分野
本開示は、非燃焼式エアロゾル供給システムに関する。
背景
電子タバコ(eシガレット)等の電子エアロゾル供給システムは一般に、通常はニコチンを含む製剤を含む原料液体のリザーバを含み、例えば熱気化により、そこからエアロゾルが生成される。したがって、エアロゾル供給システム用のエアロゾル源は、例えば吸い上げ作用/毛管作用により、リザーバから原料液体を受け取るように配置された加熱要素を有するヒータを含むことができる。ユーザがデバイスで吸入すると同時に、動力が加熱要素に供給されて加熱要素付近の原料液体を気化することで、ユーザによる吸入用のエアロゾルを生成する。そのようなデバイスには通常、システムのマウスピース端部から離れて位置する1つ又は複数の空気入口穴が設けられている。ユーザがシステムのマウスピース端部に接続されたマウスピースで吸うと、空気が入口穴を通じてエアロゾル源を経て引き込まれる。エアロゾル源とマウスピースにおける開口部との間をつなぐ流路があり、そのため、エアロゾル源を経て引き込まれた空気が、流路に沿ってマウスピース開口部まで続き、エアロゾル源からのエアロゾルの一部を該空気とともに運ぶ。エアロゾルを運ぶ空気は、ユーザによる吸入のため、マウスピース開口部を通ってエアロゾル供給システムを出る。
エアロゾル供給デバイスによっては、タバコ又はタバコ派生物等の固体材料からエアロゾルを生成するものもある。そのようなデバイスは、固体タバコ材料が気化温度まで加熱されてエアロゾルを生成し、その後、このエアロゾルがユーザによって吸入されるという点で、上述した液体系システムと概ね同様の様式で動作する。
一貫したパフごとの体験、すなわち、パフごとで変わらない体験は、上記システムを用いて実施するには困難である可能性があり、そのように、ユーザは、全体として一貫した体験を提供されないことがある。
これらの問題の幾つかに対処する助けとなることを求める様々な手法が記載される。
概要
特定の実施形態の第1の態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給システムであって、該システムが、固体エアロゾル生成材料の1つ又は複数の部分であって、固体エアロゾル生成材料の各部分が、20mgを超えない質量を有し、約5wt%~80wt%の量のエアロゾル生成剤及び約1wt%~60wt%の量のゲル化剤を含み、これら重量が乾燥重量基準で計算され、固体エアロゾル生成材料の各部分が、15mg未満の水を含む、固体エアロゾル生成材料の1つ又は複数の部分と、1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素と、上記1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素に動力供給するように構成された制御回路と、を備え、上記制御回路は、350℃を超えない、エアロゾルがエアロゾル生成材料の1つ又は複数の部分のうちの少なくとも1つから生成される動作温度で、10秒を超えない連続した持続時間の間、上記1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素を用いてエアロゾル生成材料の上記1つ又は複数の部分のうちの上記少なくとも1つの加熱を生じさせるように構成されている、エアロゾル供給システムが提供される。
特定の実施形態の第2の態様によれば、固体エアロゾル生成材料の1つ又は複数の部分からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイスであって、固体エアロゾル生成材料の各部分が、20mgを超えない質量を有し、約5wt%~80wt%の量のエアロゾル生成剤及び約1wt%~60wt%の量のゲル化剤を含み、これら重量が乾燥重量基準で計算され、固体エアロゾル生成材料の各部分が、15mg未満の水を含み、該デバイスが、エアロゾル生成材料の1つ又は複数の部分をエアロゾル化するように構成された1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素と、上記1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素に動力供給するように構成された制御回路と、を備え、上記制御回路は、350℃を超えない、エアロゾルがエアロゾル生成材料の1つ又は複数の部分のうちの少なくとも1つから生成される動作温度で、10秒を超えない連続した持続時間の間、上記1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素を用いてエアロゾル生成材料の上記1つ又は複数の部分のうちの上記少なくとも1つの加熱を生じさせるように構成されている、エアロゾル供給デバイスが提供される。
特定の実施形態の第3の態様によれば、1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素を用いてエアロゾル生成材料の1つ又は複数の部分からエアロゾルを生成する方法であって、固体エアロゾル生成材料の各部分が、20mgを超えない質量を有し、約5wt%~80wt%の量のエアロゾル生成剤及び約1wt%~60wt%の量のゲル化剤を含み、これら重量が乾燥重量基準で計算され、固体エアロゾル生成材料の各部分が、15mg未満の水を含み、該方法が、350℃を超えない、エアロゾルがエアロゾル生成材料の上記1つ又は複数の部分のうちの少なくとも1つから生成される動作温度で、10秒を超えない連続した持続時間の間、1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素を用いてエアロゾル生成材料の上記1つ又は複数の部分のうちの上記少なくとも1つを加熱することを含む、エアロゾルを生成する方法が提供される。
特定の実施形態の第4の態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給システムであって、該システムが、固体エアロゾル生成材料の1つ又は複数の部分であって、固体エアロゾル生成材料の各部分が、20mgを超えない質量を有し、約5wt%~80wt%の量のエアロゾル生成剤及び約1wt%~60wt%の量のゲル化剤を含み、これら重量が乾燥重量基準で計算され、固体エアロゾル生成材料の各部分が、15mg未満の水を含む、固体エアロゾル生成材料の1つ又は複数の部分と、1つ又は複数のエアロゾル生成手段と、上記1つ又は複数のエアロゾル生成手段に動力供給するように構成された制御手段と、を備え、上記制御手段は、350℃を超えない、エアロゾルがエアロゾル生成材料の上記1つ又は複数の部分のうちの少なくとも1つから生成される動作温度で、10秒を超えない連続した持続時間の間、上記1つ又は複数のエアロゾル生成手段を用いてエアロゾル生成材料の上記1つ又は複数の部分のうちの上記少なくとも1つの加熱を生じさせるように構成されている、エアロゾル供給システムが提供される。
本発明の第1及び他の態様に関連して上述した本発明の特徴及び態様は、上述した記載の特定の組み合わせにおいてだけでなく、必要に応じて本発明の他の態様による本発明の実施形態に等しく適用可能であり、それらと組み合わせることができることが理解されるであろう。
ここで、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態を単なる例として記載する。
エアロゾル供給デバイスとエアロゾル生成物品とを備えるエアロゾル供給システムであって、上記デバイスが複数の加熱要素を備え、上記物品がエアロゾル生成材料の複数の部分を含む、エアロゾル供給システムの概略図の断面である。
図1のエアロゾル供給物品の種々の異なる角度からの様々な図のうちの1つの図である。
図1のエアロゾル供給物品の種々の異なる角度からの様々な図のうちの1つの図である。
図1のエアロゾル供給物品の種々の異なる角度からの様々な図のうちの1つの図である。
図1のエアロゾル供給デバイスの加熱要素の上から見た断面図である。
エアロゾル供給システムの様々な機能を作動させる例示的なタッチセンシティブパネルの上から見た図である。
図1のデバイスを用いて2つの別個の加熱段階A及びBにおいて生成される例示的な量の瞬時エアロゾルを示すグラフである。
本開示の原理に従ってエアロゾルを生成する方法を示すフローチャートである。
エアロゾル供給デバイスとエアロゾル生成物品とを備えるエアロゾル供給システムであって、上記デバイスが複数の誘導ワークコイルを備え、上記物品がエアロゾル生成材料の複数の部分及び対応するサセプタ部分を含む、エアロゾル供給システムの概略図の断面の一例である。
図7のエアロゾル供給物品の種々の異なる角度からの様々な図のうちの1つの図である。
図7のエアロゾル供給物品の種々の異なる角度からの様々な図のうちの1つの図である。
図7のエアロゾル供給物品の種々の異なる角度からの様々な図のうちの1つの図である。
詳細な説明
特定の例及び実施形態の態様及び特徴が、本明細書において説明/記載されている。特定の例及び実施形態の幾つかの態様及び特徴は、従来通りに実施されることができ、これらは、簡潔性のために詳細には説明/記載されていない。したがって、詳細に記載されていない、本明細書において説明される装置及び方法の態様及び特徴は、そのような態様及び特徴を実施するために任意の従来の技法に従って実施されることができることが理解されるであろう。
本開示は、「非燃焼式」エアロゾル供給システムに関する。「非燃焼式」エアロゾル供給システムは、該エアロゾル供給システム(又はその構成部材)の、構成成分をなすエアロゾル化可能な材料が、ユーザへのエアロゾルの送達を促すために燃焼されない又は燃やされないものである。さらに、当該技術分野において一般的であるように、「蒸気」及び「エアロゾル」という用語、並びに「気化」、「揮発」及び「エアロゾル化」等の関連用語は、概して互換可能に使用されることがある。
幾つかの実施態様において、非燃焼式エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END:electronic nicotine delivery system)としても知られる電子タバコであるが、エアロゾル化可能な材料中にニコチンが存在することは必要条件ではないことに留意されたい。以下の記載全体を通して、「eシガレット」又は「電子タバコ」という用語が使用される場合があるが、この用語は、エアロゾル(蒸気)供給システムと互換可能に使用されることができる。
典型的に、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと、非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品(消耗品と呼ばれる場合もある)とを備えることができる。しかしながら、それ自体がエアロゾル生成構成要素に動力供給する手段を備える物品がそれ自体、非燃焼式エアロゾル供給システムを形成することができると考えられる。
物品、該物品の一部又は全ては、ユーザによって使用時に消費されることを意図されている。物品は、エアロゾル化可能な材料を含んでもよく又はそれから成ってもよい。物品は、フィルタ又はエアロゾル改質物質(例えば、エアロゾル改質物質を通るか又はその上を通るエアロゾルに香料を添加するか、或いは、他の場合ではそのエアロゾルの特性を変える構成要素)等の1つ又は複数の他の要素を含んでもよい。
非燃焼式エアロゾル供給システムは、常にとは限らないが多くの場合、再使用可能なエアロゾル供給デバイス及び交換可能な物品の双方を含むモジュール式アセンブリを備える。幾つかの実施態様において、非燃焼式エアロゾル供給デバイスは、動力源及びコントローラ(又は制御回路)を備えることができる。動力源は例えば、バッテリ又は充電式バッテリ等の電源とすることができる。幾つかの実施態様において、非燃焼式エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成構成要素も備えることができる。しかしながら、他の実施態様において、物品がエアロゾル生成構成要素を部分的に又は全体的に備えてもよい。
幾つかの実施態様において、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル化可能な材料から1つ又は複数の揮発性物質を放出してエアロゾルを形成するようにエアロゾル化可能な材料と相互作用することが可能なヒータである。幾つかの実施形態において、エアロゾル生成構成要素は、加熱なしにエアロゾル化可能な材料からエアロゾルを生成することが可能である。例えば、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル化可能な材料に熱を印加することなく、例えば振動手段、機械手段、加圧手段又は静電手段のうちの1つ又は複数により、エアロゾル化可能な材料からエアロゾルを生成することが可能であってもよい。
非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は概して、エアロゾル化可能な材料を含む。本明細書においてエアロゾル生成材料と呼ばれることもあるエアロゾル化可能な材料は、例えば、加熱、放射又は任意の他の方法で励起されると、エアロゾルを生成することが可能な材料である。エアロゾル化可能な材料は例えば、ニコチン及び/又は香味料を含んでもよい又は含まなくてもよい固体、液体又はゲルの形態であってもよい。以下の開示において、エアロゾル化可能な材料は、代替的に「モノリシック固体」(すなわち非繊維質)と呼ばれることがある「非晶質固体」を含むものとして記載される。幾つかの実施形態において、非晶質固体は、乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、液体のような何らかの流体を内部に保持することができる固体材料である。幾つかの実施態様において、エアロゾル化可能な材料は例えば、約50wt%、60wt%又は70wt%の非晶質固体から、約90wt%、95wt%又は100wt%の非晶質固体を含んでもよい。しかしながら、本開示の原理は、該当する場合、タバコ、再生タバコ、eリキッドのような液体等のような、他のエアロゾル化可能な材料に適用されることができることが理解されるべきである。
必要に応じて、エアロゾル化可能な材料は、活性成分、担体成分、香料、及び1つ又は複数の他の機能性成分のうちのいずれか1つ又は複数を含んでもよい。
本明細書において使用される場合の活性成分は、生理学的反応を達成すること又は高めることを意図された材料である、生理学的活性材料であってもよい。活性成分は例えば、栄養補助食品、向知性薬、精神活性物質から選択されることができる。活性成分は、天然に存在するものでもよく、又は合成的に得られるものでもよい。活性成分は例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6若しくはB12若しくはCのようなビタミン、メラトニン、カンナビノイド、又はそれらの成分、誘導体、若しくはこれらの組み合わせを含み得る。活性成分は、タバコ、大麻又は別の植物性物質の1つ又は複数の成分、派生物又は抽出物を含み得る。本明細書において述べたように、活性成分は、1つ又は複数のカンナビノイド又はテルペン等、大麻の1つ又は複数の成分、派生物又は抽出物を含み得る。
幾つかの実施形態において、活性成分はニコチンを含む。幾つかの実施形態において、活性成分はカフェイン、メラトニン又はビタミンB12を含む。
本明細書において述べたように、活性成分は、1つ又は複数の植物性物質、又はその成分、派生物若しくは抽出物を含んでもよいか又はこれらから派生されてもよい。本明細書において使用される場合、「植物性物質」という用語は、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種、花、果実、花粉、外皮、殻等を含むが、これらに限定されない、植物性物質から派生したあらゆる材料を含む。代替的に、材料は、合成により得られる、植物性物質中に天然に存在する活性化合物を含んでもよい。材料は、液体、気体、固体、粉体、塵、破砕された粒子、顆粒、ペレット、小片、細片、シート等の形態であってもよい。植物性物質の例は、タバコ、ユーカリ、スターアニス、麻、ココア、大麻、ウイキョウ、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カミツレ、亜麻、ショウガ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ローリエ、リコリス(甘草)、抹茶、マテ茶、オレンジの皮、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶又は紅茶のような茶、タイム、チョウジ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ビャクシン、ニワトコの花、バニラ、ヒメコウジ、シソ、クルクマ、ターメリック、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、オレンジの花、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、ハナハッカ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、桑、朝鮮人参、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ又はこれらの任意の組み合わせである。ミントは、以下のミント変種、すなわち、コーンミント、モロッコミント、エジプトミント、ペパーミント、オーデコロンミント、キャンディミント、カーリーミント、ケンタッキーカーネルミント、ホースミント、パイナップルミント、ペニーロイヤルミント、イングリッシュスペアミント及びアップルミントのようなミント変種から選択されてもよい。
幾つかの実施形態において、活性成分は、1つ又は複数の植物性物質又はその成分、派生物若しくは抽出物を含むか、或いはこれらから派生され、植物性物質はタバコである。
幾つかの実施形態において、活性成分は、1つ又は複数の植物性物質又はその成分、派生物若しくは抽出物を含むか、或いはこれらから派生され、植物性物質は、ユーカリ、スターアニス、ココア及び麻から選択される。
幾つかの実施形態において、活性成分は、1つ又は複数の植物性物質又はその成分、派生物若しくは抽出物を含むか、或いはこれらから派生され、植物性物質は、ルイボス及びウイキョウから選択される。
幾つかの実施態様において、エアロゾル化可能な材料は、香料(又は香味料)を含む。
本明細書において使用される場合、「香料」及び「香味料」という用語は、現地の規制が許す場合、成人消費者向けの製品に、所望の味、香り又は他の体性感覚をつくり出すのに使用することができる材料を指す。それらは、天然に存在する香料材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成により得られる材料、又はこれらの組み合わせ(例えば、タバコ、大麻、リコリス(甘草)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、チョウジ、メイプル、抹茶、メンソール、ニホンハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドスパイス、アジアスパイス、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、桑、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール、キンマ、シーシャ、マツ、ハチミツエキス、バラ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カシア、キャラウェイ、コンニャク、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピメント、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、麻、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、マテ茶、オレンジの皮、バラ、緑茶又は紅茶のような茶、タイム、ビャクシン、ニワトコの花、バジル、ローリエの葉、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、シラントロ、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、ハナハッカ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化材、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤又は刺激剤、糖及び/又は糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びに、木炭、クロロフィル、鉱物、植物性物質、又は息清涼剤のような他の添加剤を含んでもよい。これらは、模造品、合成若しくは天然成分であってもよく、又はそのブレンドであってもよい。これらは、任意の好適な形態、例えば、油のような液体、粉のような固体、又は気体であってもよい。
幾つかの実施形態において、香料は、メンソール、スペアミント及び/又はペパーミントを含む。幾つかの実施形態において、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類及び/又はレッドベリーの香料成分を含む。幾つかの実施形態において、香料は、オイゲノールを含む。幾つかの実施形態において、香料は、タバコから抽出された香料成分を含む。幾つかの実施形態において、香料は、大麻から抽出された香料成分を含む。
幾つかの実施形態において、香料は、感覚惹起剤を含んでもよく、この感覚惹起剤は、アロマ又は味覚神経に加えて又はその代わりに第5脳神経(三叉神経)の刺激によって通常は化学的に誘発及び認識される体性感覚を達成することを意図されており、これらは、温まる、冷える、ひりひりする、痺れる効果をもたらす薬剤を含んでもよい。好適な熱作用剤は、バニリルエチルエーテルであり得るが、これに限定されず、好適な冷却剤は、ユーカリプトール、WS-3であり得るが、これらに限定されない。
担体成分は、エアロゾルを形成することが可能な1つ又は複数の成分を含んでもよい。幾つかの実施形態において、担体成分は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソ-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びプロピレンカーボネートのうちの1つ又は複数を含み得る。
幾つかの実施形態において、担体成分は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール及びグリセリン等の1つ又は複数の多価アルコール、グリセロールモノアセテート、グリセロールジアセテート又はグリセロールトリアセテート等の、多価アルコールのエステル、及び/又は、ジメチルドデカンジオエート及びジメチルテトラデカンジオエート等の、モノカルボン酸、ジカルボン酸又はポリカルボン酸の脂肪族エステルを含む。
1つ又は複数の他の機能性成分は、pH調整剤、着色剤、防腐剤、結合剤、充填剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含み得る。
エアロゾル化可能な材料は、酸も含んでもよい。酸は、有機酸であってもよい。これらの実施形態の幾つかにおいて、酸は、一塩基酸、二塩基酸及び三塩基酸のうちの少なくとも1つであってもよい。幾つかのそのような実施形態において、酸は、少なくとも1つのカルボキシル官能基を含んでもよい。幾つかのそのような実施形態において、酸は、アルファヒドロキシ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸及びケト酸のうちの少なくとも1つであってもよい。幾つかのそのような実施形態において、酸は、アルファケト酸であってもよい。
幾つかのそのような実施形態において、酸は、コハク酸、乳酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、レブリン酸、酢酸、リンゴ酸、ギ酸、ソルビン酸、安息香酸、プロパン酸及びピルビン酸のうちの少なくとも1つであり得る。
酸は乳酸が好適である。他の実施形態において、酸は安息香酸である。他の実施形態において、酸は無機酸であってもよい。これらの実施形態のうちの幾つかにおいて、酸は鉱酸であってもよい。幾つかのそのような実施形態において、酸は、硫酸、塩酸、ホウ酸及びリン酸のうちの少なくとも1つであってもよい。幾つかの実施形態において、酸はレブリン酸である。
酸の包含は、エアロゾル化可能な材料がニコチンを含む実施形態において特に好ましい。そのような実施形態において、酸の存在により、エアロゾル化可能な材料が形成されるスラリー中の溶存種を安定化させることができる。酸の存在により、スラリーの乾燥時にニコチンの蒸発を低減又は実質的に防止することによって、製造時のニコチン損失を減らすことができる。
幾つかの実施形態において、エアロゾル化可能な材料は、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)及びカンナビエルソイン(CBE)、カンナビシトラン(CBT)から成る群から選択される1つ又は複数のカンナビノイド化合物を含む。
エアロゾル化可能な材料は、カンナビジオール(CBD)及びTHC(テトラヒドロカンナビノール)から成る群から選択される1つ又は複数のカンナビノイド化合物を含んでもよい。
エアロゾル化可能な材料は、カンナビジオール(CBD)を含んでもよい。
エアロゾル化可能な材料は、ニコチン及びカンナビジオール(CBD)を含んでもよい。
エアロゾル化可能な材料は、ニコチン、カンナビジオール(CBD)、及びTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含んでもよい。
エアロゾル化可能な材料は、基質を形成するキャリア支持体(又はキャリア構成要素)の上又は中に存在することができる。キャリア支持体は例えば、紙、カード、ボール紙、厚紙、再生されたエアロゾル化可能な材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、又は金属合金とすることができる。
幾つかの実施態様において、非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、エアロゾル化可能な材料、又はエアロゾル化可能な材料を受け取る区域を備えることができる。幾つかの実施態様において、非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、マウスピースを備えることができ、又は代替的に、非燃焼式エアロゾル供給デバイスが、物品と連通するマウスピースを備えてもよい。エアロゾル化可能な材料を受け入れる区域は、エアロゾル化可能な材料を貯蔵する貯蔵区域とすることができる。例えば、貯蔵区域は、リザーバとすることができる。
図1は、本開示の特定の実施形態に従ったエアロゾル供給システム1の概略図の断面図である。エアロゾル供給システム1は、2つの主要な構成部材、すなわち、エアロゾル供給デバイス2と、エアロゾル生成物品4とを備える。
エアロゾル供給デバイス2は、外側ハウジング21と、動力源22と、制御回路23と、複数のエアロゾル生成構成要素24と、受容部25と、マウスピース端部26と、空気入口27と、空気出口28と、タッチセンシティブパネル29と、吸入センサ30と、使用終了インジケータ31とを備える。
外側ハウジング21は、任意の好適な材料、例えばプラスチック材料から形成されることができる。外側ハウジング21は、動力源22、制御回路23、エアロゾル生成構成要素24、受容部25及び吸入センサ30が外側ハウジング21内に位置するように配置される。外側ハウジング21はまた、以下でより詳細に記載される、空気入口27及び空気出口28を画定する。タッチセンシティブパネル29及び使用終了インジケータは、外側ハウジング21の外部に位置する。
外側ハウジング21はさらに、マウスピース端部26を含む。外側ハウジング21及びマウスピース端部26は、単一の構成部材として形成される(すなわち、マウスピース端部26は、外側ハウジング21の一部を形成する)。マウスピース端部26は、外側ハウジング21の、空気出口28を含む領域として画定され、ユーザがマウスピース端部26の周りに自身の唇を楽に当てて空気出口28と接することができるように形状決めされている。図1において、外側ハウジング21の厚さは、デバイス2の比較的薄い部分を提供するように空気出口28へ向かって漸減しており、この比較的薄い部分にユーザの唇をより容易にあてがうことができる。しかしながら、他の実施態様において、マウスピース端部26は、外側ハウジング21とは別個であるが外側ハウジングに連結されることができる取り外し可能な構成部材であってもよく、洗浄のために、及び/又は、別のマウスピース端部26との交換のために、取り外されるものとすることができる。
動力源22は、エアロゾル供給デバイス2に作動力を供給するように構成されている。動力源22は、バッテリ等の任意の好適な動力源とすることができる。例えば、動力源22は、リチウムイオンバッテリ等の充電式バッテリを含むことができる。動力源22は、取り外し可能であってもよく、又は、エアロゾル供給デバイス2の一体部分を形成してもよい。幾つかの実施態様において、動力源22は、USBポート(図示せず)のような関連接続ポートを通じて、又は、好適な無線受信機(図示せず)を介して、外部電源(主電源等)にデバイス2を接続することにより充電されることができる。
制御回路23は、エアロゾル供給デバイスの動作を制御してエアロゾル供給デバイス2の特定の動作機能をもたらすように好適に構成/プログラムされる。制御回路23は、エアロゾル供給デバイスの動作の種々の異なる態様に関連付けられた様々なサブユニット/回路要素を論理的に含むものと考えられ得る。例えば、制御回路23は、動力源22の充電を制御する論理サブユニットを含んでもよい。さらに、制御回路23は、例えばデバイス2からのデータ転送又は該デバイスへのデータ転送を容易にするために、通信用の論理サブユニットを含んでもよい。しかしながら、制御回路23の主機能は、以下でより詳細に記載されるように、エアロゾル生成材料のエアロゾル化を制御することである。制御回路23の機能性は、例えば、所望の機能性を提供するように構成された1つ又は複数の適切にプログラムされたプログラム可能なコンピュータ(複数可)及び/又は1つ又は複数の好適に構成された特定用途向け集積回路(複数可)/回路/チップ(複数可)/チップセット(複数可)を使用して、様々な異なる方法で提供されることができることが理解されるであろう。制御回路23は、電源23に接続され、動力源22から動力を受け取り、その動力をエアロゾル供給デバイス2の他の構成部材に対して分配又は制御するように構成されることができる。
記載の実施態様において、エアロゾル供給デバイス2は、エアロゾル生成物品4を受け入れるように配置された受容部25をさらに備える。
エアロゾル生成物品4は、キャリア構成要素42と、エアロゾル生成材料44とを備える。エアロゾル生成物品4は、図2A~図2Cにおいてより詳細に示されている。図2Aは、物品4の上から見た図であり、図2Bは、物品4の長手方向(長さ)軸線に沿った端面図であり、図2Cは、物品4の幅軸線に沿った側面図である。
物品4は、この実施態様ではカードの形状を呈するキャリア構成要素42を含む。キャリア構成要素42は、物品4の大部分を形成し、エアロゾル生成材料44が置かれる基台として働く。
キャリア構成要素42は形状が、図2A~図2Cに示されているように、長さl、幅w及び厚さtcを有する概ね立方体状である。具体的な例として、キャリア構成要素42の長さは、30~80mmとすることができ、幅は、7~25mmとすることができ、厚さは、0.2~1mmとすることができる。しかしながら、上記は、キャリア構成要素42の例示的な寸法であり、他の実施態様において、キャリア構成要素42は、必要に応じて種々の異なる寸法を有してもよいことが理解されるべきである。幾つかの実施態様において、キャリア構成要素42は、ユーザが物品4を扱い易くするのを助けるようにキャリア構成要素42の長さ方向及び/又は幅方向に延びる1つ又は複数の突起を含んでもよい。
図1及び図2に示された例において、物品4は、キャリア構成要素42の表面に配置されたエアロゾル生成材料44の複数の個々の部分を備える。より具体的には、物品4は、2×3配列で配置された、44a~44fを付記された、エアロゾル生成材料44の6個の個々の部分を備える。しかしながら、他の実施態様において、より多いか又は少ない数の個々の部分が設けられてもよく、及び/又は、これら部分は、異なる配列(例えば、1×6配列)で配置されてもよいことが理解されるべきである。図示の例において、エアロゾル生成材料44は、キャリア構成要素42の片面に、個々の分離した位置に配置されている。エアロゾル生成材料44の個々の部分は、円形フットプリントを有するものとして示されているが、エアロゾル生成材料44の個々の部分は、必要に応じて、正方形又は矩形等の任意の他のフットプリントをとってもよいことが理解されるべきである。エアロゾル生成材料44の個々の部分は、図2A~図2Cに示されているように直径d及び厚さtaを有する。厚さtaは、任意の好適な値をとることができ、厚さtaは例えば、50μm~1.5mmの範囲内とすることができる。幾つかの実施形態において、厚さtaは、約50μm~約200μm、又は約50μm~約100μm、又は約60μm~約90μm、好適には約77μmである。他の実施形態において、厚さtaは、例えば、約50μm~約400μmまで、又は約1mmまで、又は約1.5mmまで、200μmを超えるものとすることができる。
エアロゾル生成材料44の個々の部分は、該個々の部分のそれぞれが個別に/選択的に励起(例えば加熱)されてエアロゾルを生成することができるように互いとは分離している。幾つかの実施態様において、エアロゾル生成材料44のそれら部分は、20mgを超えない質量を有することができ、そのため、どんなときでも、所与のエアロゾル生成構成要素24によってエアロゾル化される材料の量は、比較的低い。例えば、一部分当たりの質量は、20mg以下、又は10mg以下、又は5mg以下とすることができる。当然のことながら、物品4の総質量は20mgを超えてもよいことが理解されるべきである。
記載の実施態様において、エアロゾル生成材料44は非晶質固体である。一般的に、非晶質固体は、(場合によっては結合剤と呼ばれる)ゲル化剤と、(例えば、グリセロールを含む場合がある)エアロゾル生成剤とを含み得る。任意選択的に、エアロゾル生成材料は、以下、すなわち、活性物質(タバコ抽出物を含み得る)、香味料、酸及び充填剤のうちの1つ又は複数を含んでもよい。必要に応じて他の成分も存在してもよい。好適な活性物質、香味料、酸及び充填剤は、エアロゾル化可能な材料に関連して上述されている。
したがって、エアロゾル生成剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリトリトール、メソ-エリトリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びプロピレンカーボネートのうちの1つ又は複数を含み得る。
幾つかの実施形態において、エアロゾル生成剤は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール及びグリセリン等の1つ又は複数の多価アルコール、グリセロールモノアセテート、グリセロールジアセテート又はグリセロールトリアセテート等の、多価アルコールのエステル、及び/又は、ジメチルドデカンジオエート及びジメチルテトラデカンジオエート等の、モノカルボン酸、ジカルボン酸又はポリカルボン酸の脂肪族エステルを含む。
幾つかの実施形態において、ゲル化剤は、親水コロイドを含む。幾つかの実施形態において、ゲル化剤は、アルギン酸塩、ペクチン、デンプン(及び誘導体)、セルロース(並びに、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びカルボキシメチルセルロース(CMC)のような誘導体)、ガム、シリカ又はシリコーン化合物、クレイ、ポリビニルアルコール及びこれらの組み合わせを含む群から選択される1つ又は複数の化合物を含む。例えば、幾つかの実施形態において、ゲル化剤は、アルギン酸塩、ペクチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、アガロース、アカシアガム、フュームドシリカ、PDMS、ケイ酸ナトリウム、カオリン及びポリビニルアルコールのうちの1つ又は複数を含む。
ゲル化剤は、セルロース系ゲル化剤、非セルロース系ゲル化剤、グアーガム、アカシアガム及びそれらの混合物から選択される1つ又は複数の化合物を含み得る。
幾つかの実施形態において、セルロース系ゲル化剤は、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。
幾つかの実施形態において、ゲル化剤は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、又はアカシアガムのうちの1つ又は複数を含む(或いはそれらのうちの1つ又は複数である)。
幾つかの実施形態において、ゲル化剤は、寒天、キサンタンガム、アラビアゴム、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、カラギーナン、デンプン、アルギン酸塩、及びこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、1つ又は複数の非セルロース系ゲル化剤を含む(或いはそのような1つ又は複数の非セルロース系ゲル化剤である)。好ましい実施形態において、非セルロース系ゲル化剤は、アルギン酸塩又は寒天である。
エアロゾル生成材料は、酸を含んでもよい。酸は、有機酸であってもよい。これらの実施形態の幾つかにおいて、酸は、一塩基酸、二塩基酸及び三塩基酸のうちの少なくとも1つであってもよい。幾つかのそのような実施形態において、酸は、少なくとも1つのカルボキシル官能基を含んでもよい。幾つかのそのような実施形態において、酸は、アルファヒドロキシ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸及びケト酸のうちの少なくとも1つであってもよい。幾つかのそのような実施形態において、酸は、アルファケト酸であってもよい。
幾つかのそのような実施形態において、酸は、コハク酸、乳酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、レブリン酸、酢酸、リンゴ酸、ギ酸、ソルビン酸、安息香酸、プロパン酸及びピルビン酸のうちの少なくとも1つであり得る。
酸は乳酸が好適である。他の実施形態において、酸は安息香酸である。他の実施形態において、酸は無機酸であってもよい。これらの実施形態のうちの幾つかにおいて、酸は鉱酸であってもよい。幾つかのそのような実施形態において、酸は、硫酸、塩酸、ホウ酸及びリン酸のうちの少なくとも1つであってもよい。幾つかの実施形態において、酸はレブリン酸である。
酸の包含は、エアロゾル生成材料がニコチンを含む実施形態において特に好ましい。そのような実施形態において、酸の存在により、エアロゾル生成材料が形成されるスラリー中の溶存種を安定化させることができる。酸の存在により、スラリーの乾燥時にニコチンの蒸発を低減又は実質的に防止することによって、製造時のニコチン損失を減らすことができる。
特定の実施形態において、エアロゾル生成材料は、セルロース系ゲル化剤及び/又は非セルロース系ゲル化剤を含むゲル化剤、活性物質及び酸を含む。
幾つかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)及びカンナビエルソイン(CBE)、カンナビシトラン(CBT)から成る群から選択される1つ又は複数のカンナビノイド化合物を含む。
エアロゾル生成材料は、カンナビジオール(CBD)及びTHC(テトラヒドロカンナビノール)から成る群から選択される1つ又は複数のカンナビノイド化合物を含んでもよい。
エアロゾル生成材料は、カンナビジオール(CBD)を含んでもよい。
エアロゾル生成材料は、ニコチン及びカンナビジオール(CBD)を含んでもよい。
エアロゾル生成材料は、ニコチン、カンナビジオール(CBD)、及びTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含んでもよい。
非晶質固体は、着色料を含んでもよい。着色料の添加により、非晶質固体の視覚的外観を変えることができる。非晶質固体中における着色料の存在により、非晶質固体及びエアロゾル生成材料の視覚的外観を高めることができる。非晶質固体に着色料を添加することによって、非晶質固体は、エアロゾル生成材料の他の成分と、又は、非晶質固体を含む物品の他の成分と色を合わせられることができる。
非晶質固体の所望の色に応じて様々な着色料が用いられることができる。非晶質固体の色は例えば、白、緑、赤、紫、青、茶又は黒であってもよい。他の色も想定される。天然染料又は合成染料等の、天然着色料又は合成着色料、食用着色料及び医薬品用着色料が用いられてもよい。特定の実施形態において、着色料はキャラメル色であり、これは非晶質固体に茶の外観を与えることができる。そのような実施形態において、非晶質固体の色は、非晶質固体を含むエアロゾル生成材料中の他の成分(タバコ材料等)の色と同様であってもよい。幾つかの実施形態において、非晶質固体への着色料の添加により、非晶質固体をエアロゾル生成材料中の他の成分と視覚的に見分けをつかなくさせる。
着色料は、非晶質固体の形成時(例えば、非晶質固体を形成する材料を含むスラリーを形成する際)に組み入れられてもよく、又は、非晶質固体の形成後に(例えば着色料を非晶質固体上に噴霧することによって)非晶質固体に塗布されてもよい。
幾つかの実施形態において、非晶質固体はタバコ抽出物を含む。これらの実施形態において、非晶質固体は、以下の組成(乾燥重量基準、DWBで)、すなわち、約1wt%~約60wt%、又は約10wt%~30wt%、又は約15wt%~約25wt%の量のゲル化剤(好ましくは、アルギン酸塩を含む)、約10wt%~約60wt%、又は約40wt%~55wt%、又は約45wt%~約50wt%の量のタバコ抽出物、約5wt%~約60wt%、又は約20wt%~約40wt%、又は約25wt%~約35wt%の量のエアロゾル生成剤(好ましくはグリセロールを含む)を有してもよい(DWB)。タバコ抽出物は、単一種のタバコ由来であってもよく、又は様々な異種のタバコからの抽出物のブレンド由来であってもよい。そのような非晶質固体は、「タバコ非晶質固体」と呼ばれることがあり、エアロゾル化された際に喫煙のような体験を送達することを意図されることができる。
一実施形態において、非晶質固体は、約20wt%のアルギン酸塩ゲル化剤、約48wt%のバージニアタバコ抽出物及び約32wt%のグリセロールを含む(DWB)。
これらの実施形態の非晶質固体は、任意の好適な含水量を有してもよい。例えば、非晶質固体は、約5wt%~約15wt%、又は約7wt%~約13wt%、又は約10wt%の含水量を有してもよい。
これらの実施形態のいずれにおいても、非晶質固体は、約50μm~約200μm、又は約50μm~約100μm、又は約60μm~約90μm、好適には約77μmの厚さtaを有することが好適である。
幾つかの実施態様において、非晶質固体は、0.5~60wt%のゲル化剤及び5~80wt%のエアロゾル生成剤を含んでもよく、これら重量は乾燥重量基準で計算される。そのような非晶質固体は、香料、酸及び活性物質を全く含んでいなくてもよい。そのような非晶質固体は、「エアロゾル生成剤リッチ」又は「エアロゾル生成剤非晶質固体」と呼ばれることがある。より包括的には、これは、名前が示唆するように、エアロゾル生成材料のうち、エアロゾル化されるとエアロゾル生成剤を送達することを意図されている部分である、エアロゾル生成剤リッチなエアロゾル生成材料の一例である。
これらの実施態様において、非晶質固体は、以下の組成(DWB)、すなわち、約5wt%~約40wt%、又は約10wt%~30wt%、又は約15wt%~約25wt%の量のゲル化剤、約10wt%~約50wt%、又は約20wt%~約40wt%、又は約25wt%~約35wt%の量のエアロゾル生成剤を有してもよい(DWB)。
幾つかの他の実施態様において、非晶質固体は、0.5~60wt%のゲル化剤、5~80wt%のエアロゾル生成剤及び1~60wt%の香料を含んでもよく、これら重量は乾燥重量基準で計算される。そのような非晶質固体は、香料を含んでもよいが、活性物質又は酸を全く含んでいなくてもよい。そのような非晶質固体は、「香味料リッチ」又は「香料非晶質固体」と呼ばれることがある。より包括的には、これは、名前が示唆するように、エアロゾル生成材料のうち、エアロゾル化されると香味料を送達することを意図されている部分である、香味料リッチなエアロゾル生成材料の一例である。
これらの実施態様において、非晶質固体は、以下の組成(DWB)、すなわち、約5wt%~約40wt%、又は約10wt%~30wt%、又は約15wt%~約25wt%の量のゲル化剤、約10wt%~約50wt%、又は約20wt%~約40wt%、又は約25wt%~約35wt%の量のエアロゾル生成剤、約30wt%~約60wt%、又は約40wt%~55wt%、又は約45wt%~約50wt%の量の香料を有してもよい(DWB)。
幾つかの他の実施態様において、非晶質固体は、0.5~60wt%のゲル化剤、5~80wt%のエアロゾル生成剤及び5~60wt%の少なくとも1つの活性物質を含んでもよく、これら重量は乾燥重量基準で計算される。そのような非晶質固体は、活性物質を含んでもよいが、香料又は酸を全く含んでいなくてもよい。そのような非晶質固体は、「活性物質リッチ」又は「活性物質非晶質固体」と呼ばれることがある。例えば、一実施態様において、活性物質は、ニコチンであってもよく、そのようなものとして、ニコチンを含む上述したような非晶質固体は、「ニコチン非晶質固体」と呼ばれることがある。より包括的には、これは、名前が示唆するように、エアロゾル生成材料のうち、エアロゾル化されると活性物質を送達することを意図されている部分である、活性物質リッチなエアロゾル生成材料の一例である。
これらの実施態様において、非晶質固体は、以下の組成(DWB)、すなわち、約5wt%~約40wt%、又は約10wt%~30wt%、又は約15wt%~約25wt%の量のゲル化剤、約10wt%~約50wt%、又は約20wt%~約40wt%、又は約25wt%~約35wt%の量のエアロゾル生成剤、約30wt%~約60wt%、又は約40wt%~55wt%、又は約45wt%~約50wt%の量の活性物質を有してもよい(DWB)。
幾つかの他の実施態様において、非晶質固体は、0.5~60wt%のゲル化剤、5~80wt%のエアロゾル生成剤及び0.1~10wt%の酸を含んでもよく、これら重量は乾燥重量基準で計算される。そのような非晶質固体は、酸を含んでもよいが、活性物質及び香味料を全く含んでいなくてもよい。そのような非晶質固体は、「酸リッチ」又は「酸非晶質固体」と呼ばれることがある。より包括的には、これは、名前が示唆するように、エアロゾル生成材料のうち、エアロゾル化されると酸を送達することを意図されている部分である、酸リッチなエアロゾル生成材料の一例である。
これらの実施態様において、非晶質固体は、以下の組成(DWB)、すなわち、約5wt%~約40wt%、又は約10wt%~30wt%、又は約15wt%~約25wt%の量のゲル化剤、約10wt%~約50wt%、又は約20wt%~約40wt%、又は約25wt%~約35wt%の量のエアロゾル生成剤、約0.1wt%~約8wt%、又は約0.5wt%~7wt%、又は約1wt%~約5wt%、又は約1wt%~約3wt%の量の酸を有してもよい(DWB)。
図1に戻って参照すると、受容部25は、物品4を取り外し可能に受け入れるように好適にサイズ決めされている。図示されていないが、デバイス2は、ユーザが物品4を受容部25に対して挿入及び/又は取り外しすることができるように受容部25へのアクセスを可能にするために、外側ハウジング21のヒンジ付き扉又は取り外し可能な部品を備えてもよい。外側ハウジング21のヒンジ付き扉又は取り外し可能な部品はまた、閉じられると物品4を受容部25内に保持するように働いてもよい。エアロゾル生成物品4が使い果たされるか、又は、ユーザが単に別のエアロゾル生成物品4に替えることを望む場合、エアロゾル生成物品4は、エアロゾル供給デバイス2から取り外されることができ、交換エアロゾル生成物品4が、受容部25内においてその適所に配置されることができる。代替的に、デバイス2は、受容部25と連通する永久的な開口部を含んでもよく、この開口部を通って、物品4が受容部25に挿入されることができる。そのような実施態様において、物品4をデバイス2の受容部25内に保持する保持機構が設けられてもよい。
図1に見られるように、デバイス2は、複数のエアロゾル生成構成要素24を備える。記載の実施態様において、エアロゾル生成構成要素24は、加熱要素24、より具体的には抵抗加熱要素24である。抵抗加熱要素24は、電流を受け、電気エネルギーを熱に変換する。抵抗加熱要素24は、電流を受けると熱を発生する、ニクロム(Ni20Cr80)等の任意の好適な抵抗加熱材料から形成されてもよいか、又はそのような抵抗加熱材料を含んでもよい。一実施態様において、加熱要素24は、抵抗トラックが配置される電気絶縁基体を含んでもよい。
図3は、加熱要素24の配置をより詳細に示す、エアロゾル供給デバイス2の上から見た断面図である。図1及び図3において、加熱要素24は、該加熱要素24の表面が受容部25の表面の一部を形成するように配置されている。すなわち、加熱要素24の外表面が受容部の内表面と同一平面である。より具体的には、受容部25の内表面と同一平面である、加熱要素24の外表面は、加熱要素24の、電流が加熱要素24を通ると加熱される(すなわち、その温度が上昇する)表面である。
本例では、加熱要素24は、導電性プレートから形成され、この導電性プレートは、加熱要素の、温度が上昇するように配置される表面を画定する。導電性プレートは、金属材料、例えばニクロムから形成されてもよく、これは、電流が導電性プレートを通ると熱を発生させる。他の実施態様において、別個の導電性トラックが第2の材料(例えば、金属材料又はセラミック材料)の表面の上又は中を通っていてもよく、この導電性トラックが第2の材料に伝達される熱を発生させる。つまり、導電性トラックと組み合わさった第2の材料が、加熱要素24を形成する。後者の例では、加熱要素の、温度が上昇するように配置される表面は、第2の材料の周囲によって画定される。
記載の実施態様において、加熱要素24の、温度が上昇するように配置される表面はまた、平らであり、受容部25の壁に対して平行な平面内に概ね位置する。しかしながら、他の実施態様において、それら表面は湾曲していてもよい、つまり、加熱要素24の表面が位置する平面が、1つの軸線における曲率半径を有してもよい(例えば、表面は略放物線状であってもよい)。加熱要素24は、物品4が受容部25内に受け入れられると各加熱要素24がエアロゾル生成材料44の対応する個々の部分と位置合わせするように配置される。したがって、この例では、6個の加熱要素24が、図2A~図2Cに示されたエアロゾル生成材料44の6個の個々の部分の2×3配列の配置に概ね対応する2×3配列で配置されている。しかしながら、上述したように、加熱要素24の数は、種々の異なる実施態様において異なっていてもよく、例えば、8個、10個、12個、14個等の加熱要素24があってもよい。幾つかの実施態様において、加熱要素24の数は、6個以上であるが20個を超えない。
より具体的には、加熱要素24は、図3において24a~24fを付記されており、各加熱要素24は、参照符号24/44に続く対応する文字によって示されているように、エアロゾル生成材料44の対応する部分と位置合わせするように配置されることが理解されるべきである。したがって、加熱要素24のそれぞれは、エアロゾル生成材料44の対応する部分を加熱するように個別に起動されることができる。
加熱要素24は受容部25の内表面と同一平面で示されているが、他の実施態様において、加熱要素24は、受容部25内に突き出ていてもよい。どちらにしても、物品4は、受容部25内にある場合、加熱要素24の表面と接触し、そのため、加熱要素24によって発生した熱がキャリア構成要素42を介してエアロゾル生成材料44に導かれる。
幾つかの実施態様において、伝熱効率を向上させるために、受容部は、キャリア構成要素42をヒータ要素24に押し当てることによってエアロゾル生成材料44への伝導による伝熱の効率を高めるようにキャリア構成要素42の表面に力を印加する構成部材を備えてもよい。付加的又は代替的に、ヒータ要素24が、物品4に対して接近/離隔方向に移動するように構成されてもよく、キャリア構成要素42の、エアロゾル生成材料44を含まない表面に押し付けられてもよい。
使用時、デバイス2(より具体的には制御回路23)は、ユーザ入力に応答して加熱要素24に動力を送達するように構成されている。大まかに言えば、制御回路23が、加熱要素24に選択的に動力を印加して、その後、エアロゾル生成材料44の対応する部分を加熱してエアロゾルを生成するように構成されている。ユーザがデバイス2で吸入する(すなわち、マウスピース端部26において吸入する)と、空気が、空気入口27を通ってデバイス2に引き込まれて受容部25に入り、この受容部において、エアロゾル生成材料44を加熱することによって生成されたエアロゾルと混合し、次いで、空気出口28を介してユーザの口に引き出される。すなわち、エアロゾルは、マウスピース端部26及び空気出口28を介してユーザに送達される。
図1のデバイス2は、タッチセンシティブパネル29と、吸入センサ30とを備える。ひとまとめに、タッチセンシティブパネル29及び吸入センサ30は、エアロゾルの生成を生じさせるためのユーザ入力を受ける機構として働き、したがって、より大まかには、ユーザ入力機構と呼ばれることがある。受けたユーザ入力は、エアロゾルの生成をユーザが望んでいることを示すものとされることができる。
タッチセンシティブパネル29は、静電容量式タッチセンサであってもよく、デバイス2のユーザが自身の指又は別の好適な導電性物体(例えばスタイラス)をタッチセンシティブパネルに当てることによって作動されることができる。記載の実施態様において、タッチセンシティブパネルは、エアロゾル生成を開始するためにユーザが押圧することができる領域を含む。制御回路23は、タッチセンシティブパネル29からシグナリングを受信するとともに、このシグナリングを用いて、ユーザがタッチセンシティブパネル29の領域を押圧している(すなわち起動させている)かどうかを判定するように構成されることができる。制御回路23がこのシグナリングを受信すると、制御回路23は、動力源22から加熱要素24のうちの1つ又は複数に動力供給するように構成されている。動力は、タッチが検出された瞬間から、又はタッチが検出された時間長に応答して、予め定められた時間期間(例えば、3秒)の間、供給されることができる。他の実施態様において、タッチセンシティブパネル29の代わりにユーザ作動可能ボタン等を用いてもよい。
吸入センサ30は、ユーザがデバイス2で吸入することによって生じる圧力降下又は空気の流れを検出するように構成された、圧力センサ又はマイクロフォン等であってもよい。吸入センサ30は、空気流路と流体連通して(すなわち、入口27と出口28との間の空気流路と流体連通して)配置される。上述と同様にして、制御回路23は、吸入センサからシグナリングを受信するとともに、このシグナリングを用いて、ユーザがエアロゾル供給システム1で吸入しているかどうかを判定するように構成されてもよい。制御回路23がこのシグナリングを受信すると、制御回路23は、動力源22から加熱要素24のうちの1つ又は複数に動力供給するように構成されている。動力は、吸入が検出された瞬間から、又は吸入が検出された時間長に応答して、予め定められた時間期間(例えば、3秒)の間、供給されることができる。
記載の例では、タッチセンシティブパネル29及び吸入センサ30は双方とも、吸入のためにエアロゾルの生成開始をユーザが望んでいることを検出する。制御回路23は、タッチセンシティブパネル29及び吸入センサ30の双方からシグナリングが検出された場合にのみ、加熱要素24に動力供給するように構成されてもよい。このことは、ユーザ入力機構のうちの1つの予期しない起動から加熱要素24の不慮の起動を防ぐのに役立ち得る。しかしながら、他の実施態様において、エアロゾル供給システム1は、タッチセンシティブパネル29及び吸入センサ30のうちの一方のみを有してもよい。
エアロゾル供給システム1の動作のこれらの態様(すなわち、パフ検出及びタッチ検出)はそれ自体、確立された技法に従って(例えば、従来の吸入センサ及び吸入センサ信号処理技法を用いて、また、従来のタッチセンサ及びタッチセンサ信号処理技法を用いて)行われることができる。
記載の実施態様において、タッチセンシティブパネル29及び吸入センサ30のうちのいずれか一方又は双方からシグナリングを検出することに応答して、制御回路23は、個別の加熱要素24のそれぞれに順次に動力供給するように構成されている。
より具体的には、制御回路23は、タッチセンシティブパネル29及び吸入センサ30のうちのいずれか一方又は双方から受信したシグナリングの一連の検出に応答して、個別の加熱要素23のそれぞれに順次に動力供給するように構成されている。例えば、制御回路23は、(例えば、デバイス2が最初にオンにされたときから)シグナリングが最初に検出されると、複数の加熱要素24のうちの第1の加熱要素24(例えば加熱要素24a)に動力供給するように構成されてもよい。シグナリングが停止すると、又は、シグナリングが検出されてから予め定められた時間が経過したことに応答して、制御回路23は、第1の加熱要素24aが起動されたこと(したがって、エアロゾル生成材料の対応する部分44aが加熱されたこと)を示す。制御回路23は、タッチセンシティブパネル29及び吸入センサ30のうちのいずれか一方又は双方から後続のシグナリングを受信したことに応答して、第2の加熱要素24、例えば加熱要素24bが起動されるべきであると判定する。したがって、タッチセンシティブパネル29及び吸入センサ30のうちのいずれか一方又は双方からのシグナリングが制御回路23によって受信されると、制御回路23は、第2の加熱要素24bを起動させてエアロゾル生成材料の部分44bの加熱を生じさせる。このプロセスは、全ての加熱要素24が順次に起動されるように、残りの加熱要素24について繰り返される。
実質的に、この動作は、各吸入について、エアロゾル生成材料44の個々の部分のうちの異なる部分が加熱され、そこからエアロゾルが生成されることを意味する。換言すると、エアロゾル生成材料の個々の部分が1つだけ、ユーザ吸入によって加熱される。
そのような順次起動は、「順次起動モード」と呼ばれてもよく、これは主として、吸入ごとの一貫したエアロゾル(例えば、生成された総エアロゾル又は送達された総成分で測定されることができる)を送達することを意図されている。したがって、このモードは、エアロゾル生成物品4のエアロゾル生成材料44の各部分が略同一である場合、つまり、部分44a~44fが同じ材料から形成されているとともに略同じ特性を有している場合、最も効果的であり得る。
幾つかの他の実施態様において、タッチセンシティブパネル29及び吸入センサ30のうちのいずれか一方又は双方からのシグナリングを検出したことに応答して、制御回路23は、加熱要素24のうちの1つ又は複数に同時に動力供給するように構成されている。
そのような実施態様において、制御回路23は、予め定められた構成に応じて、加熱要素24のうちの選択された加熱要素に動力供給するように構成されてもよい。予め定められた構成は、ユーザによって選択又は決定された構成であってもよい。例えば、タッチセンシティブパネル29は、タッチセンシティブパネル29及び吸入センサ30のうちのいずれか一方又は双方からのシグナリングが制御回路23によって受信されると、加熱要素24のうちのどれを起動させるべきかをユーザが個別に選択することを可能にする領域を含んでもよい。幾つかの実施態様において、ユーザはまた、シグナリングを受信したことに応答して各加熱要素24について該加熱要素24に供給されるべき動力レベルを設定することができてもよい。
図4は、そのような実施態様に従ったタッチセンシティブパネル29の上から見た図である。図4は、前述したような外側ハウジング21及びタッチセンシティブパネル29を概略的に示す。タッチセンシティブパネル29は、6個の加熱要素24のそれぞれに対応する6個の領域29a~29fと、前述したようなエアロゾルの吸入開始又は生成開始をユーザが望んでいることを示すための領域に対応する領域29gとを含む。6個の領域29a~29fはそれぞれ、ユーザがタッチして6個の対応する加熱要素24のそれぞれに対する動力送達を制御することができるタッチセンシティブ領域に対応する。記載の実施態様において、各加熱要素24は、複数の状態、例えば、動力が加熱要素24に全く供給されないオフ状態と、第1のレベルの動力が加熱要素24に供給される低動力状態と、第2のレベルの動力が加熱要素24に供給される高動力状態であって、第2のレベルの動力が第1のレベルの動力よりも高い、高動力状態とを有することができる。しかしながら、他の実施態様において、より少ないか又はより多い状態が加熱要素24に利用可能であってもよい。例えば、各加熱要素24は、動力が加熱要素24に全く供給されないオフ状態と、動力が加熱要素24に供給されるオン状態とを有してもよい。
したがって、ユーザは、エアロゾルの生成に先立ち、タッチセンシティブパネル29と対話することによって、どの加熱要素24(その後、エアロゾル生成材料44のどの部分)が加熱されるべきか(任意選択的に、どの程度までそれらが加熱されるべきか)を設定することができる。例えば、ユーザは、領域29a~29fを繰り返しタップして種々の異なる状態(例えば、オフ、低動力、高動力、オフ等)を繰り返すことができる。代替的に、ユーザは、領域29a~29fを押圧又は把持して種々の異なる状態を繰り返してもよく、その場合、押圧の持続時間が状態を決定する。
タッチセンシティブパネル29には、加熱要素24が現在どの状態にあるかを示すために各領域29a~29fのそれぞれについて1つ又は複数のインジケータが設けられてもよい。例えば、タッチセンシティブパネルは、1つ又は複数のLED又は同様の照明要素を備えてもよく、LEDの強度が加熱要素24の現在の状態を示す。代替的に、カラーLED又は同様の照明要素が設けられてもよく、色が現在の状態を示す。代替的に、タッチセンシティブパネル29は、加熱要素24の現在の状態を表示するディスプレイ要素(例えば、透明なタッチセンシティブパネル29の下にあってもよいか、又はタッチセンシティブパネル29の領域29a~29fに隣り合って設けられてもよい)を備えてもよい。
ユーザが、タッチセンシティブパネル29(より詳細にはタッチセンシティブパネル29の領域29g)及び吸入センサ30のうちのいずれか一方又は双方からのシグナリングを検出したことに応答して、加熱要素24について構成を設定した場合、制御回路23は、予め設定された構成に従って、選択された加熱要素24に動力供給するように構成されている。
したがって、そのような同時の加熱要素24の起動は、「同時起動モード」と呼ばれてもよく、これは主として、ユーザがセッションごと又はパフごとでさえも自身の体験をカスタマイズすることを可能にするねらいで、所与の物品4からカスタマイズ可能なエアロゾルを送達することを意図されている。したがって、このモードは、エアロゾル生成物品4のエアロゾル生成材料44の複数の部分が互いと異なる場合に最も効果的であり得る。例えば、部分44a及び44bが、1つの材料から形成され、部分44c及び44dが、異なる材料から形成される等である。したがって、この動作モードを用いて、ユーザは、任意の所与の瞬間に、どの部分をエアロゾル化するか、したがって、エアロゾルのどの組み合わせが供給されるべきかを選択することができる。
本開示の一態様に従って、本発明者らは、好都合なエアロゾル供給システム1は、ユーザ吸入に対応する連続した持続時間の間、対応する加熱要素24によって固体エアロゾル生成材料44の比較的少ない部分が加熱されるようにエアロゾル供給システムが配置される場合に達成されることを見い出している。
より具体的には、エアロゾル供給システム1は、固体エアロゾル生成材料44の1つ又は複数の部分を備え、固体エアロゾル生成材料44の各部分は、20mgを超えない質量を有し、約5wt%~80wt%の量のエアロゾル生成剤及び約1wt%~60wt%の量のゲル化剤を含み(これら重量は乾燥重量基準で計算される)、また、15mg未満の水を含む。さらに、エアロゾル供給システム1は、1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素(例えば、加熱要素)24と、1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素24に動力供給するように構成された制御回路23とを備える。制御回路23は、350℃を超えない動作温度で、10秒を超えない連続した持続時間の間、1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素24を用いてエアロゾル生成材料の1つ又は複数の部分のうちの少なくとも1つの加熱を生じさせるように構成されている。
したがって、固体エアロゾル生成材料44(キャリア構成要素42の上又は中に配置されてもよい)を備えるエアロゾル供給システム1は、(例えば、従来のeシガレットのように)液体エアロゾル生成材料とより一般的に関連付けられる漏れの問題を低減するのに役立つか又はなくしさえするのに役立つことができる。固体エアロゾル生成材料を用いることにより、物品4がデバイス2内に取り付けられた場合に物品4及び/又はデバイス2からエアロゾル生成材料が漏れる可能性が減る。しかしながら、固体エアロゾル生成材料の使用は、エアロゾル生成材料(固体又は液体)を加熱することによって生成されたエアロゾルがデバイス2の内表面で濃縮し、その後、デバイス2から流れ出る場合に形成される濃縮エアロゾルの「漏れ」に著しく影響を与えないであろうことが理解されるべきである。
特に、本開示に従った固体エアロゾル生成材料は、約5wt%~80wt%の量の(グリセロール等の)エアロゾル生成剤及び約1wt%~60wt%の量の(アルギン酸塩等の)ゲル化剤を含む。
エアロゾル生成剤は、多くの理由から設けられる。エアロゾル生成剤は、設けられるエアロゾル生成剤の量が多いほど、生成される可視蒸気の体積が多くなるよう、可視エアロゾルが生成されることを可能にするように設けられる。さらに、エアロゾル生成剤は、特定のユーザ体験を提供するのに役立つことができる。例えば、比較的多量のエアロゾル生成剤がエアロゾル化される場合、エアロゾルは、吸入されると、より濃く/より味わい深くなる感じとなる。さらに、エアロゾル生成剤はまた、エアロゾル生成材料中にもたらされることができる他の成分、例えば、ニコチン及び/又は香味料のための輸送機構として働く。本発明者らは、約5wt%~80wt%の量のエアロゾル生成剤を設けることが特に好適であることが分かっていることを見い出しているが、特定の実施態様において、エアロゾル生成剤が果たすことができる機能のうちの特定の機能が他の機能に対して優先され得ることが理解されるべきである。ゲル化剤は、エアロゾル生成材料のためのしっかりとした土台又は構造をもたらすために設けられ、これは、エアロゾル生成材料中に(グリセロール等の)他の成分を保持するのを助けるのに用いられることができる。約1wt%~60wt%の量が特に好適であることが見い出されている。エアロゾル生成材料は、必要に応じて、また、上記で詳述したように、他の成分を含んでもよい。
再生タバコ等の固体(又は略固体)エアロゾル生成材料を加熱する幾つかの従来のデバイスが知られている。しかしながら、これらデバイスは、長期の時間期間(例えば、およそ数分)の間、連続的に、実質的な量のエアロゾル生成材料(例えば、およそ300~500mg)を加熱する傾向がある。(携帯式ハンドヘルドデバイスに挿入されるのに好適な加熱要素におけるのと同様に)比較的小さい加熱要素を用いて、より大きな質量を加熱することは、加熱要素が、使用持続時間全体の間、オンにされている(したがって、動力を使用している)ことを意味する。場合によっては、これは、使用セッションと呼ばれることがあり、通常、シガレットを吸うのに必要とされる吸入数と同様である複数回のユーザ吸入(例えば、8~12回の間)を含む。
しかしながら、所与の加熱要素24によって加熱されるべきエアロゾル生成材料44の固体部分の質量を20mg以下に減らすことによって、エアロゾルを送達するためにセッション中に用いられる総エネルギーが低減されることができる。
本開示の原理に従って、固体エアロゾル生成材料の、加熱されるべき各部分は、20mg未満、15mg未満、10mg未満、5mg未満及び4mg未満を含む群から選択される質量を有し得る。大まかに言えば、エアロゾル生成材料の1つの部分当たりの総質量が少ないほど、エアロゾルが生成されることができる目標温度までエアロゾル生成材料の(平均)温度を上昇させるのに必要とされるエネルギーが少ない。
さらに、上記で記載したように、エアロゾル供給デバイス2は、エアロゾルの吸入をユーザが望んでいることに応答して固体エアロゾル生成材料の個々の部分を加熱するように構成されることができる。上述したように、幾つかの実施態様において、制御回路23は、吸入ごとに固体エアロゾル生成材料の1つの部分を加熱するように構成されている。
本開示に従って、制御回路23は、エアロゾルを生成するために、10秒を超えない連続した持続時間の間、20mgを超えない質量を有する、エアロゾル生成材料の所与の部分の加熱を生じさせるように構成されている。一方で、これは、エアロゾル生成材料のその部分が20mgを超えない質量を有するということによって可能となる。述べたように、エアロゾル生成材料の1つの部分を所与の温度まで上昇させてエアロゾルを生成するのに必要とされる総エネルギーは、エアロゾル生成材料のその部分の質量に応じて決まる。エアロゾル生成材料のその部分の質量が20mgを超えない場合、十分なエアロゾル(すなわち、ユーザ吸入に好適な十分な量のエアロゾル)を生成するために、10秒以下の期間の間、十分なエネルギーが、バッテリ等の動力源22から供給されることができることが見い出されている。他方で、システム1のエネルギー効率は、単に、典型的なユーザ吸入に長さ及び時間が概ね対応する期間の間、エアロゾルを生成するのに十分な温度までエアロゾル生成材料44の加熱を生じさせることによって、改善されることができる。典型的なユーザ吸入は、およそ3~5秒であり得るが、これは、エアロゾル供給システム1の構造(及び関連する空気流)及び/又は個別のユーザ(例えば自身の肺気量等)に応じて様々であってもよいことが理解されるべきである。つまり、固体エアロゾル生成材料の温度は、エアロゾル生成材料の質量が20mgを超えない場合、10秒を超えない期間内で、エアロゾルが生成されないより低い温度から、エアロゾル生成材料から十分な量のエアロゾルを生成するのに十分な温度まで上昇されることができることが見い出されている。特定の実施態様において、これは、典型的なバッテリ容量及び出力が現用の電子タバコデバイスと同様である、携帯式ハンドヘルドエアロゾル供給システムの場合である。したがって、制御回路23は、ユーザが吸入している間の期間、すなわち、10秒未満連続した期間の間だけ、固体エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するのに十分な加熱を行うように構成されることができる。
上述したように、幾つかの実施態様において、加熱要素24は、吸入をユーザが望んでいることを示すシグナリングがタッチセンシティブパネル29及び吸入センサ30のうちのいずれか一方又は双方から受信された瞬間から予め定められた時間長の間、起動されてもよい。つまり、制御回路23は、予め定められた時間期間が経過した後、エアロゾル生成材料の部分のエアロゾル化を生じさせるのに十分な動力の供給を停止するように構成されてもよい。予め定められた時間期間は、10秒を超えない持続時間である。他の実施態様において、予め定められた時間期間は、1~9秒の間、1.5~7秒の間、又は2~5秒の間であり得る。
代替的に及び/又は付加的に、制御回路23は、エアロゾルの吸入をユーザが望んでいることを示すシグナリングが停止すると(例えば、ユーザが吸入をやめたか又はタッチセンシティブ要素29の押圧を停止したために、吸入センサ30又はタッチセンシティブ要素29からのシグナリングが停止されると)、エアロゾル生成材料の部分のエアロゾル化を生じさせるのに十分な動力の供給を停止することができる。これらの実施態様において、原則的に、エアロゾル生成材料の1つの部分のエアロゾル化を生じさせるのに十分な動力は、10秒よりも長い連続した持続時間の間、供給されることができるが、制御回路23は、10秒を超えない予め定められた時間が経過した後、エアロゾル生成材料のその部分のエアロゾル化を生じさせるのに十分な動力の供給を停止するように構成されている。これは、エアロゾル生成材料の燃焼/焦げ/過熱を防止するために実施されることができる。したがって、上記と大体同じように、予め定められた時間期間は、10秒を超えない持続時間であり、他の実施態様において、予め定められた時間期間は、1~9秒の間、1.5~7秒の間、又は2~5秒の間であり得る。
幾つかの実施態様において、エアロゾル供給システム1は、10秒を超えない総累積時間の間、エアロゾル生成材料の所与の部分を加熱してエアロゾルを生成するように構成されてもよいことが理解されるべきである。しかしながら、本開示の原理に従って、制御回路23が、エアロゾルを生成するためにエアロゾル生成材料の1つの部分の加熱を生じさせるたび、制御回路23は、10秒を超えない連続した期間、そのように加熱を生じさせる。換言すると、制御回路23が、或る時間期間の間、エアロゾルを生成するためにエアロゾル生成材料の1つの部分の加熱を生じさせるたび、この時間期間に、制御回路23の、エアロゾルを生成するためにエアロゾル生成材料の1つの部分の加熱を生じさせない期間がすぐに続く。したがって、幾つかの実施態様において、エアロゾル生成材料の同じ部分が、例えば8回の吸入のために加熱されてもよい。各吸入が3秒である場合、エアロゾル生成材料のその部分は、8回の別個の場合ごとに3秒間加熱されて、24秒の累積持続時間の間、エアロゾルを生成することができる。
幾つかの例において、パルス幅変調(PWM)を用いて加熱要素(複数可)24に動力が供給されてもよく、このパルス幅変調は、動力がパルスで供給されるプロセスであり、パルスとパルスとの間の時間が、単位時間当たりに供給される平均動力を決定することが理解されるべきである。制御回路23が、エアロゾルを生成するためにエアロゾル生成材料の1つの部分の加熱を生じさせる場合、そのような加熱を生じさせる動力レベルは、供給される平均動力が、加熱要素の温度をエアロゾルが生成されることができる動作温度まで上昇させるのに十分であれば、連続的又は断続的に(すなわち、パルスで)供給されてもよい。
したがって、典型的な吸入の持続時間に概ね対応する時間期間の間だけ、20mgを超えない質量を有する、エアロゾル生成材料の固体部分のエアロゾル化を生じさせるのに十分な動力供給することによって、システムのエネルギー使用が、長期時間の間、より多い質量の固体エアロゾル生成材料を加熱するエアロゾル供給デバイスに比して低減されることができる。加熱要素24を低/周囲温度から動作温度まで上昇させるのに必要とされるエネルギー/動力が、加熱要素を動作温度に維持するのに必要とされる動力に比して大きい場合であっても、エネルギー/動力は、吸入していない期間の間、供給されない。したがって、3分の期間にわたって、それぞれ3秒の10回の吸入のセッションを仮定すると、本開示のエアロゾル供給システムによれば、エアロゾル化を生じさせるのに十分な動力が、セッション長さのおよそ六分の一の間、供給される。
さらに、上記に従ってエアロゾル供給システム1を提供することにより、ユーザがエアロゾル供給システムを使用してエアロゾル生成材料44/物品4を「口にする」ことが可能となる。つまり、ユーザは、特定の時間期間内にエアロゾル供給システム1を使用するのとは対照的に、所望に応じて、また、所望した場合に、該システム1を使用することができる。特に、ユーザは、システム1を使用してエアロゾルを吸入し、例えば10分待ってから、システム1を使用して再びエアロゾルを吸入することができる。そのような動作モードは、上述したようなより多くの質量のエアロゾル生成材料を加熱する場合ほどエネルギー効率的ではなく、場合によっては、この動作の結果、吸入ごとにユーザに送達される送達可能な成分の量に関して時間の経過とともに性能が下がることがある。
さらに、上述したように、固体エアロゾル生成材料の各部分は、15mg未満の総含水量を有する。幾つかの実施態様において、固体エアロゾル生成材料の各部分は、25wt%未満、20wt%未満、15wt%未満、10wt%未満及び7wt%未満を含む群から選択される含水量を有し、重量は全て乾燥重量基準で計算される。幾つかの実施態様において、略同時に加熱されるべき、エアロゾル生成材料の複数の部分についての、総含水量は、15mg未満である。本発明者らは、エアロゾル生成材料の含水量が高すぎる場合、使用時のその性能が損なわれることを立証している。水の高熱容量は、含水量が高すぎる場合、エアロゾルを生成するのにより多くのエネルギーが必要とされ、動作効率が下がることを意味する。さらに、含水量が高すぎる場合、高温で湿ったパフ(当該技術分野において「ホットパフ」として知られている感覚)の発生に起因して、消費者にとってパフプロファイルがあまり満足のいかないものとなる可能性がある。特に、本発明者らは、所与の吸入について15mgよりも多いエアロゾル化は、ユーザによって感知可能なものとしてホットパフを生じさせることを見い出している。したがって、含水量の量を15mg未満に制限することにより、ホットパフの発生を減少及び/又は排除する。
記載の実施態様において、制御回路23は、タッチセンシティブパネル29及び吸入センサ30のうちのいずれか一方又は双方から受信したシグナリングに応答してのみ、加熱要素24に動力供給するように構成されている。すなわち、シグナリングがないとき、及び/又は、予め定められた時間期間が経過した場合、動力は加熱要素24に全く供給されない。動力が供給される場合、供給される動力は、エアロゾル生成材料のエアロゾル化を生じさせるのに十分である。特に、供給される動力は、加熱要素24を、エアロゾル生成材料の少なくとも一部のエアロゾル化を生じさせるのに十分であるエアロゾル生成温度に到達せしめることができる。
エアロゾル生成温度の実際の値は、加熱されているエアロゾル生成材料のタイプに応じて決まってもよい。さらに、エアロゾル生成温度は、エアロゾル生成材料が感知可能な(特にユーザ知覚可能な)エアロゾルを生成することができる或る範囲の温度であってもよい。目標温度(動作温度と呼ばれることもある)は、制御回路23が、エアロゾルを生成するために加熱要素を到達せしめる温度である。したがって、動作温度は、或る範囲のエアロゾル生成温度から選択される1つ又は複数の固定値であってもよい。多くの実施態様において、動作温度は、150℃~350℃の間、180℃~320℃の間、及び220℃~300℃の間を含む群から選択される。しかしながら、本開示の原理に従って、制御回路は、動作温度が350℃を超えないように構成されている。多くの好適なエアロゾル生成材料について、350℃超えに加熱すると、エアロゾル生成材料を焦がす可能性及び/又は燃焼させる可能性が著しく増し、このことは、不快又は異味がエアロゾルに生じることにつながる可能性があり、及び/又は、他の望ましくない成分が放出されることにつながりかねない。
幾つかの実施態様において、エアロゾル生成材料は非晶質固体である。非晶質固体の例は、上述されているが、これらのいずれか又は組み合わせが本開示に従って使用されてもよい。非晶質固体エアロゾル化可能な材料は、幾つかの電子エアロゾル供給デバイスに共通に見られる他のタイプのエアロゾル化可能な材料に勝る幾つかの利点を提供する。例えば、固体エアロゾル化可能な材料、例えばタバコをエアロゾル化する電子エアロゾル供給デバイスと比べて、等量のエアロゾルを生成するのに(又はエアロゾル中に等量の成分、例えばニコチンを供給するのに)比較的低い質量の非晶質固体材料がエアロゾル化されることができる。このことは或る程度、非晶質固体が、他の固体エアロゾル化可能な材料中に見られ得る不適切な成分(例えば、例えばタバコ中のセルロース系材料)を含まないように適合されることができるということによる。すなわち、非晶質固体は、タバコ等の幾つかの他のエアロゾル生成材料に比してエアロゾル中に放出されることが望まれる比較的濃縮された量の材料/成分を提供するという利点をもたらす。これにより、タバコ等の他の固体材料に比して、非晶質固体の比較的少ない部分が使用される(その後、加熱される)ことが可能となる。したがって、一般的に言えば、より少ない質量を所与の温度まで上昇させるのにより少ないエネルギーが必要とされるため、実質的に同様の量のエアロゾル及び/又は成分をもたらしつつ、システムのエネルギー効率全体が高められることができる。
幾つかの実施態様において、制御回路23は、エアロゾルの吸入をユーザが望んでいることを示すシグナリングを受信すること以外に、1つ又は複数の加熱要素に動力供給するように構成されることができる。例えば、制御回路23は、個々の吸入と吸入との間で動力供給してもよい。これらのシナリオにおいて、動力のレベルは、感知可能な(特にユーザ知覚可能な)エアロゾルを生成するのに必要とされるレベルよりも低い。例えば、供給される動力のレベルは、温度であって、該温度よりも下でエアロゾル生成材料がエアロゾルを生成する温度まで、加熱要素の温度を上昇させるのに十分とすることができる。この温度は、予熱温度と呼ばれることがある。上記の動作温度の場合のように、予熱温度は、エアロゾル生成温度よりも下の温度範囲から選択される1つ又は複数の固定値であってもよい。予熱温度又は予熱温度範囲はまた、エアロゾル化されるべき材料に応じて様々であり、エアロゾル生成温度よりも下となるように選択されてもよい。例えば、予熱温度は150℃以下であってもよい。したがって、制御回路23は、タッチセンシティブパネル29及び吸入センサ30のうちのいずれか一方又は双方から、エアロゾルの吸引をユーザが望んでいることを示すシグナリングを受信する前に、予熱温度でエアロゾル生成材料の1つの部分の予熱を生じさせるように構成されてもよい。シグナリングが受信されると、制御回路23は、10秒よりも長くない持続時間の間、加熱要素23を動作温度まで上昇せしめる。10秒よりも長くない持続期間が経過した後、制御回路23は、加熱要素の温度を予熱温度に到達せしめるのに十分な動力供給することを停止してもよく又は供給してもよい。順次動作モードが用いられる例では、制御回路23は、予熱を行うことによってエアロゾル生成材料の複数の部分のそれぞれを順次に加熱し、その後、動作温度で加熱してもよい。これらのプロセスは、エアロゾル生成材料の順次の複数の部分についてずらされてもよく、例えば、エアロゾル生成材料の1つの部分についてシーケンスで次に予熱することは、シーケンスで現在のエアロゾル生成材料が動作温度で加熱されている間に、及び/又は、その後で行われてもよい。
エアロゾルの吸入をユーザが望んでいることを示すシグナリングを受信した場合、予熱プロセスを用いることにより、エアロゾル生成材料をエアロゾル化するのに必要とされる低減したエネルギー消費と、エアロゾルを生成する速度とのバランスをもたらすことができる。例えば、エアロゾル生成材料が動作温度に達するペースが、(例えば、エアロゾル生成材料の厚さ又は該材料の組成に起因して)比較的遅い場合、予熱は、エアロゾル生成材料が、動作温度まで加熱される前に上昇温度にあるため、動作温度に達するのに必要とされる時間を短縮することができる。この構成は、全体の使用セッションについて動作温度で加熱するよりもエネルギー効率的であるものとさらに考えられる。
10秒を超えない期間の間、十分な量の材料のエアロゾル化を生じさせるのに十分な温度にエアロゾル生成材料が達するペースは、部分の質量に応じて決まることを上述してきたが、他のパラメータもまた、十分な量の材料のエアロゾル化を生じさせるのに十分な温度にエアロゾル生成材料が達するペースに影響を与え得ることが理解されるべきである。例えば、エアロゾル生成材料の厚さtaは、50μm~1.5mmの範囲内であってもよい。幾つかの実施形態において、厚さtaは、約50μm~約200μm、又は約50μm~約100μm、又は約60μm~約90μm、好適には約77μmである。他の実施形態において、厚さtaは、200μmを超えてもよく、例えば、約50μm~約400μm、又は~約1mm、又は~約1.5mmであってもよい。さらに、エアロゾル生成材料の1つの部分の面積範囲もまた、十分な量の材料のエアロゾル化を生じさせるのに十分な温度にエアロゾル生成材料が達するペースに影響を与え得る。エアロゾル生成材料の部分の面積範囲は、130mm2を超えないものとすることができる。幾つかの実施態様において、エアロゾル生成材料の部分の面積範囲は、30mm2~130mm2の間である。他の実施態様において、エアロゾル生成材料の部分の面積範囲は、35~80mm2の間、又は40~75mm2の間である。上述したように、所与の加熱要素24の面積は、エアロゾル生成材料の対応する部分の面積範囲に対応することができる。
上記から理解されるべきであるように、エアロゾル供給システム1は、10秒を超えない予め定められた連続時間の間、動作温度で加熱されると、所望量の1つ又は複数の構成成分を有するエアロゾル(又は総量のエアロゾル)を生成するように構成されてもよい。これが達成される方法は、システムの特性に応じて決まる。上述したように、当業者は、エアロゾル生成材料の質量、エアロゾル生成材料の厚さ、エアロゾル生成材料の複数の部分の面積範囲、エアロゾル生成材料の組成及び/又は動作温度を、上述したような範囲内で変えることにより、十分な量のエアロゾルがもたらされることが十分に分かるであろう。
さらに、上述したように、エアロゾル供給システム1は、エアロゾル生成材料の複数の部分を備える。エアロゾル生成材料のこれら部分のそれぞれについて、制御回路23は、350℃を超えない動作温度で、10秒を超えない連続した持続時間の間、1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素を用いてエアロゾル生成材料の複数の部分のそれぞれの加熱を生じさせるように構成されている。これは、ユーザ吸入用に十分なエアロゾルが生成されることを意味する方法でエアロゾル生成材料の各部分が加熱されることを確実にするのに役立つことができる。エアロゾル生成材料の各部分は、同じであっても互いと異なっていてもよく、エアロゾル生成材料の各部分は、同じに又は互いとは異なる方法で加熱されてもよい。
幾つかの特定の実施態様において、本発明者らは、エアロゾル生成材料の個々の部分であって、各部分が略同じ組成及び寸法を有している個々の部分を、パフごとに、また、パフごとの同じ条件下で、エアロゾル化することを意図された、エアロゾル供給システムは、吸入セッション全体を通して良好なレベルの一貫性を有する吸入セッション(すなわち、一連のユーザ吸入)をもたらすことができることを見い出している。すなわち、各吸入は、エアロゾル生成材料の個々の部分のそれぞれから生成されるエアロゾルの量に関して略同一である。これに関して、エアロゾル生成材料の複数の部分のそれぞれは、互いと略同じであってもよい。幾つかの実施態様において、エアロゾル生成材料の複数の部分のそれぞれは、互いと同じであってもよい。前述のように、固体エアロゾル生成材料の各部分は、20mgを超えない質量を有し、約5wt%~60wt%の量のエアロゾル生成剤及び約1wt%~60wt%の量のゲル化剤を含み、これら重量は乾燥重量基準で計算され、また、上記各部分は、15mg未満の水を含み、制御回路は、350℃を超えない動作温度で、10秒を超えない連続した持続時間の間、1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素を用いてエアロゾル生成材料の1つ又は複数の部分のうちの少なくとも1つの加熱を生じさせるように構成されている。
本明細書において使用される場合の、エアロゾル生成材料の複数の部分のそれぞれが互いと略同じであるとは、エアロゾル生成材料の複数の部分が、同じ構成成分を有し、その量が、平均量からほんの僅かな割合だけ、例えば、10%以下、又は5%以下、又は2%以下だけ異なることを意味する。つまり、エアロゾル生成材料の各部分について、化学組成が略同じである。つまり、エアロゾル生成材料の各部分は、エアロゾル生成材料の全ての部分にわたるその成分について、平均量に比して僅かな誤差範囲内の或る量の所与の成分を有する。単に例として、エアロゾル生成材料中におけるゲル化剤の平均含有量が0.5mgであるとすると、エアロゾル生成材料の各部分は、0.5mg±0.05mgである量のゲル化剤を有することができる。
同様に本明細書において使用される場合の、エアロゾル生成材料の複数の部分のそれぞれが互いと略同じであるとは、エアロゾル生成材料の複数の部分が、同じ物理的パラメータを有し、これらパラメータが、平均量からほんの僅かな割合だけ、例えば、10%以下、又は5%以下、又は2%以下だけ異なることを意味する。つまり、エアロゾル生成材料の各部分の物理的特性が、略同じである。物理的特性は、各部分の厚さと、各部分の長さ、幅、直径又は任意の他の好適な寸法と、各部分の形状とを含み得るがそれらに限定されない。
さらに、デバイス2は、加熱要素24(或いはより包括的には1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素24)が互いに略同じであるように構成されている。幾つかの実施態様において、1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素のそれぞれは互いと同じであってもよい。
これに関して、加熱要素24が互いに略同じであるとは、加熱要素24が同じ物理的寸法、例えば同じ形状、同じ露出表面積(使用時に加熱することを意図された表面とすることができる)等を有していることを意味する。この場合もまた、エアロゾル生成材料の物理的特性に関して上述したように、これらパラメータは、平均値からほんの僅かな割合だけ、例えば、10%以下、又は5%以下、又は2%以下だけ異なる。同様に、加熱要素24が互いに略同じであるとは、加熱要素24が同じ材料から形成され、同じ基本構造を有することを意味する。例えば、加熱要素24は、金属プレート(又は別の熱伝導性材料)から形成されてもよく、1つの表面(例えば受容部25から離れて面する表面)上に電気トレースが配置されていてもよく、この電気トレースは、電流が該トレースを通ると熱くなるように構成される。
さらに、制御回路23は、略同じ動作特性を提供するために加熱要素24の加熱(又はより包括的にはエアロゾル生成構成要素24の動作)を生じさせるように構成されている。幾つかの実施態様において、エアロゾル生成構成要素24のそれぞれの動作は互いと同じであってもよい。
例えば、上述したような抵抗加熱要素24の場合、制御回路23は、同じ加熱持続時間の間、同じ動力を各加熱要素24に供給するように構成される。例えば、制御回路23は、動作温度まで3秒の加熱期間にわたっておよそ5ワットを印加するように構成され得るが、これらの数字はただ単に例として挙げられていることが理解されるべきである。この場合もまた、上述したように、動作特性を左右するこれらパラメータは、平均値からほんの僅かな割合だけ、例えば、10%以下、又は5%以下、又は2%以下だけ異なってもよい。制御回路23はまた、該当する場合、同じ加熱期間にわたる動力送達に同じ変更を加えてもよい。例えば、制御回路23は、1秒間に8ワット、その後、残りの2秒間に5ワットを印加してもよい。
このように、加熱要素24が起動されてエアロゾル生成材料44の対応する部分の後続のエアロゾル化を生じさせるときはいつでも、エアロゾル生成材料のその部分がセッションの最初にあるのか、セッションの中間にあるのか、又はセッションの最後にあるのかにかかわらず、略同じ条件が適用される。したがって、エアロゾルの略同じ量又は同じ量が、(エアロゾルの吸入をユーザが望んでいることに対応する)各起動により、エアロゾル生成材料の各部分から生成されることができる。したがって、デバイス2は、各起動についてエアロゾルを一貫して生成するように構成され、そのため、ユーザは、各吸入の間、一貫した又は略一貫した体験を経験することができる。
上述したように、幾つかの実施態様において、加熱持続時間は、ユーザの吸入の長さに応じて可変であってもよい。これらの実施態様において、単にユーザによるパフの長さの変更に起因してセッションにおけるパフとパフとの間で非一貫性が生じることがある。しかしながら、デバイス2はそれにもかかわらず、所与の標準吸入について一貫した送達をもたらすように構成されている。つまり、同一の持続時間の2回のパフについて、デバイス2は、これら2回の同一のパフについて一貫した量のエアロゾルを生成するように構成されている。所与のデバイス2についてこのパラメータを、例えばコレスタ推奨法(Coresta Recommended Method)81、すなわちCRM81を用い、生成されたエアロゾル塊を回収及び分析することで、試験することができる。
図5は、本開示の原理を示す例のグラフである。グラフは、時間(x軸線)の関数としての、生成される瞬時エアロゾル量(y軸線)を示す。グラフは、単に例示的であり、湾曲の形状は、実用システムを用いて測定された場合に示される形状とは異なってもよい。同様に、同じ理由から、測定の値はグラフにいっさい示されていない。
図5は、図5においてA及びBを付記された2つの加熱要素起動段階を示す。加熱要素起動段階A及びBの持続時間は略同じである。持続時間は、予期されたユーザの吸入に概ね対応し、およそ2~5秒であってもよく、本開示に従って、10秒を超えないものとする。
図示のように、加熱要素起動段階は、個々で順次である。加熱要素起動段階Aは例えば、加熱要素24aに対応することができ、その一方、加熱要素起動段階Bは、加熱要素24bに対応することができる。したがって、デバイス2は、1つの加熱要素24をいつでも起動させるように構成され、上述したように、加熱要素24を順次に起動させてエアロゾル生成材料の各部分を順次にエアロゾル化するように構成される。
図6は、本開示に従った例示的なエアロゾル生成方法を示すフロー図である。
方法は、ステップS1で開始し、このステップにおいて、制御回路23が、エアロゾルの生成をユーザが意図していることを示す信号を(例えば、タッチセンシティブパネル29及び吸入センサ30のうちのいずれか一方又は双方から)受信するように構成されている。
ステップS2において、信号を受信したことに応答して、制御回路23は、エアロゾル生成材料の第1の部分、例えば部分44aのエアロゾル化を生じさせるように構成されている。
ステップS3において、制御回路23は、この実施態様において、加熱要素起動段階Aについて予め定められた持続時間が経過すると、部分44aのエアロゾル化を生じさせることを停止するように構成されている。図5に見られるように、これは、加熱要素24への動力供給が停止された後で、その加熱要素における余熱により少量のエアロゾルが生成され続けることがあるため、必ずしもエアロゾル生成を停止するものでなくてもよい。
方法は次いで、ステップS4に進み、このステップにおいて、制御回路23は、加熱されるべき次の加熱要素24、例えば加熱要素24bを決定する。(ステップS4はステップS3とステップS4との間にあるものとして示されているが、ステップS4は、他の実施態様において、ステップS1とステップS2との間に実施されてもよいことが理解されるべきである。)
この時点で、方法は、ステップS1に戻り、このステップにおいて、制御回路23は、エアロゾル生成材料の第1の部分(部分44a)をエアロゾル化した後で、エアロゾルの生成をユーザが意図していることを示す後続の信号を受信し、これに応答して、ステップS2において、この例では、エアロゾル生成材料の第2の部分、例えば部分44bのエアロゾル化を生じさせる。ステップS3において、制御回路23は、この実施態様において、加熱要素起動段階Bについて予め定められた持続時間が経過すると、部分44bのエアロゾル化を生じさせることを停止するように構成されている。
このプロセスが、エアロゾル生成材料の複数の部分の全て(例えば、44c、44d、44e、及び44f)について繰り返されることができる。
したがって、図5に見られるように、エアロゾル生成材料の第1の部分44aを加熱すると生成される瞬時エアロゾルは、エアロゾル生成材料の第2の部分44bが加熱される同様の加熱段階Bと比べると、加熱段階Aの時間のいつでも略同じである。このように、一貫した量のエアロゾルが、エアロゾル生成材料44の各部分から生成されることができ、したがって、デバイス2の使用時にユーザが体験する全体的な一貫性を高めるのに役立つ。
記載したように、デバイス2は、所与のパフのためにパフごとに略同量のエアロゾルを生成するように構成されている。図5を参照すると、起動ごとに生成される略同量のエアロゾルに言及する場合、これは、パフごとに生成される総量のエアロゾル(例えば、図5における各曲線の積分)、及び、パフごとに1秒当たりに生成された最大量のエアロゾル(例えば、図5に示された水平破線)のうちの一方又は双方を意味し得る。本質的に、上述したように、動作条件が略同じである場合、パフごとに生成されるエアロゾルの量及びパフごとに1秒当たりに生成される最大量のエアロゾルは双方とも、略同じである。
述べたように、制御回路23は、同じ動作条件をエアロゾル生成構成要素に適用することによってエアロゾル生成材料の各部分からエアロゾルを生成するように構成されている。つまり、制御回路23は、どのエアロゾル生成構成要素24がエアロゾル化されるべきかに関係なくエアロゾル生成構成要素24への動力送達を制御するために同じ命令セット又は同じ制御信号を出力するように構成されている。例えば、制御回路23は、例えば同じ動力を送達するように動力源22を制御することができる。エアロゾル生成構成要素としての複数の加熱要素24の場合、制御回路23は、略同じ温度プロファイル(すなわち、経時による加熱要素24の温度変化)を用いて各加熱要素24を加熱するように構成されることができる。動作条件が略同じであるとすると、制御回路23は、上述したように、単に同じ制御信号を出力すること等によって、これを固守することができる。しかしながら、場合によっては、制御回路23は、加熱要素24の温度を監視してもよく、温度が、予期された又は予め設定された温度プロファイルと一致しない場合、制御回路23は、予期された温度プロファイルが満たされることを確実にするために加熱要素への動力送達を変えるように構成されてもよい。
幾つかの実施態様において、制御回路23は、加熱要素24が実質的に周囲温度又は同じ予熱温度にある場合、エアロゾル生成材料の複数の部分のそれぞれを加熱し始めるように構成されている。例えば、制御回路23は、加熱要素24のそれぞれの温度を監視することができ、加熱要素24を選択して、実質的に周囲温度又は所与の予熱温度にある加熱要素に動力を印加することができる。これは特に、以前の加熱要素24が受容部25内で既に起動されている可能性がある場合にセッションにおける秒(又はより遅い)起動について関連があり、したがって、隣り合う加熱要素の温度の変化を生じさせ得る。したがって、制御回路23は、上述したようにパフごとに生成されるエアロゾルの量においてより良好な一貫性をもたらすように加熱条件が各加熱要素24について略同じであることを確実にすることができる。
幾つかの実施態様において、制御回路23は、どの加熱要素24をシーケンスで次に起動させるかを決定するために、例えば別個の温度センサを介して、加熱要素24の温度を監視してもよい。例えば、加熱要素24の電気的特性を測定することにより、加熱要素24の温度を測定する他の方法も、本開示の原理に従って用いられてもよい。
付加的又は代替的に、加熱前の初期条件が加熱要素24の後続の起動について可能な限り一貫したものとなることを確実にするのを助けるために、制御回路23は、加熱シーケンスで次の加熱要素として、空間的に最も近い加熱要素よりも、現在の(又は以前に加熱された)加熱要素から空間的にさらに遠く離れている加熱要素を選択するように構成される。例えば、図3を参照すると、現在の加熱要素は24aとする。加熱要素24aに空間的に最も近い加熱要素は、加熱要素24b及び24cである。つまり、加熱要素24aの露出面の中心と加熱要素24bとの距離は、加熱要素24aの露出面の中心と加熱要素24cとの間の距離と略同じであり、この距離は、加熱要素、例えば24d、24e、及び24fのうちの任意の他の加熱要素への距離よりも短い。したがって、単に例として、制御回路23は、加熱要素24a、加熱要素24d、加熱要素24e、加熱要素24b、加熱要素24c、及び最後に加熱要素24fとして、起動されるべき加熱要素のシーケンスを設定してもよい。これは単に、図3に示された加熱要素24の配置を用いた、例のシーケンスである。他の加熱要素シーケンスが、記載した原理に従って用いられてもよい(同様に、このシーケンスは、加熱要素が数多くある場合に異なっていてもよい)。最も近い加熱要素から空間的にさらに遠く離れた、シーケンスで起動する次の加熱要素を選択することは、現在の(又は以前の)加熱要素の現在の(又は以前の)起動から、シーケンスで起動されるべき次の加熱要素の開始温度への熱流出影響を減らすのに役立つ。
幾つかの実施態様において、エアロゾル生成材料は、上述したように非晶質固体である。そのような非晶質固体は、該非晶質固体を形成するのに使用される成分の割合及びタイプが該非晶質固体の形成中に正確に管理されることができるため、一貫したユーザ体験を与えるのに特に適していることが見い出されている。換言すると、非晶質固体の組成及び/又は物理的特性に関する製造許容差は、非常に低いものとすることができる。
図1に記載された実施態様において、順次起動モードにおいて、制御回路23は、例えば、加熱要素24のそれぞれが、予め定められた数の回数、順次に起動されると、又は、所与の加熱要素24が、予め定められた数の回数、及び/又は所与の累積起動時間の間、及び/又は所与の累積起動動力で起動されると、物品4の使用終了を示すアラート信号を生成するように構成されてもよい。図1において、デバイス2は、この実施態様ではLEDである使用終了インジケータ31を備える。しかしながら、他の実施態様において、使用終了インジケータ31は、アラート信号をユーザに供給することが可能である任意の機構を含んでもよく、つまり、使用終了インジケータ31は、光信号を送達する光学要素、音声信号を送達する音源、及び/又は触覚信号を送達する振動器であってもよい。幾つかの実施態様において、インジケータ31は、タッチセンシティブパネルと組み合わせられてもよく、又は他の場合(例えば、タッチセンシティブパネルがディスプレイ要素を含む場合)ではタッチセンシティブパネルによって提供されてもよい。デバイス2は、アラート信号が出力されている場合にデバイス2の後続の起動を妨げてもよい。ユーザが、物品4を交換する、及び/又は、ボタン(図示せず)等の手動手段を介してアラート信号をオフに切り替える場合、アラート信号はオフに切り替えられることができ、制御回路23はリセットされることができる。
より詳細には、順次起動モードが用いられる実施態様において、制御回路23は、タッチセンシティブパネル29及び吸入センサ30のうちのいずれか一方又は双方からのシグナリングが使用時に受信される回数をカウントするように構成されてもよく、カウントが、予め定められた数に達すると、物品4がその寿命の終わりに達すると判定される。例えば、エアロゾル生成材料44の6個の個々の部分を含む物品4について、予め定められた数は、まさに当面の実施態様に応じて、6回、12回、18回等であってもよい。
物品4の寿命の終わりを判定する上記技法は、物品4の寿命の終わりを判定する限定方法として理解されるべきではなく、実際、本開示の原理に従って任意の他の好適な方法が用いられてもよい。
エアロゾル生成材料の各部分は、物品4に関して任意の他のものと略同じであることを上述してきたが、幾つかの実施態様において、物品4は、エアロゾル生成材料の複数の部分のセット、例えば、或る材料の6個の部分の及び別の材料の6個の部分を含んでもよく、エアロゾル生成材料のセットの各部分は、セット内で略同じであるが、セットどうしの間では異なっていてもよいことが理解されるべきである。これら物品4において、デバイス2は、エアロゾル生成材料の一方のセットをエアロゾル化することと他方のセットをエアロゾル化することとの間で選択を与えることを意図されてもよいが、エアロゾル生成材料の一方のセットは、(例えば6~20回の間の吸入の)所与の吸入セッションについてエアロゾル化されることができ、そのため、一貫したエアロゾルがそのセッションについて生成される。
図7は、本開示の別の実施形態に従ったエアロゾル供給システム200の概略図の断面図である。エアロゾル供給システム200は、図1に関して記載された構成部材と概ね同様である構成部材を備えるが、参照符号が200だけ増えている。効率のため、同様の参照符号を有する構成部材は、特に明記しない限り、図1及び図2A~図2Cにおけるそれらの対応するものと概ね同じであるものと理解されるべきである。
エアロゾル供給デバイス202は、外側ハウジング221と、動力源222と、制御回路223と、誘導ワークコイル224aと、受容部225と、マウスピース端部226と、空気入口227と、空気出口228と、タッチセンシティブパネル229と、吸入センサ230と、使用終了インジケータ231とを備える。
エアロゾル生成物品204は、図8A~図8Cにおいてより詳細に示されているように、キャリア構成要素242と、エアロゾル生成材料244と、サセプタ要素244bとを備える。図8Aは、物品4を上から見た図であり、図8Bは、物品4の長手方向(長さ)軸線に沿った端面図であり、図8Cは、物品4の幅軸線に沿った側面図である。
図7及び図8は、誘導を用いてエアロゾル生成材料244を加熱して吸入用のエアロゾルを生成するエアロゾル供給システム200を示す。
記載の実施態様において、エアロゾル生成構成要素224は、2つの部品、すなわち、エアロゾル供給デバイス202内に配置される誘導ワークコイル224aと、エアロゾル生成物品204内に配置されるサセプタ224bとから形成される。
したがって、この記載の実施態様において、各エアロゾル生成構成要素224は、エアロゾル生成物品204とエアロゾル供給デバイス202との間に配される要素を含む。
誘導加熱は、サセプタと呼ばれる導電性物体が、該物体に変動磁場が侵入することによって加熱されるプロセスである。プロセスは、ファラデーの誘導法則及びオームの法則によって説明される。誘導ヒータが、電磁石と、該電磁石に交流電流のような変動電流を通すデバイスとを備えてもよい。電磁石及び加熱されるべき物体が、電磁石によって生成される結果として得られる変動磁場が物体に侵入するように好適に相対配置されると、1つ又は複数の渦電流が物体の内部に生成される。物体は、電流の流れに抵抗を有する。したがって、そのような渦電流が物体内に生成されると、物体の電気抵抗に対するその流れにより物体が加熱される。このプロセスは、ジュール加熱、オーム加熱又は抵抗加熱と呼ばれる。
サセプタは、交流磁場等の変動磁場が侵入することによって加熱可能である材料である。加熱材料は、該加熱材料に変動磁場が侵入することにより該加熱材料の誘導加熱が生じるように、導電性材料であってもよい。加熱材料は、該加熱材料に変動磁場が侵入することにより該加熱材料の磁気ヒステリシス加熱が生じるように、磁性材料であってもよい。加熱材料は、該加熱材料が双方の加熱機構によって加熱可能であるように、導電性及び磁性の双方であってもよい。
磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料から作製された物体が、該物体に変動磁場が侵入することによって加熱されるプロセスである。磁性材料は、多くの原子スケールの磁石又は磁気双極子を含むものと考えられることができる。磁場がそのような材料に侵入すると、磁気双極子が磁場と整列する。したがって、例えば電磁石によって生成されるような、交流磁場等の変動磁場が、磁性材料に侵入すると、磁気双極子の配向が、印加された変動磁場とともに変化する。そのような磁気双極子の再配向により熱が磁性材料中に発生する。
物体が導電性及び磁性の双方である場合、物体に変動磁場が侵入することにより物体中にジュール加熱及び磁気ヒステリシス加熱の双方が生じさせることができる。さらに、磁性材料の使用により磁場を強めることができ、これによりジュール加熱を高めることができる。
記載の実施態様において、サセプタ224bは、アルミ箔から形成されるが、他の実施態様において他の金属及び/又は導電性材料が使用されてもよいことが理解されるべきである。図8に見られるように、キャリア構成要素242は、キャリア構成要素242の表面に配置されたエアロゾル生成材料244の個々の部分にサイズ及び位置が対応する複数のサセプタ224bを備える。つまり、サセプタ224bは、エアロゾル生成材料244の個々の部分と同様の幅及び長さを有する。
サセプタは、キャリア構成要素242に埋め込まれて示されている。しかしながら、他の実施態様において、サセプタ224bは、キャリア構成要素242の表面に配置されてもよい。
エアロゾル供給デバイス202は、図7に概略的に示された複数の誘導ワークコイル224aを備える。ワークコイル224aは、受容部225に隣り合って示されており、所与のコイルが周りに巻かれる回転軸線が受容部225へ延びるとともに物品204のキャリア構成要素242の平面に対して概ね垂直であるように配置された概ね平坦なコイルである。正確な巻線は図7に示されていないが、任意の好適な誘導コイルが使用されることができることが理解されるべきである。
制御回路223は、誘導コイル224aの任意の1つ又は複数に通される交流電流を発生させる機構を含む。交流電流は、上述したように交流磁場を発生させ、この交流磁場が次いで、対応するサセプタ(複数可)224bを熱くさせる。サセプタ(複数可)224bによって発生される熱は、それに応じてエアロゾル生成材料244の部分に移動される。
図1及び図2A~図2Cに関連して上述したように、制御回路223は、タッチセンシティブパネル229及び/又は吸入センサ230からのシグナリングを受信したことに応答してワークコイル224aに電流を供給するように構成されている。前述したようにどの加熱要素24が制御回路23によって加熱されるかを選択する技法のうちのいずれかが、ユーザ吸入用のエアロゾルを生成するために、制御回路223によってタッチセンシティブパネル229及び/又は吸入センサ230からのシグナリングを受信したことに応答してどのワークコイル224aが励起されるか(したがって、エアロゾル生成材料244のどの部分が後に加熱されるか)を選択することに類似に適用されてもよい。
上記では、ワークコイル224a及びサセプタ224bが物品204とデバイス202との間に配される誘導加熱エアロゾル供給システムを記載してきたが、ワークコイル224a及びサセプタ224bがデバイス202内だけに配置される誘導加熱エアロゾル供給システムが提供されてもよい。例えば、図7を参照すると、サセプタ224bは、誘導ワークコイル224aよりも上に設けられ、(図1に示されたエアロゾル供給システム1と類似の方法で)サセプタ224bはキャリア構成要素242の下面と接触するように配置されてもよい。
したがって、図7は、誘導加熱がエアロゾル供給デバイス202において用いられてユーザ吸入用のエアロゾルを生成することができる、より具体的な実施態様を記載しており、これには、本開示において記載した技法が適用されることができる。
上記では、エアロゾル生成材料の個々の部分を励起するために或る配列のエアロゾル生成構成要素24(例えば、ヒータ要素)が設けられているシステムを記載してきたが、他の実施態様において、物品4及び/又はエアロゾル生成構成要素24は、互いに対して移動するように構成されてもよい。つまり、物品4のキャリア構成要素42に設けられたエアロゾル生成材料44の個々の部分よりも少ないエアロゾル生成構成要素24があってもよく、そのため、エアロゾル生成材料44の個々の部分のそれぞれを個別に励起することができるように物品4とエアロゾル生成構成要素24との相対移動が必要とされる。例えば、移動可能な加熱要素24が、該加熱要素24が受容部25に対して移動することができるように受容部25内に設けられてもよい。このように、移動可能な加熱要素24は、該加熱要素24がエアロゾル生成材料44の個々の部分の各部分と位置合わせされることができるように(例えば、キャリア構成要素42の幅方向及び長さ方向に)平行移動されることができる。この手法は、同様のユーザ体験を依然として提供しつつ、必要とされるエアロゾル生成構成要素42の数を減らすことができる。
上記では、エアロゾル生成材料44の個々の空間的に異なる部分がキャリア構成要素42上に配置されている実施態様を記載してきたが、他の実施態様において、エアロゾル生成材料は、個々の空間的に異なる部分で設けられなくてもよく、代わりにエアロゾル生成材料44の連続シートとして設けられてもよいことが理解されるべきである。これらの実施態様において、エアロゾル生成材料44のシートの或る特定の領域が、上述したのと概ね同じ方法でエアロゾルを生成するように選択的に加熱されてもよい。しかしながら、部分が空間的に異なるかどうかにかかわらず、本開示は、エアロゾル生成材料44の複数の部分を加熱(又は他の場合ではエアロゾル化)することを記載している。特に、(エアロゾル生成材料の1つの部分に対応する)領域が、加熱要素24の寸法に基づいてエアロゾル生成材料の連続シート(又はより具体的には温度が上昇することを意図された加熱要素24の表面)上に画定されてもよい。これに関して、エアロゾル生成材料シートに突き出ている場合の、加熱要素24の対応する区域は、エアロゾル生成材料の1つの領域又は1つの部分を画定するものと考えられてもよい。本開示に従って、エアロゾル生成材料の各領域又は部分は、20mgを超えない質量を有することができるが、連続シート全体は20mgを超える質量を有してもよい。
上記では、デバイス2が該デバイス2に取り付けられたタッチセンシティブパネル29を用いて構成又は作動されることができる実施態様を記載してきたが、デバイス2はその代わりに、リモートで構成又は制御されてもよい。例えば、制御回路23には、該制御回路23がスマートフォン等のリモートデバイスと通信することを可能にする対応する通信回路(例えばブルートゥース)が設けられてもよい。したがって、タッチセンシティブパネル29は実際、スマートフォンで稼働するApp等を用いて実施されてもよい。その場合、スマートフォンは、ユーザ入力又は構成を制御回路23に送ることができ、制御回路23は、受けた入力又は構成に基づいて動作するように構成されることができる。
上記では、ユーザによって後に吸入されるエアロゾルがエアロゾル生成材料44を励起(又は加熱)することによって生成される実施態様を記載してきたが、幾つかの実施態様において、生成されたエアロゾルは、エアロゾル変更構成要素に通されるか又はその上に通されてエアロゾルの1つ又は複数の特性を変更してからユーザによって吸入されてもよいことが理解されるべきである。例えば、エアロゾル供給デバイス2、202は、空気透過性インサート(図示せず)を備えてもよく、このインサートは、エアロゾル生成材料44の下流の空気流路に挿入される(例えば、インサートは出口28内に配置されてもよい)。インサートは、エアゾルが、ユーザの口に入る前に該インサートを通る際、エアロゾルの香料、温度、粒径、ニコチン濃度等のうちのいずれか1つ又は複数を変える材料を含むことができる。例えば、インサートは、タバコ又は処理されたタバコを含んでもよい。そのようなシステムは、ハイブリッドシステムと呼ばれることがある。インサートは、上述したエアロゾル生成材料を包含することができる任意の好適なエアロゾル改質材料を含むことができる。
加熱要素24が、エアロゾルがエアロゾル生成材料の1つの部分から生成される動作温度でエアロゾル生成材料のその部分に熱を供給するように構成されていることを上に記載してきたが、幾つかの実施態様において、加熱要素24は、エアロゾル生成材料の複数の部分を(動作温度よりも低い)予熱温度まで予熱するように構成されている。部分が予熱温度で加熱される場合、予熱温度では、より少ない量のエアロゾルが生成されるか又はエアロゾルは全く生成されない。しかしながら、エアロゾル生成材料の温度を予熱温度から動作温度に上昇させるのに、より少ない量のエネルギーが必要とされる。これは、動作温度に達するために供給されるべき比較的大量のエネルギーが必要とされる、例えば400μmを超える厚さを有する、エアロゾル生成材料の比較的厚い部分に、特に好適であるものとすることができる。しかしながら、そのような実施態様において、(例えば、動力源22からの)エネルギー消費は、比較的高いことがある。
上記では、エアロゾル供給デバイス2が使用終了インジケータ31を備える実施態様を記載してきたが、使用終了インジケータ31は、エアロゾル供給デバイス2から遠隔の別のデバイスによって提供されてもよいことが理解されるべきである。例えば、幾つかの実施態様において、エアロゾル供給デバイス2の制御回路23は、エアロゾル供給デバイス2と、例えばスマートフォン又はスマートウォッチ等のリモートデバイスとの間でデータ転送を可能にする通信機構を含んでもよい。これらの実施態様において、制御回路23が、物品4がその使用終了に達したと判定すると、制御回路23は、リモートデバイスに信号を送信するように構成され、リモートデバイスは、(例えば、スマートフォンのディスプレイを使用して)アラート信号を生成するように構成されている。アラート信号を生成する他のリモートデバイス及び他の機構が、上述したように使用されてもよい。
幾つかの実施態様において、物品4は、可読バーコード又はRFIDタグ等のような識別子を備えてもよく、エアロゾル供給デバイス2は、対応するリーダを備える。物品がデバイス2の受容部25に挿入されると、デバイス2は、物品4における識別子を読み取るように構成されてもよい。制御回路23は、物品4の存在を認識する(したがって、加熱を許可する及び/又は寿命終了インジケータをリセットする)ように構成されるか、或いは、物品4に対するエアロゾル生成材料の複数の部分のタイプ及び/又は位置を特定するように構成されてもよい。これは、どの部分を制御回路23がエアロゾル化するかに、及び/又は、例えば、エアロゾル生成温度及び/又は加熱持続時間を調整することによる複数の部分がエアロゾル化される方法に、影響を及ぼし得る。物品4を認識する任意の好適な技法が用いられてもよい。
さらに、エアロゾル生成材料の複数の部分がキャリア構成要素42に設けられる場合、これら部分は、幾つかの実施態様において、キャリア構成要素42の平面に対して略垂直な方向に、弱化領域、例えば、貫通穴、又は比較的薄いエアロゾル生成材料の区域を含んでもよい。これは、エアロゾル生成材料の最高温部がキャリア構成要素と直接接触する区域である場合に(換言すると、エアロゾル生成材料の、キャリア構成要素42と接触する表面に、主として熱が印加されるシナリオにおいて)当てはまり得る。
したがって、貫通穴は、キャリア構成要素42とエアロゾル生成材料44との間にエアロゾルが蓄積する可能性を生じさせるのではなく、生成されたエアロゾルが逃げるとともに周囲/デバイス2を通る空気流に放出されるチャネルをもたらすことができる。そのようなエアロゾルの蓄積は、該エアロゾルの蓄積が、幾つかの実施態様において、キャリア構成要素42からのエアロゾル生成材料の隆起を生じさせ、したがって、エアロゾル生成材料への熱伝達の効率を下げる可能性があるため、システムの加熱効率が下がる可能がある。エアロゾル生成材料の各部分には、必要に応じて、1つ又は複数の弱化領域が設けられてもよい。
このように、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給システムを記載してきた。システムは、固体エアロゾル生成材料の1つ又は複数の部分を備え、固体エアロゾル生成材料の各部分は、20mgを超えない質量を有する。システムは、1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素と、1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素に動力供給するように構成された制御回路とをさらに備え、制御回路は、350℃を超えない、エアロゾルがエアロゾル生成材料の1つ又は複数の部分のうちの少なくとも1つから生成される動作温度で、10秒を超えない連続した持続時間の間、1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素を用いてエアロゾル生成材料の1つ又は複数の部分のうちの少なくとも1つの加熱を生じさせるように構成されている。また、エアロゾル供給デバイス、及び、材料をエアロゾル化する方法も提供される。
上述した実施形態は、幾つかの点で、幾つかの特定の例のエアロゾル供給システムに焦点を当ててきたが、同じ原理が、他の技法を用いるエアロゾル供給システムに適用されることができることが理解されるであろう。つまり、エアロゾル供給システムの様々な態様が機能する具体的な様式は、本明細書において記載された例の基礎となる原理に直接関連しない。
様々な問題に対処するため及び当該技術分野を発展させるために、本開示は、特許請求された発明(複数可)が実践されることができる様々な実施形態を例示として示す。本開示の利点及び特徴は、実施形態の代表的なサンプルにすぎず、網羅的及び/又は排他的ではない。それらは、理解を助けるため及び特許請求される発明(複数可)を教示するためだけに提示される。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求項によって規定されるような本開示に対する制限、又は特許請求項の等価物に対する制限とみなされるべきではないこと、また、他の実施形態が利用されることができ、特許請求項の範囲から逸脱することがなく変更がなされることができることを理解されたい。様々な実施形態は、本明細書に詳細に説明されるもの以外に、開示される要素、構成部材、特徴、部分、ステップ、手段等の様々な組み合わせを、好適に、備えてもよく、その組み合わせからなってもよく、又はその組み合わせから本質的になってもよく、したがって、従属請求項の特徴は、特許請求項に明示的に記載されるもの以外の組み合わせで、独立請求項の特徴と組み合わせられることができることが理解されるであろう。本開示は、現在は特許請求されないが、将来特許請求され得る他の発明を含み得る。
本開示の態様は、以下の番号が付された条項によって要約されることができる。
1. エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給システムであって、該システムが、
エアロゾル生成材料の複数の部分であって、エアロゾル生成材料の各部分が互いと略同じである、エアロゾル生成材料の複数の部分と、
1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素と、
上記1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素に動力供給するように構成された制御回路と、
を備え、
上記制御回路は、上記1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素の所与の起動時間の間、略同じ量のエアロゾルがエアロゾル生成材料の個々の部分のそれぞれから生成されるよう、エアロゾル生成材料の上記複数の部分のそれぞれを順次にエアロゾル化するように構成されている、エアロゾル供給システム。
2. 上記システムは、複数のエアロゾル生成構成要素を備え、該エアロゾル生成構成要素のそれぞれは、互いと略同じである、条項1に記載のエアロゾル供給システム。
3. 上記制御回路は、ユーザがエアロゾルの生成を意図していることを示す信号を受信するように構成され、該信号を受信したことに応答して、上記エアロゾル生成材料の第1の部分のエアロゾル化を生じさせるように構成されている、条項1又は2に記載のエアロゾル供給システム。
4. 上記制御回路は、エアロゾル生成材料の上記第1の部分をエアロゾル化した後、ユーザがエアロゾルの生成を意図していることを示す後続の信号を受信するように構成され、それに応答して、上記エアロゾル生成材料の第2の部分のエアロゾル化を生じさせるように構成されている、条項3に記載のエアロゾル供給システム。
5. 上記1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素は、加熱要素であり、該加熱要素は、互いと略同じである、条項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
6. 上記制御回路は、同じ温度プロファイルに従ってエアロゾル生成材料の上記複数の部分のそれぞれを加熱するように構成されている、条項5に記載のエアロゾル供給システム。
7. 上記制御回路は、上記加熱要素が実質的に周囲温度又は予熱温度にある場合、エアロゾル生成材料の上記複数の部分のそれぞれを加熱し始めるように構成されている、条項5又は6に記載のエアロゾル供給システム。
8. 上記システムは、或るパターンで配置された複数の加熱要素を備え、上記制御回路は、シーケンスでの次の加熱要素として、上記パターンにおいて最も近い加熱要素よりも、上記パターンにおいて現在の加熱要素から空間的にさらに遠く離れている加熱要素を選択するように構成されている、条項5~7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
9. 上記エアロゾル生成材料は、非晶質固体である、条項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
10. 上記非晶質固体は、約5wt%~約40wt%の量のゲル化剤、約30wt%~約60wt%の量のタバコ抽出物及び約10wt%~約50wt%の量のエアロゾル生成剤を含む、条項9に記載のエアロゾル供給システム。
11. エアロゾル生成材料の各部分は、20mgを超えない質量を有する、条項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
12. エアロゾル生成材料の各部分は、0.05mm~0.40mmの間の厚さを有する、条項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
13. エアロゾル生成材料の各部分は、15mg未満の水を含む、条項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
14. エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイスであって、該デバイスが、
エアロゾル生成材料の複数の部分をエアロゾル化するように構成された1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素であって、エアロゾル生成材料の各部分が互いと略同じである、1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素と、
上記1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素に動力供給するように構成された制御回路と、
を備え、
上記制御回路は、上記1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素の所与の起動時間の間、略同じ量のエアロゾルがエアロゾル生成材料の個々の部分のそれぞれから生成されるよう、エアロゾル生成材料の上記複数の部分のそれぞれを順次にエアロゾル化するように構成されている、エアロゾル供給デバイス。
15. エアロゾル生成材料を含むエアロゾル生成物品であって、該エアロゾル生成物品が上記エアロゾル生成材料の複数の部分を含み、上記エアロゾル生成材料の上記複数の部分のそれぞれが互いと略同じである、エアロゾル生成物品。
16. 1つ又は複数のエアロゾル生成構成要素を用いてエアロゾル生成材料の複数の部分からエアロゾルを生成する方法であって、該方法が、
エアロゾル生成材料の第1の部分をエアロゾル化して、エアロゾル生成材料の上記第2の部分から第1の量のエアロゾルを生成するステップと、
その後、エアロゾル生成材料の第2の部分をエアロゾル化して、エアロゾル生成材料の上記第2の部分から第2の量のエアロゾルを生成するステップと、
を含み、
エアロゾル生成材料の上記第1の部分及び上記第2の部分のそれぞれは、互いと略同じであり、上記第1の量のエアロゾルは、上記第2の量のエアロゾルと略同じである、エアロゾルを生成する方法。
17. エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給システムであって、該システムが、
エアロゾル生成材料の複数の部分であって、エアロゾル生成材料の各部分が、互いと略同じである、エアロゾル生成材料の複数の部分と、
1つ又は複数のエアロゾル生成手段と、
上記1つ又は複数のエアロゾル生成手段に動力供給するように構成された制御手段と、
を備え、
上記制御手段は、上記1つ又は複数のエアロゾル生成手段の所与の起動時間の間、略同じ量のエアロゾルがエアロゾル生成材料の個々の部分のそれぞれから生成されるよう、エアロゾル生成材料の上記複数の部分のそれぞれを順次にエアロゾル化するように構成されている、エアロゾル供給システム。