JP2023505190A - 1型糖尿病の治療および予防のための方法および組成物 - Google Patents

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Abstract

本開示は、哺乳動物対象において1型糖尿病を予防もしくは治療する方法、1型糖尿病に関連するリスク因子を軽減する方法、および/または1型糖尿病の可能性もしくは重症度を低下させる方法を提供する。哺乳動物における少なくとも1つの1型糖尿病関連抗原に対する抗原反応を減弱させる方法もまた提供される。本方法は、有効量のインスリン関連ペプチドを対象に舌下投与する段階を含む。TIFF2023505190000005.tif56128

Description

配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出され、全体として参照により本明細書に組み入れられる配列表を含む。2020年11月23日に作成された該ASCIIコピーは、120177-0106_PCT_Sequence_Listing.txtと命名され、14,714バイトのサイズである。
背景
1型糖尿病(T1D:「自己免疫性糖尿病」としても知られており、以前は「インスリン依存性糖尿病」または「若年発症糖尿病」として知られていた)は、自己免疫を介した膵臓β細胞の破壊とそれに伴うインスリン産生の喪失によって生じる慢性疾患であり、臨床的には高血糖として現れ、糖尿病の全症例の5~10%を占める。症候発現年齢は、通常は小児期または青年期である;しかしながら、人生のかなり後になってから症状が現れる場合もある。T1Dの病因は完全には理解されていないが、膵臓β細胞のT細胞媒介性破壊が病態形成に関与していると考えられている。T1Dの公知の治療法はなく、患者は、損なわれたβ細胞機能を補うために毎日のインスリン治療に頼らざるを得ない。インスリン処置は、典型的には、インスリン頻回注射療法または持続皮下インスリン注入のいずれかを伴う。インスリンがなければ、これらの患者は、ケトアシドーシス、網膜症、腎症、血管障害、および神経障害などの重篤な合併症を発症する。インスリンの皮下送達は厳格な自己管理を必要とするため、コンプライアンスが深刻な問題となる場合が多い。さらに、インスリンの非経口投与という行為は、若年者にとってトラウマとなり得る。現在、有効な経口または舌下インスリン療法は知られていない。重篤な病的状態を伴うコンプライアンス上の懸念事項、および世界的なT1D罹患率の上昇により、T1Dの予防および/または治療に有効な治療法を開発する必要性が強調される。
概要
本技術は、全体として、1型糖尿病を予防、改善、もしくは治療する、および/または1型糖尿病に関連する1つもしくは複数のリスク因子、徴候、もしくは症状の重症度を軽減するための組成物および方法に関する。加えて、本技術は、1型糖尿病に罹患しているかまたはそのリスクがある対象に、Humulin(登録商標)または1つもしくは複数の保存的アミノ酸置換を有するそのバリアントなどのインスリン関連ペプチドの有効量を投与することに関する。
本技術は、T1Dの技術的に認められたマウスモデル(非肥満糖尿病 (NOD) マウス)において、該疾患の発生率を著しく低下させ、かつその発生を遅延させることができるインスリン関連ペプチドの舌下製剤に関する。T1Dの効果的な舌下インスリン処置は、アンメットニーズが高い。したがって、本技術の開示は、対象において高血糖症の発生を遅延させること、T1Dの発生を遅延させること、および/またはT1Dの可能性を低下させることを含む、T1Dの1つまたは複数の徴候または症状を予防および/または治療するための方法において有効であり、かつ患者のコンプライアンスを改善し得る、望ましい投与経路のために製剤された組成物を提供する。
1つの態様は、それを必要とする対象において高血糖症の発生を遅延させる方法を対象にする。本方法は、治療有効量のインスリン関連ペプチドを対象に舌下投与する段階を含む。適切なインスリン関連ペプチドの例は、インスリンβ鎖7~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 9) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第1アミノ酸配列;およびインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第2アミノ酸配列を含むペプチドである。
別の態様は、それを必要とする対象においてI型糖尿病の発生を遅延させる方法を対象にする。本方法は、治療有効量のインスリン関連ペプチドを対象に舌下投与する段階を含む。適切なインスリン関連ペプチドの例は、インスリンβ鎖7~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 9) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第1アミノ酸配列;およびインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第2アミノ酸配列を含むペプチドである。
別の態様は、それを必要とする対象においてI型糖尿病の可能性を低下させる方法を対象にする。本方法は、治療有効量のインスリン関連ペプチドを対象に舌下投与する段階を含む。適切なインスリン関連ペプチドの例は、インスリンβ鎖7~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 9) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第1アミノ酸配列;およびインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第2アミノ酸配列を含むペプチドである。
別の態様は、哺乳動物における少なくとも1つの1型糖尿病関連抗原に対する抗原反応を減弱させる方法を対象にする。本方法は、有効量のインスリン関連ペプチドを哺乳動物に舌下投与する段階を含む。適切なインスリン関連ペプチドの例は、インスリンβ鎖7~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 9) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第1アミノ酸配列;およびインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第2アミノ酸配列を含むペプチドである。インスリン関連ペプチドの舌下投与後、対象は、膵島細胞抗体 (ICA)、グルタミン酸デカルボキシラーゼ-65 (GAD-65) 抗体、インスリン自己抗体 (IAA)、インスリノーマ関連タンパク質2A(IA-2A)自己抗体、インスリノーマ関連タンパク質2β (IA-2β) 自己抗体、および/または亜鉛輸送体8 (ZnT8) 自己抗体などの自己抗体のレベルの低下を示し得る。
別の態様において、インスリン関連ペプチド;および少なくとも約30 vol.%のグリセリンを含む、水性の薬学的に許容される担体を含む組成物が提供される。本組成物は、少なくとも1つの1型糖尿病関連抗原に対する抗原反応を減弱させるための薬学的組成物であり得る。インスリン関連ペプチドは、インスリンβ鎖7~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 9) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第1アミノ酸配列;およびインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第2アミノ酸配列を含むペプチドであってよい。
図1Aおよび1Bは、対照NODマウスにおける、ならびに6週齢(図1A)および10週齢(図1B)の時点でHumulin(登録商標)による処置を開始したNODマウスにおける、1型糖尿病の発生率および発生までの時間を示すチャートである。 図1Aの説明を参照。
詳細な説明
I. 定義
本技術の実質的な理解をもたらすために、本技術の特定の局面、様式、態様、変形物、および特色が様々な詳細なレベルで以下に記載されることが認識されるべきである。本明細書で用いられる特定の用語の定義を、以下に提供する。特に定義されない限り、本明細書で用いられる技術用語および科学用語はすべて、全般的に、本技術が属する技術分野の当業者によって共通して理解されている意味と同じ意味を有する
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる場合、「1つの (a)」、「1つの (an)」、および「その」という単数形は、内容が明確に他のことを示していない限り、単数と複数の両方の指示対象を含む。例えば、「1つの細胞」への言及は、2個またはそれ以上の細胞の組み合わせを含み、以下同様である。
本明細書で用いられる場合、対象への薬剤、薬物、またはペプチドの「投与」は、対象への本技術の組成物の舌下投与を指す。
本明細書で用いられる場合、「保存的アミノ酸置換」とは、親配列の構造的および機能的特性を実質的に変化させないものである(例えば、置換アミノ酸は、親配列に生じているヘリックスを破壊しない、または親配列を特徴付けるかもしくはその機能性に必要である他の種類の二次構造を乱さない傾向があるべきである)。
本明細書で用いられる場合、「有効量」という用語は、所望の治療および/または予防効果を達成するのに十分な量、例えば、1型糖尿病の1つまたは複数の症状の部分的または完全な改善をもたらす量を指す。治療的または予防的適用に関連して、いくつかの態様では、対象に投与される組成物の量は、疾患の種類、程度、および重症度、ならびに個体の特性、例えば、全般的健康状態、年齢、性別、体重、および薬物への耐用性に依存する。当業者は、これらおよび他の要因に応じて適切な投与量を決定することができる。本組成物はまた、1つまたは複数の付加的な治療用化合物と組み合わせて投与することができる。例えば、本明細書に記載される方法において、Humulin(登録商標)または1つもしくは複数の保存的アミノ酸置換を有するそのバリアントなどの、本技術のインスリン関連ペプチドは、高血糖、低インスリン血症、血清Cペプチド値(レベル)の低下、A1C値の上昇、T1D関連自己抗体の存在、尿の過剰排泄(多尿)、口渇(多飲)、持続性の空腹感(多食)、体重減少、視力変化、倦怠感、精神錯乱、吐き気、嘔吐、ケトアシドーシス、網膜症、腎症、血管障害、および神経障害を含むがこれらに限定されない、1型糖尿病の1つまたは複数の徴候、症状、またはリスク因子を有する対象に投与され得る。インスリン関連ペプチドはまた、遺伝的にT1Dを発症しやすい無病対象(例えば、遺伝的に1型糖尿病を発症しやすいと判定された、1型糖尿病患者の一親等血縁者)に投与され得る。例えば、インスリン関連ペプチドの「治療有効量」には、1型糖尿病の1つまたは複数の徴候、症状、またはリスク因子の存在、頻度、または重症度が、最低限でも改善されるレベルが含まれる。治療有効量は、1型糖尿病の生理学的影響、および/または1型糖尿病のリスク因子、および/または1型糖尿病の発症の可能性を軽減または改善し得る。治療有効量は、1回または複数回の投与で与えることができる。
本明細書で用いられる場合、「インスリン関連ペプチド」という用語は、インスリンβ鎖(B鎖)もしくはその生物活性断片、または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するこれらのいずれかのバリアントを構成する第1アミノ酸配列、および/またはインスリンα鎖(A鎖)もしくはその生物活性断片、または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するこれらのいずれかのバリアントを構成する第2アミノ酸配列を含むペプチドを指す。いくつかの態様において、インスリン関連ペプチドは、インスリンβ鎖7~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 9) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含むアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、インスリン関連ペプチドは、インスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含むアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、インスリン関連ペプチドは、インスリンβ鎖7~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 9) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第1アミノ酸配列、およびインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第2アミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、インスリン関連ペプチドは、ヒトインスリンβ鎖7~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 9) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第1アミノ酸配列、およびヒトインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第2アミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、「インスリン関連ペプチド」は、インスリンβ鎖およびインスリンα鎖のより大きな断片を含む。例えば、いくつかの態様において、インスリン関連ペプチドは、インスリンβ鎖6~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 3)、インスリンβ鎖3~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 7)、インスリンβ鎖4~27ペプチド配列 (SEQ ID NO: 8)、インスリンβ鎖配列 (SEQ ID NO: 1)、インスリンα鎖1~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 5)、インスリンα鎖4~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 6)、もしくはインスリンα鎖配列 (SEQ ID NO: 2)、またはそれらのバリアントを含み得る。インスリン関連ペプチドは、ヒト起源のものであってもよいし、または任意の哺乳類種のものであってもよい。いくつかの態様において、インスリン関連ペプチドは、Humulin(登録商標)または1つもしくは複数の保存的アミノ酸置換を有するそのバリアントなどの組換えヒトインスリン関連ペプチドである。いくつかの態様において、インスリン関連ペプチドは、インスリン、プロインスリン、およびプレプロインスリンのうちの1つまたは複数を含む。
本明細書で用いられる場合、「1型糖尿病」または「T1D」という用語は、膵臓β細胞の喪失に起因するインスリン欠乏を特徴とし、高血糖をきたす障害を指す。T1Dは、以下に記載されるように、種々の診断検査を用いて診断することができる。これらには、(1) 糖化ヘモグロビンA1C (HbA1C) 検査(HbA1C値≧6.5%)、(2) 経口ブドウ糖負荷試験(OGTT;負荷後血漿グルコース値≧200 mg/dL)、(3) ランダム血糖検査(糖尿病の症状と組み合わせた、任意の時点のグルコース値≧200 mg/dL)、(4) 空腹時血漿グルコース (FPG) 検査(空腹時血糖≧126 mg/dL)、(5) 0.2 nmol/L未満のCペプチド値が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で用いられる「治療すること」または「治療」は、ヒトなどの対象における1型糖尿病および/またはその徴候もしくは症状の治療を包含し、(i) 1型糖尿病を阻害すること、すなわちその発症を抑止すること;(ii) 1型糖尿病を緩和すること、すなわち障害の退行を引き起こすこと;(iii) 1型糖尿病の進行を遅らせること;ならびに/または (iv) 高血糖、低インスリン血症、血清Cペプチド値の低下、A1C値の上昇、T1D関連自己抗体の存在、多尿、多飲、多食、体重減少、視力変化、倦怠感、精神錯乱、吐き気、嘔吐、およびケトアシドーシスを含むがこれらに限定されない、1型糖尿病の1つもしくは複数の徴候もしくは症状を阻害すること、緩和すること、もしくはその進行を遅らせることを含む。
本明細書で用いられる場合、障害または状態を「予防すること」またはその「予防」は、未処置の対照試料と比較して処置された試料において障害もしくは状態の発生もしくは可能性を低下させるか、または未処置の対照試料と比較して、高血糖、低インスリン血症、血清Cペプチド値の低下、A1C値の上昇、T1D関連自己抗体の存在、多尿、多飲、多食、体重減少、視力変化、倦怠感、精神錯乱、吐き気、嘔吐、およびケトアシドーシスを含むがこれらに限定されない、障害もしく状態の1つもしくは複数の徴候もしくは症状の発現を遅延させる化合物を指す。本明細書で用いられる場合、1型糖尿病を予防することは、1型糖尿病の発生を予防することまたは遅延させることを指す。本明細書で用いられる場合、1型糖尿病の予防はまた、1型糖尿病の1つまたは複数の徴候または症状の再発を予防することを含む。
本明細書に記載される医学的状態の治療または予防の様々な様式は、完全な治療または予防のみならず不完全な治療または予防も含み、いくらかの生物学的または医学的に関連する結果が達成される、「実質的」を意味することが意図されることもまた認識されるべきである。治療は、慢性疾患のための継続的な長期的治療、または急性状態の治療のための単回もしくは少数回の投与であってよい。
本明細書で使用される場合、「対象」および「患者」という用語は互換的に使用される。
II. 概略
本技術は、T1Dの技術的に認められたマウスモデル(非肥満糖尿病 (NOD) マウス)において、該疾患の発生率を著しく低下させ、かつその発生を遅延させることができるインスリン関連ペプチドの舌下製剤の驚くべき発見に関する。T1Dの効果的な舌下インスリン処置は、アンメットニーズが高い。したがって、本技術の方法および組成物は、T1D治療法として有効であり、かつ患者のコンプライアンスを改善し得る、望ましい投与経路を提供する。
III. インスリン関連ペプチド
インスリンホルモンは、ランゲルハンス島の膵臓β細胞によって分泌される51アミノ酸のタンパク質である。インスリンは、最初に膵臓β細胞の粗面小胞体においてプレプロインスリンとして合成される。プレプロホルモン中のシグナルペプチドがタンパク質分解によって除去された後、21アミノ酸を有するα鎖(またはA鎖)ペプチド、30アミノ酸を有するβ鎖(またはB鎖)ペプチド、および介在するC鎖ペプチド(Cペプチド)から構成されるプロインスリン分子が生成される。その後、ゴルジ複合体においてプロインスリンがプロセシングされると、Cペプチドが除去され、α鎖とβ鎖がシステイン残基において2つのジスルフィド結合を介して連結されることにより、生物活性のあるインスリンが生成される。3番目のジスルフィド結合は、α鎖内の2つのシステイン残基を結合している。インスリンとCペプチドは、グルコースなどの様々な刺激に応答して、等モル量で同時に分泌される。
表1によって示されるように、インスリンのA鎖およびB鎖のアミノ酸配列は、脊椎動物の間で高度に保存されている。加えて、3つのジスルフィド結合の位置もまた、大部分の種で同じである。これらの高度に保存された特徴により、インスリンの三次元高次構造は種間で非常に類似している。このため、ある種からのインスリンは、他の種においても生物活性があり、かつ同様の生理学的効果を有する場合が多い。表1は、SEQ ID NO: 10~24をそれぞれ出現順に開示している。
(表1)特定の種からのインスリン配列
Figure 2023505190000002
舌下投与用に製剤化された本技術のインスリン関連ペプチドは、インスリンβ鎖(B鎖)もしくはその生物活性断片、または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するこれらのいずれかのバリアントを構成するアミノ酸配列を含むペプチドを含み、表1に示されるB鎖配列のいずれか1つまたは複数を含み得る。いくつかの態様において、舌下投与用に製剤化された本技術のインスリン関連ペプチドは、インスリンα鎖(A鎖)もしくはその生物活性断片、または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するこれらのいずれかのバリアントを構成するアミノ酸配列を含むペプチドを含み、表1に示されるA鎖配列のいずれか1つまたは複数を含み得る。いくつかの態様において、舌下投与用に製剤化された本技術のインスリン関連ペプチドは、インスリンβ鎖(B鎖)もしくはその生物活性断片、または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するこれらのいずれかのバリアントを構成する第1アミノ酸配列、およびインスリンα鎖(A鎖)もしくはその生物活性断片、または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するこれらのいずれかのバリアントを構成する第2アミノ酸配列を含むペプチドを含み、表1に示されるB鎖およびA鎖配列のいずれか1つまたは複数を含み得る。いくつかの態様において、本技術のインスリン関連ペプチドは、インスリンβ鎖7~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 9) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアント、およびインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第2アミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、本技術のインスリン関連ペプチドは、インスリンβ鎖およびインスリンα鎖のより大きな断片を含む。例えば、いくつかの態様において、インスリン関連ペプチドは、インスリンβ鎖6~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 3)、インスリンβ鎖3~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 7)、インスリンβ鎖4~27ペプチド配列 (SEQ ID NO: 8)、インスリンβ鎖配列 (SEQ ID NO: 1)、インスリンα鎖1~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 5)、インスリンα鎖4~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 6)、またはインスリンα鎖配列 (SEQ ID NO: 2) を含み得る。インスリン関連ペプチドは、ヒト起源のものであってもよいし、または任意の哺乳類種のものであってもよい。例えば、本開示のインスリン関連ペプチドは、表1に示されるインスリンA鎖またはB鎖のいずれか1つまたは複数を含み得る。いくつかの態様において、インスリン関連ペプチドは、Humulin(登録商標)または1つもしくは複数の保存的アミノ酸置換を有するそのバリアントなどの組換えヒトインスリン関連ペプチドである。いくつかの態様において、インスリン関連ペプチドは、インスリン、プロインスリン、およびプレプロインスリンのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、インスリン関連ペプチドは、速効性、中時間作用性、または長時間作用性のインスリン類似体である。
表1に提供されるインスリン関連ペプチド配列に加えて、本技術の例示的で非限定的なインスリン関連ペプチドもまた表2に提供される。
(表2)例示的なインスリン関連ペプチド
Figure 2023505190000003
本明細書において列挙されたペプチドの適切な置換バリアントは、保存的アミノ酸置換を含む。アミノ酸は、それらの物理化学的特性に従って、以下のようにグループ分けすることができる:
(a) 非極性アミノ酸:Ala(A) Ser(S) Thr(T) Pro(P) Gly(G) Cys(C);
(b) 酸性アミノ酸:Asn(N) Asp(D) Glu(E) Gln(Q);
(c) 塩基性アミノ酸:His(H) Arg(R) Lys(K);
(d) 疎水性アミノ酸:Met(M) Leu(L) Ile(I) Val(V);および
(e) 芳香族アミノ酸:Phe(F) Tyr(Y) Trp(W)。
ペプチド内のアミノ酸の同じグループ内の別のアミノ酸による置換は、保存的置換と称され、元のペプチドの物理化学的特性を維持し得る。他の態様において、本明細書に記載されるペプチドのバリアントは、以下の置換:
Lys、His、またはGlyによるAsnの置換
AspによるGluの置換
Ala、Gly、Leu、またはValによるIleの置換
MetによるLysの置換
Thr、Gly、Ala、またはProによるSerの置換
Ala、Ser、Gly、またはValによるThrの置換
のうちの1つまたは複数を含み得る。
ペプチドは、当技術分野で周知の方法のいずれかによって合成することができる。タンパク質を化学的に合成するのに適した方法には、例えば、StuartおよびYoungによって、Solid Phase Peptide Synthesis, Second Edition, Pierce Chemical Company (1984) において、およびMethods Enzymol., 289, Academic Press, Inc, New York (1997) において記載されたものが含まれる。
IV. 1型糖尿病
「自己免疫性糖尿病」としても知られる1型糖尿病 (T1D)(以前は「インスリン依存性糖尿病」または「若年発症糖尿病」として知られていた)は、膵臓β細胞の喪失に起因するインスリン欠乏を特徴とし、高血糖をきたす慢性疾患である。症候発現年齢は、通常は小児期または青年期である;しかしながら、時にはかなり後になってから症状が現れる場合もある。T1Dの病因は完全には理解されていないが、β細胞のT細胞媒介性破壊が疾患の病態形成に関与していると考えられている。治療法はなく、患者は生涯にわたってインスリン注射に依存する。集中的な血糖コントロールにより、微小血管および大血管の合併症の発生率は低下しているが、T1D患者の大多数はこれらの合併症をなお発症している。
A. 臨床所見
T1Dの臨床徴候および症状には、高血糖、低インスリン血症、血清Cペプチド値の低下、A1C値の上昇、T1D関連自己抗体の存在、尿の過剰排泄(多尿)、口渇(多飲)、持続性の空腹感(多食)、体重減少、視力変化、倦怠感、精神錯乱、吐き気、嘔吐、およびケトアシドーシスが含まれる。T1Dの慢性症状には、網膜症、腎症、血管障害、および神経障害が含まれる。
B. 診断
ヒトにおけるT1Dは、症状と特定の血液検査の結果の組み合わせによって診断される。空腹時血漿グルコース (FPG) 検査では、空腹時血糖値が126 mg/dLまたはそれ以上である場合に、糖尿病と診断される。経口ブドウ糖負荷試験 (OGTT) では、負荷後2時間の血漿グルコース値が200 mg/dLまたはそれ以上である場合に、糖尿病と診断される。ランダム血糖検査では、糖尿病の症状と組み合わせた、任意の時点の200 mg/dLまたはそれ以上の血糖値が、診断を下すのに十分である。過去2~3ヵ月間の平均グルコース値を測定するヘモグロビンA1C(HbA1C;糖化ヘモグロビン)検査では、HbA1C値が6.5%またはそれ以上である場合に、糖尿病と診断される。無症状の人で数値の上昇が検出された場合には、診断を確定するために、後日できるだけ早く、好ましくは同じ検査で再検査することが推奨される。内因性インスリン産生は、空腹状態で、または刺激、最も一般的には静脈内投与されたグルカゴンの後のいずれかで、血清Cペプチドを測定することにより評価することができる。Cペプチドは尿中で測定することもできる。ヒトの空腹時血清Cペプチド値の正常範囲は、0.26~1.27 nmol/Lである。0.2 nmol/L未満のCペプチド値は、ヒトにおけるT1Dの診断と関連している。
T1Dへの進行は、典型的には、それに先行して抗膵島自己抗体発現の前駆症状が起こる。症状発現の数ヵ月から数年前に見出され得るT1D関連自己免疫のバイオマーカーには、インスリン自己抗体 (IAA)、膵島細胞抗体 (ICA)、65 kDaグルタミン酸デカルボキシラーゼ (GAD-65)、インスリノーマ関連タンパク質2Aまたは2β(IA-2A、IA-2β)、および亜鉛輸送体8 (ZnT8) などの多くのT1D関連自己抗体が含まれ、これらはβ細胞の分泌顆粒に関連するタンパク質である。素因はあるが無病の個体において、複数の膵島細胞自己抗体の検出は、その後のT1D発症の強い予測因子である。
C. 予後指標
T1Dの徴候、症状、または合併症を評価する方法は、当技術分野で公知である。糖尿病の診断がなされると、治療の重要な目標は、許容できない量の低血糖を引き起こすことなく、平均グルコースをできるだけ正常範囲の近くに維持することである。大部分のT1D患者の目標は、HbA1c値<7.0%(推定平均グルコース<154 mg/dL)を維持することである。HbA1c検査に加えて、T1Dの徴候、症状、または合併症をアッセイするための他の例示的な方法には、空腹時血漿グルコース (FPG) 検査、経口ブドウ糖負荷試験 (OGTT)、ランダム血糖検査、Cペプチド検査、およびT1D関連自己抗体のレベルをモニターするための検査が含まれるが、これらに限定されない。
D. 予防および治療の方法
以下の議論は例示としてのみ提示され、限定することは意図されない。
本技術の1つの局面は、T1Dを発症しやすいかまたはT1Dを有するリスクがある対象(例えば、遺伝的にT1Dを発症しやすいと判定された、T1D患者の一親等血縁者)において、T1Dの発生またはT1Dの症状を予防するまたは遅延させるための方法を提供する。
T1Dのリスクがある対象は、例えば、当技術分野において公知の診断または予後予測アッセイのいずれか1つまたはその組み合わせによって同定することができる。予防的適用において、本技術のインスリン関連ペプチドは、T1Dに罹患しやすいか、またはさもなくばT1Dのリスクがある対象に、リスクを排除もしくは低減する、または該疾患の生化学的および/もしくは行動的症状、その合併症、ならびに該疾患の発症中に呈する中間的病理学的表現型を含む、該疾患の発生を遅延させるのに十分な量で投与される。予防的なインスリン関連ペプチドの投与は、該疾患が予防されるか、または代替的にその進行が遅延されるように、該疾患に特徴的な症状が現れる前に行うことができる。
T1Dまたは高血糖症のリスクがある対象には、糖尿病個体の血縁者(通常は一親等血縁者)であるか、または高リスクHLA遺伝子型(例えば、DR3/4-DQ2/8遺伝子型)を有することが同定された対象が含まれるが、これらに限定されない。インスリン自己抗体 (IAA)、および膵島β細胞に関連する血清自己抗体 (ICA):IA-2A、IA-2β、IAA、GAD-65、ならびにZnT8を含む血清マーカーのスクリーニングによっても、T1Dを発症するリスクが高い個体を同定することができる。Cペプチド値の評価は、膵臓β細胞機能の広く使用されている尺度であり、これもまた、T1Dを発症する個体のリスクを評価するために使用することができる。
本技術の別の局面は、T1Dを有すると診断された、T1Dを有する疑いがある、またはT1Dを有するリスクがある対象において、T1Dを治療する方法を含む。治療的適用において、本技術のインスリン関連ペプチドを含む組成物は、該疾患の疑いがあるか、または該疾患に既に罹患している対象(例えば、高血糖、T1Dに関連する血清自己抗体の上昇、Cペプチド値の低下を呈する対象など)に、その合併症を含む該疾患の症状を治癒するか、または少なくとも部分的に抑止するに十分な量で投与される。
特定の態様において、本技術のインスリン関連ペプチドの舌下製剤で処置されたT1D対象は、未処置のT1D対象と比較して、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%の、血糖値、T1D関連自己抗体、および/またはCペプチド値の正常化を示す。特定の態様において、本技術のインスリン関連ペプチドの舌下製剤で処置されたT1D対象は、正常対照対象で観察されるものと同様の血糖値、T1D関連自己抗体、および/またはCペプチド値を示す。
E. 投与様式、薬学的組成物、および有効な投与量
インビボ方法は、典型的には、ヒトなどの哺乳動物への、本明細書に記載されるものなどの薬剤の投与を含む。治療のためにインビボで用いられる場合、本技術の薬剤は、所望の結果を得るかまたは哺乳動物を処置するのに有効な量で、哺乳動物に投与される。用量および投与計画は、対象における疾患の程度、使用される特定のインスリン関連ペプチドの特性(例えば、その治療指数、作用の持続時間、等)、対象、および対象の病歴に依存する。
本技術のインスリン関連ペプチドの有効量は、内科医および臨床医によく知られている方法によって、前臨床試験および臨床試験中に決定され得る。本方法において有用なインスリン関連ペプチドの有効量は、薬学的化合物を投与するための多くの周知の方法によって、それを必要とする哺乳動物に投与され得る。特定の態様において、本技術のインスリン関連ペプチドは、舌下投与のために製剤化される。
本明細書に記載されるインスリン関連ペプチドは、T1Dの治療または予防のために対象に投与するための薬学的組成物中に、単独でまたは組み合わせて組み込むことができる。そのような組成物は、インスリン関連ペプチドおよび薬学的に許容される担体を含み得る。本明細書で用いられる場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、薬学的投与と適合する緩衝剤、グリセリン、生理食塩水、溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤、ならびに同様のものを含む。補助的な活性化合物を組成物中に組み込むこともできる。
患者または処置する内科医の便宜のために、投与製剤は、処置過程のためのすべての必要な装備(例えば、薬物のバイアル、希釈剤のバイアル、等)を含むキット内に提供され得る。
舌下組成物は、一般に、不活性希釈剤または可食担体を含む。舌下治療投与を目的とする場合、インスリン関連ペプチドは、水性の薬学的に許容される担体または賦形剤(例えば、グリセリン)と共に組み込み、錠剤、トローチ剤、またはカプセル剤の形態で使用することができる。いくつかの態様において、水性の薬学的に許容される担体は、少なくとも約30 vol.%のグリセリン、少なくとも約31 vol.%のグリセリン、少なくとも約32 vol.%のグリセリン、少なくとも約33 vol.%のグリセリン、少なくとも約34 vol.%のグリセリン、少なくとも約35 vol.%のグリセリン、少なくとも約36 vol.%のグリセリン、少なくとも約37 vol.%のグリセリン、少なくとも約38 vol.%のグリセリン、少なくとも約39 vol.%のグリセリン、少なくとも約40 vol.%のグリセリン、少なくとも約41 vol.%のグリセリン、少なくとも約42 vol.%のグリセリン、少なくとも約43 vol.%のグリセリン、少なくとも約44 vol.%のグリセリン、少なくとも約45 vol.%のグリセリン、少なくとも約46 vol.%のグリセリン、少なくとも約47 vol.%のグリセリン、少なくとも約48 vol.%のグリセリン、少なくとも約49 vol.%のグリセリン、少なくとも約50 vol.%のグリセリン、少なくとも約51 vol.%のグリセリン、少なくとも約52 vol.%のグリセリン、少なくとも約53 vol.%のグリセリン、少なくとも約54 vol.%のグリセリン、少なくとも約55 vol.%のグリセリン、または少なくとも約60 vol.%のグリセリンを含む。いくつかの態様において、水性の薬学的に許容される担体は、少なくとも約30~70 vol.%のグリセリン、少なくとも約35~65 vol.%のグリセリン、少なくとも約40~60 vol.%のグリセリン、少なくとも約45~60 vol.%のグリセリン、少なくとも約50~60 vol.%のグリセリン、または少なくとも約50~55 vol.%のグリセリンを含む。いくつかの態様において、水性の薬学的に許容される担体は、緩衝剤をさらに含む。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基を用いて調整することができる。薬学的に適合する結合剤および/または補助物質を、組成物の一部として含めることができる。
投与量、毒性、および治療有効性は、例えばLD50(集団の50%に対して致死的な用量)を決定するために、細胞培養物または実験動物において標準的な薬学的手順によって決定することができる。毒性作用と治療効果との用量比が治療指数であり、それはLD50/ED50比として表すことができる。高い治療指数を示す化合物が有利である。
細胞培養アッセイおよび動物試験から得られたデータは、ヒトにおいて使用するための投与量の範囲を規定する上で使用することができる。そのような化合物の投与量は、毒性のほとんどないED50を含む循環濃度の範囲内にあってよい。投与量は、用いられる剤形および使用される投与経路に応じて、この範囲内で変動し得る。本技術の方法で用いられる任意の化合物に関して、治療有効用量は、最初に培養細胞アッセイおよび/または動物試験から推定することができる。そのような情報を用いて、ヒトにおける有用な用量を正確に決定することができる。血漿中のレベルは、例えば高速液体クロマトグラフィーによって測定することができる。用量および投与計画は、対象における疾患の程度、使用される特定のインスリン関連ペプチドの特性(例えば、その治療指数、作用の持続時間、等)、対象、および対象の病歴に依存する。
典型的には、治療または予防効果を達成するのに十分なインスリン関連ペプチドの有効量は、約0.000001 mg/体重1キログラム/日~約10,000 mg/体重1キログラム/日の範囲である。適切には、投与量範囲は、約0.0001 mg/体重1キログラム/日~約100 mg/体重1キログラム/日である。例えば、投与量は、毎日、2日ごと、もしくは3日ごとに1 mg/体重1 kgもしくは10 mg/体重1 kgであるか、または毎週、2週間ごと、もしくは3週間ごとに1~10 mg/kgの範囲内であってよい。1つの態様において、ペプチドの単回投与量は、0.001~10,000マイクログラム/体重1キログラムの範囲である。1つの態様において、担体中のインスリン関連ペプチドの濃度は、0.2~2000マイクログラム/送達1ミリリットルの範囲である。いくつかの態様において、治療または予防効果を達成するのに十分なインスリン関連ペプチドの有効量は、インスリンの単位で測定される。例えば、投与量は、0.5~1単位のインスリン/体重1 kg/日の範囲であり得る。例示的な治療計画は、少なくとも7週間にわたる、週に少なくとも5日の、1日1回のインスリン関連ペプチドの舌下投与を必要とする。いくつかの態様において、治療は、少なくとも7週間にわたる、毎日少なくとも1回の舌下投与を必要とする。治療的適用では、疾患の進行が軽減されるかもしくは終結するまで、または対象が疾患の症状の部分的もしくは完全な改善を示すまで、相対的に短い間隔での相対的に高い投与量が必要とされる場合がある。その後、患者に予防計画を施すことができる。
当業者は、疾患の重症度、以前の処置、対象の全般的健康状態および/または年齢、ならびに存在する他の疾患を含むがこれらに限定されない、特定の要因が、対象を効率的に治療するために必要とされる投与量およびタイミングに影響し得ることを認識するであろう。
本技術を以下の実施例によってさらに説明するが、これらの実施例は決して限定として解釈されるべきではない。
材料および方法
舌下製剤。1 mL当たり500単位のインスリンを含む市販の高用量Humulin(登録商標)溶液(Humulin(登録商標)R U-500)を、追加の等容量 (1:1 (vol:vol) の100%グリセリンと混合する。各用量は、最終濃度52 vol.%のグリセリンを有する溶液中に2.5単位(およそ87マイクログラム)のインスリンを含む、10μLのHumulin(登録商標)-グリセリン溶液を含む。
NODマウス。Makino (Adv. Immunol. 51:285-322 (1992)) によって記載されている非肥満糖尿病 (NOD) マウスを、本明細書に記載される研究において使用する。NODマウスは、1型糖尿病の自然発症のための動物モデルを提供する。NODマウスは、膵島への白血球浸潤の結果として膵島炎を発症し、それが次に膵島の破壊および1型糖尿病表現型を引き起こす。
血清Cペプチドアッセイ。マウスIおよびマウスIIプロインスリン遺伝子のCペプチドタンパク質産物を定量化するマウスCペプチドELISA (ALPCO) を使用する。簡潔に説明すると、顎下静脈に針を挿入し、約0.2 mLの血液を採取することにより、血清を収集する。血液を冷却遠心機において17,000 rpmで30分間遠心分離し、血清を収集して-80℃で保存する。
自己抗体価アッセイ。対象から収集された血清試料中の抗インスリン抗体の存在を検出するために、市販のELISAアッセイを用いる。
実施例1:1型糖尿病のマウスモデルにおいて高血糖症の発生を遅延させることにおけるインスリン関連ペプチドの使用
本実施例は、1型糖尿病のマウスモデルにおいて高血糖症の発生を遅延させるための方法における、本技術のインスリン関連ペプチドの舌下製剤の使用を実証する。
方法
5週齢の雌NODマウスを、3群:(1) 対照群(1:1グリセリン/リン酸緩衝生理食塩水 (PBS));(2) 6週齢の時点で開始するインスリン関連ペプチド処置(Humulin(登録商標));または (3) 10週齢の時点で開始するインスリン関連ペプチド処置(Humulin(登録商標))にランダムに割り付けた。処置群 (2) および (3) のマウスには、30週齢まで1日1回、87μgのHumulin(登録商標)(溶液10μL)を舌下投与した。血糖測定は、20週齢までは週に1回、および次いでそれ以降は週に2回実施した。マウスは、3回連続で血糖読み取り値が300 mg/dLを上回った後に(高血糖)、糖尿病として分類した。
結果
図1Aに示されるように、対照群と比較して処置群2(すなわち、6週齢の時点でHumulin(登録商標)による処置を開始したマウス)では、舌下Humulin(登録商標)による処置により、1型糖尿病の発生率(T1D発生%)および1型糖尿病の発生時間(週)の両方が有意に減少した。図1Bは、対照群と比較した処置群3(すなわち、10週齢の時点でHumulin(登録商標)による処置を開始したマウス)の結果を示す。表3は、図1Aおよび図1Bに示される生存曲線に関連する統計値を提供する。
(表3)生存曲線の比較
Figure 2023505190000004
これらの結果は、Humulin(登録商標)などの本技術のインスリン関連ペプチドの舌下製剤が、1型糖尿病を治療する方法において有用であることを示し、この場合、治療は、それを必要とする対象において高血糖症の発生を遅延させること、または1型糖尿病を発症する可能性を低下させることを含む。
実施例2:血清Cペプチド値を維持することにおけるインスリン関連ペプチドの使用
本実施例は、1型糖尿病のマウスモデルにおいて血清Cペプチド値を維持するための方法における、本技術のインスリン関連ペプチドの舌下製剤の使用を実証する。Cペプチドは、αインスリン鎖とβインスリン鎖を連結するプロインスリンの一部であり、切断除去された後に、膵臓β細胞からインスリンと共分泌される。31アミノ酸のCペプチドは、内因性インスリンと等モル量で生成され、治療的に投与される外因性インスリンの産物ではなく、インスリン分泌(または膵臓β細胞機能)の尺度として広く用いられている。
方法
5週齢の雌NODマウスを、実施例1に記載される3群:(1) 対照群(油のみ);(2) 6週齢の時点で開始するインスリン関連ペプチド処置(Humulin(登録商標));または (3) 10週齢の時点で開始するインスリン関連ペプチド処置(Humulin(登録商標))にランダムに割り付ける。処置群 (2) および (3) のマウスには、30週齢まで1日1回、87μgのHumulin(登録商標)を舌下投与する。6週時に収集された血清から、ベースラインCペプチドの測定を行う。その後、20週齢から開始して30週齢まで、2週間に1回収集された血清からCペプチドの測定を行う。
結果
Humulin(登録商標)または1つもしくは複数の保存的アミノ酸置換を有するそのバリアントなどのインスリン関連ペプチド処置を受けたNODマウスは、1型糖尿病の臨床症状を発症する未処置の対照NODマウスと比較して、血清Cペプチド値の維持または増強を示すことが予測される。これらの結果から、本技術のインスリン関連ペプチドの舌下製剤が、対象、特に1型糖尿病を発症する素因を示す生物学的マーカーまたは病歴を有する対象における、1型糖尿病の治療において有用であることが示される。
実施例3:抗原反応を減弱させることにおけるインスリン関連ペプチドの使用
本実施例は、1型糖尿病のリスクがあるかまたは1型糖尿病と診断された対象において抗原反応を減弱させるための方法における、本技術のインスリン関連ペプチドの舌下製剤の使用を実証する。1型糖尿病の発生は、種々の膵島細胞抗原に対する多くの自己抗体の出現に先行され、かつそれを伴う。遺伝的素因はあるが無病の個体(例えば、1型糖尿病患者の一親等血縁者)において、複数の膵島細胞自己抗体の検出は、その後のI型糖尿病発症の強い予測因子である。これらの自己抗体には、膵島細胞抗体(ICA、β細胞の細胞質タンパク質に対する)、グルタミン酸デカルボキシラーゼ (GAD-65) に対する抗体、インスリン自己抗体 (IAA)、ならびにチロシンホスファターゼIA-2AおよびIA-2βならびにZnT8に対する自己抗体が含まれるが、これらに限定されない。
方法
5週齢の雌NODマウスを、実施例1に記載される3群:(1) 対照群(油のみ);(2) 6週齢の時点で開始するインスリン関連ペプチド処置(Humulin(登録商標));または (3) 10週齢の時点で開始するインスリン関連ペプチド処置(Humulin(登録商標))にランダムに割り付ける。処置群 (2) および (3) のマウスには、30週齢まで1日1回、87μgのhumulinを舌下投与する。6週時に、対象を自己抗体のベースライン値(レベル)について評価する。その後、15週齢から開始して30週齢まで1週間おきに1回、自己抗体価の測定を行う。
結果
Humulin(登録商標)または1つもしくは複数の保存的アミノ酸置換を有するそのバリアントなどのインスリン関連ペプチド処置を受けたNODマウスは、未処置対照と比較して抗原反応(例えば、膵島細胞自己抗体値)の減弱を示すことが予測される。これらの結果から、Humulin(登録商標)または1つもしくは複数の保存的アミノ酸置換を有するそのバリアントなどの本技術のインスリン関連ペプチドの舌下製剤が、それを必要とする対象における1型糖尿病の治療において有用であることが示される。
実施例4:ヒトにおいて高血糖症の発生を遅延させることにおけるインスリン関連ペプチドの使用
本実施例は、1型糖尿病を発症しやすい無病個体(例えば、遺伝的に1型糖尿病を発症しやすいと判定された、1型糖尿病患者の一親等血縁者)において1型糖尿病を治療するための方法における、本技術のインスリン関連ペプチドの舌下製剤の使用を実証する。
方法
1型糖尿病を発症しやすいと判定された対象は、本技術のインスリン関連ペプチドの舌下投与を毎日受ける。投与量は0.1 mg/kg~50 mg/kgの範囲である。対象を、例えば、高血糖、低インスリン血症、血清Cペプチド値、A1C値、または自己抗体の存在を含むがこれらに限定されない、1型糖尿病に関連する徴候および症状の存在および/または重症度について毎週評価する。処置は、無期限に、または1型糖尿病の1つまたは複数の徴候または症状が発症する時点まで、継続することができる。
結果
本技術のインスリン関連ペプチドの治療有効量の舌下投与を受けた、1型糖尿病を発症しやすい対象は、1型糖尿病の発症に関連する徴候または症状の重症度の遅延および/もしくは軽減、またはそれらの排除を示すことが予測される。これらの結果から、Humulin(登録商標)もしくはその生物活性断片、または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するこれらのいずれかのバリアントなどの本技術のインスリン関連ペプチドの舌下製剤が、それを必要とする対象における1型糖尿病の治療において、ならびに特に、対象において高血糖症の発生を遅延させる、および/または1型糖尿病を発症する可能性を低下させることにおいて、有用であることが示される。
均等物
本技術は、本出願において記載される特定の態様の点で限定されるべきではなく、それらは本技術の個々の局面の単なる例示として意図される。当業者に明白であるように、本技術の多くの改変物および変形物が、その精神および範囲から逸脱することなく作製され得る。本明細書において列挙されたものに加えて、本技術の範囲内にある機能的に等価な方法および装置が、前述の説明から当業者に明白になるであろう。そのような改変物および変形物は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。本技術は、そのような特許請求の範囲の権利が与えられる等価物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲の条件によってのみ限定されるべきである。本技術は、特定の方法、試薬、化合物、組成物、または生物システムに限定されず、それらは当然、変動し得ることが理解されるべきである。本明細書で用いられる専門用語は、特定の態様を説明する目的のために過ぎず、限定を意図していないこともまた理解されるべきである。
加えて、本開示の特徴または局面がマーカッシュ群の観点から記載されている場合、当業者は、本開示がまたそれにより、そのマーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループの観点からも記載されていることを認識するであろう。
当業者によって理解されるように、ありとあらゆる目的のために、特に書面の説明を提供する観点から、本明細書において開示される範囲はすべて、それらのありとあらゆる可能な部分範囲および部分範囲の組み合わせもまた包含する。任意の列挙された範囲は、同じ範囲が少なくとも半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1、等に等分されることを十分に説明し、可能にすることが、容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書において論じられる各範囲は、下方の3分の1、中央の3分の1、および上方の3分の1、等に容易に分割され得る。同様に当業者によって理解されるように、「最大で~まで」、「少なくとも」、「~を超える」、「~未満」、および同様のものなどの言語はすべて、列挙される数字を含み、後に上記のような部分範囲に分割され得る範囲を指す。最後に、当業者によって理解されるように、範囲には、個々の各メンバーが含まれる。したがって、例えば、1~3個の細胞を有する群は、1個、2個、または3個の細胞を有する群を指す。同様に、1~5個の細胞を有する群は、1個、2個、3個、4個、または5個の細胞を有する群を指し、他も同様である。
前述の説明は、読者の理解を助けるために提供される。提供された情報または引用された参考文献のいずれも、本明細書において開示される組成物および方法の先行技術であると認められない。
本明細書において参照または引用されたすべての特許、特許出願、仮特許出願、および出版物は、すべての図面および表を含め、本明細書の明示的な教示と矛盾しない程度まで、参照により全体として組み入れられる。
他の態様は、以下の特許請求の範囲に記載されている。

Claims (71)

  1. それを必要とする対象において高血糖症の発生を遅延させる、1型糖尿病の発生を遅延させる、または1型糖尿病の可能性を低下させる方法であって、
    治療有効量のインスリン関連ペプチドを該対象に舌下投与する段階
    を含む、前記方法。
  2. それを必要とする対象において高血糖症の発生を遅延させる方法であって、
    治療有効量のインスリン関連ペプチドを該対象に舌下投与する段階
    を含む、前記方法。
  3. それを必要とする対象においてI型糖尿病の発生を遅延させる方法であって、
    治療有効量のインスリン関連ペプチドを該対象に舌下投与する段階
    を含む、前記方法。
  4. それを必要とする対象においてI型糖尿病の可能性を低下させる方法であって、
    治療有効量のインスリン関連ペプチドを該対象に舌下投与する段階
    を含む、前記方法。
  5. 哺乳動物における少なくとも1つの1型糖尿病関連抗原に対する抗原反応を減弱させる方法であって、
    有効量のインスリン関連ペプチドを該哺乳動物に舌下投与する段階
    を含む、前記方法。
  6. 前記少なくとも1つの1型糖尿病関連抗原が、インスリン、プロインスリン、プレプロインスリン、およびインスリンβ鎖9~23ペプチドのうちの1つまたは複数を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つの1型糖尿病関連抗原が、ヒトインスリン、ヒトプロインスリン、ヒトプレプロインスリン、およびヒトインスリンβ鎖9~23ペプチドのうちの1つまたは複数を含む、請求項5に記載の方法。
  8. 前記対象が、膵島細胞抗体 (ICA)、グルタミン酸デカルボキシラーゼ-65 (GAD-65) 抗体、インスリン自己抗体 (IAA)、インスリノーマ関連タンパク質2A(IA-2A)自己抗体、インスリノーマ関連タンパク質2β (IA-2β) 自己抗体、または亜鉛輸送体8 (ZnT8) 自己抗体より選択される自己抗体のレベルの低下を示す、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記インスリン関連ペプチドが、少なくとも7週間にわたって、週に少なくとも5日、1日1回投与される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記インスリン関連ペプチドが、少なくとも7週間にわたって、毎日少なくとも1回投与される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記インスリン関連ペプチドが、インスリンβ鎖7~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 9) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第1アミノ酸配列;およびインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第2アミノ酸配列を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記第1アミノ酸配列がインスリンβ鎖アミノ酸配列に相当し;かつ/または前記第2アミノ酸配列がインスリンα鎖アミノ酸配列に相当する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記インスリン関連ペプチドが、インスリン、プロインスリン、およびプレプロインスリンのうちの1つまたは複数を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記インスリン関連ペプチドがヒトインスリンを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記インスリン関連ペプチドが、ヒトプロインスリンおよび/またはヒトプレプロインスリンを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記第1アミノ酸配列が、ヒトインスリンβ鎖6~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 3) を含む、請求項11に記載の方法。
  17. 前記第1アミノ酸配列が、ヒトインスリンβ鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 1) に相当する、請求項11に記載の方法。
  18. 前記第2アミノ酸配列が、ヒトインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) を含む、請求項11に記載の方法。
  19. 前記第2アミノ酸配列が、ヒトインスリンα鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 2) に相当する、請求項11に記載の方法。
  20. 前記第2アミノ酸配列が、Ser、Val、Ala、またはGlyによるα鎖8-Thrの置換を含む、ヒトインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) のバリアントを含む、請求項11に記載の方法。
  21. 前記第2アミノ酸配列が、Ser、Val、Ala、またはGlyによるα鎖8-Thrの置換を含む、ヒトインスリンα鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 2) のバリアントに相当する、請求項11に記載の方法。
  22. 前記第2アミノ酸配列が、Thr、Ala、またはGlyによるα鎖9-Serの置換を含む、ヒトインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) のバリアントを含む、請求項11に記載の方法。
  23. 前記第2アミノ酸配列が、Thr、Ala、またはGlyによるα鎖9-Serの置換を含む、ヒトインスリンα鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 2) のバリアントに相当する、請求項11に記載の方法。
  24. 前記第1アミノ酸配列が、Val、Ala、またはGlyによるα鎖10-Ileの置換を含む、ヒトインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) のバリアントを含む、請求項11に記載の方法。
  25. 前記第2アミノ酸配列が、Val、Ala、またはGlyによるα鎖10-Ileの置換を含む、ヒトインスリンα鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 2) のバリアントに相当する、請求項1に記載の方法。
  26. 前記第1アミノ酸配列が、AlaまたはGlyによるα鎖21-Asnの置換を含む、ヒトインスリンα鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 2) のバリアントに相当する、請求項11に記載の方法。
  27. 前記第2アミノ酸配列が、ヒトインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 3) のバリアントを含み、該バリアントが、
    Ser、Val、Ala、またはGlyによるα鎖8-Thrの置換;
    Thr、Ala、またはGlyによるα鎖9-Serの置換;および
    Leu、Val、Ala、またはGlyによるα鎖10-Ileの置換
    より選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、請求項11に記載の方法。
  28. 前記第2アミノ酸配列が、ヒトインスリンα鎖1~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 5) のバリアントに相当する、請求項11に記載の方法。
  29. 前記第1アミノ酸配列が、ヒトインスリンβ鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 1) に相当し;かつ前記第2アミノ酸配列が、ヒトインスリンα鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 2) に相当する、請求項11に記載の方法。
  30. 前記第2アミノ酸配列が、Aspによるα鎖4-Gluの置換を含む、ヒトインスリンα鎖4~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 6) のバリアントを含む、請求項11に記載の方法。
  31. 前記インスリン関連ペプチドが、ヒトインスリンβ鎖3~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 7) またはそのバリアントを含む第1アミノ酸配列;およびヒトインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) またはそのバリアントを含む第2アミノ酸配列を含み;
    該ヒトインスリンβ鎖3~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 7) のバリアントが、Lysによるβ鎖3-Asnの置換、および/またはProによるβ鎖9-Serの置換を有する、
    請求項11に記載の方法。
  32. 前記インスリン関連ペプチドが、ヒトインスリンβ鎖4~27ペプチド配列 (SEQ ID NO: 8) もしくはそのバリアントを含む第1アミノ酸配列;および/またはヒトインスリンα鎖1~20ペプチド配列もしくはそのバリアントを含む第2アミノ酸配列を含み;
    ヒトインスリンβ鎖4~27ペプチド配列 (SEQ ID NO: 8) のバリアントが、Proによるβ鎖9-Serの置換を有し;かつ
    該ヒトインスリンα鎖1~20ペプチド配列のバリアントが、
    Aspによるα鎖4-Gluの置換;
    Ser、Val、Ala、またはGlyによるα鎖8-Thrの置換;
    Thr、Ala、またはGlyによるα鎖9-Serの置換;
    Leu、Val、Ala、またはGlyによるα鎖10-Ileの置換;および
    Hisによるα鎖18-Asnの置換
    より選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を有する、
    請求項11に記載の方法。
  33. 前記インスリン関連ペプチドが、ヒトインスリンβ鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 1) もしくはそのバリアントに相当する第1アミノ酸配列;および/またはヒトインスリンα鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 2) もしくはそのバリアントに相当する第2アミノ酸配列を含み;
    該ヒトインスリンβ鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 1) のバリアントが、
    Lysによるβ鎖3-Asnの置換;
    Proによるβ鎖9-Serの置換;
    Metによるβ鎖29-Lysの置換;および
    SerまたはAlaによるβ鎖30-Thrの置換
    より選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を有し;かつ
    該ヒトインスリンα鎖アミノ酸配列のバリアントが、
    Aspによるα鎖4-Gluの置換;
    Alaによるα鎖8-Thrの置換;
    Glyによるα鎖9-Serの置換;
    Valによるα鎖10-Ileの置換;
    Hisによるα鎖18-Asnの置換;および
    Glyによるα鎖21-Asnの置換
    より選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を有する、
    請求項11に記載の方法
  34. 前記インスリン関連ペプチドが組換えヒトインスリン関連ペプチドである、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 有効量のインスリン関連ペプチド;および
    少なくとも約30 vol.%のグリセリンを含む、水性の薬学的に許容される担体
    を含む、少なくとも1つの1型糖尿病関連抗原に対する抗原反応を減弱させるための組成物。
  36. 前記インスリン関連ペプチドが、インスリンβ鎖7~26ペプチド配列または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第1アミノ酸配列;およびインスリンα鎖6~20ペプチド配列または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第2アミノ酸配列を含む、請求項35に記載の組成物。
  37. インスリン関連ペプチド;および
    少なくとも約30 vol.%のグリセリンを含む、水性の薬学的に許容される担体
    を含む、組成物。
  38. 前記インスリン関連ペプチドが、インスリンβ鎖7~26ペプチド配列または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第1アミノ酸配列;およびインスリンα鎖6~20ペプチド配列または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第2アミノ酸配列を含む、請求項37に記載の組成物。
  39. 前記水性の薬学的に許容される担体が緩衝剤をさらに含む、請求項35~38のいずれか一項に記載の組成物。
  40. 前記第1アミノ酸配列がインスリンβ鎖アミノ酸配列に相当し;かつ/または前記第2アミノ酸配列がインスリンα鎖アミノ酸配列に相当する、請求項36または請求項38に記載の組成物。
  41. 前記インスリン関連ペプチドが組換えヒトインスリン関連ペプチドである、請求項35~39のいずれか一項に記載の組成物。
  42. 前記インスリン関連ペプチドが、インスリン、プロインスリン、およびプレプロインスリンのうちの1つまたは複数を含む、請求項35~39のいずれか一項に記載の組成物。
  43. 前記インスリン関連ペプチドがヒトインスリンを含む、請求項35~39のいずれか一項に記載の組成物。
  44. 前記インスリン関連ペプチドが、ヒトプロインスリンおよび/またはヒトプレプロインスリンを含む、請求項35~39のいずれか一項に記載の組成物。
  45. 前記第1アミノ酸配列が、ヒトインスリンβ鎖6~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 3) を含む、請求項36または請求項38に記載の組成物。
  46. 前記第1アミノ酸配列が、ヒトインスリンβ鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 1) に相当する、請求項36または請求項38に記載の組成物。
  47. 前記第2アミノ酸配列が、ヒトインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) を含む、請求項34~36のいずれか一項に記載の組成物。
  48. 前記第2アミノ酸配列が、ヒトインスリンα鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 2) に相当する、請求項36または請求項38に記載の組成物。
  49. 前記第2アミノ酸配列が、Ser、Val、Ala、またはGlyによるα鎖8-Thrの置換を含む、ヒトインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) のバリアントを含む、請求項36または請求項38に記載の組成物。
  50. 前記第2アミノ酸配列が、Ser、Val、Ala、またはGlyによるα鎖8-Thrの置換を含む、ヒトインスリンα鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 2) のバリアントに相当する、請求項36または請求項38に記載の組成物。
  51. 前記第2アミノ酸配列が、Thr、Ala、またはGlyによるα鎖9-Serの置換を含む、ヒトインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) のバリアントを含む、請求項36または請求項38に記載の組成物。
  52. 前記第2アミノ酸配列が、Thr、Ala、またはGlyによるα鎖9-Serの置換を含む、ヒトインスリンα鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 2) のバリアントに相当する、請求項36または請求項38に記載の組成物。
  53. 前記第1アミノ酸配列が、Val、Ala、またはGlyによるα鎖10-Ileの置換を含む、ヒトインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) のバリアントを含む、請求項36または請求項38に記載の組成物。
  54. 前記第2アミノ酸配列が、Val、Ala、またはGlyによるα鎖10-Ileの置換を含む、ヒトインスリンα鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 2) のバリアントに相当する、請求項36または請求項38に記載の組成物。
  55. 前記第1アミノ酸配列が、AlaまたはGlyによるα鎖21-Asnの置換を含む、ヒトインスリンα鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 2) のバリアントに相当する、請求項36または請求項38に記載の組成物。
  56. 前記第2アミノ酸配列が、ヒトインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) のバリアントを含み、該バリアントが、
    Ser、Val、Ala、またはGlyによるα鎖8-Thrの置換;
    Thr、Ala、またはGlyによるα鎖9-Serの置換;および
    Leu、Val、Ala、またはGlyによるα鎖10-Ileの置換
    より選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、請求項36または請求項38に記載の組成物。
  57. 前記第2アミノ酸配列が、ヒトインスリンα鎖1~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 5) のバリアントに相当する、請求項36または請求項38に記載の組成物。
  58. 前記第1アミノ酸配列が、ヒトインスリンβ鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 1) に相当し;かつ前記第2アミノ酸配列が、ヒトインスリンα鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 2) に相当する、請求項36または請求項38に記載の組成物。
  59. 前記第2アミノ酸配列が、Aspによるα鎖4-Gluの置換を含む、ヒトインスリンα鎖6~20ペプチド配列のバリアントを含む、請求項36または請求項38に記載の組成物。
  60. 前記インスリン関連ペプチドが、ヒトインスリンβ鎖3~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 7) またはそのバリアントを含む第1アミノ酸配列;およびヒトインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) またはそのバリアントを含む第2アミノ酸配列を含み;
    該ヒトインスリンβ鎖3~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 7) のバリアントが、Lysによるβ鎖3-Asnの置換、および/またはProによるβ鎖9-Serの置換を有する、
    請求項35~39のいずれか一項に記載の組成物。
  61. 前記インスリン関連ペプチドが、ヒトインスリンβ鎖4~27ペプチド配列 (SEQ ID NO: 8) もしくはそのバリアントを含む第1アミノ酸配列;および/またはヒトインスリンα鎖1~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 5) もしくはそのバリアントを含む第2アミノ酸配列を含み;
    該ヒトインスリンβ鎖4~27ペプチド配列 (SEQ ID NO: 8) のバリアントが、Proによるβ鎖9-Serの置換を有し;かつ
    該ヒトインスリンα鎖1~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 5) のバリアントが、
    Aspによるα鎖4-Gluの置換;
    Ser、Val、Ala、またはGlyによるα鎖8-Thrの置換;
    Thr、Ala、またはGlyによるα鎖9-Serの置換;
    Leu、Val、Ala、またはGlyによるα鎖10-Ileの置換;および
    Hisによるα鎖18-Asnの置換
    より選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を有する、
    請求項35~39のいずれか一項に記載の組成物。
  62. 前記インスリン関連ペプチドが、ヒトインスリンβ鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 1) もしくはそのバリアントに相当する第1アミノ酸配列;および/またはヒトインスリンα鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 2) もしくはそのバリアントに相当する第2アミノ酸配列を含み;
    該ヒトインスリンβ鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 1) のバリアントが、
    Lysによるβ鎖3-Asnの置換;
    Proによるβ鎖9-Serの置換;
    Metによるβ鎖29-Lysの置換;および
    SerまたはAlaによるβ鎖30-Thrの置換
    より選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を有し;かつ
    該ヒトインスリンα鎖アミノ酸配列 (SEQ ID NO: 2) のバリアントが、
    Aspによるα鎖4-Gluの置換;
    Alaによるα鎖8-Thrの置換;
    Glyによるα鎖9-Serの置換;
    Valによるα鎖10-Ileの置換;
    Hisによるα鎖18-Asnの置換;および
    Glyによるα鎖21-Asnの置換
    より選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を有する、
    請求項35~39のいずれか一項に記載の組成物。
  63. 有効量の請求項35~62のいずれか一項に記載の組成物を舌下投与する段階を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  64. 抗原反応を減弱させることが、前記対象において1つまたは複数の1型糖尿病関連自己抗体のレベルを低下させることを含む、請求項5に記載の方法。
  65. 前記1つまたは複数の1型糖尿病関連自己抗体がインスリン自己抗体 (IAA) を含む、請求項64に記載の方法。
  66. 前記対象がインスリン自己抗体 (IAA) の発生の低下を示す、請求項5に記載の方法。
  67. 前記少なくとも1つの1型糖尿病関連抗原に対する抗原反応を減弱させることが、インスリン関連ペプチドの舌下投与後のインスリン自己抗体 (IAA) の発生を減少させることを含む、請求項5に記載の方法。
  68. 前記少なくとも1つの1型糖尿病関連抗原がインスリンを含む、請求項5に記載の方法。
  69. 前記インスリン関連ペプチドが、インスリンβ鎖7~26ペプチド配列 (SEQ ID NO: 9) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第1アミノ酸配列;およびインスリンα鎖6~20ペプチド配列 (SEQ ID NO: 4) または1つもしくは複数のアミノ酸置換を有するそのバリアントを含む第2アミノ酸配列を含む、請求項64~68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記インスリン関連ペプチドがインスリンを含む、請求項69に記載の方法。
  71. 前記インスリン関連ペプチドが、以下の置換:
    Lys、His、またはGlyによるAsnの置換;
    AspによるGluの置換;
    Ala、Gly、Leu、またはValによるIleの置換;
    MetによるLysの置換;
    Thr、Gly、Ala、またはProによるSerの置換;および
    Ala、Ser、Gly、またはValによるThrの置換
    のうちの1つまたは複数を含むインスリンペプチド配列のバリアントを含むペプチドを含む、請求項69に記載の方法。
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