JP2023174338A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】劣化後のサイドウォールの耐久性能が改善されたタイヤを提供すること。【解決手段】サイドウォールがゴム成分を含有するゴム組成物により構成され、前記ゴム成分が、クロロプレンゴムおよびクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムを含有し、前記ゴム成分中のクロロプレンゴムの含有量Cが5質量%超70質量%未満であり、前記ゴム組成物の破断強度が12MPa以上、および破断伸びが600%以上であり、前記ゴム組成物から調整した所定の大きさの試験片をオゾンに24時間暴露した後のクラック数が300個以下であるタイヤ。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤに関する。
近年、タイヤの耐摩耗性が向上し、市場での使用期間が長期化しているため、タイヤの長期的な損傷や劣化による耐劣化性能、耐亀裂成長性などの各種性能を改善することが要求されている。
タイヤ用ゴム組成物には、オゾン存在下でのクラックの発生やその進行を抑制するために、老化防止剤やワックスなどを配合することが知られている。例えば、特許文献1には所定のワックスおよび所定の界面活性剤を配合したタイヤトレッド用ゴム組成物が記載されている。
特開2018-177873
しかしながら、老化防止剤やワックスには接触汚染性があり、環境への悪影響が懸念されている。また、サイドウォールは、タイヤ使用開始から摩耗寿命まで同じゴム面が使用されるため、サイドウォール用ゴム組成物には、特にオゾン存在下でのクラックの発生といった耐久性能の更なる改善が要求されている。
本発明は、タイヤ劣化後のサイドウォールの耐久性能が改善されたタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、以下のタイヤに関する。
サイドウォールを備えたタイヤであって、
前記サイドウォールが、ゴム成分を含有するゴム組成物により構成され、
前記ゴム成分が、クロロプレンゴムおよびクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムを含有し、
前記ゴム成分中のクロロプレンゴムの含有量をC(質量%)としたとき、
Cが5質量%超70質量%未満であり、
前記ゴム組成物の破断強度が12MPa以上、および破断伸びが600%以上であり、
前記ゴム組成物から調整した縦120mm、幅16mm、厚み2.0mmの試験片をオゾンに24時間暴露した後のクラック数が300個以下である、タイヤ。
本発明によれば、タイヤ劣化後のサイドウォールの耐久性能が改善されたタイヤが提供される。
本発明の一実施態様に係るタイヤの概略部分断面図である。 タイヤの断面における、タイヤ断面幅Wt、タイヤ断面高さHt、およびタイヤ外径Dtを示す図である。
本発明の一実施形態であるタイヤは、サイドウォールを備えたタイヤであって、前記サイドウォールが、ゴム成分を含有するゴム組成物により構成され、前記ゴム成分が、クロロプレンゴムおよびクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムを含有し、前記ゴム成分中のクロロプレンゴムの含有量をC(質量%)としたとき、Cが5質量%超70質量%未満であり、前記ゴム組成物の破断強度が12MPa以上、および破断伸びが600%以上であり、前記ゴム組成物から調整した縦120mm、幅16mm、厚み2.0mmの試験片をオゾンに24時間暴露した後のクラック数が300個以下である、タイヤである。
本発明のタイヤ劣化後のサイドウォールの耐久性能が改善される理由については、理論に拘束されることは意図しないが、以下のように考えられる。
クロロプレンゴムは、クロロ基により不飽和結合の反応性が低下しているため、オゾンからの攻撃を受けにくい。本発明のタイヤが備えるサイドウォールを構成するゴム組成物が、クロロプレンゴムを含有することで、(1)クロロプレンゴムの相は大気中のオゾンと反応しにくく、オゾンクラックが発生しにくくなる。また、(2)クロロプレンゴム以外のジエン系ゴムの相に亀裂が生じても架橋が少なく流動性の高いクロロプレンゴムの相によって緩和され、亀裂の進展を防ぐことができる。さらに、(3)クロロプレンゴム同士では硫黄による架橋を生じにくいため、クロロプレンゴム相に取り込まれた硫黄は、その周囲の他のジエン系ゴム相の架橋に使用され、クロロプレンゴム相との界面における強度を向上させることができる。そして、(4)強度の劣るクロロプレゴムの比率を5質量%超70質量%未満とすることで、各ゴム成分が、共連続構造またはクロロプレンゴムを島とする海島構造を形成することができ、海相となるクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムにより、ゴム組成物の強度が向上する。上記(1)~(4)が協働することにより、タイヤ劣化後のサイドウォールの耐久性能が改善されたタイヤが提供されると考えられる。
前記ゴム成分中のクロロプレンゴムの含有量C(質量%)、タイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚みT(mm)のC/Tは0.25以上700以下であることが好ましい。
C/Tが上記の範囲であることにより、機械強度を保ったまま、十分な耐オゾン性を確保できると考えられる。
前記ゴム組成物はさらに樹脂成分を含有し、前記樹脂成分が、石油樹脂およびテルペン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含むことが好ましい。
石油樹脂およびテルペン系樹脂はゴムへの分散性が良好であるため、テルペン系樹脂および石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含むことで、樹脂成分がゴム成分と相溶しゴム組成物の機械的特性がより発揮できるようになり、耐オゾンクラック性能が向上し、タイヤ劣化後のサイドウォールの耐久性能がさらに改善されると考えられる。
前記ゴム組成物が、さらにチオウレア系加硫促進剤を含むことが好ましい。
クロロプレンゴムは酸化亜鉛などの金属塩とチオウレア系加硫促進剤によりモノスルフィド架橋形成するため、チオウレア系加硫促進剤を含むことにより、クロロプレンゴムの相にオゾンクラックが発生しにくくなり、クロロプレンゴム以外のジエン系ゴムの相に亀裂が生じても架橋が少なく流動性の高いクロロプレンゴムの相によって緩和され、クロロプレンゴムの相との界面における強度を向上させることができ、耐オゾンクラック性能がさらに向上し、タイヤ劣化後のサイドウォールの耐久性能がさらに改善されると考えられる。
前記ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する老化防止剤の含有量をA(質量部)、ゴム成分中のクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムの含有量をB(質量%)としたとき、A/Bが0.1未満であることが好ましい。
本発明のタイヤは、扁平率が50%以上80%以下であることが好ましい。
タイヤ扁平率が上記の範囲であることにより、耐オゾンクラック性能がより発揮され、タイヤ劣化後のサイドウォールの耐久性能がさらに改善されると考えられる。
本発明のタイヤが備えるサイドウォールは、タイヤ断面幅高さHtの25~50%の領域の一部または全部をカバーすることが好ましい。
サイドウォールがタイヤ断面幅高さHtの25~50%の領域の一部または全部をカバーすることで、サイドウォールの耐久性能がさらに向上すると考えられる。
<定義>
「クラック」とは、ゴム組成物の表面に発生する長さ0.1mm以上の亀裂をいう。亀裂の長さは、亀裂の両端の点を結ぶ線分により測定される。
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、JATMAであれば“標準リム”、TRAであれば“Design Rim”、ETRTOであれば“Measuring Rim”である。なお、前記の規格体系において定めを持たないサイズのタイヤの場合は、そのタイヤにリム組可能であり、リム/タイヤの間でエア漏れを発生させない最小径のリムのうち、最も幅の狭いものを指すものとする。
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば“最高空気圧”、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”である。なお、前記の規格体系において定めを持たないサイズのタイヤの場合は、正規内圧を250kPaとする。
「正規状態」は、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。なお、前記の規格体系において定めを持たないサイズのタイヤの場合は、そのタイヤが前記の最小リムにリム組みされかつ250kPaが充填され、しかも、無負荷の状態をいうものとする。
「タイヤ最大幅位置PW」とは、タイヤ回転軸を通る平面で切断したタイヤを、正規リムに保持させた状態で測定されたタイヤ幅方向断面内の最大幅位置をいう。
「タイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚みT」は、サイドウォールのタイヤ最大幅位置PWの法線Lに沿って計測される、サイドウォール表面からカーカスコード表面までの距離(mm)である。Tは、タイヤ回転軸を通る平面で切断したタイヤを、正規リムに保持させた状態で測定される。「表面ゴム層」には、サイドウォールゴムを含むものとする。
「タイヤ断面幅Wt(mm)」は、正規状態において、タイヤ側面に模様または文字などがある場合にはそれらを除いたものとしてのサイドウォール外面間の最大幅である。「タイヤ外径Dt(mm)」は、正規状態で測定されたタイヤの差し渡しの長さ(mm)である。「タイヤ断面高さHt(mm)」は、ビード部底面からトレッド最表面までの距離である。
「タイヤの扁平率(%)」とは、正規状態における、タイヤ断面高さHt(mm)および前記断面幅Wt(mm)より、(Ht/Wt)×100により求められる。
「オイルの含有量」は、油展ゴムに含まれるオイル量も含む。
<測定方法>
「オゾンに24時間暴露した後のクラック数」は、縦120mm、幅16mm、厚み2.0mmの試験片を、温度40℃、オゾン濃度50pphm、静的伸張歪20%、で24時間暴露した後のクラックの数である。
「ゴム組成物の破断強度(TB)」は、JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張試験特性の求め方」に準じて、23℃雰囲気下にて、引張速度3.3mm/秒の条件で引張試験を実施することにより測定される。測定用試験片をタイヤから作製する場合には、タイヤ周方向が縦方向となるように厚さ1mmの7号ダンベル形状の試験片を作製する。
「ゴム組成物の破断伸び(EB)」は、JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張試験特性の求め方」に準じて、23℃雰囲気下にて、引張速度3.3mm/秒の条件で引張試験を実施することにより測定される。測定用試験片をタイヤから作製する場合には、「ゴム組成物の破断強度」の場合と同様に作製する。
「スチレン含量」は、1H-NMR測定により算出される値であり、例えば、SBR等のスチレンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。「ビニル含量(1,2-結合ブタジエン単位量)」は、JIS K 6239-2:2017に従い、赤外吸収スペクトル分析により算出される値であり、例えば、SBR、BR等のブタジエンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。「シス含量(シス-1,4-結合ブタジエン単位量)」は、JIS K 6239-2:2017に従い、赤外吸収スペクトル分析により算出される値であり、例えば、BR等のブタジエンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。
「重量平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(例えば、東ソー(株)製のGPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTIPORE HZ-M)による測定値を基に、標準ポリスチレン換算により求めることができる。例えば、SBR、BR、樹脂成分、液状ゴム等に適用される。
「カーボンブラックの平均一次粒子径」は、透過型または走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたカーボンブラックの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。「カーボンブラックのN2SA」は、JIS K 6217-2:2017に準じて測定される。
「シリカの平均一次粒子径」は、透過型または走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたシリカの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。「シリカのN2SA」は、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定される。
「樹脂成分の軟化点」は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
<タイヤ>
図1に、本発明の一実施形態であるタイヤを例示するが、これに限定されるものではない。図1には、このタイヤの周方向に対して垂直な断面の一部が示されている。図1において、上下方向がタイヤ半径方向であり、左右方向がタイヤ軸方向であり、紙面に垂直な方向がタイヤ周方向である。
本発明のタイヤは、周方向に延在して環状をなすトレッド1と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール31と、ビードコア21を有する一対のビード部と、ビードコア21に係留された少なくとも1層のカーカス33と、カーカス33のタイヤ半径方向外側に配された少なくとも1層のベルト2とを備えている。
本発明に係るタイヤのビード部は、サイドウォール31のタイヤ軸方向内側に位置している。該ビード部は、ビードコア21と、このコアからタイヤ半径方向外側に延びるビードエイペックス22とを備えている。ビードエイペックス22は、タイヤ半径方向外向きに先細りである。
図1において、カーカス33は、ビードコア21の周りを、タイヤ軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカス33には、主部と折り返し部とが形成されている。ストリップエイペックス25は、概してタイヤ半径方向に延在している。ストリップエイペックス25は、そのタイヤ半径方向内側端の近傍において、ビードエイペックス22と積層されている。ストリップエイペックス25は、その半径方向内側端の近傍において、カーカス33の主部および折り返し部に挟まれている。
タイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚みT(mm)は、0.1mm以上であり、本発明の効果の観点からは、0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましく、1.3mm以上がさらに好ましく、1.5mm以上がさらに好ましく、1.7mm以上が特に好ましい。また、T(mm)は、20.0mm以下であり、本発明の効果の観点からは、12.0mm以下が好ましく、11.0mm以下がより好ましく、10.0mm以下がさらに好ましく、8.0mm以下が特に好ましい。
本発明のタイヤの扁平率は、40%以上が好ましく、45%以上がより好ましく、47.5%以上がさらに好ましく、50%以上がさらに好ましく、52.5%以上がさらに好ましく、55%以上が特に好ましい。扁平率が前記の範囲であることにより、タイヤのサイド部の高さを大きくして、タイヤの局所的な変形を抑制することができるため、タイヤの耐久性をさらに高めることができる。タイヤの扁平率の上限値は、通常、80%以下である。
タイヤの外径Dtは、515mm以上が好ましく、558mm以上がより好ましく、585mm以上がさらに好ましく、632mm以上が特に好ましい。また、タイヤの外径Dtは、843mm未満が好ましく、725mm未満がより好ましく、707mm未満がさらに好ましく、685mm未満がさらに好ましく、655mm未満が特に好ましい。
タイヤの断面幅Wtは、115mm以上が好ましく、125mm以上がより好ましく、150mm以上がさらに好ましく、170mm以上が特に好ましい。また、タイヤの断面幅Wtは、305mm未満が好ましく、245mm未満がより好ましく、210mm未満がさらに好ましく、200mm未満が特に好ましい。
タイヤの断面高さHtは、37mm以上が好ましく、60mm以上がより好ましく、80mm以上がさらに好ましい。また、タイヤの断面高さHtは、180mm未満が好ましく、152mm未満がより好ましく、115mm未満がさらに好ましい。
本発明に係るタイヤのサイドウォール31は、タイヤ断面幅高さHtの25~50%の領域の一部または全部をカバーすることが好ましく、タイヤ断面幅高さHtの25~50%の領域の全部をカバーすることがより好ましい。
≪オゾンに24時間暴露した後のクラック数≫
本発明のサイドウォール用ゴム組成物から調整した縦120mm、幅16mm、厚み2.0mmの試験片をオゾンに24時間暴露した後のクラック数は、300個以下であり、250個以下が好ましく、200個以下がより好ましく、150個以下がさらに好ましく、100個以下がさらに好ましく、90個以下がさらに好ましく、30個以下が特に好ましい。
本発明のサイドウォール用ゴム組成物から調整した縦120mm、幅16mm、厚み2.0mmの試験片をオゾンに24時間暴露した後のクラック数は、ゴム成分の配合量や配合比率、フィラーの含有量、配合する樹脂成分の種類などによって調節できる。例えば、ゴム成分中のクロロプレンゴムの含有量Cを上げるとクラック数を下げることができる。
≪破断強度TB≫
本発明のサイドウォール用ゴム組成物の破断強度は、本発明の効果の観点から、12MPa以上であり、12.5MPa以上が好ましく、13MPa以上がより好ましい。一方、破壊強度TBの上限値は特に制限されないが、例えば、50MPa以下、45MPa以下、40MPa以下とすることができる。破断強度TBは、ゴム成分の配合量や架橋剤の種類などによって調節できる。例えば、イソプレン系ゴムの含有量を上げることで破断強度を上げることができる。他にも、硫黄量を増やすことで架橋密度が増大し、破断強度を上げることができる。
≪破断伸びEB≫
本発明のサイドウォール用ゴム組成物の破断伸びEBは、本発明の効果の観点から、600%以上であり、610%以上が好ましく、615%以上がより好ましく、620%以上がさらに好ましい。一方、破壊伸びEBの上限値は特に制限されないが、例えば、900%以下、850%以下、800%以下とすることができる。破断伸びEBは、ゴム成分の配合量や樹脂成分の配合量、樹脂成分の種類などによって調節できる。例えば、イソプレン系ゴムの含有量を上げることで破断伸びを上げることができる。他にも硫黄量を減らすことで架橋密度が減少し、破断伸びを上げることができる。
タイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚みT(mm)に対するゴム成分中のゴム成分中のクロロプレンゴムの含有量C(質量%)の比(C/T)は、0.20以上が好ましく、0.25以上がより好ましく、1.0以上がより好ましく、2.0以上がさらに好ましく、5.0以上がさらに好ましく、10以上がさらに好ましく、50以上がさらに好ましく、100以上が特に好ましい。また、C/Tは、800以下が好ましく、700以下がより好ましく、600以下がさらに好ましく、500以下が特に好ましい。C/Tを前記の範囲とすることにより、機械強度を保ったまま、十分な耐オゾン性を確保できる傾向がある。
[ゴム組成物]
本発明のタイヤは、サイドウォールを構成するゴム組成物が、クロロプレンゴムおよびクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムを含有し、ゴム成分中のクロロプレンゴムの含有量Cが5質量%超70質量%未満であり、前記ゴム組成物の破断強度が12MPa以上、破断伸びが600%以上であり、前記ゴム組成物から調整した縦120mm、幅16mm、厚み1.0mmの試験片をオゾンに24時間暴露した後のクラック数が300個以下であるとき、タイヤ劣化後のサイドウォールの耐久性能が改善できることを見出したものである。
<ゴム成分>
本発明のサイドウォールを構成するゴム組成物(以下、特に断りのない限り、本発明のゴム組成物という)は、ゴム成分としてクロロプレンゴム(CR)およびCR以外のジエン系ゴムを含有する。クロロプレンゴム以外のジエン系ゴムとしては、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)およびスチレンブタジエンゴム(SBR)から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、イソプレン系ゴムを含むことがより好ましく、イソプレン系ゴムおよび/またはBRを含むことがさらに好ましい。
(CR)
CRとしては特に限定はなく、クロロプレンを乳化重合させて合成され、架橋性を有する種々のCRを使用することができる。CRは、クロロプレンを乳化重合させる際に用いる分子量調整剤の種類によって、硫黄変性タイプと非硫黄変性タイプとに分類される。またCRとしては、クロロプレンと他の共重合成分との共重合体を用いてもよい。他の共重合成分としては、例えば2,3-ジクロロ-1,3-ブタジエン、1-クロロ-1,3-ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、およびメタクリル酸エステル等の1種または2種以上が挙げられる。CRは、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものであっても、伸展油を加えない非油展タイプのものであってもよい。
ゴム成分中のCRの含有量Cは、他のゴム成分と共連続構造または海島構造を形成し、機械的特性を発揮する観点から、5質量%超であり、9質量%超がより好ましく、10質量%超がさらに好ましく、15質量%超がさらにこのましく、19質量%超がさらに好ましく、25質量%超がさらに好ましく、30質量%超が特に好ましい。また、ゴム成分中のCRの含有量Cは、他のゴム成分と共連続構造または海島構造を形成し、機械的特性を発揮するために他のゴム成分を含有する観点から、70質量%未満であり、65質量%未満が好ましく、60質量%未満がより好ましく、55質量%未満がさらに好ましく、50質量%未満が特に好ましい。
本発明のタイヤの扁平率(%)と本発明のゴム組成物のゴム成分中のCRの含有量C(質量%)との積(扁平率×C)は、300以上が好ましく、500以上がより好ましく、700以上がさらに好ましく、1000以上がさらに好ましい。また、扁平率×Cは、5500以下が好ましく、5200以下がより好ましく、5000以下がさらに好ましい。
(イソプレン系ゴム)
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、例えば、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム等が挙げられる。変性NRとしては、例えば、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。変性IRとしては、例えば、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等が挙げられる。これらのイソプレン系ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、25質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上が特に好ましく、40質量%以上が最も好ましい。一方、ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量は、95質量%未満が好ましく、80質量%以下がより好ましく、75質量%以下がさらに好ましく、70質量%以下がさらに好ましく、65質量%以下がさらに好ましく、60質量%以下が特に好ましい。イソプレン系ゴムの含有量を前記の範囲とすることにより、CRと共連続構造または海島構造を形成し、ゴム組成物が機械的特性を発揮し、耐オゾンクラック性能を向上することができると考えられる。
(BR)
BRとしては特に限定されるものではなく、例えば、シス含量が50モル%未満のBR(ローシスBR)、シス含量が90モル%以上のBR(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、変性BR(ハイシス変性BR、ローシス変性BR)等タイヤ工業において一般的なものを使用することができ、変性BRを含むことが好ましい。これらのBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ハイシスBRとしては、例えば、日本ゼオン(株)、宇部興産(株)、JSR(株)等より市販されているものを使用することができる。ハイシスBRを含有することで低温特性および耐摩耗性能を向上させることができる。シス含量は、好ましくは95モル%以上、より好ましくは96モル%以上、さらに好ましくは97モル%以上、特に好ましくは98モル%以上である。なお、シス含量は、前記測定方法により測定される。
変性BRとしては、リチウム開始剤により1,3-ブタジエンの重合を行ったのち、スズ化合物を添加することにより得られ、さらに変性BR分子の末端がスズ-炭素結合で結合されているもの(スズ変性BR)や、ブタジエンゴムの活性末端に縮合アルコキシシラン化合物を有するブタジエンゴム(シリカ用変性BR)等が挙げられ、スズ変性BRを含むことが好ましい。
BRの重量平均分子量(Mw)は、耐摩耗性能の観点から、30万以上が好ましく、35万以上がより好ましく、40万以上がさらに好ましい。また、架橋均一性等の観点からは、200万以下が好ましく、100万以下がより好ましい。なお、BRのMwは、前記測定方法により測定される。
ゴム成分中のBRの含有量の下限値は特に制限されないが、耐オゾンクラック性能の観点から、例えば、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上とすることができる。一方、ゴム成分中のBRの含有量の上限値は、耐久性能の観点から、60質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、45質量%以下が特に好ましい。
(SBR)
SBRとしては特に限定はなく、溶液重合SBR(S-SBR)、乳化重合SBR(E-SBR)、これらの変性SBR(変性S-SBR、変性E-SBR)等が挙げられる。変性SBRとしては、末端および/または主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物等でカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するもの等)等が挙げられる。なかでも、低燃費性能および耐摩耗性能を良好に改善できるという点から、S-SBRおよび変性SBRが好ましい。これらのSBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRとしては油展SBRを用いることもできるし、非油展SBRを用いることもできる。油展SBRを用いる場合、SBRの油展量、すなわち、SBRに含まれる油展オイルの含有量は、SBRのゴム固形分100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、8質量部以上がより好ましく、10質量部以上がさらに好ましい。また、SBRに含まれる油展オイルの含有量は、SBRのゴム固形分100質量部に対して、60質量部以下が好ましく、50質量部以下が好ましく、45質量部以下がより好ましい。
SBRのスチレン含量は、10.0質量%以上が好ましく、15.0質量%以上がより好ましく、20.0質量%以上がさらに好ましく、25.0質量%以上が特に好ましい。また、SBRのスチレン含量は、50.0質量%以下が好ましく、45.0質量%以下がより好ましく、40.0質量%以下がさらに好ましい。なお、SBRのスチレン含量は、前記測定方法により測定される。
SBRのビニル含量は、樹脂成分との反応性の担保およびゴム強度の観点から、10モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましく、20モル%以上がさらに好ましい。また、SBRのビニル含量は、破断伸びおよび耐摩耗性能の観点から、70モル%以下が好ましく、65モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましい。なお、SBRのビニル含量は、前記測定方法により測定される。
SBRの重量平均分子量(Mw)は、本発明の効果の観点から、20万以上が好ましく、25万以上がより好ましく、30万以上がさらに好ましい。また、架橋均一性の観点から、重量平均分子量は200万以下が好ましく、180万以下がより好ましく、150万以下がさらに好ましい。なお、SBRのMwは、前記測定方法により測定される。
ゴム成分中のSBRの含有量は、例えば、5質量%以上、10質量%以上、15質量%とすることができる。一方、ゴム成分中のSBRの含有量は、本発明の効果の観点から、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、40質量%以下が特に好ましい。
ゴム成分中のクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムの合計含有量Bは、CRの含有量Cを達成するため、95質量%未満であり、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下がさらに好ましい。また、クロロプレンゴム以外のジエン系ゴムの合計含有量Bは、本発明の効果の観点から、40質量%以上が好ましく、45質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、55質量%以上がさらに好ましく、60質量%以上が特に好ましい。
(その他のゴム成分)
ゴム成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外のゴム成分を含むこともでき、そのようなゴム成分としては、例えば、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、塩化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム等の非ジエン系ゴムが挙げられる。
≪フィラー≫
本発明に係るゴム組成物は、フィラーを含有することが好ましく、フィラーとしては、カーボンブラックおよび/またはシリカを含むことが好ましく、カーボンブラックを含むことがより好ましい。また、カーボンブラックのみからなるフィラーとしてもよい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックとしては特に限定されず、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。これらのカーボンブラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、40nm以上が好ましく、45nm以上がより好ましく、50nm以上がさらに好ましく、55nm以上が特に好ましい。カーボンブラックの平均一次粒子径を前記の範囲することにより、カーボンブラックにより束縛されるゴム分子が最小限に抑えられ、カーボンブラックの分散性が向上すると考えられる。一方、該平均一次粒子径は、本発明の効果観点から、120nm以下が好ましく、110nm以下がより好ましく、100nm以下がさらに好ましく、90nm以下が特に好ましい。なお、カーボンブラックの平均一次粒子径は、前記測定方法により測定される。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、本発明の効果の観点から、55m2/g以下が好ましく、50m2/g以下がより好ましく、45m2/g以下がさらに好ましい。また、該N2SAは、20m2/g以上が好ましく、25m2/g以上がより好ましく、30m2/g以上がさらに好ましい。なお、カーボンブラックのN2SAは、前記測定方法により測定される。
カーボンブラックを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、補強性を得る観点および劣化を防ぐ観点から、10質量部超が好ましく、15質量部超がより好ましく、20質量部超がさらに好ましく、25質量部超が特に好ましい。また、低燃費性能の観点からは、65質量部未満が好ましく、60質量部未満がより好ましく、55質量部未満がさらに好ましい。
(シリカ)
シリカとしては、特に限定されず、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)、湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)等、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。また、必要に応じて、籾殻などのバイオマス材料を原料としたものを用いてもよい。なかでもシラノール基が多いという理由から、湿式法により調製された含水シリカが好ましい。これらのシリカは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの平均一次粒子径は、10nm以上が好ましく、12nm以上がより好ましく、14nm以上がさらに好ましい。シリカの平均一次粒子径を前記の範囲することにより、シリカにより束縛されるゴム分子が最小限に抑えられ、柔軟に動きやすくなるため、シリカの分散性が向上し、ゴム組成物の耐久性が向上する。一方、該平均一次粒子径は、本発明の効果観点から、22nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、18nm以下がさらに好ましい。なお、シリカの平均一次粒子径は、前記測定方法により測定される。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、本発明の効果の観点から、110m2/g以上が好ましく、140m2/g以上がより好ましく、170m2/g以上がさらに好ましく、180m2/g以下が特に好ましい。また、該N2SAは、350m2/g以下が好ましく、300m2/g以下がより好ましく、250m2/g以下がさらに好ましい。なお、シリカのN2SAは、前記測定方法により測定される。
ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量は、補強性を得る観点から、1質量部超が好ましく、3質量部超がより好ましく、5質量部超がさらに好ましく、10質量部超がさらに好ましい。また、低燃費性能の観点から、55質量部未満が好ましく、50質量部未満がより好ましく、45質量部未満が好ましく、40質量部未満がより好ましく、31質量部未満がさらに好ましく、30質量部未満が特に好ましい。本発明に係るゴム組成物は、シリカを含有しなくてもよい。
(その他の充填剤)
カーボンブラックおよびシリカ以外のフィラーとしては、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルク等、従来からタイヤ工業において一般的に用いられているものを配合することができる。
フィラーのゴム成分100質量部に対する合計含有量は、本発明の効果の観点から、10質量部超が好ましく、15質量部超がより好ましく、20質量部超がさらに好ましく、25質量部超がさらに好ましい。また、フィラーのゴム成分100質量部に対する合計含有量は、本発明の効果の観点から、70質量部未満が好ましく、60質量部未満がより好ましく、50質量部未満がさらに好ましく、55質量部未満が特に好ましい。
(シランカップリング剤)
シリカは、シランカップリング剤と併用してもよい。シランカップリング剤としては特に限定されず、タイヤ工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができるが、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、モメンティブ社製のNXT-Z100、NXT-Z45、NXT等のメルカプト系シランカップリング剤;ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド系シランカップリング剤;3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-ヘキサノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリメトキシシラン等のチオエステル系シランカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系シランカップリング剤;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系シランカップリング剤;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系シランカップリング剤;等が挙げられる。なかでも、スルフィド系シランカップリング剤および/またはメルカプト系シランカップリング剤が好ましく、スルフィド系シランカップリング剤がより好ましい。これらのシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、シリカの分散性を高める観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の低下を防止する観点からは、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下がさらに好ましい。
シランカップリング剤を含有する場合のシリカ100質量部に対する含有量は、シリカの分散性を高める観点から、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましく、8質量部以上が特に好ましい。また、コストおよび加工性の観点からは、20質量部以下が好ましく、18質量部以下がより好ましく、16質量部以下がさらに好ましい。
≪樹脂成分≫
本発明のゴム組成物は、樹脂成分を含有することが好ましい。樹脂成分としては、特に限定されないが、タイヤ工業で慣用される石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられ、石油樹脂およびテルペン系樹脂からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。これらの樹脂成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
≪石油樹脂≫
石油樹脂としては、特に限定されないが、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂が挙げられ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。脂肪族系石油樹脂としては、炭素数4~5個相当の石油留分(C5留分)であるイソプレンやシクロペンタジエンなどの不飽和モノマーをカチオン重合することにより得られる樹脂(C5系石油樹脂とも称される。)を用いることができる。芳香族系石油樹脂としては、炭素数8~10個相当の石油留分(C9留分)であるビニルトルエン、アルキルスチレン、インデンなどのモノマーをカチオン重合することにより得られる樹脂(C9系石油樹脂とも称される。)を用いることができる。脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂としては、上記C5留分とC9留分を共重合することにより得られる樹脂(C5C9系石油樹脂とも称される。)が用いられる。また、前記の石油樹脂を水素添加したものを使用してもよい。なかでも芳香族系石油樹脂が好適に用いられる。芳香族系石油樹脂としては、例えば、α-メチルスチレン樹脂が挙げられる。α-メチルスチレン系樹脂としては、α-メチルスチレンのホモポリマー(ポリ-α-メチルスチレン)、α-メチルスチレンと芳香族化合物やフェノール系化合物を含む他の化合物とのコポリマーが挙げられる。このコポリマーを構成し得る他の化合物としては、スチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。α-メチルスチレン系樹脂としては、クレイトン社製のものなどが好適に用いられる。
≪テルペン系樹脂≫
テルペン系樹脂としては、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペンスチレン樹脂等が挙げられ、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでもテルペンスチレン樹脂は、CR以外のジエン系ゴムに対して相溶性がよく、ゴム成分中に硫黄が分散しやすくなることから、好適に用いられる。
ポリテルペン樹脂は、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、ジペンテン等のテルペン化合物から選ばれる少なくとも1種を原料とする樹脂である。テルペン系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
テルペンフェノール樹脂は、前記テルペン化合物およびフェノール系化合物を原料とする樹脂である。テルペンスチレン樹脂は、前記テルペン化合物およびスチレンを原料とする樹脂である。ポリテルペン樹脂およびテルペンスチレン樹脂は、水素添加処理を行った樹脂(水添ポリテルペン樹脂、水添テルペンスチレン樹脂)であってもよい。テルペン系樹脂への水素添加処理は、公知の方法で行うことができ、また市販の水添樹脂を使用することもできる。
本発明では、テルペン系樹脂は市販品が用いられてもよい。このような市販品は、ヤスハラケミカル(株)等によって製造販売されるものが例示される。
≪ロジン系樹脂≫
ロジン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば天然樹脂ロジン、それを水素添加、不均化、二量化、エステル化等で変性したロジン変性樹脂等が挙げられ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
≪クマロン系樹脂≫
クマロン系樹脂は、クマロンを主成分する樹脂であり、例えば、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂、クマロンとインデンとスチレンを主成分とする共重合樹脂等が挙げられ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂成分の軟化点は、ゴム成分への分散性の観点から、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましく、95℃以上がさらに好ましい。また、樹脂成分の軟化点の上限値は特に制限されないが、通常200℃以下である。
樹脂成分のゴム成分100質量部に対する合計含有量は、本発明の効果の観点から、5質量部超が好ましく、7質量部超がより好ましく、8質量部超がさらに好ましく、10質量部超がさらに好ましい。また、樹脂成分のゴム成分100質量部に対する合計含有量は、タイヤの成型加工性の観点から40質量部未満が好ましく、30質量部未満がより好ましく、25質量部未満がさらに好ましい。
<その他の配合剤>
本発明に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、従来タイヤ工業で一般に使用される配合剤、例えば、樹脂以外の軟化剤、ワックス、加工助剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤等を適宜配合することができる。
樹脂以外の軟化剤としては、例えば、オイル、液状ゴム等が挙げられる。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、動物油脂等が挙げられる。前記プロセスオイルとしてはパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等が挙げられる。また、環境対策で多環式芳香族(polycyclic aromatic compound:PCA)化合物の含量の低いプロセスオイルを使用することもできる。前記低PCA含量プロセスオイルとしては、軽度抽出溶媒和物(MES)、処理留出物芳香族系抽出物(TDAE)、重ナフテン系オイル等が挙げられる。
オイルを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましく、5質量部以上が特に好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、60質量部以下がさらに好ましい。
液状ゴムは、常温(25℃)で液体状態のポリマーであれば特に限定されないが、例えば、液状ブタジエンゴム(液状BR)、液状スチレンブタジエンゴム(液状SBR)、液状イソプレンゴム(液状IR)、液状スチレンイソプレンゴム(液状SIR)、液状ファルネセンゴム等が挙げられる。これらの液状ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状ゴムを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましく、5質量部以上が特に好ましい。また、液状ゴムの含有量は、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらに好ましい。
<ワックス>
ワックスを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、本発明の効果の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、ブルームによるタイヤの白色化防止の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。なお、ワックスの含有量は、0質量部とすることもできる。本発明のゴム組成物は、CRを含有することで、ワックスの含有量が少なくても、耐オゾンクラック性能を確保することができる。
<老化防止剤>
本発明のゴム組成物は、老化防止剤を含有しても良い。老化防止剤としては特に制限されないが、例えば、アミン系、キノリン系、キノン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩等の老化防止剤が挙げられ、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系老化防止剤、およびポリ(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン)、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン等のキノリン系老化防止剤が好ましい。これらの老化防止剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
老化防止剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する合計含有量Aは、耐摩耗性能やウェットグリップ性能の観点から、5.0質量部以下が好ましく、3.0質量部以下がより好ましく、1.0質量部以下がさらに好ましく、1.0質量部未満が特に好ましい。また、ゴム成分100質量部に対する老化防止剤の含有量Aは、本発明の効果の観点から、0.01質量部超が好ましく、0.05質量部超がより好ましく、0.08質量部以上がさらに好ましく、0.1質量部以上が特に好ましい。なお、老化防止剤の含有量は、0質量部とすることもできる。本発明のゴム組成物は、CRを含有することで、老化防止剤の含有量が少なくても、耐オゾンクラック性能を確保することができる。
ゴム成分中のクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムの合計含有量Bに対するAの比(A/B)は、0.1以下が好ましく、0.1未満がより好ましく、0.05未満がさらに好ましく、0.01未満が特に好ましい。また、A/Bの下限値は特に制限されず、例えば、0.0010以上、0.0012以上、0.0015以上とすることができる。
<加硫促進助剤>
本発明のゴム組成物は、クロロプレンゴムを含有するため、架橋反応のため硫黄および加硫促進剤の他に加硫促進助剤を併用することが好ましい。加硫促進助剤としては、ステアリン酸、金属酸化物等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウムが好適に用いられる。
ステアリン酸を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、加硫速度の観点からは、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
酸化亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
本発明のゴム組成物は、クロロプレンゴムの架橋反応のための促進助剤として、酸化マグネシウムを含有することが好ましい。酸化マグネシウムを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、0.8質量部以上がより好ましく、1.0質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
クロロプレンゴムの含有量に対する酸化マグネシウムの含有量の比は、架橋反応を促進する観点から、0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.03以上がさらに好ましい。また、クロロプレンゴムの含有量に対する酸化マグネシウムの含有量の比は0.1以下が好ましく、0.07以下がより好ましく、0.05以下がさらに好ましい。
加硫剤としては硫黄が好適に用いられる。硫黄としては、粉末硫黄、油処理硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等を用いることができる。
加硫剤として硫黄を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な加硫反応を確保する観点から、0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。また、劣化防止の観点からは、5.0質量部以下が好ましく、4.0質量部以下がより好ましく、3.0質量部以下がさらに好ましく、2.5質量部以下が特に好ましい。なお、加硫剤として、オイル含有硫黄を使用する場合の加硫剤の含有量は、オイル含有硫黄に含まれる純硫黄分の合計含有量とする。
硫黄以外の加硫剤としては、例えば、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、1,6-ヘキサメチレン-ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物、1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン等が挙げられる。これらの硫黄以外の加硫剤は、田岡化学工業(株)、ランクセス(株)、フレクシス社等より市販されているものを使用することができる。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系若しくはアルデヒド-アンモニア系、イミダゾリン系、またはキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。クロロプレンゴムは酸化亜鉛などの金属塩とチオウレア系加硫促進剤によりモノスルフィド架橋形成するため、チオウレア系加硫促進剤を含むことにより、クロロプレンゴムの相にオゾンクラックが発生しにくくなり、クロロプレンゴム以外のジエン系ゴムの相に亀裂が生じても架橋が少なく流動性の高いクロロプレンゴムの相によって緩和され、クロロプレンゴムの相との界面における強度を向上させることができ、耐オゾンクラック性能がさらに向上すると考えられる。そのため、加硫促進剤として、チオウレア系加硫促進剤を含むことが好ましい。
チオウレア系加硫促進剤としては、例えば、チアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオルトトリルチオ尿素などのチオ尿素化合物、N,N’-ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’-ジエチルチオ尿素等が挙げられる。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。なかでも、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)およびN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)が好ましい。
グアニジン系加硫促進剤としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ-o-トリルグアニジン塩、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-ビフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジン等が挙げられる。なかでも、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)が好ましい。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド等が挙げられる。なかでも、2-メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する合計含有量は、1.0質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、2.0質量部以上がさらに好ましい。また、加硫促進剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、8.0質量部以下が好ましく、7.0質量部以下がより好ましく、6.0質量部以下がさらに好ましく、5.0質量部以下が特に好ましい。加硫促進剤の含有量を上記範囲内とすることにより、破壊強度および伸びが確保できる傾向がある。
<製造>
本発明に係るゴム組成物は、公知の方法により製造することができる。例えば、前記の各成分をオープンロール、密閉式混練機(バンバリーミキサー、ニーダー等)等のゴム混練装置を用いて混練りすることにより製造できる。
混練り工程は、例えば、加硫剤および加硫促進剤以外の配合剤および添加剤を混練りするベース練り工程と、ベース練り工程で得られた混練物に加硫剤および加硫促進剤を添加して混練りするファイナル練り(F練り)工程とを含んでなるものである。さらに、前記ベース練り工程は、所望により、複数の工程に分けることもできる。
混練条件としては特に限定されるものではないが、例えば、ベース練り工程では、排出温度150~170℃で3~10分間混練りし、ファイナル練り工程では、70~110℃で1~5分間混練りする方法が挙げられる。加硫条件としては、特に限定されるものではなく、例えば、150~200℃で10~30分間加硫する方法が挙げられる。
前記ゴム組成物から構成されるサイドウォールを備えた本発明のタイヤは、通常の方法により製造することができる。すなわち、ゴム成分に対して上記各成分を必要に応じて配合した未加硫のゴム組成物を、サイドウォールの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成型することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、タイヤを製造することができる。加硫条件としては、特に限定されるものではなく、例えば、150~200℃で10~30分間加硫する方法が挙げられる。
<用途>
本発明のタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤに好適に用いることができ、なかでも乗用車用タイヤに用いることが好ましい。なお、乗用車用タイヤとは、四輪で走行する自動車に装着されることを前提としたタイヤであり、その最大負荷能力が1000kg以下のものを指す。また、本発明のタイヤは、全シーズン用タイヤ、夏用タイヤ、スタッドレスタイヤ等の冬用タイヤに使用可能である。
以下に示す各種薬品を用いて表1上部に従って配合を変化させて得られるゴム組成物を用いて作製されるサイドウォールを備えるタイヤを検討して下記評価方法に基づいて算出した結果を表1下部に示す。
NR:TSR20
BR:宇部興産(株)製のUBEPOL BR(登録商標)150B(シス含量:97モル%、Mw:44万)
SBR:JSR(株)製のHPR840(S-SBR、スチレン含量:10質量%、ビニル含量:42モル%、Mw:19万)
CR:デンカ(株)製のデンカクロロプレンM-40
カーボンブラック:三菱ケミカル(株)製のダイアブラック(登録商標)E(FEF、N550、N2SA:41m2/g、平均一次粒子径:81nm)
オイル:ダイアナプロセスNH-70S(出光興産(株)の芳香族系プロセスオイル)
樹脂成分1:東ソー(株)製のペトロタック100V(C5/C9混合樹脂、軟化点:95℃)
樹脂成分2:クレイトン社製のSYLVATARAXX4150(ポリテルペン樹脂、軟化点:115℃)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
酸化マグネシウム:協和化学工業(株)製のキョーワマグ
硫黄:細井化学工業(株)製のHK-200-5(5%オイル含有粉末硫黄)
加硫促進剤1:三新化学工業(株)製のサンセラー22-C(2-イミダゾリン-2-チオール)
加硫促進剤2:三新化学工業(株)製のサンセラーNS-G((N-(tert-ブチル)-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド)
(実施例および比較例)
表1に示す配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度170℃になるまで5分間混練りし、混練物を得る。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得る。得られた未加硫ゴム組成物を、所定の形状の口金を備えた押し出し機でサイドウォールの形状に押し出し成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で12分間プレス加硫することにより、各試験用タイヤを製造する。
<破断強度、破断伸び>
各試験用タイヤのサイドウォールから、タイヤ周方向が縦方向となるように厚さ1mmの7号ダンベル形状の試験片を作製し、JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張試験特性の求め方」に準じて、23℃雰囲気下にて、引張速度3.3mm/秒の条件で引張試験を実施し、破断強度(TB)(MPa)および破断伸び(EB)(%)を測定する。
<オゾンクラック試験>
各試験用タイヤのサイドウォールから試験片を切り出し、タイヤ周方向が縦方向となるように縦120mm、幅16mm、厚み2.0mmの試験片を作成し、該試験片を温度40℃、オゾン濃度50pphm、静的伸張歪20%で24時間暴露した後のクラックの個数を計測する。
<劣化後の耐久性能試験>
前記の各試験用タイヤを、温度40℃、オゾン濃度50pphmの管理室内に24時間静置し、オゾンに暴露する。オゾンに暴露した後の各試験用タイヤを、200kPaの内圧および荷重(正規荷重)の条件下で、60km/hでドラム試験機を用いてドラム走行させ、サイドウォールに損傷が見られるまでの走行距離を測定し、対照タイヤ(比較例3)の値を100とした指数で表示する。指数の値が大きいほど、耐久性能に優れることを示す。
Figure 2023174338000001
<実施形態>
本発明の実施形態の例を以下に示す。
〔1〕サイドウォールを備えたタイヤであって、
前記サイドウォールが、ゴム成分を含有するゴム組成物により構成され、
前記ゴム成分が、クロロプレンゴムおよびクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムを含有し、
前記ゴム成分中のクロロプレンゴムの含有量をC(質量%)としたとき、
Cが5質量%超70質量%未満であり、
前記ゴム組成物の破断強度が12MPa以上、および破断伸びが600%以上であり、
前記ゴム組成物から調整した縦120mm、幅16mm、厚み2.0mmの試験片をオゾンに24時間暴露した後のクラック数が300個以下である、タイヤ。
〔2〕タイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚みをT(mm)としたとき、Tに対するCの比C/Tが0.25以上700以下である、〔1〕記載のタイヤ。
〔3〕ゴム成分中のクロロプレンゴムの含有量Cが15質量%以上45質量%以下である、〔1〕または〔2〕記載のタイヤ。
〔4〕ゴム成分中のクロロプレンゴムの含有量Cが20質量%以上40質量%以下である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔5〕前記ゴム組成物の破断強度が15MPa以上、および破断伸びが700%以上である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔6〕前記クラック数が200個以下である、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔7〕前記ゴム組成物がさらに樹脂成分を含有し、前記樹脂成分が、石油樹脂およびテルペン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含む、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔8〕前記ゴム組成物が、さらにチオウレア系加硫促進剤を含む、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔9〕前記ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する老化防止剤の含有量をA(質量部)、ゴム成分中のクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムの含有量をB(質量%)としたとき、A/Bが0.1未満である、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔10〕前記タイヤの扁平率が50%以上80%以下である、〔1〕~〔9〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔11〕前記サイドウォールが、タイヤ断面幅高さHtの25~50%の領域の一部または全部をカバーする、〔1〕~〔10〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔12〕前記タイヤが乗用車用タイヤである、〔1〕~〔11〕のいずれかに記載のタイヤ。
1 トレッド
2 ベルト
3 バンド
21 ビードコア
22 ビードエイペックス
23 リムクッション
24 クリンチエイペックス
25 ストリップエイペックス
31 サイドウォール
32 インナーライナ
33 カーカス
CL タイヤ赤道
T タイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚み
PW タイヤ最大幅位置

Claims (12)

  1. サイドウォールを備えたタイヤであって、
    前記サイドウォールが、ゴム成分を含有するゴム組成物により構成され、
    前記ゴム成分が、クロロプレンゴムおよびクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムを含有し、
    前記ゴム成分中のクロロプレンゴムの含有量をC(質量%)としたとき、
    Cが5質量%超70質量%未満であり、
    前記ゴム組成物の破断強度が12MPa以上、および破断伸びが600%以上であり、
    前記ゴム組成物から調整した縦120mm、幅16mm、厚み2.0mmの試験片をオゾンに24時間暴露した後のクラック数が300個以下である、タイヤ。
  2. タイヤ最大幅位置における表面ゴム層の厚みをT(mm)としたとき、Tに対するCの比C/Tが0.25以上700以下である、請求項1に記載のタイヤ。
  3. ゴム成分中のクロロプレンゴムの含有量Cが15質量%以上45質量%以下である、請求項1または2に記載のタイヤ。
  4. ゴム成分中のクロロプレンゴムの含有量Cが20質量%以上40質量%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のタイヤ。
  5. 前記ゴム組成物の破断強度が15MPa以上、および破断伸びが700%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載のタイヤ。
  6. 前記クラック数が200個以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載のタイヤ。
  7. 前記ゴム組成物がさらに樹脂成分を含有し、前記樹脂成分が、石油樹脂およびテルペン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のタイヤ。
  8. 前記ゴム組成物が、さらにチオウレア系加硫促進剤を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のタイヤ。
  9. 前記ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する老化防止剤の含有量をA(質量部)、ゴム成分中のクロロプレンゴム以外のジエン系ゴムの含有量をB(質量%)としたとき、A/Bが0.1未満である、請求項1~8のいずれか一項に記載のタイヤ。
  10. 前記タイヤの扁平率が50%以上80%以下である、請求項1~9のいずれか一項に記載のタイヤ。
  11. 前記サイドウォールが、タイヤ断面幅高さHtの25~50%の領域の一部または全部をカバーする、請求項1~10のいずれか一項に記載のタイヤ。
  12. 前記タイヤが乗用車用タイヤである、請求項1~11のいずれか一項に記載のタイヤ。
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