JP2023184740A - ぱちんこ遊技機 - Google Patents

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Kazutomo Namiiri
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Abstract

【課題】従来以上に高ベース状態の遊技性を向上させる。【解決手段】特別遊技の実行が終了することで低ベース状態から高ベース状態に移行可能に構成されているとともに、低ベース状態における第1特別図柄の変動表示回数及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が特定回数に達することでも、低ベース状態から高ベース状態に移行可能に構成されており、低ベース状態における普通図柄の変動表示時間の種類数は、高ベース状態における普通図柄の変動表示時間の種類数よりも多くなるよう構成されている。【選択図】図49

Description

ぱちんこ遊技機に関する。
従来のぱちんこ遊技機では、特別遊技の終了後に時短状態である高ベース状態へ移行させ、所定回数の当否抽選が行われるまで、その高ベース状態を継続させていた。また、その高ベース状態の期間(高ベース状態が継続可能な当否抽選の回数)を複数備えることで、高ベース状態の遊技性を高めていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2006-296598号公報
しかしながら、特許文献1のようなぱちんこ遊技機において、高ベース状態の更なる遊技性の向上が求められている。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、その目的は、従来以上に高ベース状態の遊技性を向上させることである。
本態様に係るぱちんこ遊技機は、
遊技球が入球可能な第1始動入賞口と、
遊技球が入球可能な第2始動入賞口と、
開状態と閉状態を採り得る大入賞口と、
第2始動入賞口に取り付けられ、開状態と閉状態を採り得る可変部材と、
第1特別図柄を表示可能な第1特別図柄表示部と、
第2特別図柄を表示可能な第2特別図柄表示部と、
普通図柄を表示可能な普通図柄表示部と、
遊技の進行を制御する主遊技部と、
演出を表示可能な演出表示部と、
演出表示部への演出表示を制御する副遊技部と
を備え、
第1始動入賞口への入球に基づき、第1乱数を取得可能に構成され、
第1乱数が取得された場合、第1乱数を第1保留として記憶可能に構成され、
第1保留に係る第1乱数に基づき当否抽選を実行し、当該当否抽選の結果に基づき第1特別図柄の変動パターンを決定可能に構成され、
決定された第1特別図柄の変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示部にて第1特別図柄を変動表示させた後に第1特別図柄を停止表示可能に構成され、
第2始動入賞口への入球に基づき、第2乱数を取得可能に構成され、
第2乱数が取得された場合、第2乱数を第2保留として記憶可能に構成され、
第2保留に係る第2乱数に基づき当否抽選を実行し、当該当否抽選の結果に基づき第2特別図柄の変動パターンを決定可能に構成され、
決定された第2特別図柄の変動パターンに基づいて、第2特別図柄表示部にて第2特別図柄を変動表示させた後に第2特別図柄を停止表示可能に構成され、
第1乱数に基づく当否抽選の結果が当選であって第1特別図柄が停止表示された後又は第2乱数に基づく当否抽選の結果が当選であって第2特別図柄が停止表示された後において、大入賞口を遊技者にとって有利な状態とし得る特別遊技を実行可能に構成され、
普通図柄表示部にて普通図柄が変動表示した後に所定態様にて停止表示することで、可変部材を遊技者にとって有利な状態とし得る補助遊技を実行可能に構成されており、
第2始動入賞口への入球容易性に関する遊技状態として、低ベース状態と、低ベース状態よりも第2始動入賞口への入球容易性が高い高ベース状態とを有し、所定の移行条件を充足することで高ベース状態へ移行可能に構成されており、
特別遊技の実行が終了することで低ベース状態から高ベース状態に移行可能に構成されているとともに、低ベース状態における第1特別図柄の変動表示回数及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が特定回数に達することでも、低ベース状態から高ベース状態に移行可能に構成されており、
低ベース状態における普通図柄の変動表示時間の種類数は、高ベース状態における普通図柄の変動表示時間の種類数よりも多くなるよう構成されていることを特徴とするぱちんこ遊技機である。
なお、以上の発明に係る構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したもの、発明を実施するための形態に記載された実施形態や変形例に係る構成もまた、本発明の態様として有効である。
本発明の遊技機によれば、従来以上に高ベース状態の遊技性を向上させることができる。
前提とするぱちんこ遊技機の正面図である。 上記ぱちんこ遊技機の枠部材を開放した状態の正面方向の斜視図である。 上記ぱちんこ遊技機の枠部材を開放した状態の背面方向の斜視図である。 前提とするぱちんこ遊技機に取り付けられた遊技盤を示す斜視図である。 前提とするぱちんこ遊技機の機能ブロック図である。 前提とするぱちんこ遊技機の遊技状態の遷移を示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の主制御基板の電源投入処理を示す図である。 上記電源投入処理中の遊技停止状態設定処理を示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の主制御基板の割込み処理を示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の当否抽選テーブルを示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の当り図柄抽選テーブルを示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の低ベース状態中における変動パターン抽選テーブルを示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の高ベース状態中における変動パターン抽選テーブルを示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の限定的な期間に参照される特殊変動パターン抽選テーブルを示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の演出制御基板の電源投入処理を示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の演出制御基板の割込み処理を示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の通常遊技中(低確率/低ベース中)の図柄変動表示(装飾図柄の停止表示中)の遊技演出を表した図である。 前提とするぱちんこ遊技機の大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われている状況の遊技演出を表した図である。 前提とするぱちんこ遊技機において大当り遊技を実行している状態の遊技演出を表した図である。 前提とするぱちんこ遊技機の特定遊技状態中(高確率または低確率/高ベース)である電チューサポート機能の作動中の遊技演出を表した図である。 本実施例のぱちんこ遊技機におけるゲームフローを示す図である。 本実施例のぱちんこ遊技機における特定遊技(突破ゾーン)の演出例(保留チャージ演出)を示す図である。 本実施例のぱちんこ遊技機における特定遊技(突破ゾーン)の演出例(突破ゾーンバトル演出)を示す図である。 本実施例のぱちんこ遊技機における特定遊技(突破ゾーン)の演出例(突破ゾーンバトル勝利演出)を示す図である。 本実施例のぱちんこ遊技機における小当り遊技時の演出例(V入賞促進演出)を示す図である。 本実施例のぱちんこ遊技機における特別遊技開始デモ中の演出例(大当り種別報知演出)を示す図である。 本実施例のぱちんこ遊技機における特定の特定遊技(擬似大当り)へ移行する場合の特別遊技(1回目の大当り)中の演出例を示す図である。 本実施例のぱちんこ遊技機における特定遊技(擬似大当り)中の演出例を示す図である。 本実施例のぱちんこ遊技機における特定の特定遊技(擬似大当り)実行後の特別遊技(2回目の大当り)中の演出例を示す図である。 本実施例のぱちんこ遊技機における特定遊技(バトルモード)中の演出例(バトルモード前半)を示す図である。 本実施例のぱちんこ遊技機における特定遊技(バトルモード)における最終変動から残り保留最大4個回分にて表示される演出の演出例(保留チャージ演出(バトルモード))を示す図である。 本実施例のぱちんこ遊技機における特定遊技(バトルモード)における最終変動から残り保留最大4個回分にて表示される演出の演出例(バトルモード最終バトル演出)を示す図である。 第2実施例のぱちんこ遊技機の遊技領域における入賞装置等の配置関係の一例を示す図である。 第2-1実施例のぱちんこ遊技機におけるゲームフローを示す図である。 第2-1実施例のぱちんこ遊技機における大当り(小当り)図柄の振り分け比率を示す図である。 第2-1実施例のぱちんこ遊技機の長時間チャンス状態の演出例を示した図である。 第2-1実施例のぱちんこ遊技機における普通電動役物開放演出の演出例を示す図である。 第2-2実施例のぱちんこ遊技機におけるゲームフローを示す図である。 第2-2実施例のぱちんこ遊技機のチャンスタイム中の演出の一例を示す図である。 第2-2実施例のぱちんこ遊技機のチャンスタイム中の演出の他の例を示す図である。 第2-2実施例のぱちんこ遊技機のスーパーチャンスタイム中の演出の一例を示す図である。 第2-3実施例のぱちんこ遊技機におけるゲームフローを示す図である。 第2-3実施例のぱちんこ遊技機における大当り(小当り)図柄の振り分け比率を示す図である。 第3実施例のぱちんこ遊技機の自動操作機能を設定するための画面の一例を示す図である。 第3実施例のぱちんこ遊技機の自動操作機能を設定した後の画面の一例を示す図である。 第3実施例のぱちんこ遊技機の自動操作タイミングを設定したい演出を選択するための画面の一例を示す図である。 第3実施例のぱちんこ遊技機の自動操作タイミングを設定するための画面の一例を示す図である。 第3実施例のぱちんこ遊技機の遊技領域における入賞装置等の配置関係の一例を示す図である。 第4実施例のぱちんこ遊技機の「救済機能」の発生に関する演出画面の一例(699回転目の時点で第1特別図柄に係る保留が存在する場合)を示す図である。 第4実施例のぱちんこ遊技機の「救済機能」の発生に関する演出画面の一例(699回転目の時点で第1特別図柄に係る保留が存在しない場合)を示す図である。 第4実施例のぱちんこ遊技機の特別図柄抽選に関する変動パターンの一例を示す図である。 第4実施例のぱちんこ遊技機の普通図柄抽選に関する当否、図柄、変動パターンの一例を示す図である。 第5実施例のぱちんこ遊技機の遊技領域における入賞装置等の配置関係の一例を示す図である。 第5実施例のぱちんこ遊技機の「救済機能」の発生に関する演出画面の一例(500回転目の変動が第1特別図柄の変動である場合)を示す図である。 第5実施例のぱちんこ遊技機の「救済機能」の発生に関する演出画面の一例(500回転目の変動が第2特別図柄の変動である場合)を示す図である。
(前提技術)
以下、本発明の前提とするぱちんこ遊技機(以下「前提技術」)について図面を用いて説明する。前提技術に係るぱちんこ遊技機の代表例として、ぱちんこ遊技機を図1および図3に示すとともに、このぱちんこ遊技機に設けられる遊技盤を図4に示しており、まず、これらの図を参照して、ぱちんこ遊技機の機械構成について説明する。なお、以降の説明においては、便宜上、図2の各矢印で示す方向をそれぞれ、前後方向、左右方向、上下方向と称して説明する。
[ぱちんこ遊技機の機械構成]
始めに、ぱちんこ遊技機Pの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機Pは、図1および図2に示すように、外郭方形に構成され、遊技施設において固定される外枠P1の開口前面に、外枠P1の開口に合わせたサイズで方形に構成された前枠P2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構(上ヒンジ部10、下ヒンジ部20)により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられる。
前枠P2には、遊技盤P5とガラス枠P3とが着脱可能にセットされている。ガラス枠P3は方形状であり、前枠P2の前面側に上下のヒンジ機構(上ヒンジ部10、下ヒンジ部20)を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられて保持される。遊技盤P5は、前枠P2の前面側に着脱可能にセットされ、閉鎖保持されるガラス枠P3のガラスP301を通して遊技盤P5の正面側に設けられた遊技領域P501を遊技者が視認可能に構成されている。また前枠P2およびガラス枠P3は、ぱちんこ遊技機Pの正面右側縁部に設けられた施錠部P30の鍵穴に鍵を挿入し、左右方向のいずれかに回転させることで、回転方向に応じて、外枠P1と前枠P2の施錠が解除または前枠P2とガラス枠P3の施錠が解除される。具体例としては、施錠部P30の鍵穴に鍵を挿入して右方向に回転させると外枠P1と前枠P2の施錠が解除され、施錠部P30の鍵穴に鍵を挿入して左方向に回転させると前枠P2とガラス枠P3の施錠が解除されるようになっている。
ガラス枠P3の下部には、遊技球を貯留する上下の球皿P340(上球皿P341及び下球皿P342)が設けられる。またガラス枠P3には、遊技の展開状況に応じて発光する演出ランプP350や、遊技の展開状況に応じて効果音などの音を出力可能なスピーカP370が設けられている。ガラス枠P3の下部中央には、所定の演出操作を行うための演出操作ユニットP380が取り付けられ、前提技術として示す本ぱちんこ遊技機が有する演出操作ユニットP380は、押下入力式のボタンP381と傾倒操作式のレバーP382とを備えており、ボタンP381は常時遊技者操作を可能とする一方、レバーP382はガラス枠に備えられた可動物(枠可動役物P360)の1つであり、操作手段自体が上方に突出した状態(入力許可状態)に変位した場合に操作入力を可能とする(1の演出操作手段にて、複数の操作が可能となっている)。
前枠P2の右下部には、遊技球の発射操作および発射強度の調整を行うハンドルP204が設けられている。前枠P2の下部には、さらに発射装置ユニットP240を備え、図示を省略するが、上球皿P341に貯留された遊技球を1球ずつ送り出す球送り機構P241、この球送り機構から送り出された遊技球を遊技領域P501へ向けて打ち出す発射機構(ロータリーソレノイドで駆動される打球槌)を有する発射装置P242、球送り機構P241や発射装置P242の作動を同期的に制御する発射制御基板P243などが設けられている。
遊技盤P5(遊技盤ユニット)は、図4に示すように、透明な合成樹脂や木材を用いて矩形の平板状に形成された基材をベースとして構成されている。なお、図1は遊技盤P5を含むぱちんこ遊技機Pを前面側から見た正面図であり、図4は遊技盤ユニットP5の斜視図を示す。図4は遊技盤ユニットに備えられた演出役物P560(「可動演出装置」「演出可動体」「演出可動役物」等とも呼ぶ)が動作している状態を図示している。遊技盤P5の前面には、左下部から右上部にかけて配設された円弧状の外レールP502と、遊技盤の下部中央付近から外レールP502の内側における左下部から左上部にかけて配設された円弧状の内レールP503と、右上部の外レールP502の端部から該盤面の下部までの間に配設されて左向きに開く湾曲形状に形成されたレール飾りP504とを備えており、外レールP502と内レールP503とレール飾りP504とで囲まれた内側に略円形の遊技領域P501が区画形成されている。この遊技領域P501は、略中央に配設される後述のセンター役物P540を基準として、センター役物P540の左側の領域である左側領域P501L(左打ち領域)と、センター役物の右側の領域である右側領域P501R(右打ち領域)とを有している。また、外レールと内レールとにより、発射装置ユニットP240により打ち出された遊技球を遊技領域P501へ案内するための案内通路が形成される。
遊技領域P501には、図示しない多数本の遊技釘P510や風車P511とともに、第1始動入賞口P711(第1始動口)、第2始動入賞口P721(第2始動口)、一般入賞口P731、普図作動口P741(普図作動ゲート装置)、大入賞口P751(アタッカー)、等の各種入球装置(賞球が発生する場合は「入賞装置」と称する)が配設されている。なお、大入賞口は1つとしてもよいし、複数有するよう構成してもよい。また、本明細書において、入球装置の構成上、遊技球が入球装置に入球した後に排出されるもの、入球装置に入球した後にさらに遊技領域P501を流下するもの(ゲートタイプ)に対し、遊技球が内部の検出スイッチで検出されることを「入球」「入賞(特に賞球が発生するもの)」と称し、ゲートタイプの入球口のように下流の遊技領域に流下するものついては、特に「通過」と区別して記載する場合を有する。また、入球装置を入球口、入賞装置を入賞口と称することがある。
また、遊技領域P501の右下には、第1特別図柄表示装置P51、第2特別図柄表示装置P52、普通図柄表示装置P53など、後述の主制御基板にて点灯制御される主制御表示装置P50が集約的に配設されている。遊技領域P501の略中央にはセンター役物P540が配設されており、このセンター役物P540の開口を通して演出表示装置P80の画面が視認可能に設けられている。このセンター役物P540の上部等には、遊技の展開状況に応じた演出動作を行う演出役物P560(可動役物装置)が設けられている。遊技領域P501の下端部には、各種入球装置の入賞口に入球せずに流下した遊技球が通過可能なアウト口P790が設けられている。各種入賞装置の入賞口に入球した遊技球又はアウト口P790に流入した遊技球は、遊技盤P5に前後貫通して形成された貫通孔(図示せず)を通じて遊技盤P5の後面側へ流下し、前枠P2下部の回収流路(遊技済み球通路)に収集され、発射した遊技球の総数を検出するための前枠下部に備えられたアウト球センサP792(発射球数センサ)を通過したのち遊技機外へ排出される。
第1始動入賞装置P710は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞装置として設けられている。この第1始動入賞装置P710には、遊技球が入球可能な第1始動入賞口P711が設けられている。第1始動入賞口P711への遊技球の入球は、第1特別図柄に係る抽選に使用される乱数(第1乱数とも称する、詳細は後述する)の取得契機となっており、第1始動入賞口P711への遊技球の入球に基づいて入球直後のタイミングまたは保留期間を経過した後に第1特別図柄に係る抽選が実行される。
第2始動入賞装置P720は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞装置として設けられている。この第2始動入賞装置P720には、遊技球が入球可能な第2始動入賞口P721および後述する普通図柄抽選に当選した場合に第2始動入賞口P721への入球を容易となる状態に切り替える可動体である普通電動役物P770(可変部材とも称する)が設けられている。第2始動入賞口P721への遊技球の入球は、第2特別図柄に係る抽選に使用される乱数(第2乱数とも称する、詳細は後述する)の取得契機となっており、第2始動入賞口P721への遊技球の入球に基づいて入球直後のタイミングまたは保留期間を経過した後に第2特別図柄に係る抽選が実行される。第2始動入賞装置P721は、普通電動役物P770の作動(補助遊技とも称する)により遊技球が第2始動入賞口P721へ入球可能又は入球容易な開状態と、遊技球が第2始動入賞口P721へ入球不能又は入球困難な閉状態とに変化する。つまり、第2始動入賞装置P720は、開状態に変位しなければ遊技球が第2始動入賞口へ入球し難い構造となっており、後述の所定の契機(普通図柄抽選に当選する契機)で開状態となると遊技球の入球容易性が高くなる。なお、普通電動役物P770の構造は様々な態様が知られており、可動体P771が開くことによる入球容易性の変化がなされる構造ではない場合があるため、「開状態」「閉状態」をそれぞれ「入球容易状態(入球容易態様)」「入球困難状態(入球困難態様)」と表記する場合を有する。
一般入賞装置P730は、左打ち領域P501Lに配置された左側一般入賞装置P730Lと、右打ち領域P501Rに配置された右側一般入賞装置P730Rとを有している。本前提技術におけるぱちんこ遊技機Pにおいては、左側一般入賞装置P730Lとして、3つの一般入賞口P731La~P731Lcが1のユニットとして構成されている一方、右側一般入賞装置P730Rは後述する大入賞装置P750の一部として構成されている。一般入賞口P731への遊技球の入球は、他の入賞装置と同じく賞球払出の契機となる。なお、前提とするぱちんこ遊技機の一般入賞口P731の個数や位置はあくまで一例であり、右打ち領域P501Rにのみ配置されるよう構成する等としてもよい。
普図作動ゲート装置P740(普図作動口)は、普通図柄遊技に対応する始動入球口として設けられている。この普図作動ゲート装置P740には、遊技球が通過可能な作動ゲートP741が設けられており、入球した遊技球は遊技盤の遊技領域の下流をさらに流下可能に構成されている。作動ゲートP741への遊技球の通過は、第2始動入賞装置P720を開状態とするか否か、すなわち普通電動役物P770を作動させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。なお、変形例として普通図柄抽選の契機となる機能を前述した一般入賞口P731に備えるように構成することも可能であり、この場合には、普通図柄抽選を実行する機能に加えて、賞球を発生させる機能を1の入賞装置として設けることも可能である(普図作動入賞口)。
大入賞装置P750は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の抽選結果が大当りや小当りとなった場合に開閉動作する大入賞口P751(特別電動役物P755)を有して構成されており、「アタッカー(装置)」などと呼称する場合を有する。大入賞装置P750は、遊技球が大入賞口P751へ入球可能又は入球容易な開状態(例として特別電動役物が作動P755した状態)と、遊技球が大入賞口P751へ入球不能又は入球困難な閉状態(例として特別電動役物P755が非作動の状態)とに変化する。大当り遊技においては、大入賞口P751の開閉動作を伴う複数回のラウンド遊技(単位遊技)が行われる。なお、特別電動役物P755が作動した状態であっても、一連の作動パターン(「開放パターン」とも呼ぶ)により、大入賞口P751を構成する可動体P756が入球困難な閉態様となる場合を有する。
また、大入賞装置P750には、遊技機の仕様(スペック)によっては、遊技球が通過可能な特定領域P760(「Vゾーン」、「V領域」と呼ばれ、機能によっては「確率変動機能作動領域」、「継続領域」などと呼ぶ)が設けられる場合を有する。この「特定領域」に関する機能として、(ア)大当り遊技中の特定領域に対する通過を契機として大当り遊技の後に確率変動機能(後述)を作動させること、(イ)小当り遊技中の特定領域の通過を契機として役物連続作動装置(特別電動役物を連続的に作動させるためのフラグ)を作動させ、大当り遊技を実行する権利を付与すること、(ウ)大当り遊技中の特定のラウンドにおいて特定領域を通過したか否かに基づいて、後続のラウンドの実行を確定的としたり、実行しないものとしたりすること、などが例として挙げられる。なお、「特定領域」に対し、通過の容易性を変化させるための構造体である開閉部材P761(弁部材)が設けられてもよく、開閉部材P761の作用により流下経路を振り分けられることで、特定領域P760又はそれ以外の非特定領域を通過するように構成してもよい。また、大当り遊技中や小当り遊技中において、特定領域P761の遊技球の通過が有効となる期間と無効となる期間とを有してもよい。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて、大入賞装置P750は、遊技領域P501における右側領域P501R(右打ち領域)に設けられている。そのため、大当り遊技又は小当り遊技では、遊技領域P501に向けて遊技球を発射する際に、右側領域P501Rを狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで大入賞口P751への入球が容易となっている。
続いて、前提とするぱちんこ遊技機Pの背面側の基本構造を説明する。前枠の背面側には、中央に遊技盤ユニットP5を取り付けるために前後連通する窓口を有した裏セットユニットP4が取り付けられている。裏セットユニットP4には、遊技施設側から供給される多数個の遊技球を貯留する貯留タンクP401、貯留タンクP401からの遊技球を流下させる樋部材P402、樋部材により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニットP410、賞球払出ユニットP410から払い出された遊技球を上球皿P341又は下球皿P342へ流下させる裏側通路部材P403などが設けられている。また、貯留タンクP401から球皿P340までの遊技球流下経路上には、球抜き機構(球抜き操作レバーP405、操作レバーに連動して遊技球を流路上から排除する流路を形成する弁部材P406)が設けられている。
遊技盤P5の背面側には、ぱちんこ遊技機Pの遊技進行を統括的に制御する主制御基板P40(主遊技部とも称する)や、主制御基板P40の制御に伴う遊技進行に合わせた演出全般の制御を行う演出制御基板P41(副遊技部とも称する)、遊技展開に応じた画像表示の制御を行う画像制御基板P42(画像制御部とも称する)などが取り付けられている。なお、本前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、演出制御基板P41および画像制御基板P42は、演出表示装置P80(液晶表示装置、演出表示部とも称する)と一体化されたアッセンブリ状態で演出表示ユニットを構成している。これに対して、裏セットユニットP4の背面側には、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板P43(払出制御部とも称する)や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板P44(図示せず、電力供給部、電源部とも称する)などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤P5の背面又は裏セットユニットP4の背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機Pにおける遊技の進行や、演出の実行が可能に構成されている。
[機能ブロック]
図5は、前提とするぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す。
ぱちんこ遊技機は、遊技機外部から供給される交流電源に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板P44と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御基板P40(主制御CPU)と、賞球の払出しや遊技球の発射を制御する枠制御装置としての払出制御基板P43(払出制御CPU)と、演出的な動作や処理を制御する演出制御基板P41とに機能を分担させた形態で構成される。なお、図中に示す矢印は機能別に、上方の送受信の関係を実線矢印で示し、電気的接続の関係を破線矢印にて示している。
電源基板P44は、基板上に設けられた電源スイッチP47を操作することによって、後述する主制御基板P40、演出制御基板P41、払出制御基板P43、並びにそれらに電気的に接続する各種遊技用装置に対し、動作に必要となる電力を生成して供給する。詳細は後述するが、電源スイッチP47の電源投入操作は、遊技機の設定に係る情報の処理の開始契機となるスイッチ操作であるため、電源スイッチは不正な操作を防止するため開閉カバーに覆われた状態で保護されている。
主制御基板P40は、第1始動入賞口P711(特図1始動口スイッチP712)、第2始動入賞口P721(特図2始動口スイッチP722)、大入賞口P751(大入賞口スイッチP752)、普図作動口P741(普図作動口スイッチP742)や、その他の検出スイッチである一般入賞口P731(左側一般入賞口,右側一般入賞口)、アウト口P790などの各種の遊技進行に係る検出スイッチや、設定キースイッチP49、振動検知センサP72、磁石センサP73などの各種遊技の管理や不正監視に用いられるスイッチやセンサと接続される。主制御基板は、これらのスイッチから各種の遊技状態の発生に係る情報の入力を得て、遊技進行に係る制御内容の決定をするとともに、ソレノイド等で構成され、大当りや小当りの際に大入賞口P751を拡開させるために駆動される特別電動役物駆動手段P70や、普通図柄抽選に当選した場合に普通電動役物P770を入球容易状態とするために駆動される普通電動役物駆動手段P71といった遊技用装置に対して、駆動態様に係る情報の出力を行う。
主制御基板P40に接続するセンサ等は、主制御基板上の入力ポートと呼ばれる端子に接続して、センサ検出に基づく各種遊技状態の発生の有無を主制御基板P40に情報として通知し、特別電動役物駆動手段P70や、普通電動役物駆動手段P71、その他、発射装置P242に対する発射許可信号などを出力ポートと呼ばれる端子から出力された情報を受け取ってそれぞれの装置、デバイスを制御する。
また、主制御基板P40は、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行う特別図柄表示装置P51、P52(第1特別図柄表示部、第2特別図柄表示部とも称する)や大当りや小当りの種類(ラウンド数)を報知するラウンド表示灯P54、遊技状態を報知する状態表示灯P55などの各種表示を行う主制御表示装置P50や、遊技機の性能(例えば通常遊技中におけるベース値、すなわち発射総数に対する賞球数の割合)を表示する性能表示装置P59などと接続する。なお、「ベース値」に関して、始動入賞口P711等の入賞を除外して計上するデータなど、他の計上方法も多種存在するが、本件発明にて必要な場合に別途説明を行い、前提とするぱちんこ遊技機の説明では詳細は割愛する。
主制御基板P40は、上記の他に外部情報出力端子P77や試験端子P78等により遊技機外部の装置と電気的に接続可能に構成されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。また、主制御基板P40は、遊技機内の他の制御基板である演出制御基板P41、払出制御基板P43とも電気的に接続している。
払出制御基板P43は、主制御基板P40から送信される賞球払出や主制御基板の制御状態を示す信号等に基づいて、払出装置P410による賞球の払出を制御するほか、遊技者によるハンドルP204の操作を受けて発射装置ユニットP240による遊技球の発射に係る制御を行う。払出装置P410は、一例として払出モータP411と球計数センサP412有するものであり、払出モータP411の回転により、遊技球を1球ずつ払出可能に構成される。発射装置(発射装置ユニット)P240は、球皿P340(上球皿P341)に滞留している遊技球を1球ずつ球送りユニットP241によって発射可能位置へ移動させた後、打球槌を遊技球にぶつけることで遊技球を発射させるよう構成されている。なお、払出制御基板P43には、主として遊技機の初期化や、遊技中に発生したエラーの解除に用いられるラムクリアスイッチP48が配設されており、払出制御基板P43と主制御基板P40の接続に使用されるハーネスやコネクタを介して、ラムクリアスイッチP48の操作情報が主制御基板に入力されるようになっている。
演出制御基板P41は、演出表示装置P80、演出可動役物P560の駆動源や位置検出センサ(例えば、駆動モータや、初期位置検出センサ、演出位置検出センサ)、スピーカP83(上スピーカP370、下スピーカ141)、演出操作ユニットP380(例えば演出操作手段P81である演出ボタンP381、演出レバーP382、十字キーP383など)、演出ランプP82(「装飾ランプ」「盤ランプ(P550)」「枠ランプ(P350)」とも称する)と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。また、演出制御基板P42と、演出表示装置P80の接続は、演出表示装置P80(例えば液晶表示装置などの画像を表示する装置)の表示制御を行う画像制御基板P42(VDP)などを介して接続するものであってもよい。また、本前提とするぱちんこ遊技機では、スピーカP83を演出制御基板P41にて制御するように構成するものであるが、音声制御用のIC等を備えた音声制御基板を別途設けてスピーカP83を制御するように構成してもよい。
主制御基板P40と演出制御基板P41の間におけるデータの送受信は主制御基板P40から演出制御基板P41への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて行われる。主制御基板P40から演出制御基板P41へのデータ送信の一方向性が保たれるため、演出制御基板P41に含まれる構成から主制御基板P40に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、演出制御基板P41は、主制御基板P40で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。なお、本前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、主制御基板P40と払出制御基板P43の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、主制御基板P40と演出制御基板P41の間と同様、主制御基板P40から払出制御基板P43への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
[基本遊技進行]
次に、以上のように構成される前提技術としてのぱちんこ遊技機Pにおける、基本的な遊技進行および遊技方法に関して遊技状態別に説明する。「遊技状態」としては大別して「通常遊技状態」と、通常遊技状態と比して遊技球を獲得することが容易な「特別遊技状態」とがある。「通常遊技状態」は、「特別遊技状態」への移行権利の獲得を目指す状態であり、通常遊技状態の中でも、特別遊技状態への移行権利の獲得に関して遊技者にとって有利度合いが異なる遊技状態が複数設けられており、複数の通常遊技状態の中でも、遊技者にとって比較的特別遊技状態への移行権利が獲得容易な状態(通常遊技状態(低確率/低ベース状態)よりも遊技者にとって有利な状態)に関して「特定遊技状態」と表現する。「特別遊技状態」は、いわゆる「大当り遊技」と「小当り遊技」が該当し、主制御基板P40によって特別電動役物駆動手段P70が駆動され大入賞口P751が開口した状態となり遊技球の獲得が容易となる状態のことを意味している。
[通常遊技状態(低確率/低ベース状態)]
まず、通常遊技状態における遊技方法および遊技の進行に関する説明を行う。なお、ここで記載する通常遊技状態は特定遊技状態を除く「通常遊技状態(低確率/低ベース状態)」(図6参照)に関する説明であり、一般的に遊技者が遊技を開始する状況における遊技状態について説明するものであり、特定遊技状態における遊技方法、遊技の進行、および「低(高)確率」、「低(高)ベース」の用語の意味に関しては後述する。
通常遊技状態(低確率/低ベース状態)における、遊技の方法として、まず、遊技者はハンドルP204を操作して遊技盤P5に設けられた遊技領域P501に向けて遊技球を発射する。前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)において、遊技者はハンドルP204の操作量を遊技球が遊技領域の左側領域P501L(左打ち領域)に向かって発射されるように操作して遊技を行う。
遊技者によって遊技領域の左側領域P501Lに遊技球が発射されると、発射された遊技球は、遊技領域P501を流下し、図示しない遊技釘P510(「障害釘」、「釘」とも呼ぶ)や、風車P511によって流下方向を変位させながら、「ヘソ」などと呼ばれる遊技盤の遊技領域P501における略中央下位置に配置された第1始動入賞口P711、あるいは左側一般入賞装置の一般入賞口P731Lに入球(入賞)するか、いずれの入賞口にも入球せず、遊技済み遊技球としてアウト口P790へ入球する。第1始動入賞口P711あるいは、一般入賞口P731へ入球すると、主制御基板P40は、払出制御基板P43に対し入賞口毎に定められた賞球数の賞球をさせるための情報(制御コマンド)を出力し、遊技者は賞球払出により新たな遊技球を獲得する。
ここで第1始動入賞口P711の内部には特図1始動口スイッチP712が配置されており、遊技者が遊技領域における左側領域P501Lに遊技球を発射して生じ得る遊技状態(遊技結果)として、第1始動入賞口P711への入球がなされた場合において、主制御基板P40に特図1始動口スイッチP712の遊技球検出情報が入力される。
主制御基板P40は、特図1始動口スイッチP712の遊技球検出情報の入力を受けると、予め定められた賞球数の遊技球の払い出しを行うほか、第1特別図柄の制御に係る抽選を行うための乱数値を取得する。乱数値の取得は、遊技球の検出に基づいて、電気回路上で乱数生成回路の生成する乱数値を取得するもの(ハードラッチ)や、主制御基板P40の制御装置がソフト上の処理にて遊技球の検出情報を確認した際に乱数値を先の乱数生成回路から取得する処理を実行したり、ソフト的に更新されている乱数値を取得したりするもの(ソフトラッチ)などの手法があり、取得する乱数値に応じて使い分けてもよいし、組み合わせて使用することも可能である。なお、一般入賞口に入球した場合には、特別図柄に係る乱数は取得されず、賞球の払い出しのみが行われる。
第1特別図柄の制御に係る抽選は、「特別図柄抽選」であり、「特別図柄抽選」には、「当否抽選」、「当り図柄抽選」、「変動パターン抽選」が含まれる。「当否抽選」は、取得した乱数値を用いた抽選結果が「大当り」であるか「はずれ」であるかを決定する処理である(遊技機の仕様によっては抽選結果に「小当り」を含む)。「当り図柄抽選」(単に「図柄抽選」と呼ぶ場合もある)は、主制御表示装置P50における特別図柄表示装置P51(P52)において当否抽選結果を示す停止表示図柄の表示パターンを決定する処理であり、1の抽選結果(大当り、小当り)に対し、複数の停止表示図柄から1の図柄を決定可能であり、ここで決定された停止表示図柄に応じて、「大当り」、「小当り」における特別遊技の実行態様を異ならしめることを可能としている。「変動パターン抽選」は、特別図柄表示装置P51(P52)において当否抽選の結果を示す停止表示図柄をどのタイミングで表示させるかを決定する処理であり、特別図柄表示装置P51(P52)において特別図柄抽選が実行されたことを示す変動表示がなされる時間(「変動表示時間」、「変動パターン」と呼ぶ)を決定するものである。「当否抽選」、「当り図柄抽選」、「変動パターン抽選」に使用される乱数値は異なるものを使用するのが一般的であり、それぞれ「当否抽選乱数」、「図柄乱数」、「変動パターン乱数」と呼ばれる。なお、特図2始動口スイッチP722の遊技球を検出することに基づいて行われる第2特別図柄の制御に係る抽選もまた、同様の「特別図柄抽選」である。また、「特別図柄抽選」に関する説明は後述する。
通常遊技状態(低確率/低ベース状態)における遊技方法の説明に戻って説明すると、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)においては、遊技者は遊技領域の左側領域P501Lに遊技球を発射し、第1始動入賞口P711へ遊技球を入球させ、第1特別図柄に係る抽選(特別図柄抽選)を実行させ、特別図柄表示装置において「大当り」(「小当り」)を示す特別図柄の停止表示図柄が表示されることにより、特別遊技の実行権利の獲得を目指す遊技が行われる。
なお、遊技者が特別図柄抽選を受ける過程において、変動パターン抽選により決定された時間に応じて特別図柄の変動表示がなされる点について上述しているが、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、この特別図柄の変動表示期間において、新たに始動入賞口(第1始動入賞口P711、第2始動入賞口P721)に入球があった場合には、予め定められた回数の特別図柄抽選の実行権利に対応する乱数値を一時的に記憶する保留機能を備えている。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、第1始動入賞口P711の入賞に基づく特別図柄抽選に対応する保留機能として、最大4回の特別図柄抽選を保留することを可能としている。なお、保留機能は特別図柄毎に設定可能であり、本前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、第1特別図柄の保留とは別に、第2特別図柄に対する特別図柄抽選の保留機能も、最大4回の特別図柄抽選に使用する乱数値を保留しておくことを可能としている。
このように、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)においては、遊技者は、遊技領域の左側領域P501Lに遊技球を発射して、第1特別図柄に係る特別図柄抽選を実行させる。そして、特別図柄抽選において、「大当り」や「小当り」などの特別遊技状態となる抽選結果に当選し、特別遊技状態への移行の権利を獲得したことが特別図柄表示装置に表示されると、ぱちんこ遊技機Pの遊技状態は特別遊技状態へ移行する。
[特別遊技状態]
続いて、特別遊技状態における遊技方法および遊技の進行に関する説明を行う。特別遊技状態には「大当り(遊技)」と、「小当り(遊技)」とが存在するが、ともに特別電動役物P755が作動して、すなわち主制御基板P40から特別電動役物駆動手段P70に対して駆動信号が出力されて大入賞口P751が入球容易状態となる状態であり、その相違点として、「大当り」が複数回の特別電動役物P755を連続して作動させる役物連続作動装置の作動に基づくものであるのに対し、「小当り」が1回の特別電動役物の作動により終了する点が大きな相違点である。その他の相違点としては、役物連続作動装置の作動に基づく特別電動役物の作動(大当り)では、特別電動役物P755の作動に関し、より遊技者に有利な作動態様とすることを可能とする点にあり、具体的には、役物連続作動装置の作動状態(大当り)における大入賞口P751の総開放時間は、30秒まで許容される一方、小当りにおける大入賞口P751の総開放時間は1.8秒までに制限される点がある。以下の特別遊技状態における遊技方法および遊技の進行に関する説明では、大当りを例に説明を行う。
前提技術のぱちんこ遊技機Pにおける特別遊技の遊技進行は、時系列に沿って、「特別遊技開始デモ」(大当りの場合は「大当り開始デモ」、「役連作動開始デモ」などと称し、小当りの場合は「小当り開始デモ」)と呼ばれる遊技者に各種特別遊技を獲得した旨を報知するための演出期間と、「ラウンド(遊技)」(「単位遊技」とも称する)と呼ばれる1回の特別電動役物P755の作動期間と、「特別遊技終了デモ」(大当りの場合は「大当り終了デモ」、「役連作動終了デモ」などと称し、小当りの場合は「小当り終了デモ」)と呼ばれる主に特別遊技中における遊技結果(獲得遊技球数など)および移行先の通常遊技状態(特定遊技状態を含む)の種類に係る報知を行うための期間とによって構成される。
次に上述した各特別遊技の期間における遊技の方法について説明を行う。まず、「特別遊技開始デモ」期間において、前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、大入賞口P751が遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に配置されており、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)と同様の左側領域P501Lに遊技球を発射しても大入賞口P751の入球がほとんど期待できないため、特別遊技において大入賞口P751が入球容易状態となるラウンド遊技が開始する前に、遊技者に対して遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射することを促す右打ち報知演出を演出表示装置P80やスピーカ(下スピーカP141、上スピーカP370)、演出ランプP82を用いて実行する。遊技者は、右打ち報知演出に従って、ハンドルP204の操作量を増やし遊技球の発射強度を高めるよう調整し、遊技球を遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に流下するよう発射位置を変更する(右打ちを実行する)。
「ラウンド(遊技)」期間になると、前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、主制御基板P40から特別電動役物駆動手段P70に対して出力される駆動信号により大入賞口P751が入球容易状態または入球困難状態となり、特別遊技の実行期間に合わせて大当り(小当り)を獲得したことを祝福するような演出や、特別遊技が終了した後に移行する通常遊技状態が遊技者にとってより有利な特定遊技状態となるかを示唆する演出などの演出を実行する。遊技者は、大入賞口P751に遊技球を入球させて多数の遊技球を得るべく、遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射する。
1回の「ラウンド(遊技)」期間は、大当り(小当り)の種類に基づいて定められた大入賞口の開放パターン(特別電動役物の作動態様)が完遂する(開放時間が経過する)か、予め定められた「規定個数」(「カウント」「C」などと表現する場合を有する)の遊技球が入球することによって終了する。そして、実行中の特別遊技状態の種類(大当り、小当りの種類)に応じて、実行すべきラウンド遊技が全て終了したとき「特別遊技終了デモ」の状態へ移行する。
続いて「特別遊技終了デモ」期間となると、前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、今回の特別遊技状態の期間において獲得した遊技球数や、後述する特定遊技期間と連続して行われた複数回の特別遊技状態において獲得した(通常遊技状態(低確率/低ベース状態)に移行せずに獲得した)累計の獲得遊技球数を報知する演出を行ったり、特別遊技状態の後に移行する通常遊技状態の種類の報知および移行先の遊技状態における遊技方法に係る報知(前述した右打ち報知演出など)の演出が実行される。遊技者は、実行されている演出より、移行先の通常遊技状態の種類に応じた遊技に備えて、ハンドルの操作を行う。
前提とする多くのぱちんこ遊技機Pにおいては、一部の例外を除いて、特別遊技状態としての大当り遊技が実行されると、通常遊技状態として「特定遊技状態」と呼ばれる遊技者にとって特別遊技状態への移行権利が獲得しやすい状態へ移行し、特定遊技状態と特別遊技状態とを連続して繰り返す、いわゆる「連荘」を楽しむ遊技性となっている。
[特定遊技状態]
続いて、「特定遊技状態」に関する説明を行う。図6に示すように特定遊技状態には、大きく分けて3つの特定遊技状態が存在する。そして、それらの種類を分ける要素として「確率状態」と「ベース状態」とがあり、それらの組み合わせによって特定遊技状態を構成する。
(確率状態)
「確率状態」は、特別図柄抽選における当否抽選において、抽選結果が「大当り」となる確率を変動させる機能である「確率変動機能」(「確変」とも言う)の作動状態に基づき、確率変動機能が作動し、作動していない場合よりも高い確率で特別図柄抽選における当否抽選が「大当り」となる場合について「高確率(状態)」(「確変状態」、「確率変動状態」と表現する場合もある)と表現し、確率変動機能が作動していない状態について「低確率(状態)」と表現する。「高確率(状態)」は、1回の特別図柄抽選に対し大当りとなる確率が高いという点で、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)より有利な遊技状態となっている。
(ベース状態)
「ベース状態」は、「ベース」すなわち「所定個数の遊技球を発射した場合に賞球として得られる遊技球の割合(の期待値)」に関する状態であり、一般的には、普通電動役物P770の作動が通常遊技状態(低確率/低ベース状態)よりも容易(有利)となっている状態を「高ベース(状態)」(「電チューサポート(電サポ)状態」とも言う)と呼ぶ。なお、遊技機仕様によっては、「電チューサポート機能」が作動した状態でなくとも、推奨される遊技球の発射位置が切り替わることにより、「所定個数の遊技球を発射した場合に賞球として得られる遊技球の割合」が高まるのであれば「高ベース状態」と表現する場合も有する。「高ベース(状態)」は、特別遊技状態を獲得するまでの期間において、遊技球が賞球として払い出される数が多くなる(払い出されやすくなる)ことにより、遊技球の消費を抑えながら特別遊技状態の獲得を狙うことができる点で遊技者にとって有利となる遊技状態である。
「電チューサポート機能」は、普通電動役物P770の作動が通常遊技状態(低確率/低ベース状態)よりも容易となっている状態であるが、主として3つの機能の組み合わせ(少なくとも1を備える)によって構成される。「電チューサポート機能」を構成する3つの機能とは、「普通図柄確変」、「普通図柄時短」、「(普通電動役物の)開放延長」の3つである。「普通図柄確変」は、「普通図柄抽選」において普通電動役物を作動させる結果となる確率が高い状態を指す。「普通図柄時短」は、主制御表示装置P50における普通図柄表示手段P53(普通図柄表示部とも称する)において、普通図柄抽選を実行してから普通図柄抽選の結果を表示するまでの時間が短縮される状態のことを指す。「普通電動役物の開放延長」は、普通図柄抽選で当選した当りの種類に対して、普通電動役物P770に係る入賞口に対し遊技球が入球しやすい態様にて普通電動役物を作動させるように変更することを指しており、一例として、普通電動役物を入球容易状態とする総時間を延長して長くすることが該当する。
「普通図柄抽選」は、上述した特別図柄抽選が特別電動役物P755の作動に関する抽選であるのに対し、普通図柄抽選は対象が普通電動役物P770の作動に関する抽選である点、および抽選の実行契機が普図作動ゲート装置P740に対する遊技球の入球である点で相違するが、当否、図柄、変動パターンを抽選により決定する点や保留機能を有する点でほぼ同じである。普通図柄抽選に関する当否、図柄、変動パターンの抽選について特に表現する場合には「普図当否抽選」、「普図図柄抽選」、「普図変動パターン抽選」というように「普図」(または「普通図柄」)を先頭につけて表現する。
「特定遊技状態」の種類を区別する要素として、「確率状態」、「ベース状態」とを説明したが、特定遊技状態を構成する要素として、他に「時短状態」(「変動時間短縮状態」、「変動時間短縮機能」が作動した状態、ともいう)がある。一般的に「時短状態」は特別図柄の1回当りの変動表示時間(変動パターン)が短縮されて、単位時間あたりの特別図柄抽選の実行回数が増加する状態のことを指し、遊技者にとってより単位時間あたりに多くの特別図柄抽選を受けられる点で有利な状態である。「時短状態」(変動時間短縮状態)は、上述した「高確率状態」や「電チューサポート状態」と同時に制御されていることが多く、それのみで特定遊技状態を構成することは少ない。
[特定遊技状態1:低確率/高ベース状態]
「特定遊技状態」に係る説明に戻り、最初に図6に示す特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)における遊技の進行及び遊技方法に関する説明を行う。
特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)への移行は、図6の(1)、(8)、(12)に示す遊技状態遷移により移行する。図6の(1)、(8)、(12)の遊技状態遷移条件としては、(ア)それぞれの状態で大当り遊技を獲得すること、(イ)所定遊技回数が経過すること(※(8)のみ)などがある。図示はしていないが、特定遊技状態1から大当り遊技を経由して再び特定遊技状態1へ移行する場合も有する。一方で特別遊技状態が終了する条件を満たした場合、図6の(2)、(7)、(11)のように遷移する。これら(2)、(7)、(11)の遊技状態遷移条件としては、(ウ)特定遊技状態1でそれぞれの遊技状態に移行することとなる種類の大当り遊技を獲得すること、(エ)所定遊技回数が経過すること(※(2)のみ)が挙げられる。なお、「遊技回数」とは、一例として「特別図柄抽選の実行回数」のことを指す。
特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)へ移行すると、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、前述した「電チューサポート機能」、「変動時間短縮機能」の双方が作動した状態となる。前提とするぱちんこ遊技機Pの遊技盤P5における各入賞装置の配置構成では、遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に普図作動ゲート装置P740、および普通電動役物に係る第2始動入賞口P721が配置されており、遊技者は遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射する「右打ち」を行うことで容易に普通図柄抽選および特別図柄抽選を受けられる。また、前提とするぱちんこ遊技機Pは、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)において、前述した「時短状態」にも制御されようになっている。
より詳細に遊技の進行に関して説明すると、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)となった場合、遊技者は遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射し、普図作動ゲート装置P740への入球(通過)させることを第1の手順として行い、普図作動ゲート装置P740への入球(通過)により、主制御基板P40において普通図柄抽選を受ける。特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)における普通図柄抽選は、普図確変機能の作動により高確率(約1/1)で当りとなるため、普図作動ゲート装置P740へ遊技球が1球入球(通過)すると、1回の普通電動役物P770の作動が発生する。普通電動役物P770が作動すると、前提とするぱちんこ遊技機Pでは第2特別図柄に係る特別図柄抽選の契機となる第2始動入賞口P721が入球容易状態となり、遊技者は続く第2の手順として第2始動入賞口P721へ向けて遊技球を発射する。第2始動入賞口P721へ遊技球が入球した場合、検出情報が主制御基板P40に入力され、第2特別図柄に係る特別図柄抽選が実行され、特別遊技(大当り、小当り)の実行権利の獲得に係る抽選が実行される。
特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)は、当該状態に移行することとなった遊技状態遷移条件(例えば、大当りの実行であれば実行された大当りの種類、等)によって予め定められた遊技回数(特別図柄抽選を受けた回数)が経過するか、新たに大当り遊技を獲得することによって終了する(なお、大当り遊技後に再び本状態に移行する場合を有する)。小当り遊技の獲得の場合は、特定遊技状態が終了しないものとすることが多いが、遊技機の仕様によっては、小当り遊技の獲得(又は複数回の小当り遊技の獲得、特定の種類の小当り遊技の獲得)によって終了するように設計される場合もある。特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)が遊技回数によって終了する場合は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)へ移行する。
[特定遊技状態2:高確率/高ベース状態]
次に図6に示す特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)における遊技の進行及び遊技方法に関する説明を行う。
特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)への移行は、図6の(3)、(7)、(9)に示す遊技状態遷移により移行する。図6の(3)、(7)、(9)の遊技状態遷移条件としては、(ア)それぞれの状態で大当り遊技を獲得することである。図示はしていないが、特定遊技状態2から大当り遊技を経由して再び特定遊技状態2へ移行する場合も有する。一方で特別遊技状態が終了する条件を満たした場合、図6の(4)、(8)、(10)のように遷移する。これら(4)、(8)、(10)の遊技状態遷移条件としては、(イ)特定遊技状態2でそれぞれの遊技状態に移行することとなる種類の大当り遊技を獲得すること、(ウ)所定遊技回数が経過することが挙げられる。
特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)へ移行すると、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)に対し、さらに「確率変動機能」が作動した「高確率(状態)」である点で相違する。特定遊技状態2における遊技の進行および遊技の方法としては、特定遊技状態1と同様であり、遊技者にとっては特別図柄抽選において大当りの当選確率が高い分より早期に大当りを獲得し得る点で相違する。
特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)は、当該状態に移行することとなった遊技状態遷移条件(例えば、大当りの実行であれば実行された大当りの種類、等)によって予め定められた遊技回数(特別図柄抽選を受けた回数)が経過するか、新たに大当り遊技を獲得することによって終了する(なお、大当り遊技後に再び本状態に移行する場合を有する)。特定遊技状態2は小当り遊技の獲得の場合は終了しないものとするのが一般的である。特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が遊技回数によって終了する場合は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)や、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)、特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)へ移行する。
[特定遊技状態3:高確率/低ベース状態]
続いて図6に示す特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)における遊技の進行及び遊技方法に関する説明を行う。
特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)への移行は、図6の(5)、(10)、(11)に示す遊技状態遷移により移行する。図6の(5)、(10)、(11)の遊技状態遷移条件としては、(ア)それぞれの状態で大当り遊技を獲得すること、(イ)所定遊技回数が経過すること(※(10)のみ)などがある。図示はしていないが、特定遊技状態3から大当り遊技を経由して再び特定遊技状態3へ移行する場合も有する。一方で特別遊技状態が終了する条件を満たした場合、図6の(6)、(9)、(12)のように遷移する。これら(6)、(9)、(12)の遊技状態遷移条件としては、(ウ)特定遊技状態3でそれぞれの遊技状態に移行することとなる種類の大当り遊技を獲得すること、(エ)所定遊技回数が経過すること(※(6)のみ)が挙げられる。
特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)へ移行すると、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、「確率変動機能」が作動した「高確率(状態)」となり、特定遊技状態1および特定遊技状態2とは異なり「電チューサポート機能」、「変動時間短縮機能」は作動していない状態となる。前提とするぱちんこ遊技機Pの遊技盤P5における各入賞装置の配置構成では、遊技領域の右側領域P501(右打ち領域)に普図作動ゲート装置P740、および普通電動役物に係る第2始動入賞口P721が配置されているが、特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)において遊技者が遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射する「右打ち」を行ったとしても普通図柄抽選にて当りに当選する確率は低く、右打ちを行う優位性が存在しない。
そのため、遊技者は遊技領域の左側領域P501L(左打ち領域)に遊技球を発射する「左打ち」にて遊技を進めることとなり、高確率状態であるため特別図柄抽選にて大当りとなる確率が高いため早期に大当り遊技が獲得できること以外は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)と同様の遊技方法、遊技進行となる。
特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)は、当該状態に移行することとなった遊技状態遷移条件(例えば、大当りの実行であれば実行された大当りの種類、等)によって予め定められた遊技回数(特別図柄抽選を受けた回数)が経過するか、新たに大当り遊技を獲得することによって終了する(なお、大当り遊技後に再び本状態に移行する場合を有する)。特定遊技状態3は小当り遊技の獲得の場合は終了しないものとするのが一般的である。特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)が遊技回数によって終了する場合は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)へ移行する。
なお、特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)は、前提とするぱちんこ遊技機Pとして記載した図6の盤面配置構成とは異なり、右側領域P501R(右打ち領域)に普通電動役物P770を有しないタイプの第3始動入賞口を配置し、「時短状態」を作動させることにより、短時間に多くの特別図柄抽選が受けられるように構成するなど、遊技盤上の入賞装置の配置構成及び時短状態の制御によっては「右打ち」が推奨される遊技状態となる場合も有する。
以上で説明したように、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、複数の遊技状態によって遊技進行が行われるものであるが、前述した全ての遊技状態を必ずしも備える必要はない。そこで、複数の遊技状態の組み合わせ等によって構成される遊技機仕様のうち、前提とするぱちんこ遊技機Pで採用可能な遊技機仕様(「スペック」と称することがある)を以下に例示する。
代表的な遊技機仕様(「スペック」)に関し、特別図柄抽選の確率変動機能の作動に係る遊技機仕様の種類の一例としては、「(次回まで)確変」、「ST(回数切り確変)」、「V確変(「球確」、「アタックラウンドシステム」ともいう)」、「潜伏確変」を採用可能である。この確率変動機能の差による遊技機仕様の違いを、「本遊技機は『○○機(例:ST機)』である」などと表現することがある。また、確率変動機能を有しない遊技機において、小当り遊技中に大入賞口P751内部の特定領域P760を通過することにより、その後役物連続作動装置が作動する(すなわち大当り遊技に移行する)こととなる「小当りV」と呼ばれる遊技機仕様なども存在する。
[(次回まで)確変]
まず始めに「(次回まで)確変」について説明する。「次回まで確変」は、一般的には、ぱちんこ遊技機Pに備わった複数の特定遊技状態の中で、前述した特定遊技状態の内の最も有利とする遊技状態として、「特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が次回の大当り遊技の権利を獲得するまでの間継続することとなるぱちんこ遊技機」についての遊技機仕様を示す。換言すると、「次回まで確変」の遊技機は、次回の大当り遊技の権利を獲得するまでは特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が継続し、図柄変動回数などによっては終了しないよう構成されている。
なお、大当りの種類によっては、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)や特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)に制御される場合を有していてもよい。また、「特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)が次回の大当り遊技の権利を獲得するまでの間継続するぱちんこ遊技機」においても、確率変動機能が次回大当りまで継続するという意味で「次回まで確変」と呼称する場合もあるが、ベース状態が「低ベース状態」であり、電チューサポート機能に関して通常遊技状態(低確率/低ベース状態)と同様の遊技が求められる場合があるため、このように電チューサポート機能が作動していない次回まで確変であることから「潜伏確変」と切り分けて表現する。
[ST(回数切り確変)]
続いて「ST(回数切り確変)」について説明する。「ST」は、「Special Time」の略語であり、一般的には、「特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が予め定められた回数の特別図柄抽選を行う(予め定められた回数の図柄変動が実行される)か、大当り遊技の権利を獲得するまでの間継続することとなるぱちんこ遊技機」についての遊技機仕様を示す。
なお、大当りの種類によっては、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)や特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)に制御される場合を有していてもよい。また、前述した「次回まで確変」と同様に、遊技状態が特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)に予め定められた回数の特別図柄抽選を行うか、大当り遊技の権利を獲得するまで制御されることとなる場合について、「潜伏確変(潜伏ST)」と称する状態を有するように構成することも可能である。
また、「ST(回数切り確変)」であっても、遊技状態がSTに制御される期間を、特別図柄抽選の抽選が「10000回行われるまで」とする場合など、高確率状態で実質的に次回までの大当りが保証されているといえる遊技機仕様であれば「次回まで確変」と表現する場合もある。
ここまで述べたように、「次回まで確変」と「ST(回数切り確変)」は、特別図柄抽選の確率変動機能の終期が異なる点で、遊技機仕様としての「確変状態」を区別するものである。一方で以下に説明する「V確変(「球確」「アタックラウンドシステム」)」のように、特定遊技状態における特別図柄抽選の確率変動機能の作動の有無、すなわち確率変動機能の実行開始に関し、特殊な条件を必要することで遊技機仕様(「スペック」)を表現する場合もある。
[V確変]
続いて、「V確変」と呼ばれる遊技機仕様に関して説明する。「V確変」は、遊技状態が特定遊技状態へ移行する前の大当り遊技中において、大入賞口P751内に設けられた「特定領域P750」(「Vゾーン」、「V領域」などと称することがある)に対し、予め定められた条件下(特定の大当りラウンドの実行中など)で遊技球の通過(「V入賞」)が検出された場合に、大当り遊技後に確率変動機能の作動を伴う特定遊技状態(特定遊技状態1や特定遊技状態3)へ移行させる制御を行うぱちんこ遊技機の遊技機仕様を示す。「V確変」に使用する「特定領域」に関し、特に「確率変動機能作動領域」と称する場合もある。
前述したように「V確変」は、確率変動機能の作動有無が大当り遊技中の遊技結果に依存する(遊技球が特定領域P760を通過するか否かに依存する)ことを示す遊技機仕様であり、作動した確率変動機能が、先に説明した「次回まで確変」と同等制御にて終了するか、「ST」と同等の制御にて終了するかの際によって「V確変(V-ループ)」や「V-ST」と異なる遊技機仕様を示す表現が用いられる。
なお、遊技機仕様として「V確変」を採用するぱちんこ遊技機Pにおいては、大当り遊技中においてV入賞しなかった場合においては、大当り遊技後に確率変動機能が作動せず、通常遊技状態や特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)に制御される。また、このようにV入賞した場合としなかった場合とで大当り遊技後に確率変動機能の作動する遊技状態となるか否かを切り替えるとともに、同時に電チューサポート機能の作動態様についても変更可能である。一例として「V確変(V-ループ)」機では、V入賞した場合、確率変動機能および電チューサポート機能が次回大当りを獲得するまで継続し、V入賞しなかった場合、確率変動機能は作動せず、電チューサポート機能も特別図柄抽選が100回行われるまでに制限されるようにすることが挙げられる。
[小当りV]
次に、確率変動機能を持たずに大当り獲得に関して遊技者に有利な遊技状態を提供しうる遊技機仕様として「小当りV」と呼ばれる遊技機仕様(スペック)に関して説明する。
「小当りV」は、特別図柄抽選の結果が小当りとなった際に実行される小当り遊技中(特別電動役物の作動中)に、大入賞口P751内部に設けられた「特定領域P760」(「Vゾーン」、「V領域」などと称することがある)を通過した場合に、小当り遊技に続いて役物連続作動装置を作動させる、すなわち大当り遊技を開始する遊技機仕様である。言い換えると、小当り中に特定領域P760を通過させることによって、特別図柄抽選の結果として大当りとなる結果を獲得することなく大当り遊技を獲得することができる遊技機仕様である。
「小当りV」は特別図柄抽選の結果として役物連続作動装置や特別電動役物を作動させる「1種(ぱちんこ)」の遊技性に、役物連続作動装置非作動中の特別電動役物作動中(大入賞口P751の開放中)において特定領域P760を通過した場合に役物連続作動装置を作動させる仕様であり、「1種小当りV」と表す場合もある一方、従来のぱちんこ遊技機におけるいわゆる「2種ぱちんこ」の遊技機仕様に近い遊技性を有していることから「1種2種混合機」などと表現される場合を有する。
一般的に「小当りV」を遊技機仕様として採用するぱちんこ遊技機においては、確変機能(確率変動機能)を有さず、電チューサポート機能の有無によって有利度合いを変更させる。すなわち、電チューサポート機能が作動した場合に入賞しやすくなる普通電動役物P770に係る入賞口を小当りに当選しやすい特別図柄(例えば1/2で小当りに当選する)の変動契機となる始動入賞口で構成することで、電チューサポート機能が作動している状況下では小当りに当選しやすく、小当り遊技中のV入賞で大当りを狙うことを可能とする。このようにすることで、確変機能のように大当りとなる乱数値範囲を増やすのではなく、小当りにより大当りの獲得可能性を増やす遊技性となっている。
[その他の遊技機仕様(スペック)]
以上に記載した、遊技機仕様は代表的なものであり、その他にも特徴的な遊技機仕様がいくつか知られているため、それらに関して以下に簡易的に説明を行う。
(リミッタ)
「リミッタ」は、確率変動機能や電チューサポート機能が作動する特定遊技状態が、大当り遊技の実行を挟んで繰り返し行われる状態(いわゆる「連荘」状態)が発生した場合であって、予め定められた繰り返し回数(連荘回数)に到達した場合に、本来確率変動機能や電チューサポート機能が作動するはずの大当り遊技が実行された場合であっても、確率変動機能あるいは電チューサポート機能の作動を制限する機能である。リミッタ機能として「確率変動機能」を連続回数に基づいて制限する機能を「確変リミッタ」と呼び、「電チューサポート機能」を連続回数に基づいて制限する機能を「時短リミッタ(電サポリミッタ)」と呼ぶ。そして、リミッタ機能を備える遊技機を「リミッタ機」と呼称する。
(転落)
「転落」は、特別図柄抽選の確率変動機能が作動している期間において、特別図柄抽選が行われる度に、確率変動機能を終了させるか否かを決定する「転落抽選」を実行する遊技機仕様を示す。確率変動機能とともに電チューサポート機能が作動している状況において、転落抽選に当選した場合は、確率変動機能の終了に合わせて電チューサポート機能の作動が終了する場合や、確率変動機能のみが終了し電チューサポート機能の作動は継続する場合とがある。
なお、上述した遊技機仕様は複数組み合わせることが可能であり、例えば、「ST」と「転落」を組み合わせた場合には、特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)である場合に、(1)転落抽選に当選した、(2)予め定められた回数の特別図柄抽選を行った、(3)大当り遊技の権利を獲得した、のいずれかを充足した場合に、特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が終了する(他の遊技状態に移行する)こととなる。
次に、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける遊技の進行を司る主制御基板P40の制御に関する説明を行う。なお、本実施形態に説明する前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、前述した遊技機仕様(スペック)として、「ST(回数切り確変)」を採用しているぱちんこ遊技機を前提として説明を行う。なお、実施形態の説明において、図中の処理ステップを示す「P-s〇〇」の表記は、本文中において「ステップ〇〇」と表記して説明を行う。
[主制御基板の電源投入処理(主制御基板メインループ処理)]
前提とするぱちんこ遊技機Pの主制御基板P40は、ぱちんこ遊技機Pの電源が投入されることにより、最初に電源投入処理(ステップ1000)を実行する。ここで、電源投入処理について図7に沿ってその詳細を説明する。
前提とするぱちんこ遊技機Pの主制御基板P40において電源投入処理が開始されると、主制御基板P40上に設けられた演算装置であるCPUの動作に係る初期設定が行われる(ステップ1002)。初期設定は、この後のCPUの動作に必要な設定を適宜行うものであり、その詳細は割愛する。
CPU初期設定が終了すると、続いて入力ポートの確認処理(ステップ1004)と電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)を実行し、これらの処理内容を受けて遊技停止状態設定処理(ステップ1008)に関する処理を行う。
より詳細に説明すると、入力ポート確認処理(ステップ1004)は、ぱちんこ遊技機Pの特別図柄抽選の有利度合い(特に役物連続作動装置の作動確率、すなわち大当り確率)を変更するための「設定値」を変更可能な「設定変更処理」を行う状態であるか否かのフラグ、「設定値」を確認するための「設定確認処理」を行う状態であるか否かのフラグについて、当該処理の後に行われる遊技停止状態設定処理で成立させるか否か(オンにするか否か)を決定するための情報を生成する処理である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、枠開放スイッチP131(前枠が外枠に対して開放していることを検出するスイッチ)の検出状況、ラムクリアスイッチP48が遊技者に操作されているかの検出状況、設定キースイッチP49が回転操作されているかの検出状況を示すデータを含むデータを1バイトデータとして生成する。
続く電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)では、前回電源を切ったとき、ぱちんこ遊技機Pが正常に電源断を行い、電源断が発生したときの遊技状態に係る制御データを正常に主制御基板P40のCPUの記憶領域に正常に退避、記憶しているかを確認する処理であり、正常なデータでない場合には、エラーとして後述する遊技停止状態設定処理(ステップ1008)にて遊技を停止するようにするフラグを立てる(オンにする)処理である。
「遊技停止状態設定処理」(ステップ1008)は、電源投入処理における処理が終了し、遊技を開始すべくメインループ処理に移行した後、実際に遊技者が遊技できる状況としないためのフラグを設定する処理であり、入力ポートの確認処理(ステップ1004)と電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)の処理結果に基づいて、「設定変更状態」、「設定確認状態」、「復帰不可能エラー状態」のいずれかの遊技進行不許可状態へ移行させるフラグを立てる処理である。「遊技停止状態設定処理」の詳細は図8に記載しており、図8の記載に基づいて説明を行う。
遊技停止状態設定処理では、まず枠開放中であるかを、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータを基に判断する(ステップ1100)。電源投入時にぱちんこ遊技機Pの前枠P2が外枠P1に対して開放した状態であれば(ステップ1100でYESとなる状況)、1バイトデータの特定のビットが「1」となっている状況であるため、続くステップ1102の処理を省略する。一方で、ぱちんこ遊技機の電源投入時に枠開放中でない場合は、設定変更処理を実行するための必須操作の一部が充足していないとし、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータから設定キースイッチの操作情報をオフデータにとなるように演算する。なお、不図示であるが、ステップ1102でYESとなる場合、NOとなる場合のいずれにおいても、1バイトデータ中から枠開放中のビットもオフデータとなるように演算される。
続くステップ1104では、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータが「設定変更操作あり」と判断可能な情報となっているか否かを判断する。前提とするぱちんこ遊技機Pでは「設定変更操作あり」と判断される状況は、(1)枠開放スイッチP131がオン(電源投入時に枠開放中)であり、(2)設定キースイッチP49がオンであり(回転操作されている)、(3)ラムクリアスイッチP48がオンである、の3つの状態を必要としている。前述したように1バイトデータの内、枠開放スイッチP131の情報はオフに設定されており、(2)(3)の双方を満たすか否かを本ステップにて判断している。例えば特定の2つのビットデータが「1」である場合に設定変更操作ありと判断する(なお、2つのスイッチがオンであることを示すアクティブデータが必ずしも「1」である必要はなく、いずれか1つのデータが「0」であってもよい)。そして、設定変更操作があったと判断した場合、すなわちステップ1104でYESと判断した場合には、遊技停止状態フラグとして「設定変更中」を示すデータを記憶し、遊技停止状態設定処理を終了する(ステップ1106、ステップ1118)。一方、ステップ1104でNOと判断した場合には続くステップ1108の処理へ移行する。なお、主制御基板P40のラム(RAM=Random Access Memory)に記憶されている設定値情報が異常データである場合(復帰不可能エラー状態からの復帰操作である場合)には、初期設定値として設定値「1」に対応するデータを、設定値を記憶する領域にセットする(ステップ1118)。
次にステップ1108において、遊技停止エラーの発生の判断を行う。遊技停止エラーは、例えばチェックサム異常(ラム異常)や、設定値異常など、遊技の進行を行うことができない状況に陥ったときに、ラムクリアおよび設定値の設定(変更)処理を要する場合のエラーのことを指す。ステップ1108の判断は、電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)の処理結果や、前回の電源断処理時に記憶しているエラー情報を基に遊技停止状態として設定すべきか否かを判断する。エラー状態とすべきと判断した場合(ステップ1108でYESと判断した場合)には、遊技停止状態フラグを「復帰不可能エラー状態」として遊技停止状態設定処理を終了し(ステップ1110、ステップ1118)、エラーが発生していないと判断した場合には続くステップ1112の処理へ移行する。
続くステップ1112においては、ラムクリアスイッチP48の操作の有無を判断する。遊技停止状態設定処理において、当該ステップまで進行する場合の状態として、(ア)設定確認状態へ移行する操作が行われているとき、換言すると、「設定変更操作あり」の判断の内、(1)枠開放スイッチP131がオン(電源投入時に枠開放中)である、(2)設定キースイッチP49がオンである、を充足し、(3)ラムクリアスイッチP48がオンである、を充足していないとき、(イ)データクリアのためのラムクリア操作が行われたとき、換言すると、(2)設定キースイッチP49がオンである、を充足しておらず、(3)ラムクリアスイッチP48がオンである、を充足しているとき、(ウ)「設定変更操作」、「設定確認操作」、「ラムクリア操作」などの操作が何ら行われず電源を投入したとき、のいずれかの状況である。そして、これらの状態において入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータは、(ア)設定キースイッチP49のオンオフを示すビットデータが「1(オンデータ)」、(イ)ラムクリアスイッチP48の操作検出状態のオンオフを示すビットデータが「1(オンデータ)」、(ウ)1バイトデータが全てオフデータ(例えば全ビット「0」)のいずれかの状況である。
そして、ステップ1112においてラムクリアスイッチP48の操作があったか否かを判断し、ラムクリア操作があった場合(ステップ1112でYESと判断する場合)には、ぱちんこ遊技機は、ラムクリアをしたのち遊技可能状態へ移行させるため、遊技停止状態フラグをクリアする処理を行う(ステップ1114)。一方、ラムクリア操作がなされた状況以外では、現在の1バイトデータをそのまま設定することとなり、この時、遊技停止状態フラグは「設定確認状態」へ移行する操作がなされているときは(ステップ1112でNOと判断する場合)、設定キースイッチP49の操作状況を示すビットデータが「1」となっており、遊技停止状態フラグを示す1バイトデータに「設定確認中」を示すデータとして記憶される(ステップ1118)。また、ラムクリア操作も設定確認状態への移行操作もない場合には、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータは、もともと遊技停止状態フラグとして遊技停止なしを示すデータであり、遊技停止なし情報としてセットされる。
「遊技停止状態設定処理」(ステップ1008)にて設定された遊技停止状態フラグについて、何らかの停止状態を示す値が記憶されている場合は、電源投入処理(ステップ1000)における遊技許容状態であるメインループ(ステップ1028~ステップ1036)への移行後に実行される遊技進行制御の主体となる割込み処理(ステップ2000)において、停止状態を示す値が参照され、「基本遊技進行」として記載した遊技の進行ができない状態となるが、これらの制御については後述する割込み処理の説明において記載する。
図7の電源投入処理の説明に戻り、続く処理を説明する。遊技停止状態設定処理(ステップ1008)が終了すると、ラムクリア操作があったか否かを判断する(ステップ1010)。ラムクリア操作は、ぱちんこ遊技機Pの電源投入時にラムクリアスイッチP48が操作されることである。なお、設定キースイッチP49がオフの場合にもオンの場合にも本処理は実行される。ステップ1010においてラムクリア操作ありと判断した場合には、主制御基板P40のラムの記憶領域より、予め定められた部分の記憶領域を初期化する。
続くステップ1014からステップ1020の処理では、電源投入時に主制御基板P40から演出制御基板P41に対して遊技機の状態を認識させるための演出制御コマンド(演出コマンド)をセットする処理を行う。より詳細には、ステップ1014において、前回電源が切断したとき(電源断が発生したとき)において未送信となっていた演出制御コマンドを記憶領域からクリアする処理を行う。そして、ステップ1016において電源投入後に復帰した主制御基板P40の現在の遊技状態に関する情報を演出制御コマンドとして生成し、ステップ1018において遊技停止状態でないと判断した場合には、ステップ1020において、生成した復帰した遊技状態を示す演出制御コマンドを演出制御コマンドの送信データを記憶する領域にセットする。
電源投入時における演出制御コマンドのセットに係る処理が終了すると、大入賞口P751(特別電動役物P755)や普通電動役物P770を電源断発生前の状態に戻すべく、必要なデータ(駆動信号)を特別電動役物駆動手段P70および普通電動役物駆動手段P71に対して出力ポートから出力する。(ステップ1022)
そして、電源投入処理におけるステップ1022までの処理が終了すると、主制御基板P40のCPUに対して、割込み処理時間の発生間隔を設定する処理を行う(ステップ1024)。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、後述する割込み処理(図9、ステップ2000)を実行する間隔を4ms(ミリ秒)としている。本処理が終了すると、遊技者が遊技可能な状態であるメインループと呼ばれる循環処理に移行し、電源断が発生するまでメインループ中の循環処理の実行を繰り返す。
(メインループ)
主制御基板のメインループの処理は、図7に示すように、まずステップ1026にて割込み処理の発生を禁止する処理を行い、メインループの処理が完了するまで(ステップ1036にて割込みを許可するまで)割込み処理の実行を制限する。
割込みが禁止されると、続くステップ1028では、ウォッチドッグタイマと呼ばれる主制御基板P40のCPUの暴走(処理がループしてしまったりして、進まなくなってしまう状況など)の発生を監視するための計時情報を記憶している領域をクリア(初期化)する。
そしてステップ1030では、電源断が発生しているか(例えば電源基板P44から電圧が低下したことに基づいて送られる電源断信号が主制御基板P40のCPUの入力ポートに入力されているか)を判断し、電源断が発生している状況であれば、現在の遊技状態を記憶し、電源断情報およびチェックサム情報を記憶して主制御基板P40のCPUとしての処理を停止する電源断処理(ステップ1032)を実行する。電源断が発生していない状況であれば続く処理へ移行する。
ステップ1034では、特別図柄抽選に使用する乱数や、普通図柄抽選に使用する乱数値を更新する処理を行う。なお、これらの乱数値の更新は後述する割込み処理において更新するものもあり、割込み処理においてのみ乱数が更新されることで乱数更新周期が一定になってしまうことを防止するための処理である。なお、割込み処理において、不定期に実行されるような処理があれば、それらの処理に合わせて乱数値を更新するなどの手法を採用することにより、乱数更新周期の一定化を防止することもできるため、メインループ内に乱数更新処理を設けることは必須ではない。
ステップ1036はメインループ中の最後の処理であり、割込みを許可する処理を行う。直後にメインループ中の最初の処理であるステップ1026の割込み禁止に戻ることになるが、割込み許可を行うステップ1036の処理が行われたときに、割込み実行周期(前回割込み処理の発生から4ms経過した状態)を示す入力が主制御基板P40のCPUにあれば、後述する割込み処理が実行されることとなる。
[割込み処理]
続いて主制御基板P40のCPUで行われる割込み処理(「タイマ割込み処理」とも呼ぶ)について図9を参照しながら説明する。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、割込み処理(ステップ2000)により遊技の進行に関する大部分が制御されており、遊技機仕様(スペック)によって変更可能に設けられたサブモジュールプログラムを、汎用的に一定の順序で読みだして制御するように構成されている。それらのサブモジュールに関する処理を以下に簡易的に説明する。
(ウォッチドッグタイマクリア)
割込み処理の最初には、ウォッチドッグタイマクリアの処理が設けられている。本処理は、前述した主制御基板P40のCPUが実行するメインループ処理(図7、ステップ1026~ステップ1036)におけるウォッチドッグタイマクリア処理と同じ処理である。(ステップ2002)
(入力ポート確認処理)
入力ポート確認処理は、主制御基板P40のCPUの入力ポートに入力される情報を確認することにより、以降の処理において判断に必要な情報としての入力情報があったか否かを識別可能とする情報を生成する処理である。(ステップ2004)
入力ポートに入力される情報としては、ラムクリアスイッチP48や設定キースイッチP49の操作状況を示す入力信号や、ハンドルP204の操作状況(タッチ有無)を示す入力信号等の人為的な操作に係る入力信号、特図1始動口スイッチP712や大入賞口スイッチP752等の遊技球の検出による遊技結果を示す入力信号、磁気センサP73やドア開放センサP131、振動検知センサP72など不正監視のために設けられたセンサの検出状況を示す入力信号などがある。
入力ポート確認処理では、これらの入力ポートの入力信号を10μs(マイクロ秒)で3回読み込み、全ての読み込みで同一データ(同一ビット)となったデータを今回割込みにおける入力データ(「レベルデータ」という)として主制御基板P40のラムに記憶する。なお、3回読み込んだデータのうち全ての読み込みで同一データとならなかった部分については、前回の割込み処理(4ms前の割込み処理)において確定したデータをレベルデータとして採用することとなり、すなわち今回割込みにおいて正常にデータが読み取れなかった場合は前回割込みで記憶したデータを更新しないこととなる。
そして今回割込みにおける入力データ(レベルデータ)が確定すると、前回割込みにおける入力データとの比較演算を行い、「立ち上がりデータ」(入力データがオフからオンに変わったビットを特定するデータ)を生成し、今回割込みでオン入力に切り替わったスイッチを特定するデータを記憶する。
(乱数更新処理)
乱数更新処理は、特別図柄抽選に係る当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数や、普通図柄抽選の普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数などの各種乱数の内、ソフト的に更新される乱数値であるいわゆるソフト乱数を更新する処理である(ステップ2006)。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特別図柄抽選や普通図柄抽選に使用する乱数は、乱数生成回路にて回路上の更新周期にて乱数を更新するものと、ソフト的な周期で更新されるものを有する仕様としており、それらを組み合わせることで、乱数取得時の各種乱数のランダム性を保つように構成している。
乱数更新処理においては、前述したようにソフト乱数を更新する処理を行うものであるが、更新の方法としては、(ア)乱数をインクリメント(+1)あるいはデクリメント(-1)して更新し、乱数範囲の上限(又は下限)を超えた場合に下限値(または上限値)とするもの、(イ)乱数に対して任意の素数を減算(または加算)し、乱数範囲を超える場合に乱数範囲+1(または乱数範囲-1)の値を加算(または減算)するもの、(ウ)初期値として設定した乱数からインクリメント(またはデクリメント)を繰り返し、1周期の更新が終わった場合に、別途更新している「初期値乱数」を新たな初期値として設定し同様の更新を繰り返すもの(初期値更新型乱数ともいう)、といった各種の更新方法が例示できる。なお、本実施例に例示したものに限らず更新方法は乱数のランダム性が保てる手法であれば、どのような手法を採用してもよい。
(設定制御処理)
設定制御処理は、主制御基板P40のCPUにおける電源投入処理(図7参照)中で設定した遊技停止フラグが「設定変更中」、または「設定確認中」である場合の処理を行う。(ステップ2008)
設定制御処理では、最初に電源投入処理中にて遊技停止フラグとして格納したデータの設定キー操作中を示すビットデータがオンデータであるか否かを判定し、オンデータでない、すなわちぱちんこ遊技機の電源投入時に設定キーがオン操作されていなかった場合、本処理を抜けるように構成されている。
一方で、遊技停止フラグ中の設定キー操作中を示すビットデータがオンデータである場合には、「設定変更中」、「設定確認中」を終了させるか否かを判定するため、現在の割込み処理における設定キースイッチP49の入力情報(前述した入力ポート確認処理にて生成)を参照し、設定キースイッチP49がオフとなった場合に遊技停止フラグをクリアし、遊技可能な状態とした後、「設定変更状態」、「設定確認状態」のいずれからの復帰であるかに応じて、演出制御基板に演出を復帰(または開始)させるための演出制御コマンドを設定する。
また、電源投入処理(図7参照)において、遊技停止フラグが「設定変更中」である場合、設定キースイッチP49がオフとなるまでの期間において、本割込みタイミングにおける「設定変更スイッチ」の役割を果たすラムクリアスイッチP48(設定値を変更するために操作するスイッチ)の操作状況を確認する。遊技停止フラグが「設定変更中」の時、今回割込みにおいて、設定変更スイッチP48の操作にかかる立ち上がりデータが生成されている場合において、「設定値」を予め定められた変更順序の内の次の設定値となるようデータの変更を行う。例えば、設定が1から6まで順に切り替わるような設定値データを有するぱちんこ遊技機Pであれば、設定変更スイッチ(ラムクリアスイッチP48)の操作に基づく立ち上がりデータがあるたびに、本設定制御処理において設定値を「1」増加させる処理(操作前の設定値が6のときは、次の値として1に変更)を行う。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、設定変更状態や設定確認状態における処理を割込み処理中(図9参照)に設けることによって、設定キースイッチや設定変更スイッチの操作を割込み処理の周期で監視するとともに、後述するLED出力処理にて表示装置に対しての表示データの出力を可能とし、別途割込み処理の設定ができていない電源投入処理中(図7参照)において、周期的な監視のためのプログラムを設定することを省略可能としている。なお、電源投入処理中において、設定変更や設定確認に関するスイッチの監視や表示装置の制御、設定値の更新処理を行うように構成してもよい。
(遊技停止監視処理)
遊技停止監視処理は、主制御基板のCPUがぱちんこ遊技機の電源投入時に実行した電源投入処理(図7参照)中にて生成した遊技停止フラグのデータを読みだして遊技停止中であるか否かを確認する処理である。(ステップ2010)
遊技停止監視処理において、読みだされた遊技停止フラグのデータに何らかの遊技停止情報(遊技停止フラグ)が記憶されていた場合、例えば、遊技停止フラグのデータが0でなくいずれかのビットが「1」である場合は遊技停止状態(遊技停止が必要な状態)と判断し、遊技停止中として、割込み処理中の一部の処理(図9における「タイマ減算処理(ステップ2014)」から「特別電動役物制御処理(ステップ2028)」まで)を省略する。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、遊技停止が必要な状態として、すなわち遊技者が遊技をすることが不可能な状態として、「設定変更中」、「設定確認中」、「復帰不可能エラーの発生中」といった状態が例示できる。
(タイマ減算処理)
タイマ減算処理は、遊技の進行に関する時間の管理に使用されるタイマデータを更新する処理である(ステップ2014)。
タイマデータの更新処理の例として、特別図柄の変動表示が開始された場合に設定される変動表示時間の管理や、大当り遊技中の特別電動役物P755の作動時間(大入賞口P751の開放時間)などの遊技進行を契機としたタイマデータの更新処理や、球詰まりを検出する等のエラー判定のための計時処理、特別図柄表示装置P51、P52などの主制御表示装置P50におけるLEDの点灯パターンを切り替えるための切り替え時間を計時するための処理、外部情報出力端子P77等から外部機器(ホールコンピュータなど)に対する情報の出力を行う期間を計時する処理などが例示できる。
タイマ更新処理で更新されるタイマデータは、主制御基板P40の記憶領域(ラム記憶領域)に、「1バイトタイマ」、「2バイトタイマ」などのタイマデータの種類ごとに分けられて、連続した記憶領域にそれぞれ記憶されている。
タイマ更新処理では、それらの個別のタイマデータの種類を記憶した記憶領域に対し、「1バイトタイマ更新処理」、「2バイトタイマ更新処理」といった処理を行い、各種タイマの時間値を更新する処理を行う。タイマの更新処理は、記憶領域に記憶されているタイマデータをデクリメント(-1)する処理を行う。なお、記憶されているタイマデータが既に「0」である場合には、処理後においても「0」となるように処理される(負の値になった場合に「0」にすることや、「0」の場合にデクリメントをしない、など)。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、1割込みの周期が4msであるため、1バイトタイマのデータである場合には、最大255回の更新(約1秒)で終了する管理対象のみが制御可能となるが、1秒以内でのみ管理される遊技情報がない場合(少ない場合)には、2バイトタイマデータのみで構成し、1バイトタイマ更新処理を有さないように構成することも可能である。また、2バイトタイマでも管理できないような時間値の管理が必要となる場合は、「3バイトタイマ」などより長時間を管理できるタイマデータを持つように構成してもよい。
(有効期間設定処理)
有効期間設定処理は、入球容易態様または入球困難態様に変化可能な入賞口(主として大入賞口P751や普通電動役物P770に係る入賞口が該当)に関し、入球容易態様に制御する期間および有効延長期間において有効期間を設定し、それ以外の期間(入賞口が入球困難態様であり有効延長期間以外のとき)について、無効期間を設定する処理である。(ステップ2016)
前提とするぱちんこ遊技機では、大入賞装置としての大入賞口P751と、普通電動役物P770が備えられている第2始動入賞装置P720である第2始動入賞口P721の入賞を有効期間として設定する処理となる。
なお、有効延長期間は大入賞口P751や普通電動役物P770が入球困難態様へ移行する直前のタイミングで入球した遊技球を有効入賞として扱うために、大入賞口P750(特別電動役物P755)や普通電動役物P770などの電動役物に対して開放制御を実行させる制御期間が経過した後においても有効期間として扱うため、電動役物の構造に応じて適宜設定される一定時間の制御期間である。
また、遊技機仕様によっては特定領域P760(V領域)を有する場合には、特定領域P760に関する遊技球の通過に対する有効延長期間も設定されることがあり、そのような場合には、本処理において特定領域の有効期間の設定も行われる。
(入賞監視処理)
入賞監視処理は、ぱちんこ遊技機における各種入賞口(大入賞口P751、始動口P711、P721、一般入賞口P731)に対する遊技球の入賞を基に、有効入賞であるか否かを判定し、賞球や始動口入球に対する特別図柄抽選の権利の発生(保留の発生)の処理が行われる契機となる情報を生成する処理である。(ステップ2018)
処理内容としては、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したデータを基に予め定められた順序で各種入賞口毎に(ア)入賞の有無を検出(イ)有効期間を有する入賞口の場合は有効期間中における入賞であるかの判断、各種入賞口に対する有効入賞が発生した場合には更に、(ウ)演出制御基板P41に送信する各種入賞口毎の入賞情報をしめす演出制御コマンドの設定、(エ)各種入賞口毎の入賞に基づく動作契機の発生回数を記憶するためのカウンタ値(「入賞カウンタ」と呼ぶ)を更新する(言い換えると、各種入賞口の検出に基づく動作の内で未処理の動作の回数を記憶するカウンタ値を更新する)処理を行う。
なお、入賞監視処理においては、各種入賞口に対する入賞の発生のみでなく、アウト球を計数するために設けられたアウト球検出スイッチP792、普通図柄抽選の契機となる作動口スイッチP742や、遊技機仕様によっては特定領域P760(V領域)に対する遊技球の入球および通過についても判定するようになっており、賞球の発生や特別図柄抽選の契機の発生以外にも遊技機の動作(例えば、演出制御基板P41に対して、作動口スイッチP742や特定領域P760を通過した旨の情報を送信する処理)に必要となる遊技球の検出の有無を本処理において行う。
(作動口監視処理)
作動口監視処理は、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したデータより、普図作動口スイッチP742の立ち上がりデータが生成されている場合に、普通図柄抽選に係る保留(普通図柄保留とも称する)の発生に係る処理を行う。(ステップ2020)
より具体的には、普図作動口スイッチP742の検出があった場合に、普通図柄抽選に係る保留の数を確認して、保留数が上限に満たない場合は、新たな保留として乱数を記憶可能であるため、保留数を格納している記憶領域のデータをインクリメント(+1)して保留数情報を1個増やした後、普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数を乱数生成回路から取得、あるいは現在の対応するソフト乱数を取得して保留として記憶する。
(普通図柄制御処理)
普通図柄制御処理は、普通図柄抽選、普通図柄の変動表示、普通電動役物P770の作動に係る処理を行う(ステップ2022)。これらの処理は、普通図柄ステイタスと呼ばれる普通図柄、普通電動役物の制御状態を示すデータがいずれであるかに応じて、異なるサブモジュール処理に移行して、状態に応じた制御を行う。普通図柄のステイタスとしては、「0:普通図柄待機中」、「1:普通図柄変動中」、「2:普通図柄停止表示中」、「3:普通電動役物作動中」、「4:普通電動役物終了デモ中」があり、それぞれの状態に応じた処理を行う。
《普通図柄変動開始監視制御処理》
普通図柄変動開始監視制御処理は、普通図柄ステイタスが「0:普通図柄待機中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通図柄変動開始監視制御処理では、まず、普通図柄抽選に係る保留数が「0」であるか否かを確認する。「0」である場合には、普通図柄の変動権利は発生していないため、普通図柄制御処理を抜ける。一方、普通図柄抽選に係る保留数が「0」でない場合は、普通図柄の変動権利が発生している状態であり、普通図柄の変動開始条件を満たしていると判断して普通図柄の変動の開始に係る処理を実行する。
普通図柄の変動を開始すると判断すると、普通図柄抽選に係る保留数情報を記憶する領域より、保留数情報を-1した後、普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数をそれぞれ呼び出して普図当否抽選、普図図柄抽選、普図変動パターン抽選をそれぞれ行い、抽選結果を主制御基板の記憶領域に格納するとともに、今回使用した乱数情報をクリアし保留数情報の記憶領域を記憶した順番に処理されるようにシフトする処理を行うとともに、普通図柄ステイタスを「1:普通図柄変動中」に更新する。なお、普通図柄抽選に関しては、前述した「ベース状態」(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能)の作動状況に応じて異なる抽選テーブルが使用され、高ベース状態では当りとなりやすく、普通図柄の変動表示時間は短いものが決定されやすい傾向にある。
《普通図柄変動中処理》
普通図柄変動中処理は、普通図柄ステイタスが「1:普通図柄変動中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通図柄変動中処理では、普通図柄変動開始監視制御処理中にて決定した普通図柄の変動パターンに応じた普通図柄の変動表示時間が経過するまで、すなわち普通図柄の変動表示を管理するタイマ(普通図柄変動表示タイマ)がタイマ更新処理において0となるまで、普通図柄表示装置P53において、普通図柄の変動表示を実行させる処理である。
より具体的には、普通図柄変動表示タイマが0でない場合には、本処理が実行されるたびに最大値が「5」である普図表示切り替えカウンタを更新し、普図表示切り替えカウンタが「5」となるタイミングで、普通図柄表示装置P53を構成するLEDの発光パターンを指定するためのデータを格納する記憶領域に、次の発光パターンに関する情報を記憶する処理を行う。なお、普図表示切り替えカウンタは最大値である「5」となるタイミングで初期値である「0」にリセットされる。すなわち、普通図柄の変動表示は5回の割込み(4ms×5=20ms)間隔で普通図柄表示装置P53の点灯パターンが切り替えられることとなる。なお、切替間隔は適宜設定可能であり、例えば普図表示切り替えカウンタの最大値を25とすれば、25割込みに1回(100msに1回)の間隔で普通図柄表示装置P53の表示パターンが切り替えられる。
普通図柄の変動表示時間が終了する、すなわち普通図柄変動表示タイマが「0」となっている場合、本処理では普図図柄抽選で決定した普通図柄の停止表示図柄の表示パターンが主制御表示装置P50における普通図柄表示装置P53に停止表示されるよう、停止表示態様を示すLED点灯パターンを指定するためのデータを普通図柄表示装置P53のLED点灯パターンを記憶する記憶領域に格納する。そして、普通図柄の図柄固定時間(停止表示図柄を表示する時間)を普通図柄停止表示タイマに記憶するとともに、普通図柄ステイタスを「2:普通図柄停止表示中」に更新する。
《普通図柄停止表示中処理》
普通図柄停止表示中処理は、普通図柄ステイタスが「2:普通図柄停止表示中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通図柄停止表示中処理では、普通図柄変動中処理の終了時に図柄固定時間が設定された普通図柄停止表示タイマの値が「0」であるかの確認を行い、「0」となったタイミングにて、次の遊技動作に移るための設定を行う処理が行われる。
普通図柄停止表示タイマが「0」となったとき、今回の普通図柄抽選の結果が「当り」であった場合、当り図柄およびベース状態(普通電動役物の延長機能)の作動状態に応じて、普通電動役物P770の作動パターンを呼び出し、動作パターンを設定や、普通電動役物P770に係る入賞カウンタをクリアする等の設定をするとともに、普通図柄ステイタスを「3:普通電動役物作動中」に更新する。
一方、普通図柄停止表示タイマが「0」となったとき、今回の普通図柄抽選の結果が「はずれ」であった場合には、普通図柄ステイタスを「0:普通図柄待機中」に更新する処理を行う。
《普通電動役物作動中処理》普通電動役物作動中処理は、普通図柄ステイタスが「3:普通電動役物作動中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通電動役物作動中処理では、普通図柄停止表示中処理において設定された普通電動役物P770の動作パターンに基づいて、普通電動役物の開放動作(入球容易態様への変化)および閉鎖動作(入球困難態様への変化)を制御するとともに、普通電動役物の作動終了条件の成立を監視する。普通電動役物P770の作動終了は、(ア)普通電動役物の終了条件として設定された規定数の普通電動役物入賞が発生した場合、(イ)予め設定された動作パターンの動作が終了した場合(普通電動役物の開放動作期間が終了した場合)である。
普通電動役物の作動終了条件が成立すると、普通電動役物の有効延長期間を記憶するタイマ領域に、予め普通電動役物P770の構造に対応して定められた一定時間の延長期間を計時する時間をセットする。そして、普通電動役物の作動終了デモに係る時間値を普通電動役物作動終了デモタイマにセットし、普通図柄ステイタスを「4:普通電動役物終了デモ中」に設定する。
《普通電動役物作動終了デモ処理》
普通電動役物作動終了デモ処理は、普通図柄ステイタスが「4:普通電動役物終了デモ中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通電動役物作動終了デモ処理では、普通電動役物作動中処理にて設定した普通電動役物作動終了デモタイマが「0」となるまで待機し、普通電動役物作動終了デモタイマが「0」となった場合に普通図柄ステイタスを「0:普通図柄待機中」に更新する処理を行う。
(始動口監視処理)
始動口監視処理は、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したデータより、特図1始動口スイッチP712および特図2始動口スイッチP722の立ち上がりデータが生成されている場合に、特別図柄抽選に係る保留(第1特別図柄の抽選に係る保留については、第1保留、第1特別図柄保留とも称する、第2特別図柄の抽選に係る保留については、第2保留、第2特別図柄保留とも称する)の発生に係る処理を行う。(ステップ2024)
より具体的には、特図1始動口スイッチP712および特図2始動口スイッチP722の検出があった場合に、特別図柄抽選に係る保留の数を確認して、保留数が上限に満たない場合は、新たな保留として乱数を記憶可能であるため、保留数を格納している記憶領域のデータをインクリメント(+1)して保留数情報を1個増やした後、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数を乱数生成回路から取得、あるいは現在の対応するソフト乱数を取得して保留として記憶する。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特別図柄として、第1特別図柄(特図1と称することがある)と第2特別図柄(特図2と称することがある)との2種類の特別図柄を設けているため、遊技盤P5に設けられた始動口のそれぞれに対し、対応する特別図柄の保留数および始動口スイッチのデータを呼び出して、始動口毎に保留数の加算、乱数の取得の処理が行われる。
また、処理対象とする始動口が、普通電動役物に係る始動口(電チュー)で構成される場合には、前述した有効期間設定処理にて普通電動役物P770に係る始動口入賞が有効期間内に行われたか否かを判断した上で有効期間である場合には前述した処理を行う。
なお、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数を記憶する際、取得した乱数情報を事前に予告判定値テーブルを用いて、保留される各種乱数に基づく変動が実行される際の変動内容が事前に推測可能となる情報を生成し、演出制御基板P41に対して演出制御コマンドとして通知する(「事前判定コマンド」、「事前判定情報」、「先読み判定コマンド」と呼ぶ)。事前判定コマンドは、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数それぞれに対して生成され、演出制御基板P41に送信されると、演出制御基板P41において、後述する「先読み演出」の実行に係る抽選に利用される。
(特別図柄制御処理)
特別図柄制御処理(ステップ2026)は、特別図柄ステイタス(「特図ステイタス」ともいう)と呼ばれる特別図柄を管理するための状態情報と、特別電動役物ステイタス(「特電遊技ステイタス」ともいう)と呼ばれる特別電動役物の作動状態を管理するための状態情報とによって、特別図柄の変動開始の管理(特別図柄変動開始監視制御処理)、特別図柄変動中処理、特別図柄停止図柄表示中処理のいずれかの処理を実行する。
特別図柄ステイタスには、「0:特別図柄変動待機中」、「1:特別図柄変動中」、「2:はずれ図柄停止表示中」、「3:大当り図柄停止表示中」、「4:小当り図柄停止表示中」の状態を有し、特別電動役物ステイタスには、「0:当り待ち中」、「1:特別電動役物作動中」、「2:大入賞口閉鎖中」、「3:大当り終了デモ中」、「4:小当り特電作動中」、「5:小当り閉鎖中」、「6:小当り終了デモ中」の状態を有する。なお、
遊技機仕様によっては小当りを有しない場合もあり、その場合には小当りに関連したステイタスデータを持たない。そして、これらのステイタスに基づく制御は後述する。
特別図柄制御処理は、特別図柄を複数有する場合には、予め定められた順序(優先順位)に基づいて処理が行われる。予め定められた順序として、第2特別図柄を優先して制御する処理を行い、第1特別図柄および第2特別図柄の双方の保留が存在する状況下では、第2特別図柄の変動が先に開始される(第2特別図柄が優先して変動する)よう処理される遊技機仕様について、「第2特別図柄(特図2)優先消化制御」と呼び、前提とするぱちんこ遊技機Pの実施形態に係る説明では、このタイプのものに関する処理について例示して説明する。
特別図柄制御処理では、まず、第2特別図柄の制御を行う。第2特別図柄の制御を開始すると、まず第1特別図柄の特別図柄ステイタスと、特別電動役物ステイタスの情報を参照する。特別電動役物ステイタスが大当り遊技中または小当り遊技中を示すデータの場合(特別電動役物ステイタスが「0:当り待ち中」以外のとき)、第1特別図柄が変動中でありの第1特別図柄の特別図柄ステイタスが「0:特別図柄変動待機中」以外の場合には、処理を行うことなく処理を完了する。
第2特別図柄の制御を実行する状況である場合には、第2特別図柄に係る制御のタイマ値を更新する処理が実行される。タイマの更新は、タイマを記憶する記憶領域のデータをデクリメント(-1)する処理にて行われ、デクリメントした結果が負の値となる場合には「0」がセットされる。そして、タイマの更新が終了すると特別図柄2に対応する特別図柄ステイタスに基づいて、後述するサブモジュール処理が呼び出され実行される。なお、割込み処理中にもタイマ減算処理を有しているが、タイマ減算処理にて更新されるタイマに特別図柄制御処理にて更新されるタイマデータは含まれておらず、特別図柄制御処理において特別図柄に係る制御のためのタイマデータを管理している。
《特別図柄変動開始監視制御処理》
特別図柄変動開始監視制御処理は、特別図柄ステイタスが「0:特別図柄変動待機中」である場合に移行するサブモジュール処理である。
特別図柄変動開始監視制御処理では、対象として処理している特別図柄の保留があるか否かを確認し、保留が無ければ処理を終え、保留がある場合には続く処理が実行される。続く処理は、変動を開始する際に行われる特別図柄抽選である。特別図柄抽選は、まず設定値として格納しているデータを読みだして検査し、適切な設定値情報であるか否かを判定する。適切な設定値である場合には、遊技状態等を示す各フラグを記憶した領域のデータを参照して適宜抽選テーブルを選択し、当否抽選および図柄抽選、変動パターン抽選が実行され、抽選結果が記憶領域に格納されたのち、特別図柄ステイタスが「1:特別図柄変動中」に更新される。また、特別図柄抽選によって決定された内容は、演出制御基板P41に演出制御コマンド(当否コマンド、図柄コマンド、変動パターンコマンド)として送信され、特別図柄の変動表示に合わせて実行される変動演出の内容の決定処理(抽選処理)のための情報として利用される。なお、特別図柄抽選に関する詳細は後述する。
《特別図柄変動中処理》
特別図柄変動中処理は、特別図柄ステイタスが「1:特別図柄変動中」である場合に移行するサブモジュール処理である。
特別図柄変動中処理では、変動パターン抽選で決定した特別図柄の変動時間が経過するまで特別図柄の変動表示時間を管理するタイマを監視するとともに、残り変動時間が「0」になるまで、毎割込み更新される特別図柄表示切替タイマ(最大値「24」)により、25割込みごとに特別図柄の変動表示を示すために特別図柄表示装置(第2特別図柄表示装置P52(特図1の制御の時は第1特別図柄表示装置P51))の点灯表示パターンの切り替え処理を行う。
特別図柄の残り変動表示時間が「0」となると、ぱちんこ遊技機Pに接続する外部機器(データカウンタ―やホールコンピュータなど)に対して、特別図柄の変動表示が1回実行されたことを示す外部信号を出力するための情報の設定と、特別図柄の停止表示図柄を固定表示するための図柄固定時間を設定する処理と、当否抽選、図柄抽選の結果決定された停止表示図柄を示す停止表示図柄を特別図柄表示装置P52(P51)に表示させるための点灯パターンデータの設定とを行う。そして、当否抽選結果に応じて特別図柄ステイタスを「2:はずれ図柄停止表示中」、「3:大当り図柄停止表示中」、「4:小当り図柄停止表示中」のいずれかに設定する。
《特別図柄はずれ図柄停止表示中処理》
特別図柄はずれ図柄停止表示中処理は、特別図柄ステイタスが「2:はずれ図柄停止表示中」の場合に移行する処理である。
特別図柄はずれ図柄停止表示中処理では、特別図柄変動中処理において設定した図柄固定時間を管理するタイマの値が「0」となったかを確認し、「0」となった場合に処理対象となっている特別図柄の特別図柄ステイタスを「0:特別図柄変動待機中」に更新するとともに、特別図柄抽選に係る遊技状態(確率変動機能、電チューサポート機能、変動時間短縮機能)の残り遊技回数を更新するとともに終了条件成立に関する確認し、遊技状態移行条件の成立時には遊技状態の移行に係る制御(フラグオフなど)を行う。
《特別図柄大当り図柄停止表示中処理》
特別図柄大当り図柄停止表示中処理は、特別図柄ステイタスが「3:大当り図柄停止表示中」の場合に移行する処理である。
特別図柄大当り図柄停止表示中処理では、特別図柄変動中処理において設定した図柄固定時間を管理するタイマの値が「0」となったかを確認し、「0」となった場合に処理対象となっている特別図柄の特別図柄ステイタスを「0:特別図柄変動待機中」に更新するとともに、特別電動役物ステイタスを「2:大入賞口閉鎖中」に更新する。さらに、特別図柄抽選に係る遊技状態(確率変動機能、電チューサポート機能、変動時間短縮機能)を終了させるために、それぞれの残り回数情報格納領域および作動フラグ格納領域をクリアする処理を実行する。そして、大当り図柄に応じた大当り遊技を実行させるべく、大当り図柄情報より、前回大当り遊技中にデータとして使用していた各種記憶領域の情報を初期化し、大当り遊技中における特別電動役物P755の制御内容データのセットを行う。
特別図柄大当り図柄停止表示中処理では、さらに、演出制御基板P41に対して大当り遊技の演出(大当り開始デモ演出)を実行させるための演出制御コマンドを送信する処理を実行する。また、これらの処理に合わせて、主制御表示装置P50の構成要素の一つである右打ち表示灯P56(遊技領域の右側を狙って遊技球を発射させる右打ち遊技が推奨される遊技状態の時に点灯させるLED)を点灯させるための点灯パターンデータの設定も行われる。
《特別図柄小当り図柄停止表示中処理》
特別図柄小当り図柄停止表示中処理は、特別図柄ステイタスが「4:小当り図柄停止表示中」の場合に移行する処理である。
特別図柄小当り図柄停止表示中処理は、特別図柄大当り図柄停止表示中処理と同様、図柄固定時間の終了とともに、特別電動役物P755の作動に係るデータの設定、右打ち表示灯P56の点灯に係る設定処理を行う。また、本前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、小当り遊技の実行時(小当り図柄の停止表示)では、大当り図柄が停止したときとは異なり、特別図柄抽選に係る遊技状態(高確率状態または高ベース状態)を終了させる処理を有さず、特別図柄はずれ図柄停止表示中処理の処理と同様に、それぞれの遊技状態に対して終了条件を満たしたか否かの判定結果を基に遊技状態を制御する。また、これらの処理に合わせて特別電動役物ステイタスを「5:小当り閉鎖中」に更新する。なお、遊技機仕様によっては、変形例として、小当り遊技の実行に際して、大当り図柄停止時と同様に遊技状態(高確率状態または高ベース状態)を強制的に終了させる処理を有する仕様として設計することも可能である。
以上のサブモジュール処理の内いずれかの処理が選択的に実施されると、第2特別図柄の処理に続いて第1特別図柄の処理が行われる。第1特別図柄の処理については第2特別図柄の処理と参照する情報が相違するのみ(例えば、変動開始可能かどうかについて、第1特別図柄の特別図柄ステイタスではなく第2特別図柄の特別図柄ステイタスを参照して判断するなど)でほぼ同じ処理が繰り返されるのみであるため説明を割愛する。
《入球順消化制御、並列制御》
また、前述した特別図柄制御処理の説明においては、「第2特別図柄優先消化制御」に係る処理に基づいて説明したが、本前提とするぱちんこ遊技機と異なる遊技機仕様を採用する場合にあっては、異なる処理にて特別図柄制御処理を進行することも可能である。以下にその代表的なものについて簡単に説明する。
「入球順消化制御」は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれに対応する保留情報が発生した順番に1つずつ処理される遊技機仕様である。一方の図柄の変動中に他方の変動表示が行われることは無く、ある遊技状態において第1特別図柄に対応する保留球と第2特別図柄に対応する保留球との双方の保留球の発生が見込まれる場合に採用されることが多い仕様である。
「並列制御(並列消化)」は、前述した「第2特別図柄優先消化制御」や「入球順消化」とは異なり、同時に第1特別図柄と第2特別図柄の双方の変動表示を同時に行うことができるタイプの遊技機仕様である。2つの図柄を同時に消化することができるため、単位時間当たりの特別図柄抽選回数を増加させることが可能となる。なお、1の特別図柄の停止表示に伴い特別電動役物P755が作動する場合(大当り、小当りが実行される場合)、他方の図柄は強制的にはずれとして図柄を停止したり、変動表示の残り時間の減算を一時中断するような仕様が適宜採用される。一例として、1の特別図柄が大当りとなった場合には、他方の特別図柄を強制的にはずれとして停止表示する仕様や、1の特別図柄が大当りや小当りとなった場合には、他方の特別図柄の変動表示を一時中断する仕様を採用可能である。
(特別電動役物制御処理)
特別電動役物制御処理は、特別電動役物ステイタス(特電遊技ステイタスと称することがある)のデータ内容(値)によって、特別電動役物P755の作動に係るサブモジュール処理を実行し、特別電動役物の作動を管理する処理である(ステップ2028)。言い換えると、大当り遊技や小当り遊技を実行するに際して、大当り遊技、小当り遊技状態における各状態の制御を行い、大入賞口P751の開閉に係る制御を行う処理である。
前述したように、特別電動役物ステイタスには、「0:当り待ち中」、「1:特別電動役物作動中」、「2:大入賞口閉鎖中」、「3:大当り終了デモ中」、「4:小当り特電作動中」、「5:小当り閉鎖中」、「6:小当り終了デモ中」の状態を有している。
これら特別電動役物ステイタスのうち、「0:当り待ち中」のステイタス状態である場合には、遊技者の遊技によって未だ大当り遊技または小当り遊技の実行権利の獲得がなされていない状況であるため、特別電動役物制御処理は処理を行うことなく終了する。
そして、特別電動役物ステイタスが、「0:当り待ち中」以外である場合には、ステイタスに応じて後述するそれぞれの処理のいずれかが実行されることとなる。
《特別電動役物作動中処理》
特別電動役物作動中処理は、特別電動役物ステイタスが「1:特別電動役物作動中」または「4:小当り特電作動中」である場合に実行される処理である。本処理は、特別遊技において、いわゆるラウンド遊技(単位遊技)が実行されている状態(大入賞口P751が開放制御され得る状態)の処理である。
特別電動役物作動中処理では、まずラウンド遊技(単位遊技)の終了条件を充足したか否かを判断する処理が行われる。ラウンド遊技の終了条件としては、(ア)作動した特別電動役物に応じた規定個数(「カウント」とも呼ぶ)の入賞数が行われたか、(イ)実行される特別電動役物の作動パターンとしてセットされた開放時間(開放パターン)が終了したか、のいずれかを満たす場合に終了したものとして判断する。これらの条件を満たさない場合は、以後の処理を行うことなく今回の割込み処理における特別電動役物制御処理を終了する。なお、特別電動役物P755の作動パターン(開放パターン)の中には、複数回大入賞口P751を開閉させるパターンを有しており、これらのパターンが実行される場合には、1回のラウンド遊技中で(イ)の判断に使用するタイマが複数回「0」となる一方で、1回のラウンド遊技中の次の作動データがあるか否かを確認した上で、条件(ウ)「今回の単位遊技における次作動パターンデータなし」と判断した場合に上記(イ)を満たしたものと判断することとなる。
一方、ラウンド遊技の終了条件の上記(ア)、(イ)のいずれかを満たした場合には、続く処理として、大入賞口閉鎖時間を特別電動役物の閉鎖時間管理用タイマに記憶するとともに、特別電動役物ステイタスをインクリメントし「2:大入賞口閉鎖中」とする。そして演出制御基板P41に対し演出制御コマンドとしてラウンド遊技が終了したことを通知するためのコマンドデータをセットして終了する。
《大入賞口閉鎖中処理》
大入賞口閉鎖中処理は、特別電動役物ステイタスが「2:大入賞口閉鎖中」または「5:小当り閉鎖中」である場合に実行される処理である。本処理は、特別遊技において、いわゆるラウンド遊技とラウンド遊技との間である「ラウンド間」に制御されている状態の処理である他、大当り遊技や小当り遊技の開始時における初回ラウンドの開始前の状態である「大当り開始デモ(期間)」、「小当り開始デモ(期間)」に制御される状態のとき、あるいは最終ラウンドのラウンド遊技が終了した後に後述する当り終了デモ中処理が実行されることとなるまで待機する期間に制御されている状態のときに係る処理である。
大入賞口閉鎖中処理では、まず、特別電動役物作動中処理にて設定した大入賞口閉鎖時間が経過したか否かを判定し、閉鎖時間管理用タイマが「0」でない、すなわち閉鎖時間が経過していない場合は、今回割込みにおける特別電動役物制御処理を終了する。
大入賞口閉鎖時間が経過した場合、続いて先に作動が終了した特別電動役物P755の作動(ラウンド遊技)が、今回の当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)における最終のラウンド遊技であったか否かを判断し、最終ラウンド遊技の終了時と、最終ラウンド以外のラウンド遊技終了時(または当り開始デモ時)とで異なる処理を実行する。なお、最終のラウンド遊技であったか否かを判断は、今回の当り遊技中に作動した特別電動役物P755の作動回数の累計データが、今回の当り遊技における特別電動役物P755の最大作動回数データを超えているか否かに基づいて判断するものであり、当り開始デモ時には特別電動役物P755の作動回数の累計データは「0」である。
大入賞口閉鎖中処理において、最終ラウンド遊技の終了時と判断した場合には、当りの種類(大当り、小当りを開始することとなった特別図柄の種類)に応じて当り終了デモの実行パターン(主として当り終了デモ時間データ)を読みだして設定する。そして、特別電動役物ステイタスをインクリメントし、「3:大当り終了デモ中」または「6:小当り終了デモ中」とし、演出制御基板P41に当り終了デモ演出を実行させるための演出コマンドをセットしてする。さらに、大入賞口P751の有効延長期間を設定するため有効延長期間として定められた時間値データを大入賞口P751の有効延長期間を管理するタイマに格納して終了する。
一方、大入賞口閉鎖中処理において、最終ラウンド遊技以外の終了時(または当り開始デモ時)と判断した場合には、演出制御基板P41に対する演出制御コマンドとして、次回のラウンド遊技が何ラウンド目であるかを識別可能とする情報(Nラウンド開始デモコマンド ※Nは整数)と、当り遊技中の推奨発射位置(前提とするぱちんこ遊技機では、遊技盤の右側領域P501R(右打ち領域))を指示するための情報(右打ちコマンド)を送信する。
そして、特別電動役物ステイタスをデクリメントして「1:特別電動役物作動中」または「4:小当り特電作動中」に更新し、ラウンド遊技中の大入賞口P751への遊技球の入賞数をカウントするためのデータ領域のデータを初期化する。そして、ラウンド遊技中の大入賞口P751の一回目の開放(またはラウンド遊技開始直後の閉鎖)に係る時間値を、ラウンド遊技における大入賞口P751(特別電動役物P755)の作動パターンデータをセットし、特別電動役物P755の累計作動回数に関する記憶領域のデータをインクリメントする。
(賞球制御処理)
賞球制御処理は、遊技盤P5に配置された入賞口に対する遊技球の入賞に対して、遊技者に賞球として遊技球を付与するための処理である。処理内容としては、次に示す3つのサブモジュール処理を実行する構成である。(ステップ2030)
《払出データ受信監視処理》
払出データ受信監視処理は、払出制御基板P43から主制御基板P40に対して送信される賞球払出の実行に係る制御コマンドの有無を確認し、送信されたコマンドを受信(記憶)する処理である。主制御基板P0は、払出制御基板P43から送信された情報を2つのレジスタ(記憶領域)に格納している。そして1のレジスタは、ステイタスレジスタと呼ばれ、払出制御基板P43から送信された情報があるか、および送信された情報が正常に送信されたものであるか否かを判断するための情報が格納されている。そして他方のレジスタは、データレジスタと呼ばれ、払出制御基板P43から送信された払出制御に関する制御内容の情報が格納されており、ステイタスレジスタが異常でなければデータレジスタのデータを払出制御情報として記憶領域に記憶する。
《払出コマンド要求処理》
払出コマンド要求処理では、入賞監視処理(ステップ2018)で記憶した、各種入賞口の入賞回数データを記憶する入賞口毎の入賞カウンタデータを確認し、未払出の入賞の有無を確認する。当該確認処理は入賞口毎に予め定められた順序で確認し、1の入賞口に対して入賞カウンタのデータが「0」でないと判断した場合に、該当する入賞口の賞球数に応じて、払出制御基板P43に対して遊技球の払出を実行させるための制御コマンドを送信する処理を行う。この処理によって、複数の入賞口に対する入賞カウンタデータが「0」でない場合であっても、1割込みで払出制御基板P43に対して送信される払出制御コマンドは1つに制限される。
《払出コマンド制御処理》
払出コマンド制御処理では、正常に払出数に関する情報を払出制御基板P43が受信したか否かのチェックが行われ、この処理にて正常にコマンドを受信するか、何らかの異常で通信エラーと判断されることとなる。払出コマンド制御処理にて、コマンドの受信状況が確定する(正常に受信完了したかエラーであるか判断される)までは、払出コマンド要求処理における次の払出制御コマンドの送信は、払出コマンド要求処理および払出コマンド制御処理内でそれぞれオンオフの設定がされるフラグデータにより一時中断される。
(異常検知処理)
異常検知処理は、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて不正検出のために設けられたセンサの情報より異常の発生有無を確認する処理である。(ステップ2032)
より具体的には、振動センサP72、磁気センサP73、電波検知センサP74、枠開放センサP131といったセンサの入力に関し、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成した入力情報を基に異常の発生している状況であるか否かについて判断する処理である。また、各種センサ以外にも電気的な接続のためのハーネスが抜去されていたり、配線上の短絡(ショート)なども検出対象として有している。
そして、いずれかの判断情報に対し異常データが存在する場合には、対応するエラーフラグをオンとするようにして記憶した後、演出制御基板P41に対する演出制御コマンドとしてエラー情報を通知するコマンドをセットする。
(センサ検出判定処理)
センサ検出判定処理は、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したセンサやスイッチの検出データ(レベルデータ)より、センサやスイッチの検出が連続して行われた期間を判断し、処理を行うフラグを成立させる処理である。(ステップ2034)
センサ検出判定処理では、対象のセンサ、スイッチの検出データ情報のレベルデータがオンである場合に、対応するスイッチの連続オン入力期間をカウントするためのデータをインクリメントして更新し、各種処理の実行開始条件を満たしたか否かを判定し、条件が成立した場合に監視対象のスイッチに応じた処理が実行される。監視対象のスイッチがオンデータでなくなった場合、連続入力期間をカウントしているデータを初期化する(「0」に更新する)。
例えば、入賞口に設けられた入賞口検出スイッチにおいて連続的にスイッチがオン状態である旨を検出している場合は、球詰まりが発生していると判断して、エラー状態に制御し、演出制御コマンドとして演出制御基板P41に対しエラー報知を行わせるためのコマンド情報をセットする処理や、外部装置(ホールコンピュータ等)にエラーの発生を報知するための信号データの生成および出力要求を行う。
なお、本処理において検出対象とするスイッチは、ハンドルP204に設けられたタッチセンサスイッチや、不正検出のためのスイッチなどもあり、人為的操作によるものか電気的なノイズによるものかを判別するために一定期間のオンデータの入力が必要なセンサ等についても対象としている。
(遊技状態表示処理)
遊技状態表示処理は、主制御表示装置P50において遊技の進行に関する情報を表示するための点灯データを生成する処理である。なお、表示処理という名称であるものの、主制御表示装置P50に対する表示内容の出力は本処理ではなく後述するLED出力処理にて行っている。(ステップ2036)
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、一例としてエラー状態であることを示すエラー表示灯(状態表示灯P55)、特別図柄抽選に係る保留数を表示する特別図柄保留表示灯(特図1保留表示灯P61、特図2保留表示灯P62)、普通図柄抽選に係る保留数を表示する普通図柄保留表示灯P63などの点灯データ(点灯パターン)を生成して、LED出力処理にて出力されるデータとして格納する。
なお、遊技状態表示処理において、点灯制御されるLED表示灯に関し、点滅表示が必要な場合には、対応するLEDに関する表示切り替えカウンタの更新およびカウンタ値と閾値との比較による点灯パターンの切り替え処理が行われる。例えば、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特別図柄抽選の保留数は、最大4つまで保留可能であるものの、2つのLED表示灯で特別図柄保留表示灯が構成(特図1保留表示灯P61、特図2保留表示灯P62のそれぞれに2つずつのLEDを備える)されるため、3以上の保留数がある場合には、少なくとも1のLEDに関して連続的な点灯表示ではなく、点滅表示を行う仕様となっている。
(出力ポート出力処理)
出力ポート出力処理は、主制御基板P40に接続した遊技盤P5上の動作デバイスである電動役物や、払出制御基板P43などに遊技動作に関する信号を送信する設定を行う処理である。(ステップ2038)
より具体的には、普通図柄制御処理中や特別電動役物制御処理中に、普通電動役物ないし特別電動役物の作動パターンが設定されると、出力ポート出力処理中の処理によって、普通電動役物駆動手段P71、特別電動役物駆動手段P72(前提とするぱちんこ遊技機では、ソレノイド)に対し、各電動役物を開放動作(あるいは閉動作)させるための信号データが出力される。
また、払出制御基板P43に対しては、遊技者のハンドル操作に基づく遊技球の発射を許可あるいは禁止するための制御信号(発射許可信号)を出力ポート出力処理にて生成して出力する。発射許可信号は、払出制御基板P43との通信状態や、遊技停止を要するエラーの発生状況に応じて出力内容が設定される。
(演出制御コマンド送信処理)
演出制御コマンド送信処理は、演出制御基板P41に対し演出制御コマンドを出力する処理であり、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御コマンド送信処理においてのみ演出制御コマンドが演出制御基板P41に対して送信される仕様となっている(ステップ2040)。なお、送信する演出制御コマンドの設定に関しては、他の処理中において未送信演出制御コマンドとして所定の記憶領域に設定(セット)されるものとなっている。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、未送信の演出制御コマンドを記憶する領域として、リングバッファと呼ばれる記憶先を循環参照する記憶領域を用いている。リングバッファと呼ばれる記憶領域では、演出制御コマンドの書き込み(セット)と演出制御コマンドの読み込み(送信)とのそれぞれの処理によって更新される、「書き込みポインタ」、「読み込みポインタ」と呼ばれる次回の処理においてコマンドを書き込む記憶領域のアドレスおよびコマンドを読み込む記憶領域のアドレスを算出するための情報を用いて演出制御コマンドの書き込みおよび読み込みを実行する仕様となっている。
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御コマンドの構成がコマンドの種類を示すMODEデータと、コマンドの内容を示すEVENTデータの2つのデータにより構成されている。
演出制御コマンド送信処理の具体的な処理内容の説明に戻り説明を行う。演出制御コマンド送信処理では、まず前述した書き込みポインタと読み込みポインタの情報が一致しているか否かを確認し、一致している場合は送信する演出制御コマンドはないと判断して処理を終了する。一方で、書き込みポインタと読み込みポインタのデータが一致しない場合、送信すべき演出制御コマンドが存在すると判断して次の処理へ移行する。
送信すべき演出制御コマンドがあると判断した場合、読み込みポインタのデータから算出される主制御基板P40の記憶領域のアドレスよりMODEデータおよびEVENTデータを呼び出し、それぞれ主制御基板P40のCPUにおけるレジスタに一時格納し、読み出し先のリングバッファにおける演出制御コマンドをクリアした後、読み出しポインタの値を次の処理時に使用する値に更新する。
演出制御コマンドとして、主制御基板P40のレジスタに格納されたMODEデータおよびEVENTデータは、順番に演出制御基板に送信P41されることとなる。まずMODEデータを、演出制御基板P41に対する演出制御コマンドを送信するための出力ポートである演出コマンド出力ポートにセットし、演出制御基板P41に読み取り動作を行わせるためのストローブ信号を出力する。主制御基板P40は、続いてEVENTデータを出力することとなるが、MODEデータを演出制御基板P41が受け取るまでに十分な期間を確保するため26μsの待機時間を挟む処理を行った後、MODEデータ送信時と同様に、EVENTデータの出力ポートへの設定およびストローブ信号の出力を行う。演出制御基板P41は、ストローブ信号を確認すると演出制御コマンド受信割込みを発生させ、主制御基板P40から送信される演出制御コマンドを受信する。
(外部情報出力処理)
外部情報出力処理は、前提とするぱちんこ遊技機Pに接続する外部機器(データカウンターやホールコンピュータ)に対し、外部情報出力端子77より遊技状況に関する情報や、エラー発生などセキュリティに関する情報を信号として出力する処理である(ステップ2042)。外部情報出力端子77より出力される信号は、主制御基板P40の出力ポートにセットされたデータに基づいて出力され、信号出力の契機が発生した場合に一定期間のオン電位であるパルス信号を送信するものや、信号出力が終了する条件を満たすまでオン電位を出力し続けるもの等がある。
外部情報出力処理では、まず、遊技状態に関する信号を生成する。遊技状態に関する信号として、特定遊技状態の種類を識別可能とするために、前提とするぱちんこ遊技機Pでは確率変動機能の作動状態(確率状態)、電チューサポート機能の作動状態(ベース状態)に対応する情報と、特別遊技中(大当りや小当り)であることを示す情報とを参照し、各遊技状態に制御されている場合には、対応するデータが送信されるよう、外部出力データを更新する。なお、ここで例示したものに限らず、遊技機の仕様によっては、変動時間短縮機能の有無を示す情報や、特定の種類の大当りの場合であることを示す情報を基に出力信号を生成する場合があってもよい。
また外部情報出力処理で出力される出力信号として、遊技状態に係る信号のみでなく、予め定めた遊技結果の発生に基づいた情報が出力される。例えば、特別図柄の変動表示が実行され、停止表示されるたびに送信される信号(「図柄固定信号」とも呼ぶ)や、始動口スイッチ(特図1始動口スイッチP712、特図2始動口スイッチ722)や大入賞口スイッチP752など各種入賞口に対する遊技球の入球の検出がなされる度、あるいは、各種入賞口に対する入球に基づく賞球の払い出しが所定個数(例えば10個)に到達する度に、外部出力データにデータがセットされ、外部機器に対して送信される信号などがある。これらの信号は主にパルス信号で構成され、1の信号を128msのオン電位が続くパルス信号で送信するものであるが、複数回の遊技結果が連続して発生した場合には、1回のパルス信号の出力が終わった後、一定期間のオフ電位出力を挟んだ後、再度パルス信号を出力する仕様となっている。
また、外部信号出力処理では、前述した異常検知処理(ステップ2032)で確認した結果としてのエラーフラグを記憶した記憶領域のデータと、セキュリティ報知の必要なエラーの発生有無を確認するための比較データとを演算、比較してセキュリティ信号を出力する必要があると判断した場合は、外部出力データのセキュリティ信号に対応するビットをオンとするよう、出力ポートにセットする出力データを更新する。
(LED出力処理)
LED出力処理は、主制御表示装置P50を構成する複数のLEDに対し、点灯パターンを示すデータを出力して、LEDを発光させ、遊技の進行状況、遊技状態を表示するための処理である。(ステップ2044)
主制御表示装置P50を構成するLEDは、第1特別図柄表示装置P51(LED8個)、第2特別図柄表示装置P52(LED8個)、第1特別図柄保留表示灯P61(LED2個)、第2特別図柄保留表示灯P62(LED2個)、普通図柄表示装置P53(LED2個)、普通図柄保留表示灯P63(LED2個)の他、ラウンド表示灯P54、状態表示灯P55、右打ち表示灯(合計8個のLED)の計32個のLED表示部を有する。
なお、状態表示灯P55とは、複数の遊技状態に関する表示灯を一括であらわしたものであり、詳細には確率変動機能の作動有無を示す特図確変表示灯や、普通図柄の確変機能の作動有無(電チューサポート機能の作動有無)を示す普図確変表示灯、エラー状態を示すエラー表示灯などの表示灯のことを指す。
LED出力処理では、主制御表示装置における表示部の点灯データを割込み処理毎に1バイト分ずつ出力ポートにセットして主制御表示装置P50を点灯するよう構成しており、割込み処理毎に更新されるデジットカウンタという値に基づいて、今回の割込みで点灯させる主制御表示装置P50のLEDを選択し、遊技状況に応じた点灯パターンデータを選択し、表示データとしてセットして各LEDを点灯制御するようになっている。
すなわち、前提とするぱちんこ遊技機Pでは主制御表示装置P50を32個のLEDに対し、少なくとも4回の割込み処理を使って順番に点灯データを出力するダイナミック点灯方式にて主制御表示装置P50を制御している。
また、LED出力処理では、上記の主制御表示装置P50として遊技者が視認すべきLED表示以外に、遊技停止フラグが設定変更状態、設定確認状態、復帰不可能エラー状態である場合にのみ点灯制御されるLED表示の点灯制御も行っている。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、遊技停止フラグに何らかの遊技停止状態を示すフラグが格納されている場合、主制御表示装置P50に対する点灯パターンデータの設定は省略されるようになっており、設定変更中、設定確認中、復帰不可能エラー中は主制御表示装置を構成するLEDは全消灯状態となっている。変形例として、遊技停止フラグのセットの際に、各状態に対して設定される固定的な点灯パターンを用いて発光表示を行ってもよく、例えば設定変更中である期間に主制御表示装置P50を構成するLEDを全点灯させるように構成してもよい。
(領域外制御処理)
領域外制御処理は、ぱちんこ遊技機の試験に利用する信号の出力を行う試験信号出力処理(ぱちんこ遊技機の試験に利用する信号の出力を行うための処理)と、性能表示装置の表示に係る制御を行う処理によって構成される(ステップ2046)。「領域外」の意味として、ぱちんこ遊技機の規則に定めるプログラム記憶領域の容量の計算に含まれない記憶領域のプログラムによって実行される処理であることを示す。
試験信号出力処理では、ぱちんこ遊技機Pの試験端子P78から外部の試験用機器に対して出力するための遊技結果や遊技状態に係る情報を出力ポートにセットする処理が行われる。性能表示処理では、遊技状態の確認処理を行い、アウト球の計数、アウト球と賞球の数との比率(ベース)を計算して、表示データとして更新し、性能表示装置P59に対して表示出力を行う処理である。
[特別図柄抽選]
続いて、主制御基板P40のCPUにて実行される特別図柄抽選に関し、図10から図14を用いてその詳細を説明する。「特別図柄抽選」は、主として「当否抽選」、「当り図柄抽選」、「変動パターン抽選」にて構成される。
(当否抽選)
「当否抽選」は、実行される特別図柄抽選の結果に基づき特別電動役物P755を作動させる結果となるか否かを決定する抽選であり、より簡単に説明すれば、特別図柄の抽選結果として、「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれであるかを決定する抽選である。なお、ぱちんこ遊技機Pの仕様によっては、当否抽選の抽選結果として「小当り」を有しないものも存在する。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを有するよう構成した場合、一方の特別図柄に関する当否抽選の抽選結果として「小当り」を有しており、他方の当否抽選の抽選結果として「小当り」を有しないよう構成してもよい。
当否抽選は、始動口(第1始動入賞口P711、第2始動入賞口P721など)に遊技球が入球した際に取得され記憶される乱数のうち、「当否乱数」と呼ばれる乱数値を用いて抽選を行う。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、当否乱数の取り得る乱数値の範囲(乱数値範囲)は、「0」から「65535」までの65536通りであり、いわゆる2バイト乱数で構成されている。当否抽選が行われる場合、この乱数値の値と、遊技状態や設定値に応じた当否抽選に使用する抽選テーブル(「当否抽選テーブル」と呼ぶ)との比較により、当否抽選の結果を決定する処理を行う。
図10には、当否抽選に使用する抽選テーブルをいくつか例示している。図10の(A)は設定値「1」かつ低確率状態における当否抽選テーブルを示し、図10(B)は設定値「1」かつ高確率状態における当否抽選テーブルを示す。図10の(C)、(D)は、それぞれ設定値「6」であるときの低確率状態、高確率状態における当否抽選テーブルを示している。
例えば、図10(A)の当否抽選テーブルを使用して当否抽選を実行する状況において、今回の特別図柄抽選における当否乱数が、第1特別図柄(特図1)に対応する乱数であり、乱数値が「1500」であったと仮定し、当否抽選の流れを説明する。
まず、最初の当否抽選結果として大当りの乱数値範囲(「0」から「327」)に属するか否かを判定する。具体的には、今回の当否乱数の乱数値「1500」から、判定対象の大当りの乱数値範囲「328」を減算する処理を行う。このとき、減算結果は「1172」であり、負の値とはならないため、今回の当否乱数は、大当りの乱数値範囲には属さないと判定する。
続く処理として、先の大当り判定の演算後の乱数値「1172」と、当否抽選テーブルの続く当否抽選結果の判定領域として、はずれの乱数値範囲(「328」から「65370」)の比較を行う。より具体的には、当否乱数の一次データ「1172」から、判定対象のはずれの乱数値範囲「65043」を減算する。このとき、演算結果は負の値となるため、当否抽選結果として、「はずれ」の結果に対応した情報が記憶される。
仮に、今回の当否乱数「1500」について、高確率状態において特別図柄抽選が行われた場合には、図10(B)に示す当否抽選テーブルにて抽選されることとなり、最初の大当りの乱数値範囲(「0」から「1639」)に属するか否かを判定する。このときは、当否乱数と乱数値範囲との比較演算(減算)の結果は、負の値となるため、当否抽選結果は「大当り」であると判定される。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、このように、乱数値として取得したデータと、抽選テーブルの抽選結果に応じた乱数値範囲を順次比較していく手法により、抽選結果を判定する手法を採用しており、後述する当り図柄抽選および変動パターン抽選についても同様の抽選方法を採用するものである。なお、抽選方法は、上記した例に限らず、大当りとなる乱数値と一致するか否かを取得した乱数値と直接判定するような手法を採用してもよく、抽選内容ごとに異なる抽選方式を採用するものであってもよい。
(当り図柄抽選)
「当り図柄抽選」は、前述した特別図柄抽選の当否抽選結果を受けて、その後の特別電動役物P755の作動に係る制御内容や、後述する変動パターン抽選の抽選テーブル(図12から図14参照)の切り替えに必要な抽選結果としての特別図柄の停止表示図柄を決定する処理である。
図11には、当否抽選結果が「大当り」である場合に、当り図柄抽選で使用される大当り図柄抽選テーブル(図11(A)参照)や、当否抽選結果が「小当り」である場合に、当り図柄抽選で使用される小当り図柄抽選テーブル(図11(B)参照)や、当否抽選結果が「はずれ」である場合に、当り図柄抽選で使用されるはずれ図柄抽選テーブル(図11(C)参照)が示されている。
当り図柄抽選に使用される、「図柄乱数」は、乱数値範囲を「1000」(「0」から「999」)として構成しており、2バイトデータで表現した場合に、上位1バイトが「0」から「3」、下位1バイトが「0」から「255」で表現されるデータである。
当り図柄抽選を具体例にて説明すると、例えば、当否抽選結果が大当りである場合において、図柄乱数が「400」(上位バイトが「1」、下位バイトが「144」)の時の第1特別図柄に対する当り図柄抽選の場合には、図11(A)に示す上位1バイト「1」の抽選テーブルを用い、下位バイト「128」から「191」に該当する「5R(5ラウンド)確変2」が抽選結果として得られることとなり、特別図柄の変動表示にあたって、停止表示図柄として「5R確変2」図柄が第1特別図柄表示装置P51(第2特別図柄抽選の場合は、第2特別図柄表示装置P52)に停止表示される。
そして、「5R確変2」図柄が第1特別図柄表示装置P51に停止表示された場合、「5R確変2」図柄に対応した大当り遊技が実行されることとなる。このとき、第1特別図柄表示装置に「5R確変2」が停止表示図柄として表示された場合と、「5R確変1」が停止表示図柄として表示された場合とで、5ラウンドの大当り遊技の各ラウンド遊技の内容(大入賞口P751の開放パターンや開放時間など)を停止表示図柄に基づいて異ならせてもよく、また大当り遊技後に移行する特定遊技状態における制御内容を異ならせるよう制御することも可能である。これらの大当り遊技、特定遊技状態における制御の割り当ては、ぱちんこ遊技機Pごとに仕様(スペック)に応じて遊技性を実現するために適宜定められるものであり、その詳細な説明は割愛する。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、図11(A)に示した抽選によって、大当りの種類ごとにまとめた図柄を表示するように記載しているが、例えば先の例において、抽選結果「5R確変2」という、大当りの種類を決定した後、さらに該当する種別の大当りを実行することとなる停止表示図柄を複数のパターンから別の抽選を行って決定するように、大当りの種別の決定、停止表示図柄の決定と2段階で当り図柄抽選が実行されるものであってもよい。
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、図11(A)に示すように、第1特別図柄と第2特別図柄のそれぞれに関する特別図柄抽選において、当り図柄抽選にて大当り図柄を決定する場合に、決定され得る当り図柄の種類が異なるように構成されている。より具体的には、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄の大当りでは、「10R確変5」ないし「10R確変8」が決定される可能性が増えており、第1特別図柄の当り図柄抽選よりも、ラウンド数の大きな大当りに当選しやすく、特定遊技状態として高確率/高ベース状態へ移行することとなる大当りに当選しやすい仕様となっていると言える。
図11(B)には、小当り図柄抽選テーブルが例示されている。小当り図柄抽選テーブルは、特別図柄抽選の当否抽選の結果が「小当り」である場合に、当り図柄抽選にて参照されるテーブルであり、抽選の手法は、前述した大当り図柄抽選テーブルの時と同様である。
図11(B)に図示した小当り図柄抽選テーブルでは、そのほとんどが「小当り1」図柄に当選するものとなっており、第2特別図柄の当否抽選結果として「小当り」となった場合の一部において「小当り2」が決定され得るようになっている。なお、小当り図柄に関しては1種類であってもよいし、3種類以上の図柄を決定可能に構成してもよい。
前提とするぱちんこ遊技機Pのように、小当り図柄を複数設けることの目的の一例としては、単純に小当り遊技中の大入賞口P751の開放態様を変更することで獲得可能な遊技球数を異ならせたり、例えば小当りVを遊技機仕様(スペック)として採用するぱちんこ遊技機Pにおいて、特定領域にV入賞しやすい小当り遊技とV入賞が困難となる小当り遊技とを切り分けるために小当り図柄を差別化したり、V入賞後の大当り遊技の実行後に移行する特定遊技の種類を切り分けるために小当り図柄を異ならせるなどの態様が実行されることを目的とすることが挙げられる。
図11(C)には、はずれ図柄抽選テーブルが例示されている。はずれ図柄抽選テーブルは、特別図柄抽選の当否抽選の結果が「はずれ」である場合に、当り図柄抽選にて参照されるテーブルであり、抽選の手法は、第1特別図柄に関して前述した大当り図柄抽選テーブルの時と同様であり、第2特別図柄に関しては異なる手法となっている。
より具体的には、図11(C)には、第1特別図柄に対するはずれ図柄抽選テーブルのみが表されており、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、はずれ図柄抽選テーブルとして第1特別図柄である場合のみ抽選処理を行い、停止表示図柄として「はずれ1」または「はずれ2」のいずれかを停止表示図柄として決定する。
「はずれ2」図柄は、第1特別図柄のはずれ時において、およそ6.4%の確率で当選するはずれ図柄であり、「はずれ2」が当選している場合、変動パターン抽選において、リーチとなりやすい特殊な抽選テーブル(不図示)を参照して、変動パターン(変動時間)を決定しやすくするよう構成されている。そのため「はずれ2」に関し、「リーチはずれ図柄」などと称する場合もある。
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄のはずれ図柄抽選テーブルを有さず、いかなる図柄乱数である場合においても1のはずれ図柄が決定されるようになっており、図柄乱数とテーブルの比較処理自体を省略し、1のはずれ図柄を記憶するよう構成している。なお、必ず1の図柄に当選する抽選テーブルを用いてはずれ図柄に当選するように構成してもよい。
(変動パターン抽選)
「変動パターン抽選」は、特別図柄の抽選結果である停止表示図柄を停止表示するまでの変動表示時間を抽選により決定する処理である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出表示装置P80において大当りであるか否か、大当りである場合について大当りの種類は何かに関する演出報知を行うため必要な演出時間として特別図柄抽選において、特別図柄の変動表示時間を後述する変動パターンテーブルを使用して決定する処理を行っている。
図12には、主として通常遊技状態(低確率/低ベース中)、低ベース状態(非電チューサポート状態)、すなわち前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて遊技盤の左側領域P501Lに遊技球を発射することが推奨される状態の「低ベース中変動パターン抽選テーブル」を表している。
図12に示される、「ID」は、変動パターン抽選を行った結果として記憶される情報を表しており、「変動パターン」は、同IDが当選した場合に演出表示装置P80にて表示される変動の演出の態様の代表例を示している。「変動時間」は、対象の変動パターン抽選の結果(変動パターンID)における特別図柄の変動表示時間値であり、特別図柄が変動表示してから停止表示されるまでの時間を表している。
図12における「保1変動」から「保4変動」は、特別図柄抽選の実行条件を満たした状況における保留数を示しており、当否抽選結果が「はずれ」であり、対象の特別図柄(ここでは第1特別図柄)の保留球がN個であったとき、「保N変動」の変動パターンテーブルを使用して変動パターン抽選が実行される。すなわち、低ベース状態における第1特別図柄の変動パターン抽選は、保留数に依存して使用する変動パターンテーブルを異ならせるように構成されている。なお、保留がない状態において、始動入賞口へ遊技球が入球した場合は、処理上一旦保留として格納されるため、「保1変動」の変動パターンテーブルを使用して変動パターン抽選が実行される。
一方図12中に示すように第2特別図柄に対応する変動パターン抽選は保留数に非依存であり、いかなる保留数である場合においても共通の抽選テーブルを使用するよう構成されている。なお、不図示ではあるが、図柄抽選の結果「はずれ2(リーチはずれ図柄)」が決定されている場合は、第1特別図柄の変動パターン抽選であっても、保留数に依存しない1の変動パターンテーブル(はずれ2用変動パターンテーブル)を使用して変動パターン抽選を行うよう構成されている。
図12における「10R確変」、「5R確変」、「10R通常」、「5R通常」は、低ベース状態における、大当り時の変動パターン抽選に使用する変動パターンテーブルを示すものであり、当否抽選結果が「大当り」となり、図柄抽選結果がいずれの図柄であるかに応じて適宜変動パターンテーブルを選択して抽選が行われることを表している。図12では、第2特別図柄は低ベース状態における遊技の主体でないために、大当り変動パターンテーブルを大当り図柄に依存しない形で決定するように表現しているが、第2特別図柄の大当りについても、大当りの種別に応じて複数パターン有していてもよい。
ここで、図12を用いて、低ベース状態における変動パターン抽選の具体例を説明する。具体例として、第1特別図柄の抽選であって、変動パターン乱数が「30000」、変動開始時の保留球数が3個である状況(変動開始後は保留数2個となる状況)であって当否抽選結果および当り図柄抽選が「はずれ1」となる状況について説明する。
まず、変動開始時の保留数が「3」であることから「保3変動」の変動パターンテーブルを使用する。抽選処理は前述した当否抽選における抽選処理と同様、変動パターン乱数と、各抽選結果の変動パターンIDに対応する乱数値範囲を比較演算(減算)し、同範囲に乱数が属するか否かを判定する。本処理を行うことによってID「2」の通常変動Bのタイミングで、変動パターン乱数と乱数値範囲との比較演算を繰り返した結果が負の値となり、同IDが変動パターン抽選として決定され、特別図柄の変動表示として7秒の変動表示が行われた後、第1特別図柄表示装置P51にはずれ図柄1が表示されることとなる。
続いて、図13を用いて高ベース状態における変動パターンテーブルについて説明する。高ベース状態における変動パターンテーブルの構成は、図12に示した低ベース状態における変動パターンテーブルと対象的な構成となっており、第2特別図柄に対して保留数依存となるはずれ時の変動パターンテーブル、大当り時の大当り図柄別テーブルを有するように構成されている。なお、図12と図13にて、多くの変動パターンが共通して決定され得るように構成されているが、これは説明を簡略化する目的でもあり、低ベース状態と高ベース状態とで決定される変動パターンの重複はごく少数であったり、全く重複しないように構成することも可能である。
また、高ベース状態における変動パターンテーブルの特徴として、はずれ時の第2特別図柄の「保3変動」および「保4変動」の抽選結果として、前提とするぱちんこ遊技機Pの最短変動時間となる2秒変動(変動パターンID「12」)が決定可能に構成されている。
さらに高ベース状態における変動パターンの特徴点として、第1特別図柄の抽選については、必ず変動パターンID「4」の10秒変動が決定されるよう構成されている。第1特別図柄を10秒の変動で構成する理由として、図11に示した大当り図柄抽選テーブルにて、大当りした場合の遊技者利益が大きい(実行ラウンドが多いことによる獲得出玉期待値が高いこと、特定遊技状態として確率変動状態に移行する大当り図柄が多いこと)ことに起因しており、第2特別図柄に対応する変動表示を優先して数多く実施することで、遊技者により有利な大当りを獲得可能とすることを目的としている。また、第1特別図柄と第2特別図柄の大当り遊技の有利度合いに差がほとんどない場合であっても、第2特別図柄優先消化制御を採用していることに基づいて、第1特別図柄が変動表示されることを避け、有利な状態である特定遊技状態(高ベース状態)が終了するまで、通常遊技状態(低ベース状態)にて成立した保留を保持しやすく、高ベース状態において第2特別図柄の保留を発生するのに使用する遊技球の量に対し、低ベース状態で第1特別図柄の保留を生起させるために多量の遊技球を要することを避ける目的もある。
図14は、限定期間における特殊テーブルを示す図であり、特定の期間において参照される特殊な変動パターンテーブルを表している。図14には、前提とするぱちんこ遊技機Pに備えられる特殊な変動パターンテーブルの一例として、3つの期間の特殊な変動パターンテーブルを包括して記載している。
より具体的には、図14には、大当り後の1変動目から4変動目までの期間(大当り時に存在する4つの保留で大当りとなる、いわゆる「保留連」(保留内連荘)と呼ばれる期間)に参照する「保留内連荘テーブル」(ID「51」、「71」が対象)と、大当り後のn回目からm回目の変動において参照され、55秒となるリーチ変動が選択されやすい高頻度リーチテーブル(ID「52」、「53」、「54」、「72」が対象)と、高ベース状態の最後の変動表示にて参照され、主に後述する「リザルト演出」が実行されることとなる「リザルト変動テーブル」(ID「55」、「73」が対象)が、前提とするぱちんこ遊技機Pに備えられていることが示されている。
このように、限定的な期間に参照される特殊な変動パターンテーブルのことを、「特殊変動パターンテーブル」や「限定頻度(パターンテーブル)」などと称する。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、限定頻度パターンテーブルの参照期間を、大当り遊技(特別電動役物の作動、言い換えると役物連続作動装置の作動)の後の定められた期間において参照可能に構成している。これらの参照期間について、大当りの種類(大当り図柄)によって、参照有無を異ならせたりすることも可能であり、小当り遊技に基づく特別電動役物の作動後の特定の期間において、参照する期間を異ならせるように構成することも可能である。いかなる状況でどのような特殊変動パターンテーブルを参照するかは、ぱちんこ遊技機毎に適宜設定可能なものであり、例示したものに限らず、必要があればその詳細を別途の記載で説明することとする。
次に、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける演出動作に係る制御を行う演出制御基板P41の制御に関する説明を行う。なお、演出制御基板P41の動作制御は、遊技機の型式試験上における制約は少なく、主制御基板P40の制御と比較して設計の自由度が高いものであるため、以下の説明で説明される処理のみに制限されるものでなく、処理が行われるタイミングについても適宜変更可能である。
[演出制御基板の電源投入処理~メインループ処理]
前提とするぱちんこ遊技機Pは、遊技機の電源が投入されると演出制御基板P41のCPUにおいて、電源投入処理(ステップ4000)が実行する。ここで、演出制御基板P41の電源投入処理に関し図15に沿ってその詳細を説明する。
前提とするぱちんこ遊技機Pの演出制御基板P41において電源投入処理(ステップ4000)が開始されると、演出制御基板P41上に設けられた演算装置であるCPUの動作に係る初期設定処理が行われる(ステップ4002)。初期設定処理は、この後のCPUの動作に必要な設定を適宜行うものであり、その詳細は割愛するが、前回の電源断が発生した状態で実行されていた演出に関し、主制御基板P40の電源投入処理(図7)と演出制御基板の電源投入処理(図15)の完了には時間差が生じるため、電源復帰後に電断前の演出に復帰してしまうと、主制御基板P40の動作とずれが発生する虞があることから、演出制御基板P41の電断復帰時の初期処理では、電断前に実行していた演出が実行されないよう演出情報などを初期化することが多い(「演出制御基板リセット」、「サブリセット」と呼ぶ)。
(演出制御基板のメインループ)
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、初期設定処理の後にメインループ処理へ移行する。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出表示装置P80(画像表示装置)に対して接続する画像制御基板P42において演出画像を描画する周期(フレーム)の時間が、1秒間に30回描画するよう1周期約33ms(30FPS)に設定されるため、そのおよそ半分の周期である16msの周期にてメインループ処理のループを1回行うように構成されている(ステップ4002からステップ4016)。
演出制御基板P41のメインループ処理では、まずCPUの暴走の検出を行うためのウォッチドッグタイマのクリア処理を行う(ステップ4004)。
続いて、演出制御乱数データを更新する処理(ステップ4006)を行い、演出抽選を実行する契機が発生した場合に使用する各種の演出制御乱数を更新する。
次に、入力ポート監視処理を実行する(ステップ4008)。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、後述する演出制御基板P41の割込み処理中においても入力ポートの監視を実行する仕様となっているが、メインループ処理における入力ポートの監視処理は、16ms周期の監視となるため、システム上必要な監視対象であるスイッチなどの入力の監視にとどまり、演出可動役物P560の演出制御に必要なセンサ類などの入力の監視は省略される。なお、変形例として、演出上監視すべき対象であるセンサ類に関し、メインループ処理内の入力ポート監視処理にて確認を行ってもよい。
入力ポート監視処理で実行する内容は、主制御基板の入力ポート確認処理と同様、各種センサの入力データより、レベルデータを生成して記憶したり、立ち上がり(立ち下がり)データを記憶する処理が実行される。
続いて、演出制御基板P41は、演出装置制御処理(ステップ4010)を行い、演出表示装置P80(画像表示)以外の演出動作に関する制御を実行する。本処理において制御される演出装置として、ランプP82(「盤ランプ(P550)」「枠ランプ(P350)」)やスピーカP83(上スピーカP370、下スピーカ141)、演出可動役物P560などがあり、これらの演出装置に対して後述する演出制御処理(ステップ4012)などの処理によって実行が決定された演出内容に応じた演出動作命令を各演出装置に送信して演出動作を実行させる。
演出装置制御処理(ステップ4010)における各種演出装置に対する演出動作命令の出力は、演出表示装置P80(画像表示装置)にて表示される演出画像と同期して実行(開始)される必要があるため、演出表示装置P80の制御を行っている画像制御基板P42から演出制御基板P41に対して一定間隔で送信される信号や、強制的に同期を図る信号を受信したこと(前述した入力ポート監視処理での受信)を契機として、演出表示装置P80の演出切り替わりタイミングとの同期を図り、各種演出装置に対して演出動作命令の出力を行う。
なお、演出装置の内、演出可動役物P560の動作制御に関しては、演出可動役物P560の駆動手段に対して、より短い周期での制御が必要となることから、本処理において設定された演出動作命令にて実行されることとなる演出可動役物P560の動作パターンについて、後述する演出制御基板P41の割込み処理中(図16参照)においてもセンサの監視、動作切り替えが実行される。
次に、演出制御基板P41のメインループ処理で実行される演出制御処理(ステップ4012)に関して説明する。演出制御処理は、後述する演出制御コマンド解析処理で主制御基板P40から受信した演出制御コマンドを解析した結果に基づき成立したフラグや受信した演出制御コマンド自体の情報(特別図柄抽選の抽選結果IDなど)、入力ポート監視処理(ステップ4008)、割込み処理(図16)等の他の処理中に成立したフラグを基に、各種演出装置で実行する演出内容を抽選したり選択することで決定する処理である。
演出制御処理は、各フラグ情報やコマンド解析情報を基に実行すべき演出決定の処理を選択し、対応する演出決定のためのサブモジュール処理を呼び出して実行する。ここで決定される演出内容の例として、特別図柄抽選の実行結果に係るコマンド(当否コマンド、図柄コマンド、変動パターンコマンド)を基に1回の特別図柄の変動に対応する変動演出を決定する処理(予告やリーチの内容、停止する装飾図柄の決定などを行う処理)や、保留が発生した際に送信される保留数情報や事前判定情報を基に新たに発生した保留に対し先読み演出(「事前判定演出」とも呼ぶ)を実行するか否かを決定する先読み抽選処理や、特別遊技(大当りや小当り)の実行に際し演出制御コマンドとして送信された情報に基づき特別遊技中の演出内容を決定する特別遊技演出内容決定処理などがある。
また、演出制御処理は、主制御基板P40から送信された演出制御コマンドに対する処理のみでなく、演出制御基板P41でエラーを検出した場合のエラー表示内容の決定処理(主制御基板から送信されたエラー情報に基づくエラー表示内容の決定処理を含む)や、遊技者によって演出操作手段P81である演出ボタンP381、十字キーP383などの入力操作に基づいてスピーカP83から出力される音量の調整や、ランプP82の発光輝度を変更する光量調整、演出内容および演出内容決定傾向のカスタマイズといった演出内容の決定も実行する。
なお、演出制御処理で呼び出されるサブモジュール処理にて行われる各種の演出内容の決定処理については、遊技機毎に固有の仕様を用いられることが多いため、説明を割愛し、発明の対象となるぱちんこ遊技機Pにおいて特徴を有する処理を実行する場合には、発明の対象となるぱちんこ遊技機Pの実施例の説明にてその詳細を説明することとする。
演出制御基板のメインループ処理の説明に戻り、メインループ処理の最後の処理として演出制御コマンド解析処理(ステップ4014)を説明する。
演出制御コマンド解析処理は、主制御基板P40から送信された演出制御コマンドとして記憶されている情報を基に、前述した演出制御処理において演出内容の決定に使用するための演出制御コマンドに対応する情報の記憶や、フラグの設定を行う。本処理は、主制御基板P40から送信されたコマンドに応じて処理内容を決定する必要があり、演出制御コマンドであるMODEデータ、EVENTデータの内容より処理内容を決定して、演出制御コマンドに応じた処理が実行される。
なお演出制御コマンドは、主制御基板P40の割込み処理毎(4ms毎)に1のコマンド(MODEデータとEVENTデータ)が送信される可能性があるため、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御基板P41のメインループ処理の周期(16ms)が経過するまでの間、処理可能な限り演出制御コマンドの解析を繰り返し実行する(ステップ4016)。
[演出制御基板の割込み処理]
次に、演出制御基板P41のCPUにおいて実行される割込み処理に関して説明する。演出制御基板P41における割込み処理は、主制御基板の割込み処理とは異なり、異なる実行契機で開始される複数の割込み処理を有している(図16(A)および(B)を参照)。なお、これらの複数の割込み処理には、優先度が設定されており、より上位の優先度の割込みが発生した場合には、割込み処理の実行中であっても上位の割込み処理を実行するように制御される。本説明においては、代表して演出制御タイマ割込み処理(図16(A))と、演出制御コマンド受信割込み(図16(B))とについて説明を行う。
(演出制御タイマ割込み処理)
演出制御タイマ割込み処理(図16(A))は、演出制御基板P41のCPUにおいて、1ms周期で実行される割込み処理である。
ポート入出力処理(ステップ5002)は、演出制御基板P41の入力ポートより、演出可動役物P560の位置検出のために設けられたセンサや、他のセンサ(演出操作手段P81の入力センサ)の入力からレベルデータ、立ち上がりデータを生成して記憶する処理や、出力ポートより、演出装置制御処理にて設定された動作パターンに従って演出可動役物P560の駆動手段(ソレノイドやステッピングモータなど)に対して駆動信号を出力する処理が実行される。また、出力ポートからデータ出力を行った際には、必要があれば出力回数をカウントするカウンタ(記憶領域)のデータを更新する。
タイマ更新処理(ステップ5004)は、演出動作の切り替えタイミングを計るタイマの減算や加算を行う処理である。各タイマに関し更新処理が終了すると、比較値との比較演算を行い、演出動作の切り替え条件が発生したか否かを判断し、演出制御処理(ステップ4012)において演出内容の決定に必要な情報やフラグを記憶領域に記憶する処理を行う。
センサ監視処理(ステップ5006)は、ポート入出力処理にて生成したセンサの検出データより、演出可動役物P560の演出動作切り替え条件が成立したか否かなど、演出動作の切り替えに係るセンサ検出情報の発生有無を判断し、動作パターンのテーブルを切り替える処理を行ったり、演出制御処理(ステップ4012)にて演出内容を決定するための条件フラグを立てる処理を行う。
演出ボタン監視処理(ステップ5008)は、演出操作手段P81である演出ボタンP381やレバーP382、十字キーP383などの入力に基づく演出の切り替え条件の成立有無を判断する処理である。演出ボタン監視処理では、ポート入出力処理(ステップ5002)において生成された各入力装置の入力状態を示すレベルデータや立ち上がりデータ(前回オフから今回オンへレベルデータが変化したことを示すデータ)より演出操作手段P81に対する操作有無、操作態様を判断する。
例えば、演出操作手段P81に対する入力情報として、立ち上がりデータが生成されている場合には演出操作手段P81に対する遊技者操作があったものとして、対応する演出の実行のためのフラグなどの情報を記憶する。なお、立ち上がりデータのみで入力を判断すると電気的なノイズにより誤検出して演出動作の切り替えが行われる可能性があるため、立ち上がりデータの発生後、複数回のレベルデータ(オンデータ)の入力が連続したことを契機として演出操作手段P81に対する遊技者操作(「単押し(単引き)操作」、「一撃操作」と表現する場合がある)と判断してもよい。
また、オン入力のレベルデータが連続して500回検出された場合、すなわち0.5秒に渡って演出操作手段P81が操作されたと判断した場合、「長押し(長引き)」操作と判断し、特殊な操作として扱うよう構成している。なお、「長押し(長引き)」操作の有無、継続の判断において立ち下がりデータ(前回オンから今回オフへレベルデータが変化したことを示すデータ)が電気的にノイズとして検出される場合があるが、この場合も前述した誤検出防止の対策と同様に立ち下がりデータの検出後、複数回のレベルデータ(オフデータ)の入力を検出したことに基づいて、「長押し(長引き)」操作の入力終了を判断するものとしてもよい。
そして、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、実行中の演出内容によっては、演出ボタンP381に対する「長押し」操作の実行により、一定周期毎(例えば0.3秒毎)に1回の演出操作手段P81の「単押し(単引き)」入力操作があったと見做す処理を繰り返して行わせることを可能としており、このように「長押し(長引き)」操作などの特殊な操作を契機として、「単押し」操作が行われたと見做して繰り返し処理が実行されることを「オート連打」操作と呼ぶ。なお、「オート連打」操作は、例示した操作内容に限らず、複数の演出操作手段P81を同時操作するものや、演出ボタンとは異なるスイッチとして設けられたディップスイッチなどのオンオフ操作することで、演出ボタンP381の入力に基づき「オート連打」操作が実行されたと見做す手法を採用することも可能である。
なお、演出操作手段P81に対する入力は、演出の実行状況によって、有効操作として扱う期間(「操作有効期間」)と、無効操作として扱う期間(「操作無効期間」)とが存在する。
マルチタスク処理(ステップ5010)は、演出制御タイマ割込み処理が実行される毎に更新されるタスクカウンタ(値「0」~「15」の間で更新)の値に応じて、今回発生した演出制御タイマ割込み処理中で実行する処理内容を異ならせて行う処理である。タスクカウンタが16ms周期で循環するように構成されており、メインループ処理の1周期とほぼ同期して各カウンタ値における処理が実行されるように構成されている。各タスクにおける処理の一例としては、画像制御基板P42の動作が実行できるか否かを画像制御基板P42から送信される信号(ポート入出力処理にて入力情報を生成)を基に判断し、画像制御基板P42の動作状況を監視する処理が行われる。
画像制御コマンド送信処理(ステップ5012)は、画像制御基板P42のCPUに対して演出制御処理P41にて決定した演出内容に応じた画像表示を実行させるべく、画像制御コマンド(「サブ間コマンド」と呼ぶ場合もある)を画像制御基板P42のCPUに対して送信する処理である。なお、画像制御基板P42と演出制御基板P41は同一の基板で構成してもよいが、本明細書内では便宜的に画像制御基板P42として記載する。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御基板P41は、画像制御コマンドを表示内容の種類を示す第1コマンドと、表示内容のパターンを指定する第2コマンドとで構成し、画像制御基板P42に送信する構成となっている。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御タイマ割込み処理にて画像制御コマンドを送信する構成となっているが、演出制御基板P41と画像制御基板P42との間におけるコマンドの送受信に関して、別途割込み処理を設けて送受信を行うように構成することも可能である。
(演出制御コマンド受信割込み)
演出制御コマンド受信割込み(図16(B))は、主制御基板P40の割込み処理(図9)中の演出制御コマンド送信処理(ステップ2040)においてストローブ信号が出力され、当該ストローブ信号を演出制御基板P41が受信した場合に発生させる割込み処理である。
演出制御基板P41は、演出制御コマンド受信割込みを開始すると、主制御基板P40の出力ポートより送信される演出制御コマンド(MODEデータまたはEVENTデータ)を読み取り、一時バッファデータを更新して記憶する(ステップ5502、ステップ5504)。
一時バッファデータの更新が終了すると、1の演出制御コマンド(MODEデータとEVENTデータの組み合わせ)の受信が完了したか否かを判断する(ステップ5506)。なお、主制御基板P40から送信される演出制御コマンドは、1バイトデータのうち、特定のビットが「1」「0」で構成されている。
前述したステップ5504の一時バッファデータ(2バイトデータ記憶領域)の更新に際しては、通常下位の1バイトの記憶領域に今回受信した演出制御コマンドの内容を記憶する処理を行う。このとき、更新前に現在の一時バッファデータの記憶領域の下位1バイトのうち特定のビットの部分がMODEデータであることを示す場合、一時バッファデータの記憶データを上位の1バイト記憶領域にシフトさせて記憶させた後、今回受信したEVENTデータを一時バッファデータの下位の1バイトの記憶領域に記憶する処理が行われる。
そしてステップ5506の演出制御コマンドの受信完了の判断においては、一時バッファデータの下位1バイトのうちの特定のビットがEVENTデータを示すデータであるか否かを判断し、EVENTデータであると判断した場合には、1の演出制御コマンドの受信が完了したもの(ステップ5506YES)として次の処理に進み、MODEデータであると判断した場合(ステップ5506NO)には、主制御基板P40からEVENTデータの送信に基づくストローブ信号を受信するまで、演出制御コマンド受信割込みを抜け、他の処理を行って待機する。
ステップ5506において、演出制御コマンドの受信が完了したと判断した場合、送られた演出制御コマンドが正常なものであったか否かを判断する(ステップ5508)。この処理は、例えば、主制御基板P40から送信され得る演出制御コマンドの一覧データの中に一致するデータが存在するか否かを基に判断される。そして、正常なコマンドであると判断された場合には、演出制御タイマ割込み処理中の演出制御コマンド解析処理にて解析されるように受信した演出制御コマンドを記憶するための記憶領域に記憶し、異常データの場合には一時バッファデータを破棄する。
[基本的な画像表示の演出例]
次に、図17から図20を用いて、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける基本的な演出に関して説明を行う。図17は、通常遊技中(低確率/低ベース中)の図柄変動表示(装飾図柄の停止表示中)を表した図であり、図18は大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われている状況を表した図である。図19は、大当り遊技を実行している状態を表した図であり、図20は特定遊技状態中(高確率または低確率/高ベース)である電チューサポート機能の作動中の遊技演出を表した図である。
(通常遊技状態の演出表示例)《装飾図柄》
図17は、通常遊技中(低確率/低ベース中)の図柄変動表示(装飾図柄の停止表示中)を表した図である。画面の略中央領域に3つの数字が遊技者に対して明瞭に確認できる態様にて表示されている。この3つの図柄は「装飾図柄(P801)」(「装図」とも呼ぶ)と呼ばれており、特別図柄抽選の結果に対応して表示される演出的な表示物であり、特別図柄の変動表示に合わせて変動表示される。なお、図17中では数字のみで表現しているが、各数字にキャラクタ画像などの装飾画像を伴って表示される場合もある。また、各数字に装飾画像を伴って表示するよう構成する場合には、遊技状態によって装飾画像や各数字の表示態様を相違させてもよい。そのように構成することによって、遊技者は現在の遊技状態を判別し易くなる。
装飾図柄P801は、特殊な演出を行っている場合を除いて特別図柄の変動表示1回(特別図柄抽選1回)に対して、1度の演出としての変動表示が行われる。なお、不図示であるが、装飾図柄P801の変動表示が行われる際には、装飾図柄が高速で変動表示(場合によっては透過表示や非表示となる)され、アニメーションや演出効果の画像による「予告」と呼ばれる演出により、大当り遊技の権利獲得の期待感を高める演出を行う。
図17に示す装飾図柄P801は、変動表示が開始されると上下方向(上から下方向)にスクロール表示された後、左図柄(P801a)、右図柄(P801c)、中図柄(P801b)の順に図柄列毎に、演出制御基板P41で決定された停止表示図柄が停止表示される。一般的には、3つの装飾図柄P801が同一の態様(ぞろ目)で停止表示された場合に、大当りであることを演出的に報知するものとなっている。また、1の図柄が変動表示を行う一方で他の図柄が表示されている状態、例えば、最後に停止する図柄(「最終停止図柄」とも呼ぶ)である中図柄P801bが停止する前に左図柄および右図柄が同一の図柄で表示(仮停止表示)されている状態のことを「リーチ」(「リーチ状態」「リーチ態様」)と呼ぶ。
装飾図柄P801の変動表示は、上下方向(上から下方向)にスクロール表示する態様で表示されることが多いが、変動表示の態様は上下方向に限らず、左右方向や奥行きを使って前後(斜め)方向にスクロール表示動作を行うものであってもよいし、スクロールせずにその場で回転動作を行うとともに順番に切り替え表示がされるものであってもよい。
また、装飾図柄P801は1回の特別図柄の変動表示中において、複数回の停止表示を行う場合を有している。この時、複数回の停止表示に際して、特別抽選の結果を示す停止表示は、特別図柄の停止表示図柄が特別図柄表示装置に停止表示されるタイミングと同時期に表示される停止表示であり、それ以外のタイミングにおける停止表示を「仮停止(表示)」という。なお、特別図柄の停止表示と同時期の停止表示ついては、「本停止」と表現する場合がある。
装飾図柄P801の仮停止が行われた際には、最終的な図柄の停止表示(本停止)と区別するため、装飾図柄P801を完全に固定せず、固定したと認められない程度に一時停止させたり、上下あるいは左右などの方向に動作したり、1の回転軸を中心に揺れ動作を行ったりするように構成される。このような状態のことを仮停止の他に「揺れ変動」などと表現する場合がある。
装飾図柄P801が仮停止表示された後は、再び変動表示を繰り返す場合があり、一般的に大当り図柄以外の図柄が仮停止した状態からの再変動を「擬似変動(擬似連)」演出と呼び、大当り図柄の停止後に停止表示される大当り図柄を変更する場合がある再変動を「昇格(変動)」演出と呼ぶ。なお、昇格演出を実行する場合には、停止した大当り図柄よりも不利な大当り図柄には変更しないよう構成したり、ハズレ図柄に変更しないよう構成してもよい。
また、装飾図柄P801の停止表示に際して、通常の変動表示中は表示されておらず、一部の演出を実行する場合にのみ表示される特殊な装飾図柄の一種があり、これを「特殊装図(P804)」(特殊図柄)と呼ぶ。特殊装図は、それぞれの図柄に意味があり、例えば特定の大当りが実行されることを示唆したり、前述した擬似変動演出を行うことを示唆したり、特定のリーチ演出(リーチ態様となった場合に表示される予告演出)が実行されることを示唆するものなどが挙げられる。特殊図柄を用いる場合には、最後に仮停止する装飾図柄(中図柄P801b)として特殊図柄を仮停止させてもよいし、左図柄P801a、中図柄P801b、右図柄P801cのすべてを代用する1つの装飾図柄として特殊図柄を仮停止させてもよい。
《簡易装図(ミニ装図)》
画面右上には、装飾図柄P801と同一の態様にて表示される3つの数字が表示されている。この図柄は「簡易装図(P802)」(「簡易図柄」)や「ミニ装図」とも呼ばれ、前述した「装飾図柄」同様特別図柄の変動表示に合わせて、特別図柄の抽選結果を示す表示物として表示される。
簡易装図P802(ミニ装図)は、「装飾図柄」と異なり、装飾図柄P801が停止表示されない特殊な演出が行われている場合であっても、特別抽選の結果を示す特別図柄が特別図柄表示装置P51、P52に表示されるのに合わせて、特別図柄抽選1回に対して必ず1回の停止表示を行う。
また、簡易装図P802の変動表示は、前述した装飾図柄P801がリーチ態様となった場合に、同一のリーチ態様を形成するように構成してもよいし、特別図柄抽選の結果を報知するという最低限の目的を達成するために、装飾図柄P801とは無関係に特別図柄の変動表示が停止表示状態となるまで一定の表示切り替えを行う、といった簡略的な変動表示とする手法を採用してもよい。
《保留表示領域》
図17の下部領域には、保留表示領域P810が設けられている。保留表示領域P810には、遊技者が獲得した特別図柄抽選の権利として、未行使の権利に対応する保留(乱数値)に対応した保留オブジェクトP811が表示される。図17の例では、特別図柄抽選の権利が3つ保留されている状態を示している。
図17の例では、特別図柄抽選の実行時期が早い保留(すなわち先に発生した保留)であるほど、画面下部の略中央方向に近い位置に表示されるようになっており、保留表示領域P810の最も右側に位置する保留オブジェクトの表示位置を「保1(表示領域)」と呼び、画面左側に向かうにつれて「保2(表示領域)」、「保3(表示領域)」、「保4(表示領域)」と呼ぶ。
また、保留表示領域P810の右側近傍には、保留表示領域P810の保留オブジェクトP811と略同一態様のオブジェクトが一段高い位置に保留オブジェクトP811より大サイズに表示されている。本表示領域は、現在の特別図柄変動表示の開始契機となった乱数値に対応した保留表示を保留表示領域から継続して表示するものであり、「当該変動オブジェクト表示領域(P812)」と称する。また、当該変動オブジェクト表示領域P812に表示されるオブジェクトを「当該変動オブジェクト(P813)」と呼ぶが、「当該保留表示」などと称する場合があり、保留表示領域P810の保留オブジェクトP811と差別化するために「当該」という頭文字をつけている。
なお、当該変動オブジェクト表示領域P812における当該変動オブジェクトP813の表示態様は、保留オブジェクトP811と完全に同一に構成する必要はなく、変動開始に伴いある保留表示が当該変動オブジェクト表示領域P812に移動表示する際に、形状が変化したり、消失(非表示)となったりする場合があってもよい。また、当該変動オブジェクトP813についても、後述する保留変化先読みにおける保留表示と同様に表示態様が変化し得るよう構成してもよい(例えば、変動表示の途中のタイミングでオブジェクトの形状や色が変化する)。
《簡易保留表示》
画面左側の高さ方向略中央位置には、2つの数字が縦方向に並んで表示されている。この2つの数字は、現在の第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数を表しており、「簡易保留表示(P814)」と呼ばれる。図17中の例では、第1特別図柄の保留数を上に表示される数値「3」で示しており、第2特別図柄の保留数を下に表示される数値「4」で示している。
(先読み演出)《保留変化先読み》
また、図17においては、保留表示領域P810における保3表示領域の保留オブジェクトP811が、保2、保1の表示領域における保留オブジェクトP811とは異なる態様で表示されている。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、保3の保留オブジェクトP811の表示態様の方が保2の保留オブジェクトP811の表示態様よりも大当りとなる可能性が高くなるよう構成されている。このように、特定の保留に対して、保留オブジェクトP811の表示態様を変化して表示させる演出のことを「保留変化(先読み)」と呼んでいる。
なお、図17に例示した態様のみに限らず、複数種類の変化態様を有し、そのそれぞれに対して大当りとなる可能性(期待度)が異なり得るように構成し、段階的に保留オブジェクトP811の表示態様を変化させていってもよい。
また、「保留変化(先読み)」に限らず、保留として記憶されている乱数値に対して演出の実行対象として決定した場合に、演出の実行対象となった保留に対応した変動表示が開始されるよりも前に、先んじて演出の実行対象となった保留の大当りとなる可能性が高いことを示唆する演出のことを「先読み演出」(「事前判定演出」と称する場合もある)と呼んでいる。
そして、「先読み演出」を実行する場合に、演出の実行対象となった保留として決定された保留のことを、「先読み対象保留」、「トリガ保留」、「犯人保留」などと称する場合があり、先読み対象保留に基づく特別図柄の変動表示のことを「先読み対象変動」、「トリガ変動」、「犯人変動」などと称する。
ここで、「先読み演出」として、前提とするぱちんこ遊技機Pで採用し得る代表的なものをいくつか例示する。
《チャンス目先読み》
「チャンス目先読み」は、先読み対象変動の変動が開始されるまでの装飾図柄P801の変動表示において、予め定められた法則に則った装飾図柄P801の停止表示図柄が停止表示(または仮停止表示)される演出である。チャンス目として予め定められる装飾図柄P801の停止表示態様の法則の一例としては、(ア)装飾図柄の数字部分の色合いが同一の図柄のみの組み合わせによってはずれ図柄が停止表示される場合、(イ)「1」「2」「3」や「5」「4」「3」など、装飾図柄の停止図柄が順番に並ぶ(順目、逆順目)など規則的な停止表示態様で表示される場合、(ウ)「7」などの特別な数字又は「先」などの数字とは異なる図柄が、中図柄の停止表示図柄として停止表示される場合、などが挙げられる。
《演出可動役物先読み》
「演出可動役物先読み」は、遊技盤P5または枠(ガラス枠P3)に設けられた演出可動役物P560または枠可動役物P360(前提とするぱちんこ遊技機P1のレバーP382など)を、先読み対象変動の変動表示が開始されるまでの変動、あるいは先読み対象変動まで跨いで、変動開始から演出動作パターンに従ってにぎやかし動作させる演出である。
《ゾーン移行先読み》
「ゾーン移行先読み」は、先読み対象変動が開始される前の特別図柄の変動表示において、特殊な演出モード(「ゾーン」と呼ばれる)へ移行させ、先読み対象変動となる変動表示までの間、特殊な演出モードに対応した予告演出を実行させるための予告抽選を実行することで、大当りの可能性が高いことを示唆する先読み演出である。例えば、「通常背景を表示→先読み時背景を表示→大当り」となったり、「通常背景を表示→先読み時背景を表示→はずれ図柄が停止して通常背景に戻る」となる。
(リーチ演出の実行時の表示例)
続いて、図18は大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われている状況を表した図である。「リーチ演出」は、前述したように、1の装飾図柄(中図柄P801b)以外の装飾図柄(左図柄P801a、右図柄P801c)が同一態様で表示されている状況であり、あと1つの図柄が同一態様で停止すれば大当りとなることが報知される状態における演出のことを言う。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、多くの場合、リーチ演出を経由して3つの装飾図柄P801が同一の停止表示態様となることで大当りを報知する仕様となっている。
図18の例では、装飾図柄の左図柄P801aと右図柄P801cが「5」で表示されており、変動中の中図柄列の図柄として「4」、「5」、「6」が表示されている状況であり、「4」図柄が激しく振動し、「5」に切り替われば大当りとなる状況を示している。
ここで、図18の例では、装飾図柄の左図柄と右図柄である「5」の表示が、図17の停止表示時の装飾図柄P801よりも小さく表示されており、変動表示中の中図柄列の装飾図柄P801bを停止表示時の装飾図柄P801よりも大きく表示し、強調表示している。この時の左図柄P801a、右図柄P801cに対応する小さく表示された装飾図柄を「退避図柄(P803)」や、「リーチ図柄」などと呼ぶ場合がある。リーチ演出では、図示した例以外にも、装飾図柄の変動表示に伴って表示される予告演出(リーチ演出)のアニメーションの結末がどのような結末になるかによって大当りとなるか否かを報知する場合もあり、すでに仮停止表示された左図柄P801a、右図柄P801cを退避図柄P803小さくして表示する(あるいは非表示とする)ことで、遊技者に注目させたい演出の視認性を高めるようにしている。
また、装飾図柄P801の表示数を3つとしない遊技機なども知られており、同時に複数列のリーチ態様を形成するマルチラインリーチなども存在するが、その詳細に係る説明は割愛する。
リーチ演出の例外として、3つの装飾図柄P801の全てが同一の態様で同期して変動表示される「全回転リーチ」と呼ばれるリーチ演出が存在する。リーチ演出の基準である「1の装飾図柄以外の装飾図柄が同一態様で表示されている状況であり、あと1つの図柄が同一態様で停止すれば大当りとなることが報知される状態」とは状況的に異なるが、全回転リーチもまたリーチ演出として当業者には認識されるものである。
また図18において、画面右下領域には、「演出設定表示領域(P850)」が表示されており、図18の例では演出設定表示として音量設定表示P851が表示されている。
演出設定表示領域P850は、遊技機PのスピーカP83から出力される音量レベルを調整する音量設定機能や、遊技機Pの装飾ランプP82の発光輝度を調整する光量調整機能、さらには、演出モードと呼ばれる発生する予告演出の種類を変更したり、予告演出の発生頻度を変更したりする演出モード変更機能の設定状況および変更状況に係る表示を行う領域である。
演出設定表示領域P850は、常時表示されているものではなく、遊技者が前述した各種演出設定(音量調整機能、光量調整機能、演出モード変更機能)に係る操作を実行した場合において、一時的に表示されるものであり、例えば十字キーP383の左右方向の操作により図18に示す音量調整機能に係る演出設定表示(音量設定表示P851)を表示させることが可能である。図18の状況において、さらに遊技者により十字キーP383の右ボタンが操作された場合には、設定されている音量レベル(図中の黒塗り領域)が増加し、音量設定値が「3」から「4」へと変化するようになっている。
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、光量調整を行う場合は、十字キーP383の上下方向の操作によって変更操作が行われるように構成され、演出モード変更機能は、演出ボタンの操作に応じて演出モードを予め定められた順序で切り替える例が挙げられる。なお、これらの演出設定に係る操作は、遊技中の演出の実行との関係上異なる操作態様を採用する場合もあり、例示した設定の変更方法以外にも適宜採用可能である。
また、演出設定表示領域P850の表示や、各種演出設定機能の利用に関し、遊技者の演出設定操作を有効とする期間、無効とする期間をそれぞれ設定することが可能であり、特に重要な演出が実行されるときには、演出設定表示領域P850を非表示とし、各種演出設定機能の利用を無効とするよう構成される。
(大当り遊技中の演出表示例)
続いて、図19に基づき、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて大当り遊技を実行している状態における演出の表示態様を説明する。
《大当りの種類を示す演出表示》
図19の画面左下および画面右上には、大当り遊技の実行契機となった装飾図柄P801の表示が行われている。画面左下は、前述したリーチ演出の実行中と同様、変動表示中の装飾図柄よりも小さい表示態様にて1の装飾図柄P801(「大当り装図(P805)」とも呼ぶ)を表示し、画面右上には、特別図柄の変動表示が終了した際に表示した簡易装図P802を引き続き表示している。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当りの発生契機となった(大当りの発生時に停止表示した)装飾図柄P801の種類によって、遊技者に実行される大当りの種類や大当り中に獲得できる遊技球数の期待度合や大当り終了後の遊技状態(通常遊技状態)を演出的に示唆している。そのためこのように大当りの実行契機となった装飾図柄(大当り装図P805、簡易図柄P802)を表示させておくことによって、大当り遊技中においても大当りの種類や、獲得が期待される遊技球数を示唆することを可能としている。
また、大当りの種類を示す表示として、図19では「ROUND6」(「ラウンド表示(P820)」と呼ぶ)という文字列の下に、五角形の盾を模したアイコン画像P821が表示されており、アイコンP821の中央に「MAX」という文字が記載されている。図中のアイコンP821では「MAX」の文字列が示唆する大当りであって、前提とするぱちんこ遊技機Pが有する最大ラウンドの大当り遊技が実行されることを示している。このアイコンP821は「大当りアイコン」や「連荘(表示)アイコン」と呼ばれ、特定遊技状態と大当り遊技が繰り返し実行される毎に、累積的に並んで表示が増加し、いわゆる「連荘」状態において何回、どのような種類の大当りを獲得したかを遊技者が理解できるように報知する演出表示である。
なお、図示はしていないが、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当り開始デモ期間において実行される演出表示の「大当り開始デモ演出」において「〇〇ボーナス!」(最大ラウンド大当りを報知)や「△△チャンス」(最大ラウンドではない大当りを示唆)といった表示を行うことにより、大当りの種類を遊技者に報知する演出を実行する。
また、例えば実行されるラウンド数が少ない「△△チャンス」などの大当りであることが示唆された場合であっても、大当りラウンド中において「エクストラボーナス!+〇ラウンド」として、大当りの実行ラウンドが実は最大ラウンドの大当りであることを報知するといった「大当り昇格演出」を実行することも可能である。
なお、「大当り昇格演出」は、先に報知された大当りの種類よりも遊技者にとって有利となる特定遊技状態へ移行することとなる大当り遊技が実行されていることを示唆する場合にも使用されることがある。例えば、大当り遊技後に確率変動機能が作動しないことを示唆する大当り遊技(「非確変大当り」、「通常大当り」と呼ばれる)の演出から、大当り後に確率変動機能が作動することとなる大当り遊技(「確変大当り」、「特定大当り」と呼ばれる)の演出へと演出表示が切り替わる、というような演出表示が挙げられる。
《大当り遊技の進行状況を示す演出表示》
次に大当り遊技の実行に際して、大当り遊技の進行状況を示す演出表示に関する説明を行う。図19において、大当りの演出表示を示す演出として、画面左上の「ROUND_〇」の文字列表示で実行される「ラウンド表示(P820)」、画面右下において「TOTAL_〇〇pt」の文字列表示で実行される「獲得球数表示(P822)」、画面右側略中央の10個の円形画像オブジェクトで表示される「カウント表示(P825)」などが挙げられる。不図示ではあるが、大当り遊技中はこれらの表示に加えて「ラウンド演出」と呼ばれるアニメーションなどの画像表示が表示される。
《ラウンド表示》
「ラウンド表示(P820)」は、大当り遊技中において、実行中のラウンド遊技(単位遊技)が何ラウンド目かを示す表示である。ラウンド遊技が開始されるタイミングで「ROUND」の右側の数値が更新される。図19の例では、6ラウンド目のラウンド遊技が実行されている状況を示している。
なお、「ラウンド表示(p820)」は、必ずしも実際の大当り遊技中の実行ラウンド数に同期する必要はない。例えば、前述した「小当りV」のスペックでは、小当り遊技中を1ラウンド目としてカウントして、V入賞後に実行される大当り遊技の1ラウンド目を2ラウンド目として扱うようすることがある。また、他の例では、ラウンド遊技における大入賞口P751の開放パターンが、短時間の入球容易状態への移行で終了する場合には、「ラウンド表示」の値を更新せず、大入賞口の開放パターンが長時間の入球容易状態となる場合においてのみ、実質的に実行されたラウンド「実質ラウンド」として扱う場合などがあってもよい。
《獲得球数表示》
「獲得球数表示(P822)」は、実行中の1回の大当り遊技で累積獲得している遊技球数を表示する「大当り獲得球数表示(P823※不図示)」と、特定遊技を挟んで複数回の大当りにおいて累積的に獲得した遊技球数を表示する「累積獲得球数表示(824)」といった種類がある。図19においては、5桁の獲得球数表示である「累積獲得球数表示(P824)」が表示されている例を示している。なお、「大当り獲得球数表示(P823)」と「累積獲得球数表示(P824)」を並列的に同時表示してもよい。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、「獲得球数表示(P822)」について、大当り遊技中における大入賞口P751への入球に基づく累積の賞球払出数を表示するものとしている。しかし、獲得球数表示P822の賞球払出の累積対象として、遊技盤P5の右側領域P501Rに配置された一般入賞口P731や第2始動入賞口P721に対する入球に基づく払出に関して累積して加算してもよい。
また、他の変形例として、「獲得球数表示(P822)」の表示期間は、大当り遊技中だけでなく、特定遊技の実行中に表示してもよいし、「獲得球数表示(P822)」の累積賞球払出数の加算期間についても、大当り遊技中だけでなく、特定遊技中や、小当り遊技中に拡大するよう構成してもよい。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、「獲得球数表示(P822)」の他に、累積した賞球払出数が「2500球」、「5000球」、「10000球」など、区切りとなる払出数を迎えた場合などの特殊な状況においてのみ、遊技者に「獲得球数表示」に加えて強調して報知する「区切り獲得球数表示」演出を実行可能としている(例えば、「GET10000!!」と表示する)。
《カウント表示》
「カウント表示(P825)」は、1回のラウンド遊技において大入賞口P751の閉鎖条件として設定される遊技球数まであと何球入球可能か、または今回のラウンド遊技において何球の遊技球が大入賞口P751に入球したかを表す表示である。前者は、図19において網掛け表示される円形オブジェクトで表示されており、後者は白抜きの円形オブジェクトとして画面右側略中央位置に2列のオブジェクト表示として表示されている。
図19の例では、6ラウンド目の遊技として、大入賞口へ5球入球済みであり(白抜きの円形オブジェクトで表示)、あと5球入球可能であること(網掛けの円形オブジェクトで表示)がカウント表示P825により示されている。カウント表示P825は新たなラウンドが開始されるたびに表示が初期態様にリセットされる。
大当り遊技のラウンド遊技の実行中には、遊技球の流下状況により、大入賞口P751の閉鎖条件を満たすこととなる遊技球に連続して大入賞口P751の閉鎖条件以上の遊技球数となる入賞が発生する場合があり、このような閉鎖条件以上の遊技球数の入賞が発生することを「オーバー入賞」と呼ぶ。
図示はしていないが、「オーバー入賞」が発生した場合に、カウント表示P825のオブジェクト表示等を使って特殊な演出を行ったり、演出ランプP82の特殊な発光やスピーカP83から特殊効果音を発したりして報知してもよい。また、前述した獲得球数表示P822については、「オーバー入賞」となる入賞に基づく賞球払出数を加算対象としてもよいし、加算対象外としてもよい。
《大当り遊技中のその他の演出表示》
次に、図19において演出表示が実行されている、他の演出表示について説明する。
まず、画面左側略中央位置に表示されている2つの数字は、前述した簡易保留表示P814である。
画面左下の装飾図柄(大当り装図P805)の右側に表示されている「Sound_2」という表示は、現在の大当り遊技中に再生している楽曲のタイトルを示す「選択楽曲表示(P854)」である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当り遊技中において、1ラウンド目や2ラウンド目の間に演出ボタンP381や十字キーP383を操作することによって、遊技者が任意に再生する楽曲を選択可能とする仕様を有している。選択楽曲表示P854に関し、楽曲が変更可能な状況である場合には、図20に示すように選択楽曲表示P854の近傍に「(上)(下)キーで変更できます」という画像表示を行う。
なお、このような大当り遊技中における演出の選択は、楽曲選択に限らず、ラウンド演出の変更や、大当り遊技後における特定遊技中の演出(演出モード)の選択なども可能とするが(総称して「演出カスタマイズ表示(P853)」と呼ぶ)、それらの詳細な説明は割愛する。
最後に、画面右上の簡易装図P802の下部に表示されている「右打ち」および右側矢印記号は、「打ち分け報知(P830)」(「推奨発射位置報知」などとも呼ばれる)に係る画像表示である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当り遊技中は、遊技領域の右側領域P501Rに遊技球を発射することが推奨される遊技状態であるため、「右打ち報知(P832)」(「右打ち」の文字列、および右側矢印記号の表示)が実行されている。
「打ち分け報知」は、大当り遊技中に限らず、特定遊技状態における遊技中や、通常遊技状態における遊技中においても表示される場合を有する。特に、遊技状態が切り替わるような状況(大当りの発生/終了や、特定遊技状態の発生/終了)においては、図19に示す打ち分け報知P830よりも、遊技者が認識しやすいよう大きなサイズの表示を画面中央部などに一時的に表示することで、次の遊技状態での推奨される発射位置を遊技者に報知する演出が実行される。
なお、「打ち分け報知(P830)」において、遊技状態が遷移するタイミングで一時的に大きなサイズで表示されるものを「第1打ち分け報知画像」(「右打ち大表示(P831)」、「左打ち大表示(P833)」)と表現し、大当り遊技中や特定遊技状態中において、遊技状態での推奨発射位置を、遊技状態が続く期間のほぼ全てにおいて表示する表示について「第2打ち分け報知画像」(「右打ち小表示(P832)」、「左打ち小表示(P834)」)と表現する場合がある。
また、「打ち分け報知(P830)」の他の種類の演出として、推奨される発射位置以外の位置に遊技球が発射されている状況を検出した場合、例えば、大当り中に遊技領域の左側領域P501Lに遊技球を発射した場合に、遊技領域の右側領域P501Rに遊技球を発射すべきことを遊技者に対して注意喚起する「左打ち警告報知」(「右打ち注意喚起報知(P835)」)として「右打ちしてください」などのメッセージ表示)を行う。なお、推奨発射位置と遊技者の実発射位置が逆の状況では、「右打ち警告報知」(「左打ち注意喚起報知(P936)」)が実行される。
(特定遊技状態中の演出表示例)
図20は、特定遊技状態中(高確率または低確率/高ベース)である電チューサポート機能の作動中の遊技演出を表した図である。図中には多岐にわたる演出表示がなされているが、前述の説明の中で説明を行ったものに関しての説明は割愛し、これまでに説明がされていない演出表示、および前述の説明と相違点を有する演出表示に関する説明を行う。
まず、これまでに説明がされていない演出表示として、特定遊技状態中の演出表示に関する説明として「演出モード表示(P840)」と「残り遊技回数表示(P841)」に関する説明を行う。
《演出モード表示》
「演出モード表示(P840)」は、現在の演出表示態様の状態を示す表示であり、演出モードと呼ばれる状態情報によって、該当するモードに応じた予告演出が抽選されていることを示す表示である。演出モード表示が相違する場合には、遊技者に視認される予告演出の種類が、一部共通とする予告演出はあるものの、見た目に与える印象が大きく異なるように作られることが一般的である。図20では、「RUSH_MODE」という表示がなされており、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける遊技状態が、「ST(回数切り確変)」(高確率/高ベース状態)であることを示す表示を行っている。
なお、「演出モード表示(P840)」は、特定遊技状態における演出モードを報知する以外に、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)において表示される場合があってもよいし、1の遊技状態において複数の演出モードを有する場合に、演出モードが切り替わる条件が成立するたびに表示を一時的、または演出モードが終了するまで継続して行うものであってもよい。
《残り遊技回数表示》
「残り遊技回数表示(P841)」は、特定遊技状態が終了するまでの特別図柄の変動表示の回数(特別図柄抽選の回数)や、現在の演出モードが終了するまでの特別図柄の変動表示の回数を表す表示である。図20では、画面中央上部に「残り_56」という表示が実行されており、「ST(回数切り確変)」の遊技状態が、あと56回の特別図柄抽選が実行されるまで行われることを遊技者に報知している。
次に、図20に示す特定遊技状態の演出表示例において、前述した他の遊技状態における演出表示例と相違する表示に関して説明を行う。
《装飾図柄(特定遊技状態)》
図20の画面中央には、装飾図柄P801の変動表示が表示されている。図20の通常遊技状態における演出表示例の装飾図柄P801に比して、図20の特定遊技状態における装飾図柄P801の演出表示例では、装飾図柄P801の表示が小さく表示されている。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特定遊技状態の演出表示として、画面上部に演出モード表示P840や、残り遊技回数表示P841、さらには大当りアイコン表示P821を行っており、画面下部には選択楽曲表示P854および獲得球数表示P824を行っている。特定遊技状態では、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)で表示されないこのような付加的な表示を行うため、通常遊技状態と同等のサイズで装飾図柄P801を表示してしまうと、停止表示の際に一部図柄の表示が各表示の一部と重なってしまい、停止表示図柄の視認性が低下するという問題が発生する虞があり、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、このような問題が生じにくくなるよう装飾図柄P801の表示を小さく簡略化するものとしている。また、装飾図柄P801を簡略化して表示する例として、サイズを小さくするほか、図柄を示す数字に付帯して表示されるキャラクタ画像などの表示を行わない手法なども採用可能である。
《保留表示領域(特定遊技状態)》
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、図20の画面左下に示すように、特定遊技状態の保留表示領域P810における保留オブジェクトP811の表示として、画面手前側から奥行き方向に向かって「保1」から「保4」の保留オブジェクトの表示領域が設けられている。なお、当該変動オブジェクト表示領域P812(及び当該変動オブジェクト表示P813)については「RUSH_MODE」の演出モード状態では表示が省略されている。
図20に示す変動表示が終了し、状態で新たな変動が開始すると、図20の最も下部に位置する保留オブジェクトP811の表示が消失し、奥に並ぶ保留オブジェクトP811の表示が手前に移動するとともに表示が大きくなるよう表示制御される。
また、図示はしないが特定遊技中において表示される演出として重要な演出である、「リザルト表示演出」に関して説明を行う。
《リザルト表示演出》
「リザルト表示演出」は、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、主として特定遊技状態(高ベース状態)の最後の変動が実行される際、あるいは特定遊技状態中に生起した保留がなくなる際等、遊技者が「連荘」状態が終了したと認識するタイミングに行われる演出であり、いわゆる「連荘」状態において、何回の大当り遊技を獲得したかという情報や、合計で何発の遊技球を獲得したか(獲得球数表示に相当)を遊技者に報知する演出である。
[本実施例]
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、上述の前提技術を基本構成とする他、種々の特徴的な構成を有する。以下、前提技術との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。本実施例のぱちんこ遊技機Pを構成する要素のうち、前提技術で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付す。
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、前提とするぱちんこ遊技機の代表的な遊技機仕様(「スペック」)に関する説明にて記載した「小当りV」を採用するぱちんこ遊技機であって、小当り(又は大当り)遊技を開始する際の通常遊技状態における「ベース状態」に応じて、大当り遊技の実行後(または小当り遊技中に大入賞口P751内部の特定領域P760を通過することにより、作動した役物連続作動装置に基づく大当り遊技の実行後)の通常遊技状態における「特定遊技状態」の内容(特に「ベース状態」を「高ベース状態」に維持する期間の長さ)を異ならせることで新規なゲーム性を提供するぱちんこ遊技機である。
特に、本実施例のぱちんこ遊技機Pは、通常遊技状態が「特定遊技状態」(低確率/高ベース状態)が終了した直後であって、「(低確率/)低ベース状態」に制御されているときに消化される特定遊技状態の遊技の主体となる特別図柄保留(第2特別図柄の保留)にて、小当り(又は大当り)の権利を獲得すると、特別遊技状態(大当り遊技)後の遊技状態として特定遊技状態(低確率/高ベース状態)に維持する期間を実質的に次回の小当り(又は大当り)が獲得できるように構成することにより、実質的に2回分の小当り(大当り)の権利を得られるという特徴的な遊技性を採用するものである。
以下に前述の特徴を有する本実施例のぱちんこ遊技機Pの詳細な説明を行う。
(盤面構成)
先ず、本実施例のぱちんこ遊技機Pの盤面構成(遊技領域の構成)の構成について説明する。
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、図1に示した前提とするぱちんこ遊技機とほぼ同一の盤面構成にて実施可能である。本実施例のぱちんこ遊技機Pは後述する遊技性(スペック)を採用するため、大入賞口(アタッカー)P751の内部に特定領域P760を備える構成である。なお、以下に開示される遊技性を変更しない変更(あるいは軽微な変更に留まる変更)であれば、適宜異なる盤面構成を採用するものであってもよい。
(スペック)
つづいて本実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技性(スペック)に関する説明する。なお、本説明においては、出玉性能に影響する「設定」(設定値)について、「設定1」に関するスペックについてのみ説明を行うが、他の設定値に関する各種の数値については適宜設定されるものである。
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、当否抽選の確率が大当り確率1/269(第1特別図柄、第2特別図柄共通)、小当り確率1/9.1(第2特別図柄のみ)に設定されており、賞球数は、第1始動入賞口(第1始動口)P711が4球、第2始動入賞口(第2始動口)P721が3球、左側一般入賞口P731Lが3球、右側一般入賞口P731Rが2球、大入賞口(アタッカー)P751が15球に設定されている。
また、本実施例のぱちんこ遊技機Pは、第2特別図柄優先消化制御を採用しており、第1特別図柄と第2特別図柄の双方の保留が存在する場合には、第2特別図柄を優先して変動表示させる。なお、本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては第2特別図柄のみ特別図柄抽選結果として「小当り」を有する構成としているが、第1特別図柄に「小当り」を有するように構成することも可能である。なお、本実施例のぱちんこ遊技機Pのゲーム性を喪失しない場合であれば、第2特別図柄優先消化制御に限らず、変形例として、第1特別図柄優先消化制御を適用したり、あるいは、先に入球したものから優先して消化する入球順消化制御を適用したりしてもよいことは言うまでもない。
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、前提技術として説明した「小当りV」と呼ばれる遊技性(スペック)を採用しており、特別図柄抽選にて「大当り」となった場合以外にも、特別図柄抽選にて「小当り」となり、その後実行される小当り遊技中にて大入賞口P751内部の特定領域P760を遊技球が通過することによって、役物連続作動装置が作動し、大当り遊技が実行される仕様となっている。本実施例中においては、小当り遊技から大当り遊技に発展する場合については、小当り遊技の開始から大当り遊技の終了までの一連の特別遊技状態を「小当りV」や「小当り発展大当り」などと称する。
本実施例のぱちんこ遊技機Pにおける特別遊技状態の大当り(小当りV含む)の種類は、3ラウンド大当り(第1特別図柄の大当り)と10ラウンド大当り(第2特別図柄の大当りまたは小当りV)が設けられている。また、有利な通常遊技状態である特定遊技について本実施例のぱちんこ遊技機Pは、確率変動機能は有しておらず、各種大当り(小当りV含む)後に電チューサポート機能(電サポ)機能を作動させることによって特定遊技(高ベース状態)を実行する。
また、後述する詳細な制御例の中で本実施例のぱちんこ遊技機Pは、特定遊技の期間および/または特定遊技終了後の残り保留最大4個の変動表示がされる期間において、予め定められたタイミングで特殊変動パターンテーブル(限定頻度パターンテーブル)を参照し、必要に応じた特別図柄の変動表示時間を確保するための変動パターンが選択されるように構成されているが、特殊変動パターンテーブルを参照するタイミングは、特別遊技の実行終了後における第1特別図柄の変動表示回数と、第2特別図柄の変動表示回数をそれぞれ別個にカウントおよび記憶し、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始時に、それぞれに対応して記憶した変動回数の記憶情報が特定の値である場合において、第1特別図柄用の特殊変動パターンテーブルまたは第2特別図柄用の特殊変動パターンテーブルを参照可能としている。
(ゲームフロー)
続いて図21を用いて、本実施例のぱちんこ遊技機Pのゲームフローについて説明を行う。図21に示すゲームフローは、遊技者の設計意図通りの遊技(正常な遊技)を実行した場合を想定したフローである。なお、遊技者の設計意図を無視した遊技(異常な遊技、イレギュラー遊技)を実行した場合のゲームフローは図21に示した状況に当て嵌まらない動作となる場合があるが、異常な遊技の説明は割愛する。
まず、図21の「通常遊技(低確率/低ベース状態)」では、遊技者は、第1始動入賞口P711に遊技球が入球可能な発射強度(左側領域P501Lへ向けて遊技球を発射させるいわゆる「左打ち」)で遊技を行う。第1始動入賞口へ遊技球が入賞すると、第1特別図柄(特図1)に基づく特別図柄抽選が行われ、特別図柄抽選結果が大当りとなった場合、「大当り(特図1)」が実行される(図21(A))。なお、図中の二重線で囲まれた状態は、特別遊技状態(大当り遊技、小当り遊技)を表している。
「大当り(特図1)」が終了すると、遊技状態が特定遊技状態(高ベース状態)へ移行する(図21(B))。「大当り(特図1)」後の特定遊技状態は、「突破ゾーン_低確率/高ベース(特図2:1回)+残り保留最大4個」(詳細は後述する)であり、第2特別図柄(特図2)の変動が1回行われて停止表示されるまで高ベース状態(電チューサポート機能の作動状態)が継続する。
「突破ゾーン」に移行すると、遊技者は遊技領域P501の右側領域P501Rに配設された第2始動入賞口P721を狙って遊技球を発射するいわゆる「右打ち」で遊技を行う。「突破ゾーン」は、高ベース状態であるため、第2始動入賞口P721に設けられた普通電動役物P770の可動体P771が入球容易状態となりやすく、右側領域P501Rに遊技球を発射することによって普図作動口P741に対する遊技球の入球(通過)が発生し、普通図柄抽選が行われ、普通電動役物P770が作動し、第2始動入賞口P721への入球によって第2特別図柄(特図2)に基づく特別図柄抽選が行われる。
「突破ゾーン」では、1回の第2特別図柄の変動表示が終了するまで高ベース状態が継続するため、高ベース状態中の1回と、第2特別図柄の最大保留数(本実施例では4個)分だけ、小当りVの契機となる抽選結果である「小当り」を有する第2特別図柄の特別図柄抽選を受けられる。ここで、「突破ゾーン」において、第2特別図柄の特別図柄抽選(最大5回)によって、大当りまたは小当りとなり、遊技者が「小当りV/大当り(特図2)」(図21(C))を獲得する期待度はおよそ45%程度に設定されている。なお、「突破ゾーン」において、第2特別図柄の特別図柄抽選が当り(大当り、小当り)とならなかった場合には、「通常遊技(低確率/低ベース)」へ移行する(図21(D))。
「小当りV/大当り(特図2)」が終了すると、「バトルモード_低確率/高ベース(特図2:6回)+残り保留最大4個」または「擬似大当り_低確率/高ベース(特図2:95回)+残り保留最大4個」のいずれかの特定遊技状態へ移行する(図21(E)、(H))。
ここで、「小当りV/大当り(特図2)」の後に移行する特定遊技状態として「バトルモード」、「擬似大当り」のいずれに移行するかという点が、本実施例のぱちんこ遊技機Pのゲーム性を創出する要因となっており、本実施例のぱちんこ遊技機Pは、「小当りV/大当り(特図2)」の実行契機となった特別図柄(停止表示図柄)ではなく、「小当りV/大当り(特図2)」の実行契機となった特別図柄の当り変動が開始された際の遊技状態によって、「バトルモード」、「擬似大当り」のいずれに移行するかを決定している。
具体的には、「突破ゾーン」、「バトルモード」、「擬似大当り」に制御されているときであって、電チューサポート機能が作動している高ベース状態であるときに、変動表示が開始された当りとなる特別図柄の変動が契機となった「小当りV/大当り(特図2)」の場合には、「小当りV/大当り(特図2)」の終了後に「バトルモード」に移行し(図21(E))、電チューサポート機能が作動していない低ベース状態にて変動を開始する残り保留(第2特別図柄に係る保留)に対応する第2特別図柄の当り変動が契機となった「小当りV/大当り(特図2)」の終了後には「擬似大当り」に移行するように制御される(図21(H))。
「バトルモード_低確率/高ベース(特図2:6回)+残り保留最大4個」(詳細は後述する)は、第2特別図柄(特図2)の変動が6回行われて停止表示されるまで高ベース状態(電チューサポート機能の作動状態)が継続する特定遊技である。遊技者は、「突破ゾーン」と同様に右側領域P501Rに遊技球を発射し、第2特別図柄が最大10回(高ベース状態における6回+残り保留分最大4回)の変動表示行われるまでの間に「小当りV/大当り(特図2)」を獲得することを目指す特定遊技となっている(図21(F))。なお、第2特別図柄が最大10回の変動表示にて小当りVまたは大当りとならない場合には「通常遊技(低確率/低ベース)」へ移行する(図21(G))へ移行する。
「擬似大当り_低確率/高ベース(特図2:95回)+残り保留最大4個」(詳細は後述する)は、第2特別図柄(特図2)の変動が95回行われて停止表示されるまで高ベース状態(電チューサポート機能の作動状態)が継続する特定遊技である。遊技者は、「突破ゾーン」、「バトルモード」と同様に右側領域P501Rに遊技球を発射し、第2特別図柄が最大99回(高ベース状態における95回+残り保留分最大4回)の変動表示行われるまでの間に「小当りV/大当り(特図2)」を獲得することを目指す特定遊技となっている(図21(I))。本実施例のぱちんこ遊技機Pは、第2特別図柄の特別図柄抽選において、「小当り」となる確率が1/9.1に設定されていることより、この小当り確率の10倍以上の回数である95回の第2特別図柄の特別図柄抽選が行われるまでには、小当りVまたは大当りが獲得されることが実質的に確定しているといえる状態であるが、「擬似大当り」中にて遊技中に第2特別図柄が94回の変動表示を行っても特別図柄抽選結果が「小当り」または「大当り」とならない場合には、「バトルモード」の演出モードに移行する(図21(J))。そして、「擬似大当り」の95回転目の変動は、「バトルモード」における6変動目と同様であり、95回転目の変動表示および第2特別図柄に係る保留の最大4回分の変動表示にて「大当り」または「小当り」とならない場合には、「通常遊技(低確率/低ベース)」へ移行する(図21(G))へ移行する。なお、変形例として「バトルモード」への演出モードの移行タイミングは、もっと早いタイミングに設定されていてもよく、例えば「擬似大当り」中に第2特別図柄の変動表示が89回行われたタイミング、すなわち「バトルモード」における高ベース状態の継続回数である6回と同等の回数を残しているタイミングとすることも可能である。
なお、本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、特定遊技である「突破ゾーン」、「バトルモード」、「擬似大当り」に制御される期間において、それぞれの終了条件として第2特別図柄の変動表示回数に基づく終了条件の他に、第1特別図柄を5回変動させた場合に終了させるように構成してもよい。「擬似大当り」の第2特別図柄の変動回数に基づく特定遊技の終了条件である95回は、現行規則における電チューサポート機能の最大継続期間である特別図柄の変動回数100回を、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示のいずれかの特定遊技終了条件を満たさぬまま超えないように設定したものであり、例えば、第1特別図柄の変動回数に基づく特定遊技の終了条件を3回などとすれば、「擬似大当り」の期間を第2特別図柄(特図2)の変動が97回行われて停止表示されるまでとすることができる。
以上のようなゲームフローを有する本実施例のぱちんこ遊技機Pは、「突破ゾーン」、「バトルモード」、「擬似大当り」で第2特別図柄の特別図柄抽選にて高確率で当選する「小当り」に基づく小当りV(または大当り)を獲得して、「バトルモード」もしくは「擬似大当り」と「小当りV/大当り(特図2)」をループすることで大量の出玉を獲得することを目的とする遊技性である。特に「突破ゾーン」、「バトルモード」の特定遊技で発生した残り保留最大4個の消化中、すなわち高ベース状態が終了した後の第2特別図柄の特別図柄抽選にて「小当り」または「大当り」を獲得することで、実質的に次回の小当りV(または大当り)が確定的となる特定遊技である「擬似大当り」へ移行させ、小当りV(又は大当り)1回分の出玉をさらに獲得することができるため、遊技者の体感として、「バトルモード」の実行中の小当りV(大当り)の獲得タイミングにより、小当りV(大当り)1回分の出玉となるか、小当りV(大当り)2回分の出玉となるかが相違するゲーム性が提供できる。
なお、前述した本実施例のぱちんこ遊技機Pのゲームフロー(図21)においては、「突破ゾーン」、「バトルモード」、「擬似大当り」における高ベース状態の主となる終了条件として、第2特別図柄の変動表示回数がそれぞれ1回、6回、94回としているが、演出面の興趣性や遊技性(スペック)とのバランスより、「突破ゾーン」、「バトルモード」の高ベース状態の終了条件である第2特別図柄の変動表示回数を、例えば保留数と同じ4回としたり、「バトルモード」もしくは「擬似大当り」と「小当りV/大当り(特図2)」をループする確率を高めるため10回とするように適宜調整することが可能である(なお、合わせて第2特別図柄の特別図柄抽選における「小当り」確率や、「小当りV/大当り(特図2)」にて実行される特別遊技のラウンド数も適宜調整される)。
このような変形例において、高ベース状態の終了条件である第2特別図柄の変動表示回数が第2特別図柄に係る保留の最大数よりも少なければ、より低ベース状態で当りを獲得することを強調した演出を行うことができ、高ベース状態の終了条件である第2特別図柄の変動表示回数が第2特別図柄に係る保留の最大数と同一であれば、例えば「小当りV/大当り(特図2)」となるチャンスが2回訪れるような見せ方ができるようになる。また、高ベース状態の終了条件である第2特別図柄の変動表示回数が第2特別図柄に係る保留の最大数よりも多ければ、高ベース状態において「小当りV/大当り(特図2)」を何度も獲得できる期待感をもって遊技を楽しませるような興趣性のある演出、ゲーム性を提供できる。
(突破ゾーン)
つづいて、図22~図24を参照しながら「突破ゾーン」における遊技制御、演出内容について説明を行う。
「突破ゾーン」は、高ベース状態における第2特別図柄の変動表示1回と、高ベース状態中に発生した第2特別図柄の保留最大4個に対応する第2特別図柄の変動表示が行われる期間に対応する演出モードである。
「通常遊技(低確率/低ベース)」(図21参照)にて、第1特別図柄の特別図柄抽選にて「大当り」となり、「大当り(特図1)」が実行されると、「大当り(特図1)」の後に「突破ゾーン」が開始される。
「突破ゾーン」が開始された後、第2特別図柄の最初の変動表示が行われると、図22に示す「保留チャージ演出」の演出表示が開始される。「突破ゾーン」における最初の第2特別図柄の変動表示は、主制御基板P40の変動パターン抽選において、特殊変動パターンテーブル(突破ゾーン1変動目用変動パターンテーブル)が参照されて60秒程度の長時間の変動パターンが選ばれるように構成されており、変動開始から30秒程度の期間までの間「保留チャージ演出」が実行される。
「保留チャージ演出」は、遊技者に対して、「保留チャージ演出」の演出表示期間中に、第2特別図柄の保留を発生させて、保留表示領域810に保留オブジェクトP811を表示させるように促す演出である。「保留チャージ演出」は保留オブジェクトP811が表示されるごと(あるいは第2始動入賞口P721に遊技球が入球するごと)に画面中に表示されるキャラクタおよびキャラクタの周囲に表示される効果(エフェクト)演出が当りに対する期待度を向上させるように変化するように構成されており、演出効果も併せて遊技者に右打ちによって第2特別図柄の保留を増加させるように促すことができる。
「突破ゾーン」における第2特別図柄の1回目の変動表示にて、「保留チャージ演出」が終了すると、引き続き「突破ゾーン」の第2特別図柄の1回目の変動表示中において、第2特別図柄の1回目の変動表示の当否抽選の結果および「保留チャージ演出」の実行中に発生した第2特別図柄の保留に係る事前判定情報をより、「突破ゾーン」において「小当りV/大当り(特図2)」を獲得できるか否かに関する結果を報知する演出(本実施例では「突破ゾーンバトル演出」、図23参照)が行われる。
「突破ゾーンバトル演出」は、「突破ゾーン」における最大5変動分の抽選結果(事前判定情報含む)を一括に報知する演出であり、高ベース状態(特に「保留チャージ演出」の実行中)にて発生した第2特別図柄の保留については、簡易装図P802の変動表示以外に当否抽選結果に係る演出的な報知を行わない。また、「突破ゾーン」の第2特別図柄の残り保留(低ベース状態移行後に消化される第2特別図柄の保留)については、主制御基板P40にて特殊変動パターンテーブル(特図2残り保留消化用変動パターンテーブル、または低ベース時特図2変動パターンテーブル)を参照し、1秒程度の短い変動パターンが選択されるように構成されている。なお、「突破ゾーンバトル演出」のように、今回の変動表示の抽選結果と、次回以降に変動の開始が行われる1または複数の保留の事前判定情報も含めてすべての当否抽選結果の報知を1の変動表示にて行う演出的な変動表示のことを「まとめ変動」と称する場合がある。
「突破ゾーン」の5回の変動中に、小当りV(大当り)の契機となる当り変動が実行される場合には、「突破ゾーンバトル演出」において、図24に示すような「突破ゾーンバトル勝利演出」が表示される。「突破ゾーンバトル勝利演出」は、「突破ゾーン」における第2特別図柄の1回目の変動表示が「はずれ」であっても、残り保留の中に「当り」があれば表示される。図24の例では、簡易保留表示P814における第2特別図柄の保留数が1となっていることから、第2特別図柄の保留が残り2個であるときに変動を開始した保留が当り変動であったことを示している。「突破ゾーンバトル勝利演出」は、特別図柄抽選の結果が「小当り」であった場合には、小当り遊技中に大入賞口P751内の特定領域P760に対し、遊技球が入球(通過)して初めて大当り(小当りV)となるため、簡易装図P802の表示もぞろ目で構成せず、通常の装飾図柄として表示しない「V」図柄を表示することで、小当りVの実施権利を得た旨を遊技者に対して報知する。また、図示はしないが、「突破ゾーン」の5回の変動中に当り変動が実行されない場合には「突破ゾーンバトル敗北演出」が実行される。
なお、「突破ゾーン」における第2特別図柄の1回目の変動表示が終了すると、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態へ移行することとなるが、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態へ移行するタイミングとしては、第2特別図柄の変動表示時間が経過したタイミングとし、残り保留として発生している保留1個目に対する第2特別図柄の変動表示タイミングを遅らせるため、高ベース状態から低ベース状態へ切り替えた後、一定時間の待機時間(本実施例のぱちんこ遊技機Pでは特別図柄の図柄固定時間)が設定され、「突破ゾーン」における第2特別図柄の1回目の変動表示が終了する間際に第2始動入賞口P721の普通電動役物P770が作動した場合であっても、待機期間中に普通電動役物P770の作動を終了させる構成としている(後述する「擬似大当り」、「バトルモード」における高ベース状態最終変動も同様である。)。そのため、残り保留の消化が開始され、さらなる第2特別図柄の保留が可能な状況となった場合であっても第2始動入賞口P721の普通電動役物P770が作動する可能性は通常遊技(低確率/低ベース)と同様ほとんどない。なお、待機時間は6秒程度の長い時間が設定されるため、「突破ゾーンバトル演出」、「突破ゾーンバトル勝利演出」、「突破ゾーンバトル敗北演出」は、待機時間中においても継続して実行されている。
また、詳細な説明は割愛するが、「保留チャージ演出」の実行中には当りとなる抽選結果および事前判定情報がない場合であって、「保留チャージ演出」が終了した後に発生した第2特別図柄に係る保留について当り保留が生起した場合には、「突破ゾーンバトル敗北演出」から演出内容の差し替えは困難であるため、「突破ゾーンバトル勝利演出」とは異なる代替演出が行われることによって、遊技者に小当りV(大当り)の権利の獲得が報知されるようになっている。
なお、「突破ゾーン」において、遊技の主体ではない第1特別図柄の変動表示に係る演出表示装置P80における演出表示は、簡易装図P802の変動表示を行うのみであり、演出の見た目として「突破ゾーン」に関連性が高いと認識される演出表示(「突破ゾーン」に関連する予告演出の表示など)は行われない。仮に「突破ゾーン」、「バトルモード」、「擬似大当り」に制御されているタイミングにおいて「大当り(特図1)」となってしまった場合においては、「突破ゾーン」ではなく、「バトルモード」へ移行させるように制御させることも可能である。
(小当りV演出および擬似大当り)
続いて、図25から図29を参照しながら、小当りV(大当り)演出と、「擬似大当り」の演出に関する演出例について説明する。尚、図25から図29に示す演出例は、図24に続く演出であり、「突破ゾーン」の残り保留で小当りVに当選したときであって、特定遊技として「擬似大当り」に移行し、「擬似大当り」中に再度小当りV(大当り)を獲得した場合の演出例を示している。
図25は、小当りVの小当り遊技中において、役物連続装置を作動させるために、遊技者に大入賞口P751内の特定領域P760に遊技球を入球(通過)させることを促す「V入賞促進演出」の表示例を示している。
「V入賞促進演出」では、画面略中央領域に、遊技盤P5を模した画像を表示するとともに、遊技領域P501を模した画像表示に、弧を描くような矢印画像および、強調された「V」の文字画像にアニメーション等を加えながら重ねて表示を行う。また、画面右側においては、右打ち報知P832に加え、V入賞促進報知P837が表示され、「V入賞促進演出」は、その表示画像全体より、遊技者に右打ちして大入賞口P751(特定領域P760)への入球を促す演出となっている。
また、「V入賞促進演出」の実行中に、大入賞口P751内の特定領域P760への遊技球の入球(通過)、すなわち「V入賞」があった場合には、「V入賞演出」が実行される。「V入賞演出」は一例として、図26の画面右下に表示される「V」の文字表示(V入賞済み表示P837)の表示を所定の効果音や、演出ランプP82の発光演出とともに行う演出が挙げられる。
「V入賞促進演出」は、小当り遊技の「小当り開始デモ」と呼ばれる期間から、小当り遊技のラウンド(特別遊技)の実行中にかけて表示可能である。また、本実施例のぱちんこ遊技機Pの小当り遊技のラウンド(特別遊技)は、大入賞口P751を、短時間(0.120秒程度)開放させ、1秒程度閉鎖する処理を13回繰り返すことで、およそ1.560秒の開放中に大入賞口P751に対して、球詰まり等の異常が無ければ10球の遊技球の入球がほぼ確実となる開放態様にて行われる。
図26は、小当りVにおける小当り遊技が終了し、役物連続作動装置の作動による大当り遊技状態へ移行するタイミングである役連作動開始デモ(大当り開始デモ)の実行中に表示され、大当りの出玉量を報知する「大当り種別報知演出」の表示態様である。
図26の「大当り種別報知演出」では、大当り種別アイコンP860として、2つのアイコン表示(「BONUS」と表示された大当り種別アイコン1P861と、「TWIN_BONUS」と表示された大当り種別アイコン2P862)が表示されている。「BONUS」と表示されている大当り種別アイコン1P861は、「突破ゾーン」において、第2特別図柄の最初の変動表示、すなわち高ベース状態にて変動を開始した第2特別図柄の変動表示によって小当りVとなった場合に選択されるアイコンであり、1回の小当りVの後に「バトルモード」に移行することが示唆されるアイコンである。
一方、「TWIN_BONUS」と表示された大当り種別アイコン2P862は、「突破ゾーン」の残り保留4個内のいずれかの保留が当りであった場合の小当りVにて選択されるアイコンであり、図21に示した通り、小当りV後に擬似大当りの遊技状態(特定遊技)へ移行することを示唆するアイコンである。なお、「擬似大当り」の最中は、「擬似大当り」へ移行する契機となった小当りV(または大当り)の演出から「擬似大当り」中に獲得された小当りV(または大当り)にて実行される演出まで一連の演出内容が実行される演出態様としているため、遊技者としては体感として、2回分の小当りV(または大当り)の出玉が、1回の小当りV(または大当り)にて獲得できたかのような演出が行われることとなる。
本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、「突破ゾーン」や「バトルモード」の一部(後述)では、高ベース状態で変動を開始した第2特別図柄の1変動分と、残り保留4個分に対して、まとめ変動が行われるため、獲得した小当りVについて、「大当り種別報知演出」を行い、遊技者に対してまとめ変動の対象となる変動および残り保留のいずれで小当り(大当り)となったかを遊技者に対して報知する演出として「大当り種別報知演出」が実行される。なお、まとめ変動の実行中に、簡易装図P802の変動表示回数や、簡易保留表示P814を確認することで、「大当り種別報知演出」にていずれが選択されるかは自明となるが、ぱちんこ遊技機の仕様に詳しい遊技者でなければ、「大当り種別報知演出」にて初めて獲得出玉量の多寡について知り得ることとなる。
図27は、「突破ゾーン」、「バトルモード」、「擬似大当り」の残り保留で当りとなり実行された、小当りV(大当り)に係る演出である「TWIN_BONUS」の先の小当りV(大当り)中の演出例を示す図である。本図の例では、画面右側に表示されるラウンド表示P820が示す通り、「擬似大当り」を跨いで実行される2回分の「小当りV/大当り(特図2)」の内で先行して実行される小当りVの5ラウンド目(小当り遊技を1ラウンド目としてカウント)が実行中であることを示している。
図27に示されるラウンド表示P820は、右列が2回分の「小当りV/大当り(特図2)」の内で先行して実行される小当りV(大当り)のラウンド数、実行済みラウンド数を示唆し、左列は特定遊技である「擬似大当り」にて獲得した小当りV(大当り)にて実行予定であるラウンド数を表示している。なお、図27においてラウンド表示P820の左列は、「擬似大当り」中に小当りV(大当り)とならない可能性も少なからず存在することから、実行中の小当りV(大当り)のラウンド数を表示する右列のラウンド表示P820に比して、半透明な表示とするなど明確な表示にしないように構成している。
図28は、特定遊技である「擬似大当り」中の演出表示の一例を示す図である。特定遊技の「擬似大当り」中は特別遊技状態中(大当り遊技中や小当り遊技中)ではないものの、特別遊技中が継続しているかのような演出表示を行う。
図28の「擬似大当り」中の演出表示例では、猫型の球体オブジェクトの群が画面奥側から手前側に向けて移動するアニメーションが表示されるとともに、画面上部に「TWIN_BONUS_V待機中・・・」の表示が行われている。また、ラウンド表示P820も2回分の「小当りV/大当り(特図2)」の内で先行して実行される小当りV(大当り)のラウンド数を引き続き表示し、ラウンド表示P820の左列を半透明な状態のままとして後続の小当りV(大当り)の待機中であることを示している。なお、「擬似大当り」中の演出表示については、例示したもののように常に同じアニメーションを実行するものに限らず、遊技者がアニメーションの内容やBGM(楽曲)の内容などをいつでも選択可能に構成してもよい。
また、「擬似大当り」中は、第2始動入賞口P721への入球を発生させ、第2特別図柄の特別図柄抽選を受けることにより、小当りV(大当り)を獲得しなければならないことから、大当りのラウンド間のように見える「擬似大当り」の演出の実行中も、遊技者に遊技球を遊技領域P501の右側領域P501Rへ向けて発射を行ってもらう必要がある。そのため、図28の演出例の下部に示すように、キャラクタが「右打ちを継続してね」と通常の右打ち報知P832に加えて、遊技球の発射が必要なことを訴えかける演出表示となっている。
さらに、本実施例のぱちんこ遊技機Pは、演出表示がラウンド間のように見える「擬似大当り」の実行中において、遊技者が右打ちを継続する動機づけを行うため、図28に示す設定示唆演出オブジェクトP870の表示を行う。本例では、設定示唆演出オブジェクトP870として、「擬似大当り」演出のアニメーションの猫型の球体オブジェクトに類似するオブジェクトが、他のオブジェクトと区別されやすいよう画面右から左に向かって移動する表示を行うことが一例として挙げられる。本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、設定示唆演出オブジェクトP870の表示は、第2始動入賞口P721への入球毎に設定値毎に所定確率で表示抽選を行う仕様や、第2特別図柄の変動毎に変動演出として設定値毎に所定確率で表示抽選を行う仕様などが挙げられる。
なお、「擬似大当り」は高ベース状態が95回継続する遊技状態であるが、94回の変動表示までの間は、主制御基板P40は特殊変動パターンテーブル(擬似大当り用変動パターンテーブル)を参照することにより、第2特別図柄に係る変動パターンを0.5秒~1秒程度の短時間の変動が選ばれやすいように構成する。小当り確率が1/9.1と非常に高確率であることから、短時間の変動を繰り返す94回の変動中に小当り(大当り)を獲得することがほとんどであるが、仮に95回転目の変動表示まで小当り(大当り)が引けなかった場合は、図28に示す「擬似大当り」中の演出表示を中止し、後述する「バトルモード」の高ベース状態の最終変動と残り保留4個分のまとめ変動と略同等の演出表示状態に移行する。なお、このときには画面上部の「TWIN_BONUS」の表示や、ラウンド表示P820などの大当り演出も併せて終了させる。
このように95回転目の変動表示において「バトルモード」の演出表示状態(演出モード)へ移行させる理由としては、94変動目までの第2特別図柄の変動表示が短時間の変動が選ばれやすい傾向にあることより、95回転目を長時間の変動表示とし、遊技者に第2特別図柄に係る保留を発生させる余裕を持たせる必要がある一方で、95回転目の長時間の変動表示中の演出として、他の演出モードで用意されている演出を有効活用して、高ベース状態の最終変動と残り保留最大4個分に対して演出を行うことで、少しでも遊技者に演出的な興趣を与えることを目的とするものである。
図29は、特定遊技である「擬似大当り」中(94回転以内)に小当りV(大当り)となり、2回目の「小当りV/大当り(特図2)」が実行されているときの小当り遊技、役連作動開始デモ期間において表示され得る演出画像である。「擬似大当り」中の小当りV(大当り)や、後述のバトルモードのまとめ変動以外での小当りV(大当り)では、小当りV(大当り)後に「バトルモード」移行となる仕様であるため、前述した「大当り種別報知演出」の実行を行わず、キャラクタによる祝福画像が表示されるなど代替的な演出表示が行われる。また、2回目の「小当りV/大当り(特図2)」が開始されると、ラウンド表示P820が透明な状態から、明瞭な状態に切り替わる。なお、ラウンド表示P820の小当り遊技を示す「V」と、大当り遊技を示す「○」表示については明瞭になるタイミングをずらしてもよい。具体的には、小当り遊技を開始したときに「V」の表示が明瞭となり、大入賞口P751内の特定領域P760へ遊技球が入球(通過)したときに、大当り遊技を示す「○」の表示を明瞭にする例が挙げられる。
また、変形例として、第2特別図柄の抽選結果として、複数のラウンド数が異なる小当りV(大当り)や、終了後の特定遊技状態の種類が異なる小当りV(大当り)が備えられている場合は、高ベース状態にて当りとなった小当りV(大当り)についても、今回の小当りV(大当り)のラウンド数(出玉量)や終了後の特定遊技の種類に関する報知を行う「大当り種別報知演出」を実行するように構成してもよい。
「擬似大当り」中の演出例の変形例として、図28に示す演出例では、「擬似大当り」中の特定遊技の残り遊技回数表示P841を表示しないように構成していたが、特定遊技の残りの遊技回数が10回以下となったタイミングにおいて、残り遊技回数表示P841を「残り_10回」と表示するように構成してもよく、2回目の「小当りV/大当り(特図2)」に関するラウンド表示P820について、「擬似大当り」の残り遊技回数が少なくなったとき(10回以下となったとき)や、演出モードが「バトルモード」に切り替わるタイミングでより不明瞭な表示態様としたり、あるいは非表示とするように構成してもよい。
「擬似大当り」中の演出例の他の変形例として、「擬似大当り」中に事前判定情報より、第2特別図柄に係る当り変動が実行される保留が発生したと判断した場合には、演出制御基板P41は、当りとなる第2特別図柄に係る保留が発生した旨を演出表示装置P80や、演出ランプP82、スピーカP83、演出役物P560等を用いてすぐに告知を行うように構成し、当りとなる第2特別図柄に係る保留が発生した旨を報知した後にさらに当りとなる第2特別図柄に係る保留が発生した場合にも連続して同様の報知、あるいはさらに目立つような演出態様にて複数の当りの権利が獲得されたことを報知可能に構成してもよい。
(バトルモード)
続いて図30から図32を用いて、特定遊技である「バトルモード」の演出表示例を説明する。図30は、バトルモード前半を示す図であり、図31および図32は「バトルモード」の高ベース状態における最終変動(6変動目)と残り保留最大4個分に係るまとめ変動演出の例を示す図である。
《バトルモード前半》
図30はバトルモード前半(「バトルモード」の第2特別図柄の1変動目から5変動目)に係る演出表示例である。「バトルモード」の演出は、味方キャラクタが敵キャラクタを倒すことができるかどうかによって小当りV(大当り)の獲得を遊技者に報知する演出である。
具体的には、変動毎に味方キャラクタと敵キャラクタの攻防が演出的に繰り広げられ、敵ゲージP883を「0」(すべてなくなった状態)となった場合に、小当りV(大当り)となることが報知される。また、画面右下には味方ゲージが表示し、変動中の第2特別図柄の特別図柄抽選結果や保留されている第2特別図柄の保留に関する事前判定情報を用いて増減することにより、小当りV(大当り)となる期待度が高まっている(あるいは期待度が低い)ことを遊技者に報知する。
図30に示す演出例の画面右側には、チャンスアップアイコン表示P880の表示が行われている。チャンスアップアイコン表示P880は、変動中の第2特別図柄の特別図柄抽選結果や保留されている第2特別図柄の保留に関する事前判定情報を用いて表示内容が決定されるものであり、今回の特別図柄の変動表示に対応する変動演出、あるいは次回以降の特別図柄の変動表示に対応する変動演出の実行中にて、味方キャラクタが優勢となるようチャンスアップ演出が表示されることを示唆するアイコン表示となっている。
チャンスアップアイコン表示P880の内、上段に表示されるのは、アイテムチャンスアップアイコンP881であり、下段に表示されるのはキャラクタチャンスアップアイコンP882である。アイテムチャンスアップアイコンは、例えば「攻撃力UPアイコン」、「必殺技アイコン」、「武器アイコン」など、味方キャラクタの攻撃がより有利となる(敵ゲージP883が減少しやすくなる)ことを示唆するアイコンであり、キャラクタチャンスアップアイコンP882は、登場するキャラクタに応じて味方ゲージP884の増減に関する演出を行うことにより、大当り期待度が高まるチャンスアップ演出が発生することを示唆するアイコンである。
チャンスアップアイコン表示P880である、アイテムチャンスアップアイコンP881と、キャラクタチャンスアップアイコンP882には複数のアイコンが存在し、表示される種類によって小当りV(大当り)の期待度が異なり得るように構成されているが、1のアイコンが表示されているところに上位のアイコンが新たに獲得された表示がされた場合には、アイテムチャンスアップアイコンP881またはキャラクタチャンスアップアイコンP882を今回獲得したアイコンに更新表示するように構成してもよい。
また、アイテムチャンスアップアイコンP881およびキャラクタチャンスアップアイコンP882は、それぞれ異なるチャンスアップ演出の発生を示唆するものでもよいし、特定の組み合わせが表示された場合には、2つのアイコンが同時に作用し大当り期待度が大きく向上する1の大チャンスアップ演出が発生するように構成してもよい。
《バトルモード後半:まとめ変動》
続いて、「バトルモード」の高ベース状態最終変動(6変動目)および残り保留最大4個について実行される「バトルモード最終変動演出」の演出例について説明を行う。
「バトルモード最終変動演出」は、「突破ゾーン」の演出同様5変動分の当否抽選結果(事前判定情報を含む)が一括報知される演出であり、演出構成は「突破ゾーン」の演出と同様、「保留チャージ演出(バトルモード)」と、「バトルモード最終バトル演出」によって構成される。「バトルモード最終変動演出」が実行される、特定遊技「バトルモード」の第2特別図柄の6変動目の変動表示は、特殊変動パターンテーブル(バトルモード最終変動用変動パターンテーブル)を参照し、1分程度の変動パターンが選択されるようになっており、変動開始後の30秒程度を「保留チャージ演出(バトルモード)」で構成し、「保留チャージ演出(バトルモード)」の終了後「バトルモード最終バトル演出」へ移行する。なお、残り保留4個分の第2特別図柄の変動表示は、「突破ゾーン」同様、1秒程度の変動パターンが選択されるようになっている。
図31に示す「保留チャージ演出(バトルモード)」では、遊技者に第2始動入賞口P721を狙って第2特別図柄に係る保留を発生させるように促す演出表示を行う(例えば、画面中央下寄りに「右打ちで力(保留)を溜めて!!」と表示する)。また、味方ゲージP884が画面左下から中央に移動し、「CHARGE」の文字列と矢印を表示することによって、味方ゲージP884を溜める(大当り期待度が高待っていることが示唆される態様とする)ように遊技者に右打ちを催促する演出表示を行う。
遊技者が、「保留チャージ演出(バトルモード)」の指示に従って第2特別図柄の保留を発生させると、画面右下に表示される保留表示領域P810の保留オブジェクトP811に、「P」(Powerの頭文字)と書かれた保留オブジェクトP811が表示されたり、アイテムチャンスアップアイコンP881(あるいはキャラクタチャンスアップアイコンP882)の獲得(ストック)を示唆するチャンス態様の保留オブジェクトP811が表示される。これらの蓄積された保留オブジェクトは、所定のタイミング(例えば変動開始から25秒後など)で味方ゲージP884や、チャンスアップアイコン表示P880に対して演出表示を行い、味方ゲージP884の増減や、チャンスアップアイコン表示P880の獲得(ストック)を行う。
なお、「保留チャージ演出(バトルモード)」の保留表示領域P810を用いた演出のさらなる応用例として、第2特別図柄の保留が4個溜まっている状況下で、さらなる第2始動入賞口P721への入球が発生した場合に、一度表示した保留オブジェクトP811をより大当り期待度が高まる表示態様(例えば「P」保留から、炎のエフェクトをまとった「P」保留としたり、キャラクタチャンスアップアイコンの獲得を示唆する保留)に変更するなどの演出表示(保留チャンスアップ演出)を行うように構成してもよい。
また他の応用例として、保留表示領域P811をFIFO(First In First Out)方式で移動表示させ、第2特別図柄の保留が4つ発生している状態で保留表示領域P811から飛び出した保留オブジェクトP811の態様によって、味方ゲージP884や、チャンスアップアイコン表示P880に対し、大当り期待度が高まるように演出表示を行ってもよい。
「保留チャージ演出(バトルモード)」が終了すると、図32に示す「バトルモード最終バトル演出」へ移行する。「バトルモード最終バトル演出」は、味方キャラクタが必殺技を繰り出す演出表示であり、「保留チャージ演出(バトルモード)」の最終的な味方ゲージP884の表示態様及びまとめ変動の対象の5変動の中に当りがあるか否かによって、味方キャラクタが小当りV(大当り)の期待度に応じた攻撃を敵キャラクタに対して行う。
このとき、味方キャラクタが繰り出す必殺技の種類によって、敵ゲージP883を減少させるための演出を、遊技者に演出ボタンP381への操作を促し、演出ボタンP381の操作状態に応じて演出内容を変化させることが可能なボタン演出としたり、ボタン演出とせずに結果を表示するなどのいくつかの演出パターンの中から選択されるように構成することができる。ボタン演出の種類も、演出ボタンP381を1回だけ操作することで結果を表示する「単発押し」演出や、演出ボタンP381を複数回押下させることで結果を表示する「連打演出」、演出レバーP382を操作させる「レバー操作演出」などの種類を有する。なお、本実施例のぱちんこ遊技機Pの「バトルモード最終変動演出」においては、ボタン演出を実行しない演出パターンの方が高期待度となるように構成しており、例えば「保留チャージ演出」において味方ゲージP884が虹色に発光することによって当りが確定的に報知された場合にボタン演出を実行しないように構成する例が挙げられる。
なお、前述したように「擬似大当り」中の94回転目までに小当りV(大当り)とならなかった場合に、95回転目にバトルモードとなることを説明したが、「擬似大当り」の95回転目および残り保留の制御(変動パターンの選択、および演出内容)は、バトルモード後半のまとめ変動と同様となる。すなわち「擬似大当り」の95回転目は1分程度の変動で「保留チャージ演出(バトルモード)」、「バトルモード最終バトル演出」が行われる。
《味方ゲージP884の使用例》
「バトルモード」における味方ゲージP884は、味方キャラクタのエネルギーを表しており、多ければ多いほど小当りV(大当り)の期待度が高まっていることを示唆する態様を採用している。変形例として、バトルモード後半のまとめ変動の保留チャージ演出時に、変動開始時に表示されている味方ゲージP884の空白領域と有色領域を反転させ、まとめ変動の開始時において味方ゲージP884の表示が大当り期待度が少ない態様であればあるほどまとめ変動(バトルモードの最後の最大5変動)での当りの期待度が高まるような演出手法を採用することができる。
このようにすることで、バトルモード前半では、味方ゲージP884が多ければ多いほど大当りの期待感が高まり、バトルモード後半が開始するタイミング(反転表示前)では、味方ゲージP884が少なければ少ないほどチャンスという斬新な演出表示をさせることができる。
また、このように構成することによって、例えばキャラクタチャンスアップアイコンP882に、味方キャラクタの味方ゲージP884を減少させるキャラクタを表示させるように構成することもでき、バトルモード前半、後半のそれぞれにおいて、キャラクタチャンスアップアイコンP882の登場キャラクタによる味方ゲージP884への演出的な干渉(味方ゲージP884の増減)に、より興趣性を創出することが可能となる。例えば「保留チャージ演出(バトルモード)」において、味方ゲージP884の減少を示唆するキャラクタチャンスアップアイコンP882として登場させ、味方ゲージP884の減少を行う演出を行った後に味方ゲージP884の反転演出を行うといった例が挙げられる。
ここで、本実施例のぱちんこ遊技機Pについて採用可能ないくつかの変形例について説明を行う。なお、以下に説明する変形例は、複数の変形例について組み合わせて本実施例のぱちんこ遊技機Pに適用される場合があってもよい。
(変形例1)
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、「小当りV/大当り(特図2)」の実行後、「バトルモード」、「擬似大当り」のいずれに制御されるかについて、「小当りV/大当り(特図2)」が実行される契機となった当り変動が開始されるタイミングにおける遊技状態(ベース状態)に依存して決定する手法を採用していた。
本実施例中の手法を採用するには、変動開始時に行われる特別図柄抽選の結果が「小当りV/大当り(特図2)」である場合に、実行する特別遊技に係るフラグ等の情報を設定することに加え、特別遊技(「小当りV/大当り(特図2)」)後において特定遊技として設定される遊技状態に係る情報(高ベース状態に制御する回数や、各種設定値を呼び出すためのオフセット値など)を合わせて記憶しておくことが必要であり、これによって実行可能とするものである。
ここで「小当りV/大当り(特図2)」の実行後、「バトルモード」、「擬似大当り」のいずれに制御されるかに関する変形例1として、「小当りV/大当り(特図2)」の実行後に「バトルモード」、「擬似大当り」のいずれに制御されるかを、特別図柄の停止表示後に判定する仕様を採用してもよい。特別図柄の停止表示後に判定する仕様として、例えば大当りへの移行が確定的となったタイミングである小当り遊技中のV入賞時に「小当りV/大当り(特図2)」の特定遊技の種類を決定する仕様が挙げられる。
ここで、本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、本実施例で説明したように、特定遊技として実行される「突破ゾーン」、「バトルモード」、「擬似大当り」について、高ベース状態の最終変動が実行されたとき、特別図柄の変動停止時において遊技状態(ベース状態)を遷移させる制御を採用している。
そのため、変形例1としての「特別図柄の停止表示後に判定する仕様(小当り遊技中のV入賞時に「小当りV/大当り(特図2)」の特定遊技の種類を決定する仕様)」を採用することにより、「突破ゾーン」の1変動目、「バトルモード」の6変動目などの高ベース状態の最終変動であり、演出としてまとめ変動が行われる特別図柄の変動表示について、「小当りV/大当り(特図2)」の実行後の特定遊技の種類を判定した場合、低ベース状態に制御されている状況下での判定となることから、必ず遊技者にとって有利となる「擬似大当り」への移行が判定結果として得られるように制御することができるようになる。
すなわち、遊技者としては、最大5変動分がまとめ変動として実行される高期待度の演出表示がなされているときに当りとなった場合において、必ず「擬似大当り」という有利な特定遊技への移行が保証された状態となり、まとめ変動に対応する演出としての「突破ゾーンバトル演出」、「バトルモード最終バトル演出」は、より遊技者の注目を高め、演出の興趣性が高い演出として提供することができる。
(変形例2)
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、高ベース状態最終変動における特別図柄の停止表示に合わせて、遊技状態(ベース状態)を低ベース状態へ変更する制御方法を採用していたが、遊技状態(ベース状態)を高ベース状態から低ベース状態へ変更するタイミングを異なるタイミングに設定してもよい。
具体的には、変形例2として、高ベース状態最終変動において遊技状態(ベース状態)を高ベース状態から低ベース状態へ変更するタイミングとして「高ベース状態の最終変動の変動表示中であって第2特別図柄に係る保留が上限値に到達したとき」を採用するように構成してもよい。
本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、特定遊技において高ベース状態から低ベース状態へ移行するとき、残り保留を最大にしておくことが重要な遊技性であるが、変形例2のように「高ベース状態の最終変動の変動表示中であって第2特別図柄に係る保留が上限値に到達したとき」に遊技状態を(ベース状態)を高ベース状態から低ベース状態へ変更する手法を採用しても、遊技性(遊技者の有利度合い)に影響は発生しない。
また、本実施例のぱちんこ遊技機Pでは、高ベース状態の最終変動である特別図柄の停止表示時に遊技状態を低ベース状態へ移行させ、特別図柄の停止表示の図柄固定時間を長時間とすることによって、低ベース状態へ移行後の最初の変動の際に普通電動役物P770が作動しているという状況が発生することを防止していたが、変形例2の仕様によれば、特別図柄の停止表示を待たずに、変動表示中において先に普通電動役物P770が作動しにくい状態とすることができるため、特別図柄の停止表示の際の図柄固定時間を短く構成することができるようになる。
なお、変形例2を採用し、図柄固定時間を短くした場合、意図的に第2特別図柄に係る保留を高ベース状態の最終変動の変動終了間際にすることによって、低ベース状態へ移行後の最初の変動開始時に普通電動役物P770が作動した状態を創出される懸念があるが、高ベース状態の最終変動における特別図柄の変動パターン(変動表示時間)を複数パターン選択可能として変動終了のタイミングを狙いづらくしたり、普通電動役物P770が作動終了条件を第2始動入賞口P721への入球1球ないし2球(好ましくは1球)とすることによって、意図的な攻略を避ける手法が検討できる。
(変形例3)
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、特別図柄抽選の結果が小当りである場合に実行される小当り遊技(小当りV)として、10ラウンド大当り(小当りV)の契機となる小当り図柄が選択され、図21にも示したように必ず「バトルモード」または「擬似大当り」のいずれかの特定遊技に移行するように制御されるように構成していたが、変形例3として、小当りVのラウンド数として10ラウンド以外のラウンド数(例えば4ラウンドや7ラウンドなど)の小当りV(大当り)を実行する小当り図柄を有するように構成してもよいし、遊技状態(ベース状態)によらず、小当りV(大当り)後に電チューサポート機能を作動させない、すなわち高ベース状態に移行させない小当り図柄を有するように構成してもよい。
変形例3として例示した、小当りV(大当り)後に電チューサポート機能を作動させない小当り図柄(「時短無し小当り図柄」または「サポ無し小当り図柄」と称する)を有する構成を採用すると、時短無し小当り図柄が停止表示されて小当りVが実行された場合に、小当りV(大当り)後に新たな第2特別図柄に係る保留を発生させることが困難となり、連荘状態を継続させることが困難となる。なお、このように時短無し小当り図柄を一定確率(例えば小当り当選時の10%程度)で当選するように構成する場合には、過度に連荘の性能が低下しないように、小当り自体の当選確率を上昇させ、連荘のしやすさのバランスをとるように構成することが好ましい。
一方でこのような時短無し小当り図柄を混ぜることで、例えば現在変動中の第2特別図柄および第2特別図柄に係る保留内に小当りVの契機となる保留が2以上存在する場合であって、先の小当りVが時短無し小当り図柄であり、後の小当りVの契機となる図柄が時短無し小当り図柄でない場合、後続の小当りV後に移行する遊技状態が、時短無し小当り図柄を有しない本実施例のぱちんこ遊技機Pでは「バトルモード」であったのに対し、変形例3では「擬似大当り」となるなど、複数の小当りが連続する場合の遊技性に変化がつけられるという利点も生じる。
なお、時短無し小当り図柄を採用する場合には、連荘中に時短無し小当りに当選した場合に、残り保留が存在した場合、残り保留で当たるかどうかについて遊技者は大きな関心を持つことが考えられる。本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、高ベース状態で発生した保留である残り保留が消化される場合の特別図柄の変動時間は、「特図2残り保留消化用変動パターンテーブル」(または「低ベース時特図2変動パターンテーブル」)によって短時間の変動パターンが選択されるように構成していたが、このような時短無し小当り図柄に基づく小当りVの実行後は、特殊変動パターンテーブルを用いることによって、1変動毎に10秒から1分程度の変動時間が選択され、まとめ変動とはせずに1変動毎に小当りV(または大当り)当選しているか否かに関する演出表示を行うように構成することが好ましい。
(変形例4)
本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、「突破ゾーン」および「バトルモード」において、高ベース状態の最終変動から残り保留最大4個分の変動に対してまとめ変動を実行し、高ベース状態と低ベース状態のいずれで小当りV(大当り)を獲得したかを「大当り種別報知演出」にて報知する演出仕様を採用したが、本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、高ベース状態で変動を開始した場合と、低ベース状態で変動を開始した場合とで、小当りV(大当り)となった後の特定遊技状態の制御を異ならせる仕様としているため、小当りV(大当り)が高ベース状態、低ベース状態のいずれで獲得されたものであるかを、第2特別図柄の変動表示中の演出内容として遊技者に認識可能とすることを好適と考えることもできる。
そこで、変形例4として、「突破ゾーン」および「バトルモード」について、小当りV(大当り)の後の特定遊技の種類が異なる高ベース状態における第2特別図柄の変動表示と低ベース状態における第2特別図柄の変動表示とで、異なる演出モード(互いに少なくとも一部が異なる演出表示内容となる状態)の演出表示が実行されるという手法を採用することで、高ベース状態と低ベース状態のいずれで小当りV(大当り)を獲得したかが遊技者に明らかとなるよう構成できる。
《変形例4を「突破ゾーン」に採用した場合の演出例》
本実施例のぱちんこ遊技機Pの「突破ゾーン」は、「保留チャージ演出」と「突破ゾーンバトル演出」を、高ベース状態の1変動と残り保留最大4個分の変動に対する演出として表示するように構成したが、変形例4のように高ベース状態と低ベース状態の演出を分ける手法を採用した場合、次のような演出例が検討できる。
すなわち、「大当り(特図1)」の後に「小当りV/大当り(特図2)」を獲得し、連荘状態(「バトルモード」または「擬似大当り」)へ移行するか否かの関心が高まる「突破ゾーン」において高ベース状態と低ベース状態の演出を分ける演出内容として、高ベース状態の1変動で実施される「保留チャージ&ロゴステップアップ演出」と、残り保留4個にかけて実行される「残り保留バトル演出」が例示できる。
「保留チャージ&ロゴステップアップ演出」は、「突破ゾーン」において、遊技者が保留を4個溜められるように促しながら、「バトルモード」へ移行する契機となる「小当りV/大当り(特図2)」が獲得できたか否かを報知する演出であり、例えば、「第2始動入賞口へ遊技球を入球させて、「バトルモード」ロゴを完成させろ!」という指示が表示された後、「バトルモード」の文字列が表示され、第2始動入賞口P721への入球(第2特別図柄に係る保留の発生およびオーバー入賞)に応じて「バトルモード」の文字列が徐々に表示態様が変更されていき、例えば、1文字ずつ点灯や赤色の表示に切り替わっていき全てが点灯されることにより当りを報知する(すべて点灯時に虹色表示となる)、「バトルモード」の文字列の色が青、緑、赤、金と変わっていき最終的に演出ボタンP381を操作させて虹色発光になることにより当りを報知する、などの報知態様である演出表示が実行される。
「残り保留バトル演出」は、本実施例のぱちんこ遊技機Pの「突破ゾーンバトル演出」と同様の演出態様とすることが例示できる。なお、このとき残り保留最大4個に対してまとめ変動において味方キャラクタと敵キャラクタが対決する演出を実行する構成としてもよい。また、残り保留1変動毎に味方キャラクタと敵キャラクタが対決する演出を実行する構成(「バトルモード前半」と同様の演出態様)としてもよい。なお、残り保留の最大4変動をまとめ変動とする場合には、残り保留の最初の特別図柄に係る変動パターンを特殊な変動パターンとなるように構成する必要がある。
なお、「保留チャージ&ロゴステップアップ演出」の実行中に、高ベース状態の変動表示がはずれであり、残り保留となる保留の事前判定情報に当りが存在する場合に、ロゴステップアップの態様を、当りを報知する虹色の態様(第1確定報知)とした後に、「バトルモード」の文字列に「BURST!」の文字を付加して「バトルモード_BURST!」の文字列を虹色で表示する態様(第2確定報知)を表示可能としてもよい。「バトルモード_BURST!」が表示された場合は、「残り保留バトル演出」へ進行し当り変動を待機する状態となる。なお、第1確定報知の後に、遊技者が第2始動入賞口P721へ向けて遊技球を発射することを停止してしまい、ステップを進行させられない状況が発生する虞があることから第1確定報知を経由せずに第2確定報知を実行するものとしてもよいし、虹色(第1確定報知)に到達したか否かに関わらず、演出の最後に演出ボタンP381を操作させるボタン演出を発生させ、第2確定報知へ昇格させるように構成してもよい。
《変形例4を「バトルモード」に採用した場合の演出例》
次に、本実施例のぱちんこ遊技機Pにおける「バトルモード」において、「小当りV/大当り(特図2)」を獲得するタイミングによって、特別遊技(大当り、小当りV)後に移行する特定遊技が「バトルモード」、「擬似大当り」のいずれであるかを報知する演出として、高ベース状態の演出モードと、低ベース状態の演出モードを分けて、少なくとも一部が異なる演出が表示されることで遊技者に特別遊技後の特定遊技の種類を分かりやすくする手法(変形例4)について説明する。
本実施例のぱちんこ遊技機Pの「バトルモード」は、高ベース状態の1変動目から5変動目において「バトルモード前半」演出を行い、高ベース状態の最終変動である6変動目と、低ベース状態で変動表示される残り保留最大4回分のまとめ変動とで行われる「保留チャージ演出(バトルモード)」、「バトルモード最終バトル演出」にて構成されているが、変形例4を採用した場合の「バトルモード」では、高ベース状態の1変動目から6変動目(最終変動)まで「バトルモード前半」演出を行い、低ベース状態で変動表示される保留最大4個分の変動表示をまとめ変動である「バトルモード最終バトル演出」を実行する態様とすることができる。
ここで、本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、高ベース状態の最終変動である特別図柄の変動表示が特殊変動パターンテーブル(バトルモード最終変動用変動パターンテーブル)により、特殊な変動パターンが選択されるように構成していたが、変形例4では、残り保留最大4個を対象としてまとめ変動を実行する仕様としているため、低ベース状態において最初に消化される第2特別図柄の保留に係る変動表示が行われる際に特殊変動パターンテーブル(バトルモード最終変動用変動パターンテーブル)により、特殊な変動パターンが選択されるように構成される。
なお、変形例4を採用した「バトルモード」を実行する場合、まとめ変動が実行されるタイミングは第2特別図柄に係る残り保留の変動開始後であるため、遊技状態は低ベース状態であり、既に保留を溜めることができない状態となっている。そこで、変形例4を採用した「バトルモード」の場合においては、「保留チャージ演出(バトルモード)」をまとめ変動の演出として含まない。しかし、高ベース状態の6変動目の変動終了までに第2特別図柄に係る保留を発生させないと、遊技者が「小当りV/大当り(特図2)」を獲得できる確率が著しく低下してしまうため、高ベース状態の6変動目において、第2特別図柄に係る保留を発生させるように遊技者に促す必要がある。
そこで、変形例4を採用する「バトルモード」では、高ベース状態の最終変動(6変動目)において、1変動目から5変動目まで同様の演出モードの演出である「バトルモード前半」演出が実行される一方、遊技者に対して第2特別図柄に係る保留を生起させる猶予を与えるために、特殊変動パターンテーブル(「バトルモード前半最終変動用変動パターンテーブル」)を用いて、30秒から40秒程度の特別図柄の変動表示を行うように構成するとともに、高ベース状態の最終変動(6変動目)において、現在の第2特別図柄に係る保留数を示唆し、第2始動入賞口P721への入球を促す「第2特別図柄保留増加促進演出」を実行する。
「第2特別図柄保留増加促進演出」は、演出表示装置P80において、「バトルモード前半」演出を、高ベース状態の5変動目までと同様に表示している状況において、「バトルモード前半」演出よりも優先度を高く、例えば演出表示装置P80の画面右下方向(第2始動入賞口P721の近く)に、4分割された第2特別図柄に係る保留に対応した表示領域区画を有する矢印画像を表示し、第2特別図柄に係る保留が生起するごとに4分割された表示領域区画を「保留あり」を示す態様に変更していく手法が考えられる。また、矢印画像に加えて、キャラクタや「第2始動入賞口を狙って!」のメッセージを表示することにより遊技者に第2始動入賞口P721への入球を促すように構成してもよく、第2特別図柄に係る保留が4つとなった場合に、「OK」、「準備完了」等の文字を表示して目的が達成されたことを報知してもよい。
また、「第2特別図柄保留増加促進演出」において、保留の存在を示す矢印画像の4分割された表示領域区画には、本実施例のぱちんこ遊技機Pのように、事前判定情報を利用して保留画像としてチャンスアップアイコン表示P880に表示されるアイコンを獲得する画像などを表示するなどの演出(図31参照)を実行してもよい。
(変形例5)
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、「小当りV/大当り(特図2)」を10ラウンドのみで構成したが、「小当りV/大当り(特図2)」の契機となった特別図柄の停止表示態様によって異なるラウンド数(例えば4ラウンド、7ラウンド)の「小当りV/大当り(特図2)」を実行可能に構成することもできる。
このとき、「小当りV/大当り(特図2)」の契機となる特別図柄の変動表示中における演出表示や、小当り遊技の開始デモ演出、あるいは特別図柄の停止表示態様によってラウンド数が推定可能であり、かつ、先読み演出として当り確定や、当り期待度が極端に高い先読み演出を当り変動の実行中に後続の保留に対して実行可能に構成してしまったり、複数個の当り確定(あるいは当り期待度が高い先読み演出)を複数の保留に同時に実行可能に構成してしまったりすると、先行する「小当りV/大当り(特図2)」がラウンド数が少ない当りであると判断した場合に意図的にV入賞させず、後続の「小当りV/大当り(特図2)」を意図的に低ベース状態にて実行させることで、少ないラウンド数の当りを捨てて、後続の当りの後の遊技状態を実質当り確定とする攻略(不正遊技)が実行され得ることが推定される。
これらの攻略(不正遊技)の対応策として、事前判定情報や今回の変動表示に関する特別図柄抽選結果の情報として既に当りとなる情報を得ている場合に、新たに発生した第2特別図柄の保留に対する事前判定情報を基に先読み演出を実行しないように構成したり、ラウンド数の決定を特別図柄の停止表示態様によらず、小当り遊技の中に特定領域P760へ入球(通過)があったタイミングで抽選が行わるように構成したりしてもよい。
(変形例6)
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、まとめ変動が実行される「突破ゾーン」、「バトルモード」の高ベース状態の最終変動および残り保留最大4個に対する変動表示において、いずれかの保留で当り(小当り)となった場合に、「小当りV/大当り(特図2)」の特別遊技開始デモにおいて実行される「大当り種別報知演出」にて、高ベース状態における特別図柄の変動表示が当り(小当り)であったか、低ベース状態における特別図柄の変動表示が当り(小当り)であったかを報知するように構成していたが、まとめ変動中の演出表示の内容が特定の演出内容(例えば味方キャラクタが特定の必殺技を繰り返して敵キャラを倒す演出内容など)が表示されたり、装飾図柄の昇格演出を行ったりすることで、残り保留最大4個内の変動表示で当り(小当り)となったことを報知するように構成してもよい。
なお、「大当り種別報知演出」を実行するよりも前に、このような残り保留最大4個内の変動表示内で当り(小当り)となったことを報知した場合には、「大当り種別報知演出」の大当り種別アイコンP860がいずれも「TWIN_BONUS」の表示とする態様としたり、「大当り種別報知演出」が実行される期間に関して代替的な演出表示を実行するものとしてもよい。
以上のように構成される本実施例のぱちんこ遊技機Pおよび変形例1から変形例6のぱちんこ遊技機Pにおいては、遊技機の仕様(スペック)として「小当りV」を採用し、高ベース状態と低ベース状態とのいずれの状態で小当りV(大当り)を獲得したかによって、その後(大当り遊技後)に移行する特定遊技の種類を変更する手法を採用したが、類似するゲーム性、すなわち「普通電動役物に係る始動口を契機として取得した乱数値(第2特別図柄の乱数値)の特別図柄抽選にて大当りとなったタイミングが高ベース状態であったか低ベース状態であったかによって大当り後の特定遊技の種類を異ならせるゲーム性」が提供できる遊技機の仕様であれば、本実施例および各変形例において説明したような制御や演出内容について類似する制御や演出を実施可能であることは言うまでもない。
類似するゲーム性が提供できる遊技機の仕様の一例としては、低確率時(確率変動機能の非作動時)の大当り確率が1/100程度に構成された低確率帯の遊技機であって、高確率時(確率変動機能の作動時)の大当り確率1/18のV-ST機(ST10回)とし、「突破ゾーン」、「バトルモード」、「擬似大当り」の高ベース状態の継続回数を、1回、6回、100回とする遊技機仕様が例示できる。
このような仕様である場合には、「突破ゾーン」の終了後にも特図1が高確率状態で抽選される特殊な期間が発生し得るが、当該期間を特殊な演出期間(例えば低確率/低ベース状態の時には発生しない演出モードに滞在する期間)として設定することもできる。なお、擬似大当りの11変動目以降は低確率/高ベース状態となるため、本実施例のぱちんこ遊技機Pと比較して「擬似大当り」中に大当りを獲得できない確率は高くなっており、高確率状態でもないことから「擬似大当り」の終了間際に「バトルモード」へ移行させることは適当ではないため、「擬似大当り」の画面のまま終了演出が発生するように構成することが好ましい。
[第2実施例]
第2実施例のぱちんこ遊技機Pは、上述の前提技術および本実施例を基本構成とする他、種々の特徴的な構成を有する。以下、前提技術および本実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。第2実施例のぱちんこ遊技機Pを構成する要素のうち、前提技術または本実施例で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付す。
詳細は後述するが、第2実施例のぱちんこ遊技機Pは、本実施例と同様に「小当りV」を採用したぱちんこ遊技機である。第2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄に係る特別図柄抽選にて大当りまたは小当りに当選する確率が100%となっており、「第2特別図柄に係る保留が発生すること」や「普通図柄抽選に当選し、第2始動入賞口P721に設けられる普通電動役物770を開放状態として、遊技球が入球すること」が、すなわち大当り遊技(小当りVを含む)の実行権利の獲得を間接的に意味している。
そのため、第2実施例のぱちんこ遊技機Pは、第2特別図柄の特別図柄抽選の権利の獲得に係る第2始動入賞口P721への入球が容易な状態となる特殊な期間を発生させ、特殊な期間において発生した第2特別図柄に係る保留に基づき、第2特別図柄の特別図柄抽選に対応する保留個数分だけ大当り遊技(小当りV)を実行する。このように構成することで、第2実施例のぱちんこ遊技機Pは、複数回の大当り遊技(小当りV)が連続して実行され、一度に大量の遊技球が獲得できる可能性を秘めたゲーム性を遊技者に提供可能となっている(※第2実施例のぱちんこ遊技機Pは第2特別図柄優先消化制御を採用しているため)。
以下には、特殊な期間に関して第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の発生可能性を変化させることで、より興趣性を高めた第2実施例のぱちんこ遊技機Pを構成する3つの実施例に関して説明するが、その前に、第2実施例のぱちんこ遊技機Pにおける基本的な構成に関して説明を行う。
(盤面構成)
図33は、第2実施例のぱちんこ遊技機Pにて採用され得る盤面構成(入賞装置の配置)の例を概念的に示した図である。
第2実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技領域P501の略中央には、演出表示装置P80を視認可能に開口部が形成されており、その開口部には不図示のセンター飾りユニットの枠部材が取り付けられて、遊技領域P501の内側の仕切り部を構成している。
演出表示装置P80の下方には、演出表示装置P80の左側の遊技領域(左側領域P501L)を流下する遊技球が入球する第1始動入賞口P711Aが設けられ、さらにその下方には不図示のアウト口P790が設けられている。また、演出表示装置P80の左側領域P501Lの下部領域には、一般入賞口P731が配置されている。すなわち演出表示装置P80の左側の遊技領域に遊技球を発射すると、第1始動入賞口P711Aまたは一般入賞口P731に対して入球し、入賞が発生することを期待することができる構成となっている。
一方、演出表示装置P80の右側の遊技領域(右側領域P501R)には、図33に示すように上から作動口P741、普通電動役物P770に係る第2始動入賞口P721、第1始動入賞口711B、大入賞口P751が配置され、演出表示装置P80の右側の遊技領域に向けて発射された遊技球が入賞可能となっている。
ここで、第1始動入賞口P711Aおよび第1始動入賞口P711Bは、第1特別図柄の特別図柄抽選に係る権利を獲得するための始動入賞口となっており、第2始動入賞口P721は第2特別図柄の特別図柄抽選に係る権利を獲得するための始動入賞口となっている。すなわち、第2実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、遊技領域P501の左側領域P501Lまたは右側領域P501Rのいずれに向けて遊技球を発射しても、第1始動入賞口P711Aおよび第1始動入賞口P711Bにより第1特別図柄の特別図柄抽選の権利を獲得可能に構成されている。
(スペック)
第2実施例のぱちんこ遊技機Pは、本実施例と同様「小当りV」を採用するぱちんこ遊技機であって、遊技性(ゲーム性)に関する本実施例との大きな相違点は、第2特別図柄の特別図柄抽選において「小当り」または「大当り」となる確率が100%であり、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留がすなわち大当り遊技(小当りV)の権利である点で相違している。
また、第2実施例のぱちんこ遊技機Pも、本実施例と同様に各種大当り(小当りV含む)後に電チューサポート機能(電サポ)機能を作動させることによって特定遊技(高ベース状態)を実行するものであるが、第2実施例のぱちんこ遊技機Pにおける特定遊技(高ベース状態)の終了条件としては、「第1特別図柄又は第2特別図柄の規定回数の特別図柄抽選に基づく変動表示が終了したこと」、または「大当り遊技(小当りV)が実行されること」とされ、例えば規定回数が1回に設定される場合には、第1特別図柄の1回の変動表示が行われた場合であっても高ベース状態が終了し得るように構成されている。
詳述はしないが、その他の設計値(大当り確率、各種入賞口の賞球数など)は、本実施例に記載したものに限らず、ゲーム性に合わせて適宜設定されるものである。なお、第2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄優先消化制御を採用することが好ましく、その理由は後述する。
(遊技の進行手順)
続いて、第2実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて遊技を行う際の手順および遊技の進行について説明する。なお、ここでは説明を簡略化するために特定遊技(高ベース状態)の終了条件に関し、「規定回数」を1回として説明を行う。
まず、遊技者はハンドルP204を操作し、演出表示装置P80の左側の遊技領域(左側領域P501L)に向けて遊技球を発射する。左側領域P501Lに発射された遊技球は第1始動入賞口P711Aに入球し、第1特別図柄に係る特別図柄抽選の権利が発生し、第1特別図柄の特別図柄抽選が実行される。
第1特別図柄の特別図柄抽選によって、大当り遊技が実行されると、遊技者はハンドルP204の操作量を増加させ、遊技球を演出表示装置P80の右側の遊技領域(右側領域P501R)に向けて遊技球を発射する。大当り遊技中に右側領域P501Rに発射された遊技球は、大入賞口P751および第1始動入賞口P711Bへ入賞する。このとき、大当り遊技中に大入賞口P751へ向けて遊技球を発射していると、少なくとも1球以上は第1始動入賞口P711Bへ入賞するように構成されており、大当り遊技中に第1特別図柄の特別図柄抽選の権利が発生するように構成されている。なお、大当り遊技中は低ベース状態(非電チューサポート状態)に制御されているため、普通電動役物P770に係る第2始動入賞口P721への入賞可能性はほとんどないものとなっている。
大当り遊技が終了し、特定遊技(高ベース状態)が開始されると、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留がない場合、大当り遊技中に発生した第1特別図柄の特別図柄抽選に係る変動表示が開始される。第2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄優先消化制御を採用するため、大当り遊技の終了時点で第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生している場合には、大当り終了後に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る変動表示が開始される。
第2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、大当り終了後の特定遊技(高ベース状態)において、第1特別図柄の特別図柄抽選で大当りとなる変動、または第2特別図柄の特別図柄抽選で小当りないし大当りとなる変動が開始された場合、例えば1秒などの短時間の変動パターン(変動時間)が変動パターン抽選によって選択され、大当り終了直後に大当り遊技(小当りV)が実行される。
一方、特定遊技(高ベース状態)において、第1特別図柄の特別図柄抽選の結果が「はずれ」となる変動表示(はずれ変動)が開始された場合、例えば100秒などの長時間の変動パターン(変動時間)が変動パターン抽選にて決定され、第1特別図柄の変動表示が停止表示されて終了するまでの約100秒間の期間、高ベース状態が継続することとなる。
第2実施例のぱちんこ遊技機Pは、特定遊技における第1特別図柄のはずれ変動が実行されている期間(以下「特定期間」と称する場合がある)の間、作動口P741を狙って遊技球を発射する遊技を行うことで、普通図柄抽選によって第2始動入賞口P721に設けられた普通電動役物770を開放させ、第2始動入賞口P721へ遊技球を入賞させることによって100秒間の特定期間の間に大当り遊技(小当りV)の権利を蓄積させること、を特定遊技において大量の遊技球を獲得するための主の遊技性(ゲーム性)としている。
ここで、第2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、高ベース状態における普通図柄抽選において「当り」となる確率が、例えば1/20に設定され、1回の普通図柄抽選(はずれ)に係る普通図柄の変動表示期間、または1回の普通図柄抽選(当り)に係る普通図柄の変動表示期間と普通電動役物の作動期間の1サイクルの時間を5秒程度とし、100秒間の特定期間において約20回の普通図柄抽選を実行可能となっている。なお、普通電動役物770の作動終了条件として、「規定時間の開放時間の経過」または「1球の遊技球の入賞」が定められ、一回の普通図柄抽選の「当り」に対して第2始動入賞口P721には1球の遊技球の入球が可能であり、すなわち普通図柄抽選の「当り」1回が、大当り遊技(小当りV)の権利を1回獲得することに相当する。
第2実施例のぱちんこ遊技機Pは、特定遊技の特定期間において、新たな特別図柄抽選が実行されることは無く、特定期間において普通図柄抽選が当りとなるか否かによって大当り(小当りV)の権利の発生有無が変化するため、演出表示装置P80には、装飾図柄P801として、普通図柄抽選の結果を報知する絵柄が表示され、遊技者に対して大当り(小当りV)の権利を獲得可能となる状態(第2始動入賞口P721に設けられた普通電動役物770の開放状態)の発生を報知する。
特定期間(特定遊技における第1特別図柄のはずれ変動が実行されている期間)において、1ないし複数個の第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生した場合、特定期間の終了後には、第2特別図柄の特別図柄抽選、大当り遊技(小当りV)が、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の数だけ繰り返し実行される。
特定期間に発生した第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が全てなくなり、最後の大当り遊技(小当りV)が終了すると、再び特定遊技(高ベース状態)における第1特別図柄の特別図柄抽選に係る変動表示が開始し特定期間が再び発生する。特定期間において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できなかった場合には、特定遊技が終了し、通常遊技へと復帰する。
以上のように進行する第2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄優先消化制御とすることにより、特定期間において発生した第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を連続的に消化し、連続的に大当り遊技(小当りV)を実行することで、遊技球の獲得期間を短期間に凝縮することができ、大量の遊技球を獲得できている実感を得やすくなるという効果を有している。
仮に、第1特別図柄優先消化制御や、入球順消化制御としてしまうと、特定遊技または大当り遊技(小当りV)において右側領域P501Rに遊技球を発射している期間に第1始動入賞口P711Bへの入球が発生し、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が保留されている状況下で、再び特定期間が発生し次回の大当り遊技(小当りV)が発生するまでの期間が長時間となってしまい、遊技者として大量の遊技球を獲得している実感が湧きにくいという虞がある。なお、第2実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて第1特別図柄優先消化制御や入球順消化制御に変更することを否定するものでなく、仮にこれらの制御を搭載した場合には、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留がある場合において特定期間を発生可能であり、総じて特定期間での遊技を実行可能な期間が増え、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得しやすくなるというメリットも存在する。
以上、特定期間に発生した1個ないし複数個の保留に基づいて1回または複数回の大当り遊技を行うことにより大量の遊技球の獲得を期待させるぱちんこ遊技機である第2実施例のぱちんこ遊技機Pについて説明を行ってきたが、以下には第2実施例のぱちんこ遊技機Pをさらに応用して興趣性を高めたぱちんこ遊技機Pについて、3つの実施例を基に説明を行う。
なお、通常の普通電動役物制御では、普通電動役物770の作動終了条件が成立した後、電動役物内部の残留球を検出するための有効延長期間が定められているが、第2実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留は大当り遊技(小当りV)の権利であり、特定期間における普通図柄抽選の当りに対し1回の大当り遊技(小当りV)の権利を付与することを設計の意図としていることから、普通電動役物770の作動終了条件が成立した場合、有効延長期間を設定しないように構成してもよい(特に「1球の遊技球の入賞」の成立にて普通電動役物770の作動が終了した場合にこのように制御することが好ましく、「規定開放時間の経過」では有効延長期間を設定してもよい)。
[第2-1実施例]
第2実施例のぱちんこ遊技機Pに関し、まず1つ目の応用例(第2-1実施例)として、図34~図36を用いて説明を行う。図34は、第2-1実施例のゲームフローを示す図であり、図35は、第2-1実施例の大当り(小当り)図柄の振り分け比率を示す図であり、図36は、第2-1実施例の長時間チャンス状態の演出例を示す図であり、図37は、第2-1実施例の普通電動役物開放演出の例を示す図である。
第2-1実施例の特徴点は、第2実施例のぱちんこ遊技機Pに対し、大当り(小当り)後に発生する特定期間(第1特別図柄のはずれ変動の変動時間)の長さを、特定期間が発生する直前の大当り(小当り)を実行する契機となった特別図柄の種類によって異ならせる点である。
このように構成することで、特定期間中に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を発生させることができる確率を異ならせた状態を創出することができ、連荘への期待感(再度、大当り後に特定期間が付与されることへの期待感)や、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留(大当り/小当りの発生に係る権利)の発生個数への期待感が異なる複数の状態を特定期間として遊技者に提供でき、特定遊技の遊技として変化が与えられ、興趣性の高いぱちんこ遊技機を提供できるようになる。
以下、第2-1実施例に関し、その詳細を説明する。なお、遊技機の盤面構成(入賞装置の配置等)に関して、第2実施例と同様のものとして説明を行うが、以下に説明する遊技を構成できるものであれば、適宜変更は可能である。
(ゲームフロー)
まず最初に、図34を参照しながら、第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pに関し、ゲームフロー(遊技状態の遷移)に関して説明を行う。
通常遊技(低確率/低ベース状態)は、第1特別図柄の特別図柄抽選を遊技の主体とした遊技状態であり、遊技者は演出表示装置P80の左側の遊技領域(左側領域P501L)に遊技球を発射し、第1始動入賞口P711Aへ遊技球を入球させ、第1特別図柄の特別図柄抽選により大当りを獲得することを目指す。
通常遊技において、大当りを獲得すると(図34(A))、「大当り(特図1)」が実行され、大当りを実行することとなった特別図柄の種類によって、大当り遊技後に「短時間チャンス状態」、「長時間チャンス状態」のいずれかに振り分けられる(図34(B)、(E))。
図35には、第1特別図柄の特別図柄抽選における図柄抽選(大当り時)の結果が示されている。第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、第1特別図柄の特別図柄抽選によって大当りとなる場合、図柄抽選により、「特図1_大当り図柄A」、「特図1_大当り図柄B」のいずれかが選択されるようになっている。なお、図35に示す図柄の種類は2種類のみを示しているが、これは実行される大当りおよび大当り後の特定遊技の種類によって大別したものであり、実際には第1特別図柄表示装置P51に停止表示される図柄としては2種類以上あるものでもよい。
図35に示した「特図1_大当り図柄B」は、大当り遊技後に特定遊技として「短時間チャンス状態」が実行されることとなる大当り図柄であり、「特図1_大当り図柄A」は大当り遊技後に特定遊技として「長時間チャンス状態」が実行される大当り図柄である。
《短時間チャンス状態》
「大当り(特図1)」の後に、「短時間チャンス状態」へ移行すると、大当り遊技の実行に際し、右側領域P501Rに配置された第1始動入賞口P711Bへの入球に基づく第1特別図柄の特別図柄抽選に係る保留、あるいは大当り遊技前から残存する第1特別図柄の特別図柄抽選に係る保留に基づいて、第1特別図柄抽選が行われ、第1特別図柄抽選がはずれである場合に特定期間として、1分間のチャンス状態(低確率/高ベース状態)が発生する。
第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、チャンス状態(低確率/高ベース状態)において、遊技者が右側領域P501Rへ遊技球を発射し、作動口P741を遊技球が通過すると、普通図柄抽選が行われる。このとき、普通図柄抽選の抽選結果は、1分間の普通図柄の変動表示が普通図柄表示装置P53にて行われた後、普通図柄の停止表示図柄として示され、普通図柄抽選の結果が「当り」であった場合は、普通電動役物770の開放が行われ、第2始動入賞口P721への入球が可能となる。そして、第2始動入賞口P721へ遊技球が入球すると、特定期間の経過後に第2特別図柄の特別図柄抽選によって大当りまたは小当りに当選し、「小当りV/大当り(特図2)」へ移行する(図34(D))。チャンス状態における普通図柄抽選の結果が「はずれ」である時、あるいは普通図柄抽選が「当り」であるにもかかわらず、第2始動入賞口P721への入球が発生しなかった場合は「通常遊技(低確率/低ベース状態)」へと移行する(図34(C))。
「短時間チャンス状態」では、特定期間である1分間のチャンス状態(低確率/高ベース状態)中に、1回の普通図柄抽選が行われ、普通図柄が当りであるか否かによって「小当りV/大当り(特図2)」または「通常遊技(低確率/低ベース状態)」への振り分けが行われる。なお、第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pの普通図柄抽選の当り確率は、1/3.3に設定されており、「短時間チャンス状態」において、「小当りV/大当り(特図2)」へ移行できる確率は30%となっている(図35「特図1_大当り図柄B」の「継続率」参照)。「小当りV/大当り(特図2)」の実行後は、「長時間チャンス状態」へと移行する(図34(G))。
《長時間チャンス状態》
「長時間チャンス状態」は、「大当り(特図1)」の後(図34(E))、あるいは「小当りV/大当り(特図2)」の後(図34(G)に移行する特定遊技であって、特定遊技の開始後の第1特別図柄の特別図柄抽選がはずれとなり、第1特別図柄のはずれ変動が実行されている特定期間である。
「長時間チャンス状態」の特定期間の継続時間は、「長時間チャンス状態」へ移行する直前に実行されていた大当り遊技(小当りV)の実行契機となった特別図柄の種類によって異なり、5分、6分、9分のいずれかの継続時間にて特定期間(第1特別図柄のはずれ変動)が実行される。より具体的には、図35に示すように、「特図1_大当り図柄A」および「特図2_大当り/小当り図柄A」の場合は特定期間の継続時間は5分となり、「特図2_大当り/小当り図柄B」の場合の特定期間の継続時間は6分、「特図2_大当り/小当り図柄C」の場合は特定期間の継続時間は9分に設定される。
「長時間チャンス状態」においても、「短時間チャンス状態」と同様、右側領域P501Rに配置される作動口P741への遊技球の入球により、普通図柄抽選が行われ、1回の普通図柄抽選あたり、1分間の普通図柄の変動表示が普通図柄表示装置P53にて行われる。すなわち、「長時間チャンス状態」における特定期間の継続時間が5分の場合には、5回の普通図柄抽選を受けることができ、特定期間の継続時間が9分の場合には9回普通図柄抽選を受けることができる。
「長時間チャンス状態」において、普通図柄抽選にて「当り」を獲得し、普通電動役物770の開放に基づき第2始動入賞口P721へ遊技球を入球させることができた場合には、特定期間の経過後に、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が消化され、第2特別図柄の特別図柄抽選によって大当りまたは小当りに当選し、「小当りV/大当り(特図2)」へ移行する(図34(F))。なお、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生した後も、特定期間が継続している限りは、普通図柄抽選を受けることが可能であり、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の最大保留個数分だけ大当りまたは小当りの実行に係る権利を蓄積(ストック)することができる。
「長時間チャンス状態」において普通図柄の変動時間を1分と説明したが、普通図柄が当りである場合においては、普通図柄の変動時間の経過後に普通電動役物770の作動(開放)が行われるため、はずれ変動よりも多少短い普通図柄の変動時間(例えば55秒)として、普通電動役物770の作動期間も含め1回のサイクルを1分程度で終了するように設計してもよい。
「長時間チャンス状態」にて、1個ないし複数個の第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生すると、「小当りV/大当り(特図2)」にて、第2特別図柄の保留として蓄積(ストック)した保留個数に対応する回数の「小当りV/大当り(特図2)」が実行される。なお、「小当りV/大当り(特図2)」が複数回繰り返される場合、1回ごとに内部的に長時間チャンス状態と同様の低確率/高ベース状態に移行しているが、第2特別図柄の特別図柄抽に基づく、大当り(小当り)の変動表示時間は1秒に設定され、大当り遊技(小当りV)終了後にすぐに「小当りV/大当り(特図2)」が再開される。
そのため、「小当りV/大当り(特図2)」は、「STOCK-BONUS」と称する大当り演出が実行され、第2特別図柄の特別図柄抽に関する保留が無くなるまで、連続して大当り演出が実行され、内部的に「長時間チャンス状態」となっている状況下においても、特定期間の演出が実行されることは無く、大当り(小当りV)が連続して発生することを報知する演出を実行する。
「長時間チャンス状態」において、5回ないし9回の普通図柄抽選の実行でいずれも「はずれ」となった場合、あるいは普通電動役物770の開放が行われたにもかかわらず第2始動入賞口P721への入球が発生しなかった場合には、「通常遊技(低確率/低ベース状態)」へ復帰する。
なお、図34には不図示であるが、「短時間チャンス状態」あるいは「長時間チャンス状態」において、第1特別図柄の特別図柄抽選が「大当り」となる場合には、変動時間が1秒に設定され、特定期間が発生することなく「大当り(特図1)」を実行する。なお、「長時間チャンス状態」および「短時間チャンス状態」において、第1特別図柄または第2特別図柄の特別図柄抽選によって大当りまたは小当りとなる特別図柄の変動表示が行われた場合、厳密には1秒間の特定期間が発生しており、この間に作動口P741への入球または普通図柄抽選に係る保留に基づいて普通図柄の変動表示が行われる場合がある。
しかし、第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、普通図柄抽選の結果が「当り」である場合であっても、停止表示がなされたタイミングにおいて高ベース状態(電チューサポート状態)でなければ、普通電動役物770の開放が第2始動入賞口P721に対し遊技球が入球容易となる態様で開放されることは無く、第2始動入賞口P721への入球可能性はほとんどないよう構成されている。そのため、仮に「長時間チャンス状態」あるいは「短時間チャンス状態」の第1特別図柄または第2特別図柄の大当り変動(小当り変動)にて普通図柄抽選が「当り」となっても1分後には、特別図柄の停止表示後であり大当り遊技の実行中となっていることから、低ベース状態に移行しているため、「小当りV/大当り(特図2)」および、「長時間チャンス状態」または「短時間チャンス状態」における特別図柄の当り変動期間中に新たに第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生することは無いように構成されている。
また、「長時間チャンス状態」において、第1特別図柄の特別図柄抽選によって大当りとなった場合、「大当り(特図1)」へ移行することとなるが、この大当りが「特図1_大当り図柄B」に基づくものであった場合、不利な「短時間チャンス状態」へと移行することとなり、遊技者としては不利益を被ったと感じてしまう虞がある。このような不利益を防止するため、「長時間チャンス状態」あるいは「短時間チャンス状態」において「特図1_大当り図柄B」に当選した場合には、「大当り(特図1)」後の遊技状態を「長時間チャンス状態」(特定期間5分)となるように制御してもよい。
(長時間チャンス状態の演出例)
図36は、第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて遊技者に最も有利となる遊技状態(最も大当り遊技を獲得しやすい遊技状態)の「長時間チャンス状態」における演出例を示している。第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pでは「長時間チャンス状態」において、「4連続バトル演出」を行う(特定期間が「5分」のとき、かつ普通図柄抽選が「長時間チャンス状態」の開始後に連続して5回実行されるとき)。
前述したように、第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pは、低確率/高ベース状態である特定遊技の第1特別図柄のはずれ変動中である特定期間(N分)に、N回の普通図柄抽選が受けられるようになっており、特定期間が5分である場合の「長時間チャンス状態」においては、1回の普通図柄抽選に対して1回の普通図柄演出を行い、第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pでは4回の「バトル演出」と1回の「ファイナルチャンス」演出(短時間チャンス状態と共通の演出)が実行される。
図36の画面の例では、「4連続バトル演出」の3回目の「バトル演出」が実行されている状態を示している。より具体的には、画面上部左側の演出モード表示P840において「4連続バトル」演出であることを示す「連続バトル」の演出モードタイトルを表示させており、残り遊技回数表示P841として、現在3回目の「バトル演出」が実行されており、遊技者に間接的に残り2回の「バトル演出」(3回目を含む)と「ファイナルチャンス」が残っていることを示唆している。
画面右下には、保留表示領域P811に2個の保留オブジェクトP811が表示されており、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が2個獲得されている状態であることを示している。
「バトル演出」の画面中央には、キャラクタが対峙している画像が表示されており、右側に配置された遊技者側キャラクタが、左側の敵キャラクタを打ち倒すことができるか否かによって、普通図柄抽選の結果が「当り」であるか「はずれ」であるかを報知する。
画面右上には、簡易装図P802が表示されており、第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pでは装飾図柄として簡易装図P802にて普通図柄抽選の結果を表示している。簡易装図P802は、普通図柄抽選の結果を報知するものであり、「当り」である場合にぞろ目で停止表示させると、その時点で大当りを獲得したと錯覚してしまう虞があるため、例えば「3V3」など中央に「V」図柄が停止表示した態様で普通図柄抽選の結果が「当り」であることを報知するように構成してもよい。また、「4連続バトル」演出中は、第1特別図柄のはずれ変動であるため、第1特別図柄の特別図柄抽選の結果について装飾図柄での報知を行っていないが、特別図柄抽選用の簡易装図P802を別途容易して表示を行うものであってもよい。
普通図柄の簡易装図P802の下方には、打ち分け報知P830として右打ち報知P832が表示されている。「長時間チャンス状態」および「短時間チャンス状態」では、第1特別図柄のはずれ変動の変動表示期間中の限られた時間に作動口P741へ入球させて普通図柄抽選を受ける必要があるため、普通図柄抽選を設計の意図通りの回数受けられずに特定期間が経過してしまうことを防止するため、特別図柄の変動表示期間中に普通図柄の変動に関する制御または普通電動役物770の作動に関する制御が行われなくなった場合、3秒程度の比較的短い時間後に右打ち報知P832を強調する態様に切り替えて、遊技者に遊技球を右側領域P501Rに発射させ、作動口P741へ入球させることを促す報知を行うようにしてもよい。
「バトル演出」において、遊技者側キャラクタが勝利すると、図37に示すように「普通電動役物開放演出」が行われる。「普通電動役物開放演出」では、第2始動入賞口P721を模した画像と、「狙って」の文字列等を表示して、第2始動入賞口P721に向けて遊技球を発射させることを促す演出が行われる。普通電動役物770は、「第2始動入賞口P721に対する1球の遊技球の入球」または「所定時間の作動期間の経過」を終了条件としているため、第2-1実施例のぱちんこ遊技機では、「普通電動役物開放演出」において、普通電動役物の作動期間と略対応するインジケータ表示(発射推奨期間表示)を第2始動入賞口P721を模した画像の下方に表示し、遊技者に第2始動入賞口P721に入球可能となっている期間を示している。
なお「普通電動役物開放演出」は、遊技球の発射から第2始動入賞口P721に到達するまでの時間を考慮して、普通図柄の当り変動中や普通図柄の当り図柄の図柄固定時間など、普通電動役物770の作動前から行われるように構成してもよい。
以上のように構成される第2-1実施例のぱちんこ遊技機によれば、特定遊技において大当り(小当りV)が確定的となる第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得可能となる特定期間の継続時間の長さを、特定遊技の開始直前に実行されていた大当り(小当りV)を実行することとなった特別図柄の種類によって異ならせることができ、第2実施例のぱちんこ遊技機のように、短期間に大量の遊技球を獲得できる間隔を与える遊技機を提供するとともに、特定期間の継続の長短による連荘への期待感、遊技球の獲得への期待感が異なる特定遊技を提供でき、特定遊技における遊技の興趣性を高めたぱちんこ遊技機を提供できるという効果を奏する。
(第2-1実施例のぱちんこ遊技機の変形例1)
前述の第2-1実施例のぱちんこ遊技機では、「短時間チャンス状態」および「長時間チャンス状態」において、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り変動ないし小当り変動を1秒間とすることで、特定期間を発生させないように構成したが、(ア)一部の特別図柄の図柄種類にて実行される大当り遊技(小当りV)の後には、大当り変動であっても特定期間(例えば5分)を発生させ得るよう、大当り変動時間が設定される大当り図柄を有するように構成したり、(イ)「短期間チャンス状態」および「長時間チャンス状態」における特別図柄抽選が大当りまたは小当りであるときの変動パターン抽選において数%の確率で変動時間が5分となるように決定するように構成したりすることで、「短時間チャンス状態」または「長時間チャンス状態」において大当り変動(または小当り変動)中に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得可能な「特別チャンス状態」を別途設けるように構成してもよい。
このような「特別チャンス状態」では、開始時に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を有している場合には、「再チャージチャンス」として、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留がある旨を報知しながら「4連続バトル演出」を再開するものとしてもよく、また、開始時に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留がない場合には、「4連続バトル演出」の最終バトル時点で第2特別図柄の保留がない場合には復活演出として大当り(小当りV)の発生を報知し、「特別チャンス状態」中に第2特別図柄の保留ができた場合には、最終バトル後に「STOCK-BONUS」にて実行される大当り遊技(小当りV)が追加されるような演出表示を行うように構成してもよい。
また、「特別チャンス状態」を(ア)一部の特別図柄の図柄種類にて実行される大当り遊技(小当りV)を契機とする場合には、他の変形例として、対象の特別図柄の図柄種類を契機とする大当り遊技(小当りV)、または対象ではない大当り(小当り)の一部(ガセ)において、「STOCK-BONUS」の演出として特殊バトル演出を発生させ、特殊バトルに遊技者側キャラクタが勝利する成功態様が表示された場合に「特別チャンス状態」の発生を報知するように構成してもよい。
(第2-1実施例のぱちんこ遊技機の変形例2)
第2-1実施例のぱちんこ遊技機では、特定期間がN分継続する場合に、N回の普通図柄抽選(1分/回)が実行されることを想定して設計されているが、特定遊技に移行した後、第1特別図柄が変動を開始し、その後に作動口P741へ入球があって普通図柄抽選が行われるまでの時間が発生したり、特定期間中に普通図柄の変動表示が行われない期間が継続した場合などを原因として、遊技者がN回の普通図柄抽選を受けられない虞を考慮し、特定期間である第1特別図柄のはずれ変動の時間をN分+X秒としたり、第1特別図柄のN秒の変動表示後の図柄固定時間をX秒としたりすることで、遊技者が普通図柄抽選の権利を失わないための保証時間「X秒」を設けるように構成してもよい。
このように保証時間を設ける場合には、N回の普通図柄抽選結果の報知の後、大当り(小当り)遊技が開始されるまでの時間、または通常遊技に復帰するまでの時間として保証時間「X秒」の残り時間を待機する必要が発生するが、これらの期間には、大当り(小当り)に移行する場合「STOCK-BONUS実行待機中」と表示し、通常遊技に復帰する場合には、連荘によって獲得できた総獲得出玉数を報知する「リザルト演出」を実行するように構成してもよい。
また、N回の普通図柄抽選を遊技者が受けるために、保証時間「X秒」の残り時間が少なくなるにつれて、注意喚起を行うように構成してもよい。注意喚起の演出としては右打ち報知P832を強調態様に替えるとともに、「右打ちしないとバトルの権利が失われます!!」との注意喚起の表示や音声報知を行ってもよい。保証時間「X秒」は、第1特別図柄のはずれ変動の開始後(特定期間の開始後)から普通図柄抽選が行われるまでの期間および、以降の普通図柄または普通電動役物に関する制御が停止している期間計時され、「X秒」経過した場合、新たに「1分」(普通図柄抽選の変動表示および普通電動役物作動に関する1サイクルの時間に対応)が保証時間として設定され、同様の制御を繰り返すように構成する。
[第2-2実施例]
次に、第2実施例のぱちんこ遊技機Pに関する2つ目の応用例(第2-2実施例)について、図38~図41を用いて説明を行う。図38は、第2-2実施例のゲームフローを示す図であり、図39は、第2-2実施例のチャンスタイム中の演出例を示す図であり、図40は、第2-2実施例のチャンスタイム中の他の演出例を示す図であり、図41は、第2-2実施例のスーパーチャンスタイム中の演出例を示す図である。
第2-2実施例の特徴点は、第2実施例のぱちんこ遊技機Pに対し、第1の特定期間(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得可能な期間であり、簡略的に、「第1特定期間」ということもある)である「チャンスタイム」の実行中において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が所定条件(第2-2実施例では第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の数が2個以上となること)が満たされたされた場合に、次回発生する第2の特定期間(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得しやすい状態であり、簡略的に、「第2特定期間」ということもある)が第1の特定期間より有利な状態となる権利が付与されるよう制御することで、遊技者に特定期間中の遊技結果(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の獲得個数)によって、さらなる有利状態へと移行可能となるか否かに注目させ、遊技の興趣性を高めることを可能としている。
以下、第2-2実施例に関し、その詳細を説明する。なお、遊技機の盤面構成(入賞装置の配置等)に関して、第2実施例や第2-1実施例と同様のものとして説明を行うが、以下に説明する遊技を構成できるものであれば、適宜変更は可能である。
(ゲームフロー)
まず最初に、図38を参照しながら、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pに関し、ゲームフロー(遊技状態の遷移)に関して説明を行う。なお、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pも第2実施例、第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pと同様、第2特別図柄優先消化制御を採用している。
通常遊技(低確率/低ベース)は、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技領域P501における左側領域P501Lに遊技球を発射し、第1始動入賞口711Aに遊技球を入球させることにより、第1特別図柄の特別図柄抽選を実行させ、「大当り(特図1)」を獲得する(図38(A))ことを目指す遊技状態である。
「大当り(特図1)」が実行されると、「チャンスタイム」が開始される(図38(B))。「チャンスタイム」は、低確率/高ベース状態(電サポ1回)の遊技状態であり、第2実施例および第2-1実施例のぱちんこ遊技機と同様に、第1特別図柄のはずれ変動となる期間(80秒)に、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得可能な特定期間が発生する遊技状態である。
第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、「チャンスタイム」は、第1特別図柄の80秒のはずれ変動にて構成されている。この間、遊技領域P501の右側領域P501Rに配置された作動口P741へ遊技球を入球させることにより、普通図柄抽選(当り確率1/9.99、1回当りの変動時間10秒)を受けることが可能であり、「チャンスタイム」中に8回の普通図柄抽選を行うことで、後述する第2特別図柄の特別図柄抽選に基づく小当りV/大当り遊技である「STOCK-BONUS」の実行権利の獲得を目指す遊技状態である。すなわち、この80秒の特定期間では、上述のように、当り確率1/9.99、1回当りの変動時間10秒の普通図柄抽選を、8回受けることができるということとなる。
「チャンスタイム」において、上述の1/9.99の確率の普通図柄抽選に当選して、入球容易状態のP721に遊技球が入球することで、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を少なくとも1個以上獲得し、再度「チャンスタイム」ないし後述する「スーパーチャンスタイム」の実行権利を獲得できる確率(継続率)は、「チャンスタイム」の実行権利の獲得の確率が56.9%(換言すれば、1/9.99の確率の当たりを8回(80秒/変動時間10秒)のうちに1回得られる期待値)、「スーパーチャンスタイム」の実行権利の獲得の確率が19%(換言すれば、1/9.99の確率の当たりを8回(80秒/変動時間10秒)のうちに2回以上得られる期待値)となっている。「チャンスタイム」において第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できなかった場合は、通常遊技へと復帰する(図38(I))。
「チャンスタイム」における特定期間経過後は、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が1個の場合、「STOCK-BONUS」(第2特別図柄の特別図柄抽選に基づく小当りV/大当り遊技)へ移行し(図38(D))、「STOCK-BONUS」の終了後に「チャンスタイム」へ移行する(図38(E))。
また、「チャンスタイム」では、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を2個以上獲得すると、「スーパーチャンスタイム」の実行権利を獲得することができる。「スーパーチャンスタイム」は、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が2個である時に変動を開始した第2特別図柄の小当り変動または大当り変動が実行されている期間であり、170秒間の特別図柄の変動表示期間である特定期間が発生する。すなわち、170秒間の特定期間では、上述のように、当り確率1/9.99、1回当りの変動時間10秒の普通図柄抽選を、17回受けることができるということとなる。
第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「スーパーチャンスタイム」の実行期間である、第2特別図柄の小当り変動または大当り変動期間である特定期間においても、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得可能となる。「スーパーチャンスタイム」(170秒)は、「チャンスタイム」(80秒)における特定期間よりも長い期間が設定されているため、実行可能な普通図柄抽選の回数が多く、より第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得する可能性が高まっている状態であるといえる。
「スーパーチャンスタイム」においては、普通図柄抽選の実行回数が17回程度となっており、およそ83.3%の確率で第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得可能であり、再度「スーパーチャンスタイム」の実行権利を獲得可能となっている。「スーパーチャンスタイム」にて第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できなかった場合、「スーパーチャンスタイム」の終了後に「STOCK-BONUS」へ移行し(図38(G))、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できた場合には、「SUPER_STOCK-BONUS」へと移行する(図38(F))。「SUPER_STOCK-BONUS」の実行後は、「スーパーチャンスタイム」のへと復帰する(図38(H))。
「スーパーチャンスタイム」の後に実行される「STOCK-BONUS」は、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が0個になるまで繰り返され(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る変動が1秒となるため内部的に「チャンスタイム」と同じ状態であっても80秒の特定期間が発生しない)、「スーパーチャンスタイム」の後に実行される「SUPER_STOCK-BONUS」は、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が2個になるまで繰り返し実行される(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る変動が1秒となるため内部的に「スーパーチャンスタイム」と同じ状態であっても170秒の特定期間が発生しない)。
なお、「チャンスタイム」中に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を2個獲得した場合は、「チャンスタイム」である第1特別図柄の特別図柄抽選に基づく80秒のはずれ変動の終了後において、「スーパーチャンスタイム」が開始されることとなっている。すなわち、第2特別図柄の変動表示期間は、遊技状態であるベース状態、言い換えると特別図柄の変動時間短縮機能(時短状態)の作動の有無に関わらず、保留数によって特別図柄の変動表示時間が決定され、第2特別図柄の特別図柄抽選に際し、保留数が2個である場合は170秒の変動表示期間が選択され、その他の保留数である場合には1秒の変動時間が選択されるようになっている。
また、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、最も遊技者に有利な状態である「スーパーチャンスタイム」において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が獲得できなかった場合でも、一旦「STOCK-BONUS」が実行されたのち、「チャンスタイム」が開始されることとなるので、最も有利な状態から通常遊技に移行するまで、2段構え構成となっており、最も有利な状態である「スーパーチャンスタイム」が終わってしまった場合であっても、遊技者に「まだチャンスがある」と思わせることができ、遊技意欲の減衰を抑えることができるゲームフローとなっている。
(第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pの演出例)
続いて、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pにおける「チャンスタイム」、「スーパーチャンスタイム」の演出例を図39~図41を用いて説明を行う。
《第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pのチャンスタイムの演出例》
図39は、「大当り(特図1)」の後のチャンスタイムにおける演出表示例を示している。画面上部には、演出モード表示P840(「チャンスタイム」の文字列)と、残り遊技回数表示P841(「あと54秒」の文字列)が表示されている。なお、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、特定期間が特別図柄の変動表示期間であるため、残り遊技回数表示P841として、特別図柄の「残り変動時間」(または、特別図柄の変動表示が終了して電チューサポート状態が終了するまでの残り時間)が表示されている。
画面右下には保留表示領域P810が表示されており、図39の実施例では第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が無く、保留オブジェクトP811(図36参照)は表示されておらず、画面左側中央の簡易保留表示P814においても、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留数は「0」が表示されている。
画面左下には累計獲得数表示P824(「Total_00600pt」の表示)および、大当りアイコン表示P821(アイコン「V」と個数を示す「×1」の表示)が表示され、図39に表示されている時点の遊技における獲得出玉および大当り遊技(小当りV)の回数を示している。
そして、画面中央には装飾図柄P801の変動表示としてキャラクタが付された「7」図柄が右列、中列にて停止(仮停止)表示されている状況が示されており、左図柄が変動表示中であることが示されている。ここで、装飾図柄P801は、普通図柄抽選の抽選結果を報知するものであり、3つの7図柄がぞろ目で表示される態様や、他の特別な装飾図柄が表示されることによって普通図柄抽選の結果として「当り」を報知するように構成されている。
図39の例では、1の装飾図柄P801(左列の装飾図柄)が未停止の状況であり、演出ボタンP381を模した画像とともに「『7(画像)』狙え」の表示がなされ、遊技者に演出ボタンP381を操作させることで、装飾図柄P801の「7」図柄が3つ揃うか(当り)、あるいは左図柄に「7」図柄以外の装飾図柄P801が停止表示されるか(はずれ)の報知を行うボタン演出が実行されている。なお、演出ボタンが表示されてから、所定時間経過した場合(遊技者が所定時間演出ボタンを押さなかった場合)においても、7揃いorテンパイ外れといった最終表示予定の画像を表示する。
なお、図39に示した演出例に限らず、「チャンスタイム」中において普通図柄抽選の結果を報知する演出として、例えば、装飾図柄P801の変動表示を伴わずに、キャラクタを用いた演出(例えばバトル演出)を実行し、成功態様(バトル勝利)が表示されることで普通図柄抽選が当りとなることを報知してもよい。
図40は、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pの「チャンスタイム」の他の演出例を示す図である。より具体的には、「チャンスタイム」において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を1個獲得し(図40では画面右下の保留表示領域P810に保留オブジェクトP811が1つ表示されている)、少なくとも「STOCK-BONUS」が実行され再度「チャンスタイム」への突入が確定した状況下、すなわち連荘が確定した状況下で表示される演出表示の例である。
図40の例では、演出モード表示P840が「昇格チャンス」へと切り替わっており、「昇格チャンス」の文字列の下方に「封印を破壊しろ!!」という指令態様のメッセージが表示されている。画面中央には、重火器を持ったキャラクタが表示され、当キャラクタが演出として求められている「封印を破壊すること」に成功することによって普通図柄抽選の結果が当りとなることを報知する態様となることが示唆されている。すなわち、「チャンスタイム」の状況下において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が獲得される前後において、普通図柄抽選の結果を報知する演出の傾向や演出モードが切り替わるように構成している。
「チャンスタイム」の途中で演出態様を切り替える理由として、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pのでは、「チャンスタイム」の実行中に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生していない場合、遊技者は有利な状態が継続するか否か(再び「チャンスタイム」に突入する権利を獲得できるかどうか)に注目しており、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生した後は、「スーパーチャンスタイム」の実行の権利である2個目の第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生するかどうかに関心が集まるため、それらの遊技者の異なる関心事に対して、最適となる演出を表示することで興趣性を高める効果が期待できるからである。
図40の例では、重火器を持ったキャラクタを用いた演出例を示しているが、他のキャラクタによる演出を行ってもよいし、普通図柄抽選が実行される毎に異なる演出を行い普通図柄抽選の結果を示してもよい。また、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得した後においても、図39に示したような第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生する前と共通の演出表示を実行可能とするように構成してもよい。
なお、図示はしていないが、図40に示す状況下でさらに第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得し、2個以上の大当り遊技(小当りV)の権利を獲得した場合に、さらに異なる演出の傾向、演出モードにて演出決定される状態に変更するように構成してもよい。
《第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pのスーパーチャンスタイムの演出例》
図41は、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて実行されるスーパーチャンスタイムの演出例を示している。
図41の例では、「スーパーチャンスタイム」の演出として、図39に示す「チャンスタイム」と略同等の演出表示がされる例を示している。相違するポイントとして、最も有利な状態に制御している状況下であることを祝福するため、普通図柄抽選の抽選結果を報知するための装飾図柄P801の変動表示の表示領域を変更し、背景に演出画像としてアニメーションが表示されている点が相違している。なお、図41の例では背景のアニメーションは普通図柄抽選の結果に関係が無い画像が表示されるものとしているが、装飾図柄P801の変動表示が当り結果を報知する態様となる期待度を報知するため、背景のアニメーション画像に重ねて表示される予告画像(ミニキャラアクション、装飾図柄P801の変動表示に対する効果演出の追加など)が表示される場合を有している。
「スーパーチャンスタイム」の実行中に、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が4個となった場合、第2始動入賞口P721に対する入球は新たな大当り遊技(小当りV)の権利の獲得とならないことから、普通図柄抽選の結果を報知するための装飾図柄P801の変動表示を非表示としたり、さらに小さな表示領域に表示するように変更してもよい。このように装飾図柄P801の変動表示の視認性を低下させることで、背景のアニメーション表示の視認性をより高めるように構成してもよい。
また、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「スーパーチャンスタイム」中の背景のアニメーションは、スーパーチャンスタイムの実行回数(または連続回数)に応じて、10程度のアニメーションが順番に表示されるように構成されている。そして、特定回数(例えば5回や10回)の「スーパーチャンスタイム」が実行された場合の状況下で、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得した場合、「SUPER_STOCK-BONUS」において実行される大当り遊技(小当りV)の演出として、特別な演出(例えば直前の「スーパーチャンスタイム」において表示されていたアニメーションと関連性がある演出表示)が実行されるように構成してもよい。
なお、特定回数目となる「スーパーチャンスタイム」において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できなかった場合には、「STOCK-BONUS」の後、「チャンスタイム」となるが、再度「スーパーチャンスタイム」の実行権利を獲得した場合、再び前回の特定回数目と同じ背景のアニメーションが表示(区切り演出)されるように構成され、区切り演出が実行される「スーパーチャンスタイム」の実行時においては、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できなければ、「スーパーチャンスタイム」における背景のアニメーションが進行しないように構成してもよい。
また、図41に示したような演出表示態様に限らず、「スーパーチャンスタイム」において、図39、図40に示したような「チャンスタイム」のように普通図柄抽選の結果を報知する予告演出などに注目させる演出態様を実行可能としてもよいし、このような「チャンスタイム」と同様の演出態様または前述の背景のアニメーションを主体とした演出態様など複数の演出態様のいずれかを遊技者の任意に選択可能に構成してもよい。
(第2-2実施例のぱちんこ遊技機の変形例1)
続いて、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pに関する変形例について説明を行う。まず、1つ目の変形例として、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pは、特定期間として有利度合いの異なる特定期間を2つとしていたが、3つや4つなどさらに増加させる変形例が考えられる。
より具体的には、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pの変形例1として、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る変動表示の決定に際し、保留数が2個の時の変動に限らず、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が3個、4個の時にも特定期間(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得可能な期間)を発生可能となるよう第2特別図柄の特別図柄抽選に係る変動表示の時間(変動パターン)の決定を行うように制御することが考えられる。
このとき、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留数が多ければ多いほど特定期間が長くなるように構成してもよいし(例えば、保留数2個のとき40秒、保留数3個のとき50秒、保留数4個のとき60秒の変動パターンを決定する)、反対に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が多い時の方が特定期間が短くなるように構成してもよい(例えば、保留数2個の時100秒、保留数3個のとき20秒、保留数4個のとき10秒)。
(第2-2実施例のぱちんこ遊技機の変形例2)
第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、前述したように、第2の特定期間(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が2個であるときの第2特別図柄の特別図柄抽選に基づく大当り(小当りV)の変動表示期間)は、遊技状態(高ベース状態または低ベース状態)に依存せず、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留数に依存して決定される変動パターン抽選テーブルによって決定される変動パターン(変動時間)によって行われるものであることを説明したが、「第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留数および遊技状態が高ベース状態」である時を条件として参照される変動パターン抽選テーブルで決定される変動パターンにて第2の特定期間を発生させるように構成してもよい。
このように構成することによって、第1の特定期間(高ベース状態の第1特別図柄のはずれ変動)の期間において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留数が第2の特定期間を発生させる条件の個数と一致した場合であっても、第1期間の終了時には遊技状態が低ベース状態へと移行し、第2特定期間を発生させるための条件の1つを満たさなくなることから、第1特定期間の終了後は必ず大当り遊技(小当りV)へ移行させることができるようになり、第2の特定期間は必ず大当り遊技(小当りV)の後に実行させるように制御することが可能となる。
このとき、第2の特定期間の実行権利を獲得するためには、第1の特定期間で、大当り遊技(小当りV)の実行後に第2の特定期間を発生させるための条件+1個の第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得しなければいけなくなるが、前述したように第1の特定期間の終了後、第2の特定期間の終了後には必ず大当り(小当りV)へ移行し、第1の特定期間および第2の特定期間の開始も必ず大当り(小当りV)の実行後であるように構成させることができ、遊技者にとっても理解しやすい遊技状態の遷移とすることができる。
[第2-3実施例]
第2実施例のぱちんこ遊技機Pに関し、3つ目の応用例(第2-3実施例)を図42~図43を用いて説明を行う。図42は、第2-3実施例のゲームフローを示す図であり、図43は、第2-3実施例の大当り(小当り)図柄の振り分け比率を示す図である。
第2-3実施例の特徴点は、第2実施例のぱちんこ遊技機Pに対し、特定遊技(高ベース状態)に移行する直前の大当り遊技(小当りV)を実行する契機となった特別図柄の種類(大当り図柄、小当り図柄)によって、普通図柄抽選に係る制御の異なる複数の高ベース状態(電サポモード)のいずれかが設定されることによって、特定遊技における特定期間(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得可能な期間)での第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の獲得容易性を異ならせるように構成でき、特定期間での遊技性能(普通図柄抽選に係る制御)の相違により特定遊技の興趣性を高めることにある。
より具体的には、第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pでは、特定期間における普通図柄抽選に係る制御が異なる高ベース状態(電サポモード)の種類として、普通図柄抽選が「当り」となる確率が1/1(100%)である「電サポモード1」と、普通図柄抽選が「当り」となる確率が1/10(10%)である「電サポモード2」とによって構成され、さらに「電サポモード2」に制御する場合においては、高ベース状態に維持する遊技回数が1~3回のいずれかとなるように構成されている。
すなわち、「電サポモード1」に制御される場合には、設計の意図通り遊技を行うことにより、必ず4個の第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得でき、「電サポモード2」に制御される場合には、特定遊技の継続(連荘)を期待して普通図柄抽選を受ける遊技を展開することとなる。
以下、第2-3実施例に関し、その詳細を説明する。なお、遊技機の盤面構成(入賞装置の配置等)に関して、第2実施例や第2-1実施例、第2-2実施例と同様のものとして説明を行うが、以下に説明する遊技を構成できるものであれば、適宜変更は可能である。
(ゲームフロー)
図42は、第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pのゲームフローを示す図である。図42の「通常遊技(低確率/低ベース状態)」において、遊技者は、遊技領域P501の左側領域P501Lに遊技球を発射し、第1始動入賞口P711Aに遊技球を入球させ、第1特別図柄の特別図柄抽選を受けることで、「大当り(特図1)」の実行権利の獲得を目指す(図42(A))。
「大当り(特図1)」が開始されると、遊技者は、遊技領域P501の右側領域P501Rに遊技球を発射させ、大入賞口P751へ遊技球を入球させ、賞球により遊技球の獲得を行う。このとき、第2実施例、第2-1実施例、第2-2実施例同様、大当り遊技中に大入賞口P751を狙って発射を行うと、第1始動入賞口P711Bに対しても入球が発生し、大当り遊技(小当りV)中に少なくとも1個の第1特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生することとなる。「大当り(特図1)」の後は、図42に示すように「STOCK-TIME1」へ移行する(図42(B))。
「STOCK-TIME1」は、低確率/高ベース状態(電チューサポート状態)となる特定遊技であり、「大当り(特図1)」の実行契機となった図柄に基づいて、普通図柄抽選の当りとなる確率が異なる2つの高ベース状態(電サポモード)のいずれかに制御するとともに、「大当り(特図1)」の実行契機となった図柄に基づいて、大当り遊技(小当りV)が実行されない場合に高ベース状態に維持する特別図柄の変動表示回数も1~3回のいずれかに制御する。
「STOCK-TIME1」の遊技状態の具体例を、図43に示す。図43に示す第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pの大当り遊技(小当りV)図柄の振り分けにおいて、「図柄(群)」の名称が「特図1_大当り図柄A」~「特図1_大当り図柄D」である大当り図柄(群)が「STOCK-TIME1」に制御することとなる大当り図柄である。
ここで、図43の「選択確率」は、大当り図柄として「特図1_大当り図柄A」~「特図1_大当り図柄D」のいずれかに含まれる大当り図柄が、特別図柄の大当り図柄抽選にて決定される確率を示しており、「電サポ回数」は、「特図1_大当り図柄A」~「特図1_大当り図柄D」の各大当り遊技の後に設定される高ベース状態に維持する遊技回数を示している。
図43の「普通図柄確率」は、「特図1_大当り図柄A」~「特図1_大当り図柄D」の後に制御される特定遊技(高ベース状態)において普通図柄抽選が「当り」となる確率を示しており、普通図柄確率が1/1となる高ベース状態を「電サポモード1」とし、普通図柄確率が1/10となる高ベース状態を「電サポモード2」としている。
なお、第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、高ベース状態における第1特別図柄の特別図柄抽選に基づくはずれ変動の変動時間は30秒となっており、普通図柄抽選に基づく普通図柄の変動時間は1変動あたり4秒程度となっている。すなわち、高ベース状態(電サポ状態)における第1特別図柄のはずれ変動が1回行われる間に約7回の普通図柄変動が実行され、高ベース状態の継続期間が特別図柄の変動表示2回または3回となる場合は、普通図柄抽選の最大実行可能回数が約14回、約21回と増加していく。
図43の「継続率」は、特定期間(高ベース状態における第1特別図柄のはずれ変動の合計期間)において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できる確率(期待度)を示しており、表記されている継続率(確率)にて特定遊技(STOCK-TIME2)の実行権利を獲得することを示している。
なお、第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pでは、高ベース状態に維持する回数が複数回となる場合(電サポ回数が2回、3回となる場合)があるが、1回目ないし2回目の特定期間である第1特別図柄のはずれ変動の実行中に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できた場合は、第2特別図柄優先消化制御により2回目ないし3回目の特定期間(第1特別図柄のはずれ変動)が実行されることなく、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る特別図柄抽選により大当り遊技(小当りV)が実行されることとなる。
すなわち、第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「電サポモード1」に制御される特定遊技では、短時間(30秒)で第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が4個獲得可能である一方、「電サポモード2」に制御される場合には、電サポ回数が多くなる場合であっても、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得した特定期間(第1特別図柄のはずれ変動)が終了した瞬間に、新たな第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できる特定期間の実行がキャンセルされることとなるため、「電サポモード2」に制御される場合には複数個の第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の獲得は稀な事象となっている。
図42に戻り、遊技状態(ゲームフロー)の説明の続きを行う。「STOCK-TIME1」において、「大当り(特図1)」の実行契機となった大当り図柄に基づく、規定回数(電サポ回数)の遊技回数が消化される前に、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できた場合には、「大当り(特図2)『STOCK-BONUS』」が実行される(図42(C))。一方「STOCK-TIME1」にて、第1特別図柄の特別図柄抽選により規定回数(電サポ回数)の遊技回数が消化される前に、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できなかった場合には、「通常遊技」に復帰する(図42(D))。
「大当り(特図2)『STOCK-BONUS』」は、「STOCK-TIME1」または「STOCK-TIME2」にて獲得した第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が無くなるまで、大当り遊技(小当りV)を繰り返し実行するよう制御され、全ての第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留に対応する「大当り(特図2)『STOCK-BONUS』」が実行されたのち「STOCK-TIME2」へ移行する(図42(E))。
なお、「大当り(特図2)『STOCK-BONUS』」が実行される毎に、内部的に「STOCK-TIME2」が実行されているが、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留に基づく第2特別図柄の大当り(小当り)変動は、1秒程度の短時間の変動にて終了するため、全ての第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が無くなり、第1特別図柄の特別図柄抽選に基づくはずれ変動が実行されるまで、特定期間は発生せず、普通電動役物770が入球容易な態様で開放されることは無い。
「STOCK-TIME2」は、第2特別図柄の特別図柄抽選に基づく大当り遊技(小当りV)の後に移行する特定遊技であり、図43に示すように3種類の遊技状態を有する。「STOCK-TIME2」は「STOCK-TIME1」同様に、高ベース状態の種類である「電サポモード1」、「電サポモード2」と、高ベース状態に維持する遊技回数(電サポ回数)の組み合わせにて構成されており、遊技の仕組みとしての相違はない。しかし、「特図2_大当り/小当り図柄A」~「特図2_大当り/小当り図柄C」の大当り遊技(小当りV)の後に移行する「STOCK-TIME2」の方が、普通図柄抽選にて「当り」となる普通図柄確率が1/1である「電サポモード1」に制御される振り分け頻度が高くなっており、4回の大当り遊技(小当りV)の「STOCK-BONUS」が実行される可能性が高く、短時間で大量の出玉を獲得しやすい遊技状態となっている。
また、「STOCK-TIME2」は、普図図柄確率1/10である「電サポモード2」となる場合であっても、特定遊技における電サポ回数が最低2回となるように構成されており、「STOCK-TIME1」が「電サポモード2」で実行される場合の電サポ回数の最低回数1回よりも多くなっており、特定遊技の継続(連荘)の期待度も高く設定されている。
「STOCK-TIME2」では、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得した場合に、「大当り(特図2)『STOCK-BONUS』」が実行され(図42(F))、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できなかった場合に「通常遊技」へと復帰する(図42(G))。
(第2-3実施例のぱちんこ遊技機の変形例)
続いて、第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pの変形例について説明する。第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pでは、高ベース状態における普通図柄抽選に係る制御が異なる状態として、普通図柄抽選にて「当り」となる確率である「普通図柄確率」が異なる「電サポモード1」および「電サポモード2」について説明したが、「電サポモード」の種類は、2つに限らず、さらに異なる「普通図柄確率」を有する「電サポモード3」、「電サポモード4」などを設定可能としてもよい。
また、「電サポモード」の種類を異ならせる手法として、「普通図柄確率」ではなく、「普通図柄の変動時間短縮機能(普通図柄時短)」の種類を異ならせ、普通図柄の1変動あたりの変動時間が4秒ではなく、1変動あたり2秒とする場合や、1変動あたり8秒とする場合を設けてもよいし、多様な普通図柄の変動時間を決定可能として平均して4秒となるような場合を設けてもよい。「普通図柄時短」によって、異なる「電サポモード」を実行可能とすることにより、特定期間における普通図柄抽選の実行回数を異ならせることができ、より短時間に普通図柄抽選が実行可能であるほど、高い継続率を期待できる遊技状態として送出できる。また、「電サポモード」は「普通図柄確率」および「普通図柄時短」の種類を組み合わせて異なる仕様として構成してもよい。
以上、第2実施例のぱちんこ遊技機Pに関し、その応用例として第2-1実施例から第2-3実施例をそれぞれ説明した。これらの応用例である第2-1実施例から第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pおよびその変形例は、それぞれ独立した技術として実施可能でもあるが、適宜それぞれに開示された技術を組み合わせて実施することも可能である。
また、第2実施例および第2実施例の応用例は、普通図柄抽選の「当り」がすなわち第2始動入賞口P721に入球容易な状態の発生、そして第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の獲得である実施態様にて説明したが、第2実施例および第2実施例の応用例に対する変形例として、普通図柄抽選の「当り」が第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留(大当り遊技(小当りV)の実行権利)の獲得とならないように以下のように変形例を構成することも可能である。
第2実施例および第2実施例の応用例において、普通図柄抽選の「当り」が第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留(大当り遊技(小当りV)の実行権利)の獲得とならない変形例を実行する方法の一例として、普通電動役物770に係る入賞装置の内部に2つの流路に遊技球を振り分ける振り分け装置(可動弁部材など)を設け、一方の流路を一般入賞口P731に遊技球を誘導する流路で構成し、他方を第2始動入賞口P721に遊技球を誘導する流路で構成する盤面構成を採用する手法が考えられる。
このとき、普通図柄抽選における普通図柄の当り図柄抽選や、「電サポモード」の種類などによって、普通電動役物770に係る入賞装置の内部の振り分け装置の動作パターンを異ならせて、普通図柄抽選にて「当り」となったときの第2始動入賞口P721に対する入賞確率が異なる状態を作るようにする。具体例としては、「普通図柄_当り図柄A」では第2始動入賞口P721に対する入賞確率が100%となるように普通電動役物770および入賞装置の内部の振り分け装置の動作パターンを設定し、「普通図柄_当り図柄B」では、第2始動入賞口P721に対する入賞確率を50%、「普通図柄_当り図柄C」では第2始動入賞口P721に対する入賞確率を10%(0%でもよい)とするように構成する例が挙げられる。
このように構成した第2実施例および第2実施例の応用例では、特定期間の実行中において、普通図柄抽選で「当り」に当選した場合には、「普通電動役物開放演出」を実行し、普通電動役物770に遊技球を入球させるように促し、遊技者が普通電動役物770に係る入賞装置に遊技球を入球させた場合に、一般入賞口P731または第2始動入賞口P721のいずれに入球したかに関わらず、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生したかどうかに係る期待度を上昇させるように報知(エフェクト効果の色が「青」⇒「緑」⇒「赤」⇒「金」⇒「虹(4個の第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留獲得の確定)」にステップアップする演出など)を行うように構成し、特定期間の終了するタイミングで遊技結果として第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の獲得数を報知するように構成してもよい(例えば特定期間の満了時の特別図柄の図柄固定時間にボタン演出を実行し、ボタン操作にて第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の獲得数として「V×○個」との表示を行う演出など)。
このように構成する場合は、特別図柄抽選に係る保留数の表示(保留表示領域P810による表示、簡易保留表示P814)を行わないようにすることが好ましい。また、このような変形例を採用することで、普通図柄が当りである場合でも必ず第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生するわけではないことから、普通電動役物770が開くこととなる状況を多く送出することができ、特定期間において普通図柄抽選の当り頻度を高めて演出的な変化が多い第2実施例および第2実施例の応用例の変形例であるぱちんこ遊技機Pが提供可能となる。
(特別図柄の作動回数を契機とした変動時間短縮機能の作動「救済機能」)
特別図柄の作動回数を契機とした変動時間短縮機能の作動「救済機能」、低ベース状態(いわゆる「通常遊技」)において、予め定められた遊技回数の特別図柄の変動表示が実行された場合に、高ベース状態(電チューサポート機能の作動状態))を発生させる機能である。
より具体的には、低ベース状態に移行後(RAMクリア直後や高ベース状態での遊技終了条件成立後、低ベース状態に移行することとなる特別遊技の実行後)において、予め定められた遊技回数となる特別遊技が実行された場合に、高ベース状態を発生させることで、普通電動役物770に係る始動入賞口(第1特別図柄に係る始動入賞口または第2特別図柄に係る始動入賞口)への入賞を容易とし、特別図柄抽選の権利の獲得を容易とし、遊技者が過度に遊技球を消費することを抑制する機能である。
「救済機能」は、予め定められた遊技回数として、複数の遊技回数を設定し、1回目の救済機能の作動時に付与される時短回数(高ベース状態に維持する遊技回数)と、2回目(3回目)に救済機能の作動時に付与される時短回数を異ならせるように構成してもよい。
また、「救済機能」について、予め定められた遊技回数の特別図柄抽選の実行で必ず作動するように構成した場合に、作動する「救済機能」の性能によっては、遊技者に過度な遊技をさせてしまう虞があるため、予め定められた遊技回数の特別図柄抽選が実行された場合に「救済機能」の作動に係る抽選を実行するように構成し、例えば「救済機能」の作動に当選する確率を50%として1/2で「救済機能」が作動するように構成してもよい。
(「時短図柄」による特別図柄の変動時間短縮機能の作動)
前提とするぱちんこ遊技機および本実施例等では、大当り遊技(特別遊技)の実行後に、特別図柄の変動時間短縮機能(時短機能)や電チューサポート機能の作動を行うぱちんこ遊技機Pについて説明した。特別図柄の変動時間短縮機能(時短機能)や電チューサポート機能の作動は、このような特別遊技の実行後のみに限らず、特定の種類の特別図柄(はずれ図柄、小当り図柄)が停止表示された場合であって、大当り遊技が実行されない場合であっても作動を開始させるように構成してもよい。
例えば、第1特別図柄の特別図柄抽選において、当否抽選が「はずれ」である場合の当り図柄抽選(はずれ図柄抽選)にて、1/800で当選する「時短付き_はずれ図柄」に当選した場合に、100回の特別図柄抽選が実行されるまで継続する高ベース状態(時短状態、電チューサポート状態)を発生させるように構成するようにしてもよい。
また、「時短付き_はずれ図柄」に種類を設けて、「時短付き_はずれ図柄」の種類に応じて高ベース状態に維持する遊技回数が異なるように構成してもよい。例えば「時短付き_はずれ図柄A」のとき50回、「時短付き_はずれ図柄B」のとき100回、「時短付き_はずれ図柄C」のとき10000回(※実質的に次回大当り確定)まで、とすることもできる。
特別図柄の変動時間短縮機能(時短機能)、電チューサポート機能に関する「救済機能」、および「時短図柄」は、本実施例に開示された技術および第2実施例および第2実施例の応用例について適用することも可能である。
特に遊技機の仕様(スペック)として小当りVを採用する本実施例や第2実施例および第2実施例応用例に対し、特別図柄の変動時間短縮機能(時短機能)、電チューサポート機能に関する「救済機能」、および「時短図柄」を採用すると、高確率で大当り遊技(小当りV)となる第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得しやすい状況を「通常遊技」において第1特別図柄の特別図柄抽選にて「大当り」とならない場合にも発生可能となり、より効果的に遊技者の遊技球の消費を抑えられる効果が期待できる。
[第3実施例]
本実施例および第2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、実際に遊技者が演出ボタンP381を操作することで、演出内容を変化させたり、新たな演出内容を表示させたりするよう構成されていたが、演出ボタンP381を用いた演出はこれに限定されない。また、簡易図柄P802は特別図柄の抽選結果を示す表示物として表示されていたが、そのような役割のみならず、装飾図柄P801における演出に多様性を持たせるための視認性担保の役割を担うよう表示物として表示するよう構成することも可能である。また、特別図柄を主体とした「小当りV」の遊技性のみならず、普通図柄を主体とした「小当りV」の遊技性を適用することも遊技の幅を広げることが可能となる。そこで、そのような構成の一例を第3実施例とし、以下、前提技術および本実施例との相違点についてのみ詳述し、共通点の説明を省略または簡略化する。なお、第3実施例のぱちんこ遊技機Pを構成する要素のうち、前提技術または本実施例で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付す。
《ボタン演出および自動操作機能》
上述のように、演出ボタンP381を操作することで演出内容を変化させたり、新たな演出内容を表示させたりする演出を、ボタン演出と称する。このボタン演出は、その種類に応じて、操作促進画像(詳細は後述する)の表示有無、操作種別、演出内容種別が異なる。このボタン演出により、遊技者は大当り期待度を推察することができる。換言すれば、ボタン演出によって変化した演出内容や、新たに表示された演出内容の種類(演出内容種別)によって、大当り期待度が異なるよう構成されている。
操作促進画像とは、遊技者に対して演出ボタンP381や演出レバーP382の操作を促すため演出画像であり、演出ボタンP381を模した演出画像であるボタン画像や、演出レバーP382を模した演出画像であるレバー画像に、操作態様(例えば、前述したような、演出ボタンP381を1回だけ操作する操作態様である「単発押し」や、演出ボタンP381を複数回押下する操作態様である「連打」、演出レバーP382をする「レバー操作」など)を示す画像(例えば、「単発押し」であれば「押せ!」または操作態様を示す画像が非表示で操作促進画像のみ、「連打」であれば「連打しろ!」、「レバー操作」であれば「レバーを引け!」などの文字の画像)を付帯させた画像を指す。なお、操作促進画像を表示する際には、同時に専用の音声であり操作態様を指示する音声(例えば、「単発押し」であれば「押せ!」、「連打」であれば「連打しろ!」、「レバー操作」であれば「レバーを引け!」などの音声)を出力しても良い。操作促進画像の表示有無とは、操作促進画像を表示するボタン演出であるか、操作促進画像を表示しないボタン演出であるか、を示しており、操作促進画像を表示するボタン演出を表ボタン演出(第1操作演出ともいう)、操作促進画像を表示しないボタン演出を裏ボタン演出(第2操作演出ともいう)と称する。操作促進画像を表示しないボタン演出である裏ボタン演出については、操作促進画像を表示しないが(そのため、前述した操作態様を指示する音声も出力することはないが)、演出ボタンP381や演出レバーP382が操作されることで、演出内容を変化させたり、新たな演出内容を表示させたりする演出である。
操作種別とは、前述した操作態様の種類であり、演出内容を変化させたり、新たな演出内容を表示させたりするための、演出ボタンP381の操作態様や演出レバーP382の操作態様である。操作種別には、「単発押し」、「連打」、「レバー操作」以外にも、演出ボタンP381の押下を継続する「長押し」や、演出レバーP382を引き続ける「レバー長引き」なども有してよく、そのような操作種別に対応した操作促進画像は、「長押し」であれば、ボタン画像に「長押ししろ!」との文字が付帯した画像(この際、「長押ししろ!」との音声を出力しても良い)であり、「レバー長引き」であれば「レバーを引き続けろ!」との文字が付帯した画像(この際、「レバーを引き続けろ!」との音声を出力しても良い)である。
演出内容種別とは、演出ボタンP381や演出レバーP382が操作されることで表示される演出内容の種類である。演出内容種別は、表ボタン演出であれば操作促進画像または操作態様の種類によって異なり、裏ボタン演出であれば裏ボタン演出実行時のその他演出内容によって異なる{例えば、前述したような期待度が高いリーチ演出(リーチ状態形成後に発展する発展演出、所謂スーパーリーチ演出)の実行中であるか、期待度が高いリーチ演出の実行直前に表示される特定キャラクタの画像表示中であるか、など}。表ボタン演出における演出内容種別としては、例えば、「単発押し演出」(「単発操作演出」とも称する)であれば、リーチ状態形成前の台詞演出やリーチ状態形成後(複数ある発展演出の中でも発展演出A)のカットイン演出、「連打演出」(「連打操作演出」とも称する)であれば、リーチ状態形成前のメーター演出やリーチ状態形成後の(複数ある発展演出の中でも発展演出B)の敵殲滅演出、「レバー操作演出」であれば、リーチ状態形成前の暗転演出、リーチ状態形成後(複数ある発展演出の中でも発展演出C)の役物落下演出などである。なお、これら表ボタン演出の詳細は後述する。また、裏ボタン演出における演出内容種別としては、例えば、前述したような期待度が高いリーチ演出(リーチ状態形成後に発展する発展演出、所謂スーパーリーチ演出)の実行中であり、そのリーチ演出が発展演出D(発展演出A、発展演出B、発展演出Cよりも大当り期待度が低いリーチ演出であり、発展演出Cから発展演出A~Cのいずれかへと更に発展する可能性がある演出)である場合の裏ボタン演出は、発展演出Cの実行中において10秒間に亘って連打が可能(操作有効期間が10秒)であり、連打することで発展演出D実行中であることを示すタイトルの色(発展演出Dの実行中に常に表示されているタイトル表示の色)が変化していくタイトル色変化演出(1回の操作ごとにタイトルの色が発光表示され、その発光表示に伴い、タイトルの色が青→緑→赤→金の順で変化する可能性があり、後者の色ほど大当り期待度または発展演出Aまたは発展演出Bへの発展期待度が高いことを示唆する演出)であり、期待度が高いリーチ演出の実行直前に表示される特定キャラクタの画像表示中である場合の裏ボタン演出は、特定キャラクタが笑ったタイミングでボタンを単発押し(操作有効期間は0.5秒)することで、この演出を実行している変動が大当りである場合に限り、虹色で「確定」といった文字が表示されるタイミング単発押し演出である。
第3実施例におけるボタン演出の具体例は以下のとおりである。(1)台詞演出操作促進画像の表示有無:有(表ボタン演出)、操作有効期間は3秒(ボタン操作で操作有効期間が終了する)操作種別:単発押し演出内容種別:リーチ状態形成前に、キャラクタとボタン画像(「押せ!」の表示なし)が表示され、演出ボタンP381が単発押しされると、『吹き出し付きの台詞画像』が表示される。当該画像の色(吹き出しの色)が、青<緑<赤<金の順で大当り期待度が高い。(2)カットイン演出操作促進画像の表示有無:有(表ボタン演出)、操作有効期間は3秒(ボタン操作で操作有効期間が終了する)操作種別:単発押し演出内容種別:発展演出Aの実行中に、ボタン画像(「押せ!」の表示あり)が表示され、演出ボタンP381が単発押しされると、『味方キャラクタのカットイン』が表示される。当該画像の色(カットインの色)が、緑<赤<金の順で大当り期待度が高い。カットイン演出後、大当りか否かが報知される(例えば、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利すれば大当りであり、敗北すればはずれである。)(3)メーター演出操作促進画像の表示有無:有(表ボタン演出)、操作有効期間は5秒(ボタン操作で操作有効期間が終了しないが、メーターが20段階に到達すると操作有効期間が終了する)操作種別:連打演出内容種別:リーチ状態形成前に、20段階のメーターとボタン画像(「連打しろ!」の表示あり)が表示され、演出ボタンP381が連打されると、その連打回数に応じて『メーターが貯まっていく』表示がなされる。メーターが貯まるほど、大当り期待度が高い。(4)敵殲滅演出操作促進画像の表示有無:有(表ボタン演出)、操作有効期間は7秒(ボタン操作で操作有効期間が終了しない)操作種別:連打演出内容種別:発展演出Bの実行中に、「敵残存数100人」の表示とボタン画像(「連打しろ!」の表示あり)が表示され、演出ボタンP381が連打されると、その連打回数に応じて『敵残存数が減っていく』表示がなされる。敵残存数が0になると、大当りであることが報知される。(5)暗転演出操作促進画像の表示有無:有(表ボタン演出)、操作有効期間は3秒(ボタン操作で操作有効期間が終了する)操作種別:レバー操作演出内容種別:リーチ状態形成前に、レバー画像(「引け!」の表示あり)が表示され、演出レバーボタンP382が操作されると、「プチュン」という音とともに画面が暗転し、その後『白抜き文字で大きく激熱と書かれた文字』が表示される。大当り確定ではないが、台詞演出やメーター演出と比較して、相対的に大当り期待度が高い(台詞演出やメーター演出が金色である場合のみ、台詞演出やメーター演出のほうが、大当り期待度が高い)。なお、当該画像が「確定」の文字であると、大当り確定となる。(6)役物落下演出操作促進画像の表示有無:有(表ボタン演出)、操作有効期間は3秒(ボタン操作で操作有効期間が終了する)操作種別:レバー操作演出内容種別:発展演出Cの実行中に、レバー画像(「引け!」の表示あり)が表示され、演出レバーボタンP382が操作されると、大当りである場合にのみ役物が落下し、演出表示装置P80が虹色画面となる演出である。なお、大当りではない場合は役物が落下せず、演出表示装置P80が灰色画面となる。カットイン演出や敵殲滅演出と比べて、相対的に大当り期待度が高い(カットイン演出後に味方キャラクタが勝利したり、敵殲滅演出で敵残存数が0になったりするよりも、役物落下演出にて役物が落下する可能性のほうが高い、但し、カットインが金色の場合は味方キャラクタの勝利が確定しても良い)。
なお、「連打演出」であるメーター演出、敵殲滅演出、タイトル色変化演出については、遊技者の実際の連打操作に基づいて演出内容が変化するが、前述した「オート連打」操作を可能としても良い。
このように、ボタン演出を実行するにあたっては、実際の遊技者操作に基づき演出を発生させたり変化させたりするが、第3実施例においては、遊技者操作なしであっても、遊技者操作があったと同様に、演出を発生させたり変化させたりすることができる。具体的には、以下のとおりである。
第1特別図柄に対応する保留も第2特別図柄に対応する保留も存在しない状況にて、第1特別図柄または第2特別図柄の変動が停止してから所定時間(例えば、3秒)経過すると、変動待機状態となる。この変動待機状態にて、演出ボタンP381が単発押しされると、図44に示すように、「自動操作機能ON」と「自動操作機能OFF」の2つの項目画面が表示される{換言すれば、第1特別図柄に対応する保留も第2特別図柄に対応する保留も存在しない状況にて、第1特別図柄または第2特別図柄の変動が停止してから所定時間(例えば、3秒)経過するまでは、変動待機状態ではないため、演出ボタンP381が単発押しされても、「自動操作機能ON」と「自動操作機能OFF」の2つの項目画面が表示されないが、変形例として、第1特別図柄に対応する保留も第2特別図柄に対応する保留も存在しない状況にて、第1特別図柄または第2特別図柄の変動が停止した直後から変動待機状態としても良く、その場合は、変動が停止した直後から演出ボタンP381の単発押しにて、「自動操作機能ON」と「自動操作機能OFF」の2つの項目画面が表示される}。この項目画面は、十字キーの左右方向の操作にてカーソル選択可能であり、「自動操作機能ON」の項目画面にカーソルを合わせたうえで再度演出ボタンP381が単発押しされると、図45に示すように「自動操作機能がONになりました」との画面へと切り替わるとともに、自動操作機能が設定された状態となる。また、「自動操作機能OFF」の項目画面にカーソルを合わせたうえで再度演出ボタンP381が単発押しされると、「自動操作機能がOFFになりました」との画面へと切り替わるとともに、自動操作機能が設定されていない(設定解除された)状態となる。なお、図示しないが、変動待機状態においては、装飾図柄P801および簡易図柄P802は表示が継続されており、その後に「自動操作機能ON」、「自動操作機能OFF」の項目画面、そして「自動操作機能ON」の画面が表示されていても、その後面レイヤーにて装飾図柄P801および簡易図柄P802は表示が継続されている。
自動操作機能が設定された状態となることで、表ボタン演出については、遊技者の実際の操作がなくとも、操作有効期間内の所定のタイミングにて、実際に遊技者の操作があった場合と同様に演出を発生させたり変化させたりする。具体的には、台詞演出実行時は、操作有効期間開始から1.5秒後に『吹き出し付きの台詞画像』が自動的に表示され、メーター演出実行時は、操作有効期間開始から0.2秒後に0.2秒間隔の連打扱いとして『メーターが貯まっていく』表示が自動的になされ、敵殲滅演出時は、操作有効期間開始から0.2秒後に0.1秒間隔の連打扱いとして『敵残存数が減っていく』表示が自動的になされ、暗転演出実行時は、操作有効期間開始から1.5秒後に『白抜き文字で大きく激熱と書かれた文字』(または、「確定と書かれた文字」)が自動的に表示される。このように、表ボタン演出については、遊技者の実際の操作がなくとも、操作有効期間内の所定のタイミングにて、実際に遊技者の操作があった場合と同様に演出を発生させたり変化させたりすることができる。なお、自動操作機能が設定されていない状態となり、遊技者の実際の操作がなかった場合、台詞演出実行時は、『吹き出し付きの台詞画像』が表示されず、メーター演出実行時は、『メーターが貯まっていく』表示がなされず、敵殲滅演出時は、『敵残存数が減っていく』表示がなされず(但し、減っていく過程が表示されないだけで、はずれである場合は1人、大当りである場合は0人との表示が最終的にはなされる)、暗転演出実行時は『白抜き文字で大きく激熱と書かれた文字』(または、「確定と書かれた文字」)が表示されない。
ここで、表ボタン演出の一部であるカットイン演出と役物落下演出、そして2種の裏ボタン演出については、自動操作機能の対象外のボタン演出である。つまり、自動操作機能が設定されている状態であったとしても、遊技者の実際の操作がなかった場合は、遊技者の実際の操作があったと見做すことはない。但し、カットイン演出、2種の裏ボタン演出については、自動操作機能が設定されていても設定されていなくても、遊技者の実際の操作がないと演出が発生しないが、役物落下演出については、自動操作機能が設定されていても設定されていなくても、遊技者の操作がないと操作有効期間が満了したタイミング(つまり、操作有効期間開始から3秒後のタイミング)にて、大当りである場合は役物が落下し且つ演出表示装置P80が虹色画面となり、大当りではない場合は役物が落下せず且つ演出表示装置P80が灰色画面となる。このように構成することで、大当り確定直前または大当り報知に大きく関わるボタン演出については、遊技者自ら大当りをつかみ取るような感覚を与えることができる演出でもあるため、敢えて自動操作機能を適用せず、演出の発生を遊技者の操作に依存させるようにしている。
なお、自動操作機能の設定有無(設定と設定解除)については、変動待機状態における演出ボタンP381の単発押しから表示される2つの項目画面から選択するだけに限らず、第1特別図柄または第2特別図柄の変動(以下、図柄変動と称する)中であっても設定可能である。具体的には、以下のとおりである。
自動操作機能が設定されていない状態であり、図柄変動中における操作有効期間でない期間(図柄変動期間であって、表ボタン演出および裏ボタン演出における操作有効期間ではない期間)において、演出ボタンP381の長押し(「継続操作」、「単発操作の継続」とも称する)が所定時間(例えば、2秒)行われることで、自動操作機能が設定される。その場合、図45のような「自動操作機能がONになりました」との画面が変動中に表示されるが、変動待機状態にて表示される画面よりも小さく且つ画面の中央ではなく左下に表示される。また、自動操作機能が設定されている状態であれば、図柄変動中において演出ボタンP381の単発押しがなされると、自動操作機能の設定が解除される(表ボタン演出の操作有効期間中における演出ボタンP381の単発押しでも解除される)。その場合、「自動操作機能がOFFになりました」との画面が変動中に表示されるが、変動待機状態にて表示される画面よりも小さく且つ画面の中央ではなく左下に表示される。但し、これらの設定および設定解除について、一部状況においては設定または設定解除ができないようにしている。(1)自動操作機能の設定ができない状況(1-1)自動操作機能を設定するための演出ボタンP381の長押しが所定時間に達するまでに、表ボタン演出の操作有効期間と重複する場合(所定時間経過前に表ボタン演出の操作有効期間が開始する場合)(1-2)自動操作機能を設定するための演出ボタンP381の長押しの所定時間に達するまでに、裏ボタン演出の操作有効期間と重複する場合(所定時間経過前に裏ボタン演出の操作有効期間が開始する場合)(1-3)自動操作機能を設定するための演出ボタンP381の長押しの所定時間に達するまでに、現在の図柄変動(長押しを開始した図柄変動)の次の図柄変動が開始してしまう場合(2)自動操作機能の設定解除ができない状況(2-1)裏ボタン演出の操作有効期間中において演出ボタンP381を単発押しした場合
このように構成することで、図柄変動の停止(正確には、変動待機状態)を待たずして、適切な状況にて自動操作の設定および設定解除が可能となる。なお、変形例として、自動操作機能が設定されていない状態であり、図柄変動中における操作有効期間(図柄変動期間であって、表ボタン演出および裏ボタン演出における操作有効期間)から演出ボタンP381の長押しを開始し、その後、その操作有効期間終了後に長押しが所定時間(例えば、2秒)に達することで、自動操作機能が設定されるよう構成しても良い。そのように構成した場合、表ボタンの単発押し演出においては、単発押しした時点で操作有効期間が終了するため、表ボタンの単発押し演出の操作有効期間開始後に演出ボタンP381の所定時間(例えば、2秒)長押しした場合は、その所定時間到達時に自動操作機能が設定されるが、連打演出の操作有効期間開始後に演出ボタンP381が長押しされた場合、「オート連打」操作がなされる一方で、長押し開始から所定時間に到達しても自動操作機能が設定されず、操作有効期間が終了した後も長押しを継続している場合に限り、その操作有効期間の終了後からの長押しが所定時間に到達することを契機として自動操作機能が設定される(例えば、連打演出であるメーター演出を例にとると、操作有効期間5秒のうち残り4秒の時点で長押しを開始した場合、その長押しを継続しているとオート連打が残りの操作有効期間である4秒にて実行されるが、その長押しの開始から2秒が経過しても自動操作機能が設定されず、残りの操作有効期間である4秒が経過した後もそのまま長押しを継続し、残りの操作有効期間である4秒が経過した後から更に2秒長押しを継続していると、残りの操作有効期間である4秒が経過した後から更に2秒経過したタイミングにて自動操作機能が設定される)。また、そのように構成した場合は、(1-1)の変形例として、自動操作機能を設定するための演出ボタンP381の長押しが所定時間に達するまでに、表ボタン演出の操作有効期間と重複する場合(所定時間経過前に表ボタン演出の操作有効期間が開始する場合)であっても、自動操作機能を設定可能としても良く、更に、自動操作機能を設定するための演出ボタンP381の長押しの所定時間に達するまでに、裏ボタン演出の操作有効期間と重複する場合(所定時間経過前に裏ボタン演出の操作有効期間が開始する場合)であっても、自動操作機能を設定可能としても良い。
第3実施例においては、自動操作機能に対して遊技者の趣味趣向を反映すべく、自動操作タイミングを遊技者が設定可能としている。つまり、自動操作機能が設定されている状態における表ボタン演出における演出発生や演出変化のタイミング(ボタン操作があったと見做すタイミング)までも設定可能としている。
前述したとおり、自動操作機能が設定された状態となることで、表ボタン演出については、遊技者の実際の操作がなくとも、台詞演出実行時は、操作有効期間開始から1.5秒後に『吹き出し付きの台詞画像』が自動的に表示され、メーター演出実行時は、操作有効期間開始から0.2秒後に0.2秒間隔の連打扱いとして『メーターが貯まっていく』表示が自動的になされ、敵殲滅演出時は、操作有効期間開始から0.2秒後に0.1秒間隔の連打扱いとして『敵残存数が減っていく』表示が自動的になされ、暗転演出実行時は、操作有効期間開始から1.5秒後に『白抜き文字で大きく激熱と書かれた文字』(または、「確定と書かれた文字」)が自動的に表示されるが、この自動操作タイミング{自動操作機能が設定されている状態における表ボタン演出における演出発生や演出変化のタイミング(ボタン操作があったと見做すタイミング)}を、自動操作機能の通常設定状態と称する。この自動操作機能の通常設定状態から、自動操作機能が適用可能な表ボタン演出における自動操作タイミング{自動操作機能が設定されている状態における表ボタン演出における演出発生や演出変化のタイミング(ボタン操作があったと見做すタイミング)}を変更した状態が、自動操作機能の自動操作タイミング変更状態である。なお、この自動操作タイミングの変更は、自動操作機能が適用可能な表ボタン演出の1つ1つに対して任意設定可能である。具体的には、以下のとおりである。
第1特別図柄に対応する保留も第2特別図柄に対応する保留も存在しない状況にて、第1特別図柄または第2特別図柄の変動が停止してから所定時間(例えば、3秒)経過すると、変動待機状態となる。この変動待機状態にて、演出ボタンP381が単発押しされると、前述したとおり、「自動操作機能ON」と「自動操作機能OFF」の2つの項目画面が表示される。この項目画面にて「自動操作機能ON」の項目画面にカーソルを合わせた状態で、十字キーの上操作を行うことで、図46に示すような自動操作タイミングの設定項目画面が表示される。より具体的には、自動操作タイミングの設定項目画面として、「台詞発生タイミング」、「メーター貯め開始タイミング」、「敵殲滅開始タイミング」、「暗転発生タイミング」の4項目画面が表示される。この4項目画面が表示されている際に、十字キーの上下左右操作を行って、いずれかの項目画面にカーソルを合わせて演出ボタンP381が単発押しされると、その項目に対応する表ボタン演出の発生タイミング(自動操作機能設定時の発生タイミング)を設定するための発生タイミング設定専用画面が表示される。なお、「台詞発生タイミング」は台詞演出に、「メーター貯め開始タイミング」はメーター演出に、「敵殲滅開始タイミング」は敵殲滅演出に、「暗転発生タイミング」は暗転演出に対応している。
図47に示すように、「台詞発生タイミング」の発生タイミング設定専用画面では、「最初」、「途中」、「最後」の3項目画面が表示されるため、十字キーの左右操作を行って、いずれかの項目画面にカーソルを合わせて演出ボタンP381が単発押しされると、その項目画面に対応した発生タイミングが設定される。ここで、「最初」は操作有効期間の開始直後のタイミング(操作有効期間の開始から0秒後のタイミング)であり、「途中」は操作有効期間の開始から1.5秒後のタイミングであり、「最後」は操作有効期間の終了タイミング(操作有効期間の開始から3秒後のタイミング)である。なお、「暗転発生タイミング」の発生タイミング設定専用画面も同様であり、「最初」、「途中」、「最後」の3項目画面から選択可能である。「メーター貯め開始タイミング」の発生タイミング設定専用画面では、「最初」、「途中1」、「途中2」の3項目画面が表示されるため、十字キーの左右操作を行って、いずれかの項目画面にカーソルを合わせて演出ボタンP381が単発押しされると、その項目画面に対応した発生タイミングが設定される。ここで、「最初」は操作有効期間の開始直後のタイミング(操作有効期間の開始から0秒後のタイミング)であり、「途中1」は操作有効期間の開始から1.5秒後のタイミングであり、「途中2」は操作有効期間の開始から3秒後のタイミングである。「敵殲滅開始タイミング」の発生タイミング設定専用画面では、「最初」、「途中1」、「途中2」の3項目画面が表示されるため、十字キーの左右操作を行って、いずれかの項目画面にカーソルを合わせて演出ボタンP381が単発押しされると、その項目画面に対応した発生タイミングが設定される。ここで、「最初」は操作有効期間の開始直後のタイミング(操作有効期間の開始から0秒後のタイミング)であり、「途中1」は操作有効期間の開始から2.5秒後のタイミングであり、「途中2」は操作有効期間の開始から5秒後のタイミングである。
なお、変形例としては、この自動操作タイミングの変更を一律設定としても良く、例えば、自動操作タイミングを、自動操作機能が適用可能な表ボタン演出の種類を問わず、一律的に操作有効期間の開始直後(有効期間開始から0秒後)から操作有効期間開始から2秒後の間で、0.5秒刻みで設定可能(操作有効期間開始から0秒後、0.5秒後、1秒後、1.5秒後、2秒後のいずれかに設定可能)としても良い。
このように構成することで、複数種類の表ボタン演出のそれぞれに対して自動操作タイミングを遊技者の任意のタイミングに設定可能となるため、遊技者にとっては、自身の趣味趣向に応じたタイミングでの演出発生を楽しむことが可能となる。
なお、表ボタン演出においては、操作促進画像を表示する直前に、操作促進画像の表示がまもなく行われることを示唆する操作促進煽り演出を実行しても良い。具体的には、ボタン画像やレバー画像を表示する直前に、ボタン画像やレバー画像のシルエットを表すシルエット画像を事前に表示することで、その後にボタン画像やレバー画像が出現すること(すなわち、操作促進画像が表示されること)を示唆する演出となる。なお、ボタン画像やレバー画像を表示する場合、このような操作促進煽り演出を必ず実行する必要はなく、操作促進煽り演出を経由せずにいきなりボタン画像やレバー画像を表示させてもよい。ここで、この操作促進煽り演出については、表示態様を複数種類備えてもよく、そのように構成した場合、例えば、青いエフェクトを伴う操作促進煽り演出(ボタン画像やレバー画像のシルエットが薄く青く光っているように表示される操作促進煽り演出)よりも、赤いエフェクトを伴う操作促進煽り演出(ボタン画像やレバー画像のシルエットが薄く赤く光っているように表示される操作促進煽り演出)のほうが、大当り期待度が高いよう構成しても良い。また、その他変形例として、ボタン画像やレバー画像を複数種類備え(例えば、ボタン画像であれば、青色ボタン画像と赤色ボタン画像などを備え、青色ボタン画像よりも赤色ボタン画像のほうが高期待度の予告演出が実行されやすく、例えば、青色の台詞演出よりも赤色の台詞演出が実行されやすい)、青いエフェクトを伴う操作促進煽り演出よりも、赤いエフェクトを伴う操作促進煽り演出のほうが、特定のボタン画像(例えば、赤色ボタン画像)となりやすくなるよう構成してもよい。上記以外にも、短時間(例えば、2秒)の操作促進煽り演出よりも、長時間(例えば、4秒)の操作促進煽り演出のほうが、大当り期待度が高くなるよう構成してもよいし、短時間(例えば、2秒)の操作促進煽り演出よりも、長時間(例えば、4秒)の操作促進煽り演出のほうが、特定のボタン画像(例えば、赤色ボタン画像)となりやすくなるよう構成してもよい。また、操作促進煽り演出の表示態様を複数種類備えるよう構成する場合、変動表示中の前半部(リーチ状態形成前の所定タイミング)よりも、変動表示中の後半部(リーチ状態成立後の特定タイミング)のほうが、期待度の高い操作促進煽り演出が実行されやすくなるよう構成してもよい、もしくは、変動表示中の前半部(リーチ状態形成前の所定タイミング)では操作促進煽り演出を実行させず、変動表示中の後半部(リーチ状態形成後の特定タイミング)のみ操作促進煽り演出を実行可能なよう構成してもよい。また、更なる変形例として、先読み演出の対象となった保留が消化される以前の一又は複数回の変動表示(先読み変動表示)の実行中においても台詞演出を実行可能且つ(ボタン画像を表示可能)とし、該先読み変動表示の実行中の方が、この先読み演出の対象となった保留が消化されたときの変動表示(当該変動表示)の実行中よりも、操作促進煽り演出が実行される可能性を低くしてもよいし、該先読み変動表示の実行中の方が、この先読み対象の作動保留球が消化されたときの変動表示(当該変動表示)の実行中よりも、高期待度の操作促進煽り演出が実行される可能性を低くしてもよい。その他変形例として、変動表示中の前半部(リーチ状態形成前の所定タイミング)で操作促進煽り演出を実行させず(もしくは、高期待度の操作促進煽り演出を実行させず低期待度の操作促進煽り演出を実行させ)、変動表示中の後半部(リーチ状態成立後の特定タイミング)で操作促進煽り演出を実行させる(もしくは、低期待度の操作促進煽り演出ではなく高期待度の操作促進煽り演出を実行させる)場合、変動表示中の前半部であるリーチ状態形成前の所定タイミングと、変動表示中の後半部であるリーチ状態形成後の特定タイミングとの期間が長いほど(例えば、60秒よりも90秒であるほうが)、大当り期待度が高くなるよう構成してもよいし、変動表示中の後半部であるリーチ状態形成後の特定タイミングにおけるボタン画像が高期待度の画像となりやすく(例えば、青色ボタン画像ではなく赤色ボタン画像となりやすく)なるよう構成してもよい。
《装飾図柄と簡易図柄》
装飾図柄P801は、簡易図柄P802より大きなサイズで表示される図柄である。装飾図柄P801の停止図柄の組合せは、3個の図柄で構成され、変動表示後に原則として1個ずつ順に停止される。簡易図柄P802の停止図柄の組合せもまた3個の図柄で構成されるが、変動表示後に3個が同時に停止される。簡易図柄P802の停止図柄の組合せとしては、装飾図柄P801の停止図柄の組合せと同じ組合せが表示される。
なお、発展演出の実行中は、少なくとも一部の期間において装飾図柄P801を小さく表示する(代替図柄を表示する)よう構成してもよいし、装飾図柄P801を非表示としてもよい(代替図柄も表示しないよう構成してもよい)が、そのような状況において、簡易図柄P802は常に変動表示している。この簡易図柄P802は、演出表示装置P80の右上に小さく表示され、第1特別図柄または第2特別図柄が変動している最中は変動表示を行い、第1特別図柄または第2特別図柄が停止している最中は停止表示を行うものであり、装飾図柄P801と同じく、3つの図柄が変動表示および停止表示するものである。この簡易図柄P802を設けることで、装飾図柄P801を小さくしたい又は非表示としたいような状況(例えば、発展演出を実行する場合、可動役物による演出を行って演出表示装置P80の中央が隠れる場合など)であっても、変動中であること(換言すれば、当否結果が確定していないこと)を報知することができる。つまり、この簡易図柄P802は、表示担保用の(装飾図柄P801の表示状態を補償するための)図柄であると言える。なお、この簡易図柄P802が変動表示する場合、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始から停止表示を行うまで、常に変動表示を継続することが好適である、つまり、装飾図柄P801が途中で仮停止を行う場合(例えば擬似連演出を実行するに際し、「NEXT」などの文字を表示する特殊な装飾図柄P801を仮停止する場合)であっても簡易図柄P802は途中で仮停止を行うことがないように構成することが好適であり(そのため、簡易図柄P802については、「NEXT」などの文字を表示する特殊な図柄を設けておらず、簡易図柄P802は確定停止しか行わない)、更に、はずれ変動である場合は大当りであるとの誤認を防ぐよう、大当り変動である場合は事前に大当りであることを察知されないよう、はずれ変動であっても大当り変動であっても、遊技者に対してはずれを示す図柄組み合わせを維持した状態で変動表示する(例えば、簡易図柄P802の種類が「1」~「7」である場合、「123」→「234」→「345」→「456」→「567」→「671」→「712」→「123」→・・・のように変動表示する)ことが好適である。
また、装飾図柄P801および簡易図柄P802が確定停止している状況から変動開始する場合、その起点となる図柄組合せ(変動開始直後の最初の図柄組合せ)は、確定停止時の図柄組合せから1つ進行した図柄組合せであるが、簡易図柄P802が確定停止している状況から変動開始する場合、その起点となる図柄組合せは、確定停止時の組合せにかかわらず、あらかじめ決まった図柄組合せとなる。例えば、装飾図柄P801および簡易図柄P802に係る数字組合せのいずれも「243」で確定停止している状況にて、装飾図柄P801および簡易図柄P802が変動開始する場合、装飾図柄P801の起点となる図柄組合せは「354」となるが、簡易図柄P802の起点となる図柄組合せは「123」固定であり、装飾図柄P801および簡易図柄P802に係る数字組合せのいずれも「333」で確定停止している状況にて、装飾図柄P801および簡易図柄P802が変動開始する場合、装飾図柄P801の起点となる図柄組合せは「444」となるが、簡易図柄P802の起点となる図柄組合せは「123」固定である。これ以外にも、簡易図柄P802については、以下のような特徴を有することで、装飾図柄P801と明確に役割を差別化することができる。具体的には、以下のとおりである。
遊技者が認識しやすい装飾図柄P801の表示領域のほうが、表示担保用の(装飾図柄P801の表示状態を補償するための)簡易図柄P802の表示領域よりも大きい。これは、装飾図柄P801および簡易図柄P802が確定停止している状況、装飾図柄P801はリーチ状態を形成した直後(発展演出へ発展していない状態でのリーチ状態)であり簡易図柄P802は変動表示中である状況に限らず、発展演出中などで装飾図柄P801が小図柄となっている状況であり簡易図柄P802は変動表示中である状況であっても、このように構成することが好適である。
装飾図柄P801の表示位置は第1演出モード(例えば、通常モード、もしくは通常モードにおけるステージA)であるか第2演出モードで(例えば、後述するラッシュモード、もしくは通常モードにおけるステージB)あるかに応じて異なる表示位置にすることで、演出モードに応じて装飾図柄P801での演出の多様性を実現できる。一方で、簡易図柄P802は装飾図柄P801の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいので、第1演出モードであるか第2演出モードであるかにかかわらず、同一の表示位置として余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。なお、第3実施例における演出モードの詳細については後述する。
装飾図柄P801の表示態様は第1演出モード(例えば、通常モード、もしくは通常モードにおけるステージA)であるか第2演出モード(例えば、ラッシュモード、もしくは通常モードにおけるステージB)であるかに応じて異なる表示態様にすることで、演出モードに応じて装飾図柄P801での演出の多様性を実現できる。例えば、第1演出モードでは数字の装飾図柄P801のみで装飾図柄P801が構成され(「1」、「2」、・・・、「7」といった装飾図柄P801)、第2演出モードでは数字の装飾図柄P801と味方キャラクタの装飾図柄P801とを組み合わせて装飾図柄P801が構成される(「1」+「キャラクタa」、「2」+「キャラクタb」、・・・、「7」+「キャラクタg」といった装飾図柄P801)。一方で、簡易図柄P802は装飾図柄P801の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、第1演出モードであるか第2演出モードであるかにかかわらず、同一の表示態様のみ、例えば数字の装飾図柄P801のみで簡易図柄P802を構成し余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
装飾図柄P801の表示領域は変動状況(例えば、発展演出前であるか否か、発展演出中であるか否か、など)に応じて可変する(移動する、小図柄とする)ことで、装飾図柄P801の演出に多様性を持たせることができる。一方で、簡易図柄P802は装飾図柄P801の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、簡易図柄P802の表示領域は可変しない(移動しない、小図柄としない)ようにして余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
装飾図柄P801は変動状況(例えば、変動開始時点なのか、変動途中なのか、変動終了間際なのか、など)に応じて変動速度が低速、中速、高速、超高速などに可変とすることで、装飾図柄P801の演出に多様性を持たせることができる。一方で、簡易図柄P802は装飾図柄P801の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいので、簡易図柄P802の変動速度は可変としない、もしくは可変とする段階を少なくする(例えば、低速と高速のみにする)ことで余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。また、変動方向についても、装飾図柄P801は、上から下への変動のみならず下から上への変動を可能とする(複数方向の変動を可能とする)一方で、簡易図柄P802は、上から下への変動のみとすることが好適である。それ以外にも、装飾図柄P801は、第1演出モードにおいては上から下への変動であるが、第2演出モードにおいてはその場で回転動作を行うとともに順番に切り替え表示がされるものであってもよく、簡易図柄P802は、第1演出モードであっても第2演出モードであっても上から下への変動のみとしてもよい。
装飾図柄P801は確定停止(第1特別図柄または第2特別図柄が停止するタイミングでの停止)するよりも前に仮停止(第1特別図柄または第2特別図柄の変動途中における仮停止であり、微小な揺れ変動を伴いながらの暫定的な停止)を行い、その際に数字以外の装飾図柄P801である特定図柄(例えば、発展演出への発展を予告する「スーパー」という文字が書かれた装飾図柄P801)を仮停止させることで、装飾図柄P801の演出とその他演出とに関連性を持たせることができる。一方で、簡易図柄P802は装飾図柄P801の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいので、簡易図柄P802は仮停止もしなければ、特定図柄を仮停止させることもしないようにして余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
装飾図柄P801はその他の予告演出(例えば、台詞演出、メーター演出など)の表示領域と重複する、つまり重畳表示がなされる。演出表示装置P80上の領域をできる限り用いて迫力ある演出を行うため、このような重畳表示を許容しているが、簡易図柄P802については、装飾図柄P801の表示状態を補償する役割を果たすため、簡易図柄P802の表示領域は当該その他の予告演出の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう設計することが望ましい。但し、どうしても重複してしまう特殊な予告演出(例えば、演出表示装置P80全体に表示される暗転演出、役物落下演出など)との関係性については、簡易図柄P802の表示優先度を、当該特殊な予告演出の表示優先度よりも高く設定する(簡易図柄P802のほうが当該特殊な予告演出よりも前面レイヤーに表示されるよう設定する)ことが好適である。また、右打ち報知画像(特別遊技中に表示される画像とは異なり、高ベース状態中に表示される高ベース状態専用の右打ち報知画像、但し、特別遊技中の画像と共通する画像でもよく、前述した右打ち報知P832であってよい)についても、遊技者に対して必ず視認できるようにすることが望ましいため、簡易図柄P802の表示領域と右打ち報知画像の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう設計することが望ましい。但し、装飾図柄P801の表示領域が移動したり拡大されたりした場合など、装飾図柄P801の表示領域と右打ち報知画像の表示領域とは重複する(重畳表示する)ようにしても良く、その場合は、装飾図柄P801の表示優先度を、右打ち報知画像の表示優先度よりも低く設定する(装飾図柄P801のほうが右打ち報知画像よりも後面レイヤーに表示されるよう設定する)ことが好適である。
特別遊技中においては、装飾図柄P801は組み合わせ表示ではなく、1つのみの表示としてよい。例えば、「777」が確定停止したうえで特別遊技が実行された場合は、特別遊技中には「7」が表示され、「222」が確定停止したうえで特別遊技が実行された場合は、特別遊技中には「2」が表示される。これにより、どの装飾図柄P801で大当りしたかを特別遊技中に認識することができる。変形例として、有利度が高い大当りに対応した装飾図柄P801(例えば、7R以上の大当りまたは10Rの大当りであることを示す「333」、「555」、「777」など)のみ、特別遊技中に表示してもよい。このように特別遊技中に表示される1つの装飾図柄P801を表示する表示領域は、特別遊技中の他の表示領域であるラウンド表示領域、右打ち表示領域、賞球獲得表示領域、累積賞球数表示領域とは重複しない、つまり重畳表示しないよう構成することが望ましい(但し、強調表示とは重畳表示してもよく、その場合、強調表示の方が表示優先度は高い)。また、簡易図柄P802については、特別遊技中には非表示とすることが好適であるが(特別遊技中は変動表示が行われないため)、特別遊技中に表示してもよい。
装飾図柄P801においては、変動(例えば、上から下への移動)を行う以外にも、変動開始時、仮停止直後、リーチ状態形成後、仮停止中などにおいては、所定の動作を伴った表示を行ってもよい(それぞれの状況における動作を、変動開始時動作、仮停止時動作、リーチ状態形成時動作、揺れ動作と称してもよい)。例えば、非リーチとなる場合(確定停止時において、装飾図柄P801および簡易図柄P802が「624」と表示される場合)、変動開始時は、装飾図柄P801における左図柄、中図柄、右図柄の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「6」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「4」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、中図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止し揺れ動作を少しだけ行い、その後、確定停止タイミングにて、左図柄、中図柄、右図柄の全ての動作を終了させる。この場合においては、簡易図柄P802は、各動作を一切行わない。また、リーチ状態を形成した後に発展演出へと発展しない場合(確定停止時において、装飾図柄P801および簡易図柄P802が「212」と表示される場合)、変動開始時は、装飾図柄P801における左図柄、中図柄、右図柄の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、リーチであることを報知するために左図柄と右図柄が回転動作を行ったうえで再度揺れ動作を継続し、その後、中図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「1」が仮停止し揺れ動作を少しだけ行い、その後、確定停止タイミングにて、左図柄、中図柄、右図柄の全ての動作を終了させる(中図柄は回転動作を行わない)。この場合においては、簡易図柄P802は、各動作を一切行わない。また、発展演出に発展する場合(確定停止時において、装飾図柄P801および簡易図柄P802が「232」と表示される場合)、変動開始時は、装飾図柄P801における左図柄、中図柄、右図柄の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、リーチであることを報知するために左図柄と右図柄が回転動作を行ったうえで再度揺れ動作を継続し、その後、左図柄と右図柄とが揺れ動作を行っている最中に中図柄が変動し(この際、中図柄が拡大した状態で上から下へ変動しており、それまでは重複していなかったまたは重複割合が少なかった左右の図柄に対して、重複しているまたは重複割合が高くなっている)、その後、発展演出を実行するために通常背景からリーチ背景へと移行し、はずれの結果であることが発展演出にて報知されるとリーチ背景から通常背景へと移行し、移行後、左図柄、中図柄、右図柄が所定時間揺れ動作を継続し、その後、確定停止タイミングにて、左図柄、中図柄、右図柄の全ての動作を終了させる(中図柄は跳ねる動作も回転動作も行わない)。この場合においては、簡易図柄P802は、各動作を一切行わない。このように構成することで、装飾図柄P801の演出に多様性を持たせることができる一方で、簡易図柄P802は装飾図柄P801の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、簡易図柄P802については、特に動作を行わないよう構成し、余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。また、装飾図柄P801の中でも特定の図柄(例えば、中図柄の「7」)については、その他図柄と比べて、所定の動作を行わないまたは行う確率が低くなるよう構成してもよい。この所定の動作は、例えば前述した仮停止時動作(跳ねるような動作)であってよい(特に、リーチ状態形成後の中図柄の「7」について)。このように構成することで、特定の図柄における動作の希少性を高めることができる。なお、数字の装飾図柄P801と味方キャラクタの装飾図柄P801とを組み合わせて装飾図柄P801が構成される(「1」+「キャラクタa」、「2」+「キャラクタb」、・・・、「7」+「キャラクタg」といった装飾図柄P801)場合、装飾図柄P801の揺れ動作については、数字の装飾図柄P801も、味方キャラクタの装飾図柄P801も、いずれも揺れ動作を行うが、その揺れ幅(揺動距離であり、例えば、上下に揺れるのであれば、揺れ動作中の装飾図柄P801が最も上に表示されている状態と最も下に表示されている状態との距離幅)を異ならせることで、躍動感のある揺れ動作を実現しても良く、そのように構成した場合、数字の装飾図柄P801の揺れ幅を、味方キャラクタの装飾図柄P801の揺れ幅よりも小さくする、もしくは、数字の装飾図柄P801は揺れ動作を行わず、味方キャラクタの装飾図柄P801のみ揺れ動作を行うよう構成しても良い。
ここで、第3実施例においては、装飾図柄P801を用いた演出であり、擬似連演出とも異なる演出を実行可能である。装飾図柄P801における左図柄、中図柄、右図柄のうち、少なくとも1つの図柄(例えば、右図柄)については、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始から停止表示を行うまでの間、仮停止の状態で固定される{それ以外の図柄(例えば、左図柄と中図柄)については、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始から停止表示を行うまでの間、変動状況に応じて変動速度が低速、中速、高速、超高速などに可変しながら変動したり、仮停止したりする(つまり、一例として、左図柄および中図柄が変動している最中に、右図柄は変動開始時から仮停止を継続している)}。このような装飾図柄P801の変動を、固定特殊変動と称する。固定特殊変動が行われると、固定特殊変動が行われないよりも、保留内の大当り期待度が高くなる、もしくは、固定特殊変動が行われている変動が大当り変動である期待度が高くなるよう構成されている。なお、固定特殊変動が行われる場合、簡易図柄P802は第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始から停止表示を行うまで、常に変動表示を継続することが好適である(なお、変動速度は可変としない、もしくは可変とする段階を少なくし、第1特別図柄または第2特別図柄の停止表示時には確定停止することが好適である)。この固定特殊変動は、変動開始時から装飾図柄P801が固定(仮停止)しているため、遊技者にとっては変動しているのか変動していないのかが分かりづらいため、簡易図柄P802を常に変動表示させておくことで、遊技者は変動表示している状況を確認することができる。また、熟練した遊技者(固定特殊変動の存在と役割を知っている遊技者)は、固定(仮停止)している装飾図柄P801が確定停止することを事前に察知できるため、例えば、中図柄が「7」で固定(仮停止)するような固定特殊変動である場合、右図柄と左図柄が「7」でリーチ状態を形成した場合、大当りを事前に察知することができるという効果を奏する。
第3実施例では、複数種類の演出モードがあり、演出モードごとにいずれの種類の演出が実行され得るかが定められている。演出モードおよび演出モードにて実行される演出内容について具体的に説明すると、例えば、複数種類の演出モードとして、「通常モード」、「ラッシュモード」が設定されており、遊技状態や特別図柄の変動表示回数などに応じて、複数種類の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。基本的には、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であるときは「通常モード」が設定され、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であるときは「ラッシュモード」が設定される。いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像(装飾図柄61の背面表示となる背景画像)が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカ83から出力される。このように背景画像およびBGMは演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像又はBGMの種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。具体的には、「通常モード」については「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」の4つのステージを備え、20変動以上の経過又は発展演出がはずれることを契機に、「ステージA」から「ステージB」へ移行、「ステージB」から「ステージC」へ移行、「ステージC」から「ステージA」へ移行し、先読み予告演出判定にて「先読みステージ」の実行(移行)に当選した場合は、現在滞在しているステージから「先読みステージ」へ移行する(「先読みステージ」に移行した時点で発展演出の実行が確定し、大当りする場合は「先読みステージ」にてゾロ目が表示され、はずれる場合は「先読みステージ」にてゾロ目以外が表示され、次の変動で「先読みステージ」移行前のステージに復帰する)。「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のそれぞれについてBGM(ステージBGM)が異なる(「ラッシュモード」のステージBGMとも異なる)が、「ステージA」においては、非リーチはずれ(リーチ状態を形成せずのはずれであり、例えば「351」などのばらけ目)の変動停止(確定停止)を契機にステージBGMが途切れ(終了し)、次変動開始を契機にステージBGMが最初から開始され、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」においては、非リーチはずれの変動停止(確定停止)となってもステージBGMが途切れることはなく(終了することはなく)、次変動に継続してステージBGMが出力される(「ラッシュモード」についても、同様に継続出力する構成である)。
ここで、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のいずれにおいても、擬似連演出を実行可能であるが、いずれのステージにおいても、擬似連演出における仮停止時(中図柄として所定の擬似連図柄(例えば「NEXT」という文字の図柄)が所定の仮停止位置の近傍に変動表示されたうえで仮停止表示される際)には、ステージBGMが出力されず(途切れ)、再変動表示(仮停止後の再度の変動)を契機にステージBGMが最初から開始される、もしくは、再変動表示前とは異なる特定のBGMへと切り替わる。その後、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」において発展演出へ発展する場合、各ステージ(滞在していたステージ)の背景画像から発展演出の背景画像へと切り替わり(それとともに発展演出専用のBGMへと切り替わり)、発展演出実行中はステージBGMが出力されず、発展演出にてはずれを示す演出が表示されることで、発展演出が実行された変動表示内で再度各ステージの背景画像(発展演出発展前に表示していたステージの背景画像)へと切り替わるが、その状況においては、次の変動表示が開始するまで、ステージの背景画像が表示されていても、ステージBGMは出力されず、発展演出専用のBGMも出力されない(無音である、もしくは、ステージBGMとも発展演出専用BGMとも異なる特定のBGMが出力される)。よって、非リーチはずれの変動停止(確定停止)となってもステージBGMが途切れることはなく(終了することはなく)、次変動に継続してステージBGMが出力される「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」であっても(そうではない「ステージA」であっても)、発展演出を経由してはずれとなった場合は、変動停止(確定停止)よりも前にステージBGMが途切れることなり、次変動開始を契機にステージBGMが最初から開始される。
なお、「ラッシュモード」においては擬似連演出が実行されない。ここで、擬似連演出が実行されることを示唆する特殊演出(例えば、継続セリフ予告であり、以降の擬似連演出の実行が確定する「継続するよ!」、以降の擬似連演出の実行が確定しない「継続するかも?」などの演出)が実行されることで、以降に擬似連演出(再変動表示)が行われることが示唆されるが、この特殊演出は、「ステージA」および「ステージC」でのみ表示され、「ステージB」および「先読みステージ」では表示されない。つまり、事前に擬似連演出が実行される可能性を察知できるステージと察知できないステージの両方を用意し、そのステージ間でステージ遷移を繰り返すことで、遊技者に対して飽きさせないような演出を実現している。なお、「ステージA」では、キャラクタAをモチーフとした特殊演出を実行するが、「ステージC」では、キャラクタBをモチーフとした特殊演出を実行する。また、特殊演出とは異なる演出であり、発生するだけで以降に擬似連演出が実行されることが確定する擬似連確定演出(例えば、キャラクタCが出現すると必ず「継続確定!」とのセリフが表示される演出)も設けられ、更に、特殊演出とも擬似連確定演出とも異なる演出であり、発生するだけで以降に擬似連演出が実行されず発展演出に発展することが確定する発展確定演出(例えば、キャラクタDが出現すると必ず「発展確定!」とのセリフが表示される演出)も設けられる。この擬似連確定演出および発展確定演出は、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のいずれにおいても実行可能である。このように、擬似連演出が行われる場合および擬似連演出が行われない場合、特殊演出、擬似連確定演出、発展確定演出を1以上組み合わせて表示させることで、擬似連演出の実行期待度、発展演出への発展期待度を多様化させることができる。なお、1回の変動表示中において、特殊演出、擬似連確定演出、発展確定演出の全てが実行されてもよく、その場合、ある再変動表示中(例えば、再変動表示の1回目や2回目)においては、特殊演出が実行されるパターン、擬似連確定演出が実行されるパターン、発展確定演出が実行されるパターンを備えてもよく、ここで、ある再変動表示中(例えば、再変動表示の1回目や2回目)において特殊演出が実行されるパターンでは、当該ある再変動表示中において特殊演出が実行された後に当該ある再変動表示中に擬似連確定演出が更に実行されてもよい。
《普通図柄を主体とした「小当りV」の遊技性》
本実施例および第2実施例(応用例含む)における遊技機は、低ベース状態においては特別図柄を主体とした遊技性であり、高ベース状態においては特別図柄と普通図柄の双方を主体とした遊技性であったが、第3実施例においては、低ベース状態および高ベース状態のいずれにおいても、普通図柄を主体とした遊技性とすることで、遊技機が行う当否抽選の結果のみに期待する遊技性ではなく(受動的な遊技性ではなく)、普通電動役物P770の動作態様に着目し、その動作態様にて大当りを期待したり、大当りへの期待を視覚的に高めたりが可能となる。具体的には、以下のとおりである。
詳細は後述するが、第3実施例のぱちんこ遊技機Pは、本実施例と同様に「小当りV」を採用したぱちんこ遊技機である。第3実施例のぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄を有しておらず、第1特別図柄のみを有する。第1特別図柄に係る特別図柄抽選にて大当りまたは小当りに当選する確率が100%となっており、「第1特別図柄に係る保留が発生すること」や「普通図柄抽選に当選し、第1始動入賞口P711に設けられる普通電動役物P770を開放状態として、遊技球が入球すること」が、すなわち大当り遊技(小当りVを含む)の実行権利の獲得を間接的に意味している(実質的に大当りとなる)。なお、第3実施例においては、第1特別図柄に係る保留を1つ設けているが、4つ設けても良い。また、変形例として、第1特別図柄に係る保留(保留機能)を設けなくても良い(この場合、普通図柄抽選に当選し、第1始動入賞口P711に設けられる普通電動役物P770を開放状態として、遊技球が入球することで、当否抽選を行うが、保留機能を搭載しないため、再度当否抽選を行う場合は、再度普通図柄抽選に当選し、第1始動入賞口P711に設けられる普通電動役物P770を開放状態として、再度遊技球が入球することが必要となる)。
そのため、第3実施例のぱちんこ遊技機Pは、第1特別図柄の特別図柄抽選の権利の獲得に係る第1始動入賞口P711への入球が困難な状態となる通常の期間と、第1特別図柄の特別図柄抽選の権利の獲得に係る第1始動入賞口P711への入球が容易な状態となる特殊な期間とを発生させる。このように構成することで、第2始動入賞口P721を必要とせずに、第1始動入賞口P711の入球容易性が異なる状態を作ることで、必要な入賞口の数を削減しつつも、小当りVにおいてあたかも確率変動機能が作動しているように見せることが可能となる。
以下には、特殊な期間に関して第1特別図柄の特別図柄抽選への入球容易性を変化させることで、より興趣性を高めた第3実施例のぱちんこ遊技機Pを構成する実施例に関して説明する。
図48は、第3実施例のぱちんこ遊技機Pにて採用され得る盤面構成(入賞装置の配置)の例を概念的に示した図である。第3実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技領域P501の中央上部には、演出表示装置P80を視認可能に開口部が形成されており、その開口部には不図示のセンター飾りユニットの枠部材が取り付けられて、遊技領域P501の内側の仕切り部を構成している。演出表示装置の下方には、特定入球口P910が取り付けられ、特定入球口P910へ入球した遊技球を作動口P741または不図示のアウト口P790のいずれかへ振り分ける振分装置P900が設けられている。また、遊技領域P501の左上部には、第1始動入賞口P711(第1始動入賞口P711は、第1特別図柄の特別図柄抽選に係る権利を獲得するための始動入賞口である)および普通電動役物P770が、遊技領域P501の左下部には、大入賞口P751が配置されている。つまり、第3実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、左打ちから右打ちへ切り替えたり、右打ちから左打ちへと切り替えたりする必要がなく、左打ちのみで遊技が進行する。
第3実施例のぱちんこ遊技機Pは、本実施例と同様「小当りV」を採用するぱちんこ遊技機であって、遊技性(ゲーム性)に関する本実施例との大きな相違点は、第2特別図柄
を有しておらず、第1特別図柄の特別図柄抽選において「小当り」または「大当り」となる確率が100%である点が大きな相違点である。
また、第3実施例のぱちんこ遊技機Pも、本実施例と同様に各種大当り(小当りV含む)後に電チューサポート機能(電サポ)機能を作動させることによって特定遊技(高ベース状態)を実行するものであるが、第3実施例のぱちんこ遊技機Pにおける特定遊技(高ベース状態)の終了条件としては、「第1特別図柄の規定回数の特別図柄抽選に基づく変動表示が終了したこと」、または「大当り遊技(小当りV)が実行されること」とされる。なお、規定回数は1回に設定される(第1特別図柄の1回の変動表示が行われた場合であっても高ベース状態が終了し得るように構成されている)。なお、詳述はしないが、その他の設計値(大当り確率、各種入賞口の賞球数など)は、本実施例に記載したものに限らず、ゲーム性に合わせて適宜設定されるものである。
続いて、第3実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて遊技を行う際の手順および遊技の進行について説明する。まず、低ベース状態にて、遊技者はハンドルP204を操作し、演出表示装置P80の左側の遊技領域(左側領域P501L)に向けて遊技球を発射する。左側領域P501Lに発射された遊技球は特定入球口P910に入球可能であり、特定入球口P910に入球した場合は、振分装置P900にて作動口P741または不図示のアウト口P790のいずれかに振り分けられる。第3実施例においては、作動口P741に向かう第1ルートが1つ、アウト口P790に向かうルートが9つ、振分装置P900内に設けられている。第1ルートへと振り分けられて作動口P741へと遊技球が入球(通過)した場合、普通図柄抽選が実行される。第3実施例においては、低ベース状態でも高ベース状態でも、普通図柄抽選において「当り」となる確率が、例えば1/1(100%)に設定される。但し、低ベース状態において普通図柄抽選において「当り」となった場合、1回の普通図柄抽選に係る普通図柄の変動表示期間は平均で120秒であり、1回の普通図柄抽選(当り)に係る普通電動役物P770の作動期間は、10%で5秒、90%で0.01秒が選択される。1回の普通図柄抽選に係る普通図柄の変動表示期間の平均を120秒としているのは、この時間において、1回の普通図柄抽選(当り)に係る普通電動役物P770の作動期間が5秒であるのか0.01秒であるのかを報知する(換言すれば、5秒となる期待度を示唆する)演出を演出表示装置P80にて実行するためである。なお、低ベース状態でも高ベース状態でも、普通電動役物770の作動終了条件として、「規定時間の開放時間の経過」または「1球の遊技球の入賞」が定められている。ここで、普通電動役物の作動期間として5秒が選択された場合、普通電動役物P770への入球が容易となるため、遊技者は普通電動役物P770への入球を狙い、実際に入球させることで、第1特別図柄の特別図柄抽選に係る権利を獲得する(普通電動役物P770の作動期間として0.05秒が選択された場合、普通電動役物P770への入球が非常に困難であるため、第1特別図柄の特別図柄抽選に係る権利を実質的に獲得することができない)。第1特別図柄の特別図柄抽選において「小当り」または「大当り」となる確率が100%であるため、第1特別図柄の特別図柄抽選に係る権利を獲得すれば、小当りVのスペックであるため、実質的に必ず大当りとなる。
低ベース状態からの大当り(小当りV)後は、必ず高ベース状態へ移行する(変形例として、高ベース状態へ50%で移行し、低ベース状態へ50%で移行しても良い)。高ベース状態においても、低ベース状態と同様に、特定入球口P910へ入球させ、振分装置P900を経由して作動口P741への入球(通過)を狙うのであるが、高ベース状態において普通図柄抽選において「当り」となった場合、1回の普通図柄抽選に係る普通図柄の変動表示期間は平均で1秒であり、1回の普通図柄抽選(当り)に係る普通電動役物P770の作動期間は、100%で5秒が選択されるため、高ベース状態においては、低ベース状態とは異なり、作動口P741への入球(通過)は、必ず普通電動役物P770への入球が容易となるため、作動口P741への入球(通過)により、遊技者は実質的に第1特別図柄の特別図柄抽選に係る権利を獲得し、尚且つ第1特別図柄の特別図柄抽選において「小当り」または「大当り」となる確率が100%であるため、実質的に必ず大当りとなる。1回の普通図柄抽選に係る普通図柄の変動表示期間の平均を1秒としているのは、1回の普通図柄抽選(当り)に係る普通電動役物P770の作動期間が必ず5秒となるが故に1回の普通図柄抽選(当り)に係る普通電動役物P770の作動期間が5秒であるのか0.01秒であるのかを報知する(5秒となる期待度を示唆する)演出を演出表示装置P80にて実行する必要がないため、すぐに普通電動役物P770の作動に移行できるようにするためである。なお、高ベース状態からの大当り(小当りV)後も、必ず高ベース状態へ移行するため、高ベース状態が終了して低ベース状態へと移行する状況は、大当り(小当りV)後に移行する高ベース状態にて第1特別図柄の規定回数(第3実施例では1回)の特別図柄抽選に基づく変動表示が終了するまでに大当りまたは小当りに当選しなかった場合(そのまま変動表示が終了した場合)となる。つまり、高ベース状態における第1特別図柄の規定回数(第3実施例では1回)の特別図柄抽選に基づく変動表示が終了するまでは高ベース状態であるため、この状況が終了するまでに、振分役物P900からの作動口P741へ入球(通過)させるという遊技性を創り出すことができる。
補足すると、普通電動役物P770の作動期間として5秒が選択された場合は、普通電動役物P770が作動する前と作動した後に亘って、演出表示装置P80にて「電チューを狙え!」と表示され、小当りに当選すると、小当り遊技開始前と小当り遊技開始後に亘って、演出表示装置P80にて「アタッカーを狙え!」と表示される。なお、変形例として、大当りを持たず、小当りのみとする(第1特別図柄の特別図柄抽選において「小当り」となる確率が100%とする)よう構成しても良い。また、変形例として、高ベース状態からの大当り(小当りV)後は、高ベース状態へ80%で移行し、低ベース状態20%で移行するよう構成しても良く、そのように構成する場合、高ベース状態が終了する第1特別図柄の規定回数を1回ではなく99回としても良いが、このように構成する場合、保留機能を搭載しないことが望ましいが、連荘性能を高くしたい場合は搭載しても問題ない。加えて、構成する場合、第1特別図柄の規定回数が非常に多いため、第1特別図柄の規定回数にて高ベース状態が終了する可能性が低くなるため、第1特別図柄の規定回数の特別図柄抽選に基づく変動表示が終了するまでに振分役物P900からの作動口P741へ入球(通過)させるという遊技性ではなく、20%の低ベース状態へ移行する大当り(小当りV)を回避するかが重要となる遊技性となる。
[第4実施例]
前述した「救済機能」を搭載することで、本実施例、第2実施例、および第3実施例のぱちんこ遊技機P(前提技術を含む)は、より一層遊技の幅を広げることが可能となる。そこで、そのような構成の一例を第4実施例とし、以下、前提技術および本実施例との相違点についてのみ詳述し、共通点の説明を省略または簡略化する。なお、第4実施例のぱちんこ遊技機Pを構成する要素のうち、前提技術または本実施例で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付す。
第4実施例のぱちんこ遊技機Pは、前述した「第2特別図柄優先消化制御」および「ST(回数切り確変)」を採用している。当該遊技機は、低確率低ベース状態において、特別遊技の終了後、高確率高ベース状態に移行し、当該状態が100回転まで(第1特別図柄に係る特別図柄抽選及び第2特別図柄に係る特別図柄抽選の合計回数(第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数の合計回数)が100回に到達するまで)継続することになる。なお、100回転経過後は、低確率高ベース状態へ移行するが、この100回転以内に大当りすることで、当該大当りに係る特別遊技の実行終了後に、再度ST回数(高確率高ベース状態の回数)である100回が再設定される。なお、低確率高ベース状態においては、電チューサポート機能が作動していないため、遊技者は特図1始動口を狙って遊技球を発射し入球させることで、第1特別図柄に係る当否抽選(および変動)にて遊技を進行し、高確率高ベース状態においては、電チューサポート機能が作動しているため、遊技者は特図2始動口を狙って遊技球を発射し入球させることで、第2特別図柄に係る当否抽選(および変動)にて遊技を進行することになる。補足すると、第1特別図柄が変動中である場合、第2特別図柄は変動することがない(第2特別図柄に係る保留が存在しても当否抽選や変動開始を待機する)し、第2特別図柄が変動中である場合、第1特別図柄は変動することがない(第1特別図柄に係る保留が存在しても当否抽選や変動開始を待機する)。なお、変形例として、「V確変」を採用することで、特別遊技の終了後に高確率高ベース状態だけでなく、低確率高ベース状態に移行させることが可能なよう構成してもよい。より具体的には、特別遊技の実行中に「特定領域P750」へ入球させることで高確率高ベース状態に移行し、入球させないことで低確率高ベース状態に移行させることになるが、この場合、第1特別図柄に係る当否抽選の結果が大当りとなることで実行される特別遊技においては、特定領域P750への入球が容易な特別遊技(特定領域P750を塞いでいる阻害部材が入球を防がないような位置へと長時間駆動する特別遊技、又は、特定領域750P外に遊技球を案内する第1案内位置と特定領域P750に遊技球を案内する第2案内位置とに変位可能な案内部材が第2案内位置にいる特別遊技)と入球が困難な特別遊技(特定領域P750を塞いでいる阻害部材が駆動しないまたは極僅かな時間しか駆動しないため、入球が困難である特別遊技)との割合が50:50とし、第2特別図柄に係る当否抽選の結果が大当りとなることで実行される特別遊技においては、(1)特定領域P750への入球が容易な特別遊技大当りと入球が困難大当りとの割合が80:20とする、または、(2)特定領域P750への入球が容易な特別遊技のみを備えるよう構成することが好適である。
このように、第4実施例のぱちんこ遊技機Pにおける高ベース状態の突入契機は、大当り(特別遊技)であるが、それ以外にも、「救済機能」が設けられており、特別遊技終了後以外にも高ベース状態の突入契機が設けられている。具体的には、高確率高ベース状態が終了してから(特別遊技終了後から100回転が経過してから)、更に599回転が経過した後(特別遊技終了後から699回転目の次変動)、つまり、特別遊技終了後から700回転目に、高ベース状態に突入する(換言すれば、特別遊技終了後からの変動表示回数が700回に達すると「救済機能」である高ベース状態に突入するともいえ、以降、この高ベース状態に突入する変動表示回数(上記例は、700回)を単に、特に「開始回数」と称することもある)。但し、この「救済機能」における高ベース状態は、高確率状態までは付与されない、つまり、低確率高ベース状態に移行することになる。なお、この700回転目から突入する低確率高ベース状態については、100回転まで(第1特別図柄に係る特別図柄抽選及び第2特別図柄に係る特別図柄抽選の合計回数(第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数の合計回数)が100回に到達するまで)、つまり、特別遊技終了後の700回転目から799回転目まで継続する(換言すれば、「救済機能」である高ベース状態が継続する変動表示回数は100回といえ、以降、この高ベース状態が継続する変動表示回数(上記例では、100回)を、単に「継続回数」と称することもある)。その次変動から(特別遊技の終了後の800回転目から)、低確率低ベース状態に移行することになる(換言すれば、上記特定回数に達してからの変動表示回数が100回に達すると「救済機能」である高ベース状態が終了して低ベース状態に移行するともいえ、以降、この「救済機能」である高ベース状態が終了する変動表示回数(上記例では、799回)を「終了回数」と称することもある)。当然であるが、この「救済機能」である低確率高ベース状態では、電チューサポート機能が作動しているため、遊技者は特図2始動口を狙って遊技球を発射し入球させることで、第2特別図柄に係る当否抽選(および変動)にて遊技を進行することになり、その後に移行する低確率低ベース状態においては、電チューサポート機能が作動していないため、特図1始動口を狙って遊技球を発射し入球させることで、第1特別図柄に係る当否抽選(および変動)にて遊技を進行する。なお、以降の記載において「○○○回転目」と記載しているものは、特別遊技終了後から起算した回転数目であることを補足しておく。
図49は、「救済機能」が発生する直前の状態と直後の状態に関する演出態様(演出表示装置P80にて表示される演出内容)を示したものである。なお、図49においては、「救済機能」が発生する直前の状態である699回転目である図49(a)において、少なくとも第1特別図柄に係る保留が1以上存在する(もしくは、第2特別図柄に係る保留が1以上存在する)。
図49(a)は、699回転目(高ベース状態に突入する(「救済機能」が発生する)開始回数の1回前)の変動が停止した状況を示している。なお、図柄固定時間はまだ経過していない状況である(まさに変動が終了した直後のタイミングである)。699回転目には第1特別図柄が変動終了して停止しており、装飾図柄が停止表示している状況である。この状況では、699回転目に到達する前から(例えば、697回転目、698回転目などから)、低確率低ベース状態に対応した演出モード(演出ステージ)の背景が表示されており、装飾図柄の後方には山の背景が表示されている。この変動停止を契機として(正確には、変動停止後の図柄固定時間が経過したことを契機として)、低確率低ベース状態から低確率高ベース状態へ移行する。
図49(b)は、700回転目(高ベース状態に突入する(「救済機能」が発生する)開始回数)の変動が開始した状況および変動中の状況を示している。図49(a)の状況から第1特別図柄の保留が消化されることで、700回転目として第1特別図柄の変動が開始した状況である。より正確には、699回転目の図柄固定時間が経過して新たな第1特別図柄の変動である700回転目の変動が開始した状況である。ここで、変動開始時(もしくは変動開始直前)に画面の右上に「右打ち」の文字(打ち分け報知A)が小さく表示される。そしてその後(もしくは同一のタイミングにて)、低確率低ベース状態に対応した演出モード(演出ステージ)の背景である山の背景が非表示となるとともに、代わりに低確率高ベース状態へ移行することを示すステージチェンジ演出が発生する。このステージチェンジ演出は、それまで表示されていた山の背景から画面が即座に暗転して黒色の背景に「STAGE CHANGE」の白文字が表示されたステージチェンジ用の背景である。このステージチェンジ用の背景が表示されると略同時に、スピーカ83から「SEVEN RUSH突入!」という音声が出力される。この「SEVEN RUSH」とは、低確率高ベース状態に対応した演出モード(演出ステージ)の名称である。また、このステージチェンジ用の背景が表示されると略同時に「右打ちしてね」の文字(打ち分け報知B)が大きく表示される。なお変形例として、ステージチェンジ用の背景が表示されてから所定時間経過後(例えば、2秒後)や、ステージチェンジ用の背景が非表示となってから(換言すれば、後述する図49(c)に示す「SEVEN RUSH」に対応した背景の表示が開始されると略同時に)、スピーカ83から「SEVEN RUSH突入!」という音声が出力されたり、「右打ちしてね」の大きな文字が大きく表示されたりしてもよい。変形例として、「SEVEN RUSH突入!」という文字を表示しても良く、その場合は、ステージチェンジ用の背景が表示されてから所定時間経過後(例えば、2秒後)や、ステージチェンジ用の背景が非表示となってから表示することが望ましい。
図49(c)は、700回転目の変動中の状況を示している。700回転目のステージチェンジ用の背景が非表示となって、代わりに「SEVEN RUSH」である低確率高ベース状態に対応した背景である空の背景が表示される。このとき、「右打ちしてね」の大きな文字は非表示となっていても良いが、ステージチェンジ用の背景から継続して表示されていることが望ましい(または、700回転目の変動停止まで、もしくは701回転目が開始するまで継続して表示されていることが望ましい)。なお、小さな「右打ち」の文字は、大きな「右打ちしてね」の文字とは異なり、低確率高ベース状態中に常に表示されている。
図49(d)は、799回転目(高ベース状態(「救済機能」)が終了する終了回数)の変動が停止した状況を示している。なお、図柄固定時間はまだ経過していない状況である(まさに変動が終了した直後のタイミングである)。前述したとおり、700回転目は第1特別図柄の変動であったが、701回転目から798回転目(不図示)は、既に高ベース状態(低確率高ベース状態)であるため、第2特別図柄の変動である。但し、701回転目から798回転目の全てもしくは一部が第1特別図柄の変動であっても何ら問題はない。そして、799回転目も同様に第2特別図柄の変動である。よって、図49(d)は、799回転目として第2特別図柄が変動終了していることを示している。このとき、「SEVEN RUSH終了・・・」という文字を表示していも良い。なお、図49においては、「救済機能」の終了直前である799回転目である図49(d)において、少なくとも第2特別図柄に係る保留が1以上存在する(もしくは、第1特別図柄に係る保留が1以上存在する)。なお、700回転目から799回転目までは、「SEVEN RUSH」の背景である空の背景が表示されている。なお、図柄固定時間がまだ経過していないこの状況においては、低確率高ベース状態を維持している。
図49(e)は、800回転目の変動が開始した状況および変動中の状況を示している。図49(d)から第2特別図柄の保留が消化されることで、800回転目として第2特別図柄の変動が開始した状況である。より正確には、799回転目の図柄固定時間が経過して新たな第2特別図柄の変動である800回転目の変動が開始した状況である。ここで、変動開始時(もしくは変動開始直前)に画面の右上に表示されていた小さな「右打ち」の文字(打ち分け報知A)が非表示となる。そしてその後(もしくは同一のタイミングにて)、低確率高ベース状態に対応した演出モード(演出ステージ)の背景である空の背景が非表示となるとともに、代わりに低確率低ベース状態へ移行することを示すステージチェンジ演出が発生する。このステージ演出は、700回転目のステージ演出(ステージチェンジ用の背景)と同じ演出(背景)である。変形例として、700回転目のステージ演出(ステージチェンジ用の背景)とは異なる演出(背景)としても良く、例えば、白色の背景に「STAGE CHANGE」の黒文字が表示されたステージチェンジ用の背景としても良い。その後、ステージチェンジ用の背景が非表示となって、代わりに低確率低ベース状態に対応した背景である山の背景が表示される。変形例としては、山の背景ではなく海の背景としても良い(「救済機能」が発生する前の背景とは相違するようにしても良い)し、山の背景となる場合もあれば海の背景となる場合もあるよう設計しても良い(「救済機能」が発生する前の背景とは相違する場合と相違しない場合とを有するよう構成しても良い)。なお、このときの低確率低ベース状態に対応した背景である山の背景(もしくは海の背景)は、「救済機能」ではないことを明確にするために、高ベース状態(「救済機能」)の継続回数である100回転以内には必ず終了して、異なる演出モード(演出ステージ)の背景(例えば、草原の背景や宇宙の背景など)へと切り替わるよう構成することが望ましい。
以上のように構成することで、「救済機能」が発生したことを遊技者に対して明確に示すことができるととともに、それによるベース状態の変化および演出モード(演出ステージ)の変化がスムーズに行われることになり、遊技者は、ベース状態の切り替わりを演出上違和感なく認識することができる。また、ベース状態の切り替わりにより、遊技者が狙う始動口の種類が異なるようになるため(特図1始動口から特図2始動口に切り替わるようになるため)、それに対する打ち分け報知についても、打ち分け報知Aについては即座に表示し且つ継続的に表示するとともに、打ち分け報知Bについてはステージチェンジに付随して目立つように表示することで、ベース状態の切り替わり時に適切且つ強調して打ち分け(特図2始動口を狙うこと)について報知可能としつつ、その後の高ベース状態においても継続的に打ち分け(特図2始動口を狙うこと)を報知可能となるため、遊技者に対して適切な打ち分け報知を実現している。
図49では、ベース状態の切り替わるタイミング(「救済機能」が発生するタイミングおよび「救済機能」が終了するタイミング)で、第1特別図柄または第2特別図柄に係る保留が存在する状況を前提として説明した。次に、図50では、ベース状態の切り替わるタイミング(「救済機能」が発生するタイミングおよび「救済機能」が終了するタイミング)で、第1特別図柄または第2特別図柄に係る保留が存在しない状況について説明する。
図50は、「救済機能」が発生する直前の状態と直後の状態に関する演出態様(演出表示装置P80にて表示される演出内容)を示したものである。なお、図50においては、「救済機能」が発生する直前の状態である699回転目である図50(a)において、少なくとも第1特別図柄に係る保留が存在しない(第2特別図柄に係る保留も存在しない)。
図50(a)は、699回転目の変動が停止した状況を示している。なお、図柄固定時間はまだ経過していない状況である(まさに変動が終了した直後のタイミングである)。699回転目には第1特別図柄が変動終了して停止しており、装飾図柄が停止表示している状況である。この状況では、699回転目に到達する前から(例えば、697回転目、698回転目などから)、低確率低ベース状態に対応した演出モード(演出ステージ)の背景が表示されており、装飾図柄の後方には山の背景が表示されている。この変動停止を契機として(正確には、変動停止後の図柄固定時間が経過したことを契機として)、低確率低ベース状態から低確率高ベース状態へ移行する。
図50(b)は、699回転目の変動が終了して(図柄固定時間も経過して)、第1特別図柄および装飾図柄が停止表示を維持している状況である。前述したとおり、第1特別図柄に係る保留が存在しない(第2特別図柄に係る保留も存在しない)ため、この状況が継続している。この状況では、画面の右上に「右打ち」の文字(打ち分け報知A)が小さく表示される。小さな「右打ち」の文字の表示開始タイミングは、699回転目の変動が終了し且つ図柄固定時間が経過した直後である。なお、このときのベース状態は既に高ベース状態に切り替わっており、低確率高ベース状態となっている。但し、演出モード(演出ステージ)の背景としては、山の背景が継続して表示されている。
図50(c)は、700回転目の変動が開始した状況を示している。図50(b)の状況から、特図2始動口に入球があることで、第2特別図柄が変動を開始した状況である。変動を開始することで、低確率低ベース状態に対応した演出モード(演出ステージ)の背景である山の背景が非表示となるとともに、代わりに低確率高ベース状態へ移行することを示すステージチェンジ演出が発生する。このステージチェンジ演出は、それまで表示されていた山の背景から画面が即座に暗転して黒色の背景に「STAGE CHANGE」の白文字が表示されたステージチェンジ用の背景である。このステージチェンジ用の背景が表示されると略同時に、スピーカ83から「SEVEN RUSH突入!」という音声が出力される。この「SEVEN RUSH」とは、低確率高ベース状態に対応した演出モード(演出ステージ)の名称である。また、このステージチェンジ用の背景が表示されると略同時に「右打ちしてね」の文字(打ち分け報知B)が大きく表示される。なお変形例として、ステージチェンジ用の背景が表示されてから所定時間経過後(例えば、2秒後)や、ステージチェンジ用の背景が非表示となってから(換言すれば、後述する図50(d)に示す「SEVEN RUSH」に対応した背景の表示が開始されると略同時に)、スピーカ83から「SEVEN RUSH突入!」という音声が出力されたり、「右打ちしてね」の大きな文字が大きく表示されたりしてもよい。変形例として、「SEVEN RUSH突入!」という文字を表示しても良く、その場合は、ステージチェンジ用の背景が表示されてから所定時間経過後(例えば、2秒後)や、ステージチェンジ用の背景が非表示となってから表示することが望ましい。
図50(d)は、700回転目の変動中の状況を示している。700回転目のステージチェンジ用の背景が非表示となって、代わりに「SEVEN RUSH」である低確率高ベース状態に対応した背景である空の背景が表示される。このとき、「右打ちしてね」の大きな文字は非表示となっていても良いが、ステージチェンジ用の背景から継続して表示されていることが望ましい(または、700回転目の変動停止まで、もしくは701回転目が開始するまで継続して表示されていることが望ましい)。なお、小さな「右打ち」の文字は、大きな「右打ちしてね」の文字とは異なり、低確率高ベース状態中に常に表示されている。
図50(e)は、799回転目の変動が停止した状況を示している。なお、図柄固定時間はまだ経過していない状況である(まさに変動が終了した直後のタイミングである)。前述したとおり、700回転目は第1特別図柄の変動であったが、701回転目から798回転目(不図示)は、既に高ベース状態(低確率高ベース状態)であるため、第2特別図柄の変動である。但し、701回転目から798回転目の全てもしくは一部が第1特別図柄の変動であっても何ら問題はない。そして、799回転目も同様に第2特別図柄の変動である。よって、図50(e)は、799回転目として第2特別図柄が変動終了していることを示している。このとき、「SEVEN RUSH終了・・・」という文字を表示していも良い。なお、図50においては、「救済機能」の終了直前である799回転目である図50(e)において、少なくとも第2特別図柄に係る保留が存在しない(第1特別図柄に係る保留も存在しない)。なお、700回転目から799回転目までは、「SEVEN RUSH」の背景である空の背景が表示されている。なお、図柄固定時間がまだ経過していないこの状況においては、低確率高ベース状態を維持している。
図50(f)は、799回転目の変動が終了して(図柄固定時間も経過して)、第2特別図柄および装飾図柄が停止表示を維持している状況である。前述したとおり、第2特別図柄に係る保留が存在しない(第1特別図柄に係る保留も存在しない)ため、この状況が継続している。この状況では、それまでの高ベース状態にて表示されていた画面の右上の小さな「右打ち」の文字(打ち分け報知A)非表示となる。小さな「右打ち」の文字の表示終了(非表示)タイミングは、799回転目の変動が終了し且つ図柄固定時間が経過した直後である。なお、このときのベース状態は既に低ベース状態に切り替わっており、低確率低ベース状態となっている。但し、演出モード(演出ステージ)の背景としては、空の背景が継続して表示されている。
図50(g)は、800回転目の変動が開始した状況および変動中の状況を示している。図50(f)の状況から、第1始動口に入球があることで、第1特別図柄が変動を開始した状況である。変動を開始することで、800回転目として第1特別図柄の変動が開始した状況である。より正確には、799回転目の図柄固定時間が経過して新たな第1特別図柄の変動である800回転目の変動が開始した状況である。この状況では、既に画面の右上に表示されていた小さな「右打ち」の文字(打ち分け報知A)は非表示となっている。そしてその後(もしくは同一のタイミングにて)、低確率高ベース状態に対応した演出モード(演出ステージ)の背景である空の背景が非表示となるとともに、代わりに低確率低ベース状態へ移行することを示すステージチェンジ演出が発生する。このステージ演出は、700回転目のステージ演出(ステージチェンジ用の背景)と同じ演出(背景)である。変形例として、700回転目のステージ演出(ステージチェンジ用の背景)とは異なる演出(背景)としても良く、例えば、白色の背景に「STAGE CHANGE」の黒文字が表示されたステージチェンジ用の背景としても良い。その後、ステージチェンジ用の背景が非表示となって、代わりに低確率低ベース状態に対応した背景である山の背景が表示される。変形例としては、山の背景ではなく海の背景としても良い(「救済機能」が発生する前の背景とは相違するようにしても良い)し、山の背景となる場合もあれば海の背景となる場合もあるよう設計しても良い(「救済機能」が発生する前の背景とは相違する場合と相違しない場合とを有するよう構成しても良い)。なお、このときの低確率低ベース状態に対応した背景である山の背景(もしくは海の背景)は、「救済機能」ではないことを明確にするために、100回転以内には必ず終了して、異なる演出モード(演出ステージ)の背景(例えば、草原の背景や宇宙の背景など)へと切り替わるよう構成することが望ましい。
なお、第4実施例のぱちんこ遊技機Pにおける変形例として、「救済機能」が終了するタイミングを、799回転目の図柄固定時間経過後ではなく、図柄固定時間開始時(もしくは、変動停止時であり図柄固定時間が開始する直前)としてもよい。つまり、799回転目の図柄固定時間開始時(もしくは、変動停止時であり図柄固定時間が開始する直前)に、低確率高ベース状態から低確率低ベース状態へ移行するよう構成しても良い。そのように構成した場合、図柄固定時間開始時(もしくは、変動停止時であり図柄固定時間が開始する直前)に、小さな「右打ち」の文字(打ち分け報知A)は非表示となり、図柄固定時間中には小さな「右打ち」の文字(打ち分け報知A)は非表示となることが望ましい。
第4実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、前述したとおり、特別遊技の終了後にも高ベース状態である高確率高ベース状態に移行する。この高確率高ベース状態は100回転継続するため、「100回転の高ベース状態」であることは、特別遊技終了後の高ベース状態であっても、「救済機能」の高ベース状態であっても共通している(なお、変形例として、(1)特別遊技終了後の高ベース状態(高確率高ベース状態)を100回転且つ「救済機能」の高ベース状態(低確率高ベース状態)を100回転ではなく200回転としても良いし、(2)特別遊技終了後の高ベース状態(高確率高ベース状態)を100回転ではなく200回転且つ「救済機能」の高ベース状態(低確率高ベース状態)を100回転としても良い)。
特別遊技終了後の高ベース状態においては、高ベース状態の最終変動(例えば100回転目)で参照する変動パターンテーブルと、高ベース状態の最終変動よりも前の変動(例えば1回転目から99回転目)で参照する変動パターンテーブルとは異なるよう構成し、「救済機能」の高ベース状態においては、高ベース状態の最終変動(例えば799回転目)で参照する変動パターンテーブルと、高ベース状態の最終変動よりも前の変動(例えば700回転目から798回転目)で参照する変動パターンテーブルは同じとなるよう構成されている。なお、「救済機能」の高ベース状態(例えば700回転目から799回転目)で参照する変動パターンテーブルは、(1)特別遊技終了後の高ベース状態の最終変動(例えば100回転目)で参照する変動パターンテーブルとも最終変動よりも前の変動(例えば1回転目から99回転目)で参照する変動パターンテーブルとも異なる変動パターンテーブルであっても良いし、(2)特別遊技終了後の高ベース状態の最終変動よりも前の変動(例えば1回転目から99回転目)で参照する変動パターンと同じであっても良い。なお、ここで説明した変動パターンについては、第2特別図柄の変動パターンである。
ここで、特別遊技終了後の高ベース状態の最終変動(例えば100回転目)で参照する変動パターンテーブルを「変動パターンテーブルA」、特別遊技終了後の高ベース状態の最終変動よりも前の変動(例えば1回転目から99回転目)で参照する変動パターンテーブルを「変動パターンテーブルB」、「救済機能」の高ベース状態(例えば700回転目から799回転目)で参照する変動パターンテーブルを「変動パターンテーブルC」とすると、「変動パターンテーブルA」については、変動開始時の第2特別図柄に係る保留数が所定個数である場合(例えば4個であり、変動開始に伴う保留消化で4個から3個に減少する場合)と、変動開始時の第2特別図柄に係る保留数が特定個数である場合(例えば1個であり、変動開始に伴う保留消化で1個から0個に減少する場合)とで変動パターンの選択傾向が異なるよう構成され、「変動パターンテーブルB」および「変動パターンテーブルC」については、変動開始時の第2特別図柄に係る保留数が所定個数である場合(例えば4個であり、変動開始に伴う保留消化で4個から3個に減少する場合)と、変動開始時の第2特別図柄に係る保留数が特定個数である場合(例えば1個であり、変動開始に伴う保留消化で1個から0個に減少する場合)とで変動パターンの選択傾向が同じである。変動パターンテーブルについては、図51にて簡易的に示しているが、図51(a)については、「変動パターンテーブルB」と「変動パターンテーブルC」とを異なる変動パターンテーブルに設定した場合を、図51(b)については、「変動パターンテーブルB」と「変動パターンテーブルC」とを同じ変動パターンテーブルに設定した場合を示している。なお、ここで説明した変動パターンについては、第2特別図柄の変動パターンである。また、「変動パターンテーブルA」を参照する際、つまり、特別遊技終了後の高ベース状態の最終変動(例えば100回転目)においては、前述した「リザルト表示演出」を実行する。但し、同じ高ベース状態の最終変動であっても、「救済機能」の高ベース状態の最終変動(例えば799回転目)においては「リザルト表示演出」を実行しないことが好適である。
なお、変形例として、特別遊技終了後の高ベース状態は全て(例えば100回転分)「変動パターンテーブルB」を参照し、「救済機能」の高ベース状態は全て(例えば100回転分)「変動パターンテーブルC」を参照するよう構成し、特別遊技終了後の高ベース状態の最終変動(例えば100回転目)のみ図柄固定時間を長時間とするよう構成しても良い。具体的には、特別遊技終了後の高ベース状態の最終変動(例えば100回転目)のみ図柄固定時間を10秒、それ以外の高ベース状態の変動(特別遊技終了後の高ベース状態の最終変動以外、「救済機能」の高ベース状態の全ての変動)では図柄固定時間を0.5秒に設定する。このように構成することで、変動パターンテーブルの数を削減し、開発負担を軽減しつつも、10秒の図柄固定時間にて「リザルト表示演出」を実行することができる。
第4実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、低ベース状態においても、高ベース状態においても先読み演出を実行可能である。但し、低ベース状態においては、第1特別図柄に係る保留に対して先読み演出を実行可能とするが、第2特別図柄に係る保留に対して先読み演出を実行せず、高ベース状態においては、第2特別図柄に係る保留に対して先読み演出を実行可能とするが、第1特別図柄に係る保留に対して先読み演出を実行しない。
ここで、「救済機能」が発生する状況(「救済機能」の発生前後)の一部においては、先読み演出の実行を制限するよう構成している。何故なら、「救済機能」の発生前は第1特別図柄での遊技(当否抽選や変動)を主体とした低ベース状態であるが、「救済機能」の発生後は第2特別図柄での遊技(当否抽選や変動)を主体とした高ベース状態に切り替わる、つまり、先読み演出を実行可能な対象となる特別図柄が第1特別図柄から第2特別図柄へと切り替わるため、仮に「救済機能」発生前に生起した第1特別図柄に係る保留が「救済機能」発生前には消化されない場合、「救済機能」発生後であるにもかかわらず第1特別図柄に係る保留に対する先読み演出を実行してしまうような事象が発生してしまうからである。それを防止するために、「救済機能」発生の5変動前から、低ベース状態であっても第1特別図柄に係る保留に対する先読み演出を実行しないよう構成している。より具体的には、695回転目から699回転目の5変動分については、第1特別図柄に係る保留に対する先読み演出を実行しないよう構成している。補足しておくと、695回転目の変動中、696回転目の変動中、697回転目の変動中、698回転目の変動中、699回転目の変動中に生起した第1特別図柄に係る保留に対して先読み演出を実行しないだけであり、695回転目よりも前の変動(例えば、694回転目の変動)で生起した第1特別図柄に係る保留に対しては先読み演出を実行しても良い。具体的には、694回転目の変動で3つ目の第1特別図柄に係る新たな保留が生起し且つ当該新たな保留に対して先読み演出を行う場合、当該新たな保留が消化されて3つ目の保留から2つ目の保留となる695回転目の変動、当該新たな保留が消化されて2つ目の保留から1つ目の保留となる696回転目の変動では、当該新たな保留に対する先読み演出は実行される。換言すれば、開始回数よりも少ない変動表示回数である所定回数に達するまでは先読み演出を実行し、この所定回数から開始回数に達するまでは先読み演出を実行しないようにすれば良く、上記所定回数については適宜の回数を設定可能であるといえる。なお、この段落に記載した「変動」とは第1特別図柄の変動である。
そして、「救済機能」が発生した直後の1変動分については、高ベース状態であっても第2特別図柄に係る保留に対する先読み演出を実行しないよう構成している。より具体的には、700回転目については、第2特別図柄に係る保留に対する先読み演出を実行しない、つまり、700回転目の変動中に生起した第2特別図柄に係る保留に対して先読み演出を実行しない。701回転目から799回転目の変動中に生起した第2特別図柄に係る保留に対しては先読み演出を実行可能に構成しているが、変形例として、「救済機能」の終了前の一部期間(例えば、796回転目から799回転目や、790回転目から799回転目など)においては、その変動中に生起した第2特別図柄に係る保留に対しては先読み演出を実行しないよう構成しても良い。また、「救済機能」の高ベース状態ではなく、特別遊技終了後の高ベース状態においては、1変動目から先読み演出を実行しても良い、つまり、特別遊技終了後の高ベース状態における1変動目の変動中に生起した第2特別図柄に係る保留に対しては先読み演出を実行可能としても良い。なお、特別遊技終了後の高ベース状態における先読み演出と、「救済機能」の高ベース状態における先読み演出とを比較すると、以下の特徴(A)~(F)の1つ以上を有しても良い。(A)特別遊技終了後の高ベース状態のほうが、「救済機能」の高ベース状態よりも、先読み演出が実行されやすい。(B)特別遊技終了後の高ベース状態のほうが、「救済機能」の高ベース状態よりも、先読み演出の種類数が少ない。(C)特別遊技終了後の高ベース状態のほうが、「救済機能」の高ベース状態よりも、先読み演出が実行された場合の大当り期待度が高い。(D)特別遊技終了後の高ベース状態のほうが、「救済機能」の高ベース状態よりも、先読み演出が実行されにくい。(E)特別遊技終了後の高ベース状態のほうが、「救済機能」の高ベース状態よりも、先読み演出の種類数が多い。(F)特別遊技終了後の高ベース状態のほうが、「救済機能」の高ベース状態よりも、先読み演出が実行された場合の大当り期待度が低い。
第4実施例におけるぱちんこ遊技機Pにおいては、前述した「普通図柄確変」を採用しておらず、普通電動役物P770を作動させる結果となる確率(普図図柄の当り確率)は、低ベース状態であっても高ベース状態であっても共通しており、その確率は2/3に設定されている。変形例としては、1/1(確実に当選する確率)に設定しても良い。なお、前述した「普図図柄時短」および「普通電動役物の開放延長」は採用している。
図52は、低ベース状態および高ベース状態(特別遊技終了後の高ベース状態および「救済機能」の高ベース状態何れも含む)それぞれの普通図柄抽選に関する当否、図柄、変動パターンに関して示している。
図52(a)は低べース状態における普通図柄抽選に関する当否、図柄、変動パターンに関して示している。低ベース状態における普通図柄の当り確率は前述したとおり2/3に設定されている。また、低ベース状態における普通図柄の図柄種別は3種類であり、具体的には、当り図柄1、当り図柄2、はずれ図柄の3種類である。なお、当り確率はそれぞれ1/3である(普通図柄が2/3で当りとなった場合の1/2ずつで当り図柄1および当り図柄2となり、普通図柄が1/3ではずれとなった場合にはずれ図柄となる)。低べース状態における当り図柄1である場合の普通電動役物P770の開放パターンは0.05秒の開放が1回であり、低べース状態における当り図柄2である場合の普通電動役物P770の開放パターンも0.05秒の開放が1回である。また、低ベース状態における普通図柄の変動パターンの種類数は、後述する高ベース状態における普通図柄の変動パターン数よりも多い(換言すれば、低ベース状態における普通図柄の変動表示時間の種類数は、高ベース状態における普通図柄の変動表示時間の種類数よりも多い)18種類であり、具体的には、それぞれ変動時間が異なる変動パターン1~変動パターン18の18種類であり、それぞれの変動時間は1秒~18秒である(1秒刻みで異なる)。なお、当り確率は、それぞれ1/18である(当り図柄であってもはずれ図柄であっても、選択確率は相違しない)。
図52(b)は高べース状態における普通図柄抽選に関する当否、図柄、変動パターンに関して示している。高ベース状態における普通図柄の当り確率は前述したとおり2/3に設定されている。また、高ベース状態における普通図柄の図柄種別は低ベース状態と同じく3種類であり、具体的には、低ベース状態と同じく、当り図柄1、当り図柄2、はずれ図柄の3種類である。なお、当り確率はそれぞれ1/3である(普通図柄が2/3で当りとなった場合の1/2ずつで当り図柄1および当り図柄2となり、普通図柄が1/3ではずれとなった場合にはずれ図柄となる)。高べース状態における当り図柄1である場合の普通電動役物P770の開放パターンは1.8秒の開放が3回(開放間に0.6秒の閉鎖がある)であり、当り図柄2である場合の普通電動役物P770の開放パターンは2.9秒の開放が2回(開放間に1秒の閉鎖がある)である。また、高ベース状態における普通図柄の変動パターンの種類数は2種類であり、具体的には、それぞれ変動時間が異なる変動パターン19~変動パターン20の2種類であり、それぞれの変動時間は0.1秒および0.2秒である。なお、当り確率は、変動パターン19が3/4、変動パターン20が1/4である(当り図柄であってもはずれ図柄であっても、選択確率は相違しない)。
このように、特別遊技終了後の高ベース状態および「救済機能」の高ベース状態のどちらも同じ普通図柄抽選に関する当否、図柄、変動パターンとすることで、特別遊技終了後の高ベース状態専用の普通図柄抽選に関する当否、図柄、変動パターン、「救済機能」の高ベース状態専用の普通図柄抽選に関する当否、図柄、変動パターンを開発する必要がなく、そもそも「普通図柄確変」が存在しないため、低ベース状態と高ベース状態それぞれに対する普通図柄の当り確率を持たなくて済む。そのうえで、普通図柄が当り図柄で停止しやすい(第4実施例だと2/3で当り図柄が停止する)低ベース状態において、変動パターン数を多く用意することで、低ベース状態における普通図柄の停止タイミング(普通電動役物P770の開放タイミング)にランダム性を持たせ、低ベース状態における特図2始動口への入球(狙う打ち)を困難にさせることができる(換言すれば、低ベース状態では主体とならない第2特別図柄を変動させようとする不正行為を防止することができる)。
ここで、第4実施例におけるぱちんこ遊技機Pにおいては、特別遊技が実行された場合の特別遊技終了デモ(大当り終了デモ)の時間は、30秒に設定されている。なお、特別遊技実行中のベース状態は低ベース状態であるため、普通図柄が変動した場合、最長で18秒の変動時間が選択され得る。しかし、特別遊技終了デモ(大当り終了デモ)が30秒継続するため、特別遊技終了デモ(大当り終了デモ)直前の最終ラウンド遊技が終了した後に遊技者が遊技球の発射を止めたとしても、このような時間値に設定することで、遊技者が遊技球の発射を止める直前に普図作動口P741への入球があり普通図柄が変動を開始してしまったとしても、特別遊技終了デモ(大当り終了デモ)が終了するよりも先に普通図柄の変動が終了するため、特別遊技終了デモ(大当り終了デモ)が終了して特別遊技終了後の高ベース状態へと移行した後に遊技者が遊技球の発射を行うことで普図作動口P741への入球があった場合、高ベース状態での普通図柄の変動(0.1秒または0.2秒の変動)を即座に開始することができる。
また、図51に示したとおり、特別遊技終了後の高ベース状態においては、変動開始時の第2特別図柄に係る保留数が所定個数(2~4個)である場合(例えば4個であり、変動開始に伴う保留消化で4個から3個に減少する場合)の第2特別図柄の最短変動時間は2秒、変動開始時の第2特別図柄に係る保留数が所定個数(1個)である場合(1個であり、変動開始に伴う保留消化で1個から0個に減少する場合)の第2特別図柄の最短変動時間は15秒である。そのため、特別遊技終了後の高ベース状態における最初の4変動においては、特図2始動口へ入球がない場合(普通電動役物770が開放せずに入球できない場合)の第2特別図柄の最短変動時間の合計時間は、「保留消化で4個から3個に減少する場合の第2特別図柄の最短変動時間+保留消化で3個から2個に減少する場合の第2特別図柄の最短変動時間+保留消化で2個から1個に減少する場合の第2特別図柄の最短変動時間+保留消化で1個から0個に減少する場合の第2特別図柄の最短変動時間」である「2秒+2秒+2秒+15秒」である21秒であり、この時間は低ベース状態における普通図柄の最長の変動時間である18秒より長い。そのため、特別遊技終了デモ(大当り終了デモ)の終了直前に遊技者が遊技球の発射を止めたとしても、このような時間値に設定することで、遊技者が遊技球の発射を止める直前に普図作動口P741への入球があり普通図柄が変動を開始してしまったとしても、特別遊技終了デモ(大当り終了デモ)が終了した後の特別遊技終了後の高ベース状態における第2特別図柄の4変動分(特別遊技終了後に第2特別図柄に係る保留が4つ生起済みである状況)が終了するよりも先に普通図柄の変動が終了するため、特別遊技終了デモ(大当り終了デモ)が終了して特別遊技終了後の高ベース状態へと移行した後に遊技者が遊技球の発射を行うことで普図作動口P741への入球があった場合、第2特別図柄に係る保留が全て(4つ)消化され且つ全ての(4回分の)第2特別図柄の変動が終了するまでに高ベース状態での普通図柄の変動(0.1秒または0.2秒の変動)を即座に開始させることができるため、第2特別図柄に係る保留が全て(4つ)消化され且つ全ての(4回分の)第2特別図柄の変動が終了するまでに第2特別図柄に係る保留を生起させることが可能となる。
[第5実施例]
第4実施例においては、「救済機能」を搭載したぱちんこ遊技機Pについて説明したが、「救済機能」を搭載したぱちんこ遊技機Pは、そのような態様に限らない。そこで、第4実施例とは異なる「救済機能」を搭載したぱちんこ遊技機Pを第5実施例とし、以下、第4実施例との相違点(前提技術および本実施例との相違点を含む)についてのみ詳述し、共通点の説明を省略または簡略化する。なお、第5実施例のぱちんこ遊技機Pを構成する要素のうち、前提技術または本実施例で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付す。
第5実施例におけるぱちんこ遊技機Pは、第4実施例におけるぱちんこ遊技機Pとは異なり、前述した「並列制御(並列消化)」と採用している。そのため、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能となる。但し、第1特別図柄の当否抽選結果が大当りである変動の最中は第2特別図柄の当否抽選結果は大当りとなることはなく、第2特別図柄の当否抽選結果が大当りである変動の最中は第1特別図柄の当否抽選結果は大当りとなることはない。また、第5実施例におけるぱちんこ遊技機Pは、第2特別図柄の当否抽選結果として高確率(例えば、1/2)で小当りが当選するよう構成されている。
図53は、第5実施例におけるぱちんこ遊技機Pの遊技領域における入賞装置等の配置関係の一例を示す図である。
第5実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技領域P501の略中央には、演出表示装置P80を視認可能に開口部が形成されており、その開口部には不図示のセンター飾りユニットの枠部材が取り付けられて、遊技領域P501の内側の仕切り部を構成している。
演出表示装置P80の下方には、演出表示装置P80の左側の遊技領域(左側領域P501L)を流下する遊技球が入球する第1始動入賞口P711Aが設けられ、さらにその下方には不図示のアウト口P790が設けられている。また、演出表示装置P80の左側領域P501Lの下部領域には、一般入賞口P731が配置されている。すなわち演出表示装置P80の左側の遊技領域に遊技球を発射すると、第1始動入賞口P711Aまたは一般入賞口P731に対して入球し、入賞が発生することを期待することができる構成となっている。一方、演出表示装置P80の右側の遊技領域(右側領域P501R)には、図53に示すように上から作動口P741、普通電動役物P770に係る第1始動入賞口P711B、第2始動入賞口712、大入賞口P751が配置され、演出表示装置P80の右側の遊技領域に向けて発射された遊技球が入賞可能となっている(なお、第1始動入賞口および第2始動入賞口については、それぞれ、特図1始動口および特図2始動口とも称する)。なお、変形例として、第1始動入賞口P711Bを備えずに第1始動入賞口P711Aに普通電動役物P770を取り付けても良いし、第1始動入賞口P711Aの直下に普通電動役物P770に係る第1始動入賞口P711Bを配置しても良い。
ここで、第1始動入賞口P711Aおよび第1始動入賞口P711Bは、第1特別図柄の特別図柄抽選に係る権利を獲得するための始動入賞口となっており、第2始動入賞口P721は第2特別図柄の特別図柄抽選に係る権利を獲得するための始動入賞口となっている。すなわち、第5実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、遊技領域P501の左側領域P501Lまたは右側領域P501Rのいずれに向けて遊技球を発射しても、第1始動入賞口P711Aおよび第1始動入賞口P711Bにより第1特別図柄の特別図柄抽選の権利を獲得可能に構成されているが、高ベース状態でないと第2始動入賞口P711Bへの入球が困難であるため、特別遊技が実行されたり、「救済機能」が発生したりしないと、第1始動入賞口P711Bへの入球に基づく遊技を実質的に進行することができない(または進行が困難である)。また、第2始動入賞口P712は、第1始動入賞口P711Bと同じく右側の遊技領域(右側領域P501R)に配置されているが、第1始動入賞口P711Bとは異なり普通電動役物P770が備えられていないため、高ベース状態あっても低ベース状態であっても、右側の遊技領域(右側領域P501R)に向けて遊技球を発射すれば入球が可能となっている。
また、第5実施例のぱちんこ遊技機Pは、以下の特徴を備える。(A)第1特別図柄に係る当否抽選結果として、「当り」、「はずれ」を有する。(B)第2特別図柄に係る当否抽選結果として、「当り」、「小当り」、「はずれ」を有する。(C)低確率状態における大当り確率は1/300であり、高確率状態における大当り確率は1/50であり、低確率状態および高確率状態における小当り確率は1/1.2である。(D)「並列制御(並列消化)」と採用している。(E)低確率低ベース状態、低確率高ベース状態、および高確率高ベース状態においては、第1特別図柄を主体とした遊技進行を行うため、これらの遊技状態においては、第1特別図柄は第2特別図柄よりも相対的に変動時間が短い(第1特別図柄の平均変動時間は、低確率低ベース状態では平均20秒であり、低確率高ベース状態および高確率高ベース状態では平均3秒であるが、第2特別図柄の平均時間は、低確率低ベース状態、低確率高ベース状態、および高確率高ベース状態では平均10分である)。(F)高確率低ベース状態においては、第2特別図柄を主体とした遊技進行を行うため、この遊技状態においては、第2特別図柄は第1特別図柄よりも相対的に変動時間が短い(第2特別図柄の平均変動時間は、高確率低ベース状態では平均2秒であるが、第1特別図柄の平均時間は、高確率低ベース状態では平均5分である)。(G)第1特別図柄に係る大当り図柄として、次回まで確変である高確率低ベース状態への移行契機となる「10R確変大当りA」が10%、次回まで確変である高確率高ベース状態への移行契機となる「3R確変大当りB」が60%、100回転の低確率高ベース状態への移行契機となる「3R通常大当り」が30%で選択される。(H)第2特別図柄に係る大当り図柄として、次回まで確変である高確率低ベース状態への移行契機となる「10R確変大当りA」が35%、次回まで確変である高確率高ベース状態への移行契機となる「3R確変大当りB」が35%、100回転の低確率高ベース状態への移行契機となる「3R通常大当り」が30%で選択される。(I)第2特別図柄が小当り図柄で停止した場合、大入賞口P751が1.5秒開放し、平均して遊技球が2球入球可能(30球の遊技球払出が可能)である。
上記の特徴を備えることで、高確率低ベース状態においては、「小当り」が高確率で当選する第2特別図柄の変動効率が高いため、第2特別図柄を主体とした遊技にて短時間で小当りを頻発させることができ、その小当り当選に基づく大入賞口P751の開放(小当り遊技)によって遊技球を獲得する機会を頻発させることができるため、次回の大当りの当選を待ちつつも、小当りによって遊技球を増やすことができる。このようなスペックを「小当りラッシュ」と称する。一方で、低確率低ベース状態、低確率高ベース状態、高確率高ベース状態においては、「小当り」が高確率で当選する第2特別図柄の変動効率が低いため、短時間で小当りを頻発させることができず、第2特別図柄ではなく第1特別図柄を主体とした遊技を進行させることになる。つまり、第5実施例におけるぱちんこ遊技機Pは、第1特別図柄を主体とした遊技にて第1特別遊技に係る特別遊技を契機として、高確率低ベース状態への移行を目指す遊技性となる。
このような第5実施例におけるぱちんこ遊技機Pにおいて「救済機能」を搭載した場合の「救済機能」の回数(低確率高ベース状態の回数)、そして「救済機能」が発生した場合の演出モード(演出ステージ)の遷移について、以下に説明する。
第5実施例におけるぱちんこ遊技機Pは、第4実施例におけるぱちんこ遊技機Pとは異なり、変動開始時に「救済機能」が発生するように構成されている(第4実施例におけるぱちんこ遊技機Pは、変動停止(図柄固定時間経過時)に「救済機能」が発生するように構成されている)。具体的には、第5実施例におけるぱちんこ遊技機Pは、500回転目の変動開始時(「3R通常大当り」に係る特別遊技終了後に移行する低確率高ベース状態100回転が経過して低確率低ベース状態に移行し、そこから更に低確率低ベース状態が399回転が経過した状況における次変動開始時)に、「救済機能」が発生し、低確率低ベース状態から低確率高ベース状態へ移行する。なお、以降の記載において「○○○回転目」と記載しているものは、特別遊技終了後(「3R通常大当り」に係る特別遊技終了後)から起算した回転数目であることを補足しておく。
図54は、「救済機能」が発生する直前の状態と直後の状態に関する演出態様(演出表示装置P80にて表示される演出内容)を示したものである。なお、図54においては、第4実施例におけるぱちんこ遊技機Pとは異なり、500回転目の変動開始時に「救済機能」が発生するため、「救済機能」が発生する直前の状態である499回転目が停止する状況にて第1特別図柄に係る保留や第2特別図柄に係る保留が存在するかどうかで、「救済機能」が発生した際の演出態様が変化することはない。
図54(a)は、499回転目の変動である第1特別図柄の変動が停止している状況を示している。なお、図柄固定時間も経過済みの状況である。この状況では、499回転目に到達する前から(例えば、497回転目、498回転目などから)、低確率低ベース状態に対応した演出モード(演出ステージ)の背景が表示されており、装飾図柄の後方には山の背景が表示されている。
図54(b)は、500回転目の変動である第1特別図柄の変動が開始した状況を示している。図54(a)の状況から第1特別図柄の保留が消化されることで、500回転目として第1特別図柄の変動が開始した状況である。変動を開始することで、「救済機能」が発生し、この変動開始時から低確率高ベース状態に移行する。ここで、変動開始時(もしくは変動開始直前)に画面の右上に矢印を示す「→」の記号(打ち分け報知C)が非常に小さく表示される(後述する打ち分け報知Aよりも小さく表示され、目立たない態様にて表示されている)。そしてその後(もしくは同一のタイミングにて)、「救済機能」が発生している状況、つまり低確率高ベース状態に移行した状況ではあるが、未だ低確率低ベース状態に対応した演出モード(演出ステージ)の背景である山の背景が表示されている。
図54(c)は、501回転目の変動である第1特別図柄の変動が開始した状況を示している。図54(b)の状況から変動していた第1特別図柄が停止した後に第1特別図柄の保留が消化されることで、501回転目として第1特別図柄の変動が開始した状況である。変動を開始することで、後述する「SEVEN RUSH」である低確率高ベース状態に対応した背景である空の背景へと切り替わることを示唆するステージチェンジ演出が発生する。このステージチェンジ演出は、それまで表示されていた山の背景から画面が即座に暗転して黒色の背景に「STAGE CHANGE」の白文字が表示されたステージチェンジ用の背景である。このステージチェンジ用の背景が表示されると略同時に、スピーカ83から「SEVEN RUSH突入!」という音声が出力される。この「SEVEN RUSH」とは、低確率高ベース状態に対応した演出モード(演出ステージ)の名称である。また、このステージチェンジ用の背景が表示されると略同時に、画面の右上に矢印を示す「→」の記号(打ち分け報知C)が非表示となり、代わりに画面の右上に「右打ち」の文字(打ち分け報知A)が小さく表示される。更に、略同時に「右打ちしてね」の文字(打ち分け報知B)が大きく表示される。なお変形例として、ステージチェンジ用の背景が表示されてから所定時間経過後(例えば、2秒後)や、ステージチェンジ用の背景が非表示となってから(換言すれば、「SEVEN RUSH」に対応した背景の表示が開始されると略同時に)、スピーカ83から「SEVEN RUSH突入!」という音声が出力されたり、「右打ちしてね」の大きな文字が大きく表示されたりしてもよい。変形例として、「SEVEN RUSH突入!」という文字を表示しても良く、その場合は、ステージチェンジ用の背景が表示されてから所定時間経過後(例えば、2秒後)や、ステージチェンジ用の背景が非表示となってから表示することが望ましい。なお、501回転目の変動が第2特別図柄の変動である場合、ステージチェンジ演出や打ち分け報知A,Bは表示されず、継続して山の背景および打ち分け報知Cが表示される。
図54(d)は、501回転目の変動中の状況を示している。501回転目のステージチェンジ用の背景が非表示となって、代わりに「SEVEN RUSH」である低確率高ベース状態に対応した背景である空の背景が表示される。このとき、「右打ちしてね」の大きな文字は非表示となっていても良いが、ステージチェンジ用の背景から継続して表示されていることが望ましい(または、501回転目の変動停止まで、もしくは502回転目が開始するまで継続して表示されていることが望ましい)。なお、小さな「右打ち」の文字は、大きな「右打ちしてね」の文字とは異なり、低確率高ベース状態中に常に表示されている。
なお、「救済機能」が終了するタイミングは、規定回数目(詳細は後述する「第1回数」又は「第2回数」)の変動開始時(第1特別図柄の変動開始時か第2特別図柄の変動開始時かは問わない)であり、その変動中は既に低確率低ベース状態に移行している(変動開始時にベース状態が変化するため、変動の最中は既に低ベース状態となる)ため、が、演出モード(演出ステージ)としては、「SEVEN RUSH」である低確率高ベース状態に対応した背景である空の背景が表示されている。しかし、画面の右上に「右打ち」の文字(打ち分け報知A)は変動開始時に非表示となる。このとき、「SEVEN RUSH終了・・・」という文字を表示していも良い。規定回数目の変動の次変動が第1特別図柄の変動である場合、その変動開始を契機として、低確率高ベース状態に対応した演出モード(演出ステージ)の背景である空の背景が非表示となるとともに、代わりに低確率低ベース状態へ移行することを示すステージチェンジ演出が発生する(換言すれば、規定回数目の変動の次変動が第2特別図柄の変動である場合、空の背景の表示が継続され、ステージチェンジ演出も発生しない)。このステージ演出は、501回転目のステージ演出(ステージチェンジ用の背景)と同じ演出(背景)である。変形例として、501回転目のステージ演出(ステージチェンジ用の背景)とは異なる演出(背景)としても良く、例えば、白色の背景に「STAGE CHANGE」の黒文字が表示されたステージチェンジ用の背景としても良い。その後、ステージチェンジ用の背景が非表示となって、代わりに低確率低ベース状態に対応した背景である山の背景が表示される。変形例としては、山の背景ではなく海の背景としても良い(「救済機能」が発生する前の背景とは相違するようにしても良い)し、山の背景となる場合もあれば海の背景となる場合もあるよう設計しても良い(「救済機能」が発生する前の背景とは相違する場合と相違しない場合とを有するよう構成しても良い)。なお、このときの低確率低ベース状態に対応した背景である山の背景(もしくは海の背景)は、「救済機能」ではないことを明確にするために、100回転以内には必ず終了して、異なる演出モード(演出ステージ)の背景(例えば、草原の背景や宇宙の背景など)へと切り替わるよう構成することが望ましい。
図55は、「救済機能」が発生する直前の状態と直後の状態に関する演出態様(演出表示装置P80にて表示される演出内容)を示したものである。なお、図55においては、第4実施例におけるぱちんこ遊技機Pとは異なり、500回転目の変動開始時に「救済機能」が発生するため、「救済機能」が発生する直前の状態である499回転目が停止する状況にて第1特別図柄に係る保留や第2特別図柄に係る保留が存在するかどうかで、「救済機能」が発生した際の演出態様が変化することはない。
図55は、図54と同じく、「救済機能」が発生する直前の状態と直後の状態に関する演出態様(演出表示装置P80にて表示される演出内容)を示したものである。但し、図55は、図54と異なり、500回転目の変動が第2特別図柄の変動である。
図55(a)は、499回転目の変動である第1特別図柄の変動が停止している状況を示している。なお、図柄固定時間も経過済みの状況である。この状況では、499回転目に到達する前から(例えば、497回転目、498回転目などから)、低確率低ベース状態に対応した演出モード(演出ステージ)の背景が表示されており、装飾図柄の後方には山の背景が表示されている。但し、図55(a)について、変動が停止している状況ではなく、変動中(第1特別図柄の変動中)であっても良い。
図55(b)は、500回転目の変動である第2特別図柄の変動が開始した状況を示している。図55(a)の状況から第2特別図柄の保留が消化されることで、501回転目として第2特別図柄の変動が開始した状況である。変動を開始することで、「救済機能」が発生し、この変動開始時から低確率高ベース状態に移行する。ここで、変動開始時(もしくは変動開始直前)に画面の右上に矢印を示す「→」の記号(打ち分け報知C)が非常に小さく表示される(後述する打ち分け報知Aよりも小さく表示され、目立たない態様にて表示されている)。そしてその後(もしくは同一のタイミングにて)、「救済機能」が発生している状況、つまり低確率高ベース状態に移行した状況ではあるが、未だ低確率低ベース状態に対応した演出モード(演出ステージ)の背景である山の背景が表示されている。なお、前述したとおり、499回転目において第1特別図柄が変動停止中である場合、図55(b)における第2特別図柄は単独で変動している(第1特別図柄と同時に変動していない)が、499回転目において第1特別図柄が変動中である場合、図55(b)における第2特別図柄は並行して変動している(第1特別図柄と同時に変動している)。また、図55(b)では、第2特別図柄の変動に対応した装飾図柄の変動表示を行っていない(装飾図柄は第1特別図柄に対応したもののみ変動表示および停止表示される)が、変形例として、第2特別図柄に対応した装飾図柄も変動表示および停止表示するよう構成しても良く、そのように構成した場合、例えば演出表示装置P80の左下に小さく表示されるよう構成しても良い。
図55(c)は、501回転目の変動である第1特別図柄の変動が開始した状況を示している。図55(b)の状況から変動していた第2特別図柄が未だ変動中である場合に第1特別図柄の保留が消化されることで、501回転目として第1特別図柄の変動が開始した状況である。変動を開始することで、後述する「SEVEN RUSH」である低確率高ベース状態に対応した背景である空の背景へと切り替わることを示唆するステージチェンジ演出が発生する。このステージチェンジ演出は、それまで表示されていた山の背景から画面が即座に暗転して黒色の背景に「STAGE CHANGE」の白文字が表示されたステージチェンジ用の背景である。このステージチェンジ用の背景が表示されると略同時に、スピーカ83から「SEVEN RUSH突入!」という音声が出力される。この「SEVEN RUSH」とは、低確率高ベース状態に対応した演出モード(演出ステージ)の名称である。また、このステージチェンジ用の背景が表示されると略同時に、画面の右上に矢印を示す「→」の記号(打ち分け報知C)が非表示となり、代わりに画面の右上に「右打ち」の文字(打ち分け報知A)が小さく表示される。更に、略同時に「右打ちしてね」の文字(打ち分け報知B)が大きく表示される。なお変形例として、ステージチェンジ用の背景が表示されてから所定時間経過後(例えば、2秒後)や、ステージチェンジ用の背景が非表示となってから(換言すれば、「SEVEN RUSH」に対応した背景の表示が開始されると略同時に)、スピーカ83から「SEVEN RUSH突入!」という音声が出力されたり、「右打ちしてね」の大きな文字が大きく表示されたりしてもよい。変形例として、「SEVEN RUSH突入!」という文字を表示しても良く、その場合は、ステージチェンジ用の背景が表示されてから所定時間経過後(例えば、2秒後)や、ステージチェンジ用の背景が非表示となってから表示することが望ましい。上記のような第1特別図柄が変動を開始することによるステージチェンジ演出や打ち分け報知A,Bの表示(打ち分け報知Cの非表示)については、第2特別図柄が変動停止中であっても変動中であっても行われる。なお、501回転目の変動が第2特別図柄の変動である場合、ステージチェンジ演出や打ち分け報知A,Bは表示されず、継続して山の背景および打ち分け報知Cが表示される。
図55(d)は、501回転目の変動中の状況を示している。501回転目のステージチェンジ用の背景が非表示となって、代わりに「SEVEN RUSH」である低確率高ベース状態に対応した背景である空の背景が表示される。このとき、「右打ちしてね」の大きな文字は非表示となっていても良いが、ステージチェンジ用の背景から継続して表示されていることが望ましい(または、501回転目の変動停止まで、もしくは502回転目が開始するまで継続して表示されていることが望ましい)。なお、小さな「右打ち」の文字は、大きな「右打ちしてね」の文字とは異なり、低確率高ベース状態中に常に表示されている。なお、「救済機能」が終了するタイミングおよび演出の表示態様(演出遷移)については前述した内容と同じため割愛する。
第5実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、前述したとおり、特別遊技の終了後にも高ベース状態である低確率高ベース状態に移行する。この低確率高ベース状態は100回転継続する。特別遊技終了後の高ベース状態においては、高ベース状態の最終変動(例えば100回転目)で参照する変動パターンテーブルと、高ベース状態の最終変動よりも前の変動(例えば1回転目から99回転目)で参照する変動パターンテーブルとは異なるよう構成し、「救済機能」の高ベース状態においては、高ベース状態の最終変動で参照する変動パターンテーブルと、高ベース状態の最終変動よりも前の変動で参照する変動パターンテーブルは同じとなるよう構成されている。なお、「救済機能」の高ベース状態で参照する変動パターンテーブルは、(1)特別遊技終了後の高ベース状態の最終変動(例えば100回転目)で参照する変動パターンテーブルとも最終変動よりも前の変動(例えば1回転目から99回転目)で参照する変動パターンテーブルとも異なる変動パターンテーブルであっても良いし、(2)特別遊技終了後の高ベース状態の最終変動よりも前の変動(例えば1回転目から99回転目)で参照する変動パターンと同じであっても良い。
ここで、特別遊技終了後の高ベース状態の最終変動(例えば100回転目)で参照する変動パターンテーブルを「変動パターンテーブルA」、特別遊技終了後の高ベース状態の最終変動よりも前の変動(例えば1回転目から99回転目)で参照する変動パターンテーブルを「変動パターンテーブルB」、「救済機能」の高ベース状態で参照する変動パターンテーブルを「変動パターンテーブルC」とすると、「変動パターンテーブルA」については、変動開始時の第2特別図柄に係る保留数が所定個数である場合(例えば4個であり、変動開始に伴う保留消化で4個から3個に減少する場合)と、変動開始時の第2特別図柄に係る保留数が特定個数である場合(例えば1個であり、変動開始に伴う保留消化で1個から0個に減少する場合)とで変動パターンの選択傾向が異なるよう構成され、「変動パターンテーブルB」および「変動パターンテーブルC」については、変動開始時の第2特別図柄に係る保留数が所定個数である場合(例えば4個であり、変動開始に伴う保留消化で4個から3個に減少する場合)と、変動開始時の第2特別図柄に係る保留数が特定個数である場合(例えば1個であり、変動開始に伴う保留消化で1個から0個に減少する場合)とで変動パターンの選択傾向が同じである。変動パターンテーブルの詳細は、図55に示しているが、図55(a)については、「変動パターンテーブルB」と「変動パターンテーブルC」とを異なる変動パターンテーブルに設定した場合を、図55(b)については、「変動パターンテーブルB」と「変動パターンテーブルC」とを同じ変動パターンテーブルに設定した場合を示している。なお、「変動パターンテーブルA」を参照する際、つまり、特別遊技終了後の高ベース状態の最終変動(例えば100回転目)においては、前述した「リザルト表示演出」を実行する。但し、同じ高ベース状態の最終変動であっても、「救済機能」の高ベース状態の最終変動においては「リザルト表示演出」を実行しないことが好適である。
なお、変形例として、特別遊技終了後の高ベース状態は全て(例えば100回転分)「変動パターンテーブルB」を参照し、「救済機能」の高ベース状態は全て「変動パターンテーブルC」を参照するよう構成し、特別遊技終了後の高ベース状態の最終変動(例えば100回転目)のみ図柄固定時間を長時間とするよう構成しても良い。具体的には、特別遊技終了後の高ベース状態の最終変動(例えば100回転目)のみ図柄固定時間を10秒、それ以外の高ベース状態の変動(特別遊技終了後の高ベース状態の最終変動以外、「救済機能」の高ベース状態の全ての変動)では図柄固定時間を0.5秒に設定する。このように構成することで、変動パターンテーブルの数を削減し、開発負担を軽減しつつも、10秒の図柄固定時間にて「リザルト表示演出」を実行することができる。
以上のように構成することで、「並列制御(並列消化)」を採用し、変動開始時に「救済機能」が発生するぱちんこ遊技機Pにおいて、「救済機能」が発生したことを遊技者に対して明確に示すことができるととともに、それによるベース状態の変化および演出モード(演出ステージ)の変化がスムーズに行われることになり、遊技者は、ベース状態の切り替わりを演出上違和感なく認識することができる。また、ベース状態の切り替わりにより、遊技者が狙う始動口の種類が異なるようになるため(第1始動入賞口P711Aから第1始動入賞口P711Bに切り替わるようになるため)、それに対する打ち分け報知について、ベース状態の切り替わり契機となる図柄が第1特別図柄、第2特別図柄のいずれであっても、打ち分け報知Cについてはベース状態の切り替わりと同時に表示する一方で目立たないように表示し、その後の第1特別図柄の変動開始時(高ベース状態の主体となる遊技進行に対応する図柄の変動開始時)では打ち分け報知Aを即座に表示し且つ継続的に表示するとともに、打ち分け報知Bについてはステージチェンジに付随して目立つように表示することで、ベース状態の切り替わり時に適切且つ強調して打ち分け(特図2始動口を狙うこと)について報知可能としつつ、その後の高ベース状態においても継続的に打ち分け(特図2始動口を狙うこと)を報知可能となるため、遊技者に対して適切な打ち分け報知を実現している。
また、第5実施例におけるぱちんこ遊技機Pにおける「救済機能」の回数は、第1特別図柄の変動のみを対象とした第1回数と、第1特別図柄の変動と第2特別図柄の変動の合計を対象とした第2回数とを有している。具体的には、第1回数として300回が、第2回数として759回が設定される。第5実施例におけるぱちんこ遊技機Pは、「並列制御(並列消化)」を採用し、且つ、演出表示装置P80の右側の遊技領域(右側領域P501R)に普通電動役物P770に係る第1始動入賞口P711Bと第2始動入賞口712の両方が配置されているため、高ベース状態にて第1始動入賞口P711Bを狙って右打ちした場合、両方の始動入賞口に入球する可能性があり、更には「救済機能」の高ベース状態中において第1特別図柄と第2特別図柄が同時に変動する可能性もある。そうすると、本来であれば、高ベース状態の遊技進行の主体となる第1特別図柄の変動にて高ベース状態を消化していくことが望ましいにもかかわらず、第2特別図柄の変動が割り込んできてしまうと、想定どおりの(本来想定していた)第1特別図柄に係る高ベース状態の変動回数(第5実施例においては、300回)を実行することができない。そのため、上記のとおり、第1回数のみならず、第2回数を設定することで、第1回数の第1特別図柄の変動をほぼ確実に担保することが可能となる。
なお、「救済機能」が発生している最中は、「救済機能」の残り回数を報知する報知演出を実行しても良く、その場合、演出表示装置P80にて、「残り○○○回」といった表示を行うよう構成される。この報知演出は、基本的に第1回数を対象とする(例えば、第1回数の残り回数が120回であれば、「残り120回」と表示する)が、第2回数の残り回数が300回以下になった場合、第2回数も対象となり得る。例えば、第1回数の残り回数が290回(「救済機能」が発生してから第1特別図柄の変動が10回行われることで、残り回数が290回となる)であり、第2回数の残り回数が100回(例えば、「救済機能」が発生してから第1特別図柄の変動が10回と第2特別図柄の変動が649回行われることで、残り回数が100回となる)である場合、第1特別図柄は10回しか変動しておらず、本来であれば「残り290回」と表示されるところだが、第2回数の残り回数が100回であるため、「残り100回」と表示されることになる。つまり、第2回数の残り回数が第1回数の残り回数を上回った場合、第2回数の残り回数が報知演出の報知の対象となり、その場合、それまでは第1特別図柄の変動回数のみが報知演出における減算対象であったが(第1特別図柄の変動が1回行われるたびに、「残り○○○回」の表示が1ずつ減算されるが)、それ以降は第1特別図柄のみならず第2特別図柄の変動回数も報知演出における減算対象となる(第1特別図柄または第2特別図柄の変動が1回行われるたびに、「残り○○○回」の表示が1ずつ減算される)。
[第6実施例]
本実施例乃至第5実施例のぱちんこ遊技機Pとして、様々な遊技性を持つぱちんこ遊技機Pについて説明したが、更なる遊技性向上を目的として、高ベース状態の終了条件(時短終了条件)に更なる工夫を行ったり、「救済機能」を新たな遊技性に取り入れたりしたものの一例を第6実施例とし、以下、前提技術および本実施例との相違点についてのみ詳述し、共通点の説明を省略または簡略化する。なお、第6実施例のぱちんこ遊技機Pを構成する要素のうち、前提技術または本実施例で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付す。
[第6-1実施例]
第6-1実施例におけるぱちんこ遊技機Pは、前述した「小当りV」スペックを採用している。第6-1実施例のぱちんこ遊技機Pは、以下の特徴を備える。(A)第1特別図柄に係る当否抽選結果として、「当り」、「小当り」、「はずれ」を有する。(B)第2特別図柄に係る当否抽選結果として、「当り」、「小当り」、「はずれ」を有する。(C)大当り確率は1/300であり(高確率状態を備えていない)、小当り確率は第1特別図柄では1/50で第2特別図柄では1/10であり、第1特別図柄の保留数は4個であり、第2特別図柄の保留数は4個である。(D)「第2特別図柄(特図2)優先消化制御」を採用している。(E)第1特別図柄の小当り遊技も、第2特別図柄の小当り遊技も、特定領域にV入賞しやすい小当り遊技である(V入賞が困難となる小当り遊技を有していない)。つまり、小当り遊技の実行中に大入賞装置P750へ入球させると、特定領域への入球が略確定的となり、それを契機として大当り遊技(小当りV大当り又は小当りV大当り遊技とも称する)が実行される。(F)低ベース状態と高ベース状態を有している。(G)低ベース状態にて第1特別図柄の小当りに当選することで実行される第1特別図柄の小当りV大当り後(特別遊技後)は、再度低ベース状態に移行するが、高ベース状態にて第1特別図柄の小当りに当選することで実行される第1特別図柄の小当りV大当り後(特別遊技後)又は第2特別図柄の小当りに当選することで実行される第2特別図柄の小当りV大当り後(特別遊技後)は、15回転の高ベース状態に移行する(少なくとも、第2特別図柄が15回変動するまでは高ベース状態が維持される)。(H)低ベース状態にて第1特別図柄の大当りに当選することで実行される第1特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)は、1回転の高ベース状態に移行する(少なくとも、第2特別図柄が1回変動するまでは高ベース状態が維持される)が、高ベース状態にて第1特別図柄の大当りに当選することで実行される第1特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)又は第2特別図柄の大当りに当選することで実行される第2特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)は、15回転の高ベース状態に移行する(少なくとも、第2特別図柄が15回変動するまでは高ベース状態が維持される)。(I)第1特別図柄の大当りに当選することで実行される第1特別図柄の大当り(特別遊技)および第1特別図柄の小当りに当選することで実行される第1特別図柄の小当りV大当り(特別遊技)は3R特別遊技であり、第2特別図柄の大当りに当選することで実行される第2特別図柄の大当り(特別遊技)および第2特別図柄の小当りに当選することで実行される第2特別図柄の小当りV大当り(特別遊技)は10R特別遊技である。(J)「救済機能」を搭載しており、特別遊技終了後(小当りV大当り後又は大当り遊技後)600回転目の変動停止時(図柄固定時間経過時)に発生し、700回転目まで高ベース状態が継続する(なお、変形例として、特別遊技終了後の高ベース状態が終了してから600回転経過することで「救済機能」が発生しても良い)。
上記の特徴を有することで、低ベース状態にて第1特別図柄の小当りに当選することで実行される第1特別図柄の小当り遊技の実行中に、(1)特定領域へ入球させることで、3R分の出玉を獲得するか、(2)敢えて特定領域に入球させないことで、3R分の出玉は獲得できないが、「救済機能」に近づくかせる(小当りV大当りを獲得すると、特別遊技の実行により、「救済機能」の発生条件がリセットされる、換言すれば、「救済機能」の発生条件が当該特別遊技の終了後600回転目に再セットされるため、敢えて特定領域に入球させないと、再セットされないため、「救済機能」に近づく)ことを遊技者が選択可能となる。なお、変形例として、低ベース状態にて第1特別図柄の小当りに当選することで実行される第1特別図柄の小当り遊技の実行中に特定領域へ入球させることで、高ベース状態1回を獲得できるよう構成しても良い。また、更なる変形例として、低ベース状態にて第1特別図柄の小当りに当選することで実行される第1特別図柄の小当り遊技の実行中には、遊技者に対して大入賞装置P750を狙って(特定領域を狙って)遊技球を発射することを促すことを報知する演出は実行せず(遊技者の任意選択性に任せるため)、高ベース状態にて第2特別図柄の小当りに当選することで実行される第2特別図柄の小当り遊技の実行中には、遊技者に対して大入賞装置P750を狙って(特定領域を狙って)遊技球を発射することを促すことを報知する演出を実行するよう構成しても良い。
[第6-2実施例]
第6-2実施例におけるぱちんこ遊技機Pは、前述した「小当りV」スペックを採用している。第6-1実施例のぱちんこ遊技機Pは、以下の特徴を備える。(A)第1特別図柄に係る当否抽選結果として、「当り」、「はずれ」を有する。(B)第2特別図柄に係る当否抽選結果として、「当り」、「小当り」、「はずれ」を有する。(C)大当り確率は1/300であり(高確率状態を備えていない)、小当り確率は1/3であり、第1特別図柄の保留数は4個であり、第2特別図柄の保留数は4個である。(D)「第2特別図柄(特図2)優先消化制御」を採用している。(E)小当り遊技は、特定領域にV入賞しやすい小当り遊技である(V入賞が困難となる小当り遊技を有していない)。つまり、小当り遊技の実行中に大入賞装置P750へ入球させると、特定領域への入球が略確定的となり、それを契機として大当り遊技(小当りV大当り又は小当りV大当り遊技とも称する)が実行される。(F)低ベース状態と高ベース状態を有しており、普通図柄の当り確率は1/1であり、普通図柄の保留数は4個であり、普通図柄の当り図柄に対応した普通電動役物P770の開放パターン(普通図柄が当り図柄で停止することを契機とした普通電動役物P770の1回の作動に対応した動作パターン、つまり、「普通電動役物P770の1回の作動」=「普通電動役物P770を1以上開放する開放パターンを1セット実行すること」)は、低ベース状態においては0.01秒×1であり、高ベース状態においては1.5秒×3であるが、いずれの開放パターンも、普通電動役物P770に1球入球することで強制的に普通電動役物P770の作動が終了する(例えば、1.5秒×3の開放における2回目の1.5秒の開放の途中に1球の入球が検知された場合、その後の開放である2回目の開放の残り時間が強制的に終了し且つ3回目の開放も行われない)。(G)低ベース状態にて第1特別図柄の大当りに当選することで実行される第1特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)は、高ベース状態に移行し、第2特別図柄が1回変動するまで、又は、普通電動役物P770が2回作動するまで高ベース状態が維持される(変形例として、第2特別図柄が1回変動するまで、又は、普通電動役物P770が2回作動するまで、又は、第1特別図柄が10回変動するまで、又は、第1特別図柄および第2特別図柄が合計10回変動するまで高ベース状態が維持されるよう構成しても良い)。(H)低ベース状態にて第2特別図柄の大当りに当選することで実行される第2特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)、低ベース状態にて第2特別図柄の小当りに当選することで実行される第2特別図柄の小当りV大当り後(特別遊技後)は、高ベース状態に移行し、第2特別図柄が1回変動するまで、又は、普通電動役物P770が10000回作動するまで高ベース状態が維持される(変形例として、第2特別図柄が1回変動するまで、又は、普通電動役物P770が10000回作動するまで、又は、第1特別図柄が10回変動するまで、又は、第1特別図柄および第2特別図柄が合計10回変動するまで高ベース状態が維持されるよう構成しても良い)。(I)高ベース状態にて第1特別図柄の大当りに当選することで実行される第1特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)、高ベース状態にて第2特別図柄の大当りに当選することで実行される第2特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)、高ベース状態にて第2特別図柄の小当りに当選することで実行される第2特別図柄の小当りV大当り後(特別遊技後)は、高ベース状態に移行し、第2特別図柄が99回変動するまで、又は、普通電動役物P770が10000回作動するまで高ベース状態が維持される(変形例として、第2特別図柄が99回変動するまで、又は、普通電動役物P770が10000回作動するまで、又は、第1特別図柄が99回変動するまで、又は、第1特別図柄および第2特別図柄が合計99回変動するまで高ベース状態が維持されるよう構成しても良い)。但し、高ベース状態中の大当り遊技又は小当りV大当りが3回連続することで、3回目の大当り遊技又は小当りV大当り終了後は強制的に低ベース状態に移行する(3回目の大当り遊技又は小当りV大当りが実行される前に第2特別図柄の保留数を4個貯めている状況であれば、低ベース状態に移行してから当該4個の保留内で再度大当り遊技又は小当りV大当りを獲得できる可能性がある)。
上記の特徴を有することで、初当り(低ベース状態における第1特別図柄に係る大当り遊技又は小当りV大当り)後の高ベース状態にて変動可能な第2特別図柄の回数を制限することができるため、初当り後の連荘性を抑制することができるとともに、初当り後の高ベース状態中の大当り遊技又は小当りV大当りではその後の高ベース状態の終了条件を初当り後の高ベース状態の終了条件よりも緩和することで連荘性を高めることができるため、メリハリのある遊技性を実現することができる。より具体的には、初当り後は、普通電動役物P770が2回作動すると高ベース状態が終了するため、また、前述したとおり普通電動役物P770に1球入球することで強制的に普通電動役物P770の作動が終了するため、初当り後は、第2特別図柄の保留がない状況から高ベース状態が開始した場合、第2特別図柄は2回(高ベース状態が開始してから最初に普通電動役物P770に入球したことによる第2特別図柄の変動と、その変動中に普通電動役物P770に入球したことによる第2特別図柄の保留に係る変動)しか変動させることができないよう構成されている。一方、低ベース状態にて第2特別図柄の大当りに当選することで実行される第2特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)、低ベース状態にて第2特別図柄の小当りに当選することで実行される第2特別図柄の小当りV大当り後(特別遊技後)は、普通電動役物P770が10000回作動すると高ベース状態が終了するため、高ベース状態が開始してから最初に普通電動役物P770に入球したことによる変動中に、4個の第2特別図柄の保留を生起させることが可能となる(但し、第2特別図柄が1回変動することでも高ベース状態が終了するため、この最初の1変動と高ベース状態終了後に消化される4個の保留分の4回の変動の合計5回の第2特別図柄の変動が可能となる)。また、高ベース状態にて第1特別図柄の大当りに当選することで実行される第1特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)、高ベース状態にて第2特別図柄の大当りに当選することで実行される第2特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)、高ベース状態にて第2特別図柄の小当りに当選することで実行される第2特別図柄の小当りV大当り後(特別遊技後)は、第2特別図柄が99回変動するまで、又は、普通電動役物P770が10000回作動するまで高ベース状態が維持され、小当り確率が1/3ということもあり、高ベース状態中にかなりの高確率で小当りV大当りを獲得することができる。
[第6-3実施例]
第6-3実施例におけるぱちんこ遊技機Pは、前述した「小当りV」スペックを採用している。第6-3実施例のぱちんこ遊技機Pは、以下の特徴を備える。(A)第1特別図柄に係る当否抽選結果として、「当り」、「はずれ」を有する。(B)第2特別図柄に係る当否抽選結果として、「当り」、「小当り」、「はずれ」を有する。(C)大当り確率は1/300であり(高確率状態を備えていない)、小当り確率は1/1(およそ1/1)であり、第1特別図柄の保留数は4個であり、第2特別図柄の保留数は4個である。(D)「第2特別図柄(特図2)優先消化制御」を採用している。(E)小当り遊技は、特定領域にV入賞しやすい小当り遊技である(V入賞が困難となる小当り遊技を有していない)。つまり、小当り遊技の実行中に大入賞装置P750へ入球させると、特定領域への入球が略確定的となり、それを契機として大当り遊技(小当りV大当り又は小当りV大当り遊技とも称する)が実行される。(F)低ベース状態と高ベース状態を有しており、普通図柄の当り確率は1/1であり、普通図柄の保留数は4個であり、普通図柄の当り図柄は当り図柄Aと当り図柄B(選択比率は3:1)とを有しており、低ベース状態における当り図柄Aおよび当り図柄Bに対応した普通電動役物P770の開放パターンは0.01秒×1回であり、高ベース状態における当り図柄Aに対応した普通電動役物P770の開放パターンは0.01秒×1回であり、高ベース状態における当り図柄Bに対応した普通電動役物P770の開放パターンは1.5秒×3であるが、いずれの開放パターンも、普通電動役物P770に1球入球することで強制的に開放が終了する(例えば、1.5秒×3の開放における2回目の1.5秒の開放の途中に1球の入球が検知された場合、その後の開放である2回目の開放の残り時間が強制的に終了し且つ3回目の開放も行われない)。(G)低ベース状態又は高ベース状態にて、第1特別図柄の大当りに当選することで実行される第1特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)、第2特別図柄の大当りに当選することで実行される第2特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)、第2特別図柄の小当りに当選することで実行される第2特別図柄の小当りV大当り後(特別遊技後)は、高ベース状態に移行し、第2特別図柄が1回変動するまで、又は、普通電動役物P770が4回作動するまで高ベース状態が維持される(変形例として、第2特別図柄が1回変動するまで、又は、普通電動役物P770が4回作動するまで、又は、第1特別図柄が10回変動するまで、又は、第1特別図柄および第2特別図柄が合計10回変動するまで高ベース状態が維持されるよう構成しても良い)。
上記の特徴を有することで、普通電動役物P770が4回作動するうち(換言すれば、普通図柄が4回当選するうち)、当り図柄Bに当選することができるかどうかという遊技性を実現することができる(当り図柄Bに当選することで、普通電動役物P770への入球が可能となり、第2特別図柄の保留が1個生起し、第2特別図柄はほぼ小当りに当選するため、当り図柄Bに当選することは、小当りV大当りを獲得できることと略同時である)。また、当り図柄Bに1回当選しても、その後にまだ普通電動役物P770の開放回数が残っていれば、更に当り図柄Bを当選する場合があり、更に当り図柄Bに当選した場合は、第2特別図柄の保留が更に生起することになるため、連続した複数回の小当りV大当りを獲得することになる。
[第6-4実施例]
第6-4実施例におけるぱちんこ遊技機Pは、前述した「小当りV」スペックを採用している。第6-4実施例のぱちんこ遊技機Pは、以下の特徴を備える。(A)第1特別図柄に係る当否抽選結果として、「当り」、「はずれ」を有する。(B)第2特別図柄に係る当否抽選結果として、「当り」、「小当り」、「はずれ」を有する。(C)大当り確率は1/300であり(高確率状態を備えていない)、小当り確率は1/3であり、第1特別図柄の保留数は4個であり、第2特別図柄の保留数は4個である。(D)「第2特別図柄(特図2)優先消化制御」を採用している。(E)小当り遊技は、特定領域にV入賞しやすい小当り遊技である(V入賞が困難となる小当り遊技を有していない)。つまり、小当り遊技の実行中に大入賞装置P750へ入球させると、特定領域への入球が略確定的となり、それを契機として大当り遊技(小当りV大当り又は小当りV大当り遊技とも称する)が実行される。(F)低ベース状態と高ベース状態を有しており、普通図柄の当り確率は1/1であり、普通図柄の保留数は4個であり、普通図柄の当り図柄に対応した普通電動役物P770の開放パターン(普通図柄が当り図柄で停止することを契機とした普通電動役物P770の1回の作動に対応した動作パターン、つまり、「普通電動役物P770の1回の作動」=「普通電動役物P770を1以上開放する開放パターンを1セット実行すること」)は、低ベース状態においては0.01秒×1であり、高ベース状態においては1.5秒×3であるが、いずれの開放パターンも、普通電動役物P770に1球入球することで強制的に普通電動役物P770の作動が終了する(例えば、1.5秒×3の開放における2回目の1.5秒の開放の途中に1球の入球が検知された場合、その後の開放である2回目の開放の残り時間が強制的に終了し且つ3回目の開放も行われない)。(G)低ベース状態又は高ベース状態にて、第1特別図柄の大当りに当選することで実行される第1特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)、第2特別図柄の大当りに当選することで実行される第2特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)、第2特別図柄の小当りに当選することで実行される第2特別図柄の小当りV大当り後(特別遊技後)は、高ベース状態に移行し、第2特別図柄が1回変動するまで、又は、普通電動役物P770がN回作動するまで高ベース状態が維持される(変形例として、第2特別図柄が1回変動するまで、又は、普通電動役物P770がN回作動するまで、又は、第1特別図柄が10回変動するまで、又は、第1特別図柄および第2特別図柄が合計10回変動するまで高ベース状態が維持されるよう構成しても良い)。ここで、N=1,2,3,4のいずれかであり、特別遊技の種類(大当り図柄又は小当り図柄の種類)に応じて異なるよう構成される。
上記の特徴を有することで、大当り図柄の種類又は小当り図柄の種類に応じて、第2特別図柄の小当りに係る保留の生起期待度を異ならせることができる。つまり、大当り図柄の種類又は小当り図柄の種類に応じて、小当りV大当りの獲得期待度および小当りV大当りの獲得数期待値を異ならせることができる。変形例として、高ベース状態に移行し、第2特別図柄が99回変動するまで、又は、普通電動役物P770が10000回作動するまで高ベース状態が維持される(もしくは、第2特別図柄が99回変動するまで、又は、普通電動役物P770が10000回作動するまで、又は、第1特別図柄が99回変動するまで、又は、第1特別図柄および第2特別図柄が合計99回変動するまで高ベース状態が維持される)ような特別遊技(大当り図柄又は小当り図柄)を有しても良い。
なお、変形例として、高ベース状態の終了条件として「第2特別図柄の変動1回又は普通電動役物P770の作動回数12回」となる大当り図柄又は小当り図柄を有した場合、第2特別図柄の変動を300秒とし、普通電動役物P770の作動回数が3回行われるごとにに遊技者に対して遊技球の発射を停止するよう促す演出(換言すれば、普通電動役物P770に遊技球を入球させないように促す演出)を実行する。こうすることで、普通図柄の保留数が4個の状況で普通電動役物P770へ入球させることによる時短終了条件の1つである「普通電動役物P770の作動回数」を無駄に1つカウントアップさせることを防止することができる。より具体的には、普通図柄の保留が4個の状況で普通電動役物P770へ入球させたとしても、普通図柄の保留数は既に4個であるため増えることはなく、単に高ベース状態の終了が近づいてしまうだけになるので、遊技者に対して不利になってしまうが、上記のように構成することで、その不利益を防止することが可能となる。
[第6-5実施例]
第6-5実施例におけるぱちんこ遊技機Pは、前述した「小当りV」スペックを採用している。第6-5実施例のぱちんこ遊技機Pは、以下の特徴を備える。(A)第1特別図柄に係る当否抽選結果として、「当り」、「はずれ」を有する。(B)第2特別図柄に係る当否抽選結果として、「当り」、「小当り」、「はずれ」を有する。(C)大当り確率は1/300であり(高確率状態を備えていない)、小当り確率は1/5(小当り図柄Aが1/6、小当り図柄Bが1/30)であり、第1特別図柄の保留数は4個であり、第2特別図柄の保留数は4個である。(D)「第2特別図柄(特図2)優先消化制御」を採用している。(E)小当り遊技は、特定領域にV入賞しやすい小当り遊技Aと(小当り図柄Aに対応した小当り遊技)、V入賞が困難となる小当り遊技B(小当り図柄Bに対応した小当り遊技)とを有している。つまり、小当り遊技Aの実行中に大入賞装置P750へ入球させると、特定領域への入球が略確定的となり、それを契機として大当り遊技(小当りV大当り又は小当りV大当り遊技とも称する)が実行されるが、小当り遊技Bの実行中に大入賞装置P750へ入球させても、特定領域へ入球せず、それを契機とした大当り遊技(小当りV大当り又は小当りV大当り遊技とも称する)が実行されない。(F)低ベース状態と高ベース状態を有しており、普通図柄の当り確率は1/1であり、普通図柄の保留数は4個であり、普通図柄の当り図柄に対応した普通電動役物P770の開放パターン(普通図柄が当り図柄で停止することを契機とした普通電動役物P770の1回の作動に対応した動作パターン、つまり、「普通電動役物P770の1回の作動」=「普通電動役物P770を1以上開放する開放パターンを1セット実行すること」)は、低ベース状態においては0.01秒×1であり、高ベース状態においては1.5秒×3であるが、いずれの開放パターンも、普通電動役物P770に1球入球することで強制的に普通電動役物P770の作動が終了する(例えば、1.5秒×3の開放における2回目の1.5秒の開放の途中に1球の入球が検知された場合、その後の開放である2回目の開放の残り時間が強制的に終了し且つ3回目の開放も行われない)。(G)低ベース状態にて第1特別図柄の大当りに当選することで実行される第1特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)は、高ベース状態に移行し、第2特別図柄の変動が1回行われるか、小当り図柄A又は小当り図柄Bに5回当選するまでは、高ベース状態が維持される。(H)低ベース状態にて第2特別図柄の大当りに当選することで実行される第2特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)、低ベース状態にて第2特別図柄の小当りに当選することで実行される第2特別図柄の小当りV大当り後(特別遊技後)は、高ベース状態に移行し、第2特別図柄の変動が5回行われるか、小当り図柄A又は小当り図柄Bに5回当選するまでは、高ベース状態が維持される。(I)高ベース状態にて第1特別図柄の大当りに当選することで実行される第1特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)、高ベース状態にて第2特別図柄の大当りに当選することで実行される第2特別図柄の大当り遊技後(特別遊技後)、高ベース状態にて第2特別図柄の小当りに当選することで実行される第2特別図柄の小当りV大当り後(特別遊技後)は、高ベース状態に移行し、高ベース状態に移行し、第2特別図柄の変動が99回行われるか、小当り図柄A又は小当り図柄Bに1回当選するまでは、高ベース状態が維持される。
上記の特徴を有することで、初当り(低ベース状態での第1特別図柄に係る大当り遊技)を契機として1回の高ベース状態へ移行させる一方で、高ベース中での大当り遊技又は小当りV大当りを契機として99回の高ベース状態へ移行させ、低ベース状態での第2特別図柄に係る大当り遊技又は小当りV大当り(高ベース状態から低ベース状態へ移行した際に残存する第2特別図柄に係る保留にて当選する大当り又は小当り)を契機として5回の高ベース状態へ移行させるといった遊技性、つまり、複数の連荘期待度を備えた高ベース状態を創り出すことができる。それに加え、99回の高ベース状態が付与されると、99回以内に1/6の小当り図柄Aがかなりの高確率で当選するため、「99回の高ベース状態→小当り図柄Aに係る小当りV大当り→99回の高ベース状態→小当り図柄Aに係る小当りV大当り→・・・」といったように、非常に連荘期待度が高いように見えるが、小当りVが困難(実質不可能)な小当り図柄Bを備えており且つ小当り図柄当選で高ベース状態が終了するため、極端な連荘性は抑制されるとともに、小当り図柄Bに当選するまでに、小当り図柄Aに何度当選するかという遊技性を実現することができる。また、5回の高ベース状態である場合は、確実に5回の高ベース状態を実行することができるように、小当り図柄が1回当選しても(小当り図柄Bが1回当選しても)高ベース状態を終了させないよう構成している。
[第6-6実施例]
第6-6実施例におけるぱちんこ遊技機Pは、図53と同様の盤面構成であり、「小当りラッシュ」の仕様を採用している。但し、第5実施例のぱちんこ遊技機Pとは異なり、小当りを頻発させることにより出玉を増やすことを目的とはしていないため、小当り当選時であっても、大入賞口P751は0.01秒しか開放しないため、遊技球の入球は非常に困難である。第6-6実施例のぱちんこ遊技機Pは、以下の特徴を備える。(A)第1特別図柄に係る当否抽選結果として、「当り」、「はずれ」を有する。(B)第2特別図柄に係る当否抽選結果として、「当り」、「小当り」、「はずれ」を有する。(C)低確率状態における大当り確率は1/300であり、高確率状態における大当り確率は1/50であり、低確率状態および高確率状態における小当り確率は1/1.2である。(D)「並列制御(並列消化)」と採用し、「V確変」を採用している(後述する「10R確変大当りA」および「10R確変大当りB」は特定領域への入球が容易な大当り図柄であり、「10R通常大当り」は特定領域への入球が困難であり実質不可能な大当り図柄である)。(E)低確率低ベース状態、低確率高ベース状態、および高確率高ベース状態においては、第1特別図柄を主体とした遊技進行を行うため、これらの遊技状態においては、第1特別図柄は第2特別図柄よりも相対的に変動時間が短い(第1特別図柄の平均変動時間は、低確率低ベース状態では平均20秒であり、低確率高ベース状態および高確率高ベース状態では平均3秒であるが、第2特別図柄の平均時間は、低確率低ベース状態、低確率高ベース状態、および高確率高ベース状態では平均10分である)。(F)高確率低ベース状態においては、第2特別図柄を主体とした遊技進行を行うため、この遊技状態においては、第2特別図柄は第1特別図柄よりも相対的に変動時間が短い(第2特別図柄の平均変動時間は、高確率低ベース状態では平均2秒であるが、第1特別図柄の平均時間は、高確率低ベース状態では平均5分である)。(G)第1特別図柄に係る大当り図柄として、次回まで確変である高確率低ベース状態への移行契機となる「10R確変大当りA」が40%、100回転の低確率高ベース状態への移行契機となる「10R通常大当り」が60%で選択される。(H)第2特別図柄に係る大当り図柄として、次回まで確変である高確率低ベース状態への移行契機となる「10R確変大当りA」が40%、次回まで確変である高確率高ベース状態への移行契機となる「10R確変大当りB」が60%で選択される。
上記の特徴を有することで、初当り(低ベース状態での第1特別図柄に係る大当り遊技)後に高確率低ベース状態に移行した場合は、第2特別図柄を主体とした遊技進行となり、第2特別図柄の当否抽選結果が大当りである場合は、全て「確変大当り」であるため、少なくともあと2回は特別遊技の実行が保障されるといった遊技性となる。具体的には、第2特別図柄が「10R確変大当りA」に当選することで再度高確率低ベース状態へ移行し再度あと2回の特別遊技の実行が保障され、「10R確変大当りB」に当選することで高確率高ベース状態へ移行することで第1特別図柄を主体とした遊技進行に切り替わり。更に、高確率高ベース状態へ移行することで第1特別図柄を主体とした遊技進行に切り替わった後は、第1特別図柄が「10R確変大当りA」に当選することで、再度高確率低ベース状態へ移行し再度あと2回の特別遊技の実行が保障されるといった斬新な遊技性となる。
[第6-7実施例]
第6-7実施例におけるぱちんこ遊技機Pは、図53と同様の盤面構成であり、「小当りラッシュ」の仕様を採用している。但し、第5実施例のぱちんこ遊技機Pとは異なり、小当りを頻発させることにより出玉を増やすことを目的とはしていないため、小当り当選時であっても、大入賞口P751は0.01秒しか開放しないため、遊技球の入球は非常に困難である。第6-6実施例のぱちんこ遊技機Pは、以下の特徴を備える。(A)第1特別図柄に係る当否抽選結果として、「当り」、「はずれ」を有する。(B)第2特別図柄に係る当否抽選結果として、「当り」、「小当り」、「はずれ」を有する。(C)低確率状態における大当り確率は1/300であり、高確率状態における大当り確率は1/50であり、低確率状態および高確率状態における小当り確率は1/1.2である。(D)「並列制御(並列消化)」と採用し、「V確変」を採用している(後述する「10R確変大当り」は特定領域への入球が容易な大当り図柄であり、「10R通常大当り」は特定領域への入球が困難であり実質不可能な大当り図柄である)。(E)低確率低ベース状態、低確率高ベース状態、および高確率高ベース状態においては、第1特別図柄を主体とした遊技進行を行うため、これらの遊技状態においては、第1特別図柄は第2特別図柄よりも相対的に変動時間が短い(第1特別図柄の平均変動時間は、低確率低ベース状態では平均20秒であり、低確率高ベース状態および高確率高ベース状態では平均3秒であるが、第2特別図柄の平均時間は、低確率低ベース状態、低確率高ベース状態、および高確率高ベース状態では平均10分である)。(F)高確率低ベース状態においては、第2特別図柄を主体とした遊技進行を行うため、この遊技状態においては、第2特別図柄は第1特別図柄よりも相対的に変動時間が短い(第2特別図柄の平均変動時間は、高確率低ベース状態では平均2秒であるが、第1特別図柄の平均時間は、高確率低ベース状態では平均5分である)。(G)第1特別図柄に係る大当り図柄として、次回まで確変である高確率高ベース状態への移行契機となる「10R確変大当り」が100%で選択されるが、高ベース状態が50回経過すると低ベース状態へと移行し、高確率低ベース状態へと切り替わる。(H)第2特別図柄に係る大当り図柄として、次回まで確変である高確率高ベース状態への移行契機となる「10R確変大当り」が50%、100回転の低確率高ベース状態への移行契機となる「10R通常大当り」が50%で選択される。
上記の特徴を有することで、初当り(低ベース状態での第1特別図柄に係る大当り遊技)は必ず高確率状態へ移行するため、再度の特別遊技の実行が保障されるとともに、50回の高確率高ベース状態では第1特別図柄を主体とした遊技進行となるため、この50回以内に(第1特別図柄で)大当りすれば必ず高確率状態へ再度移行するという遊技性を創出できる。
以上、本発明を、本実施例、第2実施例、第3実施例、第4実施例、第5実施例、そして第6実施例をもとに説明した。各実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せに様々な変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
P ぱちんこ遊技機、 P1 外枠、 P2 前枠、 P3 ガラス枠、P4 裏セットユニット、 P5 遊技盤、 P40 主制御基板、P41 演出制御基板、 P42 画像制御基板、 P43 払出制御基板、P44 電源基板、 P47 電源スイッチ、 P48 ラムクリアスイッチ、P49 設定キースイッチ、 P50 主制御表示装置、P51 第1特別図柄表示装置、 P52 第2特別図柄表示装置、P80 演出表示装置、 P81 演出操作手段(P380 演出操作ユニット、P381 演出ボタン、 P382 レバー、 P383 十字キー)、P82 演出ランプ(P350 枠ランプ、 P550 盤ランプ)、P83 スピーカ(P141 幕板スピーカ,P371 上スピーカ)、 P560 演出役物、 P710 第1始動入賞装置、P720 第2始動入賞装置、 P730 一般入賞装置、P740 普図作動ゲート装置、 P750 大入賞口装置P755 特別電動役物、 P770 普通電動役物

Claims (1)

  1. 遊技球が入球可能な第1始動入賞口と、
    遊技球が入球可能な第2始動入賞口と、
    開状態と閉状態を採り得る大入賞口と、
    第2始動入賞口に取り付けられ、開状態と閉状態を採り得る可変部材と、
    第1特別図柄を表示可能な第1特別図柄表示部と、
    第2特別図柄を表示可能な第2特別図柄表示部と、
    普通図柄を表示可能な普通図柄表示部と、
    遊技の進行を制御する主遊技部と、
    演出を表示可能な演出表示部と、
    演出表示部への演出表示を制御する副遊技部と
    を備え、
    第1始動入賞口への入球に基づき、第1乱数を取得可能に構成され、
    第1乱数が取得された場合、第1乱数を第1保留として記憶可能に構成され、
    第1保留に係る第1乱数に基づき当否抽選を実行し、当該当否抽選の結果に基づき第1特別図柄の変動パターンを決定可能に構成され、
    決定された第1特別図柄の変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示部にて第1特別図柄を変動表示させた後に第1特別図柄を停止表示可能に構成され、
    第2始動入賞口への入球に基づき、第2乱数を取得可能に構成され、
    第2乱数が取得された場合、第2乱数を第2保留として記憶可能に構成され、
    第2保留に係る第2乱数に基づき当否抽選を実行し、当該当否抽選の結果に基づき第2特別図柄の変動パターンを決定可能に構成され、
    決定された第2特別図柄の変動パターンに基づいて、第2特別図柄表示部にて第2特別図柄を変動表示させた後に第2特別図柄を停止表示可能に構成され、
    第1乱数に基づく当否抽選の結果が当選であって第1特別図柄が停止表示された後又は第2乱数に基づく当否抽選の結果が当選であって第2特別図柄が停止表示された後において、大入賞口を遊技者にとって有利な状態とし得る特別遊技を実行可能に構成され、
    普通図柄表示部にて普通図柄が変動表示した後に所定態様にて停止表示することで、可変部材を遊技者にとって有利な状態とし得る補助遊技を実行可能に構成されており、
    第2始動入賞口への入球容易性に関する遊技状態として、低ベース状態と、低ベース状態よりも第2始動入賞口への入球容易性が高い高ベース状態とを有し、所定の移行条件を充足することで高ベース状態へ移行可能に構成されており、
    特別遊技の実行が終了することで低ベース状態から高ベース状態に移行可能に構成されているとともに、低ベース状態における第1特別図柄の変動表示回数及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が特定回数に達することでも、低ベース状態から高ベース状態に移行可能に構成されており、
    低ベース状態における普通図柄の変動表示時間の種類数は、高ベース状態における普通図柄の変動表示時間の種類数よりも多くなるよう構成されていることを特徴とするぱちんこ遊技機。
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