５９）から離れている前記遠位部（１３）内の第１軸方向位置で、前記基体（５１）へと旋回して入る、少なくとも１つのロック要素（５３）とを有し、前記ロック要素（５３）は、前記ロック開口部（５９）の位置にある前記遠位部（１３）内の第２軸方向位置で旋回して出て、前記注射装填部（３）の軸方向変位をロックするために前記ロック開口部（５９）を通過するように構成されている、請求項１から７のいずれか一項に記載の注射装置（１）。
9. 前記ロック部（４７）は、前記駆動部（７）に割り当てられているピストンロッド（４１）のための軸方向の通路開口部（６３）を有し、前記少なくとも１つのロック要素（５３）は、前記通路開口部（６３）が前記ピストンロッド（４１）のためにロックされ、前記ロック部（４７）が前記ピストンロッド（４１）により変位されることができるように、前記第１軸方向位置で前記通路開口部（６３）に係合し、前記ロック要素（５３）は、前記ピストンロッド（４１）が前記通路開口部（６３）を通過でき、前記ロック部（４７）に対して変位できるように、前記第２軸方向位置で前記通路開口部（６３）を開放する、請求項８に記載の注射装置（１）。
10. 前記スクリーン（１５）は、前記遠位部（１３）上に変位可能に保持されている、請求項１から９のいずれか一項に記載の注射装置（１）。
11. 前記遠位部（１３）の遠位端面（３５）は、装填開口部（３９）を有し、前記注射装填部（３）は前記装填開口部（３９）を通して前記遠位部（１３）へと挿入可能であり、前記注射装填部（３）は、好ましくは前記遠位部（１３）へとねじ込み可能である、および／または前記注射装填部（３）は前記遠位部（１３）に軸方向に固定されるように配置できる、請求項１から１０のいずれか一項に記載の注射装置（１）。
12. 前記遠位部（１３）は、ロック位置で前記スクリーン（１５）をロックし、解放位置で前記スクリーン（１５）を解放するように構成されているスクリーンロック機構（８９）を有し、前記スクリーンロック機構（８９）は、好ましくは、前記注射装填部（３）が前記遠位部（１３）へと挿入される際にロック解除され、前記駆動部（７）に割り当てられているピストンロッド（４１）によってロックされるように構成されている、請求項１から１１のいずれか一項に記載の注射装置（１）。
13. 前記スクリーンロック機構（８９）は、前記ロック位置と前記解放位置との間で前記遠位部（１３）の長手方向軸周りに回転できるように前記遠位部（１３）に配置されている回転ディスク（９１）を有し、前記回転ディスク（９１）は、前記スクリーン（１５）のロック突起（９３）がそれを通して前記解放位置に変位できる少なくとも１つの凹部通路（１０１）を有し、前記ロック突起（９３）は、前記ロック位置で前記回転ディスク（９１）に突き当たる、請求項１２に記載の注射装置（１）。
14. 前記回転ディスク（９１）は、
    a）前記注射装填部（３）が前記遠位部（１３）にねじ込まれると、前記回転ディスク（９１）が前記ロック位置から前記解放位置へと回転するように、前記注射装填部（３）のドライバ（６７）と協働するように構成されている少なくとも１つの駆動面（９９）、および／または
    b）前記ピストンロッド（４１）が特定の方向で軸方向に変位すると、前記回転ディスク（９１）が前記解放位置から前記ロック位置へと回転するように、前記ピストンロッド（４１）の作動構造（９５）がその上で動くことができる少なくとも１つの流出面（１０３）を有する、請求項１３に記載の注射装置（１）。
15. 前記注射装置（１）は、変位可能なスクリーン（１５）のための調整可能制限ストップ（７７）を有し、前記スクリーン（１５）は、好ましくは、注射を行うことができる露出位置で前記調整可能制限ストップ（７７）に突き当たる、請求項１から１４のいずれか一項に記載の注射装置（１）。
16. 請求項１から１５のいずれか一項に記載の注射装置（１）で使用するための注射装填部（３）であって、
    包装手段受入部（１７）を有し、前記包装手段受入部（１７）の中に一次包装手段（２３）が保持され、前記一次包装手段（２３）に医薬物質が配置されている、注射装填部（３）。
17. 前記包装手段受入部（１７）は、機能スリーブ（１９）と保持部（２９）とを有し、前記一次包装手段（２３）は、前記機能スリーブ（１９）内に収容され、前記一次包装手段（２３）は、前記機能スリーブ（１９）内に前記保持部（２９）によって固定されている、請求項１６に記載の注射装填部（３）。
18. 前記注射装填部（３）は、針保護部（２１）を有し、前記針保護部（２１）は、前記機能スリーブ（１９）に脱着可能に接続され、前記針保護部（２１）が前記機能スリーブ（１９）に接続されると、前記一次包装手段（２３）の注射針（２５）を隠す、請求項１６または１７に記載の注射装填部（３）。
19. 前記針保護部（２１）は、外側把持スリーブ（３１）と、前記把持スリーブ（３１）内に前記把持スリーブ（３１）と共に動くことを可能にするように配置された弾性保護要素（３３）とを有し、前記針保護部（２１）が前記機能スリーブ（１９）に接続されると、前記注射針（２５）が前記弾性保護要素（３３）の中に収容される、請求項１６から１８のいずれか一項に記載の注射装填部（３）。
20. 前記注射装填部（３）は、前記注射装填部（３）が前記遠位部（１３）にねじ込まれると、前記回転ディスク（９１）が前記ロック位置から前記解放位置へと回転されるように、前記遠位部（１３）の前記回転ディスク（９１）の前記少なくとも１つの駆動面（９９）と協働するように構成されている少なくとも１つのドライバ（６７）を有する、請求項１６から１９のいずれか一項に記載の注射装填部（３）。
21. 前記針保護部（２１）は、前記注射装填部（３）が前記遠位部（１３）に配置されると、前記針保護部（２１）が前記機能スリーブ（１９）から分離できるように、前記機能スリーブ（１９）上にロックされている、請求項１６から２０のいずれか一項に記載の注射装填部（３）。

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