JP2023174067A - メタン排出量推定システム及び方法並びにプログラム - Google Patents

メタン排出量推定システム及び方法並びにプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2023174067A
JP2023174067A JP2022086709A JP2022086709A JP2023174067A JP 2023174067 A JP2023174067 A JP 2023174067A JP 2022086709 A JP2022086709 A JP 2022086709A JP 2022086709 A JP2022086709 A JP 2022086709A JP 2023174067 A JP2023174067 A JP 2023174067A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
field
data
satellite
image data
methane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022086709A
Other languages
English (en)
Inventor
真由美 宮崎
Mayumi Miyazaki
康人 櫻庭
Yasuto Sakuraba
泰俊 百束
Yasutoshi Momotsuka
遼 ▲たか▼橋
Ryo Takahashi
駿吾 野地
Shungo Noji
英人 小森
Hideto Komori
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tenchijin Inc
Original Assignee
Tenchijin Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tenchijin Inc filed Critical Tenchijin Inc
Priority to JP2022086709A priority Critical patent/JP2023174067A/ja
Publication of JP2023174067A publication Critical patent/JP2023174067A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

【課題】メタン排出量推定システム、方法及びプログラムを提供する。【解決手段】メタン排出量推定システム3は、圃場の選択を受け付ける受付部31と、地表面に衛星から照射されたマイクロ波の反射波を衛星で観測して得られたSAR画像データを取得するSAR画像データ取得部321と、衛星から地表面に照射したマイクロ波の反射波を衛星で観測して得られた画像データと、地表面の帯水状況を示す水指数と、の関係を機械学習させた第1学習部331を用いて、SAR画像データから、選択された圃場の湛水状況を推定する湛水状況推定部341と、選択された圃場における気象データを取得する気象データ取得部324と、圃場の過去の湛水状況及び気象データと、圃場からのメタンガスの排出量の実測データと、の関係を機械学習させた第2学習部332を用いて、選択された圃場からのメタンガスの排出量を推定する排出量推定部342と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、圃場からのメタンガスの排出量を推定するためのシステム及び方法並びにプログラムに関する。
例えば、特許文献1(特開2014-139703号公報)は、水田からのメタンの排出の抑制を増大する方法を開示している。かかる方法は、水田において水稲が栽培された場合に通常発生するメタンの排出量を計算する排出量計算ステップを含む。
特開2014-139703号公報
しかし、特許文献1に開示されたメタンの排出量の計算は、栽培基本パラメータやメタン抑制栽培パラメータを栽培者からの情報に頼っており、情報の一貫性・客観性に欠けるだけでなく、栽培者から情報を得られなければ実施できない。栽培者が必要な情報を入力するのは手間であり、誤入力の可能性もある。
そこで、本発明は、栽培者から情報を取得できない範囲においても、メタン排出量を推定することができるシステム及び方法並びにプログラムの提供を目的とする。
上述した課題を解決すべく、本発明の第1の態様は、
圃場の選択を受け付ける受付部と、
選択された圃場を含む地表面に衛星から照射されたマイクロ波の反射波を前記衛星で観測することで得られたSAR画像データを取得するSAR画像データ取得部と、
衛星から地表面に照射したマイクロ波の反射波を前記衛星で観測することで得られた画像データと、当該地表面の帯水状況を示す水指数と、の関係を機械学習させた第1学習済みモデルを用いて、取得されたSAR画像データから、前記選択された圃場の湛水状況を推定する湛水状況推定部と、
前記選択された圃場における気象データを取得する気象データ取得部と、
ある圃場における過去のある時期の湛水状況及び当該時期における当該圃場の気象データと、当該時期における当該圃場からのメタンガスの排出量の実測データと、の関係を機械学習させた第2学習済みモデルを用いて、推定された湛水状況及び取得された気象データから、前記選択された圃場からのメタンガスの排出量を推定する排出量推定部と、
を含むことを特徴とするメタン排出量推定システム、を提供する。
本発明のメタン排出量推定システムでは、前記選択された圃場の土壌の状態を示す土壌データを取得する土壌データ取得部を更に具備し、
前記排出量予測部が、前記第2学習済みモデルとして、ある圃場における過去のある時期の湛水状況、当該時期における当該圃場の気象データ、及び当該時期における当該圃場の土壌データと、当該時期における当該圃場からのメタンガスの排出量の実測データと、の関係を機械学習させた予測モデルを用い、推定された湛水状況、取得された気象データ、及び取得された土壌データから、前記選択された圃場からのメタンガスの排出量を推定すること、が好ましい。
また、本発明のメタン排出量推定システムでは、前記排出量予測部が、異なる土壌条件の下における、前記選択された圃場からの将来のメタンガスの排出量を示す複数のシナリオを提示すること、が好ましい。
また、本発明のメタン排出量推定システムでは、前記選択された圃場への施肥状況を示す施肥データを取得する施肥データ取得部を更に具備し、
前記排出量予測部が、前記第2学習済みモデルとして、ある圃場における過去のある時期の湛水状況、当該時期における当該圃場の気象データ、及び当該時期における当該圃場の施肥データと、当該時期における当該圃場からのメタンガスの排出量の実測データと、の関係を機械学習させた予測モデルを用い、推定された湛水状況、取得された気象データ、及び取得された施肥データから、前記選択された圃場からのメタンガスの排出量を推定すること、が好ましい。
また、本発明のメタン排出量推定システムでは、前記排出量予測部が、異なる施肥条件の下における、前記選択された圃場からの将来のメタンガスの排出量を示す複数のシナリオを提示すること、が好ましい。
また、本発明の第2の態様は、
コンピュータに対して、
圃場の選択を受け付ける手順と、
選択された圃場を含む地表面に衛星から照射されたマイクロ波の反射波を前記衛星で観測することで得られたSAR画像データを取得する手順と、
衛星から地表面に照射したマイクロ波の反射波を前記衛星で観測することで得られた画像データと、当該地表面の帯水状況を示す水指数と、の関係を機械学習させた第1学習済みモデルを用いて、取得されたSAR画像データから、前記選択された圃場の湛水状況を推定する手順と、
前記選択された圃場における気象データを取得する手順と、
ある圃場における過去のある時期の湛水状況及び当該時期における当該圃場の気象データと、当該時期における当該圃場からのメタンガスの排出量の実測データと、の関係を機械学習させた第2学習済みモデルを用いて、推定された湛水状況及び取得された気象データから、前記選択された圃場からのメタンガスの排出量を推定する手順と、
を実行させることを特徴とするメタン排出量推定方法、を提供する。
また、本発明の第3の態様は、
コンピュータに対して、
圃場の選択を受け付ける手順と、
選択された圃場を含む地表面に衛星から照射されたマイクロ波の反射波を前記衛星で観測することで得られたSAR画像データを取得する手順と、
衛星から地表面に照射したマイクロ波の反射波を前記衛星で観測することで得られた画像データと、当該地表面の帯水状況を示す水指数と、の関係を機械学習させた第1学習済みモデルを用いて、取得されたSAR画像データから、前記選択された圃場の湛水状況を推定する手順と、
前記選択された圃場における気象データを取得する手順と、
ある圃場における過去のある時期の湛水状況及び当該時期における当該圃場の気象データと、当該時期における当該圃場からのメタンガスの排出量の実測データと、の関係を機械学習させた第2学習済みモデルを用いて、推定された湛水状況及び取得された気象データから、前記選択された圃場からのメタンガスの排出量を推定する手順と、
を実行させるためのプログラム、を提供する。
本発明によれば、衛星データを用いて広域かつ継続的に圃場からのメタンガスの排出量を推定する。つまり、推定に必要な基本情報が衛星データであるので、栽培者から情報を得られなくてもメタンガスの排出量を推定することができる。また、栽培者がデータ入力する手間が省け、誤入力を防止することができるため、より広汎に利用可能である。
本実施形態に係るシステム1の概略図である。 メタン排出量推定システム3のソフトウェア構成を示すブロック図である。 メタン排出量推定システム3等を構成するコンピュータ100のハードウェア構成を示すブロック図である。 メタン排出量推定システム3の出力の一例を示す画面図である。 メタン排出量推定の手順を示すフローチャートである。 メタン排出量推定の手順を示す図である。
以下、本発明に係るメタン排出量推定システム及び方法並びにプログラムの代表的な実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明はこれら図面に限定されるものではない。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
1.システム1の全体構成
図1に示すように、システム1は、メタン排出量推定システム3、ユーザ端末5、及び外部サーバ7から構成されている。メタン排出量推定システム3、ユーザ端末5、及び外部サーバ7は、通信ネットワーク9を介して通信可能である。メタン排出量推定システム3、ユーザ端末5及び外部サーバ7は複数台設けられてもよい。
ユーザ端末5は、農業従事者などのユーザによって使用されるコンピュータであり、例えばデスクトップ型コンピュータ、ノートブック型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォンなどである。なお、ユーザ端末5は、メタン排出量推定システム3の機能の全部又は一部分を含んでいてもよい。
外部サーバ7は気象データ及び衛星データ等の各種データを格納するコンピュータであり、例えば、気象情報提供会社及び衛星情報提供会社などによって管理されたデータサーバである。気象データ及び衛星データの詳細については追って述べる。
メタン排出量推定システム3は、ユーザ端末5からの指示に基づき、外部サーバ7から必要なデータを取得して、指定された圃場における過去、現在及び将来のメタンガスの排出量を推定する。なお、本発明において「圃場」とは、広く農産物を育てる場所のことを意味し、例えば田(水田)、畑、果樹園及び牧草地等が含まれる概念である。
メタン排出量推定システム3の詳細は以下に説明される。
1-2. コンピュータ100のハードウェア構成
図3に示すように、メタン排出量推定システム3、ユーザ端末5及び外部サーバ7を構成するコンピュータ100は、CPU101、RAM103、ROM105、通信インタフェース107、入力装置109、出力装置111といった各種ハードウェアを備える。コンピュータ100は1台で構成されてもよいし、複数台で構成されてもよい。
CPU101は、ROM105から各種のデータ及びプログラムをRAM103に読み込んで実行することで、各種機能を実現する。例えばメタン排出量推定システム3を構成するコンピュータ100では、CPU101は、後述する受付部31、取得部32、学習部33及び推定部34として機能する。
ROM105は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。
通信インタフェース107は、通信ネットワーク30に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。
入力装置109は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。
出力装置111は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。
なお、外部サーバ7は例えば出力装置111を省略してもよい。
2.メタン排出量推定システム3の構成
図2に示すように、メタン排出量推定システム3は、受付部31、取得部32、学習部33、推定部34、出力部35及び記憶部36を含む。以下、これらの機能部について詳細に説明する。
受付部31は、ユーザ端末5から圃場の選択を受け付ける。例えば、受付部31は、ユーザ端末5のディスプレイに地図を表示させてユーザに圃場を選択させてもよいし(図4参照)、ユーザに圃場の所在地を入力させたり、経度緯度を指定させたり、圃場リストから選択させてもよい。
また、受付部31は、ユーザ端末5から、将来に採用される農法の選択を受け付けることができる。
取得部32は、各種データを外部から取得したり、取得したデータを用いて新たなデータを生成したりする。取得部32は、SAR画像データ取得部321、光学画像データ取得部322、水指数取得部323、及び気象データ取得部324を含む。
SAR画像データ取得部321は、外部サーバ7からSAR画像データを取得し、記憶する。SAR画像データ取得部321は、機械学習の訓練データとしてSAR画像データを取得するとともに、学習済みモデル(第1学習済みモデル)への入力としてのSAR画像データ(つまり選択された圃場をカバーする画像データ)を取得する。取得されるSAR画像データは、最新のデータだけでなく、過去のデータを含む。
ここに、SAR画像データは、衛星データの一種であり、外部サーバ7に蓄積されている。SAR画像データは、衛星から地表面に照射されたマイクロ波の反射波を当該衛星で観測することで得られた画像データであり、例えば合成開口レーダー(SAR)により得られた画像データである。利用可能なマイクロ波の周波数帯域としては、Lバンド、Cバンド、Xバンドなどが挙げられるが、これらに限られない。
SAR画像データを利用した地物の判別のためには、画像の後方散乱係数が利用される。SAR画像データは、雲で覆われた地表面の状況を捉えることができるため、全天候でデータ取得が可能であるが、地表の植生や湛水状況に対する判別精度は低い。
光学画像データ取得部322は、外部サーバ7から光学画像データを取得し、記憶する。光学画像データ取得部322は、機械学習の訓練データとしての水指数又は植生指数を算出するために光学画像データを取得するとともに、学習済みモデル(第1学習済みモデル)への入力としての上記指数(つまり選択された圃場をカバーする指数)を取得する。取得される光学画像データは、最新のデータだけでなく、過去のデータを含む。
ここに、光学画像データは、衛星データの一種であり、外部サーバ7に蓄積されている。光学画像データは、地表面から放射された可視光を衛星で観測することで得られた画像データである。
光学画像データを利用した地物の判別のためには、地物特有の分光反射特性が利用される。光学画像データは、植生や湛水状況に対して高い判別精度を持つが、雲の被覆によるデータ欠損が生じ得る。
水指数取得部323は、取得された光学画像データを用いて、地表面の帯水状況を示す水指数を取得する。過去及び最新の光学画像データが与えられたとき、水指数取得部323は、過去から現在に亘る時系列の水指数を取得する。
ここに、水指数としては、正規化水指数(NDWI)が好適に使用される。NDWIは、地表面における水域(雪を含む)や植生に含まれる水分量の存在を示す指数であり、赤波長Rと中間赤外波長SWIRを用いて、次式で計算される。
NDWI=(R-SWIR)/(R+SWIR)
したがって、選択された圃場に対応するNDWIが高いときは、表面が帯水状況にあり、選択された圃場が水田であると判断される。
なお、水指数取得部323は、外部サーバ7から水指数を取得してもよい。
水指数取得部323は、取得された光学画像データを用いて、地表面の植生状況を示す植生指数を取得してもよい。ここでは、植生指数は、湛水状況の判別のために補助的に使用される。
植生指標としては、正規化植生指数(NDVI)が好適に使用される。NDVIは、植物の量や活力を表す指標であり、可視域赤の反射率Rと近赤外域の反射率IRとを用いて、次式で計算される。
NDVI=(IR-R)/(IR+R)
数値は-1~1の範囲で表され、-1に近い程植生は悪く、1に近い程植生は良いと判断される。
次いで、気象データ取得部324は、気象データを外部サーバ7から取得する。気象データとしては、例えば気温、降水量、日射量、地表面温度が挙げられるが、これらに限られない。気象データ取得部324は、機械学習の訓練データとして気象データを取得するとともに、学習済みモデル(第2学習済みモデル)への入力として選択された圃場の気象データを取得する。取得される気象データは、最新のデータのほか、過去の実績データ及び将来の予報データを含んでよい。
学習部33は、教師データを用いて機械学習を行い、学習済みモデルを生成する。本実施形態では、学習部33は、2種類の学習済みモデルを生成する。
第1学習済みモデルは、選択された圃場が水田かどうかを判定するために、当該圃場の帯水状況を判定する。第1学習済みモデルは、衛星から地表面に照射したマイクロ波の反射波を衛星で観測することで得られた画像データと、当該地表面の帯水状況を示す水指数と、の関係を機械学習させることで得られる。学習には例えばニューラルネットワークが使用されてよい。
ここに、この画像データはSAR画像データであり、外部サーバ7から取得されてもよいし、記憶部36から読み出してもよい。
また水指数は、SAR画像に対応する光学画像を用いて、上記計算式から算出される。光学画像データ及び水指数は外部サーバ7から取得されてもよいし、記憶部36から読み出してもよい。
第2学習済みモデルは、メタンガスの排出量の予測モデルである。第2学習済みモデルは、ある圃場における過去のある時期の湛水履歴及び当該時期における当該圃場の気象データと、当該時期における当該圃場のメタンガスの排出量の実測データと、の関係を機械学習させることで得られる。学習には、例えば、RNNの一種である長・短期記憶(LSTM)などの時系列モデルが使用されてよい。
追加的に、機械学習には、訓練データとして、当該時期における当該圃場の土壌の状態を示す土壌データを用いてもよい。すなわち、第2学習済みモデルは、ある圃場における過去のある時期の湛水履歴、当該時期における当該圃場の気象データ、及び当該時期における当該圃場の土壌データと、当該時期における当該圃場からのメタンガスの排出量の実測データと、の関係を機械学習させることで得られてもよい。
土壌データとしては、土壌中の窒素、リン、カリウム、有機物、酸素の量や、硬さ・水はけの良さ、微生物の量などが挙げられるが、これらに限られない。
あるいは、機械学習には、訓練データとして、当該時期における当該圃場への施肥状況を示す施肥データを用いてもよい。すなわち、第2学習済みモデルは、ある圃場における過去のある時期の湛水履歴、当該時期における当該圃場の気象データ、及び当該時期における当該圃場への施肥データと、当該時期における当該圃場からのメタンガスの排出量の実測データと、の関係を機械学習させることで得られてもよい。
施肥データとしては、肥料の種類・量、散布方法などが挙げられるが、これらに限られない。
あるいは、学習部33は、訓練データとして土壌データ及び施肥データの両方を用いて機械学習を実施してもよい。
推定部34は、学習済みモデルを用いて各種推定を実行する。推定部34は、湛水状況推定部341及び排出量推定部342を含む。
湛水状況推定部341は、第1学習済みモデルを用いて、選択された圃場をカバーするSAR画像データから、選択された圃場の湛水状況を推定する。つまり、湛水状況推定部341は、選択された圃場が湛水状態にあるか(又は湛水状態にあったか)を判定する。判定結果は記憶される。
したがって、湛水状況推定部341は、SAR画像の時系列データを第1学習済みモデルに入力することで、選択された圃場の湛水状況を時系列で示す湛水履歴を出力することができる。あるいは、湛水状況推定部341は、算出された水指数(及び植生指数)を加味して上記の湛水履歴を構成してもよい。
排出量推定部342は、第2学習済みモデルを用いて、推定された湛水状況及び取得された気象データから、選択された圃場からのメタンガスの排出量を推定する。排出量推定部342は、土壌データ、施肥データ又は両方を入力として受け付けてもよい。
したがって、排出量推定部342は、時系列に亘る湛水状況(湛水履歴)及び気象データを第2学習済みモデルに入力することで、推定されるメタンガス排出量の時系列データとして出力することができる。つまり、排出量推定部342は、過去、現在及び将来における当該圃場からのメタンガスの排出量の推定値を出力することができる。
このとき、排出量推定部342は、将来におけるメタンガスの排出量に関して、異なる入力条件に応じた複数の推定値を出力してもよい。つまり、ユーザに、将来の気候、農法及び施肥等の条件を入力(又は選択)させ、選択された条件に応じた推定値の違いを把握できるようにするのである(図4参照)。
出力部35は、推定されたメタンガスの排出量を出力する。
出力の方式は、ディスプレイへの表示、印刷、他のコンピュータへの送信などが挙げられる。ディスプレイへの表示の場合、過去、現在及び将来にわたるメタンガスの排出量の推定値がグラフで表示されてよい(図4参照)。
記憶部36は、各種データ及びプログラムを記憶する。記憶されるデータとしては、SAR画像データ、光学画像データ、NDWIデータ、NDVIデータ、気象データ、施肥管理データ、土壌データ、湛水域/非湛水域判定結果、メタン排出量推定結果、学習済みモデルが挙げられる。
なお、メタン排出量推定システム3は、上述した機能部を全て備える必要はない。例えば、学習部33は外部コンピュータで実行されてもよいし、水指数が外部サーバ7から取得される場合には光学画像データ取得部322はなくてもよい。
3.メタン排出量推定の手順
図5及び図6を参照してメタン排出量推定の手順を説明する。
ユーザ端末5がメタン排出量推定システム3にアクセスすることで、メタン排出量推定の手順が開始する。
メタン排出量推定システム3はユーザ端末5から圃場の選択を受け付ける(ステップS1)。例えば、メタン排出量推定システム3はユーザ端末5のディスプレイに地図情報を表示させ、ユーザに圃場を選択させる(図4参照)。圃場の選択は点でもよいし面でもよい。
選択された圃場の情報を受け取ると、メタン排出量推定システム3は、衛星データを取得し、画像処理を実施する(ステップS2)。つまり、メタン排出量推定システム3は、光学画像データを取得し、当該光学画像に対してNDWIを算出することで、NDWI画像データを生成する。併せて、メタン排出量推定システム3は、取得した光学画像に対してNDVIを算出することで、NDVI画像データを生成してもよい。また、メタン排出量推定システム3は、SAR画像データを取得し、必要な前処理を施してもよい。
次いで、メタン排出量推定システム3は、SAR画像データ及びNDWI画像データを訓練データとして機械学習を実施し、学習済みモデル(第1学習済みモデル)を得る(ステップS3)。この学習済みモデルは、SAR画像データを入力とし、湛水域/非湛水域の判定を出力する。なお、機械学習は事前に実施されていてもよく、その場合には、メタン排出量推定システム3は、ステップS3において学習済みモデルを記憶部36から読み込むことになる。
そして、メタン排出量推定システム3は、得られた学習済みモデルに、選択された圃場をカバーするSAR画像データを入力し、当該圃場が湛水域か非湛水域かの判定結果を得る。入力されるSAR画像データが過去のある時点から現在に亘る時系列データである場合には、メタン排出量推定システム3は、出力として当該圃場の湛水履歴を得る。
次いで、メタン排出量推定システム3は、気象データ及びメタン実測データを取得する。
メタン排出量推定システム3は、ある圃場に対応する湛水状況、気象データ、メタン実測データを訓練データとして機械学習を実施し、学習済みモデル(第2学習済みモデル)を得る(ステップS3)。この学習済みモデルは、選択された圃場に関わる湛水状況及び気象データを入力とし、選択された圃場からのメタン排出量の推定値を出力する。
ここで、入力が時系列データである場合には、メタン排出量推定システム3は、当該圃場からのメタン排出量の推定値の時系列データを出力する。更に将来の気象予報データが入力される場合には、メタン排出量推定システム3は、当該圃場からの将来のメタン排出量の推定値をも出力することができる。
加えて、第2学習済みモデルの生成のための訓練データとして、土壌データ及び施肥管理データのうち少なくとも一方を含むことができる。結果として得られる第2学習済みモデルは、土壌データ及び施肥管理データをも考慮して、メタンガスの排出量の推定値を出力することができる。したがって、メタン排出量推定システム3は、将来の気候や農法の異なる条件に応じて、メタンガスの排出量に関わる複数のシナリオを提示することができる。
メタン排出量推定システム3は、推定されたメタンガス排出量を出力する(ステップS4)。その結果、例えば、ユーザ端末5のディスプレイに、推定されたメタン排出量を示すウィンドウが表示される(図4参照)。このウィンドウには、過去・現在・将来のメタンガス排出量の時系列データが表示されてよい。
更に、ユーザがユーザ端末5を介して実施予定の農法や施肥方法を選択すると、メタン排出量推定システム3は、選択された条件に応じた将来の排出量の予測値を出力する(図4参照)。異なる条件下の将来の予測値を重ねて表示することで、ユーザは、条件の変更に対応したメタンガス排出量の変化を容易に比較することができる。
4.本実施形態の効果
本実施形態では、ユーザが任意の圃場を選択すると、当該圃場におけるメタンガス排出量の推定値を、過去から将来にわたって時系列データで提示することができる。
しかも、メタンガス排出量の予測モデルの構築のために栽培者からの情報提供を必須とせず、衛星から得られたデータのみで予測モデルの構築が可能である。これにより、広域でのメタンガス排出量の推定が可能となる。
また、本実施形態では、現在の環境におけるメタンガスの排出量を推定するだけでなく、将来の気候条件や農法を入力することで将来のメタン排出量をも予測することができる。ユーザは複数の条件下での将来の予測値を簡易に比較することができ、したがって、本実施形態は、今後採用すべき農法の決定に有用な情報を提示することができる。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それらも本発明に含まれる。
例えば、NDWI以外の水指数として、例えばマイクロ波放射計で土壌水分を推定する方法を用いることができる。
また、湛水域/非湛水域判定モデル及びメタン排出量推定モデルは、圃場の選択の度に生成(又は追加学習)されてもよいし、あるいは、事前に生成されていてもよい。
湛水判定に関しては、ニューラルネットワークを使用した予測モデルを用いる場合のほか、画素値に対して閾値を設けて分類する手法でも実現可能である。
また排出量予測モデルに関しては、時系列処理のできる機械学習モデルであればLSTMに限られず、例えばRNNやtransformerなども利用可能である。
1 システム
3 メタン排出量推定システム
5 ユーザ端末
7 外部サーバ
31 受付部
32 取得部
33 学習部
34 推定部

Claims (7)

  1. 圃場の選択を受け付ける受付部と、
    選択された圃場を含む地表面に衛星から照射されたマイクロ波の反射波を前記衛星で観測することで得られたSAR画像データを取得するSAR画像データ取得部と、
    衛星から地表面に照射したマイクロ波の反射波を前記衛星で観測することで得られた画像データと、当該地表面の帯水状況を示す水指数と、の関係を機械学習させた第1学習済みモデルを用いて、取得されたSAR画像データから、前記選択された圃場の湛水状況を推定する湛水状況推定部と、
    前記選択された圃場における気象データを取得する気象データ取得部と、
    ある圃場における過去のある時期の湛水状況及び当該時期における当該圃場の気象データと、当該時期における当該圃場からのメタンガスの排出量の実測データと、の関係を機械学習させた第2学習済みモデルを用いて、推定された湛水状況及び取得された気象データから、前記選択された圃場からのメタンガスの排出量を推定する排出量推定部と、
    を含むことを特徴とするメタン排出量推定システム。
  2. 前記選択された圃場の土壌の状態を示す土壌データを取得する土壌データ取得部を更に具備し、
    前記排出量予測部が、前記第2学習済みモデルとして、ある圃場における過去のある時期の湛水状況、当該時期における当該圃場の気象データ、及び当該時期における当該圃場の土壌データと、当該時期における当該圃場からのメタンガスの排出量の実測データと、の関係を機械学習させた予測モデルを用い、推定された湛水状況、取得された気象データ、及び取得された土壌データから、前記選択された圃場からのメタンガスの排出量を推定すること、
    を特徴とする請求項1に記載のメタン排出量推定システム。
  3. 前記排出量予測部が、異なる土壌条件の下における、前記選択された圃場からの将来のメタンガスの排出量を示す複数のシナリオを提示すること、
    を特徴とする請求項2に記載のメタン排出量推定システム。
  4. 前記選択された圃場への施肥状況を示す施肥データを取得する施肥データ取得部を更に具備し、
    前記排出量予測部が、前記第2学習済みモデルとして、ある圃場における過去のある時期の湛水状況、当該時期における当該圃場の気象データ、及び当該時期における当該圃場の施肥データと、当該時期における当該圃場からのメタンガスの排出量の実測データと、の関係を機械学習させた予測モデルを用い、推定された湛水状況、取得された気象データ、及び取得された施肥データから、前記選択された圃場からのメタンガスの排出量を推定すること、
    を特徴とする請求項1に記載のメタン排出量推定システム。
  5. 前記排出量予測部が、異なる施肥条件の下における、前記選択された圃場からの将来のメタンガスの排出量を示す複数のシナリオを提示すること、
    を特徴とする請求項4に記載のメタン排出量推定システム。
  6. コンピュータに対して、
    圃場の選択を受け付ける手順と、
    選択された圃場を含む地表面に衛星から照射されたマイクロ波の反射波を前記衛星で観測することで得られたSAR画像データを取得する手順と、
    衛星から地表面に照射したマイクロ波の反射波を前記衛星で観測することで得られた画像データと、当該地表面の帯水状況を示す水指数と、の関係を機械学習させた第1学習済みモデルを用いて、取得されたSAR画像データから、前記選択された圃場の湛水状況を推定する手順と、
    前記選択された圃場における気象データを取得する手順と、
    ある圃場における過去のある時期の湛水状況及び当該時期における当該圃場の気象データと、当該時期における当該圃場からのメタンガスの排出量の実測データと、の関係を機械学習させた第2学習済みモデルを用いて、推定された湛水状況及び取得された気象データから、前記選択された圃場からのメタンガスの排出量を推定する手順と、
    を実行させることを特徴とするメタン排出量推定方法。
  7. コンピュータに対して、
    圃場の選択を受け付ける手順と、
    選択された圃場を含む地表面に衛星から照射されたマイクロ波の反射波を前記衛星で観測することで得られたSAR画像データを取得する手順と、
    衛星から地表面に照射したマイクロ波の反射波を前記衛星で観測することで得られた画像データと、当該地表面の帯水状況を示す水指数と、の関係を機械学習させた第1学習済みモデルを用いて、取得されたSAR画像データから、前記選択された圃場の湛水状況を推定する手順と、
    前記選択された圃場における気象データを取得する手順と、
    ある圃場における過去のある時期の湛水状況及び当該時期における当該圃場の気象データと、当該時期における当該圃場からのメタンガスの排出量の実測データと、の関係を機械学習させた第2学習済みモデルを用いて、推定された湛水状況及び取得された気象データから、前記選択された圃場からのメタンガスの排出量を推定する手順と、
    を実行させるためのプログラム。
JP2022086709A 2022-05-27 2022-05-27 メタン排出量推定システム及び方法並びにプログラム Pending JP2023174067A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022086709A JP2023174067A (ja) 2022-05-27 2022-05-27 メタン排出量推定システム及び方法並びにプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022086709A JP2023174067A (ja) 2022-05-27 2022-05-27 メタン排出量推定システム及び方法並びにプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023174067A true JP2023174067A (ja) 2023-12-07

Family

ID=89031170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022086709A Pending JP2023174067A (ja) 2022-05-27 2022-05-27 メタン排出量推定システム及び方法並びにプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023174067A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7460228B1 (ja) 2023-10-31 2024-04-02 クレアトゥラ株式会社 稲作管理装置、稲作管理方法及び稲作管理システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7460228B1 (ja) 2023-10-31 2024-04-02 クレアトゥラ株式会社 稲作管理装置、稲作管理方法及び稲作管理システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Feng et al. Dynamic wheat yield forecasts are improved by a hybrid approach using a biophysical model and machine learning technique
EP3455742B1 (en) Statistical blending of weather data sets
US10564316B2 (en) Forecasting national crop yield during the growing season
US9880140B2 (en) Continual crop development profiling using dynamical extended range weather forecasting with routine remotely-sensed validation imagery
Newlands et al. An integrated, probabilistic model for improved seasonal forecasting of agricultural crop yield under environmental uncertainty
Kirstetter et al. Comparison of TRMM 2A25 products, version 6 and version 7, with NOAA/NSSL ground radar–based National Mosaic QPE
CA2981473C (en) Forecasting national crop yield during the growing season
JP6682710B2 (ja) 評価情報生成システム、評価情報生成方法、およびプログラム
US20230091677A1 (en) Monitoring and intelligence generation for farm field
Sultan et al. Estimating the potential economic value of seasonal forecasts in West Africa: A long-term ex-ante assessment in Senegal
Dehkordi et al. Yield gap analysis using remote sensing and modelling approaches: Wheat in the northwest of Iran
US11762125B2 (en) Forecasting national crop yield during the growing season
Dhakar et al. Field scale wheat LAI retrieval from multispectral Sentinel 2A-MSI and LandSat 8-OLI imagery: effect of atmospheric correction, image resolutions and inversion techniques
WO2018107245A1 (en) Detection of environmental conditions
Gobin et al. Spatio-temporal variability of dry and wet spells and their influence on crop yields
Liu et al. Identifying and analysing uncertainty structures in the TRMM microwave imager precipitation product over tropical ocean basins
Nie et al. Towards effective drought monitoring in the Middle East and North Africa (MENA) region: implications from assimilating leaf area index and soil moisture into the Noah-MP land surface model for Morocco
Propastin Large-scale mapping of aboveground biomass of tropical rainforest in Sulawesi, Indonesia, using Landsat ETM+ and MODIS data
JP2023174067A (ja) メタン排出量推定システム及び方法並びにプログラム
Zeng et al. The utility of fusing multi-sensor data spatio-temporally in estimating grassland aboveground biomass in the three-river headwaters region of China
Mashonganyika et al. Mapping of winter wheat using sentinel-2 NDVI data. a case of Mashonaland central province in Zimbabwe
Farbo et al. Preliminary concerns about agronomic interpretation of NDVI Time Series from Sentinel-2 data: phenology and thermal efficiency of winter wheat in Piemonte (NW Italy)
CN111579565B (zh) 农业干旱监测方法、系统及存储介质
Ghaemi et al. Uncertainty analysis of radar rainfall estimates over two different climates in Iran
Mashonganyika et al. Mapping of Winter Wheat Using Sentinel-2 NDVI Data