JP2023174730A - 駐車場管理システムおよびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】駐車場を管理する技術であって、ユーザの通信機器を用いることによりユーザが駐車料金をオンラインで精算することを可能にするものを提供する。【解決手段】駐車場10を管理するシステム600は、駐車場に位置する精算機620であって、駐車場のユーザが駐車料金を駐車時間の長さに基づく額でその駐車場の位置において精算する現地精算を可能にするものと、管理サーバ632であって、駐車場に居るユーザの通信機器636との通信により、ユーザが駐車料金を駐車時間の長さに基づく額でオンラインで精算するオンライン精算を可能にするものとを含む。精算機620は、暗号を印刷表示または画面表示によってユーザに提供し、その提供された暗号がユーザにより当該精算機に対して適用されることにより、ユーザによって既に行われた現地精算の内容に変更を加えることを可能にする。【選択図】図20

Description

本発明は、駐車場を管理する技術に関し、特に、ユーザが駐車料金をオンラインで精算することを可能にする技術に関するものである。
ユーザごとの個別の時間的条件に従って時間制限付きのサービスをユーザに提供することを可能にする技術が既に存在する。その一例は、車両のための複数の駐車位置を有する前払い式の駐車場をユーザが利用すること、すなわち、駐車スペースを時間制限付きでユーザに貸与するサービスをユーザに提供することを可能にする技術である。
車両のための複数の駐車位置を有する駐車場が既に広く普及している。この種の駐車場は、駐車位置への車両の搬送方式の観点で分類すると、ユーザが自ら車両を運転して駐車位置に搬送する方式と、パレットやケージを機械的に移動させて車両を機械的に駐車位置に搬送する機械式とに分類される。また、その駐車場は、ユーザに無料で貸される場合もあれば、有料で貸される場合もある。有料駐車場は、ユーザに貸す時間の長さという観点で分類すれば、月極めと、時間貸し(「日貸し」を含む。)とに分類される。
時間貸し駐車場は、駐車料金の支払い方式という観点で分類すれば、駐車開始に先立ってユーザが駐車料金を支払う前払い式と、駐車終了時にユーザが駐車料金を支払う後払い式とに分類される。
いずれの方式を採用する場合にも、ユーザは、駐車料金を発券機に対して支払う(例えば、貨幣、代用貨幣、クーポン券、クレジットカード、プリペイドカード、電子マネーで支払う)直接精算方式、または発券機を介在させずにオンラインで、駐車場を管理する業者に支払うオンライン精算方式を採用し得る。
また、時間貸し駐車場は、その管理方式という観点で分類すれば、その駐車場を管理・監視する担当者が現場に常駐している有人式と、そのような担当者が常駐しておらず、散発的に現場に派遣される無人式とに分類される。
この種の駐車場およびその駐車場に設置される設備(発券機を含む。)を開示している公知文献として、例えば、特許文献1および2が存在する。
特許文献1は、設備コストがかからず管理が容易で十分に採算がとれる自転車を対象とした駐車場を管理する技術を開示している。この技術によれば、不正駐車を行った自転車の出庫を阻止するための装置を設置せずに済むため、駐車場の設備コストが低減する。
具体的には、特許文献1に開示された技術によれば、ユーザは、空いている駐車位置に自転車を駐車させた後、発券機に移動し、その発券機に自身の登録番号を入力し、さらに、必要な駐車料金を投入する。発券機は、入力された登録番号を、駐車料金が精算済みである自転車についての登録番号として記録する。
さらに、特許文献1に開示された技術によれば、駐車場を管理する管理作業者は、自身の携帯端末により、駐車中の自転車に貼付されているラベルから登録番号を読み取る。一方、管理作業者は、発券機から、その発券機に記録されている登録番号、すなわち、駐車料金が精算済みである自転車についての登録番号を取り込む。
その後、管理作業者は、駐車中の自転車から読み取った登録番号と、発券機から取り込んだ登録番号との照合を行い、その照合の結果により、駐車中の自転車について駐車料金が精算済みであるか否か、すなわち、その自転車が不正駐車されていないか否かを確認する。管理作業者は、駐車料金が未清算である自転車に、料金支払いを催促するシールを貼付し、それにより、その自転車の持ち主であるユーザに、駐車料金が未清算であることを通知する。
特許文献2は、前払い式の無人駐車場を開示している。この駐車場には、駐車が許可された時間を記録した駐車カードを有料で発行するカード発行機と、常には閉じられている入庫ゲートと、入庫口に設置され、駐車カードが挿入されると、その駐車カードが適切であることを条件に入庫ゲートを開く入庫管理装置とが設置される。さらに、この駐車場には、常には閉じられている出庫ゲートと、出庫口に設置され、駐車カードが挿入されると、その駐車カードが適切であることを条件に出庫ゲートを開く出庫管理装置とが設置される。
特許文献2に開示された技術によれば、ユーザは、この駐車場からの出庫時、出庫管理装置に対して駐車カードを挿入する。出庫管理装置は、その挿入された駐車カードから情報を読み取り、その読み取られた情報が、実際駐車時間の長さが見込み駐車時間を超過したことを示す場合には、出庫管理装置は、ユーザに対し、追加駐車料金の支払いを請求する。その請求に応じ、ユーザが追加駐車料金を出庫管理装置に対して支払えば、出庫ゲートが開かれる。必要な追加駐車料金をユーザが支払わない限り、出庫ゲートが開かれないため、ユーザが追加駐車料金を支払うことなく出庫する不正行為が防止される。
したがって、特許文献2に開示された技術によれば、前払い式の無人駐車場でありながら、駐車場管理者が駐車場に定期的に出向いて不正駐車を発見するための作業を不可欠とすることなく、不正駐車を防止することができる。
特許文献1に開示された技術によれば、作業管理者は、不正駐車している自転車を発見することと、不正駐車の継続を止めさせることが可能である。しかし、特許文献1に開示された技術では、不正駐車している自転車を発見するために、作業管理者は、自ら駐車場に定期的に出向いて、駐車中のすべての自転車について個別に、前述の、携帯端末を用いた照合を行うことが必要である。また、不正駐車の継続を止めさせるために、作業管理者は、不正駐車している自転車に個別に、前述のシールを貼付するという作業を行うことが必要である。
このように、特許文献1に開示された技術では、不正駐車を防止するために、作業管理者に課される負担が大きく、そのため、駐車場につき、人件費を含む管理コストを削減することが困難であった。
したがって、駐車場の管理コストを削減することが容易である駐車場用発券機を提供することが望ましい。
また、特許文献1に開示された技術では、ユーザは、発券機に対し、駐車に先立って駐車料金を支払うために、ユーザ識別番号を発券機に入力しなければならず、面倒であった。また、それに伴い、発券機は、ユーザ識別番号を入力する機能と、入力されたユーザ識別番号を表すデータを記録する機能と、その記録されたデータを外部に出力する機能とを有するように設計しなければならず、発券機の設備コストを低減させるにも限界があった。
したがって、駐車場を利用するユーザの負担を軽減するとともに、発券機の設備コストを低減させることが容易である駐車場用発券機を提供することが望ましい。
また、特許文献2に開示された技術によれば、駐車場に、カード発行機、入庫ゲート、入庫管理装置、出庫ゲートおよび出庫管理装置を設置することが必要である。これは、駐車場に発券機しか設置せずに済む場合より、駐車場の設備コスト(装置コストおよび設置作業コストを含む。)を増加させる要因となる。また、この技術によれば、入庫管理装置も出庫管理装置も、駐車カードから情報を読み取る機能を有することが必要である。このことは、入庫管理装置および出庫管理装置の設備コストの増加を招来し、このことも、駐車場の設備コストを増加させる要因となる。
したがって、駐車場の設備コストおよび発券機の設備コストを削減することが容易である駐車場用発券機を提供することが望ましい。
さらに、駐車場が前払いであるか後払いであるかを問わず、また、駐車場が無人であるか有人であるかを問わず、駐車場において発券機によりユーザに対して発行された駐車票のような駐車票の記載事項につき、ユーザと、遠隔地にある管理センタ内の駐車場管理者とが、内容を確認することが必要となる場合がある。
この場合、ユーザは、駐車票そのものを駐車場管理者に提示すべく、その駐車票を持参したり、ファクリミリにて送信することが可能であるが、面倒である。そのため、電話等の通信機器を用いて、ユーザと遠隔地にいる駐車場管理者とが、駐車票の内容を確認することができれば、ユーザの負担が軽減される。しかし、この場合には、駐車場管理者は、駐車票そのものを目視して検証することができず、ユーザからの発言のみを頼りに、駐車票の記載事項を確認せざるを得ない。
したがって、遠隔地にいる駐車場管理者にとっては、駐車票の記載事項に関するユーザからの発言のみからでも、ユーザの発言の真正性を客観的に判断できるようにすることが望ましい。この要望を満たすことは特に、例えば、前述の出庫阻止装置が設置されていない前払い式の無人駐車場において不正駐車を防止するために有効である。
このような事情を背景に、本発明者は、特許文献3に開示されているように、次のような発券機を提案した。この発券機は、駐車場に設置され、その駐車場は、遠隔地にある管理センタによって管理され、当該発券機は、暗号化部とプリンタとを有する一方、前記管理センタは、暗号解読器を有する。
具体的には、この発券機は、(a)駐車料金の支払いまたは駐車時間に関する日時と金額と駐車時間の長さとのうちの少なくとも一つを表す実データ(すなわち、暗号化前データ)であって前記駐車場のユーザが直接的に解読可能であるものを、前記ユーザが解読することはできないが一義的に発音することはできる暗号データに暗号化する暗号化部と、(b)前記実データと前記暗号データとを駐車票上に印刷し、その印刷された駐車票を前記ユーザに対して発行するプリンタとを有する。前記ユーザが前記駐車票上の前記暗号データを読み上げて発した音声であって前記ユーザから電話を介して送信されたものが前記管理センタにおいて受信される。その受信された音声によって表される前記暗号データは、前記管理センタに設置された前記暗号解読器によって解読される。
よって、この発券機によれば、ユーザが、前記駐車票上の前記暗号データを読み上げて発した音声を、通信機器(例えば、ユーザが利用可能な携帯電話機、固定電話機、公衆電話機など、当該発券機に設置されていない通信機器)を介して、遠隔地にいる駐車場管理者に対して送信することが可能となる。その駐車場管理者は、受信したユーザの音声から前記暗号データを解読して前記実データを復元することが可能である。なぜなら、その暗号データと前記実データとの間に1対1の関係があり、暗号データから実データを復元可能であるからである。
したがって、この発券機によれば、当該発券機が、他の装置(例えば、駐車場管理者の通信機器)との間で通信を行う機能も、前記駐車票に印刷された前記暗号データを機械的に読み取る機能も有することなく、また、ユーザが、前記駐車票を駐車場管理者に持参したり送付したりすることも、ファクシミリを用いて送信することもなく、駐車料金の支払いまたは駐車時間に関する日時と金額と駐車時間の長さとのうちの少なくとも一つを、遠隔地にいる駐車場管理者が確認することが可能となる。その結果、ユーザの負担を軽減しつつ、ユーザは、自己の行為が不正ではないことを駐車場管理者に対して証明することができる。
よって、この発券機によれば、前払い式の無人駐車場に前述の出庫阻止装置を設置しなくても、ユーザが、追加駐車料金を支払うべき場合に、実際には、追加駐車料金を全く支払っていないか、または要求金額に対して不足した金額しか支払っていないにもかかわらず、要求金額を支払ったと、通信機器を介して、遠隔地にいる管理者に対して主張しても、その主張が虚偽であることが管理者によって判明する。したがって、前払い式の無人駐車場でありながら、ユーザが、追加駐車料金を全く支払っていないか、または要求金額に対して不足した金額しか支払っていないにもかかわらず、出庫する不正行為を防止することが容易となる。
特開2003-242537号公報 特開2006-146325号公報 特開2012-181818号公報
本発明者は、上述のように、駐車に関するデータを暗号化し、その暗号データを用いることにより、駐車料金の支払いに関するユーザの不正行為を防止する発券機の研究開発を、特に、前払い式の駐車場に設置される発券機に特化して継続した。その発券機は、駐車開始に先立ち、駐車料金の支払いを条件に、その支払い額に見合う長さの有効駐車時間の間、ユーザが前記駐車場に駐車することを許可する。
その研究開発の結果、本発明者は、次のような知見を得た。
ユーザが前払い式の駐車場を利用する場合、ユーザは、入庫時に許可された有効駐車時間の長さを超えて駐車を行う可能性がある。この場合には、前払い式の駐車場といえども、ユーザは、出庫時に、追加駐車時間の長さに見合う額の駐車料金の不足分を支払うことを要求される。
有効駐車時間を延長したいという要望は他の場面でも存在する。具体的には、ユーザは、有効駐車時間が許可された後であってそれが満了する前に、その有効駐車時間が不足しているために、予定された出庫時刻の前にその有効駐車時間が満了してしまうことに気付く場合がある。この場合、ユーザは、有効駐車時間が満了していない時点で、その有効駐車時間を延長したいと希望する可能性がある。
すなわち、前払い式の駐車場に設置される発券機を使用するユーザには、有効駐車時間の延長を、その有効駐車時間の満了の前後を問わず、行いたいという要望があるのであり、このような要望を満たすように発券機を設計することは、その発券機の使い勝手向上のために重要である。
これに対し、特許文献3に開示されている発券機では、その要望を満たすために、ユーザは、前記暗号データを遠隔地にいる駐車場管理者に自ら送信する作業を余儀なくされる。この作業が省略できれば、発券機の使い勝手が向上する。
そして、研究開発の結果、本発明者は、ユーザが自ら暗号データを駐車場管理者に送信する作業を省略するためには、発券機に、その暗号データを電気的または電子的に取り込む暗号データ取込み機能を付加すればよいことに気が付いた。さらに、本発明者は、発券機に、その暗号データと組み合わせて、有効駐車時間を延長したい時間の長さを計算するための情報が存在すれば、この発券機は、ユーザの不正行為を排除しつつ、有効駐車時間を延長することが可能であることにも気が付いた。
また、駐車場のユーザにとっては、ユーザが、駐車場の位置において精算機を操作することによって駐車料金について現地精算を行う一方、駐車場の精算機に代えて自己のユーザ端末を操作することによって駐車料金の精算をオンラインで行うことが可能であることが望ましい。
一方、駐車場の管理者にとっては、前述のように、駐車場の設備コストを削減することが望ましい。
以上の知見を背景にして、本発明は、駐車場を管理する技術であって、駐車場の設備コストを削減しつつ、ユーザが駐車料金をオンラインで精算することを可能にするものを提供することを課題としてなされたものである。
その課題を解決するために、本発明のある側面によれば、駐車場を管理するシステムであって、
前記駐車場に位置する精算機であって、前記駐車場のユーザが駐車料金を駐車時間の長さに基づく額でその駐車場の位置において精算する現地精算を可能にするものと、
管理サーバであって、前記駐車場に居る前記ユーザの通信機器との通信により、前記ユーザが前記駐車料金を前記駐車時間の長さに基づく額でオンラインで精算するオンライン精算を可能にするものと
を含み、
前記精算機は、暗号を印刷表示または画面表示によって前記ユーザに提供し、その提供された暗号が前記ユーザにより当該精算機に対して適用されることにより、前記ユーザによって既に行われた前記現地精算の内容に変更を加えることを可能にする駐車場管理システムが提供される。
また、本発明のあるアスペクトによれば、駐車場を管理する駐車場管理システムであって、
前記駐車場に設置され、その駐車場でのユーザの駐車に関する駐車関連情報を前記駐車場に居るユーザに表示する表示部と、
前記駐車場にとっての遠隔地に設置され、ユーザの通信機器と通信可能な管理サーバであって、前記駐車場からの出庫時に、前記表示部に表示されている駐車関連情報を少なくとも部分的に前記通信機器から受信し、その受信した駐車関連情報に基づき、ユーザが駐車料金をオンライン精算することを可能にするものと
を含む駐車場管理システムが提供される。
また、本発明の一側面によれば、駐車場を管理する駐車場管理システムであって、
ユーザの通信端末と、
前記駐車場に設置され、その駐車場でのユーザの駐車に関する駐車関連情報を、前記駐車場に居るユーザに出力するとともに、ユーザが駐車料金を現地精算方式で精算することを可能にする精算機と、
前記駐車場にとっての遠隔地に設置され、前記通信端末と通信可能な管理サーバであって、前記精算機から出力された前記駐車関連情報を前記通信端末を介して受信するとともに、前記通信端末からオンライン精算リクエストを受信すると、ユーザが駐車料金をオンライン精算方式で精算することを可能にするものと
を含み、
ユーザが、前記精算機を操作することにより、駐車料金を現地精算方式で精算する一方、前記通信端末を操作することにより、駐車料金をオンライン精算方式で精算することを可能にする駐車場管理システムが提供される。
また、本発明の第1のアスペクトによれば、駐車場を管理する駐車場管理システムであって、
ユーザの通信端末と、
前記駐車場に設置され、その駐車場を利用するユーザに係る駐車に関連する駐車関連情報であって前記駐車場に居るユーザ本人しか知り得ない所定の情報を含むものを前記駐車場に居るユーザに表示する表示部であって、前記所定の情報は、時々刻々変化する時可変情報であって前記駐車場の位置における現在時刻を推定可能であるものを含むものと、
前記駐車場にとっての遠隔地に設置され、前記駐車場の通信設備を経由せずにユーザの通信端末と通信可能な管理サーバと
を含み、
前記駐車場に居るユーザの通信端末は、前記駐車場からの出庫時に、前記表示部に表示されている駐車関連情報を前記管理サーバに送信し、
その管理サーバは、
前記ユーザの通信端末から受信した駐車関連情報のうちの前記時可変情報に基づき、前記ユーザが前記駐車場に現在居るか否かを判定するユーザ存否判定部と、
そのユーザ存否判定部によって前記ユーザが前記駐車場に現在居ると判定されると、前記ユーザの通信端末から受信した駐車関連情報に基づき、前記ユーザが支払うべき駐車料金を計算する駐車料金計算部と、
その計算された駐車料金を前記ユーザの通信端末に送信する駐車料金送信部と
を含み、
当該駐車場管理システムは、さらに、前記ユーザが、前記通信端末を用いることにより、前記駐車料金送信部から送信された駐車料金をオンライン精算方式で精算することを可能にするオンライン精算部を含む駐車場管理システムが提供される。
また、本発明の第2のアスペクトによれば、駐車場を管理する駐車場管理システムであって、
ユーザの通信端末と、
前記駐車場に設置され、その駐車場を利用するユーザに係る駐車に関連する駐車関連情報であって前記駐車場に居るユーザ本人しか知り得ない暗号情報を含むものを前記駐車場に居るユーザに表示する表示部であって、前記暗号情報は、現在時刻に関する時刻情報を含むものと、
前記駐車場にとっての遠隔地に設置され、前記駐車場の通信設備を経由せずにユーザの通信端末と通信可能な管理サーバと
を含み、
前記駐車場に居るユーザの通信端末は、前記駐車場からの出庫時に、前記表示部に表示されている駐車関連情報を前記管理サーバに送信し、
その管理サーバは、
前記時刻情報を前記ユーザの通信端末から受信すると、その受信した時刻情報により表される時刻と現在時刻との間の差が所定値より小さいか否かを判定し、小さいと判定された場合には、前記ユーザが前記駐車場に現在居ると判定するユーザ存否判定部と、
そのユーザ存否判定部によって前記ユーザが前記駐車場に現在居ると判定されると、前記ユーザの通信端末から受信した駐車関連情報に基づき、前記ユーザが支払うべき駐車料金を計算する駐車料金計算部と、
その計算された駐車料金を前記ユーザの通信端末に送信する駐車料金送信部と
を含み、
当該駐車場管理システムは、さらに、前記ユーザが、前記通信端末を用いることにより、前記駐車料金送信部から送信された駐車料金をオンライン精算方式で精算することを可能にするオンライン精算部を含む駐車場管理システムが提供される。
また、本発明の一側面によれば、駐車場を管理する駐車場管理システムであって、
ユーザの通信端末と、
前記駐車場に設置され、その駐車場での駐車料金および/または駐車時間に関する駐車関連情報を、前記駐車場に居るユーザに出力する精算機と、
前記駐車場にとっての遠隔地に設置され、前記通信端末と通信可能な管理サーバであって、前記精算機から出力された駐車関連情報を前記通信端末を介して受信すると、その受信した駐車関連情報に基づき、ユーザが駐車料金をオンライン精算方式で精算することを可能にするオンライン精算機能を有するものと
を含み、
ユーザが、精算時に、前記精算機を操作することなく、前記通信端末を操作することにより、駐車料金をオンライン精算方式で精算することを可能にする駐車場管理システムが提供される。
また、本発明のあるアスペクトによれば、駐車場を管理する駐車場管理システムであって、
ユーザの通信端末と、
前記駐車場に設置され、ユーザが駐車料金を現地精算方式で精算することを希望する場合であるかオンライン精算方式で精算することを希望する場合であるかを問わず、前記駐車場でのユーザの駐車に関する駐車関連情報を、前記駐車場に居るユーザに出力する一方、ユーザが駐車料金を現地精算方式で精算することを希望する場合に、ユーザから前記駐車関連情報を受け付け、その受け付けた駐車関連情報に基づき、ユーザが駐車料金を現地精算方式で精算することを可能にする精算機と、
前記駐車場にとっての遠隔地に設置され、前記通信端末と通信可能な管理サーバであって、ユーザが駐車料金をオンライン精算方式で精算することを希望する場合に、前記精算機から出力された前記駐車関連情報を前記通信端末を介して受信すると、その受信した駐車関連情報に基づき、ユーザが駐車料金をオンライン精算方式で精算することを可能にするものと
を含み、
ユーザが、精算時に、前記通信端末を操作することなく、前記精算機を操作することにより、駐車料金を現地精算方式で精算することを可能にする一方、精算時に、前記精算機を操作することなく、前記通信端末を操作することにより、駐車料金をオンライン精算方式で精算することを可能にする駐車場管理システムが提供される。
また、本発明の別のアスペクトによれば、駐車場を管理する駐車場管理システムであって、
ユーザの通信端末と、
前記駐車場に設置され、その駐車場でのユーザの駐車に関する駐車関連情報を、前記駐車場に居るユーザに出力するとともに、ユーザが駐車料金を現地精算方式で精算することを可能にする精算機と、
前記駐車場にとっての遠隔地に設置され、前記通信端末と通信可能な管理サーバであって、前記精算機から出力された前記駐車関連情報を前記通信端末を介して受信するとともに、前記通信端末からオンライン精算リクエストを受信すると、ユーザが駐車料金をオンライン精算方式で精算することを可能にするものと
を含み、
ユーザが、前記精算機を操作することにより、駐車料金を現地精算方式で精算する一方、前記通信端末を操作することにより、駐車料金をオンライン精算方式で精算することを可能にする駐車場管理システムが提供される。
また、本発明の別のアスペクトによれば、駐車場を管理する駐車場管理システムであって、
ユーザの通信端末と、
前記駐車場に設置された場内設備であって、前記駐車場でのユーザの駐車に関する駐車関連情報を、前記駐車場に居るユーザに出力するものと、
前記駐車場にとっての遠隔地に設置され、前記通信端末と通信可能な管理サーバであって、前記場内設備から出力された前記駐車関連情報を前記通信端末を介して受信するとともに、前記通信端末からオンライン精算リクエストを受信すると、ユーザが駐車料金をオンライン精算方式で精算することを可能にするものと
を含む駐車場管理システムが提供される。
本発明の一側面によれば、ユーザの通信機器と駐車場を遠隔的に管理する管理サーバとの通信により、駐車場内の空きスペースを時間制限付きでユーザに貸与するサービスをユーザに提供する方法であって、
前記管理サーバが、ユーザの通信機器から、前記駐車場への駐車の許可を請求する駐車許可リクエストを、ユーザを特定するためのユーザ情報およびユーザが希望する駐車時間を特定するための時間情報と共に受信すると、ユーザが前記駐車場に駐車することを許可することを表す駐車許可メッセージをユーザの通信機器に送信する駐車許可工程と、
前記管理サーバが、ユーザの通信機器から、前記駐車時間を延長するための延長リクエストを、前記ユーザ情報およびユーザが希望する延長駐車時間を特定するための延長時間データと共に受信すると、前記駐車時間を延長することを許可することを表す延長許可メッセージをユーザの通信機器に送信する延長許可工程と
を含む駐車スペース貸与サービス提供方法が提供される。
また、本発明の別の側面によれば、ユーザの通信機器と駐車場を遠隔的に管理する管理サーバとの通信により、駐車場内の空きスペースを時間制限付きでユーザに貸与するサービスをユーザに提供する方法であって、
前記管理サーバが、ユーザの通信機器から、前記駐車場への駐車の許可を請求する駐車許可リクエストを、ユーザを特定するためのユーザ情報およびユーザが希望する駐車時間を特定するための時間情報と共に受信すると、ユーザが前記駐車場に駐車することを許可することを表す駐車許可メッセージを前記時間情報と共にユーザの通信機器に送信する駐車許可工程と、
前記管理サーバが、ユーザの通信機器から、前記駐車時間を延長するための延長リクエストを、前記ユーザ情報、前記時間情報およびユーザが希望する延長駐車時間を特定するための延長時間データと共に受信すると、前記駐車時間を延長することを許可することを表す延長許可メッセージをユーザの通信機器に送信する延長許可工程と
を含む駐車スペース貸与サービス提供方法が提供される。
また、本発明のあるアスペクトによれば、ユーザの通信機器とコンピュータを有する駐車場用管理装置との通信により、前払い式の駐車場内の空きスペースを時間制限付きでユーザに貸与するサービスをユーザに提供する方法であって、
前記駐車場用管理装置が、ユーザから、前記駐車場への駐車の許可を請求する駐車許可リクエストを受信すると、ユーザによる駐車料金の支払いを条件に、その支払い額に見合う長さの有効駐車時間の間、ユーザが前記駐車場に駐車することを許可することを表す駐車許可メッセージをユーザに送信し、前記有効駐車時間の開始時刻および終了時刻のうちの少なくとも一方と、その有効駐車時間の長さと、前記駐車料金の支払い額とのうちの少なくとも一方を表す暗号化前データであってユーザが解読できるものを、その暗号化前データに一意に対応する暗号データであってユーザが解読できないものに変換し、それら暗号化前データおよび暗号データをユーザに送信する駐車許可工程と、
前記駐車場用管理装置が、前記暗号データの発行後、ユーザから、前記有効駐車時間を延長するための延長リクエストと、前記暗号データとを受信すると、その受信した暗号データから前記暗号化前データを復元し、その復元された暗号化前データに基づき、追加駐車料金の支払いを条件に、前記有効駐車時間を延長することを許可することを表す延長許可メッセージをユーザに送信する延長許可工程と
を含む駐車スペース貸与サービス提供方法が提供される。
また、本発明の第1側面によれば、前払い式の駐車場の予約・精算をオンラインで管理するために、複数のユーザのそれぞれの通信機器が通信ネットワークを介して接続される駐車場用管理サーバであって、
ユーザから、前記駐車場への駐車の許可を請求する駐車許可リクエストを受信すると、ユーザによる駐車料金の支払いを条件に、その支払い額に見合う長さの有効駐車時間の間、ユーザが前記駐車場に駐車することを許可することを表す駐車許可メッセージをユーザに送信し、前記有効駐車時間の開始時刻および終了時刻のうちの少なくとも一方と、その有効駐車時間の長さと、前記駐車料金の支払い額とのうちの少なくとも一方を表す暗号化前データであってユーザが解読できるものを、その暗号化前データに一意に対応する暗号データであってユーザが解読できないものに変換し、それら暗号化前データおよび暗号データをユーザに送信する駐車許可部と、
前記暗号データの発行後、ユーザから、前記有効駐車時間を延長するための延長リクエストと、前記暗号データとを受信すると、その受信した暗号データから前記暗号化前データを復元し、その復元された暗号化前データに基づき、追加駐車料金の支払いを条件に、前記有効駐車時間を延長することを許可することを表す延長許可メッセージをユーザに送信する延長許可部と
を含む駐車場用管理サーバが提供される。
また、本発明の第2側面によれば、ユーザごとの個別の時間的条件に従って時間制限付きのサービスをユーザに提供することを可能にする方法であって、
ユーザから、前記サービスの提供を請求するリクエストを受信すると、予め定められた許可条件が成立することを条件に、前記サービスをユーザに、そのユーザが指定した時間的条件に従って提供することを許可する許可工程と、
前記時間的条件を表す暗号化前データであってユーザによって解読可能なものを、ユーザが解読不能な暗号データに変換する暗号化工程と、
その暗号データをユーザに発行する発行工程と、
前記暗号データが発行された後、その暗号データを、前記許可されたサービスに関連して処理されることをユーザが希望するイベントの指定と共に、ユーザが入力すると、その暗号データを受信する受信工程と、
その受信した暗号データを、前記暗号化テーブルに従い、前記暗号化前データに逆変換し、それにより、暗号解読を行う暗号解読工程と、
前記暗号化前データから前記時間的条件を推定し、その推定された時間的条件に基づき、前記指定されたイベントを処理するイベント処理工程と
を含む時間制限付きサービス提供方法が提供される。
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
(1) 車両のための複数の駐車位置を有する前払い式の駐車場に、前記複数の駐車位置について共通に使用されるように設置される発券機であって、
駐車開始に先立ち、駐車料金の支払いを条件に、その支払い額に見合う長さの有効駐車時間の間、ユーザが前記駐車場に駐車することを許可するとともに、前記有効駐車時間の開始時刻および終了時刻のうちの少なくとも一方と、その有効駐車時間の長さと、前記駐車料金の支払い額とのうちの少なくとも一方を表す暗号化前データであってユーザが解読できるものに一意に対応する暗号データであってユーザが解読できないものをユーザに発行する駐車許可部と、
ユーザが、前記暗号データの発行後、前記有効駐車時間を延長するための延長リクエストと、前記暗号データとを入力すると、その入力された暗号データから前記暗号化前データを取得し、その取得された暗号化前データに基づき、追加駐車料金の支払いを条件に、前記有効駐車時間を延長することを許可する延長許可部と
を含む駐車場用発券機。
この発券機において、暗号データは、次のような意義を有する。
1.暗号データは、秘匿性を有し、ユーザによって解読できない。よって、暗号データは、ユーザによって改ざんされないから、暗号データを介してユーザが発券機を操作する限り、ユーザが不正な操作を発券機に対して行うことが阻止される。
2.暗号データは、唯一性を有し、1つのイベント(例えば、1回の駐車)について1つしか存在しない。よって、暗号データが特定されれば、1つのみのイベントが特定される。このように、暗号データは、その暗号データによって特定されるイベントの同一性を特定する。
3.暗号データと、イベント属性(例えば、時間情報を含む駐車関連情報)を直接的に表す暗号化前データとの間に可逆性が存在し、一方から他方を一義的に誘導でき、その逆方向の誘導もしかりである。
3.暗号データは、イベント属性を表す暗号化前データを暗号化して取得されるため、暗号データは、1つのイベントについてのイベント属性を表しており、直接的にユーザの同一性を特定することも、直接的に、前記駐車場に駐車している車両の同一性を特定することもない。
4.しかし、1つの暗号データは、一人のユーザしか知らないという事実に着目すれば、暗号データは、直接的にユーザの同一性を特定する。また、1つの暗号データは、1台の車両についてして発行されないという事実に着目すれば、暗号データは、直接的に車両の同一性を特定する。
5.したがって、そこから派生する効果として、暗号データを扱う場合には、ユーザは、ユーザ本人を特定するための情報も、駐車する自身の車両を特定するための情報も、発券機に対して入力することを要求されずに済む。よって、暗号データを扱う場合には、発券機への入力に際してユーザにかかる負担が軽減されるとともに、ユーザから発券機に入力されるデータのサイズが小さくなり、ひいては、そのデータを保存するためのメモリ容量が削減される。
さらに、この発券機によってユーザ向けに、かつ、各回の駐車というイベントごとに発行された暗号データであって駐車を同じユーザがこの発券機に入力する行為は、次のような意義を有する。
1.ユーザが暗号データを発券機に入力するという行為は、ユーザが実際に、その発券機が設置されている駐車場に居て、かつ、その発券機を操作した事実があったことを意味する。その結果、ユーザが暗号データを発券機に入力するという行為から、ユーザ本人が特定の駐車場に居たという事実が判明する。
2.この発券機が時計機能を有していれば、ユーザが暗号データを発券機に入力すると、この発券機は、その入力が行われた時刻を知ることができる。その結果、この発券機が時計機能を有していれば、ユーザが暗号データを発券機に入力するという行為から、ユーザ本人が特定の駐車場に、かつ、現在の時刻に居たという事実が判明する。
以上説明したいくつかの知見に基づき、この発券機によれば、暗号データの発行後(前記有効駐車時間の満了前または満了後)、ユーザにより、前記暗号データと組み合わせて、前記有効駐車時間を延長するための延長リクエストが当該発券機に入力されれば、その入力された暗号データから前記暗号化前データが取得され、その取得された暗号化前データに基づき、追加駐車料金の支払いを条件に、前記有効駐車時間を延長することが許可される。
よって、この発券機によれば、ユーザに、遠隔地にある管理センタへの暗号データの送信を要求することなく、しかも、それにもかかわらず、ユーザが当該発券機に対して不正な入力を行うことを暗号によって阻止しつつ、ユーザが当該発券機を操作することにより、その発券機によってユーザに許可された有効駐車時間を延長することが可能となる。
その結果、この発券機によれば、ユーザが有効駐車時間を延長するために要求される作業が単純化され、それにより、発券機の使い勝手が向上する。
ところで、一般に、発券機を、ユーザの延長リクエスト(例えば、後述の事後延長リクエストおよび事前延長リクエストを含む。)を正確に処理することが可能であるように設計しようとすると、その発券機は、そのユーザに対して先行して発行された駐車票に記載された情報(例えば、有効駐車時間の終了時刻)を参照するように設計することが必要となる。なぜなら、ユーザによって支払われる追加駐車料金の額に見合う時間分、もとの有効駐車時間を正確に延長するため、すなわち、追加駐車料金の支払い額に見合う延長駐車時間の長さを正確に計算するため、その計算の起算点となるもとの有効駐車時間の終了時刻を参照することが必要であるからである。
しかし、本項に係る発券機によれば、ユーザに対して先行して発行された駐車票に記載された情報(以下、「駐車関連情報」という。)を、例えば、ユーザの識別情報に関連付けてこの発券機のメモリに保存することが不要である。なぜなら、その駐車関連情報は、暗号データに対応し、また、その暗号データは、ユーザから入力してもらうことが可能であり、また、この発券機は、その暗号データさえ判明すれば、必要な駐車関連情報を再現できるからである。
一方、一般に、同じ駐車関連情報を暗号データを用いないでメモリに保存する場合には、暗号データを用いてメモリに保存する場合より多くのデータが必要である。
よって、この発券機によれば、メモリに対する依存をできる限り軽減しつつ、過去の駐車関連情報を基礎として、追加駐車料金の支払い額に見合う延長駐車時間の長さを正確に計算することが可能となる。
本明細書および特許請求の範囲の欄において、「駐車料金の支払い」および「追加駐車料金の支払い」は、例えば、駐車料金(追加駐車料金を含む。)を発券機に対して支払う(例えば、貨幣、代用貨幣、クーポン券、クレジットカード、プリペイドカード、電子マネーで支払う)直接精算方式、または、発券機を介在させずにオンラインで、駐車場を管理する業者に支払うオンライン精算方式を採用し得るが、これらに限定されない。
本明細書および特許請求の範囲の欄において、「駐車票」は、駐車場に設置された発券機によって発行される小片(スリップ、印刷物、情報を可視化して表示する媒体、情報を可視化して固定して表示する媒体など)をすべて含み、例えば、一般的な名称としては、駐車券、領収書などがあるが、それらに限定されない。
本明細書および特許請求の範囲の欄において、「暗号データ」は、当該発券機が自ら暗号化を行って生成するものであっても、代わりに外部機器が暗号化を行って生成した暗号データを当該発券機が受信して利用するものであってもよい。
本明細書および特許請求の範囲の欄において、「ユーザがリクエストを入力する」という行為は、ユーザが特定のリクエストをこの発券機に直接的に入力する行為や、この発券機が特定のリクエストの入力を受け付けるモードにある状態で、ユーザが必要な関連情報やデータを入力する行為を含むが、これらに限定されない。
本明細書および特許請求の範囲の欄において、「車両」は、例えば、自動車、自動二輪車、自転車、貨物車両などを含むが、これらに限定されない。
(2) 前記延長リクエストは、前記有効駐車時間が経過する前にその有効駐車時間の延長をユーザが請求する事前延長リクエストと、前記有効駐車時間が経過した後にその有効駐車時間の延長をユーザが請求する事後延長リクエストとを含み、
前記延長許可部は、
各回の延長リクエストが行われた時刻が、前記有効駐車時間内である場合には、今回の延長駐車が前記事前延長リクエストであると判定し、一方、各回の延長リクエストが行われた時刻が、前記有効駐車時間後である場合には、今回の延長駐車が前記事後延長リクエストであると判定し、それにより、各回の延長リクエストの種類を判別する判別部を含む(1)項に記載の駐車場用発券機。
この発券機によれば、各回の延長リクエストが、事前延長リクエストであるのか、事後延長リクエストであるのかにつき、自動的に判別される。
よって、この発券機によれば、ユーザは、有効駐車時間を延長するたびにいちいち各回の延長リクエストの種類判別のための追加の情報を当該発券機に入力せずに済み、その結果、このことによっても発券機の使い勝手が向上する。
(3) 前記延長許可部は、さらに、
今回の延長リクエストが前記事前延長リクエストである場合に起動し、前記追加駐車料金の支払いを条件に、前記追加駐車料金の支払額と、前記取得された暗号化前データとに基づき、延長前の有効駐車時間の終了時刻から前記有効駐車時間を延長する事前延長リクエスト処理部を含む(2)項に記載の駐車場用発券機。
(4) 前記延長許可部は、さらに、
今回の延長リクエストが前記事後延長リクエストである場合に起動し、前記取得された暗号化前データと、前記延長リクエストが行われた時刻とに基づき、前記有効駐車時間の終了時刻から前記延長リクエストが行われた時刻までの間に経過した時間である延長駐車時間の長さを計算し、その計算された延長駐車時間の長さに基づいて前記追加駐車料金の額を計算し、その計算された額での前記追加駐車料金の支払いを条件に、延長前の有効駐車時間の終了時刻から前記有効駐車時間を延長する事後延長リクエスト処理部を含む(2)または(3)項に記載の駐車場用発券機。
(5) さらに、ユーザが入力を行うユーザ入力部を含み、
そのユーザ入力部は、
前記駐車許可請求を行うためにユーザによって操作される、実在するかまたは仮想的な発券ボタンと、ユーザによって当該発券機内に投入された貨幣もしくは代用貨幣の総額が希望額に達したときにユーザによって操作される、実在するかまたは仮想的な金額確定ボタンとのうちの少なくとも一方と、
前記延長リクエストを行うためにユーザによって操作される、実在するかまたは仮想的な延長ボタンと
を含み、
前記延長ボタンは、ユーザが前記事前延長リクエストを入力する場合と前記事後延長リクエストを入力する場合とに共用される(1)ないし(4)項のいずれかに記載の駐車場用発券機。
(6) さらに、ユーザが入力を行うユーザ入力部を含み、
そのユーザ入力部は、前記暗号データを入力するためにユーザによって操作されるデバイスを含む(1)ないし(4)項のいずれかに記載の駐車場用発券機。
(7) さらに、前記駐車票に印刷される前記暗号データを機械的に読み取ることによってその暗号データを入力するリーダを含む(1)ないし(6)項のいずれかに記載の駐車場用発券機。
(8) さらに、
暗号化テーブルに従って前記暗号化前データを前記暗号データに変換することにより、暗号化を行う暗号化部と、
前記暗号化テーブルに従って前記暗号データを前記暗号化前データに逆変換することにより、暗号解読を行う暗号解読部と
を有し、
それにより、当該発券機は、外部機器に依存しないで前記暗号化と前記暗号解読との双方を行う自立型である(1)ないし(7)項のいずれかに記載の駐車場用発券機。
(9) 前記駐車場は、遠隔地にある管理センタによって管理され、
その管理センタは、
暗号化テーブルに従って前記暗号化前データを前記暗号データに変換することにより、暗号化を行う暗号化部と、
前記暗号化テーブルに従って前記暗号データを前記暗号化前データに逆変換することにより、暗号解読を行う暗号解読部と
を有し、
当該発券機は、
前記暗号データを前記管理センタに送信することと、前記管理センタから前記暗号化前データを受信することとを行う通信機を含み、
それにより、当該発券機は、外部機器に依存して前記暗号化および前記暗号解読の双方を行う依存型である(1)ないし(7)項のいずれかに記載の駐車場用発券機。
(10) 車両のための複数の駐車位置を有する前払い式の駐車場に、前記複数の駐車位置について共通に使用されるように設置される発券機であって、
駐車開始に先立ち、駐車料金の支払いを条件に、その支払い額に見合う長さの有効駐車時間の間、ユーザが前記駐車場に駐車することを許可するとともに、前記有効駐車時間の開始時刻および終了時刻のうちの少なくとも一方と、その有効駐車時間の長さと、前記駐車料金の支払い額とのうちの少なくとも一方を表す暗号化前データであってユーザが解読できるものに一意に対応する暗号データであってユーザが解読できないものをユーザに発行する駐車許可部と、
前記取得された暗号データをメモリに保存する保存部と、
そのメモリから前記暗号データを間欠的にまたは定期的に読み出し、その読み出された暗号データから最新の有効駐車時間の終了時刻を推定し、その推定された終了時刻が現在時刻より後であるか否かを判定し、それにより、前記駐車場での実駐車時間が前記最新の有効駐車時間を超過している不正駐車が成立するか否かを間欠的にまたは定期的に判定する判定部と
を含む駐車場用発券機。
この発券機によれば、暗号化前データから取得された暗号データは保存されるが、その暗号化前データは保存されない。さらに、随時、その保存されている暗号データから暗号化前データが復元され、その暗号化前データに基づいて、駐車場に駐車されている各車両の実駐車時間が有効駐車時間を超過した否かが判定されるが、その暗号化前データは保存されない。一方、前述のように、暗号化前データは、暗号データよりサイズが大きいのが通常である。
したがって、この発券機によれば、暗号データと共に、または、暗号データに代えて暗号化前データを保存する場合より、メモリの記憶容量を節約できる。
(11) 車両のための複数の駐車位置を有する前払い式の駐車場に、前記複数の駐車位置について共通に使用されるように設置される発券機であって、
駐車開始に先立ち、駐車料金の支払いを条件に、その支払い額に見合う長さの有効駐車時間の間、ユーザが前記駐車場に駐車することを許可するとともに、前記有効駐車時間の開始時刻および終了時刻のうちの少なくとも一方と、その有効駐車時間の長さと、前記駐車料金の支払い額とのうちの少なくとも一方を表す暗号化前データであってユーザが解読できるものに一意に対応する暗号データであってユーザが解読できないものをユーザに発行する駐車許可部と、
ユーザが、前記駐車場からの出庫の許可を請求する出庫許可リクエストと、前記暗号データとを入力すると、その入力された暗号データから最新の有効駐車時間の終了時刻を推定し、その推定された終了時刻が現在時刻より後ではない場合に、前記出庫を許可する出庫許可部と
を含む駐車場用発券機。
この発券機によれば、ユーザは、出庫時に、暗号データを当該発券機に入力することを要求されるが、その暗号データは、ユーザのIDおよび車両番号を表すデータよりサイズが小さいのが通常である。
よって、この発券機によれば、ユーザが、出庫時に、ユーザのIDおよび車両番号を表すデータを当該発券機に入力することを要求される場合より少ない負担をユーザに対して課するのみで、ユーザが出庫したという事実を正確に把握できる。
(12) 車両のための複数の駐車位置を有する前払い式の駐車場に、前記複数の駐車位置について共通に使用されるように設置される発券機を制御する方法であって、
駐車開始に先立ち、駐車料金の支払いを条件に、その支払い額に見合う長さの有効駐車時間の間、ユーザが前記駐車場に駐車することを許可するとともに、前記発券機のプリンタを制御することにより、前記有効駐車時間の開始時刻および終了時刻のうちの少なくとも一方と、その有効駐車時間の長さと、前記駐車料金の支払い額とのうちの少なくとも一方を表す暗号化前データであってユーザが解読できるものに一意に対応する暗号データであってユーザが解読できないものをユーザに発行する駐車許可工程と、
ユーザが、前記暗号データの発行後、前記有効駐車時間を延長するための延長リクエストと、前記暗号データとを入力すると、その入力された暗号データから前記暗号化前データを取得し、その取得された暗号化前データに基づき、追加駐車料金の支払いを条件に、前記有効駐車時間を延長することを許可する延長許可工程と
を含む駐車場用発券機制御方法。
(13) (1)ないし(11)項のいずれかに記載の駐車場用発券機を作動させるためにその駐車場用発券機のコンピュータによって実行されるプログラム。
(14) (13)項に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
(15) 前払い式の駐車場の予約・精算をオンラインで管理するために、複数のユーザのそれぞれの通信機器が通信ネットワークを介して接続される駐車場用管理サーバであって、
ユーザから、前記駐車場への駐車の許可を請求する駐車許可リクエストを受信すると、ユーザによる駐車料金の支払いを条件に、その支払い額に見合う長さの有効駐車時間の間、ユーザが前記駐車場に駐車することを許可することを表す駐車許可メッセージをユーザに送信し、前記有効駐車時間の開始時刻および終了時刻のうちの少なくとも一方と、その有効駐車時間の長さと、前記駐車料金の支払い額とのうちの少なくとも一方を表す暗号化前データであってユーザが解読できるものを、その暗号化前データに一意に対応する暗号データであってユーザが解読できないものに変換し、それら暗号化前データおよび暗号データをユーザに送信する駐車許可部と、
ユーザから、前記暗号データの発行後、前記有効駐車時間を延長するための延長リクエストと、前記暗号データとを受信すると、その受信した暗号データから前記暗号化前データを復元し、その復元された暗号化前データに基づき、追加駐車料金の支払いを条件に、前記有効駐車時間を延長することを許可することを表す延長許可メッセージをユーザに送信する延長許可部と
を含む駐車場用管理サーバ。
(16) さらに、
ユーザから、前記駐車場からの出庫の許可を請求する出庫許可リクエストと、前記暗号データと、前記駐車場に設置された表示器の画面に時々刻々変化するように表示された暗号化時刻であって現在時刻が暗号化されたものとを受信すると、前記受信した暗号データから最新の有効駐車時間の終了時刻を推定し、その推定された終了時刻が、前記受信した暗号化時刻により表される現在時刻より後ではない場合に、前記出庫を許可することを表す出庫許可メッセージをユーザに送信する出庫許可部を含む(13)項に記載の駐車場用管理サーバ。
(17) (15)または(16)項に記載の駐車場用管理サーバを作動させるためにコンピュータによって実行されるプログラム。
(18) (17)項に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
(19) ユーザごとの個別の時間的条件に従って時間制限付きのサービスをユーザに提供することを可能にする方法であって、
ユーザから、前記サービスの提供を請求するリクエストを受信すると、予め定められた許可条件が成立することを条件に、前記サービスをユーザに、そのユーザが指定した時間的条件に従って提供することを許可する許可工程と、
前記時間的条件を表す暗号化前データであってユーザによって解読不可能なものを、ユーザが解読不能な暗号データに変換する暗号化工程と、
その暗号データをユーザに発行する発行工程と、
前記暗号データが発行された後、その暗号データを、前記許可されたサービスに関連して処理されることをユーザが希望するイベントの指定と共に、ユーザが入力すると、その暗号データを受信する受信工程と、
その受信した暗号データを、前記暗号化テーブルに従い、前記暗号化前データに逆変換し、それにより、暗号解読を行う暗号解読工程と、
前記暗号化前データから前記時間的条件を推定し、その推定された時間的条件に基づき、前記指定されたイベントを処理するイベント処理工程と
を含む時間制限付きサービス提供方法。
(20) 前記暗号化工程は、前記暗号化前データを、他のユーザにも共通に使用される暗号化テーブルに従い、前記暗号データに変換し、
前記受信工程は、前記暗号データが発行された後、その暗号データを、前記許可されたサービスに関連して処理されることをユーザが希望するイベントの指定と共に、ユーザが入力すると、その暗号データをそのときの時刻に関連付けて受信し、
前記イベント処理工程は、前記暗号化前データから前記時間的条件を推定し、その推定された時間的条件と前記時刻との関係に基づき、前記指定されたイベントを処理する(19)項に記載の時間制限付きサービス提供方法。
(21) 前記サービスは、駐車場内の空きスペースをユーザに貸与する駐車スペース貸与サービスを含む(19)または(20)項に記載の時間制限付きサービス提供方法。
図1は、本発明の第1実施形態に従う発券機が設置された無人駐車場の一例を示す平面図である。 図2は、図1に示す発券機を示す正面図である。 図3は、図2に示す発券機を、扉が開いている状態で示す斜視図である。 図4は、図2に示す発券機の部品構成を示すブロック図である。 図5は、図4に示すコンピュータによって実行される発券・精算プログラムの一部を概念的に表すフローチャートである。 図6は、前記発券・精算プログラムの別の一部を概念的に表すフローチャートである。 図7は、前記発券・精算プログラムのさらに別の一部を概念的に表すフローチャートである。 図8は、前記発券・精算プログラムのさらに別の一部を概念的に表すフローチャートである。 図9(a)-(d)は、図2に示す表示器の画面上に表示される複数の画像を示す正面図である。 図10(a)は、図2に示す発券機により、前払い駐車料金の支払いに伴って発行される駐車券および領収書の一例を示す正面図であり、図10(b)は、図2に示す発券機により、事後延長リクエストに伴う追加駐車料金の支払いに伴って発行される領収書の一例を示す正面図であり、図10(c)は、図2に示す発券機により、事前延長リクエストに伴う追加駐車料金の支払いに伴って発行される駐車券および領収書の一例を示す正面図である。 図11(a)は、図10(a)に示す駐車券を、発行直後の状態で示す縦断面図であり、図11(b)は、その駐車券を、一部が剥がされて折り曲げられた状態で示す縦断面図である。 図12(a)は、図10(a)に示す駐車券を、駐車車両のフロントガラスの裏面に貼り付けられた状態で示す側面断面図であり、図12(b)は、その駐車券を、それの表示シートの一部がセパレータから剥がされて折り曲げられた状態で示す斜視図である。 図13は、図10(a)に示す駐車券が駐車車両のフロントガラスの裏面に貼り付けられている様子を示す斜視図である。 図14(a)-(c)は、図10(a)-(c)にそれぞれ示す領収書に印刷される暗号データの一例の構成、それに対応する暗号化前データ、および暗号化前データから暗号データへの変換工程を説明するための図である。 図15は、本発明の例示的な第2実施形態に従う発券機の部品構成を示すブロック図である。 図16(a)-(c)は、図15に示すメモリに保存されている不正駐車リストが更新される様子の一例を説明するための図である。 図17(a)-(b)は、図15に示すメモリに保存されている不正駐車リストが更新される様子の別の例を説明するための図である。 図18は、図15に示す不正駐車リスト更新部を作動させるためにコンピュータによって実行される不正駐車リスト更新プログラムの一例を概念的に表すフローチャートである。 図19は、本発明の例示的な第3実施形態に従う発券機の部品構成を示すブロック図である。 図20は、本発明の例示的な第4実施形態に従うオンライン駐車予約・精算システムであってユーザがオンラインで駐車予約および精算を行うために発券機と管理サーバとを有するものを概念的に表すブロック図である。 図21(a)-(d)は、図20に示す発券機の表示器の画面上に表示される複数の画像を示す正面図である。 図22は、図21(a)-(d)にそれぞれ示す暗号化時刻が現在時刻から変換されて生成される工程を説明するための図である。 図23は、図20に示すプロセッサによって実行される駐車許可プログラムを概念的に表すフローチャートである。 図24は、図20に示すプロセッサによって実行される不正駐車リスト更新プログラムを概念的に表すフローチャートである。 図25は、図20に示すプロセッサによって実行される事後延長許可プログラムを概念的に表すフローチャートである。 図26は、図20に示すプロセッサによって実行される事前延長許可プログラムを概念的に表すフローチャートである。 図27は、図20に示すプロセッサによって実行される満了予告プログラムを概念的に表すフローチャートである。 図28は、図20に示すプロセッサによって実行される出庫許可プログラムを概念的に表すフローチャートである。
以下、本発明のいくつかの例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
<本発明の第1実施形態>
図1には、前払い式の駐車場10の一例が平面図で示されている。この駐車場10に、本発明の例示的な第1実施形態に従う駐車場用発券機(以下、単に「発券機」という。)20が設置されて使用される。
駐車場10は、複数台の自動車の同時駐車を可能にする複数の駐車位置(駐車スペース)を有する。この駐車場10の唯一の入出庫口12(入庫口でもあるし出庫口でもある)の近傍位置に、1台の発券機(一般には、「精算機」ともいう。)20が、複数の駐車位置に共通に、集中発券機として設置されている。この駐車場10は、専従者がおらず、運転者であるユーザが駐車料金の支払いを発券機20に対して行う無人式である。
後に詳述するが、この発券機20は、暗号化および暗号解読を、駐車場10を管理する外部の管理センタに依存することなく、自ら行う自立型である。また、この発券機20は、自立型であることを一つの理由として、管理センタとの通信を行うための通信機能を有していない。
ただし、これに代えて、発券機20が、暗号化および暗号解読のうちの一方または双方を管理センタに依存する部分または完全依存型である態様で本発明を実施することが可能である。発券機20が、暗号化および暗号解読の双方を管理センタに依存する完全依存型である態様で本発明を実施する形態を後に第3実施形態として説明する。
なお、「車両」なる用語の定義について付言するに、この「発明を実施するための形態」の欄においては、「車両」なる用語は、自動車のみを意味するが、本明細書の他の箇所および特許請求の範囲の欄においては、「車両」なる用語は、自動車のみならず、自転車、自動二輪車等、あらゆる種類の移動体を包含する用語として解釈すべきである。
駐車場10の敷地には、2種類の駐車区画が存在する。それは、各車両のユーザに対し、1日単位で駐車スペースを貸し出すための区画(一時預り区画または日貸し用区画)と、各車両のユーザに対し、事前の契約を前提に、1月単位で駐車スペースを貸し出すための区画(月極用区画)とである。発券機20は、一時預り区画について使用される。以下、単に「駐車場10」というときには、この駐車場10のうち、一時預り区画、すなわち、発券機20が使用されるエリアのみを意味する。
駐車場10を利用するために、ユーザである運転者は、自身の車両を運転して、隣接道路から入出庫口12に進入し、引き続いて運転して発券機20を素通りし、さらに、自身の車両を、自身で選択したいずれかの駐車スペース(駐車位置)まで運転してそこに駐車する。その後、ユーザは、自身の車両から降りて、入出庫口12にある発券機20まで歩いていき、そこで駐車料金を発券機20に対して支払う。
駐車場10は、ユーザが、駐車料金を発券機20に対して支払うことを要求する直接精算方式を採用している。具体的には、本実施形態においては、ユーザは硬貨のみを発券機20に対して支払うことが可能であるが、他の貨幣で支払うことを可能としたり、代用貨幣、クーポン券、クレジットカード、プリペイドカード、電子マネーなどで支払うことを可能にしてもよい。これに代えて、駐車場10は、発券機20を介在させずにオンラインで、駐車場を管理する業者に支払うオンライン精算方式を採用し得る。
図2には、発券機20が正面図で示されており、図3には、発券機20を、扉24が開いている状態で斜視図で示されており、図4には、発券機20の部品構成がブロック図で示されている。図5ないし図8は、図4に示す制御基板34内のコンピュータ100によって実行される発券・精算プログラムが概念的にフローチャートで表されている。図9(a)-(d)には、図2に示す表示器36の画面上に表示される複数の画像が正面図で示されている。
ユーザは、駐車料金の支払いと引き換えに、図10(a)および図11に示す駐車券80を発券機20から受け取る。その後、ユーザは、その駐車券80を、図12および図13に示すように、自身の車両のフロントガラス110(これは、「窓ガラス」の一例であるが、その「窓ガラス」は、フロントガラス110に限定されない)の裏面に貼り付ける。その駐車券80は、駐車車両の室内に置かれるため、雨風に曝されることはないし、紛失することもない。
図1に示すように、駐車場10は、複数の駐車位置を有する前払い式の無人駐車場であって、車両の出庫を阻止する(駐車場10からの退出を阻止する)ための装置(例えば、出庫ゲート装置や、輪止め装置(例えば、フラップ式や、出没式))を有せず、かつ、ユーザが前記複数の駐車位置のうちのいずれかを自由に選んで自身の車両を駐車することが可能である(選択された駐車位置は、発券機20によって監視されない)。このように構成された駐車場10について発券機20が使用される。
ここで、発券機20をさらに具体的に説明する。この発券機20は、料金精算機能は有するが釣銭機能も通信機能も有しない。この発券機20は、ユーザが駐車料金を、紙幣ではなく硬貨のみで支払うことを要求する。また、この発券機20は、ユーザに対し、ユーザ識別番号の入力も、ユーザの車両についての車両識別情報(例えば、車両番号)の入力も、複数の駐車位置のうちユーザが選択するものの特定も、要求しない。
発券機20は、図2に示すように、金額確定ボタン70と、延長ボタン74とを有する。発券機20は、ユーザが、駐車開始に先立ち、前払い駐車料金を支払った後に金額確定ボタン70を押すと、駐車が許可されたことを示す駐車券80(図10(a)参照)と、前払い駐車料金の精算が済んだことを示す領収書81a(図10(a)参照)とを、2枚綴りで発行する発券機能を有する。
発券機20は、さらに、2種類の有効駐車時間延長機能を有する。
具体的には、第1の有効駐車時間延長機能によれば、ユーザは、出庫時、有効駐車時間が既に満了している場合には、延長ボタン74を押すと、今回の請求は事後延長リクエストであると自動的に認識され、追加駐車料金の支払を条件に、その精算が済んだこと(実質的には、有効駐車時間の満了後に、その延長が許可されたことを意味する)を示す領収書81b(図10(b)参照)が発行される。
これに対し、第2有効駐車時間延長機能によれば、ユーザは、駐車開始後であって駐車終了前に(ただし、有効駐車時間の満了前であり、例えば、駐車開始日と同日であっても、最初の領収書81aの発行直後であってもよい)、延長ボタン74を押すと、今回の請求は事前延長リクエストであると自動的に認識され、追加駐車料金を支払いを条件に、有効駐車時間の延長が許可されたこと(実質的には、有効駐車時間の満了前に、その延長が許可されたことを意味する)を示す駐車券80c(図10(c)参照)と、前払い駐車料金の追加分の精算が済んだことを示す領収書81c(図10(c)参照)とが2枚綴りで発行される。
本実施形態においては、領収書81aおよび81cが、それぞれ、「前払い用領収書」の一例を構成し、また、領収書(以下、「精算領収書」ともいう。)81bが、「後払い用領収書」の一例を構成している。
本実施形態においては、前払い駐車料金の支払いに伴って発行される2枚綴りの駐車票(すなわち、本実施形態においては、通常の駐車票と、事前延長リクエストに伴って発行される駐車票との2種類)は、駐車券80,80cと領収書81a,81cの2枚綴りであるが、ユーザは、それら駐車券80,80cと領収書81a,81cを互いに分離し、駐車券80,80cのみ、駐車車両内に置いておき、領収書81a,81cは、携帯することが可能である。領収書81a,81cには、後述のように、有効駐車時間(ユーザによる駐車が許可された時間帯)の終了時刻が印刷されており、ユーザが、駐車車両から離れた場所においていつでも有効駐車時間の終了時刻を参照できるようにするために、この領収書81a,81cをユーザが携帯することが便利である。
図3に示すように、この発券機20は、縦長で箱状を成すケーシング22に扉24がそれの一側辺において開閉可能に取り付けられて構成されている。図3には、この発券機20の内部構成が、扉24が開いている状態で、斜視図で示されている。図4には、この発券機20の部品構成がブロック図で示されている。
図3に示すように、この発券機20は、硬貨処理ユニット30と、金庫32と、制御基板34と、表示器36と、キー入力部(例えば、「0」から「9」までの数字をそれぞれ入力するために操作される10個のキー、すなわち、いわゆるテンキー)38と、駐車券80,80cおよび領収書81a,81b,81cを印刷して発行するプリンタ40とを有するように構成されている。それら部品のうち、硬貨処理ユニット30のみが、扉24の背面に取り付けられ、残りの部品は、ケーシング22の内部に取り付けられている。
図3に示すように、プリンタ40には、印刷前の連続シートが巻き付けられて収容されるローラ42が装着されている。プリンタ40は、そのローラ42から1枚分の長さずつ送り込まれる連続シートに対して印刷を行う。プリンタ40は、その印刷終了後、連続シートを随時、カッタ(図示しない)によってカットしてその連続シートから、前払い駐車料金の支払い後には駐車券80,80cと領収書81a,81cとの2枚綴りを切り離す一方、事後延長に伴う追加駐車料金の支払い後には1枚分の領収書81bを切り離す。ただし、2枚綴りである駐車券80,80cと領収書81a,81cとの間に、図10(a)および(c)に示すように、切取り線89が形成されており、ユーザは、その切取り線89に沿って、それら駐車券80,80cと領収書81a,81cを簡単に互いに切り離すことが可能である。
前記カッタは、切刃(図示しない)を有し、その切刃を連続シートの幅方向に移動させて連続シートを幅方向に切断する。また、前記カッタは、連続シートを幅方向に完全に切断する方式を採用したり、幅方向における一部のみ残して連続シートを幅方向に切断する方式を採用することが可能である。
図2および図4に示すように、硬貨処理ユニット30は、硬貨投入口50と、返却レバー52と、硬貨セレクタ(投入された硬貨の種類の判別と、投入された硬貨が偽造硬貨でないか否かの判別とを行う)54と、硬貨返却口56とを有する。投入された硬貨のうち、硬貨返却口56からユーザに返却されなかったものは、金庫32に収容される。図4に示すように、硬貨セレクタ54に制御基板34がデータ通信可能に接続されており、その制御基板34は、硬貨セレクタ54から、投入された硬貨の種類(硬貨の単位と、偽造硬貨であるか否かの情報とを含む)と枚数を表す信号を受信する。
図2に示すように、扉24の前面には、表示器36(例えば、液晶ディスプレイ)の画面からの表示光が透過する透過窓60と、硬貨投入口50、返却レバー52および硬貨返却口56と、プリンタ40によって印刷されて排出される駐車券80,80cおよび領収書81a,81b,81cを排出するための排出口64とが配置されている。透過窓60は、外部から表示器36への直接アクセスを阻止することによって表示器36を機械的に保護する機能も有する。
発券機20は、さらに、ユーザが駐車料金を支払った後に押される前述の金額確定ボタン70と、ユーザが事前延長リクエストまたは事後延長リクエストを行うために押される前述の延長ボタン74とを有するように構成されている。それら金額確定ボタン70および延長ボタン74は、図2に示すように、発券機20の扉24の前面に装着されている。それら金額確定ボタン70および延長ボタン74は、図4に示すように、制御基板34に電気的に接続されている。
それら金額確定ボタン70および延長ボタン74は、いずれも、実在する物理的なスイッチとして構成されているが、これに限定されず、例えば、表示器36の画面上に表示される仮想的なスイッチ(例えば、ボタン、キー、アイコン)として構成してもよい。
制御基板34は、コンピュータ100を主体として構成されている。この制御基板34は、時計102を内蔵しており、常に現在日時(例えば、金額確定ボタン70が押された日時、延長ボタン74が押された日時)を取得可能となっている。この制御基板34は、さらに、メモリ104を内蔵している。そのメモリ104には、後述の暗号化テーブルが、権限を有する者のみが書き換え可能である状態で保存されている。
図4に示すように、コンピュータ100は、後に詳述するように、駐車許可部200と、暗号化部202と、暗号解読部204と、延長許可部206と、プリンタ40の動作を制御するプリンタ制御部208とを備えている。延長許可部206は、判別部300と、事前延長リクエスト処理部302と、事後延長リクエスト処理部304とを備えている。
なお付言するに、制御基板34は、コンピュータ100と同じ機能をシーケンサ(シーケンス制御)によって実現する形式とすることが可能である。
図5ないし図8に示す発券・精算プログラムがコンピュータ100によって実行されると、まず、ステップS1において、図9(a)に示す初期画面が表示器36の画面上に表示される。次に、ステップS2において、ユーザにより、延長ボタン74が操作されたか否かが判定される。延長ボタン74が操作されない場合には、その後、ステップS3において、ユーザによる硬貨の投入が行われる。
硬貨の投入があると、ステップS4において、それまでにユーザが投入した硬貨の合計金額が、硬貨セレクタ54からの信号に基づき、投入金額として計算される。続いて、ステップS5において、その計算された投入金額から、その投入金額に見合った駐車時間が有効駐車時間として計算される。
投入金額と有効駐車時間の長さとの関係、すなわち、時間単位の料金設定は、コンピュータ100にとって既知であるから、コンピュータ100は、その料金設定に従い、投入金額から有効駐車時間の長さを計算することができる。料金設定については、例えば、駐車場管理者が、表示器36のタッチパネルを操作することにより、各時間単位で個別に入力することが可能である。
上記料金設定の一例によれば、連続駐車時間が2時間までは300円、4時間までは400円であり、6時間までは500円、12時間までは1000円、24時間までは1500円である。この例の料金設定のもとでは、例えば、図10(a)に示すように、駐車開始日時が2月13日13:20である場合に、ユーザが400円を前払い駐車料金として支払うと、コンピュータ100は、4時間を有効駐車時間とし、かつ、それの終了日時を2月13日17:20として計算することになる。これに代えて、ユーザが300円を追加駐車料金として支払うと、コンピュータ100は、2時間を延長駐車時間として計算することになる。
その後、ステップS6において、図9(b)に示す硬貨投入中画面が表示器36の画面上に表示される。このとき、前記計算された投入金額および駐車時間(有効駐車時間)の長さが表示される。
続いて、ステップS7において、金額確定ボタン70が押されたか否かが判定される。金額確定ボタン70が未だ押されていない場合には、ステップS3に戻るが、金額確定ボタン70が押されると、ステップS8に移行する。
硬貨投入開始後、金額確定ボタン70が押されるまで、ステップS3ないしS8の実行が反復される。その結果、ユーザが硬貨を硬貨投入口50に投入するごとに、投入開始時から現時点までにユーザが投入した硬貨の合計金額を投入金額として計算することと、その計算された投入金額から、その投入金額に見合った有効駐車時間を計算することと、前記計算された投入金額および有効駐車時間を表示器36の画面上に表示することとが行われる。
金額確定ボタン70が押されると、ステップS8において、時計102を用いることにより、現在時刻が計測される。続いて、ステップS9において、現在時刻に、今回許可された有効駐車時間の長さを加算することにより、今回の有効駐車時間の終了時刻が計算される。その後、ステップS10において、図9(c)に示す駐車券/領収書発行画面が表示器36の画面上に表示される。このとき、ユーザによる金額確定ボタン70の操作によって確定された駐車料金の額が、前払い駐車料金の額として表示される。
続いて、ステップS11において、ユーザが駐車場10に入庫した入庫時刻(本実施形態においては、正確には、ステップS8において計測された現在時刻)および前記有効駐車時間の長さ(またはユーザが支払った前払い駐車料金の額など)を表す暗号化前データであってユーザが視認できるうえに直接的に解読可能であるものが、前記暗号化テーブルを参照することにより、ユーザが解読することはできない暗号データ(本実施形態においては、複数の数字の列)130に変換される。このステップS11においては、暗号化が行われるのであり、本実施形態においては、暗号データ130が外部機器に依存することなく取得される。このステップS11においては、その取得された暗号データ130が、必要に応じ、その後の利用に備えてメモリ104に保存される。
本実施形態においては、暗号データ130が、図14(a)に示すように、一列に並んだ9桁(それより多い桁数としても、それより少ない桁数としてもよい。)の記号で定義されている。各桁の記号は、例えば、「0」から「9」までの10個の数字のうちのいずれかとして選択される。それら複数桁の記号は、複数のグループに分割されて領収書81a上に印刷され、隣接するグループ同士がハイフンでつながれており、これにより、複数桁の記号の間に視覚的な区切りが追加されているが、このようにすることは本発明を実施するうえにおいて不可欠なことではない。
暗号化前データの一般的な構成の一例(暗号化前データの桁数削減のため、西暦の表記を省略した)は、図14(b)に示すように、「MM月DD日のhh時mm分に入庫し、有効駐車時間の長さは、TT時間である。」というデータである。この暗号化前データは、図14(c)に示すように、月を表す数字MMと、日を表す数字DDと、時刻のうちの時間を表す数字hhと、時刻のうちの分を表す数字mmと、駐車時間(該当する領収書が前払い用である場合には、有効駐車時間を意味する一方、該当する領収書が事後延長リクエストに伴う追加駐車料金用領収書である場合には、延長駐車時間を意味する)の長さを表す数字TTという、5つの要素を有している。
前記暗号化テーブルは、図14(c)に示すように、月を表す数字MMを暗号化するために参照される月単位暗号化テーブルと、日を表す数字DDを暗号化するために参照される日単位暗号化テーブルと、時刻のうちの時間を表す数字hhを暗号化するために参照される時間単位暗号化テーブルと、時刻のうちの分を表す数字mmを暗号化するために参照される分単位暗号化テーブルと、駐車時間の長さを表す数字TTを暗号化するために参照される時間用暗号化テーブルとを有する。上述の5つの要素は、それぞれ、対応する暗号化テーブルを参照することにより、暗号化され、それにより、9桁の暗号データ130が作成される。
本実施形態においては、暗号化テーブルが、毎日、更新されるが、24時間より長い期間が経過するごとに更新する方式(同じ期間内においては、暗号化テーブルは更新されない)を採用したり、24時間より長い期間を1周期として、同じ周期内においては、毎日、暗号化テーブルを更新する方式(ある周期内の期間と、別の周期内の期間との間では、暗号化テーブルが日々更新されるパターンが共通する)を採用することが可能である。
一例においては、メモリ104において、暗号化テーブルが毎日更新される場合に、一月分の暗号化テーブルである暗号化テーブルセットが一月ごとに更新される。この場合、暗号化テーブルセットは、例えば、毎月、管理者が駐車場10に出向くごとに、管理者によって更新される。
また、同じ暗号化テーブルセットによって定義される複数の暗号化前データと複数の暗号データ130との関係は、1対1の関係であるため、1つの暗号化前データから1つの暗号データ130が発生し、同様に、1つの暗号データ130から1つの暗号化前データが発生する。このように、暗号化前データと暗号データ130との関係は、可逆的なのである。同じ暗号化前データが複数の車両または複数の駐車というイベントに共通に発生することも、同じ暗号データ130が複数の車両または複数の駐車というイベントに共通に発生することもない。
また、一例においては、前述の5つの要素MM,DD,hh,mmおよびTTのそれぞれにつき、暗号化テーブルにおける暗号化前データと暗号データとの関係、すなわち、暗号化前の数字(例えば、「2月」を表す「2」)と暗号化後の符号との間の対応関係が、暗号化前の各数字ごとに乱数を発生させ、その乱数を暗号化後の符号として採用することにより、生成される。
図5に示すステップS11において暗号化が終了すると、ステップS12において、駐車券80および領収書81aがプリンタ40によって印刷されて発行される。領収書81aには、図10(a)に示すように、駐車料金の支払いまたは駐車時間に関する日時と金額と駐車時間の長さとのうちの少なくとも一つに関する同じ情報が、ユーザが解読できる暗号化前データと、ユーザが解読できない暗号データ130との双方として印刷されるのである。以上で、この発券・精算プログラムの今回の実行が終了する。
具体的には、図10(a)に示すように、駐車券80には、ユーザが支払った前払い駐車料金の額に見合った有効駐車時間の終了時刻と、駐車場10の場所を特定するための表示とが印刷される。
これに対し、領収書81aには、入庫時刻と、ユーザが支払った前払い駐車料金の額と、前記有効駐車時間の終了時刻と、駐車場10の場所を特定するための表示とが印刷される。領収書81aには、さらに、「111-222-333」で例示された暗号データ130も併せて印刷される。
この暗号データ130は、図14(b)に文章化して示すように、前記入庫時刻(これは、前払い駐車料金を支払った時刻とも、駐車時間の開始時刻とも、駐車券80および領収書81aが発券された時刻とも等価である。)と前記有効駐車時間の長さ(これは、支払った前払い駐車料金の額と等価である。)とを表す暗号化前データが暗号化されたものである。
これに対し、延長ボタン74が押されると、ステップS2の判定がYESとなり、図6に示すステップS21において、ユーザ向けガイダンスを掲載した延長リクエスト用画面(図示しない)が表示器36の画面上に表示される。
続いて、ステップS22において、ユーザは、キー入力部38を介して、自身に対して発行された領収書81aに印刷されている暗号データ130を入力する。この時点で、既に前記事前延長リクエストが少なくとも一回行われているために少なくとも1枚の領収書81cも同じユーザに発行されている可能性があり、この場合には、そのユーザは、発行されている複数の暗号データのうち最後に発行されたもののみを発券機20に入力する。このステップS22においては、その入力された暗号データ130が、必要に応じ、その後の利用に備えてメモリ104に保存される。
本実施形態においては、領収書81aに印刷された暗号データ130を発券機20に入力するデバイスとして、キー入力部38が用いられるが、これに代わるか、またはこれに追加して、暗号データ130を自動的に機械的に読み取るリーダを発券機20に追加することが可能である。
その後、ステップS23において、前記暗号化テーブルを参照することにより、入力された暗号データ130が前記暗号化前データに逆変換される。暗号解読が行われるのであり、本実施形態においては、暗号化前データが外部機器に依存することなく取得される。
続いて、ステップS24において、時計102を用いることにより、現在時刻が計測される。その後、ステップS25において、前記取得された暗号化前データから、ユーザに許可されていた今回の有効駐車時間の開始時刻、終了時刻および長さが推定される。続いて、ステップS26において、現在時刻が、図6に示すステップS25において推定された有効駐車時間の終了時刻より遅いか否か、すなわち、現在時刻が有効駐車時間の経過後であるか否かが判定される。
現在時刻が有効駐車時間の経過後である場合には、ステップS27において、ユーザの今回の延長リクエストが事後延長リクエストに該当すると判定される。これに対し、現在時刻が有効駐車時間の経過前である場合には、ステップS28において、ユーザの今回の延長リクエストが事前延長リクエストに該当すると判定される。
今回の延長リクエストが事後延長リクエストに該当する場合には、続いて、図7に示すステップS31において、時計102を用いることにより、現在時刻が計測される。その後、ステップS32において、現在時刻から、図6に示すステップS25において推定された有効駐車時間の終了時刻を引き算することにより、延長駐車時間の長さが計算される。続いて、ステップS33において、前記料金設定に従い、その計算された延長駐車時間の長さに見合う追加駐車料金の額が計算される。
それらステップS31ないしS33を図10(b)に示す例を参照して具体的に説明するに、ステップS31おいて、現在時刻が18:50として計測される。続いて、ステップS32において、コンピュータ100が、ステップS25において推定された延長前の有効駐車時間の終了時刻が、図10(a)に示すように、17:20であることを取得し、さらに、追加駐車時間を、1時間30分として計算する。その後、ステップS33において、コンピュータ100は、前記料金設定に従い、複数の候補時間のうち、1時間30分より長くかつ最も近いものとして、2時間を選択し、それに対応する駐車料金である300円を、今回の追加駐車料金として計算する。
このように、本実施形態においては、ユーザが事後延長リクエストを指令すると、支払われた追加駐車料金の額と有効駐車時間の延長長さとの間の関係が、入庫時に支払われた前払い駐車料金の額と有効駐車時間の長さとの間の関係と共通に設定される場合に、入庫時に支払われた前払い駐車料金の額、すなわち、延長前の有効駐車時間の長さを考慮することなく、支払われた追加駐車料金の額に見合う時間分、延長前の有効駐車時間が延長される。すなわち、追加駐車料金の計算方式として独立課金方式が採用されるのである。
これに代えて、ユーザが事後延長リクエストを指令すると、入庫時に支払われた前払い駐車料金の額と有効駐車時間の長さとの間の関係に従い、入庫時から出庫時までの時間である実駐車時間の長さに応じて全駐車料金の額が計算され、その全駐車料金の額から、入庫時に支払われた前払い駐車料金の額を引き算することにより、出庫時に支払うべき追加駐車料金の額が計算される態様(すなわち、差額課金方式)で本発明を実施することが可能である。
その後、ステップS34において、図9(d)に示す精算領収書発行画面が表示器36の画面上に表示される。
続いて、ステップS35ないしS37が、図5に示すステップS3、S4およびS6と同様にして実行される。その後、ステップS38において、投入金額の合計額が、前記計算された追加駐車料金の額と一致するか否かが判定される。一致しない場合には、ステップS35に戻るが、一致した場合には、ステップS39において、図5に示すステップS11と同様にして、現在時刻と前記延長駐車時間の長さ(これは、支払った追加駐車料金の額と等価である。)とを表す暗号化前データが、前記暗号化テーブルを参照することにより、暗号データ140に変換される。このステップS39においては、その取得された暗号データ140が、必要に応じ、その後の利用に備えてメモリ104に保存される。
その後、ステップS40において、領収書81bがプリンタ40によって印刷されて発行される。領収書81bには、図10(b)に示すように、駐車料金の支払いまたは駐車時間に関する日時と金額と駐車時間の長さとのうちの少なくとも一つに関する同じ情報が、ユーザが解読できる暗号化前データと、ユーザが解読できない暗号データ140との双方として印刷されるのである。以上で、この発券・精算プログラムの今回の実行が終了する。
具体的には、図10(b)に示すように、領収書81bには、領収書81bが発券された日時(本実施形態においては、正確には、ステップS31において計測された現在時刻)と、前記追加駐車料金の額と、駐車場10の場所を特定するための表示とが印刷される。
さらに、領収書81bには、「123-456-789」で例示された暗号データ140も併せて印刷される。この暗号データ140は、領収書81bが発券された日時と前記延長駐車時間の長さとを表す暗号化前データが暗号化されたものである。
これに対し、今回の延長リクエストが事前延長リクエストに該当する場合には、続いて、図8に示すステップS51およびS52が、図5に示すステップS3およびS4と同様にして実行される。その後、ステップS53において、ステップS52において計算された投入金額から、その投入金額に応じて現在の有効駐車時間を延長した場合の終了時刻が計算される。投入金額と延長後の有効駐車時間の長さとの関係も、前記料金設定に従う。
このステップS53を図10(a)に示す例を参照して具体的に説明するに、このステップS53においては、まず、コンピュータ100が、ステップS25において推定された延長前の有効駐車時間の長さから、ユーザが入庫時に支払った前払い駐車料金の額を400円として計算する。次に、コンピュータ100は、現時点で支払われている追加駐車料金の額が100円であると仮定されることから、前払い駐車料金と追加駐車料金との合計値を500円として計算する。
続いて、今回は、500円が前払い駐車料金として入庫時に一度に支払われた場合と同じであると仮定されたうえで、コンピュータ100は、前記料金設定によれば、500円に見合う6時間を、延長後の有効駐車時間の長さとして計算する。一方、今回の例においては、駐車開始時刻が2月13日13:20であるから、コンピュータ100は、延長後の有効駐車時間の終了時刻を2月13日19:20として計算する。
その後、ステップS54において、図9(b)に示す硬貨投入中画面が表示器36の画面上に表示される。このとき、前記計算された投入金額および駐車時間(延長後の有効駐車時間)の長さが表示される。
続いて、ステップS55において、金額確定ボタン70が押されたか否かが判定される。金額確定ボタン70が未だ押されていない場合には、ステップS51に戻るが、金額確定ボタン70が押されると、ステップS56に移行する。硬貨投入開始後、金額確定ボタン70が押されるまで、ステップS51ないしS55の実行が反復される。
金額確定ボタン70が押されると、ステップS56において、投入金額の合計値に応じて現在の有効駐車時間を延長した場合の終了時刻が計算される。
このステップS56を図10(c)に示す例を参照して具体的に説明するに、このステップS56においては、まず、コンピュータ100が、ステップS25において推定された延長前の有効駐車時間の長さから、ユーザが入庫時に支払った前払い駐車料金の額を400円として計算する。次に、コンピュータ100は、現時点で支払われている追加駐車料金の額が1100円であると仮定されることから、前払い駐車料金と追加駐車料金との合計値を1500円として計算する。
続いて、今回は、1500円が前払い駐車料金として入庫時に一度に支払われた場合と同じであると仮定されたうえで、コンピュータ100は、前記料金設定によれば、1500円に見合う24時間を、延長後の有効駐車時間の長さとして計算する。一方、今回の例においては、駐車開始時刻が2月13日13:20であるから、コンピュータ100は、延長後の有効駐車時間の終了時刻を2月14日13:20として計算する。
このように、本実施形態においては、ユーザが事前延長リクエストを指令するとともに追加駐車料金を支払うと、その追加駐車料金と、入庫時に支払われた前払い駐車料金との合計値に見合う長さが、延長後の有効駐車時間の長さとして計算される。そして、その追加駐車料金の額は、入庫時に支払われた前払い駐車料金と、延長後の有効駐車時間の長さに見合う前払い駐車料金との差額として計算される。すなわち、追加駐車料金の計算方式として差額課金方式が採用されるのである。
これに対し、支払われた追加駐車料金の額と有効駐車時間の延長長さとの間の関係が、入庫時に支払われた追加駐車料金の額と有効駐車時間の長さとの間の関係とは独立して設定される場合に、入庫時に支払われた前払い駐車料金の額、すなわち、延長前の有効駐車時間の長さを考慮することなく、支払われた追加駐車料金の額に見合う時間分、延長前の有効駐車時間が延長される態様(すなわち、独立課金方式)で本発明を実施することが可能である。
その後、ステップS57において、図9(c)に示す駐車券/領収書発行画面が表示器36の画面上に表示される。このとき、ユーザによる金額確定ボタン70の操作によって確定された駐車料金の額が、事前延長のための前払い駐車料金の額として表示される。
続いて、ステップS58において、ユーザが駐車場10に入庫した入庫時刻(本実施形態においては、図6に示すステップS25において推定された、延長前の有効駐車時間の開始時刻)および延長後の有効駐車時間の終了時刻(またはユーザが事前延長のために支払った前払い駐車料金の額など)を表す暗号化前データであってユーザが視認できるうえに直接的に解読可能であるものが、前記暗号化テーブルを参照することにより、ユーザが解読することはできない暗号データ150に変換される。
このステップS58においては、図5に示すステップS11と同様にして、暗号化が行われるのであり、本実施形態においては、暗号データ150が外部機器に依存することなく取得される。このステップS58においては、その取得された暗号データ150が、必要に応じ、その後の利用に備えてメモリ104に保存される。
図8に示すステップS58において暗号化が終了すると、ステップS59において、駐車券80cおよび領収書81cがプリンタ40によって印刷されて発行される。領収書81cには、図10(c)に示すように、駐車料金の支払いまたは駐車時間に関する日時と金額と駐車時間の長さとのうちの少なくとも一つに関する同じ情報が、ユーザが解読できる暗号化前データと、ユーザが解読できない暗号データ150との双方として印刷されるのである。以上で、この発券・精算プログラムの今回の実行が終了する。
具体的には、図10(c)に示すように、駐車券80cには、事前延長のためにユーザが支払った前払い駐車料金の額に見合った延長後の有効駐車時間の終了時刻と、駐車場10の場所を特定するための表示とが印刷される。図10(c)に示す例においては、ユーザは、事前延長リクエストに伴って1100円を追加駐車料金として支払い、図10(a)に示すように、初回の前払い駐車料金の支払い額である400円と合計すると、前払い駐車料金の合計額は1500円となる。これは、前記料金設定に従えば、ちょうど1日(24時間)分の駐車料金の額となる。
これに対し、図10(c)に示すように、領収書81cには、入庫時刻と、事前延長のためにユーザが支払った前払い駐車料金の額と、延長後の有効駐車時間の終了時刻と、駐車場10の場所を特定するための表示とが印刷される。領収書81cには、さらに、「444-555-666」で例示された暗号データ150も併せて印刷される。
この暗号データ150は、図14(b)に文章化して示すように、前記入庫時刻と延長後の有効駐車時間の長さ(これは、初回に支払った前払い駐車料金の額と、2回目に支払った前払い駐車料金の額との合計値と等価である。)とを表す暗号化前データが暗号化されたものである。
なお付言するに、事前延長に伴って領収書80cが発行された場合には、最初に発行された領収書80aに代えて、領収書80cのみ、駐車場10に駐車されている車両の室内に残されれば足りる。
また、図10(c)に示す例は、図10(a)に示す駐車票の発行後に、事前延長が1回のみ行われる例であるが、事前延長は、2回以上、行うことが可能である。
図10(a)には、駐車券80および領収書81aの2枚綴りが正面図で示され、また、図10(b)には、領収書81bが正面図で示され、また、図10(c)には、駐車券80cおよび領収書81cの2枚綴りが、図10(a)に示す2枚綴りと共通するサイズおよび構成を有するように、正面図で示されている。
駐車券80,80cおよび領収書81a,81cの2枚綴りは、駐車券80の2枚分に相当し、その2枚綴りにおいては、駐車券80,80cと領収書81a,81cとは、サイズも構成も、互いに共通する。また、領収書81bは、駐車券80,80cの1枚分に相当し、駐車券80,80cに対し、サイズも構成も共通する。以下、説明を簡単にするために、駐車券80の構成のみを代表的に説明する。
駐車券80は、表層としての表示シート(印刷用紙)82と、中間層としての粘着層83(糊の層)と、裏層としてのセパレータ(分離シート、剥離紙)84とがそれらの順に積層されて構成されている。粘着層83は、表示シート82の裏面に、容易には剥離しないように、塗布されており、表示シート82をセパレータ84の表面から剥がした状態では、粘着層83の糊は、セパレータ84の表面には付着しない。
図10(a)に示すように、1枚分の駐車券80においては、表示シート82の外周が、セパレータ84の外周より内側に位置するようになっている。ローラ42に巻き付けられる原反は、連続したセパレータ84に、隙間を隔てて一列に並んだ複数枚の表示シート82(空白の状態)が接着されて構成されている。
プリンタ40における連続シート(連続したセパレータ84)は、前記カッタにより切断され、その切断は、表示シート82間の隙間の位置において行われ、表示シート82に対する切断は行われない。一方、セパレータ84のうち、表示シート82間の隙間において露出する部分の表面には糊が付着していない。
したがって、本実施形態によれば、連続シートの切断時に、前記切刃に粘着層83の糊が付着せずに済み、一日に1回または数回、現場に派遣される管理者(例えば、サービス担当者、複数の駐車場を巡回して作業する作業者、見回りの監視員)による前記カッタのメンテナンスの頻度が減少し、ひいては、管理者にかかる人件費が低減される。
ただし、本実施形態においては、領収書81bについては、前記カッタにより、セパレータ84が1枚分の長さで完全に切断されるのに対し、前記2枚綴りについては、セパレータ84が2枚分の長さで完全に切断される。ただし、前述のように、前記2枚綴りについては、図10(a)に示すように、前記カッタにより、セパレータ84が、駐車券80と領収書81aとの間において、部分的に切断され、それにより、切取り線89が形成される。
図10(a)に示すように、駐車券80の表示シート82には、さらに、「駐車券」という文字列のすぐ上方に、両端を有する(閉じていない)切断線90が存在する。その切断線90は、ユーザが、表示シート82のうちの一部を、残りの部分はセパレータ84に接着されたままで、セパレータ84から剥がすことを可能にするために存在する。図11(b)に示すように、ユーザが、表示シート82の一部(切断線90によって包囲される領域)をセパレータ84から剥がして、切断線90の両端をつなぐ直線に沿って折り曲げると、その結果形成される折曲げ部92の表面(粘着層83のうち、その折曲げ部92の裏面に塗布されている部分)が、糊面として露出する。図12(a)には、その折曲げ部92が斜視図で示されている。
本実施形態においては、ユーザによる駐車が不正駐車ではないことを証明するために、ユーザは、硬貨投入と引き換えに受領した駐車券80を、図12(b)に示すように、駐車車両のフロントガラス110の裏面に貼付することを要求される。そのため、ユーザは、図12(a)に示すように、駐車券80のうちの指定箇所(切断線90によって包囲された領域であって、最終的に折曲げ部92となる部分)を局部的に剥がして折り曲げたうえで、その折曲げ部92の表面を、図12(b)に示すように、駐車車両のフロントガラス110の裏面に貼付する。これにより、図13に示すように、駐車券80の内容(特に、ユーザに対して許可された駐車時間帯の終了時刻を特定するための情報と、この駐車券80が有効である駐車場10の場所を特定するための表示)を、外部からいつでも目視することが可能となる。
駐車場10におけるある車両の実駐車時間の長さが、その車両の入庫時に許可された有効駐車時間の長さを超過するタイムオーバーが発生すると、その時点から、その車両は不正駐車を開始することになる。管理センタから駐車場10に派遣された作業員は、その駐車場10に駐車されている各車両の外側から、各車両内に残された領収書80aまたは80cの記載事項を目視することにより、各車両が不正駐車車両であるか否かを判断する。その作業者は、ある車両が不正駐車車両であると判断すると、そのことをその不正駐車車両の所有者であるユーザに告知するために、作業員はその不正駐車車両に張り紙する。
実駐車時間が有効駐車時間を超過する不正駐車を行ったユーザは、その超過時間分の追加駐車料金を追納すべく、発券機20に対して前述の事後延長リクエストを行う。必要な追加駐車料金が発券機20に対して追納されれば、その追納を証する領収書81bがユーザに対して発行される。ユーザは、その追納があった時点で、今回の不正駐車はその当初に遡って消滅するように取り扱われるはずである。しかし、特別な措置を講じないと、管理センタ側は、必要な追加駐車料金が追納された事実を知ることができない。
そのことを可能にするための対策として、例えば、ユーザが、不正駐車が理由で張り紙された車両を、その張り紙が行われた日以後に最初に駐車場10に駐車する場合には、ユーザに、上述の事後延長リクエストに伴って発行された領収書81bを、その車両の室内に、作業者が目視可能な状態で残しておくことを要求するという対策を講じることが望ましい。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、説明の便宜上、コンピュータ100のうち、図5に示すステップS3ないしS10を実行する部分が、図4に示す駐車許可部200を構成すると考えることが可能である。また、コンピュータ100のうち、図5に示すステップS11、図7に示すステップS39および図8に示すステップS58を実行する部分が、暗号化部202を構成すると考えることが可能である。また、コンピュータ100のうち、図6に示すステップS23を実行する部分が、暗号解読部204を構成すると考えることが可能である。また、コンピュータ100のうち、図6に示すステップS21、S22、S24ないしS28、図7に示すステップS31ないしS38および図8に示すステップS51ないしS57を実行する部分が、延長許可部206を構成していると考えることが可能である。また、コンピュータ100のうち、図5に示すステップS12、図7に示すステップS40および図8に示すステップS59が、プリンタ制御部208を構成していると考えることが可能である。
また、延長許可部206のうち、図6に示すステップS21、S22、S24ないしS28を実行する部分が、図4に示す判別部300を構成していると考えることが可能である。また、延長許可部206のうち、図7に示すステップS31ないしS38を実行する部分が、事前延長リクエスト処理部302を構成していると考えることが可能である。また、延長許可部206のうち、図8に示すステップS51ないしS57を実行する部分が、事後延長リクエスト処理部304を構成していると考えることが可能である。
また、領収書81a,81bおよび81cがいずれも、「駐車票」の一例を構成していると考えることが可能である。
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、ユーザに、遠隔地にある管理センタへの暗号データ130,140,150の送信を要求することなく、しかも、それにもかかわらず、ユーザが発券機20に対して不正な入力を行うことを暗号データ130,140,150によって阻止しつつ、ユーザが発券機20を操作することにより、その発券機20によってユーザに許可された有効駐車時間を延長することが可能となる。よって、発券機20の使い勝手が向上する。
ところで、発券機20は、ユーザの延長リクエスト(事後延長リクエストおよび事前延長リクエストを含む。)に応答し、そのユーザに対して先行して発行された駐車票に記載された情報(例えば、有効駐車時間の終了時刻)を参照することが必要となる。なぜなら、ユーザによって新たに支払われる追加駐車料金の額に見合う時間分、もとの有効駐車時間を正確に延長するため、すなわち、追加駐車料金の支払い額に見合う延長駐車時間の長さを正確に計算するため、その計算の起算点となるもとの有効駐車時間の終了時刻を参照することが必要であるからである。
しかし、発券機20は、ユーザに対して先行して発行された駐車票に記載された情報(以下、「駐車関連情報」という。)を、例えば、ユーザの識別情報に関連付けてメモリ104に保存することが不要である。なぜなら、その駐車関連情報は、暗号データ130,140,150に対応し、また、その暗号データ130,140,150は、ユーザから入力してもらうことが可能であり、また、発券機20は、その暗号データ130,140,150さえ判明すれば、必要な駐車関連情報を再現できるからである。
よって、本実施形態によれば、発券機20のメモリ104に対する依存をできる限り軽減しつつ、過去の駐車関連情報を基礎として、追加駐車料金の支払い額に見合う延長駐車時間の長さを正確に計算することが可能となる。
<本発明の第2実施形態>
次に、本発明の例示的な第2実施形態に従う発券機320を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態と共通する要素が多いため、共通する要素については、同一の符号または名称を付して引用することにより、重複した説明を省略し、異なる要素についてのみ、詳細に説明する。
図15に示すように、発券機320は、図1に示す前払い駐車場10に設置される。この発券機320は、前述の第1実施形態に従う発券機20と同様に、暗号化および暗号解読の双方を外部機器に依存しない自立型であり、基本的な構成を共通にするが、不正駐車リスト更新部330を追加されている。
不正駐車リスト更新部330は、駐車場10に駐車されている各車両が不正駐車しているか否かを管理するためにメモリ104に設けられた不正駐車リストを、暗号データと現在時刻とを参照し、その暗号データから推定される有効駐車時間の終了時刻と現在時刻との関係を考慮して時々刻々更新する。
図16および図17に示すように、不正駐車リストは、各車両ごとに、それについて発行された複数の暗号データが時系列的に記録される暗号データ履歴欄と、その車両が、不正駐車をしていないか、または不正駐車をしているかを表す記号が表示されるチェック欄とを有する。暗号データ履歴欄には、同じ車両について発行された複数の暗号データが出現順に並んだ暗号データ列が各車両ごとに記録される。
そのチェック欄には、作業者による視覚的な認識を容易にするために、不正駐車をしていないと判定された場合には、「○」という記号、不正駐車をしていると判定された場合には、「×」という記号が表示される。追加駐車料金が追納されたため不正駐車が遡及的に解消されたと判定された場合には、対応する暗号データ列が削除されるように不正駐車リストが更新される。
図16には、不正駐車リストが更新されるシナリオの一例が示されている。まず、車両Aにつき、図10(a)に示すように、駐車券80が発行されると、図16(a)に示すように、不正駐車リストの暗号データ履歴欄に、「111-222-333」という暗号データ130が記録される。車両Aにつき、不正駐車が行われていない場合には、チェック欄に「○」が記録される。
次に、車両Aにつき、実駐車時間が有効駐車時間を超過すると、不正駐車が行われているため、図16(b)に示すように、チェック欄が「×」を表示するように更新される。
その後、車両Aにつき、図10(b)に示すように、追加駐車料金が追納されると、図16(c)に示すように、暗号データ履歴欄に、「123-456-789」という暗号データ140が追加される。今回は、車両Aにつき、追加駐車料金が追納されたため不正駐車が遡及的に解消されたため、対応する暗号データ列が削除されるように不正駐車リストが更新される。
これに対し、図17には、不正駐車リストが更新されるシナリオの別の例が示されている。まず、車両Aにつき、図10(a)に示すように、駐車券80が発行されると、図17(a)に示すように、不正駐車リストの暗号データ履歴欄に、「111-222-333」という暗号データ130が記録される。車両Aにつき、不正駐車が行われていない場合には、チェック欄に「○」が記録される。
次に、車両Aにつき、図10(c)に示すように、実駐車時間が有効駐車時間を超過しないうちに有効駐車時間が延長されると、図17(b)に示すように、不正駐車リストの暗号データ履歴欄に、その延長に伴って発行された「444-555-666」という暗号データ150が追加される。車両Aにつき、不正駐車が行われていない場合には、チェック欄が「○」を表示した状態に維持される。
図18は、不正駐車リスト更新部330を作動させるためにコンピュータ100によって実行される不正駐車リスト更新プログラムの一例を概念的に表すフローチャートである。
この不正駐車リスト更新プログラムにおいては、まず、ステップS101において、不正駐車リストに記録されている複数の暗号データ列のうち今回注目すべきもののうち、最も新しく発行された1つの暗号データが今回の対象暗号データとして、不正駐車リストから読み込まれる。具体的には、図16(c)に示す例においては、「123-456-789」という暗号データ140が読み込まれ、また、図17(b)に示す例においては、「444-555-666」という暗号データ150が読み込まれる。
次に、ステップS102において、その読み込まれた対象暗号データについて暗号解読が行われ、それにより、最新の有効駐車時間の終了時刻が推定される。
続いて、ステップS103において、時計102を用いることにより、現在時刻が計測される。その後、ステップS104において、前記推定された終了時刻が、その計測された現在時刻より後の時刻であるか否か、すなわち、前記タイムオーバーが発生しているか否かが判定される。
今回は、そのタイムオーバーが発生していないと仮定すると、ステップS105において、チェック欄が現在、「×」を示しているか否かが判定される。今回は、チェック欄が現在、「×」を示していないと仮定すると、ステップS106において、チェック欄が「○」を示すように不正駐車リストが更新される。
一方、チェック欄が現在、「×」を示していると仮定すると、ステップS108において、今回注目されている暗号データ列が削除されるように不正駐車リストが更新される。なぜなら、今回は、実駐車時間が有効駐車時間を超過したために不正駐車が行われていると判定されたが、その後、ユーザが、事後延長リクエストを行って必要な追加駐車料金を支払ったからである。
これに対し、今回は、前記タイムオーバーが発生していると仮定すると、ステップS107において、チェック欄が「×」を示すように不正駐車リストが更新される。
以上説明したステップS101ないしS108は、反復的に実行されるため、前記不正駐車リストは、駐車場10に駐車されている各車両が不正駐車しているか否かの状態の時間的変化を反映するように、時々刻々更新されることになる。
いずれの場合にも、続いて、ステップS109において、ユーザが、駐車場10からの出庫の許可を請求する出庫許可リクエストを発券機20に対して入力したか否かが判定される。ユーザは、出庫許可リクエストを入力するために、例えば、発券機320に設置された専用の出庫許可ボタンを押したり、複数の既存のボタンである金額確定ボタン70および延長ボタン74のうちの一方を長押ししたり、それら既存のボタンを同時に押すなど、通常とは異なる操作を行うことを要請される。
今回は、出庫許可リクエストが入力されていないと仮定すると、ステップS110において、作業者から閲覧リクエストが出されたか否かが判定される。その閲覧リクエストは、例えば、作業者のみが知っている特定の操作を発券機320に対して行うか、特定の数字などの情報を発券機320に入力することによって発令することが可能である。
今回は、その閲覧リクエストが出されていないと仮定すると、直ちにステップS101に戻り、次の暗号データ列について同様な処理が行われるが、今回は、その閲覧リクエストが出されていると仮定すると、ステップS111において、現在の不正駐車リストが作業者に対して一時的に出力される。その出力は、例えば、現在の不正駐車リストの内容を表示器36の画面上に短時間表示することによって行うことが可能である。
その結果、作業者は、不正駐車チェックを参照しつつ、駐車場10に現在駐車されている複数の車両のうち、不正駐車をしているものを特定して必要な張り紙を行うことが可能である。
よって、本実施形態によれば、作業者は、駐車されている各車両内に置かれている駐車票を目視することを不可欠とすることなく、発券機320から出力される不正駐車リストを目視すれば、各車両が不正駐車しているか否かを正しく、かつ、漏れなく判断することが可能となる。したがって、本実施形態によれば、ユーザに、車外から容易に目視できるように駐車票を車両内に残しておくことを要求せずに済む。
ユーザが前記出庫許可リクエストを入力した場合には、ステップS109の判定がYESとなり、その後、ステップS112において、出庫許可リクエストを処理するための画面(図示しない)が表示器36の画面上に表示される。その画面には、ユーザに対して暗号データの入力を促すメッセージが存在する。このメッセージに応答し、ユーザは、この時点で既に発行されている少なくとも1つの暗号データのうち最新に発行されたものを発券機320に対し、キー入力部38を用いて入力する。
続いて、ステップS113において、暗号解読が行われ、具体的には、その入力された暗号データが前述のようにして暗号化前データに変換される。
その後、ステップS114において、その暗号化前データから、最新の有効駐車時間の終了時刻が推定される。続いて、ステップS115において、時計102を用いることにより、現在時刻が計測される。その後、ステップS116において、前記推定された終了時刻が、その計測された現在時刻より後であるために前記タイムオーバーが発生しているか否かが判定される。
今回は、そのタイムオーバーが発生していないと仮定すると、ステップS117において、今回の出庫が許可されたことが表示器36の画面上に、ユーザが目視できるように表示され、続いて、ステップS118において、前記不正駐車リストに記録されている複数の暗号データ列のうち前記入力された暗号データが属するものが削除されるように、前記不正駐車リストが更新される。これにより、今回は、出庫が正常に行われた事実を反映するように不正駐車リストが更新される。続いて、ステップS110に移行する。
これに対し、今回は、前記タイムオーバーが発生していると仮定すると、ステップS116の判定がYESとなり、ステップS119において、今回の出庫が許可されなかったことが表示器36の画面上に、ユーザが目視できるように表示される。続いて、ステップS110に移行する。
この発券機320においては、図5ないし図8に示す発券・精算プログラムと基本的に共通するものがコンピュータ100によって実行される。
発券機320のコンピュータ100によって実行される発券・精算プログラムのうち、図5ないし図8に示す発券・精算プログラムと異なる点は、図5に示すステップS11において、さらに、前記取得された暗号データ130がメモリ104の不正駐車リストの暗号データ履歴欄に保存される点と、図7に示すステップS39において、さらに、前記取得された暗号データ140がメモリ104の不正駐車リストの暗号データ履歴欄に、図6に示すステップS22においてユーザから入力された暗号データと同じものが属する暗号データ列に保存される点と、図8に示すステップS58において、さらに、前記取得された暗号データ150がメモリ104の不正駐車リストの暗号データ履歴欄に、図6に示すステップS22においてユーザから入力された暗号データと同じものが属する暗号データ列に保存される点とである。
これにより、不正駐車リストが、それの暗号データ履歴欄において、同じ車両について発行された複数の暗号データが出現順に一列に並ぶように、作成される。
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、ユーザが出庫時に前記事後延長リクエストを行った場合には、それに伴って、対応する車両が、必要な追加駐車料金が追納されたうえで出庫した事実が自動的に前記不正駐車リストに記録される。したがって、ユーザに、上述の事後延長リクエストに伴って発行された領収書81bを、翌日以後に駐車場10に駐車する場合に、その車両の室内に、作業者が目視可能な状態で残しておくことを要求せずに済む。
ところで、本実施形態においては、前記不正駐車リストが時々刻々更新される結果、有効駐車時間の満了前に出庫が行われた場合には、その時点では、該当するチェック欄の状態が「○」であるが、やがて「×」に変化してしまう。そうすると、作業者は、駐車場10に派遣されて前記不正駐車リストを見ると、該当する車両が不正駐車をしていたとの誤った判断をしてしまう可能性がある。
これに対し、本実施形態によれば、ユーザが出庫時に前記事後延長リクエストを行わない場合には、ユーザが出庫許可リクエストを入力したうえで出庫するため、上記の場合と同様にして、対応する車両が、不正駐車を行うことなく、出庫した事実が自動的に前記不正駐車リストに記録される。よって、不正駐車を行っていないユーザが不正駐車を行ったとの誤った判断を回避することができる。
以上要するに、本実施形態によれば、作業者は、駐車場10に駐車されている各車両が不正駐車をしているか否かの状態を、表示器36の画面上に表示される不正駐車リストを参照するのみで判断できる。よって、ユーザは、発行された駐車票を自身の車両に残しておくことを要求されずに済む。
<本発明の第3実施形態>
次に、本発明の例示的な第3実施形態に従う発券機400を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態と共通する要素が多いため、共通する要素については、同一の符号または名称を付して引用することにより、重複した説明を省略し、異なる要素についてのみ、詳細に説明する。
図19に示すように、発券機400は、図1に示す前払い式の駐車場10に設置される。その駐車場10は、遠隔地にある管理センタ450によって管理される。
発券機400は、前述の第1実施形態に従う発券機20とは異なり、暗号化および暗号解読の双方を管理センタ450に依存する完全依存型である。そのため、発券機400は、管理センタ450と通信する機能を追加され、具体的には、図15に示すように、通信部410を有する。
これに対し、管理センタ450は、通信部500と、暗号化部502と、暗号解読部504と、前記暗号化テーブルを記憶している暗号化テーブルメモリ506とを備えている。暗号化部502および暗号解読部504は、管理センタ450のコンピュータ520によって構築される。
発券機400のコンピュータ100は、図5ないし図8に示す発券・精算プログラムと基本的に共通する発券・精算プログラムを実行する。この発券・精算プログラムのうち、図5ないし図8に示す発券・精算プログラムと異なる点は、いずれも暗号化を行う図5に示すステップS11、図7に示すステップS39および図8に示すステップS58と、暗号解読を行う図6に示すステップS23とである。
いずれも暗号化を行う図5に示すステップS11、図7に示すステップS39および図8に示すステップS58においては、いずれも、発券機400が、前記暗号化前データと、その暗号化前データを、対応する暗号データ(例えば、前述の暗号データ130,140,150)に変換すること、すなわち、暗号化を要求する暗号化リクエストとを通信部410から管理センタ450の通信部500に送信する。
それらを受信すると、管理センタ450のコンピュータ520は、その受信した暗号化前データを暗号化部502に転送し、その暗号化部502は、ステップS11と同様にして、その受信した暗号化前データを、前記暗号化テーブルを参照することにより、対応する暗号データに変換する。その後、管理センタ450のコンピュータ520は、その取得された暗号データを通信部500から発券機400の通信部410に返信する。
その後、発券機400は、管理センタ450において作成された暗号データを受信して利用する。
一方、暗号解読を行う図6に示すステップS23においては、発券機400が、暗号データと、その暗号データを、対応する暗号化前データに変換すること、すなわち、暗号解読を要求する暗号解読リクエストとを通信部410から管理センタ450の通信部500に送信する。
それらを受信すると、管理センタ450のコンピュータ520は、その受信した暗号データを暗号解読部504に転送し、その暗号解読部504は、ステップS23と同様にして、その受信した暗号データを、前記暗号化テーブルを参照することにより、対応する暗号化前データに変換する。その後、管理センタ450のコンピュータ520は、その取得された暗号化前データを通信部500から発券機400の通信部410に返信する。
その後、発券機400は、管理センタ450において作成された暗号化前データを受信して利用する。
<本発明の第4実施形態>
次に、本発明の例示的な第4実施形態に従うオンライン駐車予約・精算システム600を説明する。ただし、本実施形態は、第1ないし第3実施形態のいずれかと共通する要素が多いため、共通する要素については、同一の符号または名称を付して引用することにより、重複した説明を省略し、異なる要素についてのみ、詳細に説明する。
図20に示すように、オンライン駐車予約・精算システム600は、図1に示す前払い式の駐車場10に設置される発券機620と、その駐車場10を管理する管理センタに設置されるかまたはその管理センタによって運用される管理サーバ622とを有するように構成される。
発券機620は、前述の第1ないし第3実施形態に従う発券機20,320または400と共通する前述の複数の機能を有し、さらに、図21に示すように、表示器36の画面上に、現在時刻が暗号化された暗号化時刻630を時々刻々表示する機能を追加されている。
その機能を実現するため、具体的には、発券機620のコンピュータ100が、時計102を用いて取得した現在時刻(暗号化前データ)を、図22に例示するように、現在時刻用暗号テーブルであってメモリ104に予め保存されているものに従い、暗号化する。コンピュータ100は、さらに、その暗号化された現在時刻(暗号データ)を暗号化時刻630として、図21に示すように、表示器36の画面上に表示する。
まず、概略的に説明するに、オンライン駐車予約・精算システム600は、ユーザが、駐車場10の予約・精算を、その駐車場10の発券機620に代えて自己のユーザ端末636を操作することにより、オンラインで行うことを可能にするために設置される。特に、オンライン駐車予約・精算システム600によれば、ユーザは、駐車場10の予約・精算を、発券機620を操作することなく、駐車場10以外の場所、例えば、自宅や仕事場、または、ある場所から別の場所への移動の途中にオンラインで行うことが可能となる。
本実施形態においては、このオンライン駐車予約・精算システム600が発券機620に加えて設置される結果、ユーザは、駐車場10の位置において発券機620を操作することによって発券および精算を行う現地発券・精算方式(前述の第1ないし第3実施形態)と、駐車場10の発券機620に代えて自己のユーザ端末636を操作することによって駐車場10の予約・精算をオンラインで行うオンライン駐車予約・精算方式とのうちのいずれかを選択できる。
なお、本実施形態においては、現地発券・精算方式とオンライン駐車予約・精算方式との双方がユーザに提供されるようになっているため、発券機620が、現地発券・精算方式を実現する機能を有する状態で、駐車場10に設置されている。
これに対し、オンライン駐車予約・精算方式のみユーザに提供したい場合には、発券機620は、単に、現在時刻を計測する時計機能、その現在時刻を暗号化する暗号化機能、およびその暗号化時刻を表示する表示機能を有するように設計することが可能である。この場合、発券機620は、外観的には、単なる表示器として駐車場10に設置される可能性がある。
図20に示すように、オンライン駐車予約・精算システム600においては、複数のユーザのそれぞれの通信機器の一例であるユーザ端末(ユーザによって携帯される通信端末であり、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピュータなどである)636が、無線または有線により、グローバルな通信ネットワークの一例であるインタネット634を介して管理サーバ632に通信可能に接続されている。
管理サーバ632は、送受信を行うために、信号またはデータを外部の宛先に送信する送信部640と、外部の送信元からの信号またはデータを受信する受信部642とを有する。
管理サーバ632は、さらに、プロセッサ650と、ストレージ652(例えば、ROM、RAM)とを有する。
プロセッサ650は、上述のオンライン駐車予約・精算というサービスを提供するために、図23に示す駐車許可プログラムと、図24に示す不正駐車リスト更新プログラムと、図25に示す事後延長許可プログラムと、図26に示す事前延長許可プログラムと、図27に示す満了予告プログラムであって前記有効駐車時間が満了する間際にその満了をユーザに予告するために実行されるものと、図28に示す出庫許可プログラムとをそれぞれ、反復的に実行したり、各種処理を行う。ストレージ652は、それらプログラムやデータを一時的にまたは恒久的に保存する。
管理サーバ632は、さらに、ユーザ情報データベース(以下、「DB」で表す。図においても同じ。)660と、前述の第2実施形態と同様な不正駐車リストを保存する不正駐車リストメモリ662と、暗号化テーブルメモリ670と、現在時刻を計測する時計680とを有する。
暗号化テーブルメモリ670は、図14(c)に示す暗号化テーブルユニット、すなわち、月単位暗号化テーブルと、日単位暗号化テーブルと、時間単位暗号化テーブルと、分単位暗号化テーブルと、時間用暗号化テーブルとの集まりと、前述の現在時刻用暗号テーブルとを保存する。この暗号化テーブルメモリ670が前述の現在時刻用暗号テーブルをも保存するのは、管理サーバ632が、ユーザ端末636から受信した暗号化時刻を解読することが必要である場合があるからである。同じ現在時刻用暗号テーブルが、管理サーバ632と発券機620との間で共用される。
本実施形態においては、オンライン駐車予約・精算サービスの利用資格を取得するために、各ユーザは、管理サーバ632にアクセスして会員登録を行うことが必要である。ユーザが、その会員登録のために必要なユーザ情報を管理サーバ632に送信すると、管理サーバ632は、受信したユーザ情報(例えば、ユーザの氏名、ユーザID、パスワード、住所、勤務地、使用する車両の番号および種類などを特定するための情報、ユーザ端末636の通信アドレスなど)を、ユーザごとに、ユーザ情報DB660に登録する。
概略的に説明するに、管理サーバ632は、駐車許可部を有し、その駐車許可部は、図23に示す駐車許可プログラムであってストレージ652に記憶されているものがプロセッサ650によって実行されることによって実現される。
その駐車許可部は、ユーザ端末636から、駐車場10への駐車の許可を請求する駐車許可リクエストを受信すると、ユーザによる駐車料金の支払いを条件に、その支払い額に見合う長さの有効駐車時間の間、ユーザが駐車場10に駐車することを許可することを表す駐車許可メッセージをユーザ端末636に送信する。
この駐車許可部は、さらに、前記有効駐車時間の開始時刻および終了時刻のうちの少なくとも一方と、その有効駐車時間の長さと、前記駐車料金の支払い額とのうちの少なくとも一方を表す暗号化前データであってユーザが解読できるものを、その暗号化前データに一意に対応する暗号データであってユーザが解読できないものに変換し、それら暗号化前データおよび暗号データをユーザ端末636に送信する。その結果、ユーザ端末636を携帯するユーザは、それら暗号化前データと暗号データとの双方を取得することができる。
管理サーバ632は、さらに、延長許可部を有し、その延長許可部は、図25に示す事後延長許可プログラムおよび図26に示す事前延長許可プログラムであってストレージ652に記憶されているものがプロセッサ650によって実行されることによって実現される。
その延長許可部は、ユーザ端末636から、前記暗号データの発行後、前記有効駐車時間を延長するための延長リクエスト(後述の事後延長リクエストまたは事前延長リクエスト)と、前記暗号データとを受信すると、その受信した暗号データから前記暗号化前データを復元する。この延長許可部は、さらに、その復元された暗号化前データに基づき、追加駐車料金の支払いを条件に、前記有効駐車時間を延長することを許可することを表す延長許可メッセージをユーザ端末636に送信する。
管理サーバ632は、さらに、出庫許可部を有し、その出庫許可部は、図28に示す出庫許可プログラムであってストレージ652に記憶されているものがプロセッサ650によって実行されることによって実現される。
その出庫許可部は、ユーザ端末636から、駐車場10からの出庫の許可を請求する出庫許可リクエストと、前記暗号データと、駐車場10に設置された発券機620の表示器36の画面上に時々刻々変化するように表示された暗号化時刻であって現在時刻が暗号化されたものとを受信すると、前記受信した暗号データから最新の有効駐車時間の終了時刻を推定する。この出庫許可部は、さらに、その推定された終了時刻が、前記受信した暗号化時刻により表される現在時刻より後ではない場合に、前記出庫を許可することを表す出庫許可メッセージをユーザ端末636に送信する。
次に、上述のオンライン駐車予約・精算というサービスを提供するために、管理サーバ632のプロセッサ650によって実行される駐車許可プログラムと、不正駐車リスト更新プログラムと、事後延長許可プログラムと、事前延長許可プログラムと、満了予告プログラムと、出庫許可プログラムとをそれぞれ具体的に説明する。
<駐車許可プログラム>
図23に示す駐車許可プログラムの各回の実行時においては、まず、ステップS201において、管理サーバ632が、ユーザ端末636から駐車許可リクエストを受信する。次に、ステップS202において、管理サーバ632が、ユーザ端末636からユーザIDを受信する。続いて、ステップS203において、管理サーバ632が、ユーザ端末636からパスワードを受信する。
その後、ステップS204において、管理サーバ632が、受信したユーザ本人のユーザIDおよびパスワードとユーザ情報DB660との照合により、今回のユーザが会員であるか否か、すなわち、このサービスの提供を受ける資格を有するか否かが判定される。すなわち、個人認証が行われるのである。
この個人認証が成立した場合には、ステップS205において、管理サーバ632が、ユーザ端末636から、そのユーザが駐車することを希望する駐車場の位置を指定するためのデータを受信する。続いて、ステップS206において、管理サーバ632が、ユーザ端末636から、そのユーザがその駐車場について希望する駐車開始日時を指定するためのデータを受信する。その後、ステップS207において、管理サーバ632が、ユーザ端末636から、そのユーザがその駐車場に駐車することを希望する有効駐車時間の長さを指定するためのデータを受信する。
続いて、ステップS208において、管理サーバ632が、指定された駐車場に、指定された駐車開始日時から、指定された有効駐車時間の間、駐車することが可能であるか否か、すなわち、指定された駐車場に空きがあるか否かを判定する。
今回は、指定された駐車場に空きがあると仮定すると、ステップS209において、管理サーバ632が、指定された駐車場と、指定された駐車開始日時と、指定された有効駐車時間とのうちの少なくとも一つに基づき、かつ、前記料金設定に従い、ユーザが支払うことが必要な駐車料金の額を計算する。
その後、ステップS210において、管理サーバ632が、その計算された駐車料金の額をユーザ端末636に送信する。これに応答してユーザがその駐車料金を支払うと、ステップS211において、管理サーバ632が、駐車料金の支払いを確認する。続いて、ステップS212において、管理サーバ632が、駐車許可メッセージをユーザ端末636に送信する。
その後、ステップS213において、管理サーバ632が、指定された駐車場と、指定された駐車開始日時と、指定された有効駐車時間とを含む暗号化前データを、前記暗号化テーブルに従い、暗号データに変換する。暗号化が行われるのである。その暗号データは、前述の第2実施形態と同様にして、前記不正駐車リストに保存され、さらに、ユーザ端末636に送信される。
続いて、ステップS214において、管理サーバ632が、今回の駐車料金の支払いに対して領収書を発行し、それを表すデータをユーザ端末636に送信する。その領収書には、前記暗号データも含まれているため、ユーザは、その領収書を見ると、暗号化前データと暗号データとの双方を知ることができる。以上で、この駐車許可プログラムの今回の実行が終了する。
これに対し、今回は、指定された駐車場に空きがないと仮定すると、ステップS208の判定がNOとなり、ステップS215において、管理サーバ632が、別の駐車場または別の駐車時間帯をユーザに入力することを促進するためのメッセージをユーザ端末636に送信する。以上で、この駐車許可プログラムの今回の実行が終了する。
<不正駐車リスト更新プログラム>
図24に示す不正駐車リスト更新プログラムは、図18に示すステップS101ないしS108、S110およびS111とそれぞれ共通する複数のステップとして、ステップS301ないしS310を有する。
重複した説明を省略しつつ簡単に説明すれば、図24に示す不正駐車リスト更新プログラムの各回の実行時においては、まず、ステップS301において、図16および図17に示す不正駐車リストから、前記対象暗号データ、すなわち、不正駐車リストに記録されている複数の暗号データ列であって順次選択されるもののうち、今回選択される暗号データ列に属する少なくとも1つの暗号データであって最新のものが読み込まれる。
次に、ステップS302において、その対象暗号データについて暗号解読が行われ、それにより、最新の有効駐車時間の終了時刻が推定される。続いて、ステップS303において、時計680を用いることにより、現在時刻が計測される。その後、ステップS304において、その現在時刻が、前記推定された終了時刻より後であるか否か、すなわち、前記タイムオーバーが発生したか否かが判定される。
今回は、前記タイムオーバーが発生していないと仮定すると、ステップS305において、不正駐車リストのうち、今回の暗号データ列に対応するチェック欄が現時点で、「×」をいう記号を表示しているか否かが判定される。今回は、該当するチェック欄の現状の状態が「×」ではないと仮定すると、ステップS306において、該当するチェック欄に「○」が記録される。これに対し、今回は、該当するチェック欄の現状の状態が「×」であると仮定すると、ステップS307において、今回の暗号データ列が削除されるように、前記不正駐車リストが更新される。これにより、今回は、出庫が正常に行われた事実を反映するように不正駐車リストが更新される。
これに対し、今回は、前記タイムオーバーが発生していると仮定すると、ステップS308において、該当するチェック欄に「×」が記録される。
いずれの場合にも、その後、ステップS309において、前記作業者から閲覧リクエストが出されたか否かが判定される。その閲覧リクエストが出された場合には、ステップS310において、不正駐車リストが表示器36の画面上に一時的に表示され、以上で、この不正駐車リスト更新プログラムの今回の実行が終了するが、その閲覧リクエストが出されていない場合には、直ちに、この不正駐車リスト更新プログラムの今回の実行が終了する。
<事後延長許可プログラム>
図25に示す事後延長許可プログラムの各回の実行時においては、まず、ステップS401において、管理サーバ632が、ユーザ端末636から事後延長リクエストを受信する。次に、ステップS402において、管理サーバ632が、ユーザ端末636からユーザIDを受信する。続いて、ステップS403において、管理サーバ632が、ユーザ端末636からパスワードを受信する。
その後、ステップS404において、管理サーバ632が、受信したユーザ本人のユーザIDおよびパスワードとユーザ情報DB660との照合により、今回のユーザが会員であるか否か、すなわち、このサービスの提供を受ける資格を有するか否かが判定される。すなわち、個人認証が行われるのである。
この個人認証が成立した場合には、ステップS405において、管理サーバ632が、ユーザ端末636から、ユーザに発行された少なくとも一つの暗号データのうち最新のものを受信する。続いて、ステップS406において、管理サーバ632が、ユーザ端末636から、そのユーザが表示器620を見て知った暗号化時刻630を受信する。
その後、ステップS407において、管理サーバ632が、前記受信した暗号データおよび暗号化時刻630について暗号解読を行い、続いて、ステップS408において、その結果から、最新の有効駐車時間の終了時刻が推定される。その後、ステップS409において、時計680を用いることにより、現在時刻が計測される。
続いて、ステップS410において、管理サーバ632が、その計測された現在時刻と、前記受信した暗号化時刻を解読して得られる解読時刻との間の誤差が所定値より小さいか否か、すなわち、本人しか知りえない前記暗号データを入力したユーザが、表示器620が設置されている駐車場10に現在、実際に居ることが確認できたか否かを判定する。
今回は、ユーザが駐車場10に現在居ることが確認できたと仮定すると、ステップS410の判定がYESとなり、ステップS411において、前記計測された現在時刻から、前記推定された終了時刻を引き算することにより、実駐車時間が有効駐車時間を超過した時間である延長駐車時間の長さが計算される。
続いて、ステップS412において、その計算された延長駐車時間の長さから、前記料金設定に従い、ユーザが追納すべき追加駐車料金の額が計算される。その後、ステップS413において、その計算された額が、ユーザが追納すべき追加駐車料金の額として、ユーザ端末636に送信される。
続いて、ステップS414において、管理サーバ632が、ユーザがその追加駐車料金を追納したことを確認し、その後、ステップS415において、管理サーバ632が、延長前の有効駐車時間の終了時刻であって前記推定されたものから、その追納された追加駐車料金の額に見合う時間分、有効駐車時間を延長する。
続いて、ステップS416において、管理サーバ632が、事後延長許可メッセージをユーザ端末636に送信する。その後、ステップS417において、管理サーバ632が、前記不正駐車リストに記録されている複数の暗号データ列のうち今回受信した暗号データが属するものを前記不正駐車リストから削除する。以上で、この事後延長許可プログラムの今回の実行が終了する。
これに対し、今回は、ユーザが駐車場10に現在居ることが確認できないと仮定すると、ステップS410の判定がNOとなり、直ちに、この事後延長許可プログラムの今回の実行が終了する。
<事前延長許可プログラム>
図26に示す事前延長許可プログラムの各回の実行時においては、まず、ステップS501において、管理サーバ632が、ユーザ端末636から事前延長リクエストを受信する。次に、ステップS502において、管理サーバ632が、ユーザ端末636からユーザIDを受信する。続いて、ステップS503において、管理サーバ632が、ユーザ端末636からパスワードを受信する。
その後、ステップS504において、管理サーバ632が、受信したユーザ本人のユーザIDおよびパスワードとユーザ情報DB660との照合により、今回のユーザが会員であるか否か、すなわち、このサービスの提供を受ける資格を有するか否かが判定される。すなわち、個人認証が行われるのである。
この個人認証が成立した場合には、ステップS505において、管理サーバ632が、ユーザ端末636から、ユーザに発行された少なくとも一つの暗号データのうち最新のものを受信する。続いて、ステップS506において、管理サーバ632が、前記受信した暗号データについて暗号解読を行い、続いて、ステップS507において、その結果から、最新の有効駐車時間の終了時刻が推定される。その後、ステップS509において、管理サーバ632が、ユーザ端末636から、希望する延長駐車時間の長さを表すデータを受信する。
続いて、ステップS509において、その受信した希望延長駐車時間の長さから、前記料金設定に従い、ユーザが追納すべき追加駐車料金の額が計算される。その後、ステップS510において、その計算された額が、ユーザが追納すべき追加駐車料金の額として、ユーザ端末636に送信される。
続いて、ステップS511において、管理サーバ632が、ユーザがその追加駐車料金を追納したことを確認し、その後、ステップS512において、管理サーバ632が、延長前の有効駐車時間の終了時刻であって前記推定されたものから、その追納された追加駐車料金の額に見合う時間分、有効駐車時間を延長する。
続いて、ステップS513において、その延長された有効駐車時間を表す暗号化前データが、前記暗号化テーブルに従って暗号化され、それにより、新たな暗号データが作成される。その作成された暗号データは、前述の第2実施形態と同様にして、先行する暗号データに関連付けて前記不正駐車リストに保存され、さらに、ユーザ端末636に送信される。
その後、ステップS514において管理サーバ632が、事前延長許可メッセージをユーザ端末636に送信する。以上で、この事前延長許可プログラムの今回の実行が終了する。
<満了予告プログラム>
図27に示す満了予告プログラムの各回の実行時においては、まず、ステップS601において、管理サーバ632が、前記不正駐車リストに記録されている複数の暗号データ列であって順次選択されるもののうち、今回選択された暗号データ列に属する複数の暗号データのうち最新に発行されたもの、すなわち、前記対象暗号データを前記不正駐車リストから読み出す。
さらに、管理サーバ632が、その対象暗号データについて暗号解読を行うことにより、対応する有効駐車時間の終了時刻を推定する。その推定された終了時刻は、ユーザ情報DB660に登録されている複数の会員であるユーザのうち、今回選択された暗号データ列に対応するユーザに許可された最新の有効駐車時間の終了時刻を意味する。
次に、ステップS602において、管理サーバ632が、現在時刻を計測する。続いて、ステップS603において、その計測された現在時刻から、前記推定された終了時刻までに残された時間がしきい値以下であるか否か、すなわち、有効駐車時間の満了間際であるか否かが判定される。
今回は、有効駐車時間の満了間際であると仮定すると、ステップS603の判定がYESとなり、ステップS604において、管理サーバ632が、有効駐車時間の満了間際であることを今回のユーザに予告すべく、対応するユーザ端末636に満了予告メッセージを送信する。以上で、この満了予告プログラムの今回の実行が終了する。
これに対し、今回は、有効駐車時間の満了間際ではないと仮定すると、ステップS603の判定がNOとなり、直ちに、この満了予告プログラムの今回の実行が終了する。
<出庫許可プログラム>
図28に示す出庫許可プログラムの各回の実行時においては、まず、ステップS701において、管理サーバ632が、ユーザ端末636から出庫許可リクエストを受信する。次に、ステップS702において、管理サーバ632が、ユーザ端末636からユーザIDを受信する。続いて、ステップS703において、管理サーバ632が、ユーザ端末636からパスワードを受信する。
その後、ステップS704において、管理サーバ632が、受信したユーザ本人のユーザIDおよびパスワードとユーザ情報DB660との照合により、今回のユーザが会員であるか否か、すなわち、このサービスの提供を受ける資格を有するか否かが判定される。すなわち、個人認証が行われるのである。
この個人認証が成立した場合には、ステップS705において、管理サーバ632が、ユーザ端末636から、ユーザに発行された少なくとも一つの暗号データのうち最新のものを受信する。続いて、ステップS706において、管理サーバ632が、ユーザ端末636から、そのユーザが表示器620を見て知った暗号化時刻630を受信する。
その後、ステップS707において、管理サーバ632が、前記受信した暗号データおよび暗号化時刻630について暗号解読を行い、続いて、ステップS708において、その結果から、最新の有効駐車時間の終了時刻が推定される。その後、ステップS709において、時計680を用いることにより、現在時刻が計測される。
続いて、ステップS710において、管理サーバ632が、その計測された現在時刻と、前記受信した暗号化時刻を解読して得られる解読時刻との間の誤差が所定値より小さいか否か、すなわち、本人しか知りえない前記暗号データを入力したユーザが、表示器620が設置されている駐車場10に現在、実際に居ることが確認できたか否かを判定する。
今回は、ユーザが駐車場10に現在居ることが確認できたと仮定すると、ステップS710の判定がYESとなり、ステップS711において、前記計測された現在時刻が、前記推定された終了時刻より後でないか否か、すなわち、前記タイムオーバーが発生していないか否かが判定される。すなわち、不正駐車の成否が判定されるのである。
今回は、前記タイムオーバーが発生していないと仮定すると、ステップS711の判定がYESとなり、ステップS712において、管理サーバ632が、出庫許可メッセージをユーザ端末636に送信する。これにより、ユーザが、駐車場10に居て、携帯しているユーザ端末636を見ることにより、駐車場10からの出庫が許可されたことを知る。
続いて、ステップS713において、管理サーバ632が、前記不正駐車リストに記録されている複数の暗号データ列のうち今回受信した暗号データが属するものを前記不正駐車リストから削除する。その結果、その不正駐車リストには、駐車場10から未だ出庫していない車両と、必要な事後延長請求をせずに駐車場10から出庫した車両と、出庫許可リクエストを管理サーバ632に送信していない状態で駐車場10から出庫した車両とが依然として記録されることになる。以上で、この出庫許可プログラムの今回の実行が終了する。
これに対し、今回は、前記タイムオーバーが発生していると仮定すると、ステップS711の判定がNOとなり、直ちに、この出庫許可プログラムの今回の実行が終了する。
これに対し、今回は、ユーザが駐車場10に現在居ることが確認できないと仮定すると、ステップS710の判定がNOとなり、直ちに、この出庫許可プログラムの今回の実行が終了する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の概要]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。

Claims (9)

  1. 駐車場を管理するシステムであって、
    前記駐車場に位置する精算機であって、前記駐車場のユーザが駐車料金を駐車時間の長さに基づく額でその駐車場の位置において精算する現地精算を可能にするものと、
    管理サーバであって、前記駐車場に居る前記ユーザの通信機器との通信により、前記ユーザが前記駐車料金を前記駐車時間の長さに基づく額でオンラインで精算するオンライン精算を可能にするものと
    を含み、
    前記精算機は、暗号を印刷表示または画面表示によって前記ユーザに提供し、その提供された暗号が前記ユーザにより当該精算機に対して適用されることにより、前記ユーザによって既に行われた前記現地精算の内容に変更を加えることを可能にする駐車場管理システム。
  2. 前記管理サーバは、前記精算機から提供された前記暗号を前記ユーザの通信機器から受信することにより、前記オンライン精算を行うかまたは前記ユーザによって既に行われた前記オンライン精算の内容に変更を加えることを可能にする請求項1に記載の駐車場管理システム。
  3. 前記暗号は、前記駐車時間に関連する情報を表す部分を含む請求項1に記載の駐車場管理システム。
  4. 前記暗号は、前記駐車料金に関連する情報を表す部分を含む請求項1に記載の駐車場管理システム。
  5. 前記通信機器は、前記ユーザによって携帯される携帯電話機またはスマートフォンを含む請求項1に記載の駐車場管理システム。
  6. 請求項1に記載の精算機としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  7. 請求項1に記載の管理サーバとしてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  8. 請求項6に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
  9. 請求項7に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
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