JP2023175110A - 線源強度の評価方法、遮蔽解析方法、線源強度の評価装置及びプログラム - Google Patents

線源強度の評価方法、遮蔽解析方法、線源強度の評価装置及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】使用済み燃料の線源強度の不確かさを含めて評価する方法を提供する。【解決手段】線源強度の評価方法は、核種の壊変や生成を計算する計算コードに入力する核データの値を変動させたときに計算コードが算出する核種生成量に基づいて、核データ起因の線源強度の不確かさを評価するステップと、核種生成量の実測値と計算コードの計算値の差に基づく線源強度の不確かさと、核データ起因の線源強度の不確かさとに基づいて、核データ起因の線源強度の不確かさを校正することにより、計算コードによる線源強度の不確かさを評価するステップと、炉心の燃料のパラメータが記録された炉心設計データベースに基づいて、燃料の条件に基づく線源強度の不確かさを評価するステップと、所定の基準となる線源強度を、計算コードによる線源強度の不確かさと、燃料の条件に基づく線源強度の不確かさとによって補正した補正後の線源強度を算出するステップと、を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、線源強度の評価方法、遮蔽解析方法、線源強度の評価装置及びプログラムに関する。
原子力プラントの使用済み燃料を貯蔵する施設やキャスク等の遮蔽設計を行う際には、使用済み燃料の線源強度が必要になる。線源強度は計算により評価するが、遮蔽設計時には、実際に格納する使用済み燃料が存在しないため線源強度の正確な値を評価することはできない。また、個々の使用済み燃料について、線源強度を逐一計算することは現実的ではない。遮蔽設計を精度よく行うためには、使用済み燃料のばらつきなど、様々な要因による不確かさを考慮して評価した線源強度が必要となる。
関連する技術として、特許文献1には、核燃料を構成する放射性物質の崩壊熱に関して、不確かさを含めて評価する方法が開示されている。
特開2020-76669号公報
使用済み燃料の線源強度に関して、不確かさを合理的に考慮して評価する方法が求められている。
本開示は、上記課題を解決することができる線源強度の評価方法、遮蔽解析方法、線源強度の評価装置及びプログラムを提供する。
本開示に係る線源強度の評価方法は、核種の壊変や生成を計算する計算コードに入力する核データの値を変動させたときに前記計算コードが算出する前記核種の生成量に基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを評価するステップと、前記核種の生成量の実測値と前記計算コードの計算値の差に基づく線源強度の不確かさと、前記核データ起因の線源強度の不確かさとに基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを校正することにより、前記計算コードによる線源強度の不確かさを評価するステップと、炉心の燃料のパラメータが記録された炉心設計データベースに基づいて、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさを評価するステップと、所定の基準となる線源強度を、前記計算コードによる線源強度の不確かさと、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさと、によって補正した補正後の線源強度を算出するステップと、を有する。
また、本開示に係る線源強度の評価方法は、核種の壊変や生成を計算する計算コードに入力する核データの値を変動させたときに前記計算コードが算出する前記核種の生成量に基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを評価するステップと、前記核種の生成量の実測値と前記計算コードの計算値の差に基づく線源強度の不確かさと、前記核データ起因の線源強度の不確かさとに基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを校正することにより、前記計算コードによる線源強度の不確かさを評価するステップと、所定の基準となる線源強度を、前記計算コードによる線源強度の不確かさによって補正した補正後の線源強度を算出するステップと、を有する。
また、本開示に係る線源強度の評価方法は、炉心の燃料のパラメータが記録された炉心設計データベースに基づいて、燃料の照射履歴に基づく線源強度の不確かさを評価するステップと、所定の基準となる線源強度を、前記照射履歴に基づく線源強度の不確かさによって補正した補正後の線源強度を算出するステップと、を有する。
本開示に係る遮蔽解析方法では、上記の評価方法で算出した前記補正後の線源強度を入力として遮蔽解析を行う。
本開示に係る線源強度の評価装置は、核種の壊変や生成を計算する計算コードに入力する核データの値を変動させたときに前記計算コードが算出する前記核種の生成量に基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを評価する手段と、前記核種の生成量の実測値と前記計算コードの計算値の差に基づく線源強度の不確かさと、前記核データ起因の線源強度の不確かさとに基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを校正することにより、前記計算コードによる線源強度の不確かさを評価する手段と、炉心の燃料のパラメータが記録された炉心設計データベースに基づいて、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさを評価する手段、所定の基準となる線源強度を、前記計算コードによる線源強度の不確かさと、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさとによって補正した補正後の線源強度を算出する手段と、を有する。
本開示に係るプログラムは、コンピュータに、核種の壊変や生成を計算する計算コードに入力する核データの値を変動させたときに前記計算コードが算出する前記核種の生成量に基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを評価するステップと、前記核種の生成量の実測値と前記計算コードの計算値の差に基づく線源強度の不確かさと、前記核データ起因の線源強度の不確かさと、に基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを校正することにより、前記計算コードによる線源強度の不確かさを評価するステップと、炉心の燃料のパラメータが記録された炉心設計データベースに基づいて、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさを評価するステップと、所定の基準となる線源強度を、前記計算コードによる線源強度の不確かさと、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさとによって補正した補正後の線源強度を算出するステップと、を実行させる。
本開示の線源強度の評価方法、線源強度の評価装置及びプログラムによれば、不確かさを含めた線源強度を評価することができる。本開示の遮蔽設計方法によれば、不確かさを含めて評価した線源強度に基づいて、遮蔽設計を行うことができる。
実施形態に係る評価装置の一例を示すブロック図である。 実施形態に係る核データ起因の線源強度の不確かさを評価する処理について説明する第1の図である。 実施形態に係る核データ起因の線源強度の不確かさを評価する処理について説明する第2の図である。 実施形態に係る燃焼チェーンの一例を示す図である。 実施形態に係る炉心設計データベースに登録されたパラメータの一例を示す図である。 実施形態に係る燃料の選定について説明する図である。 実施形態に係る不確かさを考慮した線量率について説明する図である。 実施形態に係る線源強度の評価処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態の評価装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
<実施形態>
以下、本開示の線源強度の評価装置について、図1~図7を参照しながら説明する。
(構成)
図1は、実施形態に係る評価装置の一例を示すブロック図である。
評価装置10は、使用済み燃料の線源強度や線量率を、不確かさを考慮して算出する。使用済み燃料の線源強度や線量率を評価する場合、計算コードを使用して、使用済み燃料から生じる核種(例えば、中性子やガンマ線等の評価対象となる放射線を放出する核種)の生成量を計算し、その生成量から線源強度等を計算する。計算コードには、様々なパラメータを入力するが、例えば、入力パラメータのうちの核データには、誤差・ばらつきが存在するため、どのような値を入力するかによって、計算コードが算出する核種の生成量や、核種の生成量に基づいて計算される線源強度や線量率にばらつきが生じる。また、計算コードが算出する核種の生成量と実際の使用済み燃料から発生する核種の生成量との間には差異がある。評価装置10は、[1]核データのばらつきに起因する線源強度の不確かさや、[2]計算コードによって計算される核種生成量(核データのばらつきを含む)に基づく線源強度の不確かさ(計算コードによる線源強度の計算値と実際の線源強度のばらつきの差異)を評価する。
また、線源強度を評価する場合、上述の核データ以外にも原子炉の出力や燃焼度などの入力パラメータを計算コードへ入力して核種の生成量を計算し、線源強度および線量率の評価を行うが、実際の使用済み燃料では、燃料の仕様や照射履歴、プラントの運転条件などの違いにより、線源強度に差が生じる。この照射履歴等に基づく差・ばらつきに関し、評価装置10は、許認可炉心や取替炉心のパラメータが登録された炉心設計データベースから線源強度への感度が高い入力パラメータを抽出して、抽出した入力パラメータのばらつきによって生じる線源強度の不確かさを評価する。これにより、[3]照射履歴等の燃料の条件の違いによる線源強度の不確かさを評価する。このように、評価装置10は、[1]核データ起因の線源強度の不確かさ、[2]計算コードによる線源強度の不確かさ、[3]照射履歴等の燃料の条件に関する入力パラメータに起因する線源強度の不確かさ(以下、入力起因の不確かさのように記載する場合がある。)、を評価し、これら[1]~[3]の不確かさを考慮して、使用済み燃料の線源強度および線量率を算出する。
図示するように、評価装置10は、入力受付部11と、制御部12と、記憶部13と、を備える。
入力受付部11は、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタン等の入力装置を用いて入力された情報や指示などを受け付ける。入力受付部11は、受け付けた情報を記憶部13に記録したり、制御部12へ出力したりする。
制御部12は、上記の[1]~[3]の不確かさを評価する処理、[1]~[3]の不確かさを考慮した線源強度や線量率の最大値を算出する処理などを実行する。また、制御部12は、処理結果を表示装置に表示したり、電子データとして出力したりする。制御部12は、第1評価部121と、第2評価部122と、第3評価部123と、遮蔽解析部124と、を備える。これらの機能については後述する。
記憶部13は、計算コード、炉心設計データベース、処理中のデータなどを記憶する。
[1]核データ起因の不確かさの評価
第1評価部121は、[1]核データ起因の線源強度の不確かさを評価する。図2Aに核データの一例を示す。図2Aの幅e1は、核データの誤差、ばらつきの幅を表している。核データおよびその誤差については、核データライブラリに登録されており、この値を使用することができる。第1評価部121は、幅e1の範囲でランダムに複数の核データを選択する。例えば、第1評価部121は、a1~d1の核データを選択する。核データb1は、基準状態の値である。第1評価部121は、選択した核データa1~d1を計算コードに入力する。計算コードは、例えば、SCALE(Standardized Computer Analyses for Licensing Evaluation)システムである。SCALEシステムに、燃料集合体の諸元データ等(例えば、核データや照射履歴に関するパラメータ等)の入力パラメータを入力して実行すると、SCALEシステムは、共鳴計算、輸送計算、燃焼計算等を行って、ガンマ線や中性子線を放出する核種の生成量を算出する。SCALEシステムにて、照射期間を指定することで照射から冷却までの時系列の核種生成量を算出することができる。第1評価部121は、核データa1および他の入力パラメータを計算コード(SCALEシステム)に入力し、計算コードを実行する。第1評価部121は、計算コードが出力する核種の生成量に崩壊定数を乗じて線源強度を算出する。第1評価部121は、核データb1~d1についても同様の計算を行い、核データa1~d1に対する線源強度を評価する。図2Bに、核データa1~d1について評価した線源強度の一例を示す。図2Bのグラフの縦軸は線源強度、横軸は時間である。線源強度a2,b2,c2,d2は、それぞれ核データa1,b1,c1,d1に対応する線源強度の推移を示している。第1評価部121は、例えば、このグラフの時間T(燃料の冷却が完了した時間)における核データに起因する線源強度の不確かさを評価する。例えば、第1評価部121は、基準状態の核データb1を用いたときの時間Tにおける線源強度b2を基準とする標準偏差を算出し、算出した標準偏差σを、[1]核データ起因の線源強度の不確かさとする。例えば、この例の場合、((a2-b2)+(c2-b2)+(d2-b2)÷3)の平方根によって、[1]核データ起因の線源強度の不確かさを算出する。
[2]計算コードによる不確かさの評価
第2評価部122は、[2]計算コードによる線源強度の不確かさを評価する。例えば、ある核種Aについて、第1評価部121によって評価された[1]核データ起因の線源強度の不確かさがσであるとする。一方、計算コードで核種生成量を解析したものと同様の燃料集合体について実施した照射後試験(PIE:Post Irradiation Examination)にて測定された核種Aの生成量の実測値に基づく線源強度のばらつき(例えば、実測値と計算値の差の標準偏差)がΔγ´の場合、第2評価部122は、次式(1)を満たすようなαとβを推定する。
Δγ´=α・σ+β ・・・(1)
例えば、Δγ´とσの組合せを複数用意して、αとβを推定してもよい。ガンマ線の線源強度を評価する場合、第2評価部122は、ガンマ線を放出する複数の核種A1~Anのうちの核種A1について、αA1とβA1を推定し、核種A2についてもαA2とβA2を推定し、・・・といった処理を核種A1~Anのそれぞれについて実行する。すると、評価対象のガンマ線の線源強度は、次式(2)によって算出することができる。
Figure 2023175110000002
式(2)で算出できる線源強度は、[2]計算コードによる線源強度の不確かさを考慮した線源強度である。式(2)のγcalcは、従来の方法で計算した線源強度である。Δγは、[2]計算コードによる線源強度の不確かさである。上記のΔγの算出過程から理解できるように、Δγは、[1]核コード起因の線源強度の不確かさを含んでいる。式(2)のシグマの項は、上記の例の場合であれば、核種A1~Anについての核データ起因の線源強度のばらつきを式(1)によって校正した値の和である。核データの誤差によって生じる不確かさ、計算コードと実測値の差によって生じる不確かさ、という根拠に基づいた補正項Δγを加えることで、従来の方法で算出していたγcalcに比べて安全側に評価した、合理的根拠を有する線源強度を算出することができる。評価対象の線源強度に関する核種A1~Anについて、αA1、βA1等を算出すれば、それ以降は、式(2)によって、[2]計算コードによる線源強度の不確かさを算出することができる。
(照射後試験にて実測値が得られない場合)
ところで、評価対象とする核種生成量の実測値が照射後試験にて測定できない場合がある。このような場合には燃焼チェーンを利用して、未測定の核種による線源強度を評価する。図3に燃焼チェーンの一例を示す。核種Aは、照射後試験にて測定できない評価対象の核種(例えば、ガンマ線源となる核種)である。核種Bは、照射後試験による生成量の測定が可能であって、核分裂によって核種Aを生成するアクニチド核種である。核種Cは、照射後試験による生成量の測定が可能であって、核種Aの中性子捕獲、壊変などによって生じる核種である。ここで、核種Aとの間に燃焼チェーンを用いて記述できる生成や壊変等の関係がある核種iについて、照射後試験にて測定された核種生成量の実測値に基づく線源強度と、計算コードで計算した核種生成量の計算値に基づく線源強度の差をΔγiとする。生成量の実測値が得られる核種iの数密度が1%変動したときの核種Aの数密度の変動(%)をWi→Aとする。Wi→Aは計算コードで算出することができる。核種Aの線源強度のばらつき、不確かさをΔγ´とする。すると、核種Bから核種Aが生成され、核種Aから核種Cが生成されるという図3に例示する燃焼チェーンの関係から次式(3)が導出される。
Figure 2023175110000003
図3の燃焼チェーンの場合、第2評価部122は、上式(3)にてi=B,Cとして、生成量が測定できない核種Aの燃焼強度の不確かさΔγ´を推定する。
なお、式(3)にて、i=A,B,Cとしているが、これは、核種Aの生成量が測定できる場合であっても、その値の信頼度が低いような場合であれば、上式(3)にてi=A,B,CとしてΔγ´を計算することで、核種Aの燃焼強度の不確かさをより精度よく推定することができるためである。
第2評価部122は、式(3)を用いてΔγ´を推定すると、照射後試験で核種生成量が測定できる場合と同様にして、上記の式(1)を用いて係数α、βを算出する。そして、上記の式(2)によって、[2]計算コードによる線源強度の不確かさを考慮した線源強度を算出する。このように、評価対象の核種生成量が実測できない場合であっても、燃焼チェーンに基づく関係式(3)を利用することで、[2]計算コードによる線源強度の不確かさを考慮した線源強度の算出が可能である。
[3]入力起因の不確かさの評価
第3評価部123は、[3]入力起因の線源強度の不確かさを評価する。これまでに、核データのばらつきや線源強度の計算値のばらつきと実測値のばらつきの差異に基づく不確かさを評価する方法について説明した。これに対し、第3評価部123は、燃料の仕様や照射履歴、運転環境などの差によって生じる線源強度の不確かさを評価する。炉心設計データベースには、許認可炉心や取替炉心など様々な炉心について、原子炉の出力、ほう素濃度、冷却期間、BP(バーナブルポイズン)の有無、燃料の組成などの情報が登録されている。第3評価部123は、炉心設計データベースに登録された、燃料の仕様や照射履歴、運転環境などに関する情報の中から線源強度の影響を与えるパラメータを抽出して解析し、線源強度の影響を与えるパラメータのばらつきを評価する。第3評価部123は、炉心設計データベースに登録されたパラメータを、線源強度への影響度に応じて「H」、「M」、「L」に分類する。「H」は線源強度への影響度が高いパラメータ、「M」は線源強度への影響度が中程度のパラメータ、「L」は線源強度への影響度が低いパラメータである。図4Aにガンマ線に関して「H」、「M」、「L」に分類されたパラメータの一例を示す。「H」に分類されるパラメータは、例えば“出力”、「M」に分類されるパラメータは、例えば“燃焼度”、“組成”、“BPの有無”、“照射期間”、「L」に分類されるパラメータは、例えば“ほう素濃度”、“隣接燃料”、“燃料温度”、“減速材温度”などとなっている。「H」、「M」、「L」の分類は、知見ある技術者が設定を行い、この設定に従って、第3評価部123が、線源強度への影響度に応じたパラメータを炉心設計データベースから抽出する。
線源強度への影響度に応じたパラメータを炉心設計データベースから抽出すると、第3評価部123は、各パラメータについて値を設定する。例えば、第3評価部123は、「H」や「M」に分類されるパラメータについては、炉心設計データベースからランダムに抽出した値を設定する。第3評価部123は、例えば、各パラメータの最大値や最小値を含むようにして炉心設計データベースから値を抽出してもよい。また、第3評価部123は、「L」に分類されるパラメータについては、代表値を設定する。例えば、“燃料温度”の代表値として900Kを設定し、“減速材温度”の代表値には、炉心特性説明書に記載された値を設定する。これらの値は、知見を有する技術者が設定を行い、この設定に従って、第3評価部123が、代表値を各パラメータへ設定する。
第3評価部123は、「H」、「M」のパラメータにはランダムに抽出した値を設定し、「L」のパラメータには代表値を設定し、これらのパラメータを計算コードに入力して、例えば、ガンマ線を放出する核種の生成量を計算し、各種計算量に崩壊定数を乗じることにより、核種ごとに線源強度を算出する。第3評価部123は、「H」、「M」のパラメータに設定する値を変化させて(「L」は代表値、つまり固定値)、繰り返し、同様にして線源強度を計算する。これにより、複数の線源強度が算出される。第3評価部123は、算出した複数の線源強度から、燃料の仕様や照射履歴のばらつきに基づく線源強度のばらつき(つまり、[3]入力起因の不確かさ)を評価する。安全性を担保するために線源強度が高くなる場合のばらつき具合を評価したいので、第3評価部123は、例えば、次に説明するように線源強度が高い計算結果を抽出して、抽出した計算結果に係る燃料を対象としてばらつきを評価する。なお、線源強度は、遮蔽解析により線量率に変換されるため、以下では、線源強度を線量率に変換して、ばらつきを評価する。
例えば、第3評価部123は、基準となる許認可炉心の最大線量率に対する不確かさを評価するため、線量率が高い燃料を評価対象として選定する。図4Bに様々な値を「H」、「M」のパラメータに設定して計算した線源強度を線量率に変換したデータを示す。図4Bのグラフの横軸は計算結果の線量率と基準となる許認可炉心の最大線量率との差、縦軸は各差に対応する計算結果の頻度を示している。横軸の値が「0」のデータが、許認可炉心の最大線量率と同じ線量率となったときの計算結果の頻度である。第3評価部123は、この「0」を基準として線量率が高い燃料を選定する。範囲P1は、選定された燃料である。第3評価部123は、選定した燃料の線量率を線源強度に変換し、変換後の線源強度を標本として、ブートストラップ法により、線源強度の不確かさの信頼係数を評価する。例えば、第3評価部は、信頼係数95%(信頼度95%)の信頼区間を算出し、この区間幅を(3)入力起因による線源強度の不確かさとする。また、第3評価部は、線源強度の変化に対する線量率の感度、線源強度のばらつき及び信頼係数から線量率の不確かさを評価する。
遮蔽解析部124は、第2評価部122によって評価された[2]計算コードによる線源強度の不確かさと、第3評価部123によって評価された[3]入力起因の線源強度の不確かさとによって、所定の基準となる線源強度(例えば、許認可炉心などの代表的な炉心の線源強度)を補正して補正後の線源強度を算出する。例えば、遮蔽解析部124は、基準となる線源強度に、[2]計算コードによる線源強度の不確かさの最大値と[3]入力起因の線源強度の不確かさの最大値を加算して補正後の線源強度を算出する。そして、遮蔽解析部124は、補正後の線源強度を入力として、使用済み燃料の貯蔵施設やキャスクの遮蔽解析を行って遮蔽部材の厚さなどを設計し、線量率の評価を行う。
図5に線量率の評価結果を示す。図5の横軸は線量率を示している。r0は、不確かさを考慮しない許認可炉心の最大線量率である。r1は、[2]計算コードによる不確かさ([1]核コード起因の不確かさを含む)を加算した線源強度を入力として遮蔽解析を行って得られる線量率である。r1は、合理的な根拠に基づく許認可炉心の最大線量率である。r2は、許認可炉心の最大線量率に相当する線源強度に[2]計算コードによる不確かさと[3]入力起因の不確かさを加算した線源強度を入力として遮蔽解析を行って得られた線量率である。r2は、不確かさを考慮した線量率評価値である。実際の使用済み燃料は、許認可炉心と仕様や照射履歴などが異なるが、その差は、[3]入力起因の不確かさによって吸収される。r0を用いてキャスク等の遮蔽解析を行うと、安全性に影響が出る可能性が高いため、従来は、過度に保守的に線源強度を見積もって遮蔽解析を行っていた。しかし、本実施形態によれば、核データ起因や計算コードによる線源強度の不確かさ、照射履歴等のばらつきによる線源強度の不確かさ、を考慮することによって、線源強度の不確かさを合理的に評価する。これにより、過度に保守的にならず、且つ適切に安全側に評価した線源強度を算出することができる。実際、従来の線源強度を用いた場合と線量率の比較を行うと、本実施形態の方法で評価した線源強度を入力として評価した線量率は、従来の保守的な線源強度を入力として評価した線量率よりも下回ることが確認できた。
(動作)
次に図6を用いて、本実施形態の線源強度の評価処理流れを説明する。
図6は、実施形態に係る線源強度の評価処理の一例を示すフローチャートである。
前提として、記憶部13には、計算コード、核データのライブラリ、炉心設計データベース、計算コードに入力する入力パラメータに対する「H」、「M」、「L」の設定、「L」のパラメータに設定する代表値が登録されている。
まず、オペレータが評価対象の放射線(ガンマ線、中性子線など)を放出する核種を指定し、線源強度の評価を指示する。入力受付部11は、この指示を受け付ける。制御部12は、線源強度を評価する処理を実行する。まず、第1評価部121が、[1]核データ起因の線源強度の不確かさを評価する(ステップS1)。例えば、第1評価部121は、評価対象の核種の反応断面積について、ランダムサンプリングにより、複数の値を核データライブラリの誤差データの中から選択し、選択した値を入力パラメータとして、選択した値の数だけ計算コードを実行し、核種生成量を算出する。第1評価部121は、選択した値の数だけ得られた核種生成量を線源強度に変換し、そのデータライブラリの誤差データに起因する標準偏差(核データ起因の線源強度の不確かさ)を算出する。第1評価部121は、核種ごとに核データ起因の不確かさを算出して、記憶部13に記録する。
次に第2評価部122が、[2]計算コードによる線源強度の不確かさを評価する(ステップS2)。照射後試験で評価対象の核種の生成量が測定できる場合、第2評価部122は、核種の生成量の実測値に基づく線源強度のばらつき(Δγ´)と、核データ起因の線源強度の不確かさ(σ)の関係式(上記の式(1))に基づいて、関係式の係数α、βを算出する。第2評価部122は、核種ごとに式(1)の係数α、βを算出
し、式(2)によって、[2]計算コードによる線源強度の不確かさを算出する。
照射後試験で評価対象の核種の生成量が測定できない場合、第2評価部122は、生成量が測定できない核種Aと、核種Aを生成する測定可能な核種B又は核種Aの壊変等によって生じる測定可能な核種Cの関係に基づいて、核種i(i=B,C)の数密度の変動に対する核種Aの変動を表す感度(Wi→A)と、核種iの生成量の実測値に基づく線源強度と計算値に基づく線源強度の差(Δγ)と、核種Aの線源強度の不確かさ(Δγ´)の関係を示す計算式(上記の式(3))によって、核種Aの線源強度の不確かさを推定する。そして、第2評価部122は、上記の式(1)によって係数α、βを算出し、式(2)によって、[2]計算コードによる線源強度の不確かさを算出する。第2評価部122は、算出した計算コードによる線源強度の不確かさを記憶部13に記録する。
次に第3評価部123が、[3]入力起因の線源強度の不確かさを評価する(ステップS3)。まず、第3評価部123は、炉心設計データベースに登録されたパラメータを「H」、「M」、「L」に分類する。第3評価部123は、「H」と「M」に分類されたパラメータについては、炉心設計データベースからランダムに抽出した値を設定し、「L」に分類されたパラメータについては、所定の代表値を設定する。第3評価部123は、各パラメータに設定した値を組み合わせて、計算コードに入力し核種生成量を算出し、核種生成量から線源強度を算出する。第3評価部123は、各パラメータに設定した値の組み合わせを変えて複数回、核種生成量および線源強度を算出する。これにより、燃料の仕様や照射履歴のばらつきに応じた線源強度が算出される。次に第3評価部123は、算出した複数の線源強度を線量率に変換し、許認可炉心など代表的な炉心の線量率の最大値に基づいて、線量率が所定値以上となるときの各パラメータの値の組み合わせが示す燃料を選定する。図4Bの例では、対象となる燃料の線量率から許認可炉心燃焼の線量率を引いた値が-0.05μSv/h以上となる燃料を選定する。(この値は一例であって、これに限定されない。)。第3評価部123は、選定した燃料の線量率を線源強度に代えて、選定した燃料の線源強度を標本としてブートストラップ法などにより、[3]入力起因による線源強度の不確かさ(95%信頼区間など)を算出する。第3評価部123は、算出した入力起因による線源強度の不確かさを記憶部13に記録する。
次に遮蔽解析部124が、不確かさを考慮した線量率を評価する(ステップS4)。遮蔽解析部124は、許認可炉心の線源強度の最大値に、記憶部13に記録された計算コードによる線源強度の不確かさの最大値と、入力起因による線源強度の不確かさの最大値とを加算した値を入力として使用済み燃料を格納する施設やキャスクの遮蔽解析を行い、許認可炉心の最大線量率(図5のr0)に基づく、不確かさを考慮した線量率(図5のr2)を算出する。
(効果)
以上、説明したように、本実施形態によれば、計算コード及び入力起因の不確かさを合理的に考慮したガンマ線や中性子線の線源強度を算出することができる。これにより、合理的且つ安全側に評価された線源強度に基づいて、SFP(Spent fuel pools)やキャスクの遮蔽設計を行うことができる。
なお、上記の実施形態では、許認可炉心の線源強度に[1]~[3]の不確かさを積み上げて線源強度を評価することとしたが、線源強度を評価する目的に応じて、例えば、[1]と[2]の不確かさだけを積み上げて線源強度を評価してもよいし、[3]の不確かさだけを積み上げて線源強度を評価してもよい。また、[1]と[2]の不確かさと、[3]以外の方法で評価した不確かさを積み上げて線源強度を評価してもよいし、[3]の不確かさと、[1]、[2]以外の方法で評価した不確かさを積み上げて線源強度を評価してもよい。
図7は、評価装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。
上述の評価装置10は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
なお、評価装置10の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各機能部による処理を行ってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、CD、DVD、USB等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
<付記>
実施形態に記載の線源強度の評価方法、遮蔽解析方法、線源強度の評価装置及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係る線源強度の評価方法は、核種の壊変や生成を計算する計算コードに入力する核データの値を変動させたときに前記計算コードが算出する前記核種の生成量に基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを評価するステップと、前記核種の生成量の実測値と前記計算コードの計算値の差に基づく線源強度の不確かさと、前記核データ起因の線源強度の不確かさとに基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを校正することにより、前記計算コードによる線源強度の不確かさを評価するステップと、炉心の燃料のパラメータが記録された炉心設計データベースに基づいて前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさを評価するステップと、所定の基準となる線源強度を、前記計算コードによる線源強度の不確かさと、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさとによって補正した補正後の線源強度を算出するステップと、を有する。
計算コード及び入力起因の不確かさを考慮した線源強度を算出することにより、遮蔽設計に用いる不確かさを合理的に考慮したガンマ線・中性子線等の線源強度を算出することができる。
(2)第2の態様に係る線源強度の評価方法は、(1)の評価方法であって、前記計算コードによる線源強度の不確かさを評価するステップでは、前記核種の生成量の実測値に基づく線源強度のばらつきと前記核データ起因の線源強度の不確かさの関係式(式(1))に基づいて、前記関係式の係数を算出し、前記関係式によって前記不確かさを校正する。
これにより、計算コードによる線源強度の不確かさを算出することができる。
(3)第3の態様に係る線源強度の評価方法は、(1)の評価方法であって、前記計算コードに基づく線源強度の不確かさを評価するステップでは、生成量を測定できない第1の核種と前記第1の核種を生成する又は前記第1の核種の壊変等によって生じる生成量を測定することができる第2の核種の関係に基づいて、前記第2の核種の数密度の変動に対する前記第1の核種の変動を表す感度と、前記第2の核種の生成量の実測値に基づく線源強度と前記第2の核種の生成量の計算値に基づく線源強度の差と、前記第1の核種の線源強度の不確かさの関係を示す計算式(式(3))によって、前記第1の核種の線源強度の不確かさを推定し、推定した前記第1の核種の線源強度の不確かさと前記第1の核種についての前記核データ起因の線源強度の不確かさの関係式(式(1))に基づいて、前記関係式の係数を算出し、前記関係式によって前記第1の核種の線源強度の不確かさを校正する。
これにより、線源強度の元となる核種が測定できない場合でも、当該核種に関する計算コードによる線源強度の不確かさを算出することができる。
(4)第4の態様に係る線源強度の評価方法は、(1)~(3)の評価方法であって、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさを評価するステップでは、前記線源強度に影響を与えるパラメータを変動させて前記計算コードに入力し、前記計算コードが出力する前記核種の生成量から線源強度を算出して、前記線源強度の不確かさを評価する。
これにより、様々な燃料の仕様や照射履歴に基づく線源強度の不確かさを算出することができる。
(5)第5の態様に係る線源強度の評価方法は、(1)~(4)の評価方法であって、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさを評価するステップでは、線源強度が所定値以上の燃料に関する前記パラメータに基づいて線源強度の不確かさを評価する。
これにより、線源強度を安全側に評価することができる。
(6)第6の態様に係る線源強度の評価方法は、(1)~(5)の評価方法であって、前記補正では、基準となる線源強度の最大値に、前記計算コードに基づく線源強度の不確かさの最大値と、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさの最大値を加えて補正を行う。
これにより、不確かさを合理的且つ安全側に考慮した線源強度を算出することができる。
(7)第7の態様に係る線源強度の評価方法は、(1)~(6)の評価方法であって、前記核種は、ガンマ線又は中性子線の発生源である。
これにより、SFPの遮蔽解析で評価対象となるガンマ線、キャスクの遮蔽解析で評価対象となるガンマ線および中性子線の線源強度を評価することができる。
(8)第8の態様に係る線源強度の評価方法は、核種の壊変や生成を計算する計算コードに入力する核データの値を変動させたときに前記計算コードが算出する前記核種の生成量に基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを評価するステップと、前記核種の生成量の実測値と前記計算コードの計算値の差に基づく線源強度の不確かさと、前記核データ起因の線源強度の不確かさとに基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを校正することにより、前記計算コードによる線源強度の不確かさを評価するステップと、所定の基準となる線源強度を、前記計算コードによる線源強度の不確かさによって補正した補正後の線源強度を算出するステップと、を有する。
これにより、計算コードの不確かさを考慮した線源強度を提供することができる。
(9)第9の態様に係る線源強度の評価方法は、炉心の燃料のパラメータが記録された炉心設計データベースに基づいて、燃料の照射履歴に基づく線源強度の不確かさを評価するステップと、所定の基準となる線源強度を、前記照射履歴に基づく線源強度の不確かさによって補正した補正後の線源強度を算出するステップと、を有する。
これにより、入力起因の不確かさを考慮した線源強度を提供することができる。
(10)第10の態様に係る遮蔽解析方法は、(1)~(9)の何れかに記載の線源強度の評価方法で算出した前記補正後の線源強度を入力として遮蔽解析を行う。
計算コード及び入力起因の不確かさを考慮した線源強度を入力とした遮蔽解析を行うことにより、安全側に評価した線源強度に基づいて、使用済み燃料の貯蔵施設や貯蔵容器の遮蔽設計を精度よく行うことができる。
(11)第11の態様に係る評価装置は、核種の壊変や生成を計算する計算コードに入力する核データの値を変動させたときに前記計算コードが算出する前記核種の生成量に基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを評価する手段、前記核種の生成量の実測値と前記計算コードの計算値の差に基づく線源強度の不確かさと、前記核データ起因の線源強度の不確かさとに基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを校正することにより、前記計算コードによる線源強度の不確かさを評価する手段、炉心の燃料のパラメータが記録された炉心設計データベースに基づいて、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさを評価する手段、所定の基準となる線源強度を、前記計算コードによる線源強度の不確かさと、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさとによって補正した補正後の線源強度を算出する手段、を有する。
(12)第12の態様に係るプログラムは、コンピュータに、核種の壊変や生成を計算する計算コードに入力する核データの値を変動させたときに前記計算コードが算出する前記核種の生成量に基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを評価するステップと、前記核種の生成量の実測値と前記計算コードの計算値の差に基づく線源強度の不確かさと、前記核データ起因の線源強度の不確かさと、に基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを校正することにより、前記計算コードによる線源強度の不確かさを評価するステップと、炉心の燃料のパラメータが記録された炉心設計データベースに基づいて、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさを評価するステップと、所定の基準となる線源強度を、前記計算コードによる線源強度の不確かさと、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさとによって補正した補正後の線源強度を算出するステップと、を実行させる。
10・・・評価装置
11・・・入力受付部
12・・・制御部
121・・・第1評価部
122・・・第2評価部
123・・・第3評価部
124・・・遮蔽解析部
13・・・記憶部
900・・・コンピュータ
901・・・CPU
902・・・主記憶装置
903・・・補助記憶装置
904・・・入出力インタフェース
905・・・通信インタフェース

Claims (12)

  1. 核種の壊変や生成を計算する計算コードに入力する核データの値を変動させたときに前記計算コードが算出する前記核種の生成量に基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを評価するステップと、
    前記核種の生成量の実測値と前記計算コードの計算値の差に基づく線源強度の不確かさと、前記核データ起因の線源強度の不確かさとに基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを校正することにより、前記計算コードによる線源強度の不確かさを評価するステップと、
    炉心の燃料のパラメータが記録された炉心設計データベースに基づいて、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさを評価するステップと、
    所定の基準となる線源強度を、前記計算コードによる線源強度の不確かさと、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさとによって補正した補正後の線源強度を算出するステップと、
    を有する線源強度の評価方法。
  2. 前記計算コードによる線源強度の不確かさを評価するステップでは、前記核種の生成量の実測値に基づく線源強度のばらつきと前記核データ起因の線源強度の不確かさの関係式に基づいて、前記関係式の係数を算出し、前記関係式によって前記不確かさを校正する、
    請求項1に記載の線源強度の評価方法。
  3. 前記計算コードに基づく線源強度の不確かさを評価するステップでは、生成量を測定することができない第1の核種と前記第1の核種を生成する又は前記第1の核種の壊変等によって生じる生成量を測定することができる第2の核種の関係に基づいて、前記第2の核種の数密度の変動に対する前記第1の核種の変動を表す感度と、前記第2の核種の生成量の実測値に基づく線源強度と前記第2の核種の生成量の計算値に基づく線源強度の差と、前記第1の核種の線源強度の不確かさの関係を示す計算式によって、前記第1の核種の線源強度の不確かさを推定し、
    推定した前記第1の核種の線源強度の不確かさと前記第1の核種についての前記核データ起因の線源強度の不確かさの関係式に基づいて、前記関係式の係数を算出し、前記関係式によって前記第1の核種の線源強度の不確かさを校正する、
    請求項1に記載の線源強度の評価方法。
  4. 前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさを評価するステップでは、線源強度に影響を与えるパラメータを変動させて前記計算コードに入力し、前記計算コードが出力する前記核種の生成量から線源強度を算出して、線源強度の不確かさを評価する、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の線源強度の評価方法。
  5. 前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさを評価するステップでは、線源強度が所定値以上の燃料に関する前記パラメータに基づいて線源強度の不確かさを評価する、
    請求項4に記載の線源強度の評価方法。
  6. 前記補正では、基準となる線源強度の最大値に、前記計算コードに基づく線源強度の不確かさの最大値と、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさの最大値を加えて補正を行う、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の線源強度の評価方法。
  7. 前記核種は、ガンマ線又は中性子線の発生源である、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の線源強度の評価方法。
  8. 核種の壊変や生成を計算する計算コードに入力する核データの値を変動させたときに前記計算コードが算出する前記核種の生成量に基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを評価するステップと、
    前記核種の生成量の実測値と前記計算コードの計算値の差に基づく線源強度の不確かさと、前記核データ起因の線源強度の不確かさとに基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを校正することにより、前記計算コードによる線源強度の不確かさを評価するステップと、
    所定の基準となる線源強度を、前記計算コードによる線源強度の不確かさによって補正した補正後の線源強度を算出するステップと、
    を有する線源強度の評価方法。
  9. 炉心の燃料のパラメータが記録された炉心設計データベースに基づいて、燃料の照射履歴に基づく線源強度の不確かさを評価するステップと、
    所定の基準となる線源強度を、前記照射履歴に基づく線源強度の不確かさによって補正した補正後の線源強度を算出するステップと、
    を有する線源強度の評価方法。
  10. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の評価方法で算出した前記補正後の線源強度を入力として遮蔽解析を行う、
    遮蔽解析方法。
  11. 核種の壊変や生成を計算する計算コードに入力する核データの値を変動させたときに前記計算コードが算出する前記核種の生成量に基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを評価する手段と、
    前記核種の生成量の実測値と前記計算コードの計算値の差に基づく線源強度の不確かさと、前記核データ起因の線源強度の不確かさとに基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを校正することにより、前記計算コードによる線源強度の不確かさを評価する手段と、
    炉心の燃料のパラメータが記録された炉心設計データベースに基づいて、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさを評価する手段、
    所定の基準となる線源強度を、前記計算コードによる線源強度の不確かさと、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさとによって補正した補正後の線源強度を算出する手段と、
    を有する線源強度の評価装置。
  12. コンピュータに、
    核種の壊変や生成を計算する計算コードに入力する核データの値を変動させたときに前記計算コードが算出する前記核種の生成量に基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを評価するステップと、
    前記核種の生成量の実測値と前記計算コードの計算値の差に基づく線源強度の不確かさと、前記核データ起因の線源強度の不確かさとに基づいて、前記核データ起因の線源強度の不確かさを校正することにより、前記計算コードによる線源強度の不確かさを評価するステップと、
    炉心の燃料のパラメータが記録された炉心設計データベースに基づいて、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさを評価するステップと、
    所定の基準となる線源強度を、前記計算コードによる線源強度の不確かさと、前記燃料の条件に基づく線源強度の不確かさとによって補正した補正後の線源強度を算出するステップと、
    を実行させるプログラム。
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