JP2023177821A - ワッシャ取付工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】被取付部に対し周方向の所定位置を合わせてワッシャを取付けるワッシャ取付工具を提供する。【解決手段】外径部分に凸部を有するワッシャのワッシャ取付工具1である。被取付部は、内径を凸部の外径とする円柱状の凹みの底面部に、底面部と同じ外径の円筒において凸部に対応する部分が軸線方向に切欠かれた円筒側部が立設されている。ワッシャ取付工具1は、ワッシャの凸部を支持する第1円筒側部42bを有する本体部4と、本体部4に対して摺動可能で内径部分挿入部54と円筒側部に対応する形状の第2円筒側部55bとを有する摺動部5と、摺動部5を付勢するスプリング6と、を有する。ワッシャの凸部以外の部分に第2円筒側部55bが挿入された状態でワッシャを被取付部の円筒側部に当接させ本体部4を回転させながら押圧していくと第2円筒側部55bが円筒側部によって底面部と反対方向に移動しワッシャが凹みの底面部に配置される。【選択図】図2
Description
本発明は、ワッシャ取付工具に関する。詳しくは、外径部分に凸部を有するワッシャの取付工具に関する。
従来、ワッシャを被取付部に取付ける作業を容易にするために取付工具を利用することがある。特許文献1に記載されたワッシャの取付工具においては、円柱状の保持部材と、該保持部材を摺動自在に収納する基体と、を具備し、保持部材の先端に装着したワッシャを基体で被取付部に押付けることによってワッシャを取付けている。
上述の特許文献1に記載された取付工具においては、被取付部に対し周方向のどの位置でも取付けが可能なワッシャであれば作業性良く取付けられる。しかし、ワッシャの中には被取付部の特定位置にワッシャの周方向の特定の位置を一致させて取付ける必要があるものがある。例えば、ワッシャの外径部分に径方向に突出する凸部があるような場合である。このようなワッシャは、凸部を被取付部において凸部に対応して設けられた凹部に嵌め合わせて取付ける必要があり、上述の取付工具では取付作業性が劣るという問題があった。
このような問題に鑑み本発明の課題は、被取付部に対し周方向の所定位置を合わせてワッシャを取付けるワッシャ取付工具を提供することにある。
本発明の第1発明は、内径部分と外径部分を有し、該外径部分の一部に径方向に向かって一定寸法突出して周方向に延びる凸部を有するワッシャを被取付部に取付けるためのワッシャ取付工具であって、前記被取付部は、内径を前記凸部の外径と略同一とする円柱状の凹みの底面部に、軸心を前記凹みと同じくして、前記底面部の直径を外径とする円筒において前記凸部に対応する部分が前記軸心の延びる方向に切欠かれて形成された円筒側部が立設されており、該ワッシャ取付工具は、前記ワッシャの前記凸部に対し軸線の方向に当接して支持する前記円筒側部以外の前記円筒の部分である切欠部に対応する形状の第1支持部を有する本体部と、該本体部に対して前記軸線の方向に摺動可能で前記ワッシャの前記内径部分に挿入される円柱状の軸棒部と該軸棒部と同軸で前記円筒側部に対応する形状の第2支持部とを有する摺動部と、該摺動部を前記本体部に対して前記軸棒部の先端方向に付勢するばねと、を有しており、前記本体部に支持された前記ワッシャの前記凸部以外の部分に前記第2支持部が挿入されて前記ワッシャの回転が阻止された状態で前記ワッシャを前記被取付部の前記円筒側部に当接させ前記本体部を前記軸線を中心に回転させながら前記底面部の方向に押圧していくと、前記凸部が前記切欠部に一致したとき前記第2支持部が前記円筒側部によって前記底面部と反対方向に押圧されて前記摺動部が前記ばねの付勢力に抗して前記底面部と反対方向に移動するとともに前記ワッシャが前記凹みの前記底面部に配置されることを特徴とする。
第1発明によれば、ワッシャの内径部分にワッシャ取付工具の軸棒部を通し凸部を第1支持部で支持するとともに、凸部以外の部分に第2支持部を挿入した状態で、ワッシャ取付工具を軸棒部の先端から凹みに挿入し回転させながら底部に対し押圧すればワッシャを被取付部に取付けることができる。これによって、簡便な操作で被取付部の切欠部にワッシャの凸部を一致させた状態でワッシャを被取付部に取付けることができる。
本発明の第2発明は、上記第1発明において、前記凸部は、前記ワッシャの軸心を中心に等角度間隔で複数設けられていることを特徴とする。
第2発明によれば、凸部が等角度間隔で複数設けられているので、ワッシャ取付工具を凹みの中で回転させたとき、小さい回転角度で凸部と切欠部が一致し容易に位置合わせができる。
本発明の第3発明は、上記第1発明又は上記第2発明において、前記軸棒部が前記ワッシャの前記内径部分に通されて前記凸部が前記第1支持部によって支持された状態で、前記軸棒部の外径部には前記内径部分が当接する位置に周方向に延びる幅が前記ワッシャの板厚よりわずかに大きい係止溝が設けられていることを特徴とする。
第3発明によれば、ワッシャをワッシャ取付工具に取付けたとき、内径部分の一部が係止溝に挿入されて引っ掛かり易く軸棒部に対し軸方向に移動しにくくなる。これによって、ワッシャを取付けた状態のワッシャ取付工具をワッシャが下向きになるように保持してもワッシャが軸棒部から外れにくくなるので、被取付部へのワッシャ取付が容易となる。
図1~図9に基づき、本発明の一実施形態のワッシャ取付工具1について説明する。ワッシャ取付工具1は、図5に示すワッシャ2を図6及び図7に示すギアケース3の所定位置に取付けるための工具である。
ワッシャ取付工具1の説明に先立って、ワッシャ2と、ワッシャ2を取付けるギアケース3について説明する。
図5に示すように、ワッシャ2は、樹脂板製で当接する部材間に配置されて部材間の摺動抵抗を減らすための部材である。ワッシャ2は、円形の内径部分21と、内径部分21と軸心C1を共通にする外径部分22と、を有する。外径部分22には、径方向外側に向かって突出するとともに周方向に延びる凸部23が軸心C1を中心に互いに90°の角度間隔で配設されている。各凸部23の先端部23aは、軸心C1を中心に外径部分22より大きい直径の円の一部をなす形状をしている。
図6及び図7に示すように、ギアケース3は、樹脂製の部材で自動車シートにおけるリフタ機構を構成する減速ギアを収納する部材である。ギアケース3は、減速ギアを挿入する円柱状の凹み部分である第1凹み部31と、第1凹み部31の軸線に対しねじれの位置関係にある軸線を有しモータの駆動軸(図示せず)を挿入する円柱状の凹み部分である第2凹み部32と、が形成されている。第2凹み部32の中心軸は、軸心C1であり、円環状の底面部33を有する。底面部33の外径は、ワッシャ2の各凸部23の先端部23aを含む円の直径よりわずかに大きく設定されている。底面部33の外径側には中心軸を軸心C1とする円筒の一部をなす円筒側部32aが軸心C1を中心に互いに90°の角度間隔で配設されている。各円筒側部32aは、内径がワッシャ2の外径部分22の外径よりわずかに大きく、外径が底面部33の外径と同一に設定されている。各円筒側部32aの間の円筒部分は、軸心C1の方向に切り欠かれた切欠部32bとされている。切欠部32bの内径は、底面部33の外径と同一に設定されている。これによって、ワッシャ2は、各凸部23をギアケース3の各切欠部32bに挿入した状態で、ギアケース3に対して回転を止められた状態で底面部33に当接して取付けられることができる。ここで、第2凹み部32が、特許請求の範囲の「凹み」に相当する。また、底面部33に円筒側部32aが配設された第2凹み部32が、特許請求の範囲の「被取付部」に相当する。
図1~図4に示すように、ワッシャ取付工具1は、作業者が把持する部分である略円筒状の本体部4と、本体部4に対し軸線C2方向に摺動可能に本体部4の内部に配置された略円柱状の摺動部5と、を有する。
図2及び図3に示すように、本体部4は、作業者が把持する部分である小径部41と、小径部41における軸線C2方向の一端部側に配置され軸線C2を共通とする大径部42と、を有する。大径部42の外径と小径部41の外径との比率は、4:3程度であり、大径部42の軸線C2方向の寸法と小径部41の軸線C2方向の寸法との比率は、1:3程度である。
小径部41は、外径面部41aと内径面部41bとを有する円筒状をしており、軸線C2方向の他端部側である大径部42と反対側に径方向内側に向かって延びる底面部41cを有している。底面部41cには、軸線C2を共通とする円柱状の貫通孔41c1が形成されている。内径面部41bの内径は、後述する摺動部5の主軸部51の外径よりわずかに大きく設定されている。貫通孔41c1の内径は、後述する摺動部5のボルト部53の外径よりわずかに大きく設定されている。
大径部42は、小径部41に連結された円筒部42aと、円筒部42aの小径部41と反対側の端面42a1から小径部41と反対の方向に向かって延びる4つの第1円筒側部42bと、を有する。円筒部42aの内径部分は内径面部41bと共通の面部として形成されている。円筒部42aの軸線C2方向の寸法と各第1円筒側部42bの軸線C2方向の寸法との比率は、1:1程度である。各第1円筒側部42bは、外径が円筒部42aと同一でワッシャ2の各凸部23の先端部23aを含む円と等しく、内径がワッシャ2の外径部分22の外径よりわずかに大きい円筒を軸線C2方向に4か所切り欠いて形成されている。そして、各第1円筒側部42bの円筒部42aと反対側の端面42b1は、ワッシャ2の凸部23の形状に一致する。各第1円筒側部42bは、軸線C2方向から見て軸線C2を中心に90°の等角度間隔で配置されている。各第1円筒側部42bの円筒部42aと反対の端部側は、外径が先端に向かうにつれ徐々に小さくなるような傾斜面42b2とされている。これは、後述するギアケース3の第2凹み部32の中にワッシャ2を取付けたワッシャ取付工具1を各第1円筒側部42bの側から挿入し易くするためのものである。ここで、第1円筒側部42bが、特許請求の範囲の「第1支持部」である。
図2及び図4に示すように、摺動部5は、円柱状の主軸部51と、主軸部51における軸線C2方向の一端部側に配置され軸線C2を共通とするワッシャ仮固定部52と、主軸部51における軸線C2方向の他端部側に配置され軸線C2を共通とするボルト部53と、を有する。
主軸部51は、円柱状をしており、その外径は、本体部4における内径面部41bの内径よりわずかに小さく設定され、本体部4に対して摺動部5が取付けられたとき、内径面部41bに対して軸線C2方向に摺動可能とされている。主軸部51の軸線C2方向の一端面が第1端面部51aで、軸線C2方向の他端面が第2端面部51bである。
図2及び図4に示すように、ワッシャ仮固定部52は、主軸部51の第1端面部51aに取付けられており、内径部分挿入部54と、回転止部55と、を有している。主軸部51と回転止部55とは一体に形成されている。ここで、内径部分挿入部54が、特許請求の範囲の「軸棒部」に相当する。
内径部分挿入部54は、軸線C2を中心軸とする円柱状をしており、中央に軸線C2を中心軸とするボルト孔54aが設けられている。内径部分挿入部54の外径部54bは、外径がワッシャ2の内径部分21の内径よりわずかに小さく設定されており、ワッシャ2の内径部分21に内径部分挿入部54を挿入したときワッシャ2が内径部分挿入部54に仮固定されるようになっている。さらに、内径部分挿入部54の外径部54bには、軸線C2方向の略中央部に周方向に延びる溝54b1が設けられている。溝54b1の幅は、ワッシャ2の肉厚よりわずかに大きく設定されており、ワッシャ2の内径部分挿入部54への仮固定がより容易となるようになっている。内径部分挿入部54の主軸部51と反対側のコーナ部には面取部54b2が設けられている。面取部54b2は、ワッシャ2の内径部分21に内径部分挿入部54を挿入し易くするよう機能する。ここで、溝54b1が、特許請求の範囲の「係止溝」に相当する。
回転止部55は、軸線C2を中心軸とする円筒状の筒状部55aと、筒状部55aの外径面上に径方向外側に向かって突出して設けられた4つの第2円筒側部55bと、を有する。筒状部55aは、外径がワッシャ2の外径部分22の外径よりわずかに大きく設定され、主軸部51と反対側の端面である外底面部55a1には、軸線C2を中心軸とする円柱状で主軸部51の方向に向かって凹む凹部55a2が設けられている。凹部55a2の開口と反対側の凹底面部55a3には、軸線C2を中心軸とする円柱状で主軸部51の方向に向かって主軸部51の中まで連続して延びるねじ孔55a4が設けられている。凹部55a2の内径は、内径部分挿入部54の外径部54bよりわずかに大きく設定されており、内径部分挿入部54の面取部54b2が設けられた側と反対の側を挿入できるようになっている。凹部55a2に内径部分挿入部54を挿入したとき、ボルト孔54aとねじ孔55a4は一致し、ボルトBによってワッシャ仮固定部52と主軸部51に対し内径部分挿入部54を締結固定できるようになっている。各第2円筒側部55bは、軸線C2を中心軸として外径が本体部4の各第1円筒側部42bの外径と同一で、内径が筒状部55aの外径と同一の円筒を軸線C2の延びる方向に4か所切り欠いて形成された円筒の一部として形成されている。4か所の切欠部55b2を軸線C2に垂直に切った断面の形状は、本体部4の各第1円筒側部42bを軸線C2に垂直に切った断面の形状に略一致しており、本体部4の各第1円筒側部42bに対し4つの第2円筒側部55bは軸線C2の延びる方向に摺動可能に組み合わされるようになっている。各第2円筒側部55bの主軸部51と反対側の端面である外端面部55b3は、外底面部55a1よりワッシャ2の肉厚の5倍程度軸線C2の延びる方向の先端側に離れた位置に設定されている。ここで、第2円筒側部55bが、特許請求の範囲の「第2支持部」に相当する。
図2及び図4に示すように、ボルト部53は、主軸部51の第2端面部51bに軸線C2を共通にして、立設されている。ボルト部53の外径は、本体部4の貫通孔41c1の内径よりわずかに小さく設定されており、ボルト部53は貫通孔41c1の壁面に対し軸線C2方向に摺動可能とされている。ボルト部53の軸線C2方向先端部側には雄ねじ53aが切られている。
図1~図4に基いて、ワッシャ取付工具1の組立て手順について説明する。まず、摺動部5の回転止部55に内径部分挿入部54を取付ける。具体的には、回転止部55の凹部55a2に内径部分挿入部54を面取部54b2が設けられた側と反対の側から挿入してボルトBによって回転止部55と主軸部51に対し締め付け固定する。このとき、ワッシャ仮固定部52の溝54b1と、各第2円筒側部55bの外端面部55b3と、は軸線C2方向で位置が一致する。次に、圧縮コイルばねであるスプリング6の内径部分に摺動部5のボルト部53を通した状態で、摺動部5を本体部4の内径面部41bにボルト部53側から挿入し貫通孔41c1の中にボルト部53を挿入する。すると、スプリング6は、本体部4の底面部41cの内面と摺動部5の第2端面部51bとの間で挟まれて圧縮変形させられる。同時に、摺動部5の各第2円筒側部55bを本体部4の各第1円筒側部42bの間に嵌め合わせ、摺動部5が本体部4に対し回転を規制された状態で軸線C2方向に摺動可能とする。最後に、この状態でボルト部53の雄ねじ53aに第1ナット7を螺合させていきスプリング6を圧縮変形させながら摺動部5の本体部4に対する軸線C2方向の位置を調整する。具体的には、摺動部5の各第2円筒側部55bの外端面部55b3が、本体部4の各第1円筒側部42bの端面42b1よりワッシャ2の肉厚分だけ小径部41と反対方向に突出するようにする。そして、この状態で第1ナット7に対して第2ナット8を締め付け第1ナット7の回転を止める。この状態が、図8に示すワッシャ仮固定状態S1である。この状態から、図9に示すように摺動部5は本体部4に対しスプリング6を圧縮変形させながら各第2円筒側部55bの内端面部55b4が、端面42a1に当接するまで軸線C2方向に摺動可能となる。ここで、スプリング6が、特許請求の範囲の「ばね」に相当する。
図1、図5~図9に基いて、ワッシャ取付工具1を用いてワッシャ2をギアケース3に取付ける手順について説明する。図1及び図8に示すワッシャ取付工具1の初期状態において、ワッシャ取付工具1の先端部にワッシャ2を仮固定する。具体的には、摺動部5の各第2円筒側部55bの外端面部55b3よりワッシャ2の肉厚分だけ小径部41の方向に凹んだ本体部4の各第1円筒側部42bの端面42b1の上に、ワッシャ2の各凸部23を載置して仮固定する。このとき、摺動部5の内径部分挿入部54は、ワッシャ2の内径部分21に通されるとともに、溝54b1が内径部分21の周縁部に対向して配置されているのでワッシャ2が径方向にわずかに移動すると溝54b1の側壁部に内径部分21の周縁部の一部が引っ掛かって脱落しにくくなっている。これによって、ワッシャ取付工具1を操作してワッシャ2を仮固定した先端部をギアケース3の第2凹み部32に挿入するために傾けてもワッシャ2がワッシャ取付工具1から脱落しない状態で底面部33に当接させることができる。この状態が、図8に示すワッシャ仮固定状態S1である。ワッシャ仮固定状態S1で、ワッシャ取付工具1の先端部に仮固定したワッシャ2をギアケース3の第2凹み部32に軸線C2を軸心C1に一致させて挿入していく。そして、ワッシャ2と各第2円筒側部55bの外端面部55b3を各円筒側部32aの底面部33と反対側の端面部に当接させて押圧した状態で、ワッシャ取付工具1の本体部4を回転させる。すると、ワッシャ2の各凸部23が各切欠部32bに一致したとき、ワッシャ2は底面部33に対して当接するように押圧されるとともに、摺動部5の各第2円筒側部55bがギアケース3の各円筒側部32aによって第2凹み部32の開口方向に向かって押圧される。このとき、摺動部5は、スプリング6を圧縮変形させながら本体部4の底面部41cの方向に移動する。図9は、摺動部5が本体部4の底面部41cの方向に移動したときのワッシャ取付工具1の先端部の状態であるワッシャ仮固定解除状態S2を示している。ワッシャ仮固定解除状態S2のワッシャ取付工具1をギアケース3の第2凹み部32から引き出すと、ワッシャ2は第2凹み部32の底面部33の所定位置に位置決めされた状態で配置される。このとき、ワッシャ取付工具1のギアケース3からの引き出しに伴って、摺動部5はスプリング6の働きによって本体部4に対する初期状態の位置に戻される。
以上のように構成される本実施形態は、以下のような作用効果を奏する。ワッシャ2の内径部分21にワッシャ取付工具1の内径部分挿入部54を通し、各凸部23を各第1円筒側部42bで支持するとともに、各凸部23以外の部分に各第2円筒側部55bを挿入した状態とする。そして、この状態でワッシャ取付工具1をワッシャ2の側からギアケース3の第2凹み部32に軸線C2を軸心C1に一致させて挿入していく。ワッシャ2と各第2円筒側部55bの外端面部55b3を各円筒側部32aの底面部33と反対側の端面部に当接させて押圧した状態で、ワッシャ取付工具1の本体部4を回転させる。すると、ワッシャ2の各凸部23が各切欠部32bに一致したとき、ワッシャ2は底面部33に対して当接して第2凹み部32の中の所定位置に配置される。これによって、簡便な操作で第2凹み部32の中の各切欠部32bにワッシャ2の各凸部23を一致させた状態でワッシャ2を第2凹み部32の中に取付けることができる。
また、ワッシャ2の各凸部23は、軸心C1を中心に互いに90°の角度間隔で配設されているので、ワッシャ取付工具1を第2凹み部32の中で回転させたとき、最大で90°回転させれば各凸部23と各切欠部32bが一致し容易に位置合わせができる。さらに、ワッシャ取付工具1の内径部分挿入部54がワッシャ2の内径部分21に通されて各凸部23が各第1円筒側部42bによって支持された状態で、内径部分挿入部54にはワッシャ2の内径部分21の周縁部に対向して溝54b1が配設されている。これによって、ワッシャ2をワッシャ取付工具1に取付けたとき、内径部分21の一部が溝54b1に挿入されて引っ掛かり易く内径部分挿入部54に対し軸線C2方向に移動しにくくなり、ワッシャ2を取付けた状態のワッシャ取付工具1をワッシャ2が下向きになるように保持してもワッシャ2が内径部分挿入部54から外れにくくなるので、第2凹み部32の中へのワッシャ2の取付が容易となる。
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、次のようなものが挙げられる。
1.上記実施形態においては、ワッシャ2の各凸部23は、軸心C1を中心に互いに90°の角度間隔で配設されているものとしたたが、これに限らず、凸部は1つであってもよい。ただし、凸部を1つとしたり、等角度間隔で2つ又は3つとするなど数を減らすとワッシャ取付工具1を第2凹み部32の中で回転させる角度が増加し作業性は低下する。
2.上記実施形態においては、内径部分挿入部54に溝54b1を設けてワッシャ2の仮固定が容易となるよう構成したが、これに限らず、内径部分挿入部54を弾性変形可能な材料で形成し内径部分挿入部54の変形に伴う弾発力でワッシャ2を仮固定することもできる。
1 ワッシャ取付工具
2 ワッシャ
3 ギアケース
4 本体部
5 摺動部
6 スプリング
21 内径部分
22 外径部分
23 凸部
32 第2凹み部(凹み)
32a 円筒側部
32b 切欠部
33 底面部
42 大径部
42b 第1円筒側部(第1支持部)
42b1 端面
52 ワッシャ仮固定部
54 内径部分挿入部(軸棒部)
54b 溝(係止溝)
54b1 外径部
55b 第2円筒側部(第2支持部)
55 回転止部
55b3 外端面部
C1 軸心
C2 軸線
S1 ワッシャ仮固定状態
S2 ワッシャ仮固定解除状態
2 ワッシャ
3 ギアケース
4 本体部
5 摺動部
6 スプリング
21 内径部分
22 外径部分
23 凸部
32 第2凹み部(凹み)
32a 円筒側部
32b 切欠部
33 底面部
42 大径部
42b 第1円筒側部(第1支持部)
42b1 端面
52 ワッシャ仮固定部
54 内径部分挿入部(軸棒部)
54b 溝(係止溝)
54b1 外径部
55b 第2円筒側部(第2支持部)
55 回転止部
55b3 外端面部
C1 軸心
C2 軸線
S1 ワッシャ仮固定状態
S2 ワッシャ仮固定解除状態
Claims (3)
- 内径部分と外径部分を有し、該外径部分の一部に径方向に向かって一定寸法突出して周方向に延びる凸部を有するワッシャを被取付部に取付けるためのワッシャ取付工具であって、
前記被取付部は、内径を前記凸部の外径と略同一とする円柱状の凹みの底面部に、軸心を前記凹みと同じくして、前記底面部の直径を外径とする円筒において前記凸部に対応する部分が前記軸心の延びる方向に切欠かれて形成された円筒側部が立設されており、
該ワッシャ取付工具は、前記ワッシャの前記凸部に対し軸線の方向に当接して支持する前記円筒側部以外の前記円筒の部分である切欠部に対応する形状の第1支持部を有する本体部と、
該本体部に対して前記軸線の方向に摺動可能で前記ワッシャの前記内径部分に挿入される円柱状の軸棒部と該軸棒部と同軸で前記円筒側部に対応する形状の第2支持部とを有する摺動部と、
該摺動部を前記本体部に対して前記軸棒部の先端方向に付勢するばねと、を有しており、
前記本体部に支持された前記ワッシャの前記凸部以外の部分に前記第2支持部が挿入されて前記ワッシャの回転が阻止された状態で前記ワッシャを前記被取付部の前記円筒側部に当接させ前記本体部を前記軸線を中心に回転させながら前記底面部の方向に押圧していくと、前記凸部が前記切欠部に一致したとき前記第2支持部が前記円筒側部によって前記底面部と反対方向に押圧されて前記摺動部が前記ばねの付勢力に抗して前記底面部と反対方向に移動するとともに前記ワッシャが前記凹みの前記底面部に配置されるワッシャ取付工具。 - 請求項1において、前記凸部は、前記ワッシャの軸心を中心に等角度間隔で複数設けられているワッシャ取付工具。
- 請求項1又は請求項2において、前記軸棒部が前記ワッシャの前記内径部分に通されて前記凸部が前記第1支持部によって支持された状態で、前記軸棒部の外径部には前記内径部分が当接する位置に周方向に延びる幅が前記ワッシャの板厚よりわずかに大きい係止溝が設けられているワッシャ取付工具。
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JP2022090709A JP2023177821A (ja) | 2022-06-03 | 2022-06-03 | ワッシャ取付工具 |
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