JP2023172463A - ウェアラブル装置及び管理システム - Google Patents

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Nozomi Tamoto
太輔 三澤
Tasuke Misawa
裕久 増原
Hirohisa Masuhara
直道 兼為
Naomichi Kanei
遼太 新居
Ryota Arai
晃男 一杉
Akio Hitosugi
周史 山本
Shuji Yamamoto
崇尋 今井
Takahiro Imai
貞夫 宮▲崎▼
Sadao Miyazaki
毅洋 高橋
Takehiro Takahashi
幸彦 市原
Yukihiko Ichihara
歩 白鳥
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Abstract

【課題】牛舎等の過酷な環境でも長期間にわたり安定に動作させることができ、電池交換が不要、かつ小型化及び軽量化が可能で動物に対してストレスフリーな生体センシング等に用いられるウェアラブル装置の提供。【解決手段】筐体と、太陽電池と、前記太陽電池の発電した電力で動作する装置と、留め具とを有し、前記筐体は、第1の基材と第2の基材とからなり、前記第1の基材と前記第2の基材の間に、前記太陽電池と、前記太陽電池の発電した電力で動作する装置とを備え、前記第1の基材と前記第2の基材の少なくとも一方が、光透過性を有する熱可塑性樹脂を含み、前記第1の基材と前記第2の基材が、外縁部において互いに溶着又は溶接されているウェアラブル装置である。【選択図】図3

Description

本発明は、生体のセンシングを行うウェアラブル装置、及びウェアラブル装置を用いた管理システムに関する。
近年、人間又は動物などの生体センシングを行ったり、居場所を把握したりすることを目的としたウェアラブル装置のニーズが高まっている。ここで、前記ウェアラブル装置とは、各種電子機器を身体に装着して利用することが可能な装置を言い、人間だけでなく動物にも用いられる。
前記動物の中でも、例えば、牛のウェアラブル装置は、温度センサー又は加速度センサーを取り付けることにより、健康管理又は分娩管理等に有効であることが示され、徐々に実用例が増えてきている。牛の体温測定を例にとっても、従来は直腸に温度計を挿入する方法が一般的であるが、体温の常時測定はできず、異常を察知してから体温を測定して確認する手順になるため、対応が後手に回り、感染症等に感染して容体が悪化し健康を取り戻すのに時間がかかったり、他の牛に感染してしまったり、仔牛などの場合は感染によって手遅れになるケースもあった。また、直腸で体温を測定する方法は、牛が暴れることが多く、飼育者の作業負担が大きい上に、怪我をする恐れもあった。
前記課題を解決するため、例えば、票札片と、動物の耳を貫通する留めピンとを有し、留めピン適所に温度センサーを配し、更に温度検出部、個体識別信号認識部、無線送受信部を設けた体温測定用耳標が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この提案のような耳標が実現されれば、体温の常時計測が可能となるため、異常時又は発情時期を早期に把握でき、農家の作業負担を大幅に軽減することができ、有効である。
しかし、牛に体温センサー又は加速度センサー等を取り付けるには、それらを駆動させる電源が必要になる。小型で軽量なバッテリーを使うと、電池交換の頻度が高くなり、農家の作業負担は低減されず、長期間駆動させることが可能なバッテリーを取り付けると、バッテリーは大型になり、牛にストレスを与えたり、バッテリーがスタンチョンなどにぶつかって故障したりすることになり、長期間安定に使用することはできない。
一方、耳標タグと、耳標タグの脱落を防止する留め具と、を有し、耳標タグにフレキシブル太陽電池が搭載され、太陽電池によって発電した電力によって、動物の体温を計測するための第1の温度センサーを動作させる体温計測用耳標が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この提案における電源として太陽電池を用いる方法は、電池交換が不要であり、かつ小型化、軽量化が可能になるため、上記の課題を解決するために有効な方法である。しかし、牛舎環境は湿度が高く、水の侵入により動作できなくなるため、電子機器を使用するには非常に過酷な環境である。更に、牛の動き又は衝突によって生じる衝撃は非常に大きく、その衝撃に耐えられるものでなければ、長期間安定に使用することはできない。
このように、牛舎等の過酷な環境において、電池交換が不要で、長期間にわたりセンサー等の電子機器を安定に動作させることが可能なウェアラブル装置は、未だ実現されていないのが実情であり、その実現が強く熱望されているのが現状である。
本発明は、牛舎等の過酷な環境でも長期間にわたり安定に動作させることができ、電池交換が不要な生体センシング等に用いられるウェアラブル装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のウェアラブル装置は、筐体と、太陽電池と、前記太陽電池の発電した電力で動作する装置と、留め具とを有し、前記筐体は、第1の基材と第2の基材とからなり、前記第1の基材と前記第2の基材の間に、前記太陽電池と、前記太陽電池の発電した電力で動作する装置を備え、前記第1の基材と前記第2の基材の少なくとも一方が、光透過性を有する熱可塑性樹脂を含み、前記第1の基材と前記第2の基材が、外縁部において互いに溶着又は溶接されている。
本発明によると、牛舎等の過酷な環境でも長期間にわたり安定に動作させることができ、電池交換が不要、かつ小型化及び軽量化が可能で動物に対してストレスフリーな生体センシング等に用いられるウェアラブル装置を提供することができる。
図1は、本発明で用いられる太陽電池の層構成の一例を示す概略図である。 図2は、本発明で用いられる太陽電池の層構成の一例を示す概略図である。 図3は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置の一例を示す概略図である。 図4は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置の他の一例を示す概略図である。 図5は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置の他の一例を示す概略図である。 図6は、第2の実施形態に係るウェアラブル装置の一例を示す概略図である。 図7は、試作した本発明のウェアラブル装置の一例を示す写真である。 図8は、試作した本発明のウェアラブル装置の他の一例を示す写真である。 図9は、試作した本発明のウェアラブル装置の他の一例を示す写真である。 図10は、第3の実施形態に係るウェアラブル装置の一例を示す概略図である。 図11は、第3の実施形態に係るウェアラブル装置の他の一例を示す概略図である。
(ウェアラブル装置)
本発明のウェアラブル装置は、筐体と、太陽電池と、前記太陽電池の発電した電力で動作する装置と、留め具とを有し、更に必要に応じて、その他の装置やその他の部材等を有していてもよい。
前記ウェアラブル装置は、第1の基材と第2の基材の間に、前記太陽電池及び前記太陽電池の発電した電力で動作する装置を備え、前記第1の基材及び第2の基材の少なくとも一方が、光透過性を有する熱可塑性樹脂を含み、前記第1の基材と第2の基材が、外縁部において互いに溶着又は溶接されている。
前記ウェアラブル装置は、太陽電池と、太陽電池の発電した電力で動作する装置を備えており、例えば、生体センシングを行ったり、居場所を特定したり、様々な用途に用いることができる。対象となる動物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、人間はもちろん、牛、馬、シマウマ、羊、山羊、豚、猿、ゴリラ、チンパンジー、犬、熊、猫、虎、豹、ライオンなどが挙げられる。
太陽電池を搭載しているため、人の手による電池交換や充電作業が不要になり、特に動物の生体センシングを行う場合には飼育者の作業負荷低減に有効である。また、バッテリーが切れて動作しなくなった、あるいは知らないうちにデータが取得できていなかったという状況を低減することができる。更に、太陽電池は薄く、軽量であるため、ウェアラブル装置をつける場所の選択自由度が高く、例えば耳殻といった重いバッテリーを含むものだと装着できない箇所にも取り付けることが可能である。
<筐体>
筐体は、前記太陽電池及び前記太陽電池の発電した電力で動作する装置等を覆い、外部環境から封止されてなる。前記筐体には、太陽電池が含有されるため、少なくとも太陽電池が配置される領域は、光透過性を有する透明な材質が用いられる。もちろん、筐体の全体が透明であってもよい。
筐体の光透過性が高いほど、太陽電池に多くの光を取り込めることになり、その結果発電力が高くなり、より多くの電子機器をより長期間にわたって動作させることが可能になることからより好ましい。
本発明においては、光源から所定の距離を設けて照度計を設置し、光源と照度計との間に、照度計に被せるようにして筐体を配置した時の照度低下率を測定した際、筐体を被せる前の照度に対して70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
筐体の厚みは、薄い方が光透過性は高くなることから好ましいが、薄すぎるとちぎれたり、破損したりする恐れがあることから、透明性と機械的強度のバランスを保つ必要がある。筐体の厚みとしては、用いる材料にもよるが、0.1mm以上5mm以下が好ましく、0.3mm以上3mm以下がより好ましい。
筐体に用いられる材質は、従来筐体として用いられている材料を使用することが可能であるが、硬い材料よりも柔軟性を有する材料の方が好ましい。硬度としては、例えばデュロメーターによるショアAで70A~95A、ショアDで40D~70Dが好ましい。
ウェアラブル装置である以上、筐体は他のものと衝突するリスクがあり、硬い材料の場合には衝突により割れたり、穴が開いたりして破損しやすくなり、長期間使用が困難になる。また、動物の身体に固定する場合、硬い材料は筐体が揺れるとその都度身体にぶつかり、ストレスが増加する恐れもある。これに対し、柔軟性の高い材料で構成された場合には、衝突しても応力を逃がすことができ、割れたり穴が開いたりしにくく、動物の身体にぶつかった時のストレスも低減することができる。
また、筐体に用いる材料は、透明性や柔軟性だけでなく、以下の特性が必要であり、例えば耐加水分解性、耐アンモニア性、耐菌性、耐薬品性、耐水性、耐油性、耐候性、耐摩耗性、耐衝撃性等が挙げられる。更に、引張強度や引裂強度が高いことも求められる。引張強度とは対象物を引っ張った際に破断するまでの強度であり、引裂強度とは対象物を引裂いた際に破断するまでの強度である。筐体に用いられる材料の引張強度としては、25MPa以上が好ましく、30MPa以上がより好ましく、35MPa以上が更に好ましい。一方、引裂強度としては、70kN/m以上が好ましく、100kN/m以上がより好ましく、150kN/m以上が更に好ましい。
これらを満たすことにより、過酷な環境において強い衝撃が与えられた場合でも、ウェアラブル装置が破損することなく、内部の太陽電池や電子機器等を保護することができ、長期間にわたり安定に使用することが可能になる。
これらの筐体の材料としては、従来公知の材料をいずれも使用することが可能であり、プラスチック素材が好ましく、中でも熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)が好適に用いられる。TPUは、分子構造中にウレタン結合を有するブロック共重合体で、ハードセグメントとソフトセグメントで構成される。一般的にハードセグメントは、ジイソシアネートと短鎖ジオール、ソフトセグメントは長鎖ポリオールで構成される。これらのハードセグメントとソフトセグメントの配分を制御することにより、硬度や透明性、耐加水分解性、耐摩耗性等の特性を制御することができる。
前述の長鎖ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールが用いられ、それぞれポリエーテル系TPU、ポリエステル系TPU、ポリカーボネート系TPUに分類される。本発明においては、これらTPUの中でも、ポリエーテル系TPUがより好ましく用いられる。ポリエーテル系TPUは、耐加水分解性、耐アンモニア性、耐菌性、低温柔軟性等に優れており、動物を飼育する環境において適している。本発明においては、これらの中でも、硬度が40D~70D、引張強度が35MPa以上、引裂強度が150kN/m以上のポリエーテル系TPUが特に好ましい。
前記筐体を構成する基材の表面には、様々な処理を施すことも可能であり、有効な場合がある。例えば、紫外線をカットする膜を設けることで、筐体が紫外線で劣化し、耐久性が低下して脱落するなどの問題を解決することができる。特に、筐体に用いられるTPU材料は一般に紫外線に弱いため、紫外線カットの効果は大きい。紫外線をカットする膜は、少なくとも400nm以下の光をカットするものであれば、従来公知の方法を用いることが可能である。例えば、紫外線をカットできるフィルムを表面に貼り付ける方法や、紫外線をカットする材料を含む塗布液を用い、表面に塗布することで膜を形成することができる。紫外線をカットする材料としては、例えば、従来公知の紫外線散乱剤や紫外線吸収剤等が挙げられる。
また、筐体の表面に撥水加工を行うことも可能であり有効である。筐体表面に撥水加工を行うことによって、汚れの付着を低減することができる。筐体の汚染は、太陽電池への光量を低減させるため、発電力が低下する懸念がある。特に、動物が居住する環境は、汚れやすいため、汚染の防止や、付着した汚れを除去しやすくする処理を行うことは、ウェアラブル装置を長期間安定的に使用する上で非常に有効である。
<留め具>
前記ウェアラブル装置は、動物に固定するための留め具が設けられている。前記留め具は、動物に装着できればいかなる方法でも用いることができるが、簡単に外れてしまっては本発明の効果が得られなくなるため、留め具も重要な要素である。
前記留め具は、留め具のみで動物に装着できるものでもよいし、前記筐体の一部と組み合わせることで装着できるものであってもよい。前記留め具は、動物の身体の一部、例えば首、耳、足、尻尾などに固定できるものであればよく、動物の身体にぶら下げるものや、身体の一部を貫通させるもの、身体の一部を覆うもの、あるいは巻き付けるものなど、固定方法に制限はないが、ウェアラブル装置が外れやすいものだと、本発明の効果を得ることができなくなるため、しっかり固定できるものが好ましい。
その点では、前記留め具は動物の足や尾根部、首などに取り付けるものよりも、動物の耳殻に貫通して取り付ける耳標のような構造が好ましい。これにより、簡単に外れたり、落下したりすることがなく、長期間安定に動作させることが可能になる。また、動物同士衝突したり、下敷きにしたり、噛みついたり、汚れたりする可能性があるため、身体の上部に取り付けるのが好ましく、その点でも耳殻への取り付けは好ましい。
動物の耳殻に耳標のように固定する方法としては、例えば、前記筐体に槍状部を形成し、前記槍状部を動物の耳殻に貫通させ、更に槍状部を留め具に差し込むことで固定する方法などが挙げられる。耳標は動物の身体の中で最も外れにくい場所である上に、踏みつけたり、衝突したり、汚れたりするリスクも小さいため、本発明のウェアラブル装置においても有効な固定方法である。
ウェアラブル装置の筐体は、柔らかい材質が好ましいことは前述のとおりであるが、その場合動物の耳殻に貫通させにくくなる。そのため、前記筐体の槍状部の先端は、尖った形状を有し、かつ硬度の高い部材を取り付けることで、耳殻への装着も容易になるため有効である。硬度の高い部材としては、例えば、金属や硬い材質のプラスチック材料が挙げられる。プラスチック材料の場合には、例えば、ポリカーボネートなどが挙げられる。
前記留め具の形状、大きさ、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。留め具の形状及び大きさは、前記ウェアラブル装置の形状及び大きさに応じて適宜選定される。留め具の材質としては、例えば、プラスチックが好ましく、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)がより好ましく、前述の筐体に用いられる材料と同じ材料のものが使用できる。留め具の槍状部が差し込まれる部分においては、硬い材料にすることも可能であり、落下防止の点で有効な場合がある。
また、留め具にもタグを設け、これに個体識別番号等を記載し、耳標タグとして兼用することも可能である。本発明のウェアラブル装置を耳殻に取り付けた場合、太陽電池が配置されている場所は光を透過させる必要があるため、個体識別番号等を表示させることは好ましくない。そのため、個体識別を行うための耳標を別途取り付ける必要が生じる。この場合、留め具にもタグを設け、そこに個体識別番号等必要な情報を表示することで、ウェアラブル装置と耳標を1個で兼用することができるため、有効である。
<太陽電池の発電した電力で動作する装置>
本発明のウェアラブル装置は、太陽電池と、太陽電池の発電した電力で動作する装置を含む。太陽電池の発電した電力で動作する装置は、その名の通り太陽電池で発電した電力を用いて動作できる装置を言い、従来公知の様々な装置を用いることができ、例えば、各種センサーが挙げられる。
具体的には、気温や体温などの温度を検知する温度センサー、空気中の水分を検知する湿度センサー、物体の移動に伴う速度の変化を検知する加速度センサー、振動を検知する振動センサー、音の振動を検知する音センサー、圧力や気圧、高度等を検知する圧力センサー、光の強さ、波長、色などを検知する光センサー(カラーセンサーや人感センサーを含む)、光を電気信号に変換する画像センサー、空気中に存在する種々のガスを検知するガスセンサー、臭気を検知するにおいセンサー、物体の傾きや角度、角速度等を検知するジャイロセンサー、磁気を検知する磁気センサー、光や超音波などから距離に換算して求める距離センサー、衛星から発信される信号を受信し現在位置を特定するGPSセンサー等が挙げられる。これらのセンサーは、単独で用いることはもちろん、異なる種類のセンサーを設けることで多くの情報を得ることができることからより好ましい。
これらのセンサーの中でも、特に動物の生体センシング用途に対しては、温度センサー、湿度センサー、加速度センサー、ガスセンサー、においセンサー、ジャイロセンサー、GPSセンサーなどが挙げられ、これらの中でも、温度センサー、加速度センサー、GPSセンサーが好ましく用いられる。
前記ウェアラブル装置に、これらのセンサーを搭載することにより、動物の体温や周囲環境の温湿度、生存確認、異常時の早期検知、食事や給水の状況、居場所など様々な情報を離れた場所にいながら入手することが可能になる。これにより、体温は常時計測が可能になるため、体温の変化から健康の異常を早期に発見することができ、感染症により手遅れになったり、周囲に感染して被害が大きくなったりすることを未然に防ぐことができる。また、動物の発情状態を監視して分娩管理を行うが、発情を検知するのは困難であり、それを逃すと大きな損失に繋がる。前記ウェアラブル装置により、体温の常時計測が可能になると、正確な発情検知も可能になり、酪農家への利益貢献に繋がる。このように、動物の健康管理や分娩管理が正確かつ容易になるだけでなく、酪農家の大幅な負担軽減や怪我の低減も可能になり、酪農の活性化に繋げることができる。
また、太陽電池の発電した電力で動作する装置としては、RFIDタグも有効に用いられる。RFIDとは電波を用いてICタグの情報を非接触で読み書きする自動認識技術で、複数のICタグを離れた位置から一括で読み取り、瞬時に個体を識別することができる。 RFIDには、バッテリーを保有しないパッシブ型とバッテリーを保持するアクティブ型がある。パッシブ型RFIDの場合は、別途リーダーライターなど外部からの電磁波を動力源とすることで可能となるが、アクティブ型の場合はバッテリーを搭載しているため、通信距離が長く、センサーとの接続も可能となる。更に、バッテリーは搭載していながら、パッシブ型とアクティブ型の両方の機能を併せ持つセミアクティブ型もある。本発明のウェアラブル装置は、少なくとも太陽電池を搭載しているため、アクティブ型あるいはセミアクティブ型のRFIDを搭載することが可能であり、有効である。
前記ウェアラブル装置にこれらのRFIDタグを搭載することにより、これまで手書きによる記録だった個体情報を自動で記録及び保存でき、群管理の大幅な負担軽減やコスト削減に有効になる。RFIDタグを搭載しても、それがパッシブ型の場合にはリーダーライターを近づけないと検知できないが、アクティブ型の場合には離れた場所で無線通信が可能となり、効果は格段に大きくなる。アクティブ型はこれまで電池の消耗による取り換えコストがデメリットであったが、本発明のウェアラブル装置は太陽電池を搭載しているため、電池交換が不要である。また、前述の各種センサーと一緒に搭載することにより、センシングデータを情報に付加することもでき、非常に有効である。
前記太陽電池の発電した電力で動作する装置には、回路基板が含まれる。回路基板は、電子回路基板、プリント基板、あるいは単に基板とも称され、絶縁体の基板上や内部に導体の配線を配置させた部品である。具体的には、絶縁体の内部や表面に銅箔でパターンを形成し、その上にICやトランジスタ、抵抗などをはんだ付けすることで、電子回路として機能する。
前記回路基板は、基板が硬い材質でできているリジット基板と柔らかい材質でできているフレキシブル基板に大別される。本発明のウェアラブル装置は、従来公知のいずれの回路基板でも使用可能であるが、フレキシブル基板であることがより好ましい。動物に取り付けられるため、フレキシブル基板を用いた方がウェアラブル装置の破壊リスクが低減され、動物に与えるストレスを低減する上でも有効である。特に、太陽電池にフレキシブル太陽電池を用い、回路基板にフレキシブル基板を組み合わせることにより、薄くなりかつ軽量化されるため非常に有効である。
太陽電池の発電した電力で動作する装置として、他には、記憶装置又は通信装置を搭載することも可能であり、有効である。前記記憶装置は、主にセンサーによって取得したデータや情報を記憶する装置であり、前記通信装置は、主にセンサーによって取得したデータや情報を離れた場所にある端末に無線通信によって送受信できる装置である。無線通信手段としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、Bluetooth、Wi-Fi、EnOcean、LPWA(Low Power Wide Area)、NFC(Near Field Communication)、WiMAX、3G/LTE/5G等が挙げられ、要求される通信距離や通信速度、消費電力等によって適宜選択される。これらを搭載することにより、経時における生体センシングデータを連続的に取得し、かつ離れた場所にある端末でこれらのデータや情報を閲覧することが可能になる。また、データや情報は記憶装置に随時蓄積し、必要なタイミングで通信装置によってデータや情報を送受信することにより、電力消費を抑えることも可能である。
<太陽電池>
本発明のウェアラブル装置に搭載される太陽電池としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中でもアモルファスシリコン太陽電池や、色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池、ペロブスカイト太陽電池等の有機系太陽電池がより好ましく、有機薄膜太陽電池が特に好ましい。これらの太陽電池の中でも、軽量であることや柔軟性があり破損しにくいことなどから、フィルムなどのフレキシブル基板を用いたフレキシブル太陽電池であることが特に好ましい。
以下、本発明において好適な太陽電池の具体的な構成について詳細するが、本発明で用いられる太陽電池はこれらに制限されるものではない。
以下、太陽電池として、有機薄膜太陽電池を例に挙げて説明する。但し、本発明に用いられる太陽電池は、有機薄膜太陽電池に限定されるものではない。
有機薄膜太陽電池は、第1の基板、第1の電極、電子輸送層、光電変換層、ホール輸送層、及び第2の電極を有し、第2の基板及び封止部材を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の層を有する。
-基板-
太陽電池の基板としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができ、太陽光が照射される側の第1の基板と、第1の基板と反対側の第2の基板とからなる。
前記第1の基板は透明な材質のものが好ましく、例えば、ガラス、透明プラスチックフィルム、無機物透明結晶体等が挙げられるが、軽量でフレキシブルな基板がより好ましく、透明プラスチックフィルムが好適に用いられる。透明プラスチックフィルムは軽量であるため、ウェアラブル装置を大幅に軽量化することができる。また、透明プラスチックフィルムは、フレキシブルであるため、柔軟性を有することにより破壊の影響も低減できる。
-第1の電極、第2の電極-
電極は、少なくともいずれか一方は可視光に対して透明なものを使用し、他方は透明であっても不透明であってもよく、太陽光が照射される側の第1の電極と、第1の電極と反対側の第2の電極とからなる。
前記可視光に対して透明な電極としては、特に制限はなく、通常の光電変換素子又は液晶パネル等に用いられる公知のものを使用でき、例えば、スズドープ酸化インジウム(以下、「ITO」と称する)、フッ素ドープ酸化スズ(以下、「FTO」と称する)、アンチモンドープ酸化スズ(以下、「ATO」と称する)、アルミニウムやガリウムがドープされた酸化亜鉛(以下、それぞれを「AZO」、「GZO」と称する)等の導電性金属酸化物が挙げられる。
前記可視光に対して透明な電極の平均厚みは、5nm~10μmが好ましく、50nm~1μmがより好ましい。
前記可視光に対して透明な電極は、一定の硬性を維持するため、可視光に透明な材質からなる基板上に設けることが好ましく、電極と基板が一体となっているものを用いることもでき、例えば、FTOや、ITO、酸化亜鉛:アルミニウム等を前述の基板にコートしたものが使用できる。
前記可視光に対して透明な電極は、メッシュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板上に設けたものや、カーボンナノチューブ、グラフェン等の透明性を有する程度に積層したものでもよい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、積層したものであっても構わない。更に、基板抵抗を下げる目的で、金属リード線等を用いてもよい。前記金属リード線の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が挙げられる。前記金属リード線は、基板に蒸着、スパッタリング、圧着等で設置し、その上にITOやFTOを設ける方法が挙げられる。
第1の電極及び第2の電極のいずれか一方に不透明な電極を用いる場合の材料としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム(Al)等の金属やグラファイトが挙げられる。前記不透明な電極の場合、厚みとしては、特に制限はなく、また、1種単独あるいは2種以上の積層構成で用いても構わない。
-電子輸送層-
電子輸送層を形成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子受容性有機材料(例えば、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ホスフィンオキサイド誘導体、フラーレン化合物、カーボンナノチューブ(CNT)、CN-PPV等)、酸化亜鉛、酸化チタン、フッ化リチウム、カルシウム金属等の無機材料をゾルゲル法やスパッタリングで形成して用いることができる。
例えば、図1に示す層構成の太陽電池の場合には、酸化亜鉛が好ましく、図2に示す層構成の太陽電池の場合には、フッ化リチウムが好ましい。
前記電子輸送層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、できるだけ全面を薄く覆うことが好ましく、10nm~60nmがより好ましい。
-正孔輸送層-
有機薄膜太陽電池は、正孔輸送層を設けて、正孔の収集効率を向上させることができる。具体的には、PEDOT:PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホン酸)のような導電性高分子、芳香族アミン誘導体のようなホール輸送性有機化合物、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニッケル等の正孔輸送性を有する無機化合物をスピンコート、ゾルゲル法やスパッタリングで形成する。本発明においては酸化モリブデンを設けることが好ましい。前記正孔輸送層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、できるだけ全面を薄く覆うことが好ましく、1nm~50nmがより好ましい。
-光電変換層-
光電変換層は、前記電子輸送層とホール輸送層との間に形成される。前記光電変換層は、電子供与性有機材料(P型有機半導体)及び電子求引性有機材料(N型有機半導体)を含有し、前記P型有機半導体と前記N型有機半導体を混合したバルクへテロ接合型の光電変換層が好ましい。これにより、光電変換層内でナノサイズのPN接合が形成され、接合面で生じる光電荷分離を利用して電流を得ることができる。
前記光電変換層の平均厚みは、50nm~400nmが好ましく、60nm~250nmがより好ましい。前記平均厚みが、50nm未満であると、光電変換層による光吸収が少なくキャリア発生が不充分となることがあり、400nmを超えると、光吸収により発生したキャリアの輸送効率が一段と低下することがある。
--P型有機半導体--
電子供与性有機材料(P型有機半導体)としては、例えば、ポリチオフェン又はその誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、オリゴチオフェン又はその誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン又はその誘導体、ポリフェニレンビニレン又はその誘導体、ポリチエニレンビニレン又はその誘導体、ベンゾジチオフェン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体等の共役ポリマーや低分子化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、π共役を有する導電性ポリマーであるポリチオフェン又はその誘導体が好ましい。前記ポリチオフェン及びその誘導体は、優れた立体規則性を確保することができ、溶媒への溶解性が比較的高い点で有利である。
前記ポリチオフェン及びその誘導体としては、チオフェン骨格を有する化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリ-3-ヘキシルチオフェンに代表されるポリアルキルチオフェン、ポリ-3-ヘキシルイソチオナフテン、ポリ-3-オクチルイソチオナフテン、ポリ-3-デシルイソチオナフテン等のポリアルキルイソチオナフテン;ポリエチレンジオキシチオフェンなどが挙げられる。
また、近年では、ベンゾジチオフェン、カルバゾール、ベンゾチアジアゾール及びチオフェンからなる共重合体であるPTB7(ポリ({4,8-ビス[(2-エチルヘキシル)オキシ]ベンゾ[1,2-b:4,5-b’]ジチオフェン-2,6-ジイル}{3-フルオロ-2-[(2-エチルヘキシル)カルボニル]チエノ[3,4-b]チオフェネジル}))、PCDTBT(ポリ[N-9”-ヘプタデカニル-2,7-カルバゾール-アルト-5,5-(4’,7’-ジ-2-チエニル-2’,1’,3’-ベンゾチアジアゾール)])などの誘導体が、優れた光電変換効率を得られる化合物として挙げられる。
更に、共役ポリマーだけでなく、電子供与性ユニットと電子吸引性ユニットとを結合させた低分子化合物でも優れた光電変換効率を得られる化合物が知られており、本発明にも用いることができる(例えば、ACS Appl Mater.Interfaces 2014,6,803-810参照)。
--N型有機半導体--
前記電子求引性有機材料(N型有機半導体)としては、例えば、イミド誘導体、フラーレン、フラーレン誘導体などが挙げられる。これらの中でも、電荷分離及び電荷輸送の点から、フラーレン誘導体が好ましい。
前記フラーレン誘導体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよく、例えば、PC71BM(フェニルC71酪酸メチルエステル、フロンティアカーボン社製)、PC61BM(フェニルC61酪酸メチルエステル、フロンティアカーボン社製)、PC85BM(フェニルC85酪酸メチルエステル、フロンティアカーボン社製)、ICBA(フラーレンインデン2付加体、フロンティアカーボン社製)などが挙げられる。また、この他にも、フラロピロリジン系フラーレン誘導体などが挙げられる。
前記光電変換層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート塗布、ブレードコート塗布、スリットダイコート塗布、スクリーン印刷塗布、バーコーター塗布、鋳型塗布、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法、スプレー法、真空蒸着法などが挙げられる。これらの中から、厚み制御や配向制御など、作製しようとする有機材料薄膜の特性に応じて適宜選択することができる。例えば、前記スピンコート塗布を行う場合には、P型有機半導体及びN型有機半導体の濃度が5mg/mL以上40mg/mL以下であることが好ましい。この濃度にすることにより均質な有機材料薄膜を容易に作製することができる。作製した有機材料薄膜から有機溶媒を除去するため、減圧下又は不活性雰囲気下(窒素又はアルゴン雰囲気下)でアニーリング処理を行ってもよい。前記アニーリング処理の温度は、40℃以上300℃以下が好ましく、50℃以上200℃以下がより好ましい。また、前記アニーリング処理を行うことにより、積層した層が界面で互いに浸透して接触する実効面積が増加し、短絡電流を増大させることができる。なお、前記アニーリング処理は、電極の形成後に行ってもよい。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、トルエン、キシレン、o-クロロフェノール、アセトン、酢酸エチル、エチレングリコール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロナフタレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、γ-ブチロラクトンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、クロロベンゼン、クロロホルム、オルトジクロロベンゼンが好ましい。
また、前記P型有機半導体と前記N型有機半導体の相分離構造制御のために、前記有機溶媒に0.1質量%以上10質量%以下の添加剤を加えてもよい。前記添加剤としては、例えば、ジヨードアルカン(1,8-ジヨードオクタン、1,6-ジヨードヘキサン、1,10-ジヨードデカンなど)、アルカンジチオール(1,8-オクタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,10-デカンジチオールなど)、1-クロロナフタレン、ポリジメチルシロキサン誘導体などが挙げられる。
前記光電変換層の平均厚みは、50nm以上400nm以下が好ましく、60nm以上250nm以下がより好ましい。前記平均厚みが、50nm以上であれば、光電変換層による光吸収が少なくてキャリア発生が不充分となることはなく、400nm以下であれば、光吸収により発生したキャリアの輸送効率が一段と低下するようなことはない。
-その他の部材-
太陽電池に設けられるその他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガスバリア層、バッファ層、紫外線カット層、封止層などが挙げられる。
前記ガスバリア層は、ガスや水分の侵入を防止するために形成され、ガスバリア層の材料としては、例えば、窒化珪素、酸化珪素等の無機物などが挙げられる。
前記紫外線カット層としては、太陽電池の受光面側に設けられ、紫外線による構成材料の劣化を防止するために用いられる。少なくとも400nm以下、好ましくは420nm以下の紫外線をカットすることにより、太陽電池の耐久性が向上できる場合がある。紫外線カット層としては、従来公知の紫外線カットフィルムを第一の基板の受光面側に貼り付けたり、紫外線を吸収あるいは反射したりする材料を含む塗布液を塗布する方法が挙げられる。
前記封止層は、太陽電池を構成する各層に含まれる材料が、外部の環境から遮断することが可能であれば、従来公知の如何なる方法も使用可能である。封止層は、太陽電池の外縁部に硬化樹脂を付着し、第2の基板で封止する方法と、太陽電池の発電層をすべて硬化樹脂でシールする方法など、多種多様の方法が挙げられるが、本発明においては、太陽電池がフレキシブルであることが好ましいため、封止層もフレキシブルであることが好ましい。特に、フレキシブルのガスバリア性を有するシートに予め硬化樹脂や感圧粘着剤が塗布されたシート状封止材は、封止が容易で、かつフレキシブル性を維持できることから、非常に有効である。
本発明で用いられる太陽電池は、1つ以上の中間電極を介して2層以上の光電変換層を積層(タンデム化)して直列接合を形成してもよい。例えば、第1の基板/第1の電極/正孔輸送層/第1の光電変換層/中間電極/第2の光電変換層/電子輸送層/第2の電極という積層構成などが挙げられる。このように積層することにより、開放電圧を向上させることができる。
次に、図面を用いて、本発明で用いられる太陽電池について説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。
図1は、本発明で用いられる太陽電池の層構成の一例を示す概略図である。この図1の太陽電池は、第1の基板1上に第1の電極2が形成され、第1の電極2上に電子輸送層3が形成され、更に光電変換層4、正孔輸送層5、及び第2の電極6が順次積層されてなる。
図2は、本発明で用いられる太陽電池の層構成の他の一例を示す概略図である。この図2の太陽電池は、第1の基板1上に、第1の電極2、正孔輸送層5、光電変換層4、電子輸送層3、第2の電極6が順次積層されてなる。
<その他の部材>
本発明のウェアラブル装置に設けられるその他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、緩衝材、吸湿材、ポッティング材、断熱材などが挙げられる。
前記緩衝材とは、保護部材とも称され、ウェアラブル装置に含有する回路基板や太陽電池を保護するための部材である。ウェアラブル装置は、動物に取り付けられるものであるため、耐衝撃性、耐振動性、耐圧性などを担保する必要がある。そのため、衝撃や振動が与えられた場合でも回路基板や太陽電池を保護する部材を配置することによって、耐久性を高めることが可能になる。
前記吸湿材とは、水分を吸湿する部材である。溶着乃至溶接することによって水分侵入は十分に抑制できるが、微量な水分が電子機器に影響を及ぼす場合がある。その場合に、前記吸湿材を具備することによって、その影響を低減することができる。
前記ポッティング材とは、樹脂ポッティング材、基板コーティング材とも称され、絶縁性や防湿性を有する材料を回路基板表面にコーティングすることにより、回路基板をホコリや汚れ、水などから保護することができる。その結果、長期間安定に動作させることが可能になる。また、衝撃や振動に対する保護効果も得ることができる。
前記断熱材とは、熱の出入りを遮断するために用いる部材である。温度センサーを用いて常時体温計測を行う場合、外気温の影響が最も大きい。そのため、温度センサーの周囲に外気温を遮断するための断熱材を配置することで、正確な体温データを得ることができる。
前記断熱材の形状、大きさ、構造、材質としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記断熱材の形状としては、例えば、シート状、薄板状、繊維状などが挙げられる。
前記断熱材の大きさとしては、留め具、耳殻、外耳道、及び耳標タグの大きさに応じて適宜選定することができる。前記断熱材の構造としては、単層構造又は2層構造以上の多層構造などが挙げられる。前記断熱材の材質としては、例えば、無機繊維、天然繊維、発泡ゴム、発泡樹脂などが挙げられる。前記無機繊維としては、例えば、グラスウール、ロックウールなどが挙げられる。前記天然繊維としては、例えば、セルロースファイバ、ウールプレス等が挙げられる。前記発泡樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン等の樹脂の発泡体などが挙げられる。
ここで、本発明のウェアラブル装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
<第1の実施形態>
図3は、第1の実施形態に係るウェアラブル装置の一例を示す側面図である。図3のウェアラブル装置10は、筐体11と、太陽電池12と、前記太陽電池で発電した電力で動作する装置として回路基板13及び温度センサー14と、留め具15とを有する。なお、図3中16は二次電池、17はFPC(Flexible printed circuits)、18は槍状部、19はキャップ、20は装着機の差し込み穴、24はセンサー保護部材である。
筐体11は第1の基材11a及び第2の基材11bからなり、第1の基材11aのみ透明なポリエーテル系熱可塑性ポリウレタンエラストマーを使用している。なお、第2の基材11bにも透明な熱可塑性ポリウレタンエラストマーを用いることが可能である。筐体11は、金型を製作し射出形成によって作製した。図示しないが、槍状部18の先端には、先の尖った硬い部材を設け、動物の耳殻に差し込みやすくすることが可能である。硬い部材としては、例えば金属やポリカーボネート等が挙げられる。
第1の基材11aと第2の基材11bの間に、太陽電池12と回路基板13が配置されている。太陽電池12が配置される側の第1の基材11aは光透過性を有し、第2の基材11bは不透明であるが、いずれも光透過性を有する基材を用いてもよい。不透明にする場合は、透明なTPU材料に着色剤を混合することで、所望の色に着色することができる。
第1の基材11aと第2の基材11bは、太陽電池12や回路基板13を含有させた後、外縁部を溶着あるいは溶接することによって接合されている。溶着及び溶接とは、2個以上の部材の接合部に、熱又は圧力もしくはその両方を加え、材料同士を溶融し接合させる方法である。本発明における溶着及び溶接は、第1の基材11aの一部及び/又は第2の基材11bの一部が溶融することによって接合されたものをすべて含む。
溶着の方法としては、従来公知のいずれの方法でも用いることができ、例えば、熱板溶着、熱風溶着、コテ溶着、振動溶着、超音波溶着、高周波溶着、レーザー溶着、スピン溶着等が挙げられる。溶接の方法としては、従来公知のいずれの方法でも用いることができ、例えば、高圧ガス溶接、ホットジェット溶接、超音波溶接、高周波溶接、振動溶接、レーザー溶接、赤外線溶接、電子ビーム溶接、アーク溶接、抵抗溶接、摩擦溶接、ろう接などが挙げられる。一般に、溶着は接合面に熱を持たせて溶融させるのに対し、溶接は接合面の外部から熱を与えて溶け込みを造る特徴を有すると言われるが、本発明においては溶着もしくは溶接を問わず、基材の一部が溶融することにより、2枚の基材が接合され、一体化されたものはすべて含まれる。
これらの中でも、20kHz以上の周波数で超音波エネルギーにより、ホーン(共鳴体)から出る超音波振動を対象物に伝えることによって強力な摩擦熱を発生させて溶着する超音波溶着がより好ましい。超音波溶着は、加熱される領域が溶着する部分に限定され、他の領域に広がりにくいため、回路基板や太陽電池を含有した状態で溶着を行っても、熱の影響を受けにくいことから有効な方法である。本発明においては、超音波溶着の中でも近接溶着が更に好ましい。近接溶着はホーンを直接接触させ、対象物を挟み、更に押圧して溶着する方法で、ホーンの押圧による痕跡が残るのが特徴である。近接溶着は、基材同士の接合力をより高め、かつ水分の侵入を防ぐことが可能になることから、特に有効な方法である。
図4には、図3の側面図を正面から見た図を示す。図4の溶着部22と記載された基材の外縁部に超音波溶着を行うことで、基材同士をしっかりと接合でき、かつ水の侵入も防ぐことができる。
本発明においては、前記筐体の厚みをすべて同じにしても効果は得られるが、任意の部分の厚みを変えることは更に有効な方法である。前述の通り、筐体の厚みはウェアラブル装置の耐久性に影響する場合があるが、太陽電池が配置される領域を薄くすることにより、光透過性が向上することから、耐久性に大きな影響を与えずに太陽電池による発電力を高めることが可能になる。また、溶着乃至溶接される外縁部を他よりも薄くすることにより、耐久性に影響を与えずに、基材同士の密着性を高めることが可能になり、非常に有効である。特に溶着乃至溶接を行う基材同士の接合部は、2枚の基材が重なり合うため、他の部分よりも薄くしても問題はなく、他の部分の50%~80%の厚みにすることが好ましい。
太陽電池は、フレキシブル太陽電池が好ましく用いられる。前記フレキシブル太陽電池とは、太陽電池の基板に可とう性を有するフィルム等によるフレキシブル基板を用いたもので、薄型でかつ軽量であるため、動物の耳殻に取り付ける上でより好ましい。耳殻に取り付けるウェアラブル装置は、重くなると耳殻の貫通させた部分から出血したり、炎症を起こしたりすることがあり、場合によっては健康を阻害する懸念もある。そのため、ウェアラブル装置は軽量であることが重要であり、その点でフレキシブル太陽電池を用いることは有効である。前記ウェアラブル装置の重量としては、30g未満が好ましく、25g以下がより好ましく、20g以下が更に好ましい。前記ウェアラブル装置の重量が上記範囲内であることにより、動物の耳殻の傷や炎症を低減でき、また動物のストレスを低減することができる。特に、耳殻の傷や炎症が常態化し、血液や滲出液が出ている状態になると、感染症リスクが高まるだけでなく、体温計測データの誤差が大きくなる場合があるため、血液や滲出液を極力抑えることが重要である。
更に、ウェアラブル装置自身も柔軟性を有することによって、衝突等による破壊リスクを低減することが可能になるため、それに搭載される太陽電池もフレキシブルであることで機械的耐久性を高める効果を得ることができる。太陽電池は、回路基板に接合されているため、回路基板もフレキシブル基板を用いることが好ましく、薄型化、軽量化の効果をより一層高めることができる。
図3には、回路基板13に更に太陽電池で発電した電力を蓄電できる二次電池16を搭載している。二次電池16を搭載することにより、光の照度が低下した場合でも二次電池に蓄電された電力によって動作可能になるため、ウェアラブル装置を周囲の環境の変化に関係なく、安定に動作させる上で非常に有効である。
図3のウェアラブル装置10は、図示しないが、太陽電池12と第1の基材11aとの間、回路基板13と第2の基材11bとの間、あるいは太陽電池12と回路基板13との間に緩衝材や保護部材、吸湿材などを配置させることができ、耐衝撃性又は水分侵入による故障リスクを低減できる場合がある。
図3において、温度センサー14は槍状部18に配置され、温度センサー14と回路基板13はFPC17によって第1の基材11aと第2の基材11bの間を通して接続されている。第2の基材11bの槍状部18の根元には、温度センサー14を通す穴が設けられている。槍状部18に配置される温度センサー14及びFPC17は、更に接着剤や樹脂等によってコーティングされるセンサー保護部材24を有し、これにより温度センサー14及びFPC17が槍状部18に固定化され、かつ保護され、更に温度センサー14を通す穴も塞がれている。温度センサー14及びFPC17を固定し保護するセンサー保護部材24は、固定化乃至センサーを保護できるものであれば従来公知のものを使用することが可能であるが、硬化材料が好ましく、特にUV硬化樹脂で接着、コーティングすることが好ましい。
温度センサー14は、太陽電池12で発電した電力、又は太陽電池12で発電した電力を蓄電した電力により動作する。前述の通り、温度センサー14は、従来公知の如何なる温度センサーでも使用可能である。温度センサー14としては、例えば、サーミスタ、熱電対、測温抵抗体(RTD)、IC温度センサー、赤外線センサーなどが挙げられる。サーミスタは、温度変化に対し、電気抵抗の変化が大きい抵抗体を利用して温度を測定する。熱電対は、2種の異種金属の一の片側を接触させ、他の片側に現れた電位差により温度を測定する。測温抵抗体(RTD)は、金属の抵抗値と温度が一定の関係にあることを利用して温度を測定する。IC温度センサーは、IC(集積回路)で構成され、温度と出力電圧との関係を利用して温度を計測する。赤外線センサーは、放射された赤外線を検知し、温度変化を読み取り、電気信号に変換することで温度を測定する。これらの中でも、サーミスタ、IC温度センサー、赤外線センサーが好ましい。
槍状部18を動物の耳殻に貫通させ、更に留め具15を差し込むことによって、ウェアラブル装置10の脱落を防止すると同時に、動物の耳殻内部に温度センサー14が配置される。温度センサー14は、動物の耳殻の厚みより小型で、動物の耳殻の内部から露出しないことが好ましい。温度センサー14を動物の耳殻の内部から露出しないように配することによって、外気温の影響を受けにくくなり、正確な体内温度の測定を実現できる。
図3のウェアラブル装置10は、動物の耳殻に貫通させるための装着機の差し込み穴20が設けられている。ウェアラブル装置10を動物の耳殻に装着した後は、装着機の差し込み穴20に接着剤などとともにキャップ19を差し込み、水分などの侵入を防止することが好ましい。
図5には、ウェアラブル装置10を動物の耳殻23に取り付けた状態を示す。装着機により槍状部が耳殻に貫通し、留め具15により固定されている。温度センサー14は、耳殻23の中央部に配置され、耳殻23から露出しないように配置されている。ウェアラブル装置10を耳殻23に装着した後は、装着機の差し込み穴20に接着剤とともにキャップ19を差し込むことによって、外部からの水分などの侵入を防止できる。
<第2の実施形態>
図6は、第2の実施形態に係るウェアラブル装置の一例を示す側面図である。この図6のウェアラブル装置30は、図3のウェアラブル装置10に対して、槍状部18の根元部分が平らに削られた構造を有している。これにより、第1の温度センサー14aの出っ張りを低減することが可能になり、動物の耳殻内部における第1の温度センサー14aの擦れによる出血や動物に与えるストレスを低減することができる。また、回路基板13に繋がるFPC17は、槍状部18が円柱形状であるため固定しにくく、その結果剥離しやすくなり、長期間安定に使用できなくなる懸念がある。槍状部18に平らな部分を形成することによってFPC17を固定しやすく、また剥離しにくくすることができ、破壊リスクを低減し、長期間にわたり安定に使用することが可能になる。
また、図6のウェアラブル装置30は、槍状部18に設置された第1の温度センサー14a以外に、回路基板上に第2の温度センサー14bを搭載している。第1の温度センサー14aは、動物の体温を測定するのに対し、第2の温度センサー14bは周囲の環境温度を測定することができる。体温が上昇あるいは下降した際に、環境温度を把握することは、動物の健康状態が異常かどうかを判断する重要な情報になることから、第2の温度センサー14bを搭載することは有効である。例えば、体温の上昇とともに環境温度も上昇していると、周囲の温度変化の影響が大きいと判断できるし、体温データを環境温度データで補正することにより、環境温度の影響を加味した正確な体温データを得ることが可能になり、健康状態の異常や発情検知を正確に判断する上で有効である。
第2の温度センサー14bを搭載する位置としては、目的に応じて適宜選択することができる。図6においては、筐体11内に設けているが、筐体11の表面に露出させて取り付けることも可能であり、より正確な環境温度の取得に対して、有効な場合がある。
実際に試作を行った第2の実施形態におけるウェアラブル装置30の外観写真を、図7及び図8に示す。また、槍状部18に設置した第1の温度センサー14aの写真を、図9に示す。試作を行った本発明のウェアラブル装置は、第1の基材11a及び第2の基材11bともに透明な熱可塑性ポリウレタンエラストマーを用い、ウェアラブル装置の外縁部を超音波による近接溶着を用いて接合した。槍状部18には温度センサー14aが取り付けられ、センサー保護部材24として透明なUV硬化樹脂で固定及び保護されている。槍状部18の先端には、高硬度のポリカーボネート樹脂からなる部材を設け、耳殻に装着しやすい構造とした。試作したウェアラブル装置を成牛の耳殻に取り付け、得られた生体センシングデータを手元の端末に無線で記録及び表示できるようにし、牛の体温と周囲環境の温度を常時測定できることを確認した。
<第3の実施形態>
図10は、第3の実施形態に係るウェアラブル装置の一例を示す側面図である。
第1及び第2の実施形態では、槍状部18は第2の基材11bに有していたが、図10のウェアラブル装置40は、第1の基材11aに槍状部18を有する。これにより、動物にウェアラブル装置40を装着した後に、装着機の差し込み穴20をキャップで塞ぐ手間が不要になる。
図11は、図10の側面図を正面から見た図である。図11に示されるように、溶着部22を回路基板や太陽電池が配置された領域の周囲に設けることが可能となり、完全に密閉することができるため、有効である。この場合、温度センサーから回路基板を結ぶFPCの配線部を溶着する場合には、耐熱性の高いFPCを用いることが好ましい。
また、図10のウェアラブル装置40は、回路基板13上に第2のセンサー21を搭載している。前述のように温度センサーを複数設けて、体温と環境温度を測定することが可能であるほか、図10のように温度センサー14と他のセンサー21を搭載することも可能であり、多くの情報を得ることが可能になることから非常に有効である。
第2のセンサー21としては、従来公知の如何なるセンサーでも搭載可能であるが、例えば、加速度センサー又はGPSセンサーなどが挙げられる。加速度センサーを設けた場合は、体温情報のほかに、動物が立っているのか寝ているのか、倒れているのか、現在の状態を知ることができるため、異常検知の精度をより一層高めることができる。また、GPSセンサーを設けた場合は、動物の居場所が一目でわかるため、特に放牧されている場合には非常に有効である。一次電池を用いる場合は電池切れによって位置情報を得ることができなくなるが、本発明のウェアラブル装置は太陽電池により動作できるため、光さえあれば居場所をいつでも把握することができる。
これ以外に、前述のRFIDタグを搭載することも可能である。RFIDタグを搭載することによって、動物の個体識別が可能となり、各種センサーによって得られた情報と紐づけることができる。更に、情報記録装置や無線通信装置を搭載することによって、センシングされたデータが記録装置に記録され、所望の頻度で無線通信によって手元の端末に情報が表示される。これにより、これまで人の手に頼ってきた動物の健康管理や分娩管理などの膨大の作業が半自動化され、動物の飼育管理の負荷が大幅に削減できる。また、動物の健康異常が早期に把握できるため、感染の拡大や重篤化を防ぐことが可能になる。発情時期についても的確に把握できることにより、分娩管理にも非常に有効である。
(動物管理システム)
本発明の動物管理システムは、本発明のウェアラブル装置と、前記第1のセンサー及び第2のセンサーによって取得され、前記通信機器によって無線送信されたセンシングデータを受信する受信機とを含む。
前記受信機は無線送信された前記センシングデータを表示し、更に前記センシングデータが予め設定した数値範囲を逸脱した場合に、異常を知らせるアラートを発するアラート機器を備えることも可能であり、異常発生時にいち早く対処できることから有効である。
本発明のウェアラブル装置を用いることによって、動物の健康又は分娩等のあらゆる管理に有効な動物管理システムを構築することができる。前記動物管理システムを構築するためには、本発明のウェアラブル装置に前述の温度センサーや加速度センサー、GPSセンサーなどの各種センサー、RFIDタグ、太陽電池の発電した電力を蓄電する蓄電デバイス、取得したセンシングデータを記憶する記憶装置、センシングデータを外部の受信機に無線で送受信を行う通信装置などを搭載することが好ましい。
更に、前記通信装置によって無線送信されたセンシングデータや個体情報等を受信する受信機を有し、受信されたデータを表示する表示装置、更に各装置を制御する制御手段を備えた端末機器を有することにより、動物管理システムが構築される。
前記制御手段にはROM、RAM等の記憶手段、CPU、FPGA等の計算手段を含んでもよく、記憶手段には、体温データを補正するためのプログラムが記憶されていてもよい。これにより、数多くの動物の健康あるいは分娩などの管理が半自動的に、常時行うことができ、飼育者の負担軽減だけでなく、動物の感染症の重篤化、又は他の動物への感染拡大、それによる農家の経済的リスクをも低減することができることから、非常に有効である。
更に、本発明の動物管理システムは、センシングデータが予め設定した数値範囲を逸脱した場合に、異常を知らせるアラート機器をも備えている。これにより、早期の異常検知が可能となり、飼育者の負担及び被害を最小限にすることができる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 筐体と、太陽電池と、前記太陽電池の発電した電力で動作する装置と、留め具とを有し、
前記筐体は、第1の基材と第2の基材とからなり、
前記第1の基材と前記第2の基材の間に、前記太陽電池と、前記太陽電池の発電した電力で動作する装置とを備え、
前記第1の基材と前記第2の基材の少なくとも一方が、光透過性を有する熱可塑性樹脂を含み、
前記第1の基材と前記第2の基材が、外縁部において互いに溶着又は溶接されていることを特徴とするウェアラブル装置である。
<2> 前記筐体は槍状部を有し、前記留め具は前記槍状部を差し込むことで脱落を防止する差し込み部を有し、前記槍状部に第1のセンサーが設けられ、前記槍状部を動物の体の一部に貫通させることにより、前記第1のセンサーが動物の体内に配置され、前記太陽電池の発電した電力で動作する装置が回路基板を含む、前記<1>に記載のウェアラブル装置である。
<3> 前記第1のセンサーから前記回路基板までの配線が、前記第1の基材と前記第2の基材の間に配置された、前記<2>に記載のウェアラブル装置である。
<4> 前記第1のセンサーから前記回路基板までの配線が、前記槍状部の内部に配置された、前記<2>から<3>のいずれかに記載のウェアラブル装置である。
<5> 前記第1のセンサーから前記回路基板までの配線が、FPC(Flexible printed circuits)を含む、前記<2>から<4>のいずれかに記載のウェアラブル装置である。
<6> 前記槍状部において、前記第1のセンサー及び前記FPCが設置される領域が、平らに削られた構造を有する、前記<5>に記載のウェアラブル装置である。
<7> 前記熱可塑性樹脂が30MPa以上の引張強度を有するポリエーテル系ポリウレタンエラストマーである、前記<1>から<6>のいずれかに記載のウェアラブル装置である。
<8> 前記筐体の溶着又は溶接された外縁部が超音波を用いた近接溶着により接合されている、前記<1>から<7>のいずれかに記載のウェアラブル装置である。
<9> 前記筐体の溶着又は溶接される部分の基材の厚みが、前記基材の他の部分の厚みよりも薄い、前記<1>から<8>のいずれかに記載のウェアラブル装置である。
<10> 前記太陽電池の発電した電力で動作する装置が、第2のセンサー、RFIDタグ、前記太陽電池の発電した電力を蓄電する蓄電デバイス、取得したセンシングデータを記憶する記憶装置、及び前記センシングデータを外部の受信機に無線で送信を行う通信機器の少なくとも1つを有する、前記<1>から<9>のいずれかに記載のウェアラブル装置である。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載のウェアラブル装置と、
第1のセンサー及び第2のセンサーによって取得され、通信機器によって無線送信されたセンシングデータを受信する受信機と、を有する動物管理システムであって、
前記受信機は無線送信された前記センシングデータを表示し、更に前記センシングデータが予め設定した数値範囲を逸脱した場合に、異常を知らせるアラートを発するアラート機器を含むことを特徴とする動物管理システムである。
前記<1>から<10>のいずれかに記載のウェアラブル装置、及び前記<11>に記載の動物管理システムによると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
10 ウェアラブル装置
11 筐体
11a 第1の基材
11b 第2の基材
12 太陽電池
13 回路基板
14 温度センサー
14a 第1の温度センサー
14b 第2の温度センサー
15 留め具
16 二次電池
17 FPC
18 槍状部
19 キャップ
20 装着機の差し込み穴
21 第2のセンサー
22 溶着部
23 動物の耳殻
24 センサー保護部材
30 ウェアラブル装置
40 ウェアラブル装置
特開2004-298020号公報 特開2021-145638号公報

Claims (11)

  1. 筐体と、太陽電池と、前記太陽電池の発電した電力で動作する装置と、留め具とを有し、
    前記筐体は、第1の基材と第2の基材とからなり、
    前記第1の基材と前記第2の基材の間に、前記太陽電池と、前記太陽電池の発電した電力で動作する装置とを備え、
    前記第1の基材と前記第2の基材の少なくとも一方が、光透過性を有する熱可塑性樹脂を含み、
    前記第1の基材と前記第2の基材が、外縁部において互いに溶着又は溶接されていることを特徴とするウェアラブル装置。
  2. 前記筐体は槍状部を有し、前記留め具は前記槍状部を差し込むことで脱落を防止する差し込み部を有し、前記槍状部に第1のセンサーが設けられ、前記槍状部を動物の体の一部に貫通させることにより、前記第1のセンサーが動物の体内に配置され、前記太陽電池の発電した電力で動作する装置が回路基板を含む、請求項1に記載のウェアラブル装置。
  3. 前記第1のセンサーから前記回路基板までの配線が、前記第1の基材と前記第2の基材の間に配置された、請求項2に記載のウェアラブル装置。
  4. 前記第1のセンサーから前記回路基板までの配線が、前記槍状部の内部に配置された、請求項2から3のいずれかに記載のウェアラブル装置。
  5. 前記第1のセンサーから前記回路基板までの配線が、FPC(Flexible printed circuits)を含む、請求項2から4のいずれかに記載のウェアラブル装置。
  6. 前記槍状部において、前記第1のセンサー及び前記FPCが設置される領域が、平らに削られた構造を有する、請求項5に記載のウェアラブル装置。
  7. 前記熱可塑性樹脂が30MPa以上の引張強度を有するポリエーテル系ポリウレタンエラストマーである、請求項1から6のいずれかに記載のウェアラブル装置。
  8. 前記筐体の溶着又は溶接された外縁部が超音波を用いた近接溶着により接合されている、請求項1から7のいずれかに記載のウェアラブル装置。
  9. 前記筐体の溶着又は溶接される部分の基材の厚みが、前記基材の他の部分の厚みよりも薄い、請求項1から8のいずれかに記載のウェアラブル装置。
  10. 前記太陽電池の発電した電力で動作する装置が、第2のセンサー、RFIDタグ、前記太陽電池の発電した電力を蓄電する蓄電デバイス、取得したセンシングデータを記憶する記憶装置、及び前記センシングデータを外部の受信機に無線で送信を行う通信機器の少なくとも1つを有する、請求項1から9のいずれかに記載のウェアラブル装置。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載のウェアラブル装置と、
    第1のセンサー及び第2のセンサーによって取得され、通信機器によって無線送信されたセンシングデータを受信する受信機と、を有する動物管理システムであって、
    前記受信機は無線送信された前記センシングデータを表示し、更に前記センシングデータが予め設定した数値範囲を逸脱した場合に、異常を知らせるアラートを発するアラート機器を含むことを特徴とする動物管理システム。
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