JP2023176881A - 表面プラズモン共鳴センサー - Google Patents

表面プラズモン共鳴センサー Download PDF

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Takeo Minamikawa
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Abstract

【課題】SPRディップの光強度スペクトルと光位相スペクトルの同時計測を可能な、高速かつ高精度に取得できる表面プラズモン共鳴センサーを提供する。【解決手段】試料5と接する全反射面に金属膜41が設けられたプリズム4を有した表面プラズモン共鳴(SPR)センサーであり、光周波数コム生成手段1と、前記光周波数コム1を回折または屈折し、波長に応じた角度で分散させる第1の波長分散素子2と、前記第1の波長分散素子2で角度分散されたビーム群を前記プリズム4の全反射面に異なる角度で入射する第1のリレーレンズ光学系3と、前記全反射面を反射した前記光周波数コムの角度分散ビーム群を異なる角度で入射する第2のリレーレンズ光学系6と、入射された前記光周波数コムの角度分散ビーム群を波長に応じて同方向に収斂させる第2の波長分散素子7と、前記第2の波長分散素子を回折または屈折したスペクトルを測定する分光部と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、表面プラズモン共鳴現象を利用した、表面プラズモン共鳴センサーに関する。
表面プラズモン共鳴センサー(以降、SPRセンサー)は、簡便かつ高感度という特徴を持つことから、屈折率センサーを始め、抗原抗体反応をモニタリングするためのバイオセンサーなど様々な用途に用いられている。SPRセンサーは、大きく分けて角度走査スペクトル計測型(角度SPR)と波長走査スペクトル計測型(波長SPR)に分類できる。
角度SPRは、単色光を光源に用い、機械的にプリズム入射角を変化させながら光強度を測定することで共鳴角スペクトルを取得する技術である(特許文献1)。波長SPRは,広帯域スペクトル光を用い、入射角を固定して波長ごとの光強度を測定することで共鳴波長スペクトルを取得することを特徴とし、ガスセンサー等に応用されている(特許文献2)。
また、オートコリメータの用途ではあるが、光周波数コムを利用した角度検出手法も検討されている(非特許文献1)。
特開2011-180110号公報 特開2017-078573号公報
高偉、「光周波数コムを用いた角度計測」、精密工学会誌、Vol.84、No.8(2018)、pp.696-700
しかし、特許文献1の角度SPRは、雑音の小さい確実な評価を行うことができるというメリットがある一方、リアルタイム測定への適用が困難であるといったデメリットがある。また、特許文献2の波長SPRは、機械的な走査機構がなくリアルタイム測定ができるが、光源やセンサーデバイスや計測機器が高価であるという課題がある。また、いずれの手法においても、計測できるのは光強度スペクトルのみであり、光位相スペクトルも併せて計測することはできない、といった課題がある。
本発明の一態様に係る表面プラズモン共鳴センサーは、試料と接する全反射面に金属膜が設けられたプリズムを有した表面プラズモン共鳴(SPR)センサーであって、第1の繰り返し周波数(frep1)を有する第1の光周波数コムを生成する第1の光周波数コム生成手段と、前記第1の光周波数コムを回折または屈折し、波長に応じた角度で分散させる第1の波長分散素子と、前記第1の波長分散素子で角度分散されたビーム群を前記プリズムの全反射面に異なる角度で入射する第1のリレーレンズ光学系と、前記全反射面を反射した前記第1の光周波数コムの角度分散ビーム群を異なる角度で入射する第2のリレーレンズ光学系と、入射された前記第1の光周波数コムの角度分散ビーム群を波長に応じて同方向に収斂させる第2の波長分散素子と、前記第2の波長分散素子を回折または屈折した前記第1の光周波数コムのスペクトルを測定する分光部と、を有した。
前記分光部は、第2の繰り返し周波数(frep2)を有する第2の光周波数コムを生成する第2の光周波数コム生成手段と、前記第1の光周波数コムと干渉させてインターフェログラムを生成するインターフェログラム生成部と、前記インターフェログラムをフーリエ変換して複素振幅SPRスペクトルを取得する複素振幅SPRスペクトル取得部(84)を有するものであってもよい。
前記第1の光周波数コムは光通信波長帯のスペクトルを有し、前記第1の繰り返し周波数(frep1)は10MHz以上1000GHz以下であり、帯域幅は0.1THz以上100THz以下であってもよい。
前記金属膜は金、銀、銅、アルミニウム、からなる群より選択される1種以上の金属より成るものであってもよい。
前記第1の波長分散素子は回折格子またはプリズムまたはその他波長分散素子より成るものであってもよい。
前記第2の波長分散素子は回折格子またはプリズムまたはその他波長分散素子より成るものであってもよい。
前記第1のリレーレンズ光学系、前記プリズム、前記第2のリレーレンズ光学系は一体的に形成されていてもよい。
本発明の一態様によれば、SPRディップの光強度スペクトルと光位相スペクトルの同時計測が可能であり、複素振幅SPRスペクトルを高速かつ高精度に取得することにより、屈折率センシングやバイオセンシングの高度化が可能となる。
本発明の一態様に係る実施の形態(本実施の形態)のブロック図である。 本実施の形態における光学系の応用例を示す概念図である。 本実施の形態における複素振幅スペクトル測定部の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施例における実験装置を示すブロック図である。 本発明の第1の実施例の実験結果を示すグラフである。 本発明の第2の実施例における実験装置を示すブロック図である。 本発明の第2の実施例の実験結果を示すグラフである。 本発明の第2の実施例の実験結果を示すグラフである。 シミュレーション結果を示すグラフである。 シミュレーション結果を示すグラフである。
以下、本発明の一態様に係る実施の形態(以下、本実施の形態)について図面を参照して詳細に説明する。図1に本実施の形態のブロック図を示す。図1において、1は光周波数コム生成部である。光周波数コムとは、光周波数領域において位相同期された数十万本以上の光周波数モード列が、櫛の歯状に等間隔(周波数間隔=frep1)かつ同位相で立ち並んだ超離散マルチ・スペクトル構造を持つ光である。周波数標準を基準としたレーザー制御により、全ての光周波数コムモードが周波数標準と同等の周波数不確かさを持つことから「光周波数の物差し」として利用可能である。
光周波数コム生成部1で生成される光周波数コムは光通信波長帯のスペクトルを有し、前記第1の繰り返し周波数(frep1)は10MHz以上1000GHz以下であってもよく、光共振器の共振器長を変えることで任意に設定できる。
2は波長分散素子であり、波長ごとに異なる角度に空間展開させる光学素子である。例えば回折格子を用いたものであってもよい。光周波数コムを波長分散素子2に入射すると、光周波数コムを構成する各モードは波長に依存して、異なる回折角度で分散される。この回折光にレンズ31とレンズ32で構成されるリレーレンズ光学系3を適用して、回折格子出射側における角度分散状態をプリズム4の全反射面入射側に転送(再現)する。このとき光周波数コムの各光周波数モードは波長に依存した複数の角度でプリズム4(全反射面)に入射する。
プリズム4の全反射面には金属膜41が設けられている。プリズム4の材質は、アッベ数55以上の素材、例えばフッ化カルシウム、合成石英、BK7、K5、SK11、SK14、BAL35からなる群より選択される1種以上の比較的低分散な光学素材より成るものであってもよい。また、前記金属膜41は金、銀、銅、アルミニウム、からなる群より選択される1種以上の金属より成るものであってもよい。
ここで、この複数の入射角の範囲内にSPR角度が含まれると、その情報がプリズム反射率の低下として、光周波数コム波長スペクトル(入射角スペクトルに対応)にディップとして現れる(SPRディップ)。ここでSPR角度(表面プラズモン共鳴角度)とは、表面プラズモン共鳴現象が生じる光の入射角をいう。一般に、レーザー光(p偏光)を、全反射条件の入射角(臨界角)以上の角度で、プリズム4に入射させると、反射率が100パーセントとなる。このとき、光エネルギーの一部はプリズム裏面にエバネッセント波として染み出す。
ここで、プリズム底面に金属膜41を施し、入射角を調整することにより、染み出したエバネッセント波の波数と金属表面に局在するプラズモンの波数とを一致させことができる。このとき、全反射条件であるにも関わらず光吸収(光からプラズモンへのエネルギー変換)が生じプリズム側では反射光が観測されなくなる。このときの現象を表面プラズモン共鳴と言う。表面プラズモン共鳴が生じる光の入射角を共鳴角という。表面プラズモンの共鳴に至る条件は、入射光の波長、偏光状態、入射角によって異なり、金属膜41の特性および金属膜41表面と接する試料5によっても影響される。
上記では、SPRの角度依存性と波長依存性が重畳して観測される。光周波数コムの光通信波長帯では、SPRの波長依存性が無視できる一方で、SPRの角度依存性が極めて俊敏になる。したがって、光周波数コムの波長スペクトルは、実質的にはSPRの角度依存性のみを反映することになる。
プリズム4の全反射面を反射した光周波数コムは、レンズ61とレンズ62とで構成されるリレーレンズ光学系6によって、プリズム4出射側における角度分散状態を波長分散素子7に転送(再現)する。波長分散素子7によって角度分散されていた光周波数各モードが再び空間的に重畳され、単一のレーザービームとなるように回折される。単一のレーザービームとなった光周波数コムは分光部8に入射し、分析が行われる。これについては後述する。
なお、本実施の形態において、波長分散素子2および7は反射型の回折格子として例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、透過型の回折素子であってもよいし、高分散な材質で形成されたプリズムであってもよい。また、波長分散素子であればホログラムであってもよいし、VIPAであってもよい。なお、本実施の形態においては、リレーレンズ光学系3(レンズ光学系31、32)、プリズム4、リレーレンズ光学系6(レンズ61、62)はそれぞれ独立した光学素子が用いられたが、図2に示すように半球プリズムとして一体的に形成されているものであってもよい。
以下、複素振幅SPRスペクトル測定部8の構成と機能について説明する。ここでは、デュアル光コム分光法を利用することにより、複素振幅SPRスペクトルを取得する。図3は本実施の形態における複素振幅SPRスペクトル測定部8のブロック図である。図3において、複素振幅SPRスペクトル測定部8は、繰り返し周波数frep2の光周波数コムを生成する光周波数コム生成部81と、プリズム4を通ってきた繰り返し周波数frep1の光周波数コムとを干渉させてインターフェログラムを生成するビームスプリッタ82および光検出器83と、このインターフェログラムをフーリエ変換して複素振幅スペクトルを取得するFFTアナライザ84を有する。
複素振幅スペクトル測定部8においては、2つの光周波数コムのスペクトル範囲は同様であればよい。また、光周波数コムの繰り返し周波数(frep2)はプリズム4を全反射した光周波数コム(以降、波長/角度変換光コム)の繰り返し周波数frep1に対し、任意に設定することができる。
波長/角度変換光コムの読み出しにデュアルコム分光法を適用すれば、光振幅スペクトルと光位相スペクトルを同時に計測することができる。すなわち複素振幅SPRスペクトルが取得できる。つまり、先述の角度SPRディップが重畳された波長/角度変換光コムは、図3のデュアル光コム分光光学系に導かれて別の光コムと干渉させられ、波長/角度変換光コムのレプリカがRF周波数帯の光ビート信号(インターフェログラム)までダウンコンバートされる。インターフェログラムをFFTアナライザ84によって高速フーリエ変換することにより、角度SPRディップが重畳された波長/角度変換光コムの光振幅スペクトルと光位相スペクトルから構成される複素振幅SPRスペクトルを取得することができる。なお、RF周波数程度であれば、FFTアナライザ84はソフトウェアやマイクロコードでも実現することが可能である。
以上、本実施の形態によれば、機械的な走査機構が無い簡易な構成の装置で複素振幅SPR角度スペクトルを取得できる。以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例では、波長分散素子2(回折格子)による光周波数コムの波長/角度変換特性について明らかにした。図4に実験装置を、図5に実験結果をそれぞれ示す。
本実施例において、光周波数コムはエルビウム添加ファイバーコム(OCLS-HSC-TKSM、 Neoark Co. Japan)を用いて生成された。光周波数コムの中心波長は1560nm、スペクトル幅は50nm、繰り返し周波数(frep1)は100.000MHz、キャリアエンベロープオフセット周波数(fceo1)は10.5MHzである。光源から出力された光周波数コムは1/4波長板(λ/4)と1/2波長板(λ/2)、偏光ビームスプリッタ(PBS)によってp偏光に設定され波長分散素子2に入射する。波長分散素子2には1200lines/mmの回折格子が用いられている。
本実施例においては、回折格子(2)によって角度分散された光は、リレーレンズ光学系3のレンズ31(f=150mm)からレンズ32(f=150mm)を通過して、リレーレンズ光学系3の共役な位置(図1のプリズム4の全反射面)に配置された回折格子で空間的に重ねられ、分光器で検出される。さらに、回折格子(2)から2fの位置(光学フーリエ面)に300μmの間隔のスリットを配置し、2mmずつ動かしながら分光器(光スペクトラムアナライザー)でスペクトルを測定した。結果を図5に示す。
同図において、スリットの位置に応じて異なる波長が現れており、回折格子によって光コムの各波長が空間に分散されていることが確認された。また、光強度は中心周波数(1560nm)付近が最大であることも確認できた。
(実施例2)
本実施例では、光周波数コムの疑似光源を使ったSPRディップの観測実験について説明する。実験装置を図6に、実験結果を図7と図8にそれぞれ示す。
本実施例においては、光源には光周波数コムを用いず、同じ波長帯の波長可変レーザー(Thorlabs Inc、 TLX1、 Tunable frequency range; 191.50THz~196.25THz)を模擬光源として用いた。レーザー光は1/2波長板(λ/2)、偏光ビームスプリッタ(PBS)によってp偏光に設定され、波長分散素子2に入射する。波長分散素子2には1200lines/mmの回折素子が用いられている。
回折格子2で回折された光はレンズ31(f=150mm)とレンズ32(f=150mm)によって構成されたリレーレンズ光学系3を通じて共役な位置に配置されたプリズム4(BK7、n=1.501@1550nm)に入射する。プリズム4の全反射面にはCr薄膜(n =3.668+4.180i@1550nm、 膜厚3nm)が接着層として形成され、さらにその上にAu薄膜(n=0.5241+10.742i@1550nm、膜厚30nm)が形成されている。
プリズム4を反射した光はレンズ6(f=90mm)を通った後、パワーメーターに集光され、光強度が測定される。なお実験に際し、PBSで分光したS偏光を検出器で読み取り、1/2波長板を回して光強度を一定にしながら測定を行った。試料5としては、空気および水とエタノール混合溶液(2.5%、5.0%、7.5%、10.0%)を用いた。結果を図7と図8に示す。
図7は空気を試料5として測定を行った結果である。光波長1560nmを中心として0.13nmの波長間隔で動かすことで0.02°の角度走査(図7横軸)を実行し、共鳴角スペクトルを取得した。なお実験に際し、PBSで分光したS偏光を検出器で読み取り、1/2波長板を回して光強度を一定にしながら測定を行った。同図に示されるように、全反射する際に光強度が上がり、表面プラズモン共鳴反応を起こす際に光強度が落ちる典型的なSPRスペクトルを取得することができた。理論値よりもSPRディップ幅がやや広くなっているのは、回折角が大きくなるにつれケラレや収差が増えること等が原因と考えられる。
図8に水とエタノールの混合液を用いて実験を行った結果を示す。試料5として、超純水、エタノール混合溶液(2.5%、5.0%、7.5%、10.0%)の5種類を用いた。各資料につき5回ずつ測定を行い、その平均をとった。同図に示されるように、SPRスペクトルが試料5の屈折率(∝エタノール濃度)によって変化する様子が観測できた。なお、試料5が空気である場合と比べて、表面プラズモン共鳴反応が生じる回折角が大きいため、ケラレや収差も大きく出ている可能性があり、SPRディップがさらに浅く検出されている。
(シミュレーション)
以下、サンプルを水としたときの波長SPRと角度SPRのシミュレーション結果を示す。
(波長SPR)
図9(a)に角度を固定し波長を変化させたときの反射率の変化を計算したシミュレーション結果を示す。同図において、入射角=73.9°のとき可視領域の633nm付近の反射率がほぼゼロとなるディップが生じる。また、後者では入射角=63.06°のとき近赤外領域の1550nm付近で反射率がほぼゼロとなる。近赤外領域では可視領域よりもスペクトル幅が広くなる傾向がある。これは、言い換えれば光コムの波長領域である1550nm付近では屈折率の波長分散が比較的小さくなる、つまりSPRディップの波長依存性が低いことを意味している。
(角度SPR)
図9(b)に角度を633nmと1550nmでそれぞれ固定し、角度を変化させたときの反射率の変化を示す。同図において、波長633nmでは共鳴ディップのスペクトル幅は8°程度であるのに対して、波長1550nmでは、共鳴ディップの幅は0.8°程度であり、可視領域に比べて近赤外領域の方が共鳴ディップのスペクトル幅が非常に狭い。これは、1550nm付近の波長帯域では金の複素屈折率の虚部、つまり吸収係数が大きくなり、光の共鳴吸収効果が可視領域よりも大きくなるためである。言い換えれば、近赤外領域では、可視領域よりも共鳴角近傍で急激に光の共鳴吸収が発生するため、可視領域よりもスペクトル幅が狭くなる。
可視領域(633nm)と近赤外領域(1550nm)の角度SPRに関して、SPRシフト量/SPRディップ幅に関して比較を行った。図10(a)に可視領域での水(屈折率:1.3317)とエタノール(屈折率:1.3604)のSPR角度スペクトルシフトの様子を示す。このときの屈折率変化(RI)に対する共鳴角のシフト量は158.2°/RIであり、共鳴ディップのスペクトル幅は8°となる。屈折率感度をSPRシフト量/SPRディップ幅と定義すると、19.8となる。
次に、図10(b)に近赤外領域での水(屈折率:1.318)とエタノール(屈折率:1.352)のSPR角度スペクトルシフトの様子を示す。この時の屈折率変化(RI)に対する共鳴角のシフト量は73.5°/RIであり、共鳴ディップのスペクトル幅は0.8°となる。屈折率感度は91.9となる。よって、近赤外領域の角度SPRセンサーは可視領域の波長SPR、角度SPR、近赤外領域の波長SPRよりも屈折率感度が高いことが示された。
本発明は、金属膜表面をそのままセンサー部として利用すれば、高感度かつ簡便な屈折率センサーとして機能する。また、金属膜表面に分子認識層を表面修飾すると、抗体・抗原反応などを介して金属膜表面近傍の実効的屈折率が変化するので、バイオセンサーとしても利用出来る。
1 光周波数コム生成部
2 波長分散素子(回折格子)
3 リレーレンズ光学系
31、32 レンズ
4 プリズム
41 金属膜
5 試料
6 リレーレンズ光学系
61、62 レンズ
7 波長分散素子(回折格子)
8 複素振幅スペクトル測定部
81 光周波数コム生成部
82 偏光ビームスプリッタ
83 光電変換素子
84 FFTアナライザ

Claims (7)

  1. 試料と接する全反射面に金属膜が設けられたプリズムを有した表面プラズモン共鳴(SPR)センサーであって、
    第1の繰り返し周波数(frep1)を有する第1の光周波数コムを生成する第1の光周波数コム生成手段と、
    前記第1の光周波数コムを回折または屈折し、波長に応じた角度で分散させる第1の波長分散素子と、
    前記第1の波長分散素子で角度分散されたビーム群を前記プリズムの全反射面に異なる角度で入射する第1のリレーレンズ光学系と、
    前記全反射面を反射した前記第1の光周波数コムの角度分散ビーム群を異なる角度で入射する第2のリレーレンズ光学系と、
    入射された前記第1の光周波数コムの角度分散ビーム群を波長に応じて同方向に収斂させる第2の波長分散素子と、
    前記第2の波長分散素子を回折または屈折した前記第1の光周波数コムのスペクトルを測定する分光部と、を有した表面プラズモン共鳴センサー。
  2. 前記分光部は、第2の繰り返し周波数(frep2)を有する第2の光周波数コムを生成する第2の光周波数コム生成手段と、前記第1の光周波数コムと干渉させてインターフェログラムを生成するインターフェログラム生成部と、前記インターフェログラムをフーリエ変換して複素振幅SPRスペクトルを取得する複素振幅SPRスペクトル取得部(84)を有することを特徴とする、請求項1に記載の表面プラズモン共鳴センサー。
  3. 前記金属膜は金、銀、銅、アルミニウム、からなる群より選択される1種以上の金属より成ることを特徴とする、請求項1に記載の表面プラズモン共鳴センサー。
  4. 前記第1の波長分散素子は回折格子またはプリズムまたはその他波長分散素子より成ることを特徴とする、請求項1に記載の表面プラズモン共鳴センサー。
  5. 前記第2の波長分散素子は回折格子またはプリズムまたはその他波長分散素子より成ることを特徴とする、請求項1に記載の表面プラズモン共鳴センサー。
  6. 前記第1のリレーレンズ光学系、前記プリズム、前記第2のリレーレンズ光学系は一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の表面プラズモン共鳴センサー。
  7. 前記第1の光周波数コムは光通信波長帯のスペクトルを有し、前記第1の繰り返し周波数(frep1)は10MHz以上1000GHz以下であり、帯域幅は0.1THz以上100THz以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の表面プラズモン共鳴センサー。
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