JP2023501319A - 神経変性疾患の処置および予防 - Google Patents

神経変性疾患の処置および予防 Download PDF

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Abstract

本発明は、神経変性疾患の処置または予防における使用のための、式(I)の化合物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、神経変性疾患の処置または予防における使用のための、式(I):
Figure 2023501319000002

の化合物に関する。
神経変性疾患は、パーキンソン病、アルツハイマー病、運動ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症)、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、前頭側頭型認知症、ハンチントン病、運動失調、および神経変性プリオン病を含む。
パーキンソン病(PD)は、ヒトが行う運動および情動応答を制御するために用いられる化学物質であるドパミンの損失につながる、脳内の重要細胞の死により引き起こされる慢性進行性神経変性疾患である。症状は、2、3年にわたるレボドパ治療により制御され得るが、この疾患は依然として進行し、疾患を改良する処置は、現在のところ存在しない。NLRP3を阻害することを介する神経炎症を標的とすることは、この重大なアンメットメディカルニーズに対処する。
世界中でおよそ3000万の人々が、治癒の知られていないアルツハイマー病(AD)を有している。アルツハイマー病の病原は、NLRP3活性化に関与する神経炎症と、続く神経細胞死および疾患進行を駆動することが示されているアミロイドβペプチド(Aβ)の産生および沈着により駆動されると広く考えられている。
本発明は、式(I)の化合物が血液脳関門を越えること、およびミクログリア中のNLRP3炎症応答を阻害することに特に効果的であり、これによりパーキンソン病およびアルツハイマー病などの神経変性疾患の効果的処置を提供する、という発見に一部基づく。最も特別には、そのような障害から生じる神経炎症が、式(I)の化合物の経口投与により効果的に阻害され得る。
本発明の第一の態様において、神経変性疾患の処置または予防における使用のための、式(I):
Figure 2023501319000003

の化合物またはその医薬的に許容できる塩が提供される。
一実施形態において、神経変性疾患は、パーキンソン病である。別の実施形態において、神経変性疾患は、アルツハイマー病である。別の実施形態において、神経変性疾患は、運動ニューロン疾患である。別の実施形態において、神経変性疾患は、ハンチントン病である。別の実施形態において、神経変性疾患は、多系統萎縮症である。別の実施形態において、神経変性疾患は、進行性核上性麻痺である。別の実施形態において、神経変性疾患は、前頭側頭型認知症である。別の実施形態において、神経変性疾患は、脊髄小脳失調症(SCA)などの運動失調である。別の実施形態において、神経変性疾患は、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、変異型CJD、牛海綿状脳症(BSE)またはスクレイピーなどの、神経変性プリオン病である。
一実施形態において、処置または予防は、神経炎症の処置または予防を含む。典型的には、神経炎症の処置または予防は、NLRP3阻害を介して実現される。本明細書で用いられる用語「NLRP3阻害」は、NLRP3の活性レベルの完全な、または部分的な低減を指し、例えば活性NLRP3の阻害および/またはNLRP3活性化の阻害を包含する。
一実施形態において、処置または予防は、化合物またはその塩の経口投与を含む。さらなる実施形態において、処置または予防は、化合物またはその塩の1日1回の経口投与を含む。
別の実施形態において、化合物またはその塩は、神経変性疾患に罹患した患者の運動失調の予防における使用のためである。神経変性疾患は、先に列挙されたもののいずれであってもよい。典型的には化合物またはその塩は、パーキンソン病に罹患した患者の運動失調の予防における使用のためであり、最も典型的にはその使用は、化合物またはその塩の経口投与を含む。一実施形態において、化合物またはその塩は、運動失調の発病前に投与される。
さらなる実施形態において、化合物またはその塩は、神経変性疾患に罹患した患者の運動失調の低減における使用のためである。神経変性疾患は、先に列挙されたもののいずれであってもよい。典型的には化合物またはその塩は、パーキンソン病に罹患した患者の運動失調の低減における使用のためであり、最も典型的にはその使用は、化合物またはその塩の経口投与を含む。
一実施形態において、化合物またはその塩は、神経変性疾患に罹患した患者のドパミン作動性神経変性の予防における使用のためである。神経変性疾患は、先に列挙されたもののいずれであってもよい。典型的には化合物またはその塩は、パーキンソン病に罹患した患者のドパミン作動性神経変性の予防における使用のためであり、最も典型的にはその使用は、化合物またはその塩の経口投与を含む。
さらなる実施形態において、化合物またはその塩は、神経変性疾患に罹患した患者においてドパミンレベルの減少を緩徐にすること、停止させること、または逆行させることにおける使用のためである。神経変性疾患は、先に列挙されたもののいずれであってもよい。典型的には化合物またはその塩は、ドパミンレベルの減少を緩徐にすること、または停止させることにおける使用のためである。より典型的には化合物またはその塩は、ドパミンレベルの減少を緩徐にすることにおける使用のためである。一実施形態において、化合物またはその塩は、パーキンソン病に罹患した患者においてドパミンレベルの減少を緩徐にすること、停止させること、または逆行させることにおける使用のためであり、典型的にはその使用は、化合物またはその塩の経口投与を含む。典型的には化合物またはその塩は、パーキンソン病に罹患した患者においてドパミンレベルの減少を緩徐にすること、または停止させることにおける使用のためである。より典型的には化合物またはその塩は、パーキンソン病に罹患した患者においてドパミンレベルの減少を緩徐にすることにおける使用のためである。
一実施形態において、化合物または塩は、一ナトリウム塩などの、ナトリウム塩である。一実施形態において、化合物または塩は、一水和物である。一実施形態において、化合物または塩は、結晶性である。一実施形態において、化合物または塩は、結晶性一ナトリウム一水和物塩である。一実施形態において、結晶性一ナトリウム一水和物塩は、4.3°2θ、8.7°2θ、および20.6°2θ(全て±0.2°2θ)にピークを含むXRPDスペクトルを有する。一実施形態において、結晶性一ナトリウム一水和物塩は、XRPDスペクトルを有し、その中の10個の最も強いピークは、4.3°2θ、6.2°2θ、6.7°2θ、7.3°2θ、8.7°2θ、9.0°2θ、12.1°2θ、15.8°2θ、16.5°2θ、18.0°2θ、18.1°2θ、20.6°2θ、21.6°2θ、および24.5°2θ(全て±0.2°2θ)から選択される2θ値を有する5個以上のピークを含む。XRPDスペクトルは、全体として参照により本明細書に組み入れられるWO2019/206871号に記載された通り得られてよい。
一実施形態において、結晶性一ナトリウム一水和物塩は、全体として参照により本明細書に組み入れられるWO2019/206871号に記載される通りである。一実施形態において、結晶性一ナトリウム一水和物塩は、全体として参照により本明細書に組み入れられるWO2019/206871号に記載される多形体を有する。一実施形態において、結晶性一ナトリウム一水和物塩は、全体として参照により本明細書に組み入れられるWO2019/206871号に記載される方法に従って調製される。
典型的には、本発明の第一の態様の任意の実施形態により、処置または予防は、化合物またはその塩を患者に投与することを含む。患者は、任意のヒトまたは他の動物であってよい。典型的には患者は、哺乳動物、より典型的にはヒトまたはウシ、ブタ、ラム、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ネコ、イヌ、ウサギ、マウスなどの家畜哺乳動物である。最も典型的には患者は、ヒトである。
本発明の第二の態様において、医薬的に許容できる賦形剤と、本発明の第一の態様の化合物または塩とを含む医薬組成物が提供される。一実施形態において、医薬組成物は、経口投与に適する。
本発明の第三の態様において、それを必要とする患者における神経変性疾患の処置または予防のための方法であって、式(I):
Figure 2023501319000004

の化合物またはその医薬的に許容できる塩の治療的または予防的に効果的な量を、それを必要とする患者に投与することを含む、方法が提供される。
一実施形態において、神経変性疾患は、パーキンソン病である。別の実施形態において、神経変性疾患は、アルツハイマー病である。別の実施形態において、神経変性疾患は、運動ニューロン疾患である。別の実施形態において、神経変性疾患は、ハンチントン病である。別の実施形態において、神経変性疾患は、多系統萎縮症である。別の実施形態において、神経変性疾患は、進行性核上性麻痺である。別の実施形態において、神経変性疾患は、前頭側頭型認知症である。別の実施形態において、神経変性疾患は、脊髄小脳失調症(SCA)などの運動失調である。別の実施形態において、神経変性疾患は、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、変異型CJD、牛海綿状脳症(BSE)またはスクレイピーなどの、神経変性プリオン病である。
一実施形態において、処置または予防は、神経炎症の処置または予防を含む。典型的には神経炎症の処置または予防は、NLRP3阻害を介して実現される。
一実施形態において、処置または予防は、化合物またはその塩の経口投与を含む。さらなる実施形態において、処置または予防は、化合物またはその塩の1日1回の経口投与を含む。
別の実施形態において、方法は、神経変性疾患に罹患した患者の運動失調の予防のためである。神経変性疾患は、先に列挙されたもののいずれであってもよい。典型的には方法は、パーキンソン病に罹患した患者の運動失調の予防のためであり、最も典型的には方法は、化合物またはその塩の経口投与を含む。一実施形態において、化合物またはその塩は、運動失調の発病前に投与される。
さらなる実施形態において、方法は、神経変性疾患に罹患した患者の運動失調の低減のためである。神経変性疾患は、先に列挙されたもののいずれであってもよい。典型的には方法は、パーキンソン病に罹患した患者の運動失調の低減のためであり、最も典型的には方法は、化合物またはその塩の経口投与を含む。
一実施形態において、方法は、神経変性疾患に罹患した患者のドパミン作動性神経変性の予防のためである。神経変性疾患は、先に列挙されたもののいずれであってもよい。典型的には方法は、パーキンソン病に罹患した患者のドパミン作動性神経変性の予防のためであり、最も典型的には方法は、化合物またはその塩の経口投与を含む。
さらなる実施形態において、方法は、神経変性疾患に罹患した患者においてドパミンレベルの減少を緩徐にするため、停止させるため、または逆行させるためである。神経変性疾患は、先に列挙されたもののいずれであってもよい。典型的には方法は、ドパミンレベルの減少を緩徐にするため、または停止させるためである。より典型的には方法は、ドパミンレベルの減少を緩徐にするためである。一実施形態において、方法は、パーキンソン病に罹患した患者においてドパミンレベルの減少を緩徐にするため、停止させるため、または逆行させるためであり、典型的には方法は、化合物またはその塩の経口投与を含む。典型的には方法は、パーキンソン病に罹患した患者においてドパミンレベルの減少を緩徐にため、または停止させるためである。より典型的には方法は、パーキンソン病に罹患した患者においてドパミンレベルの減少を緩徐にするためである。
一実施形態において、化合物または塩は、一ナトリウム塩などの、ナトリウム塩である。一実施形態において、化合物または塩は、一水和物である。一実施形態において、化合物または塩は、結晶性である。一実施形態において、化合物または塩は、結晶性一ナトリウム一水和物塩である。一実施形態において、結晶性一ナトリウム一水和物塩は、4.3°2θ、8.7°2θ、および20.6°2θ(全て±0.2°2θ)にピークを含むXRPDスペクトルを有する。一実施形態において、結晶性一ナトリウム一水和物塩は、XRPDスペクトルを有し、その中の10個の最も強いピークは、4.3°2θ、6.2°2θ、6.7°2θ、7.3°2θ、8.7°2θ、9.0°2θ、12.1°2θ、15.8°2θ、16.5°2θ、18.0°2θ、18.1°2θ、20.6°2θ、21.6°2θ、および24.5°2θ(全て±0.2°2θ)から選択される2θ値を有する5個以上のピークを含む。XRPDスペクトルは、全体として参照により本明細書に組み入れられるWO2019/206871号に記載された通り得られてもよい。
一実施形態において、結晶性一ナトリウム一水和物塩は、全体として参照により本明細書に組み入れられるWO2019/206871号に記載される通りである。一実施形態において、結晶性一ナトリウム一水和物塩は、全体として参照により本明細書に組み入れられるWO2019/206871号に記載される多形体を有する。一実施形態において、結晶性一ナトリウム一水和物塩は、全体として参照により本明細書に組み入れられるWO2019/206871号に記載される方法に従って調製される。
本発明の第三の態様の任意の実施形態により、患者は、任意のヒトまたは他の動物であってよい。典型的には患者は、哺乳動物、より典型的にはヒトまたはウシ、ブタ、ラム、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ネコ、イヌ、ウサギ、マウスなどの家畜哺乳動物である。最も典型的には患者は、ヒトである。
実験
試験A - 1または20mg/kgの化合物の経口投与後の健常な自由行動下の成体雄マウスの左線条体からのMetaQuant透析物中の式(I)の化合物のレベル(平均+SEM、n=4/群)。 試験A - 1または20mg/kgの化合物の経口投与後の健常な自由行動下の成体雄マウスの右線条体からのMetaQuant透析物中の式(I)の化合物のレベル(平均+SEM、n=4/群)。 試験B - 1または20mg/kgの化合物の経口投与後の自由行動下の成体雄6-OHDAマウスの左線条体からのMetaQuant透析物中の式(I)の化合物のレベル(平均+SEM、n=4/群)。 試験B - 1または20mg/kgの化合物の経口投与後の自由行動下の成体雄6-OHDAマウスの右線条体からのMetaQuant透析物中の式(I)の化合物のレベル(平均+SEM、n=4/群)。 試験C - 式(I)の化合物(CPD)での経口処置は、パーキンソン病の6-OHDAモデルにおいて黒質線条体ドパミン作動性神経変性から保護する。A)3mg/kg p.o.がドパミン作動性神経変性から保護することを示す6-OHDA(12μg)処置21日後に定量されたアンフェタミン誘発同側回転(n=10マウス/群)。データを平均±S.E.M.として表した。一元配置分散分析(ANOVA)およびテューキーの事後検定により、P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、****P<0.0001。 試験C - 式(I)の化合物(CPD)での経口処置は、パーキンソン病の6-OHDAモデルにおいて黒質線条体ドパミン作動性神経変性から保護する。B)薬物処置による線条体ドパミン作動性末端の保持を実証する6-OHDA処置マウスにおける線条体ドパミンならびにその代謝産物DOPACおよびHVAのレベル(n=10マウス/群)。一元配置分散分析(ANOVA)およびテューキーの事後検定により、P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、****P<0.0001。 試験C - 式(I)の化合物(CPD)での経口処置は、パーキンソン病の6-OHDAモデルにおいて黒質線条体ドパミン作動性神経変性から保護する。C)薬物処置による線条体ドパミン作動性末端の保持を実証する6-OHDA処置マウスにおける線条体ドパミンならびにその代謝産物DOPACおよびHVAのレベル(n=10マウス/群)。一元配置分散分析(ANOVA)およびテューキーの事後検定により、P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、****P<0.0001。 試験C - 式(I)の化合物(CPD)での経口処置は、パーキンソン病の6-OHDAモデルにおいて黒質線条体ドパミン作動性神経変性から保護する。D)薬物処置による線条体ドパミン作動性末端の保持を実証する6-OHDA処置マウスにおける線条体ドパミンならびにその代謝産物DOPACおよびHVAのレベル(n=10マウス/群)。一元配置分散分析(ANOVA)およびテューキーの事後検定により、P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、****P<0.0001。 試験D - 式(I)の化合物での3mg/kg経口処置は、MCC950より大きな有効性でパーキンソン病の6-OHDAモデルにおいて黒質線条体ドパミン作動性神経変性から保護する。A)MCC950と比較して、式(I)の化合物の3mg/kg p.o.がドパミン作動性神経変性から保護することを示す6-OHDA(12μg)処置21日後に定量されたアンフェタミン誘発同側回転(n=10マウス/群)。データを平均±s.e.m.として表した。一元配置分散分析(ANOVA)およびテューキーの事後検定により、P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、****P<0.0001。 試験D - 式(I)の化合物での3mg/kg経口処置は、MCC950より大きな有効性でパーキンソン病の6-OHDAモデルにおいて黒質線条体ドパミン作動性神経変性から保護する。B)薬物処置による線条体ドパミン作動性末端の保持を実証する、式(I)の化合物またはMCC950で処置された6-OHDAマウスの線条体ドパミンのレベル(n=10マウス/群)。データを平均±s.e.m.として表した。一元配置分散分析(ANOVA)およびテューキーの事後検定により、P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、****P<0.0001。 試験E - 式(I)の化合物(CPD)は、初代ミクログリアにおいてNLRP3インフラマソームを阻害することにおいてMCC950より高い効力を呈する。A)NLRP3阻害剤MCC950による、プライミングされたミクログリアにおけるATP誘導性NLRP3インフラマソーム活性化の用量依存的阻害。ATP(5mM)でのMCC950阻害のIC50は、初代マウスミクログリアでは7.5nMであると決定された。 試験E - 式(I)の化合物(CPD)は、初代ミクログリアにおいてNLRP3インフラマソームを阻害することにおいてMCC950より高い効力を呈する。B)式(I)の化合物(CPD)による、プライミングされたミクログリアにおけるATP誘導性NLRP3インフラマソーム活性化の用量依存的阻害。式(I)の化合物についてのATP(5mM)での阻害のIC50は、初代マウスミクログリアでは4.74nMであると決定された。 試験F - 式(I)の化合物(CPD)による、プライミングされた健常ヒトミクログリアにおけるATP誘導性NLRP3インフラマソーム活性化の用量依存的阻害。式(I)の化合物についてのATP(5mM)での阻害のIC50は、1名の健常ドナーから単離された初代ヒトミクログリアでは142nMであると決定された。データは、n=1の健常ドナーおよびn=4の技術的反復測定を表す。エラーバーはSEM。 試験G - 式(I)の化合物(CPD)による、プライミングされたパーキンソン病ヒトミクログリアにおけるATP誘導性NLRP3インフラマソーム活性化の用量依存的阻害。式(I)の化合物についてのATP(5mM)での阻害のIC50は、パーキンソン病患者から単離された初代ヒトミクログリアでは101nMであると決定された。データは、n=1のパーキンソン病ドナーおよびn=14の技術的反復測定を表す。エラーバーはSEM。 試験H - 式(I)の化合物(CPD)での経口処置は、パーキンソン病のPFF-シヌクレインモデルにおいて運動障害から保護する。A)PFF注射後4、6、8および10か月目のαシヌクレインPFF注射マウス、PFF注射の24時間前に開始する飲料水中の式(I)の化合物での予防的処置(0.3mg/ml)、または注射の4時間後に開始する治療的処置でのロータロッドテスト(n=8~10マウス/群)。PBS注射マウスを、生理食塩水として使用した。c.f 生理食塩水、#c.f PFF-シヌクレイン、データは平均±SEMである。一元配置分散分析(ANOVA)およびテューキーの事後検定により、ns=有意でない、/#P<0.05、**/##P<0.01、***/###P<0.001、****/####P<0.0001。 試験H - 式(I)の化合物(CPD)での経口処置は、パーキンソン病のPFF-シヌクレインモデルにおいて運動障害から保護する。B)4、6、8および10か月目のαシヌクレインPFF注射マウスにおいてビームを横断するのにかかる時間として測定されたバランスビームパフォーマンス。PBS注射マウスを、生理食塩水として使用した。c.f 生理食塩水、#c.f PFF-シヌクレイン、データは平均±SEMである。一元配置分散分析(ANOVA)およびテューキーの事後検定により、ns=有意でない、/#P<0.05、**/##P<0.01、***/###P<0.001、****/####P<0.0001。 試験H - 式(I)の化合物(CPD)の経口投薬は、予防的および治療的設定の両方でPFF-シヌクレイン注射後12か月目に得られた血漿試料中の循環IL-1βの量を低減する(各群でn=4~6)。c.f 生理食塩水、#c.f PFF-シヌクレイン、ns=有意でない、データは、平均±SEMであり、一元配置分散分析(ANOVA)およびテューキーの事後検定により、***/###P<0.001、****/####P<0.0001。 試験H - 式(I)の化合物(CPD)での経口処置は、パーキンソン病のPFF-シヌクレインモデルにおいて黒質線条体ドパミン作動性神経変性から保護する。A)12か月目のPFFマウスの同側線条体のドパミン(n=4~8/群)。c.f 生理食塩水、#c.f PFF-シヌクレイン、データは、平均±SEMである。一元配置分散分析(ANOVA)およびテューキーの事後検定により、ns=有意でない、/#P<0.05、**/##P<0.01、****/####P<0.0001。 試験H - 式(I)の化合物(CPD)での経口処置は、パーキンソン病のPFF-シヌクレインモデルにおいて黒質線条体ドパミン作動性神経変性から保護する。B)12か月目のPFFマウスの同側線条体のDOPAC(n=4~8/群)。c.f 生理食塩水、#c.f PFF-シヌクレイン、データは、平均±SEMである。一元配置分散分析(ANOVA)およびテューキーの事後検定により、ns=有意でない、/#P<0.05、**/##P<0.01、****/####P<0.0001。 試験H - 式(I)の化合物(CPD)での経口処置は、パーキンソン病のPFF-シヌクレインモデルにおいて黒質線条体ドパミン作動性神経変性から保護する。C)12か月目のPFFマウスの同側線条体のHVA(n=4~8/群)。c.f 生理食塩水、#c.f PFF-シヌクレイン、データは、平均±SEMである。一元配置分散分析(ANOVA)およびテューキーの事後検定により、ns=有意でない、/#P<0.05、**/##P<0.01、****/####P<0.0001。
試験A - 健常マウスにおける血液脳関門通過
目的
本試験は、経口投与後の自由行動下の成体雄マウスの左および右線条体における式(I)の化合物の遊離濃度を決定するために設計された。
動物
成体雄C57Bl/6マウス(22~28g、Envigo、オランダ)を、実験に用いた。到着後に、動物を、ワイヤーメッシュの天井が付いたポリプロピレンケージ(40×50×20cm)中にて5匹からなる群で、温度(22±2℃)および湿度(55±15%)制御環境ならびに12時間明周期(7:00~19:00)で飼育した。手術後に、動物を、個別に飼育した(ケージ30×30×40cm)。標準飼料(SDS Diets、RM1PL)および国内品質の水道水を随意に利用できた。
手術
マウスに、イソフルランを利用して麻酔をかけた(2%および500mL/分O)。Finadyne(1mg/kg、s.c.)を、手術前、手術中および術後回復期間に鎮痛のために投与した。ブピバカインとエピネフリンの混合物を、切開部位の局所鎮痛に用いた。
微小透析プローブの植え込み
動物を、定位固定装置(Kopf instruments、米国)に配置した。3mmの露出したポリアクリロニトリル膜(MQ-PAN3/3)を有するMetaQuant微小透析プローブを、左および右線条体に両側性に植え込んだ(プローブのチップに関する座標:0°の角度および0.0mmに設定されたインサイザーバー(incisor bar)でAP=+0.8mm(ブレグマまで)、ML=±1.7mm(正中線まで)、DV=-4.0mm(硬膜まで))。全ての座標は、Paxinos and Franklin(2008)による「The mouse brain in stereotalic coordinates」に基づいた。プローブを、ステンレス鋼製ねじおよび歯科用セメントで頭蓋骨に取り付けた。
用量配合剤
式(I)の化合物の一ナトリウム塩を、5mL/kgでの経口投薬用に0.2および4mg/mL;それぞれ1mg/kgおよび20mg/kg、の濃度で(非塩形態に関して)滅菌水道水中で配合した。用量配合剤を、表1に示す。各動物に投与された容量を、表2に示す。
Figure 2023501319000005
Figure 2023501319000006
Figure 2023501319000007
実験計画
MetaQuant微小透析プローブを、可撓性PEEKチュービング(Western Analytical Products Inc.米国;PK005-020)で微小灌流ポンプ(Harvard)に連結し、流速0.12μL/分の147mM NaCl、3.0mM KCl、1.2mM CaCl、および1.2mM MgClを含有する人工CSF(灌流液)のスローフロー(slow flow)と、0.8μL/分のUP+0.02M FA+0.04%アスコルビン酸のキャリアフロー(carrier flow)で灌流した。最短で2時間の予備安定化の後、微小透析試料を、60分間隔で収集した。2種のベースライン試料の収集後に、式(I)の化合物(滅菌水道水中の1または20mg/kg)を、t=0分に経口投与した。具体的な微小透析試料採取スケジュールを、表3に示す。試料を、自動フラクションコレクター(UV8301501、TSE、Univentor、マルタ)を用いてミニバイアル(Microbiotech/se AB、スウェーデン;4001029)に収集した。実験終了時に、動物を殺処分した。
Figure 2023501319000008
生物分析
MetaQuantプローブからの微小透析試料は、名目容量55.2μLの透析物を含有した。MetaQuant微小透析試料中の式(I)の化合物のレベルを、LC-MS/MSにより定量した。
透析試料を、アセトニトリルと混合し、この混合物の分割量を、自動サンプルインジェクター(SIL-20AD、Shimadzu、日本)によりLCシステムに注入した。較正物質およびインラン(in-run)QC試料を、微小透析試料と同じ組成の分析用透析物中で調製した。
化合物のクロマトグラフィー分離を、溶離液A(超純水+0.1%ギ酸)中の溶離液B(アセトニトリル+0.1%ギ酸)を流速0.3mL/分で用いて、勾配溶出実行中の温度40℃で保持された逆相カラム(100×3.0mm、粒子径2.5μm、Phenomenex)で実施した。
MS分析を、API4000MS/MS検出器およびTurbo Ion Sprayインターフェース(両者ともApplied Biosystems、米国)からなるAPI4000MS/MSシステムを用いて実施した。取得を、5.5kVに設定されたイオン化スプレー電圧でのポジティブイオン化モードで実施した。プローブ温度を、550℃に設定した。機器を、多重反応モニタリング(MRM)モードで操作した。
分析物のMRMトランジションを、表4に示す。適切なインラン検量線を、加重(1/x)回帰を利用してフィットさせ、試料濃度を、これらの検量線を利用して決定した。正確度を、一連の各試料の後に、品質管理試料により検証した。濃度を、Analyst(商標)データシステム(Applied Biosystems)で計算した。
Figure 2023501319000009
データ評価
式(I)の化合物の薬物動態データを、実験の際の希釈について修正された微小透析液中の濃度(平均+SEM)として表す。透析物中の式(I)の化合物の薬物動態データは、回復については修正しなかった。結果を、Prism5 for Windows(GraphPad Software)でプロットした。
結果
図1は、1または20mg/kgの化合物の経口投与後の自由行動下の成体雄C57Bl/6マウスの左線条体からのMetaQuant透析物中の式(I)の化合物の絶対レベルを示す。図2は、1または20mg/kgの化合物の経口投与後の自由行動下の成体雄C57Bl/6マウスの右線条体からのMetaQuant透析物中の式(I)の化合物の絶対レベルを示す。1mg/kgを投薬された動物は、化合物投与後5時間目に左および右の両方の線条体透析試料中で12~13nMの平均ピークレベルを示した。20mg/kgを投薬された動物は、化合物投与後6時間目に左および右の両方の線条体透析試料中で201~243nMの平均ピークレベルを示した。
示された通り、結果は、経口投与後に血液脳関門を越える式(I)の化合物の能力を実証する。式(I)の化合物は、NLRP3インフラマソームの活性化の高度に効果的な阻害剤であることを過去に実証されている(全体として参照により本明細書に組み入れられるWO2016/131098号参照)。その上、NLRP3インフラマソームの阻害は、パーキンソン病、アルツハイマー病、運動ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症)、ハンチントン病、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、前頭側頭型認知症、運動失調、および神経変性プリオン病などの障害の処置に関連づけられている(Walsh et al., Nature Reviews, 15: 84-97, 2014; Dempsey et al., Brain Behav Immun, 61: 306-316, 2017; Fangzhou et al., J Neuropathol Exp Neurol, 77(11): 1055-1065, 2018; Ising et al., Nature, 575: 669-673, 2019; Kojic et al., Nature Communications, 9: 3195, 2018;およびShi et al., J Neuroinflamm, 9: 73, 2012参照、全てが全体として参照により本明細書に組み入れられる)。そのため、式(I)の化合物は、神経変性疾患の処置または予防に効果的であろうと考えられる。
試験B - パーキンソン病の6-OHDAマウスモデルにおける血液脳関門通過
目的
本試験は、6-ヒドロキシドパミン(6-OHDA)同側病変を有する自由行動下の成体雄マウスの左および右線条体における式(I)の化合物の遊離濃度を評定するために設計された。
動物
成体雄C57Bl/6マウス(23~28g、Envigo、オランダ)を、実験に用いた。到着後に、動物を、ワイヤーメッシュの天井が付いたポリプロピレンケージ(40×50×20cm)中にて5匹からなる群で、温度(22±2℃)および湿度(55±15%)制御環境、ならびに12時間明周期(7:00~19:00)で飼育した。手術後に、動物を、個別に飼育した(ケージ30×30×40cm)。標準飼料(SDS Diets、RM1PL)および国内品質の水道水を随意に利用できた。
手術
マウスに、イソフルランを利用して麻酔をかけた(2%および500mL/分O)。Finadyne(1mg/kg、s.c.)を、手術前、手術中および術後回復期間に鎮痛のために投与した。ブピバカインとエピネフリンの混合物を、切開部位の局所鎮痛に用いた。
6-OHDA病変
動物を、定位固定装置(Kopf instruments、米国)に配置した。生理食塩水2μL中の6-OHDA 10μgを、ハミルトンシリンジ用針を用いて右線条体に緩やかに注射した(針のチップに関する座標:0°の角度および0.0mmに設定されたインサイザーバーバーでAP=-0.5mm(ブレグマまで)、ML=-2.0mm(正中線まで)、DV=-4.0mm(硬膜まで))。
微小透析プローブの植え込み
同様の外科的手順で、3mmの露出したポリアクリロニトリル膜(MQ-PAN3/3)を有するMetaQuant微小透析プローブのガイドを、左および右線条体に両側性に植え込んだ(プローブのチップに関する座標:0°の角度および0.0mmに設定されたインサイザーバーでAP=+0.8mm(ブレグマまで)、ML=±1.7mm(正中線まで)、DV=-4.0mm(硬膜まで))。全ての座標は、Paxinos and Franklin(2008)による「The mouse brain in stereotalic coordinates」に基づいた。プローブを、ステンレス鋼製ねじおよび歯科用セメントで頭蓋骨に取り付けた。
用量配合剤
式(I)の化合物の一ナトリウム塩を、5mL/kgでの経口投薬用に0.2および4mg/mL;それぞれ1mg/kgおよび20mg/kg、の濃度で滅菌水道水中で配合した。用量配合剤を、表5に示す。各動物に投与された容量を、表6に示す。
Figure 2023501319000010
Figure 2023501319000011
Figure 2023501319000012
実験計画
病変およびガイド手術からの回復後の10日目に、MetaQuant微小透析プローブを、可撓性PEEKチュービング(Western Analytical Products Inc.米国;PK005-020)で微小灌流ポンプ(Harvard)に連結し、流速0.12μL/分の147mM NaCl、3.0mM KCl、1.2mM CaCl、および1.2mM MgClを含有する人工CSF(灌流液)のスローフローと、0.8μL/分のUP+0.02M FA+0.04%アスコルビン酸のキャリアフローで灌流した。最短で2時間の予備安定化の後、微小透析試料を、60分間隔で収集した。2種のベースライン試料の収集後に、式(I)の化合物(滅菌水道水中の1または20mg/kg)を、t=0分に経口投与した。具体的な微小透析試料採取スケジュールを、表7に示す。試料を、自動フラクションコレクター(UV8301501、TSE、Univentor、マルタ)を用いてミニバイアル(Microbiotech/se AB、スウェーデン;4001029)に収集した。実験終了時に、動物を殺処分した。
Figure 2023501319000013
生物分析
MetaQuantプローブからの微小透析試料は、名目容量55.2μLの透析物を含有し、さらなる試料調製を行わずに使用された。
MetaQuant微小透析試料中の式(I)の化合物のレベルを、LC-MS/MSにより定量した。透析試料の分取物を、アセトニトリルと混合し、この混合物の分割量を、自動サンプルインジェクター(SIL-20AD、Shimadzu、日本)により、LCシステムに注入した。較正物質およびインランQC試料を、微小透析試料と同じ組成の分析用透析物中で調製した。
化合物のクロマトグラフィー分離を、溶離液A(超純水+0.1%ギ酸)中の溶離液B(アセトニトリル+0.1%ギ酸)を流速0.3mL/分で用いて、勾配溶出実行中の温度40℃で保持された逆相カラム(100×3.0mm、粒子径2.5μm、Phenomenex)で実施した。
MS分析を、API4000MS/MS検出器およびTurbo Ion Sprayインターフェース(両者ともApplied Biosystems、米国)からなるAPI4000MS/MSシステムを用いて実施した。取得を、5.5kVに設定されたイオン化スプレー電圧でのポジティブイオン化モードで実施した。プローブ温度を、550℃に設定した。機器を、多重反応モニタリング(MRM)モードで操作した。
分析物のMRMトランジションを、表8に示す。適切なインラン検量線を、加重(1/x)回帰を利用してフィットさせ、試料濃度を、これらの検量線を利用して決定した。正確度を、一連の各試料の後に、品質管理試料により検証した。濃度を、Analyst(商標)データシステム(Applied Biosystems)で計算した。
Figure 2023501319000014
データ評価
式(I)の化合物の薬物動態データを、実験の際の希釈について修正された微小透析液中の濃度(平均+SEM)として表す。化合物の薬物動態データは、回復については修正しなかった(式(I)の化合物の回復は、BOL key1344については61%である)。結果を、Prism5 for Windows(GraphPad Software)でプロットした。
結果
図3は、1または20mg/kgの化合物の経口投与後の自由行動下の成体雄C57Bl/6マウスの左線条体からのMetaQuant透析物中の式(I)の化合物の絶対レベルを示す。図4は、1または20mg/kgの化合物の経口投与後の自由行動下の成体雄C57Bl/6マウスの右線条体からのMetaQuant透析物中の式(I)の化合物の絶対レベルを示す。
1mg/kgを投薬された動物は、化合物投与後5時間目に左および右の両方の線条体透析試料中で式(I)の化合物の17~19nMの平均ピークレベルを示した。20mg/kgを投薬された動物は、化合物投与後6時間目に左および右の両方の線条体透析試料中で式(I)の化合物の280~300nMの平均ピークレベルを示した。
したがって、経口投与後に血液脳関門を越える式(I)の化合物の能力は、健常なマウスと、パーキンソン病の動物モデルの罹患したマウスの両方で類似していることが認められ得る。
試験C - パーキンソン病の6-OHDAマウスモデルにおける経口有効性
目的
パーキンソン病の6-OHDAマウスモデルにおける式(I)の化合物の経口有効性を決定することである。
処置
8週齢C57BL6雄マウス(オーストラリア、パースのARCから得た)を、SPF環境制御施設において12時間の明周期下で飼育し、試験開始前2週間は試料および水を随意に提供した。式(I)の化合物による処置では、マウスに、経口強制投与を介して投薬した。各群10匹のマウスに、定位手術の前日(24時間前)に始めて、3または1mg/kgを投薬し、その後殺処分までQDとした。
6-OHDA(Sigma)を、手術の直前に調製した。アスコルビン酸(0.2%)を含有する滅菌生理食塩水(0.9%)溶液を、ビヒクルとして用いて、6-OHDAを溶解した。アスコルビン酸は不活性形態への酸化を予防するため、アスコルビン酸を用いて6-OHDAを安定化した。右線条体中に最終濃度12μgを注射するために、6mg/mlの作業原液を作製し、最終容量2μlを注射した。
外科的手順
マウスに、ケタミン(100mg/kg、i.p.)およびキシラジン(10mg/kg、i.p.)麻酔を用いて麻酔をかけ、マウスを、特別にマウスに適合されたノーズバーおよびアイバーを備えた定位固定装置に配置した。病変を、5μlハミルトンシリンジを用いて実施して、ビヒクルまたは6-OHDA(12μg)のどちらかを以下のブレグマに対する座標で定位脳地図に従って右背側線条体中に送達した:AP:-1.2mm;ML:-1.7mm;DV:3.5mm(Paxinos and Franklin(2008)による「The mouse brain in stereotaxic coordinates」)。頭蓋骨に1mmの穿頭孔を開けた後、2μl容量の溶液を、標的部位に0.5μl/分の速度で輸注した。針を、注射後少なくとも5分間定位置に保持して、穿刺経路に沿った逆流を最小限に抑えた。マウスに、滅菌リンゲル液を皮下注射を投与して回復を容易にし、マウスを、麻酔から完全に回復するまでヒートパッド上に置いた。
アンフェタミン誘発回転
アンフェタミン誘発同側回転を、術後21日目に実施した。マウスに、2mg/kg D-アンフェタミンを注射し、マウスを、丸いガラスボールに入れた。5分の馴化後に、10分間にわたる正味の同側回転を、記録し、カウントした。定量を、処置群を伏せられた研究者により、記録ビデオから実施した。
線条体ドパミンおよび代謝産物のLC-MS/MS定量
マウスを、アンフェタミンテストの1週間後(28日目)に殺処分し、線条体組織を、顕微解剖し、計量し、-80℃で瞬間冷凍した。線条体組織からの神経伝達物質を、抽出し、クロロギ酸エチルを用いて誘導体化した。線条体ドパミン(DA)およびその代謝産物(DOPACおよびHVA)を、過去に記載された通り、高感度液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC-MS/MS)を用いて、内部標準3,4-ジヒドロキシベンジルアミン(DHBA)の存在下でそれらの安定な誘導体形態で定量した(Park et al., Biol. Pharm. Bull., 2013, vol. 36, pp.252-8)。API3200(AB SCIEX)トリプル四重極Q TRAP LC/MS/MSシステムを、多重反応モードでポジティブ(+1)イオン化の下、AgilentシリーズHPLCシステムと連結されたTurbo Vイオン源と共に用いた。試料を、移動相A(miliQ水中の0.1%ギ酸)および移動相B(アセトニトリル中の0.1%ギ酸)を用いる流速500μlでのバイナリ勾配条件下にて、Phenomenex Synergi Fusion-RP 80Å分析カラム(150×4.6mm;4μm)でクロマトグラフィーにかけた。定量では、分析物あたり1トランジションをモニタリングし、分析物あたり2トランジションを、定性目的でモニタリングした。
結果
この試験では、3および1mg/kgの式(I)の化合物の有効性を比較した。結果を図5に示す。3mg/kgでは、アンフェタミン誘発同側回転からの有意な保護効果が見出された。6-OHDA病変後28日目の線条体ドパミンおよびその代謝産物DOPACおよびHVAの定量はさらに、3mg/kgの式(I)の化合物で処置されたマウスがドパミンの損失から有意に保護されたことを裏付けた。したがって、式(I)の化合物の連日経口投与が実験的パーキンソン病における黒質線条体ドパミン作動性神経変性から保護すると結論づけることができる。
試験D - パーキンソン病の6-OHDAマウスモデルにおけるMCC950との比較
目的および手順
MCC950は、以下の式:
Figure 2023501319000015

を有する過去に報告されたNLRP3阻害剤である(全体として参照により本明細書に組み入れられるColl et al., Nature Medicine, 2015, vol. 21(3), pp.248-255参照)。
試験Dの狙いは、3mg/kgでマウス同側性6-OHDAモデルにおいて、式(I)の化合物の神経保護有効性をMCC950と比較することであった。アンフェタミン誘発同側回転および線条体ドパミン(DA)レベルを、試験Cで用いられたものと同一のプロトコルを利用して、各薬物3mg/kgで定位手術の前日(24時間前)に開始し、その後殺処分まで連日投与された各群10匹のマウスで評価した。
結果
結果を図6に示す。3mg/kgでは、アンフェタミン誘発同側回転からの有意な保護効果が、両方の薬物で見出された。しかし式(I)の化合物で処置されたマウスは、MCC950に比較してより少ない同側回転を有した(図6A)。具体的には、アンフェタミン誘発回転の75%低減が、6-OHDA非処置群に対するMCC950での55%低減に比較して式(I)の化合物で観察された。これらの挙動は、線条体ドパミンの量にも反映されている。6-OHDA病変後28日目の線条体ドパミンの定量(図6B)はさらに、式(I)の化合物3mg/kgで処置されたマウスがMCC950に比較して改善された有効性でドパミンの損失から有意に保護されたことを裏付けた。それゆえ式(I)の化合物がパーキンソン病の6-OHDAマウスモデルにおいてMCC950を上回る改善された有効性を有することを認めることができる。
試験E - 初代ミクログリア中のNLRP3インフラマソームの阻害におけるMCC950との比較
目的
カノニカルNLRP3活性化因子であるATPで活性化されたLPSでプライミングされたミクログリアにおいて式(I)の化合物およびMCC950のIC50を決定することである。
初代ミクログリア培養物
初代ミクログリア培養物を、C57BL/6生後1日目(P1)の子供マウスから調製し、過去に記載された通りカラムフリーの磁気分離システムにより精製した(全体として参照により本明細書に組み入れられるGordon et al., J. Neurosci. Methods, 2011, vol. 194(2)、 pp.287-296参照)。初代ミクログリアを、DMEM/F12完全培地(10%熱非働化FBS、50U/mLペニシリン、50μg/mLストレプトマイシン、2mM L-グルタミン、100μM非必須アミノ酸、および2mMピルビン酸ナトリウムを補充したDMEM-F12、GIBCO)中で保持した。細胞をその後、5%COインキュベータ中にて37℃で保持した。
IC50決定のためのIL-1β ELISA
マウスIL-1βキット(R&D Systems、カタログ#DY008)を用いて、上昇する濃度のMCC950および式(I)の化合物で予め処置され、ATP 5mMで1時間活性化された、LPSでプライミングされたミクログリア(200ng/mlで3時間)の上清中のIL-1βレベルを測定した。
結果
結果を図7に示す。MCC950は、7.5nMのIC50を得たが(図7A)、式(I)の化合物は、同様の条件下で4.7nMの効力を呈した(図7B)。したがって式(I)の化合物は、初代ミクログリア中のNLRP3インフラマソームの阻害においてMCC950と比較して高い効力を呈する。
試験F-健常な脳からの初代ヒトミクログリア中のNLRP3インフラマソームの阻害
目的
カノニカルNLRP3活性化因子であるATPで活性化されたLPSでプライミングされたミクログリアにおいて式(I)の化合物のIC50を決定することである。
ヒト脳試料
ヒト脳材料を、臨床的に充分に証明されかつ神経学的に確認された症例および非神経学的対照からの死後材料を供給するNetherlands Brain Bank (NBB;オランダ アムステルダム)の迅速剖検システムを介して得た。剖検を、同意書がNBBにより得られているドナーについて、実施した。1例の健常脳組織試料を、この実験で用いた。
ミクログリア単離法
ヒト成人ミクログリア細胞を、Bsibsiらにより過去に記載された通り単離および培養した(Journal of Neuropathology & Experimental Neurology, 2002, vol. 61(11), pp.1013-1021)。手短に述べると、Netherlands Brain Bank (オランダ アムステルダム)で、組織試料を、皮質下白質から切り出し、培地を含む試験管中で4℃で貯蔵した。試料をその後、培地を含む試験管中でCharles River Laboratories(オランダ ライデン)に運搬した。目視できる血管を、除去し、脳組織を、PBSで洗浄した。0.25%トリプシン中での20分間消化の後、細胞懸濁液を、穏やかに研和し、10%FCSおよび抗生物質サプリメントを含有するDMEM/HAM-F12培地で洗浄した。100μmフィルターに通した後、ミエリンを、Percoll勾配遠心分離により除去した。赤血球を、PBS中の155mM NHCl、1mM KHCOおよび0.2%BSAと氷上で15分間インキュベートすることにより溶解した。次に、細胞懸濁液を、非コーティング96ウェルプレートに40000~100000細胞/ウェルの密度で播種した。ミクログリア細胞の増殖および生存を促進するために、組換えヒトGM-CSFを、播種の際およびその後3日ごとに最終濃度20ng/mlで培地に添加した。3~5日後に、培養物を、培地で洗浄して細胞片を除去し、これをアッセイ0日目と定義した。培養されたミクログリア細胞の純度を、ミクログリア同定マーカ(Iba1)および活性化マーカ(CD45)についての免疫染色により検証した。加えて培養物を、アストロサイト(GFAP発現)および神経細胞(NeuN発現)を含む潜在的に混入する細胞集団についてチェックした。QCプレートを、実験開始の同日に4%ホルムアルデヒドで固定した。
IC50決定のためのIL-1β ELISA
0日目にミエリンおよび細胞片を、培地での洗浄により除去した。2および3日目に(T=0時間)、培地を、100ng/ml LPS 80μl(無血清培地中で調製)と交換して、ミクログリアをプライミングした。T=+1.5時間に、1000nM、200nM、40nM、8nM、1.6nM、0.3nM、0.064nMの式(I)の化合物(PBS中)を、添加した。30分後に、5mM ATP(無血清培地中の最終濃度)を、培養物に添加した。惹起後の異なる時点で、上清を、別の96ウェルプレートに収集し、-20℃で貯蔵した(分析される試料をATP添加後2時間目に収集した)。Meso Scale Discovery(MSD(登録商標))サイトカインイムノアッセイ(U-PLEX Human Kit)を用いて、キット(MSD # K151TUK-2)と共に提供された製造業者の使用説明書に従い、各条件からの細胞上清中のIL-1βの濃度を定量した。手短に述べると、MSDプレートを、振とう台の上で、Diluent100で希釈された捕捉抗体により室温で2時間コートした。プレートを、0.05%PBS-Tweenで洗浄し、25μL/ウェルのDiluent43、ならびに25μL/ウェルの未希釈試料および標準曲線濃度を、技術的に二重で添加し、振とうしながら(500rpm)4℃で一晩インキュベートした。プレートを、0.05%PBS-Tweenで洗浄し、Diluent3で希釈されたMSD Sulfo-Tagコンジュゲート化検出抗体を、各ウェルに添加し、振とうしながら室温で1時間インキュベートした。プレートをその後、0.05%PBS-Tweenで洗浄し、水で1:2希釈されたMSD Read Buffer-T 4x(界面活性剤含む)150μlを、各ウェルに添加した。プレートを、MSD sector imager model 6000を用いて読み取り、濃度を、MSD discovery workbench(登録商標)version4を用いて計算した。試料を、MSD SECTOR S600リーダで分析し、DISCOVERY WORLBENCHでMSDプレートから作成された複合データセットを解析した。
結果
上清中のIL-1β濃度を、MSDキットに含まれる組換えIL-1βの標準曲線を利用して逆算した。図8に示される通り、式(I)の化合物は、142nMのIC50を得ており、したがって化合物がヒトミクログリア中のIL-1β産生を阻害するのに効果的であることを実証する。
試験G - パーキンソン病の脳からの初代ヒトミクログリア中のNLRP3インフラマソームの阻害
目的
カノニカルNLRP3活性化因子であるATPで活性化されたLPSでプライミングされたヒトミクログリア中の式(I)の化合物のIC50を、疾患の状況において決定することである。
ヒト脳試料
ヒト脳材料を、臨床的に充分に証明されかつ神経学的に確認された症例および非神経学的対照からの死後材料を供給するNetherlands Brain Bank (NBB;オランダ アムステルダム)の迅速剖検システムを介して得た。剖検を、同意書がNBBにより得られているドナーについて実施した。3例のパーキンソン病の脳を、これらの実験で用いた。
ミクログリア単離法
ヒト成人ミクログリア細胞を、Bsibsiらにより過去に記載された通り単離および培養した(Journal of Neuropathology & Experimental Neurology, 2002, vol. 61(11), pp.1013-1021)。手短に述べると、Netherlands Brain Bank (オランダ アムステルダム)で、組織試料を、皮質下白質から切り出し、培地を含む試験管中で4℃で貯蔵した。試料をその後、培地を含む試験管中でCharles River Laboratories(オランダ ライデン)に運搬した。目視できる血管を、除去し、脳組織を、PBSで洗浄した。0.25%トリプシン中での20分間消化の後、細胞懸濁液を、穏やかに研和し、10%FCSおよび抗生物質サプリメントを含有するDMEM/HAM-F12培地で洗浄した。100μmフィルターに通した後、ミエリンを、Percoll勾配遠心分離により除去した。赤血球を、PBS中の155mM NHCl、1mM KHCOおよび0.2%BSAと氷上で15分間インキュベートすることにより溶解した。次に、細胞懸濁液を、非コーティング96ウェルプレートに40000~100000細胞/ウェルの密度で播種した。ミクログリア細胞の増殖および生存を促進するために、組換えヒトGM-CSFを、播種の際およびその後3日ごとに最終濃度20ng/mlで培地に添加した。3~5日後に、培養物を、培地で洗浄して細胞片を除去し、これをアッセイ0日目と定義した。培養されたミクログリア細胞の純度を、ミクログリア同定マーカ(Iba1)および活性化マーカ(CD45)についての免疫染色により検証した。加えて培養物を、アストロサイト(GFAP発現)および神経細胞(NeuN発現)を含む潜在的に混入する細胞集団についてチェックした。QCプレートを、実験開始の同日に4%ホルムアルデヒドで固定した。
IC50決定のためのIL-1β ELISA
0日目にミエリンおよび細胞片を、培地での洗浄により除去した。2および3日目に(T=0時間)、培地を、100ng/ml LPS 80μl(無血清培地中で調製)と交換して、ミクログリアをプライミングした。T=+1.5時間に、1000nM、200nM、40nM、8nM、1.6nM、0.3nM、0.064nMの式(I)の化合物(PBS中)を添加した。30分後に、5mM ATP(最終濃度、無血清培地中)を培養物に添加した。惹起後の異なる時点で、上清を、別の96ウェルプレートに収集し、-20℃で貯蔵した(分析される試料をATP添加後2時間目に収集した)。Meso Scale Discovery(MSD(登録商標))サイトカインイムノアッセイ(U-PLEX Human Kit)を用いて、キット(MSD # K151TUK-2)と共に提供された製造業者の使用説明書に従い、各条件からの細胞上清中のIL-1βの濃度を定量した。手短に述べると、MSDプレートを、振とう台の上で、Diluent100で希釈された捕捉抗体により室温で2時間コートした。プレートを、0.05%PBS-Tweenで洗浄し、25μL/ウェルのDiluent43、ならびに25μL/ウェルの未希釈試料および標準曲線濃度を、技術的に二重で添加し、振とうしながら(500rpm)4℃で一晩インキュベートした。プレートを、0.05%PBS-Tweenで洗浄し、Diluent3で希釈されたMSD Sulfo-Tagコンジュゲート化検出抗体を、各ウェルに添加し、振とうしながら室温で1時間インキュベートした。プレートをその後、0.05%PBS-Tweenで洗浄し、水で1:2希釈されたMSD Read Buffer-T 4x(界面活性剤含む)150μlを、各ウェルに添加した。プレートを、MSD sector imager model 6000を用いて読み取り、濃度を、MSD discovery workbench(登録商標)version4を用いて計算した。試料を、MSD SECTOR S600リーダで分析し、DISCOVERY WORLBENCHでMSDプレートから作成された複合データセットを解析した。
結果
上清中のIL-1β濃度を、MSDキットに含まれる組換えIL-1βの標準曲線を利用して逆算した。図9に示される通り、式(I)の化合物は、101nMのIC50を得ており、したがって化合物が疾患の状況におけるヒトミクログリア中のIL-1β産生を阻害するのに効果的であることを実証する。
ミクログリアは、脳および脊髄に存在し、中枢神経系の能動免疫防御の主要な形態として作用する。ミクログリア中の炎症応答は、パーキンソン病(全体として参照により本明細書に組み入れられるHo, Adv. Exp. Med. Biol., 2019, vol. 1175, pp. 335-353;およびGordon et al., Sci. Transl. Med., 2018, vol. 10(465)参照)、アルツハイマー病(全体として参照により本明細書に組み入れられるHemonnot et al., Front. Aging Neurosci., 2019, vol. 11, article 233参照)、運動ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症)(全体として参照により本明細書に組み入れられるRodriguez et al., Current Medicinal Chemistry, 2016, vol. 23(42), pp. 4753-4772;およびBrites et al., Front. Cell. Neurosci., 2014, vol. 8, article 117参照)、ハンチントン病(全体として参照により本明細書に組み入れられるYang et al., Front. Aging Neurosci., 2017, vol. 9, article 193;およびPavese et al., Neurology, 2006, vol. 66(11)、 pp. 1638-1643参照)、多系統萎縮症(全体として参照により本明細書に組み入れられるKubler et al., Mov. Disord., 2019, vol. 34(4), pp. 564-568;およびIshizawa et al., J. Neuropath. Exp. Neurol., 2004, vol. 63(1), pp. 43-52参照)、進行性核上性麻痺(全体として参照により本明細書に組み入れられるFernandez-Botran et al., Parkinsonism Relat Disord., 2011, vol. 17(9), pp. 683-688;およびIshizawa et al., J. Neuropath. Exp. Neurol., 2001, vol. 60(6), pp. 647-57参照)、前頭側頭型認知症(全体として参照により本明細書に組み入れられるPasqualetti et al., Current Neurology and Neuroscience Reports, 2015, vol. 15, article 17; Bachiller et al., Front. Cell. Neurosci., 2018, vol. 12, article 488;およびCagnin et al., Ann. Neurol., 2004, vol. 56(6), pp. 894-7参照)、運動失調(全体として参照により本明細書に組み入れられるKojic et al., Nature Communications, 9: 3195, 2018参照)、および神経変性プリオン病(全体として参照により本明細書に組み入れられるShi et al., J Neuroinflamm, 9: 73, 2012参照)などの障害に関連づけられている。本明細書に提示された結果は、(i)式(I)の化合物がミクログリア中のNLRP3の高度に強力な阻害剤であること、および(ii)それが経口投与後に血液脳関門を越えることによりそのようなミクログリアに到達し得ること、の両方を実証する。そのため、式(I)の化合物は、神経変性疾患の処置または予防に効果的であろうと考えられる。
試験H - パーキンソン病のプレフォームドフィブリル(preformed fibrils)(PFF)マウスモデルにおける経口有効性
目的
予防的および治療的投薬スケジュールを利用して、パーキンソン病(PD)の慢性進行性モデルであるプレフォームドフィブリル(PFF)マウスモデルにおいて式(I)の化合物の経口有効性を決定することである。
処置
8週齢C57BL6雄マウス(オーストラリア パースのARCから得た)を、SPF環境制御施設において12時間の明周期下で飼育し、試験開始前2週間は飼料および水を随意に提供した。式(I)の化合物(または対照動物では水のみ)を、飲料水中で0.3mg/mlでマウスに投与した。動物を、表9に記載される群に分別し、各コホートで10匹で開始した。予防的投薬では、処置を、PFF-シヌクレイン注射の1日前に開始した。治療的投薬では、処置を、PFF-シヌクレインでの疾患誘導の4か月後に開始した。
Figure 2023501319000016
細線維αシヌクレインの調製
組換えヒトαシヌクレインを、rPeptide Inc.から得て、インビトロフィブリル作製を、過去に発表された報告に概説された通り、連日の音波処理サイクルを用いて細線維凝集体を破壊しながら、7日間オービタルミキサー(400rpm)で撹拌しつつ37℃でインキュベーションすることにより、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中にて2mg/mlの最終濃度で実施した(全体として参照により本明細書に組み入れられるLuk et al., Science, 2012, vol. 338(6109), pp.949-53;およびZhang et al., Methods Mol. Biol., 2019, vol. 1948, pp.45-57参照)。細線維αシヌクレイン種の生成を、使用前に透過型電子顕微鏡およびチオフラビンT蛍光により確認した。
外科的手順
マウスに、ケタミン(100mg/kg、i.p.)およびキシラジン(10mg/kg、i.p.)麻酔を用いて麻酔をかけ、マウスを、特別にマウスに適合されたノーズバーおよびアイバーを備えた定位固定装置に配置した。病変を、5μlハミルトンシリンジを用いて実施して、ビヒクルまたはヒトPFF-シヌクレイン(8μg)のどちらかを以下のブレグマに対する座標で定位脳地図に従って右背側線条体中に送達した:AP:+0.5mm;ML:-2.0mm;DV:-3.0mm(Paxinos and Franklin(2008)による「The mouse brain in stereotaxic coordinates」)。頭蓋骨に1mmの穿頭孔を開けた後、2μl容量の溶液を、標的部位に0.2μl/分の速度で輸注した。針を、注射後少なくとも5分間定位置に保持して、穿刺経路に沿った逆流を最小限に抑えた。マウスに、滅菌リンゲル液を皮下注射により投与して回復を容易にし、マウスを、麻酔から完全に回復するまでヒートパッド上に置いた。
挙動テスト
全ての挙動テストを、明暗周期の明期の間に実施した。各テストの前に、マウスを、少なくとも30分の馴化期間の間テストルームに移動させた。挙動テストに用いられる機器および道具を、70%エタノールで徹底して浄化し、トライアル間は滅菌水ですすいで臭いを最小限に抑えた。
バランスビームテスト
マウスを、0.5cm幅、1m長のバランスビーム装置でテストした。バランスビームは、50cm高の透明Plexiglas構造と、軌道の終末にある暗い休憩ボックスからなった。マウスを、午前に3回ビームで訓練し、少なくとも15分のトライアル間休憩期間を設けた。マウスを、暗い休憩ボックス中に少なくとも10秒間放置した後、ホームケージに戻した。マウスをその後、訓練セッションの少なくとも2時間後の午後に再テストした。テストセッションの間、マウスの成績を記録した。テストは、3回のトライアルと、少なくとも10分のトライアル間休憩時間からなった。ビームを横断するまでの潜時を、この3回のテストの間に記録した。マウスを、PFFまたはビヒクル注射後4、6、8および10か月目にテストした。
ロータロッドテスト
加速ロータロッドテストを、2日間訓練および馴化させて連続3日にわたり実施した。1日3回のトライアルを、5分間で5~40RPMの加速される速度にてロータロッド(Ugo Basile)装置を用いて実施した。少なくとも30分の休憩時間を、トライアル間に与えた。落下潜時を、各時間に記録した。回転するロッド上に5分より長く乗ることができた各マウスを、取り出し、その潜時を、300秒と記録した。実施されたトライアル3回の平均を、提示する。マウスを、PFFまたはビヒクル注射後4、6、8および10か月目にテストした。
血漿IL-1β ELISA決定
マウスIL-1βキット(R&D Systems、カタログ#DY008)を用いて、カリング時点(12か月)でのマウスからの血漿試料中のIL-1β濃度を測定した。血漿試料を、製造業者の使用説明書に従って5分の1に希釈した。
線条体ドパミンおよび代謝産物のLC-MS/MS定量
12か月目にマウスを、殺処分し、線条体組織を、顕微解剖し、計量し、-80℃で瞬間冷凍した。線条体組織からの神経伝達物質を抽出し、クロロギ酸エチルを用いて誘導体化した。線条体ドパミン(DA)およびその代謝産物(DOPACおよびHVA)を、過去に記載された通り、高感度液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC-MS/MS)を用いて、内部標準3,4-ジヒドロキシベンジルアミン(DHBA)の存在下でそれらの安定な誘導体形態で定量した(Park et al., Biol. Pharm. Bull., 2013, vol. 36, pp.252-8)。API3200(AB SCIEX)トリプル四重極Q TRAP LC/MS/MSシステムを、多重反応モードでポジティブ(+1)イオン化の下、AgilentシリーズHPLCシステムと連結されたTurbo Vイオン源と共に用いた。試料を、移動相A(miliQ水中の0.1%ギ酸)および移動相B(アセトニトリル中の0.1%ギ酸)を用いる流速500μlでのバイナリ勾配条件下にて、Phenomenex Synergi Fusion-RP 80Å分析カラム(150×4.6mm;4μm)でクロマトグラフィーにかけた。定量では、分析物あたり1トランジションをモニタリングし、分析物あたり2トランジションを、定性目的でモニタリングした。
結果
挙動の結果を図10に示す。PFF-Synマウスは、進行性運動障害および線条体ドパミンの損失を発症し、注射の4か月後に有意な変化を有する。PFF注射前の24時間(予防的)からのおよびPFF注射後の4か月(治療的)からの式(I)の化合物(0.3mg/ml)の飲水投与はいずれも、ロータロッドで改善された成績をもたらした(図10A)。類似の結果が、バランスビームテストで得られた(図10B)。
血漿中の循環IL-1βのプロファイルを特徴づけるために、IL-1βを、PFF-シヌクレイン注射後12か月目にELISAを通して測定した。図11に示された結果は、予防的および治療的処置の両方がPFF-シヌクレイン群に比較して循環IL-1βの有意な減少をもたらしたことを実証する。式(I)の化合物での予防的処置で観察された減少は、治療的投薬群で観察された減少より大きかった。
線条体ドパミンの(DA)およびその代謝産物(DOPACおよびHVA)のレベルの分析結果を、図12に示す。
PFFモデルを用いた過去の試験は、注射された側での線条体ドパミンの低減を伴う、黒質中のドパミン作動性ニューロンの進行性損失があることを示した(全体として参照により本明細書に組み入れられるZhang et al., Methods Mol. Biol., 2019, vol. 1948, pp. 45-57;およびGordon et al., Sci. Transl. Med., 2018, vol. 10(465)参照)。これらの報告と一致して、未処置のPFF-synマウスにおいて、12か月目の線条体ドパミンおよびドパミン代謝産物の実質的低減が観察された。対照的に、予防的および治療的設定の両方で式(I)の化合物で処置されたPFF-synマウスは、有意に高い線条体ドパミン濃度を有し(それぞれP<0.02およびP<0.05;図12A)、この薬物がαシヌクレインの病理学により誘導されるドパミン作動性神経変性から保護したことを示す。処置されたマウスはまた、非処置PFFマウスに比較して有意に高いドパミン代謝産物DOPAC(図12B)およびHVA(図12C)を有した。
したがって、パーキンソン病のPFFマウスモデルにおける式(I)の化合物の経口投与は、治療的および予防的能力の両方において効果的処置をもたらすと結論づけることができる。予防的処置群は特に、運動障害およびドパミン損失に対して優れた有効性を示した。とりわけPFF-シヌクレイン注射後4か月目に開始する治療的処置群はまた、PFF-シヌクレイン群に比較して、運動機能の有意な改善を示し、式(I)の化合物での処置がこのモデルにおいてさらなるドパミン作動性神経変性を停止させ得ることを示した。興味深いことに、実験終了時(12か月目)のドパミンおよびそれらの代謝産物の測定は、予防的および治療的処置レジメンの両方での神経保護を実証した。このことは、4か月目の明白な運動障害にかかわらず、式(I)の化合物が、依然としてドパミン損失のさらなる下降を予防し得ることを示唆する。結果は、パーキンソン病患者、特に能動的運動症状および/またはドパミン損失を有する患者における処置が有益であることを立証する、好材料を提供する。

Claims (40)

  1. 神経変性疾患の処置または予防における使用のための、式(I):
    Figure 2023501319000017

    の化合物またはその医薬的に許容できる塩。
  2. 前記神経変性疾患が、パーキンソン病である、請求項1に記載の使用のための化合物または塩。
  3. 前記神経変性疾患が、アルツハイマー病である、請求項1に記載の使用のための化合物または塩。
  4. 前記神経変性疾患が、運動ニューロン疾患である、請求項1に記載の使用のための化合物または塩。
  5. 前記神経変性疾患が、ハンチントン病である、請求項1に記載の使用のための化合物または塩。
  6. 前記神経変性疾患が、多系統萎縮症である、請求項1に記載の使用のための化合物または塩。
  7. 前記神経変性疾患が、進行性核上性麻痺である、請求項1に記載の使用のための化合物または塩。
  8. 前記神経変性疾患が、前頭側頭型認知症である、請求項1に記載の使用のための化合物または塩。
  9. 前記神経変性疾患が、運動失調である、請求項1に記載の使用のための化合物または塩。
  10. 前記神経変性疾患が、神経変性プリオン病である、請求項1に記載の使用のための化合物または塩。
  11. 前記処置または予防が、神経炎症の処置または予防を含む、いずれかの前記請求項に記載の使用のための化合物または塩。
  12. 前記処置または予防が、前記化合物または前記その塩の経口投与を含む、いずれかの前記請求項に記載の使用のための化合物または塩。
  13. 前記化合物または塩が、ナトリウム塩である、いずれかの前記請求項に記載の使用のための化合物または塩。
  14. 前記化合物または塩が、一ナトリウム塩である、いずれかの前記請求項に記載の使用のための化合物または塩。
  15. 前記化合物または塩が、一水和物である、いずれかの前記請求項に記載の使用のための化合物または塩。
  16. 前記化合物または塩が、結晶性である、いずれかの前記請求項に記載の使用のための化合物または塩。
  17. 前記化合物または塩が、結晶性一ナトリウム一水和物塩である、任意の前記請求項に記載の使用のための化合物または塩。
  18. 4.3°2θ、8.7°2θ、および20.6°2θ(全て±0.2°2θ)にピークを含むXRPDスペクトルを有する、請求項17に記載の使用のための化合物または塩。
  19. XRPDスペクトルを有しその中の10個の最も強いピークが4.3°2θ、6.2°2θ、6.7°2θ、7.3°2θ、8.7°2θ、9.0°2θ、12.1°2θ、15.8°2θ、16.5°2θ、18.0°2θ、18.1°2θ、20.6°2θ、21.6°2θ、および24.5°2θ(全て±0.2°2θ)から選択される2θ値を有する5個以上のピークを含む、請求項17または18に記載の使用のための化合物または塩。
  20. 医薬的に許容できる賦形剤といずれかの前記請求項に記載の使用のための化合物または塩とを含む医薬組成物。
  21. 経口投与に適する、請求項20に記載の医薬組成物。
  22. それを必要とする患者における神経変性疾患の処置または予防のための方法であって、式(I):
    Figure 2023501319000018

    の化合物またはその医薬的に許容できる塩の治療的または予防的に効果的な量を前記それを必要とする患者に投与することを含む、方法。
  23. 前記神経変性疾患が、パーキンソン病である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記神経変性疾患が、アルツハイマー病である、請求項22に記載の方法。
  25. 前記神経変性疾患が、運動ニューロン疾患である、請求項22に記載の方法。
  26. 前記神経変性疾患が、ハンチントン病である、請求項22に記載の方法。
  27. 前記神経変性疾患が、多系統萎縮症である、請求項22に記載の方法。
  28. 前記神経変性疾患が、進行性核上性麻痺である、請求項22に記載の方法。
  29. 前記神経変性疾患が、前頭側頭型認知症である、請求項22に記載の方法。
  30. 前記神経変性疾患が、運動失調である、請求項22に記載の方法。
  31. 前記神経変性疾患が、神経変性プリオン病である、請求項22に記載の方法。
  32. 前記処置または予防が、神経炎症の処置または予防を含む、請求項22~31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記処置または予防が、前記化合物または前記その塩の経口投与を含む、請求項22~32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 前記化合物または塩が、ナトリウム塩である、請求項22~33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記化合物または塩が、一ナトリウム塩である、請求項22~34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記化合物または塩が、一水和物である、請求項22~35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記化合物または塩が、結晶性である、請求項22~36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記化合物または塩が、結晶性一ナトリウム一水和物塩である、請求項22~37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 前記結晶性一ナトリウム一水和物塩が、4.3°2θ、8.7°2θ、および20.6°2θ(全て±0.2°2θ)にピークを含むXRPDスペクトルを有する、請求項38に記載の方法。
  40. 前記結晶性一ナトリウム一水和物塩が、XRPDスペクトルを有しその中の10個の最も強いピークが4.3°2θ、6.2°2θ、6.7°2θ、7.3°2θ、8.7°2θ、9.0°2θ、12.1°2θ、15.8°2θ、16.5°2θ、18.0°2θ、18.1°2θ、20.6°2θ、21.6°2θ、および24.5°2θ(全て±0.2°2θ)から選択される2θ値を有する5個以上のピークを含む、請求項38または39に記載の方法。
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