JP2023172042A - 遊技機 - Google Patents

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JP2023172042A JP2022083595A JP2022083595A JP2023172042A JP 2023172042 A JP2023172042 A JP 2023172042A JP 2022083595 A JP2022083595 A JP 2022083595A JP 2022083595 A JP2022083595 A JP 2022083595A JP 2023172042 A JP2023172042 A JP 2023172042A
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鉉 岡村
Gen Okamura
貴弘 安江
Takahiro Yasue
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Abstract

【課題】遊技進行の好適化を図ることが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ゲームの抽選が行われるとともに各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、ストップスイッチ42~44が操作されると、各リール32L,32M,32Rの回転が停止して、有効ラインにゲームの抽選結果に対応する図柄が停止していると、当該結果に対応するメダルが払い出され、その遊技内容に応じたコマンドが主制御装置からサブ制御装置へ出力され、サブ制御装置によって演出が補助表示部65にて行われる。サブ制御装置では、主制御装置にて実行されている遊技進行状況を、主制御装置から受信する演出用のコマンドに基づいて把握可能とされている。【選択図】 図1117

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。
スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特許文献1参照)。
特開2008-295707号公報
ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。
本発明は上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技進行の好適化を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
遊技の進行処理を実行可能な第1制御手段と、前記第1制御手段からの情報に基づき遊技の進行に応じた報知を実行可能な第2制御手段とを備える遊技機であって、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段からの所定の報知用の情報に基づいて、当該所定の報知を実行可能な所定報知手段と、
前記第1制御手段にて実行している遊技進行の状況を把握することが可能な把握手段と、
を備え、
前記把握手段は、前記所定の報知用の情報に基づいて前記第1制御手段による遊技進行の状況を把握可能とされていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
第1aの実施形態αにおけるスロットマシンの正面図である。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉の背面図である。 筐体の正面図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓から視認可能となる図柄と有効ラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 抽選処理を示すフローチャートである。 3ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 2ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 ボーナス状態処理を示すフローチャートである。 ボーナス状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 各状態の移行関係を示す説明図である。 抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 各種移行抽選テーブルの一例を示す図である。 AT抽選用処理を示すフローチャートである。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 上乗せ抽選テーブルの一例を示す図である。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 補助表示部にて行われる押し順報知演出の概要を示す説明図である。 AT開始報知用処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 前兆モード用処理を示すフローチャートである。 AT種別決定処理を示すフローチャートである。 CZモード用処理を示すフローチャートである。 ATモード用処理を示すフローチャートである。 準備モード用処理を示すフローチャートである。 昇格抽選テーブルの一例を示す図である。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 サブ側の表示制御装置による演出設定処理を示すフローチャートである。 開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 全停止時演出設定処理を示すフローチャートである。 AT開始用処理を示すフローチャートである。 回転演出処理を示すフローチャートである。 回転演出用処理を示すフローチャートである。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 各リールによる回転演出の概要を説明するための図である。 外部出力設定第2処理を示すフローチャートである。 外部出力設定第1処理を示すフローチャートである。 タイマ更新処理を示すフローチャートである。 ATモード開始演出と、回転演出及び外部出力のタイミングを説明するためのタイミングチャートである。 ATモード開始演出と、回転演出及び外部出力のタイミングを説明するためのタイミングチャートである。 変形例1における、準備モード用処理を示すフローチャートである。 回転演出処理を示すフローチャートである。 AT開始報知用処理を示すフローチャートである。 外部出力設定第1処理を示すフローチャートである。 ATモード開始演出と、回転演出及び外部出力のタイミングを説明するためのタイミングチャートである。 ATモード開始演出と、回転演出及び外部出力のタイミングを説明するためのタイミングチャートである。 変形例2における、回転演出処理を示すフローチャートである。 (a)はエラー報知用処理を示すフローチャートであり、(b)は補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 変形例3における、外部出力設定第1処理を示すフローチャートである。 変形例4における、外部出力設定第2処理を示すフローチャートである。 回転演出処理を示すフローチャートである。 ATモード用処理を示すフローチャートである。 第1aの実施形態βにおける、回転演出処理を示すフローチャートである。 回転演出用処理を示すフローチャートである。 疑似遊技の概要を説明するための図である。 ATモード開始演出と、回転演出及び外部出力のタイミングを、疑似遊技及び疑似遊技中表示との関係から説明するためのタイミングチャートである。 (a)は、変形例1における疑似遊技の実行タイミングの変形例を説明するための図であり、(b)は、変形例2における疑似遊技の実行タイミングの変形例を説明するための図である。 (a)は、回転演出処理の一部を示すフローチャートであり、(b)はリール制御処理の一部を示すフローチャートであり、(c)~(h)は通常遊技中に疑似遊技を実行する場合の遊技の概要を説明するための図である。 変形例3における、疑似遊技中報知の変形例を説明するための図である。 第1aの実施形態γにおける入賞態様と付与される特典との関係等の変更箇所を説明するための図である。 AT開始報知用処理を示すフローチャートである。 準備モード用処理を示すフローチャートである。 (a)は準備モード演出設定処理を示すフローチャートであり、(b)は回避演出設定処理を示すフローチャートである。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例等を示す図である。 第1aの実施形態δにおける、AT抽選用処理を示すフローチャートである。 前兆モード用処理を示すフローチャートである。 AT当選報知用処理を示すフローチャートである。 CZモード用処理を示すフローチャートである。 回転演出処理を示すフローチャートである。 タイマ更新処理を示すフローチャートである。 第2bの実施形態αにおける、主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 抽選処理を示すフローチャートである。 3ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 2ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 ボーナス状態処理を示すフローチャートである。 ボーナス状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 各状態の移行関係を示す説明図である。 抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 各種移行抽選テーブルの一例を示す図である。 AT抽選用処理を示すフローチャートである。 継続判定処理を示すフローチャートである。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 補助表示部にて行われる押し順報知演出の概要を示す説明図である。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 前兆モード用処理を示すフローチャートである。 ATモードの継続率の選択率の一例を示す図である。 CZモード用処理を示すフローチャートである。 ATモード用処理を示すフローチャートである。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 サブ側の表示制御装置による演出設定処理を示すフローチャートである。 開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 全停止時演出設定処理を示すフローチャートである。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 AT演出設定処理を示すフローチャートである。 特定演出設定処理を示すフローチャートである。 対峙演出の概要を説明するための図である。 バトル演出の概要を説明するための図である。 特定演出テーブルの一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 特定演出の発生とATモードの継続の有無との関係を説明するためのタイミングチャートである。 ATモードの継続率と特定演出の発生タイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 変形例1における、AT演出設定処理を示すフローチャートである。 特定演出設定処理を示すフローチャートである。 変形例2における、AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 特定演出設定処理を示すフローチャートである。 変形例3における、AT演出設定処理を示すフローチャートである。 変形例4における、示唆演出設定処理を示すフローチャートである。 示唆演出テーブルの一例を示す図である。 変形例5における、補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 AT演出設定処理を示すフローチャートである。 第2特定演出設定処理を示すフローチャートである。 待機演出設定処理を示すフローチャートである。 第2特定演出テーブルの一例を示す図である。 第2bの実施形態βにおける、ATモード中の演出の流れを説明するための図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 前兆モード用処理を示すフローチャートである。 AT演出設定処理を示すフローチャートである。 第3特定演出設定処理を示すフローチャートである。 第3特定演出テーブルの一例を示す図である。 ATモードのセットと疑似セットとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 変形例1における、第3特定演出設定処理を示すフローチャートである。 更新時第3特定演出テーブルの一例を示す図である。 変形例2における、第3特定演出設定処理を示すフローチャートである。 エンディングゲーム数テーブルの一例を示す図である。 変形例3における、第3特定演出テーブルの一例を示す図である。 ATモードの継続率と疑似セットとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 第2bの実施形態γにおける、ATモード中の演出の流れを説明するための図である。 AT演出設定処理を示すフローチャートである。 第4特定演出設定処理を示すフローチャートである。 大当たり演出ゲーム数設定処理を示すフローチャートである。 調整用処理を示すフローチャートである。 大当たり演出ゲーム数テーブルや調整用ゲーム数テーブルの一例を示す図である。 ATモード最終セットの演出の流れを説明するための図である。 第3cの実施形態における、スロットマシンの正面図である。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉の背面図である。 筐体の正面図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓から視認可能となる図柄と有効ラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 抽選処理を示すフローチャートである。 3ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 2ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 ボーナス状態処理を示すフローチャートである。 ボーナス状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 各状態の移行関係を示す説明図である。 抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 AT抽選用処理を示すフローチャートである。 通常用ATモード抽選処理を示すフローチャートである。 CZ用ATモード抽選処理を示すフローチャートである。 前兆モードの設定処理を示すフローチャートである。 各種移行抽選テーブルの一例を示す図である。 CZ用ATモード移行抽選テーブルの一例を示す図である。 即報知抽選テーブルの一例を示す図である。 CZモードゲーム数テーブル及び前兆演出ゲーム数テーブルの一例を示す図である。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 上乗せ抽選テーブルの一例を示す図である。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 補助表示部にて行われる押し順報知演出の概要を示す説明図である。 押し順報知用処理を示すフローチャートである。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 第1ゲーム数管理処理を示すフローチャートである。 第2ゲーム数管理処理を示すフローチャートである。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 有利区間移行ゲーム用処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 表示モードの移行関係の概要を説明するための図である。 有利区間の開始ゲーム及び終了ゲームと区間表示器の表示との関係を説明するための図である。 サブ側の表示制御装置による演出設定処理を示すフローチャートである。 開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 全停止時演出設定処理を示すフローチャートである。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 遊技状態表示部やベット表示部の概要を説明するための図である。 BET用処理を示すフローチャートである。 再遊技設定用処理を示すフローチャートである。 メダル投入対応処理を示すフローチャートである。 第1操作対応処理を示すフローチャートである。 第2操作対応処理を示すフローチャートである。 遊技状態表示部用処理を示すフローチャートである。 ベット時演出設定処理を示すフローチャートである。 単ベット演出設定処理を示すフローチャートである。 連ベット演出設定処理を示すフローチャートである。 再遊技状態用ベット演出設定処理を示すフローチャートである。 通常再遊技ベット演出設定処理を示すフローチャートである。 特定再遊技ベット演出設定処理を示すフローチャートである。 疑似ベット演出が制限される様子を説明するためのタイミングチャートである。 疑似ベット演出が制限される様子を説明するためのタイミングチャートである。 待機状態設定処理を示すフローチャートである。 待機用処理を示すフローチャートである。 仮待機状態と待機状態を説明するためのタイミングチャートである。 変形例1における、疑似ベット演出が制限される様子を説明するためのタイミングチャートである。 特定再遊技ベット演出設定処理を示すフローチャートである。 特定再遊技ベット演出設定処理を示すフローチャートである。 特定再遊技ベット演出設定処理を示すフローチャートである。 変形例2における、開始時演出と疑似ベット演出との関係を説明するためのタイミングチャートである。 特定再遊技ベット演出設定処理を示すフローチャートである。 特定再遊技ベット演出設定処理を示すフローチャートである。 押し順報知演出の設定処理を示すフローチャートである。 変形例3における、特定再遊技ベット演出設定処理を示すフローチャートである。 疑似ベット演出とフリーズ演出との関係を説明するためのタイミングチャートである。 フリーズ抽選処理を示すフローチャートである。 変形例4における、賭数操作の種類に応じた疑似ベット演出を説明するためのタイミングチャートである。 特定再遊技ベット演出設定処理を示すフローチャートである。 変形例5における、待機状態設定処理を示すフローチャートである。 待機用処理を示すフローチャートである。 仮待機状態と待機状態を説明するためのタイミングチャートである。 変形例6における、メダル返却処理を示すフローチャートである。 返却時演出処理を示すフローチャートである。 クレジットの清算と疑似ベット演出との関係を説明するためのタイミングチャートである。 変形例7における、特定再遊技ベット演出設定処理を示すフローチャートである。 第4dの実施形態における、入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 抽選処理を示すフローチャートである。 3ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 2ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 特殊役当選時の操作態様を説明するための説明図である。 ボーナス状態処理を示すフローチャートである。 ボーナス状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 各状態の移行関係を示す説明図である。 抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 各種移行抽選テーブルの一例を示す図である。 開始時AT抽選用処理を示すフローチャートである。 継続判定処理を示すフローチャートである。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 補助表示部にて行われる押し順報知演出の概要を示す説明図である。 (a)は抽選結果コマンド設定処理を示すフローチャートであり、(b)は抽選結果コマンドと押し順報知コマンドとの関係を説明するための説明図である。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 停止時AT抽選用処理を示すフローチャートである。 天井減算値テーブルや停止時移行抽選テーブルの一例を示す図である。 AT当選やCZ当選の契機を説明するための説明図である。 前兆ゲーム数用処理を示すフローチャートである。 ATモードの継続率の選択率の一例を示す図である。 CZゲーム数用処理を示すフローチャートである。 ATゲーム数用処理を示すフローチャートである。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 サブ側の表示制御装置による演出設定処理を示すフローチャートである。 開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 全停止時演出設定処理を示すフローチャートである。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 開始時CZ演出設定処理を示すフローチャートである。 停止時CZ演出設定処理を示すフローチャートである。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 CZモード中の各ゲームの演出の発生タイミングを説明するためのタイミングチャートである。 停止時CZ演出設定処理の実行タイミングと爆発演出の発生率との関係を説明するための説明図である。 前兆ゲーム数テーブルの一例を示す図である。 開始時前兆演出設定処理を示すフローチャートである。 停止時前兆演出設定処理を示すフローチャートである。 ゲーム数管理処理を示すフローチャートである。 表示上のゲーム数と実際の天井到達ゲームとの差分を説明するための図である。 変形例1における第1停止ON時演出設定処理を示すフローチャートである。 変形例2における、開始時AT抽選用処理を示すフローチャートである。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 特殊役当選ゲームでAT当選報知が行われる様子を説明するための図である。 変形例3において、(a)は第1停止ON時演出設定処理を示すフローチャートであり、(b)及び(c)は確定演出が行われる様子を説明するための図である。 変形例4における、開始時AT抽選用処理の一部を示すフローチャートである。 事前判定処理を示すフローチャートである。 開始時CZ演出設定処理を示すフローチャートである。 変形例5における、ナビモード用処理を示すフローチャートである。 特定報知用処理を示すフローチャートである。 特定報知演出の概要を説明するための図である。 変形例6において、(a)はATゲーム数用処理の一部を示すフローチャートであり、(b)は停止時AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 各上乗せ抽選テーブルの一例を示す図である。 開始時AT上乗せ抽選用処理の一部を示すフローチャートである。 上乗せ事前判定処理を示すフローチャートである。 (a)は開始時演出設定処理の一部を示すフローチャートであり、(b)及び(c)はAT中特定報知演出の概要を説明するための図である。 変形例7において、(a)は抽選結果対応処理の一部を示すフローチャートであり、(b)は報知小役抽選テーブルの一例を示す図である。 変形例8において、(a)は有利区間移行抽選を示すフローチャートであり、(b)は報知小役抽選テーブルの一例を示す図である。 変形例9における、報知小役抽選の概要を説明するための図である。 変形例10における、区間表示第2処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 有利区間移行時処理を示すフローチャートである。 通常区間における特殊役当選時の操作態様と有利度との関係を説明するための図である。 変形例11における、各特殊役を説明するための説明図である。 押し順ベル当選時の押し順報知演出と、特殊役当選時の押し順報知演出と、の関係を説明するための説明図である。 抽選結果対応処理の一部を示すフローチャートである。 変形例12における、各特殊役の指示機能に関する処理を説明するための説明図である。 上乗せ抽選テーブルの一例を示す図である。 第5eの実施形態における、主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 抽選処理を示すフローチャートである。 3ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 2ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 ボーナス状態処理を示すフローチャートである。 ボーナス状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 各状態の移行関係を示す説明図である。 抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 (a)は各種移行抽選テーブルの一例を示す図であり、(b)はループ抽選テーブルの一例を示す図である。 AT抽選用処理を示すフローチャートである。 継続判定処理を示すフローチャートである。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 上乗せループ用処理を示すフローチャートである。 操作指示演出設定処理を示すフローチャートである。 疑似操作指示演出設定処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 補助表示部にて行われる押し順報知演出の概要を示す説明図である。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 前兆モード用処理を示すフローチャートである。 ATモードの継続率の選択率の一例を示す図である。 CZモード用処理を示すフローチャートである。 ATモード用処理を示すフローチャートである。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 サブ側の表示制御装置による演出設定処理を示すフローチャートである。 開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 全停止時演出設定処理を示すフローチャートである。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 AT演出設定処理を示すフローチャートである。 特定演出設定処理を示すフローチャートである。 対峙演出の概要を説明するための図である。 バトル演出の概要を説明するための図である。 特定演出テーブルの一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 ステッピングモータ制御処理を示すフローチャートである。 モータ制御処理を示すフローチャートである。 回転開始処理を示すフローチャートである。 通常回転テーブルの一例を示す図である。 回転演出コマンド設定処理を示すフローチャートである。 回転演出処理を示すフローチャートである。 第1回転制御処理を示すフローチャートである。 特別回転テーブルの一例を示す図である。 第2回転制御処理を示すフローチャートである。 回転演出準備処理を示すフローチャートである。 回転演出用処理を示すフローチャートである。 第1回転演出用処理を示すフローチャートである。 第2回転演出用処理を示すフローチャートである。 回転演出の概要を説明するための図である。 回転演出の概要を説明するための図である。 回転演出の概要を説明するための図である。 回転演出の概要を説明するための図である。 回転演出の概要を説明するための図である。 回転演出の概要を説明するための図である。 第1回転動作による回転演出と、制限動作による回転演出との違いを説明するための図である。 変形例1における、回転演出コマンド設定処理を示すフローチャートである。 第2回転制御処理を示すフローチャートである。 停止用回転テーブルの一例を示す図である。 第2回転演出用処理を示すフローチャートである。 回転演出の概要を説明するための図である。 変形例2における、上乗せループ用処理を示すフローチャートである。 第1回転制御処理を示すフローチャートである。 第2回転制御処理を示すフローチャートである。 回転演出コマンド設定処理を示すフローチャートである。 回転演出用処理を示すフローチャートである。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 変形例3における、第1回転演出用処理の一部を示すフローチャートである。 (a)は特別演出テーブルの一例を示す図であり、(b)は補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 変形例4における、操作指示演出設定処理を示すフローチャートである。 回転演出コマンド設定処理を示すフローチャートである。 (a)は回転演出準備処理を示すフローチャートであり、(b)は各回転演出の概要を説明するための説明図である。 回転演出の概要を説明するための図である。 回転演出の概要を説明するための図である。 回転演出の概要を説明するための図である。 変形例5における、第2回転制御処理を示すフローチャートである。 第2特別回転テーブルの一例を示す図である。 回転演出の概要を説明するための図である。 変形例6において、(a)は回転演出処理を示すフローチャートであり、(b)は回転演出用処理の一部を示すフローチャートであり、(c)は第2回転演出用処理の一部を示すフローチャートである。 変形例7における、第1回転制御処理を示すフローチャートである。 第2回転制御処理を示すフローチャートである。 回転演出の概要を説明するための図である。 変形例8における、回転演出の概要を説明するための図である。 第6fの実施形態におけるスロットマシンの正面図である。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉の背面図である。 筐体の正面図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓から視認可能となる図柄と有効ラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 抽選処理を示すフローチャートである。 3ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 2ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 ボーナス状態処理を示すフローチャートである。 ボーナス状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 各状態の移行関係を示す説明図である。 抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 各種移行抽選テーブルの一例を示す図である。 AT抽選用処理を示すフローチャートである。 継続判定処理を示すフローチャートである。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 補助表示部にて行われる押し順報知演出の概要を示す説明図である。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 前兆モード用処理を示すフローチャートである。 ATモードの継続率の選択率の一例を示す図である。 CZモード用処理を示すフローチャートである。 ATモード用処理を示すフローチャートである。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 サブ側の表示制御装置による演出設定処理を示すフローチャートである。 遊技状態表示部やBET表示部の概要を説明するための図である。 開始待ち処理を示すフローチャートである。 BET操作対応処理を示すフローチャートである。 メダル投入監視処理を示すフローチャートである。 第1貯留返却用処理を示すフローチャートである。 第2貯留返却用処理を示すフローチャートである。 第1確認処理及び第1修正処理の概要を説明するための図である。 第2確認処理及び第2修正処理の概要を説明するための図である。 第2確認処理及び第2修正処理の概要を説明するための図である。 変形例1における、BET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。 変形例2における、BET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。 変形例3において、(a)はBET操作対応処理の一部を示すフローチャートであり、(b)は第1貯留返却用処理の一部を示すフローチャートである。 (a)は第2貯留返却用処理の一部を示すフローチャートであり、(b)はベット増加用処理を示すフローチャートであり、(c)は各ベット時効果音の概要を説明するための図である。 変形例4において、(a)は第1貯留返却用処理の一部を示すフローチャートであり、(b)は第2貯留返却用処理の一部を示すフローチャートである。 変形例5における、BET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。 変形例6において、(a)は第1貯留返却用処理の一部を示すフローチャートであり、(b)は第2貯留返却用処理の一部を示すフローチャートである。 BET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。 貯留メダル精算処理を示すフローチャートである。 変形例7における、BET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。 (a)は不良精算完了報知処理を示すフローチャートであり、(b)は特別報知テーブルの一例を示す図である。 変形例8において、(a)は払出判定処理を示すフローチャートであり、(b)精算不可カウンタ用処理を示すフローチャートである。 第7gの実施形態におけるスロットマシンの正面図である。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉の背面図である。 筐体の正面図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓から視認可能となる図柄と有効ラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 バックライト装置の概要を説明するための図である。 主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 抽選処理を示すフローチャートである。 3ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 ボーナス状態処理を示すフローチャートである。 ボーナス状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 AT抽選用処理を示すフローチャートである。 通常用ATモード抽選処理を示すフローチャートである。 CZ用ATモード抽選処理を示すフローチャートである。 前兆モードの設定処理を示すフローチャートである。 各種移行抽選テーブルの一例を示す図である。 CZ用ATモード移行抽選テーブルの一例を示す図である。 即報知抽選テーブルの一例を示す図である。 CZモードゲーム数テーブル及び前兆演出ゲーム数テーブルの一例を示す図である。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 上乗せ抽選テーブルの一例を示す図である。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 補助表示部にて行われる押し順報知演出の概要を示す説明図である。 押し順報知用処理を示すフローチャートである。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 第1ゲーム数管理処理を示すフローチャートである。 第2ゲーム数管理処理を示すフローチャートである。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 有利区間移行ゲーム用処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 表示モードの移行関係の概要を説明するための図である。 有利区間の開始ゲーム及び終了ゲームと区間表示器の表示との関係を説明するための図である。 サブ側の表示制御装置による演出設定処理を示すフローチャートである。 開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 全停止時演出設定処理を示すフローチャートである。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 バックライト装置における各バックライトの配置を説明するための図である。 フラッシュ演出の演出パターンを説明するための図である。 フラッシュ演出の演出パターンを説明するための図である。 フラッシュ演出の演出パターンを説明するための図である。 フラッシュ演出の演出パターンを説明するための図である。 フラッシュ演出の演出パターンを説明するための図である。 フラッシュ演出の演出パターンを説明するための図である。 消灯演出の概要を説明するための図である。 フリーズ抽選処理を示すフローチャートである。 通常用フラッシュフリーズテーブルの一例を示す図である。 持ち越し用フラッシュフリーズテーブルの一例を示す図である。 フラッシュ待機用処理を示すフローチャートである。 フラッシュ演出制御用処理を示すフローチャートである。 通常フラッシュ設定処理を示すフローチャートである。 フラッシュパターンデータテーブルの一例を示す図である。 停止時フラッシュ演出用処理を示すフローチャートである。 特別フラッシュ設定処理を示すフローチャートである。 第1特別設定処理を示すフローチャートである。 第2特別設定処理を示すフローチャートである。 第3特別設定処理を示すフローチャートである。 第4特別設定処理を示すフローチャートである。 第5特別設定処理を示すフローチャートである。 第6特別設定処理を示すフローチャートである。 フラッシュ演出終了処理を示すフローチャートである。 終了時調整用処理を示すフローチャートである。 払出音出力用処理を示すフローチャートである。 フラッシュ中調整用処理を示すフローチャートである。 フラッシュ演出が行われる様子を示すタイミングチャートである。 フラッシュ演出が行われる様子を示すタイミングチャートである。 フラッシュ演出が行われる様子を示すタイミングチャートである。 フラッシュ演出が行われる様子を示すタイミングチャートである。 フラッシュ演出が行われる様子を示すタイミングチャートである。 フラッシュ演出が行われる様子を示すタイミングチャートである。 BET用処理を示すフローチャートである。 ベット時演出設定処理を示すフローチャートである。 単ベット演出設定処理を示すフローチャートである。 連ベット演出設定処理を示すフローチャートである。 再遊技状態用ベット演出設定処理を示すフローチャートである。 通常再遊技用再ベット演出処理を示すフローチャートである。 特定再遊技用再ベット演出処理を示すフローチャートである。 サブフラッシュ用再ベット演出処理を示すフローチャートである。 フラッシュ演出とベット処理やベット演出との関係を説明するためのタイミングチャートである。 フラッシュ演出とベット処理やベット演出との関係を説明するためのタイミングチャートである。 フラッシュ演出とベット処理やベット演出との関係を説明するためのタイミングチャートである。 フラッシュ演出とベット処理やベット演出との関係を説明するためのタイミングチャートである。 (a)は開始時フラッシュ演出用処理を示すフローチャートであり、(b)はフラッシュ演出と開始操作との関係を説明するためのタイミングチャートである。 変形例1における、フラッシュ中調整用処理を示すフローチャートである。 フラッシュ演出と確定演出との関係を説明するためのタイミングチャートである。 変形例2において、(a)はフラッシュ待機用処理の一部を示すフローチャートであり、(b)は無効期間中処理を示すフローチャートであり、(c)はフラッシュ中調整用処理の一部を示すフローチャートである。 フラッシュ演出がキャンセルされる様子を説明するためのタイミングチャートである。 変形例3における、フラッシュ中調整用処理を示すフローチャートである。 サブフラッシュ用再ベット演出処理を示すフローチャートである。 フラッシュ演出とベット処理やベット演出との関係を説明するためのタイミングチャートである。 変形例4における、フラッシュ演出制御用処理を示すフローチャートである。 変形例5における、フラッシュ演出制御用処理を示すフローチャートである。 変形例6における、フラッシュ演出制御用処理を示すフローチャートである。 実行抽選テーブルの一例を示す図である。 変形例7において、(a)は開始時演出設定処理の一部を示すフローチャートであり、(b)は特定役報知演出抽選テーブルの一例を示す図である。 変形例8において、(a)は連続演出設定処理を示すフローチャートであり、(b)は連続演出の各ゲームの演出パターンを説明するための図であり、(c)は連続演出テーブルの一例を示す図である。 第8hの実施形態におけるスロットマシンの正面図である。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉の背面図である。 筐体の正面図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓から視認可能となる図柄と有効ラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 抽選処理を示すフローチャートである。 3ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 2ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 ボーナス状態処理を示すフローチャートである。 ボーナス状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 各状態の移行関係を示す説明図である。 抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 各種移行抽選テーブルの一例を示す図である。 AT抽選用処理を示すフローチャートである。 継続判定処理を示すフローチャートである。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 補助表示部にて行われる押し順報知演出の概要を示す説明図である。 (a)は抽選結果コマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は抽選結果コマンドと押し順報知コマンドとの関係を説明するための説明図である。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 前兆モード用処理を示すフローチャートである。 ATモードの継続率の選択率の一例を示す図である。 CZモード用処理を示すフローチャートである。 ATモード用処理を示すフローチャートである。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 サブ側の表示制御装置による演出設定処理を示すフローチャートである。 回転開始処理を示すフローチャートである。 各押し順情報の概要と記憶領域を説明するための図である。 払出判定処理を示すフローチャートである。 メダル払出処理を示すフローチャートである。 セグメントデータ設定処理を示すフローチャートである。 毎ゲームRAMクリア処理を示すフローチャートである。 RAMに記憶される各種情報とクリア契機の関係を説明するための図である。 押し順報知の実行タイミングと押し順情報のクリアタイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 変形例1において、(a)は払出判定処理の一部を示すフローチャートであり、(b)はメダル払出処理の一部を示すフローチャートであり、(c)はセグメント設定処理の一部を示すフローチャートである。 変形例2における、抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 セグメントデータ設定処理を示すフローチャートである。 RAMに記憶される各種情報とクリア契機の関係を説明するための図である。 変形例3における、回転開始処理を示すフローチャートである。 共用カウンタの概要を説明するための図である。 セグメントデータ設定処理を示すフローチャートである。 (a)は払出判定処理の一部を示すフローチャートであり、(b)は、メダル払出処理を示すフローチャートである。 RAMに記憶される各種情報とクリア契機の関係を説明するための図である。 変形例4における、抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 セグメントデータ設定処理を示すフローチャートである。 RAMに記憶される各種情報とクリア契機の関係を説明するための図である。 変形例5において、(a)は回転開始処理を示すフローチャートであり、(b)は払出判定処理の一部を示すフローチャートであり、(c)はATモード用処理の一部を示すフローチャートである。 押し順報知の実行タイミングと押し順情報のクリアタイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 変形例6において、(a)はATモード用処理の一部を示すフローチャートであり、(b)は押し順報知の後、ATモード終了時の演出が実行されてからメダル払出が行われる様子を説明するためのタイミングチャートである。 変形例7において、(a)は毎ゲームRAMクリア処理を示すフローチャートであり、(b)はRAMに記憶される各種情報とクリア契機の関係を説明するための図である。 変形例8において、(a)は有利区間情報の初期化処理を示すフローチャートであり、(b)はリセット時の初期化処理を示すフローチャートである。 変形例9における、毎ゲームRAMクリア処理を示すフローチャートである。 RAMに記憶される各種情報とクリア契機の関係を説明するための図である。 第9iの実施形態におけるスロットマシンの正面図である。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉の背面図である。 筐体の正面図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓から視認可能となる図柄と有効ラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 抽選処理を示すフローチャートである。 通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 押し順ベル当選時の停止態様を説明するための図である。 押し順ベル当選時の停止態様を説明するための図である。 ボーナス状態処理を示すフローチャートである。 ボーナス状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 各種移行抽選テーブルの一例を示す図である。 開始時AT抽選用処理を示すフローチャートである。 継続判定処理を示すフローチャートである。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 上乗せチャレンジ用処理を示すフローチャートである。 上乗せチャレンジの発生率等を説明するための図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 補助表示部にて行われる押し順報知演出の概要を示す説明図である。 押し順報知用処理を示すフローチャートである。 チャレンジ用処理を示すフローチャートである。 ナビ抽選処理を示すフローチャートである。 各ナビ状態を説明するための図である。 抽選結果コマンド設定処理を示すフローチャートである。 抽選結果コマンドと押し順報知コマンドとの関係を説明するための説明図である。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 停止時AT抽選用処理を示すフローチャートである。 天井減算値テーブルや停止時移行抽選テーブルの一例を示す図である。 前兆モード用処理を示すフローチャートである。 ATモードの継続率の選択率の一例を示す図である。 CZモード用処理を示すフローチャートである。 ATモード用処理を示すフローチャートである。 チャレンジ結果用処理を示すフローチャートである。 第1チャレンジ結果用処理を示すフローチャートである。 第2チャレンジ結果用処理を示すフローチャートである。 第3チャレンジ結果用処理を示すフローチャートである。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 サブ側の表示制御装置による演出設定処理を示すフローチャートである。 開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 操作順序と押し順報知との関係を説明するための図である。 押し順報知の実行態様と押し順報知の契機となる結果と関係を説明するための図である。 変形例1における通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 ナビ抽選処理を示すフローチャートである。 各ナビ状態における押し順報知の実行率を説明するための図である。 押し順報知非発生となる値数を説明するための図である。 押し順報知非発生時の第1操作態様となる割合を説明するための図である。 上乗せチャレンジ発生時の第1操作態様となる割合を説明するための図である。 変形例2における、上乗せチャレンジ発生時の第1操作態様となる割合を説明するための図である。 変形例3における、上乗せチャレンジを説明するための図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 上乗せチャレンジ発生時の第1操作態様となる割合を説明するための図である。 変形例4における、停止時AT抽選用処理を示すフローチャートである。 押し順報知用処理を示すフローチャートである。 チャレンジ用処理を示すフローチャートである。 押し順報知の実行態様と押し順報知の契機となる結果と関係を説明するための図である。 変形例5における、停止時AT抽選用処理を示すフローチャートである。 押し順報知用処理を示すフローチャートである。 押し順報知の実行態様と押し順報知の契機となる結果と関係を説明するための図である。 変形例6における、偏りベル報知演出の変形例を説明するための図である。 変形例7における、偏りベル報知演出の変形例を説明するための図である。 変形例8における、入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 ストップスイッチの操作順序と付与されることが期待できる特典との関係を示す説明図である。 開始時AT抽選用処理の一部を示すフローチャートである。 各種移行抽選テーブルの一例を示す図である。 抽選結果とチャレンジ種別との関係を示す図である。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 ATチャレンジ用処理を示すフローチャートである。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 チャレンジ準備処理を示すフローチャートである。 通常チャレンジ結果用処理を示すフローチャートである。 ATチャレンジ結果用処理を示すフローチャートである。 停止時AT抽選用処理を示すフローチャートである。 制限対象判定処理を示すフローチャートである。 通常モード用の天井減算値テーブルや停止時移行抽選テーブルの一例を示す図である。 CZモード用の天井減算値テーブルや停止時移行抽選テーブルの一例を示す図である。 通常チャレンジモード用の天井減算値テーブルや停止時移行抽選テーブルの一例を示す図である。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 指示番号送信用処理を示すフローチャートである。 結果番号テーブル及び指示番号テーブルの一例を示す図である。 抽選結果コマンド設定処理を示すフローチャートである。 開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 指示込役物比率用処理を示すフローチャートである。 通常モード用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 CZモード用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 通常チャレンジ用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 ATモード用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 ATチャレンジ用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 偏りベルとグループ化する結果の払出枚数と当選確率と特定数との関係性を説明するための図である。 指示込役物比率の概要を説明するための図である。 払出枚数表示部及び補助表示部での表示内容と抽選結果との関係を説明するための図である。 払出枚数表示部及び補助表示部での表示内容と抽選結果との関係を説明するための図である。 払出枚数表示部及び補助表示部での表示内容と抽選結果との関係を説明するための図である。 変形例9における、CZモード用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 払出枚数表示部及び補助表示部での表示内容と抽選結果との関係を説明するための図である。 変形例10における、通常モード用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 変形例11における、偏りベルの構成を説明するための図である。 変形例12における、通常モード用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 変形例13において、(a)は各モード演出設定処理を示すフローチャートであり、(b)~(d)は払出枚数表示部及び補助表示部での表示内容と抽選結果との関係を説明するための図である。 変形例14における、結果番号テーブル及び指示番号テーブルの一例を示す図である。 通常モード用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 通常モード用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 通常モード用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 通常モード用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 (a)は区間表示第1処理の一部を示すフローチャートであり、(b)及び(c)は払出枚数表示部での表示内容と抽選結果との関係を説明するための図である。 変形例15における、入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 ストップスイッチの操作順序と付与されることが期待できる特典との関係を示す説明図である。 結果番号テーブル及び指示番号テーブルの一例を示す図である。 第1遊技状態用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 第2遊技状態用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 第3遊技状態用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 第4遊技状態用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 第5遊技状態用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 第6遊技状態用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 指示込役物比率用処理を示すフローチャートである。 変形例16における、停止時AT抽選用処理を示すフローチャートである。 第7遊技状態用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 変形例17における、通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 第1遊技状態用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 変形例18における、第8遊技状態用の結果番号テーブル及び指示番号テーブルとストップスイッチの操作順序と期待払出数との関係を示す図である。 (a)は区間表示第1処理の一部を示すフローチャートであり、(b)は払出枚数表示部での表示内容と結果番号との関係を説明するための図である。 第10jの実施形態におけるスロットマシンの正面図である。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉の背面図である。 筐体の正面図である。 投入されたメダルを検出する装置を説明するための図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓から視認可能となる図柄と有効ラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 抽選処理を示すフローチャートである。 3ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 2ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 ボーナス状態処理を示すフローチャートである。 ボーナス状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 各状態の移行関係を示す説明図である。 抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 各種移行抽選テーブルの一例を示す図である。 AT抽選用処理を示すフローチャートである。 継続判定処理を示すフローチャートである。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 停止時抽選処理を示すフローチャートである。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 補助表示部にて行われる押し順報知演出の概要を示す説明図である。 (a)は抽選結果コマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は抽選結果コマンドと押し順報知コマンドとの関係を説明するための説明図である。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 前兆モード用処理を示すフローチャートである。 ATモードの継続率の選択率の一例を示す図である。 CZモード用処理を示すフローチャートである。 ATモード用処理を示すフローチャートである。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 サブ側の表示制御装置による演出設定処理を示すフローチャートである。 回転開始処理を示すフローチャートである。 各押し順情報の概要と記憶領域を説明するための図である。 払出判定処理を示すフローチャートである。 メダル払出処理を示すフローチャートである。 セグメントデータ設定処理を示すフローチャートである。 押し順報知の実行タイミングと押し順情報のクリアタイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 各種エラーについて説明するための図である。 開始待ち処理を示すフローチャートである。 BET操作対応処理を示すフローチャートである。 メダル投入監視処理を示すフローチャートである。 ゲート判定処理を示すフローチャートである。 センサ監視処理を示すフローチャートである。 投入センサ監視処理を示すフローチャートである。 投入経過把握処理を示すフローチャートである。 第1通過センサ監視処理を示すフローチャートである。 第2通過センサ監視処理を示すフローチャートである。 エラー判定処理を示すフローチャートである。 エラー対応処理を示すフローチャートである。 エラーの発生タイミングとエラー報知の実行タイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 エラーの発生タイミングとエラー報知の実行タイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 払出駆動処理を示すフローチャートである。 払出センサ監視処理を示すフローチャートである。 払出経過把握処理を示すフローチャートである。 第1払出センサ監視処理を示すフローチャートである。 第2払出センサ監視処理を示すフローチャートである。 エラーの発生タイミングとエラー報知の実行タイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 エラーの発生タイミングとエラー報知の実行タイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 予備タンクセンサ監視処理を示すフローチャートである。 抽選乱数取得処理を示すフローチャートである。 エラーの発生タイミングとエラー報知の実行タイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 エラーの発生タイミングとエラー報知の実行タイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 変形例1における、投入メダル検出装置、払出メダル検出装置、乱数生成装置を説明するためのブロック図である。 投入CPUによる投入センサ用処理を示すフローチャートである。 投入把握処理を示すフローチャートである。 投入センサ監視処理を示すフローチャートである。 払出CPUによる払出センサ用処理を示すフローチャートである。 払出センサ監視処理を示すフローチャートである。 (a)は抽選乱数取得処理を示すフローチャートであり、(b)は乱数CPUによる抽選乱数用処理を示すフローチャートである。 エラー判定処理を示すフローチャートである。 変形例2における、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 (a)は抽選結果対応処理の一部を示すフローチャートであり、(b)はメダル払出処理の一部を示すフローチャートである。 エラーの発生タイミングとエラー報知の実行タイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 変形例3における、停止時抽選処理を示すフローチャートである。 エラーの発生タイミングとエラー報知の実行タイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 変形例4において、(a)はセンサ監視処理を示すフローチャートであり、(b)はエラーコマンド対応処理を示すフローチャートである。 エラーの発生タイミングとエラー報知の実行タイミングとの関係や補助表示部でのエラー報知演出等を説明するためのタイミングチャートである。 変形例5における、セグメントデータ設定処理を示すフローチャートである。 エラーの発生タイミングとエラー報知の実行タイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 第11kの実施形態におけるスロットマシンの正面図である。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉の背面図である。 筐体の正面図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓から視認可能となる図柄と有効ラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 通常遊技用の抽選処理を示すフローチャートである。 3ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 2ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 ボーナス状態処理を示すフローチャートである。 ボーナス状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 各状態の移行関係を示す説明図である。 抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 各種移行抽選テーブルの一例を示す図である。 AT抽選用処理を示すフローチャートである。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 上乗せ抽選テーブルの一例を示す図である。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 補助表示部にて行われる押し順報知演出の概要を示す説明図である。 AT開始報知用処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 前兆モード用処理を示すフローチャートである。 AT種別決定処理を示すフローチャートである。 CZモード用処理を示すフローチャートである。 ATモード用処理を示すフローチャートである。 準備モード用処理を示すフローチャートである。 昇格抽選テーブルの一例を示す図である。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 サブ側の表示制御装置による演出設定処理を示すフローチャートである。 開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 全停止時演出設定処理を示すフローチャートである。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 疑似遊技移行用準備処理を示すフローチャートである。 加算ポイント抽選テーブルを示す図である。 疑似遊技用の抽選処理を示すフローチャートである。 疑似遊技用の種別抽選テーブルの一例を示す図である。 疑似遊技用リール制御処理を示すフローチャートである。 疑似遊技演出用処理を示すフローチャートである。 ATモードにおける特定役当選時の表示演出の流れを例示した図である。 ATモードにおける疑似遊技移行時の表示演出の流れを例示した図である。 主制御装置のROMに設けられた各種記憶領域を示す概略図である。 主制御装置のRAMに設けられた各種記憶領域を示す概略図である。 当選役名称と当選役番号との関係を示す図である。 当選役番号を送信番号に変換するための送信番号用変換テーブルを示す図である。 当選役番号を上乗せ抽選番号に変換するための抽選番号用変換テーブルを示す図である。 疑似特定役用の変換処理を示すフローチャートである。 種別番号の変換テーブルを示す図である。 (a)は当選役番号の変換の流れを例示した図であり、(b)は種別番号の変換の流れを例示した図である。 コマンドの送受信の態様を例示した図である。 エリア間の番号の受け渡しの流れを例示した図である。 変形例7における準備モード用処理を示すフローチャートである。 主制御装置のRAMに設けられた各種記憶領域を示す概略図である。 疑似遊技用の抽選処理を示すフローチャートである。 (a)は疑似当選役示唆演出用処理を示すフローチャートであり、(b)は疑似当選役示唆演出を例示した図である。 疑似当選役示唆演出の態様を示した図である。 変形例17において、(a)は選役名称と当選役番号との関係を示す図であり、(b)は種別番号の変換態様を示す図である。 変形例19において、(a)は当選役名称と当選役番号との関係を示す図であり、(b)は疑似当選役名称と種別番号との関係を示す図である。 (a)は当選役番号の変換の流れを例示した図であり、(b)は種別番号の変換の流れを例示した図である。 変形例20における、CPU及びそれに関連する構成を示すブロック図である。 (a)はATモード中の通常遊技にて上乗せ抽選が実行されるまでの制御の流れの概要を示した図であり、(b)はATモード中の疑似遊技にて上乗せ抽選が実行されるまでの制御の流れの概要を示した図である。 疑似遊技用種別抽選テーブルを示す図である。 種別変換テーブルを示す図である。 対比例を示す図である。 変形例23における、制御の流れの概要を示した図である。 変形例29における、AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 第12mの実施形態におけるスロットマシンの正面図である。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉の背面図である。 筐体の正面図である。 投入されたメダルを検出する装置を説明するための図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓から視認可能となる図柄と有効ラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 抽選処理を示すフローチャートである。 3ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 2ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 ボーナス状態処理を示すフローチャートである。 ボーナス状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 各状態の移行関係を示す説明図である。 抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 各種移行抽選テーブルの一例を示す図である。 AT抽選用処理を示すフローチャートである。 継続判定処理を示すフローチャートである。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 停止時抽選処理を示すフローチャートである。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 補助表示部にて行われる押し順報知演出の概要を示す説明図である。 (a)は抽選結果コマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は抽選結果コマンドと押し順報知コマンドとの関係を説明するための説明図である。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 前兆モード用処理を示すフローチャートである。 ATモードの継続率の選択率の一例を示す図である。 CZモード用処理を示すフローチャートである。 ATモード用処理を示すフローチャートである。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 回転開始処理を示すフローチャートである。 各押し順情報の概要と記憶領域を説明するための図である。 払出判定処理を示すフローチャートである。 メダル払出処理を示すフローチャートである。 セグメントデータ設定処理を示すフローチャートである。 押し順報知の実行タイミングと押し順情報のクリアタイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。 各種エラーについて説明するための図である。 サブ側の表示制御装置による表示メイン処理を示すフローチャートである。 演出設定処理を示すフローチャートである。 音出力設定処理を示すフローチャートである。 サブ操作対応処理を示すフローチャートである。 メニュー表示中操作対応処理を示すフローチャートである。 項目表示中操作対応処理を示すフローチャートである。 キャラ選択画面表示用処理を示すフローチャートである。 キャラ選択操作対応処理を示すフローチャートである。 履歴確認画面表示用処理を示すフローチャートである。 履歴確認操作対応処理を示すフローチャートである。 音量設定画面表示用処理を示すフローチャートである。 音量設定操作対応処理を示すフローチャートである。 待機モード管理処理を示すフローチャートである。 立ち上げ時音量設定処理を示すフローチャートである。 基板側音量設定処理を示すフローチャートである。 (a)は第1調節スイッチの概要を示す図であり、(b)は第2調節スイッチの概要を示す図である。 (a)は第2調節スイッチのメモリと音量との関係を説明する図であり、(b)は演出データと実行状態と音量との関係を説明するための図である。 補助表示部での表示演出の一例を示す図である。 補助表示部での表示演出の一例を示す図である。 補助表示部での表示演出の一例を示す図である。 補助表示部での表示演出の一例を示す図である。 特定音量の設定及び解除のタイミングを説明するためのタイミングチャートである。 液晶音量カウンタと基板音量カウンタとのうちの一方の値が音量に設定される事象を説明するためのタイミングチャートである。 通常操作とショートカット操作の違いを説明するための図である。 通常操作とショートカット操作の違いを説明するための図である。 変形例1における、立ち上げ時音量設定処理を示すフローチャートである。 変形例2において、(a)はメイン処理の一部を示すフローチャートであり、(b)は立ち上げ時音量設定処理を示すフローチャートである。 変形例3における、基板側音量設定処理を示すフローチャートである。 変更対応処理を示すフローチャートである。 変形例4における、変更対応処理を示すフローチャートである。 音量変更操作が行われる様子を説明するための図である。 変形例5における、変更対応処理を示すフローチャートである。 演出データと音量変更操作が有効化されるタイミングとの関係を説明するための図である。 変形例6において、(a)はエラー報知設定処理を示すフローチャートであり、(b)は音量設定処理を示すフローチャートである。 エラーの種類と音量変更の可否の関係を説明するための図である。 変形例7における、エラーの種類と音量変更の可否や変更が有効化されるタイミングの関係を説明するための図である。 変形例8における、待機モード設定処理を示すフローチャートである。 サブ音量画像やショートカット操作画像の一例を説明するための図である。 変形例9における、液晶音量カウンタと基板音量カウンタとの関係を説明するための図である。 立ち上げ時音量設定処理を示すフローチャートである。 音出力設定処理を示すフローチャートである。 (a)は音量設定画面表示用処理を示すフローチャートであり、(b)は待機モード管理処理を示すフローチャートである。 音量設定操作対応処理を示すフローチャートである。 基板側音量設定処理を示すフローチャートである。 変更対応処理を示すフローチャートである。 音量変更が行われる場合の音量の変化とサブ音量画像を説明するための図である。 音量変更が行われる場合の音量の変化とサブ音量画像を説明するための図である。 第13nの実施形態におけるスロットマシンの正面図である。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉の背面図である。 筐体の正面図である。 投入されたメダルを検出する装置を説明するための図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓から視認可能となる図柄と有効ラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 抽選処理を示すフローチャートである。 3ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 2ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 払出判定処理を示すフローチャートである。 メダル払出処理を示すフローチャートである。 ボーナス状態処理を示すフローチャートである。 ボーナス状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 各状態の移行関係を示す説明図である。 抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 各種移行抽選テーブルの一例を示す図である。 AT抽選用処理を示すフローチャートである。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 上乗せ抽選テーブルの一例を示す図である。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 補助表示部にて行われる押し順報知演出の概要を示す説明図である。 (a)は抽選結果コマンド処理を示すフローチャートであり、(b)は抽選結果コマンドと押し順報知コマンドとの関係を説明するための説明図である。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 前兆モード用処理を示すフローチャートである。 (a)は継続率設定処理を示すフローチャートであり、(b)はCZモードの継続率の選択率の一例を示す図である。 CZモード用処理を示すフローチャートである。 ATモード用処理を示すフローチャートである。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 サブ制御装置による表示メイン処理を示すフローチャートである。 演出設定処理を示すフローチャートである。 ベット時演出設定処理を示すフローチャートである。 開始操作時演出設定処理を示すフローチャートである。 回転開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 停止可能時演出設定処理を示すフローチャートである。 停止時演出設定処理を示すフローチャートである。 入賞時演出設定処理を示すフローチャートである。 払出開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 払出終了時演出設定処理を示すフローチャートである。 エラー報知設定処理を示すフローチャートである。 獲得表示更新第1処理を示すフローチャートである。 獲得表示更新第2処理を示すフローチャートである。 消化数更新処理を示すフローチャートである。 残数表示更新処理を示すフローチャートである。 補助表示部での表示演出の一例を示す図である。 補助表示部での表示演出の一例を示す図である。 補助表示部での表示演出の一例を示す図である。 補助表示部での表示演出の一例を示す図である。 補助表示部での表示演出の一例を示す図である。 補助表示部での表示演出の一例を示す図である。 補助表示部での表示演出の一例を示す図である。 補助表示部での表示演出の一例を示す図である。 コマンド判定処理を示すフローチャートである。 コマンドカウンタと遊技進行状態との関係等を説明するための図である。 ベット時判定処理を示すフローチャートである。 開始操作時判定処理を示すフローチャートである。 回転開始時判定処理を示すフローチャートである。 停止可能時判定処理を示すフローチャートである。 停止時判定処理を示すフローチャートである。 入賞時判定処理を示すフローチャートである。 払出開始時判定処理を示すフローチャートである。 払出終了時判定処理を示すフローチャートである。 エラー時判定処理を示すフローチャートである。 遊技進行コマンドと演出内容の関係を示す図である。 遊技進行コマンドと演出内容の関係を示す図である。 遊技進行コマンドと演出内容の関係を示す図である。 遊技進行コマンドと演出内容の関係を示す図である。 遊技進行コマンドと演出内容の関係を示す図である。 遊技進行コマンドと演出内容の関係を示す図である。 遊技進行コマンドと演出内容の関係を示す図である。 遊技進行コマンドと演出内容の関係を示す図である。 遊技進行コマンドと演出内容の関係を示す図である。 立ち上げ時の接続異常用のエラー報知の概要を説明するための図である。 接続異常用のエラー報知が実施される状況を説明するためのタイミングチャートである。 遊技進行状態の同期を図るための構成や同期異常が特定される状況を説明するためのタイミングチャートである。 表示情報修正処理を示すフローチャートである。 獲得枚数や消化数、残数が更新される様子を説明するための図である。 押し順報知演出と同期異常との関係を説明するための図である。 押し順報知演出と同期異常との関係を説明するための図である。 押し順報知演出と同期異常との関係を説明するための図である。 押し順報知演出と同期異常との関係を説明するための図である。 押し順報知演出と同期異常との関係を説明するための図である。 変形例1において、(a)は表示メイン処理の一部を示すフローチャートであり、(b)はタイマ管理処理を示すフローチャートである。 接続異常と外部出力との関係を説明するための図である。 変形例2において、(a)はサブ制御装置側の電源スイッチを説明するための図であり、(b)は表示メイン処理の一部を示すフローチャートである。 立ち上げ時の接続異常用のエラー報知が行われる様子を説明するためのタイミングチャートである。 変形例3における、扉開放検知処理を示すフローチャートである。 エラー報知設定処理を示すフローチャートである。 エラー時判定処理を示すフローチャートである。 扉開放中処理を示すフローチャートである。 前面扉の開閉と、接続異常用のエラー報知の関係を説明するためのタイミングチャートである。 変形例4において、エラー報知と接続異常との関係を説明するための図である。 変形例5における、コマンド判定処理を示すフローチャートである。 遊技進行コマンドのうちの設定コマンドを説明するための図である。 停止時判定処理を示すフローチャートである。 変形例6において、(a)は停止待ち状態のサブ遊技進行状態を説明するための図であり、(b)は停止時判定処理を示すフローチャートである。 変形例7における、開始操作時判定処理を示すフローチャートである。 入賞時判定処理を示すフローチャートである。 遊技進行用処理を示すフローチャートである。 遊技進行状態と進行契機の関係を説明するための図である。 変形例8における、遊技進行用処理を示すフローチャートである。 第1遅延エラー報知の概要を説明するための図である。 第2遅延エラー報知の概要を説明するための図である。 変形例9における、同期異常が特定された場合の処理や演出内容を説明するための図である。 変形例10における、第2コマンド判定処理を示すフローチャートである。 (a)は状態コマンドカウンタと状態進行コマンドとの関係を説明するための図であり、(b)は対応演出設定処理を示すフローチャートである。 変形例11における、コマンド判定処理を示すフローチャートである。 変形例12における、同期異常が特定された場合の処理や演出内容を説明するための図である。 変形例13における、停止時演出設定処理を示すフローチャートである。 入賞時演出が事前設定される様子を説明するためのタイミングチャートである。 変形例14において、(a)は再遊技用開始時演出設定処理を示すフローチャートであり、(b)は補助表示部での表示演出の一例を示す図である。 変形例15における、リール制御処理を示すフローチャートである。 停止時演出設定処理を示すフローチャートである。 入賞時演出用処理を示すフローチャートである。 停止図柄と入賞時演出の事前設定との関係を説明するためのタイミングチャートである。 変形例16において、払出演出の事前設定を行うための処理を示すフローチャートである。 変形例17における、接続異常発生ゲームの演出内容と、接続異常解消ゲームの操作態様、演出内容、入賞結果等を説明するための図である。 接続異常発生ゲームの演出内容と、接続異常解消ゲームの操作態様、演出内容、入賞結果等を説明するための図である。 接続異常発生ゲームの演出内容と、接続異常解消ゲームの操作態様、演出内容、入賞結果等を説明するための図である。 変形例18における、入賞時演出設定処理を示すフローチャートである。 変形例19における、停止時演出設定処理の一部を示すフローチャートである。 停止図柄と入賞時演出の設定との関係を説明するためのタイミングチャートである。
<第1aの実施形態α>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1~図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図8~図10は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役~第32小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役~第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図8及び図9に示すように、これら第9小役入賞~第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典(遊技価値)の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典(遊技価値)が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。図10に示すように、これら第1再遊技~第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図13(e)に示すように、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
第3再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図13(f)に示すように、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(c)及び図13(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。図14(a)に示すように、有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図14(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。
左リール32Lの「赤貝」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。図14(c)に示すように、有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図14(d)に示すように、下ラインL3に左から順に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止したりする。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図15)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
ストップスイッチ42~44には、ストップランプ42b~44bがそれぞれ内蔵されている。当該ストップランプ42b~44bからの光はストップスイッチ42~44の操作面を一部透過し、ストップランプ42b~44bの光はストップスイッチ42~44を介して視認可能となる。そして、ストップスイッチ42~44の操作が有効となる場合には、当該ストップランプ42b~44bが点灯制御され、ストップスイッチ42~44の操作が無効となる場合には、対応するストップランプ42b~44bがそれぞれ消灯制御される。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図15及び図16のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図17参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
上記の外部集中端子板121は、遊技ホールのホール管理装置(ホールコンピュータ)やデータ表示器等に接続されており、これら遊技機の外部装置に対して情報を出力するためのものである。外部集中端子板121には、図16に示すように、一のゲームが実行されたことに対応する情報を出力するためのゲーム用出力端子121a、ボーナス状態としての第1BBや第2BBの移行したこと対応する情報を出力するための第1BB用出力端子121b、第2BB用出力端子121c、ストップスイッチ42~44の操作順序が報知されるATモードへ移行したことに対応する情報を出力するためのAT用出力端子121dが設けられている。
図16に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
また、表示制御装置81に接続されている各構成42b~44b,63~65の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b~44b,63~65の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図17は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSa101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSa102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSa103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSa102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSa104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSa104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSa105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSa106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSa107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図15参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSa108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップSa109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。なお、ステップSa108のタイマ更新処理については、後に詳細に説明する。
ステップSa110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSa111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSa112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSa113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSa114では、先のステップSa101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSa115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図18のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSa201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSa202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSa203~ステップSa212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSa203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSa204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップSa107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップSa205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSa205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSa205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSa205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップSa204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップSa205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップSa206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップSa110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップSa206の処理を実行した後は、ステップSa207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSa204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSa208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSa209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSa210の抽選処理、ステップSa211のリール制御処理、ステップSa212のメダル払出処理を順に実行し、ステップSa203に戻る。
次に、ステップSa210の抽選処理について、図19のフローチャートに基づき説明する。
ステップSa301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSa302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSa302では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図20)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図21)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSa302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSa302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図20は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図21は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSa303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSa304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSa301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSa305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSa306にて、ステップSa305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSa306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSa306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSa306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のSa203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSa306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSa305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSa307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSa308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSa304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSa304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSa305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図20に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図21に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.64枚)。
ステップSa306にて当選フラグをセットした後、又はステップSa308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSa309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSa310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSa301~ステップSa308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSa310の処理を実行した後は、ステップSa311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSa110)にて行われる。
そして、ステップSa312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSa306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSa312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSa312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSa313では、ステップSa312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSa313の処理を実行した後は、ステップSa314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSa211のリール制御処理について、図22のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSa401において外部出力設定第1処理を行う。外部出力設定第1処理は、遊技状態が移行したことや移行すること等の情報を外部集中端子板121を介してホール管理装置等へ送信するための処理である。外部出力設定第1処理については、後に詳細に説明する。
続くステップSa402では、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSa309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップSa310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。回転演出処理については、後に詳細に説明する。続くステップSa403では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSa106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップSa404では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSa405に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSa404に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSa406にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSa407~ステップSa413に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを消灯するように制御する。
ステップSa407では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSa408では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSa408では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSa409では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSa410では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSa411にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSa412では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSa413にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSa404に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図20、図21参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図23は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSa412にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSa414にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップSa415にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSa416にて、外部出力第2設定処理を行う。外部出力設定第2処理は、遊技状態が移行したことや移行すること等の情報を外部集中端子板121を介してホール管理装置等へ送信するための処理である。外部出力設定第2処理については、後に詳細に説明する。
続くステップSa417では、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSa418にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSa419にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSa212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップSa204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップSa415のボーナス状態処理を、図24のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSa501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSa501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSa502に進む。
ステップSa502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSa503に進む。
ステップSa503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSa503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSa504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSa505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSa506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSa506にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSa507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSa508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSa501にて肯定判定することになる。続くステップSa509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSa509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSa510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSa505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSa511に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSa512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSa513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSa514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSa514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSa510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSa501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSa515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図25は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図25に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップSa515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSa516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSa517にて、ステップSa516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップSa516ではBBカウンタから13を減算する。
ステップSa517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSa518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSa519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップSa520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSa521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSa519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図26を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図23)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図27のフローチャートを参照しながら、ステップSa310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSa601~ステップSa603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップSa601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSa602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSa603にてベット数が2であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定ベット数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定ベット数として3が設定されている。ステップSa602やステップSa603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数はない場合には、ステップSa604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定ベット数として3が設定されていることから、2ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSa604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップSa602又はステップSa603にて肯定判定した場合、ステップSa604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSa605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図28のフローチャートに示すように、ステップSa701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSa702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図29に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図29にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSa702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSa703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSa703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSa704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSa705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSa701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSa702~ステップSa705の処理を省略することも可能である。
ステップSa705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSa706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSa705にて否定判定した場合、又はステップSa706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSa604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSa606に進む。ステップSa606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ、第1ATモードフラグ及び第2ATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ここで、本実施形態では、ATモードとして上乗せ当選確率が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設定されており、第1ATモードフラグや第2ATモードフラグは、ATモードであることと、その種類をCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSa606にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSa607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSa606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSa608にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップSa607のAT抽選用処理について図30のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSa801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算され、例えば、2ベットゲームでは減算されない。
ステップSa801にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップSa802にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップSa803~ステップSa808てATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップSa803にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSa804では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップSa804にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップSa805にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSa804にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSa806にて、CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図29に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップSa805又はステップSa806にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップSa803にて把握したゲームの抽選結果とを用いて、ステップSa807にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップSa808にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップSa808にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップSa802にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップSa809~ステップSa812のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップSa808にてATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップSa813~ステップSa816にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップSa809では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップSa810及びステップSa811にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップSa810では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa811にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSa809にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSa811の処理を実行した後は、ステップSa812にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップSa606にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップSa813にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSa814にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップSa803にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図29に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップSa814にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップSa815にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップSa816にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップSa812又はステップSa816にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップSa817~ステップSa820にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム~32ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップSa817では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、チェリーAにて移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。
なお、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップSa817では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにもかかわらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップSa818では、ステップSa817の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップSa819にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSa820にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSa608にて実行されるAT上乗せ用処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT上乗せ用処理は、ATモード当選フラグやいずれかのATモードフラグがセットされている状況で実行される処理であり、ATモードの継続ゲーム数の上乗せを行うための処理である。
AT上乗せ用処理では、先ずステップSa901にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSa902にて、特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーンフラグがセットされていない場合には、ステップSa903にて第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。第2ATモードフラグがセットされておらず、第1ATモードへの移行が確定している状況や第1ATモード中である場合、又はATモード移行抽選に当選した後、未だATモードの種別の決定(AT種別決定処理)が行われていない状況である場合、ステップSa904にて、各種テーブル記憶エリア105aから第1AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSa903にて第2ATモードフラグがセットされており、第2ATモードへの移行が確定している状況又は第2ATモード中である場合には、ステップSa905にて第2AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。また、ステップSa901にて特化ゾーンフラグがセットされている場合、ステップSa906にて特化ゾーン用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
各上乗せ抽選テーブルは、図32に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。また、同じ抽選結果で比較すると、第1AT用上乗せ抽選テーブルを用いた場合よりも第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた場合の方が上乗せ抽選に当選し易く、更に第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた場合よりも特化ゾーン用上乗せ抽選テーブルを用いた場合の方が上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップSa904、ステップSa905又はステップSa906にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSa907にて上乗せ抽選を実行し、ステップSa908にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSa909にて上乗せゲーム数抽選処理を実行する。上乗せゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せゲーム数テーブルを取得し、今回の上乗せゲーム数を抽選により決定する。上乗せゲーム数テーブルは、図32に示すように、上乗せ契機となったゲームの抽選結果に応じて、上乗せゲーム数が異なるように設定されており、例えば、通常リプAを契機として上乗せが行われる場合には平均150ゲームの上乗せが発生する一方、チェリーAを契機として上乗せが行われる場合は平均15ゲームの上乗せが発生する、といったように、上乗せ抽選に当選しにくい契機にて上乗せが行われる場合の方が上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。
ステップSa909にて上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップSa910にて各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。ATゲームカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。ステップSa910の処理を実行した後は、ステップSa911にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、上乗せが行われたことに対応する上乗せ報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図27)において、ステップSa607又はステップSa608の処理を実行した後は、ステップSa609~ステップSa613にて、ストップスイッチ42~44の押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップSa609~ステップSa613にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図33を参照しながら説明する。図33(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図33(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図33(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図33(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図34を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図34(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図34(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図34(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
ステップSa609~ステップSa613における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップSa609では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップSa610にて、第1ATモードフラグ又は第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのATモードフラグがセットされている場合、ステップSa611にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSa612にて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップSa610にていずれのATモードフラグもセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
ステップSa609にて押し順ベル当選ではない場合、ステップSa613に進む。ステップSa613では、AT開始報知用処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
<AT開始報知用処理>
本実施形態では、ATモードへの移行抽選に当選した場合、上記の通り、前兆モードを経てからその移行抽選に当選したことの報知が行われる。そして、その移行抽選に当選したことの報知が行われた後、ゲームの抽選結果がATモード開始用の結果として予め定められた結果当選となることで、ATモードが開始されるようにしている。AT開始報知用処理は、ATモード移行抽選に当選した後、上記のATモード開始用の結果に当選したことに基づいて当該ATモード開始用の結果に対応する結果入賞を成立させるための報知を行う処理である。
具体的には、図35のフローチャートに示すように、ステップSa1001にて、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cのいずれかの当選であるか否かを判定する。すなわち、本実施形態では、上記のATモードの開始用の結果として通常リプA~Cが設定されており、ステップSa1001にて通常リプA~C当選ではないと判定した場合、ATモードの開始報知を実行するタイミングではないとして、そのまま本AT開始報知用処理を終了する。
通常リプA~Cのいずれかに当選している場合、ステップSa1002にて各種カウンタエリア106eに設けられたAT準備カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。AT準備カウンタは、ATモードへの移行抽選に当選したことの報知が既に実行された後の状況であることをCPU102が把握するためのカウンタであり、当該移行抽選に当選したことの報知が行われるゲームで所定数(40)が入力され、ゲームの消化に際して1ずつ減算されるカウンタである。すなわち、AT準備カウンタが0よりも大きい状況とは、ATモード移行抽選に当選したことの報知が行われたゲームからの消化ゲーム数が40ゲーム未満である状況を示している。なお、本実施形態では、当該ATモード移行抽選に当選したことの報知が行われてからの消化ゲーム数が所定数(40)に達した後は、上記のATモードの開始用の結果の当選を待たずにATモードを開始させる構成としているが、その詳細については後に説明する。
ステップSa1002にてAT準備カウンタが0よりも大きい場合、ステップSa1003にて各種フラグ格納エリア106dに開始ゲームフラグをセットする処理を実行する。開始ゲームフラグは、今回のゲームの抽選結果がATモードの開始用の結果であったことをCPU102が把握するためのフラグである。
続くステップSa1004では、第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定することで、今回開始するATモードが第1ATモードであるか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップSa1005にて今回の通常リプの種類に応じて、第2再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。一方、第1ATモードフラグがセットされておらず、今回開始するATモードが第2ATモードである場合、ステップSa1006にて今回の通常リプの種類に応じて、第3再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。
図36に示すように、通常リプAに当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が中→左→右、中→右→左の順で操作された場合には第2再遊技入賞が成立し、右→左→中、右→中→左の順で操作された場合には第3再遊技入賞が成立する。通常リプBに当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中の順で操作された場合には第2再遊技入賞が成立し、中→左→右、中→右→左の順で操作された場合には第3再遊技入賞が成立する。通常リプCに当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が右→左→中、右→中→左の順で操作された場合には第2再遊技入賞が成立し、左→中→右、左→右→中の順で操作された場合には第3再遊技入賞が成立する。
ステップSa1005やステップSa1006では、これら各通常リプA~Cに応じて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立し得る操作順序の押し順報知を実行する。その後、ステップSa1007にて押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT開始報知用処理を終了する。
ここで、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序で各ストップスイッチ42~44を操作したとしても、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しない場合がある。すなわち、上記の通り、第2再遊技入賞は、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの「白貝」図柄、右リール32Rの「チェリー」図柄が有効ラインMLに停止することで入賞が成立するところ(図10)、いずれのリールの対応図柄も、図柄同士の間隔が5図柄以上となる区間が存在するように配置されており、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては、対応図柄を有効ラインML上に停止できない場合がある。また、第3再遊技入賞は、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの「白貝」図柄、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ラインMLに停止することで入賞が成立するところ(図10)、いずれのリールの対応図柄も、図柄同士の間隔が5図柄以上となる区間が存在するように配置されており、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては、対応図柄を有効ラインML上に停止できない場合がある。そこで、第2再遊技入賞となる操作順序や、第3再遊技入賞となる操作順序には、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞も対応付けられており、いずれの再遊技入賞も成立しない、といった事象が生じないように設定されている。つまり、通常リプA~Cに当選した場合であって、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44の操作が行われ、且つ、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合であっても、他の再遊技入賞が成立するように設定されている。
なお、ステップSa1002にてAT準備カウンタが0である場合の処理(ステップSa1008、ステップSa1009)については、後に詳細に説明する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSa417にて実施される入賞結果対応処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSa1101にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSa1102にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSa1103にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップSa1101~ステップSa1103の処理は、上記ステップSa601~ステップSa603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップSa1104以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップSa1102又はステップSa1103にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップSa1104に進む。ステップSa1104では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した後、未だこれらの移行抽選に当選したことの報知が行われていない状況であることを意味する。この場合、ステップSa1105にて、前兆モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップSa1104にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップSa1106にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップSa1107にてCZモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップSa1106にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップSa1108にてATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。ステップSa1104にて前兆フラグがセットされておらず、且つステップSa1108にてATモード当選フラグがセットされている場合とは、既に前兆モードを経てATモード移行抽選に当選したことの報知が行われた後であって、且つ、ATモードへの移行が生じる前の状況(以下、かかる状況を「準備モード」と称する)であることを意味する。当該準備モードである場合には、ステップSa1109にて準備モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップSa1108にて準備モードではないと判定した場合、ステップSa1110にて第1ATモードフラグや第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップSa1111にてATモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップSa1110にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆モード用処理、CZモード用処理、準備モード用処理、ATモード用処理について、それぞれ説明する。
<前兆モード用処理>
前兆モード用処理では、図38に示すように、ステップSa1201にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSa1202にて前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となっている場合には、ステップSa1203にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSa1204では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップSa1205にて、AT種別決定処理を実行する。上記のように、本実施形態では、ATモードとして上乗せ当選確率が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設けられており、AT種別決定処理は、今回のATモードを第1ATモードとするか第2ATモードとするかを決定するための処理である。
<AT種別決定処理>
具体的には、図39のフローチャートに示すように、ステップSa1301では、AT種別抽選処理を実行する。AT種別抽選処理では、例えば、当選確率の設定処理にて設定される設定値や前回のATモードの種別、有利区間移行後のメダル増加数や有利区間移行後の消化ゲーム数等に応じて、又はランダムに今回のATモード種別を抽選により決定する。具体的は、例えば、出玉率が高くなる設定値が設定されているほど、上乗せし易い第2ATモードが選択され易くしてもよく、また、前回のATモードが第1ATモードであれば、今回は第2ATモードが選択され易くしてもよく、普段は第2ATモードは選択されにくいものの、一旦第2ATモードが選択されると次のATモードも第2ATモードが選択され易くなるようにしてもよいし、有利区間の序盤のメダル増加数や消化ゲーム数が少ない場面では第2ATモードが選択され易くしてもよい。
ステップSa1301の処理を実行した後は、ステップSa1302にて、ステップSa1301の処理結果が第1ATモードであったか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップSa1303にて各種フラグ格納エリア106dに第1ATモードフラグをセットする処理を実行し、ステップSa1304にて第1ATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT種別決定処理を終了する。第1ATコマンドを受信した表示制御装置81では、後続のステップSa1206にて出力設定されるAT当選報知コマンドに基づくAT当選報知演出において、ATモード移行抽選に当選したことの報知とともに、当選したATモードが第1ATモードである旨の報知を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
ステップSa1302にて第2ATモードである場合、ステップSa1305にて各種フラグ格納エリア106dに第2ATモードフラグをセットする処理を実行し、ステップSa1306にて第2ATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT種別決定処理を終了する。第2ATコマンドを受信した表示制御装置81では、後続のステップSa1206にて出力設定されるAT当選報知コマンドに基づくAT当選報知演出において、ATモード移行抽選に当選したことの報知とともに、当選したATモードが第2ATモードである旨の報知を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
前兆モード用処理において、ステップSa1205のAT種別決定処理を実行した後は、ステップSa1206にて各種カウンタエリア106eに設けられたAT準備カウンタに所定数としての40を入力する処理を実行する。既に説明した通り、AT準備カウンタはATモード移行抽選に当選したことの報知が行われてからのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。その後、ステップSa1207にてAT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。AT当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモード移行抽選に当選したことの報知を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。その際、当選しているATモードの種別の報知も行われる点については上述の通りである。
ステップSa1204にてATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップSa1208に進む。ステップSa1208では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa1209にてCZモードフラグをセットし、ステップSa1210にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップSa1211にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
上記のように、前兆フラグがクリアされ(ステップSa1203)、CZモードフラグがセットされる(ステップSa1209)ことによって、次回の入賞結果対応処理においてCZモード用処理が実行されるようになる。これに対して、前兆フラグがクリアされ、CZモードフラグがセットされなかった場合には(ステップSa1204:YES)、次回の入賞結果対応処理において準備モード用処理が実行されるようになる。
<CZモード用処理>
CZモード用処理では、図40のフローチャートに示すように、ステップSa1401にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSa1402では、ステップSa1401の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSa1403にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSa1404にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップSa1403にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
<ATモード用処理>
ATモード用処理では、図41のフローチャートに示すように、ステップSa1501にてATゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSa1502では、ステップSa1501の処理結果に基づいて、ATゲームカウンタが0となったか否かを判定する。ATゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままATモード用処理を終了する。
ATゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSa1503にてセットされているATモードフラグ(第1ATモードフラグ又は第2ATモードフラグ)をクリアする処理を実行する。その後、ステップSa1504にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して有利区間を終了させるためのフラグである。そして、ステップSa1505にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本ATモード用処理を終了する。AT終了コマンドを受信した表示制御装置81では、ATモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
<準備モード用処理>
準備モード用処理では、図42のフローチャートに示すように、ステップSa1601にて第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。第1ATモードフラグがセットされている場合、ステップSa1602にて昇格抽選処理を実行する。昇格抽選処理は、今回移行させるATモードを第1ATモードではなく第2ATモードとする昇格抽選を行う。具体的には、各種テーブル記憶エリア105aから昇格抽選テーブル(図43)を取得し、今回のゲームの抽選結果、及びAT準備カウンタの値に応じて上記の昇格抽選を実行する。昇格抽選テーブルでは、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が昇格抽選に当選し易い、といったように各ゲームで当選しにくい抽選結果ほど、昇格抽選に当選し易くなるように設定されている。また、同じチャンス目Aに基づく昇格抽選でも、AT準備カウンタの値が21~40である場合よりも11~20の場合の方が昇格抽選に当選し易い、といったように準備モードにて消化したゲーム数が多いほど昇格抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップSa1602にて昇格抽選を実行した後は、ステップSa1603にて昇格抽選に当選したか否かを判定する。昇格抽選に当選している場合には、ステップSa1604にて昇格コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。昇格コマンドを受信した表示制御装置81では、移行するATモードが第1ATモードから第2ATモードに昇格したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。そして、ステップSa1605にて第1ATモードフラグをクリアし、第2ATモードフラグをセットする処理を実行する。
ステップSa1601若しくはステップSa1603にて否定判定した場合、又はステップSa1605の処理を実行した後は、ステップSa1606に進む。ステップSa1606では、AT準備カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSa1607にて、ステップSa1606の処理結果に基づいて、AT準備カウンタが0となったか否かを判定する。
ステップSa1607にてAT準備カウンタが0となっていない場合、ステップSa1608に進む。ステップSa1608では、開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、開始ゲームフラグは、準備モードにおいてATモード開始用の結果(通常リプA~C)に当選した場合にAT開始報知用処理(図35)にてセットされるフラグである。開始ゲームフラグがセットされていない場合、そのまま本準備モード用処理を終了する。
開始モードフラグがセットされている場合、ステップSa1609にて、今回の遊技結果として第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。既に説明した通り、準備モードにおいて通常リプA~Cに当選した場合には、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出が実行される。但し、通常リプA~Cに当選しているゲームにおいて、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44の操作が行われても、その操作タイミングによっては第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立せず、他の再遊技(第4再遊技、第5再遊技)の入賞が成立する場合がある。ステップSa1609では、開始ゲームフラグがセットされており、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させてATモードを開始させることが可能なゲームにおいて、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができたか否かを判定する。
ステップSa1609にて第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞を成立させることができたと判定した場合には、ステップSa1610に進み、ATゲームカウンタにATモードの初期ゲーム数に相当する50を加算する処理を実行する。なお、既に説明した通り、ATモード移行抽選に当選した後は、抽選結果対応処理においてAT上乗せ用処理が行われる構成であるところ、ステップSa1610の初期ゲーム数の入力よりも前に、ATモードのゲーム数の上乗せ抽選に当選してATゲームカウンタに当該上乗せゲーム数の入力が行われている場合がある。
その後、ステップSa1612にて開始ゲームフラグをクリアし、ステップSa1613にて停止時AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本準備モード用処理を終了する。停止時AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモード開始演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSa1607にてAT準備カウンタが0となったと判定した場合、すなわち、ATモード移行抽選に当選したことの報知が行われ、準備モードとなってから40ゲームが消化された場合、ステップSa1614にて、第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa1615にて上記の昇格コマンドをセットする処理を実行する。そして、ステップSa1616にて第1ATモードフラグをクリアして第2ATモードフラグをセットする処理を実行する。つまり、本実施形態では、準備モードに移行してから40ゲーム間に亘ってATモード開始用の結果に当選しなかった場合には、移行するATモードが第2ATモードとなる。
ステップSa1614にて否定判定した場合、又はステップSa1616の処理を実行した後は、ステップSa1617に進む。また、ステップSa1609にて第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合にも、ステップSa1617に進む。ステップSa1617では、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa1618にてATゲームカウンタに初期ゲーム数としての50を加算する処理を実行する。
ステップSa1618の処理を実行した後は、ステップSa1619にて開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。開始ゲームフラグがセットされており、準備モード中に通常リプA~C当選となり、且つ第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、ステップSa1620に進み、開始ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa1621にて第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、第2ATモードフラグではなく第1ATモードフラグがセットされている場合には、ステップSa1622にて各種フラグ格納エリア106dに第1開始時フリーズフラグをセットする処理を実行してから、本準備モード用処理を終了する。第1開始時フリーズフラグは、次ゲームの回転開始時の回転演出処理(ステップSa402)において、第2再遊技入賞となる図柄組合せを有効ラインMLに停止させる第1回転演出を行うためのフラグである。回転演出処理については後に詳細に説明するが、この第1回転演出により、第1ATモードの開始用の結果として第2再遊技入賞を成立させることができなくても、当該第1ATモードの開始用の結果入賞を演出として報知することが可能となり、当該第1ATモードの開始用の結果入賞に基づいて第1ATモードが開始されることの印象を与えることが可能となる。
ステップSa1619にて開始ゲームフラグがセットされておらず、準備モードを40ゲーム消化した場合や、ステップSa1621にて第2ATモードフラグがセットされており、第2ATモードの準備モード中に通常リプA~C当選となり、且つ第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、ステップSa1623にて各種フラグ格納エリア106dに第2開始時フリーズフラグをセットする処理を実行してから、本準備モード用処理を終了する。第2開始時フリーズフラグは、次ゲームの回転開始時の回転演出処理(ステップSa402)において、第3再遊技入賞となる図柄組合せを有効ラインMLに停止させる第2回転演出を行うためのフラグである。回転演出処理については後に詳細に説明するが、この第2回転演出により、第2ATモードの開始用の結果として第3再遊技入賞を成立させることができなくても、当該第2ATモードの開始用の結果入賞を演出として報知することが可能となり、当該第2ATモードの開始用の結果入賞に基づいて第2ATモードが開始されることの印象を与えることが可能となる。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図44を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図19)におけるステップSa314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSa1701では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSa1701にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップSa1702に進む。
ステップSa1702では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSa1703にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa1704にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSa1705では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSa1706にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。
区間表示第1処理において、ステップSa1706にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップSa1707にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSa1701にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップSa1708にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSa1708について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSa1702にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSa1707にて表示開始処理を実行した後、又はステップSa1708の表示継続処理を実行した後は、ステップSa1709にていずれかのATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップSa1709にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップSa1710にて、各種カウンタエリア106eに設けらた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップSa1709にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップSa1711にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSa1710又はステップSa1711の処理を実行した後は、ステップSa1712にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSa1713にて、ステップSa1712の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSa1713では、ステップSa1712の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSa1713の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSa1712の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSa418にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSa1801では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSa1802にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップSa1803では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSa1803のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSa1803のMY更新処理を実行した後は、ステップSa1804にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSa1805にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップSa1806にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSa1807にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSa1808では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSa1809にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行する。
ステップSa1809の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSa1809の処理を実行した後は、ステップSa1810にて外部集中端子板121におけるAT用出力端子121dの出力状態を確認し、当該AT用出力端子121dがON状態であればそれをOFF状態に設定する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。AT用出力端子121dは、ATモードが開始される場合にON状態とされ、ATモードが終了する場合にOFF状態とされることで外部集中端子板121を介してスロットマシン10と接続されている遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードであること(ATモードの移行回数)に対応するAT用情報を出力するためのものである。AT用出力端子121dをON状態とすることでAT用出力端子121dから出力される信号はHI信号(高出力状態)となり、AT用出力端子121dをOFF状態とすることで、AT用出力端子121dから出力される信号はLOW信号(低出力状態)となる。上記の外部集中端子板121を介してスロットマシン10と接続されているデータ表示器やホールコンピュータ等は、かかるAT用出力端子121dから出力される信号がLOW信号からHI信号に切り替わることでAT用出力端子121dがON状態とされたことを把握し、ATモードへの移行が生じたことを把握する。また、AT用出力端子121dから出力される信号がHI信号からLOW信号に切り替わることでAT用出力端子121dがOFF状態とされたことを把握し、ATモードが終了したことを把握する。なお、AT用出力端子121dをON状態とするための処理については、後に詳細に説明する。
ステップSa1806にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSa1811に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップSa1807に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図46のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSa1901にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSa1902にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSa1901にて否定判定した場合、又はステップSa1902の処理を実行した後は、ステップSa1903にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSa206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップSa1904にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSa1903にて否定判定した場合、又はステップSa1904の処理を実行した後は、ステップSa1905にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSa311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図27)や区間表示第1処理(図44)にてセットされる前兆コマンド、上乗せコマンド、押し順報知コマンド及び天井コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップSa1906にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップSa1905にて否定判定した場合、又はステップSa1906の処理を実行した後は、ステップSa1907にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図22)のステップSa406にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップSa1908にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSa1907にて否定判定した場合、又はステップSa1908の処理を実行した後は、ステップSa1909にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図22)のステップSa419にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図24)、入賞結果対応処理(図37)や区間表示第2処理(図45)にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、AT当選報知コマンド、CZ開始コマンド、第1ATコマンド、第2ATコマンド、CZ終了コマンド、AT終了コマンド、昇格コマンド、停止時AT開始コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップSa1910にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップSa1909にて否定判定した場合、又はステップSa1910の処理を実行した後は、ステップSa1911にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSa1911では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSa1911では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップSa1906の開始時演出設定処理について、図47のフローチャートに基づき説明する。
ステップSa2001では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選(押し順ベル当選)であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップSa2002にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSa2003にて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップSa2001にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選ではないと判定した場合、ステップSa2004にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカを特定役として設定している。図29に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモード移行抽選ではATモード移行当選となる確率が他の抽選結果よりも高くなるように設定されており、また、図32に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモードの上乗せ抽選においては、他の抽選結果を契機とするよりも上乗せ当選となり易いように設定されている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップSa2005にて、特定役報知演出を設定する処理を実行する。特定役報知演出の設定処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
ステップSa2002若しくはステップSa2004にて否定判定した場合、又はステップSa2003若しくはステップSa2005の処理を実行した後は、ステップSa2006に進む。ステップSa2006では、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合、ステップSa2007にて上乗せ演出の設定処理を実行する。上乗せ演出の設定処理では、ATモードの残りゲーム数の上乗せが行われたことに対応する報知として、当該上乗せされたゲーム数を補助表示部65にて表示する上乗せ演出を実行する。なお、当該上乗せ演出の態様は、当該上乗せが行われたゲームにて行われる態様に限定されず、例えば、当該上乗せが行われたゲームを契機として所定ゲーム数後に上乗せゲーム数の報知が行われる態様が含まれていてもよいし、例えば、ATモードの残りゲーム数が所定数(例えば残り1ゲーム)となった状況で上乗せ演出を実行する所謂後乗せ演出の態様が含まれる構成としてもよい。
ステップSa2006にて否定判定した場合、又はステップSa2007の処理を実行した後は、ステップSa2008にて今回の開始時コマンドとして、前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信しており、ATモード移行抽選又はCZモード移行抽選に当選し、前兆モードに設定される場合、ステップSa2009にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側前兆カウンタに前兆ゲーム数に対応する値を入力する処理を実行する。サブ側前兆カウンタは、主制御装置101における前兆カウンタに相当するものであり、前兆モードの残りゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタであり、当該サブ側前兆カウンタが0よりも大きい状況が前兆モードとなる。
ステップSa2008にて否定判定した場合、又はステップSa2009の処理を実行した後は、ステップSa2010にて上記のサブ側前兆カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。サブ側前兆カウンタが0よりも大きく、前兆モード中である場合、ステップSa2011にてサブ側前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSa2012にてサブ側前兆カウンタの値に応じた前兆モード用の演出を設定する処理を実行する。例えば、サブ側前兆カウンタの値が小さいほど、いずれかの移行抽選に当選していることを強く示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにしたりするとよい。
ステップSa2010にて否定判定した場合、又はステップSa2012の処理を実行した後は、ステップSa2013にてAT開始用処理を実行し、ステップSa2014にて回転演出用処理を実行し、ステップSa2015にてその他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップSa2015では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことの報知を行うための処理等を実行する。AT開始用処理及び回転演出用処理については、後に詳細に説明する。
<全停止時演出設定処理>
次に、演出設定処理(図46)におけるステップSa1910の全停止時演出設定処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、AT当選報知コマンド、CZ開始コマンド、第1ATコマンド、第2ATコマンド、CZ終了コマンド、AT終了コマンド、昇格コマンド、停止時AT開始コマンド等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップSa2101では、CZ開始コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ開始コマンドを受信している場合、ステップSa2102にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側CZフラグをセットする処理を実行し、ステップSa2103にてCZ開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ開始演出は、例えば、図52(a)に示すように、CZモードが開始されること、及びCZモードの残りゲーム数(10)を補助表示部65にて表示する。
ステップSa2101にて否定判定した場合、ステップSa2104にて、CZ終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合、ステップSa2105にて上記のサブ側CZフラグをクリアする処理を実行し、ステップSa2106にてCZ終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ終了演出は、例えば、図52(b)に示すように、CZモードの残りゲーム数が0となり、CZモードが終了したことを報知する演出が設定されている。なお、CPU181は、上記のサブ側CZフラグがセットされている各ゲームでは、CZモード用の演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する。CZモード用の演出は、CZモード中であることを遊技者が識別可能となるように、例えば、背景色や登場するキャラクタ等が通常モードのそれと異ならせている。また、CZモード用の演出を行うにあたり、CPU181は、CZモードの残りゲーム数の表示もゲームの進行に応じてその表示を更新(減算)するように制御する。
ステップSa2104にて否定判定した場合、ステップSa2107にてAT当選報知コマンドを受信しているか否かを判定する。AT当選報知コマンドを受信している場合、ステップSa2108にて各種フラグ格納エリア183aに準備モードフラグをセットする処理を実行し、続くステップSa2109にて第1ATコマンドを受信しているか否かを判定する。第1ATコマンドを受信している場合、ステップSa2110にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側第1ATモードフラグをセットする処理を実行してから、ステップSa2112にてAT当選報知演出を設定する処理を実行する。一方、ステップSa2109にて第1ATコマンドを受信しておらず、第2ATコマンドを受信している場合、ステップSa2111にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側第2ATモードフラグをセットする処理を実行してから、ステップSa2112にてAT当選報知演出を設定する処理を実行する。AT当選報知演出は、例えば、図53(a)に示すように、ATモード移行抽選に当選したことの報知とともに、当選しているATモードの種別を報知する演出が設定されている。なお、ATモードの種別を報知する演出として、例えば、補助表示部65の背景色を異ならせる(第1ATモードであれば赤、第2ATモードであれば青)構成としてもよいし、ATモードの種別に応じて対応するキャラクタを表示させる(第1ATモードであれば第1AT用キャラクタ、第2ATモードであれば第2AT用キャラクタ)構成としてもよい。また、CPU181は、上記の準備モードフラグがセットされている各ゲームでは、準備モード用の演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する。準備モード用の演出は、サブ側第1ATモードフラグがセットされている場合と、サブ側第2ATモードフラグがセットされている場合とを、遊技者が識別可能なようにその演出内容が異ならせてあり、サブ側第1ATモードフラグがセットされている場合には、例えば、図53(b)に示すように、「昇格抽選中」といった文字表示が行われ、サブ側第2ATモードフラグがセットされている場合には、例えば、図54(b)に示すように、「AT準備中」といった文字表示が行われる。なお、図53(b)と図54(b)とでは、背景色が異なることを、ハッチ設定を異ならせて示している。
ステップSa2107にて否定判定した場合、ステップSa2113にて昇格コマンドを受信しているか否かを判定する。昇格コマンドを受信している場合、ステップSa2114にて上記にサブ側第1ATモードフラグをクリアするとともにサブ側第2ATモードフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSa2115にて昇格演出を設定する処理を実行する。昇格演出は、例えば、図54(a)に示すように、男性のキャラクタが雄叫びを挙げる演出が設定されている。なお、上記のようにサブ側第1ATモードフラグがクリアされてサブ側第2ATモードフラグがセットされることにより、昇格演出を介して、準備モード中の演出が、図53(b)の演出から図54(b)の演出に切り替わることになる。
ステップSa2113にて否定判定した場合、ステップSa2116にて停止時AT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。停止時AT開始コマンドを受信している場合、ステップSa2117にて、準備モードフラグをクリアし、ステップSa2118にて、AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT開始演出は、例えば、図55(a)に示すように、ATモードが開始される旨の表示(「AT スタート」といった文字表示)が行われる演出が設定されている。なお、AT開始演出は、開始するATモードの種類に応じて遊技者が識別可能な程度に異なっており、例えば、背景や効果音が異なるように設定されている。
ステップSa2116にて否定判定した場合、ステップSa2119にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップSa2120にてサブ側第1ATモードフラグやサブ側第2ATモードフラグをクリアする処理を実行し、ステップSa2121にてAT終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT終了演出は、例えば、図55(b)に示すように、ATモードが終了する旨の表示(「またね」といった文字表示)とともに、今回のATモードの継続ゲーム数や獲得メダル数の報知を行う演出が設定されている。
ステップSa2103、ステップSa2106、ステップSa2112、ステップSa2115、ステップSa2118若しくはステップSa2121の処理を実行した後、又はステップSa2119にて否定判定した後は、ステップSa2122にてその他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップSa2122では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
<AT開始用処理>
次に、開始時演出設定処理(図47)におけるステップSa2013にて実行されるAT開始用処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。AT開始用処理は、準備モード中にATモード開始用の結果(通常リプA~C)に当選した場合に、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させるように操作指示報知を実施するための処理である。
すなわち、ステップSa2201では、上記の準備モードフラグがセットされているか否かを判定する。準備モードフラグがセットされていない場合には、そのままAT開始用処理を終了する。準備モードフラグがセットされている場合、ステップSa2202にて準備モード演出を設定する。上記のように準備モード演出としては、図53(b)及び図54(b)の演出が設定されており、ステップSa2202では、サブ側第1ATモードフラグがセットされている状況では、図53(b)の準備モード演出を設定し、サブ側第2ATモードフラグがセットされている状況では、図54(b)の準備モード演出を設定する。
続くステップSa2203では、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であるか否かを判定する。通常リプA~C当選ではない場合には、そのままAT開始用処理を終了する。なお、既に説明した通り、準備モード中に通常リプA~C当選となると、主制御装置101からは押し順報知コマンドが出力される。そこで、ステップSa2203にて通常リプA~C当選である場合には、ステップSa2204にてサブ側第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、サブ側第1ATモードフラグがセットされている場合には、ステップSa2205にて、上記の押し順報知コマンドに基づいて第2再遊技入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、AT開始用処理を終了する。一方、サブ側第1ATモードフラグがセットされておらず、サブ側第2ATモードフラグがセットされている場合には、ステップSa2206にて、上記の押し順報知コマンドに基づいて第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、AT開始用処理を終了する。
ステップSa2205やステップSa2206にて設定する押し順報知演出としては、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序を報知するとともに、第2再遊技入賞となる図柄や第3再遊技入賞となる図柄を報知する演出が設定されている。例えば、ステップSa2205では、図56(a)に示すように、第2再遊技入賞に対応するストップスイッチ42~44の操作順序を報知するとともに、第2再遊技入賞が成立する場合に中ラインL2に停止する図柄(「白7」図柄-「白7」図柄-「白7」図柄)を報知する演出が補助表示部65にて行われるように設定する。また、例えば、ステップSa2206では、図56(b)に示すように、第3再遊技入賞に対応するストップスイッチ42~44の操作順序を報知するとともに、第3再遊技入賞が成立する場合に中ラインL2に停止する図柄(「白7」図柄-「白7」図柄-「赤7」図柄)を報知する演出が補助表示部65にて行われるように設定する。なお、中ラインL2に停止する図柄ではなく、有効ラインMLに停止する図柄を報知する構成としてもよく、具体的には、第2再遊技入賞であれば、「白7」図柄-「白貝」図柄-「チェリー」図柄を報知し、第3再遊技入賞であれば、「白7」図柄-「白貝」図柄-「BAR」図柄を報知する構成としてもよい。これらの場合、報知している図柄を停止させるべきライン(中ラインL2又は有効ラインML)をあわせて報知する構成としてもよい。
このように、本実施形態では、有利区間においてATモード移行抽選に当選したり天井ゲーム数に到達してATモードへ移行する権利を獲得すると、前兆モードを介してAT当選報知演出(図53(a))が実行され、当該権利を獲得した旨の報知が行われる。準備モード中にATモード開始用の結果として通常リプA~Cに当選すると、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させるように操作指示報知が行われ(図56)、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立すると、ATモードが開始される。このようにすることで、ATモードへの移行に遊技者の操作の介入が必要となる構成となり、遊技機側のみで完結する構成と比較して、遊技の興趣向上が好適に図られる。特に、抽選等により獲得したATモードへ移行する権利を、自らの停止操作によって行使してATモードを開始させる構成となり、遊技者の操作に基づき抽選結果に対応する図柄を有効ラインMLに停止させて抽選結果に対応する特典を得る、といったスロットマシンの醍醐味をATモードに存分に活かすことが可能となる。
ここで、準備モードにおいては、押し順ベルに当選した場合には第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が実行されることや、抽選結果に応じた上乗せ抽選が行われること、及び、第1ATモードから第2ATモードへの昇格抽選も行われること、からして、遊技者としては、上記のように第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を自らの操作によって成立させる遊技を行いたい気持ちもあるものの、なるべく準備モードを長く継続することも望むものと考えられる。そこで、本実施形態では、準備モードの継続ゲーム数に上限を設け、上限ゲーム数(40ゲーム)に達した場合には、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなくてもATモードを開始させる構成としている。そこで、以下、特に準備モードが上限ゲーム数に達した場合にATモードを開始させるための構成について説明する。
<回転演出処理>
先ず、主制御装置101側のリール制御処理(図22)における回転演出処理(ステップSa402)について、図50のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSa2301では、各種フラグ格納エリア106dに第1開始時フリーズフラグ又は第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグは、上記の準備モード用処理(図42)においてAT準備カウンタが0となったゲームや、準備モード中の通常リプA~C当選ゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなかった場合にセットされるフラグである(ステップSa1622、ステップSa1623)。いずれの開始時フリーズフラグもセットされていない場合には、そのまま回転演出処理を終了する。
いずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップSa2302にて、今回開始するゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であるか否かを判定する。つまり、AT準備カウンタが0となり準備モードを40ゲーム消化した次のゲームや、準備モード中の通常リプA~C当選ゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなかったゲームの次のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であるか否かを判定する。通常リプA~C当選ではない場合、ステップSa2303に進み、回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。回転演出コマンドは、各リール32L,32M,32Rを用いた回転演出を行うことにより、ATモードの開始を報知することを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。
続くステップSa2304では、停止している各リール32L,32M,32Rの図柄位置関係を把握する処理を実行する。既に説明した通り、各リール32L,32M,32Rには、それぞれリールインデックスセンサが設置されており、当該リールインデックスセンサの検出信号や、リールを回転させるために出力した励磁パルス数等に基づいて、停止している(前回停止させた)図柄位置を把握することが可能である。
そして、ステップSa2305にて第1開始時フリーズがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa2306にて、ステップSa2304にて把握した図柄位置に基づいて、2sec後(第1期間後)に第2再遊技入賞となる図柄が揃った状態で各リール32L,32M,32Rが低速(第1回転速度)にて回転しているように、各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する。より具体的には、例えば、左リール32Lを基準リールとし、把握している図柄位置に基づいて、回転開始前において、当該基準リールに配置された第2再遊技図柄(「白7」図柄)と、中リール32M及び右リール32Rの第2再遊技図柄(「白貝」図柄、「チェリー」図柄)との離間図柄数を把握する。例えば、各リール32L,32M,32Rを同時に正方向に回転開始させた場合において、2sec後までに基準リールとなる左リール32Lは3周だけ回転しているとすると、左リール32Lは20図柄×3周で60図柄分だけ2secで回転することになる。この場合、中リール32Mの第2再遊技図柄と基準リールの第2再遊技図柄の離間図柄数をa図柄、右リール32Rの第2再遊技図柄と基準リールの第2再遊技図柄の離間図柄数をb図柄とすると、中リール32Mの加速度を、2sec後までに60図柄にa図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定し、右リール32Rの加速度を、2sec後までに60図柄にb図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定する。なお、2sec後に第2再遊技入賞となる図柄組合せが揃って回転するようになってからは、一定である低速回転にて各リール32L,32M,32Rを回転させるように設定する。
ステップSa2305にて第1開始時フリーズフラグがセットされておらず、第2開始時フリーズフラグがセットされている場合には、ステップSa2307にて、ステップSa2304にて把握した図柄位置に基づいて、2sec後(第1期間後)に第3再遊技入賞となる図柄が揃った状態で各リール32L,32M,32Rが低速(第1回転速度)にて回転しているように、各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する。より具体的には、例えば、左リール32Lを基準リールとし、把握している図柄位置に基づいて、回転開始前において、当該基準リールに配置された第3再遊技図柄(「白7」図柄)と、中リール32M及び右リール32Rの第3再遊技図柄(「白貝」図柄、「BAR」図柄)との離間図柄数を把握する。例えば、各リール32L,32M,32Rを同時に正方向に回転開始させた場合において、2sec後までに基準リールとなる左リール32Lは3周だけ回転しているとすると、左リール32Lは20図柄×3周で60図柄分だけ2secで回転することになる。この場合、中リール32Mの第2再遊技図柄と基準リールの第2再遊技図柄の離間図柄数をa図柄、右リール32Rの第2再遊技図柄と基準リールの第2再遊技図柄の離間図柄数をb図柄とすると、中リール32Mの加速度を、2sec後までに60図柄にa図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定し、右リール32Rの加速度を、2sec後までに60図柄にb図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定する。なお、2sec後に第3再遊技入賞となる図柄組合せが揃って回転するようになってからは、一定である低速回転にて各リール32L,32M,32Rを回転させるように設定する。
ステップSa2306又はステップSa2307にて各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する処理を実行した後は、ステップSa2308にて全リールを回転開始させ、設定した加速度に基づいて各リール32L,32M,32Rに対応するステッピングモータを駆動制御する処理を実行する。そして、ステップSa2309にて各種カウンタエリア106eに設けられた回転カウンタに上記の第1期間(2sec)より長い第2期間(2.8sec)に相当する値である1879を入力する処理を実行する。回転カウンタは、タイマ割込み処理(図17)のタイマ更新処理(ステップSa108)が1回起動される度に1ずつ減算されるカウンタである。
この場合、図58(a)に示すように、各リール32L,32M,32Rについてそれぞれ設定された加速度に応じて各リール32L,32M,32Rの回転が開始し、図58(b)に示すように、2sec後には第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄組合せが揃った状態となり、その状態にて各リール32L,32M,32Rは低速にて回転することとなる。
続くステップSa2310では、上記ステップSa2309にて入力した回転カウンタが0となるまで待機する。なお、タイマ割込み処理と、本回転演出処理が含まれる通常処理(図18)とはそれぞれ独立して起動される処理であり、ステップSa2310にて待機している間であっても、タイマ割込み処理は回転カウンタの減算処理を実行可能である。ステップSa2310では、回転カウンタが0となることで肯定判定する。
ステップSa2308にて全リール32L,32M,32Rの回転を開始させてから第1期間(2sec)が経過して第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる図柄組合せが揃って低速回転するようになり、ステップSa2309の処理を実行してから第2期間(2.8sec)が経過してステップSa2310にて肯定判定すると、ステップSa2311に進む。ステップSa2311では、現時点から0.2sec(第3期間)後に全リール32L,32M,32Rが第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる図柄組合せが有効ラインMLにて停止するように、全リール32L,32M,32Rの加速度を設定する処理を実行する。そして、ステップSa2312にて、ステップSa2311にて設定した加速度に基づいて各リール32L,32M,32R32Rに対応するステッピングモータを駆動制御して、各リール32L,32M,32Rを停止させる処理を実行する。その後、ステップSa2313にて上記の回転カウンタに第3期間(0.2sec)に相当する値である134を入力する処理を実行し、続くステップSa2314にて、上記ステップSa2313にて入力した回転カウンタが0となるまで待機する。
この場合、図58(c)に示すように、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄組合せが有効ラインMLに停止する。なお、当該回転演出において各リール32L,32M,32Rが停止することを、リール制御処理のステップSa411にてストップスイッチ42~44の操作に基づいて各リール32L,32M,32Rが停止することと区別すべく、以下の説明では、回転演出における各リール32L,32M,32Rの停止を仮停止とも称する。
ステップSa2313の処理を実行してから0.2sec(第3期間)が経過した場合、すなわち、全リール32L,32M,32Rを回転開始させてから合計3sec(第4期間)が経過して、有効ラインMLに第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる図柄組合せが仮停止した場合、ステップSa2314にて肯定判定してステップSa2315に進む。ステップSa2315では、始動時AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。始動時AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、AT開始演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSa2316では、回転カウンタに第5期間(5sec)に相当する値である3355を入力する処理を実行し、続くステップSa2317では、上記ステップSa2316にて入力した回転カウンタが0となるまで待機する。この場合、各リール32L,32M,32Rも上記の仮停止した状態が維持される(図58(d))。
ステップSa2316の処理を実行してから5sec(第5期間)が経過した場合、すなわち、有効ラインMLに第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる図柄組合せが仮停止してから5secが経過した場合、ステップSa2317にて肯定判定してステップSa2318に進む。ステップSa2318では、第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグをクリアする処理を実行し、その後、回転演出処理を終了する。この場合、リール制御処理(図22)において回転演出処理に続けて起動される回転開始処理にて、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される(図58(e))。
つまり、準備モードにおいて通常リプA~Cに当選することなく40ゲーム消化した場合や、通常リプA~Cに当選した場合であっても第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、次ゲームの開始時に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄組合せが有効ラインML上に停止する回転演出が発生する。なお、以下の説明では、AT準備カウンタが0となり準備モードを40ゲーム消化した次のゲームや、準備モード中の通常リプA~C当選ゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなかったゲームの次のゲームを、回転演出の対象ゲームと称する。
回転演出処理において、ステップSa2302にて、上記の回転演出の対象ゲームの抽選結果が通常リプA~C当選である場合、ステップSa2319にてAT準備カウンタが0よりも大きいか否かを判定し、セットされている開始時フリーズフラグが、準備モード中の通常リプA~C当選ゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなかった場合にセットされたものであるか、それとも、AT準備カウンタが0となることでセットされたものかを判定する。準備モード中の通常リプA~C当選ゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなかった場合にセットされたものである場合、ステップSa2303に進み、回転演出を実行するための処理を行う。これに対して、開始時フリーズフラグがAT準備カウンタが0となることでセットされたものである場合、そのまま、回転演出処理を終了する。つまり、準備モードが上限ゲーム数に達して回転演出を実行するゲームの抽選結果が通常リプA~C当選である場合、今回のゲームの開始時では上記の回転演出は発生しない。
この場合、AT開始報知用処理(図35)において、今回のゲームで第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させるための操作指示報知が行われる。つまり、AT開始報知用処理において、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であって(ステップSa1001:YES)、AT準備カウンタが0である場合(ステップSa1002:NO)、ステップSa1008にて、第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかの開始時フリーズフラグがセットされており、準備モードが上限ゲーム数に達することで回転演出の対象となったゲームの抽選結果が通常リプA~C当選である場合、ステップSa1008にて肯定判定し、ステップSa1009にて対応する開始時フリーズフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa1003に進み、開始ゲームフラグをセットする処理を実行し、ステップSa1004以降の操作指示報知を行うための処理を実行する。
つまり、AT準備カウンタが0となり準備モードを40ゲーム消化した次のゲームの回転開始時に、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄組合せを有効ラインML上に仮停止させる回転演出を発生させる構成としたうえで、当該次のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選である場合は、回転演出を発生させず、通常通り、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を狙って操作させる構成としている。このようにすることで、自らの操作によってATモードの開始を勝ち取った印象を強く与えることが可能となる。
これに対して、準備モード中に通常リプA~C当選となり第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、当該ゲームの次のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であっても回転演出を発生させて、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄組合せを有効ラインML上に仮停止させる回転演出を発生させてATモードを開始させるようにしている。これは、そもそも先のゲームで第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかったことからして、当該スロットマシン10を遊技している遊技者は、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を狙って操作することが不得意な遊技者であると考えられるからである。すなわち、仮に、当該入賞を成立させることができなかったゲームの次のゲームでも第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を狙わせると、そのような遊技者に対して不得意な操作を再度強要する構成となり、遊技意欲の大幅な低下を招きかねない。その点、上記のように、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、当該ゲームの次のゲームで通常リプA~C当選となった場合でも、回転演出を行う構成とすることで、不得意な操作を回転演出にて補う構成となり、様々な熟練度の遊技者にマッチした遊技を提供することが可能となる。
ちなみに、上記のように準備モードを40ゲーム消化した後の次のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であって、回転演出の実行が制限された場合であっても、既に準備モード用処理のステップSa1607~ステップSa1623にてATモード開始用の処理が実行されている構成であることから、当該回転演出の実行が制限されたゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなくても、ATモードは開始される。このようにすることで、上記のように自らの操作によってATモード開始用の結果入賞を成立させる機会を付与しながらも、ATモードがなかなか開始されないことを解消する、といった準備モードの上限を設けた意義を抹殺しないようにすることができる。
<回転演出用処理>
回転演出を行う場合の演出設定処理として、開始時演出設定処理(図47)のステップSa2014にて実行される回転演出用処理について、図51のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSa2401では、回転演出コマンドを受信しているか否かを判定する。回転演出コマンドは、上記のように回転演出処理(図50)において、回転演出の開始時に出力されるコマンドである。回転演出コマンドを受信している場合には、ステップSa2402にて準備モードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa2403にて回転演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する処理を実行する。回転演出では、例えば、図57(a)に示すように、各リール32L,32M,32Rによる回転演出が実行されることを遊技者に把握させるように、補助表示部65にて女性のキャラクタが「いくよー!」と嬉しそうに叫んでいる様子が表示される演出が設定されている。
ステップSa2401にて否定判定した場合、又はステップSa2403の処理を実行した後は、ステップSa2404にて始動時AT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。始動時AT開始コマンドは、上記のように回転演出処理(図50)において、回転演出において第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄が有効ラインMLに仮停止した場合に出力されるコマンドである。始動時AT開始コマンドを受信している場合には、ステップSa2405にて、始動時AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する処理を実行する。ステップSa2405では、例えば、図57(b)に示すように、各種フラグ格納エリア183aに設定されているサブ側第1ATモードフラグやサブ側第2ATモードフラグに基づいて、第1回転演出を実行している場合には、第1ATモードが開始されることを報知する演出を設定し、第2回転演出を実行している場合には、第2ATモードが開始されることを報知する演出を設定する。ステップSa2404にて否定判定した場合、又はステップSa2405の処理を実行した後は、回転演出用処理を終了する。
この場合、上記のように回転演出処理では、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄を有効ラインMLに仮停止させた後、5secに亘ってその状態を維持するように設定している。つまり、回転演出において第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄を仮停止させた状態で、上記の始動時AT開始演出を行うことが可能となっており、ATモードの開始に停止出目が関連付けられた印象を遊技者に与える効果を高めることが可能となっている。しかも、上記の第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄を有効ラインMLに仮停止させた状態を維持する期間を設定することにより、回転演出を開始してから、当該回転演出を終了して通常遊技としての回転開始処理(ステップSa403)が実行されるまでの期間が、各ゲームで設定されるウェイト期間(4.1sec)よりも長い期間となる。つまり、回転演出においてステップSa2309にて各リール32L,32M,32Rの回転を開始させてから全リール32L,32M,32Rを仮停止させるまでに3secが設定されているところ、当該全リール32L,32M,32Rが仮停止した状態で5sec維持することにより、回転演出における回転開始から回転開始処理(ステップSa403)までの期間は8secとなり、ウェイト期間(4.1sec)よりも長くなる。このようにすることで、回転演出を通常の遊技と似せる効果が高められるし、上記の始動時AT開始演出を行ううえでの演出時間を好適に確保することが可能となる。
このように、本実施形態では、ATモード移行抽選に当選すると準備モードを経てATモードが開始される構成において、当該準備モード中にATモード開始用の結果に当選した場合に、遊技者が当該ATモード開始用の結果入賞を成立させることができればATモードが開始されるようにしていることからATモードの開始に際して遊技者の介入が必要な構成とすることが可能となる。しかも、遊技の結果としてATモードが開始されることからして、遊技者の運(ヒキ)によってATモードが開始され、ATモードを遊技機側で一方的に進行する遊技ではないことの印象が強められる。よって、遊技への注目度が好適に高められる。
そのうえで、準備モードにおいては、押し順ベル当選時の押し順報知が行われることや、ATモードの昇格抽選や上乗せ抽選が行われることから、当該準備モードにおいてATモード開始用の結果に当選せずに準備モードが長く継続することは遊技者にとって有利となっている。そうすると、遊技者は準備モードが長く継続することを望むようになり、上記のようにATモード開始用の結果に当選することを、残念なことと捉えてしまい、遊技への注目度を高める支障となり得るものと考えられる。そこで、本実施形態においては、準備モードに継続上限を設け、上限に達した場合にはATモード開始用の結果に当選していなくてもATモードを開始させる構成としたことから、準備モードの継続性による有利度の変化の幅を大きくしすぎないようにし、準備モードの上限前にATモード開始用の結果に当選することを、残念なこと捉えてしまわないように促すことが可能となる。
ここで、準備モード中においてATモード開始用の結果の当選確率は、通常リプA~Cのいずれかに当選する確率であって、約8.86分の1の確率である。つまり、準備モードの継続上限のゲーム数よりもATモード開始用の結果の当選確率の分母の方が小さくなるように設定されており、40ゲームに設定される準備モードを消化すれば、概ね通常リプA~Cに当選するように設定されている。このようなバランスとすることで、準備モードを長く継続させたいとはいえ、基本的には準備モードにおいて継続上限に至ることは稀であって、途中でATモード開始用の結果に当選することを前提とした遊技とすることが可能となる。よって、ATモード開始用の結果に当選したことを、さほど残念なことと捉えさせず、ATモード開始用の結果入賞を狙わせる遊技を快く行わせることが可能となる。
しかも、準備モードの上限に達した場合には、単にATモードが開始されるだけでなく、各リール32L,32M,32Rの回転演出により、上記のATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが有効ラインML上に仮停止させる構成としたことから、遊技者の運や参加の要素が疑似的であっても回転演出によって体現される構成となり、ATモードを遊技者自らの操作によって開始させる遊技としたことの効果を準備モードの上限到達時においても享受させることが可能となる。
それだけでなく、準備モードの上限到達時においては、昇格抽選に当選しなくても第1ATモードではなく第2ATモードが開始される構成とし、その第2ATモードが開始される様が第2回転演出によって体現される構成としていることから、上記のような上限に到達したことの残念感が相殺されるとともに、自らの操作により第2ATモードを勝ち取った印象を強め、最高の気分でATモードを開始させることが可能となる。
ここで、ATモード開始用の結果として通常リプA~Cのうち、特に通常リプAについては、当選確率の設定処理にて設定される設定値によって当選確率が異なり、高設定ほど当選しにくくなるように設定されている(例えば、図20参照)。つまり、準備モードにおいてATモード開始用の結果当選となる確率は、高設定ほど低くなるように設定されており、準備モードの上限に到達する確率も高設定ほど低くなり、その結果、第2ATモードに設定される割合が高設定ほど高くなるようになる、という斬新な遊技性を実現することが可能である。この場合、上限到達時に通常リプA~Cに当選した場合には、回転演出の実行が制限される構成である点に鑑みると、回転演出が制限される確率は、高設定ほど低くなる構成ともいうことが可能である。つまり、高設定ほど回転演出が実行され易くなる構成であり、回転演出を指標として設定値の予測を行わせる、といった遊技も実現可能である。更に、高設定ほど通常遊技の遊技進行が制限される回転演出が実行され易くなることから、単位時間当たりのゲームの実行回数は高設定ほど少なくなり易く、出玉率が高くなる高設定において、急激な出玉の上昇を回転演出によってうまく抑制することも可能である。
準備モード中にATモード開始用の結果に当選した場合には、上記のように遊技者の操作によって当該ATモード開始用の結果入賞が成立し得る構成としているところ、遊技者の操作によっては、ATモード開始用の結果入賞が成立しない場合もあり得る。そうすると、例えば、あえて当該ATモード開始用の結果入賞を成立させないようにして、上限到達の恩恵を享受しようとする行為が行われる可能性もある。その点、本実施形態では、ATモード開始用の結果に当選し、且つ当該ATモード開始用の結果入賞が成立しなければ、当該入賞が成立しなかった次のゲームにてATモードを開始させる構成としたことから、上限到達までATモードを開始させないようにする行為が行われることを好適に回避することができるし、このような場合であっても回転演出を伴ってATモードが開始されるようにしていることから、ATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せの停止(仮停止)を伴わずATモードが開始される事象がないようになり、遊技者の介入によってATモードが開始される引用を薄めないようにすることができる。
そして、上記の通り、ATモードの開始と、ATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せの停止(仮停止)とがセットとなるようにしていることから、ATモードが開始されるためには、ATモードが開始される場合の演出内容が統一化されており、ATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せが停止(仮停止)していないのにも関わらずATモードが開始されることがない。このようにすることで、ATモードの開始が見た目状わかりやすくなり、ATモードが開始されていないのにもかかわらず、押し順ベル当選時の第1小役入賞~第6小役入賞率が意図的に高められる等の不正行為が行われたとしても、それを遊技ホールの管理者は容易に特定することが可能となる。
しかも、本実施形態では、上記のATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せの停止(仮停止)とセットで、スロットマシン10から外部集中端子板121を介してATモードが開始される旨の情報が出力される構成としている。かかる構成について、以下、説明する。
<外部出力設定第2処理>
先ず、リール制御処理(図22)のステップSa416にて実行される外部出力設定第2処理について、図59のフローチャートを参照しながら説明する。外部出力設定第2処理は、リール制御処理において全リール32L,32M,32Rが停止したと判定された場合(ステップSa412:YES)に実施される処理であり、入賞結果対応処理(ステップSa417)よりも先に実施される処理である。
ステップSa2501では、外部集中端子板121における第1BB用出力端子121b又は第2BB用出力端子121cの出力状態がON状態であるか否かを判定する。第1BB用出力端子121bは第1BB状態に移行する際にON状態とされるものであり、第1BB状態へ移行したことの情報を本遊技機に接続されている外部装置に出力するためのものである。また、第2BB用出力端子121cは第2BB状態に移行する際にON状態とされるものであり、第2BB状態へ移行したことの情報を本遊技機に接続されている外部装置に出力するためのものである。これらBB用出力端子121b,121cからの出力信号は、AT用出力端子121dと同様に、ON状態とすることでLOW信号からHI信号に切り替わり、OFF状態とすることでHI信号からLOW信号に切り替わるように構成されている。そして、本遊技機に外部集中端子板121を介して接続されている遊技ホールの管理装置(ホールコンピュータ)やデータ表示器では、これら第1BB用出力端子121bや第2BB用出力端子121cからの情報を把握することにより、遊技状態が第1BB状態や第2BB状態へ移行したことを把握することが可能となり、それを集計することによりその移行回数を把握することができ、それら状態の移行や移行回数に対応する報知を実行可能となる。
ステップSa2501にていずれかのBB用出力端子121b,121cがON状態である場合、ステップSa2502にて対応するBB状態フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、第1BB用出力端子121bがON状態である場合には第1BB状態フラグがセットされているか否かを判定し、第2BB用出力端子121cがON状態である場合には第2BB状態フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、第1BB状態フラグや第2BB状態フラグは、ボーナス状態処理(図24)において、BB状態に移行する際にセットされ、BB状態が終了する際にクリアされるフラグである。すなわち、ステップSa2501にてBB用出力端子121b,121cがON状態であって、ステップSa2502にて対応するBB状態フラグがセットされている状況とは、直前のボーナス状態処理において対応するBB状態が未だ継続していると判定された場合である。これに対して、ステップSa2501にてBB用出力端子121b,121cがON状態であって、ステップSa2502にて対応するBB状態フラグがセットされていない状況とは、直前のボーナス状態処理において対応するBB状態の終了用の処理が実行された場合である。
ステップSa2502にて対応するBB状態フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSa2503にて、対応するBB用出力端子121b,121cをOFF状態とする処理を実行する。これにより、遊技機に接続されている外部装置は、BB状態が終了したことを把握することが可能となる。
ステップSa2501にて否定判定した場合、ステップSa2502にて肯定判定した場合、又はステップSa2503の処理を実行した後は、ステップSa2504に進む。ステップSa2504では、各種フラグ格納エリア106dに開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、開始ゲームフラグは、AT開始報知用処理(図35)において、準備モード中にATモード開始用の結果(通常リプA~C)に当選となった場合にセットされるフラグであり(ステップSa1003)、入賞結果対応処理における準備モード用処理(図42)にてクリアされるフラグである(ステップSa1620)。開始ゲームフラグがセットされている場合、ステップSa2505にて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。ステップSa2504又はステップSa2505にて否定判定した場合には、そのまま外部出力設定第2処理を終了する。
準備モードにおいてATモード開始用の結果に当選し、当該開始用の結果入賞が成立している場合、ステップSa2506にて、外部集中端子板121のAT用出力端子121dをON状態に設定してから、本外部出力設定第2処理を終了する。既に説明した通り、AT用出力端子121dをON状態に設定することで、かかるAT用出力端子121dからの出力信号はLOW信号からHI信号に切り替わり、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータはかかる切り替わりを把握することによって、ATモードが開始されたことを把握可能となる。
<外部出力設定第1処理>
次に、リール制御処理(図22)にて実行される外部出力設定第1処理について、図60のフローチャートを参照しながら説明する。外部出力信号第1処理は、リール制御処理が起動されると各リール32L,32M,32Rの回転開始前であって、更に、上記の回転演出を実行するための回転演出処理(ステップSa402)よりも先に実施される処理である。
ステップSa2601では、いずれかのBB用出力端子121b,121cがON状態であるか否かを判定する。いずれのBB用出力端子121b,121cもOFF状態である場合、ステップSa2602にていずれかのBB状態フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、前回のゲームのボーナス状態処理において対応するBB状態フラグがセットされ、今回開始するゲームがBB状態の1ゲーム目である場合、ステップSa2603にて、セットされたBB状態フラグに対応するBB用出力端子121b,121cをON状態とする処理を実行する。
ステップSa2602にて今回開始するゲームがBB状態ではない場合、ステップSa2603に進み、外部集中端子板121におけるゲーム用出力端子121aをON状態とする処理を実行する。ゲーム用出力端子121aは、スタートレバー41の操作に基づき、1回のゲームが開始される場合にON状態とされ、当該ゲームが終了するよりも前にOFF状態とされるものであり、1回のゲームが実行されたことの情報を本遊技機に接続されている外部装置に出力するためのものである。ゲーム用出力端子121aからの出力信号は、AT用出力端子121dと同様に、ON状態とすることでLOW信号からHI信号に切り替わり、OFF状態とすることでHI信号からLOW信号に切り替わるように構成されている。そして、本遊技機に外部集中端子板121を介して接続されている遊技ホールの管理装置(ホールコンピュータ)やデータ表示器では、ゲーム用出力端子121aからの情報を把握することにより、1回のゲームが実行されたことを把握可能となり、それを集計することによりゲームの実行回数を把握することができ、それらゲームの実行や実行回数に対応報知を行うことが可能となる。
続くステップSa2605では、各種カウンタエリア183bに設けられたゲーム用カウンタに約0.15secに相当する10を入力する処理を実行する。ゲーム用カウンタは、ゲームの開始に際してON状態としたゲーム用出力端子121aをOFF状態とすべきタイミングをCPU102が把握するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が1回起動される度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSa2601にて肯定判定した場合、又はステップSa2603若しくはステップSa2605の処理を実行した後は、ステップSa2606に進む。ステップSa2606では、第1開始時フリーズフラグ又は第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。いずれの開始時フリーズフラグもセットされていない場合には、そのまま外部出力設定第1処理を終了する。いずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合には、ステップSa2607に進み、各種フラグ格納エリア106dに予約出力フラグをセットする処理を実行し、ステップSa2608にて、各種カウンタエリア106eに設けられた予約出力カウンタに約3.1sec(第6期間)に相当する2100を入力する処理を実行してから、外部出力設定第1処理を終了する。予約出力フラグは、外部集中端子板121のAT用出力端子121dをON状態とする前の予約状態であることをCPU102が把握するためのフラグである。また、予約出力カウンタは、当該予約状態においてAT用出力端子121dをON状態とすべきタイミングをCPU102が把握するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が1回起動される度に1ずつ減算されるカウンタである。
すなわち、各リール32L,32M,32Rによる回転演出にてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止する場合には、当該回転演出が実行されるよりも前に、AT用出力端子121dをON状態とするための事前処理が実行される。
<タイマ更新処理>
上記のようにAT用出力端子121dをON状態とする前の予約状態とされた場合の処理として、タイマ割込み処理(図17)のステップSa108にて実行されるタイマ更新処理について、図61のフローチャートを参照しながら説明する。
タイマ更新処理では、先ず、ステップSa2701~ステップSa2704にて、上記のゲーム用出力端子121aの管理用の処理を行う。すなわち、ステップSa2701では、ゲーム用出力端子121aがON状態であるか否かを判定し、ON状態である場合には、ステップSa2702にて、上記のゲーム用カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSa2703にて、ゲーム用カウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップSa2704にて、ゲーム用出力端子121aをOFF状態に切り替える処理を実行する。このように、一のゲームが実行されたことを示すゲーム用出力端子121aは、ゲームの開始に際してON状態とされ、その後、所定期間(0.15sec)が経過した場合にOFF状態とされ、比較的短期間でそのON状態とOFF状態との切り替えが実行される。
ステップSa2701若しくはステップSa2703にて否定判定した場合、又はステップSa2704の処理を実行した後は、ステップSa2705に進む。ステップSa2705~ステップSa2709の処理は、上記の予約状態においてAT用出力端子121dをON状態とするための処理である。
すなわち、ステップSa2705では、上記の予約出力フラグがセットされており、予約状態であるか否かを判定する。予約状態である場合、ステップSa2706にて予約出力カウンタを1減算する処理を実行し、ステップSa2707にて予約出力カウンタが0となったか否かを判定する。予約出力カウンタが0となった場合には、ステップSa2708にて予約出力フラグをクリアする処理を実行し、ステップSa2709にてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する。かかる処理により、外部集中端子板121を介して本スロットマシン10と接続されている遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータは、ATモードが開始されたことを把握可能となる。
ステップSa2705若しくはステップSa2707にて否定判定した場合、又はステップSa2709の処理を実行した後は、ステップSa2710にてその他の各種カウンタや各種タイマを更新する処理を実行してから、本タイマ更新処理を終了する。
<外部出力の様子>
図62及び図63のタイミングチャートを用いて、各リール32L,32M,32Rの回転と、AT用出力端子121dがON状態とされるタイミングとの関係について説明する。
先ず、準備モード中にATモード開始用の結果入賞を成立させた場合のAT用出力端子121dがON状態となるタイミングについて説明する。
図62に示すように、スタートレバー41の操作に基づき回転開始処理(ステップSa403)が実行されて、ta0のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転が開始する。ta1のタイミングで定速回転(VN)に至った後、ta2のタイミングでストップスイッチ42~44の操作が有効となる。そして、ta3のタイミングでストップスイッチ42~44が操作され、ta4のタイミングで全てのリール32L,32M,32Rが停止する。なお、ta3及びta4は、3番目に操作されたストップスイッチ42~44とそれに対応するリール32L,32M,32R(第3リール)の動作を示している。そのため、ta3のタイミングで第3リールの停止操作が行われた後は、ストップスイッチ42~44の操作は無効となる。
ta4のタイミングでATモード開始用の結果入賞が成立すると、停止時AT開始コマンドが出力されて(ステップSa1613)、AT開始演出が実行される(ステップSa2118、図55)。そして、ta4のタイミングでAT用出力端子121dがON状態とされて遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードが開始されることの情報が出力され、例えば、当該データ表示器にてATモードが開始された旨の表示が行われたり、ATモードの移行回数のデータの更新が行われたりする。
その後、ta5のタイミングでATモードの1ゲーム目が開始されて各リール32L,32M,32Rの回転が開始し、ta6のタイミングにて定速回転(VN)に至った後、ta7のタイミングでストップスイッチ42~44の操作が有効となる。
回転演出を伴ってATモードが開始される場合、スタートレバー41の操作に基づき回転演出処理(図50)のステップSa2308が実行されて、tb0のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転が開始する。tb1のタイミングで基準リールとなる左リール32Lが上記の定速回転(VN)よりも遅い低速回転(VL)に至った後、tb2、tb3のタイミングで残りのリール(中リール32M、右リール32R)が低速回転(VL)に至る。この場合、回転開始されてからtb3のタイミングまでが第1期間(2sec)に相当し、tb3のタイミングで第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが揃った状態で低速回転されているようになる。当該低速回転は、回転開始から第2期間(2.8sec)が経過するtb4のタイミングまで継続される。
tb4のタイミングとなると、各リール32L,32M,32Rを減速する処理(ステップSa2311)が行われて、tb4のタイミングから第3期間(0.2sec)が経過するtb5のタイミングで上記第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインML上に仮停止する。この場合、始動時AT開始コマンドが出力されて(ステップSa2315)、始動時AT開始演出が実行される(ステップSa2405、図57(b))。そして、tb5から若干遅れたtb6のタイミングでAT用出力端子121dがON状態とされ、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードが開始されることの情報が出力される。
当該第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが仮停止した状態は、tb6から第5期間(5sec)が経過するtb7のタイミングまで維持される。そして、tb7のタイミングで回転開始処理(ステップSa403)により各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tb8にて定速回転(VN)に至り、tb9にてストップスイッチ42~44の操作が有効となる。そして、tb10にてストップスイッチ42~44の操作が行われると、tb11にて各リール32L,32M,32Rが停止して、tb0にて開始されたゲームの遊技結果が導出される。
このように、本実施形態では、準備モード中にATモード開始用の結果入賞が成立した場合には、外部集中端子板121のAT用出力端子121dがON状態となり、ATモードへ移行したことの情報の外部出力が行われる。更に、準備モード中の回転演出においてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止する場合にも、外部集中端子板121のAT用出力端子121dがON状態となり、ATモードへ移行したことの情報の外部出力が行われる。つまり、準備モードにおいてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止する場合に、AT用出力端子121dがON状態となってATモードへ移行したことの外部出力が行われる構成としている。このようにすることで、ATモードへの移行が生じたことを、各リール32L,32M,32Rの出目だけでなく当該外部出力される情報とセットで、遊技ホールの管理者等が明確に把握することが可能となり、ATモードの恩恵を不正に享受しようとする不正行為等を特定し易くなる。
本実施形態では、準備モードに移行することにより、AT準備カウンタをセットして回転演出を行うゲームを設定したうえで、当該AT準備カウンタが0となった場合、AT用出力端子121dをON状態とするタイミングを回転演出実行前に設定する構成としている。言い換えるならば、AT用出力端子121dをON状態とする処理よりも前のタイミングとして、準備モード移行時及び回転演出の対象ゲーム開始時にて当該ON状態とするための設定を行う構成としている。このようにすることで、AT用出力端子121dをON状態とする処理(ステップSa2709)の実行タイミングと、そのON状態とするための事前処理の実行タイミングとが重複することがないようになり、処理の重複による処理負荷の増大化を好適に解消することが可能となる。
しかも、回転演出においてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる場合には、当該仮停止させるタイミングよりも前のタイミングであって、回転演出を開始するよりも前のタイミングにて、事前にAT用出力端子121dをON状態とする予約状態に設定し、当該図柄組合せが仮停止される場合にAT用出力端子121dがON状態となるようにタイマ設定する。つまり、図柄組合せを仮停止させるための処理と、AT用出力端子121dをON状態とするための処理とを、別々に並行して実行される処理(タイマ割込み処理、通常処理)にそれぞれ分けて設定することで、処理負荷の分散化を通じて、処理エラーの発生を好適に抑制することが可能となる。
更に、AT用出力端子121dをON状態とするタイミングの設定は、回転演出処理よりも前の外部出力設定第1処理において行う構成としたため、回転演出において各リール32L,32M,32Rの回転開始よりも前に、上記のタイミングの設定処理が完了する構成となる。このようにすることで、回転演出といった各リール32L,32M,32Rの駆動制御のために特殊な制御が必要となり得る構成において、当該特殊な制御のいずれとも、出力タイミングの設定用の処理が重複しないようになり、処理負荷の増加を好適に回避することが可能となる。
そのうえで、実際にAT用出力端子121dをON状態とする処理では、予約出力カウンタが0となることを判定してON状態とする、といった極めて簡素な構成としたことから、回転演出中にAT用出力端子121dをON状態とする構成であっても、処理負荷の増大化を好適に抑制することが可能となっている。
ちなみに、ゲームの開始に際してゲーム用出力端子121aがON状態とされ、所定期間に亘ってそのON状態が維持されてから、OFF状態に切り替える構成としているところ、AT用出力端子121dをON状態に切り替えるタイミングは、当該ゲーム用出力端子121aをOFF状態に切り替えるタイミングと重複しないように設定されており、ゲーム用出力端子121aをOFF状態に切り替えるタイミングよりも後のタイミングとして設定されている。このような点からも、AT用出力端子121dをON状態とするための処理が他の処理と重複しないように設定されており、処理負荷の増大化を解消する工夫が施されているといえる。
本実施形態では、上記の予約状態においてAT用出力端子121dをON状態とするタイミングを、ATモード解消の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止するタイミングよりも若干後のタイミングとなるように設定している。つまり、回転演出において、当該図柄組合せが仮停止するタイミングとは、回転演出が開始されてから3sec(第4期間)後のタイミングであるところ、AT用出力端子121dをON状態とするタイミングは、回転演出が開始されてから3.1sec(第6期間)後のタイミングである。このようにすることで、仮に、何らかの事情によってステッピングモータの駆動制御に遅延が生たり、回転開始前の各リール32L,32M,32Rの図柄位置等によって、仮停止させるまでの時間が設定値(3sec後)よりも遅くなるような場合であっても、仮停止するよりも前にAT用出力端子121dがON状態となることを抑制することが可能となる。
上記のように、準備モードへの移行に際して、回転演出中にAT用出力端子121dをON状態とするゲームを40ゲーム後として設定し、40ゲーム消化した際に開始時フリーズフラグをセットすることで、外部出力設定第1処理において、当該ゲーム中のAT用出力端子121dをON状態とするタイミングの設定を行うようにしている。この場合、当該準備モードにおいてATモード開始用の結果当選となった場合には、事前に設定した当該AT用出力端子121dをON状態とするゲームが前倒しになり得る構成といえる。但し、この場合であっても、回転演出中にAT用出力端子121dをON状態とするのであれば(AT開始用の結果非入賞であれば)、開始時フリーズフラグをセットするため、外部出力設定第1処理においては、その前倒しが発生したか否かに関わらず、単に開始時フリーズフラグの有無を確認してAT用出力端子121dをON状態とするタイミングの設定処理を行えばよく、比較的簡素な処理にて、上記のAT用出力端子121dの出力タイミングの設定を行うことが可能となる。
そして、これら回転演出中に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄が有効ラインML上に仮停止することでAT用出力端子121dをON状態とする構成の前提として、準備モードにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立した場合にもAT用出力端子121dをON状態とする構成としている。このような前提構成であれば、回転演出中にAT用出力端子121dをON状態とすることが、あたかも通常の遊技にてAT用出力端子121dがON状態とされたかのように思わせる効果が期待でき、回転演出を行うことによる演出効果を好適に期待することができるようになる。
<変形例1>
本変形例では、ATモード開始用の結果に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止又は仮停止した場合の、AT用出力端子121dをON状態とするタイミングを上記第1aの実施形態αと異ならせ、当該停止又は仮停止した次の各リール32L,32M,32Rの回転開始時とする。
図64は、本変形例における準備モード用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合や、準備モードの継続上限に達した場合の処理(ステップSa2813、ステップSa2822、ステップSa2823)の後で、ステップSa2824にて各種フラグ格納エリア106dに次ゲーム出力フラグをセットする点で、上記第1aの実施形態αと異なっており、他の処理(ステップSa2801~ステップSa2823)は第1aの実施形態αの対応する処理(ステップSa1601~ステップSa1623)と同様である。次ゲーム出力フラグは、AT用出力端子121dをON状態とすべきゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。
図65は、本変形例における回転演出処理を示すフローチャートである。
本変形例では、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せを仮停止させた状態で第5期間(5sec)が経過して(ステップSa2917:YES)、開始時フリーズフラグをクリアした後(ステップSa2918)に、ステップSa2919にて上記の次ゲーム出力フラグをクリアする点と、準備モードの上限ゲーム数に達することで開始時フリーズフラグがセットされ、そのゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選であった場合(ステップSa2902:YES、ステップSa2920:NO)に、ステップSa2921にて各種フラグ格納エリア106dに待機フラグをセットする点で、上記第1aの実施形態αと異なっている。それ以外の処理(ステップSa2901~ステップSa2918、ステップSa2920)は、上記第1aの実施形態αの対応する処理(ステップSa2301~ステップSa2319)と同様である。待機フラグは、次ゲーム出力フラグがセットされていても、AT用出力端子121dをON状態とすることを待機すべきことをCPU102が把握するためのフラグである。
図66は、本変形例におけるAT開始報知用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、準備モードの上限ゲーム数に達した次のゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選であった場合(ステップSa3001:YES,ステップSa3002:NO、ステップSa3008:YES)に、ステップSa3009にて開始時フリーズフラグをクリアした後、ステップSa3010にて上記の待機フラグをクリアしてから、ステップSa3003の開始ゲームフラグをセットする処理に進む点で、上記第1aの実施形態αと異なっている。その他の処理(ステップSa3001~ステップSa3009)は、上記第1aの実施形態αの対応する処理(ステップSa1001~ステップSa1001)と同様である。
図67は、本変形例における外部出力設定第1処理を示すフローチャートである。
本変形例では、上記ステップSa2601~ステップSa2605の処理と同様に、ステップSa3101~ステップSa3105の処理を実行した後、ステップSa3106にていずれかの開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。いずれの開始時フリーズフラグもセットされていない場合、ステップSa3107にて上記の次ゲーム出力フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa3108にて上記の待機フラグがセットされているか否かを判定する。次ゲーム出力フラグがセットされており、且つ待機フラグがセットされていない場合とは、準備モード中にATモード開始用の結果入賞を成立させたゲームの次のゲームであることを意味する。この場合、ステップSa3109にて、AT用出力端子121dをON状態に設定してから、外部出力設定第1処理を終了する。
また、ステップSa3106にていずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップSa3110に進み、予約出力フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSa3111にて、予約出力カウンタに上記の第2期間(2.8sec)と第3期間(0.2sec)と第4期間(5sec)を合計した期間(8sec)よりも若干長い期間である第7期間(約8.2sec)に相当する5500を入力する処理を実行してから、外部出力設定第1処理を終了する。予約出力カウンタが0となることでAT用出力端子121dがON状態とされることは、上述の通りである。
<外部出力の様子>
本変形例においてAT用出力端子121dがON状態とされる様子を、図68及び図69のタイミングチャートを参照しながら説明する。
準備モードにおいて、tc0のタイミングでゲームが開始され、当該ゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選であったとする。この場合、tc1のタイミングで定速回転(VN)に至り、tc2のタイミングでストップスイッチ42~44の操作が有効となった後、tc3のタイミングにて3番目のストップスイッチ42~44が操作されて、対応するリールがtc4のタイミングにて停止して、ATモード開始用の結果入賞が成立する。この場合、当該ATモード開始用の結果入賞に基づき、tc4のタイミングでAT開始演出が実行される。
tc4のタイミングで終了したゲームの次のゲームが、tc5のタイミングで開始されると、各リール32L,32M,32Rの回転開始とともに、AT用出力端子121dがON状態とされ、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードが開始されることの情報が出力される。
回転演出を伴ってATモードが開始される場合、回転演出処理(図65)のステップSa2908が実行されて、td0のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転が開始する。この場合、td1のタイミングで基準リールとなる左リール32Lが上記の定速回転(VN)よりも遅い低速回転(VL)に至った後、td2、td3のタイミングで残りのリール(中リール32M、右リール32R)が低速回転(VL)に至り、当該低速回転は、回転開始から第2期間(2.8sec)が経過するtd4のタイミングまで継続される。
そして、td5のタイミングで上記第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインML上に仮停止して始動時AT開始演出が実行される。
当該第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが仮停止した状態は、td5から第5期間(5sec)が経過するtd6のタイミングまで維持され、td6のタイミングで回転開始処理(ステップSa403)により各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。そして、td6のタイミングから若干遅れたtd7のタイミングで、AT用出力端子121dがON状態とされ、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードが開始されることの情報が出力される。
その後、td8のタイミングにて定速回転(VN)に至り、td9のタイミングにてストップスイッチ42~44の操作が有効となり、td10のタイミングにてストップスイッチ42~44の操作が行われると、td11のタイミングにて各リール32L,32M,32Rが停止して、td0のタイミングにて開始されたゲームの遊技結果が導出される。
以上のように、AT用出力端子121dをON状態とするタイミングをATモード開始用の結果入賞に対応する図柄が停止又は仮停止するタイミングではなく、当該図柄が停止又は仮停止した後、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるタイミングとしたことから、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄が停止又は仮停止することを確認する作業と、AT用出力端子121dがON状態となって、データ表示器等の更新が行われることを確認する作業とが重複しないようになる。つまり、AT用出力端子121dがON状態となり、データ表示器等が更新されることを確認しようとするあまり、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄が停止又は仮停止することを確認できないといった事象を解消することができ、これらAT用出力端子121dからの情報出力と、各リール32L,32M,32Rの出目との関連付けを行いながらも、それぞれの演出効果を好適に期待することが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止したことをCPU102が確認したうえで、AT用出力端子121dをON状態とする。図70は、本変形例における回転演出処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSa3214にて回転カウンタが0となり、0.2sec後に全リール32L,32M,32Rが仮停止するようにステッピングモータの制御が行われてから(ステップSa3211)、0.2secが経過したと判定した後、ステップSa3215にて、実際に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止(仮停止)したか否かを判定する。停止(仮停止)している場合には、ステップSa3216にて始動時AT開始コマンドをセットする処理を実行した後、ステップSa3217にてAT用出力端子121dをON状態する処理を実行する。かかる処理により、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードが開始されることの情報が出力される。
その後、ステップSa3218、ステップSa3219にて停止(仮停止)させた状態を維持する処理を行い、ステップSa3220にて開始時フリーズフラグをクリアしてから、回転演出処理を終了する。なお、図70において、ステップSa3201~ステップSa3214の処理は、上記ステップSa2301~ステップSa2314の処理と同様である。
ステップSa3215にて否定判定した場合、すなわち、ステップSa3211の制御から0.2secが経過しても第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止(仮停止)していない場合、ステップSa3221にて、全リール32L,32M,32Rが停止(仮停止)しているか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止している場合、すなわち、全リール32L,32M,32Rが停止(仮停止)しているのにもかかわらず、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止(仮停止)していない場合には、ステップSa3222にて第1エラーコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。
ステップSa3221にて全リール32L,32M,32Rが停止(仮停止)していないと判定した場合、ステップSa3223にて回転カウンタに第8期間(1sec)に相当する671を入力する処理を実行する。続くステップSa3224では、上記の回転カウンタが0となって第8期間が経過したか否かを判定し、第8期間が経過した場合には、ステップSa3225にて、再度、実際に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止(仮停止)したか否かを判定する。停止(仮停止)している場合には、ステップSa3216側に進み、始動時AT開始コマンドの出力設定、AT用出力端子121dをON状態とする処理(ステップSa3217)等を実行してから、回転演出処理を終了する。
これに対して、ステップSa3225にて否定判定し、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止(仮停止)していないと判定した場合、ステップSa3226にて全リール32L,32M,32Rが停止(仮停止)しているか否かを判定し、停止(仮停止)している場合には、ステップSa3227にて第2エラーコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。また、ステップSa3226にて第8期間の経過を待ったのにも関わらず、全リール32L,32M,32Rが停止(仮停止)していないと判定した場合には、ステップSa3228にて第3エラーコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。
図71(a)は、本変形例におけるエラー報知用処理を示すフローチャートである。エラー報知用処理は、表示制御装置81のCPU181において開始時演出設定処理(図47)におけるその他の開始時演出設定処理(ステップSa2015)の一処理として実施される処理である。
ステップSa3301では、上記の第1エラーコマンドを受信しているか否かを判定する。第1エラーコマンドを受信しており、回転演出開始から3secが経過した状況において全リール32L,32M,32Rが停止しているものの、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが停止していない場合には、ステップSa3302にて第1エラー報知を行うための処理を実行してから本エラー報知用処理を終了する。第1エラー報知は、図71(b1)に示すように、補助表示部65にて、女の子のキャラクタが腕を組んで不思議そうな顔をしている表示とともに、はてなマークのキャラクタを1つ表示する演出が設定されている。
ステップSa3301にて第1エラーコマンドを受信していないと判定した場合、ステップSa3303にて、上記の第2エラーコマンドを受信しているか否かを判定する。第2エラーコマンドを受信しており、回転演出を開始から3secが経過した状況では全リール32L,32M,32Rは停止しておらず、更に1sec経過した状況では全リール32L,32M,32Rは停止したものの、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが停止していない場合には、ステップSa3304にて第2エラー報知を行うための処理を実行してから本エラー報知用処理を終了する。第2エラー報知は、図71(b2)に示すように、補助表示部65にて、女の子のキャラクタが両手を広げて不思議そうな顔をしている表示とともに、はてなマークのキャラクタを2つ表示する演出が設定されている。
ステップSa3303にて第2エラーコマンドを受信していないと判定した場合、ステップSa3305にて、上記の第3エラーコマンドを受信しているか否かを判定する。第3エラーコマンドを受信しており、回転演出を開始から3secが経過した状況では全リール32L,32M,32Rは停止しておらず、更に1sec経過した状況でも全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSa3306にて第3エラー報知を行うための処理を実行してから本エラー報知用処理を終了する。第3エラー報知は、図71(b3)に示すように、補助表示部65にて、「エラー発生 店員さんを呼んでください」との文字を表示する演出が設定されている。
つまり、本変形例では、回転演出を行うにあたり、仮停止するように設定した図柄組合せが実際に有効ラインML上に仮停止したことを条件として、ATモードの開始用の演出やAT用出力端子121dを介してATモードが開始されたことの情報出力を行う構成としている。このようにすることで、回転演出上の何らかの不都合(例えば、リールの位置ズレ等)によって、ATモード開始用の図柄組合せが停止していないのにもかかわらずATモードの開始演出やAT用出力端子121dを介する情報出力が行われる、といった矛盾が生じないようにすることができる。
仮停止するように設定した図柄組合せは停止していないものの、全リール32L,32M,32Rは停止している場合、ATモード開始用の演出やAT用出力端子121dを介する情報出力は行わず、且つ、セットされている開始時フリーズフラグをクリアしないようにしている。このようにすることで、例えば、リールの停止位置がズレてしまった場合等によって、たまたまATモード開始用の図柄組合せが停止しなかった場合には、次ゲームで、再度、停止させるチャンスが付与されるようになる。よって、スムーズな遊技進行を妨げないようにしながら、各リール32L,32M,32Rによる演出を用いてATモードの開始用の演出を行うことが可能となる。
しかも、上記のように、たまたまATモード開始用の図柄組合せが停止しなかった場合には、次ゲームで再度回転演出が実行されるようにしながらも、ATモード自体は当該ゲームにて開始されており(準備モード用処理において、ATモード当選フラグのクリア処理や初期ゲーム数の50ゲームを入力する処理が実行されており)、上記のように再度の回転演出が持ち越されてもATモードの開始が持ち越されるわけではない。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rを用いたATモードの開始演出がより確実に実行されるようにしながらも、不当に遊技者に有利となり過ぎないようにすることが可能となる。
なお、上記の回転演出処理におけるステップSa3222、ステップSa3227、及びステップSa3228の全て又はいずれかの処理にてエラーコマンドの出力設定を行う際に、外部集中端子板121に設けられたエラー用出力端子をON状態とする処理を実行するようにしてもよい。エラー用出力端子の構成については、AT用出力端子121dと同様であり、ON状態とすることでエラー用出力端子から出力される信号がHI信号となり、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへエラー状態となったことの情報が出力される。エラー用出力端子は、遊技ホールの管理者による所定の操作(例えば、前面扉12の開放操作)が行われることでOFF状態となる。このようにすることで、回転演出を行うにあたって、各リール32L,32M,32Rの回転が停止せずに遊技を進行できなくなった状況を、遊技ホールの管理者等が好適に特定することが可能となる。この場合、ステップSa3222やステップSa3227では、エラーコマンドの出力設定を行うものの、エラー用出力端子はON状態とせず、ステップSa3228ではエラーコマンドの出力設定及びエラー用出力端子のON状態とする処理を行う構成としてもよい。
<変形例3>
AT用出力端子121dをON状態とするタイミングは、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止するよりも前のタイミングとしてもよく、当該図柄組合せが停止又は仮停止可能となるゲームの開始タイミングとしてもよい。
図72は、本変形例における外部出力設定第1処理を示すフローチャートである。
ステップSa3401~ステップSa3405の処理は、上記ステップSa2601~ステップSa2605の処理と同様である。ステップSa3406では第1開始時フリーズフラグ又は第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップSa3407にて、開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。開始ゲームフラグがセットされていない場合には、そのまま外部出力設定第1処理を終了する。ステップSa3407にて開始ゲームフラグがセットされており、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合、又はステップSa3406にていずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップSa3408にてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行してから、本外部出力設定第1処理を終了する。
既に説明した通り、ATモード移行抽選に当選したことの報知としてAT当選報知演出が行われることで準備モードに移行する構成としたところ、少なくとも当該AT当選報知演出の実行以後であれば、上記のようにATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止するよりも前にAT用出力端子121dをON状態としても、実際にATモードに移行した回数とATモードに移行したことの情報が出力された回数とにズレは生じない。よって、上記のようにしたとしても、外部集中端子板121を介してスロットマシン10に接続されているデータ表示器やホールコンピュータにて、ATモードの移行回数を好適に管理することが可能である。
<変形例4>
AT用出力端子121dをON状態とするタイミングを、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止したタイミングよりも後のタイミングとしてもよく、当該仮停止したタイミングよりも後のタイミングであって所定条件が成立したタイミングとしてもよい。本変形例では、上記の所定条件として、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止してから第1小役入賞~第6小役入賞が所定回数成立したことが設定されている。
図73は、本変形例における外部出力設定第2処理を示すフローチャートである。
ステップSa3501~ステップSa3503の処理は上記ステップSa2501~ステップSa2503の処理と同様である。ステップSa3504では、開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定し、セットされており、準備モード中にATモード開始用の結果当選となったゲームである場合には、ステップSa3505にて第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞が成立している場合、ステップSa3506にて、各種フラグ格納エリア106dに予約出力フラグをセットする処理を実行してから、本外部出力第2処理を終了する。ステップSa3504又はステップSa3505にて否定判定した場合、そのまま本外部出力設定第2処理を終了する。上記のように予約出力フラグは、AT用出力端子121dをON状態とする予約状態であることをCPU102が把握するためのフラグである。
なお、本変形例では、外部出力設定第1処理を実行せず、予約出力カウンタにて管理する予約状態の設定は行わない。そのため、本変形例におけるタイマ更新処理では、予約出力カウンタが0となることでAT用出力端子121dをON状態とする処理は実行しない。
図74は、本変形例における回転演出処理を示すフローチャートである。
本変形例では、上記第1aの実施形態αにおけるステップSa2301~ステップSa2318と同様に、ステップSa3601~ステップSa3618にて第1回転演出や第2回転演出を実行するための処理を行った後、ステップSa3619にて上記の予約出力フラグをセットする処理を実行してから、回転演出処理を終了する。
すなわち、本変形例では、ATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せが停止又は仮停止することによりAT用出力端子121dをON状態とする予約状態に設定する。
図75は、本変形例におけるATモード用処理を示すフローチャートである。
ステップSa3701では、予約出力フラグがセットされているか否かを判定する。予約出力フラグがセットされている場合には、ステップSa3702にて押し順ベル入賞、すなわち第1小役入賞~第6小役入賞が成立したか否かを判定する。第1小役入賞~第6小役入賞が成立している場合、ステップSa3703にて各種カウンタエリア106eに設けられた入賞カウンタに1加算する処理を実行する。入賞カウンタは、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止してから第1小役入賞~第6小役入賞が成立した回数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSa3703の処理を実行した後は、ステップSa3704にて上記の入賞カウンタが所定数としての5に至ったか否かを判定する。入賞カウンタが5である場合、ステップSa3705にてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行し、ステップSa3706にて予約出力フラグをクリアする処理を実行する。ステップSa3701、ステップSa3702及びステップSa3704のいずれかで否定判定した場合、又はステップSa3707の処理を実行した後は、ステップSa3708に進む。ステップSa3708~ステップSa3712の処理は、上記ステップSa1501~ステップSa1505の処理と同様である。
すなわち、本変形例では、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止することでAT用出力端子121dをON状態とする予約状態に設定され、当該予約状態において第1小役入賞~第6小役入賞が5回成立した場合に所定条件が成立したとしてAT用出力端子121dがON状態に設定される。このようにしても、データ表示器やホールコンピュータでATモードに移行した回数を好適に把握することができる。また、このように、ATモードに開始した後のゲームでATモードに移行したことの情報出力が行われるようにすることで、ATモードが開始されることの報知がスロットマシン10にて行われた後でデータ表示器の更新が行われる構成となり、ATモードへの移行が生じたことの演出が複数の箇所で行われる構成において、それぞれの箇所での演出タイミングが重複しないようになり、それぞれの演出を別々の箇所で行うことによって見逃されてしまう事象を好適に回避することが可能となる。
しかも、遊技の結果としてATモード開始用の結果入賞が成立した場合だけでなく、上記のように回転演出においてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止した場合にも、予約状態に設定する構成としていることから、回転演出が遊技進行に必要な演出であることを強く印象付けることが可能となり、回転演出による演出効果を好適に高めることができる。
<第1aの実施形態β>
本実施形態は、回転演出においてストップスイッチ42~44に基づいて各リール32L,32M,32Rを仮停止させる構成とする。図76は、本実施形態における回転演出処理を示すフローチャートである。
ステップSa3801では、第1開始時フリーズフラグ又は第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa3802にて、今回のゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選であるか否かを判定する。ステップSa3801にていずれの開始時フリーズフラグもセットされていない場合には、そのまま回転演出処理を終了する。ステップSa3802にて今回のゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選ではない場合には、ステップSa3803に進む。また、今回のゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選である場合、ステップSa3829にて準備モード中の回転演出であるか否かを判定し、準備モード中である場合(AT準備カウンタが0よりも大きい場合)にも、ステップSa3803に進む。ステップSa3829にてAT準備カウンタが0である場合には、そのまま回転演出処理を終了する。これらステップSa3801、ステップSa3802及びステップSa3829の処理は、上記第1aの実施形態αにおける対応する処理と同様である。
ステップSa3803では、回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。既に説明した通り、回転演出コマンドを受信した表示制御装置81は、回転演出(図57(a))が行われるように補助表示部65等の制御を行う(ステップSa2403)。続くステップSa3804では、疑似遊技コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。疑似遊技コマンドは、回転演出中のストップスイッチ42~44の操作に基づく各リール32L,32M,32Rの仮停止と、通常のストップスイッチ42~44の操作に基づく各リール32L,32M,32Rの停止(ステップSa404~ステップSa413)とを、遊技者が明確に区別可能とするように、当該回転演出中の操作や仮停止であることの報知を補助表示部65やスピーカ64等を通じて行うようにするためのコマンドである。なお、以下の説明では、回転演出中の操作や仮停止を「疑似遊技」とも称し、回転演出中の操作や仮停止であることの報知を「疑似遊技報知」とも称する。また、通常のストップスイッチ42~44の操作に基づく各リール32L,32M,32Rの停止(ステップSa404~ステップSa413)を、疑似遊技と区別すべく、当該通常の操作や停止を「通常遊技」とも称する。
ちなみに、「通常遊技」と「疑似遊技」とは、以下のような違いもある。すなわち、通常遊技においては、ゲームの抽選結果に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止することで、当該抽選結果に対応する特典(遊技価値)が付与される一方、疑似遊技では、ゲームの抽選結果に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止又は仮停止しても、当該抽選結果に対応する特典(遊技価値)が付与されない。つまり、通常遊技は、払出判定処理(ステップSa414)の判定対象となる遊技である一方、疑似遊技は払出判定処理の判定対象とならない遊技といえる。
続くステップSa3805では、回転カウンタに第9期間(3sec)に相当する2013を入力する処理を実行する。そして、ステップSa3805にて全リール32L,32M,32Rの回転が開始されるようにステッピングモータを制御する処理を実行する。この場合、通常の回転開始処理(ステップSa403)と同様の加速度にて定速回転(VN)に至るようにステッピングモータを制御する。そして、ステップSa3807では回転カウンタが0に至ったか否かを判定し、0に至るまでステップSa3807にて待機する。
ステップSa3807にて肯定判定し、全リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから第9期間が経過した場合には、ステップSa3808にてストップスイッチ42~44の疑似有効化処理を実行する。かかる疑似有効化処理では、ストップスイッチ42~44の操作を受け付けない状態からストップスイッチ42~44の操作を受け付ける状態とし、より詳しくは、ストップスイッチ42~44の操作をストップ検出センサ42a~44aが検出しない状態から検出する状態としたり、ストップ検出センサ42a~44aがストップスイッチ42~44の操作を検出しても有効な操作としない状態から有効な操作とする状態としたりする処理を行う。
続くステップSa3809では、操作指示コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。操作指示コマンドは、上記の疑似有効化処理が行われたこと、及び当該回転演出を用いた疑似遊技においてストップスイッチ42~44を操作すべきタイミングであることを遊技者に対して報知するための演出(操作指示演出)を補助表示部65やスピーカ64等にて行わせるためのコマンドである。そして、ステップSa3810にて、回転カウンタに第10期間(5sec)に相当する3365を入力する処理を実行する。
続くステップSa3811では、ストップ検出センサ42a~44aの検出結果に基づき、回転中のリール32L,32M,32Rに対応するストップスイッチ42~44の操作が行われたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44の操作も行われていない場合や、操作されていても既に仮停止しているリール32L,32M,32Rに対応するストップスイッチ42~44の操作である場合には、ステップSa3812にて回転カウンタが0となったか否かを判定し、0となっておらず上記の第10期間が経過していない場合には、ステップSa3811に戻る。
ステップSa3811にていずれかのストップスイッチ42~44の操作が行われた場合には、ステップSa3813に進み、今回操作されたストップスイッチ42~44の疑似無効化処理を実行する。具体的には、今回操作されたストップスイッチ42~44の操作をストップ検出センサ42a~44aが検出する状態から検出しない状態としたり、ストップ検出センサ42a~44aがストップスイッチ42~44の操作を検出した場合に有効な操作とする状態から有効な操作としない状態としたりする処理を行う。そして、ステップSa3814にて、疑似操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。疑似操作コマンドを受信した表示制御装置81は、ストップスイッチ42~44が操作されたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うための処理を実行する。
ステップSa3814の処理を実行した後は、ステップSa3815にて、第1開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。第1開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップSa3816にて、今回操作が行われたストップスイッチ42~44に対応するリールの有効ラインML上に、第2再遊技入賞となる図柄を停止させるようにステッピングモータを駆動制御する処理を行う。一方、ステップSa3815にて第1開始時フリーズフラグがセットされておらず、第2開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップSa3817にて、今回操作が行われたストップスイッチ42~44に対応するリールの有効ラインML上に、第3再遊技入賞に対応する図柄を停止させるようにステッピングモータを駆動制御する処理を行う。
ここで、ステップSa3816やステップSa3817の駆動制御処理では、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第2再遊技入賞となる図柄や第3再遊技入賞となる図柄を有効ラインML上に停止させる。すなわち、通常遊技では、ストップスイッチ42~44が操作されたタイミングから最大で4図柄分だけ離れた図柄を有効ラインML上に停止させることが可能としていたが、疑似遊技では、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、対象とする図柄を有効ラインML上に停止させ、最大で19図柄分離れた図柄を有効ラインML上に停止させることが可能となるように設定している。
ステップSa3816又はステップSa3817の処理を実行した後は、ステップSa3818に進み、全リール32L,32M,32Rが仮停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが仮停止していない場合には、ステップSa3819にて回転カウンタが0となり、疑似遊技においてストップスイッチ42~44の操作が有効化されてから(ステップSa3808)、第10期間としての5secが経過したか否かを判定し、5secが経過していない場合には、ステップSa3820に進む。
ステップSa3820では、第1クレジット投入スイッチ56が操作されたか否かを判定する。操作されていない場合には、ステップSa3811に戻り、ストップスイッチ42~44の操作が行われるまで待機する。一方、ステップSa3820にて第1クレジット投入スイッチ56が操作されたと判定した場合は、ステップSa3821にて回転カウンタを0にクリアする。
ステップSa3812やステップSa3819にて回転カウンタが0となったと判定した場合や、ステップSa3821にて第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づき回転カウンタを0とした後は、ステップSa3822に進む。ステップSa3822では、停止していないリール32L,32M,32Rを仮停止させる処理を実行する。すなわち、有効ラインML上に、第2再遊技入賞に対応する図柄や第3再遊技入賞に対応する図柄を仮停止させるようにステッピングモータを駆動制御する処理を実行する。その後、ステップSa3823にて、全リール32L,32M,32Rが仮停止したことの確認処理を繰り返し実行する。
全リール32L,32M,32Rが仮停止することでステップSa3823にて肯定判定し、ステップSa3824に進む。また、ステップSa3818にて全リール32L,32M,32Rが仮停止したと判定した場合にも、ステップSa3824に進む。ステップSa3824では、始動時AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。そして、ステップSa3825にてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行し、ステップSa3826~ステップSa3827にて、当該仮停止された状態を第5期間(5sec)に亘って維持する処理を実行し、ステップSa3828にてセットされている開始時フリーズフラグをクリアする処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。ステップSa3824~ステップSa3828の処理は、上記ステップSa3216~ステップSa3220の処理と同様である。
図77は、本変形例における回転演出用処理を示すフローチャートである。
ステップSa3901では回転演出コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップSa3902にて準備モードフラグをクリアし、ステップSa3903にて回転演出を設定する処理を実行する。ステップSa3901~ステップSa3903の処理は、ステップSa2401~ステップSa2403の処理と同様である。
ステップSa3901にて否定判定した場合、又はステップSa3903の処理を実行した後は、ステップSa3904にて、上記の疑似遊技コマンドを受信しているか否かを判定する。疑似遊技コマンドを受信している場合には、ステップSa3905にて疑似遊技演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。
疑似遊技演出としては、例えば、図78(a)に示すように、補助表示部65における所定領域(図では右上)にて「疑似遊技中」といった文字のキャラクタによる疑似遊技画像GPを表示する演出が設定されている。疑似遊技画像GPは、遊技者が、当該画像が表示されていること、及び、その文字を把握できる程度の大きさ(例えば、疑似遊技中の文字の大きさが20pt以上の大きさ)に設定されている。
ステップSa3904にて否定判定した場合、又はステップSa3905の処理を実行した後は、ステップSa3906にて、上記の操作指示コマンドを受信しているか否かを判定する。操作指示コマンドを受信している場合には、ステップSa3907にて疑似有効演出を行うように設定する処理を実行する。疑似有効演出は、上記のステップSa3808の疑似有効化処理が行われたことを遊技者に把握させるための演出であり、具体的には、図78(a)に示すように、ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを消灯状態から点灯状態に切り替える処理を行う。
続くステップSa3908では、今回の回転演出の種類に応じて、第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞に対応する操作指示演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。つまり、第1回転演出を行っている場合には、第2再遊技入賞に対応する押し順を報知する操作指示演出を行うようにし、第2回転演出を行っている場合には、第3再遊技入賞に対応する押し順を報知する操作指示演出を行うようにする。
ステップSa3908にて設定する操作指示演出としては、図78(a)に示すように、図56(a)や図56(b)における押し順報知演出と同様に、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序を報知するとともに、第2再遊技入賞となる図柄や第3再遊技入賞となる図柄を報知する演出が設定されている。この場合、操作指示演出において報知するストップスイッチ42~44の操作順序は、通常リプA~C当選時に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる操作順序であり、いずれの通常リプA~Cに対応する操作順序を報知するかについては、抽選等によりランダムに決定される。
このように、準備モードにおいてATモード開始用の結果当選となった場合に実行される演出と同様の演出が、回転演出における疑似遊技においても実行される。その一方で、疑似遊技においては上記の疑似遊技画像GPが表示されることから、通常遊技においてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄を停止させるべき状況と、疑似遊技においてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄を停止させるべき状況とで見た目上識別できない又はしにくい演出を実行しながらも、当該疑似遊技画像GPを確認することで、遊技者は両状況を明確に区別することが可能となる。
ステップSa3906にて否定判定した場合、又はステップSa3908の処理を実行した後は、ステップSa3909に進む。ステップSa3909では、疑似操作コマンドを受信したか否かを判定する。疑似操作コマンドを受信しており、ストップスイッチ42~44の操作が行われ場合、ステップSa3910にて、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを点灯状態から消灯状態とすることで上記の疑似有効演出を終了する処理を実行する。この場合、図78(b)に示すように、有効ラインML上に対応する図柄が仮停止する。そこで、ステップSa3910では、例えば、当該仮停止することに対応する効果音をスピーカ64から発せられるようにしたり、補助表示部65の操作指示演出をストップスイッチ42~44の操作に対応させて更新したりする処理を実行してもよい。
ステップSa3909にて否定判定した場合、又はステップSa3910の処理を実行した後は、ステップSa3911に進む。ステップSa3911では、始動時AT開始コマンドを受信したか否かを判定し、受信している場合には、ステップSa3912にて始動時AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。始動時AT開始演出は、上記のように、例えば、図57(b)に示す演出である。
続くステップSa3913では、上記の疑似遊技演出を終了するための処理を実行する。具体的には、上記の疑似遊技画像GPの表示を終了する処理を行う。続くステップSa3914では、疑似有効演出が継続されている場合にはそれを終了するための処理を実行する。具体的には、ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bのいずれか又は全部が点灯状態のままである状況で始動時AT開始コマンドを受信した場合には、すなわち、第1クレジット投入スイッチ56の操作等により回転カウンタが0とされて仮停止した場合には、点灯状態のストップランプ42b~44bを消灯状態に切り替える処理を行う。ステップSa3911にて否定判定した場合、又はステップSa3914の処理を実行した後は、回転演出用処理を終了する。
本実施形態における回転演出の流れについて、図79のタイミングチャートを参照しながら説明する。
te1のタイミングで回転演出が実行されるゲームが開始されると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるとともに、疑似遊技演出が開始されて疑似遊技画像GPの表示が行われる。te2のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速回転(VN)に至った後、te3のタイミングで回転開始から第9期間としての3secが経過すると、疑似有効化処理が実行され、ストップスイッチ42~44のストップランプ42b~44bが点灯状態とされて当該疑似有効化処理が行われたことの報知が行われる。また、当該te3のタイミングで操作指示演出が実行され、ストップスイッチ42~44を操作して第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄を停止させることが促される。
te4のタイミング、te6のタイミング、te8のタイミングでそれぞれストップスイッチ42~44が操作されると対応するリール32L,32M,32Rがte5のタイミング、te7のタイミング、te9のタイミングでそれぞれ停止して、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインML上に仮停止する。ちなみに、疑似有効演出は、各ストップスイッチ42~44が操作されるとそれぞれ終了し、最終的には、3番目のストップスイッチ42~44の操作タイミングであるte8のタイミングで疑似有効演出が終了することになる。
そして、te9のタイミングにて始動時AT開始演出が実行されるとともに、AT用出力端子121dがON状態とされてATモードへの移行が生じたことの情報の出力が行われる。当該図柄組合せが仮停止した状態は、5secに亘ってその状態が維持され、te10のタイミングでte1のタイミングで開始されたゲームにおける回転開始処理(ステップSa403)が実行されて、各リール32L,32M,32Rの回転が開始する(通常遊技が開始される)。その後、te12のタイミングにてストップスイッチ42~44の操作が有効化されて、te13のタイミングで最終停止操作が行われると、te14のタイミングで最終リールが停止し、te1のタイミングで開始されたゲームが終了する。
このように、本実施形態では、回転演出にてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作を契機として仮停止させる構成としたことから、自らの操作でATモードの開始を勝ち取った印象をより強く与えることが可能となる。
そして、このように疑似遊技において自らの操作にて各リール32L,32M,32Rを仮停止させたことに基づいて、AT用出力端子121dからの情報出力が行われる構成であることから、自らの操作にてATモードの開始を勝ち取った印象を与えるとともに、当該疑似遊技が遊技進行(ATモードの開始)に必要不可欠な遊技である印象も強く与えることが可能となる。
<変形例1>
上記第1aの実施形態βでは、疑似遊技をゲームの開始時とし、疑似遊技の後で通常遊技が行われる構成としたが、本変形例では、疑似遊技の実行タイミングの変形例を説明する。図80(a)は、一のゲームにおいて通常遊技と通常遊技との間で疑似遊技が行われる例を示している。
具体的には、tf1からtf7を一のゲームとして、tf1にてスタートレバー41の操作が行われた場合に、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させて通常遊技を開始させ、続くtf2にてストップスイッチ42~44の操作を有効化する。そして、例えば、複数あるリール32L,32M,32Rのうち、第1のリール、及び第2のリールの停止操作が行われ、これら第1のリール及び第2のリールが停止したtf3のタイミングで、通常遊技を一旦中断する。この場合、例えば、第1のリール及び第2のリールでは、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを構成する図柄が停止しているとよい。
そして、続くtf4のタイミングで、疑似遊技中表示及び疑似有効中表示を開始するととも、疑似有効化処理を実行して、疑似遊技を行わせる。この場合、上記のように第1のリール及び第2のリールは既に停止しており、疑似遊技の対象は、未停止の第3のリールとする。
疑似遊技において、第3のリールについての停止操作が行われてtf5のタイミングで当該第3のリールが仮停止し、その仮停止した図柄と、上記第1のリール及び第2のリールの停止図柄とによって、例えば、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが形成された状態となっていれば、同tf5のタイミングATモードの開始演出を実行するとともに、AT用出力端子121dをON状態に設定する。また、tf5にて疑似無効化処理を実行するとともに、疑似遊技中表示や疑似有効中表示を終了する。その後、一連のATモードの開始演出が終了するtf6にて、再度第3のリールを回転開始させたうえで、ストップスイッチ43の操作を有効化して、tf7にて当該ストップスイッチ43の操作に基づき中リール32Mを停止させて、tf1にて開始したゲームを終了する。
このように、疑似遊技を通常遊技と通常遊技との間に行う構成とすることで、疑似遊技にて仮停止させる図柄と、それよりも前に実行された通常遊技において停止させた図柄とを用いて、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを表示させる等して、ATモードの開始演出やAT用出力端子121dからの情報出力と、停止出目との関連付けを行う、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
この場合、以下のように、回転演出を実行する対象ゲームの抽選結果入賞となる図柄を有効ラインML上に停止させながら、有効ラインMLとは異なる位置にATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せを仮停止させることも可能である。
すなわち、図81(a)に示すように、回転演出処理にて、ステップSa3951にていずれかの開始時フリーズフラグがセットされていると判定した場合、ステップSa3952にて今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cであるか否かを判定し、通常リプA~Cである場合には、上記のステップSa3829に進む。通常リプA~Cではない場合には、ステップSa3953にて、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合、上記のステップSa3803に進み、ゲームの開始時に疑似遊技としての第1回転演出や第2回転演出を行うための処理を実行する。
これに対して、回転演出の対象ゲームの抽選結果が押し順ベル当選である場合、ステップSa3953にて肯定判定し、ステップSa3954にて各種フラグ格納エリア106dに途中疑似遊技フラグをセットする処理を実行し、続くステップSa3955にて途中疑似遊技コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。
この場合、ゲームの開始時に疑似遊技としての回転演出は実行されず、リール制御処理における回転開始処理(ステップSa403)にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。途中疑似遊技コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームの抽選結果である押し順ベル当選に基づく押し順報知コマンドと、当該途中疑似遊技コマンドとに基づいて、例えば、図81(c)に示すように、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を狙わせる操作指示報知を実行するとともに、その操作指示報知における操作順序を、今回の押し順ベルにおいて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序を報知するようにする。つまり、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄のキャラクタ(図における、「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄の第3再遊技入賞に対応する図柄のキャラクタ)を補助表示部65にて表示するとともに、操作順序としては中逆押しベル1,2における第4小役入賞に対応する操作順序を補助表示部65にて表示するように制御する。
この場合、当該操作指示報知に基づいてストップスイッチ42~44を操作し、右リール32Rを第1のリールとして「赤7」図柄を狙って操作し、左リール32Lを第2のリールとして「白7」図柄を狙って操作すると、図81(d)に示すように、右上がりラインL5に「ベル」図柄がテンパイして第4小役入賞が成立し得る状態となるとともに、右下がりラインL4に第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが仮停止し得る状態となる。
リール制御処理では、図81(b)に示すように、ステップSa411にてリール停止処理を実行し、ステップSa412にて全てのリールが停止していないと判定し、ステップSa413にて停止情報第2設定処理を実行した後、ステップSa3961にて、第2のリールが停止したか否かを判定する。すなわち、今回のステップSa411のリール停止処理が2番目のリールの停止処理であったか否かを判定する。第2のリールの停止処理であった場合、ステップSa3962にて、上記の途中疑似遊技フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa3963にて当該途中疑似遊技フラグをクリアしたうえで、ステップSa3964にて疑似遊技コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。その後、ステップSa3808~ステップSa3828の疑似遊技を行うための処理を実行し、ステップSa3965にて第3のリールの回転を開始させる処理を実行してから、ステップSa404に戻る。また、ステップSa3961やステップSa3962にて否定判定した場合には、疑似遊技用の処理を実行することなく、ステップSa404に戻る。
表示制御装置81では、ステップSa3964にてセットされる疑似遊技コマンドに基づいて、図81(e)に示すように、疑似遊技画像GPを表示して疑似遊技中表示を開始する。この場合、上記の通り、既に第1リール及び第2リールは通常遊技にて停止しているため、中リール32Mに「白7」図柄を狙うべき状況であることの報知が上記の疑似遊技画像GPとともに表示される。そして、当該報知に基づき、中ストップスイッチ43を操作すると、回転演出処理では、中リール32Mを仮停止させる停止制御を実行し(ステップSa3816、ステップSa3817)、全リール仮停止したことにより(ステップSa3818:YES)、始動時AT開始コマンドをセットするとともに、AT用出力端子121dをON状態とする処理が行われる。
そして、右下がりラインL4に第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止した状態が5secに亘って維持された後、ステップSa3965にて第3のリールの回転が開始される(図81(g))。この場合、通常遊技が再開され、第3のリールの停止操作が行われると、図81(h)に示すように、第4小役入賞が成立することになり、当該入賞に基づくメダルの払い出しが行われる。
以上のように、通常遊技にて停止させた図柄と、疑似遊技にて仮停止させた図柄とを用いて、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを表示させるようにすることで、全ての停止操作を疑似遊技にて行わせる構成よりも、一のゲームにおいて停止操作する回数を減らすことが可能となり、通常遊技でのゲームの抽選結果に対応する特典付与を行いながらも、当該ATモード開始用の図柄組合せを表示させてATモードを開始させたり、ATモードが開始されたことの演出やその情報の外部出力を行ったりする構成において、ゲームのスムーズな進行が実現される。
この場合、疑似遊技を行ったリールについては、当該疑似遊技に基づく演出等を行った後、再度回転させて通常遊技にて停止操作を行わせる構成とし、その通常遊技の停止操作に基づく停止後に、払出判定処理や入賞結果対応処理等が実行される。つまり、疑似遊技にて通常遊技の停止出目を利用するにしても、全てのリールについて通常遊技の実行機会は確保されており、通常遊技の遊技性を侵すことない。よって、通常遊技において特殊な制御や操作等を必要とせず、疑似遊技の演出効果を好適に期待することができる。
<変形例2>
本変形例では、疑似遊技を通常遊技の後で実行する。すなわち、図80(b)に示すように、tg1からtg8を一のゲームとして、tg1にてスタートレバー41の操作が行われた場合に、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させて通常遊技を開始させ、続くtg2にてストップスイッチ42~44の操作を有効化する。そして、tg3にて通常遊技における最終停止操作が行われると、全リール32L,32M,32Rを停止させる。例えば、tg1にて開始したゲームの抽選結果が準備モード中のATモード開始用の結果当選であって、当該tg3の最終停止操作により停止した結果が、当該ATモード開始用の結果入賞ではなかった場合、tg3にて全リール32L,32M,32Rを停止させた後、そのまま当該ゲームを終了せず、tg4にて各リール32L,32M,32Rの回転を開始させて疑似遊技及び疑似遊技中表示を開始させる。そして、tg5にて疑似有効化処理を実行するとともに疑似有効中表示を開始させ、tg6にて疑似遊技における最終停止操作に基づいて、疑似無効化処理を実行するとともに、疑似有効中表示を終了する。この場合、上記のATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる構成とするとよい。そして、当該仮停止タイミングであるtg7にてAT開始演出を実行するとともに、AT用出力端子121dをON状態とする。その後、tg8にて、疑似遊技中表示を終了することで、tg1にて開始されたゲームが終了する。
なお、疑似遊技の実行後、例えばtg7よりも後であってtg8よりも前に、各リール32L,32M,32Rを回転開始させてから、通常遊技にて停止させた図柄組合せ(tg3の最終停止操作後に停止した図柄)を再度有効ラインML上に停止させてから一のゲームを終了してもよい。この場合、当該再停止させた後で、払出判定処理や入賞結果対応処理を実行する構成とするとよい。
疑似遊技の実行後、上記のように再停止させずに、疑似遊技にて停止させた図柄のまま払出判定処理や入賞結果対応処理を実行する構成としてもよい。この場合、通常遊技にて停止させた図柄等をCPU102が一時記憶しておき、払出判定処理や入賞結果対応処理を実行する構成とするとよい。このようにすることで、最終的に停止している停止出目(疑似遊技にて停止させた停止出目)に対応しない特典が払出判定処理等により付与されることとなり、斬新な遊技性を実現することが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、疑似遊技である旨を報知するための構成の変形例を説明する。
図82(a)では、区間表示器としての指示モニタ68にて疑似遊技である旨の報知を行う例を示している。具体的には、指示モニタ68において、第1表示用セグメントN1~第8表示用セグメントN8の他に、第9表示用セグメントN9を設ける。第9表示用セグメントN9は、第1表示用セグメントN1~第8表示用セグメントN8と同様に、主制御装置101により個別に点灯/消灯の制御が可能となっている。また、指示モニタ68の表面には、第9表示用セグメントN9を指し示すように、「疑似遊技中」といった印字が施されており、第9表示用セグメントN9が点灯状態となることで疑似遊技である旨の報知が行われる状態となり、第9表示用セグメントN9が消灯状態となることで疑似遊技ではない旨の報知が行われる(疑似遊技である旨の報知が行われない)状態となる。
このように、疑似遊技である旨の報知が、主制御装置101に直接制御される指示モニタ68にて行われるようにすることで、当該疑似遊技である旨の報知の信頼性が向上する。よって、遊技者は、通常遊技と疑似遊技との違いを明確に把握しながら遊技を進行することが可能となり、一のゲームにおいて通常遊技で得られた特典と疑似遊技にて得られた利益とがわからなくなってしまうことを抑制することができる。
言い換えるならば、表示制御装置81側で実行する疑似遊技である旨の報知については、当該報知ですら演出に用いることが可能である。例えば、通常遊技において疑似遊技である旨の報知を行う構成としてもよく、通常遊技中の所定条件下で疑似遊技である旨の報知を行う構成としてもよく、例えば、疑似遊技が行われる可能性があるゲームの通常遊技中に疑似遊技である旨の報知を行ったうえで、その後、当該ゲームにて疑似遊技を行う場合と行わない場合とがあるようにしてもよい。
図82(b)では、第1位置と当該第1位置とは異なる第2位置とに変位可能な変位手段としての可動役物によって、疑似遊技である旨の報知を行う例を示している。具体的には、可動役物として表面に「疑似」といった印字が施された役物78を設け、当該役物78が第1位置としての上部ランプ63の背面(図82(b1))と、第2位置としての補助表示部65の前方(図82(b2))とに図示しない駆動部を表示制御装置81が制御することで変位可能とする。役物78が第1位置に配置されると、当該役物78は遊技者から視認できなくなり又は視認しにくくなり、役物78が第2位置に配置されると第1位置に配置されるよりも役物78を視認し易くなり、具体的には、視認可能となる。そして、表示制御装置81により役物78が第2位置に変位することで疑似遊技である旨の報知が行われる状態となり、役物78が第1位置に変位することで疑似遊技ではない旨の報知が行われる(疑似遊技である旨の報知が行われない)状態となる。
このように、役物78の動作によって疑似遊技である旨の報知が行われる構成とすることで、遊技者が当該報知を見逃しにくくなり、通常遊技と疑似遊技との差を明確に把握しながら遊技を行わせる効果を高めることが可能となる。
<第1aの実施形態γ>
上記第1aの実施形態α及び第1の実施形態βでは、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合であって、当該ATモード開始用の結果入賞が成立した場合にはATモードを開始させ、当該ATモード開始用の結果入賞が成立しなかった場合には、回転演出にてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させてATモードを開始させる構成とした。これに対して本実施形態では、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合であって、当該ATモード開始用の結果入賞が成立した場合であっても、所定条件が成立していないと回転演出にてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させてATモードを開始させ、ATモード開始用の結果入賞が成立した場合において上記所定条件が成立していれば、回転演出を実行せずにATモードを開始させない構成とする。
図83(a)に示すように、本実施形態では、入賞態様として、上記第1再遊技~第12再遊技の他に、第13再遊技が設定されている。第13再遊技は、左リール32Lの「赤7」図柄、中リール32Mの「ベル」図柄、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。第13再遊技入賞が成立する場合、図83(c)に示すように、中ラインL2には「赤7」図柄が揃って停止する。
図83(b)に示すように、本実施形態では、インデックス値IV=1~3にて当選となると、上記第1aの実施形態αの当選役に加えて上記の第13再遊技にも当選する。つまり、インデックス値IV=1にて通常リプA当選となると、第1再遊技当選~第4再遊技当選に加えて、第13再遊技当選となる。また、インデックス値IV=2にて通常リプB当選となると、第1再遊技当選~第4再遊技当選、第6再遊技当選に加えて、第13再遊技当選となる。そして、インデックス値IV=3にて通常リプC当選となると、第1再遊技当選~第3再遊技当選、第5再遊技当選、第6再遊技当選に加えて、第13再遊技当選となる。
本実施形態では、ATモード開始用の結果として、インデックス値IV=1~3にて当選となった場合に入賞が可能となる上記の各種再遊技が設定されている。つまり、本実施形態では、準備モードにおいて通常リプAに当選となって、第1再遊技入賞~第4再遊技入賞、又は第13再遊技入賞が成立した場合にATモードが開始され得るものであり、準備モードにおいて通常リプBに当選となって、第1再遊技入賞~第4再遊技入賞、第6再遊技入賞、又は第13再遊技入賞が成立した場合にATモードが開始され得るものであり、準備モードにおいて通常リプCに当選となって、第1再遊技入賞~第3再遊技入賞、第5再遊技入賞、第6再遊技入賞、又は第13再遊技入賞が成立した場合にATモードが開始され得るものとして設定されている。
但し、本実施形態では、準備モードにおいて上記通常リプA~Cに当選となった場合において、各種再遊技入賞が成立した場合であっても、所定条件のうちの第1条件として第13再遊技入賞が成立した場合であって、所定条件のうちの第2条件として第13再遊技入賞時のストップスイッチ42~44の操作態様が特定操作態様であった場合には、回転演出を行わずに、且つATモードも開始させない構成としている。そして、通常リプA~Cに当選となった場合において、第13再遊技以外の再遊技入賞が成立して所定条件のうちの第1条件が成立していない場合や、第13再遊技入賞が成立している場合であっても入賞時にストップスイッチ42~44の操作態様が特定操作態様ではなく、所定条件のうちの第2条件が成立していない場合には、ATモードが開始される。
本実施形態では、上記の第2条件としての特定操作態様を第13再遊技入賞時の各リール32L,32M,32Rのスベリコマ数が所定数(1)以下となるようなストップスイッチ42~44の操作態様として設定している。つまり、準備モードにおいて通常リプA~Cに当選した場合に、各リール32L,32M,32Rのスベリコマ数を1又は0となるように第13再遊技入賞を成立させた場合にはATモードが開始されず、各リール32L,32M,32Rのスベリコマ数が2~4となるように第13再遊技入賞を成立させた場合には回転演出を経てATモードが開始される。
より具体的には、第13再遊技入賞を成立させる場合には、図83(d)に示すように、左リール32Lの12番目の「スイカ」図柄から14番目の「赤7」図柄が中段に到達したタイミングでストップスイッチ42を操作し、中リール32Mの13番目の「赤貝」図柄から15番目の「ベル」図柄が上段に到達したタイミングでストップスイッチ43を操作し、右リール32Rの12番目の「赤貝」図柄から15番目の「BAR」図柄が上段に到達したタイミングでストップスイッチ44を操作する必要がある。これに対して、上記の所定条件を成立させるように第13再遊技入賞を成立させるためには、左リール32Lの13番目の「青年」図柄から14番目の「赤7」図柄が中段に到達したタイミングでストップスイッチ42を操作し、中リール32Mの14番目の「赤7」図柄から15番目の「ベル」図柄が上段に到達したタイミングでストップスイッチ43を操作し、右リール32Rの14番目の「赤7」図柄から15番目の「BAR」図柄が上段に到達したタイミングでストップスイッチ44を操作する必要がある。第2条件に関わらず第13再遊技入賞を成立させることが可能となる図柄の範囲を引き込み範囲とし、第2条件を成立させるように第13再遊技入賞を成立させることが可能となる図柄の範囲を成功判定範囲とすると、引き込み範囲よりも成功判定範囲の方が狭くなるように(少ない図柄数の範囲となるように)設定されている。
このように、本実施形態では、準備モードにおいて通常リプA~Cに当選となった場合に第13再遊技入賞を成立させる場合のストップスイッチ42~44の操作態様によって、ATモードの開始を回避することが可能な構成としている。このようにすることで、準備モードがなるべく長く継続することを望む遊技者としては、準備モードにおいて通常リプA~C当選となった場合に、ストップスイッチ42~44の操作態様を駆使して第13再遊技入賞を成立させるようになり、かかる準備モード中の遊技性を大きく向上させることが可能となる。
但し、本実施形態においても、準備モードの継続ゲーム数には上限が設けられており、上記第1aの実施形態α及び第1aの実施形態βと同様に、準備モードを40ゲーム消化することで回転演出を経てATモードが開始される構成としている。
以下、上記のような遊技性を実現するための処理構成等について説明する。
図84は、本実施形態におけるAT開始報知用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、AT開始報知用処理は、主制御装置101にて実行される抽選結果対応処理における一処理である。
ステップSa4001では、今回のゲームの抽選結果がいずれかの通常リプA~C当選であるか否かを判定する。いずれかの通常リプA~C当選である場合、ステップSa4002にてAT準備カウンタが0よりも大きく、準備モードのゲーム数が上限に達していない状況であるか否かを判定する。準備モードのゲーム数が上限に達していない状況での通常リプA~C当選である場合には、ステップSa4003にて開始ゲームフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSa4004にて、回避指示コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT開始報知用処理を終了する。回避指示コマンドを受信した表示制御装置81は、所定条件を成立させるようにしながら第13再遊技入賞を成立させることでATモードの開始を回避させる回避指示演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように制御する。ステップSa4001又はステップSa4002にて否定判定した場合には、そのままAT開始報知用処理を終了する。
図85は、本実施形態における準備モード用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、準備モード用処理は、主制御装置101にて実行される入賞結果対応処理における一処理である。
ステップSa4101~ステップSa4105は、上記ステップSa1601~ステップSa1605の処理と同様に、第1ATモードから第2ATモードへ昇格させるための処理を実行する。続くステップSa4106では、ゲームの消化に対応させてAT準備カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSa4107にてAT準備カウンタが0となったか否かを判定する。
AT準備カウンタが0となっていない場合、ステップSa4108にて開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。開始ゲームフラグがセットされており、準備モード中に通常リプA~Cに当選したゲームである場合、ステップSa4109にて、通常リプA~C当選となった場合において入賞可能となる各種再遊技のうち、第13再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。第13再遊技入賞が成立しており、所定条件のうちの第1条件が成立している場合、ステップSa4110にて開始回避第1コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。開始回避第1コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードの開始を回避させる所定条件のうちの第1条件が成立した旨の回避第1演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように制御する。
続くステップSa4111では、各リール32L,32M,32Rのスベリコマ数を把握する処理を実行する。ここで、本実施形態では、リール制御処理においてステップSa408のスベリコマ数を算出する処理を行った場合、当該算出したスベリコマ数を各リール32L,32M,32Rに対応させて個別に記憶可能としている。より具体的には、各種カウンタエリア106eには、各リール32L,32M,32Rに対応させて左スベリ数カウンタ、中スベリ数カウンタ、右スベリカウンタが設けられており、それぞれのカウンタにスベリコマ数を入力する。ステップSa4111では、これら各スベリ数カウンタの値を把握することで、今回のゲームにおいて停止させた際の各リール32L,32M,32Rのスベリコマ数を把握することが可能である。なお、これら各スベリ数カウンタは、ゲームの終了に際して0にクリアされる。
ステップSa4112では、いずれのリール32L,32M,32Rのスベリコマ数も0又は1であるか否かを判定する。すなわち、いずれかのスベリ数カウンタが2以上である場合にステップSa4112にて否定判定することになる。
ステップSa4112にて肯定判定した場合、ステップSa4113にて開始ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa4114にて開始回避第2コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本準備モード用処理を終了する。開始回避第2コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードの開始を回避させる所定条件のうちの第2条件が成立した旨の回避第2演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように制御する。この場合、ATモードの開始用の処理は実行せず、ATモードは開始されない。
これに対して、ステップSa4109にて開始ゲームフラグがセットされているのにもか関わらず、第13再遊技入賞が成立しておらず、準備モード中に通常リプA~Cに当選して場合に第13再遊技以外の再遊技入賞が成立した場合、すなわち、ATモードの開始を回避させる所定条件のうちの第1条件が成立していない場合には、ステップSa4115に進む。また、ステップSa4112にていずれかのスベリ数カウンタが2以上であり、第13再遊技入賞を成立させる場合のストップスイッチ42~44の操作態様が特定操作態様ではなかった場合、すなわち、ATモードの開始を回避させる所定条件のうちの第2条件が成立していない場合にも、ステップSa4115に進む。
ステップSa4115では、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa4116にてATゲームカウンタに50を加算する処理を実行し、ステップSa4117にて、開始ゲームフラグをクリアする処理を実行する。続くステップSa4118では、第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa4119にて第1開始時フリーズフラグをセットする処理を実行してから、準備モード用処理を終了する。第1ATモードフラグではなく第2ATモードフラグがセットされている場合、ステップSa4120にて第2開始時フリーズフラグをセットする処理をしてから、準備モード用処理を終了する。つまり、準備モードにおいてATモード開始用の結果当選となったゲームにおいて、第1条件又は第2条件のいずれかが成立しておらず、所定条件が成立していない場合には、回転演出を経てATモードが開始される。
ステップSa4107にてAT準備カウンタが0であると判定した場合、ステップSa4121にて第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa4122にて昇格コマンドをセットする処理を実行し、ステップSa4123にて第1ATモードフラグをクリアするとともに第2ATモードフラグをセットする処理を実行する。ステップSa4121にて否定判定した場合や、ステップSa4123の処理を実行した後は、ステップSa4124にてATモード当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSa4125にてATゲームカウンタに50を加算する処理を実行してから、ステップSa4120にて第2開始時フリーズフラグをセットする処理を実行する。これら、準備モードにおいて上限ゲーム数に達した場合の処理は、上記第1aの実施形態αと同様である。
次に、本実施形態における準備モード演出設定処理について、図86(a)のフローチャートを参照しながら説明する。準備モード演出設定処理は、AT開始用処理(図49)におけるステップSa2202にて実施される処理である。
ステップSa4201では、残りゲーム数表示を更新する処理を実行する。残りゲーム数表示とは、準備モードが上限ゲーム数に達するまでのゲーム数を報知するための表示であり、具体的には、例えば、図87(a)に示すように、補助表示部65の所定領域に「残り35」といったように表示するものである。当該残りゲーム数表示は、「残り40」から「残り0」まで1ずつ更新可能としており、ステップSa4201では、ゲームの消化に際して当該残りゲーム数表示を1減算された数を示す表示に更新するための処理を行う。
続くステップSa4202では、回避指示コマンドを受信しているか否かを判定する。回避指示コマンドを受信しており、今回のゲームの抽選結果がATモード開始用の結果としての通常リプA~C当選である場合、ステップSa4203にて回避指示演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。回避指示演出としては、例えば、図87(a)に示すように、「赤7」図柄を模したキャラクタを3つ横並びで表示するとともに、「中段に狙え!!」といった文字表示を行い、第13再遊技入賞を成立させて第1条件を成立させるべきこと、及び、第13再遊技を特定操作態様(0コマスベリ、又は1コマスベリにて入賞させる操作態様)にて入賞させて第2条件を成立させるべきこと、を報知する。ステップSa4202にて否定判定した場合、又はステップSa4203の処理を実行した後は、ステップSa4204にて回避第2演出フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、準備モード演出設定処理を終了する。
次に、本実施形態における回避演出設定処理について、図86(b)のフローチャートを参照しながら説明する。回避演出設定処理は、全停止時演出設定処理(図48)におけるステップSa2222の一処理として実施される処理である。
ステップSa4211では、準備モードフラグがセットされているか否かを判定する。準備モードフラグがセットされている場合、ステップSa4212に進み、開始回避第1コマンドを受信しているか否かを判定する。開始回避第1コマンドを受信しており、第13再遊技入賞が成立し、第1条件が成立している場合には、ステップSa4213にて回避第1演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。回避第1演出としては、例えば、図87(b)に示すように、第13再遊技入賞が成立した場合に中ラインL2に揃って停止する「赤7」図柄を3つ横並びで表示して、第13再遊技入賞が成立していることを報知するとともに、「JUDGE!!」といった文字表示を実行することで、この後、第2条件が成立しているか否かが演出により報知されることの告知を行う。
ステップSa4213の処理を実行した後は、ステップSa4214にて開始回避第2コマンドを受信しているか否かを判定する。開始回避第2コマンドを受信しており、0コマスベリ又は1コマスベリによる特定操作態様にて第13再遊技が入賞し、第2条件が成立している場合には、ステップSa4215にて回避第2演出フラグをセットする処理を実行してから、本回避演出設定処理を終了する。ステップSa4211、ステップSa4212又はステップSa4114にて否定判定した場合には、そのまま回避演出設定処理を終了する。
上記ステップSa4215にて回避第2演出フラグをセットすることにより、次ゲームの準備モード演出設定処理において、ステップSa4204にて肯定判定することになる。ステップSa4204にて肯定判定した場合、ステップSa4205にて当該回避第2演出フラグをクリアし、ステップSa4206にて回避第2演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。回避第2演出としては、例えば、図88(a)に示すように、「セーフ!!」といった文字表示を行い、第2条件が成立しており、ATモードの開始を回避する所定条件を成立させることに成功した旨の報知を行う。ステップSa4206の処理を実行した後は、準備モード演出設定処理を終了する。
これに対して、準備モード中に通常リプA~Cに当選したゲームにおいて、ステップSa4212にて開始回避第1コマンドを受信しておらず、第13再遊技以外の再遊技入賞が成立している場合や、ステップSa4214にて開始回避第2コマンドを受信しておらず、2コマスベリ~4コマスベリによる操作態様にて第13再遊技が入賞した場合には、上記のように主制御装置101側の準備モード用処理にて第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグがセットされており(ステップSa4119、ステップSa4120)、当該通常リプA~Cに当選したゲームの次ゲームの開始時に、回転演出が実行される(図88(b)、図88(c))。
つまり、本実施形態では、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合において、第13再遊技を特定操作態様にて入賞させる、といった所定条件を成立させることに成功した場合には、ATモードの開始を回避することが可能となる。そして、当該所定条件を成立させることに成功し続けて準備モードを最大ゲーム数まで継続させることで、第1ATモードから第2ATモードへの昇格が行われたり、その間の上乗せ抽選等の恩恵を享受することが可能となる。その一方で、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合において、所定条件を成立させることができなければ、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止する回転演出を伴ってATモードが開始する。
この場合、ATモード開始用の結果当選となったゲームにて、所定条件を成立させる特定操作態様に成功したか否かが、当該ATモード開始用の結果当選となったゲームの次のゲームの開始時に報知されるものであり、回転演出が実行されないことで特定操作態様に成功したことが報知され、回転演出が実行されることで特定操作態様に成功しなかったことの報知が行われる。よって、なるべくATモードの開始を遅延させたい遊技者としては、回転演出が実行されないことに期待しながらスタートレバー41を操作することになる。その一方で、回転演出が実行された場合であっても、単にATモードが開始されるのではなく、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止するようにしていることから、少なくともATモードの開始をゲームの結果として勝ち取った印象を与えることが可能である。
このようにすることで、自らの操作によってATモードの開始を勝ち取る印象を与えながらも、その勝ち取ったATモードの開始を、自らの操作によって遅延させる遊技を追加することができ、回転演出を利用してATモードを開始させる遊技性を好適に向上させることが可能となる。
また、上記のように、ATモードが開始されることの報知が行われる回転演出の開始タイミングと、ATモードの開始を回避できたことの回避第2演出の実行タイミングとが、いずれも通常リプA~C当選ゲームの次ゲームの開始時としていることから、上記のようにATモードの開始を遅延させる遊技性において、当該遅延させることができたか否かの答え合わせが次ゲームの開始時に行うことが可能となり、遅延させることができたことを望みながら当該次ゲームの開始操作を行うといったように操作に力が入る面白みのある遊技性を実現することが可能となる。
しかも、ATモードの開始を回避することの所定条件のうちの第2条件については、その成否が、停止出目からは判断できないことから、上記の次ゲームの開始操作により一層力が入り、遊技の興趣向上が図られる。
第2条件の成否が判断できない状況で、そのままゲームが終了される構成としていることから、例えば、回避できたか否かの答え合わせを、一旦、休憩をはさんでから行う、といったように、遊技者の自由なタイミングで行うことが可能となる。
<第1aの実施形態δ>
上記第1aの実施形態α~第1aの実施形態γでは、ATモード当選報知演出が行われた後であって、ATモードが開始されるよりも前の準備モードにおいて、ATモード開始用の結果当選となった場合にATモードを開始させる構成としたうえで、準備モードの上限ゲーム数に達した場合にATモード開始用の結果に対応する回転演出を発生させてATモードを開始させる構成としたが、本実施形態では、それをCZモードに適用する。すなわち、本実施形態では、CZモードにおいてATモード移行抽選に当選している状況で所定結果に当選した場合には、当該ATモード移行抽選に当選していることの報知を行う構成としたうえで、CZモードにおいてATモード移行抽選に当選していても所定結果に当選しないままCZモードの上限ゲーム数に達した場合には、当該所定結果に対応する回転演出を発生させてATモード移行抽選に当選していることの報知を行う。
図89は、本実施形態におけるAT抽選用処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、ステップSa4302にて天井ゲーム数に到達したと判定した場合や、ステップSa4308にてATモード移行抽選に当選したと判定した場合には、ステップSa4309に進み、ATモード当選フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSa4310にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSa4314~ステップSa4318にて前兆モード設定用の処理を実行する。ステップSa4314~ステップSa4318の処理は、上記ステップSa817~ステップSa820の処理と同様である。また、ステップSa4308にてATモード移行抽選に当選していないと判定した場合には、ステップSa813~ステップSa816の処理と同様に、ステップSa4311~ステップSa4314にてCZモードへの移行抽選等を行ったうえで、ステップSa4314~ステップSa4318にて前兆モード設定用の処理を実行する。
これに対して、ステップSa4310にてCZモード中にATモード移行抽選に当選したと判定した場合には、前兆モード設定用の処理を行うことなく、また、CZモードを終了するための処理(ステップSa810、ステップSa811)を実行することなく、そのままAT抽選用処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合であっても、CZモードは終了せず、CZモード移行時に設定された上限ゲーム数を消化するまでCZモードは継続する構成としている。但し、上記のようにATモード移行抽選に当選したことの情報(ATモード当選フラグ)がセットされることにより、CZモードの残りのゲームでは、ATモード移行抽選は実行されず、AT上乗せ用処理が実行されることになる。
図90は、本実施形態における前兆モード用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、前兆モード用処理は、主制御装置101による入賞結果対応処理における一処理として実施される処理である。
ステップSa4401では、前兆カウンタの減算処理を実行する。そして、ステップSa4402では前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となった場合には、ステップSa4403にて前兆フラグをクリアし、ステップSa4404にてATモード当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa4405にてATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa4406にてAT種別決定処理を実行し、ステップSa4407にてAT準備カウンタに40を入力する処理を実行し、ステップSa4408にてAT当選報知コマンドをセットする処理を実行する。ステップSa4405~ステップSa4408の処理は、ステップSa4405にてATモード当選フラグをクリアする点を除き、ステップSa1205~ステップSa1207の処理と同様である。
ステップSa4408の処理を実行した後は、ステップSa4409にて、各種フラグ格納エリア106dに報知用開始時フリーズフラグをセットする処理を実行してから、前兆モード用処理を終了する。報知用開始時フリーズフラグは、ATモード移行抽選に当選していることの報知を回転演出にて実行することをCPU102が把握するためのフラグである。ATモード移行抽選に当選していることの報知を回転演出にて行うための構成については、後に詳細に説明する。
ステップSa4404にてATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことを契機とするものであった場合、ステップSa4410~ステップSa4413にてCZモードを開始するための処理を実行してから、前兆モード用処理を終了する。ステップSa4410~ステップSa4413の処理は、上記ステップSa1208~ステップSa1211の処理と同様である。
図91は、本実施形態におけるAT当選報知用処理を示すフローチャートである。AT当選報知用処理は、CZモード中にATモード移行抽選に当選していることの報知を行うための処理であり、主制御装置101による抽選結果対応処理における一処理として、例えば、ステップSa613の処理の後に実施される。
ステップSa4501では、今回のゲームの報知用リプ当選であるか否かを判定する。
ここで、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選したことの報知を、上記第1aの実施形態γにおける通常リプA~Cに当選した場合に実行する構成としており、ステップSa4501にて判定する報知用リプとは、通常リプA~Cが相当する。今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cに当選していない場合には、そのままAT当選報知用処理を終了する。
今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cである場合、ステップSa4502にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、ステップSa4503にて、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。ステップSa4502又はステップSa4503にて否定判定した場合には、そのままAT当選報知用処理を終了する。CZモードフラグ及びATモード当選フラグがセットのいずれもがセットされている場合には、ステップSa4504に進む。
ステップSa4504では、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。続くステップSa4505では、AT種別決定処理を実行する。当該AT種別決定処理は、上記ステップSa4406の処理と同様である。なお、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合のAT種別決定処理(ステップSa4505)と、それ以外のAT種別決定処理(ステップSa4406)とで、第1ATモードや第2ATモードに設定する割合が異なるようにしてもよく、CZモード中の方が第2ATモードに設定され易くしてもよい。この点は、上記第1aの実施形態α~第1aの実施形態γも同様である。
続くステップSa4506では、各種フラグ格納エリア106dに当選報知ゲームフラグをセットする処理を実行する。当選報知ゲームフラグは、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合であって、当該ATモード移行抽選に当選したことの報知を行うゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップSa4507にて、操作指示コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT当選報知用処理を終了する。操作指示コマンドは、上記第1aの実施形態γにおける回避指示コマンドに相当するものであり、かかる操作指示コマンドを受信した表示制御装置81は、上記の回避指示演出(図87(a))のように、「赤7」図柄を模したキャラクタを3つ横並びで表示させ、第13再遊技入賞を狙って操作すべき状況である旨の報知を補助表示部65やスピーカ64等にて行うための処理を実行する。
図92は、本実施形態におけるCZモード用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、CZモード用処理は、主制御装置101による入賞結果対応処理における一処理として実施される処理である。
ステップSa4601では、CZゲームカウンタの減算処理を実行し、続くステップSa4602にてCZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。0となった場合には、ステップSa4603にてCZモードフラグをクリアし、ステップSa4604にてCZ終了コマンドをセットする処理を実行する。
続くステップSa4605ではATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となった状況でATモード当選フラグがセットされていない場合、又はステップSa4602にてCZゲームカウンタが0となっていない場合には、ステップSa4606に進む。
ステップSa4606では、上記の当選報知ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。当選報知ゲームフラグがセットされており、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合であって、当該ATモード移行抽選に当選したことの報知を行うべき通常リプA~Cに当選したゲームである場合、ステップSa4607に進み、当該当選報知ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa4608にて、第13再遊技入賞が成立しているか否かを判定し、成立している場合には、ステップSa4609にてCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行するとともに、ステップSa4610にて外部集中端子板121に設けられたAT当選用出力端子をON状態とする処理を実行してから、CZモード用処理を終了する。AT当選用出力端子は、外部集中端子板121を介してスロットマシン10と接続されている遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータに対して、ATモード移行抽選に当選したことの情報を出力するための端子である。AT当選用出力端子の構成については、上記AT用出力端子121dと同様であり、ON状態とすることでAT当選用出力端子から出力される信号がHI信号となり、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモード移行抽選に当選したことの情報が出力される。なお、AT当選用出力端子は、ON状態とされてから所定数(例えば5)のゲームが消化されることで、OFF状態となる。
ステップSa4605にて、CZモードの終了に際してATモード当選フラグがセットされており、CZモード中にATモード移行抽選に当選したのにもかかわらず、ATモード移行抽選に当選したことの報知を行うべき通常リプA~Cに当選しなかった場合には、ステップSa4611に進む。ステップSa4611では、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSa4612にてAT種別決定処理を実行する。なお、当該CZモード終了時のAT種別決定処理と、CZモード中のAT種別決定処理(ステップSa4505)や、それ以外のAT種別決定処理(ステップSa4406)とで、第1ATモードや第2ATモードに設定する割合が異なるようにしてもよく、CZモード終了時のAT種別決定処理の方が第2ATモードに設定され易くしてもよい。
ステップSa4612の処理を実行した後は、ステップSa4613にて報知用開始時フリーズフラグをセットする処理を実行してから、CZモード用処理を終了する。また、ステップSa4608にて、第13再遊技入賞が成立しておらず、CZモード中にATモード移行抽選に当選したことの報知を行うべき結果に当選したのにもかかわらず、対応する結果入賞を成立させることができなかった場合にも、ステップSa4613にて報知用開始時フリーズフラグをセットしてから、CZモード用処理を終了する。
上記のように、本実施形態では、通常モード(非CZモード)においてATモード移行抽選に当選した場合であって前兆ゲーム数を消化した場合と、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合であって通常リプA~Cに当選しないままCZモードの上限ゲーム数に達した場合と、当該CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合であって通常リプA~Cに当選したのにもかかわらず第13再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、報知用開始時フリーズフラグがセットされる。以下、報知用開始時フリーズフラグがセットされた場合の回転演出処理について、図93のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態における回転演出処理では、ステップSa4701にて第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグや、上記の報知用開始時フリーズフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれの開始時フリーズフラグもセットされていない場合には、そのまま回転演出処理を終了する。いずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合には、ステップSa4702にて、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であるか否かを判定し、通常リプA~C当選ではない場合にステップSa4703に進む。ステップSa4703では、回転演出コマンドをセットする処理を実行し、ステップSa4704では、対応する図柄の位置関係を把握する処理を実行する。
そして、ステップSa4705にて第1開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa4706にて、2sec後に第2再遊技入賞となる図柄が揃った状態で各リール32L,32M,32Rが低速にて回転しているように、各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する。第1開始時フリーズフラグがセットされていない場合には、ステップSa4707にて第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSa4708にて、2sec後に第3再遊技入賞となる図柄が揃った状態で各リール32L,32M,32Rが低速にて回転しているように、各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する。これら、ステップSa4706やステップSa4708の処理は、上記ステップSa2306やステップSa2307の処理と同様である。
ステップSa4707にて否定判定する場合とは、上記の報知用開始時フリーズフラグがセットされている場合である。この場合、ステップSa4709にて、2sec後に第13再遊技入賞となる図柄が揃った状態で各リール32L,32M,32Rが低速にて回転しているように、各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する。より具体的には、例えば、左リール32Lを基準リールとし、把握している図柄位置に基づいて、回転開始前において、当該基準リールに配置された第13再遊技図柄(「赤7」図柄)と、中リール32M及び右リール32Rの第2再遊技図柄(「ベル」図柄、「BAR」図柄)との離間図柄数を把握する。例えば、各リール32L,32M,32Rを同時に正方向に回転開始させた場合において、2sec後までに基準リールとなる左リール32Lは3周だけ回転しているとすると、左リール32Lは20図柄×3周で60図柄分だけ2secで回転することになる。この場合、中リール32Mの第2再遊技図柄と基準リールの第13再遊技図柄の離間図柄数をa図柄、右リール32Rの第2再遊技図柄と基準リールの第13再遊技図柄の離間図柄数をb図柄とすると、中リール32Mの加速度を、2sec後までに60図柄にa図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定し、右リール32Rの加速度を、2sec後までに60図柄にb図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定する。なお、2sec後に第13再遊技入賞となる図柄組合せが揃って回転するようになってからは、一定である低速回転にて各リール32L,32M,32Rを回転させるように設定する。
ステップSa4706、ステップSa4708又はステップSa4709の処理を実行した後は、ステップSa4710~ステップSa4722にて、各種回転演出用の処理を実行してから、回転演出処理を終了する。ステップSa4710~ステップSa4722の処理は、上記ステップSa2308~ステップSa2318の処理と概ね同様であり、各リール32L,32M,32Rの仮停止時に補助表示部65等にて演出を発生させるための処理だけが異なっている。
すなわち、ステップSa4716にて各リール32L,32M,32Rが仮停止したタイミングとなったと判定した場合に、ステップSa4717にて報知用開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、始動時AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行して、始動時AT開始演出を行わせるようにする。これに対して、ステップSa4717にて報知用開始時フリーズフラグがセットされている場合には、ステップSa4719にてAT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行して、AT当選報知演出を行わせるようにする。ステップSa4718又はステップSa4719の処理を実行した後は、仮停止した状態を維持するための処理(ステップSa4720~ステップSa4722)等を実行してから、回転演出処理を終了する。
また、ステップSa4702にて今回のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であると判定した場合、ステップSa4723にてAT準備カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。AT準備カウンタが0よりも大きく、準備モード中に通常リプA~Cに当選した場合であって第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合の次のゲームである場合には、ステップSa4703に進み、回転演出を実行するための処理を行う。
AT準備カウンタが0である場合、ステップSa4724にてCZゲームカウンタが0よりも大きいか否かを判定する。CZゲームカウンタが0よりも大きい場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選し、通常リプA~Cに当選したものの第13再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、ステップSa4703に進み、回転演出を実行するための処理を行う。
これに対して、準備モードやCZモードの上限ゲーム数に達した次のゲームが通常リプA~C当選であった場合には、当該ゲームでは回転演出を行うことなく、そのまま回転演出処理を終了する。この場合、準備モードの上限ゲームに達したゲームの次のゲームが通常リプA~C当選であった場合には、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われ(図56)、CZモードの上限ゲームに達したゲームの次のゲームが通常リプA~C当選であった場合には、第13再遊技入賞を成立させるべき操作指示演出が行われる(図87(a))。
すなわち、AT当選報知用処理(図91)において、ステップSa4502にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップSa4508に進み、報知用開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがクリアされた後のゲームで報知用開始時フリーズフラグがセットされている場合とは、上記のようにCZモードの上限ゲーム数に達したゲームの次のゲームであることを意味し、当該ゲームの抽選結果が通常リプA~Cである(ステップSa4501:YES)ため、この場合、ステップSa4509にて当該報知用開始時フリーズフラグをクリアしたうえで、ステップSa4507に進み、第13再遊技入賞を成立させるための操作指示コマンドをセットする処理を実行してから、AT当選報知用処理を終了する。
本実施形態においても、回転演出中にAT用出力端子121dがON状態となるように予約状態の設定が行われる。また、上記の報知用開始時フリーズフラグがセットされている場合の回転演出が行われる場合には、当該回転演出中にAT当選用出力端子がON状態となるように予約状態の設定が行われる。具体的には、上記の外部出力設定第1処理(図60)において、第1開始時フリーズフラグ、第2開始時フリーズフラグ及び報知用開始時フリーズフラグのいずれかがセットされている場合に(ステップSa2601:YES)、予約出力フラグがセットされ(ステップSa2602)、予約出力カウンタに2100が入力される(ステップSa2603)。
図94は、本実施形態におけるタイマ更新処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、タイマ更新処理は、主制御装置101によるタイマ割込み処理における一処理として実施される処理である。
ステップSa4801~ステップSa4804の処理は、上記ステップSa2701~ステップSa2704の処理と同様である。ステップSa4805では、上記の予約出力フラグがセットされているか否かを判定する。予約出力フラグがセットされている場合には、ステップSa4806にて予約出力カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSa4807にて予約出力カウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップSa4808にて予約出力フラグをクリアする処理を実行する。続くステップSa4809では、上記の報知用開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、セットされておらず、第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグに基づく予約状態である場合には、ステップSa4810にてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する。これに対して、ステップSa4809にて報知用開始時フリーズフラグがセットされており、ATモード移行抽選に当選したことの報知を行う回転演出における予約状態である場合には、ステップSa4811にてAT当選用出力端子をON状態とする処理を実行する。
ステップSa4805若しくはステップSa4807にて否定判定した場合、又は、ステップSa4810若しくはステップSa4811の処理を実行した後は、ステップSa4812にてその他の各種カウンタの更新処理を実行してから、タイマ更新処理を終了する。
以上のように、第1aの実施形態α等の準備モードにおけるATモードを開始することの報知用の構成を、CZモード中のATモード移行抽選に当選したことの報知に適用してもよく、ATモード移行抽選に当選してATモードへ移行させることを目指す本スロットマシン10の遊技性からすると、ATモード移行抽選に当選した後、ATモード開始用の結果報知が回転演出を含めて行われる第1aの実施形態α等の構成よりも、ATモード移行抽選に当選したことの結果報知が回転演出を含めて行われる本実施形態の構成の方が、これらの結果報知を心待ちにさせる効果が高いといえる。つまり、本実施形態の方が、報知対象となっている結果(ATモード移行当選)を自らの操作で勝ち取った印象を強く与えることが可能となり、回転演出を行う効果や、回転演出中に遊技機外部の装置に情報出力すること等の効果をより好適に奏することが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)ATモード開始用の結果やATモード移行当選の報知用の結果として、通常リプA~Cを用いる構成を説明したが、通常リプA~Cとは異なる結果を用いる構成としてもよい。また、通常リプA~Cの当選確率は上記のものに限定されず、これよりも当選し易い(当選確率が高い)ものであってもよいし、当選しにくい(当選確率が低い)ものであってもよい。例えば、ATモード開始用の結果として通常リプA~Cを用いる場合、通常リプA~Cの当選確率の分母が、準備モードの上限ゲーム数以上の数となるような当選確率としてもよく、この場合、準備モードにおいて上限ゲーム数(40)に到達し易いことを前提とした遊技性を実現できる。例えば、準備モードの上限到達前にATモード開始用の結果当選となった場合に遊技者に特典が付与される構成とすることで、準備モード中にATモード開始用の結果当選となることを心待ちにさせる効果や、ATモード開始用の結果入賞を表示させることで自らの操作によりATモードの開始を勝ち取った印象を与える効果を好適に高めることが可能である。なお、上限到達前にATモード開始用の結果当選となった場合に付与する特典とは、例えば、ATモードの初期ゲーム数の上乗せ等が考えられる。また、準備モードの上限到達により第2ATモードへの昇格が確定する構成を変更し、上限到達前にATモード開始用の結果当選となることで第2ATモードへの昇格が確定するといった特典とすることも可能である。
(2)ATモード開始用の結果やATモード移行当選の報知用の結果は、当選確率の設定処理にて設定される設定値によって、その結果当選となる確率が異なる(特に通常リプA)構成としたが、設定値に関わらず、これらATモード開始用の結果やATモード移行当選の報知用の結果当選となる確率が同じ確率である構成としてもよい。また、設定値によって当選確率が異なる構成においても、設定値が高いほど当選しにくい構成に限定されず、設定値が高いほど当選し易い構成としてもよいし、偶数設定と奇数設定とで当選確率が異なる構成としてもよい。
(3)AT種別決定処理を、前兆ゲーム数が0となって準備モードに移行する際に実行する構成としたが、ATモード移行抽選に当選した場合に実行する構成としてもよい。この場合、前兆モード中のゲームにおいても昇格抽選を行う構成としてもよい。
(4)ATモード開始用の結果当選時の押し順報知を、主制御装置101側の指示モニタ68と、表示制御装置81側の補助表示部65との両方で実行する構成としたが、いずれか一方にて実行する構成としてもよく、例えば、主制御装置101側では実行せずに、表示制御装置81側では実行する構成としてもよい。
(5)指示モニタ68は6通りの操作順序をそれぞれ報知可能な構成としたが、例えば、通常リプA~Cのように、ストップスイッチ42~44の操作順序のうち最初に操作すべきストップスイッチ42~44だけが対応付けられた押し順役について、最初に操作すべきストップスイッチ42~44だけを報知する押し順報知の態様が含まれる構成としてもよい。
(6)ATモード終了時に有利区間を終了させる構成としたが、ATモード終了時に有利区間が終了しない場合もある構成としてもよい。例えば、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数に応じて有利区間が終了しない構成としてもよく、具体的には、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数が、当該残りゲーム数にATモード1ゲーム当たりの期待増加枚数を乗じた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよく、現状の有利区間増減枚数MYに上記の乗じた枚数を加えた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよい。
(7)有利区間移行時に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯制御する構成としたが、有利区間移行時であっても、第8表示用セグメントN8を点灯制御せず、有利区間中に所定の点灯条件が成立した場合に点灯制御する構成としてもよい。所定の点灯条件は、例えば、ATモードへの移行が確定した場合等、押し順報知が発生し得る状況となった場合に成立するものとしてもよい。
(8)CZモード中に押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよい。また、ATモードにおいても押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよく、これらATモードやCZモードの残りゲーム数が0となっても、押し順報知が1回実行されるまでは、当該ATモードやCZモードが終了しない構成としてもよい。
(9)ATモードの開始に際して、AT準備カウンタの値に応じてATモードの初期ゲーム数を決定する構成としてもよい。例えば、AT準備カウンタの値が大きいほど、ATモードの初期ゲーム数(ステップSa1611やステップSa1618等でATゲームカウンタに加算する値)が大きくなり易い構成又は大きくなる構成とすることで、準備モードの消化ゲーム数が少ない状況でATモードが開始された場合に、準備モードを十分に消化できなかったこと(昇格抽選を多く受けられなかったこと等)の代償とすることが可能である。
(10)回転演出処理において、低速回転にて回転させた後、仮停止させる構成としたが、通常遊技と同様に、定速回転にて回転させた後、仮停止させる構成としてもよい。
(11)回転演出において、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる構成としたが、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せとは異なる図柄組合せを仮停止する構成としてもよい。
(12)回転演出において、有効ラインMLにATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる構成としたが、有効ラインMLとは異なるラインに当該ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる構成としてもよい。
(13)疑似遊技を含め、回転演出において各リール32L,32M,32Rを仮停止させる場合、停止させずに小刻みに振動させたり、揺れ動かせたり、動作させながら一定の位置に留まらせる構成としてもよい。その意味では、これら各リール32L,32M,32Rを動作させながら一定の位置に留まらせる等することを仮停止とし、動作させないことを停止としてもよい。
(14)疑似遊技を含め、回転演出において停止又は仮停止させずに、低速にて回転させる構成としてもよく、少なくとも、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが遊技者から視認可能となる状況が生じるように制御される構成であればよい。
(15)準備モードにおいて上限ゲーム数に到達した場合に第2ATモードとなる構成としたが、上限ゲーム数に到達した場合に別途昇格抽選を実行する等して、所定の確率で第2ATモードとなる構成としてもよく、上限ゲーム数に到達した場合であっても第1ATモードである場合があるようにしてもよい。
(16)ATモード開始用の結果当選時に当該ATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかった場合に、次ゲームで回転演出を実行することでATモードを開始させる構成としたが、回転演出にてATモードを開始させるゲームは次ゲームに限定されず、次回以降のゲームであればよく、例えば、ATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかったゲームから、所定数(例えば3)のゲーム後に回転演出を伴ってATモードを開始させる構成としてもよい。この場合、ATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかったゲームから、所定数のゲームまでの間のゲームにおいて、再度ATモード開始用の結果当選となった場合には、回転演出を行うことなく当該ATモード開始用の結果入賞を成立させるように操作指示報知を行う構成としてもよく、再度ATモード開始用の結果当選となったゲームで、回転演出を行うとともに当該操作指示報知を行わないように、回転演出の実行を前倒しにする構成としてもよい。
(17)一の準備モードにおいて、ATモード開始用の結果当選時にATモード開始用の結果入賞を成立させることができなければ、その情報を次回以降の準備モードにも引き継ぎ可能な情報として記憶する構成としてもよい。この場合、例えば、当該ATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかった情報があれば、当該準備モードにおいて最初のATモード開始用の結果当選であっても、当該ゲームにて回転演出を行うとともに操作指示報知を行わないようにしてもよい。また、ATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかった回数が所定回数に達した場合には、上記のように、最初のATモード開始用の結果当選であっても、回転演出を優先する構成としてもよいし、当該入賞を成立させることができなかった回数に応じて抽選等により、ATモード開始用の結果当選時に回転演出を優先することの決定を行う構成としてもよい。なお、ATモード開始用の結果当選時にATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかった情報は、有利区間情報の初期化処理の対象とならない情報として記憶する構成とするとよい。
(18)疑似遊技において、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合には、未停止のリール32L,32M,32Rを全て停止させる構成としたが、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に、未停止のリール32L,32M,32Rのうちの一部のリールを停止させる構成としてもよい。この場合、いずれのリールを停止させるかは、抽選等により決定する構成としてもよいし、押し順報知を伴って操作指示報知を行っている場合には、その操作順序に応じてリールを停止させる構成としてもよい。
(19)疑似遊技において、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合には、未停止のリール32L,32M,32Rを同時に停止させる構成としたが、順次停止させる構成としてもよい。この場合、停止させる順序は、抽選等により決定する構成としてもよいし、押し順報知を伴って操作指示報知を行っている場合には、その操作順序に応じてリールを停止させる構成としてもよい。
(20)疑似遊技に限られず、回転演出を行うタイミングは、通常遊技の前に限定されるものではなく、通常遊技の後であってもよいし、通常遊技と通常遊技との間であってもよい。
(21)疑似遊技において、5図柄以上のスベリ数を許容する構成としたが、通常遊技と同様に4図柄以内のスベリ数となるように停止制御を行う構成としてもよい。この場合、疑似遊技において停止操作を行っても、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞等に対応する図柄組合せが停止しない場合もある。停止しなかった場合には、全リール32L,32M,32R停止後に、又は全リール32L,32M,32R停止前に、再変動を伴って第2再遊技入賞や第3再遊技入賞等に対応する図柄組合せを停止させるようにしても良い。再変動は、対応する図柄が停止していなかったリールだけ行う構成とてもよいし、全リール32L,32M,32R行う構成としてもよい。また、再変動を行わず、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞等に対応する図柄組合せが停止していない状態で回転演出を終了してもよく、この場合、次のゲームで再度回転演出を行う構成としてもよい。再度の回転演出では、停止操作を伴わずに自動的に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞等に対応する図柄組合せを停止させる態様(第1aの実施形態αの態様)にて回転演出を行う構成としてもよい。
(22)回転演出の対象ゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選であった場合、準備モードの上限ゲーム消化を契機とする対象ゲームであれば回転演出の実行を制限する一方、前ゲームでATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかったことを契機とする対象ゲームであれば回転演出の実行を許容する構成としたが、いずれも制限する構成としてもよく、また、いずれも許容する構成としてもよい。また、準備モードの上限ゲーム消化を契機とする対象ゲームであれば疑似遊技での回転演出(第1aの実施形態βの態様)を実行する一方、前ゲームでATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかったことを契機とする対象ゲームであれば疑似遊技を伴わない回転演出(第1aの実施形態αの態様)を実行する構成としてもよい。
(23)リール制御処理における外部出力設定第1処理においてゲーム用出力端子121aをON状態とする構成としたが、ゲーム用出力端子121aをON状態とするタイミングは、ゲームの消化に応じたタイミングであればよく、ゲームの終了時(例えば、払出判定処理や、入賞結果対応処理の実行時)であってもよいし、リール制御処理における回転開始処理にて、ゲーム用出力端子121aをON状態とする構成としてもよい。回転開始処理にてゲーム用出力端子121aをON状態とする構成においては、例えば、ウェイト期間の経過後に各リール32L,32M,32Rの回転を開始する際にON状態とする構成としてもよい。この場合、回転開始処理を通常動作の開始タイミングとするならば、回転演出に際してAT用出力端子121dをON状態とするタイミングは、一のゲームにおける通常動作よりも前にON状態等する構成といえる。
(24)AT用出力端子121dをON状態とするタイミングは上記のタイミングに限定されない。例えば、回転演出中にON状態とするならば、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止するよりも前のタイミングであってもよく、当該ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが揃った状態で低速にて回転するタイミングであってもよく、当該図柄組合せが揃うよりも前のタイミングであってもよい。また、当該図柄組合せが停止するタイミングと同じタイミングであってもよい。
(25)AT用出力端子121dをON状態とするための予約用の処理(準備カウンタをセットする処理や、予約出力カウンタをセットする処理等)の実行タイミングは、上記のものに限定されない。例えば、ATモード移行抽選に当選した場合に前兆ゲーム数と準備モードの上限ゲーム数との合算のゲーム後にAT用出力端子121dをON状態とするための処理(合算のゲーム数を所定のカウンタにセットする等)を行う構成としてもよく、有利区間移行時に天井ゲーム数と前兆ゲーム数(前兆ゲーム数の上限ゲーム数)と準備モードの上限ゲーム数との合算のゲーム数後にAT用出力端子121dをON状態とするための処理を行う構成としてもよい。また、AT用出力端子121dをON状態とするタイミング(予約出力カウンタ)を設定する処理についても、回転演出を実行する対象ゲームよりも前のゲームにて(例えば準備モード移行時、ATモード移行当選時、有利区間移行時)に当該タイミングを設定する処理を実行する構成としてもよい。
(26)準備モード等に移行する場合にAT準備カウンタ等によってAT用出力端子121dをON状態とするゲームを管理する構成としたが、準備モード等に移行する場合に、別途、AT用出力端子121dをON状態とする予約状態であることを示すフラグをセットする構成としてもよい。この場合、準備モード中等においてATモード開始用の結果当選等となった場合には、上記のフラグをクリアする構成としてもよく、当該結果入賞時に当該フラグをクリアする構成としてもよく、当選時にフラグをクリアするのであれば、当該結果当選時に当該結果入賞を成立させることができなければ、再度当該フラグをセットする構成としてもよい。
(27)ATモード開始用の結果入賞が成立した場合にAT用出力端子121dをON状態とすることを前提とし、回転演出中においてもAT用出力端子121dをON状態とする構成としたが、回転演出においては別の出力端子からATモードへの移行が生じる旨の情報を出力する構成としてもよく、また、回転演出においては別の情報を出力する構成としてもよい。
(28)通常遊技にて停止させた図柄と、疑似遊技にて停止させた図柄とを利用してATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを停止させる構成としたが、通常遊技にて停止させた図柄数と、疑似遊技にて停止させた図柄数との割合は上記のものに限定されず、通常遊技にて停止させた図柄を1つ用い、疑似遊技にて停止させた図柄を2つ用いてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを停止させる構成としてもよい。また、当該図柄組合せが全リール数よりも少ない2つの図柄により構成されるようにしたうえで、通常遊技にて停止させた図柄を1つ用い、疑似遊技にて停止させた図柄を1つ用いてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを停止させる構成としてもよい。
(29)1のゲームを前提として、通常遊技にて停止させた図柄と、疑似遊技にて停止させた図柄とを利用してATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを停止させる構成としたが、ゲームを跨いで当該図柄組合せを停止させる構成としてもよい。具体的には、前ゲームの通常遊技にて停止させた図柄と、次ゲームの疑似遊技にて停止させた図柄とを用いて当該図柄組合せを停止させる構成としてもよい。この場合、回転演出処理において、前ゲームの通常遊技にて停止させた図柄についてのリールは停止させたままで、当該疑似遊技を行わせるリールを回転させ、当該リールを停止させることで、上記図柄組合せが停止するようにするとよい。そして、当該図柄組合せを停止させた後、回転開始処理により全リール32L,32M,32Rの回転を開始させる構成とするとよい。
(30)回転演出の態様は一例である。例えば、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが揃った状態で低速回転となるまでの期間を上記のものよりも長くしてもよいし短くしてもよいし、当該図柄組合せが揃った状態で回転することなく、停止タイミングを異ならせることで、停止時に当該図柄組合せが停止する構成としてもよい。また、当該図柄組合せが停止した状態を維持する期間等についても、上記のものよりも長くてもよい短くてもよく、当該期間の経過前に所定の操作(例えば第1クレジット投入スイッチ56の操作)に基づき回転開始処理に移行する構成としてもよい。
(31)準備モードにおいて押し順報知を実行しないようにしたり、昇格抽選や上乗せ抽選を実行しないようにして、準備モードにおいて早期にATモード開始用の結果当選となった方が有利な構成としてもよい。また、CZモードにおいても、ATモード移行抽選に当選した後であっても、ATモード移行当選を報知する結果当選となるまでは上乗せ抽選を実行しない等して、ATモード移行抽選に当選した後、早期にATモード移行当選を報知する結果当選となった方が有利な構成としてもよい。
(32)ATモードを開始させること等を報知するために、通常リプA~Cを用いて、第2再遊技入賞、第3再遊技入賞、第13再遊技入賞等の図柄組合せを停止させる構成としたが、ATモードを開始させること等を報知しない場合には、第2再遊技入賞、第3再遊技入賞、第13再遊技入賞等が成立しないようにしてもよい。例えば、第2再遊技入賞、第3再遊技入賞、第13再遊技入賞等とは異なる操作順序を押し順報知や押し順報知演出にて実行する構成としてもよい。
(33)3ベットゲームにて当選し得るBBとして第1BBを設け、2ベットゲームにて当選し得るBBとして第2BBを設けたが、いずれか一方のBBだけであってもよく、例えば、2ベットゲームにて第2BBに当選し、3ベットゲームではいずれのBBにも当選しない構成としてもよい。
(34)2ベットゲームにて、第2BBに当選する構成としたが、2ベットゲームにて複数種類のBBに当選し得る構成としてもよく、例えば、2ベットゲームにて第1BBと第2BBに当選し得る構成としてもよい。この場合、2ベットゲームにて第1BB入賞と第2BB入賞とが成立し得る構成とし、3ベットゲームでは第1BB及び第2BBのいずれにも当選もせず、更に3ベットゲームでは第1BB入賞と第2BB入賞とのいずれも成立しない構成としてもよい。なお、2ベットゲームと3ベットゲームとの関係が上記のものと逆であってもよい。
(35)第1BB状態と第2BB状態とでいずれも同じ抽選テーブルを用いて、同じ遊技ベースとなるようにしたが、異なる抽選テーブルを用いて、異なる純増枚数となるようにしてもよい。
(36)第1BB状態と、第2BB状態とを、いずれも3ベットゲームにて遊技する構成としたが、例えば、第1BB状態は3ベットゲームにて遊技し、第2BB状態は2ベットゲームにて遊技する、といったように、BB状態の種類によってベット数が異なる構成としてもよい。この場合、第1BB状態の各ゲームは特定規定数とは異なるベット数によるゲームとなり、第2BB状態の各ゲームは特定規定数のベット数によるゲームとなる。
(37)第1BB状態と、第2BB状態との遊技は、いずれも押し順報知用の処理や特定処理等の指示機能に関する実行が制限される構成としたが、例えば、第1BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が制限される一方、第2BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が許容される、といったように、BB状態の種類によって制限の有無が異なる構成としてもよい。また、CB状態やSB状態、MB状態を設け、これらのうちのいずれか又は全部で、各指示機能に関する処理が制限される又は制限されない構成としてもよい。
(38)3ベットゲームでは第2BB入賞を成立させることができず、2ベットゲームでは第1BB入賞を成立させることができない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BB入賞しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BB入賞しにくい構成としてもよい。
(39)3ベットゲームでは第2BB当選とならず、2ベットゲームでは第1BB当選とならない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BBに当選しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BBに当選しにくい構成としてもよい。
(40)1ベットを設定可能な操作部を設けてもよい。この場合、当該操作部を操作した回数に応じてベット数を異ならせることが可能な構成としてもよい。具体的には、当該操作部を1回操作した場合には1ベットとなり、2回操作した場合には2ベットとなり、3回操作した場合には3ベットとなる構成としてもよい。更に、4回操作した場合には1ベットとなり、5回操作した場合には2ベットとなる、といったように、所望のベット数を通り越してしまった場合でも、再操作によって所望のベット数に設定可能な構成とするとよい。
(41)CZモードの上限ゲーム数を、一律で10ゲームとしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。また、準備モードの上限ゲーム数を、一律で40ゲームととしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。
(42)第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を約プラス0.00枚として、第1BB状態や第2BB状態ではメダルが増えもせず、減りもしない構成としたが、メダルが増加し得る構成としてもよいし、メダルが減少し得る構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態での純増枚数が、少なくとも内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて遊技した場合の純増枚数よりも多い純増枚数数であればよい。
(43)遊技者が、内部状態や非内部状態を3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技したり、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることで、指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としたが、遊技機側で、例えば、所定ゲーム数の消化によって指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としてもよい。
(44)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(45)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(46)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(47)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第2bの実施形態α>
次に、第2bの実施形態αにおけるスロットマシン10の電気的構成について、図95及び図96のブロック図に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、特に上記各実施形態と異なる構成について説明し、上記各実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。また、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図97参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図96に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
また、表示制御装置81に接続されている各構成42b~44b,63~65の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b~44b,63~65の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図97は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSb101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSb102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSb103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSb102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSb104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSb104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSb105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSb106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSb107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図95参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSb108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップSb109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSb110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSb111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSb112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSb113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSb114では、先のステップSb101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSb115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図98のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSb201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSb202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSb203~ステップSb212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSb203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSb204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップSb107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップSb205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSb205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSb205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSb205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップSb204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップSb205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップSb206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップSb110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップSb206の処理を実行した後は、ステップSb207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSb204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSb208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSb209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSb210の抽選処理、ステップSb211のリール制御処理、ステップSb212のメダル払出処理を順に実行し、ステップSb203に戻る。
次に、ステップSb210の抽選処理について、図99のフローチャートに基づき説明する。
ステップSb301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSb302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSb302では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図100)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図101)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSb302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSb302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図100は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図101は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSb303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSb304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSb301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSb305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSb306にて、ステップSb305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSb306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSb306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSb306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のSb203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSb306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSb305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSb307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSb308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSb304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSb304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSb305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図100に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1であり、押し順ベルに当選となる確率をまとめると約1.53分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図101に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.64枚)。
ステップSb306にて当選フラグをセットした後、又はステップSb308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSb309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSb310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSb301~ステップSb308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSb310の処理を実行した後は、ステップSb311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSb110)にて行われる。
そして、ステップSb312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSb306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSb312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSb312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSb313では、ステップSb312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSb313の処理を実行した後は、ステップSb314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSb211のリール制御処理について、図102のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSb401にて、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSb309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップSb310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップSb402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSb106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップSb403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSb404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSb403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSb405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSb406~ステップSb412に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを消灯するように制御する。
ステップSb406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSb407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSb407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSb408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSb409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSb410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSb411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSb412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSb403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図100、図101参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図103は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSb411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSb413にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップSb414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSb415にて、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSb416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSb417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSb212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップSb204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップSb414のボーナス状態処理を、図104のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSb501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSb501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSb502に進む。
ステップSb502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSb503に進む。
ステップSb503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSb503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSb504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSb505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSb506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSb506にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSb507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSb508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSb501にて肯定判定することになる。続くステップSb509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSb509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSb510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSb505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSb511に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSb512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSb513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSb514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSb514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSb510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSb501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSb515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図105は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図105に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップSb515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSb516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSb517にて、ステップSb516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップSb516ではBBカウンタから13を減算する。
ステップSb517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSb518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSb519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップSb520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSb521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSb519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図106を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図103)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図107のフローチャートを参照しながら、ステップSb310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSb601~ステップSb603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップSb601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSb602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSb603にてベット数が2であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定ベット数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定ベット数として3が設定されている。ステップSb602やステップSb603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数はない場合には、ステップSb604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定ベット数として3が設定されていることから、2ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSb604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップSb602又はステップSb603にて肯定判定した場合、ステップSb604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSb605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図108のフローチャートに示すように、ステップSb701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSb702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図109に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図109にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSb702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSb703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSb703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSb704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSb705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSb701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSb702~ステップSb705の処理を省略することも可能である。
ステップSb705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSb706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSb705にて否定判定した場合、又はステップSb706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSb604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSb606に進む。ステップSb606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグは、ATモードであることをCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSb606にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSb607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSb606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSb608にて継続判定処理を実行し、ステップSb609にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップSb607のAT抽選用処理について図110のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSb801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算され、例えば、2ベットゲームでは減算されない。
ステップSb801にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップSb802にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップSb803~ステップSb808にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップSb803にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSb804では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップSb804にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップSb805にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSb804にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSb806にて、CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図109に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップSb805又はステップSb806にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップSb803にて把握したゲームの抽選結果とを用いて、ステップSb807にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップSb808にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップSb808にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップSb802にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップSb809~ステップSb812のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップSb808にてATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップSb813~ステップSb816にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップSb809では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップSb810及びステップSb811にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップSb810では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSb811にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSb809にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSb811の処理を実行した後は、ステップSb812にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップSb606にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップSb813にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSb814にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップSb803にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図109に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップSb814にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップSb815にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップSb816にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップSb812又はステップSb816にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップSb817~ステップSb820にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム~32ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップSb817では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、チェリーAにて移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。
なお、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップSb817では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにもかかわらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップSb818では、ステップSb817の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップSb819にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSb820にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
<継続判定処理>
次に、ステップSb608にて実行される継続判定処理について、図111のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、継続判定処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理である。
ここで、本実施形態におけるATモードは、予め定められた所定数(例えば18)のゲームを1セット(単位継続数、単位状態)とし、例えば、1セットのATモードを更新する場合(セットを開始する場合又はセットを終了する場合)に次のセットの継続抽選を行い、当該継続抽選に当選している場合には当該セットの終了後、次のセットへ移行し、当該継続抽選に非当選である場合には次のセットへ移行せずにATモードが終了する構成としている。そして、ステップSb608の継続判定処理では、セットの更新に際して上記の継続抽選を行うための処理である。
ステップSb901では、各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタが18であるか否かを判定する。ATゲームカウンタは、1セットの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、セットの更新に際して18が入力されるカウンタである。すなわち、ステップSb901では、今回開始するゲームがATモードの1セットの開始ゲームであるか否かを判定する。開始ゲームではない場合には、そのまま本継続判定処理を終了する。開始ゲームである場合には、ステップSb902に進む。
ステップSb902では、各種カウンタエリア106eに設けられたATセットカウンタが0であるか否かを判定する。ATセットカウンタは、上記の継続抽選に非当選であっても又は継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させることを可能とするセット数をCPU102が把握するためのカウンタであり、継続条件が成立している状況で上乗せ当選した場合に1が加算され、継続抽選に非当選である場合や継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させた場合に1減算されるカウンタである。ATセットカウンタが0である場合、ステップSb903にて今回のATモードにて選択されている継続抽選の当選確率を把握する。
ここで、本実施形態では、上記の継続抽選の当選確率(以下、「継続率」とも称する)として、複数の継続率が設定されており、具体的には、図117に示すように最も継続率の高い90%と、それよりも継続率が低い60%及び10%が設定されている。当該継続率は、ATモードへの移行に際して設定される(後述のステップSb1211における継続率設定処理)。ステップSb903では、当該継続率設定処理にて設定されている情報を読み出し、今回のATモードの継続率を把握する。
ステップSb903にて継続率を把握した後は、ステップSb904にて継続抽選処理を実行する。すなわち、90%の継続率が選択されている場合には、ステップSb904の処理では90%の確率で継続当選し、10%の継続率が選択されている場合には、ステップSb904の処理では10%の確率で継続当選する。
ステップSb905では、ステップSb904の処理結果が継続当選であったか否かを判定し、継続当選であった場合には、ステップSb906にて各種フラグ格納エリア106dに継続フラグをセットする処理を実行する。継続フラグは、今回のセットの継続条件(次のセットへ移行する条件)が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップSb907にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、継続判定処理を終了する。
また、ステップSb902にてATセットカウンタが0ではないと判定した場合、ステップSb908にてATセットカウンタを1減算する処理を実行してから、ステップSb906に進み、継続フラグのセット、及び継続コマンドのセットを行ってから、継続判定処理を終了する。すなわち、本実施形態では、ATセットカウンタが0ではない場合、継続抽選を経ることなく、セットの継続条件が成立する構成としている。なお、ATセットカウンタの値に関わらず継続抽選を実行し、継続非当選である場合にATセットカウンタが1以上であれば継続条件が成立する構成としてもよい。
上記のように、本実施形態では、ATモードの1セットの開始時(スタートレバー41の操作時)に、今回開始するセットの次のセットまでATモードが継続するか否かの継続条件の成否判定が行われ、継続条件が成立していると判定した場合には、継続フラグがセットされ、その情報が表示制御装置81へ出力される。この場合、表示制御装置81では、継続条件が成立していることを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
これに対して、ステップSb905にて継続当選ではないと判定した場合には、そのまま継続判定処理を終了する。この場合、ATモードの1セットの開始時には継続条件は成立しておらず、セットの開始に際して継続コマンドの出力も行われない。表示制御装置81では、セットの開始に際して継続コマンドを受信しないことを通じて継続条件が成立していないことを把握し、継続条件が成立していないことを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSb609にて実行されるAT上乗せ用処理について、図112のフローチャートを参照しながら説明する。AT上乗せ用処理では、上記の継続抽選とは別途、ATモードのセット数を上乗せすることの上乗せ抽選を行い、当該上乗せ抽選にて当選した場合には、次のセットの継続抽選の結果に関わらず次のセットまで継続するようにする。
先ずステップSb1001にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSb1002にて、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
上乗せ抽選テーブルは、図109に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、各ゲームの抽選処理にて当選し易い通常リプA~通常リプCや、押し順ベルといった通常役では上乗せ当選しない一方、各ゲームの抽選処理にて当選しにくいチャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、共通ベル、スイカ、といった特定役では上乗せ当選し得るように設定されている。そして、特定役のうち、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。なお、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ当選しない構成を、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ抽選を行わない構成としてもよい。また、各ゲームの抽選結果が通常役である場合にも上乗せ当選し得る構成とし、当該通常役での上乗せ当選の確率を特定役の場合の上乗せ当選の確率よりも低くなるようにしてもよい。
ステップSb1002にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSb1003にて上乗せ抽選を実行し、ステップSb1004にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSb1005にて、継続フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSb1005にて継続フラグがセットされていない場合、ステップSb1006にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSb1007にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。継続コマンドを受信した表示制御装置81は、継続条件が成立したことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
これに対して、ステップSb1005にて継続フラグがセットされている場合、ステップSb1008にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。ステップSb1008にATセットカウンタに1が加算されることにより、少なくとも今回のセットの次の次のセットまでATモードが継続することが確定する。なお、本実施形態では、上乗せ抽選に当選した場合に一律でATセットカウンタに1を加算する構成としているが、2以上の数を加算する場合がある構成としてもよく、例えば、上乗せ当選の契機となったゲームの抽選結果に応じてATセットカウンタに加算する数を抽選により決定する構成としてもよい。
続くステップSb1009ではセット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本上乗せ用処理を終了する。セット上乗せコマンドは、上乗せ抽選に当選したことやATセットカウンタの値を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。なお、複数のセット数を一の上乗せ当選にて上乗せする場合がある構成においては、当該セット上乗せコマンドに当該上乗せするセット数の情報を設定する構成とするとよい。セット上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、セット上乗せが行われたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図107)において、ステップSb607又はステップSb609の処理を実行した後は、ステップSb610~ステップSb613にて、ストップスイッチ42~44の押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップSb610~ステップSb613にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図113を参照しながら説明する。図113(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図113(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図113(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図113(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図114を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図114(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図114(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図114(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
ステップSb610~ステップSb613における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップSb610では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。押し順ベル当選である場合、ステップSb611にて、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされている場合、ステップSb612にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSb613にて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップSb611にてATモードフラグがセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSb415にて実施される入賞結果対応処理について、図115のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSb1101にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSb1102にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSb1103にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップSb1101~ステップSb1103の処理は、上記ステップSb601~ステップSb603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップSb1104以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップSb1102又はステップSb1103にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップSb1104に進む。ステップSb1104では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した後、未だこれらの移行抽選に当選したことの報知が行われていない状況であることを意味する。この場合、ステップSb1105にて、前兆モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップSb1104にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップSb1106にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップSb1107にてCZモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップSb1106にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップSb1108にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップSb1109にてATモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップSb1108にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆モード用処理、CZモード用処理、ATモード用処理について、それぞれ説明する。
<前兆モード用処理>
前兆モード用処理では、図116に示すように、ステップSb1201にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSb1202にて前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となっている場合には、ステップSb1203にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSb1204では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップSb1205に進む。ステップSb1205では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSb1206にてCZモードフラグをセットし、ステップSb1207にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップSb1208にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSb1204にてATモード当選フラグがセットされており、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップSb1209にて、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSb1210にて、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグをセットする処理を実行する。続くステップSb1211では、継続率設定処理を実行する。上記の通り、本実施形態におけるATモードは所定数のゲーム数を1セットとするセット管理型のATモードであり、残りセット数が存在しない状況(ATセットカウンタが0である状況)でセットの継続抽選に非当選となるまでATモードが継続する構成としており、ステップSb1211の継続率設定処理は継続抽選の当選確率(継続率)を設定する処理である。
本実施形態では、図117に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて、複数設けられた継続率(90%、60%、10%)の選択率が異なるように設定されており、ステップSb1211では、当該設定値に基づいて、いずれの継続率を選択するかを抽選により決定する。具体的には、基本的には設定値が高いほど(出玉率が高くなる設定値ほど)高い継続率が選択され易くなるように設定されており、例えば、60%の継続率は設定1では30%の確率で選択されるのに対して、設定6では70%の確率で選択される。但し、90%の継続率は奇数設定の方が偶数設定よりも選択され易くなっており、最も選択され易い設定値は設定5である。そして、90%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに90%フラグをセットし、60%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに60%フラグをセットし、10%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに10%フラグをセットする。これら各継続率を示す情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)は、今回移行するATモードが終了する際にクリアされるフラグである。つまり、一旦、ATモードの継続率が設定された場合には、当該ATモードが終了するまで、その継続率にて各セットの継続抽選が行われる構成としている。
ステップSb1211にて継続率設定処理を実行した後は、ステップSb1212にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行する。上記の通り、ATゲームカウンタは、ATモードの1セットが終了するまでのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。そして、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していれば、再度ATゲームカウンタに所定数である18が入力され、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していなければ、ATモードが終了することになる。
その後、ステップSb1212にて、AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、前兆モード用処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが開始されることに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
<CZモード用処理>
CZモード用処理では、図118のフローチャートに示すように、ステップSb1301にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSb1302では、ステップSb1301の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSb1303にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSb1304にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップSb1303にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
<ATモード用処理>
ATモード用処理では、図119のフローチャートに示すように、ステップSb1401にてATゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSb1402では、ステップSb1401の処理結果に基づいて、ATゲームカウンタが0となったか否かを判定する。ATゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままATモード用処理を終了する。
ATゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSb1403にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされており、継続条件が成立している場合、次のセットに移行させるための処理(ステップSb1404~ステップSb1406)を実行する。これに対して、ステップSb1403にて継続フラグがセットされていない場合には、ATモードを終了させるための処理(ステップSb1407~ステップSb1410)を実行する。
ステップSb1403にて継続条件が成立している場合、ステップSb1404にて継続フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSb1404にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行し、ステップSb1406にてセット更新コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。セット更新コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードのセットの移行が行われたことに対応させて補助表示部65やスピーカ64の演出を更新するための処理を実行する。
一方、ステップSb1403にて継続条件が成立していない場合、ステップSb1407にてATモードフラグをクリアし、ステップSb1408にて継続率の情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)をクリアする処理を実行する。そして、ステップSb1409にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSb1410にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して、有利区間を終了させるためのフラグである。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが終了したことに対応する演出を行うように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図120を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図99)におけるステップSb314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSb1501では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSb1501にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップSb1502に進む。
ステップSb1502では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSb1503にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSb1504にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSb1505では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSb1506にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。
区間表示第1処理において、ステップSb1506にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップSb1507にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSb1501にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップSb1508にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSb1508について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSb1502にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSb1507にて表示開始処理を実行した後、又はステップSb1508の表示継続処理を実行した後は、ステップSb1509にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップSb1509にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップSb1510にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップSb1509にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップSb1511にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSb1510又はステップSb1511の処理を実行した後は、ステップSb1512にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSb1513にて、ステップSb1512の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSb1513では、ステップSb1512の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSb1513の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSb1512の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図121のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSb416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSb1601では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSb1602にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップSb1603では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSb1603のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSb1603のMY更新処理を実行した後は、ステップSb1604にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSb1605にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップSb1606にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSb1607にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSb1608では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSb1609にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSb1609の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSb1606にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSb1610に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップSb1607に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図122のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSb1701にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSb1702にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSb1701にて否定判定した場合、又はステップSb1702の処理を実行した後は、ステップSb1703にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSb206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップSb1704にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSb1703にて否定判定した場合、又はステップSb1704の処理を実行した後は、ステップSb1705にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSb311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図107)等にてセットされる前兆コマンド、継続コマンド、セット上乗せコマンド及び押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップSb1706にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップSb1705にて否定判定した場合、又はステップSb1706の処理を実行した後は、ステップSb1707にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図102)のステップSb406にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップSb1708にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSb1707にて否定判定した場合、又はステップSb1708の処理を実行した後は、ステップSb1709にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図102)のステップSb419にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図104)や入賞結果対応処理(図115)等にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップSb1710にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップSb1709にて否定判定した場合、又はステップSb1710の処理を実行した後は、ステップSb1711にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSb1711では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSb1711では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップSb1706の開始時演出設定処理について、図123のフローチャートに基づき説明する。
ステップSb1801では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選(押し順ベル当選)であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップSb1802にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSb1803にて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップSb1801にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選ではないと判定した場合、ステップSb1804にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。既に説明した通り、特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカを特定役として設定している。図109に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモード移行抽選ではATモード移行当選となる確率が他の抽選結果よりも高くなるように設定されている。また、ATモードの上乗せ抽選ではこれら特定役当選である場合には当該上乗せ抽選に当選し得る一方、通常リプA等の通常役当選である場合には上乗せ抽選に当選し得ない構成としている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップSb1805にて、特定役報知演出を設定する処理を実行する。特定役報知演出の設定処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
ステップSb1802若しくはステップSb1804にて否定判定した場合、又はステップSb1803若しくはステップSb1805の処理を実行した後は、ステップSb1806に進む。ステップSb1806では、今回の開始時コマンドとして、前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信しており、ATモード移行抽選又はCZモード移行抽選に当選し、前兆モードに設定される場合、ステップSb1807にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側前兆カウンタに前兆ゲーム数に対応する値を入力する処理を実行する。サブ側前兆カウンタは、主制御装置101における前兆カウンタに相当するものであり、前兆モードの残りゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタであり、当該サブ側前兆カウンタが0よりも大きい状況が前兆モードとなる。
ステップSb1806にて否定判定した場合、又はステップSb1807の処理を実行した後は、ステップSb1808にて上記のサブ側前兆カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。サブ側前兆カウンタが0よりも大きく、前兆モード中である場合、ステップSb1809にてサブ側前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSb1810にてサブ側前兆カウンタの値に応じた前兆モード用の演出を設定する処理を実行する。例えば、サブ側前兆カウンタの値が小さいほど、いずれかの移行抽選に当選していることを強く示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにしたりするとよい。
ステップSb1808にて否定判定した場合、又はステップSb1810の処理を実行した後は、ステップSb1811にてAT演出設定処理を実行し、ステップSb1812にてその他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップSb1812では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことの報知を行うための処理等を実行する。AT演出設定処理については、後に詳細に説明する。
<全停止時演出設定処理>
次に、演出設定処理(図122)におけるステップSb1710の全停止時演出設定処理について、図124のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップSb1901では、CZ開始コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ開始コマンドを受信している場合、ステップSb1902にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側CZフラグをセットする処理を実行し、ステップSb1903にてCZ開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ開始演出は、例えば、図125(a)に示すように、CZモードが開始されること、及びCZモードの残りゲーム数(10)を補助表示部65にて表示する。
ステップSb1901にて否定判定した場合、ステップSb1904にて、CZ終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合、ステップSb1905にて上記のサブ側CZフラグをクリアする処理を実行し、ステップSb1906にてCZ終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ終了演出は、例えば、図125(b)に示すように、CZモードの残りゲーム数が0となり、CZモードが終了したことを報知する演出が設定されている。なお、CPU181は、上記のサブ側CZフラグがセットされている各ゲームでは、CZモード用の演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する。CZモード用の演出は、CZモード中であることを遊技者が識別可能となるように、例えば、背景色や登場するキャラクタ等が通常モードのそれと異ならせている。また、CZモード用の演出を行うにあたり、CPU181は、CZモードの残りゲーム数の表示もゲームの進行に応じてその表示を更新(減算)するように制御する。
ステップSb1904にて否定判定した場合、ステップSb1907にてAT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。AT開始コマンドを受信している場合、ステップSb1908にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側ATフラグをセットする処理を実行し、続くステップSb1909にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側ATカウンタに18を入力する処理を実行する。サブ側ATカウンタは、主制御装置101側のATゲームカウンタに相当するものである。ステップSb1909の処理を実行した後は、ステップSb1910にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側セットカウンタを1加算する処理を実行する。サブ側セットカウンタは、ATモードのセット数をCPU181が把握するためのカウンタである。
続くステップSb1911では、AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT開始演出は、例えば、図126(a)に示すように、ATモードが開始される旨の表示(「AT スタート」といった文字表示)が行われる演出が設定されている。なお、AT開始演出において、開始するATモードの継続率を示唆するように、例えば、背景や効果音が継続率に応じて異なるように設定してもよい。
ステップSb1907にて否定判定した場合、ステップSb1912にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップSb1913にてサブ側ATフラグをクリアする処理を実行し、ステップSb1914にてAT終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT終了演出は、例えば、図126(b)に示すように、ATモードが終了する旨の表示(「またね」といった文字表示)とともに、今回のATモードの継続セット数や獲得メダル数の報知を行う演出が設定されている。
ステップSb1912にて否定判定した場合、ステップSb1915にてセット更新コマンドを受信しているか否かを判定する。セット更新コマンドを受信しており、ATモードの1セットが終了し、次のセットに移行する場合、ステップSb1916にて各種フラグ格納エリア183aにセットされているサブ側継続フラグをクリアする処理を実行する。サブ側継続フラグは、主制御装置101側の継続フラグに相当するものである。続くステップSb1917では、各種フラグ格納エリア183aに発生済みフラグがセットされているか否かを確認し、セットされている場合には、当該発生済みフラグをクリアする処理を実行する。発生済みフラグは、今回終了するセットにおいて、予め定められた特定演出が発生したことをCPU181が把握するためのフラグである。特定演出については後に詳細に説明するが、ステップSb1917では、セットの更新に際して、更新前のセットで特定演出が発生したことの情報を消去する処理を行う。
ステップSb1917の処理を実行した後は、ステップSb1918にてサブ側ATカウンタに18を入力する処理を実行し、ステップSb1919にてサブ側セットカウンタを1加算する処理を実行する。
ステップSb1903、ステップSb1906、ステップSb1911、ステップSb1914若しくはステップSb1919の処理を実行した後、又はステップSb1915にて否定判定した後は、ステップSb1920にてその他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップSb1920では、BBの開始や終了に際して出力される各種コマンド対応する演出を行うための処理を行ったり、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
<AT演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理(図123)におけるステップSb1811にて実行されるAT演出設定処理について、図127のフローチャートを参照しながら説明する。AT演出設定処理は、ATモード中の演出を行うための処理である。そこで、AT演出設定処理の説明に先立って、ATモード中の演出の概要を図129~図133を参照しながら説明する。
<AT演出の概要>
既に説明した通り、本実施形態におけるATモードは、所定数としての18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードであり、1セットのゲームを消化した際に継続条件が成立していれば次のセットに移行する一方、継続条件が成立していなければ当該セットにてATモードが終了する。本実施形態では、1セット中の演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとが対決し、継続条件が成立していれば当該味方キャラクタが勝利し、継続条件が成立していなければ味方キャラクタが敗北して敵キャラクタが勝利する。本実施形態では、1セットのゲームの内、前半の10ゲームと、後半の8ゲームとで行われる演出が異なっており、上記の味方キャラクタと敵キャラクタとが対決するバトル演出は後半8ゲームである後半パートにて行われ、前半10ゲームである前半パートでは当該バトル演出を行う味方キャラクタと敵キャラクタとが対峙する対峙演出が設定されている。
前半パートの対峙演出としては、図129に示すように、1ゲーム目では、対決する味方キャラクタと敵キャラクタとが補助表示部65にて表示されるVS表示演出(図132(a1))が設定されている。対峙演出の2ゲーム目~4ゲーム目では、味方キャラクタが背後にオーラを纏いながら気合を入れている様子が補助表示部65にて表示される味方キャラクタアップ演出(図132(b1))が設定されている。対峙演出の5ゲーム目~7ゲーム目では、月夜に照らされる敵キャラクタが補助表示部65にて表示される敵キャラクタアップ演出(図132(c1))が設定されている。対峙演出の8ゲーム目~10ゲーム目では、味方キャラクタと敵キャラクタとが火花を散らしながらにらみ合っている様子が補助表示部65にて表示されるにらみ合い演出(図132(d1))が設定されている。
後半パートのバトル演出としては、図130に示すように、11ゲーム目~16ゲーム目にて、味方キャラクタが攻撃する味方攻撃演出(図133(a))、及び敵キャラクタが攻撃する敵攻撃演出(図133(b))のいずれかの攻撃演出が合計3回繰り返され、17ゲーム目にて双方が攻撃し合う双方攻撃演出が行われる。そして、継続条件が成立している場合には、セットの最終ゲームである18ゲーム目にて味方キャラクタが勝利する味方勝利演出(図133(c))が行われて次のセットに移行し、継続条件が成立していない場合には、当該18ゲーム目にて味方キャラクタが敗北する味方敗北演出(図133(d))が行われてATモードが終了する。
このように、本実施形態では、対峙演出を経てからバトル演出が行われ、そのバトル演出にて継続条件の成否が報知される、といった1セットの演出が設定されており、当該バトル演出の内容や結果への注目度が好適に高められている。
既に説明した通り、本実施形態におけるセット管理型のATモードでは、1セットの開始に際して継続抽選が行われて継続条件の成否が決定されるほか、仮に当該継続抽選に非当選であってもセットの途中で特定役当選に基づく上乗せ抽選に当選した場合には、継続条件が成立し、次セットへ移行する構成としている。
ここで、上記のように特定役当選に基づいて継続条件が成立し得る構成とすることで、各ゲームの抽選結果への注目度が好適に高められるものの、特定役の当選確率やセットのゲーム数によっては、上記のような上乗せ抽選に当選することで継続条件が成立する事象が発生しにくくなり、遊技者としてはそのような事象へ期待を寄せなくなる可能性がある。そうすると、せっかく上乗せ抽選を用いてゲームの抽選結果に対する注目度を向上させようとしても、その効果を期待できない可能性も生じ得る。
特に、ATモードにおける1ゲーム当たりのメダル増加数(純増枚数)を多くすることで、ATモードの遊技性や遊技進行の好適化を図ろうとする場合、ATモードの1セット当たりのゲーム数は少なくなり易く、上記のように特定役を契機として継続条件が成立する事象は生じにくくなる。しかも、有利区間に上限ゲーム数が定められていることから、ATモード以外の通常モードやCZモードのゲーム数を多くしたり、ATモードにて上限増加数(2400枚)のメダル増加を期待できるようにしたりすると、おのずとATモードのゲーム数を少なくして上記の純増枚数を多くする構成となり易く、特定役を契機として継続条件が成立する事象は生じにくくなる。
そこで、本実施形態では、セットの継続抽選に当選している場合、その継続抽選に当選していることの報知(上記の味方勝利演出)よりも前のゲームにて、当該ゲームの抽選結果が特定役ではなくても、あたかも上乗せ抽選に当選したかのように報知する構成としている。
そして、上記のように継続抽選の結果を各ゲームの抽選結果に基づいて報知する構成とすることで、各セットの更新時の継続抽選にて継続条件の成否が決定しているのではなく、各ゲームの抽選結果に基づいて各セットの継続条件の成否が決定している印象を与えることが可能となる。
以下、上記のようなATモード中の各セットの演出を行うための処理構成について説明する。
図127に示すように、AT演出設定処理では、ステップSb2001にてサブ側ATカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSb2002にて、今回の開始時コマンドとして継続コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、継続コマンドは、1セットの開始に際して(セットの1ゲーム目の開始時に)継続抽選に当選している場合に出力される(図111)他、当該継続抽選に非当選であったセットにおいて上乗せ抽選に当選した場合に出力される(図112)コマンドである。
ステップSb2002にて継続コマンドを受信している場合、ステップSb2003にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。かかる処理によって、CPU181は今回のセットの継続条件が成立していることを把握可能となる。
ステップSb2002にて否定判定した場合、又はステップSb2003の処理を実行した後は、ステップSb2004に進む。ステップSb2004では、サブ側ATカウンタが7よりも大きいか否かを判定することで、セットの1ゲーム目~10ゲーム目であるか否かを判定する。セットの1ゲーム目~10ゲーム目である場合には、ステップSb2005~ステップSb2008にて前半パートである対峙演出を行うための処理を実行し、11ゲーム目~18ゲーム目である場合には、ステップSb2009~ステップSb2013にて後半パートであるバトル演出を行うための処理を実行する。
対峙演出を行うための処理としては、ステップSb2005にて各種テーブル記憶エリア182aから対峙演出テーブルを取得する処理を実行する。対峙演出テーブルは、図129に示すように、サブ側ATカウンタの値とに応じて、各ゲームにて実行すべき対峙演出の詳細な演出内容(VS表示演出、味方キャラクタアップ演出、敵キャラクタアップ演出、にらみ合い演出)が記憶されている。
ここで、対峙演出としては、通常演出と特定演出とが設定されており、今回のセットの継続条件が成立している場合には、特定演出としての対峙演出が発生し得る構成としている。特定演出は、補助表示部65における一部の演出内容が通常演出と異なる演出として設定されている。
例えば、VS表示演出においては、通常演出では味方キャラクタと敵キャラクタとの間に表示される「VS」との文字が白文字で表示されるのに対して、特定演出では当該「VS」との文字が赤文字で表示されるように設定されている。味方キャラクタアップ演出においては、通常演出では味方キャラクタの纏うオーラが白色であるのに対して、特定演出では当該オーラが虹色にて表示されるように設定されている。敵キャラクタアップ演出においては、通常演出では三日月が表示されるのに対して、特定演出では満月が表示されるように設定されている。にらみ合い演出においては、特定演出では女の子のキャラクタが味方キャラクタを応援する様子が表示されるのに対して、通常演出では当該女の子のキャラクタは登場しないように設定されている。
ステップSb2005にて対峙演出テーブルを取得した後は、ステップSb2006にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSb2007にて特定演出設定処理を実行する。特定演出設定処理は、上記のとおり通常演出と特定演出とが設定されている対峙演出において、特定演出を実行するか否かを設定するための処理である。
<特定演出設定処理>
特定演出設定処理では、図128のフローチャートに示すように、ステップSb2101にて各種フラグ格納エリア183aに発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。発生済みフラグは、今回のセットにおいて特定演出を既に発生させたことをCPU181が把握するためのフラグであり、特定演出を発生させた場合にセットされるフラグである。発生済みフラグがセットされている場合には、そのまま特定演出設定処理を終了する。すなわち、本実施形態においては、特定演出は、1セットのうち1回だけ発生し得るものとして設定されている。
発生済みフラグがセットされていない場合、ステップSb2102にて今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行し、ステップSb2103にて、今回のATモードの継続率を把握する処理を実行する。そして、ステップSb2104にて各種テーブル記憶エリア182aから特定演出テーブルを取得する処理を実行し、ステップSb2105にて特定演出抽選処理を実行する。
特定演出テーブルは、図131に示すように、各ゲームの抽選結果とATモードの継続率とに応じて、特定演出の発生率が設定されている。例えば、継続率10%のATモードにおいて、チャンス目Aであるゲームでは3.1%の確率で特定演出が発生するのに対して、チャンス目Bであるゲームでは20.0%の確率で特定演出が発生し、ゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど特定演出が発生し易くなるように設定されている。しかも、本実施形態では、これらチャンス目Aやチャンス目Bのような所謂レア役としての特定役だけではなく、通常役である通常リプAや通常リプB、通常リプC、押し順ベルであっても特定演出が発生し得るように設定されている。また、いずれの結果にも当選しない外れ結果であっても特定演出が発生し得るように設定されている。
この場合、例えば、各ゲームの抽選結果として押し順ベルには約65%の確率で当選し、継続率10%のATモードでは、当該押し順ベルを契機として約3.8%の確率で特定演出が発生することから、各ゲームで押し順ベルを契機として特定演出が発生する確率は約2.5%である。これに対して、例えば、出現すれば必ず特定演出が発生するチェリーCにおいては、各ゲームの抽選結果として約0.008%の確率で当選することから、各ゲームでチェリーCを契機として特定演出が発生する確率も約0.008%であり、押し順ベルを契機とする発生率よりも低い。
このように本実施形態では、通常リプA~通常リプC、押し順ベルに外れ結果を含めた通常役を契機として特定演出が発生する確率の方が、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、共通ベル及びスイカといった特定役を契機として特定演出が発生する確率よりも高くなるように設定されている。そして、継続率10%のATモードにおいては、通常役を契機として約5.5%(約18.2分の1)の確率で特定演出が発生するのに対して、特定役を契機として約0.8%(約122分の1)の確率で特定演出が発生し、継続率90%のATモードにおいては、通常役を契機として約13.3%(約7.52分の1)の確率で特定演出が発生するのに対して、特定役を契機として約1.0%(約105分の1)の確率で特定演出が発生する。
つまり、特定役を契機として実行される特定演出抽選の当選確率の方が、通常役を契機とする特定演出抽選の当選確率よりも高く設定されているものの、通常役は各ゲームで約96.4%の確率(約1.04分の1)の確率で出現(当選)し、特定役は各ゲームで約3.56%の確率(約28.1分の1)の確率で出現(当選)するように設定されていることから、通常役を契機とする特定演出の発生確率の方が、特定役を契機とする特定演出の発生確率よりも高くなり、ゲームの抽選結果が通常役であっても特定演出の発生に期待できるように設定されている。
特定演出が発生し得る対峙演出の継続ゲーム数(10)との関係では、継続率10%のATモードにおいては、通常役を契機とする特定演出の発生確率の分母(約18.2)は対峙演出の継続ゲーム数よりも大きいものの、継続率90%のATモードにおいては、通常役を契機とする特定役の発生確率の分母(約7.52)は対峙演出の継続ゲーム数よりも小さくなるように設定されている。これに対して、継続率10%のATモードにおいて、特定役を契機とする特定演出の発生確率の分母(約122)は対峙演出の継続ゲーム数よりも大きく、継続率90%のATモードにおいても、特定役を契機とする特定演出の発生確率の分母(約105)は対峙演出の継続ゲーム数よりも大きくなるように設定されている。そのため、継続条件が成立している状況下においては、継続率が90%のATモードであれば(60%であっても、10%ではなければ)、通常役を契機とする特定演出が、平均して少なくとも1回は発生し得るような確率となり、これに対して、特定役を契機とする特定演出はATモードの継続率に関わらず、1回も発生しない場合の方が高くなる。
このようにすることで、特定役を契機とした上乗せ当選を願いながらも、通常役であっても上乗せ当選に期待させることが可能となり、少ないゲーム数のATモードであっても、各ゲームで上乗せ当選に期待させる遊技性を実現できる。
しかも、本実施形態では、ATモードの継続率によって特定演出の発生確率が異なっており、基本的には、ゲームの抽選結果が同じであっても、継続率が高いほど特定演出が発生し易くなるように設定されている。例えば、押し順ベルを契機とする特定演出は、継続率10%のATモードでは約3.8%の確率で発生するのに対して、継続率90%のATモードでは約12.5%の確率で発生するように設定されており、また、外れ結果を契機とする特定演出は、継続率10%のATモードでは約13.8%の確率で発生するのに対して、継続率90%のATモードでは約23.5%の確率で発生するように設定されている。そのため、1ゲーム当たりの特定演出の発生率は、継続率10%であれば約6.3%であるのに対して、継続率90%であれば約14.2%であり、高い継続率のATモードほど、早期に特定演出が発生し易くなっている。そして、10ゲーム間の対峙演出において、特定演出が発生する確率は、継続率10%のATモードであれば約48.0%であり、継続率90%のATモードであれば約78.5%であり、特定演出の発生確率を通じて、ATモードの継続率を予測させることが可能である。
ステップSb2105にて特定演出抽選処理を実行した後は、ステップSb2106にて当該抽選処理にて当選となったか否かを判定し、非当選と判定した場合には、そのまま特定演出設定処理を終了する。この場合、今回の対峙演出では通常演出が実行されることになる(後述のステップSb2008)。ステップSb2106にて特定演出抽選に当選したと判定した場合、ステップSb2107にてサブ側ATカウンタの値に応じた特定演出を把握する処理を実行する。具体的には、例えば、サブ側ATカウンタが1であれば、今回の特定演出として「VS」の文字表示を赤文字にて表示する特定演出を把握し、サブ側ATカウンタが2~4であれば、今回の特定演出として味方キャラクタの纏うオーラの色を虹色にて表示する特定演出を把握する。そして、ステップSb2108にて発生済みフラグをセットする処理を実行してから、特定演出設定処理を終了する。
AT演出設定処理において、ステップSb2006にて否定判定した場合、又はステップSb2007にて特定演出設定処理を実行した後は、ステップSb2008にて今回のゲームにて補助表示部65やスピーカ64にて行う対峙演出を設定する処理を実行してから、AT演出設定処理を終了する。この場合、上記ステップSb2107にて特定演出が把握されている場合には、当該特定演出が発生する対峙演出が行われるように設定し、ステップSb2107の処理が行われていなければ(ステップSb2006又はステップSb2106にて否定判定した場合には)、通常演出が発生する対峙演出が行われるように設定する。
このようにすることで、継続条件が成立しており、主制御装置101側に継続フラグがセットされている状況においては、ATモードの各セットの前半パートの対峙演出にて特定演出が発生し得るようになる。そして、その特定演出の発生は、通常役を契機とする割合の方が特定役を契機とする割合よりも大きくなり、更に、継続率の高いATモードほど、早期に特定演出が発生し易いことから、遊技者としては、セットの前半パートにおいて特定演出が発生することを願いながら遊技を進行するようになり、当該前半パートの遊技性を格段に向上させることが可能となる。
AT演出設定処理においてステップSb2004にてサブ側ATカウンタが7以下であり、後半パートである場合、バトル演出を行うための処理を実行する。すなわち、ステップSb2009では、サブ側ATカウンタが7であり、1セットの11ゲーム目であってバトル演出の1ゲーム目であるか否かを判定する。サブ側ATカウンタが7である場合、ステップSb2010にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSb2011にて各種テーブル記憶エリア182aから継続用バトル演出テーブルを取得し、当該取得した演出テーブルから今回のセットにて行うバトル演出を抽選等により選択する処理を実行する。
継続用バトル演出テーブルは、図130に示すように、セットの最終ゲームにて味方勝利演出が発生して継続条件が成立していることの報知が行われるものであって、セットの11ゲーム目~16ゲーム目に味方攻撃演出及び敵攻撃演出の組み合わせが異なる複数の演出テーブル(PA1~PA8)が設定されている。いずれの演出テーブルが選択されるかについては、ATモードの継続率によって異なっており、例えば、味方攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PA1)については、10%継続のATモードが最も選択され易く、90%継続のATモードが最も選択されにくくなるように設定されており、また、敵攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PA5)は、90%継続のATモードが最も選択され易く、10%継続のATモードが最も選択されにくくなるように設定されている。そして、例えば、味方攻撃演出→敵攻撃演出→敵攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PA7)は、10%継続のATモード及び90%継続のATモードでは選択され得る一方、60%継続のATモードでは選択されず、敵攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PA8)は、10%継続のATモード及び60%継続のATモードでは選択されない一方、90%継続のATモードでは選択され得る、といったように、選択される演出テーブル(各攻撃演出の組み合わせと順序)によってATモードの継続率を予測又は把握することが可能となっている。ステップSb2011では、これら継続用バトル演出テーブルから一の演出テーブルを選択し、当該選択した演出テーブルのアドレス情報を、アドレス情報記憶エリア183cに記憶する処理を実行する。
ステップSb2010にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSb2012にて各種テーブル記憶エリア182aから非継続用バトル演出テーブルを取得し、当該取得した演出テーブルから今回のセットにて行うバトル演出を抽選等により選択する処理を実行する。
非継続用バトル演出テーブルは、図130に示すように、セットの最終ゲームにて味方敗北演出が発生して継続条件が成立していないことの報知が行われるものであって、セットの11ゲーム目~16ゲーム目に味方攻撃演出及び敵攻撃演出の組み合わせが異なる複数の演出テーブル(PB1~PB8)が設定されている。いずれの演出テーブルが選択されるかについては、ATモードの継続率によって異なっており、例えば、敵攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PB1)については、60%継続のATモードや90%継続のATモードの方が、10%継続のATモードよりも選択され易くなるように設定されており、また、敵攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PB4)は、10%継続のATモードの方が、60%継続のATモードや90%継続のATモードよりも選択され易くなるように設定されている。そして、例えば、味方攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PB6)は、90%継続のATモードでは選択され得る一方、10%継続のATモードや60%継続のATモードでは選択されず、敵攻撃演出→味方攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PB7)は、60%継続のATモードでは選択され得る一方、10%継続のATモードや90%継続のATモードでは選択されず、味方攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PB8)は、10%継続のATモードでは選択され得る一方、60%継続のATモードや90%継続のATモードでは選択されない、といったように、選択される演出テーブル(各攻撃演出の組み合わせと順序)によってATモードの継続率を予測又は把握することが可能となっている。ステップSb2012では、これら非継続用バトル演出テーブルから一の演出テーブルを選択し、当該選択した演出テーブルのアドレス情報を、アドレス情報記憶エリア183cに記憶する処理を実行する。
継続用バトル演出テーブルと非継続用バトル演出テーブルとを比較すると、例えば、味方攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PA3,PB6)において味方勝利演出でバトル演出が終了した場合には90%継続のATモードであることが示唆される一方、味方敗北演出でバトル演出が終了した場合には90%継続のATモードであったことが確定し、また、味方攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PA1,PB8)において味方勝利演出でバトル演出が発生した場合には10%継続のATモードが示唆される一方、味方敗北演出でバトル演出が終了した場合には10%継続のATモードであったことが確定する、といったように各攻撃演出の組み合わせや順番だけでなく、その後の味方勝利演出及び味方敗北演出の組み合わせによっても継続率を予測・把握することが可能となっている。
セット11ゲーム目において、ステップSb2011やステップSb2012の処理にて今回のバトル演出の演出テーブルの選択が行われ、選択した演出テーブルのアドレス情報の記憶処理を行った後は、ステップSb2013にて、今回のゲームのバトル演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。
これに対して、ステップSb2009にてサブ側ATカウンタが7ではなく、セットの12ゲーム目以降である場合、ステップSb2014に進む。ステップSb2014では、サブ側継続フラグがセットされており、且つ設定されているバトル演出のアドレス情報が味方敗北演出に対応するアドレス場情報(PB1~PB8)であるか否かを判定する。ステップSb2014にて肯定判定する場合とは、11ゲーム目でバトル演出の設定を行うまでは継続条件が成立していなかったものの、それ以降で継続条件が成立したことを意味する。この場合、ステップSb2015にて継続用バトル演出テーブルから今回のセットにて行うバトル演出を再選択し、その再選択した演出テーブルのアドレス情報をアドレス情報記憶エリア183cに記憶させる(上書きする)処理を実行する。
この場合、これまでのゲームにて実行されていた味方攻撃演出や敵攻撃演出にかかわらず、ATモードの継続率に応じて継続用バトル演出テーブルから上書き用のバトル演出テーブルを選択する。このようにすることで、途中で継続条件が成立した場合には、バトル演出における味方攻撃演出と敵攻撃演出との組み合わせと継続率との関係が、最初から継続条件が成立している場合と異なるようになり、演出の多様化が図られるし、継続率を予測する遊技の困難性を向上させて遊技の興趣向上を図ることが可能となる。なお、本実施形態では、味方攻撃演出や敵攻撃演出は2ゲームをセットとして演出が設定されているため、例えば、味方攻撃演出(敵攻撃演出)の2ゲーム目で上記の継続条件が成立して、上書き用のバトル演出テーブルにおいては今回のゲーム(2ゲーム目)では上書き前の攻撃演出と異なる敵攻撃演出(味方攻撃演出)を行うように設定されている場合、今回のゲームでは上書き前の演出テーブルに従って演出を行うようにしてもよいし、今回のゲームでは上書き後の演出テーブルに従って演出を行うようにしたうえで、味方(敵)が攻撃を仕掛けたのにも関わらず敵攻撃演出(味方攻撃演出)に切り替わるカウンター演出を行うように設定してもよい。
ステップSb2014にて否定判定した場合、又はステップSb2015の処理を実行した後は、ステップSb2013に進み、サブ側ATカウンタの値に応じて今回のゲームのバトル演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。
<ATモード中の演出の流れ>
次に、ATモード中の各セットにおける演出の流れについて、図134及び図135のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図134に示すように、ATモードがta1のゲームにて開始された場合、ta5まで継続する1セット目において、ta1からta3(正確にはta3にて開始されるゲームの直前のゲーム)までが対峙演出が実行される前半パートであり、ta3からta5(正確にはta5にて開始されるゲームの直前のゲーム)までがバトル演出が実行される後半パートとなる。
また、ta1のゲームの開始時に継続判定処理(図111)における継続抽選処理(ステップSb904)が実施される。例えば、ta1の継続抽選で継続当選であった場合、継続フラグがセットされる。この継続フラグは、今回のセットの次のセット継続判定の直前、すなわち、ta5にて開始されるゲームの直前のゲームにおける入賞結果対応処理のATモード用処理にてクリアされる(図ではta5にてクリアされるように示している)。
継続フラグがセットされている場合、ta1からta3の前半パートでは、対峙演出にて特定演出が発生し得るようになる。例えば、ゲームの抽選結果が通常役であるta2にて特定演出抽選に当選して特定演出が発生したとする。この場合、当該ta2の特定演出の発生に伴い発生済みフラグがセットされ、当該セットにおいては特定演出は発生しないようになる。
ta3からta5の後半パートにおいては、バトル演出が実行され、当該バトル演出の最終ゲームにて味方勝利演出が実行されて継続条件が成立していたことの報知(継続報知)が実行される(ta4)。この場合、当該継続報知によって、次のセットへ移行することを遊技者は把握可能となる。但し、ta3の特定演出によって継続条件が成立していることを把握している遊技者としては、ta3から開始されるバトル演出を、その結果(勝利演出となるか敗北演出となるかの結果)を知りながら優越感に浸りながら楽しむことが可能となる。そのため、その優越感を楽しむためや、継続条件が成立していることを早期に知って安心したいため、当該特定演出が行われることを見逃さないようにするようになり、対峙演出への注目度が好適に高められる。
ta5にて次のセットが開始された場合、当該ta5にて継続抽選処理が実施され、当該ta5では継続非当選であったとする。この場合、継続フラグはセットされない。例えば、前半パート中であるta6のゲームにて特定役を契機として上乗せ当選したとすると、このta6のゲームにて継続フラグがセットされることとなる。
ここで、本実施形態における特定演出抽選では、上乗せ抽選に当選したゲームか否かに関わらずゲームの抽選結果に応じて実行されるように設定されており、上乗せ当選となったゲームにて特定演出が発生しない場合がある。そのため、例えば、上記の上乗せ当選となったta6にて継続フラグ(及びサブ側継続フラグ)がセットされて、継続条件が成立した場合に特定演出が発生しなくても、その後のta7の通常役を契機として特定演出が発生する場合がある。なお、図においては、上乗せ当選となったta6のゲームとは異なるta7のゲームにて特定演出が発生する例を示しているが、当然、上乗せ当選となったta6のゲームにて特定演出が発生する場合もある。
ta8からta10のバトル演出においては、上記のように継続フラグがセットされていることから、ta10の直前のta9にて味方勝利演出としての継続報知が実行される演出パターンにて当該バトル演出が行われる。
ta10にて次のセットが開始された場合、同様に、当該ta10にて継続抽選処理が実施され、当該ta10では継続非当選であったとすると、継続フラグはセットされない。そして、当該ta10にて開始されたセットが終了するta13まで上乗せ当選しなかった場合には、ta10からta11の前半パートでは特定演出は発生しないし、ta11からta13のバトル演出においても、当該ta13の直前のta12にて味方敗北演出が実行される演出パターンにて当該バトル演出が行われる。そして、当該ta13にてATモードが終了する。
ここで、本実施形態では、各セットの後半パートでは、特定演出は発生せず、当該後半パートのバトル演出だけを見ると、最終ゲームにて味方勝利演出又は味方敗北演出が実行されるまで継続条件が成立しているか否かを判別することができないように設定されている。言い換えるならば、継続条件が成立していることを報知する継続報知としての味方勝利演出が行われるよりも前に、当該継続条件が成立していることに対応する特定演出が発生し得る構成において、当該特定演出が発生し得る状況(前半パート)と、継続報知が発生し得る最終ゲームとの間に、特定演出が発生し得ない状況(後半パート)が介在する構成としている。このようにすることで、特定演出が発生し得る状況が限定的なものとなることを通じて特定演出の希少性が高められ、当該特定演出へ強い関心を寄せさせることが可能としながらも、特定演出が発生して欲しいと願うあまり、後半パートのバトル演出自体への注目度が低下してしまうことを回避することが可能となる。
既に説明した通り、特定演出は、ATモードの継続率に応じてその発生確率が異なっており、高い継続率のATモードほど発生し易い。図135(a)は、10%継続のATモードを示しており、図135(b)は、90%継続のATモードを示している。
例えば、tb1にて開始される10%継続のATモードにおいて、tb6までの1セット目では継続条件が成立しており、tb6からtb10の2セット目では継続条件が成立せず、当該2セット目でATモードが終了する場合、tb6の直前のtb5にて継続報知としての味方勝利演出が実行され、tb10の直前のtb9では味方敗北演出が実行される。
また、例えば、tc1にて開始される90%継続のATモードにおいて、tc6までの1セット目、及びtc6からtc10までの2セット目で継続条件が成立しているものとすると、tc6の直前のtc5、及びtc10の直前のtc9にて継続報知としての味方勝利演出が実行される。
既に説明した通り、特定演出は、継続条件が成立しているセットの前半パートにて発生し得る。そのため、10%継続のATモードにおいては、1セット目における前半パートであるtb1からtb4までのゲームにて特定演出は発生し得る一方、2セット目における前半パートであるtb6からtb8までのゲームでは発生しない。これに対して、90%継続のATモードにおいては、1セット目における前半パートであるtc1からtc4までのゲーム、及び2セット目における前半パートであるtc6からtc8までのゲームにて、特定演出が発生し得るようになる。
但し、特定演出が発生した後は、継続条件が成立しているセットの前半パートであっても特定演出は発生しないようになることから、例えば、10%継続のATモードにおいてtb1からtb4までのtb3のゲームにて特定演出が発生した場合、当該tb3からtb4までのゲームでは特定演出は発生しないようになる。また、例えば、90%継続のATモードにおいてtc1からtc4までのtc2のゲームにて特定演出が発生した場合や、tc6からtc8までのtc7のゲームにて特定演出が発生した場合は、当該tc2からtc4やtc7からtc8までのゲームでは特定演出は発生しないようになる。
上記の通り、継続率が高いATモードほど特定演出は発生し易くなることから、10%継続のATモードにて特定演出が発生するtb3のゲームは、90%継続のATモードにて特定演出が発生するtc2のゲームよりも後のゲームとなり易い。このようにすることで、特定演出が発生するまでのゲーム数から、ATモードの継続率を予測する遊技が追加され、ATモードの楽しみ方の多様化を通じて遊技の興趣を向上させることが可能となる。
ここで、上記のように、ATモードの各セットにおいては、遊技者としてはより早期に特定演出が発生することを期待して遊技を進行するものと考えられるところ、このような遊技性においては、特定演出が発生するか否かを楽しむドキドキ感を長く楽しめるほど、当該遊技性の遊技を存分に楽しませることが可能と考えられる。その点、当該特定演出が発生するか否かを楽しむことができる期間は、10%継続のATモードではtb1からtb3の期間であり、90%継続のATモードではtc1からtc2の期間であり、1セット当たりの期間の長さは、10%継続のATモードの方が長くなる。このようにすることで、継続率の低いATモードであっても、上記の特定演出が発生するか否かをより長く楽しませることが可能となり、遊技の興趣を好適に向上させることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ATモードのセットの継続条件が成立している状況であって、ATモードのセットを継続させるよりも前に、各ゲームの抽選結果に応じて継続条件が成立していることに対応する特定演出を実行することの特定演出抽選を行い、当該特定演出抽選に当選した場合に特定演出が行われるようにした。このようにすることで、ATモードの各セットにおいてセットが継続するか否かへの注目が集められるなか、継続することに対応する特定演出が行われることを期待することを通じて、各ゲームの抽選結果への注目度が高められる。
この場合、ATモードの継続率によって特定演出抽選の当選確率が異なり、継続率が高いほど特定演出抽選に当選し易くなるように設定したため、特定演出が発生することは、セットの継続条件が成立していることを示すだけではなく、その発生タイミングによってはATモードの継続率が高いことを示すものであるようになる。よって、特定演出が行われることにより関心を寄せさせることが可能となり、遊技の注目度を好適に高めることができる。
ゲームの抽選結果が特定役である場合の方が外れを含む通常役である場合よりも、特定演出抽選に当選し易くなるように設定されているものの、ゲームの抽選結果が特定役となる確率や、通常役となる確率とを加味すると、特定役を契機として特定演出が行われる割合(特定役の当選確率と特定役時の特定演出抽選の当選確率との積)よりも通常役を契機として特定演出が行われる割合(通常役の当選確率と通常役時の特定演出の当選確率との積)の方が大きくなるように設定していることから、各ゲームの抽選結果が通常役である場合であっても特定演出の発生に期待を寄せさせることが可能となる。
この場合、ATモードの各セットは18ゲームとしており、その中でも特定演出が発生し得るゲーム数は対峙演出が行われる10ゲームである。そして通常役の当選確率の分母は10よりも小さく、特定役の当選確率の分母は10よりも大きくなり得るように設定されている。このような確率だからこそ、各セットで特定役当選となる機会はなかなかなく、それに対して通常役当選となる機会は頻繁にあり得る構成となり、上記のように通常役を契機として特定演出が発生し得るようにすることの意義が高められるし、特定演出を用いてセット継続前の各ゲームの注目度を高める効果をより好適に奏することが可能となる。
特定演出を実行した後は、発生済みフラグをセットして、特定演出は1セットにつき1回限り発生し得る構成としたため、特定演出の希少性が高められるし、当該特定演出を見逃さないようにしようとする遊技者心理を利用して、特定演出への注目度を高めることができる。
対峙演出を行う各ゲームにおいて、特定演出の演出態様が異なるようにしているため、同様の演出態様にて特定演出を行う構成と比較して、特定演出が見逃される可能性が高くなる。このようにすることで、特定演出への注目度が高められるし、更に、その後にバトル演出によって継続条件の成否を報知する構成において、当該バトル演出への注目度も高めることが可能となる。
継続条件が成立していないセットでは、各ゲームの抽選結果に応じてAT上乗せ用処理にて上乗せ抽選に当選することで継続条件を成立させることが可能である。この場合、上乗せ抽選に当選した場合は、対峙演出中であれば特定演出が発生し得る構成としていることから、各ゲームの抽選結果と特定演出の発生とを密接に関連付けることが可能となり、あたかもセット更新時の継続抽選を介さずに、各ゲームの抽選結果に応じて継続条件の成否判定が行われているかのような印象を与えることも可能となる。
上乗せ抽選においては、特定役では上乗せ当選するものの通常役では上乗せ当選しないように設定されている。このようにすることで、所謂レア役としての特定役に当選したのにも関わらずセットが継続しなかったといった事象を生じにくくすることができ、特定役と継続条件の成否との関係性を担保することができる。
但し、本実施形態では、上乗せ当選によって継続条件が成立した場合であっても、特定演出抽選に当選しなければ特定演出は行われず、上乗せ当選時に特定演出の実行が制限される場合があるようにしていることから、通常役で特定演出が行われる機会を増やすことができ、通常役当選となるゲームへの注目度を好適に高めることが可能となる。
上乗せ抽選の当選確率は、ATモードの継続率に関わらず共通している。このような構成を前提として、特定演出によって各ゲームの抽選結果に応じて継続条件が成立するかのような印象を与える構成とすることで、低い継続率が設定されたATモードであっても、実際に遊技者のヒキによってATモードが継続する場合があるようになり、各ゲームの抽選結果に応じて継続条件が成立している印象を与える効果を高めることができる。
また、バトル演出中においては上乗せ当選によって継続条件が成立しても、特定演出を行わないようにしていることから、複数のゲームに亘って行われるバトル演出の結果が途中で丸わかりになってしまう事象が生じないようになり、バトル演出への注目度を好適に担保することが可能となる。
ATモードのセットにおいて、セットの継続条件が成立していることに対応する特定演出は対峙演出中に実行可能であり、その後、特定演出が実行され得ないバトル演出を経てセットの更新が行われる。このようにすることで、継続条件が成立していることの事前告知としての特定演出と、継続条件の成否を報知するバトル演出とが重複することによる注目度の低下を回避し、それぞれの演出の演出効果を好適に期待することが可能となる。
この場合、AT演出設定処理では、対峙演出中に特定演出を実行したか否かに関わらず、継続条件の成否に基づいて各バトル演出テーブルから今回のバトル演出の演出パターンを決定する構成としている。このようにすることで、例えば、特定演出が行われた場合の演出パターンを予め記憶しておく必要が生じないし、例えば、仮に特定演出が行われたのにもかかわらず特定演出を見逃してしまった場合に、当該特定演出が行われた場合の演出パターンのバトル演出が行われることを通じて、当該見逃してしまったことを後追いで気付かされる、といった不都合を生じさせないようにすることができる。この場合、このような不都合を解消するためには、特定演出が見逃されないようにより派手な態様とする対策が考えられるが、上記構成のように、そもそも特定演出の実行の有無に関わらずバトル演出の演出パターンを決定する構成としていれば、特定演出が見逃され得ることを前提とした態様の演出とすることも可能となり、特定演出への注目度向上を後押しすることができる。
主制御装置101側の継続判定処理では、ATモードのセットの更新に際して継続率のみを参照し、更新時のゲームの抽選結果を参照しない構成としている。このようにすることで、継続抽選がセットの更新時に行われていることを悟られにくくすることができ、その後の各ゲームの抽選結果に応じて継続抽選が行われているかのような印象を与える手助けとすることが可能となる。
<変形例1>
上記第2bの実施形態αでは、上乗せ当選したゲームか否かに関わらず(サブ側継続フラグがセットされたゲームか否かに関わらず)特定演出抽選を経て特定演出を行う構成としていたが、本変形例では、上乗せ当選したゲームにて積極的に特定演出を行う構成について説明する。図136は、本変形例におけるAT演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSb2201にてサブ側ATカウンタを1減算する処理を実行した後、ステップSb2202にて継続コマンドを受信したか否かを判定する。継続コマンドを受信している場合、ステップSb2203にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。これらステップSb2201~ステップSb2203の処理は、上記ステップSb2001~ステップSb2003の処理と同様である。本変形例では、ステップSb2203にてサブ側継続フラグをセットした後、ステップSb2204にてサブ側ATカウンタが8~16であるか否かを判定することで、ATモードの1セットの2ゲーム目~10ゲーム目であるか否かを判定する。2ゲーム目~10ゲーム目である場合、ステップSb2205にて各種フラグ格納エリア183aに特定演出フラグをセットする処理を実行する。特定演出フラグは、上乗せ当選したゲームにて特定演出を発生させるためのフラグである。
ステップSb2202若しくはステップSb2204にて否定判定した場合、又はステップSb2205の処理を実行した後は、ステップSb2206~ステップSb2215にて、今回のゲームにおける演出を設定するための処理を実行する。ステップSb2206~ステップSb2215の処理は、ステップSb2209の特定演出設定処理を除き、上記ステップSb2004~ステップSb2013の処理と同様である。
本実施形態における特定演出設定処理では、図137のフローチャートに示すように、ステップSb2301にて発生済みフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、そのまま特定演出設定処理を終了する。発生済みフラグがセットされておらず、今回のセットにて特定演出が未発生である場合、ステップSb2302にて、上記の特定演出フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合、ステップSb2303~ステップSb2309にて、特定演出を発生させるための処理を実行する。ステップSb2303~ステップSb2309の処理は、上記ステップSb2102~ステップSb2108の処理と同様である。
ステップSb2302にて特定演出フラグがセットされている場合、ステップSb2310にて当該特定演出フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSb2308に進み、サブ側ATカウンタに応じた特定演出を把握するための処理を実行し、ステップSb2309にて発生済みフラグをセットする処理を実行してから、本特定演出設定処理を終了する。この場合、ステップSb2210の対峙演出の設定処理において、特定演出に対応する対峙演出の設定が行われる。
このようにすることで、継続抽選に非当選となったセットにおいて、特定役を契機として上乗せ当選した場合、当該ゲームが前半パートであれば当該ゲームにて特定演出が発生するようになる。よって、各ゲームの抽選結果と特定演出の発生率とがより密接に関連付けられるようになり、各セットの更新時に行う継続抽選の結果ではなく、各ゲームの抽選結果に基づいて継続抽選が行われている印象を強めることが可能となるし、その継続抽選の結果が特定演出によって報知されていることの印象も強めることが可能となる。
継続抽選が行われたゲームでは、仮に上乗せ抽選に当選した場合であっても、特定演出フラグはセットされず、特定演出抽選を経ることなく特定演出が発生することがないようにした。つまり、継続抽選に当選した場合にも継続コマンドが出力されるところ、継続抽選が行われるゲームでは、継続コマンドを受信してもサブ側継続フラグをセットするだけで、特定演出フラグをセットしないようにした。このように、セットの継続抽選に当選したことと、上乗せ抽選に当選したことと、を表示制御装置81があえて区別可能なようにしない構成とすることで、コマンドの種類数の膨大化を回避し、比較的簡素な構成にて特定演出を矛盾なく行うことが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、継続条件が成立している状況で、上乗せ抽選に非当選となった場合に特定演出を発生させる。図138は、本変形例におけるAT上乗せ用処理を示すフローチャートである。
本変形例におけるAT上乗せ用処理では、ステップSb2404にて上乗せ非当選であったと判定した場合の処理が異なっている。すなわち、ステップSb2404にて否定判定した場合、ステップSb2410にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされている場合、ステップSb2411にて、今回のゲームの抽選結果がいずれかの特定役であったか否かを判定する。ステップSb2410にて継続フラグがセットされていない場合や、ステップSb2411にて継続フラグがセットされているものの通常役であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。継続フラグがセットされており、且つ特定役を契機とする上乗せ抽選に非当選であった場合、ステップSb2412にて、非当選コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。
なお、ステップSb2401~ステップSb2409の処理は、上記ステップSb1001~ステップSb1009の処理と同様である。
図139は、本変形例における特定演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSb2501にて発生済みフラグがセットされていない場合、ステップSb2502にて、今回のゲームの開始時コマンドとして、上記の非当選コマンドを受信しているか否かを判定する。非当選コマンドを受信していない場合、ステップSb2503~ステップSb2509にて特定演出を発生させるための処理を実行する。これらステップSb2501、ステップSb2503~ステップSb2509の処理は、上記2201~ステップSb2108の処理と同様である。
これに対して、ステップSb2502にて上記の非当選コマンドを受信しており、セットの前半パートにおいて既に継続条件が成立しているものの、今回のゲームにおいて特定役を契機とする上乗せ抽選に非当選であり、且つ未だ特定演出を発生させていない場合、ステップSb2502にて肯定判定し、ステップSb2508に進む。そして、ステップSb2508にてサブ側ATカウンタに応じた特定演出を把握するための処理を実行し、ステップSb2509にて発生済みフラグをセットする処理を実行してから、本特定演出設定処理を終了する。この場合、ステップSb2210の対峙演出の設定処理において、特定演出に対応する対峙演出の設定が行われる。
このようにすることで、上乗せ抽選の当選確率を高めすぎることなく特定役当選となったゲームにて特定演出が行われる機会を増やすことができる。よって、特定役当選となったゲームにて特定演出が行われることを通じて、セットの継続抽選がセットの更新時ではなく、各ゲームにて行われている印象を与える後押しとすることができ、各セットにおける各ゲームの注目度を好適に高めることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、セットの前半パートにて特定演出が発生したか否かによって、後半パートにて選択されるバトル演出の演出テーブルが異なり得るようにする。図140は、本変形例におけるAT演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例では、サブ側ATカウンタが7であり、後半パートの開始ゲーム(セットの11ゲーム目)の処理が異なっている。すなわち、ステップSb2601~ステップSb2608の前半パート用の処理等は、上記ステップSb2001~ステップSb2008の処理と同様である。ステップSb2604にて否定判定した場合、ステップSb2609にてサブ側ATカウンタが7であって、後半パートの開始ゲームであるか否かを判定する。
ステップSb2609にて肯定判定した場合、ステップSb2610にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合、ステップSb2611にて、発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、発生済みフラグは、セットの前半パートにおいて特定演出が発生したことをCPU181が把握するためのフラグである。
発生済みフラグがセットされておらず、継続条件が成立していても特定演出が発生しなかった場合、ステップSb2612にて継続用バトル演出テーブルから今回のバトル演出の演出テーブルを選択するとともに、選択した演出テーブルのアドレス情報を記憶する処理を実行する。かかる処理は、上記ステップSb2011の処理と同様であり、今回のATモードの継続率に応じて抽選によって演出テーブルを選択する。
これに対して、ステップSb2611にて発生済みフラグがセットされており、継続条件が成立しており、特定演出が発生している場合、ステップSb2613にて継続用バトル演出テーブルから予め定められた特定の演出テーブルを、今回のバトル演出の演出テーブルとして選択し、当該選択した演出テーブルのアドレス情報を記憶する処理を実行する。本変形例においては、上記特定の演出テーブルとして、アドレス情報PA1の演出テーブルが設定されており、特定演出が発生した後のバトル演出においては、味方攻撃演出が3回連続で発生して味方勝利演出が行われる演出パターンのバトル演出が実行されるようになる。
ステップSb2610にてサブ側継続フラグがセットされていない場合、ステップSb2614にて非継続用バトル演出テーブルから、今回のバトル演出の演出テーブルを選択するとともに、選択した演出テーブルのアドレス情報を記憶する処理を実行する。また、ステップSb2609にて、サブ側ATカウンタが7ではない場合、ステップSb2616にてバトル演出に移行してから事後的に継続条件が成立したか否かを判定し、事後的な継続条件成立であれば、ステップSb2617にて演出テーブルの書き換え用の処理を実行する。そして、ステップSb2612~ステップSb2614、ステップSb2617のいずれかの処理を実行した後、又はステップSb2616にて否定判定した場合、ステップSb2615にて今回のゲームのバトル演出の設定処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。ステップSb2614~ステップSb2617の処理は、上記ステップSb2012~ステップSb2015の処理と同様である。
このようにすることで、特定演出の発生を把握しているのにもかかわらず、味方キャラクタが敗北する可能性が高いバトル演出が行われないようになり、演出の矛盾を生じさせないようにすることができるし、特定演出が発生している場合にまでバトル演出の演出パターンを選択しなくて済むためバトル演出を行ううえでの処理構成を簡素なものとすることが可能となる。
しかも、上記構成のようにすることで、特定演出が発生した場合には、バトル演出の演出パターンからはATモードの継続率の予測を行うことができなくなる。このようにすることで、バトル演出の演出パターンといった他の情報を頼りとすることなく、純粋に、特定演出の発生タイミングや発生率からATモードの継続率を予測させることがか可能となり、特定演出への注目度を好適に高めることができる。
<変形例4>
本変形例では、特定演出が発生した後、ゲームの抽選結果に応じて設定値の示唆演出が発生する。図141は、本変形例における示唆演出設定処理を示すフローチャートである。図による詳細な説明は省略するが、本変形例においては、AT演出設定処理において前半パートの演出設定として、ステップSb2008の対峙演出の設定処理を行った後、図141の示唆演出設定処理を実行する。すなわち、示唆演出設定処理は、表示制御装置81のCPU181により、ATモード中の前半パートの演出設定用の処理における一処理として実行される処理である。
示唆演出設定処理では、ステップSb2701にて発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま示唆演出設定処理を終了する。すなわち、本変形例では、特定演出が発生していない状況においては、示唆演出は発生しない。発生済みフラグがセットされている場合、ステップSb2702に進む。
ステップSb2702では、今回のゲームの抽選結果を把握し、ステップSb2703では、設定値を把握する処理を実行する。そして、ステップSb2704にて今回のATモードの継続率を把握し、ステップSb2705にて各種テーブル記憶エリア182aから示唆演出テーブルを取得する処理を実行し、ステップSb2706にて示唆演出抽選処理を実行する。
本変形例における示唆演出テーブルは、図142に示すように、設定値と、継続率と、ゲームの抽選結果とに応じて、示唆演出の発生確率が異なるように設定されている。具体的には、ゲームの抽選結果が外れ結果である場合に示唆演出が発生し得るように設定されており、他の結果では示唆演出が発生しないように設定されている。また、出玉率が高くなる設定値ほど(高設定ほど)、示唆演出が発生し易くなるように設定されているとともに、継続率が高いATモードほど、示唆演出が発生し易くなるように設定されている。
なお、本変形例における示唆演出は、高設定を示唆する演出であるとともに、高継続率を示唆する演出として設定されているが、設定値の偶奇を示唆する演出を設けたり、所定値以上の設定値であることを示唆する演出を設けたり、発生した場合に設定値が所定値(例えば、設定6)であることが確定する演出を設けたりしてもよい。
ステップSb2706にて示唆演出抽選処理を実行した後は、ステップSb2707にて示唆演出抽選に当選しているか否かを判定し、当選である場合には、ステップSb2708にて示唆演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、示唆演出設定処理を終了する。なお、図による詳細な説明は省略するが、示唆演出としては、例えば、補助表示部65の演出内容を非発生時と異ならせる(例えば、所定のキャラクタを登場させる)態様としてもよいし、スピーカ64からの効果音を非発生時と異ならせる(例えば、特殊な効果音を発生させる)態様としてもよいし、これらの態様を組合せた態様であってもよい。また、ステップSb2707にて非当選であると判定した場合には、そのまま示唆演出設定処理を終了する。
このように、特定演出が行われることによって、その後、設定値の示唆演出が行われ得るようにしたことにより、特定演出が行われることが、継続率の高低や継続条件の成否を把握可能とするだけでなく、設定値の示唆演出の開始契機となり、設定値を把握したい遊技者心理を利用して、特定演出が行われることに対する期待感を向上させることができる。
この場合、特定演出が行われた後、ゲームの抽選結果に応じて示唆演出が発生し得るようにしていることから、各ゲームの抽選結果への注目度向上効果を狙った特定演出が行われた後であっても、当該各ゲームの抽選結果への注目度向上効果を持続させることも可能である。
更に、外れ結果に基づいて示唆演出を行うようにしていることから、持ちメダルが減少することの補填とすることができ、外れ結果となることのマイナスイメージを払しょくすることができるし、外れ結果となる確率を比較的高くしてもよいようになることから、外れ結果となりにくくする等して出玉率が高くなり過ぎることを抑制することも可能となる。
<変形例5>
本変形例では、ATモード中の各セットの演出内容を変更する。本変形例では、所定数としての18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードにおいて、次のセットへの継続条件が成立していれば、18ゲーム消化するまでに予め定められた特定演出が発生し、次のセットへの継続条件が成立していなければ、18ゲーム消化するまでに当該特定演出が発生せずに、ATモードが終了する。なお、本変形例における特定演出を、上記第2bの実施形態αにおける特定演出と区別すべく、以下の説明では、本変形例における特定演出を第2特定演出とも称する。そして、以下の説明において、特定演出(特定演出抽選や特定演出抽選処理等)と称する場合には、上記第2bの実施形態αにおける特定演出だけではなく、当該第2特定演出も含めたものであることを意味し、これは他の実施形態における特定演出(第3特定演出、第4特定演出)も同様である。
具体的には、本変形例では、補助表示部65において数字のキャラクタの変動領域を複数設け、当該複数の変動領域にて停止する数字のキャラクタが所定の組み合わせとなることで第2特定演出が発生する。例えば、図143(a)に示すように、補助表示部65において数字のキャラクタの変動領域として、左から順に左変動領域SP1、中変動領域SP2、右変動領域SP3を設定し、これら変動領域SP1~SP3に表示させる数字のキャラクタとして、1~9までの数字のキャラクタを設定する。そして、各ゲームが開始される際に、これら変動領域SP1~SP3における数字のキャラクタを、例えば、縦方向に変動表示させ、ストップスイッチ42~44が操作されるたびに、左から順に数字のキャラクタを停止させる。そして、各変動領域SP1~SP3に全て同じ数字のキャラクタが揃って停止した場合に第2特定演出となり(図144(a))、各変動領域SP1~SP3に停止する数字のキャラクタが揃っていなければ非第2特定演出となる(図143(a)、図143(b))。
ATモードのセットが開始されると、1ゲーム毎に変動領域SP1~SP3の変動→停止といった図柄変動演出が行われる。例えば、図143(a)や図143(b)に示すように、非第2特定演出となって変動領域SP1~SP3に数字のキャラクタが停止した場合には、次のゲームにおいても、再度、図柄変動演出が行われる。そして、図144(a)に示すように、第2特定演出となって変動領域SP1~SP3に数字のキャラクタが停止した場合には、当該セットの残りの各ゲームでは、図144(b)に示すように、大当たり演出が行われる。なお、本変形例では、大当たり演出として、味方キャラクタが雄たけびを挙げる様子が補助表示部65にアップで表示される演出を設定しているが、例えば、複数のゲームに亘って実行されるムービー演出等を設定してもよいし、演出内容は適宜変更してもよい。
本変形例では、第2特定演出が発生していない状況での1セットの残りゲーム数がわずかとなった特定ゲーム(例えば、残り5ゲームから残り2ゲーム)においては、図柄変動演出の代わりに、待機演出が行われる(図145(a))。本変形例では、待機演出として、味方キャラクタが気合を入れてオーラを纏っている演出を設定している。つまり、当該待機演出が行われる期間においては、図柄変動演出を行わず第2特定演出や非第2特定演出は発生しない。そして、最終ゲームにて、再度、図柄変動演出を実行し、継続条件が成立している場合には、当該最終ゲームにて第2特定演出を発生させ、継続条件が成立していない場合には、図145(b)に示すように、当該最終ゲームにて非第2特定演出を発生させてATモードが終了する。
上記の待機演出は、残りゲーム数がわずかとなった特定ゲームだけではなく、セットの途中でも、所定の発生抽選に当選した場合に発生し得る。この場合、当該発生抽選に当選したゲームから所定数のゲーム(例えば、4ゲーム)に亘って待機演出が発生し、その後、図柄変動演出が実行される。この場合、当該所定数のゲーム後の図柄変動演出では、継続条件が成立していても、第2特定演出の発生抽選に当選していなければ第2特定演出は発生しない。
以下、このような第2特定演出を発生させるための処理構成について説明する。
図146は、本変形例におけるAT演出設定処理を示すフローチャートである。
ステップSb2801では、サブ側ATカウンタを1減算する処理を実行する。ステップSb2802では、サブ側ATカウンタの更新に合わせて、補助表示部65にて表示するセットの残りゲーム数表示の更新処理を行う。具体的には、本変形例では、図143~図145に示すように、補助表示部65における所定領域(例えば、右上)にて、各セットの残りゲーム数に対応する残りゲーム数画像GPを表示する構成としており、ステップSb2802では、当該残りゲーム数画像GPを、サブ側ATカウンタの値に応じて更新する処理を行う。
続くステップSb2803では、今回のゲームの開始時コマンドとして、継続コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップSb2804にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。ステップSb2803にて否定判定した場合、又はステップSb2804の処理を実行した後は、ステップSb2805に進む。
ステップSb2805では、発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。発生済みフラグがセットされていない場合、ステップSb2805に進み、サブ側ATカウンタが1~4であるか否かを判定することで、セットの14ゲーム目~17ゲーム目(残り5ゲーム~残り2ゲーム)であって、上記のセットの残りゲーム数がわずかとなった特定期間であって待機演出を実行すべき状況か否かを判定する。サブ側ATカウンタが5以上(13ゲーム目以前)であったり、サブ側ATカウンタが0(最終ゲーム)である場合、ステップSb2806にて各種フラグ格納エリア183aに待機演出フラグがセットされているか否かを判定する。待機演出フラグは、上記の特定期間以外で待機演出を実行すべきゲームであることをCPU181が把握するためのフラグであり、待機演出の発生抽選に当選した場合にセットされるフラグである。待機演出フラグがセットされていない場合には、ステップSb2807にて第2特定演出設定処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。また、サブ側ATカウンタが1~4である場合や、待機演出フラグがセットされている場合には、ステップSb2808にて待機演出設定処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。そして、ステップSb2804にて発生済みフラグがセットされていると判定した場合、ステップSb2809にて大当たり演出(図144(b))を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。
<第2特定演出設定処理>
第2特定演出設定処理では、図147に示すように、ステップSb2901にて今回のゲームの抽選結果を把握する。続くステップSb2902では、今回のATモードの継続率を把握する処理を実行する。そして、ステップSb2903にて、サブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSb2904にてサブ側ATカウンタが0であって、今回のゲームがセットの最終ゲームであるか否かを判定する。
セットの最終ゲームではない場合、ステップSb2904に進み、各種フラグ格納エリア183aに発生待機フラグがセットされているか否かを判定する。発生待機フラグは、待機演出を実行中に第2特定演出の発生抽選に当選した場合にセットされるフラグである。発生待機フラグがセットされていない場合には、ステップSb2906にて、各種テーブル記憶エリア182aから第2特定演出テーブルを取得する処理を実行し、ステップSb2907にて第2特定演出抽選処理を実行する。第2特定演出テーブルは、図149に示すように、図131の特定演出テーブルと同様に、各ゲームの抽選結果と、ATモードの継続率とによって第2特定演出抽選の当選確率が定められており、特定役だけでなく、外れ結果を含めて通常役であっても第2特定演出抽選に当選し得るように設定されている。
ステップSb2907にて第2特定演出抽選処理を実行した後は、ステップSb2908にて当該第2特定演出抽選に当選したか否かを判定する。ステップSb2904にて、セットの最終ゲームであると判定した場合、ステップSb2908にて第2特定演出抽選に当選していると判定した場合、又は、ステップSb2904にて発生待機フラグがセットされていると判定し、その後、ステップSb2909にて当該発生待機フラグをクリアした後は、ステップSb2910にて第2特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。この場合、図144(a)のように、今回のゲームの図柄変動演出において、各変動領域SP1~SP3に同じ数字のキャラクタが揃って停止する第2特定演出が発生する。第2特定演出において停止させる数字のキャラクタの種類は抽選等によってランダムに決定される。但し、例えば、ATセットカウンタの値(残り継続セット数)に応じて選択され易い数字のキャラクタが異なるようにし、例えば、ATセットカウンタが所定数(例えば2)以上であれば奇数の数字のキャラクタが揃って停止し、ATセットカウンタが所定数未満であれば偶数の数字のキャラクタが揃って停止する構成としてもよい。また、例えば、ATモードの継続率に応じて選択され易い数字のキャラクタが異なるようにし、例えば、ATモードの継続率が所定率(例えば、60%)以上であれば奇数の数字のキャラクタが揃って停止し、ATセットカウンタが所定率未満であれば偶数の数字のキャラクタが揃って停止する構成としてもよい。更に、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて選択され易い数字のキャラクタが異なるようにし、例えば、設定値が所定値(例えば設定3)以上であれば奇数の数字のキャラクタが揃って停止し、設定値が所定数未満であれば偶数の数字のキャラクタが揃って停止する構成としてもよい。また、これらを組み合わせてもよい。
その後、ステップSb2911にて発生済みフラグをセットしてから、第2特定演出設定処理を終了する。発生済みフラグをセットすることにより、次ゲームのAT演出設定処理では、ステップSb2804にて肯定判定することとなり、ステップSb2808の大当たり演出の設定用の処理が行われることになる。なお、上記のように設定した第2特定演出がセットの最終ゲームである場合、次のゲームは更新後のセットの1ゲーム目であり、再度図柄変動演出が開始されることとなる。
ステップSb2903にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定した場合や、ステップSb2908にて第2特定演出抽選に当選していないと判定した場合は、ステップSb2912に進む。ステップSb2912では、非第2特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。この場合、図143(a)や図143(b)のように、今回のゲームの図柄変動演出において、各変動領域SP1~SP3に同じ数字のキャラクタが揃わずに停止する非第2特定演出が発生する。なお、各変動領域SP1~SP3に停止する数字のキャラクタは抽選等によりランダムに決定される。但し、第2特定演出が発生することの期待感を遊技の終盤まで持続させるべく、左変動領域SP1と中変動領域SP2とに停止する数字のキャラクタを同一のものとするとともに、右変動領域SP3に停止する数字のキャラクタを異なるものとするリーチ外れの態様(図143(a))の方が、全ての変動領域SP1~SP3に停止する数字のキャラクタが異なるばらけ目の態様(図143(b))よりも選択され易くなるようにするとよい。
続くステップSb2913では、サブ側ATカウンタが10よりも大きく、セットの1~7ゲーム目であるか否かを判定する。7ゲーム目までである場合、ステップSb2914にて待機演出発生抽選処理を実行する。待機演出発生抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから待機演出テーブルを取得し、今回のゲームの抽選結果に応じて、待機演出を発生させるか否かを抽選により決定する。待機演出テーブルは、図149に示すように、ゲームの抽選結果として当選しにくい抽選結果ほど、待機演出抽選に当選し易いように設定されており、より具体的には、特定役では当選し得るものの、通常役では当選しないように設定されているともいえる。
ステップSb2915にて待機演出抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップSb2916にて、各種カウンタエリア183bに設けられた待機演出カウンタに4を入力する処理を実行し、ステップSb2917にて待機演出フラグをセットする処理を実行してから、第2特定演出設定処理を終了する。なお、ステップSb2916にて入力する値は、待機演出が行われるゲーム数に相当し、ステップSb2913では、仮に待機演出抽選に当選した場合において、待機演出を実行するだけのゲーム数が残っているか否か判定している。
そして、ステップSb2917にて待機演出フラグがセットされることにより、次のゲームのAT演出設定処理では、ステップSb2806にて肯定判定することとなり、ステップSb2808の待機演出設定処理が行われるようになる。ステップSb2913にて8ゲーム目以降である場合や、ステップSb2915にて待機演出抽選に非当選であった場合、そのまま第2特定演出設定処理を終了する。
<待機演出設定処理>
次に、ステップSb2808の待機演出設定処理について、図148のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSb3001では、今回のゲームの抽選結果を把握し、ステップSb3002では、今回のATモードの継続率を把握する処理を実行する。そして、ステップSb3003にて、待機演出カウンタが0よりも大きいか否かを判定し、0よりも大きい場合、すなわち、今回のゲームにて設定する待機演出が、待機演出抽選に当選したことを契機とする待機演出である場合、ステップSb3004にて待機演出カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSb3005にて待機演出カウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップSb3006にて待機演出フラグをクリアする処理を実行する。
ステップSb3005にて否定判定した場合、又はステップSb3006の処理を実行した後は、ステップSb3007にて、サブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSb3008にて、上記の発生待機フラグがセットされているか否かを判定する。発生待機フラグがセットされていない場合、ステップSb3009にて、第2特定演出テーブルを取得する処理を実行し、ステップSb3010にて、第2特定演出抽選処理を実行する。ステップSb3009及びステップSb3010の処理は、上記ステップSb2906及びステップSb2907の処理と同様である。
ステップSb3010の処理を実行した後は、ステップSb3011にて、第2特定演出抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップSb3012にて発生待機フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、上記ステップSb2905にて肯定判定することとなり、ATモードのセット最終ゲームや、待機演出抽選に当選したことに基づく待機演出の実行後1ゲーム目にて第2特定演出が発生するようになる。
ステップSb3003に待機演出カウンタが0であって、今回のゲームにて設定する待機演出がセットの残りゲーム数がわずかとなったことを契機とする待機演出である場合や、ステップSb3007にてサブ側継続フラグがセットされていない場合、ステップSb3008にて発生待機フラグがセットされている場合、ステップSb3011にて第2特定演出抽選に非当選であると判定した場合、及びステップSb3012の処理を実行した場合のいずれかの後は、ステップSb3013にて待機演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、待機演出設定処理を終了する。
すなわち、セットの残り5ゲーム~残り2ゲームまでの4ゲーム間や、待機演出発生抽選に当選した後の4ゲーム間は、第2特定演出抽選処理の結果に関わらず、図柄変動演出ではなく待機演出が行われる。この場合、セットの最終ゲーム(残り1ゲーム)で行われる図柄変動演出は、今回のセットの継続条件が成立していれば第2特定演出となり、継続条件が成立していなければ非第2特定演出となる。これに対して、待機演出発生抽選に当選したことを契機とする待機演出後の1ゲーム目にて行われる図柄変動演出は、待機演出を実行していた4ゲーム分を含む、合計ゲーム分の第2特定演出抽選の結果によって第2特定演出が発生し得るものであり、それ以外のゲームにおける第2特定演出の発生率よりも圧倒的に高い確率となる(図149参照)。
以上のように、各ゲームで図柄変動演出にて特定演出(第2特定演出)を行う構成としたことにより、今回のゲームで第2特定演出が発生したか否かがより明確に報知される態様となり、各ゲームの抽選結果に応じて継続条件の成立判定が行われているかのような印象をより遊技者に与え易くなる。よって、各ゲームの注目度を好適に高めることができる。
この場合、図柄変動演出が行われない待機演出が発生し得るようにし、待機演出が行われたゲームにおいても第2特定演出抽選を行い、当該第2特定演出抽選に当選している場合には、待機演出後の1ゲーム目で第2特定演出を行うようにしていることから、当該待機演出後の1ゲーム目での図柄変動演出への注目度が劇的に高められている。しかも、各セットの残りゲーム数がわずかとなった場合にも当該待機演出を実行し、セットの最終ゲームが待機演出後の1ゲーム目となるようにしていることから、上記の途中で発生し得る待機演出との関係で、当該セットの最終ゲームへの注目度を高めることに成功している。
つまり、待機演出が行われるゲームは、第2特定演出の実行が制限されるゲームであり、このような第2特定演出の実行が制限されるゲームにおいても第2特定演出抽選自体は行うようにすることで、セットの最終ゲームに限られず、第2特定演出が発生することの期待度を図柄変動演出が行われる各ゲームに応じて異ならせることが可能となる。
<第2bの実施形態β>
本実施形態では、所定数としての18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードにおいて、当該18ゲームよりも少ない数である10ゲームを演出上の1セットとし、当該演出上の1セット中に特定演出が発生した場合には、その時点で、新たな演出上のセットに移行させる構成とする。なお、本実施形態における特定演出を、上記第2bの実施形態αにおける特定演出(第2特定演出)と区別するために、本実施形態における特定演出を第3特定演出とも称する。また、10ゲームに設定されている演出上のセットを、18ゲームに設定されているATモードのセットと区別すべく、ATモードのセットをATセット、演出上のセットを疑似セットとも称する。
具体的には、図150(a)に示すように、本実施形態では、ATモードが開始されると、最初のATセットにおいて8ゲームに亘ってオープニング演出が行われる。オープニング演出は、例えば、図151(a)に示すように、ATモードが開始されたことを祝福する内容の演出を行うとともに、疑似セットが開始されるまでのゲーム数を補助表示部65にて表示する(OPゲーム数画像OG)。
オープニング演出を行う8ゲームが終了すると、疑似セットが開始される。疑似セットにおいては、図150(a)に示すように、上記第2bの実施形態αにおける図柄変動演出を用いて、各変動領域SP1~SP3に同じ数字のキャラクタが揃って停止する第3特定演出及び各変動領域SP1~SP3に同じ数字のキャラクタが揃わずに停止する非第3特定演出のいずれかが発生する演出を行う。
図150(b1)に示すように、疑似セットによる演出を行う場合、上記第2bの実施形態αにおける残りゲーム数画像GPを、当該疑似セットの残りゲーム数に対応させて表示する。例えば、図150(b1)における残りゲーム数画像GPは、疑似セットにおける1ゲーム目(残り10ゲーム)を示しており、ゲームの開始に際して当該残りゲーム数画像GPの表示が更新される。
疑似セットにおける演出では、図150(b2)に示すように、残りゲーム数画像GPが1となる最終ゲームまでに第3特定演出が発生する場合と、図150(b5)に示すように、残りゲーム数画像GPが1となる最終ゲームまで第3特定演出が発生せず、非第3特定演出が繰り返し実行される場合とがある。
第3特定演出が発生すると、図150(b3)に示すように、次の疑似セットへ移行することを示す更新演出が発生する。この場合、図150(b4)に示すように、更新演出が発生した後は、次の疑似セットにおける残りゲーム数は10が再設定され、残りゲーム数画像GPも10が表示される。また、疑似セットのセット数を示すセット数画像CPも、次の疑似セットのセット数に対応する値に更新されて表示される(図では、2から3に更新されている)。このように、疑似セット中の最終ゲームまでに第3特定演出が発生すると、当該疑似セットの残りゲーム数に関わらず、新たに疑似セットの残りゲーム数が再設定され、それが、第3特定演出が発生する限り繰り返されることになる。
この場合、上記の次の疑似セットへ移行することを示す更新演出は、疑似セットの継続条件が成立していることを報知するための継続報知ともいえる。但し、上記第2bの実施形態αにおける継続報知は、主制御装置101側で管理するセットの継続条件が成立していることを報知するためものである一方、本実施形態における継続報知は、表示制御装置81側で管理する疑似セットの継続条件が成立していることを報知するためのものであり、その点では、本実施形態における継続報知は疑似継続報知とも称することが可能である。
疑似セットの最終ゲームまでに第3特定演出が発生しなかった場合、図150(b6)に示すように、疑似セットの更新が行われないことを示す非更新演出が発生する。当該非更新演出が発生した後は、図150(a)に示すように、7ゲーム間に亘ってエンディング演出が実行され、当該エンディング演出の終了後は、ATモードが終了する。
エンディング演出としては、例えば、図151(b)に示すように、補助表示部65にて目を閉じた味方キャラクタの顔がアップに表示される演出が設定されている。エンディング演出においても、当該エンディング演出の残りゲーム数に対応させてEDゲーム数画像EGが表示され、ゲームの消化とともに、当該EDゲーム数画像EGの表示の更新が行われる。
エンディング演出の残りゲーム数が0となるよりも前に、上乗せ抽選に当選する等して継続条件が成立すると、図151(c)に示すように、補助表示部65にて味方キャラクタが目を見開いた様子が表示される復活演出を経て、疑似セットによる演出が再開される。
以下、本実施形態における各演出を行うための処理構成について説明する。
<前兆モード用処理>
まず、本実施形態における主制御装置101側の処理の変更点を説明する。本実施形態では、入賞結果対応処理における前兆モード用処理の処理構成が、上記第2bの実施形態αと異なっている。
図152に示すように、本実施形態においては、ステップSb3102にて前兆カウンタが0となり、ステップSb3104にて今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことを契機とする前兆モードであったと判定した場合のATモードを開始するための処理が一部異なっている。すなわち、ステップSb3109にてATモード当選フラグをクリアし、ステップSb3110にてATモードフラグをセットし、ステップSb3111にて今回のATモードの継続率を設定した後、ステップSb3112にてATモードの1セット目のゲーム数を18として設定する。そして、本実施形態では、ステップSb3113にて、ATセットカウンタに1を加算する処理を実行してから、ステップSb3114にてAT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。なお、ステップSb3101~ステップSb3112、ステップSb3114の各処理は、上記ステップSb1201~ステップSb1213の処理と同様である。
すなわち、本実施形態では、18ゲームを1セットするセット管理型のATモードにおいて、最初の1セット目は必ず継続条件が成立するように設定する。
その一方で、本実施形態においても、主制御装置101側では18ゲーム毎でATセットの更新用の処理(継続判定処理)を実行し、ATセットの継続条件が成立していれば、当該ATセットの18ゲームを消化してから新たなATセットへ移行させるための処理を行うとともに、ATセットの継続条件が成立していなければ当該ATセットの18ゲームを消化してからATモードを終了させる処理を行う(ATモード用処理)。
<AT演出設定処理>
次に、本実施形態における表示制御装置81側のAT演出設定処理の変更点を、図153のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSb3201ではサブ側ATカウンタを1減算する処理を実行する。なお、サブ側ATカウンタは、上記第2bの実施形態αと同様に、主制御装置101側のATゲームカウンタに相当するものであり、主制御装置101側の各セットの残りゲーム数に対応している。続くステップSb3202では、今回のゲームの開始時コマンドとして継続コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップSb3203にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。
ステップSb3202にて否定判定した場合、又はステップSb3203の処理を実行した後は、ステップSb3204に進む。ステップSb3204では、サブ側セットカウンタが1であるか否かを判定する。なお、サブ側セットカウンタは、上記第2bの実施形態αと同様に、主制御装置101側で設定されるATモードのセット数に対応するものであり、ステップSb3204では、ATセットの1セット目であるか否かを判定している。
1セット目である場合、ステップSb3205に進み、サブ側ATカウンタが10~17であって、ATモードの1セット目の1ゲーム目~8ゲーム目であるか否かを判定する。ATモードの1セット目の1ゲーム目~8ゲーム目である場合、ステップSb3206~ステップSb3208にてオープニング演出を行うための処理を実行し、ATモードの1セット目の9ゲーム目以降である場合、ステップSb3209にて第3特定演出を行うための処理を実行してから、AT演出設定処理を終了する。
すなわち、1セット目の1ゲーム目~8ゲーム目である場合、ステップSb3206にてサブ側ATカウンタが10であって、8ゲーム目であるか否かを判定する。8ゲーム目である場合、ステップSb3207にて各種カウンタエリア183bに設けられている疑似ATカウンタに10をセットする処理を実行する。疑似ATカウンタは、上記の疑似セットの残りゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタである。ステップSb3206にて、今回開始するゲームがATモードの1セット目の8ゲーム目である場合とは、次のゲームから疑似セットが開始されることを意味し、ステップSb3207の処理は、次のゲームから開始される疑似セットのゲーム数を事前に設定するための処理である。
ステップSb3206にて否定判定した場合、又はステップSb3207の処理を実行した後は、ステップSb3208にてオープニング演出(図151(a))が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、AT演出設定処理を終了する。なお、オープニング演出を行うための処理に際して、サブ側ATカウンタに基づいて疑似セット開始までのゲーム数の表示(OPゲーム数画像OG)を更新するための処理も行う。
ステップSb3204にてサブ側セットカウンタが1ではなく、ATモードの1セット目ではない場合、ステップSb3210に進む。ステップSb3210では各種フラグ格納エリア183aにエンディングフラグがセットされているか否かを判定する。エンディングフラグは、上記のように第3特定演出が発生しないまま疑似セットのゲーム数が消化され、エンディング演出(図151(b))を行うべき状況となった場合にセットされるフラグである。エンディングフラグがセットされていない場合、ステップSb3209にて第3特定演出設定処理を実行する。
これに対して、エンディングフラグがセットされている場合、ステップSb3211に進み、サブ側継続フラグがセットされているか否かを判定する。エンディングフラグがせっとされており、且つサブ側継続フラグがセットされている場合とは、疑似セットによる演出の終了後に、主制御装置101側の上乗せ抽選に当選する等して継続条件が成立したことを意味する。サブ側継続フラグがセットされていない場合、ステップSb3212にてエンディング演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、AT演出設定処理を終了する。なお、エンディング演出を行うための処理に際して、サブ側ATカウンタに基づいてエンディング演出終了までのゲーム数の表示(EDゲーム数画像EG)を更新するための処理も行う。
また、ステップSb3211にて、疑似セットによる演出の終了後に、主制御装置101側の上乗せ抽選に当選する等して継続条件が成立したと判定した場合、ステップSb3213にてエンディングフラグをクリアする処理を実行し、その後、ステップSb3214にて復活演出(図151(c))が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、AT演出設定処理を終了する。
<第3特定演出設定処理>
第3特定演出設定処理では、図154のフローチャートに示すように、先ず、ステップSb3301にて上記の疑似演出カウンタを1減算する処理を実行し、ステップSb3302にて、疑似セットの残りゲーム数画像GPを更新する処理を実行する。続くステップSb3303では、サブ側継続フラグがセットされているか否かを判定する。
サブ側継続フラグがセットされている場合、ステップSb3304にて、疑似ATカウンタが0であって、今回開始するゲームが疑似セットの最終ゲーム(疑似セットの10ゲーム目)であるか否かを判定する。最終ゲームではない場合、ステップSb3305にて今回のゲームの抽選結果を把握し、ステップSb3306にてATモードの継続率を把握し、ステップSb3307にて各種テーブル記憶エリア182aから第3特定演出テーブルを取得し、ステップSb3308にて第3特定演出抽選処理を実行する。これらステップSb3305~ステップSb3308の処理は、上記ステップSb2102~ステップSb2105の処理に対応する処理である。
本実施形態における第3特定演出テーブルは、図155に示すように、ゲームの抽選結果とATモードの継続率とによって、第3特定演出の発生率が異なるように設定されており、ゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど第3特定演出が発生し易く、ATモードの継続率が高い継続率ほど第3特定演出が発生し易くなるように設定されている。また、ゲームの抽選結果として、所謂レア役としての特定役だけでなく、外れ結果を含めて通常役であっても第3特定演出が発生し得るように設定されており、そのゲームの抽選結果の当選確率と、第3特定演出抽選の当選確率との積から算出される各抽選結果に応じた第3特定演出の発生率は、特定役よりも通常役の方が高くなるように設定されている。
また、ATモードの継続率との関係では、各抽選結果において継続率が高いほど第3特定演出が発生し易くなるように設定されていることから、高い継続率ほど1ゲーム当たりの第3特定演出の発生率も高くなるし、疑似セットとして最終ゲームよりも前に(9ゲーム目までに)第3特定演出が発生する確率も高い継続率ほど高くなるように設定されている。つまり、高い継続率のATモードほど、疑似セットにおいて少ないゲーム数で第3特定演出が発生して次の疑似セットに移行し易くなることから、同じゲーム数のATモードを消化しても、高い継続率のATモードほど、疑似セットのセット数は多くなり易くなる。このようにすることで、継続率が高い場合の実際のATセットのセット数と継続率が低い場合の実際のATセットのセット数との差よりも、疑似セット数の差が大きくなり易くなる。よって、ATモードの継続率の高低による実際の出玉の差(実際に消化したATモードのゲーム数やセット数の差)よりも、見た目上の疑似セット数の差が大きくなり、高い継続率が選択された場合の演出を好適に行いながらも出玉率が高騰してしまわないようにすることが可能となる。
ステップSb3308にて第3特定演出抽選処理を実行した後は、ステップSb3309にて第3特定演出抽選に当選しているか否かを判定する。第3特定演出抽選に当選している場合は、ステップSb3310にて第3特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。また、ステップSb3304にてサブ側継続フラグがセットされており、且つ疑似セットの最終ゲームであると判定した場合にも、ステップSb3310にて第3特定演出を行うための処理を実行する。
続くステップSb3311では、上記ステップSb3310にて設定した第3特定演出後に、更新演出(図150(b3))が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。そして、ステップSb3312にて疑似ATカウンタに10を入力する処理を実行してから、本第3特定演出設定処理を終了する。
ステップSb3303にて、サブ側継続フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSb3313に進む。ステップSb3313では、サブ側ATカウンタが17であって、今回開始するゲームが、主制御装置101側で新たなセットに更新したゲーム(ATセットの1ゲーム目)であるか否かを判定する。新たなセットの更新ゲームではない場合、ステップSb3314にて非第3特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。そして、ステップSb3315にて疑似ATカウンタが0であって、今回開始するゲームが、疑似セットの最終ゲーム(疑似セットの10ゲーム目)であるか否かを判定する。最終ゲームである場合、ステップSb3316にて、上記ステップSb3314にて設定した非第3特定演出後に、非更新演出(図150(b6))が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。そして、ステップSb3317にてエンディングフラグをセットする処理を実行してから、本第3特定演出設定処理を終了する。エンディングフラグをセットすることにより、次ゲームから上記ステップSb3210にて肯定判定することになり、エンディング演出が行われるようになる。ステップSb3315にて疑似セットの最終ゲームではない場合には、そのまま第3特定演出設定処理を終了する。
ここで、ステップSb3313にて肯定判定し、サブ側継続フラグがセットされていない状況で、当該ATセットの1ゲーム目であると判定した場合について説明する。この場合、ステップSb3310に進み、第3特定演出を発生させるための設定処理を実行する。つまり、主制御装置101側でATモードのセットの更新に際して行われる継続抽選にて非当選となった場合に、当該ゲームにて第3特定演出を発生させる。そうすると、ATモードの最終セット(継続抽選に非当選となったセット)の1ゲーム目で第3特定演出が発生して、当該最終セットの2ゲーム目から疑似セットが開始されるようになる。そして、疑似セットにおいて非第3特定演出が10ゲームに亘って実行されて、当該疑似セットの最終ゲームであってATセットの11ゲーム目には非第3特定演出後に非更新演出が行われる。その後、ATセットの12ゲーム目から7ゲームに亘ってエンディング演出が実行されてATモードが終了する。このようにすることで、主制御装置101側のATモードの各セットのゲーム数に関わらず、疑似セットの更新等を演出にて行う構成としながらも、ATモードの最終セットにて第3特定演出が発生しない疑似セットを行うことが可能となる。
<ATモードのセットの更新と、疑似セットの更新の様子>
主制御装置101側でATモードのセットの更新が行われる様子と、表示制御装置81側で疑似セットの更新が行われる様子について、図156のタイミングチャートを参照しながら説明する。
td1にてATモードが開始された場合、当該td1からのATモードの1セット目において、7ゲーム目(残り12ゲーム)であるtd2までオープニング演出が行われる。そして、当該1セット目における8ゲーム目(残り11ゲーム)であるtd3から、疑似セット演出が行われる。
既に説明した通り、継続フラグ(サブ側継続フラグ)がセットされている状況下においては、疑似セット演出では、主制御装置101側で管理する1セットの残りゲーム数に関わらず、ゲームの抽選結果やATモードの継続率に応じて第3特定演出が発生し、表示制御装置81側で管理する疑似セットの残りゲーム数が0となるまで第3特定演出が発生しなければ、ゲームの抽選結果やATモードの継続率に関わらず第3特定演出が発生する。
例えば、td1から開始されたATモードの1セット目において、疑似セットの残りゲーム数が0となるよりも前のtd4のゲームにて第3特定演出が発生した場合、更新演出を経て、疑似セットの更新が行われる。そうすると、次のゲームであるtd5から、次の疑似セットが残り10ゲームとして開始される。そして、td1から開始されたATモードの残りゲーム数がtd6にて0となると、継続フラグがセットされていることから、セット更新用の処理(ステップSb1404~ステップSb1406)が実行されて、次のtd7のゲームから2セット目が開始される。そして、当該td7にてセットの更新に際して継続抽選が実行され、例えば、当該td7にて実行された継続抽選に当選すると、継続フラグが再度セットされる。
また、例えば、td7から開始有れたATモードの2セット目において、疑似セットの2セット目の残りゲーム数が0となるまで第3特定演出が発生しなかった場合、当該残りゲーム数が0となるtd8にて第3特定演出が発生する。そして、次のtd9のゲームから疑似セットの3セット目が開始される。
同様に、td7から開始されたATモードの2セット目の残りゲーム数が0となった場合、継続フラグがセットされていることから、上記のようにセット更新用の処理が行われて、td10にて3セット目が開始される。そして、当該td10にて行われる継続抽選にも当選した場合、継続フラグが再度セットされる。
表示制御装置81側の疑似セット演出では、主制御装置101側の継続抽選に非当選となるまで、上記のように随時疑似セットを更新する演出(第3特定演出)を発生させ、疑似セット演出を継続させる。
td10から開始されたATモードの3セット目の残りゲーム数が0となるtd11において、再度セット更新用の処理が行われる。但し、次の4セット目が開始されるtd12において、継続抽選に非当選となった場合、継続フラグはセットされない。
この場合、表示制御装置81では、ATモードの4セット目の開始ゲームであるtd12において、疑似セット演出にて第3特定演出を発生させる。そうすると、当該第3特定演出を発生させたtd12のゲームの次のゲームであるtd13から、新たな疑似セット(7セット目)が開始される。当該7セット目の疑似セットでは、10ゲームに亘って非第3特定演出が発生し、ATモードの4セット目における11ゲーム目のtd14まで当該7セット目の疑似セットが継続する。この場合、td14にて非更新演出が発生し、当該ゲームの次ゲームであるtd15からエンディング演出が行われる。エンディング演出は7ゲームに亘って継続し、ATモードの残りゲーム数が0となるtd16にてATモードとともに終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
セット管理型のATモードにおいて、ATセットのゲーム数である18ゲームよりも短い10ゲームに亘って疑似セット演出を行う構成とし、疑似セット演出中に第3特定演出が発生した場合には当該疑似セットの残りゲーム数に関わらず新たな疑似セットに移行するようにした。このようにすることで、ATセットの繰り返し数よりも多い繰り返し数にて疑似セット演出を行うようにして、長くATモードが継続している印象を与える効果を期待しながらも、ATモードの最終ゲームと疑似セット演出の終了とをうまく合わせることが可能となる。
より詳しくは、ATモードの残りゲーム数が疑似セット演出の継続ゲーム数である10ゲームよりも多い18ゲームとなったゲーム(継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目、残りが疑似セットの10ゲームの2倍よりも少ないゲーム数)で、第3特定演出を発生させて疑似セットの更新を行わせるようにした。このようにすることで、当該更新された後の疑似セットにおいて第3特定演出を発生させなければ、ATモードの残りゲーム数が8ゲームとなった時点で疑似セット演出を終了させることが可能となる。この場合、本実施形態では、残りの7ゲーム間はエンディング演出を行うようにしており、ATモードの終了ゲームと疑似セット演出の終了ゲームとを違和感なく調節することが可能となる。
継続条件が成立しているATセットにおいては、どのゲームで疑似セットの更新が行われても、その後、新たな疑似セットを行うだけのゲーム数は確保されている。そこで、当該継続条件が成立しているATセットにおいては、第3特定演出抽選処理を経て第3特定演出を発生させる構成としたため、疑似セット演出中に第3特定演出が発生するタイミング(疑似セットの更新が行われるゲーム)にランダム性を生じさせることが可能となり、疑似セット演出による演出効果を好適に高めることができる。
この場合、ATモードの継続条件の成否は主制御装置101側で行い、疑似セット演出については表示制御装置81側で行う構成としており、表示制御装置81側では、現状実行しているATセットの継続条件の成否を把握して疑似セット演出にて第3特定演出をランダムで発生させるか、それともATセットの更新時に発生させるかを異ならせるだけの構成としている。このようにすることで、ATモードの継続の有無の管理と、そのATモード中の演出とを別々の制御装置にて担う構成として機能の分散化を図りながらも、うまくATモードの終了ゲームと疑似セット演出の終了ゲームとを調節することが可能となる。
特に、表示制御装置81側で、第3特定演出抽選処理を介さずに第3特定演出を発生させるか否かの判定は、ATセットの1ゲーム目であるため、当該判定は18ゲームに1回だけ行えばよい構成となっている。そのため、毎ゲーム当該判定を行うような構成と比較して、処理負荷の圧倒的な軽減効果を期待することも可能である。
本実施形態においても、第3特定演出抽選は各ゲームの抽選結果とATモードの継続率とに応じて行う構成としている。そのため、各ゲームの抽選結果と第3特定演出の発生とがリンクするため、遊技者は自らのヒキによって第3特定演出を発生させた満足感を得ることが可能となるし、また、第3特定演出の発生率からATモードの継続率を予測する遊技も行うことが可能となり、第3特定演出の発生への注目度を好適に高めることが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、ATモードのセットの更新ゲーム(ATセットの1ゲーム目)では、その他のゲームよりも第3特定演出が発生し易い構成とする。図157は、本変形例における第3特定演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例における第3特定演出設定処理では、サブ側継続フラグがセットされており(ステップSb3403:YES)、疑似セットの最終ゲームではない場合の第3特定演出抽選の内容が異なっている。具体的には、今回のゲームの抽選結果やATモードの継続率を把握した後(ステップSb3405、ステップSb3406)、ステップSb3407にてサブ側ATカウンタが17であって、今回開始するゲームが、ATモードのセットの1ゲーム目であるか否かを判定する。1ゲーム目ではない場合、ステップSb3408にて第3特定演出テーブルを取得して、ステップSb3410にて第3特定演出抽選処理を実行する。第3特定演出テーブルは、上記第2bの実施形態βのもの(図155)と同様である。これに対して、ATモードのセットの1ゲーム目である場合、ステップSb3409にて各種テーブル記憶エリア182aから更新時第3特定演出テーブルを取得してから、ステップSb3410にて第3特定演出抽選処理を実行する。
更新時第3特定演出テーブルは、図158に示すように、第3特定演出テーブルと同様に、ゲームの抽選結果や、ATモードの継続率に応じて、第3特定演出の発生率が設定されているものの、同じゲームの抽選結果や、同じATモードの継続率で比較すると、第3特定演出テーブルよりも更新時第3特定演出テーブルの方が、第3特定演出が発生し易くなるように設定されている。例えば、10%の継続率のATモードにおいて、通常リプAである場合、第3特定演出テーブルでは2.0%の確率で第3特定演出が発生する一方、更新時第3特定演出テーブルでは6.0%の確率で第3特定演出が発生する。
ステップSb3410にて第3特定演出抽選処理を実行した後は、ステップSb3411にて発生抽選に当選しているか否かを判定し、当選している場合には、ステップSb3412に進んで第3特定演出を発生させる場合の処理を行う。また、当選していない場合には、ステップSb3416に進み、非第3特定演出を発生させる場合の処理を行う。なお、ステップSb3401~ステップSb3406、ステップSb3410~ステップSb3419の処理は、上記ステップSb3301~ステップSb3317の処理と同様である。
以上のように、継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目で第3特定演出を発生させて疑似セットの更新を行わせることを前提としながら、継続条件が成立しているATセットの1ゲーム目でも第3特定演出が発生し易い構成とすることで、ATセットの1ゲーム目に第3特定演出が発生することを、継続条件が成立していないことのサインとして捉えにくくすることが可能となり、継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目の第3特定演出をうまくカモフラージュすることができる。よって、ATセット側の継続条件の成否を推測する等をしにくくして、疑似セット演出をより純粋に楽しませることが可能となる。
<変形例2>
上記第2bの実施形態βでは、エンディング演出を行うゲーム数を一律で所定数(7)のゲーム数としていたが、本変形例ではそれを変更する。図159は、本変形例における第3特定演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSb3503にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定した場合の処理が異なっている。すなわち、ステップSb3503にて否定判定した場合、ステップSb3513にてサブ側ATカウンタが17であって、ATモードのセットにおける1ゲーム目であるか否かを判定する。1ゲーム目である場合、ステップSb3514にて、疑似ATカウンタが7よりも小さく、疑似セットの4ゲーム目以降であるか否かを判定する。4ゲーム目以降である場合には、ステップSb3510に進み、第3特定演出を行うための処理を実行する。今回開始するゲームが疑似セットの3ゲーム目までである場合、ステップSb3515にてATモードの継続率を把握し、ステップSb3516にて当選確率の設定処理にて設定される設定値を把握する。そして、ステップSb3517にて、各種テーブル記憶エリア182aからエンディングゲーム数テーブルを取得する処理を実行し、ステップSb3518にて今回のATモードにおけるエンディング演出のゲーム数を抽選により決定する処理を実行する。
エンディングゲーム数テーブルは、図160に示すように、ATモードの継続率と設定値とに応じて、選択されるエンディングゲーム数が異なるように設定されており、概して、ATモードの継続率が高いほど少ないエンディングゲーム数が選択され易く、また、設定値が高いほど少ないエンディングゲーム数が選択され易くなるように設定されている。例えば、継続率10%のATモードにおいては、設定値が1又は2である場合よりも設定値が3又は4である場合の方がエンディングゲーム数の平均値は小さくなり、短いゲーム数が選択され易い。また、継続率90%のATモードにおいても、設定値が1又は2である場合よりも設定値が3又は4である場合の方がエンディングゲーム数の平均値は小さくなり、短いゲーム数が選択され易い。そして、設定値が1又は2である場合、及び設定値が3又は4である場合のいずれにおいても、継続率10%のATモードよりも継続率90%のATモードの方がエンディングゲーム数の平均値は小さくなり、短いゲーム数が選択され易い。
これに対して、設定値が5又は6である場合には、例えば、継続率10%のATモードでは1ゲームのエンディングゲーム数が最も選択され易い一方、継続率90%のATモードでは7ゲームのエンディングゲーム数が最も選択され易く、継続率が高いほど長いエンディングゲーム数が選択され易くなっている。つまり、エンディングゲーム数が短いからといって設定値が高くなり易いわけではなく、ATモードの継続率との関係で、設定値の絞り込みが行えるように設定されている。このようにすることで、エンディングに至るよりも前に継続率を予測しておく意義が高められ、第3特定演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
ここで、エンディング演出が行われる状況とは、上記の通り、基本的にはセットの継続条件が成立せずにATモードが終了する場合であるため、当該エンディング演出にて継続率が把握できても遊技者にとって有益な情報となりにくい。但し、上記の通り、第3特定演出の発生確率が継続率によって異なり、継続率については、エンディング演出が発生するよりも前に当該第3特定演出の発生確率から予測可能な構成としている。そのため、エンディング演出前に予測した継続率と、エンディング演出のゲーム数とから、設定値を予測する、といったように、設定値の予測を行うためには事後的に継続率の情報が必要となる構成となり、継続率の情報を事後的に必要となるようにすることを通じて、第3特定演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
ステップSb3518にてエンディングゲーム数の抽選処理を行った後は、ステップSb3719に進み、最大エンディングゲーム数である7から上記ステップSb3518にて決定したエンディングゲーム数を減算する処理を実行し、その演算値を各種カウンタエリア183bに設けられたエンディング待機カウンタに入力する処理を実行する。エンディング待機カウンタはエンディング演出の開始に合わせて第3特定演出を発生させるゲームをCPU181が把握するためのカウンタである。
ステップSb3519の処理を実行した後は、ステップSb3520にてエンディング待機カウンタが0であるか否かを判定する。例えば、エンディングゲーム数が3ゲームとして選択された場合、ステップSb3519にてエンディング待機カウンタに入力する値は4となり、ステップSb3520にて否定判定することになる。ステップSb3520にて否定判定した場合、ステップSb3521に進み、非第3特定演出を発生させるための処理を実行する。ステップSb3521~ステップSb3524の処理は、上記ステップSb3314~ステップSb3317の処理と同様である。
ステップSb3513にて否定判定し、継続条件の成立していないセットの1ゲーム目ではないと判定した場合、ステップSb3525にて、各種フラグ格納エリア183aに発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。発生済みフラグは、継続条件の成立していないセットにおいて第3特定演出を既に発生させたことをCPU181が把握するためのフラグである。発生済みフラグがセットされていない場合、ステップSb3526にて、上記のエンディング待機カウンタを1減算する処理を実行する。
ステップSb3526の処理を実行した後は、ステップSb3520に進み、エンディング待機カウンタが0となったか否かを判定する。0となっていなければ、上記の通り、ステップSb3521に進み、非第3特定演出を発生させるための処理を行う。エンディング待機カウンタが0となった場合、ステップSb3527にて発生済みフラグをクリアする処理を実行してから、ステップSb3510に進み、第3特定演出を発生させるための処理を実行する。なお、ステップSb3501~ステップSb3512の処理は、上記ステップSb3301~ステップSb3312の処理と同様である。
また、ステップSb3525にて発生済みフラグがセットされており、第3特定演出が発生済みである場合には、ステップSb3521に進み、非第3特定演出を発生させるための処理を実行する。
以上のように、エンディングゲーム数を7ゲームの固定式ではなく、可変式としたことによって、継続条件が成立していないATセットにおいて第3特定演出を発生させるゲームが当該ATセットの1ゲーム目に限定されるものではなく、ランダムなものとなる。このようにすることで、ATセットの継続の有無を疑似セットの更新タイミングから把握することがより困難となり、疑似セット演出を楽しませる効果を高めることが可能となる。
しかも、上記構成においては、エンディングゲーム数によって設定値の推測が可能な構成としていることから、エンディング演出が行われる場合に、ATモードが終了してしまう残念感だけでなく、設定値の予測を行う面白みも提供することが可能となり、遊技者の遊技意欲の低下を好適に補うことができる。
この場合、設定値の推測は、エンディングゲーム数だけでなく、ATモードの継続率とからその推測や絞り込みが可能となるようにしているため、エンディング演出が行われるよりも前にATモードの継続率を予測・把握しておくことの重要性が高められ、第3特定演出の発生へより関心を寄せさせることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、第3特定演出の発生確率を変更する。図161は、本変形例における第3特定演出テーブルを示す図である。
本変形例における第3特定演出テーブルは、ATモードの継続率が高いほど第3特定演出が発生しにくく、継続率が低いほど第3特定演出が発生し易くなるように設定されている。具体的には、各ゲームの抽選結果を加味すると、継続条件が成立している状況下において、10%の継続率のATモードでは1ゲーム当たり約71.5%の確率で発生し、90%の継続率のATモードでは1ゲーム当たり約1.5%の確率で発生する。継続条件が成立している状況下においては、疑似セットは最大で10ゲーム継続するところ、10%継続のATモードでは約1.4ゲーム継続し、90%継続のATモードでは約9.3ゲーム継続し、ATモードの継続率が低いほど疑似セットの1セット当たりのゲーム数が少なくなる。
また、既に説明した通り、本実施形態では10ゲームを1セットとする疑似セット演出が行われ、当該10ゲーム間にて第3特定演出が発生すると、残りのゲーム数に関わらず新たな疑似セットに更新される。つまり、第3特定演出が発生し易いほど、疑似セットの更新確率が高くなる。
ATモードの継続セット数の平均値としては、10%継続のATモードにおいては約2.1セット継続し、90%継続のATモードにおいては約7.9セット継続するところ、90%継続のATモードは10%継続のATモードの3.7倍のセット数だけ継続する。これに対して、疑似セットにおいては、上記のように10%継続のATモードの方が疑似セットの更新確率が高められており、疑似セット数の平均値としては、10%継続のATモードにおいては約4.4セット継続し、90%継続のATモードにおいては約6.8セット継続する。そのため、90%継続のATモードは10%継続のATモードの1.5倍の疑似セットが継続することになり、実際のATモードのセット数における継続率の差よりも疑似セット数における継続率の差の方が小さくなる。
また、60%継続のATモードにおいては約3.5セット継続するため、60%継続のATモードは90%継続のATモードよりもセットの平均継続数は少ない。しかし、疑似セットの平均値としては、60%継続のATモードにおいては約9.0セット継続し、90%継続のATモードにおいては約6.8セット継続するため、60%継続のATモードは90%継続のATモードよりも疑似セットのセット数が多くなる。つまり、継続率に応じたATセットの平均セット数と疑似セットの平均セット数とが逆転し、継続率が低いほど疑似セットの平均セット数が多くなる場合もあるように設定されている。
図162を参照しながら、ATモードの継続率と、疑似セットの更新確率との関係を説明する。図162(a)は、10%継続のATモードにおける疑似セット演出の様子の一例を示しており、図162(b)は、90%継続のATモードにおける疑似セット演出の様子の一例を示している。
例えば、10%継続のATモードにおいてte1にて1セット目が開始され、オープニング演出が終了するte2から疑似セット演出が開始される。この場合、当該te1にて開始されるATモードの1セット目、及びte5にて開始されるATモードの2セット目では継続条件が成立しているものの、te11にて開始されるATモードの3セット目では継続条件が成立しておらず、te12にて開始されるエンディング演出を経てte13にてATモードが終了するとする。
上記の通り、10%継続のATモードにおいては継続条件が成立している状況下であれば、毎ゲーム約71.5%の確率で第3特定演出が発生するところ、図においては、te2から疑似セット演出の1セット目が開始されたのち、te3~te11にて第3特定演出が発生し、10セットの疑似セットが行われた後、エンディング演出が発生したことを示している。
これに対して、90%継続のATモードにおいてtf1にて1セット目が開始され、オープニング演出が終了するtf2から疑似セット演出が開始される。この場合、当該tf1にて開始されるATモードの1セット目、tf4にて開始されるATモードの2セット目、tf7にて開始されるATモードの3セット目、及びtf11にて開始されるATモードの4セット目では継続条件が成立しているものの、tf14にて開始されるATモードの5セット目では継続条件が成立しておらず、tf15にて開始されるエンディング演出を経てtf16にてATモードが終了するとする。
上記の通り、90%継続のATモードにおいては継続条件が成立している状況下であれば、10%継続のATモードよりも低い確率として、毎ゲーム約1.5%の確率で第3特定演出が発生するところ、図においては、tf2から疑似セット演出の1セット目が開始されたのち、tf3、tf5、tf6、tf8~tf10、tf12~tf14にて第3特定演出が発生し、10セットの疑似セットが行われた後、エンディング演出が発生したことを示している。
つまり、この場合、10%継続のATモードの実際のセット数は3セットであり、90%継続のATモードの実際のセット数は5セットであるのに対して、10%継続のATモードにおける疑似セットのセット数は10セットであり、90%継続のATモードにおける疑似セットのセット数も10セットであり、ATモードの継続率が低くても多くのセット数を消化している印象を遊技者に与えることが可能となる。
<第2bの実施形態γ>
本実施形態では、上記第2bの実施形態βにおける疑似セット演出にて特定演出が発生した場合には、所定数のゲーム(4ゲーム~14ゲーム)に亘って大当たり演出が実行され、その後、再度、疑似セット演出が行われる。そして、疑似セット演出において特定演出が発生しなかった場合には、当該疑似セット演出の規定ゲーム数(10ゲーム)を消化した際に、ATモードが終了する。なお、本実施形態における特定演出を、他の実施形態における特定演出と区別するために、本実施形態における特定演出を第4特定演出とも称する。
具体的には、図163(a)に示すように、実施形態では、ATモードが開始されると、上記第2bの実施形態βのようにオープニング演出を介さずに、当該ATモードの開始から疑似セット演出が開始される。
当該疑似セット演出は、上記第2bの実施形態βと同様に、最大で10ゲーム継続する。図163(b1)に示すように、上記第2bの実施形態βと同様に、図柄変動演出を用いて各変動領域SP1~SP3に同じ数字のキャラクタが揃って停止する第4特定演出及び各変動領域SP1~SP3に同じ数字のキャラクタが揃わずに停止する非第4特定演出のいずれかが発生する演出を行う。
図163(b2)に示すように、残りゲーム数画像GPが1となる最終ゲームまでに第4特定演出が発生する場合と、図163(b3)に示すように、大当たり演出が行われる。当該大当たり演出としては、例えば、味方キャラクタが目を閉じた様子が補助表示部65にて表示される演出が設定されており、最小で4ゲーム、最大で14ゲームに亘って継続する。そして、図163(b4)に示すように、大当たり演出の最終ゲームにて移行演出として味方キャラクタが目を見開く様子が表示される演出が行われると、次ゲームから、再度、疑似セット演出が開始される。
疑似セット演出において、10ゲームに亘って非第4特定演出が行われると、図163(b5)に示すように、当該10ゲーム目である最終ゲームの非第4特定演出の後、図163(b6)に示すように、非更新演出が行われてATモードが終了する。
<AT演出設定処理>
図164は、本実施形態におけるAT演出設定処理を示すフローチャートである。
ステップSb3601にてサブ側ATカウンタを1減算した後、ステップSb3602にて継続コマンドを受信しているか否かを判定する。継続コマンドを受信している場合には、ステップSb3603にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。ステップSb3602にて否定判定した場合、又はステップSb3603の処理を実行した後は、ステップSb3604に進む。
ステップSb3604では、サブ側ATカウンタが17であって、今回開始するゲームがATモードのセットにおける1ゲーム目であるか否かを判定する。ATセットの1ゲーム目である場合、ステップSb3605にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSb3606にて調整用処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。調整用処理は、継続条件が成立していないATセットの開始に際して、実行中の疑似セット演出と大当たり演出とのゲーム数を調整するための処理であり、その詳細は後に説明する。
ステップSb3604にてセットの1ゲーム目ではない場合や、ステップSb3605にてATセットの1ゲーム目であってもサブ側継続フラグがセットされている場合は、ステップSb3607に進む。ステップSb3607では、各種フラグ格納エリア183aに調整済みフラグがセットされているか否かを判定する。調整済みフラグは上記のステップSb3606の調整用処理が行われた場合にセットされるフラグである。
調整済みフラグがセットされていない場合、ステップSb3608に進み、各種フラグ格納エリア183aに大当たり演出フラグがセットされているか否かを判定する。大当たり演出フラグは、大当たり演出を開始する場合にセットされるフラグであり、大当たり演出中であることをCPU181が把握するためのフラグである。大当たり演出フラグがセットされておらず、大当たり演出ではなく疑似セット演出を行っている状況である場合、ステップSb3609にて第4特定演出設定処理を実行してから、AT演出設定処理を終了する。
<第4特定演出設定処理>
第4特定演出設定処理では、図165のフローチャートに示すように、ステップSb3701にて疑似ATカウンタを1減算する処理を実行し、ステップSb3702にて残りゲーム数画像GPを更新する処理を実行する。そして、ステップSb3703にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSb3704にて、疑似ATカウンタが0であって、今回開始するゲームが疑似セットの10ゲーム目であるか否かを判定する。疑似セットの10ゲーム目ではない場合、ステップSb3705~ステップSb3708にて、今回のゲームの抽選結果とATモードの継続率とに応じて第4特定演出を発生させるか否かを決定する処理を実行する。これらステップSb3701~ステップSb3708の処理は、上記ステップSb3301~ステップSb3308の処理と同様であり、第4特定演出テーブルについても、図155の第3特定演出テーブルを流用可能である。
ステップSb3709では、ステップSb3708にて行う第4特定演出抽選に当選しているか否かを判定する。第4特定演出抽選に当選している場合や、ステップSb3604にて疑似セットの最終ゲームであると判定したには、ステップSb3710にて、第4特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行う(図163(b2))。そして、ステップSb3711にて大当たり演出ゲーム数設定処理を実行してから、本第4特定演出設定処理を終了する。
<大当たり演出ゲーム数設定処理>
大当たり演出ゲーム数設定処理では、図166のフローチャートに示すように、ステップSb3801にて各種テーブル記憶エリア182aから大当たりゲーム数テーブルを取得する処理を実行する。大当たりゲーム数テーブルでは、図168に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて、4ゲームから14ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、出玉率が高くなる設定値ほど、短いゲーム数大当たり演出が選択され易くなるように設定されている。
ステップSb3801にて大当たりゲーム数テーブルを取得した後は、ステップSb3802にて大当たり演出を行うゲーム数を抽選により決定する。そして、その抽選結果を、ステップSb3803にて、各種カウンタエリア183bに設けられた大当たり演出カウンタ1に入力する処理を実行し、その後、ステップSb3804にて大当たり演出フラグをセットする処理を実行してから、本大当たり演出ゲーム数設定処理を終了する。大当たり演出フラグをセットすることにより、次のゲームからステップSb3608にて肯定判定することになる。
第4特定演出設定処理において、ステップSb3709にて第4特定演出抽選に非当選であると判定した場合、ステップSb3712に進み、非第4特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行う(図163(b1))。そして、ステップSb3713にて疑似ATカウンタが0であって、今回開始するゲームが疑似セットの10ゲーム目であるか否かを判定し、10ゲーム目である場合には、ステップSb3714にてAT終了演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行う(図163(b6))。疑似セットの10ゲーム目ではない場合には、そのまま第4特定演出設定処理を終了する。
AT演出設定処理において、ステップSb3608にて大当たり演出フラグがセットされていると判定した場合、ステップSb3610に進む。ステップSb3610では、上記の大当たり演出カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSb3611では、各種カウンタエリア183bに設けられた大当たり演出カウンタ2を1加算する処理を実行する。大当たり演出カウンタ2は、大当たり演出を実行したゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタである。続くステップSb3612では、上記の大当たり演出カウンタ1が0となったか否かを判定する。0となっていない場合には、ステップSb3613にて、大当たり演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから(図163(b3))、本AT演出設定処理を終了する。
これに対して、ステップSb3612にて大当たり演出カウンタ1が0となり、大当たり演出の最終ゲームである場合、ステップSb3614に進み、大当たり演出フラグをクリアする処理を実行し、ステップSb3615にて大当たり演出カウンタ2を0にクリアする処理を実行する。そして、ステップSb3616にて疑似ATカウンタに10を入力する処理を実行し、ステップSb3617にて移行演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから(図163(b4))、本AT演出設定処理を終了する。
<調整用処理>
次に、継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目にて実施されるステップSb3606の調整用処理について、図167のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSb3901では、大当たり演出カウンタ1が0よりも大きく、今回のゲームで大当たり演出を行う予定であるか否かを判定する。大当たり演出カウンタ1が0であって、疑似セット演出を行う予定である場合、ステップSb3902にて、第4特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行う(図163(b2))。そして、ステップSb3903にて大当たり演出フラグをセットし、ステップSb3904にて大当たり演出カウンタ1に7をセットする処理を実行してから、本調整用処理を終了する。ステップSb3902~ステップSb3904の処理は、上記ステップSb3710、ステップSb3803及びステップSb3804の処理に対応するものである。すなわち、ステップSb3902~ステップSb3904の処理を行うことにより、今回開始するゲームにおいて第4特定演出が発生し、次のゲームから7ゲーム間の大当たり演出が行われることになる。そして、この場合、当該大当たり演出が終了して移行演出が行われるゲームが、ATモードの最終セットにおける8ゲーム目となり、9ゲーム目から18ゲーム目までは非第4特定演出による疑似セット演出が行われることになる(図169(a)参照)。
より詳しくは、次ゲームである最終セットの2ゲーム目から最終セットの8ゲーム目までは、AT演出設定処理においてステップSb3608にて大当たり演出フラグがセットされていると判定することによって、大当たり演出又は移行演出を設定するための処理が行われる。そして、最終セットの9ゲーム目以降では、大当たり演出フラグがクリアされていることから、ステップSb3608にて否定判定し、第4特定演出設定処理が行われる。第4特定演出設定処理では、ステップSb3703にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定し、ステップSb3715に進む。そして、ステップSb3715にて調整済みフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていないため、ステップSb3712に進み、非第4特定演出を行うための処理が実行される。
ステップSb3901にて大当たり演出カウンタ1が0よりも大きく、大当たり演出を行う予定のゲームである場合、ステップSb3905にて大当たり演出カウンタ2が7以上であるか否かを判定する。大当たり演出カウンタ2が7未満であって、既に実行している大当たり演出のゲーム数が6ゲーム以下である場合、ステップSb3906にて大当たり演出カウンタ2に1を入力し、ステップSb3907にて大当たり演出カウンタ1に8を入力する処理を実行する。そして、ステップSb3908にて、大当たり演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから(図163(b3))、本調整用処理を終了する。すなわち、ステップSb3906~ステップSb3908の処理を実行することにより、今回開始するゲームから8ゲームに亘って大当たり演出が実行されることになる。上記の通り、これらステップSb3906~ステップSb3908の処理を実行する場合とは、今回のゲームで大当たり演出を行う予定であった場合であって、大当たり演出を開始してから6ゲーム以下である場合であり、上記ステップSb3906~ステップSb3908の処理を行うことにより、大当たり演出は合計で8ゲームから14ゲームに亘って実行されるようになる。そしてこの場合、当該大当たり演出が終了して移行演出が行われるゲームが、ATモードの最終セットにおける8ゲーム目となり、9ゲーム目から18ゲーム目までは非第4特定演出による疑似セット演出が行われることになる(図169(b)参照)。
より詳しくは、ステップSb3904の処理を行った場合と同様に、次ゲームである最終セットの2ゲーム目から最終セットの8ゲーム目までは、AT演出設定処理においてステップSb3608にて大当たり演出フラグがセットされていると判定することによって、大当たり演出又は移行演出を設定するための処理が行われる。そして、最終セットの9ゲーム目以降では、大当たり演出フラグがクリアされていることから、ステップSb3608にて否定判定し、第4特定演出設定処理が行われる。第4特定演出設定処理では、ステップSb3703にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定し、ステップSb3715にて調整済みフラグがセットされていないため、ステップSb3712に進み、非第4特定演出を行うための処理が実行される。
ステップSb3005にて大当たり演出カウンタ2が7以上である場合、ステップSb3909に進み、ATモードの最終セットの9ゲーム目から疑似セット演出の最終セットが行われるように、現状実行している大当たり演出を一旦終了させた後、当該大当たり演出後の疑似セット演出において第4特定演出を発生させるゲーム(疑似セット演出の継続ゲーム数)と、当該疑似セット演出後の大当たり演出の継続ゲーム数と、を決定する処理を実行する。
すなわち、ステップSb3909では、先ず、大当たり演出カウンタ1及び大当たり演出カウンタ2を0にクリアする処理を実行する。そして、ステップSb3910にて、移行演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行い(図163(b4))、ステップSb3911にて大当たり演出フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSb3912では、各種テーブル記憶エリア182aから調整用ゲーム数テーブルを取得する処理を実行し、ステップSb3913にて調整用ゲーム数抽選処理を実行する。
調整用ゲーム数テーブルは現状実行している大当たり演出の次の大当たり演出の継続ゲーム数を決定するためのテーブルであり、図168に示すように、4ゲームから7ゲームまでのゲーム数が設定されている。ステップSb3913では、これら4ゲームから7ゲームまでのゲーム数を抽選等によりランダムに決定する。
ステップSb3913の処理を実行した後は、ステップSb3914にて各種カウンタエリア183bに設けられた調整済みカウンタ2に上記ステップSb3913の処理結果を入力する処理を実行する。調整済みカウンタ2は、現状実行している大当たり演出の次の大当たり演出のゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタである。
続くステップSb3915では、調整用第4特定演出発生ゲーム数の演算処理を実行する。かかる処理は、現状実行している大当たり演出後の疑似セット演出において第4特定演出を発生させるゲーム(疑似セット演出の継続ゲーム数)を演算する処理である。具体的には、7から上記調整済みカウンタ2を減算する処理を実行する。
そして、ステップSb3916にて、各種カウンタエリア183bに設けられた調整済みカウンタ1に上記ステップSb3915の処理結果を入力する処理を実行する。調整済みカウンタ1は、現状実行している大当たり演出の次の疑似セット演出の継続ゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタである。ステップSb3916の処理を実行した後は、ステップSb3917にて調整済みフラグをセットする処理を実行してから、本調整用処理を終了する。
AT演出設定処理において、ステップSb3607にて調整済みフラグがセットされており、前回のゲーム以前にて調整用処理が実行されている場合、ステップSb3618に進む。ステップSb3618では、調整済みカウンタ1が0よりも大きいか否かを判定する。上記の通り、調整済みカウンタ1は調整済みの疑似セット演出の残りゲーム数に対応するものであり、当該調整済みカウンタ1が0よりも大きい場合とは、今回開始するゲームが、上記の調整済みの疑似セット演出を行うべきゲームであることを意味する。この場合、ステップSb3609に進み、第4特定演出設定処理を実行する。
第4特定演出設定処理では、ステップSb3703にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定し、ステップSb3715に進む。そして、ステップSb3715にて調整済みフラグがセットされているか否かを判定する。この場合、調整済みフラグがセットされていることから、ステップSb3716に進み、調整済みカウンタ1を1減算する処理を実行する。そして、ステップSb3717にて調整済みカウンタ1が0となったか否かを判定し、0となっていなければ、ステップSb3712に進み、非第4特定演出を発生させるための処理を行う。これに対して、ステップSb3717にて調整済みカウンタ1が0となったと判定した場合には、ステップSb3718にて第4特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、第4特定演出設定処理を終了する。この場合、次の大当たり演出の継続ゲーム数は既に設定済み(調整済みカウンタ2、ステップSb3914)であるため、当該次の大当たり演出の継続ゲーム数を設定する処理(ステップSb3711)を実行しない。
AT演出設定処理において、ステップSb3607にて調整済みフラグがセットされており、ステップSb3618にて調整済みカウンタ1が0である場合、上記のように、既に調整済みの疑似セット演出を実行済みであることを意味し、この場合、調整済みの大当たり演出を行うべく、ステップSb3619に進み、調整済みカウンタ2を1減算する処理を実行する。そして、ステップSb3620にて、調整済みカウンタ2が0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、ステップSb3613に進み、大当たり演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、AT演出設定処理を終了する。
これに対して、ステップSb3620にて調整済みカウンタ2が0となったと判定した場合、ステップSb3621にて調整済みフラグをクリアする処理を実行してから、ステップSb3616に進み、疑似ATカウンタに11を入力する処理、及びステップSb3617の移行演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、AT演出設定処理を終了する。
この場合、ATモードの最終セットにおける1ゲーム目にて大当たり演出が終了して移行演出が発生し、2ゲーム目からは調整済みカウンタ1の値に応じたゲーム数に亘って調整済みの疑似セット演出が行われる。そして、当該調整済みの疑似セット演出にて第4特定演出が発生した後、調整済みカウンタ2の値に応じたゲーム数に亘って調整済みの大当たり演出が行われる。調整済みの大当たり演出は、最終セットの8ゲーム目にて終了するように調整されていることから、9ゲーム目から18ゲーム目では、非第4特定演出が繰り返し発生する疑似セット演出が行われて、ATモードが終了する(図169(c)参照)。
このように、本実施形態では、疑似セット演出にて第4特定演出が発生した場合には、直ぐに次の疑似セットが開始されるのではなく、大当たり演出を介して次の疑似セットが開始されるようにしていることから、仮に疑似セットにて早期に第4特定演出が発生し、対応するゲーム数が少ない場合であっても、大当たり演出が行われるゲームによってそのゲーム数を補うことが可能であり、疑似セットが更新されることへの期待感をより純粋に高めることが可能である。
大当たり演出は4ゲームから14ゲームに亘って行われ得るようにしていることから、疑似セット中に第4特定演出が発生した後、短いゲーム数で大当たり演出が終了して次の疑似セットが開始される場合もあるし、長期に亘って(長いゲーム数で)大当たり演出が行われた後、次の疑似セットが開始される場合もあり、疑似セット演出中の第4特定演出の発生タイミングだけではなく、大当たり演出において移行演出の発生タイミング(大当たり演出の終了タイミング)へも注目させることが可能となり、ドキドキ感ある遊技性を楽しませることができる。
ここで、ATモード中に行う疑似セット演出(最大10ゲーム)とそれに連続する大当たり演出(4ゲーム~14ゲーム)とは、両演出のゲーム数を合わせるとATセットの18ゲーム以上のゲーム数となる場合と、18ゲームよりも少ないゲーム数となる場合とがあるように設定されている。このようにすることで、ATセットのゲーム数を主制御装置101側で長くしたり短くしたりしなくても、両演出の長短によってあたかもATセットのゲーム数が変化しているかのような印象を与えることが可能となる。このようにすることで、比較的簡素な構成でATセットの遊技性を向上させることが可能となる。
この場合、疑似セット演出と大当たり演出とは、いずれも最大限継続してもATセットのゲーム数よりも少ないゲーム数となるように設定されているため、両演出がセットでATセットに対応付けられている印象を強く与えることが可能となり、両演出によってATセットのゲーム数が変化する印象を与える手助けとすることができる。
また、上記構成のように、疑似セット演出にて第4特定演出が発生した場合には大当たり演出に移行する一方、第4特定演出が発生しないまま疑似セット演出が終了した場合にはATモードがそのまま終了する構成とすることで、疑似セット演出にて第4特定演出が発生しないことと、ATモードの終了とが、より密接に関連付けられ、第4特定演出の発生をより心待ちにさせることが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)ATモードをセット管理型のATモードとし、継続率に応じてATモードの継続ゲーム数が異なるようにしたが、ATモードの継続し易さ(継続ゲーム数)が異なる複数のATモードを設けれてもよい。この場合、例えば、初期ゲーム数が異なる複数のATモードを設定してもよいし、終了抽選に当選するまでATモードが継続する構成としたうえで当該終了抽選の当選確率が異なる複数のATモードを設定してもよいし、所定の終了結果(例えば、所定のボーナス結果等)に当選した場合にATモードが終了する構成としたうえで当該所定の終了結果の当選確率が異なる複数のATモードを設定してもよいし、ゲーム数上乗せの当選確率が異なる複数のATモードを設定してもよいし、ゲーム数上乗せ当選時の上乗せゲーム数が異なる複数のATモードを設定してもよいし、これらを組み合わせてもよい。そして、いずれのATモードであるかによって、特定演出抽選の当選確率や示唆演出抽選の当選確率、エンディングゲーム数、大当たり演出のゲーム数等を異ならせる構成とするとよい。
(2)18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードとしたが、当該1セットのゲーム数はこれに限定されず、18ゲームよりも多くてもよいし、少なくてもよい。また、1セット中にゲーム数の上乗せ等が行われ得る構成とする等して、1セットのゲーム数が変化する(18ゲームよりも多くなるセットが存在する)場合がある構成としてもよい。また、例えば、第2bの実施形態βのように1セット目は必ず継続条件が成立するような構成においては、継続条件を成立させる構成に代えて、1セット目の継続ゲーム数を2倍のゲーム数(36ゲーム)として設定する構成としてもよく、1セット目だけではなく、継続条件が成立しているATセットの更新に際しては、2倍のゲーム数を当該セットのゲーム数として設定する構成としてもよく、ATセットカウンタの値に応じたゲーム数(ATセットカウンタが3であれば3倍のゲーム数等)を当該セットのゲーム数として設定する構成としてもよい。
(3)継続率の異なるATモードにおいて、各ゲームの抽選処理にて用いられる抽選テーブルは共通なものとしたが、それぞれのATモードにて抽選テーブルが異なる構成としてもよく、それぞれのATモードにて所定役や特定役の一部若しくは全部又は他の結果の当選確率が異なる構成としてもよく、当選確率が異なることを通じて特定演出の発生確率がそれぞれのATモードで異なる構成としてもよい。この場合、所定役や特定役の一部若しくは全部又は他の結果の当選確率が各ATモードで遊技者が識別不可能な程度に異なる構成(略同じ確率である構成)としてもよい。
(4)AT上乗せ用処理において、特定役では上乗せ当選し得る一方、通常役では上乗せ当選しない構成としたが、通常役でも上乗せ当選し得る構成としてもよい。この場合、特定役での上乗せ当選の確率よりも通常役での上乗せ当選の確率の方が低くなるようにするとよい。なお、特定役の一部の役(例えばチャンス目A)での上乗せ当選の確率よりも通常役の一部の役(例えば通常リプC)での上乗せ当選の確率の方が高くなることを排除するものではなく、全体として、通常役よりも特定役の方が上乗せ当選し易い構成であればよい。
(5)特定役の方が通常役よりも特定演出抽選の当選確率が高くなるように設定したが、特定役と通常役との特定演出抽選の当選確率を同じ又は略同じ確率となるように設定してもよい。この場合であっても、各ゲームの抽選処理において特定役よりも通常役に当選し易いことを通じて、特定役を契機として特定演出が発生する割合よりも、通常役を契機として特定演出が発生する割合の方が大きくなる。また、通常役の方が特定役よりも特定演出抽選の当選確率が高くなるようにしてもよく、この場合、特定役を契機として特定演出が発生する割合よりも、通常役を契機として特定演出が発生する割合の方が大きくなるように、通常役と特定役との各ゲームの抽選処理での当選確率や特定演出抽選の当選確率を調整するとよい。
(6)遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定としてATモードにおけるATセットが継続することを有利事象とし、継続抽選を有利判定の一例としたうえで、ATセットの継続条件が成立しているいことに対応する演出として特定演出が行われるようにしたが、遊技者にとって有利な有利事象に対応付けられた演出であればよく、例えば、ATモードへの移行抽選に当選していることに対応付けられた演出としてもよいし、設定値を示唆する示唆演出の実行抽選に当選していることに対応付けられた演出としてもよいし、ATモードの上乗せ抽選に当選していることに対応付けられた演出としてもよい。
この場合、ATモードの移行抽選に当選していることに対応付けられた演出として特定演出を行うのであれば、ATモード移行抽選にて当選し、前兆モードを介して当該ATモード移行抽選に当選したことの当選演出が行われる構成において、当該前兆モード中であって、当選演出が行われるよりも前やATモードが開始されるよりも前に、特定演出が発生し得るようにし、ATモード移行抽選の当選確率が異なる複数のモードを設けたうえで、それぞれのモードによって特定演出の発生確率を異ならせる構成としたり、各ゲームの抽選結果を利用して特定演出の実行抽選を行う構成としたりするとよい。
また、設定値を示唆する示唆演出の実行抽選に当選していることに対応付けられた演出として特定演出を行うのであれば、示唆演出の実行抽選に当選してから、示唆演出が行われるまでに複数のゲームを要するような構成としたうえで、当該示唆演出の実行抽選に当選してから示唆演出が行われるまでのゲームにて特定演出が発生し得るようにし、設定値の示唆演出の実行抽選の当選確率が異なる複数のモードを設けたうえで、それぞれのモードによって特定演出の発生確率を異ならせる構成としたり、各ゲームの抽選結果を利用して特定演出の実行抽選を行う構成としたりするとよい。
そして、ATモードの上乗せ抽選に当選していることに対応付けられた演出として特定演出を行うのであれば、上乗せ抽選に当選してから上乗せが行われるまでに複数のゲームを要するような構成としたうえで、当該上乗せ抽選に当選してから上乗せが行われるまでのゲームにて特定演出が発生し得るようにし、上乗せ抽選の当選確率が異なる複数のモードを設けたうえで、それぞれのモードによって特定演出の発生確率を異ならせる構成としたり、各ゲームの抽選結果を利用して特定演出の実行抽選を行う構成としたりするとよい。
これらの場合において、有利事象を生じさせることの有利判定の判定契機は、それぞれの有利事象に応じて設定すればよく、ATモードの移行を有利事象とするのであれば、ATモード移行抽選の実行契機として、例えば特定役当選や所定ゲーム数の消化を所定の判定契機とすればよい。
(7)特定演出を補助表示部65やスピーカ64にて行う構成としたが、別の表示部やランプ等にて行う構成としてもよいし、各リール32L,32M,32Rを用いて行う構成としてもよい。各リール32L,32M,32Rを用いて行う場合、例えば、特定演出を行わないゲームにおいては、各リール32L,32M,32Rを通常通り回転開始させる一方、特定演出を行うゲームにおいては、各リール32L,32M,32Rを通常の回転開始態様とは異なる回転開始態様(例えば、回転開始までの期間を通常よりも長くしたり短くしたり、左リール32Lから順番に回転を開始させたり、定速回転に至るまでに所定の図柄組合せが形成された状態で低速回転したり、仮停止したりする態様等)にて回転開始させる構成としてもよい。なお、回転開始時に限定されず、当該ゲームにおいて、各リール32L,32M,32Rの回転が開始してから回転が終了するまでの回転態様を通常態様とは異なる特定態様とすることで特定演出を行う構成とすればよい。
(8)特定演出抽選に当選した場合、当該当選したゲームにて特定演出を行う構成としたが、当該当選したゲームよりも後のゲームにて当該特定演出抽選に当選したことに対応する特定演出を行う構成としてもよい。この場合、いずれのゲームにて特定演出を行うかを抽選等により決定する構成としてもよいし、予め定められたゲーム数後に特定演出を行う構成としてもよい。但し、特定演出を行うゲームは特定演出を実行可能なゲーム(対峙演出や当該セットの疑似セット中)である必要があるところ、特定演出を実行するゲームを決定するうえでは、当該実行可能なゲームから特定演出を実行するゲームを決定する構成とするとよい。
(9)各ゲームの抽選結果に応じて特定演出を行うことの特定演出抽選を行う構成としたが、例えば対峙演出の開始時や疑似セット演出の開始時に特定演出の実行抽選や実行ゲーム数の抽選を行う構成としてもよく、この場合、当該これらの抽選を行うゲームの抽選結果に関わらずこれらの抽選を行う構成としてもよいし、これらの抽選を行うゲームの抽選結果に応じてこれらの抽選を行う(抽選結果に応じて実行抽選の当選確率や実行ゲーム数が異なる)構成としてもよい。
(10)対峙演出中の特定演出抽選に当選した場合、当該特定演出抽選に当選したゲームだけ特定演出を行う構成としたが、当該当選したゲーム以降も特定演出を行う構成としてもよく、特定演出を複数のゲームに亘って行う構成としてもよい。
(11)セット管理型のATモードにおいて、ATモードに移行する場合に継続率の設定を行い、当該ATモード中は継続率が変化しない構成としたが、ATモード中も継続率が変化し得る構成としてもよい。例えば、各ゲームやセットの更新時等の所定の抽選契機に基づいて継続率の変更抽選を行い、当該変更抽選に当選した場合に以降の継続率が変化する(例えば10%の継続率から60%の継続率となる)構成としてもよい。継続率が変化する場合、継続率が高くなる態様だけではなく、継続率が低くなる態様もある構成としてもよく、継続率が高くなる抽選と、継続率が低くなる抽選とを別々に抽選したり、別々の抽選契機で抽選したりする構成としてもよい。
更に、1セット目は90%で継続し、2セット目は10%で継続し、3セット目以降は60%で継続するパターンや、1セット目は10%で継続し、2セット目は60%で継続し、3セット目以降は90%で継続するパターンといったように、各セットの継続率が予め定められたパターンを複数設け、ATモード移行時にいずれのパターンとするかを決定するシナリオ管理型のATモードとしてもよい。
これらの構成において、今回のセットの継続率が次回以降のセットの継続率に影響を及ぼす構成であることが好ましく、例えば、セットの更新時に次回の継続率を抽選等により決定する構成であれば、今回の継続率を参照して次回の継続率を決定する構成(例えば、今回が10%であれば、次回は10%よりも90%が選択され易く、今回が60%であれば、次回は他の継続率よりも60%が選択され易い等の構成)とするとよく、上記のシナリオ管理型の構成であれば、今回のセットの継続率から次回以降のセットの継続率の絞り込みが可能となる構成とするとよく、このようにすることで、継続条件が成立していることに対応する特定演出に基づいて(今回のセットの)継続率を予測・把握する意義が担保される。
(12)各セットで継続率が変化し得る構成においては、今回のセットの継続条件が成立していることに対応する特定演出を今回のセットの継続率に応じて発生させる構成に代え、又は加えて、今回のセットの継続条件が成立していることに対応する特定演出を次回以降のセットの継続率に応じて発生させる構成としてもよい。
(13)オープニング演出やバトル演出、大当たり演出、エンディング演出中においても、ATセットの継続条件が成立していることを条件として、各種特定演出が発生し得る構成としてもよい。この場合、例えば、バトル演出よりも対峙演出の方が特定演出が発生し易い構成としたり、オープニング演出や大当たり演出やエンディング演出よりも疑似セット演出の方が特定演出が発生し易い構成とするとよい。
(14)ATモードの継続率に応じて、特定演出の発生率を異ならせたが、特定演出の態様(表示するキャラクタの色や形、表示タイミング等)が異なる構成としてもよいし、特定演出を複数のゲームに亘って行い得る構成においては、特定演出の実行ゲーム数がATモードの継続率に応じて異なる構成としてもよい。
(15)ATモードの継続率に応じて、各ゲームの抽選処理に用いる抽選テーブルを異ならせる等して、所定結果の当選確率が異なる構成としてもよい。この場合、所定結果を特定演出の発生契機となる構成とすることで、ATモードの継続率に応じて特定演出の発生率を異ならせる構成とすることができる。また、押し順ベルを所定結果とする等して、ATモードの継続率に応じて、1ゲーム当たりで期待できる期待メダル増加枚数(純増枚数)が異なる構成としてもよく、例えば、継続率が高いほど期待メダル増加枚数が多くなるようにしてもよいし、継続率が高いほど期待メダル増加枚数が少なくなる構成としてもよい。なお、ATモードの継続率に応じて期待メダル増加枚数を異ならせる構成は、抽選テーブルを異ならせる構成によって実現するものに限定されず、例えば、押し順ベル当選時の押し順報知の発生率が異なるようにして実現してもよいし、押し順ベル等の当選時の押し順報知の態様を異ならせる構成(2択の押し順を報知する態様や1択の押し順を報知する態様等を設け、押し順報知の態様によって第1小役入賞~第6小役入賞の入賞確率が異なる構成)にて実現してもよく、その他の構成にて実現してもよい。
(16)継続条件が成立しているATセット中のセット上乗せ抽選に非当選となった場合に特定演出を発生させるようにした構成において、特定役を契機とするセット上乗せ抽選に非当選となった場合に特定演出を発生させる態様に限定されず、通常役を契機とするセット上乗せ抽選に非当選となった場合に特定演出を発生させる構成としてもよいし、これら特定役や通常役を契機とするセット上乗せ抽選に非当選となった場合の一部で特定演出を発生させる構成としてもよい。これらにおいて、通常役を契機とする特定演出よりも特定役を契機とする特定演出のほうが発生し易くするとよい。
(17)継続条件が成立しているATセット中のセット上乗せに当選した場合に特定演出を行う構成としてもよい。この場合、セット上乗せに当選した場合の一部で特定演出を行う構成としてもよく、特定演出を行う確率がセット上乗せの契機となった抽選結果によって異なる構成としてもよく、より具体的には、当選確率の低い抽選結果ほど、セット上乗せ時に特定演出を行い易い構成としてもよいし、当選確率の低い抽選結果ほど、セット上乗せ時に特定演出を行いにくい構成としてもよい。
(18)継続条件が成立していないATセット中に上乗せ抽選に当選して継続条件が成立した場合、当該ゲームでは特定演出抽選を行わないようにしてもよい。また、当該ゲームでは特定演出抽選を行わずに、所定ゲーム後に特定演出抽選を介して又は特定演出抽選を介さずに特定演出を発生させる構成としてもよく、次回以降の所定役となるゲームにて特定演出を発生させる構成としてもよい。
(19)示唆演出テーブルでは、外れ結果である場合に示唆演出が行われ得るように設定したが、他の通常役や特定役であっても示唆演出が発生し得る構成としてもよい。
(20)特定演出が発生した場合に、所定の確率で示唆演出を行うことが可能な状態とする構成としてもよく、示唆演出を行うことが可能な状態とする確率が設定値によって異なる構成としてもよいし、継続率によって異なる構成としてもよい。また、対峙演出中に特定演出が複数回発生し得る構成においては、特定演出の発生回数に応じて示唆演出の発生確率や示唆演出を行うことが可能な状態の移行率が異なる構成としてもよく、特定演出の発生回数が多いほど、示唆演出の発生確率が高くなる構成や、示唆演出を行うことが可能な状態への移行率が高くなる構成としてもよい。
(21)疑似セット演出を行う構成において、当該疑似セット中に対応する特定演出が発生しなかった場合には、当該疑似セット演出を終了させてATモードが終了するまでエンディング演出を行う構成としたが、ATモードが終了するゲームまでの間は演出を行わないようにしてもよいし、ATモードが終了するまで、疑似セット演出の残りゲーム数を延長する構成としてもよい。
(22)疑似セット演出後にエンディング演出を行うことを前提として、例えば、継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目で特定演出を発生させて、疑似セット演出の更新を行う構成としたが、エンディング演出を行わない構成とするならば、継続条件が成立していないATセットの残りゲーム数が疑似セット演出の継続ゲーム数(10ゲーム)+1(残り11ゲーム)となったゲームにて特定演出を発生させて、疑似セット演出の更新を行う構成とするとよい。
(23)疑似セット演出の最大継続ゲーム数を10ゲームとしたが、ATセットの継続ゲーム数(18)よりも少ない数であればよく、11ゲーム以上であってもよいし、9ゲーム以下であってもよい。逆に、疑似セット演出の最大継続ゲーム数をATセットの継続ゲーム数(18)以上としてもよく、18ゲームであってもよいし、19ゲーム以上であってもよい。各疑似セットにおいて最大継続ゲーム数が異なる構成としてもよく、各疑似セットにおいて最大継続ゲーム数が異なる構成においては、疑似セットの更新時に最大継続ゲーム数を抽選等により決定する構成とするとよく、この場合、継続条件が成立していないATセットにて疑似セットの更新を行う場合には、当該ATセットの残りゲーム数を更新後の疑似セットの最大継続ゲーム数となるように設定するとよい。
また、ATセットの継続ゲーム数を疑似セット演出の最大継続ゲーム数の整数倍となるように、更に、疑似セット演出の最大継続ゲーム数をATセットの最大継続ゲーム数の整数倍となるように両継続ゲーム数を設定してもよい。例えば、ATセットの継続ゲーム数が18ゲームであれば、疑似セット演出の最大継続ゲーム数を9ゲームや6ゲームとしてもよいし、疑似セット演出の最大継続ゲーム数を36ゲームや54ゲームとしてもよい。
(24)継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目であって、ATモードの残りゲーム数が18ゲームとなったゲームで疑似セット演出にて強制的に特定演出を行う構成としたが、強制的に(特定演出抽選を経ずに)特定演出を行うゲームは当該継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目に限定されない。例えば、次のATセットの継続条件の成否をATセットの終了時(最終ゲーム)で判定するような構成においては、ATセットの最終ゲームで次のATセットの継続条件が成立していなければ、当該ゲームにて特定演出を発生させて疑似セットの更新を行う構成としてもよい。少なくとも、ATモードの残りゲーム数が、疑似セットの最大継続ゲーム数の2倍(20ゲーム)以下であって、最大継続ゲーム数に1を加えた数(11ゲーム)以上である所定数となったゲームで強制的に特定演出を発生させるようにすることで、当該特定演出により終了された疑似セットの次の疑似セットを最大継続ゲーム数に亘って実行することが可能である一方で、当該次の疑似セットを最大継続ゲーム数に亘って実行した後は、その次の疑似セットを最大継続ゲーム数に亘って実行することができないような構成とすることが可能である。なお、上記のようにATモードの残りゲーム数に応じて強制的に特定演出を行う構成とする場合、当該強制的に特定演出が行われ得るゲーム(例えば上記のように疑似セットの最終ゲーム)では、他のゲームよりも特定演出が発生し易いようにすることで、当該特定演出をうまくカモフラージュすることが可能である。
(25)有利区間の強制終了条件との関係で、疑似セット演出中に強制的に特定演出を発生させる構成としてもよい。例えば、上限ゲーム数である1500ゲームに到達するまでのゲーム数が所定数となった場合に、疑似セット演出中に強制的に特定演出を発生させる構成とすることで、ATモードが有利区間の強制終了条件にて終了する場合であっても、その終了ゲームと疑似セット演出の終了ゲームとをうまく合わせることが可能である。なお、上記の所定数とは、疑似セット演出の最大継続ゲーム数に1を加えたゲーム数以上であるとよく、更に好ましくは、最大継続ゲーム数の2倍以下のゲーム数であるとよい。また、上限ゲーム数である1500ゲーム到達前からエンディング演出を行うような構成においては、当該エンディング演出を行うゲーム数(例えば50ゲーム)を除いたゲーム数(1450ゲーム)までのゲーム数が上記の所定数となった場合に強制的な特定演出を発生させる構成とするとよい。
(26)対峙演出中に特定演出が行われた後、主制御装置101側のATセットカウンタの値(残りATセット数)を示唆する演出が行われるようになる、又は特定演出の実行前よりも当該示唆する演出が行われ易くなる構成としてもよい。
(27)バトル演出中に継続条件が成立した場合には、バトル演出テーブルの書き換えを行う構成としたが、味方敗北演出後に味方キャラクタが復活して勝利することで継続条件が成立していることを報知する復活勝利演出を設け、バトル演出中に継続条件が成立した場合には、味方敗北演出となるバトル演出テーブルのままで演出を行うとともに、当該味方敗北演出後に復活勝利演出を行う構成としてもよい。
(28)対峙演出を10ゲーム、バトル演出を8ゲームとし、対峙演出が行われるゲーム数の方がバトル演出が行われるゲーム数よりも一のATセットに占める割合が多くなるようにしたが、対峙演出を9ゲーム、バトル演出を9ゲームとしてもよいし、対峙演出を8ゲーム以下、バトル演出を10ゲーム以上行う構成としてもよい。
(29)対峙演出中に特定演出が発生してもバトル演出を行う構成としたが、対峙演出中に特定演出が発生した場合にはバトル演出を行わず、大当たり演出(図144(b))がATセットの終了ゲームまで行われる構成としてもよい。
(30)対峙演出とバトル演出とが連続して行われる構成としたが、対峙演出とバトル演出とに上記の大当たり演出等の所定演出を行うゲームが介在する構成としてもよい。
(31)ATモード中の1ゲーム当たりの期待メダル増加枚数は上記のものに限定されず、それよりも多くてもよいし、少なくてもよい。また、ATモードの途中で期待メダル増加枚数が変化し得る構成としてもよく、例えば、所定数のゲームに亘って押し順ベル等の当選確率が高くなるボーナスの一種としてJACを設け、JAC当選時に当該JAC入賞を成立させることができれば、以降は所定数のゲームに亘って1ゲーム当たりの期待メダル増加枚数が多くなるし、JAC当選時にJAC入賞を成立させることができなければ、期待メダル増加枚数は変化しない構成としてもよい。なお、例えば、JAC当選時にストップスイッチ42~44の操作順序が所定順序であればJAC入賞が成立せず、所定順序とは異なる特定順序であればJAC入賞が成立するようにすることで、特定順序の押し順報知を実行するか否かによって、期待メダル増加枚数をATモードの途中で変化させることが可能である。
(32)ATセットの継続率を特定演出の発生率等で示唆する構成としたが、別途、継続率を示唆する演出を行う構成としてもよい。例えば、ATモード中の補助表示部65における背景色を複数設け、10%継続のATモードであれば当該背景色として例えば青色が選択され易い一方、90%継続のATモードであれば当該背景色として例えば赤色が選択され易い、といったような構成としてもよい。
(33)有利区間移行抽選処理では、いずれの抽選結果であっても有利区間移行抽選に当選するように設定したが、当選確率は上記のものに限定されない。
(34)ATモード中の各種演出(対峙演出、通常演出、特定演出、バトル演出、図柄変動演出、第2特定演出、非第2特定演出、待機演出、オープニング演出、疑似セット演出、第3特定演出、非第3特定演出、エンディング演出、更新演出、非更新演出、復活演出、大当たり演出、移行演出等)の演出態様は、一例であり、上記のものに限定されないことは言うまでもない。
(35)押し順報知を、主制御装置101側の指示モニタ68と、表示制御装置81側の補助表示部65との両方で実行する構成としたが、いずれか一方にて実行する構成としてもよく、例えば、抽選結果や状態によって、主制御装置101側では実行せずに、表示制御装置81側では実行する構成としてもよい。
(36)指示モニタ68は6通りの操作順序をそれぞれ報知可能な構成としたが、例えば、通常リプA~Cのように、ストップスイッチ42~44の操作順序のうち最初に操作すべきストップスイッチ42~44だけが対応付けられた押し順役について、最初に操作すべきストップスイッチ42~44だけを報知する押し順報知の態様が含まれる構成としてもよい。
(37)ATモード終了時に有利区間を終了させる構成としたが、ATモード終了時に有利区間が終了しない場合もある構成としてもよい。例えば、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数に応じて有利区間が終了しない構成としてもよく、具体的には、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数が、当該残りゲーム数にATモード1ゲーム当たりの期待増加枚数を乗じた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよく、現状の有利区間増減枚数MYに上記の乗じた枚数を加えた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよい。
(38)有利区間移行時に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯制御する構成としたが、有利区間移行時であっても、第8表示用セグメントN8を点灯制御せず、有利区間中に所定の点灯条件が成立した場合に点灯制御する構成としてもよい。所定の点灯条件は、例えば、ATモードへの移行が確定した場合等、押し順報知が発生し得る状況となった場合に成立するものとしてもよい。
(39)CZモード中に押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよい。また、ATモードにおいても押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよく、これらATモードやCZモードの残りゲーム数が0となっても、押し順報知が1回実行されるまでは、当該ATモードやCZモードが終了しない構成としてもよい。
(40)3ベットゲームにて当選し得るBBとして第1BBを設け、2ベットゲームにて当選し得るBBとして第2BBを設けたが、いずれか一方のBBだけであってもよく、例えば、2ベットゲームにて第2BBに当選し、3ベットゲームではいずれのBBにも当選しない構成としてもよい。
(41)2ベットゲームにて、第2BBに当選する構成としたが、2ベットゲームにて複数種類のBBに当選し得る構成としてもよく、例えば、2ベットゲームにて第1BBと第2BBに当選し得る構成としてもよい。この場合、2ベットゲームにて第1BB入賞と第2BB入賞とが成立し得る構成とし、3ベットゲームでは第1BB及び第2BBのいずれにも当選もせず、更に3ベットゲームでは第1BB入賞と第2BB入賞とのいずれも成立しない構成としてもよい。なお、2ベットゲームと3ベットゲームとの関係が上記のものと逆であってもよい。
(42)第1BB状態と第2BB状態とでいずれも同じ抽選テーブルを用いて、同じ遊技ベースとなるようにしたが、異なる抽選テーブルを用いて、異なる純増枚数となるようにしてもよい。
(43)第1BB状態と、第2BB状態とを、いずれも3ベットゲームにて遊技する構成としたが、例えば、第1BB状態は3ベットゲームにて遊技し、第2BB状態は2ベットゲームにて遊技する、といったように、BB状態の種類によってベット数が異なる構成としてもよい。この場合、第1BB状態の各ゲームは特定規定数とは異なるベット数によるゲームとなり、第2BB状態の各ゲームは特定規定数のベット数によるゲームとなる。
(44)第1BB状態と、第2BB状態との遊技は、いずれも押し順報知用の処理や特定処理等の指示機能に関する実行が制限される構成としたが、例えば、第1BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が制限される一方、第2BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が許容される、といったように、BB状態の種類によって制限の有無が異なる構成としてもよい。また、CB状態やSB状態、MB状態を設け、これらのうちのいずれか又は全部で、各指示機能に関する処理が制限される又は制限されない構成としてもよい。
(45)3ベットゲームでは第2BB入賞を成立させることができず、2ベットゲームでは第1BB入賞を成立させることができない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BB入賞しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BB入賞しにくい構成としてもよい。
(46)3ベットゲームでは第2BB当選とならず、2ベットゲームでは第1BB当選とならない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BBに当選しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BBに当選しにくい構成としてもよい。
(47)1ベットを設定可能な操作部を設けてもよい。この場合、当該操作部を操作した回数に応じてベット数を異ならせることが可能な構成としてもよい。具体的には、当該操作部を1回操作した場合には1ベットとなり、2回操作した場合には2ベットとなり、3回操作した場合には3ベットとなる構成としてもよい。更に、4回操作した場合には1ベットとなり、5回操作した場合には2ベットとなる、といったように、所望のベット数を通り越してしまった場合でも、再操作によって所望のベット数に設定可能な構成とするとよい。
(48)CZモードの上限ゲーム数を、一律で10ゲームとしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。また、準備モードの上限ゲーム数を、一律で40ゲームととしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。
(49)第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を約プラス0.00枚として、第1BB状態や第2BB状態ではメダルが増えもせず、減りもしない構成としたが、メダルが増加し得る構成としてもよいし、メダルが減少し得る構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態での純増枚数が、少なくとも内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて遊技した場合の純増枚数よりも多い純増枚数数であればよい。
(50)遊技者が、内部状態や非内部状態を3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技したり、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることで、指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としたが、遊技機側で、例えば、所定ゲーム数の消化によって指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としてもよい。
(51)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(52)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(53)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(54)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第3cの実施形態>
以下、第3cの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図170はスロットマシン10の正面図、図171はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図172はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図173は前面扉12の背面図、図174は筐体11の正面図である。なお、以下の説明においては、特に上記各実施形態と異なる構成について説明し、上記各実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。また、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
図170~図174に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図172に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図175には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図175に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図176に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図177~図179は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図180(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図180(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図180(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図180(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図180(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図180(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図181(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図181(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役~第32小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役~第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図177及び図178に示すように、これら第9小役入賞~第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。図179に示すように、これら第1再遊技~第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図181(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図183(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図183(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。第2再遊技入賞が成立すると、遊技状態の移行は生じないものの、遊技者にとって有利な報知モードへの移行が生じ、所謂疑似ボーナスとしての第1AT状態が開始する。
第3再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図183(c)に示すように、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図183(d)に示すように、右下がりラインL4に「赤7」図柄が揃って停止したりする。第3再遊技入賞が成立すると、遊技状態の移行は生じないものの、遊技者にとって有利な報知モードへの移行が生じ、所謂疑似ボーナスとしての第2AT状態が開始する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図181(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図181(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図182(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図182(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図182(c)及び図182(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。図182(e)に示すように、有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。図182(f)に示すように、有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図184)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを、一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。なお、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合、特定枚数のクレジットが無い場合には、クレジットの分だけ仮想メダルの投入が行われる。例えば、特定枚数が3枚として設定されており、クレジットが2である場合は2枚の仮想メダルの投入が行われる。
また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
なお、第1クレジット投入スイッチ56には、当該第1クレジット投入スイッチ56が操作されたことを検知する第1クレジット投入検出センサ56aが設けられており、第2クレジット投入スイッチ57には、当該第2クレジット投入スイッチ57が操作されたことを検知する第2クレジット投入検出センサ57aが設けられており、これら各クレジット投入検出センサ56a,57aによって、各クレジット投入スイッチ56,57の操作が検知される(図184参照)。また、第1クレジット投入スイッチ56には、第1クレジットランプ56bが内蔵されている。第1クレジットランプ56bは点灯状態と消灯状態とに切り替わり可能に構成されており、第1クレジットランプ56bを点灯状態とすることによって第1クレジット投入スイッチ56の操作が促される。なお、第1クレジット投入スイッチ56の操作が可能な状態で点灯状態となる構成に代えて又は加えて、点滅状態となる構成としてもよい。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、清算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で清算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、清算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための清算用操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの下方であって、クレジット表示部60の左方には、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作やメダル投入口45へのメダル投入によって設定されるゲームのベット数を表示するための第1表示部としてのBET表示部75と、現状の遊技の進行状態を示す遊技状態表示部76とが設けられている。
また、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの左方には、上記のゲームのベット数を表示するための第2表示部としてのベット表示部34が設けられている。更に、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの右方には、ゲームの開始に際して各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるまでの待機すべき状態(ウェイト状態)であることを報知するためのウェイト表示部35が設けられている。
これらBET表示部75、遊技状態表示部76、ベット表示部34、ウェイト表示部35については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図184及び図185のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、清算スイッチ59の操作を検出する清算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、BET表示部75、遊技状態表示部76、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、デモ状態に移行させる前の状態を記憶するための待機用記憶エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図186参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図185に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にベット表示部34、ウェイト表示部35、第1クレジットランプ56b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてベット表示部34、ウェイト表示部35、第1クレジットランプ56b、上部ランプ63、スピーカ64及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図186は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSc101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSc102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSc103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSc102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSc104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSc104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSc105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSc106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSc107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図184参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSc108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップSc109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSc110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSc111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSc112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSc113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSc114では、先のステップSc101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSc115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図187のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSc201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSc202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSc203~ステップSc215に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSc203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSc204では、BET用処理を行う。
BET用処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行う。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、仮想メダルを自動投入する処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、各クレジット投入スイッチ56,57の操作やメダル投入口45からのメダル投入といった賭数操作に基づいてベット数を設定する処理を行う。当該BET用処理については、後に詳細に説明する。
続くステップSc205では、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップSc107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認し、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常用処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
異常用処理を実行した後は、ステップSc206にて、清算スイッチ59の操作に基づきクレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理を実行した後は、ステップSc207にて、ステップSc204のBET用処理の結果として、メダルのベット数が規定枚数に達しており、ゲームを開始する開始操作を受付可能な開始可能状態であるか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSc207にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSc207にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSc207にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達しておらず、開始可能状態ではない場合には、ステップSc204のBET用処理に戻る。
開始可能状態である場合には、ステップSc208にてスタートレバー41が操作されて開始操作が行われたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSc204のBET用処理に戻る。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSc209にて、遊技状態表示部用処理を実行する。かかる処理は、ゲームの開始操作に基づいて、遊技状態表示部76の表示制御を行うための処理であり、その詳細については、遊技状態表示部76の説明とともに後に説明する。
続くステップSc210では、ベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSc211では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSc212の抽選処理、ステップSc213のリール制御処理、ステップSc214のメダル払出処理、ステップSc215の待機状態設定処理を順に実行し、ステップSc203に戻る。
次に、ステップSc212の抽選処理について、図188のフローチャートに基づき説明する。
ステップSc301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSc302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSc302では、ベット数に基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図189)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図190)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSc302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSc302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図189は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図190は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSc303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSc304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSc301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSc305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSc306にて、ステップSc305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSc306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSc306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSc306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のSc203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSc306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSc305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSc307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSc308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSc304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSc304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSc305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図189に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待でき(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図190に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.64枚)。
ステップSc306にて当選フラグをセットした後、又はステップSc308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSc309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSc310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSc301~ステップSc308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSc310の処理を実行した後は、ステップSc311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSc110)にて行われる。
そして、ステップSc312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSc306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSc312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSc312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSc313では、ステップSc312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSc313の処理を実行した後は、ステップSc314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSc213のリール制御処理について、図191のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSc401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSc309にて行ったフリーズ抽選処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップSc402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めた特定期間としてのウェイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウェイト時間が経過するまで待機する。ウェイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウェイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSc106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップSc403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSc404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSc403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSc405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSc406~ステップSc412に示す停止制御処理を行う。
ステップSc406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSc407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSc407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSc408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSc409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSc410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSc411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSc412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSc403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図189、図190参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図192は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSc411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSc413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップSc414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSc415にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSc416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSc417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSc214のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、入賞した再遊技結果の情報を記憶する処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、BET用処理(ステップSc204)では、再遊技入賞に基づいてベットを自動投入する処理を行う。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップSc414のボーナス状態処理を、図193のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSc501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSc501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSc502に進む。
ステップSc502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSc503に進む。
ステップSc503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行ったり、メダル投入口45からメダルを2枚投入することで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSc503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSc504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSc505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSc506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「46」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSc506にてBBカウンタに「46」が入力されることにより、46枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSc507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSc508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSc501にて肯定判定することになる。続くステップSc509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSc509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSc510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSc505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSc511に進み、上記のBBカウンタに「2」を入力する処理を実行する。すなわち、2枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSc512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSc513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSc514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSc514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSc510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSc501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSc515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図194は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図194に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約9.02分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.78分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約3.13分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.96枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.96枚)。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約9.03分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約9.03分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態では、各ゲームでメダルが減少し得る抽選テーブルを採用していることから、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できず、逆に、第1BB状態や第2BB状態を消化することで持ちメダルが減少することが想定される。
ボーナス状態処理において、ステップSc515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSc516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSc517にて、ステップSc516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、第2BB状態において共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップSc516ではBBカウンタから13を減算し、BBカウンタは0以下となる。
ステップSc517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSc518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSc519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップSc520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSc521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSc519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図195を参照しながら簡単に説明する。
RAM106の初期化(クリア)が行われた初期状態においては、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態(非内部状態)である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した持ち越し状態(内部状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図194)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
そして、第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技において、先ず、非内部状態においては2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技では3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、一般的には、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
本スロットマシン10においては、第1BB当選フラグについては、各種フラグ格納エリア106dにおける通常用エリアに格納されるのに対して、第2BB当選フラグについては、各種フラグ格納エリア106dにおける保存用エリアに格納される構成としている。通常用エリアは、他の役の当選フラグ等、各種一般的なフラグが格納されるエリアである。通常用エリアに記憶されている各フラグは、スロットマシン10への電力供給が停止しても(電源がOFFされても)バックアップ電力等により記憶保持される。そのため、例えば、遊技ホールの閉店時に電源をOFFとしても、翌日、電源をONとすれば、その通常用エリアに記憶されている各種フラグが記憶されたままスロットマシン10が起動され、第1BB当選フラグがセットされた状態で電源ON/OFFが行われたとしても、第1BB当選フラグがセットされた状態でスロットマシン10が起動される。但し、スロットマシン10の立ち上げ時に当選確率の設定処理が起動される場合(設定変更が行われる場合)、通常用エリアの初期化処理(クリア処理)が行われる。そのため、当選確率の設定処理が行われると、第1BB当選フラグは、これら通常用エリアに格納されている他のフラグとともにクリアされる。
これに対して、保存用エリアは、第2BB当選用フラグのみが格納されるエリアである。上記の通常用エリアと同様に、保存用エリアに記憶されるフラグは、電源ON/OFFではクリアされない。更に、保存用エリアでは、スロットマシン10の立ち上げ時に当選確率の設定処理が起動される場合であっても、保存用エリアの初期化処理は行われない(初期化処理の対象外とされる)。そのため、当選確率の設定処理が行われても、保存用エリアに格納されている第2BB当選フラグはクリアされず保持(保存)される。つまり、第1BB当選フラグが格納された第1BB当選の内部状態で当選確率の設定処理が行われた場合には、その第1BB当選フラグがクリアされて非内部状態として起動されるのに対して、第2BB当選フラグが格納された第2BB当選の内部状態で当選確率の設定処理が行われた場合には、その第2BB当選フラグがクリアされずに第2BB当選の内部状態のままで起動される。このようにすることで、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技を、スロットマシン10の電源ON/OFFだけでなく、設定変更時においても、継続させることが可能となる。
そうすると、第2BB当選を持ち越す内部状態での遊技を行わせるためには、基本的には、スロットマシン10の工場出荷時において2ベットゲームにて第2BB当選となるまで遊技を行えばよく、その後は、リセットスイッチ72の操作が行われてRAMクリア処理が実施されるまで、その第2BB当選が記憶保持されることとなる。このようにすることで、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を好適に実施させることが可能となる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図196のフローチャートを参照しながら、ステップSc310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSc601では、現状の遊技状態を把握する処理を行う。より詳しくは、第1BB状態及び第2BB状態のいずれかであるか、それとも第1BBや第2BB当選前の非内部状態(通常遊技状態)であるか、又は第1BBや第2BB当選後の内部状態(持ち越し状態)であるか、を把握する。第1BB状態や第2BB状態においては規定枚数(規定ベット数)として3が設定されており、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定枚数(規定ベット数)として2と3が設定されている。そして、ステップSc602では、今回のゲームのベット数が、ステップSc601にて把握した状態において規定されている一の規定枚数(特定規定数)であるか否かの判定を行う。本実施形態では、第1BB状態や第2BB状態の特定規定数を3としており、この場合、第1BB状態や第2BB状態でのベットの規定枚数は3であることから、ステップSc601にて第1BB状態又は第2BB状態であると判定した場合には、ステップSc602では必ず肯定判定する。これに対して、本実施形態では、第1BB状態及び第2BB状態以外の状態では、規定枚数の2及び3のうち3が特定規定数として設定されており、当該第1BB状態及び第2BB状態以外の状態でベット数が3である場合に、ステップSc602にて肯定判定する。この場合、ステップSc603以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)が行われる。これに対して、第1BB状態及び第2BB状態以外の状態でベット数が2である場合には、ステップSc602にて否定判定し、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSc603以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。なお、第1BB状態や第2BB状態の特定規定数を2として設定し、第1BB状態や第2BB状態では、ステップSc602にて必ず否定判定するようにし、表示モード用の処理が行われないようにしてもよい。
ステップSc602にて肯定判定した場合、ステップSc603にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSc604にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図197のフローチャートに示すように、ステップSc701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSc702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図202に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図202にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSc702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSc703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSc703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSc704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSc705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSc701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSc702~ステップSc705の処理を省略することも可能である。
ステップSc705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSc706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSc705にて否定判定した場合、又はステップSc706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSc603にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSc605に進む。ステップSc605では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグは、ATモードへの移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、ATモードフラグは、ATモードへ移行する際にセットされるフラグである。つまり、ステップSc605では、既にATモードへの移行が確定している状況又は移行済みの状況であるか否かを判定する。ステップSc605にていずれのフラグもセットされておらず、未だATモードへの移行が確定していない状況である場合には、ステップSc606にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSc605にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSc607にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップSc606のAT抽選用処理について図198のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSc801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタの減算処理を実行する。天井カウンタは、有利区間においてATモードへの移行が生じることなく消化され得る最大ゲーム数(天井ゲーム数)をCPU102が把握するためのカウンタである。天井カウンタには、有利区間への移行時に所定の抽選値が入力される。なお、本実施形態では天井カウンタの最大値は、999に設定されている。つまり、有利区間に移行してから最大で999ゲームを消化することで、ATモードの移行抽選に当選しなくてもATモードへの移行が生じることになる。ステップSc801では、上記天井カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSc802では、天井カウンタが0となったか否かを判定する。0ではない場合、ステップSc803~ステップSc805にてATモード移行抽選を実行する。
すなわち、ステップSc803では、各種フラグ格納エリア106dに第1CZモードフラグ、第2CZモードフラグ及び第3CZモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、有利区間であってATモードへの移行抽選に当選前の状態として、通常モードとCZモードとが設けられており、CZモードは通常モードよりもATモードへの移行抽選に当選し易いモードとして設定されている。CZモードとしては、移行契機が異なる第1CZモード、第2CZモード及び第3CZモードが設定されており、上記の第1CZモードフラグ~第3CZモードフラグは、それら第1CZモード~第3CZモードをCPU102が区別するためのフラグである。そして、ステップSc803にていずれかのCZモードフラグがセットされていないと判定した場合は、ステップSc804にて通常用ATモード抽選処理を実行し、ステップSc803にていずれかのCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSc805にてCZ用ATモード抽選処理を実行する。
ステップSc804の通常用ATモード抽選処理では、図199のフローチャートに示すように、先ず、ステップSc901にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSc902にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する。通常用ATモード移行抽選テーブルは、図202に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、ATモードへの移行率(ATモード移行抽選の当選確率)が設定されている。通常用ATモード移行抽選の契機役としては、図202にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が通常用ATモード移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSc902にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSc903にてATモード移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。そして、ステップSc904にて、ATモード移行抽選を実行してから、本ATモード抽選処理を終了する。すなわち、通常用ATモード抽選処理においては、各ゲームの抽選結果に基づいてATモード移行抽選を行う。
これに対して、CZモード中のATモード移行抽選では、CZモード中の複数のゲームの抽選結果を利用してATモード移行抽選を行う。
すなわち、ステップSc805のCZ用ATモード抽選処理では、図200のフローチャートに示すように、先ず、ステップSc1001にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSc1002にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからポイントテーブルを取得する処理を実行する。
ポイントテーブルは、図202に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、今回のゲームで取得するポイント値が異なり得るように設定されており、例えば、今回のゲームの抽選結果がチェリーAである場合には20ポイントを取得し、今回のゲームの抽選結果がチェリーAよりも当選しにくいチェリーBである場合には50ポイントを取得する、といったように、各ゲームの抽選処理において当選確率が低い結果ほど、多くのポイントを取得するように設定されている。
そして、ステップSc1003にて各種カウンタエリア106eに設けられた累積カウンタRCに、今回のゲームで取得されるポイント値を加算する処理を実行する。なお、本実施形態では、各ゲームの抽選結果コマンドに当該累積カウンタRCの情報が含まれるように設定されており、各ゲームの抽選結果とともに当該累積カウンタRCの値を表示制御装置81側でも把握可能となっている。
続くステップSc1004では、各種カウンタエリア106eに設けられたCZカウンタを把握する処理を実行する。CZカウンタは、CZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化される度に1ずつ減算されるカウンタである。そして、ステップSc1005にて、各種テーブル記憶エリア105aからCZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップSc1006にて、ATモード移行抽選を実行してから、CZ用ATモード抽選処理を終了する。
CZ用ATモード移行抽選テーブルは、図203に示すように、CZカウンタと累積カウンタRCとによって、ATモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されている。より詳しくは、CZカウンタの値と累積カウンタRCの値とに応じて設定される所定数と累積カウンタRCとの積が、ATモード移行抽選の当選確率(%)として設定されており、例えば、CZカウンタが16以上である場合には、累積カウンタRCが0~59であれば所定数が0.1として設定され、累積カウンタRCが80~100であれば所定数が0.6として設定される。この場合、CZカウンタが16以上であり、累積カウンタRCが30であれば、所定数(0.1)と累積カウンタRC(30)との積により、ATモード移行抽選の当選確率は3%となる。また、CZカウンタが16以上であり、累積カウンタRCが90であれば、所定数(0.6)と累積カウンタRC(90)との積により、ATモード移行抽選の当選確率は54%となる。また、CZカウンタが3~1である場合には、累積カウンタRCが0~9であれば所定数が0.5として設定され、累積カウンタRCが50~100であれば所定数が1.0として設定される。この場合、CZカウンタが3~1であり、累積カウンタRCが5であれば、所定数(0.6)と累積カウンタRC(5)との積により、ATモード移行抽選の当選確率は3%となる。また、CZカウンタが3~1であり、累積カウンタRCが90であれば、所定数(1.0)と累積カウンタRC(90)との積により、ATモード移行抽選の当選確率は90%となる。
つまり、本実施形態におけるCZモードにおいては、CZモード中の各ゲームで獲得したポイント値が大きいほどATモード移行抽選に当選し易く、且つ、CZモードの残りゲーム数が少なくなるほどATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。そして、CZモード中の各ゲームで獲得したポイント値が大きくても、CZモードの残りゲーム数が多い場合にはATモード移行抽選に当選しにくくなるように設定されている。このように、CZモード移行後、早々にATモード移行抽選に当選してしまうことが抑制されており、CZモード中の各ゲームの抽選結果への注目度を高めながらCZモード中の遊技(演出)を最後まで楽しませるための工夫が施されている。
AT抽選用処理の説明に戻り、ステップSc804又はステップSc805にてATモード抽選処理を実行した後は、ステップSc806にて、これらステップSc804やステップSc805のATモード抽選処理におけるATモード移行抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合は、ステップSc807~ステップSc810のATモード当選用の処理を実行し、当選していない場合には、ステップSc811~ステップSc819のATモード非当選用の処理を実行する。
すなわち、ATモード移行抽選に当選している場合、先ず、ステップSc807にて前兆モードの設定処理を実行する。なお、ステップSc802にて天井カウンタが0となった場合にも、ステップSc807に進み、かかる前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選に当選する等してATモードへの移行が生じ得る状況となった場合、補助表示部65やスピーカ64にて当該ATモードへの移行が生じ得る状況となったことを示唆する前兆演出を行うモードである。ステップSc807では、ATモードへの移行が生じ得る状況となった契機に応じて当該前兆モードのゲーム数等を設定する処理を行う。
すなわち、前兆モードの設定処理では、図201のフローチャートに示すように、先ず、ステップSc1101にて、上記の累積カウンタRCを把握する処理を実行し、続くステップSc1102にて、CZカウンタを把握する処理を実行する。そして、ステップSc1103にて各種テーブル記憶エリア105aから即報知抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップSc1104にて即報知抽選処理を実行する。即報知抽選処理では、ATモードへの移行が生じ得る状況となったことの報知を、上記前兆演出を介することなく実行するか否かの抽選を行う。
即報知抽選テーブルは、図204に示すように、CZカウンタと累積カウンタRCとに応じて、即報知抽選の当選確率が異なるように設定されている。より詳しくは、CZカウンタの値が小さくなるほど、すなわちCZモードの残りゲーム数が少なくなるほど即報知抽選に当選し易く、また、累積カウンタRCの値が大きくなるほど、すなわちCZモード中に獲得したポイント値が大きいほど即報知抽選に当選し易くなるように設定されている。なお、CZカウンタが0であり、通常モード中のATモード移行当選である場合、本実施形態では、即報知抽選に100%の確率で当選する構成としている。
ステップSc1105では、ステップSc1104の即報知抽選に当選したか否かの判定を行う。即報知抽選に当選していない場合、ステップSc1106~ステップSc1113にて前兆モード用の処理を行い、即報知抽選に当選している場合、ステップSc1114~ステップSc1119にてATモードの報知用の処理を行う。
即報知抽選に当選していない場合、ステップSc1106では、今回のATモード移行抽選に当選となった状況がCZモードのうちの第1CZモード又は第3CZモードであったか否かを判定する。第1CZモードや第3CZモードではなく、第2CZモードである場合には、ステップSc1107にて前兆演出ゲーム数の抽選処理を実行する。そして、ステップSc1108にて、ステップSc1107の抽選結果と、現状のCZカウンタ(CZモードの残りゲーム数)と、を加算した値を、各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、ATモードへの移行が生じ得る状況となってから、その状況となったことの報知(AT当選報知演出)が行われるまでのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSc1107の前兆演出ゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから前兆演出ゲーム数テーブルを取得して、今回の前兆演出ゲーム数をランダムに設定する。前兆演出ゲーム数テーブルは、図205に示すように、13ゲーム~15ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、例えば、15ゲームが選択され易い一方、13ゲームや14ゲームは選択されにくい、といったように、ゲーム数によって選択率が異なっている。例えば、前兆演出ゲーム数抽選処理にて14ゲームが選択され、CZモードの残りゲーム数が3ゲームである場合、前兆カウンタには17が入力され、ATモードへの移行が生じ得る状況となってから(ATモード当選フラグがセットされてから)、17ゲーム後にその旨の報知が行われることになる。
ステップSc1108にて前兆カウンタの入力処理を実行した後は、ステップSc1109にて、各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSc1110にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モードの設定処理を終了する。前兆フラグは、前兆モードの設定が行われたことをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは、当該前兆モードの設定が行われたことを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。また、前兆コマンドには、上記前兆カウンタの値が含まれ、表示制御装置81では、ATモードへの移行が生じ得る状況となったことの報知を行うべきゲームを当該前兆カウンタの値から把握することが可能となる。なお、前兆コマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSc1106にて第1CZモードや第3CZモードである場合、ステップSc1111にて第1CZモードであるか否かを判定し、第1CZモードである場合、ステップSc1112にて、CZカウンタに予め定められた所定数(5)を加算した値を、前兆カウンタに入力する処理を実行する。また、ステップSc1111にて第1CZモードではなく第3CZモードであると判定した場合、ステップSc1113にてCZカウンタの値を前兆カウンタに入力する処理を実行する。そして、ステップSc1109の前兆フラグのセット処理、ステップSc1110の前兆コマンドのセット処理を実行した後、前兆モードの設定処理を終了する。この場合、第1CZモードでは当該第1CZモードの残りゲーム数が0となってから予め定められた所定数のゲームが実行されることで、また、第3CZモードでは当該第3CZモードの残りゲーム数が0となることで、ATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われる。
つまり、ATモード移行抽選に当選した場合のCZモードの種類によってATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われるまでのゲーム数が異なり、第1CZモードは第2CZモードや第3CZモードよりも少ないゲーム数でATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われることになる。このような構成としていることの理由は、CZモード中の演出内容の説明に際して詳細に説明する。
ステップSc1105にて即報知抽選に当選していると判定した場合、ステップSc1114に進む。ステップSc1114では、CZカウンタを0にクリアする処理を実行する。その後、ステップSc1105にて、今回のATモードの種別を第1ATモードとするか、第2ATモードとするかのAT種別決定処理を行う。本実施形態では、ATモードとしてATモード中の上乗せ性能(上乗せ抽選の当選確率)が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設定されており、第1ATモードよりも第2ATモードの方が上乗せ性能が優れている(上乗せ抽選に当選し易いように設定されている)。ステップSc1115のAT種別決定処理では、例えば、設定値や前回のATモードの種別、有利区間中のメダル増加数や有利区間中のゲーム数等に応じて、又はランダムに今回のATモード種別を抽選により決定する。
ステップSc1116では、ステップSc1115の処理結果に基づいて、第1ATモードとして決定されたか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップSc1117にて各種フラグ格納エリア106dに第1AT用報知フラグをセットする処理を実行し、ステップSc1118にて第1AT当選即報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モードの設定処理を終了する。第1AT用報知フラグは、第1ATモードの開始に際して各リール32L,32M,32Rにて第1AT開始用の出目を出現させることをCPU102が把握するためのフラグであり、第1AT当選即報知コマンドは、第1ATモードへの移行が生じ得る状況となったことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。当該第1AT当選即報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSc1116にて第1ATではなく第2ATであると判定した場合、ステップSc1119にて各種フラグ格納エリア106dに第2AT用報知フラグをセットする処理を実行し、ステップSc1120にて第2AT当選即報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モードの設定処理を終了する。第2AT用報知フラグは、第2ATモードの開始に際して各リール32L,32M,32Rにて第2AT開始用の出目を出現させることをCPU102が把握するためのフラグであり、第2AT当選即報知コマンドは、第2ATモードへの移行が生じ得る状況となったことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。当該第2AT当選即報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理についても、後に詳細に説明する。
AT抽選用処理の説明に戻り、ステップSc807にて前兆モードの設定処理を実行した後は、ステップSc808にていずれかのCZモードフラグがセットされているか否かの判定を行う。いずれかのCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSc809にて、セットされているCZモードフラグをクリアする処理を実行する。ステップSc808にて否定判定した場合、又はステップSc809の処理を実行した後は、ステップSc810にて、ATモード当選フラグをセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。かかる処理を行うことにより、次ゲーム以降の抽選結果対応処理では、ステップSc605にて肯定判定することになる。
ステップSc806にてATモード移行抽選に非当選であると判定した場合、ステップSc811にていずれかのCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのCZモードフラグもセットされておらず、通常モードである場合、ステップSc812~ステップSc819にてCZモードへの移行抽選等を行う。これに対して、いずれかのCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSc812~ステップSc819の処理を行うことなく、そのままAT抽選用処理を終了する。
すなわち、ステップSc812では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間ゲーム数AGが予め定められた第1所定値(31)以上であって、予め定められた第2所定値(700)以下であるか否かを判定する。有利区間ゲーム数AGは、有利区間のゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、有利区間へ移行してから1ゲーム毎に1ずつ加算され、有利区間が終了する際にリセットされる。有利区間ゲーム数AGが第1所定数未満である場合や第2所定数よりも大きい場合には、CZモードへの移行抽選等を行うことなくそのまま、AT抽選用処理を終了する。
本実施形態では、有利区間移行時にCZモードに設定される場合があり、第1所定数は、当該有利区間移行時に設定されるCZモードでのATモード移行抽選の当否結果の報知が終了するまでに要するゲーム数よりも多い数として設定されている。また、上記のように、本実施形態では、有利区間移行時に設定される天井カウンタが0となることでATモード移行抽選を介することなくATモードへの移行が許容される構成としており、上記の第2所定値は、有利区間移行時に設定される天井カウンタの上限値(999)に近い値であって、より詳しくは上限値の7割の値として700として設定されている。
つまり、天井カウンタの上限値に近い値まで有利区間を消化すると、CZモードへの移行抽選等が行われなくなる構成としている。なお、天井カウンタの設定処理については後に詳細に説明するが、有利区間移行時に当該第2所定値よりも小さい値が天井カウンタに設定される場合もあり、この場合、CZモード移行抽選等が行われる上限ゲーム数(700)に至る前に、天井に到達してATモードへの移行が許容される。言い換えると、第2所定値よりも小さい値が天井カウンタに入力されていても、天井に至る直前でCZモード移行抽選に当選する場合がある。
ステップSc812にて有利区間ゲーム数AGがCZモード移行抽選等を行う範囲内である場合、ステップSc813にて、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップSc814にてCZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選テーブルは、図202に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、CZモードへの移行率(CZモード移行抽選の当選確率)が設定されている。例えば、今回のゲームの抽選結果がチャンス目Aであれば、7%の確率でCZモード移行抽選に当選し、今回のゲームの抽選結果がチャンス目Aよりも当選しにくいチャンス目Bであれば、チャンス目Aの場合よりも高い15%の確率でCZモード移行抽選に当選する、といったように、ゲームの抽選結果として出現率の低い結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップSc814にてCZモード移行抽選を実行した後は、ステップSc815にて、CZモード移行抽選に当選したか否かを判定する。非当選である場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行抽選に当選している場合には、ステップSc816にて、第2CZモードゲーム数抽選処理を実行し、ステップSc817にて、その抽選結果に応じたゲーム数をCZカウンタに入力し、ステップSc818にて第2CZモードフラグをセットする処理を実行する。すなわち、有利区間において通常モード中のCZモード移行抽選に当選した場合、第2CZモードに設定され、そのゲーム数は、ステップSc816の抽選処理によって決定される。第2CZモードゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから第2CZモードゲーム数テーブルを取得して、今回の第2CZモードのゲーム数をランダムに設定する。第2CZモードゲーム数テーブルは、図205に示すように、8ゲーム~15ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、例えば、10ゲームや11ゲームが選択され易い一方、8ゲームや15ゲームは選択されにくい、といったように、ゲーム数によって選択率が異なっている。例えば、第2CZモードゲーム数抽選処理にて10ゲームが選択された場合、ステップSc817では、CZカウンタに10が入力されることになる。
ステップSc818にて第2CZモードフラグをセットした後は、ステップSc819にて第2CZモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT抽選用処理を終了する。第2CZモード開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSc607にて実行されるAT上乗せ用処理について、図206のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT上乗せ用処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理であり、ATモードの継続ゲーム数の上乗せを行うための処理である。
AT上乗せ用処理では、先ずステップSc1201にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSc1202~ステップSc1208にて、現状の状況に応じた上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。すなわち、ステップSc1202では、ATモード当選フラグがセットされており、ATモードへの移行が生じ得る状況となってから、未だATモードへの移行が生じていない状況か否かを判定する。ATモード移行前の状況であれば、ステップSc1202にて肯定判定し、ステップSc1203にて各種フラグ格納エリア106dに第1AT用報知フラグ又は第2AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。第1AT用報知フラグや第2AT用報知フラグがセットされている状況とは、既にATモードへの移行が生じ得る状況となったことの報知(AT当選報知演出)が実行された後であって、且つATモードへの移行が生じていない状況であることを意味する。言い換えると、ステップSc1203にて第1AT用報知フラグ及び第2AT用報知フラグのいずれもがセットされていない状況とは、ATモードへの移行が生じ得る状況となったものの、未だその旨の報知が行われていない状況(前兆モード)であることを意味する。
そこで、ステップSc1203にて第1AT用報知フラグ及び第2AT用報知フラグのいずれもがセットされていないと判定した場合、ステップSc1204にて、各種テーブル記憶エリア105aから当選後当選報知前上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップSc1203にていずれかのフラグがセットされていると判定した場合、ステップSc12056にて当選報知後移行前上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
図207に示すように、当選後当選報知前上乗せ抽選テーブルと、当選報知後移行前上乗せ抽選テーブルとを比較すると、当選報知後移行前上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選の方が、当選後当選報知前上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選よりも上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。より詳しくは、例えば、チャンス目Bを契機とする上乗せ抽選において、当選後当選報知前上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では5%の確率で当選するのに対して、当選報知後移行前上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では7%の確率で当選し、ATモード移行前の状況において、ATモード当選報知前よりも当選報知後の方が上乗せ抽選に当選し易くなっている。
ステップSc1202にてATモード当選フラグがセットされていない場合とは、ATモードフラグがセットされている場合であり、既にATモードへの移行が生じていることを意味する。この場合、ステップSc1206にて各種フラグ格納エリア106dに第1ATフラグがセットされており、現状のATモードが第1ATモードであるか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップSc1207にて、各種テーブル記憶エリア105aから第1AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行し、第2ATモードである場合、ステップSc1208にて、各種テーブル記憶エリア105aから第2AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
図207に示すように、第1AT用上乗せ抽選テーブルと、第2AT用上乗せ抽選テーブルとを比較すると、第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選の方が、第1AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選よりも上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。より詳しくは、例えば、チェリーBを契機とする上乗せ抽選において、第1AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では10%の確率で当選するのに対して、第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では20%の確率で当選し、ATモード移行後の状況において、第1ATモード中よりも第2ATモード中の方が上乗せ抽選に当選し易くなっている。
ステップSc1204、ステップSc1205、ステップSc1207及びステップSc1208のいずれかの処理で、上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSc1209にて上乗せ抽選を実行する。そして、ステップSc1210にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSc1211にて上乗せゲーム数抽選処理を実行する。上乗せゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せゲーム数テーブルを取得し、今回の上乗せゲーム数を抽選により決定する。上乗せゲーム数テーブルは、図207に示すように、上乗せ契機となったゲームの抽選結果に応じて、上乗せゲーム数が異なるように設定されており、例えば、通常リプAを契機として上乗せが行われる場合には平均150ゲームの上乗せが発生する一方、チェリーAを契機として上乗せが行われる場合は平均15ゲームの上乗せが発生する、といったように、上乗せ抽選に当選しにくい契機にて上乗せが行われる場合の方が上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。
ステップSc1211にて上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップSc1212にて各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。ATカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。ステップSc1212の処理を実行した後は、ステップSc1213にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、上乗せが行われたことに対応する上乗せ報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図196)の説明に戻る。
ステップSc606又はステップSc607の処理を実行した後は、ステップSc608にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選であったか否かを判定する。押し順役とは、押し順ベルのほか、通常リプA、通常リプB、通常リプCを含む結果である。通常リプA、通常リプB、通常リプCは、いずれも複数の再遊技に重複して当選となる結果であり、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞を成立させる再遊技が異なり得るように設定されている。
具体的には、図208に示すように、通常リプAは、各ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず、基本的には第1再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。これに対して、通常リプB、通常リプCは、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合には、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われ、左ストップスイッチ42又は中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、第1再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。但し、これら通常リプA、通常リプB、通常リプCにおいて、重複当選している再遊技のうちのいずれの再遊技入賞が成立しても、付与される特典は再遊技であり、成立する再遊技の種類だけが異なるものである。言い換えると、通常リプA、通常リプB、通常リプCは、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず再遊技入賞が成立するものの、操作順序によって停止出目が異なる遊技結果である。そして、特に通常リプBと通常リプCは、ATモードの開始契機となっており、ATモード当選フラグがセットされてから、ATモードへの移行が生じ得る状況である旨の報知が実行された後、第2再遊技入賞が成立し得るゲームにて第1ATモードが開始され、ATモード当選フラグがセットされてから、ATモードへの移行が生じ得る状況である旨の報知が実行された後、第3再遊技入賞が成立し得るゲームにて第2ATモードが開始される。つまり、ATモード当選フラグがセットされても、上記の報知(AT当選報知演出)が実行されるまで、第1ATモードや第2ATモードは開始されないし、上記の報知が実行された後であっても、通第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立し得るゲームとなるまで、第1ATモードや第2ATモードは開始されない。
ステップSc608にて押し順役当選であると判定した場合、ステップSc609にて、いずれかのCZモードフラグ、ATモード当選フラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。これらのうちのいずれかのフラグがセットされている場合には、ステップSc610にて押し順報知用処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。ステップSc608又はステップSc609にて否定判定した場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<押し順報知の概要>
ステップSc610にて実行される押し順報知用処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図209を参照しながら説明する。図209(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図209(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図209(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図209(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図210を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図210(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図210(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図210(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
<押し順報知用処理>
次に、ステップSc610にて実行される押し順報知用処理について、図211のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップSc1301では、第1CZモードフラグ~第3CZモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。第1CZモードフラグ~第3CZモードフラグのいずれもがセットされていない場合、ステップSc1302にてATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。第1CZモードフラグ~第3CZモードフラグがセットされておらず、且つATモード当選フラグがセットされている場合とは、ATモード当選後、未だATモードへの移行が生じていない場合である。この場合、ステップSc1303にて、各種フラグ格納エリア106dに第1AT報知用フラグ又は第2AT報知用フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグがセットされているものの、これらAT報知用フラグがセットされていない場合とは、ATモード移行抽選に当選しているものの、未だ前兆モード中であることを意味する。この場合、今回のゲームでは押し順報知を発生させず、そのまま押し順報知用処理を終了する。第1AT報知用フラグ又は第2AT報知用フラグがセットされている場合には、ステップSc1304に進む。
ステップSc1304では、今回のゲームの抽選結果が通常リプB又は通常リプCであるか否かを判定する。通常リプB及び通常リプCではなく、通常リプAや押し順ベルである場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。通常リプB及び通常リプCのいずれかである場合、ステップSc1305にて通常リプBであるか否かを判定する。通常リプBである場合、ステップSc1306にて、上記の第1AT報知用フラグがセットされているか否かを判定する。第1AT報知用フラグではなく第2AT報知用フラグがセットされている場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。通常リプBに当選し、且つ第1AT報知用フラグがセットされている場合、ステップSc1307に進み、第1ATモードを開始させるための処理を実行する。
すなわち、ステップSc1307では、第1AT報知用フラグをクリアする。そして、ステップSc1308では、各種フラグ格納エリア106dに第1AT開始用フラグをセットする。第1AT開始用フラグは、今回のゲームから第1ATモードが開始されることをCPU102が把握するためのフラグである。その後、ステップSc1309にて、第2再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSc1310にて、第2再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、第2再遊技入賞に対応する押し順報知演出として、右ストップスイッチ44を最初に操作すべき順序の押し順報知演出や、「右から狙え!!」といった表示や音声ナビ等が行われるとともに、第2再遊技入賞に対応する図柄の報知が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップSc1305にて通常リプBではなく通常リプCであると判定した場合、ステップSc1311に進む。ステップSc1311では、第2AT報知用フラグがセットされているか否かを判定する。第2AT報知用フラグではなく第1AT報知用フラグがセットされている場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。通常リプCに当選し、且つ第2AT報知用フラグがセットされている場合、ステップSc1312に進み、第2ATモードを開始させるための処理を実行する。
すなわち、ステップSc1312では、第2AT報知用フラグをクリアする。そして、ステップSc1313では、各種フラグ格納エリア106dに第2AT開始用フラグをセットする。第2AT開始用フラグは、今回のゲームから第2ATモードが開始されることをCPU102が把握するためのフラグである。その後、ステップSc1314にて、第3再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSc1315にて、第3再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出として、右ストップスイッチ44を最初に操作すべき順序の押し順報知演出や、「右から狙え!!」といった表示や音声ナビ等が行われるとともに、第3再遊技入賞に対応する図柄の報知が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップSc1301にていずれかのCZモードフラグがセットされていると判定した場合と、ステップSc1301にてATモード当選フラグがセットされておらず既にATモード中である場合は、ステップSc1316に進む。ステップSc1316では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベルであるか否かを判定する。押し順ベルではない場合、そのまま押し順報知用処理を終了する。押し順ベルである場合、ステップSc1317にて、いずれかのCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSc1318にて、各種フラグ格納エリア106dに報知済みフラグがセットされているか否かを判定する。報知済みフラグはCZモードにおいて押し順ベル当選時の押し順報知が既に行われた状態であることをCPU102が把握するためのフラグであり、CZモードの終了時(ATモードへの移行時を含む)にクリアされるフラグである。報知済みフラグがセットされている場合には、そのまま押し順報知用処理を終了する。報知済みフラグがセットされていない場合には、ステップSc1319にて報知済みフラグをセットする処理を実行する。
ステップSc1317にてCZモードフラグではなくATモードフラグがセットされている場合や、ステップSc1319の処理を実行した後は、ステップSc1320にて、今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSc1321にて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSc415にて実施される入賞結果対応処理について、図212のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、CZモードやATモード等を開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSc1401にて、現状の遊技状態を把握する処理を行い、ステップSc1402にて、今回のゲームのベット数が、ステップSc1401にて把握した状態にて規定されている特定規定数であるか否かの判定を行う。かかる処理は、上記ステップSc601及びステップSc602に対応するものであり、ステップSc1402にて特定規定数ではない場合には、ステップSc1403以降の処理を行うことなく、そのまま入賞結果対応処理を終了する。ベット数が状態に対応する特定規定数である場合、ステップSc1403に進む。
ステップSc1403では、第1ゲーム数管理処理を実行し、ステップSc1404では、第2ゲーム数管理処理を実行する。第1ゲーム数管理処理は、CZモードや前兆モード等、主にATモード移行前のゲーム数を管理する処理であり、第2ゲーム数管理処理は、ATモード中のゲーム数を管理する処理である。
第1ゲーム数管理処理では、図213のフローチャートに示すように、先ず、ステップSc1501にて、第1BB状態フラグ又は第2BB状態フラグがセットされているか否かを判定し、いずれかのBB状態である場合にはそのまま第1ゲーム数管理処理を終了する。すなわち、仮に、2ベットゲームにて第2BB状態への移行を生じさせたりした場合には、前兆モードやCZモードのゲーム数の管理は行われない。いずれのBB状態でもない場合には、ステップSc1502に進み、CZカウンタが0よりも大きく、CZモード移行時に設定されたゲーム数を消化していない状況であるか否かを判定する。既に説明した通り、CZモード中のATモード移行抽選に当選した場合、AT抽選用処理においてCZモードフラグがクリアされる。そのため、CZモードフラグがセットされていない状況であっても、ステップSc1502にてCZカウンタが0よりも大きいと判定する場合も生じ得る。
ちなみに、上記の通り、CZモード中にATモード移行当選となった場合、即報知抽選に当選しなければ、CZカウンタ以上の値が前兆カウンタに入力される。つまり、CZカウンタが0よりも大きく、且つCZモードフラグがセットされていない場合とは、ATモード移行当選後の前兆モードであることを意味する。
CZカウンタが0よりも大きい場合、ステップSc1503にてCZカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSc1504にてCZカウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップSc1505にていずれかのCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選した場合は、CZモードフラグがクリアされる構成としていることから、ステップSc1505にていずれかのCZモードフラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選に当選することなくCZモードが終了する場合を意味する。ステップSc1505にていずれかのCZモードフラグがセットされている場合、ステップSc1506にて各種フラグ格納エリア106dにCZ終了ゲームフラグをセットする処理を実行する。CZ終了ゲームフラグはCZモードが終了したゲームをCPU102が把握するためのフラグであり、当該終了したゲームの終了後にクリアされる(ステップSc203参照)。
ステップSc1505にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSc1506の処理を実行した後は、ステップSc1507にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSc1502にてCZカウンタが0である場合、ステップSc1504にてCZカウンタが0ではない場合、又はステップSc1507の処理を実行した後は、ステップSc1508にて前兆カウンタが0よりも大きく、前兆モードの設定処理において設定した前兆カウンタに対応するゲーム数を未だ消化していない状況であるか否かを判定する。前兆カウンタが0よりも大きい場合、ステップSc1509にて、前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSc1510にて前兆カウンタが0となったか否かを判定する。
前兆カウンタが0となった場合、ステップSc1511に進み、前兆フラグをクリアする処理を行う。そして、ステップSc1512にて、今回のATモードの種別を第1ATモードとするか、第2ATモードとするかのAT種別決定処理を行う。かかる処理は、上記ステップSc1115の処理に対応する処理である。すなわち、ステップSc1512のAT種別決定処理では、例えば、設定値や前回のATモードの種別、有利区間中のメダル増加数や有利区間中のゲーム数等に応じて、又はランダムに今回のATモード種別を抽選により決定する。なお、ステップSc1115のAT種別決定処理と、ステップSc1512のAT種別決定処理とで、第1ATモードと第2ATモードとの選択率が異なるようにしてもよく、例えば、ステップSc1115の処理よりもステップSc1512の処理の方が第2ATモードの選択率が高い構成としてもよい。
ステップSc1513では、ステップSc1512の処理結果として第1ATモードとして決定したか否かを判定する。第1ATモードとして決定した場合、ステップSc1514にて、第1AT用報知フラグをセットする処理を実行し、ステップSc1515にて第1AT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、ゲーム数管理処理を終了する。第1AT用報知フラグがセットされることにより、上記の押し順報知用処理にて第2再遊技入賞用の押し順報知を発生させるための処理が行われるようになる。第1AT当選報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSc1513にて、今回移行させるATモードが第1ATモードではなく第2ATモードであると判定した場合、ステップSc1516にて、第2AT用報知フラグをセットする処理を実行し、ステップSc1517にて第2AT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、ゲーム数管理処理を終了する。第2AT用報知フラグがセットされることにより、上記の押し順報知用処理にて第3再遊技入賞用の押し順報知を発生させるための処理が行われるようになる。第2AT当選報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
第2ゲーム数管理処理では、図214のフローチャートに示すように、先ず、ステップSc1601にて、第1BB状態フラグ又は第2BB状態フラグがセットされているか否かを判定し、いずれかのBB状態である場合にはそのまま第2ゲーム数管理処理を終了する。すなわち、仮に、2ベットゲームにて第2BB状態への移行を生じさせたりした場合には、ATモードのゲーム数の管理は行われない。いずれのBB状態でもない場合には、ステップSc1602に進み、ATカウンタが0よりも大きく、ATモードの残りゲーム数が0よりも大きいか否かを判定する。
ATカウンタが0よりも大きい場合、ステップSc1603にてATカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSc1604にてATカウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップSc1605にてATモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSc1606にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。AT終了コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。ステップSc1602にてATカウンタが0である場合や、ステップSc1604にてATカウンタが0ではない場合には、そのまま第2ゲーム数管理処理を終了する。
ステップSc1606の処理を実行した後は、ステップSc1607にて第3CZモードゲーム数抽選処理を実行し、ステップSc1608にて、その抽選結果に応じたゲーム数をCZカウンタに入力し、ステップSc1609にて第3CZモードフラグをセットする処理を実行する。すなわち、本実施形態においては、ATモードが終了した場合にはCZモードに移行する構成としており、当該ATモード終了を契機として移行するCZモードは第3CZモードに設定され、そのゲーム数はステップSc1607の抽選処理によって決定される。第3CZモードゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから第3CZモードゲーム数テーブルを取得して、今回の第3CZモードのゲーム数をランダムに設定する。第3CZモードゲーム数テーブルは、図205に示すように、25ゲーム~30ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、例えば、30ゲームが選択され易い一方、25ゲームは選択されにくい、といったように、ゲーム数によって選択率が異なっている。例えば、第3CZモードゲーム数抽選処理にて30ゲームが選択された場合、ステップSc1608では、CZカウンタに30が入力されることになる。
ステップSc1609にて第3CZモードフラグをセットした後は、ステップSc1610にて第3CZモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第3CZモード開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理の説明に戻り、ステップSc1403やステップSc1404のゲーム数管理処理を実行した後は、ステップSc1405にて、第1AT開始用フラグがセットされているか否かを判定する。上記のとおり、第1AT開始用フラグは、第1ATモードへの移行を生じさせる場合に第2再遊技入賞が可能となるゲームでセットされるフラグであり、より詳しくは、第1AT用報知フラグがセットされている状況で通常リプBに当選したゲームの開始時にセットされるフラグである。すなわち、第1AT開始用フラグは、入賞結果に基づいてセットされるのではない。第1AT開始用フラグがセットされている場合には、ステップSc1406にて、当該第1AT開始用フラグをクリアし、ステップSc1407にて各種フラグ格納エリア106dに第1ATフラグをセットする処理を実行する。既に説明した通り、第1ATフラグがセットされることにより、第1AT用上乗せ抽選テーブルを利用した上乗せ抽選が行われる。
ステップSc1405にて第1AT開始用フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSc1408にて第2AT開始用フラグがセットされているか否かを判定する。上記のとおり、第2AT開始用フラグは、第2ATモードへの移行を生じさせる場合に第3再遊技入賞が可能となるゲームでセットされるフラグであり、より詳しくは、第2AT用報知フラグがセットされている状況で通常リプCに当選したゲームの開始時にセットされるフラグである。すなわち、第2AT開始用フラグについても、入賞結果に基づいてセットされるのではない。第2AT開始用フラグがセットされている場合には、ステップSc1409にて、当該第2AT開始用フラグをクリアし、ステップSc1410にて各種フラグ格納エリア106dに第2ATフラグをセットする処理を実行する。ステップSc1408にて第2AT開始用フラグがセットされていないと判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。既に説明した通り、第2ATフラグがセットされることにより、第2AT用上乗せ抽選テーブルを利用した上乗せ抽選が行われる。
ステップSc1407又はステップSc1410の処理を実行した後は、ステップSc1411にて上記のATカウンタに50を入力する処理を実行する。既に説明した通り、ATカウンタはATモードの残りゲーム数に対応するカウンタであり、本実施形態では、第1ATモード及び第2ATモードのいずれであっても初期ゲーム数として50ゲームが設定される。なお、第1ATモードと第2ATモードとで初期ゲーム数が異なる構成としてもよく、初期ゲーム数を抽選により決定する構成としてもよい。この場合、第1ATモードよりも第2ATモードの方が多い初期ゲーム数となり易い構成としてもよい。
ステップSc1412では、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSc1413ではATモードフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSc1414にてAT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本入賞結果対応処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図215を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図188)におけるステップSc314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSc1701では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSc1701にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップSc1702に進む。
ステップSc1702では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされていない場合、ステップSc1703にて、各種カウンタエリア106eに設けられた通常カウンタを1加算する処理を実行する。通常カウンタは、有利区間ではなく通常区間として開始されたゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSc1703の処理を実行した後は、ステップSc1704にて有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSc1705にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSc1706にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSc1707では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。上記の通り、有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSc1708にて、有利区間移行ゲーム用処理を実行する。
有利区間移行ゲーム用処理では、図216のフローチャートに示すように、ステップSc1801にて第1CZモードゲーム数抽選処理を実行し、ステップSc1802にて、その抽選結果に応じたゲーム数をCZカウンタに入力し、ステップSc1803にて第1CZモードフラグをセットする処理を実行する。すなわち、本実施形態においては、有利区間への移行に際してCZモードに設定される構成としており、当該有利区間移行を契機とする場合は第1CZモードに設定され、そのゲーム数はステップSc1801の抽選処理によって決定される。第1CZモードゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから第1CZモードゲーム数テーブルを取得して、今回の第1CZモードのゲーム数をランダムに設定する。第1CZモードゲーム数テーブルは、図205に示すように、8ゲーム~10ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、8ゲーム及び9ゲームは選択され易い一方、10ゲームは選択されにくい、といったように、ゲーム数によって選択率が異なっている。例えば、第1CZモードゲーム数抽選処理にて10ゲームが選択された場合、ステップSc1802では、CZカウンタに10が入力されることになる。
ステップSc1803にて第1CZモードフラグをセットした後は、ステップSc1804にて第1CZモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1CZモード開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
続くステップSc1805では、天井ゲーム数抽選処理を実行する。天井ゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから天井ゲーム数テーブルを取得し、今回の天井ゲーム数をランダムに決定する。天井ゲーム数テーブルでは、最大天井ゲーム数(本実施形態では999ゲーム)を超えない範囲で、選択され易いゲーム数(例えば、341、682)と選択されにくい又は選択されないゲーム数が設定されている。また、天井ゲーム数テーブルでは、最小ゲーム数を100ゲームとし、有利区間移行時に設定される第1CZモード中に(より詳しくは、第1CZモード中にATモード移行当選となった場合における前兆モード中に)天井ゲームに達しないように設定されている。
ステップSc1806では、ステップSc1805の処理結果に基づいて、天井カウンタに天井ゲーム数を入力する処理を実行する。その後、有利区間移行ゲーム用処理を終了する。
区間表示第1処理の説明に戻り、ステップSc1708の有利区間移行ゲーム用処理を実行した後、又はステップSc1702にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSc1709にて、いずれかのCZモードフラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、本実施形態では、ATモードやCZモード中においては押し順ベル当選時の押し順報知が行われ得る構成としており、これらのいずれかのフラグがセットされている状況とは、区間表示器の表示開始条件が成立している状況といえる。いずれかのフラグがセットされている場合には、ステップSc1710にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSc1701にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップSc1711にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSc1711について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSc1704にて有利区間フラグ及び有利区間当選ゲームフラグのいずれもがセットされていないと判定した場合と、有利区間フラグや有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合であっても、CZモードフラグやATモードフラグがセットされておらず通常モードである場合とは、ステップSc1712に進む。ステップSc1712では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
また、ステップSc1710にて区間表示器の表示開始処理を実行した後と、ステップSc1711の表示継続処理を実行した後は、ステップSc1713に進む。ステップSc1713では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSc1712又はステップSc1713の処理を実行した後は、ステップSc1714にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSc1715にて、ステップSc1714の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図174に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSc1715では、ステップSc1714の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSc1715の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSc1714の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図217のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSc416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSc1901では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合にはステップSc1902にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。ステップSc1902の処理を実行した後は、ステップSc1903にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSc1903のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSc1903のMY更新処理を実行した後は、ステップSc1904にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSc1905にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATカウンタ(ATモードの残りゲーム数)やCZカウンタ(CZモードの残りゲーム数)及び前兆カウンタ(前兆モードの残りゲーム数)の合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
続くステップSc1906では、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSc1907にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSc1908では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSc1909にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を行い、ステップSc1910にて、通常カウンタをクリアする処理を行ってから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSc1909の有利区間用情報の初期化処理について、より詳しくは、より詳しくは、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理である。例えば、有利区間フラグや、ATモード当選フラグやATモードフラグ、各種CZモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、前兆モード用の前兆カウンタ、CZモード等の継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSc1906にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSc1911に進み、CZ終了ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。
ここで、本実施形態では、各種CZモードにおいて、ATモード移行抽選に当選した場合、ATモード当選フラグをセットする際にCZモードフラグをクリアする構成としている(ステップSc808~ステップSc810)。そして、CZ終了ゲームフラグは、CZモードフラグがセットされたままCZモードの残りゲーム数(CZカウンタ)が0となることでセットされるフラグである。そのため、CZ終了ゲームフラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選に当選することなくCZモードが終了したことを意味する。
ステップSc1911にてCZモード終了ゲームフラグがセットされている場合、ステップSc1912にて第2CZモードフラグ又は第3CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSc1912にて第2CZモードフラグ又は第3CZモードフラグがセットされており、有利区間中のCZモード移行抽選に当選したことを契機として設定される第2CZモードや、ATモード終了を契機として設定される第3CZモードが、ATモード移行抽選に当選することなく終了した場合、ステップSc1907に進み、有利区間終了用の処理を実行する。これに対して、ステップSc1912にて第2CZモードフラグや第3CZモードフラグではなく第1CZモードフラグがセットされており、有利区間移行を契機として設定される第1CZモードが、ATモード移行抽選に当選することなく終了した場合、ステップSc1913に進み、第1CZモードフラグをクリアしてから、本区間表示第2処理を終了する。
すなわち、第2CZモードや第3CZモードがATモード移行抽選に当選することなく終了する場合には、有利区間が終了する一方、第1CZモードがATモード移行抽選に当選することなく終了する場合には、有利区間は終了せずに継続する。なお、第2CZモードフラグや第3CZモードフラグは、有利区間終了用の処理(ステップSc1909)に際してクリアされる。
<有利区間と表示モード>
有利区間と表示モードの関係を、図218を参照しながら説明する。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、押し順報知が発生し得る有利区間と、押し順報知が発生しない通常区間が設定されており、有利区間フラグがセットされている状況が有利区間であり、有利区間フラグがセットされていない状況が通常区間である。有利区間フラグはRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされるフラグであり、例えば、スロットマシン10の設定値の変更(当選確率の変更処理)が行われることを契機としてRAM106の初期化処理が行われ、当該有利区間フラグもクリアされる。つまり、設定値の変更が行われて電源投入がなされると、通常区間から遊技が開始されることになる。通常区間においては、表示モードとして押し順報知が発生しない通常モードに設定される。
通常区間において、有利区間移行抽選に当選すると、有利区間への移行が生じる。より詳しくは、有利区間移行抽選処理に当選することで有利区間当選ゲームフラグがセットされ、区間表示第1処理において有利区間当選ゲームフラグがセットされていることを条件として、有利区間フラグがセットされる。そして、当該有利区間フラグのセット処理に際して、有利区間移行ゲーム用処理が実行され、当該有利区間移行ゲーム用処理において、表示モードを第1CZモードに設定するための処理が行われる。また、有利区間への移行に際して、天井ゲーム数(最大999ゲーム)の設定が行われる。
第1CZモードは、継続ゲーム数が8ゲーム~10ゲームに設定されており、当該第1CZモード中は、高確率でATモードへの移行抽選に当選し得るように設定されている。第1CZモードにおいてATモードへの移行抽選に当選すると、主に前兆モードを介してATモードへの移行が生じる。一方、ATモードへの移行抽選に当選しないまま第1CZモードが終了した場合には、表示モードは通常モードに移行する。但し、この場合、有利区間は終了しない。
有利区間であって表示モードが通常モードである場合、ATモード移行抽選とともに、CZモード移行抽選が実行される。通常モードにおいてCZモード移行抽選に当選すると、第2CZモードに移行する。
第2CZモードは、継続ゲーム数が8ゲーム~15ゲームに設定されており、当該第2CZモード中も第1CZモードと同様に、高確率でATモードへの移行抽選に当選し得るように設定されている。第2CZモードにおいてATモードへの移行抽選に当選すると、主に前兆モードを介してATモードへの移行が生じる。一方、ATモードへの移行抽選に当選しないまま第2CZモードが終了した場合には、表示モードは通常モードに移行し、更に、有利区間が終了して通常区間に移行する。
ATモードは押し順ベル当選時に第1小役~第6小役に対応する押し順報知が発生するモードであり、多くのメダル増加が期待できるモードである。ATモードに移行して押し順報知が発生するようになると、各押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能となり、そのATモード中の1ゲーム当たりの純増枚数はプラス約8.04枚である。ATモードは、初期ゲーム数を50ゲームとし、上乗せ抽選に当選することでその残りゲーム数の加算処理が行われる。また、第1ATモードよりも第2ATモードの方が上乗せ抽選の当選確率が高く設定されている。ATモードの残りゲーム数が0となるとATモードは終了し、第3CZモードに設定される。
第3CZモードは、継続ゲーム数が25ゲーム~30ゲームに設定されており、当該第3CZモード中も第1CZモードや第2CZモードと同様に、高確率でATモードへの移行抽選に当選し得るように設定されている。第3CZモードにおいてATモードへの移行抽選に当選すると、ATモードへの移行が生じる。一方、ATモードへの移行抽選に当選しないまま第3CZモードが終了した場合には、表示モードは通常モードに移行し、更に、有利区間が終了して通常区間に移行する。
既に説明した通り、CZモードにおいては、各ゲームでCZ用ATモード移行抽選テーブルを利用したATモード移行抽選が実行され、CZ用ATモード移行抽選テーブルは、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもATモード移行当選となりやいように設定されている。また、CZ用ATモード移行抽選テーブルは、CZモードの各ゲームにおいて獲得したポイント値を利用して、ATモード移行抽選の当否を決定する構成としている。そうすると、CZモードにおいて毎ゲームATモード移行抽選が実行される点や、CZモードの各ゲームでポイント値が獲得され得る点からして、長いゲーム数のCZモードに設定されるほど、ATモード移行抽選に当選し易いといえる。つまり、第1CZモードよりも第2CZモードの方がATモード移行抽選に当選し易く、第2CZモードよりも第3CZモードの方がATモード移行抽選に当選し易い。
そうすると、第1CZモードは第2CZモードや第3CZモードよりもATモード移行抽選に当選しくいものの、第2CZモードや第3CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかった場合には有利区間は終了する一方、第1CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかった場合には有利区間は終了しないため、有利区間の継続性といった観点からすると、第1CZモードの方が第2CZモードや第3CZモードよりも遊技者にとって有利となる。
<押し順表示器及び区間表示器の表示とゲームの進行について>
有利区間の開始及び終了と区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示との関係を、図219を参照しながら説明する。
本スロットマシン10では、図219に示すように、有利区間ではない通常区間においては、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は消灯している(点灯していない)。この通常区間においては、押し順報知は行われない。つまり、押し順報知等の指示機能に係る性能を有する有利区間に対し、通常区間は当該指示機能に係る有さない区間といえる。
通常区間において、例えば、第7小役(スイカ)当選等によって有利区間への移行抽選に当選すると、当該当選契機となった遊技結果が成立するゲームで有利区間に移行し、当該ゲームを開始ゲームとして有利区間の実行ゲーム数の計測(有利区間ゲーム数AGのカウント)が開始される。上記のように、有利区間移行時に第1CZモードに設定され、当該第1CZモードにおいて押し順報知が発生し得ることから、有利区間移行ゲーム(第1CZモード移行ゲーム)にて、区間表示器の表示の開始条件が成立したものとして、第8表示用セグメントN8が点灯する。より詳しくは、当該有利区間移行ゲーム(第1CZモード移行ゲーム)の開始時(スタートレバー41の操作時)に、第8表示用セグメントN8が点灯する。
その後、第8表示用セグメントN8が点灯している状況で、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を利用した押し順報知が発生する。この場合、上記のように第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7によって押し順情報(「1」~「6」)の表示がなされ、かかる押し順情報に基づいて、遊技者は押し順を把握することができる。押し順報知において、押し順情報は、当該ゲームにおいてスタートレバー41の操作時に表示が開始され、当該ゲームにおいて第3リール停止ON操作時(最終リールに対応するストップスイッチ42~44を押圧操作したタイミング)にその表示が終了する。かかるゲームが有利区間の最終ゲームではない場合には、第3リール停止ON操作時においては、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7による押し順情報の表示のみ終了し、第8表示用セグメントN8による有利区間の表示は継続される。そして、次ゲーム以降において再度押し順役に当選すると、その押し順役に対応する押し順情報が第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7にて表示される。
有利区間の終了条件が成立すると、有利区間は終了して通常区間に移行する。有利区間の終了条件としては、継続ゲーム数やメダル増加数が上限に達することのほか、本実施形態では、ATモード移行抽選に当選することなく第2CZモードや第3CZモードが終了することも含まれている。有利区間が終了する場合、メダル払出が終了したタイミングで(払出判定処理の後の処理である区間表示第2処理により)、第8表示用セグメントN8が消灯する。なお、最終ゲームにおいてメダル払出が行われない場合には、第3リール停止OFF操作時(最終リールに対応するストップスイッチ42~44の押圧操作を終了したタイミング)に第8表示用セグメントN8が消灯する。
上記のように、有利区間に移行することで押し順報知が発生し得るようになり、その有利区間への移行(特定区間への移行)や当該有利区間の終了が第8表示用セグメントN8により明確に報知される。つまり、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の点灯の有無を確認することで、少なくとも押し順報知による恩恵を享受可能な状況(特定区間、実質増加区間)であることを明確に把握することが可能となっている。このようにすることで、例えば、有利区間において押し順報知による恩恵を享受することでメダル増加が発生しているのか、有利区間ではないのにもかかわらず押し順報知による恩恵を不正に享受することでメダル増加を生じさせる不正行為が行われているのか等を、遊技ホールの管理者等が明確に確認することが可能となる。
その一方で、有利区間において、CZモードのうち、第2CZモードや第3CZモードがATモード移行抽選に当選することなく終了すると、これら第2CZモードや第3CZモードだけではなく有利区間も終了する。そして、有利区間の終了に際して、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が消灯することから、当該有利区間が終了したことを遊技者は明確に把握可能となる。言い換えると、当該第8表示用セグメントN8が消灯することにより、第2CZモードや第3CZモードにおいてATモード移行抽選に当選しなかったことを明確に把握可能となる。
そうすると、第8表示用セグメントN8が消灯したことに基づいて、遊技が終了される場面が多くなる可能性が高くなる。また、第8表示用セグメントN8が消灯している遊技台は、直前の第2CZモードや第3CZモードにてATモード移行抽選に当選しなかったことの目印ともなるため、例えば、前任者の移行抽選の当選を拾う行為も行われにくくなり、いずれにしても当該第8表示用セグメントN8が消灯することは、遊技台の稼働率の低下の原因の一つとなり得る。そこで、本スロットマシン10では、かかる第8表示用セグメントN8の消灯に起因する稼働率の低下を解消する特徴ある構成を備えている。以下、その構成について説明する。
<演出設定処理>
次に、表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図220のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSc2001にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSc2002にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSc2001にて否定判定した場合、又はステップSc2002の処理を実行した後は、ステップSc2003にて、ゲーム開始前のタイミングであるか否かを判定する。ゲーム開始前のタイミングとは、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作やメダル投入口45の操作といった賭数操作が行われたり、再遊技状態設定用処理が行われ得る状態であり、かかるゲーム開始前のタイミングでは、主に主制御装置101からのベット時コマンドに対応する演出を設定する処理を行う。ベット時コマンドとは、賭数操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSc204のBET用処理にてセットされるコマンドである。ステップSc2004では、ベット時コマンドに基づいて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSc2003にて否定判定した場合、又はステップSc2004の処理を実行した後は、ステップSc2005にて、ベット後のゲームの開始タイミングであるか否かを判定する。ゲームの開始タイミングとは、スタートレバー41の操作が有効となっている状態であり、かかるゲームの開始タイミングでは、主制御装置101からの開始時コマンドに対応する演出を設定する処理を行う。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSc311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図199)や区間表示第1処理(図215)にてセットされる前兆コマンド、第1AT当選即報知コマンド、第2AT当選即報知コマンド、第2CZモード開始コマンド、上乗せコマンドや押し順報知コマンド、第1CZモード開始コマンド等がある。ステップSc2006では、これらの開始時コマンドに基づいて開始時演出設定処理を実行する。
ステップSc2005にて否定判定した場合、又はステップSc2006の処理を実行した後は、ステップSc2007にて、各リール32L,32M,32Rが回転中であるか否かを判定する。各リール32L,32M,32Rが回転している場合には、主制御装置101からの各停止操作時コマンドに対応する演出を設定する処理を行う。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図191)のステップSc405にてセットされる停止指令コマンドである。ステップSc2008では、かかる各停止操作時コマンドに基づいて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSc2007にて否定判定した場合、又はステップSc2008の処理を実行した後は、ステップSc2009にて、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止した場合には、主制御装置101からの全停止時コマンドに対応する演出を設定する処理を行う。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図191)のステップSc417にてセットされる入賞結果コマンドの他、入賞結果対応処理(図212)にてセットされるAT開始コマンド、CZ終了コマンド、第1AT当選報知コマンド、第2AT当選報知コマンド、AT終了コマンド、第3CZモード開始コマンド等がある。ステップSc2010では、これらの全停止時コマンドに基づいて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップSc2009にて否定判定した場合、又はステップSc2010の処理を実行した後は、ステップSc2011にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSc2011では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSc2011では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、清算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明し、その後、ベット時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップSc2006の開始時演出設定処理について、図221のフローチャートに基づき説明する。
ステップSc2101では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップSc2102にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSc2103にて、今回のゲームの抽選結果が通常リプBであるか否かを判定する。通常リプBであるゲームにて押し順報知コマンドがセットされる場合とは、第1ATモードの開始ゲームであることを意味し、この場合、ステップSc2104にて第2再遊技入賞に対応する押し順報知演出を行うための設定処理を実行する。
ステップSc2103にて否定判定した場合、ステップSc2105にて今回のゲームの抽選結果が通常リプCであるか否かを判定する。通常リプCであるゲームにて押し順報知コマンドがセットされる場合とは、第2ATモードの開始ゲームであることを意味し、この場合、ステップSc2106にて第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出を行うための設定処理を実行する。
ステップSc2105にて否定判定する場合とは、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であることを意味し、この場合、ステップSc2107にて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップSc2101若しくはステップSc2102にて否定判定した場合、又はステップSc2104、ステップSc2106及びステップSc2107のいずれかの処理を実行した後は、ステップSc2108に進む。ステップSc2108では、現状、ウェイト時間の経過前である特定期間としてのウェイト期間中であるか否かを判定する。上記の通り、ゲームの開始に際して各リール32L,32M,32Rの回転を開始させてから、次のゲームの開始に際して各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるまでにウェイト時間が経過していなければ、当該各リール32L,32M,32Rの回転開始を待機させる構成としており、本実施形態では、主制御装置101と同様に表示制御装置81側においても、ウェイト時間の経過の有無をタイマカウンタ等にて判断可能としている。ステップSc2108にてウェイト期間を経過していないと判定した場合、ステップSc2109にてウェイト表示部78を点灯状態とする処理を実行してからステップSc2108に戻る。なお、ステップSc2109にて既にウェイト表示部78が点灯状態である場合には、その状態を維持する。
ステップSc2108にてウェイト期間が経過していると判定した場合、ステップSc2110に進み、ウェイト表示部78を消灯状態とする処理を実行する。なお、ウェイト表示部78が既に消灯状態である場合には、その状態を維持する。その後、ステップSc2111~ステップSc2122の各リール32L,32M,32Rの回転開始時の演出を設定する処理を実行する。つまり、ステップSc2101~ステップSc2107により実行される押し順報知演出は、スタートレバー41の操作に基づいてウェイト期間の経過前であっても実行される一方、ステップSc2111~ステップSc2122にて設定される各種開始時演出は、スタートレバー41が操作されてもウェイト期間が経過していなければ当該演出は実行されず、各リール32L,32M,32Rが回転開始する際に実行される。
なお、説明の簡略化のため、ステップSc2108にてウェイト期間が経過していないと判定した場合、ステップSc2109の処理を実行してからウェイト期間が経過するまで待機するループ処理を用いて説明しているが、当該開始時演出設定処理を終了するようにしてもよい。このようにすることで、開始時演出設定処理がウェイト期間経過まで終了しないことの不都合を解消することが可能である。この点は他のループ処理でも同様である。
各リール32L,32M,32Rが回転開始する際に実行する演出設定用の処理としては、先ず、ステップSc2111にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカを特定役として設定している。図202や図203に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモード移行抽選においては、特定役以外の抽選結果を契機とするよりもATモード移行当選となり易いように設定されている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップSc2112にて、特定役報知用処理を実行する。特定役報知用処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば、図224(b)に示すように、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
ステップSc2111にて否定判定した場合、又はステップSc2112の処理を実行した後は、ステップSc2113に進む。ステップSc2113では、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合、ステップSc2114にて上乗せ演出の設定処理を実行する。上乗せ演出の設定処理では、ATモードの残りゲーム数の上乗せが行われたことに対応する報知として、当該上乗せされたゲーム数を補助表示部65にて表示する上乗せ演出を実行する。なお、当該上乗せ演出の態様は、当該上乗せが行われたゲームにて行われる態様に限定されず、例えば、当該上乗せが行われたゲームを契機として所定ゲーム数後に上乗せゲーム数の報知が行われる態様が含まれていてもよいし、例えば、ATモードの残りゲーム数が所定数(例えば残り1ゲーム)となった状況で上乗せ演出を実行する所謂後乗せ演出に態様が含まれる構成としてもよい。
ステップSc2113にて否定判定した場合、又はステップSc2114の処理を実行した後は、ステップSc2115にて第1AT当選即報知コマンド又は第2AT当選即報知コマンドを受信しているか否かを判定する。第1AT当選即報知コマンドや第2AT当選即報知コマンドは、ATモード移行抽選に当選した場合であって、即報知抽選に当選した場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。これらのコマンドを受信している場合には、ステップSc2116にて対応するAT当選即報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。AT当選即報知演出は、例えば、図223(a)に示すように、補助表示部65に「AT確定!!」といった文字表示を行うとともに、それに対応する効果音をスピーカ64から出力する。なお、AT当選即報知演出では、受信している即報知コマンドに基づいて、第1AT及び第2ATのいずれに当選しているかを明示する。例えば、第1ATモードに当選している場合と第2ATモードに当選している場合とで、AT当選即報知演出における補助表示部65の背景色を異ならせるなどして、遊技者がいずれのATモードに当選しているかを明確に把握可能とするとよい。なお、第1AT及び第2ATのいずれに当選しているかを明示せず、第1ATに当選していること又は第2ATに当選していることを補助表示部65やスピーカ64等を用いて示唆する構成としてもよい。このようにすることで、AT当選即報知演出後、AT開始ゲームまで、いずれのATに当選しているかを楽しみにする遊技性を抹殺しないようにすることができる。
ステップSc2115にて否定判定した場合、又はステップSc2116の処理を実行した後は、ステップSc2117にて、前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、前兆コマンドは、主制御装置101側のAT抽選用処理(図198)において、ATモード移行抽選に当選した場合であって、即報知抽選に非当選である(ステップSc1105:NO)場合に出力されるコマンドであり、ATモード当選フラグがセットされたことの情報の他、当該ゲーム(ATモード当選フラグがセットされたゲーム)からAT当選報知演出を行うべきゲームまでのゲーム数の情報(前兆カウンタの値)が含まれている。前兆コマンドを受信している場合、ステップSc2118にて前兆演出設定処理を実行する。
前兆演出設定処理では、前兆演出として複数のゲームに亘って継続して実行され得る連続演出を設定する処理を行う。本実施形態における連続演出では、最終ゲームにてATモード移行抽選の当否結果が報知される構成としており、前兆演出設定処理にて設定される連続演出は、当該連続演出の最終ゲームにてATモードの当選報知が実行されるように設定されている。
前兆演出設定処理においては、ATモード移行抽選に当選となった表示モードが第1CZモードではなく、第2CZモードや第3CZモード、通常モード中である場合は、前兆コマンドに含まれる前兆ゲーム数に相当するゲーム数後にATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるように連続演出の設定を行う。既に説明した通り、第2CZモードは8ゲームから15ゲームに亘って継続し、ATモード移行当選時の前兆ゲーム数として13ゲーム~15ゲームが設定されるため、第2CZモードに移行してからATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるまでのゲーム数は13ゲームから30ゲームのうちのいずれかとなる。本実施形態では、第2CZモードに移行した場合には連続演出が開始されるように設定されており、第2CZモードにてATモード移行抽選に当選した場合、当該第2CZモードに移行した際に開始された連続演出の13ゲーム目から30ゲーム目でATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われることになる。また、第3CZモードは25ゲームから30ゲームに亘って継続し、ATモード移行当選時の前兆ゲーム数として、当該第3CZモードの残りゲーム数が前兆ゲーム数として設定される。つまり、第3CZモードに移行してからATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるまでのゲーム数は、25ゲームから30ゲームのうちのいずれかとなる。本実施形態では、第3CZモードに移行した場合にも連続演出が開始されるように設定されており、第3CZモードにてATモード移行抽選に当選した場合、当該第3CZモードに移行した際に開始された連続演出の25ゲーム目から30ゲーム目でATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われることになる。
これに対して、ATモード移行抽選に当選となった表示モードが第1CZモードである場合には、既に連続演出が開始されているか否かを判定し、連続演出が開始されていない場合には、前兆コマンドに含まれる前兆ゲーム数に相当するゲーム数後にATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるように連続演出の設定を行う。第1CZモードは8ゲームから10ゲームに亘って行われること、及び第1CZモードにおいてATモード移行抽選に当選した場合には5ゲームの前兆ゲーム数が設定されることからして、第1CZモードに移行してからATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるまでのゲーム数は、5ゲームから15ゲームのうちのいずれかとなる。また、ATモード移行抽選に当選となった表示モードが第1CZモードであって既に連続演出が開始されている場合には、当該連続演出の残りゲーム数を今回の前兆ゲーム数に設定するための処理を行う。上記の通り、第2CZモードに移行した場合には連続演出が開始されるように設定されており、更に、本実施形態では、第2CZモードがATモード移行抽選に当選しなかった場合、当該連続演出が引き継がれるように設定されている。そのため、上記の第1CZモードにおいてATモード移行抽選に当選した際に既に連続演出が開始されている場合とは、当該第2CZモードの開始時に開始された連続演出が引き継がれたことを意味する。上記の通り、第2CZモードは8ゲームから15ゲームに亘って継続するため、第2CZモードを介して第1CZモードにてATモード移行抽選に当選した場合には、第2CZモードに移行に際して連続演出が開始されてからATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるまでのゲーム数は、通常区間のゲーム数を除くと、13ゲームから30ゲームのうちのいずれかとなる。つまり、第2CZモードを介して第1CZモードにてATモード移行抽選に当選した場合、仮に通常区間を1ゲームとすると、当該第2CZモードの移行に際して開始された連続演出の14ゲーム目から31ゲーム目でATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われることになる。
この場合、特に、第2CZモードの移行に際して開始された連続演出にてATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われる場合において、第1CZモードを介さない場合には当該連続演出の13ゲーム目から30ゲーム目にてATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われ、第1CZモードを介する場合には当該連続演出の14ゲーム目から31ゲーム目にてATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるようになる。そのため、第2CZモードの移行に際して開始された連続演出において13ゲーム目から30ゲーム目にATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われる場合、第1CZモードを介したか否か、すなわち、有利区間が一旦終了したか否かが、当該連続演出のゲーム数からは判別しにくくなる。そして、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、このようなATモードの当選報知が行われるゲーム数に合わせて、ATモード移行抽選の当否結果として非当選であることの連続演出のゲーム数が設定される。そのため、例えば、第2CZモードにおいて連続演出が開始された場合、連続演出の内容やゲーム数からは当該連続演出中に有利区間が終了したか否かの判断が困難となり、有利区間の終了に際して遊技が終了されにくくなっている。
開始時演出設定処理の説明に戻り、ステップSc2117にて否定判定した場合、又はステップSc2118の処理を実行した後は、ステップSc2119に進む。ステップSc2119では、第1CZモード開始コマンド又は第2CZモード開始コマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのCZモード開始コマンドを受信している場合、ステップSc2120にて、CZモード開始用設定処理を実行する。第1CZモード開始コマンドを受信している場合、連続演出が継続していない場合には、新たな第1CZモード用の演出が開始されるようにし、連続演出が継続している場合には、当該連続演出を継続させる。また、上記の通り、本実施形態では、第2CZモードの開始に際しては連続演出が開始されるようにしており、第2CZモード開始コマンドを受信している場合には、当該CZモード開始用設定処理において、当該第2CZモードの継続ゲーム数とその後に実行され得る第1CZモードの継続ゲーム数との合計数よりも長いゲーム数の連続演出が開始されるように設定する。これにより、ATモード移行抽選に当選することなくCZモードが終了した場合であっても、その後の第1CZモードの開始に際して(有利区間の移行に際して)、連続演出が継続している状況を生じさせることが可能となる。
ステップSc2119にて否定判定した場合、又はステップSc2120の処理を実行した後は、ステップSc2121にて連続演出設定処理を実行する。連続演出設定処理は、上記のように、ATモード移行抽選の当否結果を報知するうえで、複数のゲームに亘って継続し得る連続演出の各ゲームの演出を設定したり、ATモード移行抽選に非当選であった場合の連続演出を設定するための処理である。
その後、ステップSc2122にて、その他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップSc2122では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知するための処理等を行う。
<全停止時演出設定処理>
次に、ステップSc2010の全停止時演出設定処理について、図222を参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、第1AT当選報知コマンド、第2AT当選報知コマンド、AT終了コマンド、第3CZモード開始コマンド等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップSc2201では、第1AT当選報知コマンド又は第2AT当選報知コマンドを受信しているか否かを判定する。第1AT当選コマンドや第2AT当選報知コマンドは、ATモード当選フラグがセットされた後、前兆カウンタが0となることで主制御装置101側から出力されるコマンドである。これらのAT当選報知コマンドを受信している場合、ステップSc2202に進み、対応するAT当選報知演出が、次ゲームのベット時演出として補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。AT当選報知演出は、上記のように設定された連続演出の最終ゲームにてATモード移行抽選に当選したことの報知を行った後の演出であり、例えば、連続演出を味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルするバトル演出として設定する場合、当該バトル演出にて味方キャラクタが勝利する演出を連続演出の最終ゲームにて実行した後、次ゲームのベット時に味方キャラクタが喜ぶ演出をAT当選報知演出として設定してもよい。ここで設定されたAT当選報知演出は、次のゲームのベット時演出として、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57を操作したり、メダル投入口45からのメダル投入といった賭数操作が行われた場合に実行される。
ステップSc2201にてAT当選報知コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSc2203に進む。ステップSc2203では、AT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、AT開始コマンドを受信している場合とは、当該ゲームの開始時に第2再遊技や第3再遊技用の押し順報知演出を行っている場合である。この場合、ステップSc2204にて、AT開始演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。AT開始演出は、例えば、図223(b)に示すように、補助表示部65に今回開始するATモードの種類に対応する開始用の再遊技図柄(第1ATモードであれば第2再遊技に対応する「BAR」図柄の斜め揃い(図183(a))等、第2ATモードであれば第3再遊技に対応する「白7」図柄の下段揃い(図183(c))等)とともに、「AT開始!!」といった文字表示を行い、また、それに対応する効果音をスピーカ64から出力する。
ステップSc2203にてAT開始コマンドを受信していない場合には、ステップSc2205にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップSc2206にてAT終了演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。AT終了演出は、例えば、図224(a)に示すように、今回のATモードの継続ゲーム数や今回のATモードで獲得したメダル数を補助表示部65にて表示する。
ステップSc2205にてAT終了コマンドを受信していない場合、ステップSc2207にて第3CZモード開始コマンドを受信しているか否かを判定する。第3CZモード開始コマンドを受信している場合、ステップSc2208にて、第3CZモード用演出開始処理を実行する。第3CZモード用演出開始処理では、今回の第3CZモードの継続ゲーム数(25ゲーム~30ゲーム)に亘って、連続演出が開始されるように設定する。
ステップSc2207にて第3CZモード開始コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSc2209にてCZモード終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合、ステップSc2210にてCZ終了用の演出設定処理を実行する。CZ終了用の演出設定処理では、今回終了するCZモードが第2CZモードである場合は、実行中の連続演出が継続されるように設定する。また、今回終了するCZモードが第1CZモードである場合は、当該第1CZモードが第2CZモードを介した第1CZモードである場合、すなわち、第2CZモードの連続演出を引き継いで第1CZモード中の演出が行われた場合にはそのまま当該連続演出を終了させるようにし、当該第1CZモードが第2CZモードを介していない第1CZモードである場合は、第1CZモードにおいて設定された連続演出を継続させるように設定する。そして、今回終了するCZモードが第3CZモードである場合は、当該第3CZモードにおいて設定された連続演出をそのまま終了させるように設定する。
ステップSc2209にてCZモード終了コマンドを受信していない場合、又は、ステップSc2202、ステップSc2204、ステップSc2206、ステップSc2208及びステップSc2210のいずれかの処理を実行した後は、ステップSc2211にて、今回のゲームの遊技結果の情報(抽選結果及び入賞の有無の情報)と今回のゲームのベット数の情報を一時記憶する処理を実行する。そして、ステップSc2212にて、その他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップSc2212では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
このように、本実施形態では、通常区間から有利区間移行抽選を経て有利区間に移行し、当該有利区間においてATモード移行抽選に当選することでATモードへの移行が生じて多くのメダル獲得を期待できる遊技性において、ATモードへの移行が主にCZモードを介して生じるようにし、当該CZモードにおいて設定される連続演出のその後の内容が、有利区間の終了によって予測されてしまうことを解消するようにしている。この場合、CZモードに限られず、ATモード移行抽選は各ゲームの抽選結果に応じて実行されるようにしているところ、各ゲームの抽選結果が所謂レア役としての特定役であるとATモード移行当選となり易く、それ以外の結果であるとATモード移行当選となりにくくなるように設定されている。
既に説明した通り、本実施形態ける特定役とは、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカであり、このうち、スイカは、入賞によってメダルの払い出しが生じる所謂小役結果である一方で、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーCは再遊技結果入賞が成立する結果である。このように再遊技結果を利用して特定役を設定することで、再遊技結果の種類を増やすだけで特定役の多様化を図ることが可能となるし、メダルの増減が生じない再遊技結果であれば出玉率に与える影響を抑えながら特定役の設定を行うことも可能となる。更に、通常リプA~Cのように、基本的には第1再遊技結果入賞を成立させるようにしながらも、所定のタイミング(ATモードの開始時)には第2再遊技結果入賞や第3再遊技結果入賞を成立させる、といったようにストップスイッチ42~44の操作順序によって付与する特典を異ならせることなく入賞する結果や停止出目を異ならせ、それを遊技に利用することも可能である。また、例えば、再遊技結果の当選確率が向上するRT状態等を用いて、特定役の出現率を向上させる、といった工夫も行うことが可能となり、再遊技結果を用いて特定役等を構成することは、遊技の興趣向上を図るうえで大きなメリットがある。
但し、上記のように特定役を小役結果と再遊技結果とにより構成すると、小役結果である場合には次のゲームにて遊技者自らのベットが必要であるのに対して、再遊技結果である場合には仮想メダルを自動投入する処理によってベットは不要であり、遊技の進行態様が大きく異なることとなる。そのため、再遊技結果による特定役入賞が成立した場合、小役結果等との差によって遊技者に強烈な違和感を与えかねず、遊技の円滑な進行の障壁となり得るし、当該違和感によって遊技意欲を低下させてしまう可能性もある。
そこで、本実施形態では、このような特定役のうちの再遊技結果により構成される結果の入賞が成立した場合の報知態様に工夫が施されている。以下、再遊技結果である場合の報知の態様について説明する。なお、以下の説明では、第1再遊技結果を通常再遊技結果とも称し、第1再遊技結果以外の再遊技結果を特定再遊技結果とも称する。
<BET表示部とベット表示部>
図170に示すように、遊技パネル25には、表示窓26L,26M,26Rの左方にベット表示部34が設けられており、表示窓26L,26M,26Rの左下方にはBET表示部75が設けられている。
BET表示部75は、図225に示すように、第1BET表示部75a、第2BET表示部75b、第3BET表示部75cを有している。いずれの表示部75a~75cも点灯状態(又は点滅状態)と消灯状態とに切り替わり可能に構成されており、点灯状態とされるBET表示部75a~75cによって、ベット数が報知される。例えば、BET表示部75のうち、第1BET表示部75aと第2BET表示部75bとが点灯状態であって第3BET表示部75cが消灯状態の場合には2枚のベットが行われていることを意味し、また、全てのBET表示部75a~75cが点灯状態の場合には3枚のベットが行われていることを意味する。
ベット表示部34も、図170に示すように、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cを有しており、いずれのベット表示部34a~34cも点灯状態(又は点滅状態)と消灯状態とに切り替わり可能に構成されている。そして、点灯状態とされるベット表示部34a~34cによって、ベット数が報知される点も上記のBET表示部75と同じである。
但し、図185に示すように、BET表示部75は主制御装置101に接続されており、ベット表示部34は表示制御装置81に接続されており、BET表示部75が主制御装置101側のCPU102にて制御されるのに対して、ベット表示部34は表示制御装置81側のCPU181にて制御される点で相違している。また、図170に示すように、BET表示部75よりもベット表示部34の方が、遊技パネル25において、各表示部34,75が点灯状態となった場合に光を透過する領域の面積が大きく設定されており、BET表示部75よりもベット表示部34の方が遊技者の目を引き易い(把握し易い)ように設定されている。なお、BET表示部75よりもベット表示部34の方が、遊技者の目を引き易い(遊技者が把握し易い)構成であればよく、点灯状態となった場合の輝度や光量が多くなるようにしてもよいし、ベット表示部34を動作可能な役物等により構成されるものとしてもよいし、ベット表示部34によるベット数の表示が補助表示部65にて行われる構成としてもよい。
また、遊技状態表示部76は、図170に示すように、BET表示部75と同様に、ベット表示部34や第1クレジット投入スイッチ56よりも小さい表示部である。図185及び図225に示すように、再遊技状態表示部76aと、開始可能状態表示部76bと、受入可能状態表示部76cとを有しており、いずれの表示部76a~76cも点灯状態と消灯状態とに切り替わり可能に構成されている。再遊技状態表示部76aは、今回のゲームのベット数と同数のベット数にて次のゲームを実行可能となる再遊技状態に設定されていることを報知するためのものであり、再遊技状態に設定された場合に点灯状態とされ、再遊技状態に設定されたゲームが終了すると消灯状態とされる。開始可能状態表示部76bは、ゲームの開始操作を受付可能な開始可能状態となったことを報知するためのものであり、開始状態に設定された場合に点灯状態とされ、開始可能状態にて開始操作を受け付けた場合に消灯状態とされる。受入可能状態表示部76cは、メダル投入口45からのメダルの投入が可能な受入可能状態であることを報知するためのものであり、受入可能状態である場合に点灯状態とされ、メダルの投入を受け付けない場合に消灯状態とされる。受入可能状態表示部76cについてより詳しくは、メダル投入口45から投入したメダルが貯留用通路47側に導かれるメダル通路切替ソレノイド46aの励磁時は点灯状態となり、排出用通路48側に導かれるメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時は消灯状態となる。
<BET用処理>
次に、通常処理におけるステップSc204にて実施されるBET用処理について、図226のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSc2301では、前回のゲームの遊技結果が再遊技結果入賞であったか否かを判定する。かかる処理は、ステップSc214のメダル払出処理にて記憶された前回のゲームの情報に基づいて判定可能である。いずれかの再遊技結果入賞が成立した次のゲームである場合、ステップSc2302にて、入賞した再遊技結果が通常再遊技結果としての第1再遊技結果であるか否かを判定する。通常再遊技結果入賞は、通常リプA~通常リプCに当選した場合に入賞可能となるものであり、通常リプA~通常リプCに当選した場合には、右リール32Rの停止操作を最初に行わない限り、基本的には通常再遊技結果入賞が成立する(図208)。通常再遊技入賞が成立したゲームの次ゲームである場合、ステップSc2303にて各種フラグ格納エリア106dに通常再遊技フラグをセットする処理を実行する。一方、特定再遊技結果としての第1再遊技結果以外の再遊技結果入賞が成立したゲームの次ゲームである場合、ステップSc2304にて各種フラグ格納エリア106dに特定再遊技フラグをセットする処理を実行する。
なお、上記ステップSc2301~ステップSc2304の処理は、メダル払出処理や払出判定処理にて行うようにしてもよい。
ステップSc2303又はステップSc2304の処理を実行した後は、ステップSc2305に進み、前回のゲームのベット数を、各種カウンタエリア106eに設けられたBETカウンタから把握し、当該BETカウンタの値をレジスタ等に一時記憶する処理を実行する。BETカウンタは、ベットされているベット数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSc2301にて否定判定した場合、又はステップSc2305の処理を実行した後は、ステップSc2506にてBETカウンタをクリアする。そして、ステップSc2307にて、今回のゲームの規定枚数を把握する処理を実行する。既に説明した通り、規定枚数とは、ゲームを実行可能とするベット数であって、いずれかのBB状態においては3枚が規定枚数とされ、BB状態以外の通常遊技状態においては、2枚と3枚とが規定枚数として設定されている。
続くステップSc2308では、受入可能状態表示部を点灯状態とする処理を実行する。そして、ステップSc2309にて、通常再遊技フラグ又は特定再遊技フラグがセットされており、いずれかの再遊技結果入賞が成立した次のゲームであるか否かを判定し、再遊技結果入賞が成立した次のゲームである場合、ステップSc2310にて再遊技設定用処理を実行する。
<再遊技設定用処理>
再遊技設定処理では、図227のフローチャートに示すように、先ず、ステップSc2401にて、再遊技状態表示部を点灯状態とする処理を実行する。続くステップSc2402では、全てのBET表示部を消灯状態とする処理を実行する。そして、ステップSc2403にて特定再遊技フラグがセットされているか否かを判定し、セットされておらず、通常再遊技結果入賞が成立した次のゲームである場合、ステップSc2404にて、通常BETコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。通常BETコマンドは、表示制御装置81側のベット表示部34の制御を行うためのコマンドである。
通常BETコマンドをセットした後は、ステップSc2405に進む。ステップSc2405~ステップSc2410は、通常再遊技結果入賞に基づき仮想メダルを自動投入するための処理である。すなわち、ステップSc2405では、BETカウンタを1加算する処理を実行し、ステップSc2406にて今回加算した結果のBETカウンタに対応するBET表示部を点灯状態(又は点滅状態)とする処理を実行する。具体的には、ステップSc2405の処理の結果としてBETカウンタが1であれば第1BET表示部75aを点灯状態とし、BETカウンタが2であれば第2BET表示部75bを点灯状態とし、BETカウンタが3であれば第3BET表示部75cを点灯状態とする。そして、ステップSc2407にて、再遊技BETコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。再遊技BETコマンドは、ステップSc2406のBET表示部75の点灯処理に連動させて、表示制御装置81側のベット表示部34を点灯状態とさせるためのコマンドである。
続くステップSc2408では、各種カウンタエリア106eに設けられたBETタイマに134を入力する処理を実行する。BETタイマは仮想メダルを自動投入する間隔を規定するためのカウンタであり、当該BETタイマはタイマ割込み処理が1回起動される度に1ずつ減算され、ステップSc2408にて入力した値は、約0.2sec後に0となる。
ステップSc2409では、BETタイマが0となり、ステップSc2408の処理を実行してから約0.2secが経過したか否かを判定し、経過していない場合には、経過するまで待機する。約0.2secが経過し、ステップSc2409にて肯定判定した場合、ステップSc2410にて、BETカウンタの値がステップSc2305にて一時記憶した前回のゲームのベット数に等しくなったか否かを判定する。前回のゲームのベット数に達していなければ、ステップSc2405に戻り、再度、仮想メダルを自動投入する処理を実行する。BETカウンタの値が前回のゲームのベット数に達した場合、ステップSc2410にて肯定判定し、ステップSc2411に進む。
ステップSc2411では、ベット終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ベット終了コマンドは、一連のベットが終了したことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、現状のベット数の情報が含まれている。続くステップSc2412では、各種フラグ格納エリア106dに開始可能フラグをセットする処理を実行する。開始可能フラグは、スタートレバー41の開始操作を受付可能な状態となったことをCPU102が把握するためのフラグである。言い換えると、開始可能フラグがセットされていない場合には、スタートレバー41の開始操作が行われても、それを受け付けない。また、既に説明した通り、本スロットマシン10にはウェイト期間が設定されており、開始可能フラグはウェイト期間の経過前にセットされ得るものとして設定されている。つまり、開始可能フラグがセットされており、スタートレバー41の開始操作を受付可能な状態となり、スタートレバー41の開始操作が行われたとしても、当該開始操作は受け付ける一方で、各リール32L,32M,32Rの回転開始制御はウェイト期間の経過まで待機され得る。
ステップSc2412の処理を実行した後は、ステップSc2413にて、開始可能状態表示部76bを点灯状態とする処理を実行してから、本再遊技設定用処理を終了する。開始可能状態表示部76bが点灯状態とされることによって、遊技者はスタートレバー41の開始操作が受け付けられる状況となったことを把握することが可能となる。
これに対してステップSc2403にて特定再遊技フラグがセットされており、特定再遊技結果入賞が成立した次のゲームである場合、ステップSc2414に進む。ステップSc2414では、特定BETコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。特定BETコマンドは、表示制御装置81側のベット表示部34の制御を行うためのコマンドである。
続くステップSc2415では、BETカウンタに前回のゲームのベット数を入力する処理を実行する。そして、ステップSc2416にて、BETカウンタに入力した値に対応するBET表示部75a~75cを点灯状態とする処理を実行する。すなわち、ステップSc2415にてBETカウンタに1を入力した場合には、第1BET表示部75aだけを点灯状態とし、BETカウンタに2を入力した場合には、第1BET表示部75aと第2BET表示部75bとを点灯状態とする一方、第3BET表示部75cは消灯状態を維持し、BETカウンタに3を入力した場合には全てのBET表示部75a~75cを点灯状態とする。
ステップSc2416の処理を実行した後は、ステップSc2411に進み、ベット終了コマンドや開始可能フラグをセットする処理を実行し、開始可能状態表示部76bを点灯状態とする処理を実行してから、本再遊技設定用処理を終了する。
すなわち、再遊技結果入賞に基づき仮想メダルを自動投入する処理は、通常再遊技結果入賞に基づき自動投入する場合よりも、特定再遊技結果入賞に基づき自動投入する場合の方が短時間で完了するように設定されている。
BET用処理の説明に戻り、ステップSc2309にていずれの再遊技フラグもセットされていない場合、又はステップSc2310にて再遊技設定用処理を実行した後は、ステップSc2311に進む。ステップSc2311~ステップSc2319の処理は、メダル投入口45からのメダル投入や、各クレジット投入スイッチ56,57の操作によってベットやクレジットの設定を行うための処理である。
すなわち、ステップSc2311では、各種カウンタエリア106eに設けられたクレジットカウンタの値が上限値(50)であるか否かを判定する。クレジットカウンタは、クレジット表示部60に表示されるクレジットに対応するものであり、CPU102が有する仮想遊技媒体記憶手段に相当する。クレジットカウンタが上限値に達していなければ、ステップSc2312にてメダル通路切替ソレノイド46aを励磁状態として、メダル投入口45から投入されたメダルが貯留用通路47側に導かれるようにする。一方、クレジットカウンタが上限値である場合、ステップSc2313にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態として、メダル投入口45から投入されたメダルが排出用通路48側に導かれるようにする。
ステップSc2312又はステップSc2313の処理を実行した後は、ステップSc2314に進む。ステップSc2314~ステップSc2319の処理は、メダル投入口45からのメダル投入、第1クレジット投入スイッチ56の操作、第2クレジット投入スイッチ57の操作、といった賭数操作が行われた場合の処理である。
すなわち、ステップSc2314では、メダル投入口45からメダルが投入されたか否かを判定する。本実施形態では、メダルが投入されたことはメダル投入口45から投入されたメダルが通過する通路において上記のメダル通路切替ソレノイド46aが設けられたセレクタ46よりも上流側(メダル投入口45側)に、投入メダル検出センサ45aが設けられており、CPU102は、当該投入メダル検出センサ45aの検出結果に基づいて、メダルが投入されたことを判定することが可能である。メダルが投入された場合には、ステップSc2315にてメダル投入対応処理を実行する。
メダルが投入されていない場合、ステップSc2316に進み、第1クレジット投入スイッチ56が操作されたか否かを、第1クレジット投入検出センサ56aの検出結果に基づいて判定する。第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合には、ステップSc2317にて第1操作対応処理を実行する。
第1クレジット投入スイッチ56が操作されていない場合、ステップSc2318にて第2クレジット投入スイッチ57が操作されたか否かを、第2クレジット投入検出センサ57aの検出結果に基づいて判定する。第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合には、ステップSc2319にて第2操作対応処理を実行する。
ステップSc2315、ステップSc2317及びステップSc2319のいずれかの処理を実行した後、又はステップSc2318にて否定判定した後は、ステップSc2320にて開始可能フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSc2311に戻り、開始可能フラグがセットされている場合には、BET用処理を終了する。
以下、メダル投入対応処理、第1操作対応処理、第2操作対応処理について説明する。
<メダル投入対応処理>
メダル投入対応処理は、図228のフローチャートに示すように、先ず、特定再遊技フラグがセットされているか否かを判定する。特定再遊技フラグがセットされておらず、前回のゲームにて特定再遊技結果入賞が成立していない場合には、ステップSc2502にて、通常再遊技フラグがセットされているか否かを判定する。通常再遊技フラグがセットされておらず、前回のゲームにて通常再遊技結果も入賞していない場合、すなわち、現状が再遊技状態に設定されていない場合、ステップSc2503に進み、BETカウンタが規定枚数に達しているか否かを判定する。上記の通り、今回のゲームの規定枚数はステップSc2307にて把握されている。また、いずれかのBB状態においては3枚が規定枚数とされ、BB状態以外の状態においては、2枚と3枚とが規定枚数として設定されており、ステップSc2503では、BB状態においてはBETカウンタが3である場合に肯定判定し、BB状態以外の状態においては、2枚と3枚の規定枚数のうち多い方の規定枚数に達しているか否かを判定する。つまり、BB状態以外の状態においてはBETカウンタが3である場合に肯定判定する。
ステップSc2503にて否定判定した場合、ステップSc2504にてBETカウンタを1加算する処理を実行する。つまり、2枚と3枚の規定枚数が設定されている状態において、2枚の規定枚数の遊技(2ベットゲーム)を開始可能な状態から、更に1枚のメダルを投入することで3枚の規定枚数の遊技(3ベットゲーム)を開始可能な状態とすることが可能である。
続くステップSc2505では、今回のメダル投入によってBETカウンタが規定枚数に達したか否かを判定する。規定枚数に達している場合には、ステップSc2506にて開始可能フラグがセットされているか否かを判定する。開始可能フラグがセットされていない場合には、ステップSc2507にて開始可能フラグをセットする処理を実行し、ステップSc2508にて開始可能状態表示部76bを点灯状態とする処理を実行する。
ステップSc2505にてBETカウンタが規定枚数に達していないと判定した場合や、ステップSc2506にて開始可能フラグがセットされている場合や、ステップSc2508にて開始可能状態表示部76bの点灯処理を実行した後は、ステップSc2509にて投入BETコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本メダル投入対応処理を終了する。投入BETコマンドは、今回のメダル投入によってベットの設定が行われたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
ステップSc2502にて特定再遊技フラグはセットされていないものの通常再遊技フラグはセットされていると判定した場合や、ステップSc2503にてBETカウンタが規定枚数に達していると判定し、BB状態中にBETカウンタが3である場合や、BB状態以外の状態中にBETカウンタが3である場合、ステップSc2510に進む。ステップSc2510では、クレジットカウンタが50であるか否かを判定する。クレジットカウンタが50ではない場合には、ステップSc2511にてクレジットカウンタを1加算する処理を実行し、ステップSc2512にて投入増加コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。そして、ステップSc2513にて、ステップSc2511の処理の結果に基づいてクレジットカウンタが50に達したか否かを判定し、50に達した場合には、ステップSc2514にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態とし、ステップSc2515にて受入可能状態表示部76cを消灯状態とする処理を実行してから、本メダル投入対応処理を終了する。ステップSc2510にて肯定判定した場合、又はステップSc2513にて否定判定した場合は、そのままメダル投入対応処理を終了する。
これに対して、ステップSc2501にて特定再遊技フラグがセットされており、前回のゲームにて特定再遊技結果入賞が成立している場合、ステップSc2516に進み、特定投入コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。特定投入コマンドは、特定再遊技結果入賞に基づいて設定された再遊技状態にてメダルの投入が行われたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。ステップSc2516の処理を実行した後は、ステップSc2510に進み、クレジットカウンタが50に達していないことを条件として、クレジット増加用の処理を実行する。
すなわち、本実施形態では、再遊技状態に設定されている状況であってもメダルの投入によってクレジットカウンタを増加させることが可能であり、特に、特定再遊技結果入賞に基づいて設定されている再遊技状態においては、メダルの投入によって特定投入コマンドが出力される。特定投入コマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
<第1操作対応処理>
第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合の処理である第1操作対応処理では、図229のフローチャートに示すように、ステップSc2601にて特定再遊技フラグがセットされているか否かを判定し、ステップSc2602にて通常再遊技フラグがセットされているか否かを判定する。特定再遊技フラグはセットされておらず、通常再遊技フラグがセットされており、前回のゲームにて通常再遊技結果入賞が成立している場合、第1クレジット投入スイッチ56の操作によってベットは行われないため、そのまま本第1操作対応処理を終了する。特定再遊技フラグ及び通常再遊技フラグのいずれもがセットされていない場合、ステップSc2603に進む。
ステップSc2603では、クレジットカウンタが1以上であって、仮想メダルが1枚以上記憶されているか否かを判定する。クレジットカウンタが1未満であり、仮想メダルが記憶されていない場合には、第1クレジット投入スイッチ56を操作してもベットが行われないため、そのまま本第1操作対応処理を終了する。クレジットカウンタが1以上である場合には、ステップSc2604に進み、現状のBETカウンタが特定枚数であるか否かを判定する。既に説明した通り、特定枚数とは、規定枚数のうちの第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合にベットされる枚数であり、BB状態においては特定枚数は3枚に設定されており、BB状態以外であってBB当選前の非内部状態においては特定枚数は2枚に設定されており、BB状態以外であってBB当選後の内部状態においては特定枚数は3枚に設定されている(図193参照)。現状のBETカウンタが特定枚数に相当するものである場合には、第1クレジット投入スイッチ56を操作しても新たなベットは行われないため、そのまま本第1操作対応処理を終了する。
BETカウンタが特定枚数ではない場合、ステップSc2605にて、通常第1操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。通常第1操作コマンドは、再遊技状態以外であって、クレジットカウンタが1以上である状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
続くステップSc2606では、今回の第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づき、クレジットカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSc2607にてBETカウンタを1加算する処理を実行し、ステップSc2608にて対応するBET表示部75a~75cを点灯状態とする処理を実行する。
続くステップSc2609では、ステップSc2606の処理によってBETカウンタが特定枚数に達したか否かを判定する。達していない場合には、ステップSc2610に進み、クレジットカウンタが1以上であるか否かを判定する。クレジットカウンタが1以上であって、今回の第1クレジット投入スイッチ56の操作によって更なるベットが可能である場合、ステップSc2611にて、BETタイマに67を入力する処理を実行する。上記の通り、BETタイマは仮想メダルを自動投入する間隔を規定するためのカウンタであり、ステップSc2611にて入力した値は、約0.1sec後に0となる。つまり、第1クレジット投入スイッチ56の操作によって仮想メダルを投入する場合、再遊技設定用処理にて仮想メダルを自動投入する場合の間隔(約0.2sec)よりも短い間隔にて仮想メダルの投入が行われる。
ステップSc2612では、BETタイマが0となり、ステップSc2611の処理を実行してから約0.1secが経過したか否かを判定し、経過していない場合には、経過するまで待機する。約0.1secが経過し、ステップSc2612にて肯定判定した場合、ステップSc2613にて、連ベットコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、ステップSc2606に戻る。連ベットコマンドは、第1クレジット投入スイッチ56の操作によって複数のベットが行われることと、そのベットのタイミングを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。この場合、BETカウンタが特定枚数に達するか(ステップSc2609:YES)、クレジットカウンタが0となる(ステップSc2610:NO)まで、ステップSc2606~ステップSc2613の処理が繰り返される。
ステップSc2609にてBETカウンタが特定枚数に達した場合、ステップSc2614に進む。ステップSc2614では、ベット終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。上記の通り、ベット終了コマンドは一連のベットが終了したことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。そして、ステップSc2615にて開始可能フラグをセットする処理を実行し、ステップSc2616にて開始可能状態表示部76bを点灯状態とする処理を実行してから、本第1操作対応処理を終了する。
ステップSc2610にてクレジットカウンタが0となったと判定した場合、ステップSc2617に進み、上記のベット終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本第1操作対応処理を終了する。
ステップSc2601にて特定再遊技フラグがセットされていると判定した場合、ステップSc2618にて特定第1操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本第1操作対応処理を終了する。すなわち、特定再遊技結果入賞の成立に基づいて設定された再遊技状態においては、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合にベットは行われないものの、特定第1操作コマンドの出力設定が行われる。特定第1操作コマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
<第2操作対応処理>
第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合の処理である第2操作対応処理では、図230のフローチャートに示すように、ステップSc2701にて特定再遊技フラグがセットされているか否かを判定し、ステップSc2702にて通常再遊技フラグがセットされているか否かを判定する。特定再遊技フラグはセットされておらず、通常再遊技フラグがセットされており、前回のゲームにて通常再遊技結果入賞が成立している場合、第2クレジット投入スイッチ57の操作によってベットは行われないため、そのまま本第2操作対応処理を終了する。特定再遊技フラグ及び通常再遊技フラグのいずれもがセットされていない場合、ステップSc2703に進む。
ステップSc2703では、クレジットカウンタが1以上であって、仮想メダルが1枚以上記憶されているか否かを判定する。クレジットカウンタが1未満であり、仮想メダルが記憶されていない場合には、第2クレジット投入スイッチ57を操作してもベットが行われないため、そのまま本第2操作対応処理を終了する。
クレジットカウンタが1以上である場合、ステップSc2704にてBETカウンタが規定枚数であるか否かを判定する。規定枚数ではない場合には、ステップSc2705に進み、通常第2操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。通常第2操作コマンドは、再遊技状態ではない状況で第2クレジット投入スイッチ57が操作されたことを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。
続くステップSc2706では、BETカウンタを1加算する処理を実行し、ステップSc2707では、クレジットカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSc2708にて対応するBET表示部75a~75cを点灯状態とする処理を実行する。
続くステップSc2709では、ステップSc2706の処理によってBETカウンタが規定枚数に達したか否かを判定し、規定枚数に達した場合には、ステップSc2710にて開始可能フラグをセットする処理を実行し、ステップSc2711にて開始可能状態表示部76bを点灯状態とする処理を実行してから、本第2操作対応処理を終了する。一方、ステップSc2709にてBETカウンタが規定枚数に達していないと判定した場合には、そのまま本第2操作対応処理を終了する。
ステップSc2704にてBETカウンタが特定枚数であると判定した場合、すなわち、BETカウンタが規定枚数であるのにもかかわらず、第2クレジット投入スイッチ57の操作が行われた場合、ステップSc2712に進む。ステップSc2712では、BETカウンタが3であるか否かを判定する。すなわち、規定枚数が2枚と3枚に設定されている遊技状態において、BETカウンタが3であってステップSc2704にて肯定判定した場合に、ステップSc2712でも肯定判定し、BETカウンタが2であってステップSc2704にて肯定判定した場合は、ステップSc2712では否定判定する。ステップSc2712にて否定判定し、BETカウンタが2である場合、ステップSc2705に進み、更なるベットを行い、BETカウンタを3とすることに対応する各処理を実行する。なお、この場合、ステップSc2709では否定判定し、開始可能フラグはセットされないが、それ以前(BETカウンタが2となった際)に開始可能フラグはセットされている。
ステップSc2712にてBETカウンタに3が入力されている状況で更なる第2クレジット投入スイッチ57の操作が行われた場合、クレジットカウンタの値によってBETカウンタを1とする(3枚ベットの状態から1枚ベットの状態に切り替える)か否かを異ならせる。つまり、ステップSc2713にてクレジットカウンタが49未満であり、3枚ベットの状態から1枚ベットの状態に切り替える際にクレジットカウンタが2枚の仮想メダルの増加を許容できる状態か否かを判定する。ステップSc2713にてクレジットカウンタが49未満である場合、ステップSc2714に進み、上記の通常第2操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。その後、ステップSc2715にてBETカウンタに1を入力し、ステップSc2716にてクレジットカウンタを2増加させる処理を実行する。
続くステップSc2717では、第2BET表示部75bと第3BET表示部75cとを消灯状態とする(BET表示部75を1ベットを示す状態とする)処理を実行する。そして、ステップSc2719にて開始可能状態表示部76bを消灯状態とする処理を実行する。
続くステップSc2720では、クレジットカウンタが50となったか否かを判定し、50となった場合には、ステップSc2721にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態とする処理を実行し、ステップSc2722にて受入可能状態表示部76cを消灯状態とする処理を実行してから、本第2操作対応処理を終了する。ステップSc2720にてクレジットカウンタが50ではない場合には、そのまま本第2操作対応処理を終了する。
ステップSc2701にて特定再遊技フラグがセットされていると判定した場合、ステップSc2723にて特定第2操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本第2操作対応処理を終了する。すなわち、特定再遊技結果入賞の成立に基づいて設定された再遊技状態においては、第1クレジット投入スイッチ56だけではなく、第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合もベットは行われないものの、特定第2操作コマンドの出力設定が行われる。特定第2操作コマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
<遊技状態表示部用処理>
次に、通常処理(図187)におけるステップSc209の遊技状態表示部用処理について、図231のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、遊技状態表示部用処理は、BET用処理等が行われた後、スタートレバー41の操作が行われた後に実施される処理であり、かかる処理の前において、遊技状態表示部76のうち、開始可能状態表示部76bや受入可能状態表示部76cが点灯状態とされている。また、前回のゲームでいずれかの再遊技結果入賞が成立している場合には、再遊技状態に設定され、再遊技状態表示部76aも点灯状態とされている。
遊技状態表示部用処理では、先ずステップSc2801にて開始可能状態表示部76bを消灯状態とする処理を実行する。そして、ステップSc2802にて、受入可能状態表示部76cを消灯状態とする処理を実行し、本遊技状態表示部用処理を終了する。
すなわち、受入可能状態表示部76cが点灯状態とされた後(ステップSc2308)、規定枚数のベットが行われて開始可能状態表示部76bが点灯状態とされ(ステップSc2413、ステップSc2508、ステップSc2616、ステップSc2711)、その後、スタートレバー41の操作が行われた場合には、受入可能状態表示部76cと開始可能状態表示部76bは消灯状態とされる。但し、既に説明した通り、本スロットマシン10には、ウェイト期間が設定されており、スタートレバー41が操作されても直ちに各リール32L,32M,32Rの回転が開始されない場合がある。この場合、受入可能状態表示部76cと開始可能状態表示部76bが消灯状態とされるタイミングは、各リール32L,32M,32Rの回転開始時ではなく、スタートレバー41の操作時であることから、既に開始操作が受け付けられて各リール32L,32M,32Rの回転開始待ちの状態(ウェイト期間)であって、再度の賭数操作や開始操作が不要であることを遊技者は明確に把握することが可能となる。
<ベット時演出設定処理>
次に、表示制御装置81側の演出設定処理(図220)におけるステップSc2004のベット時演出設定処理について、図232のフローチャートを参照しながら説明する。ベット時演出設定処理は、再遊技状態に設定されたり、賭数操作が行われたりした場合に、各ベット表示部34a~34cを消灯状態から点灯状態に切り替えたり、ベット時の効果音を出力したりすることによって、最終的に、現状のベット数がベット表示部34にて報知された状態となるようにするための処理である。なお、以下の説明では、最終的に、現状のベット数がベット表示部34にて報知された状態の演出をベット対応演出と称し、当該ベット対応演出に至るまでに、各ベット表示部34a~34cの状態切替を行ったり、効果音を出力したりする演出をベット過程演出(特定報知)とも称する。
ステップSc2901では、前ゲームの遊技結果がいずれかの再遊技結果入賞であったか否かを判定する。いずれかの再遊技結果入賞であった場合、ステップSc2902にて、再遊技状態用ベット演出設定処理を実行する。なお、前ゲームの遊技結果の情報は、全停止時演出設定処理(図191)におけるステップSc2211にて記憶されており、当該記憶された遊技結果の情報に基づいて再遊技結果入賞の有無を判定可能である。ちなみに、前回のゲームの遊技結果が再遊技結果入賞ではない場合や、RAMクリア等のリセット後の1ゲーム目のように前ゲームの遊技結果の情報が記憶されていない場合(消去されている場合)には、ステップSc2903に進む。
ステップSc2903では、各種カウンタエリア183bに設けられたクレジットの値が1以上であるか否かを判定する。クレジットは、主制御装置101側のクレジットカウンタに相当するものである。クレジットが1以上である場合は、第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行する。第1クレジットランプ56bが点灯状態とされることにより、遊技者は第1クレジット投入スイッチ56の操作が受け付けられる状態であることを明確に把握することが可能となる。なお、第1クレジットランプ56bを点滅状態とする構成としてもよい。
ステップSc2903にて否定判定した場合、又はステップSc2904の処理を実行した後は、ステップSc2905にて、今回のベット時コマンドとして、投入BETコマンド又は通常第2操作コマンドを受信しているか否かを判定する。投入BETコマンドや通常第2操作コマンドを受信している場合とは、通常再遊技結果に基づく再遊技状態や再遊技状態ではない状態にて、1枚のメダル投入や1枚の仮想メダルの投入が行われる賭数操作が行われたことを意味し、この場合、ステップSc2906にて単ベット演出設定処理を実行する。
投入BETコマンドや通常第2操作コマンドを受信していない場合、ステップSc2907にて通常第1操作コマンドを受信しているか否かを判定する。通常第1操作コマンドを受信している場合とは、通常再遊技結果に基づく再遊技状態や再遊技状態ではない状態にて、第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われたことを意味し、この場合、ステップSc2908にて連ベット演出設定処理を実行する。
通常第2操作コマンドを受信していない場合や、ステップSc2902、ステップSc2906及びステップSc2908のいずれかの処理を実行した後は、ステップSc2909にて、投入増加コマンドを受信しているか否かを判定する。投入増加コマンドを受信している場合とは、メダル投入に伴いクレジットカウンタが増加したことを意味し、この場合、ステップSc2910にてクレジット増加用の効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
ステップSc2909にて否定判定した後、又はステップSc2910の処理を実行した後は、ステップSc2911にてその他のベット時演出設定処理を実行してから、本ベット時演出設定処理を終了する。ステップSc2911では、例えば、ステップSc2202にて設定されたAT当選報知演出が今回の賭数操作に基づいて、補助表示部65やスピーカ64にて実行されるようにしたり、連続演出等において賭数操作に基づいて演出が発展する場合に、かかる発展用の演出を実行するための処理等を行う。
以下、単ベット演出設定処理及び連ベット演出設定処理について説明し、その後、再遊技状態用ベット演出設定処理について説明する。
<単ベット演出設定処理>
単ベット演出設定処理は、再遊技状態以外の状態において、メダル投入口45からメダルが投入されたり、第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合に実施される処理である。単ベット演出設定処理では、主制御装置101側の第2操作対応処理にてベットが行われることに対応させて、ベット表示部34側でもベットが行われたことの演出を行う処理を実行する。なお、当該主制御装置101側の第2操作対応処理のベットに合わせたベット演出を単ベット演出とも称する。
単ベット演出設定処理では、図233のフローチャートに示すように、先ず、ステップSc3001にて各種フラグ格納エリア183aに消灯済みフラグがセットされているか否かを判定する。消灯済みフラグは、今回のゲームにおいて既に何らかのベット(再遊技状態への設定に際しての自動投入も含む)が行われたことをCPU181が把握するためのフラグである。消灯済みフラグがセットされていない場合には、ステップSc3002にて消灯済みフラグをセットする処理を実行する。
続くステップSc3003では、全てのベット表示部34a~34cを消灯状態とする処理を実行する。そして、ステップSc3004にて第1ベット表示部34aを点灯状態とする処理を実行する。この場合、第1ベット表示部34aは一旦消灯状態となるものの、その直後に点灯状態とされるところ、かかる消灯状態は、遊技者が消灯状態となったことを把握することができない又は把握することが困難な程度に継続するように設定されている。なお、ステップSc3003の全てのベット表示部34a~34cの消灯処理に際して、第1ベット表示部34aは消灯状態としない構成としてもよい。
その後、ステップSc3005にてベット効果音がスピーカ64から出力されるように制御してから、本単ベット演出設定処理を終了する。なお、ベット効果音と、上記のクレジット増加用の効果音とは遊技者が識別可能な程度に異なる効果音であるとよく、このようにすることでベットが行われたのかクレジットが増加したのかを把握させるうえで好ましい。
ステップSc3001にて消灯済みフラグがセットされている場合、ステップSc3006に進む。ステップSc3006では、今回の賭数操作が行われる前から第3ベット表示部34cが点灯状態であったか否かを判定する。第3ベット表示部34cが点灯状態であった場合、ステップSc3007にて第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行する。なお、第1クレジットランプ56bを点滅状態とする構成としてもよい。その後、ステップSc3003に進み、一旦、全てのベット表示部34a~34cを消灯状態としてから、第1ベット表示部34aを点灯状態とする(ステップSc3004)。これにより、3枚のメダルがベットされている状態から、1枚のメダルがベットされている状態に切り替わったこと、及び、第1クレジット投入スイッチ56を操作して更なるベットが必要であることを遊技者は把握可能となる。なお、ステップSc3007にて第1クレジットランプ56bが既に点灯状態である場合にはその状態を維持する。
ステップSc3006にて第3ベット表示部34cが点灯状態ではないと判定した場合、ステップSc3008にて今回のベットに対応するベット表示部34a~34cを点灯状態とする処理を実行する。そのうえで、ステップSc3009にて第3ベット表示部34cが点灯状態となったか否かを判定し、点灯状態となった場合には、ステップSc3010にて今回のゲームの規定枚数が3枚に設定されているか否かを判定する。特定枚数が3枚であって、ベットが3となった場合には、更なるベットは不要であることから、ステップSc3011にて第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行してから、ステップSc3005にてベット効果音の出力処理を実行し、その後、本単ベット演出設定処理を終了する。
一方、ステップSc3008の処理によって第3ベット表示部34cは点灯状態とならなかった場合(ステップSc3009:NO)や、点灯状態となったものの、特定枚数が3枚ではなく2枚である場合には、第1クレジットランプ56bを点灯状態のまま維持し、ステップSc3005にてベット効果音の出力処理を実行してから、本単ベット演出設定処理を終了する。
<連ベット演出設定処理>
次に、ステップSc2908の連ベット演出設定処理について、図234のフローチャートを参照しながら説明する。連ベット演出設定処理は、再遊技状態以外の状態において、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に実施される処理である。連ベット演出設定処理では、主制御装置101側の第1操作対応処理にてベットが行われることに対応させて、ベット表示部34側でもベットが行われたことの演出を行う処理を実行する。なお、当該主制御装置101側の第1操作対応処理のベットに合わせたベット演出を連ベット演出とも称する。
ステップSc3101では、消灯済みフラグがセットされているか否かを判定する。消灯済みフラグがセットされていない場合、ステップSc3102にて消灯済みフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSc3103にて、全てのベット表示部34a~34cを消灯状態とする処理を実行する。
続くステップSc3104では、第1ベット表示部34aを点灯状態とする処理を実行し、ステップSc3105にてベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
続くステップSc3106では、主制御装置101からベット終了コマンドを受信したか否かを判定する。ベット終了コマンドを受信していない場合には、ステップSc3107に進み、連ベットコマンドを受信するまで待機する。既に説明した通り、連ベットコマンドは第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づき複数枚のベットを行う場合に、一のベットを行った後、次のベットを行う際に出力されるコマンドであり、一のベットを行った後、約0.1sec後に出力される。連ベットコマンドを受信することでステップSc3107にて肯定判定し、ステップSc3108に進む。
ステップSc3108では、第2ベット表示部34bを点灯状態とする処理を実行し、続くステップSc3109にてベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
そして、ステップSc3110にて再度ベット終了コマンドを受信しているか否かの確認を行い、受信していない場合には、ステップSc3111にて連ベットコマンドを受信するまで待機する。連ベットコマンドを受信することでステップSc3111にて肯定判定し、ステップSc3112に進む。ステップSc3112では、第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を実行し、ステップSc3113では、ベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
ステップSc3106又はステップSc3110にてベット終了コマンドを受信した場合、又はステップSc3113の処理を実行した後は、ステップSc3114にて第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行してから、本連ベット演出設定処理を終了する。
ステップSc3101にて消灯済みフラグがセットされていると判定し、既に何らかのベットが行われた後で第1クレジット投入スイッチ56による賭数操作が行われた場合、ステップSc3115に進み、各ベット表示部34a~34cのうち、第1ベット表示部34aだけが点灯状態であるか否かを判定する。第1ベット表示部34aが点灯状態であって、第2ベット表示部34b及び第3ベット表示部34cが消灯状態であり、1枚のメダルがベットされた状態で第1クレジット投入スイッチ56による賭数操作が行われた場合、ステップSc3108に進み、第2ベット表示部34bと第3ベット表示部34cとを点灯状態とする処理を行う。
一方、ステップSc3115にて第1ベット表示部34a以外にも点灯状態であると判定した場合、ステップSc3116に進み、第1ベット表示部34aと第2ベット表示部34bが点灯状態であって第3ベット表示部34cが消灯状態であるか否かを判定する。ステップSc3116にて肯定判定し、2枚のメダルがベットされた状態で第1クレジット投入スイッチ56による賭数操作が行われた場合、ステップSc3112に進み、第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を行う。ステップSc3116にて否定判定し、3枚のメダルがベットされた状態で第1クレジット投入スイッチ56による賭数操作が行われた場合とは、特定枚数が2枚であるものの3枚のメダルがベットされている状況が想定され、この場合、ステップSc3103に進み、第1ベット表示部34aと第2ベット表示部34bとを点灯状態とする処理を行う。
<再遊技状態用ベット演出設定処理>
次に、ステップSc2902の再遊技状態用ベット演出設定処理について、図235のフローチャートを参照しながら説明する。再遊技状態用ベット演出設定処理は、前回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技結果入賞であった場合に実行される処理であり、入賞した再遊技結果の種類によってその演出が異なる。
すなわち、ステップSc3201では、特定BETコマンドを受信しているか否かを判定する。特定BETコマンドを受信しておらず、前回のゲームの遊技結果が通常再遊技結果入賞であった場合、ステップSc3202にて通常再遊技ベット演出設定処理を実行してから、再遊技状態用ベット演出設定処理を終了する。一方、特定BETコマンドを受信しており、前回のゲームにて特定再遊技結果入賞が成立している場合、ステップSc3203にて、今回のベット時演出として、AT当選報知演出が設定されているか否かを判定する。既に説明した通り、ベット時演出としてのAT当選報知演出は、前回のゲームの停止時演出設定処理におけるステップSc2202にて設定される演出である。AT当選報知演出が設定されていない場合には、ステップSc3204にて、特定再遊技ベット演出設定処理を実行してから、再遊技状態用ベット演出設定処理を終了する。一方、今回のベット時演出としてAT当選報知演出が設定されている場合、ステップSc3205にて、ベット対応演出の設定処理を実行してから、本再遊技状態用ベット演出設定処理を終了する。
<通常再遊技ベット演出設定処理>
先ず、ステップSc3202の通常再遊技ベット演出設定処理について、図236のフローチャートを参照しながら説明する。通常再遊技ベット演出設定処理では、主制御装置101側の再遊技設定用処理にて全回のゲームのベット数と同数のベットが行われることに対応させて、ベット表示部34側でもベットが行われたことの演出を行うための処理を実行する。なお、当該主制御装置101側の再遊技設定処理のベットに合わせたベット演出を、以下の説明では、再遊技ベット演出とも称する。
ステップSc3301では、全てのベット表示部34a~34cを消灯状態とする処理を実行する。続くステップSc3302では、消灯済みフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSc3303にて、第1ベット表示部34aを点灯状態とする処理を実行し、ステップSc3304にてベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
続くステップSc3305では、ベット終了コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、本実施形態では1ベットゲームは設定されておらず、前回のゲームのベット数は2又は3となることから、ステップSc3305では必ず否定判定する。
ステップSc3306では、再遊技ベットコマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、再遊技ベットコマンドは再遊技設定用処理(図227)において、一のベットを行った後、次のベットを行う際に出力されるコマンドであり、一のベットを行った後、約0.2sec後に出力される。再遊技ベットコマンドを受信することでステップSc3306にて肯定判定し、ステップSc3307に進む。ステップSc3307では、第2ベット表示部34bを点灯状態とする処理を実行し、ステップSc3308では、ベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
続くステップSc3309では、ベット終了コマンドを受信しているか否かを判定し、受信していない場合、ステップSc3310にて再遊技ベットコマンドを受信するまで待機する。再遊技ベットコマンドを受信した場合には、ステップSc3311にて第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を実行し、ステップSc3312にてベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御してから、本通常再遊技ベット演出設定処理を終了する。ステップSc3305やステップSc3309にてベット終了コマンドを受信したと判定した場合は、そのまま本通常再遊技ベット演出設定処理を終了する。
<特定再遊技ベット演出設定処理>
次に、ステップSc3203の特定再遊技ベット演出設定処理について、図237のフローチャートを参照しながら説明する。特定再遊技ベット演出設定処理では、実際はベットが行われない状況(再遊技状態)において、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に、あたかもベットが行われたかのような演出を行う処理を実行する。なお、当該ベットが行われたかのような演出を、以下の説明では、疑似ベット演出とも称する。
先ずステップSc3401にて、ベット終了コマンドを受信しているか否かを判定する。上記の通り、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技設定用処理(図227)においては、複数の仮想メダルを自動投入する場合であっても、一度に仮想メダルを自動投入するようにしており、基本的には、特定再遊技結果入賞が成立した直後にベット終了コマンドが出力される。ステップSc3401ではベット終了コマンドを受信するまで待機する。ベット終了コマンドを受信することで、ステップSc3401にて肯定判定してステップSc3402に進む。
ステップSc3402では、消灯済みフラグがセットされているか否かを判定する。消灯済みフラグがセットされており、既に疑似ベット演出が行われた後である場合には、そのまま本特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。この場合、ステップSc3403以降の疑似ベット演出は行われない。ステップSc3402にて消灯済みフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSc3403にて、第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行する。すなわち、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態においては、第1クレジットランプ56bが点灯状態とされて第1クレジット投入スイッチ56の操作が促される。なお、第1クレジットランプ56bを点滅状態とする構成としてもよい。
続くステップSc3404では、特定投入コマンド、特定第1操作コマンド、及び特定第2操作コマンドのいずれかのコマンドを受信したか否かを判定する。いずれかのコマンドを受信し、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、メダル投入口45からのメダル投入や、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作といった、賭数操作が行われた場合、ステップSc3405に進み、第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行する。
続くステップSc3406では、全てのベット表示部34a~34cを消灯状態とする処理を実行し、ステップSc3406では消灯済みフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSc3408にて第1ベット表示部34aを点灯状態とする処理を実行し、ステップSc3409にてベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
続くステップSc3410では、前回のゲームのベット数、すなわち、再遊技結果入賞となった際のベット数が1であったか否かを把握する。なお、前回のゲームのベット数は、全停止時演出設定処理(図222)におけるステップSc2211にて記憶されている。なお、上記のようにステップSc3401にて受信したベット終了コマンドに基づいて、再遊技設定用処理にて設定されたベット数を把握するようにしてもよい。ちなみに、本実施形態では1ベットゲームは実行されないため、ステップSc3410では必ず否定判定する。
前回のゲームのベット数が1ではない場合、ステップSc3411に進み、各種カウンタエリア183bに設けられたベットタイマに67を入力する処理を実行する。ベットタイマは、疑似ベット演出を行う場合の、一のベットと次のベットとの間隔を規定するためのものである。ベットタイマは所定周期(1.49msec周期)で1ずつ減算され、ステップSc3411にて入力されたベットタイマは約0.1sec後に0となる。すなわち、疑似ベット演出における一のベットと次のベットとの間隔は、再遊技ベット演出における一のベットと次のベットとの間隔よりも長く、連ベット演出における一のベットと次のベットとの間隔と同じ長さとなるように設定されている。
ステップSc3412では、上記ステップSc3411にて入力されたベットタイマが0となったか否か、すなわち、第1ベット表示部34aを点灯状態とさせてから約0.1secが経過したか否かを判定し、経過した場合にステップSc3413に進む。ステップSc3413では、第2ベット表示部34bを点灯状態とする処理を実行し、ステップSc3414にてベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。そして、ステップSc3415にて前回のゲームのベット数が2であったか否かを判定する。
前回のゲームのベット数が2ではなく3であった場合、ステップSc3416にてベットタイマに67(約0.1sec)を入力する処理を実行し、ステップSc3417にて当該ベットタイマが0となるまで待機する。第2ベット表示部34bを点灯状態としてから約0.1secが経過した場合、ステップSc3418に進み、第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を実行し、ステップSc3419にてベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御してから、本特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。なお、ステップSc3410やステップSc3415にて肯定判定した場合、以降の処理を行うことなく、そのまま本特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。
つまり、特定再遊技結果入賞に基づく疑似ベット演出は、ベット対応演出に至るまでのベット過程演出の演出態様が、連ベット演出においてベット対応演出に至るまでのベット過程演出の演出態様と基本的には同じ演出態様となるように設定されている。具体的には、いずれにおいても第1クレジット投入スイッチ56を操作した場合のベット過程演出は、約0.1sec間隔で各ベット表示部34a~34cが順次点灯状態とされ、その点灯状態とされる場合のベット時効果音も共通している。このようにすることで、特定再遊技結果が他の小役結果や外れ結果と同じような扱いである印象を強く与えることができ、特定役を再遊技結果にて構成することによる違和感を与えにくくすることが可能となる。
付け加えると、通常再遊技結果入賞に基づく再遊技ベット演出は、ベット対応演出に至るまでのベット過程演出の演出態様が、特定再遊技結果入賞に基づく疑似ベット演出におけるベット過程演出や連ベット演出におけるベット過程演出の演出態様とも異なる演出態様となるように設定されている。具体的には、第1クレジット投入スイッチ56を操作した場合のベット過程演出は、通常再遊技ベット演出では、約0.2sec間隔で各ベット表示部34a~34cが順次点灯状態とされるのに対して、疑似ベット演出や連ベット演出では、上記の通り約0.1sec間隔である。この点からも、特定再遊技結果が、通常再遊技結果ではなく他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与え易くなっている。
さらに、既に説明した通り、ATモードが開始される場合には、特定再遊技結果のうち、第2再遊技結果入賞や第3再遊技結果入賞が成立する構成としている。この場合、当該第2再遊技結果入賞や第3再遊技結果入賞を成立させ、いざATモードを開始させようとする場合、賭数操作を経ずに開始操作を行わせるよりも、賭数操作を経て開始操作を行うように促したほうが当該開始させるATモードを新たな気持ちで遊技させることが可能である。つまり、賭数操作を経ずに開始操作を行わせる場合、前回のゲームの結果が引き継がれている印象を強く与えるため、新たな気持ちで遊技させようとする意図とはミスマッチになり易く、その点からも、ATモード開始時に賭数操作を促すことはATモードの興趣向上を図る手助けとすることが可能である。また、例えば、開始するATモードにおける有利度(ゲーム数や上乗せ性能等)をATモードの開始に際して報知する場合、開始操作に伴って報知するよりも、賭数操作に伴って報知したほうが、その有利度を知ったうえで開始操作(抽選処理の契機操作)を行わせることが可能である。そうすると、ATモードの開始に際して特定再遊技結果入賞を成立させたうえで賭数操作を促すような構成としておけば、上記のようにATモードの開始に際して賭数操作に基づき当該ATモードの有利度等を報知する構成を追加し易くすることが可能となり、この点も興趣向上を図る手助けとなる。この場合、例えば、ATモードの種別(第1ATモードや第2ATモード)を開始ゲーム(特定再遊技結果入賞後のゲーム)の賭数操作に基づいて報知する構成としたり、ATモードの初期ゲーム数を抽選により決定する構成としたうえで当該初期ゲーム数を開始ゲームの賭数操作にて報知する構成としてもよい。
ステップSc3404にて、特定投入コマンド、特定第1操作コマンド及び特定第2操作コマンドのいずれもを受信していないと判定した場合、ステップSc3420に進む。ステップSc3420では、開始操作コマンドを受信しており、スタートレバー41の操作が行われたか否かを判定し、操作が行われていない場合には、ステップSc3404に戻る。
すなわち、再遊技結果入賞が成立した後は、第1クレジット投入スイッチ56等の賭数操作を介さずに主制御装置101側の再遊技設定用処理にてベットの設定が行われるため、第1クレジット投入スイッチ56等の賭数操作を行うことなくスタートレバー41を操作してゲームを開始することは可能である。そして、特定再遊技ベット演出設定処理では、賭数操作に基づいて疑似的なベット演出を行うようにしているところ、このような賭数操作を介さない開始操作が行われた場合には疑似的なベット演出を行うことなく、今回開始するゲームのベット数が報知されたベット対応演出が行われるようにしている。
具体的には、ステップSc3420にて開始操作コマンドを受信していると判定した場合、ステップSc3421にて第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行する。そして、ステップSc3422にてウェイト期間中であるか否かを判定し、ウェイト期間ではなく、今回の開始操作コマンドを受信した際に直ちに各リール32L,32M,32Rの回転が開始される場合、ステップSc3423にて全てのベット表示部34a~34cを消灯状態に切り替える処理を実行する。そして、ステップSc3424にて消灯済みフラグをセットする処理を実行し、ステップSc3425にて第1ベット表示部34aを点灯状態とする処理を実行する。続くステップSc3426では、前回のゲームのベット数が1であったか否かを判定し、1ではない場合には、ステップSc3427にて第2ベット表示部34bを点灯状態とする処理を実行する。そして、ステップSc3428にて、前回のゲームのベット数が2であったか否かを判定し、2ではない場合には、ステップSc3429にて第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を実行してから、本特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。ステップSc3426又はステップSc2428にて肯定判定した場合には、そのまま本特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。
ここで、本実施形態では、上記のように特定再遊技結果入賞に基づいて、再遊技状態に設定された場合、第1クレジットランプ56bを点灯状態として、賭数操作に基づいて疑似ベット演出を行うようにし、他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与える構成としている。但し、特定再遊技結果入賞に基づいて再遊技状態に設定されたことは、停止出目や再遊技状態表示部76a等から把握することも可能であり、当該再遊技状態に設定されていることを把握しているのにもかかわらず、わざわざ賭数操作を行いたくない、といった要望もあるものと考えられる。この場合、賭数操作を強要することは当該要望を持つ遊技者の遊技意欲の大幅な低下を招くと考えられ、その点、上記構成のように賭数操作を介さずに開始操作を可能とすることで、遊技者の多様なニーズに応えることが可能である。
しかも上記のような、賭数操作を介さずに開始操作を行っているのにもかかわらず、疑似ベット演出が行われる構成とすると、遊技者に対して違和感を与えかねず、特に、わざわざ賭数操作を行わないことを選択しているのにもかかわらず不要な疑似ベット演出を行ってしまうことも、遊技者の遊技意欲の低減につながる可能性が高い。その一方で、遊技の透明性を担保すべく、今回のゲームのベット数は報知すべきであると考えられる。
そこで、上記のように、特定再遊技結果入賞に基づいて設定された再遊技状態において、賭数操作を介さずに開始操作が行われた場合には、疑似ベット演出においてベット過程演出を行うことなくベット対応演出が行われるようにしたことから、遊技者に違和感を与えないようにしながら、今回のゲームのベット数を明確に報知することが可能となる。
ここで、本スロットマシン10では、上記のように、開始操作が行われた場合であっても、ウェイト期間が経過していなければ各リール32L,32M,32Rの回転が開始されず、当該ウェイト期間が経過するまで各リール32L,32M,32Rの回転開始が待機される。また、上記のように開始時演出設定処理においても、本実施形態では、開始操作に基づく開始時演出は、ウェイト期間の経過までその実施が待機される。そうすると、ウェイト期間中に開始操作が行われた場合、ウェイト期間が経過するまでの期間は単なる待ち時間となってしまい、かかる待ち時間によって遊技への注目が低下してしまう可能性もある。
そこで、特定再遊技ベット演出設定処理では、ステップSc3422にてウェイト期間中であると判定した場合、ステップSc3430にて各種フラグ格納エリア183aに疑似ベット許可フラグをセットしてから、ステップSc3406に進み、疑似ベット演出におけるベット過程演出を行うための処理を実行する。つまり、ウェイト期間中であれば、賭数操作を介さない開始操作が行われた場合であっても疑似ベット演出におけるベット過程演出を行うようにすることで、上記の待ち時間を演出でうまく埋め合わせることが可能となる。
更に、当該ウェイト期間中に疑似ベット演出におけるベット過程演出を行ううえで、第1ベット表示部34aを点灯状態とした後、ステップSc3412にてベットタイマが0となって肯定判定するまでの間は(ステップSc3412:NO)、ステップSc3431にて上記の疑似ベット許可フラグがセットされているか、新たに開始操作コマンドを受信したかを判定し、そのいずれかであればステップSc3432に進む。ステップSc3432では、ウェイト期間が経過したか否かを判定し、経過していない場合にはステップSc3412に戻る。なお、ステップSc3431にて疑似ベット許可フラグがセットされておらず、且つ新たな開始操作コマンドを受信していない場合にもステップSc3412に戻る。
一方、疑似ベット許可フラグがセットされているか、新たに開始操作コマンドを受信した場合において、ウェイト期間が経過した場合には、ステップSc3427に進み、第2ベット表示部34bや第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を実行する。
また、第2ベット表示部34bを点灯状態とした後、ステップSc3417にてベットタイマが0となって肯定判定するまでの間も(ステップSc3417:NO)、ステップSc3433にて疑似ベット許可フラグがセットされているか、新たに開始操作コマンドを受信したかを判定し、そのいずれかであればステップSc3434に進み、ウェイト期間が経過したか否かを判定する。ステップSc3433にて否定判定した場合や、ステップSc3434にてウェイト期間が経過していない場合にはステップSc3412に戻る。そして、ステップSc3434にて、疑似ベット許可フラグがセットされているか、新たに開始操作コマンドを受信した場合において、ウェイト期間が経過した場合には、ステップSc3429に進み、第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を実行する。
すなわち、賭数操作を介さずに開始操作が行われたり、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合には、ウェイト期間の経過に伴い当該ベット過程演出を中断して、そのままベット対応演出が行われるようにした。このようにすることで、疑似ベット演出による演出効果を期待しながらも、賭数操作を伴わない開始操作が行われたり、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合にまでベット過程演出を行うことによる違和感を解消することが可能となる。
<ベット対応演出の設定処理>
ステップSc3205のベット対応演出の設定処理では、上記ステップSc3423~ステップSc3429の処理と同様の処理を実行する。すなわち、全てのベット表示部34a~34cを消灯状態としてから、再遊技状態にて設定されているベット数に対応するベット表示部34a~34cを点灯状態とする処理を行う。この場合、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態であっても、賭数操作に基づいてベット過程演出を経てベット対応演出を行うのではなく、賭数操作を介さずに再遊技状態の設定に際してベット対応演出を実行するようにしている。このようにすることで、賭数操作に基づいて実行されるAT当選報知演出と、ベット過程演出やベット対応演出とが重複してしまう事象を好適に回避することができる。
<BET表示部及びベット表示部の様子>
次に、主制御装置101側のBET表示部75や、表示制御装置81側のベット表示部34と、第1クレジット投入スイッチ56の操作と点灯の有無等の関係を、図238及び図239のタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、図238や図239においては、いずれのゲームも3ベットゲームにて進行しており、基本的にはクレジットカウンタが3以上であることを前提として説明する。
図238に示すように、いずれかの小役結果であるゲームにおいて、t1にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止すると、当該小役結果に対応するメダルの払い出しが発生する。メダルの払い出しがt2にて終了すると、第1クレジットランプ56bが消灯状態から点灯状態に切り替わり、第1クレジット投入スイッチ56の操作を受付可能な状態であることが報知される。なお、当該タイミングにて受入可能状態表示部76cも消灯状態から点灯状態に切り替わる(図示無し)。t3にて第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われると、BET表示部75やベット表示部34が点灯状態から消灯状態に一旦切り替わる。そして、t4、t5、t6にて、順次、第1BET表示部75a及び第1ベット表示部34a、第2BET表示部75b及び第2ベット表示部34b、第3BET表示部75c及び第3ベット表示部34cがそれぞれ消灯状態から点灯状態に切り替わり、各点灯状態に切り替わるタイミングにてベット時効果音が出力される。なお、これらt3~t6の一連の演出が通常ベット演出におけるベット過程演出に相当し、t6にて各BET表示部75a~75c及び各ベット表示部34a~34cが点灯状態とされている状態がベット対応演出に相当する。なお、通常ベット演出におけるベット過程演出の各ベットの間隔は、上記の通り約0.1secである。
t6にてベットが完了すると、開始可能状態表示部76bが消灯状態から点灯状態に切り替わり、開始操作を受付可能な状態となる。そして、t7にてウェイト期間が経過した後において、t8にてスタートレバー41が操作されて開始操作が行わると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。なお、t8の開始操作に基づいて抽選処理が実行されており、この抽選結果は外れ結果とする。
t9にて各リール32L,32M,32Rが停止すると、上記のように外れ結果でありメダルの払い出しは発生しない。この場合、t9にて第1クレジットランプ56bが消灯状態から点灯状態に切り替わり、第1クレジット投入スイッチ56の操作を受付可能な状態であることが報知される。なお、小役結果当選時に当該小役結果入賞を成立させることができなかった場合も、各リール32L,32M,32Rの停止とともに第1クレジットランプ56bが点灯状態に切り替わる。ちなみに、各リール32L,32M,32Rの停止後に演出用のフリーズ期間が設けられている場合には、当該フリーズ期間の経過後にメダルの払い出しが実行されてから第1クレジットランプ56bが点灯状態に切り替わる。また、メダルの払い出しが行われない場合には、当該フリーズ期間が経過してから第1クレジットランプ56bが点灯状態に切り替わる。
t10にて第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われると、BET表示部75a~75cやベット表示部34a~34cの消灯処理を経てから、t11~t13にて各BET表示部75a~75c及び各ベット表示部34a~34cが順次点灯状態に切り替わるベット過程演出が実行される。
t13にてベットが完了すると、開始可能状態表示部76bが点灯状態に切り替わり、t14にてスタートレバー41が操作されると、当該開始操作に基づく抽選処理が実行されるものの、当該t14は未だウェイト期間中であることから、t14では各リール32L,32M,32Rの回転は開始されない。この場合、ウェイト期間が経過するt15にてt14の開始操作に対応する各リール32L,32M,32Rの回転処理が実行される。なお、t14の開始操作に基づく抽選処理の結果は通常再遊技結果とする。
t15にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、t16にてウェイト期間が経過した後、t17にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止したとする。この場合、上記のようにt14にて行われた抽選処理の結果は通常再遊技結果であり、t17にて通常再遊技結果入賞が成立すると、再遊技設定用処理によって再遊技状態表示部76aが消灯状態から点灯状態に切り替えられるとともに、更に仮想メダルの自動投入処理が行われる。すなわち、t17にて再遊技状態表示部76aが点灯状態とされ、更に、t17にてBET表示部75やベット表示部34が点灯状態から消灯状態に一旦切り替わり、その後、t18、t19、t20にて、順次、第1BET表示部75a及び第1ベット表示部34a、第2BET表示部75b及び第2ベット表示部34b、第3BET表示部75c及び第3ベット表示部34cがそれぞれ消灯状態から点灯状態に切り替わり、各点灯状態に切り替わるタイミングにてベット時効果音が出力される。なお、これらt17~t20の一連の演出が再遊技ベット演出におけるベット過程演出に相当し、t20にて各BET表示部75a~75c及び各ベット表示部34a~34cが点灯状態とされている状態がベット対応演出に相当する。なお、再遊技ベット演出におけるベット過程演出の各ベットの間隔は、上記の通り約0.2secであり、通常ベット演出におけるベット過程演出の各ベットの間隔よりも長い期間である。ちなみに、各リール32L,32M,32Rの停止後に演出用のフリーズ期間が設けられている場合には、当該フリーズ期間の経過後に、再遊技状態表示部76aが点灯状態とされ、仮想メダルの自動投入処理が行われる。
t20にて再遊技設定用処理によるベットが完了すると、開始可能状態表示部76bが点灯状態に切り替わる。なお、当該タイミングで受入可能状態表示部76cも消灯状態から点灯状態に切り替わる(図示なし)。そして、t21にて開始操作が行われると、抽選処理が実行されるとともに、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。なお、t21の開始操作に基づく抽選処理の結果は通常再遊技結果とする。
t22にて各リール32L,32M,32Rが停止すると、上記のように今回のゲームの抽選結果は通常再遊技結果であり、t17の場合と同様に、t22~t25にて再遊技状態表示部76aの点灯処理や、各BET表示部75a~75c及び各ベット表示部34a~34cが順次点灯状態に切り替わる再遊技ベット演出におけるベット過程演出が実行される。この場合、t22ではウェイト期間は経過していないものの、通常ベット演出はウェイト期間の経過の有無に関わらず実行され、ウェイト期間の経過前と経過後とで同じ態様にて通常ベット演出が行われる構成であることから、t17~t20のベット過程演出と、t22~t25のベット過程演出とは同じ態様にて実行されることになる。
そして、t25にてベットが完了すると、開始可能状態表示部76bが点灯状態に切り替わり、その後、t26にてウェイト期間が経過する。t27にて開始操作が行われると、抽選処理が実行されるとともに、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。なお、t27の開始操作に基づく抽選処理の結果も通常再遊技結果とする。
t28にて各リール32L,32M,32Rが停止し、t28~t31にて再遊技状態表示部76aの点灯処理や、各BET表示部75a~75c及び各ベット表示部34a~34cによるベット過程演出が実行される。また、t31にて開始可能状態表示部76bが点灯状態に切り替わる。t27の開始操作とは異なり、t32の開始操作は、ウェイト期間が経過する前の開始操作である。この場合、開始操作が行われたt32では各リール32L,32M,32Rの回転は開始されず、ウェイト期間が経過するt33にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。
次に、特定再遊技結果の場合のBET表示部75、ベット表示部34、第1クレジット投入スイッチ56等の操作と点灯の有無等の関係を説明する。
図239に示すように、特定再遊技結果当選となったゲームにおいて、ウェイト期間が経過するt41よりも後であるt42にて各リール32L,32M,32Rが停止したとする。この場合、t42にて再遊技状態表示部76aの点灯処理が実行されるとともに、各BET表示部75a~75cの消灯処理が実行され、その直後であるt43にて、前回のベット数と同数のベット数となるように各BET表示部75a~75cの点灯処理が行われる。つまり、特定再遊技結果では、主制御装置101側のBET表示部75a~75cによるベット過程演出に相当する演出は実行されず、ベット対応演出が行われることになる。但し、特定再遊技結果の場合、主制御装置101側のBET表示部75a~75cの点灯処理と、表示制御装置81側のベット表示部34a~34cによる疑似ベット演出とは連動せず、t43にてBET表示部75a~75cが今回のゲームのベット数に対応する表示とされても、ベット表示部34a~34cでは前回のベット数に対応するベット対応演出が継続されている。
また、t43では各BET表示部75a~75cが点灯状態とされるとともに、第1クレジットランプ56bも点灯状態とされ、第1クレジット投入スイッチ56の操作が促されるようになる。更に、t43にてベットが完了することから、開始可能状態表示部76bも点灯状態とされる。この場合、t44にて第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、t44~t47にてベット表示部34a~34cによる疑似ベット演出が行われる。すなわち、t44にてベット表示部34a~34cが点灯状態から消灯状態に切り替えられ、その後、t45、t46、t47にて、順次、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cがそれぞれ消灯状態から点灯状態に切り替わり、各点灯状態に切り替わるタイミングにてベット時効果音が出力される。なお、これらt44~t47の一連の演出が疑似ベット演出におけるベット過程演出に相当し、t47にてベット表示部34a~34cが点灯状態とされている状態がベット対応演出に相当する。なお、疑似ベット演出におけるベット過程演出の各ベットの間隔は、上記の通り約0.1secであり、通常ベット演出におけるベット過程演出の各ベットの間隔と同じ長さであり、再遊技ベット演出におけるベット過程演出の各ベットの間隔よりも短い長さに設定されている。
その後、t48にて開始操作が行われると、既にウェイト期間が経過していることからして、当該t48にて抽選処理が実行されるとともに、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。なお、t48の開始操作に基づく抽選処理の結果も特定再遊技結果とする。
t49にて各リール32L,32M,32Rが停止すると、上記のように今回のゲームの抽選結果は特定再遊技結果であり、t42の場合と同様に、t49~t50にて再遊技状態表示部76a、開始可能状態表示部76b及び第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理や、各BET表示部75a~75cを一旦消灯状態としてから点灯状態に切り替える処理が行われる。ちなみに、再遊技状態表示部76aについては、前回のゲームの遊技結果も再遊技結果入賞であったため、t50では、再遊技状態表示部76aは点灯状態が継続される。なお、t50にて、一旦消灯状態としてから、直後に再度点灯状態とするようにしてもよい。
t51にてウェイト期間が経過した後であるt52にて第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われた場合、t44~t47の場合と同様に、t52~55にてベット表示部34a~34cによる疑似ベット演出が行われる。すなわち、t52にてベット表示部34a~34cが点灯状態から消灯状態に切り替えられ、その後、t53、t54、t55にて、順次、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cがそれぞれ消灯状態から点灯状態に切り替わり、各点灯状態に切り替わるタイミングにてベット時効果音が出力される。
その後、t56にて開始操作が行われると、既にウェイト期間が経過していることからして、当該t56にて抽選処理が実行されるとともに、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。なお、t56の開始操作に基づく抽選処理の結果も特定再遊技結果とする。
上記のように、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づく疑似ベット演出は、演出上のベットであって、既に再遊技用設定処理にてベットは完了している。そのため、第1クレジット投入スイッチ56の操作を介することなく開始操作を行って、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させることも可能である。
すなわち、t57にて各リール32L,32M,32Rが停止し、t57~t58にて再遊技状態表示部76a、開始可能状態表示部76b及び第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理や、各BET表示部75a~75cを一旦消灯状態としてから点灯状態に切り替える処理が行われる。t59にてウェイト期間が経過した後、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うことなく、t60にて開始操作が行われると、当該t60にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。この場合、t60にてベット表示部34a~34cが一旦消灯状態とされた後、t61にてベット表示部34a~34cが点灯状態とされる。なお、t61ではベット効果音の出力も行われない。つまり、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、賭数操作を介することなく開始操作が行われた場合、ベット過程演出の実行が制限されて、ベット対応演出が直ぐに実行されることになる。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されているのにもかかわらず、ベット過程演出が完了していないこと(実行されていること)による違和感を遊技者に与えないようにすることができる。
t60の開始操作に基づいて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該開始操作に基づく抽選結果も特定再遊技結果であったとする。t62にてウェイト期間が経過した後、t63にて各リール32L,32M,32Rが停止した場合、t63~t64にて再遊技状態表示部76a、開始可能状態表示部76b及び第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理や、各BET表示部75a~75cを一旦消灯状態としてから点灯状態に切り替える処理が行われる。
その後、t65にて第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われると、上記のように疑似ベット演出が開始される。すなわち、t65にてベット表示部34a~34cが点灯状態から消灯状態に切り替えられ、その後、t66にて第1ベット表示部34aが点灯状態に切り替えられるとともに、ベット時効果音が出力される。
当該第1ベット表示部34aが点灯状態とされてから次の第2ベット表示部34bが点灯状態とされるまでの期間(約0.1sec)が経過するよりも前であるt67にて、スタートレバー41による開始操作が行われた場合、既にウェイト期間は経過しているし、主制御装置101側のベットも完了していることからして、当該t67にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。この場合、t66にて開始された疑似ベット演出におけるベット過程演出は、t67の開始操作によって途中で制限され、t67にてベット対応演出に切り替わる。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されているのにもかかわらず、ベット過程演出が完了していないこと(実行されていること)による違和感を遊技者に与えないようにすることができる。
t67の開始操作に基づいて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該開始操作に基づく抽選結果も特定再遊技結果であったとする。t68にて各リール32L,32M,32Rが停止した場合、t68~t69にて再遊技状態表示部76a、開始可能状態表示部76b及び第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理や、各BET表示部75a~75cを一旦消灯状態としてから点灯状態に切り替える処理が行われる。
その後、t70にて第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われると、未だウェイト期間の経過前であることからして、上記のように疑似ベット演出が開始される。すなわち、t70にてベット表示部34a~34cが点灯状態から消灯状態に切り替えられ、その後、t71、t72、t74にて、順次、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cがそれぞれ消灯状態から点灯状態に切り替わり、各点灯状態に切り替わるタイミングにてベット時効果音が出力される。
更に、当該疑似ベット演出におけるベット過程演出中であるt73にて、スタートレバー41による開始操作が行われた場合であっても、当該t73は未だウェイト期間中であることから、上記のベット過程演出は継続される。そして、ウェイト期間が経過するt75にて、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。このように、疑似ベット演出のベット過程演出中に開始操作が行われた場合であっても、それがウェイト期間中である場合にはベット過程演出を継続するようにしており、このようにすることで、ウェイト期間といった待ち時間があるのにもかかわらず演出が行われない期間を生じさせにくくすることが可能となる。
但し、ウェイト期間の経過前のベット過程演出中に開始操作が行われた際に、当該ベット過程演出を継続させるようにしても、当該ベット過程演出が終了するよりも前にウェイト期間が経過する場合もある。この場合、当該ウェイト期間が経過した時点で、ベット過程演出を終了してベット対応演出に切り替えるようにしている。
すなわち、t75の開始操作に基づいて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該開始操作に基づく抽選結果も特定再遊技結果であったとする。t76にて各リール32L,32M,32Rが停止した場合、t76~t77にて再遊技状態表示部76a、開始可能状態表示部76b及び第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理や、各BET表示部75a~75cを一旦消灯状態としてから点灯状態に切り替える処理が行われる。
その後、t78にて第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われると、未だウェイト期間の経過前であることからして、上記のように疑似ベット演出が開始される。すなわち、t78にてベット表示部34a~34cが点灯状態から消灯状態に切り替えられ、その後、t79、t81にて、順次、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34bがそれぞれ消灯状態から点灯状態に切り替わり、各点灯状態に切り替わるタイミングにてベット時効果音が出力される。また、当該疑似ベット演出におけるベット過程演出中であるt80にて、スタートレバー41による開始操作が行われた場合であっても、当該t80は未だウェイト期間中であることから、上記のベット過程演出は継続される。
そして、t81にて第2ベット表示部34bが点灯状態に切り替えられた後、次の第3ベット表示部34cが点灯状態とされるまでの期間(約0.1sec)が経過するよりも前であるt82にて、ウェイト期間が経過した場合、当該t82にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。この場合、t78にて開始された疑似ベット演出におけるベット過程演出は、t81の開始操作とt82のウェイト期間の経過とによって途中で制限され、t82にてベット対応演出に切り替わるようになる。
<待機状態設定処理>
次に、主制御装置101のCPU102にて実行される待機状態設定処理について、図240のフローチャートを参照しながら説明する。待機状態設定処理は、所定期間に亘って遊技が行われていない場合に、スロットマシン10を待機状態(デモ状態)に設定するための処理であり、通常処理(図187)のステップSc215にて実施される処理である。
ステップSc3501では、各種センサの検知結果に基づいて、スロットマシン10に設けられたいずれかの遊技操作が行われたか否かを判定する。具体的には、主制御装置101に接続されている、スタートレバー41、ストップスイッチ42~44、第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、清算スイッチ59等の操作部の操作を対応する検出センサ41a,42a~44a,56a,57a,59a等により検知した場合の他、メダル投入口45からのメダル投入(投入メダル検出センサ45aによるメダルの検出)や、前面扉12の開放等が行われた場合には、ステップSc3501にて肯定判定する。
ステップSc3501にて否定判定し、いずれの遊技操作も行われていない場合、ステップSc3502に進み、いずれかのリール32L,32M,32Rが回転中であるか否かを判定する。いずれのリール32L,32M,32Rも停止している場合、ステップSc3503にてメダルの払い出しが行われている状態であるか否かを判定する。メダルの払い出しが行われていない場合には、ステップSc3503にて、再遊技状態に設定されているか否かを判定する。上記の通り、再遊技状態とはいずれかの再遊技結果入賞に基づいて再遊技設定用処理にて設定される状態である。再遊技状態ではない場合には、ステップSc3504に進み、各種カウンタエリア106eに設けられた待機カウンタのカウントを許可するための許可フラグを、各種フラグ格納エリア106dにセットする処理を実行する。待機カウンタは、待機状態に設定するべきタイミングをCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSc3501にていずれかの遊技操作が行われたと判定した場合、ステップSc3505に進み、上記の待機カウンタを初期値(120800)にクリアする処理を実行する。ステップSc3505の処理を実行した後、又はステップSc3502~ステップSc3503のいずれかで肯定判定した場合は、ステップSc3506にて、上記の許可フラグをクリアする処理を実行する。この場合、タイマ割込み処理(図186)におけるタイマ減算処理(ステップSc108)では、上記の許可フラグがセットされていることを条件に待機カウンタを1ずつ減算する処理を行い、許可フラグがセットされていない場合には当該待機カウンタを減算する処理を行わない。タイマ割込み処理は、1.49msec周期で起動されるため、待機カウンタが初期値から0となるまでには約3min要することになる。
ステップSc3504又はステップSc3506の処理を実行した後は、ステップSc3507にていずれかの遊技操作が行われたか否かを判定する。かかる処理はステップSc3501の処理と同様の処理である。そして、ステップSc3507にて否定判定し、いずれの遊技操作も行われていないと判定した場合、ステップSc3508にて上記の待機カウンタが0となって、待機状態とするまでの所定期間(約3min)が経過したか否かを判定する。所定期間が経過していないと判定した場合、そのまま待機状態設定処理を終了する。
所定期間が経過したと判定した場合、ステップSc3509~ステップSc3514にて、本スロットマシン10を待機状態に設定する処理を実行する。すなわち、ステップSc3509にて待機移行コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。待機移行コマンドは、待機状態に設定することを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。
続くステップSc3510では、各リール32L,32M,32Rを外側から照射するフロントライトや、各リール32L,32M,32Rを内側から照射するバックライトや、遊技パネル25の内側に設けられた遊技パネル25用のバックライトの点灯・消灯状態をRAM106の待機用記憶エリア106cに記憶する処理を実行するとともに、これら各ライトを消灯させて待機状態とする処理を実行する。なお、フロントライトやバックライトが既に消灯している場合にはその状態を維持する。
続くステップSc3511では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62にて表示されている情報を待機用記憶エリア106cに記憶するとともに、これら各表示部60~62の各セグメントをOFFとして待機状態とする処理を実行する。また、ステップSc3512では、指示モニタ68にて表示されている情報をRAM106の待機用記憶エリア106cに記憶するとともに、指示モニタ68の各セグメントをOFFとして待機状態とする処理を実行する。
続くステップSc3513では、BET表示部75にて表示されている情報を待機用記憶エリア106cに記憶する処理を実行するとともに、BET表示部75の各BET表示部75a~75cを消灯状態として待機状態とする処理を実行する。
そして、ステップSc3514にて、遊技状態表示部76のうち、開始可能状態表示部76bが点灯状態である場合には当該点灯情報を待機用記憶エリア106cに記憶する処理を実行したうえで、開始可能状態表示部76bを消灯状態とする処理を実行してから、本待機状態設定処理を終了する。
このように、各リール32L,32M,32Rが全て停止しており、払出も行われておらず、且つ再遊技状態ではない状況において、いずれの遊技操作も行われない期間が所定期間以上となることで、スロットマシン10の待機状態に設定される。待機状態では、各種表示部等が消灯状態となることから、スロットマシン10の消費電力の削減を図ることが可能となる。この場合、上記のように再遊技状態では待機カウンタの計測が行われないことから、遊技操作等が行われなくても待機状態とされない。また、待機状態においても少なくとも賭数操作が可能な状況にて待機状態に設定された場合には、受入可能状態表示部76cは点灯状態のままで維持されることから、待機状態であって電源が投入されていない状態と、遊技者は明確に区別することが可能となる。
一方、ステップSc3507にていずれかの遊技操作が行われたと判定した場合、ステップSc3515に進み、現状が待機状態に設定されているか否かを判定する。待機状態に設定されていない場合には、そのまま本待機状態設定処理を終了する。待機状態に設定されている場合には、ステップSc3516~ステップSc3521にて、待機状態から通常状態に復帰させるための復帰処理を実行する。
すなわち、ステップSc3516では、待機復帰コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。待機復帰コマンドは、待機状態から通常状態に復帰することを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。
続くステップSc3517では、各種フロントライトやバックライトの復帰用処理を実行する。当該復帰用処理では、各種フロントライトやバックライトの待機状態移行前の状態を待機用記憶エリア106cから把握し、その状態(点灯状態又は消灯状態)に復帰させる処理を行う。
続くステップSc3518では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62の待機状態移行前の状態を待機用記憶エリア106cから把握し、その状態(点灯状態又は消灯状態)に復帰させる処理を行う。また、ステップSc3519では、指示モニタ68の待機状態移行前の状態を待機用記憶エリア106cから把握し、その状態(点灯状態又は消灯状態)に復帰させる処理を行う。
続くステップSc3520では、BET表示部75の待機状態移行前の状態を待機用記憶エリア106cから把握し、その状態(点灯状態又は消灯状態)に復帰させる処理を行う。
そして、ステップSc3521にて、遊技状態表示部76のうち、開始可能状態表示部76bの待機状態移行前の状態を待機用記憶エリア106cから把握し、その状態(点灯状態又は消灯状態)に復帰させる処理を行ってから、本待機状態設定処理を終了する。
<待機用処理>
次に表示制御装置81のCPU181にて実行される待機用処理について、図241のフローチャートを参照しながら説明する。待機用処理は、上記の主制御装置101側の待機状態設定処理に対応するものであり、演出設定処理(図220)におけるその他の処理(ステップSc2011)のうちの一処理として実施される処理であって、待機状態に移行させたり通常状態に復帰させたりするための処理や、待機状態移行前の仮待機状態に移行させるための処理を行うものである。
ステップSc3601では、上記の待機移行コマンドを受信したか否かを判定する。待機移行コマンドを受信している場合、ステップSc3602にて補助表示部65を待機モードとするための待機用処理を実行する。具体的には、現状、補助表示部65にて表示している内容をRAM183の待機用記憶エリア183cに記憶し、補助表示部65の表示画面の輝度を通常時の輝度よりも低い待機モード用の輝度に設定するとともに、例えば、「デモ状態」といった文字表示を行う。続くステップSc3603では、スピーカ64からの出力ボリュームを通常時のボリュームよりも小さい(又は出力されない)待機モード用のボリュームに設定する処理を実行する。
続くステップSc3604では、ベット表示部34の待機用処理を実行する。具体的には、現状、ベット表示部34にて表示している内容をRAM183の待機用記憶エリア183cに記憶するとともに、ベット表示部34の各ベット表示部34a~34cを消灯状態とする処理を実行する。続くステップSc3605では、第1クレジットランプ56bの待機用処理を実行する。具体的には、第1クレジットランプ56bの点灯・消灯状態を把握し、かかる内容を待機用記憶エリア183cに記憶するとともに、第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行する。なお、第1クレジットランプ56bが既に消灯状態である場合には、その情報を記憶するだけで、当該消灯状態を維持する。
また、ステップSc3601にて否定判定した場合、ステップSc3606にて、上記の待機復帰コマンドを受信しているか否かを判定する。待機復帰コマンドを受信している場合、ステップSc3607にて待機モードとされている補助表示部65を通常時の状態とするための復帰用処理を実行する。具体的には、待機状態移行前に補助表示部65にて表示されていた内容を待機用記憶エリア183cから把握して、その内容が補助表示部65にて表示されるようにするとともに、表示画面の輝度を通常時の輝度に戻すための処理を実行する。また、ステップSc3608では、スピーカ64からの出力ボリュームを通常時の出力ボリュームに設定する処理を実行する。
続くステップSc3609では、ベット表示部34の復帰用処理を実行する。具体的には、待機状態移行前のベット表示部34の表示内容を待機用記憶エリア183cから把握して、その内容がベット表示部34にて表示されるようにする処理を実行する。また、ステップSc3610では、第1クレジットランプ56bの復帰用処理を実行する。具体的には、待機状態移行前に第1クレジットランプ56bが点灯状態であったか否かを待機用記憶エリア183cを把握し、点灯状態であった場合には第1クレジットランプ56bを点灯状態とし、待機状態移行前から消灯状態であった場合には、その状態を維持する処理を実行する。
ステップSc3605若しくはステップSc3610の処理を実行した後、又はステップSc3606にて否定判定した場合、ステップSc3611に進む。ステップSc3611~ステップSc3622の処理は、待機状態よりも前の仮待機状態用の処理である。
具体的には、ステップSc3611にて一のゲームが終了したか否かを判定する。なお、ゲームの終了に際してメダルの払い出しが行われる場合には、当該払い出しが完了したか否かを判定する。ステップSc3611にて肯定判定してゲームが終了した場合、ステップSc3612に進み、各種カウンタエリア183bに設けられた表示継続カウンタのカウントを許可するための許可フラグを、各種フラグ格納エリア183aにセットする処理を実行する。表示継続カウンタは、仮待機状態に設定するべきタイミングをCPU181が把握するためのカウンタである。なお、表示継続カウンタに初期値(15000)であり、ステップSc3612の処理を行ってから表示継続カウンタが0となるまでには30sec要することになる。
ステップSc3611にてゲームが終了していないと判定した場合、又はステップSc3612の処理を実行した後は、ステップSc3613に進み、いずれかの遊技操作が行われたか否かを判定する。この場合、主制御装置101に接続されているスタートレバー41、ストップスイッチ42~44、第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、清算スイッチ59等の操作部の操作を対応する検出センサ41a,42a~44a,56a,57a,59a等により検知した場合に出力されるコマンドや、メダル投入口45からのメダル投入(投入メダル検出センサ45aによるメダルの検出)や、前面扉12の開放等が行われた場合に出力されるコマンドを受信した場合の他、表示制御装置81に接続されている演出スイッチ66の操作が行われた場合もステップSc3613にて肯定判定する。
ステップSc3613にて否定判定し、いずれの遊技操作も行われていない場合は、ステップSc3614に進み、上記の表示継続カウンタが0となったか否かを判定する。表示継続カウンタが0となっていない場合には、そのまま本待機用処理を終了する。この場合、演出設定処理(図220)におけるその他の処理(ステップSc2011)では、上記の許可フラグがセットされていることを条件に表示継続カウンタを1ずつ減算する処理を行い、許可フラグがセットされていない場合には当該表示継続カウンタを減算する処理を行わない。演出設定処理は、2msec周期で起動されるため、表示継続カウンタが初期値から0となるまでには約30sec要することになる。
ステップSc3614にて表示継続カウンタが0となり、仮待機状態とされるまでの期間が経過した場合、ステップSc3615にて、再遊技状態であるか否かを判定する。再遊技状態であって、いずれかの再遊技結果入賞後、仮待機状態に移行するまでの第1移行期間としての30secに亘って遊技操作が行われなかった場合、ステップSc3616にて、第1クレジットランプ56bの仮待機用処理を実行してから、本待機用処理を終了する。ステップSc3616について、具体的には、第1クレジットランプ56bの点灯・消灯状態を把握し、かかる内容を待機用記憶エリア183cに記憶するとともに、第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行する。なお、第1クレジットランプ56bが既に消灯状態である場合には、その情報を記憶するだけで、当該消灯状態を維持する。
一方、ステップSc3515にて再遊技状態ではないと判定した場合、ステップSc3517にて、ベット表示部34の仮待機用処理を実行してから、本待機用処理を終了する。ステップSc3517について、具体的には、現状、ベット表示部34にて表示している内容をRAM183の待機用記憶エリア183cに記憶するとともに、ベット表示部34の各ベット表示部34a~34cを消灯状態とする処理を実行する。
ステップSc3614にて肯定判定し、いずれかの遊技操作が行われたと判定した場合には、ステップSc3618に進む。ステップSc3618では、表示継続カウンタを初期値(15000)にクリアする処理を実行する。そして、ステップSc3619にて上記の許可フラグをクリアする処理を実行して、表示継続カウンタの計測を終了する。
続くステップSc3620では、現状仮待機状態に設定されているか否かを判定し、仮待機状態ではない場合には、そのまま本待機用処理を終了する。仮待機状態である場合には、ステップSc3621及びステップSc3622にて、ベット表示部34と第1クレジットランプ56bの復帰用処理を実行してから、本待機用処理を終了する。かかる処理は、上記ステップSc3609及びステップSc3610の処理と同様である。
すなわち、表示制御装置81においては、演出用の状態として通常状態と待機状態との他に仮待機状態とが設定されている。待機状態とは、主制御装置101側で管理する待機状態に対応するものであり、遊技操作が行われなくなってから約3minが経過することで移行する。仮待機状態とは、表示制御装置81側で管理する状態であり、ゲームが終了してから遊技操作が行われないまま約30secが経過することで移行する。
この場合、ゲームが終了した後、いずれの遊技操作も行われなければ、約30sec後に仮待機状態に移行し、約3min後に待機状態に移行する。仮待機状態に移行する場合には、再遊技状態であれば第1クレジットランプ56bが消灯状態とされ、再遊技状態以外であればベット表示部34が消灯状態とされる。そして、待機状態に移行する場合には、これらベット表示部34と第1クレジットランプ56bだけでなく、補助表示部65やスピーカ64も待機モードに設定される。ゲームが終了した後、何らかの遊技操作が行われていると、仮待機状態を経ることなく当該遊技操作が行われてから約3min後に待機状態に移行する。つまり、約3min後に、ベット表示部34と第1クレジットランプ56bが消灯状態とされ、補助表示部65やスピーカ64も待機モードに設定される。但し、再遊技状態では待機状態に設定されない。
<仮待機状態と待機状態との様子>
ゲーム後に仮待機状態や待機状態に設定される様子を、図242のタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、図242(a)は通常再遊技結果後の様子を示しており、図242(b)は小役結果後の様子を示しており、図242(c)は特定再遊技結果後の様子を示している。
図242(a)に示すように、ta1にて開始されたゲームの抽選結果が通常再遊技結果である場合、ta2にて各リール32L,32M,32Rが停止すると、当該通常再遊技結果入賞に基づく再遊技状態に設定される。この場合、BET表示部75及びベット表示部34は、ta2にて一旦消灯状態となってから、再度、ta1のベット数と同数のベット数に対応する点灯状態となる。なお、本図においてはベット過程演出を省略して示している。また、第1クレジットランプ56bは、ta1での開始(賭数操作)に際して消灯され、再遊技状態では当該消灯状態が維持される。
上記のように、再遊技状態においては、仮待機状態に設定される場合、第1クレジットランプ56bの仮待機用処理が行われる一方、ベット表示部34の仮待機用処理は行われない。また、再遊技状態においては、待機状態には設定されない。
通常再遊技結果に基づく再遊技状態では、ベット表示部34はベット対応演出が行われて点灯状態とされるものの、第1クレジットランプ56bは消灯状態とされる。そのため、ta2から仮待機状態に移行するまでの第1移行期間(TA)が経過するta3となると、ベット表示部34は点灯状態のまま維持され、第1クレジットランプ56bは消灯状態のまま維持される。
ta2から待機状態に移行するまでの第2移行期間(TB)が経過するta4となっても、再遊技状態であることから待機状態に設定されない。そのため、ta4においてベット表示部34は点灯状態が維持され、第1クレジットランプ56bは消灯状態が維持される。また、BET表示部75の点灯状態は維持され、補助表示部65も待機モードに移行しない。
図242(b)に示すように、ta11にて開始されたゲームの抽選結果がいずれかの小役結果である場合、tb2にて各リール32L,32M,32Rが停止すると、当該小役結果入賞が成立し得る。この場合、ta12にて第1クレジットランプ56bが点灯状態となる。
上記のように、再遊技状態以外においては、仮待機状態に設定される場合、第1クレジットランプ56bの仮待機用処理が行われない一方、ベット表示部34の仮待機用処理は行われる。また、再遊技状態以外においては、待機状態には設定される。
ta12から仮待機状態に移行するまでの第1移行期間(TA)が経過するta13に至るまで、いずれの遊技操作も行われなかった場合、当該ta13では、仮待機状態の設定が行われる。この場合、第1クレジットランプ56bは点灯状態が維持されるものの、ベット表示部34は点灯状態から消灯状態に切り替わる。
ta12から待機状態に移行するまでの第2移行期間(TB)が経過するta14に至るまで、いずれの遊技操作も行われなかった場合、ta14にて待機状態に設定される。この場合、第1クレジットランプ56bは消灯状態とされ、更に、BET表示部75も消灯状態とされ、補助表示部65も待機モードに設定される。
ta15にて開始されたゲームの抽選結果もいずれかの小役結果である場合、ta16にて各リール32L,32M,32Rが停止すると、ta16にて第1クレジットランプ56bが点灯状態となる。
ta16から仮待機状態に移行するまでの第1移行期間(TA)が経過するta18に至るまでの間であるta17にて、第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われた場合、対応するベットが行われ、第1クレジットランプ56bは消灯状態となる。また、再遊技状態ではあるものの、ta17の賭数操作によって仮待機状態の設定が行われなくなり、ta18となっても、ベット表示部34は、ta17の賭数操作に対応する点灯状態が維持される。ta17の賭数操作から待機状態に移行するまでの第2移行期間(TB)が経過するta19まで、いずれの遊技操作も行われなかった場合、当該ta19にて待機状態に設定される。この場合、既に消灯状態とされている第1クレジットランプ56bだけでなく、ベット表示部34やBET表示部75も消灯状態とされ、補助表示部65も待機モードに設定される。
図242(c)に示すように、ta21にて開始されたゲームの抽選結果が特定再遊技結果である場合、ta22にて各リール32L,32M,32Rが停止すると、当該特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態に設定される。この場合、BET表示部75は、ta22にて一旦消灯状態となってから、再度、ta21のベット数と同数のベット数に対応する点灯状態となる。上記の通り、ta22では、ベット表示部34の疑似ベット演出は行われず、第1クレジットランプ56bが点灯状態とされる。
上記のように、再遊技状態においては、仮待機状態に設定される場合、第1クレジットランプ56bの仮待機用処理が行われる一方、ベット表示部34の仮待機用処理は行われない。また、再遊技状態においては、待機状態には設定されない。
そのため、ta22から仮待機状態に移行するまでの第1移行期間(TA)が経過するta23では、第1クレジットランプ56bは消灯状態に切り替えられる一方で、ベット表示部34は点灯状態のまま維持される。そして、ta22から待機状態に移行するまでの第2移行期間(TB)が経過するta24では、待機状態の設定が行われない。そのため、ベット表示部34の点灯状態は維持される。また、BET表示部75の点灯状態は維持され、補助表示部65も待機モードに移行しない。
ta25にて開始されたゲームの抽選結果も特定再遊技結果である場合、ta22にて各リール32L,32M,32Rが停止すると、ta26にて第1クレジットランプ56bが点灯状態となる。
ta26から仮待機状態に移行するまでの第1移行期間(TA)が経過するta28に至るまでの間であるta27にて、第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われた場合、疑似ベット演出が行われ、第1クレジットランプ56bは消灯状態となる。この場合、ta28となっても、ta27の賭数操作によって仮待機状態の設定が行われず、ベット表示部34は、ta27の賭数操作に対応する疑似ベット演出のベット対応演出が維持される。
そして、再遊技状態においては待機状態に移行しないため、ta27の賭数操作から待機状態に移行するまでの第2移行期間(TB)が経過するta29まで、いずれの遊技操作も行われなかった場合であっても、ta29にてベット表示部34の点灯状態が維持されるし、BET表示部75の点灯状態も維持され、補助表示部65も待機モードに移行しない。
すなわち、特定再遊技結果と小役結果や外れ結果とでは、各リール32L,32M,32Rが停止した際に第1クレジットランプ56bが点灯状態とされる点や、第1クレジット投入スイッチ56を操作した場合のベット表示部34によるベット演出(通常ベット演出及び疑似ベット演出)が共通しているものの、仮待機状態や待機状態に設定されるか否かが異なり、小役結果や外れ結果後においては、第1移行期間に亘って遊技操作を行わなければ仮待機状態に設定されて、第1クレジットランプ56bの点灯状態は維持されるもののベット表示部34が消灯状態とされる。そして、特定再遊技結果後においては、第1移行期間に亘って遊技操作を行わなかった場合には仮待機状態に設定されて、第1クレジットランプ56bは消灯状態とされるもののベット表示部34の点灯状態は維持される。つまり、第1移行期間に亘って遊技操作を行わないことで、第1クレジットランプ56bやベット表示部34の消灯の有無によって、特定再遊技結果であったか小役結果等であったかを判別することが可能である。
この場合、第1移行期間が経過するよりも前に遊技操作を行うと、特定再遊技結果及び小役結果等のいずれの後であっても、当該遊技操作後に第1移行期間が経過しても仮待機状態に設定されず、当該遊技操作から第2移行期間が経過した際に待機状態の設定の有無によって、特定再遊技結果であったか小役結果等であったかを判別することが可能である。つまり、いずれの結果であったかを、第1クレジットランプ56bやベット表示部34の消灯の有無から判断しようとするならば、少なくも第1移行期間に亘って遊技を中断する必要があり、このように遊技操作を行わないことで結果を判別させる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
以上詳述した実施形態では、以下の優れた効果を奏する。
特定再遊技結果入賞に基づき設定された再遊技状態では、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作や、メダル投入口45からのメダル投入といった賭数操作が行われた場合、ベット過程演出を経てベット対応演出が行われる疑似ベット演出を行うようにした。このようにすることで、再遊技状態であっても、賭数操作を経て開始操作を行い、ストップスイッチ42~44の停止操作を行うといったスロットマシン10の一連の遊技操作の流れを変えることなく、遊技させることができる。また、上記のようにすることで、小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与えることができるし、賭数操作を経ずにベット過程演出を経てベット対応演出が行われる通常再遊技結果との差から、再遊技結果であっても、何かしらの特典が得られる期待感を付与することも可能である。よって、遊技の興趣向上に役立てることができる。
通常再遊技結果入賞に基づく再遊技ベット演出では、0.2sec間隔でベットが行われるベット過程演出を実行してからベット対応演出に切り替わる構成とし、特定再遊技結果入賞に基づく疑似ベット演出では、0.1sec間隔でベットが行われるベット過程演出を実行してからベット対応演出に切り替わる構成とし、両再遊技結果入賞に基づくベット演出の報知態様が異なる構成とした。このようにすることで、遊技進行のための操作の態様だけではなく、ベット演出の報知態様からも特定再遊技結果と通常再遊技結果とが、明確に異なるものである印象を遊技者に与えることが可能となる。
特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態においては、ベット自体は再遊技設定用処理にて既に完了しており、開始可能状態表示部76bは点灯状態とされている。そのため、賭数操作に基づくベット過程演出中に開始操作が行われると、当該ベット過程演出中であっても各リール32L,32M,32Rの回転は開始され得る。そこで、賭数操作を行った後、疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた場合、当該ベット過程演出の制限処理として当該ベット過程演出を中断するようにし、その時点でベット対応演出に切り替えるようにした。このようにすることで、開始操作に基づいて各リール32L,32M,32Rの回転が開始しているのにもかかわらず、ベット対応演出が行われていないことによる違和感を与えないようにすることができるし、回転開始時の演出や処理と、ベット過程演出やそれ用の処理とが重複することによる処理負荷の増大化や遊技者の混乱を生じさせないようにすることが可能である。
但し、ベット過程演出中の開始操作であっても、当該開始操作がウェイト期間中である場合には、ベット過程演出を中断せず、そのまま実行するようにした。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されない場合にまでベット過程演出が中断される違和感を遊技者に与えないようにすることができる。
ベット過程演出中に開始操作が行われ、且つウェイト期間の経過前であることから当該ベット過程演出を中断せずにそのまま継続された場合において、事後的にウェイト期間が経過した場合、当該ウェイト期間が経過した時点で、ベット過程演出を中断してベット対応演出に切り替えるようにした。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されているのにもかかわらず、ベット過程演出が完了していないことや、演出や処理の重複による不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
更に、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態であっても、賭数操作を介さずに開始操作が可能であることから、このような賭数操作を介しない開始操作が行われた場合には、疑似ベット演出におけるベット過程演出を実行することなく賭数操作に基づいてベット対応演出を行うようにした。これにより、不要な演出を行うことによる処理負荷の増大化を解消することができるし、開始操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始されているのにもかかわらず、ベット対応報知が行われていない、といった不都合を解消することができる。
ここで、特定再遊技結果は、第1再遊技結果以外の再遊技結果として規定しているが、例えば通常リプA~通常リプCのように、通常再遊技結果としての第1再遊技結果と特定再遊技結果としての第2再遊技結果や第3再遊技結果とに重複して当選する遊技結果も設定されている。この場合、上記実施形態においては、これら第1再遊技結果と第2,第3再遊技結果とのいずれの入賞が成立するかをストップスイッチ42~44の操作順序によって規定し(図208)、通常時は、基本的には通常再遊技結果としての第1再遊技結果入賞が成立し易いように設定し、ATモードを開始する場面で特定再遊技結果としての第2再遊技結果入賞や第3再遊技結果入賞が成立し易いように設定している。つまり、通常リプA~Cに当選した場合の状況に応じて、再遊技ベット演出が行われる場合と、疑似ベット演出が行われる場合とがあるように設定している。このように、再遊技状態であっても、賭数操作が不要である場面と賭数操作を行わせたい場面を明確に使い分けることで、再遊技状態においてあえて賭数操作を行わせることによる効果を好適に期待できるようになる。
特に、通常リプA~Cに当選した場合であって、特定再遊技結果としての第2再遊技結果や第3再遊技結果を入賞させて疑似ベット演出を行う場面とは、ATモードが開始される場面であることから、新たなATモードが開始される場合に、賭数操作を経て開始操作を行うといった一連の遊技操作を行わせることで、前のゲームに印象を引きずることなく新たな気持ちに切り替える手助けともすることが可能となり、ATモードの興趣向上を図ることができる。
更に、特定再遊技結果に基づく再遊技状態においては、第1クレジットランプ56が点灯状態とされ、第1移行期間が経過すると消灯状態とされるようにした。これに対して、小役結果後においては、第1クレジットランプ56bは点灯状態とされるものの、第1移行期間が経過しても点灯状態が維持される。このようにすることで、第1クレジットランプ56を点灯状態とさせたり、賭数操作に基づいて疑似ベット演出を行うようにして特定再遊技結果を小役結果と同じような扱いである印象を与えながらも、両結果を判別しようとすれば、第1移行期間が経過するまで待てばよい、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。また、特定再遊技結果入賞が成立しているのにもかかわらず、遊技を終了してしまう遊技者に対して、第1クレジットランプ56bが消灯状態とされることを通じて知らしめることができるし、第1移行期間が経過した後は、後続の遊技者は特定再遊技結果入賞が成立していることを察知しにくくなり、遊技の公平性にも寄与することが可能である。
しかも、特定再遊技結果及び小役結果のいずれの結果であっても、第1クレジット投入スイッチ56を操作すると、第1クレジットランプ56bは消灯状態に切り替わる。そうすると、第1移行期間の経過によって両結果を判別しようとするならば、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行わない必要があるようになり、待つことで結果が判別できる遊技性において、特に第1クレジット投入スイッチ56は操作してはいけないといったようなより厳密な待ちが要求される遊技性とすることができ、かかる遊技性の興趣を好適に向上させることができる。つまり、いずれの遊技操作を行っても仮待機状態の設定は行われなくなるところ、第1クレジット投入スイッチ56を操作してしまうと、仮待機状態での判別だけではなく、待機状態での判別も行うことができなくなる。なお、第1クレジット投入スイッチ56を操作するということは、遊技継続の意思表示とも解釈することができ、このような場合には、特定再遊技結果入賞がわからなくなっても遊技者に不利益は生じにくいと考えられる。
ベット表示部34については、第1移行期間が経過した場合、特定再遊技結果であれば点灯状態から消灯状態に切り替わる一方で、小役結果であれば点灯状態が維持されるようにしている。小役結果後は第2移行期間が経過すると待機状態に設定されてベット表示部34は消灯状態とされる一方で、再遊技状態においては第2移行期間が経過しても待機状態に設定されない。そのため、小役結果後であればベット表示部34は消灯状態とされるものの、特定再遊技結果入賞を成立させたまま遊技が終了されると、ベット表示部34は点灯状態のまま維持される。このように、ベット表示部34を確認することで再遊技結果入賞後であることを明確に判別可能とすることで、遊技ホールの管理者等が、その状態のまま閉店したりする等による不都合を好適に回避することができる。
<変形例1>
本変形例では、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合の他の態様について、ベット過程演出におけるベット表示部34a~34cを順次点灯状態とする点灯演出と、ベット時効果音との関係での変形例を、図243~図246を参照しながら説明する。
図243(a)は、上記実施形態のベット過程演出を示している。
tb1にて賭数操作が行われると、ベット表示部34a~34cが順次点灯状態となる点灯演出とともにベット時効果音が出力されるベット過程演出が実行される。当該ベット過程演出がtb2にて完了すると、ベット対応演出となる。その後、tb3にて開始操作が行われると、抽選処理が行われるとともに、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。当該抽選処理の結果が特定再遊技結果である場合、tb4にて各リール32L,32M,32Rが停止して当該特定再遊技結果入賞が成立すると、再遊技設定用処理にてベットの設定が行われる。
ウェイト期間が経過するtb5よりも後であるtb6にて、第1クレジット投入スイッチ56等による賭数操作が行われると、tb1の場合と同様に、ベット時効果音を伴いベット表示部34a~34cの点灯演出が行われるベット過程演出が開始される。但し、かかるベット過程演出は、疑似ベット演出におけるベット過程演出である。
tb6にて開始されたベット過程演出が完了するtb8よりも前であるtb7にて、開始操作が行われた場合、各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、この場合、当該ベット過程演出は、tb7にてベット対応演出に切り替わる(対応するベット表示部34a~34cが点灯状態とされる)。つまり、上記実施形態では、疑似ベット演出におけるベット過程演出の途中で開始操作が行われた場合、ベット過程演出における点灯演出及び効果音演出のいずれもが途中で中断され、ベット対応演出に切り替わるようにして制限が行われる構成としている。
図244は、特定再遊技ベット演出設定処理の変形例を示しており、この変形例では、疑似ベット演出におけるベット過程演出の途中で開始操作が行われた場合、ベット過程演出における一部の演出の実行が制限される。
本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理では、ベット過程演出の途中で開始操作が行われた場合の処理が、上記図237の処理と異なっている。本変形例では、ステップSc3714、ステップSc3720、ステップSc3735及びステップSc3738の処理が追加されており、その他の処理は図237の対応する処理と同様である。
すなわち、第2ベット表示部34bを点灯状態とするまで待機している状況において、ステップSc3733にて、疑似ベット許可フラグ又は開始操作コマンドを受信したと判定し、ステップSc3734にてウェイト期間が経過していると判定した場合、ステップSc3735にて各種フラグ格納エリア183aに制限フラグをセットする処理を実行してからステップSc3712に戻ってベットタイマが0となるまで待機する。ベットタイマが0となった場合、ステップSc3712にて肯定判定し、ステップSc3713にて第2ベット表示部34bを点灯状態とする。そして、ステップSc3714にて上記の制限フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合にはステップSc3715にてベット時効果音を出力する処理を実行してから、ステップSc3716の第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理に進む。一方、制限フラグがセットされている場合には、ベット時効果音を出力することなく、ステップSc3716に進む。
また、第3ベット表示部34cを点灯状態とするまで待機している状況において、ステップSc3736にて、疑似ベット許可フラグ又は開始操作コマンドを受信したと判定し、ステップSc3737にてウェイト期間が経過していると判定した場合、ステップSc3738にて各種フラグ格納エリア183aに制限フラグをセットする処理を実行してからステップSc3718に戻ってベットタイマが0となるまで待機する。ベットタイマが0となった場合、ステップSc3718にて肯定判定し、ステップSc3719にて第3ベット表示部34cを点灯状態とする。そして、ステップSc3720にて上記の制限フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合にはステップSc3721にてベット時効果音を出力する処理を実行してから、特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。一方、制限フラグがセットされている場合には、ベット時効果音を出力することなく、特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。
図243(b)では、上記の疑似ベット演出におけるベット過程演出の途中で開始操作が行われた場合、ベット過程演出における一部の演出の実行が制限される様子を示している。
tb11~tb16は、上記tb1~tb6と同様であり、特定再遊技結果入賞に伴う再遊技設定用処理にてベットが行われ、ウェイト期間が経過した後、tb16にて賭数操作が行われたとする。この場合、疑似ベット演出としてのベット過程演出がtb16から開始される。当該ベット過程演出が完了するtb18よりも前であるtb17にて開始操作が行われた場合、ベット表示部34a~34cの点灯演出は継続して実施されるものの、それに伴うベット時効果音の出力が制限される。その結果、tb16にて開始されたベット過程演出は、点灯演出はtb16からtb18まで実行されるものの、ベット時効果音はtb16からtb17までは実行され、tb17からtb18までは実行されなくなる。そして、tb18にてベット対応演出に切り替わるようになる。このようにすることで、少なくともベット時効果音の出力用の処理の分は、各リール32L,32M,32Rの回転開始用の処理との重複を回避することが可能となるし、当該ベット時効果音と、各リール32L,32M,32Rの回転開始時のスタート用の効果音等との重複も解消することが可能となる。
例えば、ベット表示部34のように各ベット表示部34a~34cの点灯制御を個別に行う構成に代え、又は加えて、補助表示部65の所定領域にて表示制御装置81側のベット対応演出を行うような構成も考えられる。このような構成においては、賭数操作が行われた場合、ベット過程演出が完了するまでの表示演出パターンをベット過程演出を開始する際に設定することも考えられる。そうすると、ベット過程演出の途中で賭数操作が行われたからといって、当該表示演出パターンを途中でベット対応演出の表示演出パターンに切り替えるよりも、そのまま継続させたほうが処理負荷の低減につながるものと考えられる。そこで、少なくともベット時効果音演出側を途中で制限するようにすることで、処理負荷の増大化を回避しながら、各リール32L,32M,32Rの回転開始時の効果音の重複等による不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
図245は、特定再遊技ベット演出設定処理の変形例を示しており、この変形例では、疑似ベット演出におけるベット過程演出の途中で開始操作が行われた場合、ベット過程演出におけるベット時効果音は継続する一方、点灯演出の継続が制限される。
本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理では、上記図237の処理と比較して、ステップSc3813、ステップSc3819、ステップSc3832、ステップSc3836及びステップSc3839の処理が追加されており、その他の処理は図237の対応する処理と同様である。
すなわち、第2ベット表示部34bを点灯状態とするまで待機している状況において、ステップSc3834にて、疑似ベット許可フラグ又は開始操作コマンドを受信したと判定し、ステップSc3835にてウェイト期間が経過していると判定した場合、ステップSc3836にて各種フラグ格納エリア183aに制限フラグをセットする処理を実行してから、ステップSc3829側のベット対応演出に切り替える処理に進む。
また、第3ベット表示部34cを点灯状態とするまで待機している状況において、ステップSc3837にて、疑似ベット許可フラグ又は開始操作コマンドを受信したと判定し、ステップSc3838にてウェイト期間が経過していると判定した場合、ステップSc3839にて各種フラグ格納エリア183aに制限フラグをセットする処理を実行してから、ステップSc3831側のベット対応演出に切り替える処理に進む。
ベット対応演出に切り替える処理では、ベット数に対応するベット表示部34a~34cを点灯状態とする処理を実行した後、ステップSc3832にて上記の制限フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、そのまま特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。制限フラグがセットされている場合には、ベット対応演出に切り替えた後、ステップSc3812に戻る。
ステップSc3812にてベットタイマが0となった場合、ステップSc3812にて肯定判定し、ステップSc3813にて上記の制限フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合にはステップSc3814にて第2ベット表示部34bを点灯状態とし、ステップSc3815にてベット時効果音を出力する処理を実行してから、ステップSc3816の第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理に進む。ステップSc3813にて制限フラグがセットされている場合には、第2ベット表示部34bを点灯状態とする処理を実行することなく、ベット時効果音を出力する処理を実行してから、第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理に進む。
そして、ステップSc3818にてベットタイマが0となった場合、ステップSc3818にて肯定判定し、ステップSc3819にて上記の制限フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合にはステップSc3820にて第3ベット表示部34cを点灯状態とし、ステップSc3821にてベット時効果音を出力する処理を実行してから、特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。ステップSc3819にて制限フラグがセットされている場合には、第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を実行することなく、ベット時効果音を出力する処理を実行してから、特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。
図243(c)は、上記のベット過程演出におけるベット時効果音は継続する一方、点灯演出の継続が制限される様子を示している。
tb1~tb6と同様に、tb21~tb25にて、特定再遊技結果入賞に伴う再遊技設定用処理にてベットが行われ、ウェイト期間が経過した後、tb26にて賭数操作が行われたとする。この場合、疑似ベット演出としてのベット過程演出がtb26から開始される。当該ベット過程演出が完了するtb28よりも前であるtb27にて開始操作が行われた場合、ベット時効果音の出力は継続して実行されるものの、ベット表示部34a~34cの点灯演出は中断されて、tb27の時点でベットに対応するベット表示部34a~34cが点灯状態となる。その結果、tb26にて開始されたベット過程演出は、tb28までベット時効果音の出力は行われるものの、tb27にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される状況においてはベット対応演出に切り替わっているようになる。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されたのにもかかわらず、当該回転が開始されたゲームのベット数をベット表示部34から把握できない状況を生じさせないようにすることが可能である。
図246は、特定再遊技ベット演出設定処理の変形例を示しており、この変形例では、疑似ベット演出におけるベット過程演出の途中で開始操作が行われた場合、ベット過程演出の実行は制限されるものの、ベット対応演出はベット過程演出を開始した時点で予定していたタイミングで開始されるようにする。
本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理では、上記図237の処理と比較して、ステップSc3913、ステップSc3919、ステップSc3935及びステップSc3938の処理が追加されており、その他の処理は図237の対応する処理と同様である。
すなわち、第2ベット表示部34bを点灯状態とするまで待機している状況において、ステップSc3933にて、疑似ベット許可フラグ又は開始操作コマンドを受信したと判定し、ステップSc3934にてウェイト期間が経過していると判定した場合、ステップSc3935にて各種フラグ格納エリア183aに制限フラグをセットする処理を実行してからステップSc3912に戻ってベットタイマが0となるまで待機する。ベットタイマが0となった場合、ステップSc3712にて肯定判定し、ステップSc3913にて上記の制限フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップSc3914にて、第2ベット表示部34bを点灯状態とし、ステップSc3915にてベット時効果音を出力する処理を実行してから、ステップSc3916の前回のベット数が2であったか否かを判定する処理に進む。一方、ステップSc3913にて制限フラグがセットされている場合、ステップSc3914及びステップSc3915の処理を行うことなく、ステップSc3916に進む。
ステップSc3916にて前回のベット数が2ではなく3である場合、ステップSc3917にて、第3ベット表示部34cを点灯状態とするまで待機するための処理を行う。
また、第3ベット表示部34cを点灯状態とするまで待機している状況において、ステップSc3936にて、疑似ベット許可フラグ又は開始操作コマンドを受信したと判定し、ステップSc3937にてウェイト期間が経過していると判定した場合、ステップSc3938にて各種フラグ格納エリア183aに制限フラグをセットする処理を実行してからステップSc3918に戻ってベットタイマが0となるまで待機する。ベットタイマが0となった場合、ステップSc3918にて肯定判定し、ステップSc3919にて上記の制限フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップSc3920にて、第3ベット表示部34cを点灯状態とし、ステップSc3921にてベット時効果音を出力する処理を実行してから、特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。
ステップSc3916の前回のベット数が2であったか否かを判定する処理にて肯定判定した場合や、ステップSc3919にて制限フラグがセットされている場合、ステップSc3929に進み、ベット対応演出に切り替える処理を実行する。
図243(d)は、上記のベット過程演出の実行は制限されるものの、ベット対応演出はベット過程演出を開始した時点で予定していたタイミングで開始される様子を示している。
tb1~tb6と同様に、tb31~tb35にて、特定再遊技結果入賞に伴う再遊技設定用処理にてベットが行われ、ウェイト期間が経過した後、tb36にて賭数操作が行われたとする。この場合、疑似ベット演出としてのベット過程演出がtb36から開始される。例えば、ベット過程演出の開始時に、当該ベット過程演出がtb38にて完了するように設定されたとし、ベット対応演出についてはtb38にて開始されるように設定する。そして、tb38よりも前であるtb37にて開始操作が行われた場合、点灯演出及びベット時効果音の出力は中断される。但し、このtb37ではベット対応演出には切り替わらず、点灯演出についてはtb37の状態が維持される。そして、tb38にてベット対応演出に切り替わる。具体的には、例えば、tb37にて第1ベット表示部34aは点灯状態であるものの第2ベット表示部34bや第3ベット表示部34cは消灯状態である場合、tb37からtb38は、第1ベット表示部34aだけが点灯状態である状況が維持され、tb38にてベット表示部34a~34cが点灯状態に切り替わる。このようにすることで、ベット過程演出を途中で制限する場合に、ベット対応演出まで予定していた実行(開始)タイミングから変更する必要が生じず、処理の簡素化を図ることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合の変形例の、開始時演出設定処理において設定される押し順報知演出と、特定役報知演出と、ベット過程演出との関係について、図247~図250を参照しながら説明する。既に説明したとおり、開始時演出設定処理において、開始操作が行われた場合に、押し順報知演出はウェイト期間の経過前から実行されるのに対して、特定役報知演出はウェイト期間の経過後であって各リール32L,32M,32Rの回転開始時に実行される。
図247(a)は、上記実施形態のベット過程演出を示している。
tc1にて開始操作が行われると、抽選処理が行われるとともに、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。当該抽選処理の結果が特定再遊技結果である場合、tc2にて各リール32L,32M,32Rが停止して当該特定再遊技結果入賞が成立すると、再遊技設定用処理にてベットの設定が行われる。tc1に回転開始されてからのウェイト期間が、tc6にて経過する場合において、当該ウェイト期間の経過前であるtc3にて賭数操作が行われるとベット過程演出が開始される。そして、同じくウェイト期間の経過前であって、ベット過程演出の実行中であるtc4にて開始操作が行われた場合、当該tc4の開始操作に基づく抽選処理の結果が、押し順報知演出が行われる結果ではなく、且つ特定役結果でもないとすると、tc4にてベット過程演出は中断されず、そのまま継続される。そして、tc5にてベット過程演出が終了し、ベット対応演出に切り替わる。その後、ウェイト期間が経過するtc6にて、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。
図248は、特定再遊技ベット演出設定処理の変形例を示しており、この変形例では、押し順報知演出との関係でベット過程演出の制限の有無を異ならせる。
本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理では、上記図237の処理と比較して、ステップSc4022の処理が追加されており、その他の処理は図237の対応する処理と同様である。
すなわち、ステップSc4020にて開始操作コマンドを受信した場合、ステップSc4021にて第1クレジットランプ56bを消灯状態とした後、ステップSc4022にて、受信した開始操作コマンドに基づいて、今回の抽選処理の結果が押し順役当選であって且つ押し順報知コマンドを受信しており、いずれかの押し順報知演出を実行する場合に相当するか否かを判定する(ステップSc2101~ステップSc2107参照)。いずれの押し順報知演出も実行しない場合には、ステップSc4023にてウェイト期間中であるか否かを判定し、ウェイト期間中である場合には、ステップSc4031にて疑似ベット許可フラグをセットする処理を実行してから、ステップSc4006側のベット過程演出を実行する処理に進む。ステップSc4023にてウェイト期間中ではない場合には、ステップSc4024側のベット対応演出を実行する処理に進む。
一方、ステップSc4022にていずれかの押し順報知演出を実行すると判定した場合には、ステップSc4023のウェイト期間中であるか否かの判定を行うことなく、ステップSc4024側のベット対応演出を実行する処理に進む。
図247(b)は、上記変形例における押し順報知演出が行われる場合を示している。
tc1~tc3と同様に、tc11~tc13にて特定再遊技結果入賞に伴う再遊技設定用処理にてベットが行われ、ウェイト期間が経過する前であるtc13にて賭数操作が行われると、ベット過程演出が開始される。同じくウェイト期間の経過前であって、ベット過程演出の実行中であるtc14にて開始操作が行われた場合、当該tc14の開始操作に基づく抽選処理の結果が、押し順報知演出が行われる結果である場合、tc14から押し順報知演出が開始される。この場合、本変形例では、ウェイト期間の経過前であっても、tc15まで実行される予定であったベット過程演出を、tc14にて制限する。このようにすることで、ベット過程演出が押し順報知演出と重複しないようになり、演出や処理の重複による不都合を生じさせないようにすることができる。なお、図においては、tc14にてベット過程演出を中断した場合に、tc14にて、ベット対応演出に切り替えるようにしている。tc14の開始操作に基づく各リール32L,32M,32Rの回転開始処理は、ウェイト期間が経過するtc16にて行われる。
図247(c)は、上記変形例における特定役報知演出が行われる場合を示している。
tc1~tc3と同様に、tc21~tc23にて特定再遊技結果入賞に伴う再遊技設定用処理にてベットが行われ、ウェイト期間が経過する前であるtc23にて賭数操作が行われると、ベット過程演出が開始される。同じくウェイト期間の経過前であって、ベット過程演出の実行中であるtc24にて開始操作が行われた場合、当該tc24の開始操作に基づく抽選処理の結果が、特定役報知演出が行われる結果である場合、当該tc24ではなく、ウェイト期間が経過して各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるtc26から特定役報知演出が行われる。この場合、本変形例では、tc25まで実行される予定であったベット過程演出を、tc24にて制限せず、tc25まで継続させる。このように、特定役報知演出のように開始操作に伴う演出であっても、ベット過程演出と重複しない場合にはベット過程演出を制限しないようにすることで、不要に演出の無実行期間を生じさせないようにすることが可能となる。
図249は、特定再遊技ベット演出設定処理の変形例を示しており、この変形例では、押し順報知演出とベット過程演出の関係で押し順報知演出側を制限する。
本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理では、上記図237の処理と比較して、ステップSc4122及びステップSc4123の処理が追加されており、その他の処理は図237の対応する処理と同様である。
すなわち、ステップSc4120にて開始操作コマンドを受信した場合、ステップSc4121にて第1クレジットランプ56bを消灯状態とした後、ステップSc4122にて、受信した開始操作コマンドに基づいて、今回の開始時演出として第3再遊技用の押し順報知演出を実行する場合に相当するか否かを判定する(ステップSc2101~ステップSc2107参照)。いずれの押し順報知演出も実行しない場合や、押し順報知演出を実行する場合であっても第1小役~第6小役用の押し順報知演出や、第2再遊技用の押し順報知演出である場合には、ステップSc4124にてウェイト期間中であるか否かを判定し、ウェイト期間中である場合には、ステップSc4132にて疑似ベット許可フラグをセットする処理を実行してから、ステップSc4106側のベット過程演出を実行する処理に進む。ステップSc4124にてウェイト期間中ではない場合には、ステップSc4125側のベット対応演出を実行する処理に進む。
一方、ステップSc4122にて、第3再遊技用の押し順報知演出を実行すると判定した場合には、ステップSc4123にて、各種フラグ格納エリア183aに押し順遅延フラグをセットする処理を実行してから、ステップSc4123に進み、ウェイト期間中であるか否かの判定を行う。
開始時演出設定処理(図221)におけるステップSc2104、ステップSc2106及びステップSc2107にて押し順報知演出の設定処理では、図250のフローチャートに示すように、ステップSc4201にて押し順遅延フラグがセットされているか否かを判定する。押し順遅延フラグがセットされていない場合には、ステップSc4202にて、対応する押し順報知演出を実行するようにする。一方、押し順遅延フラグがセットされている場合には、ステップSc4203にてベット過程演出が終了したか否かを判定し、ベット過程演出が終了していない場合には、終了するまで待機し、ベット過程演出が終了した場合には、ステップSc4204にて押し順遅延フラグをクリアしてから、ステップSc4202にて押し順報知演出が実行されるようにする。
図247(d)は、押し順報知演出側が制限される様子を示している。
tc1~tc3と同様に、tc31~tc33にて特定再遊技結果入賞に伴う再遊技設定用処理にてベットが行われ、ウェイト期間が経過する前であるtc33にて賭数操作が行われると、ベット過程演出が開始される。同じくウェイト期間の経過前であって、ベット過程演出の実行中であるtc34にて開始操作が行われた場合、当該tc34の開始操作に基づく抽選処理の結果が、第3再遊技用の押し順報知演出が行われる結果である場合、本変形例では、当該押し順報知演出側の実行を制限する。すなわち、ウェイト期間の経過前において、ベット過程演出と所定の押し順報知演出との実行が重複する場合には、押し順報知演出の実行を制限し、tc34から開始されたベット過程演出が終了するtc35から、押し順報知演出を開始させる。なお、tc35もウェイト期間の経過前である。このようにすることで、ベット過程演出が途中でベット対応演出に切り替わることの違和感を遊技者に与えないようにしながら、ベット過程演出と所定の押し順報知演出との重複を解消することができる。図においては、tc34の開始操作に基づく各リール32L,32M,32Rの回転開始処理は、ウェイト期間が経過するtc36にて行われる。
これに対して、上記のtc34の開始操作に基づく押し順報知演出が、第3再遊技用の押し順報知演出ではない場合には、上記tc13のように当該押し順報知演出はそのまま実行され、ベット過程演出側が制限される。
ここで、押し順報知演出は、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知するものである。そして、押し順役はその操作順序によって入賞する結果が異なるように設定されている。そのため、より慎重な操作を促す意味で、ウェイト期間の経過前であっても開始操作に基づいて押し順報知演出を開始するように設定している。特に、押し順ベル当選時においては、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞する結果が異なり、その結果によって入賞時に払い出されるメダル数が異なる。そこで、押し順報知演出のうち、押し順ベル当選時の押し順報知演出については、ベット過程演出側を制限するようにしたことで、遊技者の利益を好適に確保することが可能となる。
その一方で、通常リプA~Cについては、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞する再遊技結果は異なるものの、いずれの再遊技結果が入賞しても遊技者の利益は変化しない。そこで、通常リプA~C当選時の押し順報知演出とベット過程演出とが重複する場合には、押し順報知演出側を制限するようにしたことから、遊技者が不利益を被らない範囲で両演出の重複を解消することが可能となる。
しかも、通常リプA~C当選時における押し順報知演出のうち、第2再遊技用の押し順報知演出とベット過程演出とが重複する場合にはベット過程演出側を制限する一方で、第3再遊技用の押し順報知演出とベット過程演出とが重複する場合には押し順報知演出側を制限するようにしている。第2再遊技用の押し順報知演出は第1ATモードの開始時に実行され、第3再遊技用の押し順報知演出は第2ATモードの開始時に実行されるところ、第3再遊技用の押し順報知演出が制限されることを通じて、遊技者は、第2ATモードが開始されることを第3再遊技用の押し順報知よりも前に察知することが可能となる。このようにすることで、ATモードの種類をベット過程演出との重複によって押し順報知演出が制限されることを通じて事前に把握する、といった斬新な遊技性を創出することが可能となる。
図示はしていないが、上記の押し順報知演出側を制限する場合であっても、主制御装置101側の押し順報知は、スタートレバー41の操作タイミングにて開始される。このようにしておけば、操作順序の察知をより早期に行いたい遊技者のニーズにも応じることが可能となる。
なお、第3再遊技用の押し順報知演出とベット過程演出とが重複する場合には、必ず押し順報知演出側を制限する構成としたが、抽選等を経て所定の確率で押し順報知側を制限する構成としてもよい。また、第2再遊技用の押し順報知演出とベット過程演出とが重複する場合には、必ずベット過程演出側を制限する構成としたが、抽選等を経て所定の確率で押し順報知側を制限する構成としてもよい。これらの場合、第2再遊技用の押し順報知演出側が制限される割合と、第3再遊技用の押し順報知演出側が制限される割合とが異なることを通じて、いずれのATモードが開始されるかを予測させることが可能であり、有利なATモードが開始される第3再遊技用の押し順報知演出側が制限される割合の方が高くなるようにすることで、ベット過程演出との関係で押し順報知演出側が制限されることを望ませる、といった新たな遊技性を創出することができる。また、AT種別決定処理により決定される選択率によって、上記の割合を決定してもよく、選択され易いATモードの方が押し順報知演出が制限されるようにすることで、ベット過程演出が制限される場面が少なくなり、ベット過程演出が制限されることによる違和感を与えにくくすることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合について、各リール32L,32M,32Rの動作態様を用いたリール演出と、ベット過程演出との関係での変形例について、図251~図253を参照しながら説明する。なお、リール演出は抽選処理(図188)におけるフリーズ抽選処理にて実行抽選が行われるものであり、リール制御処理(図191)における回転演出処理(ステップSc401)にて実行される演出である。ここでは、リール演出として、各リール32L,32M,32Rの回転を開始する際に、ストップスイッチ42~44の無効期間中に各リール32L,32M,32Rの回転を伴って「赤7」図柄を中段に揃える等する第1フリーズ演出と、所定期間(例えば10sec)に亘って各リール32L,32M,32Rの回転開始を待機させる第2フリーズ演出とについて説明する。つまり、第1フリーズ演出は各リール32L,32M,32Rを回転させる動作態様を用いたリール演出であり、第2フリーズ演出は各リール32L,32M,32Rを回転させない動作態様を用いたリール演出である。
図251は、特定再遊技ベット演出設定処理の変形例を示しており、本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理では、上記図237の処理と比較して、ステップSc4322、ステップSc4333及びステップSc4336の処理が追加されており、その他の処理は図237の対応する処理と同様である。
すなわち、ステップSc4320にて開始操作コマンドを受信したと判定し、ステップSc4321にて第1クレジットランプ56bの消灯処理を実行した後、ステップSc4322にて、受信した開始操作コマンドに基づいて、今回のフリーズ抽選処理の実行抽選の結果が第1フリーズ演出の実行に対応するものであることを示す第1フリーズコマンドを受信しているか否かを判定する。第1フリーズコマンドを受信していない場合には、ステップSc4323にてウェイト期間中であるか否かを判定する処理に進む。一方、第1フリーズコマンドを受信している場合、ステップSc4323のウェイト期間中であるか否かを判定することなく、ステップSc4324側のベット対応演出を行う処理に進む。
また、ベット過程演出において第2ベット表示部34bや第3ベット表示部34cを点灯状態とするまでの待ち状態において、開始操作コマンドを受信した場合(ステップSc4332又はステップSc4335にて肯定判定した場合)、ステップSc4333やステップSc4336では、受信した開始操作コマンドとして第1フリーズコマンドを受信しているか否かを判定する。第1フリーズ演出を実行する場合、ウェイト期間中であるかの判定処理(ステップSc4334やステップSc4337)を行うことなく、そのままベット対応演出に切り替える処理に移行する。これに対して、第1フリーズコマンドを受信していない場合には、ウェイト期間中であるか否かを判定する処理に進む。
図252(a)では、td1にて賭数操作が行われ、ベット過程演出がtd2まで行われ、td3にて行われた開始操作に基づいて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該開始操作に基づく抽選処理の結果が特定再遊技結果であった場合を示している。td4にて、特定再遊技結果入賞が成立し、再遊技状態に設定され、td5にてウェイト期間が経過した後、td6にて賭数操作が行われ、疑似ベット演出におけるベット過程演出が開始される。そして、当該ベット過程演出が完了するtd8よりも前であるtd7にて開始操作が行われ、当該開始操作に基づく抽選処理にて上記の第1フリーズ演出が行われることが決定したとする。
この場合、td7から各リール32L,32M,32Rの回転は開始されるものの、リール制御処理(図191)における回転開始処理(ステップSc402)に基づく回転開始は、第1フリーズ演出が終了するtd9から開始される。つまり、通常であれば、開始操作に基づいて、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させて定速回転に至らせる開始駆動制御が行われ、その後にストップスイッチ42~44の操作が可能となる構成を前提とすると、リール演出を行う場合には、当該開始駆動制御よりも前に当該リール演出用の特定駆動制御が行われる。td7からtd9は各リール32L,32M,32Rの回転を伴う第1フリーズ演出用の特定駆動制御として第1特定駆動制御が行われ、td9から開始駆動制御が行われることになる。
そうすると、td6から開始されたベット過程演出は、td7の開始操作に基づく上記の開始駆動制御とは重複しないことになる。但し、この場合、td7から、第1フリーズ演出における第1特定駆動制御が行われ、当該第1特定駆動制御とベット過程演出が重複するようになるため、td7にてベット過程演出を中断する構成としている。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの駆動制御とベット過程演出との重複による不都合を生じさせないようにすることができる。なお、図においては、td7にてベット過程演出を中断した場合、td7にてベット対応演出に切り替える構成としている。
図252(b)は、第2フリーズ演出の場合について示している。
td11~td16はtd1~td6と同様であり、td16の賭数操作に基づいて、疑似ベット演出におけるベット過程演出が開始される。当該ベット過程演出が完了するtd18よりも前であるtd17にて開始操作が行われ、当該開始操作に基づく抽選処理にて上記の第2フリーズ演出が行われることが決定したとする。
上記の通り、回転開始時のリール演出を行う場合には、開始駆動制御よりも前に当該リール演出用の特定駆動制御が行われるものの、td17からtd19は第2フリーズ演出用の特定駆動制御として第2特定駆動制御が行われ、td19から開始駆動制御が行われることになる。そこで、本変形例では、td16から開始されたベット過程演出をtd17にて中断せず、td18まで実行してベット対応演出に切り替える。つまり、td17からtd18はベット過程演出と、第2フリーズ演出用の第2特定駆動制御は重複することになる。第2特定駆動制御は、上記の通り各リール32L,32M,32Rの回転を伴わない駆動制御であることから、このように重複させても処理負荷の極端な増大化は生じにくいものと考えられる。しかも、各リール32L,32M,32Rは実際に回転が開始されていないのであるから、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されていないのにもかかわらず、ベット過程演出が途中で中断されることの違和感を遊技者に与えないようにすることも可能である。
フリーズ演出抽選の変形例について説明する。図253は、抽選処理(図188)におけるフリーズ抽選処理の変形例を示すフローチャートである。
ステップSc4401では、フリーズ実行抽選を行う。当該フリーズ抽選は、例えば、今回のゲームの抽選結果がATモード移行抽選に当選し易い結果(特定役)である場合の方が、ATモード移行抽選に当選しにくい結果(例えば通常リプA~C)よりも、フリーズ抽選に当選し易くなるように設定されている。また、実行するフリーズ演出の種類によって当選確率が異なるようにしてもよい。そして、ステップSc4402にて当該フリーズ実行抽選の結果が第1フリーズ演出の実行に対応するものであるか否かの判定を行う。第1フリーズ演出を実行する場合、ステップSc4403にて第1フリーズフラグをセットし、ステップSc4404にて第1フリーズコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、フリーズ抽選処理を終了する。第1フリーズフラグがセットされている場合、リール制御処理の回転演出処理では第1フリーズ演出を行うように制御する。
ステップSc4402にて否定判定した場合、ステップSc4405にてフリーズ実行抽選の結果が第2フリーズ演出の実行に対応するものであるか否かの判定を行う。第2フリーズ演出を実行する場合、ステップSc4406にて第2フリーズフラグをセットし、ステップSc4407にて第2フリーズコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、フリーズ抽選処理を終了する。第2フリーズフラグがセットされている場合、リール制御処理の回転演出処理では第2フリーズ演出を行うように制御する。
ステップSc4405にて否定判定した場合、ステップSc4408にて、特定再遊技フラグがセットされており、且つ今回の開始操作がいずれかの賭数操作が行われてから所定期間内(0.4sec以内)の操作であったか否かを判定する。ステップSc4408にて肯定判定した場合、ステップSc4406に進み、第2フリーズ演出を実行するための処理を行う。すなわち、特定再遊技フラグがセットされており、且つベット過程演出中に開始操作が行われた場合、フリーズ実行抽選の結果が第2フリーズ演出の実行に対応するものではなくても、第2フリーズ演出が実行される。
図252(c)は、フリーズ抽選の結果が第2フリーズ演出の実行に対応する結果であった場合を示しており、td21~td26は、上記td1~td6と同様であり、td26の賭数操作に基づいて、疑似ベット演出におけるベット過程演出が開始される。ベット過程演出が完了するtd27よりも後のtd28にて開始操作が行われて、第2フリーズ演出に当選した場合、当該td28からtd29まで第2フリーズ演出の第2特定駆動制御が行われ、その後、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される(開始駆動制御が行われる)。
図252(d)は、フリーズ抽選の結果が第2フリーズ演出の実行に対応する結果ではなかった場合であって、td36にて開始されたベット過程演出が完了するtd38よりも前であるtd37にて開始操作が行われたことを示している。なお、td31~td36は、上記td1~td6と同様である。この場合、本変形例では、第2フリーズ演出に当選しなかった場合であっても、第2フリーズ演出を実行するようにしたうえで、ベット過程演出を途中で中断せず、td38まで実行するようにする。このように、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合には、第2フリーズ演出をあえて実行するようにすることで、ベット過程演出が途中で中断される事象を少なくすることができ、途中で中断されることによる違和感を与えにくくすることが可能となる。なお、td37にて開始された第2フリーズ演出はtd39まで実行され、当該td39から各リール32L,32M,32Rの回転が開始される(開始駆動制御が行われる)。
<変形例4>
本変形性では、特定再遊技結果入賞に基づいて設定された再遊技状態において、実行された賭数操作の種類に応じて、疑似ベット演出の態様を異ならせる。
図254(a)は、上記実施形態における賭数操作の種類に応じた疑似ベット演出の態様を示している。
特定枚数が3枚に設定されているゲームにおいて、te1にて第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cが順次点灯される通常ベット演出におけるベット過程演出が実行され、te2にベット対応演出に切り替わる。この場合、te1にて第1クレジットランプ56bは点灯状態から消灯状態に切り替わる。te3にて開始操作が行われて各リール32L,32M,32Rの回転が開始された場合において、当該開始操作に基づく抽選処理の結果が特定再遊技結果であった場合、te4にて各リール32L,32M,32Rが停止して特定再遊技結果入賞が成立すると再遊技設定用処理にて特定枚数3枚に対応するベットが行われる。
この再遊技状態におけるte5にて、第1クレジット投入スイッチ56ではなくメダル投入口45からのメダルが投入される賭数操作が行われると、上記のように主制御装置101から特定投入コマンドが出力され、かかる特定投入コマンドに基づく疑似ベット演出が実行される。すなわち、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cが順次点灯されるベット過程演出が実行され、te6にベット対応演出に切り替わる。また、te5にて第1クレジットランプ56bは消灯状態とされる。つまり、上記実施形態では、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、第1クレジット投入スイッチ56による賭数操作が行われた場合だけでなく、メダル投入口45からの1枚のメダル投入といった賭数操作が行われた場合であっても、特定再遊技結果となった抽選でベットされていた枚数と同数のベットである3枚に対応するベット過程演出が実行される。
なお、te5ではメダル投入口45からのメダル投入としての賭数操作が行われた場合を示していたが、同様に1枚のベットに対応する賭数操作としての第2クレジット投入スイッチ57の操作であっても、特定第2操作コマンドの出力に基づく疑似ベット演出では、特定再遊技結果となった抽選でベットされていた枚数と同数のベットである3枚のベット対応演出となるようにベット過程演出が行われる。
ちなみに、ベット過程演出が行われた後、更にメダル投入口45からメダルの投入が行われても、ベット過程演出は実行されず、更にベット時効果音が出力されずにクレジットカウンタの加算だけが行われ、クレジット増加効果音の出力は行われる。これに対して、ベット過程演出が行われた後、第2クレジット投入スイッチ57を操作してもベット時効果音は出力されないし、クレジットカウンタの加算は行われない。
図255は、特定再遊技ベット演出設定処理の変形例を示しており、本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理では、上記図237の処理と比較して、ステップSc4505及びステップSc4506の処理が追加されている。
すなわち、ステップSc4504にて、特定投入コマンドや特定第1操作コマンド、特定第2操作コマンドのいずれかを受信したと判定した場合、ステップSc4505に進む。ステップSc4505では、受信したコマンドが、特定投入コマンド又は特定第2操作コマンドであるか否かを判定する。特定第1コマンドである場合には、ステップSc4507に進み、ベット過程演出を行うための処理を実行する。一方、特定投入コマンド又は特定第2操作コマンドである場合、ステップSc4506にて、単ベット演出設定処理を実行してから、本特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。なお、ステップSc4506の単ベット演出設定処理は、図233に示すとおりである。但し、この場合の単ベット演出設定処理では、ステップSc3002における消灯済みフラグをセットする処理を行わないようにする。
図254(b)は、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、第2クレジット投入スイッチ57や、メダル投入口45からのメダル投入といった1枚のベット操作に対応する賭数操作が行われた場合を示している。
te1~te4と同様に、te11~te14にて特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態に設定された状況において、te15にてメダル投入口45から1枚のメダルが投入された場合、ベット時効果音とともに第1ベット表示部34aが点灯状態とされるベット過程演出を経て、te16にて1枚のベットが行われた状態を示すベット対応演出となる。また、te17にて第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合、ベット時効果音とともに第2ベット表示部34bが点灯状態とされるベット過程演出を経て、te18にて2枚のベットが行われた状態を示すベット対応演出となる。そして、te19にてメダル投入口45から1枚のメダルが投入された場合、ベット時効果音とともに第3ベット表示部34cが点灯状態とされるベット過程演出を経て、te20にて3枚のベットが行われた状態を示すベット対応演出となる。この場合、第1クレジットランプ56bはte19まで点灯状態が継続されるようにする。つまり、疑似ベット演出において、単ベット演出に相当する演出が行われる構成であり、このようにすることで、疑似ベット演出を実際のベット時の演出(単ベット演出)と同様の態様とすることが可能となり、特定再遊技結果を他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与える手助けとすることができる。
図254(c)は、上記図254(b)のように疑似ベット演出にて単ベット演出を行う構成において、途中で開始操作が行われた場合を示している。
te21~te28では、te11~te18と同様に、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、1枚のベットに対応する疑似ベット演出がte25~te28にて実行され、第1ベット表示部34a及び第2ベット表示部34bが点灯状態とされて2枚のベットが行われていることに対応するベット対応状態とされている。かかる状況において、te29にて開始操作が行われて各リール32L,32M,32Rの回転が開始された場合、当該te29ではベット過程演出の実行が制限され、第3ベット表示部34cが点灯状態となるだけで、ベット時効果音の出力は行われない。つまり、3枚のベットが行われていることに対応するベット対応演出が行われた状態で、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるようになる。また、この場合、第1クレジットランプ56bは、開始操作が行われるte29にて消灯状態に切り替えられる。
図254(d)は、第2クレジット投入スイッチ57や、メダル投入口45からのメダル投入といった1枚のベット操作に対応するベット対応演出を、疑似ベット演出においても実行するものの、その実行態様を制限する例を示している。なお、この場合の特定再遊技ベット演出設定処理について、図による詳細な説明は省略するが、上記図255において、ステップSc4505にて特定投入コマンド又は特定第2操作コマンドを受信したと判定した場合、第1クレジットランプ56bの消灯処理を行ったうえで、単ベット演出設定処理(図238)におけるステップSc3005のベット時効果音の出力処理を実行してから、本特定再遊技ベット演出設定処理を終了するようにする。
te31~te34は、te1~te4と同様であり、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態に設定されている。te35にてメダル投入口45から1枚のメダルが投入された場合、ベット過程演出の実行が制限されてベット対応演出に切り替えられる。そして、te35にて第1クレジットランプ56bは消灯状態に切り替えられる。この場合、te36にて第2クレジット投入スイッチ57の操作が行われたり、te37にてメダル投入口45からメダルが投入されても、ベット過程演出は実行されない。但し、te35、te36、te37のそれぞれの1枚のベット操作に対応させて、ベット時効果音は出力されるようにする。つまり、te35、te36、te37のそれぞれの1枚のベット操作ではベット過程演出のうちのベット時効果音だけが実行されるようにその実行態様が制限される。このように、ベット時効果音は出力するようにすることで、処理構成の簡素化を図ることが可能となるとともに、各ベット操作が受け付けられたことを遊技者は明確に把握することができる。この場合も、3枚分のベット時効果音が出力された後であるte38にてメダル投入口45からメダルが投入されても、ベット過程演出は実行されず、更にベット時効果音が出力されずにクレジットカウンタの加算だけが行われるようにするとよい。また、この場合も、クレジットカウンタの加算時にクレジット増加効果音の出力は行われるようにしてもよい。
<変形例5>
本変形例では、再遊技状態においても仮待機状態や待機状態の設定が行われるようにする。図256は、本変形例における待機状態設定処理を示すフローチャートである。
本変形例における待機状態設定処理では、図240の処理と比較して、再遊技状態においても待機カウンタのカウントが許可される点で相違しており、他の処理は図240における対応する処理と同様である。
すなわち、ステップSc4601にていずれの遊技操作も行われていないと判定した場合、ステップSc4602にてリール回転中であるか否かを判定し、ステップSc4603にてメダル払出中であるか否かを判定する。リール回転中ではなくメダル払出中でもない場合、ステップSc4603にて待機カウンタのカウントを許可する処理を実行する。リール回転中又はメダル払出中である場合には、ステップSc4605にて待機カウンタのカウントを不許可とする処理を実行する。
図257は、本変形例における待機用処理を示すフローチャートである。本変形例における待機用処理では、図241の処理と比較して、ステップSc4702、ステップSc4704、ステップSc4714、ステップSc4716及びステップSc4719~ステップSc4722の処理が追加されており、他の処理は上記図241における対応する処理と同様である。
すなわち、ステップSc4713にてゲームが終了した場合、ステップSc4714にて特定再遊技結果入賞が成立したか否かを判定する。特定再遊技結果入賞以外の遊技結果である場合、ステップSc4715にて表示継続カウンタの計測を開始する処理を実行する。特定再遊技結果入賞である場合、ステップSc4716にて各種フラグ格納エリア183aに特定再遊技状態フラグをセットする処理を実行してから、ステップSc4715の表示継続カウンタの計測開始処理に進む。
また、ステップSc4717にていずれの遊技操作もおこなわれないまま、表示継続カウンタが第1移行期間に対応する30secに達した場合(ステップSc4718:YES)、ステップSc4719にて、特定再遊技状態フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップSc4720及びステップSc4721の仮待機状態用の処理を実行する。ステップSc4720及びステップSc4721の処理は上記ステップSc3616及びステップSc3617の処理と同様であり、ベット表示部34や第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理である。
一方、特定再遊技結果入賞後に第1移行期間が経過した場合(ステップSc4719:YES)、ステップSc4722にてベット表示部34を消灯状態とする処理を実行し、ステップSc4723にて第1クレジットランプ56bを点滅状態とする処理を実行してから、待機用処理を終了する。すなわち、特定再遊技結果入賞後の仮待機状態は、その他の結果後の仮待機状態と第1クレジットランプ56bの報知態様が異なっている。
更に、ステップSc4701にて待機状態までの第2移行期間が経過したと判定した場合、ステップSc4702にて、上記の特定再遊技状態フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップSc4703~ステップSc4707にて補助表示部65、スピーカ64、ベット表示部34及び第1クレジットランプ56bを待機モードとする処理を実行する。これらステップSc4703~ステップSc4707の処理は、ステップSc3602~ステップSc3605の処理と同様である。
一方、特定再遊技結果入賞後に第2移行期間が経過した場合(ステップSc4702:YES)、ステップSc4704にて補助表示部65を特定再遊技結果入賞が成立していることを報知するべく、例えば、「大チャンス発生中!!」といった文字表示を行うように制御する。その後、ステップSc4705~ステップSc4707にて、スピーカ64、ベット表示部34及び第1クレジットランプ56bを待機モードとする処理を実行する。
図258は、本変形例における仮待機状態と待機状態の様子を示すタイミングチャートである。
図258(a1)に示すように、tf1にて開始されたゲームが通常再遊技結果当選であり、tf2にて通常再遊技結果入賞が成立した場合、tf2から第1移行期間(TA)が経過するtf3になると、仮待機状態に設定される。この場合、ベット表示部34が消灯状態とされる。ちなみに、通常再遊技結果入賞後であるため、第1クレジットランプ56bは、消灯状態のままである。その後、tf2から第2移行期間(TB)が経過するtf4になると、待機状態に設定される。この場合、BET表示部75は消灯状態となり、補助表示部65も待機モードに設定される(図258(a2))。
図258(b1)に示すように、tf11にて開始されたゲームが小役結果当選であり、tf12にて当該ゲームが終了した場合、tf12から第1移行期間(TA)が経過するtf13になると、仮待機状態に設定される。この場合、ベット表示部34及び第1クレジットランプ56bが消灯状態とされる。その後、tf12から第2移行期間(TB)が経過するtf14になると、待機状態に設定される。この場合、BET表示部75は消灯状態となり、補助表示部65も待機モードに設定される(図258(b2))。
図258(c1)に示すように、tf21にて開始されたゲームが特定再遊技結果当選であり、tf22にて特定再遊技結果入賞が成立した場合、tf22から第1移行期間(TA)が経過するtf23になると、仮待機状態に設定される。この場合、ベット表示部34は消灯状態とされ、第1クレジットランプ56bが点滅状態とされる。その後、tf22から第2移行期間(TB)が経過するtf24になると、待機状態に設定される。この場合、第1クレジットランプ56bやBET表示部75は消灯状態となり、補助表示部65も待機モードに設定される。但し、補助表示部65の表示態様は、図258(a2)や図258(b2)の場合と異なっている(図258(c2))。
上記のように、特定再遊技結果入賞や、小役結果等であったゲームが終了した後は、第1クレジットランプ56bはいずれも点灯状態となる。但し、本変形例では、第1移行期間が経過して仮待機状態となった場合には、小役結果等の後は消灯状態となるものの、特定再遊技結果入賞後は点滅状態となる。そのため、仮待機状態に移行する前は、第1クレジットランプ56bの報知態様から特定再遊技結果と小役結果等とを判別することができないものの、仮待機状態に移行した後は判別することが可能となる。
これに対して、いずれの結果であっても、ベット表示部34は仮待機状態となると消灯状態となる。ここで、ベット表示部34は、スロットマシン10の前方を向く遊技パネル25に設けられている。これに対して、第1クレジットランプ56bは、遊技パネル25の下方であって、遊技パネル25に交差する操作面から上方に向けて突出した第1クレジット投入スイッチ56に内蔵されている(図170、図171参照)。この場合、遊技台が複数並設された島の端から本スロットマシン10を視認するなど、本スロットマシン10から離れた場所から視認した場合には、ベット表示部34の点灯の有無は確認できるものの、第1クレジットランプ56bの点灯の有無は確認できない又はベット表示部34よりも確認しにくい。そのため、上記のように第1クレジットランプ56bが点灯状態(点滅状態)であるか否かを確認しようとするならば、本スロットマシン10の近くまで来て確認する必要が生じ得る。このように、一見してスロットマシン10の状態を確認しにくくすることで、仮に所望の状態ではなかったとしても、近くまで来たのだから遊技してみよう、と思わせる動機づけとすることができ、本スロットマシン10の稼働率を向上させることが可能となる。
更に、待機状態に移行すると、第1クレジットランプ56bやベット表示部34はいずれの結果後も消灯状態となるものの、補助表示部65の表示態様が特定再遊技結果入賞後だけ異なっている。このようにすることで、特定再遊技結果入賞が成立しており、ATモード移行抽選等にて当選している可能性が十分にある状況でスロットマシン10が放置されてしまうことを抑制することが可能となる。
<変形例6>
本変形例では、清算スイッチ59を操作することでクレジットの清算が行われた場合の報知について説明する。図259は、本変形例におけるメダル返却処理を示すフローチャートである。メダル返却処理は、通常処理(図187)におけるステップSc206にて実行される処理である。
ステップSc4801では、清算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、操作されていなければそのまま本メダル返却処理を終了する。清算スイッチ59が操作された場合、ステップSc4802に進む。ステップSc4802では、直前のBET用処理において特定再遊技フラグがセットされており、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態であるか否かを判定する。特定再遊技フラグがセットされていない場合には、ステップSc4803にて清算コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。
続くステップSc4804では、いずれかの再遊技フラグがセットされているか否かを判定し、いずれの再遊技フラグもセットされておらず、再遊技状態ではない場合、ステップSc4805にてBETカウンタとクレジットカウンタとの合計数に相当する枚数のメダルが払い出されるようにホッパ装置51を制御する。その後、ステップSc4806にてBETカウンタ及びクレジットカウンタを0にクリアする処理を実行してから、本メダル返却処理を終了する。
ステップSc4804にていずれかの再遊技フラグがセットされており、再遊技状態である場合、ステップSc4807にてクレジットカウンタの値に相当する枚数のメダルが払い出されるようにホッパ装置51を制御する。その後、ステップSc4808にてクレジットカウンタを0にクリアする処理を実行してから、本メダル返却処理を終了する。
つまり、本変形例では、再遊技状態においてもクレジットの清算が可能となっており、再遊技状態以外ではベットされている仮想メダルの分も含めてメダルの払出が行われ、再遊技状態においてはベットされている仮想メダルの分を除いてメダルの払出が行われる。そのため、再遊技状態においては、清算スイッチ59を操作することでクレジットの清算は可能であるものの、清算後においても、少なくとも1ゲームは新たなメダルを要することなく遊技することが可能な状態は維持される。かかる構成は、例えば、遊技ホールの閉店時等、遊技の終了が迫られている状況下において、再遊技結果入賞が連続して遊技を終了することができないことを解消しながらも、再遊技結果と小役結果とを明確に区別するための構成であり、このようにすることで、1ゲーム分の遊技可能な権利を放棄してでも遊技を終了することが可能となり、遊技者の多様なニーズに応じることができるようになっている。
但し、再遊技状態のうち、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態においては、1ゲーム分の遊技可能な権利だけではなく、上記の通り特定役当選に基づくATモード当選等の可能性が高く、そのまま遊技を終了してしまうことは遊技者にとって大きな損失につながる可能性が高い。そこで、ステップSc4802にて特定再遊技フラグがセットされていると判定した場合、ステップSc4809にて、当該特定再遊技フラグがセットされてから、第3移行期間が経過したか否かを、例えば特定再遊技フラグをセットしてから計測を開始するタイマカウンタ等を用いて判定する。本変形例では、第3移行期間として、20secを設定しており、当該20secは上記待機状態に設定する第2移行期間よりも短く、仮待機状態に設定する第1移行期間よりも短い期間として設定している。第3移行期間が経過していない場合には、そのままメダル返却処理を終了する。
すなわち、本変形例では、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態となってから第3移行期間が経過するまでは、清算スイッチ59を操作してもクレジットの清算が行えないようにしている。
ステップSc4809にて第3移行期間が経過した場合、ステップSc4810にて各種カウンタエリア106eに設けられた清算操作カウンタを1加算する処理を実行し、ステップSc4811にて当該清算操作カウンタが特定数としての2に至ったか否かを判定する。2に至っていない場合、すなわち、第3移行期間が経過した後であっても、1回目の清算操作である場合には、そのままメダル返却処理を終了する。
つまり、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態においては、清算スイッチ59を操作しても、クレジットの清算が制限される場合があるようにしている。このようにすることで、特定再遊技結果当選に基づくATモード当選等を放棄してしまうことを好適に抑制することが可能となる。
ステップSc4811にて清算操作カウンタが特定数となった場合、ステップSc4812にて清算操作カウンタをクリアした後、ステップSc4813にて特定清算コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。その後、ステップSc4804~ステップSc4808にてクレジットの清算用の処理を行う。つまり、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態においては、特定数の清算操作を行うことでクレジットの清算が可能となるように設定されている。
表示制御装置81側の返却時演出処理について、図260のフローチャートを参照しながら説明する。返却時演出処理は、演出設定処理(図220)におけるその他の処理(ステップSc2011)の一処理として実施される処理である。
ステップSc4901では、上記の清算コマンド及び特定清算コマンドのいずれかのコマンドを受信しているか否かを判定し、受信していない場合には、そのまま返却時演出処理を終了する。いずれかのコマンドを受信している場合、ステップSc4902に進む。
ステップSc4902では、各種カウンタエリア183bに設けられた返却期間カウンタの減算を開始する。返却期間カウンタは、清算時の効果音(返却時効果音)の継続期間をCPU181が把握するためのカウンタであり、初期値は5000に設定されている。返却期間カウンタは2sec周期で1ずつ減算され、10secで0となる。
続くステップSc4903では、特定清算コマンドを受信しているか否かを判定し、特定清算コマンドではなく清算コマンドである場合、ステップSc4904にて返却時効果音が出力されるようにスピーカ64を制御する。そしてステップSc4905にて、上記の返却期間カウンタが0となったか否かを判定し、0となるまで待機する。0となった場合には、ステップSc4906にて、上記の返却時効果音の出力を停止したうえで、本返却時演出処理を終了する。返却時効果音としては、例えば、「ピンポーン 清算しました」といったアナウンスが所定期間に亘って繰り返し行われるように設定されている。なお、当該返却時効果音は、大きな音量(最大音量)にて行われることが好ましく、このようにすることで、不正にホッパ装置51を操作しようとする不正行為と、正規の清算操作とを遊技ホールの管理者が区別し易くなる。
ステップSc4903にて特定清算コマンドを受信した場合、ステップSc4907に進む。ステップSc49047ステップSc4921の処理は、上記特定再遊技ベット演出設定処理(図237)におけるステップSc3405~ステップSc3419の処理と同様の処理である。すなわち、ステップSc4907~ステップSc4921の処理により、疑似ベット演出におけるベット過程演出が実行されるようになる。
そして、ステップSc4921にてベット過程演出が完了し、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態におけるベット対応演出に切り替わった後、ステップSc4904にて、上記の返却時効果音が出力されるようにする処理を実行してから、本返却時演出処理を終了する。
クレジットの清算が行われる様子について、図261のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図261(a)は、小役結果等の後で、清算が行われる様子を示している。
すなわち、tg1にて賭数操作が行われ、ベット過程演出がtg2にて完了した後、tg3にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tg4にて停止したとし、tg2の抽選処理の結果が小役結果であった場合である。この場合、tg5にて清算スイッチ59の操作が行われると、tg6までメダルの払出が行われる。ここで、上記のように清算によりクレジットカウンタが0となることから、tg5にて第1クレジットランプ56も消灯状態とされる。また、上記の返却時効果音が実行される所定期間は、クレジットカウンタの最大数と、ベットカウンタの最大数との合計数(53)のメダルが払い出されるよりも長い期間として設定されており、メダルの返却が完了するtg6よりも後であるtg7まで返却時効果音は継続する。ちなみに、本変形例では、返却時効果音の長さは、メダルの返却数に関わらず一律の所定期間(TC、10sec)として設定されており、このようにすることで、記憶容量の削減を図ることが可能としている。
図261(b)は、特定再遊技結果入賞後に清算が行われる様子を示している。
すなわち、tg1~tg4と同様にtg11~tg14にてゲームが完了し、tg14にて特定再遊技結果入賞に基づく再遊技設定用処理が行われた場合である。第3移行期間が経過した後であるt15において清算スイッチ59の操作が行われても、清算操作カウンタが1であることから清算は行われない。続くtg16にて、再度の清算スイッチ59の操作が行われることで、清算操作カウンタが2となり、清算が開始される。但し、tg16では返却時効果音の出力は開始されない。その代わりに、tg16からtg17にて、ベット過程演出が行われ、tg17にてベット対応演出に切り替わる。tg17にてベット過程演出が完了すると、当該tg17から清算時効果音の出力が開始され、当該清算時効果音の出力はtg19まで継続する。なお、メダルの返却はtg18にて完了する。
ここで、本変形例では、特定清算コマンドを受信した場合の清算時効果音の長さは、上記の所定期間から、ベット過程演出が行われる長さを減じた長さとしている。このようにすることで、特定清算コマンドに基づく清算時効果音が、メダル返却の完了後も不必要に長く継続してしまう不都合や違和感を生じさせないようにすることが可能となる。
清算時効果音の出力が終了したtg19の後、tg20にて賭数操作を介さずに開始操作が行われると、上記のように再遊技状態にてベットされていることからして、当該ベットに対応するゲームを開始することが可能である。
このように、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態においては、清算スイッチ59を操作しても清算が制限される場合があるようにしたことから、遊技者が特定再遊技結果入賞に気付かずに遊技を終了してしまうことを好適に抑制することが可能となる。
そのうえで、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態においても、清算スイッチ59を特定数に亘って操作することで清算を可能とし、それを知りながらも遊技を終了しようとする遊技者のニーズにも応じることが可能となる。
ところが、遊技終了を急ぐあまり、特定再遊技結果入賞に気付かずに清算スイッチ59を連打して清算しようとする遊技者もいると考えられる。そこで、上記のように、清算スイッチ59の操作によって清算を可能としながらも、このような場合には、疑似ベット演出が行われるようにしたことから、上記のように特定再遊技結果入賞に気付かずに清算を行った遊技者ですら気付くことが期待でき、遊技者が不利益を被る場面を生じさせにくくすることが可能となる。
しかも、清算スイッチ59の操作に基づく疑似ベット演出は、清算時効果音と重複しないように設定されている。これにより、疑似ベット演出が行われていることにより気付き易くなり、特定再遊技結果当選による恩恵を放棄してしまう場面を生じさせにくくする効果を高めることが可能となる。
上記のような清算時効果音と、疑似ベット演出とを重複させないようにする構成は、以下のように変更してもよい。
図261(c)では、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、清算を行う場合、清算時効果音の出力が先に行われ、疑似ベット演出が後で実行される様子を示している。
すなわち、tg11~tg14と同様に、tg21~tg24にて特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態に設定され、tg25及びtg26にて清算スイッチ59の操作が行われることで、クレジットの清算が行われる。この場合、tg26からメダルの返却が実行されるとともに、tg26から返却時効果音の出力が開始される。そして、メダルの返却がtg27にて完了すると、当該tg27から疑似ベット演出が開始される。当該疑似ベット演出はtg29まで実行される。つまり、tg26からtg28までが返却時効果音の出力期間とされており、tg27からtg28では、ベット過程演出側が優先され、返却時効果音の出力は制限される。
この場合、清算が開始された際に、返却時効果音の出力が開始されるものの、第1クレジットランプ56bの消灯は、疑似ベット演出が開始されるtg27としていることから、清算が開始されたのにもかかわらず、第1クレジットランプ56bが点灯状態であることを通じて、特定再遊技結果入賞に気付かせ易くすることが可能となる。
上記のように、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において清算が行われたとしても、再遊技状態であることから新たなベットを要することなくゲームが可能である。図261(d)では、上記図261(b)において、清算が行われた後、ゲームが開始されるタイミングが異なっている。
すなわち、tg31~tg38は、上記tg11~tg18と同様であり、tg38にてtg36から開始されたメダル返却が完了することを示している。また、tg36から疑似ベット演出が行われ、tg37からは返却時効果音が出力されている。かかる状況下において、返却時効果音が終了する予定であったtg40よりも前であるtg39にて開始操作が行われた場合、当該tg39にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。そこで、このような場面においては、返却時効果音をtg39にて終了するようにするとよい。このようにすることで、回転開始時の演出や処理と、返却時効果音やそれ用の処理等が重複することを回避することが可能である。
<変形例7>
本変形例では、疑似ベット演出の態様を変更する。図262は、本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例における特定再遊技ベット演出設定処理では、図237の処理と比較して、賭数操作に基づくベット過程演出のベットの間隔と、開始操作に基づいてベット対応演出を行う場合もベット過程演出を行う点が相違しており、他の処理は図237における対応する処理と同様である。
すなわち、本変形例では、賭数操作に基づくベット過程演出のベットの間隔を設定する処理(ステップSc5011及びステップSc5016)にて、上記実施形態の間隔(約0.1sec)よりも長い約0.2secを設定する。すなわち、本変形例における疑似ベット演出のベット過程演出でのベット同士の間隔は、通常再遊技結果入賞に基づいて実行される再遊技ベット演出のベット過程演出でのベット同士の間隔と同じ間隔であり、疑似ベット演出のベット過程演出は、再遊技ベット演出のベット過程演出と報知態様が共通している。
また、本変形例では、ステップSc5020にて開始操作コマンドを受信していると判定した場合、第1クレジットランプ56bや、全ベット表示部34a~34cの消灯処理(ステップSc5021、ステップSc5023)を経て、ステップSc5025にて第1ベット表示部34aを点灯状態とする処理を実行した後、本変形例ではステップSc5026にてベット時効果音を出力する処理を実行する。
そして、ステップSc5027にて前回のベット数が1であったか否かを判定し、1ではない場合には、ステップSc5028に進み、ベットタイマに約0.1secに相当する67を入力する処理を実行し、ステップSc5029にて当該ベットタイマが0となるまで待機する。ベットタイマが0となった場合に、ステップSc5029にて肯定判定し、ステップSc5030にて第2ベット表示部34bを点灯状態とする処理を実行するとともに、ステップSc5031にてベット時効果音を出力する処理を実行する。
続くステップSc5032では、前回のベット数が2であったか否かを判定し、2ではない場合には、ステップSc5033に進み、ベットタイマに約0.1secに相当する67を入力する処理を実行し、ステップSc5034にて当該ベットタイマが0となるまで待機する。ベットタイマが0となった場合に、ステップSc5034にて肯定判定し、ステップSc5035にて第3ベット表示部34cを点灯状態とする処理を実行するとともに、ステップSc5036にてベット時効果音を出力する処理を実行してから、特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。なお、ステップSc5027又はステップSc5032にて否定判定した場合、そのまま特定再遊技ベット演出設定処理を終了する。
すなわち、本変形例では、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、いずれかの賭数操作が行われた場合には、再遊技ベット演出におけるベット過程演出と報知態様が共通するベット過程演出を実行した後、ベット対応演出に切り替える。一方、当該再遊技状態において、賭数操作を介することなく開始操作が行われた場合は、連ベット演出におけるベット過程演出と報知態様が共通するベット過程演出を実行した後、ベット対応演出に切り替える。上記のとおり、再遊技ベット演出におけるベット過程演出よりも連ベット演出におけるベット過程演出の方が、演出に要する期間が短くなるように設定されている。よって、上記のようにすることで、特定再遊技結果入賞に基づく再遊技状態において、賭数操作を介することなく開始操作が行われた場合には、賭数操作に基づく疑似ベット演出よりは、早期にベット過程演出を終了させてベット対応演出に切り替えることが可能となり、各リール32L,32M,32Rの回転等とベット過程演出との重複を少なくすることができる。
また、既に説明した通り、特定再遊技ベット演出設定処理では、賭数操作を介することなく開始操作が行われた場合であっても、ウェイト期間の経過前であれば(ステップSc5022:YES)、賭数操作に基づく疑似ベット演出と同様の演出が行われる。つまり、本変形例では、賭数操作を介することなく開始操作が行われた場合において、ウェイト期間の経過前と経過後とで、ベット過程演出の報知態様が異なる構成といえる。このようにすることで、ベット演出を各リール32L,32M,32Rの回転開始の有無といった遊技の進行状況に応じてうまく合わせることが可能となる。
この場合、上記変形例のように、いずれの報知態様もベット過程演出を経てベット対応演出に切り替わるようにすることで、両報知態様の相違点を極力少なくすることが可能となり、遊技の進行状況にベット演出を合わせながらも遊技者に違和感を与えないようにすることが可能となる。
しかも、いずれの報知態様も、他のベット演出に用いられる報知態様であり、ウェイト期間の経過前の報知態様は、再遊技ベット演出における報知態様と共通しており、ウェイト期間の経過後の報知態様は、連ベット演出における報知態様と共通している。このようにすることで、ベット演出の報知態様を遊技進行に応じて変更するうえで、専用の報知態様を設ける必要が生じず、記憶データの少量化を図ることが可能となる。
特に、両報知態様は、ベット表示部34a~34cを点灯状態とする間隔が異なるだけであるため、当該間隔の調整だけで、ベット演出の報知態様を変更することが可能である。よって、極めて簡素な構成にて、ベット演出を遊技進行にマッチさせることが可能となる。
また、ベットの間隔の調整だけであることから、ベット過程演出中にウェイト期間が経過した場合に、ウェイト期間が経過した側のベット演出に切り替えても、当該間隔のズレが生じるだけで済み、早期にベット過程演出を完了させながらも、遊技者に与える違和感を低減する効果も期待できる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)再遊技設定用処理を、ゲームの開始に際してBET用処理の一処理として実行することを前提として説明したが、ゲームの終了に際して再遊技結果入賞が成立している場合に再遊技設定用処理を行う構成であってもよい。より詳しくは、リール制御処理(図191)における払出判定処理(ステップSc413)にて、再遊技結果入賞が成立している場合に当該再遊技設定用処理を実行する構成としてもよい。また、通常処理(図187)におけるメダル払出処理(ステップSc214)にて、再遊技設定用処理を実行する構成としてもよい。
(2)通常再遊技結果入賞が成立した場合には、BET表示部75を順次点灯状態とするようにしたうえで、特定再遊技結果入賞が成立した場合には、BET表示部75を同時に点灯状態とする構成としたが、かかる構成を変更してもよい。すなわち、特定再遊技結果入賞が成立した場合であっても、BET表示部75を順次点灯状態とする構成としてもよい。この場合、各BET表示部75a~75cを点灯状態とする間隔は、通常再遊技結果と特定再遊技結果とで同じ又は略同じ間隔としてもよいし、異なる間隔としてもよい。但し、特定再遊技結果入賞に基づく疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた場合、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されない場面を生じさせないようにするためには、特定再遊技結果入賞に基づいて各BET表示部75a~75cを点灯状態とする間隔は通常再遊技結果の場合よりも短いことが好ましく、例えば、第1操作対応処理において各BET表示部75a~75cを点灯状態とする間隔と同じ又は略同じ長さとしてもよいし、第1操作対応処理において各BET表示部75a~75cを点灯状態とする間隔よりも短い間隔としてもよい。
(3)第1再遊技以外の再遊技を特定再遊技結果とし、当該特定再遊技結果入賞時に第1クレジットランプ56bを点灯させるとともに、第1クレジット投入スイッチ56等の操作に基づき疑似ベット演出を行う構成としたが、他の結果の後でも、同様に第1クレジットランプ56bを点灯等させたり、疑似ベット演出を行う構成としてもよい。例えば、第1再遊技としての通常再遊技結果入賞が成立した後であっても、所定条件が成立していれば第1クレジットランプ56bを点灯(点滅)させるとともに、第1クレジット投入スイッチ56等の操作に基づき疑似ベット演出を行う構成としてもよい。また、所定の小役結果や外れ結果であっても、所定条件が成立していれば第1クレジットランプ56bを点灯させるとともに、第1クレジット投入スイッチ56等の操作に基づき疑似ベット演出を行う構成としてもよい。所定条件としては、例えば、何らかの遊技状態移行が生じる場合や、ベット時演出や開始時演出として所定の演出が設定されている場合としてもよい。なお、通常再遊技結果で第1クレジットランプ56bを点灯させたり疑似ベット演出を行う場合、上記の特定再遊技結果時と同様に、仮想メダルの自動投入処理が早期に完了するようにすると好ましく、具体的には、通常再遊技結果であってもステップSc2414~ステップSc2416の処理にて自動投入処理を行う構成とするとよい。
(4)疑似ベット演出において、ウェイト期間が経過していなければ、ベット過程演出中に開始操作が行われてもベット対応演出に切り替えない構成としたが、ウェイト期間の経過の有無に関わらず、すなわち当該開始操作に基づく各リール32L,32M,32Rの回転の開始の有無に関わらず、ベット過程演出中の開始操作に基づいてベット対応演出に切り替える構成としてもよい。
(5)疑似ベット演出において、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合、当該ベット過程演出を制限する態様は上記のものに限定されない。例えば、開始操作に基づきベット過程演出を中断し、開始操作に基づく開始演出等が終了した後で、ベット過程演出を再開するようにしてもよい。この場合、中断したポイントからベット過程演出を再開するようにしてもよいし、ベット過程演出の最初から再開するようにしてもよい。更に、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合、ベット時効果音の出力ボリュームを下げるようにしてもよいし、点灯演出の輝度を下げるようにしてもよい。
(6)疑似ベット演出において、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合、当該ベット過程演出を制限するか否かを、実行済みのベット過程演出や、残りのベット過程演出に基づいて決定する構成としてもよい。例えば、残りのベット過程演出のデータ量や実行時間が所定未満であれば、ベット過程演出中に開始操作が行われてもベット過程演出を中断せずにそのまま継続するようにし、残りのベット過程演出のデータ量や実行時間が所定以上であれば、ベット過程演出を中断する構成としてもよい。より詳しくは、例えば、3ベットに対応するベット過程演出を行ううえで、2ベットまでのベット過程演出が完了しているタイミングで開始操作が行われた場合には、ベット過程演出を中断せずに3ベットまで継続させ、1ベットまでのベット過程演出が完了しているタイミングで開始操作が行われた場合には、ベット過程演出を中断して3ベットのベット対応演出に切り替える構成としてもよい。更に、ベット同士の待ち時間の最中に開始操作が行われた場合において、その待ち時間の経過状況に応じて、ベット過程演出を中断するか継続するかを決定する構成としてもよく、待ち時間が所定時間未満であれば継続させるものの、待ち時間が所定時間以上であれば中断するようにしてもよい。
(7)疑似ベット演出において、ベット過程演出中に開始操作が行われ、当該ベット過程演出を中断して、ベット対応演出に切り替える構成において、ベット同士の待ち時間の最中に開始操作が行われた場合には、待ち時間の経過を待たずにベット対応演出に切り替える構成としたが、待ち時間の経過を待ってベット対応演出に切り替える構成としてもよい。具体的には、例えば、3ベットのベット過程演出を行う場合において、第1ベット表示部34aを点灯状態とした後、第2ベット表示部34bを点灯状態とするまでの待ち時間の最中で開始操作が行われた場合、第2ベット表示部34bを点灯状態とするまでの待ち時間が経過した際に、第2ベット表示部34b及び第3ベット表示部34cを点灯状態とするようにしてもよい。
(8)疑似ベット演出において、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合、当該ベット過程演出を制限する処理や、開始演出を制限する処理だけではなく、別の処理を実行する構成としてもよい。例えば、ベット過程演出中に開始操作が行われた回数を計測する処理を実行する構成としてもよく、この場合、当該ベット過程演出中の開始操作の回数に応じて、補助表示部65等にて所定の演出を実行する構成としてもよい。所定の演出としては、例えば、遊技者の操作スピードの速さを祝福するような内容の演出であってもよいし、逆に、誤操作が発生し易い状況である旨の注意喚起を示す内容であってもよい。
(9)疑似ベット演出において、ベット過程演出中に開始操作が行われた場合、ベット過程演出の進行度合いに応じて、ベット過程演出を制限する場合の態様を異ならせる構成としてもよい。具体的には、ベット過程演出が開始されてから完了前である第1のタイミングにて開始操作が行われた場合には、第1制限態様として、例えば、その第1のタイミングにてベット対応演出に切り替え、ベット過程演出が開始されてから完了前であって第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングにて開始操作が行われた場合には、第2制限態様として、例えば、点灯演出は継続させるもののベット効果音の出力を制限するようにしてもよい。
(10)主制御装置101側の再遊技設定処理において、BET表示部75を一旦すべて消灯状態とする構成としたが、消灯状態を介さない構成としてもよい。この場合、特に特定再遊技結果入賞に基づく再遊技設定処理では、BET表示部75は点灯状態のまま維持されることになる。
(11)特定再遊技結果入賞に基づく再遊技設定処理においても、通常再遊技結果入賞と同様に、ベット同士の待ち時間を設けて、第1BET表示部75a、第2BET表示部75b、第3BET表示部75cを順次点灯状態とさせる構成としてもよい。この場合、通常再遊技結果入賞の場合のベット同士の待ち時間と、特定再遊技結果入賞の場合のベット同士の待ち時間とが同じ時間であってもよいし、異なる時間であってもよく、通常再遊技結果の場合の方が特定再遊技結果の場合よりも待ち時間が長い構成としてもよいし、短い構成としてもよい。但し、特定再遊技結果入賞に基づいて、第1クレジット投入スイッチ56を疑似的に操作させる際に、ベットが完了していることが好ましく、この場合、通常再遊技結果の場合よりも特定再遊技結果の方がベット同士の待ち時間が短い構成が好ましい。また、通常再遊技ベット演出設定処理において、ベット同士の待ち時間を設けない等して、当該ベット同士の待ち時間が特定再遊技入賞の場合のベット同士の待ち時間と同じ時間となるようにしてもよい。
(12)特定再遊技ベット演出設定処理では、主制御装置101側のベットが完了してから処理が進行する構成としたが、主制御装置101側のベットの完了を待たずに、処理を進行する構成としてもよい。この場合、特定再遊技結果入賞後に直ちに第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合であっても、主制御装置101側のベットの方が、表示制御装置81側の疑似ベット演出よりも早期に完了するようにするとよい。
(13)表示制御装置81側のベット表示部34やスピーカ64によって疑似ベット演出を行う構成としたが、主制御装置101側のBET表示部75にて疑似ベット演出を行う構成としてもよい。
(14)第1クレジットランプ56bは表示制御装置81が制御する構成としたが、主制御装置101が制御する構成としてもよい。また、ベット表示部34やスピーカ64についても主制御装置101が制御する構成とし、疑似ベット演出等を行うための処理を主制御装置101が実行する構成としてもよい。
(15)再遊技状態の契機が特定再遊技結果であれば第1クレジットランプ56bを点灯状態としたり疑似ベット演出等を行う構成としたが、再遊技状態において疑似ベット演出等を行う条件を異ならせてもよい。
例えば、ATモード開始ゲームとして、第2再遊技結果入賞や第3再遊技結果入賞が成立した場合には疑似ベット演出等を行うものの、ATモード開始ゲームであっても、第1再遊技結果入賞が成立した場合には疑似ベット演出等を行わない構成を変更し、ATモード開始ゲームであればいずれの再遊技結果入賞であっても疑似ベット演出等を行う構成としてもよい。
また、ATモードの終了ゲームがいずれかの再遊技結果入賞であれば疑似ベット演出を行う構成としてもよいし、再遊技結果の当選確率が向上する所謂RT状態を設け、当該RT状態への移行ゲームや終了ゲームにて入賞した再遊技結果後に疑似ベット演出等を行う構成としてもよい。
更に、特定再遊技結果入賞後であっても、ATモードの残りゲーム数や有利区間の上限ゲーム数までの残りゲーム数、有利区間の上限増加枚数までの残り増加枚数に応じて、疑似ベット演出等の実行の有無を異ならせてもよく、ATモードの残りゲーム数が所定ゲーム数以上ある場合や有利区間の上限ゲーム数までの残りゲーム数が所定ゲーム数以下である場合や、有利区間の上限増加枚数までの残り増加枚数が所定枚数以下である場合等には、特定再遊技結果入賞後であっても疑似ベット演出等を行わない構成としてもよい。
(16)疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた場合に、当該ベット過程演出を制限するか否かを、疑似ベット演出の契機や状況に応じて異ならせる構成としてもよい。
例えば、ATモード開始ゲームとして、第2再遊技結果入賞や第3再遊技結果入賞が成立した場合には疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた際に当該ベット過程演出を制限するものの、ATモード開始ゲームであっても、第1再遊技結果入賞に基づいて疑似ベット演出等を行っている場合にはベット過程演出中に開始操作が行われた場合であっても当該ベット過程演出を制限しない構成としてもよい。
また、ATモードの終了ゲームの疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた際に当該ベット過程演出を制限するものの、ATモードの途中であれば、疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた際に当該ベット過程演出を制限しない構成としてもよい。
更に、特定再遊技結果入賞後であっても、ATモードの残りゲーム数や有利区間の上限ゲーム数までの残りゲーム数、有利区間の上限増加枚数までの残り増加枚数に応じて、疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた際に当該ベット過程演出を制限するか否かを異ならせてもよく、ATモードの残りゲーム数が所定ゲーム数以上ある場合や有利区間の上限ゲーム数までの残りゲーム数が所定ゲーム数以下である場合や、有利区間の上限増加枚数までの残り増加枚数が所定枚数以下である場合等には、疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた際に当該ベット過程演出を制限せず、その逆であれば制限する構成としてもよい。
(17)第1クレジット投入スイッチ56に第1クレジットランプ56を内蔵させて第1クレジット投入スイッチ56自体が点灯する構成としたが、第1クレジット投入スイッチ56の周囲に第1クレジットランプ56を設け、第1クレジット投入スイッチ56の周囲が点灯状態となることで、当該第1クレジット投入スイッチ56の操作が促される構成としてもよいし、補助表示部65にて第1クレジット投入スイッチ56の操作を促す第1状態(例えば、「PUSH」との表示)を行い、第1クレジット投入スイッチ56を操作することで、当該第1状態の表示を終了して第2状態(上記の「PUSU」を表示しない状態)に切り替わる構成としてもよい。そして、これらを点灯状態としたり第1状態としたりすることにより、疑似ベット演出等の開始が促される構成としてもよい。
(18)第1クレジット投入スイッチ56の操作を促すように第1クレジットランプ56bを設けたが、第2クレジット投入スイッチ57やメダル投入口45にも対応する報知手段を設けてもよく、当該報知手段が第1状態となることで第2クレジット投入スイッチ57やメダル投入口45による賭数操作が可能であり、第2状態となることで第2クレジット投入スイッチ57やメダル投入口45の操作が不可であることが報知される構成としてもよい。そして、これらの報知手段を第1状態とすることにより、疑似ベット演出等の開始が促される構成としてもよい。
(19)再遊技ベット演出と連ベット演出において、ベット同士の待ち時間(間隔)を異ならせたが、再遊技ベット演出と連ベット演出におけるベット同士の待ち時間を同じ長さとしてもよく、連ベット演出における待ち時間の方が再遊技ベット演出における待ち時間よりも長い構成としてもよい。疑似ベット演出におけるベット同士の待ち時間についても、連ベット演出における待ち時間と同じ時間としたり、ウェイト期間の経過前であれば再遊技ベット演出における待ち時間と同じ時間としたりしたが、これら連ベット演出における待ち時間よりも短くても長くてもよいし、再遊技ベット演出における待ち時間よりも短くても長くてもよい。
(20)通常再遊技結果に基づく再遊技ベット演出や、小役結果や外れ結果後の連ベット演出におけるベット過程演出でも、当該ベット過程演出中に開始操作が行われた場合、当該ベット過程演出を制限する構成としてもよい。特に、開始操作に基づいて所定の開始演出(例えば、押し順報知演出)が行われる場合に、当該ベット過程演出を制限する(例えば、ベット対応演出に切り替える)ことの意義は高いと考えられる。
(21)開始操作に基づく開始時演出として押し順報知演出とベット過程演出が重複する場合には、押し順報知演出側を制限したり、ベット過程演出側を制限する構成としたが、主制御装置101側の指示モニタ68における押し順報知も制限する構成としてもよい。
(22)疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われ、当該開始操作に基づき押し順報知演出が行われる場合、当該押し順報知演出の開始を遅延させる構成としたが、当該ゲームでは押し順報知演出を実行しないようにしてもよい。例えば、ATモードをゲーム数ではなく押し順報知演出の実行回数にて規定するナビ回数管理型のATモードとする場合、当該ゲームで押し順報知演出が実行されないようにした場合には、当該ゲームにて実行する予定であった押し順報知演出を実行回数に計上しないようにし、押し順報知演出の残りの実行回数を減算しないようにする構成とするとよい。
(23)疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われ、当該開始操作に基づき押し順報知演出が行われる場合、当該押し順報知演出の開始を遅延させる構成としたが、押し順報知演出の実行態様を異ならせる構成としてもよい。例えば、通常時は第1実行態様として黄色の数字でストップスイッチ42~44の操作順序を報知するところ、疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた場合には、第2実行態様として紫の数字でストップスイッチ42~44の操作順序を報知するようにしてもよい。この場合、当該第2実行態様による押し順報知演出は、疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた場合だけで実行される構成としてもよいし、疑似ベット演出におけるベット過程演出中に開始操作が行われた場合だけではなく他の場合にも実行される構成としてもよい。他の場合としては、例えば、ATモードの残りセット数が所定数以上である場合に第2実行態様による押し順報知演出が実行され得るようにしてもよい。
(24)ウェイト期間の経過前と経過後とで、疑似ベット演出におけるベット過程演出の態様を異ならせる構成としたが、再遊技ベット演出や連ベット演出におけるベット過程演出の態様を、ウェイト期間の経過前と経過後とで異ならせる構成としてもよい。
(25)ウェイト期間の経過前と経過後とでベット過程演出の態様を異ならせる構成において、ベット同士の待ち時間を異ならせるだけではなく、他の演出態様も異ならせる構成としてもよい。例えば、ウェイト期間の経過前と経過後とでベット過程演出のベット時効果音の種類を異ならせる構成としてもよいし、ベット表示部34の機能を補助表示部65にて担わせ、当該補助表示部65にて表示するベット数の表示態様をウェイト期間の経過前と経過後とで異ならせる構成としてもよい。
(26)再遊技状態においては待機状態に設定されない構成において、再遊技状態であっても待機状態に設定され得る第2移行期間が経過した場合には第1クレジットランプ56を点灯状態から消灯状態に切り替える構成としてもよい。この場合、特定再遊技結果に基づく再遊技状態であれば、第2移行期間が経過することで第1クレジットランプ56bが消灯状態となる。
(27)待機状態に設定する場合、主制御装置101側で管理するBET表示部75や遊技状態表示部76は待機状態としない一方、表示制御装置81側で管理するベット表示部34や第1クレジットランプ56bや補助表示部65、スピーカ64は待機状態とする構成としてもよく、その逆であってもよい。
(28)再遊技結果の当選確率が向上する所謂RT状態中の各ゲームの抽選結果を再遊技結果として規定してもよい。なお、この場合、当該RT状態中の各ゲームの抽選結果を特定結果と表現してもよく、特定結果に第1再遊技や第2再遊技等が含まれる構成としてもよい。更に、RT状態を再遊技状態として規定してもよい。
(29)BET表示部75や遊技状態表示部75を、遊技パネル25とは異なる位置に設けてもよい。例えば、遊技パネル25の下方であって当該遊技パネル25と交差する第1クレジット投入スイッチ56や演出スイッチ66が設けられた面にBET表示部75や遊技状態表示部75を設けてもよい。また、補助表示部65にて表示される構成としてもよい。この場合、BET表示部75や遊技状態表示部75の制御を表示制御装置81が担ってもよいし、補助表示部65の制御を主制御装置101が担ってもよい。
(30)仮待機状態に移行させるまでの第1移行期間を、待機状態に移行させるまでの第2移行期間よりも短い期間に設定したが、第1移行期間の方が第2移行期間よりも長い期間となるように設定してもよく、第1移行期間と第2移行期間とが同じ期間となるように設定してもよい。
(31)再遊技状態表示部76aは待機状態となっても点灯状態が継続される構成としたが、待機状態や仮待機状態となる際に消灯状態に切り替わる構成としてもよい。開始可能状態表示部76bや受入可能状態表示部76cは待機状態となる際に消灯状態に切り替わる構成としたが、仮待機状態となる際に消灯状態に切り替わる構成としてもよいし、待機状態となる際に消灯状態に切り替わらない構成としてもよい。
(32)特定再遊技結果に基づく再遊技状態において、清算スイッチ59が操作された場合には、クレジットの清算を行うとともに、第1クレジットランプ56bの点灯状態を維持する構成としてもよい。つまり、クレジットの清算と、疑似ベット演出の実行とが異なる清算操作に基づく構成としてもよい。
(33)特定再遊技結果に基づく再遊技状態において、清算スイッチ59が操作された場合には、クレジットの清算を行うとともに、疑似ベット演出を行ったうえで、更に第1クレジットランプ56bを点灯状態とする構成としてもよい。この場合、疑似ベット演出の開始時に第1クレジットランプ56bを消灯状態とせずに点灯状態を維持する構成としてもよいし、疑似ベット演出の開始時に第1クレジットランプ56bを消灯状態としたうえで、その後(例えば、疑似ベット演出においてベット対応演出に切り替わった後)で第1クレジットランプ56bを点灯状態に切り替える構成としてもよい。
(34)連ベット演出において、ベット時効果音が出力されない構成としてもよい。この場合、再遊技ベット演出においては、ベット時効果音が出力される構成としてもよく、再遊技ベット演出もベット時効果音が出力されない構成としてもよい。ウェイト期間の経過前は再遊技ベット演出に相当する演出を行う一方、ウェイト期間の経過後は連ベット演出に相当する演出を行う構成においては、ウェイト期間の経過前はベット時効果音を伴う再遊技ベット演出に相当する演出を行う一方、ウェイト期間の経過後はベット時効果音を伴わない連ベット演出に相当する演出を行う構成としてもよい。
(35)第2クレジット投入スイッチ57の操作に基づく疑似ベット演出と、メダル投入口45からメダルを投入した場合の疑似ベット演出との態様を異ならせてもよい。
(36)ベット過程演出と開始時演出やフリーズ演出が重複する場合にいずれかを制限する構成としたが、開始時演出やフリーズ演出との重複はベット過程演出に限定されず、いずれかの賭数操作に基づいて行われるベット時演出であればよい。
(37)通常再遊技ベット演出設定処理では、主制御装置101からの再遊技ベットコマンドを受信する度にベット過程演出を進行させる構成としたが、再遊技ベットコマンドを用いずに、表示制御装置81側でタイマカウンタ等を用いることでベットとベットとの間隔を特定したうえで、ベット過程演出を進行させる構成としてもよい。また、再遊技ベット演出では、ベット過程演出を行わずにベット対応演出のみ行う構成としてもよい。この場合、主制御装置101側の再遊技設定用処理におけるベットが完了してから、表示制御装置81側のベット対応演出が行われる構成とすることで、ベットが完了していないのにもかかわらず、開始操作が行われる不都合を解消することが可能である。
(38)ベット過程演出中に開始操作が行われた場合、フリーズ演出を発生させて各リール32L,32M,32Rの回転開始を遅延させる構成としたが、ウェイト期間を延長して各リール32L,32M,32Rの回転開始を遅延させる構成としてもよい。また、フリーズ演出において、補助表示部65にて表示演出を行う前提で説明していたが、補助表示部65での表示演出を行わず、単に各リール32L,32M,32Rの回転開始が遅延される構成としてもよい。更に、ベット過程演出の残り期間に応じて、各リール32L,32M,32Rの回転開始を遅延させる期間を異ならせてもよく、具体的には、ベット過程演出の残り期間が第1期間であれば、回転開始を第1期間又は当該第1期間に所定期間を加えた期間に亘って遅延させ、ベット過程演出の残り期間が第1期間よりも長い第2期間であれば、回転開始を第2期間又は当該第2期間に所定期間を加えた期間に亘って遅延させる構成としてもよい。なお、ベット過程演出の残り期間ではなく、残りの演出量(残りのベット数、残りの点灯数)で遅延期間を異ならせる構成としてもよい。
(38)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(39)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(40)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
パチンコ機においては、例えば、遊技球が入球可能な開状態と当該開状態よりも入球しにくい又は入球不可となる閉状態とに切り替え可能な可変入球手段を有し、所定の当否抽選に当選した場合に当該可変入球手段が開状態となるラウンド遊技が複数回実行され得る当たり状態に移行する構成おいて、当該可変入球手段に入球した遊技球が特定通過部を通過する(V入賞の発生)と、当該当たり状態後の遊技状態が上記所定の当否判定の当選確率が高くなる等の有利状態に移行し、当該可変入球手段に入球した遊技球が特定通過部を通過しないと(V入賞の非発生)、当該当たり状態後の遊技状態が上記所定の当否判定の当選確率が上記有利状態の場合よりも低くなる等の非有利状態に移行する、といった遊技性に上記各発明を適用することも可能である。この場合、特定通過部を通過したか否かの通過判定の結果報知を、当該通過判定が行われたラウンド遊技中に実行する場合と、当該通過判定が行われたラウンド遊技よりも後のラウンド遊技にて実行する場合とを設けることで、通過判定の結果を知りたい遊技者心理を利用して、通過判定が行われるラウンド遊技だけではなくそれ以降のラウンド遊技への注目度を高めることが可能となる。更に、当該通過判定の結果報知を、当該通過判定が行われたラウンド遊技中に実行する場合と、当該通過判定が行われたラウンド遊技よりも後のラウンド遊技にて実行する場合とで、演出態様を共通化したり、通過判定が行われてから結果報知が実行されるまでの期間を共通化したりすることで、演出態様や結果報知までの期間によって、ラウンド遊技を跨いで報知が行われるか否かが特定されにくくなり、その通過判定の結果予測をより困難とすることが可能となる。
(41)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第4dの実施形態>
以下、第4dの実施形態について説明する。図263~図265は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。なお、以下の説明においては、特に上記各実施形態と異なる構成について説明し、上記各実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。また、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図266(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図266(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図266(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図266(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図266(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図266(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図267(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図267(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役~第32小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役~第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図263及び図264に示すように、これら第9小役入賞~第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第33小役入賞となる。第33小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。
図267(f)に示すように、有効ラインMLに第33小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「BAR」図柄が揃って停止する場合があるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第33小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典(遊技価値)の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典(遊技価値)が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。図265に示すように、これら第1再遊技~第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図267(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図268(e)に示すように、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
第3再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図268(f)に示すように、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図267(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図267(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図268(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図268(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図268(c)及び図268(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、図269(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図269(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。
左リール32Lの「赤貝」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、図269(c)に示すように、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図269(d)に示すように、下ラインL3に左から順に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止したりする。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図270)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
ストップスイッチ42~44には、ストップランプ42b~44bがそれぞれ内蔵されている。当該ストップランプ42b~44bからの光はストップスイッチ42~44の操作面を一部透過し、ストップランプ42b~44bの光はストップスイッチ42~44を介して視認可能となる。そして、ストップスイッチ42~44の操作が有効となる場合には、当該ストップランプ42b~44bが点灯制御され、ストップスイッチ42~44の操作が無効となる場合には、対応するストップランプ42b~44bがそれぞれ消灯制御される。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図270及び図271のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図272参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図271に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
また、表示制御装置81に接続されている各構成42b~44b,63~65の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b~44b,63~65の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図272は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSd101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSd102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSd103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSd102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSd104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSd104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSd105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSd106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSd107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図270参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSd108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップSd109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSd110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSd111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSd112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSd113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSd114では、先のステップSd101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSd115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図273のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSd201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSd202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSd203~ステップSd212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSd203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSd204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップSd107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップSd205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSd205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSd205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSd205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップSd204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップSd205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップSd206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップSd110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップSd206の処理を実行した後は、ステップSd207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSd204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSd208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSd209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSd210の抽選処理、ステップSd211のリール制御処理、ステップSd212のメダル払出処理を順に実行し、ステップSd203に戻る。
次に、ステップSd210の抽選処理について、図274のフローチャートに基づき説明する。
ステップSd301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSd302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSd302では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図275)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図276)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSd302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSd302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図275は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図276は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSd303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSd304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSd301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSd305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSd306にて、ステップSd305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSd306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSd306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSd306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のSd203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSd306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSd305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSd307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSd308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSd304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSd304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSd305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図275に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1であり、押し順ベルに当選となる確率をまとめると約1.56分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約6.22分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。
その他、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、第1小役~第6小役及び第33小役のいずれかの入賞が可能となる特殊役(IV=27)が設定されている。特殊役に当選となる確率(IV=27の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約20分の1である。特殊役については、後に詳細に説明する。
3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約6.22分の1(第1BBの分)である。
これに対して、図276に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。
ステップSd306にて当選フラグをセットした後、又はステップSd308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSd309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSd310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSd301~ステップSd308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSd310の処理を実行した後は、ステップSd311にて抽選結果コマンドをセットするための抽選結果コマンド設定処理を実行する。抽選結果コマンド設定処理の詳細については、後に詳細に説明するが、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSd110)にて行われる。
そして、ステップSd312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSd306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。更に、停止情報設定処理では、特殊役に当選(IV=27の際に当選)となり、第1小役当選フラグ~第6小役当選フラグ及び第33小役当選フラグがセットされた場合、第1小役~第6小役及び第33小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSd312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSd312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSd313では、ステップSd312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
更に、ステップSd313の優先設定処理では、特殊役に当選しており、第1小役入賞~第6小役入賞及び第33小役入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、ストップスイッチ42~44が第1操作態様にて操作された場合には第33小役入賞が優先して成立し、第2操作態様にて操作された場合には第1小役入賞~第6小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ステップSd313の処理を実行した後は、ステップSd314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSd211のリール制御処理について、図277のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSd401にて、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSd309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップSd310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップSd402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSd106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップSd403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSd404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSd403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSd405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSd406~ステップSd412に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを消灯するように制御する。
ステップSd406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSd407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSd407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSd408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSd409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSd410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSd411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSd412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSd403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図275、図276参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図278は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
次に、特殊役に当選となり、各ストップスイッチ42~44のうち左ストップスイッチ42が最初に操作された場合を例として説明する。かかる場合には、図279に示すように第1小役入賞、第2小役入賞又は第33小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第1小役図柄や第2小役図柄は、「リプレイ」図柄である。また、左リール32Lにおける第33小役図柄は、「BAR」図柄である。この場合、5番の「リプレイ」図柄~9番の「BAR」図柄が中段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、第1小役図柄や第2小役図柄である「リプレイ」図柄ではなく第33小役図柄である「BAR」図柄を中段に停止するように駆動制御する。そして、中リール32Mの第33小役図柄や右リール32Rの第33小役図柄である「ベル」図柄は、ストップスイッチ43~44の操作タイミングに関わらず有効ラインMLの位置に停止し、第33小役入賞が成立する。
これに対して、特殊役に当選となり、各ストップスイッチ42~44のうち左ストップスイッチ42が最初に操作された場合であっても、0番の「リプレイ」図柄~4番の「赤貝」図柄や、10番の「リプレイ」図柄~19番の「白貝」図柄が中段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、第1小役図柄や第2小役図柄である「リプレイ」図柄を中段に停止するように駆動制御する。そして、中リール32Mの第1小役図柄や右リール32Rの第1小役図柄である「リプレイ」図柄は、ストップスイッチ43~44の操作タイミングに関わらず有効ラインMLの位置に停止し、中リール32Mの第2小役図柄や右リール32Rの第2小役図柄である「ベル」図柄は、ストップスイッチ43~44の操作タイミングに関わらず有効ラインMLの位置に停止するため、第1小役入賞又は第2小役入賞が成立する。
また、特殊役に当選となり、各ストップスイッチ42~44のうちの左ストップスイッチ42以外が最初に操作された場合、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第3小役入賞~第6小役入賞が成立する。
つまり、特殊役に当選となった場合、第1操作態様として左リール32Lの5番の「リプレイ」図柄~9番の「BAR」図柄が中段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には第33小役入賞が成立して1枚のメダル払出が行われ、当該第1操作態様とは異なる第2操作態様にて各ストップスイッチ42~44が操作された場合には第1小役入賞~第6小役入賞が成立して8枚のメダル払出が行われる。
上記の通り、第1小役~第6小役は、いずれかの押し順ベルに当選した場合であって、ストップスイッチ42~44の操作順序が対応する操作順序であった場合にも入賞が成立する。そうすると、特殊役に当選となった場合において、第1操作態様にてストップスイッチ42~44を操作すると、当該特殊役に当選したゲームであったことを明確に把握することが可能である一方で、当該特殊役に当選となった場合において、第2操作態様にてストップスイッチ42~44を操作すると、当該特殊役を契機として第1小役入賞~第6小役入賞が成立したのか、それとも押し順ベル当選時の操作順序が第1小役~第6小役に対応するものであったから入賞が成立したのかを、遊技者はその停止出目や払出枚数から判断することができない。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSd411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSd413にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップSd414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSd415にて、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSd416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSd417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSd212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップSd204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップSd414のボーナス状態処理を、図280のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSd501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSd501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSd502に進む。
ステップSd502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSd503に進む。
ステップSd503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSd503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSd504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSd505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSd506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSd506にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSd507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSd508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSd501にて肯定判定することになる。続くステップSd509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSd509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSd510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSd505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSd511に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSd512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSd513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSd514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSd514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSd510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSd501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSd515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図280は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図281に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.36分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップSd515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSd516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSd517にて、ステップSd516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップSd516ではBBカウンタから13を減算する。
ステップSd517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSd518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSd519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップSd520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSd521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSd519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図282を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図278)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図283のフローチャートを参照しながら、ステップSd310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSd601~ステップSd603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップSd601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSd602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSd603にてベット数が2であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定ベット数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定ベット数として3が設定されている。ステップSd602やステップSd603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数はない場合には、ステップSd604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定ベット数として3が設定されていることから、2ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSd604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップSd602又はステップSd603にて肯定判定した場合、ステップSd604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSd605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図284のフローチャートに示すように、ステップSd701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSd702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図285に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図285にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカ、特殊役が設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSd702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSd703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSd703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSd704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSd705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSd701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSd702~ステップSd705の処理を省略することも可能である。
ステップSd705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSd706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSd705にて否定判定した場合、又はステップSd706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSd604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSd606に進む。ステップSd606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグは、ATモードであることをCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSd606にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSd607にて開始時AT抽選用処理を実行する。一方、ステップSd606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSd608にて継続判定処理を実行し、ステップSd609にてAT上乗せ用処理を実行する。
<開始時AT抽選用処理>
先ず、ステップSd607の開始時AT抽選用処理について図286のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSd801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタが0であるかを判定する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、天井カウンタの減算は、ゲームの終了に際して実行される。つまり、ステップSd801にて天井カウンタが0であると判定する場合とは、今回の前のゲームで天井ゲーム数が0となったことを意味する。
天井カウンタが0ではない場合、ステップSd802~ステップSd807にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップSd802にて、ATモード移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。ATモード移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSd802ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。続くステップSd803では、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSd804では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップSd804にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップSd805にて、各種テーブル記憶エリア105aから開始時通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSd804にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSd806にて、開始時CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら開始時通常用ATモード移行抽選テーブルと開始時CZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図285に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、開始時通常用ATモード移行抽選テーブルよりも開始時CZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ちなみに、本開始時AT抽選用処理にて用いられる開始時通常用ATモード移行抽選テーブルと開始時CZ用ATモード移行抽選テーブルでは、ゲームの抽選結果が特殊役である場合、ATモード移行当選とならないように設定されている。なお、開始時AT抽選用処理では、特殊役を契機としてATモード移行抽選を行わないようにしてもよい。
ステップSd805又はステップSd806にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップSd803にて把握したゲームの抽選結果と、ステップSd802にて取得したAT抽選用の乱数と、を用いて、ステップSd807にてATモード移行抽選処理を実行する。具体的には、ステップSd802にて取得したAT抽選用の乱数が、ステップSd805又はステップSd806にて取得したテーブルにおいて各ゲームの抽選結果に応じて設定された当選用の数値範囲内であるか否かを判定し、AT抽選用の乱数が当選用の数値範囲内である場合にはATモード移行当選と判定し、AT抽選用の乱数が当選用の数値範囲外である場合にはATモード移行非当選と判定する。そして、ステップSd808にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップSd808にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップSd802にて天井カウンタが0であると判定した場合は、ステップSd809~ステップSd812のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップSd808てATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップSd813~ステップSd816にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップSd809では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップSd810及びステップSd811にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップSd810では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSd811にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSd809にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSd811の処理を実行した後は、ステップSd812にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップSd606にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップSd813にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSd814にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップSd803にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図285に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップSd814にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップSd815にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップSd816にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップSd812又はステップSd816にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップSd817~ステップSd820にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム~40ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップSd817では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、チェリーAにて移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。
なお、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップSd817では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにもかかわらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップSd818では、ステップSd817の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップSd819にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSd820にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
<継続判定処理>
次に、ステップSd608にて実行される継続判定処理について、図287のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、継続判定処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理である。
ここで、本実施形態におけるATモードは、予め定められた所定数(例えば18)のゲームを1セット(単位継続数、単位状態)とし、例えば、1セットのATモードを更新する場合(セットを開始する場合又はセットを終了する場合)に次のセットの継続抽選を行い、当該継続抽選に当選している場合には当該セットの終了後、次のセットへ移行し、当該継続抽選に非当選である場合には次のセットへ移行せずにATモードが終了する構成としている。そして、ステップSd608の継続判定処理では、セットの更新に際して上記の継続抽選を行うための処理である。
ステップSd901では、各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタが18であるか否かを判定する。ATゲームカウンタは、1セットの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、セットの更新に際して18が入力されるカウンタである。すなわち、ステップSd901では、今回開始するゲームがATモードの1セットの開始ゲームであるか否かを判定する。開始ゲームではない場合には、そのまま本継続判定処理を終了する。開始ゲームである場合には、ステップSd902に進む。
ステップSd902では、各種カウンタエリア106eに設けられたATセットカウンタが0であるか否かを判定する。ATセットカウンタは、上記の継続抽選に非当選であっても又は継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させることを可能とするセット数をCPU102が把握するためのカウンタであり、継続条件が成立している状況で上乗せ当選した場合に1が加算され、継続抽選に非当選である場合や継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させた場合に1減算されるカウンタである。ATセットカウンタが0である場合、ステップSd903にて今回のATモードにて選択されている継続抽選の当選確率を把握する。
ここで、本実施形態では、上記の継続抽選の当選確率(以下、「継続率」とも称する)として、複数の継続率が設定されており、具体的には、図297に示すように最も継続率の高い90%と、それよりも継続率が低い60%及び10%が設定されている。当該継続率は、ATモードへの移行に際して設定される(後述のステップSd1211における継続率設定処理)。ステップSd903では、当該継続率設定処理にて設定されている情報を読み出し、今回のATモードの継続率を把握する。
ステップSd903にて継続率を把握した後は、ステップSd904にて継続抽選処理を実行する。すなわち、90%の継続率が選択されている場合には、ステップSd904の処理では90%の確率で継続当選し、10%の継続率が選択されている場合には、ステップSd904の処理では10%の確率で継続当選する。
ステップSd905では、ステップSd904の処理結果が継続当選であったか否かを判定し、継続当選であった場合には、ステップSd906にて各種フラグ格納エリア106dに継続フラグをセットする処理を実行する。継続フラグは、今回のセットの継続条件(次のセットへ移行する条件)が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップSd907にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、継続判定処理を終了する。
また、ステップSd902にてATセットカウンタが0ではないと判定した場合、ステップSd908にてATセットカウンタを1減算する処理を実行してから、ステップSd906に進み、継続フラグのセット、及び継続コマンドのセットを行ってから、継続判定処理を終了する。すなわち、本実施形態では、ATセットカウンタが0ではない場合、継続抽選を経ることなく、セットの継続条件が成立する構成としている。なお、ATセットカウンタの値に関わらず継続抽選を実行し、継続非当選である場合にATセットカウンタが1以上であれば継続条件が成立する構成としてもよい。
上記のように、本実施形態では、ATモードの1セットの開始時(スタートレバー41の操作時)に、今回開始するセットの次のセットまでATモードが継続するか否かの継続条件の成否判定が行われ、継続条件が成立していると判定した場合には、継続フラグがセットされ、その情報が表示制御装置81へ出力される。この場合、表示制御装置81では、継続条件が成立していることを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
これに対して、ステップSd905にて継続当選ではないと判定した場合には、そのまま継続判定処理を終了する。この場合、ATモードの1セットの開始時には継続条件は成立しておらず、セットの開始に際して継続コマンドの出力も行われない。表示制御装置81では、セットの開始に際して継続コマンドを受信しないことを通じて継続条件が成立していないことを把握し、継続条件が成立していないことを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSd609にて実行されるAT上乗せ用処理について、図288のフローチャートを参照しながら説明する。AT上乗せ用処理では、上記の継続抽選とは別途、ATモードのセット数を上乗せすることの上乗せ抽選を行い、当該上乗せ抽選にて当選した場合には、次のセットの継続抽選の結果に関わらず次のセットまで継続するようにする。
先ずステップSd1001にて、上乗せ抽選用の乱数を取得する処理を実行する。上乗せ抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSd1001ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。続くステップSd1002では、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSd1003にて、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
上乗せ抽選テーブルは、図285に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、各ゲームの抽選処理にて当選し易い通常リプA~通常リプCや、押し順ベルといった通常役では上乗せ当選しない一方、各ゲームの抽選処理にて当選しにくいチャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、共通ベル、スイカ、といった特定役では上乗せ当選し得るように設定されている。そして、特定役のうち、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。なお、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ当選しない構成を、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ抽選を行わない構成としてもよい。また、各ゲームの抽選結果が通常役である場合にも上乗せ当選し得る構成とし、当該通常役での上乗せ当選の確率を特定役の場合の上乗せ当選の確率よりも低くなるようにしてもよい。
また、本実施形態では、ゲームの抽選結果が特殊役である場合、上記の通り開始時AT抽選用処理ではATモード移行当選とならないように設定されていたものの、本AT上乗せ用処理における上乗せ抽選では特殊役であっても上乗せ当選となり得るように設定されている。
ステップSd1003にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSd1004にて上乗せ抽選を実行する。具体的には、ステップSd1001にて取得した上乗せ抽選用の乱数が、ステップSd1003にて取得したテーブルにおいて各ゲームの抽選結果に応じて設定された当選用の数値範囲内であるか否かを判定し、上乗せ抽選用の乱数が当選用の数値範囲内である場合には上乗せ当選と判定し、上乗せ抽選用の乱数が当選用の数値範囲外である場合には上乗せ非当選と判定する。ステップSd1004にて上乗せ抽選を行った後は、ステップSd1005にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSd1006にて、継続フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSd1006にて継続フラグがセットされていない場合、ステップSd1007にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSd1008にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。継続コマンドを受信した表示制御装置81は、継続条件が成立したことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
これに対して、ステップSd1006にて継続フラグがセットされている場合、ステップSd1009にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。ステップSd1009にATセットカウンタに1が加算されることにより、少なくとも今回のセットの次の次のセットまでATモードが継続することが確定する。なお、本実施形態では、上乗せ抽選に当選した場合に一律でATセットカウンタに1を加算する構成としているが、2以上の数を加算する場合がある構成としてもよく、例えば、上乗せ当選の契機となったゲームの抽選結果に応じてATセットカウンタに加算する数を抽選により決定する構成としてもよい。
続くステップSd1010ではセット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本上乗せ用処理を終了する。セット上乗せコマンドは、上乗せ抽選に当選したことやATセットカウンタの値を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。なお、複数のセット数を一の上乗せ当選にて上乗せする場合がある構成においては、当該セット上乗せコマンドに当該上乗せするセット数の情報を設定する構成とするとよい。セット上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、セット上乗せが行われたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図283)において、ステップSd607又はステップSd609の処理を実行した後は、ステップSd610~ステップSd619にて、ストップスイッチ42~44の押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップSd610~ステップSd619にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図289を参照しながら説明する。図289(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図289(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図289(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「0」~「6」及び「9」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「0」~「6」及び「9」と、「0.」~「6.」及び「9.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、ストップスイッチ42~44の操作態様によって入賞する結果が異なる操作態様役のうち、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞する結果が異なる押し順役の操作順序を報知する場合と、操作態様役の種別を報知する場合とに用いられる表示用セグメントである。
この場合、図289(b)に示すように、「1」~「6」の表示は押し順役の操作順序の報知に対応しており、例えば、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
また、図289(c)に示すように、「0」及び「9」は操作態様役の種別の報知に対応しており、操作態様役における押し順役のうち押し順ベルである場合には、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2及び第4表示用セグメントN4~第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「0」が表示される。この場合、指示モニタ68の表示態様から、押し順ベルに当選していることを遊技者は把握可能となるものの、当該押し順ベルであっても、上記図289(b)の場合のように有利な操作態様が明示されないことから、指示モニタ68の表示態様からは有利な操作態様を把握することはできない。
また、操作態様役における特殊役である場合には、第1表示用セグメントN1~第3表示用セグメントN3及び第5表示用セグメントN5~第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「9」が表示される。既に説明した通り、特殊役である場合には、ストップスイッチ42~44を第1操作態様にて操作した場合には第33小役入賞が成立し、ストップスイッチ42~44を第2操作態様にて操作した場合には第1小役入賞~第6小役入賞が成立し、これら第1操作態様や第2操作態様は、予め定められた操作態様である。つまり、指示モニタ68にて上記のように特殊役である旨の報知が行われた場合には、第2操作態様にて操作することで、払出枚数が多い第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能である。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図290を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図290(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図290(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図290(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
ステップSd610~ステップSd619における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップSd610では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップSd611にて、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされている場合、ステップSd612にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSd613にて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含むようにそれぞれ設定された押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。つまり、ステップSd613では、第1小役用押し順報知コマンド~第6小役用押し順報知コマンドのいずれかをセットする処理を実行する。これらの押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップSd611にてATモードフラグがセットされていない場合には、ステップSd614にて、押し順ベルのグループ報知(図289(c))が行われるように指示モニタ68を制御する。つまり、ステップSd614では、操作態様役のうち押し順ベルである旨の報知が行われるように指示モニタ68を制御する。その後、抽選結果対応処理を終了する。
ステップSd610にて押し順ベル当選ではないと判定した場合、ステップSd615にて特殊役当選であるか否かを判定する。特殊役当選ではない場合、そのまま本抽選結果対応処理を終了する。特殊役当選である場合、ステップSd616にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSd616にてATモードフラグがセットされていない場合には、ステップSd617にて、特殊役報知(図289(c))が行われるように指示モニタ68を制御する。つまり、ステップSd617では、操作態様役のうちの特殊役である旨の報知が行われるように指示モニタ68を制御する。その後、抽選結果対応処理を終了する。
ステップSd616にてATモードフラグがセットされている場合、ステップSd618に進む。ステップSd618では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序のうち、予め定められた操作順序として、第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSd619にて、第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含むように設定された第6小役用の押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
このように、本実施形態では、操作態様役のうちの押し順ベルに当選したゲームがATモード中であれば、指示モニタ68にて第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることを可能とするストップスイッチ42~44の操作順序の報知が行われるとともに、当該操作順序の情報を含む押し順報知コマンドが表示制御装置81へ出力されて、補助表示部65による押し順報知演出が行われる。その一方で、押し順ベルに当選したゲームがATモード中ではなければ、指示モニタ68では押し順ベルである旨の報知は行われるものの、第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることを可能とするストップスイッチ42~44の操作順序の報知は行われないし、当該操作順序の情報を含む押し順報知コマンドも表示制御装置81に出力されないため、補助表示部65による押し順報知演出が行われない。
更に、本実施形態においては、抽選処理(図274)におけるステップSd311の抽選結果コマンド設定処理では、押し順ベルに当選しているゲームでは押し順ベルのうちのいずれの結果(IV11~22)に当選しているかの情報が表示制御装置81へ出力されないようにしている。
具体的には、図291(a)のフローチャートに示すように、ステップSd1101にて、今回のゲームがインデックス値IV=11~22にて当選となり、いずれかの押し順ベルに当選しているか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合、ステップSd1102にて、各当選結果に対応する抽選結果コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果コマンド設定処理を終了する。すなわち、ステップSd1102では、例えば、インデックス値IV=1にて当選となった場合、通常リプAを示す抽選結果コマンドをセットし、インデックス値I=8にて当選となった場合、チェリーAを示す抽選結果コマンドをセットし、インデックス値IV=27にて当選となった場合、特殊役を示す抽選結果コマンドをセットする。
これに対して、ステップSd1101にていずれかの押し順ベルに当選していると判定した場合、ステップSd1103にて押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果コマンド設定処理を終了する。当該押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドは、押し順ベルのいずれかに当選していることの情報を含むものの、いずれの押し順ベルに当選しているかの情報、すなわち、例えば、順押しベル1に当選していることの情報(IV=11にて当選となったことの情報)や、中逆押しベル2に当選していることの情報(IV=18にて当選となったことの情報)等の情報を含まないように設定されている。
つまり、図291(b)にも示すように、本実施形態では、押し順ベルに当選していることの情報は、ATモード中か否かに関わらず、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドとして表示制御装置81へ出力される。そして、ATモード中においては、第1小役入賞~第6小役入賞用の押し順報知コマンドが合わせて出力されることにより、表示制御装置81にて押し順報知演出が実行可能となる。これに対して、ATモード中ではない場合、第1小役入賞~第6小役入賞用の押し順報知コマンドは表示制御装置81出力されないし、上記の通り、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドしか出力されないため、表示制御装置81側では、ATモードではないのにもかかわらず、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能なストップスイッチ42~44の操作順序を把握することができない。このようにすることで、主制御装置101から表示制御装置81へ出力されるコマンドや表示制御装置81を不正に解析するなどして、ATモードではないのにもかかわらずATモードの恩恵(押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能となる恩恵)を享受しようとする不正行為等を行わせないようにすることができる。
しかも、本実施形態では、ATモード中において特殊役当選となった場合、第1小役入賞~第6小役入賞及び第33小役入賞のうち、第6小役入賞用の押し順報知を指示モニタ68にて実行するとともに、第6小役入賞用の押し順報知コマンドを出力するようにしている。このようにすることで、ATモード中においては、払出枚数の少ない側である第33小役入賞ではなく、払出枚数の多い側である第1小役入賞~第6小役入賞のうちの第6小役入賞を成立させるようにすることができ、ATモードの有利度を向上させることができる。
それだけではなく、払出枚数の多い側の第1小役入賞~第6小役入賞のうち、予め定められた一の小役(押し順)である第6小役入賞用の押し順報知を指示モニタ68にて実行するようにし、第6小役入賞用の押し順報知コマンドを出力するようにしている。このようにすることで、特殊役当選時に第1小役入賞~第6小役入賞のうちのいずれの小役入賞を成立させるかを選択する処理等が必要なくなり、処理の大幅な簡素化を図ることが可能となる。
さらに、上記の通り、特殊役当選がATモード中であれば、抽選結果対応処理におけるAT上乗せ用処理にて上乗せ抽選の対象となるところ、当該特殊役当選時の上乗せ抽選の当選確率は、押し順ベル当選時の上乗せ抽選の当選確率よりも高く、特殊役当選時は10%の確率で上乗せ当選する一方、押し順ベル当選時は上乗せ当選しないように設定されている。この場合、ATモード中の特殊役当選時においては、押し順ベル当選時に報知される第1小役入賞~第6小役入賞用の押し順報知のうちの第6小役入賞用の押し順報知を行うとともに、押し順ベル当選時に出力される第1小役入賞~第6小役入賞用の押し順報知コマンドのうちの第6小役入賞用の押し順報知コマンドを出力するようにしていることから、ATモード中の特殊役当選を押し順ベル当選にうまくまぎれさせることが可能となり、あたかも押し順ベル当選に基づいて上乗せ抽選が行われているかのような印象を与えることが可能となる。これにより、押し順ベル当選時の恩恵(上乗せ抽選の当選確率等)を高め過ぎないようにしながら、押し順ベル当選時の注目度を高めることが可能となる。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSd415にて実施される入賞結果対応処理について、図292のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSd1201にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSd1202にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSd1203にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップSd1201~ステップSd1203の処理は、上記ステップSd601~ステップSd603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップSd1204以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップSd1202又はステップSd1203にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップSd1204に進む。ステップSd1204では、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされていない場合、ステップSd1205にて、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグもATモード当選フラグもセットされておらず、ATモード移行抽選に当選していない状況である場合、ステップSd1206に進み、停止時AT抽選用処理を実行する。
<停止時AT抽選用処理>
ステップSd1206の停止時AT抽選用処理について、図293のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSd1301では、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。続くステップSd1302では、今回のゲームの抽選結果が特殊役であったか否かを判定する。特殊役であった場合、ステップSd1303にて、今回のゲームのストップスイッチ42~44の操作態様が第1操作態様であったか否かを判定する。
既に説明した通り、特殊役に当選したゲームにおいて、ストップスイッチ42~44を第1操作態様にて操作すると第33小役入賞が成立し、第2操作態様にて操作すると第1小役入賞~第6小役入賞が成立する。この場合、各ストップスイッチ42~44の操作タイミングや操作順序をレジスタ等に一時記憶しておき、ステップSd1303にて第1操作態様か否かを判定する構成としてもよいし、入賞結果を把握することで、第33小役入賞が成立していること(第1小役入賞~第6小役入賞のいずれもが成立していないこと)から第1操作態様にて操作されたと判定する構成としてもよい。
なお、特に、特殊役において、第1操作態様であっても第33小役入賞を成立させることができず、取りこぼしが生じるような構成や、第2操作態様であっても第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることができず、取りこぼしが生じるような構成とする場合においては、前者のように各ストップスイッチ42~44の操作タイミングや操作順序を記憶しておいて、その情報からいずれの操作態様かを判断する構成とするとよい。逆に、本実施形態のように、少なくとも第1操作態様であれば第33小役入賞の取りこぼしが生じないような構成であれば、第33小役入賞が成立していることから第1操作態様にて操作されたと判断するとよく、また、第1小役入賞~第6小役入賞が成立しており、且つ特殊役当選である場合には、第1操作態様ではなく第2操作態様であったと判断する構成としてもよい。
ステップSd1303にて、特殊役当選時に第1操作態様にて操作されたと判定した場合と、ステップSd1302にて特殊役以外の抽選結果であったと判定した場合とは、ステップSd1304~ステップSd1306にて天井カウンタを減算する処理を実行し、その後、ステップSd1307~ステップSd1323にてATモード移行抽選等の処理を実行する。これに対して、ステップSd1303にて、特殊役当選時に第1操作態様ではなく第2操作態様にて操作されたと判定した場合、天井カウンタの減算処理やATモード移行抽選等を行うことなく、そのまま停止時AT抽選用処理を終了する。
すなわち、上記の通り、特殊役当選時において、第1操作態様にてストップスイッチ42~44を操作することで第33小役入賞が成立し、第2操作態様にてストップスイッチ42~44を操作することで第33小役入賞時よりもメダル払出枚数が多い第1小役入賞~第6小役入賞が成立する構成において、第1操作態様であれば天井カウンタの減算処理やATモード移行抽選等が実行されるのに対して、第2操作態様の場合には天井カウンタの減算処理やATモード移行抽選等は実行されない。また、開始時AT抽選用処理では、特殊役当選に基づくATモード移行抽選やCZモード移行抽選等は行われない。そのため、特殊役当選時に第1操作態様よりも第2操作態様にて操作した場合の方が、メダル払出数は多くなるものの、第2操作態様にて操作すると指示機能に関する処理が第1操作態様の場合よりも制限された態様にて実行される。このようにして、いずれの恩恵を享受するかを遊技者が選択可能な遊技性として遊技の多様化が図られている。
天井カウンタの減算用処理では、ステップSd1304にて減算値抽選処理を実行する。減算値抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから天井減算値テーブルを取得し、ステップSd1301にて把握した抽選結果に基づいて、今回のゲームにて天井カウンタから減算する値を抽選により決定する。図294に示すように、本実施形態では、減算値として1~100が設定されており、特殊役以外の抽選結果では外れ結果を含めて基本的には1が選択され易く、所謂レア役としての特定役当選時は1よりも大きい減算値が天井カウンタから減算される場合があるように設定されている。その一方で、特殊役当選時は、特定役当選時よりも1より大きい減算値が選択される確率が高くなるように設定されている。
ステップSd1304にて減算値抽選処理を実行した後は、ステップSd1305にて減算値コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。減算値コマンドは、今回のゲームの減算値の情報が含まれている。その後、ステップSd1306にて、ステップSd1304にて抽選した減算値を天井カウンタから減算する処理を実行する。ちなみに、天井カウンタが0となった場合には、上記の通り、次のゲームの開始時AT抽選用処理にて、ATモード当選フラグがセットされることになる。なお、ステップSd1306では、天井カウンタの残り数よりも今回の減算値の方が大きい場合には、天井カウンタを0として、マイナス値にならないように設定されている。このようにすることで、マイナス値を起因とするエラーの発生を抑制することが可能である。但し、天井カウンタの残り数よりも今回の減算値の方が大きい場合には、遊技者にとって有利な事象を生じさせる構成としてもよく、残り数と減算値との差分に応じて有利な事象を生じさせたり、有利な事象の種類を異ならせたりしてもよい。有利な事象とは、例えば、ATモードのセット上乗せや、ATモードの種別として有利な第2ATモードが選択され易くなったり、設定値の示唆演出を発生させたり、レア画像を表示させたりすることが考えられる。
ステップSd1306にて天井カウンタの減算を行った後は、ステップSd1307~ステップSd1311にてATモード抽選用の処理を実行する。すなわち、ステップSd1307では、CZモードフラグやCZモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSd1308にて停止時通常用ATモード移行抽選テーブルを各種テーブル記憶エリア105aから取得する処理を実行する。一方、CZモードフラグやCZモード当選フラグがセットされており、CZモード中やCZモードへの移行が確定している状況であれば、ステップSd1309にて各種テーブル記憶エリア105aから停止時CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら停止時通常用ATモード移行抽選テーブルや停止時CZ用ATモード移行抽選テーブルは、図294に示すように、特殊役である場合にはATモード移行当選となり得るように設定されている一方で、他の抽選結果ではATモード移行当選とならないように設定されている。これは、特殊役以外の抽選結果においては、開始時AT抽選用処理においてATモード移行抽選が行われており、このようにすることで、開始時と停止時とで重複して移行抽選が行われることによって出玉率が高騰してしまわないようにしている。また、停止時通常用ATモード移行抽選テーブルと停止時CZ用ATモード移行抽選テーブルとを比較すると、開始時のものと同様に通常用よりもCZ用の方がATモード移行当選となり易くなるように設定されている。
3ベットゲームにおける各抽選結果の出現率(当選確率)と、当該抽選結果に基づくATモード移行抽選の当選確率との関係を、図295を参照しながら説明する。
既に説明した通り、開始時AT抽選用処理においては、各ゲームでの出現率が低い抽選結果ほどATモード移行当選となり易いように設定されており、例えば、約164分の1の確率で出現するチャンス目AはCZモードにおいて3%の確率でATモード移行当選となり、約262分の1の確率で出現するチャンス目BはCZモードにおいて5%の確率でATモード移行当選となる。この場合、CZモードにおいて、チャンス目Aを契機としてATモード移行当選となる確率は約5460分の1であり、チャンス目Bを契機としてATモード移行当選となる確率は約5240分の1である。これに対して、停止時AT抽選用処理においては、約20分の1の確率で出現する特殊役当選時には、第1操作態様にて操作することで約40分の1の確率でATモード移行当選となり、CZモードにおいて、特殊役を契機としてATモード移行当選となる確率は約200分の1である。
つまり、ATモード移行当選となる契機が特殊役となる割合は、他の結果よりも圧倒的に高くなるように設定されており、具体的には、CZモードにおいて、特殊役を契機として約200分の1の確率でATモード移行当選となり、特殊役以外を契機として約178分の1の確率でATモード移行当選となり、CZモードにおいて約半数が特殊役を契機としてATモード移行当選となることになる。
但し、上記の通り、特殊役当選となったゲームにおいて第1操作態様ではなく第2操作態様にてストップスイッチ42~44を操作すると、ATモード移行抽選自体が行われないことから、ATモード移行当選を目指す遊技性においては、メダル払出数が少なくても特殊役当選時において第1操作態様にてストップスイッチ42~44を操作したほうが遊技者にとって有利となる。
各移行抽選テーブルを取得した後は、ステップSd1310にてATモード移行抽選を実行する。そして、ステップSd1311にてATモード移行当選となったか否かを判定する。
ATモード移行当選となった場合、ステップSd1312~ステップSd1315にてATモード当選用の処理を実行し、ATモード移行当選とはならなかった場合には、ステップSd1316~ステップSd1319にてCZモード用の処理を実行する。その後、ステップSd1320~ステップSd1323にて前兆モード用の処理を実行してから、停止時AT抽選用処理を終了する。ステップSd1312~ステップSd1323の処理は、開始時AT抽選用処理におけるステップSd809~ステップSd820の処理と同様である。
なお、停止時AT抽選用処理においても、ATモード移行当選となった場合やCZモード移行当選となった場合には前兆ゲーム数が設定されて前兆コマンドが出力される。そして、CZモード中にATモード移行当選となった場合には、前兆ゲーム数が0として設定される。この場合、本停止時AT抽選用処理に続けて実行される前兆ゲーム数用処理(ステップSd1208)において、次ゲームからATモードを開始するための処理が行われる。つまり、CZモード中の開始時AT抽選用処理にてATモード移行当選となった場合も、停止時AT抽選用処理にてATモード移行当選となった場合も、同様に今回のゲームにてATモード移行当選となったことの報知が行われ、次ゲームからATモードが開始されることになる。
入賞結果対応処理(図292)の説明に戻る。
ステップSd1205にて既にATモード移行抽選に当選していると判定した場合と、ステップSd1206にて停止時AT抽選用処理を実行した後は、ステップSd1207に進む。ステップSd1207では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合、ステップSd1208にて、前兆ゲーム数用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップSd1207にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップSd1209にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップSd1210にてCZゲーム数用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップSd1209にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
ステップSd1204にてATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップSd1211にてATゲーム数用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆ゲーム数用処理、CZゲーム数用処理、ATゲーム数用処理について、それぞれ説明する。
<前兆ゲーム数用処理>
前兆ゲーム数用処理では、図296に示すように、ステップSd1401にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。なお、開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理における前兆ゲーム数を設定する処理で、前兆ゲーム数を0として設定している場合は(前兆カウンタに0を入力している場合は)、ステップSd1401では前兆カウンタを減算しない。そして、ステップSd1402にて前兆カウンタが0であるか否かを判定し、0ではない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0である場合には、ステップSd1403にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSd1404では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップSd1405に進む。ステップSd1405では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSd1406にてCZモードフラグをセットし、ステップSd1407にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップSd1408にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSd1404にてATモード当選フラグがセットされており、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップSd1409にて、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSd1410にて、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグをセットする処理を実行する。続くステップSd1411では、継続率設定処理を実行する。上記の通り、本実施形態におけるATモードは所定数のゲーム数を1セットとするセット管理型のATモードであり、残りセット数が存在しない状況(ATセットカウンタが0である状況)でセットの継続抽選に非当選となるまでATモードが継続する構成としており、ステップSd1411の継続率設定処理は継続抽選の当選確率(継続率)を設定する処理である。
本実施形態では、図297に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて、複数設けられた継続率(90%、60%、10%)の選択率が異なるように設定されており、ステップSd1411では、当該設定値に基づいて、いずれの継続率を選択するかを抽選により決定する。具体的には、基本的には設定値が高いほど(出玉率が高くなる設定値ほど)高い継続率が選択され易くなるように設定されており、例えば、60%の継続率は設定1では30%の確率で選択されるのに対して、設定6では70%の確率で選択される。但し、90%の継続率は奇数設定の方が偶数設定よりも選択され易くなっており、最も選択され易い設定値は設定5である。そして、90%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに90%フラグをセットし、60%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに60%フラグをセットし、10%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに10%フラグをセットする。これら各継続率を示す情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)は、今回移行するATモードが終了する際にクリアされるフラグである。つまり、一旦、ATモードの継続率が設定された場合には、当該ATモードが終了するまで、その継続率にて各セットの継続抽選が行われる構成としている。
ステップSd1411にて継続率設定処理を実行した後は、ステップSd1412にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行する。上記の通り、ATゲームカウンタは、ATモードの1セットが終了するまでのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。そして、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していれば、再度ATゲームカウンタに所定数である18が入力され、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していなければ、ATモードが終了することになる。
その後、ステップSd1412にて、AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、前兆モード用処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが開始されることに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。この場合、今回終了するゲームの次のゲームからATモードが開始されることになる。
<CZゲーム数用処理>
CZゲーム数用処理では、図298のフローチャートに示すように、ステップSd1501にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSd1502では、ステップSd1501の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSd1503にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSd1504にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップSd1503にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
<ATゲーム数用処理>
ATゲーム数用処理では、図299のフローチャートに示すように、ステップSd1601にてATゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSd1602では、ステップSd1601の処理結果に基づいて、ATゲームカウンタが0となったか否かを判定する。ATゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままATモード用処理を終了する。
ATゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSd1603にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされており、継続条件が成立している場合、次のセットに移行させるための処理(ステップSd1604~ステップSd1606)を実行する。これに対して、ステップSd1603にて継続フラグがセットされていない場合には、ATモードを終了させるための処理(ステップSd1607~ステップSd1610)を実行する。
ステップSd1603にて継続条件が成立している場合、ステップSd1604にて継続フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSd1604にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行し、ステップSd1606にてセット更新コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。セット更新コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードのセットの移行が行われたことに対応させて補助表示部65やスピーカ64の演出を更新するための処理を実行する。
一方、ステップSd1603にて継続条件が成立していない場合、ステップSd1607にてATモードフラグをクリアし、ステップSd1608にて継続率の情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)をクリアする処理を実行する。そして、ステップSd1609にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSd1610にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して、有利区間を終了させるためのフラグである。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが終了したことに対応する演出を行うように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図300を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図274)におけるステップSd314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSd1701では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSd1701にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップSd1702に進む。
ステップSd1702では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSd1703にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSd1704にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSd1705では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSd1706にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。
ちなみに、本実施形態では、天井ゲーム数の最大数が700となるように設定されている。つまり、有利区間に移行した後、通常であれば、少なくとも700ゲームを消化することで天井カウンタが0となり、ATモード当選フラグがセットされるように設定されている。
但し、上記のように、各ゲームを特定規定数のベット数で遊技しなかった場合は天井カウンタの減算が行われない他、特殊役当選時に第1操作態様ではなく第2操作態様にてストップスイッチ42~44を操作した場合にも天井カウンタの減算が行われない。そのため、実際に遊技したゲーム数が700ゲーム以上となった場合であっても、天井カウンタが0とならずにATモード当選フラグがセットされない場合も生じ得る。また、天井カウンタの減算値は、各ゲームで1よりも多い値が選択される場合もあり、有利区間移行時に設定された天井カウンタの値に相当するゲーム数を消化するよりも前に天井カウンタが0となる場合もある。
区間表示第1処理において、ステップSd1706にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップSd1707にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSd1701にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップSd1708にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSd1708について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSd1702にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSd1707にて表示開始処理を実行した後、又はステップSd1708の表示継続処理を実行した後は、ステップSd1709にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップSd1709にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップSd1710にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップSd1709にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップSd1711にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSd1710又はステップSd1711の処理を実行した後は、ステップSd1712にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSd1713にて、ステップSd1712の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSd1713では、ステップSd1712の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSd1713の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSd1712の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図301のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSd416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSd1801では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSd1802にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップSd1803では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSd1803のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSd1803のMY更新処理を実行した後は、ステップSd1804にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSd1805にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットするとともに、当該第1超過フラグをセットしたことの情報を含む第1超過コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットするとともに、当該第2超過フラグをセットしたことの情報を含む第2超過コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップSd1806にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSd1807にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSd1808では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSd1809にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSd1809の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSd1806にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSd1810に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップSd1807に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図302のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSd1901にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSd1902にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSd1901にて否定判定した場合、又はステップSd1902の処理を実行した後は、ステップSd1903にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSd206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップSd1904にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSd1903にて否定判定した場合、又はステップSd1904の処理を実行した後は、ステップSd1905にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSd311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図282)等にてセットされる前兆コマンド、継続コマンド、セット上乗せコマンド及び押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップSd1906にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップSd1905にて否定判定した場合、又はステップSd1906の処理を実行した後は、ステップSd1907にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図277)のステップSd406にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップSd1908にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSd1907にて否定判定した場合、又はステップSd1908の処理を実行した後は、ステップSd1909にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図277)のステップSd419にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図279)や入賞結果対応処理(図291)等にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、前兆コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップSd1910にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップSd1909にて否定判定した場合、又はステップSd1910の処理を実行した後は、ステップSd1911にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSd1911では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSd1911では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップSd1906の開始時演出設定処理について、図303のフローチャートに基づき説明する。
ステップSd2001では、受信している抽選結果コマンドが、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドであるか否かを判定する。既に説明した通り、本実施形態における抽選結果コマンド設定処理(図291(a))では、いずれかの押し順ベルである場合には個別の結果を示す抽選結果コマンドではなく、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドを出力する構成としている。ステップSd2001にて押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドを受信しており、いずれかの押し順ベルに当選しているゲームである場合、ステップSd2002に進む。
ステップSd2002では、いずれかの押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、ATモード中にいずれかの押し順ベルに当選した場合には、当選している押し順ベルの種類に応じて、第1小役入賞~第6小役入賞を成立させる操作順序に対応する押し順報知コマンドが出力される構成としている(図291(b)参照)。いずれかの押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSd2003にて対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップSd2001にて押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSd2004にて特殊役を示す抽選結果コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSd2004にて肯定判定し、今回のゲームの抽選結果が特殊役である場合、ステップSd2005にて押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、ATモード中に特殊役当選となったゲームでは、第1小役入賞~第6小役入賞のうち、第6小役入賞を成立させる操作順序に対応する押し順報知コマンドが出力される構成としている(図291(b)参照)。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSd2003に進み、第6小役入賞用の押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップSd2004にて特殊役を示す抽選結果コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSd2006にていずれかの特定役を示す抽選結果コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカを特定役として設定している。図285に示す通り、これらの抽選結果を契機とする開始時AT抽選用処理におけるATモード移行抽選ではATモード移行当選となる確率が他の抽選結果よりも高くなるように設定されている。また、ATモードの上乗せ抽選ではこれら特定役当選である場合には当該上乗せ抽選に当選し得る一方、通常リプA等の通常役当選である場合には上乗せ抽選に当選し得ない構成としている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップSd2007にて、特定役報知演出を設定する処理を実行する。特定役報知演出の設定処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
ステップSd2002、ステップSd2005若しくはステップSd2006にて否定判定した場合、又はステップSd2003若しくはステップSd2007の処理を実行した後は、ステップSd2008に進む。ステップSd2008では、開始時前兆演出設定処理を実行する。開始時前兆演出設定処理では、主制御装置101における開始時AT抽選用処理にて出力設定される前兆コマンドに基づいて、前兆モードに設定する処理を実行するとともに、前兆モード中の各ゲームの前兆演出を設定する処理を実行する。かかる開始時前兆演出設定処理については、後に詳細に説明する。
続くステップSd2009では、各種フラグ格納エリア183aにサブ側CZフラグがセットされているか否かを判定する。サブ側CZフラグは、CZモード中であることをCPU181が把握するためのフラグである。サブ側CZフラグがセットされている場合、ステップSd2010にて開始時CZ演出設定処理を実行する。開始時CZ演出設定処理では、CZモード中の各ゲームの抽選結果に応じて、今回開始するゲームの演出を設定する処理を実行する。かかる開始時CZ演出設定処理についても、後に詳細に説明する。
ステップSd2009にて否定判定した場合、又はステップSd2010の処理を実行した後は、ステップSd2010にてAT演出設定処理を実行する。AT演出設定処理では、所定数としての18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードにおいて、例えば、味方キャラクタと敵キャラクタとが対決し、セットの継続条件が成立していれば当該味方キャラクタが勝利し、継続条件が成立していなければ味方キャラクタが敗北して敵キャラクタが勝利するといったバトル演出を1セット中の演出として設定する処理を実行する。この場合、例えば、1セットのゲームの内、前半の10ゲームの各ゲームでは、味方キャラクタと敵キャラクタとが対峙する対峙演出が行われるように設定し、後半の8ゲームの各ゲームでは、味方キャラクタと敵キャラクタとが対決するバトル演出が行われるように設定する処理を実行する。
ステップSd2011にてAT演出設定処理を実行した後は、ステップSd2012にてその他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップSd2012では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことの報知を行うための処理等を実行する。
<全停止時演出設定処理>
次に、演出設定処理(図302)におけるステップSd1910の全停止時演出設定処理について、図304のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、前兆コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップSd2101では、CZ開始コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ開始コマンドを受信している場合、ステップSd2102にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側CZフラグをセットする処理を実行し、ステップSd2103にてCZ開始演出を次ゲームのベット時演出として、補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ開始演出は、例えば、図305(a)に示すように、今回のゲームからCZモードが開始されること、及びCZモードの残りゲーム数(10)を補助表示部65にて表示する。つまり、停止時コマンドとしてCZ開始コマンドを受信している場合、当該ゲームが終了した後、次のゲームのベット操作に基づいて、CZ開始演出が実行されるようになる。ステップSd2102にてサブ側CZフラグをセットすることにより、次ゲームの開始時演出設定処理におけるステップSd2009にて肯定判定し、開始時CZ演出設定処理が行われるようになる。
ステップSd2101にて否定判定した場合、ステップSd2104にて、上記のサブ側CZフラグが既にセットされているか否かを判定する。既にセットされており、今回終了するゲームがCZモード中のゲームである場合、ステップSd2105にて停止時CZ演出設定処理を実行する。停止時CZ演出設定処理は、ゲームの開始に際して上記の開始時CZ演出設定処理にて設定されたCZモード中の演出を、ゲームの終了に際して修正したりするための処理である。かかる停止時CZ演出設定処理については、後に詳細に説明する。
ステップSd2104にて否定判定した場合、ステップSd2106にてAT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。AT開始コマンドを受信している場合、ステップSd2107にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側ATフラグをセットする処理を実行し、続くステップSd2108にてAT開始用処理を実行する。AT開始用処理では、例えば、ATモードの各セットの消化ゲーム数を把握するためのゲーム数カウンタに、開始するセットのゲーム数を入力する処理を実行したり、セットの継続数を把握するためのセットカウンタに1を入力する処理を実行したり、次ゲームのベット時演出として、AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。AT開始演出は、例えば、図306(a)に示すように、ATモードが開始される旨の表示(「AT スタート」といった文字表示)が行われる演出が設定されている。つまり、停止時コマンドとしてAT開始コマンドを受信している場合、当該ゲームが終了した後、次のゲームのベット操作に基づいて、AT開始演出が実行されるようになる。なお、AT開始演出において、開始するATモードの継続率を示唆するように、例えば、背景や効果音が継続率に応じて異なるように設定してもよい。
ステップSd2106にて否定判定した場合、ステップSd2109にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップSd2110にてサブ側ATフラグをクリアする処理を実行し、ステップSd2111にてAT終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT終了演出は、例えば、図306(b)に示すように、ATモードが終了する旨の表示(「またね」といった文字表示)とともに、今回のATモードの継続セット数や獲得メダル数の報知を行う演出が設定されている。
ステップSd2109にて否定判定した場合、ステップSd2112にてセット更新コマンドを受信しているか否かを判定する。セット更新コマンドを受信しており、ATモードの1セットが終了し、次のセットに移行する場合、ステップSd2113にてセット更新用処理を実行する。セット更新用処理では、前回のセットの継続条件の有無に関する情報等を今回のセットの開始に際してクリアする処理を実行したり、今回のセットのゲーム数を上記のゲーム数カウンタに入力する処理を実行したりする。
ステップSd2112にて否定判定した場合、ステップSd2114にて停止時前兆演出設定処理を実行する。既に説明した通り、本実施形態では、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選がゲームの開始だけではなく終了時にも実行され、その結果に基づいて前兆コマンドが出力され得る。停止時前兆演出設定処理は、ゲームの終了に際して出力される前兆コマンドに基づいて前兆モードの各種演出を設定する処理を実行する。かかる停止時前兆モード設定処理については、後に詳細に説明する。
ステップSd2103、ステップSd2105、ステップSd2108、ステップSd2111、ステップSd2113若しくはステップSd2114の処理を実行した後は、ステップSd2115にて、ゲーム数管理処理を実行する。ゲーム数管理処理は、有利区間に移行してからATモード移行当選となるまでの天井までのゲーム数を管理するとともに、天井に到達した場合の演出を設定する処理である。かかるゲーム数関処理については、後に詳細に説明する。
ステップSd2115の処理を実行した後は、ステップSd2116にてその他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップSd2116では、BBの開始や終了に際して出力される各種コマンド対応する演出を行うための処理を行ったり、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
<CZ演出の概要>
開始時CZ演出設定処理や停止時CZ演出設定処理の説明に先立ち、本実施形態におけるCZモード中の各ゲームの演出の概要について、図309等を参照しながら説明する。
既に説明したとおり、本実施形態におけるCZモードでは、通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。そして、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、前兆ゲーム数が0ゲームに設定され、当該ゲームにてATモード移行当選となったことの報知が行われ、次ゲームからATモードが開始されるようにしている。つまり、本実施形態では、CZモード中の各ゲームにおいてATモード移行抽選の結果がそのゲームのうちに報知される、といったように完全告知型の報知態様が採用されている。このようにすることで、CZモードからATモードへの遊技の流れをよりスムーズなものとすることができるし、CZモード中の各ゲームの注目度を好適に高めることが可能となる。
CZモード中の各ゲームの具体的な演出としては、本実施形態では、補助表示部65において数字のキャラクタの変動領域を複数設け、当該複数の変動領域にて停止する数字のキャラクタが所定の組み合わせとなることでATモード移行抽選に当選していることの報知が行われるようにする。なお、本実施形態では、同一の数字のキャラクタが停止してゾロ目が形成された場合を所定の組み合わせとして設定している。例えば、図309(a1)~図309(c1)に示すように、補助表示部65において数字のキャラクタの変動領域として、左から順に左変動領域SP1、中変動領域SP2、右変動領域SP3を設定し、これら変動領域SP1~SP3に表示させる数字のキャラクタとして、1~9までの数字のキャラクタを設定する。そして、各ゲームが開始される際に、これら変動領域SP1~SP3における数字のキャラクタを、例えば、縦方向に変動表示させ、ストップスイッチ42~44が操作されるたびに、左から順に数字のキャラクタを停止させる。図309(a1)は、左ストップスイッチ42が操作されて左変動領域SP1に数字のキャラクタが停止した様子を示しており、図309(b1)は、中ストップスイッチ43が操作されて中変動領域SP2に数字のキャラクタが停止した様子を示しており、図309(c1)は、右ストップスイッチ44が操作されて右変動領域SP3に数字のキャラクタが停止した様子を示している。この場合、図309では、左変動領域SP1と中変動領域SP2に同一の数字である「1」のキャラクタが停止しているものの、右変動領域SP3には左中の数字とは異なる「4」のキャラクタが停止しており、所定の組み合わせが形成されていないことを示している。つまり、ATモード移行抽選に当選していないことの報知が行われている。
ここで、ストップスイッチ42~44は、スロットマシン10の手前側に配置される初期位置から奥側に配置される操作位置に変位可能に設けられている。そして、ストップスイッチ42~44は、操作位置から初期位置に向けて付勢手段としてのバネ等によって付勢されており、操作前は初期位置に配置されている。初期位置に配置されたストップスイッチ42~44を操作位置に向けて押圧操作して、付勢手段の付勢力を上回る力を奥側に付与することで、ストップスイッチ42~44は操作位置に向けて変位する。そして、ストップスイッチ42~44から手等を離すと、上記の付勢手段による付勢力によって初期位置に復帰する。
ストップ検出センサ42a~44aから主制御装置101への検知信号は、ストップスイッチ42~44が初期位置から操作位置に変位した場合にOFF状態からON状態に変化し、ストップスイッチ42~44が操作位置から初期位置に変位する場合にON状態からOFF状態に変化する。主制御装置101は、ストップスイッチ42~44からの検知信号がOFF状態からON状態に立ち上がることを把握することで、ストップスイッチ42~44が初期位置から操作位置に向けて変位したことを把握することが可能となり、ストップスイッチ42~44からの検知信号がON状態からOFF状態に立ち下がることを把握することで、ストップスイッチ42~44が操作位置から初期位置に向けて変位することを把握することが可能となる。
なお、以下の説明において、ストップスイッチ42~44を初期位置から操作位置に向けて操作することを停止ON操作とも称し、ストップスイッチ42~44を操作位置から初期位置に向けて操作すること(手等を離すこと)を停止OFF操作とも称する。また、各ストップスイッチ42~44のうち最初の停止ON操作を第1停止ON操作、最初の停止OFF操作を第1停止OFF操作、2番目の停止ON操作を第2停止ON操作、2番目の停止OFF操作を第2停止OFF操作、3番目の停止ON操作を第3停止ON操作、3番目の停止OFF操作を第3停止OFF操作とそれぞれ称する。
CZモード中の演出において、上記の各変動領域SP1~SP3の数字のキャラクタの停止は、ストップスイッチ42~44の操作のうち、停止ON操作に基づいて実行される。すなわち、図309(a2)に示すように、左ストップスイッチ42を停止ON操作することで、左変動領域SP1に数字のキャラクタが停止し、図309(b2)に示すように、中ストップスイッチ43を停止ON操作することで、中変動領域SP2に数字のキャラクタが停止し、図309(c2)に示すように、右ストップスイッチ44を停止ON操作することで、右変動領域SP3に数字のキャラクタが停止する。
なお、第1停止ON操作時に左変動領域SP1に数字のキャラクタが停止し、第2停止ON操作時に中変動領域SP2に数字のキャラクタが停止し、第3停止ON操作時に右変動領域SP3に数字のキャラクタが停止する構成とし、数字のキャラクタが停止する各変動領域SP1~SP3をストップスイッチ42~44の停止順序とを一対一で対応付ける構成としているが、数字のキャラクタが停止する各変動領域SP1~SP3を各ストップスイッチ42~44とが一対一で対応付けられた構成としてもよい。具体的には、例えば、第1停止ON操作として中ストップスイッチ43を操作すると、中変動領域SP2に数字のキャラクタが停止し、第2停止ON操作として右ストップスイッチ44を操作すると、右変動領域SP3に数字のキャラクタが停止し、第3停止ON操作として左ストップスイッチ42を操作すると、左変動領域SP1に数字のキャラクタが停止する構成としてもよい。
<開始時CZ演出設定処理>
開始時演出設定処理(図303)におけるステップSd2010の開始時CZ演出設定処理について、図307のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSd2201では、サブ側CZフラグがセットされているか否かを判定する。サブ側CZフラグがセットされていない場合には、そのまま本開始時CZ演出設定処理を終了する。サブ側CZフラグがセットされている場合、ステップSd2202にて、CZゲーム数表示の更新処理を実行する。なお、CZモード中のゲーム数は、停止時CZ演出設定処理にて管理する構成としているが、補助表示部65におけるCZモードの残りゲーム数の表示(残りゲーム数画像GP、図309参照)は、ゲームの開始時に更新する構成としている。ステップSd2202では、CZモードの残りゲーム数に応じて、対応する残りゲーム数画像GPをROM182の記憶エリアから読み出し、更新後の残りゲーム数画像GPが表示されるように補助表示部65を制御する。
CZゲーム数表示の更新処理を実行した後は、ステップSd2203にて今回のゲームの開始時コマンドとして、特定役を示す抽選結果コマンドを受信しているか否かを判定する。特定役を示す抽選結果コマンドを受信している場合、ステップSd2204にて、今回のゲームのCZモード中演出として、第1停止ON操作時に停止させる数字のキャラクタと、第2停止ON操作時に停止させる数字のキャラクタとを同じ数字のキャラクタとなるテンパイ演出(図310(a))が行われるように設定する。テンパイ演出を行うことで、上記のようにATモード移行当選に対応する所定の組み合わせが形成されることへの期待感を高めることが可能となる。
これに対して、ステップSd2203にて特定役を示す抽選結果コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSd2205に進み、特殊役を示す抽選結果コマンドを受信しているか否かを判定する。特殊役を示す抽選結果コマンドを受信しておらず、今回のゲームの抽選結果が特定役でもなく特殊役でもない場合、ステップSd2206にて今回のゲームの開始時コマンドとして、前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、開始時AT抽選用処理において、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した場合には前兆コマンドが出力されるように設定されているところ、CZモード中に前兆コマンドを受信する場合とは、今回のゲームのATモード移行抽選にて当選したことを意味する。また、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、前兆ゲーム数は0ゲームに設定されるため、今回のゲームの次のゲームからATモードが開始される。
ステップSd2206にて前兆コマンドを受信している場合、ステップSd2204に進み、第1停止ON操作及び第2停止ON操作によって上記のテンパイ演出が行われるように演出を設定する。これに対して、前兆コマンドを受信していない場合、ステップSd2207に進み、通常用テンパイ演出抽選処理を実行する。通常用テンパイ演出抽選処理では、例えば、今回のゲームの抽選結果に関わらず、約5%の確率でテンパイ演出が発生するように抽選を行う。そして、ステップSd2208にて、上記のテンパイ演出の抽選処理にて当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップSd2204に進んでテンパイ演出が行われるようにする。
これに対して、ステップSd2208にてテンパイ演出の抽選処理にて非当選であったと判定した場合、ステップSd2209にて第1停止ON操作時に停止させる数字のキャラクタと、第2停止ON操作時に停止させる数字のキャラクタとを異ならせるバラケ目演出(図310(b))が行われるように設定する。バラケ目演出を行うことで、上記のようにATモード移行当選に対応する所定の組み合わせが形成されることへの期待感を低くすることが可能となる。
ステップSd2204にて、第1停止ON操作及び第2停止ON操作においてテンパイ演出が行われるように設定した後は、ステップSd2210にて前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信しており、今回のゲームのATモード移行抽選の結果が当選結果であった場合、ステップSd2211にて、今回のゲームの第3停止ON操作に基づいて、爆弾演出を発生させるか否かを抽選により決定する。
爆弾演出は、図312(a)に示すように、第3停止ON時演出として右変動領域SP3に数字のキャラクタを停止させるとともに、爆弾のキャラクタ(爆弾画像BP)を表示する演出である。爆弾演出では、その後、第3停止OFF操作が行われた後、図312(b)に示すように、当該爆弾画像BPが爆発する爆発画像EPが表示される爆発演出が実行されたり、図314(a)に示すように、爆弾画像BPが爆発せずに不発画像NPが表示される不発演出が実行されたりする。爆弾演出が爆発演出に切り替わると、図313(a)に示すように、各変動領域SP1~SP3にて所定の組み合わせが形成されていなかった状態から、所定の組み合わせが形成された状態に切り替わり、ATモード移行抽選に当選したことの報知が行われるとともに、図313(b)に示すように、AT当選演出が行われる。これに対して、爆弾演出が不発演出が実行されると、図314(b)に示すように、各変動領域SP1~SP3にて所定の組み合わせが形成されていなかった状態が維持されて、ATモード移行抽選に当選しなかったことの報知として外れ再表示演出が行われる。
ここで、爆弾画像BPは、右変動領域SP3の数字のキャラクタとは重ならない領域に表示されるように設定されており、具体的には、中変動領域SP2の数字のキャラクタの前面に表示されて当該数字のキャラクタと重なる一方、右変動領域SP3の数字のキャラクタとは重ならず、更に左変動領域SP1の数字のキャラクタとも重ならない位置に表示されるようにしている。このようにすることで、爆弾画像BPが表示されることによって、第3停止ON操作時に停止される右変動領域SP3の数字のキャラクタを把握することが困難となったり把握することができなくなったりすることを好適に回避することができる。
これに対して、爆発画像EP(図312(b))は、各変動領域SP1~SP3に停止している数字のキャラクタの前面に表示されてこれら数字のキャラクタと重なるように表示される。より詳しくは、本実施形態では、数字のキャラクタが視認できなくなる程度に爆発画像EPが表示されるように設定されている。このようにすることで、爆発後に数字のキャラクタを所定の組み合わせが形成されている状態とする場合に違和感を与えにくくすることが可能となる。
ステップSd2211の当選時爆弾演出抽選処理では、ゲームの抽選結果に応じて爆弾演出を発生させるか否かを決定する。本実施形態では、例えば、特定役のうちチャンス目Aを契機とする抽選の方がチャンス目Cを契機とする抽選よりも爆弾演出が発生し易いといったように、ATモード移行抽選に当選しにくい結果ほど爆発演出が発生し易くなるようにしている。爆弾演出抽選処理を実行した後は、ステップSd2212にて爆弾演出抽選に当選したか否かを判定し、当選していなければ、ステップSd2213にて、第3停止ON操作によって、上記のテンパイ演出にて停止させている数字のキャラクタと同じ数字のキャラクタが停止して所定の組み合わせが形成されたゾロ目演出(図311(a))が行われるように設定する。そして、ステップSd2214にて、今回のゲームの第3停止OFF操作に基づいてAT当選演出(図311(b))が行われるように設定してから、本開始時CZ演出設定処理を終了する。AT当選演出は、ATモード移行当選となったことを祝福するように、例えば、軍人のキャラクタが雄たけびを上げる様子が補助表示部65にて表示されるように設定されている。
ステップSd2212にてATモード移行当選時の爆発演出抽選に当選しなかった場合、ステップSd2215にて、第3停止ON操作時に上記のテンパイ演出にて停止させている数字のキャラクタとは異なる数字のキャラクタを停止させるテンパイ外れ演出(図310(a))が行われるように設定する。また、ステップSd2210にて前兆コマンドを受信していないと判定した場合も、ステップSd2216にて第3停止ON操作時に上記のテンパイ演出にて停止させている数字のキャラクタとは異なる数字のキャラクタを停止させるテンパイ外れ演出(図310(a))が行われるように設定する。更に、テンパイ演出ではなくバラケ目演出が行われる場合において、ステップSd2209の処理を実行した後は、ステップSd2217にて第3停止ON操作時にランダムな数字のキャラクタを停止差させるバラケ目演出(図310(b))が行われるように設定する。
ステップSd2216又はステップSd2217の処理を実行した後は、ステップSd2218に進む。ステップSd2218では、各種フラグ格納エリア183aに特殊役フラグがセットされているか否かを判定する。特殊役フラグは、特殊役当選時にステップSd2222にてセットされるフラグである。今回はステップSd2205にて否定判定しているので、特殊役フラグがセットされていない場合であり、ステップSd2218では否定判定し、ステップSd2219に進む。
ステップSd2219では、今回のゲームの第3停止ON操作に基づいて、爆弾演出を発生させるか否かを抽選により決定する。
ステップSd2219のATモード移行非当選時の爆弾演出抽選処理では、ゲームの抽選結果に応じて爆弾演出を発生させるか否かを決定する。例えば、特定役を契機とする抽選の方が特定役以外を契機とする抽選よりも爆弾演出が発生し易くするようにする。爆弾演出抽選処理を実行した後は、ステップSd2220にて爆弾演出抽選に当選したか否かを判定し、当選していなければ、そのまま開始時CZ演出設定処理を終了する。爆弾演出抽選に当選している場合、ステップSd2221にて第3停止ON操作に基づいて爆弾画像BPが表示されるように設定してから、本開始時CZ演出設定処理を終了する。
このように、各ゲームの抽選結果と、開始時に実行されるATモード移行抽選の結果とに応じて、変動領域SP1~SP3においてゾロ目演出が行われてATモード移行抽選に当選したことの報知が行われたり、テンパイ外れ目演出やバラケ目演出が行われることによってATモード移行抽選に当選していないことの報知が行われる。
これに対して、ゲームの抽選結果が特殊役である場合には、当該ゲームにおけるストップスイッチ42~44の操作態様が第1操作態様であればATモード移行抽選が行われるものの、第2操作態様であるとATモード移行抽選は行われない。そうすると、上記の通り、特殊役当選時においては、開始時AT抽選用処理ではATモード移行抽選が行われず、停止時AT抽選用処理にてATモード移行抽選が行われるようにしている。そのため、CZモードの開始時では特殊役に当選していることは判別可能であるものの、ATモード移行抽選の当否は把握することができない。そこで、本実施形態では、特殊役に基づいて停止時に実行されるATモード移行抽選の結果に対応する演出を、各変動領域SP1~SO3の変動表示として事前に開始するようにしながら、停止時のATモード移行抽選が実行されてから、当該事前に開始した演出をATモード移行抽選の結果に対応させて修正するように設定している。
具体的には、ステップSd2205にて特殊役を示す抽選結果コマンドを受信していると判定した場合、ステップSd2222にて各種フラグ格納エリア183aに特殊役フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSd2223にて特殊役用のテンパイ演出抽選処理を実行する。本テンパイ演出抽選処理は、上記のステップSd2207におけるテンパイ演出抽選処理とは当選確率が異なるように設定されており、具体的には特殊役当選時の方が特殊役ではなく且つ特定役でもない場合よりもテンパイ演出が発生し易くなるように設定されており、より詳しくは、ステップSd2223では30%の確率でテンパイ演出が発生するように設定されている。
ステップSd2223にてテンパイ演出抽選処理を実行した後は、ステップSd2208にてテンパイ演出抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップSd2204にてテンパイ演出の設定用の処理を行う。ちなみに、特殊役当選時においては、開始時AT抽選用処理にて前兆コマンドが出力されることはないため、テンパイ演出を行った場合であっても、ステップSd2210にて否定判定し、ステップSd2216にてテンパイ外れ演出が行われるように設定される。
一方、ステップSd2208にてテンパイ演出抽選に非当選であると判定した場合には、ステップSd2209及びステップSd2217にてバラケ目演出が行われるように設定される。
ステップSd2216又はステップSd2217の処理を実行した後は、上記のように、ステップSd2218に進み、上記の特殊役フラグがセットされているか否かを判定する。今回は特殊役フラグがセットされているため、ステップSd2218にて肯定判定し、ステップSd2221に進む。ステップSd2221では、上記の通り、第3停止ON操作に基づいて爆弾画像BPが表示されるように設定する。
つまり、特殊役当選ゲームでは、特殊役非当選時よりもテンパイ演出が発生し易くなるように設定されているとともに、第3停止ON操作時に爆弾画像BPが表示される爆弾演出が必ず発生する。
<停止時CZ演出設定処理>
次に、停止時演出設定処理(図304)におけるステップSd2105の停止時CZ演出設定処理について、図308のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSd2301では、上記の爆弾演出を実行中であるか否かを判定する。爆弾演出を実行中である場合には、ステップSd2302にて今回の開始時コマンド又は停止時コマンドとして前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。上記の通り、CZモード中に前兆コマンドを受信する場合とは、ATモード移行抽選に当選した場合であり、開始時コマンドとして前兆コマンドを受信する場合とは、開始時AT抽選用処理にてATモード移行抽選に当選した場合であり、停止時コマンドとして前兆コマンドを受信する場合とは、特殊役当選時に第1操作態様にて操作されてATモード移行抽選が行われ、そのATモード移行抽選にて当選した場合である。そして、この場合においても、前兆ゲーム数が0ゲームに設定されるため、今回終了するゲームの次のゲームからATモードが開始される。
前兆コマンドを受信している場合、ステップSd2303にて、今回の爆弾演出において爆弾画像BPが爆発画像EPに切り替わる爆発演出(図312(b))が行われるように設定する。そして、ステップSd2304にて、爆発演出が終了する際にゾロ目演出(図313(a))が行われるように設定し、その後、ステップSd2305にてゾロ目演出後にAT当選演出(図313(b))が行われるように設定してから、本停止時CZ演出設定処理を終了する。
これに対して、ステップSd2302にて前兆コマンドを受信していない場合、ステップSd2306に進み、今回の爆弾演出において爆弾画像BPが不発画像NPに切り替わる不発演出(図314(a))が行われるように設定する。そして、ステップSd2307にて、当該不発演出が終了する際に、もともと表示していたテンパイ外れ目やバラケ目が表示される外れ再表示演出(図314(b))が行われるように設定する。
ステップSd2308にて爆弾演出を実行していないと判定した場合、又はステップSd2307の処理を実行した後は、ステップSd2308にて各種カウンタエリア183bに設けられたCZゲーム数カウンタが0であるか否かを判定する。CZゲーム数カウンタは、CZモードの開始に際してCZモードのゲーム数(10)が入力される。CZゲーム数カウンタが0ではない場合には、ステップSd2309にて当該CZゲーム数カウンタを1減算する処理を実行してから、本停止時CZ演出設定処理を終了する。この場合、上記の開始時CZ演出設定処理におけるステップSd2202にて、ステップSd2309にて減算されたCZゲーム数カウンタの値に対応する残りゲーム数画像GPが表示されるようにCZゲーム数表示の更新処理を行う。
ステップSd2308にてCZゲーム数カウンタが0である場合、ステップSd2310にてCZモード終了演出が行われるように設定する処理を実行してから、停止時CZ演出設定処理を終了する。CZモード終了演出は、図305(b)に示すように、CZモードの残りゲーム数が0となり、CZモードが終了したことを報知する演出が設定されている。なお、ステップSd2306の不発演出やステップSd2307の外れ再表示演出を設定した場合、これら不発演出や外れ再表示演出が行われた後でCZモード終了演出が行われるように設定する。
<特殊役当選ゲームの演出>
次に、CZモード中の特殊役当選ゲームの演出の様子を、図315のタイミングチャートを参照しながら説明する。図315(a1)は、特殊役当選ゲームで第1操作態様にてストップスイッチ42~44が操作されてATモード移行抽選に当選した場合を示しており、図315(b1)は、特殊役当選ゲームで第2操作態様にてストップスイッチ42~44が操作されてATモード移行抽選に非当選となった場合を示している。既に説明した通り、特殊役当選ゲームで第1操作態様にて操作すると第33小役入賞が成立して1枚のメダル払出が行われる一方、特殊役当選ゲームで第2操作態様にて操作すると第1小役入賞~第6小役入賞が成立して8枚のメダル払出が行われる。
ta1にてスタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。そして、当該ta1の開始操作に基づき抽選処理が行われ、特殊役に当選した場合、当該ta1にて実行される開始時AT抽選用処理ではATモード移行抽選にて非当選となる。また、CZモード中においては、ta1の開始操作に基づき各変動領域SP1~SP3における数字のキャラクタの変動表示が開始される。
ta2にて第1停止ON操作が行われると、図315(a2)に示すように、左変動領域SP1に数字のキャラクタが停止する。また、ta3にて第2停止ON操作が行われると、図315(a3)に示すように、中変動領域SP2に数字のキャラクタが停止する。図においては、特殊役用のテンパイ演出抽選処理(ステップSd2220)にて当選した場合を示しており、図315(a3)では、テンパイ演出が行われている。そして、ta4にて第3停止ON操作が行われると、図315(a4)に示すように、テンパイ外れ演出となるように右変動領域SP3に数字のキャラクタが停止するとともに、爆弾演出が開始される。これら、図315(a2)~図315(a4)の演出は、開始時CZ演出設定処理にて設定され、特殊役に基づく停止時のATモード移行抽選が行われるよりも前に設定される事前演出に相当する。
上記の通り、主制御装置101側の入賞結果対応処理(図292)は、リール制御処理(図277)におけるステップSd415にて実行され、払出判定処理(ステップSd413)よりも後に実行される。つまり、入賞結果対応処理は、各リール32L,32M,32Rが停止した後、当該停止に基づくメダル払出が完了してから実行される。
この場合、ta4の第3停止ON操作に基づき爆弾演出が開始された後、ta5にて第3停止OFF操作が行われると、第33小役入賞に基づくメダル払出が開始される。そして、ta6にてメダル払出が完了した後、停止時AT抽選用処理が実行され、その結果として、前兆コマンドを受信してta6にて爆弾演出が爆発演出に切り替わる(図315(a5))。その後、ta7にて、爆発演出からゾロ目演出に切り替わり(図315(a6))、ta8にて、AT当選演出が実行される(図315(a7))。このようにして、ta1にて開始されたゲーム内でATモード移行抽選に当選したことの報知(図315(a7))が行われる。この場合、当該ゲームの次のゲームからATモードが開始される。
特殊役当選ゲームで第2操作態様にて操作した場合、図315(b1)に示すように、tb1にて行われた開始操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。そして、tb2の第1停止ON操作に基づき左変動領域SP1に数字のキャラクタが停止し(図315(b2))、tb3の第2停止ON操作に基づき中変動領域SP2に数字のキャラクタが停止し(図315(b3))、tb4の第3停止ON操作に基づき右変動領域SP3に数字のキャラクタが停止するとともに、爆弾演出が開始される(図315(b4))。これら、図315(b2)~図315(b4)の演出も、開始時CZ演出設定処理にて設定され、特殊役に基づく停止時のATモード移行抽選が行われるよりも前に設定される事前演出に相当する。
上記の通り、特殊役当選ゲームで第2操作態様にて操作すると、第33小役入賞時よりもメダル払出数の多い第1小役入賞~第6小役入賞が成立して8枚のメダル払出が行われる。
そうすると、tb5にて第3停止OFF操作を行ってから、第33小役入賞時の1枚のメダル払出が完了するtb6よりも後であるtb7にて第1小役入賞~第6小役入賞に基づく8枚のメダル払出が完了する。つまり、入賞結果対応処理における停止時AT抽選用処理は、tb6よりも後であるtb7にて実行され、当該停止時のATモード移行抽選の結果もtb7に把握可能となる。
この場合、tb4から開始された爆弾演出は、tb7にて不発演出に切り替わり、その後、tb8にて外れ再表示演出が行われて、今回のゲームのATモード移行抽選の結果が外れ結果であったことが報知される。
図による詳細な説明は省略するが、特殊役当選ゲームで第1操作態様にて操作した場合において、停止時AT抽選用処理にてATモード移行当選とならなかった場合、ta6の停止時CZ演出設定処理にて前兆コマンドを受信していないと判定することとなり、この場合、ta6にて爆弾演出が不発演出に切り替わり、その後、ta7にて外れ再表示演出が表示される。
このように、本実施形態では、ゲームの抽選結果が特殊役である場合、当該ゲームにおけるストップスイッチ42~44の操作態様が第1操作態様であれば、1枚のメダル払出が生じ得るとともに、指示機能に関する処理の一処理であるATモード移行抽選が実行される一方、当該ゲームにおけるストップスイッチ42~44の操作態様が第2操作態様であれば、第1操作態様の場合よりも多い8枚のメダル払出が生じ得るとともに、指示機能に関する処理の一処理であるATモード移行抽選が実行されない構成としている。そのため、持ちメダルの減りを少なくする遊技性では第2操作態様にて操作したほうが遊技者にとって有利となり、ATモード移行を目指す遊技性では第1操作態様にて操作したほうが遊技者にとって有利となる。このように、いずれの遊技を行うかを遊技者が選択可能となるため、遊技者の多様なニーズに応じた遊技機を提供することが可能となる。
そのうえで、特殊役当選ゲームにおいては、ゲームの開始時から特殊役に対応させた爆弾演出を行うように設定したうえで、当該特殊役当選ゲームの終了時に行われるATモード移行抽選の結果に応じて、爆弾演出を爆発演出とするか不発演出とするかを切り替えるようにしたことから、操作態様によって指示機能に関する処理の実行の有無や実行態様が異なる特殊役であっても、当該特殊役当選となったゲーム内で指示機能に関する処理の結果の報知を行うことが可能となる。これにより、指示機能に関する処理の結果報知を次のゲーム以降に持ち越さないようにすることができ、所謂完全告知タイプの報知態様として、各ゲームにおける結果報知への注目度を劇的に高めることが可能となる。
特に、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、当該移行抽選に当選したゲームの次のゲームからATモードが開始されるようにしていることから、特殊役を契機としてATモード移行抽選に当選した場合であっても、当該ATモード移行当選を報知したうえで、次ゲームからATモードを開始させることが可能となる。よって、遊技結果や報知側の都合によってATモードの開始タイミングを遅らせる必要が生じず、処理の簡素化を図りながらスムーズな遊技性を実現することができる。
停止時AT抽選用処理はメダルの払い出しが完了した後で実行されるため、第3停止OFF操作が行われてから停止時AT抽選用処理が行われるまでの期間は、特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にて操作した場合と、特殊役当選ゲームにおいて第2操作態様にて操作した場合とで、異なるようになる。つまり、図312(a1)及び図312(a2)のように第3停止ON操作にて爆弾演出が開始された場合において、図312(b2)のように第3停止OFF操作が行われてから、図312(b1)のように爆発演出が発生するまでの期間は、第33小役入賞に基づく1枚のメダル払出が完了するまでのA期間(図315におけるta5からta6)であるのに対し、第3停止ON操作にて爆発演出が開始された場合において、図314(b2)のように第3停止OFF操作が行われてから、図314(b1)のように不発演出が発生するまでの期間は、第1小役入賞~第6小役入賞に基づく8枚のメダル払出が完了するまでのB期間(図315におけるtb5からtb6)であり、A期間よりもB期間の方が長くなるように設定されている。この場合、爆弾演出がATモード移行当選側の爆発演出に切り替わるタイミングの方が、ATモード移行非当選側の不発演出に切り替わるタイミングよりも早いタイミングで到来する。このようにすることで、ATモード移行当選側の演出を行う場合に、各変動領域SP1~SP3を利用したゾロ目演出だけではなく、AT当選演出を行う時間を担保することが可能となる。
上記のように、本実施形態では、爆弾演出は特殊役当選ゲームだけではなく、ATモード移行当選時の爆弾演出抽選処理(ステップSd2211)やATモード移行非当選時の爆弾演出抽選処理(ステップSd2219)にて当選した場合も発生し得る構成としているところ、爆弾演出が行われている状況において、第3停止OFF操作が行われてから停止時CZ演出設定処理が行われるまでの待機期間は、ゲームの抽選結果に応じて長さが異なっている。
具体的には、図316に示すように、特殊役当選ゲームにおける第3停止OFF操作が行われてから停止時CZ演出設定処理が行われるまでの待機期間は、第1操作態様であれば1枚のメダル払出が行われる期間に相当するA期間であって、より具体的には約0.5secである。これに対して、特殊役当選ゲームにおける上記の待機期間は、第2操作態様であれば8枚のメダル払出が行われる期間に相当する期間でありA期間よりも長いB期間であって、より具体的には約4.0secである。
スイカ当選ゲームにおける待機期間は、3枚のメダル払出が行われる期間に相当する期間でありA期間よりも長くB期間よりも短いC期間であって、より具体的には約1.5secである。
また、本実施形態では、再遊技結果のうち、通常リプA~C入賞に基づく再遊技処理にて当該通常リプA~C当選となったゲームのベット数と同数のベットが設定される期間と、チャンス目A~CやチェリーA~C入賞に基づく再遊技処理にて当該チャンス目A~CやチェリーA~C当選となったゲームのベット数と同数のベットが設定される期間とが異なるように設定されており、通常リプA~Cにおけるベットの期間の方がチャンス目A~CやチェリーA~Cにおけるベットの期間よりも長くなるように設定されている。また、チャンス目A~CやチェリーA~Cによるベットの期間は、同じ枚数のメダル払出が行われる期間と同じ長さの期間となるように設定されている。このようにして、再遊技結果により構成されるチャンス目A~CやチェリーA~Cといった特定役が、スイカのようなメダル払出が行われる小役結果と同じ扱いである印象を与えるとともに、通常リプA~Cのような再遊技結果とは異なる結果である印象を与えることが可能となっている。
そうすると、通常リプA~C当選ゲームにおける上記の待機期間は、3枚のベットが行われる期間に相当する期間であり、スイカ当選ゲームにおける上記のC期間よりも長くB期間よりも短いD期間であって、より具体的には約3.0secである。
また、チャンス目A~CやチェリーA~C当選ゲームにおける上記の待機期間は、3枚のベットが行われる期間であっても3枚のメダル払出が行われる期間と同じ長さの期間であり、スイカ当選ゲームにおける上記のC期間と同じ長さであって、具体的には約1.5secである。
これらA期間~C期間は、いずれも爆弾演出が爆発演出に移行する可能性がある期間であり、このように遊技結果に応じてメダルの払い出しに要する期間や再遊技処理におけるベット設定に要する期間が異なることを利用して、爆発演出が発生するまでの期間を多様化していることから、爆発演出が発生することへの期待感を好適に高めることが可能となる。
そして、特殊役当選ゲームにおける第1操作態様のA期間が最も爆発演出が発生し易く、次いでスイカ当選ゲームやチャンス目A~CやチェリーA~C当選ゲームのC期間が爆発演出が発生し易く、その次に、通常リプA~C当選ゲームのD期間が爆発演出が発生し易く、特殊役当選ゲームにおける第2操作態様のB期間では爆発演出は発生しないように設定されている。そのうえで、A期間が最も短く、C期間、D期間、B期間の順で長くなるようにしていることから、より早期に爆発演出が発生することに期待させるながらも、少なくともD期間までは爆発演出の発生に期待を寄せさせることが可能となっており、爆発演出の注目度を好適に高めることが可能となる。
更に、押し順ベル当選ゲームとの関係では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44が操作されると、8枚のメダル払出が行われることから、上記の待機期間はB期間となる。この場合、押し順ベル当選時にはATモード移行抽選に当選しないように設定されていることから(図285)、B期間が経過してからAT当選報知側の演出に切り替える必要がなく、短い期間で演出を無理やり行おうとした場合の違和感や処理負荷の増大化を生じさせないようにすることができる。
また、押し順ベル当選時において、第1小役入賞~第6小役入賞に対応しない非正解操作順序でストップスイッチ42~44が操作されると、1枚のメダル払出が行われたりメダル払出が行われないことから、上記の待機期間は0又はA期間となる。つまり、1枚のメダル払出が行われるA期間であっても、いずれの小役入賞も成立していなかったり、第33小役入賞ではなく第9小役入賞~第32小役入賞が成立していると、爆発演出が発生することはないため、停止出目への注目度を高めることができ、第33小役入賞が成立するように、第1操作態様にてストップスイッチ42~44を操作させるように促すことが可能となる。
<前兆ゲーム数について>
次に、前兆コマンドに基づいて設定される前兆モード中の演出について説明する。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した場合において、当該移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出が各ゲームで実行され得るようになるモードであり、設定された前兆ゲーム数が0となるゲームにて、ATモード移行当選となったことの報知やCZモード移行当選となったことの報知が行われるように設定されている。
既に説明した通り、前兆ゲーム数は、主制御装置101側の開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理において、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した場合に前兆ゲーム数抽選処理(ステップSd817、ステップSd1320)にて決定される。そして、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には、前兆ゲーム数は0ゲームに設定されることは上述の通りである。
ここでは、通常モード中の前兆ゲーム数について図317を参照しながら詳細に説明する。
上記の通り、前兆ゲーム数としては、0ゲーム~40ゲームのいずれかが選択されるように設定されている。本実施形態では、開始時AT抽選用処理にてATモード移行抽選に当選した場合と、停止時AT抽選用処理にてATモード移行抽選に当選した場合とで、選択され易い前兆ゲーム数が異なるように設定されている。また、開始時AT抽選用処理にてCZモード移行抽選に当選した場合と、停止時AT抽選用処理にてCZモード移行抽選に当選した場合とで、選択され易い前兆ゲーム数が異なるように設定されている。更に、開始時AT抽選用処理にてATモード移行抽選に当選した場合と、開始時AT抽選用処理にてCZモード移行抽選に当選した場合とで、選択され易い前兆ゲーム数が異なるし、停止時AT抽選用処理にてATモード移行抽選に当選した場合と、停止時AT抽選用処理にてCZモード移行抽選に当選した場合とで、選択され易い前兆ゲーム数が異なるように設定されている。
具体的には、開始時AT抽選用処理にてATモード移行抽選に当選した場合、1ゲーム~5ゲーム、15ゲーム~40ゲームのいずれかが前兆ゲーム数として設定されるのに対して、停止時AT抽選用処理にてATモード移行抽選に当選した場合、1ゲームから12ゲームのいずれかが前兆ゲーム数として設定される。また、開始時AT抽選用処理にてCZモード移行抽選に当選した場合、1ゲーム~32ゲームのいずれかが前兆ゲーム数として設定されるのに対して、停止時AT抽選用処理にてCZモード移行抽選に当選した場合、1ゲーム~7ゲームのいずれかが前兆ゲーム数として設定される。
停止時AT抽選用処理にてATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選する場合とは、特殊役当選時に第1操作態様にて操作した場合のみであり、遊技者はその移行当選の契機となった特殊役当選ゲームを明確に把握している可能性が高い。これに対して、開始時AT抽選用処理にてATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選する場合とは特定役当選が契機となることが多いものの、チャンス目A~CやチェリーA~Cは再遊技結果により構成されているため取りこぼしは生じないし、取りこぼしの有無は移行抽選の当否結果は影響しないことから、遊技者はその移行当選の契機となった特定役当選ゲームを見逃してしまう可能性もある。更に、CZモード移行抽選に関しては、特定役ではなく通常リプA~Cでも移行当選となり得るようにしていることから、どのゲームでCZモード移行当選となったかを判別することは困難である。そこで、移行当選となったことに気付かない可能性がある開始時AT抽選用処理における前兆ゲーム数を比較的長いゲーム数が選択され易くすることで、どのような状況からもATモードやCZモードの移行当選となり得る印象を与えることが可能となり、移行当選となったことの報知が行われた場合の驚きを提供することができるし、そのようにすることで、通常モードの各ゲームの注目度低下を抑制することが可能となる。また、逆に、特殊役が契機となる停止時AT抽選用処理において決定される前兆ゲーム数を、開始時AT抽選用処理において決定される前兆ゲーム数よりも短いゲーム数が選択され易くすることで、その当選し易い移行抽選が実行されたことを把握してからその当否結果が報知されるまでの期間を短くし、遊技の中だるみを生じさせないようにすることができる。
また、ATモード移行抽選に当選した場合と、CZモード移行抽選に当選した場合とを比較すると、開始時AT抽選用処理及び停止時AT抽選用処理のいずれであっても、設定される前兆ゲーム数がATモード移行抽選に当選している場合のほうが長い前兆ゲーム数となり易いように設定されている。このようにすることで、各ゲームの前兆演出等から、前兆モードであることを把握した遊技者としては、なるべく長く当該前兆モードが継続することを望むようになり、遊技者のATモードへの期待感を利用して注目度が高められるゲームの割合を増やすことが可能となる。
特に、開始時AT抽選用処理にてATモード移行当選時に設定される前兆ゲーム数と、開始時AT抽選用処理にてCZモード移行当選時に設定される前兆ゲーム数とでは、CZモード移行当選時には32ゲームまでの前兆ゲーム数が選択されるのに対して、ATモード移行当選時には33ゲーム以上の前兆ゲーム数が選択され得るように設定されている。このようにすることで、前兆モードであることを把握した遊技者は、それが33ゲーム以上継続することに期待感を寄せながら前兆モード中の各演出を注目するようになり、各演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
また、本実施形態では、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していなくても、前兆モード中の演出と同じ又は似た前兆演出が実行されるとともに、最終的にATモード移行当選となったことの報知やCZモード移行当選となったことの報知が行われない疑似前兆モードが設定されている。
疑似前兆モードのゲーム数としては、1ゲーム~6ゲーム及び10ゲーム~18ゲームのいずれかが選択されるように設定されている。この場合、前兆演出が行われている状況が19ゲーム以上継続することで、ATモード移行当選又はCZモード移行当選に基づく前兆モードであることが確定する。そのため、前兆演出から前兆モード又は疑似前兆モードであることを把握した遊技者は、そのモードが19ゲーム以上継続することを望むようになり、各ゲームへの注目度を好適に高めることが可能である。
そして、主制御装置101における開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理では、上記のように設定された前兆ゲーム数テーブルに基づいて、前兆ゲーム数を決定し、その前兆ゲーム数の情報を含む前兆コマンドを表示制御装置81へ出力する。
以下、表示制御装置81側の処理である、開始時前兆演出設定処理、停止時前兆演出設定処理、及びゲーム数管理処理を説明する。
<開始時前兆演出設定処理>
先ず、開始時前兆演出設定処理について、図318のフローチャートを参照しながら説明する。開始時前兆演出設定処理は、開始時演出設定処理(図303)におけるステップSd2008にて実行される処理である。
ステップSd2401では、現状の表示モードが通常モードであるか否かを判定する。CZモードやATモードである場合や、通常区間である場合は、そのまま本開始時前兆演出設定処理を終了する。通常モードである場合は、ステップSd2402に進む。
ステップSd2402では、各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側前兆カウンタが0よりも大きい値となっているか否かを判定する。サブ側前兆カウンタは、前兆モードや疑似前兆モードに設定される場合に前兆ゲーム数に相当する値が入力され、ゲームの消化に際して1ずつ減算されるカウンタである。つまりステップSd2402の処理は、前兆モードや疑似前兆モード中であるか否かを判定する処理である。
サブ側前兆カウンタが0であり、前兆モードや疑似前兆モード中ではないと判定した場合、ステップSd2403にて、今回の開始時コマンドとして前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信していない場合、ステップSd2404にて、疑似前兆抽選処理を実行する。疑似前兆抽選処理は、上記の疑似前兆モードに設定するか否かを抽選により決定する処理である。当該疑似前兆抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから疑似前兆抽選用のテーブルを取得し、今回のゲームの抽選結果に応じて疑似前兆モードに設定するか否かの抽選を行う。本実施形態における疑似前兆抽選用のテーブルでは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい結果ほど疑似前兆抽選に当選し易くなるように設定されており、例えば、チャンス目Cよりもチャンス目Aの方が疑似前兆抽選に当選し易くなるように設定されている。つまり、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選し易い結果にてこれらの移行抽選に非当選となった場合には、疑似前兆モードとなり易くなるように設定されている。
疑似前兆抽選処理を実行した後は、ステップSd2405にて疑似前兆抽選に当選したか否かを判定し、非当選であった場合には、そのまま開始時前兆演出設定処理を終了する。疑似前兆抽選に当選している場合、ステップSd2406にて、各種フラグ格納エリア183aに疑似前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSd2407にて疑似前兆ゲーム数抽選処理を実行する。疑似前兆ゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから上記の疑似前兆モード用のゲーム数テーブル(図317)を取得して、今回の疑似前兆モードにおける前兆ゲーム数を抽選により決定する。
これに対して、ステップSd2403にて、前兆モードや疑似前兆モードではない状況にて前兆コマンドを受信している場合、ステップSd2408に進む。ステップSd2408では、受信している前兆コマンドがATモード移行抽選に当選となったことを契機とするものか否かを判定する。ATモード移行抽選に当選となったことを契機として出力された前兆コマンドではなく、CZモード移行抽選に当選となったことを契機とするものである場合、ステップSd2409にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側CZモード当選フラグをセットする処理を実行する。一方、ATモード移行抽選に当選となったことを契機とするものである場合は、ステップSd2410にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側ATモード当選フラグをセットする処理を実行する。ステップSd2409又はステップSd2410の処理を実行した後は、ステップSd2411にて、受信している前兆コマンドに設定されている前兆ゲーム数の情報を把握する処理を実行する。
ステップSd2407にて疑似前兆ゲーム数抽選処理を実行した後、又はステップSd2411にて前兆モード用の前兆ゲーム数を把握する処理を実行した後は、ステップSd2412にて上記のサブ側前兆カウンタに疑似前兆モード又は前兆モードの前兆ゲーム数に相当する値を入力する処理を実行する。かかる処理によって、次のゲームのステップSd2402では肯定判定することになる。
ステップSd2412の処理を実行した後は、ステップSd2413にて、ステップSd2412にて入力したゲーム数が所定ゲーム数(8ゲーム)以下であるか否かを判定する。8ゲーム以下である場合、ステップSd2414にて、今回の前兆モードや疑似前兆モードにおける前兆演出として第1前兆モード演出を設定する処理を実行してから、本開始時前兆演出設定処理を終了する。本実施形態における第1前兆モード演出では、最大所定ゲーム(8ゲーム)に亘って連続する連続演出が設定されており、例えば、メインキャラクタが敵キャラクタを探して旅に出る演出が設定されている。そして、前兆ゲーム数の残りゲーム数に応じてメインキャラクタの行く先が決定され、各ゲームで敵キャラクタに遭遇するか否かの報知が行われる。前兆ゲーム数が0となるゲームでは、前兆モードであれば敵キャラクタに遭遇してこれらかバトルが開始される様子が表示され、疑似前兆モードであれば敵キャラクタに遭遇せずに捜索を諦める様子が表示される。
ステップSd2413にて前兆ゲーム数が所定ゲーム数よりも多いと判定した場合、ステップSd2415にて、サブ側ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。サブ側ATモード当選フラグがセットされておらず、CZモード移行当選を契機とする前兆モードであったり、疑似前兆モードである場合、ステップSd2416にて、今回の前兆モードや疑似前兆モードにおける前兆演出として第2前兆モード演出を設定する処理を実行してから、本開始時前兆演出設定処理を終了する。本実施形態における第2前兆モード演出では、少なくとも所定ゲーム(8ゲーム)よりも多いゲーム数に亘って連続する連続演出が設定されており、例えば、メインキャラクタが敵キャラクタとのバトルに向けて、トレーニングをする演出が設定されている。そして、前兆ゲーム数の残りゲーム数に応じてメインキャラクタのトレーニング内容が決定され、当該決定されたトレーニングを行う様子が表示されるとともに、各ゲームで敵キャラクタとのバトルが開始されるか否かの報知が行われる。前兆ゲーム数が0となるゲームでは、前兆モードであれば敵キャラクタとのバトルが開始される様子が表示され、疑似前兆モードであればトレーニングにてメインキャラクタがけがをして敵キャラクタとのバトルを諦める様子が表示される。
ステップSd2415にてサブ側ATモード当選フラグがセットされていると判定し、今回の前兆モードがATモード移行当選を契機とする前兆モードであって、前兆ゲーム数が所定ゲーム数よりも多い場合、ステップSd2417に進む。ステップSd2417では、第3前兆抽選処理を実行する。
ここで、本実施形態では、前兆モード中の演出として、上記の第1前兆モード演出と第2前兆モード演出の他に、選択された場合にはATモード移行当選であることが確定する第3前兆モード演出が設定されている。第本実施形態における3前兆モード演出では、少なくとも所定ゲーム(8ゲーム)よりも多いゲーム数に亘って連続する連続演出が設定されており、例えば、メインキャラクタが敵キャラクタとのバトルに向けて、狭い部屋で作戦を練る様子が表示される演出が設定されている。そして、前兆ゲーム数の残りゲーム数に応じてメインキャラクタが作戦を閃いたり悩んだりする様子が表示され、各ゲームで敵キャラクタとのバトルが開始されるか否かの報知が行われる。前兆ゲーム数が0となるゲームでは、敵キャラクタとのバトルが開始される様子が表示される。
ステップSd2417では、上記の第3前兆モード演出を設定するか否かを抽選により決定する。本実施形態では、第3前兆抽選処理の当選確率が、主制御装置101のメイン処理における当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて異なるように設定されており、設定6が最も当選確率が高く、設定1が最も当選確率が低くなる、といったように、高設定ほど第3前兆モード演出が発生し易くなるように設定されている。
ステップSd2417にて第3前兆抽選処理を実行した後は、ステップSd2418にて第3前兆抽選処理にて当選したか否かを判定し、当選していない場合には、ステップSd2416にて第2前兆モード演出を設定する処理を実行してから、本開始時前兆演出設定処理を終了する。一方、第3前兆抽選処理にて当選している場合、ステップSd2719にて第3前兆モード演出を設定する処理を実行してから、本開始時前兆演出設定処理を終了する。
以上のように、前兆コマンドを受信することに基づいて前兆モードの各演出が設定され、また、前兆モードではない状況で疑似前兆抽選に当選することで疑似前兆モードの各演出が設定される。そして、ステップSd2402にてサブ側前兆カウンタが0よりも大きいと判定し、既に前兆モードや疑似前兆モードの設定が行われている状況で開始されるゲームでは、ステップSd2420に進み、疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定することで、前兆モードと疑似前兆モードとのいずれであるかを把握する。
疑似前兆モードである場合、ステップSd2421に進み、今回のゲームの開始時コマンドとして前兆コマンドを受信したか否かを判定する。前兆コマンドを受信しており、疑似前兆モード中にATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した場合、ステップSd2422にて疑似前兆フラグをクリアしてから、ステップSd2408に進む。この場合、疑似前兆モードの演出内容を、前兆モードの演出内容に変更する処理(ステップSd2408~ステップSd2419)が実行される。
ステップSd2420にて疑似前兆モードではなく前兆モードであると判定した場合や、ステップSd2421にて疑似前兆モードであっても今回のゲームの開始時コマンドとして前兆コマンドを受信していない場合は、ステップSd2423に進み、サブ側前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSd2424にてサブ側前兆カウンタの値に応じた前兆演出が、補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、本開始時前兆演出設定処理を終了する。
<停止時前兆演出設定処理>
次に、停止時前兆演出設定処理について、図319のフローチャートを参照しながら説明する。停止時前兆演出設定処理は、全停止時演出設定処理(図304)におけるステップSd2114にて実行される処理である。
ステップSd2501では、ステップSd2401と同様に、通常モードであるか否かを判定し、CZモードやATモードである場合や通常区間中である場合は、そのまま停止時前兆演出設定処理を終了する。通常モードである場合、ステップSd2502にて、サブ側前兆カウンタが0よりも大きいか否かを判定して、既に前兆モードや疑似前兆モードであるか否かを把握する。サブ側前兆カウンタが0である場合、ステップSd2503にて今回のゲームの停止時コマンドとして前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。受信していない場合には、そのまま本停止時前兆演出設定処理を終了する。すなわち、停止時前兆演出設定処理では、疑似前兆モードの設定用の処理が設けられていない。このように、疑似前兆モードの設定に関しては開始時前兆演出設定処理に委ねることで、処理の重複を解消し、処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
前兆コマンドを受信している場合、ステップSd2504に進む。既に説明した通り、停止時コマンドとして前兆コマンドが出力される場合とは、特殊役当選ゲームにて第1操作態様にて操作されたうえで、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した場合である。この場合、ステップSd2504では、ATモード移行当選に基づく前兆コマンドであるか否か、すなわち、特殊役当選時に第1操作態様にて操作して指示機能に関する処理のうちのATモード移行抽選に当選した場合であるか否かを判定する。第1操作態様にて操作したもののATモード移行抽選には当選せず、指示機能に関する処理のうちのCZモード移行抽選に当選した場合、ステップSd2505にてサブ側CZモード当選フラグをセットする処理を実行する。一方、ATモード移行抽選に当選している場合、ステップSd2506にてサブ側ATモード当選フラグをセットする処理を実行する。ステップSd2505又はステップSd2506の処理を実行した後は、ステップSd2507にて前兆ゲーム数を把握する処理を実行する。
前兆ゲーム数を把握した後は、ステップSd2508~ステップSd2515にて、上記のステップSd2512~ステップSd2519の処理と同様に、サブ側前兆カウンタに前兆ゲーム数を入力する処理を実行した後、前兆ゲーム数が所定ゲーム数以下であれば、第1前兆モード演出が行われるようにし、所定ゲーム数よりも多ければ、第2前兆モード演出又は第3前兆モード演出が行われるようにしてから、本停止時前兆演出設定処理を終了する。なお、本実施形態における、ステップSd2513の第3前兆抽選処理の当選確率と、ステップSd2417の第3前兆抽選処理の当選確率とは異なり得るように設定されており、具体的には、ステップSd2513では、低設定ほど第3前兆抽選に当選し易く、ステップSd2417では高設定ほど第3前兆抽選に当選し易くなるように設定されている。このようにすることで、設定値の予測を行ううえでは、開始時AT抽選用処理におけるATモード移行抽選に当選したのか、停止時AT抽選用処理におけるATモード移行抽選に当選したのかを把握する必要が生じるようになり、各ゲームの抽選結果への注目度を好適に高めることが可能となる。また、このようにすることで、開始時と停止時とを合わせると、設定値による第3前兆モード演出の発生率を平均化することが可能となる。
ステップSd2502にてサブ側前兆カウンタが0よりも大きいと判定した場合、ステップSd2516にて疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合、ステップSd2517にて今回のゲームの停止時コマンドとして、前兆コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップSd2518にて疑似前兆フラグをクリアしてから、ステップSd2504~ステップSd2515にて、疑似前兆モードから前兆モードに書き換える処理を実行する。ステップSd2516にて疑似前兆モードではない場合や、ステップSd2517にて前兆コマンドを受信していない場合には、そのまま本停止時前兆演出設定処理を終了する。
<ゲーム数管理処理>
次に、ゲーム数管理処理について、図320のフローチャートを参照しながら説明する。ゲーム数管理処理は、全停止時演出設定処理(図304)におけるステップSd2115にて実行される処理であり、補助表示部65における有利区間移行後のゲーム数の表示を更新したり、天井ゲーム数に到達した場合の演出を設定する処理を実行する。
ステップSd2601では、通常モード又はCZモードであるか否かを判定し、ATモードである場合や通常区間中である場合は、そのまま停止時前兆演出設定処理を終了する。通常モード又はCZモードである場合、ステップSd2602にて、各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側ゲーム数カウンタを1加算する処理を実行する。サブ側ゲーム数カウンタは、有利区間に移行してからATモードが開始されるまでのゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタであり、ATモードへの移行が生じたり、有利区間が終了する場合に0にクリアされるカウンタである。続くステップSd2603では、ゲーム数表示の更新処理を実行する。具体的には、補助表示部65の所定領域にて表示する有利区間移行後のゲーム数の表示(有利区間ゲーム数画像AP、図321参照)を、ステップSd2602のサブ側ゲーム数カウンタの値に応じて表示を更新する処理を実行する。
上記の通り、本実施形態では、有利区間に移行した場合に、天井ゲーム数が設定され、特定規定数によるゲームの回数が当該天井ゲーム数に到達した場合には、ATモード移行抽選を介することなくATモード当選フラグがセットされる(図286、開始時AT抽選用処理参照)。そして、本実施形態では、天井ゲーム数は最大700ゲームとして設定されており、少なくとも700ゲームを消化することで、ATモードへの移行が確定する(図321(a))。
また、本実施形態では、各ゲームの消化に応じて天井カウンタを減算する処理を行う場合、減算値抽選処理(ステップSd1304)を実行したうえで、1よりも大きい数が減算される場合があるようにしている。この減算値抽選処理では、特に、特殊役を契機として大きな減算値が選択され易くなっている(図294)。但し、特殊役当選ゲームであっても、第1操作態様にて操作が行われれば減算値抽選処理は実行されるものの、第2操作態様にて操作が行われると減算値抽選処理は実行されないし、当該ゲームでの天井カウンタの減算も行われない。
つまり、特殊役当選ゲームで第1操作態様にて操作した場合には、図321(b)に示すように、t0にて有利区間に移行した後、t1やt2にて1よりも大きい減算値が選択されて天井カウンタから減算された結果、t4の700ゲームよりも少ないゲームにて天井カウンタが0になる場合がある(t3)。これに対して、特殊役当選ゲームで第2操作態様にて操作した場合には、図321(c)に示すように、t0にて有利区間に移行した後、t1やt2等の特殊役当選ゲームでは天井カウンタの減算が行われず、そうすると、実際の消化ゲーム数が700ゲームに達するt4であっても、天井カウンタは0にはならず、それよりも後であるt5にて天井カウンタが0になる。
つまり、第2操作態様にて操作した場合、有利区間移行後のゲーム数の表示(有利区間ゲーム数画像AP)が最大天井ゲーム数である700に到達しても、ATモード当選フラグがセットされない場合があることになる。
ゲーム数管理処理において、ステップSd2603の処理を実行した後は、ステップSd2604にて、今回のゲームの停止時コマンドとして、減算値コマンドを受信したか否かを判定する。減算値コマンドを受信している場合には、ステップSd2605にて今回の減算値を減算値コマンドから把握し、当該減算値の絶対値を各種カウンタエリア183bのサブ側天井カウンタに加算する処理を実行する。ちなみに、上記の通り、特殊役当選ゲームで主制御装置101から減算値コマンドが出力される場合とは、ストップスイッチ42~44が第1操作態様にて操作された場合であり、第2操作態様にて操作された場合には減算値コマンドの出力は行われない。
ステップSd2604にて減算値コマンドを受信していないと判定した場合、又はステップSd2605の処理を実行した後pは、ステップSd2606にて、サブ側ゲーム数カウンタが天井ゲーム数に相当する値となっているか否かを判定する。具体的には、天井ゲーム数が700と設定されている場合には、ステップSd2602にて更新したサブ側ゲーム数カウンタが700に至った場合に、ステップSd2606にて肯定判定する。サブ側ゲーム数カウンタが天井ゲーム数とは異なる場合、そのままゲーム数管理処理を終了する。
上記の通り、サブ側ゲーム数カウンタはATモードへの移行が生じたり有利区間が終了する場合に0にクリアされるところ、ステップSd2606にて肯定判定し、サブ側ゲーム数カウンタが天井ゲーム数に至る場合とは、天井ゲーム数に亘ってゲームを実行したものの、未だにATモードへの移行が生じていないことを意味する。この場合、ステップSd2607にて、サブ側ATモード当選フラグ又はサブ側CZモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかの当選フラグがセットされている場合とは、主制御装置101側の天井カウンタが0となって前兆モードに設定された後であったり、CZモード移行抽選に当選した後であることを意味する。この場合、ステップSd2607にて肯定判定して、そのままゲーム数管理処理を終了する。
これに対して、ステップSd2607にて否定判定し、天井ゲーム数が消化されたのにもかかわらず、サブ側ATモード当選フラグやサブ側CZモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSd2608に進み、天井ゲーム数(700)と、サブ側天井カウンタとの差分を算出する処理を実行する。つまり、例えば、特殊役当選時に第2操作態様にて操作する等して、天井ゲーム数の減算が行われなかった分のゲーム数を把握する(図321(c)参照)。これにより、実質的に後何ゲームで天井に到達するかを把握することが可能である。
ステップSd2608の処理を実行した後は、ステップSd2609にて、上記の疑似前兆フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSd2610にて、上記のサブ側前兆カウンタにステップSd2608にて把握した天井到達までの実際の残りゲーム数を入力する処理を実行する。つまりこの場合、天井到達までの実際の残りゲーム数に亘る疑似前兆モードの設定が行われる。
そして、ステップSd2611にて、天井到達までの実際の残りゲーム数が所定ゲーム数(8ゲーム)以下であるか否かを判定する。所定ゲーム数以下である場合には、ステップSd2612にて疑似前兆モードにおける前兆演出を第1前兆モード演出として設定する処理を実行してから、本ゲーム数管理処理を終了する。これに対して、天井到達までの実際の残りゲーム数が所定ゲーム数よりも多い場合、今回の疑似前兆モードにおける前兆演出を第3前兆モード演出として設定する処理を実行してから、本ゲーム数管理処理を終了する。
この場合、主制御装置101側で天井カウンタが0となることでATモード当選フラグがセットされるとともに、前兆コマンドが出力される。そうすると、上記の開始時前兆演出設定処理において疑似前兆モードから前兆モードの書き換え用の処理(ステップSd2420~ステップSd2422、ステップSd2408~ステップSd2419)が実行されて、天井到達に基づく前兆ゲーム数を消化すると、ATモードへの移行が生じるようになる。
ここで、本実施形態における天井ゲーム数は700ゲームに設定されており、特殊役の当選確率は約20分の1であり、天井ゲーム数に至るまでに平均すると概ね35回の特殊役当選ゲームが到来することになる。そうすると、特殊役当選ゲームにおいて常に第2操作態様にて操作した場合、700ゲーム消化するまでに35回分の減算が平均して行われないこととなり、700ゲーム消化した際の天井ゲーム到達までの実際の残りゲーム数は平均35ゲームとなる。
天井到達時の前兆ゲーム数としては、図317に示すように、1ゲーム~5ゲームの比較的短いゲーム数が選択され易いように設定されている。これに対して、開始時AT抽選用処理にて設定されるATモード移行当選時の前兆ゲーム数は最大40ゲームまで選択され得るように設定されている。
つまり、仮に天井ゲーム数に至るまで特殊役当選ゲームで毎回第2操作態様にて操作した場合であっても、700ゲームに到達し、疑似前兆モードが開始されてから、実際の天井に到達し、天井到達に基づく前兆ゲーム数が設定される場合、当該前兆ゲーム数は40ゲーム以内に収まり易くなる。このようにすることで、通常のATモード移行当選に基づく前兆演出の範囲内で、実際の天井到達までの疑似前兆モードを含めた前兆演出を行うことが可能となり易く、遊技者に違和感を与えにくくすることが可能となるし、専用の演出データを記憶しておく必要性がさほど高くなくなるため、記憶データの削減も図ることが可能となる。
また、天井ゲーム数に到達した際の疑似前兆モードでは、通常であればATモード移行抽選に当選している前兆モードであることが確定する第3前兆モード演出が設定されるようにしたことから、天井ゲーム数に到達したのにもかかわらず、ATモードが開始されないことによる遊技者の残念感を、通常であればATモードが確定する演出によってうまく和らげることも可能である。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1操作態様にて操作された場合には、第1特典が付与されるとともに指示機能に関する処理を第1処理として実行し、第2操作態様にて操作された場合には第1特典よりも有利な第2特典が付与されるとともに、当該指示機能に関する処理を第1処理よりも不利な第2処理として実行する特殊役を設け、当該特殊役に当選したゲームで実行される指示機能に関する処理の結果に対応する報知を当該ゲーム中に実行するようにした。より具体的には、CZモード中に特殊役に当選した場合、当該特殊役を契機とするATモード移行抽選の結果に対応する報知を、当該特殊役に当選したゲームの終了時に実行するようにした。このようにすることで、CZモード中にATモード移行当選となった場合、前兆ゲーム数が0として設定され、当該移行当選となったゲームの次のゲームからATモードが開始される、といった完全告知型の遊技であっても当該特殊役を適用することが可能となり、特殊役を契機とするATモード移行抽選に当選した場合であっても、次ゲームからATモードを開始する際に、当該ATモード移行当選がATモード開始前に報知されていないといった不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
また、このようにすることで、特殊役を契機としてATモード移行当選となる場合であっても、他の結果と同様にスピーディに(前兆ゲームを最短の0ゲームとして)ATモードを開始させることが可能となり、指示機能に関する処理がゲームの終了時にしか行われ得ない特殊役を既存の遊技に好適に適用することが可能となる。
特殊役当選時に第1操作態様にて操作された場合には停止時AT抽選用処理にて高確率でATモード移行当選となるようにしている一方、第2操作態様にて操作された場合にはATモード移行当選とならないように設定している。このように、特殊役当選時の操作態様に応じて実行される指示機能に関する処理を両極端なものとすることで、当該特殊役当選ゲームでのストップスイッチ42~44の操作をより慎重に行わせることが可能となる。
CZモード中に特殊役当選となった場合、当該ゲームで第1操作態様にて操作された場合のATモード移行抽選では、50%の確率でATモード移行当選となるように設定されており、CZモード中のATモード移行当選の契機の約半数が特殊役となるように設定されている。つまり、仮に特殊役を契機とするATモード移行当選の場合には、CZモードであっても数ゲーム後にATモード移行当選を報知したりATモードを開始したりするような構成としてしまうと、ATモードへ移行する約半数がそのような間延びした演出を経た構成となってしまい得る。その点、上記構成のようにすることで、比較的発生し易い特殊役を契機とするATモード移行に関し、ATモード移行抽選からATモード移行までをよりスピーディに行うことが可能となり、遊技をより好適に進行させることが可能となる。
ATモードにおいては、押し順ベル当選時に押し順報知演出が発生することで第1小役~第6小役入賞を成立させることが可能となるところ、当該押し順報知演出は開始時演出としてスタートレバー41の操作に基づき実行される。つまり、ATモードの1ゲーム目で押し順ベルに当選した場合、当該1ゲーム目の開始時演出として押し順報知演出が発生する。このような構成であるからこそ、特殊役当選ゲームであっても当該ゲーム内でATモード移行当選を報知するようにすることで、次ゲームからATモードが開始される構成において、押し順報知演出が実行されるよりも前にATモード移行当選を事前に報知する構成とすることができる。
CZモード中においては、各ゲームで数字のキャラクタがゾロ目となるか否かといった演出によってATモード移行抽選の当否が報知される構成としているところ、かかる演出においてゾロ目となってATモード移行当選となる期待度の高い演出としてテンパイ演出が設定されており、当該テンパイ演出は、ゲームの終了タイミングよりも前であって、特殊役当選時の第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミングとなる第1停止操作よりも後で発生する。このようにすることで、CZモード中の各ゲームの終了時にATモード移行抽選の当否を報知するうえで、それを事前に盛り上げる効果を奏しながらも、当該テンパイ演出の発生の有無によって第1操作態様にて操作するか第2操作態様にて操作するかを決定する行為を行いにくくすることができる。
特殊役当選時のATモード移行抽選は、停止時AT抽選用処理において実行されるところ、当該停止時AT抽選用処理は、全てのストップスイッチ42~44の操作が完了した後に実行する構成としている。つまり、特殊役に基づくATモード移行抽選の結果を当該ゲームで報知しようとするならば、全てのストップスイッチ42~44の操作が完了した後、次のゲームのベット操作が行われるよりも前に当該報知を行う必要があり、当該報知の実行タイミングは極めて限られている。そこで、上記のようにテンパイ演出等によって事前にゾロ目演出となることを煽るようにすることで各ゲームの演出への注目度を高めることが可能となる。
上記のテンパイ演出は、ATモード移行当選となる場合には発生し易いものの、ATモード移行非当選となる場合にも発生し得るようにしている。このようにすることで、特殊役当選ゲームにおいて未だATモード移行抽選が実行されていない状況でテンパイ演出を実行する構成としても、その後のATモード移行抽選に非当選となった場合に矛盾とならないようにしながらも、当該テンパイ演出の発生時にATモード移行当選となることへ期待感を煽ることが可能となる。
本実施形態では、上記のテンパイ演出を特殊役当選ゲームだけではなく、開始時AT抽選用処理においてATモード移行当選となった場合には発生し易いように設定している。このようにすることで、テンパイ演出がATモード移行当選につながる割合を高めることができ、特殊役当選ゲームにおいて未だATモード移行抽選が実行されていない場合であっても、テンパイ演出が発生した場合の期待感を煽ることが可能となる。
<変形例1>
上記のように、第1操作態様にて操作された場合には、指示機能に関する処理を第1処理として実行し、第2操作態様にて操作された場合には当該指示機能に関する処理を第2処理として実行する特殊役において、本実施形態においては、第1処理は、ATモード移行抽選を実行するように設定され、第2処理はATモード移行抽選を実行しないように設定されている。このような処理の差から、第1処理及び第2処理の内の第1処理が行われることに対応する演出を第1処理の結果を待たずに開始させることが可能である。そこで、本変形例では、特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にて操作されたことが判別可能となるタイミングで、当該第1操作態様にて操作された場合の指示機能に関する処理に対応する演出を開始させる。
具体的には、上記のように特殊役当選ゲームにおいて、左リール32Lを最初に停止させるとともに、左リール32Lにおける5番の「リプレイ」図柄が中段に到達するタイミングから9番の「BAR」図柄が中段に到達するタイミングで停止操作が行われた場合を第1操作態様としており、中リール32Mや右リール32Rを最初に停止させたり、左リール32Lを最初に停止させたと場合であっても上記の範囲外のタイミングで停止し操作が行われた場合には第2操作態様としている(図279)。この場合、特殊役当選ゲームにおいて第1停止ON操作が行われた時点で、第1操作態様が行われたか否かの判別が可能といえる。そこで、変形例では、第1停止ON操作が行われた場合に、第1操作態様に基づき実行されるATモード移行抽選用の報知を開始させる。
図322(a)は、本変形例における第1停止ON時演出設定処理を示すフローチャートである。第1停止ON時演出設定処理は、表示制御装置81の演出設定処理(図302)における各停止操作時演出設定処理(ステップSd1708)の一処理として実行される処理であり、第1停止ON操作が行われたことに対応するコマンドを主制御装置101から受信した場合に実行される処理である。
ステップSd2701では、実行しているゲームが特殊役当選ゲームであるか否かを判定する。特殊役当選ゲームである場合、ステップSd2702にて第1操作態様であるか否かを判定する。すなわち、今回実行されたの第1停止ON操作が、左リール32Lを最初に停止させるとともに、左リール32Lにおける5番の「リプレイ」図柄が中段に到達するタイミングから9番の「BAR」図柄が中段に到達するタイミングでの停止操作であったか否かを判定する。
第1操作態様である場合には、ステップSd2703にて、サブ側CZフラグがセットされているか否かを判定することで、今回のゲームがCZモード中のゲームであるか否かを確認する。CZモード中のゲームである場合、ステップSd2704にて、今回のゲームに設定されている演出がバラケ目演出であるか否かを判定する。特殊役当選ゲームの開始時に実行されるテンパイ演出抽選処理(ステップSd2223)にて非当選となってテンパイ演出ではなくバラケ目演出が設定されている場合、ステップSd2705に進み、設定されているバラケ目演出をテンパイ外れ目演出に変更する処理を実行してから、本第1停止ON時演出設定処理を終了する。
この場合、中変動領域SP2に停止させる数字のキャラクタを、今回停止させた左変動領域SP1の数字のキャラクタと同じものとなるようにして、バラケ目演出をテンパイ外れ目演出に修正するようにするとよい。そして、設定済みのバラケ目演出において、左変動領域SP1と右変動領域SP3とが同じ数字のキャラクタとなるように設定されている場合には、中変動領域SP2に停止させる数字のキャラクタを左変動領域SP1に停止している数字のキャラクタと同じものに修正するとともに、右変動領域SP3に停止させる予定であった数字のキャラクタを左変動領域SP1に停止している数字のキャラクタと異なるものに修正するようにするとよい。ステップSd2701~ステップSd2704にて否定判定した場合は、そのまま、本第1停止ON時演出設定処理を終了する。
図322(b)に示すように、CZモード中の特殊役当選ゲームにおいてバラケ目演出が設定されている場合であっても、第1停止ON操作が第1操作態様に対応するものであれば、図322(c1)に示すように、次の第2停止ON操作に基づいて中変動領域SP2に停止する数字のキャラクタが、既に停止済みの左変動領域SPにおける数字のキャラクタと同じものとなって第2停止ON操作時にはテンパイ演出が行われるようになる。これにより、今回のゲームにおいてゾロ目演出が実行されて、ATモード移行当選である旨の報知が行われる期待感を煽ることが可能となり、遊技者の注目度を好適に高めることができる。但し、この場合においても、第3停止ON操作時にはゾロ目演出ではなくテンパイ外れ目演出が実行され、その後、爆弾演出を介してATモード移行抽選の結果が報知される。
これに対して、第1停止ON操作が第1操作態様に対応するものではなく第2操作態様に対応するものである場合、図322(c2)に示すように、中変動領域SP2に停止させる数字のキャラクタの修正を行わないため、バラケ目がそのまま実行されることになる。
このようにすることで、操作態様によって指示機能に関する処理の内容が異なる特殊役であっても、停止操作が完了するよりも前から、当該指示機能に関する処理に対応させた演出を開始させることが可能となる。
特に、上記のようにしても、バラケ目演出をテンパイ外れ目演出に修正するだけであるため、仮に、その後の停止時AT抽選用処理におけるATモード移行抽選にて非当選結果となった場合であっても、ATモード移行抽選に非当選であるのにもかかわらずゾロ目演出が発生していしまうことはない。よって、演出上の矛盾が生じない範囲で、停止時AT抽選用処理におけるATモード移行抽選に対応する演出を、その移行抽選の実行前から開始させることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、CZモードにおいてATモード移行抽選に当選した場合に、当該ゲームでATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われない場合があるような構成とする。図323は、本変形例における開始時AT抽選用処理を示すフローチャートである。
本変形例においては、ステップSd2809にて、CZモード中にATモード移行抽選に当選したと判定した場合の処理が、上記実施形態における処理と異なっており、その他の処理(ステップSd2801~ステップSd2820)は対応する処理(ステップSd801~ステップSd820)と同様である。
つまり、ステップSd2809にて、CZモード中にATモード移行抽選に当選したと判定した場合(ステップSd2808:YES,ステップSd2809:YES)、ステップSd2821にてCZゲームカウンタが所定数(3)よりも大きく、CZモードの残りゲーム数が所定数よりも多く残存している否かを判定する。所定数よりも多く残存している場合、ステップSd2822にて、遅延抽選処理を実行する。遅延抽選処理は、ATモード移行抽選に当選した場合に、当該ゲームでATモード移行抽選に当選した旨の報知が行わないようにするか否かを抽選により決定する処理である。例えば、ATモード移行当選となった契機としての抽選結果に応じて遅延抽選の当選確率が異なるようにしてもよく、チャンス目Cよりもチャンス目Aの方が遅延抽選に当選し易い、といったように各ゲームの出現率が高い抽選結果を契機としてATモード移行当選となった場合のほうが出現率が低い抽選結果を契機とする場合よりも遅延抽選に当選し易い構成としてもよい。また、CZモードの残りゲーム数が多いほど遅延抽選に当選し易い構成としてもよい。
ステップSd2822にて遅延抽選処理を実行した後は、ステップSd2823にて遅延抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合、ステップSd2824にてATモード当選フラグをセットする処理を実行したうえで、ステップSd2825にて各種フラグ格納エリア106dに遅延フラグをセットする処理を実行してから、本開始時AT抽選用処理を終了する。一方、ステップSd2821にて、CZモードの残りゲーム数が所定数以下である場合や、ステップSd2823にて遅延抽選に非当選であったと判定した場合は、ステップSd2810に進み、CZモードを終了させて、0ゲームの前兆モードに設定する処理等を実行してから開始時AT抽選用処理を終了する。
つまり、上記の遅延抽選に当選することで、ATモード当選フラグはセットされるもののCZモードは終了せず、0ゲームの前兆モードにも設定されず、それに対応する前兆コマンドも出力されないことから、表示制御装置81側では、今回のゲームではAT当選報知は実行せず、引き続きCZモード中の演出を継続して実行するようになる。
但し、上記の通り、CZモードを終了させない場合であっても、ATモード当選フラグをセットしていることから、次のゲームの抽選結果対応処理(図283)では、ステップSd606にて肯定判定し、開始時AT抽選用処理ではなく、継続判定処理やAT上乗せ用処理が実行されることになる。但し、ATモードは開始されていないことから、継続判定処理(図287)では、ステップSd901にて否定判定するだけである。
図324は、本変形例におけるAT上乗せ用処理を示すフローチャートである。
ステップSd2901~ステップSd2910は、上記ステップSd1001~ステップSd1010の処理と同様である。つまり、ATモード開始前であっても、既にATモード移行抽選に当選しているのであるからATモードのセットの上乗せ抽選が行われる。このようにすれば、遅延抽選に当選することが遊技者にとって不利益となってしまわないようにすることが可能となる。
ステップSd2905にて否定判定した場合、又はステップSd2908若しくはステップSd2910の処理を実行した後は、ステップSd2911にて、上記の遅延フラグがセットされているか否かを判定する。遅延フラグがセットされていなければ、そのままAT上乗せ用処理を終了する。
遅延フラグがセットされており、CZモードにおいてATモード移行抽選に当選したものの、前兆コマンドを未だ出力していない状況である場合、ステップSd2912にて、今回のゲームの抽選結果が特殊役当選であるか否かを判定する。特殊役当選である場合、ステップSd2913~ステップSd2916にて前兆モードに設定するための処理を実行する。すなわち、ステップSd2913では、前兆カウンタに0を入力し、ステップSd2913では前兆フラグをセットする。そして、ステップSd2915にてATモード移行抽選に当選し、前兆ゲーム数が0である旨の情報を含む前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。その後、ステップSd2916にて遅延フラグをクリアする処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。
これに対して、ステップSd2912にて特殊役当選ではないと判定した場合、ステップSd2917にてCZゲームカウンタが1であるか否かを判定する。CZゲームカウンタが1である場合とは、今回開始するゲームが終了する際にCZゲーム数用処理にてCZゲームカウンタが0とされて、CZモードが終了する場合である。この場合、ステップSd2913に進み、前兆ゲーム数が0ゲームである前兆モードに設定する処理を実行する。ステップSd2917にてCZゲームカウンタが0ではない場合には、そのまま本AT上乗せ用処理を終了する。
つまり、CZモード中の開始時AT抽選用処理にてATモード移行当選となった場合、遅延抽選に当選することで、今回のゲームではATモード移行当選となった旨の報知が行われないようになる。この場合、図325(a1)に示すように、例えばスイカ当選を契機として、ATモード移行抽選に当選した場合において、遅延抽選に当選すると、今回のゲームでは前兆コマンドが出力されないことから、図325(a2)に示すように、今回のゲームのCZモード中の演出としては、ゾロ目演出ではなくテンパイ外れ目演出が実行される。
その後、今回のCZモードが終了するよりも前に特殊役に当選すると(図325(b1))、当該ゲームにおいてゾロ目演出が実行されてATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われる(図325(b2))。この場合、当該ゾロ目演出は、今回のゲームの開始時に出力される前兆コマンドに基づいて、開始時CZ演出設定処理にて設定される。そのため、爆弾演出を介さないでそのままゾロ目演出が実行される場合もあれば(ステップSd2213及びステップSd2214)、爆弾演出を介してゾロ目演出が実行される場合もある(ステップSd2215、ステップSd2221、ステップSd2303~ステップSd2305)。このようにすることで、特殊役当選ゲームにおいて、最終停止後にATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われる場合だけではなく、それよりも以前に当該当選した旨の報知が行われる場合があるようになり、特殊役当選ゲームにおいて、最終停止前から演出に注目させることが可能となる。
しかも、遅延抽選に当選したことを介して、特殊役当選ゲームにてATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われる場合、当該特殊役当選ゲームでは、図325(b1)に示すように、第1操作態様及び第2操作態様のいずれの操作態様にて操作しても、当該当選した旨の報知が行われることになる。このようにすることで、第1操作態様ではATモード移行抽選が実行されるものの、第2操作態様ではATモード移行抽選が実行されないような構成としても、あたかも第2操作態様であってもATモード移行抽選が行われているかのような印象を与えることも可能となり、例えば、誤って第2操作態様にて操作してしまった遊技者であっても、希望をもって報知を見守らせることが可能となるし、第2操作態様だとATモード移行抽選が行われないことを理解していない遊技者であっても、特殊役当選ゲームを存分に楽しませることが可能である。
更に、上記構成のように、特殊役当選ゲームにおいて、第2操作態様でもATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われ得るようにしたことから、第2操作態様にて第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合、あたかも押し順ベルを契機とするATモード移行抽選にて当選した、といった印象をも与えることが可能となり、押し順ベル当選時の注目度を高めることも可能である。この場合、特殊役当選ゲームでは第1小役入賞~第6小役入賞は生じるものの、第9小役入賞~第32小役入賞は生じないことを通じて、押し順ベル当選時にストップスイッチ42~44の操作順序が第1小役入賞~第6小役入賞に合致していればATモード移行抽選に当選する、といった印象をも与えることが可能である。このようにすることで、ATモード移行前であっても、押し順ベル当選時のストップスイッチ42~44の操作順序に高い関心を持たせることが可能となり、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能である。
なお、かかる効果を高めるべく、特殊役当選時に遅延フラグがセットされている場合には、今回のCZモード演出とともに、図325(c)に示すように、ストップスイッチ42~44の操作順序を遊技者に予想させる演出を補助表示部65等にて行う構成としてもよい。具体的には、補助表示部65にて3つのストップスイッチ42~44に対応させて、はてなマークのキャラクタを3つ表示させる。そして、ストップスイッチ42~44が操作される度に、操作順序が合致していたことを報知すべく、操作されたストップスイッチ42~44に対応するはてなマークを、正解を示すマーク(例えば丸のキャラクタ)に切り替える演出を行う。この場合、特殊役当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させるようにするために、3つのはてなマークのうちの、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作すべき旨の報知を合わせて行うようにするとよい。このようにすることで、第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることに成功したからこそ、ATモード移行抽選に当選して、ゾロ目演出(図325(b2))が実行された印象をより強く与えることが可能である。
更に、押し順ベル当選ゲームにおいても、上記の操作順序を遊技者に予想させる押し順予想演出を実行する構成としてもよい。但し、押し順ベル当選ゲームでは、本実施形態では、CZモードであってもATモード移行抽選に当選しない(図285)ことから、操作順序が第1小役入賞~第6小役入賞に合致していても、ゾロ目演出は発生しないことになる。
この場合、例えば、図325(d)に示すように、押し順ベル当選ゲームにおいて上記の押し順予想演出を発生させ、ストップスイッチ42~44の操作順序が第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序であった場合、当該押し順予想演出において押し順が正解であった旨の正解演出を行い、第1小役入賞~第6小役入賞に対応しない操作順序であった場合、当該押し順予想演出において押し順が不正解であった旨の不正解演出を行う構成とする。そうすると、押し順ベル当選ゲームにおいて正解演出が発生しても、ATモード当選とならないことから、特殊役時の第1小役入賞~第6小役入賞と合わせて、遊技者には、押し順ベル当選時の第1小役入賞~第6小役入賞の操作順序に正解した一部で、ATモード移行抽選に当選するといった印象を与えることが可能である。
特殊役当選ゲームにおいては、押し順予想演出にて中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44に対応する中と右のはてなのキャラクタを、「1」等と表示してもよい。このようにすることで、第1操作態様にて操作されないようにし、第2操作態様にて操作することを促すことができる。
なお、押し順ベル当選ゲームにおいてもCZモード移行抽選に当選し得る構成としてもよい。このようにすることで、特殊役時の第1小役入賞~第6小役入賞と合わせて、押し順ベル当選時に、ATモード移行抽選に当選し得るものの、第1小役入賞~第6小役入賞の操作順序に正解したほうが正解しないよりもATモード移行抽選に当選し易い印象を与えることが可能となり、押し順ベルですら、操作態様によって指示機能に関する処理の内容等が異なる特殊役の一種である印象を与えることも可能となる。よって、遊技の興趣向上を図るうえで、大いに役立てることが可能である。
さらに、遅延フラグがセットされている状況で押し順ベルに当選した場合に、押し順予想演出を行うとともに、第1小役入賞~第6小役入賞の操作順序に正解した場合、正解演出を行うとともに、ゾロ目演出を発生させてATモード移行当選を報知する構成としてもよい。この場合、遅延フラグがセットされている状況で押し順ベルに当選した場合の一部で(所定抽選に当選した場合に)、上記のように正解演出とゾロ目演出を発生させる構成とするとよい。
<変形例3>
本変形例では、特殊役当選ゲームで第1操作態様にて操作した場合の停止出目が、他の抽選結果における停止出目と一部共通することを利用して、ATモード移行抽選に当選した旨の報知を操作完了前に実行するようにする。
図326(a)は、本変形例における第1停止ON時演出設定処理を示すフローチャートである。
ステップSd3001では、今回のゲームの抽選結果がチェリーA~Cであるか否かを判定する。続くステップSd3002では、今回の第1停止ON操作に基づいて停止させた停止出目を把握して、左リール32Lの中段に「BAR」図柄が停止しているか否かを判定する。上記の通り、チェリーA~Cに当選すると、第10再遊技当選フラグや第12再遊技当選フラグがセットされるところ(図275等参照)、左リール32Lの第10再遊技図柄や第12再遊技図柄は、「BAR」図柄である(図265参照)。これに対して、チェリーA~Cに当選したゲームにおいて、左リール32Lに「BAR」図柄を停止させることができないタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、左リール32Lの中段に第11再遊技図柄たる「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかが停止する。
ステップSd3002では、第1停止ON操作が左リール32Lに対応するものであって、且つその停止出目が、第10再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応するものであり、第11再遊技入賞に対応するものではないことを判定する。ステップSd3002にて肯定判定した場合、ステップSd3003にてサブ側CZフラグがセットされており、今回開始しているゲームがCZモード中であるか否かを判定する。CZモード中である場合、ステップSd3004にて、今回のゲームの開始時コマンドとして前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信している場合とは、今回のチェリーA~Cを契機としてATモード移行抽選に当選したことを意味する。
前兆コマンドを受信している場合、ステップSd3005にて、当該第1停止ON操作に基づいて確定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御してから、本第1停止ON時演出設定処理を終了する。確定演出は、ATモード移行抽選に当選した旨を報知する演出であり、本変形例では、図326(b)に示すように、第1リールの停止に対応させて左変動領域SP1に数字のキャラクタが停止し、更に変動中である中変動領域SP2や右変動領域SP3に確定演出に対応させた画像が表示されるようにしている。なお、当該確定演出に対応させた画像の背景(中変動領域SP2及び右変動領域SP3)には、左変動領域SP1に停止させた数字のキャラクタと同じ数字のキャラクタがこれら中変動領域SP2や右変動領域SP3に停止することを予告する停止予告画像(数字のキャラクタをうっすらと表示する画像)が表示している。このようにすることで、第1リールを停止した時点で、第2リールや第3リールを停止するよりも前に、ATモード移行抽選に当選したこと(今回のゲームでAT当選演出が行われること)を遊技者は把握することが可能となる。
ステップSd3001~ステップSd3004のいずれかで否定判定した場合、そのまま本第1停止ON時演出設定処理を終了する。
図326(c1)に示すように、左リール32Lの中段に「BAR」図柄が停止する場合とは、中リール32Mや右リール32Rを停止させて第10再遊技入賞が成立する場合(図326(c2))や第12再遊技入賞が成立する場合(図326(c3))の他、第33小役入賞が成立する場合もある停止出目である(図326(c4))。
つまり、左リール32Lの中段に「BAR」図柄が停止した場合とは、特殊役当選時に第1操作態様にて操作した場合の停止出目も含む。そのため、チェリーA~Cに基づくATモード移行抽選に当選した場合において、「BAR」図柄が中段に停止した時点で確定演出を発生させることで、特殊役当選に基づいて実行される停止後のATモード移行抽選の結果が事前に報知されている印象を遊技者に与えることも可能となる。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの停止操作や停止操作時の演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、上記変形例3を変形例2に適用し、遅延フラグがセットされている状況下で特殊役に当選し、第1停止ON操作に基づいて左リール32Lの中段に「BAR」図柄が停止した時点で上記の確定演出を発生させるようにしてもよい。このようにすることで、左リール32Lの中段に「BAR」が停止した時点で確定演出が発生することの頻度を高めることができる。そして、その後の停止操作によって、特殊役であるかチェリーA~Cであるかの判別が可能となったとしても、確定演出がチェリーA~Cを契機とするものだけではなく特殊役を契機としても発生する印象を与えることができることから、当該確定演出が発生した時点で特殊役当選を連想させ易くさせることができる。よって、特殊役当選時の注目度を好適に高めることが可能となる。
<変形例4>
本変形例では、停止時AT抽選用処理におけるATモード移行抽選の結果を、停止時AT抽選用処理の実行タイミングよりも先に特定し、当該特定結果に基づいて当該ゲームの演出を決定する。
図327は、本変形例における開始時AT抽選用処理の一部を示すフローチャートである。既に説明した通り、開始時AT抽選用処理は、スタートレバー41の操作に基づいて実行される処理であり、特殊役当選か否かは判定可能であるものの、当該ゲームで第1操作態様にて操作されるか第2操作態様にて操作されるかは判別することはできない。
開始時AT抽選用処理にてステップSd801にて天井カウンタが0ではないと判定した後、ステップSd3101にてAT抽選乱数を取得する処理を実行する。そして、ステップSd3102にてゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。これらステップSd3101及びステップSd3102の処理は、上記ステップSd802及びステップSd803の処理と同様である。
続くステップSd3103では、ステップSd3102の処理結果に基づいて、今回のゲームの抽選結果が特殊役当選であるか否かを判定する。特殊役当選である場合には、ステップSd3104にて事前判定処理を実行する。ステップSd3103にて特殊役当選ではないと判定した場合や、ステップSd3104にて事前判定処理を実行した後は、ステップSd804に進み、開始時のATモード移行抽選等を実行する。
図328は、上記ステップSd3104の事前判定処理を示すフローチャートである。事前判定処理は、停止時AT抽選用処理におけるATモード移行抽選の結果を、停止時AT抽選用処理の実行タイミングよりも先に特定するための処理である。
すなわち、ステップSd3201では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSd3202にて停止時通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行し、CZモードフラグがセットされている場合には、ステップSd3203にて停止時CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。これらの抽選テーブルは、図294に示すとおりである。
いずれかの抽選テーブルを取得した後は、ステップSd3204にて、今回の特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にてストップスイッチ42~44が操作された場合のATモード移行抽選を、上記抽選テーブルと、ステップSd3101にて取得したAT抽選乱数とから実行する。つまり、停止時AT抽選用処理(図293)においても、同様の抽選テーブルと、開始操作に基づいて取得したAT抽選乱数と、を用いてATモード移行抽選を実行する構成であることから、ステップSd3204にて実行するATモード移行抽選と、停止時AT抽選用処理にて実行するATモード移行抽選(ステップSd1310)とは同じ結果となり、通常モードであれば10%の確率でATモード移行当選となり、CZモードであれば50%の確率でATモード移行当選となる。
更に、本実施形態では、ステップSd3205にて、今回の特殊役当選ゲームにおいて第2操作態様にてストップスイッチ42~44が操作された場合のATモード移行抽選を、上記抽選テーブルと、ステップSd3101にて取得したAT抽選乱数とから実行する。本実施形態における停止時AT抽選用処理(図293)では、第2操作態様にて操作された場合にはATモード移行抽選を実行しない構成としているが、仮に第2操作態様にて操作された場合にもATモード移行抽選を実行する構成とした場合には、当該停止時AT抽選用処理では、同様の抽選テーブルと、開始操作に基づいて取得したAT抽選乱数と、を用いてATモード移行抽選を実行するのであるから、ステップSd3205にて実行するATモード移行抽選と、停止時AT抽選用処理にて実行するATモード移行抽選(ステップSd1310)とは同じ結果となる。そして、本実施形態であれば、通常モードであれば0%の確率でATモード移行当選となり、CZモードであれば0%の確率でATモード移行当選となり、いずれのモードであってもATモード移行抽選に当選しない。
ステップSd3204及びステップSd3205の処理を実行した後は、ステップSd3206にて、ステップSd3204の処理結果がATモード移行当選であったか否かを判定し、ATモード移行当選であった場合には、ステップSd3207にて第1操作当選予告コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1操作当選予告コマンドは、今回の特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にて操作すればATモード移行抽選に当選することを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
ステップSd3206にて否定判定した場合やステップSd3207の処理を実行した後は、ステップSd3208にて、ステップSd3205の処理結果がATモード移行当選であったか否かを判定し、ATモード移行当選であった場合には、ステップSd3209にて第2操作当選予告コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2操作当選予告コマンドは、今回の特殊役当選ゲームにおいて第2操作態様にて操作すればATモード移行抽選に当選することを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。ステップSd3208にて否定判定した場合、又はステップSd3209の処理を実行した後は、本事前判定処理を終了する。
図329は、本変形例における開始時CZ演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例における開始時CZ演出設定処理では、特殊役当選時の処理(ステップSd3305:YES)が異なっており、その他の処理(ステップSd3301~ステップSd3321)は上記ステップSd2201~ステップSd2221の処理と同様である。
具体的には、CZモード中に特殊役当選となったゲームでは、ステップSd3305にて肯定判定して、ステップSd3322に進む。ステップSd3322では、特殊役フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSd3323にて、上記の第1操作当選予告コマンド又は第2操作当選予告コマンドを受信しているか否かを判定する。これらいずれかの当選予告コマンドを受信している場合、ステップSd3304に進み、テンパイ演出が実行されるように演出を設定する。
つまり、事前判定処理によって、いずれかの操作態様にて操作すればATモード移行抽選に当選すると事前に特定された場合、開始時CZ演出設定処理では、ATモード移行当選である旨の報知が行われることの期待度が高いテンパイ演出が実行されるようになる。このようにすることで、停止時AT抽選用処理の結果を待たずに、当該停止時AT抽選用処理の結果に対応する演出を開始させることが可能となる。
但し、上記の通り、特殊役当選時においては、開始時AT抽選用にて前兆コマンドが出力されることはないため、ステップSd3310にて否定判定し、テンパイ外れ目演出が行われるように設定される。また、第1操作当選予告コマンドや第2操作当選予告コマンドを受信していない場合、ステップSd3324の特殊役用のテンパイ演出抽選処理を経て、当該抽選に当選した場合にも、ステップSd3304にてテンパイ演出が行われるように設定され、その後、テンパイ外れ目演出が行われるように設定される。
つまり、第1操作当選予告コマンドや第2操作当選予告コマンドを受信している場合には、テンパイ演出抽選処理を経ることなくテンパイ演出が実行されるようになり、その結果、これらの当選予告コマンドを受信しない場合も含めて、テンパイ演出が実行された場合にATモード移行当選である旨の報知につながる割合が大きくなり、当該テンパイ演出への期待感を好適に高めることが可能となる。
特に、本変形例では、第1操作当選予告コマンドや第2操作当選予告コマンドを受信したか否かが、テンパイ演出の発生の有無から予測可能な構成であり、当該テンパイ演出の発生の有無は第2停止ON操作により判別される。つまり、テンパイ演出が発生する場合とは、既に第1操作態様及び第2操作態様のいずれの操作となるかが決定された後のタイミングである。このような構成とすることで、第1操作当選予告コマンドや第2操作当選予告コマンドを受信した場合に発生する演出によって操作態様を変更する行為を抑制し、当該発生する演出を知っている遊技者だけが有利となるような事象を生じさせないようにすることができる。よって、遊技の公平性が担保される。
つまり、例えば、第1操作当選予告コマンドを受信した場合には、第1停止ON操作が行われるよりも前のタイミングで、特殊な演出(例えば、レバー操作時の効果音を通常時とは異なる特殊な効果音とする演出)が発生するようにした場合、第1操作態様にて操作することで、ATモード移行当選となることを事前に把握することが可能となるため、遊技の興趣向上を高めるうえでは好ましい。しかし、このような構成とすると、上記の特殊な演出が発生しないゲームでは、仮に第1操作態様にて操作してもATモード移行当選とならないのであるから、第2操作態様にて操作してより多くのメダル払出を受ける方が遊技者にとって好ましくなる。そのため、操作前に事前判定処理の結果に対応する特殊な演出が発生することは、遊技の興趣向上を図るうえでは好ましいものの、遊技の公平性を担保するうえでは好ましくないといえる。本変形例では、上記の通り第1操作態様と第2操作態様との分岐後に事前判定処理の結果に対応する報知が行われるようにしていることから、公平性を担保しながらも、当該報知による上記の効果を期待することが可能となる。
ちなみに、上記のような操作前に事前判定処理の結果に対応する特殊な演出を実行する構成とする場合、第1操作当選予告コマンドを受信した場合に必ず当該特殊な演出が発生する構成ではなく、第1操作当選予告コマンドを受信した場合に特殊な演出が発生しない場合もある構成とすることでも、当該特殊な演出が発生しないからといって第2操作態様にて操作したほうがよいことが確定するわけではなくなる。つまり、事前判定処理の結果に対応する演出を行ううえで、当該演出から、第1操作態様にて操作してもATモード移行抽選に非当選であることが確定しないようにすることで、事前判定処理の結果に関わらず第1操作態様にて操作させる動機付けとすることができ、遊技の公平性を好適に担保することが可能である。
なお、第1操作当選予告コマンドや第2操作当選予告コマンドを受信した場合、テンパイ演出とは異なる特別演出を実行するようにしてもよい。特別演出としては、例えば、図326(b)の確定演出を適用してもよい。また、テンパイ演出時の効果音を通常時には発生しない又は発生しにくい特殊な効果音としたり、通常時は登場しない又は登場しにくいキャラクタを登場させたりするとよい。このようにすることで、特殊役当選時の操作態様への注目度をより高めることが可能となるし、特に、上記実施形態のように第2操作態様ではATモード移行当選にならないように設定されている構成においては、第1操作態様にて操作されていることが想定され、上記特別演出が実行されることで、ATモード移行当選となることを事前に把握することが可能となる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
<変形例5>
本変形例では、上記の事前判定処理を利用した遊技性を説明する。具体的には、本変形例では、事前判定処理にて特殊役当選時に第1操作態様にて操作することでATモード移行抽選に当選することを特定した場合、上記のように第1操作当選予告コマンドを出力する構成としたうえで、特殊役当選時に当該第1操作当選予告コマンドを受信していない場合には、第2操作態様にて操作させて、第1小役入賞~第6小役入賞を成立させるようにする特定報知演出を実行する。なお、当該特定報知演出を実行するモードを、以下の説明ではナビモードと称する。
図330は、本変形例におけるナビモード用処理を示すフローチャートである。ナビモード用処理は、表示制御装置81側の開始時演出設定処理(図303)におけるその他の処理(ステップSd2012)の一処理として実行される処理である。
ステップSd3401では、今回開始するゲームで有利区間への移行が生じたか否かを判定する。有利区間への移行が生じた場合、ステップSd3402にて、上記のナビモードに移行させるか否かのナビモード抽選を実行する。本変形例では、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じてナビモード抽選の当選確率が異なるように設定されており、具体的には、出玉率が高くなる高設定ほどナビモード抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップSd3402にてナビモード抽選を実行した後は、ステップSd3403にて、ナビモード抽選に当選したか否かを判定する。ナビモード抽選に当選している場合、ステップSd3404にて各種フラグ格納エリア183aにナビモードフラグをセットする処理を実行する。
ステップSd3401若しくはステップSd3403にて否定判定した場合、又はステップSd3404の処理を実行した後は、ステップSd3405にて、今回開始するゲームでATモードへの移行が生じるか否かを判定する。今回開始するゲームがATモード移行ゲームである場合、ステップSd3406にてナビモードフラグをクリアする処理を実行してから、本ナビモード用処理を終了する。ステップSd3405にてATモード移行ゲームではない場合には、そのまま本ナビモード用処理を終了する。
つまり、本変形例では、有利区間の移行に際して実行されるナビモード抽選に当選するとナビモードに設定され、ATモードへの移行が生じることで、ナビモードが終了する。また、本変形例では、有利区間の終了に際してはナビモードが終了しないようにしていることから、仮にATモードへ移行することなく有利区間が終了してしまった場合であっても、ナビモードは継続し、ATモードへの移行が生じるまで当該ナビモードによる恩恵を享受することが可能となる。
図331は、本変形例における特定報知用処理を示すフローチャートである。特定報知用処理も、表示制御装置81側の開始時演出設定処理(図303)におけるその他の処理(ステップSd2012)の一処理として実行される処理である。
ステップSd3501では、今回の開始時コマンドとして特殊役を示す抽選結果コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSd3501にて肯定判定し、今回のゲームの抽選結果が特殊役である場合、ステップSd3502に進む。ステップSd3502では、上記の第1操作当選予告コマンドを受信しているか否かを判定する。
第1操作当選予告コマンドを受信している場合とは、上記の通り、特殊役当選ゲームであって、第1操作態様にてストップスイッチ42~44を操作することで、ATモード移行抽選に当選することが事前に特定されている場合である。第1操作当選予告コマンドを受信していない場合、すなわち、特殊役当選時に第1操作態様にてストップスイッチ42~44の操作を行ってもATモード移行抽選に当選しない場合、ステップSd3503にて上記のナビモードフラグがセットされているか否かを判定する。ナビモードフラグがセットされている場合、ステップSd3504にて、今回のゲームの開始時演出として特定報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて実行されるように設定する処理を実行してから、本特定報知用処理を終了する。すなわち、上記の特定報知演出は、開始時演出として実行され、ストップスイッチ42~44の操作前に実行される演出である。
ステップSd3502にて第1操作当選予告コマンドを受信している場合や、ステップSd3503にてナビモードフラグがセットされていない場合には、特定報知演出を設定することなく、そのまま特定報知用処理を終了する。
ステップSd3501にて特殊役当選ゲームではないと判定した場合、ステップSd3505に進み、特別役を示す抽選結果コマンドを受信しており、今回のゲームの抽選結果が特別役当選であるか否かを判定する。
ここで、本変形例では、図332(c)に示すように、入賞態様として第13再遊技が追加されており、左リール32Lの「リプレイ」図柄、中リール32Mの「リプレイ」図柄、右リール32Rの「ベル」図柄が有効ラインに停止すると、第13再遊技入賞が成立するように設定されている。上記の特別役は、第13再遊技入賞が可能となる役であり、3ベットゲームにおいて特殊役等の他のAT当選契機となる結果よりも低確率(具体的には約5000分の1の確率)で当選する。また、本変形例における開始時AT抽選用処理における開始時通常用ATモード移行抽選テーブルや開始時CZ用ATモード移行抽選テーブルでは、上記の特別役では100%の確率でATモード移行当選となるように設定されている。
ステップSd3505にて、今回のゲームの抽選結果が特別役当選であると判定した場合、ステップSd3506にて、今回の開始時コマンドとして前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信している場合とは、特別役に基づくATモード移行抽選に当選したことを意味し、ATモードではなく通常モードやCZモード中に特別役当選となったことを意味する。前兆コマンドを受信している場合、ステップSd3504に進み、上記の特定報知演出を行うための処理を実行してから、本特定報知用処理を終了する。ステップSd3505又はステップSd3506にて否定判定した場合、そのまま特定報知用処理を終了する。
本実施形態における特定報知演出では、図332(a)に示すように、補助表示部65にて「赤7」図柄のキャラクタを3つ揃えて表示させるとともに、「狙え」という文字表示を行ったり、スピーカ64から「狙え」といった音声を出力し、各リール32L,32M,32Rに「赤7」図柄を狙うべき状況であることを報知する演出が設定されている。
ここで、第13再遊技入賞が成立する場合、「赤7」図柄を狙って各ストップスイッチ42~44を操作すると、図332(b1)に示すように、下ラインL3に「赤7」図柄が揃って停止し得る。これに対して、特殊役当選ゲームにおいて「赤7」図柄を狙う操作態様は、第1操作態様の範囲内には含まれておらず(図279)、左リール32Lから停止操作した場合であっても、第33小役入賞は成立せず、第1小役入賞が成立する。
この場合、図332(b2)に示すように、「赤7」図柄を狙って第1小役入賞を成立させる場合の左リール32L及び中リール32Mの停止出目は、第13再遊技入賞時の停止出目と共通しており、これら左リール32L及び中リール32Mを停止させた時点では、第1小役入賞が成立するか、それとも第13再遊技入賞が成立するかを判別することができない。
つまり、「赤7」図柄を狙うべき状況であることの報知が行われる特定報知演出が実行された場合において、遊技者は、特殊役当選ゲームにおいてATモード移行抽選に当選しないから第2操作態様での操作が促されているのか、それとも、ATモード移行抽選に当選となる第13再遊技当選となっているのかを判別することができない。このようにすることで、ATモード移行当選を目指す遊技性において、特定報知演出が実行された場合に特殊役当選時のATモード移行非当選が確定しないようになり、特定報知演出が行われることやそれに基づいてストップスイッチ42~44を操作することの楽しみを向上させることができる。
ナビモードの恩恵を、図332(d)を用いて説明する。
ナビモードに設定されていない状況においては、特殊役当選ゲームでは特定報知演出が発生しないことから、ATモード移行抽選を受けるためにはストップスイッチ42~44を第1操作態様にて操作すべきであり、この場合、上記の通り、第33小役入賞が成立するようになる。このように常に第1操作態様にて遊技した場合、1ゲーム当たり約1.37枚のメダル減少が見込め、メダル50枚当たり約36.40ゲーム消化することが可能である。これに対して、特殊役当選ゲームで常に第2操作態様にて操作すると、1ゲーム当たり約1.02枚の減少が見込め、メダル50枚当たり約48.84ゲーム消化することが可能となり、第1操作態様にて操作する場合よりも第2操作態様にて操作した場合の方が、同じ枚数で消化できるゲーム数は多くなる。但し、上記のように、第2操作態様とすることで、ATモード移行抽選を受けることができなくなるし、天井カウンタの減算も行われないようになるため、ATモード移行を目指す遊技性においては、第1操作態様にて操作したほうが第2操作態様にて操作するよりも遊技者にとって有利となる。
特殊役当選ゲームで第1操作態様にて操作した場合には約半数がATモード移行当選となるとして、ナビモードでは、当該ATモード移行当選となる場合に必ず特定報知演出が発生するとすると、当該半数を第1操作態様にて操作し、半数は第2操作態様にて操作することとなる。この場合、1ゲーム当たり約1.20枚のメダル減少が見込め、メダル50枚当たり約41.71ゲーム消化することが可能となる。よって、常に第2操作態様にて操作する場合よりも同じ枚数で消化できるゲーム数は少なくなるものの、常に第1操作態様にて操作する場合よりも同じ枚数で消化できるゲーム数は多くなり、且つ、ATモード移行抽選を効率的に受けることが可能となる。つまり、ATモード移行抽選を目指す遊技性においては、当該ナビモードでの遊技が、常に第1操作態様にて操作する場合よりも有利となる。このようにすることで、特殊役を利用した構成において遊技の多様化を図ることが可能となる。
ここで、上記のように停止時ATモード移行抽選では、少なくとも特殊役当選時において、設定値に関わらず共通の確率でATモード移行抽選を行うように設定されている。これに対して、ナビモード抽選の当選確率は高設定ほど当選し易くしている。このようにすることで、ATモードの移行率に設定差を設けなくても、単位メダル数当たりのゲーム数(ベース)を設定値に応じて異ならせることが可能となる。
<変形例6>
本変形例では、ATモード中の特殊役当選ゲームについて説明する。
上記実施形態では、特殊役を契機とする指示機能に関する処理のうち、ATモードの上乗せ抽選については、第1操作態様にて操作された場合と第2操作態様にて操作された場合とで同じ処理を行う構成としており、具体的には、特殊役当選ゲームであっても他の抽選結果と同様に、開始時に実行されるAT上乗せ用処理にて上乗せ抽選を実行する構成としていた。本変形例では、これを変更し、ATモード中の上乗せ抽選についても、第1操作態様にて操作した場合と第2操作態様にて操作した場合とで、処理の内容を異ならせる。
図333(a)は、本変形例におけるATゲーム数用処理の一部を示すフローチャートである。上記の通り、ATゲーム数用処理は、リール制御処理(図277)における払出判定処理よりも後で実行される入賞結果対応処理(ステップSd415)のステップSd1211にて実行される処理である。
本変形例では、先ずステップSd3601にて停止時AT上乗せ用処理を実行する。その後、ステップSd1601にてATゲーム数カウンタの減算処理を実行し、ATモード中のゲーム数の管理を行う。
図333(b)は、ステップSd3601における停止時AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。
停止時AT上乗せ用処理は、基本的には、上記の開始時に実行されるAT上乗せ用処理(図288)と同様の処理であり、停止時AT上乗せ用処理では、上乗せ抽選に用いる上乗せ抽選乱数を取得する処理が行われない他、今回のゲームの操作態様を把握する処理を行う点と、上乗せ抽選にて利用する上乗せ抽選テーブルと、が異なっている。すなわち、本変形例では、ステップSd3611にて今回のゲームの操作態様を把握し、その後のステップSd3612~ステップSd3620の処理は、上記ステップSd1002~ステップSd1010の処理と同様であり、ステップSd3613にて取得する上乗せ抽選テーブルが、ステップSd1003にて取得する上乗せ抽選テーブルと異なっている。
上乗せ抽選テーブルについて、具体的には、本変形例における開始時に実行されるAT上乗せ抽選用処理(以下、停止時のものと区別すべく、開始時AT上乗せ抽選用処理と称する)では、図334に示すように、特殊役に基づく上乗せ抽選が非当選となるように設定されている。一方、上記の停止時AT上乗せ用処理におけるステップSd3613にて取得する上乗せ抽選テーブルでは、今回の特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にて操作された場合には30%の確率で上乗せ抽選に当選するものの、第2操作態様にて操作された場合には上乗せ抽選に当選しないように設定されている。
図335は、本変形例における開始時AT上乗せ用処理の一部を示すフローチャートである。本処理は、抽選結果対応処理(図283)におけるステップSd609のAT上乗せ用書士の変形例である。
ステップSd3701及びステップSd3702の処理は、上記ステップSd1001及びステップSd1002の処理と同様であり、上乗せ抽選乱数を取得して、今回のゲームの抽選結果を把握する。続くステップSd3703では、今回のゲームの抽選結果が特殊役当選であるか否かを判定し、特殊役当選である場合には、ステップSd3704にて上乗せ事前判定処理を実行する。ステップSd3703にて特殊役当選ではないと判定した場合や、ステップSd3704の処理を実行した後は、ステップSd1004に進み、開始時の上乗せ抽選処理を実行する。上記の通り、特殊役当選ゲームでは開始時の上乗せ抽選処理では当選しないように設定されている。なお、特殊役当選ゲームでは、開始時の上乗せ抽選が行われない構成としてもよい。
図336は、ステップSd3704の上乗せ事前判定処理を示すフローチャートである。
ステップSd3801では、停止時AT上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。ステップSd3801にて取得する抽選テーブルは、ステップSd3613にて取得する抽選テーブルと同じ抽選テーブルである。続くステップSd3802では、今回の特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にてストップスイッチ42~44が操作された場合のAT上乗せ抽選を、上記抽選テーブルと、ステップSd3701にて取得した上乗せ抽選乱数とから実行する。つまり、停止時AT上乗せ抽選用処理(図333(b))においても、同様の抽選テーブルと、開始操作に基づいて取得した上乗せ抽選乱数と、を用いてAT上乗せ抽選を実行する構成であることから、ステップSd3802にて実行するAT上乗せ抽選と、停止時AT上乗せ抽選用処理にて実行するAT上乗せ抽選(ステップSd3614)とは同じ結果となり、30%の確率で上乗せ当選となる。
ステップSd3802の処理を実行した後は、ステップSd3803にて、今回の特殊役当選ゲームにおいて第2操作態様にてストップスイッチ42~44が操作された場合のAT上乗せ抽選を、上記抽選テーブルと、ステップSd3701にて取得した上乗せ抽選乱数とから実行する。この場合も、停止時AT上乗せ抽選用処理(図333(b))におけるAT上乗せ抽選の結果と同じ結果となり、ステップSd3803にて実行するAT上乗せ抽選では上乗せ当選とならない。なお、第2操作態様にて操作された場合には、上乗せ抽選を行わない構成とする場合には、上乗せ事前判定処理においても第2操作態様にて操作された場合の上乗せ抽選を行わない構成としてもよい。
ステップSd3802やステップSd3803にて停止時の上乗せ抽選の結果を、開始時に事前に特定する処理を実行した後は、ステップSd3804にて、第1操作態様にてストップスイッチ42~44を操作した場合に上乗せ抽選に当選するか否かを判定し、上乗せ抽選に当選する場合には、ステップSd3805にて第1操作当選予告コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。また、ステップSd3804にて否定判定した場合や、ステップSd3805の処理を実行した後は、ステップSd3806にて、第2操作態様にてストップスイッチ42~44を操作した場合に上乗せ抽選に当選するか否かを判定し、上乗せ抽選に当選する場合には、ステップSd3807にて第2操作当選予告コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ステップSd3806にて否定判定した場合、又はステップSd3807の処理を実行した後は、上乗せ事前判定処理を終了する。
図337(a)は、本変形例における開始時演出設定処理の一部を示すフローチャートである。上記の通り、開始時演出設定処理は、表示制御装置81においてゲームの開始に際して開始時コマンドを受信している場合に実行される処理である。
ステップSd3901~ステップSd3903は、上記ステップSd2001~ステップSd2003の処理と同様であり、押し順ベルグループ用の抽選結果コマンドを受信している場合であって、第1小役入賞~第6小役入賞用のいずれかの押し順報知コマンドを受信している場合には、対応する操作順序の押し順報知演出が行われるように設定する。
ステップSd3901にて押し順ベルグループ用の抽選結果コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSd3904にて特殊役用の抽選結果コマンドを受信しているか否かを判定する。特殊役用の抽選結果コマンドを受信している場合、ステップSd3905にて押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。上記の通り、特殊役当選ゲームで押し順報知コマンドが出力される場合とは、ATモード中であることを意味する。なお、上記の通り、特殊役当選時の押し順報知コマンドは、第6小役入賞用の操作順序を示す押し順報知コマンドである。
ATモード中の特殊役当選である場合、ステップSd3906に進み、上記の第1操作当選予告コマンドを受信しているか否かを判定する。第1操作当選予告コマンドを受信していない場合、すなわち、今回の特殊役当選ゲームで第1操作態様にて操作しても上乗せ抽選に当選しない場合には、ステップSd3903に進み、第6小役入賞に対応する操作順序の押し順報知演出が行われるように設定する。この場合、特殊役当選に基づいて、1枚のメダル払出が生じる第33小役入賞ではなく、8枚のメダル払出が生じる第6小役入賞を成立させることが可能となる。つまり、今回の特殊役に基づく上乗せ抽選では、仮に第1操作態様にて操作させも非当選となるのであれば、メダル払出枚数の多い第2操作態様にて操作させることで、ATモード中のメダル増加速度(純増枚数)を向上させることが可能となる。
これに対して、ATモード中の特殊役当選であっても、ステップSd3906にて、第1操作当選予告コマンドを受信していると判定しており、今回の特殊役当選ゲームで第1操作態様にて操作させれば上乗せ当選となる場合、ステップSd3907にて、ATモードのゲーム数やメダル増加枚数が有利区間の上限に達することが確定しているか否かの判定を実行する。既に説明した通り、主制御装置101側の区間表示第2処理(図301)における残ゲーム数管理処理(ステップSd1804)では、有利区間の消化ゲーム数と、ATモードの残りゲーム数との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況となり、既に、このまま残りのATモードを消化することで有利区間の上限ゲーム数に到達することが確定するような状況であれば、第1超過コマンドを出力する。また、区間表示第2処理における残枚数管理処理(ステップSd1805)では、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となり、このまま残りのATモードを消化することで有利区間の上限増加数に到達するであろう状況であれば、第2超過コマンドを出力する。上記のステップSd3907では、これらの第1超過コマンドや第2超過コマンドを受信しているか否かを把握することで、有利区間の上限に到達するであろう状況であるか否かを判定可能である。
ステップSd3907にて、上限に到達しないような状況であると判定した場合、ステップSd3908にて、AT中特定報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて実行されるように設定する。これに対して、ステップSd3907にて、上限に到達する状況であると判定した場合、すなわち、今回の特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にて操作させれば上乗せ当選するような状況であっても、当該上乗せ当選に基づいてATモードの上乗せ処理が行われてもゲーム数やメダル増加数的には無意味となり得るような状況であれば、ステップSd3903に進み、第6小役入賞に対応する操作順序の押し順報知演出が行われるように設定する。この場合、当該特殊役当選ゲームでは、メダル払出枚数の多い第6小役入賞を成立させることが可能となる。
つまり、本変形例では、ATモード中の特殊役当選ゲームにおいて、第1操作態様にて操作されれば上乗せ当選となる場合であっても、有利区間の上限ゲーム数や上限増加枚数との関係で指示する操作態様を異ならせており、既に確定している残りのATモードのゲーム数だけで有利区間の上限ゲーム数や上限増加枚数に到達するような状況であれば、これ以上、ATモードの上乗せ処理を行う必要がないとして、第1操作態様ではなく第2操作態様にて操作させてメダル払出枚数の多い第6小役入賞を成立させるようにしている。このようにすることで、上限に到達することが確定しているような状況で、更に上乗せ当選することの虚無感を遊技者に与えないようにすることができるし、当該上限に到達することが確定しているのであれば早期に上限増加枚数に到達するようにすることができるし、又は、上限ゲーム数に到達した際の総メダル払出数が多くなるようにすることができる。
上記ステップSd3908のAT中特定報知演出としては、本変形例では、図337(b)に示すように、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されており、上記の特定役報知演出と同様の演出が設定されている。
本実施形態では、特定役のうちチェリーA~Cに当選している場合、第10再遊技入賞~第12再遊技入賞が成立し得るようになり、このうち、第12再遊技入賞を成立させることが可能なタイミングでストップスイッチ42~44を操作した際に、当該第12再遊技入賞が成立した場合には、チェリーB又はチェリーC当選であったことが確定し、第12再遊技入賞を成立させることが可能なタイミングでストップスイッチ42~44を操作したのにもかかわらず第10再遊技入賞が成立した場合には、チェリーAであったことが確定する。これに対して、第11再遊技入賞を成立させると、チェリーA~Cのいずれに当選していたかを判別することができない。
そうすると、特定役報知演出が発生した場合に、チェリーA~Cの種別を判別しようとするのであれば、少なくとも、第11再遊技入賞ではなく第10再遊技入賞や第12再遊技入賞が成立するタイミングでストップスイッチ42~44を操作する必要があるといえる。左リール32Lにおける第10再遊技図柄や第12再遊技図柄は「BAR」図柄であり、第11再遊技図柄は「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄であるため、左リール32Lにおいて第10再遊技入賞や第12再遊技入賞を成立させることが可能なタイミングとは、特殊役当選時の第1操作態様に相当するタイミングである。
つまり、特定役報知演出が行われた場合、それが特殊役を契機とするものではなくても、当選役の種別を判別しようとする遊技者であればストップスイッチ42~44は第1操作態様にて操作するものと考えられる。そのため、AT中特定報知演出の報知態様を特定役報知演出の報知態様と同様の報知態様とすることで、特殊役当選時であっても同様の操作が行われることが期待できるし、AT中特定報知演出専用の演出データを記憶しておく必要がなく、記憶容量の削減を図ることも可能である。逆に、遊技者からすると、特定役報知演出又はAT中特定報知演出が行われた場合には、特殊役に当選している可能性があると把握できるため、第1操作態様として、左リール32Lの「BAR」図柄を最初に狙って操作するものと考えられる。その結果、チェリーA~Cの判別も可能となり、当選結果に応じて上乗せ当選確率が相違するといった遊技性を十分に理解できるようになり、当該理解度の向上を通じて、遊技の面白味をこれまで以上に感じさせることが可能となる。
なお、ステップSd3904にて特殊役当選ではないと判定した場合には、ステップSd3909にて特定役当選であるか否かを判定し、特定役当選である場合には、ステップSd3910にて特定役報知演出を行うための処理を実行する。ステップSd3909及びステップSd3910は、ステップSd2006及びステップSd2007の処理と同様である。ステップSd3902、ステップSd3905若しくステップSd3909にて否定判定した場合、又はステップSd3903、ステップSd3908若しくはステップSd3910の処理を実行した後は、ステップSd2008に進み、開始時前兆演出設定処理を実行する。
上記のようにすることで、図337(c)に示すように、特殊役当選時の操作態様を、上乗せ当選と上限到達との関係で異ならせたうえで、ATモード中の純増枚数を状況に応じて異ならせることが可能となる。つまり、ATモード中において、第1操作当選予告コマンドを受信した場合に第1操作態様にて操作すれば上乗せ抽選に当選し、且つ当該上乗せ当選による上乗せを行っても意味がある状況であれば、第1操作態様にて操作させることで、ATモード中の純増枚数は1ゲーム当たり約2.74枚の増加が見込めるようになる。これに対して、ATモード中において、第1操作当選予告コマンドを受信した場合に第1操作態様にて操作すれば上乗せ抽選に当選する場合であっても、当該上乗せ当選による上乗せを行っても意味がない状況であれば、第2操作態様にて操作させることで、ATモード中の純増枚数は1ゲーム当たり約2.98枚の増加が見込めるようになり、上乗せ当選する際に第1操作態様にて操作させる場合よりも純増枚数は多くなる。このように、上乗せ当選しても無意味な状況であれば、あえて上乗せ抽選を行わせない操作態様にて操作させて、メダル増加速度を向上させるようにすることで、より早期に上限増加枚数に到達させることができるようになったり、上限ゲーム数到達時の増加枚数を増やすことができるようになる。
更に、第1超過コマンドや第2超過コマンドの受信前であり、上限に到達することが確定していないような状況において、第1操作当選予告コマンドの受信の有無に関わらずAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する場合があるようにしてもよい。このようにすると、上乗せ抽選に当選しているか否かが判別できないようになる又は判別しにくくなるため、特殊役当選時には、常に第1操作態様にて操作する必要が生じ得る。そうすると、このような態様で進行する遊技の純増枚数は1ゲーム当たり約2.63枚の増加が見込めるようになり、第1操作当選予告コマンドを受信した場合にだけAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する態様での純増枚数よりも少なくなる。
この場合、例えば、ATモードに移行して序盤は、特殊役当選時には第1操作当選予告コマンドの受信の有無に関わらずAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する態様にて遊技を進行させ、所定契機が生じた場合(例えば移行抽選に当選したり所定数のセットを消化する等の移行条件が成立した場合)に、第1操作当選予告コマンドを受信した場合にだけAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する態様での遊技に切り替えさせ、更に、第1超過コマンドや第2超過コマンドを受信した場合には、第1操作態様にて操作すれば上乗せ抽選に当選する場合であっても第2操作態様にて操作させる態様での遊技に切り替える、といったように報知の態様を状況に応じて切り替える構成としてもよい。なお、特殊役当選時に第1操作当選予告コマンドの受信の有無に関わらずAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する態様での遊技から、第1操作当選予告コマンドを受信した場合にだけAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する態様での遊技に切り替えた後、更に、特殊役当選時に第1操作当選予告コマンドの受信の有無に関わらずAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する態様での遊技に切り替える場合があるようにしてもよい。また、ATモード移行時に特殊役当選時に第1操作当選予告コマンドの受信の有無に関わらずAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する態様での遊技と、第1操作当選予告コマンドを受信した場合にだけAT中特定報知演出(特定役報知演出)を実行する態様での遊技とのいずれにて遊技させるかを抽選等により決定する構成としてもよい。
<変形例7>
本変形例では、ATモード中に特殊役に当選した場合の押し順報知の態様を上記実施形態と異ならせる。具体的には、上記実施形態では、ATモード中に特殊役に当選した場合、第1小役入賞~第6小役入賞のうちの予め定められた第6小役入賞に対応する操作順序の押し順報知や押し順報知演出を行う構成としていた。これに対して、本変形例では、第1小役入賞~第6小役入賞のうちのいずれの操作順序を報知するかを抽選により決定する。
図338(a)は、本変形例における抽選結果対応処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSd607にて開始時AT抽選用処理を実行した後や、ステップSd609にてAT上乗せ用処理を実行した後は、ステップSd4001にて押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選である場合には、ステップSd4002~ステップSd4005にて、上記のステップSd611~ステップSd614の処理と同様に、ATモード中であれば第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の押し順報知や押し順報知演出用の処理を実行し、ATモード中ではなければ、押し順報知を実行せず、押し順ベルグループ報知を行うようにする。
ステップSd4001にて押し順ベル当選ではない場合、ステップSd4006にて特殊役当選であるか否かを判定する。特殊役当選である場合、ステップSd4007にてATモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSd4008にて特殊役報知を行うようにする。ステップSd4008の処理は、ステップSd617の処理と同様である。
ステップSd4007にてATモードフラグがセットされており、ATモード中の特殊役当選である場合、ステップSd4009に進む。ステップSd4009では、報知小役抽選処理を実行する。報知小役抽選処理では、今回の特殊役当選時に第1小役入賞~第6小役入賞のいずれに対応する操作順序の押し順報知を実行するかを抽選により決定する。この場合、各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている報知小役抽選テーブルを取得して、いずれの小役に対応する押し順報知を行うかを選択する。
ステップSd4009にて報知小役抽選処理を実行した後は、ステップSd4010にてステップSd4009の処理結果に対応する操作順序の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。そして、ステップSd4010にて、ステップSd4009の処理結果に対応する押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。また、ステップSd4006にて否定判定した場合は、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
ステップSd4009の報知小役抽選処理にて利用される報知小役抽選テーブルは、図338(b)に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値によって、選択する小役の割合が異なるように設定されている。このうち、第2小役~第6小役は、特に設定1,3,5では、第3小役及び第5小役が選択される割合の方が第2小役、第4小役及び第6小役が選択される割合よりも高くなるように設定されており、また、設定2、4では、第2小役、第4小役及び第6小役が選択される割合の方が第3小役及び第5小役が選択される割合よりも高くなるように設定されている、といったように、報知される小役の選択率から、設定値を予測することが可能となっている。
また、第1小役が選択される割合が特に設定値によって異なり、出玉率が高くなる設定値ほど(高設定ほど)、第1小役が選択される割合が高くなるように設定されている。そのため、第1小役の選択率からも設定値を予測することが可能である。ここで、第1小役に対応する操作順序の押し順報知とは、左→中→右の操作順序であるところ、特殊役当選ゲームで左リール32Lを最初に停止させた場合、上記の通り、その停止操作のタイミングによっては第1小役入賞ではなく第33小役入賞が成立する。
つまり、ATモード中に、第1小役に対応する操作順序の押し順報知が行われた場合であって、且つ、第33小役入賞を成立させることが可能なタイミングでストップスイッチ42~44が操作された場合に、第1小役入賞ではなく第33小役入賞が成立した場合には、当該第1小役に対応する操作順序の押し順報知が特殊役を契機とする押し順報知であったと把握でき、第33小役入賞ではなく第1小役入賞が成立した場合には、当該第1小役に対応する操作順序の押し順報知が押し順ベルを契機とする押し順報知であったと把握できる。このようにすることで、第1小役に対応する操作順序の押し順報知の割合から設定値の予測を行ううえでは、ストップスイッチ42~44の操作タイミングを工夫することで押し順ベルを契機とする押し順報知を排除してその予測を行うことが可能となり、予測精度を向上させることができる。
但し、このような設定値の予測精度を向上させようとすると、8枚のメダル払出ではなく1枚のメダル払出を受けることとなる。そのため、設定値の予測精度を向上させるべきか、それともメダルの払出枚数を多くするか、を遊技者に選択させる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
しかも、上記のようにATモード中に特殊役に当選した場合、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれにも対応する押し順報知が行われるようにしていることから、各操作順序の押し順報知の発生率を平均化することができる。このようにすることで、押し順報知が行われた場合に所定の操作順序に対応する押し順報知が発生し易いといった違和感を遊技者に与えないようすることができるし、かかる偏りに起因する不都合を生じさせないようにすることができる。例えば、ATモード中に、押し順ベル当選時や特殊役当選時以外でもチェリーA~Cやチャンス目A~Cでも押し順報知や押し順報知演出を発生させる構成としたうえで、押し順ベルや特殊役の押し順報知や押し順報知演出とチェリーA~Cやチャンス目A~Cの押し順報知や押し順報知演出とが見た目上識別しにくい又は識別できない態様とすると、当該押し順報知演出等が発生した場合には、遊技者は、当該押し順報知演出等がAT上乗せ抽選にて当選し易いチェリーA~Cやチャンス目A~Cであることや特殊役を契機とするものであることを期待するものと考えられる。しかし、上記のように押し順報知演出等の発生率が操作順序によって偏りがあると、せっかく押し順報知演出等の態様からは抽選結果を予測できない又は予測しにくいようにしたのにもかかわらず、その操作順序によって契機となった抽選結果が予測されてしまう、といった不都合が生じ得る。その点、上記のように、操作順序に偏りが生じにくい態様とすることで、かかる不都合を好適に回避することが可能となる。
本変形例では、第1小役~第6小役に対応する押し順報知の発生率のばらつき(標準偏差)は設定1では7%、設定2では5%、設定3では6%、設定4では7%、設定5では7%、設定6では15%であり、各設定値の平均ばらつきは8%である。これに対して、第1小役に対応する押し順報知の発生率における設定値ごとのばらつきは13%であり、第1小役~第6小役の押し順報知のばらつきの平均値よりも高い。つまり、各小役の押し順報知の発生率から設定値の予測を行うよりも、第1小役の押し順報知の発生率だけから設定値の予測を行ったほうが効率的に設定値の予測を行うことが可能である。
但し、仮に、特殊役当選時に第1小役に対応する押し順報知が行われたとしても、第1操作態様にて操作せずに第2操作態様にて操作すると、第1小役入賞は成立するものの、それが順押しベル1,2当選を契機とするものなのか否かの判別ができなくなる。つまり、特殊役当選時に第1小役入賞を成立させてしまうと、それが押し順ベルを契機とする第1小役入賞に紛れてしまい、設定値の予測を効率的に行うことができなくなる。このようにすることで、設定値の予測を行いたいのであれば、払出枚数の少ない側の第33小役入賞を狙う遊技性が実現され、単にメダル増加を目指す遊技から脱却し、ATモード中の遊技の興趣向上が図られる。
<変形例8>
本変形例では、所定契機で特殊役当選時の報知小役を抽選し、その後の特殊役当選時には当該抽選結果を流用して報知小役を決定する。図339(a)は、本変形例における有利区間移行時処理を示すフローチャートである。有利区間移行時処理は、区間表示第1処理(図300)におけるステップSd1706にて実行される処理である。
ステップSd4021では、今回のゲームの抽選結果を把握し、続くステップSd4022にて天井ゲーム数テーブルを取得する処理を実行し、ステップSd4023にて天井ゲーム数抽選処理を実行する。そして、ステップSd4024にて、天井カウンタにステップSd4023の処理結果を入力し、ステップSd4025にて天井ゲーム数の情報を含む天井コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。上記の通り、天井カウンタは、各ゲームの抽選結果に応じて減算値抽選が行われ、当該天井カウンタが0となることでATモード移行抽選を介することなくATモードへの移行が生じるようになる。
ステップSd4026では、報知小役抽選処理を実行する。本変形例における報知小役抽選処理にて利用される報知小役抽選テーブルは、図339(b)に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値によって、選択する小役の割合が異なるように設定されている。このうち、6通りある操作順序のうち、5通りの操作順序についてはいずれも同じ選択率となるように設定されており、残りの1通りの操作順序だけが他の操作順序の選択率とは異なるように設定されている。そして、当該他の操作順序の選択率と異なる操作順序が、設定値によって異なるように設定されている。
この場合、第1小役~第6小役の押し順報知の選択率のばらつきと、それぞれの押し順報知における設定値ごとのばらつきとは、同じ値となり、設定値の予測を行うのであれば、第1小役~第6小役の発生率をそれぞれカウントする必要が生じるようになる。つまり、設定値の予測を行いにくくすることができ、遊技の公平性を高めることが可能となる。
ステップSd4026にて報知小役抽選処理を実行した後は、ステップSd4027にて抽選結果の小役を各種カウンタエリア106eの報知小役カウンタに記憶する処理を実行してから、本有利区間移行時処理を終了する。この場合、ステップSd4026の処理結果として第1小役が選択された場合には、報知小役カウンタに1を入力し、第2小役が選択された場合には、報知小役カウンタに2を入力する、といったように、報知小役カウンタには1~6のいずれかの値が入力されることになる。そして、本変形例における抽選結果対応処理におけるステップSd618では、上記の報知小役カウンタの値を参照して実行する押し順報知を決定する。すなわち、報知小役カウンタに1が入力されていれば第1小役の押し順報知を実行するとともに、第1小役に対応する押し順報知コマンドをセットし(ステップSd619)、報知小役カウンタに2が入力されていれば第2小役の押し順報知を実行するとともに、第2小役に対応する押し順報知コマンドをセットする。
このようにすることで、押し順報知にランダム性を生じさせながらも、特殊役当選時に報知小役抽選処理を実行する必要が生じなくなるため、各ゲームの処理負荷を軽減することが可能となる。
上記の通り、報知小役抽選処理は有利区間移行時処理にて実行するようにしていることから、有利区間に移行する度に(有利区間が終了する度に)、特殊役当選時の報知小役が変更されるようになる。このようにすることで、より押し順報知がランダムなものとなり、当該押し順報知が偏ることによって特殊役当選であることが見抜かれてしなう等の不都合を生じさせないようにすることができるし、設定値の予測遊技の難易度を向上させることも可能となり、遊技の興趣向上も図ることが可能である。
<変形例9>
本変形例では、報知小役抽選テーブルの変形例を説明する。
図340(a)では、第1小役や第2小役に対応する押し順報知が選択されない例を示している。つまり、特殊役当選時において第1操作態様の可能性が生じる第1小役や第2小役に対応する操作順序については選択されないようにしている。このようにすることで、ATモード中にメダル払出枚数の少ない第33小役入賞が成立する可能性を極力少なくし、よりスムーズなメダル増加を実現することが可能である。
図340(b)は、上記のように特殊役当選時に第1小役や第2小役の押し順報知が発生しない構成において、押し順ベル側の当選確率を調整して、各押し順報知の均等化を図る例を示している。
すなわち、図340(b1)に示すように、特殊役は各ゲームで約5%(約20分の1)の確率で当選するため、ATモード中に各ゲームで特殊役を契機とする第3小役~第6小役に対応する押し順報知は約1.25%の確率で発生する。これに対して、特殊役を契機とする第1小役~第2小役に対応する押し順報知は発生しない。そこで、各ゲームで約64%(約1.56分の1)の確率で当選する押し順ベルを、図340(b2)に示すように、第1小役に対応する順押しベル1,2や第2小役に対応する挟み押しベル1,2を他の第3小役~第6小役に対応する役よりも当選し易くなるように設定する。本変形例では、第1小役に対応する順押しベル1,2や第2小役に対応する挟み押しベル1,2に対して、全押し順ベルのうちの18%ずつを割り振り、他の役に対して16%を割り振っている。その結果、各ゲームで押し順ベルを契機として第1小役、第2小役に対応する押し順報知はそれぞれ約11.54%の確率で発生し、第3小役~第6小役に対応する押し順報知はそれぞれ約10.25%の確率で発生する。
そして、これら特殊役を契機とする押し順報知と、押し順ベルを契機とする押し順報知とを合計すると、図340(b3)に示すように、第1小役、第2小役に対応する押し順報知はそれぞれ約11.54%の確率で発生し、第3小役~第6小役に対応する押し順報知はそれぞれ約11.50%の確率で発生する。その結果、特殊役における各報知の発生率の差(約1.25%)よりも当該差を小さくすることが可能となる(約0,04%)。このように、特殊役を契機とする押し順報知の偏りを、他の結果の押し順報知によって補うようにすることで、押し順報知の均等化を好適に図ることが可能となり、押し順報知から遊技結果が予測されてしまう不都合を回避することができる。
<変形例10>
本変形例では、特殊役を契機とする有利区間移行抽選処理においても、ストップスイッチ42~44の操作態様によってその抽選処理の内容を異ならせる。上記実施形態では、ゲームの開始時に有利区間移行抽選処理を実行する構成としていたが、本変形例では、ゲームの終了時に実行する構成に変更する。かかる点について、図による詳細な説明は省略するが、本変形例における抽選結果対応処理では、ステップSd604にて有利区間フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップSd605の有利区間移行抽選処理を実行することなく、そのまま抽選結果対応処理を終了する。そして、本変形例における有利区間移行抽選処理は、リール制御処理(図277)におけるステップSd416の区間表示第2処理にて実行する構成とする。
図341は、本変形例における区間表示第2処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSd4101にて有利区間フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSd4111にて有利区間移行抽選処理を実行してから、区間表示第2処理を終了する。その他、ステップSd4101~ステップSd4110の処理は、上記ステップSd1801~ステップSd1810の処理と同様である。
図342は、本変形例における有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSd4201にてゲーム抽選結果を把握した後、ステップSd4202にて今回のゲームのストップスイッチ42~44の操作態様を把握する処理を実行する。そして、ステップSd4203にて有利区間移行抽選テーブルを取得する処理を実行して、ステップSd4204にて有利区間移行抽選用の乱数を取得し、ステップSd4205にて有利区間移行抽選を実行する。
本変形例における有利区間移行抽選テーブルは、図344(a)に示すように、上記実施形態のものと比較して、特殊役を契機とする移行抽選の当選確率が異なっており、その他の結果を契機とする移行抽選の当選確率は同じである。具体的には、本変形例では、特殊役当選ゲームにおけるストップスイッチ42~44の操作態様が第1操作態様である場合の方が第2操作態様である場合よりも有利区間移行抽選の当選確率が高くなるように設定されており、第1操作態様であれば100%の確率で有利区間移行抽選に当選し、第2操作態様であれば0%の確率で有利区間移行抽選に当選する。すなわち、第2操作態様であれば有利区間に移行しないように設定されている。
ステップSd4205にて有利区間移行抽選を実行した後は、ステップSd4206にて当該移行抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップSd4207にて有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次のゲームの区間表示第1処理にて有利区間フラグがセットされることとなる。
ステップSd4207の処理を実行した後は、ステップSd4208にて有利区間移行時処理を実行する。すなわち、本変形例では、有利区間移行時処理を区間表示第1処理(図300)におけるステップSd1706では実行せず、ステップSd4208にて実行する構成とする。ステップSd4206にて否定判定した場合、又はステップSd4208の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
つまり、本変形例では、通常区間において特殊役当選時に第1操作態様にて操作すると当該ゲームで有利区間に移行する一方、特殊役当選時に第2操作態様にて操作すると当該ゲームでは有利区間に移行しないようになる。上記の通り、第1操作態様にて操作すると第33小役入賞が成立して1枚のメダル払出が行われ、第2操作態様にて操作すると第1小役入賞~第6小役入賞が成立して8枚のメダル払出が行われる。内部状態においては、3ベットゲームにて有利区間移行抽選が行われ、外れ結果及び特殊役を除く全ての抽選結果で有利区間移行抽選に当選することから、特殊役当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させて今回のゲームで有利区間に移行させなくても、次のゲームで有利区間に移行させれば、2枚のメダルが増加することとなり、遊技者にとっては有利となる。つまり、通常区間においては、第2操作態様にて操作していた方が、遊技者にとって有利である。
ステップSd4208の有利区間移行時処理では、各ゲームの抽選結果に応じて天井ゲーム数の設定が行われる。具体的には、図343のフローチャートに示すように、ステップSd4301にて今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSd4302にて天井ゲーム数テーブルを取得する処理を実行し、ステップSd4303にて天井ゲーム数抽選処理を実行する。そして、ステップSd4304にて、天井カウンタにステップSd4303の処理結果を入力し、ステップSd4305にて天井ゲーム数の情報を含む天井コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本有利区間移行時処理を終了する。
本変形例における天井ゲーム数テーブルは、図344(a)に示すように、特殊役を契機とする天井ゲーム数抽選以外では、700ゲームを最大天井とし、抽選結果に応じて最大天井ゲーム数よりも少ない天井ゲーム数が選択され得るように設定されている。具体的には、ゲームの抽選結果として出現率が低い結果ほど、少ない天井ゲーム数が選択され易くなるように設定されており、例えば、チャンス目Cの方がチャンス目Aよりも少ない天井ゲーム数が選択され易くなるように設定されている。
特殊役当選を契機として選択される天井ゲーム数としては、特殊役当選ゲームの操作態様によって選択される天井ゲーム数が異なるように設定されており、第1操作態様であれば700ゲームが選択され、第2操作態様であれば当該700ゲームよりも多い1000ゲームが天井ゲーム数として選択される。但し、本変形例では、上記の通り特殊役当選ゲームでは第2操作態様にて操作されると、有利区間移行抽選に当選しないように設定しているため、特殊役を契機として有利区間に移行する場合の天井ゲーム数は実質的には700ゲームである。
つまり、通常区間において、特殊役当選ゲームで有利区間に移行させると、選択される天井ゲーム数の面からしても、他の抽選結果で有利区間に移行する場合よりも遊技者にとって不利な場面が生じ得るようになっており、特殊役当選ゲームで有利区間に移行させると天井ゲーム数は700ゲームであるが、他の抽選結果で有利区間に移行させれば、当該700ゲームよりも少ないゲーム数が天井ゲーム数として選択され得る。この場合、通常区間においては、特殊役当選時に第2操作態様にて操作して、当該ゲームでの有利区間への移行を避け、次回以降のゲームで他の抽選結果にて有利区間へ移行させたほうが遊技者にとって有利となる。
そうすると、図344(b)に示すように、ストップスイッチ42~44の操作態様によって、メダル払出数が異なり、且つ、指示機能に関する処理の内容が異なる特殊役において、通常区間と有利区間とでいずれの操作態様にて操作したほうが有利となるかが異なるようになる。つまり、有利区間中では、第1操作態様であれば、指示機能に関する処理におけるATモード移行抽選や上乗せ抽選が実行されるものの、第2操作態様であれば、これらのATモード移行抽選や上乗せ抽選が実行されないため、ATモードに移行させてメダル増加を目指す遊技性において、有利区間中であれば、特殊役当選ゲームは、第1操作態様にて操作した方が第2操作態様にて操作するよりも遊技者にとって有利である。これに対して、通常区間中では、第1操作態様であれば、指示機能に関する処理における有利区間移行抽選は実行されるものの、第2操作態様であれば、当該有利区間移行抽選は実行されないため、有利区間に移行させてATモードへの移行を目指す遊技性において、一見すると第1操作態様にて操作するほうが第2操作態様にて操作するよりも有利に思える。しかし、上記のように、特殊役を契機として有利区間に移行した場合よりも、他の結果を契機として有利区間に移行した場合の方が天井ゲーム数が少なくなり得るように設定されていることから、実質的には、通常区間中の特殊役当選時には、第1操作態様にて操作するよりも第2操作態様にて操作する方が、遊技者にとって有利となる。よって、通常区間と有利区間とで、特殊役当選時において有利な操作態様が異なるようになり、かかる構成を利用することで、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
<変形例11>
本変形例では、複数種類の特殊役を設ける例について説明する。
図345(a)に示すように、本変形例では、3ベットゲームにおける通常遊技状態用の抽選テーブルに、ストップスイッチ42~44を第1操作態様にて操作することで第1特典が付与されるとともに指示機能に関する処理として第1処理が実行され、第2操作態様にて操作することで第1特典よりも有利な第2特典が付与されるとともに指示機能に関する処理として第1処理よりも遊技者にとって不利な第2処理が実行される特殊役として、特殊役A、特殊役B、特殊役Cが設定されている。各特殊役A~Cにはいずれも約60分の1の確率で当選するように設定されており、いずれかの特殊役A~Cに当選する確率は約20分の1であり、上記実施形態と同様である。
図345(b)に示すように、本変形例では、各特殊役A~Cに設定されている第1操作態様及び第2操作態様が異なっているとともに、入賞する結果が上記実施形態と異なっている。
具体的には、特殊役Aは、左ストップスイッチ42を特定番目として最初に操作することが第1操作態様として設定されており、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を特定番目として最初に操作することが第2操作態様として設定されており、第1操作態様にて操作された場合には第33小役ではなく第9小役~第33小役のいずれかの入賞が成立して1枚のメダル払出が生じ、第2操作態様にて操作した場合には第3小役~第6小役のいずれかの入賞が成立して8枚のメダル払出が生じる。
また、特殊役Bは、中ストップスイッチ43を特定番目として最初に操作することが第1操作態様として設定されており、左ストップスイッチ42又は右ストップスイッチ44を特定番目として最初に操作することが第2操作態様として設定されており、第1操作態様にて操作された場合には第33小役ではなく第9小役~第33小役のいずれかの入賞が成立して1枚のメダル払出が生じ、第2操作態様にて操作した場合には第1小役、第2小役、第5小役及び第6小役のいずれかの入賞が成立して8枚のメダル払出が生じる。
特殊役Cは、右ストップスイッチ44を特定番目として最初に操作することが第1操作態様として設定されており、左ストップスイッチ42又は中ストップスイッチ43を特定番目として最初に操作することが第2操作態様として設定されており、第1操作態様にて操作された場合には第33小役ではなく第9小役~第33小役のいずれかの入賞が成立して1枚のメダル払出が生じ、第2操作態様にて操作した場合には第1小役~第4小役のいずれかの入賞が成立して8枚のメダル払出が生じる。
各特殊役A~Cの指示機能に関する処理としての第1処理や第2処理は、上記実施形態と同様であり、第1操作態様にて操作した場合には、通常モードでは10%の確率でATモード移行当選となり、CZモードでは50%の確率でATモード移行当選となるものの、第2操作態様にて操作した場合にはいずれもATモード移行当選とならない。また、ATモード中においては、操作態様に関わらず10%の確率で上乗せ当選する。
つまり、本変形例では、各特殊役A~Cにおいて、第1操作態様が別の特殊役における第2操作態様として設定されているとともに、第2操作態様が別の特殊役における第1操作態様として設定されている。具体的には、特殊役Aの第1操作態様は特殊役B及び特殊役Cの第2操作態様であり、特殊役Aの第2操作態様は特殊役Bの第1操作態様である。また、特殊役Bの第1操作態様は特殊役A及び特殊役Cの第2操作態様であり、特殊役Bの第2操作態様は特殊役Cの第1操作態様である。そして、特殊役Cの第1操作態様は特殊役A及び特殊役Bの第2操作態様であり、特殊役Cの第2操作態様は特殊役Aの第1操作態様である。
また、本変形例における特殊役A~Cでは、いずれも第1操作態様や第2操作態様がストップスイッチ42~44の操作順序が対応付けられているものの、ストップスイッチ42~44の操作タイミングについては対応付けられていない。つまり、第1操作態様や第2操作態様に対応付けられた操作順序でストップスイッチ42~44を操作することで、その操作タイミングに関わらず第1操作態様や第2操作態様にて操作されたとして、対応する結果の入賞が成立するとともに、指示機能に関する処理が実行される。
このようにすることで、例えば、毎ゲーム、同じストップスイッチを最初に操作する操作態様にて遊技された場合であっても、特殊役当選時の操作態様が第1操作態様だけではなく第2操作態様ともなり得るようになる。つまり、上記実施形態においては、左ストップスイッチ42を最初に操作する操作態様にて遊技された場合、第1操作態様となる場合と第2操作態様となる場合とがあり、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作する遊技態様にて遊技された場合、第1操作態様とはならず必ず第2操作態様となる。これに対して本変形例では、いずれのストップスイッチ42~44を最初に操作する操作態様にて遊技された場合であっても第1操作態様だけではなく第2操作態様ともなり得るようになる。よって、遊技の公平性を担保し易くなる。
但し、特殊役当選時に第1操作態様にて操作して指示機能に関する処理を有利に進めさせるか、第2操作態様にて操作して多くのメダルを獲得できるようにするか、といったようにいずれ遊技を選択するかは遊技者の自由であり、その点は、本変形例でも遊技者が選択可能とされている。以下、そのための構成について説明する。
図347は、本変形例における抽選結果対応処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSd610にて今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選ではないと判定した場合、ステップSd4401に進む。ステップSd4401では、今回のゲームの抽選結果がいずれかの特殊役当選であるか否かを判定し、特殊役当選ではない場合にはそのまま本抽選結果対応処理を終了する。いずれかの特殊役当選である場合には、ステップSd4402に進む。
ステップSd4402では、ATモードフラグがセットされており、ATモード中であるか否かを判定する。ATモード中ではない場合には、ステップSd4403にて、今回当選している特殊役が特殊役Aであるか否かを判定する。特殊役Aである場合には、ステップSd4404にて、操作態様役のうちの特殊役Aである旨の報知が行われるように指示モニタ68を制御する。
ここで、本変形例では、図345(d)に示すように、指示モニタ68の表示態様として、「7」、「8」、「9」が設定されており、これら「7」、「8」、「9」は操作態様役の種別の報知として、「7」が特殊役Aに対応し、「8」が特殊役Bに対応し、「9」が特殊役Cに対応するように設定されている。すなわち、操作態様役における特殊役Aである場合には、第1表示用セグメントN1、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7~が点灯表示されて「7」が表示される。また、操作態様役における特殊役Bである場合には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7~が点灯表示されて「8」が表示される。そして、操作態様役における特殊役Cである場合には、第1表示用セグメントN1~第3表示用セグメントN3及び第5表示用セグメントN5~第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「9」が表示される。これら「7」~「9」の表示はいずれも遊技者が識別可能であり、遊技者は、特殊役のうちのいずれの特殊役A~Cに当選しているかを操作態様役の種別の報知から把握することが可能である。
ステップSd4404では、上記の操作態様役のうちの特殊役Aである旨の報知として、「7」が表示されるように指示モニタ68を制御する。これにより、今回のゲームの抽選結果が特殊役A当選であり、左ストップスイッチ42を最初に操作することで第1操作態様となり、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作することで第2操作態様となることを遊技者は把握可能となる。
更に、本変形例では、ATモード中以外であっても、表示制御装置81側の押し順報知演出が発生し得るようにしている。
すなわち、ステップSd4404の処理を実行した後は、ステップSd4405にて各種フラグ格納エリア183aにA用切替フラグがセットされているか否かを判定する。A用切替フラグは、特殊役A当選時の押し順報知演出を行ううえで、各押し順報知演出の発生頻度を調節するためのフラグである。すなわち、当該A用切替フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSd4406にて、A用切替フラグをセットする処理を実行し、続くステップSd4407にて、押し順ベルであれば第1小役に対応する操作順序(左→中→右)の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。一方、ステップSd4405にてA用切替フラグがセットされていると判定した場合、ステップSd4408にてA用切替フラグをクリアする処理を実行し、ステップSd4409にて、押し順ベルであれば第2小役に対応する操作順序(左→右→中)の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
ステップSd4403にて特殊役Aではないと判定した場合、ステップSd4410に進み、今回当選している特殊役が特殊役Bであるか否かを判定する。特殊役Bである場合には、ステップSd4411にて、操作態様役のうちの特殊役Bである旨の報知として、「8」が表示されるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSd4412にて各種フラグ格納エリア183aにB用切替フラグがセットされているか否かを判定する。B用切替フラグがセットされていない場合、ステップSd4413にてB用切替フラグをセットする処理を実行し、ステップSd4414にて押し順ベルであれば第3小役に対応する操作順序(中→左→右)の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。一方、ステップSd4412にてB用切替フラグがセットされていると判定した場合、ステップSd4415にてB用切替フラグをクリアする処理を実行し、ステップSd4416にて、押し順ベルであれば第4小役に対応する操作順序(中→右→左)の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
また、ステップSd4410にて特殊役Bではないと判定した場合とは、今回の特殊役が特殊役Cであることを意味し、この場合、ステップSd4417にて、操作態様役のうちの特殊役Cである旨の報知として、「9」が表示されるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSd4418にて各種フラグ格納エリア183aにC用切替フラグがセットされているか否かを判定する。C用切替フラグがセットされていない場合、ステップSd4419にてC用切替フラグをセットする処理を実行し、ステップSd4420にて押し順ベルであれば第5小役に対応する操作順序(右→左→中)の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。一方、ステップSd4418にてC用切替フラグがセットされていると判定した場合、ステップSd4421にてC用切替フラグをクリアする処理を実行し、ステップSd4422にて、押し順ベルであれば第6小役に対応する操作順序(右→中→左)の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
つまり、図345(c)に示すように、通常モードやCZモードにおいて特殊役A~Cに当選した場合、指示モニタ68における操作態様役の種別の報知として特殊役A~Cである旨の報知がそれぞれ行われる。これにより、例えば、今回のゲームの抽選結果が特殊役A当選であり、左ストップスイッチ42を最初に操作することで第1操作態様となり、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作することで第2操作態様となることを遊技者は把握可能となるし、今回のゲームの抽選結果が特殊役B当選であり、中ストップスイッチ43を最初に操作することで第1操作態様となり、左ストップスイッチ42や右ストップスイッチ44を最初に操作することで第2操作態様となることを遊技者は把握可能となるし、今回のゲームの抽選結果が特殊役C当選であり、右ストップスイッチ44を最初に操作することで第1操作態様となり、左ストップスイッチ42や中ストップスイッチ43を最初に操作することで第2操作態様となることを遊技者は把握可能となる。
ここで、本変形例では図346に示すように、ATモード中の特殊役や押し順ベル当選時の押し順報知演出の報知態様と、通常モードやCZモードにおける特殊役当選時の押し順報知演出の報知態様とが異なっている。具体的には、図346(a)に示すように、ATモード中の特殊役や押し順ベル当選時の押し順報知演出では、例えば「ベル」図柄に対応させて黄色のキャラクタに数字を付してストップスイッチ42~44の操作順序を報知するように設定されている一方で、図346(b)に示すように、通常モードやCZモードにおける特殊役当選時の押し順報知演出では、数字の付されたキャラクタの色がATモード中のものと異なり、例えば紫色のキャラクタに数字を付してストップスイッチ42~44の操作順序を報知する(図ではハッチの向きを異ならせて表示している)。このようにすることで、ATモード移行前において押し順報知演出が発生した場合に、その押し順報知演出が押し順ベルに対応するものではなく、特殊役に対応するものであることを遊技者に明確に知らしめることが可能となり、押し順報知演出に従って操作したのにもかかわらず第1小役~第6小役入賞のいずれもが成立しないことへの違和感を与えないようにすることができる。なお、本変形例でも、上記のようにATモード中においては、特殊役当選時の押し順報知演出と押し順ベル当選時の押し順報知演出とは報知態様が共通しており、このようにすることで特殊役当選を押し順ベル当選に紛れさせる効果等を期待することが可能である。
更に、表示制御装置81側の押し順報知演出として、特殊役Aの場合には、第1小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、第2小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、が交互で実行され、特殊役Bの場合には、第3小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、第4小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、が交互で実行され、特殊役Cの場合には、第5小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、第6小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、が交互で実行される。このようにすることで、通常モードやCZモードにおいて、押し順報知演出によって特殊役A~C当選時に有利な側のATモード移行抽選をより確実に受けさせることが可能となり、且つ、その発生させる押し順報知演出が偏ってしまうことを抑制することができる。
ステップSd4402にてATモード中の特殊役当選であると判定した場合、ステップSd4423に進む。ステップSd4423では、今回当選している特殊役が特殊役Aであるか否かを判定する。特殊役Aである場合には、ステップSd4424にて、A用切替フラグがセットされているか否かを判定する。A用切替フラグがセットされていない場合、ステップSd4425にてA用切替フラグをセットする処理を実行し、ステップSd4426にて押し順ベルであれば第3小役に対応する操作順序(中→左→右)の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。そして、ステップSd4427にて、当該第3小役に対応する操作順序の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。一方、ステップSd4424にてA用切替フラグがセットされていると判定した場合、ステップSd4428にてA用切替フラグをクリアする処理を実行し、ステップSd4429にて、押し順ベルであれば第4小役に対応する操作順序(中→右→左)の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。そして、ステップSd4430にて、当該第4小役に対応する操作順序の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
ステップSd4423にて特殊役Aではないと判定した場合、ステップSd4431にて今回当選している特殊役が特殊役Bであるか否かを判定する。特殊役Bである場合には、ステップSd4432にて、B用切替フラグがセットされているか否かを判定する。B用切替フラグがセットされていない場合、ステップSd4433にてB用切替フラグをセットする処理を実行し、ステップSd4434にて押し順ベルであれば第5小役に対応する操作順序(右→左→中)の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。そして、ステップSd4435にて、当該第5小役に対応する操作順序の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。一方、ステップSd4432にてB用切替フラグがセットされていると判定した場合、ステップSd4436にてB用切替フラグをクリアする処理を実行し、ステップSd4437にて、押し順ベルであれば第6小役に対応する操作順序(右→中→左)の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。そして、ステップSd4438にて、当該第6小役に対応する操作順序の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
ステップSd4431にて特殊役Bではないと判定した場合とは、今回当選している特殊役が特殊役Cであることを意味する。この場合、ステップSd4439にて、C用切替フラグがセットされているか否かを判定する。C用切替フラグがセットされていない場合、ステップSd4440にてC用切替フラグをセットする処理を実行し、ステップSd4441にて押し順ベルであれば第1小役に対応する操作順序(左→中→右)の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。そして、ステップSd4442にて、当該第1小役に対応する操作順序の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。一方、ステップSd4439にてC用切替フラグがセットされていると判定した場合、ステップSd4443にてC用切替フラグをクリアする処理を実行し、ステップSd4443にて、押し順ベルであれば第2小役に対応する操作順序(左→右→中)の押し順報知が指示モニタ68にて行われるように制御する。そして、ステップSd4444にて、当該第2小役に対応する操作順序の押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、図345(c)に示すように、ATモード中の表示制御装置81側の押し順報知演出として、特殊役Aの場合には、第3小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、第4小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、が交互で実行され、特殊役Bの場合には、第5小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、第6小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、が交互で実行され、特殊役Cの場合には、第1小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、第2小役に対応する操作順序に対応する押し順報知演出と、が交互で実行される。このようにすることで、ATモードにおいて、押し順報知演出によって特殊役A~C当選時にメダル払出数の多い小役入賞を成立させることが可能となり、且つ、その発生させる押し順報知演出が偏ってしまうことを抑制することができる。
このように、本変形例では、特殊役を複数種類設け、それぞれの特殊役で第1操作態様と第2操作態様とが互い違いとなるように設定したことにより、一の特殊役に対応する第1操作態様にて操作し続けた場合には、他の特殊役を第2操作態様にて操作することとなり、各特殊役で第1操作態様による遊技と第2操作態様による遊技とを平等に遊技させることが可能となり、遊技の公平性が担保され易くなる。
そのうえで、各特殊役当選時に、通常モードやCZモードにおいては第1操作態様に対応する押し順報知演出を発生させ、ATモードにおいては第2操作態様に対応する押し順報知を発生させるようにしたため、いずれの特殊役であってもATモード移行までは第1操作態様にて操作させ、ATモード移行後は第2操作態様にて操作させることができ、特殊役を複数設けた本変形例においても上記実施形態における遊技を行わせることが可能となる。
更に、第1操作態様や第2操作態様が、押し順ベルであれば複数の小役入賞となる操作順序に対応している構成において、特殊役当選枚に報知する操作順序を切り替える構成とした。つまり、例えば、特殊役Aにおいて、ATモード移行前は、押し順ベルであれば第1小役と第2小役との操作順序に対応する押し順報知演出を交互に切り替え、ATモード移行後は、押し順ベルであれば第3小役と第4小役に対応する操作順序を交互に切り替えるようにしている。このようにすることで、比較的簡素な構成にて押し順報知演出の偏りを解消することが可能となる。
<変形例12>
本変形例では、上記変形例11のように特殊役を複数設ける構成において、各特殊役によって指示機能に関する処理の態様を異ならせる例について説明する。具体的には、本変形例では、AT中の指示機能に関する処理を、特殊役A及び特殊役Bと特殊役Cとで異ならせる。
図348(a)に示すように、特殊役A~Cにおける第1操作態様と第2操作態様とは、上記変形例11と同様であり、特殊役Aの第1操作態様が特殊役B,Cの第2操作態様であり、特殊役Bの第1操作態様が特殊役C,Aの第2操作態様であり、特殊役Cの第1操作態様が特殊役A,Bの第2操作態様として設定されている。また、ATモード移行前において、特殊役A~Cのいずれもが第1操作態様にて操作することでATモード移行抽選を受けることが可能となり、第2操作態様にて操作することでATモード移行抽選を受けることができないように設定されている。
本変形では、図349に示すように、ATモード中において、特殊役A,Bであれば上記変形例11と同様に、操作態様に関わらず同じAT上乗せ抽選を実行する。つまり、第1操作態様にて操作した場合であっても第2操作態様にて操作した場合であっても上乗せ抽選に当選する確率は同じ確率である。これに対して、特殊役Cでは、ATモード中であっても、第1操作態様にて操作した場合と第2操作態様にて操作した場合とで上乗せ抽選の有利度が異なっており、第1操作態様にて操作した場合には上乗せ当選し得るものの、第2操作態様にて操作した場合には上乗せ当選しないように設定されている。なお、この場合の具体的な処理については、図による説明は省略するが、例えば、特殊役A,Bでは、図288等におけるAT上乗せ用処理にて上乗せ当選し得るように上乗せ抽選を行い、特殊役Cであれば、図333等における停止時AT上乗せ用処理にて操作態様に応じて上乗せ当選し得るように上乗せ抽選を行うようにするとよい。
そして、ATモード中の押し順報知演出として、特殊役A,Bについては、第2操作態様に相当する押し順報知演出を行うようにする。これに対して、特殊役Cについては、図336等の上乗せ事前判定処理に基づいて、第1操作態様にて操作されれば上乗せ当選する場合には、第1操作態様に相当する押し順報知演出を行うようにする一方、第1操作態様にて操作しても上乗せ当選しない場合には、第2操作態様に相当する押し順報知演出を行うようにする。
このように、特殊役によって指示機能に関する処理の内容を異ならせることで、いずれの特殊役に当選するかへの注目度を高めることができるし、押し順報知演出が発生した場合の期待感を押し順報知演出が示す操作順序に応じて異ならせることができる。
すなわち、例えば、図349に示すように、特殊役A,Bは開始時AT上乗せ用処理にて30%の確率で上乗せ当選し、特殊役Cは停止時AT上乗せ用処理にて第1操作態様時の30%の確率で上乗せ当選するとした場合、図348(b)に示すように、特殊役Aや特殊役Bでは、第2操作態様に相当する各操作順序の押し順報知演出においてそれぞれの上乗せ当選期待度は同等であり、特殊役A,Bを契機として発生し得る押し順報知演出のうち約30%が上乗せ当選となることに期待できる。これに対して、特殊役Cについては、第1操作態様に相当する操作順序の押し順報知演出が発生した場合には100%の確率で上乗せ当選するものの、それ以外の操作順序に対応する押し順報知演出が発生した場合には0%の確率で上乗せ当選する。このようにすることで、押し順報知演出の示す内容によって上乗せ当選期待度が大きく異なることとなり、押し順報知演出への注目度を好適に高めることができる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にて操作された場合の特典と、第2操作態様にて操作された場合の特典は、上記のものに限定されない。つまり、第1操作態様にて操作された場合に第33小役入賞や第9小役~第32小役入賞が成立して1枚のメダル払出が行われ、第2操作態様にて操作された場合に第1小役~第6小役入賞が成立して8枚のメダル払出が行われる構成としたが、第1操作態様にて操作された場合に1枚よりも多いメダルが払い出される構成としてもよいし、1枚のメダルが払い出される場合と1枚よりも多いメダルが払い出される場合とがある構成としてもよいし、いずれの結果入賞も成立せずに取りこぼしが生じる構成としてもよく、少なくとも、第2操作態様にて操作された場合よりも少ない特典(メダル枚数)となるように設定されていればよい。そして、第2操作態様にて操作された場合には8枚よりも多いメダル払出が行われる構成や、8枚よりも少ないメダル払出が行われる構成としてもよい。
更に、第1操作態様にて操作された場合には遊技状態が移行せず又は第1状態に移行し、第2操作態様にて操作された場合にはそれまでの状態や第1状態よりも遊技者にとって有利な第2状態に移行する構成としてもよい。例えば、第1状態や第2状態をいずれかの再遊技当選となる確率が向上するRT状態とし、第1状態よりも第2状態のほうが再遊技当選となる確率を高くしたり、当該RT状態の継続ゲーム数を多くしたり継続率を高くしたりする構成としてもよい。また、小役当選確率が異なるボーナス状態を第2状態としてもよく、第2状態としてのボーナス状態よりも当該ボーナス状態の有利度が低いボーナス状態を第1状態としてもよい。
いずれにしても、第1操作態様にて操作された場合に付与される特典よりも、第2操作態様にて操作された場合に付与される特典の方が遊技者にとって有利となる構成であればよい。
(2)特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にて操作された場合の指示機能に関する処理と、第2操作態様にて操作された場合の指示機能に関する処理は、上記のものに限定されない。例えば、第1操作態様及び第2操作態様のいずれで操作された場合であってもATモード移行抽選を行うものの、ATモード移行当選となる確率が第1操作態様のほうが高く、第2操作態様の方が低い構成としてもよく、ATモード移行当選となった場合には第1操作態様の方が第2操作態様よりも有利なATモード(ゲーム数が多い、セット数が多い、セット継続率が高い、上乗せ当選し易い等)へ移行し易い構成としてもよい。また、第1操作態様の方が第2操作態様よりも上乗せ当選し易い構成としてもよく、第1操作態様にて上乗せ当選した場合の方が、第2操作態様にて上乗せ当選した場合よりも上乗せ当選時の上乗せゲーム数や上乗せセット数が多い構成としてもよい。更に、第1操作態様にて操作された場合にはATモード移行抽選とCZモード移行抽選を行う一方、第2操作態様にて操作された場合にはCZモード移行抽選だけを行う構成としたり、第1操作態様にて操作された場合にはATモード移行抽選を行う一方、第2操作態様にて操作された場合にはCZモード移行抽選を行うといったように、指示機能に関する処理の有利度だけではなく、処理の種類も異なる構成としてもよい。
第1操作態様にて操作された場合の方が第2操作態様にて操作された場合よりもATモード移行抽選に当選し易い構成としたうえで、第1操作態様を契機として移行するATモードよりも第2操作態様を契機として移行するATモードの方が遊技者にとって有利となる構成としてもよい。また、第1操作態様にて操作された場合の方が第2操作態様にて操作された場合のよりも上乗せ当選し易い構成としたうえで、第1操作態様を契機とするATモード上乗せよりも第2操作態様を契機とするATモード上乗せの方が上乗せゲーム数が多かったりセット数が多い等遊技者にとって有利となり易い構成としてもよい。これらの場合、ATモード移行抽選の当選確率と移行するATモードの有利度や、上乗せ抽選の当選確率と当選時の上乗せの有利度を加味すると、第1操作態様の方が第2操作態様よりも遊技者にとって有利となる構成とするとよい。
(3)特殊役当選ゲームにて第1操作態様にて操作された場合には第1特典が付与されるとともに指示機能に関する処理は第1処理が実行される一方、第2操作態様にて操作された場合には第2特典が付与されるとともに指示機能に関する処理は第2処理が実行される構成において、第1特典と第2特典との有利度の差と、第1処理と第2処理との有利度の差との関係は上記のものに限定されない。つまり、上記では、第1特典として1枚のメダル払出が行われ、第2特典として8枚のメダル払出が行われ、第1処理としては高確率でATモード移行当選となり、第2処理としてはATモード移行当選とならない、といった構成等を用い、ATモード移行を目指すうえでは第1操作態様にて操作した場合の方が遊技者にとって有利となるように設定していた。これを変更し、例えば、第1特典と第2特典との有利度の差を上記のものよりも大きくし、第1処理と第2処理との有利度の差を上記のものよりも小さくする等して、ATモード移行を目指すうえで、第1操作態様よりも第2操作態様にて操作して天井を目指したほうが有利となる構成としてもよい。
(4)特殊役当選ゲームにおいて第1操作態様にて操作された場合には天井までのゲーム数(天井カウンタ)の減算を行う一方、第2操作態様にて操作された場合には天井までのゲーム数の減算を行わない構成としたが、第2操作態様にて操作された場合には天井までのゲーム数を加算する構成としてもよく、この場合、加算するゲーム数は一律のゲーム数であってもよいし、加算するゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。また、第2操作態様にて操作された場合には天井までのゲーム数の減算を当該ゲームだけではなくそれ以後の特定数(例えば5)のゲームに亘って行わない構成としてもよく、当該減算を行わない特定数を抽選により決定する構成としてもよい。加算するゲーム数や減算を行わないゲーム数を抽選にて決定する構成の場合、設定値に応じて選択され易い加算ゲーム数や減算停止ゲーム数が異なり得る構成としてもよく、例えば、高設定ほど少ない加算ゲーム数や減算停止ゲーム数が選択され易い構成としてもよい。
(5)第1停止操作を行うストップスイッチ42~44の種類とその操作タイミングによって第1操作態様と第2操作態様とが区別される例や、第1操作態様を行うストップスイッチ42~44の種類によって第1操作態様と第2操作態様とが区別される例を示し、第1停止操作が両操作態様の分岐タイミングとなるように設定したが、第2停止操作や第3停止操作を行うストップスイッチ42~44の種類とその操作タイミングによって両操作態様が区別される構成としてもよいし、第2停止操作や第3停止操作を行うストップスイッチ42~44の種類によって両操作態様が区別される構成としてもよく、これらの場合、当該区別される第2停止操作や第3停止操作を両操作態様の分岐タイミングとして、上記各発明に適用するとよい。
(6)特殊役を契機としてATモード移行当選となる割合を、他の結果を契機としてATモード移行当選となる割合の約半数としたが、これは一例であり、特殊役を契機としてATモード移行当選となる割合はこれよりも低くてもよいし高くてもよい。また、通常モードでは特殊役を契機としてATモード移行当選となる割合を他よりも低くし、CZモードでは特殊役を契機としてATモード移行当選となる割合を他よりも高くする構成としたり、その逆としたりしてもよい。
(7)特殊役を契機としてATモード移行当選となった場合と、他の結果を契機としてATモード移行当選となった場合とで、移行するATモードの有利度を異ならせてもよく、特殊役を契機としてATモード移行当選となった場合には他の結果を契機としてATモード移行当選となった場合よりも遊技者にとって有利なATモードに移行する構成としたり、その逆としたりしても良い。
(8)天井到達時のATモードと、天井到達前のATモード移行抽選に当選することで移行するATモードとの有利度を異ならせてもよく、天井到達時のATモードを到達前の移行抽選に基づくATモードよりも有利な構成とすることで、天井近くで特殊役当選となったゲームでは第1操作態様にてATモード移行抽選を受けるよりも、第2操作態様にてATモード移行抽選を受けない方が遊技者にとって有利となる、といったように、天井ゲーム数との関係で特殊役当選時の両操作態様を選択させる遊技性を実現することが可能である。
(9)CZモード中の各ゲームの演出態様は上記のものに限定されない。少なくとも、各ゲームでATモード移行抽選の結果が報知される完全告知タイプの演出態様とすることで、特殊役を契機とするATモード移行抽選の結果を当該特殊役当選となったゲーム内で報知する意義が高められる。例えば、爆弾演出において爆弾画像BPから爆発画像EPや不発画像NPへの切り替えを遊技者による所定操作部の操作に基づいて行う構成としてもよい。所定操作部としては演出用の演出スイッチ66であってもよい。なお、上記のように爆弾画像BPから爆発画像EPや不発画像NPへの切り替えを遊技者による操作に基づいて行う構成の場合、少なくとも当該爆弾演出が開始されたゲームの次のゲームにおいてスタートレバー41の操作が行われるよりも前に、上記の切り替えが行われる構成とすることが好ましく、第1クレジット投入スイッチ56やメダル投入口45からのメダル投入といった次ゲームのベット操作に基づいて上記の切り替えを行う構成としてもよい。ちなみに、上記実施形態においても、爆弾演出が開始されてから爆発画像EPや不発画像NPへの切り替え前に第1クレジット投入スイッチ56やメダル投入口45からのメダル投入といった次ゲームのベット操作が行われた場合には、予定していた画像への切り替えや、AT当選報知等を上記のベット操作に基づいて行う構成とするとよい。
(10)CZモード中に特殊役当選となったゲームにおいて、ATモード非当選となった場合、当該ゲームのATモード移行抽選の結果報知を次ゲーム以降まで持ち越す構成としてもよい。この場合、ATモード非当選であることから当該特殊役当選となったゲームの次ゲームからATモードは開始されないからである。
(11)CZモード中のATモード当選報知を第3停止操作後のゾロ目演出よりも前に実行する構成としてもよい。この場合、特殊役以外の結果に基づくATモード移行抽選の結果報知としては、スタートレバー41の操作後であれば実行可能であり、特殊役の場合、事前判定処理を用いる等することで、当該第3停止操作よりも前にATモード移行抽選の結果報知を行うことが可能である。そして、特殊役に基づくATモード移行抽選の結果報知のタイミングが特殊役以外の結果に基づくATモード移行抽選の結果報知のタイミングと同じタイミングとなる場合があるとよい。
(12)CZモード中にATモード移行当選となった場合に実行するゾロ目演出において、表示させる数字のキャラクタの種類と今回のゲームの抽選結果やATモード移行当選の契機となった抽選結果とを対応付けてもよい。例えば、特定役を契機としてATモード移行当選となった場合には奇数の数字のキャラクタがゾロ目演出として表示され易く、通常リプA~C等の通常役を契機としてATモード移行当選となった場合には偶数の数字のキャラクタがゾロ目演出として表示され易く、特殊役を契機としてATモード移行当選となった場合には所定の数字(例えば0)のキャラクタがゾロ目演出として表示され易い構成としてもよい。この場合、第1停止時に左変動領域SP1に停止するキャラクタから今回のゲームの抽選結果を把握することも可能であり、その数字のキャラクタとの関係で、ATモード移行抽選の期待度や、今回行った操作態様との関係でのATモード移行抽選の期待度を把握することが可能となり、遊技の大幅な興趣向上が期待できる。
また、特殊役当選時の事前判定処理によって、第1操作態様であればATモード移行当選となる場合と、第1操作態様であってもATモード移行当選とならない場合とで、第1停止時に停止させる数字のキャラクタを異ならせる構成としてもよい。すなわち、上記のように、特定役を契機としてATモード移行当選となった場合には奇数の数字のキャラクタがゾロ目演出として表示され易く、特殊役を契機としてATモード移行当選となった場合には所定の数字のキャラクタがゾロ目演出として表示され易い構成としたうえで、第1操作態様であればATモード移行当選となる場合には、左変動領域SP1に上記所定の数字のキャラクタを停止させる一方、第1操作態様であってもATモード移行当選とならない場合には、左変動領域SP1に奇数の数字のキャラクタを停止させる構成としてもよい。上記の通り、左ストップスイッチ42を最初に操作した場合、特殊役当選時の停止出目と、特定役のうちのチェリーA~Cの停止出目は共通していることから、仮に、特殊役当選時に第1操作態様にて操作してもATモード移行当選とならない場合であって、左変動領域SP1に奇数の数字のキャラクタが停止した場合であっても、チェリーA~Cを契機とするATモード移行抽選に当選していることに期待させることもでき、ATモード移行当選への期待感を持続させることが可能である。
(13)停止出目が共通となり得る特殊役と押し順ベルとについて、特殊役の方が押し順ベルよりもATモード移行抽選に当選し易い構成としたが、特殊役よりも押し順ベルの方がATモード移行抽選に当選し易い構成としてもよく、特殊役当選時の第2操作態様であっても押し順ベルの方がATモード移行抽選に当選し易い構成としてもよい。
(14)事前判定処理を通常モードでは実行せず、CZモード中だけ行うようにしてもよい。また、CZモードにおいて事前判定処理を行う場合と行わない場合とがあるように設定してもよく、CZモード移行時に事前判定処理を行うCZモードと行わないCZモードとを抽選等により決定する構成としてもよい。例えば、チェリーAに基づいてCZモードに移行した場合には当該CZモードにて事前判定処理を行うものの、チェリーBに基づいてCZモードに移行した場合には当該CZモードにて事前判定処理を行わないといったように、CZモードへの移行契機となった抽選結果(CZモード移行当選となったゲームでの抽選結果)に応じて、当該CZモード中に事前判定処理を行うか否かを決定する構成としてもよい。更に、事前判定処理を行うか否かを遊技者が事前に選択可能な構成としてもよい。
(15)事前判定処理にて特殊役当選時に第1操作態様にて操作することでATモード移行当選となると特定された場合、第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミングよりも前であって、例えば、開始時演出としてATモード移行当選となる旨の報知やその可能性が高い旨の報知を行うようにしてもよい。このようにすることで、当該報知が発生した場合には、より慎重に第1操作態様にて操作するものと考えられ、自らのストップスイッチ42~44の操作によってATモード移行当選を確定させる喜びを感じさせることが可能である。この場合、当該ATモード移行当選となる旨の報知やその可能性が高い旨の報知と同様の報知態様又は似た報知態様にて、開始時AT抽選用処理にてATモード移行当選となった場合の報知が行われ得る構成とするとよい。
(16)事前判定処理にて特殊役当選時にATモード移行当選となることが特定された場合、第1操作態様と第2操作態様とを選択させる報知(例えば、図325(c))を実行する構成としてもよい。このようにすることで、自らの第1操作態様の操作によって、ATモード移行当選を勝ち取る印象を強く与えることができ、遊技の興趣向上に役立てることができる。この場合、特殊役当選時に第1操作態様にて操作された場合と第2操作態様にて操作された場合とのいずれもでATモード移行当選となり得るようにすることで、第1操作態様を選択した場合だけではなく第2操作態様を選択した場合にもATモード移行当選となる可能性があるようになり、自らの操作だけではなく選択によってもATモード移行当選を勝ち取った印象を与えることができる。なお、上記構成において、第1操作態様にて操作された場合の方が第2操作態様にて操作された場合よりもATモード移行当選となり易くするとよい。更にこの場合、第1操作態様にて操作された場合に移行するATモードよりも第2操作態様にて操作された場合に移行するATモードの方が遊技者にとって有利となり易い構成とすることで、第2操作態様を選択する意義も生じさせることができ、当該選択させる遊技の興趣向上が図られる。
(17)ナビモードを表示制御装置81側で管理する構成としたが、主制御装置101側で管理する構成としてもよい。すなわち、特殊役当選時に第1操作態様にて操作してもATモード移行抽選に当選しない場合には、第2操作態様にて操作させる遊技性を主制御装置101にて管理する構成とし、図330のナビモード用処理や図331の特定報知用処理を主制御装置101にて実行する構成としてもよい。この場合、特定報知演出として、例えば、押し順ベルであれば第1小役~第6小役入賞に対応する操作順序の押し順報知を実行する構成としてもよく、指示モニタ68による押し順報知も実行するようにしてもよい。
(18)ナビモードの開始契機や終了契機は上記のものに限定されない。開始契機としては、有利区間移行時に代えて又は加えて、所定契機で行われる(例えば特殊役を契機とする)ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に非当選であった場合を開始契機としてもよいし、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選の非当選となった回数が所定数に至った場合や、ゲーム数が所定数(天井前のゲーム数であるとよい)に至った場合を開始契機としてもよく、これらの開始契機の一部で(抽選等を経て)ナビモードに移行する構成としてもよい。また、終了契機は、ATモード移行時に代えて又は加えて、有利区間終了時を終了契機としてもよいし、ナビモードに移行してからのゲーム数や特定報知演出の発生回数(特殊役を契機とするATモード移行抽選の非当選回数)が所定数に至った場合を終了契機としてもよく、これらの終了契機の一部で(抽選等を経て)ナビモードが終了する構成としてもよい。
(19)ナビモードへ移行することで特定報知演出が発生し得るようになる構成としたが、特殊役当選ゲームで第1操作態様にて操作してもATモード非当選となった場合に、特定報知演出を実行するか否かを決定する構成としてもよい。この場合、例えば、前回の特殊役当選ゲームにて第1操作態様にて操作してもATモード非当選であり、今回の特殊役当選ゲームにて第1操作態様にて操作してもATモード非当選である場合に、すなわち、特殊役を契機として2回連続でATモード非当選となった場合に特定報知演出を発生させる、といったように、以前の特殊役当選時のATモード移行抽選の結果を参照して、今回の特殊役当選時の特定報知演出の発生の有無を決定する構成としてもよい。更に、以前の特殊役当選時の操作態様によって今回の特殊役当選時の特定報知演出の発生の有無を決定する構成としてもよく、例えば、前回の特殊役当選ゲームにて第1操作態様にて操作したうえでATモード非当選となり、今回の特殊役当選ゲームにて第1操作態様にて操作してもATモード非当選である場合には特定報知演出を発生させる一方、前回の特殊役当選ゲームにて第2操作態様にて操作したうえでATモード非当選となり、今回の特殊役当選ゲームにて第1操作態様にて操作してもATモード非当選である場合には特定報知演出を発生させない構成としてもよい。
(20)ナビモードへの移行抽選の当選確率に設定差を設けたが、設定値に関わらず一律の確率でナビモードへ移行する構成としてもよい。また、ナビモード移行抽選が行われるゲームの抽選結果に応じて移行当選となる確率が異なるようにしてもよく、例えば特定役や特殊役を契機とするナビモード移行抽選よりも押し順ベルを契機とするナビモード移行抽選の方がナビモード移行当選となり易い構成としてもよく、その逆の構成としてもよい。
(21)ナビモード中においては、特殊役当選であって且つ第1操作態様にて操作してもATモード移行抽選に当選とならない場合には、特定報知演出を行う構成としたが、特定報知演出に代えて又は加えて、第2操作態様で操作する旨の演出(例えば、押し順ベルであれば第1小役~第6小役入賞に対応する操作順序の押し順報知演出)を行う構成としてもよい。この場合、特定報知演出が行われる場合と、第2操作態様で操作する旨の演出が行われる場合とが混在する構成としてもよく、例えば、これらの演出を交互に実行する構成としてもよいし、いずれの演出を実行するかを抽選により決定する構成としてもよい。
(22)停止時AT抽選用処理や、停止時上乗せ抽選用処理といったように、特殊役当選ゲームでの操作態様に応じた指示機能に関する処理を、当該ゲームのメダル払出が完了した後で実行することを前提として説明したが、ストップスイッチ42~44の操作が完了した後であればよく、メダル払出の開始前であってもよいし、メダル払出の開始後であって完了前であってもよい。
(23)特殊役当選ゲームにおいて、ストップスイッチ42~44の操作が完了した後、フリーズ演出を発生させる構成としてもよい。この場合、当該フリーズ演出の開始前やフリーズ演出中に、停止時AT抽選用処理や、停止時上乗せ抽選用処理といったように、特殊役当選ゲームでの操作態様に応じた指示機能に関する処理を実行する構成としてもよい。そして、当該フリーズ演出中に又は当該フリーズ演出にてこれら停止時AT抽選用処理や、停止時上乗せ抽選用処理の結果を報知する構成としてもよい。
(24)ATモード中以外で押し順ベルに当選した場合、指示モニタ68にて押し順ベルグループ報知を実行する構成としたが、かかる構成は必須ではなく押し順ベル当選時に押し順ベルグループ報知を実行しない構成としてもよい。また、押し順ベルに当選した場合、押し順ベルグループ用の抽選結果コマンドを出力する構成としたが、ATモード中以外においては、押し順ベルに当選した場合であっても抽選結果コマンドを出力しない構成としてもよい。少なくとも、ATモード以外において、表示制御装置81にて押し順ベル当選時の有利な操作順序(第1小役~第6小役入賞に対応する操作順序)が特定できない構成であればよい。
(25)押し順ベルに当選した場合、押し順ベルグループ用の抽選結果コマンドを出力する構成としたが、当該押し順ベルグループ用の抽選結果コマンドは他の抽選結果時にも出力される構成としてもよい。すなわち、抽選結果を特定役と特殊役とそれ以外の通常役(通常ベルA~C、押し順ベル)とにグループ分けし、これら特定役用の抽選結果コマンドと特殊役用の抽選結果コマンドと通常役用の抽選結果コマンドを表示制御装置81へ出力する構成としてもよい。
(26)ATモード移行前の特殊役当選ゲームでは、指示モニタ68にて特殊役用の報知を行う構成としたが、第1操作態様にて操作すべき旨の報知を指示モニタ68にて実行する構成としてもよい。具体的には、例えば、上記実施形態のように特殊役用の報知として「9」を実行する構成に代えて又は加えて、左ストップスイッチ42を最初に操作する操作順序として、押し順ベルであれば第1小役入賞や第2小役入賞に対応する操作順序を示す「1」や「2」を表示する構成としてもよい。また、特殊役A報知や特殊役B報知、特殊役C報知も同様であり、特殊役A報知を行う場合には第1小役入賞や第2小役入賞に対応する操作順序を示す「1」や「2」を表示する構成としてもよく、特殊役B報知を行う場合には第3小役入賞や第4小役入賞に対応する操作順序を示す「3」や「4」を表示する構成としてもよく、特殊役C報知を行う場合には第5小役入賞や第6小役入賞に対応する操作順序を示す「5」や「6」を表示する構成としてもよい。但し、これら特殊役A~Cの場合、補助表示部65にて表示する押し順報知演出と同じ操作順序に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御するようにするとよい。
(27)ATモード移行前の特殊役当選時に、表示制御装置81側で第1操作態様に対応する押し順報知演出を実行する場合、押し順ベルの場合と区別可能な押し順報知演出としたが、押し順ベルと同じ報知態様での押し順報知演出としてもよいし、押し順ベルと同じ報知態様での押し順報知演出が行われる場合と押し順ベルと異なる報知態様での押し順報知演出が行われる場合とがあるようにしてもよい。
(28)ATモード中の押し順ベル当選時に、押し順報知コマンドとして、第1小役~第6小役入賞に対応する操作順序を示す押し順報知コマンドを主制御装置101から表示制御装置81へ出力する構成としたが、第1小役~第6小役に対応するコマンドを主制御装置101から表示制御装置81へ出力する構成としてもよい。また、押し順ベルのうちのいずれの抽選結果であるかを示すコマンドを主制御装置101から表示制御装置81へ出力する構成としてもよい。これらの場合、特殊役当選時に第2操作態様にて操作させて第1小役~第6小役入賞を成立させるようにするために、対応するコマンド(第1小役~第6小役に対応するコマンドや、入賞させるべき第1小役~第6小役に対応する押し順ベルの結果を示すコマンド)を主制御装置101から表示制御装置81へ出力する構成とするとよい。そして、表示制御装置81において図278のテーブルを記憶させておくなどして、受信したコマンドに基づいて報知すべき操作順序を特定可能としておくとよい。
(29)表示上の天井ゲーム数に到達した場合に、天井カウンタが0となるまでのズレに応じて前兆演出を決定する構成としたが、天井カウンタが0となってから前兆演出を決定する構成としてもよい。
(30)表示上の天井ゲーム数に到達した場合に、天井カウンタが0となるまでのズレに応じて前兆演出を決定する構成において、当該ズレが予め設けられた前兆演出のゲーム数に至った場合に前兆演出を設定する構成としてもよい。すなわち、上記実施形態においては通常時の前兆モードは最大で40ゲームとしているところ、表示上の天井ゲーム数に到達した場合に、天井カウンタが0となるまでのズレが40ゲーム以内であれば、当該表示上の天井ゲーム数に到達した時点で前兆演出を設定し、当該ズレが40ゲームよりも多ければ、ズレが40ゲーム以内となるまでゲームが消化された際に前兆演出を設定する構成としてもよい。このようにすることで、記憶しておく前兆演出のパターンを少なくすることが可能である。
(31)表示上の天井ゲーム数は、特殊役当選時の操作態様に関わらず更新させる構成としたが、操作態様によって更新する場合と更新しない場合がある構成としてもよく、第2操作態様にて操作されて天井カウンタの減算が行われない場合の一部で更新が行われ、第2操作態様にて操作されて天井カウンタの減算が行われない場合であっても更新が行われる場合があるようにしてもよい。これらの場合であっても、減算値抽選処理により1よりも大きい値が天井カウンタから減算される場合を考慮すると、表示上の天井ゲーム数が天井に到達するゲームと、天井カウンタが0となるゲームとにはズレが生じ得る。
(32)特殊役以外のゲームでも、例えば操作態様によって、又は抽選によって天井カウンタの減算が行われない場合があるようにしてもよい。
(33)天井ゲーム数を有利区間移行時に抽選により決定する構成としたが、天井ゲーム数は一律のゲーム数(例えば700ゲーム)として設定する構成としてもよい。
(34)有利区間移行抽選をストップスイッチ42~44の操作完了後に行う構成としたうえで、特殊役当選ゲームでの操作態様に応じて当該有利区間移行抽選の当選確率を異ならせる構成としたが、有利区間移行抽選をストップスイッチ42~44の操作完了後に行う構成とするだけで、特殊役当選ゲームでの操作態様に関わらず有利区間移行抽選の当選確率を同じ確率(同じ処理)とする構成としてもよい。この場合、通常区間において特殊役に当選した場合、当該特殊役当選であることが把握可能なように補助表示部65等にてその旨の報知を行う構成としてもよい。このようにすることで、実際には特殊役当選の操作態様にかかわらず、共通の処理が行われる場面ですら、操作態様を気にしながら遊技を行わせることが可能となり、処理構成の複雑化を生じないようにしながら興趣向上を図ることができる。なお、かかる構成であっても、特殊役当選時に操作態様に関わらず有利区間移行抽選が行われるのであれば、通常区間における特殊役当選時には第2操作態様にて操作したほうが有利であり、有利区間と有利な操作態様が逆になる。ちなみに、上記のように、特殊役当選の操作態様にかかわらず共通の処理が行われる場面で特殊役である旨の報知を行うことによる効果は、ATモード中においても期待でき、ATモード中の特殊役当選ゲームで特殊役当選である旨の報知を行う場合がある構成としてもよい。
(35)特殊役を複数設ける場合、特殊役の種類は3種類に限定されず、2種類であってもよいし、4種類以上であってもよい。この場合、一の特殊役における第1操作態様が他の特殊役における第2操作態様となり、他の特殊役における第1操作態様が一の特殊役における第2操作態様となる関係であると、一の特殊役における第1操作態様にて操作し続ける遊技を行った場合に、他の特殊役については第2操作態様にて操作されるようになり、第1操作態様と第2操作態様とまんべんなく操作させる効果を期待できる。
(36)特殊役を複数設ける構成においては、一の特殊役について第1操作態様にて操作された場合に付与される第1特典と、第2操作態様にて操作された場合に付与される第2特典とが、他の特殊役について第1操作態様にて操作された場合に付与される第1特典と、第2操作態様にて操作された場合に付与される第2特典と異なっていてもよい。この場合、第1特典同士が異なる一方、第2特典同士は同じである構成や、第1特典同士は同じである一方、第2特典同士が異なる構成や、第1特典同士及び第2特典同士のいずれもが異なる構成であってもよい。また、特殊役を3種類以上設ける構成においては、それぞれの第1特典や第2特典が全て異なる構成だけではなく、第1の特殊役と第2の特殊役についての第1特典は同じである一方、第3の特殊役についての第1特典は第1の特殊役や第2の特殊役のそれとは異なる、といったように、一部の特殊役同士の特典は同じである一方、他の特殊役の特典とは異なる関係であってもよい。これらの場合、第1特典や第2特典は他の特殊役と異なる一方、第1特典と第2特典との有利度(例えばメダル払出枚数)との差分は共通している構成としてもよい。
(37)特殊役を複数設ける構成においては、一の特殊役について第1操作態様にて操作された場合に実行される指示機能に関する第1処理と、第2操作態様にて操作された場合に実行される指示機能に関する第2処理とが、他の特殊役について第1操作態様にて操作された場合に実行される指示機能に関する第1処理と、第2操作態様にて操作された場合に実行される指示機能に関する第2処理と異なっていてもよい。この場合、第1処理同士が異なる一方、第2処理同士は同じである構成や、第1処理同士は同じである一方、第2処理同士が異なる構成や、第1処理同士及び第2処理同士のいずれもが異なる構成であってもよい。また、特殊役を3種類以上設ける構成においては、それぞれの第1処理や第2処理が全て異なる構成だけではなく、第1の特殊役と第2の特殊役についての第1処理は同じである一方、第3の特殊役についての第1処理は第1の特殊役や第2の特殊役のそれとは異なる、といったように、一部の特殊役同士の処理は同じである一方、他の特殊役の処理とは異なる関係であってもよい。これらの場合、第1処理や第2処理は他の特殊役と異なる一方、第1処理と第2処理との有利度(例えばATモードの当選確率)との差分は共通している構成としてもよい。
(38)特殊役として、第1操作態様にて操作された場合には第1特典が付与されるとともに指示機能に関する第1処理が実行され、第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には第1特典よりも有利な第2特典が付与されるとともに指示機能に関する処理であって第1処理よりも不利な第2処理が実行される構成としたが、第1操作態様や第2操作態様だけではなく、第1操作態様や第2操作態様とは異なる第3操作態様にて操作された場合には、第3特典が付与されるとともに指示機能に関する第3処理が行われる特殊役を設けてもよい。この場合、第3特典は第1特典及び第2特典のいずれとも異なる構成としてもよいし、第1特典とは異なる一方、第2特典とは同じである構成や、第1特典とは同じである一方、第2特典とは異なる構成としてもよく、第3処理についても第1処理及び第2処理のいずれとも異なる構成としてもよいし、第1処理とは異なる一方、第2処理とは同じである構成や、第1処理とは同じである一方、第2処理とは異なる構成としてもよい。いずれにしても、第3特典と第3処理とのセットが、第1特典と第1処理とのセット及び第2特典と第2処理とのセットとは同じ内容ではない構成であればよく、一部の内容が同じであってもよい。そして、第3特典の内容が第1特典や第2特典の内容と異なることや、第3処理の内容が第1処理や第2処理の内容と異なることによって遊技者にとっての有利度が異なる構成とすることが好ましく、第3特典と第3処理とのセットで得られる利益が、第1特典と第1処理とのセットで得られる利益とも異なるし、第2特典と第2処理とのセットで得られる利益と異なる構成とするとよい。
より具体的には、例えば、第1操作態様にて操作された場合には第33小役入賞が成立して1枚のメダル払出が生じ、第1処理として50%の確率でATモード移行当選となるATモード移行抽選が実行され、第2操作態様にて操作された場合には第1小役~第6小役入賞が成立して8枚のメダル払出が生じ、第2処理として0%の確率でATモード移行当選となるATモード移行抽選に実行される構成において、第3操作態様にて操作された場合には第7小役又は第8小役入賞が成立して3枚のメダル払出が生じ、第3処理として25%の確率でATモード移行当選となるATモード移行抽選が実行される構成としてもよい。
(39)特殊役当選時に第1操作態様にて操作された場合と、第2操作態様にて操作された場合とで、異なる小役入賞が成立可能となる構成としたが、第1操作態様にて操作された場合には所定の再遊技入賞が成立する一方、第2操作態様にて操作された場合には所定の小役入賞が成立する構成や、第1操作態様にて操作された場合には所定の小役入賞が成立する一方、第2操作態様にて操作された場合には所定の再遊技入賞が成立する構成や、第1操作態様にて操作された場合には所定の小役入賞が成立する一方、第2操作態様にて操作された場合には所定のボーナス入賞が成立する構成や、第1操作態様にて操作された場合にはいずれの結果入賞も成立しない一方、第2操作態様にて操作された場合には所定の小役や再遊技、ボーナス入賞が成立する構成としてもよい。
(40)特殊役当選時にストップスイッチ42~44の操作が完了した後で指示機能に関する処理を実行する構成としたが、特殊役当選時にスタートレバー41の操作時とストップスイッチ42~44の操作が完了した後とで指示機能に関する処理を実行する構成としてもよい。
例えば、特殊役当選時の開始時AT抽選用処理において、ATモード移行抽選の第1抽選を行い、当該第1抽選に当選した場合であって、第1操作態様にて操作された場合には停止時AT抽選用処理にてATモード当選フラグをセットする等のATモードへの移行を確定させる一方、開始時の第1抽選に非当選であった場合には、第1操作態様にて操作された場合であっても停止時AT抽選用処理にてATモード当選フラグをセットしないようにし、また、開始時の第1抽選に当選であった場合には、第2操作態様にて操作された場合であっても停止時AT抽選用処理にてATモード当選フラグをセットしないようにし、開始時の第1抽選に非当選であった場合には、第2操作態様にて操作された場合であっても停止時AT抽選用処理にてATモード当選フラグをセットしないようにする構成としてもよい。
更に、特殊役当選時の開始時AT抽選用処理において、ATモード移行抽選の第1抽選を行い、当該第1抽選の結果が第1結果であった場合であって、第1操作態様にて操作された場合には停止時AT抽選用処理にてATモード当選フラグをセットする等のATモードへの移行を確定させる一方、開始時の第1抽選の結果が第1結果とは異なる第2結果であった場合には、第1操作態様にて操作された場合であっても停止時AT抽選用処理にてATモード当選フラグをセットしないようにし、開始時の第1抽選の結果が第2結果であった場合には、第2操作態様にて操作された場合には停止時AT抽選用処理にてATモード当選フラグをセットする等のATモードへの移行を確定させる一方、開始時の第1抽選の結果が第2結果であった場合には、第1操作態様にて操作された場合であっても停止時AT抽選用処理にてATモード当選フラグをセットしないようにする構成としてもよい。
(41)特殊役を複数設ける構成において、各ゲームでの各特殊役の当選確率を同じ確率として説明したが、当選確率が異なる構成としてもよい。この場合、例えば特殊役A~Cを設ける構成において、特殊役A及び特殊役Bの当選確率は同じであるものの、特殊役Cの当選確率は異なる、といったように一部の特殊役の当選確率が異なる構成としてもよいし、特殊役A~Cのいずれの当選確率も互いに異なる構成としてもよい。
(42)特殊役の当選確率が遊技状態に応じて異なる構成としてもよい。例えば、再遊技当選となる確率が向上するRT状態へ移行すると、移行前の通常状態と比較して特殊役当選となる確率が変化する(高くなる、低くなる)構成としてもよい。また、特殊役を複数設ける構成においては、第1状態では特殊役Aの当選確率が特殊役Bよりも高い一方、特殊役Bの当選確率が特殊役Aよりも低く、第2状態では特殊役Bの当選確率が特殊役Aよりも高い一方、特殊役Aの当選確率が特殊役Bよりも低い、といったように、状態に応じて当選し易い特殊役が異なる構成としてもよい。
(43)特殊役を複数設ける構成においても、ストップスイッチ42~44の操作順序だけではなく操作タイミングによって第1操作態様と第2操作態様とを区別する構成としてもよい。
(44)特殊役に基づくAT抽選等をストップスイッチ42~44の操作後(停止時AT抽選用処理等)にて実行し、それ以外の結果に基づくAT抽選等をストップスイッチ42~44の操作前(スタートレバー41の操作時、開始時AT抽選用処理等)にて実行する構成としたが、特殊役以外の結果であってもストップスイッチ42~44の操作後(停止時AT抽選用処理)にてAT抽選等を実行する構成としてもよいし、特殊役であってもストップスイッチ42~44の操作前(開始時AT抽選用処理)にてAT抽選等を実行する構成としてもよい。これらの場合であっても、例えば、CZモード中のAT抽選の結果報知としての演出制御がストップスイッチ42~44の操作後のAT抽選に基づくもの(停止時CZ演出設定処理)と操作前のAT抽選に基づくもの(開始時CZ演出設定処理)とで異なる構成とするとよい。
(45)第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を約プラス0.00枚として、第1BB状態や第2BB状態ではメダルが増えもせず、減りもしない構成としたが、メダルが増加し得る構成としてもよいし、メダルが減少し得る構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態での純増枚数が、少なくとも内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて遊技した場合の純増枚数よりも多い純増枚数数であればよい。
(46)遊技者が、内部状態や非内部状態を3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技したり、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることで、指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としたが、遊技機側で、例えば、所定ゲーム数の消化によって指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としてもよい。
(47)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(48)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(49)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(50)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第5eの実施形態>
次に、第5eの実施形態におけるスロットマシン10の電気的構成について、図350及び図351のブロック図に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、特に上記各実施形態と異なる構成について説明し、上記各実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。また、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図352参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図351に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
また、表示制御装置81に接続されている各構成42b~44b,63~65の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b~44b,63~65の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図352は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSe101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSe102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSe103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSe102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSe104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSe104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSe105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSe106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSe107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図350参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSe108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップSe109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSe110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSe111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSe112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSe113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSe114では、先のステップSe101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSe115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図353のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSe201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSe202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSe203~ステップSe212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSe203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSe204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップSe107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップSe205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSe205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSe205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSe205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップSe204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップSe205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップSe206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップSe110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップSe206の処理を実行した後は、ステップSe207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSe204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSe208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSe209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSe210の抽選処理、ステップSe211のリール制御処理、ステップSe212のメダル払出処理を順に実行し、ステップSe203に戻る。
次に、ステップSe210の抽選処理について、図354のフローチャートに基づき説明する。
ステップSe301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSe302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSe302では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図355)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図356)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSe302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSe302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図355は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図356は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSe303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSe304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSe301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSe305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSe306にて、ステップSe305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSe306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSe306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSe306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のSe203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSe306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSe305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSe307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSe308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSe304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSe304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSe305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図355に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1であり、押し順ベルに当選となる確率をまとめると約1.53分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図356に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.64枚)。
ステップSe306にて当選フラグをセットした後、又はステップSe308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSe309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSe310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSe301~ステップSe308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSe310の処理を実行した後は、ステップSe311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSe110)にて行われる。
そして、ステップSe312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSe306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSe312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSe312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSe313では、ステップSe312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSe313の処理を実行した後は、ステップSe314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSe211のリール制御処理について、図357のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSe401にて、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSe309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップSe310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップSe402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSe106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップSe403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSe404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSe403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSe405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSe406~ステップSe412に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを消灯するように制御する。
ステップSe406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSe407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSe407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSe408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSe409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSe410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSe411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSe412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSe403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図355、図356参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図358は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSe411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSe413にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップSe414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSe415にて、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSe416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSe417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSe212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップSe204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップSe414のボーナス状態処理を、図359のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSe501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSe501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSe502に進む。
ステップSe502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSe503に進む。
ステップSe503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSe503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSe504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSe505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSe506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSe506にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSe507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSe508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSe501にて肯定判定することになる。続くステップSe509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSe509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSe510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSe505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSe511に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSe512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSe513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSe514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSe514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSe510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSe501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSe515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図360は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図360に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップSe515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSe516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSe517にて、ステップSe516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップSe516ではBBカウンタから13を減算する。
ステップSe517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSe518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSe519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップSe520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSe521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSe519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図361を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図358)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図362のフローチャートを参照しながら、ステップSe310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSe601~ステップSe603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップSe601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSe602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSe603にてベット数が2であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定ベット数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定ベット数として3が設定されている。ステップSe602やステップSe603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数はない場合には、ステップSe604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定ベット数として3が設定されていることから、2ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSe604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップSe602又はステップSe603にて肯定判定した場合、ステップSe604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSe605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図363のフローチャートに示すように、ステップSe701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSe702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図364(a)に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図364(a)にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSe702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSe703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSe703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSe704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSe705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSe701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSe702~ステップSe705の処理を省略することも可能である。
ステップSe705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSe706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSe705にて否定判定した場合、又はステップSe706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSe604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSe606に進む。ステップSe606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグは、ATモードであることをCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSe606にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSe607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSe606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSe608にて継続判定処理を実行し、ステップSe609にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップSe607のAT抽選用処理について図365のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算され、例えば、2ベットゲームでは減算されない。
ステップSe801にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップSe802にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップSe803~ステップSe808にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップSe803にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSe804では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップSe804にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップSe805にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSe804にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSe806にて、CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図364(a)に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップSe805又はステップSe806にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップSe803にて把握したゲームの抽選結果とを用いて、ステップSe807にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップSe808にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップSe808にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップSe802にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップSe809~ステップSe812のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップSe808にてATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップSe813~ステップSe816にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップSe809では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップSe810及びステップSe811にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップSe810では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSe811にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSe809にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSe811の処理を実行した後は、ステップSe812にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップSe606にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップSe813にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSe814にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップSe803にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図364(a)に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップSe814にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップSe815にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップSe816にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップSe812又はステップSe816にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップSe817~ステップSe820にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム~32ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップSe817では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、チェリーAにて移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。
なお、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップSe817では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにもかかわらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップSe818では、ステップSe817の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップSe819にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSe820にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
<継続判定処理>
次に、ステップSe608にて実行される継続判定処理について、図366のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、継続判定処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理である。
ここで、本実施形態におけるATモードは、予め定められた所定数(例えば18)のゲームを1セット(単位継続数、単位状態)とし、例えば、1セットのATモードを更新する場合(セットを開始する場合又はセットを終了する場合)に次のセットの継続抽選を行い、当該継続抽選に当選している場合には当該セットの終了後、次のセットへ移行し、当該継続抽選に非当選である場合には次のセットへ移行せずにATモードが終了する構成としている。そして、ステップSe608の継続判定処理では、セットの更新に際して上記の継続抽選を行うための処理である。
ステップSe901では、各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタが18であるか否かを判定する。ATゲームカウンタは、1セットの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、セットの更新に際して18が入力されるカウンタである。すなわち、ステップSe901では、今回開始するゲームがATモードの1セットの開始ゲームであるか否かを判定する。開始ゲームではない場合には、そのまま本継続判定処理を終了する。開始ゲームである場合には、ステップSe902に進む。
ステップSe902では、各種カウンタエリア106eに設けられたATセットカウンタが0であるか否かを判定する。ATセットカウンタは、上記の継続抽選に非当選であっても又は継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させることを可能とするセット数をCPU102が把握するためのカウンタであり、継続条件が成立している状況で上乗せ当選した場合に1が加算され、継続抽選に非当選である場合や継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させた場合に1減算されるカウンタである。ATセットカウンタが0である場合、ステップSe903にて今回のATモードにて選択されている継続抽選の当選確率を把握する。
ここで、本実施形態では、上記の継続抽選の当選確率(以下、「継続率」とも称する)として、複数の継続率が設定されており、具体的には、図376に示すように最も継続率の高い90%と、それよりも継続率が低い60%及び10%が設定されている。当該継続率は、ATモードへの移行に際して設定される(後述のステップSe1211における継続率設定処理)。ステップSe903では、当該継続率設定処理にて設定されている情報を読み出し、今回のATモードの継続率を把握する。
ステップSe903にて継続率を把握した後は、ステップSe904にて継続抽選処理を実行する。すなわち、90%の継続率が選択されている場合には、ステップSe904の処理では90%の確率で継続当選し、10%の継続率が選択されている場合には、ステップSe904の処理では10%の確率で継続当選する。
ステップSe905では、ステップSe904の処理結果が継続当選であったか否かを判定し、継続当選であった場合には、ステップSe906にて各種フラグ格納エリア106dに継続フラグをセットする処理を実行する。継続フラグは、今回のセットの継続条件(次のセットへ移行する条件)が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップSe907にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、継続判定処理を終了する。
また、ステップSe902にてATセットカウンタが0ではないと判定した場合、ステップSe908にてATセットカウンタを1減算する処理を実行してから、ステップSe906に進み、継続フラグのセット、及び継続コマンドのセットを行ってから、継続判定処理を終了する。すなわち、本実施形態では、ATセットカウンタが0ではない場合、継続抽選を経ることなく、セットの継続条件が成立する構成としている。なお、ATセットカウンタの値に関わらず継続抽選を実行し、継続非当選である場合にATセットカウンタが1以上であれば継続条件が成立する構成としてもよい。
上記のように、本実施形態では、ATモードの1セットの開始時(スタートレバー41の操作時)に、今回開始するセットの次のセットまでATモードが継続するか否かの継続条件の成否判定が行われ、継続条件が成立していると判定した場合には、継続フラグがセットされ、その情報が表示制御装置81へ出力される。この場合、表示制御装置81では、継続条件が成立していることを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
これに対して、ステップSe905にて継続当選ではないと判定した場合には、そのまま継続判定処理を終了する。この場合、ATモードの1セットの開始時には継続条件は成立しておらず、セットの開始に際して継続コマンドの出力も行われない。表示制御装置81では、セットの開始に際して継続コマンドを受信しないことを通じて継続条件が成立していないことを把握し、継続条件が成立していないことを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSe609にて実行されるAT上乗せ用処理について、図367のフローチャートを参照しながら説明する。AT上乗せ用処理では、上記の継続抽選とは別途、ATモードのセット数を上乗せすることの上乗せ抽選を行い、当該上乗せ抽選にて当選した場合には、次のセットの継続抽選の結果に関わらず次のセットまで継続するようにする。
先ずステップSe1001にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSe1002にて、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
上乗せ抽選テーブルは、図364(a)に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、各ゲームの抽選処理にて当選し易い通常リプA~通常リプCや、押し順ベルといった通常役のうち押し順ベルでは上乗せ当選しない一方、各ゲームの抽選処理にて当選しにくいチャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、共通ベル、スイカ、といった特定役では上乗せ当選し得るように設定されている。そして、特定役のうち、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常役のうち通常リプA~通常リプCの上乗せ当選率は、特定役の上乗せ当選率よりも低く設定されている。なお、各ゲームの抽選結果が通常役のうちの押し順ベルである場合には上乗せ当選しない構成を、各ゲームの抽選結果が通常役のうちの押し順ベルである場合には上乗せ抽選を行わない構成としてもよい。また、各ゲームの抽選結果が通常役のうちの押し順ベルである場合にも上乗せ当選し得る構成とし、当該通常役のうちの押し順ベルでの上乗せ当選の確率を特定役の場合の上乗せ当選の確率よりも低くなるようにしてもよい。この場合、通常役のうちの通常リプA~通常リプCの上乗せ当選率よりも押し順ベルの上乗せ当選率のほうが高くなるように設定してもよいし、通常役のうちの通常リプA~通常リプCの上乗せ当選率よりも押し順ベルの上乗せ当選率のほうが低くなるように設定してもよい。また、通常リプA~通常リプCの上乗せ当選率をそれぞれ異ならせてもよく、例えば、通常リプAよりも通常リプBのほうが上乗せ当選率が高く、通常リプBよりも通常リプCのほうが上乗せ当選率が高くなるようにしてもよく、その逆の関係であってもよい。さらに、通常リプA~通常リプCの上乗せ当選率を設定値によって異なるようにしてもよく、例えば、設定値が高くなるほど通常リプA~通常リプC当選時の上乗せ当選となる確率が高くなるように設定してもよいし、偶数設定(設定2,4,6)と奇数設定(設定1,3,5)とで通常リプA~通常リプC当選時の上乗せ当選となる確率を異ならせ、偶数設定よりも奇数設定のほうが通常リプA~通常リプC当選時の上乗せ当選となる確率が高くなるように設定してもよい。
ステップSe1002にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSe1003にて上乗せ抽選を実行し、ステップSe1004にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSe1005にて、今回の上乗せ当選となった抽選結果がループ対象結果(ループ対象役)であるか否かを判定する。
ループ対象結果とは、上乗せ抽選にて当選した場合に加算するセット数をループ抽選に非当選となるまで所定数(1)ずつ加算させるループ処理を実行する対象となる結果である。本実施形態では、上記の上乗せ抽選に当選となる結果のうち通常リプA~通常リプCをループ対象結果として設定している。
ステップSe1005にて、今回の上乗せ当選の契機となった抽選結果がループ対象結果としての通常リプA~通常リプCではないと判定した場合、ステップSe1006にて、継続フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSe1006にて継続フラグがセットされていない場合、ステップSe1007にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSe1008にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。継続コマンドを受信した表示制御装置81は、継続条件が成立したことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
これに対して、ステップSe1006にて継続フラグがセットされている場合、ステップSe1009にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。ステップSe1009にATセットカウンタに1が加算されることにより、少なくとも今回のセットの次の次のセットまでATモードが継続することが確定する。なお、本実施形態では、上乗せ抽選に当選した場合に一律でATセットカウンタに1を加算する構成としているが、2以上の数を加算する場合がある構成としてもよく、例えば、上乗せ当選の契機となったゲームの抽選結果に応じてATセットカウンタに加算する数を抽選により決定する構成としてもよい。
続くステップSe1010ではセット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本上乗せ用処理を終了する。セット上乗せコマンドは、上乗せ抽選に当選したことやATセットカウンタの値を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。なお、ループ抽選以外にも複数のセット数を一の上乗せ当選にて上乗せする場合がある構成においては、当該セット上乗せコマンドに当該上乗せするセット数の情報を設定する構成とするとよい。この場合、継続フラグがセットされていない状況で複数のセット数を上乗せする場合には、継続コマンドと、当該継続コマンドの分のセット数を除いたセット数の情報を含むセット上乗せコマンドを出力設定するとよい。セット上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、セット上乗せが行われたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
ステップSe1005にて今回の上乗せ当選の契機となった抽選結果がループ対象結果としての通常リプA~通常リプCであると判定した場合、ステップSe1011にて、上乗せループ抽選処理を実行する。本実施形態では、上乗せ当選の契機となった抽選結果がループ対象結果である場合、所定の割合で上記のようなループ抽選を実行する構成としており、ステップSe1011の上乗せループ抽選処理は、今回のループ対象結果である場合にループ抽選を実行するか否かを決定するための処理である。具体的には、図364(b)に示すように、各ループ対象結果に応じてループ当選率が設定されており、ステップSe1011の上乗せループ抽選処理では、当該ループ当選率に応じてループ抽選を実行するか否かを決定する。本実施形態では、通常リプA~通常リプCのそれぞれでループ当選率が異なっており、通常リプAよりも通常リプBのほうがループ当選率が高く、通常リプBよりも通常リプCのほうがループ当選率が高くなるように設定されている。
ステップSe1012ではステップSe1011の上乗せループ抽選処理の処理結果に基づいて、ループ抽選を実行するか否かを判定する。ループ抽選を実行しないと判定した場合、ステップSe1006に進み、今回の上乗せ抽選にて上乗せするセット数を1とする各処理を実行する。なお、上記のようにループ抽選以外にも複数のセット数を一の上乗せ当選にて上乗せする場合がある構成とする場合、当該セット上乗せコマンドに当該上乗せするセット数の情報を設定する構成とするとよい。
ステップSe1012にてループ抽選を実行すると判定した場合、ステップSe1013にて上乗せループ用処理を実行する。
上乗せループ用処理について、図368のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe1101ではループ率抽選処理を実行する。図364(b)に示すように、本実施形態では、ループ抽選を行う場合の当該ループ抽選の当選確率として複数のループ率が設定されており、10%ループ、50%ループ、70%ループ、80%ループが設定されている。上乗せ当選となった契機によって、選択されるループ率が異なるように設定されており、通常リプAであれば、いずれのループ率も選択され得る一方、通常リプBや通常リプCであれば、80%ループ以外のループ率が選択される。つまり、80%ループは通常リプAを契機として上乗せ当選となった場合にだけ選択され得るものとなっている。
ステップSe1101にてループ率抽選処理を実行した後は、ステップSe1102にて各種フラグ格納エリア106dにステップSe1101の結果を記憶する処理を実行する。具体的には、10%ループであれば10%フラグを格納し、50%ループであれば50%フラグを格納し、70%ループであれば70%フラグを格納し、80%ループであれば80%フラグを格納する。続くステップSe1103では、ステップSe1101の結果に対応するループ率の情報を含むループ率コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。当該ループ率コマンドを受信した表示制御装置81では、ループ率に応じた演出が補助表示部65等にて行われるように制御する。
その後、ステップSe1104にて各種フラグ格納エリア106dに回転演出フラグをセットする処理を実行してから、本上乗せループ用処理を終了する。本実施形態では、上記のように設定したループ率に基づいて、ATモードのセット上乗せのループ抽選を各リール32L,32M,32Rの回転演出中に実行する構成としている。そのため、上記のようにループ抽選を行うこと自体は決定しているものの、ループ回数、すなわち上乗せするセット数は未だ決定していない。回転演出やループ抽選については後に詳細に説明するが、上記ステップSe1104にてセットする回転演出フラグは、上記のように上乗せ当選に基づいて回転演出を実行すること、及びループ抽選を実行すべきことをCPU102が把握するためのフラグである。
AT上乗せ用処理において、ステップSe1013にて上乗せループ用処理を実行した後は、ステップSe1014にて操作指示演出設定処理を実行してから、ステップSe1006に進み、継続コマンドやセット上乗せコマンドを出力設定する処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。また、ステップSe1004にて上乗せ非当選であったと判定した場合、ステップSe1015に進み、上記のループ対象結果(通常リプA~通常リプC)であったか否かを判定する。ループ対象結果ではない場合は、そのまま本AT上乗せ用処理を終了する。
ループ対象結果である場合、ステップSe1016にて、疑似演出抽選処理を実行する。疑似演出抽選処理は、今回のAT上乗せ用処理の契機となった抽選結果がループ対象結果であって、上乗せ非当選であっても上乗せ当選であることに期待させる疑似演出を、補助表示部65等にて行うことを抽選等により決定する処理である。本実施形態では、例えば、通常リプA~通常リプCを契機とする上乗せ抽選に非当選であった場合の約1%程度で、当該疑似演出抽選に当選するように設定されている。そして、ステップSe1017にて、疑似演出抽選に当選したか否かを判定する。疑似演出抽選に非当選であった場合には、そのまま本AT上乗せ用処理を終了する。
疑似演出抽選に当選であった場合、ステップSe1018にて、疑似操作指示演出設定処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。
<押し順報知の概要>
ステップSe1014の操作指示演出設定処理やステップSe1018の疑似操作演出設定処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図372を参照しながら説明する。図372(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図372(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図372(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図372(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図373を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図373(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図373(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図373(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
図369は、AT上乗せ用処理におけるステップSe1014の操作指示演出設定処理を示すフローチャートである。
上記のように、操作指示演出設定処理は、AT上乗せ用処理において上乗せ抽選に当選し、且つループ抽選を行うことが決定された場合に実行される処理であり、当該ループ抽選はループ対象結果である通常リプA~通常リプCである場合に実行される。通常リプA~通常リプCは、いずれも複数の再遊技に重複して当選となる結果であり、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞が成立する再遊技が異なり得るように設定されている。
具体的には、図371に示すように、通常リプA~通常リプCでは、第1再遊技入賞が成立する操作順序(左ストップスイッチ42が最初に操作される操作順序)と、第2再遊技入賞又は第4再遊技入賞若しくは第5再遊技入賞が成立する操作順序(通常リプAの中→左→右、通常リプBの中→右→左、通常リプCの右→左→中)と、第4再遊技入賞若しくは第5再遊技入賞が成立する操作順序(通常リプAの中→右→左及び右→中→左、通常リプBの中→左→右及び右→左→中、通常リプCの中→右→左及び右→中→左)と、第3再遊技入賞又は第4再遊技入賞若しくは第5再遊技入賞が成立する操作順序(通常リプAの右→左→中、通常リプBの右→中→左、通常リプCの中→左→右)と、が設定されている。
これらにおいて、例えば第2再遊技入賞又は第4再遊技入賞若しくは第5再遊技入賞が成立する操作順序のように、同じ操作順序に対して複数の再遊技入賞が対応付けられている場合、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによって入賞する再遊技が異なっている。具体的には、第2再遊技入賞は、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの「白貝」図柄、右リール32Rの「チェリー」図柄が有効ラインML上に停止した場合に成立するところ、これら第2再遊技入賞に対応する対応図柄は、各リール32L,32M,32Rで対応図柄同士の間隔が5図柄以上となるように配置されており、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては第2再遊技入賞に対応する対応図柄を有効ラインMLに停止させることができない。この場合、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞に対応する図柄が有効ラインMLに停止して、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立するようになる。
また、通常リプA~通常リプC当選時において、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞のみが対応付けられている操作順序にてストップスイッチ42~44を操作した場合、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する対応図柄を有効ラインML上に停止させることが可能なタイミングでストップスイッチ42~44を操作しても、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する対応図柄ではなく、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞に対応する対応図柄が有効ラインML上に停止することにより、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立するようになる。
但し、これら通常リプA、通常リプB、通常リプCにおいて、重複当選している再遊技のうちのいずれの再遊技入賞が成立しても、付与される特典は再遊技であり、成立する再遊技の種類だけが異なるものである。言い換えると、通常リプA、通常リプB、通常リプCは、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず再遊技入賞が成立するものの、操作順序によって停止出目が異なる遊技結果である。
操作指示演出設定処理において、ステップSe1201では、今回の抽選結果が通常リプA~通常リプCのいずれであるかを把握したうえで、第2再遊技入賞が成立可能となる操作順序を把握する。具体的には、通常リプAであれば中→左→右の操作順序を把握し、通常リプBであれば中→右→左の操作順序を把握し、通常リプCであれば右→左→中の操作順序を把握する。
そして、ステップSe1202にて第2再遊技入賞が成立可能となる操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本操作指示演出設定処理を終了する。当該押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、補助表示部65にて上記の第2再遊技入賞を成立可能とする押し順報知演出を実行するとともに、第2再遊技入賞のうち、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの「白貝」図柄、右リール32Rの「チェリー」図柄による入賞態様、すなわち、「白7」図柄が中ラインL2に揃って停止して入賞する入賞態様となるように、「白7」図柄を模したキャラクタを表示するとともに「狙え!!」といった操作指示演出を実行するように制御する(図406(a))。なお、以下の説明では、「白7」図柄が中ラインL2に揃って停止する停止出目を特定態様とも称する。
図370は、AT上乗せ用処理におけるステップSe1018の疑似操作指示演出設定処理を示すフローチャートである。
上記のように、疑似操作指示演出設定処理は、AT上乗せ用処理において上乗せ抽選に非当選となった場合であって、且つ疑似演出抽選に当選した場合に実行される処理であり、当該疑似演出抽選はループ対象結果である通常リプA~通常リプCである場合に実行される。
ステップSe1301では、今回の抽選結果が通常リプA~通常リプCのいずれであるかを把握したうえで、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞のみが成立可能となり、第2再遊技入賞を成立させることができない操作順序を把握する。具体的には、通常リプAであれば中→右→左や右→中→左の操作順序を把握し、通常リプBであれば中→左→右や右→左→中の操作順序を把握し、通常リプCであれば中→右→左や右→中→左の操作順序を把握する。
そして、ステップSe1302にて、上記ステップSe1301にて把握した第4再遊技入賞や第5再遊技入賞のみが成立可能となる操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。当該押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、補助表示部65にて上記の第4再遊技入賞や第5再遊技入賞を成立可能とする一方、第2再遊技入賞を成立させることができない押し順報知演出を実行するとともに、上記ステップSe1202の押し順報知コマンドに基づく操作指示演出と同様に、第2再遊技入賞のうち、上記の特定態様にて入賞が成立するように、「白7」図柄を模したキャラクタを表示するとともに「狙え!!」といった操作指示演出を実行するように制御する。但し、上記のように押し順報知演出としては第2再遊技入賞ではなく第4再遊技入賞や第5再遊技入賞に対応する操作順序であることから、第2再遊技入賞は成立せず第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立することになる。なお、以下の説明では、かかる演出を疑似操作指示演出とも称する。
その後、ステップSe1303にて各種フラグ格納エリア106dに疑似操作指示演出フラグをセットしてから、本疑似操作指示演出設定処理を終了する。疑似操作指示演出フラグは、今回のゲームにて疑似演出を実行したことをCPU102が把握するためのフラグである。
抽選結果対応処理(図362)において、ステップSe607又はステップSe609の処理を実行した後は、ステップSe610~ステップSe613にて、ストップスイッチ42~44の押し順報知用の処理を実行する。
すなわち、ステップSe610では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。押し順ベル当選である場合、ステップSe611にて、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされている場合、ステップSe612にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSe613にて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップSe611にてATモードフラグがセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSe415にて実施される入賞結果対応処理について、図374のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSe1401にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSe1402にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSe1403にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップSe1401~ステップSe1403の処理は、上記ステップSe601~ステップSe603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップSe1404以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップSe1402又はステップSe1403にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップSe1404に進む。ステップSe1404では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した後、未だこれらの移行抽選に当選したことの報知が行われていない状況であることを意味する。この場合、ステップSe1405にて、前兆モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップSe1404にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップSe1406にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップSe1407にてCZモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップSe1406にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップSe1408にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップSe1409にてATモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップSe1408にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆モード用処理、CZモード用処理、ATモード用処理について、それぞれ説明する。
<前兆モード用処理>
前兆モード用処理では、図375に示すように、ステップSe1501にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSe1502にて前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となっている場合には、ステップSe1503にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSe1504では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップSe1505に進む。ステップSe1505では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSe1506にてCZモードフラグをセットし、ステップSe1507にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップSe1508にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSe1504にてATモード当選フラグがセットされており、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップSe1509にて、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSe1510にて、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグをセットする処理を実行する。続くステップSe1511では、継続率設定処理を実行する。上記の通り、本実施形態におけるATモードは所定数のゲーム数を1セットとするセット管理型のATモードであり、残りセット数が存在しない状況(ATセットカウンタが0である状況)でセットの継続抽選に非当選となるまでATモードが継続する構成としており、ステップSe1511の継続率設定処理は継続抽選の当選確率(継続率)を設定する処理である。
本実施形態では、図376に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて、複数設けられた継続率(90%、60%、10%)の選択率が異なるように設定されており、ステップSe1511では、当該設定値に基づいて、いずれの継続率を選択するかを抽選により決定する。具体的には、基本的には設定値が高いほど(出玉率が高くなる設定値ほど)高い継続率が選択され易くなるように設定されており、例えば、60%の継続率は設定1では30%の確率で選択されるのに対して、設定6では70%の確率で選択される。但し、90%の継続率は奇数設定の方が偶数設定よりも選択され易くなっており、最も選択され易い設定値は設定5である。そして、90%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに90%フラグをセットし、60%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに60%フラグをセットし、10%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに10%フラグをセットする。これら各継続率を示す情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)は、今回移行するATモードが終了する際にクリアされるフラグである。つまり、一旦、ATモードの継続率が設定された場合には、当該ATモードが終了するまで、その継続率にて各セットの継続抽選が行われる構成としている。
ステップSe1511にて継続率設定処理を実行した後は、ステップSe1512にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行する。上記の通り、ATゲームカウンタは、ATモードの1セットが終了するまでのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。そして、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していれば、再度ATゲームカウンタに所定数である18が入力され、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していなければ、ATモードが終了することになる。
その後、ステップSe1512にて、AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、前兆モード用処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが開始されることに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
<CZモード用処理>
CZモード用処理では、図377のフローチャートに示すように、ステップSe1601にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSe1602では、ステップSe1601の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSe1603にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSe1604にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップSe1603にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
<ATモード用処理>
ATモード用処理では、図378のフローチャートに示すように、ステップSe1701~ステップSe1705にてAT上乗せ用処理の処理結果に基づく回転演出用の処理を実行した後、ステップSe1706~ステップSe1715にてATモード中のゲーム数のカウント等を行う処理を実行する。回転演出用の処理については後に詳細に説明するとして、ここでは、ステップSe1706~ステップSe1715の処理について説明する。
すなわち、ステップSe1706ではATゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSe1707では、ステップSe1706の処理結果に基づいて、ATゲームカウンタが0となったか否かを判定する。ATゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままATモード用処理を終了する。
ATゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSe1708にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされており、継続条件が成立している場合、次のセットに移行させるための処理(ステップSe1709~ステップSe1711)を実行する。これに対して、ステップSe1708にて継続フラグがセットされていない場合には、ATモードを終了させるための処理(ステップSe1712~ステップSe1715)を実行する。
ステップSe1708にて継続条件が成立している場合、ステップSe1709にて継続フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSe1710にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行し、ステップSe1711にてセット更新コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。セット更新コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードのセットの移行が行われたことに対応させて補助表示部65やスピーカ64の演出を更新するための処理を実行する。
一方、ステップSe1708にて継続条件が成立していない場合、ステップSe1712にてATモードフラグをクリアし、ステップSe1713にて継続率の情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)をクリアする処理を実行する。そして、ステップSe1714にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSe1715にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して、有利区間を終了させるためのフラグである。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが終了したことに対応する演出を行うように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図379を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図354)におけるステップSe314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSe1801では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSe1801にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップSe1802に進む。
ステップSe1802では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSe1803にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSe1804にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSe1805では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSe1806にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。
区間表示第1処理において、ステップSe1806にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップSe1807にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSe1801にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップSe1808にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSe1808について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSe1802にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSe1807にて表示開始処理を実行した後、又はステップSe1808の表示継続処理を実行した後は、ステップSe1809にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップSe1809にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップSe1810にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップSe1809にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップSe1811にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSe1810又はステップSe1811の処理を実行した後は、ステップSe1812にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSe1813にて、ステップSe1812の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSe1813では、ステップSe1812の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSe1813の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSe1812の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図380のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSe416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSe1901では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSe1902にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップSe1903では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSe1903のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSe1903のMY更新処理を実行した後は、ステップSe1904にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSe1905にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップSe1906にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSe1907にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSe1908では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSe1909にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSe1909の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSe1906にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSe1910に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップSe1907に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図381のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSe2001にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSe2002にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSe2001にて否定判定した場合、又はステップSe2002の処理を実行した後は、ステップSe2003にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSe206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップSe2004にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSe2003にて否定判定した場合、又はステップSe2004の処理を実行した後は、ステップSe2005にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSe311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図362)等にてセットされる前兆コマンド、継続コマンド、セット上乗せコマンド、ループ率コマンド及び押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップSe2006にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップSe2005にて否定判定した場合、又はステップSe2006の処理を実行した後は、ステップSe2007にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図357)のステップSe406にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップSe2008にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSe2007にて否定判定した場合、又はステップSe2008の処理を実行した後は、ステップSe2009にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図357)のステップSe419にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図359)や入賞結果対応処理(図374)等にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップSe2010にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップSe2009にて否定判定した場合、又はステップSe2010の処理を実行した後は、ステップSe2011にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSe2011では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSe2011では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップSe2006の開始時演出設定処理について、図382のフローチャートに基づき説明する。
ステップSe2101では、回転演出用処理を実行する。回転演出用処理は、各リール32L,32M,32Rを用いた回転演出用の処理であり、かかる回転演出用処理については後に詳細に説明する。
続くステップSe2102では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選(押し順ベル当選)であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップSe2103にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSe2104にて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップSe2102にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選ではないと判定した場合、ステップSe2105にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。既に説明した通り、特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカを特定役として設定している。図364(a)に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモード移行抽選ではATモード移行当選となる確率が他の抽選結果よりも高くなるように設定されている。また、ATモードの上乗せ抽選ではこれら特定役当選である場合には当該上乗せ抽選に当選し得る一方、通常リプA等の通常役当選である場合には上乗せ抽選に当選し得ない構成としている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップSe2106にて、特定役報知演出を設定する処理を実行する。特定役報知演出の設定処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
ステップSe2105にて否定判定した場合、ステップSe2107にて今回のゲームの抽選結果が通常リプA~通常リプCのいずれかの当選であるか否かを判定する。通常リプA~通常リプC当選である場合、ステップSe2108にて押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSe2109にて受信している押し順報知コマンドが、第2再遊技入賞用の押し順報知コマンドであるか否かを判定する。通常リプA~通常リプCに当選しており、且つ第2再遊技入賞用の押し順報知コマンドを受信している場合とは、ループ対象結果を契機として上乗せ当選となり、更にループ抽選を実行することの決定がなされた場合であり、この場合、ステップSe2110にて、第2再遊技入賞を可能とする押し順報知演出とともに、中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止する特定態様にて第2再遊技入賞が成立するように指示する操作指示演出を設定する処理を実行する。一方、ステップSe2109にて第2再遊技入賞用の押し順報知コマンドではなく第4再遊技入賞や第5再遊技入賞用の押し順報知コマンドであると判定した場合には、ステップSe2111にて、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞を可能とする押し順報知演出とともに、中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止する特定態様にて第2再遊技入賞が成立するように指示する疑似操作指示演出を設定する処理を実行する。
ステップSe2103、ステップSe2107若しくはステップSe2108にて否定判定した場合、又はステップSe2104、ステップSe2106、ステップSe2110若しくはステップSe2111の処理を実行した後は、ステップSe2112に進む。ステップSe2112では、今回の開始時コマンドとして、前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信しており、ATモード移行抽選又はCZモード移行抽選に当選し、前兆モードに設定される場合、ステップSe2113にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側前兆カウンタに前兆ゲーム数に対応する値を入力する処理を実行する。サブ側前兆カウンタは、主制御装置101における前兆カウンタに相当するものであり、前兆モードの残りゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタであり、当該サブ側前兆カウンタが0よりも大きい状況が前兆モードとなる。
ステップSe2112にて否定判定した場合、又はステップSe2113の処理を実行した後は、ステップSe2114にて上記のサブ側前兆カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。サブ側前兆カウンタが0よりも大きく、前兆モード中である場合、ステップSe2115にてサブ側前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSe2116にてサブ側前兆カウンタの値に応じた前兆モード用の演出を設定する処理を実行する。例えば、サブ側前兆カウンタの値が小さいほど、いずれかの移行抽選に当選していることを強く示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにしたりするとよい。
ステップSe2114にて否定判定した場合、又はステップSe2116の処理を実行した後は、ステップSe2117にてAT演出設定処理を実行し、ステップSe2118にてその他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップSe2118では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことの報知を行うための処理等を実行する。AT演出設定処理については、後に詳細に説明する。
<全停止時演出設定処理>
次に、演出設定処理(図381)におけるステップSe2010の全停止時演出設定処理について、図383のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップSe2201では、CZ開始コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ開始コマンドを受信している場合、ステップSe2202にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側CZフラグをセットする処理を実行し、ステップSe2203にてCZ開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ開始演出は、例えば、図384(a)に示すように、CZモードが開始されること、及びCZモードの残りゲーム数(10)を補助表示部65にて表示する。
ステップSe2201にて否定判定した場合、ステップSe2204にて、CZ終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合、ステップSe2205にて上記のサブ側CZフラグをクリアする処理を実行し、ステップSe2206にてCZ終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ終了演出は、例えば、図384(b)に示すように、CZモードの残りゲーム数が0となり、CZモードが終了したことを報知する演出が設定されている。なお、CPU181は、上記のサブ側CZフラグがセットされている各ゲームでは、CZモード用の演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する。CZモード用の演出は、CZモード中であることを遊技者が識別可能となるように、例えば、背景色や登場するキャラクタ等が通常モードのそれと異ならせている。また、CZモード用の演出を行うにあたり、CPU181は、CZモードの残りゲーム数の表示もゲームの進行に応じてその表示を更新(減算)するように制御する。
ステップSe2204にて否定判定した場合、ステップSe2207にてAT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。AT開始コマンドを受信している場合、ステップSe2208にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側ATフラグをセットする処理を実行し、続くステップSe2209にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側ATカウンタに18を入力する処理を実行する。サブ側ATカウンタは、主制御装置101側のATゲームカウンタに相当するものである。ステップSe2209の処理を実行した後は、ステップSe2210にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側セットカウンタを1加算する処理を実行する。サブ側セットカウンタは、ATモードのセット数をCPU181が把握するためのカウンタである。
続くステップSe2211では、AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT開始演出は、例えば、図385(a)に示すように、ATモードが開始される旨の表示(「AT スタート」といった文字表示)が行われる演出が設定されている。なお、AT開始演出において、開始するATモードの継続率を示唆するように、例えば、背景や効果音が継続率に応じて異なるように設定してもよい。
ステップSe2207にて否定判定した場合、ステップSe2212にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップSe2213にてサブ側ATフラグをクリアする処理を実行し、ステップSe2214にてAT終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT終了演出は、例えば、図385(b)に示すように、ATモードが終了する旨の表示(「またね」といった文字表示)とともに、今回のATモードの継続セット数や獲得メダル数の報知を行う演出が設定されている。
ステップSe2212にて否定判定した場合、ステップSe2215にてセット更新コマンドを受信しているか否かを判定する。セット更新コマンドを受信しており、ATモードの1セットが終了し、次のセットに移行する場合、ステップSe2216にて各種フラグ格納エリア183aにセットされているサブ側継続フラグをクリアする処理を実行する。サブ側継続フラグは、主制御装置101側の継続フラグに相当するものである。続くステップSe2217では、各種フラグ格納エリア183aに発生済みフラグがセットされているか否かを確認し、セットされている場合には、当該発生済みフラグをクリアする処理を実行する。発生済みフラグは、今回終了するセットにおいて、予め定められた特定演出が発生したことをCPU181が把握するためのフラグである。特定演出については後に詳細に説明するが、ステップSe2217では、セットの更新に際して、更新前のセットで特定演出が発生したことの情報を消去する処理を行う。
ステップSe2217の処理を実行した後は、ステップSe2218にてサブ側ATカウンタに18を入力する処理を実行し、ステップSe2219にてサブ側セットカウンタを1加算する処理を実行する。
ステップSe2203、ステップSe2206、ステップSe2211、ステップSe2214若しくはステップSe2219の処理を実行した後、又はステップSe2215にて否定判定した後は、ステップSe2220にて回転演出準備処理を実行し、ステップSe2221にてその他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップSe2221では、BBの開始や終了に際して出力される各種コマンド対応する演出を行うための処理を行ったり、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。回転演出準備処理については、後に詳細に説明する。
<AT演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理(図382)におけるステップSe2117にて実行されるAT演出設定処理について、図386のフローチャートを参照しながら説明する。AT演出設定処理は、ATモード中の演出を行うための処理である。そこで、AT演出設定処理の説明に先立って、ATモード中の演出の概要を図388~図392を参照しながら説明する。
<AT演出の概要>
既に説明した通り、本実施形態におけるATモードは、所定数としての18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードであり、1セットのゲームを消化した際に継続条件が成立していれば次のセットに移行する一方、継続条件が成立していなければ当該セットにてATモードが終了する。本実施形態では、1セット中の演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとが対決し、継続条件が成立していれば当該味方キャラクタが勝利し、継続条件が成立していなければ味方キャラクタが敗北して敵キャラクタが勝利する。本実施形態では、1セットのゲームの内、前半の10ゲームと、後半の8ゲームとで行われる演出が異なっており、上記の味方キャラクタと敵キャラクタとが対決するバトル演出は後半8ゲームである後半パートにて行われ、前半10ゲームである前半パートでは当該バトル演出を行う味方キャラクタと敵キャラクタとが対峙する対峙演出が設定されている。
前半パートの対峙演出としては、図388に示すように、1ゲーム目では、対決する味方キャラクタと敵キャラクタとが補助表示部65にて表示されるVS表示演出(図391(a1))が設定されている。対峙演出の2ゲーム目~4ゲーム目では、味方キャラクタが背後にオーラを纏いながら気合を入れている様子が補助表示部65にて表示される味方キャラクタアップ演出(図391(b1))が設定されている。対峙演出の5ゲーム目~7ゲーム目では、月夜に照らされる敵キャラクタが補助表示部65にて表示される敵キャラクタアップ演出(図391(c1))が設定されている。対峙演出の8ゲーム目~10ゲーム目では、味方キャラクタと敵キャラクタとが火花を散らしながらにらみ合っている様子が補助表示部65にて表示されるにらみ合い演出(図391(d1))が設定されている。
後半パートのバトル演出としては、図389に示すように、11ゲーム目~16ゲーム目にて、味方キャラクタが攻撃する味方攻撃演出(図392(a))、及び敵キャラクタが攻撃する敵攻撃演出(図392(b))のいずれかの攻撃演出が合計3回繰り返され、17ゲーム目にて双方が攻撃し合う双方攻撃演出が行われる。そして、継続条件が成立している場合には、セットの最終ゲームである18ゲーム目にて味方キャラクタが勝利する味方勝利演出(図392(c))が行われて次のセットに移行し、継続条件が成立していない場合には、当該18ゲーム目にて味方キャラクタが敗北する味方敗北演出(図392(d))が行われてATモードが終了する。
このように、本実施形態では、対峙演出を経てからバトル演出が行われ、そのバトル演出にて継続条件の成否が報知される、といった1セットの演出が設定されており、当該バトル演出の内容や結果への注目度が好適に高められている。
既に説明した通り、本実施形態におけるセット管理型のATモードでは、1セットの開始に際して継続抽選が行われて継続条件の成否が決定されるほか、仮に当該継続抽選に非当選であってもセットの途中で、主に特定役当選に基づく上乗せ抽選に当選した場合には、継続条件が成立し、次セットへ移行する構成としている。
ここで、上記のように特定役当選に基づいて継続条件が成立し得る構成とすることで、各ゲームの抽選結果への注目度が好適に高められるものの、特定役の当選確率やセットのゲーム数によっては、上記のような上乗せ抽選に当選することで継続条件が成立する事象が発生しにくくなり、遊技者としてはそのような事象へ期待を寄せなくなる可能性がある。そうすると、せっかく上乗せ抽選を用いてゲームの抽選結果に対する注目度を向上させようとしても、その効果を期待できない可能性も生じ得る。
特に、ATモードにおける1ゲーム当たりのメダル増加数(純増枚数)を多くすることで、ATモードの遊技性や遊技進行の好適化を図ろうとする場合、ATモードの1セット当たりのゲーム数は少なくなり易く、上記のように特定役を契機として継続条件が成立する事象は生じにくくなる。しかも、有利区間に上限ゲーム数が定められていることから、ATモード以外の通常モードやCZモードのゲーム数を多くしたり、ATモードにて上限増加数(2400枚)のメダル増加を期待できるようにしたりすると、おのずとATモードのゲーム数を少なくして上記の純増枚数を多くする構成となり易く、特定役を契機として継続条件が成立する事象は生じにくくなる。
そこで、本実施形態では、セットの継続抽選に当選している場合、その継続抽選に当選していることの報知(上記の味方勝利演出)よりも前のゲームにて、当該ゲームの抽選結果が特定役ではなくても、あたかも上乗せ抽選に当選したかのように報知する構成としている。
そして、上記のように継続抽選の結果を各ゲームの抽選結果に基づいて報知する構成とすることで、各セットの更新時の継続抽選にて継続条件の成否が決定しているのではなく、各ゲームの抽選結果に基づいて各セットの継続条件の成否が決定している印象を与えることが可能となる。
以下、上記のようなATモード中の各セットの演出を行うための処理構成について説明する。
図386に示すように、AT演出設定処理では、ステップSe2301にてサブ側ATカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSe2302にて、今回の開始時コマンドとして継続コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、継続コマンドは、1セットの開始に際して(セットの1ゲーム目の開始時に)継続抽選に当選している場合に出力される(図366)他、当該継続抽選に非当選であったセットにおいて上乗せ抽選に当選した場合に出力される(図367)コマンドである。
ステップSe2302にて継続コマンドを受信している場合、ステップSe2303にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。かかる処理によって、CPU181は今回のセットの継続条件が成立していることを把握可能となる。
ステップSe2302にて否定判定した場合、又はステップSe2303の処理を実行した後は、ステップSe2304に進む。ステップSe2304では、サブ側ATカウンタが7よりも大きいか否かを判定することで、セットの1ゲーム目~10ゲーム目であるか否かを判定する。セットの1ゲーム目~10ゲーム目である場合には、ステップSe2305~ステップSe2308にて前半パートである対峙演出を行うための処理を実行し、11ゲーム目~18ゲーム目である場合には、ステップSe2309~ステップSe2313にて後半パートであるバトル演出を行うための処理を実行する。
対峙演出を行うための処理としては、ステップSe2305にて各種テーブル記憶エリア182aから対峙演出テーブルを取得する処理を実行する。対峙演出テーブルは、図388に示すように、サブ側ATカウンタの値とに応じて、各ゲームにて実行すべき対峙演出の詳細な演出内容(VS表示演出、味方キャラクタアップ演出、敵キャラクタアップ演出、にらみ合い演出)が記憶されている。
ここで、対峙演出としては、通常演出と特定演出とが設定されており、今回のセットの継続条件が成立している場合には、特定演出としての対峙演出が発生し得る構成としている。特定演出は、補助表示部65における一部の演出内容が通常演出と異なる演出として設定されている。
例えば、VS表示演出においては、通常演出では味方キャラクタと敵キャラクタとの間に表示される「VS」との文字が白文字で表示されるのに対して、特定演出では当該「VS」との文字が赤文字で表示されるように設定されている。味方キャラクタアップ演出においては、通常演出では味方キャラクタの纏うオーラが白色であるのに対して、特定演出では当該オーラが虹色にて表示されるように設定されている。敵キャラクタアップ演出においては、通常演出では三日月が表示されるのに対して、特定演出では満月が表示されるように設定されている。にらみ合い演出においては、特定演出では女の子のキャラクタが味方キャラクタを応援する様子が表示されるのに対して、通常演出では当該女の子のキャラクタは登場しないように設定されている。
ステップSe2305にて対峙演出テーブルを取得した後は、ステップSe2306にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSe2307にて特定演出設定処理を実行する。特定演出設定処理は、上記のとおり通常演出と特定演出とが設定されている対峙演出において、特定演出を実行するか否かを設定するための処理である。
<特定演出設定処理>
特定演出設定処理では、図387のフローチャートに示すように、ステップSe2401にて各種フラグ格納エリア183aに発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。発生済みフラグは、今回のセットにおいて特定演出を既に発生させたことをCPU181が把握するためのフラグであり、特定演出を発生させた場合にセットされるフラグである。発生済みフラグがセットされている場合には、そのまま特定演出設定処理を終了する。すなわち、本実施形態においては、特定演出は、1セットのうち1回だけ発生し得るものとして設定されている。
発生済みフラグがセットされていない場合、ステップSe2402にて今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行し、ステップSe2403にて、今回のATモードの継続率を把握する処理を実行する。そして、ステップSe2404にて各種テーブル記憶エリア182aから特定演出テーブルを取得する処理を実行し、ステップSe2405にて特定演出抽選処理を実行する。
特定演出テーブルは、図390に示すように、各ゲームの抽選結果とATモードの継続率とに応じて、特定演出の発生率が設定されている。例えば、継続率10%のATモードにおいて、チャンス目Aであるゲームでは3.1%の確率で特定演出が発生するのに対して、チャンス目Bであるゲームでは20.0%の確率で特定演出が発生し、ゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど特定演出が発生し易くなるように設定されている。しかも、本実施形態では、これらチャンス目Aやチャンス目Bのような所謂レア役としての特定役だけではなく、通常役である通常リプAや通常リプB、通常リプC、押し順ベルであっても特定演出が発生し得るように設定されている。また、いずれの結果にも当選しない外れ結果であっても特定演出が発生し得るように設定されている。
この場合、例えば、各ゲームの抽選結果として押し順ベルには約65%の確率で当選し、継続率10%のATモードでは、当該押し順ベルを契機として約3.8%の確率で特定演出が発生することから、各ゲームで押し順ベルを契機として特定演出が発生する確率は約2.5%である。これに対して、例えば、出現すれば必ず特定演出が発生するチェリーCにおいては、各ゲームの抽選結果として約0.008%の確率で当選することから、各ゲームでチェリーCを契機として特定演出が発生する確率も約0.008%であり、押し順ベルを契機とする発生率よりも低い。
このように本実施形態では、通常リプA~通常リプC、押し順ベルに外れ結果を含めた通常役を契機として特定演出が発生する確率の方が、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、共通ベル及びスイカといった特定役を契機として特定演出が発生する確率よりも高くなるように設定されている。そして、継続率10%のATモードにおいては、通常役を契機として約5.5%(約18.2分の1)の確率で特定演出が発生するのに対して、特定役を契機として約0.8%(約122分の1)の確率で特定演出が発生し、継続率90%のATモードにおいては、通常役を契機として約13.3%(約7.52分の1)の確率で特定演出が発生するのに対して、特定役を契機として約1.0%(約105分の1)の確率で特定演出が発生する。
つまり、特定役を契機として実行される特定演出抽選の当選確率の方が、通常役を契機とする特定演出抽選の当選確率よりも高く設定されているものの、通常役は各ゲームで約96.4%の確率(約1.04分の1)の確率で出現(当選)し、特定役は各ゲームで約3.56%の確率(約28.1分の1)の確率で出現(当選)するように設定されていることから、通常役を契機とする特定演出の発生確率の方が、特定役を契機とする特定演出の発生確率よりも高くなり、ゲームの抽選結果が通常役であっても特定演出の発生に期待できるように設定されている。
特定演出が発生し得る対峙演出の継続ゲーム数(10)との関係では、継続率10%のATモードにおいては、通常役を契機とする特定演出の発生確率の分母(約18.2)は対峙演出の継続ゲーム数よりも大きいものの、継続率90%のATモードにおいては、通常役を契機とする特定役の発生確率の分母(約7.52)は対峙演出の継続ゲーム数よりも小さくなるように設定されている。これに対して、継続率10%のATモードにおいて、特定役を契機とする特定演出の発生確率の分母(約122)は対峙演出の継続ゲーム数よりも大きく、継続率90%のATモードにおいても、特定役を契機とする特定演出の発生確率の分母(約105)は対峙演出の継続ゲーム数よりも大きくなるように設定されている。そのため、継続条件が成立している状況下においては、継続率が90%のATモードであれば(60%であっても、10%ではなければ)、通常役を契機とする特定演出が、平均して少なくとも1回は発生し得るような確率となり、これに対して、特定役を契機とする特定演出はATモードの継続率に関わらず、1回も発生しない場合の方が高くなる。
このようにすることで、特定役を契機とした上乗せ当選を願いながらも、通常役であっても上乗せ当選に期待させることが可能となり、少ないゲーム数のATモードであっても、各ゲームで上乗せ当選に期待させる遊技性を実現できる。
しかも、本実施形態では、ATモードの継続率によって特定演出の発生確率が異なっており、基本的には、ゲームの抽選結果が同じであっても、継続率が高いほど特定演出が発生し易くなるように設定されている。例えば、押し順ベルを契機とする特定演出は、継続率10%のATモードでは約3.8%の確率で発生するのに対して、継続率90%のATモードでは約12.5%の確率で発生するように設定されており、また、外れ結果を契機とする特定演出は、継続率10%のATモードでは約13.8%の確率で発生するのに対して、継続率90%のATモードでは約23.5%の確率で発生するように設定されている。そのため、1ゲーム当たりの特定演出の発生率は、継続率10%であれば約6.3%であるのに対して、継続率90%であれば約14.2%であり、高い継続率のATモードほど、早期に特定演出が発生し易くなっている。そして、10ゲーム間の対峙演出において、特定演出が発生する確率は、継続率10%のATモードであれば約48.0%であり、継続率90%のATモードであれば約78.5%であり、特定演出の発生確率を通じて、ATモードの継続率を予測させることが可能である。
ステップSe2405にて特定演出抽選処理を実行した後は、ステップSe2406にて当該抽選処理にて当選となったか否かを判定し、非当選と判定した場合には、そのまま特定演出設定処理を終了する。この場合、今回の対峙演出では通常演出が実行されることになる(後述のステップSe2308)。ステップSe2406にて特定演出抽選に当選したと判定した場合、ステップSe2407にてサブ側ATカウンタの値に応じた特定演出を把握する処理を実行する。具体的には、例えば、サブ側ATカウンタが1であれば、今回の特定演出として「VS」の文字表示を赤文字にて表示する特定演出を把握し、サブ側ATカウンタが2~4であれば、今回の特定演出として味方キャラクタの纏うオーラの色を虹色にて表示する特定演出を把握する。そして、ステップSe2408にて発生済みフラグをセットする処理を実行してから、特定演出設定処理を終了する。
AT演出設定処理において、ステップSe2306にて否定判定した場合、又はステップSe2307にて特定演出設定処理を実行した後は、ステップSe2308にて今回のゲームにて補助表示部65やスピーカ64にて行う対峙演出を設定する処理を実行してから、AT演出設定処理を終了する。この場合、上記ステップSe2407にて特定演出が把握されている場合には、当該特定演出が発生する対峙演出が行われるように設定し、ステップSe2407の処理が行われていなければ(ステップSe2306又はステップSe2406にて否定判定した場合には)、通常演出が発生する対峙演出が行われるように設定する。
このようにすることで、継続条件が成立しており、主制御装置101側に継続フラグがセットされている状況においては、ATモードの各セットの前半パートの対峙演出にて特定演出が発生し得るようになる。そして、その特定演出の発生は、通常役を契機とする割合の方が特定役を契機とする割合よりも大きくなり、更に、継続率の高いATモードほど、早期に特定演出が発生し易いことから、遊技者としては、セットの前半パートにおいて特定演出が発生することを願いながら遊技を進行するようになり、当該前半パートの遊技性を格段に向上させることが可能となる。
AT演出設定処理においてステップSe2304にてサブ側ATカウンタが7以下であり、後半パートである場合、バトル演出を行うための処理を実行する。すなわち、ステップSe2309では、サブ側ATカウンタが7であり、1セットの11ゲーム目であってバトル演出の1ゲーム目であるか否かを判定する。サブ側ATカウンタが7である場合、ステップSe2310にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSe2311にて各種テーブル記憶エリア182aから継続用バトル演出テーブルを取得し、当該取得した演出テーブルから今回のセットにて行うバトル演出を抽選等により選択する処理を実行する。
継続用バトル演出テーブルは、図389に示すように、セットの最終ゲームにて味方勝利演出が発生して継続条件が成立していることの報知が行われるものであって、セットの11ゲーム目~16ゲーム目に味方攻撃演出及び敵攻撃演出の組み合わせが異なる複数の演出テーブル(PA1~PA8)が設定されている。いずれの演出テーブルが選択されるかについては、ATモードの継続率によって異なっており、例えば、味方攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PA1)については、10%継続のATモードが最も選択され易く、90%継続のATモードが最も選択されにくくなるように設定されており、また、敵攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PA5)は、90%継続のATモードが最も選択され易く、10%継続のATモードが最も選択されにくくなるように設定されている。そして、例えば、味方攻撃演出→敵攻撃演出→敵攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PA7)は、10%継続のATモード及び90%継続のATモードでは選択され得る一方、60%継続のATモードでは選択されず、敵攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PA8)は、10%継続のATモード及び60%継続のATモードでは選択されない一方、90%継続のATモードでは選択され得る、といったように、選択される演出テーブル(各攻撃演出の組み合わせと順序)によってATモードの継続率を予測又は把握することが可能となっている。ステップSe2311では、これら継続用バトル演出テーブルから一の演出テーブルを選択し、当該選択した演出テーブルのアドレス情報を、アドレス情報記憶エリア183cに記憶する処理を実行する。
ステップSe2310にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSe2312にて各種テーブル記憶エリア182aから非継続用バトル演出テーブルを取得し、当該取得した演出テーブルから今回のセットにて行うバトル演出を抽選等により選択する処理を実行する。
非継続用バトル演出テーブルは、図389に示すように、セットの最終ゲームにて味方敗北演出が発生して継続条件が成立していないことの報知が行われるものであって、セットの11ゲーム目~16ゲーム目に味方攻撃演出及び敵攻撃演出の組み合わせが異なる複数の演出テーブル(PB1~PB8)が設定されている。いずれの演出テーブルが選択されるかについては、ATモードの継続率によって異なっており、例えば、敵攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PB1)については、60%継続のATモードや90%継続のATモードの方が、10%継続のATモードよりも選択され易くなるように設定されており、また、敵攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PB4)は、10%継続のATモードの方が、60%継続のATモードや90%継続のATモードよりも選択され易くなるように設定されている。そして、例えば、味方攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PB6)は、90%継続のATモードでは選択され得る一方、10%継続のATモードや60%継続のATモードでは選択されず、敵攻撃演出→味方攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PB7)は、60%継続のATモードでは選択され得る一方、10%継続のATモードや90%継続のATモードでは選択されず、味方攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PB8)は、10%継続のATモードでは選択され得る一方、60%継続のATモードや90%継続のATモードでは選択されない、といったように、選択される演出テーブル(各攻撃演出の組み合わせと順序)によってATモードの継続率を予測又は把握することが可能となっている。ステップSe2312では、これら非継続用バトル演出テーブルから一の演出テーブルを選択し、当該選択した演出テーブルのアドレス情報を、アドレス情報記憶エリア183cに記憶する処理を実行する。
継続用バトル演出テーブルと非継続用バトル演出テーブルとを比較すると、例えば、味方攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PA3,PB6)において味方勝利演出でバトル演出が終了した場合には90%継続のATモードであることが示唆される一方、味方敗北演出でバトル演出が終了した場合には90%継続のATモードであったことが確定し、また、味方攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PA1,PB8)において味方勝利演出でバトル演出が発生した場合には10%継続のATモードが示唆される一方、味方敗北演出でバトル演出が終了した場合には10%継続のATモードであったことが確定する、といったように各攻撃演出の組み合わせや順番だけでなく、その後の味方勝利演出及び味方敗北演出の組み合わせによっても継続率を予測・把握することが可能となっている。
セット11ゲーム目において、ステップSe2311やステップSe2312の処理にて今回のバトル演出の演出テーブルの選択が行われ、選択した演出テーブルのアドレス情報の記憶処理を行った後は、ステップSe2313にて、今回のゲームのバトル演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。
これに対して、ステップSe2309にてサブ側ATカウンタが7ではなく、セットの12ゲーム目以降である場合、ステップSe2314に進む。ステップSe2314では、サブ側継続フラグがセットされており、且つ設定されているバトル演出のアドレス情報が味方敗北演出に対応するアドレス場情報(PB1~PB8)であるか否かを判定する。ステップSe2314にて肯定判定する場合とは、11ゲーム目でバトル演出の設定を行うまでは継続条件が成立していなかったものの、それ以降で継続条件が成立したことを意味する。この場合、ステップSe2315にて継続用バトル演出テーブルから今回のセットにて行うバトル演出を再選択し、その再選択した演出テーブルのアドレス情報をアドレス情報記憶エリア183cに記憶させる(上書きする)処理を実行する。
この場合、これまでのゲームにて実行されていた味方攻撃演出や敵攻撃演出にかかわらず、ATモードの継続率に応じて継続用バトル演出テーブルから上書き用のバトル演出テーブルを選択する。このようにすることで、途中で継続条件が成立した場合には、バトル演出における味方攻撃演出と敵攻撃演出との組み合わせと継続率との関係が、最初から継続条件が成立している場合と異なるようになり、演出の多様化が図られるし、継続率を予測する遊技の困難性を向上させて遊技の興趣向上を図ることが可能となる。なお、本実施形態では、味方攻撃演出や敵攻撃演出は2ゲームをセットとして演出が設定されているため、例えば、味方攻撃演出(敵攻撃演出)の2ゲーム目で上記の継続条件が成立して、上書き用のバトル演出テーブルにおいては今回のゲーム(2ゲーム目)では上書き前の攻撃演出と異なる敵攻撃演出(味方攻撃演出)を行うように設定されている場合、今回のゲームでは上書き前の演出テーブルに従って演出を行うようにしてもよいし、今回のゲームでは上書き後の演出テーブルに従って演出を行うようにしたうえで、味方(敵)が攻撃を仕掛けたのにも関わらず敵攻撃演出(味方攻撃演出)に切り替わるカウンター演出を行うように設定してもよい。
ステップSe2314にて否定判定した場合、又はステップSe2315の処理を実行した後は、ステップSe2313に進み、サブ側ATカウンタの値に応じて今回のゲームのバトル演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。
上記の通り、継続率が高いATモードほど特定演出は発生し易くなることから、10%継続のATモードにて特定演出が発生するゲームは、90%継続のATモードにて特定演出が発生するゲームよりも後のゲームとなり易い。このようにすることで、特定演出が発生するまでのゲーム数から、ATモードの継続率を予測する遊技が追加され、ATモードの楽しみ方の多様化を通じて遊技の興趣を向上させることが可能となる。
ここで、上記のように、ATモードの各セットにおいては、遊技者としてはより早期に特定演出が発生することを期待して遊技を進行するものと考えられるところ、このような遊技性においては、特定演出が発生するか否かを楽しむドキドキ感を長く楽しめるほど、当該遊技性の遊技を存分に楽しませることが可能と考えられる。その点、当該特定演出が発生するか否かを楽しむことができる1セット当たりの期間の長さは、10%継続のATモードの方が90%継続のATモードよりも長くなる。このようにすることで、継続率の低いATモードであっても、上記の特定演出が発生するか否かをより長く楽しませることが可能となり、遊技の興趣を好適に向上させることができる。
<回転演出について>
上記のようにATモード中の上乗せは主に特定役を契機として発生するものの、通常役である通常リプA~通常リプCである場合でも一部発生し得る。本実施形態では、当該通常リプA~通常リプCを契機としてATモードの上乗せが発生した場合には、各リール32L,32M,32Rを用いた演出としての回転演出が発生する。そこでまず、各リール32L,32M,32Rを駆動制御させるための基本的な構成について説明する。
上記のように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが回転駆動する。ステッピングモータは、500パルスの励磁パルスを与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。ステッピングモータは、磁石が取り付けられたロータ(回転子)と、ロータの周囲に配置され、励磁コイルが巻き付けられた複数のポールとを備え、励磁信号を印加する励磁コイル(ポール)を随時切り替えることでロータが回転するように構成されている。
<ステッピングモータ制御処理>
ステッピングモータの制御は、タイマ割込み処理(図352)におけるステップSe106のステッピングモータ制御処理にて実行される。そこで当該ステッピングモータ制御処理について、図393のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe2501では、ステッピングモータの制御に関わる初期化処理を実行する。続くステップSe2502では、モータ制御処理としてステッピングモータに対する回転制御のための励磁信号のデータの生成処理を実行する。ここで生成された励磁データは一時的にRAM106に保存される。モータ制御処理では励磁データの生成処理の他に、図柄のオフセット処理や、図柄番号の更新処理等を実行する。モータ制御処理については、後に詳細に説明する。
回転制御のための励磁データの生成処理(RAM106からの励磁データの取得処理)等はそれぞれのリール32L,32M,32Rに対して順次実行される。1つのリール、例えば左リール32Lに対する励磁データの生成処理等はRAM106の作業用エリアに設けられた左リール32L用の回転制御データを使用して行われ、その生成処理等が終了すると、次のリール例えば中リール32Mに対しての励磁データ生成処理などに遷移する。そこで、ステップSe2503では次の作業用エリアへの遷移処理(アドレス変更処理)を行い、続くステップSe2504では全てのリールに対する励磁データの生成処理等が終了したか否かを確認する。全てのリールに対する励磁データの生成処理等が終了していない場合には、ステップSe2502に戻り、残りのリールに対する励磁データの生成処理等を実行する。
3つのリール32L,32M,32Rの全てに対する回転制御処理、つまり励磁データ生成処理等が終了した場合には、ステップSe2505に進み、RAM106に保存されているデータのうち各リール32L,32M,32Rに対する励磁データを入出力ポート104に出力する処理を実行してからステッピングモータ制御処理を終了する。ステップSe2505にて励磁データを入出力ポート104に出力することで、ステッピングモータには励磁データが供給され、ステッピングモータは即座に励磁データによって指定された励磁コイルへの通電処理を行い、ロータに対する励磁処理がなされることとなる。
<モータ制御処理>
モータ制御処理について、図394のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe2601では、各種カウンタエリア106eに設けられたステップカウンタが0であるか否かを判定する。ステップカウンタは、ステッピングモータへの励磁データの更新タイミングをCPU102が把握するためのカウンタである。ステップカウンタが0ではない場合、未だ更新タイミングではないため、ステップSe2602にてステップカウンタを1減算する処理を実行してから、本モータ制御処理を終了する。
ステップカウンタが0である場合、ステップSe2603に進み、各種カウンタエリア106eに設けられた加速カウンタが「0」であるか否かを判定する。加速カウンタは、励磁データの更新順序(加速順序)を規定するためのものであり、各種テーブル記憶エリア105aの回転テーブルに設定されている。例えば、通常回転時に用いられる通常回転テーブル(図396)では、1から25の加速順序に対して加速カウンタが「24」から「0」が対応付けられており、各加速順序で出力する励磁データを維持する期間(加速期間)がそれぞれ定められている。なお、スタートレバー41が操作されると、後述するリール制御処理(図357)におけるステップSe402の回転開始処理にて、加速カウンタの値が「25」と設定される。そのため、ステップSe2603にて加速カウンタが「0」である場合とは、スタートレバー41の操作に基づき加速カウンタの設定がなされていないことを意味する。この場合、ステップSe2603にて肯定判定して、ステップSe2604にて出力励磁データを「0」と設定して本処理を終了する。ステップSe2604の処理は、ステッピングモータの駆動制御を行わないことを意味する。つまり、スタートレバー41が操作されるまでの間、ステッピングモータは停止状態を維持する。
ステップSe2603にて加速カウンタが「0」ではない場合、ステップSe2605にて加速カウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSe2606では、加速カウンタが「0」となったか否かを判定し、「0」となった場合には、ステップSe2607にて加速カウンタを1加算する処理を実行する。ステップSe2606にて否定判定した場合やステップSe2607の処理を実行した後は、ステップSe2608にてステップカウンタの設定処理を実行し、ステップSe2609にて励磁順ポインタの更新処理を実行し、ステップSe2610にて更新処理された励磁順ポインタの値に対応した励磁データを取得し、その励磁データを今回の処理のリール用の出力励磁データとしてRAM106に保存する。保存された励磁データは他のリール用のステッピングモータに対する励磁データを取得した後、図393に示すように入出力ポート104へ出力される。
ステップSe2608~ステップSe2610の処理は加速カウンタに応じた加速期間や励磁データを設定する処理である。例えば、ステップSe2608において、図396の通常回転テーブルにおいて加速カウンタが「10」である場合、ステップカウンタに「3」が設定され、3回のタイマ割込み処理の期間に亘って励磁データを維持するように設定する。そして、ステップSe2606にて図396の通常回転テーブルにおいて加速順序の25に至った場合(加速カウンタが「0」となった場合)には、ステップSe2607にて加速カウンタが「1」となり、ステップSe2605~ステップSe2607にて加速カウンタが「1」の状態が維持されることとなる。そうすると、加速順序25での駆動制御が維持されることとなり、かかる状態となることで、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速回転となる。
続くステップSe2611では各種カウンタエリア106eに設けられた図柄オフセットの値を更新する。図柄オフセットは、1つの図柄をリールの回転方向に25等分した値であり、「0」~「24」のいずれか値となる。上記のように、各リール32L,32M,32Rには20個の図柄が等間隔に描かれており、一の図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス/1周÷20図柄)の励磁パルスの出力を要するように設定されている。つまり、図柄オフセットは一の図柄を次の図柄へ切り替えるためのパルス数に相当するものであり、加速カウンタの更新のたびに1ずつ加算され、通常回転テーブルにおける定速回転においては1回のタイマ割込み処理で1ずつ加算される。また、初期加速時においては、加速順序が1から25に至るまでに25回の励磁パルスの出力が行われることからして、1図柄分の回転制御で定速回転に至ることになる。
続くステップSe2612では、リールが1回転したことを検出したか否かを判定する。ステップSe2612の処理は、各リール32L,32M,32Rに設置されているリールインデックスセンサがリールユニット31に設けられたセンサカットバンを通過したか否かを判定することにより1回転したことを検出可能である。1回転したことを検出した場合、各種カウンタエリア106eに設けられた図柄番号の値を「0」とするとともに図柄オフセットを「0」に更新する処理を実行する。図柄番号は図柄の番号を連番で示すものであり、各リール32L,32M,32Rに20個の図柄が用意されているので、図柄番号は「0」~「19」の値をとる(図6参照)。
ステップSe2612にてリールが1回転していない場合や、ステップSe2613の処理を実行した後は、ステップSe2614にて図柄オフセットが「25」であるか否かを判定する。上記のように、図柄オフセットは「0」~「24」までの値に設定されており、図柄オフセットが「25」である場合とは、図柄番号の更新タイミングであることを意味する。そこで、図柄オフセットが「25」である場合、ステップSe2615にて、図柄番号の値を1加算するとともに図柄オフセットを「0」にクリアしてから、本モータ制御処理を終了する。
ちなみに、上記のように回転している各リール32L,32M,32Rを停止させる処理は、リール制御処理(図357)におけるステップSe403~ステップSe412にて実行される。
ステップSe2614にて図柄オフセットが「25」ではない場合、ステップSe2616に進み、図柄番号が「20」未満であるか否かを判定する。
ここで、スタートレバー41の操作によりステッピングモータが正常に加速して定速回転に至る正常回転の場合には上述したような状況が再現される。しかし、正常に加速しなかった場合や、故意にリールを押さえて回転を止めたりすると、以下のような異常回転処理となる。
まず、上述したようにリールは500パルスの励磁信号によって1回転する。したがって、正常回転を行っていれば、センサカットバンの通過を検出してから500パルスの励磁信号を出力するとセンサカットバンの通過を再度検出する。しかし、加速が正常に行われずにリールが回転を開始しなかった場合や、故意にリールを押さえて回転を止めていた場合には、500パルスの励磁信号を出力してもセンサカットバンの通過を検出しない。この結果、ステップSe2612における図柄番号のリセット処理が行われないため、ステップSe2615において図柄番号は最大値「19」を超えて「20」に更新される。図柄番号の値が「20」となっても、次回の処理ではカウンタ加減算処理が行われるため、図柄オフセットの値は今まで通り更新処理される。
この場合にはステップSe2614を経て、ステップSe2616において図柄番号の値がチェックされる。図柄番号は「0」から「19」までであるので、その値が「20」となったときには異常回転状態とみなすことができる。しかしながら、異常回転状態の原因がステッピングモータの動作上のばらつきによる可能性もあり得るため、ステップSe2617にて4オフセット以上図柄オフセットの値を更新したかを判別し、更新している場合に初めて異常回転状態と判断してステップSe2618の異常処理を行う。異常処理では加速カウンタにその初期値である「25」をセットし、次のタイマ割込み期間から再び加速処理を行う。ちなみに、ステッピングモータには動作上のばらつきがあり、理想的には1回転=500パルスとなるが、場合によっては499パルスあるいは501パルスで1回転することも考えられる。そこでステップSe2617では余裕をもって4オフセット分を異常検出値として設定している。
なお、このステップSe2618における異常処理の回数が規定回数(例えば3回)を超えたときには、この異常状態を報知する処理(ホール内に設けられた異常ランプに対する点滅処理、ホール管理者へのブザー報知処理など)を講じることもできる。
<回転開始処理>
リール制御処理(図357)におけるステップSe402の回転開始処理について、図395のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe2701では、前回のゲームにおいて各リール32L,32M,32Rの回転を開始させてからウェイト期間が経過したか否かを判定する。ウェイト期間が経過していない場合には、そのまま本回転開始処理を終了する。ウェイト期間が経過している場合には、ステップSe2702にて図396の各リール32L,32M,32Rのステッピングモータの制御用に通常回転テーブルを設定する。これにより、上記のモータ制御処理におけるステップSe2608~ステップSe2610にて通常回転テーブルに規定されるステップカウンタの設定や励磁データの設定が行われるようになる。
続くステップSe2703では、各種フラグ格納エリア106dにランダム回転フラグがセットされているか否かを判定する。ランダム回転フラグは、各リール32L,32M,32Rの回転開始タイミングを意図的にずらすためのフラグであり、ここではランダム回転フラグがセットされていない場合の処理について説明する。
すなわち、ステップSe2703にて否定判定した場合、ステップSe2704~ステップSe2706にて各リール32L,32M,32Rの加速カウンタに「25」をセットする処理を実行する。かかる処理により、モータ制御処理のステップSe2603にて否定判定し、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるようになる。ステップSe2704~ステップSe2706の処理を実行した後は、回転開始処理を終了する。
上記のように、スタートレバー41の操作に基づき加速カウンタの設定が行われることによって、ステッピングモータの駆動制御が開始され、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。ちなみに、この場合の各リール32L,32M,32Rの回転方向は各図柄が上方から下方に流下するように回転し、以下の説明ではかかる回転方向を正方向として説明する。なお、このような通常時の各リール32L,32M,32Rの回転制御を通常回転制御とも称する。
各リール32L,32M,32Rを用いた回転演出は、ATモード中に上乗せ当選した場合に実行される。そこで、先ず、入賞結果対応処理におけるATモード用処理のステップSe1701~ステップSe1705の処理について説明する。上記のように入賞結果対応処理は、ストップスイッチ42~44の操作が終了した際に実行される処理である。
ステップSe1701では、回転演出フラグがセットされているか否かを判定する。回転演出フラグは、スタートレバー41の操作に基づいて、ATモードの上乗せ抽選に当選した際の一部でセットされるフラグである。具体的には、AT上乗せ用処理(図367)において、上乗せ当選となった契機結果がループ対象結果(通常リプA~通常リプC)であって、且つループ抽選を行うことの決定がなされた場合(ステップSe1012:YES)に、上乗せループ用処理にてセットされるフラグである。当該回転演出フラグがセットされている場合、ステップSe1702にて回転演出コマンド設定処理を実行する。
<回転演出コマンド設定処理>
回転演出コマンド設定処理について、図397のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe2801では、回転演出フラグをクリアする。そして、ステップSe2802にて、今回のゲームの入賞結果として第2再遊技入賞が成立していることを、第2再遊技入賞フラグの有無によって判定する。既に説明した通り、通常リプA~通常リプCを契機として上乗せ当選した場合であって、ループ抽選を行う場合、第2再遊技入賞を可能とする押し順報知演出とともに、中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止する特定態様にて第2再遊技入賞が成立するように操作指示演出が行われる(図369、図406(a))。ステップSe2802の処理は、当該操作指示演出に従って操作が行われたことを判定する処理である。つまり、当該操作指示演出の示す操作順序に従わず、第2再遊技入賞を可能とする操作順序とは異なる操作順序にてストップスイッチ42~44の操作が行われた場合、第2再遊技とは異なる再遊技の入賞が成立し(図371)、ステップSe2802では否定判定することになる。
ステップSe2802にて第2再遊技入賞フラグがセットされている場合、ステップSe2803及びステップSe2804にて、上記の特定態様にて第2再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。具体的には、ステップSe2803では、中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止しているか否かを判定する。また、ステップSe2804では、右リール32Rの中段に「白7」図柄が停止しているか否かを判定する。ちなみに、これらの判定は、上記のモータ制御処理(図394)やリール制御処理(図357)にて把握している図柄番号から把握可能であり、ステップSe2803では、中リール32Mの中段の図柄番号が「3」であるか否かを判定し、ステップSe2804では、右リール32Rの中段の図柄番号が「4」であるか否かを判定する。上記の通り、第2再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの「白貝」図柄、右リール32Rの「チェリー」図柄が有効ラインML上に停止することで入賞が成立し、左リール32Lの「白7」図柄は1つであるのに対して、中リール32Mの「白貝」図柄、右リール32Rの「チェリー」図柄は、それぞれ2つと3つである。そして、中リール32Mの4番の「白貝」図柄と右リール32Rの5番の「チェリー」図柄により第2再遊技入賞が成立している場合には、中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止する特定態様となる一方、中リール32Mの19番の「白貝」図柄や、右リール32Rの0番や10番の「チェリー」図柄により第2再遊技入賞が成立すると、中ラインL2に「白7」図柄は揃って停止せず特定態様とはならない(以下の説明では、非特定態様とも称する)。ちなみに、第2再遊技入賞が成立している場合、左リール32Lの中段には必ず「白7」図柄が停止している。
ステップSe2803及びステップSe2804のいずれでも肯定判定して、特定態様にて第2再遊技入賞が成立している場合、ステップSe2805に進み、各種フラグ格納エリア106dに第1回転演出フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSe2806にて、第1回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。
これに対して、ステップSe2802にて第2再遊技入賞が成立していないと判定した場合や、第2再遊技入賞は成立しているものの、特定態様ではなく非特定態様にて入賞している場合(ステップSe2803又はステップSe2804にて否定判定した場合)は、ステップSe2807に進み、各種フラグ格納エリア106dに第2回転演出フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSe2808にて、第2回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。
ここで、本実施形態では、回転演出を実行することの決定がなされた場合、各リール32L,32M,32Rの停止態様によって、その実行態様が異なり、また、当該停止態様によって補助表示部65等による回転演出用の演出の態様が異なるようにしている。上記の第1回転演出フラグや第2回転演出フラグは停止態様によって回転演出の実行態様を異ならせるためのフラグであり、第1回転演出コマンドや第2回転演出コマンドは停止態様よって補助表示部65等による回転演出用の演出の態様を異ならせるためのコマンドである。
ATモード用処理において、ステップSe1701にて回転演出フラグがセットされていない場合、又はステップSe1702にて回転演出コマンド設定処理を実行した後は、ステップSe1703に進む。ステップSe1703では、疑似操作指示フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、疑似操作指示フラグは、AT上乗せ用処理(図367)において、ループ対象結果(通常リプA~通常リプC)を契機とする上乗せ抽選に非当選となった場合の一部でセットされるフラグである。疑似操作指示フラグがセットされる場合には、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞に対応する押し順報知とともに、特定態様による第2再遊技入賞を成立させるように指示する疑似操作指示演出が補助表示部65等にて実行される。
疑似操作指示フラグがセットされている場合、ステップSe1704にて当該疑似操作指示フラグをクリアする処理を実行し、ステップSe1705にて上記の第2回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ステップSe1703にて否定判定した場合や、ステップSe1705の処理を実行した後は、ステップSe1706に進み、ATモードのゲーム数のカウント用の処理を実行する。
<回転演出処理>
次に、リール制御処理(図357)におけるステップSe401の回転演出処理について、図398のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、リール制御処理は、スタートレバー41の操作に基づいてゲームの開始に際して実施される処理である。
ステップSe2901では、上記の第1回転演出フラグがセットされているか否かを判定する。第1回転演出フラグがセットされている場合、ステップSe2902にて、第1回転制御処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。一方、第1回転演出フラグがセットされていない場合、ステップSe2903にて第2回転演出フラグがセットされているか否かを判定する。第2回転演出フラグがセットされている場合、ステップSe2904にて、第2回転制御処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。ステップSe2903にて第2回転演出フラグがセットされていないと判定した場合、そのまま本回転演出処理を終了する。
<第1回転制御処理>
第1回転制御処理について、図399のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe3001では、特別回転テーブルを各リール32L,32M,32Rの回転用の回転テーブルとして設定する処理を実行する。特別回転テーブルは、上記の通常回転テーブル(図396)に対応するものであり、図400に示すように、通常回転テーブルと同様に加速順序や加速時間が設定されている。ちなみに、本実施形態における特別回転テーブルは、各リール32L,32M,32Rの回転方向が正回転の逆方向である逆回転となるように励磁データが設定されている。
続くステップSe3002では、各リール32L,32M,32Rの加速カウンタに「25」を設定する処理を実行する。これにより、上記のモータ制御処理(図394)にて各リール32L,32M,32Rにおける逆方向への回転が開始されるようになる。続くステップSe3003では、各種カウンタエリア106eに設けられた総ステップカウンタの加算開始処理を実行する。総ステップカウンタは、回転制御処理での各演出の切り替えタイミングをCPU102が把握するためのカウンタであり、上記モータ制御処理にて利用するステップカウンタの総数に相当する。つまり、ステップカウンタは、タイマ割込み処理が起動されるたびに1ずつ加算されるカウンタであって、加速順序(加速カウンタ)の更新に際して新たな値が入力される(ステップSe2608)一方、当該総ステップカウンタは加速順序(加速カウンタ)が更新されてもそのまま加算が継続されるカウンタである。
続くステップSe3004では、総ステップカウンタが「4528」に至ったか否かを判定する。ここで、本実施形態における特別回転テーブルは、図400に示すように、加速カウンタが「24」から「0」に至るまでに628回のタイマ割込み処理が実行されるように設定されており、総ステップカウンタが「628」となるタイミングで1図柄分の励磁データの出力が行われて定速回転となる。そして、定速回転となった場合には加速順序25の加速時間がステップカウンタに更新されることから、総ステップカウンタが「2528」(628+4×25×19図柄)に更新されるタイミングで回転開始からちょうど1回転することになる。さらに、定速回転に至った後は、1回転で総ステップカウンタは「2000」(4×25×20図柄)更新されることから、上記のステップSe3004にて判定する値は、回転開始からちょうど2周分だけ回転したタイミングを意味する。
ステップSe3004では、総ステップカウンタが「4528」に至るまで待機し、「4528」となることで肯定判定してステップSe3005に進む。ステップSe3005では、全てのリール32L,32M,32Rに対して停止指令処理を実行する。この場合、リール制御処理(図357)におけるステップSe405~ステップSe410のように、停止情報設定処理(ステップSe312)にて設定された図柄に到達したタイミングまで停止制御を待つことなく、ステップSe3005の処理タイミング(2周回転したタイミング)にて全てのリール32L,32M,32Rを停止させる。より具体的には、ステッピングモータにおける全ての励磁コイルに対してブレーキ用の通電処理を行うブレーキ制御を行うことで、全てのリール32L,32M,32Rを停止させる。なお、このような回転制御処理においてリール32L,32M,32Rを停止させる態様を上記の通常回転制御において停止させる態様と区別すべく、回転制御処理において停止させる態様「仮停止」とも称する場合がある。
既に説明した通り、第1回転制御処理が実行される場合、特定態様にて第2再遊技入賞が成立しており、中ラインL2に「白7」図柄が揃った状態で停止している。そして、上記のように全てのリール32L,32M,32Rの回転を同時に開始させ、ちょうど2周分回転したタイミングで全てのリール32L,32M,32Rを停止させることで、当該停止させた際には、回転開始前と同様に、中ラインL2に「白7」図柄が揃った特定態様の停止出目となる。
ステップSe3005の処理を実行した後は、ステップSe3006にて第1ループコマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。この場合、上記のように再度中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止したことに対応する第1ループ演出が補助表示部65等にて実行される(図407(b3))。第1ループ演出は、例えば、「白7」図柄のキャラクタとともに、女の子のキャラクタが「やったね」と喜んでいる様子を補助表示部65にて表示する演出が設定されている。
続くステップSe3007では、操作コマンドを表示制御装置81に出力する処理を実行する。操作コマンドを受信した表示制御装置81では、スタートレバー41の操作を促すように、「レバーをたたくんだ!!」といった文字表示とともにスタートレバー41を模したキャラクタを補助表示部65にて表示する開始操作演出を実行する(図407(b1))。
ステップSe3007の処理を実行した後は、ステップSe3008にてスタートレバー41の操作が実行されたか否かを判定する。操作されていない場合には、ステップSe3009にて総ステップカウンタが「8000」に至ったか否かを判定する。既に説明した通り、総ステップカウンタは加速順序の更新に関わらずカウントが行われるものであり、各リール32L,32M,32Rが停止している間もカウントが継続される。そのため、ステップSe309にて肯定判定する場合とは、ステップSe3004にて肯定判定して各リール32L,32M,32Rが停止してから(操作コマンドが出力されて開始操作演出が実行されてから)、約5secが経過したタイミングであることを意味する。
ステップSe3009にて否定判定した場合には、ステップSe3008に戻り、ステップSe3008又はステップSe3009にて肯定判定することでステップSe3010に進む。ステップSe3010では、ループ抽選処理を実行する。ループ抽選処理は、上記のAT上乗せ用処理における上乗せループ用処理にて設定されたループ率(ループ率フラグ)に応じた確率で抽選を実行する。そして、ステップSe3011にてループ抽選に当選したか否かを判定する。
ループ抽選に当選した場合、ステップSe3012に進み、第1開始演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1開始演出コマンドを受信した表示制御装置81では、各リール32L,32M,32Rによる回転演出が開始されることに対応するように、例えば、女の子のキャラクタが喜びながら「いくよ」と発している様子を示す第1開始演出が行われるように補助表示部65等を制御する(図407(b2))。そして、ステップSe3013にてATセットカウンタに1を加算し、ステップSe3014にて総ステップカウンタを0にクリアしてから、ステップSe3001に戻る。
この場合、特別回転テーブルの設定が行われ、加速カウンタに「25」が入力されることから、再度、逆回転にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、ちょうど2周回転したタイミングで停止して、中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止することになる。
ここで、本実施形態では、上記のように中ラインL2に「白7」図柄を揃えて停止させるにあたり、回転中の各リール32L,32M,32Rの図柄位置を把握するための処理は設けられていない。つまり、回転演出の開始前に停止していた図柄をそのまま停止させるだけであるし、そのまま停止させるにあたって、回転中の図柄の図柄番号を把握する等をせずに、総ステップカウンタにより回転開始からの処理数を把握することで、特別回転テーブルから移動図柄数を把握可能とし、当該移動図柄数がちょうど周回に相当する図柄数(20図柄)の整数倍となったタイミングで回転を停止させる構成としている。このようにすることで、例えば、回転中の図柄の位置等を把握したうえで停止させる等の構成と比較して、回転演出を行ううえでの処理負荷を圧倒的に低減することが可能となる。
ステップSe3011にてループ抽選に非当選であったと判定した場合、ステップSe3015に進み、終了コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のループ抽選に当選した回数、すなわち、ATモードの上乗せセット数を示す終了演出(図408(b2))が補助表示部65にて実行されるように制御する。そして、ステップSe3016にて各種フラグ格納エリア106dにランダム回転フラグをセットする処理を実行してから、本第1回転制御処理を終了する。なお、第1回転制御処理を終了する際に、第1回転演出フラグ等の回転演出を実行するために利用した各種フラグやカウンタをクリア(リセット)する構成とするとよい。
ランダム回転フラグがセットされることにより、リール制御処理(図357)において当該回転演出処理(ステップSe401)に続いて実施される回転開始処理(ステップSe402、図395)では、ステップSe2703にて肯定判定するようになる。
この場合、ステップSe2707にてランダム回転フラグをクリアする処理を実行した後、ステップSe2708にて各種カウンタエリア106eに設けられた遅延カウンタに所定値としての「1000」を入力する処理を実行する。遅延カウンタは、各リール32L,32M,32Rの回転開始タイミングをずらすために用いられるカウンタであり、タイマ割込み処理が起動されるたびに1ずつ減算されるカウンタである。
続くステップSe2709では、順序抽選処理を実行する。順序抽選処理では、各リール32L,32M,32Rの回転開始順序(6通り)を抽選により決定する処理であり、本実施形態ではランダムに(均等に)回転開始順序を決定する。そして、ステップSe2710では、ステップSe2709の処理により最初に回転を開始すると決定されたリールの加速カウンタに「25」を入力する処理を実行する。これにより、当該最初に回転を開始すると決定されたリールについて、モータ制御処理により回転が開始されることになる。
続くステップSe2711では、上記の遅延カウンタが「500」に至ったか否かを判定し、「500」に至っていない場合にはそのまま待機する。「500」に至ることによりステップSe2711にて肯定判定し、ステップSe2712に進む。ステップSe2712では、ステップSe2709の処理により2番目に回転を開始すると決定されたリールの加速カウンタに「25」を入力する処理を実行する。これにより、当該2番目に回転を開始すると決定されたリールについて、モータ制御処理により回転が開始されることになる。
続くステップSe2713では、上記の遅延カウンタが「0」に至ったか否かを判定し、「0」に至っていない場合にはそのまま待機する。「0」に至ることによりステップSe2713にて肯定判定し、ステップSe2714に進む。ステップSe2714では、ステップSe2709の処理により3番目に回転を開始すると決定されたリールの加速カウンタに「25」を入力する処理を実行してから、本回転開始処理を終了する。これにより、当該3番目に回転を開始すると決定されたリールについて、モータ制御処理により回転が開始されることになる。
ここで、第1リールを回転開始させてから第2リールを回転開始させるまでの期間(遅延カウンタ500分)や、第2リールを回転開始させてから第3リールを回転開始させるまでの期間(遅延カウンタ500分)は、いずれもリールが1周回転するために要する期間とは異なるように設定されている。このようにすることで、「白7」図柄が横方向に揃って各リール32L,32M,32Rが回転することを回避することが可能となり、当該横方向に揃った「白7」図柄によって回転中の図柄の視認性が向上する等の事象を生じにくくすることができ、遊技の公平性を担保することができる。
ちなみに、上記のように第1回転制御処理においてループ抽選の実行契機としてスタートレバー41の操作が実行され得るが、抽選処理(図354)による各ゲームの抽選は、それよりも前のスタートレバー41の操作に基づいて実行されている。より具体的には、第1回転動作の開始契機となるスタートレバー41の操作に基づいて、抽選処理における各ゲームの抽選が実行される。この点は、以下の第2回転制御処理の実行時についても同様である。
<第2回転制御処理>
次に、ステップSe2904の第2回転制御処理について、図401のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、第2回転制御処理が実行される場合とは、ATモードの上乗せ抽選に当選した場合であって、ループ抽選を実行することの決定がなされたものの、特定態様での第2再遊技入賞が成立しなかった場合であり、非特定態様での第2再遊技入賞が成立したり、第1再遊技入賞や第4再遊技入賞、第5再遊技入賞等の他の再遊技入賞が成立した場合である。
ステップSe3101では、上記ステップSe3001と同様に、図400の特別回転テーブルを設定する処理を実行する。つまり、特定態様での第2再遊技入賞が成立して第1回転制御処理により回転演出が行われる場合と、そうではない場合とで、同じ回転テーブルにて回転演出が実行されるように設定されている。
続くステップSe3102では、各リール32L,32M,32Rの加速カウンタに「25」を入力する処理を実行する。これにより、第1回転制御処理の場合と同様に、各リール32L,32M,32Rが逆方向へ回転開始するようになる。そして、ステップSe3103にて、上記の総ステップカウンタの加算開始処理を実行する。
続くステップSe3104では、総ステップカウンタが「4528」に至ったか否かを判定する。ステップSe3104の処理は上記ステップSe3004の処理に相当する処理であり、回転開始からちょうど2周分だけ回転したタイミングに至ったか否かを判定する。総ステップカウンタが「4528」に至っていない場合にはそのまま待機し、「4528」に至ることでステップSe3104にて肯定判定してステップSe3105に進む。
ステップSe3105では、第2ループコマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。この場合、第1回転制御処理の場合における第1ループ演出とは異なり、上記のようにATモードのセット上乗せが発生したことを祝福するように、例えば軍人のキャラクタが「やったぜ」と雄たけびを挙げている様子を示す第2ループ演出が補助表示部65等にて実行される(図410(b3))。
つまり、特定態様にて第2再遊技入賞が成立せず、第2回転制御処理が実行される場合、第1回転制御処理において、各リール32L,32M,32Rを逆方向に回転させてから特定態様にて再度停止させる制御の実行が制限される。ここで、上記のように特定態様にて第2再遊技入賞が成立していなかった場合、逆方向に回転させた後、再停止の際には特定態様の停止出目となるようにすることも可能である。ところが、そのような制御を行おうとすると、図柄同士のずれを把握して、回転開始タイミングをずらしたり、加速度を異ならせたりする必要が生じ、処理負荷の極度な増大化を招きかねない。特に、第1回転制御処理では、特定態様にて第2再遊技入賞が成立している場合であっても、図柄の位置関係等を把握することなく、2周分だけ回転させて停止することで、同じ停止出目を再停止させる、といった極めて簡素な処理構成にて回転演出を実行するようにしているのにもかかわらず、上記のように特定態様ではなかった場合に、処理負荷の増大化が生じてしまっては、せっかくの効果が好適に期待できなくなってしまう。そこで、上記のように特定態様ではなかった場合には、回転演出において再停止させる制御自体を制限するようにすることで、特定態様であった場合の効果を抹殺することなく、特定態様ではなかった場合にも処理負荷の軽減効果を期待することが可能となる。
更に、上記のように、特定態様にて第2再遊技入賞が成立しておらず、非特定態様等の停止出目であったのにも関わらず、再度、同じように非特定態様等の停止出目を登場させないようにすることになるため、特定態様にて第2再遊技入賞を成立させることができなかったことに対して残念感や劣等感を抱いているであろう遊技者に、その残念感や劣等感を再度与えないようにすることも可能である。このようにすることで、遊技意欲の低下を好適に回避することが可能となる。
なお、以下の説明では、第1回転制御処理にて逆回転させてから仮停止させる各リール32L,32M,32Rの動作を第1回転動作とも称し、第2回転制御処理にて逆回転させてから仮停止させない各リール32L,32M,32Rの動作を第1回転動作が制限された制限動作とも称する。また、当該制限動作を第2回転動作とも称する場合がある。
続くステップSe3106では、操作コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。操作コマンドを受信した表示制御装置81では、第1回転制御処理の場合と同様に、スタートレバー41の操作を促すように、「レバーをたたくんだ!!」といった文字表示とともにスタートレバー41を模したキャラクタを補助表示部65にて表示する開始操作演出を実行する(図410(b1))。
ステップSe3106の処理を実行した後は、ステップSe3107にてスタートレバー41の操作が実行されたか否かを判定する。操作されていない場合には、ステップSe3108にて総ステップカウンタが「8000」に至ったか否かを判定する。これらステップSe3107及びステップSe3108の処理は、上記ステップSe3008及びステップSe3009の処理に対応するものであり、操作コマンドが出力されて開始操作演出が実行されてから、スタートレバー41の操作が行われたか、操作が行われないまま約5secが経過したか否かを判定する処理である。
ステップSe3107又はステップSe3108にて肯定判定することでステップSe3109に進む。ステップSe3109では、上記ステップSe3010と同様に、ループ抽選処理を実行する。当該ループ抽選処理においても、上記のAT上乗せ用処理における上乗せループ用処理にて設定されたループ率に応じた確率で抽選を実行する。そして、ステップSe3110にてループ抽選に当選したか否かを判定する。
ループ抽選に当選した場合、ステップSe3111に進み、第2開始演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2開始演出コマンドを受信した表示制御装置81では、各リール32L,32M,32Rによる回転演出が開始されることに対応する演出であって、第1開始演出とは異なる演出として、例えば、軍人のキャラクタがオーラを身に纏いながら力を込めて「うおおおお」と叫んでいる様子を示す第2開始演出が行われるように補助表示部65等を制御する(図410(b2))。そして、ステップSe3112にてATセットカウンタに1を加算し、ステップSe3113にて総ステップカウンタを0にクリアしてから、ステップSe3104に戻る。
この場合、上記のように第2回転制御処理においては、2周分だけ回転させたタイミングで各リール32L,32M,32Rを停止させていないため、加速カウンタに「25」を入力することなく、逆方向への定速回転が維持されるようにしている。そして、第1回転制御処理であれば、ちょうど2周回転したタイミングにて、再度、第2回転演出が行われるようになる。
ステップSe3110にてループ抽選に非当選となったと判定した場合、ステップSe3114に進み、終了コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のループ抽選に当選した回数、すなわち、ATモードの上乗せセット数を示す終了演出(図411(b2))が補助表示部65にて実行されるように制御する。そして、ステップSe3115にて、総ステップカウンタが「9000」に至るまで待機する。総ステップカウンタが「9000」に至った場合、ステップSe3115にて肯定判定して、ステップSe3116に進み、各リール32L,32M,32Rを停止させるための停止指令処理を実行してから、本第2回転制御処理を終了する。この場合、当該総ステップカウンタが「9000」に至ったタイミングで各リール32L,32M,32Rが停止し、続けて実施される回転開始処理にて、各リール32L,32M,32Rは正方向に回転するように制御される。なお、第2回転制御処理を終了する際に、第2回転演出フラグ等の回転演出を実行するために利用した各種フラグやカウンタをクリア(リセット)する構成とするとよい。
ここで、本実施形態では、第2回転制御処理にて回転演出を実行した場合には、ランダム回転を実行しないようにしている。これは、第2回転制御処理による制限動作では、各リール32L,32M,32Rを途中で停止させていないし、そもそも、「白7」図柄が横方向に揃って停止する特定態様とは異なる非特定態様等にて停止した状態から制限動作を開始しており、上記ステップSe3116にて各リール32L,32M,32Rを停止させたとしても、その停止態様は、特定態様とは異なる非特定態様等となる。
より詳しくは、例えば、第2回転制御処理において、逆方向に回転が開始されてから、最初のループ抽選で非当選となった場合には、総ステップカウンタが「9000」となるタイミングとは、各リール32L,32M,32Rが4周分と4図柄~5図柄回転したタイミング(9000=2528(1周)+2000(1周)×3+472(4図柄~5図柄))である。この場合、非特定態様として左リール32Lの中段に「白7」図柄、中リール32Mの中段に「青年」図柄、右リール32Rの中段に「青年」図柄が停止して第2再遊技入賞が成立した状態から上記の制限動作が行われたとすると、総ステップカウンタが「9000」となって停止する場合には、左リール32Lの中段に7番の「スイカ」図柄、中リール32Mの中段に2番の「スイカ」図柄、右リール32Rの中段に3番の「リプレイ」図柄が停止することになり、いずれの図柄も直線状に揃って停止しない停止態様にて停止する。
つまり、このまま回転開始させたとしても、図柄の視認性を向上させる手助けとはなりにくく、公平性を損なう可能性は低いと考えられる。そこで、上記のように第2回転制御処理においてはランダム回転を実行しないようにすることで、処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
但し、本実施形態における第2回転制御処理では、ループ抽選に非当選となったと判定した後、第1回転制御処理によってランダム回転が行われる場合の当該ランダム回転に要する期間分だけ、各リール32L,32M,32Rの回転を継続させ、その後、各リール32L,32M,32Rを停止させるようにしている。このようにすることで、第1回転制御処理が実行された場合と、第2回転制御処理が実行された場合とで、遊技の進行度合いや進行スピードを合わせることが可能となる。
ちなみに、第2回転制御処理においてステップSe3115では総ステップカウンタが「9000」となるまで回転を継続させる構成としているところ、かかる処理によって第1回転制御処理が行われた場合の遊技進行と第2回転制御処理が行われた場合の遊技進行とが同じタイミングとなるのは、第1回転制御処理において、開始操作演出が実行されてもスタートレバー41を操作せずに総ステップカウンタが8000となるまで待機した場合である。つまり、上記のように第2回転制御処理が行われた場合の遊技進行が、第1回転制御処理が行われた場合の遊技進行とちょうど同じタイミングとなるのは、第1回転制御処理が行われた場合の最も遅いタイミングである。このようにすることで、よりスムーズな遊技進行を望む遊技者に対して、操作指示演出が実行された場合になるべく特定態様にて第2再遊技入賞を成立させるように促すことが可能となり、遊技意欲を増進させることが可能となる。
<回転演出準備処理>
次に、表示制御装置81側の全停止時演出設定処理におけるステップSe2220にて実行される回転演出準備処理について、図402のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe3201では、第1回転演出コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、第1回転演出コマンドは、主制御装置101側のATモード用処理における回転演出コマンド設定処理にて、中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止している場合に出力されるコマンドである。
第1回転演出コマンドを受信している場合、ステップSe3202にて第1停止時演出が補助表示部65等にて行われるように設定する処理を実行する。第1停止時演出は、例えば、「白7」図柄のキャラクタとともに、女の子のキャラクタが「まだまだいくよ」と喜んでいる様子が補助表示部65にて表示される演出が設定されており(図406(c1))、上乗せ抽選に当選したこととともに、更に上乗せが行われることを示唆するように設定されている。
第1停止時演出の設定を行った後は、ステップSe3203にて、開始操作演出が、上記の第1停止時演出に続いて(より詳しくは、今回のゲームが終了し、次ゲームのベット処理後に)行われるように設定する処理を実行する。開始操作演出は、上記のようにスタートレバー41の操作を促す演出である(図407(b1))。そして、ステップSe3204にて、各種フラグ格納エリア183cに第1回転演出フラグをセットする処理を実行してから、本回転演出準備処理を終了する。上記の通り、第1回転動作は特定態様となったゲームの次のゲームの開始時に実行されるところ、上記の第1回転演出フラグは、次のゲームの開始時演出設定処理にて、当該第1回転動作に対応する演出を実行するためのフラグである。
ステップSe3201にて第1回転演出コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSe3205に進み、第2回転演出コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、第2回転演出コマンドは、主制御装置101側のATモード用処理における回転演出コマンド設定処理にて、中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止しておらず、非特定態様にて停止している場合や、そもそもATモードの上乗せ抽選に非当選であった場合であって、疑似操作指示演出が実行された場合に出力されるコマンドである。第2回転演出コマンドを受信していない場合には、そのまま回転演出準備処理を終了する。
第2回転演出コマンドを受信している場合、ステップSe3206にて、第2停止時演出が補助表示部65等にて行われるように設定する処理を実行する。第2停止時演出は、例えば、軍人のキャラクタが落ち込んでいる様子が補助表示部65にて表示される演出が設定されており(図406(c2))、上乗せ抽選に非当選であった可能性があることや、仮に上乗せ抽選に当選であったとしても、更なる上乗せが行われないことを示唆するように設定されている。
第2停止時演出の設定を行った後は、ステップSe3207にて、ステップSe3203の場合と同様に、開始操作演出が、上記の第2停止時演出に続いて(より詳しくは、今回のゲームが終了し、次ゲームのベット処理後に)行われるように設定する処理を実行する。そして、ステップSe3208にて、今回のゲームで疑似操作指示演出を実行していたか否かを判定する。疑似操作指示演出を実行していた場合とは、上記のようにループ契機結果であっても上乗せ非当選となった場合であり、この場合、そのまま本回転演出準備処理を終了する。一方、疑似操作指示演出を実行しておらず、操作指示演出を実行している場合には、ステップSe3209にて各種フラグ格納エリア183cに第2回転演出フラグをセットする処理を実行してから、本回転演出準備処理を終了する。上記の通り、制限動作は非特定態様となったゲームの次のゲームの開始時に実行されるところ、上記の第2回転演出フラグは、次のゲームの開始時演出設定処理にて、当該制限動作に対応する演出を実行するためのフラグである。
<回転演出用処理>
次に、開始時演出設定処理(図382)におけるステップSe2101の回転演出用処理について、図403のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe3301では、主制御装置101からループ率コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、ループ率コマンドは、ループ対象結果にて上乗せ抽選に当選した場合であって、ループ抽選を実行することの決定がなされた場合に出力されるコマンドであり、そのループ抽選の当選確率(ループ率)についての情報が含まれている。ループ率コマンドを受信している場合、ステップSe3302にて、当該ループ率コマンドに含まれるループ率の情報をRAM183の各種フラグ格納エリア183cに記憶する処理を実行してから、本回転演出用処理を終了する。なお、当該ループ率コマンドを受信する場合とは、今回のゲームで上乗せ当選した場合であり、第1回転動作や制限動作は当該ゲームの次のゲームの開始時に実行されることから、上記のようにループ率コマンドを受信したゲームでは、第1回転動作や制限動作用の演出設定処理は実行しない。
ステップSe3301にてループ率コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSe3303にて、第1回転演出フラグがセットされているか否かを判定する。第1回転演出フラグがセットされている場合、ステップSe3304にてループ率演出設定処理を実行する。ループ率演出設定処理では、上記ステップSe3302にて記憶したループ率の情報(フラグ)に基づいて、今回のループ抽選のループ率に対応するループ率演出が行われるように設定するとともに、当該ループ率の情報をクリアする処理を実行する。ループ率演出としては、例えば、上部ランプ63をループ率に応じた色で点灯又は点滅させる演出が考えられる。なお、ループ率演出が設定されている場合、演出スイッチ66の操作に基づき上部ランプ63が点灯してその点灯色からループ率を把握可能となる構成としてもよく、このようにすることで、ループ率を把握せずにループ抽選の当否を楽しみたい遊技者のニーズとループ率を把握して楽しみたい遊技者とのニーズに応じることが可能である。
ステップSe3304の処理を実行した後は、ステップSe3305にて第1回転演出用処理を実行してから、本回転演出用処理を終了する。一方、ステップSe3303にて第1回転演出フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSe3306にて第2回転演出フラグがセットされているか否赤を判定する。第2回転演出フラグがセットされていない場合には、そのまま回転演出用処理を終了する。第2回転演出フラグがセットされている場合、ステップSe3307にて第2回転演出用処理を実行してから、本回転演出用処理を終了する。本実施形態では、第2回転演出フラグがセットされている場合には、ループ率演出の設定を行わないようにしており、これはループ率演出によって、ループ抽選を実行することの決定がなされていることが悟られてしまうことを回避するための工夫である。
<第1回転演出用処理>
ステップSe3305の第1回転演出用処理について、図404のフローチャートを参照しながら説明する。第1回転演出用処理の説明に際しては、各リール32L,32M,32Rによる第1回転動作や、それに至るまでの操作指示演出等もあわせて説明する。
まず、第1回転演出用処理が実行される場合とは、上記のように前ゲームでループ契機結果である通常リプA~通常リプCに基づいて上乗せ当選し、且つループ抽選を実行することの決定がなされた場合である。この場合、当該上乗せ当選となったゲームにおいて主制御装置101からは第2再遊技入賞用の押し順報知コマンドが出力されており、表示制御装置81側では開始時演出設定処理にて操作指示演出を行うための処理が実行される(図406(a))。そして、遊技者が当該操作指示演出の操作順序で且つ「白7」図柄を狙って操作して特定態様にて第2再遊技入賞を成立させると(図406(b1)、図407(a1))、第1停止時演出が補助表示部65にて実行され(図406(c1))、上乗せ当選したことに加えて、更に上乗せが行われることが把握可能となる。この場合、第1回転演出フラグがセットされて、本第1回転演出用処理が実行されるようになる。また、上記の第1停止時演出に続けて、開始操作演出が実行され(図407(b1))、スタートレバー41の操作が促される。
第1回転演出用処理では、ステップSe3501にて第1開始演出が行われるように補助表示部65等を制御する。上記のように、第1開始演出は、女の子のキャラクタが喜びながら「いくよ」と発している様子を示す演出が設定されている(図407(b2))。この場合、特定態様にて第2再遊技入賞が成立している状態(図407(a1))から、逆回転で各リール32L,32M,32Rが回転を開始する(図407(a2))。
ステップSe3501の処理を実行した後は、ステップSe3502にて第1ループコマンドを受信するまで待機し、第1ループコマンドを受信することでステップSe3502にて肯定判定して、ステップSe3503にて第1ループ演出(図407(b3))が行われるように補助表示部65等を制御する。既に説明した通り、第1ループコマンドは、特別回転テーブルに従って第1回転動作が行われている場合に、回転開始からちょうど2周分回転した場合であって、当該2周分回転して再度特定態様にて各リール32L,32M,32Rを停止させる(図407(a3)、図408(a1))場合に出力されるコマンドである。
続くステップSe3504では操作コマンドを受信するまで待機し、操作コマンドを受信することでステップSe3504にて肯定判定して、ステップSe3505にて開始操作演出(図408(b1))が行われるように補助表示部65等を制御する。その後、ステップSe3506にて第1開始演出コマンドを受信したか否かを判定し、第1開始演出コマンドを受信している場合には、ステップSe3501に戻り、第1開始演出(図407(b2))が行われるように制御する。
これに対して、ステップSe3506にて第1開始演出コマンドを受信していない場合、ステップSe3507にて終了コマンドを受信したか否かを判定する。終了コマンドを受信していない場合には、ステップSe3506に戻り、第1開始演出コマンド又は終了コマンドを受信するまで待機する。終了コマンドを受信している場合、ステップSe3508にて終了演出(図408(b2))が行われるように補助表示部65等を制御する。この場合、図408(b2)に示すように、今回の上乗せ抽選にて上乗せされたトータルのセット数の報知が行われる。また、ランダム回転フラグがセットされることにより、図408(a2)に示すように、抽選により決定された順序で各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。続く、ステップSe3509では、各種カウンタエリア183bに設けられたタイマカウンタに「1000」を入力する処理を実行する。当該タイマカウンタは所定周期(1.4msec周期)で1ずつ減算されるカウンタである。そして、ステップSe3510にて当該タイマカウンタが「0」となるまで待機し、タイマカウンタが「0」となることで、当該第1回転演出用処理を終了する。タイマカウンタが0となるまでの期間は、ランダム回転にて全リール32L,32M,32Rの回転が開始されるまでの期間に相当する。つまり、スタートレバー41の操作に基づき第1回転演出用処理が起動される場合には、第1回転動作の後、全リール32L,32M,32Rの回転が開始される際に(図408(a3))、開始時演出設定処理におけるステップSe2102以降の処理が実行されるようになり、例えば、開始時演出として押し順報知演出(図408(b3))が開始される。
<第2回転演出用処理>
ステップSe3307の第2回転演出用処理について、図405のフローチャートを参照しながら説明する。第2回転演出用処理の説明に際しては、各リール32L,32M,32Rによる制限動作(第2回転動作)や、それに至るまでの操作指示演出等もあわせて説明する。
まず、第2回転演出用処理が実行される場合とは、上記のように前ゲームでループ契機結果である通常リプA~通常リプCに基づいて上乗せ当選し、且つループ抽選を実行することの決定がなされた場合である。上乗せ当選となったゲームでは、上記のように主制御装置101からは第2再遊技入賞用の押し順報知コマンドが出力されており、表示制御装置81側では開始時演出設定処理にて操作指示演出を行うための処理が実行される(図406(a))。そして、遊技者が当該操作指示演出の操作順序で操作しなかったり、「白7」図柄を狙うことに失敗した場合には、非特定態様にて第2再遊技入賞が成立したり(図406(b2)、図410(a1))、第1再遊技入賞が成立したり(図406(b3)、図409(a1))、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立したりする。ちなみに、ループ契機であっても上乗せ非当選となった場合には、疑似操作指示演出が実行され、第2再遊技入賞が成立しない操作順序の押し順報知演出が行われることから、図406(b3)に示すように第1再遊技入賞が成立したり、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立することになる。これらの場合、第2停止時演出が補助表示部65にて実行され(図406(c2))、上乗せ非当選となった可能性があることや、更なる上乗せに期待できないことが把握可能となる。そして、回転演出準備処理では、いずれの場合であっても、上記の第2停止時演出に続けて、開始操作演出が実行されるようにし(図409(b1)、図410(b1))、スタートレバー41の操作が促される。但し、回転演出準備処理では、操作指示演出を実行していた場合には第2回転演出フラグをセットする一方、疑似操作指示演出を実行していた場合には、第2回転演出フラグをセットしないため、本第2回転演出用処理が実行される場合とは、操作指示演出を実行していた場合であって、非特定態様にて第2再遊技入賞が成立したり、他の再遊技入賞が成立した場合である。
第2回転演出用処理では、ステップSe3601にて第2開始演出が行われるように補助表示部65等を制御する。上記のように、第2開始演出は、軍人のキャラクタがオーラを身に纏いながら力を込めて「うおおおお」と叫んでいる様子を示す演出が設定されている(図410(b2)。この場合、非特定態様にて第2再遊技入賞が成立している状態(図410(a1))等から、逆回転で各リール32L,32M,32Rが回転を開始する(図410(a2))。
ステップSe3601の処理を実行した後は、ステップSe3602にて第2ループコマンドを受信するまで待機し、第2ループコマンドを受信することでステップSe3602にて肯定判定して、ステップSe3603にて第2ループ演出(図410(b3))が行われるように補助表示部65等を制御する。既に説明した通り、第2ループコマンドは、特別回転テーブルに従った第1回転動作が制限されて制限動作が行われている場合に、回転開始からちょうど2周分回転した場合に出力されるコマンドである。この場合、第1回転動作が制限されていることから、当該第2ループコマンドは出力されるものの、各リール32L,32M,32Rの回転は継続される(図410(a3)、図411(a1))。
続くステップSe3604では操作コマンドを受信するまで待機し、操作コマンドを受信することでステップSe3604にて肯定判定して、ステップSe3605にて開始操作演出(図413(b1))が行われるように補助表示部65等を制御する。その後、ステップSe3606にて第2開始演出コマンドを受信したか否かを判定し、第2開始演出コマンドを受信している場合には、ステップSe3601に戻り、第2開始演出(図410(b2))が行われるように制御する。
これに対して、ステップSe3606にて第2開始演出コマンドを受信していない場合、ステップSe3607にて終了コマンドを受信したか否かを判定する。終了コマンドを受信していない場合には、ステップSe3606に戻り、第2開始演出コマンド又は終了コマンドを受信するまで待機する。終了コマンドを受信している場合、ステップSe3608にて終了演出(図411(b2))が行われるように補助表示部65等を制御する。この場合、図411(b2)に示すように、今回の上乗せ抽選にて上乗せされたトータルのセット数の報知が行われる。さらに、総ステップカウンタが「9000」となることで各リール32L,32M,32Rの回転が停止する(図411(a2))。この場合、ランダム回転フラグはセットされず、各リール32L,32M,32Rの逆回転による制限動作が終了した後、直ちに全リール32L,32M,32Rの回転が開始し(図411(a3))、例えば、開始時演出として押し順報知演出(図411(b3))が開始される。
疑似操作指示演出を経て、第1再遊技入賞等が成立している状況で開始操作演出が実行される場合(図409(a1)、図409(b1))、回転演出準備処理において第2回転演出フラグはセットされない。そして、次ゲームの開始時に制限動作(第2回転動作)は実行されず、スタートレバー41を操作すると、全リール32L,32M,32Rが正方向に回転を開始し(図409(a2))、例えば、開始時演出として押し順報知演出(図411(b3))が開始される。
ここで、第1開始演出や第1ループ演出といった第1表示演出と、第2開始演出や第2ループ演出といった第2表示演出とは、遊技者が明確に区別可能な程度に異なっており、回転演出において第1回転動作が行われていることと、制限動作が行われていることとを、その表示演出の相違からも把握することが可能となる。このようにすることで、特定態様にて第2再遊技入賞が成立していないからといって、その場合の回転動作を第1回転動作と合わせようとしなくても、そもそも異なる回転動作であることを遊技者は明確に把握することが可能となり、回転動作が相違することによる違和感を与えにくくすることが可能となる。
なお、第1表示演出よりも第2表示演出のほうが、補助表示部65における輝度や照度を高くしたり、効果音の出力ボリュームを大きくしたり、高音域の効果音を設定したりするなどして、第1表示演出よりも第2表示演出のほうが派手な演出となるようにすることで、第1回転動作のうちの一部の制御が制限された制限動作が行われることとの関係で、当該制限動作による演出効果を第2表示演出にて補うことも可能である。
<回転動作と各演出の流れ>
第1回転動作や制限動作が行われる場合の各種演出との関係について、図412を参照しながら説明する。
特定態様にて第2再遊技入賞が成立しており、第1停止時演出が行われている状況にてスタートレバー41が操作されると、第1回転動作として、各リール32L,32M,32Rが逆方向に回転開始される。この場合、補助表示部65での第1停止時演出は、第1開始演出に切り替わり、各リール32L,32M,32Rがちょうど2周分だけ回転したタイミングで、当該各リール32L,32M,32Rの回転が停止して特定態様の停止出目が再表示されるとともに、第1ループ演出が補助表示部65にて実行される。その後、開始操作演出が実行され、スタートレバー41が操作されると、ループ抽選が実行され、当該ループ抽選に当選すると、各リール32L,32M,32Rは再度逆方向への回転が開始され、第1開始演出も実行される。さらに2周分だけ回転したタイミングで、当該各リール32L,32M,32Rの回転が停止して特定態様の停止出目が再表示されるとともに、第1ループ演出が実行される。
その後、開始操作演出が実行され、スタートレバー41が操作されると、ループ抽選が実行され、当該ループ抽選に当選しないと、終了演出が開始されるとともに、各リール32L,32M,32Rはランダム回転にて回転が開始される。
非特定態様にて第2再遊技入賞が成立しており、第2停止時演出が行われている状況にてスタートレバー41が操作されると、制限動作として、各リール32L,32M,32Rが逆方向に回転開始される。この場合、補助表示部65での第2停止時演出は、第2開始演出に切り替わり、各リール32L,32M,32Rがちょうど2周分だけ回転したタイミングで、第2ループ演出が補助表示部65にて実行される。但し、当該タイミングでは当該各リール32L,32M,32Rの回転は停止せず、非特定態様の停止出目の再表示が制限される。その後、開始操作演出が実行され、スタートレバー41が操作されると、ループ抽選が実行され、当該ループ抽選に当選すると、第2開始演出も実行される。さらに2周分だけ回転したタイミングで、第2ループ演出が実行される。
その後、開始操作演出が実行され、スタートレバー41が操作されると、ループ抽選が実行され、当該ループ抽選に当選しないと、終了演出が開始される。この場合、当該終了演出は、第1回転動作実行時のランダム回転が終了するまでの期間に相当する期間に亘って実行され、当該期間の終了とともに終了演出は終了し、各リール32L,32M,32Rは一旦停止し、直ちに正方向への回転が開始される。ランダム回転にて回転が開始される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
特定態様にて第2再遊技入賞が成立している場合、第1回転動作として、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させ、ちょうど2周分だけ回転させて停止させ、回転演出の開始前に中段に停止していた図柄をそのまま停止させて特定態様を再度出現させる一方、特定態様にて第2再遊技入賞が成立していない場合には、制限動作として、2周分回転させた場合に停止させることなく回転を継続させるようにしたことで、回転演出において特定態様を出現させるために図柄の位置を把握して加速度等を調節するといった複雑な制御を用いることなく、処理負荷の軽減を図ることが可能となる。そのうえで、各リール32L,32M,32Rを停止させて特定態様を再度出現させる場合には、第1表示演出として第1開始演出や第1ループ演出が行われるようにし、各リール32L,32M,32Rを停止させない場合には、第2表示演出として第2開始演出や第2ループ演出が行われるようにしたことから、第1回転動作の一部が制限される制限動作として回転演出が行われる場合であっても、違和感を与えにくくすることができるし、その制限によって演出効果が低下してしまうことを表示演出にてフォローすることが可能となる。よって、処理負荷の軽減を図りながらも、回転演出による演出効果を好適に期待できるようになる。
第1回転動作や制限動作について、より詳しくは、各ゲームにおける通常回転制御としてストップスイッチ42~44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rを停止させる場合、回転中のリール32L,32M,32Rの図柄番号と停止情報設定処理(ステップSe312、ステップSe412)にて設定された停止情報とに基づいてリール32L,32M,32Rの停止処理が行われる(ステップSe404~ステップSe410)。これに対して、回転演出においては、回転中のリール32L,32M,32Rの図柄番号に関わらず、各リール32L,32M,32Rを1回転させるために必要な期間(総ステップカウンタ)に基づいて、当該期間が経過した場合に各リール32L,32M,32Rを停止させる構成としている(ステップSe3004、ステップSe3005)。このようにすることで、回転演出における処理負荷の圧倒的な軽減効果を見込むことができ、そのうえで、特定態様にて第2再遊技入賞が成立していない場合には、加速度等の調節を行わずに、単に停止させないようにするだけとすることで、回転演出における処理構成を簡素化したメリットを抹殺しない範囲で、第1回転動作と制限動作とによる回転演出を好適に実現することが可能となる。
ここで、第1回転動作を行う場合、主にスタートレバー41の操作に基づいてループ抽選を実行する構成としているところ、仮に、特定態様にて第2再遊技入賞が成立していないからといって、回転演出自体を実行しないようにしてしまうと、遊技者の自らの操作によってループ抽選を受ける機会を消失させてしまう構成となり、遊技の興趣向上を図る上では好ましくない。それだけではなく、回転演出自体を実行しないようにしてしまうと、ATモードの上乗せすら消失してしまったと遊技者に勘違いをさせてしまい、遊技意欲の大幅な低下を招きかねない。その点、上記構成のように制限動作にて回転演出を行う構成とすることで、遊技者の自らの操作によってループ抽選を受ける機会を与えることもでき、遊技意欲の低下を回避することが可能となる。
しかも、第1回転動作においては、ループ抽選に当選し続ける限り、特定態様での再停止が繰り返される構成としていることから、仮に制限動作において非特定態様等のままで再停止させるような構成とすることで処理負荷の増大化を回避したとしても、何回も特定態様にて停止させることができなかった事実を遊技者に突きつける結果となってしまい、遊技意欲の大幅な低下が懸念される。その点、上記のように制限動作において停止制御を行わないようにすることは、処理負荷の増大化を解消するだけでなく、遊技意欲の低下も解消することも可能となり、回転演出を用いた演出効果を好適に得ることが可能となる。
制限動作を行った場合であっても、回転演出を終了する場合には一旦停止させる構成としている。つまり、第2回転制御処理において、ループ抽選に非当選となり(ステップSe3110:NO)、終了演出を実行した後、総ステップカウンタが「9000」となることで、停止指令処理を実行する構成としている(ステップSe3116)。総ステップカウンタが「9000」となるタイミングは、非特定態様にて第2再遊技入賞が成立した場合等であっても、1周分の整数倍となるタイミングでもないことから、制限動作の前に停止していた停止出目が再度出現することが制限されている。このようにすることで、せっかく制限動作において遊技者の操作ミスが再現されないようにしたのにもかかわらず、制限動作の終了に際して当該操作ミスが再現されてしまう不都合を生じさせないようにすることができる。
第1回転動作を行う場合には、当該第1回転動作を終了した後、各リール32L,32M,32Rの回転開始タイミングをランダムにずらすランダム回転制御を行うようにした一方、制限動作を行う場合には、当該制限動作を終了した後、ランダム回転制御を行わないようにし、回転演出の回転動作の態様によって、当該回転動作が終了した後の各リール32L,32M,32Rの回転開始態様を異ならせる構成とした。第1回転動作では、上記のように特定態様の停止出目が出現するところ、仮にこのまま各リール32L,32M,32Rを同時に回転開始させると、特定態様が揃ったまま回転する可能性があり、それを視認できる遊技者と視認できない遊技者とで停止操作の難易度が異なるようになり、遊技の公平性が担保されない可能性がある。その一方で、制限動作においては、そもそも特定態様の停止出目は停止していないし、当該特定態様の停止出目を途中で停止させるような制御も行っていないことから、このまま各リール32L,32M,32Rを同時に回転開始させたとしても、上記のような公平性が損なわれる結果にはなりにくい。そこで、上記のように、第1回転動作後はランダム回転制御を行う一方、制限動作後はランダム回転制御を行わないようにすることで、無駄な制御を排除して、制御負荷の低減を図ることが可能となる。
第1回転動作後にランダム回転制御を行う場合、最初に第1リールの回転が開始されてから、最後に第3リールの回転が開始されるまでに、遅延カウンタが「1000」から「0」となるまでの期間を要するところ、制限動作を行わない場合、総ステップカウンタが「8000」から「9000」となるまで制限動作の終了を遅延させる構成とした。このようにすることで、第1回転動作が行われた場合と制限動作が行われた場合とで、遊技の進行を合わせることができ、意図的に特定態様にて第2再遊技入賞を成立させることで又は成立させないことで、遊技進行を早めたり、遅くしたりすることをできなくすることが可能となる。よって、より純粋に特定態様にて第2再遊技入賞を成立させて、第1回転動作による回転演出が行われることを楽しませることが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、非特定態様にて第2再遊技入賞が成立した場合の制限動作の態様を、当該非特定態様の種類によって異ならせる。図413は、本変形例における回転演出コマンド設定処理を示すフローチャートである。
ステップSe3701では回転演出フラグをクリアする処理を実行する。続くステップSe3702では、第2再遊技入賞フラグがセットされているか否かを判定する。第2再遊技入賞フラグがセットされている場合、ステップSe3703にて、各種フラグ格納エリア106dに左回転フラグをセットする処理を実行する。左回転フラグは、今回のゲームの停止出目をCPU102が把握するためのフラグであり、左リール32Lの中段に「白7」図柄が停止していることに対応するフラグである。
ステップSe3702にて否定判定した場合、又はステップSe3703の処理を実行した後は、ステップSe3704にて、中リール32Mの中段の図柄番号が「3」であり、中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止しているか否かを判定する。中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止している場合、ステップSe3705にて、各種フラグ格納エリア106dに中回転フラグをセットする処理を実行する。中回転フラグは、今回のゲームの停止出目をCPU102が把握するためのフラグであり、中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止していることに対応するフラグである。
ステップSe3704にて否定判定した場合、又はステップSe3705の処理を実行した後は、ステップSe3706にて、右リール32Rの中段の図柄番号が「4」であり、右リール32Rの中段に「白7」図柄が停止しているか否かを判定する。右リール32Rの中段に「白7」図柄が停止している場合、ステップSe3707にて、各種フラグ格納エリア106dに右回転フラグをセットする処理を実行する。右回転フラグは、今回のゲームの停止出目をCPU102が把握するためのフラグであり、右リール32Rの中段に「白7」図柄が停止していることに対応するフラグである。
ステップSe3706にて否定判定した場合、又はステップSe3707の処理を実行した後は、ステップSe3708にて、左回転フラグ、中回転フラグ、及び右回転フラグの全ての回転フラグがセットされているか否かを判定する。つまり、特定態様にて第2再遊技入賞が成立している場合にステップSe3708にて肯定判定する。ステップSe3708にて肯定判定した場合、ステップSe3709にて第1回転演出フラグをセットし、ステップSe3710にて第1回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。すなわち、全てのリール32L,32M,32Rの中段に「白7」図柄が停止しており、特定態様にて第2再遊技入賞が成立している場合は、上記実施形態と同様に第1回転動作を実行する。
これに対して、ステップSe3708にて否定判定し、いずれかのリール32L,32M,32Rで「白7」図柄が中段に停止していない場合には、第2回転動作を行うための処理を実行する。すなわち、ステップSe3711にて第2回転演出フラグをセットし、ステップSe3712にて第2回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。なお、上記第2回転演出コマンドには、上記の「白7」図柄が中段に停止しているリール32L,32M,32Rの情報が含まれている。
図414は、本変形例における第2回転制御処理を示すフローチャートである。
ステップSe3801では、上記の左回転フラグがセットされているか否かを判定する。左回転フラグがセットされている場合、ステップSe3802にて左リール32Lの加速カウンタに「25」を入力するとともに、左リール32Lの回転テーブルとして上記の特別回転テーブルを設定する処理を実行する。これに対して、左回転フラグがセットされていない場合、ステップSe3803にて左リール32Lの回転テーブルとして停止用テーブルを設定する処理を実行する。停止用テーブルは、図415に示すように、全ての加速順序において加速期間が0として設定されているとともに、励磁データも停止用の励磁データが更新されるように設定されているテーブルである。つまり、左リール32Lの中段に「白7」図柄が停止していない場合には、左リール32Lは逆方向に回転せず停止したまま維持される。
ステップSe3802又はステップSe3803の処理を実行した後は、ステップSe3804にて上記の中回転フラグがセットされているか否かを判定する。中回転フラグがセットされている場合、ステップSe3805にて中リール32Mの加速カウンタに「25」を入力するとともに、中リール32Mの回転テーブルとして上記の特別回転テーブルを設定する処理を実行する。これに対して、中回転フラグがセットされていない場合、ステップSe3806にて中リール32Mの回転テーブルとして上記の停止用テーブルを設定する処理を実行する。つまり、中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止していない場合には、中リール32Mは逆方向に回転せず停止したまま維持される。
ステップSe3805又はステップSe3806の処理を実行した後は、ステップSe3807にて上記の右回転フラグがセットされているか否かを判定する。右回転フラグがセットされている場合、ステップSe3808にて右リール32Rの加速カウンタに「25」を入力するとともに、右リール32Rの回転テーブルとして上記の特別回転テーブルを設定する処理を実行する。これに対して、右回転フラグがセットされていない場合、ステップSe3809にて右リール32Rの回転テーブルとして上記の停止用テーブルを設定する処理を実行する。つまり、右リール32Rの中段に「白7」図柄が停止していない場合には、右リール32Rは逆方向に回転せず停止したまま維持される。
ステップSe3808又はステップSe3809の処理を実行した後は、ステップSe3810にて総ステップカウンタの加算を開始する処理を実行する。そして、ステップSe3811にて総ステップカウンタが「4528」となり、リール32L,32M,32Rが回転しているならば、ちょうど2周分だけ回転したか否かを判定する。ちょうど2周分だけ回転したタイミングでステップSe3811にて肯定判定し、ステップSe3812に進む。ステップSe3812では、回転中のリールを停止させる停止指令処理を実行する。すなわち、例えば、左リール32Lが回転しているならば左リール32Lを停止させて左リール32Lの中段に「白7」図柄が停止するようにする一方、中リール32Mや右リール32Rが回転していなければその状態を維持する。そして、ステップSe3813にて、今回停止させたリールの情報を含む第1ループコマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。
続くステップSe3814では操作コマンドを表示制御装置81へ出力し、ステップSe3815にてスタートレバー41が操作されたと判定した場合、又はステップSe3816にて総ステップカウンタが「8000」に至ったと判定した場合まで待機する。ステップSe3815又はステップSe3816にて肯定判定した場合、ステップSe3817にてループ抽選処理を実行し、ステップSe3818にてループ当選であったか否かを判定する。
ループ当選である場合、ステップSe3819に進み、第1開始演出コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。そして、ステップSe3820にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行し、ステップSe3821にて総ステップカウンタを「0」にクリアする処理を実行してから、ステップSe3801に戻る。この場合、再度各回転フラグの情報に基づいて、対応するリール32L,32M,32Rが逆方向に回転する。
ステップSe3818にて否定判定した場合、ステップSe3822にて終了コマンドを表示制御装置81へ出力する。そして、ステップSe3823にて総ステップカウンタが「9000」に至るまで待機し、「9000」に至った場合にステップSe3824にて回転しているリール32L,32M,32Rを停止させる処理を実行する。なお、全てのリール32L,32M,32Rが停止している場合にはその状態を維持する。その後、ステップSe3825にてランダム回転フラグをセットしてから、本第2回転制御処理を終了する。
本変形例における表示制御装置81側の第2回転演出用処理について、図416のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSe3901では、受信している第2回転演出コマンド(回転演出準備処理にて処理)に基づいて、補助表示部65のうち、中段に「白7」図柄が停止したリール(逆方向に回転を開始するリール)に対応する領域にて第1開始演出を行うための処理を実行する。具体的には、本変形例では、補助表示部65の表示領域が、左リール対応領域、中リール対応領域、右リール対応領域として区分されている。そして、ステップSe3901では、上記の第1開始演出を補助表示部65における全領域で表示させた場合にそれぞれの対応領域にて表示される画像を分割したうえで、上記のように逆方向に回転を開始するリールに対応する対応領域に、当該分割した画像を表示するようにする(図417(b2)参照)。
なお、図417(a1)では、左リール32Lと中リール32Mとの中段に「白7」図柄が停止したものの、右リール32Rの中段には「白7」図柄が停止しなかった場合を示しており、開始操作演出(図417(b1))に基づいてスタートレバー41が操作された場合に、これら中段に「白7」図柄が停止した左リール32Lと中リール32Mとは逆方向に回転するものの、右リール32Rは停止状態が維持された様子を示している。この場合、図417(b2)では、左リール32Lに対応する左リール対応領域と、中リール32Mに対応する中リール対応領域とで、第1開始演出の分割画像が表示される。
続くステップSe3902では、受信している第2回転演出コマンドに基づいて、補助表示部65のうち、中段に「白7」図柄が停止しなかったリール(停止状態が維持されるリール)に対応する領域にて第2開始演出を行うための処理を実行する。具体的には、上記の第2開始演出を補助表示部65における全領域で表示させた場合にそれぞれの対応領域にて表示される画像を分割したうえで、上記のように停止状態が維持されるリールに対応する対応領域に、当該分割した画像を表示するようにする(図417(b2)参照)。なお、図417(b2)では、右リール32Rに対応する右リール対応領域にて、第2開始演出の分割画像が表示される。
続くステップSe3903では、第1ループコマンドを受信するまで待機し、第1ループコマンドを受信することで当該ステップSe3903にて肯定判定してステップSe3904に進む。第1ループコマンドを受信する場合とは、上記のように回転していたリールがちょうど2周分だけ回転して回転開始前の停止出目にて停止する場合である(図417(a3))。この場合、ステップSe3904では、今回停止させたリールの対応領域で第1ループ演出を行うための処理を実行する。かかる処理についても、上記第1開始演出や第2開始演出と同様に、第1ループ演出を3分割したうえで、今回対応する対応領域にて当該第1ループ演出の分割画像が表示されるようにする。
また、ステップSe3905、停止状態を維持しているリールの対応領域で第2ループ演出を行うための処理を実行する。当該処理も同様に、第2ループ演出を3分割したうえで、今回対応する対応領域にて当該第2ループ演出の分割画像が表示されるようにする(図417(b3))。
ステップSe3906では、操作コマンドを受信するまで待機し、操作コマンドを受信することで肯定判定して、ステップSe3907に進む。ステップSe3907では、開始操作演出が補助表示部65にて行われるように制御する(図417(b1))。その後、第1開始演出コマンドを受信した場合には、ステップSe3901に戻り、第1開始演出コマンドを受信していない場合には、ステップSe3909にて終了コマンドを受信したか否かを判定する。いずれのコマンドも受信していない場合には、ステップSe3908に戻り、いずれかのコマンドを受信するまで待機する。終了コマンドを受信した場合には、ステップSe3910にて終了演出が補助表示部65にて行われるように制御してから、本第2回転演出用処理を終了する。
以上のように、特定態様のうち、中段に「白7」図柄が停止しているリール32L,32M,32Rについては第1回転動作及び第1表示演出にて回転演出を行い、中段に「白7」図柄が停止していないリール32L,32M,32Rについては制限動作及び第2表示演出にて回転演出を行うようにしたことから、全てのリール32L,32M,32Rの目押しに成功しなくても部分的にでも成功していれば、それが回転演出に反映される態様となり、遊技の難易度が下がることによって遊技意欲の向上を図ることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、ループ抽選の実行タイミングを変更したうえで、特定態様にて停止しなかった場合の制限動作の態様を上記実施形態のものと異ならせる。
図418は、本変形例における上乗せループ用処理を示すフローチャートである。
ステップSe4001にてループ率抽選処理を実行し、ステップSe4002にて対応するループ率フラグをセットする。その後、本変形例では、ループ率に応じたループ抽選処理を実行する。かかる処理では、ステップSe3010やステップSe3110のループ抽選処理を、ループ非当選となるまで繰り返し実行する。そして、ステップSe4004にて各種カウンタエリア106eに設けられたループカウンタに、上記ステップSe4003でのループ抽選の実行回数(ループ抽選の当選回数)を入力する処理を実行する。
ステップSe4004の処理を実行した後は、ステップSe4005にてループカウンタの値をATセットカウンタに加算する処理を実行し、ステップSe4006にてループ率コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。その後、ステップSe4007にて回転演出フラグをセットしてから、本上乗せループ用処理を終了する。
すなわち、本変形例では、第1回転動作や制限動作において、遊技者による操作に基づきループ抽選を実行する構成を変更し、予め上乗せ抽選に当選した際にループ抽選を実行する構成とする。
図419は、本変形例における第1回転制御処理を示すフローチャートである。
ステップSe4101では、上記のループカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSe4102~ステップSe4110は、上記ステップSe3001~ステップSe3009の処理と同様であり、第1回転動作を行うための処理である。ステップSe4111では、上記のループカウンタが0であるか否かを判定する。ループカウンタが0ではない場合には、ステップSe4112に進み、第1開始演出コマンドを出力する処理を実行し、ステップSe4113にて総ステップカウンタを0にクリアする処理を実行してから、ステップSe4101に戻る。
ステップSe4111にてループカウンタが0であると判定した場合、ステップSe4114にて終了コマンドを出力する処理を実行し、ステップSe4115にてランダム回転フラグをセットする処理を実行してから、本第1回転制御処理を終了する。
図420は、本変形例における第2回転制御処理を示すフローチャートである。
第2回転制御処理の変更点は、第1回転制御処理の変更点と基本的には同様であり、ステップSe4201にてループカウンタを1減算する処理を実行した後、ステップSe3101~ステップSe3108と同様にステップSe4202~ステップSe4209の処理を実行し、ステップSe4210にてループカウンタが0であるか否かを判定する。ループカウンタが0ではない場合には、ステップSe4211に進み、第2開始演出コマンドを出力する処理を実行し、ステップSe4212にて総ステップカウンタを0にクリアする処理を実行する。そして、ステップSe4213にてループカウンタを1減算する処理を実行してから、ステップSe4205に戻る。
ステップSe4210にてループカウンタが0であると判定した場合、ステップSe4214にて終了コマンドを出力する処理を実行し、ステップSe4215にて総ステップカウンタが「9000」となるまで待機する。そして、総ステップカウンタが「9000」となった場合に、ステップSe4216にて停止指令処理を実行してから、本第2回転制御処理を終了する。
すなわち、本変形例では、ループカウンタが0となるまで第1回転動作や制限動作が繰り返される構成である。このように、回転動作に際して遊技者の操作を介する抽選(ループ抽選)を行わないようにすることで、停止出目に応じた回転動作の変更に際しての自由度を圧倒的に向上させることが可能である。
つまり、例えば、停止出目が特定態様であれば第1回転動作を実行する一方、非特定態様等であれば第1回転動作の実行を制限する構成として、回転動作自体を実行しない構成とすることも可能である。
具体的には、図421に示すように、回転演出コマンド設定処理において、ステップSe4301~ステップSe4306にて第1回転動作用の処理を実行し、ステップSe4302~ステップSe4304のいずれかにて否定判定した場合、すなわち、第2再遊技入賞が成立していなかったり、非特定態様にて第2再遊技入賞が成立している場合、第2回転演出フラグをセットすることなく、ステップSe4307にて第2回転演出コマンドを出力設定する処理を実行するだけで、本回転演出コマンド設定処理を終了するようにする。この場合、回転演出用処理では、第2回転演出フラグがセットされていないことから、通常リプA~通常リプCを契機として上乗せ当選したうえでループ抽選が行われた場合であっても、特定態様にて第2再遊技入賞を成立させなければ回転動作自体の実行が制限されることになる。
回転動作を行わない場合の演出用の処理や演出態様について、図422や図423を参照しながら説明する。
図422は、回転演出用処理を示すフローチャートである。
ステップSe4401~ステップSe4402にてループ率の情報を設定する処理を実行する。そして、ステップSe4403にて第1回転演出フラグがセットされている場合には、ステップSe4404にてループ率演出の設定を行い、ステップSe4405にて第1回転演出用処理を実行してから、本回転演出用処理を終了する。第1回転演出フラグがセットされておらず、ステップSe4406にて第2回転演出フラグがセットされている場合、ステップSe4407にて第2回転演出用処理ではなく、終了演出を実行するようにする。
すなわち、非特定態様等の停止出目となった場合には、当該ゲームの停止時演出として第2停止演出が実行される(図423(a))。その後、開始操作演出が実行され(図423(b))、スタートレバー41の操作に基づき次のゲームが開始されると、各リール32L,32M,32Rによる回転動作は実行されないものの、補助表示部65にて終了演出が実行され(図423(c))、上乗せされたセット数が報知される。このように、特定態様とは異なる停止出目であった場合に、特定態様であれば回転動作とともに報知されるATモードの上乗せ数を補助表示部65にてまとめて報知するようにすれば、当該上乗せ数を報知する機会を好適に確保するようにしたうえで、特定態様とは異なる停止出目であった場合に、特定態様を出現させるような回転演出を実行しないようにするだけではなく、回転演出自体を実行しないようにすることで処理負荷の圧倒的な軽減を図ることができる。
<変形例3>
本変形例では、第1回転動作に対応する表示演出が行われる場合には遊技者にとって有益となり得る特定情報の提示がなされる一方、制限動作に対応する表示演出が行われる場合には当該特定情報の提示がなされない構成とする。なお、以下の説明では、遊技者にとって有益となり得る特定情報を設定値を示唆する情報を例として説明するが、当該特定情報は設定値を示唆する情報の他、ATモードの残りセット数の情報やレア画像等であってもよい。
図424は、本変形例における第1回転演出用処理の一部を示すフローチャートである。
すなわち、ステップSe3502にて第1ループコマンドを受信したと判定した場合、本変形例では、ステップSe4501にて特別演出抽選処理を実行する。特別演出抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから特別演出テーブルを取得するとともに、当選確率の設定処理にて設定されている設定値の情報を取得し、上記の特定情報の提示がなされる特別演出を実行するか否かの抽選を実行する。本変形例における特別演出テーブルは、図425(a)に示すように、出玉率が高くなる設定値ほど特別演出抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップSe4502では、上記ステップSe4501の特別演出抽選の結果が特別演出を実行することに対応する結果であったか否かを判定する。特別演出を実行することに対応する結果であった場合、ステップSe4503にて、今回実行する第1ループ演出において特別演出が行われるように設定する処理を実行してから、ステップSe3503にて当該第1ループ演出が補助表示部65にて行われるようにするための処理を実行する。例えば、図425(b)に示すように、女の子のキャラクタのセリフを表示する吹き出し部分に、特別演出として星マークを表示するように設定し、ステップSe3503の第1ループ演出を設定する際に当該特別演出を第1ループ演出とともに実行するように設定する。そして、ステップSe4502にて特別演出を実行しないと判定した場合には、ステップSe3503にて特別演出を含まない第1ループ演出を実行するように設定する。
このようにすることで、当該特別演出によって有益な情報を得たい遊技者心理を利用して、第1回転動作に付随する表示演出への注目度を高めるだけではなく、操作指示演出に従って特定態様にて第2再遊技入賞を成立させるメリットを生じさせることができ、遊技への積極参加を見込むことが可能となる。
なお、第2回転演出用処理における第2ループ演出においては、上記の特別演出が実行されないことを前提として説明したが、当該特別演出が実行される構成としてもよく、この場合、第1ループ演出の方が第2ループ演出よりも特別演出が実行され易い構成としたり、第1ループ演出における特別演出の方が、第2ループ演出における特別演出よりも設定値の絞り込みが行い易い情報が提示される、といったように遊技者にとってより有益となる情報が提示される又は提示され易い構成としてもよい。
<変形例4>
本変形例では、ループ対象結果でのATモード上乗せ当選時に停止させる停止出目の種類を複数設け、ループ率に応じて停止させる停止出目を異ならせる。具体的には、ループ対象結果としての通常リプA~通常リプCは、第1再遊技入賞や第2再遊技入賞、第4再遊技入賞、第5再遊技入賞の他に、第3再遊技入賞も成立可能となっており(図371)、所定のループ率の場合には、第2再遊技入賞ではなく第3再遊技入賞を成立させるように操作指示演出を実行する。
図426は、本変形例における操作指示演出設定処理を示すフローチャートである。
ステップSe4601では、ループ率を把握する処理を実行する。続くステップSe4602では、ループ率が80%ループであるか否かを判定する。80%ループではない場合には、ステップSe4603にて第2再遊技入賞の操作順序を把握する処理を実行し、ステップSe4604にて第2再遊技入賞用の押し順報知コマンドを出力設定する処理を実行してから、本操作指示演出設定処理を終了する。ステップSe4603及びステップSe4604の処理は、上記ステップSe1201及びステップSe1202の処理と同様である。
これに対して、ステップSe4602にて80%ループであると判定した場合、ステップSe4605に進み、第3再遊技入賞の操作順序を把握する処理を実行する。そして、ステップSe4606にて第3再遊技入賞用の押し順報知コマンドを出力設定する処理を実行してから、本操作指示演出設定処理を終了する。
表示制御装置81では、開始時演出設定処理において、ステップSe2107及びステップSe2108にて通常リプA~通常リプC当選時に押し順報知コマンドを受信していると判定した場合であって、ステップSe2110にて操作指示演出を実行するにあたり、ステップSe2109にて、受信している押し順報知コマンドが第2再遊技入賞用の押し順報知コマンドか第3再遊技入賞用の押し順報知コマンドである場合に肯定判定するようにする。そして、ステップSe2110にて、第2再遊技入賞用の押し順報知コマンドを受信していることを契機としてステップSe2109にて肯定判定していれば、上記のように、補助表示部65にて第2再遊技入賞用の押し順報知とともに、「白7」図柄を中段に揃えて停止させる特定態様にて第2再遊技入賞を成立させる旨の操作指示演出が実行されるようにする(図406(a))。
一方、受信している押し順報知コマンドが第3再遊技入賞用の押し順報知コマンドであることを契機としてステップSe2109にて肯定判定していれば、補助表示部65にて第3再遊技入賞用の押し順報知とともに、左リール32Lの中段に「白7」図柄、中リール32Mの中段に「白7」図柄、右リール32Rの中段に「赤7」図柄を停止させる態様にて第3再遊技入賞を成立させる旨の操作指示演出が実行されるようにする(図429(a))。なお、以下の説明では、各リール32L,32M,32Rの中段に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止する態様を第2特定態様とも称し、上記の「白7」図柄が揃って停止する特定態様を第1特定態様とも称する。また、第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させる旨の操作指示演出を第1操作指示演出とも称し、第2特定態様にて第3再遊技入賞を成立させる旨の操作指示演出を第2操作指示演出とも称する。
このようにすることで、実行される操作指示演出の種類によってループ率を把握することができ、特に第2操作指示演出が発生することへの期待感を高めることが可能となるし、停止させる停止出目が多様化するため、遊技意欲を掻き立てることも可能である。但し、上記のように第1特定態様を停止させることができない遊技者も存在することと同様に、第2特定態様を停止させることができない遊技者も存在すると考えられる。また、操作指示演出の確認不足等によって、誤って第2停止態様ではなく第1停止態様にて停止させてしまう事象も生じ得ると考えられる。かといって、停止態様に応じて回転動作にてその停止態様を修正したうえで回転動作を行おうとすると制御負荷の増大化が懸念される点は上述の通りであり、特定態様を複数設けることによって当該修正に要する制御負荷は累積的に増大化する。
図427は、本変形例における回転演出コマンド設定処理を示すフローチャートである。
ステップSe4701では回転演出フラグをクリアする処理を実行する。続くステップSe4702では、第2再遊技入賞フラグがセットされており、今回のゲームで第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。入賞している場合、ステップSe4703及びステップSe4704にて、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立していることの確認処理を実行する。ステップSe4703及びステップSe4704にて肯定判定し、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立している場合、ステップSe4705にて、ループ率フラグに基づいて今回のループ抽選のループ率が80%ループであるか否かを判定する。上記のように、本変形例では80%ループである場合には、第2再遊技入賞ではなく第3再遊技入賞を成立させるように操作指示演出が実行されている。
ステップSe4705にて80%ループではないと判定した場合、ステップSe4706及びステップSe4707にて、第1回転動作やそれに伴う演出を実行するための処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。
ステップSe4702にて第2再遊技入賞が成立していないと判定した場合、ステップSe4708にて第3再遊技入賞フラグがセットされており、今回のゲームで第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立しておらず、例えば、第1操作指示演出における押し順報知演出に従わずに第2再遊技入賞を成立させることができず、第1再遊技入賞等が成立している場合、ステップSe4709に進み、ステップSe4709及びステップSe4710にて上記ステップSe2807及びステップSe2808と同様に、第1回転動作を制限する制限動作やそれに伴う演出を実行するための処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。なお、ステップSe4704やステップSe4705にて、第2再遊技入賞は成立しているものの、第1特定態様での入賞ではないと判定した場合も、ステップSe4709及びステップSe4710の処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。
ステップSe4708にて第3再遊技入賞が成立していると判定した場合、ステップSe4711に進む。ステップSe4711では、ループ率フラグに基づいて今回のループ抽選のループ率が80%ループであるか否かを判定する。上記のように、本変形例では80%ループである場合には、第2再遊技入賞ではなく第3再遊技入賞を成立させるように操作指示演出が実行されている。80%ループではない場合、すなわち、第1操作指示演出が実行されているのにもかかわらず、第2再遊技入賞ではなく第3再遊技入賞を成立させてしまった場合、ステップSe4709及びステップSe4710の処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。
つまり、本変形例では、第1特定態様での第2再遊技入賞を成立させるように第1操作指示演出が実行されているのにもかかわらず、誤って第3再遊技入賞を成立させてしまった場合には、当該第2特定態様での停止出目を回転中に第1特定態様に修正するような回転動作を行うことなく、第1回転動作ではなく制限動作が行われるようにしている。そのうえで、第1回転動作に伴う演出ではなく制限動作用の演出を行うようにすることで、指示された停止出目とは異なる停止出目としてしまったことを遊技者に明確に教示することが可能となる。
ステップSe4711にて80%ループであると判定した場合、ステップSe4712に進む。ステップSe4712では、中リール32Mの中段の図柄番号が3であるか否かを判定する。ここで、第3再遊技入賞となる図柄として、左リール32Lの「白7」図柄は左リール32Lに1つであり、右リール32Rの「BAR」図柄は右リール32Rに1つであるのに対して、中リール32Mの「白貝」図柄は中リール32Mに2つである。そのため、第2特定態様にて第3再遊技入賞が成立しているか否かは、中リール32Mの停止出目により判別可能であり、中リール32Mの中段の図柄番号が3である場合には第2特定態様にて第3再遊技入賞が成立しており、中リール32Mの中段の図柄番号が18である場合には第2特定態様にて第3再遊技入賞が成立していないことになる。
ステップSe4712にて肯定判定し、第2特定態様にて第3再遊技入賞が成立している場合、ステップSe4713に進み、第1回転演出フラグをセットする処理を実行し、ステップSe4714にて第3回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1回転演出フラグがセットされることにより、上記のように、次ゲームの開始時にループ抽選に非当選となるまで、逆回転と第2特定態様での停止が繰り返される第1回転動作が実行されるようになる。
つまり、上記のように第1回転動作では、停止出目や回転中の図柄に関わらず、ちょうど2周分だけ各リール32L,32M,32Rを回転させてから停止させる、といった構成としていることから、第1特定態様の停止出目から第1回転動作を実行すれば、第1特定態様での停止出目が逆回転後に出現し、第2特定態様の停止出目から第1回転動作を実行すれば、第2特定態様での停止出目が逆回転後に出現することになる。また、上記の第3回転演出コマンドは、第2特定態様での停止出目が停止して、80%のループ率にてループ抽選が行われることを示唆する停止時演出を、補助表示部65等にて行うためのコマンドである。ステップSe4714の処理を実行した後は、本回転演出コマンド設定処理を終了する。
これに対して、ステップSe4712にて否定判定し、第2特定態様とは異なる態様にて第3再遊技入賞が成立している場合、ステップSe4709及びステップSe4710の処理を実行してから、本回転演出コマンド設定処理を終了する。
つまり、本変形例では、第2特定態様での第3再遊技入賞を成立させるように第2操作指示演出が実行されているのにもかかわらず、第2特定態様とは異なる態様にて第3再遊技入賞を成立させてしまった場合には、当該第2特定態様とは異なる態様での停止出目を、回転動作にて第2特定態様に修正するような制御を行うことなく、第1回転動作ではなく制限動作が行われるようにしている。そのうえで、第1回転動作に伴う演出ではなく制限動作用の演出を行うようにすることで、指示された停止出目とは異なる停止出目としてしまったことを遊技者に明確に教示することが可能となる。
更に、上記のステップSe4705にて、80%ループであるのにも関わらず第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させてしまった場合、ステップSe4715に進み、第2回転演出フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSe4716にて、第4回転演出コマンドを表示制御装置81へ出力対象としてセットする処理を実行する。つまり、本変形例では、第2特定態様での第3再遊技入賞を成立させるように第2操作指示演出が実行されているのにもかかわらず、第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させてしまった場合には、当該第1特定態様での停止出目を、回転動作にて第2特定態様に修正するような制御を行うことなく、第1回転動作ではなく制限動作が行われるようにしている。また、上記の第4回転演出コマンドは、80%のループ率にてループ抽選が行われるのにもかかわらずそうではない停止出目なっていしまっていることを示唆する停止時演出を、補助表示部65等にて行うためのコマンドである。ステップSe4716の処理を実行した後は、本回転演出コマンド設定処理を終了する。
図428(a)は、本変形例における表示制御装置81側の回転演出準備処理を示すフローチャートである。
ステップSe4801~ステップSe4809の処理は、上記ステップSe3201~ステップSe3209の処理と同様であり、第1回転演出コマンドや第2回転演出コマンドを受信したことに基づいて、第1停止時演出や第2停止時演出を実行したり、開始操作演出を実行したりする処理を行うとともに、第1回転動作が行われる場合の演出用に第1回転演出フラグをセットし、制限動作が行われる場合の演出用に第2回転演出フラグをセットする。
ステップSe4805にて否定判定し、第2回転演出コマンドを受信していない場合、ステップSe4810にて第3回転演出コマンドを受信しているか否かを判定する。上記の通り、第3回転演出コマンドは第2操作指示演出に基づき第2特定態様での第3再遊技入賞が成立した場合に出力されるコマンドである。この場合、ステップSe4811にて第3停止時演出が補助表示部65等にて行われるように設定する処理を実行する。第3停止時演出は、例えば、「白7」図柄及び「赤7」図柄のキャラクタとともに、女の子のキャラクタが「スーパーラッキーよ」と喜んでいる様子が補助表示部65にて表示される演出が設定されており(図429(c1))、上乗せ抽選に当選したこととともに、更に上乗せが行われることを示唆するように設定されている。この場合、第3停止時演出と、第1停止時演出とは、両者を遊技者が区別可能な程度に異なっており、第3停止時演出が行われた場合には、更なる上乗せにおいて、今回のループ抽選の当選確率が高いこと(80%ループであること)が示唆される。
その後、ステップSe4812では、開始操作演出が、上記の第3停止時演出に続いて行われるように設定する処理を実行する。そして、ステップSe4813にて、第1回転演出フラグをセットする処理を実行してから、回転演出準備処理を終了する。この場合、次ゲームの開始時の第1回転動作に合わせて、第1開始演出や第1ループ演出等の第1表示演出が実行されるようになる。
ステップSe4810にて第3回転演出コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSe4814にて第4回転演出コマンドを受信しているか否かを判定する。上記の通り、第4回転演出コマンドは、第2特定態様にて第3再遊技入賞を成立させるべく、第2操作指示演出が実行されているのにもかかわらず、第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させてしまった場合に出力されるコマンドである。第4回転演出コマンドを受信していない場合には、そのまま本回転演出準備処理を終了する。第4回転演出コマンドを受信している場合、ステップSe4815にて第4停止時演出が補助表示部65等にて行われるように設定する処理を実行する。第4停止時演出は、例えば、「白7」図柄のキャラクタとともに、女の子のキャラクタが困惑している様子が補助表示部65にて表示される演出が設定されており(図429(c3))、上乗せ抽選の抽選結果に基づく操作指示演出の内容と停止出目とが異なっていることを示唆するように設定されている。
その後、ステップSe4816では、開始操作演出が、上記の第3停止時演出に続いて行われるように設定する処理を実行する。そして、ステップSe4817にて、第2回転演出フラグをセットする処理を実行してから、回転演出準備処理を終了する。この場合、次ゲームの開始時の制限動作に合わせて、第2開始演出や第2ループ演出等の第2表示演出が実行されるようになる。
第2操作指示演出が実行された場合の各リール32L,32M,32Rの動作と演出の概要を、図429~図431を参照しながら説明する。
通常リプA~通常リプCに基づいて上乗せ当選となり、ループ率が80%に設定されると、図429(a)に示すように、第2特定態様にて第3再遊技入賞を成立させるべく第2操作指示演出が実行される。遊技者が、その第2操作指示演出に従って操作することで、図429(b1)に示すように第2特定態様にて第3再遊技入賞が成立する。この場合、第3停止時演出が補助表示部65にて実行され、ループ率が80%であり、多くの上乗せを見込めることが、各リール32L,32M,32Rの停止出目と補助表示部65の表示内容とから明確に把握可能となる。その後、次ゲームの開始時に各リール32L,32M,32Rによる第1回転動作が実行され、逆回転と当該第2特定態様の停止出目での停止とが、ループ抽選に非当選となるまで実行され、その動作に合わせて第1開始演出や第1ループ演出が実行されるようになる。
第2操作指示演出が実行されたものの、第2特定態様にて第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合、第2特定態様とは異なる態様にて第3再遊技入賞が成立したり、図429(b2)に示すように、第3再遊技入賞ではなく第4再遊技入賞が成立したりする他、図429(b3)に示すように、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立する場合もある。この場合、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立している場合には、図429(c3)に示すように、第4停止時演出が実行され、それ以外の停止態様である場合には、図429(c2)に示すように、第2停止時演出が実行される。第2停止時演出は、上記疑似操作指示演出が実行された場合にも実行されることから、この場合、ループ率が80%であることだけでなく、上乗せ抽選当選したことすら、各リール32L,32M,32Rの停止出目と補助表示部65の表示内容とから把握することができない。但し、次ゲームの開始時に各リール32L,32M,32Rによる制限動作が実行され、ループ抽選に非当選となるまで逆回転に合わせて第2開始演出や第2ループ演出が実行されるようになる。
これに対して、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立し、第4停止時演出が実行された場合には、操作指示演出の内容とは異なる内容にて操作してしまったこと(第2特定態様ではなく第1特定態様を停止させてしまったこと)を把握可能となる。この場合、次ゲームの開始時に各リール32L,32M,32Rによる制限動作が実行されるようになる。つまり、図430(a1)に示すように、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立している状況で、図430(b1)に示すように、開始操作演出が実行され、スタートレバー41を操作することにより、図430(a2)及び図430(b2)に示すように、各リール32L,32M,32Rが逆方向に回転開始されるとともに、補助表示部65にて第2開始演出が実行される。そして、各リール32L,32M,32Rがちょうど2周分だけ回転したタイミングで(図430(a3))、第2ループ演出が補助表示部65にて実行される(図430(b3))。
その後、各リール32L,32M,32Rの逆方向への回転が継続されている状況にて(図431(a1))、開始操作演出が実行され(図431(b1))、ループ抽選に当選している限り、図430(a2)や図430(b2)の制限動作及びそれ用の演出が繰り返されることになる。ループ抽選に非当選となると、図431(a2)に示すように、各リール32L,32M,32Rの逆方向への回転が停止されるとともに、図431(b2)に示すように、終了演出が実行される。その後、各リール32L,32M,32Rは正方向に回転を開始し(図431(a3))、開始時演出として例えば押し順報知演出が補助表示部65にて実行されるようになる(図431(b3))。
各操作指示演出と、停止態様と、回転動作や補助表示部65での表示演出との関係を、図428(b)に示している。
第1操作指示演出が実行された場合、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの4番の「白貝」図柄、右リール32Rの5番の「チェリー」図柄が有効ラインML上に停止することで第1特定態様での第2再遊技入賞が成立する。この場合、停止時演出としては補助表示部65にて第1停止時演出が実行され、各リール32L,32M,32Rの第1回転動作にあわせて、第1ループ演出や第1開始演出といった第1表示演出が補助表示部65にて実行される。
これに対して、第1操作指示演出が実行された場合であっても、上記の第1特定態様とは異なり、例えば、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの4番の「白貝」図柄、右リール32Rの0番又は10番の「チェリー」図柄が有効ラインML上に停止する等の非特定態様にて第2再遊技入賞が成立したり、第2再遊技入賞ではなく第1再遊技入賞、第3再遊技入賞、第4再遊技入賞、第5再遊技入賞が成立すると、停止時演出としては補助表示部65にて第2停止時演出が実行され、各リール32L,32M,32Rの制限動作にあわせて、第2ループ演出や第2開始演出といった第2表示演出が補助表示部65にて実行される。
第2操作指示演出が実行された場合、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの4番の「白貝」図柄、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ラインML上に停止することで第2特定態様での第3再遊技入賞が成立する。この場合、停止時演出としては補助表示部65にて第3停止時演出が実行され、各リール32L,32M,32Rの第1回転動作にあわせて、第1ループ演出や第1開始演出といった第1表示演出が補助表示部65にて実行される。
これに対して、第2操作指示演出が実行された場合であっても、上記の第2特定態様とは異なり、例えば、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの8番の「白貝」図柄、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ラインML上に停止する等の非特定態様にて第3再遊技入賞が成立したり、第3再遊技入賞ではなく第1再遊技入賞、第4再遊技入賞、第5再遊技入賞が成立する他、非特定態様での第2再遊技入賞が成立すると、停止時演出としては補助表示部65にて第2停止時演出が実行され、各リール32L,32M,32Rの制限動作にあわせて、第2ループ演出や第2開始演出といった第2表示演出が補助表示部65にて実行される。
但し、第2操作指示演出が実行された場合において、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立した場合には、停止時演出としては補助表示部65にて第4停止時演出が実行された後、各リール32L,32M,32Rの制限動作にあわせて、第2ループ演出や第2開始演出といった第2表示演出が補助表示部65にて実行される。
第2操作指示演出が実行された場合であって、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立する場合とは、ストップスイッチ42~44の操作順序が異なるものの、第1特定態様を狙って停止させることには成功した場合である。つまり、少なくともストップスイッチ42~44の操作順序を指示通りに実行することよりも難易度の高い第1特定態様にて停止させることに成功した場合であり、このような場合には、上記の第2停止時演出とは異なる第4停止時演出を実行するようにすることで、勘違いはあるにしても第1特定態様にて停止させることに成功したことへのねぎらいを表示演出として行うことができ、遊技意欲の低下を好適に回避することができるし、少なくとも第2停止時演出とは異なる演出であることから、当該第1特定態様にて停止させた時点で上乗せに当選していること自体は把握することが可能となる。
なお、第2操作指示演出が実行された場合であって、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立した場合に、各リール32L,32M,32Rによる制限動作と、第2ループ演出や第2開始演出といった第2表示演出を補助表示部65にて実行する構成としたが、各リール32L,32M,32Rによる第1回転動作と、第1表示演出を補助表示部65にて実行する構成としてもよい。
また、第1操作指示演出が実行された場合であって、第2特定態様にて第3再遊技入賞が成立した場合に、第2停止時演出を実行したうえで、各リール32L,32M,32Rによる制限動作と、第2ループ演出や第2開始演出といった第2表示演出が補助表示部65にて実行される構成としたが、第4停止時演出や第3停止時演出を実行したうえで、各リール32L,32M,32Rによる第1回転動作と、第1表示演出を補助表示部65にて実行する構成としてもよい。
<変形例5>
本変形例では、制限動作の態様を上記実施形態のものと異ならせる。図432は、本変形例における第2回転制御処理を示すフローチャートであり、上記図401の処理との差は、スタートレバー41の操作毎に選択される回転テーブルが異なる点である。
具体的には、ステップSe4901では、各種テーブル記憶エリア105aから第1特別回転テーブルを取得する処理を実行する。第1特別回転テーブルは、上記ステップSe3101にて取得する回転テーブルと同様の回転テーブルである(図400)。そして、ステップSe4902~ステップSe4910にて、上記ステップSe3102~ステップSe3110と同様に、第1特別回転テーブルに基づく制限動作用の処理を実行するとともに、スタートレバー41の操作に基づくループ抽選を実行する。ステップSe4910にてループ抽選に当選していると判定した場合、ステップSe4911にて第2開始演出コマンドを出力する処理を実行する。そして、ステップSe4912にてATセットカウンタを1加算する処理を実行し、ステップSe4913にて総ステップカウンタを0にクリアする処理を実行する。
続くステップSe4914では、各種テーブル記憶エリア105aにおける第2特別回転テーブルが既に設定済みであるか否かを判定し、設定済みである場合には、ステップSe4904に戻り、当該第2特別回転テーブルに基づく制限動作用の処理を実行するとともに、スタートレバー41の操作に基づくループ抽選を実行する。設定済みではない場合には、ステップSe4915にて、各種テーブル記憶エリア105aにおける第2特別回転テーブルを取得し、各リール32L,32M,32Rの回転テーブルとして当該第2特別回転テーブルを設定する処理を実行する。第2特別回転テーブルは、図433に示すように、各加速順序の加速時間が上記第1特別回転テーブルよりも短い時間が設定されており、特に、第1特別回転テーブルでの定速回転時の回転速度よりも第2特別回転テーブルでの定速回転時の回転速度の方が早くなるように設定されている。ステップSe4915の処理を実行した後は、ステップSe4902に戻り、加速カウンタに25を入力して当該第2特別回転テーブルに基づく制限動作用の処理を実行するとともに、スタートレバー41の操作に基づくループ抽選を実行する。
また、ステップSe4910にてループ抽選に非当選となった場合、ステップSe4915~ステップSe4917にて、上記ステップSe3114~ステップSe3116と同様に、制限動作終了用の処理を実行してから、本第2回転制御処理を終了する。
この場合、図434に示すように、先ず、非特定態様にて第2再遊技入賞が成立し(図434(a1))、開始操作演出が実行された場合(図434(b1))、スタートレバー41の操作に基づき第1特別回転テーブルに基づいて各リール32L,32M,32Rが逆方向に回転開始される(図434(a2))。補助表示部65では、第2開始演出が実行され(図434(b2))、ちょうど2周分だけ回転したタイミングにて(図434(a3))、第2ループ演出が実行される(図434(b3))。
各リール32L,32M,32Rが回転中のまま(図434(a4))操作指示演出が実行され(図434(b4))、スタートレバー41が操作されると第2特別回転テーブルに基づいて各リール32L,32M,32Rの回転速度が加速される(図434(a5))。補助表示部65では、第2開始演出が実行され(図434(b5))、当該第2特別回転テーブルによる回転速度にて回転中のまま(図434(a6))、第2ループ演出が実行される(図434(b6))。その後、ループ抽選に当選し続ける限り、第2特別回転テーブルに基づく回転制御が実行されるとともに、第2開始演出や第2ループ演出によるATモードのセット上乗せが繰り返される様子が表示される。
このように、制限動作において特定態様での停止出目を再出現させない代わりに、回転速度を上げて回転させるようにすることで、制限動作におけるリール32L,32M,32Rの動作態様の派手さや分岐態様等が第1回転動作と同じ程度となり、第1回転動作による演出効果と、制限動作による演出効果とを合わせることが可能となる。よって、制限動作による処理負荷の低減を図りながらも演出効果に期待することができる。
なお、制限動作において途中から第2特別回転テーブルに基づいて回転速度を上げる構成としたが、最初から第2特別回転テーブルに基づく回転を行う構成としてもよい。また、特別回転テーブルを更に別途設け、第1特別回転テーブルによる制限動作→第2特別回転テーブルによる制限動作→第3特別回転テーブルによる制限動作、、、といったように、ループ抽選に当選する度に、選択される特別回転テーブルが異なり、回転動作の態様が異なるようにしてもよい。また、回転動作の態様の相違を回転速度の相違により説明したが、各特別回転テーブルで回転動作の態様が異なればよく、例えば、加速度が異なる構成としてもよい。
<変形例6>
本変形例では、ATモードの上乗せ抽選に当選し、回転動作を伴うループ抽選が行われることが決定されている場合において、各リール32L,32M,32Rの位置ずれが生じ得る特定事象が発生した場合、次ゲーム開始時の回転動作の態様を異ならせる。図435(a)は、本変形例における回転演出処理を示すフローチャートである。
ステップSe5001では、第1回転演出フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、第1回転演出フラグは、操作指示演出に基づいて特定態様にて第2再遊技入賞を成立させることができた場合にセットされるフラグであり、当該回転演出処理の実行契機となったスタートレバー41の操作に基づき、第1回転動作を実行するためのフラグである。
第1回転演出フラグがセットされている場合、本変形例では、ステップSe5002及びステップSe5003にて特定事象の発生の有無を確認する。具体的には、ステップSe5002では、各種フラグ格納エリア106dに扉開放フラグがセットされているか否かを判定する。
図による詳細な説明は省略するが、前面扉12には、当該前面扉12が開放されたこと(閉鎖されたこと)を検知可能な扉用センサが設けられており、タイマ割込み処理(図352)におけるセンサ監視処理(ステップSe107)では、当該扉用センサにて前面扉12が開放されたことを検知した場合(前面扉12が閉鎖された状態ではなくなったことを検知した場合)に、各種フラグ格納エリア106dに扉開放フラグをセットする処理を実行する。扉開放フラグは、当該扉用センサにて前面扉12が閉鎖されたことを検知してから1ゲームが消化された場合に、例えば、リール制御処理(図357)における払出判定処理等でクリアされる。
つまり、ゲームの開始に際して実行される回転演出処理のステップSe5002にて扉開放フラグがセットされていると判定した場合とは、前面扉12が開放されたままゲームが開始されたか、前面扉12が開放された後、閉鎖されてから最初のゲームの開始時であることを意味する。
また、ステップSe5003では、電断フラグがセットされているか否かを判定する。
図による詳細な説明は省略するが、電断フラグは、タイマ割込み処理(図352)において停電フラグがセットされており(ステップSe102:YES)、停電処理が実行される場合に、RAM106のバックアップエリアにセットされるフラグであり、停電状態から復帰して1ゲーム消化した場合に、例えば、リール制御処理(図357)における払出判定処理等でクリアされる。
ステップSe5002及びステップSe5003のいずれでも否定判定し、扉開放フラグも電断フラグもセットされておらず、特定事象が発生していない場合、ステップSe5004に進み、第1回転制御処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。一方、ステップSe5002又はステップSe5003にて肯定判定し、扉開放フラグ又は電断フラグがセットされており、特定事象が発生している場合には、ステップSe5005に進み、表示制御装置81へ切り替えコマンドを出力する処理を実行してから、ステップSe5006にて、第2回転制御処理を実行し、その後、本回転演出処理を終了する。なお、ステップSe5006の第2回転制御処理は、ステップSe5001にて否定判定し、ステップSe5007にて第2回転演出フラグがセットされていると判定した場合にも実行される処理である。
切り替えコマンドは、第1回転動作を実行する予定であったのにもかかわらず、制限動作を実行するようにしたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。表示制御装置81では、図435(b)に示すように、回転演出用処理において、ステップSe3303にて第1回転演出フラグがセットされていると判定した後、ステップSe5011にて上記の切り替えコマンドを受信しているか否かを判定する。切り替えコマンドを受信していない場合には、ステップSe3304に進み、ループ演出を設定する処理を実行し、ステップSe3305にて第1回転演出用処理を実行する。これに対して、切り替えコマンドを受信している場合には、ステップSe3307に進み第2回転演出用処理を実行する。
すなわち、操作指示演出に基づいて特定態様にて第2再遊技入賞を成立させることができた場合であっても、第1回転動作の開始前に特定事象が発生した場合には、当該第1回転動作ではなく、制限動作での回転動作が実行されるようになる。また、補助表示部65での表示演出は、第1開始演出や第1ループ演出といった第1表示演出から、第2開始演出や第2ループ演出といった第2表示演出に切り替えられて実行されることになる。
上記の通り、第1回転動作が行われるゲームは、ループ対象結果にてATモードの上乗せ抽選に当選したゲームの次のゲームであるところ、特定事象が発生したことにより第1回転動作の実行が制限されて制限動作での回転動作が実行される場合とは、ループ対象結果にて上乗せ当選したゲームが終了した後であって、当該制限動作での回転動作が実行される前である。つまり、第1停止時演出が実行された後、特定事象が発生すると、制限動作での回転動作が実行され、補助表示部65での表示演出は、第1表示演出から第2表示演出に切り替えられて実行されることになる。
図による詳細な説明は省略するが、ループ対象結果にてATモードの上乗せ抽選に当選したゲームにおいて扉開放フラグや電断フラグがセットされた場合には、上記のように当該扉開放フラグや電断フラグは当該ゲームの終了に際してクリアされる。そのため、当該上乗せ抽選に当選し、例えば特定態様にて第2再遊技入賞を成立させることに成功し、第1停止時演出が実行されたゲームの終了に際して、これら扉開放フラグや電断フラグはクリアされ、次ゲームにおいて第1回転動作や第1表示演出による回転演出が実行されるようになる。
ここで、特定事象が発生した場合、回転演出自体を実行しないようにすることも可能であるところ、上記のように第1停止時演出が実行されたことによって、次ゲームで回転演出が実行されることを遊技者は把握しているものと考えられる。その点、仮に、特定事象の発生に基づいて回転演出自体を実行しないようにしてしまうと、第1停止時演出にて示されたATモードの上乗せがさらに行われることという利益が、特定事象の発生により消滅してしまったと、遊技者は勘違いする可能性がある。その点、上記のように、特定事象が発生したからといって、回転演出自体を実行しないようにするのではなく、回転演出のうちの回転動作を第1回転動作の制御の一部が制限された制限動作として実行するとともに、回転演出のうちの表示演出を第1表示演出(第1開始演出や第1ループ演出)から第2表示演出(第2開始演出や第2ループ演出)に切り替えて実行する構成とすることで、特定事象の発生に伴う回転動作調整用の処理負荷の増大化を回避しながらも、第1停止時演出にて示された利益が消滅してしまったと勘違いさせないようにすることが可能となる。
なお、第1停止時演出が実行される前に扉開放フラグや電断フラグがセットされて特定事象が発生した場合には、ATモードの上乗せ抽選に当選して第1回転動作や制限動作を実行することの決定がなされていても、ループ抽選やそれに伴う上乗せを行うだけで、これらの回転演出を実行しないようにしてもよい。この場合、特定事象の発生に基づいて第1停止時演出ではなく第2停止時演出が行われるようにするとよい。このようにすることで、回転演出が実行されないことへの違和感を低減することが可能である。
本変形例において、上記変形例3にて示した、特別演出を適用する場合、以下のようにするとよい。既に説明した通り、特別演出は、設定値示唆の情報が提示される演出であり、操作指示演出に従って特定態様にて第2再遊技入賞を成立させることに成功した場合には第1回転演出用処理にて実行される一方、特定態様にて第2再遊技入賞を成立させることに失敗した場合には実行されない。上記のように、特定事象の発生により、第1回転演出用処理ではなく第2回転演出用処理が実行されるようになることから、第2回転演出用処理にて、上記の特別演出を実行するための処理を設けてもよい。
具体的には、図435(c)に示すように、ステップSe3602にて第2ループコマンドを受信したと判定した場合、ステップSe5021にて、今回のゲームの開始時に上記の切り替えコマンドを受信しているか否かを判定する。受信している場合には、ステップSe5022にて特別演出抽選処理を実行し、ステップSe5023にて当該抽選処理に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップSe5024にて特別演出が第2ループ演出とともに実行されるように設定する。ステップSe5021若しくはステップSe5023にて否定判定した場合、又はステップSe5024の処理を実行した後は、ステップSe3603にて第2ループ演出を実行する。
このようにすることで、せっかく特定態様にて第2再遊技入賞を成立させることに成功し、特別演出発生の権利を得た場合であっても、特定事象の発生によってその特別演出発生の権利が消失してしまう不都合を解消することができる。
<変形例7>
本変形例では、各リール32L,32M,32Rによる回転動作の実行中に特定事象が発生した場合の対処について説明する。回転動作の実行中の特定事象としては、例えば、各リール32L,32M,32Rの脱調やセンサの異常であり、モータ制御処理(図394)にて当該特定事象の発生が把握される。すなわち、モータ制御処理において加速が正常に行われずにリールが回転を開始しなかった場合や、故意にリールを押さえて回転を止めていた場合や、リールの脱調が生じた場合には、1回転分の500パルスの励磁信号を出力してもセンサカットバンの通過を検出しないようになる。その結果、モータ制御処理におけるステップSe2612の図柄番号のリセット処理が行われないため、ステップSe2615において図柄番号は最大値「19」を超えて「20」に更新される。図柄番号の値が「20」となっても、次回の処理ではカウンタ加減算処理が行われるため、図柄オフセットの値は今まで通り更新処理される。この場合、ステップSe2616にて否定判定することとなり、ステップSe2617にて、異常がステッピングモータの動作上のばらつきではないことの確認を経てから、当該異常を特定事象としてステップSe2618にて異常処理が実行される。上記の通り、ステップSe2618の異常処理においては、加速カウンタにその初期値である「25」をセットし、次のタイマ割込み期間から再び加速処理を行う。また、当該異常処理においては、各種フラグ格納エリア106dにエラーフラグをセットする処理を実行する。当該エラーフラグは、今回のゲームの終了に際して、例えば、リール制御処理(図357)における払出判定処理等でクリアされる。
図436は、本変形例における第1回転制御処理を示すフローチャートである。
本変形例では、各リール32L,32M,32Rを逆方向に回転開始させてから停止させるまで(2周分だけ回転するまで)の間、待機する処理(ステップSe5104:NO)の構成が異なっており、他の処理は上記図399のものと同様である。
すなわち、ステップSe5104にて総ステップカウンタが「4528」に至っていないと判定した場合、本変形例ではステップSe5117に進む。ステップSe5117では、上記のエラーフラグがセットされているか否かを判定する。エラーフラグがセットされていない場合には、ステップSe5104に戻る。これに対して、ステップSe5117にてエラーフラグがセットされており、各リール32L,32M,32Rの回転中に特定事象が発生したと判定した場合、図437の第2回転制御処理に移行する。
具体的には、図437におけるステップSe5205に進み、各種フラグ格納エリア106dに切り替えフラグをセットする処理を実行してから、ステップSe5204の総ステップカウンタが「4528」に至るまで待機する処理に進む。この場合、上記図401における処理と同様に、総ステップカウンタが「4528」に至った場合にステップSe5204にて肯定判定して各リール32L,32M,32Rを停止させることなく補助表示部65での演出が行われるようになる。上記の切り替えフラグは、第1回転動作の実行中に特定事象が発生し、制限動作に切り替えられたことをCPU102が把握するためのフラグである。
ステップSe5204にて肯定判定した場合、ステップSe5206にて切り替えフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSe5207にて第2ループコマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。この場合、図438(a1)に示すように、各リール32L,32M,32Rが逆方向への回転が継続されたまま、図438(b1)に示すように、上記の第2ループ演出が補助表示部65にて実行される。これに対して、ステップSe5206にて切り替えフラグがセットされていると判定した場合、ステップSe5208にて第3ループコマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。表示制御装置81では、当該第3ループコマンドを受信したことに基づいて、上記第2ループ演出とは異なるループ演出が補助表示部65等にて実行されるように制御する。具体的には、図438(a2)に示すように、各リール32L,32M,32Rが逆方向への回転が継続されたまま、図438(b3)に示すように、例えば、上記の第2ループ演出において軍人のキャラクタが身に纏うオーラの色が異なる第3ループ演出が補助表示部65にて実行されるようにする。
ステップSe5207又はステップSe5208の処理を実行した後は、ステップSe5209~ステップSe5212にて、開始操作演出を実行するための処理やループ抽選を実行する。そして、ステップSe5213にてループ抽選に当選しているか否かを判定する。
ループ抽選に当選している場合、ステップSe5214に進み、上記の切り替えフラグがセットされているか否かを判定する。切り替えフラグがセットされていない場合、ステップSe5215にて第2開始演出コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。この場合、図438(b2)に示すように、上記の第2開始演出が補助表示部65にて実行される。これに対して、ステップSe5214にて切り替えフラグがセットされていると判定した場合、ステップSe5216にて第3開始演出コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。表示制御装置81では、当該第3開始演出コマンドを受信したことに基づいて、上記第2開始演出とは異なる開始演出が補助表示部65等にて実行されるように制御する。具体的には、図438(b4)に示すように、例えば、上記の第2開始演出において表示される軍人のキャラクタに対して、オーラを身に纏っているように当該オーラのキャラクタを追加した第3開始演出が補助表示部65にて実行されるようにする。
ステップSe5215又はステップSe5216の処理を実行した後は、ステップSe5217にてATセットカウンタを1加算し、ステップSe5218にて総ステップカウンタを0にクリアしてから、ステップSe5204に戻る。なお、図437において、ステップSe5201~ステップSe5203や、ステップSe5219~ステップSe5221の処理は、上記ステップSe3101~ステップSe3103や、ステップSe3114~ステップSe3116の処理と同様であるため、説明を省略する。
すなわち、各リール32L,32M,32Rの回転中にリールの脱調等の特定事象が発生した場合、上記のようにリール制御処理では各リール32L,32M,32Rの回転カウンタに「25」が再入力されて再加速処理が実行される。かかる特定事象が第1回転動作の実行中に発生した場合、当該第1回転動作から制限動作に切り替える処理が実行され、総ステップカウンタが「4528」に至って、回転開始からちょうど2周分回転したであろうタイミングとなっても、停止指令処理が実行されないようになる。これにより、再加速処理に伴い、第1回転動作における各リール32L,32M,32Rの停止タイミングを再設定したり、各リール32L,32M,32Rの図柄の位置関係を再把握したり、加速度を別途調整したりする必要が生じず、処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
そのうえで、上記のように第1回転動作から途中で制限動作に切り替えた場合には、当該制限動作に対応させた表示演出が、当初から制限動作が実行される場合の表示演出とは異なるように設定し、具体的には第2ループ演出や第2開始演出の代わりに、第3ループ演出や第3開始演出が実行されるようになる。このようにすることで、回転動作の態様が途中で切り替わったことを遊技者は明確に把握することが可能となり、せっかくの上乗せの機会や上乗せ自体が消失してしまったと勘違いさせないようにすることができる。
<変形例8>
本変形例では、第2表示演出を実行する箇所を異ならせる。図439(a)は、本変形例におけるスロットマシン10の縦断面の概略図である。本変形例では、上記のように各リール32L,32M,32Rの上方に配置される補助表示部65の他に、リール32L,32M,32Rの前方に配置される遊技パネル25が、第2補助表示部650として構成されている。第2補助表示部650は、いわゆる透過液晶装置であり、後方の各リール32L,32M,32Rを視認可能な第1状態と、当該第2補助表示部650にて所定の演出が実行され、遊技者が上記の第1状態よりも各リール32L,32M,32Rを視認しにくくなる又は視認できなくなる第2状態とに切り替わるように、表示制御装置81により制御される。なお、第2補助表示部650との関係から、補助表示部65を第1補助表示部65とも称する。
処理の図による詳細な説明は省略するが、操作指示演出は第1補助表示部65にて実行し、例えば特定態様にて第2再遊技入賞が成立する場合には、各リール32L,32M,32Rの停止操作が行われたタイミング(具体的には、最終停止操作にてストップスイッチ42~44から手を離したタイミング)で、第1補助表示部65にて第1停止時演出が行われるようにし、非特定態様にて第2再遊技入賞が成立したりした場合には、当該各リール32L,32M,32Rの停止操作が行われたタイミングで、第2補助表示部650にて第2停止時演出が行われるようにする。
そして、図439(b1)に示すように、例えば、各リール32L,32M,32Rにて第1回転動作が実行される場合には、上記のように第1補助表示部65にて第1表示演出を実行する。これに対して、各リール32L,32M,32Rにて制限動作が実行される場合には、表示制御装置81は、図439(b2)に示すように、第2補助表示部650にて第2表示演出が実行されるように制御する。この場合、制限動作が実行されている各リール32L,32M,32Rは、第2補助表示部650にて第2表示演出が行われることによって前方から視認不可又は視認しにくくなり、各リール32L,32M,32Rにて第1回転動作ではなく制限動作が行われていることへの違和感を与えにくくすることが可能となる。
なお、第2補助表示部650にて第2表示演出を実行する場合、第1補助表示部65では、第1表示演出や第2表示演出とは異なる演出が行われるようにするとよい。
第2補助表示部650にて第2表示演出を実行することで、各リール32L,32M,32Rの視認性を低下させながら、第2表示演出への注目度を向上させる構成としたが、第1補助表示部65にて第2表示演出を実行する構成としたうえで、第2補助表示部650にて別の演出を実行することで各リール32L,32M,32Rの視認性を低下させる構成としてもよい。この場合、第2補助表示部650にて実行する別の演出として、各リール32L,32M,32Rを模したキャラクタを表示し、当該キャラクタによって特定態様の停止出目を表示演出として表示したり、第1回転動作を表示演出として表示したりするようにしてもよい。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)第1回転動作において、2周分だけ回転したタイミングで各リール32L,32M,32Rを停止させることで、第1特定態様や第2特定態様の停止出目を簡素な処理にて再出現させる構成としたが、停止させるタイミングは上記のものに限定されず、1周分の回転周期(回転期間)の整数倍のタイミングであればよい。また、例えば、特定態様の停止出目から半周等だけ回転させたタイミングで停止させると、別の図柄番号による特定態様の停止出目が出現するように各リール32L,32M,32Rの図柄を配置する等した場合、半周等だけ回転したタイミングで停止させる構成としてもよい。この場合、別の図柄番号による同じ図柄による特定態様の停止出目が半周等で出現する構成としてもよいし、例えば、「白7」図柄が横方向に揃った態様を特定態様とすると、「赤7」図柄が横方向に揃った態様が特定態様として半周等で出現したり、上記の第1特定態様から半周等で第2特定態様が出現するといったように、別の図柄番号による異なる図柄による特定態様の停止出目が半周等で出現する構成としてもよい。また、中段に第1特定態様や第2特定態様が停止していた状態から第1回転動作が開始されると、中段に第1特定態様や第2特定態様が停止する構成としたが、上段や下段に到達するタイミング(周回分のタイミングから1図柄分だけ前後にずらしたタイミング)で停止させる構成としてもよく、上段に停止していた図柄を中段や下段に再停止させる、といったように開始前の停止位置と再停止時の停止位置とにずれが生じるような構成であってもよい。第1回転動作前の停止出目と第1回転動作後に出現させる停止出目とが異なる場合、第1回転動作前の停止出目となるようにストップスイッチ42~44を操作させる操作指示演出を補助表示部65等にて行う構成とするとよい。また、第1回転動作前の停止出目と第1回転動作後に出現させる停止出目とが異なる場合、回転周期に対して、回転周期を各リール32L,32M,32Rに付された図柄数(20)で除算した数の整数倍の期間を追加で回転させたタイミングで停止させる構成とするとよい。例えば、第1回転動作前の停止出目と第1回転動作後に出現させる停止出目と1図柄分だけズレている場合には、回転周期に対して1図柄分追加で回転させたタイミングで停止させる構成とするとよい。なお、回転周期は0周も含み、例えば、第1回転動作は、1図柄分だけ回転させる態様も含む。
(2)第1回転動作において、2周分だけ回転したタイミングで各リール32L,32M,32Rを停止させて第1ループ演出を実行することを前提とし、制限動作でも2周分だけ回転したタイミングで第2ループ演出を実行する構成としたが、第1回転動作において第1ループ演出を実行するタイミングと、制限動作において第2ループ演出を実行するタイミングとが異なっていてもよく、例えば、第1回転動作において第1ループ演出は2周分だけ回転したタイミングで実行する一方、制限動作において第2ループ演出を実行するタイミングは1周分だけ回転したタイミングで実行する構成としてもよいし、制限動作において第2ループ演出を実行するタイミングは1周分の回転周期の整数倍とは異なるタイミングであってもよい。
(3)第1回転動作や制限動作において、逆方向に各リール32L,32M,32Rを回転させる構成としたが正方向に各リール32L,32M,32Rを回転させる構成としてもよく、逆方向に回転させる態様と正方向に回転させる態様とが含まれる構成としてもよい。例えば、第1特定態様や第2特定態様から、第1回転動作において逆方向に回転させて、再度、第1特定態様や第2特定態様を出現させ、その後、スタートレバー41の操作等に基づき、正方向に回転させて、再度、第1特定態様や第2特定態様を出現させる構成としてもよく、更に、その後、スタートレバー41の操作等に基づき、逆方向に回転させて、再度、第1特定態様や第2特定態様を出現させる構成としてもよい。また、正方向への回転と逆方向への回転とがランダムに実行される構成としてもよい。また、各ループ抽選に当選した場合に上乗せされるATモードのセット数が異なる等、回転と仮停止を1セットする回転動作を伴って報知する特典の有利度(ATモードのセット数)が異なる構成とする等したうえで、当該報知する特典の有利度に応じて正方向に回転させるか逆方向に回転させるかを異ならせる構成としてもよく、例えば、第1数(例えば2)のセット上乗せが行われる等、有利な特典が付与される場合には逆方向に回転させる一方、第1数よりも少ない第2数(例えば1)のセット上乗せが行わる等、逆方向の場合よりも不利な特典が付与される場合には正方向に回転させる構成としてもよい。
この場合、制限動作においては停止制御の実行が制限される構成であることから、第1回転動作では逆方向と正方向との切り替えを行う一方、制限動作では逆方向と正方向との切り替えを行わない構成としてもよいし、制限動作においても各リール32L,32M,32Rを一旦停止させたうえで、逆方向と正方向との切り替えを行う構成としてもよい。ちなみに、制限動作において逆方向と正方向との切り替えを行うタイミングは、スタートレバー41の操作タイミングや総ステップカウンタが「8000」となるタイミングであり、かかるタイミングで停止制御された場合に、制限動作前の停止出目が再出現しない構成とすることが好ましく、少なくともスタートレバー41が操作されることなく各リール32L,32M,32Rの回転方向を切り替えるタイミング(総ステップカウンタ)を制限動作前の停止出目が再出現しないタイミングとなるように調節するとよい。
また、上記のように正方向と逆方向との切り替えを行う場合、第1表示演出や第2表示演出についても当該回転方向の切り替えに合わせて演出態様を変化させる構成とするとよい。
(4)第1回転動作や制限動作において、加速カウンタが「0」となり、定速回転に至った後は、その定速状態を維持する構成としたが、速度が変化する構成としてもよい。この場合、例えば、制限動作において、第1回転動作であれば停止制御が行われるタイミングで、各リール32L,32M,32Rが停止はされないものの減速される(例えば2分の1の速度に減速される)構成としてもよい。
(5)第1回転動作や制限動作において、総ステップカウンタにより停止制御を行うタイミングやループコマンド等を出力することにより表示演出を切り替えるタイミングを把握する構成としたが、回転中のリールにおける図柄番号に基づいて停止制御を行うタイミングや表示演出を切り替えるタイミングを把握する構成としてもよい。この場合であっても、少なくとも、第1回転動作における制御の一部の制御(停止制御)の実行を制限動作において制限する構成とすることで、制限動作における回転動作の制御負荷の低減を図ることが可能であるし、表示演出の相違により、その回転動作の相違による違和感を低減したり、回転動作の演出効果を表示演出によって補う効果を期待することは可能である。
(6)回転動作の前の停止出目が第1特定態様や第2特定態様となっておらず非特定態様等である場合、図柄番号等に基づいて各リール32L,32M,32Rの加速度等を調節したうえで第1特定態様や第2特定態様にて再停止させる回転動作を行う構成としてもよい。この場合、第1特定態様や第2特定態様となっている場合には、加速度等の調節用の制御を行わず、ちょうど特定数の周回が行われたタイミングで停止制御させることで第1特定態様や第2特定態様を再出現させる上記の第1回転動作を行う一方、第1特定態様や第2特定態様となっていない場合には上記の加速度等の調節用の制御を実行して、第1回転動作であれば停止制御が行われるタイミングで停止制御を行って第1特定態様や第2特定態様を再出現させる回転動作を行う構成とするとよく、このような構成においては、加速度等の調整用の制御を実行する回転動作に対して、加速度等の調節用の制御を実行しない回転動作(第1回転動作)は、当該加速度等の調節用の制御の実行が制限された回転動作とも解することが可能である。そして、少なくともこれらの回転動作に対応する表示演出がそれぞれ相違するように設定することで、回転動作の相違による違和感を低減したり、回転動作の演出効果を表示演出によって補う効果を期待することは可能である。
(7)上乗せ当選となったゲームの停止出目に応じて、次のゲームの開始時に回転動作を実行する構成としたが、上乗せ当選となったゲームの開始時に回転動作を実行する構成としてもよい。この場合、例えば、当該上乗せ当選となったゲームの開始時に、操作指示演出等を実行し、第1特定態様や第2特定態様の停止出目を停止させる遊技を疑似遊技として実行する。そして、当該疑似遊技における停止出目に応じて、回転動作の態様を第1回転動作とするか制限動作とするか等を決定する構成とし、これらの第1回転動作や制限動作による回転演出の後で、上記の上乗せ当選となったゲームが開始される構成としてもよい。なお、疑似遊技とは、ストップスイッチ42~44の操作等に基づいて各リール32L,32M,32Rを疑似的に停止させることが可能となる遊技であり、疑似的な停止であるため、当該停止に基づいて払出判定処理等の入賞判定が実行されない点で通常時の遊技と相違している。
また、第1回転動作や制限動作が終了した後、通常のゲームが開始されることを前提として説明したが、第1回転動作や制限動作の終了後、続けて疑似遊技や別の回転動作が開始される構成としてもよい。この場合、第1回転動作後はランダム回転制御を行う一方、制限動作後はランダム回転制御を行わないようにすることで、両回転動作後の回転開始制御の態様を異ならせる構成としたが、これら回転動作後に続けて実行される疑似遊技や別の回転動作における回転開始制御の態様を異ならせる構成としてもよい。
(8)回転動作を行う場合、補助表示部65等にて疑似遊技中である旨の報知を行う構成としてもよい。すなわち、回転動作において入賞判定が実行されない各リール32L,32M,32Rが停止、通常時の入賞判定が行われる各リール32L,32M,32Rの停止とを、遊技者や遊技ホールの管理者等が把握可能となる報知を補助表示部65等にて行う構成とするとよい。
(9)第2操作指示演出が実行された場合に、第2特定態様ではなく第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合、第4停止時演出を実行し、制限動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としたが、第4停止時演出を実行し、第1回転動作とともに第1開始演出や第1ループ演出を実行する構成としてもよい。また、第2操作指示演出が実行された場合に、第2特定態様ではなく第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合、第4停止時演出を実行し、制限動作として第2特別回転テーブルに基づく回転動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としてもよく、第2特別回転テーブルに基づく回転動作とともに第1開始演出や第1ループ演出を実行する構成としてもよい。
(10)第2操作指示演出が実行された場合に、第2特定態様ではなく第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合、第4停止時演出を実行し、制限動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としたが、第1操作指示演出が実行された場合に、第1特定態様ではなく第2特定態様にて第3再遊技入賞を成立させた場合、第4停止時演出を実行し、制限動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としてもよく、第4停止時演出を実行し、第1回転動作とともに第1開始演出や第1ループ演出を実行する構成としてもよく、制限動作として第2特別回転テーブルに基づく回転動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としてもよく、第2特別回転テーブルに基づく回転動作とともに第1開始演出や第1ループ演出を実行する構成としてもよい。
(11)第2操作指示演出が実行された場合に、第2特定態様ではなく第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合、第4停止時演出を実行し、制限動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としたが、非特定態様にて第3再遊技入賞が成立した場合に、第4停止時演出を実行し、制限動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としてもよく、第4停止時演出を実行し、第1回転動作とともに第1開始演出や第1ループ演出を実行する構成としてもよく、第4停止時演出を実行し、制限動作として第2特別回転テーブルに基づく回転動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としてもよく、第2特別回転テーブルに基づく回転動作とともに第1開始演出や第1ループ演出を実行する構成としてもよい。
(12)第2操作指示演出が実行された場合に、第2特定態様ではなく第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合、第4停止時演出を実行し、制限動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としたが、第1操作指示演出が実行された場合に、第1特定態様ではなく非特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合に、第4停止時演出を実行し、制限動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としてもよく、第4停止時演出を実行し、第1回転動作とともに第1開始演出や第1ループ演出を実行する構成としてもよく、第4停止時演出を実行し、制限動作として第2特別回転テーブルに基づく回転動作とともに第2開始演出や第2ループ演出を実行する構成としてもよく、第2特別回転テーブルに基づく回転動作とともに第1開始演出や第1ループ演出を実行する構成としてもよい。
(13)第2操作指示演出が実行された場合に、第2特定態様ではなく第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合、第4停止時演出を実行する構成としたが、第1停止時演出を実行する構成としてもよいし、第2停止時演出や第3停止時演出を実行する構成としてもよい。
(14)第1回転動作において、各リール32L,32M,32Rがちょうど2周分だけ回転したタイミングで同時に停止させることで第1特定態様や第2特定態様を再出現させる構成としたが、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングを異ならせる構成としてもよい。具体的には、例えば、第1リールは2周分だけ回転したタイミングで停止させ、第2リールは3周分だけ回転したタイミングで停止させ、第3リールは4周分だけ回転したタイミングで停止させる、といったようにしてもよい。
この場合、第1特定態様や第2特定態様を構成する停止出目となっているか否か(第1特定態様であれば、それぞれ中段に「白7」図柄が停止しているとなっているか否か)を各リール32L,32M,32R毎に判定し、構成する停止出目となっているリールを停止させる一方、構成する停止出目となっていないリールは停止させない構成としてもよい。つまり、上記のように第1特定態様として、各リール32L,32M,32Rの中段に「白7」図柄が停止している場合には、第1リールは2周分だけ回転したタイミングで停止させ、第2リールは3周分だけ回転したタイミングで停止させ、第3リールは4周分だけ回転したタイミングで停止させる構成としたうえで、第1リール及び第2リールは「白7」図柄が停止している一方、第3リールでは「白7」図柄が停止しない非特定態様となっている場合には、第1リールは2周分だけ回転したタイミングで停止させ、第2リールは3周分だけ回転したタイミングで停止させ、第3リールは4周分だけ回転したタイミングとなっても停止させない構成としてもよい。そして、表示演出については、第1リール及び第2リールの停止制御までは第1表示演出を実行し、第3リールにおいて停止させない場合に第2表示演出に切り替わるようにするとよい。
(15)非特定態様での第2再遊技入賞や第4再遊技入賞、第5再遊技入賞に基づく制限動作やそれに伴う表示演出と、第1再遊技入賞に基づく制限動作やそれに伴う表示演出とを異ならせる構成としてもよい。前者においては、少なくとも特定態様にて第2再遊技入賞を成立させるべく、第2再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44の操作が行われた可能性が高い一方、後者においては、そもそも第2再遊技入賞に対応する操作順序とは異なる操作順序にてストップスイッチ42~44が操作されており、特定態様にて第2再遊技入賞を成立させようとしていない可能性が高い。そこで、前者の場合には、例えば、上記の逆方向への回転を継続させる制限動作や第2表示演出を実行するようにする一方、後者の場合には回転動作やそれに伴う表示演出の実行自体を制限する構成としてもよい。
(16)第1特定態様や第2特定態様の停止出目とは異なる停止出目である場合には、制限動作として逆方向への回転を継続させるとともに第2表示演出を実行する構成としたが、第1特定態様や第2特定態様の停止出目とは異なる停止出目である場合には、制限動作として、各リール32L,32M,32Rの回転動作やそれに伴う表示演出の実行自体を制限してもよく、この場合、回転動作が実行されていたとすればそれに必要な実行期間だけ各リール32L,32M,32Rの回転開始を制限するフリーズ演出を行う構成としてもよいし、フリーズ演出も実行せずに、通常時と同様にスタートレバー41の操作に基づき今回のゲームの回転開始処理が実行される構成としてもよい。
(17)回転演出を行う契機の一例として、ATモードの上乗せ抽選に当選した場合を例として説明したが、回転演出を行う契機はこれに限定されず、例えば、ATモードの移行抽選に当選した場合であってもよいし、ATモードのセット継続の有無を報知する場合であってもよいし、設定示唆抽選等に当選した場合等、ゲームの抽選結果に基づかず回転演出を行う構成としてもよい。
(18)第1表示演出や第2表示演出の態様は一例であり、上記のものに限定されない。例えば、第1表示演出や第2表示演出の演出パターンを複数設け、第1回転動作や制限動作が行われる場合にその複数の演出パターンから一の演出パターンを抽選等により選択して実行する構成としてもよく、当該演出パターンの抽選がループ率に応じてループ率が高いほど所定の演出パターンが実行され易く、ループ率が低いほど特定の演出パターンが実行され易い構成としてもよく、ループ回数に応じて選択される演出パターンが異なる構成としてもよい。この場合、第1表示演出における複数の演出パターンと、第2表示演出における複数の演出パターンとに共通する演出パターンが含まれる構成としてもよい。さらに、第1表示演出における複数の演出パターンと第2表示演出における複数の演出パターンとが全て共通の演出パターンであって、選択され易い演出パターンが第1表示演出と第2表示演出とで異なる構成としてもよい。
(19)ランダム回転において、第1リールの回転開始から第2リールの回転開始までの期間と、第2リールの回転開始から第3リールの回転開始までの期間とが同じ期間となるようにしたが、これらの期間が異なる構成としてもよく、両期間の合計期間(待機カウンタが「1000」から「0」となるまでの期間)だけ、制限動作において停止指令処理が行われるまで待機する構成(総ステップカウンタが「8000」から「9000」となるまで待機する構成)とするとよい。
(20)ランダム回転において、一部のリールの回転開始タイミングをずらす構成としてもよい。また、回転開始順序を抽選により決定する構成に代えて、予め定められた回転開始順序で回転を開始させる構成としてもよい。
(21)第1回転動作を実行した後はランダム回転制御にて各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる一方、制限動作を実行した後はランダム回転制御を実行せずに各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる構成としたが、制限動作を実行した後もランダム回転制御が行われる場合がある構成としてもよい。例えば、制限動作の契機となった非特定態様等の停止出目が、中段に「白7」図柄が停止したリールを含む停止出目である場合(非特定態様での第2再遊技入賞や、第4再遊技入賞、第5再遊技入賞)にはランダム回転制御を行う一方、制限動作の契機となった非特定態様等の停止出目が、中段に「白7」図柄が停止したリールを含まない停止出目である場合(第1再遊技入賞)にはランダム回転制御を行わない構成としてもよい。
(22)第1回転動作及び制限動作のいずれでもランダム回転制御を行うものの、第1回転動作後のランダム回転制御と制限動作後のランダム回転制御とが異なる構成としてもよい。例えば、第1回転動作後のランダム回転制御では、各リール32L,32M,32Rの回転開始タイミングをずらす期間が第1期間であるのに対して、制限動作後のランダム回転制御では、各リール32L,32M,32Rの回転開始タイミングをずらす期間が第1期間とは異なる(例えば第1期間よりも短い)第2期間となるようにしてもよい。
(23)ランダム回転制御は、各リール32L,32M,32Rの回転開始タイミングをずらすことで特定態様にて回転することを回避する構成としたが、各リール32L,32M,32Rの加速度を異ならせることで特定態様にて回転することを回避する構成としてもよい。この場合、各リール32L,32M,32Rを同時に回転開始させる構成としてもよい。また、第1回転動作を行った後、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから全てのリール32L,32M,32Rが定速回転に至るまでの期間と、制限動作を行った後、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから全てのリール32L,32M,32Rが定速回転に至るまでの期間とが同じ又は略同じとなるように、制限動作の終了タイミングを設定するとよい。
(24)第1回転動作や制限動作において、基本的には全てのリール32L,32M,32Rが同様の回転態様にて回転する構成としたが、各リール32L,32M,32Rの回転態様の全て又は一部が異なる構成としてもよい。例えば、第1回転動作や制限動作において、左リール32Lの回転速度と、中リール32Mや右リール32Rの回転速度とが異なる構成としてもよい。この場合、異なる回転態様となるリールによって、遊技者に特定情報が示唆される構成としてもよい。特定情報としては、ループ率であってもよいし、ATモードの残りセット数であってもよく。
(25)現状の有利区間ゲーム数AGと、ATモードの残りセット数分のゲーム数との合計が有利区間の上限ゲーム数(1500)を超過している場合若しくは超過するであろう場合や、現状の有利区間増減枚数MYと、ATモードの残りゲーム数から算出される予定増加枚数との合計が有利区間の上限増加枚数(2400)を超過している場合若しくは超過するであろう場合は、操作指示演出に従って、第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合等であっても、第1回転動作での回転演出ではなく制限動作での回転演出を行う構成としてもよい。
(26)第1特定態様にて第2再遊技入賞を成立させた場合や第2特定態様にて第3再遊技入賞を成立させた場合であっても、第1回転動作ではなく制限動作とともに第2表示演出が実行される場合がある構成としたうえで、第1特定態様や第2特定態様の停止出目を停止させた場合に、ATモードの残りゲーム数や、実行済みのATモードのゲーム数等、現状の遊技状況に応じて、第1回転動作及び第1表示演出ではなく制限動作及び第2表示演出が実行される割合が異なる構成としてもよい。
(27)第1回転動作及び制限動作はいずれも同じ特別回転テーブルを用いて制御される構成としたが、異なる回転テーブルを用いて制御される構成としてもよい。この場合、少なくとも一部の制御期間で参照する加速期間や励磁データが両回転テーブルで共通している構成であるとよい。
(28)第1回転動作と制限動作とが、ループ抽選に当選するたびに切り替わる構成としてもよい。すなわち、最初の回転動作は第1回転動作にて実行され、ループ抽選に当選したと判定した場合には、制限動作による回転動作が実行され、更にループ抽選に当選したと判定した場合には、第1回転動作による回転動作が実行される、といったように、回転動作が切り替わる構成としてもよい。この場合、例えば、ループ抽選のたびにいずれの回転動作を実行するかを抽選等により決定する構成としてもよく、例えばこの場合、ループ抽選に非当選となった場合に制限動作が選択されたうえで回転動作が終了する構成としてもよい。
(29)第1回転動作による回転演出を行うことの決定がなされ、前面扉12が開放された場合や電断状態となった場合を特定事象の発生として、復帰後、上記の決定の対象とされた回転演出を第1回転動作ではなく制限動作にて実行する構成としたが、例えば、電入状態から電断状態への切り替えを特定事象としてもよいし、ホッパ装置51のエラーの発生を特定事象としてもよいし、設定値の変更等によるRAM106のクリアを特定事象としてもよい。また、精算スイッチ59の操作や第1クレジット投入スイッチ56の操作といった遊技者による特定操作が行われたことを特定事象としてもよい。更に、スロットマシン10に演出用の可動役物を設ける等した場合において、当該可動役物が動作したことを特定事象としてもよく、何らかの演出が発生したことを特定事象としてもよい。これらの場合、第1回転動作による回転演出を行うことの決定がなされ、いずれかの特定事象の発生として、復帰後、上記の決定の対象とされた回転演出を第1回転動作ではなく制限動作にて実行する構成とするとよい。
(30)第1回転動作による回転演出を行うことの決定がなされた後、前面扉12が開放された場合や電断状態となった場合等の特定事象が発生した場合、復帰後、上記の決定の対象とされた回転演出を第1回転動作ではなく制限動作にて実行する構成としたが、特定事象が発生したものの、復帰後、各リール32L,32M,32Rの図柄位置のズレが生じていない場合には第1回転動作を実行する構成としてもよい。具体的には、第1回転動作として回転を開始させた後、回転中に更新される図柄番号やオフセットカウンタと回転開始前に把握していた図柄番号やオフセットカウンタとにズレが生じていない場合には、各リール32L,32M,32Rの図柄位置のズレが生じていないとして第1回転動作を継続させ、回転中に更新される図柄番号やオフセットカウンタと回転開始前に把握していた図柄番号やオフセットカウンタとにズレが生じている場合には、各リール32L,32M,32Rの図柄位置のズレが生じていたとして制限動作に切り替える(停止指令処理を行わないようにする)構成とするとよい。
(31)第1回転動作の最中に各リール32L,32M,32Rの脱調等により再加速処理が実行されてエラーフラグがセットされた場合には、制限動作に切り替える構成としたが、少なくとも再加速処理が実行される特定事象が生じた場合に制限動作に切り替える構成であればよく、例えば、各リール32L,32M,32Rの回転中に電断が発生した場合であって、電断から復帰して再加速処理が行われる事象を特定事象としてもよい。また、前面扉12が開放された場合であっても、制限動作に切り替える構成としてもよい。
(32)第2補助表示部650を設ける構成において、制限動作を行う場合に第2補助表示部650にて第2表示演出を実行する構成としたが、少なくとも制限動作が行われる場合に各リール32L,32M,32Rの視認性が低下する構成であればよく、第1補助表示部65にて第2表示演出を実行する構成としたうえで、第2補助表示部650にて別の表示演出を実行する構成としてもよいし、第1補助表示部65及び第2補助表示部650のいずれでも第2表示演出を実行する構成としてもよい。
(33)制限動作を行う場合に第2補助表示部650にて第2表示演出を行うことで各リール32L,32M,32Rの視認性を低下させる構成としたが、各リール32L,32M,32Rの視認性を低下させる態様は上記のものに限定されない。例えば、第1回転動作であれば、各リール32L,32M,32Rを内側から照射するバックライトや外側から照射するフロントライトがON状態とされるところを、制限動作であればOFF状態とすることにより各リール32L,32M,32Rの視認性を低下させる構成としてもよい。
(34)第2補助表示部650の位置は上記のものに限定されない。少なくとも、第1補助表示部65よりも表示面積が大きい等、遊技者の注目を集め易い構成であれば、第2表示演出により制限動作の演出効果を補うことが可能である。
(34)回転演出において、各リール32L,32M,32Rの回転動作に伴う演出を補助表示部65における第1表示演出(第1ループ演出、第1開始演出)や第2表示演出(第2ループ演出、第2開始演出)を例として説明したが、回転動作に伴う演出は、補助表示部65による表示演出に限定されず、スピーカ64からの効果音による演出であってもよいし、他の可動役物等による演出であってもよいし、各リール32L,32M,32Rを内側から照射するバックライトや外側から照射するフロントライトによる演出であってもよい。
(35)操作指示演出を表示制御装置81側の補助表示部65にて行う構成としたが、主制御装置101側の指示モニタ68にて行う構成としてもよいし、両方で行う構成としてもよい。
(36)第1操作指示演出が実行された場合において、第1特定態様にて第2再遊技入賞が成立した場合と、そうではない場合(非特定態様にて第2再遊技入賞が成立した場合等)とや、第2操作指示演出が実行された場合において、第2特定態様にて第3再遊技入賞が成立した場合と、そうではない場合(非特定態様にて第3再遊技入賞が成立した場合等)とで、いずれも付与される特典(再遊技)が同じ構成としたが、異なる特典が付与される構成としてもよい。
(37)3ベットゲームにて当選し得るBBとして第1BBを設け、2ベットゲームにて当選し得るBBとして第2BBを設けたが、いずれか一方のBBだけであってもよく、例えば、2ベットゲームにて第2BBに当選し、3ベットゲームではいずれのBBにも当選しない構成としてもよい。
(38)2ベットゲームにて、第2BBに当選する構成としたが、2ベットゲームにて複数種類のBBに当選し得る構成としてもよく、例えば、2ベットゲームにて第1BBと第2BBに当選し得る構成としてもよい。この場合、2ベットゲームにて第1BB入賞と第2BB入賞とが成立し得る構成とし、3ベットゲームでは第1BB及び第2BBのいずれにも当選もせず、更に3ベットゲームでは第1BB入賞と第2BB入賞とのいずれも成立しない構成としてもよい。なお、2ベットゲームと3ベットゲームとの関係が上記のものと逆であってもよい。
(39)第1BB状態と第2BB状態とでいずれも同じ抽選テーブルを用いて、同じ遊技ベースとなるようにしたが、異なる抽選テーブルを用いて、異なる純増枚数となるようにしてもよい。
(40)第1BB状態と、第2BB状態とを、いずれも3ベットゲームにて遊技する構成としたが、例えば、第1BB状態は3ベットゲームにて遊技し、第2BB状態は2ベットゲームにて遊技する、といったように、BB状態の種類によってベット数が異なる構成としてもよい。この場合、第1BB状態の各ゲームは特定規定数とは異なるベット数によるゲームとなり、第2BB状態の各ゲームは特定規定数のベット数によるゲームとなる。
(41)第1BB状態と、第2BB状態との遊技は、いずれも押し順報知用の処理や特定処理等の指示機能に関する実行が制限される構成としたが、例えば、第1BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が制限される一方、第2BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が許容される、といったように、BB状態の種類によって制限の有無が異なる構成としてもよい。また、CB状態やSB状態、MB状態を設け、これらのうちのいずれか又は全部で、各指示機能に関する処理が制限される又は制限されない構成としてもよい。
(42)3ベットゲームでは第2BB入賞を成立させることができず、2ベットゲームでは第1BB入賞を成立させることができない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BB入賞しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BB入賞しにくい構成としてもよい。
(43)3ベットゲームでは第2BB当選とならず、2ベットゲームでは第1BB当選とならない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BBに当選しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BBに当選しにくい構成としてもよい。
(44)1ベットを設定可能な操作部を設けてもよい。この場合、当該操作部を操作した回数に応じてベット数を異ならせることが可能な構成としてもよい。具体的には、当該操作部を1回操作した場合には1ベットとなり、2回操作した場合には2ベットとなり、3回操作した場合には3ベットとなる構成としてもよい。更に、4回操作した場合には1ベットとなり、5回操作した場合には2ベットとなる、といったように、所望のベット数を通り越してしまった場合でも、再操作によって所望のベット数に設定可能な構成とするとよい。
(45)CZモードの上限ゲーム数を、一律で10ゲームとしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。また、準備モードの上限ゲーム数を、一律で40ゲームととしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。
(46)第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を約プラス0.00枚として、第1BB状態や第2BB状態ではメダルが増えもせず、減りもしない構成としたが、メダルが増加し得る構成としてもよいし、メダルが減少し得る構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態での純増枚数が、少なくとも内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて遊技した場合の純増枚数よりも多い純増枚数数であればよい。
(47)遊技者が、内部状態や非内部状態を3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技したり、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることで、指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としたが、遊技機側で、例えば、所定ゲーム数の消化によって指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としてもよい。
(48)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(49)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(50)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(51)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第6fの実施形態>
以下、第6fの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図440はスロットマシン10の正面図、図441はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図442はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図443は前面扉12の背面図、図444は筐体11の正面図である。なお、以下の説明においては、特に上記各実施形態と異なる構成について説明し、上記各実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。また、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
図440~図444に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図442に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図445には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図445に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図446に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図447~図449は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図450(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図450(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図450(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図450(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図450(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図450(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図451(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図451(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役~第32小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役~第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図447及び図448に示すように、これら第9小役入賞~第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典(遊技価値)の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典(遊技価値)が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。図449に示すように、これら第1再遊技~第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図451(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図452(e)に示すように、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
第3再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図452(f)に示すように、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図451(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図451(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図452(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図452(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図452(c)及び図452(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、図453(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図453(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。
左リール32Lの「赤貝」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、図453(c)に示すように、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図453(d)に示すように、下ラインL3に左から順に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止したりする。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図454)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
ストップスイッチ42~44には、ストップランプ42b~44bがそれぞれ内蔵されている。当該ストップランプ42b~44bからの光はストップスイッチ42~44の操作面を一部透過し、ストップランプ42b~44bの光はストップスイッチ42~44を介して視認可能となる。そして、ストップスイッチ42~44の操作が有効となる場合には、当該ストップランプ42b~44bが点灯制御され、ストップスイッチ42~44の操作が無効となる場合には、対応するストップランプ42b~44bがそれぞれ消灯制御される。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定規定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定規定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定規定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定規定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定規定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定規定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定規定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの下方であって、クレジット表示部60の左方には、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作やメダル投入口45へのメダル投入によって設定されるゲームのベット数を表示するための第1表示部としてのBET表示部75と、現状の遊技の進行状態を示す遊技状態表示部76とが設けられている。
また、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの左方には、上記のゲームのベット数を表示するための第2表示部としてのベット表示部34が設けられている。更に、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの右方には、ゲームの開始に際して各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるまでの待機すべき状態(ウェイト状態)であることを報知するためのウェイト表示部35が設けられている。
これらBET表示部75、遊技状態表示部76、ベット表示部34、ウェイト表示部35については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図454及び図455のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、BET表示部75、遊技状態表示部76、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図456参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図455に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にベット表示部34、ウェイト表示部35、第1クレジットランプ56b、ストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてベット表示部34、ウェイト表示部35、第1クレジットランプ56b、ストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
また、表示制御装置81に接続されている各構成42b~44b,63~65の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b~44b,63~65の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図456は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSf101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSf102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSf103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSf102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSf104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSf104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSf105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSf106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSf107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図454参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSf108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップSf109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSf110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSf111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSf112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSf113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSf114では、先のステップSf101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSf115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図457のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSf201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSf202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSf203~ステップSf212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSf203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSf204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップSf107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出す貯留メダル精算処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行う。なお、開始待ち処理については、後に詳細に説明する。
開始待ち処理の終了後、ステップSf205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSf205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSf205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSf205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップSf204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップSf205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップSf206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップSf110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップSf206の処理を実行した後は、ステップSf207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSf204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSf208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSf209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSf210の抽選処理、ステップSf211のリール制御処理、ステップSf212のメダル払出処理を順に実行し、ステップSf203に戻る。
次に、ステップSf210の抽選処理について、図458のフローチャートに基づき説明する。
ステップSf301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSf302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSf302では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図459)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図460)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSf302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
なお、本スロットマシン10では、ステップSf302にて、設定されているベット数が規定枚数以外の枚数である場合、対応する抽選テーブルが存在しないことから、本抽選処理では強制的に外れ結果となる構成としている。但し、基本的には、規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態では、上記ステップSf205にて否定判定されることから、抽選処理が行われることはない。規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態で抽選処理が行われる場合とは、規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態であるのにもかかわらず、ノイズ等の影響によって、ステップSf205にて肯定判定してしまった場合である。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSf302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図459は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図460は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSf303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSf304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSf301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSf305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSf306にて、ステップSf305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSf306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSf306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSf306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSf306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSf305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSf307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSf308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSf304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSf304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSf305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図459に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1であり、押し順ベルに当選となる確率をまとめると約1.53分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図460に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.78枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.78枚)。
ステップSf306にて当選フラグをセットした後、又はステップSf308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSf309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSf310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSf301~ステップSf308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSf310の処理を実行した後は、ステップSf311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSf110)にて行われる。
そして、ステップSf312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSf306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSf312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSf312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSf313では、ステップSf312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSf313の処理を実行した後は、ステップSf314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSf211のリール制御処理について、図461のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSf401にて、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSf309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップSf310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップSf402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウェイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウェイト時間が経過するまで待機する。この場合、ウェイト表示部35を点灯状態とする処理を行う。ウェイト時間が経過した場合には、ウェイト表示部35を消灯状態とするとともに、次回の遊技のためのウェイト時間を再設定し、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSf106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップSf403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSf404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSf403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSf405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSf406~ステップSf412に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを消灯するように制御する。
ステップSf406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSf407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSf407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSf408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSf409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSf410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSf411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSf412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSf403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図459、図460参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図462は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSf411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSf413にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップSf414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSf415にて、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSf416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSf417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSf212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップSf204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップSf414のボーナス状態処理を、図463のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSf501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSf501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSf502に進む。
ステップSf502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSf503に進む。
ステップSf503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定規定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSf503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSf504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSf505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSf506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSf506にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSf507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSf508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSf501にて肯定判定することになる。続くステップSf509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSf509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSf510にて規定ベット数を2に設定する処理を実行し、ステップSf511にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が2枚に設定され、2ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSf505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSf512に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSf513にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSf514にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSf515にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSf515にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSf510にて規定ベット数を2に設定する処理を実行し、ステップSf511にてMAXベットカウンタに2を入力してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が2枚に設定され、2ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSf501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSf516に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図464は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図464に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップSf516では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSf517にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSf518にて、ステップSf517の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると12枚の払出が発生することから、ステップSf517ではBBカウンタから12を減算する。
ステップSf518にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSf519にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSf520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSf521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSf511にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図465を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図462)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図466のフローチャートを参照しながら、ステップSf310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSf601~ステップSf603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップSf601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSf602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSf603にてベット数が3であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定枚数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定枚数として2が設定されている。ステップSf602やステップSf603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数ではない場合には、ステップSf604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定枚数として2が設定されていることから、3ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSf604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップSf602又はステップSf603にて肯定判定した場合、ステップSf604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSf605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図467のフローチャートに示すように、ステップSf701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSf702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図468に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図468にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSf702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSf703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSf703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSf704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSf705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSf701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSf702~ステップSf705の処理を省略することも可能である。
ステップSf705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSf706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSf705にて否定判定した場合、又はステップSf706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSf604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSf606に進む。ステップSf606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグは、ATモードであることをCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSf606にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSf607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSf606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSf608にて継続判定処理を実行し、ステップSf609にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップSf607のAT抽選用処理について図469のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSf801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算され、例えば、2ベットゲームでは減算されない。
ステップSf801にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップSf802にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップSf803~ステップSf808にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップSf803にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSf804では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップSf804にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップSf805にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSf804にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSf806にて、CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図468に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップSf805又はステップSf806にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップSf803にて把握したゲームの抽選結果とを用いて、ステップSf807にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップSf808にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップSf808にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップSf802にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップSf809~ステップSf812のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップSf808にてATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップSf813~ステップSf816にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップSf809では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップSf810及びステップSf811にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップSf810では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSf811にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSf809にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSf811の処理を実行した後は、ステップSf812にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップSf606にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップSf813にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSf814にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップSf803にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図468に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップSf814にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップSf815にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップSf816にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップSf812又はステップSf816にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップSf817~ステップSf820にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム~32ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップSf817では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、チェリーAにて移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。
なお、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップSf817では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにもかかわらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップSf818では、ステップSf817の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップSf819にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSf820にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
<継続判定処理>
次に、ステップSf608にて実行される継続判定処理について、図470のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、継続判定処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理である。
ここで、本実施形態におけるATモードは、予め定められた所定数(例えば18)のゲームを1セット(単位継続数、単位状態)とし、例えば、1セットのATモードを更新する場合(セットを開始する場合又はセットを終了する場合)に次のセットの継続抽選を行い、当該継続抽選に当選している場合には当該セットの終了後、次のセットへ移行し、当該継続抽選に非当選である場合には次のセットへ移行せずにATモードが終了する構成としている。そして、ステップSf608の継続判定処理では、セットの更新に際して上記の継続抽選を行うための処理である。
ステップSf901では、各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタが18であるか否かを判定する。ATゲームカウンタは、1セットの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、セットの更新に際して18が入力されるカウンタである。すなわち、ステップSf901では、今回開始するゲームがATモードの1セットの開始ゲームであるか否かを判定する。開始ゲームではない場合には、そのまま本継続判定処理を終了する。開始ゲームである場合には、ステップSf902に進む。
ステップSf902では、各種カウンタエリア106eに設けられたATセットカウンタが0であるか否かを判定する。ATセットカウンタは、上記の継続抽選に非当選であっても又は継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させることを可能とするセット数をCPU102が把握するためのカウンタであり、継続条件が成立している状況で上乗せ当選した場合に1が加算され、継続抽選に非当選である場合や継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させた場合に1減算されるカウンタである。ATセットカウンタが0である場合、ステップSf903にて今回のATモードにて選択されている継続抽選の当選確率を把握する。
ここで、本実施形態では、上記の継続抽選の当選確率(以下、「継続率」とも称する)として、複数の継続率が設定されており、具体的には、図476に示すように最も継続率の高い90%と、それよりも継続率が低い60%及び10%が設定されている。当該継続率は、ATモードへの移行に際して設定される(後述のステップSf1211における継続率設定処理)。ステップSf903では、当該継続率設定処理にて設定されている情報を読み出し、今回のATモードの継続率を把握する。
ステップSf903にて継続率を把握した後は、ステップSf904にて継続抽選処理を実行する。すなわち、90%の継続率が選択されている場合には、ステップSf904の処理では90%の確率で継続当選し、10%の継続率が選択されている場合には、ステップSf904の処理では10%の確率で継続当選する。
ステップSf905では、ステップSf904の処理結果が継続当選であったか否かを判定し、継続当選であった場合には、ステップSf906にて各種フラグ格納エリア106dに継続フラグをセットする処理を実行する。継続フラグは、今回のセットの継続条件(次のセットへ移行する条件)が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップSf907にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、継続判定処理を終了する。
また、ステップSf902にてATセットカウンタが0ではないと判定した場合、ステップSf908にてATセットカウンタを1減算する処理を実行してから、ステップSf906に進み、継続フラグのセット、及び継続コマンドのセットを行ってから、継続判定処理を終了する。すなわち、本実施形態では、ATセットカウンタが0ではない場合、継続抽選を経ることなく、セットの継続条件が成立する構成としている。なお、ATセットカウンタの値に関わらず継続抽選を実行し、継続非当選である場合にATセットカウンタが1以上であれば継続条件が成立する構成としてもよい。
上記のように、本実施形態では、ATモードの1セットの開始時(スタートレバー41の操作時)に、今回開始するセットの次のセットまでATモードが継続するか否かの継続条件の成否判定が行われ、継続条件が成立していると判定した場合には、継続フラグがセットされ、その情報が表示制御装置81へ出力される。この場合、表示制御装置81では、継続条件が成立していることを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
これに対して、ステップSf905にて継続当選ではないと判定した場合には、そのまま継続判定処理を終了する。この場合、ATモードの1セットの開始時には継続条件は成立しておらず、セットの開始に際して継続コマンドの出力も行われない。表示制御装置81では、セットの開始に際して継続コマンドを受信しないことを通じて継続条件が成立していないことを把握し、継続条件が成立していないことを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSf609にて実行されるAT上乗せ用処理について、図471のフローチャートを参照しながら説明する。AT上乗せ用処理では、上記の継続抽選とは別途、ATモードのセット数を上乗せすることの上乗せ抽選を行い、当該上乗せ抽選にて当選した場合には、次のセットの継続抽選の結果に関わらず次のセットまで継続するようにする。
先ずステップSf1001にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSf1002にて、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
上乗せ抽選テーブルは、図468に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、各ゲームの抽選処理にて当選し易い通常リプA~通常リプCや、押し順ベルといった通常役では上乗せ当選しない一方、各ゲームの抽選処理にて当選しにくいチャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、共通ベル、スイカ、といった特定役では上乗せ当選し得るように設定されている。そして、特定役のうち、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。なお、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ当選しない構成を、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ抽選を行わない構成としてもよい。また、各ゲームの抽選結果が通常役である場合にも上乗せ当選し得る構成とし、当該通常役での上乗せ当選の確率を特定役の場合の上乗せ当選の確率よりも低くなるようにしてもよい。
ステップSf1002にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSf1003にて上乗せ抽選を実行し、ステップSf1004にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSf1005にて、継続フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSf1005にて継続フラグがセットされていない場合、ステップSf1006にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSf1007にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。継続コマンドを受信した表示制御装置81は、継続条件が成立したことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
これに対して、ステップSf1005にて継続フラグがセットされている場合、ステップSf1008にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。ステップSf1008にATセットカウンタに1が加算されることにより、少なくとも今回のセットの次の次のセットまでATモードが継続することが確定する。なお、本実施形態では、上乗せ抽選に当選した場合に一律でATセットカウンタに1を加算する構成としているが、2以上の数を加算する場合がある構成としてもよく、例えば、上乗せ当選の契機となったゲームの抽選結果に応じてATセットカウンタに加算する数を抽選により決定する構成としてもよい。
続くステップSf1009ではセット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本上乗せ用処理を終了する。セット上乗せコマンドは、上乗せ抽選に当選したことやATセットカウンタの値を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。なお、複数のセット数を一の上乗せ当選にて上乗せする場合がある構成においては、当該セット上乗せコマンドに当該上乗せするセット数の情報を設定する構成とするとよい。セット上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、セット上乗せが行われたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図466)において、ステップSf607又はステップSf609の処理を実行した後は、ステップSf610~ステップSf613にて、ストップスイッチ42~44の押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップSf610~ステップSf613にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図472を参照しながら説明する。図472(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図472(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図472(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図472(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図473を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図473(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図473(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図473(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
ステップSf610~ステップSf613における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップSf610では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。押し順ベル当選である場合、ステップSf611にて、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされている場合、ステップSf612にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSf613にて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップSf611にてATモードフラグがセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSf415にて実施される入賞結果対応処理について、図474のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSf1101にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSf1102にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSf1103にてベット数が3であるか否かを判定する。すなわち、ステップSf1101~ステップSf1103の処理は、上記ステップSf601~ステップSf603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップSf1104以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップSf1102又はステップSf1103にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップSf1104に進む。ステップSf1104では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した後、未だこれらの移行抽選に当選したことの報知が行われていない状況であることを意味する。この場合、ステップSf1105にて、前兆モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップSf1104にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップSf1106にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップSf1107にてCZモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップSf1106にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップSf1108にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップSf1109にてATモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップSf1108にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆モード用処理、CZモード用処理、ATモード用処理について、それぞれ説明する。
<前兆モード用処理>
前兆モード用処理では、図475に示すように、ステップSf1201にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSf1202にて前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となっている場合には、ステップSf1203にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSf1204では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップSf1205に進む。ステップSf1205では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSf1206にてCZモードフラグをセットし、ステップSf1207にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップSf1208にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSf1204にてATモード当選フラグがセットされており、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップSf1209にて、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSf1210にて、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグをセットする処理を実行する。続くステップSf1211では、継続率設定処理を実行する。上記の通り、本実施形態におけるATモードは所定数のゲーム数を1セットとするセット管理型のATモードであり、残りセット数が存在しない状況(ATセットカウンタが0である状況)でセットの継続抽選に非当選となるまでATモードが継続する構成としており、ステップSf1211の継続率設定処理は継続抽選の当選確率(継続率)を設定する処理である。
本実施形態では、図476に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて、複数設けられた継続率(90%、60%、10%)の選択率が異なるように設定されており、ステップSf1211では、当該設定値に基づいて、いずれの継続率を選択するかを抽選により決定する。具体的には、基本的には設定値が高いほど(出玉率が高くなる設定値ほど)高い継続率が選択され易くなるように設定されており、例えば、60%の継続率は設定1では30%の確率で選択されるのに対して、設定6では70%の確率で選択される。但し、90%の継続率は奇数設定の方が偶数設定よりも選択され易くなっており、最も選択され易い設定値は設定5である。そして、90%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに90%フラグをセットし、60%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに60%フラグをセットし、10%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに10%フラグをセットする。これら各継続率を示す情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)は、今回移行するATモードが終了する際にクリアされるフラグである。つまり、一旦、ATモードの継続率が設定された場合には、当該ATモードが終了するまで、その継続率にて各セットの継続抽選が行われる構成としている。
ステップSf1211にて継続率設定処理を実行した後は、ステップSf1212にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行する。上記の通り、ATゲームカウンタは、ATモードの1セットが終了するまでのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。そして、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していれば、再度ATゲームカウンタに所定数である18が入力され、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していなければ、ATモードが終了することになる。
その後、ステップSf1212にて、AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、前兆モード用処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが開始されることに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
<CZモード用処理>
CZモード用処理では、図477のフローチャートに示すように、ステップSf1301にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSf1302では、ステップSf1301の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSf1303にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSf1304にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップSf1303にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
<ATモード用処理>
ATモード用処理では、図478のフローチャートに示すように、ステップSf1401にてATゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSf1402では、ステップSf1401の処理結果に基づいて、ATゲームカウンタが0となったか否かを判定する。ATゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままATモード用処理を終了する。
ATゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSf1403にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされており、継続条件が成立している場合、次のセットに移行させるための処理(ステップSf1404~ステップSf1406)を実行する。これに対して、ステップSf1403にて継続フラグがセットされていない場合には、ATモードを終了させるための処理(ステップSf1407~ステップSf1410)を実行する。
ステップSf1403にて継続条件が成立している場合、ステップSf1404にて継続フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSf1404にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行し、ステップSf1406にてセット更新コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。セット更新コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードのセットの移行が行われたことに対応させて補助表示部65やスピーカ64の演出を更新するための処理を実行する。
一方、ステップSf1403にて継続条件が成立していない場合、ステップSf1407にてATモードフラグをクリアし、ステップSf1408にて継続率の情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)をクリアする処理を実行する。そして、ステップSf1409にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSf1410にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して、有利区間を終了させるためのフラグである。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが終了したことに対応する演出を行うように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図479を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図458)におけるステップSf314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSf1501では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSf1501にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップSf1502に進む。
ステップSf1502では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSf1503にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSf1504にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSf1505では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSf1506にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。
区間表示第1処理において、ステップSf1506にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップSf1507にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSf1501にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップSf1508にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSf1508について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSf1502にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSf1507にて表示開始処理を実行した後、又はステップSf1508の表示継続処理を実行した後は、ステップSf1509にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップSf1509にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップSf1510にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップSf1509にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップSf1511にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSf1510又はステップSf1511の処理を実行した後は、ステップSf1512にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSf1513にて、ステップSf1512の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図444に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSf1513では、ステップSf1512の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSf1513の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSf1512の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図480のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSf416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSf1601では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSf1602にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップSf1603では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSf1603のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSf1603のMY更新処理を実行した後は、ステップSf1604にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSf1605にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップSf1606にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSf1607にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSf1608では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSf1609にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSf1609の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSf1606にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSf1610に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップSf1607に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図481のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSf1701にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSf1702にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSf1701にて否定判定した場合、又はステップSf1702の処理を実行した後は、ステップSf1703にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSf206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップSf1704にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSf1703にて否定判定した場合、又はステップSf1704の処理を実行した後は、ステップSf1705にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSf311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図466)等にてセットされる前兆コマンド、継続コマンド、セット上乗せコマンド及び押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップSf1706にて開始時演出設定処理を実行する。
開始時演出設定処理では、開始時コマンドに基づいて、前兆モードやCZモード、ATモード等へ移行する場合の演出設定を行ったり、今回開始するゲームで実行する演出(例えば上乗せ報知演出等)を設定するための処理を実行する。
ステップSf1705にて否定判定した場合、又はステップSf1706の処理を実行した後は、ステップSf1707にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図461)のステップSf406にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップSf1708にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSf1707にて否定判定した場合、又はステップSf1708の処理を実行した後は、ステップSf1709にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図461)のステップSf419にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図463)や入賞結果対応処理(図474)等にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップSf1710にて全停止時演出設定処理を実行する。
全停止時演出設定処理では、全停止時コマンドに基づいて、前兆モードやCZモード、ATモード等を終了させる場合の演出設定を行ったり、次ゲームからこれらのモード移行が生じる場合の演出設定を行ったり、ゲームの終了に際して実行する演出を設定するための処理を実行する。
ステップSf1709にて否定判定した場合、又はステップSf1710の処理を実行した後は、ステップSf1711にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSf1711では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSf1711では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
このように、本実施形態では、非内部状態において、2ベットゲームにて第2BBに当選して内部状態とした後、3ベットゲーム第2BB当選を持ち越したまま行う通常遊技において、通常区間から有利区間移行抽選を経て有利区間に移行し、当該有利区間においてATモード移行抽選に当選することでATモードへの移行が生じて多くのメダル獲得を期待できるようにしている。
但し、仮に、上記の第2BB当選を持ち越している状況において、3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技を行うと、第2BB入賞が成立し得るようになるだけではなく、指示機能に関する処理として、例えば、ATモード等の移行抽選や上乗せ抽選等が実行されなくなり、遊技者にとって不利な状況が生じ得る。このような意図するベット数とは異なるベット数となってしまう状況は、例えば、第1クレジット投入スイッチ56を操作することなくメダル投入口45からメダルを投入することでゲームのベット設定を行う場合に生じ得る他、第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づいてベット設定を行う処理においてノイズ等によっても生じ得る。
そこで、本実施形態では、ベット数の設定用の処理において、上記の不都合等を解消するための工夫を施している。
<ベット数と遊技の進行状況を報知するための構成>
まず、ゲームで設定されるベット数を報知するための構成と、ゲームの進行状況を報知するための構成について説明する。
図440に示すように、遊技パネル25には、表示窓26L,26M,26Rの左方にベット表示部34が設けられており、表示窓26L,26M,26Rの左下方にはBET表示部75が設けられている。
BET表示部75は、図482(b)に示すように、第1BET表示部75a、第2BET表示部75b、第3BET表示部75cを有している。いずれの表示部75a~75cも点灯状態(又は点滅状態)と消灯状態とに切り替わり可能に構成されており、点灯状態とされるBET表示部75a~75cによって、ベット数が報知される。例えば、BET表示部75のうち、第1BET表示部75aと第2BET表示部75bとが点灯状態であって第3BET表示部75cが消灯状態の場合には2枚のベットが行われていることを意味し、また、全てのBET表示部75a~75cが点灯状態の場合には3枚のベットが行われていることを意味する。
ベット表示部34も、図440に示すように、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cを有しており、いずれのベット表示部34a~34cも点灯状態(又は点滅状態)と消灯状態とに切り替わり可能に構成されている。そして、点灯状態とされるベット表示部34a~34cによって、ベット数が報知される点も上記のBET表示部75と同じである。
但し、図454に示すように、BET表示部75は主制御装置101に接続されており、ベット表示部34は表示制御装置81に接続されており、BET表示部75が主制御装置101側のCPU102にて制御されるのに対して、ベット表示部34は表示制御装置81側のCPU181にて制御される点で相違している。また、図440に示すように、BET表示部75よりもベット表示部34の方が、遊技パネル25において、各表示部34,75が点灯状態となった場合に光を透過する領域の面積が大きく設定されており、BET表示部75よりもベット表示部34の方が遊技者の目を引き易い(把握し易い)ように設定されている。なお、BET表示部75よりもベット表示部34の方が、遊技者の目を引き易い(遊技者が把握し易い)構成であればよく、点灯状態となった場合の輝度や光量が多くなるようにしてもよいし、ベット表示部34を動作可能な役物等により構成されるものとしてもよいし、ベット表示部34によるベット数の表示が補助表示部65にて行われる構成としてもよい。
ゲームの進行状況は、遊技状態表示部76にて放置される。遊技状態表示部76は、図440に示すように、BET表示部75と同様に、ベット表示部34や第1クレジット投入スイッチ56よりも小さい表示部である。遊技状態表示部76は、図454及び図482(a)に示すように、再遊技状態表示部76aと、開始可能状態表示部76bと、受入可能状態表示部76cとを有しており、いずれの表示部76a~76cも内部に設けられたLEDを制御することによって点灯状態と消灯状態とに切り替わり可能に構成されている。再遊技状態表示部76aは、今回のゲームのベット数と同数のベット数にて次のゲームを実行可能となる再遊技状態に設定されていることを報知するためのものであり、再遊技状態に設定された場合に点灯状態とされ、再遊技状態に設定されたゲームが終了すると消灯状態とされる。開始可能状態表示部76bは、ゲームの開始操作を受付可能な開始可能状態となったことを報知するためのものであり、開始状態に設定された場合に点灯状態とされ、開始可能状態にて開始操作を受け付けた場合に消灯状態とされる。受入可能状態表示部76cは、メダル投入口45からのメダルの投入が可能な受入可能状態であることを報知するためのものであり、受入可能状態である場合に点灯状態とされ、メダルの投入を受け付けない場合に消灯状態とされる。受入可能状態表示部76cについてより詳しくは、メダル投入口45から投入したメダルが貯留用通路47側に導かれるメダル通路切替ソレノイド46aの励磁時は点灯状態となり、排出用通路48側に導かれるメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時は消灯状態となる。
<開始待ち処理>
ゲームのベット数は、通常処理(図457)における開始待ち処理(ステップSf204)にて設定される。そこで、図483のフローチャートを参照しながら、本実施形態における開始待ち処理について説明する。
開始待ち処理では、先ず、ステップSf1801にて、再遊技状態用処理を実行する。再遊技状態用処理は、前回のゲームでいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定し、いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のゲームのベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行う。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。そして、自動投入処理に際して、BET表示部75及びベット表示部34を今回のベット数に応じて点灯状態とする処理を実行する。具体的には、例えば、3枚の仮想メダルを自動投入する場合には、第1BET表示部75a→第2BET表示部75b→第3BET表示部75cを順次、間隔を隔てて点灯状態とする処理を実行し、更に表示制御装置81へコマンド出力することによって、第1ベット表示部34a→第2ベット表示部34b→第3ベット表示部34cを順次点灯状態とさせる。また、各ベット表示部34a~34cを点灯状態とする際にベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。なお、BET表示部75を順次点灯状態とする場合の間隔と、ベット表示部34を順次点灯状態とする場合の間隔とが異なっていてもよく、BET表示部75の間隔のほうがベット表示部34の間隔よりも短くてもよく、BET表示部75は自動投入するベット数に対応する表示部を同時に点灯状態とする一方、ベット表示部34は間隔を隔てて順次点灯状態とする構成としてもよい。
ちなみに、本自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。自動投入処理にて投入された仮想メダル数は各種カウンタエリア106eに設けられた再遊後投入枚数カウンタに入力される。そのため、CPU102は、今回のゲームのベット数を再遊技投入枚数カウンタの値から把握することができるとともに、今回のゲームが再遊技入賞に基づいて付与される再遊技に対応するゲームであることを再遊技投入枚数カウンタから把握することが可能である。
ステップSf1801にて再遊技状態用処理を実行した後は、ステップSf1802にて上記の再遊技投入枚数カウンタが0であるか否かを判定する。再遊技投入枚数カウンタが0である場合とは、前回のゲームにて再遊技入賞が成立しておらず、今回のゲームが再遊技入賞に基づいて付与される再遊技に対応するゲームではないことを意味する。ステップSf1802にて再遊技投入枚数カウンタが0ではなく、今回のゲームが再遊技に対応するゲームである場合、ステップSf1803にて再遊技状態表示部76aを点灯状態とする処理を実行する。これにより、今回のゲームが前回のゲームにおいて再遊技入賞したことによって実行可能となったゲームであることを、遊技者や遊技ホールの管理者等が把握することが可能となる。ちなみに、当該再遊技状態表示部76aは、今回のゲームの終了に際して、例えば払出判定処理(ステップSf413)にて消灯状態とされる。
ステップSf1802にて再遊技投入枚数カウンタが0である場合、又はステップSf1803の処理を実行した後は、ステップSf1804にて貯留メダル精算処理を実行する。貯留メダル精算処理は、クレジットされた仮想メダルを返却するための処理であり、精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すようにホッパ装置51を制御する。
貯留メダル精算処理を実行した後は、ステップSf1805にて、BET操作対応処理を実行する。
<BET操作対応処理>
BET操作対応処理について、図484に示すフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSf1901では、各種カウンタエリア106eに設けられた投入上限カウンタに「2」を入力する処理を実行する。投入上限カウンタは、遊技状態に応じて設定されている特定規定枚数に対応するものである。上記の通り、本実施形態では、遊技状態に応じて、遊技可能な規定枚数が設定されており、各BB状態では規定枚数は「2」であり、BB状態以外の状態であって、いずれのBB当選も持ち越していない非内部状態(非持ち越し状態)や、いずれかのBB当選を持ち越している内部状態(持ち越し状態)である場合の規定枚数は「2」及び「3」である。特定規定枚数は、これらの規定枚数のうち、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に設定されるベット数であり、BB状態では「2」が設定されており、非内部状態では「2」、内部状態では「3」が設定されている。
そこで、上記のようにステップSf1901にて投入上限カウンタに「2」を入力した後、ステップSf1902にて遊技状態が内部状態であるか否かを判定し、内部状態である場合には、ステップSf1903にて投入上限カウンタに「3」を再入力する処理を実行する。
ステップSf1902にてBB状態や非内部状態である場合(投入上限カウンタ=「2」)、又はステップSf1903にて投入上限カウンタに「3」を入力した後は、ステップSf1904に進む。ステップSf1904では、各種カウンタエリア106eに設けられた投入前ベットカウンタの値が上記の投入上限カウンタよりも小さい値であるか否かを判定する。投入前ベットカウンタは、今回のBET操作対応処理の実行前のベット数を示すカウンタであり、ステップSf1904にて肯定判定する場合(投入前ベットカウンタ<投入上限カウンタ)とは、未だベット数が特定規定枚数に達していないことを意味する。投入前ベットカウンタが投入上限カウンタ未満である場合、ステップSf1905にて、遊技状態表示部76に設けられている受入可能状態表示部76cを点灯状態とする処理を実行する。受入可能状態表示部76cを点灯状態とすることにより、メダル投入や第1クレジット投入スイッチ56等の操作によるベット操作(賭数操作)が可能な状態であることが示される。そして、ステップSf1906にて、表示制御装置81にコマンド出力することにより、表示制御装置81に接続され、第1クレジット投入スイッチ56に内蔵されている第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行する。なお、第1クレジット投入スイッチ56の押下面は、光透過性を有する樹脂にて形成されており、その押下面の下方に設けられた第1クレジットランプ56bを点灯状態とすることで、第1クレジット投入スイッチ56の押下面が光って見えるようになり、第1クレジット投入スイッチ56の操作が可能な状態であることが示されるとともに、第1クレジット投入スイッチ56の操作が促されるようになる。
ステップSf1904にて投入前ベットカウンタが投入上限カウンタに達していると判定した場合、又はステップSf1906の処理を実行した後は、ステップSf1905にて、メダル投入監視処理を実行する。メダル投入監視処理は、メダル投入口45からメダルが投入されたことに基づいてベットを設定したり、余剰分をクレジットに貯留するための処理である。
<メダル投入監視処理>
ステップSf1905のメダル投入監視処理について、図485のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSf2001では、ゲート判定処理を実行する。ゲート判定処理では、メダル投入口45とメダル通路切替ソレノイド46aとの間に設けられた投入メダル検出センサ45aの検知結果に基づいて、メダルが投入されたか否かを判定する。なお、本実施形態では、投入メダル検出センサ45aは複数(2つ)設けられており、これら複数の投入メダル検出センサ45aの検知結果の組み合わせによって、メダルが投入されたことの他、当該メダルが通過したことや、通過途中で詰まったこと等を把握することが可能である。そして、ステップSf2001のゲート判定処理では、メダル詰まりが発生した場合には、エラー処理を実行する。
ステップSf2002では、ステップSf2001の処理結果に基づいて、メダルが投入されたか否かを判定する。メダルが投入されていない場合には、そのままメダル投入監視処理を終了する。ステップSf2002にてメダルが投入されたと判定した場合、ステップSf2003にて投入前ベットカウンタの値が上記の投入上限カウンタよりも小さい値であるか否かを判定する。
ステップSf2003にて肯定判定し、特定規定枚数に達していない状況でメダルが投入された場合、ステップSf2004に進み、各種カウンタエリア106eに設けられた投入後ベットカウンタを1加算する処理を実行する。投入後ベットカウンタは、今回のBET操作対応処理の実行後のベット数を示すカウンタである。そして、ステップSf2005にてベット増加用処理を実行する。ステップSf2005のベット増加用処理では、BET表示部75を、今回増加させたベット数に対応させて点灯制御するとともに、ベット表示部34の表示を更新させたり、ベット時効果音を出力するためのベットコマンドを表示制御装置81へ出力する。例えば、BET表示部75のうち第1BET表示部75aが点灯しているとともに、ベット表示部34のうちの第1ベット表示部34aが点灯しており、1枚のメダルがベットされている状況でメダルが投入された場合、ステップSf2005では、第2BET表示部75bを点灯するとともに、表示制御装置81により第2ベット表示部34bを点灯させ、更にスピーカ64からベット時効果音が出力されるようにする。
続くステップSf2006では、投入前ベットカウンタに投入後ベットカウンタの値を入力する処理を実行する。そして、ステップSf2007にて、投入後ベットカウンタが投入上限カウンタに達したか否かを判定する。達していない場合には、そのまま本メダル投入監視処理を終了する。投入上限カウンタに達した場合には、ステップSf2008にて、第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行する。続くステップSf2009では、各種カウンタエリア106eに設けられた投入前クレジットカウンタの値が上限値である「50」よりも小さいか否かを判定する。投入前クレジットカウンタは、一回のBET操作対応処理の実行前でのクレジットされている仮想メダル数を示すカウンタである。投入前クレジットカウンタが上限値である「50」に達している場合には、ステップSf2010にて受入可能状態表示部76cを消灯状態とする処理を実行し、ステップSf2011にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替える処理を実行してから、本メダル投入監視処理を終了する。
ステップSf2003にて否定判定し、投入前ベットカウンタが投入上限カウンタに達している場合、ステップSf2012に進む。ステップSf2012では、遊技状態が非内部状態であって、且つ投入前ベットカウンタが「2」であるか否かを判定する。上記のように非内部状態においては、規定枚数が「2」と「3」が設定されており、特定規定枚数は「2」が設定されている。そのため、非内部状態において投入前ベットカウンタが投入上限カウンタに達している場合であっても、メダル投入口45からメダルを投入することによって、ベット数を3とすることが可能である。そこで、ステップSf2012にて肯定判定した場合、ステップSf2004に進み、投入後ベットカウンタを1加算する処理等を行う。
ステップSf2012にて否定判定した場合、ステップSf2013にて上記の投入前クレジットカウンタの値が上限値である「50」よりも小さいか否かを判定する。投入前クレジットカウンタが上限値未満である状況でメダルが投入された場合(ステップSf2013:YES)、ステップSf2014にて各種カウンタエリア106eに設けられた投入後クレジットカウンタを1加算する処理を実行する。投入後クレジットカウンタは、一回のBET操作対応処理の実行後でのクレジットされている仮想メダル数を示すカウンタである。そして、ステップSf2015にてクレジット増加用処理を実行する。クレジット増加用処理では、クレジット表示部60にて表示される値を1多い数に更新するとともに、表示制御装置81に対してコマンド出力することにより、スピーカ部64からクレジット増加効果音が出力されるようにする。
続くステップSf2016では、投入前クレジットカウンタに投入後クレジットカウンタの値を入力する処理を実行する。その後、ステップSf2009に進み、投入前クレジットカウンタが上限値に達していれば、受入可能状態表示部76cの消灯処理を行う等してから、本メダル投入監視処理を終了する。また、ステップSf2013にて否定判定し、投入前クレジットカウンタが上限値に達している状況でメダルが投入された場合には、そのままメダル投入監視処理を終了する。この場合、既にメダル通路切替ソレノイド46aが非励磁状態に切り替えられていることから(ステップSf2011)、メダル投入口45から投入されたメダルは、貯留用通路47ではなく排出用通路48に導かれ、メダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
BET操作対応処理の説明に戻り、ステップSf1907にてメダル投入監視処理を実行した後は、ステップSf1908にて第1クレジット投入検出センサ56aの検知結果に基づいて、第1クレジット投入スイッチ56が操作されたか否かを判定する。第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合、ステップSf1909~ステップSf1920にて、第1クレジット投入スイッチ56のベット操作に対応する処理を実行する。
具体的には、ステップSf1909では、投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値となっているか否かを判定する。投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値となっている場合とは、既に第1クレジット投入スイッチ56のベット操作等によって、ベットが行われた後の状況であり、この場合、そのまま本BET操作対応処理を終了する。
投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値ではない場合、ステップSf1910にて、投入前ベットカウンタの値と投入前クレジットカウンタの値とを加算した値を各種カウンタエリア106eに設けられた判定用カウンタに入力する処理を実行する。そして、ステップSf1911にて、上記判定用カウンタの値が、投入上限カウンタの値以上であるか否かを判定する。ステップSf1910及びステップSf1911の処理は、第1クレジット投入スイッチ56のベット操作により、特定規定枚数のベットを行うだけのクレジットが存在するか否かを判定する処理である。ステップSf1911にて判定用カウンタの値が投入上限カウンタの値未満である場合、今回の第1クレジット投入スイッチ56のベット操作ではベットを行うことなく、そのまま本BET操作対応処理を終了する。
判定用カウンタの値が投入上限カウンタの値以上である場合、ステップSf1911にて否定判定してステップSf1912に進む。ステップSf1912では、投入上限カウンタの値から投入前ベットカウンタの値を減算した値を、各種カウンタエリア106eに設けられた投入用カウンタに入力する処理を実行する。投入用カウンタは、今回の第1クレジット投入スイッチ56のベット操作によりベットされるベット数をCPU102が一時記憶するためのカウンタであり、例えば、特定規定枚数が3枚であって、0枚のベットが行われている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されて3枚のベットが行われる場合には投入用カウンタに「3」が入力され、特定規定枚数が3枚であって、1枚のベットが行われている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されて2枚のベットが行われる場合には投入用カウンタに「2」が入力される。
続くステップSf1913では、投入後クレジットカウンタから、ステップSf1912にて入力された投入用カウンタの値を減算する処理を実行する。そして、ステップSf1914にて投入後ベットカウンタに投入用カウンタの値を加算する処理を実行する。かかる処理により、通常であれば、特定規定枚数に相当する枚数のベットが行われた状態となる。
但し、例えばノイズの発生等により、本来であれば2枚のベットを行うべきところが3枚のベットが行われてしまったり、3枚のベットを行うべきところが2枚のベットが行われてしまったりするエラーの発生が考えられ、本実施形態では、このようなエラーが発生した際にそれを修正する処理が設けられている。
すなわち、ステップSf1914の処理を実行した後、ステップSf1915にて、エラーが発生していることの第1確認処理として、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しいか否かを判定する。ステップSf1915にて否定判定する場合とは、第1クレジット投入スイッチ56のベット操作によって、本来であれば特定規定枚数に相当するベットが行われた状態となるはずであったのにもかかわらず、特定規定枚数よりも多い枚数のベットが行われた状態となってしまったり少ない枚数のベットが行われた状態となってしまったりした場合である。
この場合、ステップSf1916にて、エラーを修正する第1修正処理として、投入後ベットカウンタに投入上限カウンタの値を入力する処理を実行する。これにより、特定規定枚数に相当するベットが行われた状態に修正される。そして、ステップSf1915にて肯定判定した場合、又はステップSf1916の処理を実行した後は、ステップSf1917に進み、第1貯留返却用処理を実行する。
<第1貯留返却用処理>
第1貯留返却用処理について、図486のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSf2101では、投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分を各種カウンタエリア106eに設けられた第1差分カウンタに入力する処理を実行する。続くステップSf2102では、投入上限カウンタと投入前ベットカウンタとの差分を各種カウンタエリア106eに設けられた第2差分カウンタに入力する処理を実行する。
上記の通り、ステップSf1912では、投入上限カウンタから投入前ベットカウンタを減算した値を投入用カウンタに入力し、ステップSf1913では、投入後クレジットカウンタから投入用カウンタを減算する処理を行っており、基本的には、投入後クレジットカウンタの値は、投入前クレジットカウンタの値よりも投入用カウンタの分だけ小さい値となっている。つまり、通常であれば、第1差分カウンタの値と第2差分カウンタと値とは等しくなる。
ステップSf2103では、エラーが発生していることの第2確認処理として、第1差分カウンタの値と第2差分カウンタの値とが等しいか否かを判定する。等しい場合には、そのまま本第1貯留返却用処理を終了する。第1差分カウンタの値が第2差分カウンタの値と等しい場合とは、エラーが生じていない場合の他、例えば、2枚のベットを行うべきところを3枚のベットを行う等、多い枚数のベットを行ってしまった場合や、3枚のベットを行うべきところを2枚のベットを行う等、少ない枚数のベットを行ってしまった場合において、これらのエラーが、投入後ベットカウンタに今回のベット数(投入用カウンタ)を入力する処理(ステップSf1914)にて生じたエラーであって、今回のベット数を算出する処理(ステップSf1912)や、投入後クレジットカウンタから今回のベット数を減算する処理(ステップSf1913)ではエラーが生じていない場合が考えられる。この場合、上記のようにステップSf1916にて投入上限カウンタの値が投入後ベットカウンタに入力されており、かかるエラーは修正されている。
これに対して、ステップSf2103にて第1差分カウンタ(クレジットの減少数)の値と第2差分カウンタ(投入すべき枚数)の値とが異なると判定した場合、エラーを修正するための第2修正処理として、ステップSf2104~ステップSf2109の処理を実行する。具体的には、先ずステップSf2104にて、メダル受付を禁止する処理を実行する。ステップSf2104では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態とするとともに、投入メダル検出センサ45aの検知状態をOFF状態としてメダルを検知しない状態とする処理を行う。
そして、ステップSf2105にて、第1差分カウンタの値が第2差分カウンタの値よりも大きいか否かを判定する。ステップSf2105にて肯定判定し、投入すべき枚数よりも多い枚数をクレジットから減算してしまっている場合には、ステップSf2106に進み、第1差分カウンタと第2差分カウンタとの差分、すなわち、正規よりも多く減算してしまった分を、投入後クレジットカウンタに加算する処理を実行する。
一方、ステップSf2105にて否定判定し、投入すべき枚数よりも少ない枚数をクレジットから減算してしまっている場合には、ステップSf2107に進み、第2差分カウンタと第1差分カウンタとの差分、すなわち、正規よりも少ない減算分を、投入後クレジットカウンタから減算する処理を実行する。
ステップSf2106又はステップSf2107の処理を実行した後は、ステップSf2108にて投入後クレジットカウンタの値を投入前クレジットカウンタに入力する処理を実行する。そして、ステップSf2109にてメダル受付を許可する処理を実行してから、本第1貯留返却用処理を終了する。ステップSf2109では、メダル通路切替ソレノイド46aを励磁状態とするとともに、投入メダル検出センサ45aの検知状態をON状態としてメダルを検知可能な状態とする処理を行う。
BET操作対応処理において、ステップSf1917にて第1貯留返却用処理を実行した後は、ステップSf1918にて投入後ベットカウンタの値を投入前ベットカウンタに入力する処理を実行する。
そして、ステップSf1919にて、ベット増加用処理を実行する。ステップSf1919のベット増加用処理では、BET表示部75を今回増加させたベット数に対応させて点灯制御するとともに、ベット表示部34の表示を更新させたり、ベット時効果音を出力するためのベットコマンドを表示制御装置81へ出力する。例えば、BET表示部75のうち第1BET表示部75a~第3BET表示部75cが消灯しているとともに、ベット表示部34のうち第1ベット表示部34a~第3ベット表示部34cが消灯しており、ベットされてない状況で第1クレジット投入スイッチ56のベット操作が行われた場合、ステップSf1919では、第1BET表示部75a、第2BET表示部75b及び第3BET表示部75cを点灯するとともに、表示制御装置81により第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b及び第3ベット表示部34cを点灯させ、更にスピーカ64からベット時効果音が出力されるようにする。なお、BET表示部75やベット表示部34の表示を更新する場合、ベットが徐々に行われているかのように、第1BET表示部75a(第1ベット表示部34a)→第2BET表示部75b(第2ベット表示部34b)→第3BET表示部75c(第3ベット表示部34c)を、間隔をあけて順次点灯状態とするようにし、それぞれベット時効果音が出力されるようにしてもよい。また、ベット表示部34については間隔をあけて順次点灯状態とする一方、BET表示部75については、一度に(間隔を開けずに、又はベット表示部34の間隔よりも短い間隔で)点灯状態とする構成としてもよく、この場合のベット時効果音は、ベット表示部34の点灯に合わせて出力するようにするとよい。
ここで、上記のベット増加用処理は、第1確認処理(ステップSf1915)や第1修正処理(ステップSf1916)、第2確認処理(ステップSf2103)や第2修正処理(ステップSf2104~ステップSf2109)を実行した後に、行われるようにしている。そのため、BET表示部75やベット表示部34、ベット時効果音等によって報知されるベット数は、仮にエラーが発生していたとしても各修正処理によってそのエラーが修正された後のベット数である。このようにすることで、各修正処理よりも前にベット数の報知が行われ、その後に修正処理が行われることによる遊技者の混乱を回避することが可能である。
但し、例えば、BET表示部75については、各修正処理よりも前に(例えばステップSf1914とステップSf1915の間で)、今回のベット数が報知された状態となるようにし、各修正処理が行われた後、BET表示部75の報知を修正するとともに、ベット表示部34にて今回のベット数が報知された状態となるようにしてもよい。この構成においては、BET表示部75を確認することで、今回のベット数だけではなく、今回のベット操作によってエラーが発生したこと及びそのエラーが修正されたことを遊技者や遊技ホールの管理者が把握することが可能となる。
ステップSf1919の処理を実行した後は、ステップSf1920にて、第1クレジットランプ56bを点灯状態から消灯状態に切り替える処理を実行してから、本BET操作対応処理を終了する。
ステップSf1908にて第1クレジット投入スイッチ56が操作されていないと判定した場合、ステップSf1920に進む。ステップSf1921では、第2クレジット投入検出センサ57aの検知結果に基づいて、第2クレジット投入スイッチ57が操作されたか否かを判定する。第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合、ステップSf1922~ステップSf1930にて、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作に対応する処理を実行する。
すなわち、ステップSf1922では、投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しいか否かを判定する。ステップSf1922の処理は、ステップSf1909の処理に対応するものであり、ステップSf1922にて肯定判定した場合には、そのままBET操作対応処理を終了する。ステップSf1922にて否定判定した場合、ステップSf1923にて、投入前クレジットカウンタが0よりも大きいか否かを判定し、今回の第2クレジット投入スイッチ57の1枚のベット操作によってベットを行うだけのクレジットが存在するか否かを判定する。投入前クレジットカウンタが0である場合には、そのまま本BET操作対応処理を終了する。
投入前クレジットカウンタが0よりも大きい場合、ステップSf1924に進み、投入後クレジットカウンタから1を減算する処理を実行し、ステップSf1925にて投入後ベットカウンタに1を加算する処理を実行する。
続くステップSf1926では、第2貯留返却用処理を実行する。なお、本実施形態では、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作時においては、ステップSf1915及びステップSf1916のように、設定した値(投入用カウンタ)とは異なる値をベットしてしまった場合の修正用処理(第1修正)を行わない構成としている。これは、第1クレジット投入スイッチ56のベット操作では、状況に応じて(操作前ベット数)ベットされる値が異なるのに対して、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作では、状況にかかわらずベットされる値は同じであり、ベットする値を誤るエラーの発生の可能性は低いと考えられることに起因する。このようにすることで、エラー発生を適宜好適に対処しながらも処理構成の簡素化を図ることが可能となる。なお、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作時においても、上記の第1修正を行う構成としてもよく、この場合、ステップSf1925の処理を実行した後、投入後ベットカウンタが、投入前ベットカウンタに1を加算した値となっているか否かを判定し、当該判定処理にて否定判定した場合には、投入後ベットカウンタに投入前ベットカウンタに対して1を加算した値を入力する処理を実行する構成とするとよい。
<第2貯留返却用処理>
ステップSf1926の第2貯留返却用処理について、図487のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSf2201では、投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分を第1差分カウンタに入力する処理を実行する。かかる処理は上記ステップSf2101の処理に対応するものである。そして、ステップSf2202にて、第1差分カウンタの値が「1」であるか否かを判定し、「1」である場合にはそのまま第2貯留返却用処理を終了する。なお、ステップSf2202の処理は、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作に基づく第2確認処理に相当する。
第1差分カウンタの値が「1」ではなく、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作に基づいてクレジットから1枚とは異なる枚数の減算を行ってしまった場合には、第2修正処理として、ステップSf2203~ステップSf2208の処理を実行する。即ち、ステップSf2203では、ステップSf2104と同様に、メダル受付を禁止する処理を実行する。そして、ステップSf2204にて第1差分カウンタが「1」よりも大きいか否かを判定する。ステップSf2204にて肯定判定し、投入後クレジットカウンタから1枚よりも多い枚数分の減算を行ってしまっている場合には、ステップSf2205に進み、第1差分カウンタの値から1を減算した値を、投入後クレジットカウンタに加算する処理を実行する。
これに対して、ステップSf2204にて否定判定し、投入後クレジットカウンタから1枚よりも少ない枚数分の減算を行ってしまっている場合、すなわち、投入後クレジットカウンタから今回のベット操作に対応する枚数の減算を行っていない場合、ステップSf2206に進み、第1差分カウンタの値に1を加算した値を、投入後クレジットカウンタから減算する処理を実行する。
ステップSf2205又はステップSf2206の処理を実行した後は、ステップSf2207にて、投入後クレジットカウンタの値を投入前クレジットカウンタに入力する処理を実行し、ステップSf2208にてメダル受付を許可する処理を実行してから、本第2貯留返却用処理を終了する。
BET操作対応処理の説明に戻り、ステップSf1926にて第2貯留返却用処理を実行した後は、ステップSf1927にて、投入後ベットカウンタの値を投入前ベットカウンタに入力する処理を実行する。
そして、ステップSf1928にてベット増加用処理を実行する。ステップSf1928のベット増加用処理は、ステップSf2005の処理と同様である。なお、ベット時効果音をメダル投入時(ステップSf2005)と、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作時(ステップSf1928)とで異ならせてもよい。
続くステップSf1929では、ステップSf1923~ステップSf1928の処理によって、投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタに至ったか否かを判定する。投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタに至っていない場合には、そのまま本BET操作対応処理を終了する。投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタに至った場合には、ステップSf1930にて第1クレジットランプ56bを点灯状態から消灯状態に切り替える処理を実行してから、本BET操作対応処理を終了する。
開始待ち処理(図483)において、ステップSf1805にてBET操作対応処理を実行した後は、ステップSf1806にて、投入後ベットカウンタが「0」であるか否かを判定し、投入後ベットカウンタが「0」であって、メダル投入やクレジット投入スイッチ56,57のベット操作によるベットが行われていない場合には、ステップSf1804に戻る。投入後ベットカウンタが「0」ではない場合には、ステップSf1807に進み、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しいか否かを判定する。
投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しい場合、ステップSf1808にて、開始可能状態表示部76bを点灯状態とする処理を実行し、ステップSf1809にてメダル受付を禁止する処理を実行してから、本開始待ち処理を終了する。これにより、通常処理においてステップSf205に進み、スタートレバー41の操作に基づきゲームを開始可能となる。
ステップSf1807にて、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値に至っていないと判定した場合、ステップSf1810に進み、遊技状態が内部状態であるか否かを判定する。既に説明した通り、遊技状態が、BB当選を持ち越している内部状態である場合には、特定規定枚数は「3」であるものの、規定枚数は「2」及び「3」であり、ベット数が2又は3である場合にゲームを開始可能である。そこで、ステップSf1811にて、投入後ベットカウンタが「2」であるか否かを判定し、投入後ベットカウンタが「2」である場合には、ステップSf1808に進み、開始可能状態表示部76bの点灯処理、及びメダル受付禁止処理(ステップSf1809)を実行してから、本開始待ち処理を終了する。遊技状態がBB状態や非内部状態である場合や、ステップSf1811にて投入後ベットカウンタが「2」ではない場合には、ステップSf1812にて開始可能状態表示部76bを消灯状態とする処理を実行してから、ステップSf1804に戻る。
以上のように、本実施形態では、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作に基づいてベットが行われる場合、当該ベットが意図した枚数のベットとなっていなかったり、ベットした枚数とは異なる枚数がクレジットから減算されてしまったりするエラーが生じていないかの確認を行い、エラーが生じていた場合にはそれを修正する構成としている。このようにすることで、意図するベットとは異なるベットにて遊技が行われることによる不都合を生じさせないようにすることができるし、ベットした枚数とは異なる枚数がクレジットから減算されることによる遊技者や遊技ホールの不利益を生じさせないようにすることが可能となる。
<エラーの確認と修正>
BET操作対応処理において、エラーの確認と修正が行われる様子について、図488~図490を参照しながら説明する。
図488は、投入前クレジットカウンタが、「3」以上の数(X)であり、投入前ベットカウンタが「1」、特定規定枚数(投入上限カウンタ)が「3」である場合に、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合を示している。この場合、投入上限カウンタから投入前ベットカウンタを減算した値である「2」が投入用カウンタに入力され(ステップSf1912)、投入後クレジットカウンタは投入用カウンタの値が減算されて「X-2」となり、投入後ベットカウンタは投入用カウンタの値が加算されて「3」となる。
これら投入後ベットカウンタや投入後クレジットカウンタの値の更新が行われた後、図488(a)に示すように、第1確認処理として、投入後ベットカウンタの値と投入上限カウンタとの値が等しいか否かの判定が行われる(ステップSf1915)。
例えば、図488(b1)に示すように、投入後ベットカウンタの値が「4」であり、投入上限カウンタの値が「3」であって、第1確認処理にてエラー判定(ステップSf1915:NO)となった場合、第1修正処理として、投入後ベットカウンタには投入上限カウンタの値が入力されて「3」に修正される(ステップSf1916)。
また、例えば、図488(b2)に示すように、投入後ベットカウンタの値が「2」であり、投入上限カウンタの値が「3」であって、第1確認処理にてエラー判定(ステップSf1915:NO)となった場合、第1修正処理として、投入後ベットカウンタには投入上限カウンタの値が入力されて「3」に修正される(ステップSf1916)。
このようにすることで、今回のベット操作に基づいてベットされた枚数が、特定規定枚数となっていないのにもかかわらず、ゲームが進行してしまうことが回避される。
ここで、例えば、図488(b1)のように、エラーによってセットされたベット数が、規定枚数以外の枚数である場合には、規定枚数のベット数に修正されないまま開始待ち処理が終了してしまうと、その後の、抽選処理等では対応する枚数の抽選テーブルが設定されていないことから今回のゲームの抽選を実行することができない。この場合、例えば、今回のゲームを強制的に外れ結果としたり、異常状態として処理を停止し、RAMクリアやリセットを行うことで遊技を再開できるようにしたりする必要が生じ得る。
これに対して、図488(b2)のように、エラーによってセットされたベット数が、規定枚数である場合には、以下のような不都合が生じ得る。すなわち、上記のように本スロットマシン10では、非内部状態では第2BB当選となるまで2ベットゲームにて遊技を行わせ、第2BB当選となった後の内部状態は当該第2BB当選入賞を回避すべく3ベットゲームにて遊技させることを通常遊技としている。この場合、例えば、規定枚数が「2」と「3」であっても特定規定枚数が「3」とされる内部状態において、第1クレジット投入スイッチ56のベット操作が行われたのにもかかわらず、ノイズ等によって2ベットゲームが実行されてしまうと、意図せず第2BB入賞が成立し得るようになってしまう。そうすると、上記のように、第2BB状態中においてはATモード移行抽選等、指示機能に関する処理が実行されないように設定されていることから、今回のゲームにおいて3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技してしまった事象は、今回のゲームにおける不利益だけではなく、当該第2BB入賞に基づいて移行する第2BB状態におけるゲームにも及ぶこととなり、遊技者が被る不利益は多大なものとなり得る。
また、逆に規定枚数が「2」と「3」であっても特定規定枚数が「2」とされる非内部状態において、第1クレジット投入スイッチ56のベット操作が行われたのにもかかわらず、ノイズ等によって3ベットゲームが実行されてしまうと、第1BB当選となる可能性が生じ、第2BB当選を持ち越しながら3ベットゲームにて遊技を行うためには、当該当選してしまった第1BB当選を一旦入賞させて第1BB状態を終了させる必要が生じる。そして、第1BB状態においてもATモード移行抽選等、指示機能に関する処理が実行されないように設定されていることから、今回のゲームにおいて2ベットゲームではなく3ベットゲームにて遊技してしまった事象は、今回のゲームにおいて余分なメダルを要してしまったことを含めての今回のゲームにおける不利益だけではなく、当該当選し得る第1BB状態を消化し終えるまでのゲームにも及びこととなり、これについても遊技者が被る不利益は多大なものとなる。
その点、上記のように、第1修正処理によってベット数の修正が行われることから、上記のような各種不都合を生じさせることなく、好適な遊技進行を実現することが可能となる。
図489及び図490は、図488と同様に、投入前クレジットカウンタが、「3」以上の数(X)であり、投入前ベットカウンタが「1」、特定規定枚数(投入上限カウンタ)が「3」である場合に、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合を示している。
上記の第1確認処理や第1修正処理の後、図489(a)や図490(a)に示すように、第2確認処理として、投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分が算出されて第1差分カウンタに入力され、また、投入後ベットカウンタと投入前ベットカウンタとの差分が算出されて第2差分カウンタに入力され、これら第1差分カウンタと第2差分カウンタとが等しいか否かが確認される。つまり、今回のベット操作に基づきベットされた枚数を、クレジットから減算しているかの確認が行われる。
例えば、図489(b)に示すように、第1差分カウンタの値が「3」であって、第2差分カウンタの値が「2」であり、第1差分カウンタのほうが第2差分カウンタよりも大きい場合、第2修正処理として両差分カウンタの差(1)が投入後クレジットカウンタに加算され、投入後クレジットカウンタの値は「X-2」に修正される。
また、例えば、図490(b)に示すように、第1差分カウンタの値が「1」であって、第2差分カウンタの値が「2」であり、第2差分カウンタのほうが第1差分カウンタよりも大きい場合、第2修正処理として両差分カウンタの差(1)が投入後クレジットカウンタから減算され、投入後クレジットカウンタの値は「X-2」に修正される。
このようにすることで、今回のベット操作に基づいてベットされた場合にクレジットからの減算枚数がベット枚数と異なることによって、遊技者や遊技ホールが不利益を被り得ることを好適に回避させることが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ベットの設定処理によってエラーが発生している特定状況であることが第1確認処理や第2確認処理にて確認された場合、第1修正処理や第2修正処理により、そのエラーに対処するようにしていることから、ベット数が異なっていたり、クレジット数が異なってしまうことによる不都合を生じさせることなく、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
第1確認処理では、遊技状態に応じて設定される特定規定枚数(投入上限カウンタ)と、ベットの設定処理にて設定された後の投入後ベットカウンタとが等しいことの確認を行う構成としており、より詳しくは、内部状態においては投入後ベットカウンタが「3」となっているか否かの確認を行い、非内部状態やBB状態においては投入後ベットカウンタが「2」となっているか否かの確認を行う構成としている。このように、遊技状態に応じて確認する基準(投入上限カウンタ)を異ならせることで、遊技進行に応じて好適にその確認を行うことが可能となる。
また、例えば、遊技状態に関わらず特定規定枚数が同じである遊技機においては、ベット数が特定規定枚数となっていなければ、遊技者は比較的それに気づき易いものの、本スロットマシン10のように遊技状態に応じて特定規定枚数が異なるような遊技機においては、ベット数が特定規定枚数となっていなくても、それが遊技状態さえ異なれば正規にベットされ得る枚数であれば、遊技者はそのエラーに気付きにくく、そのまま遊技を行ってしまう可能性が高いといえる。その点、上記のように、遊技状態に応じて確認する基準を異ならせることで、かかるエラーに気付かずそのまま遊技を行ってしまうことによる不利益の発生を、未然に防ぐことが可能となる。
第1確認処理にてエラーが発生していることが確認された場合、第1修正処理として、投入後ベットカウンタには、投入上限カウンタの値をそのまま入力する構成とした。このようにすることで、再度投入用カウンタを算出して修正する構成と比較して、再度の算出にてエラーが発生することを考慮すると、修正による成功率を圧倒的に高めることが可能となる。
特に、第1クレジット投入スイッチ56を操作した場合には、特定規定枚数のベットが行われた状態とされるものの、当該第1クレジット投入スイッチ56の操作前のメダル投入の有無等、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に実際にベットされる枚数は操作前のベット数(投入前ベットカウンタの値)によって異なる。このような構成であることから、ベットする枚数の算出処理が比較的複雑化し易く、上記のように第1確認処理にてエラーの確認がなされた場合、再度の算出を行うことなく、投入上限カウンタを入力する構成とすることの意義は高い。
第2確認処理では、ベットされた枚数と、クレジットの減少数との比較を行う構成とし、第2確認処理にてエラーが発生していることが確認された場合、第2修正処理として、ベットされた枚数とクレジットの減少数との差分をクレジットに加算したりクレジットから減算したりする構成とした。このようにすることで、ベットに利用されたクレジット数が正規よりも多かったり少なかったりすることによる遊技者や遊技ホールの不利益の発生を好適に回避することが可能となる。
また、第2確認処理にてエラーが発生していることが確認された場合、第2修正処理を実行する間、メダル投入を禁止する構成とした。このようにすることで、クレジットの修正を行おうとしているのにもかかわらず、新たにクレジットが増加することによって修正処理がうまく成功しないことを回避することが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、第1確認処理や第1修正処理が上記実施形態の処理と異なっている。図491は、本変形例におけるBET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。
本変形例では、第1クレジット投入スイッチ56が操作され(ステップSf1908:YES)、特定規定枚数のベットが行われた状態とするための処理(ステップSf1909~ステップSf1914)を実行した後、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しいか否かを判定する処理(ステップSf1915)の代わりに、投入後ベットカウンタが遊技状態に応じた特定規定枚数に対応する値となっているか否かを判定する。すなわち、ステップSf2301にて、遊技状態が内部状態であるか否かを判定し、内部状態である場合にはステップSf2302に進み、投入後ベットカウンタが内部状態の特定規定枚数である「3」となっているか否かを判定する。投入後ベットカウンタが「3」ではない場合には、第1修正処理としてステップSf2303にて投入後ベットカウンタに「3」を入力する処理を実行する。
ステップSf2301にて否定判定し、遊技状態が非内部状態やBB状態である場合には、ステップSf2304に進み、投入後ベットカウンタがこれら非内部状態やBB状態の特定規定枚数である「2」となっているか否かを判定する。投入後ベットカウンタが「2」ではない場合には、第1修正処理としてステップSf2305にて投入後ベットカウンタに「2」を入力する処理を実行する。
ステップSf2302やステップSf2304にて肯定判定した場合や、ステップSf2303やステップSf2305の処理を実行した後は、ステップSf1917の第1貯留返却用処理を実行する。
このようにすることで、仮に投入上限カウンタに遊技状態に応じた値を入力する処理(ステップSf1901~ステップSf1903)においてノイズ等によって異なる値が入力されてしまった場合であっても、かかるエラーを第1修正処理によってフォローすることが可能となる。よって、遊技状態に応じた特定規定枚数とは異なるベット数で遊技が行われてしまうことを好適に回避することが可能となる。
特に、投入上限カウンタは、ゲームが実行されるたびに遊技状態に応じた値が入力されるものであるのに対して、ステップSf2302やステップSf2304で確認する値は、ゲーム毎に異ならず普遍的な値であることからして、当該確認する値がノイズ等によって異なる値となる可能性は、投入上限カウンタと比較すると極端に低いと考えられる。そこで、上記構成のようにすることで、第1修正処理において投入上限カウンタを用いて投入後ベットカウンタの値の確認を行うよりもより精度の高い確認を行うことが可能となる。
なお、ステップSf2301、ステップSf2302及びステップSf2304にて、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた投入後ベットカウンタが遊技状態に応じた特定規定枚数となっているかを確認する構成としているところ、遊技状態に応じた特定規定枚数をROM105の所定の記憶エリアに記憶しておき、第1確認処理にて遊技状態に応じた特定規定枚数を当該ROM105から読みだして確認する構成としてもよい。このようにすることで、投入後ベットカウンタや投入上限カウンタが書き換え可能な数値情報であるのに対して、第1確認処理において確認する遊技状態に応じた特定規定枚数が書き換え不能な数値情報であることがより明確化され、投入後ベットカウンタを書き換え不能な数値情報と照らし合わせることによる正確性がより好適に担保される。なお、投入上限カウンタを、ROM105の所定の記憶エリアに記憶しておき、開始待ち処理において、かかる記憶エリアからその投入上限カウンタの数値情報を読み出す構成としてもよい。
<変形例2>
上記実施形態では、投入後ベットカウンタが規定枚数のうちの特定規定枚数となっていない場合に、第1修正処理として特定規定枚数に相当する投入上限カウンタの値を投入後ベットカウンタに入力する構成としたが、本変形例では、規定枚数であれば第1修正処理を行わない構成とする。図492は、本変形例におけるBET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。
本変形例では、第1クレジット投入スイッチ56が操作され(ステップSf1908:YES)、特定規定枚数のベットが行われた状態とするための処理(ステップSf1909~ステップSf1914)を実行した後、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しいか否かを判定する処理(ステップSf1915)の代わりに、投入後ベットカウンタが遊技状態に応じた規定枚数に対応する値となっているか否かを判定する。すなわち、ステップSf2401にて、遊技状態がBB状態であるか否かを判定し、BB状態ではなく内部状態や非内部状態である場合にはステップSf2402に進み、投入後ベットカウンタが内部状態や非内部状態の規定枚数である「2」又は「3」となっているか否かを判定する。投入後ベットカウンタが「2」又は「3」ではない場合には、第1修正処理としてステップSf2403にて投入後ベットカウンタに「3」を入力する処理を実行する。
ステップSf2401にて否定判定し、遊技状態がBB状態である場合には、ステップSf2404に進み、投入後ベットカウンタがこれらBB状態の規定枚数である「2」となっているか否かを判定する。投入後ベットカウンタが「2」ではない場合には、第1修正処理としてステップSf2405にて投入後ベットカウンタに「2」を入力する処理を実行する。
ステップSf2402やステップSf2404にて肯定判定した場合や、ステップSf2403やステップSf2405の処理を実行した後は、ステップSf1917の第1貯留返却用処理を実行する。
このようにすることで、例えば、規定枚数が「2」や「3」として設定されている遊技状態が内部状態や非内部状態である場合であるのにもかかわらず、投入後ベットカウンタが「2」や「3」ではなく、「1」以下や「4」以上である場合に、第1修正処理が実行され、その後の抽選処理において対応するベット数の抽選テーブルが存在しないことによって、抽選が不実行とされたり強制的に外れ結果とされたり、処理落ちにより遊技が停止されたりする事象を発生させないようにすることが可能としながらも、第1修正処理の実行頻度を下げることが可能となる。
ここで、第1修正処理や第2修正処理によってベット数やクレジット数が修正され得ることを前提とすると、例えば、そのような前提を利用して、ベット数やクレジット数を不正に変更させて利益を得ようとする不正行為が行われることが懸念される。そして、第1修正処理や第2修正処理の実行頻度が高ければ高いほど、その不正行為が正規の第1修正処理や第2修正処理に紛れ、当該不正行為を特定することが困難となり得る。その点、上記のように、第1修正処理の実行頻度を低くし、必要最低限の実行頻度とすることで、不正行為の抑制とエラーによる不都合に対する対処とのバランスを保つことが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、第1修正処理や第2修正処理によって修正が行われた場合とそうではない場合とで、ベット時の報知態様(ベット時効果音)を異ならせる。図493(a)は、本変形例におけるBET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSf1914にて投入後ベットカウンタに投入用カウンタの値を加算した後、ステップSf2501にて投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しいか否かを判定する。両カウンタの値が異なる場合、ステップSf2502にて投入後ベットカウンタに投入上限カウンタの値を入力する処理を実行する。これらステップSf2501及びステップSf2502の処理は、上記ステップSf1915及びステップSf1916の処理と同様である。
本変形例では、ステップSf2502の処理を実行した後、ステップSf2503にて、各種フラグ格納エリア106dに第1修正フラグをセットする処理を実行する。第1修正フラグは、第1修正処理によりベットの修正が行われたことをCPU102が把握するためのフラグである。
ステップSf2501にて否定判定した場合や、ステップSf2503の処理を実行した後は、ステップSf1917にて第1貯留返却用処理を実行する。
図493(b)は、本変形例における第1貯留返却用処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSf2104にてメダル投入を禁止する処理を実行した後、ステップSf2511にて第1差分カウンタが第2差分カウンタよりも大きいか否かを判定する。第1差分カウンタのほうが第2差分カウンタよりも大きい場合、ステップSf2512にて両差分カウンタの差分を投入後クレジットカウンタに加算する処理を実行し、第2差分カウンタのほうが第1差分カウンタよりも大きい場合、ステップSf2513にて両差分カウンタの差分を投入後クレジットカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSf2512又はステップSf2513の処理を実行した後は、ステップSf2514にて投入後クレジットカウンタの値を投入前クレジットカウンタに入力する処理を実行する。これらステップSf2511~ステップSf2514の処理は、上記ステップSf2105~ステップSf2108の処理と同様である。
本変形例では、ステップSf2514の処理を実行した後、ステップSf2515にて、各種フラグ格納エリア106dに第2修正フラグをセットする処理を実行する。第2修正フラグは、第2修正処理によりクレジットの修正が行われたことをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSf2515の処理を実行した後は、ステップSf2109に進み、メダル投入を許容する処理を実行する。
図494(a)は、本変形例における第2貯留返却用処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSf2203にてメダル投入を禁止する処理を実行した後、ステップSf2601にて第1差分カウンタが1よりも大きいか否かを判定する。第1差分カウンタが1よりも大きい場合、ステップSf2603にて第1差分カウンタから1を減算した値を投入後クレジットカウンタに加算する処理を実行し、第1差分カウンタが1よりも小さい場合、ステップSf2603にて第1差分カウンタに1を加算した値を投入後クレジットカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSf2602又はステップSf2603の処理を実行した後は、ステップSf2604にて投入後クレジットカウンタの値を投入前クレジットカウンタに入力する処理を実行する。これらステップSf2601~ステップSf2604の処理は、上記ステップSf2204~ステップSf2207の処理と同様である。
本変形例では、ステップSf2604の処理を実行した後、ステップSf2605にて、上記の第2修正フラグをセットする処理を実行する。ステップSf2605の処理を実行した後は、ステップSf2208に進み、メダル投入を許容する処理を実行する。
図494(b)は、本変形例におけるベット増加用処理を示すフローチャートである。
ステップSf2611では、BET表示部75の点灯処理を実行する。かかる処理は、上記のように、今回ベットされたベット数に対応するBET表示部75を点灯状態とする処理である。続くステップSf2612では、上記第1修正フラグ又は第2修正フラグがセットされているか否かを判定する。
いずれの修正フラグもセットされておらず、第1修正処理や第2修正処理が実行されなかった場合には、ステップSf2613にて通常ベットコマンドを表示制御装置81に出力する処理を実行してから、本ベット増加用処理を終了する。通常ベットコマンドには、今回ベットされたベット数に対応する情報が含まれており、当該通常ベットコマンドを受信した表示制御装置81は、今回ベットされたベット数に対応した表示となるように各ベット表示部34a~34cを順次点灯させる。この場合、各ベット表示部34a~34cを点灯させる際に、ベット時効果音として通常ベット時効果音(例えば、「べ」といった電子音)がスピーカ64から出力されるように制御する(図494(c1))。
ステップSf2612にていずれかの修正フラグがセットされていると判定した場合、ステップSf2614にて第1修正フラグがセットされているか否かを判定する。第1修正フラグがセットされている場合には、ステップSf2615にて、第1修正時ベットコマンドを表示制御装置81に出力する処理を実行する。第1修正時ベットコマンドにも、今回ベットされたベット数に対応する情報が含まれており、当該第1修正時ベットコマンドを受信した表示制御装置81は、今回ベットされたベット数に対応した表示となるように各ベット表示部34a~34cを順次点灯させる。この場合、各ベット表示部34a~34cを点灯させる際に、ベット時効果音として通常ベット時効果音とは異なる第1特別ベット時効果音(例えば、「ピ」といった電子音)がスピーカ64から出力されるように制御する(図494(c2))。
ステップSf2614にて第1修正フラグがセットされていない場合とは、第2修正フラグがセットされていることを意味する。この場合、ステップSf2616にて第2修正時ベットコマンドを表示制御装置81に出力する処理を実行する。第2修正時ベットコマンドにも、今回ベットされたベット数に対応する情報が含まれており、当該第2修正時ベットコマンドを受信した表示制御装置81は、今回ベットされたベット数に対応した表示となるように各ベット表示部34a~34cを順次点灯させる。この場合、各ベット表示部34a~34cを点灯させる際に、ベット時効果音として通常ベット時効果音や第1特別ベット時効果音とは異なる第2特別ベット時効果音(例えば、「バ」といった電子音)がスピーカ64から出力されるように制御する(図494(c3))。
ステップSf2615又はステップSf2616の処理を実行した後は、ステップSf2617にて確認処理を実行する。確認処理では、例えば、RAM106に記憶されている各種データに異常値が入力されているか否かを確認し、異常値が入力されている場合にはそれを修正する処理を実行する。例えば、各種カウンタエリア106eに設けられている所定のカウンタが、当該カウンタの更新範囲外の値となっている場合に異常値として、当該カウンタの更新範囲内の値に修正する処理を実行する。また、確認処理では、電波や電磁力が照射されているか否かをスロットマシン10に内蔵されているセンサにより確認し、照射されている場合にはエラー情報を遊技ホールのホールコンピュータに対して外部出力する処理を実行する。ステップSf2617の処理を実行した後は、ステップSf2618にて修正フラグをクリアする処理を実行してから、本ベット増加用処理を終了する。
以上のように、本変形例では、第1修正処理や第2修正処理が実行された場合には、これらの修正処理が実行されなかった場合とは異なるベット時効果音が出力されるようにしていることから、ベット数やクレジットの修正が行われたことを遊技者や遊技ホールの管理者が把握することが可能となる。
ここで、ベットやクレジットのエラーは、例えば、内部的な処理が集中したり、電波等が照射される等してノイズが発生することに発生すると考えられる。内部的な処理の集中は、例えば、ウェイト期間の経過前にベット操作が行われる等して、前ゲームの演出や処理が完了していない状況で次のゲームの開始操作が行われると、演出や抽選が重複する等することによって生じ得るものと考えられる。そこで、上記のように、第1修正処理や第2修正処理が実行された場合には、ベット時効果音が通常とは異なる効果音として出力されるようにしたことから、遊技者は当該ベット時効果音の違いに違和感を覚え、遊技者の手が一旦止まることが期待できる。つまり、今回のベット操作と、当該ベット操作に続けて実行しようとしていたスタートレバー41の操作との期間が、通常よりも長くなることが期待できる。このように、処理の集中等を遊技者の操作態様を意図的に操ることによって回避するようにしたことで、処理の集中等を回避するために別の処理を追加する必要がなく、処理の集中等によるエラーを好適に回避することが可能となる。
また、本変形例では、このような遊技者の手が一旦止まるであろう演出を実行するようにしたうえで、かかるタイミングでエラーの原因を確認する確認処理を実行する構成とした。このようにしたことにより、確認処理の実行中に新たな遊技操作が行われる可能性を低くし、確認処理の精度を比較的簡素な構成にて向上させることが可能となる。
なお、上記確認処理(ステップSf2617)にて、異常が確認されなくても、遊技ホールのホールコンピュータに対して第1修正処理や第2修正処理が実行されたことを外部出力する構成としてもよい。このようにすることで、ベットやクレジットのエラーの発生を遊技ホールの管理者が把握することが可能となり、意図的にベットやクレジットに異常を生じさせる不正行為が行われることを早期に特定することが可能となる。また、確認処理の実行回数に応じて外部出力する構成としてもよく、例えば、確認処理が所定回数(例えば、電源投入から5回)実行された場合に外部出力する構成としてもよい。さらに、確認処理が実行された場合、又は確認処理にて異常が確認された場合、エラー報知が行われるようにしてもよい。エラー報知としては、スピーカ64からエラー音を出力したり、補助表示部65にてエラー表示を実行したりする構成が考えられる。
また、ベット時効果音を通常時と異ならせることにより遊技者に違和感を与え、遊技進行を停止(中断)させたり、遊技進行の速度を遅くさせたりすることを期待する構成としたが、エラー発生時の第1特別ベット時効果音や第2特別ベット時効果音を、エラーが発生していない状況においても出力され得る効果音としてもよく、例えば、前兆モード等に移行することで出力される確率が高くなる構成としてもよい。このようにすることで、かかるベット時効果音の相違によって、遊技者にとって有利な事象が生じるのでは、と期待させることも可能となり、遊技者の手を止める効果をより好適に高めることが可能となる。
<変形例4>
本変形例では、第2修正処理を、遊技者による修正用の操作が行われた場合に実行する構成とする。図495(a)は、本変形例における第1貯留返却用処理の一部を示すフローチャートであり、図495(b)は、本変形例における第2貯留返却用処理の一部を示すフローチャートである。本変形例では、修正用の操作として、今回のベットの契機となったベット操作と同じ操作を設定している。
すなわち、第1貯留返却用処理では、ステップSf2104にてメダル投入を禁止した後、ステップSf2701にて第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行する。そして、ステップSf2702にて、第1クレジット投入スイッチ56が操作されたか否かを判定し、操作されるまで待機する。第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合、ステップSf2703にて第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行してから、ステップSf2704~ステップSf2707にて、ステップSf2105~ステップSf2108と同様に第2修正処理を実行する。
また、第2貯留返却用処理では、ステップSf2203にてメダル投入を禁止した後、ステップSf2711にて1BET操作指示コマンドを表示制御装置81に出力する処理を実行する。1BET操作指示コマンドを受信した表示制御装置81は、補助表示部65にて「1BETを押してください」といった表示を行うことにより第2クレジット投入スイッチ57の操作指示演出を実行する。そして、ステップSf2712にて第2クレジット投入スイッチ57が操作されるまで待機する。第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合、ステップSf2713にて1BET操作完了コマンドを表示制御装置81に出力する処理を実行する。1BET操作完了コマンドを受信した表示制御装置81は、上記の操作指示演出を終了させるように補助表示部65を制御する。そして、ステップSf2714~ステップSf2717にて、ステップSf2204~ステップSf2207と同様に第2修正処理を実行する。
以上のように、ベット操作に伴う投入後クレジットカウンタの減算処理にエラーが生じた場合、当該エラーを修正するための第2修正処理は、遊技者の操作により実行されるようになる。このようにすることで、仮想メダルとしてのクレジットを用いてゲームのベットを行う構成において、遊技機側の処理だけでクレジットの値が修正されないようになり、遊技の透明性を向上させることができる。つまり、遊技機側の処理だけでクレジットの値が修正される構成とすることで、遊技者の利便性は向上し得るものの、クレジットの増減が遊技者の知るところなく実行される構成となり、修正処理とはいえ、クレジットが不正に増減されているのではと遊技者に不信感を与えかねない。その点、上記構成のようにすることで、遊技者はエラーの発生やその修正が行われることを把握することができ、遊技の透明性を好適に担保することが可能となる。
しかも、遊技者の操作を介して第2修正処理を実行する構成とすることで、第2修正処理の契機となるエラーが生じた処理(投入後クレジットカウンタから今回のベット数を減算する処理)を実行したタイミングと、第2修正処理を実行するタイミングとの時間差が生じ易くなり、エラーの原因が一時的な電波等であれば、第2修正処理の実行タイミングではそのエラーの原因が存在しなくなっていることが期待できるし、第2修正処理の実行前にエラーの原因が特定できればそれを取り除いてから第2修正処理を実行させることも可能となる。よって、第2修正処理における修正の成功率を高くすることができる。
さらに、第1クレジット投入スイッチ56によるベット操作にてエラーが発生した場合には第1クレジット投入スイッチ56の操作により第2修正処理を実行する構成とし、第2クレジット投入スイッチ57によるベット操作にてエラーが発生した場合には第2クレジット投入スイッチ57の操作により第2修正処理を実行する構成としたことから、そのエラー発生の契機となったベット操作の種類をも把握することができるようになるため、各スイッチ56,57の故障等の確認などエラーの対処を効率的に行うことも可能となる。
<変形例5>
本変形例では、第1確認処理にてエラー発生が確認された場合には、再度第1クレジット投入スイッチ56の操作の確認からやり直す構成とする。図496は、本変形例におけるBET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSf1907にてメダル投入監視処理を実行した後、ステップSf2801にて第1クレジット投入スイッチ56の操作がなされたか否かの確認を行う。第1クレジット投入スイッチ56の操作がなされた場合、上記ステップSf1909~ステップSf1914と同様に、ステップSf2802~ステップSf2807にて当該ベット操作に基づいて投入後ベットカウンタにベット数を入力したり投入後クレジットカウンタからベット数を減算する処理を実行する。そして、ステップSf2808にて上記ステップSf1915と同様に、投入後ベットカウンタが投入上限カウンタと等しいか否かの第1確認処理を実行する。
ステップSf2808にて否定判定した場合、本変形例では、ステップSf2809にて投入後クレジットカウンタに投入用カウンタの値を加算する処理を実行する。かかる処理は、ステップSf2807の処理の逆の処理である。そして、ステップSf2810にて投入後ベットカウンタから投入用カウンタの値を減算する処理を実行する。かかる処理は、上記ステップSf2806の処理の逆の処理である。すなわち、これらステップSf2808及びステップSf2806の処理によって、投入後ベットカウンタや投入後クレジットカウンタの値はベット操作に基づくベット前の状態に戻ることになる。
ステップSf2810の処理を実行した後は、ステップSf2801に戻り、第1クレジット投入スイッチ56の操作がなされたか否かの確認を行う。ステップSf2811~ステップSf2824の処理は、上記ステップSf1917~ステップSf1930の処理と同様である。
このようにすることで、少なくとも今回のベット数(投入用カウンタ)を算出する処理や、投入後ベットカウンタに今回のベット数(投入用カウンタ)を加算する処理においてエラーが生じている場合には、再度、第1クレジット投入スイッチ56の操作による処理が実行されることになる。よって、エラーが生じた場合に、強制的に投入上限カウンタの値(特定規定枚数)を投入後ベットカウンタに入力する構成と比較すると、正規の処理によりベットが行われたことになるため、エラー時に投入上限カウンタの値を強制的に入力する構成を逆手に取った不正行為を行わせにくくすることができる。また、遊技のげんを担ぐ遊技者としては、正規な処理であることの方が好ましく、所望の結果とならなかった場合に修正処理が行われたことが理由とされることを好適に回避することも可能となる。
ちなみに、例えば、投入後クレジットカウンタから今回のベット数を減算する処理においてエラーが生じている場合には、ステップSf2808にて肯定判定する可能性もある。但し、この場合、ステップSf2811にて第1貯留返却用処理にて、かかるエラーは修正され得る。
なお、第1貯留返却用処理において、第1差分カウンタと第2差分カウンタとの値が相違し、クレジットの減少数とベットの増加数とが相違する場合には、上記のようにステップSf2809やステップSf2810にてもとに戻す処理を実行した後、再度第1クレジット投入スイッチ56の操作がなされたことの確認処理(ステップSf2801)に戻る構成としてもよい。
<変形例6>
本変形例では、第2修正処理(第1貯留返却用処理、第2貯留返却用処理)において修正したクレジットについては、精算スイッチ59の操作がなされても現実のメダルとして精算することを制限する。図497(a)は、本変形例における第1貯留返却用処理の一部を示すフローチャートであり、図497(b)は、本変形例における第2貯留返却用処理の一部を示すフローチャートである。
本変形例における第1貯留返却用処理では、ステップSf2104にてメダル受付を禁止する処理を実行した後、ステップSf2901にて第1差分カウンタ(クレジットの減少分)のほうが第2差分カウンタ(投入すべきベット数)よりも大きいか否かを判定する。ステップSf2901にて肯定判定し、正規の枚数よりも多い枚数をクレジットから減算してしまっている場合には、ステップSf2902にてその差分を投入後クレジットカウンタに加算する処理を実行する。
続くステップSf2903では、上記ステップSf2902にて加算した両差分カウンタの差分を、各種カウンタエリア106eに設けられた精算不可カウンタに加算する処理を実行する。精算不可カウンタは、精算スイッチ59が操作された場合に精算を制限する枚数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSf2901にて否定判定し、投入すべきベット数のほうがクレジットの減少分よりも大きい場合、ステップSf2904にて、その差分を投入後クレジットカウンタから減算する処理を実行する。
続くステップSf2905では、上記ステップSf2904にて減算した両差分カウンタの差分を、上記の精算不可カウンタから減算する処理を実行する。なお、精算不可カウンタが0である場合は、ステップSf2905では減算する処理を実行せず、その状態を維持する、また、ステップSf2905の処理前の精算不可カウンタのほうが、上記ステップSf2904にて減算した差分よりも小さい場合には、ステップSf2905では、精算不可カウンタを0とする処理を実行する。つまり、精算不可カウンタは0を最小値とするカウンタであって、マイナスとならないように設定されたカウンタである。
ステップSf2903又はステップSf2905の処理を実行した後は、ステップSf2906にて投入後クレジットカウンタの値を投入前クレジットカウンタに入力してから、ステップSf2109にてメダル受付を許可する処理を実行する。
本変形例における第2貯留返却用処理では、ステップSf2203にてメダル受付を禁止する処理を実行した後、ステップSf2911にて第1差分カウンタ(クレジットの減少分)が1(投入すべきベット数)よりも大きいか否かを判定する。ステップSf2911にて肯定判定し、正規の枚数よりも多い枚数をクレジットから減算してしまっている場合には、ステップSf2912にてその差分(第1差分カウンタから1を減じた値)を投入後クレジットカウンタに加算する処理を実行する。続くステップSf2913では、上記ステップSf2903と同様に、ステップSf2912にて加算した値を、精算不可カウンタに加算する処理を実行する。
ステップSf2911にて否定判定し、投入すべきベット数のほうがクレジットの減少分よりも大きい場合、ステップSf2914にて、その差分(第1差分カウンタに1を加算した値)を投入後クレジットカウンタから減算する処理を実行する。続くステップSf2915では、上記ステップSf2915と同様に、ステップSf2914にて減算した値を、精算不可カウンタから減算する処理を実行する。
ステップSf2913又はステップSf2915の処理を実行した後は、ステップSf2916にて投入後クレジットカウンタの値を投入前クレジットカウンタに入力してから、ステップSf2208にてメダル受付を許可する処理を実行する。
図498は、本変形例におけるBET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSf1911にてベット可能な判定値が投入上限カウンタ以上であると判定した場合、ステップSf3001にて投入用カウンタの算出処理を実行し、ステップSf3002にて投入後クレジットカウンタから今回のベット数として投入用カウンタの値を減算する処理を実行する。これらステップSf3001及びステップSf3002はステップSf1912及びステップSf1913の処理と同様である。本変形例では、ステップSf3003にて、上記の精算不可カウンタから投入用カウンタの値を減算する処理を実行する。なお、ステップSf3003でも、精算不可カウンタが0であれば減算する処理を実行せず、精算不可カウンタのほうが投入用カウンタの値が小さければ精算不可カウンタを0とする処理を実行する。そして、ステップSf3004にて投入後ベットカウンタに投入用カウンタの値を加算した後、ステップSf3005~ステップSf3007にて各確認処理や修正処理を実行してから、ステップSf1918に進む。
また、ステップSf1923にて投入可能なクレジットが存在すると判定した場合、ステップSf3008にて投入後クレジットカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSf3009にて精算不可カウンタから1を減算する処理を実行し、ステップSf3010にて投入後ベットカウンタに1を加算する処理を実行し、ステップSf3011にて第2貯留返却用処理を実行してからステップSf1927に進む。なお、ステップSf3008でも、精算不可カウンタが0であれば減算する処理を実行しない。
本変形例における貯留メダル精算処理について、図499のフローチャートを参照しながら説明する。貯留メダル精算処理は、開始待ち処理(図483)におけるステップSf1804にて実施される処理である。
ステップSf3101では、精算スイッチ59の操作がなされたか否かを判定し、操作されていない場合には、そのまま貯留メダル精算処理を終了する。操作されている場合には、ステップSf3102に進む。ステップSf3102では、上記の精算不可カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。精算不可カウンタが0である場合には、ステップSf3103にて、投入前クレジットカウンタの値に対応する枚数のメダルが払い出されるようにホッパ装置51を制御する。そして、ステップSf3104にて、投入前クレジットカウンタを0としてから、貯留メダル精算処理を終了する。
これに対してステップSf3102にいて精算不可カウンタが0よりも大きい場合、ステップSf3105に進み、投入前クレジットカウンタの値と精算不可カウンタの値との差分に対応する枚数のメダルが払い出されるようにホッパ装置51を制御する。そして、ステップSf3106にて、投入前クレジットカウンタに精算不可カウンタの値を入力する処理を実行する。
すなわち、本変形例では、精算スイッチ59が操作された場合、クレジットから精算不可カウンタに相当する枚数を除いた枚数のメダルの精算が行われ、精算不可カウンタに相当する枚数は、クレジットに残存することになる。
続くステップSf3107では、残クレジットコマンドを表示制御装置81に出力する処理を実行してから、本貯留メダル精算処理を終了する。残クレジットコマンドを受信した表示制御装置81は、精算スイッチ59の操作によって精算できなかった仮想メダルが存在することを示す報知が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
このように、本変形例では、第2修正処理によって多く減算しすぎてしまった分をクレジットに戻す処理が行われた場合には、その分のクレジットについては、精算スイッチ59を操作しても実際のメダルとして精算することができないようにした。このようにすることで、例えば不必要に第2修正処理を行わせたり、第2修正処理においてクレジットに戻す枚数を不正に変更する等の行為が行われた場合に、かかる行為によって得られたクレジットを実際のメダルに精算できないようにすることができ、第2修正処理の構成を逆手に取った不正行為を行わせにくくすることが可能となる。
この場合、上記のように第2修正処理によって戻した分のクレジットは、通常のベットにおいて優先して利用される構成としているため、比較的早期に当該戻した分のクレジットを消費することが可能である。また、他の修正処理において投入後クレジットカウンタから差分を減算する場合にも消費されるようにしていることから、更に当該消費が促進されている。そのため、第2修正処理によって戻した分のクレジットがいつまでも残存することによって、クレジットを0として遊技を終了することができなくなる、といった事象を生じさせないようにすることが可能である。
<変形例7>
本変形例では、上記変形例6において精算不可カウンタを0としたゲームにて特別報知が発生し得る。図500は本変形例におけるBET操作対応処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSf3201及びステップSf3202にてステップSf3001及びステップSf3002と同様の処理を実行した後、ステップSf3203では、上記の精算不可カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。0よりも大きい場合、ステップSf3204にて精算不可カウンタから投入用カウンタの値を減算する処理を実行する。かかる処理は、上記ステップSf3003の処理と同様である。続くステップSf3205では、上記のステップSf3204の処理結果に基づいて、精算不可カウンタが0となったか否かを判定する。0となった場合には、ステップSf3206にて、精算完了コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。精算完了コマンドは、今回のベット操作によって、精算不可カウンタの値が0となったことを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。
ステップSf3203若しくはステップSf3205にて否定判定した場合、又はステップSf3206の処理を実行した後は、ステップSf3207に進み、投入後ベットカウンタに投入用カウンタの値を入力する処理を実行した後、ステップSf3208~ステップSf3210にて各種確認処理や修正処理を実行してから、ステップSf1918に進む。
また、ステップSf3211にてステップSf3008と同様の処理を実行した後、ステップSf3212にて、精算不可カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。0よりも大きい場合、ステップSf3213にて精算不可カウンタから1を減算する処理を実行する。そして、続くステップSf3214では、上記のステップSf3213の処理結果に基づいて、精算不可カウンタが0となったか否かを判定する。0となった場合には、ステップSf3215にて、上記の精算完了コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。
ステップSf3212若しくはステップSf3214にて否定判定した場合、又はステップSf3215の処理を実行した後は、ステップSf3216に進み、投入後ベットカウンタに1を加算する処理を実行した後、ステップSf3217にて第2貯留返却用処理を実行してから、ステップSf1927に進む。
図501(a)は、本変形例における不良精算完了報知処理を示すフローチャートである。不良精算完了報知処理は、ステップSf1704のベット時演出設定処理における一処理として表示制御装置81のCPU181にて実行される処理である。
ステップSf3301では、今回のベット時コマンドとして、上記の精算完了コマンドを受信しているか否かを判定する。受信していない場合には、ステップSf3302にて今回のベット時の演出が通常のベット時演出として実行されるように設定する処理を行ってから、本不良精算完了報知処理を終了する。通常ベット時演出として、例えば、図494(c1)の通常ベット時効果音を用いてもよく、この場合、ベット増加用処理においてベット時効果音の出力用の処理が実行されると、上記ステップSf3302にて設定された通常ベット時効果音が出力されるようになる。
これに対してステップSf3301にて、上記の精算完了コマンドを受信していると判定した場合、ステップSf3303にて特別報知抽選処理を実行する。特別報知抽選処理は、当選確率の設定処理により設定される設定値の示唆を特別報知として行うことの抽選処理である。本変形例では、図501(b)に示すように、特別報知として、第1特別報知と第2特別報知とが設定されている。そして、設定値が高いほど(出玉率が高くなりやすい設定値ほど)、第1特別報知よりも第2特別報知が選択され易く設定されており、第1特別報知と第2特別報知との選択率から設定値を予測することが可能となっている。
ステップSf3303では、設定されている設定値と、各種テーブル記憶エリア182aに記憶されている特別報知テーブル(図501(b))とから、今回の特別報知の種類を抽選により決定する。そして、ステップSf3304にて、ステップSf3303の処理結果に基づいて第1特別報知が選択されたか否かを判定する。第1特別報知が選択された場合、ステップSf3305にて今回のベット時の演出が第1特別ベット時演出として実行されるように設定する処理を行ってから、本不良精算完了報知処理を終了する。第1特別ベット時演出としては、例えば、図494(c2)の第1特別ベット時効果音を用いてもよく、この場合、ベット増加用処理においてベット時効果音の出力用の処理が実行されると、上記ステップSf3305にて設定された第1特別ベット時効果音が出力されるようになる。
一方、第2特別報知が選択された場合、ステップSf3306にて今回のベット時の演出が第2特別ベット時演出として実行されるように設定する処理を行ってから、本不良精算完了報知処理を終了する。第2特別ベット時演出としては、例えば、図494(c3)の第2特別ベット時効果音を用いてもよく、この場合、ベット増加用処理においてベット時効果音の出力用の処理が実行されると、上記ステップSf3306にて設定された第2特別ベット時効果音が出力されるようになる。
以上のようにすることで、第1特別ベット時演出や第2特別ベット時演出が実行されることによって、精算不可とされた分のクレジットが消化されたことを遊技者は把握可能となり、以降は好きなタイミングで遊技を終了することを理解することができる。
この場合、上記のように精算不可とされた分のクレジットの消化に伴い、設定値の示唆演出としての特別報知を実行する構成としていることから、ベット処理に伴うエラーの発生やそれに伴うクレジットの精算が不可となる事象を、設定値の示唆演出によってうまくフォローすることが可能となり、当該エラーの発生等による遊技意欲の低下を抑制することができる。
例えば、変形例3のようにベット処理に伴うエラーの修正時に通常のベット時演出とは異なる演出を行う構成と、本変形例のように当該エラーの修正により加算されたクレジットの消化時に通常のベット時演出とは異なる演出を行う構成とを組み合わせてもよい。この場合、エラーの修正時のベット時演出と、エラー修正分のクレジットの消化時のベット時演出とを同じ演出としてもよいし、異なる演出としてもよく、同じ演出となる場合と異なる演出となる場合とがあるようにしてもよい。
<変形例8>
本変形例では、小役入賞時に払い出されるメダル数の一部が精算不可カウンタに加算されるようにする。図502(a)は、本変形例における払出判定処理を示すフローチャートである。払出判定処理は、リール制御処理(図461)におけるステップSf413にて実施される処理であり、今回のゲームにおいて各リール32L,32M,32Rの停止結果に基づき入賞判定を行うとともに、入賞した結果に応じた特典を付与するように設定する処理である。
すなわち、ステップSf3401では、今回のゲームが3ベットゲームであったか否かを判定する。3ベットゲームである場合、ステップSf3402にて各リール32L,32M,32Rの停止結果に基づき、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合、ステップSf3403にて13枚のメダル払出が行われるようにするための処理を実行してから、本入賞判定処理を実行する。
ステップSf3403の処理について、具体的には、先ず、対応する小役の当選フラグがセットされているか否かを判定し、対応する小役の当選フラグがセットされていない場合には、不正入賞としてエラー処理を実行してから、そのまま本処理を終了する。この場合、スロットマシン10をエラー状態とするとともに、スピーカ64からエラー効果音が出力されるように制御したり、エラー情報が外部集中端子板121を介して出力されるように制御する。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
また、対応する小役の当選フラグがセットされており、正規の入賞である場合、投入前クレジットカウンタの空き容量(上限値である50との差分)を把握し、空き容量が今回のメダル払出数以下である場合には、投入前クレジットに今回のメダル払出数を加算する。空き容量が今回のメダル払出数未満である場合には、投入前クレジットカウンタと今回のメダル払出数との差分のメダルがホッパ装置51から払い出されるようにRAM106に設けられた払出情報格納エリアにその差分の枚数をセットするとともに、投入前クレジットカウンタを上限値とする処理を行う。
ステップSf3402にて否定判定した場合、ステップSf3404にて各リール32L,32M,32Rの停止結果に基づき、第7小役入賞~第8小役入賞のいずれかが成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合、ステップSf3405にて3枚のメダル払出が行われるようにするための処理を実行してから、本入賞判定処理を終了する。なお、ステップSf3405の処理は、メダルの払出数のみステップSf3403の処理と異なり、その他の処理は同様であるためその説明を省略する。
ステップSf3404にて否定判定した場合、ステップSf3406にて各リール32L,32M,32Rの停止結果に基づき、第9小役入賞~第32小役入賞のいずれかが成立しているか否かを判定する。
入賞が成立している場合、ステップSf3407にて上記の精算不可カウンタを1加算する処理を実行する。そして、ステップSf3408にて、1枚のメダル払出が行われるようにするための処理を実行してから、本入賞判定処理を終了する。なお、ステップSf3408の処理は、メダルの払出数のみステップSf3403の処理と異なり、その他の処理は同様であるためその説明を省略する。
ステップSf3406にて否定判定した場合、ステップSf3409にていずれかの再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。再遊技入賞が成立している場合、ステップSf3410にて対応する再遊技入賞フラグをセットする処理を実行してから、本払出判定処理を終了する。なお、本ステップSf3410においても、入賞した再遊技に対応する再遊技の当選フラグがセットされていない場合には、不正入賞としてエラー処理を行うようにするとよい。また、ステップSf3409にて否定判定した場合には、そのまま払出判定処理を終了する。
ステップSf3401にて否定判定し、今回のゲームが2ベットゲームであった場合、ステップSf3411にて2ベットゲーム用の払出判定処理を実行してから、本払出判定処理を終了する。2ベットゲーム用の払出判定処理は、入賞した場合に払出設定するメダル数が3ベットゲーム用の処理(ステップSf3402~ステップSf3410)と異なるだけであるため、その説明は省略する。なお、本変形例では、2ベットゲームにて第9小役~第32小役入賞が成立しても、精算不可カウンタに払出数(1枚)に相当する値を加算する処理を実行しない。
以上のように、本変形例では、各小役のうち、第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合には、その入賞に基づき払い出されるメダルの分が精算不可カウンタに加算する構成としている。このようにすることで、これら第9小役入賞~第32小役入賞が成立したゲーム後に精算スイッチ59を操作しても、当該精算不可カウンタの値の分の精算が制限され、クレジットが残存している状態となる。
第9小役入賞~第32小役入賞が成立する場合とは、基本的には押し順ベルに当選した場合であって、押し順報知が発生しなかったゲームであり、ATモード移行前の状態である。このような状況のゲームで精算不可カウンタが残存するようにすることで、ATモード移行前において遊技を終了しようとしても、第9小役入賞~第32小役入賞が成立したゲームでは遊技を終了させにくくすることができる。よって、遊技を終了させにくくすることを通じて、本スロットマシン10の稼働率を向上させることが可能となる。また、例えば、第9小役入賞~第32小役入賞が成立して1枚のメダル払出が発生し、払出枚数表示部62に「1」が表示された状態で精算を行い、その状態のまま閉店を迎えさせることにより、次の日に払出枚数表示部62に「1」が表示されているか否かによって、設定値の変更の有無を判断する行為を行いにくくすることができる。特に、第9小役~第32小役は、通常時(ATモード移行前)において他の小役と比較して高確率で入賞が成立するため、上記のように第9小役入賞~第32小役入賞時の払出枚数を精算不可カウンタに加算する構成とすることで、より好適に上記の各効果を奏する構成とすることが可能となる。
また、上記のように、精算不可カウンタは、ベット時に優先的に消化される構成であり、ステップSf3407にて加算する値は3ベットゲームのベット数以下の値である。そのため、次のゲームを消化することで、基本的には精算不可カウンタは0となる。よって、第9小役入賞~第32小役入賞が成立していないのに、いつまでもクレジットを0としてゲームを終了することができない、といった事象を生じさせないようにしながらも、上記の各効果を期待することが可能となる。
なお、上記構成では、1枚のメダル払出が発生する第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合に、精算不可カウンタを1加算する構成としたが、第9小役入賞~第32小役入賞のうちの一部の小役入賞(例えば、所定の操作順序に対応する小役入賞)が成立した場合に精算不可カウンタを1加算する構成としてもよく、第9小役入賞~第32小役入賞のうちの他の小役入賞(例えば、所定の操作順序とは異なる操作順序に対応する小役入賞)が成立した場合には精算不可カウンタを1加算しない構成としてもよい。また、精算不可カウンタを加算する対象とされている小役入賞が成立した場合又は成立する場合に、精算不可カウンタを加算することの抽選を行い、当該抽選に当選した場合には精算不可カウンタを1加算する一方、非当選であった場合には精算不可カウンタを加算しない構成としてもよい。
さらに、例えば、第1小役入賞~第6小役入賞のように3ベットゲームにて要するベット数よりも多いメダル払出が発生する小役入賞時に精算不可カウンタを加算する構成としてもよい。この場合、精算不可カウンタに加算する値を今回のゲームのベット数である3以下となるように設定するとよい。また、加算する精算不可カウンタの値を抽選により決定する構成としてもよく、例えば、1~3、又は0~3の値のうちのいずれかの値が選択されるように抽選を行う構成としてもよい。なお、いずれの値が選択されるかの選択率が当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて異なるようにしてもよく、例えば、設定1よりも設定6の方が所定の値(3)が選択される確率が高い構成としてもよく、設定1の方が設定6よりも特定の値(1)が選択される確率が低い構成としてもよい。また、今回のゲームのベット数である3よりも多い値が加算され得る構成としてもよく、この場合、上記のように加算する値を選択する構成においては、今回のゲームのベット数以下の値の方が今回のゲームのベット数よりも多い値が選択され易い構成とするとよい。
更に、精算不可カウンタに今回(次回)のゲームのベット数よりも多い値が加算され得る構成において、精算不可カウンタが所定数を超過した場合に遊技者にとって有利な特典が付与される構成としてもよい。例えば、図502(b)に示すフローチャートのように、所定周期で起動される精算不可カウンタ用処理を設け、精算不可カウンタの加算があった場合に(ステップSf3451:YES)、加算後の精算不可カウンタが所定数(3)を超過したか否かを判定し(ステップSf3452)、超過している場合には、特典付与処理(ステップSf3453)として、例えば設定示唆用の演出を発生させたり、レア画像を表示させたりする構成としてもよい。この場合、特典付与処理を実行した後、精算不可カウンタに所定数を入力する処理(ステップSf3454)を実行する構成とすることで、精算不可カウンタが所定数を大幅に超過する値となった場合に特典が続けて付与される(ベット数分だけ減算された次のゲームにおいても特典が付与される)ことを回避する構成となるし、逆に精算不可カウンタに所定数を入力する処理を行わない構成とすることで、所定数を超過する度合いによって付与される特典の有利度(設定示唆の実行回数)が異なる構成とすることも可能である。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)第1クレジット投入スイッチ56のベット操作に基づいて実行するベット処理にて第1確認処理及び第2確認処理を行い、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作に基づいて実行するベット処理にて第2確認処理を行う構成としたが、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作に基づいて実行するベット処理にて第1確認処理も行う構成としてもよいし、第1クレジット投入スイッチ56のベット操作に基づいて実行するベット処理にて第1確認処理又は第2確認処理の一方若しくは両方を行わない構成としてもよい。また、メダル投入口45からのメダル投入に基づいて実行するベット処理において第1確認処理を実行する構成としてもよい。具体的には、メダル投入口45から1枚のメダルが投入された場合に、投入後ベットカウンタに加算された値が1であるか否かを第1確認処理として確認し、加算された値が1とは異なる値である場合には第1修正処理を行う構成とするとよい。かかる第1修正処理では、例えば、投入後ベットカウンタに、投入前ベットカウンタに1を加算した値を入力する処理を行う構成とするとよい。
(2)第1確認処理や第2確認処理においてエラーが発生していることが把握された場合に、第1修正処理や第2修正処理を行う構成としたが、あわせてエラー処理としてエラー報知を行ったり、遊技停止処理を行ったり、外部出力する構成としてもよいし、第1修正処理や第2修正処理を行わず、かかるエラー処理だけを行う構成としてもよい。
(3)遊技状態に応じて第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合にベットされる枚数(特定規定枚数)が異なる構成を前提として、ベット処理時のエラー対処を説明したが、遊技状態に関わらず特定規定枚数が共通している構成に対して、上記各発明を適用してもよい。すなわち、内部状態では2枚と3枚の規定枚数のうち特定規定枚数が3枚であり、非内部状態では2枚と3枚の規定枚数のうち特定規定枚数が2枚である構成において、内部状態では第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づくベット処理にて第1確認処理として投入後ベットカウンタが「3」となっていることの確認を行い、非内部状態では「2」となっていることの確認を行う構成としたが、内部状態及び非内部状態のいずれにおいても第1クレジット投入スイッチ56が操作されれば3枚のベットがなされる構成としたうえで、内部状態及び非内部状態のいずれでも第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づくベット処理にて第1確認処理として投入後ベットカウンタが「3」となっていることの確認を行う構成としてもよい。
この場合、BB状態では規定枚数が2枚であるため、BB状態においては第1クレジット投入スイッチ56が操作されれば2枚のベットがなされる構成としたうえで、第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づくベット処理に第1確認処理として投入後ベットカウンタが「2」となっていることの確認を行う構成とするとよい。
また、内部状態、非内部状態及びBB状態のいずれの遊技状態においても、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合にベットされる枚数が共通している構成に対して、上記各発明を適用してもよい。
(4)第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づく第1確認処理として、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタ(特定規定枚数)と等しいか否かの確認を行い、異なる場合をエラーの発生として第1修正処理を行う構成としたが、第1確認処理として、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタ以下であるか否かの確認を行い、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタ未満である場合をエラーの発生として第1修正処理を行う構成としてもよい。
(5)第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づく第2確認処理として、投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分と、投入上限カウンタと投入前ベットカウンタとの差分とが等しいか否かの確認を行い、異なる場合をエラーの発生として第2修正処理を行う構成としたが、投入前ベットカウンタが0である場合には、第2確認処理として、投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分が、投入上限カウンタの値であるか否かの確認を行い、当該差分が投入上限カウンタとは異なる場合にエラーの発生として第2修正処理を行う構成としてもよい。
(6)第2確認処理を、第1確認処理にてエラーが発生していることが確認されたか否かに関わらず実行する構成としたが、第1確認処理にてエラーが発生していると確認された場合に第2確認処理を行う構成としてもよい。具体的には、例えば、図484のBET操作対応処理においては、ステップSf1915の第1確認処理にてエラー非発生であると判定した場合(ステップSf1915:YES)と、エラー発生時の第1修正処理を実行した場合(ステップSf1916)と、の後で第2確認処理としての第1貯留返却用処理(ステップSf1917)を実行する構成としたが、ステップSf1915の第1確認処理にてエラーが発生していると判定し、第1修正処理を実行した場合には第2確認処理(第2修正処理も、ステップSf1917)を実行する一方、ステップSf1915の第1確認処理にてエラーが発生していない判定した場合には、第2確認処理及び第2修正処理を実行しない構成としてもよい。
(7)第1確認処理や第2確認処理において、エラーが発生した場合に、正規のベット数や正規のクレジットの減少数との差が所定数以上であれば、別の修正処理を行う構成としてもよい。具体的には、例えば、第1確認処理において、投入後ベットカウンタと投入上限カウンタとの差異が所定数(例えば10)未満であれば、上記のように投入後ベットカウンタに投入上限カウンタの値を入力することを第1修正処理として実行し、当該投入後ベットカウンタと投入上限カウンタとの差異が所定数以上であれば、投入後ベットカウンタに投入上限カウンタの値を入力し、更に、エラー処理として第1修正処理が行われたことの情報を表示制御装置81への出力対象としてセットしたり、当該情報を外部集中端子板121を介して遊技ホールのホールコンピュータ等へ出力する構成としてもよい。また、例えば、第2確認処理において、投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分である第1差分カウンタと、投入上限カウンタと投入前ベットカウンタとの差分である第2差分カウンタとの値とが異なる場合において、両差分カウンタの値の差分が所定数(例えば10)未満であれば、上記のように投入後クレジットカウンタに差分に相当する値を加算したり減算したりし、両差分カウンタの値の差分が所定数以上であれば、投入後クレジットカウンタに差分に相当する値を加算したり減算したりしたうえで、更に、エラー処理として第2修正処理が行われたことの情報を表示制御装置81への出力対象としてセットしたり、当該情報を外部集中端子板121を介して遊技ホールのホールコンピュータ等へ出力する構成としてもよい。
また、第1確認処理において、投入後ベットカウンタと投入上限カウンタとの差異が所定数(例えば2)未満であれば、第1修正処理を実行せずにそのままとする一方、所定数以上であれば、上記のように投入後ベットカウンタに投入上限カウンタの値を入力することを第1修正処理として実行する構成としてもよい。また、例えば、第2確認処理において、投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分である第1差分カウンタと、投入上限カウンタと投入前ベットカウンタとの差分である第2差分カウンタとの値とが異なる場合において、両差分カウンタの値の差分が所定数(例えば2)未満であれば、第2修正処理を実行せずにそのままとする一方、所定数以上であれば、上記のように投入後クレジットカウンタに差分に相当する値を加算したり減算したりすることを第2修正処理として実行する構成としてもよい。
これらの場合、第1確認処理における所定数と第2確認処理における所定数とが異なる構成としてもよい。
(8)第1確認処理や第2確認処理において、ベット処理後のベット数やクレジット数におけるエラー発生の有無を確認する構成としたが、ベット処理後にエラー発生の有無を確認する構成であればよく、例えば、ベット数を表す投入後ベットカウンタが正規の値の範囲外(0未満、4以上)であることをエラーの発生として確認し、クレジット数が正規の値の範囲外(0未満、51以上)であることをエラーの発生として確認する構成としてもよく、また、ベット処理後やベット処理時に電波等が照射されていることをエラーの発生として確認する構成としてもよい。この場合、照射される電波等を検知可能な検知センサを設け、当該検知センサを主制御装置101に接続する構成とするとよい。
(9)ベット数が規定枚数とは異なる枚数であるのにもかかわらず、ゲームの抽選処理が行われた場合には、本ゲームの結果を強制的に外れ結果とする構成としたが、エラー処理として遊技停止処理を行ったり、エラー情報の出力(エラー報知、外部出力)を行う構成としてもよい。
(10)第2確認処理においてクレジットの減少数とベット数とが異なることが確認された場合、第2修正処理として、その差分をクレジットに加算したり減算したりする構成としたが、クレジットの減少数の方がベット数よりも多ければその差分をクレジットに加算する一方、クレジットの減少数よりもベット数の方が多ければその差分はクレジットから減算しない構成としてもよい。また、逆に、クレジットの減少数よりもベット数の方が多ければその差分をクレジットから減算する一方、クレジットの減少数の方がベット数よりも多ければその差分をクレジットに加算しない構成としてもよい。
(11)再遊技入賞が成立した場合に、前ゲームのベット数と同数のベットが行われるようにする処理において、第1確認処理を実行する構成としてもよい。
(12)再遊技入賞が成立した場合、再遊技状態用処理において、クレジットを利用することなく前ゲームのベット数と同数のベットが行われるようにしたが、前ゲームのベット数と同じ数だけクレジットを増加させたうえで、当該増加させたクレジットから、前ゲームのベット数と同じベットが行われるようにしてもよい。この場合、かかる再遊技入賞に伴うベット処理においても、第1確認処理や第2確認処理が行われる構成としてもよい。
(13)クレジットの減少分の方がベットされた枚数よりも多い場合、第2修正処理として投入後クレジットカウンタにその差分を加算する構成としたが、当該差分をメダル排出口49から実際のメダルとして排出する構成としてもよい。
(14)クレジットの減少分の方がベットされた枚数よりも多い場合、第2修正処理として投入後クレジットカウンタにその差分を加算する構成としたが、投入後クレジットカウンタとは別の修正用のカウンタにその差分を加算する構成してもよい。この場合、ベット処理にて修正用のカウンタから優先して消化されるようにするとよい。また、投入後クレジットカウンタの値と修正用のカウンタの値を加算した値がクレジット数に相当し、クレジット表示部60にその値を表示するようにしてもよいし、投入後クレジットカウンタの値と、修正用のカウンタの値とを別々に表示するようにしてもよいし、投入後クレジットカウンタの値をクレジット表示部60にて表示する一方、修正用のカウンタの値は表示しない構成としてもよい。
(15)クレジットの減少分の方がベットされた枚数よりも多い場合、第2修正処理として投入後クレジットカウンタにその差分を加算する構成としたが、当該差分をベット処理とは異なる処理に用いられるカウンタに加算する構成としてもよい。具体的には、例えば、所定数以上貯めることで特典が付与され得るポイント数に対応するカウンタに上記の差分を加算する構成としてもよい。特典としては、設定示唆演出を行うことやレア画像を表示させることとしてもよい。
(16)第2修正処理において投入後クレジットカウンタに加算した分は、メダルの精算が行われないようにしたが、メダルの精算が制限される構成であればよく、例えば、初回(第1回数)の精算スイッチ59の操作では精算不可カウンタの分の精算を行うことができないものの、2回目(第2回数)の精算スイッチ59の操作では精算不可カウンタの分の精算も行うことが可能となる構成としてもよい。この場合、精算スイッチ59をゲームを挟まずに連続して操作した場合には、精算不可カウンタの分の精算も行うことが可能であるものの、精算スイッチ59をゲームを挟んで操作した場合には精算不可カウンタの分の精算が行われない構成としてもよい。
(17)精算不可カウンタが所定数を超過した場合には特典を付与する構成としたが、クレジットの上限数を超過した場合に特典を付与する構成としてもよい。
(18)第1修正処理にて修正後の投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタと等しくなっているかの確認処理を再度行う構成としてもよい。また、当該再度の確認処理にて両カウンタが異なる場合には、再度の第1修正処理を実行する構成としてもよいし、エラー情報を出力したり遊技停止処理を実行するエラー処理を実行する構成としてもよい。また、第2修正処理にて修正後の投入後クレジットカウンタと投入前クレジットカウンタとの差分が、投入上限カウンタと投入前ベットカウンタとの差分と等しくなっているかの確認処理を再度行う構成としてもよい。また、当該再度の確認処理にて両差分が異なる場合には、再度の第2修正処理を実行する構成としてもよいし、エラー情報を出力したり遊技停止処理を実行するエラー処理を実行する構成としてもよい。
(19)ベットされた枚数より多くクレジットが減少した分を第2修正処理にて返却する(投入後クレジットカウンタに加算する)構成において、加算後のクレジットがクレジットの上限(50)以上となる場合には、第2修正処理自体がエラーとなっている可能性が高く、かかる場合、エラー情報を出力したり遊技停止処理を実行するエラー処理を行う構成としてもよい。
(20)ベット処理において、精算不可カウンタの分が優先して消化される構成としたが、精算不可カウンタとは異なる分が優先して消化される(清算不可カウンタが優先されない)ようにしてもよい。具体的には、投入前クレジットカウンタの方が精算不可カウンタよりも大きい状況ではベット処理において精算不可カウンタの減算を行わず、投入前クレジットカウンタと精算不可カウンタとが等しい値となってからのベット分を清算不可カウンタから減算するようにするとよい。加算された順番通りにクレジットを消化する構成としてもよく、この場合、例えば、6枚のクレジットが存在する状況で精算不可カウンタに1が加算された場合(クレジットは7となった場合)、3ベットゲームを2回消化して精算不可カウンタの加算前に存在していたクレジットを消化した後、次のゲームで清算不可カウンタの分が消化される構成としてもよい。
(21)ベット処理において、精算不可カウンタの分が優先して消化される構成としたが、精算不可カウンタを消化するか否かを抽選により決定する構成とし、消化すると決定された場合には精算不可カウンタを消化する一方、消化しないと決定された場合には精算不可カウンタを消化しない構成としてもよい。
(22)精算不可カウンタをゲームのベット時に消化する構成としたが、ゲームの開始時やゲームの終了時に消化する構成としてもよい。この場合、例えば、ゲームの開始時に実行される抽選処理にて所定の結果(例えば押し順ベル)となった場合には精算不可カウンタをそのゲームで使用した分消化したり所定数だけ消化する一方、当該抽選処理にて所定の結果とは異なる結果(例えばリプレイ)となった場合には精算不可カウンタを消化しない構成としたり、ゲームの終了時に実行する入賞判定において所定の結果入賞(押し順ベル当選時の第1小役入賞~第6小役入賞)が成立している場合には精算不可カウンタをそのゲームで使用した分消化したり所定数だけ消化したりその入賞時に付与されるメダル数分消化したりする一方、当該入賞判定において所定の結果とは異なる結果入賞(押し順ベル当選時の第9小役入賞~第32小役入賞)が成立していたりいずれの結果入賞も成立していない場合には、精算不可カウンタを消化しない構成としたりしてもよい。
(23)精算不可カウンタの分を消化した場合に、遊技者にとって有利な特典として設定示唆としての特別報知を実行する構成としたが、当該消化時に抽選等を行ったうえで、当該抽選にて当選した場合に特典を付与する構成としてもよい。また、当該特典の付与タイミング(特別報知の実行タイミング)は上記のもの(ベット時)に限定されず、当該ゲームのいずれかのタイミング(開始時演出や全停止時演出など別の演出の発生時)であってもよいし、当該ゲームよりも後のゲームにて付与する構成としてもよい。
(24)第2確認処理においてエラーが発生していることが確認された場合、当該エラーの契機となったベット操作を再度行わせることで第2修正処理を実行する構成としたが、エラーの契機に関わらず所定のベット操作を再度行わせること(例えば、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作時にエラーが発生した場合でも、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行わせること)で第2修正処理を行う構成としてもよい。また、第2修正処理の契機となる遊技操作はベット操作に関わらず、例えば、スタートレバー41の操作であってもよいし、ストップスイッチ42~44のうちのいずれか1又は複数の操作であってもよい。
(25)第2確認処理においてエラーが発生していることが確認された場合、再度ベット操作を行わせることで第2修正処理を実行する構成としたが、第1確認処理においてエラーが発生していることが確認された場合も、再度ベット操作を行わせることで第1修正処理を実行する構成としてもよい。この場合も、第1修正処理の契機となる遊技操作はベット操作に関わらず、例えば、スタートレバー41の操作であってもよいし、ストップスイッチ42~44のうちのいずれか1又は複数の操作であってもよい。
(26)第1クレジット投入スイッチ56のベット操作に基づいて、投入前ベットカウンタと投入上限カウンタとの差分を投入用カウンタに入力したうえで、当該投入用カウンタの値を投入後ベットカウンタに加算することで投入後ベットカウンタが投入上限カウンタの値となるようにする第1処理を行い、第1修正処理では、投入上限カウンタの値を投入後ベットカウンタに入力することで投入後ベットカウンタが投入上限カウンタの値となるようにする第2処理を行う構成としたが、例えば、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に投入前ベットカウンタが0であるか否かを判定し、投入前ベットカウンタが0ではない場合には上記の第1処理を実行し、投入前ベットカウンタが0である場合には上記の第2処理を実行する構成としてもよい。このようにすることで、第1処理における投入用カウンタの値を算出する頻度を低くすることができ、ベット処理に伴うエラーの発生を抑制することが可能となる。
(27)第2修正処理にて投入後クレジットカウンタに加算した分や、小役入賞時に払い出されるメダルの一部でメダルの精算が行われないようにする構成としたが、メダルの精算が行われないようにするメダル増加の契機は上記のものに限定されず、例えば、一旦ベット操作によりベットされた分を所定の操作によってキャンセル可能な構成としたうえで、当該キャンセルによりクレジットに返却される(クレジットが増加する)分については精算が行われないようになる構成としてもよい。所定の操作としては、例えば、精算スイッチ59の操作が考えられ、この場合、所定数のベット後に精算スイッチ59を操作すると、精算スイッチ59の操作前の投入前クレジットカウンタの値に相当する枚数のメダル払出(メダル精算)が行われるとともに、所定数のベットがされていた状態からベットがされていない状態となり、投入前クレジットカウンタに所定数の値が入力されてクレジットが増加された状態となる。
(28)ベット操作によって第1情報としての投入用カウンタを、第2情報としての投入上限カウンタや投入前ベットカウンタ等から算出し、当該算出した投入用カウンタを用いてベット処理(投入後ベットカウンタに当該投入用カウンタの値を加算する処理)を行い、当該ベット処理の結果について上記第2情報としての投入上限カウンタを用いて第1確認処理を行う構成とし、また、上記算出した投入用カウンタを用いてクレジットの減算処理(投入後クレジットカウンタから当該投入用カウンタの値を減算する処理)を行い、当該クレジットの減算処理の結果について上記第2情報としての投入前クレジットカウンタを用いて第2確認処理を行う構成としたが、第1情報や第2情報、それに伴う処理や操作は上記のものに限定されず、遊技に利用される各種処理に適用可能である。
(29)上記実施形態では、ベット処理にて修正されたベット数を用いて抽選処理等が実行されるとともに、当該修正されたベット数を用いて有利区間増減枚数MYの算出が行われる構成としているが、修正されたベット数を用いて抽選処理等は行うものの、有利区間増減枚数MYの算出は修正前のベット数を利用する構成としてもよい。この場合、不正に修正を行わせることによって有利区間増減枚数MYを意図的に少なくしたり多くしたりする行為を行わせにくくすることが可能となる。
(30)第1確認処理や第2確認処理(それに伴う第1修正処理や第2修正処理)を毎ゲーム行う構成としたが、所定ゲーム毎に行う(例えば2ゲーム毎に行う)構成としてもよく、各確認処理等を行うゲームと行わないゲームとがあるようにしてもよい。また、遊技状態に応じて、第1確認処理や第2確認処理を行うか否かが異なる構成としてもよく、例えば、内部状態や非内部状態では第1確認処理や第2確認処理を行う一方、BB状態では第1確認処理や第2確認処理を行わない構成としてもよい。更に、いずれの遊技状態でも第1確認処理や第2確認処理を行うものの、内部状態や非内部状態ではこれらの確認処理にてエラーが発生していることの確認が行われた場合に第1修正処理や第2修正処理を行う一方、BB状態ではこれらの確認処理にてエラーが発生していることの確認が行われた場合であっても第1修正処理や第2修正処理を行わない構成としてもよい。
(31)第2修正処理によって投入後クレジットカウンタを加算する処理が行われた場合、当該加算した分を精算不可とする精算不可カウンタ等に入力する等して遊技者にとって不利となる扱いをする構成としたが、逆に遊技者にとって有利となる扱いをする構成としてもよく、第2修正処理によって投入後クレジットカウンタに加算した分のクレジットと、小役入賞やメダル投入等によって投入後クレジットカウンタに加算した分のクレジットとの遊技者にとっての有利度を異ならせる構成としてもよい。
(32)第2修正処理を行う場合、メダル投入を禁止する構成としたが、第1修正処理を行う場合にもメダル投入を禁止する構成としてもよい。また、メダル投入だけではなく、第1修正処理や第2修正処理を行う場合、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作が禁止される(操作されてもそれに対応するベット処理を行わない構成)としてもよい。
(33)押し順報知を、主制御装置101側の指示モニタ68と、表示制御装置81側の補助表示部65との両方で実行する構成としたが、いずれか一方にて実行する構成としてもよく、例えば、抽選結果や状態によって、主制御装置101側では実行せずに、表示制御装置81側では実行する構成としてもよい。
(34)指示モニタ68は6通りの操作順序をそれぞれ報知可能な構成としたが、例えば、通常リプA~Cのように、ストップスイッチ42~44の操作順序のうち最初に操作すべきストップスイッチ42~44だけが対応付けられた押し順役について、最初に操作すべきストップスイッチ42~44だけを報知する押し順報知の態様が含まれる構成としてもよい。
(35)ATモード終了時に有利区間を終了させる構成としたが、ATモード終了時に有利区間が終了しない場合もある構成としてもよい。例えば、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数に応じて有利区間が終了しない構成としてもよく、具体的には、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数が、当該残りゲーム数にATモード1ゲーム当たりの期待増加枚数を乗じた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよく、現状の有利区間増減枚数MYに上記の乗じた枚数を加えた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよい。
(36)有利区間移行時に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯制御する構成としたが、有利区間移行時であっても、第8表示用セグメントN8を点灯制御せず、有利区間中に所定の点灯条件が成立した場合に点灯制御する構成としてもよい。所定の点灯条件は、例えば、ATモードへの移行が確定した場合等、押し順報知が発生し得る状況となった場合に成立するものとしてもよい。
(37)CZモード中に押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよい。また、ATモードにおいても押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよく、これらATモードやCZモードの残りゲーム数が0となっても、押し順報知が1回実行されるまでは、当該ATモードやCZモードが終了しない構成としてもよい。
(38)3ベットゲームにて当選し得るBBとして第1BBを設け、2ベットゲームにて当選し得るBBとして第2BBを設けたが、いずれか一方のBBだけであってもよく、例えば、2ベットゲームにて第2BBに当選し、3ベットゲームではいずれのBBにも当選しない構成としてもよい。
(39)2ベットゲームにて、第2BBに当選する構成としたが、2ベットゲームにて複数種類のBBに当選し得る構成としてもよく、例えば、2ベットゲームにて第1BBと第2BBに当選し得る構成としてもよい。この場合、2ベットゲームにて第1BB入賞と第2BB入賞とが成立し得る構成とし、3ベットゲームでは第1BB及び第2BBのいずれにも当選もせず、更に3ベットゲームでは第1BB入賞と第2BB入賞とのいずれも成立しない構成としてもよい。なお、2ベットゲームと3ベットゲームとの関係が上記のものと逆であってもよい。
(40)第1BB状態と第2BB状態とでいずれも同じ抽選テーブルを用いて、同じ遊技ベースとなるようにしたが、異なる抽選テーブルを用いて、異なる純増枚数となるようにしてもよい。
(41)第1BB状態と、第2BB状態とを、いずれも3ベットゲームにて遊技する構成としたが、例えば、第1BB状態は3ベットゲームにて遊技し、第2BB状態は2ベットゲームにて遊技する、といったように、BB状態の種類によってベット数が異なる構成としてもよい。この場合、第1BB状態の各ゲームは特定規定数とは異なるベット数によるゲームとなり、第2BB状態の各ゲームは特定規定数のベット数によるゲームとなる。
(42)第1BB状態と、第2BB状態との遊技は、いずれも押し順報知用の処理や特定処理等の指示機能に関する実行が制限される構成としたが、例えば、第1BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が制限される一方、第2BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が許容される、といったように、BB状態の種類によって制限の有無が異なる構成としてもよい。また、CB状態やSB状態、MB状態を設け、これらのうちのいずれか又は全部で、各指示機能に関する処理が制限される又は制限されない構成としてもよい。
(43)3ベットゲームでは第2BB入賞を成立させることができず、2ベットゲームでは第1BB入賞を成立させることができない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BB入賞しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BB入賞しにくい構成としてもよい。
(44)3ベットゲームでは第2BB当選とならず、2ベットゲームでは第1BB当選とならない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BBに当選しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BBに当選しにくい構成としてもよい。
(45)1ベットを設定可能な第2クレジット投入スイッチ57を設けなくてもよい。
(46)第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を約プラス0.00枚として、第1BB状態や第2BB状態ではメダルが増えもせず、減りもしない構成としたが、メダルが増加し得る構成としてもよいし、メダルが減少し得る構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態での純増枚数が、少なくとも内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて遊技した場合の純増枚数よりも多い純増枚数数であればよい。
(47)遊技者が、内部状態や非内部状態を3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技したり、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることで、指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としたが、遊技機側で、例えば、所定ゲーム数の消化によって指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としてもよい。
(48)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(49)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(50)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(51)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第7gの実施形態>
以下、第7gの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図503はスロットマシン10の正面図、図504はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図505はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図506は前面扉12の背面図、図507は筐体11の正面図である。なお、以下の説明においては、特に上記各実施形態と異なる構成について説明し、上記各実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。また、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
図503~図507に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図505に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図508には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図508に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図509に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と1枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は1枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、2ベットゲームは設定されない。
図510~図512は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図513(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図513(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図513(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図513(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図513(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図513(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図514(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図514(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役~第32小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役~第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図510及び図511に示すように、これら第9小役入賞~第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。図512に示すように、これら第1再遊技~第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図514(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図516(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図516(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。第2再遊技入賞が成立すると、遊技状態の移行は生じないものの、遊技者にとって有利な報知モードとしての第1ATモードが開始する。
第3再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図516(c)に示すように、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図516(d)に示すように、右下がりラインL4に「赤7」図柄が揃って停止したりする。第3再遊技入賞が成立すると、遊技状態の移行は生じないものの、遊技者にとって有利な報知モードとしての第2ATモードが開始する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図514(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図514(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図515(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図515(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図515(c)及び図515(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。図515(e)に示すように、有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。図515(f)に示すように、有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
本実施形態では、各リール32L,32M,32Rのベルトを内側から照らすバックライト装置100が、各リール32L,32M,32Rの内側面側に取り付けられている。このバックライト装置100は、各リール32L,32M,32Rと1対1に対応させて取り付けられており、左バックライト装置100L、中バックライト装置100M及び右バックライト装置100Rから構成される。各バックライト装置100L,100M,100Rは、図517(a)に示すように、リールユニット31内において各リール32L,32M,32Rに対応させて配置された各モータプレート53L,53M,53Rの側面の遊技パネル25側に取り付けられている。そして、各バックライト装置100L,100M,100Rは、上下方向にみて同じ位置に配置されている。このバックライト装置100L,100M,100Rの構成を図517(a)及び図517(b)を用いて以下に説明する。なお、図517(b)には、左バックライト装置100Lの構成のみを示すが、中バックライト装置100M及び右バックライト装置100Rも同様の構成である。図517(a)は各リール32L,32M,32Rを取り除いた状態におけるリールユニット31周辺を拡大して示す斜視図であり、図517(b)は左バックライト装置100Lの構成を示す正面図である。
図517(b)に示すように、左バックライト装置100Lは、前方側が開放された箱形状であって上下方向の長さ及び左右方向の長さが表示窓26Lとほぼ同じ長さであるベース101Lを備えている。ベース101Lは、その開口領域を区切る隔壁が等間隔に上下に2個形成されていることにより、第1開口領域102L、第2開口領域103L及び第3開口領域104Lが上・中・下段に並ぶ構成となっている。そして、前面扉12を閉じた状態においては、各開口領域102L,103L,104Lはそれぞれ表示窓26Lの上・中・下段に対応した位置の後方に位置することとなる。具体的には、第1開口領域102Lは表示窓26Lの上段付近の後方に位置し、第2開口領域103Lは表示窓26Lの中段付近の後方に位置し、第3開口領域104Lは表示窓26Lの下段付近の後方に位置する。また、第1開口領域102Lの開口前面は若干上方を向いており、第3開口領域104Lの開口前面は若干下方をむいている。従って、ベース101Lの側面は遊技パネル25側に向けて膨らんだ円弧状となっている。
これら各開口領域102L,103L,104Lには、白色発光の発光ダイオードからなる10個ずつのバックライト100aが前方に向けて起立するように配設されている。そして、各開口領域102L,103L,104Lにおけるバックライト100aは、所定間隔を隔てて上下2行に分けて5個ずつ配置されており、各列のバックライト100aは所定間隔を隔てて水平となるように並んでいる。即ち、左バックライト装置100Lには、第1開口領域102Lの上の行である第1行BL1及び下の行である第2行BL2、第2開口領域103Lの上の行である第3行BL3及び下の行である第4行BL4、第3開口領域104Lの上の行である第5行BL5及び下の行である第6行BL6といったように、隔壁を挟んで上下方向に合計6行のバックライト100aのラインが存在することとなる。また、左バックライト装置100Lには、左から第1列BR1、第2列BR2、第3列BR3、第4列BR4、第5列BR5といったように、第1開口領域102L、第2開口領域103L、第3開口領域104Lを跨いで左右方向に合計5列のバックライト100aのラインが存在することとなる。
中バックライト装置100M及び右バックライト装置100Rにもそれぞれ合計6行のバックライト100aのラインが存在しており、上述したように、各バックライト装置100L,100M,100Rは、上下方向にみて同じ位置に配置されているため、各バックライト装置100L,100M,100Rの各行BL1~BL6は、それぞれ同一ライン上に位置することなる。即ち、第1行BL1は、各バックライト装置100L,100M,100Rの第1開口領域102L,102M,102Rの上の列に配設された合計6個のバックライト100aを水平に結んだラインということになる。他の各行BL2~BL6についても同様である。
また、中バックライト装置100M及び右バックライト装置100Rにもそれぞれ合計5行のバックライト100aのラインが存在しており、各バックライト装置100L,100M,100Rの各列BR1~BR5を合わせると、合計15列のバックライト100aのラインが存在することになる。
つまり、本実施形態では、各バックライト100aは6行、15列の格子状となるように配置されており、それぞれが個別に点灯及び消灯の制御が行われるようになっている。
各バックライト100aが点灯することにより、各リール32L,32M,32Rのベルトのそれぞれ異なる位置が後方から白色に照らされることとなる。なお、上述したように、各ベース101L,101M,101Rが隔壁により3つの開口領域に区分されている。従って、第1行BL1及び第2行BL2上のバックライト100aが点灯した場合には、表示窓26L,26M,26Rの上段に対応した位置付近のベルトの内側面のみが照らされ、表示窓26L,26M,26Rの中段及び下段に対応した位置付近のベルトの内側面は照らされない。これは他の行BL3~BL6上のバックライト100aが点灯した場合も同様である。ベルトは照射された光をある程度透過することができる材質の材料により形成されているので、バックライト100aによってベルトが後方から照らされると、ベルトを透過した光が表示窓26L,26M,26Rを介して遊技者に視認される。これにより、遊技者に当該光が照射されている部分のベルトの外側面が、白くなっていることを視認させることができ、ベルトの光が照射されている部分に付されている図柄を他の部分に付されている図柄よりも強調することができる。
また、上記のように各バックライト100aが格子状に配置されていることから、所定のパターンに配置されているバックライト100aを個別に点灯し、他のバックライト100aを消灯する等により、ベルトが当該所定のパターンの模様にて照らされている様子を演出として行うことが可能となる。バックライト100aを用いて、リールを所定のパターンにて照らす演出(以下の説明では、フラッシュ演出とも称する)については、後に詳細に説明する。ちなみに、当該フラッシュ演出が行われていない状況では、基本的にはいずれのバックライト100aも点灯しており、且つ、前面扉12の背面側であって表示窓26L,26M,26Rの上方に配設され、後述する表示制御装置81に接続されている図示しないフロントライトにより各リール32L,32M,32Rは照らされており、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄の視認性が高められている。そして、当該フラッシュ演出が行われる場合には、同フロントライトは消灯し、且つ所定のパターンのバックライト100aが点灯するように制御されることにより、各リール32L,32M,32Rに付されているそれぞれの図柄よりも、当該所定のパターンの模様の方が視認し易くなる。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図518)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを、一度に、ゲームの規定枚数のうちの最大枚数としての特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚である場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が1枚として設定されており特定枚数が1枚である場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に1枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は1枚として設定されており特定枚数が3枚である場合いる場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われる。なお、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合、特定枚数のクレジットが無い場合には、クレジットの分だけ仮想メダルの投入が行われる。例えば、特定枚数が3枚として設定されており、クレジットが1である場合は1枚の仮想メダルの投入が行われる。
また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを2枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
なお、第1クレジット投入スイッチ56には、当該第1クレジット投入スイッチ56が操作されたことを検知する第1クレジット投入検出センサ56aが設けられており、第2クレジット投入スイッチ57には、当該第2クレジット投入スイッチ57が操作されたことを検知する第2クレジット投入検出センサ57aが設けられており、これら各クレジット投入検出センサ56a,57aによって、各クレジット投入スイッチ56,57の操作が検知される(図518参照)。また、第1クレジット投入スイッチ56には、第1クレジットランプ56bが内蔵されている。第1クレジットランプ56bは点灯状態と消灯状態とに切り替わり可能に構成されており、第1クレジットランプ56bを点灯状態とすることによって第1クレジット投入スイッチ56の操作が促される。なお、第1クレジット投入スイッチ56の操作が可能な状態で点灯状態となる構成に代えて又は加えて、点滅状態となる構成としてもよい。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、清算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で清算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、清算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための清算用操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの下方であって、クレジット表示部60の左方には、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作やメダル投入口45へのメダル投入によって設定されるゲームのベット数を表示するための第1表示部としてのBET表示部75と、現状の遊技の進行状態を示す遊技状態表示部76とが設けられている。
また、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの左方には、上記のゲームのベット数を表示するための第2表示部としてのベット表示部34が設けられている。更に、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの右方には、ボーナス状態としてのBB状態への移行が可能となる第1BBや第2BBに当選していることを報知するための確定表示部35が設けられている。
ベット表示部34は、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cを有しており、いずれのベット表示部34a~34cも点灯状態(又は点滅状態)と消灯状態とに切り替わり可能に構成されており、点灯状態とされるベット表示部34a~34cによって、ベット数が報知される。例えば、ベット表示部34のうち、第1ベット表示部34aと第2ベット表示部34bとが点灯状態であって第3ベット表示部34cが消灯状態の場合には2枚のベットが行われていることを意味し、また、全てのベット表示部34a~34cが点灯状態の場合には3枚のベットが行われていることを意味する。
図による詳細な説明は省略するが、BET表示部75も、第1BET表示部75a、第2BET表示部75b、第3BET表示部75cを有しており、点灯状態とされるBET表示部によって、ベット数が報知される。但し、BET表示部75は後述する主制御装置101に接続されており、ベット表示部34は後述する表示制御装置81に接続されており(図519参照)、BET表示部75が主制御装置101にて制御されるのに対して、ベット表示部34は表示制御装置81にて制御される点で相違している。また、BET表示部75よりもベット表示部34の方が、遊技パネル25において、各表示部34,75が点灯状態となった場合に光を透過する領域の面積が大きく設定されており、BET表示部75よりもベット表示部34の方が遊技者の目を引き易い(把握し易い)ように設定されている。なお、BET表示部75よりもベット表示部34の方が、遊技者の目を引き易い(遊技者が把握し易い)構成であればよく、点灯状態となった場合の輝度や光量が多くなるようにしてもよいし、ベット表示部34を動作可能な役物等により構成されるものとしてもよいし、ベット表示部34によるベット数の表示が補助表示部65にて行われる構成としてもよい。
遊技状態表示部76は、再遊技状態表示部76aと、開始可能状態表示部76bと、受入可能状態表示部76cとを有している(図519参照)。再遊技状態表示部76aは、今回のゲームのベット数と同数のベット数にて次のゲームを実行可能となる再遊技状態に設定されていることを報知するためのものであり、再遊技状態に設定された場合に点灯状態とされ、再遊技状態に設定されたゲームが終了すると消灯状態とされる。開始可能状態表示部76bは、ゲームの開始操作を受付可能な開始可能状態となったことを報知するためのものであり、開始状態に設定された場合に点灯状態とされ、開始可能状態にて開始操作を受け付けた場合に消灯状態とされる。受入可能状態表示部76cは、メダル投入口45からのメダルの投入が可能な受入可能状態であることを報知するためのものであり、受入可能状態である場合に点灯状態とされ、メダルの投入を受け付けない場合に消灯状態とされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図518及び図519のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、清算スイッチ59の操作を検出する清算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、BET表示部75、遊技状態表示部76、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、デモ状態に移行させる前の状態を記憶するための待機用記憶エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図520参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図519に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にベット表示部34、確定表示部35、第1クレジットランプ56b、上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65、及びバックライト装置100が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてベット表示部34、確定表示部35、第1クレジットランプ56b、上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65及びバックライト装置100を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図520は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSg101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSg102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSg103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSg102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSg104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSg104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSg105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSg106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSg107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図518参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSg108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップSg109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSg110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSg111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSg112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSg113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSg114では、先のステップSg101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSg115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図521のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSg201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSg202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSg203~ステップSg215に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSg203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSg204では、BET用処理を行う。
BET用処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行う。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、1ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には1枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、仮想メダルを自動投入する処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、各クレジット投入スイッチ56,57の操作やメダル投入口45からのメダル投入といった賭数操作に基づいてベット数を設定する処理を行う。
続くステップSg205では、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップSg107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認し、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常用処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
異常用処理を実行した後は、ステップSg206にて、清算スイッチ59の操作に基づきクレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理を実行した後は、ステップSg207にて、ステップSg204のBET用処理の結果として、メダルのベット数が規定枚数に達しており、ゲームを開始する開始操作を受付可能な開始可能状態であるか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「1」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSg207にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「1」又は「3」となっていることを条件にステップSg207にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「2」である場合にはステップSg207にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達しておらず、開始可能状態ではない場合には、ステップSg204のBET用処理に戻る。
開始可能状態である場合には、ステップSg208にてスタートレバー41が操作されて開始操作が行われたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSg204のBET用処理に戻る。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSg209にて、遊技状態表示部用処理を実行する。遊技状態表示部用処理では、ゲームの開始に際して開始可能状態表示部76b及び受入可能状態表示部76cを消灯状態とする処理を実行する。かかる処理は、ゲームの開始操作に基づいて、遊技状態表示部76の表示制御を行うための処理である。
続くステップSg210では、ベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSg211では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSg212の抽選処理、ステップSg213のリール制御処理、ステップSg214のメダル払出処理ステップSgを順に実行し、ステップSg203に戻る。
次に、ステップSg212の抽選処理について、図522のフローチャートに基づき説明する。
ステップSg301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSg302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「1」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、1ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSg302では、ベット数に基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブルを選択し、今回のゲームが1ベットゲームである場合には、1ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSg302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSg302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図523は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSg303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSg304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSg301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSg305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSg306にて、ステップSg305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSg306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSg306にて第1再遊技当選フラグ、第2再遊技当選フラグ、第3再遊技当選フラグ、第4再遊技当選フラグ及び第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSg306にて第1再遊技当選フラグ、第2再遊技当選フラグ、第3再遊技当選フラグ、第4再遊技当選フラグ及び第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSg306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットせず、第1再遊技当選フラグ、第2再遊技当選フラグ、第3再遊技当選フラグ及び第4再遊技当選フラグをセットする。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSg305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSg307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSg308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSg304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSg304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSg305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図523に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。通常リプAと第1BBとの重複役であるリプ重複1に当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、通常リプAと第2BBとの重複役であるリプ重複2に当選となる確率(IV=26の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約6550分の1である。チャンス目Aと第1BBとの重複役であるチャンス目重複1に当選となる確率(IV=27の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約655分の1であり、チャンス目Aと第2BBとの重複役であるチャンス目重複2に当選となる確率(IV=28の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約655分の1である。チェリーAと第1BBとの重複役であるチェリー重複1に当選となる確率(IV=29の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約436分の1であり、チェリーAと第2BBとの重複役であるチェリー重複2に当選となる確率(IV=30の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約436分の1である。スイカと第1BBとの重複役であるスイカ重複1に当選となる確率(IV=31の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約211分の1であり、スイカと第2BBとの重複役であるスイカ重複2に当選となる確率(IV=32の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約109分の1である。そして、第1BBに単独当選となる確率(IV=33の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約109分の1であり、第2BBに単独当選となる確率(IV=34の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約211分の1である。
ステップSg306にて当選フラグをセットした後、又はステップSg308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSg309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。フリーズ抽選処理については、後に詳細に説明する。
続くステップSg310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSg301~ステップSg308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSg310の処理を実行した後は、ステップSg311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSg110)にて行われる。
そして、ステップSg312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSg306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
続くステップSg313では、ステップSg312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選したり、第1BBとスイカとの重複役であるスイカ重複1に当選し、第1BB入賞と、第7小役及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選したり、第2BBと通常リプAとの重複役であるリプ重複2に当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSg313の処理を実行した後は、ステップSg314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSg213のリール制御処理について、図524のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSg401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSg309にて行ったフリーズ抽選処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。なお、フリーズ抽選処理では、無効期間中にリール制御を用いた演出を実行することの抽選を行う他、無効期間が経過するまで各リール32L,32M,32Rの回転を開始させない演出を実行することの抽選も行う。そして、ステップSg401の回転演出処理では、各リール32L,32M,32Rの回転の有無に関わらず、設定された無効期間が経過するまで待機し、当該無効期間が経過した場合にステップSg402に進むように設定されている。ステップSg402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めた特定期間としてのウェイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウェイト時間が経過するまで待機する。ウェイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウェイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSg106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップSg403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSg404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSg403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSg405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSg406~ステップSg412に示す停止制御処理を行う。
ステップSg406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSg407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSg407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSg408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSg409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSg410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSg411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSg412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSg403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図523参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図525は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSg411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSg413にてフラッシュ待機用処理を実行する。フラッシュ待機用処理は、主にバックライト装置100を用いた演出を行うための処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
フラッシュ待機用処理を実行した後は、ステップSg414にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップSg415にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSg416にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSg417にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSg418にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSg214のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、入賞した再遊技結果の情報を記憶する処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、BET用処理(ステップSg204)では、再遊技入賞に基づいてベットを自動投入する処理を行う。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップSg415のボーナス状態処理を、図526のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSg501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSg501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSg502に進む。
ステップSg502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSg503に進む。
ステップSg503では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、ステップSg504にて各種フラグ格納エリア106dに持ち越しフラグをセットする処理を実行してから、ボーナス状態処理を終了する。持ち越しフラグは、いずれかのBB当選を持ち越している持ち越し状態(内部状態)であることをCPU102が把握するためのフラグである。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSg505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSg506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「251」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSg506にてBBカウンタに「251」が入力されることにより、251枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSg507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSg508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSg501にて肯定判定することになる。続くステップSg509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSg509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSg510にて規定ベット数を1に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が1枚に設定され、1ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は1及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は1と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSg505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSg511に進み、上記のBBカウンタに「104」を入力する処理を実行する。すなわち、104枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSg512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSg513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSg514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSg514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSg510にて規定ベット数を1に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が1枚に設定され、1ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSg501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSg515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図527は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図527に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、ほぼ毎ゲーム共通ベルに当選し得るように設定されている。そして、共通ベルに非当選となり、いずれの結果にも当選とならない外れ結果となる確率は設定6では約11.8分の1であるのに対して、他の設定値では約1820分の1である。
ステップSg515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSg516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSg517にて、ステップSg516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると1ベットゲームでは5枚の払出が発生することから、ステップSg516ではBBカウンタから5を減算する。
ステップSg517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSg518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSg519にてステップSg今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSg520にて、規定ベット数を1と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、1ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。
<抽選結果対応処理>
次に、図528のフローチャートを参照しながら、ステップSg310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSg601では、現状の遊技状態を把握する処理を行う。より詳しくは、第1BB状態及び第2BB状態のいずれかであるか、それとも第1BBや第2BB当選前の非内部状態(通常遊技状態)であるか、又は第1BBや第2BB当選後の内部状態(持ち越し状態)であるか、を把握する。続くステップSg602では、ステップSg601の把握結果に基づいて第1BBや第2BB当選後の内部状態であるか否かを判定する。第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、内部状態である場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。つまり、本実施形態では、BB当選後の内部状態においては、ATモードへの移行抽選等の表示モード用の処理(指示機能用の処理)が実行されない。そのため、いずれかのBBに当選した場合には、その当選したことを速やかに察知したうえで、対応するBB入賞を成立させたほうが遊技者にとって有利となる。
続くステップSg603では、今回のゲームのベット数が、ステップSg601にて把握した状態において規定されている一の規定枚数(特定規定数)であるか否かの判定を行う。本実施形態では、第1BB状態や第2BB状態の特定規定数を3としており、この場合、第1BB状態や第2BB状態でのベットの規定枚数は1であることから、ステップSg601にて第1BB状態又は第2BB状態であると判定した場合には、ステップSg603では必ず否定判定し、そのまま抽選結果対応処理を終了する。つまり、本実施形態では、いずれかのBBに当選した後、対応するBB状態が終了するまでは、ステップSg604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)は実行されない。
これに対して、本実施形態では、第1BB状態及び第2BB状態以外の状態(非内部状態)では、規定枚数の1及び3のうち3が特定規定数として設定されており、当該第1BB状態及び第2BB状態以外の状態でベット数が3である場合に、ステップSg603にて肯定判定する。この場合、ステップSg604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)が行われる。なお、第1BB状態及び第2BB状態以外の状態でベット数が1である場合には、ステップSg603にて否定判定し、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
ステップSg603にて肯定判定した場合、ステップSg604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSg605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図529のフローチャートに示すように、ステップSg701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSg702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図534に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図534にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、3ベットゲームにおいて、いずれかのBB当選となる結果(リプ重複1、リプ重複2、チャンス目重複1、チャンス目重複2、チェリー重複1、チェリー重複2、スイカ重複1、スイカ重複2、単独BB1、単独BB2)を除いて当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。ちなみに、いずれかのBB当選となる結果の場合、BB当選フラグがセットされることから、ステップSg602にて肯定判定し、本有利区間移行抽選処理も実行されない。
ステップSg702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSg703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSg703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSg704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSg705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSg701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSg702~ステップSg705の処理を省略することも可能である。
ステップSg705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSg706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSg705にて否定判定した場合、又はステップSg706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSg604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSg606に進む。ステップSg606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグは、ATモードへの移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、ATモードフラグは、ATモードへ移行する際にセットされるフラグである。つまり、ステップSg606では、既にATモードへの移行が確定している状況又は移行済みの状況であるか否かを判定する。ステップSg606にていずれのフラグもセットされておらず、未だATモードへの移行が確定していない状況である場合には、ステップSg607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSg606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSg608にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップSg607のAT抽選用処理について図530のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSg801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタの減算処理を実行する。天井カウンタは、有利区間においてATモードへの移行が生じることなく消化され得る最大ゲーム数(天井ゲーム数)をCPU102が把握するためのカウンタである。天井カウンタには、有利区間への移行時に所定の抽選値が入力される。なお、本実施形態では天井カウンタの最大値は、999に設定されている。つまり、有利区間に移行してから最大で999ゲームを消化することで、ATモードの移行抽選に当選しなくてもATモードへの移行が生じることになる。ステップSg801では、上記天井カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSg802では、天井カウンタが0となったか否かを判定する。なお、上記のように、抽選結果対応処理においてBB当選後の内部状態ではステップSg604以降の処理を実行しないように設定されていることから、当該内部状態では天井までのゲーム数の減算は行われない。また、ベット数が遊技状態に応じた特定規定数ではない場合にもステップSg604以降の処理を実行しないように設定されていることから、BB当選前のゲームであっても、1ベットゲームでは天井までのゲーム数の減算が行われない。
ステップSg802にて天井カウンタが0ではない場合、ステップSg803~ステップSg805にてATモード移行抽選を実行する。
すなわち、ステップSg803では、各種フラグ格納エリア106dに第1CZモードフラグ、第2CZモードフラグ及び第3CZモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、有利区間であってATモードへの移行抽選に当選前の状態として、通常モードとCZモードとが設けられており、CZモードは通常モードよりもATモードへの移行抽選に当選し易いモードとして設定されている。CZモードとしては、移行契機が異なる第1CZモード、第2CZモード及び第3CZモードが設定されており、上記の第1CZモードフラグ~第3CZモードフラグは、それら第1CZモード~第3CZモードをCPU102が区別するためのフラグである。そして、ステップSg803にていずれかのCZモードフラグがセットされていないと判定した場合は、ステップSg804にて通常用ATモード抽選処理を実行し、ステップSg803にていずれかのCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSg805にてCZ用ATモード抽選処理を実行する。
ステップSg804の通常用ATモード抽選処理では、図531のフローチャートに示すように、先ず、ステップSg901にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSg902にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する。通常用ATモード移行抽選テーブルは、図534に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、ATモードへの移行率(ATモード移行抽選の当選確率)が設定されている。通常用ATモード移行抽選の契機役としては、図534にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、3ベットゲームにおいて、いずれかのBB当選となる結果を除いて全ての結果が通常用ATモード移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSg902にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSg903にてATモード移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。そして、ステップSg904にて、ATモード移行抽選を実行してから、本ATモード抽選処理を終了する。すなわち、通常用ATモード抽選処理においては、各ゲームの抽選結果に基づいてATモード移行抽選を行う。
これに対して、CZモード中のATモード移行抽選では、CZモード中の複数のゲームの抽選結果を利用してATモード移行抽選を行う。
すなわち、ステップSg805のCZ用ATモード抽選処理では、図532のフローチャートに示すように、先ず、ステップSg1001にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSg1002にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからポイントテーブルを取得する処理を実行する。
ポイントテーブルは、図534に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、今回のゲームで取得するポイント値が異なり得るように設定されており、例えば、今回のゲームの抽選結果がチェリーAである場合には20ポイントを取得し、今回のゲームの抽選結果がチェリーAよりも当選しにくいチェリーBである場合には50ポイントを取得する、といったように、各ゲームの抽選処理において当選確率が低い結果ほど、多くのポイントを取得するように設定されている。
そして、ステップSg1003にて各種カウンタエリア106eに設けられた累積カウンタRCに、今回のゲームで取得されるポイント値を加算する処理を実行する。なお、本実施形態では、各ゲームの抽選結果コマンドに当該累積カウンタRCの情報が含まれるように設定されており、各ゲームの抽選結果とともに当該累積カウンタRCの値を表示制御装置81側でも把握可能となっている。
続くステップSg1004では、各種カウンタエリア106eに設けられたCZカウンタを把握する処理を実行する。CZカウンタは、CZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化される度に1ずつ減算されるカウンタである。そして、ステップSg1005にて、各種テーブル記憶エリア105aからCZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップSg1006にて、ATモード移行抽選を実行してから、CZ用ATモード抽選処理を終了する。
CZ用ATモード移行抽選テーブルは、図535に示すように、CZカウンタと累積カウンタRCとによって、ATモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されている。より詳しくは、CZカウンタの値と累積カウンタRCの値とに応じて設定される所定数と累積カウンタRCとの積が、ATモード移行抽選の当選確率(%)として設定されており、例えば、CZカウンタが16以上である場合には、累積カウンタRCが0~59であれば所定数が0.1として設定され、累積カウンタRCが80~100であれば所定数が0.6として設定される。この場合、CZカウンタが16以上であり、累積カウンタRCが30であれば、所定数(0.1)と累積カウンタRC(30)との積により、ATモード移行抽選の当選確率は3%となる。また、CZカウンタが16以上であり、累積カウンタRCが90であれば、所定数(0.6)と累積カウンタRC(90)との積により、ATモード移行抽選の当選確率は54%となる。また、CZカウンタが3~1である場合には、累積カウンタRCが0~9であれば所定数が0.5として設定され、累積カウンタRCが50~100であれば所定数が1.0として設定される。この場合、CZカウンタが3~1であり、累積カウンタRCが5であれば、所定数(0.6)と累積カウンタRC(5)との積により、ATモード移行抽選の当選確率は3%となる。また、CZカウンタが3~1であり、累積カウンタRCが90であれば、所定数(1.0)と累積カウンタRC(90)との積により、ATモード移行抽選の当選確率は90%となる。
つまり、本実施形態におけるCZモードにおいては、CZモード中の各ゲームで獲得したポイント値が大きいほどATモード移行抽選に当選し易く、且つ、CZモードの残りゲーム数が少なくなるほどATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。そして、CZモード中の各ゲームで獲得したポイント値が大きくても、CZモードの残りゲーム数が多い場合にはATモード移行抽選に当選しにくくなるように設定されている。このように、CZモード移行後、早々にATモード移行抽選に当選してしまうことが抑制されており、CZモード中の各ゲームの抽選結果への注目度を高めながらCZモード中の遊技(演出)を最後まで楽しませるための工夫が施されている。
AT抽選用処理の説明に戻り、ステップSg804又はステップSg805にてATモード抽選処理を実行した後は、ステップSg806にて、これらステップSg804やステップSg805のATモード抽選処理におけるATモード移行抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合は、ステップSg807~ステップSg810のATモード当選用の処理を実行し、当選していない場合には、ステップSg811~ステップSg819のATモード非当選用の処理を実行する。
すなわち、ATモード移行抽選に当選している場合、先ず、ステップSg807にて前兆モードの設定処理を実行する。なお、ステップSg802にて天井カウンタが0となった場合にも、ステップSg807に進み、かかる前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選に当選する等してATモードへの移行が生じ得る状況となった場合、補助表示部65やスピーカ64にて当該ATモードへの移行が生じ得る状況となったことを示唆する前兆演出を行うモードである。ステップSg807では、ATモードへの移行が生じ得る状況となった契機に応じて当該前兆モードのゲーム数等を設定する処理を行う。
すなわち、前兆モードの設定処理では、図533のフローチャートに示すように、先ず、ステップSg1101にて、上記の累積カウンタRCを把握する処理を実行し、続くステップSg1102にて、CZカウンタを把握する処理を実行する。そして、ステップSg1103にて各種テーブル記憶エリア105aから即報知抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップSg1104にて即報知抽選処理を実行する。即報知抽選処理では、ATモードへの移行が生じ得る状況となったことの報知を、上記前兆演出を介することなく実行するか否かの抽選を行う。
即報知抽選テーブルは、図536に示すように、CZカウンタと累積カウンタRCとに応じて、即報知抽選の当選確率が異なるように設定されている。より詳しくは、CZカウンタの値が小さくなるほど、すなわちCZモードの残りゲーム数が少なくなるほど即報知抽選に当選し易く、また、累積カウンタRCの値が大きくなるほど、すなわちCZモード中に獲得したポイント値が大きいほど即報知抽選に当選し易くなるように設定されている。なお、CZカウンタが0であり、通常モード中のATモード移行当選である場合、本実施形態では、即報知抽選に100%の確率で当選する構成としている。
ステップSg1105では、ステップSg1104の即報知抽選に当選したか否かの判定を行う。即報知抽選に当選していない場合、ステップSg1106~ステップSg1113にて前兆モード用の処理を行い、即報知抽選に当選している場合、ステップSg1114~ステップSg1119にてATモードの報知用の処理を行う。
即報知抽選に当選していない場合、ステップSg1106では、今回のATモード移行抽選に当選となった状況がCZモードのうちの第1CZモード又は第3CZモードであったか否かを判定する。第1CZモードや第3CZモードではなく、第2CZモードである場合には、ステップSg1107にて前兆演出ゲーム数の抽選処理を実行する。そして、ステップSg1108にて、ステップSg1107の抽選結果と、現状のCZカウンタ(CZモードの残りゲーム数)と、を加算した値を、各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、ATモードへの移行が生じ得る状況となってから、その状況となったことの報知(AT当選報知演出)が行われるまでのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSg1107の前兆演出ゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから前兆演出ゲーム数テーブルを取得して、今回の前兆演出ゲーム数をランダムに設定する。前兆演出ゲーム数テーブルは、図537に示すように、13ゲーム~15ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、例えば、15ゲームが選択され易い一方、13ゲームや14ゲームは選択されにくい、といったように、ゲーム数によって選択率が異なっている。例えば、前兆演出ゲーム数抽選処理にて14ゲームが選択され、CZモードの残りゲーム数が3ゲームである場合、前兆カウンタには17が入力され、ATモードへの移行が生じ得る状況となってから(ATモード当選フラグがセットされてから)、17ゲーム後にその旨の報知が行われることになる。
ステップSg1108にて前兆カウンタの入力処理を実行した後は、ステップSg1109にて、各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSg1110にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モードの設定処理を終了する。前兆フラグは、前兆モードの設定が行われたことをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは、当該前兆モードの設定が行われたことを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。また、前兆コマンドには、上記前兆カウンタの値が含まれ、表示制御装置81では、ATモードへの移行が生じ得る状況となったことの報知を行うべきゲームを当該前兆カウンタの値から把握することが可能となる。なお、前兆コマンドを受信した場合の表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSg1106にて第1CZモードや第3CZモードである場合、ステップSg1111にて第1CZモードであるか否かを判定し、第1CZモードである場合、ステップSg1112にて、CZカウンタに予め定められた所定数(5)を加算した値を、前兆カウンタに入力する処理を実行する。また、ステップSg1111にて第1CZモードではなく第3CZモードであると判定した場合、ステップSg1113にてCZカウンタの値を前兆カウンタに入力する処理を実行する。そして、ステップSg1109の前兆フラグのセット処理、ステップSg1110の前兆コマンドのセット処理を実行した後、前兆モードの設定処理を終了する。この場合、第1CZモードでは当該第1CZモードの残りゲーム数が0となってから予め定められた所定数のゲームが実行されることで、また、第3CZモードでは当該第3CZモードの残りゲーム数が0となることで、ATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われる。
つまり、ATモード移行抽選に当選した場合のCZモードの種類によってATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われるまでのゲーム数が異なり、第1CZモードは第2CZモードや第3CZモードよりも少ないゲーム数でATモード移行抽選に当選した旨の報知が行われることになる。このような構成としていることの理由は、CZモード中の演出内容の説明に際して詳細に説明する。
ステップSg1105にて即報知抽選に当選していると判定した場合、ステップSg1114に進む。ステップSg1114では、CZカウンタを0にクリアする処理を実行する。その後、ステップSg1105にて、今回のATモードの種別を第1ATモードとするか、第2ATモードとするかのAT種別決定処理を行う。本実施形態では、ATモードとしてATモード中の上乗せ性能(上乗せ抽選の当選確率)が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設定されており、第1ATモードよりも第2ATモードの方が上乗せ性能が優れている(上乗せ抽選に当選し易いように設定されている)。ステップSg1115のAT種別決定処理では、例えば、設定値や前回のATモードの種別、有利区間中のメダル増加数や有利区間中のゲーム数等に応じて、又はランダムに今回のATモード種別を抽選により決定する。
ステップSg1116では、ステップSg1115の処理結果に基づいて、第1ATモードとして決定されたか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップSg1117にて各種フラグ格納エリア106dに第1AT用報知フラグをセットする処理を実行し、ステップSg1118にて第1AT当選即報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モードの設定処理を終了する。第1AT用報知フラグは、第1ATモードの開始に際して各リール32L,32M,32Rにて第1AT開始用の出目を出現させることをCPU102が把握するためのフラグであり、第1AT当選即報知コマンドは、第1ATモードへの移行が生じ得る状況となったことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。当該第1AT当選即報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSg1116にて第1ATではなく第2ATであると判定した場合、ステップSg1119にて各種フラグ格納エリア106dに第2AT用報知フラグをセットする処理を実行し、ステップSg1120にて第2AT当選即報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モードの設定処理を終了する。第2AT用報知フラグは、第2ATモードの開始に際して各リール32L,32M,32Rにて第2AT開始用の出目を出現させることをCPU102が把握するためのフラグであり、第2AT当選即報知コマンドは、第2ATモードへの移行が生じ得る状況となったことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。当該第2AT当選即報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理についても、後に詳細に説明する。
AT抽選用処理の説明に戻り、ステップSg807にて前兆モードの設定処理を実行した後は、ステップSg808にていずれかのCZモードフラグがセットされているか否かの判定を行う。いずれかのCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSg809にて、セットされているCZモードフラグをクリアする処理を実行する。ステップSg808にて否定判定した場合、又はステップSg809の処理を実行した後は、ステップSg810にて、ATモード当選フラグをセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。かかる処理を行うことにより、次ゲーム以降の抽選結果対応処理では、ステップSg606にて肯定判定することになる。
ステップSg806にてATモード移行抽選に非当選であると判定した場合、ステップSg811にていずれかのCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのCZモードフラグもセットされておらず、通常モードである場合、ステップSg812~ステップSg819にてCZモードへの移行抽選等を行う。これに対して、いずれかのCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSg812~ステップSg819の処理を行うことなく、そのままAT抽選用処理を終了する。
すなわち、ステップSg812では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間ゲーム数AGが予め定められた第1所定値(31)以上であって、予め定められた第2所定値(700)以下であるか否かを判定する。有利区間ゲーム数AGは、有利区間のゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、有利区間へ移行してから1ゲーム毎に1ずつ加算され、有利区間が終了する際にリセットされる。有利区間ゲーム数AGが第1所定数未満である場合や第2所定数よりも大きい場合には、CZモードへの移行抽選等を行うことなくそのまま、AT抽選用処理を終了する。
本実施形態では、有利区間移行時にCZモードに設定される場合があり、第1所定数は、当該有利区間移行時に設定されるCZモードでのATモード移行抽選の当否結果の報知が終了するまでに要するゲーム数よりも多い数として設定されている。また、上記のように、本実施形態では、有利区間移行時に設定される天井カウンタが0となることでATモード移行抽選を介することなくATモードへの移行が許容される構成としており、上記の第2所定値は、有利区間移行時に設定される天井カウンタの上限値(999)に近い値であって、より詳しくは上限値の7割の値として700として設定されている。
つまり、天井カウンタの上限値に近い値まで有利区間を消化すると、CZモードへの移行抽選等が行われなくなる構成としている。なお、天井カウンタの設定処理については後に詳細に説明するが、有利区間移行時に当該第2所定値よりも小さい値が天井カウンタに設定される場合もあり、この場合、CZモード移行抽選等が行われる上限ゲーム数(700)に至る前に、天井に到達してATモードへの移行が許容される。言い換えると、第2所定値よりも小さい値が天井カウンタに入力されていても、天井に至る直前でCZモード移行抽選に当選する場合がある。
ステップSg812にて有利区間ゲーム数AGがCZモード移行抽選等を行う範囲内である場合、ステップSg813にて、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップSg814にてCZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選テーブルは、図534に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、CZモードへの移行率(CZモード移行抽選の当選確率)が設定されている。例えば、今回のゲームの抽選結果がチャンス目Aであれば、7%の確率でCZモード移行抽選に当選し、今回のゲームの抽選結果がチャンス目Aよりも当選しにくいチャンス目Bであれば、チャンス目Aの場合よりも高い15%の確率でCZモード移行抽選に当選する、といったように、ゲームの抽選結果として出現率の低い結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップSg814にてCZモード移行抽選を実行した後は、ステップSg815にて、CZモード移行抽選に当選したか否かを判定する。非当選である場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行抽選に当選している場合には、ステップSg816にて、第2CZモードゲーム数抽選処理を実行し、ステップSg817にて、その抽選結果に応じたゲーム数をCZカウンタに入力し、ステップSg818にて第2CZモードフラグをセットする処理を実行する。すなわち、有利区間において通常モード中のCZモード移行抽選に当選した場合、第2CZモードに設定され、そのゲーム数は、ステップSg816の抽選処理によって決定される。第2CZモードゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから第2CZモードゲーム数テーブルを取得して、今回の第2CZモードのゲーム数をランダムに設定する。第2CZモードゲーム数テーブルは、図537に示すように、8ゲーム~15ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、例えば、10ゲームや11ゲームが選択され易い一方、8ゲームや15ゲームは選択されにくい、といったように、ゲーム数によって選択率が異なっている。例えば、第2CZモードゲーム数抽選処理にて10ゲームが選択された場合、ステップSg817では、CZカウンタに10が入力されることになる。
ステップSg818にて第2CZモードフラグをセットした後は、ステップSg819にて第2CZモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT抽選用処理を終了する。第2CZモード開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSg608にて実行されるAT上乗せ用処理について、図538のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT上乗せ用処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理であり、ATモードの継続ゲーム数の上乗せを行うための処理である。
AT上乗せ用処理では、先ずステップSg1201にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSg1202~ステップSg1208にて、現状の状況に応じた上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。すなわち、ステップSg1202では、ATモード当選フラグがセットされており、ATモードへの移行が生じ得る状況となってから、未だATモードへの移行が生じていない状況か否かを判定する。ATモード移行前の状況であれば、ステップSg1202にて肯定判定し、ステップSg1203にて各種フラグ格納エリア106dに第1AT用報知フラグ又は第2AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。第1AT用報知フラグや第2AT用報知フラグがセットされている状況とは、既にATモードへの移行が生じ得る状況となったことの報知(AT当選報知演出)が実行された後であって、且つATモードへの移行が生じていない状況であることを意味する。言い換えると、ステップSg1203にて第1AT用報知フラグ及び第2AT用報知フラグのいずれもがセットされていない状況とは、ATモードへの移行が生じ得る状況となったものの、未だその旨の報知が行われていない状況(前兆モード)であることを意味する。
そこで、ステップSg1203にて第1AT用報知フラグ及び第2AT用報知フラグのいずれもがセットされていないと判定した場合、ステップSg1204にて、各種テーブル記憶エリア105aから当選後当選報知前上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップSg1203にていずれかのフラグがセットされていると判定した場合、ステップSg12056にて当選報知後移行前上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
図539に示すように、当選後当選報知前上乗せ抽選テーブルと、当選報知後移行前上乗せ抽選テーブルとを比較すると、当選報知後移行前上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選の方が、当選後当選報知前上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選よりも上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。より詳しくは、例えば、チャンス目Bを契機とする上乗せ抽選において、当選後当選報知前上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では5%の確率で当選するのに対して、当選報知後移行前上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では7%の確率で当選し、ATモード移行前の状況において、ATモード当選報知前よりも当選報知後の方が上乗せ抽選に当選し易くなっている。
ステップSg1202にてATモード当選フラグがセットされていない場合とは、ATモードフラグがセットされている場合であり、既にATモードへの移行が生じていることを意味する。この場合、ステップSg1206にて各種フラグ格納エリア106dに第1ATフラグがセットされており、現状のATモードが第1ATモードであるか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップSg1207にて、各種テーブル記憶エリア105aから第1AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行し、第2ATモードである場合、ステップSg1208にて、各種テーブル記憶エリア105aから第2AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
図539に示すように、第1AT用上乗せ抽選テーブルと、第2AT用上乗せ抽選テーブルとを比較すると、第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選の方が、第1AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選よりも上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。より詳しくは、例えば、チェリーBを契機とする上乗せ抽選において、第1AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では10%の確率で当選するのに対して、第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では20%の確率で当選し、ATモード移行後の状況において、第1ATモード中よりも第2ATモード中の方が上乗せ抽選に当選し易くなっている。
ステップSg1204、ステップSg1205、ステップSg1207及びステップSg1208のいずれかの処理で、上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSg1209にて上乗せ抽選を実行する。そして、ステップSg1210にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSg1211にて上乗せゲーム数抽選処理を実行する。上乗せゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せゲーム数テーブルを取得し、今回の上乗せゲーム数を抽選により決定する。上乗せゲーム数テーブルは、図539に示すように、上乗せ契機となったゲームの抽選結果に応じて、上乗せゲーム数が異なるように設定されており、例えば、通常リプAを契機として上乗せが行われる場合には平均150ゲームの上乗せが発生する一方、チェリーAを契機として上乗せが行われる場合は平均15ゲームの上乗せが発生する、といったように、上乗せ抽選に当選しにくい契機にて上乗せが行われる場合の方が上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。
ステップSg1211にて上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップSg1212にて各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。ATカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。ステップSg1212の処理を実行した後は、ステップSg1213にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、上乗せが行われたことに対応する上乗せ報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図528)の説明に戻る。
ステップSg607又はステップSg608の処理を実行した後は、ステップSg609にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選であったか否かを判定する。押し順役とは、押し順ベルのほか、通常リプA、通常リプB、通常リプCを含む結果である。通常リプA、通常リプB、通常リプCは、いずれも複数の再遊技に重複して当選となる結果であり、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞を成立させる再遊技が異なり得るように設定されている。
具体的には、図540に示すように、通常リプAは、各ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず、基本的には第1再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。これに対して、通常リプB、通常リプCは、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合には、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われ、左ストップスイッチ42又は中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、第1再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。但し、これら通常リプA、通常リプB、通常リプCにおいて、重複当選している再遊技のうちのいずれの再遊技入賞が成立しても、付与される特典は再遊技であり、成立する再遊技の種類だけが異なるものである。言い換えると、通常リプA、通常リプB、通常リプCは、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず再遊技入賞が成立するものの、操作順序によって停止出目が異なる遊技結果である。そして、特に通常リプBと通常リプCは、ATモードの開始契機となっており、ATモード当選フラグがセットされてから、ATモードへの移行が生じ得る状況である旨の報知が実行された後、第2再遊技入賞が成立し得るゲームにて第1ATモードが開始され、ATモード当選フラグがセットされてから、ATモードへの移行が生じ得る状況である旨の報知が実行された後、第3再遊技入賞が成立し得るゲームにて第2ATモードが開始される。つまり、ATモード当選フラグがセットされても、上記の報知(AT当選報知演出)が実行されるまで、第1ATモードや第2ATモードは開始されないし、上記の報知が実行された後であっても、通第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立し得るゲームとなるまで、第1ATモードや第2ATモードは開始されない。
ステップSg609にて押し順役当選であると判定した場合、ステップSg610にて、いずれかのCZモードフラグ、ATモード当選フラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。これらのうちのいずれかのフラグがセットされている場合には、ステップSg611にて押し順報知用処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。ステップSg609又はステップSg610にて否定判定した場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<押し順報知の概要>
ステップSg611にて実行される押し順報知用処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図541を参照しながら説明する。図541(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図541(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図541(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図541(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図542を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図542(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図542(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図542(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
特に、本実施形態では、スタートレバー41が操作されたタイミングで押し順報知が実行されるように設定されており、当該スタートレバー41が操作されたタイミングでウェイト期間が経過していない場合には、各リール32L,32M,32Rの回転開始よりも前に押し順報知が実行される場合がある。このようにすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序をより早期に把握させ、正確な停止操作に向けて準備させることが可能となる。
<押し順報知用処理>
次に、ステップSg611にて実行される押し順報知用処理について、図543のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップSg1301では、第1CZモードフラグ~第3CZモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。第1CZモードフラグ~第3CZモードフラグのいずれもがセットされていない場合、ステップSg1302にてATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。第1CZモードフラグ~第3CZモードフラグがセットされておらず、且つATモード当選フラグがセットされている場合とは、ATモード当選後、未だATモードへの移行が生じていない場合である。この場合、ステップSg1303にて、各種フラグ格納エリア106dに第1AT報知用フラグ又は第2AT報知用フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグがセットされているものの、これらAT報知用フラグがセットされていない場合とは、ATモード移行抽選に当選しているものの、未だ前兆モード中であることを意味する。この場合、今回のゲームでは押し順報知を発生させず、そのまま押し順報知用処理を終了する。第1AT報知用フラグ又は第2AT報知用フラグがセットされている場合には、ステップSg1304に進む。
ステップSg1304では、今回のゲームの抽選結果が通常リプB又は通常リプCであるか否かを判定する。通常リプB及び通常リプCではなく、通常リプAや押し順ベルである場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。通常リプB及び通常リプCのいずれかである場合、ステップSg1305にて通常リプBであるか否かを判定する。通常リプBである場合、ステップSg1306にて、上記の第1AT報知用フラグがセットされているか否かを判定する。第1AT報知用フラグではなく第2AT報知用フラグがセットされている場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。通常リプBに当選し、且つ第1AT報知用フラグがセットされている場合、ステップSg1307に進み、第1ATモードを開始させるための処理を実行する。
すなわち、ステップSg1307では、第1AT報知用フラグをクリアする。そして、ステップSg1308では、各種フラグ格納エリア106dに第1AT開始用フラグをセットする。第1AT開始用フラグは、今回のゲームから第1ATモードが開始されることをCPU102が把握するためのフラグである。その後、ステップSg1309にて、第2再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSg1310にて、第2再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、第2再遊技入賞に対応する押し順報知演出として、右ストップスイッチ44を最初に操作すべき順序の押し順報知演出や、「右から狙え!!」といった表示や音声ナビ等が行われるとともに、第2再遊技入賞に対応する図柄の報知が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップSg1305にて通常リプBではなく通常リプCであると判定した場合、ステップSg1311に進む。ステップSg1311では、第2AT報知用フラグがセットされているか否かを判定する。第2AT報知用フラグではなく第1AT報知用フラグがセットされている場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。通常リプCに当選し、且つ第2AT報知用フラグがセットされている場合、ステップSg1312に進み、第2ATモードを開始させるための処理を実行する。
すなわち、ステップSg1312では、第2AT報知用フラグをクリアする。そして、ステップSg1313では、各種フラグ格納エリア106dに第2AT開始用フラグをセットする。第2AT開始用フラグは、今回のゲームから第2ATモードが開始されることをCPU102が把握するためのフラグである。その後、ステップSg1314にて、第3再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSg1315にて、第3再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出として、右ストップスイッチ44を最初に操作すべき順序の押し順報知演出や、「右から狙え!!」といった表示や音声ナビ等が行われるとともに、第3再遊技入賞に対応する図柄の報知が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップSg1301にていずれかのCZモードフラグがセットされていると判定した場合と、ステップSg1301にてATモード当選フラグがセットされておらず既にATモード中である場合は、ステップSg1316に進む。ステップSg1316では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベルであるか否かを判定する。押し順ベルではない場合、そのまま押し順報知用処理を終了する。押し順ベルである場合、ステップSg1317にて、いずれかのCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSg1318にて、各種フラグ格納エリア106dに報知済みフラグがセットされているか否かを判定する。報知済みフラグはCZモードにおいて押し順ベル当選時の押し順報知が既に行われた状態であることをCPU102が把握するためのフラグであり、CZモードの終了時(ATモードへの移行時を含む)にクリアされるフラグである。報知済みフラグがセットされている場合には、そのまま押し順報知用処理を終了する。報知済みフラグがセットされていない場合には、ステップSg1319にて報知済みフラグをセットする処理を実行する。
ステップSg1317にてCZモードフラグではなくATモードフラグがセットされている場合や、ステップSg1319の処理を実行した後は、ステップSg1320にて、今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSg1321にて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSg416にて実施される入賞結果対応処理について、図544のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、CZモードやATモード等を開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSg1401にて、現状の遊技状態を把握する処理を行い、ステップSg1402にて、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされているか否かを把握する。いずれかのBB当選フラグがセットされている内部状態である場合には、そのまま本入賞結果対応処理を終了する。いずれのBB当選フラグもセットされておらず、非内部状態やBB状態である場合には、ステップSg1403にて、今回のゲームのベット数が、ステップSg1401にて把握した状態にて規定されている特定規定数であるか否かの判定を行う。かかる処理は、上記ステップSg601~ステップSg603に対応するものであり、ステップSg1403にて特定規定数ではない場合には、ステップSg1404以降の処理を行うことなく、そのまま入賞結果対応処理を終了する。ベット数が状態に対応する特定規定数である場合、ステップSg1404に進む。
ステップSg1404では、第1ゲーム数管理処理を実行し、ステップSg1405では、第2ゲーム数管理処理を実行する。第1ゲーム数管理処理は、CZモードや前兆モード等、主にATモード移行前のゲーム数を管理する処理であり、第2ゲーム数管理処理は、ATモード中のゲーム数を管理する処理である。
第1ゲーム数管理処理では、図545のフローチャートに示すように、先ず、ステップSg1501にて、第1BB状態フラグ又は第2BB状態フラグがセットされているか否かを判定し、いずれかのBB状態である場合にはそのまま第1ゲーム数管理処理を終了する。すなわち、BB状態では、前兆モードやCZモードのゲーム数の管理は行われない。なお、BB状態中は上記のようにステップSg1403にて否定判定することから、ステップSg1501の処理は省略してもよい。いずれのBB状態でもない場合には、ステップSg1502に進み、CZカウンタが0よりも大きく、CZモード移行時に設定されたゲーム数を消化していない状況であるか否かを判定する。既に説明した通り、CZモード中のATモード移行抽選に当選した場合、AT抽選用処理においてCZモードフラグがクリアされる。そのため、CZモードフラグがセットされていない状況であっても、ステップSg1502にてCZカウンタが0よりも大きいと判定する場合も生じ得る。
ちなみに、上記の通り、CZモード中にATモード移行当選となった場合、即報知抽選に当選しなければ、CZカウンタ以上の値が前兆カウンタに入力される。つまり、CZカウンタが0よりも大きく、且つCZモードフラグがセットされていない場合とは、ATモード移行当選後の前兆モードであることを意味する。
CZカウンタが0よりも大きい場合、ステップSg1503にてCZカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSg1504にてCZカウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップSg1505にていずれかのCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選した場合は、CZモードフラグがクリアされる構成としていることから、ステップSg1505にていずれかのCZモードフラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選に当選することなくCZモードが終了する場合を意味する。ステップSg1505にていずれかのCZモードフラグがセットされている場合、ステップSg1506にて各種フラグ格納エリア106dにCZ終了ゲームフラグをセットする処理を実行する。CZ終了ゲームフラグはCZモードが終了したゲームをCPU102が把握するためのフラグであり、当該終了したゲームの終了後にクリアされる(ステップSg203参照)。
ステップSg1505にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSg1506の処理を実行した後は、ステップSg1507にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSg1502にてCZカウンタが0である場合、ステップSg1504にてCZカウンタが0ではない場合、又はステップSg1507の処理を実行した後は、ステップSg1508にて前兆カウンタが0よりも大きく、前兆モードの設定処理において設定した前兆カウンタに対応するゲーム数を未だ消化していない状況であるか否かを判定する。前兆カウンタが0よりも大きい場合、ステップSg1509にて、前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSg1510にて前兆カウンタが0となったか否かを判定する。
前兆カウンタが0となった場合、ステップSg1511に進み、前兆フラグをクリアする処理を行う。そして、ステップSg1512にて、今回のATモードの種別を第1ATモードとするか、第2ATモードとするかのAT種別決定処理を行う。かかる処理は、上記ステップSg1115の処理に対応する処理である。すなわち、ステップSg1512のAT種別決定処理では、例えば、設定値や前回のATモードの種別、有利区間中のメダル増加数や有利区間中のゲーム数等に応じて、又はランダムに今回のATモード種別を抽選により決定する。なお、ステップSg1115のAT種別決定処理と、ステップSg1512のAT種別決定処理とで、第1ATモードと第2ATモードとの選択率が異なるようにしてもよく、例えば、ステップSg1115の処理よりもステップSg1512の処理の方が第2ATモードの選択率が高い構成としてもよい。
ステップSg1513では、ステップSg1512の処理結果として第1ATモードとして決定したか否かを判定する。第1ATモードとして決定した場合、ステップSg1514にて、第1AT用報知フラグをセットする処理を実行し、ステップSg1515にて第1AT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、ゲーム数管理処理を終了する。第1AT用報知フラグがセットされることにより、上記の押し順報知用処理にて第2再遊技入賞用の押し順報知を発生させるための処理が行われるようになる。第1AT当選報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSg1513にて、今回移行させるATモードが第1ATモードではなく第2ATモードであると判定した場合、ステップSg1516にて、第2AT用報知フラグをセットする処理を実行し、ステップSg1517にて第2AT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、ゲーム数管理処理を終了する。第2AT用報知フラグがセットされることにより、上記の押し順報知用処理にて第3再遊技入賞用の押し順報知を発生させるための処理が行われるようになる。第2AT当選報知コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
第2ゲーム数管理処理では、図546のフローチャートに示すように、先ず、ステップSg1601にて、第1BB状態フラグ又は第2BB状態フラグがセットされているか否かを判定し、いずれかのBB状態である場合にはそのまま第2ゲーム数管理処理を終了する。すなわち、BB状態では、ATモードのゲーム数の管理は行われない。なお、BB状態中は上記のようにステップSg1403にて否定判定することから、ステップSg1501の処理と同様にステップSg1601の処理も省略してもよい。いずれのBB状態でもない場合には、ステップSg1602に進み、ATカウンタが0よりも大きく、ATモードの残りゲーム数が0よりも大きいか否かを判定する。
ATカウンタが0よりも大きい場合、ステップSg1603にてATカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSg1604にてATカウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップSg1605にてATモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSg1606にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。AT終了コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。ステップSg1602にてATカウンタが0である場合や、ステップSg1604にてATカウンタが0ではない場合には、そのまま第2ゲーム数管理処理を終了する。
ステップSg1606の処理を実行した後は、ステップSg1607にて第3CZモードゲーム数抽選処理を実行し、ステップSg1608にて、その抽選結果に応じたゲーム数をCZカウンタに入力し、ステップSg1609にて第3CZモードフラグをセットする処理を実行する。すなわち、本実施形態においては、ATモードが終了した場合にはCZモードに移行する構成としており、当該ATモード終了を契機として移行するCZモードは第3CZモードに設定され、そのゲーム数はステップSg1607の抽選処理によって決定される。第3CZモードゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから第3CZモードゲーム数テーブルを取得して、今回の第3CZモードのゲーム数をランダムに設定する。第3CZモードゲーム数テーブルは、図537に示すように、25ゲーム~30ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、例えば、30ゲームが選択され易い一方、25ゲームは選択されにくい、といったように、ゲーム数によって選択率が異なっている。例えば、第3CZモードゲーム数抽選処理にて30ゲームが選択された場合、ステップSg1608では、CZカウンタに30が入力されることになる。
ステップSg1609にて第3CZモードフラグをセットした後は、ステップSg1610にて第3CZモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第3CZモード開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理の説明に戻り、ステップSg1404やステップSg1405のゲーム数管理処理を実行した後は、ステップSg1406にて、第1AT開始用フラグがセットされているか否かを判定する。上記のとおり、第1AT開始用フラグは、第1ATモードへの移行を生じさせる場合に第2再遊技入賞が可能となるゲームでセットされるフラグであり、より詳しくは、第1AT用報知フラグがセットされている状況で通常リプBに当選したゲームの開始時にセットされるフラグである。すなわち、第1AT開始用フラグは、入賞結果に基づいてセットされるのではない。第1AT開始用フラグがセットされている場合には、ステップSg1407にて、当該第1AT開始用フラグをクリアし、ステップSg1408にて各種フラグ格納エリア106dに第1ATフラグをセットする処理を実行する。既に説明した通り、第1ATフラグがセットされることにより、第1AT用上乗せ抽選テーブルを利用した上乗せ抽選が行われる。
ステップSg1406にて第1AT開始用フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSg1409にて第2AT開始用フラグがセットされているか否かを判定する。上記のとおり、第2AT開始用フラグは、第2ATモードへの移行を生じさせる場合に第3再遊技入賞が可能となるゲームでセットされるフラグであり、より詳しくは、第2AT用報知フラグがセットされている状況で通常リプCに当選したゲームの開始時にセットされるフラグである。すなわち、第2AT開始用フラグについても、入賞結果に基づいてセットされるのではない。第2AT開始用フラグがセットされている場合には、ステップSg1410にて、当該第2AT開始用フラグをクリアし、ステップSg1411にて各種フラグ格納エリア106dに第2ATフラグをセットする処理を実行する。ステップSg1409にて第2AT開始用フラグがセットされていないと判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。既に説明した通り、第2ATフラグがセットされることにより、第2AT用上乗せ抽選テーブルを利用した上乗せ抽選が行われる。
ステップSg1408又はステップSg1411の処理を実行した後は、ステップSg1412にて上記のATカウンタに50を入力する処理を実行する。既に説明した通り、ATカウンタはATモードの残りゲーム数に対応するカウンタであり、本実施形態では、第1ATモード及び第2ATモードのいずれであっても初期ゲーム数として50ゲームが設定される。なお、第1ATモードと第2ATモードとで初期ゲーム数が異なる構成としてもよく、初期ゲーム数を抽選により決定する構成としてもよい。この場合、第1ATモードよりも第2ATモードの方が多い初期ゲーム数となり易い構成としてもよい。
ステップSg1413では、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSg1414ではATモードフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSg1415にてAT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本入賞結果対応処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図547を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図521)におけるステップSg314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSg1701では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSg1701にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップSg1702に進む。
ステップSg1702では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされていない場合、ステップSg1703にて、各種カウンタエリア106eに設けられた通常カウンタを1加算する処理を実行する。通常カウンタは、有利区間ではなく通常区間として開始されたゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSg1703の処理を実行した後は、ステップSg1704にて有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSg1705にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSg1706にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSg1707では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。上記の通り、有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSg1708にて、有利区間移行ゲーム用処理を実行する。
有利区間移行ゲーム用処理では、図548のフローチャートに示すように、ステップSg1801にて第1CZモードゲーム数抽選処理を実行し、ステップSg1802にて、その抽選結果に応じたゲーム数をCZカウンタに入力し、ステップSg1803にて第1CZモードフラグをセットする処理を実行する。すなわち、本実施形態においては、有利区間への移行に際してCZモードに設定される構成としており、当該有利区間移行を契機とする場合は第1CZモードに設定され、そのゲーム数はステップSg1801の抽選処理によって決定される。第1CZモードゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから第1CZモードゲーム数テーブルを取得して、今回の第1CZモードのゲーム数をランダムに設定する。第1CZモードゲーム数テーブルは、図537に示すように、8ゲーム~10ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、8ゲーム及び9ゲームは選択され易い一方、10ゲームは選択されにくい、といったように、ゲーム数によって選択率が異なっている。例えば、第1CZモードゲーム数抽選処理にて10ゲームが選択された場合、ステップSg1802では、CZカウンタに10が入力されることになる。
ステップSg1803にて第1CZモードフラグをセットした後は、ステップSg1804にて第1CZモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1CZモード開始コマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
続くステップSg1805では、天井ゲーム数抽選処理を実行する。天井ゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから天井ゲーム数テーブルを取得し、今回の天井ゲーム数をランダムに決定する。天井ゲーム数テーブルでは、最大天井ゲーム数(本実施形態では999ゲーム)を超えない範囲で、選択され易いゲーム数(例えば、341、682)と選択されにくい又は選択されないゲーム数が設定されている。また、天井ゲーム数テーブルでは、最小ゲーム数を100ゲームとし、有利区間移行時に設定される第1CZモード中に(より詳しくは、第1CZモード中にATモード移行当選となった場合における前兆モード中に)天井ゲームに達しないように設定されている。
ステップSg1806では、ステップSg1805の処理結果に基づいて、天井カウンタに天井ゲーム数を入力する処理を実行する。その後、有利区間移行ゲーム用処理を終了する。
区間表示第1処理の説明に戻り、ステップSg1708の有利区間移行ゲーム用処理を実行した後、又はステップSg1702にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSg1709にて、いずれかのCZモードフラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、本実施形態では、ATモードやCZモード中においては押し順ベル当選時の押し順報知が行われ得る構成としており、これらのいずれかのフラグがセットされている状況とは、区間表示器の表示開始条件が成立している状況といえる。いずれかのフラグがセットされている場合には、ステップSg1710にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSg1701にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップSg1711にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSg1711について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSg1704にて有利区間フラグ及び有利区間当選ゲームフラグのいずれもがセットされていないと判定した場合と、有利区間フラグや有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合であっても、CZモードフラグやATモードフラグがセットされておらず通常モードである場合とは、ステップSg1712に進む。ステップSg1712では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
また、ステップSg1710にて区間表示器の表示開始処理を実行した後と、ステップSg1711の表示継続処理を実行した後は、ステップSg1713に進む。ステップSg1713では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSg1712又はステップSg1713の処理を実行した後は、ステップSg1714にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSg1715にて、ステップSg1714の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図507に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSg1715では、ステップSg1714の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSg1715の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSg1714の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図549のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSg417にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSg1901では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合にはステップSg1902にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。ステップSg1902の処理を実行した後は、ステップSg1903にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSg1903のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSg1903のMY更新処理を実行した後は、ステップSg1904にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSg1905にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATカウンタ(ATモードの残りゲーム数)やCZカウンタ(CZモードの残りゲーム数)及び前兆カウンタ(前兆モードの残りゲーム数)の合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
続くステップSg1906では、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSg1907にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSg1908では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSg1909にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を行い、ステップSg1910にて、通常カウンタをクリアする処理を行ってから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSg1909の有利区間用情報の初期化処理について、より詳しくは、より詳しくは、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理である。例えば、有利区間フラグや、ATモード当選フラグやATモードフラグ、各種CZモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、前兆モード用の前兆カウンタ、CZモード等の継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSg1906にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSg1911に進み、CZ終了ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。
ここで、本実施形態では、各種CZモードにおいて、ATモード移行抽選に当選した場合、ATモード当選フラグをセットする際にCZモードフラグをクリアする構成としている(ステップSg808~ステップSg810)。そして、CZ終了ゲームフラグは、CZモードフラグがセットされたままCZモードの残りゲーム数(CZカウンタ)が0となることでセットされるフラグである。そのため、CZ終了ゲームフラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選に当選することなくCZモードが終了したことを意味する。
ステップSg1911にてCZモード終了ゲームフラグがセットされている場合、ステップSg1912にて第2CZモードフラグ又は第3CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSg1912にて第2CZモードフラグ又は第3CZモードフラグがセットされており、有利区間中のCZモード移行抽選に当選したことを契機として設定される第2CZモードや、ATモード終了を契機として設定される第3CZモードが、ATモード移行抽選に当選することなく終了した場合、ステップSg1907に進み、有利区間終了用の処理を実行する。これに対して、ステップSg1912にて第2CZモードフラグや第3CZモードフラグではなく第1CZモードフラグがセットされており、有利区間移行を契機として設定される第1CZモードが、ATモード移行抽選に当選することなく終了した場合、ステップSg1913に進み、第1CZモードフラグをクリアしてから、本区間表示第2処理を終了する。
すなわち、第2CZモードや第3CZモードがATモード移行抽選に当選することなく終了する場合には、有利区間が終了する一方、第1CZモードがATモード移行抽選に当選することなく終了する場合には、有利区間は終了せずに継続する。なお、第2CZモードフラグや第3CZモードフラグは、有利区間終了用の処理(ステップSg1909)に際してクリアされる。
<有利区間と表示モード>
有利区間と表示モードの関係を、図550を参照しながら説明する。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、押し順報知が発生し得る有利区間と、押し順報知が発生しない通常区間が設定されており、有利区間フラグがセットされている状況が有利区間であり、有利区間フラグがセットされていない状況が通常区間である。有利区間フラグはRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされるフラグであり、例えば、スロットマシン10の設定値の変更(当選確率の変更処理)が行われることを契機としてRAM106の初期化処理が行われ、当該有利区間フラグもクリアされる。つまり、設定値の変更が行われて電源投入がなされると、通常区間から遊技が開始されることになる。通常区間においては、表示モードとして押し順報知が発生しない通常モードに設定される。
通常区間において、有利区間移行抽選に当選すると、有利区間への移行が生じる。より詳しくは、有利区間移行抽選処理に当選することで有利区間当選ゲームフラグがセットされ、区間表示第1処理において有利区間当選ゲームフラグがセットされていることを条件として、有利区間フラグがセットされる。そして、当該有利区間フラグのセット処理に際して、有利区間移行ゲーム用処理が実行され、当該有利区間移行ゲーム用処理において、表示モードを第1CZモードに設定するための処理が行われる。また、有利区間への移行に際して、天井ゲーム数(最大999ゲーム)の設定が行われる。
第1CZモードは、継続ゲーム数が8ゲーム~10ゲームに設定されており、当該第1CZモード中は、高確率でATモードへの移行抽選に当選し得るように設定されている。第1CZモードにおいてATモードへの移行抽選に当選すると、主に前兆モードを介してATモードへの移行が生じる。一方、ATモードへの移行抽選に当選しないまま第1CZモードが終了した場合には、表示モードは通常モードに移行する。但し、この場合、有利区間は終了しない。
有利区間であって表示モードが通常モードである場合、ATモード移行抽選とともに、CZモード移行抽選が実行される。通常モードにおいてCZモード移行抽選に当選すると、第2CZモードに移行する。
第2CZモードは、継続ゲーム数が8ゲーム~15ゲームに設定されており、当該第2CZモード中も第1CZモードと同様に、高確率でATモードへの移行抽選に当選し得るように設定されている。第2CZモードにおいてATモードへの移行抽選に当選すると、主に前兆モードを介してATモードへの移行が生じる。一方、ATモードへの移行抽選に当選しないまま第2CZモードが終了した場合には、表示モードは通常モードに移行し、更に、有利区間が終了して通常区間に移行する。
ATモードは押し順ベル当選時に第1小役~第6小役に対応する押し順報知が発生するモードであり、多くのメダル増加が期待できるモードである。ATモードに移行して押し順報知が発生するようになると、各押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能となり、そのATモード中の1ゲーム当たりの純増枚数はプラス約8.04枚である。ATモードは、初期ゲーム数を50ゲームとし、上乗せ抽選に当選することでその残りゲーム数の加算処理が行われる。また、第1ATモードよりも第2ATモードの方が上乗せ抽選の当選確率が高く設定されている。ATモードの残りゲーム数が0となるとATモードは終了し、第3CZモードに設定される。
第3CZモードは、継続ゲーム数が25ゲーム~30ゲームに設定されており、当該第3CZモード中も第1CZモードや第2CZモードと同様に、高確率でATモードへの移行抽選に当選し得るように設定されている。第3CZモードにおいてATモードへの移行抽選に当選すると、ATモードへの移行が生じる。一方、ATモードへの移行抽選に当選しないまま第3CZモードが終了した場合には、表示モードは通常モードに移行し、更に、有利区間が終了して通常区間に移行する。
既に説明した通り、CZモードにおいては、各ゲームでCZ用ATモード移行抽選テーブルを利用したATモード移行抽選が実行され、CZ用ATモード移行抽選テーブルは、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもATモード移行当選となりやいように設定されている。また、CZ用ATモード移行抽選テーブルは、CZモードの各ゲームにおいて獲得したポイント値を利用して、ATモード移行抽選の当否を決定する構成としている。そうすると、CZモードにおいて毎ゲームATモード移行抽選が実行される点や、CZモードの各ゲームでポイント値が獲得され得る点からして、長いゲーム数のCZモードに設定されるほど、ATモード移行抽選に当選し易いといえる。つまり、第1CZモードよりも第2CZモードの方がATモード移行抽選に当選し易く、第2CZモードよりも第3CZモードの方がATモード移行抽選に当選し易い。
そうすると、第1CZモードは第2CZモードや第3CZモードよりもATモード移行抽選に当選しくいものの、第2CZモードや第3CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかった場合には有利区間は終了する一方、第1CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかった場合には有利区間は終了しないため、有利区間の継続性といった観点からすると、第1CZモードの方が第2CZモードや第3CZモードよりも遊技者にとって有利となる。
更に、本実施形態では、メダル増加が見込める状態として、ATモードの他に第1BB状態や第2BB状態が設定されている。既に説明した通り、第1BB状態は251枚以上のメダル払出が生じることで終了し、第2BB状態は104枚以上のメダル払出が生じることで終了する状態である。いずれのBB状態においても、ほぼ毎ゲーム共通ベルに当選するように設定されていることから、第1BB状態では200枚(13枚×20ゲーム-3枚×20ゲーム)のメダル増加が見込め、第2BB状態では80枚(13枚×8ゲーム-3枚×8ゲーム)のメダル増加が見込める。
これら第1BBや第2BBに当選した後、第1BB状態や第2BB状態が終了するまでは、ATモードのゲーム数やCZモードのゲーム数のカウントが停止され、押し順報知も発生しないし、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選も実行されないようになる。つまり、ATモードによるメダル増加を目指しつつも、第1BBや第2BBに当選することでもメダル増加が見込める遊技性において、これらATモードと各BB状態とは独立して移行抽選が行われる構成としており、例えば、ATモードへの移行に期待が持てない状況(通常モード)であっても、BB状態へ移行させることへの期待感を持たせることが可能となるし、ATモード中にBB状態へ移行させることで、更なるメダル増加が見込めるようになる、といったように、ATモードとBB状態との連携・連鎖によって遊技の多様化が図られている。
<押し順表示器及び区間表示器の表示とゲームの進行について>
有利区間の開始及び終了と区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示との関係を、図551を参照しながら説明する。
本スロットマシン10では、図551に示すように、有利区間ではない通常区間においては、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は消灯している(点灯していない)。この通常区間においては、押し順報知は行われない。つまり、押し順報知等の指示機能に係る性能を有する有利区間に対し、通常区間は当該指示機能に係る有さない区間といえる。
通常区間において、例えば、第7小役(スイカ)当選等によって有利区間への移行抽選に当選すると、当該当選契機となった遊技結果が成立するゲームで有利区間に移行し、当該ゲームを開始ゲームとして有利区間の実行ゲーム数の計測(有利区間ゲーム数AGのカウント)が開始される。上記のように、有利区間移行時に第1CZモードに設定され、当該第1CZモードにおいて押し順報知が発生し得ることから、有利区間移行ゲーム(第1CZモード移行ゲーム)にて、区間表示器の表示の開始条件が成立したものとして、第8表示用セグメントN8が点灯する。より詳しくは、当該有利区間移行ゲーム(第1CZモード移行ゲーム)の開始時(スタートレバー41の操作時)に、第8表示用セグメントN8が点灯する。
その後、第8表示用セグメントN8が点灯している状況で、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を利用した押し順報知が発生する。この場合、上記のように第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7によって押し順情報(「1」~「6」)の表示がなされ、かかる押し順情報に基づいて、遊技者は押し順を把握することができる。押し順報知において、押し順情報は、当該ゲームにおいてスタートレバー41の操作時に表示が開始され、当該ゲームにおいて第3リール停止ON操作時(最終リールに対応するストップスイッチ42~44を押圧操作したタイミング)にその表示が終了する。かかるゲームが有利区間の最終ゲームではない場合には、第3リール停止ON操作時においては、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7による押し順情報の表示のみ終了し、第8表示用セグメントN8による有利区間の表示は継続される。そして、次ゲーム以降において再度押し順役に当選すると、その押し順役に対応する押し順情報が第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7にて表示される。
有利区間の終了条件が成立すると、有利区間は終了して通常区間に移行する。有利区間の終了条件としては、継続ゲーム数やメダル増加数が上限に達することのほか、本実施形態では、ATモード移行抽選に当選することなく第2CZモードや第3CZモードが終了することも含まれている。有利区間が終了する場合、メダル払出が終了したタイミングで(払出判定処理の後の処理である区間表示第2処理により)、第8表示用セグメントN8が消灯する。なお、最終ゲームにおいてメダル払出が行われない場合には、第3リール停止OFF操作時(最終リールに対応するストップスイッチ42~44の押圧操作を終了したタイミング)に第8表示用セグメントN8が消灯する。
上記のように、有利区間に移行することで押し順報知が発生し得るようになり、その有利区間への移行(特定区間への移行)や当該有利区間の終了が第8表示用セグメントN8により明確に報知される。つまり、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の点灯の有無を確認することで、少なくとも押し順報知による恩恵を享受可能な状況(特定区間、実質増加区間)であることを明確に把握することが可能となっている。このようにすることで、例えば、有利区間において押し順報知による恩恵を享受することでメダル増加が発生しているのか、有利区間ではないのにもかかわらず押し順報知による恩恵を不正に享受することでメダル増加を生じさせる不正行為が行われているのか等を、遊技ホールの管理者等が明確に確認することが可能となる。
その一方で、有利区間において、CZモードのうち、第2CZモードや第3CZモードがATモード移行抽選に当選することなく終了すると、これら第2CZモードや第3CZモードだけではなく有利区間も終了する。そして、有利区間の終了に際して、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が消灯することから、当該有利区間が終了したことを遊技者は明確に把握可能となる。言い換えると、当該第8表示用セグメントN8が消灯することにより、第2CZモードや第3CZモードにおいてATモード移行抽選に当選しなかったことを明確に把握可能となる。
そうすると、第8表示用セグメントN8が消灯したことに基づいて、遊技が終了される場面が多くなる可能性が高くなる。また、第8表示用セグメントN8が消灯している遊技台は、直前の第2CZモードや第3CZモードにてATモード移行抽選に当選しなかったことの目印ともなるため、例えば、前任者の移行抽選の当選を拾う行為も行われにくくなり、いずれにしても当該第8表示用セグメントN8が消灯することは、遊技台の稼働率の低下の原因の一つとなり得る。そこで、本スロットマシン10では、かかる第8表示用セグメントN8の消灯に起因する稼働率の低下を解消する特徴ある構成を備えている。以下、その構成について説明する。
<演出設定処理>
次に、表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図552のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSg2001にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSg2002にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSg2001にて否定判定した場合、又はステップSg2002の処理を実行した後は、ステップSg2003にて、ゲーム開始前のタイミングであるか否かを判定する。ゲーム開始前のタイミングとは、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作やメダル投入口45の操作といった賭数操作が行われたり、再遊技状態設定用処理が行われ得る状態であり、かかるゲーム開始前のタイミングでは、主に主制御装置101からのベット時コマンドに対応する演出を設定する処理を行う。ベット時コマンドとは、賭数操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSg204のBET用処理にてセットされるコマンドである。ステップSg2004では、ベット時コマンドに基づいて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSg2003にて否定判定した場合、又はステップSg2004の処理を実行した後は、ステップSg2005にて、ベット後のゲームの開始タイミングであるか否かを判定する。ゲームの開始タイミングとは、スタートレバー41の操作が有効となっている状態であり、かかるゲームの開始タイミングでは、主制御装置101からの開始時コマンドに対応する演出を設定する処理を行う。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSg311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図531)や区間表示第1処理(図547)にてセットされる前兆コマンド、第1AT当選即報知コマンド、第2AT当選即報知コマンド、第2CZモード開始コマンド、上乗せコマンドや押し順報知コマンド、第1CZモード開始コマンド等がある。ステップSg2006では、これらの開始時コマンドに基づいて開始時演出設定処理を実行する。
ステップSg2005にて否定判定した場合、又はステップSg2006の処理を実行した後は、ステップSg2007にて、各リール32L,32M,32Rが回転中であるか否かを判定する。各リール32L,32M,32Rが回転している場合には、主制御装置101からの各停止操作時コマンドに対応する演出を設定する処理を行う。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図524)のステップSg405にてセットされる停止指令コマンドである。ステップSg2008では、かかる各停止操作時コマンドに基づいて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSg2007にて否定判定した場合、又はステップSg2008の処理を実行した後は、ステップSg2009にて、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止した場合には、主制御装置101からの全停止時コマンドに対応する演出を設定する処理を行う。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図524)のステップSg418にてセットされる入賞結果コマンドの他、入賞結果対応処理(図544)にてセットされるAT開始コマンド、CZ終了コマンド、第1AT当選報知コマンド、第2AT当選報知コマンド、AT終了コマンド、第3CZモード開始コマンド等がある。ステップSg2010では、これらの全停止時コマンドに基づいて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップSg2009にて否定判定した場合、又はステップSg2010の処理を実行した後は、ステップSg2011にて、フラッシュ演出制御用処理を実行する。フラッシュ演出制御用処理は、バックライト装置100を用いたフラッシュ演出を実行するための処理である。
フラッシュ演出制御用処理を実行した後は、ステップSg2012にてその他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSg2012では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSg2012では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、清算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明し、その後、フラッシュ演出制御用処理やベット時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップSg2006の開始時演出設定処理について、図553のフローチャートに基づき説明する。
ステップSg2101では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップSg2102にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSg2103にて、今回のゲームの抽選結果が通常リプBであるか否かを判定する。通常リプBであるゲームにて押し順報知コマンドがセットされる場合とは、第1ATモードの開始ゲームであることを意味し、この場合、ステップSg2104にて第2再遊技入賞に対応する押し順報知演出を行うための設定処理を実行する。
ステップSg2103にて否定判定した場合、ステップSg2105にて今回のゲームの抽選結果が通常リプCであるか否かを判定する。通常リプCであるゲームにて押し順報知コマンドがセットされる場合とは、第2ATモードの開始ゲームであることを意味し、この場合、ステップSg2106にて第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出を行うための設定処理を実行する。
ステップSg2105にて否定判定する場合とは、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であることを意味し、この場合、ステップSg2107にて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップSg2101若しくはステップSg2102にて否定判定した場合、又はステップSg2104、ステップSg2106及びステップSg2107のいずれかの処理を実行した後は、ステップSg2108に進む。ステップSg2108では、今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、スイカ、リプ重複1、リプ重複2、チャンス目重複1、チャンス目重複2、チェリー重複1、チェリー重複2、スイカ重複1、スイカ重複2、単独BB1、単独BB2を特定役として設定している。図534や図535に示す通り、これらの抽選結果のうち各BB当選とならない結果を契機とするATモード移行抽選においては、他の結果の抽選結果を契機とするよりもATモード移行当選となり易いように設定されている。また、これらの抽選結果のうちBB当選となる結果の場合、BB状態への移行が許容される。つまり、今回のゲームの抽選結果がいずれかの特定役である場合、当該結果を契機としてメダルが増加し得るATモードやBB状態への移行に期待できることになる。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップSg2109にて、特定役報知用処理を実行する。特定役報知用処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば、図556(b)に示すように、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
ステップSg2108にて否定判定した場合、又はステップSg2109の処理を実行した後は、ステップSg2110に進む。ステップSg2110では、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合、ステップSg2111にて上乗せ演出の設定処理を実行する。上乗せ演出の設定処理では、ATモードの残りゲーム数の上乗せが行われたことに対応する報知として、当該上乗せされたゲーム数を補助表示部65にて表示する上乗せ演出を実行する。なお、当該上乗せ演出の態様は、当該上乗せが行われたゲームにて行われる態様に限定されず、例えば、当該上乗せが行われたゲームを契機として所定ゲーム数後に上乗せゲーム数の報知が行われる態様が含まれていてもよいし、例えば、ATモードの残りゲーム数が所定数(例えば残り1ゲーム)となった状況で上乗せ演出を実行する所謂後乗せ演出に態様が含まれる構成としてもよい。
ステップSg2110にて否定判定した場合、又はステップSg2111の処理を実行した後は、ステップSg2112にて第1AT当選即報知コマンド又は第2AT当選即報知コマンドを受信しているか否かを判定する。第1AT当選即報知コマンドや第2AT当選即報知コマンドは、ATモード移行抽選に当選した場合であって、即報知抽選に当選した場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。これらのコマンドを受信している場合には、ステップSg2113にて対応するAT当選即報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。AT当選即報知演出は、例えば、図555(a)に示すように、補助表示部65に「AT確定!!」といった文字表示を行うとともに、それに対応する効果音をスピーカ64から出力する。なお、AT当選即報知演出では、受信している即報知コマンドに基づいて、第1AT及び第2ATのいずれに当選しているかを明示する。例えば、第1ATモードに当選している場合と第2ATモードに当選している場合とで、AT当選即報知演出における補助表示部65の背景色を異ならせるなどして、遊技者がいずれのATモードに当選しているかを明確に把握可能とするとよい。なお、第1AT及び第2ATのいずれに当選しているかを明示せず、第1ATに当選していること又は第2ATに当選していることを補助表示部65やスピーカ64等を用いて示唆する構成としてもよい。このようにすることで、AT当選即報知演出後、AT開始ゲームまで、いずれのATに当選しているかを楽しみにする遊技性を抹殺しないようにすることができる。
ステップSg2112にて否定判定した場合、又はステップSg2113の処理を実行した後は、ステップSg2114にて、前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、前兆コマンドは、主制御装置101側のAT抽選用処理(図530)において、ATモード移行抽選に当選した場合であって、即報知抽選に非当選である(ステップSg1105:NO)場合に出力されるコマンドであり、ATモード当選フラグがセットされたことの情報の他、当該ゲーム(ATモード当選フラグがセットされたゲーム)からAT当選報知演出を行うべきゲームまでのゲーム数の情報(前兆カウンタの値)が含まれている。前兆コマンドを受信している場合、ステップSg2115にて前兆演出設定処理を実行する。
前兆演出設定処理では、前兆演出として複数のゲームに亘って継続して実行され得る連続演出を設定する処理を行う。本実施形態における連続演出では、最終ゲームにてATモード移行抽選の当否結果が報知される構成としており、前兆演出設定処理にて設定される連続演出は、当該連続演出の最終ゲームにてATモードの当選報知が実行されるように設定されている。
前兆演出設定処理においては、ATモード移行抽選に当選となった表示モードが第1CZモードではなく、第2CZモードや第3CZモード、通常モード中である場合は、前兆コマンドに含まれる前兆ゲーム数に相当するゲーム数後にATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるように連続演出の設定を行う。既に説明した通り、第2CZモードは8ゲームから15ゲームに亘って継続し、ATモード移行当選時の前兆ゲーム数として13ゲーム~15ゲームが設定されるため、第2CZモードに移行してからATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるまでのゲーム数は13ゲームから30ゲームのうちのいずれかとなる。本実施形態では、第2CZモードに移行した場合には連続演出が開始されるように設定されており、第2CZモードにてATモード移行抽選に当選した場合、当該第2CZモードに移行した際に開始された連続演出の13ゲーム目から30ゲーム目でATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われることになる。また、第3CZモードは25ゲームから30ゲームに亘って継続し、ATモード移行当選時の前兆ゲーム数として、当該第3CZモードの残りゲーム数が前兆ゲーム数として設定される。つまり、第3CZモードに移行してからATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるまでのゲーム数は、25ゲームから30ゲームのうちのいずれかとなる。本実施形態では、第3CZモードに移行した場合にも連続演出が開始されるように設定されており、第3CZモードにてATモード移行抽選に当選した場合、当該第3CZモードに移行した際に開始された連続演出の25ゲーム目から30ゲーム目でATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われることになる。
これに対して、ATモード移行抽選に当選となった表示モードが第1CZモードである場合には、既に連続演出が開始されているか否かを判定し、連続演出が開始されていない場合には、前兆コマンドに含まれる前兆ゲーム数に相当するゲーム数後にATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるように連続演出の設定を行う。第1CZモードは8ゲームから10ゲームに亘って行われること、及び第1CZモードにおいてATモード移行抽選に当選した場合には5ゲームの前兆ゲーム数が設定されることからして、第1CZモードに移行してからATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるまでのゲーム数は、5ゲームから15ゲームのうちのいずれかとなる。また、ATモード移行抽選に当選となった表示モードが第1CZモードであって既に連続演出が開始されている場合には、当該連続演出の残りゲーム数を今回の前兆ゲーム数に設定するための処理を行う。上記の通り、第2CZモードに移行した場合には連続演出が開始されるように設定されており、更に、本実施形態では、第2CZモードがATモード移行抽選に当選しなかった場合、当該連続演出が引き継がれるように設定されている。そのため、上記の第1CZモードにおいてATモード移行抽選に当選した際に既に連続演出が開始されている場合とは、当該第2CZモードの開始時に開始された連続演出が引き継がれたことを意味する。上記の通り、第2CZモードは8ゲームから15ゲームに亘って継続するため、第2CZモードを介して第1CZモードにてATモード移行抽選に当選した場合には、第2CZモードに移行に際して連続演出が開始されてからATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるまでのゲーム数は、通常区間のゲーム数を除くと、13ゲームから30ゲームのうちのいずれかとなる。つまり、第2CZモードを介して第1CZモードにてATモード移行抽選に当選した場合、仮に通常区間を1ゲームとすると、当該第2CZモードの移行に際して開始された連続演出の14ゲーム目から31ゲーム目でATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われることになる。
この場合、特に、第2CZモードの移行に際して開始された連続演出にてATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われる場合において、第1CZモードを介さない場合には当該連続演出の13ゲーム目から30ゲーム目にてATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われ、第1CZモードを介する場合には当該連続演出の14ゲーム目から31ゲーム目にてATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われるようになる。そのため、第2CZモードの移行に際して開始された連続演出において13ゲーム目から30ゲーム目にATモード移行抽選の当否結果の報知(ATモードの当選報知)が行われる場合、第1CZモードを介したか否か、すなわち、有利区間が一旦終了したか否かが、当該連続演出のゲーム数からは判別しにくくなる。そして、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、このようなATモードの当選報知が行われるゲーム数に合わせて、ATモード移行抽選の当否結果として非当選であることの連続演出のゲーム数が設定される。そのため、例えば、第2CZモードにおいて連続演出が開始された場合、連続演出の内容やゲーム数からは当該連続演出中に有利区間が終了したか否かの判断が困難となり、有利区間の終了に際して遊技が終了されにくくなっている。
開始時演出設定処理の説明に戻り、ステップSg2114にて否定判定した場合、又はステップSg2115の処理を実行した後は、ステップSg2116に進む。ステップSg2116では、第1CZモード開始コマンド又は第2CZモード開始コマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのCZモード開始コマンドを受信している場合、ステップSg2117にて、CZモード開始用設定処理を実行する。第1CZモード開始コマンドを受信している場合、連続演出が継続していない場合には、新たな第1CZモード用の演出が開始されるようにし、連続演出が継続している場合には、当該連続演出を継続させる。また、上記の通り、本実施形態では、第2CZモードの開始に際しては連続演出が開始されるようにしており、第2CZモード開始コマンドを受信している場合には、当該CZモード開始用設定処理において、当該第2CZモードの継続ゲーム数とその後に実行され得る第1CZモードの継続ゲーム数との合計数よりも長いゲーム数の連続演出が開始されるように設定する。これにより、ATモード移行抽選に当選することなくCZモードが終了した場合であっても、その後の第1CZモードの開始に際して(有利区間の移行に際して)、連続演出が継続している状況を生じさせることが可能となる。
ステップSg2116にて否定判定した場合、又はステップSg2117の処理を実行した後は、ステップSg2118にて連続演出設定処理を実行する。連続演出設定処理は、上記のように、前兆演出設定処理にて設定された連続演出の各ゲームの演出パターンを設定するための処理である。
その後、ステップSg2119にて、開始時フラッシュ演出用処理を実行し、ステップSg2120にて、その他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップSg2120では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知するための処理等を行う。
<全停止時演出設定処理>
次に、ステップSg2010の全停止時演出設定処理について、図554を参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、第1AT当選報知コマンド、第2AT当選報知コマンド、AT終了コマンド、第3CZモード開始コマンド等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップSg2201では、第1AT当選報知コマンド又は第2AT当選報知コマンドを受信しているか否かを判定する。第1AT当選コマンドや第2AT当選報知コマンドは、ATモード当選フラグがセットされた後、前兆カウンタが0となることで主制御装置101側から出力されるコマンドである。これらのAT当選報知コマンドを受信している場合、ステップSg2202に進み、対応するAT当選報知演出が、次ゲームのベット時演出として補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。AT当選報知演出は、上記のように設定された連続演出の最終ゲームにてATモード移行抽選に当選したことの報知を行った後の演出であり、例えば、連続演出を味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルするバトル演出として設定する場合、当該バトル演出にて味方キャラクタが勝利する演出を連続演出の最終ゲームにて実行した後、次ゲームのベット時に味方キャラクタが喜ぶ演出をAT当選報知演出として設定してもよい。ここで設定されたAT当選報知演出は、次のゲームのベット時演出として、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57を操作したり、メダル投入口45からのメダル投入といった賭数操作が行われた場合に実行される。
ステップSg2201にてAT当選報知コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSg2203に進む。ステップSg2203では、AT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、AT開始コマンドを受信している場合とは、当該ゲームの開始時に第2再遊技や第3再遊技用の押し順報知演出を行っている場合である。この場合、ステップSg2204にて、AT開始演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。AT開始演出は、例えば、図555(b)に示すように、補助表示部65に今回開始するATモードの種類に対応する開始用の再遊技図柄(第1ATモードであれば第2再遊技に対応する「BAR」図柄の斜め揃い(図516(a))等、第2ATモードであれば第3再遊技に対応する「白7」図柄の下段揃い(図516(c))等)とともに、「AT開始!!」といった文字表示を行い、また、それに対応する効果音をスピーカ64から出力する。
ステップSg2203にてAT開始コマンドを受信していない場合には、ステップSg2205にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップSg2206にてAT終了演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。AT終了演出は、例えば、図556(a)に示すように、今回のATモードの継続ゲーム数や今回のATモードで獲得したメダル数を補助表示部65にて表示する。
ステップSg2205にてAT終了コマンドを受信していない場合、ステップSg2207にて第3CZモード開始コマンドを受信しているか否かを判定する。第3CZモード開始コマンドを受信している場合、ステップSg2208にて、第3CZモード用演出開始処理を実行する。第3CZモード用演出開始処理では、今回の第3CZモードの継続ゲーム数(25ゲーム~30ゲーム)に亘って、連続演出が開始されるように設定する。
ステップSg2207にて第3CZモード開始コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSg2209にてCZモード終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合、ステップSg2210にてCZ終了用の演出設定処理を実行する。CZ終了用の演出設定処理では、今回終了するCZモードが第2CZモードである場合は、実行中の連続演出が継続されるように設定する。また、今回終了するCZモードが第1CZモードである場合は、当該第1CZモードが第2CZモードを介した第1CZモードである場合、すなわち、第2CZモードの連続演出を引き継いで第1CZモード中の演出が行われた場合にはそのまま当該連続演出を終了させるようにし、当該第1CZモードが第2CZモードを介していない第1CZモードである場合は、第1CZモードにおいて設定された連続演出を継続させるように設定する。そして、今回終了するCZモードが第3CZモードである場合は、当該第3CZモードにおいて設定された連続演出をそのまま終了させるように設定する。
ステップSg2209にてCZモード終了コマンドを受信していない場合、又は、ステップSg2202、ステップSg2204、ステップSg2206、ステップSg2208及びステップSg2210のいずれかの処理を実行した後は、ステップSg2211にて、今回のゲームの遊技結果の情報(抽選結果及び入賞の有無の情報)と今回のゲームのベット数の情報を一時記憶する処理を実行する。そして、ステップSg2212にて、ゲームの結果としてメダルが払い出される場合の払出音出力用処理を実行し、ステップSg2213にて、停止時フラッシュ演出用処理を実行する。払出音出力用処理や停止時フラッシュ演出用処理については、後に詳細に説明する。その後、ステップSg2214にて、その他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップSg2214では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
上記のように、本実施形態では、通常区間から有利区間移行抽選を経て有利区間に移行し、当該有利区間においてATモード移行抽選に当選することでATモードへの移行が生じて多くのメダル獲得を期待できる遊技性において、ATモードへの移行が主にCZモードを介して生じるようにし、当該CZモードにおいて設定される連続演出のその後の内容が、有利区間の終了によって予測されてしまうことを解消するようにしている。この場合、CZモードに限られず、ATモード移行抽選は各ゲームの抽選結果に応じて実行されるようにしているところ、各ゲームの抽選結果が所謂レア役としての特定役であるとATモード移行当選となり易く、それ以外の結果であるとATモード移行当選となりにくくなるように設定されている。
更に、メダル増加が期待できる状態として、ATモード以外にもBB状態が設定されており、各ゲームの抽選結果が第1BBや第2BB当選となる結果である場合には、対応するBB入賞を経てBB状態に移行する。既に説明した通り、ATモード移行抽選に当選し易い特定役とは、本実施形態では、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカが設定されている。これに対して、第1BBや第2BB当選となる得る結果としては、チャンス目Aと第1BBや第2BBとの重複当選となるチャンス目重複1,2、チェリーAと第1BBや第2BBとの重複当選となるチェリー重複1,2、スイカと第1BBや第2BBとの重複当選となるスイカ重複1,2の他、通常リプAと第1BBや第2BBとの重複当選となるリプ重複1,2、第1BBや第2BBの単独当選となる単独BB1,2が設定されている。
つまり、チャンス目A、チェリーAやスイカに当選した場合、CZモードやATモードへの移行だけではなく、第1BBや第2BB当選へも期待させることが可能となっている。特に、各ゲームの抽選結果が、第1BBや第2BBとの重複当選となる結果の場合、抽選処理(図522)における優先設定処理では、第1BB入賞や第2BB入賞よりも、重複当選となっている各結果(各種再遊技、小役)の入賞が優先して成立するように設定するため、これらの結果の入賞が成立した場合、BBとの重複当選であるか否かが判別しにくく、ATモード等への移行とBB当選との期待感を両立させることができる。
そして、これらチャンス目A、チェリーAやスイカに当選し、CZモードやATモードへの移行抽選に当選した場合、前兆モードを経て当該移行抽選に当選したことの報知が行われる一方、チャンス目A、チェリーA、スイカが第1BBや第2BBとの重複当選であった場合、CZモードやATモードへの移行抽選は行われないものの、次ゲーム以降は持ち越し状態となり第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることが可能となる。そのため、これらの結果当選となった場合には、次ゲーム以降において、先ず、いずれかのBBとの重複当選であることへ期待しながら遊技を行い、重複当選ではなかった場合であっても、CZモードやATモードへの移行抽選に当選していることを前兆モード等の内容から期待させる、といったように、これらの結果を契機として、複数のゲームに亘って遊技への注目度を好適に高めることが可能となっている。
本実施形態では、これらの結果に当選した場合、補助表示部65による特定役報知演出の他に、バックライト100aを用いたフラッシュ演出が行われる。
<フラッシュ演出について>
上記の通り、各リール32L,32M,32Rにはバックライト装置100が設けられており(図517)、フラッシュ演出は、当該バックライト装置100を用いて行われる。先ず、本実施形態におけるフラッシュ演出の演出態様について、図557~図564を参照しながら説明する。
既に説明した通り、バックライト装置100における各バックライト100aは6行、15列の格子状となるように配置されており、それぞれが個別に点灯及び消灯の制御が行われるようになっている。図557に示すように、それぞれのバックライト100aの位置を、バックライト(行、列)となるように、例えば、バックライト(BL1,BR1)といったように表現して説明する。また、中バックライト装置100M、右バックライト装置100Rにおけるバックライト100aの各列については、左バックライト装置100Lにおけるバックライトの各列BR1~BR5から連番となるように符号を付して説明する。
本実施形態におけるフラッシュ演出としては、図558に示すように、フラッシュA~フラッシュGが設定されている。フラッシュ演出A~Gは、遊技者が区別可能な程度にそれぞれバックライトの点灯パターン(点灯態様)が異なるように設定されている。また、フラッシュ演出が行われる演出期間は、フラッシュ演出A~Eは1sec(第1期間)が設定されており、フラッシュ演出F,Gは2sec(第2期間)が設定されている。
フラッシュAは、基本的には外れ結果の場合に選択される外れ対応のフラッシュ演出であり、図559及び図560に示すように、点灯状態となるバックライト100aが左から真ん中へ移動するように発光パターンが設定された演出である。より具体的には、フラッシュAが行われる場合、バックライト(BL3,BR1)及びバックライト(BL4,BR1)が点灯状態となり、次に、バックライト(BL3,BR1)、バックライト(BL3,BR2)、バックライト(BL4,BR1)及びバックライト(BL4,BR2)が点灯状態となり(図559(a))、次に、バックライト(BL3,BR2)、バックライト(BL3,BR3)、バックライト(BL4,BR2)及びバックライト(BL4,BR3)が点灯状態となり、次に、バックライト(BL3,BR3)、バックライト(BL3,BR4)、バックライト(BL4,BR3)及びバックライト(BL4,BR4)が点灯状態となり、次に、バックライト(BL3,BR4)、バックライト(BL3,BR5)、バックライト(BL4,BR4)及びバックライト(BL4,BR5)が点灯状態となる(図559(b))、といったように、点灯状態となるバックライト100aが1列ずつ右にずれていく。
その後、バックライト(BL3,BR6)、バックライト(BL3,BR7)、バックライト(BL4,BR6)及びバックライト(BL4,BR7)が点灯状態となり(図560(a))、バックライト(BL3,BR7)、バックライト(BL3,BR8)、バックライト(BL4,BR7)及びバックライト(BL4,BR8)が点灯状態となり、その後、バックライト(BL2,BR8)、バックライト(BL3,BR7)、バックライト(BL3,BR8)、バックライト(BL3,BR9)、バックライト(BL4,BR7)及びバックライト(BL4,BR8)、バックライト(BL4,BR9)及びバックライト(BL5,BR8)が点灯状態となるように設定されている(図560(b))。
フラッシュ演出Bは、基本的にはチャンス目A~C、チェリーA~C、スイカ(いずれもBBとの重複を含む)の場合に選択されるフラッシュ演出であり、図561(a)に示すように、点灯状態となるバックライト100aがアルファベットのT字様となるように発光パターンが設定された演出である。具体的には、バックライト(BL1,BR1)~バックライト(BL1,BR15)、バックライト(BL2,BR1)~バックライト(BL2,BR15)、バックライト(BL3,BR7)~バックライト(BL3,BR9)、バックライト(BL4,BR7)~バックライト(BL3,BR9)、バックライト(BL5,BR7)~バックライト(BL3,BR9)及びバックライト(BL6,BR7)~バックライト(BL3,BR9)が点灯状態となるように設定されている。
フラッシュ演出Cも、フラッシュBと同様に、基本的にはチャンス目A~C、チェリーA~C、スイカ(いずれもBBとの重複を含む)の場合に選択されるフラッシュ演出であり、図561(b)に示すように、点灯状態となるバックライト100aがアルファベットのL字様となるように発光パターンが設定された演出である。具体的には、バックライト(BL1,BR1)~バックライト(BL1,BR3)、バックライト(BL2,BR1)~バックライト(BL2,BR3)、バックライト(BL3,BR1)~バックライト(BL3,BR3)、バックライト(BL4,BR1)~バックライト(BL4,BR3)、バックライト(BL5,BR1)~バックライト(BL5,BR15)及びバックライト(BL6,BR1)~バックライト(BL6,BR15)が点灯状態となるように設定されている。
フラッシュ演出Dは、基本的には通常リプA~Cの場合に選択されるリプレイ対応のフラッシュ演出であり、図562(a)に示すように、点灯状態となるバックライト100aがアルファベットのI字様となるように発光パターンが設定された演出である。具体的には、バックライト(BL1,BR7)~バックライト(BL1,BR9)、バックライト(BL2,BR7)~バックライト(BL2,BR9)、バックライト(BL3,BR7)~バックライト(BL3,BR9)、バックライト(BL4,BR7)~バックライト(BL4,BR9)、バックライト(BL5,BR7)~バックライト(BL5,BR9)及びバックライト(BL6,BR7)~バックライト(BL6,BR9)が点灯状態となるように設定されている。
フラッシュ演出Eは、基本的にはチャンス目A~C、チェリーA~C(いずれもBBとの重複を含む)の場合に選択されるフラッシュ演出であり、図562(b)に示すように、点灯状態となるバックライト100aがアルファベットのO字様となるように発光パターンが設定された演出である。具体的には、バックライト(BL1,BR1)~バックライト(BL1,BR15)、バックライト(BL2,BR1)~バックライト(BL2,BR15)、バックライト(BL3,BR1)~バックライト(BL3,BR3)、バックライト(BL3,BR13)~バックライト(BL3,BR15)、バックライト(BL4,BR1)~バックライト(BL4,BR3)、バックライト(BL4,BR13)~バックライト(BL4,BR15)、バックライト(BL5,BR1)~バックライト(BL5,BR15)及びバックライト(BL6,BR1)~バックライト(BL6,BR15)が点灯状態となるように設定されている。
フラッシュ演出Fは、基本的にはチャンス目A~C、チェリーA~C、スイカ(いずれもBBとの重複を含む)の場合に選択されるフラッシュ演出であり、図563(a)に示すように、点灯状態となるバックライト100aがアルファベットのV字様となるように発光パターンが設定された演出である。具体的には、バックライト(BL1,BR1)~バックライト(BL1,BR3)、バックライト(BL1,BR13)~バックライト(BL1,BR15)、バックライト(BL2,BR1)~バックライト(BL2,BR4)、バックライト(BL2,BR12)~バックライト(BL2,BR15)、バックライト(BL3,BR3)~バックライト(BL3,BR5)、バックライト(BL3,BR11)~バックライト(BL3,BR13)、バックライト(BL4,BR4)~バックライト(BL4,BR6)、バックライト(BL4,BR10)~バックライト(BL4,BR12)、バックライト(BL5,BR5)~バックライト(BL5,BR5)、バックライト(BL5,BR9)~バックライト(BL5,BR11)、及びバックライト(BL6,BR6)~バックライト(BL6,BR10)が点灯状態となるように設定されている。
フラッシュ演出Gは、基本的にはチャンス目A、チェリーA(いずれもBBとの重複を含む)の場合に選択されるフラッシュ演出であり、図563(b)に示すように、点灯状態となるバックライト100aがアルファベットのV字様が上下逆となるように発光パターンが設定された演出である。具体的には、バックライト(BL1,BR6)~バックライト(BL1,BR10)、バックライト(BL2,BR5)~バックライト(BL2,BR8)、バックライト(BL2,BR9)~バックライト(BL2,BR11)、バックライト(BL3,BR4)~バックライト(BL3,BR6)、バックライト(BL3,BR10)~バックライト(BL3,BR12)、バックライト(BL4,BR3)~バックライト(BL4,BR5)、バックライト(BL4,BR11)~バックライト(BL4,BR13)、バックライト(BL5,BR2)~バックライト(BL5,BR4)、バックライト(BL5,BR12)~バックライト(BL5,BR14)、バックライト(BL6,BR1)~バックライト(BL6,BR4)及びバックライト(BL6,BR13)~バックライト(BL6,BR15)が点灯状態となるように設定されている。
上記のように、フラッシュA~Eは、1secに亘って上記の点灯態様にてバックライト100aが点灯する。これに対して、フラッシュF、Gは、先ず、1secに亘ってフラッシュAのパターンにてバックライト100aが点灯し、その後、1secに亘って上記のV字様又は逆V字様のパターンにてバックライト100aが点灯する。つまり、フラッシュAのパターンにてバックライト100aが点灯した場合、そのままフラッシュ演出が終了する場合と、その後、V字様又は逆V字様のパターンに発展する場合とが設定されている。フラッシュAは外れ結果である場合に選択されるパターンであることからして、フラッシュAが行われた場合には、遊技者は、その後、フラッシュ演出がV字様や逆V字様に発展すること(今回のフラッシュ演出がフラッシュF又はフラッシュG)であることを期待するものと考えられる。
これらのフラッシュ演出は、各ゲームでストップスイッチ42~44による停止操作が行われて、全てのリール32L,32M,32Rが停止した後で実行される。この場合、フラッシュ演出の実行前に、各リール32L,32M,32Rが停止した場合に対応するフロントライトが消灯する消灯演出が実行される場合がある。これらフラッシュ演出のうち、フラッシュA,C,E,F,Gのいずれかのフラッシュ演出が実行される場合には、当該フラッシュ演出の前に必ず消灯演出が実行され、フラッシュB又はフラッシュDのフラッシュ演出が実行される場合には、当該フラッシュ演出の前に消灯演出は実行されない場合があるように設定されている。
消灯演出は、フラッシュ演出が実行されることを事前に予告する予告演出に相当する。例えば、第1停止時に対応するリールのフロントライトが消灯する第1消灯演出(図564(a))、当該第1消灯演出に続けて第2停止時に対応するリールのフロントライトも消灯する第2消灯演出(図564(b))、当該第2消灯演出に続けて第3停止時に対応するリールのフロントライトも消灯する第3消灯演出(図564(c))により構成され、第3消灯演出まで実行されることにより、全ての各リール32L,32M,32Rに対応するフロントライトが消灯することとなり、その後、第3消灯演出に対応するフラッシュ演出が実行されるようになる。これに対して、第1消灯演出は実行されたものの第2消灯演出は行われない場合や、第2消灯演出までは実行されたものの第3消灯演出は実行されない場合には、第3消灯演出に対応するフラッシュ演出は実行されないように設定されている。
第3消灯演出に対応するフラッシュ演出としては、図558に示すように、フラッシュA、フラッシュC、フラッシュE、フラッシュF及びフラッシュGが設定されている。
一方、フラッシュBやフラッシュDについては、消灯演出を伴わない場合や、第1消灯演出や第2消灯演出が対応付けられている。つまり、消灯演出が実行されなかった場合や、消灯演出が実行されたものの、第3消灯演出までは実行されなかった(第1消灯演出や第2消灯演出であった)場合でも、フラッシュB又はフラッシュDが実行される可能性が残されており、遊技者の期待感を維持させることが可能となっている。ちなみに、これらフラッシュBやフラッシュDが行われる場合、全ての各リール32L,32M,32Rが停止してフラッシュBやフラッシュDのフラッシュ演出が開始される際には、全てのフロントライトは消灯状態とされ、当該フラッシュ演出の実行中もフロントライトの消灯状態が維持される。そのため、バックライト100aによる各パターン(T字様やI字様)がフロントライトに照射されることにって識別しにくくなってしまう事象が回避されている。
なお、消灯演出を伴うフラッシュ演出であるフラッシュA,C,E,F,Gが行われる場合には、当該消灯演出後もフロントライトの消灯状態が維持される。そのため、これらフラッシュA,C,E,F,Gにおいても、バックライト100aによる各パターンを識別し易くなるように設定されている。
<フリーズ抽選処理>
上記のフラッシュ演出を実行するための各処理について、以下、説明する。
図565は、本実施形態におけるフリーズ抽選処理を示すフローチャートである。フリーズ抽選処理は、主制御装置101における抽選処理(図522)において実施される処理であり、今回のゲームの抽選(ステップSg304~ステップSg306)を実施した後で実行される処理である(ステップSg309)。本実施形態においては、上記のフラッシュ演出を実行する場合、基本的には、メダルの払い出しや次ゲームの開始操作等の実行が制限されるフリーズ状態に設定されるようになっており、フリーズ抽選処理では、上記のフラッシュ演出を実行することの抽選とともに、実行する場合にはそれに対応するフリーズ状態に設定されるようにするための処理を実行する。
ステップSg2301では、直前の処理の結果に基づいて、今回のゲームの抽選結果を把握する。続くステップSg2302では、各種フラグ格納エリア106dに持ち越しフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、持ち越しフラグは、ボーナス状態処理において、第1BBや第2BBに当選したゲームで当該第1BBや第2BBの入賞が成立しなかった場合にセットされるフラグであり、持ち越し状態(内部状態)であることを示すフラグである。
持ち越しフラグがセットされておらず、今回のゲームは持ち越し状態ではない場合、ステップSg2303にて、通常用フラッシュフリーズ抽選処理を実行する。一方、持ち越しフラグがセットされており、今回のゲームが持ち越し状態である場合、ステップSg2304にて持ち越し用フラッシュフリーズ抽選処理を実行する。ステップSg2303及びステップSg2304の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからフラッシュ演出抽選テーブルを取得し、フラッシュ演出を実行することの抽選、及び、フラッシュ演出を実行する場合のフラッシュ演出の種類を決定する。
図566は、持ち越し状態移行の状態(通常状態)におけるフラッシュフリーズ抽選テーブルを示し、図567は、持ち越し状態におけるフラッシュフリーズ抽選テーブルを示している。本実施形態では、持ち越し状態か否かによって、フラッシュ演出の実行確率(実行し易さ)が異なっており、より詳しくは、持ち越し状態と持ち越し状態移行前の通常状態とでは、ゲームの抽選結果が同じでも、フラッシュ演出の実行確率(実行し易さ)やフラッシュ演出を実行する場合のフラッシュ演出の種類が異なるように設定されている。
具体的には、例えば、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cである場合には、通常状態においては、高確率(100%の確率)でフラッシュ演出抽選に当選し、主にフラッシュDが選択され、低確率でフラッシュEやフラッシュGが選択される一方、フラッシュA、フラッシュB、フラッシュCは選択されない。これに対して、持ち越し状態においては、通常リプA~Cであっても、フラッシュ演出抽選に当選しない場合があり(60%の確率で当選)、更にフラッシュ演出A以外はいずれのフラッシュ演出も選択され得るように設定されている。
また、例えば、今回のゲームの抽選結果がスイカである場合、通常状態においては、高確率ではあるものの一部当選しない場合があり(90%の確率で当選)、主にフラッシュBとフラッシュCが選択され、低確率でフラッシュFが選択される一方、フラッシュA、フラッシュD、フラッシュE、フラッシュGは選択されない。これに対して、持ち越し状態においては、通常状態よりもフラッシュ演出抽選の当選確率が低くなり(50%の確率で当選)、更にフラッシュ演出A及びフラッシュG以外はいずれのフラッシュ演出も選択され得るように設定されている。
通常状態における第1BBや第2BBとの重複役のフラッシュ演出の種類は、重複しない場合のフラッシュ演出の種類と基本的には同じ種類(対応する種類)となるように設定されている。但し、通常状態における第1BBや第2BBとの重複役のフラッシュ演出として、重複しない場合のフラッシュ演出の種類とは異なる種類(対応しない種類)の非対応フラッシュ演出が一部選択されるように設定されている。
具体的には、通常リプAと第1BBや第2BBとの重複役であるリプ重複1やリプ重複2は、高確率(100%の確率)でフラッシュ演出抽選に当選し、基本的には、非重複時と同様に、フラッシュD、フラッシュE、フラッシュGが選択される一方、一部、非対応フラッシュ演出としてフラッシュBやフラッシュCが選択され得るように設定されている。但し、第1BBや第2BBとの重複の有無によって、フラッシュ演出の選択率が異なっており、リプ重複1やリプ重複2の場合の方が非重複の通常リプAよりも、フラッシュGやフラッシュEが選択される確率が高くなるように設定されている。この場合、通常リプAやリプ重複1やリプ重複2を構成する第1再遊技入賞等が成立した場合において、フラッシュGやフラッシュEが実行された場合は、フラッシュDが実行された場合よりも第1BBや第2BBに重複当選している可能性が高くなる。また、第1再遊技入賞等が成立した場合において、非対応フラッシュ演出としてのフラッシュBやフラッシュCが実行された場合には、第1BBや第2BBに重複当選していることが確定する。
また、スイカと第1BBや第2BBとの重複役であるスイカ重複1やスイカ重複2は、高確率ではあるものの一部当選しない場合があり(90%の確率で当選)、基本的には、非重複時と同様に、フラッシュB、フラッシュC、フラッシュFが選択される一方、一部、非対応フラッシュ演出としてフラッシュDが選択され得るように設定されている。但し、第1BBや第2BBとの重複の有無によって、フラッシュ演出の選択率が異なっており、スイカ重複1やスイカ重複2の場合の方がスイカよりも、フラッシュFやフラッシュCが選択される確率が高くなるように設定されている。この場合、スイカやスイカ重複1やスイカ重複2を構成する第7小役入賞や第8小役入賞が成立した場合において、フラッシュFやフラッシュCが実行された場合は、フラッシュBが実行された場合よりも第1BBや第2BBに重複当選している可能性が高くなる。また、第7小役入賞や第8小役入賞が成立した場合において、非対応フラッシュ演出としてのフラッシュDが実行された場合には、第1BBや第2BBに重複当選していることが確定する。
このように、今回のゲームの抽選結果と、選択されるフラッシュ演出の種類やフラッシュ演出の実行の有無と、の関係によって第1BBや第2BBとの重複への期待感を高め、各ゲームの興趣が好適に高められている。
ステップSg2303又はステップSg2304にてフラッシュフリーズ抽選処理を実行した後は、ステップSg2305にて、直前のフラッシュフリーズ抽選処理の結果がフラッシュ演出を実行することに対応する結果であったか否かを判定する。フラッシュ演出を実行することに対応する結果である場合、ステップSg2306にて、選択されたフラッシュ演出の種類を把握して、フラッシュ演出を実行する期間、すなわち、フリーズ期間が1.0sec(第1期間)に対応するものであるか否かを判定する。ステップSg2306では、フラッシュ演出の種類が、フラッシュA~Eのいずれかである場合は肯定判定し、フラッシュF又はフラッシュGの場合には否定判定する(図566、図567)。
フリーズ期間が1.0secである場合、ステップSg2307にて各種フラグ格納エリア106dに第1フラッシュフリーズフラグをセットする処理を実行する。一方、フリーズ期間が1.0secとは異なり1.0secよりも長い2.0sec(第2期間)である場合(フラッシュF又はフラッシュGである場合)、ステップSg2308にて各種フラグ格納エリア106dに第2フラッシュフリーズフラグをセットする処理を実行する。これら各フラッシュフリーズフラグは、今回のゲームでフラッシュ演出を実行すること、及びその種類をCPU102が把握するためのフラグであり、これらのフラグをセットすることにより、フラッシュ演出が実行されるようになるとともに、当該フラッシュ演出中は、遊技進行が中断するフリーズ期間に設定されるようになる。
ステップSg2307又はステップSg2308の処理を実行した後は、ステップSg2309にてフラッシュ演出の種類を把握したうえで、ステップSg2310にてフラッシュ演出に対応するフラッシュコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。具体的には、フラッシュAを実行する場合にはフラッシュAコマンドをセットし、フラッシュBを実行する場合にはフラッシュBコマンドをセットし、フラッシュCを実行する場合にはフラッシュCコマンドをセットし、フラッシュDを実行する場合にはフラッシュDコマンドをセットし、フラッシュEを実行する場合にはフラッシュEコマンドをセットし、フラッシュFを実行する場合にはフラッシュFコマンドをセットし、フラッシュGを実行する場合にはフラッシュGコマンドをセットする。表示制御装置81では、これらのフラッシュコマンドを受信することにより、フラッシュ演出を実行することを把握するとともに、そのフラッシュコマンドに応じたフラッシュ演出が行われるように、フロントライトやバックライト装置100を制御する。
ステップSg2305にて否定判定した場合、又はステップSg2310の処理を実行した後は、ステップSg2311にてその他のフリーズ抽選処理を実行してから、本フリーズ抽選処理を終了する。ステップSg2311では、例えば、今回のゲームの各リール32L,32M,32Rの回転を所定期間に亘って制限する開始時フリーズ演出用の処理を実行したりする。
<フラッシュ待機用処理>
次に、リール制御処理(図524)におけるステップSg413にて実行されるフラッシュ待機用処理について、図568のフローチャートを参照しながら説明する。上記のように、本実施形態では、各リール32L,32M,32Rの回転が停止した後、フラッシュ演出用にフリーズ期間が設けられており、フラッシュ待機用処理は、当該回転停止後のフリーズ期間を管理するための処理である。
ステップSg2401では、上記第1フラッシュフリーズフラグ又は第2フラッシュフリーズフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップSg2402に進み、セットされているフラグが第1フラッシュフリーズフラグであるか否かを判定する。第1フラッシュフリーズフラグである場合、ステップSg2403にて、各種カウンタエリア106eに設けられたフラッシュフリーズカウンタに1.0secに対応する数値情報(671)を入力する処理を実行する。フラッシュフリーズカウンタは、タイマ割込み処理が1回起動される度に1ずつ減算されて更新されるカウンタである。また、ステップSg2402にて第2フラッシュフリーズフラグがセットされていると判定した場合には、ステップSg2404にてフラッシュフリーズカウンタに2.0secに対応する数値情報(1342)を入力する処理を実行する。
ステップSg2403又はステップSg2404の処理を実行した後は、ステップSg2405にて操作無効処理を実行する。操作無効処理では、スロットマシン10の各操作部として、第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、清算スイッチ59、スタートレバー41が操作されても、その操作を受け付けない(無効化する)ようにする処理を実行する。すなわち、ステップSg2405の処理が行われることにより、フリーズ状態の設定が行われることになる。ちなみに、ステップSg2405では、各ストップスイッチ42~44の操作を無効化する処理は行わない。これは、本処理が実行されるタイミングが全てのリール32L,32M,32Rが停止した後のタイミングであり、上記第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、清算スイッチ59、スタートレバー41の操作を無効化することで各リール32L,32M,32Rの回転は開始されないことを理由とするものである。つまり、もともと有効化されないストップスイッチ42~44の操作については無効化しないようにすることで、処理構成の簡素化が図られている。
ステップSg2401にて否定判定した場合、又はステップSg2405の処理を実行した後は、ステップSg2406にて上記のフラッシュフリーズカウンタが0となるまで待機する。そして、フラッシュフリーズカウンタに入力された数値情報に対応する期間が経過して、フラッシュフリーズカウンタが0となることで、ステップSg2406にて肯定判定することになる。ちなみに、ステップSg2401にて否定判定した場合には、そのままステップSg2406にて肯定判定する。
ステップSg2406にて肯定判定した場合、ステップSg2407にて操作無効解除処理を実行する。操作無効解除処理は、上記ステップSg2405にて実行した操作無効処理によって無効化された操作部の操作を受け付けない状態から受け付ける(受付可能な)状態に復帰させる処理である。すなわち、ステップSg2407の処理が実行されることにより、フリーズ状態が解除されることになる。
そして、ステップSg2408にて、セットされているフラッシュフリーズフラグをクリアしてから、本フラッシュ待機用処理を終了する。なお、フラッシュフリーズフラグがセットされていない場合には、その状態を維持して本フラッシュ待機用処理を終了する。
<フラッシュ演出制御用処理>
次に、表示制御装置81側のフラッシュ演出制御用処理について、図569のフローチャートを参照しながら説明する。フラッシュ演出制御用処理は、演出設定処理(図552)におけるステップSg2011にて実行される処理であり、所定周期(2.0msec)で起動される処理である。
ステップSg2501では、現状、フラッシュ演出を実行中であるか否かを判定する。フラッシュ演出を実行していない場合、ステップSg2502にて、各種フラグ格納エリア183aに特別フラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。特別フラッシュフラグは、前ゲームで所定のフラッシュ演出を実行したことを示すフラグである。特別フラッシュフラグがセットされておらず、前ゲームでは所定のフラッシュ演出を実行していない等の場合、ステップSg2503にて、主制御装置101からいずれかのフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。上記のように、フラッシュコマンドは、ゲームの開始に際して実行されるフリーズ抽選処理にて出力されるコマンドである。つまり、ステップSg2503にて肯定判定する場合とは、各ゲームの開始タイミング(スタートレバー41の操作タイミング)であることを意味する。ステップSg2503にていずれのフラッシュコマンドも受信していない場合には、そのまま本フラッシュ演出制御用処理を終了する。いずれかのフラッシュコマンドを受信している場合には、ステップSg2504にて、通常フラッシュ設定処理を実行してから、フラッシュ演出制御用処理を終了する。一方、ステップSg2502にて特別フラッシュフラグがセットされており、前ゲームで所定のフラッシュ演出を実行していた場合、ステップSg2505にて、ゲームの開始タイミングであるか否かを、例えば、スタートレバー41の操作に基づく抽選結果コマンドを受信しているかによって判定する。ゲームの開始タイミングではない場合には、そのままフラッシュ演出制御用処理を終了する。一方、特別フラッシュフラグがセットされており、ゲームの開始タイミングである場合には、ステップSg2506にて特別フラッシュ設定処理を実行してから、フラッシュ演出制御用処理を終了する。
<通常フラッシュ設定処理>
ステップSg2504の通常フラッシュ設定処理について、図570のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSg2601では、受信しているフラッシュコマンドに対応するフラッシュパターンデータを、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。フラッシュパターンデータは、図571に示すように、各フラッシュ演出に応じてそれぞれパターンデータが設けられている。例えば、フラッシュA用のパターンデータでは、消灯演出用のパターンデータと、フラッシュ演出用のパターンデータが設定されており、消灯演出用のパターンデータとしては、第1停止操作時に、停止させるリールに対応するフロントライト(第1FL)を消灯させ、第2停止操作時に、停止させるリールに対応するフロントライト(第2FL)を消灯させ、第3停止操作時に、停止させるリールに対応するフロントライト(第3FL)を消灯させる。そして、第3停止後、TC1のタイミングにおいて点灯させる(消灯させる)バックライト100aのマトリクスデータとしてFAD(1)が設定されており、TC2のタイミングにおいて点灯させる(消灯させる)バックライト100aのマトリクスデータとしてFAD(2)が設定されており、、、、といったように、1.0sec分のバックライト100aのマトリクスデータが設定されている。
なお、FAD(1)の具体的なマトリクスデータとしては、(BL3,BR1)、(BL4,BR1)、(BL3,BR2)、(BL4,BR2)を点灯させ、それ以外は消灯させるようにするデータが設定されており、FAD(2)の具体的なマトリクスデータとしては、(BL3,BR2)、(BL4,BR2)、(BL3,BR3)、(BL4,BR3)を点灯させ、それ以外は消灯させるようにするデータが設定されており、点灯するバックライトが左から右に移動するように設定されている(図559及び図560参照)。
同様に、フラッシュB~フラッシュE用のパターンデータについても、消灯演出用のパターンデータと、フラッシュ演出用のパターンデータとが設定されている。フラッシュB~フラッシュE用のフラッシュ演出用のパターンデータは、各タイミングで点灯・消灯させるバックライト100aのマトリクスデータがフラッシュA用のものと異なるだけで、そのトータルの長さは同じである(1.0sec)。フラッシュ演出B及びフラッシュDにおける消灯演出は、消灯無し、第1消灯及び第2消灯のいずれかが選択される(第3消灯は選択されない)ため、消灯演出用のパターンデータもそれぞれのパターンでいずれのフロントライトを消灯させるかが異なるように設定されている。なお、いずれの消灯演出を選択するかは、ステップSg2601にて抽選にて決定する。つまり、ステップSg2601では、今回のフラッシュ演出がフラッシュB又はフラッシュDである場合、消灯演出のパターンを抽選により決定し、その決定したパターンに応じたパターンデータを取得する処理を実行する。
フラッシュF及びフラッシュG用のパターンデータについても、消灯演出用のパターンデータと、フラッシュ演出用のパターンデータとが設定されている。但し、これらのフラッシュ演出については、フラッシュ演出用のパターンデータは、各タイミングで点灯・消灯させるバックライト100aのマトリクスデータが異なるだけではなく、そのトータルの長さはフラッシュA~フラッシュEのものよりも長くなるように設定されている(2.0sec)。なお、フラッシュF及びフラッシュDにおけるTCx(1.0sec)までのバックライト100aのマトリクスデータは、フラッシュA用のフラッシュ演出用のパターンデータと同様である。
ステップSg2601にて今回のフラッシュ演出用のパターンデータを取得した後は、ステップSg2602にて当該取得したパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行する。なお、表示制御装置81のCPU181では、周期的(例えば2.0msec)に起動される処理(例えば演出設定処理のその他の処理)において演出更新タイミングであることの確認を行っており、当該演出更新タイミングである場合に、上記のパターンデータから消灯演出のデータやフラッシュ演出のマトリクスデータを取得して、対応する装置(フロントライトやバックライト100a)の制御を実行する。
続くステップSg2603では、今回設定したフラッシュ演出がフラッシュA又はフラッシュDであるか否かを判定する。上記のように、フラッシュAは、基本的には外れ結果に対応し、フラッシュDは、基本的には通常リプA~Cに対応する演出である。これらのフラッシュ演出である場合には、そのまま通常フラッシュ設定処理を終了する。一方、これらのフラッシュ演出以外のフラッシュ演出である場合、ステップSg2604~ステップSg2605にて、特別フラッシュ演出用の設定処理を実行する。
上記のように、本実施形態では、所定のフラッシュ演出を実行した次のゲームでは、特別フラッシュ設定処理にてフラッシュ演出が設定される(ステップSg2502、ステップSg2506)。ステップSg2604~ステップSg2605の処理は、次のゲームにおける特別フラッシュ設定処理を実行するために、今回のゲームでフラッシュ演出を実行したことの情報等を一時記憶するための処理である。
すなわち、ステップSg2604では、今回のフラッシュ演出の種類を上記一時記憶領域に記憶する処理を実行する。そして、ステップSg2605にて、各種フラグ格納エリア183aに特別フラッシュフラグをセットする処理を実行してから、本通常フラッシュ設定処理を終了する。
なお、今回のゲームの抽選結果や、今回のゲームの入賞結果については、全停止時演出設定処理(図554)における、停止時フラッシュ演出用処理(ステップSg2213)にて一時記憶される。停止時フラッシュ演出用処理では、図572のフローチャートに示すように、ステップSg2701にて、特別フラッシュフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSg2702にて今回のゲームの抽選結果を一時記憶領域に記憶する処理を実行する。そして、ステップSg2703にて今回のゲームの入賞結果(取りこぼしの有無や停止出目)を記憶する処理を実行してから、停止時フラッシュ演出用処理を終了する。ステップSg2701にて特別フラッシュフラグがセットされていない場合には、そのまま本停止時フラッシュ演出用処理を終了する。
<特別フラッシュ設定処理>
次に、ステップSg2506の特別フラッシュ設定処理について、図573のフローチャートを参照しながら説明する。上記のように、特別フラッシュ設定処理は、前ゲームでセットされた特別フラッシュフラグに基づいて実行される処理であり、主制御装置101側のフラッシュコマンドを受信することなく実行される処理である。特別フラッシュ設定処理では、今回のゲームの抽選結果に加えて、前回のゲーム(特別フラッシュフラグがセットされる契機となったゲーム)の抽選結果や入賞結果、フラッシュ演出の実行の有無やその種類によって、今回のゲームにてフラッシュ演出が実行されるように設定する処理を行う。
具体的には、ステップSg2801では、今回のゲームがBB状態であるか否かを判定する。BB状態ではない場合、ステップSg2802にて、前回のゲームのいずれかのBBに当選したか否かを判定する。いずれのBBにも当選していない場合には、ステップSg2803に進み、前回のゲームで取りこぼしが発生したか否かを判定する。具体的には、スイカに当選した場合には、第7小役や第8小役入賞が成立可能となるものの、スイカに当選したのにもかかわらず、これら第7小役や第8小役入賞が成立しなかった場合には、取りこぼしが発生したとして、ステップSg2803にて肯定判定することになる。また、例えば、スイカ重複1に当選した場合には、第7小役や第8小役に加えて第1BB入賞もが成立可能となるものの、スイカ重複1に当選したのにもかかわらず、これら第7小役や第8小役だけでなく第1BB入賞も成立しなかった場合には、取りこぼしが発生したとして、ステップSg2803にて肯定判定することになる。
ステップSg2803にて否定判定した場合、ステップSg2804に進む。ステップSg2804では、今回のゲームの抽選結果コマンドに基づき、今回のゲームでいずれかのBBに当選したか否かを判定する。BBとの各種重複結果や単独BB当選ではなくいずれのBBにも当選していない場合、ステップSg2805に進む。ステップSg2805では、今回のゲームの抽選結果はいずれかの特定役であるか否かを判定する。特定役とは、上記の通り、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、上記ステップSg2805にて肯定判定する特定役とは、BBとの重複役を除いて、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカのいずれかの結果である。ちなみに、これらの特定役である場合には、いずれかのフラッシュ演出が実行される可能性が高いものの(図566)、上記の通り、特別フラッシュ設定処理は、主制御装置101側からのフラッシュコマンドとは関係なく実行されるため、本実施形態では、主制御装置101側から出力されているフラッシュコマンドとは対応しないフラッシュ演出が実行される場合があるように設定されている。
ステップSg2805にて特定役ではないと判定した場合には、ステップSg2806にて今回のゲームの抽選結果が、押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選ではなく、今回のゲームの抽選結果が外れ結果や通常リプA~Cである場合には、ステップSg2807にて第1特別設定処理を実行する。
一方、ステップSg2805にて今回のゲームの抽選結果がいずれかの特定役であると判定した場合は、ステップSg2808にて第2特別設定処理を実行する。また、ステップSg2804にて、前回のゲームではBB当選していないものの、今回のゲームでBB当選したと判定した場合には、ステップSg2809にて第3特別設定処理を実行する。
ステップSg2803にて前ゲームで取りこぼしが生じていたと判定した場合、ステップSg2810に進み、今回のゲームでいずれかのBBに当選したか否かを判定する。ステップSg2810の処理は、上記ステップSg2804の処理と同様である。今回のゲームでいずれかのBBに当選している場合、ステップSg2804の場合と同様に、ステップSg2809にて第3特別設定処理を実行する。
一方、ステップSg2810にて今回のゲームでいずれのBBにも当選していないと判定した場合、ステップSg2811にて、ステップSg2805と同様に、今回のゲームの抽選結果がいずれかの特定役であるか否かを判定する。特定役当選ではない場合、ステップSg2812にて、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であるか否かを判定する。外れ結果である場合には、ステップSg2813にて第4特別設定処理を実行する。
ステップSg2811にて、今回のゲームの抽選結果がいずれかの特定役である場合、ステップSg2814にて第5特別設定処理を実行する。また、ステップSg2802にて前回のゲームでいずれかのBBに当選していると判定した場合、ステップSg2815にて第6特別設定処理を実行する。
ステップSg2801にてBB状態であると判定した場合や、ステップSg2806にて今回のゲームの抽選結果が押し順ベルであると判定した場合、ステップSg2812にて否定判定した場合、又は、ステップSg2807~ステップSg2809及びステップSg2813~ステップSg2815のいずれかの処理を実行した後は、ステップSg2816にて特別フラッシュフラグをクリアする処理を実行してから、本特別フラッシュ設定処理を終了する。
以下、第1特別設定処理~第6特別設定処理について、それぞれ説明する。
<第1特別設定処理>
先ず、第1特別設定処理について、図574のフローチャートを参照しながら説明する。第1特別設定処理は、前ゲームでBBに当選しておらず、取りこぼしも生じておらず、更に、今回のゲームでもBBに当選しておらず、今回のゲームの抽選結果が特定役や押し順ベルではない場合、すなわち、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cや外れ結果である場合に実行される処理である。既に説明した通り、通常リプA~Cである場合、通常フラッシュ設定処理においては主にフラッシュDが選択され、一部、フラッシュEやフラッシュGが選択される。また、外れ結果である場合、通常フラッシュ設定処理においてはフラッシュAが選択される。
ステップSg2901では、今回のゲームの開始時に、いずれかのフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのフラッシュコマンドを受信している場合には、ステップSg2902にて対応するフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg2903にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第1特別設定処理を終了する。これらステップSg2902及びステップSg2903の処理は、上記ステップSg2601及びステップSg2602の処理と同様である。つまり、この場合は、主制御装置101側で決定されたフラッシュ演出がそのまま実行されるようになる。
一方、ステップSg2901にて否定判定し、今回のゲームでフラッシュコマンドを受信していない場合、ステップSg2904に進む。本実施形態では、上記のように、通常リプA~通常リプCでは必ずフラッシュ演出が発生するように設定されていることから、ステップSg2901にて否定判定する場合とは、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であり、且つ、主制御装置101側の処理では、フラッシュ演出を発生させないと決定された場合である。この場合、ステップSg2904では、前回のフラッシュ演出の種類が、フラッシュBであったか否かを判定する。フラッシュBであった場合には、そのまま本第1特別設定処理を終了する。この場合、今回のゲームではフラッシュ演出は発生しない。
特別フラッシュ演出の実行対象(実行契機)となるフラッシュ演出(フラッシュA及びフラッシュD以外)のうち、フラッシュBは、比較的、BB当選の期待度が低くなるように設定されたフラッシュ演出である(図566)。つまり、前回ゲームのフラッシュ演出が、低期待度のフラッシュ演出であり、更に今回のゲームの抽選結果が外れ結果である場合には、今回のゲームで主制御装置101側のフラッシュ演出の実行決定がなされていなければ、表示制御装置81側においてもフラッシュ演出は実行しないと決定される。
これに対して、ステップSg2904にて否定判定し、前回のゲームのフラッシュ演出がフラッシュB以外であった場合は、ステップSg2905に進む。ステップSg2905では、各種フラグ格納エリア183aにサブフラッシュフラグをセットする処理を実行する。サブフラッシュフラグは、主制御装置101側ではなく表示制御装置81側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされ、当該フラッシュ演出が行われている状況であることをCPU181が把握するためのフラグである。
なお、以下の説明では、主制御装置101側ではなく表示制御装置81側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合の当該フラッシュ演出を、サブ側フラッシュ演出とも称し、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされ、当該フラッシュ演出がそのまま実行される場合のフラッシュ演出を主側フラッシュ演出とも称して説明を行う。
その後、ステップSg2906にてフラッシュA用のフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行し、ステップSg2907にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第1特別設定処理を終了する。この場合、今回のゲームでフラッシュAのフラッシュ演出が実行されるようになり、当該フラッシュ演出はサブ側フラッシュ演出である。
<第2特別設定処理>
次に、第2特別設定処理について、図575のフローチャートを参照しながら説明する。第2特別設定処理は、前ゲームでBBに当選しておらず、取りこぼしも生じておらず、更に、今回のゲームでもBBに当選しておらず、今回のゲームの抽選結果が特定役である場合に実行される処理である。既に説明した通り、特定役である場合、通常フラッシュ設定処理においては、特定役の種類に応じてフラッシュB、フラッシュC、フラッシュE、フラッシュF及びフラッシュGのいずれかが選択される。
ステップSg3001では、前回のフラッシュ演出の種類が、低期待度のフラッシュBであったか否かを判定する。フラッシュBであった場合には、ステップSg3002に進み、今回のゲームの開始時に、いずれかのフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのフラッシュコマンドを受信している場合には、ステップSg3003にて対応するフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3004にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第2特別設定処理を終了する。これらステップSg3003及びステップSg3004の処理は、上記ステップSg2601及びステップSg2602の処理と同様である。つまりこの場合は、主制御装置101側で決定されたフラッシュ演出がそのまま実行され、実行されるフラッシュ演出は主側フラッシュ演出である。
一方、ステップSg3002にて否定判定し、主制御装置101側からフラッシュコマンドを受信していない場合には、そのまま本第2特別設定処理を終了する。すなわち、前回ゲームのフラッシュ演出が、低期待度のフラッシュ演出であり、更に今回のゲームの抽選結果がいずれかの特定役であっても、主制御装置101側でフラッシュ演出の実行決定がなされていなければ、表示制御装置81側においてもフラッシュ演出は実行しないと決定される。
ステップSg3001にて否定判定し、前回のゲームのフラッシュ演出の種類がフラッシュB以外(フラッシュA,フラッシュB及びフラッシュD以外)である場合、ステップSg3005に進む。ステップSg3005では、前回のゲームのフラッシュ演出はフラッシュF又はフラッシュGであったか否かを判定する。
特別フラッシュ演出の実行対象(実行契機)となるフラッシュ演出(フラッシュA及びフラッシュD以外)のうち、フラッシュF及びフラッシュGは、比較的、BB当選の期待度が高くなるように設定されたフラッシュ演出である(図566)。
フラッシュF及びフラッシュG以外のフラッシュ演出であった場合、ステップSg3006に進み、今回のゲームの開始時に、フラッシュC、フラッシュE、フラッシュF、フラッシュG用のフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。これらのフラッシュコマンドを受信している場合には、ステップSg3007にて対応するフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3008にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第2特別設定処理を終了する。これらステップSg3007及びステップSg3008の処理は、上記ステップSg2601及びステップSg2602の処理と同様である。つまり、この場合は、主制御装置101側で決定された主側フラッシュ演出がそのまま実行されるようになる。
一方、ステップSg3006にて否定判定し、今回のゲームの開始時に、フラッシュC、フラッシュE、フラッシュF、フラッシュG用のフラッシュコマンドを受信しておらず、今回のゲームの開始時にフラッシュB用のフラッシュコマンドを受信している場合や、いずれのフラッシュコマンドも受信していない場合には、ステップSg3009に進む。ステップSg3009では、各種フラグ格納エリア183aにサブフラッシュフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSg3010にてフラッシュC用のフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行し、ステップSg3011にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第2特別設定処理を終了する。この場合、今回のゲームでフラッシュCのサブ側フラッシュ演出が実行されるようになる。
ステップSg3005にて肯定判定し、前回のゲームのフラッシュ演出が高期待度のフラッシュF又はフラッシュGであった場合、ステップSg3012に進む。ステップSg3012では、今回のゲームの開始時に、フラッシュF、フラッシュG用のフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。これらのフラッシュコマンドを受信している場合には、ステップSg3013にて対応するフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3014にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第2特別設定処理を終了する。これらステップSg3013及びステップSg3014の処理は、上記ステップSg2601及びステップSg2602の処理と同様である。つまり、この場合は、主制御装置101側で決定された主側フラッシュ演出がそのまま実行されるようになる。
一方、ステップSg3012にて否定判定し、今回のゲームの開始時に、フラッシュF、フラッシュG用のフラッシュコマンドを受信しておらず、今回のゲームの開始時にフラッシュB、フラッシュC、フラッシュE用のフラッシュコマンドを受信している場合や、いずれのフラッシュコマンドも受信していない場合には、ステップSg3015に進む。ステップSg3015では、各種フラグ格納エリア183aにサブフラッシュフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSg3016にてフラッシュF用のフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行し、ステップSg3017にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第2特別設定処理を終了する。この場合、今回のゲームでは、BB当選に期待が持てるフラッシュFのサブ側フラッシュ演出が実行されるようになる。
つまり、前回のゲームで低期待度のフラッシュBが実行された場合であって、今回のゲームの抽選結果が特定役である場合は、主制御装置101側のフラッシュ演出の決定に従ってフラッシュ演出が実行される。この場合、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行しないことの決定がなされている場合には、今回のゲームではフラッシュ演出は実行されない。
一方、前回のゲームで中期待度のフラッシュCやフラッシュEが実行された場合であって、今回のゲームの抽選結果が特定役である場合は、主制御装置101側で低期待度のフラッシュBの実行決定がなされた場合やフラッシュ演出の実行決定がなされなかった場合を除いて、主制御装置101側のフラッシュ演出の決定に従ってフラッシュ演出が実行されるようになる。そして、主制御装置101側で低期待度のフラッシュBの実行決定がなされた場合やフラッシュ演出の実行決定がなされなかった場合は、表示制御装置81側で中期待度のフラッシュCの実行決定がなされ、当該フラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出として実行されるようになる。つまりこの場合、前回のゲームで中期待度のフラッシュ演出が実行された場合であって、今回のゲームの抽選結果が特定役である場合は、主制御装置101側の決定に関わらずフラッシュ演出は実行されるようになり、更に、低期待度のフラッシュ演出の実行が制限され、前回のゲームでのフラッシュ演出の期待度(BB当選の期待度)よりも低い期待度のフラッシュ演出は実行されないようになる。
更に、前回のゲームで高期待度のフラッシュFやフラッシュGが実行された場合であって、今回のゲームの抽選結果が特定役である場合、主制御装置101側で低期待度のフラッシュBや中期待度のフラッシュC、フラッシュEの実行決定がなされた場合やフラッシュ演出の実行決定がなされなかった場合を除いて、主制御装置101側のフラッシュ演出の決定に従ってフラッシュ演出が実行されるようになる。そして、主制御装置101側で低期待度のフラッシュBや中期待度のフラッシュC、フラッシュEの実行決定がなされた場合やフラッシュ演出の実行決定がなされなかった場合は、表示制御装置81側で高期待度のフラッシュFの実行決定がなされ、当該フラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出として実行されるようになる。つまりこの場合、前回のゲームで高期待度のフラッシュ演出が実行された場合であって、今回のゲームの抽選結果が特定役である場合は、主制御装置101側の決定に関わらずフラッシュ演出は実行されるようになり、更に、低期待度や中期待度のフラッシュ演出の実行が制限され、前回のゲームでのフラッシュ演出の期待度(BB当選の期待度)よりも低い期待度のフラッシュ演出は実行されないようになる。
<第3特別設定処理>
次に、第3特別設定処理について、図576のフローチャートを参照しながら説明する。第3特別設定処理は、前回のゲームでBBに当選していなかったものの、今回のゲームの抽選結果がいずれかのBB当選である場合に実行される処理である。
ステップSg3101では、前回のフラッシュ演出の種類が、低期待度のフラッシュBであったか否かを判定する。フラッシュBであった場合には、ステップSg3102に進み、今回のゲームの開始時に、いずれかのフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのフラッシュコマンドを受信している場合には、ステップSg3103にて、受信しているフラッシュコマンドが非対応フラッシュ演出に対応するものであるか否かを判定する。既に説明した通り、各BBとの重複当選時に選択されるフラッシュ演出として、非重複時に選択され得ない非対応フラッシュ演出が設定されている。具体的には、リプ重複1,2当選時に選択され得るフラッシュBやフラッシュC、チャンス目重複1,2、チェリー重複1,2及びスイカ重複1,2当選時に選択され得るフラッシュDが非対応フラッシュ演出である(図566)。これらの非対応フラッシュ演出のフラッシュコマンドを受信している場合、ステップSg3104に各種フラグ格納エリア183aに確定フラッシュフラグをセットする処理を実行する。確定フラッシュフラグは、今回のフラッシュ演出を終了する際に、確定表示部35を点灯状態とすることによる確定演出を実行するためのフラグである。
ステップSg3103にて否定判定した場合、又はステップSg3104の処理を実行した後は、ステップSg3105にて、受信しているフラッシュコマンド対応するフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3106にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第3特別設定処理を終了する。これらステップSg3105及びステップSg3106の処理は、上記ステップSg2601及びステップSg2602の処理と同様である。つまり、この場合は、主制御装置101側で決定された主側フラッシュ演出がそのまま実行されるようになる。
ステップSg3102にて、いずれのフラッシュコマンドも受信していない場合、そのまま第3特別設定処理を終了する。この場合、フラッシュ演出は実行されない。
また、本実施形態における通常フラッシュ設定処理では、上記の非対応フラッシュ演出を実行する場合であっても確定フラッシュフラグをセットせず、特別フラッシュ設定処理では非対応フラッシュ演出を実行する場合には確定フラッシュフラグをセットするようにしている。このようにすることで、非対応フラッシュ演出が実行される場合であっても、確定表示部35が点灯状態とされる場合と点灯状態とされない場合とがあるようになり、フラッシュ演出への注目度を好適に高めることが可能となる。更に、特別フラッシュ設定処理によって連続するゲームでフラッシュ演出が行われ得るようになることから、確定表示部35が点灯状態とされた場合に、それよりも以前のゲームでBB当選していたのでは、と遊技者に思わせることも可能となり、フラッシュ演出への注目度を好適に高めることができる。
ステップSg3101にて、前回のゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBではないと判定した場合、ステップSg3107に進む。ステップSg3107では、前回のゲームのフラッシュ演出が高期待度のフラッシュF又はフラッシュGであったか否かを判定する。これら高期待度のフラッシュFやフラッシュGではなく、中期待度のフラッシュCやフラッシュEであった場合、ステップSg3102に進む。この場合、上記の通り、主制御装置101側の決定に従って主側フラッシュ演出が実行されるようになる。
つまり、今回のゲームでBBに当選した場合においては、前回のゲームで中期待度のフラッシュ演出が実行された後、今回のゲームで低期待度のフラッシュ演出が実行されることや、フラッシュ演出が実行されないことが許容されている。このようにすることで、前回のゲームから今回のゲームでフラッシュ演出の期待度の低下が生じても、BB当選に期待を持たせることが可能となる。
ステップSg3107にて前回のゲームのフラッシュ演出が高期待度のフラッシュF又はフラッシュGであった場合、今回のゲームの開始時に、高期待度のフラッシュFやフラッシュGのフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。これらのフラッシュコマンドを受信している場合には、ステップSg3109にて受信しているフラッシュコマンド対応するフラッシュパターンデータを取得する処理を実行する。そして、ステップSg3110にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第3特別設定処理を終了する。これらステップSg3109及びステップSg3110の処理は、上記ステップSg2601及びステップSg2602の処理と同様である。つまり、この場合は、主制御装置101側で決定された主側フラッシュ演出がそのまま実行されるようになる。
ステップSg3108にて否定判定し、前回のゲームのフラッシュ演出が高期待度のフラッシュF又はフラッシュGであった場合において、今回のゲームの開始時に、高期待度のフラッシュFやフラッシュGのフラッシュコマンドを受信していない場合、ステップSg3111に進み、受信しているフラッシュコマンドが非対応フラッシュ演出に対応するものであるか否かを判定する。非対応フラッシュ演出に対応するものであれば、ステップSg3112にて確定フラッシュフラグを格納する処理を実行してから、ステップSg3109に進み、主制御装置101側で決定された主側フラッシュ演出をそのまま実行するための処理を行う。
ステップSg3111にて非対応フラッシュ演出に対応するフラッシュコマンドを受信していない場合、ステップSg3113に進み、サブフラッシュフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSg3114にてフラッシュFのフラッシュパターンデータを取得する処理を実行し、ステップSg3115にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第3特別設定処理を終了する。この場合、今回のゲームでは、BB当選に期待が持てるフラッシュFのサブ側フラッシュ演出が実行されるようになる。
<第4特別設定処理>
次に、第4特別設定処理について、図577のフローチャートを参照しながら説明する。第4特別設定処理は、前回のゲームでBBに当選しておらず、且つ取りこぼしが生じた場合であって、今回のゲームの抽選結果が外れ結果である場合に実行される処理である。
ステップSg3201では、今回のゲームの開始時に、フラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。なお、上記のように、今回のゲームの抽選結果は外れ結果であるため、受信するフラッシュコマンドはフラッシュA用のフラッシュコマンドである。フラッシュコマンドを受信していない場合、ステップSg3202にてサブフラッシュフラグをセットする処理を実行する。
ステップSg3201にてフラッシュコマンドを受信している場合、又はステップSg3202にてサブフラッシュフラグをセットする処理を実行した後は、ステップSg3203にて、フラッシュA用のフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3204にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第4特別設定処理を終了する。
つまり、前回のゲームで取りこぼしが発生した場合であって、今回のゲームが外れ結果である場合、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行しないと決定された場合であっても、フラッシュAのサブ側フラッシュ演出が実行されるようになる。
<第5特別設定処理>
次に、第5特別設定処理について、図578のフローチャートを参照しながら説明する。第5特別設定処理は、前回のゲームでBBに当選しておらず、且つ取りこぼしが生じた場合であって、今回のゲームの抽選結果がBB非当選の特定役である場合に実行される処理である。
ステップSg3301では、今回のゲームの開始時に、低期待度のフラッシュBや中期待度のフラッシュC、フラッシュEに対応するフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。これらフラッシュBやフラッシュC、フラッシュEは、上記の通りBB当選の期待度は相違するものの、いずれも1.0secに亘って実行されるフラッシュ演出である。
ステップSg3301にて、フラッシュBやフラッシュC、フラッシュEに対応するフラッシュコマンドを受信していると判定した場合、ステップSg3302にて、今回のゲームの抽選結果がスイカであるか否かを判定する。スイカである場合には、ステップSg3303にて、フラッシュC用のフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3304にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第5特別設定処理を終了する。
つまり、前回のゲームで取りこぼしが発生した場合であって、今回のゲームがスイカである場合、主制御装置101側で低期待度のフラッシュBのフラッシュ演出が選択されていても、中期待度のフラッシュCのサブ側フラッシュ演出が実行されるようになる。
一方、ステップSg3302にて今回のゲームの抽選結果がスイカ以外の特定役であると判定した場合、ステップSg3305にて、フラッシュE用のフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3306にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第5特別設定処理を終了する。
つまり、前回のゲームで取りこぼしが発生した場合であって、今回のゲームがスイカ以外の特定役である場合、主制御装置101側で低期待度のフラッシュBや中期待度のフラッシュCのフラッシュ演出が選択されていても、中期待度のうちより選択されにくいフラッシュEのフラッシュ演出が実行されるようになる。
ここで、上記のようにスイカの場合には、フラッシュEではなくフラッシュCのフラッシュ演出が実行されるようにしていることから、通常時に選択され得る範囲内でより選択されにくい(期待度が高い)フラッシュ演出を実行するようにすることができる。つまり、スイカであるのにもかかわらずフラッシュEが実行されると、非対応フラッシュとしていずれかのBBに当選していると遊技者が勘違いしてしまう恐れがあり、上記構成はそれを回避させるための工夫である。
ステップSg3301にて否定判定した場合、ステップSg3307にて高期待度のフラッシュFやフラッシュG用のフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。これらのフラッシュコマンドを受信している場合、ステップSg3308にて対応するフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3309にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第5特別設定処理を終了する。
つまり、前回のゲームで取りこぼしが発生した場合であって、今回のゲームが特定役である場合、主制御装置101側で高期待度のフラッシュFやフラッシュGのフラッシュ演出が選択されていれば、そのまま選択された主側フラッシュ演出が実行されるようになる。なお、高期待度のフラッシュFやフラッシュGについても、ステップSg3301~ステップSg3306のように、より選択されにくいフラッシュGがサブ側フラッシュ演出として実行されるように表示制御装置81で決定してもよい。この場合、非対応フラッシュとならないようにゲームの抽選結果に応じてフラッシュFを実行する場合とフラッシュGを実行する場合とを決定するとよい。
ステップSg3307にて否定判定し、フラッシュB、フラッシュC、フラッシュE,フラッシュF及びフラッシュGのいずれのフラッシュコマンドも受信していない場合、ステップSg3310に進む。ステップSg3310では、サブフラッシュフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSg3311にて、フラッシュC用のフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行し、ステップSg3312にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第5特別設定処理を終了する。
つまり、前回のゲームで取りこぼしが発生した場合であって、今回のゲームが特定役であっても、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行しないと決定された場合には、表示制御装置81側の決定により中期待度のフラッシュCのサブ側フラッシュ演出が実行されるようになる。
<第6特別設定処理>
次に、第6特別設定処理について、図579のフローチャートを参照しながら説明する。第6特別設定処理は、前回のゲームでBBに当選している場合に実行される処理である。
ステップSg3401では、今回のゲームの開始時に、いずれかのフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSg3401にてフラッシュコマンドを受信している場合、ステップSg3402にて非対応フラッシュ用のフラッシュコマンドを受信しているか否かを判定する。なお、前回のゲームでBB当選していることからして、今回のゲームは持ち越し用のフラッシュフリーズ抽選にてフラッシュ演出の種類が決定されており、ここでいう非対応フラッシュとは、通常用のフラッシュフリーズ抽選においてBBとの非重複結果では選択されないフラッシュ演出をいう。具体的は、例えば、チャンス目AではフラッシュD、フラッシュF及びフラッシュGが非対応フラッシュであり、スイカではフラッシュDやフラッシュEが非対応ラッシュである(図566及び図567参照)。
ステップSg3402にて非対応フラッシュ用のフラッシュコマンドを受信していると判定した場合、ステップSg3403にて確定フラッシュフラグをセットする処理を実行する。上記の通り、確定フラッシュフラグがセットされることにより、今回のフラッシュ演出の終了後(終了時)に確定表示部35が点灯状態に切り換えられるようになる。
ステップSg3402にて非対応フラッシュ用のフラッシュコマンドを受信していないと判定した場合、ステップSg3404に進む。ステップSg3404では、前回のフラッシュ演出の期待度と、今回のフラッシュ演出の期待度とを比較する処理を実行する。そして、ステップSg3405にて、前回のフラッシュ演出の方が今回のフラッシュ演出よりも期待度が高いか否かを判定する。具体的には、本実施形態では、フラッシュ演出の種類においてアルファベットが後側になるほど期待度が高いと判定されるように設定されており、フラッシュBよりもフラッシュCの方が期待度が高く、フラッシュFよりもフラッシュGの方が期待度が高いと判定する。ちなみに、前回のゲームでフラッシュDが実行された場合には特別フラッシュフラグはセットされないため、フラッシュDとの比較処理は行われない。ステップSg3405にて、前回のフラッシュ演出の方が今回のフラッシュ演出よりも期待度が高いと判定し、期待度の低下が生じている場合は、ステップSg3403に進み、確定フラッシュフラグをセットする処理を実行する。この場合も、今回のフラッシュ演出の終了後(終了時)に確定表示部35が点灯状態に切り換えられるようになる。
ステップSg3403の処理を実行した後、又はステップSg3405にて否定判定した場合は、ステップSg3406にて、受信しているフラッシュコマンドに対応するフラッシュパターンデータを各種テーブル記憶エリア182aから取得する処理を実行する。そして、ステップSg3407にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第6特別設定処理を終了する。
ステップSg3401にてフラッシュコマンドを受信していないと判定した場合、ステップSg3408にてサブフラッシュフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSg3409にて今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行し、ステップSg3410にて今回のゲームの抽選結果が持ち越し状態ではなく通常状態であったとして、期待度が最も高くなるフラッシュ演出の種類に対応するフラッシュパターンデータを取得する。具体的には、例えば、今回のゲームの抽選結果が通常リプAであれば、フラッシュD、フラッシュE及びフラッシュGのうち、フラッシュGを、期待度が最も高くなるフラッシュ演出として対応するフラッシュパターンデータを取得する。また、例えば、今回のゲームの抽選結果がチャンス目Aであれば、フラッシュB、フラッシュC及びフラッシュEのうち、フラッシュEを、期待度が最も高くなるフラッシュ演出として対応するフラッシュパターンデータを取得する。更に、例えば、今回のゲームの抽選結果がスイカであれば、フラッシュB、フラッシュC及びフラッシュFのうち、フラッシュFを、期待度が最も高くなるフラッシュ演出として対応するフラッシュパターンデータを取得する。
そして、ステップSg3410にて、上記取得したフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aが点灯制御されるように設定する処理を実行してから、本第6特別設定処理を終了する。
つまり、前回のゲームでBB当選している場合、今回のゲームでは、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされている場合にはそれに従ってフラッシュ演出を主側フラッシュ演出として実行するとともに、当該フラッシュ演出が非対応フラッシュであったり、前回のゲームのフラッシュ演出よりも期待度が低くなるものであったりする場合には、確定表示部35を点灯させるための処理が行われる。また、前回のゲームでBB当選している場合において、今回のゲームで、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされなかったとしても、表示制御装置81側で、ゲームの抽選結果に応じて最も期待度が高くなるフラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出として実行されるようになる。
フラッシュ演出制御用処理の説明(図569)に戻る。
ステップSg2501にて、上記ステップSg2504やステップSg2506にて設定されたフラッシュ演出を実行中であると判定した場合、ステップSg2507に進む。ステップSg2507では、フラッシュ演出を終了すべきタイミングであるか否かを判定する。フラッシュ演出の終了タイミングではない場合、ステップSg2508にて、フラッシュ中調整用処理を実行し、その後、ステップSg2509にて、設定されているフラッシュ演出のフラッシュパターンデータに基づいて、フロントライトやバックライト100aを制御する処理を実行してから、本フラッシュ演出制御用処理を終了する。
一方、ステップSg2507にて、フラッシュ演出を終了すべきタイミングであると判定した場合、ステップSg2510にて終了時調整処理を実行し、ステップSg2511にてフラッシュ演出終了処理を実行してから、本フラッシュ演出制御用処理を終了する。
上記のように、本実施形態では、フラッシュ演出が主制御装置101側の決定により実行される場合と、主制御装置101側ではフラッシュ演出を実行しないと決定された場合であっても表示制御装置81側の決定によりフラッシュ演出が実行される場合と、があるように設定されており、更に、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行すると決定された場合であっても、それとは異なる種類のフラッシュ演出が表示制御装置81側にて決定されて実行される場合もあるように設定されている。ステップSg2508やステップSg2510の調整用処理は、これら表示制御装置81側の決定により実行されるフラッシュ演出用の処理である。そこで、先ず、ステップSg2511のフラッシュ演出終了処理について説明してから、ステップSg2510の終了時調整用処理について説明し、その後、ステップSg2508のフラッシュ中調整用処理について説明する。
<フラッシュ演出終了処理>
フラッシュ演出終了処理では、図580のフローチャートに示すように、先ず、ステップSg3501にて、設定されているフラッシュパターンデータをクリアする処理を実行する。そして、ステップSg3502にてフロントライトを点灯状態とする処理を実行してから、本フラッシュ演出終了処理を終了する。これらの処理によって、一連のフラッシュ演出が終了することになる。
<終了時調整用処理>
次に、終了時調整用処理について、図581のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップSg3601では、サブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。サブフラッシュフラグがセットされていない場合には、そのまま本終了時調整用処理を終了する。サブフラッシュフラグがセットされている場合とは、表示制御装置81側でフラッシュ演出の実行が決定された場合であり、実行していたフラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出であった場合である。この場合、ステップSg3602にて、サブフラッシュフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSg3603にて、各種フラグ格納エリア183aに払出音遅延フラグがセットされているか否かを判定する。払出音遅延フラグは、上記のように表示制御装置81側でフラッシュ演出の実行が決定された場合に、当該フラッシュ演出が終了するまでメダルの払出音の出力を遅延させるためのフラグである。具体的には、払出音遅延フラグは、上記全停止時演出設定処理(図554)におけるステップSg2212の払出音出力用処理にてセットされる。
ここで、ステップSg2212の払出音出力用処理について、図582のフローチャートを参照しながら説明する。
<払出音出力用処理>
ステップSg3701では、今回の遊技結果がいずれかの小役入賞であり、メダル払出が発生する結果であったか否かを判定する。なお、ステップSg3701では、クレジットにメダル払出分を加算して実際のメダルの払出が発生しない場合であっても肯定判定する。
ステップSg3701にて肯定判定した場合、ステップSg3702にて今回の払出枚数を把握する処理を実行する。そして、ステップSg3703にて、今回のゲームでフラッシュ演出が実行されるか否かをフラッシュパターンデータが設定されていることにより確認する。フラッシュ演出が実行されない場合、ステップSg3704にて、ステップSg3702にて把握した払出枚数に応じたメダル払出効果音がスピーカ64から出力されるように制御してから、本払出音出力用処理を終了する。メダル払出効果音としては、例えば、「ドッ」、「ドッ」、「ドッ」という効果音が払出枚数分だけ繰り返されるように設定されている。
ステップSg3703にてフラッシュ演出を実行すると判定した場合、ステップSg3705にてサブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。セットされておらず、主制御装置101側で決定された主側フラッシュ演出がそのまま実行される場合や、主制御装置101側で決定されたフラッシュ演出とは異なる種類のフラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出として実行される場合であっても、主制御装置101側で決定されたフラッシュ演出の実行期間と同じ期間となるフラッシュ演出が実行される場合は、ステップSg3706にて、無効期間の経過後に、メダル払出効果音が出力するように設定してから、本払出音出力用処理を終了する。この場合、例えば、1.0secの無効期間が設定される種類のフラッシュ演出(フラッシュA~E)が設定されている場合には、1.0sec後に払出枚数に応じたメダル払出効果音が出力されるようにし、2.0secの無効期間が設定される種類のフラッシュ演出(フラッシュF,G)が設定されている場合には、2.0sec後に払出枚数に応じたメダル払出効果音が出力されるようにする。このようにすることで、フラッシュ演出とメダル払出効果音の出力とが重複してしまうことを好適に回避することが可能となる。
ステップSg3705にてサブフラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg3707にて、各種カウンタエリア183bに設けられた払出枚数記憶エリアに今回の払出枚数を一時記憶する処理を実行する。そして、ステップSg3708にて、各種フラグ格納エリア183aに上記の払出音遅延フラグをセットする処理を実行してから、本払出音出力用処理を終了する。
終了時調整用処理の説明(図581)に戻る。
ステップSg3603では払出音遅延フラグがセットされているか否かを判定する。上記の通り、払出音遅延フラグは、サブフラッシュフラグがセットされているゲームでメダル払出が発生する場合にセットされるフラグである。払出音遅延フラグがセットされている場合、ステップSg3604にて、当該払出音遅延フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSg3605にて、上記払出枚数記憶エリアに一時記憶されている払出枚数を把握する処理を実行し、ステップSg3606にて、払出枚数に応じたメダル払出効果音が出力されるようにスピーカ64を制御する処理を実行する。この場合、フラッシュ演出終了処理にて終了されたフラッシュ演出に続いて、メダル払出効果音が出力されるようになる。
ステップSg3603にて払出音遅延フラグがセットされていない場合や、ステップSg3606の処理を実行した後は、ステップSg3607に進む。ステップSg3607では、確定フラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。確定フラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg3608にて確定フラッシュフラグをクリアする処理を実行し、ステップSg3609にて確定表示部35を消灯状態から点灯状態に切り換える処理を実行してから、終了時調整用処理を終了する。なお、点灯状態に切り換えられた確定表示部35は、対応するBB入賞が成立した場合に、図示しない処理にて消灯状態に切り換えられるように設定されている。
ステップSg3601又はステップSg3607にて否定判定した場合は、そのまま終了時調整用処理を終了する。
<フラッシュ中調整用処理>
次に、フラッシュ中調整用処理について、図583のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップSg3801では、サブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。サブフラッシュフラグがセットされていない場合には、そのまま本フラッシュ中調整用処理を終了する。サブフラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg3802にて、所定の操作コマンドを受信しているか否かを判定する。より具体的には、第1クレジット投入スイッチ56が操作されたことを示す操作コマンドや、第2クレジット投入スイッチ57が操作されたことを示す操作コマンドを受信しているか否かを判定する。
既に説明した通り、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合、当該フラッシュ演出は、各リール32L,32M,32Rが停止した後に設定される無効期間中に実行される。当該無効期間中は、各種操作部の無効化処理が実行され(ステップSg2405)、当該フラッシュ演出中に第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57を操作してもベット用の処理(BET用処理、図590)は行われないし、これらの操作に基づく操作コマンドは出力されない。
これに対して、表示制御装置81側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合、当該フラッシュ演出は、各リール32L,32M,32Rが停止した後の実行されるものの、当該フラッシュ演出を行う上で無効期間の設定は行われず、第1クレジット投入スイッチ56等の操作も可能である。また、例えば、主制御装置101側で決定したフラッシュ演出とは異なるフラッシュ演出を実行することの決定が表示制御装置81側でなされた場合において、主制御装置101側で決定した演出よりも長い期間に亘って行われるフラッシュ演出が選択された場合、当該主制御装置101側で設定される無効期間の経過後もフラッシュ演出が継続して実行され得るようになる。
ステップSg3801にてサブフラッシュフラグがセットされており、且つステップSg3802にて操作コマンドを受信していると判定する場合とは、上記の表示制御装置81側でフラッシュ演出の実行が決定された場合であって、当該フラッシュ演出中に操作コマンドを受信した場合である。ちなみに、上記のように、主制御装置101側で設定された無効期間中においては、第1クレジット投入スイッチ56等が操作されても操作コマンドの出力は行われない。そのため、ステップSg3802にて肯定判定する場合とは、例えば、主制御装置101側で決定した演出よりも長い期間に亘って行われるフラッシュ演出を実行することの決定が表示制御装置81側でなされた場合において、主制御装置101側で設定された無効期間の経過後であって、フラッシュ演出の実行中(終了前)に第1クレジット投入スイッチ56等の操作が行われたことを意味する。
ステップSg3802にて肯定判定した場合、ステップSg3803にてサブフラッシュフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSg3804にてフラッシュ演出終了処理を実行する。フラッシュ演出終了処理は、上記図580に示すものと同様であり、フラッシュパターンデータをクリアする処理と、フロントライトを点灯状態とする処理を実行する。
つまり、表示制御装置81側で設定されたサブ側フラッシュ演出の実行中であって、無効期間の経過後(無効期間ではない有効期間中)に第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合には、当該フラッシュ演出は終了する。このように、特別フラッシュ設定処理によってフラッシュ演出が実行された次のゲームのフラッシュ演出の実行率を高めながらも、当該実行率が高められたフラッシュ演出を遊技者が途中でキャンセルすることが可能とすることで、期待感を持続させる効果と遊技進行の好適化とを両立させることが可能となる。
ステップSg3804にて、フラッシュ演出を途中で終了させる処理を実行した後、ステップSg3805にて、上記の払出音遅延フラグがセットされているか否かを判定する。上記の通り、払出音遅延フラグは、サブフラッシュフラグがセットされているゲームでメダル払出が発生する場合にセットされるフラグである。払出音遅延フラグがセットされている場合、ステップSg3806にて、当該払出音遅延フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSg3807にて、上記払出枚数記憶エリアに一時記憶されている払出枚数を把握する処理を実行し、ステップSg3808にて、払出枚数に応じたメダル払出効果音が出力されるようにスピーカ64を制御する処理を実行する。この場合、途中でキャンセルされたフラッシュ演出に続いて、メダル払出効果音が出力されるようになる。
ステップSg3805にて払出音遅延フラグがセットされていない場合や、ステップSg3808の処理を実行した後は、ステップSg3809に進む。ステップSg3809では、確定フラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。確定フラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg3810にて確定フラッシュフラグをクリアする処理を実行し、ステップSg3811にて確定表示部35を消灯状態から点灯状態に切り換える処理を実行してから、フラッシュ中調整用処理を終了する。なお、ステップSg3801、ステップSg3802又はステップSg3809にて否定判定した場合は、そのままフラッシュ中調整用処理を終了する。
<フラッシュ演出が行われる様子>
フラッシュ演出が行われる様子について、図584~図589のタイミングチャートを用いて説明する。
図584及び図585は、前側の主側フラッシュ演出の契機となったゲームの抽選結果が特定役であり、当該特定役を契機とする主側フラッシュ演出の次のゲームの抽選結果が外れ結果であった場合を示している。
図584(a)に示すように、ta1にて開始されta2にて終了される前側のゲームの抽選結果が特定役であって、当該前側のゲームにおいてフラッシュBのフラッシュ演出を実行することの決定がフリーズ抽選処理にてなされた場合、ta1にて実行される通常フラッシュ設定処理(図570)において、当該フラッシュBを実行するための設定処理とともに、特別フラッシュフラグがセットされる。この場合、ta2にて全リール32L,32M,32Rが停止してから1.0sec(第1期間)が経過するta3までの期間が無効期間として設定され、当該ta2からta3までの期間でフラッシュBが主側フラッシュ演出として実行される。
ta4にて、次のゲームが開始される場合、主制御装置101側では表示制御装置81側の特別フラッシュフラグのセットの有無に関わらず、ゲームの抽選結果に応じてフリーズ抽選処理(図565)を実行する。例えば、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であり、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にてフラッシュAのフラッシュ演出を実行することの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が外れ結果であること、及び主制御装置101側にてフラッシュ演出を実行することの決定がなされていることからして、表示制御装置81における第1特別設定処理(図574)では、主制御装置101側の決定を優先し(ステップSg2901:YES)、主制御装置101側にて決定されたフラッシュAをそのまま主側フラッシュ演出として実行する。この場合、当該次ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの停止時(ta5)から1.0secが経過するta6までの期間において、フラッシュAのフラッシュ演出が実行される。上記の通り、ta5から実行されるフラッシュAは主側フラッシュ演出であり、ta5からta6までの期間は無効期間として設定される。
一方、図584(b)では、図584(a)と同様に、tb1~tb3の前ゲームで特定役を契機としてフラッシュBを実行した場合において、次ゲーム(tb4)では、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にてフラッシュ演出を実行しないことの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が外れ結果であること、主制御装置101側にてフラッシュ演出を実行することの決定がなされていないこと、及び前ゲームのフラッシュ演出の種類が低期待度のフラッシュBであったことからして、表示制御装置81における第1特別設定処理(図574)ではサブ側フラッシュ演出の設定を行わず(ステップSg2904:YES)、次ゲームにおいてtb5にて全リール32L,32M,32Rが停止してもフラッシュ演出は実行されない。
図585(a)に示すように、ta11にて開始されta12にて終了される前側のゲームの抽選結果が特定役であって、当該前側のゲームにおいてフラッシュCのフラッシュ演出を実行することの決定がフリーズ抽選処理にてなされた場合、ta11にて実行される通常フラッシュ設定処理(図570)において、当該フラッシュCを実行するための設定処理とともに、特別フラッシュフラグがセットされる。この場合、ta12にて全リール32L,32M,32Rが停止してから1.0sec(第1期間)が経過するta13までの期間が無効期間として設定され、当該ta12からta13までの期間でフラッシュCが主側フラッシュ演出として実行される。
ta14にて、次のゲームが開始される場合、主制御装置101側では表示制御装置81側の特別フラッシュフラグのセットの有無に関わらず、ゲームの抽選結果に応じてフリーズ抽選処理(図565)を実行する。例えば、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であり、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にてフラッシュ演出を実行しないことの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が外れ結果であること、主制御装置101側にてフラッシュ演出を実行することの決定がなされていないこと、及び前ゲームのフラッシュ演出の種類が低期待度のフラッシュBではなく中期待度のフラッシュCであったことからして、表示制御装置81における第1特別設定処理(図574)では、サブ側フラッシュ演出を実行することの設定が行われる(ステップSg2904~ステップSg2907)。この場合、当該次ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの停止時(ta15)から1.0secが経過するta16までの期間において、フラッシュAのフラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出として実行される。上記の通り、ta15から実行されるフラッシュAはサブ側フラッシュ演出であり、ta15からta16までの期間は無効期間として設定されない。
図585(b)では、図585(a)とは異なり、tb11~tb13の前ゲームで特定役を契機として高期待度のフラッシュFを実行した場合において、次ゲーム(tb14)では、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にてフラッシュ演出を実行しないことの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が外れ結果であること、主制御装置101側にてフラッシュ演出を実行することの決定がなされていないこと、及び前ゲームのフラッシュ演出の種類が低期待度のフラシュBではなく高期待度のフラッシュFであったことからして、表示制御装置81における第1特別設定処理(図574)では、サブ側フラッシュ演出を実行することの設定が行われる(ステップSg2904~ステップSg2907)。この場合、当該次ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの停止時(tb15)から1.0secが経過するtb16までの期間において、フラッシュAのフラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出として実行される。上記の通り、tb15から実行されるフラッシュAはサブ側フラッシュ演出であり、tb15からtb16までの期間は無効期間として設定されない。
つまり、前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBであった場合であって、次ゲームの抽選結果が外れ結果であった場合は、主制御装置101側のフラッシュ演出用の処理の決定を優先し、フラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合には、そのフラッシュ演出をそのまま実行し、フラッシュ演出を実行することの決定がなされなかった場合には、表示制御装置81側でサブ側フラッシュ演出を実行することの決定はなされない。
これに対して、前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBではなく、中期待度や高期待度のフラッシュ演出であった場合であって、次ゲームの抽選結果が外れ結果であった場合には、主制御装置101側のフラッシュ演出用の処理の結果に関わらず、フラッシュAが実行されるように設定されている。具体的には、主制御装置101側で外れ結果に基づくフラッシュAを実行することの決定がなされた場合には、それをそのまま主側フラッシュ演出として実行し、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされなかった場合には、表示制御装置81側でフラッシュAをサブ側フラッシュ演出として実行することの決定がなされる。
このようにすることで、前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュ演出ではなかった場合に、次ゲームの抽選結果がフラッシュ演出の発生しにくい外れ結果であったとしても、当該次ゲームにてフラッシュ演出の発生率を高めることができ、前ゲームで実行されたフラッシュ演出からBB当選していたのではという期待感を、次ゲームまで持続させることが可能となる。
ちなみに、上記の通りフラッシュAは、外れ結果に対応するフラッシュ演出であり、当該フラッシュAが実行されることにより、いずれのBBにも当選していないことを遊技者は把握可能となるものの、当該フラッシュAは、BB当選に期待が持てるフラッシュFやフラッシュGの前半部分とフラッシュパターンが共通している。つまり、フラッシュAが実行された場合、遊技者は、フラッシュFやフラッシュGへ発展することに期待を寄せながら当該フラッシュAを見守るものと考えられ、当該フラッシュAが外れ結果に対応するものであっても、注目度を高める効果は十分に期待できるようになっている。
また、第1特別設定処理は、今回のゲームの抽選結果が外れ結果ではなく、通常リプA~Cであっても実行される。本実施形態では、通常リプA~Cであった場合は、主制御装置101側で必ずフラッシュ演出を実行することの決定がなされるように設定されている。そのため、通常リプA~Cを契機として第1特別設定処理が実行される場合には、ステップSg2901にて肯定判定し、主制御装置101側で決定されたフラッシュ演出がそのまま主側フラッシュ演出として実行されるようになる。このようにすることで、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cであるのにも関わらず、当該通常リプA~Cに対応しない非対応フラッシュ演出としてのフラッシュAが実行されてしまうことを回避することが可能となり、今回のゲームにおけるフラッシュ演出の実行率を高めながらも、遊技者の混乱を招かないようにすることができる。
図586~図588は、前側の主側フラッシュ演出の契機となったゲームの抽選結果が特定役であり、当該特定役を契機とする主側フラッシュ演出の次のゲームの抽選結果も特定役であった場合を示している。
図586(a)に示すように、ta21にて開始されta22にて終了される前側のゲームの抽選結果が特定役であって、当該前側のゲームにおいてフラッシュBのフラッシュ演出を実行することの決定がフリーズ抽選処理にてなされた場合、ta21にて実行される通常フラッシュ設定処理(図570)において、当該フラッシュBを実行するための設定処理とともに、特別フラッシュフラグがセットされる。この場合、ta22にて全リール32L,32M,32Rが停止してから1.0sec(第1期間)が経過するta23までの期間が無効期間として設定され、当該ta22からta23までの期間でフラッシュBが主側フラッシュ演出として実行される。
ta24にて、次のゲームが開始される場合、主制御装置101側では表示制御装置81側の特別フラッシュフラグのセットの有無に関わらず、ゲームの抽選結果に応じてフリーズ抽選処理(図565)を実行する。例えば、今回のゲームの抽選結果が特定役であり、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にてフラッシュEのフラッシュ演出を実行することの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が特定役であること、及び前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBであることからして、表示制御装置81における第2特別設定処理(図575)では、主制御装置101側の決定を優先し(ステップSg3001:YES)、主制御装置101側にて決定されたフラッシュEをそのまま主側フラッシュ演出として実行する。この場合、当該次ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの停止時(ta25)から1.0secが経過するta26までの期間において、フラッシュEのフラッシュ演出が実行される。上記の通り、ta25から実行されるフラッシュEは主側フラッシュ演出であり、ta25からta26までの期間は無効期間として設定される。
一方、図586(b)では、図586(a)と同様に、tb21~tb23の前ゲームで特定役を契機としてフラッシュBを実行した場合において、次ゲーム(tb24)では、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にてフラッシュ演出を実行しないことの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が特定役であること、及び前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBであることからして、表示制御装置81における第2特別設定処理(図575)では、主制御装置101側の決定を優先してサブ側フラッシュ演出の設定を行わず(ステップSg3002:NO)、次ゲームにおいてtb25にて全リール32L,32M,32Rが停止してもフラッシュ演出は実行されない。
図587(a)に示すように、ta31にて開始されta32にて終了される前側のゲームの抽選結果が特定役であって、当該前側のゲームにおいて中期待度のフラッシュCのフラッシュ演出を実行することの決定がフリーズ抽選処理にてなされた場合、ta31にて実行される通常フラッシュ設定処理(図570)において、当該フラッシュCを実行するための設定処理とともに、特別フラッシュフラグがセットされる。この場合、ta32にて全リール32L,32M,32Rが停止してから1.0sec(第1期間)が経過するta33までの期間が無効期間として設定され、当該ta32からta33までの期間でフラッシュCが主側フラッシュ演出として実行される。
ta34にて、次のゲームが開始される場合、主制御装置101側では表示制御装置81側の特別フラッシュフラグのセットの有無に関わらず、ゲームの抽選結果に応じてフリーズ抽選処理(図565)を実行する。例えば、今回のゲームの抽選結果が特定役であり、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にて中期待度のフラッシュEのフラッシュ演出を実行することの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が特定役であること、前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBや高期待度のフラッシュF,Gではなく中期待度のフラッシュEであること、及び今回のゲームの主制御装置101側の決定が低期待度のフラッシュBを実行することやフラッシュ演出を実行しないことの決定ではなかったことからして、表示制御装置81における第2特別設定処理(図575)では、主制御装置101側の決定を優先し(ステップSg3006:YES)、主制御装置101側にて決定されたフラッシュEをそのまま主側フラッシュ演出として実行する。この場合、当該次ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの停止時(ta35)から1.0secが経過するta36までの期間において、フラッシュEのフラッシュ演出が実行される。上記の通り、ta35から実行されるフラッシュEは主側フラッシュ演出であり、ta35からta36までの期間は無効期間として設定される。
図587(b)では、図587(a)とは異なり、tb31~tb33の前ゲームで特定役を契機として中期待度のフラッシュCを実行した場合において、次ゲーム(tb34)では、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にてフラッシュ演出を実行しないことの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が特定役であること、主制御装置101側にてフラッシュ演出を実行することの決定がなされていないこと、前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBや高期待度のフラッシュF,Gではなく中期待度のフラッシュEであること、及び今回のゲームの主制御装置101側の決定が低期待度のフラッシュBを実行することの決定がなされたことからして、表示制御装置81における第2特別設定処理(図575)では、サブ側フラッシュ演出を実行することの設定が行われる(ステップSg3009~ステップSg3011)。この場合、当該次ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの停止時(tb35)から1.0secが経過するtb36までの期間において、フラッシュCのフラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出として実行される。上記の通り、tb35から実行されるフラッシュCはサブ側フラッシュ演出であるものの、主制御装置101側でフラッシュBを実行することの決定がなされていたことからして、当該tb35からtb36までの期間は無効期間として設定される。つまり、この場合、フラッシュ演出の実行期間は主制御装置101にて決定され、フラッシュ演出の種類は表示制御装置81側で決定されたことになる。
図588(a)に示すように、ta41にて開始されta42にて終了される前側のゲームの抽選結果が特定役であって、当該前側のゲームにおいて高期待度のフラッシュFのフラッシュ演出を実行することの決定がフリーズ抽選処理にてなされた場合、ta41にて実行される通常フラッシュ設定処理(図570)において、当該フラッシュFを実行するための設定処理とともに、特別フラッシュフラグがセットされる。この場合、ta42にて全リール32L,32M,32Rが停止してから2.0sec(第2期間)が経過するta43までの期間が無効期間として設定され、当該ta42からta43までの期間でフラッシュFが主側フラッシュ演出として実行される。
ta44にて、次のゲームが開始される場合、主制御装置101側では表示制御装置81側の特別フラッシュフラグのセットの有無に関わらず、ゲームの抽選結果に応じてフリーズ抽選処理(図565)を実行する。例えば、今回のゲームの抽選結果が特定役であり、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にてフラッシュFのフラッシュ演出を実行することの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が特定役であること、前ゲームのフラッシュ演出が高期待度のフラッシュFであること、及び今回のゲームの主制御装置101側の決定が高期待度のフラッシュFを実行することの決定がなされたことからして、表示制御装置81における第2特別設定処理(図575)では、主制御装置101側の決定を優先し(ステップSg3012:YES)、主制御装置101側にて決定されたフラッシュFをそのまま主側フラッシュ演出として実行する。この場合、当該次ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの停止時(ta45)から2.0secが経過するta46までの期間において、フラッシュFのフラッシュ演出が実行される。上記の通り、ta45から実行されるフラッシュFは主側フラッシュ演出であり、ta45からta46までの期間は無効期間として設定される。
図588(b)では、図588(a)とは異なり、tb41~tb43の前ゲームで特定役を契機として高期待度のフラッシュFを実行した場合において、次ゲーム(tb44)では、フラッシュフリーズ抽選処理(ステップSg2303)にて中期待度のフラッシュCのフラッシュ演出を実行することの決定がなされたとする。今回のゲームの抽選結果が特定役であること、前ゲームのフラッシュ演出が高期待度のフラッシュFであること、及び今回のゲームの主制御装置101側の決定が中期待度のフラッシュCを実行することの決定がなされたことからして、表示制御装置81における第2特別設定処理(図575)では、サブ側フラッシュ演出を実行することの設定が行われる(ステップSg3015~ステップSg3017)。この場合、当該次ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの停止時(tb45)から2.0secが経過するtb47までの期間において、フラッシュFのフラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出として実行される。但し、上記の通り、主制御装置101側では、1.0secのフラッシュCを実行することの決定がなされており、tb45から1.0secが経過するtb46までの期間は無効期間として設定され、当該tb46からtb47までの期間は無効期間として設定されない。
つまり、前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBであった場合であって、次ゲームの抽選結果が特定役であった場合は、主制御装置101側のフラッシュ演出用の処理の決定を優先し、フラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合には、そのフラッシュ演出をそのまま実行し、フラッシュ演出を実行することの決定がなされなかった場合には、表示制御装置81側でサブ側フラッシュ演出を実行することの決定はなされない。
これに対して、前ゲームのフラッシュ演出が低期待度のフラッシュBではなく、中期待度のフラッシュ演出であった場合であって、次ゲームの抽選結果が特定役であった場合には、主制御装置101側のフラッシュ演出用の処理の結果に関わらず、中期待度以上のフラッシュ演出が実行されるように設定されている。具体的には、主制御装置101側で特定役に基づく中期待度のフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合には、それをそのまま主側フラッシュ演出として実行し、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされなかった場合やフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合であっても低期待度のフラッシュ演出であった場合には、表示制御装置81側で中期待度のフラッシュCをサブ側フラッシュ演出として実行することの決定がなされる。
また、前ゲームのフラッシュ演出が低期待度や中期待度のフラッシュ演出ではなく高期待度のフラッシュ演出であった場合であって、次ゲームの抽選結果が特定役であった場合には、主制御装置101側のフラッシュ演出用の処理の結果に関わらず、高期待度のフラッシュ演出が実行されるように設定されている。具体的には、主制御装置101側で特定役に基づく高期待度のフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合には、それをそのまま主側フラッシュ演出として実行し、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされなかった場合やフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合であっても低期待度や中期待度のフラッシュ演出であった場合には、表示制御装置81側で高期待度のフラッシュFをサブ側フラッシュ演出として実行することの決定がなされる。
このようにすることで、前ゲームのフラッシュ演出が中期待度以上のフラッシュ演出であった場合において、次ゲームの抽選結果がフラッシュ演出の発生し易い特定役であった場合、当該次ゲームにて発生するフラッシュ演出が、前ゲームのフラッシュ演出の期待度よりも低くなることが制限される。よって、フラッシュ演出を連続させることによりBB当選への期待感を高めながら、後側のゲームのフラッシュ演出によってBB当選への期待感が低下してしまうこと回避させ、期待感を好適に維持することができる。
特に、BB当選後の持ち越し状態においては、同じ特定役であっても期待度の高いフラッシュ演出が選択される確率がBB当選前よりも高くなることからして、後側のゲームのフラッシュ演出の期待度が前ゲームのフラッシュ演出の期待度よりも低くなることを制限することにより、前ゲームにてBB当選していたこと、つまり後側のゲームはBB当選後の持ち越し状態であると思わせる効果が期待できるようになり、BB当選への期待感を好適に高めることが可能となる。
また、後側のゲームの抽選結果が特定役であることからして、仮に前側のゲームでBB当選していなくても、当該後側のゲームにてBB当選している可能性も残存しているところ、当該後側のゲームのフラッシュ演出をBB当選に期待できるフラッシュ演出とすることで、当該後側のゲームの更に次のゲームにまでBB当選への期待感を持続させることも可能となる。
特に本実施形態では、抽選処理(図522)における優先設定処理(ステップSg313)にて、各BB当選フラグと小役当選フラグや再遊技当選フラグとが重複してセットされている場合、BB入賞よりも小役入賞や再遊技入賞が優先して成立するように設定される。そのため、上記のように特定役が連続した場合において、後側のゲームでBB入賞を成立させるようにストップスイッチ42~44を操作したのにも関わらず小役入賞が成立したとしても、それが上記の優先制御によってBB入賞が成立しなかったと遊技者は判断する可能性が高い。このような点からしても、当該後側のゲームの次ゲームにまで期待感を持続させる効果が高められている。
更に、本実施形態では、後側のゲームでBB当選している場合において、上記のように後側のゲームでフラッシュ演出の期待度の低下が制限されるようにしながらも、後側のゲームにて非対応フラッシュ演出が選択されている場合には、当該フラッシュ演出の終了後、確定表示部35を点灯状態とさせるようにしている(第3特別設定処理)。つまり、特定役が連続した場合において後側のゲームのフラッシュ演出は前側のゲームよりも期待度が低下しないようにしながら、後側のゲームのフラッシュ演出が当該後側のゲームの抽選結果に対応しないフラッシュ演出であれば、いずれかのBBに当選していることが判別可能とされる。このようにすることで、後側のゲームや更にその後のゲームにまでBB当選への期待感を持続させながら、フラッシュ演出の種類への注目度を好適に高めることが可能となる。
また、本実施形態では、前側のゲームでBB当選している場合には、後側のゲームでは持ち越し状態用のフラッシュ演出の設定が行われる。この場合、当該後側のゲームで非対応フラッシュ演出が選択される確率は、当該後側のゲームがBBに当選したゲームの場合よりも高くなる。そのため、後側のゲームで非対応フラッシュ演出が実行された場合、それが前側のゲームでBB当選したことを契機とする可能性も高くなり、前側ゲームからの注目度を後側のゲームに持続させる効果を好適に期待できるようになっている。
特に、本実施形態では、BB当選ゲームにおいて、通常フラッシュ設定処理では非対応フラッシュ演出が実行された場合であっても確定表示部35による確定報知を実行しないように設定されている。つまり、BB当選ゲームで非対応フラッシュ演出が選択された場合に確定報知が実行される場合とは、前ゲームでフラッシュ演出が発生していることが一の条件となるように設定されている。このようにすることで、後側のゲームで非対応フラッシュ演出が行われた場合に、前側ゲームでBB当選していたと遊技者に判断させ易くすることが可能となり、前側ゲームからの注目度を後側のゲームに持続させる効果を更に好適に期待できるようになっている。
また、前側のゲームでBB当選している場合、後側のゲームのフラッシュ演出の期待度が前側のゲームよりも低下することが許容されている。このようにすることで、基本的には前後のゲームでフラッシュ演出の期待度の低下が生じないようにしてBB当選に期待させながら、その期待度の低下が生じた場合にもBB当選に期待させることができ、フラッシュ演出の種類への注目度を好適に高めることができる。
ここで、各ゲームの抽選結果がいずれかの小役当選であり、当該当選している小役入賞が成立すると、対応する枚数のメダルの払い出しが行われるところ、当該メダルの払い出し処理は、無効期間の経過後に実行される。但し、上記のように本実施形態では、主制御装置101側ではなく表示制御装置81側でもフラッシュ演出を実行することの決定が行えるようにしており、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合には、その実行期間として無効期間が設定される一方、表示制御装置81側では無効期間の設定を行わないため、表示制御装置81側で設定したフラッシュ演出を実行する場合には、フラッシュ演出の実行中に無効期間が経過したり、フラッシュ演出を実行しているのにもかかわらず、無効期間が設定されていない場合が生じ得る。
そうすると、フラッシュ演出の実行中にメダルの払い出しが実行されることとなり、それを遊技者が把握してしまうと、せっかくフラッシュ演出の実行率を高めるうえで、主制御装置101側だけではなく表示制御装置81側でもフラッシュ演出の実行決定を行えるようにしたのにもかかわらず、それが単なる演出上のものであってBB当選等に期待できないものであると興ざめさせてしまう可能性がある。その一方で、サブ側フラッシュ演出を実行した後で、実際にメダル払い出しを行うような構成とするためには、表示制御装置81側で決定した情報を主制御装置101側に出力する必要が生じるところ、当該主制御装置101側に情報入力が可能な構成としてしまうと不正対策上好ましくない。
そこで、本実施形態では、表示制御装置81側で決定したフラッシュ演出を実行する場合には、実際のメダル払い出しについては先に行うものの、メダル払出用の払出効果音の出力は、サブ側フラッシュ演出が終了してから実行するようにしている。
例えば、図589(a)に示すように、ta51にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されta52にて回転が停止した場合において、主側フラッシュ演出が実行される場合には、当該ta52からta53までが当該フラッシュ演出の実行期間として無効期間の設定が行われる。この場合において、当該ta52にて小役入賞が成立している場合、そのメダルの払い出しは無効期間が経過するta53から開始される(ta54にて終了する)。そして、当該メダルの払い出しに合わせて、払出効果音の出力がta53からta54まで実行される(ステップSg3706)。
これに対して、図589(b)に示すように、tb51にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されtb52にて回転が停止した場合において、サブ側フラッシュ演出が実行される場合であって、例えば、当該tb52からtb53までが主制御装置101側で設定された無効期間であって、tb52からtb55までがサブ側フラッシュ演出の実行期間であるように、主制御装置101側にて設定された無効期間よりも長い期間に亘ってフラッシュ演出が実行されるとする。この場合、実際のメダルの払い出しは無効期間が終了するtb53から開始されtb54にて終了するものの、払出効果音の出力は、サブ側フラッシュ演出の終了するtb55から開始され、tb56にて終了するように設定される(ステップSg3603~ステップSg3606)。
このようにすることで、サブ側フラッシュ演出を利用してBB当選への期待度を高めながらも、それが単なる演出上のものであるとして興ざめさせてしまうことを好適に回避させることが可能となる。
更に、上記のようにサブ側フラッシュ演出の実行中は無効期間に設定されていない場合もあるところ、本実施形態では、当該サブ側フラッシュ演出の実行中に遊技進行用の操作が行われた場合には、当該サブ側フラッシュ演出を途中で終了させるようにしている。このようにすることで、サブ側フラッシュ演出を用いて各ゲームの注目度を好適に高めながらも、スムーズな遊技進行を望む遊技者に対しては、それを可能とさせることも可能となる。
この場合、図589(c)に示すように、tc51にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されtc52にて回転が停止した場合において、サブ側フラッシュ演出が実行される場合であって、例えば、当該tc52からtc54までが主制御装置101側で設定された無効期間であって、tc52からtc58までがサブ側フラッシュ演出の実行期間であるように、主制御装置101側にて設定された無効期間よりも長い期間に亘ってフラッシュ演出が実行されるとする。この場合、上記のように、実際のメダルの払い出しは無効期間が終了するtc54から開始されtc55にて終了する。そして、無効期間が経過した後であるtc56にて、例えば第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われた場合、tc58までを予定していたサブ側フラッシュ演出は、当該tc56にて終了し、当該終了とともに払出効果音の出力が行われる(tc57まで、ステップSg3805~ステップSg3808)。これに対して、無効期間中であるtc53に例えば第1クレジット投入スイッチ56の操作が行われた場合であっても、当該操作は無効とされてベットも行われないし、サブ側フラッシュ演出も終了されない。
このようにすることで、無効期間の設定されないサブ側フラッシュ演出による演出効果を期待しながら、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
<ベット操作に基づく演出について>
次に、上記のように無効期間の設定されないサブ側フラッシュ演出中にベット操作が行われた場合のベット演出について、より詳細に説明する。
<BET用処理>
先ず、主制御装置101側のBET用処理について、図590のフローチャートを参照しながら説明する。BET用処理は、通常処理(図521)におけるステップSg204にて実施される処理である。
ステップSg3901では、ゲームの開始に際して、受入可能状態表示部76cを消灯状態から点灯状態に切り換える処理を実行する。受入可能状態表示部76cを点灯状態とすることによって、遊技者は、ベット操作が可能な状態となったことを把握することが可能となる。続くステップSg3902では、受入可能コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。受入可能コマンドは、上記のように受入可能状態表示部76cを点灯状態としてベット操作が可能な状況となったことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
続くステップSg3903では、前回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞であったか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞であった場合、ステップSg3904にて、再遊技状態表示部76aを消灯状態から点灯状態に切り換える処理を実行する。再遊技状態表示部76aを点灯状態とすることによって、遊技者は、今回のゲームが前ゲームの再遊技入賞によって実行されるゲームであることを把握することが可能となる。
続くステップSg3905では、前ゲームの抽選結果が通常リプA~Cや重複リプ1,2のいずれかであったか否かを判定する。これらの結果の場合、主に第1再遊技入賞が成立しており、この場合、ステップSg3906にて通常再遊技コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットするとともに、ステップSg3907にて通常再遊技用再BET処理を実行する。通常再遊技コマンドは、前回のゲームで通常リプA~Cや重複リプ1,2のいずれかの結果に基づく再遊技入賞が成立したことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、ステップSg3907の通常再遊技用再BET処理は、再遊技入賞に基づき仮想メダルを自動投入するための処理である。
すなわち、通常再遊技用再BET処理では、各種カウンタエリア106eに設けられ、ベット数を示すカウンタとしてのBETカウンタを前回のベット数に対応する値となるように1ずつ加算する処理を行う。この場合、BETカウンタの値が増加することに対応させて、BET表示部75を点灯状態(又は点滅状態)とする処理を実行する。具体的には、前回のゲームのベット数が3であれば、BETカウンタを1加算するとともに第1BET表示部75aを点灯状態とし、所定期間(例えば0.5sec)の経過後、更にBETカウンタを1加算するとともに第2BET表示部75bを点灯状態とし、所定期間(例えば0.5sec)の経過後、更にBETカウンタを1加算するとともに第3BET表示部75cを点灯状態とする処理を実行する。これにより、前回のゲームのベット数と同数のベットが行われた状態となる。
ステップSg3905にて否定判定した場合、すなわち、チェリーA~Cやチャンス目A~C、チェリー重複1,2、チャンス目重複1,2を契機とする再遊技入賞であった場合、ステップSg3908に進み、特定再遊技コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットするとともに、ステップSg3909にて特定再遊技用再BET処理を実行する。特定再遊技コマンドは、前回のゲームでチェリーA~Cやチャンス目A~C、チェリー重複1,2、チャンス目重複1,2のいずれかの結果に基づく再遊技入賞が成立したことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、ステップSg3909の特定再遊技用再BET処理は、これらの結果を契機とする再遊技入賞に基づき仮想メダルを自動投入するための処理である。
すなわち、特定再遊技用再BET処理では、上記通常再遊技用再BET処理と同様に、BETカウンタを前回のベット数に対応する値となるように1ずつ加算する処理を行う。この場合、通常再遊技用再BET処理では、所定期間が経過する度にBETカウンタを1ずつ加算するようにしていたが、本実施形態における特定再遊技用再BET処理では、前回のゲームのベット数と同数の値を一度にBETカウンタに入力するようにしている。つまり、特定再遊技用再BET処理の方が、通常再遊技用再BET処理よりもベットを行う処理が早期に完了するようになっている。なお、特定再遊技用再BET処理の方が通常再遊技用再BET処理よりも早期にベットが完了すればよく、例えば、特定再遊技用再BET処理でも、所定期間が経過する度にBETカウンタを1ずつ加算するようにするものの、当該所定期間が通常再遊技用再BET処理のものの方が特定再遊技用再BET処理のものよりも長くなるように設定してもよい。
ステップSg3903にて否定判定した場合、又はステップSg3907若しくはステップSg3909の処理を実行した後は、ステップSg3910に進む。ステップSg3910~ステップSg3921の処理は、メダル投入口45からのメダル投入や、各クレジット投入スイッチ56,57の操作によってベットやクレジットの設定を行うための処理である。
すなわち、ステップSg3910では、各種カウンタエリア106eに設けられたクレジットカウンタの値が上限値(50)であるか否かを判定する。クレジットカウンタは、クレジット表示部60に表示されるクレジットに対応するものであり、CPU102が有する仮想遊技媒体記憶手段に相当する。クレジットカウンタが上限値に達していなければ、ステップSg3911にてメダル通路切替ソレノイド46aを励磁状態として、メダル投入口45から投入されたメダルが貯留用通路47側に導かれるようにする。一方、クレジットカウンタが上限値である場合、ステップSg3912にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態として、メダル投入口45から投入されたメダルが排出用通路48側に導かれるようにする。
ステップSg3911又はステップSg3912の処理を実行した後は、ステップSg3913に進む。ステップSg3913~ステップSg3921の処理は、メダル投入口45からのメダル投入、第1クレジット投入スイッチ56の操作、第2クレジット投入スイッチ57の操作、といった賭数操作が行われた場合の処理である。
すなわち、ステップSg3913では、メダル投入口45からメダルが投入されたか否かを判定する。本実施形態では、メダルが投入されたことはメダル投入口45から投入されたメダルが通過する通路において上記のメダル通路切替ソレノイド46aが設けられたセレクタ46よりも上流側(メダル投入口45側)に、投入メダル検出センサ45aが設けられており、CPU102は、当該投入メダル検出センサ45aの検出結果に基づいて、メダルが投入されたことを判定することが可能である。メダルが投入された場合には、ステップSg3914にて投入操作対応処理を実行し、ステップSg3915にて投入操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。投入操作コマンドは、メダルが投入されたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
投入操作対応処理では、BETカウンタが規定枚数に達しているか否かを判定し、期待枚数に達していない場合には、今回のメダル投入に基づきBETカウンタを1加算する処理を実行するとともに、投入BETコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。投入BETコマンドは、今回のメダル投入によってベットの設定が行われたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。一方、BETカウンタが規定枚数に達している場合には、各種カウンタエリア106eに設けられたクレジットカウンタが50以下であれば、当該クレジットカウンタを1加算する処理を実行するとともに、投入増加コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。クレジットカウンタが50である状況でメダル投入が行われた場合には、上記のように排出用通路48側から排出される。
ステップSg3913にてメダル投入口45からメダル投入がなされていないと判定した場合、ステップSg3916に進む。ステップSg3916では、第2クレジット投入スイッチ57による1枚のベット操作されたか否かを判定する。第2クレジット投入スイッチ57によるベット操作が行われた場合には、ステップSg3917にて1BET操作対応処理を実行し、ステップSg3918にて1BET操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。1BET操作コマンドは、1枚のベット操作が行われたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
1BET操作対応処理では、クレジットカウンタが1以上であって、仮想メダルが1枚以上記憶されている場合には、当該クレジットカウンタを1減算するとともに、BETカウンタが特定枚数に達していなければ当該BETカウンタに1を加算する処理を実行し、BETカウンタが特定枚数に達している場合にはBETカウンタに1を入力するとともに、特定枚数に対応する値をクレジットカウンタに加算する処理を実行する。つまり、特定枚数のベットが行われている状況で第2クレジット投入スイッチ57を操作することで、1枚のベットがなされた状態に復帰させることが可能となっている。1BET操作対応処理において、クレジットカウンタが0である場合には、そのまま本1BET操作対応処理を終了する。
ステップSg3916にて第2クレジット投入スイッチ57の操作がなされていないと判定した場合には、ステップSg3919に進む。ステップSg3919では、第1クレジット投入スイッチ56による特定枚数のベット操作が行われたか否かを判定する。第1クレジット投入スイッチ56によるベット操作が行われた場合、ステップSg3920にてMAXBET操作対応処理を実行し、ステップSg3921にてMAXMET操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。MAXBET操作コマンドは、特定枚数のベット操作が行われたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
MAXBET対応処理では、BETカウンタと特定枚数との差分を把握したうえで、クレジットカウンタが当該差分以上であって、仮想メダルが差分以上記憶されている場合には、当該クレジットカウンタを差分だけ減算するとともに、当該差分をBETカウンタに加算する処理を実行する。クレジットカウンタが当該差分未満である場合や、既にBETカウンタに特定枚数に対応する値が入力されている場合には、そのままMAXBET操作対応処理を終了する。
ステップSg3915、ステップSg3918及びステップSg3921のいずれかの処理を実行した後、又はステップSg3919にて否定判定した場合、ステップSg3922に進み、BETカウンタが特定枚数となっているか否かを判定する。特定枚数ではない場合には、ステップSg3910に戻り、特定枚数である場合には、ステップSg3923にて開始可能状態表示部76bを消灯状態から点灯状態に切り換える処理を実行してから、本BET用処理を終了する。開始可能状態表示部76bが点灯状態に切り換えられることによって、遊技者は、スタートレバー41を操作して各リール32L,32M,32Rの回転を開始させることが可能な状態となったことを把握することが可能となる。
<ベット時演出設定処理>
次に、表示制御装置81側のベット時演出処理について、図591のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、ベット時演出設定処理は周期的に起動される演出設定処理(図552)において、ステップSg2004にて実行される処理である。
ステップSg4001では、受入可能コマンドを受信しているか否かを判定する。上記の通り、受入可能コマンドはBET用処理におけるステップSg3902にて出力設定されるコマンドであり、ベット操作が可能な受入可能状態となったことを示すコマンドである。言い換えると、例えば、フラッシュ演出を実行する場合に主制御装置101側で無効期間が設定される場合、当該無効期間が経過した際に出力されるコマンドである。
受入可能コマンドを受信している場合、ステップSg4002にて、いずれかの再遊技コマンドを受信しているか否かを判定する。上記のように、再遊技入賞が成立した次ゲームでは通常再遊技コマンドや特定再遊技コマンドが出力され(ステップSg3906、ステップSg3908)、ステップSg4002の処理は再遊技入賞が成立した次ゲームにおいて、受入可能状態となったか否かを判定する処理である。いずれの再遊技コマンドも受信していない場合には、ステップSg4003に進み、各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側クレジットカウンタが1以上であるか否かを判定する。サブ側クレジットカウンタは、主制御装置101側のクレジットカウンタに対応するものである。
サブ側クレジットカウンタが1以上であり、クレジットがある場合には、ステップSg4004に進み、各種フラグ格納エリア183aにサブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。サブフラッシュフラグがセットされていない場合には、ステップSg4005に進み、第1クレジットランプ56bを点灯状態とすることにより、第1クレジット投入スイッチ56の操作が有効となったことを報知する。一方、サブフラッシュフラグがセットされている場合には、第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を行わない。
ここで、ステップSg4004にてサブフラッシュフラグがセットされている場合とは、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされなかったゲームの次ゲームにおいて受入可能状態となった場合や、主制御装置101側でフラッシュ演出を実行することの決定がなされ、無効期間の設定も行ったものの、表示制御装置81側でその無効期間よりも長いフラッシュ演出を実行することの決定がなされた場合において、その無効期間が経過して、次ゲームの受入可能状態となった場合である。この場合、上記のように第1クレジット投入スイッチ56の操作が有効となった旨の報知をこの時点では行わないようにしていることから、せっかく表示制御装置81側でフラッシュ演出の実行機会を増やしたり期待度の高いフラッシュ演出に変更することにより、BB当選への期待感等を持続させようとしているのにもかかわらず、第1クレジット投入スイッチ56の操作が有効となった旨の報知がフラッシュ演出の実行中に行われてしまうことによって、そのフラッシュ演出が単なる演出上のものであるとして把握されてしまい、遊技者を興覚めさせてしまうことを回避することが可能となる。
ステップSg4003にてクレジットがない場合や、ステップSg4004にてサブフラッシュフラグがセットされている場合、又はステップSg4005の点灯処理を実行した後は、ステップSg4006に進む。ステップSg4006では、メダル投入コマンドやいずれかのBET操作コマンドを受信したか否かを判定する。いずれかのコマンドを受信している場合、ステップSg4007にて、受信しているコマンドが、メダル投入コマンド又は1BET操作コマンドであるか否かを判定する。これらのコマンドである場合、ステップSg4008にて単ベット演出設定処理を実行する。一方、受信しているコマンドがMAXBET操作コマンドである場合、ステップSg4009にて連ベット演出設定処理を実行する。また、ステップSg4002にていずれかの再遊技コマンドを受信している場合には、ステップSg4010にて再遊技状態用ベット演出設定処理を実行する。ステップSg4001にて受入可能コマンドを受信していないと判定した場合や、ステップSg4006にていずれのコマンドも受信していないと判定した場合、又はステップSg4008~ステップSg4010のいずれかの処理を実行した後は、ステップSg4011にてその他のベット時演出設定処理を実行してから、本ベット時演出設定処理を終了する。ステップSg4011では、例えば、AT当選報知演出等が当該ゲームのベット操作に基づいて実行されるように設定されている場合にはその演出が補助表示部65やスピーカ64にて実行されるようにしたり、連続演出等においてベット操作に基づいて演出が発展する場合に、かかる発展用の演出を実行するための処理等を行う。
<単ベット演出設定処理>
単ベット演出設定処理は、再遊技状態以外の状態において、メダル投入口45からメダルが投入されたり、第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合に実施される処理である。単ベット演出設定処理では、これらのベット操作に基づいてベット表示部34側での演出を行うための処理を実行する。
単ベット演出設定処理では、図592のフローチャートに示すように、先ず、ステップSg4101にて、メダル払出効果音の出力中か否かを判定する。
メダル投入や第2クレジット投入スイッチ57の操作に基づきベット演出設定処理が実行されるタイミングにおいて払出効果音の出力中である場合とは、上記のように、サブ側フラッシュ演出を実行することにより、実際のメダルの払い出しタイミングよりも後にメダル払出効果音が出力される場合である。より詳しくは、サブ側フラッシュ演出が終了し、疑似的にメダル払出効果音が出力されているタイミングでメダル投入や第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合や、サブ側フラッシュ演出の実行中にメダル投入や第2クレジット投入スイッチ57が操作され、実行中のサブ側フラッシュ演出が強制終了されるとともに疑似的なメダル払出効果音が出力される場合である。これに対して、実際のメダル払い出しタイミングにてメダル払出効果音が出力される場合には、当該メダル払い出しの契機となったゲームの次ゲームに至っておらず、受入可能状態とはなっていないため、メダル投入や第2クレジット投入スイッチ57の操作に基づくコマンド出力は行われない。
本実施形態では、ステップSg4101にて払出効果音の出力中であると判定した場合、当該払出効果音が終了するまで待機する。払出効果音が出力されていない場合や、出力されていても当該払出効果音の出力が終了することによりステップSg4101にて否定判定し、ステップSg4102に進む。
ステップSg4102では、非点灯となっているベット表示部34a~34cのうち最小ベット数を示すベット表示部を点灯状態とする処理を実行する。すなわち、例えば、いずれのベット表示部34a~34cも消灯状態である場合には1枚のベットを示す第1ベット表示部34aを点灯状態とし、第1ベット表示部34aが点灯状態であって第2ベット表示部34bや第3ベット表示部34cが消灯状態である場合には第2ベット表示部34bを点灯状態とする処理を実行する。
続くステップSg4103では、ベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。そして、ステップSg4104にて、ステップSg4102にて点灯状態としたベット表示部が今回のゲームの特定枚数に相当するか否かを判定する。具体的には、非内部状態や内部状態において第3ベット表示部34cを点灯状態とした場合にはステップSg4103にて肯定判定し、BB状態において第1ベット表示部34aを点灯状態とした場合にはステップSg4104にて肯定判定する。ステップSg4104にて肯定判定した場合、ステップSg4105にて第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行してから、本単ベット演出設定処理を終了する。ステップSg4104にて否定判定した場合は、第1クレジットランプ45b消灯状態とすることなく、そのまま単ベット演出設定処理を終了する。
<連ベット演出設定処理>
次に、ステップSg4009の連ベット演出設定処理について、図593のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSg4201では、ステップSg4101と同様に、メダル払出効果音の出力が終了するまで待機する。そして、ステップSg4202にて、第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づき、第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行する。続くステップSg4203では、上記ステップSg4102と同様に、非点灯となっているベット表示部34a~34cのうち最小ベット数を示すベット表示部を点灯状態とする処理を実行し、ステップSg4204では、上記ステップSg4103と同様に、ベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。そして、ステップSg4205にて、上記ステップSg4104と同様に、ステップSg4203にて点灯状態としたベット表示部が今回のゲームの特定枚数に相当するか否かを判定する。ステップSg4205にて否定判定した場合、ステップSg4206にて、所定期間(本実施形態では0.2sec)に亘って待機する処理を実行する。そして、ステップSg4206にて所定期間が経過した場合には、ステップSg4203に戻り、ベット表示部34の点灯処理及びベット時効果音の出力処理(ステップSg4204)を実行する。ステップSg4205にて特定枚数に至ることで、本連ベット演出設定処理を終了する。
<再遊技状態用ベット演出設定処理>
次に、ステップSg4010の再遊技状態用ベット演出設定処理について、図594のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSg4301では、サブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合、ステップSg4302にて通常再遊技コマンドを受信しているか否かを判定し、通常再遊技コマンドを受信している場合には、ステップSg4303にて通常再遊技用再ベット演出処理を実行してから、本再遊技状態用ベット演出設定処理を終了する。一方、通常再遊技コマンドではなく特定再遊技コマンドを受信している場合、ステップSg4304にて特定再遊技用再ベット演出処理を実行してから、本再遊技状態用ベット演出設定処理を終了する。ステップSg4301にてサブフラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg4305にて、サブフラッシュ用ベット演出処理を実行してから、本再遊技状態用ベット演出設定処理を終了する。
<通常再遊技用再ベット演出処理>
ステップSg4303の通常再遊技用再ベット演出処理について、図595のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSg4401では、上記ステップSg4102と同様に、非点灯となっているベット表示部34a~34cのうち最小ベット数を示すベット表示部を点灯状態とする処理を実行し、ステップSg4402では、再遊技用ベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
本実施形態では、ステップSg4402にて出力設定する効果音を、ステップSg4103等にて出力設定する効果音と、遊技者が識別可能な程度に異なる態様に設定している。このようにすることで、遊技者は再遊技入賞に基づく自動ベット処理にてベットが行われたことと、自らのベット操作に基づくベット処理にてベットが行われたことと、を区別して把握することが可能となる。
そして、ステップSg4403にて、ステップSg4401にて点灯状態としたベット表示部は、前回のベット数に対応する表示部であるか否かを判定する。具体的には、例えば、前回のベット数が3である場合に直前のステップSg4401にて第3ベット表示部34cを点灯状態としていればステップSg4403にて肯定判定し、前回のベット数が3である場合に直前のステップSg4401にて第1ベット表示部34aを点灯状態としていれば否定判定する。ステップSg4403にて否定判定した場合、ステップSg4404にて、所定期間(本実施形態では0.5sec)に亘って待機する処理を実行する。
なお、本実施形態では、連ベット演出設定処理における一のベット演出と一のベット演出との待機期間(0.2sec)よりも、通常再遊技用再ベット演出処理における一のベット演出と一のベット演出との待機期間(0.5sec)の方が長くなるように設定している。このようにすることで、再遊技入賞に伴う自動ベット時における待ち時間を少なくすることができる。つまり、再遊技入賞後のゲームではベット操作を介さずにベット処理が行われるところ、当該再遊技入賞後のゲームの方が、再遊技非入賞後のゲームよりもベット処理が早期に開始されることになる。そうすると、仮に一のベット演出と一のベット演出との待機期間を同等のものとすると、再遊技入賞後のゲームの方がウェイト期間が経過するまでにベット演出が終了する可能性が高くなる。そのため、上記のように、再遊技入賞後のベット演出において、一のベット演出と一のベット演出との待機期間を再遊技非入賞後よりも長く設定することにより、演出の非実行期間を短くすることが可能となり、遊技の間延びを解消することができる。
ステップSg4404にて所定期間が経過した場合には、ステップSg4401に戻り、ベット表示部34の点灯処理及びベット時効果音の出力処理(ステップSg4402)を実行する。ステップSg4403にてベット表示部34の点灯態様が前回のゲームのベット数に対応するものとなった場合には、本通常再遊技用再ベット演出処理を終了する。
<特定再遊技用再ベット演出処理>
次に、ステップSg4304の特定再遊技用再ベット演出処理について、図596のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSg4501では、第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行し、ステップSg4502では、いずれかのベット操作に基づく操作コマンドを受信するまで待機する処理を実行する。すなわち、チェリーA~Cやチャンス目A~C等の再遊技により構成される特定役では、当該再遊技入賞に基づく自動ベット処理は主制御装置101側で実行されるものの、それに伴うベット演出は、遊技者によるベット操作を待って実行するようにしている。このようにすることで、チェリーA~Cやチャンス目A~Cが再遊技ではなくスイカのような小役と同じ扱いであるという印象を遊技者に与えることが可能となり、再遊技を利用して特定役を構成することの利便性を得ながらも、その再遊技を利用して特定役を構成したことを悟られないようにすることができる。
なお、再遊技を利用して特定役を構成することの利便性としては、例えば、払い出しの生じ得る小役と比較して特定役の当選確率や割合が出玉率に影響を及ぼしにくくなり遊技設計上好ましい点や、再遊技の当選確率が変化する所謂リプレイタイムに移行させることで、特定役の当選確率を容易に変化させることが可能となる点等である。
ステップSg4502にていずれかのベット操作が行われたと判定した場合には、ステップSg4503に進み、第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を行う。そして、ステップSg4504~ステップSg4507にて、前回のベット数と同数のベットが行われた状態の報知態様となるようにする処理を行う。すなわち、ステップSg4504では、上記ステップSg4102と同様に、非点灯となっているベット表示部34a~34cのうち最小ベット数を示すベット表示部を点灯状態とする処理を実行し、ステップSg4505では、上記ステップSg4103と同様に、ベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。
本実施形態では、ステップSg4505にて出力設定する効果音を、ステップSg4402にて出力設定する効果音と、遊技者が識別可能な程度に異なる態様に設定しており、より詳しくは、ステップSg4103等にて出力設定する効果音と同様の態様に設定している。このようにすることで、今回入賞した特定役が再遊技により構成されるものであることを遊技者に悟られにくくする効果がより高められる。
そして、ステップSg4506にて、ステップSg4401と同様に、直前のステップSg4504にて点灯状態としたベット表示部は、前回のベット数に対応する表示部であるか否かを判定する。ステップSg4506にて否定判定した場合、ステップSg4507にて、所定期間(本実施形態では0.2sec)に亘って待機する処理を実行する。
なお、本実施形態では、特定再遊技用ベット演出設定処理における一のベット演出と一のベット演出との待機期間(0.2sec)を、通常再遊技用再ベット演出処理における一のベット演出と一のベット演出との待機期間(0.5sec)よりも短くなるように設定し、より詳しくは、連ベット演出設定処理における一のベット演出と一のベット演出との待機期間(0.2sec)と同じ長さとなるよう設定した。このようにすることにより、再遊技により構成される特定役を他の小役と同じ扱いであることの印象付けをより好適に行うことが可能となる。
ステップSg4506にて所定期間が経過した場合には、ステップSg4504に戻り、ベット表示部34の点灯処理及びベット時効果音の出力処理(ステップSg4505)を実行する。ステップSg4506にてベット表示部34の点灯態様が前回のゲームのベット数に対応するものとなった場合には、本特定再遊技用再ベット演出処理を終了する。
<サブフラッシュ用再ベット演出処理>
次に、ステップSg4305のサブフラッシュ用再ベット演出処理について、図597のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSg4601では、通常再遊技コマンドを受信しているか否かを判定する。通常再遊技コマンドを受信しており、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~C等であって、サブ側フラッシュ演出を実行する場合、ステップSg4602にて、スタートレバー41の操作に基づく開始コマンドを主制御装置101から受信したか否かを判定する。既に説明した通り、スタートレバー41の操作による開始操作は、フラッシュフリーズカウンタが0となるまでの間は無効化される(図568)。また、主制御装置101側のBET用処理は、当該フラッシュフリーズカウンタが0となった後で実行されることから、ステップSg4602にて当該開始コマンドを受信する場合とは、サブ側フラッシュ演出を実行中であって、フラッシュフリーズカウンタが0となり無効解除処理が実行された後であって、通常再遊技用再BET処理(ステップSg3907)が実行された後で、スタートレバー41が操作されたことを意味する。
ステップSg4602にて開始コマンドを受信していない場合、ステップSg4603にてサブフラッシュフラグがクリアされたか否かを判定し、クリアされていない場合には、ステップSg4602及びステップSg4603をループする。既に説明した通り、サブフラッシュフラグは、サブ側フラッシュ演出を終了する場合にクリアされる。つまり、ステップSg4603の処理は、サブ側フラッシュ演出が終了するまで待機する処理である。なお、上記の通り、サブ側フラッシュ演出は、予定していたフラッシュ演出が完了する前にベット操作に基づき終了する場合もあり、この場合もサブフラッシュフラグはクリアされることから、ステップSg4603にて否定判定することとなる。
ステップSg4603にて否定判定することで、ステップSg4604に進み、通常再遊技用ベット演出処理を実行してから、本サブフラッシュ用再ベット演出処理を終了する。この場合、一のベット演出と一のベット演出との間の待機期間が0.5secに設定された態様、すなわちサブ側フラッシュ演出を実行しない場合の通常リプA~C等の再遊技入賞が成立した場合と同様の態様のベット演出が、サブ側フラッシュ演出の終了後に実行されることとなる。
ステップSg4602にて開始コマンドを受信していると判定した場合、ステップSg4604の処理を実行することなく、そのまま本サブフラッシュ用再ベット演出処理を終了する。この場合、待機していたベット演出は実行されることなく、開始操作に基づくゲームが開始されることになる。
ステップSg4601にて否定判定し、特定再遊技コマンドを受信している場合、ステップSg4605に進む。ステップSg4605では、メダル投入コマンドや1BET操作コマンド、MAXBET操作コマンドといった、遊技者によるベット操作に基づく操作コマンドを主制御装置101から受信したか否かを判定する。いずれのコマンドも受信していない場合、ステップSg4606にて、ステップSg4602と同様に開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSg4606にて当該開始コマンドを受信する場合とは、サブ側フラッシュ演出を実行中であって、フラッシュフリーズカウンタが0となり無効解除処理が実行された後であって、特定再遊技用再BET処理(ステップSg3909)が実行された後で、スタートレバー41が操作されたことを意味する。
開始コマンドを受信していない場合、ステップSg4607に進み、サブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていなければ、ステップSg4608にて第1クレジットランプ56を点灯状態とする処理を実行してから、ステップSg4605に戻る。
ステップSg4605にていずれかの操作コマンドを受信している場合、ステップSg4609にて、特定再遊技用ベット演出処理を実行してから、本サブフラッシュ用再ベット演出処理を終了する。この場合、一のベット演出と一のベット演出との間の待機期間が0.2secに設定された態様、すなわちサブ側フラッシュ演出を実行しない場合のチェリーA~Cやチャンス目A~C等の再遊技により構成される特定役当選時の再遊技入賞が成立した場合と同様の態様のベット演出が、サブ側フラッシュ演出の終了後に実行されることとなる。
ステップSg4606にて開始コマンドを受信していると判定した場合、ステップSg4602の場合と同様に、ステップSg4609の処理を実行することなく、そのまま本サブフラッシュ用再ベット演出処理を終了する。この場合、待機していたベット演出は実行されることなく、開始操作に基づくゲームが開始されることになる。
<フラッシュ演出とベット演出との様子>
フラッシュ演出が行われる場合のベット演出の様子について、図598~図602を参照しながら説明する。
図598(a)は、主側フラッシュ演出が行われる場合のベット演出の様子を示している。
ta61にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、ta62にて回転が終了し、当該ta62からta63に亘って主側フラッシュ演出が行われる場合、そのta62からta63は無効期間に設定される。ta63にてフラッシュ演出の終了とともに無効期間が経過すると、受入可能状態となり、第1クレジットランプ56bが点灯状態とされる。ta64にてベット操作が行われると、当該ベット操作に基づくベット処理が実行されるとともに、ベット時効果音が出力され、ta65にていずれも終了する。
図598(b)は、サブ側フラッシュ演出が行われる場合のベット演出の様子を示している。
tb61にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tb62にて回転が終了し、当該tb62からtb64に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのtb62からtb64ではなく、tb64よりも前のtb63にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、tb63にて無効期間が経過するとフラッシュ演出の途中であっても、受入可能状態となる。
tb63にて受入可能状態となっても、サブ側フラッシュ演出であることから第1クレジットランプ56bはこの時点では点灯状態とされず(ステップSg4004:NO)、tb64にてフラッシュ演出が終了すると、サブフラッシュフラグがクリアされることから、当該tb64にて第1クレジットランプ56bは点灯状態とされるようになる(ステップSg4004:YES)。このようにすることで、フラッシュ演出の途中でベット操作が促されないようになり、遊技者を興覚めさせてしまうことを回避することが可能となる。
その後、tb65にてベット操作が行われると、当該ベット操作に基づくベット処理が実行されるとともに、ベット時効果音が出力され、tb66にていずれも終了する。
図598(c)は、サブ側フラッシュ演出の途中でベット操作が行われた場合のベット演出の様子を示している。
tc61にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tc62にて回転が終了し、当該tc62からtc66に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのtc62からtc66ではなく、tc66よりも前のtc63にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、tc63にて無効期間が経過するとフラッシュ演出の途中であっても、受入可能状態となる。
フラッシュ演出の終了予定であるtc66よりも前のtc64にてベット操作が行われると、この時点で実行中のフラッシュ演出は終了する。この場合、tc64のベット操作に基づくベット処理が実行されるとともに、ベット時効果音が出力され、tc65にていずれも終了する。このように、フラッシュ演出をベット操作に基づいて途中で終了させたうえでベット時演出を行うようにすることで、ベット操作に基づくベット時演出とフラッシュ演出とが重複してしまう事象を回避することができる。
図599(a)は、フラッシュ演出を実行するゲームでメダル払い出しが発生する場合のベット演出の様子を示している。
ta71にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、ta72にて回転が終了し、当該ta72からta75に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのta72からta75ではなく、ta75よりも前のta73にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、ta72にて各リール32L,32M,32Rが停止していずれかの小役入賞が成立していると、無効期間が経過するta73にて実際のメダル払い出しが発生し、ta74にて払い出しが終了する。但し、当該ta73からta74はフラッシュ演出の実行中であることから払出効果音の出力は制限される。なお、ta74にてメダル払い出しが終了して次ゲームに移行すると受入可能状態となる。
ta75にてフラッシュ演出が終了すると、上記のようにta73からta74のメダル払い出しに対応する払出効果音の出力が行われ、ta76に終了する。払出効果音の出力が終了すると、ta76にて第1クレジットランプ56bが点灯状態とされる。つまり、ta74にて受入可能状態となった場合において、フラッシュ演出の実行中は第1クレジットランプ56bを点灯状態とすることが制限されるだけではなく、払出効果音の出力中も第1クレジットランプ56bを点灯状態とすることが制限される。このようにすることで、主制御装置101側で決定されたフラッシュ演出の流れ(主側フラッシュ演出の終了とともに無効期間が経過してメダル払い出しが発生し、その後、受入可能状態となって第1クレジットランプ56bが点灯状態とされる流れ)と同じ流れとなり、サブ側フラッシュ演出が主側フラッシュ演出であるかのような印象をさらに強めることが可能となる。
その後、ta77にてベット操作が行われると、当該ベット操作に基づくベット処理が実行されるとともに、ベット時効果音が出力され、ta78にていずれも終了する。
図599(b)は、フラッシュ演出中にベット操作を行った場合の、メダル払い出しとベット演出との様子を示している。
tb71にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tb72にて回転が終了し、当該tb72からtb78に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのtb72からtb78ではなく、ta78よりも前のtb73にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、tb72にて各リール32L,32M,32Rが停止していずれかの小役入賞が成立していると、無効期間が経過するtb73にて実際のメダル払い出しが発生し、tb74にて払い出しが終了する。上記図599(a)の場合と同様に、当該tb73からtb74はフラッシュ演出の実行中であることから払出効果音の出力は制限される。なお、tb74にてメダル払い出しが終了して次ゲームに移行すると受入可能状態となる。
tb78にてフラッシュ演出が終了するよりも前に、tb75にてベット操作が行われた場合、当該ベット操作に基づくベット処理がtb76まで実行される。但し、tb75においては、払出効果音が未出力であるため、ベット時効果音の出力が制限される。この場合、tb75のベット操作に基づいてフラッシュ演出が終了することから、当該tb75から払出効果音の出力が行われ、tb77に当該払出効果音の出力が終了する。そして、tb77からベット時効果音の出力が開始され、tb79にて当該ベット時効果音の出力が終了する。
この場合、tb75~tb77の払出効果音はtb73~tb74の処理に対応するものであり、tb77~tb79のベット時効果音はtb75~tb76の処理に対応するものであり、いずれも主制御装置101側の処理タイミングと表示制御装置81側の演出タイミングとが異なる対応関係となっているものにおいて、一方の演出タイミングが他方の処理タイミングに重複し得るように設定されている。つまり、tb75~tb77の払出効果音が出力されている間であるtb75~tb76にて、当該払出効果音に対応する処理ではなく、それとは異なるベット処理の実行が許容されている。このようにすることで、遊技進行に基づいて複数の処理が実行され、それぞれの処理に対して演出が設定される構成において、それら複数の処理に対応する演出の実行タイミングの自由度が圧倒的に向上し、遊技をスムーズに進行させながらも対応する演出を好適に行わせることが可能となる。つまり、一の処理の実行中に当該一の処理とは異なる演出を行わないようにすることで、演出と処理との関係性が明確化されることから、実行中の演出が別の処理に対応するものであると遊技者に誤解させないようになり好ましくも思える。しかし、そのように一の処理の実行中に当該一の処理とは異なる演出を行わないようにしてしまうと、本実施形態のように処理の実行タイミングと演出の実行タイミングとが相違するような場合、当該演出が終了するまで、別の処理の実行を待機する必要があり、スムーズな遊技進行が実現できなくなる恐れがある。その点、一の処理と他の処理とが行われる構成において、それら一の処理に対応する演出が当該一の処理の実行タイミングとは別のタイミングで実行され、他の処理に対応する演出も当該他の処理の実行タイミングとは別のタイミングで実行されるようにしたうえで、一の処理に対応する演出が他の処理の実行中に行われ得るようにしたことで、遊技の好適な進行を妨げることなく、処理に対応する演出の実行タイミングの自由度を向上させることが可能となる。
図600(a)は、フラッシュ演出を実行するゲームで通常リプAに基づく第1再遊技入賞が成立した場合の様子を示している。
ta81にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、ta82にて回転が終了し、当該ta82からta85に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのta82からta85ではなく、ta85よりも前のta83にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、ta82にて各リール32L,32M,32Rが停止して、例えば通常リプAに基づく第1再遊技入賞が成立していると、無効期間が経過するta83にて、通常再遊技用再BET処理(ステップSg3907)が実行される。当該再BET処理はta84にて終了するが、当該再BET処理の処理タイミングではサブ側フラッシュ演出が実行されており、サブフラッシュフラグがセットされていることから、サブフラッシュ用再ベット演出処理(図597)では、サブフラッシュフラグがクリアされるまで、主制御装置101側の再BET処理に対応するベット演出の実行を待機する。そして、ta85にてサブ側フラッシュ演出が終了すると、サブフラッシュフラグがクリアされることから、当該ta85からta86に亘って、ta83からta84までの再BET処理に対応するベット演出が実行される。この場合、上記のように通常リプAに基づく第1再遊技入賞に基づく再BET処理及びベット演出であるから、一のベット演出と一のベット演出との間の待機期間が長い(0.5sec)のベット演出であるとともに、出力されるベット時効果音は再遊技用ベット時効果音である。
図600(b)は、フラッシュ演出を実行するゲームで特定役としてのチェリーAに基づく第10再遊技入賞が成立した場合の様子を示している。
tb81にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tb82にて回転が終了し、当該tb82からtb85に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのtb82からtb85ではなく、tb85よりも前のtb83にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、tb82にて各リール32L,32M,32Rが停止して、例えば特定役としてのチェリーAに基づく第10再遊技入賞が成立していると、無効期間が経過するtb83にて、特定再遊技用再BET処理(ステップSg3909)が実行される。当該再BET処理はtb84にて終了するが、当該再BET処理の処理タイミングではサブ側フラッシュ演出が実行されており、サブフラッシュフラグがセットされていることから、サブフラッシュ用再ベット演出処理(図597)では、いずれかのベット操作が行われるまで、主制御装置101側の再BET処理に対応するベット演出の実行を待機する。この場合、tb85にてサブ側フラッシュ演出が終了すると、第1クレジットランプ56bが点灯状態とされてベット操作が促され、tb86にて第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、当該tb86からtb87に亘って、tb83からtb84までの再BET処理に対応するベット演出が実行される。上記のように特定役としてのチェリーAに基づく第10再遊技入賞に基づく再BET処理及びベット演出であるから、この場合のベット演出は、一のベット演出と一のベット演出との間の待機期間が短い(0.2sec)のベット演出であるとともに、出力されるベット時効果音は再遊技用ベット時効果音ではなく、通常のベット時効果音である。
ここで、本スロットマシン10では、上記のように主制御装置101側のBET表示部75と表示制御装置81側のベット表示部34とが設けられており、BET表示部75よりもベット表示部34の方がその表示面積が大きい等、遊技者の目に留まり易いように設定されている。つまり、通常であれば、遊技者は、ベット処理が行われたことの確認を、BET表示部75ではなくベット表示部34にて行うものと考えられる。そのため、無効期間の経過ととともに自動的にベット処理が行われることとなる再遊技入賞時において、サブ側フラッシュ演出中に当該ベット処理に対応させてBET表示部75にてベット演出が行われても、それが遊技者に気付かれにくく、表示制御装置81側のフラッシュ演出であることを悟られにくくすることが可能である。
図601(a)は、フラッシュ演出を実行するゲームで通常リプAに基づく第1再遊技入賞が成立した場合において、フラッシュ演出の実行中にベット操作が行われた場合の様子を示している。
ta91にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、ta92にて回転が終了し、当該ta92からta97に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのta92からta97ではなく、ta97よりも前のta93にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、ta92にて各リール32L,32M,32Rが停止して、例えば通常リプAに基づく第1再遊技入賞が成立していると、無効期間が経過するta93にて、通常再遊技用再BET処理(ステップSg3907)が実行される。当該再BET処理はta94にて終了するが、当該再BET処理の処理タイミングではサブ側フラッシュ演出が実行されており、サブフラッシュフラグがセットされていることから、サブフラッシュ用再ベット演出処理(図597)では、サブフラッシュフラグがクリアされるまで、主制御装置101側の再BET処理に対応するベット演出の実行を待機する。そして、ta97にてサブ側フラッシュ演出が終了するよりも前のta95にて、ベット操作が行われて実行中のフラッシュ演出が終了すると、当該ta95からta96に亘って、ta93からta94までの再BET処理に対応するベット演出が実行される。この場合、上記のように通常リプAに基づく第1再遊技入賞に基づく再BET処理及びベット演出であるから、一のベット演出と一のベット演出との間の待機期間が長い(0.5sec)のベット演出であるとともに、出力されるベット時効果音は再遊技用ベット時効果音である。
図601(b)は、フラッシュ演出を実行するゲームで特定役としてのチェリーAに基づく第10再遊技入賞が成立した場合において、フラッシュ演出の実行中にベット操作が行われた場合の様子を示している。
tb91にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tb92にて回転が終了し、当該tb92からtb97に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのtb92からtb97ではなく、tb97よりも前のtb93にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、tb92にて各リール32L,32M,32Rが停止して、例えば特定役としてのチェリーAに基づく第10再遊技入賞が成立していると、無効期間が経過するtb93にて、特定再遊技用再BET処理(ステップSg3909)が実行される。当該再BET処理はtb94にて終了するが、当該再BET処理の処理タイミングではサブ側フラッシュ演出が実行されており、サブフラッシュフラグがセットされていることから、サブフラッシュ用再ベット演出処理(図597)では、いずれかのベット操作が行われるまで、主制御装置101側の再BET処理に対応するベット演出の実行を待機する。この場合、tb95にてサブ側フラッシュ演出が終了するよりも前のtb95にて、ベット操作が行われて実行中のフラッシュ演出が終了すると、当該tb95からtb96に亘って、tb93からtb94までの再BET処理に対応するベット演出が実行される。上記のように特定役としてのチェリーAに基づく第10再遊技入賞に基づく再BET処理及びベット演出であるから、この場合のベット演出は、一のベット演出と一のベット演出との間の待機期間が短い(0.2sec)のベット演出であるとともに、出力されるベット時効果音は再遊技用ベット時効果音ではなく、通常のベット時効果音である。
このようにサブ側フラッシュ演出と再遊技入賞に基づく再BET処理とが重複する場合、当該再BET処理に対応するベット演出の実行が制限されて、サブ側フラッシュ演出の終了後に実行される。但し、当該ベット演出に対応する再BET処理は実行されることから、これらの再BET処理の終了とともに(ta84、tb84、ta94、tb94)、開始可能状態となり、開始可能状態表示部76bは点灯状態となる。この場合、上記のように対応するベット演出の実行を待たずに、スタートレバー41を操作して次ゲームを開始させることは可能である。
図602(a)は、開始時演出設定処理(図553)におけるステップSg2119にて実行される開始時フラッシュ演出用処理を示すフローチャートである。
ステップSg4611では、サブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合、ステップSg4612にてサブフラッシュフラグをクリアする処理を実行する。ちなみに、開始時演出設定処理は、フラッシュ演出制御用処理よりも前に起動される処理であることから、ステップSg4612にてクリアするサブフラッシュフラグは、今回の開始操作に基づいて開始するゲームにおいてセットされるサブフラッシュフラグではなく、前回のゲームにおいてセットされたサブフラッシュフラグである。そして、ステップSg4613にてフラッシュ演出終了処理を実行する。フラッシュ演出終了処理は、図580の処理と同様であり、制御パターンをクリアしたりフロントライトを点灯状態とする処理を実行して、実行中のフラッシュ演出を終了させる処理を行う。
ステップSg4611にてサブフラッシュフラグがセットされていない場合、又はステップSg4613の処理を実行した後は、ステップSg4614にて、払出演出終了処理を実行する。払出演出終了処理では、今回の開始操作が行われたタイミングで払出効果音が未だ出力中である場合には、当該出力中の払出効果音を停止(終了)させる処理を行う。なお、今回の開始操作が行われたタイミングで払出効果音が未だ出力中である場合とは、サブ側フラッシュ演出に伴い、払出効果音を実際のメダル払い出しよりも後のタイミングで事後的に出力する場合であって(図581、図583)、当該事後的に出力されている最中にベット操作が行われるとともに当該ベット操作に伴うベット用の処理(ステップSg3915、ステップSg3918、ステップSg3921)が終了して開始可能状態となった後、開始操作が行われた場合である。
ステップSg4614の処理を実行した後は、ステップSg4615にてベット演出終了処理を実行してから、開始時フラッシュ演出用処理を終了する。ベット演出終了処理は、今回の開始操作が行われたタイミングでベット演出が未だ実行中である場合には、当該実行中のベット演出を終了させる処理を行う。なお、今回の開始操作が行われたタイミングでベット演出が未だ実行中である場合とは、サブ側フラッシュ演出や特定再遊技用再ベット演出処理に伴い、実際のベット用の処理よりも後のタイミングで事後的にベット演出が行われる場合であって(図596、図597)、当該事後的に実行されている最中に開始操作が行われた場合である。
図602(b)に示すように、t101にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、t102にて回転が終了し、当該t102からt106に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのt102からt106ではなく、t106よりも前のt103にて無効期間が終了するように設定されたとする。例えば、t102にて各リール32L,32M,32Rが停止して、いずれかの再遊技入賞が成立していると、無効期間が経過するt103にて、対応する再BET処理が実行される。当該再BET処理はt104にて終了し、上記のように開始可能状態となる。
この場合、サブ側フラッシュ演出の終了するt106よりも前のt105にて、スタートレバー41が操作されると、次ゲームの開始操作が正規に受け付けられ、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。かかる場合には、上記のように、t106にてフラッシュ演出は終了するし、t103からt104の再BET処理に対応するベット演出は実行されない。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
特別フラッシュ設定処理では、今回のフラッシュ演出の演出パターンを、前回のフラッシュ演出の演出パターンに基づいて決定する構成としたことから、フラッシュ演出を通じて複数のゲームに亘って注目度を向上させることが可能となる。
この場合、前回のフラッシュ演出の演出パターンの示すBB当選の期待度よりも、今回のフラッシュ演出の演出パターンの示すBB当選の期待度の方が低くなることを制限可能な構成としたことから、前回のフラッシュ演出によって遊技者がBB当選に期待を寄せているのにもかかわらず、今回のフラッシュ演出によってそのBB当選への期待感が一気に低下してしまう事象を回避することが可能となる。よって、複数のゲームに亘って注目度を高めるうえで、後側のゲームの注目度が高くなることを通じて更なる遊技続行の意思決定を後押しすることが可能となる。
但し、前回のフラッシュ演出の示すBB当選の期待度が低期待度であった場合には、今回のフラッシュ演出の演出パターンの示すBB当選の期待度が前回よりも低くなることが許容されるようにしたことから、無理やり後側のゲームの期待度を高くしている印象を与えないようにすることができ、フラッシュ演出の示すBB当選の期待度のバランスを担保しながら後側のゲームの注目度を好適に高めることが可能となる。
また、後側のゲームの抽選結果が押し順ベルのように、フラッシュ演出に対応しない抽選結果である場合は、フラッシュ演出を実行しないようにしたことから、後側のゲームのフラッシュ演出が非対応フラッシュ演出であると遊技者が勘違いしてしまう事象を回避することが可能となる。
前回のフラッシュ演出が実行されたゲームにおいて、スイカ当選時の取りこぼしが発生していた場合、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であれば、BB当選に期待が持てるフラッシュFやフラッシュGの前半部分と演出パターンが共通しているものの、BB当選に期待できないフラッシュAが実行されるようにした。取りこぼしが発生している場合、遊技者はそのゲームの抽選結果を把握していない可能性が高く、取りこぼしが発生しなかった場合よりも、BB当選への期待感を寄せているものと考えられる。そこで、上記構成のようにすることで、フラッシュAがフラッシュFやフラッシュGに発展することを期待しながらフラッシュ演出を楽しませることが可能となり、後側のゲームの抽選結果が外れ結果であってもそのゲームの注目度を好適に高めることが可能となる。
主制御装置101側でフラッシュ演出の実行を決定し、その決定に基づいてフラッシュ演出が行われる場合と、表示制御装置81側でフラッシュ演出の実行を決定し、その決定に基づいてフラッシュ演出が行われる場合とがあるようにしたことから、上記のように前回のフラッシュ演出の演出パターンに基づいて今回のフラッシュ演出の演出パターンを決定したり、前回のフラッシュ演出の演出パターンとは関係なく今回のフラッシュ演出の演出パターンを決定したりすることが可能となり、フラッシュ演出を実行する場合の自由度を大幅に向上させることが可能となる。
主制御装置101側でフラッシュ演出の決定を行う場合、フラッシュ演出の実行期間を無効期間として設定し、表示制御装置81側でフラッシュ演出の決定を行う場合、主制御装置101側で決定したフラッシュ演出の実行期間よりも短い期間となるフラッシュ演出の演出パターンを設定しないようにした。このようにすることで、主制御装置101側で決定した演出パターンではなく表示制御装置81側のフラッシュ演出を実行する際に、無効期間の方がフラッシュ演出の実行期間よりも長くなってしまい、フラッシュ演出が終了しているのにもかかわらず無効期間が終了していない、といった不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
主制御装置101側で決定したフラッシュ演出が行われる場合、そのフラッシュ演出に対応させて設定される無効期間の経過後にメダル払出処理が行われたり、再遊技入賞に伴う再BET処理が行われたりし、それらに対応する払出効果音の出力やベット時効果音の出力も無効期間の経過後に行われることを前提とし、表示制御装置81側で決定したフラッシュ演出が行われる場合において、当該フラッシュ演出が無効期間よりも長い期間に亘って実行される場合、無効期間の経過とともにメダル払出処理が行われたり、再遊技入賞に伴う再BET処理が行われたりするようにしながらも、それらに対応する払出効果音の出力やベット時効果音の出力は、無効期間の経過後であってフラッシュ演出の終了後に実行されるようにした。このようにすることで、実行期間と無効期間とにズレが生じ得る表示制御装置81側のサブ側フラッシュ演出を行ううえで、当該サブ側フラッシュ演出の実行中に払出効果音の出力やベット時効果音の出力が行われることで今回のフラッシュ演出が主側フラッシュ演出ではなく演出上のサブ側フラッシュ演出であることが悟られてしまうことを回避することができるし、演出が重複することにより遊技者を混乱させてしまうことも回避することが可能となる。
実行期間と無効期間とにズレが生じ得る表示制御装置81側のサブ側フラッシュ演出の実行中にベット操作や開始操作が行われた場合には、無効期間が経過していることを条件として、実行中のフラッシュ演出を途中でキャンセルする構成とした。このようにすることで、表示制御装置81側でフラッシュ演出の実行決定を可能とすることによる上記の優れた効果を奏しながらも、スムーズな遊技進行を実現することが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、確定表示部35が点灯状態とされる条件を変更する。
図603は、本変形例における終了時調整用処理を示すフローチャートである。
ステップSg4701~ステップSg4706の処理は上記ステップSg3601~ステップSg3606の処理と同様であり、サブ側フラッシュ演出の終了に際して、サブフラッシュフラグをクリアしたり、払出効果音の出力処理を実行する。
ステップSg4607では、確定フラッシュフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、そのまま本フラッシュ中調整用処理を終了する。確定フラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg4608にて確定フラッシュフラグをクリアする処理を実行してから、本終了時調整用処理を終了する。
すなわち、本変形例では、フラッシュ演出を最後まで実行させた場合には、確定フラシュフラグがセットされていても確定表示部35を点灯状態とさせない。これに対して、ベット操作等によってフラッシュ演出を途中で終了させた場合には、フラッシュ中調整用処理(図583)において確定表示部35を点灯状態とする処理が実行される。
図604は、確定フラッシュフラグがセットされている場合に、確定表示部35が点灯状態とされる様子をベット操作のタイミングとの関係で説明するための図である。
図604(a)に示すように、ta111にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、ta112にて回転が停止して、当該ta112からta114に亘ってフラッシュ演出が実行される一方、ta114よりも前であるta113までが無効期間として設定されたとする。
この場合の具体的なフラッシュ演出としては、例えば、主制御装置101側では1.0sec(第1期間)に亘って実行されるフラシュ演出(フラッシュA~E)を実行することの設定を行ったものの、表示制御装置81側で、2.0sec(第1期間よりも長い第2期間)に亘って実行されるフラッシュ演出F,Gをサブ側フラッシュ演出として実行することの設定を行った場合である。
この場合、設定したフラッシュ演出が非対応フラッシュ演出である場合、ta111にて確定フラッシュフラグがセットされるものの、本変形例では、当該フラッシュ演出が終了するta114では、上記終了時調整用処理において当該確定フラッシュフラグがクリアされるだけで、確定表示部35が点灯状態とされない。
図604(b)は、上記図604(a)と同様に、tb111にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tb112にて回転が停止して、当該tb112からtb115に亘ってフラッシュ演出が実行される一方、tb115よりも前であるtb113までが無効期間として設定されたとする。
フラッシュ演出が開始されてから2.0secが経過する前であって、無効期間の経過後のtb114にていずれかのベット操作が実行された場合、上記のように、実行中のフラッシュ演出は途中で終了される。この場合、確定フラッシュフラグがセットされていることから、確定表示部35は点灯状態となる。
既に説明した通り、フラッシュ演出F,Gは、1.0secまではフラッシュAと同様のパターンにてバックライト100aの制御が行われるように設定されており(図571)、tb112からtb113までは、今回のフラッシュ演出が低期待度のフラッシュAであるか、それとも高期待度のフラッシュFやフラッシュGであるかを遊技者は区別することができない。そして、tb113以降は、今回のフラッシュ演出が高期待度のフラッシュFやフラッシュGであったことを把握することが可能である。
つまり、フラッシュ演出においてフラッシュA、F,Gとった複数種類の演出態様が設定されており、これらフラッシュAとフラッシュF,Gとの分岐点(tb113)よりも後でベット操作等が行われる場合とは、BB当選しているであろうことや実行中のフラッシュ演出が、演出上のフラッシュ演出であること(サブ側フラッシュ演出であること)を遊技者が把握している可能性が高い。これに対して、分岐点後も最後までキャンセルすることなくフラッシュ演出を実行させた場合とは、これらを遊技者が把握している可能性が低い。そこで、上記分岐点以降で遊技者の操作に基づき実行中のフラッシュ演出を終了させる場合には確定表示部35を点灯状態とさせるようにする一方、分岐点後も最後までキャンセルすることなくフラッシュ演出を実行させた場合には、確定表示部35を点灯状態とさせないようにすることで、BB当選しているであろうこと等を既に把握している遊技者に対しては確定演出を行うことで速やかにBB入賞を促す一方、BB当選しているであろうこと等を把握していない遊技者に対しては確定演出を行わず、BBに当選しているのではないか、といった確信を持てないものの期待感を抱く期間をより長く楽しませることが可能となる。
また、BB当選の有無の確定的な報知を行わせたくない遊技者としては、複数のゲームに亘るフラッシュ演出の種類等の関係性から自らそのBB当選の有無を読み解きたいものとも考えられ、上記構成のようにすることで、せっかく複数のゲームに亘るフラッシュ演出の種類等の関係性を自ら読み解こうとしているのにも関わらず、それを台無しにしてしまうことを回避することが可能となる。その一方で、フラッシュ演出の途中でベット操作する遊技者は、遊技進行を優先したいであろうと考えられることから、上記のようにフラッシュ演出を楽しませながらも、遊技進行を優先して早期に確定演出を行うようにすることで、フラッシュ演出や確定演出を遊技者の多様なニーズに応じて設定することが可能となる。
なお、本スロットマシン10では、確定表示部35は、対応するBB入賞が成立した場合に消灯状態とする構成としているが、少なくとも対応するBB状態が終了するまでに消灯状態とされればよい。
図604(c)は、上記の分岐点よりも前にベット操作が行われた場合を示している。
すなわち、tc111にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tc112にて回転が停止して、当該tc112からtc115に亘ってフラッシュ演出が実行される一方、t115よりも前であるtc114までが無効期間として設定されたとする。
そして、上記フラッシュ演出の分岐点となる無効期間が経過するtc114よりも間であるtc113にてベット操作が行われた場合、当該tc113は無効期間中であることから、今回のベット操作に対応するベットコマンドは主制御装置101から表示制御装置81へ出力されない。その為、tc113にてフラッシュ演出は終了せず、この場合、そのまま無効期間の経過後もtc115までベット操作が行われなければ、当該tc115にてフラッシュ演出が終了するとともに、確定表示部35は点灯状態とされない。
このように、確定表示部35を点灯状態とさせることの決定がなされている場合において、当該点灯状態とさせるよりも前に遊技者による所定操作としてのベット操作が行われた場合には当該点灯状態とすることによる確定演出を実行する一方、所定操作が行われなかった場合には確定演出の実行を制限するようにしたことから、遊技者の多様なニーズに応えることが可能となる。
しかも、所定操作を行うことで確定演出が実行されるようになるタイミングは無効期間の経過後であり、無効期間中に所定操作を行っても確定演出は行われないようにしていることから、無効期間の経過前に確定演出が行われることはなく、確定演出が行われたのにもかかわらず次ゲームを開始することができない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
なお、上記構成では、確定フラッシュフラグがセットされていても、フラッシュ演出を最後まで実行させた場合には確定演出を行わず、フラッシュ演出を途中でキャンセルした場合に確定演出を行う構成としたが、フラッシュ演出を最後まで実行させた場合には確定演出を行い、フラッシュ演出を途中でキャンセルした場合に確定演出を行わない構成としてもよい。
フラッシュ演出においてフラッシュA、F,Gとった複数種類の演出態様が設定されており、これらフラッシュAとフラッシュF,Gとの分岐点(tb113)よりも後でベット操作等が行われる場合とは、上記のように、実行中のフラッシュ演出が、演出上のフラッシュ演出であること(サブ側フラッシュ演出であること)や、BB当選していることを既に遊技者が把握している可能性が高い。そこで、上記分岐点以降で遊技者の操作に基づき実行中のフラッシュ演出を終了させる場合には、確定表示部35を点灯状態とさせないようにすることで、遊技者がBB当選を把握しているのにもかかわらず確定表示部35を点灯状態とさせることによる演出上の無駄を排除し、当該確定表示部35による演出バランスを好適に担保することが可能となる。また、上記のように、BB当選を把握している可能性の高い遊技者の操作によって確定表示部35を点灯状態とさせないようにすることで、当該BB当選を、例えば隣の遊技台で遊技する遊技者に悟られにくくすることも可能であり、本スロットマシン10を遊技する遊技者に優越感を与えることもできる。
よって、確定表示部35による報知がBB当選を把握している遊技者に対して蛇足となり得ることを好適に回避することができるし、確定表示部35による報知を好ましく思わない遊技者のニーズにも応えることができる。
<変形例2>
本変形例では、無効期間中にベット操作が行われたことを主制御装置101側で特定可能とする。
図605(a)は、本変形例におけるフラッシュ待機用処理の一部を示すフローチャートである。既に説明した通り、フラッシュ待機用処理は、主制御装置101のCPU102におけるリール制御処理(図524)において、各リール32L,32M,32Rが停止した後で実行される処理である。
本変形例では、フラッシュフリーズカウンタが0となるまでの無効期間中の処理が異なる。すなわち、ステップSg2401にて否定判定した場合や、ステップSg2405にて操作無効処理を実行した後、ステップSg4801でフラッシュフリーズカウンタが0であるか否かを判定する。上記の通り、フラッシュフリーズカウンタは無効期間の長さに応じて設定されるカウンタであり、0となるまでがベット操作等が無効化される無効期間である。フラッシュフリーズカウンタが0ではない場合、ステップSg4802に進み、いずれかのベット操作が行われたか否かを判定する。すなわち、主制御装置101側で設定したフラッシュ演出用の無効期間中にベット操作が行われたか否かを把握する。ベット操作が行われた場合には、ステップSg4803にて無効中操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。無効中操作コマンドは、フラッシュ演出用の無効期間中にベット操作が行われたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。
ステップSg4802にてベット操作が行われていないと判定した場合や、ステップSg4803の処理を実行した後は、ステップSg4801に戻る。フラッシュフリーズカウンタが0となることで、ステップSg4801にて肯定判定し、ステップSg2407の操作無効解除処理に進む。
図605(b)は、本変形例における無効期間中処理を示すフローチャートである。無効期間中処理は、表示制御装置81における演出設定処理(図552)のその他の処理(ステップSg2012)における一処理として実行される処理である。
ステップSg4811では、上記の無効中操作コマンドを受信したか否かを判定する。無効中操作コマンドを受信している場合、ステップSg4812にてサブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定し、サブ側フラッシュ演出を実行する場合における無効期間中にベット操作が行われたか否かを判定する。ステップSg4812にて肯定判定した場合、ステップSg4813にて各種フラグ格納エリア183aに無効中操作フラグをセットする処理を実行してから、本無効期間中処理を終了する。ステップSg4811やステップSg4812にて否定判定した場合には、そのまま本無効期間中処理を終了する。
図605(c)は、本変形例におけるフラッシュ中調整用処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSg4821では、サブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合、ステップSg4822にていずれかの操作コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSg4822で判定する操作コマンドは、フラッシュフリーズカウンタが0となる前の無効期間中にベット操作されても出力されることはなく、無効期間が経過した後にベット操作されたことを示すコマンドである。いずれかの操作コマンドを受信している場合、ステップSg4824にてサブフラッシュフラグをクリアする処理を実行し、ステップSg4825にてフラッシュ演出終了処理を実行してから、ステップSg3805以降の払出効果音の出力用の処理に進む。これらステップSg4821~ステップSg4825の処理は、ステップSg3801~ステップSg3804の処理と同様である。
本変形例では、ステップSg4822にていずれかの操作コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSg4826に進む。ステップSg4826では、上記の無効中操作フラグがセットされているか否かを判定する。無効中操作フラグがセットされており、無効期間の経過前にベット操作が行われた場合には、ステップSg4827に進み、無効期間が経過したか否かを判定する。ステップSg4827の処理は、例えば、主制御装置101側から受信するフラッシュコマンドに基づいて今回の無効期間の長さを把握可能であり、フラッシュ演出の開始から、上記把握した期間が経過している場合にステップSg4827にて肯定判定するとよい。無効期間を経過した場合、ステップSg4828にて無効中操作フラグをクリアした後、ステップSg4824に進む。この場合、サブフラッシュフラグをクリアした後、ステップSg4825にてフラッシュ演出終了処理を実行する。ステップSg4821、ステップSg4826及びステップSg4827のいずれかで否定判定した場合には、そのままフラッシュ中調整用処理を終了する。
図606(a)に示すように、ta121にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、ta122にて回転が停止して、当該ta122からta125に亘ってフラッシュ演出が実行される一方、ta125よりも前であるta123までが無効期間として設定されたとする。この場合、既に説明した通り、無効期間が経過した後であってフラッシュ演出の終了予定よりも前であるta124にてベット操作が行われると、その時点でフラッシュ演出は終了する。
これに対して、図606(b)に示すように、tb121にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tb122にて回転が停止して、当該tb122からtb125に亘ってフラッシュ演出が実行される一方、tb125よりも前であるtb124までが無効期間として設定されたとする。本変形例では、無効期間中であるtb123にてベット操作が行われると、無効中操作フラグがセットされることから、tb124にて無効期間が終了すると、当該タイミングでフラッシュ演出は終了する。
このようにすることで、無効期間の経過とともにサブ側フラッシュ演出を終了させることが可能となり、よりスムーズな遊技進行を望む遊技者にとって好ましい態様とすることができる。
<変形例3>
本変形例では、フラッシュ演出を途中で終了させる場合の払出効果音やベット効果音の出力態様を変更する。
図607は、本変形例におけるフラッシュ中調整用処理を示すフローチャートである。
ステップSg4901にてサブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。サブフラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg4902にていずれかの操作コマンドを受信しているか否かを判定する。サブフラッシュフラグがセットされていない場合や、いずれの操作コマンドも受信していない場合には、そのままフラッシュ中調整用処理を終了する。
いずれかの操作コマンドを受信している場合、ステップSg4903にて、各種フラグ格納エリア183aに途中終了フラフをセットする処理を実行する。途中終了フラグは、サブ側フラッシュ演出を途中で終了させたことをCPU181が把握するためのフラグである。そして、ステップSg4904にてサブフラッシュフラグをクリアし、ステップSg4905にてフラッシュ演出終了処理を実行する。
フラッシュ演出終了処理を実行した後は、本変形例では、上記ステップSg3805~ステップSg3808の払出効果音の出力用の処理を実行することなく、ステップSg4906~ステップSg4908にて確定表示部35による報知用の処理を行う。具体的には、ステップSg4906にて確定フラッシュフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSg4907にて確定フラッシュフラグをクリアし、ステップSg4908にて確定表示部35を点灯状態とする処理を実行してから、本フラッシュ中調整用処理を終了する。ステップSg4906にて確定フラッシュフラグがセットされていない場合には、そのまま本フラッシュ中調整用処理を終了する。
次に、フラッシュ演出を途中で終了させた場合の、再遊技入賞に伴うベット演出について説明する。図608は、本変形例におけるサブフラッシュ用再ベット演出処理を示すフローチャートである。
ステップSg5001では、通常再遊技コマンドを受信しているか否かを判定する。通常再遊技コマンドを受信している場合、ステップSg5002にてサブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。サブフラッシュフラグがセットされておらず、フラッシュ演出が終了した場合には、ステップSg5003に進み、上記の途中終了フラグがセットされているか否かを判定する。セットされておらず、サブ側フラッシュ演出が予定通り最後まで実行されて終了された場合には、ステップSg5004にて通常再遊技用ベット演出処理を実行してから、本サブフラッシュ用再ベット演出処理を終了する。
一方、ステップSg5003にて途中終了フラグがセットされており、サブ側フラッシュ演出が予定通り最後まで実行されず、途中で終了された場合には、ステップSg5005にて途中終了フラグをクリアしてから、サブフラッシュ用再ベット演出処理を終了する。この場合、今回の再遊技入賞に伴うベット演出を実行しない。
ステップSg5001にて通常再遊技コマンドではなく特定再遊技コマンドを受信している場合、ステップSg5006にて、いずれかの操作コマンドを受信しているか否かを判定する。操作コマンドを受信している場合には、ステップSg5007にて特定再遊技用ベット演出処理を実行してから、本サブフラッシュ用再ベット演出処理を終了する。ステップSg5006にて操作コマンドを受信していない場合、ステップSg5008てサブフラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。サブフラッシュフラグがセットされておらず、フラッシュ演出が終了した場合には、ステップSg5009にて途中終了フラグがセットされているか否かを判定する。セットされておらず、サブ側フラッシュ演出が予定通り最後まで実行されて終了された場合には、ステップSg5010にて第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行してからステップSg5006に戻り、いずれかのベット操作が行われるまで待機する。
一方、ステップSg5009にて途中終了フラグがセットされており、サブ側フラッシュ演出が予定通り最後まで実行されず、途中で終了された場合には、ステップSg5005にて途中終了フラグをクリアしてから、サブフラッシュ用再ベット演出処理を終了する。この場合、今回の再遊技入賞に伴うベット演出を実行しない。
図609は、フラッシュ演出中にベット操作を行った場合の、メダル払い出しとベット演出との様子を示している。
t131にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、t132にて回転が終了し、当該t132からt138に亘ってサブ側フラッシュ演出が行われる場合において、そのt132からt138ではなく、t138よりも前のt133にて無効期間が終了するように設定されたとする。この場合、t132にて各リール32L,32M,32Rが停止していずれかの小役入賞が成立していると、無効期間が経過するt133にて実際のメダル払い出しが発生し、t134にて払い出しが終了する。当該t133からt134はフラッシュ演出の実行中であることから払出効果音の出力は制限される。なお、t134にてメダル払い出しが終了して次ゲームに移行すると受入可能状態となる。
t138にてフラッシュ演出が終了するよりも前に、t135にてベット操作が行われた場合、当該ベット操作に基づくベット処理がt136まで実行される。
そして、t135においては払出効果音が未出力であるものの、フラッシュ演出が遊技者の操作により途中で終了されていることから、上記実施形態であればt135からt137にて出力される払出効果音について、本変形例では出力されないようになる。また、同様に、上記実施形態であればt137からt139まで出力されるベット時効果音についても、本変形例では出力されないようになる。
このように、本変形例では、遊技者の操作によってフラッシュ演出を途中で終了させた場合には、当該ゲームでメダル払出が発生していてもフラッシュ演出終了後の払出効果音の出力が行われない。つまり、フラッシュ演出を途中で終了することによって、当該フラッシュ演出が無効期間を伴わない演出上のサブ側フラッシュ演出であったことを遊技者は把握するものと考えられる。このような場合には、フラッシュ演出終了後の払出効果音の出力を行わないようにすることで、疑似的な演出(サブ側フラッシュ演出)であることが把握されている状況で更に疑似的な演出(メダル払出タイミングよりも後の払出効果音の出力)を行うことによって、遊技者を興覚めさせてしまうことを好適に回避することができる。
<変形例4>
本変形例では、特別フラッシュフラグがセットされていても、他の条件によりサブ側フラッシュ演出の実行が制限される場合がある。他の条件として、本変形例では、今回のゲームの抽選結果とクレジット数が設定されている。
図610は、本変形例におけるフラッシュ演出制御用処理を示すフローチャートである。
ステップSg5101では、ステップSg2501と同様にフラッシュ演出を実行中であるか否かを判定し、実行中ではない場合には、ステップSg5102にて特別フラッシュフラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップSg2503及びステップSg2504と同様に、ステップSg5103及びステップSg5104にてフラッシュコマンドに基づく通常フラッシュ設定処理を実行してから、フラッシュ演出制御用処理を終了する。
ステップSg5102にて特別フラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg5105にてゲームの開始タイミングであるか否かを判定する。開始タイミングである場合、本変形例では、ステップSg5106にて今回のゲームの抽選結果がいずれかの小役当選であるか否かを判定する。小役当選である場合、ステップSg5107にて、現状のサブ側クレジットカウンタの値と上限値(50)との差が今回のゲームで当選している小役入賞に基づく払出枚数以上であるか否かを判定する。
本スロットマシン10では、3ベットゲームにおいて、第1小役~第6小役の入賞が成立すると、13枚のメダル払出が発生し、第7小役~第8小役の入賞が成立すると3枚のメダル払出が発生し、第9小役~第32小役の入賞が成立すると1枚のメダル払出が発生するところ(図510、図511)、ステップSg5106及びステップSg5107の処理では、今回のゲームで第1小役~第6小役や第9小役~第32小役入賞が成立し得る結果(押し順ベルや共通ベル)であればクレジットの空きが13以上である場合に肯定判定し、今回のゲームで第7小役~第8小役入賞が成立し得る結果(スイカ)であればクレジットの空きが3以上である場合に肯定判定する。また、1ベットゲームにおいて、第1小役~第6小役の入賞が成立すると、5枚のメダル払出が発生し、第7小役~第8小役の入賞が成立すると3枚のメダル払出が発生し、第9小役~第32小役の入賞が成立すると1枚のメダル払出が発生するところ(図510、図511)、ステップSg5106及びステップSg5107の処理では、今回のゲームで第1小役~第6小役や第9小役~第32小役入賞が成立し得る結果(押し順ベルや共通ベル)であればクレジットの空きが5以上である場合に肯定判定し、今回のゲームで第7小役~第8小役入賞が成立し得る結果(スイカ)であればクレジットの空きが3以上である場合に肯定判定する。ちなみに、例えば3ベットゲームの開始時にクレジットの空きが3未満である場合とは、ベット処理が行われた後、更にメダル投入が行われた場合である。
クレジットの空きが払出枚数以上である場合(ステップSg5106:NO、又はステップSg5107:YES)には、ステップSg5108にて、ステップSg2506と同様に特別フラッシュ設定処理を実行してから、フラッシュ演出制御用処理を終了する。これに対して、クレジットの空きが払出枚数未満であり、仮に当選小役が入賞した場合にクレジットの上限値を超過する可能性がある場合(ステップSg5107:NO)には、ステップSg5103に進み、主制御装置101側のフラッシュコマンドに基づく通常フラッシュ設定処理を実行してから、本フラッシュ演出制御用処理を終了する。ステップSg5109~ステップSg5113の処理は、上記ステップSg2507~ステップSg2511の処理と同様である。
すなわち、本変形例では、実際のメダル払出が発生し得る場合には、サブ側フラッシュ演出の実行が制限され、小役入賞が成立し得るもののその入賞時にはクレジットカウンタの加算だけ行われる場合には、サブ側フラッシュ演出の実行が許容される構成としている。このようにすることで、サブ側フラッシュ演出の実行中に小役入賞に基づくメダル払出処理(ステップSg214)において、実際のメダル払出が発生しているのにもかかわらず、当該サブ側フラッシュ演出の終了後に先に行われたメダル払出に対応する払出効果音の出力が行われないようになる。言い換えると、サブ側フラッシュ演出の実行中に小役入賞に基づくメダル払出処理(ステップSg214)において、実際のメダル払出が発生しない場合に、当該サブ側フラッシュ演出の終了後に先に行われたメダル払出に対応する払出効果音の出力が行われるようになる。実際にメダル払出が行われることは、クレジットが増加するよりも遊技者の目に留まり易いことから、上記のようにすることで、サブ側フラッシュ演出の終了後に払出効果音を疑似的に出力することによる演出効果を好適に期待することが可能となる。
特に、上記のサブ側フラッシュ演出ではなく主側フラッシュ演出を実行することの決定を、小役入賞が成立が確定する各リール32L,32M,32Rの停止時ではなく、ゲームの開始時としたことから、フラッシュ演出の前演出としての消灯演出との関係で齟齬が生じないようにもすることが可能である。すなわち、例えば、サブ側フラッシュ演出を実行する予定で第3消灯のフラッシュCを実行する予定であったのにもかかわらず、小役入賞に伴い、消灯無し~第2消灯のフラッシュBに変更しようとすると、消灯演出に対応しないフラッシュ演出が実行されてしまうこととなり、確定演出と勘違いされる等の不都合が生じ得る。その点、上記のように、フラッシュ演出の開始時よりも前であって、当該フラッシュ演出の前演出としての消灯演出よりも前に決定する構成とすることで、消灯演出とフラッシュ演出との関係性を崩すことなく演出を行うことが可能となる。
ちなみに、本実施形態では、特別フラッシュフラグが特別フラッシュ設定処理においてクリアされる構成としているところ、上記変形例において、特別フラッシュフラグがセットされていても、実際のメダル払出が発生し得る場合には、特別フラッシュ設定処理ではなく通常フラッシュ設定処理が実行されるようになる。そのため、実際のメダル払出が発生し得ることによって通常フラッシュ設定処理が実行されたゲームの次ゲームにおいても、特別フラッシュフラグがセットされたまま開始されることになる。この場合、特別フラッシュフラグがセットされた契機となったゲームの次ゲームよりも後のゲームにて、当該特別フラッシュフラグに基づくサブ側フラッシュ演出を実行することが可能な構成となる。このようにすることで、フラッシュ演出が実行されたゲームの次ゲームだけではなく、それ以降のゲームにまでBB当選への期待感を持続させる効果を好適に奏することが可能となる。
特に、本実施形態では、特別フラッシュフラグがセットされた次ゲームの抽選結果が押し順ベルであった場合には、第6特別設定処理以外実行されず、サブ側フラッシュ演出が実行される機会が少ない構成としている。これは、押し順ベル当選時には、主側フラッシュ演出が実行されない構成としていることから、押し順ベル当選時にサブ側フラッシュ演出を実行してしまうと、確定フラッシュ演出であると勘違いされる可能性があることが理由である。そこで、上記構成のように、特別フラッシュフラグが次ゲーム以降も持ち越され得る構成とすることで、特別フラッシュフラグがセットされているゲームの抽選結果とフラッシュ演出との対応付けの関係性を崩すことなく、サブ側フラッシュ演出が実行され得る機会を増やすことが可能である。
なお、上記のように特別フラッシュ設定処理を、特別フラッシュフラグの設定契機となったゲームの次ゲームよりも後のゲームで実行し得る構成の場合、当該特別フラッシュ設定処理においては、特別フラッシュフラグの設定契機となったゲームで実行されたフラッシュ演出のパターンや、抽選結果、入賞結果等に基づいてフラッシュ演出の設定を行うとよい。
<変形例5>
本変形例では、前ゲームのフラッシュ演出の態様に加えて、前ゲームのフラッシュ演出中の遊技者の操作態様を用いて、次ゲームのフラッシュ演出の態様を決定する。
図611は、本変形例におけるフラシュ演出制御用処理を示すフローチャートである。なお、本変形例でも、主制御装置101側のフラッシュ待機用処理において、フラッシュカウンタが0となるまでに遊技者がベット操作を行った場合に無効中操作コマンドを表示制御装置81へ出力する構成とする(図605(a))。
本変形例では、ステップSg5201にてフラッシュ演出の実行中であると判定した場合、ステップSg5209にてフラッシュ演出の終了タイミングであるか否かを判定し、終了タイミングではなければ、ステップSg5210に進む。ステップSg5210では、主制御装置101側からの無効中操作コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップSg5211にて無効中操作フラグをセットする処理を実行する。ステップSg5210にて否定判定した場合、又はステップSg5211の処理を実行した後は、ステップSg5212にてフラッシュ中調整用処理を実行し、ステップSg5213にてフロントライト・バックライトの制御用処理を実行してから、本フラッシュ演出制御用処理を終了する。ステップSg5212~ステップSg5215の処理は、上記ステップSg2508~ステップSg2511の処理と同様である。
すなわち、本変形例では、サブ側フラッシュ演出の実行中ではなくても、主制御装置101側でフラッシュ演出用に設定された無効期間中にベット操作が行われた場合には、表示制御装置81側で無効中操作フラグがセットされる構成となる。
ステップSg5201にてフラッシュ演出を実行中ではないと判定した場合、ステップSg5202にて特別フラシュフラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップSg2503及びステップSg2504の処理と同様に、ステップSg5203及びステップSg5204にて主制御装置101側からのフラッシュコマンドに基づく通常フラッシュ設定処理を実行してから、本フラッシュ演出制御用処理を終了する。
一方、ステップSg5202にて特別フラッシュフラグがセットされている場合、ステップSg5205にてゲームの開始タイミングであるか否かを判定し、開始タイミングである場合には、ステップSg5206にて上記の無効中操作フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップSg2506の処理と同様に、ステップSg5207にて特別フラッシュ設定処理を実行してから、本フラッシュ演出制御用処理を終了する。
ステップSg5206にて無効中操作フラグがセットされている場合とは、前ゲームのフラッシュ演出の無効期間中にベット操作が行われた場合である。この場合、ステップSg5208にて無効中操作フラグ、特別フラッシュフラグをクリアする処理を実行してから、ステップSg5203に進み、主制御装置101側のフラッシュコマンドに基づく通常フラッシュ設定処理を実行してから、本フラッシュ演出制御用処理を終了する。
このように、前ゲームのフラッシュ演出中にベット操作が実行され、そもそもフラッシュ演出の実行中にベット操作が行われる可能性が高い場合には、特別フラッシュフラグがセットされていても、特別フラッシュ設定処理ではなく、通常通り、主制御装置101側の決定によってフラッシュ演出の設定を行うようにすることで、フラッシュ演出が途中で終了される可能性を低くすることが可能である。このようにすることで、例えば、サブ側フラッシュ演出であることを把握せずにベット操作を行う等、意図せずフラッシュ演出を途中で終了させてしまう場面を少なくすることができ、遊技者の混乱を生じさせないようにすることが可能である。
また、本変形例では、ステップSg5208にて無効中操作フラグをクリアする処理に際して、特別フラッシュフラグもクリアする構成としていることから、延々と特別フラッシュフラグに基づく特別フラッシュ設定処理が持ち越される事象を解消することが可能である。つまり、本変形例のように、フラッシュ演出の途中でベット操作が行われる可能性が高い場合には、特別フラッシュフラグがセットされていてもサブ側フラッシュ演出が行われないようにする一方、上記変形例4のように特別フラッシュフラグが持ち越されないようにすることで、せっかくフラッシュ演出の途中でベット操作が行われる可能性が高いことを理由としてサブ側フラッシュ演出の実行を制限したのにも関わらず、更に次ゲーム以降でサブ側フラッシュ演出を行ってしまい、当該サブ側フラッシュ演出が途中で終了されてしまう、といった事象を好適に回避することが可能となる。
<変形例6>
本変形例では、特別フラッシュフラグがセットされた次のゲームで、特別フラッシュ設定処理を実行することの抽選を行う。図612は、本変形例におけるフラッシュ演出制御用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、特別フラッシュフラグがセットされており、ゲームの開始タイミングである場合(ステップSg5301:YES、ステップSg5302:YES、ステップSg5305:YES)、ステップSg5306にて特別フラッシュ設定処理を実行することの実行抽選処理を行う。そして、ステップSg5307にて、当該実行抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップSg5308にて特別フラッシュ設定処理を実行し、当選していない場合には、ステップSg5303及びステップSg5304にて通常フラッシュ設定処理を実行する。ステップSg5301~ステップSg5305、ステップSg5308~ステップSg5313の処理は、ステップSg2501~ステップSg2511の対応する処理と同様である。
ステップSg5306の実行抽選処理における当選確率の設定例を、図613に示す。
図613(a)は、今回のゲームの抽選結果と当選確率の設定処理にて設定される設定値との関係で実行抽選処理の当選確率が異なるように設定する例を示している。例えば、今回のゲームの抽選結果が外れ結果である場合、設定値が高くなるほど(出玉率が高い設定値ほど)実行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、例えば、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cである場合は奇数設定の方が偶数設定よりも実行抽選に当選し易くなるように設定されており、今回のゲームの抽選結果が押し順ベルである場合は偶数設定の方が奇数設定よりも実行抽選に当選し易くなるように設定されている。更に、BBとの重複当選ではなく非重複特定役の場合には、設定値が高くなるほど実行抽選に当選しにくくなるように設定されており、BBとの重複当選である重複役である場合には、高確率で(必ず)実行抽選に当選するように設定されている。
ここで、上記のように特別フラッシュフラグは、特別フラッシュ設定処理においてクリアされることから、上記の実行抽選処理に当選しなければ、当該特別フラッシュ設定処理の実行は次ゲーム以降に持ち越されることとなる。そうすると、例えば、フラッシュ演出が実行された次ゲームの抽選結果が押し順ベルであった場合においてフラッシュ演出が実行されなかった場合、特別フラッシュ設定処理が実行されたうえでフラッシュ演出の設定が行われなかったのか、それとも実行抽選に非当選となって特別フラッシュ設定処理が実行されなかったのかが、次ゲーム以降にて判明し得るようになる。つまり、上記のようにすることで、フラッシュ演出の次ゲームだけではなく、更に次のゲーム以降の注目度も向上させることが可能となるし、これらのフラッシュ演出を通じて設定値の予測を行わせるという遊技も追加され、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、フラッシュ演出を通じて設定値の予測を行う遊技において、抽選結果によってその予測のし易さや予測できる設定値の範囲が異なることから、もともと注目度が高いフラッシュ演出の次ゲームにおいて、更にそのゲームでの抽選結果への注目度を好適に高めることが可能である。
図613(b)は、例えば、有利区間の残りゲーム数との関係で実行抽選の当選確率を設定する例を示している。
例えば、有利区間の残りゲーム数が1001ゲーム以上であり、まだまだ十分に残りゲーム数が残存している場合には、いずれの設定値であっても実行抽選に当選し得るようにし、残りゲーム数が少なくなるほど設定値の絞り込みを行い易いように、残りゲーム数が1~100では設定3以下と設定4以上とで当選確率が大きく異なるようにする。このようにすることで、有利区間の残りゲーム数が少ない状況でBB当選となることによって、残りゲーム数が多い場合と比較して押し順ベル当選時の押し順報知演出による恩恵を享受することができない可能性がある不利益を、設定値の予測し易さといった事象によりフォローすることが可能となり、上限ゲーム数の定められた有利区間であっても、新たな遊技性を創出することが可能となる。
例えば、実行抽選が行われるゲームが通常区間であれば、設定値が3以下であるかそれとも4以上であるかが把握可能となるようにすることで、有利区間が終了したゲームでフラッシュ演出が実行された場合、次ゲームを遊技する動機付けとすることが可能である。本実施形態ではほぼ1ゲームで有利区間に移行するようにしていることから、上記のようにすることで、通常区間のまま遊技が終了される可能性を極力減らすことも可能である。この場合であっても、当該実行抽選が行われるゲームの抽選結果が押し順ベルであった場合には、実行抽選に当選したのにもかかわらず特別フラッシュ設定処理においてフラッシュ演出の設定が行われなかったのか、それとも実行抽選に非当選であったのかが判別しにくくなるので、設定値を予測させる遊技を行わせながらも、その予測の困難性が高まり、当該遊技の面白味を向上させることが可能となる。
<変形例7>
本変形例では、特定役当選時の特定役報知演出との関係性を説明する。上記の通り、特定役報知演出は、バックライト100aではなく、補助表示部65による表示演出とともに、スピーカ64にてその効果音が出力される演出であり(図556(b))、スタートレバー41の操作に基づき実行される開始時演出である。つまり、フラッシュ演出やその前演出である消灯演出よりも更に前に実行される演出である。
図614(a)は、本変形例における開始時演出設定処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSg5401では、ステップSg2108と同様に、今回のゲームの抽選結果がいずれかの特定役当選であるか否かを判定する。特定役当選である場合には、ステップSg2109と同様に、補助表示部65及びスピーカ64にて特定役報知演出が行われるように設定する処理を実行する。
特定役当選ではない場合、本変形例では、ステップSg5403に進み、特定役報知演出抽選処理を実行する。特定役報知演出抽選処理では、特定役に当選していなくても、特定役報知演出を実行することの抽選を行う。すなわち、本変形例では、特定役報知演出が実行された場合、今回のゲームの抽選結果が特定役であることを示唆する演出となる。
当該抽選処理の当選確率としては、例えば、図614(b)に示すように、特別フラッシュフラグがセットされていない場合において、BB非当選時よりもBB当選時の方が当選確率が高くなるようにしたうえで、特別フラッシュフラグがセットされている場合の方が、特別フラッシュフラグがセットされていない場合よりも当選確率が高くなるようにすると、フラッシュ演出が発生した前ゲームにおいてBB当選していたことへの期待感をフラッシュ演出や消灯演出よりも前に煽ることが可能となる。このようにすることで、BB当選への期待度の高いフラッシュ演出が実行された場合において、次ゲームの開始時に特定役報知演出が実行されること(BBに当選していること)へ期待を込めてスタートレバー41を操作する遊技者心理を利用して、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
<変形例8>
本変形例では、補助表示部65やスピーカ64にて実行される演出において、前ゲームの演出パターンと今回のゲームの抽選結果とを利用して今回のゲームの演出パターンを決定する。具体的には、ATモード当選報知を行う上での連続演出において、前ゲームの演出パターンと、今回のゲームの抽選結果とを利用して、今回のゲームの演出パターンを決定する。既に説明した通り、連続演出とは、複数のゲームに亘って継続して実行され得る演出であり、本実施形態では、最終ゲームにてATモード移行抽選の当否結果が報知される構成としている。
図615(a)は、本変形例における連続演出設定処理を示すフローチャートである。連続演出設定処理は、表示制御装置81のCPU181による開始時演出設定処理(図553)のステップSg2118にて実行される処理である。なお、連続演出を実行することの決定やそのゲーム数は直前の前兆演出設定処理(ステップSg2115)にて設定され、本連続演出設定処理では、その連続演出が設定された各ゲームの演出パターンを設定する。
ステップSg5501では、今回開始するゲームが連続演出を実行するゲームであるか否かを判定する。連続演出を実行するゲームではない場合には、そのまま本連続演出設定処理を終了する。連続演出を実行するゲームである場合、ステップSg5502にて、各種カウンタエリア183bに設けられた連続演出カウンタの値を把握して、ATモードの移行抽選の当否結果を報知する連続演出の最終ゲームまでの残りゲーム数を把握する。
続くステップSg5503では、前ゲームの演出パターンを把握する処理を実行し、ステップSg5504では、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSg5505にて各種テーブル記憶エリア182aから連続演出テーブルを取得する処理を実行し、ステップSg5506にて、ステップSg5502~ステップSg5505の把握結果に基づいて今回の演出パターンを設定したうえで、本連続演出設定処理を終了する。
本変形例では、図615(b)に示すように、ATモード移行抽選に当選していることの期待度が異なる複数の演出パターン(演出A~演出D)が設けられており、同じ期待度の演出パターンでも、連続演出の残りゲーム数によって演出パターンが異なり得るように設定されている。
上記ステップSg5505にて取得する連続演出テーブルとしては、本変形例では図615(c)に示すように、連続演出の最終ゲームまでの残りゲーム数が少ない場合(残り2ゲーム以下)、今回のゲームの抽選結果に関わらず、前ゲームの演出パターンの期待度よりも低い期待度の演出パターンが選択されないように設定されている。また、連続演出の最終ゲームまでの残りゲーム数が上記の場合よりも多い場合(残り3ゲーム以上)、今回のゲームの抽選結果が特定役であったり、いずれかのBBとの重複役である場合には、前ゲームの演出パターンの期待度よりも低い期待度の演出パターンが選択されないように設定されており、今回のゲームの抽選結果が外れや押し順ベル、いずれかの通常リプA~Cである場合には、前ゲームの演出パターンの期待度よりも低い期待度の演出パターンが選択され得るように設定されている。
既に説明した通り、特定役に対応する結果当選となった場合のほうが特定役以外の押し順ベルや通常リプA~Cに対応する結果当選となった場合よりもBB当選の期待度が高く、更に、特定役である場合の方が特定役以外の押し順ベルや通常リプA~CよりもATモードの移行抽選に当選となる期待度も高い。つまり、上記のように、ATモード移行抽選の当否結果を報知する連続演出において、途中のゲームでATモード移行抽選の当選期待度の高い結果となった場合、仮に今回の連続演出の契機となったATモード移行抽選の結果が非当選であったとしても、今回のゲームの抽選結果を契機としてATモード移行抽選に当選となった(連続演出の結果が書き換えられる)ことを遊技者は期待するものと考えられる。しかも、仮にATモード移行抽選に当選していなくても、ATモード移行抽選に当選し易い結果であれば、BB当選にも期待できることから、当該ゲームの抽選結果から何らかの特典(ATモード、BB)が付与されることを遊技者は期待する。
そこで、上記のように、ゲームの抽選結果がATモード当選やBB当選に期待できる結果であれば、そのゲームの連続演出の演出パターンを前ゲームの演出パターンよりも期待度が低くならないようにすることで、連続演出の最終ゲームまで遊技者の期待感を好適に保つことが可能となる。
但し、本実施形態における連続演出は、フラッシュ演出よりも多くのゲーム(図537)に亘って実行されるところ、仮に前ゲームの期待度よりも低くなり得ないように設定してしまうと、最終ゲームまでには高い確率で同じ高い期待度の演出パターンが選択されるようになってしまう不都合が生じ得る。そこで、上記構成のように、最終ゲームまでの残りゲーム数が多ければ、ゲームの抽選結果に応じて前ゲームの演出パターンよりも期待度が低い演出パターンが選択され得るようにすることで、上記のような不都合は生じにくくなるし、各ゲームの抽選結果に応じて期待度の高低が生じ得るようになり、各ゲームの抽選結果への期待感を高めることも可能であり、これらを通じて遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)バックライト装置100やフロントライトを表示制御装置81のCPU181が制御する構成としたが、主制御装置101のCPU102が制御する構成としてもよく、主制御装置101のCPU102が制御するバックライトやフロントライトと、表示制御装置81のCPU181が制御するバックライトやフロントライトと、をそれぞれ設ける構成としてもよい。主制御装置101のCPU102が全て制御する場合、表示制御装置81側の処理として説明したフラッシュ演出制御用処理を、主制御装置101側のCPU102にて実行するようにしたり、表示制御装置81側で決定したサブ側フラッシュ演出や消灯演出の情報を、主制御装置101側へコマンド出力する等して主制御装置101側でも当該サブ側フラッシュ演出や消灯演出の情報を把握可能とするとよい。
また、主制御装置101のCPU102が制御するバックライトやフロントライトと、表示制御装置81のCPU181が制御するバックライトやフロントライトと、をそれぞれ設ける構成の場合、主側フラッシュ演出や消灯演出は、主制御装置101のCPU102が制御するバックライトやフロントライトにより実行し、サブ側フラッシュ演出や消灯演出は、表示制御装置81のCPU181が制御するバックライトやフロントライトにより実行する構成とするとよく、この場合、主制御装置101のCPU102が制御するバックライトやフロントライトによる主側フラッシュ演出や消灯演出と、表示制御装置81のCPU181が制御するバックライトやフロントライトによるサブ側フラッシュ演出や消灯演出とが、遊技者が識別しにくかったり、識別できないように、主制御装置101のCPU102が制御するバックライトやフロントライトと、表示制御装置81のCPU181が制御するバックライトやフロントライトと、をそれぞれ配置するとよい(具体的には、各バックライト100aをそれぞれ2つずつ隣同士で、主制御装置101用のものと表示制御装置81用のものとを設けるとよい)。
主制御装置101側のバックライトと表示制御装置81側のバックライトとを設ける一方、フロントライトは主制御装置101と表示制御装置81とで共用する構成としてもよいし、主制御装置101側のフロントライトと表示制御装置81側のフロントライトとを設ける一方、バックライトは主制御装置101と表示制御装置81とで共用する構成としてもよい。
(2)主制御装置101側のフリーズ抽選処理にて、フラッシュ演出に際しての無効期間を設定する構成としたが、当該期間はスタートレバー41やベット操作が無効化される無効期間ではなくてもよく、主制御装置101側で設定するフラッシュ演出の実行期間を設定し、表示制御装置81側でその実行期間よりも短い実行期間に対応するフラッシュ演出の設定が行われないようにすればよい。例えば、演出位置と待機位置とに変位可能な役物を設け、当該実行期間に亘って、フラッシュ演出とともに演出位置と待機位置との変位が行われるような構成とすると、上記のように、表示制御装置81側で主制御装置101にて決定した実行期間よりも短い実行期間に対応するフラッシュ演出の設定が行われないようにすれば、フラッシュ演出の終了後も、上記役物の変位が継続している、といった不都合を生じさせないようにすることが可能である。
(3)無効期間中に主側フラッシュ演出が実行される構成において、サブ側フラッシュ演出は無効期間中以外でも実行する構成とし、これら主側フラッシュ演出とサブ側フラッシュ演出とで演出態様が共通するものを含むようにしたが、無効期間中に実行される演出と、無効期間とは異なる期間にて実行される演出とで演出態様が共通であればよく、その演出は上記フラッシュ演出に限定されないし、その演出が実行されるタイミングも上記のものに限定されない。例えば、スタートレバー41の開始操作に基づいて、各リール32L,32M,32Rの回転開始が制限される所謂開始時フリーズ演出(回転が停止される場合の他、通常時の回転開始制御とは異なる制御が実行される場合を含み、例えば、逆回転させる場合や、通常時よりも速度が遅い速度にて回転を開始させる場合も含む)において補助表示部65等にて実行される開始時フリーズ演出用の演出と同じ態様の演出を、各リール32L,32M,32Rの回転開始が制限されずに通常時と同様に回転が開始される場合にも実行する構成としてもよい。また、上記思想は、例えば、実際に主制御装置101側のBET処理が行われ、他の操作が無効化される期間にて実行されるベット演出(連ベット演出処理にて設定する演出)と同様のベット演出として、特定再遊技用ベット演出処理のように、所定の再遊技入賞に伴い自動ベット処理が行われた後、遊技者によるベット操作に基づき対応するベット演出を他の操作が無効化されない期間にて実行する構成にも適用可能である。
(4)サブ側フラッシュ演出を実行する場合に、メダル払出効果音やベット時効果音(再遊技用ベット時効果音)を実際のメダル払い出しタイミングやベット処理のタイミングとは異なるタイミングにて出力する構成を説明したが、メダル払出効果音の出力に際して補助表示部65によるメダル払出用の演出が行われる構成としてもよいし、ベット時効果音の出力に際して補助表示部65によるベット用の演出が行われる構成としてもよい。
(5)サブ側フラッシュ演出を行う場合、メダル払出用の演出やベット時演出をサブ側フラッシュ演出の終了後に行う構成としたが、サブ側フラッシュ演出とこれらメダル払出用の演出やベット時演出とが重複して実行される構成としてもよい。この場合、重複しない場合と比較して、メダル払出効果音の出力音量を小さくしたり、ベット時演出を地味な演出(遊技者が把握しにくい演出)としたりすることで、両演出が重複することによりサブ側フラッシュ演出への注目度が低下してしまったり、今回のフラッシュ演出がサブ側フラッシュ演出であることが悟られてしまうことを回避することが可能である。
(6)サブ側フラッシュ演出の実行中にスタートレバー41が操作された場合、実行中のフラッシュ演出を途中でキャンセルするとともに、予定していたメダル払出用の演出やベット時演出もキャンセルする構成としたが、実行中のフラッシュ演出を途中でキャンセルするものの、予定していたメダル払出用の演出やベット時演出もキャンセルしない構成としてもよい。また、スタートレバー41の操作に基づいて開始時演出として第1演出(例えばAT当選報知演出)が実行される場合には、実行中のフラッシュ演出を途中でキャンセルするとともに、予定していたメダル払出用の演出やベット時演出もキャンセルする構成とする一方、スタートレバー41の操作に基づいて開始時演出として第1演出とは異なる第2演出(例えば特定役報知演出)が実行される場合や開始時演出が実行されない場合には、実行中のフラッシュ演出を途中でキャンセルするものの、予定していたメダル払出用の演出やベット時演出もキャンセルしない構成としてもよい。なお、第1演出は第2演出よりも派手な演出であったり、遊技者にとって重要な演出であったり、遊技者にとっての利益に直結し得る演出であると好ましい。
(7)ゲームの開始後であって、サブ側フラッシュ演出の開始前にサブ側フラッシュ演出をキャンセル可能な構成としてもよい。例えば、ゲームの開始操作としてスタートレバー41が操作された後、ストップスイッチ42~44の操作態様や操作タイミング、今回のゲームの抽選結果や入賞結果に応じて、サブ側フラッシュ演出を実行しないようにしてもよい。より具体的には、例えば、サブ側フラッシュ演出が設定されているゲームの抽選結果がスイカ当選であって、当該スイカに対応する第7小役入賞や第8小役入賞が成立した場合には、設定されているサブ側フラッシュ演出を実行せず、スイカ当選であっても第7小役入賞や第8小役入賞が成立していなかった場合には、設定されているサブ側フラッシュ演出を実行する構成としてもよい。この場合、サブ側フラッシュ演出を実行しない場合には、主側フラッシュ演出を実行する構成としてもよく、主側フラッシュ演出も実行しない構成としてもよい。
(8)フラッシュ演出が実行されたことに基づいて、特別フラッシュフラグがセットされた場合、当該特別フラッシュフラグがセットされたゲームを開始する前に、当該特別フラッシュフラグをクリアすることが可能な構成としてもよい。例えば、特別フラッシュフラグがセットされている状況で清算スイッチ59を操作することで、特別フラッシュフラグをクリアすることが可能な構成としてもよいし、ストップスイッチ42~44を所定期間に亘って押し続けることで特別フラッシュフラグをクリアすることが可能な構成としてもよい。ストップスイッチ42~44を押し続ける(ON操作し続ける)構成においては、例えば特別フラッシュフラグがセットされたゲームの最終リールを停止する際に、停止操作(ON操作)を所定期間に亘って継続させることで特別フラッシュフラグをクリアすることが可能な構成としてもよい。また、スロットマシン10の電源ON操作やOFF操作により特別フラッシュフラグをクリアすることが可能な構成としてもよいし、RAMクリアすることにより(リセット操作を行うことや設定変更を行うこと)により特別フラッシュフラグをクリアすることが可能な構成としてもよい。
(9)スロットマシン10の電源ON操作やOFF操作、RAMクリア(リセット操作を行うことや設定変更を行うこと)や、清算スイッチ59の操作等によって特別フラッシュフラグがクリアされない構成としてもよい。
(10)スロットマシン10の電源ON操作やOFF操作、RAMクリア(リセット操作を行うことや設定変更を行うこと)や、清算スイッチ59の操作等によって特別フラッシュフラグがクリアされる場合とされない場合とがあるようにし、例えば、これらの操作が行われた場合に抽選等によりクリアするか否かが決定される構成としてもよい。このようにすることで、例えば、遊技ホールの閉店前にフラッシュ演出が実行されたゲームを最終ゲームとし、次の日の最初のゲームで特別フラッシュフラグに基づくサブ側フラッシュ演出が実行されるか否かによって、設定値の変更等が見抜かれる、といった事象を好適に回避することが可能となる。
(11)補助表示部65による表示画面の光量や、スピーカ64により出力される効果音の音量を調節可能な調節操作手段を設け、当該調節操作手段を操作することで、特別フラッシュフラグをクリアすることが可能な構成としてもよい。
(12)サブ側フラッシュ演出の実行中であって、無効期間中にベット操作やスタートレバー41の操作が行われた場合は、少なくとも無効期間の経過まではフラッシュ演出を継続する構成としたが、操作に基づいて無効期間中であってもフラッシュ演出を終了する構成としてもよい。この場合、操作に基づいてフラッシュ演出から別の演出(例えば、補助表示部65による表示演出や、バックライト装置100等によるデモ演出)に切り換わる構成としてもよい。当該別の演出は無効期間の経過とともに終了するようにしてもよいし、無効期間の経過後も継続して実行されるようにしてもよい。例えば、別の演出を予め定められた所定期間に亘って実行される構成とし、無効期間の経過後も、当該別の演出が開始されてから所定期間が経過するまでは、当該別の演出が行われるようにしてもよく、無効期間の経過前に当該別の演出が開始されてから所定期間が経過した場合には、当該別の演出が再度繰り返されるようにしてもよい。繰り返す場合、最初から繰り返すようにしてもよいし、途中から繰り返すようにしてもよい。
(13)フラッシュ演出の期待度が前ゲームよりも低下する場合と、非対応フラッシュ演出を実行する場合に確定フラッシュフラグをセットして確定演出を行う構成としたが、期待度が低下する場合や非対応フラッシュ演出を実行する場合であっても、確定演出が行われない場合があるようにしてもよく、期待度が低下する場合と非対応フラッシュ演出を実行する場合とで、確定演出が行われる確率が異なるようしてもよく、例えば、期待度が低下する場合の方が非対応フラッシュ演出を実行する場合よりも確定演出が行われ易い構成としてもよいし、期待度が低下する場合の方が非対応フラッシュ演出を実行する場合よりも確定演出が行われにくい構成としてもよい。
(14)サブ側フラッシュ演出の実行期間の長さが、主制御装置101側で決定される無効期間の長さとは異なる場合、確定フラッシュフラグをセットすることにより確定演出を行う構成としてもよい。
(15)確定フラッシュフラグがセットされている場合、フラッシュ演出を最後まで実行する場合には確定表示部35を点灯状態とさせにくく、途中で終了させる場合には、最後まで実行する場合よりも確定表示部35を点灯状態とさせ易い構成としてもよい。また、逆に確定フラッシュフラグがセットされている場合、フラッシュ演出を最後まで実行する場合には確定表示部35を点灯状態とさせ易く、途中で終了させる場合には、最後まで実行する場合よりも確定表示部35を点灯状態とさせにくい構成としてもよい。これらの場合において、確定フラッシュフラグがセットされている場合に、フラッシュ演出を終了させる際に確定表示部35を点灯状態とさせることの抽選等を行い、その抽選等に当選することで確定表示部35を点灯状態とする構成としてもよく、フラッシュ演出を終了させるよりも前(例えばフラッシュ演出の設定時)に途中で終了させる場合と最後まで実行する場合とで確定表示部35を点灯状態とさせることの上記抽選等を行う構成としてもよく、これらの抽選の当選確率が途中で終了する場合と最後まで実行する場合とで異なるようにするとよい。
(16)フラッシュ演出をバックライト装置100により実行する構成として説明したが、フロントライトにより実行する構成としてもよく、表示窓26L,26M,26Rを透過液晶等の表示装置により構成し、当該表示装置にてフラッシュ演出を実行する構成としてもよい。
(17)バックライト装置100の各バックライト100aを点灯状態と消灯状態とに切り替えることによってフラッシュ演出を実行する構成としたが、消灯状態としなくても各バックライト100aの光量を変化させることによりフラッシュ演出を実行する構成としてもよい。
(18)バックライト100aを白色光にて発光する発光手段としてのLEDにより構成したが、赤色光にて発光可能な発光手段としてもよいし、別の色にて発光可能な発光手段としてもよい。
(19)フラッシュ演出は、BB当選の期待度に応じて演出パターンが設定される構成としたが、ATモード移行抽選の当選期待度に応じて演出パターンが設定される構成としてもよく、CZモード移行抽選の当選期待度に応じて演出パターンが設定される構成としてもよく、有利区間移行抽選の当選期待度に応じて演出パターンが設定される構成としてもよく、これらを組み合わせて演出パターンが設定される構成としてもよい。これらの構成であっても、サブ側フラッシュ演出としてフラッシュ演出を実行する場合には、前回のフラッシュ演出の期待度よりも今回のフラッシュ演出の期待度が低くならないようにしたりして、上記各発明を適用可能である。
(20)フラッシュ演出を各リール32L,32M,32Rの停止後であって、メダル払出処理や再BET処理よりも前に実行する構成としたが、例えば、スタートレバー41の操作後であって、各リール32L,32M,32Rの回転開始前に実行する構成としてもよい。また、フラッシュ演出を各リール32L,32M,32Rの停止後であって、メダル払出処理や再BET処理よりも後で実行する構成としてもよい。
(21)フラッシュ演出を伴わないで確定演出が行われ得る構成としてもよく、通常フラッシュ設定処理にて設定されるフラッシュ演出の実行時にも確定演出が行われ得る構成としてもよい。
(22)確定表示部35を点灯状態とすることにより確定演出を行う構成としたが、補助表示部65にて表示する内容により確定演出を行う構成としてもよいし、スピーカ64により出力する効果音にて確定演出を行う構成としてもよい。また、確定演出においていずれかのBB当選に当選していることを報知する構成としたが、第1BB及び第2BBのいずれに当選しているかを報知する構成としてもよく、いずれのBBにも当選していないことを報知する構成としてもよく、各ゲームの抽選結果(例えば、スイカ当選であることや押し順ベル当選であること、外れ結果であること)を確定演出として実行する構成としてもよい。これらの場合において、フラッシュ演出中に遊技者によるベット操作等が行われることで、上記各ゲームの抽選結果についての報知が行われる構成としてもよい。
(23)点灯状態とされた確定表示部35はBB状態が終了するまでに消灯状態とされる構成としたが、点灯状態とされたゲームの終了後、BB入賞前に消灯状態とされる構成としてもよく、スロットマシン10の電源ON操作やOFF操作、RAMクリア(リセット操作を行うことや設定変更を行うこと)や、清算スイッチ59の操作等によって消灯状態とされる構成としてもよい。
(24)補助表示部65による表示画面の光量や、スピーカ64により出力される効果音の音量を調節可能な調節操作手段を設け、当該調節操作手段を操作することで、確定演出を終了させることが可能な構成としてもよい。
(25)補助表示部65による表示画面の光量や、スピーカ64により出力される効果音の音量を調節可能な調節操作手段を設け、当該調節操作手段を操作することで、実行中のサブ側フラッシュ演出を途中で終了可能としたうえで、当該調節操作手段の操作に基づいてサブ側フラッシュ演出を途中で終了させた場合において確定フラッシュフラグがセットされていれば確定演出を実行する構成としてもよい。この場合、確定フラッシュフラグがセットされていても、当該調節操作手段の操作に基づいてサブ側フラッシュ演出を途中で終了させなければ、確定演出が実行されない構成としてもよい。
(26)確定フラッシュフラグがセットされている場合において、サブ側フラッシュ演出を途中で終了させた場合に、その終了の契機となった操作の種類や態様によって、確定演出を実行するか否かを異ならせてもよい。例えば、ベット操作に基づいてサブ側フラッシュ演出を途中で終了させた場合には確定フラッシュフラグがセットされていても確定演出を実行せず、補助表示部65による表示画面の光量や、スピーカ64により出力される効果音の音量を調節可能な調節操作手段を設け、当該調節操作手段を操作することで、実行中のサブ側フラッシュ演出を途中で終了可能としたうえで、当該調節操作手段の操作に基づいてサブ側フラッシュ演出を途中で終了させた場合には確定フラッシュフラグがセットされていれば確定演出を実行する構成としてもよい。
(27)サブ側フラッシュ演出を実行する場合において、メダル払出処理や再BET処理を無効期間の経過後ではなく当該サブ側フラッシュ演出の終了後に実行する構成としてもよい。この場合、サブ側フラッシュ演出用の処理(フラッシュ演出制御用処理)を主制御装置101側にて実行する構成としてもよいし、メダル払出処理や再BET処理を表示制御装置81側にて実行する構成としてもよいし、表示制御装置81からのコマンド(情報)を入力可能な別の制御装置にてメダル払出処理や再BET処理を実行する構成としてもよい。
(28)サブ側フラッシュ演出は、主制御装置101側のフラッシュ演出の実行期間の長さとは異なる長さとなるように設定可能としたが、主制御装置101側のフラッシュ演出の実行期間の長さと同じ長さの演出パターンのうちからフラッシュ演出の演出パターンを設定する構成としてもよい。この場合、主制御装置101にてフラッシュ演出を実行することの決定がなされていない場合には、サブ側フラッシュ演出を実行しないようにしてもよい。このようにすることで、サブ側フラッシュ演出の実行期間の長さと、無効期間の長さとが同じ長さとなり、メダル払出処理や再BET処理の実行タイミングと対応する効果音の出力タイミングとのズレが生じないようにすることを可能としながらも、フラッシュ演出の演出パターンを調整することで期待度の低下が生じないようにすること等が可能である。
(29)フラッシュ演出の演出パターンは上記のものに限定されず、適宜変更可能である。また、フラッシュ演出の演出パターンとゲームの抽選結果との対応関係も上記のものに限定されず、例えば、スイカ当選時は主制御装置101側のフラッシュ演出の決定ではフラッシュ演出を実行しないと決定される場合もある構成としたが、スイカ当選時は必ず主制御装置101側にてフラッシュ演出を実行することの決定がなされる構成としてもよい。
(30)BB当選前とBB当選後(持ち越し状態)とで、主制御装置101側にて選択されるフラッシュ演出の種類や確率が異なる構成としたが、BB非当選時と、BB当選ゲームとでも主制御装置101側にて選択されるフラッシュ演出の種類や確率が異なる構成としてもよく、BB非当選時と、BB当選ゲームと、BB当選ゲーム後であってBB入賞前とで主制御装置101側にて選択されるフラッシュ演出の種類や確率が異なる構成としてもよい。
(31)BB当選期待度に応じて、フラッシュ演出の演出パターンを設定する構成としたが、当選結果におけるメダル払出数に応じて、フラッシュ演出の演出パターンを設定する構成としてもよい。
(32)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(33)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(34)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(35)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第8hの実施形態>
以下、第8hの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図616はスロットマシン10の正面図、図617はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図618はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図619は前面扉12の背面図、図620は筐体11の正面図である。なお、以下の説明においては、特に上記各実施形態と異なる構成について説明し、上記各実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。また、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
図616~図620に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図618に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図621には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図621に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図622に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図623~図625は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図626(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図626(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図626(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図626(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図626(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図626(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図627(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図627(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役~第32小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役~第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図623及び図624に示すように、これら第9小役入賞~第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典(遊技価値)の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典(遊技価値)が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。図625に示すように、これら第1再遊技~第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図627(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図628(e)に示すように、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
第3再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図628(f)に示すように、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図627(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図627(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図628(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図628(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図628(c)及び図628(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、図629(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図629(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。
左リール32Lの「赤貝」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、図629(c)に示すように、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図629(d)に示すように、下ラインL3に左から順に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止したりする。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図630)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
ストップスイッチ42~44には、ストップランプ42b~44bがそれぞれ内蔵されている。当該ストップランプ42b~44bからの光はストップスイッチ42~44の操作面を一部透過し、ストップランプ42b~44bの光はストップスイッチ42~44を介して視認可能となる。そして、ストップスイッチ42~44の操作が有効となる場合には、当該ストップランプ42b~44bが点灯制御され、ストップスイッチ42~44の操作が無効となる場合には、対応するストップランプ42b~44bがそれぞれ消灯制御される。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定規定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定規定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定規定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定規定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定規定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定規定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定規定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。払出枚数表示部62は、メダルの払出枚数を表示する機能の他、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタとしての機能も有する。払出枚数表示部62(指示モニタ)については、後に詳細に説明する。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの下方であって、クレジット表示部60の左方には、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作やメダル投入口45へのメダル投入によって設定されるゲームのベット数を表示するための第1表示部としてのBET表示部75と、現状の遊技の進行状態を示す遊技状態表示部76とが設けられている。
また、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの左方には、上記のゲームのベット数を表示するための第2表示部としてのベット表示部34が設けられている。更に、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの右方には、ゲームの開始に際して各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるまでの待機すべき状態(ウェイト状態)であることを報知するためのウェイト表示部35が設けられている。
これらBET表示部75、遊技状態表示部76、ベット表示部34、ウェイト表示部35については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図630及び図631のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、BET表示部75、遊技状態表示部76、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。遊技状態表示部76には、今回のゲームが再遊技入賞後のゲームであって再遊技状態であることを示す再遊技状態表示部76aと、メダル投入口45からのメダル投入といったベット操作が可能な受入可能状態であることを示す受入可能状態表示部76cと、スタートレバー41の操作が可能な開始可能状態であることを示す開始可能状態表示部75bとが設けれられており、これらの表示部75a~75cがCPU102により点灯状態とされることによって対応する状態であることの報知となり、これらの表示部75a~75cがCPU102により消灯状態とされることによって対応する状態ではないことの報知となる。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報記憶エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図632参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図631に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にベット表示部34、ウェイト表示部35、第1クレジットランプ56b、ストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてベット表示部34、ウェイト表示部35、第1クレジットランプ56b、ストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
また、表示制御装置81に接続されている各構成42b~44b,63~65の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b~44b,63~65の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図632は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSh101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSh102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSh103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSh102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSh104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSh104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSh105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSh106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSh107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図630参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSh108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップSh109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSh110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSh111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSh112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSh113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSh114では、先のステップSh101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSh115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図633のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSh201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSh202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSh203~ステップSh212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSh203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSh204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップSh107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出す貯留メダル精算処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行う。
開始待ち処理の終了後、ステップSh205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSh205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSh205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSh205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップSh204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップSh205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップSh206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップSh110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップSh206の処理を実行した後は、ステップSh207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSh204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSh208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSh209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSh210の抽選処理、ステップSh211のリール制御処理、ステップSh212のメダル払出処理を順に実行し、ステップSh203に戻る。
次に、ステップSh210の抽選処理について、図634のフローチャートに基づき説明する。
ステップSh301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSh302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSh302では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図635)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図636)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSh302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
なお、本スロットマシン10では、ステップSh302にて、設定されているベット数が規定枚数以外の枚数である場合、対応する抽選テーブルが存在しないことから、本抽選処理では強制的に外れ結果となる構成としている。但し、基本的には、規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態では、上記ステップSh205にて否定判定されることから、抽選処理が行われることはない。規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態で抽選処理が行われる場合とは、規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態であるのにもかかわらず、ノイズ等の影響によって、ステップSh205にて肯定判定してしまった場合である。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSh302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図635は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図636は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSh303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSh304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSh301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSh305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSh306にて、ステップSh305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSh306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSh306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSh306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSh306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSh305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSh307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSh308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSh304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSh304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSh305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図635に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1であり、押し順ベルに当選となる確率をまとめると約1.53分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図636に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.78枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.78枚)。
ステップSh306にて当選フラグをセットした後、又はステップSh308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSh309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSh310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSh301~ステップSh308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSh310の処理を実行した後は、ステップSh311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSh110)にて行われる。なお、ステップSh311の抽選結果コマンド処理については、後に詳細に説明する。
そして、ステップSh312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSh306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSh312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSh312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSh313では、ステップSh312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSh313の処理を実行した後は、ステップSh314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタとして機能する払出枚数表示部62や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSh211のリール制御処理について、図637のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSh401にて、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSh309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップSh310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップSh402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウェイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウェイト時間が経過するまで待機する。この場合、ウェイト表示部35を点灯状態とする処理を行う。ウェイト時間が経過した場合には、ウェイト表示部35を消灯状態とするとともに、次回の遊技のためのウェイト時間を再設定し、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSh106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。なお、回転開始処理については、後に詳細に説明する。
回転開始処理に続き、ステップSh403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSh404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSh403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSh405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSh406~ステップSh412に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを消灯するように制御する。
ステップSh406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSh407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSh407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSh408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSh409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSh410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSh411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSh412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSh403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図635、図636参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図638は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSh411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSh413にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する数のメダル払出が行われるように設定する処理を行う。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。なお、払出判定処理については、後に詳細に説明する。
払出判定処理を行った後は、ステップSh414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSh415にて、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSh416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタとして機能する払出枚数表示部62の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSh417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSh212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、今回のゲームのメダル払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップSh204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、今回のゲームのメダル払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させるための処理を行う。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出すための処理を行う。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行う。メダル払出処理については、後に詳細に説明する。
次に、ステップSh414のボーナス状態処理を、図639のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSh501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSh501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSh502に進む。
ステップSh502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSh503に進む。
ステップSh503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定規定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSh503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSh504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSh505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSh506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSh506にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSh507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSh508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSh501にて肯定判定することになる。続くステップSh509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSh509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSh510にて規定ベット数を2に設定する処理を実行し、ステップSh511にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が2枚に設定され、2ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSh505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSh512に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSh513にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSh514にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSh515にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSh515にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSh510にて規定ベット数を2に設定する処理を実行し、ステップSh511にてMAXベットカウンタに2を入力してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が2枚に設定され、2ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSh501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSh516に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図640は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図640に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップSh516では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSh517にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSh518にて、ステップSh517の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると12枚の払出が発生することから、ステップSh517ではBBカウンタから12を減算する。
ステップSh518にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSh519にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSh520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSh521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSh511にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図641を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図638)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図642のフローチャートを参照しながら、ステップSh310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSh601~ステップSh603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップSh601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSh602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSh603にてベット数が3であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定枚数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定枚数として2が設定されている。ステップSh602やステップSh603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数ではない場合には、ステップSh604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定枚数として2が設定されていることから、3ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSh604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップSh602又はステップSh603にて肯定判定した場合、ステップSh604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSh605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図643のフローチャートに示すように、ステップSh701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSh702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図644に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図644にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSh702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSh703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSh703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSh704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSh705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSh701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSh702~ステップSh705の処理を省略することも可能である。
ステップSh705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSh706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSh705にて否定判定した場合、又はステップSh706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSh604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSh606に進む。ステップSh606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグは、ATモードであることをCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSh606にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSh607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSh606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSh608にて継続判定処理を実行し、ステップSh609にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップSh607のAT抽選用処理について図645のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSh801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算され、例えば、2ベットゲームでは減算されない。
ステップSh801にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップSh802にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップSh803~ステップSh808にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップSh803にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSh804では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップSh804にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップSh805にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSh804にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSh806にて、CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図644に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップSh805又はステップSh806にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップSh803にて把握したゲームの抽選結果とを用いて、ステップSh807にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップSh808にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップSh808にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップSh802にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップSh809~ステップSh812のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップSh808にてATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップSh813~ステップSh816にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップSh809では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップSh810及びステップSh811にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップSh810では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSh811にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSh809にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSh811の処理を実行した後は、ステップSh812にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップSh606にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップSh813にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSh814にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップSh803にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図644に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップSh814にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップSh815にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップSh816にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップSh812又はステップSh816にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップSh817~ステップSh820にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム~32ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップSh817では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、チェリーAにて移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。
なお、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップSh817では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにもかかわらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップSh818では、ステップSh817の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップSh819にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSh820にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
<継続判定処理>
次に、ステップSh608にて実行される継続判定処理について、図646のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、継続判定処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理である。
ここで、本実施形態におけるATモードは、押し順報知によって予め定められた所定数(例えば100)のメダルの払い出しが行われることを1セット(単位継続数、単位状態)とし、例えば、1セットのATモードを更新する場合(セットを開始する場合又はセットを終了する場合)に次のセットの継続抽選を行い、当該継続抽選に当選している場合には当該セットの終了後、次のセットへ移行し、当該継続抽選に非当選である場合には次のセットへ移行せずにATモードが終了する構成としている。そして、ステップSh608の継続判定処理では、セットの更新に際して上記の継続抽選を行うための処理である。
ステップSh901では、今回開始するゲームがATモードの1セットの開始ゲームであるか否かを判定する。開始ゲームではない場合には、そのまま本継続判定処理を終了する。開始ゲームである場合には、ステップSh902に進む。
ステップSh902では、各種カウンタエリア106eに設けられたATセットカウンタが0であるか否かを判定する。ATセットカウンタは、上記の継続抽選に非当選であっても又は継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させることを可能とするセット数をCPU102が把握するためのカウンタであり、継続条件が成立している状況で上乗せ当選した場合に1が加算され、継続抽選に非当選である場合や継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させた場合に1減算されるカウンタである。ATセットカウンタが0である場合、ステップSh903にて今回のATモードにて選択されている継続抽選の当選確率を把握する。
ここで、本実施形態では、上記の継続抽選の当選確率(以下、「継続率」とも称する)として、複数の継続率が設定されており、具体的には、図652に示すように最も継続率の高い90%と、それよりも継続率が低い60%及び10%が設定されている。当該継続率は、ATモードへの移行に際して設定される(後述のステップSh1211における継続率設定処理)。ステップSh903では、当該継続率設定処理にて設定されている情報を読み出し、今回のATモードの継続率を把握する。
ステップSh903にて継続率を把握した後は、ステップSh904にて継続抽選処理を実行する。すなわち、90%の継続率が選択されている場合には、ステップSh904の処理では90%の確率で継続当選し、10%の継続率が選択されている場合には、ステップSh904の処理では10%の確率で継続当選する。
ステップSh905では、ステップSh904の処理結果が継続当選であったか否かを判定し、継続当選であった場合には、ステップSh906にて各種フラグ格納エリア106dに継続フラグをセットする処理を実行する。継続フラグは、今回のセットの継続条件(次のセットへ移行する条件)が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップSh907にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、継続判定処理を終了する。
また、ステップSh902にてATセットカウンタが0ではないと判定した場合、ステップSh908にてATセットカウンタを1減算する処理を実行してから、ステップSh906に進み、継続フラグのセット、及び継続コマンドのセットを行ってから、継続判定処理を終了する。すなわち、本実施形態では、ATセットカウンタが0ではない場合、継続抽選を経ることなく、セットの継続条件が成立する構成としている。なお、ATセットカウンタの値に関わらず継続抽選を実行し、継続非当選である場合にATセットカウンタが1以上であれば継続条件が成立する構成としてもよい。
上記のように、本実施形態では、ATモードの1セットの開始時(スタートレバー41の操作時)に、今回開始するセットの次のセットまでATモードが継続するか否かの継続条件の成否判定が行われ、継続条件が成立していると判定した場合には、継続フラグがセットされ、その情報が表示制御装置81へ出力される。この場合、表示制御装置81では、継続条件が成立していることを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
これに対して、ステップSh905にて継続当選ではないと判定した場合には、そのまま継続判定処理を終了する。この場合、ATモードの1セットの開始時には継続条件は成立しておらず、セットの開始に際して継続コマンドの出力も行われない。表示制御装置81では、セットの開始に際して継続コマンドを受信しないことを通じて継続条件が成立していないことを把握し、継続条件が成立していないことを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSh609にて実行されるAT上乗せ用処理について、図647のフローチャートを参照しながら説明する。AT上乗せ用処理では、上記の継続抽選とは別途、ATモードのセット数を上乗せすることの上乗せ抽選を行い、当該上乗せ抽選にて当選した場合には、次のセットの継続抽選の結果に関わらず次のセットまで継続するようにする。
先ずステップSh1001にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSh1002にて、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
上乗せ抽選テーブルは、図644に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、各ゲームの抽選処理にて当選し易い通常リプA~通常リプCや、押し順ベルといった通常役では上乗せ当選しない一方、各ゲームの抽選処理にて当選しにくいチャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、共通ベル、スイカ、といった特定役では上乗せ当選し得るように設定されている。そして、特定役のうち、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。なお、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ当選しない構成を、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ抽選を行わない構成としてもよい。また、各ゲームの抽選結果が通常役である場合にも上乗せ当選し得る構成とし、当該通常役での上乗せ当選の確率を特定役の場合の上乗せ当選の確率よりも低くなるようにしてもよい。
ステップSh1002にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSh1003にて上乗せ抽選を実行し、ステップSh1004にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSh1005にて、継続フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSh1005にて継続フラグがセットされていない場合、ステップSh1006にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSh1007にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。継続コマンドを受信した表示制御装置81は、継続条件が成立したことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
これに対して、ステップSh1005にて継続フラグがセットされている場合、ステップSh1008にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。ステップSh1008にATセットカウンタに1が加算されることにより、少なくとも今回のセットの次の次のセットまでATモードが継続することが確定する。なお、本実施形態では、上乗せ抽選に当選した場合に一律でATセットカウンタに1を加算する構成としているが、2以上の数を加算する場合がある構成としてもよく、例えば、上乗せ当選の契機となったゲームの抽選結果に応じてATセットカウンタに加算する数を抽選により決定する構成としてもよい。
続くステップSh1009ではセット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本上乗せ用処理を終了する。セット上乗せコマンドは、上乗せ抽選に当選したことやATセットカウンタの値を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。なお、複数のセット数を一の上乗せ当選にて上乗せする場合がある構成においては、当該セット上乗せコマンドに当該上乗せするセット数の情報を設定する構成とするとよい。セット上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、セット上乗せが行われたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図642)において、ステップSh607又はステップSh609の処理を実行した後は、ステップSh610~ステップSh615にて、ストップスイッチ42~44の押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップSh610~ステップSh615にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタとしての機能も有する払出枚数表示部62にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。払出枚数表示部62は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、払出枚数表示部62の構成について、図648を参照しながら説明する。図648(a)は、払出枚数表示部62の正面図であり、図648(b)は、払出枚数表示部62が指示モニタとして機能する場合の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図648(a)に示すように、払出枚数表示部62には15個の表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7が設けられている。各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、払出枚数表示部62では、2桁の数字やアルファベットを含む所定の記号が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7について詳細には、右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7,左第1表示用セグメントNb1~左第7表示用セグメントNb7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7,左第1表示用セグメントNb1~左第7表示用セグメントNb7は、数字の「0」~「9」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、右第8表示用セグメントNa8は、円形状の表示用セグメントであり、右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、払出枚数表示部62は、「00」~「99」や「AA」~「ZZ」と、「00.」~「99.」や「AA.」~「ZZ.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。数字とアルファベットの組み合わせからなる二けたの記号も表示可能としてもよい。
なお、払出枚数表示部62において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7の形状や配置態様は任意である。また、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7は、上記のように2桁の数字を表示することによって払出枚数を表示するとともに、押し順役の操作順序の報知に用いられる。例えば、図648(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、右第6表示用セグメントNa6及び右第7表示用セグメントNa7と、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2及び左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7とが点灯表示されて「01」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、右第1表示用セグメントNa1~右第3表示用セグメントNa3、右第5表示用セグメントNa5及び右第6表示用セグメントNa6と、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2及び左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7とが点灯表示されて「05」が表示される。つまり、各表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
右第8表示用セグメントNa8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、右第8表示用セグメントNa8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としても機能する右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7、左第1表示用セグメントNb1~左第7表示用セグメントNb7、及び区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を有する払出枚数表示部62は、遊技パネル25に配置されている。つまり、指示モニタとして機能する払出枚数表示部62は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、右第8表示用セグメントNa8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62にて押し順表示器や区間表示器としての表示が行われるようにしていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、払出枚数表示部62において特に右第8表示用セグメントNa8は、周囲の表示部(例えば遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、右第8表示用セグメントNa8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、右第8表示用セグメントNa8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、右第8表示用セグメントNa8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、右第8表示用セグメントNa8の視認性が向上されており、当該右第8表示用セグメントNa8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図649を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図649(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図649(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図649(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、補助表示部65による押し順報知演出は、スタートレバー41の操作とともに実行されるように設定されており、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてからストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行されるため、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。これに対して、払出枚数表示部62による押し順報知は、スタートレバー41が操作されてから各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから実行されるように設定されており、スタートレバー41の操作タイミングがウェイト期間の経過前である場合には、補助表示部65による押し順報知演出よりも後で払出枚数表示部62による押し順報知が開始される場合があるように設定されている。
ここで、本スロットマシン10では、通常リプA~Cについてもストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞する再遊技が異なるように設定されており、例えば、ATモードの開始時やATモード中の上乗せ演出を実行する場合に操作順序を指示することによって、第1再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させる場合があるように設定されている。但し、通常リプA~C当選時にいずれの再遊技入賞が成立しても遊技者に付与される特典は同じ再遊技である。そのため、これら通常リプA~Cのように操作順序によって入賞する結果が異なるように設定されているものであって、いずれの結果が入賞しても遊技者に付与される特典が同じである場合、補助表示部65での押し順報知演出にて操作順序を報知するものの、払出枚数表示部62による押し順報知は行われないようにしている。このようにすることで、主制御装置101側で押し順報知を行うことの機会を極力少なくすることが可能となり、ゲームの抽選や特典付与を管理する主制御装置101の処理負荷を軽減し、ゲーム進行に際しての処理負荷の増大化やエラーの発生等による不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
そこで、上記のように補助表示部65による押し順報知演出よりも後で払出枚数表示部62による押し順報知が開始される場合があるように設定し、補助表示部65による押し順報知演出と払出枚数表示部62による押し順報知とが同時に開始されないようにすることで、例えば、通常リプA~C当選に補助表示部65により押し順報知演出を行う場合に、払出枚数表示部62にて押し順報知が行われていないことを通じて押し順ベル当選ではなく通常リプA~C当選であることが遊技者に見抜かれてしまうことを回避することが可能となる。
ステップSh610~ステップSh615における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップSh610では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。押し順ベル当選である場合、ステップSh611にて、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされている場合、ステップSh612にて今回の押し順ベルの種類を把握する処理を実行する。具体的には、押し順ベルのうち、順押しベル1,2、挟み押しベル1,2、中順押しベル1,2、中逆押しベル1,2、逆挟みベル1,2及び逆押しベル1,2のいずれであるかを判定する。そして、ステップSh613にて、ステップSh612にて把握した結果に基づいて、第1小役入賞~第6小役入賞となるストップスイッチ42~44の操作順序を把握する処理を実行する。
ステップSh613の処理を実行した後は、ステップSh614にて、ステップSh613にて把握した操作順序に対応する押し順第1情報を、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに記憶する処理を実行する。より詳しくは、順押しベル1,2である場合には順押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順1Aにセットし、挟み押しベル1,2である場合には挟み押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順2Aにセットし、中順押しベル1,2である場合には中順押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順3Aにセットし、中逆押しベル1,2である場合には中逆押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順4Aにセットし、逆挟みベル1,2である場合には逆挟み用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順5Aにセットし、逆押しベル1,2である場合には逆押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順6Aにセットする。
その後、ステップSh615にて、ステップSh614にて設定した押し順第1情報に対応する押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。具体的には、押し順第1情報として順押し用フラグをセットした場合には順押し用コマンドをセットし、押し順第1情報として挟み押し用フラグをセットした場合には挟み押し用コマンドをセットし、押し順第1情報として中順押し用フラグをセットした場合には中順押し用コマンドをセットし、押し順第1情報として中逆押し用フラグをセットした場合には中逆押し用コマンドをセットし、押し順第1情報として逆挟み押し用フラグをセットした場合には逆挟み押し用コマンドをセットし、押し順第1情報として逆押し用フラグをセットした場合には逆押し用コマンドをセットする。これらの押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、順押し操作~逆押し操作に対応する押し順報知演出(第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出)が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
このように、本実施形態では、操作態様役のうちの押し順ベルに当選したゲームがATモード中であれば、操作順序の情報を含む押し順報知コマンドが表示制御装置81へ出力されて、補助表示部65による押し順報知演出が行われる。その一方で、押し順ベルに当選したゲームがATモード中ではなければ、第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることを可能とする操作順序の情報を含む押し順報知コマンドも表示制御装置81に出力されないため、補助表示部65による押し順報知演出が行われない。
更に、本実施形態においては、抽選処理(図634)におけるステップSh311の抽選結果コマンド処理では、押し順ベルに当選しているゲームでは押し順ベルのうちのいずれの結果(IV11~22)に当選しているかの情報が表示制御装置81へ出力されないようにしている。
具体的には、図650(a)のフローチャートに示すように、ステップSh1101にて、今回のゲームがインデックス値IV=11~22にて当選となり、いずれかの押し順ベルに当選しているか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合、ステップSh1102にて、各当選結果に対応する抽選結果コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果コマンド設定処理を終了する。すなわち、ステップSh1102では、例えば、インデックス値IV=1にて当選となった場合、通常リプAを示す抽選結果コマンドをセットし、インデックス値I=8にて当選となった場合、チェリーAを示す抽選結果コマンドをセットし、インデックス値IV=27にて当選となった場合、特殊役を示す抽選結果コマンドをセットする。
これに対して、ステップSh1101にていずれかの押し順ベルに当選していると判定した場合、ステップSh1103にて押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果コマンド設定処理を終了する。当該押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドは、押し順ベルのいずれかに当選していることの情報を含むものの、いずれの押し順ベルに当選しているかの情報、すなわち、例えば、順押しベル1に当選していることの情報(IV=11にて当選となったことの情報)や、中逆押しベル2に当選していることの情報(IV=18にて当選となったことの情報)等の情報を含まないように設定されている。
つまり、図650(b)にも示すように、本実施形態では、押し順ベルに当選していることの情報は、ATモード中か否かに関わらず、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドとして表示制御装置81へ出力される。そして、ATモード中においては、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する上記の押し順報知コマンドが合わせて出力されることにより、表示制御装置81にて押し順報知演出が実行可能となる。これに対して、ATモード中ではない場合、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する上記の押し順報知コマンドは表示制御装置81出力されないし、上記の通り、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドしか出力されないため、表示制御装置81側では、ATモードではないのにもかかわらず、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能なストップスイッチ42~44の操作順序を把握することができない。このようにすることで、主制御装置101から表示制御装置81へ出力されるコマンドや表示制御装置81を不正に解析するなどして、ATモードではないのにもかかわらずATモードの恩恵(押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能となる恩恵)を享受しようとする不正行為等を行わせないようにすることができる。
上記のように、表示制御装置81側では、スタートレバー41の操作に基づいて主制御装置101から出力される押し順ベルグループコマンドと操作順序の情報を含む押し順報知コマンドとを受信し、これらコマンドに基づいて補助表示部65による押し順報知演出を実行する。これに対して、主制御装置101側では、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される場合に押し順報知を実行する。この主制御装置101側の処理については後に詳細に説明する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSh415にて実施される入賞結果対応処理について、図651のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSh1201にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSh1202にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSh1203にてベット数が3であるか否かを判定する。すなわち、ステップSh1201~ステップSh1203の処理は、上記ステップSh601~ステップSh603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップSh1204以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップSh1202又はステップSh1203にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップSh1204に進む。ステップSh1204では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した後、未だこれらの移行抽選に当選したことの報知が行われていない状況であることを意味する。この場合、ステップSh1205にて、前兆モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップSh1204にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップSh1206にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップSh1207にてCZモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップSh1206にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップSh1208にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップSh1209にてATモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップSh1208にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆モード用処理、CZモード用処理、ATモード用処理について、それぞれ説明する。
<前兆モード用処理>
前兆モード用処理では、図652に示すように、ステップSh1301にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSh1302にて前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となっている場合には、ステップSh1303にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSh1304では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップSh1305に進む。ステップSh1305では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSh1306にてCZモードフラグをセットし、ステップSh1307にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップSh1308にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSh1304にてATモード当選フラグがセットされており、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップSh1309にて、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSh1310にて、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグをセットする処理を実行する。続くステップSh1311では、継続率設定処理を実行する。上記の通り、本実施形態におけるATモードは押し順報知によって所定数のメダル払出が行われることを1セットとするセット管理型のATモードであり、残りセット数が存在しない状況(ATセットカウンタが0である状況)でセットの継続抽選に非当選となるまでATモードが継続する構成としており、ステップSh1311の継続率設定処理は継続抽選の当選確率(継続率)を設定する処理である。
本実施形態では、図653に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて、複数設けられた継続率(90%、60%、10%)の選択率が異なるように設定されており、ステップSh1311では、当該設定値に基づいて、いずれの継続率を選択するかを抽選により決定する。具体的には、基本的には設定値が高いほど(出玉率が高くなる設定値ほど)高い継続率が選択され易くなるように設定されており、例えば、60%の継続率は設定1では30%の確率で選択されるのに対して、設定6では70%の確率で選択される。但し、90%の継続率は奇数設定の方が偶数設定よりも選択され易くなっており、最も選択され易い設定値は設定5である。そして、90%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに90%フラグをセットし、60%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに60%フラグをセットし、10%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに10%フラグをセットする。これら各継続率を示す情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)は、今回移行するATモードが終了する際にクリアされるフラグである。つまり、一旦、ATモードの継続率が設定された場合には、当該ATモードが終了するまで、その継続率にて各セットの継続抽選が行われる構成としている。
ステップSh1311にて継続率設定処理を実行した後は、ステップSh1312にて各種カウンタエリア106eに設けられたAT払出カウンタに100を入力する処理を実行する。AT払出カウンタはATモードの1セットが終了するまでのメダル払出数をCPU102が把握するためのカウンタであり、押し順報知が実行されたゲームでメダル払い出しが行われた場合に、その枚数に対応する数が減算されるカウンタである。そして、AT払出カウンタが0となった場合(0以下となった場合)に継続条件が成立していれば、再度AT払出カウンタに所定数である100が入力され、AT払出カウンタが0となった場合(0以下となった場合)に継続条件が成立していなければ、ATモードが終了することになる。
その後、ステップSh1312にて、AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、前兆モード用処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが開始されることに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
<CZモード用処理>
CZモード用処理では、図654のフローチャートに示すように、ステップSh1401にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSh1402では、ステップSh1401の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSh1403にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSh1404にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップSh1403にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
<ATモード用処理>
ATモード用処理では、図655のフローチャートに示すように、ステップSh1501にて今回のゲームで第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立しているかを判定する。これら第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立している場合、ステップSh1502にて対応する操作順序の押し順第1情報がRAM106にセットされているか否かを判定する。上記の通り、押し順第1情報は、抽選結果対応処理において、ATモード中に押し順ベル当選となった場合にセットされるものであり、かかる押し順第1情報に基づいて、補助表示部65による押し順報知演出が実行されている。
ステップSh1501及びステップSh1502にて肯定判定した場合、ステップSh1503にて今回のメダル払出数をAT払出カウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSh1504にて、AT払出カウンタが0となったか(0以下となったか)否かを判定する。AT払出カウンタが0となり、ATモードにおけるセットの終了条件が成立した場合、ステップSh1505~ステップSh1512にてセット継続・終了用の処理を実行する。一方、ステップSh1501にて第1小役入賞~第6小役入賞が成立しておらず、例えば他の小役入賞が成立していたり、再遊技入賞が成立していたり、いずれの結果入賞も成立していない場合や、ステップSh1502にて第1小役入賞~第6小役入賞が成立していても押し順第1情報がセットされていない場合、また、ステップSh1504にてAT払出カウンタが0となっていない場合には、ATモードにおけるセットの終了条件が成立していないとして、そのまま本ATモード用処理を終了する。
すなわち、本実施形態においては、押し順報知を伴う第1小役入賞~第6小役入賞によるメダル払出数が所定数(100)となった場合に1セットの終了条件が成立するように設定されており、例えば、他の小役によるメダル払出数はセットの終了条件に寄与しないし、押し順報知を伴わずにたまたま第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合のメダル払出数もセットの終了条件に寄与しないようにしている。このようにすることで、ATモードの終了条件の一つとしてメダル払出数を規定する構成としてメダル払出数を一定化することによる出玉管理の容易化を図りながらも、他の小役当選(小役入賞)等によって終了条件の成立時における総メダル払出数が若干は変化し得るようになり、各ゲームの抽選結果への期待感を向上させることが可能となる。
ステップSh1504にてAT払出カウンタが0となっている場合には、ステップSh1505にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされており、継続条件が成立している場合、次のセットに移行させるための処理(ステップSh1506~ステップSh1508)を実行する。これに対して、ステップSh1505にて継続フラグがセットされていない場合には、ATモードを終了させるための処理(ステップSh1509~ステップSh1512)を実行する。
ステップSh1505にて継続条件が成立している場合、ステップSh1506にて継続フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSh1507にてAT払出カウンタに100を入力する処理を実行し、ステップSh1508にてセット更新コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。セット更新コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードのセットの移行が行われたことに対応させて補助表示部65やスピーカ64の演出を更新するための処理を実行する。
一方、ステップSh1505にて継続条件が成立していない場合、ステップSh1509にてATモードフラグをクリアし、ステップSh1510にて継続率の情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)をクリアする処理を実行する。そして、ステップSh1511にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSh1512にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して、有利区間を終了させるためのフラグである。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが終了したことに対応する演出を行うように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図656を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図634)におけるステップSh314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSh1601では、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8が表示中であるか否か、より詳しくは、右第8表示用セグメントNa8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、右第8表示用セグメントNa8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSh1601にて否定判定し、右第8表示用セグメントNa8を消灯中であると判定した場合、ステップSh1602に進む。
ステップSh1602では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSh1603にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSh1604にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSh1605では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSh1606にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。
区間表示第1処理において、ステップSh1606にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップSh1607にて、右第8表示用セグメントNa8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSh1601にて区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を表示中であると判定した場合、ステップSh1608にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSh1608について具体的には、右第8表示用セグメントNa8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSh1602にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSh1607にて表示開始処理を実行した後、又はステップSh1608の表示継続処理を実行した後は、ステップSh1609にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップSh1609にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップSh1610にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップSh1609にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップSh1611にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSh1610又はステップSh1611の処理を実行した後は、ステップSh1612にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSh1613にて、ステップSh1612の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図620に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77A、第2表示部77B、第3表示部77C、第4表示部77D、第5表示部77Eを有している。第1表示部77A~第5表示部77Eにおける表示用セグメントは、払出枚数表示部62の表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSh1613では、ステップSh1612の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77A~77Eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSh1613の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSh1612の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77Aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77Aを有さないようにしたり、第1表示部77Aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77Aと第2表示部77Bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図657のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSh416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSh1701では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSh1702にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップSh1703では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSh1703のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSh1703のMY更新処理を実行した後は、ステップSh1704にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSh1705にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップSh1706にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSh1707にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSh1708では、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSh1709にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSh1709の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSh1706にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSh1710に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップSh1707に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図658のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSh1801にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSh1802にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSh1801にて否定判定した場合、又はステップSh1802の処理を実行した後は、ステップSh1803にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSh206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップSh1804にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSh1803にて否定判定した場合、又はステップSh1804の処理を実行した後は、ステップSh1805にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSh311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図642)等にてセットされる前兆コマンド、継続コマンド、セット上乗せコマンド及び押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップSh1806にて開始時演出設定処理を実行する。
開始時演出設定処理では、開始時コマンドに基づいて、前兆モードやCZモード、ATモード等へ移行する場合の演出設定を行ったり、今回開始するゲームで実行する演出(例えば上乗せ報知演出等)を設定するための処理を実行する。
また、開始時演出設定処理では、主制御装置101から受信する抽選結果コマンドと各種押し順報知コマンドとに基づいて、押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定するための処理を行う。具体的には、押し順ベルグループコマンドと順押し用コマンドとを受信している場合には順押し用の押し順報知演出が行われるように設定し、押し順ベルグループコマンドと挟み押し用コマンドとを受信している場合には挟み押し用の押し順報知演出が行われるように設定し、押し順ベルグループコマンドと中順押し用コマンドとを受信している場合には中順押し用の押し順報知演出が行われるように設定し、押し順ベルグループコマンドと中逆押し用コマンドとを受信している場合には中逆押し用の押し順報知演出が行われるように設定し、押し順ベルグループコマンドと逆挟み押し用コマンドとを受信している場合には逆挟み押し用の押し順報知演出が行われるように設定し、押し順ベルグループコマンドと逆押し用コマンドとを受信している場合には逆押し用の押し順報知演出が行われるように設定する。
上記のように、これらの押し順報知演出は、スタートレバー41の操作に基づき実行される演出である。この場合、スタートレバー41の操作後であってウェイト期間の経過後に各リール32L,32M,32Rの回転が開始される場合であっても、上記押し順報知演出は各リール32L,32M,32Rの回転開始前であってスタートレバー41の操作時に開始されることになる。
ステップSh1805にて否定判定した場合、又はステップSh1806の処理を実行した後は、ステップSh1807にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図637)のステップSh406にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップSh1808にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSh1807にて否定判定した場合、又はステップSh1808の処理を実行した後は、ステップSh1809にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図637)のステップSh419にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図639)や入賞結果対応処理(図651)等にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップSh1810にて全停止時演出設定処理を実行する。
全停止時演出設定処理では、全停止時コマンドに基づいて、前兆モードやCZモード、ATモード等を終了させる場合の演出設定を行ったり、次ゲームからこれらのモード移行が生じる場合の演出設定を行ったり、ゲームの終了に際して実行する演出を設定するための処理を実行する。
ステップSh1809にて否定判定した場合、又はステップSh1810の処理を実行した後は、ステップSh1811にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSh1811では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSh1811では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
<主制御装置101側の押し順報知を行うための処理>
次に、主制御装置101側で押し順報知を行うための処理について説明する。既に説明した通り、表示制御装置81側の押し順報知演出は、抽選結果対応処理にて設定される押し順第1情報に基づいて実行され、より詳しくは、押し順第1情報に基づいて出力される押し順報知コマンドに含まれる操作順序の情報に基づいて実行される。
ここで、各ゲームの抽選結果として押し順ベルは比較的当選し易い結果として設定されていることから、ATモード中においては、比較的高頻度で押し順報知が実行されるところ、当該押し順報知用の情報がゲームを跨いで蓄積されていく構成であると、当該押し順報知用の情報により記憶容量が圧迫されることが懸念される。また、仮に、ATモード中に遊技ホールの閉店を迎えた場合、次の日にゲームを開始する際に押し順報知用の情報が残存しているか否かによって、設定値の変更の有無が見抜かれてしまう可能性もある。そこで、本スロットマシン10では、押し順報知用の情報を毎ゲーム消去する構成とし、記憶容量の削減や当該情報が残存することによる不都合を生じさせないようにしている。
但し、押し順報知用の情報を毎ゲームクリアするようにするうえで、当該クリア処理を新たに設けると、その処理自体によってスロットマシン10の記憶容量を圧迫する恐れがある。そこで、本実施形態では、押し順報知用の情報を毎ゲームクリアするようにするうえで、記憶容量を削減するための工夫が施されている。
また、既に説明した通り、本スロットマシン10では、主制御装置101側の押し順報知は、各ゲームの遊技結果として払い出されるメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62にて実行するようにしている。そのため、本実施形態では、押し順報知と払出枚数の表示とを共通する表示部にて実行するうえで、処理の実行タイミングの工夫が施されている。
<回転開始処理>
先ず、主制御装置101側の押し順報知を実行するための構成として、回転開始処理について、図659のフローチャートを参照しながら説明する。回転開始処理は、リール制御処理(図637)におけるステップSh402にて実行される処理であり、スタートレバー41が操作された後、ウェイト期間の経過に基づいて各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるための処理である。
ステップSh1901では、前回のゲームにて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてからのウェイト期間(4.1sec)が経過したか否かを判定する。ウェイト経過していない場合には、ウェイト期間が経過するまで待機し、ウェイト期間が経過することでステップSh1901にて肯定判定し、ステップSh1902に進む。
ステップSh1902では、上記の押し順第1情報としての順押し用フラグ、挟み押し用フラグ、中順押し用フラグ、中逆押し用フラグ、逆挟み用フラグ、逆押し用フラグのいずれかのフラグが各種フラグ格納エリア106dにセットされているか否かを判定する。セットされている場合、ステップSh1903にて、押し順第1情報に基づいて各種カウンタエリア106eに設けられた押し順用カウンタに押し順第2情報を設定する処理を実行する。押し順用カウンタは、払出枚数表示部62にて押し順報知を行うための情報であり、CPU102は、押し順用カウンタに入力されている値が払出枚数表示部62にて表示されるようにして押し順報知を実行する。
具体的には、ステップSh1903では、図660に示すように、押し順第1情報として順押し用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「01」を入力し、押し順第1情報として挟み押し用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「02」を入力し、押し順第1情報として中順押し用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「03」を入力し、押し順第1情報として中逆押し用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「04」を入力し、押し順第1情報として逆挟み用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「05」を入力し、押し順第1情報として逆押し用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「06」を入力する。
ステップSh1902にて押し順第1情報がセットされていないと判定した場合や、ステップSh1903にて押し順第2情報の設定を行った後は、ステップSh1904にて開始駆動制御用処理を実行してから、本回転開始処理を終了する。開始駆動制御用処理では、先ず、ウェイト表示部35を消灯状態とするとともに、次回の遊技のためのウェイト時間を再設定し、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。モータ制御初期化処理を実行することにより、タイマ割込み処理(図632)におけるステップSh106のステッピングモータ制御処理にて、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるようになる。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、定速回転となった場合には、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力してから、本回転開始処理を終了する。表示制御装置81では、定速回転となったことに基づいて、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
この場合、各リール32L,32M,32Rの回転開始とともに、押し順用カウンタに入力された値が払出枚数表示部62にて表示されることにより、今回のゲームの操作順序が報知されることになる(図648(b))。
ここで、上記の押し順第1情報はRAM106における各種フラグ格納エリア106aの所定領域としての押し順1A~押し順6Aに記憶され、押し順第2情報はRAM106における各種カウンタエリア106eの所定領域としての押し順用カウンタに記憶される。そして、これら押し順1A~押し順6Aの各フラグや、押し順用カウンタの情報は、上記のように毎ゲームクリアされることとなる。
<払出判定処理>
次に、本実施形態における払出判定処理について、図661のフローチャートを参照しながら説明する。払出判定処理はリール制御処理(図637)におけるステップSh413にて実行される処理であり、全リール32L,32M,32Rの回転が停止した後で実行される処理である。
ステップSh2001では、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSh2002にて各リール32L,32M,32Rの有効位置に停止している図柄(図柄番号)を把握する処理を実行し、ステップSh2003にて、停止している図柄の組み合わせと今回のゲームの抽選結果に対応する図柄の組み合わせとの比較処理を実行する。なお、抽選処理(図634)における停止情報設定処理(ステップSh312)では、今回のゲームの抽選結果に基づいて、当該抽選結果の入賞となる図柄の組み合わせを各リール32L,32M,32Rの停止情報として設定する他、入賞とならない図柄の組み合わせも各リール32L,32M,32Rの停止情報として設定する。ステップSh2003の比較処理では、これら入賞となる図柄の組み合わせだけではなく、入賞とならない図柄の組み合わせも含めて、今回のゲームの抽選結果に対応するものであるか否かの比較を行う。
そして、続くステップSh2004にて、ステップSh2003の比較処理の結果が不整合であり、停止している図柄の組み合わせと今回のゲームの抽選結果に対応しない図柄の組合せであるか否かの判定を行う。ステップSh2004にて肯定判定し、停止する予定ではない図柄が有効位置に停止している場合、ステップSh2005にて停止エラーフラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする処理を実行してから、本払出判定処理を終了する。停止エラーフラグがセットされた場合、エラー判定処理にてエラー状態であることの判定が行われ、エラー対応処理として、エラー報知及び遊技進行の停止処理が行われる。
ステップSh2004にて不整合ではないと判定した場合、ステップSh2006に進む。ステップSh2006では、停止している図柄の組み合わせが今回にゲームの抽選結果の入賞に対応するものであるか否かを判定する。入賞に対応するものではない場合には、そのまま本払出判定処理を終了する。
入賞に対応するものである場合、ステップSh2007にて今回の入賞がいずれかの再遊技入賞であるか否かを判定する。再遊技入賞である場合、ステップSh2008にて再遊技状態に設定してから本払出判定処理を終了する。再遊技状態に設定することにより、次ゲームの開始待ち処理(ステップSh204)にて、今回の再遊技入賞の契機となったゲームのベット数と同数のベットが行われるように自動ベット処理が行われることになる。
再遊技入賞ではないと判定した場合、ステップSh2009にて今回の入賞がいずれかの小役入賞であるか否かを判定する。再遊技入賞でもなく小役入賞でもない場合とは、BB入賞であることを意味し、この場合、そのまま払出判定処理を終了し、本払出判定処理に続けて実行されるボーナス状態処理(ステップSh414)にて、BB入賞時の処理を実行する。
ステップSh2009にていずれかの小役入賞であると判定した場合、ステップSh2010にて小役入賞に伴う払出枚数を把握する処理を実行する。そして、ステップSh2011にて押し順第2情報としての押し順用カウンタを初期値である「00」にクリアする処理を実行してから、ステップSh2012~ステップSh2013にて払出枚数に対応する値が各種カウンタエリア106eに設けられた払出第1カウンタに入力されるようにする処理を実行してから、本払出判定処理を終了する。
具体的には、ステップSh2012にてタイマ割込み処理の割込み待ち処理を実施する。すなわち、ステップSh2011の処理を実行した後、タイマ割込み処理が1回起動されることで次のステップSh2013に進む。ステップSh2013では、ステップSh2010にて把握した払出枚数に対応する数値情報を払出第1カウンタに入力してから、払出判定処理を終了する。
<メダル払出処理>
次に、通常処理(図633)におけるステップSh212にて実行されるメダル払出処理について、図662のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップSh2101にて上記の払出第1カウンタが0であるか否かを判定する。0である場合には、そのままメダル払出処理を終了し、0よりも大きい場合には、ステップSh2102にて各種カウンタエリア106eに設けられたクレジットカウンタが上限値である50となっているか否かを判定する。上限値ではない場合には、ステップSh2103にてクレジットカウンタを1加算する処理を実行し、上限値である場合には、ステップSh2104にて払出装置53から1枚のメダルの払い出しが行われるように払出装置53を制御するための処理を実行する。レジットカウンタはクレジット枚数をCPU102がカウントするためのカウンタである。
ステップSh2103又はステップSh2104の処理を実行した後は、ステップSh2105にて払出第1カウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSh2106では、各種カウンタエリア106eに設けられた払出第2カウンタを1加算する処理を実行する。払出第2カウンタは、払出枚数表示部62に払出枚数を表示させるためのカウンタである。ステップSh2106の処理を実行した後は、ステップSh2107にて、タイマ割込み処理の割込み待ち処理を実行する。かかる処理は、上記ステップSh2012の処理と同様である。ステップSh2107にてタイマ割込み処理が1回起動された場合、ステップSh2101に戻り、払出第1カウンタが0となるまでステップSh2101~ステップSh2107の処理を繰り返す。
<セグメントデータ設定処理>
上記のように、払出枚数表示部62にてメダル払出枚数と押し順報知とを行ううえで、払出枚数表示部62を含む各種表示部を更新するための処理として、セグメントデータ設定処理について、図663のフローチャートを参照しながら説明する。セグメントデータ設定処理は、タイマ割込み処理(図632)のステップSh111にて実行される処理である。タイマ割込み処理は、通常処理とは並行して実行される処理であり、通常処理の終了を待たずにセグメントデータ設定処理が起動される。
ステップSh2201では、上記のクレジットカウンタの値を把握する処理を実行し、続くステップSh2202にて、クレジット表示部60の表示がクレジットカウンタの値を示す表示となるようにクレジット表示部60用のデータを更新する処理を実行する。この場合、当該セグメントデータ設定処理に続いて起動されるセグメントデータ表示処理(ステップSh112)では、ステップSh2202にて更新されたデータの表示となるようにクレジット表示部60のセグメント制御を行う。
ステップSh2203では、BBカウンタの値を把握する処理を実行し、続くステップSh2204にて残払出枚数表示部61の表示をBBカウンタの値を示す表示となるように残払出枚数表示部61用のデータを更新する処理を実行する。この場合、当該セグメントデータ設定処理に続いて起動されるセグメントデータ表示処理(ステップSh112)では、ステップSh2204にて更新されたデータの表示となるように残払出枚数表示部61のセグメント制御を行う。
続くステップSh2205では、払出第2カウンタが0であるか否かを判定する。払出第2カウンタが0よりも大きい場合、ステップSh2206にて払出第2カウンタの値を把握する処理を実行し、ステップSh2207にて払出枚数表示部62の表示を払出カウンタの値を示す表示となるように払出枚数表示部62用のデータを更新する処理を実行してから、本セグメントデータ設定処理を終了する。一方、払出第2カウンタが0である場合、ステップSh2208にて押し順第2情報としての押し順用カウンタの値を把握する処理を実行し、ステップSh2207にて払出枚数表示部62の表示を押し順用カウンタの値を示す表示となるように払出枚数表示部62用のデータを更新する処理を実行してから、本セグメントデータ設定処理を終了する。この場合、当該セグメントデータ設定処理に続いて起動されるセグメントデータ表示処理(ステップSh112)では、ステップSh2207にて更新されたデータの表示となるように払出枚数表示部62のセグメント制御を行う。
つまり、小役入賞に伴いメダル払出が行われる場合、本実施形態では、払出第2カウンタが0から1ずつカウントアップされ、実際に1枚のメダル払出が行われる度に払出第2カウンタが1ずつカウントダウンされる。このようにすることで、メダル払出の枚数が多いほどカウントアップやカウントダウンに伴う表示の更新回数が多くなるし、更新期間も長くなり、払出枚数と更新回数乃至更新期間が関連付けられるため、遊技者が払出枚数を直感的に把握することができるようになる。
しかも、払出枚数の表示を行う払出枚数表示部62にて押し順報知も行う構成とし、当該押し順報知から払出枚数の表示に切り替える際には、押し順用カウンタを「00」にクリアする構成としている。このようにすることで、払出枚数表示部62にて表示されていた操作順序を示す数値が、一旦、いずれの操作順序にも対応しない「00」となってから払出枚数を示すカウントアップに移行するようになり、押し順報知と払出枚数の表示との間に「00」の表示が介在するようになる。具体的には、例えば、逆押し用の押し順報知が行われ、払出枚数表示部62にて「06」と表示されている状況で第6小役入賞が成立した場合に、「06」から「01」→「02」、、、「13」として払出枚数のカウントアップが行われるのではなく、「06」の表示が「00」に更新されてから、「01」→「02」、、、「13」として払出枚数のカウントアップが行われる。よって、押し順報知の表示と払出枚数の表示とを共通の表示部にて行うことで構成の簡素化を図りながらも、両表示の区切りが存在するようになり、いずれの報知が行われているかを遊技者が把握し易くすることが可能となる。
特に、押し順用カウンタを「00」にクリアした後、タイマ割込み処理の割込み待ちを行い、払出第2カウンタのカウントアップよりも前に、セグメントデータ設定処理が確実に起動されるようにしていることから、通常処理とタイマ割込み処理といった並行して実行される処理にて払出枚数表示部62の表示を管理するうえで、より確実に払出枚数表示部62が「00」として表示される状況が存在するようにすることが可能となる。
<毎ゲームRAMクリア処理>
次に、通常処理(図633)におけるステップSh203にて実行される毎ゲームRAMクリア処理について、図664のフローチャートを参照しながら説明する。毎ゲームRAMクリア処理は、前ゲームが終了した後であって、前ゲームの再遊技入賞に伴い自動ベット処理が行われる再遊技状態に設定されるよりも前であり、ベット操作が可能となる受入可能状態となるよりも前であり、更にスタートレバー41による開始操作が可能となる開始可能状態となるよりも前に実行される処理である。なお、再遊技状態やベット操作が可能となる受入可能状態や開始操作が可能となる開始可能状態は、ステップSh204の開始待ち処理にて設定され、再遊技状態となると再遊技状態表示部76aが点灯状態とされ、受入可能状態となると受入可能状態表示部76cが点灯状態とされ、開始可能状態となると開始可能状態表示部76bが点灯状態とされる。つまり、毎ゲームRAMクリア処理は、これら各状態表示部76a~76cが点灯状態とされるよりも前に実行される処理である。
ステップSh2301では、RAM106の毎ゲームクリア領域111の情報をクリアする処理を実行する。図665に示すように、本実施形態におけるRAM106において各種情報は、毎ゲームクリアされる情報を記憶する毎ゲームクリア領域111と、有利区間の終了時(通常区間への移行時)やBB終了時(通常遊技状態移行時)、ATモードやCZモードの終了時等、所定の状態の移行時にクリアされる情報を記憶する移行時クリア領域112と、リセットスイッチ72の操作を伴って電源が投入された場合(リセット時)にクリアされる情報を記憶するリセット時クリア領域113とに区分されて記憶されるように設定されている。
毎ゲームクリア領域111には、上記の各ゲームの抽選結果に対応する当選フラグが格納される当選フラグ格納エリア106aや、図柄停止情報が格納される停止情報格納エリア106bの他、各種フラグ格納エリア106dのうちの毎ゲームクリアされるフラグを格納する第1フラグ格納エリア106d1、及び各種カウンタエリア106eのうちの毎ゲームクリアされるカウンタ(例えば、上記の払出枚数を示す払出カウンタや、ベット数を示すベットカウンタ)を格納する第1カウンタエリア106e1が設けられており、各ゲームの遊技に用いられる情報が記憶されるように設定されている。そして、この各ゲームの遊技に用いられる情報は、ステップSh2301にて毎ゲームクリアされ、本毎ゲームRAMクリア処理に続けて実行される開始待ち処理や抽選処理にて、前ゲームの情報と今回のゲームの情報とが混在してしまうことが回避されている。
なお、当選フラグのうち、再遊技結果の当選フラグについては、毎ゲームクリア領域111ではなく、以下の移行時クリア領域112に記憶される構成とすることで、毎ゲームRAMクリア処理後に前ゲームの再遊技入賞に伴う自動ベット処理を実行することが可能である。また、再遊技結果の当選フラグを毎ゲームクリア領域111における当選フラグ格納エリア106aに記憶させたうえで、再遊技入賞が成立したことの情報を、移行時クリア領域112に記憶させる構成としてもよい。
移行時クリア領域112には、各種フラグ格納エリア106dのうちの所定の状態の移行時にクリアされるフラグを格納する第2フラグ格納エリア106d2、及び各種カウンタエリア106eのうちの所定の状態の移行時にクリアされるカウンタを格納する第2カウンタエリア106e2が設けられている。例えば、第2フラグ格納エリア106d2には、有利区間であることを示す有利区間フラグや、第1BB状態であることを示す第1BB状態フラグ、第2BB状態であることを示す第2BB状態フラグが記憶される。また、例えば、第2カウンタエリア106e2には、有利区間ゲーム数AGや、有利区間増減枚数MY、ATゲームカウンタ、AT払出カウンタ、BBカウンタ等が記憶される。そして、状態移行時に、対応する記憶領域のクリア処理が行われるように設定されている。例えば、有利区間終了時の初期化処理(ステップSh1709)では、有利区間ゲーム数AGを記憶している有利区間ゲーム数記憶領域、有利区間増減枚数MYを記憶している有利区間増減枚数記憶領域、ATゲームカウンタ記憶領域、AT払出カウンタ記憶領域等、有利区間中に用いた情報をクリア処理を実行し、BB状態が終了する場合にはBBカウンタ記憶領域のクリア処理を実行する。
リセット時クリア領域113には、当選確率の設定処理にて設定される設定値の情報を記憶する設定値情報記憶エリア106cの他、各種フラグ格納エリア106dのうちのリセット時にクリアされるフラグを格納する第3フラグ格納エリア106d3、及び各種カウンタエリア106eのうちのリセット時にクリアされるカウンタを格納する第3カウンタエリア106e3が設けられている。例えば、第3フラグ格納エリア106d3には、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグが記憶され、第3カウンタエリア106e3には、遊技ホールの店舗情報が記憶される。そして、リセットスイッチ72を操作することによるリセット処理が行われると、これらの情報のクリア処理が行われるように設定されている。なお、リセット処理が行われる場合、リセット時クリア領域113だけではなく、毎ゲームクリア領域111、移行時クリア領域112を含めてクリア処理が行われるようにしてもよく、いずれの領域111~113をクリアするかを遊技ホールの管理者等が設定(選択)できるようにしてもよい。クリアする領域を設定可能とする場合、リセット時クリア領域113とともに、選択した領域をクリアするようにしてもよいし、リセット時クリア領域113をクリアせずに、毎ゲームクリア領域111や移行時クリア領域112だけをクリアすることが可能な構成としてもよい。
そして、本実施形態では、上記の押し順第1情報や押し順第2情報を、毎ゲームクリア領域111(より詳しくは、毎ゲームクリア領域111のうちの押し順第1情報を第1フラグ格納エリア106d1、押し順第2情報を第1カウンタエリア106e1)に記憶されるように設定されており、当該毎ゲームクリア領域111をまとめてクリアすることで、押し順第1情報や押し順第2情報もステップSh2301の処理によってクリアされる構成としている。このようにすることで、押し順第1情報や押し順第2情報をその都度クリアする処理を設ける必要がなく、処理構成の簡素化が図られている。
続くステップSh2302では、クリア確認処理を実行する。クリア確認処理は、上記ステップSh2301のクリア処理にてクリア漏れや、クリア後の各領域に初期値ではなく異常値が入力されているエラーが発生していることの確認を行うための処理である。そして、ステップSh2302の処理に基づいて、ステップSh2303にてエラーが発生しているか否かを判定し、エラーが発生している場合には、ステップSh2304にてクリアエラーフラグを各種フラグ格納エリア106d(第2フラグ格納エリア106d2)セットする処理を実行してから、本RAMクリア処理を終了する。ステップSh2303にてエラーが発生していないと判定した場合には、そのまま本RAMクリア処理を終了する。
<押し順報知と払出枚数の表示と押し順情報のクリア>
押し順報知及び払出枚数の表示の実行タイミングと押し順情報のクリアタイミングとの関係を、図666を参照しながら説明する。
規定枚数のベットが行われている状況でt1にてスタートレバー41の操作が行われると、抽選処理にて今回のゲームの抽選が行われる。抽選処理に続けて実行される抽選結果対応処理にて、今回のゲームで押し順報知が行われることの決定がなされた場合、抽選結果コマンド(押し順ベルグループコマンド)とともに押し順報知コマンドが主制御装置101から表示制御装置81に出力され、当該t1にて補助表示部65等によるサブ側の押し順報知演出が開始される。
t1のスタートレバー41の操作がウェイト期間の経過前であった場合、当該t1では各リール32L,32M,32Rの回転は開始せず、t1よりも後のt2にてウェイト期間が経過すると各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。この場合、t1では、上記の通り補助表示部65等によるサブ側の押し順報知演出は開始されるものの、払出枚数表示部62による主側の押し順報知は開始されず、当該主側の押し順報知は各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるt2にて実行される。払出枚数表示部62による表示は、t1からt2では「00」が表示されており、t2にて押し順報知が開始されると操作順序に対応する表示内容となる(図では、逆順押しを示す05が表示されている)。
t3にて各リール32L,32M,32Rが停止し、小役入賞(第6小役入賞)が成立していると、払出枚数表示部62の表示は、押し順報知から払出枚数の表示に切り替わる。この場合、先ず、押し順第2情報としての押し順用カウンタが初期値である「00」にクリアされてから、払出枚数のカウントアップが行われることから、当該t3の切り替わりタイミングよりも前に起動されるタイマ割込み処理中のセグメントデータ設定処理にて更新される払出枚数表示部62の表示は、押し順第2情報(押し順用カウンタ)に対応するものであり、t3の切り替わりタイミングよりも後に起動されるタイマ割込み処理中のセグメントデータ設定処理にて更新される払出枚数表示部62の表示は、払出第2カウンタに対応するものである。
この場合、押し順報知(「01」~「06」)と払出枚数の表示(「01」~「13」)との間に、払出枚数表示部62の表示が「00」となる状態が介在することになることから、遊技者は両表示を区別し易くなり、いずれの表示が行われているかを容易に確認することが可能となる。
しかも、押し順用カウンタを初期値である「00」にクリアした後であって、払出第2カウンタのカウントアップを開始するよりも前にてタイマ割込み処理の割込み待ちを行うようにしていることから、払出第2カウンタがカウントアップされるよりも前に押し順用カウンタの値が「00」となっている状況でセグメントデータ設定処理が実施されることとなり、通常処理とタイマ割込み処理の起動状況によって区切りとなる「00」が存在しない場合がある、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
t3にて払出枚数表示部62の表示内容が払出第2カウンタに相当する表示に切り替わってから、払出枚数のカウントアップが行われる。この場合、払出第2カウンタを1加算する度にタイマ割込み処理の割込み待ちを行うようにしていることから、払出第2カウンタが1加算される度により確実にセグメントデータ設定処理が起動され、払出枚数表示部62の更新をより細かくすることが可能となる。
t4にてメダル払い出しが完了すると、払出第2カウンタは今回の払出枚数に相当する値(「13」)となる。この場合、メダル払い出しの完了とともに、次のゲームの開始前状態に移行し、通常処理における毎ゲームRAMクリア処理(ステップSh203)が実施される。上記のように、押し順第1情報や押し順第2情報はRAM106の毎ゲームクリア領域111に記憶されていることから、当該t4の毎ゲームRAMクリア処理にて押し順第1情報や押し順第2情報もまとめてクリアされる。但し、押し順第2情報は、上記のように払出第1カウンタの設定時にクリアされるようにしていることから、既にクリアされた状態で再クリアが行われることになる。
t5にて次ゲームの開始操作としてスタートレバー41が操作され、t6にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される場合、上記t1及びt2の場合と同様に、t5にて押し順第1情報に基づいてサブ側の押し順報知演出が開始され、t6にて押し順第1情報に基づく押し順第2情報の設定が行われて主側の押し順報知が開始される。
例えば、今回のゲームで押し順報知の示す操作順序に従わないストップスイッチ42~44の操作が行われた場合であって、t7にて各リール32L,32M,32Rが停止した際にいずれの小役入賞も成立しなかった場合、払出判定処理においては、入賞無しとしてステップSh2006にて否定判定する。この場合、メダル払出が発生しないことから、払出第1カウンタの設定処理(ステップSh2013)は行われないし、当該払出第1カウンタの設定前の押し順第2情報のクリア処理(ステップSh2011)も実施されない。
但し、t7にて払出判定処理が終了した後は、次ゲームの開始前状態に移行し、上記の毎ゲームRAMクリア処理(ステップSh203)にて、押し順第1情報や押し順第2情報もまとめてクリアされる。そのため、押し順第1情報や押し順第2情報を個別にクリアする処理を設けなくても、毎ゲームのクリア処理に合わせてこれら各押し順情報をクリアすることが可能となり、当該押し順情報を次ゲームに持ち越さないようにするうえで、構成の簡素化を図ることが可能となる。
また、セグメントデータ設定処理において、払出第2カウンタが0である場合には押し順第1情報ではなく押し順第2情報を把握して、その値を払出枚数表示部62に表示させるようにしていることから、スタートレバー41の操作に基づく押し順第1情報の設定時ではなく、各リール32L,32M,32Rの回転開始時から払出枚数表示部62による押し順報知が開始されるようになる。ちなみに、払出第2カウンタが0である場合であって、押し順第2情報の設定前においては、押し順第2情報は初期値の「00」であり、この場合、払出枚数表示部62には「00」が表示されることとなる。なお、この場合、払出枚数表示部62にて表示を行わないようにしてもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
押し順報知や押し順報知演出を行うための情報としての押し順第1情報や押し順第2情報を、各ゲームの抽選結果を示す各当選フラグを消去する処理である毎ゲームRAMクリア処理の対象となる毎ゲームクリア領域111に記憶するようにした。このようにすることで、新たなクリア処理を用いることなく既存の構成をうまく利用して、前ゲームで使用した押し順第1情報や押し順第2情報が次ゲームに持ち越されることを回避することができる。
毎ゲームRAMクリア処理は、通常処理におけるスタートレバー41の操作が可能となる開始待ち処理よりも前のタイミングで実行する(完了される)ようにしたことから、スタートレバー41の操作に基づきゲームの抽選等を行ううえで、毎ゲームRAMクリア処理と当該ゲームの抽選等の処理とが重複することがなくなり、処理が重複することによる当該ゲームの抽選等への悪影響を与えないようにしながら、前ゲームの情報を次ゲームに持ち越さないようにすることができる。
特に、スタートレバー41の操作に基づいて実行される抽選結果対応処理において、押し順第1情報がセットされる構成であることから、以前の押し順第1情報がクリアされた状態で当該押し順第1情報のセット処理を行うことが可能となり、押し順第1情報を上書きすることによる処理のエラー等の発生を未然に防ぐことが可能となる。
押し順第1情報としては、各操作順序に対応させてそれぞれフラグが設けられており、それぞれフラグがセットされる領域も異なるように設定されている。そして、いずれのフラグがセットされているかをCPU102が判断することにより、対応する押し順報知が実行される構成としている。そのため、仮に以前の操作順序に対応するフラグが残存した状態で、今回の操作順序に対応するフラグがセットされるような構成としてしまうと、以前の操作順序に対応するフラグと今回の操作順序に対応するフラグとが存在し得る構成となり、CPU102がいずれの押し順報知を実行すべきかの判断ができなくなる恐れがある。その点、上記のように押し順第1情報が事前にクリアされるようにしていることから、いずれの領域にも操作順序のフラグがセットされていない状況で、今回の操作順序に対応するフラグがセットされるようになり、上記の不都合を生じさせないようにすることができる。
押し順第2情報としては、押し順用カウンタの各数値情報がそれぞれ操作順序に対応しており、押し順用カウンタの数値情報をCPU102が確認することで、対応する押し順報知が実行される構成としている。そのため、操作順序を記憶する記憶領域を押し順第1情報の場合よりも削減することが可能である。但し、前回の押し順第2情報に対して今回の押し順第2情報を上書きする場合、押し順第1情報のように複数の操作順序に対応する情報が存在するようになってしまう、といった不都合は生じないものの、例えば、前回の押し順第2情報(押し順用カウンタの値)が初期値である場合とそうではない場合とで、今回の上書き処理の処理負荷が異なり得ることから、かかる処理負荷の相違によって処理エラーが発生し得る点が懸念される。その点、上記のように押し順第2情報が事前にクリアされるようにしていることから、押し順第2情報を入力する際の処理負荷を均等化することが可能となり、上記の不都合を生じさせないようにすることができる。
押し順第1情報はスタートレバー41の操作に基づきセットされ、かかる押し順第1情報に基づいて対応する押し順報知コマンドが出力されることによって、表示制御装置81側での押し順報知演出が実行される。この場合、上記のように以前の押し順第1情報は事前にクリアされていることから、今回のゲームにおいてスタートレバー41の操作から押し順報知演出の開始までに押し順第1情報をクリアする処理を設ける必要がなく、かかる押し順第1情報をクリアする処理の分だけ、押し順報知演出を早期に開始させることが可能となる。よって、遊技者による操作に基づき開始する演出(押し順報知演出)において、操作が行われたのにもかかわらず対応する演出がなかなか開始されない、といった処理渋滞等を起因とする演出遅延を生じさせないようにすることができる。
押し順第2情報は、スタートレバー41の操作後であって、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される際に今回の操作順序に対応する値が入力され、かかる押し順第2情報に基づいて払出枚数表示部62における押し順報知が実行される。このようにすることで、押し順第1情報をセットした後、払出枚数表示部62における押し順報知の開始を制限するうえで、例えば、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されたことをタイマ割込み処理中のセグメントデータ設定処理において常に監視しておく必要がなく、押し順第2情報の入力の有無を判断するだけで実現することが可能となる。よって、一のタイマ割込み処理が起動されてから終了するまでに要する期間を短くすることが可能となり、タイマ割込み処理による各種定期処理が定期的に実行されにくくなるといった悪影響を与えることなく、サブ側の押し順報知演出の開始よりも後で、主側の押し順報知を開始させることが可能となる。
毎ゲームクリア領域111とは別途、移行時クリア領域112やリセット時クリア領域113を設け、毎ゲームRAMクリア処理では、これら移行時クリア領域112やリセット時クリア領域113を参照することなく、当該毎ゲームクリア領域111に記憶されている全データの初期化処理を行う構成とした。このようにすることで、各領域に記憶されている情報を選別して抽出したうえで初期化する、といった処理構成と比較して、毎ゲームRAMクリア処理の処理負荷を圧倒的に軽減することが可能となるし、移行時クリア領域112やリセット時クリア領域113に記憶されている情報が誤って初期化されてしまうことを未然に回避することも可能である。
特に、移行時クリア領域112には、BB状態の払出枚数を記憶するBBカウンタや有利区間のゲーム数(AG)や払出枚数(MY)の情報など、遊技状態が継続する限り使用する情報が記憶されており、これらの情報が毎ゲームRAMクリア処理によってクリアされてしまうと、これらの状態が誤って終了してしまう恐れがあり、遊技者に多大な不利益を被らせてしまう。また、リセット時クリア領域113には、設定値の情報等が記憶されており、かかる設定値の情報が毎ゲームRAMクリア処理によってクリアされてしまうと、設定値別に設けられている各ゲームの抽選テーブルを参照することができなくなり、遊技の進行がストップしてしまう恐れもある。その点、上記構成のように、毎ゲームクリア領域111と、移行時クリア領域112やリセット時クリア領域113を別領域としたことから、これらの不都合を生じさせないようにしながら、毎ゲームRAMクリア処理の処理負荷を軽減することができる。
また、毎ゲームRAMクリア処理では、毎ゲームクリア領域111におけるいずれの領域に情報が記憶されているか否かや、記憶されている情報の種類等を把握することなく、当該毎ゲームクリア領域111に記憶されている全ての情報を初期化する構成としている。このようにすることで、例えば、押し順報知が発生せずに押し順第1情報や押し順第2情報が記憶されなかったゲームと、押し順報知が発生して押し順第1情報や押し順第2情報が記憶されたゲームとで、毎ゲームRAMクリア処理の処理態様を異ならせる必要がなく、比較的簡素な構成にて各情報をクリアすることができるし、各ゲームでの処理負荷の均等化を図ることもできる。
押し順第1情報と押し順第2情報とのうち、少なくとも押し順第1情報については入賞結果対応処理におけるATモード用処理にてATモードの継続管理用の処理に用いられるようにしている。つまり、押し順第1情報は、少なくともゲームの終了までは保持される情報であって、次ゲームの開始前の毎ゲームRAMクリア処理においてクリアされるようにしている。このようにすることで、当該押し順第1情報がゲームの途中でクリアされることによってATモードの継続管理用の処理が実行できなくなる、といった不都合を生じさせることなく、押し順第1情報が次ゲームに持ち越されることによる不都合を解消することが可能な構成を、新たなクリア処理を設けることなく実現することができる。
払出枚数表示部62にて、押し順報知と払出枚数の表示とが行われるようにしていることから、それぞれの報知用の表示部を設ける構成と比較して、構成の簡素化が図られるし、限られた設置領域において表示部用の領域を削減することができるため、かかる領域を別の演出用の領域として用いることも可能であり、遊技の興趣向上にも役立てることが可能となる。
しかも、払出枚数表示部62の表示を行うためのセグメントデータ設定処理では、押し順報知用の情報(押し順第2情報)と払出枚数表示用の情報(払出第2カウンタ)とのうち、一方の情報(払出第2カウンタ)のみを確認し、かかる一方の情報が初期値(0、特定情報)であることによって、いずれの表示を行うかを決定する構成としている。具体的には、払出枚数表示用の払出第2カウンタが0である場合には、払出第2カウンタではなく押し順第2情報(払出用カウンタ)の数値が払出枚数表示部62に表示されるようにしている。このようにすることで、表示部を共用するうえで、いずれの表示を行うかを判断するための処理構成を圧倒的に簡素なものとすることが可能となる。
さらに、上記のように払出第2カウンタではなく押し順第2情報が表示される場合であっても、当該押し順第2情報は、押し順報知を実行しないタイミングにおいては毎ゲームRAMクリア処理や、払出判定処理によって初期値(0、00)にクリアされており、当該初期値の表示はいずれの操作順序にも対応していないものであることから、払出枚数表示部62にて、初期値の押し順第2情報に対応する表示が行われても不自然ではなく、遊技者を混乱させないようにすることもできる。付け加えると、押し順第2情報が初期値である場合の表示は、払出枚数の表示としても表示され得る内容(0枚)として設定されていることから、遊技者がいずれの表示が行われていると解釈しても混乱を招かないようにすることができる。
払出枚数表示部62において押し順第2情報に基づく押し順報知を実行した後、払出第2カウンタに基づく払出枚数の表示を行う場合に、押し順第2情報を初期値にクリアする構成としたため、払出枚数の表示を行う場合に、それまで実行していた押し順報知が別の操作順序を示すものとなったと遊技者に勘違いさせてしまわないようにすることができる。
特に、払出判定処理において押し順第2情報を初期値にクリアした後、メダル払出処理が行われるよりも前に、タイマ割込み処理(セグメントデータ設定処理)の割込み待ちを行うようにしたことから、当該初期値とされた押し順第2情報に対応する表示がより確実に行われることとなり、かかる表示を押し順報知と払出枚数の表示との区切りとして機能させることが可能となる。
この場合、押し順第2情報の表示から払出第2カウンタの表示に切り替える際、クリアした側の押し順第2情報を用いて両表示の区切りを設ける構成としたことから、切り替え時にクリアされない払出第2カウンタ側の表示を両表示の区切りとさせようとするような構成において、切り替え前であって初期値ではない可能性もある払出第2カウンタが表示されてしまう不都合を生じさせないようにすることができる。
また、上記のように押し順第2情報をクリアしても、押し順第1情報が記憶されていることから、ATモード用処理における継続管理用の処理が実行できなくなる、といった不都合は生じない。
特に、押し順第1情報に基づいて押し順第2情報を入力し、その後側の押し順第2情報をクリアする構成としていることから、押し順第2情報の入力がうまくできないなどの処理エラーが発生した場合であっても、押し順第2情報のクリアができずに初期値のままとなるだけであって、押し順第1情報がクリアされることはなく、上記の継続管理用の処理が実行できなくなるという不都合を生じにくくすることができる。
<変形例1>
本変形例では、払出判定処理において払出第1カウンタの設定前に押し順第2情報をクリアしない。図667(a)は、本変形例における払出判定処理の一部を示すフローチャートである。
払出判定処理においてステップSh2009にて肯定判定し、小役入賞が成立していると判定した場合、ステップSh2401にて払出枚数を把握する処理を実行する。そして、ステップSh2402にて、各種フラグ格納エリア106dに払出フラグをセットする処理を実行する。払出フラグは、メダル払い出しを実行する状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。
払出フラグをセットした後は、ステップSh2403にて割込み待ち処理を実行する。タイマ割込み処理が起動されることでステップSh2404に進み払出第1カウンタに払出枚数に相当する値を入力してから、本払出判定処理を終了する。
上記の払出フラグは、メダル払出処理にてクリアされる。
すなわち、図667(b)に示すように、本変形例におけるメダル払出処理では、ステップSh2101にて払出第1カウンタが0であると判定した場合、ステップSh2411にて払出フラグをクリアする処理を実行してから、メダル払出処理を終了する。なお、払出フラグがセットされていない場合には、その状態を維持する。
また、上記の払出フラグは、払出枚数表示部62の表示切替用に利用される。
すなわち、図667(c)に示すように、ステップSh2204にて残払出枚数表示部61の表示データを更新する処理を実行した後、ステップSh2421にて払出フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップSh2422にて払出第2カウンタの値を把握し、把握した値が払出枚数表示部62にて表示されるようにデータ更新する処理を実行してから(ステップSh2423)、本セグメントデータ設定処理を終了する。一方、払出フラグがセットされていない場合、ステップSh2421にて否定判定し、ステップSh2424にて押し順第2情報としての押し順用カウンタの値を把握する処理を実行する。そして、ステップSh2423にて、把握した押し順用カウンタの値が払出枚数表示部62にて表示されるようにデータ更新する処理を実行してから、本セグメントデータ設定処理を終了する。
この場合、払出判定処理において払出フラグをセットする処理を実行した後で起動されるセグメントデータ設定処理では、ステップSh2421にて肯定判定して「00」が入力されている(初期値である)払出第2カウンタの値を払出枚数表示部62にて表示するように設定する。その後、払出第2カウンタの値がカウントアップされる度に払出枚数表示部62の更新を行う。
つまり、本変形例においても、払出枚数表示部62にて押し順報知と払出枚数の表示とが行われる構成において、当該押し順報知から払出枚数の表示に切り替わる際に「00」が表示されるようになる。このようにすることで、遊技者は、押し順報知と払出枚数の表示とを明確に区別することが可能となり、表示部を共用して構成の簡素化を図りながらも、両表示が混在することによる不都合を生じさせないようにすることができる。
しかも、本変形例のようにすることで、押し順第2情報がクリアされるタイミングが、メダル払い出しの有無に関わらず共通化される。つまり、押し順第2情報は、メダル払い出しの有無に関わらず、いずれも次ゲーム開始前状態の毎ゲームRAMクリア処理において、まとめてクリアされるようになる。このようにすることで、各ゲームで処理内容が異なることによる処理エラーや処理落ちの発生を好適に回避することが可能となる。
<変形例2>
上記実施形態では押し順第1情報とともに押し順第2情報を設けたが、本変形例では、押し順情報を1つだけ設ける。図668は本変形例における抽選結果対応処理を示すフローチャートである。
ステップSh2501~ステップSh2509の処理は、上記ステップSh601~ステップSh609の処理と同様であり、抽選結果に基づいて有利区間移行抽選処理や、AT抽選用処理、継続判定処理、AT上乗せ用処理等を実行する。ステップSh2510では、押し順ベル当選であるか否かを判定し、押し順ベル当選である場合には、ステップSh2511にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合や、押し順ベル当選であってもATモードフラグがセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
ATモード中の押し順ベル当選である場合、ステップSh2512にて押し順ベルの種類を把握する処理を実行する。そして、ステップSh2513にて対応する操作順序を把握する処理を実行する。これらステップSh2510~ステップSh2513の処理は、上記ステップSh610~ステップSh613の処理と同様である。
続くステップSh2514では、ステップSh2513にて把握した操作順序に対応する押し順情報を、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに記憶する処理を実行する。より詳しくは、順押しベル1,2である場合には順押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順1にセットし、挟み押しベル1,2である場合には挟み押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順2にセットし、中順押しベル1,2である場合には中順押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順3にセットし、中逆押しベル1,2である場合には中逆押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順4にセットし、逆挟みベル1,2である場合には逆挟み用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順5にセットし、逆押しベル1,2である場合には逆押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順6にセットする。
その後、ステップSh2515にて、ステップSh2514にて設定した押し順情報に対応する押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、本変形例では、抽選結果対応処理にて、押し順第1情報ではなく押し順情報を設定し、その設定した押し順情報に基づいて押し順報知コマンドの出力設定を行う。
図669は、本変形例におけるセグメントデータ設定処理を示すフローチャートである。
ステップSh2601~ステップSh2604は、上記ステップSh2201~ステップSh2204の処理と同様であり、クレジット表示部60や残払出枚数表示部61の更新用の処理を実行する。ステップSh2605では、払出第2カウンタが0よりも大きいか否かを判定し、0よりも大きければ、ステップSh2606にて払出第2カウンタの値を把握して、ステップSh2607にて払出第2カウンタの値が表示されるように払出枚数表示部62の更新を行ってから、本セグメントデータ設定処理を終了する。これらステップSh2605~ステップSh2607の処理もステップSh2205~ステップSh2207の処理と同様である。
払出第2カウンタが0である場合、ステップSh2608に進む。本変形例では、ステップSh2608にて各リール32L,32M,32Rが回転中であるか否かを判定する。回転中ではない場合には、そのまま本セグメントデータ設定処理を終了する。一方、各リール32L,32M,32Rが回転中である場合には、ステップSh2609にて上記の押し順情報を把握する処理を実行し、その把握した情報に基づいて押し順報知が払出枚数表示部62にて実行されるようにする処理をステップSh2607にて行ってから、本セグメントデータ設定処理を終了する。
すなわち、本変形例では、スタートレバー41の操作に基づいて押し順情報を設定し、当該押し順情報に基づいて補助表示部65での押し順報知演出を開始させる。そのうえで、セグメントデータ設定処理において、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されていることを判定したうえで、払出枚数表示部62での押し順報知が開始されるようにする。このようにすることで、払出枚数表示部62での押し順報知の実行タイミングを補助表示部65での押し順報知演出の実行タイミングとずらすために、押し順情報を2種類設ける構成と比較して、図670に示すように、押し順情報を記憶するための領域を減らす(押し順第2情報の領域分だけ減らす)ことが可能となり、限られた記憶容量を別の情報用に割く等のメリットを生じさせることができる。
<変形例3>
本変形例では、押し順第2情報と払出枚数の示す情報とを共通の記憶領域に記憶する。図671は、本変形例における回転開始処理を示すフローチャートである。
ステップSh2701ではウェイト期間が経過したか否かを判定し、経過していない場合には経過するまで待機する。ウェイト期間が経過した場合、ステップSh2702にて押し順第1情報がセットされているか否かを把握する処理を実行する。
押し順第1情報がセットされている場合、続くステップSh2703にて、各種カウンタエリア106eに設けられた共用カウンタに、上記ステップSh2702にて把握した押し順第1情報に対応する値を入力する処理を実行する。共用カウンタは、図672に示すように、払出枚数を示す上記の払出第2カウンタとしての機能と、操作順序を示す上記の押し順第2情報としての機能を有する情報であり、「00」~「15」の間で「01」ずつ更新可能な情報である。そして、共用カウンタが払出第2カウンタとしての機能を発揮する場合、その数値情報が払出枚数に相当し、例えば、共用カウンタが「05」である場合には払出枚数が5枚であることを意味し、共用カウンタが「13」である場合には払出枚数が13枚であることを意味する。一方、共用カウンタが操作順序を示す情報としての機能を発揮する場合、例えば、「01」が順押しの操作順序を示し、「06」が逆押しの操作順序を示すことを意味する。共用カウンタは、毎ゲームRAMクリア処理の対象となるように、毎ゲームクリア領域111に記憶されているカウンタである。
ステップSh2703の処理について具体的には、押し順第1情報として順押し用フラグがセットされている場合には共用カウンタに「01」を入力し、押し順第1情報として順押し用フラグがセットされている場合には共用カウンタに「01」を入力し、押し順第1情報として挟み押し用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「02」を入力し、押し順第1情報として中順押し用フラグがセットされている場合には共用カウンタに「03」を入力し、押し順第1情報として中逆押し用フラグがセットされている場合には共用カウンタに「04」を入力し、押し順第1情報として逆挟み用フラグがセットされている場合には共用カウンタに「05」を入力し、押し順第1情報として逆押し用フラグがセットされている場合には共用カウンタに「06」を入力する。
ステップSh2702にて否定判定した場合や、ステップSh2703の処理を実行した後は、ステップSh2704にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるようにステッピングモータの駆動制御を開始させてから、本回転開始処理を終了する。
図673(a)は、本変形例における払出判定処理の一部を示すフローチャートである。
払出判定処理においてステップSh2009にて肯定判定し、小役入賞が成立していると判定した場合、ステップSh2801にて払出枚数を把握する処理を実行する。そして、ステップSh2802にて、上記の共用カウンタを初期値である「00」にクリアする処理を実行する。
共用カウンタをクリアした後は、ステップSh2803にて割込み待ち処理を実行する。タイマ割込み処理が起動されることでステップSh2804に進み、今回の払出枚数に相当する数値を払出第1カウンタのに入力する処理を実行してから、本払出判定処理を終了する。
図673(b)は、本変形例におけるメダル払出処理を示すフローチャートである。
本変形例では、上記図662のメダル払出処理と比較して、払出第2カウンタの値を更新する処理が、共用カウンタの値を更新する点で相違しており、その他の点は共通している。
すなわち、ステップSh2103及びステップSh2104にてメダル払出用の処理を実行した後、本変形例では、ステップSh2811にて、払出第1カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSh2812にて上記の共用カウンタを1加算する処理を実行してから、ステップSh2107の割込み待ち処理に進む。
図674は、本変形例におけるセグメントデータ設定処理を示すフローチャートである。
ステップSh2901~ステップSh2904の処理は、上記ステップSh2201~ステップSh2204の処理と同様であり、クレジット表示部60や残払出枚数表示部61の更新用の処理を実行する。ステップSh2905では、上記の共用カウンタの値を把握する処理を実行する。そして、ステップSh2906にて、共用カウンタの値が払出枚数表示部62に表示されるように設定する処理を行ってから、本セグメントデータ設定処理を終了する。
この場合、スタートレバー41が操作されてサブ側の押し順報知演出が開始される状況では、共用カウンタには毎ゲームRAMクリア処理後の初期値(00)が入力されており、払出枚数表示部62の表示は「00」である。各リール32L,32M,32Rの回転が開始される際に、押し順第1情報に基づいて共用カウンタに押し順報知用の値が入力されることから、払出枚数表示部62の表示は押し順報知に相当する「01」~「06」となる。各リール32L,32M,32Rの回転が停止してメダル払出が発生する場合、払出枚数の入力の前に共用カウンタは0にクリアされ、払出枚数表示部62の表示も「00」となる。そして、払出枚数表示部62は払出枚数に達するまでカウントアップにて更新が行われる。
図675に示すように、本変形例における共用カウンタは、上記の押し順第2情報や払出第2カウンタと同様に、毎ゲームクリア領域111に設けられており、図664の毎ゲームRAMクリア処理にてクリアされる。そのため、各リール32L,32M,32Rの回転が停止してメダル払出が発生しない場合であっても、上記の毎ゲームRAMクリア処理により共用カウンタのクリアも行われ、払出枚数表示部62の表示も「00」となる。よって、押し順第1情報だけでなく、押し順情報として機能する共用カウンタの情報が次ゲームに持ち越される事象は回避される。
このように、遊技に用いられ、毎ゲームクリア領域111に記憶される払出第2カウンタを共用カウンタとし、押し順情報を当該共用カウンタに入力するようにすることで、既存の構成をうまく利用しながら新たなクリア処理を設けずに押し順情報を毎ゲームクリアすることが可能となる。
しかも、上記のように既存の払出第2カウンタを共用カウンタとして押し順情報を示す情報として利用するようにしたことから、毎ゲームクリア領域111のデータ量もその分(押し順第2情報)少なくすることが可能となり、記憶容量の削減も図ることが可能となる。
<変形例4>
本変形例では、押し順情報を用いずに主側の押し順報知やサブ側の押し順報知演出を実行する。図676は、本変形例における抽選結果対応処理を示すフローチャートである。
ステップSh3001~ステップSh3009の処理は、上記ステップSh601~ステップSh609の処理と同様であり、抽選結果に基づいて有利区間移行抽選処理や、AT抽選用処理、継続判定処理、AT上乗せ用処理等を実行する。ステップSh3010では、押し順ベル当選であるか否かを判定し、押し順ベル当選である場合には、ステップSh3011にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合や、押し順ベル当選であってもATモードフラグがセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
ATモード中の押し順ベル当選である場合、ステップSh3012にて押し順ベルの種類を把握する処理を実行する。そして、ステップSh3013にて対応する操作順序を把握する処理を実行する。これらステップSh3010~ステップSh3013の処理は、上記ステップSh610~ステップSh613の処理と同様である。
続くステップSh3014では、ステップSh3013にて把握した操作順序に対応する押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。具体的には、順押しベル1,2である場合には順押し用コマンドをセットし、挟み押しベル1,2である場合には挟み押し用コマンドをセットし、中順押しベル1,2である場合には中順押し用コマンドをセットし、中逆押しベル1,2である場合には中逆押し用コマンドをセットし、逆挟みベル1,2である場合には逆挟み用コマンドをセットし、逆押しベル1,2である場合には逆押し用コマンドをセットする。
すなわち、本変形例では、サブ側の押し順報知演出を行うにあたって、押し順第1情報の設定を行わず、今回のゲームの抽選結果の情報(当選フラグ)に基づいて、押し順報知コマンドを設定する。
図677は、本変形例におけるセグメントデータ設定処理を示すフローチャートである。
ステップSh3101~ステップSh3104の処理は、上記ステップSh2201~ステップSh2204の処理と同様であり、クレジット表示部60や残払出枚数表示部61の更新用の処理を実行する。ステップSh3105では、ゲームの抽選結果の情報として第1小役当選フラグ~第6小役当選フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップSh3106にて払出第2カウンタの値を把握し、ステップSh3107にて払出第2カウンタの値が表示されるように払出枚数表示部62の更新を行ってから、本セグメントデータ設定処理を終了する。
一方、ステップSh3105にて第1小役当選フラグ~第6小役当選フラグがセットされている場合、ステップSh3108に進み、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされている場合、ステップSh3109にて各リール32L,32M,32Rが回転中であり、回転開始後であって回転停止前であるか否かを判定する。ステップSh3108にてATモードフラグがセットされている場合や、ステップSh3109にて各リール32L,32M,32Rの回転開始前や回転停止後である場合には、ステップSh3106に進み、払出第2カウンタの値が表示されるように払出枚数表示部62の更新を行ってから、本セグメントデータ設定処理を終了する。
ATモード中であって、各リール32L,32M,32Rの回転開始後且つ回転停止前である場合(ステップSh3108、ステップSh3109:YES)、ステップSh3110にて、ステップSh3105にて把握した当選フラグに対応する操作順序を把握する処理を実行する。ステップSh3107では、ステップSh3110にて把握した操作順序に対応する表示が払出枚数表示部62にて行われるように設定する処理を実行してから、本セグメントデータ設定処理を終了する。
具体的には、第1小役当選フラグがセットされている場合には順押しの操作順序を示す「01」が表示されるように設定し、第2小役当選フラグがセットされている場合には挟み押しの操作順序を示す「02」が表示されるように設定し、第3小役当選フラグがセットされている場合には中順押しの操作順序を示す「03」が表示されるように設定し、第4小役当選フラグがセットされている場合には中逆押しの操作順序を示す「04」が表示されるように設定し、第5小役当選フラグがセットされている場合には逆挟み押しの操作順序を示す「05」が表示されるように設定し、第6小役当選フラグがセットされている場合には逆押しの操作順序を示す「06」が表示されるように設定する。
この場合、スタートレバー41の操作に基づき第1小役当選フラグ~第6小役当選フラグがセットされ、ATモード中であればこれらの当選フラグに基づいてサブ側の押し順報知演出が開始される。各リール32L,32M,32Rの回転が開始すると、払出枚数表示部62による主側の押し順報知が開始され、各リール32L,32M,32Rの回転が停止ししてメダル払出が発生する場合には、払出カウンタに対応する値が払出枚数表示部62に表示されるようになる。
図678に示すように、各ゲームの抽選結果は毎ゲームクリア領域111に設けられた当選フラグ格納エリア106aに記憶されるように設定されており、上記の第1小役当選フラグ~第6小役当選フラグについても、図664の毎ゲームRAMクリア処理にてクリアされる。
このようにすることで、既存の構成をうまく利用して、押し順報知用の情報を次ゲームに持ち越さないようにすることが可能となり、遊技の公平性を担保するうえで構成の複雑化を生じさせないようにすることができる。
なお、上記変形例において、ATモード中に第1小役当選フラグ~第6小役当選フラグがセットされている場合には、主側の押し順報知を行うようにしていたが、共通ベル当選時にも第1小役当選フラグ~第6小役当選フラグがセットされ、主側の押し順報知が行われ得る構成としていた。この場合、共通ベル当選時の押し順報知は、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれに対応する操作順序を示すものであってもよく、いずれの操作順序を示す押し順報知を実行するかを抽選により決定するようにしてもよいし、予め定められたいずれか一の操作順序(例えば逆押し)を示す押し順報知を実行するようにしてもよい。当該共通ベルと押し順ベルとを区別するためには、例えば、第1小役当選フラグ~第6小役当選フラグのいずれかに加えて、第9小役当選フラグ~第32小役当選フラグのいずれかがセットされている場合には押し順ベル当選と判断し、第9小役当選フラグ~第32小役当選フラグがセットされていない場合には共通ベル当選として判断する構成としてもよいし、第1小役当選フラグ~第6小役当選フラグのいずれか1がセットされている場合には押し順ベル当選と判断し、第1小役当選フラグ~第6小役当選フラグのうちの複数又は全てがセットされている場合には共通ベル当選と判断する構成としてもよい。共通ベル当選時には主側の押し順報知を行わないようにしてもよい。
<変形例5>
本変形例では、押し順第1情報に基づいて押し順第2情報を設定する際に、当該押し順第1情報をクリアする。図679(a)は、本変形例における回転開始処理を示すフローチャートである。
ステップSh3201ではウェイト期間が経過したか否かを判定し、経過していない場合には経過するまで待機する。ウェイト期間が経過した場合、ステップSh3202にて押し順第1情報がセットされているか否かを把握する処理を実行する。セットされている場合には、ステップSh3203にて、押し順第1情報に基づいて押し順第2情報をセットする処理を実行する。これらステップSh3201~ステップSh3203の処理は、上記ステップSh1901~ステップSh1903の処理と同様である。
本変形例では、ステップSh3203にて押し順第2情報をセットした後、ステップSh3204にて押し順第1情報をクリアする処理を実行する。ステップSh3202にて否定判定した場合、又はステップSh3204の処理を実行した後は、ステップSh1904と同様に、ステップSh3205にて開始駆動制御処理を実行してから、回転開始処理を終了する。
図679(b)は、本変形例における払出判定処理の一部を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSh2001~ステップSh2004にて抽選結果と停止態様とに基づいて、抽選結果に対応する停止態様となっており、エラーが発生していないことの確認処理を行った後(ステップSh2004:NO)、ステップSh3211にて入賞結果対応処理を実行する。そして、ステップSh3212にて押し順第2情報を0にクリアする処理を実行してから、ステップSh2006以降の入賞判定用の処理を実行する。なお、この場合、ステップSh3212にて押し順第2情報を0にクリアしていることから、ステップSh2011の処理は実行しない。つまり、本変形例では、入賞の有無に関わらず(払出の発生の有無に関わらず)、押し順第2情報をクリアする構成である。この場合であっても、払出枚数表示部62に払出枚数が表示されるよりも前に当該払出枚数表示部62の表示が「00」となり、押し順報知と払出枚数の表示とを区別可能とさせることの効果は期待できる。
ステップSh3211の入賞結果対応処理は、上記図651に示す処理であり、指示機能に関する処理の一処理として、前兆モード用処理(図652)や、CZモード用処理(図654)、ATモード用処理(図655)を行う処理である。
本変形例における入賞結果対応処理のATモード用処理では、図679(c)に示すように、ステップSh3221にて第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立しているか否かを判定し、成立している場合には、ステップSh3222にて押し順第1情報ではなく押し順第2情報がセットされているか否かを判定する。押し順第2情報がセットされている場合には、ステップSh3223にて、今回の払出枚数をAT払出カウンタから減算する処理を実行してから、ステップSh1504以降のAT払出カウンタが0となった場合の継続判定用の処理を実行する。ステップSh3221やステップSh3222にて否定判定した場合には、そのままATモード用処理を終了する。
すなわち、本変形例では、リール制御処理(図637)におけるステップSh415の入賞結果対応処理を、ステップSh413の払出判定処理内にて実行する構成とし、より詳しくは、払出判定処理において停止態様のエラーの有無の確認後であって、押し順第2情報のクリア処理(ステップSh2011)よりも前に入賞結果対応処理を実行する構成としている。このようにすることで、特に、ATモード用処理において押し順報知の有無によってATモードの継続管理(ステップSh1501~ステップSh1503)を行う上で、押し順報知を実行していることの情報として、クリア前の押し順第2情報を利用することが可能となり、押し順第1情報を早期にクリアすることが可能となる。
本変形例において、押し順第1情報や押し順第2情報がクリアされるタイミングについて、図680のタイミングチャートを参照しながら説明する。
t11にてスタートレバー41が操作されて開始するゲームにて押し順報知が発生する場合、t11にて実行される抽選結果対応処理にて押し順第1情報が設定されるとともに、サブ側の押し順報知が開始される。t11に続いてt12にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されると、回転開始処理にて押し順第2情報が設定されるとともに、押し順第1情報がクリアされ、主側の押し順報知が開始される。そして、t13にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止すると、払出判定処理において押し順第2情報がクリアされる。
この場合、t14にて次ゲームの開始前状態にて毎ゲームRAMクリア処理が行われるものの、上記のように、押し順第1情報や押し順第2情報は既にクリアされていることから、当該毎ゲームRAMクリア処理にてクリアする情報量が少なくなり、各ゲームのクリア処理の処理負荷を軽減することが可能となる。
また、本変形例では、小役入賞の有無に関わらず(メダル払出の発生の有無に関わらず)、払出判定処理において押し順第2情報がクリアされることから、押し順第1情報や押し順第2情報が毎ゲームRAMクリア処理の起動時まで記憶されている事象は生じなくなる。よって、上記のように毎ゲームRAMクリア処理において押し順第1情報や押し順第2情報をクリアする必要もなくなり、当該クリア処理の処理負荷を軽減することが可能となる。
<変形例6>
本変形例では、変形例5をベースとし、押し順報知が実行された後、メダル払出が発生するまでに所定期間が存在する構成例を説明する。図681(a)は、本変形例におけるATモード用処理の一部を示すフローチャートである。
ATモード用処理において、押し順報知に基づく第1小役入賞~第6小役入賞によって1セットの払出上限に達した場合において(ステップSh1504YES)、ステップSh1505にて継続フラグがセットされておらず、ステップSh1509~ステップSh1512にてATモードを終了させるための処理を実行した後、ステップSh3301にて、押し順第2情報をクリアする処理を実行する。この場合、上記払出判定処理(図679(b))におけるステップSh3212では、既に押し順第2情報がクリアされていることから、その状態を維持する。なお、ATモードが終了しない場合には、押し順第2情報はステップSh3301にてクリアされないことから、当該押し順情報はステップSh3212にてクリアされることになる。
続くステップSh3302では、各種カウンタエリア106eに設けられた終了時無効カウンタに所定期間に相当する値(1000)を入力する。終了時無効カウンタは、タイマ割込み処理が起動される度に1ずつ減算されるカウンタであり、ATモード終了時の演出を行うための期間を確保するためのものであり、上記所定期間は、ATモード終了時の演出の継続期間に相当する。
続くステップSh3303では、上記の終了時無効カウンタが0となったか否かを判定し、0となるまで待機する。終了時無効カウンタが0となることで、本ATモード用処理を終了する。すなわち、当該終了時無効カウンタが0となるまでの期間は、遊技進行用の通常処理において次の処理に進まず、メダル払出処理(ステップSh212)も実行されないし、遊技者による各種操作が受け付けられない無効期間に相当する。
本変形例における払出枚数表示部62にて押し順報知とメダル払出数の報知とが行われる様子について、図681(b)を参照しながら説明する。
t21にてスタートレバー41が操作されて押し順第1情報が記憶され、t22にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されると、押し順第2情報が設定されるとともに、押し順第1情報がクリアされ、払出枚数表示部62における主制御装置101側の押し順報知が開始される。
t23にて各リール32L,32M,32Rが停止し、ATモード用処理において今回のゲームの押し順報知によって発生したメダル払出によってATモードの払出上限に達したと判定した場合、上記のようにステップSh3301にて押し順第2情報がクリアされる。但し、終了時無効カウンタの設定により、メダル払出処理は開始されないため、払出第2カウンタは0のままであり、払出枚数表示部62では、クリアされた押し順第2情報に対応する表示「00」がなされる。
そして、t23から終了時無効カウンタが0となるt24までは、ATモード終了用の演出が補助表示部65にて実行され、終了時無効カウンタが0となるまで当該終了用の演出が実行される。
t24にて終了時無効カウンタが0となると、メダル払出処理が開始され、メダル払出(払出第2カウンタのカウントアップ)とともに、払出枚数表示部62も更新される。そして、t25にてメダル払出が完了すると、次ゲームの毎ゲームRAMクリア処理において、払出第2カウンタも0にクリアされ、払出枚数表示部62の表示は「00」となる(押し順第2情報に対応する表示となる)。
以上のように、押し順第1情報や押し順第2情報をメダル払出よりも前にクリアするようにすることで、メダル払出前に今回のゲームの押し順報知に基づく処理や演出を行う際に、押し順報知を実行していた払出枚数表示部62にてメダル払出の開始前からメダル払出用の表示が開始されてしまう不都合を回避することができる。
特に、本実施形態では押し順報知に基づくメダルの払出枚数によってATモードの継続管理が行われていることから、遊技者は特にメダルの払出枚数に注目しながらATモードを進行させているものと考えられ、ATモードの継続管理を行ったうえで、ATモード終了用の演出を実行し、その後、メダルが払い出されるようにすることで、メダルが払い出された後でATモード終了用の演出が実行されるよりも、当該ATモード終了用の演出への注目度を高めることが可能である。つまり、メダルが払い出された後においては、遊技者はATモードの終了条件が成立していることを把握している可能性があり、このような状況でATモード終了用の演出を実行しても、かかる演出は蛇足となり得る。その点、上記のように、ATモード終了用の演出を実行してからメダル払出を行うようにすることで、ATモードが終了するか否かへの関心の高さを利用してかかる演出への注目度を好適に向上させることが可能となる。
この場合、上記のATモード終了用の演出を、ATモードが終了する終了演出と、ATモードが終了しない継続演出とを設け、所定の演出(終了するか継続するかを煽る演出等)を実行した後、これら終了演出と継続演出を含む結果演出が行われる構成とする(上記のATモードが終了する場合には、所定の演出の後、終了演出となる結果演出を実行する構成とする)ことで、ATモード終了用の演出の注目度をより高めることが可能である。
更に、上記のようにATモードの終了条件が成立した場合にATモード終了用の演出を実行する構成に加えて、ATモードの終了条件が成立しなかった場合(継続フラグがセットされており、ステップSh1506~ステップSh1508の処理を実行した場合)であっても、ATモード終了用の演出を実行する構成としてもよく、この場合、所定の演出を実行した後、継続演出となる結果演出が行われるようにするとよい。
上記のようにATモードが終了しない場合も、ATモード終了用の演出(所定の演出後、継続演出となる結果演出を実行する演出)を行う場合、終了時無効カウンタをセットして、メダル払出を遅延させたうえで、終了時無効カウンタが0となるまでに上記のATモード終了用の演出を行う構成としてもよい。
<変形例8>
本変形例では、ゲームの開始前状態にて実行される毎ゲームRAMクリア処理(ステップSh203)にてクリア対象とする領域を変更する。図682(a)は、本変形例における毎ゲームRAMクリア処理を示すフローチャートである。
ステップSh3401では、RAM106における毎ゲームクリア領域111以外の領域112,113のデータをRAM106に設けられた退避領域114に退避する処理を実行する(図682(b))。退避領域114には、少なくとも移行時クリア領域112とリセット時クリア領域113との情報をそのままの状態で記憶可能な移行時クリア用退避領域114aとリセット時クリア用退避領域114bとが設けられており、ステップSh3401では、移行時クリア領域112のデータを移行時クリア用退避領域114aにコピーし、リセット時クリア領域113のデータをリセット時クリア用退避領域114bにコピーする。
続くステップSh3402では、退避領域114を除く全クリア領域111~113のクリア処理を実行する。そして、ステップSh3403にて、全クリア領域111~113のデータが初期化されていることのクリア確認処理を実行する。ステップSh3404では、クリア確認処理の結果に基づいてエラーが発生している(初期値となっていない領域が存在する)か否かを判定し、エラーが発生している場合には、ステップSh3405にてクリアエラーフラグをセットする処理を実行してから、本毎ゲームRAMクリア処理を終了する。
ステップSh3404にてエラーが発生していないと判定した場合、ステップSh3406にて、退避領域114に退避したデータの復帰処理を実行してから、本毎ゲームRAMクリア処理を終了する。具体的には、ステップSh3404では、移行時クリア用退避領域114aに退避していたデータを移行時クリア領域112にコピーし、リセット時クリア用退避領域114bに退避していたデータをリセット時クリア領域113にコピーする処理を実行する。
このようにすることで、毎ゲームRAMクリア処理においてクリアする領域を選択する必要がなくなり、RAM106全体(退避領域114以外の領域)をクリアすることが可能となる。よって、毎ゲームRAMクリア処理におけるクリア処理の構成を簡素なものとすることが可能である。
<変形例9>
本変形例では、毎ゲームクリア領域111における押し順第1情報や押し順第2情報を、毎ゲームRAMクリア処理だけではなく、別のクリア契機でもクリアする構成とする。
図683(a)は、本変形例における有利区間情報の初期化処理を示すフローチャートである。有利区間情報の初期化処理は、区間表示第2処理(図657)において、有利区間を終了させて通常区間へ移行させる場合に実行される処理であり(ステップSh1709)、上記実施形態では、移行時クリア領域112のうちの有利区間についての情報(有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、有利区間フラグ等)をクリアする処理として説明したものである。
本変形例では、ステップSh3501にて、移行時クリア領域112のうちの有利区間についての情報の他、毎ゲームクリア領域111のうちの有利区間についての情報(押し順第1情報及び押し順第2情報)をクリアする処理を実行する。そして、ステップSh3502にて、データが初期化されていることのクリア確認処理を実行する。続くステップSh3503では、クリア確認処理の結果に基づいてエラーが発生している(初期値となっていない領域が存在する)か否かを判定し、エラーが発生している場合には、ステップSh3504にてクリアエラーフラグをセットする処理を実行してから、本有利区間情報の初期化処理を終了する。ステップSh3503にてエラーが発生していないと判定した場合、そのまま本有利区間情報の初期化処理を終了する。
図683(b)は、本変形例におけるリセット時の初期化処理の概要を示すフローチャートである。リセット時の初期化処理は、リセットスイッチ72が操作されて電源投入がなされた場合に起動される処理であり、上記実施形態では、リセット時クリア領域113に記憶されている情報をクリアする処理として説明していたものである。
本変形例では、ステップSh3511にて、毎ゲームクリア領域111、移行時クリア領域112及びリセット時クリア領域113の全ての領域の情報をクリアする処理を実行する。そして、ステップSh3512にて、データが初期化されていることのクリア確認処理を実行する。続くステップSh3513では、クリア確認処理の結果に基づいてエラーが発生している(初期値となっていない領域が存在する)か否かを判定し、エラーが発生している場合には、ステップSh3514にてクリアエラーフラグをセットする処理を実行してから、本リセット時の初期化処理を終了する。ステップSh3513にてエラーが発生していないと判定した場合、そのまま本リセット時の初期化処理を終了する。
以上のように、押し順第1情報や押し順第2情報を、毎ゲームRAMクリア処理ではなく、有利区間の終了時でもクリアするようにすることで、有利区間が終了したのにもかかわらず有利区間で用いた情報が、次ゲームまで(次ゲームの毎ゲームRAMクリア処理の前)まで持ち越されることが回避される。よって、例えば、有利区間が終了して通常区間となったゲームの毎ゲームRAMクリア処理前で当該押し順第1情報や押し順第2情報を用いた処理が行われないようにすることができ、有利区間を終了させる際に初期化処理を実行することの意義を担保することができる。
また、リセット時の初期化処理においても押し順第1情報や押し順第2情報をクリア可能とすることで、例えば、押し順第1情報や押し順第2情報が原因となったエラーの発生時にそれを対処する(クリアすることでエラーを解消する)ことが可能となるし、ゲーム中にリセット操作が行われた場合等において、例えばゲームの各当選フラグ等の今回のゲームの情報が記憶されていない(クリアされた)のにもかかわらず、押し順第1情報や押し順第2情報が残存していることによるエラーの発生を回避することが可能となる。
<変形例10>
上記実施形態では、押し順第1情報や押し順第2情報を毎ゲームクリア領域111に記憶させることで、これら押し順第1情報や押し順第2情報も毎ゲームRAMクリア処理の処理対象となるように設定した。本変形例では、RAM106の領域区分を変更し、有利区間中に使用する各種情報をまとめて記憶する領域(有利区間情報領域116)を設ける。
すなわち、図685に示すように、本変形例におけるRAM106は、有利区間情報領域116の他、通常時の遊技進行に用いられる各種情報を記憶する通常遊技情報領域115、及び、リセット操作が行われるまで消去されない情報を記憶する特別情報領域117が設けられている。
通常遊技情報領域115には、各ゲームの当選フラグを記憶する当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止情報を記憶する停止情報格納エリア106b、BB状態中であることの情報(第1BB状態フラグや第2BB状態フラグ)等の情報を記憶する第1フラグ格納エリア106d1、ベットカウンタや抽選用の乱数を記憶する第1カウンタエリア106e1が設けられている。
有利区間情報領域116には、押し順第1情報や有利区間フラグ等を記憶する第2フラグ格納エリア106d2と、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MYの他、押し順第2情報としての押し順用カウンタ等を記憶する第2カウンタエリア106e2が設けられている。
特別情報領域117には、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグが記憶される第3フラグ格納エリア106d3と、店舗情報等が記憶される第3カウンタエリア106e3が設けられている。
本変形例における毎ゲームRAMクリア処理では、図684のフローチャートに示すように、ステップSh3601にて、通常遊技情報領域115から、毎ゲームクリア対象となる情報のクリア処理を実行する。通常遊技情報領域115の毎ゲームクリア対象となる情報としては、例えば、当選フラグ格納エリア106aや、停止情報格納エリア106b、第1カウンタエリア106e1における払出第1カウンタや払出第2カウンタ、ベットカウンタ、各種抽選用の乱数等であり、例えば、BB状態中の払出枚数を把握するためのBBカウンタは毎ゲームクリア対象となる情報ではない。
続くステップSh3602では、有利区間情報領域116から、毎ゲームクリア対象となる情報のクリア処理を実行する。有利区間情報領域116の毎ゲームクリア対象となる情報としては、押し順第1情報や押し順第2情報であり、例えば、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MYは毎ゲームクリア対象となる情報ではない。
ステップSh3601及びステップSh3602にてそれぞれクリア処理を実行した後は、ステップSh3603にてデータが初期化されていることのクリア確認処理を実行する。続くステップSh3604では、クリア確認処理の結果に基づいてエラーが発生している(初期値となっていない領域が存在する)か否かを判定し、エラーが発生している場合には、ステップSh3605にてクリアエラーフラグをセットする処理を実行してから、本毎ゲームRAMクリア処理を終了する。ステップSh3604にてエラーが発生していないと判定した場合、そのまま本毎ゲームRAMクリア処理を終了する。
図による詳細な説明は省略するが、本変形例における有利区間情報の初期化処理(ステップSh1709)では、有利区間情報領域116に記憶されている各情報のクリア処理を実行する。この場合、毎ゲームクリア対象となる情報(押し順第1情報や押し順第2情報)も含めてクリア処理(初期化処理)を実行する。
以上のようにすることで、有利区間情報の初期化処理においては、有利区間情報領域116の全体をクリアするだけで良くなるため、当該有利区間情報の初期化処理の処理構成を簡素なものとすることができるし、かかる処理の処理負荷を軽減することも可能である。
また、上記のようにすることで、有利区間にて使用する情報がまとめられることから、プログラム設計上好ましい構成となるし、例えば、有利区間中に生じたエラーの原因を究明する場合に、複数の領域をチェックしなくてもよくなり、エラー発生時の対処(遊技機自身による対処、又は設計者による対処)を容易なものとすることも可能である。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)RAM106に毎ゲームクリア領域111、移行時クリア領域112及びリセット時クリア領域113を設けたり、通常遊技情報領域115、有利区間情報領域116及び特別情報領域117を設け、これらのうちの毎ゲームクリア領域111や有利区間情報領域116に押し順報知用の情報としての押し順第1情報や押し順第2情報、共用カウンタ等を記憶する構成としたが、RAM106の構成や押し順報知用の情報を記憶する領域はこれに限定されない。これらの領域とは異なる領域を設けてもよく、当該異なる領域に押し順報知用の情報を記憶する構成としてもよい。また、これらの領域を別々の記憶媒体(RAM)に設けてもよく、具体的は、例えば、毎ゲームクリア領域が設けられた記憶媒体と、移行時クリア領域やリセット時クリア領域が設けられた記憶媒体とが異なる構成としてもよく、有利区間情報領域が設けられた記憶媒体と、通常遊技情報領域や特別情報領域が設けられた記憶媒体とが異なる構成としてもよい。
(2)毎ゲームRAMクリア処理にて毎ゲームクリア領域111に記憶されている全ての情報をクリア(消去や初期化)する構成において、そのクリアを行ううえでの優先順位を設けてもよい。例えば、当選フラグ格納エリア106aを最初にクリアし、停止情報格納エリア106bを次にクリアし、第1フラグ格納エリア106d1を次にクリアする、といったように、クリアの順序を設定する構成としてもよい。この場合、当選フラグ格納エリア106a及び停止情報格納エリア106bにはゲーム終了後は必ず情報が記憶されている一方、押し順情報等が記憶される第1フラグ格納エリア106d1には情報が記憶されている場合とそうではない場合とがある。そのため、上記のように、必ず情報が記憶されている領域からクリア処理を実行する構成とすれば、毎ゲームRAMクリア処理の処理負荷の均等化を図ることが可能である。なお、必ず情報が記憶されている領域の他、情報が記憶されている可能性が高い領域を優先的にクリアする構成としてもよく、その可能性の高さの順でクリア処理を実行する構成としてもよい。また、クリア処理を開始してから所定期間が経過したり、クリアしたデータ量が所定量となった場合に、クリア処理の途中で当該クリア処理を終了する構成としてもよい。
(3)毎ゲームRAMクリア処理の実行タイミングは上記のものに限定されず、前ゲームの終了後(メダル払出がある場合にはメダル払出終了後)であって、ゲームの開始操作としてのスタートレバー41の操作が行われるよりも前であればよい。例えば、前ゲームの終了後、所定期間(ウェイト経過等)が経過したことを契機として毎ゲームRAMクリア処理を実行する構成としてもよいし、第1クレジット投入スイッチ56の操作やメダル投入口45からのメダル投入といったベット操作が行われたことを契機として毎ゲームRAMクリア処理を実行する構成としてもよい。
(4)毎ゲームRAMクリア処理は、一度に毎ゲームクリア領域111等の対象データをクリアする構成としたが、複数の処理契機で毎ゲームクリア領域111等の対象データをクリアする構成としてもよい。具体的には、例えば、ゲームの終了に際して、当選フラグ格納エリア106aを最初にクリアし、ベット操作が可能となる開始許可状態となった場合に停止情報格納エリア106bをクリアし、ベット操作が行われた場合に第1フラグ格納エリア106d1を次にクリアする、といったように、複数のクリア処理によって毎ゲームクリア領域111のうちの全てのデータをクリアする構成としてもよい。この場合、各クリア処理にてクリアするデータ量を同じ又は同じ程度のデータ量となるようにしてもよい。また、例えば、第1のクリア処理は、クリア処理を開始してから所定期間が経過したり、クリアしたデータ量が所定量となった場合に、途中で当該第1のクリア処理を終了し、第2のクリア処理では続きのデータからクリア処理を実行する、といった構成としてもよい。
(5)払出枚数表示部62の表示は毎ゲームRAMクリア処理の実行後も継続されるようにしてもよい。具体的には、払出第2カウンタの値を、例えば、RAM106における移行時クリア領域112に記憶させ、毎ゲームRAMクリア処理の対象としないようにする。そして、例えば、第1クレジット投入スイッチ56の操作やメダル投入口45からのメダル投入といったベット操作が行われたことを契機として払出第2カウンタをクリアする構成としてもよい。この場合、メダル払出が完了した後も、次ゲームのベット操作を行うまでは、払い出された枚数が払出枚数表示部62に表示されているため、払い出された枚数を遊技者に確認しさせ易くすることが可能となる。
(6)ATモード中に押し順ベルに当選した場合には、必ず押し順報知や押し順報知演出が発生し得る構成としたが、ATモード中の押し順ベル当選ゲームの一部で押し順報知や押し順報知演出が発生し得る構成としてもよい。このような構成においては、押し順ベル当選時に押し順報知や押し順報知演出が発生しないゲームが生じることとなり、各リール32L,32M,32Rが停止した際に実行する入賞結果対応処理におけるATモードの継続管理用の処理(ATモード用処理)にて、押し順ベルに当選しており第1小役~第6小役入賞が成立していても押し順第1情報や押し順第2情報がセットされておらず、ATカウンタから今回のメダル払出数を減算しないゲームが生じるようになる。つまり、このような構成においては、押し順第1情報や押し順第2情報を入賞結果対応処理まで記憶させておく必要性がより高くなる。
この場合、押し順ベル当選時に押し順報知や押し順報知演出の実行抽選を行い、当該実行抽選に当選した場合に押し順報知や押し順報知演出を実行する構成としてもよい。また、当選フラグによって押し順報知や押し順報知演出を実行する構成としてもよく、具体的には、例えば、順押しベル1や挟み押しベル1等であれば押し順報知や押し順報知演出を実行する一方、順押しベル2や挟み押しベル2等であれば押し順報知や押し順報知演出を実行しない構成としてもよい。更に、ATモードにおける状態によって押し順ベル当選時の押し順報知や押し順報知演出の実行確率が異なる構成としてもよく、具体的には、例えば、第1のATモードである場合には、押し順ベル当選時の第1所定確率(第1所定割合、例えば50%)で押し順報知や押し順報知演出が実行され、第2のATモードである場合には、押し順ベル当選時の第2所定確率(第2所定割合、例えば100%)で押し順報知や押し順報知演出が実行される構成としてもよく、所定の移行条件(例えば、移行抽選に当選、ATモードのゲーム数やセット数が所定数以上となった場合、残りゲーム数やセット数から有利区間の上限到達が確定した場合等)が成立した場合に第1のATモードから第2のATモードへ、又は第2のATモードから第1のATモードへ移行し得る構成としてもよい。
これらの場合において、押し順報知や押し順報知演出を実行すると決定した場合には押し順第1情報や押し順第2情報等の押し順報知用の情報をセットし、押し順報知や押し順報知演出を実行しないと決定した場合には押し順第1情報や押し順第2情報等の押し順報知用の情報をセットしない構成としてもよい。
上記構成において、押し順報知等を発生させないと決定した場合に、第1小役入賞~第6小役入賞ではなく、第9小役入賞~第32小役入賞に対応する押し順報知や押し順報知演出を実行する構成としてもよく、第9小役入賞~第32小役入賞に対応する押し順報知は実行しないものの第9小役入賞~第32小役入賞に対応する押し順報知演出は実行する構成としてもよい。第9小役入賞~第32小役入賞に対応する押し順報知や押し順報知演出を実行する場合、抽選結果対応処理にて、第9小役入賞~第32小役入賞に対応する操作順序を押し順第1情報として記憶させ、リール回転開始時に押し順第1情報に基づいて押し順第2情報を記憶させる構成とするとよく、第9小役入賞~第32小役入賞に対応する押し順報知は実行しないものの押し順報知演出は実行する場合、抽選結果対応処理にて、第9小役入賞~第32小役入賞に対応する操作順序を押し順第1情報として記憶させる一方、リール回転開始に押し順第1情報が記憶されていても押し順第2情報を記憶させない構成とするとよい。
(7)押し順ベルは、ストップスイッチ42~44の操作順序によって、第1の枚数として13枚のメダル払出が発生し得る第1小役~第6小役と、第2の枚数として1枚のメダル払出が発生する第9小役~第32小役とのいずれかの入賞が成立し得るようになる構成としたが、ストップスイッチ42~44の操作順序によって、払出枚数が第1の枚数や第2の枚数とは異なる第3の枚数(例えば7枚)のメダル払出が発生し得る小役も入賞が成立し得る構成としてもよい。この場合、少なくとも入賞結果対応処理におけるATモードの継続管理用の処理(ATモード用処理)において、いずれの枚数の押し順報知を実行したか(実行するか)をCPU102が把握可能なように、押し順第1情報や押し順第2情報の示す操作順序の情報とともに、いずれの枚数に対応する操作順序であるかを示す情報を抽選結果対応処理等において記憶させる構成としたり、押し順ベルの種類と操作順序とからいずれの枚数の押し順報知を実行したか(実行するか)をCPU102が把握可能な構成等とするとよい。
この場合、ATモード中の押し順ベル当選時であっても入賞結果対応処理におけるATモードの継続管理用の処理(ATモード用処理)においてATカウンタから今回のメダル払出数を減算するうえで、上記第3の枚数に対応する小役入賞が成立しており且つ第3の枚数に対応する操作順序等を示す情報が記憶されていればATカウンタから今回のメダル払出数を減算する一方、第2の枚数に対応する小役入賞が成立しており且つ第3の枚数に対応する操作順序等を示す情報が記憶されていればATカウンタから今回のメダル払出数を減算しない構成としたり、第2の枚数に対応する小役入賞が成立しており且つ第2の枚数に対応する操作順序等を示す情報が記憶されていればATカウンタから今回のメダル払出数を減算する一方、第2の枚数に対応する小役入賞が成立しており且つ第3の枚数に対応する操作順序等を示す情報が記憶されていればATカウンタから今回のメダル払出数を減算しない構成としたりしてもよい。
このような構成においては、押し順第1情報や押し順第2情報等の上記の操作順序等を示す情報を入賞結果対応処理まで記憶させておく必要性がより高くなる。
上記構成において、いずれの枚数に対応する操作順序の押し順報知等を発生させるかは、押し順ベル当選時にいずれの枚数に対応する操作順序の押し順報知等を発生させるかの抽選を行い、当該抽選の結果に応じた押し順報知等を実行する構成としてもよい。また、当選フラグによっていずれの枚数に対応する操作順序の押し順報知等を実行する構成としてもよく、具体的には、例えば、順押しベル1や挟み押しベル1等は第2の枚数に対応する押し順報知等を実行する一方、順押しベル2や挟み押しベル2等であれば第3の枚数に対応する押し順報知等を実行する構成としてもよい。更に、ATモードにおける状態によっていずれの枚数に対応する操作順序の押し順報知等を実行するかが異なる構成としてもよく、具体的には、例えば、第1のATモードである場合には、第2の枚数に対応する押し順報知等が実行され、第2のATモードである場合には、第3の枚数に対応する押し順報知等が実行される構成としてもよく、所定の移行条件(例えば、移行抽選に当選、ATモードのゲーム数やセット数が所定数以上となった場合、残りゲーム数やセット数から有利区間の上限到達が確定した場合等)が成立した場合に第1のATモードから第2のATモードへ、又は第2のATモードから第1のATモードへ移行し得る構成としてもよい。
(8)AT上乗せ用処理をスタートレバー41操作時の抽選結果対応処理にて実行する構成としたが、各リール32L,32M,32R停止時の入賞結果対応処理にて(入賞結果対応処理でも)実行する構成としてもよい。そのうえで、押し順報知等の実行の有無によって上乗せ抽選の実行の有無や上乗せ抽選の当選確率が異なる構成としてもよい。例えば、押し順ベルに当選しており押し順報知等が発生しているゲームでは上乗せ抽選を実行しないものの、押し順ベルに当選しており押し順報知等が発生していないゲームでは上乗せ抽選を実行する構成としたり、押し順ベルに当選しており押し順報知等が発生しているゲームでは上乗せ抽選に当選しにくく、押し順ベルに当選しており押し順報知等が発生していないゲームでは押し順報知等が発生したゲームよりも上乗せ抽選に当選し易い構成としてもよい。このような構成においては、押し順第1情報や押し順第2情報を示す情報を入賞結果対応処理まで記憶させておく必要性がより高くなる。この場合、ゲームの抽選結果が外れ結果である場合にも、上乗せ抽選を実行して上乗せ当選し得る構成としてもよい。また、押し順ベルに当選しており押し順報知等が発生しなかったゲームや、上記の外れ結果である場合に所定数のポイントを加算し、ポイントが特定数となった場合に上乗せ抽選を実行する構成としてもよい。
(9)払出枚数管理型のATモードとして、押し順報知を伴う第1小役入賞~第6小役入賞時のメダル払出数が所定数に達した場合にATモードの継続の有無を判定する構成としたが、ベット数の分を差し引いた差枚数管理型のATモードとしてもよい。
(10)払出枚数管理型のATモードとして、押し順報知を伴う第1小役入賞~第6小役入賞時のメダル払出数が所定数に達した場合にATモードの継続の有無を判定する構成としたが、押し順報知を実行する際に押し順報知の示す操作順序に対応する結果入賞が成立したか否かに関わらず(第1小役入賞~第6小役入賞の有無に関わらず)、対応する結果入賞が成立した場合のメダル払出数が所定数に達した場合にATモードの継続の有無を判定する構成としてもよい。
この場合、入賞の有無を判定する必要がなくなるため、当該ATモードの継続の有無を判定する処理をスタートレバー41の操作に基づく抽選結果対応処理等にて実行することも可能であり、かかる構成においては、押し順第1情報や押し順第2情報(特に継続管理用に用いる押し順第1情報)をゲーム終了時(入賞結果対応処理)まで記憶しておく必要がなくなる。そのため、例えば、回転開始処理において押し順第1情報に基づいて押し順第2情報を入力した場合に、当該押し順第1情報をクリアする構成としてもよく、そうすると、払出枚数の表示前にクリアされる押し順第2情報だけでなく押し順第1情報についても途中でクリアされる構成とすることができる。
(11)払出枚数管理型のATモードとして、押し順報知を伴う第1小役入賞~第6小役入賞時のメダル払出数が所定数に達した場合にATモードの継続の有無を判定する構成としたが、押し順報知の実行回数管理型のATモードとして、押し順報知の実行回数が所定回数に達した場合にATモードの継続の有無を判定する構成としてもよい。
この場合においても、入賞の有無を判定する必要がなくなるため、当該ATモードの継続の有無を判定する処理をスタートレバー41の操作に基づく抽選結果対応処理等にて実行することも可能であり、かかる構成においては、押し順第1情報や押し順第2情報(特に継続管理用に用いる押し順第1情報)をゲーム終了時(入賞結果対応処理)まで記憶しておく必要がなくなる。そのため、例えば、回転開始処理において押し順第1情報に基づいて押し順第2情報を入力した場合に、当該押し順第1情報をクリアする構成としてもよく、そうすると、払出枚数の表示前にクリアされる押し順第2情報だけでなく押し順第1情報についても途中でクリアされる構成とすることができる。
(12)ゲーム数管理型のATモードとしてもよい。具体的には、ATモードに移行してから、又はセットが開始されてから所定数のゲームを実行した場合にATモードの継続の有無を判定する構成としてもよい。
(13)押し順第1情報を各種フラグ格納エリア106dに記憶させ、押し順第2情報を各種カウンタエリア106eに記憶させる構成したが、押し順第1情報を各種カウンタエリア106eに記憶させ、押し順第2情報を各種フラグ格納エリア106dに記憶させる構成としてもよく、いずれの情報も各種フラグ格納エリア106d又は各種カウンタエリア106eに記憶させる構成としてもよい。
(14)払出枚数表示部62にて押し順報知から払出枚数の表示に切り替える際に、押し順第2情報をクリアする構成としたが、クリアしない構成としてもよい。この場合であっても、払出判定処理において払出第1カウンタに今回の払出枚数が入力されると、メダル払出処理にてメダルの払い出しとともに払出第2カウンタのカウントアップが行われ、払出第2カウンタが0よりも大きくなることで、セグメントデータ設定処理において押し順第2情報ではなく払出第2カウンタに相当する表示設定を行うことととなり、押し順報知から払出枚数の表示に切り替えることが可能となる。
(15)払出枚数表示部62にて押し順報知から払出枚数の表示に切り替える際に、押し順第2情報をクリアした後、タイマ割込み処理の割込み待ちを行うことで、クリアされた押し順第2情報に対応する表示が払出枚数表示部62にて行われる構成としたが、割込み待ちを行わない構成としてもよい。この場合、払出枚数の表示前に初期値(00)の表示がなされないものの、よりスムーズなメダル払出やそれに対応する表示の切り替えを行うことが可能である。
(16)押し順第2情報が初期値(0)である場合には払出枚数表示部62に初期値に対応する表示(00)を行う構成としたが、押し順第2情報が初期値(0)である場合には払出枚数表示部62の表示を行わない構成としてもよい。この場合、押し順第2情報をクリアした後、払出枚数の表示に切り替わるまでは、払出枚数表示部62では何も表示されていない(「 」が表示される)状態となるし、毎ゲームRAMクリア処理によって払出第2カウンタが0にクリアされた後は、次の押し順報知やメダル払い出しが生じるまで、払出枚数表示部62では何も表示されていない(「 」が表示される)状態となる。
(17)払出判定処理において、メダル払出が発生しない場合には押し順第2情報をクリアしない構成としたが、メダル払出が発生しない場合も払出判定処理にて押し順第2情報をクリアする構成としてもよい。この場合、メダル払出の有無に関わらず、ゲーム終了時に押し順第2情報は既にクリアされている状態となり、毎ゲームRAMクリア処理の処理対象を減らすことができる。
(18)押し順報知を払出枚数の表示を行う払出枚数表示部62にて実行する構成としたが、別の遊技進行用の情報を表示する表示部にて押し順報知を行う構成としてもよい。例えば、クレジット表示部60や残払出枚数表示部61にて押し順報知を行う構成としてもよい。クレジット表示部60にて押し順報知を行う場合、スタートレバー41が操作されるまでは(各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるまでは)、クレジット表示部60の表示はクレジットカウンタの値に相当する表示となるようにし、押し順第2情報が入力されることで当該押し順第2情報に相当する表示となるようにし、各リール32L,32M,32Rの回転が停止した場合に、当該押し順第2情報に相当する表示からクレジットカウンタの値に相当する表示となるようにするとよい。また、残払出枚数表示部61にて押し順報知を行う場合、払出枚数表示部62の場合と同様に、各リール32L,32M,32Rの回転が停止した場合に押し順第2情報に相当する表示からBBカウンタの値に相当する表示に切り替わる構成としてもよいし、BB状態においては押し順報知が実行されない構成を利用して、BB状態である場合にはリール回転中であっても(押し順報知が実行されるゲームであれば実行されるタイミングであっても)BBカウンタの値に相当する表示を行い、BB状態ではない場合にはリール回転前や停止後であっても(BB状態における残払出枚数の表示が行われるゲームであれば当該表示が実行されるタイミングであっても)押し順第2情報に相当する表示を行う構成としてもよい。
(19)押し順報知を払出枚数表示部62にて実行する構成としたが、押し順報知専用の表示部にて押し順報知を行う構成としてもよい。
(20)押し順報知用の押し順第2情報を払出枚数の表示用の払出第2カウンタと共通の共用カウンタとしたが、押し順報知用の情報を他の遊技進行用の情報と共用する構成であればよく、他の遊技進行用の情報は払出第2カウンタに限定されない。例えば、ベットカウンタと押し順第2情報とを共用する構成としてもよいし、ゲームの抽選乱数を記憶するカウンタと押し順第2情報とを共用する構成としてもよい。この場合、共用する遊技進行用の情報は、毎ゲームRAMクリア処理の対象となる情報(毎ゲームクリア領域111に記憶される情報)であるとよい。
ベットカウンタと共用する構成の場合、ベット操作に基づき今回のゲームのベット数を定め、当該ベット数に応じた抽選テーブルにて抽選を行うまでは当該共用カウンタをベットカウンタとして利用し、抽選結果に基づいて押し順報知用の情報設定を行う際には共用カウンタを押し順第2情報として利用する構成とするとよい。ここで、今回のゲームの抽選結果がいずれかの再遊技である場合、当該再遊技入賞に伴う再遊技状態にて次ゲームの自動ベット処理を行う際にベットカウンタとしての情報が必要である。この場合、今回のゲームの抽選結果が再遊技である場合には、抽選結果対応処理において押し順第1情報の入力は行う一方、回転開始処理において押し順第1情報に基づく押し順第2情報の入力(共用カウンタに押し順第2情報の入力)を行わないようにするとよい。このようにすることで、再遊技入賞後の自動ベットを行う際に共用カウンタを参照すればベット数に対応する情報を把握することが可能であり、自動ベットを行う際のベット数を特定可能である。
上記のように、本実施形態では、再遊技当選時においても補助表示部65における押し順報知演出を実行し、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞する再遊技を異ならせることで所定報知(ATモードの開始や上乗せ報知等)に利用する場合があるものの、いずれの再遊技入賞が成立しても遊技者の利益には差異がないことから、再遊技当選時に表示制御装置81側の押し順報知演出を実行する場合、主制御装置101側の押し順報知は実行しない構成としている。そのため、上記のように再遊技当選時に押し順第2情報の入力を行わないようにしても、そもそも主制御装置101側の押し順報知は実行しないことから、大きな不都合は生じない。
ゲームの抽選乱数を記憶するカウンタと押し順第2情報とを共用する場合、スタートレバー41の操作に基づき抽選用の乱数をラッチし、当該ラッチした情報を共用カウンタに入力したうえで今回のゲームの抽選処理を行う構成とするとよい。そして、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知用の情報設定を行う際には、共用カウンタを押し順第2情報として利用する構成とするとよい。なお、ゲームの抽選結果は当選フラグ格納エリア106aに格納されていることから、払出判定処理において入賞判定等を行う場合であっても、当該当選フラグ格納エリア106aの情報からかかる判定等を行うことが可能である。
(21)払出枚数表示部62において、「01」~「06」といった押し順報知用の表示を行っている場合と、「01」~「15」といった払出枚数の表示を行っている場合とで、その表示態様が共通し得る(「01」~「06」)構成としたが、押し順報知用の表示と払出枚数の表示とで表示態様が共通しない構成としてもよい。この場合、例えば、押し順報知用の表示を「0A」~「0F」といったように、数字以外の表示としてもよく、このようにすることで、遊技者は、押し順報知が行われているのか、それとも払出枚数の表示が行われているのかを容易に区別可能となる。
(22)払出枚数の入力に際して押し順第2情報をクリアする構成において、毎ゲームRAMクリア処理では、押し順第2情報がクリアされているか否かを確認することなく毎ゲームクリア領域111のデータを全てクリアする構成としたが、押し順第2情報がクリアされているか否かを確認したうえで、クリアされている場合にはそれ以外の領域のクリア処理を実行し、クリアされていない場合には押し順第2情報も含めてクリアする構成としてもよい。この場合、クリア処理のクリア対象を少なくすることができる。
上記の毎ゲームRAMクリア処理において押し順第2情報をクリアする場合とクリアしない場合とがある構成において、押し順報知が発生し得るATモード中は押し順第2情報がクリアされているか否かを確認することなく全領域をクリアする一方、押し順報知が発生しないATモード以外では押し順第2情報がクリアされているか否かを確認することなく押し順第2情報の領域以外をクリアする構成としてもよい。
(23)払出枚数表示部62において押し順報知用の表示から払出枚数用の表示に切り替える場合に押し順第2情報をクリアする構成としたが、例えば、補助表示部65において押し順報知演出を実行している状況から別の演出(入賞した結果を報知する演出等)に切り替える場合に、当該押し順報知演出を実行していたデータのクリア処理を行う構成としてもよい。具体的には、表示制御装置81において、押し順第1情報に基づく押し順コマンドを受信した場合に、当該押し順コマンドの示す操作順序に対応する情報をRAM183に記憶させる。そして、当該操作順序に対応する情報に基づいて、補助表示部65にて押し順報知演出が行われるようにし、押し順報知演出が終了する際にかかる操作順序に対応する情報をクリアする構成とするとよい。この場合、かかる操作順序に対応する情報がクリアされたことに対応する演出(例えば、全てのリール32L,32M,32Rの停止操作が完了したことを示す演出)を補助表示部65にて行う構成とするとよく、次の演出用の情報が所定領域に入力されることで当該次の演出用の情報に対応する演出が、押し順報知演出の次に実行されるようにするとよい。
(24)払出枚数表示部62において、払出枚数を0からカウントアップして表示させる構成としたが、払出開始時から今回の払出枚数をそのまま表示させる構成としてもよく、今回の払出枚数からカウントダウンして表示させる構成としてもよい。
(25)スタートレバー41の操作に基づき表示制御装置81側の押し順報知演出を開始させ、各リール32L,32M,32Rの回転開始に基づき主制御装置101側の押し順報知を開始させる構成としたが、スタートレバー41の操作に基づき主制御装置101側の押し報知を開始させ、各リール32L,32M,32Rの回転開始に基づき表示制御装置81側の押し順報知演出を開始させる構成としてもよい。
また、スタートレバー41の操作に基づき表示制御装置81側の押し順報知演出を開始させ、各リール32L,32M,32Rの回転が開始して定速回転に至った場合に主制御装置101側の押し順報知を開始させる構成としてもよく、ストップスイッチ42~44の操作が有効化されてから主制御装置101側の押し順報知を開始させる構成としてもよい。これらの場合、主制御装置101側の押し順報知を開始させる契機となる事象が生じた場合(定速回転となるまでの各リール32L,32M,32Rの加速が終了した場合やストップスイッチ42~44の有効化処理を実行した場合)に、押し順第1情報に基づいて押し順第2情報を入力する構成とするとよい。
(26)主制御装置101側においても、押し順第1情報に基づいて押し順報知を実行する構成としてもよく、押し順第1情報に基づいて押し順報知を実行する場合と、押し順第2情報に基づいて押し順報知を実行する場合とがあるようにしてもよく、いずれの情報に基づいて押し順報知を実行するかをゲームの抽選結果や遊技状態(モード)に基づいて決定する構成としてもよいし、抽選等によって決定する構成としてもよい。
(27)主制御装置101に払出枚数表示部62とは、別途、所定の報知手段を設け、押し順第1情報がセットされた場合には、払出枚数表示部62における押し順報知は開始しないものの、当該所定の報知手段における押し順報知は開始し、押し順第2情報がセットされた場合に払出枚数表示部62における押し順報知を開始する(所定の報知手段における押し順報知は継続させる)構成としてもよい。この場合においても、表示制御装置81側の補助表示部65における押し順報知演出は押し順第1情報に基づく押し順報知コマンドによって実行する構成としてもよい。
(28)表示制御装置81において、押し順報知演出を実行したことの情報や押し順報知演出の示す操作順序の情報を、複数のゲームに亘って記憶可能な記憶領域を設けてもよい。この場合、主制御装置101においては毎ゲームRAMクリア処理によって上記の情報がクリアされることによる遊技の公平性の担保や記憶容量の削減を図りながらも、過去のゲームの押し順報知演出の情報を今回のゲームの演出に盛り込むことが可能となり遊技演出の多様化に貢献することができる。例えば、演出スイッチ66等の操作によって、過去に報知された操作順序の履歴を遊技者が確認可能な構成としてもよく、この場合、例えば押し順ベル当選時に押し順報知演出が発生しない場合もあるような構成において、今回の操作順序を予測させる遊技性を実現することが可能である。
(29)表示制御装置81においても、押し順報知演出を実行したことの情報や押し順報知演出の示す操作順序の情報を毎ゲームクリアする構成としてもよい。このようにすることで、遊技の公平性を担保する効果が高められるし、表示制御装置81側の記憶容量の削減も図ることが可能である。この場合、表示制御装置81において、各ゲームの抽選結果等の情報をクリアするクリア処理にて、上記の操作順序の情報等をクリアする構成とするとよい。
(30)毎ゲーム起動される毎ゲームRAMクリア処理において、押し順第1情報や押し順第2情報を毎ゲームクリアする構成としたが、かかるクリア処理を複数ゲームおきに起動する構成としてもよく、クリア処理の実行抽選等により当選した場合に起動する構成としてもよい。
(31)有利区間においてATモード中に押し順報知や押し順報知演出が発生し、それ以外は発生しない構成を前提として説明したが、有利区間であればATモード中以外でも押し順報知や押し順報知演出が発生し得る構成としてもよい。例えば、CZモードでも押し順報知や押し順報知演出が発生し得る構成としてもよい。
(32)毎ゲームRAMクリア処理において、移行時クリア領域112やリセット時クリア領域113のデータを退避領域114に退避させたうえで、当該退避領域114以外のRAM106の全データをクリアする構成としたが、かかる退避領域114を用いてクリア対象以外の情報を退避させたうえでクリアする処理の構成は、移行時クリア領域112のクリア処理やリセット時クリア領域113のクリア処理においても適用可能である。すなわち、例えば、有利区間の終了時に実行される有利区間情報の初期化処理において、移行時クリア領域112における有利区間用の情報以外の情報を退避領域114に退避させたうえで、当該移行時クリア領域112の全データをクリアし、その後、退避領域114に退避させていた有利区間以外の情報を移行時クリア領域112に復帰させる構成としてもよい。
(33)押し順第2情報を払出判定処理にて初期値にクリアする構成としたが、払出判定処理よりも前に初期値にクリアする構成としてもよい。具体的には、各リール32L,32M,32Rが停止した後であって払出判定処理よりも前、すなわち、リール制御処理(図637)におけるステップSh411とステップSh413の間で、押し順第2情報を初期値にクリアする構成としてもよい。この場合、例えば、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う度に、リール数に相当する3から1ずつ所定のカウンタを減算し、ステップSh411において当該所定のカウンタが0となっていることで全リールが停止していると判定するような構成とした場合、当該所定のカウンタの値(0)を押し順第2情報に入力する構成としてもよい。
(34)払出枚数表示部62は6通りの操作順序をそれぞれ報知可能な構成としたが、例えば、通常リプA~Cのように、ストップスイッチ42~44の操作順序のうち最初に操作すべきストップスイッチ42~44だけが対応付けられた押し順役について、最初に操作すべきストップスイッチ42~44だけを報知する押し順報知の態様が含まれる構成としてもよい。
(35)ATモード終了時に有利区間を終了させる構成としたが、ATモード終了時に有利区間が終了しない場合もある構成としてもよい。例えば、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数に応じて有利区間が終了しない構成としてもよく、具体的には、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数が、当該残りゲーム数にATモード1ゲーム当たりの期待増加枚数を乗じた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよく、現状の有利区間増減枚数MYに上記の乗じた枚数を加えた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよい。
(36)有利区間移行時に、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を点灯制御する構成としたが、有利区間移行時であっても、右第8表示用セグメントNa8を点灯制御せず、有利区間中に所定の点灯条件が成立した場合に点灯制御する構成としてもよい。所定の点灯条件は、例えば、ATモードへの移行が確定した場合等、押し順報知が発生し得る状況となった場合に成立するものとしてもよい。
(37)CZモード中に押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよい。この場合、CZモードの残りゲーム数が0となっても、押し順報知が1回実行されるまでは、当該CZモードが終了しない構成としてもよい。
(38)3ベットゲームにて当選し得るBBとして第1BBを設け、2ベットゲームにて当選し得るBBとして第2BBを設けたが、いずれか一方のBBだけであってもよく、例えば、2ベットゲームにて第2BBに当選し、3ベットゲームではいずれのBBにも当選しない構成としてもよい。
(39)2ベットゲームにて、第2BBに当選する構成としたが、2ベットゲームにて複数種類のBBに当選し得る構成としてもよく、例えば、2ベットゲームにて第1BBと第2BBに当選し得る構成としてもよい。この場合、2ベットゲームにて第1BB入賞と第2BB入賞とが成立し得る構成とし、3ベットゲームでは第1BB及び第2BBのいずれにも当選もせず、更に3ベットゲームでは第1BB入賞と第2BB入賞とのいずれも成立しない構成としてもよい。なお、2ベットゲームと3ベットゲームとの関係が上記のものと逆であってもよい。
(40)第1BB状態と第2BB状態とでいずれも同じ抽選テーブルを用いて、同じ遊技ベースとなるようにしたが、異なる抽選テーブルを用いて、異なる純増枚数となるようにしてもよい。
(41)第1BB状態と、第2BB状態とを、いずれも3ベットゲームにて遊技する構成としたが、例えば、第1BB状態は3ベットゲームにて遊技し、第2BB状態は2ベットゲームにて遊技する、といったように、BB状態の種類によってベット数が異なる構成としてもよい。この場合、第1BB状態の各ゲームは特定規定数とは異なるベット数によるゲームとなり、第2BB状態の各ゲームは特定規定数のベット数によるゲームとなる。
(42)第1BB状態と、第2BB状態との遊技は、いずれも押し順報知用の処理や特定処理等の指示機能に関する実行が制限される構成としたが、例えば、第1BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が制限される一方、第2BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が許容される、といったように、BB状態の種類によって制限の有無が異なる構成としてもよい。また、CB状態やSB状態、MB状態を設け、これらのうちのいずれか又は全部で、各指示機能に関する処理が制限される又は制限されない構成としてもよい。
(43)3ベットゲームでは第2BB入賞を成立させることができず、2ベットゲームでは第1BB入賞を成立させることができない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BB入賞しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BB入賞しにくい構成としてもよい。
(44)3ベットゲームでは第2BB当選とならず、2ベットゲームでは第1BB当選とならない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BBに当選しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BBに当選しにくい構成としてもよい。
(45)1ベットを設定可能な第2クレジット投入スイッチ57を設けなくてもよい。
(46)第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を約プラス0.00枚として、第1BB状態や第2BB状態ではメダルが増えもせず、減りもしない構成としたが、メダルが増加し得る構成としてもよいし、メダルが減少し得る構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態での純増枚数が、少なくとも内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて遊技した場合の純増枚数よりも多い純増枚数数であればよい。
(47)遊技者が、内部状態や非内部状態を3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技したり、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることで、指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としたが、遊技機側で、例えば、所定ゲーム数の消化によって指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としてもよい。
(48)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(49)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(50)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(51)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第9iの実施形態>
以下、第9iの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図686はスロットマシン10の正面図、図687はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図688はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図689は前面扉12の背面図、図690は筐体11の正面図である。なお、以下の説明においては、特に上記各実施形態と異なる構成について説明し、上記各実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。また、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
図686~図690に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図688に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図691には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「黒BAR」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「白BAR」図柄(例えば、左リール32Lの7番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの16番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの12番目)の10種類がある。そして、図691に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図692に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。
これらラインL1~L5のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L5のうち、右上がりラインL5が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始されるように設定されており、当該ゲームでは右上がりラインL5のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L4は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、右上がりラインL5を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームや2ベットゲームは設定されない。
図693~図695は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかと、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われる。
図696(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかと、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われる。
図696(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインには「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われる。
図696(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われる。
図696(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われる。
図696(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは8枚のメダル払出が行われる。
図696(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第6小役~第27小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第6小役入賞~第27小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第6小役~第27小役は、左リール32Lの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかと、中リール32Mの「チェリー」図柄、「ベル」図柄、「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかと、右リール32Rの「黒BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「リプレイ」図柄、「ベル」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかと、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図693及び図694に示すように、これら第6小役入賞~第27小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
左リール32Lの「黒BAR」図柄、「チェリー」図柄及び「青年」図柄のいずれかと、中リール32Mの「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第28小役入賞となる。第28小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「黒BAR」図柄、「チェリー」図柄及び「青年」図柄のいずれかと、中リール32Mの「チェリー」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄又は「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第29小役入賞となる。第29小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「黒BAR」図柄と、中リール32Mの「チェリー」図柄と、右リール32Rの「黒BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第30小役入賞となる。第30小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図697(a)に示すように、有効ラインMLに第28小役入賞に対応する図柄が停止すると、その図柄の組み合わせによっては、左リール32Lの下段に「黒BAR」図柄、中リール32Mの中段には「チェリー」図柄が停止したうえで、右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止する。
また、図697(b)に示すように、有効ラインMLに第29小役入賞に対応する図柄が停止すると、その図柄の組み合わせによっては、第28小役入賞と同様に、左リール32Lの下段に「黒BAR」図柄、中リール32Mの中段に「チェリー」図柄がそれぞれ停止したうえで、右リール32Rの上段には「ベル」図柄が停止する。
そして、図697(c)に示すように、有効ラインMLに第30小役入賞に対応する図柄が停止すると、その図柄の組み合わせによっては、第28小役入賞及び第29小役入賞と同様に、左リール32Lの下段に「黒BAR」図柄が停止し、中リール32Mの中段に「チェリー」図柄が停止したうえで、右リール32Rの上段には「黒BAR」図柄が停止する。
このように、これら第28小役入賞~第29小役入賞が成立する場合、その停止図柄によって対応する小役入賞が成立していることを理解可能となるとともに、特に右リール32Rの停止図柄によって第28小役入賞~第30小役入賞を区別してその入賞を把握することが可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかと、右リール32Rの「黒BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第31小役入賞となる。第31小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。
図697(d)に示すように、有効ラインMLに第32小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段及び右リール32Rの下段にそれぞれ「スイカ」図柄が停止する一方で、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄は停止せず、右下がりラインL4において所謂右下がりスイカテンパイ外れとなる形で停止する。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第32小役入賞となる。第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。
図697(e)に示すように、有効ラインMLに第32小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段及び右リール32Rの上段にそれぞれ「スイカ」図柄が停止する一方で、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄は停止せず、上ラインL1において所謂上段スイカテンパイ外れとなる形で停止する。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典(遊技価値)の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典(遊技価値)が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第11再遊技入賞がある。図695に示すように、これら第1再遊技~第11再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかと、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図698(a)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかと、中リール32Mの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかと、右リール32Rの「黒BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、その図柄の組み合わせによっては、図698(b)に示すように、右上がりラインL5には「白BAR」図柄、「白BAR」図柄、及び「黒BAR」図柄が停止し、これらいずれかの「BAR」図柄が右上がりラインL5に揃って停止する。
第3再遊技は、左リール32Lの「黒BAR」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄と、右リール32Rの「黒BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、その図柄の組み合わせによっては、図698(c)に示すように、中ラインL2には「白BAR」図柄が揃って停止し、右上がりラインL5には「黒BAR」図柄、「白BAR」図柄、及び「黒BAR」図柄が停止し、これらいずれかの「BAR」図柄が中ラインL2と右上がりラインL5に揃って停止する。
第4再遊技は、左リール32Lの「黒BAR」図柄、「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかと、中リール32Mの「白BAR」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第4再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、その図柄の組み合わせによっては、図698(d)に示すように、右上がりラインL5には「黒BAR」図柄、「白BAR」図柄、及び「白BAR」図柄が停止し、これらいずれかの「BAR」図柄が右上がりラインL5に揃って停止する。
第5再遊技は、左リール32Lの「青年」図柄と、中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合と、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかと、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図698(e)に示すように、有効ラインMLに第5再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、その図柄の組み合わせによっては、中ラインL2に「赤7」図柄が揃って停止する。
第6再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかと、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図698(f)に示すように、その図柄の組み合わせによっては、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「白BAR」図柄が揃って停止し、中ラインL2には「黒BAR」図柄、「白BAR」図柄、及び「黒BAR」図柄が停止し、これらいずれかの「BAR」図柄が中ラインL2と右下がりラインL4に揃って停止する。
第7再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図699(a)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第8再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「黒BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかと、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図699(b)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかと、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合、又は左リール32Lの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかと、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞する。図699(c)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、その図柄の組み合わせによっては、中ラインL2に、「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「ベル」図柄が停止する。
第10再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図699(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、その図柄の組み合わせによっては、左リール32Lの上段及び中リール32Mの中段にそれぞれ「スイカ」図柄が停止する一方で、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄は停止せず、右下がりラインL4において所謂右下がりスイカテンパイ外れとなる形で停止する。
第11再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図699(e)に示すように、有効ラインMLに第11再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、その図柄の組み合わせによっては、左リール32Lの下段及び中リール32Mの中段にそれぞれ「スイカ」図柄が停止する一方で、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄は停止せず、右上がりラインL5において所謂右上がりスイカテンパイ外れとなる形で停止する。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞がある。
左リール32Lの「青年」図柄と、中リール32Mの「赤貝」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、図699(f)に示すように、いずれも直線ライン(L1~L5)に同じ図柄又は対応する図柄が揃って停止することがないように設定されている。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図700)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
ストップスイッチ42~44には、ストップランプ42b~44bがそれぞれ内蔵されている。当該ストップランプ42b~44bからの光はストップスイッチ42~44の操作面を一部透過し、ストップランプ42b~44bの光はストップスイッチ42~44を介して視認可能となる。そして、ストップスイッチ42~44の操作が有効となる場合には、当該ストップランプ42b~44bが点灯制御され、ストップスイッチ42~44の操作が無効となる場合には、対応するストップランプ42b~44bがそれぞれ消灯制御される。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。なお、上記のように、本スロットマシン10では、1ベットゲームや2ベットゲームは設定されないことから、ゲームの規定枚数が1枚や2枚に設定されることはなく、ゲームの規定枚数は3枚である。そのため、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に投入される特定枚数は常に3枚として設定される。
また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。払出枚数表示部62は、メダルの払出枚数を表示する機能の他、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタとしての機能も有する。払出枚数表示部62(指示モニタ)については、後に詳細に説明する。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの下方であって、クレジット表示部60の左方には、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作やメダル投入口45へのメダル投入によって設定されるゲームのベット数を表示するための第1表示部としてのBET表示部75と、現状の遊技の進行状態を示す遊技状態表示部76とが設けられている。
また、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの左方には、上記のゲームのベット数を表示するための第2表示部としてのベット表示部34が設けられている。更に、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの右方には、ゲームの開始に際して各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるまでの待機すべき状態(ウェイト状態)であることを報知するためのウェイト表示部35が設けられている。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図700及び図701のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、BET表示部75、遊技状態表示部76、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。遊技状態表示部76には、今回のゲームが再遊技入賞後のゲームであって再遊技状態であることを示す再遊技状態表示部76aと、メダル投入口45からのメダル投入といったベット操作が可能な受入可能状態であることを示す受入可能状態表示部76cと、スタートレバー41の操作が可能な開始可能状態であることを示す開始可能状態表示部76bとが設けられており(図702)、これらの表示部76a~76cがCPU102により点灯状態とされることによって対応する状態であることの報知となり、これらの表示部76a~76cがCPU102により消灯状態とされることによって対応する状態ではないことの報知となる。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図702参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図701に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にベット表示部34、ウェイト表示部35、ストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてベット表示部34、ウェイト表示部35、ストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
また、表示制御装置81に接続されている各構成34,35,42b~44b,63~65の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成34,35,42b~44b,63~65の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図702は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSi101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSi102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSi103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSi102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSi104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSi104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSi105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSi106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSi107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図700参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSi108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップSi109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSi110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSi111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSi112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSi113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSi114では、先のステップSi101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSi115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図703のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSi201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSi202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSi203~ステップSi212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSi203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSi204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップSi107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップSi205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数も「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSi205にて肯定判定し、ボーナス状態以外でもベット数が「3」となっていることを条件にステップSi205にて肯定判定する。言い換えると、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」や「2」である場合にはステップSi205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップSi204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップSi205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップSi206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップSi110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップSi206の処理を実行した後は、ステップSi207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSi204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSi208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、右上がりラインL5のみを有効ラインと設定する。ステップSi209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSi210の抽選処理、ステップSi211のリール制御処理、ステップSi212のメダル払出処理を順に実行し、ステップSi203に戻る。
次に、ステップSi210の抽選処理について、図704のフローチャートに基づき説明する。
ステップSi301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSi302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」のみが設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルが設定されている。なお、2ベットゲームや1ベットゲームも実行可能な構成とする場合には、これらのベット数に応じた抽選テーブルを用意するとよい。
すなわち、ステップSi302では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、ボーナス状態に対応するフラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図705)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSi302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSi302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図705は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSi303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSi304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSi301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSi305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSi306にて、ステップSi305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=28のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSi306にて第7小役当選フラグ及び第10小役当選フラグをセットする。また、IV=32のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSi306にて第1BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のステップSi203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSi306では、第1BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=31のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットせず、第7小役当選フラグ~第32小役当選フラグだけをセットする。
なお、第1BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSi305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSi307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSi308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSi304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSi304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSi305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図705に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、シングルラインBARリプ(BARリプS)に当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず9.08分の1である。ダブルラインBARリプ(BARリプW)に当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約93.6分の1である。赤7リプに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約6550分の1である。本実施形態では内部リプに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず0となっており、内部リプには当選しないように設定されている。第1スイカに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は設定値に関わらず約164分の1であり、第2スイカに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約200分の1であり、第1スイカよりも第2スイカの方が当選しにくくなるように設定されている。チャンスに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約410分の1であり、第1スベリチャンス及び第2スベリチャンスに当選となる確率(IV=8,9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずいずれも約819分の1であり、チャンスよりも第1スベリチャンスや第2スベリチャンスの方が当選しにくくなるように設定されている。
第1左中ベル、第2左中ベル、第1左右ベル、第2左右ベル、第1中左ベル、第2中左ベル、第1中右ベル、第2中右ベル、第1右左ベル、第2右左ベル、第1右中ベル、第2右中ベル(以下では、これらをまとめて第1押し順ベルや第1特定結果群と称する)に当選となる確率(IV=10~21の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約33.1分の1であり、第1押し順ベルに当選となる確率をまとめると約2.76分の1である。
中左特殊ベル、中右特殊ベル、右左特殊ベル、右中特殊ベル(以下では、これらをまとめて第2押し順ベルや第2特定結果群と称する)に当選となる確率(IV=22~25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約15.7分の1であり、第2押し順ベルに当選となる確率をまとめると約3.92分の1である。
すなわち、第1押し順ベルの方が第2押し順ベルよりも当選確率が高くなるように設定されている。
これら各押し順ベルは、ストップスイッチ42~44の操作順序によって、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立して8枚のメダル払出が発生したり、第7小役入賞~第27小役入賞のいずれかが成立して1枚のメダル払出が発生することとなる、押し順役(特定結果)である。各押し順ベルの名称は、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立することとなるストップスイッチ42~44の操作順序を示しており、例えば、第1中左ベルであれば、中ストップスイッチ43を最初に操作し、左ストップスイッチ42を最初に操作することで(右ストップスイッチ44を最後に操作することで)、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立することとなることを示している。
つまり、第1押し順ベルについては、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立することとなるそれぞれの操作順序に対して2つずつ役が設定されており、第2押し順ベルについては、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立することとなるそれぞれの操作順序に対して1つずつ役が設定されている。
この場合、例えば、第1中右ベルと第2中右ベルとのいずれかに当選となる確率は、まとめると約16.5分の1であり、同様の操作順序によって第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立することとなる中右特殊ベルの当選確率は、約15.7分の1であるから、同じ操作順序で第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立することとなる役同士で比較すると、第2押し順ベルの方が第1押し順ベルよりも当選確率が高くなるように設定されている。
また、第1押し順ベル及び第2押し順ベルに当選となる確率をまとめると約1.62分の1である。
共通ベルに当選となる確率(IV=26の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約53.7分の1であり、強ベルに当選となる確率(IV=27の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約2180分の1である。特殊1枚役に当選となる確率(IV=28の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約256分の1である。弱チェリーに当選となる確率(IV=29の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約81.9分の1であり、強チェリーに当選となる確率(IV=30の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約298分の1であり、強チェリーの方が弱チェリーよりも当選しにくくなるように設定されている。重複BBに当選となる確率(IV=31の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約4.84分の1であり、単独BBに当選となる確率(IV=32の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1である。
3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約16400分の1(単独BBの分)である。
ステップSi306にて当選フラグをセットした後、又はステップSi308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSi309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSi310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSi301~ステップSi308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSi310の処理を実行した後は、ステップSi311にて抽選結果コマンドをセットするための抽選結果コマンド設定処理を実行する。抽選結果コマンド設定処理の詳細については、後に詳細に説明するが、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSi110)にて行われる。
そして、ステップSi312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSi306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、第1押し順ベルのうち、第1左中ベルに当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第7小役当選フラグ、第10小役当選フラグ、第15小役当選フラグ及び第18小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第7小役、第10小役、第15小役及び第18小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、第2スイカに当選(IV=6の際に当選)となり、第7再遊技当選フラグ及び第8再遊技当選フラグがセットされた場合、第7再遊技入賞及び第8再遊技入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。更に、停止情報設定処理では、第2押し順ベルのうち、中左特殊ベルに当選(IV=22の際に当選)となり、第3小役当選フラグ、第7小役当選フラグ~第14小役当選フラグ及び第27小役当選フラグがセットされた場合、第3小役、第7小役~第14小役及び第27小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
続くステップSi313では、ステップSi312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更に強チェリーに当選し、第1BB入賞と、第28小役入賞~第30小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第28小役入賞~第30小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSi313の処理を実行した後は、ステップSi314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSi211のリール制御処理について、図707のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSi401にて、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSi309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップSi310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップSi402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSi106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。また、当該回転開始処理では、指示モニタとして機能する払出枚数表示部62の表示制御を行うための処理も実行する。
回転開始処理に続き、ステップSi403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSi404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSi403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSi405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSi406~ステップSi412に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを消灯するように制御する。
ステップSi406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSi407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSi407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSi408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSi409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSi410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSi411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSi412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSi403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=10~25の際に当選となった場合、すなわち第1押し順ベルや第2押し順ベルに当選となった場合(図705参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図707及び図708は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、第1中左ベルに当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第11小役入賞、第14小役入賞、第19小役入賞、第22小役入賞、第23小役入賞又は第26小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
更に、本実施形態では、抽選処理(図703)の優先設定処理(ステップSi413)では、ボーナスと小役(メダル払出が発生し得る第1小役~第32小役)が重複して当選している場合には、小役の入賞が優先的に成立するように設定され、ボーナスと再遊技が重複して当選している場合には、再遊技の入賞が優先的に成立するように設定され、また、複数の小役の当選フラグが設定されている場合、図柄数優先制御と、枚数優先制御とのいずれかに基づいてその優先順位が設定される。
例えば、第1BB当選フラグを持ち越している状況下で、第1左中ベルに当選となり、第1小役当選フラグ、第7小役当選フラグ、第10小役当選フラグ、第15小役当選フラグ及び第18小役当選フラグがセットされた場合、第1BB入賞よりも、第1小役入賞、第7小役入賞、第10小役入賞、第15小役入賞及び第18小役入賞のいずれかが優先して成立するように制御する。例えば、左リール32Lにおける第1BBに対応する図柄(なお、以下の説明では各役に対応する図柄を、その名称とともに例えば第1BB図柄と称する)としての「青年」図柄を有効ライン上(下段)に停止可能なタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合、第1小役図柄や第7小役図柄、第15小役図柄である「赤7」図柄、又は第1小役図柄や第10小役図柄、第18小役図柄である「白貝」図柄も有効ライン上に停止可能であり、この場合、「青年」図柄ではなく、「赤7」図柄又は「白貝」図柄を有効ライン上に停止させる。また、中リール32Mにおける第1BB図柄としての「赤貝」図柄を有効ライン上(中段)に停止可能なタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、第1小役図柄である「リプレイ」図柄、又は第7小役図柄や第10小役図柄である「チェリー」図柄も有効ライン上に停止可能であり、この場合、「赤貝」図柄ではなく、「リプレイ」図柄又は「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させる。同様に、右リール32Rにおける第1BB図柄としての「白BAR」図柄を有効ライン上(上段)に停止可能なタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第1小役図柄である「ベル」、第7小役図柄や第10小役図柄である「黒BAR」図柄、又は第15小役図柄や第18小役図柄である「リプレイ」図柄も有効ライン上に停止可能であり、この場合、「白BAR」図柄ではなく、「ベル」図柄、「黒BAR」又は「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
このように、第1BBに当選している状況で、インデックス値IV=10~31の際に当選となり、対応する各種小役の入賞が可能となることで、第1BB入賞は成立しないようになる。また、インデックス値IV=1~9の際に当選となり、対応する各種再遊技の入賞が可能となる場合、上記のように再遊技は取りこぼしが生じないよう設定されていることから、この場合も、第1BB入賞は成立しないようになる。第1BB入賞が成立可能となる場合とは、インデックス値IV=32の際に当選となった場合だけである。そして、第1BB自体は、比較的高確率で当選することから、基本的には第1BB当選を持ち越している持ち越し状態にて遊技が行われることになる。
これに対して、複数の小役同士が重複して当選している場合には、各小役に対応付けられた図柄のうち、入賞時の特典として払い出されるメダル数が多くなる図柄を優先して停止させる枚数優先制御と、入賞する組み合わせ数が多くなる図柄を優先して停止させる図柄数優先制御と、のいずれかの制御により優先順位が設定される。
特に、第1押し順ベルや第2押し順ベルについては、それぞれの操作順序(押し順)に対して、図柄数優先制御と枚数優先制御とが設定されている。例えば、第1左中ベルに当選した場合、ストップスイッチ42~44が左→中→右の順序で操作された場合には、枚数優先制御にて各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる一方、ストップスイッチ42~44が左→中→右とは異なる順序で操作された場合には、図柄数優先制御にて各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われ、中左特殊ベルに当選した場合、ストップスイッチ42~44が中→左→右の順序で操作された場合には、枚数優先制御にて各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる一方、ストップスイッチ42~44が中→左→右とは異なる順序で操作された場合には、図柄数優先制御にて各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる、といったように、第1押し順ベルや第2押し順ベルは、それぞれ予め定められた操作順序(第1操作態様)で操作された場合には枚数優先制御にて停止制御が行われる一方、他の操作順序(第2操作態様)で操作された場合には図柄数優先制御にて停止制御が行われるように設定されている。
第1押し順ベルは、3つあるストップスイッチ42~44における6種類の第1操作態様に対して、それぞれ2種類の結果が設定されている。例えば、左→中→右を第1操作態様とする第1押し順ベルとして第1左中ベルと第2左中ベルが設定されており、右→中→左を第1操作態様とする第1押し順ベルとして第1右中ベルと第2右中ベルとが設定されている、といったように、合計12種類の結果が設定されている。
第1押し順ベルにおいて、同じ操作態様(操作順序)を第1操作態様とする2つの結果(例えば第1中左ベルと第2中左ベル、以下の説明ではまとめて対応操作結果とも称する)は、当選した場合に入賞可能となる小役が、第1操作態様にて操作された場合に入賞可能となる小役は共通する場合があるものの、第2操作態様にて操作された場合に入賞可能となる小役は異なるように設定されている。例えば、第1中左ベルと第2中左ベルとは、第1操作態様にて操作された場合にはいずれも第3小役入賞が成立可能となる一方、第2操作態様にて操作された場合には、第1中左ベルでは、第11小役入賞、第14小役入賞、第19小役入賞、第22小役入賞、第23小役入賞、第26小役入賞が成立可能となるものの、第2中左ベルでは、第12小役入賞、第13小役入賞、第20小役入賞、第21小役入賞、第24小役入賞、第25小役入賞が成立可能となる。
対応操作結果において、第2操作態様にて操作された場合にそれぞれの結果で入賞可能となる小役は、各リール32L,32M,32Rに停止させる対応図柄が、少なくとも1つのリールに対応する図柄同士が、同時に狙って停止させることができない関係となるように設定されている。具体的には、例えば、第1中左ベルにおける第11小役と、第2中左ベルにおける第12小役とは、左リール32Lの対応図柄はいずれも「白BAR」図柄と「赤7」図柄であり、中リール32Mの対応図柄はいずれも「ベル」図柄であるものの、右リール32Rの対応図柄は、第11小役は「黒BAR」図柄と「赤7」図柄であるのに対して、第12小役は「赤貝」図柄と「白貝」図柄である。そして、これら「黒BAR」図柄及び「赤7」図柄と、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄と、は、「黒BAR」図柄や「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「赤貝」図柄や「白貝」図柄を有効ライン上に停止させることができず、「赤貝」図柄や「白貝」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「黒BAR」図柄や「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることができない関係となっている。なお、このような関係の小役同士を、以下の説明では補填小役とも称する。
つまり、対応操作結果として、例えば、第1中左ベルと第2中左ベルにおいて第2操作態様にて操作された場合にそれぞれ入賞可能となる結果として、第1中左ベルの第11小役と第2中左ベル第12小役とは補填小役(補填3Aと補填3B)であり、第1中左ベルの第14小役と第2中左ベル第13小役とは補填小役(補填4Bと補填4A)であり、第1中左ベルの第19小役と第2中左ベル第20小役とは補填小役(補填7Aと補填7B)であり、第1中左ベルの第22小役と第2中左ベル第21小役とは補填小役(補填8Bと補填8A)であり、第1中左ベルの第23小役と第2中左ベル第24小役とは補填小役(補填9Aと補填9B)であり、第1中左ベルの第26小役と第2中左ベル第25小役とは補填小役(補填10Bと補填10A)である、といったように、各補填小役のうちの一方が対応操作結果のうちの一方の結果に割り振られ、各補填小役のうちの他方が対応操作結果のうちの他方の結果に割り振られている。
これに対して、第2押し順ベルは、同じ操作態様(操作順序)を第1操作態様とする結果は第1押し順ベルの場合よりも少ない種類の結果が設けられており、3つあるストップスイッチ42~44における6種類の操作順序のうち、左ストップスイッチ42を最初に停止操作する操作順序を除く4種類の第1操作態様に対して、それぞれ1種類の結果が設定されている。例えば、中→右→左を第1操作態様とする第2押し順ベルとして中右特殊ベルが設定されており、右→中→左を第1操作態様とする第2押し順ベルとして右中特殊ベルが設定されている、といったように、合計4種類の結果が設定されている。そして、第2押し順ベルにおける各結果に、上記の補填小役のうちの一方の小役と他方の小役とが含まれるように設定されている。
上記のように、第1押し順ベルは、各対応操作結果に対して各補填小役のうちの一方が対応操作結果のうちの一方の結果に割り振られ、各補填小役のうちの他方が対応操作結果のうちの他方の結果に割り振られており、第2押し順ベルは、各結果に対して各補填小役の両方が含まれるように設定されていることにより、第1押し順ベルは第2操作態様にて操作された場合に取りこぼしが生じ得る一方、第2押し順ベルについては第2操作態様にて操作された場合に取りこぼしが生じない。
かかる枚数優先制御と図柄数優先制御との関係や、取りこぼしの有無について、例えば、第1押し順ベルとしての第1中左ベルに当選となった場合を例として説明する。
第1中左ベルに当選となった場合、各ストップスイッチ42~44の操作順序のうち、中→左→右が第1操作態様として設定されており、当該第1操作態様にて操作された場合は枚数優先制御にて停止制御する。一方、各ストップスイッチ42~44の操作順序のうち、中→左→右以外が第2操作態様として設定されており、当該第2操作態様にて操作された場合は図柄数優先制御にて停止制御する。
より具体的には、第1中左ベルに当選となった場合、先ず、第3小役入賞、第11小役入賞、第14小役入賞、第19小役入賞、第22小役入賞、第23小役入賞、第26小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
この場合、第1操作態様として中→左→右の順で操作された場合を説明すると、中リール32Mにおける第3小役図柄は、「ベル」図柄であり、第11小役図柄と第14小役図柄も「ベル」図柄である。これに対して、中リール32Mにおける第19小役図柄と第23小役図柄は「白BAR」図柄及び「赤7」図柄であり、第22小役図柄と第26小役図柄は「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。
第1中左ベルに当選となった場合、第3小役入賞、第11小役入賞、第14小役入賞、第19小役入賞、第22小役入賞、第23小役入賞、第26小役入賞のうち、第3小役入賞が成立すると8枚のメダル払出が発生する一方、第11小役入賞、第14小役入賞、第19小役入賞、第22小役入賞、第23小役入賞、第26小役入賞が成立すると1枚のメダル払出が発生するため、枚数優先制御では、第3小役入賞を優先して成立させるように停止制御する。
中リール32Mを停止させる場合、中リール32Mにおける第3小役図柄としての「ベル」図柄は、図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されているため、図709(a)に示すように、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず当該「ベル」図柄を有効ライン上である中リール32Mの中段に停止させ、「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄は停止させない。その結果、これら停止させない図柄に対応する第19小役入賞、第22小役入賞、第23小役入賞、第26小役入賞は、当該中リール32Mを停止させた時点で入賞の可能性がなくなる。これに対して、中リール32Mを停止させた時点では、第3小役入賞だけでなく第11小役入賞や第14小役入賞の成立の可能性が残る。
右リール32Rの第3小役図柄は「リプレイ」図柄であり、第11小役図柄は「黒BAR」図柄と「赤7」図柄であり、第14小役図柄は「赤貝」図柄と「白貝」図柄である。右リール32Rを停止させる場合、右リール32Rにおける第3小役図柄としての「リプレイ」図柄も、図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されているため、図709(b)に示すように、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず当該「リプレイ」図柄を有効ライン上である右リール32Rの上段に停止させ、「黒BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄は停止させない。その結果、これら停止させない図柄に対応する第11小役入賞、第14小役入賞は、当該右リール32Rを停止させた時点で入賞の可能性がなくなる。
そして、左リール32Lを停止させる場合、左リール32Lにおける第3小役図柄としての「リプレイ」図柄も、図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されているため、図709(c)に示すように、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず当該「リプレイ」図柄を有効ライン上である左リール32Lの下段に停止させる。その結果、有効ラインである右上がりラインL5に左から第3小役図柄である「リプレイ」図柄、「ベル」図柄、「リプレイ」図柄が停止することとなり、第3小役入賞が成立する。
これに対して、第1中左ベルに当選となった場合に第2操作態様として左→中→右の順で操作された場合、図柄数優先制御にて停止制御を行う。左リール32Lにおける第3小役図柄は「リプレイ」図柄であり、第11小役図柄と第19小役図柄と第23小役図柄は「白BAR」図柄及び「赤7」図柄であり、第14小役図柄と第22小役図柄と第26小役図柄は「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。
左リール32Lを停止させる場合、「リプレイ」図柄を停止させると第3小役入賞となる「リプレイ」図柄-「ベル」図柄-「リプレイ」図柄の組み合わせが停止可能となる一方、「白BAR」図柄を停止させると第11小役入賞となる「白BAR」図柄-「ベル」図柄-「黒BAR」図柄や「白BAR」図柄-「ベル」図柄-「赤7」図柄の組み合わせや、第19小役入賞となる「白BAR」図柄-「白BAR」図柄-「ベル」図柄や「白BAR」図柄-「赤7」図柄-「ベル」図柄の組み合わせや、第23小役入賞となる「白BAR」図柄-「白BAR」図柄-「スイカ」図柄や「白BAR」図柄-「赤7」図柄-「スイカ」図柄の組み合わせが停止可能となるし、「赤7」図柄を停止させると第11小役入賞となる「赤7」図柄-「ベル」図柄-「黒BAR」図柄や「赤7」図柄-「ベル」図柄-「赤7」図柄の組み合わせや、第19小役入賞となる「赤7」図柄-「白BAR」図柄-「ベル」図柄や「赤7」図柄-「赤7」図柄-「ベル」図柄の組み合わせや、第23小役入賞となる「赤7」図柄-「白BAR」図柄-「スイカ」図柄や「赤7」図柄-「赤7」図柄-「スイカ」図柄の組み合わせが停止可能となる。また、「赤貝」図柄を停止させると、第14小役入賞となる「赤貝」図柄-「ベル」図柄-「赤貝」図柄や「赤貝」図柄-「ベル」図柄-「白貝」図柄の組み合わせや、第22小役入賞となる「赤貝」図柄-「赤貝」図柄-「ベル」図柄や「赤貝」図柄-「白貝」図柄-「ベル」図柄の組み合わせや、第26小役入賞となる「赤貝」図柄-「赤貝」図柄-「スイカ」図柄や「赤貝」図柄-「白貝」図柄-「スイカ」図柄の組み合わせが停止可能となるし、「白貝」図柄を停止させると、第14小役入賞となる「白貝」図柄-「ベル」図柄-「赤貝」図柄や「白貝」図柄-「ベル」図柄-「白貝」図柄の組み合わせや、第22小役入賞となる「白貝」図柄-「赤貝」図柄-「ベル」図柄や「白貝」図柄-「白貝」図柄-「ベル」図柄の組み合わせや、第26小役入賞となる「白貝」図柄-「赤貝」図柄-「スイカ」図柄や「白貝」図柄-「白貝」図柄-「スイカ」図柄の組み合わせが停止可能となる。
そのため、図柄数優先制御においては、左リール32Lを停止させる場合、第3小役図柄である「リプレイ」図柄よりも、入賞させることが可能となる組み合わせ数が多くなる第11小役図柄、第19小役図柄、第23小役図柄、第14小役図柄、第22小役図柄、第26小役図柄である「白BAR」図柄、「赤7」図柄「赤貝」図柄及び「白貝」図柄を優先して停止させることになる。
左リール32Lを停止させる場合、左リール32Lにおける第3小役図柄としての「ベル」図柄は、図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている一方、第11小役図柄、第19小役図柄、第23小役図柄、第14小役図柄、第22小役図柄、第26小役図柄としての「白BAR」図柄、「赤7」図柄「赤貝」図柄及び「白貝」図柄はいずれの図柄も同じ図柄同士の間隔は5図柄以上で配置されているものの、それぞれの図柄同士の間隔は4図柄以下で配置されている。そのため、図710(a)に示すように、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず「ベル」図柄ではなく、「白BAR」図柄、「赤7」図柄「赤貝」図柄及び「白貝」のいずれかの図柄を有効ライン上である左リール32Lの下段に停止させ、「ベル」図柄は停止させない。その結果、停止させない図柄に対応する第3小役入賞は当該左リール32Lを停止させた時点で入賞の可能性がなくなるし、例えば、左リール32Lの下段に第11小役図柄と第19小役図柄と第23小役図柄である「白BAR」図柄を停止させた場合、第14小役入賞、第22小役入賞、第26小役入賞の可能性もなくなる。これに対して、「白BAR」図柄の組み合わせを有する第11小役入賞、第19小役入賞及び第23小役入賞の可能性が残る。
中リール32Mの第14小役図柄は「ベル」図柄であり、第19小役図柄と第23小役図柄は「白BAR」図柄と「赤7」図柄である。左リール32Lの下段に「白BAR」図柄が停止している状況で中リール32Mを停止させる場合、「ベル」図柄を停止させると第14小役入賞となる「白BAR」図柄-「ベル」図柄-「赤貝」図柄や「白BAR」図柄-「ベル」図柄-「白貝」図柄の組み合わせが停止可能となる一方、「白BAR」図柄を停止させると第19小役入賞となる「白BAR」図柄-「白BAR」図柄-「ベル」図柄の組み合わせや、第23小役入賞となる「白BAR」図柄-「白BAR」図柄-「スイカ」図柄の組み合わせが停止可能となる。また、「赤7」図柄を停止させると第19小役入賞となる「白BAR」図柄-「赤7」図柄-「ベル」図柄の組み合わせや、第23小役入賞となる「白BAR」図柄-「赤7」図柄-「スイカ」図柄の組み合わせが停止可能となる。この場合、入賞する可能性が残る図柄の組み合わせ数としては「ベル」図柄を停止させた場合と「白BAR」図柄や「赤7」図柄を停止させた場合(2)とで同じであるものの、「ベル」図柄を停止させた場合には第11小役入賞のみが成立する可能性が残るものの、「白BAR」図柄や「赤7」図柄を停止させた場合には第19小役入賞と第23小役入賞が成立する可能性が残る。そのため、本スロットマシン10では、このような場合には、入賞する可能性の残る役の数が多くなる図柄を優先して停止させる構成としており、上記の例では、「ベル」図柄ではなく「白BAR」図柄や「赤7」図柄を優先して停止させる。
この場合、中リール32Mにおいて「白BAR」図柄と「赤7」図柄はいずれの図柄も同じ図柄同士の間隔は5図柄以上で配置されており、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによってこれら「白BAR」図柄や「赤7」図柄を停止させることが可能な場合と、停止させることができない場合とがある。これに対して、中リール32Mにおいて「ベル」図柄は、図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されているため、トップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず「ベル」図柄を停止させることが可能である。そのため、先ずは、「白BAR」図柄や「赤7」図柄を停止させることが可能な場合には、図710(b)に示すように、これら「白BAR」図柄や「赤7」図柄を中リール32Mの中段に停止させる一方、「白BAR」図柄や「赤7」図柄を停止させることができない場合には、図710(c)に示すように、「ベル」図柄を中リール32Mの中段に停止させる。その結果、「白BAR」図柄や「赤7」図柄を停止させた場合には、第19小役と第23小役の入賞の可能性は残る一方、第11小役入賞の可能性はなくなり、「ベル」図柄を停止させた場合には、第11小役入賞の可能性は残るものの、第19小役と第23小役の入賞の可能性はなくなる。
そして、左リール32Lの下段に「白BAR」図柄を停止させ、中リール32Mの中段に「白BAR」図柄を停止させた後、右リール32Rを停止させる場合、右リール32Rにおける第19小役図柄としての「ベル」図柄や第23小役図柄としての「スイカ」図柄は、図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されているため、図710(d)に示すように、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず当該「ベル」図柄又は「スイカ」図柄を有効ライン上である右リール32Rの上段に停止させる。その結果、有効ラインである右上がりラインL5に左から第19小役図柄である「白BAR」図柄、「白BAR」図柄、「ベル」図柄が停止して第19小役入賞が成立したり、第23小役図柄である「白BAR」図柄、「白BAR」図柄、「スイカ」図柄が停止して第23小役入賞が成立する。なお、「ベル」図柄と「スイカ」図柄のいずれを有効ライン上に停止させるかは、本スロットマシン10では、スベリ図柄数が少ない図柄を優先して停止させる構成としている。
一方、左リール32Lの下段に「白BAR」図柄を停止させ、中リール32Mの中段に「ベル」図柄を停止させた後、右リール32Rを停止させる場合、右リール32Rにおける第11小役図柄としての「黒BAR」図柄や「赤7」図柄は、図柄同士の間隔が5図柄以上で配置されているため、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては、当該「黒BAR」図柄又は「赤7」図柄を有効ライン上である右リール32Rの上段に停止させたり、いずれの役も入賞とならない図柄を有効ライン上である右リール32Rの上段に停止させる(図710(e))。その結果、有効ラインである右上がりラインL5に左から第11小役図柄である「白BAR」図柄、「ベル」図柄、「黒BAR」図柄又は「白BAR」図柄、「ベル」図柄、「赤7」図柄が停止して第11小役入賞が成立したり、いずれの役も入賞しない取りこぼしが発生したりする。
ここで、例えば、対応操作結果としての第1中左ベルと第2中左ベルのいずれかに当選している状況で、左リール32Lを停止させて左リール32Lの下段に「白BAR」図柄が停止した場合、第1中左ベルであれば、補填小役としての第11小役入賞、第19小役入賞及び第23小役入賞の可能性が残存し、第2中左ベルである場合、第1中左ベルの補填小役に対応する補填小役としての第12小役入賞、第20小役入賞及び第24小役入賞の可能性が残存する。
この場合、中リール32Mにおいて第19小役図柄や第23小役図柄である「白BAR」図柄や「赤7」図柄と、第20小役図柄や第24小役図柄である「赤貝」図柄や「白貝」図柄とは、第19小役図柄や第23小役図柄である「白BAR」図柄や「赤7」図柄を停止させることが可能なタイミングでストップスイッチ43が操作されると、第20小役図柄や第24小役図柄である「赤貝」図柄や「白貝」図柄を停止させることができず、第20小役図柄や第24小役図柄である「赤貝」図柄や「白貝」図柄を停止させることが可能なタイミングでストップスイッチ43が操作されると、第19小役図柄や第23小役図柄である「白BAR」図柄や「赤7」図柄を停止させることができないようにそれぞれの図柄が付されている。
また、対応操作結果としての第1中左ベルと第2中左ベルのいずれかに当選している状況で、左リール32Lと中リール32Mを停止させて左リール32Lの下段に「白BAR」図柄が停止し、中リール32Mの中段に「ベル」図柄が停止した場合、第1中左ベルであれば、補填小役としての第11小役入賞の可能性が残存し、第2中左ベルである場合、当該第1中左ベルの補填小役に対応する補填小役としての第12小役入賞の可能性が残存する。
この場合、右リール32Rにおいて第11小役図柄である「黒BAR」図柄や「赤7」図柄と、第12小役図柄である「赤貝」図柄や「白貝」図柄とは、第11小役図柄である「黒BAR」図柄や「赤7」図柄を停止させることが可能なタイミングでストップスイッチ44が操作されると、第12小役図柄である「赤貝」図柄や「白貝」図柄を停止させることができず、第12小役図柄である「赤貝」図柄や「白貝」図柄を停止させることが可能なタイミングでストップスイッチ44が操作されると、第11小役図柄である「黒BAR」図柄や「赤7」図柄を停止させることができないようにそれぞれの図柄が付されている。
そのため、左リール32Lを停止させて左リール32Lの下段に「白BAR」図柄が停止した場合に、中リール32Mにおいて第19小役図柄や第23小役図柄である「白BAR」図柄や「赤7」図柄を停止させることが可能なタイミングでストップスイッチ43が操作された場合、当該ゲームが第1中左ベル当選であれば、「白BAR」図柄又は「赤7」図柄が中リール32Mの中段に停止し、当該ゲームが第2中左ベル当選であれば、「白BAR」図柄や「赤7」図柄ではなく「ベル」図柄が中リール32Mの中段に停止する。その結果、当該ゲームが第1中左ベル当選で中リール32Mの中段に「白BAR」図柄又は「赤7」図柄が停止した場合には、上記のように右リール32Rの上段には「ベル」図柄又は「スイカ」図柄が停止して第19小役入賞や第23小役入賞が成立する。
また、中リール32Mにおいて第20小役図柄や第24小役図柄である「赤貝」図柄や「白貝」図柄を停止させることが可能なタイミングでストップスイッチ43が操作された場合、当該ゲームが第1中左ベル当選であれば、「ベル」図柄が中リール32Mの中段に停止し、当該ゲームが第2中左ベル当選であれば、「赤貝」図柄や「白貝」図柄が中リール32Mの中段に停止する。中リール32Mに「ベル」図柄が停止した場合において、右リール32Rに第11小役図柄である「黒BAR」図柄や「赤7」図柄を停止させることが可能なタイミングでストップスイッチ44が操作されると、当該ゲームが第1中左ベル当選であれば、第11小役入賞が成立する一方、当該ゲームが第2中左ベル当選であると取りこぼしが発生する。また、中リール32Mに「ベル」図柄が停止した場合において、右リール32Rに第12小役図柄である「赤貝」図柄や「白貝」図柄を停止させることが可能なタイミングでストップスイッチ44が操作されると、当該ゲームが第1中左ベル当選であれば、取りこぼしが発生し、当該ゲームが第2中左ベル当選であると第12小役入賞が成立する。
つまり、第1中左ベル当選時に入賞が可能となる小役と、第2中左ベル当選時に入賞が可能となる小役は、例えば、第1中左ベル当選時の第19小役と第2中左当選時の第20小役との関係や、第1中左ベル当選時の第23小役と第2中左当選時の第24小役との関係や、第1中左ベル当選時の第11小役と、第2中左当選時の第12小役との関係のように、所定のリールが停止している状況での停止態様が共通する一方、停止していない他のリールにおいて入賞となる図柄同士を同時に狙うことができない関係である小役同士の補填小役となっており、当該補填小役のうちの一方が対応操作結果のうちの一方に含まれ、補填小役のうちの他方が対応操作結果のうちの他方に含まれるように設定されている。
そうすると、第1中左ベル当選となっているか、第2中左ベル当選となっているがわからないことを前提とすると、これらの取りこぼし用の補填小役がそれぞれに含まれていることに基因して、各リール32L,32M,32Rの停止態様から、いずれかの小役が入賞するように狙って停止操作することはできず、一定の確率で取りこぼしが発生することになる。
これに対して、第2押し順ベルとして、例えば、中左特殊ベル当選となったゲームでは、第3小役入賞の他、第7小役入賞~第14小役入賞及び第27小役入賞が可能となるところ、当該中左特殊ベルには、例えば第11小役と第12小役とが含まれており、上記の補填小役の両方の小役が、いずれも当該中左特殊ベルに含まれている。
そして、中左特殊ベルでは、ストップスイッチ42~44が中→左→右と操作された場合には第1操作態様として払出枚数優先制御にて停止制御を行い、その他の操作順序で操作された場合には第2操作態様として図柄数優先制御にて停止制御を行う。払出枚数優先制御にて停止制御を行う場合、第3小役入賞が成立して8枚のメダル払出が発生し、図柄数優先制御にて停止制御を行う場合、上記のように取りこぼし用の補填小役がいずれも含まれていることから取りこぼしが発生せず、第7小役入賞~第14小役入賞及び第27小役入賞のいずれかの入賞が成立して1枚のメダル払出が発生する。
つまり、第1押し順ベルは、いずれの種類の結果であっても、第1操作態様にて操作することで払出枚数が多い第1小役入賞~第6小役入賞が成立して8枚のメダル払出が発生し、第2操作態様にて操作することで払出枚数が少ない第7小役入賞~第26小役入賞が成立して1枚のメダル払出が発生するか、取りこぼしが発生するように設定されている。これに対して、第2押し順ベルは、いずれの種類の結果であっても、第1操作態様にて操作することで払出枚数が多い第3小役入賞~第6小役入賞が成立して8枚のメダル払出が発生し、第2操作態様にて操作することで払出枚数が少ない第7小役入賞~第14小役入賞又は第23小役入賞~第27小役入賞が成立して1枚のメダル払出が発生し、いずれの操作態様であっても取りこぼしは発生しないように設定されている。
また、第2押し順ベル当選時に第1操作態様にて操作して入賞が成立する第3小役~第6小役は、第1押し順ベル当選時に第1操作態様にて操作して入賞が成立する第1小役~第6小役に含まれており、その入賞態様(停止出目)から、いずれの押し順ベルを契機として第3小役入賞~第6小役入賞が成立したのかを遊技者は区別することはできない。また、第2押し順ベル当選時に第2操作態様にて操作して入賞が成立する第7小役入賞~第14小役入賞又は第23小役入賞~第27小役入賞は、第27小役入賞を除き、第1押し順ベル当選時に第2操作態様にて操作して入賞が成立する第7小役入賞~第26小役入賞に含まれており、その入賞態様(停止出目)から、いずれの押し順ベルを契機として第7小役入賞~第14小役入賞又は第23小役入賞~第26小役入賞が成立したのかを遊技者は区別することはできない。
更に、第1押し順ベルのうち、例えば、第1中左ベルや第2中左ベルは、第1操作態様(中→左→右)にて操作することで第3小役入賞が成立し、第2操作態様にて操作することで、第1中左ベルであれば、第11小役入賞及び第14小役入賞が成立可能であり、その他、第19小役入賞、第22小役入賞、第23小役入賞及び第26小役入賞も成立可能であり、第2中左ベルであれば、第12小役入賞及び第13小役入賞が成立可能であり、その他、第20小役入賞、第21小役入賞、第24小役入賞及び第25小役入賞も成立可能である。これに対して、第2押し順ベルのうち、中左特殊ベルについても、第1操作態様(中→左→右)にて操作することで第3小役入賞が成立し、第2操作態様にて操作することで、第11小役入賞~第14小役入賞が成立可能であり、その他、第7小役入賞~第10小役入賞や第27小役入賞が成立可能である。
つまり、第1中左ベルや第2中左ベルと、中左特殊ベルとは、第1操作態様にて操作することで入賞が可能となる小役と第2操作態様にて操作する小役とが共通している結果である。本実施形態では、このような結果を、第1押し順ベルと第2押し順ベルといった別々のグループにそれぞれ設定しており、別々の処理対象として扱う。このようにしていることの作用効果については、後に詳細に説明する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSi411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSi413にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する数のメダル払出が行われるように設定する処理を行う。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップSi414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSi415にて、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSi416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68としても機能する払出枚数表示部62の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSi417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSi212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、今回のゲームのメダル払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップSi204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、今回のゲームのメダル払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させるための処理を行う。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出すための処理を行う。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップSi414のボーナス状態処理を、図710のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSi501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態であるか否かを判定する。第1BB状態であるか否かは、第1BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSi501では、第1BB状態フラグがセットされていない場合には、第1BB状態ではないと判定してステップSi502に進む。
ステップSi502では、第1BB当選フラグがセットされており、第1BBに当選している状態であるか否かを判定する。第1BB当選フラグがセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。第1BB当選フラグがセットされている場合には、ステップSi503に進む。
ステップSi503では、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。第1BB入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。第1BB入賞が成立している場合には、ステップSi504に進み、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「22」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSi504にてBBカウンタに「22」が入力されることにより、22枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSi505では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSi506では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSi501にて肯定判定することになる。続くステップSi507では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSi501にて肯定判定し、第1BB状態である場合、ステップSi508に進み、第1BB状態中の処理を行う。図712は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。本実施形態では、図712に示すように、第1BB状態において、共通ベルと共通1枚役に当選し得るように設定されている。なお、共通1枚役は、通常遊技状態における重複BBに対応するものであり、インデックス値IV=31にて当選となり、第7小役~第32小役に当選となる結果である。共通ベル当選となる確率(IV=26の際に当選となる確率)は約5.70分の1であり、共通1枚役当選となる確率(IV=31の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。
ボーナス状態処理において、ステップSi508では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSi509にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSi510にて、ステップSi509の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。
ステップSi510にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSi511にて、第1BB状態フラグをクリアする処理を行う。そして、ステップSi512にて第1BB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。第1BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
<抽選結果対応処理>
次に、図713のフローチャートを参照しながら、ステップSi310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSi601~ステップSi603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップSi601では、第1BB状態フラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームが第1BB状態であるか否かの判定を行う。第1BB状態ではない場合には、ステップSi602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、第1BB状態である場合には、ステップSi603にてベット数が2であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBの当選前の非内部状態や、第1BB当選後の内部状態においては規定ベット数(規定枚数)として3が設定されており、第1BB状態においても規定ベット数として3が設定されている。ステップSi602やステップSi603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数はない場合には、ステップSi604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、規定ベット数が3として設定されていることから、表示モード用の処理は実行される。これに対して、第1BB状態においては、規定ベット数として3が設定されていることから、2ベットゲームは実行されず、第1BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に第1BB当選となった場合に第1BB入賞を成立させて第1BB状態に移行させてしまうと、ステップSi604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。
ステップSi602又はステップSi603にて肯定判定した場合、ステップSi604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSi605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図714のフローチャートに示すように、ステップSi701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSi702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図715に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図715にも示すように、BARリプS、BARリプW、赤7リプ、第1スイカ、第2スイカ、チャンス、第1スベリチャンス、第2スベリチャンス、第1押し順ベル、第2押し順ベル、共通ベル、強ベル、特殊1枚役、弱チェリー、強チェリーが設定されている。すなわち、第1BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ここで、有利区間移行抽選テーブルでは、第1押し順ベルについて第1左中ベル、第2左中ベル、といった個別の結果に対して有利区間への移行抽選の当選確率は設定されておらず、第1押し順ベルとしてまとめて有利区間への移行抽選の当選確率は設定されている。同様に、第2押し順ベルについて、中左特殊ベル、中右特殊ベル、といった個別の結果に対して有利区間への移行抽選の当選確率は設定されておらず、第2押し順ベルとしてまとめて有利区間への移行抽選の当選確率は設定されている。
すなわち、一旦、抽選処理にて今回のゲームの個別の抽選結果(第1左中ベル、第2左中ベル、中左特殊ベル、中右特殊ベル等)が決定された後は、第1押し順ベルや第2押し順ベルといったグループにてその後の処理が行われ、有利区間移行抽選でも、個別の結果ではなく第1押し順ベルや第2押し順ベルといったグループにて移行抽選を行う。このようにすることで、個別の移行抽選確率等を設定する必要が生じず、記憶容量の大幅な削減を図ることが可能となる。
ステップSi702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSi703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSi703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSi704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSi705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、第1BB当選を持ち越している内部状態において、ステップSi701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSi702~ステップSi705の処理を省略することも可能である。
ステップSi705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSi706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSi705にて否定判定した場合、又はステップSi706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSi604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSi606に進む。ステップSi606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグは、ATモードであることをCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSi606にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSi607にて開始時AT抽選用処理を実行する。一方、ステップSi606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSi608にて継続判定処理を実行し、ステップSi609にてAT上乗せ用処理を実行する。
ステップSi607にて開始時AT抽選用処理を実行した後、又はステップSi609にてAT上乗せ用処理を実行した後は、ステップSi610にて押し順報知用処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。以下、開始時AT抽選用処理、継続判定処理、AT上乗せ用処理、押し順報知用処理について、詳細に説明する。
<開始時AT抽選用処理>
先ず、ステップSi607の開始時AT抽選用処理について図716のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSi801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタが0であるかを判定する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、天井カウンタの減算は、ゲームの終了に際して実行される。つまり、ステップSi801にて天井カウンタが0であると判定する場合とは、今回の前のゲームで天井ゲーム数が0となったことを意味する。
天井カウンタが0ではない場合、ステップSi802~ステップSi807にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップSi802にて、ATモード移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。ATモード移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSi802ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。続くステップSi803では、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSi804では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップSi804にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップSi805にて、各種テーブル記憶エリア105aから開始時通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSi804にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSi806にて、開始時CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら開始時通常用ATモード移行抽選テーブルと開始時CZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図715に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、第1スベリチャンスを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では3%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば10%の確率でATモード移行当選となる、といったように、開始時通常用ATモード移行抽選テーブルよりも開始時CZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、例えば、弱チェリーを契機とするATモード移行抽選では、設定値に応じてその当選確率が異なるように設定されており、通常用では設定値が1では3%の確率でATモード移行当選となり、設定値が3では5%の確率でATモード移行当選となり、設定値が6では7%の確率でATモード移行当選となるように設定されている。これに対して、強チェリーを契機とするATモード移行抽選では、設定値に関わらずその当選確率が共通するように設定されている。
ここで、弱チェリー当選となった場合、第28小役入賞が成立可能となる一方、強チェリー当選となった場合は、第28小役入賞~第30小役入賞のいいずれかが成立可能となる。図694に示すように、第28小役は、左リール32Lの「黒BAR」図柄、「チェリー」図柄及び「青年」図柄のいずれかと、中リール32Mの「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄とが有効ライン上に停止した場合に入賞が可能となるように設定されている。これに対して、第29小役は、左リール32Lの「黒BAR」図柄、「チェリー」図柄及び「青年」図柄のいずれかと、中リール32Mの「チェリー」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄又は「チェリー」図柄とが有効ライン上に停止した場合に入賞が可能となるように設定されており、第30小役は、左リール32Lの「黒BAR」図柄と、中リール32Mの「チェリー」図柄と、右リール32Rの「黒BAR」図柄とが有効ライン上に停止した場合に入賞が可能となるように設定されている。
このうち、特に第30小役については、左リール32Lの第30小役である「黒BAR」図柄が、当該図柄同士の間隔が5図柄以上となるように設定されていることから、強チェリー当選時に当該「黒BAR」図柄を有効ラインに停止可能なタイミングで左ストップスイッチ42を停止操作した場合には、左リール32Lの下段に「黒BAR」図柄が停止して第28小役と第29小役と第30小役とのいずれもが入賞可能となる一方、強チェリー当選時に当該「黒BAR」図柄を有効ラインに停止できないタイミングで左ストップスイッチ42を停止操作した場合には、左リール32Lの下段に「黒BAR」図柄が停止せずに、「チェリー」図柄又は「青年」図柄が停止して第28小役と第29小役の入賞が可能となり、第30小役は入賞できなくなる。
つまり、強チェリー当選時に第30小役入賞を成立させるためには、左リール32Lに「黒BAR」図柄を狙って左ストップスイッチ42を操作する必要があり、同様の理由から、右リール32Rにも「黒BAR」図柄を狙って右ストップスイッチ44を操作する必要がある。言い換えるならば、弱チェリーと強チェリーとのいずれかが当選している状況において、第30小役入賞が成立し得ない弱チェリーと、第30小役入賞が成立し得る強チェリーとのいずれに当選しているかを判別しようとするならば、左リール32Lに「黒BAR」図柄を狙って左ストップスイッチ42を操作したり、右リール32Rにも「黒BAR」図柄を狙って右ストップスイッチ44を操作する必要があり、このように弱チェリーと強チェリーとを区別することで、上記のように弱チェリーに設定差が設けられたATモード移行抽選の当選確率から、設定値を予測・判別する遊技を行うことが可能となる。
ちなみに、本開始時AT抽選用処理にて用いられる開始時通常用ATモード移行抽選テーブルと開始時CZ用ATモード移行抽選テーブルでは、ゲームの抽選結果が第1押し順ベルや第2押し順ベル(特に第2押し順ベル)である場合、ATモード移行当選とならないように設定されている。なお、開始時AT抽選用処理では、第1押し順ベルや第2押し順ベル(特に第2押し順ベル)を契機としてATモード移行抽選を行わないようにしてもよい。
ステップSi805又はステップSi806にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップSi803にて把握したゲームの抽選結果と、ステップSi802にて取得したAT抽選用の乱数と、を用いて、ステップSi807にてATモード移行抽選処理を実行する。具体的には、ステップSi802にて取得したAT抽選用の乱数が、ステップSi805又はステップSi806にて取得したテーブルにおいて各ゲームの抽選結果に応じて設定された当選用の数値範囲内であるか否かを判定し、AT抽選用の乱数が当選用の数値範囲内である場合にはATモード移行当選と判定し、AT抽選用の乱数が当選用の数値範囲外である場合にはATモード移行非当選と判定する。そして、ステップSi808にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップSi808にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップSi802にて天井カウンタが0であると判定した場合は、ステップSi809~ステップSi812のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップSi808てATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップSi813~ステップSi816にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップSi809では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップSi810及びステップSi811にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップSi810では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSi811にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSi809にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSi811の処理を実行した後は、ステップSi812にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップSi606にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップSi813にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSi814にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップSi803にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図715に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにも関わらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップSi814にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップSi815にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップSi816にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップSi812又はステップSi816にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップSi817~ステップSi820にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム~40ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップSi817では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、弱チェリーにて移行抽選に当選した場合の方が強チェリーにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。
なお、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップSi817では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにも関わらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップSi818では、ステップSi817の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップSi819にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSi820にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
<継続判定処理>
次に、ステップSi608にて実行される継続判定処理について、図717のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、継続判定処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理である。
ここで、本実施形態におけるATモードは、予め定められた所定数(例えば18)のゲームを1セット(単位継続数、単位状態)とし、例えば、1セットのATモードを更新する場合(セットを開始する場合又はセットを終了する場合)に次のセットの継続抽選を行い、当該継続抽選に当選している場合には当該セットの終了後、次のセットへ移行し、当該継続抽選に非当選である場合には次のセットへ移行せずにATモードが終了する構成としている。そして、ステップSi608の継続判定処理では、セットの更新に際して上記の継続抽選を行うための処理である。
ステップSi901では、各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタが18であるか否かを判定する。ATゲームカウンタは、1セットの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、セットの更新に際して18が入力されるカウンタである。すなわち、ステップSi901では、今回開始するゲームがATモードの1セットの開始ゲームであるか否かを判定する。開始ゲームではない場合には、そのまま本継続判定処理を終了する。開始ゲームである場合には、ステップSi902に進む。
ステップSi902では、各種カウンタエリア106eに設けられたATセットカウンタが0であるか否かを判定する。ATセットカウンタは、上記の継続抽選に非当選であっても又は継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させることを可能とするセット数をCPU102が把握するためのカウンタであり、継続条件が成立している状況で上乗せ当選した場合に1が加算され、継続抽選に非当選である場合や継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させた場合に1減算されるカウンタである。ATセットカウンタが0である場合、ステップSi903にて今回のATモードにて選択されている継続抽選の当選確率を把握する。
ここで、本実施形態では、上記の継続抽選の当選確率(以下、「継続率」とも称する)として、複数の継続率が設定されており、具体的には、図735に示すように最も継続率の高い90%と、それよりも継続率が低い60%及び10%が設定されている。当該継続率は、ATモードへの移行に際して設定される(後述のステップSi1811における継続率設定処理)。ステップSi903では、当該継続率設定処理にて設定されている情報を読み出し、今回のATモードの継続率を把握する。
ステップSi903にて継続率を把握した後は、ステップSi904にて継続抽選処理を実行する。すなわち、90%の継続率が選択されている場合には、ステップSi904の処理では90%の確率で継続当選し、10%の継続率が選択されている場合には、ステップSi904の処理では10%の確率で継続当選する。
ステップSi905では、ステップSi904の処理結果が継続当選であったか否かを判定し、継続当選であった場合には、ステップSi906にて、各種カウンタエリア106eに設けられた継続セットカウンタを1加算する処理を実行する。継続セットカウンタは、今回のATモードにおいて継続したセット数をCPU102が把握するためのカウンタである。続くステップSi907では、各種フラグ格納エリア106dに継続フラグをセットする処理を実行する。継続フラグは、今回のセットの継続条件(次のセットへ移行する条件)が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップSi908にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、継続判定処理を終了する。
また、ステップSi902にてATセットカウンタが0ではないと判定した場合、ステップSi908にてATセットカウンタを1減算する処理を実行してから、ステップSi907に進み、継続セットカウンタの加算、継続フラグのセット、及び継続コマンドのセットを行ってから、継続判定処理を終了する。すなわち、本実施形態では、ATセットカウンタが0ではない場合、継続抽選を経ることなく、セットの継続条件が成立する構成としている。なお、ATセットカウンタの値に関わらず継続抽選を実行し、継続非当選である場合にATセットカウンタが1以上であれば継続条件が成立する構成としてもよい。
上記のように、本実施形態では、ATモードの1セットの開始時(スタートレバー41の操作時)に、今回開始するセットの次のセットまでATモードが継続するか否かの継続条件の成否判定が行われ、継続条件が成立していると判定した場合には、継続フラグがセットされ、その情報が表示制御装置81へ出力される。この場合、表示制御装置81では、継続条件が成立していることを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
これに対して、ステップSi905にて継続当選ではないと判定した場合には、そのまま継続判定処理を終了する。この場合、ATモードの1セットの開始時には継続条件は成立しておらず、セットの開始に際して継続コマンドの出力も行われない。表示制御装置81では、セットの開始に際して継続コマンドを受信しないことを通じて継続条件が成立していないことを把握し、継続条件が成立していないことを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSi609にて実行されるAT上乗せ用処理について、図718のフローチャートを参照しながら説明する。AT上乗せ用処理では、上記の継続抽選とは別途、ATモードのセット数を上乗せすることの上乗せ抽選を行い、当該上乗せ抽選にて当選した場合には、次のセットの継続抽選の結果に関わらず次のセットまで継続するようにする。
先ずステップSi1001にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。続くステップSi1002では、今回のゲームの抽選結果がいずれかの押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選である場合には、ステップSi1003にて、上乗せチャレンジ用処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。
<上乗せチャレンジ用処理>
ステップSi1003の上乗せチャレンジ用処理について、図719のフローチャートを参照しながら説明する。上乗せチャレンジ用処理は、各押し順ベル当選時に、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44を操作して当該第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることに成功した場合には上乗せを発生させ、第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることができなければ、上乗せを発生させないか、第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることができた場合よりも不利な上乗せを発生させる、といった上乗せチャレンジを行うための処理である。
具体的には、先ず、ステップSi1101にてチャレンジ発生抽選を実行する。本実施形態では、各押し順ベル当選ゲームにおいて所定の割合で上記の上乗せチャレンジを発生させる。具体的には、図720(a)に示すように、第1押し順ベル当選時の5%の確率でチャレンジ発生抽選に当選し、第2押し順ベル当選時の5%の確率でチャレンジ発生抽選に当選するように設定されており、第1押し順ベル当選時の上乗せチャレンジ発生確率と、第2押し順ベル当選時の上乗せチャレンジ発生確率とが同じ確率となるように設定されている。
なお、本実施形態では、第1押し順ベル当選時の上乗せチャレンジ発生確率と、第2押し順ベル当選時の上乗せチャレンジ発生確率とを同じ確率としているが、完全に同じ確率ではなくてもよく、遊技者がその違いを把握できない又は把握しにくい程度に異なる確率であってもよく、より詳しくは、第1押し順ベル当選時の上乗せチャレンジ発生確率と、第2押し順ベル当選時の上乗せチャレンジ発生確率との差分(両確率の違い)が1%以内であると好ましく、より好ましくは、両確率の違いが0.5%以内であると好ましい。
この場合、上記のように第1押し順ベルは各ゲームで約2.76分の1の確率で当選し、第2押し順ベルは各ゲームで約3.92分の確率で当選し、第1押し順ベルと第2押し順ベルのいずれかに当選している場合において第1押し順ベルである割合は約59%であり、第2押し順ベルである割合は約41%である。そして、上記のように、上乗せチャレンジ発生確率を、第1押し順ベルと第2押し順ベルとで同じ確率となるように設定していることから、上乗せチャレンジが発生した場合、当該上乗せチャレンジの契機が第1押し順ベルである確率は約59%であり、上乗せチャレンジ発生の契機が第2押し順ベルである確率は約41%であり、全押し順ベル中の各押し順ベルの割合と同じ割合となる。
続くステップSi1102では、チャレンジ発生抽選に当選したか否かを判定し、当選していない場合には、そのまま本上乗せチャレンジ用処理を終了する。チャレンジ発生抽選に当選している場合、ステップSi1103に進み、チャレンジ種別抽選処理を実行する。
ここで、本実施形態では、上乗せチャレンジとして、各ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する態様が異なる複数の種別の上乗せチャレンジが設定されている。具体的には、上乗せチャレンジでは、補助表示部65にて各ストップスイッチ42~44の操作順序を示唆する示唆画像を表示する。当該示唆画像は、各ストップスイッチ42~44に対応させて3つ並べて表示され、左ストップスイッチ42に対応する示唆画像は左側、中ストップスイッチ43に対応する示唆画像は中側、右ストップスイッチ44に対応する示唆画像は右側に表示される。
第1上乗せチャレンジの報知態様は、各ストップスイッチ42~44の全ての操作順序を報知しない態様であり、具体的には、図721(a)に示すように、各ストップスイッチ42~44に対応する示唆画像として、3つのはてなマークのキャラクタ(第1キャラクタC1)が表示される。当該第1キャラクタC1は、対応するストップスイッチ42~44を操作することで第1小役入賞~第6小役入賞の可能性があることを示唆する報知である。この場合、第1キャラクタC1が3つ表示されているため、いずれのストップスイッチ42~44を操作しても、第1小役入賞~第6小役入賞の可能性があることを示している。つまり、第1上乗せチャレンジでは、遊技者が勘等を頼りとして全ての操作順序から第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序に正解する必要がある旨が報知される。
第2上乗せチャレンジの報知態様は、各ストップスイッチ42~44のうち、左ストップスイッチ42を最初に操作する操作順序が除外されていることを報知する態様であり、具体的には、図721(b)に示すように、左ストップスイッチ42に対応する示唆画像としてバツマークのキャラクタ(第2キャラクタC2)が表示されるとともに、中ストップスイッチ43と右ストップスイッチ44に対応する示唆画像として、はてなマークの第1キャラクタC1が示される。第2キャラクタC2は、対応するストップスイッチ42~44(左ストップスイッチ42)を操作すると、第1小役入賞~第6小役入賞が成立しないことを示す報知である。この場合、第2キャラクタC2が左ストップスイッチ42に対応させて表示され、第1キャラクタC1が中ストップスイッチ43と右ストップスイッチ44に対応させて表示されていることから、左ストップスイッチ42を操作することで、第1小役入賞~第6小役入賞(第1小役入賞や第2小役入賞)の可能性がなく、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を操作することで第1小役入賞~第6小役入賞の可能性があることを示している。つまり、第2上乗せチャレンジでは、遊技者が勘等を頼りとして左ストップスイッチ42を最初に操作する操作順序を除く操作順序から第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序に正解する必要がある旨が報知される。
第3上乗せチャレンジの報知態様は、各ストップスイッチ42~44のうち、左ストップスイッチ42を最初に操作する操作順序が除外されていないものの、その確率自体は低い旨を報知する態様であり、具体的には、図722(a)に示すように、左ストップスイッチ42に対応する示唆画像として、三角マークのキャラクタ(第3キャラクタC3)が表示されるとともに、中ストップスイッチ43と右ストップスイッチ44に対応する示唆画像として、はてなマークの第1キャラクタC1が表示される。第3キャラクタC3は、対応するストップスイッチ42~44(左ストップスイッチ42)を操作すると、第1小役入賞~第6小役入賞が成立しないわけではないが、第1キャラクタC1が表示されているストップスイッチ42~44(中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44)よりも第1小役入賞~第6小役入賞の可能性が低いことを示す報知である。この場合、第3キャラクタC3が左ストップスイッチ42に対応させて表示されており、第1キャラクタC1が中ストップスイッチ43と右ストップスイッチ44に対応させて表示されていることから、左ストップスイッチ42を操作することで、第1小役入賞~第6小役入賞(第1小役入賞や第2小役入賞)の可能性が中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を操作した場合よりも低いことを示している。つまり、第3上乗せチャレンジでは、遊技者が勘等を頼りとして左ストップスイッチ42を最初に操作する操作順序を含めた全ての操作順序から第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序に正解する必要があものの、当該左ストップスイッチ42を最初に操作する操作順序はその可能性が低い旨が報知される。
ステップSi1103のチャレンジ種別抽選処理では、図720(a)に示すように、第1押し順ベルである場合の約41%で第1上乗せチャレンジが発生し、約59%で第3上乗せチャレンジが発生するように抽選し、第2押し順ベルである場合の約59%で第2上乗せチャレンジが発生し、約41%で第3上乗せチャレンジが発生するように抽選する。
すなわち、本実施形態では、第1上乗せチャレンジは第1押し順ベルを契機として発生する一方、第2押し順ベルを契機としては発生しないように設定されている。また、第2上乗せチャレンジは第1押し順ベルを契機としては発生せず、第2押し順ベルを契機として発生するように設定されている。そして、第3上乗せチャレンジは第1押し順ベル及び第2押し順ベルのいずれを契機としても発生し得るように設定されている。
チャレンジ種別抽選処理を実行した後は、ステップSi1104にて、今回の上乗せチャレンジが第1上乗せチャレンジであるか否かを判定する。第1上乗せチャレンジである場合、ステップSi1105にて各種フラグ格納エリア106dに第1チャレンジフラグをセットする処理を実行してから、本上乗せチャレンジ用処理を終了する。
ステップSi1104にて第1上乗せチャレンジではないと判定した場合、ステップSi1105にて第2上乗せチャレンジであるか否かを判定する。第2上乗せチャレンジである場合、ステップSi1107にて各種フラグ格納エリア106dに第2チャレンジフラグをセットする処理を実行してから、本上乗せチャレンジ用処理を終了する。また、ステップSi1106にて第2上乗せチャレンジではない場合とは、第3上乗せチャレンジであることを意味し、この場合、ステップSi1108にて各種フラグ格納エリア106dに第3チャレンジフラグをセットする処理を実行してから、本上乗せチャレンジ用処理を終了する。
AT上乗せ用処理の説明に戻り、ステップSi1002にて押し順ベル当選ではないと判定した場合、ステップSi1104に進む。ステップSi1104では、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
上乗せ抽選テーブルは、図715に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、各ゲームの抽選処理にて当選し易い結果よりも、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい結果の方が上乗せ当選し易くなるように設定されており、例えば、第1スイカ当選時よりも第2スイカ当選時の方が上乗せ当選し易くなるように設定されている。
また、本実施形態では、ゲームの抽選結果が第1押し順ベル及び第2押し順ベル(特に第2押し順ベル)である場合、上記のように上乗せチャレンジを介して上乗せが発生し得る構成としていることから、当該上乗せ抽選テーブルでは、第1押し順ベルや第2押し順ベルを契機として上乗せは発生しないように設定されている。なお、第1押し順ベルや第2押し順ベルであっても、上乗せチャレンジが発生しない場合に所定の確率で上乗せが発生し得るようにしてもよい。
ステップSi1004にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSi1005にて上乗せ抽選を実行する。ステップSi1005にて上乗せ抽選を行った後は、ステップSi1006にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSi1007にて、継続フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSi1007にて継続フラグがセットされていない場合、ステップSi1008にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSi1009にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。継続コマンドを受信した表示制御装置81は、継続条件が成立したことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
これに対して、ステップSi1007にて継続フラグがセットされている場合、ステップSi1010にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。ステップSi1010にATセットカウンタに1が加算されることにより、少なくとも今回のセットの次の次のセットまでATモードが継続することが確定する。なお、本実施形態では、上乗せ抽選に当選した場合に一律でATセットカウンタに1を加算する構成としているが、2以上の数を加算する場合がある構成としてもよく、例えば、上乗せ当選の契機となったゲームの抽選結果に応じてATセットカウンタに加算する数を抽選により決定する構成としてもよい。
続くステップSi1011ではセット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本上乗せ用処理を終了する。セット上乗せコマンドは、上乗せ抽選に当選したことやATセットカウンタの値を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。なお、複数のセット数を一の上乗せ当選にて上乗せする場合がある構成においては、当該セット上乗せコマンドに当該上乗せするセット数の情報を設定する構成とするとよい。セット上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、セット上乗せが行われたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップSi610にて実行される押し順報知用処理の説明に先立って、指示モニタとしての機能も有する払出枚数表示部62にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。払出枚数表示部62は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、払出枚数表示部62の構成について、図723を参照しながら説明する。図723(a)は、払出枚数表示部62の正面図であり、図723(b)及び図723(c)は、払出枚数表示部62が指示モニタとして機能する場合の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図723(a)に示すように、払出枚数表示部62には15個の表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7が設けられている。各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、払出枚数表示部62では、2桁の数字やアルファベットを含む所定の記号が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7について詳細には、右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7,左第1表示用セグメントNb1~左第7表示用セグメントNb7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7,左第1表示用セグメントNb1~左第7表示用セグメントNb7は、数字の「0」~「9」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、右第8表示用セグメントNa8は、円形状の表示用セグメントであり、右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、払出枚数表示部62は、「00」~「99」や「AA」~「ZZ」と、「00.」~「99.」や「AA.」~「ZZ.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。数字とアルファベットの組み合わせからなる二けたの記号も表示可能としてもよい。
なお、払出枚数表示部62において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7の形状や配置態様は任意である。また、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7は、上記のように2桁の数字を表示することによって払出枚数を表示するとともに、押し順役の操作順序の報知に用いられる。例えば、図723(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、右第6表示用セグメントNa6及び右第7表示用セグメントNa7と、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2及び左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7とが点灯表示されて「01」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、右第1表示用セグメントNa1~右第3表示用セグメントNa3、右第5表示用セグメントNa5及び右第6表示用セグメントNa6と、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2及び左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7とが点灯表示されて「05」が表示される。つまり、各表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
図723(c)に示すように、「07」と「08」は、押し順ベルグループ報知(偏りベル報知)に対応する表示態様であり、各ストップスイッチ42~44のうちの左ストップスイッチ42を最初に停止操作することで中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に停止操作するよりも有利な指示機能に関する処理が受けられる一方、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に停止操作したほうが左ストップスイッチ42を最初に停止操作するよりも払出枚数が多い役が入賞し得る場合に表示され得る表示態様である。
「07」が表示される場合と「08」が表示される場合とでは、補助表示部65での押し順報知演出の態様が異なっている。なお、以下の説明では、「07」の押し順ベルグループ報知を第1押し順ベルグループ報知とも称し、「08」の押し順ベルグループ報知を第2押し順ベルグループ報知とも称する。
第1押し順ベルグループ報知は、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2及び左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7と、右第1表示用セグメントNa1、右第2表示用セグメントNa2、右第6表示用セグメントNa6及び右第7表示用セグメントNa7が点灯表示されて「07」が表示される。また、第2押し順ベルグループ報知は、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2及び左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7と、右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7が点灯表示されて「08」が表示される。
右第8表示用セグメントNa8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、右第8表示用セグメントNa8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としても機能する右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7、左第1表示用セグメントNb1~左第7表示用セグメントNb7、及び区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を有する払出枚数表示部62は、遊技パネル25に配置されている。つまり、指示モニタとして機能する払出枚数表示部62は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、右第8表示用セグメントNa8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62にて押し順表示器や区間表示器としての表示が行われるようにしていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、払出枚数表示部62において特に右第8表示用セグメントNa8は、周囲の表示部(例えば遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、右第8表示用セグメントNa8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、右第8表示用セグメントNa8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、右第8表示用セグメントNa8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、右第8表示用セグメントNa8の視認性が向上されており、当該右第8表示用セグメントNa8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図724を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図724(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図724(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図724(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、補助表示部65による押し順報知演出は、スタートレバー41の操作とともに実行されるように設定されており、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてからストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行される。そのため、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。これに対して、払出枚数表示部62による押し順報知は、スタートレバー41が操作されてから各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから実行されるように設定されており、スタートレバー41の操作タイミングがウェイト期間の経過前である場合には、補助表示部65による押し順報知演出よりも後で払出枚数表示部62による押し順報知が開始される場合があるように設定されている。
ここで、本スロットマシン10では、BARリプSやBARリプW、赤7リプについてもストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞する再遊技が異なるように設定されており、例えば、ATモードの開始時やATモード中の上乗せ演出を実行する場合に操作順序を指示することによって、第1再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞や第3再遊技入賞、第5再遊技入賞を成立させる場合があるように設定されている。但し、BARリプSやBARリプW、赤7リプ当選時にいずれの再遊技入賞が成立しても遊技者に付与される特典は同じ再遊技である。そのため、これらBARリプSやBARリプW、赤7リプのように操作順序によって入賞する結果が異なるように設定されているものであって、いずれの結果が入賞しても遊技者に付与される特典が同じである場合、補助表示部65での押し順報知演出にて操作順序を報知するものの、払出枚数表示部62(指示モニタ)による押し順報知は行われないようにしている。このようにすることで、主制御装置101側で押し順報知を行うことの機会を極力少なくすることが可能となり、ゲームの抽選や特典付与を管理する主制御装置101の処理負荷を軽減し、ゲーム進行に際しての処理負荷の増大化やエラーの発生等による不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
そこで、上記のように補助表示部65による押し順報知演出よりも後で払出枚数表示部62による押し順報知が開始される場合があるように設定し、補助表示部65による押し順報知演出と払出枚数表示部62による押し順報知とが同時に開始されないようにすることで、例えば、BARリプSやBARリプW、赤7リプ当選に補助表示部65により押し順報知演出を行う場合に、払出枚数表示部62にて押し順報知が行われていないことを通じて第1押し順ベルや第2押し順ベル当選ではなくBARリプSやBARリプW、赤7リプ当選であることが各リール32L,32M,32Rの回転開始前に遊技者に見抜かれてしまうことを回避することが可能となる。
<押し順報知用処理>
ステップSi610における押し順報知用処理について、図725のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSi1201では、第1押し順ベル又は第2押し順ベル当選であるか否かを判定する。いずれの押し順ベルでもない場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。いずれかの押し順ベル当選である場合には、ステップSi1202に進む。ステップSi1202では、ATモードフラグがセットされており、今回開始するゲームがATモード中のゲームであるか否かを判定する。
ATモードフラグがセットされておらず、ATモード中ではない場合、ステップSi1203にて、偏りベル報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。偏りベル報知コマンドは、第1押し順ベルや第2押し順ベルに当選しているゲームであり、左ストップスイッチ42を最初に操作するよりも中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作したほうが、第1小役入賞~第6小役入賞の可能性が高いことを示す偏りベル報知演出が、補助表示部65にて行わせるためのコマンドである。
偏りベル報知演出は、補助表示部65にて、各ストップスイッチ42~44に対応させた示唆画像により、いずれの操作順序で操作するかによって、得られる利益が異なることを示すものである。具体的には、図722(b)に示すように、偏りベル報知演出では、左ストップスイッチ42に対応する示唆画像として、白色の矢印のキャラクタとともに対応するストップスイッチ42~44(左ストップスイッチ42)を操作することで指示機能に関する処理が有利に実行される旨が示される第4キャラクタ(図では「ここから押すとAT有利だよ」と表示されている)と、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44に対応する示唆画像として、黒色の矢印のキャラクタとともに対応するストップスイッチ42~44(中ストップスイッチ43及び右ストップスイッチ44)を操作することで多い枚数のメダルが払い出される可能性がある旨の示される第5キャラクタ(図では「ここから押すとベルが揃うかも」と表示されている)とが、表示される。
この場合、左ストップスイッチ42を最初に操作すると、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作する場合よりも、ATモードへ移行する可能性が高くなることが示されるとともに、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作すると、左ストップスイッチ42を最初に操作する場合よりも、第1小役入賞~第6小役入賞(第3小役入賞~第6小役入賞)が成立する可能性が高いことが示される。なお、第1押し順ベルや第2押し順ベル当選時に、左ストップスイッチ42を最初に操作すると、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作する場合よりも、ATモードへ移行する可能性が高くなることの構成については、後に詳細に説明する。
ステップSi1203の処理を実行した後は、ステップSi1204にて、第2押し順ベルグループ報知に対応する押し順情報を各種フラグ格納エリア106dに記憶する処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。
本実施形態では、各種フラグ格納エリア106dに押し順情報が記憶されることによって、通常処理における回転開始処理(ステップSi402)にて各リール32L,32M,32Rの回転を開始する際に、払出枚数表示部62による押し順報知を行うための処理を実行する構成としている。そのため、上記のように押し順情報を記憶することで、当該押し順情報に対応する押し順報知が各リール32L,32M,32Rの回転開始時に開始されるようになる。
ステップSi1204についてより具体的には、第2押し順ベルグループフラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする処理を実行する。第2押し順ベルグループフラグがセットされることにより、その後、各リール32L,32M,32Rの回転開始時に、払出枚数表示部62にて第2押し順ベルグループ報知(「08」の表示)が行われるようになる。
ステップSi1202にてATモード中のゲームであると判定した場合、ステップSi1205に進む。ステップSi1205では、第1チャレンジフラグ~第3チャレンジフラグのいずれかのチャレンジフラグがセットされているか否かを判定する。上記のように、各チャレンジフラグは、ATモード中の第1押し順ベルや第2押し順ベル当選時の所定の割合で発生する上乗せチャレンジを実行する場合にセットされるフラグである。いずれかのチャレンジフラグがセットされている場合には、ステップSi1206にてチャレンジ用処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。
<チャレンジ用処理>
図726は、ステップSi1206のチャレンジ用処理を示すフローチャートである。
チャレンジ用処理では、先ずステップSi1301にて第1チャレンジフラグがセットされているか否かを判定する。第1チャレンジフラグがセットされており、第1上乗せチャレンジが発生する場合、ステップSi1302にて第1チャレンジコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本チャレンジ用処理を終了する。第1チャレンジコマンドを受信した表示制御装置81では、第1上乗せチャレンジ用の第1チャレンジ報知演出(図721(a))が行われるように補助表示部65を制御するとともに、その効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。
ステップSi1301にて第1チャレンジフラグがセットされていない場合、ステップSi1303にて第2チャレンジフラグがセットされているか否かを判定する。第2チャレンジフラグがセットされている場合、ステップSi1304にて第2チャレンジコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2チャレンジコマンドを受信した表示制御装置81では、第2上乗せチャレンジ用の第2チャレンジ報知演出(図721(b))が行われるように補助表示部65を制御するとともに、その効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。
ステップSi1304の処理を実行した後は、ステップSi1305にて、第1押し順ベルグループ報知に対応する押し順情報を記憶する処理を実行する。より具体的には、第1押し順ベルグループフラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。第1押し順ベルグループフラグがセットされることにより、その後、各リール32L,32M,32Rの回転開始時に、払出枚数表示部62にて第1押し順ベルグループ報知(「07」の表示)が行われるようになる。
ステップSi1303にて第2チャレンジフラグがセットされていない場合とは第3チャレンジフラグがセットされていることを意味し、この場合、ステップSi1306にて第3チャレンジコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第3チャレンジコマンドを受信した表示制御装置81では、第3上乗せチャレンジ用の第3チャレンジ報知演出(図722(a))が行われるように補助表示部65を制御するとともに、その効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。
ステップSi1306の処理を実行した後は、ステップSi1307にて、第2押し順ベルグループ報知に対応する押し順情報を記憶する処理を実行する。より具体的には、第2押し順ベルグループフラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。第2押し順ベルグループフラグがセットされることにより、その後、各リール32L,32M,32Rの回転開始時に、払出枚数表示部62にて第2押し順ベルグループ報知(「08」の表示)が行われるようになる。
上記のように、第2チャレンジ報知演出は、各ストップスイッチ42~44の操作順序のうち、左ストップスイッチ42を最初に停止操作する操作順序ではないことを示す報知であり、第3チャレンジ報知演出は、各ストップスイッチ42~44の操作順序のうち、左ストップスイッチ42を最初に停止操作する操作順序を含むもののその割合は低いことを示す報知である。
言い換えると、第2チャレンジ報知演出は、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作することで第1小役入賞~第6小役入賞が成立することを報知する押し順報知であり、第3チャレンジ報知演出は、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作することで左ストップスイッチ42を最初に操作するよりも第1小役入賞~第6小役入賞(詳しくは第3小役入賞~第6小役入賞)が成立する可能性が高いことを報知する押し順報知である。これに対して、第1チャレンジ報知演出は、各ストップスイッチ42~44の操作順序のうちのいずれの操作順序も報知乃至示唆するものでもない。
押し順報知用処理の説明に戻り、ステップSi1205にていずれのチャレンジフラグもセットされていないと判定した場合、ステップSi1207にて、今回のゲームの抽選結果が第2押し順ベル当選であるか否かを判定する。第2押し順ベルではなく第1押し順ベルである場合、ステップSi1208にて各種ナビ状態に応じた発生率にて押し順報知が実行されるようにするためのナビ抽選処理を行う。
すなわち、本実施形態では、ATモード中において各種押し順ベルに当選した場合に押し順報知が発生する確率が異なる複数のナビ状態が設定されており、本実施形態では第1ナビ状態~第4ナビ状態の4種類のナビ状態が設定されている。
図728に示すように、第1ナビ状態は、ATモードが開始されてからのセット数が1~4の場合に設定されるナビ状態であり、第1押し順ベル当選ゲームでは押し順報知が発生せず、第2押し順ベル当選ゲームでは100%の確率で押し順報知が発生する状態である。第2ナビ状態は、ATモードが開始されてからのセット数が5~9の場合に設定されるナビ状態であり、第1押し順ベル当選ゲームでは30%の確率で押し順報知が発生し、第2押し順ベル当選ゲームでは100%の確率で押し順報知が発生する状態である。第3ナビ状態は、ATモードが開始されてからのセット数が10~14の場合に設定されるナビ状態であり、第1押し順ベル当選ゲームでは60%の確率で押し順報知が発生し、第2押し順ベル当選ゲームでは100%の確率で押し順報知が発生する状態である。第4ナビ状態は、ATモードが開始されてからのセット数が15以降の場合に設定されるナビ状態であり、第1押し順ベル当選ゲームでは100%の確率で押し順報知が発生し、第2押し順ベル当選ゲームでは100%の確率で押し順報知が発生する状態である。
すなわち、本実施形態では、ATモードに移行した後、セット数が多くなるほど押し順報知が発生し易くなるように設定されており、1ゲーム当たりの期待メダル増加数(純増)もセット数が多くなるほど多くなる。このようにすることで、ATモードへ移行した序盤においては、なるべくATモードのセット継続を期待させるとともにセット上乗せが生じることに期待させ、多くの上乗せが発生してセット数を重ねることによって、速やかに有利区間の上限増加数である2400枚に到達させることが可能となる。
<ナビ抽選処理>
ステップSi1208のナビ抽選処理について、図727のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSi1401では、継続セットカウンタが4以下であり、ATモードが開始されてからのセット数が1~4であるか否かを判定する。セット数が1~4である場合、ステップSi1402にて第1ナビ状態用ナビ抽選処理を実行する。上記のように、第1ナビ状態においては第1押し順ベル当選ゲームでは押し順報知は発生しないため、かかるステップSi1402のナビ抽選処理にて当選する確率は0%である。
ステップSi1401にて否定判定した場合、ステップSi1403にて継続セットカウンタが9以下であり、ATモードが開始されてからのセット数が5~9であるか否かを判定する。セット数が5~9である場合、ステップSi1404にて第2ナビ状態用ナビ抽選処理を実行する。上記のように、第2ナビ状態においては第1押し順ベル当選ゲームの30%の確率で押し順報知が発生するため、かかるステップSi1404のナビ抽選処理にて当選する確率は30%である。
ステップSi1403にて否定判定した場合、ステップSi1405にて継続セットカウンタが14以下であり、ATモードが開始されてからのセット数が10~14であるか否かを判定する。セット数が10~14である場合、ステップSi1406にて第3ナビ状態用ナビ抽選処理を実行する。上記のように第3ナビ状態においては第1押し順ベル当選ゲームの60%の確率で押し順報知が発生するため、かかるステップSi1406のナビ抽選処理にて当選する確率は60%である。
ステップSi1402、ステップSi1404及びステップSi1406のいずれかのナビ抽選処理を実行した後は、ステップSi1407にてナビ抽選に当選したか否かを判定する。当選していない場合には、そのまま本ナビ抽選処理を終了する。一方、いずれかのナビ抽選処理にて当選している場合、ステップSi1408にて、各種フラグ格納エリア106dにナビ当選フラグをセットする処理を実行してから、本ナビ抽選処理を終了する。
また、ステップSi1405にて否定判定する場合とは、第4ナビ状態であることを意味し、この場合、ナビ抽選を介することなくステップSi1408にてナビ当選フラグをセットする処理を実行してから、本ナビ抽選処理を終了する。
押し順報知用処理の説明に戻り、ステップSi1208にてナビ抽選処理を実行した後は、ステップSi1209にて、上記のナビ当選フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップSi1204に進み、上記の第2押し順ベルグループ報知が払出枚数表示部62にて行われるように、当該第2押し順ベルグループ報知に対応する押し順情報(第2押し順ベルグループフラグ)を記憶する処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。
つまり、ATモード中において押し順報知を実行しない場合、払出枚数表示部62にて第2押し順ベルグループ報知(08)が行われるものの、補助表示部65での偏りベル報知演出は実行されない。
ステップSi1209にてナビ当選フラグがセットされている場合、ステップSi1210に進み、ナビ当選フラグをクリアする処理を実行する。ステップSi1210の処理を実行した後、又はステップSi1207にて今回の押し順ベルが第2押し順ベルである場合(いずれのナビ状態であっても100%の確率で押し順報知を実行する押し順ベルである場合)、ステップSi1211に進み、今回のゲームの抽選結果から第1操作態様となる操作順序を把握する処理を実行する。上記のように、第1操作態様とは、各押し順ベル当選時に、重複当選している各小役のうち、払出枚数が多い第1小役~第6小役のいずれかが入賞可能となる操作順序を示すものであり、例えば、第1左中ベルであれば、左→中→右が第1操作態様であり、中左特殊ベルであれば、中→左→右が第1操作態様である。
ステップSi1211にて今回の第1操作態様を把握した後は、ステップSi1212にて、当該第1操作態様に対応する押し順情報を記憶する処理を実行する。具体的には、第1左中ベルや第2左中ベルである場合には順押し用フラグをセットし、第1左右ベルや第2左右ベルである場合には挟み押し用フラグをセットし、第1中左ベルや第2中左ベルである場合には中順押し用フラグをセットし、第1中右ベルや第2中右ベルである場合には中逆押し用フラグをセットし、第1右左ベルや第2右左ベルである場合には逆挟み用フラグをセットし、第1右中ベルや第2右中ベルである場合には逆押し用フラグをセットする。
また、中左特殊ベルである場合には中順押し用フラグをセットし、中右特殊ベルである場合には中逆押し用フラグをセットし、右左特殊ベルである場合には逆挟み用フラグをセットし、右中特殊ベルである場合には逆押し用フラグをセットする。すなわち、第2押し順ベル当選時にセットする押し順情報は、第1押し順ベル当選時にセットする押し順情報に含まれており、このようにすることで、記憶領域の削減を図ることが可能となる。
上記のように押し順情報としての各種フラグがセットされることにより、その後、各リール32L,32M,32Rの回転開始時に、払出枚数表示部62にて対応する押し順報知(「01」~「06」の表示)が行われるようになる。
ステップSi1212にて押し順情報をセットした後は、ステップSi1213にて、上記の押し順情報に対応する押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。具体的には、押し順情報として順押し用フラグをセットした場合には順押し用コマンドをセットし、押し順情報として挟み押し用フラグをセットした場合には挟み押し用コマンドをセットし、押し順情報として中順押し用フラグをセットした場合には中順押し用コマンドをセットし、押し順情報として中逆押し用フラグをセットした場合には中逆押し用コマンドをセットし、押し順情報として逆挟み押し用フラグをセットした場合には逆挟み押し用コマンドをセットし、押し順情報として逆押し用フラグをセットした場合には逆押し用コマンドをセットする。これらの押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、順押し操作~逆押し操作に対応する押し順報知演出(第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出)が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
このように、本実施形態では、操作態様役のうちの押し順ベルに当選したゲームがATモード中であれば、操作順序の情報を含む押し順報知コマンドが表示制御装置81へ出力されて、補助表示部65による押し順報知演出が行われる。その一方で、押し順ベルに当選したゲームがATモード中ではなければ、第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることを可能とする操作順序の情報を含む押し順報知コマンドが表示制御装置81に出力されないため、補助表示部65による押し順報知演出が行われない。
更に、本実施形態においては、抽選処理(図704)におけるステップSi311の抽選結果コマンド設定処理では、押し順ベルに当選しているゲームでは押し順ベルのうちのいずれの結果(IV10~25)に当選しているかの情報が表示制御装置81へ出力されないようにしている。
具体的には、図729のフローチャートに示すように、ステップSi1501にて、今回のゲームがインデックス値IV=10~25にて当選となり、いずれかの押し順ベルに当選しているか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合、ステップSi1502にて、各当選結果に対応する抽選結果コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果コマンド設定処理を終了する。すなわち、ステップSi1502では、例えば、インデックス値IV=1にて当選となった場合、BARリプSを示す抽選結果コマンドをセットし、インデックス値I=8にて当選となった場合、第1スベリチャンスを示す抽選結果コマンドをセットし、インデックス値IV=29にて当選となった場合、弱チェリーを示す抽選結果コマンドをセットする。
これに対して、ステップSi1501にていずれかの押し順ベルに当選していると判定した場合、ステップSi1503にて押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果コマンド設定処理を終了する。当該押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドは、押し順ベルのいずれかに当選していることの情報を含むものの、いずれの押し順ベルに当選しているかの情報、すなわち、例えば、第1左中ベルに当選していることの情報(IV=10にて当選となったことの情報)や、中右特殊ベルに当選していることの情報(IV=23にて当選となったことの情報)等の情報を含まないように設定されている。
つまり、図730に示すように、本実施形態では、押し順ベルに当選していることの情報は、ATモード中か否かに関わらず、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドとして表示制御装置81へ出力される。そして、ATモード中においては、基本的には、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する上記の押し順報知コマンドが合わせて出力されることにより、表示制御装置81にて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序を示す押し順報知演出が実行可能となる。ATモード中においては、この他にも、上記の各上乗せチャレンジ発生時に第2チャレンジコマンドや第3チャレンジコマンドが出力されて、押し順報知としての第2チャレンジ報知演出や第3チャレンジ報知演出が実行される。
これに対して、ATモード中ではない場合、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する上記の押し順報知コマンドは表示制御装置81に出力されないし、上記の通り、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドしか出力されないため、表示制御装置81側では、ATモードではないのにも関わらず、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能なストップスイッチ42~44の操作順序を把握することができない。このようにすることで、主制御装置101から表示制御装置81へ出力されるコマンドや表示制御装置81を不正に解析するなどして、ATモードではないのにも関わらずATモードの恩恵(押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能となる恩恵)を享受しようとする不正行為等を行わせないようにすることができる。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSi415にて実施される入賞結果対応処理について、図731のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSi1601にて、第1BB状態フラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームが第1BB状態であるか否かの判定を行う。第1BB状態ではない場合には、ステップSi1602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、第1BB状態である場合には、ステップSi1603にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップSi1601~ステップSi1603の処理は、上記ステップSi601~ステップSi603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には(第1BB状態である場合には)、ステップSi1604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップSi1602又はステップSi1603にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップSi1604に進む。ステップSi1604では、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされていない場合、ステップSi1605にて、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグもATモード当選フラグもセットされておらず、ATモード移行抽選に当選していない状況である場合、ステップSi1606に進み、停止時AT抽選用処理を実行する。
<停止時AT抽選用処理>
ステップSi1606の停止時AT抽選用処理について、図732のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSi1701では、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。続くステップSi1702では、今回のゲームの抽選結果がいずれかの押し順ベルであったか否かを判定する。第1押し順ベル又は第2押し順ベルであった場合、ステップSi1703にて、今回のゲームのストップスイッチ42~44の操作態様が特定操作態様として、左ストップスイッチ42を最初に停止操作する操作態様であったか否かを判定する。
既に説明した通り、第1押し順ベル及び第2押し順ベルに当選したゲームにおいて、ストップスイッチ42~44のうちの左ストップスイッチ42を最初に停止操作すると、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に停止操作するよりも第7小役入賞~第27小役入賞が成立する可能性が高くなり、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に停止操作すると、左ストップスイッチ42を最初に停止操作するよりも第1小役入賞~第6小役入賞が成立する可能性が高くなる。特定操作態様とは、第1押し順ベルや第2押し順ベルに当選したゲームにおいて、第1小役入賞~第6小役入賞が成立する可能性が比較的低い操作順序での操作態様であり、言い換えると、第1操作態様となる可能性が比較的低い操作態様を示す。この場合、各ストップスイッチ42~44の操作順序をレジスタ等に一時記憶しておき、ステップSi1703にて上記の特定操作態様か否かを判定する構成とするとよい。
ステップSi1703にて、各押し順ベル当選時に特定操作態様にて操作されたと判定した場合と、ステップSi1702にて各押し順ベル以外の抽選結果であったと判定した場合とは、ステップSi1704~ステップSi1706にて天井カウンタを減算する処理を実行し、その後、ステップSi1707~ステップSi1723にてATモード移行抽選等の処理を実行する。これに対して、ステップSi1703にて、各押し順ベル当選時に特定操作態様ではなく中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に停止操作する非特定操作態様にて操作されたと判定した場合、天井カウンタの減算処理やATモード移行抽選等を行うことなく、そのまま停止時AT抽選用処理を終了する。
すなわち、上記の通り、各押し順ベル当選時において、特定操作態様にてストップスイッチ42~44を操作することで第7小役入賞~第27小役入賞が成立し易く、非特定操作態様にてストップスイッチ42~44を操作することで第7小役入賞~第27小役入賞時よりもメダル払出枚数が多い第1小役入賞~第6小役入賞が成立する可能性が高くなる構成において、特定操作態様であれば天井カウンタの減算処理やATモード移行抽選等が実行されるのに対して、非特定操作態様の場合には天井カウンタの減算処理やATモード移行抽選等は実行されない。また、開始時AT抽選用処理では、各押し順ベル当選に基づくATモード移行抽選やCZモード移行抽選等は行われない。そのため、各押し順ベル当選時に特定操作態様よりも非特定操作態様にて操作した場合の方が、メダル払出数は多くなり易いものの、非特定操作態様にて操作すると指示機能に関する処理が特定操作態様の場合よりも制限された態様にて実行される。このようにして、いずれの恩恵を享受するかを遊技者が選択可能な遊技性として遊技の多様化が図られている。
この場合、上記のように、ATモード中以外においては、各押し順ベルに当選した場合に、補助表示部65にて偏りベル報知演出(図722(b))が実行される。上記のように、偏りベル報知演出では、左ストップスイッチ42に対応する示唆画像として、左ストップスイッチ42を最初に停止操作することで、非特定操作態様にて操作するよりも指示機能に関する処理が有利となる可能性がある旨を示唆する第4キャラクタC4が表示され、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44に対応する示唆画像として、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に停止操作することで、特定操作態様にて操作するよりも、より多くのメダル払出を受けることができる可能性がある旨を示唆する第5キャラクタC5が表示される。
つまり、偏りベル報知演出では、特定操作態様として、左ストップスイッチ42を最初に停止操作することで、非特定操作態様にて操作するよりも指示機能に関する処理が有利となる可能性がある旨とともに、非特定操作態様として中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に停止操作することで、特定操作態様にて操作するよりも、より多くのメダル払出を受けることができる可能性がある旨が報知される。
このようにすることで、遊技者は、いずれの恩恵を享受するかを明確に把握しながら遊技を行うことが可能となる。よって、例えば、遊技者の意図に反して不利な指示機能に関する処理が行われたり、不利な枚数のメダル払出が生じたりする可能性を低減することができ、上記のような遊技者が恩恵を選択可能な遊技を好適に進行させることが可能となる。
天井カウンタの減算用処理では、ステップSi1704にて減算値抽選処理を実行する。減算値抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから天井減算値テーブルを取得し、ステップSi1701にて把握した抽選結果に基づいて、今回のゲームにて天井カウンタから減算する値を抽選により決定する。図733に示すように、本実施形態では、減算値として1~100が設定されており、第1押し順ベルや第2押し順ベル、外れ結果(重複BBや単独BB)を含めて基本的には1が選択され易く、所謂レア役としての特定役(第1スイカ、第2スイカ、チャンス、第1スベリチャンス、第2スベリチャンス、共通ベル、強ベル、弱チェリー、強チェリー)当選時は1よりも大きい減算値が天井カウンタから減算される場合があるように設定されている。
ステップSi1704にて減算値抽選処理を実行した後は、ステップSi1705にて減算値コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。減算値コマンドは、今回のゲームの減算値の情報が含まれている。その後、ステップSi1706にて、ステップSi1704にて抽選した減算値を天井カウンタから減算する処理を実行する。ちなみに、天井カウンタが0となった場合には、上記の通り、次のゲームの開始時AT抽選用処理にて、ATモード当選フラグがセットされることになる。なお、ステップSi1706では、天井カウンタの残り数よりも今回の減算値の方が大きい場合には、天井カウンタを0として、マイナス値にならないように設定されている。このようにすることで、マイナス値を起因とするエラーの発生を抑制することが可能である。但し、天井カウンタの残り数よりも今回の減算値の方が大きい場合には、遊技者にとって有利な事象を生じさせる構成としてもよく、残り数と減算値との差分に応じて有利な事象を生じさせたり、有利な事象の種類を異ならせたりしてもよい。有利な事象とは、例えば、ATモードのセット上乗せや、ATモードの種別として有利なATモードが選択され易くなったり、設定値の示唆演出を発生させたり、レア画像を表示させたりすることが考えられる。
ステップSi1706にて天井カウンタの減算を行った後は、ステップSi1707~ステップSi1711にてATモード抽選用の処理を実行する。すなわち、ステップSi1707では、CZモードフラグやCZモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSi1708にて停止時通常用ATモード移行抽選テーブルを各種テーブル記憶エリア105aから取得する処理を実行する。一方、CZモードフラグやCZモード当選フラグがセットされており、CZモード中やCZモードへの移行が確定している状況であれば、ステップSi1709にて各種テーブル記憶エリア105aから停止時CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら停止時通常用ATモード移行抽選テーブルや停止時CZ用ATモード移行抽選テーブルは、図733に示すように、第1押し順ベルや第2押し順ベルである場合にはATモード移行当選となり得るように設定されている一方で、他の抽選結果ではATモード移行当選とならないように設定されている。これは、第1押し順ベルや第2押し順ベル以外の抽選結果においては、開始時AT抽選用処理においてATモード移行抽選が行われており、このようにすることで、開始時と停止時とで重複して移行抽選が行われることによって出玉率が高騰してしまわないようにしている。また、停止時通常用ATモード移行抽選テーブルと停止時CZ用ATモード移行抽選テーブルとを比較すると、開始時のものと同様に通常用よりもCZ用の方がATモード移行当選となり易くなるように設定されている。
各移行抽選テーブルを取得した後は、ステップSi1710にてATモード移行抽選を実行する。そして、ステップSi1711にてATモード移行当選となったか否かを判定する。
ATモード移行当選となった場合、ステップSi1712~ステップSi1715にてATモード当選用の処理を実行し、ATモード移行当選とはならなかった場合には、ステップSi1716~ステップSi1719にてCZモード用の処理を実行する。その後、ステップSi1720~ステップSi1723にて前兆モード用の処理を実行してから、停止時AT抽選用処理を終了する。ステップSi1712~ステップSi1723の処理は、開始時AT抽選用処理におけるステップSi809~ステップSi820の処理と同様である。
なお、停止時AT抽選用処理においても、ATモード移行当選となった場合やCZモード移行当選となった場合には前兆ゲーム数が設定されて前兆コマンドが出力される。そして、CZモード中にATモード移行当選となった場合には、前兆ゲーム数が0として設定される。この場合、本停止時AT抽選用処理に続けて実行される前兆モード用処理(ステップSi1608)において、次ゲームからATモードを開始するための処理が行われる。つまり、CZモード中の開始時AT抽選用処理にてATモード移行当選となった場合も、停止時AT抽選用処理にてATモード移行当選となった場合も、同様に今回のゲームにてATモード移行当選となったことの報知が行われ、次ゲームからATモードが開始されることになる。
入賞結果対応処理(図731)の説明に戻る。
ステップSi1605にて既にATモード移行抽選に当選していると判定した場合と、ステップSi1606にて停止時AT抽選用処理を実行した後は、ステップSi1607に進む。ステップSi1607では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合、ステップSi1608にて、前兆モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップSi1607にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップSi1609にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップSi1610にてCZモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップSi1609にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
ステップSi1604にてATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップSi1611にてATモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆モード用処理、CZモード用処理、ATモード用処理について、それぞれ説明する。
<前兆モード用処理>
前兆モード用処理では、図734に示すように、ステップSi1801にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。なお、開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理における前兆ゲーム数を設定する処理で、前兆ゲーム数を0として設定している場合は(前兆カウンタに0を入力している場合は)、ステップSi1801では前兆カウンタを減算しない。そして、ステップSi1802にて前兆カウンタが0であるか否かを判定し、0ではない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0である場合には、ステップSi1803にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSi1804では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップSi1805に進む。ステップSi1805では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSi1806にてCZモードフラグをセットし、ステップSi1807にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップSi1808にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSi1804にてATモード当選フラグがセットされており、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップSi1809にて、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSi1810にて、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグをセットする処理を実行する。続くステップSi1811では、継続率設定処理を実行する。上記の通り、本実施形態におけるATモードは所定数のゲーム数を1セットとするセット管理型のATモードであり、残りセット数が存在しない状況(ATセットカウンタが0である状況)でセットの継続抽選に非当選となるまでATモードが継続する構成としており、ステップSi1811の継続率設定処理は継続抽選の当選確率(継続率)を設定する処理である。
本実施形態では、図735に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて、複数設けられた継続率(90%、60%、10%)の選択率が異なるように設定されており、ステップSi1811では、当該設定値に基づいて、いずれの継続率を選択するかを抽選により決定する。具体的には、基本的には設定値が高いほど(出玉率が高くなる設定値ほど)高い継続率が選択され易くなるように設定されており、例えば、60%の継続率は設定1では30%の確率で選択されるのに対して、設定6では70%の確率で選択される。但し、90%の継続率は奇数設定の方が偶数設定よりも選択され易くなっており、最も選択され易い設定値は設定5である。そして、90%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに90%フラグをセットし、60%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに60%フラグをセットし、10%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに10%フラグをセットする。これら各継続率を示す情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)は、今回移行するATモードが終了する際にクリアされるフラグである。つまり、一旦、ATモードの継続率が設定された場合には、当該ATモードが終了するまで、その継続率にて各セットの継続抽選が行われる構成としている。
ステップSi1811にて継続率設定処理を実行した後は、ステップSi1812にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行する。上記の通り、ATゲームカウンタは、ATモードの1セットが終了するまでのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。そして、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していれば、再度ATゲームカウンタに所定数である18が入力され、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していなければ、ATモードが終了することになる。
その後、ステップSi1812にて、AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、前兆モード用処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが開始されることに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。この場合、今回終了するゲームの次のゲームからATモードが開始されることになる。
<CZモード用処理>
CZモード用処理では、図736のフローチャートに示すように、ステップSi1901にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSi1902では、ステップSi1901の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSi1903にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSi1904にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップSi1903にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
<ATモード用処理>
ATモード用処理では、図737のフローチャートに示すように、ステップSi2001にてATゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSi2002では、チャレンジ結果用処理を実行する。チャレンジ結果用処理は、上記の第1押し順ベルや第2押し順ベル当選時に発生する上乗せチャレンジの結果に基づいて、ATモードの上乗せ等を行うための処理である。
<チャレンジ結果用処理>
図738は、ステップSi2002のチャレンジ結果用処理を示すフローチャートである。
ステップSi2101では、第1チャレンジフラグ、第2チャレンジフラグ、及び第3チャレンジフラグのいずれかのチャレンジフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのチャレンジフラグもセットされていない場合は、そのまま本チャレンジ結果用処理を終了する。いずれかのチャレンジフラグがセットされている場合、ステップSi2102にてそのチャレンジフラグが第1チャレンジフラグであるか否かを判定する。第1チャレンジフラグである場合、ステップSi2103にて第1チャレンジ結果用処理を実行してから、本チャレンジ結果用処理を終了する。第1チャレンジフラグではない場合、ステップSi2104にて、第2チャレンジフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSi2105にて第2チャレンジ結果用処理を実行してから、本チャレンジ結果用処理を終了する。第2チャレンジフラグがセットされていない場合、ステップSi2106にて第3チャレンジ結果用処理を実行してから、本チャレンジ結果用処理を終了する。
<第1チャレンジ結果用処理>
図739は、ステップSi2103の第1チャレンジ結果用処理を示すフローチャートである。上記のように、第1上乗せチャレンジは、第1押し順ベル当選ゲームにて実行され得るものであり、6通りの操作順序のうち、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序にて停止操作された場合に上乗せが発生するチャレンジである。
ステップSi2201では、今回のゲームの遊技結果として、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立しているか否かを判定することで、第1上乗せチャレンジにおいて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序にて停止操作を行うことに成功したか否かを判定する。第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立している場合には、ステップSi2202にて継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSi2203にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSi2204にて、継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。続くステップSi2205では、ATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。そして、ステップSi2206にて、セット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。
ステップSi2203にて継続フラグがセットされている場合、ステップSi2207にてATセットカウンタに2を加算する処理を実行する。そして、ステップSi2208にて、セット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。
つまり、第1上乗せチャレンジにて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序にて停止操作を行うことに成功した場合、ATモードの2セット分の上乗せが行われる。これに対して、ステップSi2201にて第1小役入賞~第6小役入賞のいずれも成立していないと判定した場合、当該停止操作に失敗したとして、この場合はATモードの上乗せを行わない。
ステップSi2201にて否定判定した場合、又はステップSi2206若しくはステップSi2208の処理を実行した後は、ステップSi2209にて第1チャレンジフラグをクリアする処理を実行してから、本第1チャレンジ結果用処理を終了する。
<第2チャレンジ結果用処理>
図740は、ステップSi2105の第2チャレンジ結果用処理を示すフローチャートである。上記のように、第2上乗せチャレンジは、第2押し順ベル当選ゲームにて実行され得るものであり、4通りの操作順序のうち、第3小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序にて停止操作された場合に上乗せが発生するチャレンジである。
ステップSi2301では、今回のゲームの遊技結果として、第3小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立しているか否かを判定することで、第2上乗せチャレンジにおいて第3小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序にて停止操作を行うことに成功したか否かを判定する。第3小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立している場合には、ステップSi2302にて継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSi2303にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSi2304にて、継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。
ステップSi2303にて継続フラグがセットされている場合、ステップSi2305にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。そして、ステップSi2306にて、セット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。
つまり、第2上乗せチャレンジにて、第3小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序にて停止操作を行うことに成功した場合、ATモードの1セット分の上乗せが行われ、第1上乗せチャレンジにて成功した場合よりも少ないセット上乗せが行われる。これは、第1上乗せチャレンジの成功率は6分の1であるのに対して、第2上乗せチャレンジの成功率は4分の1であり、第2上乗せチャレンジの方が成功し易いことに起因している。
ステップSi2301にて否定判定した場合、又はステップSi2304若しくはステップSi2306の処理を実行した後は、ステップSi2307にて第2チャレンジフラグをクリアする処理を実行してから、本第2チャレンジ結果用処理を終了する。
<第3チャレンジ結果用処理>
図741は、ステップSi2106の第3チャレンジ結果用処理を示すフローチャートである。上記のように、第3上乗せチャレンジは、第1押し順ベル又は第2押し順ベル当選ゲームにて実行され得るものであり、6通りの操作順序のうち、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序にて停止操作された場合に上乗せが発生するチャレンジである。
ステップSi2401では、今回のゲームの遊技結果として、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立しているか否かを判定することで、第3上乗せチャレンジにおいて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序にて停止操作を行うことに成功したか否かを判定する。第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立している場合には、ステップSi2402にて、今回のゲームの停止操作として、左ストップスイッチ42が最初に操作されたか否かを判定する。つまり、今回の第1小役入賞~第6小役入賞が、左ストップスイッチ42を最初に操作した場合の第1押し順ベルを契機とするものであるか否かを判定する。なお、ステップSi2402にて、左ストップスイッチ42を最初に操作された場合に入賞することとなる第1小役入賞や第2小役入賞が成立しているか否かを判定する構成としてもよい。
ステップSi2402にて否定判定し、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44が最初に操作された場合(第3小役入賞~第6小役入賞が成立している場合)、ステップSi2404に進み、ATモード3セット分の上乗せを行う処理を実行する。
すなわち、ステップSi2404にて継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSi2405にて継続フラグをセットし、ステップSi2406にて、継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。続くステップSi2407では、ATセットカウンタに2を加算し、ステップSi2408にて、セット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ステップSi2404にて継続フラグがセットされている場合、ステップSi2409にてATセットカウンタに3を加算し、ステップSi2410にて、セット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ステップSi2404~ステップSi2410の処理は、ステップSi2202~ステップSi2208の処理に対応する処理であり、ステップSi2407やステップSi2409においてATセットカウンタに加算する値が異なるだけである。
ステップSi2402にて肯定判定し、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合(第1小役入賞又は第2小役入賞が成立している場合)、ステップSi2411に進み、振分抽選処理を実行する。振分抽選処理は、当該第3上乗せチャレンジにおいて、左ストップスイッチ42が最初に操作されて第1小役入賞や第2小役入賞の成立に成功した場合に、上乗せするセット数を抽選により決定する処理である。本実施形態では、5セット分の上乗せを行う場合と、1セット分の上乗せを行う場合とがいずれも50%の確率となるように抽選にて決定される。この場合、平均すると3セット分の上乗せを行うこととなり、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44が最初に操作されて第3小役入賞~第6小役入賞の成立に成功した場合の期待上乗せ数と同じである。
ステップSi2411にて振分抽選処理を実行した後は、ステップSi2412にて振分抽選処理の結果が有利な側の振分(5セット分の上乗せ)であったか否かを判定する。有利な側の振り分けであった場合、ステップSi2413に進み、ATモード5セット分の上乗せを行う処理を実行する。
すなわち、ステップSi2413にて継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSi2414にて継続フラグをセットし、ステップSi2415にて、継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。続くステップSi2416では、ATセットカウンタに4を加算し、ステップSi2417にて、セット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ステップSi2413にて継続フラグがセットされている場合、ステップSi2418にてATセットカウンタに5を加算し、ステップSi2419にて、セット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ステップSi2413~ステップSi2419の処理も、ステップSi2202~ステップSi2208の処理に対応する処理であり、ステップSi2416やステップSi2418においてATセットカウンタに加算する値が異なるだけである。
ステップSi2412にて振分抽選処理の結果が有利な側の振分(5セット分の上乗せ)ではなく不利な側の振分(1セット分の上乗せ)であったと判定した場合、ステップSi2420に進み、ATモード1セット分の上乗せを行う処理を実行する。
すなわち、ステップSi2420にて継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSi2421にて継続フラグをセットし、ステップSi2422にて、継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ステップSi2420にて継続フラグがセットされている場合、ステップSi2423にてATセットカウンタに1を加算し、ステップSi2424にて、セット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ステップSi2420~ステップSi2424の処理は、ステップSi232~ステップSi2306の処理に対応する処理である。
ステップSi2401にて否定判定した場合、又は、ステップSi2408、ステップSi2410、ステップSi2417、ステップSi2419、ステップSi2422及びステップSi2424のいずれかの処理を実行した後は、ステップSi2425にて第3チャレンジフラグをクリアする処理を実行してから、本第3チャレンジ結果用処理を終了する。
このように、各上乗せチャレンジが発生したゲームでは、当該ゲームの入賞結果対応処理にてATモードの上乗せが発生し得るようになっている。
ATモード用処理の説明に戻り、ステップSi2002にてチャレンジ結果用処理を実行した後は、ステップSi2003にて、上記ステップSi2001の処理結果に基づいて、ATゲームカウンタが0となったか否かを判定する。ATゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままATモード用処理を終了する。
ATゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSi2004にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされており、継続条件が成立している場合、次のセットに移行させるための処理(ステップSi2005~ステップSi2007)を実行する。これに対して、ステップSi2004て継続フラグがセットされていない場合には、ATモードを終了させるための処理(ステップSi2008~ステップSi2011)を実行する。
ステップSi2004にて継続条件が成立している場合、ステップSi2005にて継続フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSi2006にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行し、ステップSi2007にてセット更新コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。セット更新コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードのセットの移行が行われたことに対応させて補助表示部65やスピーカ64の演出を更新するための処理を実行する。
一方、ステップSi2004にて継続条件が成立していない場合、ステップSi2008にてATモードフラグをクリアし、ステップSi2009にて継続率の情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)をクリアする処理を実行する。そして、ステップSi2010にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSi2011にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して、有利区間を終了させるためのフラグである。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが終了したことに対応する演出を行うように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図742を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図704)におけるステップSi314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSi2501では、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8が表示中であるか否か、より詳しくは、右第8表示用セグメントNa8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、右第8表示用セグメントNa8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSi2501にて否定判定し、右第8表示用セグメントNa8を消灯中であると判定した場合、ステップSi2502に進む。
ステップSi2502では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSi2503にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSi2504にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSi2505では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSi2506にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。
ちなみに、本実施形態では、天井ゲーム数の最大数が700となるように設定されている。つまり、有利区間に移行した後、通常であれば、少なくとも700ゲームを消化することで天井カウンタが0となり、ATモード当選フラグがセットされるように設定されている。
但し、上記のように、各ゲームを特定規定数のベット数で遊技しなかった場合(第1BB状態中のゲーム)は天井カウンタの減算が行われない他、各押し順ベル当選時に特定操作態様ではなく非特定操作態様にてストップスイッチ42~44を操作した場合にも天井カウンタの減算が行われない。そのため、実際に遊技したゲーム数が700ゲーム以上となった場合であっても、天井カウンタが0とならずにATモード当選フラグがセットされない場合も生じ得る。また、天井カウンタの減算値は、各ゲームで1よりも多い値が選択される場合もあり、有利区間移行時に設定された天井カウンタの値に相当するゲーム数を消化するよりも前に天井カウンタが0となる場合もある。
区間表示第1処理において、ステップSi2506にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップSi2507にて、右第8表示用セグメントNa8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSi2501にて区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を表示中であると判定した場合、ステップSi2508にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSi2508について具体的には、右第8表示用セグメントNa8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSi2502にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSi2507にて表示開始処理を実行した後、又はステップSi2508の表示継続処理を実行した後は、ステップSi2509にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップSi2509にてATモードフラグがセットされていないと判定した場合は、ステップSi2510にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップSi2509にてATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップSi2511にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSi2510又はステップSi2511の処理を実行した後は、ステップSi2512にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSi2513にて、ステップSi2512の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図690に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタとしてのも機能する払出枚数表示部62の各表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSi2513では、ステップSi2512の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSi2513の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSi2512の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図743のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSi416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSi2601では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSi2602にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップSi2603では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSi2603のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSi2603のMY更新処理を実行した後は、ステップSi2604にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSi2605にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットするとともに、当該第1超過フラグをセットしたことの情報を含む第1超過コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットするとともに、当該第2超過フラグをセットしたことの情報を含む第2超過コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップSi2606にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSi2607にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSi2608では、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSi2609にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSi2609の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSi2606にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSi2610に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップSi2607に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図744のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSi2701にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSi2702にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSi2701にて否定判定した場合、又はステップSi2702の処理を実行した後は、ステップSi2703にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSi206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップSi2704にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSi2703にて否定判定した場合、又はステップSi2704の処理を実行した後は、ステップSi2705にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSi311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図713)等にてセットされる前兆コマンド、継続コマンド、セット上乗せコマンド、押し順報知コマンド及び各種チャレンジコマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップSi2706にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップSi2705にて否定判定した場合、又はステップSi2706の処理を実行した後は、ステップSi2707にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図706)のステップSi406にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップSi2708にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSi2707にて否定判定した場合、又はステップSi2708の処理を実行した後は、ステップSi2709にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図706)のステップSi417にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図711)や入賞結果対応処理(図731)等にてセットされる第1BB開始コマンド第1BB終了コマンド、前兆コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド、継続コマンド、セット上乗せコマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップSi2710にて、これらの全停止時コマンドに対応する演出が行われるようにするための全停止時演出設定処理を実行する。
ステップSi2709にて否定判定した場合、又はステップSi2710の処理を実行した後は、ステップSi2711にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSi2711では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSi2711では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
<開始時演出設定処理>
ステップSi2706の開始時演出設定処理について、図745のフローチャートに基づき説明する。
ステップSi2801では、受信している抽選結果コマンドが、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドであるか否かを判定する。既に説明した通り、本実施形態における抽選結果コマンド設定処理(図729)では、いずれかの押し順ベルである場合には個別の結果を示す抽選結果コマンドではなく、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドを出力する構成としている。ステップSi2801にて押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドを受信しており、いずれかの押し順ベルに当選しているゲームである場合、ステップSi2802に進む。
ステップSi2802では、偏りベル報知コマンドを受信しているか否かを判定する。上記のように、偏りベル報知コマンドは、ATモード中以外で第1押し順ベルや第2押し順ベルに当選した場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。偏りベル報知コマンドを受信している場合、ステップSi2803にて、偏りベル報知演出(図722(b))が補助表示部65にて行われるように設定する処理を実行するとともに、当該偏りベル報知演出に対応する効果音がスピーカ64から出力されるように設定する処理を実行する。
この場合、偏りベル報知演出は、スタートレバー41の操作時に開始され、主制御装置101側での払出枚数表示部62での第2押し順ベルグループ報知の開始(「08」の表示、各リール32L,32M,32Rの回転開始時)を待たずに実行される。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの回転開始前から、特定操作態様にて受ける恩恵と、非特定操作態様にて受ける恩恵とを見比べてストップスイッチ42~44の操作準備を行わせることができる。
偏りベル報知コマンドを受信していない場合、ステップSi2804にて、いずれかのチャレンジコマンドを受信しているか否かを判定する。上記のように各種チャレンジコマンドは、ATモード中に各押し順ベルに当選したゲームにおいて所定の割合で発生する上乗せチャレンジを行う場合に出力されるコマンドである。チャレンジコマンドを受信していない場合には、ステップSi2805に進む。
ステップSi2805では、いずれかの押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、ATモード中にいずれかの押し順ベルに当選した場合には、ナビ抽選に当選したことを条件として(第2押し順ベルについてはナビ抽選を介することなく)、当選している押し順ベルの種類に応じて、第1小役入賞~第6小役入賞を成立させる操作順序に対応する押し順報知コマンドが出力される構成としている(図725)。いずれかの押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSi2806にて対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
この場合、上記のように、各押し順報知演出についても、スタートレバー41の操作時に開始され、主制御装置101側での払出枚数表示部62での押し順報知の開始(各リール32L,32M,32Rの回転開始時)を待たずに実行される。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの回転開始前からストップスイッチ42~44の操作準備を行わせることができる。
ステップSi2804にていずれかのチャレンジコマンドを受信していると判定した場合、ステップSi2807に進み、受信しているチャレンジコマンドが第1チャレンジコマンドであるか否かを判定する。第1チャレンジコマンドである場合、ステップSi2808にて第1チャレンジ報知演出(図721(a))が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップSi2807にて第1チャレンジコマンドを受信していないと判定した場合、ステップSi2809に進み、受信しているチャレンジコマンドが第2チャレンジコマンドであるか否かを判定する。第2チャレンジコマンドである場合、ステップSi2810にて第2チャレンジ報知演出(図721(b))が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。また、ステップSi2809にて第2チャレンジコマンドを受信していないと判定した場合、ステップSi2811にて第3チャレンジ報知演出(図722(a))が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
各チャレンジ報知演出も、各押し順報知演出と同様に、スタートレバー41の操作時に開始される。そして、ストップスイッチ42~44の操作が行われた場合に、各停止時演出設定処理では、その操作が第1操作態様として正解の操作順序(第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序)であった場合、操作されたストップスイッチ42~44に対応する示唆画像としての各キャラクタC1~C3(はてなマークの第1キャラクタC1やバツマークの第2キャラクタC2、三角マークの第3キャラクタC3)が、正解報知用の第6キャラクタC6に切り換わるように表示制御する。
例えば、中→右→左の操作順序を第1操作態様とする第1中右ベル当選時に第3上乗せチャレンジが発生する場合、当該第1中右ベル当選となったスタートレバー41の操作とともに(図746(a2))、補助表示部65での第1チャレンジ報知演出を開始する(図746(a1))。そして、例えば、第1操作態様として、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合(図746(b2))、各停止時演出設定処理では、実行中の第3チャレンジ報知演出において、当該中ストップスイッチ43に対応する真ん中の第1キャラクタC1が正解報知用の「OK」との文字が付された第6キャラクタC6に切り換わるように制御する。この場合、右ストップスイッチ44に対応する右の第1キャラクタC1は表示されたまま維持する一方、左ストップスイッチ42に対応する左の第3キャラクタC3は、第1キャラクタC1に切り換わるように制御する(図746(b1))。
その後、右ストップスイッチ44が操作された場合(図746(c2))、補助表示部65における右ストップスイッチ44に対応する右の第1キャラクタC1を、正解報知用の第6キャラクタC6に切り換わるように制御する(図746(c1))。そして、左ストップスイッチ42が操作された場合に(図747(a2))、第3上乗せチャレンジに成功した恩恵(左第1停止ではないので、この場合はATモード3セット分の上乗せ)として、例えば、「+3」という文字表示を行い、ATモード3セット分の上乗せを行った旨の上乗せ報知を実行する(図747(a1))。
これに対して、例えば、第3チャレンジ報知演出において、第1中右ベル当選であるのにも関わらず、第2操作態様として、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合(図747(b2))、各停止時演出設定処理では、実行中の第3チャレンジ報知演出において、第1キャラクタC1や第3キャラクタC3を表示したまま、画面の色彩を暗転させ、今回の操作順序が不正解であったこと旨の不正解報知を実行する(図747(b1))。なお、当該不正解報知は、最初の停止操作だけではなく、2番目の停止操作に失敗した場合にも実行する。すなわち、例えば、第3チャレンジ報知演出において、第1中右ベル当選である場合において、最初に中ストップスイッチ43が操作され、次に左ストップスイッチ42が操作された場合(図747(c2))、左右の第1キャラクタC1と真ん中の第6キャラクタC6とを表示したまま、画面の色彩を暗転させ、今回の操作順序が不正解であったこと旨の不正解報知を実行する(図747(c1))。
ステップSi2801若しくはステップSi2805にて否定判定した場合、又はステップSi2803、ステップSi2806、ステップSi2808、ステップSi2810及びステップSi2811のいずれかの処理を実行した後は、ステップSi2812に進む。ステップSi2812では、前兆演出設定処理を実行する。前兆演出設定処理では、主制御装置101における開始時AT抽選用処理にて出力設定される前兆コマンドに基づいて、前兆モードに設定する処理を実行するとともに、前兆モード中の各ゲームの前兆演出を設定する処理を実行する。続くステップSi2813では、CZ演出設定処理を実行する。CZ演出設定処理では、CZモード中の各ゲームの抽選結果に応じて、今回開始するゲームの演出を設定する処理を実行する。続くステップSi2814では、AT演出設定処理を実行する。AT演出設定処理では、所定数としての18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードにおいて、例えば、味方キャラクタと敵キャラクタとが対決し、セットの継続条件が成立していれば当該味方キャラクタが勝利し、継続条件が成立していなければ味方キャラクタが敗北して敵キャラクタが勝利するといったバトル演出を1セット中の演出として設定する処理を実行する。この場合、例えば、1セットのゲームの内、前半の10ゲームの各ゲームでは、味方キャラクタと敵キャラクタとが対峙する対峙演出が行われるように設定し、後半の8ゲームの各ゲームでは、味方キャラクタと敵キャラクタとが対決するバトル演出が行われるように設定する処理を実行する。また、AT演出設定処理では、継続コマンドやセット上乗せコマンドに基づいて、セットの継続演出や上乗せ演出が行われるように設定する処理を実行する。
ステップSi2814にてAT演出設定処理を実行した後は、ステップSi2815にてその他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップSi2815では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことの報知を行うための処理等を実行する。
<押し順ベル当選時の押し順報知や押し順報知演出との関係>
このように、本実施形態では6通りの操作順序で第1小役入賞~第6小役入賞が成立する第1押し順ベルと、4通りの操作順序で第3小役入賞~第6小役入賞が成立する第2押し順ベルと、を用いて、払出枚数が多い側の小役入賞が成立することとなる第1操作態様を、6通りの操作順序に対して不均等に振り分けた。そのうえで、第1操作態様となる可能性が比較的低い特定操作態様(左ストップスイッチ42を最初に操作する態様)にて操作することで、指示機能に関する処理を有利に行わせる恩恵を享受可能となり、第1操作態様となる可能性が比較的高い非特定操作態様(中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作する態様)にて操作することでメダル払出を有利に受ける恩恵を享受可能となるようにしていることから、遊技者が、いずれの恩恵を享受しながら遊技を進行させるかを選択することが可能となり、遊技の多様化を通じて興趣向上を図ることが可能となる。
しかも、例えば、通常モードやCZモードにおいて、遊技者が指示機能に関する処理を有利に行わせる恩恵を選択して、特定操作態様にて遊技を行った場合、通常モードやCZモードから、押し順報知演出が発生するATモードへの移行が生じ易くなる。そして、当該ATモードにおいては、押し順報知演出によって第1操作態様を報知可能となり、多くのメダル獲得を期待できるようになる。つまり、このような、6通りの操作順序に対して第1操作態様を不均等に振り分けた偏りベルを用いることで、ATモードへの移行前と移行後とのメダルの増減の差を大きくすることが可能となる。特に、ATモードへの移行前におけるメダルの減少率が大きくなり、ATモードにおいて多くのメダルを獲得可能としたり、ATモードへの移行率を高めても、長期的な出玉率(投入されるメダル枚数に対する払い出されるメダル枚数)を低く抑えることが可能となる。
その一方で、上記のように偏りベルを用いる場合に、本実施形態のように、ATモード中に押し順報知演出の発生率が異なる状態を設定しようとすると、このような偏りベルの仕組みを理解している遊技者とそうではない遊技者との利益に差が生じる可能性もある。具体的には、例えば、いずれかの押し順ベル当選であるものの押し順報知演出が発生しないゲームにおいては、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作することで、左ストップスイッチ42を最初に操作するよりも第1操作態様となる可能性が高く、第1小役入賞~第6小役入賞(より詳しくは、第3小役入賞~第6小役入賞)が成立する可能性が高くなることも考えられる。
その点、本実施形態においては、図748に示すように、押し順報知演出の発生率が異なるナビ状態において、押し順報知演出の発生率を、第1操作態様が均等に振り分けられている第1押し順ベルについては押し順報知演出が発生しない場合がある一方、第1操作態様が不均等に振り分けられている第2押し順ベルについては押し順報知演出が発生しない場合がないように設定している。
具体的には、最も押し順報知演出が発生しにくい第1ナビ状態においては、第1押し順ベル当選時の100%で押し順報知演出が発生せず、第2押し順ベル当選時の100%で押し順報知演出が発生する。第1ナビ状態よりも押し順報知演出が発生し易い第2ナビ状態においては、第1押し順ベル当選時の70%で押し順報知演出が発生せず(30%で押し順報知演出が発生し)、第2押し順ベル当選時の100%で押し順報知演出が発生する。第2ナビ状態よりも押し順報知演出が発生し易い第3ナビ状態においては、第1押し順ベル当選時の40%で押し順報知演出が発生せず(60%で押し順報知演出が発生し)、第2押し順ベル当選時の100%で押し順報知演出が発生する。最も押し順報知演出が発生し易い第4ナビ状態では、いずれの押し順ベルであっても100%で押し順報知演出が発生する。
つまり、いずれかの押し順ベルに当選しているのにも関わらず、押し順報知演出が発生しないゲームは、いずれのナビ状態においても、第1押し順ベル当選ゲームに限定されている。上記のように、第1押し順ベルは第1操作態様が均等に割り振られていることから、押し順報知演出が発生しないゲームでの操作態様によって、メダルの増加率が異なることがないようになり、遊技者間の公平性を担保することが可能となる。
しかも、ATモードにおいて、押し順報知演出が発生しないゲームであっても、払出枚数表示部62での押し順報知は、偏りベル当選ゲームであることを示す第2押し順ベルグループ報知(08)を実行する構成としている。上記のように、第2押し順ベルグループ報知は、ATモードの移行前において第1押し順ベルと第2押し順ベルとのいずれかの当選しているゲームにて実行される報知であり、この場合、補助表示部65においては偏りベル報知演出を実行する構成としている。つまり、ATモードにおいて、上記のように押し順報知演出が発生しないゲームで、払出枚数表示部62では第2押し順ベルグループ報知が実行される場合があることから、第1押し順ベルだけではなく第2押し順ベルにも当選しているのでは、と遊技者に推測させることも可能である。このようにすることで、当該第2押し順ベルグループ報知が実行されるゲームにおいて、実際には、第2押し順ベルに当選している可能性がなく、第1操作態様が均等に割り振られているのにも関わらず、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作することで多くのメダルを獲得できるのではと思わせることもでき、遊技者の探求心を掻き立てることを通じて、遊技の注目度を向上させることが可能となる。
更に、図749に示すように、ATモードに移行した後、第3上乗せチャレンジを実行する場合にも、第2押し順ベルグループ報知(08)を行う構成としており、かかる第3上乗せチャレンジは、第1押し順ベルと第2押し順ベルとで、いずれも共通の発生率としているため、当該第3上乗せチャレンジにおいて第1操作態様となる割合も不均等となっている。その一方で、第1押し順ベルを契機とする第1上乗せチャレンジを実行する場合には、払出枚数表示部62での押し順報知を実行しないようにしており、当該第1上乗せチャレンジでは第1操作態様となる割合が均等となっていることからして、上記の第2押し順ベルグループ報知が実行された場合に、不均等となっている印象を与え易くしている。
その一方で、第2押し順ベルを契機とする第2上乗せチャレンジを行う場合には、左ストップスイッチ42を最初に操作してしまうと遊技者に特典が付与されない(少ないメダル払出のみを受ける)ことから、第1押し順ベルグループ報知(07)を行う構成としている。つまり、第1押し順ベルグループ報知や第2押し順ベルグループ報知を含めて押し順報知は、少なくともその押し順報知に対応する操作態様にて操作しないと、遊技者が損をしたり、得られるべき恩恵を享受できない場合に実行されるものであり、このようにすることで、押し順報知を利用した遊技を好適に行わせることが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
例えば、第1中左ベルや第2中左ベルと中左特殊ベル、第1中右ベルや第2中右ベルと中右特殊ベル、第1右左ベルや第2右左ベルと右左特殊ベル、第1右中ベルや第2右中ベルと右中特殊ベル、といったように、同じ操作態様を第1操作態様と第2操作態様とする押し順ベルを第1押し順ベルと第2押し順ベルとに別々のグループに設定した。これにより、同じ操作順序で第1小役入賞~第6小役入賞が成立する押し順ベルであっても、その扱い(処理体系)を異ならせることができ、いずれの押し順ベルを契機とするかを遊技者が判別できないようにしながら、例えばATモード移行抽選の当選確率を異ならせたり、押し順報知用のナビ抽選の当選確率を異ならせたりすることができる。しかも、それぞれをグループ化することにより、各処理をまとめて設定することが可能であるため、上記のような別々の扱いを行うようにしたとしても、処理構成の複雑化を招きにくい。よって、比較的簡素な構成にて、遊技の多様化を図ることが可能となる。
ATモードにおいて、押し順ベル当選時の第1操作態様の押し順報知の発生率が異なる複数のナビ状態を設ける構成とした。この場合、第1押し順ベルと第2押し順ベルとで、別々のグループとして設定していることから、それぞれナビ抽選の当選確率を設定することが可能となり、ナビ抽選の当選確率の詳細な設定を行うことが可能となる。
複数のナビ状態で、6通りの第1操作態様となる操作順序に対して、6種類の押し順ベルが設定された第1押し順ベルについてナビ抽選の当選確率を異ならせる一方、6通りの第1操作態様となる操作順序に対して、4種類の押し順ベルが設定された第2押し順ベルについてのナビ抽選の当選確率は異ならせないようにしたことから、各ナビ状態においてナビ抽選に非当選となる場合の差は、第1押し順ベルの分だけとなる。これにより、各ナビ状態において第1操作態様となる押し順報知が発生しなかった場合の第1操作態様の分布の差を均等化することが可能となる。
特に、第2押し順ベルについては、いずれのナビ状態でも100%の確率で第1操作態様となる押し順報知が発生する構成としていることから、第1操作態様となる押し順報知が発生しなかった場合の第1操作態様の分布は均等化されることとなり、例えば、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作することで、左ストップスイッチ42を最初に操作するよりも第1操作態様となり易い、といったような不均等な構成とならないようにすることが可能となる。よって、遊技者間の公平性を担保することが可能となり、遊技の健全性を向上させることができる。
第1押し順ベル及び第2押し順ベルのいずれであっても、主制御装置101から表示制御装置81へ、抽選結果コマンドとして押し順ベルグループコマンドを出力する構成としたことから、例えば、抽選結果コマンドや表示制御装置81を不正に解析することにより、第2押し順ベルであることやその詳細な結果を特定することにより利益を得ようとする行為を行わせにくくすることが可能となる。
但し、これら第1押し順ベルや第2押し順ベルである場合には、第1操作態様となる押し順報知を行わないゲームでは、第2押し順ベルグループ報知(08)を行う構成としたことから、少なくとも非特定操作態様にて操作することで、多くのメダルを獲得できる可能性があるゲームであることを遊技者は把握することができるようになる。
本実施形態において第2押し順ベルグループ報知(08)が行われる場合とは、通常モードやCZモードでは第1押し順ベル及び第2押し順ベルであり、ATモードでは第1押し順ベルである。ATモードにおいて第2押し順ベルグループ報知が行われるゲームについて具体的には、第1操作態様の押し順報知が発生しないゲームであり、第1押し順ベルを契機とするナビ抽選に非当選となったゲームであり、かかるゲームで第1操作態様となる操作順序は均等化されている。但し、遊技者によっては、第2押し順ベルグループ報知(08)が行われていることを通じて、ATモードであっても非特定操作態様にて操作した場合の方が多くのメダルを獲得できるのでは、と考える場合もあり、実際には、ATモード中の特定操作態様と非特定操作態様とで有利・不利は生じないようになっていたとしても、このような遊技者の探求心を利用して、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
通常モードやCZモードでは、押し順ベル当選時に特定操作態様にて操作することで、停止時のATモード移行抽選や、天井カウンタの減算等を行う一方で、非特定操作態様にて操作することで、これら停止時のATモード移行抽選や、天井カウンタの減算等を行わない構成としており、押し順ベル当選時に特定操作態様で操作すると指示機能に関する処理が遊技者にとって有利な態様にて実施され、非特定操作態様で操作すると指示機能に関する処理が特定操作態様で操作した場合よりも遊技者にとって不利な態様で実施される。つまり、押し順ベル当選時に、特定操作態様にて操作することで指示機能に関する処理を有利に行わせ、非特定操作態様にて操作することで多くのメダルを獲得できるようになる、といったように、いずれの恩恵を享受するかを遊技者が選択可能な遊技性を実現することが可能となる。
この場合、上記のように、第1押し順ベルや第2押し順ベル当選時には、第2押し順ベルグループ報知を行うようにしていることから、遊技者は、上記の選択遊技を行うべきゲームであることを把握することが可能となり、当該選択遊技を好適に行わせることができるようになる。
しかも、この場合、補助表示部65では、特定操作態様にて操作することで指示機能に関する処理が有利となる旨の第1情報と、非特定操作態様にて操作することで多くのメダルを獲得できる可能性がある旨の第2情報と、を含む偏りベル報知演出を行うようにしていることから、当該偏りベル報知演出を通じて、上記の選択遊技を遊技者に明確に理解させることが可能となる。
ちなみに、通常モードやCZモードにおいて、払出枚数表示部62にて第2押し順ベルグループ報知が行われるゲームでは、特定操作態様にて操作することで指示機能に関する処理を有利に行わせることが可能となるとともに、非特定操作態様にて操作することで多くのメダルを獲得可能となることから、当該第2押し順ベルグループ報知自体が、特定操作態様にて操作することで指示機能に関する処理が有利となる旨の第1情報と、非特定操作態様にて操作することで多くのメダルを獲得できる可能性がある旨の第2情報と、を含む偏りベル報知演出と解釈することも可能である。
特定操作態様となる操作順序は、第1押し順ベルについては第1左中ベル、第2左中ベル、第1左右ベル、第1左右ベルといったように、当該特定操作態様に対応する操作順序を第1操作態様とする押し順ベルが設定されている一方、第2押し順ベルについては、当該特定操作態様に対応する操作順序を第1操作態様とする押し順ベルが設定されていない。つまり、第1押し順ベルと第2押し順ベルとの差分となる操作態様にて操作することで、指示機能に関する処理を有利に進行させる構成となる。このようにすることで、指示機能に関する処理を有利に進行させる遊技(特定操作態様にて操作して進行させる遊技)を行ううえで、第1小役入賞~第6小役入賞(第1小役入賞や第2小役入賞)が全く成立しない構成とはならず、ATモードへ移行させるまでのメダル持ちを向上させることができるし、当該特定操作態様による遊技を行っても、遊技者が損をしている印象を抱きにくくさせることができる。
第1中左ベルや第2中左ベルと、中左特殊ベル、といったように同じ操作態様を第1操作態様とする押し順ベルをそれぞれ設け、それぞれ異なる処理を行うようにしたことから、例えば、第1操作態様に対応する小役入賞が成立した場合や、第2操作態様に対応する小役入賞が成立した場合に、それがいずれの押し順ベルを契機とするものかが遊技者には判別しにくくしながら、異なる恩恵を付与させることが可能となり、遊技の興趣向上を図るうえで大いに役立てることが可能となる。
具体的には、例えば、通常モードやCZモードにおいて特定操作態様(第2操作態様)にて操作して、対応する小役入賞が成立した場合、見た目上、いずれの押し順ベルを契機としているかは判断できない。その一方で、停止時AT抽選用処理では、第1押し順ベルに含まれる側の押し順ベルよりも、第2押し順ベルに含まれる側の押し順ベルのほうがATモード移行抽選に当選し易くしている。また、ATモードにおいては、例えば、第1上乗せチャレンジや第2上乗せチャレンジにおいて、第1操作態様にて操作して、対応する小役入賞が成立した場合も、見た目上、いずれの押し順ベルを契機としているかは判断できない。その一方で、第1押し順ベルに含まれる側の押し順ベルのほうが、第2押し順ベルに含まれる側の押し順ベルよりも多いセット数の上乗せが行われるようにしている。このように、同じ操作態様にて操作して、見た目上は同じ結果が入賞していても、異なる処理が行われるようにしていることから、その契機となった結果への注目度を向上させることができる。
第1押し順ベルと第2押し順ベルとでは、第1押し順ベルは第2操作態様にて操作した場合には取りこぼしが生じ得る一方、第2押し順ベルは取りこぼしが生じないように設定している。取りこぼしが生じ得る構成とする場合、どのような操作態様であっても、取りこぼしが一定の確率で生じるように、相互の補填小役を対応操作結果のそれぞれに対して設定する構成が一般的であり、本実施形態でも、第1押し順ベルでは、一の第1操作態様に対して2種類の押し順ベルを対応操作結果として設定している。これに対して、第2押し順ベルは、一の第1操作態様に対して1種類の押し順ベルを設定しているため、第2押し順ベルを設けるうえで、記憶容量の増大化を軽減することが可能となる。よって、第2押し順ベルを第1押し順ベルとは別途設けることの効果を得ながらも、記憶容量の削減を図ることができる。
特に、少なくとも第2押し順ベル当選時には、第2押し順ベルグループ報知が実行されるところ、上記のように第2押し順ベルについて取りこぼしが生じないようにすることで、第2押し順ベルグループ報知が行われているのにも関わらず、いずれの小役入賞も成立しない、といった事象が生じにくくなる。よって、当該第2押し順ベルグループ報知の意味が不明となってしまうこと等を通じた遊技意欲の低下を好適に回避させることが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、上記の第1操作態様となる割合を不均等とするための構成が異なっている。図750は、本変形例における通常遊技状態用の抽選テーブルの一例を示している。
本変形例では、第2押し順ベル(IV=22~25)に対してポイント値PVが割り振られておらず(0に設定されており)、第2押し順ベルには当選しないように設定されている。これに対して、第1押し順ベルのうち、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作することで第1操作態様となり得る種類の押し順ベル(第1中左ベル、第2中左ベル、第1中右ベル、第2中右ベル、第1右左ベル、第2右左ベル、第1右中ベル、第2右中ベル、なお以下の説明では第2種押し順ベルとも称する)のポイント値PVが、左ストップスイッチ42を最初に操作することで第1操作態様となり得る種類の押し順ベル(第1左中ベル、第2左中ベル、第1左右ベル、第2左右ベル、なお以下の説明では第1種押し順ベルとも称する)のポイント値PVよりも大きい値が割り振られており、第2種押し順ベルの方が第1種押し順ベルよりも当選し易くなるように設定されている。
具体的には、第1種押し順ベルに当選となる確率(IV=10~13の際に当選となる確率)は、それぞれ約33.1分の1であり、第2種押し順ベルに当選となる確率(IV=14~21の際に当選となる確率)は、それぞれ約16.1分の1である。
すなわち、本変形例では、これら第1種押し順ベルと第2種押し順ベルにより構成される第1押し順ベルが、第1操作態様が不均等に割り振られた偏りベルをなすものである。そして、本変形例では、各ナビ状態にて第1操作態様に対応する押し順報知に当選となる確率(第1操作態様に対応する押し順報知にハズレとなる確率)も、上記実施形態のものと異なっている。
図751は、本変形例におけるナビ抽選処理を示すフローチャートである。
本変形例においても、第1操作態様に対応する押し順報知の実行確率が異なる複数のナビ状態が設定されており、図752に示すように、最も第1操作態様に対応する押し順報知が実行されにくい第5ナビ状態と、当該第5ナビ状態よりも第1操作態様に対応する押し順報知が実行され易い第6ナビ状態と、当該第6ナビ状態よりも第1操作態様に対応する押し順報知が実行され易い第7ナビ状態と、最も第1操作態様に対応する押し順報知が実行され易い第8ナビ状態と、が設定されている。なお、かかる第8ナビ状態は、上記実施形態の第4ナビ状態に対応するものであり、いずれかの押し順ベル(第1種押し順ベル及び第2種押し順ベル)に当選した場合に、必ず第1操作態様に対応する押し順報知が実行されるナビ状態である。
第5ナビ状態では、第1種押し順ベル当選ゲームにおいて0%の確率で第1操作態様に対応する押し順報知が発生し(第1操作態様に対応する押し順報知が発生せず)、第2種押し順ベル当選ゲームにおいて54%の確率で第1操作態様に対応する押し順報知が発生する。第6ナビ状態では、第1種押し順ベル当選ゲームにおいて25%の確率で第1操作態様に対応する押し順報知が発生し、第2種押し順ベル当選ゲームにおいて63%の確率で第1操作態様に対応する押し順報知が発生する。第7ナビ状態では、第1種押し順ベル当選ゲームにおいて60%の確率で第1操作態様に対応する押し順報知が発生し(第1操作態様に対応する押し順報知が発生せず)、第2種押し順ベル当選ゲームにおいて80%の確率で第1操作態様に対応する押し順報知が発生する。
第5ナビ状態は、ATモードが開始されてからのセット数が4以下である場合に設定され、第6ナビ状態は、ATモードが開始されてからのセット数が5~9である場合に設定され、第7ナビ状態は、ATモードが開始されてからのセット数が10~14である場合に設定され、第8ナビ状態は、ATモードが開始されてからのセット数が15以上である場合に設定される。
ナビ抽選処理において、ステップSi2901にて継続セットカウンタを確認することで、第5ナビ状態であると判定した場合、ステップSi2902にて第5ナビ状態用ナビ抽選処理を実行する。また、ステップSi2901にて第5ナビ状態ではないと判定した場合、ステップSi2903にて第6ナビ状態であるか否かを判定し、第6ナビ状態である場合には、ステップSi2904にて第6ナビ状態用ナビ抽選処理を実行する。そして、ステップSi2903にて第6ナビ状態ではないと判定した場合、ステップSi2905にて第7ナビ状態であるか否かを判定し、第7ナビ状態である場合には、ステップSi2906にて第7ナビ状態用ナビ抽選処理を実行する。これらのナビ抽選の当選確率は上述の通りである。
各ナビ抽選を実行した場合、ステップSi2907にてナビ抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合と、ステップSi2905にて第8ナビ状態であると判定した場合とは、ステップSi2908にてナビ当選フラグをセットする処理を実行してから、本ナビ抽選処理を終了する。かかるナビ当選フラグがセットされることにより、上記の通り、第1操作態様に対応する第1操作態様に対応する押し順報知や第1操作態様に対応する押し順報知演出が実行されることになる。
ここで、本変形例では、各ゲームの抽選処理に用いられるポイント値PVを利用して、上記の第1操作態様に対応する押し順報知の発生率の値数を設定している。具体的には、図753に示すように、第1種押し順ベルに割り振られているポイント値PVはそれぞれ1980(第1数)であり、第2種押し順ベルに割り振られているポイント値PVはそれぞれ4070(第2数)である。
第5ナビ状態では、これらのポイント値PVのうち、第1種押し順ベルに割り振られているポイント値PV以下である1980(第3数)を、当該押し順ベル当選時に第1操作態様に対応する押し順報知を実行しない値数として設定する。この場合、第1種押し順ベル当選時の第1操作態様に対応する押し順報知の発生率は、いずれも1980分の0(1980-1980)であり、0%となる。そして、第2種押し順ベル当選時の第1操作態様に対応する押し順報知の発生率は、いずれも4070分の2090(4070-1980)であり、52%となる。
第6ナビ状態では、第1種押し順ベルに割り振られているポイント値PV以下であって、上記第5ナビ状態の場合の値数よりも小さい1500(第4数)を、当該押し順ベル当選時に第1操作態様に対応する押し順報知を実行しない値数として設定する。この場合、第1種押し順ベル当選時の第1操作態様に対応する押し順報知の発生率は、いずれも1980分の480(1980-1500)であり、25%となる。そして、第2種押し順ベル当選時の第1操作態様に対応する押し順報知の発生率は、いずれも4070分の2570(4070-1500)であり、63%となる。
第7ナビ状態では、第1種押し順ベルに割り振られているポイント値PV以下であって、上記第6ナビ状態の場合の値数よりも小さい800(第5数)を、当該押し順ベル当選時に第1操作態様に対応する押し順報知を実行しない値数として設定する。この場合、第1種押し順ベル当選時の第1操作態様に対応する押し順報知の発生率は、いずれも1980分の1180(1980-800)であり、60%となる。そして、第2種押し順ベル当選時の第1操作態様に対応する押し順報知の発生率は、いずれも4070分の3270(4070-800)であり、80%となる。
そして、第8ナビ状態では、第1種押し順ベルに割り振られているポイント値PV以下であって、上記第7ナビ状態の場合の値数よりも小さい0(第6数)を、当該押し順ベル当選時に第1操作態様に対応する押し順報知を実行しない値数として設定する。この場合、第1種押し順ベル当選時の第1操作態様に対応する押し順報知の発生率は、いずれも1980分の1980(1980-0)であり、第2種押し順ベル当選時の第1操作態様に対応する押し順報知の発生率は、いずれも4070分の4070(4070-0)であり、いずれも100%となる。
この場合、図754に示すように、第5ナビ状態においては、各ゲームにおいて、第1種押し順ベルを契機とする第1操作態様に対応する押し順報知が発生しないゲームとなる確率はいずれも約33.1分の1(65536分の1980)であり、第2種押し順ベルを契機とする第1操作態様に対応する押し順報知が発生しないゲームとなる確率もいずれも約33.1分の1(65536分の1980)であり、第1種押し順ベルの場合と等しくなる。また、第6ナビ状態においては、各ゲームにおいて、第1種押し順ベルを契機とする第1操作態様に対応する押し順報知が発生しないゲームとなる確率はいずれも約43.7分の1(65536分の1500)であり、第2種押し順ベルを契機とする第1操作態様に対応する押し順報知が発生しないゲームとなる確率もいずれも約43.7分の1(65536分の1500)であり、第1種押し順ベルの場合と等しくなる。そして、第7ナビ状態においては、各ゲームにおいて、第1種押し順ベルを契機とする第1操作態様に対応する押し順報知が発生しないゲームとなる確率はいずれも約81.9分の1(65536分の800)であり、第2種押し順ベルを契機とする押し順報知が発生しないゲームとなる確率もいずれも約81.9分の1(65536分の800)であり、第1種押し順ベルの場合と等しくなる。
つまり、上記のように、第1操作態様に対応する押し順報知の実行抽選の外れとなる値数を第1種押し順ベルの場合と第2種押し順ベルの場合とで同じ値に設定することで、いずれかの押し順ベルを契機として第1操作態様に対応する押し順報知が発生しなかったゲームで、第1操作態様となる確率が均等化される。これにより、いずれのナビ状態においても、第1操作態様に対応する押し順報知が発生しなかった場合の第1操作態様となる割合はいずれも約16.7%となり、均等化される。
なお、本変形例においても、ATモード中に第1操作態様に対応する押し順報知の実行抽選に非当選となった場合(ナビ抽選に非当選となった場合)、押し順報知用処理(図725)におけるステップSi1209にて否定判定し、ステップSi1204にて第2押し順ベルグループ報知(08)が行われる。つまり、第1種押し順ベルや第2押し順ベルのいずれであっても、押し順報知演出を実行しないゲームでは、第2押し順ベルグループ報知に対応する押し順報知が実行されることになる。
本変形例における上乗せチャレンジについて、図755を参照しながら説明する。
図755(a)に示すように、本変形例では、第1上乗せチャレンジや第2上乗せチャレンジは発生せず、第3上乗せチャレンジだけが発生し得るように設定されている。第3上乗せチャレンジの発生率は、各押し順ベル当選ゲームのそれぞれ5%である。この場合、第3上乗せチャレンジ発生時の各押し順ベルの割合は、第1種押し順ベルがそれぞれ5%であり、第2種押し順ベルがそれぞれ10%となり、いずれかの押し順ベルに当選した場合の各押し順ベルの割合と同じ割合となる。
そして、図755(b)に示すように、第3上乗せチャレンジが発生した場合に、特定操作態様(左→中→右、及び左→右→中)にて操作して第1小役入賞又は第2小役入賞が成立する確率(上乗せが発生する確率)は、それぞれ約10%ずつであり、非特定操作態様(中→左→右、中→右→左、右→左→中、右→中→左)にて操作して第3小役入賞~第6小役入賞が成立する確率(上乗せが発生する確率)は、それぞれ20%であり、不均等となっている。
以上のように、本変形例によれば、第2押し順ベルを設けなくても、第1押し順ベルだけで、偏りベルを設定することが可能となり、当該第2押し順ベルの分だけ、記憶容量を削減することが可能となる。
この場合、第1押し順ベルを、第1操作態様となる操作順序が異なる第1種押し順ベルと第2種押し順ベルとにグループ分けし、第1種押し順ベルと第2種押し順ベルとで、ナビ抽選の当選確率を異ならせる構成とした。このようにすることでも、複数のナビ状態を設けるうえで、ナビ抽選の当選確率を比較的簡素に設定しながらも、押し順報知の実行率を詳細に設定することが可能となる。
しかも、第1種押し順ベルについてのナビ抽選に非当選となる値数を用いて、第2種押し順ベルについてのナビ抽選に非当選となる値数を設定するようにしたため、第1種押し順ベルを契機としてナビ抽選に非当選となるゲームの頻度と、第2種押し順ベルを契機としてナビ抽選に非当選となるゲームの頻度とを、均等化することが可能となる。これにより、ATモードにおいて押し順報知演出が実行されないゲームにて、いずれの操作態様にて操作しても、第1小役入賞~第6小役入賞となる確率を均等化することが可能となり、遊技の公平性を好適に担保することができる。
<変形例2>
本変形例では、上記の変形例1のように第1種押し順ベルと第2種押し順ベルとによって偏りベルを設定する構成において、上乗せチャレンジの発生率を第1種押し順ベルと第2種押し順ベルとで異ならせる。図756は、本変形例における上乗せチャレンジの概要を示す図である。
図756(a)に示すように、本変形例では、第1種押し順ベル当選ゲームでは、それぞれ約5%の確率で上乗せチャレンジが発生し、第1種押し順ベルよりも当選し易い(押し順ベル中の割合が大きい)第2種押し順ベル当選ゲームでは、それぞれ、第1種押し順ベルの場合よりも低い約2.43%で上乗せチャレンジが発生するように設定する。この場合、上乗せチャレンジが発生した場合の各押し順ベルの割合は、いずれも約8.3%となり均等化される。
本変形例では、上乗せチャレンジを実行する場合、第1上乗せチャレンジが選択される一方、第2上乗せチャレンジや第3上乗せチャレンジは発生しない。そして、図756(b)に示すように、特定操作態様(左→中→右、及び左→右→中)にて操作して第1小役入賞又は第2小役入賞が成立する確率(上乗せが発生する確率)は、それぞれ約16.6%ずつであり、非特定操作態様(中→左→右、中→右→左、右→左→中、右→中→左)にて操作して第3小役入賞~第6小役入賞が成立する確率(上乗せが発生する確率)は、それぞれ約16.6%であり、均等となっている。
このように、本変形例では、第1操作態様となる確率が不均等に当選確率が設定される偏りベルにおいて、第1上乗せチャレンジ発生時には、第1操作態様となる確率を均等化することができる。これにより、6種類の操作順序から1種類の操作順序を選択する遊技において、いずれの操作順序であっても正解となる確率が同じ確率となり、より遊技者の勘頼りの遊技性とすることができる。よって、自らの操作によって恩恵を享受できる印象を強く与えることが可能となり、遊技への注目度を好適に高めることができる。
<変形例3>
図757に示すように、本変形例における上乗せチャレンジでは、第1上乗せチャレンジ~第3上乗せチャレンジとは別に、第4上乗せチャレンジ~第6上乗せチャレンジが設定されている。
第4上乗せチャレンジでは、左ストップスイッチ42を最初に操作することで第1操作態様となることが報知される。具体的には、図758(a)に示すように、補助表示部65において、左ストップスイッチ42に対応する示唆画像として、対応するストップスイッチ(左ストップスイッチ42)を最初に操作すべきことを示す「1」の数字が付された第7キャラクタC7が表示され、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44に対応する示唆画像として、第1キャラクタC1の示唆画像が表示される。第5上乗せチャレンジは、中ストップスイッチ43を最初に操作することで第1操作態様となることが報知される。具体的には、図758(b)に示すように、補助表示部65において、中ストップスイッチ43に対応する示唆画像として、対応するストップスイッチ(中ストップスイッチ43)を最初に操作すべきことを示す「1」の数字が付された第7キャラクタC7が表示され、左ストップスイッチ42や右ストップスイッチ44に対応する示唆画像として、第1キャラクタC1の示唆画像が表示される。そして、第6上乗せチャレンジは、右ストップスイッチ44を最初に操作することで第1操作態様となることが報知される。具体的には、補助表示部65において、右ストップスイッチ44に対応する示唆画像として、対応するストップスイッチ(右ストップスイッチ44)を最初に操作すべきことを示す「1」の数字が付された第7キャラクタC7が表示され、左ストップスイッチ42や中ストップスイッチ43に対応する示唆画像として、第1キャラクタC1の示唆画像が表示される。
本変形例では、当選した押し順ベルの種類に応じて、第4上乗せチャレンジ~第6上乗せチャレンジのいずれの上乗せチャレンジを実行するかが定められている。具体的には、第1左中ベル、第2左中ベル、第1左右ベル、第2左右ベルの当選ゲームで上乗せチャレンジを実行する場合は第4上乗せチャレンジが選択され、第1中左ベル、第2中左ベル、第1中右ベル、第2中右ベルの当選ゲームで上乗せチャレンジを実行する場合は第5上乗せチャレンジが選択され、第1右左ベル、第2右左ベル、第1右中ベル、第2右中ベルの当選ゲームで上乗せチャレンジを実行する場合は第6上乗せチャレンジが選択される。
なお、本変形例では、上記変形例2のように第2押し順ベルに非当選となり、第1押し順ベルのうちの第1種押し順ベルと第2種押し順ベルによって偏りベルを設定している。また、本変形例では、第1上乗せチャレンジ~第3上乗せチャレンジは選択されないように設定されている。
このように、第4上乗せチャレンジ~第6上乗せチャレンジといった最初に停止操作するストップスイッチ42~44を示唆することにより、偏りベルであっても、そのチャレンジ発生時における各選択肢で正解となる確率を均等化することが可能である。具体的には、図759に示すように、第4上乗せチャレンジは、第1左中ベル、第2左中ベル、第1左右ベル、第2左右ベル当選時の5%で発生するところ、当該第1左中ベル、第2左中ベル、第1左右ベル、第2左右ベルにおけるポイント値PVの5%は、いずれも99である。この場合、左ストップスイッチ42を操作した後、2番目に中ストップスイッチ43を操作することで第1操作態様となるポイント値PVは198(99+99)であり、2番目に右ストップスイッチ44を操作することで第1操作態様となるポイント値PVも198(99+99)であり、中ストップスイッチ43と右ストップスイッチ44とのいずれを2番目で操作するかによって第1操作態様となる確率はいずれも50%となり、均等化される。
また、第5上乗せチャレンジも、第1中左ベル、第2中左ベル、第1中右ベル、第2中右ベル当選時の5%で発生するところ、当該第1中左ベル、第2中左ベル、第1中右ベル、第2中右ベルにおけるポイント値PVの5%は、いずれも209である。この場合、中ストップスイッチ43を操作した後、2番目に左ストップスイッチ42を操作することで第1操作態様となるポイント値PVは418(209+209)であり、2番目に右ストップスイッチ44を操作することで第1操作態様となるポイント値PVも418(209+209)であり、左ストップスイッチ42と右ストップスイッチ44とのいずれを2番目で操作するかによって第1操作態様となる確率はいずれも50%となり、均等化される。
同様に、第6上乗せチャレンジも、右ストップスイッチ44を操作した後、2番目に左ストップスイッチ42を操作することで第1操作態様となるポイント値PVは418(209+209)であり、2番目に中ストップスイッチ43を操作することで第1操作態様となるポイント値PVも418(209+209)であり、左ストップスイッチ42と中ストップスイッチ43とのいずれを2番目で操作するかによって第1操作態様となる確率はいずれも50%となり、均等化される。
このように、最初に停止操作するストップスイッチ42~44を示唆し、2番目に停止操作するストップスイッチ42~44を示唆しない態様にて上乗せチャレンジを行うようにすることで、各ストップスイッチ42~44の操作順序によって第1操作態様となる確率が不均等となっている偏りベルであっても、その上乗せチャレンジの各選択肢の確率が均等化され、より遊技者の勘頼りの遊技性とすることができ、遊技の公平性を担保することが可能となる。
<変形例4>
本変形例では、第1押し順ベルと第2押し順ベルとにより偏りベルを設定する構成において、押し順報知の態様を異ならせる。図760は、本変形例における停止時AT抽選用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、第2押し順ベル当選ゲームにおいて特定操作態様にて操作された場合には、上記の通り、有利な指示機能に関する処理として、天井ゲーム数の減算やATモードやCZモードの移行抽選を実行する一方、非特定操作態様にて操作された場合には、天井ゲーム数の減算やATモードやCZモードの移行抽選を実行しない。これに対して、第1押し順ベル当選ゲームでは、特定操作態様にて操作された場合も非特定操作態様にて操作された場合も、天井ゲーム数の減算やATモードやCZモードの移行抽選を実行する構成とする。
具体的には、ステップSi3001にてゲームの抽選結果を把握し、ステップSi3002にて第2押し順ベルである場合には、ステップSi3003にて特定操作態様にて操作されたか否かを判定し、特定操作態様にて操作された場合には、ステップSi3004以降の処理にて天井ゲーム数の減算やATモードやCZモードの移行抽選を実行する。ステップSi3004~ステップSi3019の処理は、上記ステップSi1704~ステップSi1719の処理と同様である。非特定操作態様にて操作された場合には、ステップSi3004以降の処理を実行しない。
これに対して、ステップSi3002にて第2押し順ベルではないと判定した場合、すなわち、第1押し順ベルを含めて他の抽選結果であると判定した場合は、ステップSi3003の操作態様の判定処理を行うことなく、ステップSi3004以降の処理にて天井ゲーム数の減算やATモードやCZモードの移行抽選を実行する。
つまり、第1押し順ベルと第2押し順ベルのうち、第1押し順ベルについては、第1操作態様となる割合が均等化されており、当該第1押し順ベルだけでは偏りベルとはならない。そのため、当該第1押し順ベルについては、いずれの操作態様でも均等な割合で第1小役入賞~第6小役入賞が成立し得ることから、第1小役入賞~第6小役入賞となる確率が低い代わりに有利な指示機能に関する処理を行う必要も生じない。
なお、上記構成において、上記実施形態のようにステップSi3002て第1押し順ベル及び第2押し順ベルのいずれかの当選ゲームであるか否か判定したうえで、ステップSi3003にて、特定操作態様にて操作され、且つ第7小役入賞~第27小役入賞のいずれかが入賞している場合に、ステップSi3004以降の処理を行う構成としてもよい。
図761は、本変形例における押し順報知用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSi3101にていずれかの押し順ベル当選であると判定し、ステップSi3102にてATモード中ではないと判定した場合、ステップSi3103にて第1押し順ベルであるか否かを判定する。第1押し順ベルではなく第2押し順ベルである場合、ステップSi3104に進み、偏りベル報知コマンドを出力設定し、ステップSi3105にて第2押し順ベルグループ報知を払出枚数表示部62にて行うように設定する処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。これらステップSi3104やステップSi3105の処理は、ステップSi1203やステップSi1204の処理と同様であり、払出枚数表示部62による第2押し順ベルグループ報知を実行したり、補助表示部65にて偏りベル報知演出を実行するための処理である。
これに対して、ステップSi3103にて第1押し順ベルであると判定した場合、ステップSi3104やステップSi3105の処理を実行することなく、そのまま押し順報知用処理を終了する。すなわち、通常モードやCZモード中に第1押し順ベル当選となった場合、払出枚数表示部62による第2押し順ベルグループ報知や、補助表示部65による偏りベル報知演出は実行されない。
ATモード中の押し順ベル当選ゲームでは(ステップSi3101:YES、ステップSi3102:YES)、上乗せチャレンジ用の処理(ステップSi3106、ステップSi3107)を実行する他、当該上乗せチャレンジ非発生ゲームにおいては、上記の通り、各ナビ状態に応じて押し順報知や押し順報知演出を行うための処理を実行する。
この場合、本変形例では、ステップSi3108にて第2押し順ベルではなく第1押し順ベルであると判定した場合であって、ステップSi3109のナビ抽選処理にて非当選となった場合(ステップSi3110:NO)、第2押し順ベルグループ報知を実行するための処理を行うことなく、そのまま本押し順報知用処理を終了する。
つまり、本変形例では、ATモード中に第1押し順ベル当選となった場合であって、第1操作態様に対応する押し順報知を実行しないゲームでは、払出枚数表示部62での第2押し順ベルグループ報知も実行しないようになる。
なお、ステップSi3110のナビ抽選処理にて当選した場合(ステップSi3111:YES)や第2押し順ベルである場合(ステップSi3108:YES)は、上記ステップSi1211~ステップSi1213と同様に、ステップSi3112~ステップSi3115にて第1操作態様に対応する押し順報知や押し順報知演出を行うための処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。
本変形例におけるステップSi3107のチャレンジ用処理では、図762のフローチャートに示すように、ステップSi3203にて第2上乗せチャレンジを発生させるゲームであると判定した場合に、ステップSi3404にて第2チャレンジコマンドをセットする処理を実行した後、ステップSi3405にて、第1押し順ベルグループ報知ではなく、第2押し順ベルグループ報知を行うための処理を実行してから、本チャレンジ用処理を終了する。その他の処理、ステップSi3101~ステップSi3104、ステップSi3106~ステップSi3107は、上記のステップSi1301~ステップSi1304、ステップSi1306~ステップSi1307の処理と同様である。
すなわち、本変形例では、図763に示すように、通常モードやCZモードにおいて、払出枚数表示部62での第2押し順ベルグループ報知が実行されるとともに、補助表示部65にて偏りベル報知演出が実行されるゲームは、第1押し順ベルと第2押し順ベルのうちの第2押し順ベル当選ゲームに限定され、第1押し順ベル当選ゲームでは、第2押し順ベルグループ報知や偏りベル報知演出は実行されない。
上記の通り、第1押し順ベルは約2.76分の1の確率で当選となり、第2押し順ベルは約3.92分の1の確率で当選となるところ、上記のようにいずれかの押し順ベルに当選となった場合に、第2押し順ベルグループ報知や偏りベル報知演出が実行される頻度は半分よりも少なくなる(約41%)。このようにすることで、毎ゲームのように第2押し順ベルグループ報知や偏りベル報知演出が実行されることによる煩わしさを低減することができる。
ここで、通常モードやCZモードにおいては、ATモードへの移行がそのゲームの目標となるところ、ATモードへの移行抽選に当選し易くなる所謂レア役としての特定役(第1スイカ等)に当選となることへ期待感を寄せながら各ゲームが行われると考えられる。そして、これらのレア役当選ゲームでは、払出枚数表示部62での押し順報知(第2押し順ベルグループ報知を含む)は発生しないことから、上記のように通常モードやCZモードにおいて第2押し順ベルグループ報知を実行しないゲームの頻度が高められることによって、当該第1押し順ベル当選ゲームですら、レア役当選に期待を寄せさせることも可能である。つまり、上記のように第2押し順ベルグループ報知や偏りベル報知演出の実行頻度を下げることにより、各ゲームの注目度を好適に高めることが可能となる。
更に、ATモードにおいても、ATモードのセット上乗せは、レア役当選ゲームにて発生し易いことから、上記のようにATモード中の第1押し順ベル当選ゲームであって、第1操作態様に対応する押し順報知を実行しないゲームにて第2押し順ベルグループ報知を実行しない構成とすることで、当該ゲームですら、レア役当選に期待を寄せさせることが可能となり、ATモード中のゲームの注目度も好適に高めることが可能となる。
それだけではなく、本変形例では、第3上乗せチャレンジだけではなく、第2上乗せチャレンジを実行する場合にも、第2押し順ベルグループ報知を実行する構成としていることから、第2押し順ベルに当選している可能性があるゲームでは、必ず第2押し順ベルグループ報知か、第1操作態様に対応する押し順報知が実行されるようになる。よって、第2押し順ベルに当選している可能性があるゲームで複数種類の報知が実行され得る構成と比較すると、報知態様が単純化されることを通じて、遊技者が遊技を容易に理解できるようになり、遊技の興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
<変形例5>
本変形例では、通常モードやCZモード中の第2押し順ベルグループ報知の実行対象を異ならせる。図764は、本変形例における停止時AT抽選用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSi3301にてゲームの抽選結果を把握した後、ステップSi3302では、今回のゲームにて特定操作態様にて操作されたか否かを判定する。特定操作態様ではなく、非特定操作態様である場合には、そのまま本停止時AT抽選用処理を終了する。一方、特定操作態様である場合には、ステップSi3303以降の、天井ゲーム数の減算やATモードやCZモードの移行抽選を実行する。ステップSi3303~ステップSi3318の処理は、上記ステップSi1704~ステップSi1719の処理と同様である。
つまり、本変形例では、各ゲームの抽選結果に関わらず、特定操作態様にて操作された場合には天井ゲーム数の減算やATモードやCZモードの移行抽選を実行する一方、非特定操作態様にて操作された場合には天井ゲーム数の減算やATモードやCZモードの移行抽選を実行しない構成とする。
図765は、本変形例における押し順報知用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSi3401にてATモード中ではないと判定した場合、ステップSi3402にて偏りベル報知コマンドをセットする処理を実行し、ステップSi3403にて第2押し順ベルグループ報知が行われるようにする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。
すなわち、本変形例では、ATモード移行前においては、押し順ベルか否かに関わらず、払出枚数表示部62にて第2押し順ベルグループ報知を実行し、補助表示部65では偏りベル報知演出を実行する(図766)。このようにすることで、押し順ベル当選ゲームとレア役当選ゲームとの区別がつきにくくなり、当該押し順ベル当選ゲームですらレア役当選に期待を寄せながら遊技を進行させることができ、遊技の注目度を好適に高めることが可能となる。
ステップSi3401にてATモード中である場合には、ステップSi3404にて押し順ベル当選ゲームであるか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合には、そのまま押し順報知用処理を終了し、押し順ベル当選である場合には、ステップSi3405~ステップSi3413にて、上記のステップSi3106~ステップSi3114の処理を実行してから本押し順報知用処理を終了する。
すなわち、本変形例でも、ATモード中においては、第1押し順ベル当選ゲームでは、第1操作態様に対応する押し順報知や押し順報知演出が発生しないだけではなく、第2押し順ベルグループ報知も実行しないようにしている。そのため、レア役当選ゲームとの見分けがつきにくくなり、ATモード中においても、当該第1押し順ベル当選ゲームですら、レア役当選に期待を寄せながら遊技を進行させることができ、遊技の注目度を好適に高める効果を期待することが可能となる。
<変形例6>
偏りベル報知演出の変形例について説明する。
図767(a)に示すように、補助表示部65にて、所定のキャラクタ(大工の青年)を表示させる。そして、所定のキャラクタを遊技者が選択した場合、図767(b)に示すように、「左から押すとベルがそろいにくいけど、AT有利だぜ。中・右から押すとベルがそろい易いけど、AT不利だぜ。」といったように、特定操作態様にて操作することで、指示機能に関する処理が有利となる一方、第1小役入賞~第6小役入賞が成立しにくくなり、非特定操作態様にて操作することで、指示機能に関する処理が不利となる一方、第1小役入賞~第6小役入賞が成立し易くなることの説明が、吹き出し表示にて行われる。なお、本補助表示部65をタッチモニタとすることにより、所定のキャラクタを遊技者はタッチすることで選択することが可能となり、操作性の向上を図ることができる。また、本補助表示部65をタッチモニタとしない場合であっても、例えば、演出スイッチ66を操作したり、他の操作ボタン等を操作することで所定のキャラクタを選択することが可能であればよい。
このようにすることで、偏りベル報知演出が実行されることによる補助表示部65における表示領域の圧迫を解消することができ、その分、他の演出を好適に行うことが可能となる。
特に、一旦、当該偏りベル報知演出の示す内容を把握した遊技者にとっては、以降のゲームでの偏りベル報知演出を煩わしく感じる可能性もあるところ、上記のように、必要に応じて(遊技者による所定操作に基づいて)偏りベル報知演出を行う構成とすることで、偏りベル報知演出の示す内容を適切に報知可能としながらも、遊技者の多様なニーズに応えながら他の遊技演出とのバランスを好適に担保することが可能となる。
なお、遊技者の操作に基づいて偏りベル報知演出を行う構成としたが、例えば、遊技者が遊技を開始する場合(例えば、デモ状態から通常状態に移行する場合)に、偏りベル報知演出を行う構成としてもよい。なお、デモ状態は、所定期間(例えば3min)に亘って遊技操作が行われない場合に、メーカーのロゴを表示したり、本遊技機の遊技内容やキャラクタの紹介等の表示を行ったり、節電モード用の表示を行ったりする状態を示し、通常状態は、遊技者の操作に基づき各種演出が行われる状態を示す。この場合、デモ状態から通常状態に移行する際に、偏りベル報知演出を行い、以降は、当該通常状態において偏りベル報知演出を行わないようにするとよい。また、当該通常状態から、再度デモ状態に移行した場合には、当該デモ状態から通常状態に移行する際に、再度、偏りベル報知演出を行う構成とするとよい。なお、当該再度のデモ状態から通常状態への移行時には、偏りベル報知演出を行わない構成としてもよく、この場合、例えば、クレジットカウンタが0よりも大きい状況でデモ状態となった場合や、デモ状態となってからの期間が特定期間(5min)未満であれば(又は、遊技操作が行われなくなってから特定期間未満であれば)、当該デモ状態から通常状態に移行した際には、偏りベル報知演出を行わないようにするようにしてもよい。また、電源投入後、最初のデモ状態から通常状態に移行する際に、偏りベル報知演出を行う一方、以降のデモ状態から通常状態に移行する際に、偏りベル報知演出を行わない構成としてもよい。
更に、デモ状態において偏りベル報知演出を行う構成とし、通常状態では偏りベル報知演出を行わない構成としてもよい。
なお、本変形例は、毎ゲーム、偏りベル報知演出を実行することとなる変形例5に適用すると、その効果がより一層期待できるようになる。
<変形例7>
偏りベル報知演出の実行箇所の変形例について説明する。
図768(a)では、補助表示部65の他に、別途、第2補助表示部65bを設ける。当該第2補助表示部65bは、表示制御装置81に接続されており、所定の表示画面を有している。第2補助表示部65bの表示画面は、例えば、遊技パネル25において、各リール32L,32M,32Rの側方(図では右方)に配置されている。そして、当該第2補助表示部65bにて、上記の偏りベル報知演出を行う構成とする。
このようにすることで、補助表示部65(なお、第2補助表示部65bとの関係では、第1補助表示部65と称してもよい)にて行う各種演出に影響を及ぼさないようにしながら、特定操作態様と非特定操作態様とのそれぞれの恩恵を遊技者に好適に示すことが可能となる。
また、図768(b)に示すように、遊技パネル25における各表示窓26L~26Rが設けられた位置の上方に設定される補助表示領域65cに、偏りベル報知演出の示す内容を直接印刷等により表示する構成としてもよい。この場合、例えば、補助表示部65を備えないようにしてもよい。
このような構成であっても、特定操作態様と非特定操作態様とのそれぞれの恩恵を遊技者に好適に示すことが可能であり、特にこのような構成であれば、遊技機の製造コストを削減する効果も期待できる。
なお、第2補助表示部65bや、偏りベル報知演出を表示する補助表示領域65cは、遊技パネル25における上記箇所に限定されず、例えば、各表示窓26L~26Rの下方であってもよいし、左方や右方であってもよい。また、第2補助表示部65bや補助表示領域65cを、下表示部69に設けてもよい。
<変形例8>
本変形例では、偏りベルの他の設定方法について説明する。図769は、本変形例における入賞態様と付与される特典との関係の変更点を示す図である。
本変形例では、3ベットゲームにおいて第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合、13枚のメダル払出が行われる。その一方で、3ベットゲームにおいて第7小役入賞~第26小役入賞が成立した場合には、上記実施形態と同様に1枚のメダル払出が行われる。そのため、各種押し順ベル当選時に第1操作態様にて操作した場合と、第2操作態様にて操作した場合とで、付与される特典の差が上記実施形態(8枚と1枚)よりも大きくなる。また、本変形例では、第30小役入賞が成立した場合には、3枚ではなく5枚のメダル払出が行われる。
更に、本変形例では、第31小役入賞となる入賞態様が、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかと、右リール32Rの「スイカ」図柄との組み合わせに変更されている。これら第31小役図柄は、各リール32L,32M,32Rに4図柄以内で配置されている。そのため、第31小役は取りこぼしが発生しないことになる。
図770は、本変形例における通常遊技状態用の抽選テーブルの一例を示す図である。
本変形例では、インデックス値IV=10の場合に当選となると共通ベル当選となるように設定されており、共通ベルのインデックス値IVが変更されている。また、本変形例では、インデックス値IV=11~22の第1押し順ベルだけでなく、インデックス値IV=23~30の第2押し順ベルについても、第1操作態様ではなく第2操作態様にて操作された場合に取りこぼしが生じ得るように、一の操作態様に対して2つの押し順ベルが対応操作結果として設定されており、それぞれ補填小役が対応付けられている。
つまり、本変形例では、第1中左特殊ベル(IV=23)と第2中左特殊ベル(IV=24)、第1中右特殊ベル(IV=25)と第2中特殊ベル(IV=26)、第1右左特殊ベル(IV=27)と第2右左特殊ベル(IV=28)、第1右中特殊ベル(IV=29)と第2右中特殊ベル(IV=30)、がそれぞれ対応操作結果として設定されている。そして、例えば、第1中左特殊ベルには、第11小役(補填3A)、第14小役(補填4B)、第19小役(補填7A)、第22小役(補填8B)、第23小役(補填9A)、第26小役(補填10B)が割り振られており、第2中左特殊ベルには、第12小役(補填3B)、第13小役(補填4A)、第20小役(補填7B)、第21小役(補填8A)、第24小役(補填9B)、第25小役(補填10A)が割り振られている。そのため、第1押し順ベルの場合と同様に、第2押し順ベルについても、第2操作態様にて操作された場合には、取りこぼしが生じ得る。
更に、本変形例では、インデックス値IV=11~30の第1押し順ベルや第2押し順ベルに当選となった場合に、第27小役入賞や第32小役入賞も可能となる点で、上記実施形態と相違している。第27小役入賞や第32小役入賞は、各押し順ベルにそれぞれ設定されている第1操作態様のうち、最初のストップスイッチ42~44の停止操作が合致しており、2番目の操作態様が異なっていた場合に入賞が可能となるように設定されている。
具体的には、図771に示すように、例えば、第1左中ベルに当選となった場合(インデックス値IV=11の際に当選となった場合)、ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作されると、上記のように枚数優先制御にて停止制御が行われて第1小役入賞が成立するように、対応する第1小役図柄を有効ラインML上に停止させる制御が行われる。また、第1左中ベルに当選となった場合、ストップスイッチ42~44が、例えば、中→左→右の順で操作されると、上記のように図柄数優先制御にて停止制御が行われて第1小役入賞ではなく第7小役入賞や第10小役入賞が成立するように対応する第7小役図柄や第10小役図柄を有効ラインML上に停止させる制御が行われる。
これに対して、第1左中ベルに当選となった場合、ストップスイッチ42~44が左→右→中の順で操作されると、左ストップスイッチ42が停止操作された時点では、第1小役図柄である「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄のいずれかが有効ラインML上に停止するように制御する。この場合、左リール32Lの第27小役図柄も、「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄として設定されているため、第1小役図柄を有効ラインML上に停止させた場合には、第27小役入賞の可能性も残されることになる。次に、中ストップスイッチ43ではなく右ストップスイッチ44が停止操作された場合、例えば、左リール32Lの下段に「白BAR」図柄が停止していれば、第1小役図柄及び第27小役図柄である「ベル」図柄、第7小役図柄である「黒BAR」図柄や「赤7」図柄、第15小役図柄である「リプレイ」図柄のうち、「ベル」図柄を有効ラインML上に停止するように制御する(図柄数優先制御)。そして、次に、中ストップスイッチ43が操作された場合には、本変形例では、第1小役図柄である「リプレイ」図柄ではなく、第27小役図柄である「ベル」図柄が停止するように制御する。各リール32L,32M,32Rの第27小役図柄は各図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されているため、当該第27小役入賞を取りこぼすことはなく、その結果、第1左中ベル当選時に、左→右→中といった順序にて停止操作された場合、第27小役入賞が必ず成立して1枚のメダル払出が行われるようになる。
また、図772に示すように、例えば、第1右中特殊ベルに当選となった場合(インデックス値IV=29の際に当選となった場合)、ストップスイッチ42~44が右→中→左の順で操作されると、上記のように枚数優先制御にて停止制御が行われて第6小役入賞が成立するように、対応する第6小役図柄を有効ラインML上に停止させる制御が行われる。また、第1右中特殊ベルに当選となった場合、ストップスイッチ42~44が、例えば、中→左→右の順で操作されると、上記のように図柄数優先制御にて停止制御が行われて第6小役入賞ではなく第7小役入賞や第10小役入賞が成立するように対応する第7小役図柄や第10小役図柄を有効ラインML上に停止させる制御が行われる。
これに対して、第1右中特殊ベルに当選となった場合、ストップスイッチ42~44が右→左→中の順で操作されると、右ストップスイッチ44が停止操作された時点では、第6小役図柄である「スイカ」図柄が有効ラインML上に停止するように制御する。この場合、右リール32Rの第32小役図柄も、「スイカ」図柄として設定されているため、第6小役図柄を有効ラインML上に停止させた場合には、第32小役入賞の可能性も残されることになる。次に、中ストップスイッチ43ではなく左ストップスイッチ42が停止操作された場合、第6小役図柄である「ベル」図柄、第23小役図柄である「白BAR」図柄や「赤7」図柄、第26小役図柄である「赤貝」図柄や「白貝」図柄、第32小役図柄である「リプレイ」図柄のうち、本変形例では、「リプレイ」図柄を有効ラインML上に停止するように制御する(図柄数優先制御)。そして、次に、中ストップスイッチ43が操作された場合には、第32小役図柄である「リプレイ」図柄が停止するように制御する。各リール32L,32M,32Rの第32小役図柄は各図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されているため、当該第32小役入賞を取りこぼすことはなく、その結果、第1右中ベル当選時に右→左→中といった順序にて停止操作された場合、第32小役入賞が必ず成立して1枚のメダル払出が行われるようになる。
つまり、本変形例では、図773に示すように、押し順ベル当選時に第1操作態様にて操作された場合には、上記実施形態と同様に、第1小役入賞~第6小役入賞が成立して13枚のメダル払出が行われる。一方、押し順ベル当選時に第2操作態様にて操作された場合であって、最初の停止操作が第1操作態様と同じ操作態様であれば、第27小役入賞又は第32小役入賞が成立して1枚のメダル払出が行われる。そして、押し順ベル当選時に第2操作態様にて操作された場合であって、最初の停止操作が第1操作態様と異なる操作態様であれば、第7小役入賞~第26小役入賞が成立して1枚のメダル払出が行われるか、取りこぼしとなってメダル払出が行われない。この場合、第1操作態様にて操作された場合の期待払出数は13枚であり、第2操作態様にて操作された場合の期待払出数は1枚又は0.5枚である。
また、本変形例では、インデックス値IV=31~38が上記実施形態のものと異なっている。
具体的に本変形例では、インデックス値IV=31の場合に当選となると2択1枚役A当選となり、インデックス値IV=32の場合に当選となると2択1枚役B当選となる。2択1枚役A及び2択1枚役Bは、上記押し順ベルにおける対応操作結果の補填小役により構成される結果であり、2択1枚役Aに当選となった場合には、第7小役(補填1A)、第10小役(補填2B)、第15小役(補填5A)、第18小役(補填6B)の入賞が可能となり、2択1枚役Bに当選となった場合には、第8小役(補填1B)、第9小役(補填2A)、第16小役(補填5B)、第17小役(補填6A)の入賞が可能となる。
これら2択1枚役Aと2択1枚役Bとに補填小役のそれぞれが割り振られていることにより、2択1枚役Aや2択1枚役Bに当選となった場合、ストップスイッチ42~44をいずれの操作順序にて操作しても、一方の補填小役の入賞が成立するか、いずれの補填小役の入賞も成立せずに取りこぼしとなり、各ストップスイッチ42~44の操作態様別の期待払出数はいずれも0.5枚である(図773)。
また、インデックス値IV=33の場合に当選となると特殊1枚役A当選となり、インデックス値IV=34の場合に当選となると特殊1枚役B当選となり、インデックス値IV=35の場合に当選となると特殊1枚役C当選となる。特殊1枚役A当選となった場合には、第27小役の入賞が可能となり、特殊1枚役B当選となった場合には、第31小役の入賞が可能となり、特殊1枚役C当選となった場合には、第32小役の入賞が可能となる。特殊1枚役A~特殊1枚役Cに当選となった場合、対応する小役入賞が必ず成立し(取りこぼしは生じず)、各ストップスイッチ42~44の操作態様別の期待払出数はいずれも1枚である。
本変形例では、上記実施形態における弱チェリー(IV=29)及び強チェリー(IV=30)の代わりに、インデックス値IV=36にチェリーが対応付けられており、当該チェリーに当選となった場合(インデックス値IV=36の際に当選となった場合)、第30小役の入賞が可能となるように設定されている。この場合、第30小役図柄は各リール32L,32M,32Rにおいてこれら第30小役図柄同士の間隔が5図柄以上となるように設定されており(特に左リール32Lと右リール32R)、チェリーに当選となった場合において、ストップスイッチ42~44の操作態様(操作タイミング)によっては、第30小役入賞が成立して5枚のメダル払出が行われる場合と、第30小役入賞が成立せずに取りこぼしとなる場合とがある。
そして、重複BBはインデックス値IV=37に設定されており、単独BBはインデックス値IV=38に設定されている。
当選確率の変更点について、本変形例では、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、インデックス値IV=2~7,37,38には当選とならないようにポイント値PVが設定されている(0が設定されている)。また、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、シングルラインBARリプ(BARリプS)に当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず7.32分の1である。第1スベリチャンスに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約4100分の1であり、第2スベリチャンスに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、第1スベリチャンスよりも第2スベリチャンスの方が当選しにくくなるように設定されている。
共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1である。
第1押し順ベルとしての第1左中ベル、第2左中ベル、第1左右ベル、第2左右ベル、第1中左ベル、第2中左ベル、第1中右ベル、第2中右ベル、第1右左ベル、第2右左ベル、第1右中ベル、第2右中ベルに当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約36.4分の1であり、第1押し順ベルに当選となる確率をまとめると約3.03分の1である。
第2押し順ベルとしての第1中左特殊ベル、第2中左特殊ベル、第1中右特殊ベル、第2中右特殊ベル、第1右左特殊ベル、第2右左特殊ベル、第1右中特殊ベル、第2右中特殊ベルに当選となる確率(IV=23~30の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約27.3分の1であり、第2押し順ベルに当選となる確率をまとめると約3.41分の1である。
すなわち、本変形例でも第1押し順ベルの方が第2押し順ベルよりも当選確率が高くなるように設定されている。
2択1枚役A及び2択1枚役Bに当選となる確率(IV=31,32の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約14.34分の1であり、これらいずれかの2択1枚役に当選となる確率をまとめると約7.19分の1である。
すなわち、第1押し順ベルや第2押し順ベルに当選となる確率よりもいずれかの2択1枚役に当選となる確率は低くなるように設定されている。
特殊1枚役Aに当選となる確率(IV=33の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約10.9分の1であり、特殊1枚役Bに当選となる確率(IV=34の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約4100分の1であり、特殊1枚役Cに当選となる確率(IV=35の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1である。すなわち、特殊1枚役Aよりも特殊1枚役Bの方が当選しにくくなるように設定されており、更に、特殊1枚役Bよりも特殊1枚役Cの方が当選しにくくなるように設定されている。チェリーに当選となる確率(IV=36の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約328分の1である。
<押し順チャレンジの変更点>
本変形例では、上記実施形態においてATモード中に発生し得るように設定されていた押し順チャレンジとしての上乗せチャレンジが、通常モードやCZモードにおいても発生し得るように設定されている。なお、以下の説明では、通常モードやCZモードにおいて発生し得る押し順チャレンジを通常チャレンジとも称し、ATモードにおいて発生し得る押し順チャレンジをATチャレンジとも称する。ATチャレンジ発生時に第1操作態様にて操作することに成功した場合、その特典として、上記のようにATモードのセット上乗せが行われ、通常チャレンジ発生時に第1操作態様にて操作することに成功した場合、その特典として、本変形例ではATモードへの移行を生じさせる。
<通常チャレンジを発生させるための処理>
図774は、本変形例における開始時AT抽選用処理の一部を示すフローチャートである。上記の通り、開始時AT抽選用処理は、ATモード移行抽選に当選していない状況でスタートレバー41の操作に基づき実行される処理である。
ステップSi4001では天井カウンタが0であるか否かを判定し、0ではない場合には、ステップSi4002にてAT抽選乱数を取得する処理を実行する。そして、ステップSi4003にて直前の抽選処理の結果に基づいて今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。これらステップSi4001~ステップSi4003の処理は、ステップSi801~ステップSi803の処理と同様である。
ステップSi4004では、各種フラグ格納エリア106dにチャレンジモードフラグがセットされているか否かを判定する。チャレンジモードフラグは、押し順チャレンジを実行可能なチャレンジモードであることをCPU102が把握するためのフラグである。なお、通常モードやCZモード中に移行するチャレンジモードを、以下の説明では通常チャレンジモードと称する。また、ATモード中に移行するチャレンジモードをATチャレンジモードとも称する。
ステップSi4004にてチャレンジモードフラグがセットされておらず、通常チャレンジモードではない場合、ステップSi4005に進み、CZモードフラグの有無により、対応するATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する(ステップSi4006、ステップSi4007)。これらステップSi4005~ステップSi4007の処理は、上記ステップSi804~ステップSi806の処理と同様である。
本変形例における通常用ATモード移行抽選テーブルや、CZ用ATモード移行抽選テーブルは、図775に示すように、一部の抽選結果では、ATモード移行当選とならないように設定されている。具体的には、通常用ATモード移行抽選テーブルでは、第1押し順ベルや第2押し順ベル(インデックス値IV=11~30)では、開始時ATモード移行抽選にて当選とならないように設定されている。また、CZ用ATモード移行抽選テーブルでは、第1押し順ベルや第2押し順ベルに加えて、共通ベルや、2択1枚役Aと2択1枚役B、特殊1枚役A(インデックス値IV=10~33)でも、開始時ATモード移行抽選にて当選とならないように設定されている。このように開始時ATモード移行抽選にて当選とならないように設定されている結果は、当該ゲームにて特定操作態様にて操作された場合には停止時ATモード移行抽選にて当選となり得るように設定されており、非特定操作態様にて操作された場合には停止時ATモード移行抽選でも当選とならないように設定されている結果である。
その他、本変形例における通常用ATモード移行抽選テーブルや、CZ用ATモード移行抽選テーブルでも、各ゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど開始時ATモード移行抽選にて当選し易くなるように設定されていたり(例えば、第1スベリチャンスよりも第2スベリチャンスの方がATモード移行抽選に当選し易い)、同じ抽選結果でも当選確率の設定処理にて設定される設定値が高設定なほど開始時ATモード移行抽選にて当選し易くなるように設定されていたりする(例えば、BARリプS)。
ステップSi4004にてチャレンジモードフラグがセットされており、通常チャレンジモードである場合、ステップSi4008にて今回のゲームの抽選結果が第1押し順ベルであるか否かを判定する。第1押し順ベルである場合、ステップSi4009にて当該チャレンジモードフラグをクリアする処理を実行してから、今回のゲームで押し順チャレンジを発生させるための処理を実行する。
すなわち、ステップSi4010にて第1チャレンジフラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする処理を実行する。続くステップSi4011では、第1チャレンジコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。上記のように、表示制御装置81では、第1チャレンジコマンドを受信することにより第1チャレンジ報知演出(図721(a))が行われるように補助表示部65を制御するとともに、その効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。
続くステップSi4012では、チャレンジカウンタに所定値としての10を入力する処理を実行する。チャレンジカウンタは所定契機で減算処理が行われ、0となることで押し順チャレンジが発生可能となるチャレンジモードに移行するようになる。そのため、ステップSi4012にて入力する所定値は、押し順チャレンジの実行頻度を設定するための値であり、押し順チャレンジが発生するまでの期間を設定するための値である。
ステップSi4008にてチャレンジモード中の第1押し順ベル非当選ゲームである場合や、ステップSi4012の処理を実行した後は、ステップSi4013にて通常チャレンジ用ATモード移行抽選テーブルをROM105の各種テーブル記憶エリア105aから取得する処理を実行する。
通常チャレンジ用ATモード移行抽選テーブルは、図775に示すように、通常用ATモード移行抽選テーブルやCZ用ATモード移行抽選テーブルと同様に、一部の抽選結果では、ATモード移行当選とならないように設定されている。具体的には、通常チャレンジ用ATモード移行抽選テーブルでは、第1押し順ベル及び第2押し順ベル(インデックス値IV=11~30)では、開始時ATモード移行抽選にて当選とならないように設定されている。第1押し順ベルについては、押し順チャレンジによる恩恵でATモード移行当選となり得るように設定しており、第2押し順ベルについてはストップスイッチ42~44の操作態様によっては停止時ATモード移行抽選にて当選となり得るように設定している。
また、通常チャレンジ用ATモード移行抽選テーブルでは、通常用ATモード移行抽選テーブルやCZ用ATモード移行抽選テーブルと比較して、同じ抽選結果を契機とするATモード移行抽選であっても通常チャレンジ用の方がATモード移行当選となり易いように設定されている。つまり、通常チャレンジモードは、第1押し順ベル当選時に押し順チャレンジによりATモードへの移行を生じさせることが可能となるだけでなく、第1押し順ベルに当選して押し順チャレンジが発生するまでのゲームでも、ATモード移行抽選に当選し易くなり、一種のチャンスゾーンをなすものである。そして、上記のように通常チャレンジモードにおいて押し順チャレンジが発生すると当該通常チャレンジモードが終了する(チャレンジモードフラグがクリアされる)ことから、遊技者は、通常チャレンジモードをなるべく長く継続させるべく、第1押し順ベルに当選しないことを願いながら遊技を進め、第1押し順ベルに当選した場合には、第1操作態様となるように願いながらストップスイッチ42~44を操作する、といったようにドキドキ感のあるゲーム性を実現することが可能となる。
ステップSi4006、ステップSi4007及びステップSi4013のいずれかにて移行抽選テーブルを取得した後は、ステップSi4014にて、取得した各種移行抽選テーブルと、ゲームの抽選結果やAT抽選乱数とに基づいて、ATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップSi4015にてATモード移行当選となったか否かを判定し、移行当選となった場合には、ステップSi809へ進み、ATモード移行当選用の処理(ステップSi809~ステップSi812,ステップSi817~ステップSi820)を実行し、移行当選とならなかった場合には、ステップSi813に進み、ATモード移行非当選用の処理(ステップSi813~ステップSi820)を実行する。
<ATチャレンジを発生させるための処理>
図777は、本変形例におけるAT上乗せ用処理を示すフローチャートである。上記の通り、AT上乗せ用処理は、ATモード移行抽選に当選している状況やATモード中である状況でスタートレバー41の操作に基づき実行される処理である。
ステップSi4101では、ゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSi4102にて、上記のチャレンジモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSi4103にて今回のゲームの抽選結果がいずれかの押し順ベルであるか否かを判定する。チャレンジモードフラグがセットされていない場合は、ステップSi4105~ステップSi4112にてATモードの上乗せ抽選に基づく上乗せ用の処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。ステップSi4105~ステップSi4112の処理は、上記ステップSi1004~ステップSi1011の処理と同様である。一方、チャレンジモードフラグがセットされていてATチャレンジモードであっても押し順ベル非当選である場合(ステップSi4103:NO)は、そのまま本AT上乗せ用処理を終了する。
ステップSi4102にてチャレンジモードフラグがセットされており、且つステップSi4103にて押し順ベル当選ゲームであると判定した場合、ステップSi4104にてATチャレンジ用処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。ATチャレンジ用処理は、上記ステップSi1003の上乗せチャレンジ用処理に相当する処理である。
図778は、ステップSi4104のATチャレンジ用処理を示すフローチャートである。
ステップSi4201では、チャレンジモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSi4202にてチャレンジ種別抽選処理を実行する。図776に示すように、本変形例における押し順チャレンジとして、ATチャレンジでは、第2押し順チャレンジ、第4押し順チャレンジ~第6押し順チャレンジのいずれかが選択されるように設定されている。第2押し順チャレンジは、上記の第2上乗せチャレンジに相当するものであり、遊技者が勘等を頼りとして左ストップスイッチ42を最初に操作する操作順序を除く操作順序から第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序に正解する必要がある旨が報知される押し順チャレンジである(図721(b))。また、第4押し順チャレンジ~第6押し順チャレンジは、上記の第4上乗せチャレンジ~第6押し順チャレンジに相当するものであり、各ストップスイッチ42~44のうちの最初に停止操作すべきストップスイッチ42~44に対応する示唆画像として第7キャラクタC7が表示され、他のストップスイッチ42~44に対応する示唆画像として、第1キャラクタC1の示唆画像が表示され、遊技者が勘等を頼りとして最初に操作するストップスイッチ42~44以外の操作順序として第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序に正解する必要がある旨が報知される押し順チャレンジである(図758(b))。
ステップSi4202におけるチャレンジ種別抽選処理では、今回のゲームの抽選結果が第1押し順ベルである場合には第4押し順チャレンジ~第6押し順チャレンジを選択し、第2押し順ベルである場合には第2押し順チャレンジを選択するように設定されている。
第1押し順ベルについてより詳しくは、第1左中ベル、第2左中ベル、第1左右ベル、第2左右ベルである場合には左ストップスイッチ42を最初に操作すべき旨の報知が行われる第4押し順チャレンジを選択し、第1中右ベル、第2中右ベル、第1中左ベル、第2中左ベルである場合には中ストップスイッチ43を最初に操作すべき旨の報知が行われる第5押し順チャレンジを選択し、第1右左ベル、第2右左ベル、第1右中ベル、第2右中ベルである場合には右ストップスイッチ44を最初に操作すべき旨の報知が行われる第6押し順チャレンジを選択する。
第2押し順チャレンジが発生した場合において、当該ゲームの抽選結果の第2押し順ベルに対応する第1操作態様にて操作すれば第1小役入賞~第6小役入賞が成立して対応する特典が付与される一方、第2操作態様にて操作すれば第1小役入賞~第6小役入賞は成立せずに対応する特典は付与されない。
また、第4押し順チャレンジ~第6押し順チャレンジが発生した場合において、そのチャレンジ報知演出に従って、最初のストップスイッチ42~44の停止操作を行った後、2番目の停止操作(3番目の停止操作も)が第1操作態様に合致するものであれば第1小役入賞~第6小役入賞が成立して対応する特典が付与される一方、2番目の停止操作(3番目の停止操作も)が第1操作態様に合致せず第2操作態様に合致するものであれば第1小役入賞~第6小役入賞は成立せずに対応する特典は付与されない。この場合、第4押し順チャレンジ~第6押し順チャレンジであれば、第1押し順チャレンジが発生した場合よりも、第1小役入賞~第6小役入賞が成立する可能性は高くなる。
つまり、ATチャレンジにおいては、第1押し順ベルの方が第2押し順ベルよりも、第1小役入賞~第6小役入賞が成立し易くなるため、遊技者は、第2押し順ベルではなく第1押し順ベルに当選することを願いながら遊技を行うものと考えられる。
また、本変形例では、ATモード中にチャレンジモードフラグがセットされたATチャレンジモードにおいては、押し順ベル当選までATモードの上乗せ抽選(ステップSi4105~ステップSi4112の処理)を実行しない構成としている。そのため、ATチャレンジモードに移行した場合には、より早期に押し順ベルに当選することに期待しながら遊技を行うものと考えられ、ATモード中の押し順ベル当選ゲームを、単にメダル増加用のゲームとしての機能だけでなく、押し順チャレンジにてATモードのセット上乗せを行うことの機能を付与し、更に、当該押し順ベル当選ゲームを上乗せ抽選の制限が解除される契機としての機能も付与することにより、ATモードにおいて当該押し順ベルをより心待ちにさせる斬新な遊技性を実現することが可能となる。
ステップSi4202にてチャレンジ種別抽選処理を実行した後は、ステップSi4203にて対応するチャレンジフラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする処理を実行する。具体的には、第2押し順チャレンジを実行することの決定がなされた場合には第2チャレンジフラグをセットし、第4押し順チャレンジを実行することの決定がなされた場合には第4チャレンジフラグをセットし、第5押し順チャレンジを実行することの決定がなされた場合には第5チャレンジフラグをセットし、第6押し順チャレンジを実行することの決定がなされた場合には第6チャレンジフラグをセットする。
続くステップSi4204では、対応するチャレンジコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。具体的には、第2押し順チャレンジであれば、第2チャレンジコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、第4押し順チャレンジであれば、第4チャレンジコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、第5押し順チャレンジであれば、第5チャレンジコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、第6押し順チャレンジであれば、第6チャレンジコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。上記のように、表示制御装置81では、第2チャレンジコマンドを受信することにより第2チャレンジ報知演出が行われるように補助表示部65を制御するとともに、その効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。また、第4チャレンジコマンドを受信することにより第4チャレンジ報知演出が行われるように補助表示部65を制御するとともに、その効果音が発せられるようにスピーカ64を制御し、第5チャレンジコマンドを受信することにより第5チャレンジ報知演出が行われるように補助表示部65を制御するとともに、その効果音が発せられるようにスピーカ64を制御し、第6チャレンジコマンドを受信することにより第6チャレンジ報知演出が行われるように補助表示部65を制御するとともに、その効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。
続くステップSi4205では、チャレンジカウンタに所定値としての3を入力する処理を実行してから、本ATチャレンジ用処理を終了する。この場合、通常チャレンジの場合よりも、ATチャレンジの場合の方が、チャレンジカウンタに入力する値が小さくなるように設定されており、ATモード中の方が押し順チャレンジが発生し易くなるようになっている。
<押し順チャレンジの実行契機について>
本変形例では、各ゲームの抽選結果と入賞結果とに基づいて、押し順チャレンジが発生し得るようにする。図779は、本変形例における入賞結果対応処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSi4301~ステップSi4303にて上記ステップSi1601~ステップSi1603と同様に、ベット数が特定規定枚数であるか否かを判定する処理を実行した後、ステップSi4304にて、チャレンジ準備用処理を実行する。
図780は、ステップSi4304のチャレンジ準備用処理を示すフローチャートである。
ステップSi4401では、今回のゲームの抽選結果がいずれかの特殊1枚役であったか否かを判定する。いずれの特殊1枚役でもない場合には、そのまま本チャレンジ準備用処理を終了する。
いずれかの特殊1枚役であった場合には、ステップSi4402にて、今回の入賞結果として第27小役入賞が成立しているか否かを判定する。いずれかの特殊1枚役当選時に第27小役入賞が成立する場合とは、今回のゲームの抽選結果が特殊1枚役Aであったことを意味する。この場合、ステップSi4403にてチャレンジカウンタを1減算する処理を実行する。
ステップSi4402にて第27小役入賞が成立していないと判定した場合、ステップSi4404にて、今回の入賞結果として第31小役入賞が成立しているか否かを判定する。いずれかの特殊1枚役当選時に第31小役入賞が成立する場合とは、今回のゲームの抽選結果が特殊1枚役Bであったことを意味する。この場合、ステップSi4405にてチャレンジカウンタを2減算する処理を実行する。
ステップSi4404にて第31小役入賞が成立していないと判定する場合とは、第32小役入賞が成立していることを意味し、いずれかの特殊1枚役当選時に第32小役入賞が成立する場合とは、今回のゲームの抽選結果が特殊1枚役Cであったことを意味する。この場合、ステップSi4406にてチャレンジカウンタを3減算する処理を実行する。
ステップSi4403、ステップSi4405及びステップSi4406のいずれかの処理を実行した後は、ステップSi4407にて、チャレンジカウンタが0以下となったか否かを判定する。0以下である場合には、ステップSi4408にてチャレンジモードフラグをセットする処理を実行する。これにより、上記開始時AT抽選処理やAT上乗せ用処理において通常チャレンジモード用の処理やATチャレンジモード用の処理が実行されるようになる。ステップSi4407にて否定判定した場合、又はステップSi4408の処理を実行した後は、チャレンジ準備処理を終了する。
すなわち、本変形例では、ATモード中の押し順チャレンジと通常モードやCZモード中の押し順チャレンジとの実行契機が、いずれも共通のチャレンジカウンタにて管理される構成としている。このようにすることで、処理構成の簡素化が図られるし、ATモード移行前のチャレンジカウンタの値がATモード移行後も引き継がれるようになるため、モード移行によって押し順チャレンジの実行契機が消失してしまうことを解消することができる。
また、本変形例では、いずれかの特殊1枚役に当選となった場合において、その特殊1枚役の種類に応じてチャレンジカウンタの減算が行われ、当該チャレンジカウンタが0(0以下)となることで、次ゲームから押し順チャレンジが発生可能となるチャレンジモードに設定されるようになる。ここで、各特殊1枚役のうちの特殊1枚役Aについては第27小役入賞が成立可能となり、また、特殊1枚役Cについては第32小役入賞が成立可能となるところ、これら第27小役入賞や第32小役入賞は、各押し順ベルに当選となったゲームでも成立し得るようになるように設定されている(図770参照)。そして、これら各押し順ベルに当選となったゲームにおいて第27小役入賞や第32小役入賞が成立してもチャレンジカウンタの減算は行われないことから、これら第27小役入賞や第32小役入賞が成立した場合に、今回のゲームの抽選結果がいずれかの押し順ベルであったか、それとも特殊1枚役であったかといったように、抽選結果に高い関心を寄せさせることが可能となる。特に、押し順ベル当選時に第27小役入賞や第32小役入賞が成立する場合とは、第1操作態様に失敗して第2操作態様となってしまった場合の一部であることから、第1操作態様に成功して多くのメダル払出を受ける場合だけではなく、当該第1操作態様に失敗してしまった場合ですら遊技者に期待させることが可能となる。
<押し順チャレンジ発生時の特典>
本変形例における、各種押し順チャレンジ発生時の処理について説明する。
図779の入賞結果対応処理において、ステップSi4304のチャレンジ準備用処理を実行した後は、ステップSi4305にてATモード中であるか否かを判定し、ATモード中ではない場合には、ステップSi4306にてATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合、ステップSi4307にて停止時AT抽選用処理を実行する。
ステップSi4306にてATモード当選フラグがセットされていない場合や、ステップSi4307の処理を実行した後は、ステップSi4308にて、第1チャレンジフラグがセットされているか否かを判定し、セットされており、今回実行したゲームが通常チャレンジに対応するゲームである場合には、ステップSi4309にて通常チャレンジ結果用処理を実行する。第1チャレンジフラグがセットされていない場合や、通常チャレンジ結果用処理を実行した後は、ステップSi4310~ステップSi4313にて、前兆モード用処理やCZモード用処理を実行してから、本入賞結果対応処理を終了する。これらステップSi4310~ステップSi4313の処理は、上記ステップSi1607~ステップSi1610の処理と同様である。また、ステップSi4305にてATモード中であると判定した場合には、ステップSi4314にてATモード中処理を実行してから、本入賞結果対応処理を終了する。
図781は、ステップSi4309の通常チャレンジ結果用処理を示すフローチャートである。
ステップSi4501では、上記の第1チャレンジフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSi4502にて、第1結果入賞~第6結果入賞のいずれかが成立しているか否かを判定する。第1結果入賞~第6結果入賞が成立していない場合には、そのまま本通常チャレンジ結果用処理を終了する。成立している場合には、ステップSi4503に進む。ステップSi4503では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定し、既にATモード移行抽選に当選した後であってATモードへの移行前の状況であるか否かを判定する。ATモード当選フラグがセットされていない場合、ステップSi4504にてATモード当選フラグをセットする処理を実行し、ステップSi4505にて前兆フラグをセットする処理を実行してから、本通常チャレンジ結果用処理を終了する。この場合、続けて実行される前兆モード用処理にて、前兆カウンタ(前兆モードの残りゲーム数)が0であり、且つATモード当選フラグがセットされていることから、ATモードへ移行させるための処理が行われる。
ステップSi4503にてATモード当選フラグがセットされており、既にATモード移行抽選に当選している状況での通常チャレンジであった場合、ステップSi4506にてATセットカウンタに1加算する処理を実行して、ATモードの1セット分の上乗せ用の処理を行う。そして、ステップSi4507にて前兆カウンタを0にクリアする処理を実行してから、本通常チャレンジ結果用処理を終了する。この場合も、続けて実行される前兆モード用処理にて、前兆カウンタ(前兆モードの残りゲーム数)が0であり、且つATモード当選フラグがセットされていることから、ATモードへ移行させるための処理が行われる。
つまり、通常チャレンジモードにおける押し順チャレンジで第1操作態様にて操作することに成功した場合、ATモードへの移行が生じたり、既にATモードに当選している場合には、ATモードのセット上乗せが行われる。このように、各ゲームの抽選結果に基づくATモード移行抽選だけではなく、遊技者の操作の如何によってもATモードへの移行が生じ得るようにしたことにより、自らの操作によってATモードを勝ち取った印象を強く与えることが可能となり、遊技の興趣向上に大きく貢献することが可能となる。
図782は、本変形例におけるATチャレンジ結果用処理を示すフローチャートである。ATチャレンジ結果用処理は、ATモード用処理(図737)のステップSi2002にて実行されるチャレンジ結果用処理に相当するものであり、ATチャレンジ発生ゲームで第1操作態様にて操作することに成功した場合に、ATモードのセット上乗せを行うための処理である。
ステップSi4601では、いずれかのチャレンジフラグがセットされているか否かを判定する。チャレンジフラグがセットされていない場合には、そのまま本ATチャレンジ結果用処理を終了する。いずれかのチャレンジフラグがセットされている場合、ステップSi4602にて、第2チャレンジフラグがセットされているか否かを判定する。第2チャレンジフラグがセットされており、今回のATチャレンジが第2押し順チャレンジであった場合、ステップSi4603にて第2チャレンジ結果用処理を実行してから、本ATチャレンジ結果用処理を終了する。上記のように、第2チャレンジ結果用処理では、ATモード1セット分の上乗せを行うための処理を実行する。
これに対して、ステップSi4602にて第2チャレンジフラグがセットされておらず、第4チャレンジフラグ~第6チャレンジフラグがセットされている場合、ステップSi4604にて第1チャレンジ結果用処理を実行してから、本ATチャレンジ結果用処理を終了する。上記のように、第1チャレンジ結果用処理では、ATモード2セット分の上乗せを行うための処理を実行する。
ここで、上記のようにATチャレンジモードにおいて第1押し順ベル当選となったゲームでは2通りの操作順序から第1操作態様に正解する必要がある第4押し順チャレンジ~第6押し順チャレンジが発生し、その第1操作態様に正解した特典としては、ATモード2セット分の上乗せが行われる。これに対して、通常チャレンジモードにおいて第1押し順ベル当選となったゲームでは6通りの操作順序から第1操作態様に正解する必要がある第1押し順チャレンジが発生し、その第1操作態様に正解した特典としては、ATモード1セット分の上乗せが行われる。つまり、同じ第1押し順ベル当選ゲームでの押し順チャレンジであっても、ATモードの方が通常モードやCZモードよりも正解率が高くなるように設定されているし、更にその正解時の特典も遊技者にとって有利となるように設定されている。このようにすることで、ATモードの優位性をより高めることが可能となる。
更に、上記のようにチャレンジモードにはチャレンジカウンタが0となることで設定されるところ、当該チャレンジモードに設定された後、通常チャレンジモードにおいては第1押し順ベルに当選するまでその押し順チャレンジの発生が持ち越される。そうすると、例えば、ATモード移行抽選に既に当選しており、且つATモードへの移行前の前兆モード中に通常チャレンジモードに設定された場合は、当該通常チャレンジモードにおいて第1押し順ベル当選となって押し順チャレンジが発生するよりも、ATモードへ移行してから押し順チャレンジが発生した場合の方が遊技者にとって有利となる。つまり、通常チャレンジモードにおいて、押し順チャレンジが先に実行されるか、それともATモードへの移行が先に生じるか、によって遊技者の有利度が大きく異なることになり、これまでにない斬新な遊技性を実現することが可能となる。
<停止時AT抽選用処理>
本変形例における停止時AT抽選用処理(ステップSi4307)について、図783のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSi4701では、ゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。続くステップSi4702では、ストップスイッチ42~44の操作態様によって指示機能に関する処理の実行を制限する制限対象となる抽選結果を設定する制限対象設定処理を実行する。
制限対象設定処理では、図784のフローチャートに示すように、ステップSi4801にて、チャレンジモードフラグがセットされているか否かを判定する。チャレンジモードフラグがセットされていない場合、ステップSi4802にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされておらず、通常モードである場合、ステップSi4803にて、今回の遊技状態における制限対象を、インデックス値IV=11~32(第1押し順ベル、第2押し順ベル、2択1枚役A、2択1枚役B)として設定する処理を実行してから、本制限対象設定処理を終了する。
ステップSi4802にてCZモード中であると判定した場合、ステップSi4804にて、今回の遊技状態における制限対象を、インデックス値IV=10~33(共通ベル、第1押し順ベル、第2押し順ベル、2択1枚役A、2択1枚役B、特殊1枚役A)として設定する処理を実行してから、本制限対象設定処理を終了する。
ステップSi4801にて通常チャレンジモードであると判定した場合、ステップSi4805にて、今回の遊技状態における制限対象を、インデックス値IV=23~32(第2押し順ベル、2択1枚役A、2択1枚役B)として設定する処理を実行してから、本制限対象設定処理を終了する。
停止時AT抽選用処理の説明に戻り、ステップSi4702にて制限対象設定処理を実行した後は、ステップSi4703にて、今回のゲームの抽選結果がステップSi4702にて設定した制限対象となる結果であるか否かを判定する。制限対象である場合、ステップSi4704にて、ストップスイッチ42~44の操作が特定操作態様(左ストップスイッチ42を最初に停止操作する態様)であったか否かを判定する。特定操作態様ではなく非特定操作態様(中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に停止操作する態様)であった場合、以降のATモード移行抽選等の指示機能に関する処理を実行することなく、そのまま本停止時AT抽選用処理を終了する。
特定操作態様であった場合、ステップSi4705にて現状のモードに応じた天井減算値テーブルを取得する処理を実行する。本変形例では、図785~図787に示すように、通常モード用の天井減算値テーブル(図785)と、CZモード用の天井減算値テーブル(図786)と、チャレンジモード用の天井減算値テーブル(図786)とが設定されている。上記のように天井減算値が大きいほど、天井カウンタが0となり易くなり、ATモードに移行するまでのゲーム数(天井までのゲーム数)を少なくすることが可能となる。
具体的には、通常モード用の天井減算値テーブルでは、インデックス値IV=1のBARリプSでは1が減算値として選択され、インデックス値IV=8の第1スベリチャンスでは1,5,20のいずれかが減算値として選択され、インデックス値IV=9の第2スベリチャンスでは1,5,20,50のいずれかが減算値として選択される。また、インデックス値IV=10の共通ベルでは1,5,20,50のいずれかが減算値として選択される。インデックス値IV=33の特殊1枚役Aでは1が減算値として選択され、インデックスス値IV=34の特殊1枚役Bでは1,5,20,50のいずれかが減算値として選択され、インデックス値IV=35の特殊1枚役Cでは1,5,20,50,100のいずれかが減算値として選択され、インデックス値IV=36のチェリーでは1,5,20,50,100のいずれかが減算値として選択される。これらインデックス値IV=1,8,9,10,33~36については、通常モードでは制限対象として設定されない抽選結果であり、今回のゲームにおけるストップスイッチ42~44の操作態様が特定操作態様及び非特定操作態様のいずれでも、上記の減算値が同様の選択率で選択される。
これに対して、通常モード用の天井減算値テーブルにおいて、インデックス値IV=11~22の第1押し順ベルと、インデックス値IV=23~30の第2押し順ベルと、IV=31,32の各2択1枚役は、制限対象として設定される抽選結果であり、今回のゲームにおけるストップスイッチ42~44の操作態様が特定操作態様であれば、いずれも1が減算値として選択される一方、非特定操作態様であれば減算値は選択されないように設定されている(上記ステップSi4704にて否定判定するため本処理は実行されない)。
CZモード用の天井減算値テーブルでも、制限対象として設定されない結果であれば特定操作態様及び非特定操作態様のいずれでも、共通の減算値が同様の選択率で選択される。具体的には、インデックス値IV=1のBARリプSでは1が減算値として選択され、インデックス値IV=8の第1スベリチャンスでは1,5,20のいずれかが減算値として選択され、インデックス値IV=9の第2スベリチャンスでは1,5,20,50のいずれかが減算値として選択される。また、インデックス値IV=34の特殊1枚役Bでは1,5,20,50のいずれかが減算値として選択され、インデックス値IV=35の特殊1枚役Cでは1,5,20,50,100のいずれかが減算値として選択され、インデックス値IV=36のチェリーでは1,5,20,50,100のいずれかが減算値として選択される。つまり、これらインデックス値IV=1,8,9,34~36については、通常モードの減算値と同じ減算値が設定されており、その選択率も共通している。
これに対して、CZモード用の天井減算値テーブルにおいて、インデックス値IV=10の共通ベルは、制限対象として設定される抽選結果であり、今回のゲームにおけるストップスイッチ42~44の操作態様が特定操作態様であれば、20,50のいずれかが減算値として選択される一方、非特定操作態様であれば減算値は選択されないように設定されている(上記ステップSi4704にて否定判定するため本処理は実行されない)。また、インデックス値IV=11~22の第1押し順ベルと、インデックス値IV=23~30の第2押し順ベルと、IV=31,32の各2択1枚役と、インデックス値IV=33の特殊1枚役Aについても制限対象として設定される抽選結果であり、今回のゲームにおけるストップスイッチ42~44の操作態様が特定操作態様であれば、いずれも5が減算値として選択される一方、非特定操作態様であれば減算値は選択されないように設定されている(上記ステップSi4704にて否定判定するため本処理は実行されない)。この場合、制限対象となるか否かで比較すると、共通ベルや特殊1枚役Aは、通常モードよりもCZモードの方が大きい値が減算値として選択され易く設定されている。また、通常モード及びCZモードのいずれでも制限対象として設定される第1押し順ベル、第2押し順ベル、及び各2択1枚役についても、通常モードよりもCZモードの方が大きい値が減算値として選択され易く設定されている。
チャレンジモード用の天井減算値テーブルでも、制限対象として設定されない結果であれば特定操作態様及び非特定操作態様のいずれでも、共通の減算値が同様の選択率で選択される。具体的には、インデックス値IV=1のBARリプSでは1が減算値として選択され、インデックス値IV=8の第1スベリチャンスでは1,5,20のいずれかが減算値として選択され、インデックス値IV=9の第2スベリチャンスでは1,5,20,50のいずれかが減算値として選択される。また、インデックス値IV=10の共通ベルでは1,5,20,50のいずれかが減算値として選択される。インデックス値IV=33の特殊1枚役Aでは1が減算値として選択され、インデックス値IV=34の特殊1枚役Bでは1,5,20,50のいずれかが減算値として選択され、インデックス値IV=35の特殊1枚役Cでは1,5,20,50,100のいずれかが減算値として選択され、インデックス値IV=36のチェリーでは1,5,20,50,100のいずれかが減算値として選択される。つまり、これらインデックス値IV=1,8,9,10,33~36については、通常モードの減算値と同じ減算値が設定されており、その選択率も共通している。また、チャレンジモードにおいては、インデックス値IV=11~22の第1押し順ベルについても制限対象として設定されない結果であり、当該第1押し順ベルも、特定操作態様及び非特定操作態様のいずれでも、共通の減算値(1)が同様の選択率(100%)で選択される。
これに対して、チャレンジモード用の天井減算値テーブルにおいて、インデックス値IV=23~30の第2押し順ベルと、IV=31,32の各2択1枚役とは、制限対象として設定される抽選結果であり、今回のゲームにおけるストップスイッチ42~44の操作態様が特定操作態様であれば、いずれも20が減算値として選択される一方、非特定操作態様であれば減算値は選択されないように設定されている(上記ステップSi4704にて否定判定するため本処理は実行されない)。この場合、通常モード及びチャレンジモードのいずれでも(CZモードも)制限対象として設定される第2押し順ベル及び各2択1枚役では、通常モードよりもチャレンジモードの方が(CZモードよりもチャレンジモードの方が)大きい値が減算値として選択され易く設定されている。
つまり、通常モードやCZモードにおいてチャレンジモードに設定された場合、上記のように押し順チャレンジが発生することで当該チャレンジモードが終了するところ、当該押し順チャレンジが発生するよりも前に、制限対象として設定される上記の第2押し順ベルや2択1枚役に当選することで、多くの天井ゲーム数の減算を見込むことが可能となる。そして、当該制限対象として設定される抽選結果の天井減算値は、制限対象として設定されない抽選結果よりも、大きな値が選択され易くなるように設定されているし、制限対象として設定されない抽選結果の減算値は通常モードと同じ減算値であることから、チャレンジモードにおいては、これら第2押し順ベルや2択1枚役に当選することを期待しながら遊技が行われるものと考えられる。
ステップSi4705にて、滞在モードに応じた天井減算値テーブルを取得した後は、ステップSi4706にて減算値抽選処理を実行し、当該抽選結果を、ステップSi4707にて減算値コマンドとして表示制御装置81へ把握させるための処理を実行するとともに、ステップSi4708にて天井カウンタから減算する処理を実行する。
続くステップSi4709では、現状のモードに応じた停止時ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。本変形例では、図785~図787に示すように、通常モード用の停止時ATモード移行抽選テーブル(図785)と、CZモード用の停止時ATモード移行抽選テーブル(図786)と、チャレンジモード用の停止時ATモード移行抽選テーブル(図786)とが設定されている。
各停止時ATモード移行抽選テーブルでは、上記のようにストップスイッチ42~44の操作態様によって指示機能に関する処理の実行の有無が異なる制限対象となる抽選結果については、ATモード移行当選となり得るように設定されている一方、制限対象とならない抽選結果については、当該停止時ATモード移行抽選ではATモード移行当選とならないように設定されている。これは、当該制限対象とならない抽選結果については、開始時ATモード移行抽選にて当選し得るように設定されていることとの調整を図るためのものである(図775)。
また、制限対象となる抽選結果でも、通常モードとCZモードとを比較するとCZモードの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されており、具体的には、例えば、第1押し順ベル(IV=11~22)では、通常モードでは1%の確率でATモード移行当選となるのに対して、CZモードでは2%の確率でATモード移行当選となるように設定されており、開始時ATモード移行抽選だけでなく、停止時ATモード移行抽選においてもCZモードの方がATモード移行当選となり易いように設定されている。
また、チャレンジモードにおいては、第2押し順ベル(IV=23~30)や各2択1枚役(IV=31,32)が制限対象となるところ、かかる第2押し順ベルや2択1枚役を契機とする停止時ATモード移行抽選は、通常モードやCZモードにおける移行抽選よりも当選し易くなるように設定されている。
上記のように、これら第2押し順ベルや2択1枚役当選ゲームではチャレンジモードにおける押し順チャレンジは実行されないことから、通常モードやCZモードにおいてチャレンジモードに設定された場合、押し順チャレンジが発生するよりも前に、これら第2押し順ベルや2択1枚役に当選したほうが、遊技者にとって有利となり易くなる。この点からも、チャレンジモードにおいて制限対象とされる第2押し順ベルや2択1枚役に当選となることへの注目度が高められている。
ステップSi4709にて停止時ATモード移行抽選テーブルを取得した後は、ステップSi4710にてATモード移行抽選を実行する。そして、ステップSi4711にてATモード移行当選となったか否かを判定し、当選している場合には、ステップSi4712~ステップSi4715にてATモード当選用の処理を実行し、当選してない場合には、ステップSi4716~ステップSi4719にてATモード非当選用の処理を実行する。これらステップSi4710~ステップSi4719の処理は、上記ステップSi1710~ステップSi1719の処理と同様である。
ATモード当選用の処理としてステップSi4715の処理を実行した後は、ステップSi4720にてチャレンジモードフラグがセットされているか否かを判定する。チャレンジモードフラグがセットされている場合、ステップSi4721にて前兆フラグをセットする処理を実行してから、本停止時AT抽選用処理を終了する。
これに対して、ステップSi4720にてチャレンジモードフラグがセットされていないと判定した場合や、ATモード非当選用の処理としてステップSi4719の処理を実行した後は、ステップSi4722にて前兆ゲーム数抽選処理を実行し、ステップSi4723にて前兆カウンタに前兆ゲーム数を入力する処理を実行し、ステップSi4724にて前兆フラグをセットし、ステップSi4725にて前兆コマンドをセットする処理を実行してから、本停止時AT抽選用処理を終了する。これらステップSi4722~ステップSi4725の処理は、上記ステップSi1720~ステップSi1723の処理と同様である。
つまり、チャレンジモード中に停止時ATモード移行抽選に当選した場合、前兆ゲーム数の設定が行われずに前兆モードに設定され、続けて実行される前兆モード用処理にてATモードに設定するための処理が行われる。この場合、上記のようにチャレンジモードは押し順チャレンジの実行により終了するように設定されており、ATモードへの移行が生じても押し順チャレンジを契機としない移行であれば、当該チャレンジモードは終了しないため、チャレンジモード中に押し順チャレンジを介さずにATモード移行抽選に当選した場合、当該チャレンジモードをATモードに引き継ぐことが可能となる。上記のように、チャレンジモードとして通常チャレンジモードにおける通常チャレンジと、ATチャレンジモードにおけるATチャレンジとでは、ATチャレンジの方が第1操作態様に正解し易いように設定されているし、その正解時の恩恵も遊技者にとって有利となるように設定されている。そのため、上記のように通常チャレンジモードにおいて通常チャレンジの発生前に停止時ATモード移行抽選に当選することで、未発生の通常チャレンジは、有利なATチャレンジとして実行されることとなる。このように、通常チャレンジモードにおいて停止時ATモード移行抽選にて当選となることへの期待感が高められており、かかる移行抽選に当選となり易いように設定された制限対象となる抽選結果(第2押し順ベルや2択1枚役)となることへの期待感も高められ、更には、当該制限対象となる抽選結果となった場合に、特定操作態様にて操作することの重要性(非特定操作態様にて操作しないことの重要性)が高められている。
<指示モニタの変更点>
本変形例における指示モニタとしても機能する払出枚数表示部62の変更点を説明する。
図788(a)に示すように、本変形例では、払出枚数表示部62に右第9表示用セグメントNa9が設けられている。右第9表示用セグメントNa9は、右第8表示用セグメントNa8と同様に、円形状の表示用セグメントであり、右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7が設けられた領域の右上部分の横方に配置されている。
右第9表示用セグメントNa9は、上記の制限対象となる抽選結果である場合に点灯状態とされ、制限対象となる抽選結果ではない場合には消灯状態とされる特定表示部をなすものである。
当該特定表示部としての右第9表示用セグメントNa9が点灯表示されるゲームでは、補助表示部65を含めた押し順報知演出の実行が制限される。つまり、上記実施形態でも、払出枚数表示部62にて偏りベル報知に対応する「07」や「08」が表示されるゲームでは、押し順報知演出が実行されないように設定されていたが、本変形例では、かかる押し順報知演出が実行されないゲームが、当該特定表示部としての右第9表示用セグメントNa9が点灯表示されることにより報知される(図789(b))。
なお、以下の説明では、当該右第9表示用セグメントNa9が点灯表示されることを、特定表示部による特定表示とも称する。
図788(b)は、上記実施形態における払出枚数表示部62での押し順報知の実行態様の補足説明を行うための図である。すなわち、押し順報知が行われるゲームは有利区間であることから、各押し順報知とともに、有利区間であることを示す右第8表示用セグメントNa8の点灯表示が行われることを示している。
本変形例では、上記の押し順報知の他に、ストップスイッチ42~44の操作順序によって遊技者にとっての有利不利が生じない場合に、払出枚数表示部62にて操作不問報知として「00」が表示される。操作不問報知は、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2及び左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7と、右第1表示用セグメントNa1、右第2表示用セグメントNa2及び右第4表示用セグメントNa4~右第7表示用セグメントNa7と、が点灯表示されて「00」が表示される(図788(c))。
また、本変形例では、上記実施形態における偏りベル報知(「07」、「08」)に対応する報知として、偏り役報知(「99」)が設定されている。偏り役報知は、ストップスイッチ42~44の操作順序(操作態様)によって得られる特典(メダルの払出枚数や指示機能に関する処理)に優劣がある結果である場合に実行される。より具体的には、偏り役報知は、例えば、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に停止操作したほうが左ストップスイッチ42を最初に停止操作するよりも払出枚数が多い役が入賞し得る場合に実行される。
偏り役報知が行われる場合、左第1表示用セグメントNb1~左第3表示用セグメントNb3及び左第5表示用セグメントNb5~左第7表示用セグメントNb7と、右第1表示用セグメントNa1~右第3表示用セグメントNa3及び右第5表示用セグメントNa5~右第7表示用セグメントNa7と、が点灯表示されて「99」が表示される(図788(c))。
各押し順チャレンジが発生する場合、払出枚数表示部62での表示も実行される。
図789(a)に示すように、いずれのストップスイッチ42~44の操作順序も報知しない第1押し順チャレンジが行われる場合には、払出枚数表示部62では押し順不問報知(「00」)が実行される。これに対して、いずれかのストップスイッチ42~44の操作順序が一部でも報知される第2押し順チャレンジや第4押し順チャレンジ~第6押し順チャレンジが行われる場合には、払出枚数表示部62では各種押し順報知が実行される。
具体的には、左ストップスイッチ42を最初に操作すべき旨の第4チャレンジ報知演出が行われる第4押し順チャレンジでは、払出枚数表示部62にて押し順報知としての左第1停止報知(「10」)が実行され、中ストップスイッチ43を最初に操作すべき旨の第5チャレンジ報知演出が行われる第5押し順チャレンジでは、払出枚数表示部62にて押し順報知としての中第1停止報知(「20」)が実行され、右ストップスイッチ44を最初に操作すべき旨の第6チャレンジ報知演出が行われる第6押し順チャレンジでは、払出枚数表示部62にて押し順報知としての右第1停止報知(「30」)が実行される。また、左ストップスイッチ42を最初に停止操作する操作順序が第1操作態様とならない旨の第2チャレンジ報知演出が行われる第2押し順チャレンジでは、中右第1停止報知(「40」)が実行される。
<指示番号送信用処理>
本変形例では、上記抽選結果対応処理(図713)におけるステップSi610の押し順報知用処理の代わりに、図785の指示番号送信用処理が行われる。
すなわち、指示番号送信用処理では、先ずステップSi4901にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。続くステップSi4902では、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされていない場合、ステップSi4903にて、チャレンジモードフラグがセットされているか否かを判定する。チャレンジモードフラグがセットされていない場合、ステップSi4904にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSi4904にてCZモードフラグがセットされておらず、現状のモードが通常モードである場合、ステップSi4905にて各種テーブル記憶エリア105aから通常用指示番号テーブルを取得する処理を実行する。また、ステップSi4904にてCZモードフラグがセットされており、現状のモードがCZモードである場合、ステップSi4906にて各種テーブル記憶エリア105aからCZ用指示番号テーブルを取得する処理を実行する。そして、ステップSi4903にてチャレンジモードフラグがセットされており、現状のモードが通常チャレンジモードである場合、ステップSi4907にて各種テーブル記憶エリア105aから通常チャレンジ用指示番号テーブルを取得する処理を実行する。
更に、ステップSi4902にてATモードフラグがセットされている場合、ステップSi4908にてチャレンジモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSi4909にて各種テーブル記憶エリア105aからAT用指示番号テーブルを取得する処理を実行する。ステップSi4908にてチャレンジモードフラグがセットされており、現状のモードがATチャレンジモードである場合、ステップSi4910にて各種テーブル記憶エリア105aからATチャレンジ用指示番号テーブルを取得する処理を実行する。
これら各指示番号テーブルには、図791に示すように、抽選結果に応じて、各種押し順報知や偏り役報知に対応する指示番号と、押し順報知に対応しない(押し順不問報知に対応する)指示番号と、がそれぞれ設定されている。なお、偏り役報知は押し順報知の一種として当該押し順報知に対応する報知としてもよいし、押し順報知に対応しない報知としてもよい。
具体的には、通常用指示番号テーブルでは、インデックス値IV=1,8~10,33~36(BARリプS、第1スベリチャンス、第2スベリチャンス、共通ベル、特殊1枚役A~特殊1枚役C、チェリー)に対して押し順報知に対応しない指示番号として00が設定されており、インデックス値IV=11~32(第1押し順ベル、第2押し順ベル、各2択1枚役)に対して偏り役報知に対応する指示番号として99が設定されている。つまり、通常用指示番号テーブルでは、制限対象として設定される抽選結果には指示番号が99として設定されており、それ以外の抽選結果には指示番号が00として設定されている。
CZ用指示番号テーブルでは、インデックス値IV=8,9,34~36(第1スベリチャンス、第2スベリチャンス、特殊1枚役B、特殊1枚役C、チェリー)に対して押し順報知に対応しない指示番号として00が設定されており、インデックス値IV=1,10,11~33(BARリプS、第1押し順ベル、第2押し順ベル、各2択1枚役、特殊1枚役A)に対して偏り役報知に対応する指示番号として99が設定されている。つまり、CZ用指示番号テーブルでは、制限対象として設定される抽選結果に加えて通常再遊技としてのBARリプSについて指示番号が99として設定されており、それ以外の抽選結果については指示番号が00として設定されている。
通常チャレンジ用指示番号テーブルでは、インデックス値IV=1,8~22,33~36(BARリプS、第1スベリチャンス、第2スベリチャンス、共通ベル、第1押し順ベル、特殊1枚役A~特殊1枚役C、チェリー)に対して押し順報知に対応しない指示番号として00が設定されており、インデックス値IV=23~32(第2押し順ベル、各2択1枚役)に対して偏り役報知に対応する指示番号として99が設定されている。つまり、通常チャレンジ用指示番号テーブルでは、制限対象として設定される抽選結果には指示番号が99として設定されており、それ以外の抽選結果には指示番号が00として設定されている。
AT用指示番号テーブルでは、インデックス値IV=1,8~10,31~36(BARリプS、第1スベリチャンス、第2スベリチャンス、共通ベル、各2択1枚役、特殊1枚役A~特殊1枚役C、チェリー)に対して押し順報知に対応しない指示番号として00が設定されており、インデックス値IV=11~30(第1押し順ベル、第2押し順ベル)に対して押し順報知に対応する指示番号として、それぞれ第1操作態様の種類に応じた指示番号(01~06)が設定されている。つまり、AT用指示番号テーブルでは、押し順報知を実行する抽選結果には指示番号が01~06として設定されており、それ以外の抽選結果には指示番号が00として設定されている。
ATチャレンジ用指示番号テーブルでは、インデックス値IV=1,8~10,31~36(BARリプS、第1スベリチャンス、第2スベリチャンス、共通ベル、各2択1枚役、特殊1枚役A~特殊1枚役C、チェリー)に対して押し順報知に対応しない指示番号として00が設定されており、インデックス値IV=11~30(第1押し順ベル、第2押し順ベル)に対して押し順報知に対応する指示番号として、それぞれの押し順チャレンジに応じた指示番号(10~40)が設定されている。つまり、ATチャレンジ用指示番号テーブルでは、押し順報知としての左第1停止報知、中第1停止報知、右第1停止報知、中右第1停止報知を実行する抽選結果には指示番号が10~40として設定されており、それ以外の抽選結果には指示番号が00として設定されている。
ステップSi4905~ステップSi4907、ステップSi4909及びステップSi4910のいずれかの処理にて各指示番号テーブルを取得した後は、ステップSi4911にて対応する指示番号の情報を、各種カウンタエリア106eに設けられた指示番号カウンタに入力する処理を実行する。指示番号カウンタは、上記の押し順情報に対応するものであり、本変形例では、指示番号カウンタに対応する指示番号の情報が入力されることによって、通常処理における回転開始処理(ステップSi402)にて各リール32L,32M,32Rの回転を開始する際に、払出枚数表示部62による指示番号の表示を行うための処理を実行する構成としている。そのため、上記のように指示番号カウンタに今回のゲームの抽選結果に応じた指示番号の情報を入力することで、当該指示番号に対応する払出枚数表示部62での表示が各リール32L,32M,32Rの回転開始時に開始されるようになる。
続くステップSi4912では、上記指示番号カウンタに入力した指示番号に対応する指示番号コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本指示番号送信用処理を終了する。表示制御装置81では、かかる指示番号コマンドを受信することにより、当該指示番号コマンドに含まれる押し順報知に対応する情報(特に01~06、10~40)に応じた押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<抽選結果コマンド設定処理>
本変形例においても、主制御装置101側の払出枚数表示部62で各種押し順ベル当選時に押し順報知を実行しないゲームでは、表示制御装置81側で当該各種押し順ベルの第1操作態様となる操作順序が把握できないように、抽選結果がグループ化されて主制御装置101から表示制御装置81へ出力される。
図792は、本変形例における抽選結果コマンド設定処理を示すフローチャートである。上記のように抽選結果コマンド設定処理は、スタートレバー41の操作に基づき実行される抽選処理(図702)において、抽選結果対応処理の後に実施される処理である。
本変形例では、ステップSi5001にて今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSi5002にてATモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合、ステップSi5003にてチャレンジモードフラグがセットされているか否かを判定する。チャレンジモードフラグがセットされていない場合、ステップSi5004にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされておらず、今回のゲームが通常モードである場合には、ステップSi5005にて通常用結果番号テーブルを取得する処理を実行する。
また、ステップSi5004にてCZモードフラグがセットされており、今回のゲームがCZモードである場合には、ステップSi5006にてCZ用結果番号テーブルを取得する処理を実行する。ステップSi5003にてチャレンジモードフラグがセットされており、今回のゲームが通常チャレンジモードである場合には、ステップSi5007にて通常チャレンジ用結果番号テーブルを取得する処理を実行する。
ステップSi5002にてATモードフラグがセットされている場合、ステップSi5008にてチャレンジモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSi5009にてAT用結果番号テーブルを取得する処理を実行する。また、ステップSi5008にてATチャレンジモードであると判定した場合には、ステップSi5010にてATチャレンジ用結果番号テーブルを取得する処理を実行する。
これら各結果番号テーブルには、図791に示すように、押し順報知に相当する指示番号コマンドが出力されないゲームでは、各種押し順ベルの種類が表示制御装置81側で特定できないようにこれら各種押し順ベルがグループ化されている。
具体的には、通常用結果番号テーブルでは、上記の偏り役報知に対応する指示番号(99)が設定されているインデックス値IV=11~32(第1押し順ベル、第2押し順ベル、各2択1枚役)の結果番号がグループ化されており、これら第1押し順ベル、第2押し順ベル及び各2択1枚役に対しては、結果番号としてこれらの結果がグループ化された89が設定されている。また、通常用結果番号テーブルにおいて、当該89の結果番号以外の結果番号(インデックス値IV=1,8~10,33~36(BARリプS、第1スベリチャンス、第2スベリチャンス、共通ベル、特殊1枚役A~特殊1枚役C、チェリー))は、それぞれ1~4、17~20の個別の結果番号が設定されている。
CZ用結果番号テーブルでは、上記の偏り役報知に対応する指示番号(99)が設定されているインデックス値IV=1,10,11~33(BARリプS、第1押し順ベル、第2押し順ベル、各2択1枚役、特殊1枚役A)の結果番号がグループ化されており、これらBARリプS、第1押し順ベル、第2押し順ベル、各2択1枚役及び特殊1枚役Aに対しては、結果番号としてこれらの結果がグループ化された87が設定されている。また、CZ用結果番号テーブルにおいて、当該87の結果番号以外の結果番号(インデックス値IV=8,9,34~36(第1スベリチャンス、第2スベリチャンス、特殊1枚役B、特殊1枚役C、チェリー))は、それぞれ2、3、18~20の個別の結果番号が設定されている。なお、当該個別の結果番号は、通常用結果番号テーブルにおいて、各結果に対して設定されている結果番号と同じ番号である。
通常チャレンジ用結果番号テーブルでは、上記の偏り役報知に対応する指示番号(99)が設定されているインデックス値IV=23~32(第2押し順ベル、各2択1枚役)の結果番号がグループ化されており、これら第2押し順ベル及び各2択1枚役に対しては、結果番号としてこれらの結果がグループ化された88が設定されている。また、通常チャレンジ用結果番号テーブルでは、インデックス値IV=11~22の第1押し順ベルについても別のグループとして結果番号がグループ化されており、当該第1押し順ベルに対しては、結果番号としてこれらの結果がグループ化された70が設定されている。そして、通常チャレンジ用結果番号テーブルにおいて、これら70と88の結果番号以外の結果番号(インデックス値IV=1,8~10,33~36(BARリプS、第1スベリチャンス、第2スベリチャンス、共通ベル、特殊1枚役A~特殊1枚役C、チェリー))は、それぞれ1~4、17~20の個別の結果番号が設定されている。なお、当該個別の結果番号は、通常用結果番号テーブルやCZ用結果番号テーブルにおいて、各結果に対して設定されている結果番号と同じ番号である。
AT用結果番号テーブルでは、インデックス値IV=11~22の第1押し順ベル、インデックス値IV=23~30の第2押し順ベル、インデックス値IV=31,32の2択1枚役について、それぞれ別々のグループとして結果番号がグループ化されており、第1押し順ベルに対しては、通常チャレンジ用結果番号テーブルと同じ結果番号として70が設定されており、第2押し順ベルに対しては71、2択1枚役に対しては72がそれぞれ設定されている。そして、インデックス値IV=1,8~10,31~36(BARリプS、第1スベリチャンス、第2スベリチャンス、共通ベル、各2択1枚役、特殊1枚役A~特殊1枚役C、チェリー)の結果番号は、それぞれ1~4、17~20の個別の結果番号が設定されている。なお、当該個別の結果番号は、他の結果番号テーブルにおいて、各結果に対して設定されている結果番号と同じ番号である。
ATチャレンジ用結果番号テーブルでは、インデックス値IV=11~22の第1押し順ベル、インデックス値IV=23~30の第2押し順ベル、インデックス値IV=31,32の2択1枚役について、それぞれ別々のグループとして結果番号がグループ化されている。但し、それぞれのグループの結果番号はAT用結果番号テーブルのものと異なっており、第1押し順ベルに対しては80、第2押し順ベルに対しては81、2択1枚役に対しては82がそれぞれ設定されている。そして、インデックス値IV=1,8~10,31~36(BARリプS、第1スベリチャンス、第2スベリチャンス、共通ベル、各2択1枚役、特殊1枚役A~特殊1枚役C、チェリー)の結果番号は、それぞれ1~4、17~20の個別の結果番号が設定されている。なお、当該個別の結果番号は、他の結果番号テーブルにおいて、各結果に対して設定されている結果番号と同じ番号である。
ステップSi5005~ステップSi5007、ステップSi5009及びステップSi5010のいずれかの処理にて各結果番号テーブルを取得した後は、ステップSi5011にて今回のゲームの抽選結果に対応する結果番号を、抽選結果コマンドとして表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。表示制御装置81では、当該抽選結果コマンドを受信することにより、今回のゲームの抽選結果を把握することが可能となるものの、グループ化された結果番号の抽選結果コマンドを受信した場合には、その詳細な抽選結果を把握することができない。これにより、当該抽選結果コマンドや表示制御装置81を不正に解析する等して、各種押し順ベル当選時の第1操作態様を特定することにより利益を得ようとする行為を行わせにくくすることができる。
ステップSi5011にて抽選結果コマンドの出力設定を行った後は、ステップSi5012にて、今回の抽選結果が特定役(インデックス値IV=8~10、33~36の第1スベリチャンス、第2スベリチャンス、共通ベル、特殊1枚役A~特殊1枚役C、チェリー)であったか否かを判定する。これら特定役は、比較的当選しにくい結果として所謂レア役と称される結果であり、当該特定役当選時は、ATモード移行抽選に当選し易く設定されていたり、ATモード上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップSi5011にて特定役当選ゲームであると判定した場合には、ステップSi5012にて特定役コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果コマンド設定処理を終了する。ステップSi5011にて特定役当選ゲームではないと判定した場合は、そのまま本抽選結果コマンド設定処理を終了する。
<開始時演出設定処理>
上記のように設定される指示番号コマンドや結果番号コマンドに基づく演出設定用の処理(開始時演出設定処理)について、図793のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSi5101では、指示番号コマンドとして、指示番号01~06に対応する指示番号コマンドを受信しているか否かを判定する。これらの指示番号コマンドを受信している場合、ステップSi5102にて、当該指示番号に対応する操作順序を示す押し順報知演出が実行されるように、補助表示部65やスピーカ64の制御設定を行う。例えば、指示番号01に対応する指示番号コマンドを受信している場合には、左→中→右の操作順序を指示する押し順報知演出を実行し、指示番号06に対応する指示番号コマンドを受信している場合には、右→左→中の操作順序を指示する押し順報知演出を実行するように設定する。
ステップSi5101にて否定判定した場合、ステップSi5103にて、指示番号コマンドとして、指示番号10、20、30、40のいずれかに対応する指示番号コマンドを受信しているか否かを判定する。これらの指示番号コマンドを受信している場合、ステップSi5104にて、当該指示番号に対応する操作順序を示すチャレンジ報知演出が実行されるように、補助表示部65やスピーカ64の制御設定を行う。例えば、指示番号10に対応する指示番号コマンドを受信している場合には、左ストップスイッチ42を最初に操作すべき旨の第4チャレンジ報知演出を実行し、指示番号40に対応する指示番号コマンドを受信している場合には、左ストップスイッチ42以外を最初に操作すべき旨の第2チャレンジ報知演出を実行するように設定する。
なお、これら指示番号10、20、30、40のいずれかに対応する指示番号コマンドを受信している場合、対応するチャレンジコマンドも出力されており、ステップSi5103では、かかるチャレンジコマンドに基づいて対応するチャレンジ報知演出を行うようにしてもよい。
ステップSi5103にて否定判定した場合、ステップSi5105にて、第1チャレンジコマンドを受信しているか否かを判定する。第1チャレンジコマンドを受信している場合、ステップSi5106にて、第1チャレンジ報知演出が実行されるように、補助表示部65やスピーカ64の制御設定を行う。上記のように第1チャレンジ報知演出は、いずれのストップスイッチ42~44の操作順序も報知しないものの、操作順序が第1操作態様となれば有利な事象(ATモードへの移行)が生じる旨の報知が行われる演出である。
ステップSi5102、ステップSi5104及びステップSi5106のいずれかの処理を実行した後、又はステップSi5105にて否定判定した場合は、ステップSi5107に進む。ステップSi5107では、今回のゲームの抽選結果を、抽選結果コマンドにより把握する処理を実行する。但し、上記のように、抽選結果コマンドには、グループ化された情報が含まれる場合があり、その詳細な抽選結果は把握できない場合もある。そのため、ステップSi5107では、当該グループ化された情報も含め、今回受信している抽選結果コマンドに含まれる結果番号を把握する処理を実行する。
続くステップSi5108では、ステップSi5107にて把握した結果番号に対応する結果演出が実行されるように、補助表示部65やスピーカ64の制御設定を行う。例えば、結果番号として70が設定された結果番号コマンドを受信しており、直前のステップSi5102にて押し順報知演出の設定処理が実行されている場合や、結果番号として結果番号として71が設定された結果番号コマンドを受信している場合は、ステップSi5107では、当該押し順報知演出がベルに対応する押し順報知演出であることを示すように、当該押し順報知演出の示す操作順序のキャラクタの背景色をベルに対応する黄色に設定したりする。また、例えば、結果番号として結果番号として70が設定された結果番号コマンドを受信しており、直前のステップSi5104にてチャレンジ報知演出の設定処理が実行されている場合や、結果番号として結果番号として80、81が設定された結果番号コマンドを受信している場合は、ステップSi5107では、当該チャレンジ報知演出がベルに対応するチャレンジ報知演出であることを示すように、当該チャレンジ報知演出の示す操作順序のキャラクタの背景色をベルに対応する黄色に設定したりする。
また、例えば、結果番号として89が設定された結果番号コマンドを受信している場合、今回のゲームの抽選結果が第1押し順ベルや第2押し順ベル、各2択1枚役のいずれかであることを示唆する示唆演出(例えば、ベルに対応する黄色のキャラクタと、外れに対応する白色のキャラクタとを登場させる)を設定する。また、例えば、結果番号として87が設定された結果番号コマンドを受信している場合、今回のゲームの抽選結果が共通ベル、第1押し順ベルや第2押し順ベル、各2択1枚役、特殊1枚役Aのいずれかであることを示唆する示唆演出(例えば、ベルに対応する黄色のキャラクタと、外れに対応する白色のキャラクタと、レア役に対応する紫色のキャラクタとを登場させる)を設定する。この場合、結果番号89の場合の示唆演出と、結果番号87の場合の示唆演出とを異なる演出としてもよく、このようにすることで、遊技者は、結果番号89と87との差分の結果(共通ベル、特殊1枚役A)の可能性の有無をその示唆演出の差から把握することができ、特にATモードへの期待が持てる結果番号87側の示唆演出が行われた場合の期待感を好適に高めることが可能となる。また、結果番号89の場合の示唆演出と、結果番号87の場合の示唆演出とを共通の演出としてもよく、このようにすることで、遊技者は、結果番号89と87との差分の結果(共通ベル、特殊1枚役A)の可能性の有無をその示唆演出の差から把握することができず、特にATモードへの期待が持てない結果番号89側の示唆演出が行われた場合であっても、結果番号87側である可能性も否定できないことを通じて、かかる示唆演出への期待感を好適に高めることが可能となる。
なお、ステップSi5108の結果演出は、毎ゲーム必ず実行する構成だけでなく、所定抽選により当選した場合等、所定の確率で実行する構成としてもよい。また、当該結果演出の実行頻度(実行率)がモードや抽選結果(結果番号)によって異なる構成としてもよい。
ステップSi5108の処理を実行した後は、ステップSi5109にて、特定役コマンドを受信しているか否かを判定する。特定役コマンドを受信している場合、ステップSi5110にて、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知演出が実行されるように、補助表示部65やスピーカ64の制御設定を行う。
特定役報知演出としては、例えば、図794に示すように、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタC8が補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
なお、ステップSi5110の特定役報知演出も、特定役に当選した場合(特定役コマンドを受信している場合)に必ず実行する構成だけでなく、所定抽選により当選した場合等、所定の確率で実行する構成としてもよい。また、当該特定役報知演出の実行頻度(実行率)がモードや抽選結果(結果番号)によって異なる構成としてもよい。
ステップSi5109にて否定判定した場合、又はステップSi5110の処理を実行した後は、ステップSi5111~ステップSi5114にて前兆演出設定処理、CZ演出設定処理、AT演出設定処理、その他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップSi5111~ステップSi5114の処理は、上記ステップSi2812~ステップSi2815の処理と同様である。
<有利区間の管理についての変更点>
本変形例における区間表示第1処理について、図795のフローチャートを参照しながら説明する。上記の通り、区間表示第1処理では、有利区間であるか否かを示す区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8の点灯制御を行ったり、有利区間移行時の処理を行ったり、押し順報知によって実際にメダル増加が見込める特定区間であるか否かの役比を算出するための処理を行う。本変形例では、当該特定区間であるか否かの役比を算出するための処理に代え、有利区間と通常区間との比率(有利区間比率)を算出するための処理を行うとともに、表示制御装置81側での押し順報知演出を実行しないゲームであることを示す特定表示を行うための処理が設定されている。
すなわち、ステップSi5201~ステップSi5208の処理は、上記ステップSi2501~ステップSi2508の処理と同様であり、有利区間であるか否かを示す区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8の点灯制御を行ったり、有利区間移行時の処理を行う。
ステップSi5202にて否定判定した場合、又はステップSi5207若しくはステップSi5208の処理を実行した後は、ステップSi5209にて有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされていない場合には、ステップSi5210にて各種カウンタエリア106eに設けられた通常区間カウンタに1を加算する処理を実行し、有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSi5211にて各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間カウンタに1を加算する処理を実行する。これら通常区間カウンタや有利区間カウンタは、通常区間であるゲーム数や有利区間であるゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。なお、これら通常区間カウンタや有利区間カウンタは、有利区間終了時の初期化処理の対象となっておらず、有利区間を跨いで(通常区間を跨いで)有利区間のゲーム数を把握することが可能となっている。
ステップSi5210又はステップSi5211にていずれかのカウンタの加算処理を実行した後は、ステップSi5212にて有利区間比率算出処理を実行する。有利区間比率算出処理は、例えば、通常区間カウンタと有利区間カウンタとを加算して全ゲーム数を算出し、当該全ゲーム数に対する有利区間ゲーム数(有利区間カウンタ)の割合を算出することにより、有利区間の比率を算出する。
続くステップSi5213では、上記ステップSi5212にて算出した有利区間比率を、役比モニタ77へ出力して当該役比モニタ77を更新する処理を実行する。かかる処理により、役比モニタ77では、現状の有利区間比率を表示することが可能となる。
ステップSi5213の処理を実行した後は、ステップSi5214にて、上記の指示番号カウンタが99であるか否かを判定する。99である場合、ステップSi5215にて特定表示部としての右第9表示用セグメントNa9を点灯状態とすることにより特定表示を行うための処理を実行してから、本区間表示第1処理を終了する。指示番号カウンタが99ではない場合には、そのまま本区間表示第1処理を終了する。
上記の通り、指示番号カウンタが99である場合とは、図791に示すように、通常モードにおける第1押し順ベル、第2押し順ベル、各2択1枚役(結果番号89のグループ)、CZモードにおける共通ベル、第1押し順ベル、第2押し順ベル、各2択1枚役、特殊1枚役A(結果番号87のグループ)、通常チャレンジモードにおける第2押し順ベル、各2択1枚役(結果番号88のグループ)である場合であり、かかる場合には、いずれの押し順報知演出も実行されないし、操作順序の示唆が含まれる押し順チャレンジも発生しない。つまり、指示番号カウンタが99であって、払出枚数表示部62にて「99」が表示されるゲームでは、表示制御装置81側においてチャレンジ報知演出を含めてストップスイッチ42~44の操作順序の報知演出が実行されないゲームである。特定表示は、当該ストップスイッチ42~44の操作順序の報知演出が実行されないゲームであることを示す報知であり、かかる報知を行うことにより、例えば、表示制御装置81側を不正に改造する等して、実際にはストップスイッチ42~44の操作順序の報知演出が実行されないゲームであるのにも関わらず、操作順序の報知演出を行わせることにより不正な利益を得ようとする行為を好適に特定することが可能となる。
図796は、本変形例における区間表示第2処理を示すフローチャートである。上記のように、区間表示第2処理では、今回の有利区間のゲーム数や増加枚数を管理する処理を実行したり、有利区間の終了条件成立に基づいて有利区間を終了させるための処理を行う。
本変形例では、ステップSi5301~ステップSi5310にてステップSi2601~ステップSi2610と同様に、上記のゲーム数や増加枚数を管理する処理や有利区間終了用の処理を行う。ステップSi5301若しくはステップSi5310にて否定判定した場合、又はステップSi5309の処理を実行した後は、本変形例では、ステップSi5311にて指示込役物比率用処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
<指示込役物比率用処理>
指示込役物比率用処理は、ゲームで払い出された全払出メダル数に対する、役物としての各種ボーナス状態にて払い出されたメダル数(役物払出メダル数)と、指示情報の報知としての押し順報知が実行されたゲームにて払い出されたメダル数(指示払出メダル数)との合計数(指示込役物払出メダル数)の割合(指示込役物比率)を算出するとともに、役比モニタ77にて当該指示込役物比率を表示させるための処理である。なお、本変形例では、ボーナス(第1BB)に当選することがないため、本変形例での指示込役物比率は全払出メダル数に対する指示払出メダル数となる。
ここで、ボーナスや押し順報知によってメダル増加が発生する割合が大きくなると指示込役物比率は大きくなるところ、この場合、ボーナスや押し順報知が発生しない場合に払い出されるメダル数の割合が小さくなるため、ボーナスや押し順報知が発生するATモードへ移行するまでの通常モード等のゲームで払い出されるメダル数が少なくなる。そうすると、通常モード等でのメダル持ちが悪くなり、これらボーナスやATモードへ移行するまでの多くのメダルを要する場合が多くなる。そのため、これらボーナスやATモードへ移行するまでのメダル持ちを改善すべく、当該指示込役物比率を特定値(例えば7割)以下とすることが好ましい、という考えがある。
その一方で、このような指示込役物比率を特定値以下に設定することで、ATモード移行前におけるメダル増減態様(メダル減少率)とATモードにおけるメダル増減態様(メダル増加率)との差が比較的小さくなり、遊技性の低下が懸念される、という考えもある。また、ATモード移行前におけるメダル払出数を少なくすることで、ATモード移行後のメダル払出数を多くしても、トータルの全払出メダル数を比較的少なく抑えることが可能となるため、ATモード自体の遊技性を高めようとすると、ATモード移行前におけるメダル払出数を少なく設定せざるを得ず、その結果、指示込役物比率が高くなってしまう、という問題もある。
特に、本実施形態における偏りベルのように、特定操作態様にて操作する場合と非特定操作態様にて操作する場合とで、期待できるメダル数と実施される指示機能に関する処理(ATモード移行抽選)の有利度とが異なる結果を設けることで、ATモード移行前においては、メダル払出数を少なくしながらもATモード移行抽選を受ける機会を付与し、更にATモードに移行した場合にはメダル払出数を多くするものである。そうすると、かかる偏りベルは、ATモード移行前のメダル払出数を少なくすることで、その分、ATモード移行後のメダル払出数を多くしても、全払出メダル数を比較的少なく抑えることを可能とするための構成でもある。その点、偏りベルは、ATモードの遊技性を高めることが可能となるものの、上記のように、指示込役物比率が比較的高くなる要因ともなり得るものである。
更に、当該偏りベル当選時に偏りベル報知演出のように、非特定操作態様にて操作することで特定操作態様よりも多くのメダル獲得が可能となる旨の報知を行うことは、所謂押し順報知の範疇に含まれる、という考えもあり、かかる解釈からすると、ATモード移行前に偏りベル当選となったゲームで払い出されたメダル数は、指示払出メダル数に追加されるべきともいえる。そうすると、上記の偏りベルを用いることによって、指示込役物比率は更に高くなることが懸念される。かといって、上記の偏りベル当選時に、遊技者に何ら報知を行わないことは、遊技者に不測の不利益を被らせる恐れもあり、好ましくない。
その一方で、上記のように操作順序によって期待できるメダル払出数が異なる偏りベルであっても、その期待払出数が比較的少ないものであれば、当該偏りベル当選を契機として払い出されるメダルが遊技に与える影響は小さく、特に当該期待払出数が、ベット数以下であれば当該偏りベル当選ゲームであってもATモード移行前においてはメダル増加は見込めないのであるから、かかる偏りベル当選を契機として払い出されるメダル数を指示払出メダル数に加算しなくてもよいと考えられる。
そこで、本変形例では、上記の偏りベル(特に第2押し順ベル)について、ATモード移行前における期待払出数が特定数(3枚)以下となるようにする工夫が施されている。
すなわち、図798に示すように、通常モードにおいて、第1押し順ベルや第2押し順ベルを含む偏りベルとしての結果番号89のグループは、これら第1押し順ベルや第2押し順ベルだけでなく各2択1枚役を含むグループとして設定されている。この場合、仮に、当該2択1枚役を含まないグループとすると、特定操作態様(左第1停止の操作態様)での期待払出数は約1.65枚であるものの、非特定操作態様(中・右第1停止の操作態様)での期待払出数は約3.18枚となり、上記の特定数を超えてしまう。その点、各2択1枚役を含むグループとして設定することで、特定操作態様(左第1停止の操作態様)での期待払出数は約1.44枚となり、更に、非特定操作態様(中・右第1停止の操作態様)での期待払出数は約2.69枚となり、いずれも上記の特定数以下とすることが可能となる。
また、図799に示すように、CZモードにおいて、共通ベル、第1押し順ベル、第2押し順ベルを含む偏りベルとしての結果番号87のグループは、これら共通ベル、第1押し順ベルや第2押し順ベルだけでなくBARリプS、各2択1枚役及び特殊1枚役を含むグループとして設定されている。この場合、仮に、これらBARリプS、各2択1枚役及び特殊1枚役を含まないグループとすると、特定操作態様(左第1停止の操作態様)での期待払出数は約1.77枚であるものの、非特定操作態様(中・右第1停止の操作態様)での期待払出数は約3.30枚となり、上記の特定数を超えてしまう。その点、これらBARリプS、各2択1枚役及び特殊1枚役を含むグループとして設定することで、特定操作態様(左第1停止の操作態様)での期待払出数は約1.47枚となり、更に、非特定操作態様(中・右第1停止の操作態様)での期待払出数は約2.58枚となり、いずれも上記の特定数以下とすることが可能となる。但し、このうちBARリプSについては、いずれの操作態様でも再遊技入賞が成立することから、当該期待払出数の算出からは除外している。
更に、通常チャレンジモードにおいては、図800に示すように、第2押し順ベルを偏りベルとする結果番号88のグループを、当該第2押し順ベルだけでなく各2択1枚役を含むグループとして設定されている。この場合、仮に、当該2択1枚役を含まないグループとすると、特定操作態様(左第1停止の操作態様)での期待払出数は約0.50枚であるものの、非特定操作態様(中・右第1停止の操作態様)での期待払出数は約3.75枚となり、上記の特定数を超えてしまう。その点、各2択1枚役を含むグループとして設定することで、特定操作態様(左第1停止の操作態様)での期待払出数は約0.50枚、非特定操作態様(中・右第1停止の操作態様)での期待払出数は約2.70枚となり、いずれも上記の特定数以下とすることが可能となる。
その一方で、図801に示すように、ATモードにおける各押し順ベルについては、上記のように押し順報知の対象となっている。具体的には、第1押し順ベルに設定される結果番号70のグループや、第2押し順ベルに設定される結果番号71のグループでは、押し順報知としての指示番号01~06に従ってストップスイッチ42~44の操作を行うことにより、各操作態様での期待払出数は13枚となっており上記の特定数を超過する。
また、図802に示すように、ATチャレンジモードにおいて第1押し順ベルや第2押し順ベルを契機とする第2押し順チャレンジや第4押し順チャレンジ~第6押し順チャレンジも押し順報知の対象となっている。具体的には、1押し順ベルに設定される結果番号80のグループや、第2押し順ベルに設定される結果番号81のグループでは、押し順報知としての指示番号10~40に従ってストップスイッチ42~44の操作を行うことにより、各操作態様での期待払出数は7枚となっており上記の特定数を超過する。
つまり、これらの各グループ化された結果番号のうち、70、71、80、81の結果番号が設定されたグループであって、指示番号01~06、10~40が払出枚数表示部62にて表示されるゲームで払い出されたメダルが指示払出メダルに相当し、87~89の結果番号が設定されたグループであって、指示番号99が払出枚数表示部62にて表示されるゲームで払い出されたメダルは指示払出メダルに含まない。
図803に示すように、偏りベルのグループに追加する追加対象となる抽選結果の払出枚数や各ゲームで割り振られているポイント値PV(値数)の関係は、特定数と、各偏りベルの払出枚数やポイント値PV(値数)により定められる。
具体的には、第1操作態様となる場合の払出枚数をa、第2操作態様であって第1停止操作までは第1操作態様である場合の払出枚数をb、第2操作態様であって第1停止操作もは第1操作態様ではない場合の払出枚数をc、として、6通りの操作順序に対して各第1操作態様となる押し順ベルの値数(ポイント値PV)をそれぞれP1~P6とする。そして、追加対象となる抽選結果の特定操作態様での払出枚数をe、非特定操作態様での払出枚数をf、当該追加対象となる抽選結果の値数(ポイント値PV)をQとし、特定数をSとする。この場合、P1とP2とを加算した値が、P3~P6を加算した値よりも小さい構成とし、aがbやcよりも大きい値とすることで、特定操作態様にて操作した場合よりも非特定操作態様にて操作した場合の方が、払出枚数が多くなる偏りベルとなる。
そして、追加対象となる抽選結果の値数(Q)に対して追加対象となる抽選結果の特定操作態様での払出枚数(e)から特定数(S)を減算した値を掛け合わした値(Q×(e-S))や、追加対象となる抽選結果の値数(Q)に対して追加対象となる抽選結果の非特定操作態様での払出枚数(f)から特定数(S)を減算した値を掛け合わした値(Q×(f-S))が、各押し順ベルの値数(P1~P6)に対して特定数(S)からそれぞれの操作態様での払出数(a~c)を減算した値を掛け合わした値を積算した値(例えば、P1×(S-a)+P2×(S-b)+P3×(S-c)+P4×(S-c)+P5×(S-c)+P6×(S-c)や、P1×(S-c)+P2×(S-c)+P3×(S-a)+P4×(S-b)+P5×(S-c)+P6×(S-c))以下となる関係であれば、当該追加対象となる抽選結果を追加したグループの期待払出数が特定数以下となる。
例えば、P1とP2が等しく、P3~P6が等しい値である場合であって、特定数を3、第1操作態様となる場合の払出枚数を13枚、第2操作態様であって第1停止操作までは第1操作態様である場合の払出枚数を1枚、第2操作態様であって第1停止操作もは第1操作態様ではない場合の払出枚数を0.5枚とし、追加対象となる抽選結果の特定操作態様での払出枚数を0.5枚、非特定操作態様での払出枚数を0.5枚とすると、追加対象となる抽選結果の値数(Q)は、(16/5×P1-4×P2)以上であり、更に、追加対象となる抽選結果の値数(Q)は、(2×P1-6/5×P3)以上として規定される。この場合、例えば、P1を0とする(左第1停止を第1操作態様とする押し順ベルに当選しないように設定する)と、追加対象となる抽選結果の値数(Q)が、偏りベルにおいて非特定操作態様を第1操作態様とする押し順ベルの値数の6/5倍以上であれば、当該追加対象となる抽選結果を加えた偏りベルグループの期待払出数は3枚以下となる。つまり、上記結果番号88のグループにおいて、追加対象となる2択1枚役Aと2択1枚役Bの値数は2880以上であればよいことになる。
指示込役物比率用処理(図797)では、ステップSi5401にて今回のゲームのメダル払出数を把握する処理を実行する。そして、ステップSi5402にて払出枚数表示部62にて各セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7のいずれかを利用した表示が行われているか否かを判定する。表示が行われている場合、ステップSi5403にて指示番号カウンタに基づいて、当該払出枚数表示部62にて表示している内容が、01~06、10~40の押し順報知に相当する表示であるか否かを判定する。
ステップSi5402にて表示を行っていないと判定した場合や、ステップSi5403にて表示を行っていても押し順報知に相当しない表示(押し順不問報知、00)であったり、押し順報知に相当する表示とも解釈され得るものであっても、期待払出数が特定数以下となる表示(偏り役報知、99)である場合は、ステップSi5404にて各種カウンタエリア106eに設けられた指示なしカウンタにステップSi5401にて把握した払出枚数を加算する処理を実行する。指示なしカウンタは、指示払出メダル数と全メダル数との差分である指示無しメダル数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSi5403にて押し順報知に相当する01~06、10~40の表示を行っていると判定した場合、ステップSi5405にて各種カウンタエリア106eに設けられた指示込みカウンタにステップSi5401にて把握した払出枚数を加算する処理を実行する。指示込みカウンタは、指示払出メダル数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSi5404又はステップSi5405の処理を実行した後は、ステップSi5406にて指示込役物比率の算出処理を行う。具体的には、指示なしカウンタと指示込みカウンタとを加算して全払出メダル数を把握したうえで、当該全払出メダル数に対する指示払出メダル数(指示込みカウンタ)の割合を算出する処理を行う。なお、上記ように本変形例では、役物としてのBB状態に移行しない構成としているが、BB状態やCB状態SB状態等のボーナス状態に移行し得る構成とする場合には、当該ボーナス状態中の払出枚数を、上記の指示込みカウンタや別のカウンタに加算したうえで、全払出メダル数に対するボーナス状態中の払出枚数を含む指示払出メダル数(指示込みカウンタ)の割合を算出する処理を行う構成とするとよい。
そして、ステップSi5407にて、上記算出した指示込役物比率を役比モニタ77へ出力して、当該役比モニタ77を更新する処理を実行してから、本指示込役物比率用処理を終了する。かかる処理を行うことにより、役比モニタ77では、指示込役物比率を表示することが可能となる。なお、上記の指示込役物比率に対応する情報や、当該指示込役物比率が特定値(7割)を超過しているか否かの情報を遊技機外部の装置(例えば、ホールコンピュータやデータ装置)へ出力する構成としてもよい。
図804に示すように、ATモード移行前(非AT中)の第1押し順ベルや第2押し順ベルだけをグループ化することにより構成される偏りベルを用いる場合、当該グループ化された偏りベルの期待払出数が特定数を超過するため、当該偏りベルに基因するメダル払出数が指示込役物比率に追加され、その結果、当該指示込役物は特定値(7割)を超過する。
これに対して、ATモード移行前(非AT中)の第1押し順ベルや第2押し順ベルを他の結果と合わせてグループ化することにより構成される偏りベルを用いることで、当該グループ化された偏りベルの期待払出数は特定数を超過せず、当該偏りベルに基因するメダル払出数は指示込役物比率に追加されなくなる。その結果、当該指示込役物は特定値(7割)を超過しないようにすることができる。
特に、本変形例では、2択1枚役Aと2択1枚役Bといった、合せると最小数である1枚のメダル払出が発生する結果を用い、当該各2択1枚役を第1押し順ベルや第2押し順ベルのグループ化に追加する構成としたことにより、当該グループの期待払出数を特定数以下に下げるために大いに貢献することが可能となる。そして、当該各2択1枚役は、合せるとポイント値PVは9138となり、各押し順ベルのそれぞれのポイント値PV(例えば第1左中ベルの1800、第1中左特殊ベルの2400)よりも大きいし、各押し順ベルにおいて操作対応結果を合わせたポイント値(例えば第1左中ベルと第2左中ベルの3600、第1中左特殊ベルと第2中左特殊ベルの4800)よりも大きく、更に、第1操作順序が共通する押し順ベルを合わせたポイント値(例えば第1中左ベル、第2中左ベル、第1中左特殊ベル、第2中左特殊ベルの8400)よりも大きい値が設定されており、これらよりもいずれかの2択1枚役に当選する確率の方が高くなるように設定されている。このような結果を偏りベルのグループに追加することによって、より当該グループの期待払出数を特定数以下に下げるために大いに貢献することが可能となる。
特に、2択1枚役Aと2択1枚役Bとのうちの一方だけではなく、両方を偏りベルのグループに追加する構成としたことにより、当該偏りベルに当選となったことの表示(99)によっていずれの2択1枚役であるかが見抜かれてしまい、それを知っている遊技者と知らない遊技者との利益に差が生じてしまうことを好適に回避することが可能となる。
更に、特にCZモードにおいては、これら第1押し順ベルや第2押し順ベルと各2択1枚役だけではなく、BARリプS、共通ベル、特殊1枚役Aも追加してグループ化がなされている。このようにすることで、いずれの役に当選しているかを払出枚数表示部62での表示では遊技者が把握しにくくすることができる。
例えば、図805(a1)や図805(b1)に示すように、払出枚数表示部62に偏り役報知としての「99」の表示と、右第8表示用セグメントNa8による有利区間である旨の表示、及び右第9表示用セグメントNa9による特定表示とが行われたゲームであって、補助表示部65ではCZモード用の表示演出が行われているゲームにおいて(図805(a2)、図805(b2))、ストップスイッチ42~44を左→中→右の順で操作した場合、当該ゲームの抽選結果が第1左中ベルであれば第1小役入賞が成立する(図805(a3))一方で、当該ゲームの抽選結果が第1左右ベルであれば第27小役入賞が成立する(図805(b3))。
また、同様に、図806(a1)に示すように、払出枚数表示部62に偏り役報知としての「99」の表示と、右第8表示用セグメントNa8による有利区間である旨の表示、及び右第9表示用セグメントNa9による特定表示とが行われたゲームであって、補助表示部65ではCZモード用の表示演出が行われているゲームにおいて(図806(a2))、ストップスイッチ42~44を左→中→右の順で操作した場合、当該ゲームの抽選結果が第1中左特殊ベルであればいずれの結果入賞も成立せずに取りこぼしが発生し得る(図806(a3))。
これに対して、図806(b1)に示すように、払出枚数表示部62に偏り役報知としての「99」の表示と、右第8表示用セグメントNa8による有利区間である旨の表示、及び右第9表示用セグメントNa9による特定表示とが行われたゲームであって、補助表示部65ではCZモード用の表示演出が行われているゲームにおいて(図806(b2))、ストップスイッチ42~44を左→中→右の順で操作した場合、当該ゲームの抽選結果が共通ベルであれば第1結果入賞が成立し(図806(b3))、上記第1左中ベル当選ゲームと、停止出目だけではなく払出枚数表示部62での表示内容が共通し、これらからはいずれの結果であったかを遊技者は把握することができない。上記のように、CZモードにおいて各押し順ベルと共通ベルとは、特に天井ゲーム数の減算値に大きな違いがあり(図785)、遊技者は、共通ベルであったことを期待しながら天井までのゲーム数を予測することになる。
また、表示制御装置81側では、CZモードにおいて共通ベルに当選したゲームであっても各種押し順ベルに当選したゲームであっても、抽選結果コマンドとしては結果番号87の情報のみを受信することから、当該抽選結果コマンドから共通ベルと各種押し順ベルのいずれに当選しているかを把握することはできない。但し、上記のように、共通ベルを含む特定役当選ゲームでは、主制御装置101から特定役コマンドを受信するため、当該特定役コマンドを受信しており、且つ87番の抽選結果コマンドを受信することにより、表示制御装置81側では、87番のグループの抽選結果であっても、第1押し順ベルや第2押し順ベル、各2択1枚役ではないことを把握することができる。
この場合、補助表示部65にて特定役報知演出が実行される(図806(b2))ことから、上記のように払出枚数表示部62での表示内容では抽選結果を遊技者が区別することができなくても、補助表示部65側の演出内容からその結果を区別することが可能となる。これにより、補助表示部65側の演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
特殊1枚役Aは、最小数である1枚のメダル払出が発生する結果であり、CZモードにおいて当該特殊1枚役Aを第1押し順ベルや第2押し順ベルのグループ化に追加する構成としたことにより、当該グループの期待払出数を特定数以下に下げるためにも貢献することが可能となる。また、当該特殊1枚役Aは、ポイント値PVが6000であり、各押し順ベルのそれぞれのポイント値PV(例えば第1左中ベルの1800、第1中左特殊ベルの2400)よりも大きいし、各押し順ベルにおいて操作対応結果を合わせたポイント値(例えば第1左中ベルと第2左中ベルの3600、第1中左特殊ベルと第2中左特殊ベルの4800)よりも大きい値が設定されており、これらよりも特殊1枚役Aに当選する確率の方が高くなるように設定されている。このような結果を偏りベルのグループに追加することによって、より当該グループの期待払出数を特定数以下に下げるために大いに貢献することが可能となる。
図807(a1)に示すように、払出枚数表示部62に偏り役報知としての「99」の表示と、右第8表示用セグメントNa8による有利区間である旨の表示、及び右第9表示用セグメントNa9による特定表示とが行われたゲームであって、補助表示部65ではCZモード用の表示演出が行われているゲームにおいて(図807(a2))、第27小役入賞が成立した場合(図807(a3))、当該ゲームの抽選結果は第1左中ベルだけではなく(図805(b3))、特殊1枚役Aである可能性もある。この場合も、払出枚数表示部62や停止出目では区別がつかないものの、上記のように、補助表示部65において特定役報知演出が実行されることから(図807(a2))、当該ゲームにてチャレンジカウンタの減算が行われたことを遊技者は明確に把握することが可能となる。
その一方で、図807(b1)に示すように、払出枚数表示部62に押し順不問報知としての「00」の表示と、右第8表示用セグメントNa8による有利区間である旨の表示が行われるものの、右第9表示用セグメントNa9による特定表示は行われないゲームであって、補助表示部65ではCZモード用の表示演出が行われているゲームにおいて(図807(b2))、当該ゲームがチェリー当選ゲームであれば、第30小役入賞が成立し得る(図807(b3))。この場合も、上記のように、補助表示部65において特定役報知演出が実行されることから(図807(b2))、遊技者はいずれかの特定役に当選しているゲームであることを把握することが可能となり、払出枚数表示部62からその当選結果を予測することは困難となる。つまり、上記のように、払出枚数表示部62において偏り役報知(99)が行われている状況、及び払出枚数表示部62において押し順不問報知(00)が行われている状況、のいずれであっても特定役に当選している可能性があり、かかる払出枚数表示部62での表示内容から当選結果を予測することを困難としながら、補助表示部65側での演出内容へ注目させることが可能となる。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏する。
押し順ベルとして、第1操作態様にて操作した場合に13枚のメダル払出が生じ、第2操作態様にて操作した場合には1枚のメダル払出が生じる第1押し順ベルや第2押し順ベルを、例えば各2択1枚役のように当該第1押し順ベルや第2押し順ベルにおいて第1操作態様にて操作した場合に得られる13枚よりも少ない1枚のメダル払出が生じる結果と組み合わせてグループ化して抽選結果コマンドを出力するようにした。このようにすることで、当該グループに当選となった場合に平均的に期待できる期待払出数を、当該組み合わせた結果の分だけ第1押し順ベルや第2押し順ベルに当選となった場合に平均的に期待できる期待払出数よりも少なくすることが可能となる。よって、例えば、偏り役報知を行うことによって、かかる報知が押し順報知として解釈されたとしても、当該グループを期待払出数が少ない結果グループとして解釈され易くすることが可能となり、指示込役物比率が高くなり過ぎないようにすることが可能となる。
この場合、当該グループの期待払出数は、いずれの操作態様であっても特定数としての3枚以下となるようにしており、当該3枚とはベット数と同じ数として設定している。つまり、第1操作態様の押し順報知が実行されないことを状況においては、当該グループに当選となった場合に、期待払出数がベット数以下であることから、メダルの増加が見込めないようになる。このように設定することで、押し順報知によって第1操作態様を指示してメダル増加を見込む、という指示機能を利用した遊技において、当該グループに当選となった場合の払出メダル数が当該遊技に与える影響は軽微なものとなるし、そもそもメダル増加が見込めないのであるからかかる遊技とはかけ離れた抽選結果であるとして、上記の指示込役物比率の算出において指示払出メダル数に追加しなくてもよいと解釈し易くなる。よって、当該グループの払出メダル数を指示払出メダル数に追加しないことを通じて指示込役物比率が高くなり過ぎることを好適に回避することが可能となる。
特に、上記の第1押し順ベルや第2押し順ベルだけのグループであると、期待払出数は特定数を超過するものであることから、上記の各2択1枚役を当該グループに追加することの意義が高められている。
当該グループにおいて、各2択1枚役の当選確率は、第1押し順ベルや第2押し順ベルの当選確率よりも高くなるように設定していることから、当該グループにおける期待払出数の算出において各2択1枚役の影響率が高くなる。よって、当該グループの期待払出数を低下させる効果をより好適に期待することが可能となる。
第1押し順ベルと第2押し順ベルのうち、特に第2押し順ベルについては、特定操作態様にて操作した場合の期待払出数と非特定操作態様にて操作した場合の期待払出数とが異なる偏り役となっており、かかる偏り役である旨を示す偏り役報知が払出枚数表示部62にて行われるようにしていることから、遊技者に不測の不利益を被らせないようにすることが可能となる。この場合、当該偏り役報知は、押し順報知に含まれると解釈される場合もあるものの、上記のように各2択1枚役とグループ化して期待払出数を低下させていることから、当該偏り役や偏り役報知によって指示込役物比率が高くなり過ぎないようにすることが可能となる。
特に偏り役としての第2押し順ベルについて、特定操作態様にて操作した場合には天井ゲーム数の減算や停止時ATモード移行抽選等を行う一方、非特定操作態様にて操作した場合にはこれら天井ゲーム数の減算や停止時ATモード移行抽選等を行わない構成としていることから、遊技者は、期待払出数の多い側の非特定操作態様か、指示機能に関する処理が有利となる特定操作態様かを選択して遊技を進行させることが可能となる。この場合、払出枚数表示部62において偏り役報知が行われることから、かかる選択遊技であることを遊技者は好適に把握することが可能となる。
更に、期待払出数は相違しない第1押し順ベル等においても、特定操作態様と非特定操作態様にて操作した場合で指示機能に関する処理の優劣がある構成とし、かかる抽選結果である場合にも、偏り役報知が行われる構成としていることから、操作態様によって何らかの優劣がある結果であることを、遊技者に知らしめることが可能となり、遊技者に不測の不利益を被らせないようにすることが可能となる。
これらの偏り役報知を行う場合、表示制御装置81側の押し順報知演出等が行われないゲームであることを示す特定表示も行う構成としたことから、例えば、主制御装置101側では偏り役報知を行っており、第1操作態様についての押し順報知を行っていないのにもかかわらず、表示制御装置81側を不正に改造する等して、当該表示制御装置81側で押し順報知演出を行わせた場合、当該特定表示を通じて、かかる不正行為を特定することが可能となる。
<変形例9>
本変形例では、変形例8におけるCZ用結果番号テーブルやCZ用指示番号テーブルを変更する。図808は、本変形例におけるCZ用結果番号テーブル及びCZ用指示番号テーブルのうちの、グループ化された結果番号及び指示番号を抜き出して示す図である。
すなわち、本変形例では、上記の第1押し順ベルや第2押し順ベル、各2択1枚役による結果番号87のグループに、BARリプSや共通ベル、特殊1枚役Aだけではなく、インデックス値IV=36のチェリーも含めるように設定している。
つまり、本変形例においてCZモード中にチェリーに当選となった場合(図809(a3))、図809(a1)に示すように、払出枚数表示部62に当該チェリーを含むグループ87に対する指示番号である「99」の表示(偏り役報知)が行われ、更に、右第8表示用セグメントNa8による有利区間である旨の表示だけでなく、右第9表示用セグメントNa9による特定表示も行われる。そして、補助表示部65ではCZモード用の表示演出とともに、特定役報知演出が実行される(図809(a2))。そのため、上記の特殊1枚役Aに当選となった場合や、共通ベルに当選となった場合の払出枚数表示部62や補助表示部65の表示内容が共通することとなり、これらの表示内容から特定役の種類を予測することは困難となる。よって、各リール32L,32M,32Rの停止操作を行うことによりいずれの抽選結果であるかを確かめる楽しみを抹殺することがなく、しかも、当該チェリーに当選していることが、払出枚数表示部62にて偏り役報知としての「99」の表示が行われないことを通じて丸わかりになってしまう不都合を解消することが可能となる。
<変形例10>
本変形例では、偏りベルとしての第2押し順ベルを含まずに、特定役をグループ化する。そして、そのグループ化された抽選結果となった場合の指示番号を、各種偏りベルのグループの指示番号(99)と同じ番号に設定して偏り役報知を行う構成とするとともに、右第9表示用セグメントNa9による特定表示も行う構成とする。
具体的には、図810に示すように、例えば、通常用の結果番号テーブルや指示番号テーブルにおいて、第1スベリチャンス、第2スベリチャンス、共通ベル、特殊1枚役A~特殊1枚役Cとチェリー(インデックス値IV=8~10、33~36)をグループ化し、当該グループ化された抽選結果の結果番号を、各種偏りベルのグループの結果番号(89)と異なる番号(84)に設定する。これにより、表示制御装置81では、当該抽選結果コマンドを受信することによって特定役当選ゲームであることを把握することが可能となる。
そして、当該84番のグループに当選した場合に、指示番号を偏りベルのグループ番号(99)と同じ番号(99)に設定する。これにより、払出枚数表示部62に表示される偏り役報知(99の表示)が行われた場合に、偏りベルのグループの抽選結果だけでなく特定役の可能性もあるようになり、当該偏り役報知によって特定役当選ではないことが丸わかりになってしまう不都合を解消することが可能となる。
この場合、当該特定役当選ゲームにおいても、特定操作態様にて操作することで停止時ATモード移行抽選にて当選し得る(抽選に付される)ようになる一方、非特定操作態様にて操作することでATモード移行抽選に当選しない(抽選に付されない)ようにしたり、特定操作態様にて操作することで天井ゲーム数の減算が行われるものの非特定操作態様にて操作することで天井ゲーム数の減算が行われない、又は特定操作態様の場合よりも少ない減算が行われる、といったように制限対象として設定する構成としてもよい。
つまり、当該結果番号84が設定されたグループを制限対象として設定する構成の場合、当該グループは、操作態様による期待払出数は相違しないものの、操作態様による指示機能に関する処理は優劣が設けられた結果であり、かかる結果は、指示偏り役とも称することが可能である。このようにすることで、当該指示番号(99)が表示されたのにもかかわらず、偏り(操作態様による有利不利)が生じない、といった表示内容の齟齬を解消することが可能となる。この場合、払出枚数表示部62における「99」の偏り役報知は、操作態様による期待払出数が相違し、更に操作態様による指示機能に関する処理は優劣が設けられた偏り役と、上記の指示偏り役とを含む報知となる。
払出枚数表示部62において、当該特定役のグループ(84)についても、第9表示用セグメントNa9による特定表示も行うようにすることで、第9表示用セグメントNa9についての払出枚数表示部62での表示内容も、偏りベルグループの場合の表示内容と共通することとなり、かかる表示内容から特定役当選であることや特定役当選ではないことが丸わかりになってしまう不都合を解消することが可能となる。
<変形例11>
本変形例では、上記変形例10において特定役のグループに偏りベルを含める。但し、当該含める偏りベルは、上記第1押し順ベルや第2押し順ベルに当選した場合よりも、少ないメダル枚数のメダル払出が行われる結果による偏りベルとする。
具体的には、図811(a)に示すように、本変形例における通常遊技状態用の抽選テーブルとして、インデックス値IV=39,40を追加し、当該インデックス値IV=39にて当選となった場合(特殊2択1枚役Aに当選となった場合)には、第7小役、第10小役及び第27小役入賞が成立可能となり、インデックス値IV=40にて当選となった場合(特殊2択1枚役Bに当選となった場合)には、第8小役、第9小役及び第27小役入賞が成立可能となるように設定する。
図811(b)に示すように、特殊2択1枚役Aや特殊2択1枚役Bに当選となった場合、左ストップスイッチ42を最初に停止操作する操作順序では、補填小役同士である第7小役及び第10小役、又は第8小役及び第9小役の入賞が成立可能となる。そのため、当該左ストップスイッチ42を最初に停止操作する操作順序では、取りこぼしが生じ得るようになる。その一方で、特殊2択1枚役Aや特殊2択1枚役Bに当選となった場合、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に停止操作する操作順序では、取りこぼしが生じない第27小役入賞が成立可能となる。
つまり、特殊2択1枚役Aや特殊2択1枚役Bに当選となった場合、特定操作態様にて操作した場合よりも非特定操作態様にて操作した場合の方が、期待払出数は多くなり、これら特殊2択1枚役Aや特殊2択1枚役Bは、偏り役の一種と称することができる。そして、当該特殊2択1枚役Aや特殊2択1枚役Bに当選となった場合であって、期待払出数が多い側の非特定操作態様であっても、上記第1押し順ベルや第2押し順ベルの期待払出数よりも少ないように設定されている。
本変形例では、図811(c)に示すように、当該偏り役の一種としての特殊2択1枚役Aや特殊2択1枚役Bを、上記変形例10において設定した特定役のグループに含める構成としており、かかるグループの結果番号は85として設定している。この場合、左第1停止となる特定操作態様にて操作した場合の期待払出数は約0.75枚であり、中・右第1停止となる非特定操作態様にて操作した場合の期待払出数は約1.05枚であり、いずれも上記の特定数以下の枚数となる。
つまり、本変形例のようにすることで、特定役のグループの指示番号を偏りベルのグループと同じ指示番号に設定したとしても、当該特定役のグループについても偏り役を含むこととなり、当該指示番号(99)が表示されたのにもかかわらず、偏り(操作態様による有利不利)が生じない、といった表示内容の齟齬を解消することが可能となる。
特に、上記のように、比較的少ない期待払出数となる結果により偏り役を設定し、当該偏り役を特定役のグループに含ませる構成とすることで、特定役当選や特定役非当選を判別しにくくするために、各ゲームのメダル払出数が増加してしまい、結果的に、ATモードでのメダル払出数を抑えなくてはならない、といった事象を生じさせにくくすることができる。
この場合、当該結果番号85のグループについて、操作態様による指示機能に関する処理に優劣を設け、操作態様による期待払出数が相違し、更に操作態様による指示機能に関する処理は優劣が設けられた偏り役としてもよいし、操作態様による指示機能に関する処理に優劣を設けず、操作態様による期待払出数が相違する一方、操作態様による指示機能に関する処理は優劣が設けられていない役としてもよい。
特殊2択1枚役Aや特殊2択1枚役Bを、特定操作態様にて操作した場合よりも非特定操作態様にて操作した場合の方が期待払出数が多くなるように設定したが、特定操作態様にて操作した場合の方が非特定操作態様にて操作した場合よりもが期待払出数が多くなるように設定してもよい。かかる特殊2択1枚役Aと特殊2択1枚役Bとを、例えば、上記の第2押し順ベルとグループ化する構成としてもよい。この場合、当該グループのうち、第2押し順ベルであれば、特定操作態様にて操作した場合よりも非特定操作態様にて操作した場合の方が期待払出数は多くなり、当該グループのうち、特殊2択1枚役Aや特殊2択1枚役Bであれば、特定操作態様にて操作した場合の方が非特定操作態様にて操作した場合よりも期待払出数は多くなることから、当該グループをまとめると、特殊2択1枚役Aや特殊2択1枚役Bを含まない場合と比較して、特定操作態様による期待払出数と非特定操作態様による期待払出数との差を小さくすることが可能となる。このようにすることで、当該偏り役のグループにおける偏りの差(有利度の差)を、当該偏り役を構成する第2押し順ベルについての偏りの差よりも小さくすることができ、かかるグループについての偏り役報知を、押し順報知として解釈しにくくする効果や、かかるグループについての偏り役報知が押し順報知として解釈されても指示払出メダル数に含まなくてもよいと解釈し易くする効果を期待することができる。更に、例えば、特殊2択1枚役Aや特殊2択1枚役Bを、3枚以上の払出が発生するチェリーや共通ベルとグループ化することにより、当該チェリーや共通ベルだけだと期待払出数が特定数を超過する結果となるグループを、特定数以下のグループとすることも可能である。この場合においても、偏り役報知の対象としてこれらチェリーや共通ベル当選を分かりにくくする効果を得ながら、当該グループの払出数を指示有りメダル数に追加する必要が生じないため、指示込役物比率の高騰を回避しながら、チェリーや共通ベル当選を分かりにくくする効果(偏り役報知)を得ることが可能となる。
<変形例12>
図812は、本変形例における通常モード用の結果番号テーブルや指示番号テーブルを示す図である。
本変形例では、全ての結果をグループ化し、当該グループの結果番号を86として設定する。そして、各ゲームの抽選結果が当該グループに含まれる結果であれば、すなわち、いずれの結果であっても抽選結果コマンドとして結果番号86の情報を含むコマンドを表示制御装置81へ出力する。また、いずれの抽選結果であっても、指示番号は99として設定し、更に、右第9表示用セグメントNa9による特定表示も実行する。
当該結果番号89のグループにおいて、特定操作態様による期待払出数は約1.49枚であり、非特定操作態様による期待払出数は約2.59枚であり、いずれも特定数以下となる。つまり、このような偏り役のグループとしても、当該ゲームで生じたメダル払出数を、指示払出メダル数に追加する必要がなくなり、指示込役物比率を低下させるために貢献することが可能となる。
このようにすることで、払出枚数表示部62の表示内容からは、いずれの抽選結果であるかを遊技者は把握することはできないし、抽選結果コマンドを不正に解析することにより各ゲームの抽選結果を特定することもできないようにすることができる。
この場合であっても、特定役(IV=8~10,33~36)当選となったゲームでは、特定役コマンドが出力されることから、表示制御装置81にて特定役報知演出を行うことが可能となる。また、押し順報知や押し順チャレンジを実行する場合には、指示番号コマンドとして押し順報知や押し順チャレンジに対応する指示番号コマンドが出力されることから、かかる全結果が含まれるグループとしても押し順報知や押し順チャレンジに不都合は生じない。
<変形例13>
上記変形例9~12では、各モード(通常モード、CZモード、通常チャレンジモード、ATモード、ATチャレンジモード)のいずれに滞在しているかを、例えば補助表示部65による表示内容によって遊技者が識別可能としていた。そのため、いずれのモード用の指示番号テーブルが参照されて、払出枚数表示部62による表示が行われているかを、遊技者が明確に把握することが可能となっていた。本変形例では、いずれのモードに滞在しているかを、遊技者が識別しにくくする。
図813(a)は、本変形例における各モード演出設定処理を示すフローチャートである。各モード演出設定処理は、例えば、開始時演出設定処理におけるその他の開始時演出設定処理の一処理として設定される処理であり、滞在しているモードに応じた演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理である。
ステップSi5501では、現状のモードが通常モードであるか否かを判定する。通常モードである場合、ステップSi5501にて特殊モード抽選処理を実行する。特殊モード抽選処理は、今回のゲーム(又は以降のゲーム)における演出を特殊モードにて行うことの抽選処理であり、例えば、10分の1の確率で特殊モード抽選に当選し得るように設定されている。
ステップSi5502にて特殊モード抽選処理を実行した後は、ステップSi5503にて特殊モード抽選に当選したか否かを判定する。当選していない場合には、ステップSi5504に進み、今回のゲームの演出を通常モード用の演出として行うための設定処理を実行してから、本各モード演出設定処理を終了する。
ステップSi5503にて、特殊モード抽選に当選したと判定した場合、ステップSi5505に進み、今回のゲームの演出を特殊モード用の演出として行うための設定処理を実行してから、本各モード演出設定処理を終了する。
特殊モード用の演出としては、例えば、図813(b1)や図813(b2)に示すように、補助表示部65の表示画面における所定領域にて特殊モード用の演出(例えば、???の表示)を行う。
ステップSi5501にて通常モードではないと判定した場合、ステップSi5506にてCZモードであるか否かを判定する。CZモードである場合、ステップSi5507にて特殊モード抽選処理を実行する。ステップSi5507の抽選処理は、ステップSi5502の抽選処理に対応するものであり、今回のゲーム(又は以降のゲーム)における演出を特殊モードにて行うことの抽選処理である。この場合、ステップSi5507の抽選処理の当選確率をステップSi5502の抽選処理の当選確率と同じ確率としてもよいし、異なる確率としてもよく、例えばステップSi5507の方が高い確率となるようにしてもよい。異なる確率とすることにより、特殊モード用の演出が行われた場合に、通常モードとCZモードとのいずれであるかの割合が異なることとなり、それを推測する遊技の楽しみを追加することが可能である。
ステップSi5507にて特殊モード抽選処理を実行した後は、ステップSi5508にて特殊モード抽選に当選したか否かを判定する。当選していない場合には、ステップSi5509に進み、今回のゲームの演出をCZモード用の演出として行うための設定処理を実行してから、本各モード演出設定処理を終了する。
ステップSi5508にて、特殊モード抽選に当選したと判定した場合、上記のステップSi5505に進み、今回のゲームの演出を特殊モード用の演出として行うための設定処理を実行してから、本各モード演出設定処理を終了する。この場合、通常モード中に特殊モード抽選に当選した場合の特殊モードと同じ特殊モード用の演出が実行されるようになる。なお、通常モード中に特殊モード抽選に当選した場合の特殊モードと、CZモード中に特殊モード抽選に当選した場合の特殊モードとが完全に同じ演出でなくてもよく、遊技者が識別困難な程度に異なる演出であってもよい。
ステップSi5506にてCZモードではない場合には、ステップSi5510に進み、今回のゲームの演出を滞在しているモードに対応するモード(通常チャレンジモード、ATモード、ATチャレンジモード)用の演出として行うための設定処理を実行してから、本各モード演出設定処理を終了する。
この場合、例えば、通常モードにおいて特殊1枚役Aに当選したゲームで特殊モード用の演出が行われると、図813(b1)に示すように、補助表示部65にて特殊モード用の演出が行われ、更に、払出枚数表示部62にて通常モード用の指示番号テーブルに基づく特殊1枚役Aに対応する指示番号(00)の表示が行われている状況で(図812(c1))、特殊1枚役Aに対応する第27小役入賞が成立する(図812(d1))。また、CZモードにおいて特殊1枚役Aに当選したゲームで特殊モード用の演出が行われると、図813(b2)に示すように、補助表示部65にて特殊モード用の演出が行われ、更に、払出枚数表示部62にてCZモード用の指示番号テーブルに基づく特殊1枚役Aに対応する指示番号(99)の表示が行われている状況で(図812(c2))、特殊1枚役Aに対応する第27小役入賞が成立する(図812(d2))。
この場合、特殊モード用の演出が行われている状況下において、払出枚数表示部62に「00」の表示が行われた場合、通常モードにおいて偏りベルグループ(89)以外の抽選結果(IV=1,8~10,33~36)であるか、それとも、CZモードにおいて偏りベルグループ(87)以外の抽選結果(IV=8,9,34~36)であるかのいずれかとなる。また、特殊モード用の演出が行われている状況下において、払出枚数表示部62に「99」の表示が行われた場合、通常モードにおいて偏りベルグループ(89)の抽選結果(IV=11~32)であるか、それとも、CZモードにおいて偏りベルグループ(87)の抽選結果(IV=1,10~33)であるかのいずれかとなる。
つまり、上記のように、いずれの指示番号テーブルを用いて指示番号の表示が行われているかを分かりにくくすることで、払出枚数表示部62における表示内容から、抽選結果を絞り込むことが困難となる。よって、偏りベルグループに、他の結果を含ませた場合に、指示番号から当該他の結果が丸わかりになってしまう不都合を好適に回避することが可能となる。
<変形例14>
本変形例では、特に、通常モードにおける結果番号テーブルを異ならせる。図814は、本変形例における結果番号テーブルと指示番号テーブルとを示す図である。
本変形例では、上記変形例12のように、通常モードにおいて当選し得る全ての結果に対して指示番号99が設定されている。つまり、いずれの結果であっても、払出枚数表示部62では「99」が表示されて偏り役報知が行われる。この場合、いずれの結果であっても、右第9表示用セグメントNa9による特定表示も実行されることになる。
その一方で、結果番号テーブルでは、第1押し順ベルのグループにインデックス値IV=10の共通ベルが追加されて結果番号89のグループが設定されており、第2押し順ベルのグループにはインデックス値IV=31,32の各2択1枚役が追加されて結果番号88のグループが設定されている。そして、インデックス値IV=1のBARリプSに対しては「1」が設定されており、インデックス値IV=8,9の第1スベリチャンスと第2スベリチャンスに対しては「2」、「3」が設定されており、インデックス値33~35の各特殊1枚役に対しては「17」~「19」が設定されており、インデックス値IV=36のチェリーに対しては「20」が設定されている。
つまり、本変形例では、各グループも含めて各抽選結果に対してそれぞれ異なる結果番号が設定されているものの、指示番号は共通の番号が設定されている。そのため、払出枚数表示部62における表示内容からは、今回のゲームの抽選結果は特定できなくなるものの、表示制御装置81側においては、各抽選結果コマンドに含まれる結果番号の情報に基づいて、上記の個別に設定されているBARリプS、第1スベリチャンス、第2スベリチャンス、各特殊1枚役、チェリーの当選ゲームであることを把握することが可能となる。これにより、払出枚数表示部62での表示内容を共通化しながらも、これらの抽選結果となったゲームにおいて対応する結果演出(開始時演出設定処理)を好適に実行することが可能となる。
特に、上記のように、通常モードにおいて全ての当選結果で「99」が表示されて偏り役報知が実行されるとともに、特定表示が実行されるようにしていることから、払出枚数表示部62においてこれらの表示を行うことの処理負荷が、毎ゲーム均等化されることとなる。このようにすることで、当該通常モードにおいて、他の抽選処理等との関係で所定のゲームで処理負荷が増大化してしまうことによる処理エラーの発生を好適に回避することができる。
この場合、例えば、指示番号送信用処理(図790)において、通常モードであると判定した場合(ステップSi4904:NO)、今回のゲームの抽選結果(ステップSi4901)や通常用指示番号テーブルとは関係なく、99番の指示番号情報を指示番号カウンタに入力するとともに(ステップSi4911)、当該99番の指示番号コマンドの出力設定を行う構成としてもよい(ステップSi4912)。このようにすることで、通常モードにおける処理構成を劇的に簡素化することが可能となる。
更に、通常モードである場合、上記の99番の指示番号コマンドを出力しない構成としてもよい。かかる場合であっても、表示制御装置81側では、通常モードであることさえ把握すれば今回のゲームの抽選結果が99番の指示番号が設定されるゲームであることを特定することが可能である。
また、特定表示用の処理(区間表示第1処理におけるステップSi5214、ステップSi5215の処理)についても、通常モードである場合は、指示番号カウンタを把握することなく特定表示を行うための処理(ステップSi5215)を実行する構成としてもよい。このようにすることでも、処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
ちなみに、払出枚数表示部62での各指示番号の表示は、各ゲームにおいてベット操作が行われた後、スタートレバー41が操作されたタイミングでその表示が開始され、各リール32L,32M,32Rの回転が停止したタイミングで終了し、その後、メダルの払出に際してメダル払出枚数の表示に切り換わる構成としている。そして、当該メダル払出枚数の表示は、次ゲームのベット操作が行われたタイミングでクリアされる。なお、メダル払出が行われなかったゲームであっても、当該各リール32L,32M,32Rの回転が停止したタイミングで指示番号の表示はクリアされる。このようにすることで、指示番号の表示がクリアされるか否かによって、メダル払出が生じることを(生じないことを)察知されてしまうことが回避されている。
これに対して、指示番号の表示を行う指示モニタとしての機能を有する表示部を払出枚数表示部62とは別途設ける構成とする場合、上記のようなメダル払出が行われ得るタイミングで指示番号の表示をクリアする必要性が生じなくなる。そうすると、上記のような通常モードにおいて、毎ゲーム同じ指示番号の表示が行われる構成においては、当該指示番号の表示を毎ゲームクリアする必要性も生じなくなる。つまり、このように指示番号の表示を行う表示部を別途設ける構成においては、通常モードであれば指示番号の表示を毎ゲーム更新せずに、99番の表示が行われたままにしておく構成としてもよい。このようにすることで、当該表示の更新用の処理を省略することが可能となり、処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
右第9表示用セグメントNa9による特定表示については、他の表示とその表示部を共用する構成ではないため、当該構成において、上記のように、通常モードであれば当該特定表示の更新を行わない構成とすることも可能である(ステップSi5214及びステップSi5215の処理を省略することも可能である)。
本変形例においては、図815に示すように、第2押し順ベル(IV=23~30)に対して各2択1枚役(IV=31,32)を追加した88番の結果番号のグループは、いずれの抽選結果も制限対象として設定されており、停止時AT抽選用処理において特定操作態様にて操作されていれば天井ゲーム数の減算や停止時ATモード移行抽選等を行う一方、非特定操作態様にて操作されていれば天井ゲーム数の減算や停止時ATモード移行抽選等を行わない。つまり、本変形例における通常モードでは、同じ結果番号のグループについては、制限対象となる抽選結果と制限対象とならない制限対象とが混在しないように設定されており、特に88番の結果番号のグループでは制限対象となる抽選結果だけが含まれるように設定されている。
このようにすることで、表示制御装置81側において、当該結果番号の情報を含む抽選結果コマンドを受信している状況で、特定操作態様にて操作された場合と非特定操作態様にて操作された場合とで演出を異ならせるうえで、演出設定上の不都合を生じさせないようにすることができる。つまり、上記図800のように、第2押し順ベルと各2択1枚役にて構成される88番の結果番号のグループにおいて、第2押し順ベルは制限対象として設定される一方、各2択1枚役については制限対象として設定されないような構成とする場合、仮に特定操作態様にて操作された場合と非特定操作態様にて操作された場合とで、得られる特典に応じて演出を異ならせようとするならば、今回のゲームの抽選結果が第2押し順ベルと各2択1枚役のいずれであるかを特定する必要性が生じる。そして、仮にそれを特定しなければ、例えば、各2択1枚役当選ゲームで非特定操作態様にて操作された場合において、各2択1枚役であるのにもかかわらず、指示機能に関する処理が制限されたかのような演出を行ってしまうこととなり、演出上の矛盾が生じ得る。これに対して、本変形例のように同じ結果番号のグループ内では、全て制限対象となるようにしたことで、当該グループ内の個別の抽選結果を特定しなくてもよくなり、比較的簡素な構成にて、演出の矛盾を生じさせないようにすることが可能となる。なお、このような演出上の矛盾を生じさせないようにする効果は、同じ結果番号のグループ内で全て制限対象となるように設定する構成の他、同じ結果番号のグループ内で全て制限対象とならないように設定する構成でも期待できる。
本変形例では、図816に示すように、第1押し順ベルのグループに対して共通ベルを含ませて、89番の結果番号のグループを設定している。この場合、各操作態様による期待払出数は、特定数としての3枚を超過している。但し、当該グループについては、いずれの操作態様(操作順序)であっても、期待払出数が共通しており、具体的には、いずれの操作順序であっても約3.12枚のメダル払出が期待できる。そして、当該グループにおいて、いずれの抽選結果であっても、特定操作態様にて操作することで天井ゲーム数の減算や停止時ATモード移行抽選等を行う一方、非特定操作態様にて操作されていれば天井ゲーム数の減算や停止時ATモード移行抽選等を行わない制限対象として設定される。つまり、当該89番のグループは、操作態様による期待払出数は共通するものの、操作態様による指示機能に関する処理に優劣は設けられている指示偏り役のグループである。
そして、当該89番のグループの各抽選結果となったゲームでは、指示番号として「99」の表示が払出枚数表示部62にて行われるとともに、特定表示としての第9表示用セグメントNa9の点灯表示が行われるため、遊技者は、当該ゲームにおいて特定操作態様にて操作することで指示機能に関する処理が有利となり、非特定操作態様にて操作することで指示機能に関する処理が不利となること好適に把握することが可能となり、不測の不利益を被る恐れが好適に解消されている。また、当該ゲームにおいて、特定表示が行われることを通じて、当該ゲームで表示制御装置81側の押し順報知演出が行われないゲーム(制限されるゲーム)であることが示されることから、仮に、不正に表示制御装置81側を制御して当該ゲームにて押し順報知演出を行わせる行為が行われたとしても、当該行為を好適に特定することが可能となる。
ここで、このような指示偏り役は、操作態様による優劣は指示機能に関する処理だけであって、期待払出数には影響がなく、当該グループの各抽選結果となったゲームで払い出されるメダル数は、押し順報知によって枚数が異なるわけではない結果である。つまり、このような指示偏り役は、押し順報知を介して払出メダル数の増減が生じるものではない。そこで、本変形例においては、当該グループの払出メダル数は、指示込役物比率の算出において、指示払出メダル数(指示込みカウンタ)に加算しない構成としている。このようにすることで、指示込役物比率が高騰してしまうことを好適に回避することができる。
上記のように、本変形例では、インデックス値IV=1のBARリプS、インデックス値IV=8,9の第1スベリチャンスと第2スベリチャンス、インデックス値33~35の各特殊1枚役、インデックス値IV=36のチェリーについても指示番号として「99」の表示が払出枚数表示部62にて行われるとともに、特定表示としての第9表示用セグメントNa9の点灯表示が行われるようにしている一方、これらインデックス値IV=1,8,9,33~36はそれぞれグループ化されておらず、個別の結果番号が設定されている。そして、図817に示すように、当該インデックス値IV=1,8,9,33~36の各結果番号について、特に20番の結果番号が設定されたチェリーでは、各操作態様による期待払出数は特定数を超過している。
但し、本変形例では、これら各結果番号の抽選結果についても、特定操作態様にて操作することで指示機能に関する処理が有利となり、非特定操作態様にて操作することで指示機能に関する処理が不利となるように設定しており、これら各結果番号は、各操作態様による期待払出数が共通する結果番号であって、操作態様による指示機能に関する処理に優劣が生じる結果番号であり、指示偏り役に相当する結果番号である。
上記のように、本変形例では、当該指示偏り役に相当する結果番号のゲームでのメダル払出数については指示込役物比率の算出において指示払出メダル数に追加しないようにしている。そのため、上記のように、各個別結果についても指示偏り役として設定することによって偏り役報知や特定表示の対象として抽選結果を分かりにくくする効果を得ながらも、指示込役物比率の高騰を好適に回避することが可能となっている。
ちなみに、上記のような、操作態様による期待払出数が共通する一方、操作態様による指示機能に関する処理について優劣を設ける結果番号について、操作態様による指示機能に関する処理の優劣を設けない構成としたうえで、偏りベルの指示番号と同じ指示番号(99)を表示するとともに、右第9表示用セグメントNa9による特定表示を行うようにする構成としてもよい。つまり、これら偏りベルの指示番号と同じ指示番号(99)の表示は、操作態様によって何らかの特典に優劣が生じる可能性があるだけで足り、必ず優劣が生じなくても、遊技者に不測の不利益を与えることにはならない。また、右第9表示用セグメントNa9による特定表示についても、当該インデックス値IV=1,8,9,33~36にて当選となったゲームでは表示制御装置81側の押し順報知演出は発生し得ない(仮に発生してもその押し順報知演出によって払出メダル数が異なることとならずに演出上のものである)ことから、表示制御装置81側の押し順報知演出が発生しないゲームであることを示す特定表示の内容とも合致する。
更に、上記のように、第2押し順ベルに各2択1枚役を追加した偏りベルのグループ(88)といったように、操作態様による期待払出数は異なり、且つ操作態様による指示機能に関する処理の優劣もある結果番号についても、操作態様による指示機能に関する処理の優劣を設けない構成としたうえで、偏りベルの指示番号(99、偏り役報知)を表示するとともに、右第9表示用セグメントNa9による特定表示を行うようにする構成としてもよい。この場合であっても、第2押し順ベル当選ゲームで表示制御装置81側の押し順報知演出を行わないことが確保されていれば、特定表示の示す内容との齟齬は生じない。
操作態様による指示機能に関する処理の優劣を設けない構成としては、例えば、当該グループ(88)については、いずれの操作態様であっても天井ゲーム数の減算を行わないし、停止時ATモード移行抽選等も行わない構成としてもよく、更に、当該グループ(88)の当選ゲームでは開始時ATモード移行抽選等についても行わないといったように、指示機能に関する処理を行わないグループとしてもよい(図818)。
上記のような、操作態様による期待払出数は異なるものの、操作態様による指示機能に関する処理の優劣を設けず、指示機能に関する処理を行わないグループ(88)である特定偏り役グループの構成は、有利区間における通常モードだけではなく、通常区間においても適用可能である。
例えば、図819(a)に示すように、区間表示第1処理において、ステップSi5213の処理(役比モニタ77の更新処理)を実行した後、ステップSi5601にて有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされていない場合には、ステップSi5602にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常区間用指示番号テーブルを取得する処理を実行する。
通常区間用指示番号テーブルは、図814に示すように、第2押し順ベルと各2択1枚役とによる偏りベルのグループ(88)以外については、操作不問報知として「00」が表示されることとなる指示番号が設定されている。上記のとおり、通常区間においては指示機能に関する処理は一切行われないこと、及び、これら第2押し順ベルを除く各抽選結果については、操作態様による期待払出数に差異はないことから、上記の操作不問報知にて示す内容と処理内容とは合致している。
これに対して、偏りベルグループ(88)については、偏り役報知としての「99」の指示番号が設定されている。上記のとおり、通常区間において指示機能に関する処理を行わないことは当該偏りベルグループ(88)についても同様である。但し、当該偏りベルグループ(88)は、操作態様による期待払出数に差異があることから、当該偏り役報知を行うことにより、遊技者に不測の不利益を与える可能性を低減することができる。
ステップSi5602にて通常区間用指示番号テーブルを取得した後は、ステップSi5603にて今回の抽選結果に対応する指示番号情報を指示番号カウンタに入力する処理を実行する。上記の通り、第2押し順ベルや各2択1枚役であれば、指示番号カウンタに99が入力され、他の抽選結果であれば00が入力される。
ステップSi5601にて否定判定した場合、又は、ステップSi5603の処理を実行した後は、ステップSi5604にて、指示番号カウンタが99であるか否かを判定し、99である場合には、ステップSi5605にて右第9表示用セグメントNa9を点灯状態として特定表示を行うための処理を実行してから、本区間表示第1処理を終了する。ステップSi5604にて否定判定した場合は、そのまま本区間表示第1処理を終了する。
この場合、図819(b)に示すように、有利区間において第2押し順ベルに当選したゲームでは、右第8表示用セグメントNa8による有利区間である旨の表示が行われるとともに、払出枚数表示部62では「99」の偏り役の表示が行われ、更に、右第9表示用セグメントNa9による特定表示が行われる。
これに対して、通常区間において第2押し順ベルに当選したゲームでは、図819(c)に示すように、右第8表示用セグメントNa8による有利区間である旨の表示は行われないものの、払出枚数表示部62では「99」の偏り役の表示が行われ、更に、右第9表示用セグメントNa9による特定表示が行われる。
つまり、通常区間においても、偏りベルグループに当選したゲームでは、偏り役報知を行うことによって、遊技者の多くのメダル獲得の機会を喪失させてしまうことを回避することが可能となる。これにより、当該偏りベルといった操作態様によって期待払出数が異なる抽選結果を用いる場合に、その操作態様により相違する可能性を通常区間でも遊技者に知らしめることができるし、通常区間において、当該偏りベルに当選しないようにする、といったような複雑な制御を用いる必要もなくなる。
更に、通常区間においても、偏り役報知や特定報知が行われるようにすることで、当該通常区間であっても、表示制御装置81側で押し順報知演出が行われないゲームであることを明示することが可能となる。このようにすることで、当該押し順報知演出が行われないゲームであるのにもかかわらず、不正に押し順報知演出を行わせたり、押し順報知演出による利益を享受しようとする行為を好適に特定することが可能となる効果を、通常区間においても期待することが可能となる。
<変形例15>
本変形例では、偏りベルグループの抽選結果の構成を変更する。
図820は、本変形例における入賞態様と付与される特典との関係の変更点を示す図である。
本変形例では、第1小役入賞~第6小役入賞のうち、第3小役入賞又は第4小役入賞が成立した場合には8枚のメダル払出が行われ、第1小役入賞、第2小役入賞、第5小役入賞、第6小役入賞が成立した場合には12枚のメダル払出が行われる。つまり、揃うラインは異なるものの、いずれも「ベル」図柄が揃って入賞となる第1小役入賞~第6小役入賞ベル入賞であっても、入賞する小役によって払出枚数が異なる構成としている。また、本変形例では、第30小役入賞が成立すると3枚のメダル払出が行われる。
図821は、本変形例における通常遊技状態用の抽選テーブルを示す図である。
本変形例では、押し順ベルとして、中左特殊ベルA(IV=1)、中右特殊ベルA(IV=2)、右左特殊ベルA(IV=3)、右中特殊ベルA(IV=4)、中左特殊ベルB(IV=5)、中右特殊ベルB(IV=6)、右左特殊ベルB(IV=7)、右中特殊ベルB(IV=8)、左中ベル(IV=9)、左右ベル(IV=10)が設定されている。インデックス値IV=1~4の中左特殊ベルA~右中特殊ベルAは、第1操作態様にて操作された場合には第3小役入賞や第4小役入賞が成立し、第2操作態様にて操作された場合には第7小役入賞~第14小役入賞、第23小役入賞~第27小役入賞のいずれかが成立するように設定されている。また、インデックス値IV=5~8の中左特殊ベルB~右中特殊ベルBや、インデックス値IV=9,10の左中ベル、左右ベルは、第1操作態様にて操作された場合には第5小役入賞や第6小役入賞が成立し、第2操作態様にて操作された場合には第7小役入賞~第18小役入賞、第23小役入賞~第27小役入賞のいずれかが成立するように設定されている。
なお、以下の説明では、インデックス値IV=1~4の中左特殊ベルA~右中特殊ベルAを第1特殊押し順ベルとも称し、インデックス値IV=5~8の中左特殊ベルB~右中特殊ベルBを第2特殊押し順ベルとも称し、インデックス値IV=9,10の左中ベル、左右ベルを左第1押し順ベルとも称する。
第1特殊押し順ベルのそれぞれの特殊ベルAに当選となる確率(インデックス値IV=1~4の際に当選となる確率)は、それぞれ約6.50分の1の確率であり、いずれかの第1特殊押し順ベルに当選となる確率はまとめると約1.63分の1の確率である。一方、第2特殊押し順ベルのそれぞれの特殊ベルBに当選となる確率(インデックス値IV=5~8の際に当選となる確率)は、それぞれ32分の1であり、いずれかの第2特殊押し順ベルに当選となる確率はまとめると8分の1の確率である。つまり、第1特殊押し順ベルに当選となる確率よりも第2特殊押し順ベルに当選となる確率の方が低くなるように設定されている。また、左第1押し順ベルのそれぞれの当選となる確率(インデックス値IV=9,10の際に当選となる確率)はそれぞれ32分の1であり、いずれかの左第1押し順ベルに当選となる確率はまとめると8分の1の確率である。つまり、左第1押し順ベルに当選となる確率と第2特殊押し順ベルに当選となる確率とは同じ確率となるように設定されている。
共通ベルに当選となると、第1小役入賞、第2小役入賞、第5小役入賞、第6小役入賞の成立が可能となり、当該共通ベルに当選となる確率(インデックス値IV=11の際に当選となる確率)は、約80.0分の1の確率である。また、チェリーに当選となると、第30小役入賞の成立が可能となり、当該チェリーに当選となる確率(インデックス値IV=12の際に当選となる確率)は、約200分の1の確率である。BARリプSに当選となると、第1再遊技入賞、第2再遊技入賞、第4再遊技入賞の成立が可能となり、当該BARリプSに当選となる確率(インデックス値IV=13の際に当選となる確率)は、約7.30分の1の確率である。そして、本変形例では、いずれの結果にも当選しない外れ結果の場合もあるように設定されており、当該外れ結果となる確率は約23.5分の1の確率である。
図822は、本変形例における各種押し順ベル等に当選したゲームでの、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。
本変形例では、第1特殊押し順ベル、及び第2特殊押し順ベルのいずれもが、左ストップスイッチ42を最初に停止操作する操作順序を第1操作態様とする押し順ベルが設定されておらず、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に停止操作する操作順序を第1操作態様とする押し順ベルが設定されている。つまり、中左特殊ベルAや中左特殊ベルBについては、ストップスイッチ42~44を中→左→右の順序で操作する態様が第1操作態様として設定されており、他の順序で操作する態様は第2操作態様として設定されている。また、中右特殊ベルAや中右特殊ベルBについては、ストップスイッチ42~44を中→右→左の順序で操作する態様が第1操作態様として設定されており、他の順序で操作する態様は第2操作態様として設定されている。右左特殊ベルAや右左特殊ベルBについては、ストップスイッチ42~44を右→左→中の順で操作する態様が第1操作態様として設定されており、他の順序で操作する態様は第2操作態様として設定されている。右中特殊ベルAや右中特殊ベルBについては、ストップスイッチ42~44を右→中→左の順で操作する態様が第1操作態様として設定されており、他の順序で操作する態様は第2操作態様として設定されている。
これに対して、左第1押し順ベルについては、左ストップスイッチ42を最初に停止操作する操作順序が第1操作態様として設定されており、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に停止操作する操作順序を第1操作態様とする押し順ベルは設定されていない。つまり、左中ベルでは、ストップスイッチ42~44を左→中→右の順序で操作する態様が第1操作態様として設定されており、他の順序で操作する態様は第2操作態様として設定されている。また、左右ベルでは、ストップスイッチ42~44を左→右→中の順序で操作する態様が第1操作態様として設定されており、他の順序で操作する態様は第2操作態様として設定されている。
そして、図823に示すように、第1特殊押し順ベルについては、第1操作態様にて操作すると8枚のメダル払出が行われ、第2操作態様にて操作すると1枚のメダル払出が行われる。これに対して、第2特殊押し順ベルについては、第1操作態様にて操作すると12枚のメダル払出が行われ、第2操作態様にて操作すると1枚のメダル払出が行われる。本変形例では、これら第1特殊押し順ベルや第2特殊押し順ベルにおいて第2操作態様に操作された場合に取りこぼしとなる事象は生じないように設定されており、必ず1枚のメダル払出に対応する小役入賞が成立することとなる。つまり、第1特殊押し順ベルと第2特殊押し順ベルとは、互いに正解時のメダル払出数が相違する偏りベルである。また、左第1押し順ベルについても、第1操作態様にて操作すると12枚のメダル払出が行われ、第2操作態様にて操作すると1枚のメダル払出が行われ、第2操作態様に操作された場合に取りこぼしとなる事象は生じないように設定されており、必ず1枚のメダル払出に対応する小役入賞が成立することとなる。
また、共通ベルについては、いずれの操作態様であっても、第1小役入賞、第2小役入賞、第5小役入賞及び第6小役入賞のいずれかが成立するように設定されており、いずれの操作態様であっても12枚のメダル払出が行われる。
図824は、本変形例における結果番号テーブルと指示番号テーブルを示す図である。
図824において、第1遊技状態~第6遊技状態は、上記のような通常モード、CZモード、通常チャレンジモード、ATモード、ATチャレンジモード、通常区間といったように、参照する結果番号テーブルや指示番号テーブルが異なることとなる遊技状態を示しており、例えば、第1遊技状態が通常モードに相当し、第2遊技状態が通常チャレンジモードに相当し、第3遊技状態がCZモードに相当し、第4遊技状態がATチャレンジモードに相当し、第5遊技状態がATモードに相当し、第6遊技状態が通常区間に相当する。なお、いずれのモードに相当するかは、上記のものに限定されず、例えば、第1遊技状態がATモードに相当する、といったように解釈してもよい。また、各遊技状態の全てを有していなくてもよく、一部の遊技状態を有していなくてもよく、一部の遊技状態だけを有していてもよい。
図825は、第1遊技状態における結果番号テーブルと指示番号テーブルと、操作態様による期待払出数の相違等を示す図である。
第1遊技状態においては、第1特殊押し順ベルであるインデックス値IV=1~4が偏りベルのグループとしてグループ化されており、当該グループの結果番号は50に設定されている。上記のように、第1特殊押し順ベルは、左ストップスイッチ42を最初に停止操作する操作態様である特定操作態様にて操作することで期待払出数は1枚となり、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に停止操作する操作態様である非特定操作態様にて操作することで期待払出数は特定操作態様の場合よりも多い約2.75枚となる。また、特定操作態様にて操作した場合には、天井ゲーム数の減算やATモード移行抽選等が実施される一方、非特定操作態様にて操作した場合には、天井ゲーム数の減算やATモード移行抽選等は実施されず、操作態様による指示機能に関する処理に優劣が設定されている。但し、いずれの期待払出数も特定数(3枚)以下であり、かかる第1特殊押し順ベルのグループは、指示込役物比率の算出において指示払出メダル数に加算する必要は生じない。
第1遊技状態において、第1特殊押し順ベルの結果番号50のグループについては、指示番号は99が設定されており、払出枚数表示部62にて偏り役報知が実行される。また、当該結果番号50のグループでは、右第9表示用セグメントNa9による特定表示が行われるように設定されている。
第1遊技状態においては、第2特殊押し順ベルであるインデックス値IV=5~8も偏りベルのグループとしてグループ化されており、当該グループの結果番号は51に設定されている。第1特殊押し順ベルと同様に、第2特殊押し順ベルについても、特定操作態様にて操作することで期待払出数は1枚となり、非特定操作態様にて操作することで期待払出数は特定操作態様の場合よりも多くなる。但し、第2特殊押し順ベルの場合、当該非特定操作態様にて操作した場合の期待払出数は第1特殊押し順ベルの場合よりも多くなり、具体的には、約3.75枚となる。本変形例では、第1遊技状態における当該第2特殊押し順ベルについては、操作態様による期待払出数は異なるものの、操作態様による指示機能に関する処理の優劣を設けず、指示機能に関する処理を行わない特定偏り役グループとして設定している。そのため、いずれの操作態様であっても天井ゲーム数の減算やATモード移行抽選等を行わない。
但し、上記のように、当該特定偏り役グループとしての結果番号51が設定された第2特殊押し順ベルのグループは、期待払出数が特定数を超過しているため、かかる第2特殊押し順ベルのグループについては、偏り役報知や特定表示を行うことを通じて、指示込役物比率の算出において指示払出メダル数に加算する必要は生じる。
つまり、上記のように、正解時のメダル払出数が相違する第1特殊押し順ベルと第2特殊押し順ベルといったそれぞれの偏りベルにおいて、一方は期待払出数が特定数以下となるように設定されているものの、他方は期待払出数が特定数を超過するように設定されている。このような構成とすることで、操作態様によってメダル払出数が異なる偏りベルを用いて、ATモード移行前後での遊技性を異ならせるうえで、大いに役立てることができる。
つまり、期待払出数を特定数以下とすることで、指示込役物比率の算出において指示払出メダル数に追加しなくてもよいこととなるものの、ATモード中の1ゲーム当たりの平均メダル払出数を多くしてATモード中の遊技性を向上させるという観点からすると、期待払出数が多くする方が好ましく、この場合、上記の特定数を超過する場合も生じ得る。その点、上記のように、特定数以下となる偏りベルだけでなく、特定数を超過する偏りベルも設けることで、指示込役物比率の高騰を回避しながらも、ATモード中の平均メダル払出数を多くすることが可能となる。
また、期待払出数が特定数以下である第1特殊押し順ベルよりも特定数を超過する第2特殊押し順ベルの方が当選しにくい構成としていることから、いずれかの特殊押し順ベルに当選となっている状況では、期待払出数が多い側の第2特殊押し順ベルに当選していることを期待させながらも、多くは第2特殊押し順ベルではなく第1特殊押し順ベルに当選していることとなるため、出玉率の高騰を回避しながらも、これら特殊押し順ベル当選への注目度を好適に高めることができる。
しかも、第1特殊押し順ベルのグループ(50)と第2特殊押し順ベルのグループ(51)とで、いずれも払出枚数表示部62での表示内容(偏り役報知及び特定表示)が共通していることから、かかる払出枚数表示部62での表示内容からいずれのグループの当選であるかを遊技者は特定することができない。そのため、例えば、枚数が多い側のグループについては非特定操作態様にて操作して、枚数が少ない側のグループについては特定操作態様にて操作する、といった行為も行いにくくすることができる。よって、遊技者間の公平性を好適に担保することができる。
特に、第1特殊押し順ベルのグループ(50)では操作態様による指示機能に関する処理に優劣があり、第2特殊押し順ベルのグループ(51)では操作態様による指示機能に関する処理に優劣がない構成としていることから、仮に第2特殊押し順ベルのグループであること(第1特殊押し順ベルのグループではないこと)が特定されてしまうと、当該第2特殊押し順ベルのグループである場合には期待払出数が多い非特定操作態様にて操作し、第1特殊押し順ベルのグループである場合には期待払出数は少ないものの指示機能に関する処理を有利に行わせる、といった行為が行われることが更に助長される。その点、上記のようにいずれのグループであるかを払出枚数表示部62の表示内容からは特定できないようにしていることから、かかる行為を行いにくくし、遊技者間の公平性を更に好適に担保することが可能となる。
なお、本変形例では、第1遊技状態において第2特殊押し順ベルについて操作態様による指示機能に関する処理の優劣がない構成としたが、第2特殊押し順ベルであっても、操作態様による指示機能に関する処理に優劣があり、特定操作態様にて操作した場合の方が非特定操作態様にて操作した場合よりも遊技者にとって有利な処理が指示機能に関する処理として行われる構成としてもよい。
この場合であっても、第2特殊押し順ベルのグループ(51)について、第1特殊押し順ベルのグループ(50)と、払出枚数表示部62での表示内容を共通化させることで、いずれのグループであるかを特定しにくくすることによる効果を期待することができる。
また、第1遊技状態において、左第1押し順ベルであるインデックス値IV=9,10も偏りベルのグループとしてグループ化されており、当該グループの結果番号は52に設定されている。当該左第1押し順ベルでは、非特定操作態様にて操作することで期待払出数は1枚となり、特定操作態様にて操作することで期待払出数は非特定操作態様の場合よりも多くなり、具体的には、約6.50枚となる。本変形例では、第1遊技状態における当該左第1押し順ベルについても、第2特殊押し順ベルのグループと同様に、操作態様による期待払出数は異なるものの、操作態様による指示機能に関する処理の優劣を設けず、指示機能に関する処理を行わない特定偏り役グループとして設定している。そのため、いずれの操作態様であっても天井ゲーム数の減算やATモード移行抽選等を行わない。
但し、上記のように、当該特定偏り役グループとしての結果番号52が設定された左第1押し順ベルのグループも、第2特殊押し順ベルのグループと同様に、期待払出数が特定数を超過しているため、かかる左第1押し順ベルのグループについても、偏り役報知や特定表示を行うことを通じて、指示込役物比率の算出において指示払出メダル数に加算する必要は生じる。
第1遊技状態において、共通ベル(インデックス値IV=11)、チェリー(インデックス値IV=12)、BARリプS(インデックス値IV=13)については、操作態様による期待払出数の差はないものの、操作態様による指示機能に関する処理に優劣を設けた指示偏り役として設定している。つまり、これらの抽選結果である場合には、特定操作態様にて操作された場合には天井ゲーム数の減算やATモード移行抽選等を行うものの、非特定操作態様にて操作された場合には天井ゲーム数の減算やATモード移行抽選等を行わないようにしている。そのため、このような操作態様による優劣を報知すべく、指示番号は99番として設定されており、払出枚数表示部62における偏り役報知が行われることとなる。また、右第9表示用セグメントNa9による特定表示も行われる。なお、本変形例においては、当該インデックス値IV=11~13の場合、結果番号はそれぞれ11~13が設定されている。そのため、表示制御装置81側では、当該結果番号を含む抽選結果コマンドを受信することで、これらインデックス値IV=11~13の際に当選となったことを特定することが可能となる。
図826は、第2遊技状態において第1特殊押し順ベルにより構成される偏りベルのグループ(50)の結果番号テーブルと指示番号テーブルと、操作態様による期待払出数の相違等を示す図である。
本変形例では、第2遊技状態において第1特殊押し順ベルに当選となったゲームでは、押し順チャレンジとしての第2押し順チャレンジが実行される構成としている。上記のとおり、第2押し順チャレンジは、左ストップスイッチ42を最初に停止操作する操作順序を除く操作順序が第1操作態様である旨が報知される押し順チャレンジであり、上記のように、第2押し順チャレンジにて第1操作態様にて操作することに成功した場合には、例えばATモードへの移行を生じさせたり、ATモードのセット数の上乗せを行ったりする。なお、本変形例における第2遊技状態の第2押し順チャレンジでは、第1操作態様にて操作することに成功した場合には、ATモードへの移行を生じさせる構成としている。
その一方で、当該第2押し順チャレンジにて第1操作態様にて操作することに失敗した場合には、ATモードへの移行を生じさせない構成としており、そうすると、当該第2押し順チャレンジにおいて第1操作態様にて操作することで指示機能に関する処理は有利な処理が行われ、第2操作態様にて操作することで当該第1操作態様にて操作する場合よりも指示機能に関する処理は不利な処理が行われることとなる。
この場合、第1特殊押し順ベルでは、特定操作態様が第1操作態様としては設定されておらず、当該特定操作態様はいずれの押し順ベルであっても第2操作態様として設定されていることから、第1特殊押し順ベルによる第2押し順チャレンジでは、特定操作態様にて操作する場合よりも非特定操作態様にて操作した場合の方が、遊技者にとって有利な指示機能に関する処理が行われることとなる。
つまり、第1特殊押し順ベルによる第2押し順チャレンジが行われる場合、特定操作態様にて操作する場合よりも、非特定操作態様にて操作した場合の方が、期待払出数も多くなるし、指示機能に関する処理についても遊技者にとって有利となり、非特定操作態様側が一方的に有利なものとなる。そうすると、かかる第2遊技状態における第1特殊押し順ベルのグループは、期待払出数は特定数以下であるものの、偏り役報知としての「99」の表示や、右第9表示用セグメントNa9による特定表示によって、遊技者にとって一方的に有利な操作態様が報知されるものであり、その報知される操作態様による有利度の差は、期待払出数が特定数以下であっても、遊技内容に大きく影響を及ぼし得るものである。そこで、本変形例では、当該第2遊技状態における第1特殊押し順ベルのグループについては、指示込役物比率の算出において、指示払出メダル数に含ませる構成としている。このようにすることで、指示込役物比率の実効性を好適に担保することが可能となる。
図827は、第3遊技状態において第1特殊押し順ベルと共通ベルにより構成される偏りベルのグループ(55)と、第2特殊押し順ベル及び左第1押し順ベルにより構成される押し順ベルのグループ(56)の結果番号テーブルと指示番号テーブルと、操作態様による期待払出数の相違等を示す図である。
既に説明したとおり、第1特殊押し順ベルは、特定操作態様にて操作する場合よりも非特定操作態様にて操作する場合の方が期待払出数が多くなり、共通ベルはいずれの操作態様であっても期待払出数は共通する。そのため、当該第1特殊押し順ベルと共通ベルとにより構成されるグループ(55)は、特定操作態様にて操作する場合よりも非特定操作態様にて操作する場合の方が期待払出数が多くなり、偏りベルのグループとなる。また、当該55番のグループについて、第3遊技状態では、特定操作態様にて操作する場合には指示機能に関する処理を有利な処理(天井カウンタの減算やATモード移行抽選等を実行する)とし、非特定操作態様にて操作する場合には指示機能に関する処理を不利な処理(天井カウンタの減算やATモード移行抽選等を実行しない)としている。そこで、当該55番のグループでは、払出枚数表示部62による偏り役報知としての「99」の表示を行うとともに、右第9表示用セグメントNa9による特定表示を行う構成としている。なお、当該55番のグループの期待払出数は特定数以下であることから、操作態様による期待払出数の相違があるものの、いずれの操作態様であっても期待払出数が特定数以下であるグループに相当し、当該55番のグループは指示込役物比率の算出において指示払出メダル数に追加しない。
既に説明したとり、第2特殊押し順ベルは、特定操作態様にて操作する場合よりも非特定操作態様にて操作する場合の方が期待払出数が多くなり、左第1押し順ベルは、特定操作態様にて操作する場合の方が非特定操作態様にて操作する場合よりも期待払出数が多くなり、これら第2特殊押し順ベルの各押し順ベルと、左第1押し順ベルの各押し順ベルの当選確率は共通している。そのため、第2特殊押し順ベルにおいて特定操作態様にて操作した場合に少なくなる期待払出数を、左第1押し順ベルにおいて特定操作態様にて操作した場合に多くなる期待払出数にて補填する構成となり、また、左第1押し順ベルにおいて非特定操作態様にて操作した場合に少なくなる期待払出数を、第2特殊押し順ベルにおいて非特定操作態様にて操作した場合に多くなる期待払出数にて補填する構成となる。その結果、当該第2特殊押し順ベルと左第1押し順ベルによる56番のグループは、特定操作態様にて操作した場合と非特定操作態様にて操作した場合とで期待払出数が共通するグループとなる。
また、当該56番のグループについて、第3遊技状態では、特定操作態様にて操作する場合には指示機能に関する処理を有利な処理(天井カウンタの減算やATモード移行抽選等を実行する)とし、非特定操作態様にて操作する場合には指示機能に関する処理を不利な処理(天井カウンタの減算やATモード移行抽選等を実行しない)としている。
つまり、当該56番のグループは、操作態様による期待払出数の相違がないものの、操作態様による指示機能に関する処理に優劣がある指示偏り役のグループに相当し、当該56番のグループでは、払出枚数表示部62による偏り役報知としての「99」の表示を行うとともに、右第9表示用セグメントNa9による特定表示を行う構成としている。なお、当該56番のグループは指示込役物比率の算出において指示払出メダル数に追加しない。
図828は、第4遊技状態において第1特殊押し順ベルと共通ベルにより構成される偏りベルのグループ(55)と、第2特殊押し順ベル及び左第1押し順ベルにより構成される押し順ベルのグループ(56)の結果番号テーブルと指示番号テーブルと、操作態様による期待払出数の相違等を示す図である。
上記のとおり、55番のグループは、特定操作態様にて操作する場合よりも非特定操作態様にて操作する場合の方が期待払出数が多くなり、偏りベルのグループとなる。但し、当該55番のグループについて、第4遊技状態では、操作態様による指示機能に関する処理の優劣がないグループとしており、より具体的には、いずれの操作態様であっても指示機能に関する処理を行わない特定偏り役グループとしている。第4遊技状態においても、当該55番のグループでは、払出枚数表示部62による偏り役報知としての「99」の表示を行うとともに、右第9表示用セグメントNa9による特定表示を行う構成としている。なお、当該55番のグループは、いずれの操作態様であっても期待払出数は特定数以下であることから、第4遊技状態においても指示込役物比率の算出において指示払出メダル数に追加しない。
上記のとおり、56番のグループは、操作態様による期待払出数に相違がないグループである。また、第4遊技状態において、当該56番のグループでは、第1押し順チャレンジが行われるように設定されている。第1押し順チャレンジは、いずれの操作順序も報知しない押し順チャレンジであって、第1操作態様にて操作することに成功した場合(12枚のメダル払出の発生で)、その特典としてATモードへの移行が生じるようにしている。この場合、当該56番のグループは、操作態様による期待払出数だけではなく、指示機能に関する処理についても優劣が生じないように設定されたグループとなる。但し、本変形例では、このようなグループについても、払出枚数表示部62による偏り役報知としての「99」の表示を行うとともに、右第9表示用セグメントNa9による特定表示を行う構成としている。これにより、これら偏り役報知や特定表示によって、55番のグループではないことが丸わかりになってしまう事象を好適に回避することができる。なお、当該56番のグループは指示込役物比率の算出において指示払出メダル数に追加しない。
図829は、第5遊技状態において第1特殊押し順ベルと第2特殊押し順ベルと共通ベルにより構成される偏りベルのグループ(99)の結果番号テーブルと指示番号テーブルと、操作態様による期待払出数の相違等を示す図である。
当該第1特殊押し順ベルと第2特殊押し順ベルと共通ベルにより構成される偏りベルのグループは、特定操作態様にて操作する場合よりも非特定操作態様にて操作する場合の方が期待払出数が多くなり、偏りベルのグループとなる。また、当該99番のグループについて、第5遊技状態では、特定操作態様にて操作する場合には指示機能に関する処理を有利な処理(天井カウンタの減算やATモード移行抽選等を実行する)とし、非特定操作態様にて操作する場合には指示機能に関する処理を不利な処理(天井カウンタの減算やATモード移行抽選等を実行しない)としている。そこで、当該99番のグループでは、払出枚数表示部62による偏り役報知としての「99」の表示を行うとともに、右第9表示用セグメントNa9による特定表示を行う構成としている。なお、当該99番のグループの期待払出数は特定数以下であることから、操作態様による期待払出数の相違があるものの、いずれの操作態様であっても期待払出数が特定数以下であるグループに相当し、当該57番のグループは指示込役物比率の算出において指示払出メダル数に追加しない。
図830は、第6遊技状態において第1特殊押し順ベルと第2特殊押し順ベルと共通ベルにより構成される偏りベルのグループ(99)の結果番号テーブルと指示番号テーブルと、操作態様による期待払出数の相違等を示す図である。
上記のように、当該99番のグループは、特定操作態様にて操作する場合よりも非特定操作態様にて操作する場合の方が期待払出数が多くなり、偏りベルのグループとなる。但し、当該99番のグループについて、第6遊技状態では、操作態様による指示機能に関する処理の優劣がないグループとしており、より具体的には、いずれの操作態様であっても指示機能に関する処理を行わない特定偏り役グループとしている。第6遊技状態においても、当該99番のグループでは、払出枚数表示部62による偏り役報知としての「99」の表示を行うとともに、右第9表示用セグメントNa9による特定表示を行う構成としている。なお、当該99番のグループは、いずれの操作態様であっても期待払出数は特定数以下であることから、第6遊技状態においても指示込役物比率の算出において指示払出メダル数に追加しない。
本変形例における、指示込役物比率用処理について、図831のフローチャートを参照しながら説明する。
本変形例では、ステップSi5701にて今回のゲームの入賞結果に基づいてメダル払出数を把握する処理を実行する。続くステップSi5702では、指示モニタとしての払出枚数表示部62での指示番号の表示を行っているか否かを判定する。
指示番号の表示を行っている場合、ステップSi5703にて、指示番号カウンタが01~06の第1操作態様の押し順報知に相当する番号であるか否かを判定する。指示番号カウンタが01~06である場合には、ステップSi5704にて、今回のゲームのメダル払出数を指示込みカウンタに加算する処理を実行する。
ステップSi5703にて指示番号カウンタが01~06ではない場合とは、上記のように、本変形例では指示番号カウンタが99である場合を意味する。指示番号カウンタが99である場合、ステップSi5705に進み、結果番号カウンタが51,52であるか否かを判定する。上記のとおり、結果番号カウンタが51である場合とは、第1遊技状態や第2遊技状態において第2特殊押し順ベルに当選している場合であり、結果番号カウンタが52である場合とは、第1遊技状態や第2遊技状態において左第1押し順ベルに当選している場合である。これら51,52の結果番号が設定されたグループは、期待払出メダル数が3枚を超過するグループである(図825)。これら結果番号51,52のグループである場合、ステップSi5704にて、今回のゲームのメダル払出数を指示込みカウンタに加算する処理を実行する。
ステップSi5705にて結果番号カウンタが51,52ではないと判定した場合、ステップSi5706にて結果番号カウンタが50であるか否かを判定する。上記のとおり、結果番号カウンタが50である場合とは、第1遊技状態や第2遊技状態において第1特殊押し順ベルに当選している場合であり、当該50の結果番号が設定されたグループは、期待払出メダル数が3枚以下となるグループである(図825、図826)。但し、当該50の結果番号が設定されたグループは、第1遊技状態ではいずれの操作態様であっても指示機能に関する処理に優劣が生じない特定偏り役グループである一方、第2遊技状態では非特定操作態様の方が期待払出数も指示機能に関する処理も遊技者にとって有利となるグループである。そこで、ステップSi5706にて結果番号カウンタが50であると判定した場合は、ステップSi5707にて第1遊技状態であるか否かを判定し、第1遊技状態ではなく第2遊技状態である場合には、今回のゲームのメダル払出数を指示込みカウンタに加算する処理を実行する。
これに対して、ステップSi5707にて、結果番号カウンタが50であっても第1遊技状態であると判定した場合には、ステップSi5708にて今回のゲームのメダル払出数を指示なしカウンタに加算する処理を実行する。
また、ステップSi5706にて結果番号カウンタが50ではない場合も、ステップSi5708にて今回のゲームのメダル払出数を指示なしカウンタに加算する処理を実行する。結果番号カウンタが50ではない場合とは、結果番号カウンタが11~13、55、56、99である場合であり、これらの結果番号カウンタが設定されている場合、偏りベルに相当する結果ではないか、偏りベルに相当する結果であっても、期待払出数が特定数以下となる結果である(図825~図830)。
また、ステップSi5702にて指示モニタとしての払出枚数表示部62での表示を行っていないゲームである場合にも、ステップSi5708に進み、今回のゲームのメダル払出数を指示なしカウンタに加算する処理を実行する。ステップSi5702にて払出枚数表示部62での表示を行っていないゲームである場合とは、通常区間であることを意味する。つまり、通常区間においては、上記のような期待払出数が3枚を超過するグループとなる抽選結果であっても、当該ゲームのメダル払出数は指示払出メダル数に加算しない。
ステップSi5704又はステップSi5708にて各カウンタにメダル払出数の加算処理を行った後は、ステップSi5709にて指示込役物比率の算出処理を実行し、ステップSi5710にて役比モニタの更新処理を実行してから、本指示込役物比率用処理を終了する。
このように、本変形例では、偏りベルグループであっても、指示込役物比率の算出において指示払出メダル数に加算する場合と加算しない場合とがあるように設定していることから、例えば、指示込役物比率を7割以下としようとする場合に、各偏りベルグループの当選確率を変更するだけ当該指示込役物比率を調節することが可能となる。よって、遊技履歴を管理するうえで、その管理を行い易くすることが可能となる。
この場合、指示払出メダル数に加算するグループは、期待払出数がベット数である3枚よりも多くなるグループであり、指示払出メダル数に加算しないグループは、期待払出数がベット数である3枚以下であるグループとしていることから、平均的に遊技メダルの増加が生じるグループであるか否かの観点で、これらのグループを区別して管理することが可能となる。よって、例えば、これら平均的に遊技メダルの増加が生じるか否かの遊技履歴(当選確率や実際に払い出されたメダル数等)を管理しようとした場合に、その管理を好適に行うことが可能となる。
<変形例16>
本変形例では、レア役としての特定役に当選したゲームにおいて、払出枚数表示部62にて偏り役報知や右第9表示用セグメントNa9による特定表示を行う場合の、指示機能に関する処理を異ならせる。図832は、本変形例における停止時AT抽選用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSi5801にてゲームの抽選結果を把握する処理を実行し、ステップSi5802にて制限対象設定処理を実行する。かかる制限対象設定処理は、上記のように、操作態様による指示機能に関する処理に優劣を設定すべき結果(非特定操作態様であれば指示機能に関する処理を制限すべき結果)として制限対象であると設定する処理である。
上記のように、例えば、図824に示す結果番号テーブルにおいて、第1遊技状態におけるインデックス値IV=1~4の第1特殊押し順ベルに当選したゲームの他、インデックス値IV=11のチェリーに当選したゲームにおいても、当該ゲームの抽選結果は制限対象となる結果として設定する構成としている。
ステップSi5802の処理を実行した後は、ステップSi5803にて今回のゲームの抽選結果が制限対象となる結果であるか否かを判定し、制限対象である場合、ステップSi5804にて、今回のゲームの停止操作の態様が特定操作態様であったか否かを判定する。ステップSi5803にて制限対象ではないと判定した場合や、ステップSi5804にて制限対象であっても特定操作態様にて操作されたと判定した場合は、指示機能に関する処理のうちの第1処理として、ステップSi5805~ステップSi5808にて天井ゲーム数の減算用の処理を実行し、更に、指示機能に関する処理のうちの第2処理として、ステップSi5809及びステップSi5810にてATモード移行抽選を実行してから、ステップSi4711に進む。ステップSi5805~ステップSi5808の処理は、上記ステップSi4705~ステップSi4705~ステップSi4708の処理と同様であり、ステップSi5809及びステップSi5810の処理はステップSi4709及びステップSi4710の処理と同様である。
これに対して、ステップSi5804にて制限対象であるのにもかかわらず非特定操作態様にて操作されたと判定した場合、ステップSi5811に進む。ステップSi5811では、今回のゲームの抽選結果が予め定められた特別結果であるか否かを判定する。本変形例では、上記のレア役としての特定役のように、操作順序による期待払出数の相違がない結果を特別結果として設定しており、具体的には、図824においては、本変形例では、チェリー、BARリプSを特別結果として設定している。ステップSi5811にてこれらの特別結果ではないと判定した場合、すなわち、図824においては、第1特殊押し順ベルや第2特殊押し順ベル、左第1押し順ベル、共通ベル(インデックス値IV=1~11)である場合には、そのまま本停止時AT抽選用処理を終了する。なお、共通ベルは操作順序による期待払出数の相違がない結果であるものの、本変形例では特別結果として扱う構成としている。
これに対して、ステップSi5811にて上記の特別結果であると判定した場合、ステップSi5809に進み、ATモード移行抽選用の処理を行う。
この場合、図833に示すように、インデックス値IV=1~11の第1特殊押し順ベル、第2特殊押し順ベル、左第1押し順ベル、共通ベルについては、上記のように特定操作態様にて操作した場合には期待払出数は少ないものの、指示機能に関する処理として天井ゲーム数の減算やATモード移行抽選等が行われ、非特定操作態様にて操作した場合には期待払出数は多いものの、指示機能に関する処理として天井ゲーム数の減算やATモード移行抽選等は行われない。
これに対して、インデックス値IV=12、13のチェリーやBARリプSといった特別結果である場合、特定操作態様にて操作した場合と非特定操作態様にて操作した場合とで指示機能に関する処理に優劣はあるものの、かかる優劣の差が、上記特別結果ではない場合よりも小さくなる。
具体的には、これら特別結果である場合、特定操作態様にて操作した場合には天井ゲーム数の減算やATモード移行抽選等は行われる。これに対して、当該特別結果である場合であって、非特定操作態様にて操作した場合には、天井ゲーム数の減算は行われないものの、ATモード移行抽選等は行われる構成としている。
つまり、本変形例では、制限対象のうちの特別結果ではない結果であれば、特定操作態様にて操作した場合には、指示機能に関する処理としての第1処理及び第2処理が実行され、非特定操作態様にて操作した場合には、これら指示機能に関する処理としての第1処理及び第2処理のいずれもが実行されないのに対し、制限対象のうちの特別結果である場合には、特定操作態様にて操作した場合には、指示機能に関する処理としての第1処理及び第2処理が実行され、非特定操作態様にて操作した場合には、これら指示機能に関する処理としての第1処理及び第2処理のうちの第1処理は実行されないものの第2処理は実行するようにしている。
このようにすることで、制限対象のうちの特別結果ではない結果と特別結果とで、操作態様についての自由度を異ならせることが可能となる。つまり、制限対象のうちの特別結果ではない結果であれば、指示機能に関する第1処理と第2処理とが行われなくなる可能性を排除すべく特定操作態様にて操作すべきであり、特別結果であれば、第1処理については行われないものの第2処理については実行されるのであるから、特定操作態様ではなく非特定操作態様にて操作してもよいのでは、と判断させることも可能となる。よって、遊技者がストップスイッチ42~44の操作を行ううえでの自由度が向上し、スロットマシン10の遊技性を消失させないようにすることが可能となる。
特に、上記の第1処理と第2処理とで、第1処理よりも第2処理の方がATモード移行へ結びつき易い構成であることから、特別結果当選時に第2処理さえ実行されればよい、との判断を促し易くなり、かかる特別結果当選時の操作態様の自由度が向上する。
しかも、制限対象のうちの特別結果ではない結果よりも特別結果の方が、第2処理としてのATモード移行抽選に当選し易い結果であり、かかる特別結果当選時に当該ATモード移行抽選が行われないことの損失は、特別結果ではない結果当選時にATモード移行抽選が行われないことの損失よりも大きくなる。その為、このような特別結果当選時に非操作態様にて操作された場合に、第2処理については実行するようにすることで、操作態様を誤っただけであるのに多大な損失を被ってしまう事象を生じさせないようにすることができ、遊技者を好適に救済することも可能となる。
また、特別結果については、偏り役のうちの指示偏り役であり、操作態様による期待払出数の相違はない結果としていることから、かかる指示偏り役当選時に、非特定操作態様にて操作することの遊技者のメリットはない。そうすると、かかる非特定操作態様にて操作した場合に、操作態様による期待払出数の相違がある偏りベルと同様に、第1処理や第2処理を行わないようにしてしまうと、非特定操作態様にて操作した遊技者の不利益の方が大きくなってしまう。その点、上記のようにすることで、遊技者の不利益と利益とのバランスを担保することが可能となる。
<変形例17>
本変形例では、レア役としての特定役に当選したゲームにおいて、払出枚数表示部62にて偏り役報知や右第9表示用セグメントNa9による特定表示の実行の有無を異ならせる。図834は、本変形例における通常遊技状態用の抽選テーブルを示す図である。
本変形例では、チェリーとしてインデックス値IV=12のチェリーAの他に、インデックス値IV=14のチェリーBを設ける。チェリーAは、上記のように第30小役入賞が可能となる抽選結果であり、チェリーBは、第30小役入賞の他に第29小役入賞も可能となる。第30小役入賞が成立した場合には3枚のメダル払出が行われ、第29小役入賞が成立した場合にも3枚のメダル払出が行われるため、これらチェリーAとチェリーBとでメダル払出数に差はない。
また、これらチェリーAに当選となる確率と、チェリーBに当選となる確率は、チェリーAが約392分の1であり、チェリーBが約410分の1であり、チェリーAの方がチェリーBよりも若干当選し易いものの、その差は、遊技者が体感することが困難な程度に小さい差として設定されている。つまり、これらチェリーAとチェリーBとはその当選確率がほぼ同じ当選確率である、と解釈することができる。但し、例えば、当該遊技機を一日遊技する等して、より多くの試行回数にて判断するならば、チェリーAとチェリーBとの当選確率の差を明確化することが可能であり、例えば、これらチェリーAとチェリーBとの当選確率に設定差があるような構成とする場合(図ではチェリーBの当選確率について設定1が設定2~6よりも低くなるようにしている)、当該チェリーAとチェリーBとの当選確率の差から設定値を予測する遊技を行うことは可能である。
図835に示すように、チェリーAについては、例えば第5遊技状態において、特定操作態様にて操作した場合には指示機能に関する処理を有利な処理として行う一方、非特定操作態様にて操作した場合には指示機能に関する処理を不利な処理として行う構成としている。そのため当該チェリーAは指示偏り役に相当する結果であり、当該チェリーAに当選したゲームでは、払出枚数表示部62にて偏り役報知としての「99」の表示を行うとともに、右第9表示用セグメントNa9による特定表示を行う。
これに対して、チェリーBについては、例えば第5遊技状態において、操作態様にかかわらず指示機能に関する処理に優劣を設けておらず、期待払出数にも差異はないことから、当該チェリーBに当選したゲームでは、払出枚数表示部62にて偏り役報知としての「99」の表示を行うものの、右第9表示用セグメントNa9による特定表示は行わない。
ここで、本変形例では、各ゲームにおいて、いずれの結果にも当選しない外れ結果となるゲームが比較的高確率で発生するように設定されている(約23.4分の1)。かかる外れ結果であるゲームでは、図835に示すように、払出枚数表示部62にて偏り役報知としての「99」の表示を行うものの、右第9表示用セグメントNa9による特定表示は行わない構成としている。
そのため、上記のように、チェリーの種類によって特定表示の有無を異ならせることにより、右第9表示用セグメントNa9による特定表示の有無によって、当該ゲームの抽選結果がチェリー当選であるか否かが特定できないようにすることが可能となる。つまり、特定表示が行われないゲームでは、外れ結果である可能性の他、チェリーBである可能性もあるようになり、特定表示が行われるゲームでは、チェリーAである可能性の他、他の抽選結果(各種押し順ベル等)の可能性もあるようになる。よって、上記構成のようにすることで、特定表示の実行の有無を通じてチェリー当選であることやチェリー非当選であることが丸わかりとなってしまう事象を回避し、各ゲームの抽選結果への注目度を好適に担保することが可能となる。
<変形例18>
本変形例では、特定表示の態様を、結果番号の種類、具体的には期待払出数に応じて異ならせる。図836は、本変形例における第1特殊押し順ベル、第2特殊押し順ベル、左第1押し順ベルの結果番号テーブルと指示番号テーブルと、操作態様による期待払出数の相違等を示す図である。
上記のように、第1特殊押し順ベルの偏りベルグループ(50)は、操作態様による期待払出数が相違するとともに、操作態様による指示機能に関する処理に優劣が設けられた結果のグループである。そして、当該第1特殊押し順ベルの偏りベルグループ(50)の期待払出数はいずれの操作態様であっても特定数以下となるように設定されている。
本変形例では、第2特殊押し順ベルの偏りベルグループ(51)や左第1押し順ベルの偏りベルグループ(52)も、操作態様による期待払出数が相違するとともに、操作態様による指示機能に関する処理に優劣が設けられた結果のグループとして設定している。但し、当該第2特殊押し順ベルや左第1押し順ベルの偏りベルグループ(51、52)の期待払出数は、特定数を超過する場合があるように設定されている。
そして、これら第1特殊押し順ベル、第2特殊押し順ベル、左第1押し順ベルのいずれの偏りベルグループも、払出枚数表示部62での偏り役報知(99)の対象となるとともに、右第9表示用セグメントNa9による特定表示の対象となる結果である。
図837(b)に示すように、本変形例では、払出枚数表示部62における左上部に左第8表示用セグメントNb8が設けられている。当該左第8表示用セグメントNb8は、右第8表示用セグメントNa8や右第9表示用セグメントNa9と同様に、円形状の表示ランプ(LED)であり、主制御装置101によって点灯状態と消灯状態とに制御される。左第8表示用セグメントNb8は、右第9表示用セグメントNa9と同様に、特定表示用の表示部であり、右第9表示用セグメントNa9を特定表示用の表示部として第1特定表示部とすると、左第8表示用セグメントNb8は、特定表示用の表示部として第2特定表示部と称することができる。
そして、図837(a)に示すように、本変形例における区間表示第1処理では、ステップSi5213の処理を実行した後、ステップSi5901にて指示番号カウンタが99であり、偏り役報知を実行するゲームであるか否かを判定する。偏り役報知を実行するゲームである場合、ステップSi5902にて、結果番号カウンタが51,52であるか否かを判定する。結果番号カウンタが51,52ではない場合、すなわち、例えば、結果番号カウンタが50であって、偏りベルグループであっても、期待払出数が特定数以下となるグループの抽選結果である場合、ステップSi5903にて第1特定表示部としての右第9表示用セグメントNa9を点灯状態とする態様(第1態様)にて特定表示を行うようにしてから、本区間表示第1処理を終了する。
これに対して、ステップSi5902にて、結果番号カウンタが51,52であり、偏りベルグループであって、期待払出数が特定数を超過するグループの抽選結果である場合、ステップSi5904にて第2特定表示部としての左第8表示用セグメントNb9を点灯状態とする態様(第2態様)にて特定表示を行うようにしてから、本区間表示第1処理を終了する。
このようにすることで、今回のゲームの抽選結果が期待払出数が特定数を超過する結果であるか否かを、遊技者や遊技ホールの管理者は好適に把握することが可能となる。このようにすることで、例えば、期待払出数が特定数を超過する結果であれば、特定操作態様ではなく非特定操作態様にて操作して、より多くのメダル獲得を目指す、と判断することも可能であるし、また、期待払出数が特定数以下である結果であれば、特定操作態様にて操作して、指示機能に関する処理を有利に行わせる、と判断することも可能となる。よって、期待払出数や指示機能に関する処理に優劣が設定された偏り役当選時に、いずれの恩恵を享受するかを選択する遊技を好適に行わせることが可能となる。
上記変形例16のように、制限対象となっている結果のうちの特別結果ではない結果の場合には、指示機能に関する処理のうちの第1処理と第2処理を実行しないようにし、特別結果である場合には、第1処理は実行しないものの第2処理は実行するようにする構成において、制限対象となっている結果のうちの特別結果ではない結果であれば、第1特定表示部での特定表示(第1態様での特定表示)を行う一方、特別結果であれば、第2特定表示部での特定表示(第2態様での特定表示)を行う等、指示機能に関する処理の制限態様によって特定表示の態様を異ならせる構成としてもよい。このようにすることで、今回のゲームでいずれの操作態様にて操作するかを選択するうえでの手助けとすることが可能となる。
但し、このようにすることで、制限対象となっている結果のうちの特別結果ではない結果と、特別結果である結果とが、特定表示の態様から丸わかりになってしまう恐れもある。その点、上記変形例17のように、例えば、当該特別結果について、特定表示の対象となる結果と特定表示の対象とならない結果とを設ける構成とすることで、特別結果であることやそうではないことが判別しにくくなり、遊技性の低下を招かないようにしながら、遊技者に操作態様を選択させる遊技を行わせることが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)ATモード中にいずれかの押し順ベルに当選したゲームにおいて、第1操作態様を遊技者に当てさせる上乗せチャレンジを実行する構成としたが、通常モードやCZモードにおいていずれかの押し順ベルに当選したゲームにおいて第1操作態様を遊技者に当てさせるチャレンジを実行する構成としてもよい。かかるチャレンジにて第1操作態様にて操作された場合(第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合)、例えば、ATモードへ移行させる構成としてもよいし、CZモードへ移行させる構成としてもよい。この場合、偏りベルにて上記のチャレンジを行う場合、第1操作態様となる割合が大きい操作態様(中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に停止操作する操作態様)にてかかるチャレンジに成功した場合よりも、第1操作態様となる割合が小さい操作態様(左ストップスイッチ42を最初に停止操作する操作態様)にてかかるチャレンジに成功した場合の方が、有利な特典を付与する構成とするとよい。例えば、上記の割合が大きい操作態様の場合にはCZモードに移行させ、割合が小さい操作態様の場合にはATモードに移行させる構成や、上記の割合が大きい操作態様の場合にはATモードに移行させ、割合が小さい操作態様の場合にはATモードに移行させ且つ1セット分の上乗せを行う構成等としてもよい。
(2)第1上乗せチャレンジを第1押し順ベル当選時に実行し、第2上乗せチャレンジを第2押し順ベル当選時に実行する構成としたが、第2押し順ベルであっても第1上乗せチャレンジが選択される場合があるようにしてもよいし、第1押し順ベルであっても第2上乗せチャレンジが選択される場合があるようにしてもよい。
(3)第3上乗せチャレンジにおいて、左ストップスイッチ42を最初に操作して第1小役入賞や第2小役入賞を成立させた場合と、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作して第3小役入賞~第6小役入賞を成立させた場合と、でその恩恵が平均的に同じ程度となるように設定したが、左ストップスイッチ42を最初に操作して第1小役入賞や第2小役入賞を成立させた場合と、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作して第3小役入賞~第6小役入賞を成立させた場合と、でその恩恵が平均的に異なるようにしてもよく、左ストップスイッチ42を最初に操作して第1小役入賞や第2小役入賞を成立させた場合の方が、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作して第3小役入賞~第6小役入賞を成立させた場合よりも、その恩恵が平均的に遊技者にとって有利となる構成としてもよく、その逆としてもよい。
(4)上乗せチャレンジにおいて、第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合に、ATモードの上乗せが必ず発生する構成としたが、第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合に、所定の抽選を経て当該所定の抽選に当選した場合にATモードの上乗せが発生する構成としてもよい。この場合、所定の抽選の当選確率は任意であるが、設定値によって異なる構成としてもよいし、ATモードの実行セット数や残りセット数、有利区間の実行ゲーム数や残りゲーム数、有利区間の増加枚数や残り増加可能枚数等によって、その当選確率が異なる構成としてもよい。また、当該所定の抽選は、第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合に実行する構成としてもよいし、事前に実行しておく構成としてもよい。事前に所定の抽選を実行しておく構成においては、その抽選結果を上乗せチャレンジ実行時や上乗せチャレンジ発生前に報知する構成としてもよく、このようにすることで、より上乗せチャレンジへの注目度を高めることが可能である。また、上記の所定の抽選を、上乗せチャレンジ実行時の第1操作態様となる割合に応じて設定する構成としてもよく、第1操作態様となる割合が大きい操作態様にて第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合と、第2操作態様となる割合が小さい操作態様にて第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合とで、所定の抽選の当選確率を異ならせてもよく、第1操作態様となる割合が大きい操作態様にて第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合よりも、第2操作態様となる割合が小さい操作態様にて第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合の方が、所定の抽選の当選確率を高く設定してもよいし、その逆としてもよい。
(5)上乗せチャレンジにおいて、第1小役入賞~第6小役入賞が成立しなかった場合に、ATモードの上乗せが必ず発生しない構成としたが、第1小役入賞~第6小役入賞が成立しなかった場合にも、ATモードの上乗せが発生し得る構成としてもよく、この場合、第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合の方が、しなかった場合よりも、上乗せセット数が多くなる又は多くなり易い構成とするとよい。
(6)上乗せチャレンジにおいて、第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合に、ATモードの上乗せを行う構成としたが、遊技者にとって有利な事象を生じさせる構成であればよく、例えば、設定示唆演出を発生させたり、レア画像を表示させたりする構成としてもよい。また、上記(5)のように第1小役入賞~第6小役入賞が成立しなかった場合にも特典を付与する構成において、当該第1小役入賞~第6小役入賞が成立しなかった場合と、第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合とで、異なる有利な事象を生じさせる構成としてもよく、第1小役入賞~第6小役入賞が成立しなかった場合よりも、第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合の方が、有利な事象を生じさせる構成としてもよい。
(7)第2押し順ベルに、左ストップスイッチ42を最初に操作する操作態様を第1操作態様とする押し順ベルが含まれる構成としてもよく、この場合、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作する操作態様を第1操作態様とする押し順ベルの当選確率よりも、左ストップスイッチ42を最初に操作する操作態様を第1操作態様とする押し順ベルの当選確率の方が低くなる構成とするとよい。
(8)第1押し順ベルと第2押し順ベルとで、同じ操作態様を第1操作態様とする各押し順ベルを比較すると、第1押し順ベルよりも第2押し順ベルの方が当選確率が高くなる構成としたが、第1押し順ベルの方が第2押し順ベルよりも当選確率が高くなる構成としてもよく、第1押し順ベルと第2押し順ベルとで、当選確率が同じ構成としてもよい。
(9)各ストップスイッチ42~44の操作態様のうち、第1操作態様となる押し順ベルが不均等に配分された第2押し順ベルの他にも、各ストップスイッチ42~44の操作態様のうち、第1操作態様となる押し順ベルが不均等に配分された押し順ベルのグループを設けてもよい。この場合、第2押し順ベルと同じように第1操作態様となる押し順ベルが不均等に配分されたグループを設けてもよいし、第2押し順ベルとは異なる配分で第1操作態様となる押し順ベルが不均等に配分されたグループとしてもよい。
(10)第1押し順ベルでは、一の操作順序を第1操作態様とする押し順ベルを2種類ずつ設けたが、一の操作態様を第1操作態様とする押し順ベルを3種類以上設けてもよく、少なくとも第2押し順ベルにおいて同じ操作態様を第1操作態様とする押し順ベルの種類数よりも多い種類数が設定される構成とするとよい。
(11)第2押し順ベルについても、第1押し順ベルのように一の操作順序を第1操作態様とする押し順ベルを2種類以上設けてもよい。この場合、第2押し順ベルについても、取りこぼしが生じ得る構成としてもよい。
(12)第1押し順ベルにおいて、相互の補填小役を対応操作結果に対してそれぞれ設定することで、第2操作態様にて操作された場合に取りこぼしを発生させる構成としたが、第2操作態様にて操作された場合に取りこぼしが発生し得る構成であればよく、そのための構成は上記のものに限定されない。
(13)第1押し順ベルや第2押し順ベルにおいて、第1操作態様にて操作した場合、第1小役入賞~第6小役入賞が必ず発生する構成としたが、取りこぼしが生じ得る構成としてもよい。この場合、第1小役入賞~第6小役入賞の代わりに第7小役入賞~第27小役入賞が成立する構成としてもよいし、いずれの小役入賞も成立しない構成としてもよいし、第1小役入賞~第6小役入賞の代わりに第7小役入賞~第27小役入賞が成立する場合と、いずれの小役入賞も成立しない場合とがある構成としてもよい。
(14)ATモードにおいてナビ抽選に非当選となり、第1操作態様に対応する押し順報知演出が行われない場合、当該ゲームが第1押し順ベルと第2押し順ベルとのいずれであるかを報知する構成としてもよい。この場合、例えば、第1押し順ベル当選ゲームであれば、払出枚数表示部62にて第1押し順ベルグループ報知(07)を行い、第2押し順ベル当選ゲームであれば、払出枚数表示部62にて第2押し順ベルグループ報知(08)を行う構成としてもよく、その逆の構成であってもよい。また、第1押し順ベル当選ゲームであれば、補助表示部65にて第1キャラクタC1を3つ並べて表示し(第1チャレンジ報知演出)、第2押し順ベル当選ゲームであれば、補助表示部65にて左に第2キャラクタC2を表示し、中・右に第1キャラクタC1を並べて表示する(第2チャレンジ報知演出)構成としてもよい。
(15)通常モードやCZモードにおいて、第1押し順ベルと第2押し順ベルとのいずれであっても払出枚数表示部62にて第2押し順ベルグループ報知を行う構成としたが、第1押し順ベル当選ゲームであれば、払出枚数表示部62にて第1押し順ベルグループ報知(07)を行い、第2押し順ベル当選ゲームであれば、払出枚数表示部62にて第2押し順ベルグループ報知(08)を行う構成としてもよく、その逆の構成であってもよい。
(16)通常モードやCZモードにおいて、第1押し順ベルと第2押し順ベルとのいずれであっても払出枚数表示部62にて第2押し順ベルグループ報知を行う構成としたが、少なくとも第2押し順ベル当選ゲームにおいて第1押し順ベルグループ報知や第2押し順ベルグループ報知を行う構成であればよく、第1押し順ベル当選ゲームでは第1押し順ベルグループ報知や第2押し順ベルグループ報知を行わない構成としてもよい。この場合、第1押し順ベル当選ゲームでは特定操作態様と非特定操作態様のいずれで操作しても停止時AT抽選用処理にてATモード移行抽選や天井ゲーム数の減算等の処理が行われる構成とするとよい。
(17)第1種押し順ベルと第2種押し順ベルとにより偏りベルを設定する構成において、第1種押し順ベルの方が第2種押し順ベルよりも当選し易い構成としてもよい。また、第2種押し順ベルのうちの所定の押し順ベル(例えば、第1中左ベル、第2中左ベル、第1中右ベル、第2中右ベル)と当該所定の押し順ベルとは異なる特定の押し順ベル(例えば、第1右左ベル、第2右左ベル、第1右中ベル、第2右中ベル)とで、当選確率を異ならせてもよい。
(18)ストップスイッチ42~44の操作順序によって第1操作態様と第2操作態様とを設定したが、ストップスイッチ42~44の操作タイミングで第1操作態様と第2操作態様とを設定してもよく、ストップスイッチ42~44の操作順序と操作タイミングとの組み合わせによって第1操作態様と第2操作態様とを設定する構成としてもよい。例えば、操作タイミングでは、所定のリールに第1図柄と第2図柄とを設け、第1図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで停止操作が行われた場合には第2図柄を有効ライン上に停止させることができず、第2図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで停止操作が行われた場合には第1図柄を有効ライン上に停止させることができないように設定する。そして、当該所定のリールにおいて、第1図柄を含む一方、第2図柄を含まないように設定された組み合わせで入賞となる小役と、当該所定のリールにおいて、第2図柄を含む一方、第1図柄を含まないように設定された組み合わせで入賞となる小役と、を設け、前者の小役の方が後者の小役よりも遊技者にとって有利な特典(払出枚数が多い)が付与される構成とする。この場合、第1図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで停止操作が行われることが第1操作態様となり、第2図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで停止操作が行われることが第2操作態様となる。また、ストップスイッチ42~44の操作順序と操作タイミングとの組み合わせによって第1操作態様と第2操作態様とを設定する場合、上記のような第1図柄と第2図柄とが設定されるリールが、各ストップスイッチ42~44の操作順序のうちの最初のリールに対応するものであってもよいし、2番目のリールに対応するものであってもよいし、3番目のリールに対応するものであってもよく、複数のリール(2つ又は3つ)に対応するものであってもよい。
(19)払出枚数表示部62における第1押し順ベルグループ報知や第2押し順ベルグループ報知の態様(07,08)は上記のものに限定されない。例えば、数字ではなくアルファベットにより表示する構成としてもよいし、記号((--)や(- )、( -)等)により表示する構成としてもよい。
(20)偏りベル報知演出は、上記のものに限定されない。例えば、補助表示部65の周縁部(補助表示部65の表示画面の中の周縁であってもよいし、表示画面の外周に設けられた発光部)を光らせる演出を偏りベル報知演出としてもよく、各リール32L,32M,32Rのバックライトやフロントライトを所定の態様にて光らせること(例えば、左リール32Lの発光態様と、中リール32M、右リール32Rの発光態様とを異ならせる)により偏りベル報知演出を行う構成としてもよい。また、例えば、遊技パネル25に所定の発光部を設け、当該発光部を点灯させることを偏りベル報知演出としてもよい。これらの場合、例えば、スロットマシン10のデモ状態にてこれらの偏りベル報知演出の示す意味(特定操作態様にて操作したら指示機能が有利となり、非特定操作態様にて操作したら枚数有利となること)を説明する演出を行うようにしたり、スロットマシン10の説明用の小冊子や筐体11に上記偏りベル報知演出の示す意味を記載する構成としてもよい。
(21)特定操作態様にて操作することで指示機能に関する処理が有利となり、非特定操作態様にて操作することで枚数有利となる構成としたが、いずれの操作態様にて操作するかによって、付与される特典が異なる構成、又は付与される特典の有利度が異なる構成であればよい。例えば、再遊技結果の当選確率が異なるRT状態を設け、RT状態の移行が生じ得る結果当選時に、特定操作態様にて操作することで、RT状態が移行し得るようになる(通常状態からRT状態に移行する、又は所定のRT状態から他のRT状態に移行する)一方、非特定操作態様にて操作することで、RT状態が移行しないようになる構成としてもよい。この場合、移行するRT状態が遊技者にとって有利なものとすることで、特定操作態様にて操作するメリットを生じさせることができる。また、例えば、特定操作態様にて操作することで、第1BB入賞が成立しないようにすることが可能となる一方、非特定操作態様にて操作することで第1BB入賞が成立し得るようになる構成としてもよい。この場合、第1BB状態では、指示機能に関する処理が実行されないことから、特定操作態様にて操作するメリットがある。また、特定操作態様にて操作することでCZモードに移行し得るようになる一方、非特定操作態様にて操作することでCZモードに移行しないようになる構成としてもよい。
(22)偏りベルに当選した場合の払出枚数表示部62の表示を、通常モードやCZモードと、ATモードとで異ならせてもよい。例えば、第1押し順ベルや第2押し順ベル、第1種押し順ベルや第2種押し順ベルに当選したゲームが通常モードやCZモードであれば第2押し順ベルグループ報知を行う一方、第1押し順ベルや第2押し順ベル、第1種押し順ベルや第2種押し順ベルに当選したゲームがATモードであれば第1押し順ベルグループ報知を行う構成、又はその逆の構成としてもよい。
(23)ATモードにおいて、第1押し順ベルや第2押し順ベル、第1種押し順ベルや第2種押し順ベルに当選したゲームの状況で払出枚数表示部62の表示を異ならせてもよい。例えば、第1押し順ベルや第2押し順ベル、第1種押し順ベルや第2種押し順ベルに当選したゲームが第1ナビ状態であれば第2押し順ベルグループ報知を行う一方、第1押し順ベルや第2押し順ベル、第1種押し順ベルや第2種押し順ベルに当選したゲームが第2ナビ状態であれば第1押し順ベルグループ報知を行う構成、又はその逆の構成としてもよい。また、上乗せチャレンジ発生時であれば、第1押し順ベルグループ報知や第2押し順ベルグループ報知とは異なる報知(CC)を行う構成としてもよい。
(24)第4ナビ状態や第8ナビ状態では、第1押し順ベルと第2押し順ベルや第1種押し順ベルと第2種押し順ベルとのいずれのナビ抽選の当選確率も100%で当選となる構成としたが、第1押し順ベルと第2押し順ベルや第1種押し順ベルと第2種押し順ベルとのナビ抽選の当選確率が同じ又は略同じであればよく、ナビ抽選に当選しない場合があってもよい。なお、略同じとは、その差を遊技者が把握・体感できない程度に異なる差であればよく、例えば一方のナビ抽選の当選確率に対する他方のナビ抽選の当選確率の割合が90%以上であればよく、より好ましくはその割合が95%以上であればよい。また、第1ナビ状態~第4ナビ状態において、第1押し順ベルのナビ抽選の当選確率は異ならせる一方、第2押し順ベルのナビ抽選の当選確率は異ならせない構成としたが、いずれの押し順ベルのナビ抽選の当選確率も異ならせる構成としてもよい。
(25)ストップスイッチ42~44を3つ設け、6通りの操作順序に対して、それぞれ第1操作態様とする押し順ベルを設ける構成としたが、所定番目(例えば、最初)に停止操作するストップスイッチ42~44によって第1操作態様となる押し順ベルを設けてもよく、具体的には、3通りの操作順序に対してそれぞれ第1操作態様とする押し順ベルを設ける構成としてもよい。この場合、6通りの操作順序の押し順ベルと、3通りの操作順序の押し順ベルとを混在させて偏りベルを設定してもよいし、3通りの操作順序の押し順ベルによって偏りベルを設定してもよい。
(26)通常モードやCZモードでは、第1操作態様となり易い非特定操作態様にて操作された場合にはATモード移行抽選や天井カウンタの減算等を行わない構成とし、ATモードでは、第1操作態様にて操作された場合にはATモードの上乗せを行う(上乗せチャレンジ)構成とし、第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合や成立する場合の処理を通常モードやCZモードとATモードとで異ならせたが、第1操作態様にて操作された場合の処理を、通常遊技状態(持ち越し状態)と第1BB状態とで異ならせる構成としてもよい。この場合、第1BB状態とで押し順ベルに当選し得る構成とし、当該第1BB状態での押し順ベルの当選確率と通常遊技状態(持ち越し状態)での押し順ベルの当選確率とを異ならせる構成としてもよい。
(27)第1押し順ベルや第2押し順ベルに当選となったゲームや、各ゲームにて特定操作態様にて操作された場合には、天井ゲーム数の減算用の処理等を実行する一方、非特定操作態様にて操作された場合には、天井ゲーム数の減算用の処理等を行わない構成としたが、入賞結果に応じて、天井ゲーム数の減算用の処理等を実行するか否かを異ならせてもよい。具体的には、例えば、第7小役入賞~第27小役入賞が成立している場合、すなわち第1操作態様ではなく第2操作態様にて操作された場合には、天井ゲーム数の減算用の処理等を実行する一方、第1小役入賞~第6小役入賞が成立している場合、すなわち第1操作態様にて操作された場合には、天井ゲーム数の減算用の処理等を実行しない構成、又はその逆となる構成としてもよい。第7小役入賞~第27小役入賞が成立している場合には、天井ゲーム数の減算用の処理等を実行する一方、第1小役入賞~第6小役入賞が成立している場合には、天井ゲーム数の減算用の処理等を実行しない構成とする場合、第2押し順ベルであれば第2操作態様にて操作された場合に第7小役入賞~第27小役入賞のいずれかが必ず成立し、第1押し順ベルであれば第2操作態様にて操作された場合に第7小役入賞~第27小役入賞が成立しない場合もある(取りこぼしとなる場合もある)ため、第1押し順ベルと第2押し順ベルとのいずれに当選しているかへの注目度を向上させることができるし、第1押し順ベルであっても、取りこぼしが生じないように願いながら操作する等、当該ゲームへの注目度を好適に高めることが可能である。
また、第1押し順ベルや第2押し順ベルに当選となったゲームや、いずれかの結果に当選となったゲームにていずれの結果入賞も成立していない場合に、天井ゲーム数の減算用の処理等を実行する一方、いずれかの結果入賞が成立している場合には、天井ゲーム数の減算用の処理等を実行しない構成としてもよい。この場合、第1押し順ベルであれば取りこぼしが生じ得る一方、第2押し順ベルでは取りこぼしが生じ得ないことを利用して、第1押し順ベルであれば、天井ゲーム数の減算用の処理等が実行され得るものの、第2押し順ベルであれば、天井ゲーム数の減算用の処理等が実行されない構成とすることができるし、第1押し順ベル当選時に、取りこぼしが生じるように願いながら操作する等、当該ゲームへの注目度を好適に高めることが可能である。
これら、天井ゲーム数の減算用の処理等が実行される場合と実行されない場合とが、遊技状態によって異なる構成としてもよく、例えば、通常モードにおいては、いずれの結果入賞も成立していない場合に、天井ゲーム数の減算用の処理等を実行する一方、いずれかの結果入賞が成立している場合には、天井ゲーム数の減算用の処理等を実行しない構成とし、CZモードにおいては、いずれの結果入賞が成立している場合に、天井ゲーム数の減算用の処理等を実行する一方、いずれの結果入賞も成立していない場合には、天井ゲーム数の減算用の処理等を実行しない構成としてもよい。
(28)通常モードやCZモードにおいて、偏りベル当選時に第1押し順ベルグループ報知や第2押し順ベルグループ報知を行わない構成としてもよい。また、通常モードやCZモードにおいて、偏りベル当選時に偏りベル報知演出を行わない構成としてもよい。
(29)操作態様によって入賞する小役が異なる押し順ベルについて、各操作態様を不均等とする構成としたが、操作態様によって入賞する再遊技が異なる押し順リプレイについて、各操作態様を不均等とする構成としてもよいし、不均等な押し順ベルと不均等な押し順リプレイとを有する構成としてもよい。
(30)偏りベル報知演出の態様は、上記のものに限定されない。例えば、ATモードへの移行を目指す遊技性を鑑みて、左ストップスイッチ42を最初に操作する特定操作態様を推奨する報知(例えば、「左から停止してください」との表示)を行う構成としてもよい。この場合、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作する操作態様の恩恵についての情報を報知しない態様としてもよい。
(31)第1BBの他に、第2BBや他のボーナスを設ける構成としてもよい。
(32)3ベットゲームだけ遊技可能な構成としたが、2ベットゲームや1ベットゲームも遊技可能な構成としてもよい。
(33)複数のナビ状態において各押し順ベル当選ゲームでのナビ抽選の当選確率を異ならせることにより第1操作態様の押し順報知の実行率が異なる構成としたが、他の条件により第1操作態様の押し順報知の実行率が異なる構成としてもよい。例えば、各押し順ベルの当選確率の状態を設け、押し順ベルの当選確率の相違によって第1操作態様の押し順報知の実行率が異なる構成としてもよい。
(34)押し順ベルを用いて偏り役を設定する場合、特定操作態様を第1操作態様とする押し順ベルの当選確率を非特定操作態様を第1操作態様とする押し順ベルの当選確率よりも低くしたり(特定操作態様を第1操作態様とする押し順ベルに当選しないようにしたり)、特定操作態様を第1操作態様とする押し順ベルの入賞時のメダル払出数を、非特定操作態様を第1操作態様とする押し順ベルの入賞時のメダル払出数よりも少なくしたりしたが、特定操作態様と非特定操作態様とで期待払出数が異なる構成であればよく、これらの構成に限定されない。例えば、特定操作態様と非特定操作態様とで、入賞時のメダル払出数は共通するもの、取りこぼしの有無が異なることによって、期待払出数が異なる構成としてもよいし、いずれの操作態様でも取りこぼしが生じ得るものの、取りこぼしの確率が異なることによって、期待払出数が異なる構成としてもよい。具体的には、例えば、入賞時にいずれの操作態様でも10枚のメダルが払い出される結果において、特定操作態様であれば50%の確率で取りこぼしが発生して期待払出数が5枚となり、非特定操作態様であれば20%の確率で取りこぼしが発生して期待払出数が8枚となる、といったように各リール32L,32M,32Rの対象図柄の配置や図柄の組み合わせを設定してもよい。
(35)偏り役を、第1操作態様が異なる複数の押し順ベルにより設定したが、一の結果を偏り役として設定してもよい。つまり、例えば、図825の中→左→右を第1操作態様とする中左特殊ベルAは、特定操作態様にて操作した場合の期待払出数は1枚であり、非特定操作態様にて操作した場合の期待払出数は8枚や1枚であり、当該中左特殊ベルA自体も偏り役と解釈することが可能である。この場合、上記のように、当該中左特殊ベルAの期待払出数は8枚となって特定数(3)を超過する場合があることから、かかる中左特殊ベルA単独でみると、特定報知を行うことを通じて当該中左特殊ベルA当選時に払い出されるメダル数は、指示有りメダル数に加算される。これに対して、中左特殊ベルAを他の特殊ベルAとグループ化することにより(結果番号50)、当該グループの期待払出数は、特定操作態様では1枚、非特定操作態様では2.75枚となり、いずれも特定数以下とすることが可能である。そのため、特定報知を行っても当該グループ当選時に払い出されるメダル数は、指示有りメダル数に加算しなくてもよくなる。
(36)偏り役について、左ストップスイッチ42を最初に操作する特定操作態様と、中ストップスイッチ43や右ストップスイッチ44を最初に操作する非特定操作態様とで、期待払出数や指示機能に関する処理に優劣を設ける構成としたが、これら優劣を設ける操作態様は2種類に限定されず、3種類以上であってもよい。つまり、例えば、左ストップスイッチ42を最初に操作する第1態様と、中ストップスイッチ43を最初に操作する第2態様と、右ストップスイッチ44を最初に操作する第3態様とで、期待払出数や指示機能に関する処理にそれぞれ優劣が設けられている構成としてもよい。この場合、例えば、期待払出数は、第3態様が最も多く、第1態様が最も少なくなるように設定し、指示機能に関する処理は、第1態様が最も有利となり、第3態様が最も不利となる構成(例えば、天井ゲーム数の減算値が第1態様が最も多くなり、第3態様が最も少なくなる構成や、ATモード移行抽選では第1態様が最も当選し易く、第3態様が最も当選しにくくなる構成)といったように、期待払出数が多い態様ほど、指示機能に関する処理が不利となるようにすることで、いずれの態様にて操作するかを選択する楽しみを提供することが可能となる。
(37)偏り役について、各操作態様で期待払出数と指示機能に関する処理に優劣を設けたが、例えば、特定操作態様であれば、所定の状態に移行し易い(移行しにくい)ものの、非特定操作態様であれば、特定操作態様の場合よりも所定の状態に移行しにくい(移行し易い)構成としたり、特定操作態様であれば、第1状態に移行し易く、非特定操作態様であれば、第1状態とは有利度が異なる第2状態に移行し易い、といった構成により優劣を設ける構成としてもよい。これら所定の状態や第1状態、第2状態は、ボーナス状態であってもよいし、リプレイ確率が相違するRT状態であってもよく、第1状態と第2状態の有利度の差は、移行するボーナス状態の種類による上限払出数やATモード移行当選率等で優劣を設けてもよく、RT状態におけるリプレイ確率の差やATモード移行当選率、継続ゲーム数等で優劣を設けてもよい。これらの場合、偏り役を構成する押し順役は、押し順ベルのようなメダル払出が生じる結果に限定されず、操作態様によって入賞する再遊技が異なる押し順リプレイであってもよく、押し順ベルと押し順リプレイとの組合せにより偏り役を構成してもよい。
(38)指示払出メダル数に追加するか否かの特定数を3として設定したが、かかる特定数は3未満であってもよいし、4以上であってもよく、例えば、2.5といったように整数ではなく少数点以下の数も定められた値であってもよい。
(39)指示払出メダル数に追加するか否かの特定数を、ベット数との関係(平均的にメダル増加が見込めるか否か)によって3として設定したが、2ベットゲームや1ベットゲームが行われる場合がある構成とするならば、これら2ベットゲームや1ベットゲームでの特定数をベット数と同じ2や1に設定してもよい。また、2ベットゲームや1ベットゲームでも、特定数を3として設定してもよい。また、特定数をベット数と同数としなくても、ベット数によって異なる構成としてもよく、例えば、3ベットゲームでは特定数を3として設定し、2ベットゲームでは特定数を1として設定し、1ベットゲームでは特定数を2として設定してもよい。
(40)指示払出メダル数に追加するか否かの特定数を、遊技状態によって異ならせてもよい。例えば、通常モードやCZモードでの特定数を3として設定し、ATモードでの特定数を3.5として設定する等、通常モードやCZモードの特定数よりもATモードの特定数の方が大きい値となるように設定してもよいし、小さい値となるように設定してもよい。また、ボーナス状態を設け、ボーナス当選前の非内部状態やボーナス当選後の内部状態における特定数を3として設定し、ボーナス状態における特定数を4として設定する等、ボーナス状態移行前後で特定数が異なる構成としてもよい。
(41)区間表示第1処理にて有利区間比率を算出し、区間表示第2処理にて指示込役物比率を算出する構成としたが、区間表示第2処理にて、有利区間比率及び指示込役物比率を算出する構成としてもよいし、他の処理にて有利区間比率や指示込役物比率を算出する構成としてもよい。また、有利区間比率及び指示込役物比率のうちのいずれか一方だけを算出する構成としてもよい。
(42)押し順役(偏り役)を他の結果とグループ化することにより、平均払出数を下げる構成としたが、押し順役(偏り役)を他の結果とグループ化することにより、平均払出数を上げる構成としてもよい。この場合、例えば、押し順役(偏り役)だけであれば平均払出数が特定数以下となるものの、他の結果とグループ化することにより、平均払出数が特定数を超過するようにしてもよく、本来ならば指示払出メダル数に追加しないものを追加するようにしてもよい。かかる構成によれば、指示込役物比率を高めることが可能となる。
(43)押し順役(偏り役)を主に他の小役とグループ化する構成としたが、押し順役とボーナスとをグループ化する構成としてもよい。
(44)偏り役を、操作順序による期待払出数や指示機能に関する優劣により設定したが、操作タイミングによる期待払出数や指示機能に関する処理により設定してもよい。具体的には、例えば、所定のリールにおける所定の絵柄が所定位置に停止可能なタイミングで停止操作することを特定操作態様とし、当該所定のリールにおける所定の絵柄が所定位置に停止不可なタイミングで停止操作することを非特定操作態様としてもよい。
(45)各モード(遊技状態)に応じて利用する結果番号テーブルを異ならせたが、各モード(遊技状態)に関わらず、予め定められた一の結果番号テーブルを用いる構成としてもよい。また、指示番号テーブルについても同様に、各モード(遊技状態)に関わらず、予め定められた一の指示番号テーブルを用いる構成としてもよい。また、例えば、第1のモードと第2のモードとで、指示番号テーブルは異なるものの、結果番号テーブルは共通している構成や、結果番号テーブルは異なるものの、指示番号テーブルは共通している構成としてもよい。
(46)各抽選結果をグループ化したうえで、当該グループの期待払出数を算出するうえで、再遊技結果をグループ化した場合(図799)は、当該再遊技結果の当選確率(値数)や払出数(0枚)を加味せずに期待払出数の算出を行う構成としたが、当該グループ化した再遊技結果についても加味して算出を行う構成としてもよい。この場合、例えば、再遊技結果の払出数を0枚として算出してもよいし、再遊技結果の払出数をベット数と同数(3)として算出してもよい。
(47)表示制御装置81において抽選結果コマンドを受信した場合に当該抽選結果の結果番号に対応する結果演出を行う構成としたが、当該結果演出の実行態様は適宜設定可能である。この場合、結果番号に応じて結果演出の実行率(実行の有無)が異なる構成としてもよく、例えば、複数の抽選結果がグループ化された結果番号である場合には、単一の抽選結果の結果番号である場合よりも結果演出を実行しない構成としたり、実行しにくい構成としたり、その逆の関係となる構成としてもよいし、その結果演出の態様を異ならせたりする構成としてもよい。また、複数の抽選結果がグループ化された結果番号である場合には、その抽選結果の種類数や組み合わせによって結果演出の実行率(実行の有無)が異なる構成としてもよい。例えば、偏り無しの第1押し順ベルと特定役とがグループ化された結果番号である場合には結果演出を行う一方、偏り有りの第2押し順ベルと特定役とがグループ化された結果番号である場合には結果演出を行わないようにしたり、行いにくくしたり、その逆としてもよく、これらの結果演出の態様を異ならせたりする構成としてもよい。
(48)結果演出の実行率や実行態様が、モードや遊技状態によって異なる構成としてもよい。この場合、同じ抽選結果であっても、通常モードでは結果演出を行う一方、CZモードでは結果演出を行わない構成、又はCZモードの方が結果演出を行いにくい構成としてもよく、その逆の関係となる構成としてもよい。また、第1の抽選結果であれば、通常モードでは結果演出を行う一方、CZモードでは結果演出を行わなかったり、通常モードよりも行いにくかったりし、第2の抽選結果であれば、CZモードでは結果演出を行う一方、通常モードでは結果演出を行わなかったり、CZモードよりも行いにくかったりする構成としてもよい。
(49)特定役報知演出の実行率を、合せて受信している抽選結果コマンドとの関係で設定してもよい。例えば、特定役が第1押し順ベルとグループ化された抽選結果コマンドと、特定役コマンドとを受信している場合には、特定役報知演出を実行する一方、特定役が第2押し順ベルとグループ化された抽選結果コマンドと、特定役コマンドとを受信している場合には、特定役報知演出を実行しない構成としたり、第1押し順ベルとのグループの場合よりも特定役報知演出を実行しにくい構成といしたり、その逆の関係となる構成としたりしてもよい。
(50)各モードや遊技状態の移行(結果番号テーブルや指示番号テーブルの切換契機)を、ATモード移行抽選や、CZモード移行抽選、所定結果の入賞回数(チャレンジカウンタ)、ゲーム数の消化(天井、ATモードのセット数、有利区間の上限ゲーム数)等により生じさせる構成としたが、他の事象を契機として各モードや遊技状態の移行が生じて結果番号テーブルや指示番号テーブルの切換が行われる構成としてもよい。他の事象としては、例えば、日時、所定タイミング(遊技開始)からの投入メダル数や払出メダル数、ボーナス状態の移行や終了、ボーナスの当選の有無(非内部状態と内部状態)等としてもよい。
(51)各モードや遊技状態と結果番号テーブルや指示番号テーブルとがリンクする構成としたが、各モードや遊技状態の移行契機と、結果番号テーブルや指示番号テーブルの切換契機とが別々に設定されていてもよい。例えば、ATモード移行前に(例えば前兆モードに移行した場合や前兆モードの残りゲーム数が所定数以下となった場合に)上記のATモード用の結果番号テーブルや指示番号テーブルに切り換わる構成としてもよい。このようにすることで、特に指示番号テーブルの先切り換わりによる払出枚数表示部62での表示内容の変化によって、移行先のモードや遊技状態(ATモード)を示唆することが可能となり、遊技性の向上に貢献することが可能となる。
(52)結果番号テーブルや指示番号テーブルの切り換えを、抽選結果コマンド設定処理や、指示番号送信用処理よりも前に行う構成としてもよい。この場合、今回のゲームで払出枚数表示部62にて表示されている内容や、補助表示部65での結果演出の内容は、今回のゲームの結果を示す内容であることは、結果番号テーブルや指示番号テーブルの切り換えを、抽選結果コマンド設定処理や、指示番号送信用処理よりも後に行う構成と変わらないものの、当該払出枚数表示部62にて表示されている内容や、補助表示部65での結果演出の内容が、今回のゲームで切り替わった結果番号テーブルや指示番号テーブルを利用したものとなることから、かかる払出枚数表示部62にて表示されている内容や、補助表示部65での結果演出の内容と、実際の今回のゲームの抽選結果(停止出目)とを見比べて、結果番号テーブルや指示番号テーブルの切り換え(モードや遊技状態の移行)が生じたことを予測したり把握したりする楽しみが追加され、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
(53)特定役報知演出は、特定役コマンドを受信した場合に抽選結果コマンドの内容(種類、結果番号)や抽選により実行する構成としたが、特定役コマンドを受信していない場合でも、抽選結果コマンドの内容(種類、結果番号)や抽選により実行する構成としてもよい。
(54)払出枚数表示部62における右第9表示用セグメントNa9や左第8表示用セグメントNb8にて特定表示を行う構成としたが、特定表示を行う報知手段はこれらに限定されない。例えば、補助表示部65において特定表示を行う構成としてもよいし、別途、特定表示用の表示部を設けてもよい。
(55)特定表示を行わない構成としてもよい。この場合、偏り役報知に、いずれかの偏り役であることを示す内容や、いずれかの偏り役である可能性があることを示す内容だけでなく、表示制御装置81側の押し順報知演出等が行われない遊技であることを示す内容が含まれる構成としてもよい。
(56)いずれの結果番号テーブルや指示番号テーブルが選択されているかが識別しにくい又は識別できないモードとして特殊モードを設けたうえで、いずれの結果番号テーブルや指示番号テーブルが選択されているかが識別し易い又は識別可能な通常モードとCZモードともある構成としたが、通常モードとCZモードとは結果番号テーブルや指示番号テーブルの切り換えが生じるものの、いずれも特殊モードとして演出を行うことによりいずれの結果番号テーブルや指示番号テーブルが選択されているかが識別しにくい又は識別できないモードとなるようにしてもよい。
(57)結果番号テーブルや指示番号テーブルをモードや遊技状態の移行とは関係なく、各ゲームで抽選等によりいずれの結果番号テーブルや指示番号テーブルを選択するかを決定する構成としてもよい。また、例えば、1ゲーム目は第1の結果番号テーブルや指示番号テーブルを選択し、2ゲーム目は第2の結果番号テーブルや指示番号テーブルを選択し、3ゲーム目は第3の結果番号テーブルや指示番号テーブルを選択する、といったように、抽選を経ずに、予めゲーム数等によって選択する結果番号テーブルや指示番号テーブルが設定されている構成としてもよい。例えば、ボーナス状態の前半部分(残りゲーム数が所定ゲーム数まで、残り払出数が所定枚数まで)は第1の結果番号テーブルや指示番号テーブルを選択し、ボーナス状態やATモード、CZモードの後半部分(残りゲーム数が所定ゲーム数以降、残り払出数が所定枚数移行)は、第2の結果番号テーブルや指示番号テーブルを選択する構成としてもよい。
(58)通常区間でも偏り役報知や特定表示を行うようにしたが、この場合、通常区間でも押し順不問報知を行う構成としてもよい。また、通常区間において押し順不問報知を行う一方、通常区間において偏り役報知や特定表示を行わない構成としてもよい。
(59)通常区間でも偏り役報知や特定表示を行う場合、かかる偏り役報知や特定表示は、払出枚数表示部62ではなく、補助表示部65や別の表示部にて行う構成としてもよい。このようにすることで、通常区間であるのにも関わらず指示モニタによる表示が行われていることの不自然さを解消し、かかる構成を利用して通常区間であるのにも関わらず押し順報知を不正に行わせる行為を特定し易くすることができ、そのうえで、通常区間においても偏り役である旨や、押し順報知演出が行われない遊技である旨を遊技者に知らしめることが可能となる。
(60)偏りベルのグループを設定する場合、例えば、第1操作態様となる操作順序が異なる各種押し順ベルのうち、所定の押し順ベルの組み合わせを第1の偏りベルグループとし、所定の押し順ベルの組み合わせとは異なる組み合わせを第2の偏りベルグループとして設定してもよい。例えば、左中ベル、左右ベル、中右ベル、中左ベル、右中ベル、右左ベルの各種押し順ベルのうち、左右ベル、中右ベル、中左ベル、右中ベル、右左ベルを第1の偏りベルグループとし、左中ベル、右ベル、中左ベル、右中ベル、右左ベルを第2の偏りベルグループとしてもよく、これら第1の偏りベルグループと第2の偏りベルグループに別の特別結果をそれぞれ組み合わせてグループ化してもよい。このようにすることで、複数の偏りベルグループを設定するうえで、抽選結果の種類が増大化を解消することが可能となる。
(61)制限対象となる抽選結果の場合に、非特定操作態様にて操作した場合、制限態様のうちの押し順ベルについては天井ゲーム数の減算やATモード移行抽選等を行わず、制限対象のうちの特別結果については天井ゲーム数の減算は行わないものATモード移行抽選等は行う構成としたが、非特定操作態様にて操作した場合の当該押し順ベルと特別結果との天井ゲーム数の減算率やATモード移行抽選の当選確率等が異なる構成としてもよい。例えば、特別結果である場合に非特定操作態様にて操作した場合に、天井ゲーム数の減算を行うものの、特定操作態様よりも少ないゲーム数の減算を行い易く、ATモード移行抽選等を行うものの、特定操作態様よりもATモード移行抽選に当選しにくい構成としてもよい。
(62)制限対象となる抽選結果のうちの第1結果(押し順ベル)と第2結果(特別結果)とで、非特定操作態様にて操作した場合に、それが第1結果であれば第1処理及び第2処理にて不利となる態様にて処理が行われ、それが第2結果であれば第1処理にて不利となる態様にて処理が行われるものの、第2処理では不利とならない態様にて処理が行われる構成としたが、これら第1処理や第2処理は、指示機能に関する処理に限定されず、他の処理であってもよい。例えば、第1設定示唆演出(例えば、設定値の高低の示唆)の発生抽選や実行処理を第1処理、第2設定示唆演出(例えば、偶奇の示唆)の発生抽選や実行処理を第2処理として、第1結果である場合に非特定操作態様にて操作した場合には、第1設定示唆演出や第2設定示唆演出が行われず、第2結果である場合に非特定操作態様にて操作した場合には第1設定示唆演出は行われなくなるものの、第2設定示唆演出は行われ得るようになる構成としてもよい。
(63)指示機能に関する処理の実行が制限される通常区間と、制限されない(許容される)有利区間とを設けたが、これら通常区間と有利区間とを区別せずにいずれの区間であっても指示機能に関する処理の実行が許容される構成としてもよい。また、有利区間と通常区間とを区別する構成において、有利区間の強制終了条件としての上限ゲーム数や上限払出枚数は上記のものに限定されず、いずれか一方だけの強制終了条件を備える構成としてもよい。
(64)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(65)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(66)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(67)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第10jの実施形態>
以下、第10jの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図838はスロットマシン10の正面図、図839はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図840はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図841は前面扉12の背面図、図842は筐体11の正面図である。なお、以下の説明においては、特に上記各実施形態と異なる構成について説明し、上記各実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。また、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
図838~図842に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図840に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図844には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図844に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図845に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図846~図848は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図849(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図849(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図849(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図849(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図849(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図849(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図850(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図850(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役~第32小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役~第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図846及び図847に示すように、これら第9小役入賞~第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典(遊技価値)の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典(遊技価値)が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。図848に示すように、これら第1再遊技~第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図850(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図851(e)に示すように、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
第3再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図851(f)に示すように、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図850(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図850(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図851(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図851(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図851(c)及び図851(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、図852(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図852(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。
左リール32Lの「赤貝」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、図852(c)に示すように、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図852(d)に示すように、下ラインL3に左から順に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止したりする。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図853)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
ストップスイッチ42~44には、ストップランプ42b~44bがそれぞれ内蔵されている。当該ストップランプ42b~44bからの光はストップスイッチ42~44の操作面を一部透過し、ストップランプ42b~44bの光はストップスイッチ42~44を介して視認可能となる。そして、ストップスイッチ42~44の操作が有効となる場合には、当該ストップランプ42b~44bが点灯制御され、ストップスイッチ42~44の操作が無効となる場合には、対応するストップランプ42b~44bがそれぞれ消灯制御される。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。
ここで、セレクタ46について、図843を用いて説明する。図843は、セレクタ46の内部構造を説明するための説明図である。なお、図中の2点鎖線は、理解を容易なものとするためにメダルの通過経路を示したものである。
セレクタ46には、メダル投入口45から投入されたメダルを貯留用通路47へ導くための案内通路84が形成されている。案内通路84は、メダルが1列で通行可能なようにして、図の上端部から右下部にかけて弧を描くような曲線状に形成されている。より詳しくは、セレクタ46を構成するセレクタボディには、図の手前側に突出する突条46bが設けられており、その突条84aが底部を構成するようにして案内通路84が形成されている。案内通路84に到達したメダルは、突条46b上を転がるようにして下流方向へ流れることとなる。
セレクタ46は、案内通路84の上流側にあるメダルを排出用通路48へ排出するための通路切替片85を備えている。通路切替片85は、案内通路84の上流側において当該案内通路84内に出没可能に設けられている。また、通路切替片85は、メダル通路切替ソレノイド46aに連結されており、メダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時には案内通路84内に通路切替片85が突出する。この場合、案内通路84の上流側にあるメダルはその突出した通路切替片85に当たることで突条46bを乗り上げて下方に落下し、排出用通路48に導かれる。排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。一方、メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時には案内通路84外に通路切替片85が没する。これにより、メダルは案内通路84に沿って流れ、貯留用通路47に導かれる。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。
また、セレクタ46において通路切替片85の下流側には、案内通路84を通過するメダルを検出するための投入メダル検出装置86が設けられている。投入メダル検出装置86は、フォトセンサからなる第1投入メダル検出センサ86aと同じくフォトセンサからなる第2投入メダル検出センサ86bとを備え、これら各投入メダル検出センサ86a,86bは案内通路84の流下方向に並ぶようにして近接配置されている(少なくとも1時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接状態とする)。これら各投入メダル検出センサ86a,86bにより案内通路84のメダルの通過が順次検出される。
セレクタ46において通路切替片85よりも上流側には、センサレバー87が設けらている。センサレバー87は案内通路84内に出没可能に設けられており、案内通路84内に出没した出没位置に向けて付勢されている。メダル投入口45から投入されたメダルは、センサレバー87を出没位置から退避位置に変位させながら案内通路84を通過する。センサレバー87の位置変位は、当該センサレバー87に対して設けられた(当該センサレバー87に連動するレバー連動遮光片に対して設けられた)レバー検出センサ88により検知され、センサレバー87が退避位置に変位することでレバー検出センサ88はON状態となる。案内通路84においてセンサレバー87が設けられている位置と、投入メダル検出装置86によりメダルが検出される位置とは、メダル1枚分の直径よりも長く離間しており、少なくとも投入メダル検出装置86によりメダルが検出されるよりも前に、当該メダルが退避位置に変位させたセンサレバー87は出没位置に復帰するようになっている。
すなわち、メダル投入口45からメダルが投入されると、レバー検出センサ88がON状態となり、その後、レバー検出センサ88がOFF状態となってから各投入メダル検出センサ86a,86bにより当該メダルの通過が検知される。
図841や図842に示すように、ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。
払出装置53には、当該払出装置53から払い出されるメダルを検出するための払出メダル検出装置95が設けられている。払出メダル検出装置95は、フォトセンサからなる第1払出メダル検出センサ95aと同じくフォトセンサからなる第2払出メダル検出センサ95bとを備え、これら各払出メダル検出センサ95a,95bは払出装置53からのメダル払い出し方向に並ぶようにして近接配置されている(少なくとも1時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接状態とする)。これら各払出メダル検出センサ95a,95bにより、払出装置53から払い出されるメダルの通過が順次検出される。
また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
予備タンク54には、当該予備タンク54内のメダルが一定量以上となったことを検出するための予備タンクセンサ96が設けられている。予備タンク54において、予備タンクセンサ96の設けられた高さ以上にメダルが貯留されると、当該予備タンクセンサ96がON状態となり、予備タンク54が満タン状態となったことが検出される。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定規定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定規定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定規定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定規定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定規定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定規定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定規定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。払出枚数表示部62は、メダルの払出枚数を表示する機能の他、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタとしての機能も有する。払出枚数表示部62(指示モニタ)については、後に詳細に説明する。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの下方であって、クレジット表示部60の左方には、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作やメダル投入口45へのメダル投入によって設定されるゲームのベット数を表示するための第1表示部としてのBET表示部75と、現状の遊技の進行状態を示す遊技状態表示部76とが設けられている。
また、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの左方には、上記のゲームのベット数を表示するための第2表示部としてのベット表示部34が設けられている。更に、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの右方には、ゲームの開始に際して各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるまでの待機すべき状態(ウェイト状態)であることを報知するためのウェイト表示部35が設けられている。
これらBET表示部75、遊技状態表示部76、ベット表示部34、ウェイト表示部35については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図853及び図854のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入された投入メダルを検出するための第1投入メダル検出センサ86aや第2投入メダル検出センサ86b、セレクタ46においてセンサレバー87の動作を検出するためのレバー検出センサ88、ホッパ装置51から払い出される払出メダルを検出するための第1払出メダル検出センサ95aや第2払出メダル検出センサ95b、予備タンク54が満タン状態となったことを検出するための予備タンクセンサ96、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、BET表示部75、遊技状態表示部76、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。遊技状態表示部76には、今回のゲームが再遊技入賞後のゲームであって再遊技状態であることを示す再遊技状態表示部76aと、メダル投入口45からのメダル投入といったベット操作が可能な受入可能状態であることを示す受入可能状態表示部76cと、スタートレバー41の操作が可能な開始可能状態であることを示す開始可能状態表示部76bとが設けられており(図854)、これらの表示部76a~76cがCPU102により点灯状態とされることによって対応する状態であることの報知となり、これらの表示部76a~76cがCPU102により消灯状態とされることによって対応する状態ではないことの報知となる。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報記憶エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図855参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図854に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にベット表示部34、ウェイト表示部35、第1クレジットランプ56b、ストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてベット表示部34、ウェイト表示部35、第1クレジットランプ56b、ストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
また、表示制御装置81に接続されている各構成42b~44b,63~65の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b~44b,63~65の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理とを説明する。
図855は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSj101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSj102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSj103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSj102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSj104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSj104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSj105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSj106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSj107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a、クレジット投入検出センサ56a,57a、精算検出センサ59a、リセット検出センサ72a、設定キー検出センサ73a、投入メダル検出センサ86a,86b、レバー検出センサ88、払出メダル検出センサ95a,95b、予備タンクセンサ96等の各種センサ(図853参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSj108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップSj109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSj110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSj111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSj112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSj113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSj114では、先のステップSj101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSj115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、主制御装置101のメイン処理について、図856のフローチャートに基づき説明する。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ71のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
ステップSj201では、駆動用の初期化処理として、スタックポインタの値をCPU102内に設定するとともに、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU102内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、ステップSj202ではリセットスイッチ72の操作がなされているか否か、より詳しくは、リセット検出センサ72aからON信号を受信しているか否かを判定する。今回の電源投入時(復旧時)に、リセットスイッチ72が操作されている場合、ステップSj203にて、RAMクリア処理として、RAM106に記憶されているデータを全て消去する。
ステップSj202にてリセットスイッチ72が操作されていない場合、又はステップSj203のRAMクリア処理を実行した後は、ステップSj204にて、設定キーが設定キー挿入孔73に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは、設定キー検出センサ73aからON信号を受信しているか否かを判定する。今回の電源投入時(復旧時)に、設定キーのON操作がなされている場合には、ステップSj205に進み、RAMクリア処理を実行する。かかる処理は、上記ステップSj203の処理と同様である。
続くステップSj206では、当選確率設定処理を行う。
当選確率設定処理について、その概要を説明する。スロットマシン10には、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、当選確率設定処理とは、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。当選確率設定処理では、所定の操作として、リセットスイッチ72の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、リセットスイッチ72が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、RAM106における設定値情報記憶エリア106cに記憶してから当選確率設定処理を終了する。当選確率設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率設定処理で設定された設定値は、次の当選確率設定処理が起動されるまで、RAM106の設定値情報記憶エリア106cに記憶保持される。
当選確率設定処理を実行した後は、ステップSj207~ステップSj209にてステップSj206の設定処理が正常に行われたことの確認処理や正常に行われていなかった場合の対応処理を実行する。これらの処理については、後に詳細に説明する。
ステップSj204にて設定キーのON操作がなされていないと判定した場合、又はステップSj209の処理を行った後は、ステップSj210にて、停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグがセットされていない場合には、ステップSj211にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
一方、ステップSj210にて停電フラグがセットされている場合には、ステップSj212以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM106のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、ステップSj212ではRAM判定値が正常か否かを判定する。具体的には、RAM106のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM106のデータは正常であると判定する。
ステップSj212においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値が0でなかったときには、RAM106のデータが破壊された可能性が高い。そのため、このような場合にはステップSj213及びステップSj219にてエラー用の処理を行う。これらエラー用の処理については、後に詳細に説明する。
ステップSj212においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップSj214に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU102のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップSj215において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置81に送信する。その後、ステップSj216にて遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップSj217にてスタート検出センサ41a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップSj218にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップSj104)が実行されることとなる。
次に、メイン処理のステップSj211にて実行される通常処理について図857のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSj301では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSj302では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSj303~ステップSj312に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSj303では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSj304では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理については後に詳細に説明するが、その概略として、本開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップSj107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出す貯留メダル精算処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行う。
開始待ち処理の終了後、ステップSj305ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSj305にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSj305にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSj305にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップSj304の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップSj305にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップSj306にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップSj110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップSj306の処理を実行した後は、ステップSj307にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSj304の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSj308にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSj309では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSj310の抽選処理、ステップSj311のリール制御処理、ステップSj312のメダル払出処理を順に実行し、ステップSj303に戻る。
次に、ステップSj310の抽選処理について、図858のフローチャートに基づき説明する。
ステップSj401では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSj402では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSj402では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図859)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図860)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSj402では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。上記のように当選確率設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行され、当該当選確率設定処理にて設定の情報が設定値情報記憶エリア106cに記憶される。ステップSj302では、この記憶されている設定値の情報に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
なお、本スロットマシン10では、ステップSj402にて、設定されているベット数が規定枚数以外の枚数である場合、対応する抽選テーブルが存在しないことから、本抽選処理では強制的に外れ結果となる構成としている。但し、基本的には、規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態では、上記ステップSj305にて否定判定されることから、抽選処理が行われることはない。規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態で抽選処理が行われる場合とは、規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態であるのにもかかわらず、ノイズ等の影響によって、ステップSj305にて肯定判定してしまった場合である。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図859は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図860は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSj403ではインデックス値IVを1とし、続くステップSj404では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSj401にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSj405ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSj406にて、ステップSj405にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSj406にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSj406にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSj406にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のステップSj303参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSj406では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSj405にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSj407にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSj408ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSj404に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSj404では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSj405では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図859に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1であり、押し順ベルに当選となる確率をまとめると約1.53分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図860に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.78枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.78枚)。
ステップSj406にて当選フラグをセットした後、又はステップSj408にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSj409に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSj410では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSj401~ステップSj408の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSj410の処理を実行した後は、ステップSj411にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSj110)にて行われる。なお、ステップSj411の抽選結果コマンド処理については、後に詳細に説明する。
そして、ステップSj412では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSj406にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSj412の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSj412の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSj413では、ステップSj412にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSj413の処理を実行した後は、ステップSj414にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタとして機能する払出枚数表示部62や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSj311のリール制御処理について、図861のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSj501にて、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSj409にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップSj410にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップSj502では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウェイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウェイト時間が経過するまで待機する。この場合、ウェイト表示部35を点灯状態とする処理を行う。ウェイト時間が経過した場合には、ウェイト表示部35を消灯状態とするとともに、次回の遊技のためのウェイト時間を再設定し、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSj106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。なお、回転開始処理については、後に詳細に説明する。
回転開始処理に続き、ステップSj503では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSj504に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSj503に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSj505にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSj506~ステップSj513に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを消灯するように制御する。
ステップSj506では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSj507では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSj507では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSj508では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSj509では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSj510にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSj511にて停止時抽選処理を実行する。停止時抽選処理は、停止操作に基づく所定の抽選を行う処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。続くステップSj512では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSj513にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSj503に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図859、図860参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図861は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSj512にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSj514にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する数のメダル払出が行われるように設定する処理を行う。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。なお、払出判定処理については、後に詳細に説明する。
払出判定処理を行った後は、ステップSj515にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSj516にて、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSj517にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタとして機能する払出枚数表示部62の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSj518にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSj312のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、今回のゲームのメダル払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップSj304)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、今回のゲームのメダル払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させるための処理を行う。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出すための処理を行う。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行う。メダル払出処理については、後に詳細に説明する。
次に、ステップSj514のボーナス状態処理を、図863のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSj601では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSj601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSj602に進む。
ステップSj602では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSj603に進む。
ステップSj603では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定規定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSj603にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSj604では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSj605に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSj606にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSj606にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSj607では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSj608では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSj601にて肯定判定することになる。続くステップSj609では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSj609にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSj610にて規定ベット数を2に設定する処理を実行し、ステップSj611にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が2枚に設定され、2ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSj605にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSj612に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSj613にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSj614にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSj615にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSj615にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSj610にて規定ベット数を2に設定する処理を実行し、ステップSj611にてMAXベットカウンタに2を入力してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が2枚に設定され、2ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSj601にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSj616に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図864は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図864に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップSj616では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSj617にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSj618にて、ステップSj617の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると12枚の払出が発生することから、ステップSj617ではBBカウンタから12を減算する。
ステップSj618にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSj619にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSj620にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSj621にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSj611にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図865を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図862)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図866のフローチャートを参照しながら、ステップSj410にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSj701~ステップSj703では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップSj701では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSj702にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSj703にてベット数が3であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定枚数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定枚数として2が設定されている。ステップSj702やステップSj703の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数ではない場合には、ステップSj704以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定枚数として2が設定されていることから、3ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSj704以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップSj702又はステップSj703にて肯定判定した場合、ステップSj704にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSj705にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図867のフローチャートに示すように、ステップSj801にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSj802にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図868に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図868にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSj802にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSj803にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSj803ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSj804にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSj805にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSj801にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSj802~ステップSj805の処理を省略することも可能である。
ステップSj805にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSj806にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSj805にて否定判定した場合、又はステップSj806の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSj704にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSj706に進む。ステップSj706では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグは、ATモードであることをCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSj706にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSj707にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSj706にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSj708にて継続判定処理を実行し、ステップSj709にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップSj707のAT抽選用処理について図869のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSj901では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算され、例えば、2ベットゲームでは減算されない。
ステップSj901にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップSj902にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップSj903~ステップSj909にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップSj903にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSj904では、ATモード移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。ATモード移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSj904ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。続くステップSj905では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップSj905にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップSj906にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSj905にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSj907にて、CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図868に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップSj906又はステップSj907にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップSj903にて把握したゲームの抽選結果とを用いて、ステップSj908にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップSj909にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップSj909にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップSj902にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップSj910~ステップSj913のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップSj909にてATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップSj914~ステップSj917にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップSj910では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップSj911及びステップSj912にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップSj911では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSj912にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSj910にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSj912の処理を実行した後は、ステップSj913にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップSj706にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップSj914にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSj915にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップSj903にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図868に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップSj915にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップSj916にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップSj917にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップSj913又はステップSj917にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップSj918~ステップSj921にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム~32ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップSj918では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、チェリーAにて移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。なお、前兆ゲームの抽選処理でも、前兆ゲーム数の抽選用乱数を取得して上記の当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。
また、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップSj918では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにもかかわらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップSj919では、ステップSj918の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップSj920にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSj921にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
<継続判定処理>
次に、ステップSj708にて実行される継続判定処理について、図870のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、継続判定処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理である。
ここで、本実施形態におけるATモードは、押し順報知によって予め定められた所定数(例えば100)のメダルの払い出しが行われることを1セット(単位継続数、単位状態)とし、例えば、1セットのATモードを更新する場合(セットを開始する場合又はセットを終了する場合)に次のセットの継続抽選を行い、当該継続抽選に当選している場合には当該セットの終了後、次のセットへ移行し、当該継続抽選に非当選である場合には次のセットへ移行せずにATモードが終了する構成としている。そして、ステップSj708の継続判定処理では、セットの更新に際して上記の継続抽選を行うための処理である。
ステップSj1001では、今回開始するゲームがATモードの1セットの開始ゲームであるか否かを判定する。開始ゲームではない場合には、そのまま本継続判定処理を終了する。開始ゲームである場合には、ステップSj1002に進む。
ステップSj1002では、各種カウンタエリア106eに設けられたATセットカウンタが0であるか否かを判定する。ATセットカウンタは、上記の継続抽選に非当選であっても又は継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させることを可能とするセット数をCPU102が把握するためのカウンタであり、継続条件が成立している状況で上乗せ当選した場合に1が加算され、継続抽選に非当選である場合や継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させた場合に1減算されるカウンタである。ATセットカウンタが0である場合、ステップSj1003にて今回のATモードにて選択されている継続抽選の当選確率を把握する。
ここで、本実施形態では、上記の継続抽選の当選確率(以下、「継続率」とも称する)として、複数の継続率が設定されており、具体的には、図878に示すように最も継続率の高い90%と、それよりも継続率が低い60%及び10%が設定されている。当該継続率は、ATモードへの移行に際して設定される(後述のステップSj1511における継続率設定処理)。ステップSj1003では、当該継続率設定処理にて設定されている情報を読み出し、今回のATモードの継続率を把握する。
ステップSj1003にて継続率を把握した後は、ステップSj1004にて、継続抽選用の乱数を取得する処理を実行する。継続抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSj1004ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。続くステップSj1005では、ステップSj1003にて把握した継続率と、ステップSj1004にて取得した抽選乱数を用いて継続抽選処理を実行する。すなわち、90%の継続率が選択されている場合には、ステップSj1005の処理では90%の確率で継続当選し、10%の継続率が選択されている場合には、ステップSj1005の処理では10%の確率で継続当選する。
ステップSj1006では、ステップSj1005の処理結果が継続当選であったか否かを判定し、継続当選であった場合には、ステップSj1007にて各種フラグ格納エリア106dに継続フラグをセットする処理を実行する。継続フラグは、今回のセットの継続条件(次のセットへ移行する条件)が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップSj1008にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、継続判定処理を終了する。
また、ステップSj1002にてATセットカウンタが0ではないと判定した場合、ステップSj1009にてATセットカウンタを1減算する処理を実行してから、ステップSj1007に進み、継続フラグのセット、及び継続コマンドのセットを行ってから、継続判定処理を終了する。すなわち、本実施形態では、ATセットカウンタが0ではない場合、継続抽選を経ることなく、セットの継続条件が成立する構成としている。なお、ATセットカウンタの値に関わらず継続抽選を実行し、継続非当選である場合にATセットカウンタが1以上であれば継続条件が成立する構成としてもよい。
上記のように、本実施形態では、ATモードの1セットの開始時(スタートレバー41の操作時)に、今回開始するセットの次のセットまでATモードが継続するか否かの継続条件の成否判定が行われ、継続条件が成立していると判定した場合には、継続フラグがセットされ、その情報が表示制御装置81へ出力される。この場合、表示制御装置81では、継続条件が成立していることを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
これに対して、ステップSj1006にて継続当選ではないと判定した場合には、そのまま継続判定処理を終了する。この場合、ATモードの1セットの開始時には継続条件は成立しておらず、セットの開始に際して継続コマンドの出力も行われない。表示制御装置81では、セットの開始に際して継続コマンドを受信しないことを通じて継続条件が成立していないことを把握し、継続条件が成立していないことを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSj709にて実行されるAT上乗せ用処理について、図871のフローチャートを参照しながら説明する。AT上乗せ用処理では、上記の継続抽選とは別途、ATモードのセット数を上乗せすることの上乗せ抽選を行い、当該上乗せ抽選にて当選した場合には、次のセットの継続抽選の結果に関わらず次のセットまで継続するようにする。
先ずステップSj1101にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSj1102にて、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
上乗せ抽選テーブルは、図868に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、各ゲームの抽選処理にて当選し易い通常リプA~通常リプCや、押し順ベルといった通常役では上乗せ当選しない一方、各ゲームの抽選処理にて当選しにくいチャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、共通ベル、スイカ、といった特定役では上乗せ当選し得るように設定されている。そして、特定役のうち、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。なお、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ当選しない構成を、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ抽選を行わない構成としてもよい。また、各ゲームの抽選結果が通常役である場合にも上乗せ当選し得る構成とし、当該通常役での上乗せ当選の確率を特定役の場合の上乗せ当選の確率よりも低くなるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、通常役のうち、押し順ベルについては、スタートレバー41の操作に基づき実行されるAT上乗せ用処理では上記のように上乗せ抽選に当選しないように設定されている一方、各リール32L,32M,32Rが停止した場合に実行される停止時抽選処理(ステップSj511、図872)では上乗せ抽選に当選し得るように設定されている。
ステップSj1102にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSj1103にて上乗せ抽選用の乱数を取得する処理を実行する。上乗せ抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSj1103ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。続く、ステップSj1104では上乗せ抽選を実行し、ステップSj1105にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSj1106にて、継続フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSj1106にて継続フラグがセットされていない場合、ステップSj1107にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSj1108にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。継続コマンドを受信した表示制御装置81は、継続条件が成立したことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
これに対して、ステップSj1106にて継続フラグがセットされている場合、ステップSj1109にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。ステップSj1109にATセットカウンタに1が加算されることにより、少なくとも今回のセットの次の次のセットまでATモードが継続することが確定する。なお、本実施形態では、上乗せ抽選に当選した場合に一律でATセットカウンタに1を加算する構成としているが、2以上の数を加算する場合がある構成としてもよく、例えば、上乗せ当選の契機となったゲームの抽選結果に応じてATセットカウンタに加算する数を抽選により決定する構成としてもよい。
続くステップSj1110ではセット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本上乗せ用処理を終了する。セット上乗せコマンドは、上乗せ抽選に当選したことやATセットカウンタの値を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。なお、複数のセット数を一の上乗せ当選にて上乗せする場合がある構成においては、当該セット上乗せコマンドに当該上乗せするセット数の情報を設定する構成とするとよい。セット上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、セット上乗せが行われたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
<停止時抽選処理>
次に、ステップSj511にて実行される停止時抽選処理について、図872のフローチャートを参照しながら説明する。本実施形態では、上記のスタートレバー41の操作に基づき実行されるAT上乗せ用処理とは別途、各リール32L,32M,32Rが停止した場合にもATモードの上乗せ抽選を実行する構成としており、かかる停止時抽選処理は、当該ATモードの上乗せ抽選を行うための処理である。
ステップSj1201では、ATモードフラグの有無を確認することにより、ATモード中であるか否かを判定する。ATモード中ではない場合には、そのまま本停止時抽選処理を終了する。続くステップSj1202では、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行し、ステップSj1203にて、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合には、そのまま本停止時抽選処理を終了する。
ATモード中のゲームで押し順ベル当選である場合、ステップSj1204にて、直前のステップSj510のリール停止処理にて停止させたリールが、最初の停止リールであるか否かを判定する。すなわち、今回のリール停止処理にて停止させたリール以外に停止しているリールが存在しない場合にはステップSj1204にて肯定判定し、今回のリール停止処理にて停止させたリール以外に停止しているリールが存在する場合にはステップSj1204にて否定判定する。ステップSj1204にて否定判定した場合には、そのまま本停止時抽選処理を終了する。
ATモード中の押し順ベル当選となったゲームの第1停止時である場合、ステップSj1205以降で、ATモードの上乗せ抽選を実行する。すなわち、ステップSj1205では、停止時ATモード上乗せ抽選用の乱数を取得する処理を実行する。停止時ATモード上乗せ抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSj1205ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSj1206にて停止時上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。停止時上乗せ抽選テーブルは、図868に示すように、押し順ベル当選時の第1停止時に3%で上乗せ当選するように設定されている。そして、ステップSj1207にて上乗せ抽選処理を実行し、ステップSj1208にて上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのまま停止時抽選処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSj1209~ステップSj1213にて、上記ステップSj1106~ステップSj1110の処理と同様の処理を実行する。
すなわち、ステップSj1209では、継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされていない場合、ステップSj1210にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSj1211にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本停止時抽選処理を終了する。継続コマンドを受信した表示制御装置81は、継続条件が成立したことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
これに対して、ステップSj1209にて継続フラグがセットされている場合、ステップSj1212にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。その後、ステップSj1213にてセット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本停止時抽選処理を終了する。セット上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、セット上乗せが行われたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
なお、停止時抽選処理にて出力する継続コマンドやセット上乗せコマンドに基づく演出を、上記AT上乗せ用処理にて出力する継続コマンドやセット上乗せコマンドに基づく演出と遊技者がその違いを把握可能な程度に異ならせてもよく、この場合、一部を共通の演出とする一方、一部を相違する演出とすることにより、同じ恩恵(上乗せや継続が確定することや、それらを示唆すること)であることを遊技者に把握させながらも、その契機の違いを遊技者に把握させることができる。また、AT上乗せ用処理にて出力する継続コマンドやセット上乗せコマンドに基づく演出(より詳しくは、ゲームの抽選結果が押し順ベルとは異なる結果を契機としてこれらのコマンドが出力された場合の演出)を当該停止時抽選処理にて出力する継続コマンドやセット上乗せコマンドに基づく演出を実行するタイミングでも実行し得る構成としてもよい。このようにすることで、スタートレバー41の操作に基づいて実行されるAT上乗せ用処理にて上乗せ当選したのか停止操作に基づき実行される停止時抽選処理にて上乗せ当選したのかが当該第1停止時の演出からは分かりにくくなり、いずれの抽選結果でもAT上乗せへの期待感を持たせる効果を高めることが可能である。
抽選結果対応処理(図866)において、ステップSj707又はステップSj709の処理を実行した後は、ステップSj710~ステップSj715にて、ストップスイッチ42~44の押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップSj710~ステップSj715にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタとしての機能も有する払出枚数表示部62にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。払出枚数表示部62は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、払出枚数表示部62の構成について、図873を参照しながら説明する。図873(a)は、払出枚数表示部62の正面図であり、図873(b)は、払出枚数表示部62が指示モニタとして機能する場合の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図873(a)に示すように、払出枚数表示部62には15個の表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7が設けられている。各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、払出枚数表示部62では、2桁の数字やアルファベットを含む所定の記号が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7について詳細には、右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7,左第1表示用セグメントNb1~左第7表示用セグメントNb7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7,左第1表示用セグメントNb1~左第7表示用セグメントNb7は、数字の「0」~「9」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、右第8表示用セグメントNa8は、円形状の表示用セグメントであり、右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、払出枚数表示部62は、「00」~「99」や「AA」~「ZZ」と、「00.」~「99.」や「AA.」~「ZZ.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。数字とアルファベットの組み合わせからなる二けたの記号も表示可能としてもよい。
なお、払出枚数表示部62において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7の形状や配置態様は任意である。また、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7は、上記のように2桁の数字を表示することによって払出枚数を表示するとともに、押し順役の操作順序の報知に用いられる。例えば、図873(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、右第6表示用セグメントNa6及び右第7表示用セグメントNa7と、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2及び左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7とが点灯表示されて「01」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、右第1表示用セグメントNa1~右第3表示用セグメントNa3、右第5表示用セグメントNa5及び右第6表示用セグメントNa6と、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2及び左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7とが点灯表示されて「05」が表示される。つまり、各表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
右第8表示用セグメントNa8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、右第8表示用セグメントNa8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としても機能する右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7、左第1表示用セグメントNb1~左第7表示用セグメントNb7、及び区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を有する払出枚数表示部62は、遊技パネル25に配置されている。つまり、指示モニタとして機能する払出枚数表示部62は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、右第8表示用セグメントNa8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62にて押し順表示器や区間表示器としての表示が行われるようにしていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、払出枚数表示部62において特に右第8表示用セグメントNa8は、周囲の表示部(例えば遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、右第8表示用セグメントNa8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、右第8表示用セグメントNa8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、右第8表示用セグメントNa8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、右第8表示用セグメントNa8の視認性が向上されており、当該右第8表示用セグメントNa8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図874を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図874(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図874(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図874(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、補助表示部65による押し順報知演出は、スタートレバー41の操作とともに実行されるように設定されており、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてからストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行されるため、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。これに対して、払出枚数表示部62による押し順報知は、スタートレバー41が操作されてから各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから実行されるように設定されており、スタートレバー41の操作タイミングがウェイト期間の経過前である場合には、補助表示部65による押し順報知演出よりも後で払出枚数表示部62による押し順報知が開始される場合があるように設定されている。
ここで、本スロットマシン10では、通常リプA~Cについてもストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞する再遊技が異なるように設定されており、例えば、ATモードの開始時やATモード中の上乗せ演出を実行する場合に操作順序を指示することによって、第1再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させる場合があるように設定されている。但し、通常リプA~C当選時にいずれの再遊技入賞が成立しても遊技者に付与される特典は同じ再遊技である。そのため、これら通常リプA~Cのように操作順序によって入賞する結果が異なるように設定されているものであって、いずれの結果が入賞しても遊技者に付与される特典が同じである場合、補助表示部65での押し順報知演出にて操作順序を報知するものの、払出枚数表示部62による押し順報知は行われないようにしている。このようにすることで、主制御装置101側で押し順報知を行うことの機会を極力少なくすることが可能となり、ゲームの抽選や特典付与を管理する主制御装置101の処理負荷を軽減し、ゲーム進行に際しての処理負荷の増大化やエラーの発生等による不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
そこで、上記のように補助表示部65による押し順報知演出よりも後で払出枚数表示部62による押し順報知が開始される場合があるように設定し、補助表示部65による押し順報知演出と払出枚数表示部62による押し順報知とが同時に開始されないようにすることで、例えば、通常リプA~C当選に補助表示部65により押し順報知演出を行う場合に、払出枚数表示部62にて押し順報知が行われていないことを通じて押し順ベル当選ではなく通常リプA~C当選であることが遊技者に見抜かれてしまうことを回避することが可能となる。
ステップSj710~ステップSj715における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップSj710では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。押し順ベル当選である場合、ステップSj711にて、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされている場合、ステップSj712にて今回の押し順ベルの種類を把握する処理を実行する。具体的には、押し順ベルのうち、順押しベル1,2、挟み押しベル1,2、中順押しベル1,2、中逆押しベル1,2、逆挟みベル1,2及び逆押しベル1,2のいずれであるかを判定する。そして、ステップSj713にて、ステップSj712にて把握した結果に基づいて、第1小役入賞~第6小役入賞となるストップスイッチ42~44の操作順序を把握する処理を実行する。
ステップSj713の処理を実行した後は、ステップSj714にて、ステップSj713にて把握した操作順序に対応する押し順第1情報を、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに記憶する処理を実行する。より詳しくは、順押しベル1,2である場合には順押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順1Aにセットし、挟み押しベル1,2である場合には挟み押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順2Aにセットし、中順押しベル1,2である場合には中順押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順3Aにセットし、中逆押しベル1,2である場合には中逆押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順4Aにセットし、逆挟みベル1,2である場合には逆挟み用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順5Aにセットし、逆押しベル1,2である場合には逆押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順6Aにセットする。
その後、ステップSj715にて、ステップSj714にて設定した押し順第1情報に対応する押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。具体的には、押し順第1情報として順押し用フラグをセットした場合には順押し用コマンドをセットし、押し順第1情報として挟み押し用フラグをセットした場合には挟み押し用コマンドをセットし、押し順第1情報として中順押し用フラグをセットした場合には中順押し用コマンドをセットし、押し順第1情報として中逆押し用フラグをセットした場合には中逆押し用コマンドをセットし、押し順第1情報として逆挟み押し用フラグをセットした場合には逆挟み押し用コマンドをセットし、押し順第1情報として逆押し用フラグをセットした場合には逆押し用コマンドをセットする。これらの押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、順押し操作~逆押し操作に対応する押し順報知演出(第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出)が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
このように、本実施形態では、操作態様役のうちの押し順ベルに当選したゲームがATモード中であれば、操作順序の情報を含む押し順報知コマンドが表示制御装置81へ出力されて、補助表示部65による押し順報知演出が行われる。その一方で、押し順ベルに当選したゲームがATモード中ではなければ、第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることを可能とする操作順序の情報を含む押し順報知コマンドも表示制御装置81に出力されないため、補助表示部65による押し順報知演出が行われない。
更に、本実施形態においては、抽選処理(図858)におけるステップSj411の抽選結果コマンド処理では、押し順ベルに当選しているゲームでは押し順ベルのうちのいずれの結果(IV11~22)に当選しているかの情報が表示制御装置81へ出力されないようにしている。
具体的には、図875(a)のフローチャートに示すように、ステップSj1301にて、今回のゲームがインデックス値IV=11~22にて当選となり、いずれかの押し順ベルに当選しているか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合、ステップSj1302にて、各当選結果に対応する抽選結果コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果コマンド設定処理を終了する。すなわち、ステップSj1302では、例えば、インデックス値IV=1にて当選となった場合、通常リプAを示す抽選結果コマンドをセットし、インデックス値I=8にて当選となった場合、チェリーAを示す抽選結果コマンドをセットし、インデックス値IV=27にて当選となった場合、特殊役を示す抽選結果コマンドをセットする。
これに対して、ステップSj1301にていずれかの押し順ベルに当選していると判定した場合、ステップSj1303にて押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果コマンド設定処理を終了する。当該押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドは、押し順ベルのいずれかに当選していることの情報を含むものの、いずれの押し順ベルに当選しているかの情報、すなわち、例えば、順押しベル1に当選していることの情報(IV=11にて当選となったことの情報)や、中逆押しベル2に当選していることの情報(IV=18にて当選となったことの情報)等の情報を含まないように設定されている。
つまり、図875(b)にも示すように、本実施形態では、押し順ベルに当選していることの情報は、ATモード中か否かに関わらず、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドとして表示制御装置81へ出力される。そして、ATモード中においては、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する上記の押し順報知コマンドが合わせて出力されることにより、表示制御装置81にて押し順報知演出が実行可能となる。これに対して、ATモード中ではない場合、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する上記の押し順報知コマンドは表示制御装置81出力されないし、上記の通り、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドしか出力されないため、表示制御装置81側では、ATモードではないのにもかかわらず、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能なストップスイッチ42~44の操作順序を把握することができない。このようにすることで、主制御装置101から表示制御装置81へ出力されるコマンドや表示制御装置81を不正に解析するなどして、ATモードではないのにもかかわらずATモードの恩恵(押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能となる恩恵)を享受しようとする不正行為等を行わせないようにすることができる。
上記のように、表示制御装置81側では、スタートレバー41の操作に基づいて主制御装置101から出力される押し順ベルグループコマンドと操作順序の情報を含む押し順報知コマンドとを受信し、これらコマンドに基づいて補助表示部65による押し順報知演出を実行する。これに対して、主制御装置101側では、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される場合に押し順報知を実行する。この主制御装置101側の処理については後に詳細に説明する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSj516にて実施される入賞結果対応処理について、図876のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSj1401にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSj1402にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSj1403にてベット数が3であるか否かを判定する。すなわち、ステップSj1401~ステップSj1403の処理は、上記ステップSj701~ステップSj703の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップSj1404以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップSj1402又はステップSj1403にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップSj1404に進む。ステップSj1404では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した後、未だこれらの移行抽選に当選したことの報知が行われていない状況であることを意味する。この場合、ステップSj1405にて、前兆モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップSj1404にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップSj1406にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップSj1407にてCZモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップSj1406にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップSj1408にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップSj1409にてATモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップSj1408にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆モード用処理、CZモード用処理、ATモード用処理について、それぞれ説明する。
<前兆モード用処理>
前兆モード用処理では、図877に示すように、ステップSj1501にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSj1502にて前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となっている場合には、ステップSj1503にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSj1504では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップSj1505に進む。ステップSj1505では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSj1506にてCZモードフラグをセットし、ステップSj1507にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップSj1508にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSj1504にてATモード当選フラグがセットされており、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップSj1509にて、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSj1510にて、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグをセットする処理を実行する。続くステップSj1511では、継続率設定処理を実行する。上記の通り、本実施形態におけるATモードは押し順報知によって所定数のメダル払出が行われることを1セットとするセット管理型のATモードであり、残りセット数が存在しない状況(ATセットカウンタが0である状況)でセットの継続抽選に非当選となるまでATモードが継続する構成としており、ステップSj1511の継続率設定処理は継続抽選の当選確率(継続率)を設定する処理である。
本実施形態では、図878に示すように、当選確率設定処理にて設定される設定値に応じて、複数設けられた継続率(90%、60%、10%)の選択率が異なるように設定されており、ステップSj1511では、当該設定値に基づいて、いずれの継続率を選択するかを抽選により決定する。具体的には、基本的には設定値が高いほど(出玉率が高くなる設定値ほど)高い継続率が選択され易くなるように設定されており、例えば、60%の継続率は設定1では30%の確率で選択されるのに対して、設定6では70%の確率で選択される。但し、90%の継続率は奇数設定の方が偶数設定よりも選択され易くなっており、最も選択され易い設定値は設定5である。そして、90%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに90%フラグをセットし、60%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに60%フラグをセットし、10%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに10%フラグをセットする。これら各継続率を示す情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)は、今回移行するATモードが終了する際にクリアされるフラグである。つまり、一旦、ATモードの継続率が設定された場合には、当該ATモードが終了するまで、その継続率にて各セットの継続抽選が行われる構成としている。なお、継続率設定処理でも、当該継続率の抽選用の乱数を取得して、取得した乱数と設定値に基づいて継続率抽選を行う。
ステップSj1511にて継続率設定処理を実行した後は、ステップSj1512にて各種カウンタエリア106eに設けられたAT払出カウンタに100を入力する処理を実行する。AT払出カウンタはATモードの1セットが終了するまでのメダル払出数をCPU102が把握するためのカウンタであり、押し順報知が実行されたゲームでメダル払い出しが行われた場合に、その枚数に対応する数が減算されるカウンタである。そして、AT払出カウンタが0となった場合(0以下となった場合)に継続条件が成立していれば、再度AT払出カウンタに所定数である100が入力され、AT払出カウンタが0となった場合(0以下となった場合)に継続条件が成立していなければ、ATモードが終了することになる。
その後、ステップSj1513にて、AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、前兆モード用処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが開始されることに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
<CZモード用処理>
CZモード用処理では、図879のフローチャートに示すように、ステップSj1601にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSj1602では、ステップSj1601の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSj1603にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSj1604にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップSj1603にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
<ATモード用処理>
ATモード用処理では、図880のフローチャートに示すように、ステップSj1701にて今回のゲームで第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立しているかを判定する。これら第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立している場合、ステップSj1702にて対応する操作順序の押し順第1情報がRAM106にセットされているか否かを判定する。上記の通り、押し順第1情報は、抽選結果対応処理において、ATモード中に押し順ベル当選となった場合にセットされるものであり、かかる押し順第1情報に基づいて、補助表示部65による押し順報知演出が実行されている。
ステップSj1701及びステップSj1702にて肯定判定した場合、ステップSj1703にて今回のメダル払出数をAT払出カウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSj1704にて、AT払出カウンタが0となったか(0以下となったか)否かを判定する。AT払出カウンタが0となり、ATモードにおけるセットの終了条件が成立した場合、ステップSj1705~ステップSj1712にてセット継続・終了用の処理を実行する。一方、ステップSj1701にて第1小役入賞~第6小役入賞が成立しておらず、例えば他の小役入賞が成立していたり、再遊技入賞が成立していたり、いずれの結果入賞も成立していない場合や、ステップSj1702にて第1小役入賞~第6小役入賞が成立していても押し順第1情報がセットされていない場合、また、ステップSj1704にてAT払出カウンタが0となっていない場合には、ATモードにおけるセットの終了条件が成立していないとして、そのまま本ATモード用処理を終了する。
すなわち、本実施形態においては、押し順報知を伴う第1小役入賞~第6小役入賞によるメダル払出数が所定数(100)となった場合に1セットの終了条件が成立するように設定されており、例えば、他の小役によるメダル払出数はセットの終了条件に寄与しないし、押し順報知を伴わずにたまたま第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合のメダル払出数もセットの終了条件に寄与しないようにしている。このようにすることで、ATモードの終了条件の一つとしてメダル払出数を規定する構成としてメダル払出数を一定化することによる出玉管理の容易化を図りながらも、他の小役当選(小役入賞)等によって終了条件の成立時における総メダル払出数が若干は変化し得るようになり、各ゲームの抽選結果への期待感を向上させることが可能となる。
ステップSj1704にてAT払出カウンタが0となっている場合には、ステップSj1705にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされており、継続条件が成立している場合、次のセットに移行させるための処理(ステップSj1706~ステップSj1708)を実行する。これに対して、ステップSj1705にて継続フラグがセットされていない場合には、ATモードを終了させるための処理(ステップSj1709~ステップSj1712)を実行する。
ステップSj1705にて継続条件が成立している場合、ステップSj1706にて継続フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSj1707にてAT払出カウンタに100を入力する処理を実行し、ステップSj1708にてセット更新コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。セット更新コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードのセットの移行が行われたことに対応させて補助表示部65やスピーカ64の演出を更新するための処理を実行する。
一方、ステップSj1705にて継続条件が成立していない場合、ステップSj1709にてATモードフラグをクリアし、ステップSj1710にて継続率の情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)をクリアする処理を実行する。そして、ステップSj1711にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSj1712にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して、有利区間を終了させるためのフラグである。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが終了したことに対応する演出を行うように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図881を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図858)におけるステップSj414にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSj1801では、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8が表示中であるか否か、より詳しくは、右第8表示用セグメントNa8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、右第8表示用セグメントNa8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSj1801にて否定判定し、右第8表示用セグメントNa8を消灯中であると判定した場合、ステップSj1802に進む。
ステップSj1802では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSj1803にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSj1804にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSj1805では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSj1806にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。なお、天井カウンタの抽選においても、当該抽選用の乱数を取得して、設定値やゲームの抽選結果等を利用して天井ゲーム数(天井カウンタ)を抽選により決定する。
区間表示第1処理において、ステップSj1806にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップSj1807にて、右第8表示用セグメントNa8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSj1801にて区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を表示中であると判定した場合、ステップSj1808にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSj1808について具体的には、右第8表示用セグメントNa8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSj1802にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSj1807にて表示開始処理を実行した後、又はステップSj1808の表示継続処理を実行した後は、ステップSj1809にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップSj1809にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップSj1810にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップSj1809にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップSj1811にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSj1810又はステップSj1811の処理を実行した後は、ステップSj1812にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSj1813にて、ステップSj1812の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図842に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77A、第2表示部77B、第3表示部77C、第4表示部77D、第5表示部77Eを有している。第1表示部77A~第5表示部77Eにおける表示用セグメントは、払出枚数表示部62の表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSj1813では、ステップSj1812の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77A~77Eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSj1813の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSj1812の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77Aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77Aを有さないようにしたり、第1表示部77Aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77Aと第2表示部77Bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図882のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSj517にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSj1901では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSj1902にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップSj1903では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSj1903のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSj1903のMY更新処理を実行した後は、ステップSj1904にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSj1905にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップSj1906にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSj1907にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSj1908では、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSj1909にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSj1909の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSj1906にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSj1910に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップSj1907に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図883のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップSj2001にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSj2002にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSj2001にて否定判定した場合、又はステップSj2002の処理を実行した後は、ステップSj2003にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSj306にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップSj2004にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSj2003にて否定判定した場合、又はステップSj2004の処理を実行した後は、ステップSj2005にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSj411にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図866)等にてセットされる前兆コマンド、継続コマンド、セット上乗せコマンド及び押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップSj2006にて開始時演出設定処理を実行する。
開始時演出設定処理では、開始時コマンドに基づいて、前兆モードやCZモード、ATモード等へ移行する場合の演出設定を行ったり、今回開始するゲームで実行する演出(例えば上乗せ報知演出等)を設定するための処理を実行する。
また、開始時演出設定処理では、主制御装置101から受信する抽選結果コマンドと各種押し順報知コマンドとに基づいて、押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定するための処理を行う。具体的には、押し順ベルグループコマンドと順押し用コマンドとを受信している場合には順押し用の押し順報知演出が行われるように設定し、押し順ベルグループコマンドと挟み押し用コマンドとを受信している場合には挟み押し用の押し順報知演出が行われるように設定し、押し順ベルグループコマンドと中順押し用コマンドとを受信している場合には中順押し用の押し順報知演出が行われるように設定し、押し順ベルグループコマンドと中逆押し用コマンドとを受信している場合には中逆押し用の押し順報知演出が行われるように設定し、押し順ベルグループコマンドと逆挟み押し用コマンドとを受信している場合には逆挟み押し用の押し順報知演出が行われるように設定し、押し順ベルグループコマンドと逆押し用コマンドとを受信している場合には逆押し用の押し順報知演出が行われるように設定する。
上記のように、これらの押し順報知演出は、スタートレバー41の操作に基づき実行される演出である。この場合、スタートレバー41の操作後であってウェイト期間の経過後に各リール32L,32M,32Rの回転が開始される場合であっても、上記押し順報知演出は各リール32L,32M,32Rの回転開始前であってスタートレバー41の操作時に開始されることになる。
ステップSj2005にて否定判定した場合、又はステップSj2006の処理を実行した後は、ステップSj2007にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図861)のステップSj506にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップSj2008にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSj2007にて否定判定した場合、又はステップSj2008の処理を実行した後は、ステップSj2009にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図861)のステップSj520にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図863)や入賞結果対応処理(図876)等にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップSj2010にて全停止時演出設定処理を実行する。
全停止時演出設定処理では、全停止時コマンドに基づいて、前兆モードやCZモード、ATモード等を終了させる場合の演出設定を行ったり、次ゲームからこれらのモード移行が生じる場合の演出設定を行ったり、ゲームの終了に際して実行する演出を設定するための処理を実行する。
ステップSj2009にて否定判定した場合、又はステップSj2010の処理を実行した後は、ステップSj2011にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSj2011では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSj2011では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
<主制御装置101側の押し順報知を行うための処理>
次に、主制御装置101側で押し順報知を行うための処理について説明する。既に説明した通り、表示制御装置81側の押し順報知演出は、抽選結果対応処理にて設定される押し順第1情報に基づいて実行され、より詳しくは、押し順第1情報に基づいて出力される押し順報知コマンドに含まれる操作順序の情報に基づいて実行される。
ここで、各ゲームの抽選結果として押し順ベルは比較的当選し易い結果として設定されていることから、ATモード中においては、比較的高頻度で押し順報知が実行されるところ、当該押し順報知用の情報がゲームを跨いで蓄積されていく構成であると、当該押し順報知用の情報により記憶容量が圧迫されることが懸念される。また、仮に、ATモード中に遊技ホールの閉店を迎えた場合、次の日にゲームを開始する際に押し順報知用の情報が残存しているか否かによって、設定値の変更の有無が見抜かれてしまう可能性もある。そこで、本スロットマシン10では、押し順報知用の情報を毎ゲーム消去する構成とし、記憶容量の削減や当該情報が残存することによる不都合を生じさせないようにしている。
但し、押し順報知用の情報を毎ゲームクリアするようにするうえで、当該クリア処理を新たに設けると、その処理自体によってスロットマシン10の記憶容量を圧迫する恐れがある。そこで、本実施形態では、押し順報知用の情報を毎ゲームクリアするようにするうえで、記憶容量を削減するための工夫が施されている。
また、既に説明した通り、本スロットマシン10では、主制御装置101側の押し順報知は、各ゲームの遊技結果として払い出されるメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62にて実行するようにしている。そのため、本実施形態では、押し順報知と払出枚数の表示とを共通する表示部にて実行するうえで、処理の実行タイミングの工夫が施されている。
<回転開始処理>
先ず、主制御装置101側の押し順報知を実行するための構成として、回転開始処理について、図884のフローチャートを参照しながら説明する。回転開始処理は、リール制御処理(図861)におけるステップSj502にて実行される処理であり、スタートレバー41が操作された後、ウェイト期間の経過に基づいて各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるための処理である。
ステップSj2101では、前回のゲームにて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてからのウェイト期間(4.1sec)が経過したか否かを判定する。ウェイト経過していない場合には、ウェイト期間が経過するまで待機し、ウェイト期間が経過することでステップSj2101にて肯定判定し、ステップSj2102に進む。
ステップSj2102では、上記の押し順第1情報としての順押し用フラグ、挟み押し用フラグ、中順押し用フラグ、中逆押し用フラグ、逆挟み用フラグ、逆押し用フラグのいずれかのフラグが各種フラグ格納エリア106dにセットされているか否かを判定する。セットされている場合、ステップSj2103にて、押し順第1情報に基づいて各種カウンタエリア106eに設けられた押し順用カウンタに押し順第2情報を設定する処理を実行する。押し順用カウンタは、払出枚数表示部62にて押し順報知を行うための情報であり、CPU102は、押し順用カウンタに入力されている値が払出枚数表示部62にて表示されるようにして押し順報知を実行する。
具体的には、ステップSj2103では、押し順第1情報として順押し用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「01」を入力し、押し順第1情報として挟み押し用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「02」を入力し、押し順第1情報として中順押し用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「03」を入力し、押し順第1情報として中逆押し用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「04」を入力し、押し順第1情報として逆挟み用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「05」を入力し、押し順第1情報として逆押し用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「06」を入力する。
ステップSj2102にて押し順第1情報がセットされていないと判定した場合や、ステップSj2103にて押し順第2情報の設定を行った後は、ステップSj2104にて開始駆動制御用処理を実行してから、本回転開始処理を終了する。開始駆動制御用処理では、先ず、ウェイト表示部35を消灯状態とするとともに、次回の遊技のためのウェイト時間を再設定し、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。モータ制御初期化処理を実行することにより、タイマ割込み処理(図855)におけるステップSj106のステッピングモータ制御処理にて、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるようになる。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、定速回転となった場合には、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力してから、本回転開始処理を終了する。表示制御装置81では、定速回転となったことに基づいて、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
この場合、各リール32L,32M,32Rの回転開始とともに、押し順用カウンタに入力された値が払出枚数表示部62にて表示されることにより、今回のゲームの操作順序が報知されることになる(図873(b))。
ここで、図885に示すように、上記の押し順第1情報はRAM106における各種フラグ格納エリア106aの所定領域としての押し順1A~押し順6Aに記憶され、押し順第2情報はRAM106における各種カウンタエリア106eの所定領域としての押し順用カウンタに記憶される。そして、これら押し順1A~押し順6Aの各フラグや、押し順用カウンタの情報は、上記のように毎ゲームクリアされることとなる。
<払出判定処理>
次に、本実施形態における払出判定処理について、図886のフローチャートを参照しながら説明する。払出判定処理はリール制御処理(図861)におけるステップSj514にて実行される処理であり、全リール32L,32M,32Rの回転が停止した後で実行される処理である。
ステップSj2201では、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSj2202にて各リール32L,32M,32Rの有効位置に停止している図柄(図柄番号)を把握する処理を実行し、ステップSj2203にて、停止している図柄の組み合わせと今回のゲームの抽選結果に対応する図柄の組み合わせとの比較処理を実行する。なお、抽選処理(図858)における停止情報設定処理(ステップSj412)では、今回のゲームの抽選結果に基づいて、当該抽選結果の入賞となる図柄の組み合わせを各リール32L,32M,32Rの停止情報として設定する他、入賞とならない図柄の組み合わせも各リール32L,32M,32Rの停止情報として設定する。ステップSj2203の比較処理では、これら入賞となる図柄の組み合わせだけではなく、入賞とならない図柄の組み合わせも含めて、今回のゲームの抽選結果に対応するものであるか否かの比較を行う。
そして、続くステップSj2204にて、ステップSj2203の比較処理の結果が不整合であり、停止している図柄の組み合わせと今回のゲームの抽選結果に対応しない図柄の組合せであるか否かの判定を行う。ステップSj2204にて肯定判定し、停止する予定ではない図柄が有効位置に停止している場合、ステップSj2205にて停止エラーフラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする処理を実行してから、本払出判定処理を終了する。停止エラーフラグがセットされた場合、エラー対応処理として、エラー報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われ、また、遊技進行の停止処理が行われる。
ステップSj2204にて不整合ではないと判定した場合、ステップSj2206に進む。ステップSj2206では、停止している図柄の組み合わせが今回にゲームの抽選結果の入賞に対応するものであるか否かを判定する。入賞に対応するものではない場合には、そのまま本払出判定処理を終了する。
入賞に対応するものである場合、ステップSj2207にて今回の入賞がいずれかの再遊技入賞であるか否かを判定する。再遊技入賞である場合、ステップSj2208にて再遊技状態に設定してから本払出判定処理を終了する。再遊技状態に設定することにより、次ゲームの開始待ち処理(ステップSj304)にて、今回の再遊技入賞の契機となったゲームのベット数と同数のベットが行われるように自動ベット処理が行われることになる。
再遊技入賞ではないと判定した場合、ステップSj2209にて今回の入賞がいずれかの小役入賞であるか否かを判定する。再遊技入賞でもなく小役入賞でもない場合とは、BB入賞であることを意味し、この場合、そのまま払出判定処理を終了し、本払出判定処理に続けて実行されるボーナス状態処理(ステップSj515)にて、BB入賞時の処理を実行する。
ステップSj2209にていずれかの小役入賞であると判定した場合、ステップSj2210にて小役入賞に伴う払出枚数を把握する処理を実行する。そして、ステップSj2211にて押し順第2情報としての押し順用カウンタを初期値である「00」にクリアする処理を実行してから、ステップSj2212~ステップSj2213にて払出枚数に対応する値が各種カウンタエリア106eに設けられた払出第1カウンタに入力されるようにする処理を実行してから、本払出判定処理を終了する。
具体的には、ステップSj2212にてタイマ割込み処理の割込み待ち処理を実施する。すなわち、ステップSj2211の処理を実行した後、タイマ割込み処理が1回起動されることで次のステップSj2213に進む。ステップSj2213では、ステップSj2210にて把握した払出枚数に対応する数値情報を払出第1カウンタに入力してから、払出判定処理を終了する。
<メダル払出処理>
次に、通常処理(図857)におけるステップSj312にて実行されるメダル払出処理について、図887のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップSj2301にて上記の払出第1カウンタが0であるか否かを判定する。0よりも大きい場合には、ステップSj2302にて各種カウンタエリア106eに設けられたクレジットカウンタが上限値である50となっているか否かを判定する。上限値ではない場合には、ステップSj2303にてクレジットカウンタを1加算する処理を実行し、上限値である場合には、ステップSj2304にて払出装置53から1枚のメダルの払い出しが行われるように払出装置53を制御するための払出駆動処理を実行する。クレジットカウンタはクレジット枚数をCPU102がカウントするためのカウンタである。払出駆動処理については、後に詳細に説明する。
ステップSj2303又はステップSj2304の処理を実行した後は、ステップSj2305にて払出第1カウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSj2306では、各種カウンタエリア106eに設けられた払出第2カウンタを1加算する処理を実行する。払出第2カウンタは、払出枚数表示部62に払出枚数を表示させるためのカウンタである。ステップSj2306の処理を実行した後は、ステップSj2307にて、タイマ割込み処理の割込み待ち処理を実行する。かかる処理は、上記ステップSj2212の処理と同様である。ステップSj2307にてタイマ割込み処理が1回起動された場合、ステップSj2301に戻り、払出第1カウンタが0となるまでステップSj2301~ステップSj2307の処理を繰り返す。
ステップSj2301にて、払出第1カウンタが0となり、入賞に基づく払出が完了した場合、ステップSj2308にてRAM106のエラー報知用エリア106gに設けられた第2エラーカウンタのアクセス制限(エラー報知用エリア106gへのアクセス制限)を解除する処理を実行してから、本メダル払出処理を終了する。第2エラーカウンタについては、後に詳細に説明する。
<セグメントデータ設定処理>
上記のように、払出枚数表示部62にてメダル払出枚数と押し順報知とを行ううえで、払出枚数表示部62を含む各種表示部を更新するための処理として、セグメントデータ設定処理について、図888のフローチャートを参照しながら説明する。セグメントデータ設定処理は、タイマ割込み処理(図856)のステップSj111にて実行される処理である。タイマ割込み処理は、通常処理とは並行して実行される処理であり、通常処理の終了を待たずにセグメントデータ設定処理が起動される。
ステップSj2401では、上記のクレジットカウンタの値を把握する処理を実行し、続くステップSj2402にて、クレジット表示部60の表示がクレジットカウンタの値を示す表示となるようにクレジット表示部60用のデータを更新する処理を実行する。この場合、当該セグメントデータ設定処理に続いて起動されるセグメントデータ表示処理(ステップSj112)では、ステップSj2402にて更新されたデータの表示となるようにクレジット表示部60のセグメント制御を行う。
ステップSj2403では、BBカウンタの値を把握する処理を実行し、続くステップSj2404にて残払出枚数表示部61の表示をBBカウンタの値を示す表示となるように残払出枚数表示部61用のデータを更新する処理を実行する。この場合、当該セグメントデータ設定処理に続いて起動されるセグメントデータ表示処理(ステップSj112)では、ステップSj2404にて更新されたデータの表示となるように残払出枚数表示部61のセグメント制御を行う。
続くステップSj2405では、第2エラーカウンタにアクセス(エラー報知用エリア106gへのアクセス)が可能な状態か否かを判定する。第2エラーカウンタについては上記のように、後に説明するとして、ここでは、第2エラーカウンタへのアクセスが不可である場合(ステップSj2405:NO)について説明する。すなわち、ステップSj2405にて否定判定した場合、ステップSj2406に進み、払出第2カウンタが0であるか否かを判定する。払出第2カウンタが0よりも大きい場合、ステップSj2407にて払出第2カウンタの値を把握する処理を実行し、ステップSj2408にて払出枚数表示部62の表示を払出カウンタの値を示す表示となるように払出枚数表示部62用のデータを更新する処理を実行してから、本セグメントデータ設定処理を終了する。一方、払出第2カウンタが0である場合、ステップSj2409にて押し順第2情報としての押し順用カウンタの値を把握する処理を実行し、ステップSj2408にて払出枚数表示部62の表示を押し順用カウンタの値を示す表示となるように払出枚数表示部62用のデータを更新する処理を実行してから、本セグメントデータ設定処理を終了する。この場合、当該セグメントデータ設定処理に続いて起動されるセグメントデータ表示処理(ステップSj112)では、ステップSj2408にて更新されたデータの表示となるように払出枚数表示部62のセグメント制御を行う。
つまり、小役入賞に伴いメダル払出が行われる場合、本実施形態では、払出第2カウンタが0から1ずつカウントアップされ、払出第1カウンタは1ずつカウントダウンされ、実際に1枚のメダル払出が行われる度に払出枚数表示部62の払出枚数の表示は1ずつカウントアップされる。このようにすることで、メダル払出の枚数が多いほどカウントアップやカウントダウンに伴う表示の更新回数が多くなるし、更新期間も長くなり、払出枚数と更新回数乃至更新期間が関連付けられるため、遊技者が払出枚数を直感的に把握することができるようになる。
しかも、払出枚数の表示を行う払出枚数表示部62にて押し順報知も行う構成とし、当該押し順報知から払出枚数の表示に切り替える際には、押し順用カウンタを「00」にクリアする構成としている。このようにすることで、払出枚数表示部62にて表示されていた操作順序を示す数値が、一旦、いずれの操作順序にも対応しない「00」となってから払出枚数を示すカウントアップに移行するようになり、押し順報知と払出枚数の表示との間に「00」の表示が介在するようになる。具体的には、例えば、逆押し用の押し順報知が行われ、払出枚数表示部62にて「06」と表示されている状況で第6小役入賞が成立した場合に、「06」から「01」→「02」、、、「13」として払出枚数のカウントアップが行われるのではなく、「06」の表示が「00」に更新されてから、「01」→「02」、、、「13」として払出枚数のカウントアップが行われる。よって、押し順報知の表示と払出枚数の表示とを共通の表示部にて行うことで構成の簡素化を図りながらも、両表示の区切りが存在するようになり、いずれの報知が行われているかを遊技者が把握し易くすることが可能となる。
特に、押し順用カウンタを「00」にクリアした後、タイマ割込み処理の割込み待ちを行い、払出第2カウンタのカウントアップよりも前に、セグメントデータ設定処理が確実に起動されるようにしていることから、通常処理とタイマ割込み処理といった並行して実行される処理にて払出枚数表示部62の表示を管理するうえで、より確実に払出枚数表示部62が「00」として表示される状況が存在するようにすることが可能となる。
<RAMクリア処理>
通常処理(図855)におけるステップSj303にて実行されるRAMクリア処理について説明する。毎ゲームRAMクリア処理は、前ゲームが終了した後であって、前ゲームの再遊技入賞に伴い自動ベット処理が行われる再遊技状態に設定されるよりも前であり、ベット操作が可能となる受入可能状態となるよりも前であり、更にスタートレバー41による開始操作が可能となる開始可能状態となるよりも前に実行される処理である。なお、再遊技状態やベット操作が可能となる受入可能状態や開始操作が可能となる開始可能状態は、ステップSj304の開始待ち処理にて設定され、再遊技状態となると再遊技状態表示部76aが点灯状態とされ、受入可能状態となると受入可能状態表示部76cが点灯状態とされ、開始可能状態となると開始可能状態表示部76bが点灯状態とされる。つまり、毎ゲームRAMクリア処理は、これら各状態表示部76a~76cが点灯状態とされるよりも前に実行される処理である。
ステップSj303のRAMクリア処理では、RAM106に記憶されているRAMクリアの対象となる各種情報を初期値としてクリアする。RAMクリアの対象となる各種情報としては、各ゲームの抽選結果に対応する当選フラグが格納される当選フラグ格納エリア106aや、図柄停止情報が格納される停止情報格納エリア106bの他、各種フラグ格納エリア106dのうちの毎ゲームクリアされるフラグとして、上記の押し順第1情報としての各押し順フラグ(順押し用フラグ、挟み押し用フラグ、中順押し用フラグ、中逆押し用フラグ、逆挟み用フラグ、逆押し用フラグ)や、各種カウンタエリア106eのうちの毎ゲームクリアされるカウンタとして、例えば、上記の払出枚数を示す払出第1カウンタや払出第2カウンタ、ベット数を示すベットカウンタの他に、上記の押し順第2情報としての押し順用カウンタが設定されている。つまり、これらの情報は、毎ゲーム初期値にクリアされ、次ゲームに持ち越されることがない。また、当該RAMクリア処理において、各ゲームの抽選結果に対応する当選フラグや図柄停止情報をクリアする際に、押し順第1情報や押し順第2情報もまとめてクリアする構成としているため、これら押し順第1情報や押し順第2情報をクリアするために別途処理を設ける必要がなく処理構成の簡素化が図られている。
<押し順報知と払出枚数の表示と押し順情報のクリア>
押し順報知及び払出枚数の表示の実行タイミングと押し順情報のクリアタイミングとの関係を、図889を参照しながら説明する。
規定枚数のベットが行われている状況でt1にてスタートレバー41の操作が行われると、抽選処理にて今回のゲームの抽選が行われる。抽選処理に続けて実行される抽選結果対応処理にて、今回のゲームで押し順報知が行われることの決定がなされた場合、抽選結果コマンド(押し順ベルグループコマンド)とともに押し順報知コマンドが主制御装置101から表示制御装置81に出力され、当該t1にて補助表示部65等によるサブ側の押し順報知演出が開始される。
t1のスタートレバー41の操作がウェイト期間の経過前であった場合、当該t1では各リール32L,32M,32Rの回転は開始せず、t1よりも後のt2にてウェイト期間が経過すると各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。この場合、t1では、上記の通り補助表示部65等によるサブ側の押し順報知演出は開始されるものの、払出枚数表示部62による主側の押し順報知は開始されず、当該主側の押し順報知は各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるt2にて実行される。払出枚数表示部62による表示は、t1からt2では「00」が表示されており、t2にて押し順報知が開始されると操作順序に対応する表示内容となる(図では、逆順押しを示す05が表示されている)。
t3にて各リール32L,32M,32Rが停止し、小役入賞(第6小役入賞)が成立していると、払出枚数表示部62の表示は、押し順報知から払出枚数の表示に切り替わる。この場合、先ず、押し順第2情報としての押し順用カウンタが初期値である「00」にクリアされてから、払出枚数のカウントアップが行われることから、当該t3の切り替わりタイミングよりも前に起動されるタイマ割込み処理中のセグメントデータ設定処理にて更新される払出枚数表示部62の表示は、押し順第2情報(押し順用カウンタ)に対応するものであり、t3の切り替わりタイミングよりも後に起動されるタイマ割込み処理中のセグメントデータ設定処理にて更新される払出枚数表示部62の表示は、払出第2カウンタに対応するものである。
この場合、押し順報知(「01」~「06」)と払出枚数の表示(「01」~「13」)との間に、払出枚数表示部62の表示が「00」となる状態が介在することになることから、遊技者は両表示を区別し易くなり、いずれの表示が行われているかを容易に確認することが可能となる。
しかも、押し順用カウンタを初期値である「00」にクリアした後であって、払出第2カウンタのカウントアップを開始するよりも前にてタイマ割込み処理の割込み待ちを行うようにしていることから、払出第2カウンタがカウントアップされるよりも前に押し順用カウンタの値が「00」となっている状況でセグメントデータ設定処理が実施されることとなり、通常処理とタイマ割込み処理の起動状況によって区切りとなる「00」が存在しない場合がある、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
t3にて払出枚数表示部62の表示内容が払出第2カウンタに相当する表示に切り替わってから、払出枚数のカウントアップが行われる。この場合、払出第2カウンタを1加算する度にタイマ割込み処理の割込み待ちを行うようにしていることから、払出第2カウンタが1加算される度により確実にセグメントデータ設定処理が起動され、払出枚数表示部62の更新をより細かくすることが可能となる。
t4にてメダル払い出しが完了すると、払出第2カウンタは今回の払出枚数に相当する値(「13」)となる。この場合、メダル払い出しの完了とともに、次のゲームの開始前状態に移行し、通常処理におけるRAMクリア処理(ステップSj303)が実施される。上記のように、当該t4の毎ゲームRAMクリア処理にて押し順第1情報や押し順第2情報もまとめてクリアされる。但し、押し順第2情報は、上記のように払出第1カウンタの設定時にクリアされるようにしていることから、既にクリアされた状態で再クリアが行われることになる。
t5にて次ゲームの開始操作としてスタートレバー41が操作され、t6にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される場合、上記t1及びt2の場合と同様に、t5にて押し順第1情報に基づいてサブ側の押し順報知演出が開始され、t6にて押し順第1情報に基づく押し順第2情報の設定が行われて主側の押し順報知が開始される。
例えば、今回のゲームで押し順報知の示す操作順序に従わないストップスイッチ42~44の操作が行われた場合であって、t7にて各リール32L,32M,32Rが停止した際にいずれの小役入賞も成立しなかった場合、払出判定処理においては、入賞無しとしてステップSj2206にて否定判定する。この場合、メダル払出が発生しないことから、払出第1カウンタの設定処理(ステップSj2213)は行われないし、当該払出第1カウンタの設定前の押し順第2情報のクリア処理(ステップSj2211)も実施されない。
但し、t7にて払出判定処理が終了した後は、次ゲームの開始前状態に移行し、上記のRAMクリア処理(ステップSj303)にて、押し順第1情報や押し順第2情報もまとめてクリアされる。そのため、押し順第1情報や押し順第2情報を個別にクリアする処理を設けなくても、毎ゲームのクリア処理に合わせてこれら各押し順情報をクリアすることが可能となり、当該押し順情報を次ゲームに持ち越さないようにするうえで、構成の簡素化を図ることが可能となる。
また、セグメントデータ設定処理において、払出第2カウンタが0である場合には押し順第1情報ではなく押し順第2情報を把握して、その値を払出枚数表示部62に表示させるようにしていることから、スタートレバー41の操作に基づく押し順第1情報の設定時ではなく、各リール32L,32M,32Rの回転開始時から払出枚数表示部62による押し順報知が開始されるようになる。ちなみに、払出第2カウンタが0である場合であって、押し順第2情報の設定前においては、押し順第2情報は初期値の「00」であり、この場合、払出枚数表示部62には「00」が表示されることとなる。なお、この場合、払出枚数表示部62にて表示を行わないようにしてもよい。
<エラーの報知について>
本実施形態では、払出枚数表示部62にてメダル払出枚数の報知(払出枚数表示)や押し順報知の他に、スロットマシン10で発生した特定事象として、例えばエラーの報知が行われる構成としている。そこで、先ず、図890を参照しながら、本実施形態において払出枚数表示部62にて行われるエラー報知(特定報知)の種類とその報知に対応する特定事象としてのエラーの種類とについて説明する。
払出枚数表示部62において、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2、左第4表示用セグメントNb4、左第5表示用セグメントNb5、右第1表示用セグメントNa1~右第5表示用セグメントNa5がそれぞれ点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「CE」と表示される場合、メダル投入口45から投入されたメダルが案内通路84内で滞留していることを示す、投入メダル滞留エラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2、左第4表示用セグメントNb4、左第5表示用セグメントNb5、右第1表示用セグメントNa1~右第4表示用セグメントNa4、右第7表示用セグメントNa7が点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「CP」と表示される場合、案内通路84内においてメダルが逆流したこと等を示す、投入メダル異常通過エラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第2表示用セグメントNb2~左第4表示用セグメントNb4、左第6表示用セグメントNb6、左第7表示用セグメントNb7、右第1表示用セグメントNa1~右第5表示用セグメントNa5がそれぞれ点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「HE」と表示される場合、ホッパ装置51において貯留タンク52内のメダルが空となったことを示す、遊技メダル払出装置エンプティエラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第2表示用セグメントNb2~左第4表示用セグメントNb4、左第6表示用セグメントNb6、左第7表示用セグメントNb7、右第1表示用セグメントNa1~右第4表示用セグメントNa4、右第7表示用セグメントNa7が点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「HP」と表示される場合、払出装置53からのメダル払出通路にてメダルが滞留していることを示す、払出メダル滞留エラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第2表示用セグメントNb2~左第4表示用セグメントNb4、左第6表示用セグメントNb6、左第7表示用セグメントNb7、右第1表示用セグメントNa1~右第4表示用セグメントNa4が点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「HF」と表示される場合、予備タンク54が満タン状態となっていることを示す、補助収納庫満杯エラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第1表示用セグメントNb1~左第5表示用セグメントNb5、右第6表示用セグメントNa6、右第7表示用セグメントNa7がそれぞれ点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「E1」と表示される場合、停電処理が正常に行われなかった場合や当選確率設定処理にて設定される設定値が正常範囲(1~6)内にない場合を示す、RAM異常エラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第1表示用セグメントNb1~左第5表示用セグメントNb5、右第1表示用セグメントNa1、右第3表示用セグメントNa3~右第5表示用セグメントNa5、右第7表示用セグメントNa7がそれぞれ点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「E2」と表示される場合、抽選用乱数が正常に取得できなかったり、取得された乱数が予め定められた範囲内の乱数ではなかったり、乱数作成回路の故障や誤動作が生じていることを示す、乱数異常エラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第2表示用セグメントNb2、左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7、右第1表示用セグメントNa1、右第2表示用セグメントNa2、右第4表示用セグメントNa4、右第5表示用セグメントNa5がそれぞれ点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「UC」と表示される場合、受入可能状態以外で投入メダル検出装置86にてメダルを検出した場合や、案内通路84においてセンサレバー87が退避位置に配置されたのにもかかわらず、その後、投入メダル検出装置86にてメダルを検出できない場合や、センサレバー87が所定期間に亘って退避位置に配置される、投入タイミングエラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第2表示用セグメントNb2、左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7、右第2表示用セグメントNa2~右第4表示用セグメントNa4、右第6表示用セグメントNa6、右第7表示用セグメントNa7がそれぞれ点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「UH」と表示される場合、メダル払出処理の実行中以外で払出メダル検出装置95にてメダルを検出したことを示す、払出タイミングエラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第2表示用セグメントNb2、左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7、右第3表示用セグメントNa3~右第7表示用セグメントNa7がそれぞれ点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「Ud」と表示される場合、上記の投入タイミングエラーと払出タイミングエラーとが重複していることを示す、投入払出タイミングエラーが発生していることを意味する。
以下、それぞれのエラーの発生を検出するための構成とそのエラーの発生を報知するための構成とについて説明する。
<投入メダル滞留エラー、投入メダル通過異常エラー、投入タイミングエラー>
先ず、メダル投入口45から案内通路84で発生するエラーである投入メダル滞留エラー、投入メダル通過異常エラー、投入タイミングエラーについて説明する。これらのエラーは、通常処理における開始待ち処理(ステップSj304)や、タイマ割込み処理におけるセンサ監視処理(ステップSj107)にてそのエラーの発生が検出される。図891は、開始待ち処理を示すフローチャートである。
<開始待ち処理>
開始待ち処理では、先ず、ステップSj2501にて、再遊技状態用処理を実行する。再遊技状態用処理は、上記の払出判定処理において再遊技状態に設定されている場合に、当該再遊技状態の設定の契機となったゲームのベット数と同数のベット数が行われるように自動ベット処理を行う。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。そして、自動投入処理に際して、BET表示部75及びベット表示部34を今回のベット数に応じて点灯状態とする処理を実行する。例えば、3枚の仮想メダルを自動投入する場合には、BET表示部75における第1BET表示部75a→第2BET表示部75b→第3BET表示部75cを順次、間隔を隔てて点灯状態とする処理を実行し、更に表示制御装置81へコマンド出力することによって、ベット表示部34における第1ベット表示部34a→第2ベット表示部34b→第3ベット表示部34cを順次点灯状態とさせる。また、各ベット表示部34a~34cを点灯状態とする際にベット時効果音がスピーカ64から出力されるように制御する。なお、BET表示部75を順次点灯状態とする場合の間隔と、ベット表示部34を順次点灯状態とする場合の間隔とが異なっていてもよく、BET表示部75の間隔のほうがベット表示部34の間隔よりも短くてもよく、BET表示部75は自動投入するベット数に対応する表示部を同時に点灯状態とする一方、ベット表示部34は間隔を隔てて順次点灯状態とする構成としてもよい。
ちなみに、本自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。自動投入処理にて投入された仮想メダル数は各種カウンタエリア106eに設けられた再遊後投入枚数カウンタに入力される。そのため、CPU102は、今回のゲームのベット数を再遊技投入枚数カウンタの値から把握することができるとともに、今回のゲームが再遊技入賞に基づいて付与される再遊技に対応するゲームであることを再遊技投入枚数カウンタから把握することが可能である。
ステップSj2501にて再遊技状態用処理を実行した後は、ステップSj2502にて上記の再遊技投入枚数カウンタが0であるか否かを判定する。再遊技投入枚数カウンタが0である場合とは、前回のゲームにて再遊技入賞が成立しておらず、今回のゲームが再遊技入賞に基づいて付与される再遊技に対応するゲームではないことを意味する。ステップSj2502にて再遊技投入枚数カウンタが0ではなく、今回のゲームが再遊技に対応するゲームである場合、ステップSj2503にて再遊技状態表示部76aを点灯状態とする処理を実行する。これにより、今回のゲームが前回のゲームにおいて再遊技入賞したことによって実行可能となったゲームであることを、遊技者や遊技ホールの管理者等が把握することが可能となる。ちなみに、当該再遊技状態表示部76aは、今回のゲームの終了に際して消灯状態とされる。
ステップSj2502にて再遊技投入枚数カウンタが0である場合、又はステップSj2503の処理を実行した後は、ステップSj2504にてエラー判定処理を実行する。かかる処理で、上記の投入メダル滞留エラー、投入メダル通過異常エラー、投入タイミングエラー等のエラーが発生していることの判定と、そのエラーの発生を報知するための処理とが行われる。かかるエラー判定処理については、後に詳細に説明する。
続くステップSj2505では、貯留メダル精算処理を実行する。貯留メダル精算処理は、クレジットされた仮想メダルを返却するための処理であり、精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すようにホッパ装置51を制御する。
貯留メダル精算処理を実行した後は、ステップSj2506にて、BET操作対応処理を実行する。
<BET操作対応処理>
BET操作対応処理について、図892に示すフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSj2601では、各種カウンタエリア106eに設けられた投入上限カウンタに「2」を入力する処理を実行する。投入上限カウンタは、遊技状態に応じて設定されている特定規定枚数に対応するものである。上記の通り、本実施形態では、遊技状態に応じて、遊技可能な規定枚数が設定されており、各BB状態では規定枚数は「2」であり、BB状態以外の状態であって、いずれのBB当選も持ち越していない非内部状態(非持ち越し状態)や、いずれかのBB当選を持ち越している内部状態(持ち越し状態)である場合の規定枚数は「2」及び「3」である。特定規定枚数は、これらの規定枚数のうち、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に設定されるベット数であり、BB状態では「2」が設定されており、非内部状態では「2」、内部状態では「3」が設定されている。
そこで、上記のようにステップSj2601にて投入上限カウンタに「2」を入力した後、ステップSj2602にて遊技状態が内部状態であるか否かを判定し、内部状態である場合には、ステップSj2603にて投入上限カウンタに「3」を再入力する処理を実行する。
ステップSj2602にてBB状態や非内部状態である場合(投入上限カウンタ=「2」)、又はステップSj2603にて投入上限カウンタに「3」を入力した後は、ステップSj2604に進む。ステップSj2604では、各種カウンタエリア106eに設けられた投入前ベットカウンタの値が上記の投入上限カウンタよりも小さい値であるか否かを判定する。投入前ベットカウンタは、今回のBET操作対応処理の実行前のベット数を示すカウンタであり、ステップSj2604にて肯定判定する場合(投入前ベットカウンタ<投入上限カウンタ)とは、未だベット数が特定規定枚数に達していないことを意味する。投入前ベットカウンタが投入上限カウンタ未満である場合、ステップSj2605にて、遊技状態表示部76に設けられている受入可能状態表示部76cを点灯状態とする処理を実行する。受入可能状態表示部76cを点灯状態とすることにより、メダル投入や第1クレジット投入スイッチ56等の操作によるベット操作(賭数操作)が可能な状態であることが示される。そして、ステップSj2606にて、表示制御装置81にコマンド出力することにより、表示制御装置81に接続され、第1クレジット投入スイッチ56に内蔵されている第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行する。なお、第1クレジット投入スイッチ56の押下面は、光透過性を有する樹脂にて形成されており、その押下面の下方に設けられた第1クレジットランプ56bを点灯状態とすることで、第1クレジット投入スイッチ56の押下面が光って見えるようになり、第1クレジット投入スイッチ56の操作が可能な状態であることが示されるとともに、第1クレジット投入スイッチ56の操作が促されるようになる。
ステップSj2604にて投入前ベットカウンタが投入上限カウンタに達していると判定した場合、又はステップSj2606の処理を実行した後は、ステップSj2607にて、メダル投入監視処理を実行する。メダル投入監視処理は、メダル投入口45からメダルが投入されたことに基づいてベットを設定したり、余剰分をクレジットに貯留するための処理である。
<メダル投入監視処理>
ステップSj2607のメダル投入監視処理について、図893のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSj2701では、ゲート判定処理を実行する。ゲート判定処理では、投入メダル検出装置86の検出結果に基づいて、メダルが投入されたか否かを判定する。かかるゲート判定処理については後に詳細に説明するが、当該ゲート判定処理では、メダルが投入されたと判定した場合、各種フラグ格納エリア106dにメダル投入フラグをセットする構成としている。
ステップSj2702では、上記のメダル投入フラグがセットされているか否かを判定することで、メダルが投入されたか否かを判定する。メダル投入フラグがセットされておらず、メダルが投入されていない場合には、そのままメダル投入監視処理を終了する。ステップSj2702にてメダル投入フラグがセットされていると判定した場合、ステップSj2703にて当該メダル投入フラグをクリアしてから、ステップSj2604にて投入前ベットカウンタの値が上記の投入上限カウンタよりも小さい値であるか否かを判定する。
ステップSj2704にて肯定判定し、特定規定枚数に達していない状況でメダルが投入された場合、ステップSj2705に進み、各種カウンタエリア106eに設けられた投入後ベットカウンタを1加算する処理を実行する。投入後ベットカウンタは、今回のBET操作対応処理の実行後のベット数を示すカウンタである。そして、ステップSj2706にてベット増加用処理を実行する。ステップSj2706のベット増加用処理では、BET表示部75を、今回増加させたベット数に対応させて点灯制御するとともに、ベット表示部34の表示を更新させたり、ベット時効果音を出力するためのベットコマンドを表示制御装置81へ出力する。例えば、BET表示部75のうち第1BET表示部75aが点灯しているとともに、ベット表示部34のうちの第1ベット表示部34aが点灯しており、1枚のメダルがベットされている状況でメダルが投入された場合、ステップSj2706では、第2BET表示部75bを点灯するとともに、表示制御装置81により第2ベット表示部34bを点灯させ、更にスピーカ64からベット時効果音が出力されるようにする。
続くステップSj2707では、投入前ベットカウンタに投入後ベットカウンタの値を入力する処理を実行する。そして、ステップSj2708にて、投入後ベットカウンタが投入上限カウンタに達したか否かを判定する。達していない場合には、そのまま本メダル投入監視処理を終了する。投入上限カウンタに達した場合には、ステップSj2709にて、第1クレジットランプ56bを消灯状態とする処理を実行する。続くステップSj2710では、各種カウンタエリア106eに設けられた投入前クレジットカウンタの値が上限値である「50」よりも小さいか否かを判定する。投入前クレジットカウンタは、一回のBET操作対応処理の実行前でのクレジットされている仮想メダル数を示すカウンタである。投入前クレジットカウンタが上限値である「50」に達している場合には、ステップSj2711にて受入可能状態表示部76cを消灯状態とする処理を実行し、ステップSj2712にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替える処理を実行してから、本メダル投入監視処理を終了する。
なお、メダル通路切替ソレノイド46aは、ゲームの終了に際して、投入前クレジットカウンタが上限未満である場合、又は投入前ベットカウンタが投入上限カウンタに達していない場合に励磁状態に切り替えられ、投入前クレジットカウンタが上限に達しており、且つ投入前ベットカウンタが投入上限カウンタに達している場合に非励磁状態に切り替えられる。つまり、メダル投入口45から投入されたメダルを排出用通路48ではなく貯留用通路47に誘導する場合には、メダル通路切替ソレノイド46aは励磁状態とされ、メダル投入口45から投入されたメダルを貯留用通路47ではなく排出用通路48に誘導する場合には、メダル通路切替ソレノイド46aは非励磁状態とされる。
ステップSj2704にて否定判定し、投入前ベットカウンタが投入上限カウンタに達している場合、ステップSj2713に進む。ステップSj2713では、上記の投入前クレジットカウンタの値が上限値である「50」よりも小さいか否かを判定する。投入前クレジットカウンタが上限値未満である状況でメダルが投入された場合(ステップSj2713:YES)、ステップSj2714にて各種カウンタエリア106eに設けられた投入後クレジットカウンタを1加算する処理を実行する。投入後クレジットカウンタは、一回のBET操作対応処理の実行後でのクレジットされている仮想メダル数を示すカウンタである。そして、ステップSj2715にてクレジット増加用処理を実行する。クレジット増加用処理では、クレジット表示部60にて表示される値を1多い数に更新するとともに、表示制御装置81に対してコマンド出力することにより、スピーカ64からクレジット増加効果音が出力されるようにする。
続くステップSj2716では、投入前クレジットカウンタに投入後クレジットカウンタの値を入力する処理を実行する。その後、ステップSj2710に進み、投入前クレジットカウンタが上限値に達していれば、受入可能状態表示部76cの消灯処理を行う等してから、本メダル投入監視処理を終了する。また、ステップSj2713にて否定判定し、投入前クレジットカウンタが上限値に達している状況でメダルが投入された場合には、そのままメダル投入監視処理を終了する。この場合、既にメダル通路切替ソレノイド46aが非励磁状態に切り替えられていることから(ステップSj2712)、メダル投入口45から投入されたメダルは、貯留用通路47ではなく排出用通路48に導かれ、メダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
BET操作対応処理の説明に戻り、ステップSj2607にてメダル投入監視処理を実行した後は、ステップSj2608にて第1クレジット投入検出センサ56aの検知結果に基づいて、第1クレジット投入スイッチ56が操作されたか否かを判定する。第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合、ステップSj2609~ステップSj2617にて、第1クレジット投入スイッチ56のベット操作に対応する処理を実行する。
具体的には、ステップSj2609では、投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値となっているか否かを判定する。投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値となっている場合とは、既に第1クレジット投入スイッチ56のベット操作等によって、ベットが行われた後の状況であり、この場合、そのまま本BET操作対応処理を終了する。
投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値ではない場合、ステップSj2610にて、投入前ベットカウンタの値と投入前クレジットカウンタの値とを加算した値を各種カウンタエリア106eに設けられた判定用カウンタに入力する処理を実行する。そして、ステップSj2611にて、上記判定用カウンタの値が、投入上限カウンタの値以上であるか否かを判定する。ステップSj2610及びステップSj2611の処理は、第1クレジット投入スイッチ56のベット操作により、特定規定枚数のベットを行うだけのクレジットが存在するか否かを判定する処理である。ステップSj2611にて判定用カウンタの値が投入上限カウンタの値未満である場合、今回の第1クレジット投入スイッチ56のベット操作ではベットを行うことなく、そのまま本BET操作対応処理を終了する。
判定用カウンタの値が投入上限カウンタの値以上である場合、ステップSj2611にて否定判定してステップSj2612に進む。ステップSj2612では、投入上限カウンタの値から投入前ベットカウンタの値を減算した値を、各種カウンタエリア106eに設けられた投入用カウンタに入力する処理を実行する。投入用カウンタは、今回の第1クレジット投入スイッチ56のベット操作によりベットされるベット数をCPU102が一時記憶するためのカウンタであり、例えば、特定規定枚数が3枚であって、0枚のベットが行われている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されて3枚のベットが行われる場合には投入用カウンタに「3」が入力され、特定規定枚数が3枚であって、1枚のベットが行われている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されて2枚のベットが行われる場合には投入用カウンタに「2」が入力される。
続くステップSj2613では、投入後クレジットカウンタから、ステップSj2612にて入力された投入用カウンタの値を減算する処理を実行する。そして、ステップSj2614にて投入後ベットカウンタに投入用カウンタの値を加算する処理を実行する。かかる処理により、特定規定枚数に相当する枚数のベットが行われた状態となる。その後、ステップSj2615にて投入後ベットカウンタの値を投入前ベットカウンタに入力する処理を実行する。
続くステップSj2616では、ベット増加用処理を実行する。ステップSj2616のベット増加用処理では、BET表示部75を今回増加させたベット数に対応させて点灯制御するとともに、ベット表示部34の表示を更新させたり、ベット時効果音を出力するためのベットコマンドを表示制御装置81へ出力する。例えば、BET表示部75のうち第1BET表示部75a~第3BET表示部75cが消灯しているとともに、ベット表示部34のうち第1ベット表示部34a~第3ベット表示部34cが消灯しており、ベットされてない状況で第1クレジット投入スイッチ56のベット操作が行われた場合、ステップSj2616では、第1BET表示部75a、第2BET表示部75b及び第3BET表示部75cを点灯するとともに、表示制御装置81により第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b及び第3ベット表示部34cを点灯させ、更にスピーカ64からベット時効果音が出力されるようにする。なお、BET表示部75やベット表示部34の表示を更新する場合、ベットが徐々に行われているかのように、第1BET表示部75a(第1ベット表示部34a)→第2BET表示部75b(第2ベット表示部34b)→第3BET表示部75c(第3ベット表示部34c)を、間隔をあけて順次点灯状態とするようにし、それぞれベット時効果音が出力されるようにしてもよい。また、ベット表示部34については間隔をあけて順次点灯状態とする一方、BET表示部75については、一度に(間隔を開けずに、又はベット表示部34の間隔よりも短い間隔で)点灯状態とする構成としてもよく、この場合のベット時効果音は、ベット表示部34の点灯に合わせて出力するようにするとよい。
ステップSj2616の処理を実行した後は、ステップSj2617にて、第1クレジットランプ56bを点灯状態から消灯状態に切り替える処理を実行してから、本BET操作対応処理を終了する。
ステップSj2608にて第1クレジット投入スイッチ56が操作されていないと判定した場合、ステップSj2618に進む。ステップSj2618では、第2クレジット投入検出センサ57aの検知結果に基づいて、第2クレジット投入スイッチ57が操作されたか否かを判定する。第2クレジット投入スイッチ57が操作された場合、ステップSj2619~ステップSj2625にて、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作に対応する処理を実行する。
すなわち、ステップSj2619では、投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しいか否かを判定する。ステップSj2619の処理は、ステップSj2609の処理に対応するものであり、ステップSj2619にて肯定判定した場合には、そのままBET操作対応処理を終了する。ステップSj2619にて否定判定した場合、ステップSj2620にて、投入前クレジットカウンタが0よりも大きいか否かを判定し、今回の第2クレジット投入スイッチ57の1枚のベット操作によってベットを行うだけのクレジットが存在するか否かを判定する。投入前クレジットカウンタが0である場合には、そのまま本BET操作対応処理を終了する。
投入前クレジットカウンタが0よりも大きい場合、ステップSj2621に進み、投入後クレジットカウンタから1を減算する処理を実行し、ステップSj2622にて投入後ベットカウンタに1を加算する処理を実行する。その後、ステップSj2623にて、投入後ベットカウンタの値を投入前ベットカウンタに入力する処理を実行する。
そして、ステップSj2624にてベット増加用処理を実行する。ステップSj2624のベット増加用処理は、ステップSj2616の処理と同様である。なお、ベット時効果音をメダル投入時(ステップSj2706)と、第2クレジット投入スイッチ57のベット操作時(ステップSj2624)とで異ならせてもよい。
続くステップSj2625では、ステップSj2619~ステップSj2624の処理によって、投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタに至ったか否かを判定する。投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタに至っていない場合には、そのまま本BET操作対応処理を終了する。投入前ベットカウンタの値が投入上限カウンタに至った場合には、ステップSj2626にて第1クレジットランプ56bを点灯状態から消灯状態に切り替える処理を実行してから、本BET操作対応処理を終了する。
開始待ち処理(図881)において、ステップSj2506にてBET操作対応処理を実行した後は、ステップSj2507にて、投入後ベットカウンタが「0」であるか否かを判定し、投入後ベットカウンタが「0」であって、メダル投入やクレジット投入スイッチ56,57のベット操作によるベットが行われていない場合には、ステップSj2504に戻る。投入後ベットカウンタが「0」ではない場合には、ステップSj2508に進み、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しいか否かを判定する。
投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値と等しい場合、ステップSj2509にて、開始可能状態表示部76bを点灯状態とする処理を実行し、ステップSj2510にてメダル受付を禁止する処理を実行し、ステップSj2511にて第2エラーカウンタへのアクセス制限(エラー報知用エリア106gへのアクセス制限)の解除処理を実行してから、本開始待ち処理を終了する。ステップSj2511の処理の作用効果については、後に説明する。開始待ち処理を終了することにより、通常処理においてステップSj305に進み、スタートレバー41の操作に基づきゲームを開始可能となる。
ステップSj2508にて、投入後ベットカウンタの値が投入上限カウンタの値に至っていないと判定した場合、ステップSj2512に進み、遊技状態が内部状態であるか否かを判定する。既に説明した通り、遊技状態が、BB当選を持ち越している内部状態である場合には、特定規定枚数は「3」であるものの、規定枚数は「2」及び「3」であり、ベット数が2又は3である場合にゲームを開始可能である。そこで、ステップSj2513にて、投入後ベットカウンタが「2」であるか否かを判定し、投入後ベットカウンタが「2」である場合には、ステップSj2509に進み、開始可能状態表示部76bの点灯処理、及びメダル受付禁止処理、第2エラーカウンタへのアクセス制限解除処理を実行してから、本開始待ち処理を終了する。遊技状態がBB状態や非内部状態である場合や、ステップSj2513にて投入後ベットカウンタが「2」ではない場合には、ステップSj2514にて開始可能状態表示部76bを消灯状態とする処理を実行してから、ステップSj2504に戻る。
<ゲート判定処理>
メダル投入監視処理におけるステップSj2701のゲート判定処理について、図894のフローチャートを参照しながら説明する。ゲート判定処理は、図894に示すように、ステップSj2801の第1通過センサ監視処理と、ステップSj2802の第2通過センサ監視処理とにより構成されている。
第1通過センサ監視処理は、投入メダル検出装置86における第1投入メダル検出センサ86aの検出結果に基づいてメダルの通過を監視するための処理である。また、第2通過センサ監視処理は、投入メダル検出装置86における第2投入メダル検出センサ86bの検出結果に基づいてメダルの通過を監視するための処理である。
これら、第1投入メダル検出センサ86aや第2投入メダル検出センサ86bの検出結果は、タイマ割込み処理におけるセンサ監視処理(ステップSj107)により把握される。そこで、以下では、先ず、当該タイマ割込み処理におけるセンサ監視処理について説明する。
<センサ監視処理>
図895は、タイマ割込み処理におけるステップSj107にて実行されるセンサ監視処理を示すフローチャートである。
センサ監視処理では、ステップSj2901にて、投入センサ監視処理を実行する。投入センサ監視処理は、案内通路84における各種センサの検出状態を把握するための処理である。続くステップSj2902では、払出センサ監視処理を実行する。払出センサ監視処理は、払出装置53におけ払出メダル検出装置95の検出状態を把握するための処理である。続くステップSj2903では、予備タンクセンサ監視処理を実行する。予備タンクセンサ監視処理は、予備タンクセンサ96の検出状態を把握するための処理である。そして、ステップSj2904にてその他のセンサ監視処理を実行してから、本センサ監視処理を終了する。ステップSj2904では、ストップ検出センサ42a~44a、クレジット投入検出センサ56a,57a、精算検出センサ59a、リセット検出センサ72a、設定キー検出センサ73a等の各種センサの検出状態を把握して、その検出結果をCPU102が把握可能な状態に記憶する処理(例えば、ストップ検出センサ42a~44aがON状態であり、ストップスイッチ42~44が操作されている場合には、その操作されていることを示すフラグをセットする等)を実行する。
<投入センサ監視処理>
ここでは、ステップSj2901の投入センサ監視処理について、詳細に説明する。図896は、投入センサ監視処理を示すフローチャートである。
ステップSj3001では、レバー検出センサ88がON状態であるか否かを判定する。ちなみに、レバー検出センサ88からの検出信号は、HI状態とLOW状態とに切り換わり可能となっており、レバー検出センサ88からの検出信号がHI状態となっている場合がレバー検出センサ88のON状態であり、センサレバー87が退避位置に配置されていることを意味し、レバー検出センサ88からの検出信号がLOW状態となっている場合がレバー検出センサ88のOFF状態であり、センサレバー87が出没位置に配置されていることを意味する。
ステップSj3001にてレバー検出センサ88がON状態であって、センサレバー87が退避位置に配置されている場合、すなわち、メダル投入口45からメダルが投入される等してセンサレバー87が退避位置に変位している場合、ステップSj3002にて各種フラグ格納エリア106dに投入後計測フラグがセットされているか否かを判定する。投入後計測フラグは、センサレバー87が出没位置から退避位置に変位してからの期間をCPU102が把握するためのフラグである。投入後計測フラグがセットされていない場合には、ステップSj3003にて、当該投入後計測フラグをセットする処理を実行する。
ステップSj3001にてレバー検出センサ88がOFF状態であって、センサレバー87が出没位置に配置されている場合、ステップSj3004にて、上記の投入後計測フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップSj3005にて、受入可能状態であるか否かを、例えば、受入可能状態表示部76cが点灯状態となっているか否かにより判定する。なお、上記のようにセンサレバー87は、案内通路84において通路切替片85よりも上流側に設けられていることから、メダル通路切替ソレノイド46aが非励磁状態であっても、メダルが投入されるとセンサレバー87は出没位置から退避位置に変位し、メダルが通過するとセンサレバー87は出没位置に復帰することになる。
ステップSj3005にて受入可能状態ではないと判定した場合、ステップSj3006にて、上記の投入後計測フラグをクリアする処理を実行し、ステップSj3007にて、各種カウンタエリア106eに設けられた投入後カウンタICに1を0にクリアする処理を実行する。投入後カウンタICは、センサレバー87が出没位置から退避位置に変位してからの期間をCPU102が把握するためのカウンタである。ちなみに、受入可能状態である場合には、上記の投入後計測フラグや投入後カウンタICは、その後、第2投入メダル検出センサ86aがOFF状態となってからクリアされる。
ステップSj3005にて受入可能状態であると判定した場合、ステップSj3008にて、各種フラグ格納エリア106dに通過後計測フラグをセットする処理を実行する。通過後計測フラグは、センサレバー87が退避位置から出没位置に変位してからの期間をCPU102が把握するためのフラグである。
ステップSj3002若しくはステップSj3004にて否定判定した場合、又はステップSj3003、ステップSj3007若しくはステップSj3008の処理を実行した後は、ステップSj3009に進む。ステップSj3009では、投入メダル検出装置86において、メダル投入口45に近い側(案内通路84における上流側)に配置された第1投入メダル検出センサ86aがON状態であるか否かを判定する。ちなみに、第1投入メダル検出センサ86aからの検出信号も、レバー検出センサ88からの検出信号と同様に、HI状態とLOW状態とに切り換わり可能となっており、第1投入メダル検出センサ86aからの検出信号がHI状態となっている場合が第1投入メダル検出センサ86aのON状態であり、メダルを検出していることを意味し、第1投入メダル検出センサ86aからの検出信号がLOW状態となっている場合が第1投入メダル検出センサ86aのOFF状態であり、メダルを検出していないことを意味する。
ステップSj3009にて第1投入メダル検出センサ86aがON状態である場合、ステップSj3010にて、各種フラグ格納エリア106dに第1通過フラグをセットする処理を実行する。第1通過フラグは、第1投入メダル検出センサ86aがON状態となり、メダルが通過していることをCPU102が把握するためのフラグである。続くステップSj3011では、各種フラグ格納エリア106dに通過用フラグをセットする処理を実行する。通過用フラグは、第1通過メダル検出センサ86aにてメダルが検出されてから、第2通過メダル検出センサ86bにてメダルを検出し終えるまでの期間を把握するためのフラグである。
ステップSj3009にて第1投入メダル検出センサ86aがOFF状態である場合、ステップSj3012にて、上記の第1通過フラグをクリアする処理を実行する。なお、第1通過フラグがセットされていなければ、その状態を維持する。
ステップSj3011又はステップSj3012の処理を実行した後は、ステップSj3013に進む。ステップSj3013では、投入メダル検出装置86において、第1投入メダル検出センサ86aよりもメダル投入口45に遠い側(案内通路84の下流側)に配置された第2投入メダル検出センサ86bがON状態であるか否かを判定する。ちなみに、第2投入メダル検出センサ86bからの検出信号も、第1投入メダル検出センサ86aからの検出信号と同様であり、HI状態とLOW状態とに切り換わり可能となっており、第2投入メダル検出センサ86bからの検出信号がHI状態となっている場合が第2投入メダル検出センサ86bのON状態であり、メダルを検出していることを意味し、第2投入メダル検出センサ86bからの検出信号がLOW状態となっている場合が第2投入メダル検出センサ86bのOFF状態であり、メダルを検出していないことを意味する。
ステップSj3013にて第2投入メダル検出センサ86bがON状態である場合、ステップSj3014にて、各種フラグ格納エリア106dに第2通過フラグをセットする処理を実行する。第2通過フラグは、第2投入メダル検出センサ86bがON状態となり、メダルが通過していることをCPU102が把握するためのフラグである。
続くステップSj3015では、受入可能状態であるか否かを、例えば、受入可能状態表示部76cが点灯状態となっているか否かにより判定する。受入可能状態ではない場合に第2投入メダル検出センサ86bがON状態となっている場合とは、メダル通路切替ソレノイド46aが非励磁状態であって案内通路84内に通路切替片85が突出しており、通常であれば、投入されたメダルは貯留用通路47ではなく排出用通路48に導かれて投入メダル検出装置86では検出されないはずであるのにもか関わらず、当該投入メダル検出装置86の第2投入メダル検出センサ86bにてメダルを検出している状態(投入タイミングエラーが発生している状態)となっていることを意味する。この場合、ステップSj3016にて、エラー情報記憶エリア106fに設けられた第1エラーカウンタに「9」が入力されているか否かを判定する。第1エラーカウンタは、各種エラーが発生していることをCPU102が把握するためのカウンタであり、第1エラーカウンタに「0」が入力されている状態ではエラーが発生していないことを示し、第1エラーカウンタに「0」以外の値が入力されている状態ではその入力されている値に応じたエラーが発生していることを示す(図890)。
図890に示すように、ステップSj3016にて、第1エラーカウンタに「9」が入力されている状態とは、払出タイミングエラーが発生していることをCPU102にて把握している状態である。第1エラーカウンタに「9」が入力されていない場合、ステップSj3017にて、第1エラーカウンタに「8」を入力する処理を実行する。かかる処理にて、CPU102は、投入タイミングエラーが発生していることを把握することが可能となる。一方、ステップSj3016にて第1エラーカウンタに「8」が入力されている場合には、ステップSj3018にて第1エラーカウンタに「10」を入力する処理を実行する。かかる処理にて、CPU102は、投入タイミングエラーと払出タイミングエラーとが重複する投入払出タイミングエラーが発生していることを把握可能となる。
ステップSj3013にて第2投入メダル検出センサ86bがOFF状態である場合、ステップSj3019にて、上記の第2通過フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合、ステップSj3020にて当該第2通過フラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSj3021にて通過用フラグをクリアする処理を実行し、ステップSj3022にて、各種カウンタエリア106eに設けられた通過用カウンタTCを0にクリアする処理を実行する。通過用カウンタTCは、第1通過メダル検出センサ86aにてメダルが検出されてから、第2通過メダル検出センサ86bにてメダルを検出し終えるまでの期間を把握するためのカウンタである。
ステップSj3015若しくはステップSj3019にて否定判定した場合、又はステップSj3017、ステップSj3018及びステップSj3022のいずれかの処理を実行した後は、ステップSj3023にて投入経過把握処理を実行してから、本投入センサ監視処理を終了する。
<投入経過把握処理>
図897は、ステップSj3023の投入経過把握処理を示すフローチャートである。
ステップSj3101では、上記の投入後計測フラグがセットされているか否かを確認することにより、センサレバー87が出没位置から退避位置に変位した後の状況であるか否かを判定する。投入後計測フラグがセットされており、センサレバー87が退避位置に変位した後である場合、ステップSj3102にて各種カウンタエリア106eに設けられた投入後カウンタICに1を加算する処理を実行する。投入後カウンタICは、センサレバー87が出没位置から退避位置に変位してからの期間をCPU102が把握するためのカウンタである。そして、ステップSj3103にて、受入可能状態であるか否かを判定する。
上記のように、センサレバー87が退避位置に変位してからの期間は、非受入可能状態である場合にはセンサレバー87が出没位置に復帰するまで計測され、受入可能状態である場合には、その後、第2投入メダル検出センサ86aがOFF状態となるまで計測される。
ステップSj3103にて受入可能状態である場合、ステップSj3104にて投入後カウンタICが所定値として「81」となっているか否かを判定する。投入後カウンタICが「81」となっている場合とは、センサレバー87が退避位置に変位してから所定期間として「120.690msec」が経過した場合を意味する。
ステップSj3104にて肯定判定した場合、ステップSj3105に進み、第1エラーカウンタに「9」が入力されているか否かを判定し、「9」が入力されていない場合には、ステップSj3106にて、第1エラーカウンタに「8」を入力する処理を実行する。上記のように、第1エラーカウンタに「8」を入力することで、CPU102は投入タイミングエラーが発生していることを把握可能となる。また、ステップSj3105にて第1エラーカウンタに「9」が入力されており、既に払出タイミングエラーが発生している場合には、ステップSj3107にて、第1エラーカウンタに「10」を入力する処理を実行する。上記のように、第1エラーカウンタに「10」を入力することで、CPU102は投入払出タイミングエラーが発生していることを把握可能となる。
一方、ステップSj3103にて非受入可能状態である場合、ステップSj3108にて、投入後カウンタICが所定値として「672」となっているか否かを判定する。投入後カウンタICが「672」となっている場合とは、センサレバー87が退避位置に変位してから所定期間として「1001.280msec」が経過した場合を意味する。
ステップSj3108にて肯定判定した場合、ステップSj3105にて、第1エラーカウンタに「9」が入力されているか否かを判定し、「9」が入力されていない場合には、ステップSj3106にて、第1エラーカウンタに「8」を入力する処理を実行する。また、ステップSj3105にて第1エラーカウンタに「9」が入力されている場合、ステップSj3107にて、第1エラーカウンタに「10」を入力する処理を実行する。
ステップSj3101、ステップSj3104及びステップSj3108のいずれかで否定判定した場合、又はステップSj3106若しくはステップSj3107の処理を実行した後は、ステップSj3109に進む。ステップSj3109では、上記の経過後計測フラグがセットされているか否かを確認することにより、受入可能状態において、センサレバー87が退避位置に変位した後、出没位置に復帰している状況であるか否かを判定する。経過後計測フラグがセットされており、センサレバー87が出没位置に復帰している場合、ステップSj3110にて各種カウンタエリア106eに設けられた通過後カウンタPCに1を加算する処理を実行する。通過後カウンタPCは、センサレバー87が退避位置から出没位置に復帰してからの期間をCPU102が把握するためのカウンタである。そして、ステップSj3112にて、通過後カウンタPCが所定値として「81」となっているか否かを判定する。通過後カウンタPCが「81」となっている場合とは、センサレバー87が出没位置に復帰してから所定期間として「120.690msec」が経過した場合を意味する。
通過後計測フラグは、後述する第1通過センサ監視処理において、第1投入メダル検出センサ86aがON状態となった場合にクリアされ、通過後計測フラグもその際に0にクリアされる。そのため、ステップSj3111にて肯定判定する場合とは、センサレバー87が出没位置に復帰してから第1投入メダル検出センサ86aによりメダルが検出するまでに所定期間(約0.12sec)が経過したことを意味する。この場合、ステップSj3112に進み、第1エラーカウンタに「9」が入力されているか否かを判定し、「9」が入力されていない場合には、ステップSj3113にて、第1エラーカウンタに「8」を入力する処理を実行する。また、ステップSj3112にて第1エラーカウンタに「9」が入力されており、既に払出タイミングエラーが発生している場合には、ステップSj3114にて、第1エラーカウンタに「10」を入力する処理を実行する。
ステップSj3109若しくはステップSj3111にて否定判定した場合、又はステップSj3113若しくはステップSj3114の処理を実行した後は、ステップSj3115に進む。ステップSj3115では、上記の通過用フラグがセットされているか否かを確認することにより、第1投入メダル検出センサ86aや第2投入メダル検出センサ86bにてメダルを検出している状況であるか否かを判定する。通過用フラグがセットされている場合、ステップSj3116にて通過用カウンタTCに1を加算する処理を実行する。そして、ステップSj3117にて、通過用カウンタTCが所定値として「202」となっているか否かを判定する。通過用カウンタTCが「202」となっている場合とは、センサレバー87が出没位置に復帰してから所定期間として「300.980msec」が経過した場合を意味し、第1投入メダル検出センサ86aがON状態となってから、第2投入メダル検出センサ86bがOFF状態となるまでに約0.3secも要しており、投入メダル滞留エラーが発生していることを意味する。
ステップSj3117にて肯定判定した場合、第1エラーカウンタに「1」を入力する処理を実行する。第1エラーカウンタに「1」を入力することで、CPU102は投入メダル滞留エラーが発生していることを把握可能となる(図890)。ステップSj3117にて否定判定した場合、又はステップSj3118の処理を実行した後は、投入経過把握処理を終了する。
<第1通過センサ監視処理>
次に、通常処理側のゲート判定処理における第1通過センサ監視処理について、図898のフローチャートを参照しながら説明する。第1通過センサ監視処理は、第1投入メダル検出センサ86aの検出結果に基づいてメダルの通過を把握するための処理である。
ステップSj3201では、第1通過フラグがセットされているか否かを判定する。上記の通り、第1通過フラグは第1投入メダル検出センサ86aにてメダルを検出している場合に投入センサ監視処理にてセットされるフラグである。第1通過フラグがセットされている場合、ステップSj3202にて各種フラグ格納エリア106dに通過1フラグがセットされているか否かを判定する。通過1フラグは、今回のゲート判定処理よりも前に実施されたゲート判定処理において、第1投入メダル検出センサ86aにてメダルを検出していると判定したことをCPU102が把握するためのフラグである。通過1フラグがセットされていない場合、ステップSj3203にて通過1フラグをセットする処理を実行する。
続くステップSj3204では、通過後計測フラグがセットされているか否かを判定する。上記の通り、通過後計測フラグは、受入可能状態においてセンサレバー87が退避位置から出没位置に復帰した場合にセットされるフラグである。案内通路84をメダルが通過する場合、当該メダルがセンサレバー87を出没位置から退避位置に変位させた後、出没位置に復帰させることとなる位置と、第1投入メダル検出センサ86aにより検出される位置と、がメダルの直径よりも離間していることから、通常であれば、第1投入メダル検出センサ86aにメダルが検出される場合には、センサレバー87は出没位置に復帰しているはずであり、通過後計測フラグはセットされている。
ステップSj3204にて通過後計測フラグがセットされている場合、ステップSj3205にて当該通過後計測フラグをクリアする処理を実行し、ステップSj3206にて通過後カウンタPCを0にクリアする処理を実行する。
これに対して、ステップSj3204にて通過後計測フラグがセットされていない場合、センサレバー87が出没位置に復帰しないまま第1投入メダル検出センサ86aにてメダルが検出されたことが想定され、投入メダル異常通過エラーが発生している場合である。この場合、ステップSj3207にて、第1エラーカウンタに「2」を入力する処理を実行してから、本第1通過センサ監視処理を終了する。第1エラーカウンタに「2」を入力することにより、CPU102は、投入メダル異常通過エラーが発生していることを把握することが可能となる(図890)。
ステップSj3206にて通過後カウンタPCを0にクリアした後は、ステップSj3208にて投入後カウンタICが所定値としての「81」以上であるか否かを判定する。上記の通り、投入後カウンタICは、センサレバー87が出没位置から退避位置に変位した場合にその計測が開始される。
ステップSj3208にて投入後カウンタICが「81」以上であり、センサレバー87が出没位置から退避位置に変位してから第1投入メダル検出センサ86aにてメダルが検出されるまでに所定期間(120.69msec)以上要しているした場合、第1投入メダル検出センサ86aに検出されるまでにおける案内通路84にてメダルが滞留している等、投入メダル異常通過エラーが発生している場合であり、この場合も、ステップSj3207にて第1エラーカウンタに「2」を入力する処理を実行してから第1通過センサ監視処理を終了する。
ステップSj3208にて投入後カウンタICが「81」未満である場合、ステップSj3209にて、各種フラグ格納エリア106dに通過2フラグがセットされているか否かを判定する。通過2フラグは、今回のゲート判定処理よりも前に実施されたゲート判定処理において、第2投入メダル検出センサ86bにてメダルを検出していると判定したことをCPU102が把握するためのフラグである。
上記の通り、第1投入メダル検出センサ86aの方が第2投入メダル検出センサ86bよりもメダル投入口45側に配置されていることから、通常であれば、第1投入メダル検出センサ86aにてメダルを検出した際に、第2投入メダル検出センサ86bでは同メダルを検出していない。なお、第1投入メダル検出センサ86aと第2投入メダル検出センサ86bとは、同一メダルを同時に検出可能な程度に離間して配置されていることから、第1投入メダル検出センサ86aにてメダルを検出しており、第1通過フラグがセットされている場合に、第2投入メダル検出センサ86bにてメダルを検出しており、第2通過フラグがセットされている場合は通常に起こり得ることである。
ステップSj3209にて通過2フラグがセットされており、メダルが上流側の第1投入メダル検出センサ86aに検出されるよりも前に下流側の第2投入メダル検出センサ86bに検出されている場合、投入メダル異常通過エラーが発生している場合であり、この場合も、ステップSj3207にて第1エラーカウンタに「2」を入力する処理を実行してから第1通過センサ監視処理を終了する。
ステップSj3202にて既に通過1フラグがセットされている場合、又はステップSj3209にて否定判定して投入メダル異常通過エラーが発生していないと判定した場合は、そのまま第1通過センサ監視処理を終了する。
ステップSj3201にて第1通過フラグがセットされておらず、第1投入メダル検出センサ86aにてメダルを検出していない状態である場合、ステップSj3210にて通過1フラグがセットされているか否かを判定する。通過1フラグがセットされており、前回の第1通過センサ監視処理においては第1投入メダル検出センサ86aにてメダルを検出しており、当該第1投入メダル検出センサ86aの検出位置をメダルが通過した場合、ステップSj3211にて通過1フラグをクリアしてから、本第1通過センサ監視処理を終了する。ステップSj3210にて通過1フラグがセットされていない場合には、そのまま本第1通過センサ監視処理を終了する。
<第2通過センサ監視処理>
次に、ゲート判定処理における第2通過センサ監視処理について、図899のフローチャートを参照しながら説明する。第2通過センサ監視処理は、第2投入メダル検出センサ86bの検出結果に基づいてメダルの通過を把握するための処理である。
ステップSj3301では、第2通過フラグがセットされているか否かを判定する。上記の通り、第2通過フラグは第2投入メダル検出センサ86bにてメダルを検出している場合に投入センサ監視処理にてセットされるフラグである。第2通過フラグがセットされている場合、ステップSj3302にて各種フラグ格納エリア106dに通過2フラグがセットされているか否かを判定する。通過2フラグは、今回のゲート判定処理よりも前に実施されたゲート判定処理において、第2投入メダル検出センサ86bにてメダルを検出していると判定したことをCPU102が把握するためのフラグである。通過2フラグがセットされていない場合、ステップSj3303にて通過2フラグをセットする処理を実行する。
ステップSj3303の処理を実行した後は、ステップSj3304にて通過1フラグがセットされているか否かを判定する。上記の通り、第1投入メダル検出センサ86aと第2投入メダル検出センサ86bとは、同一メダルを同時期に検出可能となるように配置されており、通常であれば、案内通路84を通過するメダルを第2投入メダル検出センサ86bにて検出し始める際には、当該メダルは第1投入メダル検出センサ86aでも検出されており、ステップSj3304においては通過1フラグがセットされているはずである。通過1フラグがセットされていない場合、通常よりも小さいメダルが投入される等、投入メダル異常通過エラーが発生していると考えられ、この場合、ステップSj3305にて、第1エラーカウンタに「2」を入力する処理を実行してから、本第2通過センサ監視処理を終了する。第1エラーカウンタに「2」を入力することにより、CPU102は、投入メダル異常通過エラーが発生していることを把握することが可能となる(図890)。
ステップSj3302にて通過2フラグがセットされている場合、又はステップSj3304にて通過1フラグがセットされている場合は、そのまま第2通過センサ監視処理を終了する。
ステップSj3301にて第2通過フラグがセットされておらず、第2投入メダル検出センサ86bにてメダルを検出していない状態である場合、ステップSj3306にて通過2フラグがセットされているか否かを判定する。通過2フラグがセットされており、前回の第2通過センサ監視処理においては第2投入メダル検出センサ86bにてメダルを検出しており、当該第2投入メダル検出センサ86bの検出位置をメダルが通過した場合、ステップSj3307にて通過2フラグをクリアし、ステップSj3308にて上記の投入後計測フラグをクリアする処理を実行し、ステップSj3009にて、各種カウンタエリア106eに設けられた投入後カウンタICに1を0にクリアする処理を実行する。その後、ステップSj3310にて各種フラグ格納エリア106dにメダル投入フラグをセットする処理を実行してから、本第2通過センサ監視処理を終了する。メダル投入フラグは、1枚のメダルが投入されたことをCPU102が把握するためのフラグであり、かかるメダル投入フラグがセットされることにより、メダル投入監視処理(図893)においてメダルが投入されたことに対応する処理が実行されるようになる(ステップSj2703~ステップSj2616)。ステップSj3306にて通過2フラグがセットされていない場合には、そのまま本第2通過センサ監視処理を終了する。
以上のように、メダルが案内通路84を逆流している等の投入メダル異常通過エラーについては、通常処理とは別途実行されるタイマ割込み処理におけるセンサ監視処理にて、そのメダルの異常通過が検出されているものの、当該投入メダル異常通過エラーが発生していることの判定は、通常処理における開始待ち処理にて行われる。
これに対して、受入可能状態ではないのにもかかわらず、投入されたメダルが貯留用通路47側へ導出された場合等の投入タイミングエラーは、タイマ割込み処理におけるセンサ監視処理にて、そのメダルが検出されるとともに、当該投入タイミングエラーが発生していることの判定も、当該センサ監視処理にて行われる。
また、メダルが案内通路84にて滞留している投入メダル滞留エラーも、タイマ割込み処理におけるセンサ監視処理にて、その滞留しているメダルが検出され、当該投入メダル滞留エラーが発生していることの判定も、当該センサ監視処理にて行われる。
ここで、上記のように、かかるエラーが発生していることの判定をタイマ割込み処理において実行することで、遊技進行に合わせて実施する処理が異なり得る通常処理にてエラーの判定を行う構成と比較して、エラーの発生をよりリアルタイムで特定することが可能となり、そのエラーの対処についてもより早急に実行することが可能となる。特に、通常処理においてステップSj305~ステップSj312やステップSj301~ステップSj303を実行している状況は受入可能状態ではなく、かかる状況で投入されたメダルが貯留用通路47側へ導出された場合等の投入タイミングエラーを把握しようとするためには、通常処理では無理があるし、当該通常処理において把握しようとすると、処理構成の複雑化が生じ得る。
その一方で、本スロットマシン10においては、上記の通り、エラーが発生したことのエラー報知を払出枚数表示部62にて実行する構成としているところ、かかるエラー報知をエラーの発生を把握したタイミングで行うと、実行中のゲームに不都合が生じ得ることが考えられる。つまり、当該払出枚数表示部62においては、上記の通り、メダルの払出枚数やストップスイッチ42~44の押し順等、別の情報を表示するようにしているところ、ゲームの最中でこれらのエラーが表示されることによって、表示している別の情報を遊技者が把握することができなくなる可能性がある。
そこで、本実施形態では、上記のようにエラーが発生していることの把握はよりリアルタイムで行うようにしながらも、エラーが発生していることの報知については、上記の別の情報が表示されていない状況下で行うようにしている。
以下、エラー報知を行うための処理について説明する。
<エラー判定処理>
図900は、本実施形態におけるエラー判定処理を示すフローチャートである。エラー判定処理は、上記開始待ち処理におけるステップSj2504にて実行される処理である。
ステップSj3401では、RAM106のエラー報知用エリア106gに設けられた第2エラーカウンタへのアクセス(エラー報知用エリア106gへのアクセス)が許可された状況であるか否かを判定する。第2エラーカウンタは、払出枚数表示部62にてエラー報知を行う場合にCPU102がエラーの発生及びそのエラーの種類を把握するためのカウンタである。第2エラーカウンタへのアクセスは、上記のように通常処理における開始待ち処理(図891)を終了する場合に、ステップSj2511にて制限され、通常処理におけるメダル払出処理(図887)を終了する場合に、ステップSj2308にて解除される。つまり、通常処理においてステップSj305~ステップSj312やステップSj301~ステップSj303を実行している状況では、第2エラーカウンタへのアクセスは制限されており、開始待ち処理における本エラー判定処理の実行タイミングでは当該第2エラーカウンタへのアクセスは許可されている。その為、開始待ち処理における本エラー判定処理では、通常、ステップSj3401にて肯定判定して、ステップSj3402に進む。
ステップSj3402では、第1エラーカウンタに「0」以外の値が入力されており、エラーが発生している状況であるか否かを判定する。第1エラーカウンタに「0」以外の値が入力されている場合には、ステップSj3403にてエラー対応処理を実行してから、本エラー判定処理を終了する。ステップSj3401にて第2エラーカウンタへのアクセスが制限されている場合や、ステップSj3402にて第1エラーカウンタに「0」が入力されている場合には、そのまま本エラー判定処理を終了する。
<エラー対応処理>
ステップSj3403のエラー対応処理について、図901のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSj3501では、データ退避処理を実行する。データ退避処理では、払出枚数表示部62のデータを含めセグメントデータ設定処理にて設定対象となるデータ(クレジットカウンタ、BBカウンタ、払出第2カウンタ、押し順用カウンタ)をRAM106に設けられた退避用エリア106hに退避させる処理を実行する。具体的には、ステップSj3501では、退避対象となるデータを退避用エリア106hにコピーする処理を実行する。
続くステップSj3502では、メダル受付を禁止する処理を実行する。具体的には、ステップSj3502では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態とすることで、メダル投入口45から投入されたメダルが貯留用通路47ではなく排出用通路48に導出されるようにする。
ステップSj3502の処理を実行した後は、ステップSj3503にて、第1エラーカウンタの値を、第2エラーカウンタに入力する処理を実行する。例えば、第1エラーカウンタに「1」が入力されておりメダル滞留エラーが発生している場合、ステップSj3503では第2エラーカウンタに「1」を入力し、第1エラーカウンタに「9」が入力されており投入タイミングエラーが発生している場合、ステップSj3503では第2エラーカウンタに「9」を入力する。そして、ステップSj3504にて、これらエラーに対応する解除操作が行われるまで待機する処理を実行する。
具体的には、投入メダル滞留エラー、投入メダル異常通過エラー、遊技メダル払出装置エンプティエラー、払出メダル滞留エラー、補助収納庫満杯エラー、投入タイミングエラー、払出タイミングエラー、投入払出タイミングエラー(第1エラーカウンタ=1~5,8~10)については、各リール32L,32M,32Rが停止しており、メダル払出も実行されていない(ホッパ装置51が駆動していない)状況で、前面扉12が開放された状態でリセットスイッチ72がON操作されることがこれらのエラーの解除操作として設定されており、これらのエラー発生時には当該解除操作が行われた場合にステップSj3504にて肯定判定する。
これに対して、各リール32L,32M,32Rが停止しており、メダル払出も実行されていない(ホッパ装置51が駆動していない)状況で、RAM異常エラーや乱数異常エラー(第1エラーカウンタ=6,7)については、前面扉12が開放された状態で設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作しながら電源スイッチ71を操作して電源を投入し、当選確率設定処理にて設定値の設定を行うことがこれらのエラーの解除操作として設定されている。この場合、RAM106は初期化される(ステップSj205)ことから、退避用エリア106hの情報もクリアされ、当該解除操作後はステップSj3504には復帰せずに、メイン処理の起動後、通常処理ではステップSj301から実施されることになる。
ここで、上記の各エラーの解除操作は、エラー報知が実行可能となるタイミングでその操作も可能となる。つまり、各リール32L,32M,32Rが停止しており、メダル払出も実行されていない(ホッパ装置51が駆動していない)状況とは、上記のように第2エラーカウンタへのアクセス制限が解除されている状況であり、かかる状況でエラー報知が開始されるとともに、エラー解除操作も実行可能となる。言い換えると、エラー解除操作が実行可能となるまで、エラー報知の実行が待機される構成となっており、エラー報知が開始されたのにも関わらずエラー解除操作を行うことができない、といった状況を生じさせることなく、エラー報知が行われた場合にエラー解除操作をより速やかに行わせることが可能となる。
なお、エラー報知が実行されていなくても、例えば、リセットスイッチ72や電源スイッチ71の操作を行うことは可能であり、これらリセットスイッチ72や電源スイッチ71を操作することによりスロットマシン10の電源をОN/ОFFすることや、RAM106の初期化を行うことも可能である。
上記ステップSj3504にて、第2エラーカウンタに第1エラーカウンタの値が入力されることにより、タイマ割込み処理におけるセグメントデータ設定処理では、払出枚数表示部62にてエラー報知を行うための処理を実行するようになる。
すなわち、上記のようにメダル払出処理において第2エラーカウンタへのアクセスが許容された後で起動されるセグメントデータ設定処理(図888)では、ステップSj2405にて肯定判定してステップSj2410に進む。ステップSj2410では、第2エラーカウンタが「0」であるか否かを判定し、「0」である場合には、上記ステップSj2406に進み払出第2カウンタの値に応じた表示や押し順第2情報に応じた表示が払出枚数表示部62にて行われるように設定する処理を実行する。
上記のようにステップSj3504にて第1エラーカウンタの値が第2エラーカウンタに入力されると、ステップSj2410にて第2エラーカウンタが「0」ではないと判定することとなり、ステップSj2411に進む。ステップSj2411では、第2エラーカウンタの値に応じて、今回のエラーの種類を把握し、その種類に応じた表示(図890)が払出枚数表示部62にて行われるように、ステップSj2408にて払出枚数表示部62のセグメントデータの設定処理を実行する。これにより、払出枚数表示部62にてエラー報知が行われることとなる。
エラー報知を実行した後、ステップSj3504にてエラーに対応する解除操作が行われたと判定した場合、ステップSj3505に進む。ステップSj3505では第1エラーカウンタを「0」にクリアする処理を実行し、ステップSj3506にて第2エラーカウンタを「0」にクリアする処理を実行する。かかる処理を実行することにより、上記セグメントデータ設定処理におけるステップSj2410にて肯定判定して、払出枚数表示部62の表示がエラー報知からメダル払出枚数の表示や押し順報知に切り替わるようになる。
ステップSj3506の処理を実行した後は、ステップSj3507にて退避データ復帰処理を実行してから、本エラー対応処理を終了する。退避データ復帰処理では、ステップSj3501にて退避用エリア106hに退避させたデータ(クレジットカウンタ、BBカウンタ、払出第2カウンタ、押し順用カウンタ)を、元のデータに上書きする処理を行う。
<投入メダル滞留エラー、投入メダル通過異常エラー、投入タイミングエラーのエラー報知>
案内通路84でのエラーが発生した場合に、それがCPU102にて把握され、エラー報知が行われる様子を、図902及び図903のタイミングチャートを参照しながら説明する。
先ず、受入可能状態である状況で、投入メダル異常通過エラーが発生した場合について説明する。なお、実行するゲームがATモード中のゲームであって、押し順ベル当選である場合を想定して説明する。
受入可能状態であるta1にて、例えば、第1投入メダル検出センサ86aがON状態となるよりも前に第2投入メダル検出センサ86bがON状態となった場合、投入メダル異常通過エラーが発生したとして、タイマ割込み処理における投入センサ監視処理にて第1エラーカウンタに「2」が入力される(ステップSj3118)。かかる状況においては、第2エラーカウンタへのアクセスは許容されており、開始待ち処理におけるエラー判定処理にてエラー対応処理が実行され、第1エラーカウンタの値が第2エラーカウンタに入力される。そうすると、セグメントデータ設定処理において払出枚数表示部62にてエラー報知を行うための処理が実行されるようになり、当該払出枚数表示部62では、発生しているエラーの種類に応じた内容(投入メダル滞留エラーを示す「CP」)が表示されるようになる。
遊技ホールの管理者等によりメダル詰りを解消するための処置が施された後、ta2にてエラーの解除操作が行われると、第1エラーカウンタや第2エラーカウンタが0にクリアされ、上記のエラー報知は終了する。その後、ta3にて、再度、メダルが投入されて、ta4にてスタートレバー41が操作されてゲームが開始されると、ta5にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるタイミングにて、払出枚数表示部62における押し順報知が開始される。なお、補助表示部65での押し順報知演出は、ta4にて開始される。
ta6にて各リール32L,32M,32Rが停止して第1小役~第6小役等の入賞が成立すると、当該ta6にて入賞成立に基づくメダルの払出が開始され、払出枚数表示部62では、当該払出されるメダルの枚数の表示が行われるようになる。ta7にてメダルの払い出しが完了すると、払出枚数表示部62では払い出したメダル枚数の表示が行われた状態となる。
ちなみに、図には示していないが、上記のように払出枚数表示部62において押し順報知やメダル払出枚数の報知、及びエラー報知のそれぞれが実行されている状況において、クレジット表示部60では、クレジット数の表示を実行可能であり、残払出枚数表示部61ではBBカウンタの表示を実行可能である。つまり、これらクレジット表示部60や残払出枚数表示部61では、払出枚数表示部62において押し順報知を実行している状況下でクレジット数の表示やBBカウンタの表示を実行可能であって、払出枚数表示部62においてメダル払出数の報知を実行している状況下でクレジット数の表示やBBカウンタの表示を実行可能であり、更に払出枚数表示部62においてエラー報知を実行している状況下でクレジット数の表示やBBカウンタの表示を実行可能である。このように、報知内容の切り換えを行う箇所を払出枚数表示部62に限定することで、処理構成の簡素化が図られるし、報知内容の切り換えが行われたことや報知内容の切り換えが行われることを際立たせることが可能となり、払出枚数表示部62での報知内容を遊技者に容易に理解させる効果も期待できるようになる。なお、払出枚数表示部62における報知内容にかかわらず、クレジット表示部60や残払出枚数表示部61での報知内容が変化しないことは、以下の他のエラー報知であっても同様である。
また、払出枚数表示部62における区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8は、押し順報知やメダル払出枚数の報知、及びエラー報知のそれぞれが実行されている状況において、有利区間と通常区間とをそれぞれ報知する報知態様が維持される。つまり、有利区間中であれば、押し順報知やメダル払出枚数の報知を行う場合はもちろん、エラー報知を行う場合においても点灯状態が継続される。また、通常区間中であれば、押し順報知やメダル払出枚数の報知を行う場合はもちろん、エラー報知を行う場合においても消灯状態が継続される。そのため、例えば、遊技ホールの管理者は、エラー報知に基づいて(エラーの発生に基づいて)エラー解除操作を行う場合、そのエラーが有利区間中に発生したエラーであるか否かを容易に把握することが可能となる。
次に、受入可能状態ではない状況で、投入メダル異常通過エラーが発生した場合について説明する。この場合も、実行するゲームがATモード中のゲームであって、押し順ベル当選である場合を想定して説明する。
図902に示すように、受入可能状態であるta11にてメダル投入口45からメダルが投入され、ta12にてスタートレバー41が操作された場合、非受入可能状態とされるとともに、ta13にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されて同タイミングにて払出枚数表示部62における押し順報知が開始される。
各リール32L,32M,32Rが回転中であるta14にてメダル投入口45からメダルが投入された場合において、当該メダルが貯留用通路47側へ導出されてしまい、通過後計測フラグがセットされていない状況で第1投入メダル検出センサ86aに検出される位置で留まったとする。この場合、上記のように、投入メダル異常通過エラーに相当する事象が生じているものの、かかる状況は、通常処理においてリール制御処理が実行されている状況であって、開始待ち処理における第1通過センサ監視処理等の実行前の状況であることから、第1エラーカウンタへのエラー情報(1)の入力は行われない。但し、上記のように、投入センサ監視処理では、当該メダルが第1投入メダル検出センサ86aにて検出しており、上記のように投入メダル異常通過エラーに相当する事象が生じていることを把握している。
この場合、ta15にて各リール32L,32M,32Rが停止して払出枚数表示部62における表示が押し順報知からメダル払出枚数の表示に切り替わった後であって、更にta16にてメダルの払い出しが終了して出枚数表示部62において払出メダルの更新が終了した後、通常処理における開始待ち処理にて第1通過センサ監視処理が実行されることで第1エラーカウンタへのエラー情報(2)の入力が行われる。その結果、その後のエラー判定処理にて第2エラーカウンタへのエラー情報の入力も行われ、払出枚数表示部62でのエラー報知も開始される。当該エラー報知は、エラー解除操作が行われるta17まで継続して実行される。
次に、受入可能状態ではない状況で投入メダルを検出する等の投入タイミングエラーが発生した場合について説明する。なお、この場合も、実行するゲームがATモード中のゲームであって、押し順ベル当選である場合を想定して説明する。
図903に示すように、受入可能状態であるtb1にてメダル投入口45からメダルが投入され、tb2にてスタートレバー41が操作された場合、非受入可能状態とされるとともに、tb3にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されて同タイミングにて払出枚数表示部62における押し順報知が開始される。
各リール32L,32M,32Rが回転中であるtb4にてメダル投入口45からメダルが投入された場合において、当該メダルが第2投入メダル検出センサ86bに検出された場合、タイマ割込み処理における投入センサ監視処理にて第1エラーカウンタに投入タイミングエラーに相当するエラー情報(8)の入力が行われる。但し、かかる状況においては、第2エラーカウンタへのアクセスは制限されていることから、セグメントデータ設定処理においては払出枚数表示部62の表示を押し順報知に対応する表示とするための処理を実行し、エラー報知は行われない。
tb5にて各リール32L,32M,32Rが停止して払出枚数表示部62における表示が押し順報知からメダル払出枚数の表示に切り替わった後であって、更にtb6にてメダルの払い出しが終了して出枚数表示部62において払出メダルの更新が終了した後、メダル払出処理において第2エラーカウンタへのアクセス制限の解除処理が実行される。この場合、通常処理における開始待ち処理にてエラー判定処理(エラー対応処理)が行われると、第1エラーカウンタのエラー情報(8)が第2エラーカウンタに入力され、払出枚数表示部62でのエラー報知も開始される。当該エラー報知は、エラー解除操作が行われるtb7まで継続して実行される。
ちなみに、投入メダル滞留エラーの場合であっても、そのエラーの把握タイミングと報知タイミングとの関係は上記の投入タイミングエラーと同様であり、タイマ割込み処理における投入センサ監視処理にて第1エラーカウンタに投入メダル滞留エラーに相当するエラー情報(1)の入力が行われて投入メダル滞留エラーが発生していることを把握した場合であっても、第2エラーカウンタへのアクセス制限が解除されてからエラー報知が実行される。
つまり、投入メダル異常通過エラーについては、各リール32L,32M,32Rが回転している最中のように受入可能状態ではない状況で当該投入メダル異常通過エラーが発生した場合、当該エラー発生の原因となるメダル等の検出は、当該受入可能状態ではない状況で実行される投入センサ監視処理にて行われる。そして、当該投入メダル異常通過エラーが発生していることの特定は、受入可能状態となってから実行される開始待ち処理でのBET操作対応処理にて行われ、その特定したエラーの報知は、当該特定が行われたタイミングで実行される。その為、当該エラー報知は、払出枚数表示部62にて実行されるメダル払出数の報知や押し順報知と、その実行タイミングが重複することがない。
これに対して、投入タイミングエラーや投入メダル滞留エラーが発生した場合、当該エラー発生の原因となるメダル等の検出は、当該受入可能状態ではない状況でも実行される投入センサ監視処理にて行われ、更に、当該投入タイミングエラーや投入メダル滞留エラーが発生していることの特定も、受入可能状態ではない状況でも実行される投入センサ監視処理にて実行される。但し、その特定したエラーの報知は、開始待ち処理を待ってから行われ(メダル払出処理が完了してから行われ)、当該エラー報知についても、払出枚数表示部62にて実行されるメダル払出数の報知や押し順報知と、その実行タイミングが重複することがないように設定されている。
つまり、投入タイミングエラーや投入メダル滞留エラーの発生を特定した場合であっても、当該エラーを特定したタイミングでのエラー報知の実行を制限し、払出枚数表示部62において実行される他の報知(メダル払出枚数の報知や押し順報知)が実行されないタイミングとなってから当該エラー報知を実行するようにしたことから、当該エラー報知を行うことによって、実行中の他の報知用の情報がエラー報知用の情報に上書きされてしまったり、当該他の報知用の情報が書き換わってしまう等の不都合を生じさせないようにすることができるし、例えば、エラー報知を行うにあたって当該他の報知用の情報が消滅してしまう等の事象を極力回避することが可能となり、各種情報の報知手段を好適に共用することが可能となる。
<遊技メダル払出装置エンプティエラー、払出メダル滞留エラー、払出タイミングエラー>
次に、払出装置53からメダルを払い出す場合に生じる遊技メダル払出装置エンプティエラー、払出メダル滞留エラー、払出タイミングエラーについて説明する。これらのエラーは、通常処理におけるメダル払出処理(ステップSj312)や、タイマ割込み処理におけるセンサ監視処理(ステップSj107)にてそのエラーの発生が検出される。
既に説明した通り、メダル払出処理では、ゲームの結果に応じたメダル払出枚数に対応する払出第1カウンタが0となるまでメダル払出を行ったり、クレジットカウンタを加算したりする(図887)。この場合、クレジットカウンタが上限値の「50」であればメダル払出を行うための払出駆動処理(ステップSj2304)を実行する。図904は、払出駆動処理を示すフローチャートである。
<払出駆動処理>
払出駆動処理では、ステップSj3601にて払出装置53のメダル払出用回転板を回転させるためのホッパモータを駆動制御する処理を実行する。かかる処理により、払出装置53から1枚のメダルが払い出されるようになる。続くステップSj3602では、各種フラグ格納エリア106dに払出開始フラグをセットする処理を実行する。払出開始フラグは、メダルの払い出しを実行している状況であることをCPU102が把握するための処理である。この場合、メダル払出処理において払出第1カウンタが0ではない場合に当該払出開始フラグをセットするのではなく、実際にメダルを払い出す際に払出開始フラグをセットする構成とすることで、クレジットカウンタを加算するだけであるのにもかかわらず払出開始フラグがセットされてしまうことを回避することができる。当該払出開始フラグは、1枚のメダル払出が完了した場合にクリアされる。
払出開始フラグをセットした後は、ステップSj3603にて第1払出センサ監視処理を実行し、ステップSj3604にて第2払出センサ監視処理を実行する。ステップSj3603の第1払出センサ監視処理は、払出メダル検出装置95における第1払出メダル検出センサ95aの検出結果に基づいてメダルの通過を監視するための処理である。また、ステップSj3604の第2払出センサ監視処理は、払出メダル検出装置95における第2払出メダル検出センサ95bの検出結果に基づいてメダルの通過を監視するための処理である。
続くステップSj3605では、第1エラーカウンタが「3」又は「4」であるか否かを判定する。第1エラーカウンタが「3」である場合とは、遊技メダル払出装置エンプティエラーが発生していることをCPU102が把握している場合であり、第1エラーカウンタが「4」である場合とは、払出メダル滞留エラーが発生していることをCPU102が把握している場合である(図890)。これらのエラーは、メダルの払出に基づいて発生するエラーであり、かかるエラーが発生している場合には、ステップSj3606~ステップSj3610の処理を実行する。これらの処理については、後に詳細に説明する。
ステップSj3605にて第1エラーカウンタが「3」又は「4」ではない場合、ステップSj3811に進み、払出開始フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSj3603に戻る。1枚のメダル払出が完了するとステップSj3604の第2払出センサ監視処理にて払出開始フラグがクリアされ、この場合、ステップSj3611にて否定判定することとなり、この場合、ステップSj3612にてホッパモータを駆動制御を終了する処理を実行してから、本払出駆動処理を終了する。
払出メダル検出装置95における第1払出メダル検出センサ95aや第2払出メダル検出センサ95bの検出結果は、タイマ割込み処理におけるセンサ監視処理(ステップSj107)の払出センサ監視処理(ステップSj2902)により把握される。
<払出センサ監視処理>
図905は、払出センサ監視処理を示すフローチャートである。
ステップSj3701にて、第1払出メダル検出センサ95aがON状態であるか否かを判定する。第1払出メダル検出センサ95aや第2払出メダル検出センサ95bからの検出信号は、上記第1投入メダル検出センサ86aや第2投入メダル検出センサ86bと同様に、HI状態とLOW状態とに切り換わり可能となっており、第1払出メダル検出センサ95aや第2払出メダル検出センサ95bからの検出信号がHI状態となっている場合が、当該HI状態となっている払出メダル検出センサ95a,95bのON状態であり、メダルを検出していることを意味し、第1払出メダル検出センサ95aや第2払出メダル検出センサ95bからの検出信号がLOW状態となっている場合が、当該LOW状態となっている払出メダル検出センサ95a,95bのOFF状態であり、メダルを検出していないことを意味する。
ステップSj3701にて第1払出メダル検出センサ95aにてメダルを検出していると判定した場合、ステップSj3702にて各種フラグ格納エリア106dに第1払出フラグをセットする処理を実行する。第1払出フラグは、第1払出メダル検出センサ95aがON状態となり、メダルが通過していることをCPU102が把握するためのフラグである。続くステップSj3703では、各種フラグ格納エリア106dに上記の払出開始フラグがセットされており、メダル払出の実行中であるか否かを判定する。
払出開始フラグがセットされておらず、メダル払出の実行中ではない状況で第1払出メダル検出センサ95aにてメダルを検出した場合、ステップSj3704にて、第1エラーカウンタに「8」が入力されており、投入タイミングエラーが発生していることをCPU102が把握しているか否かを判定する。投入タイミングエラーが発生していることを把握していない場合、ステップSj3705にて第1エラーカウンタに「9」を入力する処理を実行する。かかる処理にて、CPU102は、払出タイミングエラーが発生していることを把握することが可能となる。一方、ステップSj3704にて第1エラーカウンタに「9」が入力されている場合には、ステップSj3706にて第1エラーカウンタに「10」を入力する処理を実行する。かかる処理にて、CPU102は、投入タイミングエラーと払出タイミングエラーとが重複する投入払出タイミングエラーが発生していることを把握可能となる。
ステップSj3701にて第1払出メダル検出センサ95aにてメダルを検出していないと判定した場合、ステップSj3707にて上記の第1払出フラグをクリアする処理を実行する。なお、ステップSj3707において第1払出フラグがセットされていない場合には、その状態を維持する。
ステップSj3703にて払出開始フラグがセットされていると判定した場合、又はステップSj3705~ステップSj3707のいずれかの処理を実行した後は、ステップSj3708に進む。
ステップSj3708では、払出メダル検出装置95において、第1払出メダル検出センサ95aよりも、メダル排出口49に近い側(排出用通路48の下流側)に配置された第2払出メダル検出センサ95bがON状態であり、メダルを検出している状態か否かを判定する。第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出していると判定した場合、ステップSj3709にて各種フラグ格納エリア106dに第2払出フラグをセットする処理を実行する。第2払出フラグは、第2払出メダル検出センサ95bがON状態となり、メダルが通過していることをCPU102が把握するためのフラグである。続くステップSj3710では、各種フラグ格納エリア106dに上記の払出開始フラグがセットされており、メダル払出の実行中であるか否かを判定する。
払出開始フラグがセットされておらず、メダル払出の実行中ではない状況で第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出した場合、ステップSj3711にて、第1エラーカウンタに「8」が入力されているか否かを判定する。第1エラーカウンタに「8」が入力されていない場合、ステップSj3712にて第1エラーカウンタに「9」を入力する処理を実行する。一方、ステップSj3711にて第1エラーカウンタに「9」が入力されている場合には、ステップSj3713にて第1エラーカウンタに「10」を入力する処理を実行する。
ステップSj3708にて第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出していないと判定した場合、ステップSj3714にて上記の第2払出フラグをクリアする処理を実行する。なお、ステップSj3714において第2払出フラグがセットされていない場合には、その状態を維持する。
ステップSj3710にて払出開始フラグがセットされていると判定した場合、又はステップSj3712~ステップSj3714のいずれかの処理を実行した後は、ステップSj3715にて払出経過把握処理を実行してから、本払出センサ監視処理を終了する。
<払出経過把握処理>
図906は、ステップSj3715の払出経過把握処理を示すフローチャートである。
ステップSj3801では、上記の第1払出フラグがセットされているか否かを判定する。第1払出フラグがセットされている場合、ステップSj3802にて、各種カウンタエリア106eに設けられた第1払出経過カウンタHC1に1加算する処理を実行する。第1払出経過カウンタHC1は、第1払出メダル検出センサ95aにてメダルを検出している期間をCPU102が把握するためのカウンタである。
続くステップSj3803では、各種カウンタエリア106eに設けられた共通払出経過カウンタHC4に1加算する処理を実行する。共通払出経過カウンタHC4は、第1払出メダル検出センサ95a又は第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出している期間をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSj3801にて否定判定した場合、又はステップSj3803の処理を実行した後は、ステップSj3804にて、上記の第2払出フラグがセットされているか否かを判定する。第2払出フラグがセットされている場合、ステップSj3805にて、各種カウンタエリア106eに設けられた第2払出経過カウンタHC2に1加算する処理を実行する。第2払出経過カウンタHC2は第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出している期間をCPU102が把握するためのカウンタである。
続くステップSj3806では、第1払出フラグがセットされており、第2払出メダル検出センサ95bだけではなく第1払出メダル検出センサ95aでもメダルを検出しているか否かを判定する。第1払出メダル検出センサ95aではメダルを検出していない場合、ステップSj3807にて、上記の共通払出経過カウンタHC4に1加算する処理を実行する。
ステップSj3804にて否定判定した場合、ステップSj3806にて肯定判定した場合、又はステップSj3807の処理を実行した後は、ステップSj3808にて、上記の払出開始フラグがセットされているか否かを判定する。払出開始フラグがセットされている場合、ステップSj3809にて、各種カウンタエリア106eに設けられた第3払出経過カウンタHC3に1加算する処理を実行する。第3払出経過カウンタHC3はメダル払出処理において払出駆動処理が開始されてから、1枚のメダルが払い出されるまでの期間をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップSj3808にて否定判定した場合、又はステップSj3809の処理を実行した後は、払出経過把握処理を終了する。
<第1払出センサ監視処理>
次に、払出駆動処理(図904)におけるステップSj3603にて実行される第1払出センサ監視処理について、図907のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSj3901では、上記の第1払出フラグがセットされているか否かを判定する。上記の通り、第1払出フラグは第1払出メダル検出センサ95aにてメダルを検出している場合に払出センサ監視処理にてセットされるフラグである。第1払出フラグがセットされている場合、ステップSj3902にて各種フラグ格納エリア106dに払出1フラグがセットされているか否かを判定する。払出1フラグは、今回の第1払出センサ監視処理よりも前に実施された第1払出センサ監視処理において、第1払出メダル検出センサ95aにてメダルを検出していると判定したことをCPU102が把握するためのフラグである。払出1フラグがセットされていない場合、ステップSj3903にて払出1フラグをセットする処理を実行する。
ステップSj3902にて払出1フラグがセットされていると判定した場合、又はステップSj3903にて払出1フラグをセットした後は、ステップSj3904に進む。ステップSj3904では、共通払出経過カウンタHC4が所定値としての「135」以上となっているか否かを判定する。上記の通り、共通払出経過カウンタHC4は、第1払出メダル検出センサ95a又は第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出している期間を把握するためのカウンタである。ステップSj3904にて共通払出経過カウンタHC4が「135」以上であり、第1払出メダル検出センサ95a又は第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出している期間が所定期間(201.15msec)以上となった場合とは、当該第1払出メダル検出センサ95a又は第2払出メダル検出センサ95bにて検出される位置にてメダルが滞留している払出メダル滞留エラーが発生している場合であり、この場合、ステップSj3905にて、第1エラーカウンタに「4」を入力する処理を実行してから第1払出センサ監視処理を終了する。第1エラーカウンタに「4」を入力することにより、CPU102は、払出メダル滞留エラーが発生していることを把握することが可能となる。ステップSj3904にて否定判定した場合は、そのまま第1払出センサ監視処理を終了する。
ステップSj3901に第1払出フラグがセットされておらず、第1払出メダル検出センサ95aにてメダルを検出していない場合、ステップSj3906に進む。ステップSj3906では、払出1フラグがセットされているか否かを判定する。払出1フラグがセットされていない場合には、そのまま本第1払出センサ監視処理を終了する。払出1フラグがセットされている場合、ステップSj3907にて当該払出1フラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSj3908にて第1払出経過カウンタHC1を0にクリアする処理を実行してから、本第1払出センサ監視処理を終了する。
<第2払出センサ監視処理>
次に、払出駆動処理(図904)におけるステップSj3604にて実行される第2払出センサ監視処理について、図908のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSj4001では、上記の第2払出フラグがセットされているか否かを判定する。上記の通り、第2払出フラグは第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出している場合に払出センサ監視処理にてセットされるフラグである。第2払出フラグがセットされている場合、ステップSj4002にて各種フラグ格納エリア106dに払出2フラグがセットされているか否かを判定する。払出2フラグは、今回の第2払出センサ監視処理よりも前に実施された第2払出センサ監視処理において、第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出していると判定したことをCPU102が把握するためのフラグである。払出2フラグがセットされていない場合、ステップSj4003にて払出2フラグをセットする処理を実行する。
ステップSj4003にて払出2フラグをセットした後は、ステップSj4004に進む。ステップSj4004では、上記の払出1フラグがセットされているか否かを判定する。上記の通り、第1払出メダル検出センサ95aと第2払出メダル検出センサ95bとは、同一メダルを同時期に検出可能となるように配置されており、通常であれば、排出用通路48を通過するメダルを第2払出メダル検出センサ95bにて検出し始める際には、当該メダルは第1払出メダル検出センサ95aでも検出されており、ステップSj4004においては払出1フラグがセットされているはずである。払出1フラグがセットされていない場合、メダルが逆流する等、払出メダル滞留エラーが発生していると考えられ、この場合、ステップSj4004にて第1エラーカウンタに「4」を入力する処理を実行してから、本第2払出センサ監視処理を終了する。第1エラーカウンタに「4」を入力することにより、CPU102は、払出メダル滞留エラーが発生していることを把握することが可能となる。
ステップSj4002にて払出2フラグがセットされていると判定した場合、又はステップSj4004にて払出1フラグがセットされていると判定した後は、ステップSj4006に進む。ステップSj4006では、上記の第2払出経過カウンタHC2が所定値としての「40」以上となっているか否かを判定する。上記の通り、第2払出経過カウンタHC2は、第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出してからの経過期間を把握するためのカウンタであり、ステップSj4006にて第2払出経過カウンタHC2が「40」以上である場合とは、第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出し始めてから所定期間(59.6msec)以上経過している場合である。この場合も、第2払出メダル検出センサ95bにて検出される位置にてメダルが滞留する等の払出メダル滞留エラーが発生していると考えられ、ステップSj4004にて第1エラーカウンタに「4」を入力する処理を実行してから、本第2払出センサ監視処理を終了する。
ステップSj4006にて第2払出経過カウンタHC2が「40」未満である場合、ステップSj4007にて共通払出経過カウンタHC4が所定値として「135」以上であるか否かを判定する。上記の通り、共通払出経過カウンタHC4は、第1払出メダル検出センサ95a又は第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出している期間を把握するためのカウンタであり、ステップSj4007にて共通払出経過カウンタHC4が「135」以上である場合とは、第1払出メダル検出センサ95a又は第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出している期間が所定期間(201.15msec)以上経過している場合である。この場合も、第2払出メダル検出センサ95bにて検出される位置にてメダルが滞留する等の払出メダル滞留エラーが発生していると考えられ、ステップSj4004にて第1エラーカウンタに「4」を入力する処理を実行してから、本第2払出センサ監視処理を終了する。また、ステップSj4007にて否定判定した場合には、そのまま本第2払出センサ監視処理を終了する。
ステップSj4001にて第2払出フラグがセットされておらず、第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出していない場合、ステップSj4008に進む。ステップSj4008では、払出2フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合、ステップSj4009にて当該払出2フラグをクリアする処理を実行する。続くステップSj4010では、上記の第2払出経過カウンタHC2を「0」にクリアする処理を実行し、続くステップSj4011にて第3払出経過カウンタHC3を「0」にクリアする処理を実行し、ステップSj4012にて共通払出経過カウンタHC4を「0」にクリアする処理を実行する。その後、ステップSj4013にて払出開始フラグをクリアする処理を実行してから、第2払出センサ監視処理を終了する。払出開始フラグをクリアすることにより、払出駆動処理(図904)においてステップSj3606にて否定判定することが可能となり、1枚のメダル払出が完了したとして当該払出駆動処理が終了されるようになる。
ステップSj4008にて払出2フラグがセットされていない場合、ステップSj4014にて、第3払出経過カウンタHC3が所定値としての「2014」以上となっているか否かを判定する。上記の通り、第3払出経過カウンタHC3は、払出駆動処理においてメダルの払出を開始してから1枚のメダル払出が完了するまでの期間を把握するためのカウンタであり、ステップSj4014にて第3払出経過カウンタHC3が「2014」以上である場合とは、メダルの払出を開始してから所定期間(3000.86msec)が経過しているのにもかかわらず1枚のメダル払出が完了しない場合である。この場合、貯留タンク52内のメダルが空となっており、遊技メダル払出装置エンプティエラーが発生しているとして、ステップSj4015にて第1エラーカウンタに「3」を入力する処理を実行してから、本第2払出センサ監視処理を終了する。第1エラーカウンタに「3」を入力することで、CPU102は、遊技メダル払出装置エンプティエラーが発生していることを把握することが可能となる。
払出駆動処理(図904)において、上記の第1払出センサ監視処理及び第2払出センサ監視処理を実行した後は、上記の通り、ステップSj3605にて第1エラーカウンタが「3」又は「4」であるか否かの判定が行われる。第1エラーカウンタが「3」又は「4」であり、遊技メダル払出装置エンプティエラー(3)又は払出メダル滞留エラー(4)が発生している場合には、ステップSj3606にて第2エラーカウンタへのアクセス制限の解除処理を実行し、ステップSj3607にてホッパモータの駆動を一時終了して払出装置53からのメダル払出を一旦停止する。そして、ステップSj3608にてエラー対応処理を実行する。
ステップSj3608のエラー対応処理は、開始待ち処理にて実行されるエラー判定処理におけるエラー対応処理(図901)と同様である。すなわち、データ退避処理、メダル受付の禁止処理を実行した後、第1エラーカウンタの値を第2エラーカウンタに入力する処理を実行する(ステップSj3503)。かかる処理により、セグメントデータ設定処理(図888)では、ステップSj2405にて肯定判定するとともに、ステップSj2410にて否定判定することとなり、エラー種別に応じたエラー報知が払出枚数表示部62にて実行されるようになる。上記の通り、エラー報知は、エラーの解除操作が行われるまで継続して実行され、エラー解除操作によりステップSj3504にて肯定判定することとなる。この場合、第1エラーカウンタ及び第2エラーカウンタを「0」にクリアした後、退避データ復帰処理を実行してから、当該エラー対応処理を終了する。
払出駆動処理(図904)においてステップSj3608のエラー対応処理を終了した後は、ステップSj3609にて、第2エラーカウンタへのアクセス制限を再開し、ステップSj3610にてホッパモータの駆動を開始して払出装置53からのメダル払出を再開してから、ステップSj3611に進む。上記の通り、遊技メダル払出装置エンプティエラーや払出メダル滞留エラーが発生していることを特定した場合(第1エラーカウンタに「3」や「4」を入力する処理を実行した場合)には、払出開始フラグをクリアすることはないため、上記ステップSj3608にエラー対応処理を実行した後のステップSj3611では、払出開始フラグがセットされているとして、ステップSj3603に戻ることとなる。また、上記の通り、ステップSj3609にて第2エラーカウンタへのアクセスが制限されることにより、セグメントデータ設定処理では、第2エラーカウンタの値に応じたエラー報知を終了し、払出第2カウンタの値に応じたメダル払出枚数の報知を払出枚数表示部62にて行うようになる。
<遊技メダル払出装置エンプティエラー、払出メダル滞留エラー、払出タイミングエラーのエラー報知>
排出用通路48でのエラーが発生した場合に、それがCPU102にて把握され、エラー報知が行われる様子を、図909及び図910のタイミングチャートを参照しながら説明する。
先ず、遊技メダル払出装置エンプティエラーや払出メダル滞留エラーのエラー報知が行われる様子について説明する。なお、実行するゲームがATモード中のゲームであって、押し順ベル当選である場合を想定して説明する。
図909に示すように、受入可能状態であるtc1にてメダル投入口45からメダルが投入され、tc2にてスタートレバー41が操作された場合、非受入可能状態とされるとともに、tc3にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されて同タイミングにて払出枚数表示部62における押し順報知が開始される。
tc4にて各リール32L,32M,32Rが停止して、メダルの払出が開始される場合、払出枚数表示部62における表示は、押し順報知からメダル払出枚数の表示に切り替わる。そして、例えば、当該メダルの払出中であるtc5にて、払出メダル滞留エラーが発生した場合、払出駆動処理における第1払出センサ監視処理や第2払出センサ監視処理にて第1エラーカウンタに払出メダル滞留エラーに対応する値(4)の入力が行われる。その結果、当該払出駆動処理において第2エラーカウンタへのアクセス制限が解除されて、第2エラーカウンタに第1エラーカウンタのエラー情報(4)が入力され、払出枚数表示部62のメダル払出枚数の表示は、払出メダル滞留エラーを示すエラー報知に切り替わる。当該エラー報知は、エラー解除操作が行われるtc6まで継続して実行され、当該エラー解除操作に基づいて、メダル払出が再開されて、払出枚数表示部62の表示も、エラー報知からメダル払出枚数の表示に切り替わる。
ちなみに、遊技メダル払出装置エンプティエラーの場合であっても、そのエラーの発生タイミングと報知タイミングは上記の払出メダル滞留エラーと同様であり、遊技メダル払出装置エンプティエラーは払出装置53からのメダル払出中に発生し、当該メダル払出を一旦停止したうえで、当該遊技メダル払出装置エンプティエラーのエラー報知を実行する。この場合、メダル払出中に払出枚数表示部62にて払出枚数の表示が行われていれば、当該エラーの発生に基づき、かかる払出枚数の表示からエラー報知に切り換わる。そして、エラー解除操作に基づき、エラー報知を終了するとともに、メダル払出が再開され、メダル払出枚数の表示も再開されることとなる。
ちなみに、遊技メダル払出装置エンプティエラーや払出メダル滞留エラーは、ゲームの入賞結果に基づきメダル払出が行われる場合に発生し得るエラーであるとともに、精算スイッチ59の操作に基づくクレジット分のメダル払出を行う場合にも発生し得るエラーである。クレジット分のメダル払出中に遊技メダル払出装置エンプティエラーや払出メダル滞留エラーが発生した場合においても、当該エラーの発生時にエラー報知が払出枚数表示部62にて実行され、エラー解除操作に基づき、当該エラー報知も終了し、メダル払出が再開される。なお、クレジット分のメダル払出を行う際には、払出枚数表示部62においてはメダル払出枚数の表示も押し順報知も行ってらず、押し順第2情報の押し順用カウンタが0であって、押し順無しに相当する「00」の表示が行われており、エラー報知が実行される場合には、当該「00」の表示からエラー報知(HEやHP)に切り替わる。
次に、払出タイミングエラーのエラー報知が行われる様子について説明する。ここでも、実行するゲームがATモード中のゲームであって、押し順ベル当選である場合を想定して説明する。
図910に示すように、受入可能状態であるtd1にてメダル投入口45からメダルが投入され、td2にてスタートレバー41が操作された場合、非受入可能状態とされるとともに、td3にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されて同タイミングにて払出枚数表示部62における押し順報知が開始される。
各リール32L,32M,32Rの回転中のtd4にて、第1払出メダル検出センサ95a又は第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出した場合、当該td4はメダル払出の実行中ではないため、払出センサ監視処理(図905)において第1エラーカウンタに「9」が入力されて払出タイミングエラーが発生していることが把握されるようになる。但し、当該td4においては、第2エラーカウンタへのアクセスが制限されているため、エラー報知は開始されず、払出枚数表示部62では押し順報知が継続して実施される。
td5にて各リール32L,32M,32Rが停止して、メダルの払出が開始される場合、払出枚数表示部62における表示は、押し順報知からメダル払出枚数の表示に切り替わる。この場合、上記のように第1エラーカウンタには「9」が入力されているため、払出駆動処理では、第2エラーカウンタへのアクセス制限の解除処理やエラー対応処理を実行せず、メダル払出を実行することとなる。td6にてそのメダル払出が終了すると、メダル払出処理(図887)にて第2エラーカウンタへのアクセス制限の解除処理が行われ、開始待ち処理におけるエラー判定処理にてエラー報知を行うための処理が実行される。その結果、当該メダル払出が終了するtd6からエラー報知が開始され、エラー解除操作が行われるtd7まで当該エラー報知は継続する。
すなわち、排出用通路48でのエラーが発生した場合、そのエラーの種類が遊技メダル払出装置エンプティエラーや払出メダル滞留エラーである場合、当該エラーの発生時に払出枚数表示部62にてメダル払出枚数の表示が行われていても、当該エラーの発生時にエラー報知が開始される。これに対して、排出用通路48で発生したエラーの種類が、払出タイミングエラーである場合、当該エラー発生時が各リール32L,32M,32Rの回転中であったりメダル払出中である場合、メダル払出の終了を待って、エラー報知が開始される。このように、払出タイミングエラーについては、払出枚数表示部62において他の表示が行われている状況ではエラー報知を実行しないようにして、当該他の表示を行う上での不都合等を生じさせないようにしながらも、遊技メダル払出装置エンプティエラーや払出メダル滞留エラーのように、払出枚数表示部62において実行している他の表示(メダル払出枚数の表示)に関係するエラーであれば、当該他の表示が行われていても当該エラーの発生時にエラー報知を実行するようにしたことで、エラー報知用の報知手段を払出枚数表示部62にて行うことで報知手段の共用化を図りながらも、エラーの種類に応じた適切な対処を行うことが可能となる。
<補助収納庫満杯エラー>
次に、補助収納庫満杯エラーが発生した場合の、当該エラーの把握と、当該エラーの報知について説明する。
補助収納庫満杯エラーの発生は、センサ監視処理(図895)におけるステップSj2903の予備タンクセンサ監視処理にて特定される。図911は、予備タンクセンサ監視処理を示すフローチャートである。
ステップSj4101では、予備タンク54に設けられた予備タンクセンサ96がON状態となっているか否かを判定する。予備タンクセンサ96からの検出信号は、上記第1投入メダル検出センサ86a等と同様に、HI状態とLOW状態とに切り換わり可能となっており、予備タンクセンサ96からの検出信号がHI状態となっている場合がON状態であって、予備タンク54内のメダルが一定量以上(満タン)であることを意味し、予備タンクセンサ96からの検出信号がLOW状態となっている場合がOFF状態であり、予備タンク54内のメダルが一定量未満メダルであることを意味する。
予備タンクセンサ96がON状態である場合、ステップSj4102にて、第1エラーカウンタに補助収納庫満杯エラーを示す「5」を入力してから、本予備タンクセンサ監視処理を終了する。予備タンクセンサ96がOFF状態である場合、そのまま本予備タンクセンサ監視処理を終了する。
第1エラーカウンタに「5」が入力された場合であっても、上記の通り、第2エラーカウンタへのアクセス制限が解除されるまではエラー報知は実行されない。この場合、上記の払出駆動処理(図904)では、第1エラーカウンタが「5」であってもステップSj3605にて否定判定することから、第2エラーカウンタへのアクセス制限が解除されるタイミングは、メダル払出処理においてメダル払出が完了した場合である。つまり、この場合、開始待ち処理におけるエラー判定処理にてエラー対応処理が実行されて、補助収納庫満杯エラーに相当する「HF」の表示が払出枚数表示部62にて実行されることになる。
この場合、当該補助収納庫満杯エラーが発生したタイミングが払出枚数表示部62において他の表示を行っている状況であれば、当該他の表示が終了してから当該補助収納庫満杯エラーが発生していることのエラー報知が実行される。
<乱数異常エラー>
次に、乱数異常エラーが発生した場合の、当該エラーの把握と、当該エラーの報知について説明する。
乱数異常エラーの発生は、各ゲームの抽選乱数取得処理にて特定される。抽選乱数取得処理は、抽選処理(図858)におけるステップSj401や、有利区間移行抽選処理(図867)におけるステップSj803、AT抽選用処理(図869)におけるステップSj904、継続判定処理(図870)におけるステップSj1004、AT上乗せ用処理(図871)におけるステップSj1103のようにスタートレバー41の操作時に実行される場合の他、停止時抽選処理(図872)におけるステップSj1205のようにストップスイッチ42~44の操作時に実行される場合もある。図912は、これら各タイミングで実行される抽選乱数取得処理を示すフローチャートである。
ステップSj4201では、今回の抽選対象を把握する処理を実行する。すなわち、例えば、ステップSj401の抽選乱数取得処理においては、今回の抽選対象がゲームの役であると把握し、ステップSj803の抽選乱数取得処理においては、今回の抽選対象が有利区間の移行の有無であると把握し、ステップSj904の抽選乱数取得処理においては、今回の抽選対象がATモードへの移行の有無であると判定し、ステップSj1004の抽選乱数取得処理においては、今回の抽選対象がATモードのセット継続の有無であると把握し、ステップSj1103の抽選乱数取得処理においては、今回の抽選対象がATモードのセット上乗せの有無であると判定し、ステップSj1205の抽選乱数取得処理においては、今回のつ抽選対象がATモードのセット上乗せの有無であると判定する。
そしてステップSj4202では、上記ステップSj4201にて把握した抽選対象に対応する抽選乱数をRAM106から取得する処理を実行する。続くステップSj4203では、ステップSj4202にて取得した乱数が、今回の抽選対象の抽選乱数における正常範囲内の値であるか否かを判定し、正常範囲内の値であれば、そのまま本抽選乱数取得処理を終了する。
例えば、ステップSj4201において今回の抽選対象がゲームの役であると把握した場合、取得する抽選乱数の正常範囲とは0~65535であり、当該範囲内の値の乱数を取得している場合には、ステップSj4203にて肯定判定する。また、ステップSj4201において今回の抽選対象が有利区間やATモードの移行の有無であると把握した場合や、ATモードのセット継続の有無、ATモードのセット上乗せの有無であると把握した場合、取得する抽選乱数の正常範囲は0~127でり、当該範囲内の値の乱数を取得している場合には、ステップSj4203にて肯定判定する。この場合、ステップSj4202にて取得した乱数を用いて、その後の抽選処理が行われることとなる。
これに対して、ステップSj4203にて取得している乱数が正常範囲内の値ではないと判定した場合、ステップSj4204に進む。ステップSj4204では、エラー時用予備乱数を取得する処理を実行する。エラー時用予備乱数は、予め定められた所定値(例えば0)の乱数が設定されている。この場合、当該エラー時用予備乱数を用いて、その後の抽選処理を実行する。このようにすることで、その後の抽選処理を実行することができずに、通常処理が進行せずに当該ゲームを終了する事すらできなくなってしまう不都合を回避することが可能となる。
なお、当該エラー時用予備乱数を、抽選対象に応じて異ならせてもよい。この場合、例えば、抽選乱数の正常範囲が同じである有利区間の移行の有無とATモードの移行の有無との抽選乱数において、エラー時用予備乱数をそれぞれ異ならせてもよいし、抽選乱数の正常範囲が異なるゲームの役とATモードのセット上乗せの有無との抽選乱数において、エラー時用予備乱数をそれぞれ異ならせてもよい。
これらの場合、エラー時用予備乱数が、抽選対象の抽選において最も利益が少ない結果(例えば、外れ)となるように設定することで、不正に正常範囲外の乱数を取得させる行為を行わせにくくすることができる。また、エラー時用予備乱数を、抽選対象の抽選において、今回の抽選を再度実行できる程度の利益となるような結果(例えば、ゲームの役であれば、通常リプA)となるように設定してもよい。
ステップSj4204にてエラー時予備乱数を取得した後は、ステップSj4205にて、第1エラーカウンタに乱数異常エラーを示す「7」を入力してから、本抽選乱数取得処理を終了する。第1エラーカウンタに「7」が入力されることにより、CPU102は乱数異常エラーが発生していることを把握することが可能となる。
但し、上記の補助収納庫満杯エラーと同様に、第1エラーカウンタに「7」が入力された場合であっても、第2エラーカウンタへのアクセス制限が解除されるまではエラー報知は実行されない。この場合、上記の払出駆動処理(図904)では、第1エラーカウンタが「7」であってもステップSj3605にて否定判定することから、第2エラーカウンタへのアクセス制限が解除されるタイミングは、メダル払出処理においてメダル払出が完了した場合である。つまり、この場合、開始待ち処理におけるエラー判定処理にてエラー対応処理が実行されて、乱数異常エラーに相当する「E2」の表示が払出枚数表示部62にて実行されることになる。
つまり、当該乱数異常エラーが発生したタイミングが払出枚数表示部62において他の表示を行っている状況であれば、当該他の表示が終了してから当該乱数異常エラーが発生していることのエラー報知が実行され、エラー解除操作が行われるまで、当該エラー報知は継続される。
上記の通り、乱数異常エラーについては、前面扉12が開放された状態で設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作しながら電源スイッチ71を操作して電源を投入し、当選確率設定処理にて設定値の設定を行うことがこれらのエラーの解除操作として設定されている。
<RAM異常エラー>
RAM異常エラーは、電源投入時のメイン処理(図856)にてそのエラーの発生が把握される。
メイン処理においてステップSj206の当選確率設定処理を実行した後は、ステップSj207にて、上記ステップSj206にて設定された設定値は「1」~「6」の範囲内であるか否かを判定する。既に説明した通り、本スロットマシン10では、当選確率設定処理にて設定される設定値は「1」~「6」とされており、これら設定値に応じて各ゲームの役の抽選テーブル等が設定されている。なお、当選確率設定処理では、設定値情報記憶エリア106cに設けられた設定値用カウンタに、今回設定する設定値に対応する値を入力することで設定値を設定し、設定値に応じた抽選テーブルを取得する際には、かかる設定値用カウンタを参照して、対応する抽選テーブルを取得する。つまり、ステップSj207においては、通常であれば設定値用カウンタに「1」~「6」が入力されているとして、肯定判定するはずである。
その一方で、例えば、ノイズ等の影響により、設定値用カウンタに「0」以下の値や「7」以上の値が入力されてしまうと、その後の抽選処理等において対応する抽選テーブルを取得することができずにゲームを進行することができなくなってしまう場合がある。この場合、ステップSj207にて否定判定し、ステップSj208にて第1エラーカウンタにRAM異常エラーを示す「6」を入力する処理を実行する。第1エラーカウンタに「6」が入力されることにより、CPU102はRAM異常エラーが発生していることを把握することが可能となる。
ステップSj207にて肯定判定した場合、又はステップSj208の処理を実行した後は、ステップSj209にてエラー判定処理を実行する。ステップSj209のエラー判定処理は、開始待ち処理におけるステップSj3504にて実行される処理(図900)と同様である。ちなみに、メイン処理の起動時においては、開始待ち処理の実行前であることから第2エラーカウンタへのアクセスは制限されておらず、上記ステップSj208にて第1エラーカウンタに入力された値は、エラー対応処理にて第2エラーカウンタに入力されて、RAM異常エラーに相当する「E1」の表示が払出枚数表示部62にて実行され、エラー解除操作が行われるまで、当該エラー報知は継続される。
上記の通り、RAM異常エラーについては、乱数異常エラーと同様に、前面扉12が開放された状態で設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作しながら電源スイッチ71を操作して電源を投入し、当選確率設定処理にて設定値の設定を行うことがこれらのエラーの解除操作として設定されている。
メイン処理において、ステップSj212にて停電からの復帰後、RAM判定値が正常ではないと判定した場合、ステップSj213に進む。ステップSj213では、上記ステップSj208と同様に、第1エラーカウンタにRAM異常エラーを示す「6」を入力する処理を実行する。その後、ステップSj219にてエラー対応処理を実行する。この場合においても、第1エラーカウンタに入力された値は第2エラーカウンタに入力されて、RAM異常エラーに相当する「E1」の表示が払出枚数表示部62にて実行され、エラー解除操作が行われるまで、当該エラー報知は継続される。
<エラー発生タイミングとエラー報知タイミング>
以上の各種エラーの発生タイミングと、そのエラーの報知タイミングとの関係について、図913~図914のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図913(a)は、払出枚数表示部62にて他の表示を実行していない状況でエラーが発生した場合を示している。
すなわち、払出枚数表示部62において押し順報知も払出枚数の表示も実行していないte1にてエラーが発生した場合、当該エラーの発生を把握したCPU102は、当該エラーの発生したte1にてエラー報知を払出枚数表示部62にて開始する。そして、当該エラー報知はエラー解除操作が行われるte2まで継続して実行される。その後、te3にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されると押し順報知も開始され、te4にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止されてメダルの払出が行われる場合、当該押し順報知は払出枚数表示に切り替わり、当該払出枚数表示はメダル払出が完了するte5まで継続して実行される。
図913(b)は、払出枚数表示部62にて押し順報知を実行している状況でエラーが発生した場合を示している。
すなわち、tf1にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されて押し順報知が開始された後であって、tf3にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止されて当該押し順報知が終了するよりも前の、tf2にてエラー(例えば、投入タイミングエラー)が発生した場合、当該tf2では押し順報知を実行していることから、払出枚数表示部62でのエラー報知を開始しない。この場合、tf3にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止して、押し順報知は払出枚数表示に切り替わり、当該払出枚数表示がtf4にて終了すると、tf2にて発生したエラーに対応するエラー報知が開始され、当該エラー報知はエラー解除操作が行われるtf5まで継続して実行される。
図913(c)は、払出枚数表示部62にて払出枚数表示を実行している状況でエラーが発生した場合を示している。
すなわち、tg1にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されて押し順報知も開始され、tg2にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止されて押し順報知が終了し、メダルの払出が開始され、当該メダル払出に対応する払出枚数表示も開始される。メダル払出(払出枚数表示)が開始された後であってメダル払出(払出枚数表示)が終了するよりも前のtg3にてエラー(例えば投入タイミングエラー)が発生した場合、当該tg3では払出枚数表示を実行していることから、払出枚数表示部62でのエラー報知を開始しない。この場合、tg4にてメダル払出(払出枚数表示)が終了すると、tg3にて発生したエラーに対応するエラー報知が開始され、当該エラー報知はエラー解除操作が行われるtg5まで継続して実行される。
図913(d)は、払出枚数表示部62にて実際には押し順報知を実行していないものの、仮に押し順報知を実行すべき状況であれば押し順報知を実行する状況でエラーが発生した場合を示している。
すなわち、例えばATモードへの移行前の押し順ベル当選ゲームにおいて、th1にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始された後であって、th3にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止されるよりも前の、th2にてエラー(例えば、投入タイミングエラー)が発生した場合、当該th2では押し順報知を実行していないものの、当該タイミングはATモード中であれば押し順報知を実行しているはずのタイミングである。この場合、エラーの発生したth2では、払出枚数表示部62でのエラー報知を開始しない。th3にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止して、払出枚数表示が開始され、当該払出枚数表示がth4にて終了すると、th2にて発生したエラーに対応するエラー報知が開始され、当該エラー報知はエラー解除操作が行われるth5まで継続して実行される。
次に、エラーの種類とエラー発生時のエラー報知の実行タイミングとの関係について説明する。
図914(a)のように、ti1にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されて押し順報知が開始される等、払出枚数表示部62において所定の表示が開始された後であって、所定の表示が終了するti3よりも前のti2にて第1種エラーが発生した場合、当該第1種エラーの発生タイミングではエラー報知を実行せず、ti3にて払出枚数表示部62における所定の表示が終了した後で、当該ti2に発生した第1種エラーに対応するエラー報知が開始される。このエラー報知はエラーの解除操作が行われるti4まで継続して実行される。なお、第1種エラーとは、具体的には、投入メダル滞留エラー(1)、投入メダル異常通過エラー(2)、補助収納庫満杯エラー(5)、投入タイミングエラー(8)、払出タイミングエラー(9)、投入払出タイミングエラー(10)が相当する。
一方、図914(b)のように、tj1にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されて押し順報知が開始される等、払出枚数表示部62において所定の表示が開始された後であって、所定の表示が終了するよりも前のtj2にて第1種エラーとは異なる第2種エラーが発生した場合、当該第2種エラーの発生タイミングにてエラー報知を開始する。この場合、エラー解除操作が行われるtj3までエラー報知が継続して実行され、当該tj3からは所定の報知に切り換わり、当該所定の報知はtj4まで継続して実行される。なお、第2種エラーとは、具体的には、遊技メダル払出装置エンプティエラー(3)、払出メダル滞留エラー(4)が相当する。
つまり、エラーの種類によって、エラー発生時に払出枚数表示部62にて所定の報知が実行されている場合に当該所定の報知が終了するまでエラー報知を待機させるか否かが異なり、第1種エラーの場合には、所定の報知が終了するまで待機してから当該第1種エラーに対応するエラー報知を実行する一方、第2種エラーの場合には、所定の報知の終了を待たずに当該第2種エラーの発生時に当該第2種エラーに対応するエラー報知を開始する。このように、エラー発生時に当該エラー報知を実行する報知手段にて別の報知を実行している場合、エラーの種類に応じて当該別の報知が終了するまで待機するか否かを異ならせることで、エラー報知の緊急性とゲーム進行とのバランスを取り、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
特に、第2種エラーは、遊技メダル払出装置エンプティエラーや払出メダル滞留エラーであり、払出枚数表示部62にて所定の報知として払出枚数表示を行う際に実行されるメダル払出処理によって生じるエラーである。この場合、当該エラーが発生することによりメダル払出処理は一旦中断されることから、これらの第2種エラーが発生した場合にエラー報知を行うことにより、エラーが発生して、メダル払出も中断されているのにもかかわらずエラー報知が行われない、といった不自然な構成とすることなく、エラー報知を実行することが可能となる。
また、第2種エラーが発生してエラー報知を行う場合、実行中のメダル払出数の払出枚数表示に対応する第2払出カウンタの値は、データ退避処理(ステップSj3501)にて退避される。このようにすることで、払出枚数表示部62にて所定の報知を実行中にエラー報知に切り換える場合に、当該所定の報知の情報が消失してしまう、という不都合を生じさせないようにすることができる。
この場合、第2種エラーに対応するエラー報知を実行した後、エラー解除操作が行われると当該エラー報知は終了され、所定の報知として払出枚数表示が再開される。よって、メダル払出数の報知が再開されないことによって、遊技者が正確なメダル払出数を把握することができなくなってしまう、という不都合を生じさせないようにすることができる。
上記のように、第1種エラーは、所定の報知の実行中であれば、通常は生じ得ない事象に相当する投入メダル滞留エラー(1)、投入メダル異常通過エラー(2)、補助収納庫満杯エラー(5)、投入タイミングエラー(8)、払出タイミングエラー(9)、投入払出タイミングエラー(10)が相当する。つまり、所定の報知として押し順報知や払出枚数表示を行っている状況は非受入可能状態であることから、メダル投入口45からメダルが投入されても排出用通路48へ排出され、投入メダル検出装置86にて当該メダルが検出されることはないし、特に押し順報知を実行中に払出装置53からメダルが払い出されることもないことから、払出メダル検出装置95にてメダルが検出されることもない。第1種エラーは、このように、通常であれば正規に発生し得る契機事象であるものの、所定の報知の実行中に発生してしまうとエラーとなるものである。このようなエラーは、例えば、ノイズ等によって検出装置等の誤検知が生じると、所定の報知の実行中に第1種エラーが発生していると判断してしまう場合もあり、誤検知であるのにもかかわらずこのようなエラー報知を所定の報知を差し置いて実行する構成としてしまうと、所定の報知による遊技進行を大幅に妨げてしまう要因となる。そこで、上記構成では、このような通常時にも検出される契機事象が所定の報知の実行中であるが故にエラーとなる第1種エラーについては、当該所定の報知の終了後にエラー報知を行うようにすることで、遊技進行を妨げることなくエラー報知を行うことが可能となる。
エラー発生時にエラー報知を待機させるか否かは、エラー種別だけではなくエラー報知の実行場所となる払出枚数表示部62での表示内容によっても異なる。
すなわち、図914(c)のように、tk1にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されて第1種報知としての押し順報知が払出枚数表示部62にて開始され、当該第1種報知が終了するtk3よりも前のタイミングであるtk2にてエラーが発生した場合、当該第1種報知を実行中に発生したエラーに対応するエラー報知は、当該第1種報知がtk3にて終了して、更に当該第1種報知とは異なる第2種報知としての払出枚数の表示が払出枚数表示部62にて実行された後であるtk4から開始される。当該エラー報知は、エラー解除操作が行われるtk5まで継続して実行される。
ちなみに、上記のように第2種報知は払出枚数の表示であるところ、当該ゲームでメダルの払出が発生しない場合(例えば、第1種報知としての押し順が押し順ベル用の押し順報知であっても、対応する押し順でストップスイッチ42~44の操作が行われず、いずれの小役入賞も発生しなかった場合や、小役入賞を成立させるための押し順報知ではなく、例えば、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞する再遊技が異なるように設定された所謂押し順リプレイ用の押し順報知であった場合)は、第1種報知の実行後、第2種報知は実行されない。この場合、第1種報知の実行中に発生したエラーに対応するエラー報知は、第1種報知の終了後に続けて実行されることになる。つまり、第1種報知の実行中に発生したエラーに対応するエラー報知が実行されるタイミングは、第1種報知の種類(具体的には、第1種報知の契機となった事象、ゲームの抽選結果)によって異なる場合もあり、所定の第1種報知(押し順リプレイ用の押し順報知)の実行中に発生したエラーに対応するエラー報知は当該所定の第1種報知の終了後に実行され、所定の第1種報知とは異なる特定の第1種報知(押し順ベル用の押し順報知)の実行中に発生したエラーに対応するエラー報知は当該特定の第1種報知の終了後であって他の報知(第2種報知)が終了した後に実行される。
一方、図914(d)のように、tl1にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されて第1種報知としての押し順報知が払出枚数表示部62にて開始され、当該第1種報知がtl2にて終了し、当該第1種報知とは異なる第2種報知としての払出枚数表示が払出枚数表示部62にて開始された後であって、当該第2種報知がするよりも前のタイミングであるtl3にてエラーが発生した場合、当該第2種報知の実行中に発生したエラーに対応するエラー報知は、当該第2種報知が終了するまで待機せず、そのエラーの発生時であるtl3から開始される。当該エラー報知は、エラー解除操作が行われるtl4まで継続して実行され、エラー報知の終了により第2種報知が再開されて、当該第2種報知はtl5にて終了する。
つまり、エラー発生時の払出枚数表示部62の報知内容によって、当該報知が終了するまでエラー報知の実行を待機させるか否かが異なり、第1種報知を実行中にエラーが発生した場合には、当該第1種報知が終了した後で当該エラー報知を実行し、第2種報知を実行中にエラーが発生した場合には、当該第2種報知の終了を待たずに当該エラー報知を実行する。
このように、エラー発生時に当該エラー報知を実行する報知手段にて別の報知を実行している場合、当該別の報知の種類に応じて当該別の報知が終了するまで待機するか否かを異ならせることで、エラー報知の緊急性とゲーム進行とのバランスを取り、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
特に第1種報知は、押し順報知といったように遊技者の停止操作の態様(順序)指示するものであり、かかる押し順報知が途中で中断されてしまうと、遊技者は停止操作の態様がわからなくなってしまう可能性がある。これに対して、第2種報知は、払出枚数の表示といったように、遊技者に遊技結果の内容を報知するものであることから、当該払出枚数の表示が途中で中断されてしまっても、遊技者が遊技を進行するうえで操作内容等がわからなくなってしまう、という不都合は生じにくい。特に、第2種報知としての払出枚数の表示は、メダルの払出に応じて0からカウントアップする態様としていることから、仮に第2種報知が途中で中断しても、エラー報知後に再開される払出枚数の表示の終了時(メダル払出の完了時)に表示されている内容から、今回の遊技結果に応じたメダルの払出枚数を把握することが可能である。
また、エラー報知の契機となったエラー(例えば、投入タイミングエラーや乱数異常エラー等)が発生しても、各リール32L,32M,32Rの回転は停止せず、当該ゲームは継続されることから、エラー発生に基づいて押し順報知からエラー報知に切り換えてしまうと、当該押し順報知の示す操作順序を遊技者がわからなくなってしまう、という不都合が生じ得る。その点、上記のように押し順報知の実行中(各リール32L,32M,32Rの回転中)にエラーが発生してもそのエラー報知を後で行う構成とすることで、上記のような不都合を生じさせることなく押し順報知とエラー報知とを払出枚数表示部62にて実行することが可能となる。
これに対して、払出枚数表示中にエラーが発生した場合には、当該エラーの発生に基づいてメダル払出は一旦中断することになる。この場合、払出枚数表示をエラー報知に切り換えても遊技者に不都合は生じないし、寧ろ、エラーが発生してメダル払出が中断しているのにもかかわらずエラー報知を開始しない方が不自然となる。よって、上記構成のようにすることで、払出枚数表示とエラー報知とを好適に払出枚数表示部62にて実行することが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
押し順報知が実行される払出枚数表示部62にてエラー報知が行われ得るようにしたことから、表示用の構成部品を共用することになり、スロットマシン10の限られた領域において複数の表示用の構成部品を設けることにより他の演出用の部品等の設置領域を圧迫してしまう、といった不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
しかも、払出枚数表示部62での押し順報知を実行中にエラーが発生した場合、当該押し順が終了した後で当該発生したエラーに対応するエラー報知が行われるようにしたことから、押し順報知の最中にエラー報知を行うことによって、遊技者がストップスイッチ42~44の操作順序がわからなくなってしまう、という不都合も生じさせないようにすることができる。
押し順報知の実行中にエラーが発生した場合、当該押し順報知の発生したゲームにおいて払い出されるメダルの払出枚数表示も終了した後で、当該エラーに対応するエラー報知が実行される構成としていることから、当該ゲームで得られるメダルが消失してしまったと勘違いさせてしまったり、払い出される正確なメダル数を把握できなくなってしまう、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
この場合、単に払出枚数表示の終了後にエラー報知を実行する構成ではなく、実際のメダル払い出しが完了した後でエラー報知を実行する構成としている。つまり、払出枚数表示はメダル払出に応じて更新され、メダル払出の完了とともに当該払出枚数表示が終了する。このようにすることで、例えば、メダル払出が完了していないのにも関わらずエラー報知だけ先に実行することによって、メダル払出時の音等(メダル同士の衝突音や、ホッパ装置51の駆動音等)によってエラー報知がかき消されてしまう事象を生じさせないようにすることができる。
また、払出枚数表示についても払出枚数表示部62にて実行されることから、上記のように払出枚数表示の終了後にエラー報知を実行する構成とすることで、当該払出枚数表示部62にて複数の表示が重複して実行されてしまう事象を回避することができる。
エラー判定処理は、開始待ち処理における再遊技状態設定処理よりも後で実行する構成としていることから、エラーが発生したゲームにて再遊技入賞が成立した場合、当該入賞に基づく再遊技の付与(自動ベット)後に、エラー報知が行われることになる。このようにすれば、例えば、エラー報知と再遊技の付与とが重複する等して、当該再遊技の付与に気付かずに、ベット操作を行ってしまう、といった無駄な操作を強いることなく、エラー報知を好適に行うことが可能となる。
第2エラーカウンタに「0」以外の値が入力されている場合にエラー報知が実行される構成としたうえで、基本的には、第2エラーカウンタへのアクセスを開始待ち処理が開始されるまで(メダル払出が完了するまで)制限する構成とした。このようにすることで、開始待ち処理の実行タイミングまでは、第2エラーカウンタへのアクセスが制限されており、仮に第2エラーカウンタに「0」以外の値が入力されていてもエラー報知が実行されないようになる。よって、比較的簡素な構成にてエラー報知の実行タイミングを調節することが可能となる。
特に、エラー報知を実行するための処理は、定期的に起動されるタイマ割込み処理におけるセグメントデータ設定処理にて設定されており、エラーの発生を特定したり、第2エラーカウンタにエラーに対応する値を入力する処理は、遊技進行に応じて実行される通常処理内に設定されている。つまり、これら並行して実行される処理にて、エラー報知用の処理とエラー判定用の処理とが別々に実施される構成としており、上記のように第2エラーカウンタへのアクセス制限の有無を通常処理内で管理する構成とすることで、エラー報知の実行タイミングをエラー報知用のタイマ割込み処理内で管理する必要が生じず、定期的に起動されるタイマ割込み処理の処理構成を比較的簡素なものとすることができる。
エラーが発生した場合、第1エラーカウンタにエラー種別に対応する値が入力されることによってCPU102がエラーの発生を特定可能となるようにしたうえで、エラー報知を実行すべき状況となってから第2エラーカウンタへその値を入力する、といったようにエラー発生の特定用の情報と、エラー報知用の情報とを別々に管理するようにしたことから、エラー発生の特定タイミングと、エラー報知の実行タイミングとが異なる構成を比較的簡素な構成にて実現することが可能となる。
<変形例1>
本変形例においては、各種エラーが発生していることを、CPU102は、エラー判定処理の実行タイミングまで把握しない構成とする。
図915は、本変形例における投入メダル検出装置86、払出メダル検出装置95及び乱数生成装置107を説明するためのブロック図である。
投入メダル検出装置86は、上記の通りメダル投入口45から投入されたメダルを検出するためのものであり、第1投入メダル検出センサ86a、第2投入メダル検出センサ86b及びレバー検出センサ88を有するとともに、これら各種センサの検出結果を解析するための投入CPU86cが設けられている。第1投入メダル検出センサ86a、第2投入メダル検出センサ86b及びレバー検出センサ88は、主制御装置101と接続されており、これら各センサの検出結果がLOW状態とHI状態とに切り替えられる信号により主制御装置101へ出力される。また、投入CPU86cも主制御装置101と接続されており、投入CPU86cからの出力信号もLOW状態とHI状態とに切り換わり可能に設定されている。
投入CPU86cには、リールユニット31において各リール32L,32M,32Rを回転させるためのリールステッピングモータ31aが接続されており、当該リールステッピングモータ31aが駆動状態とされている場合には投入CPU86cに対する信号がHI状態にて出力され、リールステッピングモータ31aが非駆動状態とされている場合には投入CPU86cに対する信号がLOW状態にて出力される。つまり、投入CPU86cは、リールステッピングモータ31aからの出力信号を解析することにより、各リール32L,32M,32Rが回転している状態と停止している状態とを区別することが可能となっている。
また、投入CPU86cには、ホッパ装置51におけるホッパモータ51aが接続されており、当該ホッパモータ51aが駆動状態とされている場合には投入CPU86cに対する信号がHI状態にて出力され、ホッパモータ51aが非駆動状態とされている場合には投入CPU86cに対する信号がLOW状態にて出力される。つまり、投入CPU86cは、ホッパモータ51aからの出力信号を解析することにより、払出装置53からメダルが払い出されている状態と払い出されていない状態とを区別することが可能となっている。
つまり、投入CPU86cは、各リール32L,32M,32Rが回転している状態とメダルが払い出されている状態とを把握することが可能となっており、実質的に、これら各リール32L,32M,32Rが回転しておらず、且つメダルの払出が行われていない状態で設定される受入可能状態か否かを把握することが可能となっている。
払出メダル検出装置95は、上記の通りメダル投入口45から投入されたメダルを検出するためのものであり、第1払出メダル検出センサ95a及び第2払出メダル検出センサ95bを有するとともに、これら各種センサの検出結果を解析するための払出CPU95cが設けられている。第1払出メダル検出センサ95a及び第2払出メダル検出センサ95bは、主制御装置101と接続されており、これら各センサの検出結果がLOW状態とHI状態とに切り替えられる信号により主制御装置101へ出力される。また、払出CPU95cも主制御装置101と接続されており、払出CPU95cからの出力信号もLOW状態とHI状態とに切り換わり可能に設定されている。
払出CPU95cには、投入CPU86cと同様に、ホッパ装置51におけるホッパモータ51aが接続されており、当該ホッパモータ51aが駆動状態とされている場合には払出CPU95cに対する信号がHI状態にて出力され、ホッパモータ51aが非駆動状態とされている場合には払出CPU95cに対する信号がLOW状態にて出力される。つまり、払出CPU95cは、ホッパモータ51aからの出力信号を解析することにより、払出装置53からメダルが払い出されている状態と払い出されていない状態とを区別することが可能となっている。
乱数生成装置107は、上記の主制御装置101のCPU102にて実行される抽選乱数取得処理にて取得するための各種乱数を生成するための装置である。当該乱数生成装置107には、フリーランカウンタとしての乱数を生成する乱数生成回路107aと、当該乱数生成回路107aにて生成している乱数を、抽選時に取得する乱数取得回路107bと、当該乱数取得回路107bが取得した乱数が正常範囲内の乱数であるか否かの判定が可能な乱数判定回路107cとが搭載されており、更に、これら各回路の制御を行うための乱数CPU107dが搭載されている。乱数CPU107dは、主制御装置101と接続されており、主制御装置101からの出力信号を受けることで、今回の出力信号に応じた乱数を乱数取得回路107bにて取得させ、取得した乱数を主制御装置101へ送信する。この場合、主制御装置101では受信した乱数に基づいて各種抽選を実行することになる。乱数判定回路107cは、主制御装置101と接続されており、その判定結果を主制御装置101に送信することが可能となっている。
<投入タイミングエラーの検出>
本変形例では、投入タイミングエラーが発生している場合、先ず、投入メダル検出装置86にてそのエラーの発生が特定される。図916は、投入メダル検出装置86における投入CPU86cにて実行される投入センサ用処理を示すフローチャートである。投入センサ用処理は、投入CPU86cにおいて所定周期(例えば、1.49msec周期)で起動される処理であり、上記主制御装置101にて実行される投入センサ監視処理(図896)の処理に対応する処理である。
ステップSj4301では、レバー検出センサ88がON状態であるか否かを判定する。レバー検出センサ88がON状態である場合、ステップSj4302にて投入CPU86cにおける一時記憶エリアに投入後計測フラグがセットされているか否かを判定する。ステップSj4302にて確認する投入後計測フラグは、上記主制御装置101側の投入後計測フラグと意味するところは同じであり、センサレバー87が出没位置から退避位置に変位してからの期間を投入CPU86cが把握するためのフラグである。投入後計測フラグがセットされていない場合には、ステップSj4303にて、当該投入後計測フラグをセットする処理を実行する。
ステップSj4301にてレバー検出センサ88がOFF状態である場合、ステップSj4304にて、上記の投入後計測フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップSj4305にて、上記のように投入CPU86cに接続されたリールステッピングモータ31aやホッパモータ51aからの情報に基づいて、各リール32L,32M,32Rが回転しておらず、且つメダル払出を実行していない状態、すなわち受入可能状態であるか否かを判定する。受入可能状態ではない場合、ステップSj4306にて投入後計測フラグをクリアする処理を実行し、ステップSj4307にて、投入CPU86cにおける一時記憶エリアに設けられている投入後カウンタICを0にクリアする処理を実行する。かかる投入後カウンタICは、上記主制御装置101側の投入後カウンタICと意味するところは同じであり、センサレバー87が出没位置から退避位置に変位してからの期間を投入CPU86cが把握するためのカウンタである。ステップSj3405にて受入可能状態であると判定した場合、ステップSj4308にて、投入CPU86cにおける一時記憶エリアに通過後計測フラグをセットする処理を実行する。ステップSj4308でセットする通過後計測フラグは、上記主制御装置101側の通過後計測フラグと意味するところは同じであり、センサレバー87が退避位置から出没位置に変位してからの期間を投入CPU86cが把握するためのフラグである。
ステップSj4302若しくはステップSj4304にて否定判定した場合、又はステップSj4303、ステップSj4307及びステップSj4308のいずれかの処理を実行した後は、ステップSj4309に進む。ステップSj4306では、第1投入メダル検出センサ86aがON状態であるか否かを判定する。第1投入メダル検出センサ86aがON状態である場合、ステップSj4310にて、投入CPU86cにおける一時記憶エリアに第1通過フラグをセットする処理を実行するとともに、第1投入メダル検出センサ86aから主制御装置101への出力信号をLOW状態からHI状態に切り換える処理を実行する。ステップSj4310にてセットする第1通過フラグは、上記主制御装置101側の第1通過フラグと意味するところは同じであり、第1投入メダル検出センサ86aがON状態となり、メダルが通過していることを投入CPU86cが把握するためのフラグである。また、第1投入メダル検出センサ86aからの出力信号をHI状態に切り換えることにより、主制御装置101では第1投入メダル検出センサ86aにてメダルを検出していることを把握することが可能となる。
続くステップSj4311では、投入CPU86cにおける一時記憶エリアに通過用フラグをセットする処理を実行する。ステップSj4313にてセットする通過用フラグは、上記主制御装置101側の通過用フラグと意味するところは同じであり、いずれかの投入メダル検出センサ86a,86bにてメダルを検出している期間を投入CPU86cが把握するためのフラグである。
一方、ステップSj4309にて第1投入メダル検出センサ86aがOFF状態である場合、ステップSj4312にて、上記の第1通過フラグをクリアする処理を実行するとともに、第1投入メダル検出センサ86aから主制御装置101への出力信号をHI状態からLOW状態に切り換える処理を実行する。なお、第1通過フラグがセットされていなければ、その状態を維持する。第1投入メダル検出センサ86aからの出力信号をLOW状態に切り換えることにより、主制御装置101では第1投入メダル検出センサ86aにてメダルを検出していないことを把握することが可能となる。
ステップSj4311又はステップSj4312の処理を実行した後は、ステップSj4313に進む。ステップSj4313では、第2投入メダル検出センサ86bがON状態であるか否かを判定する。第2投入メダル検出センサ86bがON状態である場合、ステップSj4314にて、投入CPU86cにおける一時記憶エリアに第2通過フラグをセットする処理を実行するとともに、第2投入メダル検出センサ86bから主制御装置101への出力信号をLOW状態からHI状態に切り換える処理を実行する。ステップSj4314にてセットする第2通過フラグは、上記主制御装置101側の第2通過フラグと意味するところは同じであり、第2投入メダル検出センサ86bがON状態となり、メダルが通過していることを投入CPU86cが把握するためのフラグである。また、第2投入メダル検出センサ86bからの出力信号をHI状態に切り換えることにより、主制御装置101では第2投入メダル検出センサ86bにてメダルを検出していることを把握することが可能となる。
続くステップSj4315では、リールステッピングモータ31aやホッパモータ51aからの情報に基づいて、受入可能状態であるか否かを判定する。受入可能状態ではない場合、ステップSj4316にて、投入CPU86cから主制御装置101への投入タイミングエラー信号をLOW状態からHI状態に切り替える処理を実行する。主制御装置101側では、当該投入タイミングエラー信号がHI状態である場合に、投入タイミングエラーが発生していることを把握することが可能である。
ステップSj4313にて第2投入メダル検出センサ86bがOFF状態である場合、ステップSj4317にて、上記の第2通過フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSj4318にて当該第2通過フラグをクリアする処理を実行するとともに、第2投入メダル検出センサ86bから主制御装置101への出力信号をHI状態からLOW状態に切り換える処理を実行する。第2投入メダル検出センサ86bからの出力信号をLOW状態に切り換えることにより、主制御装置101では第2投入メダル検出センサ86bにてメダルを検出していないことを把握することが可能となる。続くステップSj4319では、上記の通過用フラグをクリアする処理を実行し、ステップSj4320では、投入CPU86cにおける一時記憶エリアに設けられている通過用カウンタTCを0にクリアする処理を実行する。かかる通過用カウンタTCは、上記主制御装置101側の通過用カウンタTCと意味するところは同じであり、いずれかの投入メダル検出センサ86a,86bにてメダルを検出している期間を投入CPU86cが把握するためのカウンタである。
ステップSj4314若しくはステップSj4317にて否定判定した場合、又はステップSj4316若しくはステップSj4320の処理を実行した後は、ステップSj4321にて投入把握処理を実行してから、本投入センサ用処理を終了する。投入把握処理は、上記主制御装置101側の投入経過把握処理に対応するものである。
<投入把握処理>
図917は、ステップSj4321の投入把握処理を示すフローチャートである。
ステップSj4401では、上記の投入後計測フラグがセットされているか否かを判定する。投入後計測フラグがセットされている場合、ステップSj4402にて投入後カウンタICに1を加算する処理を実行する。そして、ステップSj4403にて、リールステッピングモータ31aやホッパモータ51aからの情報に基づいて、受入可能状態であるか否かを判定する。受入可能状態ではある場合、ステップSj4404にて、投入後カウンタICが所定値として「81」となっているか否かを判定する。投入後カウンタICが「81」となっており、センサレバー87が退避位置に変位してから所定期間として「120.690msec」が経過した場合、ステップSj4405に進み、投入CPU86cから主制御装置101への投入タイミングエラー信号をLOW状態からHI状態に切り替える処理を実行する。
また、ステップSj4403にて受入可能状態ではないと判定した場合、ステップSj4406にて、投入後カウンタICが所定値として「672」となっているか否かを判定する。投入後カウンタICが「672」となっており、センサレバー87が退避位置に変位してから所定期間として「1001.280msec」が経過した場合、ステップSj4405に進み、投入CPU86cから主制御装置101への投入タイミングエラー信号をLOW状態からHI状態に切り替える処理を実行する。
ステップSj4401、ステップSj4404及びステップSj4406のいずれかにて否定判定した場合、又はステップSj4405の処理を実行した後は、ステップSj4407に進む。ステップSj4407では、上記の通過後計測フラグがセットされているか否かを判定する。通過後計測フラグがセットされている場合、ステップSj4408にて、投入CPU86cにおける一時記憶エリアに設けられている通過後カウンタPCに1を加算する処理を実行する。かかる通過後カウンタPCは、上記主制御装置101側の通過後カウンタPCと意味するところは同じであり、センサレバー87が退避位置から出没位置に復帰してからの期間を投入CPU86cが把握するためのカウンタである。そして、ステップSj4409にて、通過後カウンタPCが所定値として「81」となっているか否かを判定する。通過後カウンタPCが「81」となっており、センサレバー87が出没位置に復帰してから所定期間として「120.690msec」が経過した場合、ステップSj4410に進み、投入CPU86cから主制御装置101への投入タイミングエラー信号をLOW状態からHI状態に切り替える処理を実行する。
ステップSj4405若しくはステップSj4409にて否定判定した場合、又はステップSj4410の処理を実行した後は、ステップSj4411に進む。ステップSj4411では、上記の通過用フラグがセットされているか否かを判定する。通過用フラグがセットされている場合、ステップSj4412にて、通過用カウンタTCに1を加算する処理を実行する。そして、ステップSj4413にて、通過用カウンタTCが所定値として「202」となっているか否かを判定する。通過用カウンタTCが「202」となっており、いずれかの投入メダル検出センサ86a,86bにてメダルを検出している期間が所定期間として「300.980msec」が経過した場合、ステップSj4414に進み、投入CPU86cから主制御装置101への投入メダル滞留エラー信号をLOW状態からHI状態に切り替える処理を実行する。
ステップSj4411若しくはステップSj4413にて否定判定した場合、又はステップSj4414の処理を実行した後は、本投入センサ用処理を終了する。
本変形例における投入センサ監視処理では、投入タイミングエラーや投入メダル滞留エラーの把握を行うための処理を実行しない。すなわち、図918に示すように、ステップSj4501~ステップSj4508にて、上記のステップSj3001~ステップSj3008と同様に、レバー検出センサ88からの検出結果に基づいて投入後計測フラグや通過後計測フラグをセットする処理等を実行する。また、ステップSj4509~ステップSj4511では、上記のステップSj3009~ステップSj3012のうちの通過用フラグをセットするステップSj3011以外の処理と同様に、第1投入メダル検出センサ86aからの検出悔過に基づいて第1通過フラグをセットしたりクリアする処理を実行する。
ステップSj4512にて第2投入メダル検出センサ86bからがON状態である場合、ステップSj4513にて第2通過フラグをセットし、第2投入メダル検出センサ86bがOFF状態である場合、ステップSj4514にて第2通過フラグがセットされていればステップSj4515にて当該第2通過フラグをクリアする処理を実行する。
ステップSj4516~ステップSj4519の処理は、上記の投入経過把握処理に相当する処理であり、ステップSj4516では投入後計測フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSj4517にて投入後カウンタICに1を加算する処理を実行する。ステップSj4516にて否定判定した場合、又はステップSj4517の処理を実行した後は、ステップSj4518にて通過後計測フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSj4519にて通過後カウンタPCに1を加算する処理を実行する。ステップSj4518にて否定判定した場合、又はステップSj4519の処理を実行した後は、投入センサ監視処理を終了する。
すなわち、本変形例では、投入タイミングエラーや投入メダル滞留エラーが発生したことは、主制御装置101側の投入センサ監視処理では特定せず、投入メダル検出装置86においてその特定が行われる。そして、投入タイミングエラーや投入メダル滞留エラーが発生した場合、投入メダル検出装置86からの投入タイミングエラー信号や投入メダル滞留エラー信号の出力がLOW状態からHI状態に切り替わるようになっている。
なお、本変形例において、投入メダル異常通過エラーは、上記の第1通過センサ監視処理や第2通過センサ監視処理にて特定される。そのため、投入センサ監視処理においてセットされる各種フラグや、管理される各種カウンタは、これら投入メダル異常通過エラーの特定に用いられる。
<払出タイミングエラー>
払出タイミングエラーについても、投入タイミングエラーと同様に、主制御装置101ではなく、先ず、払出メダル検出装置95にてそのエラーの発生が特定される。図919は、払出メダル検出装置95における払出CPU95cにて実行される払出センサ用処理を示すフローチャートである。払出センサ用処理は、払出CPU95cにおいて所定周期(例えば、1.49msec周期)で起動される処理であり、上記主制御装置101にて実行される払出センサ監視処理(図905)の処理に対応する処理である。
ステップSj4601では、第1払出メダル検出センサ95aがON状態であるか否かを判定する。第1払出メダル検出センサ95aがON状態である場合、ステップSj4602にて投入CPU86cにおける一時記憶エリアに第1払出フラグをセットする処理を実行するとともに、第1払出メダル検出センサ95aから主制御装置101への出力信号をLOW状態からHI状態に切り換える処理を実行する。第1払出フラグは、上記主制御装置101側の第1払出フラグと意味するところは同じであり、第1払出メダル検出センサ95aがON状態となり、メダルが通過していることを払出CPU95cが把握するためのフラグである。また、第1払出メダル検出センサ95aからの出力信号をHI状態に切り換えることにより、主制御装置101では第1払出メダル検出センサ95aにてメダルを検出していることを把握することが可能となる。
続くステップSj4603では、ホッパモータ51aからの情報に基づいてメダル払出中であるか否かを判定する。メダル払出中ではない状況で第1払出メダル検出センサ95aにてメダルを検出した場合、ステップSj4604にて、払出CPU95cから主制御装置101への払出タイミングエラー信号をLOW状態からHI状態に切り替える処理を実行する。主制御装置101側では、当該払出タイミングエラー信号がHI状態である場合に、払出タイミングエラーが発生していることを把握することが可能である。
ステップSj4601にて第1払出メダル検出センサ95aにてメダルを検出していないと判定した場合、ステップSj4605にて上記の第1払出フラグをクリアする処理を実行するとともに、第1払出メダル検出センサ95aから主制御装置101への出力信号をHI状態からLOW状態に切り換える処理を実行する。なお、第1払出フラグがセットされていない場合には、その状態を維持する。第1払出メダル検出センサ95aからの出力信号をLOW状態に切り換えることにより、主制御装置101では第1払出メダル検出センサ95aにてメダルを検出していないことを把握することが可能となる。
ステップSj4603にてメダル払出中であると判定した場合、又はステップSj4604若しくはステップSj4605の処理を実行した後は、ステップSj4606に進む。
ステップSj4606では、第2払出メダル検出センサ95bがON状態であるか否かを判定する。第2払出メダル検出センサ95bがON状態である場合、ステップSj4607にて投入CPU86cにおける一時記憶エリアに第2払出フラグをセットする処理を実行するとともに、第2払出メダル検出センサ95bから主制御装置101への出力信号をLOW状態からHI状態に切り換える処理を実行する。第2払出フラグは、上記主制御装置101側の第2払出フラグと意味するところは同じであり、第2払出メダル検出センサ95bがON状態となり、メダルが通過していることを払出CPU95cが把握するためのフラグである。また、第2払出メダル検出センサ95bからの出力信号をHI状態に切り換えることにより、主制御装置101では第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出していることを把握することが可能となる。
続くステップSj4608では、ホッパモータ51aからの情報に基づいてメダル払出中であるか否かを判定する。メダル払出中ではない状況で第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出した場合、ステップSj4609にて、払出CPU95cから主制御装置101への払出タイミングエラー信号をLOW状態からHI状態に切り替える処理を実行する。
ステップSj4606にて第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出していないと判定した場合、ステップSj4610にて上記の第2払出フラグをクリアする処理を実行するとともに、第2払出メダル検出センサ95bから主制御装置101への出力信号をHI状態からLOW状態に切り換える処理を実行する。なお、第2払出フラグがセットされていない場合には、その状態を維持する。ステップSj4608にてメダル払出中であると判定した場合、又はステップSj4609若しくはステップSj4610の処理を実行した後は、そのまま払出センサ用処理を終了する。第2払出メダル検出センサ95bからの出力信号をLOW状態に切り換えることにより、主制御装置101では第2払出メダル検出センサ95bにてメダルを検出していないことを把握することが可能となる。
本変形例における払出センサ監視処理では、払出タイミングエラーの把握を行うための処理を実行しない。すなわち、図920に示すように、ステップSj4701~ステップSj4703にて、上記のステップSj3701、ステップSj3702、ステップSj3707と同様に、第1払出メダル検出センサ95aからの検出結果に基づいて第1払出フラグをセットしたりクリアする処理を実行する。また、ステップSj4704~ステップSj4706では、上記ステップSj3708、ステップSj3709、ステップSj3714と同様に、第2払出メダル検出センサ95bからの検出結果に基づいて第2払出フラグをセットしたりクリアする処理を実行する。ステップSj4705又はステップSj4706の処理を実行した後は、ステップSj4707にて上記ステップSj3715と同様の払出経過把握処理を実行してから、払出センサ監視処理を終了する。
すなわち、本変形例では、払出タイミングエラーが発生したことは、主制御装置101側の払出センサ監視処理では特定せず、払出メダル検出装置95においてその特定が行われる。そして、払出タイミングエラーが発生した場合、払出メダル検出装置95からの払出タイミングエラー信号の出力がLOW状態からHI状態に切り替わるようになっている。
なお、本変形例において、払出メダル滞留エラーや、遊技メダル払出装置エンプティエラーは、上記の主制御装置101側の第1払出センサ監視処理や第2払出センサ監視処理にて特定される。そのため、主制御装置101側の払出センサ監視処理においてセットされる各種フラグや、管理される各種カウンタは、これら払出メダル滞留エラーや、遊技メダル払出装置エンプティエラーの特定に用いられる。
<乱数異常エラー>
乱数異常エラーについても、主制御装置101ではなく、先ず、乱数生成装置107にてそのエラーの発生が特定される。図921(a)は、本変形例における抽選乱数取得処理を示すフローチャートであり、図921(b)は、乱数生成装置107における乱数CPU107dにて実行される抽選乱数用処理を示すフローチャートである。上記のように抽選乱数取得処理は、抽選対象の種類に応じて例えばスタートレバー41の操作に基づき実行されたり、ストップスイッチ42~44の操作に基づいて実行される。抽選乱数用処理は、乱数CPU107dにおいて所定周期(例えば、1.49msec周期)で起動される。
主制御装置101側の抽選乱数取得処理では、ステップSj4801にて今回の抽選対象を把握する処理を実行する。そして、ステップSj4802にて抽選対象に対応する乱数取得信号を乱数CPU107dに対して送信する処理を実行する。なお、乱数取得信号は、乱数CPU107dにおいて今回の抽選対象を特定可能となるように、例えば出力期間(HI状態とする期間)や回数を異ならせている。
乱数生成装置107側の抽選乱数用処理では、ステップSj4811にて主制御装置101からの乱数取得信号を受信しているか否かを判定する。乱数取得信号を受信している場合、ステップSj4812にて今回の抽選対象を把握する。そして、ステップSj4813にて、抽選対象に対応する抽選乱数を乱数取得回路107bにて取得する処理を実行する。
続くステップSj4814では、乱数判定回路107cにて上記ステップSj4813にて取得した乱数が正常範囲内か否かの判定を行わせる。正常範囲内であれば、ステップSj4814に進み、上記ステップSj4813にて取得した乱数情報を主制御装置101へ出力してから、本抽選乱数用処理を終了する。ステップSj4814にて正常範囲内でないと判定した場合、ステップSj4816にて、乱数CPU107dから主制御装置101への乱数異常エラー信号をLOW状態からHI状態に切り替える処理を実行する。主制御装置101側では、当該乱数異常エラー信号がHI状態である場合に、乱数異常エラーが発生していることを把握することが可能である。
その後、ステップSj4817にてエラー時予備乱数情報を主制御装置101へ出力してから、本抽選乱数用処理を終了する。エラー時予備乱数情報は、上記ステップSj4204にて取得する乱数に対応するものである。また、ステップSj4811にて乱数取得信号を受信していない場合には、そのまま本抽選乱数用処理を終了する。
主制御装置101側の抽選乱数取得処理において、ステップSj4802にて乱数取得信号を出力した後は、ステップSj4803にて、上記乱数生成装置107側の処理により乱数情報が出力されるまで待機する。乱数情報が出力されることで(乱数情報を受信することで)ステップSj4803にて肯定判定し、当該抽選乱数取得処理を終了する。この場合、当該受信した乱数を用いて、その後の抽選が行われることになる。
すなわち、本変形例では、乱数異常エラーが発生したことは、主制御装置101側の抽選乱数取得処理では特定せず、乱数生成装置107においてその特定が行われる。そして、乱数異常エラーが発生した場合、乱数生成装置107からの乱数異常エラー信号の出力がLOW状態からHI状態に切り替わるようになっている。
<エラー判定処理>
本変形例におけるエラー判定処理について、図922のフローチャートを参照しながら説明する。エラー判定処理は、開始待ち処理(図891)におけるステップSj2504にて実行される処理である。
ステップSj4901では、第2エラーカウンタへのアクセスが可能であるか否かを判定する。アクセスが制限されている場合には、そのまま本エラー判定処理を終了する。第2エラーカウンタへのアクセスが許容されている場合には、ステップSj4902にて、上記の乱数異常エラー信号を確認することで、乱数異常エラーが発生しているか否かを判定する。乱数異常エラー信号がHI状態であって、乱数異常エラーが発生している場合、ステップSj4903にて第1エラーカウンタに「7」を入力する処理を実行する。上記のように、第1エラーカウンタに「7」を入力することにより、CPU102は、乱数異常エラーが発生していることを把握することが可能となる。その後、ステップSj4904にてエラー対応処理を実行してから、エラー判定処理を終了する。この場合、払出枚数表示部62にて乱数異常エラーを示すエラー報知が行われることとなる。
ステップSj4902にて乱数異常エラー信号がLOW状態である場合、ステップSj4905に進み、投入タイミングエラー信号を確認することで、投入タイミングエラーが発生しているか否かを判定する。投入タイミングエラー信号がHI状態であって、投入タイミングエラーが発生している場合、ステップSj4906にて払出タイミングエラー信号を確認することで、払出タイミングエラーが発生しているか否かを判定する。払出タイミングエラー信号がLOW状態であって、払出タイミングエラーが発生していない場合、ステップSj4907にて第1エラーカウンタに「8」を入力する処理を実行する。上記のように、第1エラーカウンタに「8」を入力することにより、CPU102は、投入タイミングエラーが発生していることを把握することが可能となる。その後、ステップSj4904にてエラー対応処理を実行してから、エラー判定処理を終了する。この場合、払出枚数表示部62にて投入タイミングエラーを示すエラー報知が行われることとなる。
ステップSj4906にて払出タイミングエラー信号がHI状態であって、払出タイミングエラーが発生している場合、ステップSj4908にて第1エラーカウンタに「10」を入力する処理を実行する。上記のように、第1エラーカウンタに「10」を入力することにより、CPU102は、投入払出タイミングエラーが発生していることを把握することが可能となる。その後、ステップSj4904にてエラー対応処理を実行してから、エラー判定処理を終了する。この場合、払出枚数表示部62にて投入払出タイミングエラーを示すエラー報知が行われることとなる。
ステップSj4905にて投入タイミングエラー信号がLOW状態である場合、ステップSj4909進み、払出タイミングエラー信号を確認することで、払出タイミングエラーが発生しているか否かを判定する。払出タイミングエラー信号がHI状態であって、払出タイミングエラーが発生している場合、ステップSj4910にて第1エラーカウンタに「9」を入力する処理を実行する。上記のように、第1エラーカウンタに「9」を入力することにより、CPU102は、払出タイミングエラーが発生していることを把握することが可能となる。その後、ステップSj4904にてエラー対応処理を実行してから、エラー判定処理を終了する。この場合、払出枚数表示部62にて払出タイミングエラーを示すエラー報知が行われることとなる。
ステップSj4909にて払出タイミングエラー信号がLOW状態である場合、ステップSj4911に進み、投入メダル滞留エラー信号を確認することで、投入メダル滞留エラーが発生しているか否かを判定する。投入メダル滞留エラー信号がHI状態であって、投入メダル滞留エラーが発生している場合、ステップSj4912にて第1エラーカウンタに「1」を入力する処理を実行する。上記のように、第1エラーカウンタに「1」を入力することにより、CPU102は、投入メダル滞留エラーが発生していることを把握することが可能となる。その後、ステップSj4904にてエラー対応処理を実行してから、エラー判定処理を終了する。この場合、払出枚数表示部62にて投入メダル滞留エラーを示すエラー報知が行われることとなる。
ステップSj4911にて投入メダル滞留エラー信号がLOW状態である場合、ステップSj4913に進み、第1エラーカウンタが「0」であるか否かを判定する。第1エラーカウンタが「0」であって、いずれのエラーも発生していない場合、そのまま本エラー判定処理を終了する。一方、第1エラーカウンタが「0」ではなく、例えば、投入メダル異常通過エラーが発生している場合(第1エラーカウンタが「2」である場合)等においては、ステップSj4904に進み、エラー対応処理を実行してから、エラー判定処理を終了する。この場合、払出枚数表示部62にて発生しているエラーを示すエラー報知が行われることとなる。
以上のように、本変形例では、投入メダル検出装置86や払出メダル検出装置95、乱数生成装置107にて投入メダル滞留エラーや、投入タイミングエラー、払出タイミングエラー、乱数異常エラーが発生していることの判定を行う構成としたことにより、主制御装置101側でこれらのエラー判定を行う必要が生じず、主制御装置101側の処理構成を圧倒的に軽減することが可能となる。
特に、主制御装置101側では、これら投入メダル検出装置86や払出メダル検出装置95、乱数生成装置107からのエラー信号の出力状態を確認することでエラーの発生を特定可能としていることから、主制御装置101における処理を上記実施形態のものよりも圧倒的に簡素なものとすることが可能となり、遊技の進行を司る主制御装置101の処理構成の簡素化により、遊技進行の好適化に大いに貢献することが可能となる。
この場合、投入メダル検出装置86や払出メダル検出装置95、乱数生成装置107にてエラーの発生が特定された場合において、エラー信号をエラーの発生に対応するHI状態に切り換えた後は、例えば、各リール32L,32M,32Rが停止したからと言って、当該エラー信号をエラーの発生に対応しないLOW状態に切り換えないようにしている。つまり、主制御装置101側においては、各リール32L,32M,32Rの回転中にエラーが発生してエラー信号がHI状態となったとしても、当該タイミングでエラーの発生を特定する必要がなく、エラー報知を実行可能となるタイミングにて、上記のエラー信号がHI状態となっていることに基づいてエラー報知を実行すればよいことになる。このようにすることで、エラーの発生タイミングとエラー報知の実行タイミングが異なる構成において、主制御装置101側でエラーの発生を記憶しておく必要が生じず、処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
ちなみに、上記のエラー信号は、エラーの解除操作が行われた場合に、対応するCPUの処理にてLOW状態に切り換える構成とするとよい。
投入メダル検出装置86や払出メダル検出装置95は、各リール32L,32M,32Rを回転させるためのリールステッピングモータ31aに接続されており、投入メダル検出装置86や払出メダル検出装置95においてメダル等を検出した場合において、各リール32L,32M,32Rが回転していない場合には通常のメダル検出信号を出力する一方、各リール32L,32M,32Rが回転している場合にはエラー信号を出力する構成としている。このようにすることで、投入メダル検出装置86や払出メダル検出装置95にて投入タイミングエラーや払出タイミングエラーの発生を特定することが可能となり、主制御装置101側で特定するための処理を用意する必要がなくなるため、当該主制御装置101側の処理構成を圧倒的に簡素なものとすることができる。
さらに、投入メダル検出装置86や払出メダル検出装置95は、ホッパ装置51におけるホッパモータ51aにも接続されており、払出メダル検出装置95においてメダル等を検出した場合において、メダル払出を実行している場合には通常のメダル検出信号を出力する一方、メダル払出を実行していない場合にはエラー信号を出力する構成とし、投入メダル検出装置86においてメダル等を検出した場合において、メダル払出を実行していない場合には通常のメダル検出信号を出力する一方、メダル払出を実行している場合にはエラー信号を出力する構成とした。このようにすることでも、投入メダル検出装置86や払出メダル検出装置95にて投入タイミングエラーや払出タイミングエラーの発生を特定することが可能となり、主制御装置101側で特定するための処理を用意する必要がなくなるため、当該主制御装置101側の処理構成を更に簡素化することができる。
また、投入メダル検出装置86においては、メダル等を検出した後の経過期間を投入後カウンタICや通過後カウンタPCによって把握可能としており、これらの経過期間に基づく投入タイミングエラーの判定も可能としている。このようにすることで、更なる主制御装置101側の処理構成の簡素化を実現することができる。
<変形例2>
本変形例では、各リール32L,32M,32Rが回転している状況でエラーが発生した場合において、払出枚数表示部62にて押し順報知を実行している場合には、上記のように当該エラーに対応するエラー報知の実行を押し順報知の終了まで(払出枚数表示の終了まで)待機させる一方、払出枚数表示部62にて押し順報知を実行していない場合には、各リール32L,32M,32Rが回転中であっても、当該エラーに対応するエラー報知を実行する。
図923は、本変形例におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
本変形例では、上記の通常処理における開始待ち処理にて実行していたエラー判定処理を、タイマ割込み処理内で実行する構成とする。すなわち、ステップSj5001~ステップSj5010にて、上記ステップSj101~ステップSj110と同様の処理を実行した後、ステップSj5011にて上記のエラー判定処理を実行する。そして、ステップSj5012にてステップSj111と同様のセグメントデータ設定処理を実行し、ステップSj5013~ステップSj5016にて上記ステップSj112~ステップSj115と同様の処理を実行する。
図924(a)は、本変形例における抽選結果対応処理の一部を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSj607やステップSj609の処理を実行した後、ステップSj5101にて今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップSj5102にてATモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSj5103~ステップSj5106にて払出枚数表示部62にて押し順報知を実行したり、補助表示部65にて押し順報知演出を実行するための処理を行ってから、抽選結果対応処理を終了する。
これに対して、ステップSj5101にて押し順ベル当選ではないと判定した場合や、ステップSj5102にて押し順ベル当選であってもATモード中ではない場合、ステップSj5107にて第2エラーカウンタへのアクセス制限を解除する処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。
つまり、本変形例では、払出枚数表示部62にて押し順報知を実行しないゲーム(補助表示部65でも押し順報知演出を実行しないゲーム)では、当該ゲームを開始する際に第2エラーカウンタへのアクセス制限が解除される。
図924(b)は、本変形例におけるメダル払出処理の一部を示すフローチャートである。
本変形例では、先ずステップSj5111にて第2エラーカウンタへのアクセスを制限する処理を実行する。なお、既に第2エラーカウンタへのアクセスが制限されている場合には、その状態を維持する。その後、ステップSj5112にて払出第1カウンタが0であるか否かを判定し、0ではなくメダル払出を行うべき状況であれば、ステップSj2302に進みメダル払出用の処理を行う。ステップSj5112にて払出第1カウンタが0である場合には、ステップSj5113にて第2エラーカウンタへのアクセス制限を解除する処理を実行してから、本メダル払出処理を終了する。
つまり、本変形例においても、払出枚数表示部62にてメダル払出枚数の表示を行う期間については、第2エラーカウンタへのアクセスが制限される。
この場合、例えば、押し順報知を実行しないゲームであって各リール32L,32M,32Rが回転している最中でエラーが発生して、第1エラーカウンタにそのエラーの発生に対応する値が入力されることでCPU102が当該エラーの発生を特定したとすると、上記のタイマ割込み処理におけるエラー判定処理(図900)では、ステップSj3401にて第2エラーカウンタへのアクセスが可能であるか否かを判定する。上記のように押し順報知を実行していないゲームでは第2エラーカウンタへのアクセス制限が解除されていることから、当該ステップSj3401では肯定判定することとなる。この場合、ステップSj3402にて第1エラーカウンタが「0」ではないと判定し、ステップSj3403にてエラー対応処理を実行する。
図による詳細な説明は省略するが、本変形例におけるエラー対応処理では、ステップSj3504にてエラー解除操作が行われていないと判定した場合、当該エラー対応処理をそのまま終了する。この場合、タイマ割込み処理では、上記エラー判定処理の次のセグメントデータ設定処理に移行し、当該セグメントデータ設定処理では、第2エラーカウンタへのアクセスが許容されていること、及び第2エラーカウンタの値が「0」ではないことから、上記エラー対応処理にて入力したエラー情報に対応するエラー報知が払出枚数表示部62にて行われるようになる。エラー解除が行われることで、上記のエラー対応処理のステップSj3504にて肯定判定して、第1エラーカウンタや第2エラーカウンタを「0」にクリアする処理が行われてエラー報知が終了することになる。
図925を参照しながら、本変形例における押し順報知とエラー報知との関係を説明する。
図925(a)に示すように、tm1にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tm3にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止する場合において、当該tm1からtm3にて払出枚数表示部62にて押し順報知が実行されている状況下で、当該tm1からtm3の間であるtm2にて、エラーが発生したとする。この場合、上記のように、tm3にて押し順報知が終了して、更にtm4にてメダル払出枚数の表示が終了した後で、当該tm2に発生したエラーに対応するエラー報知が開始され、tm5にて当該エラー報知が終了する。
これに対して、図925(b)に示すように、tn1にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tn3にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止する場合において、当該tn1からtn3にて払出枚数表示部62にて押し順報知が実行されていない状況下で、当該tn1からtn3の間であるtn2にてエラーが発生したとする。この場合、押し順報知を実行している場合とは異なり、エラーが発生したtn2から払出枚数表示部62にてエラー報知が開始される。この場合、tn3にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止して、払出枚数表示部62にてメダル払出枚数の表示を行うべき状況となると、払出枚数表示部62でのエラー報知はメダル払出枚数の表示に切り換わり、メダル払出が終了するtn4にて、再度、エラー報知に切り換わってからtn5に当該エラー報知が終了する。
以上のように、ゲームの抽選結果が押し順報知を実行することに対応する押し順ベルであって、当該ゲームで各リール32L,32M,32Rの回転中にエラーが発生した場合には、当該エラーに対応するエラー報知は、各リール32L,32M,32Rが停止してメダル払い出しが終了した後で実行される一方、ゲームの抽選結果が押し順ベルではなく、当該ゲームで各リール32L,32M,32Rの回転中にエラーが発生た場合には、当該エラーに対応するエラー報知は、各リール32L,32M,32Rの回転中に開始される。つまり、ゲームの抽選結果に応じて、エラー発生時のエラー報知の実行タイミングが異なる構成となる。このようにすることで、各ゲームの抽選結果に応じて行われる押し順報知等の演出と、エラー報知とをうまく共存させながら実行することが可能となる。
特に、押し順報知を実行する払出枚数表示部62においてエラー報知を実行する構成であることから、押し順報知を実行している最中にエラー報知が行われてしまうことの不都合を生じさせないようにしながらも、押し順報知が実行されていなければより早期にエラー報知を開始させることができるようになり、エラーの発生をより好適に知らしめることが可能となる。
押し順ベル当選ゲームであっても、ATモード中では無ければ、各リール32L,32M,32Rの回転中にエラーが発生した場合に当該回転中にエラー報知を開始させる構成としたことにより、各リール32L,32M,32Rの回転中にエラーが発生してそのエラー報知が待機される事象がATモード中の押し順ベル当選ゲームに限定される。つまり、その他のゲームでは、押し順ベル当選であっても各リール32L,32M,32Rの回転中にエラー報知が可能となり、エラー報知をより早期に開始させる割合が大きくなる。
押し順報知を実行しない場合に第2エラーカウンタへのアクセス制限を解除し、仮に当該ゲームの各リール32L,32M,32Rの回転中にエラーが発生した場合に、エラー報知を待機させないことを事前に設定する構成とした。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rが回転中にエラーが発生した場合に、当該エラーに対応する報知をそのタイミングで実行するか、それとも待機させるかをエラー発生時に設定するような構成と比較して、エラー発生時の処理構成が簡素化される。よって、エラー発生時によりスムーズにエラー報知を行うことが可能となる。
但し、上記のように各ゲームの抽選結果対応処理にて第2エラーカウンタへのアクセス制限を解除するか否かが異なる構成とすると、毎ゲーム、その処理を実行する必要が生じる。そのため、エラー発生時に押し順報知を実行しているか否かを判定し、押し順報知を実行している場合には当該エラーに対応するエラー報知を待機させ、押し順報知を実行していない場合には第2エラーカウンタへのアクセス制限を解除して当該エラーに対応するエラー報知を直ぐに実行する構成としてもよい。このようにすることで、エラー発生時の処理は多くなるものの、第2エラーカウンタへのアクセス制限を解除するか否かの処理を毎ゲーム行わなくて済む分、相対的に、処理数は少なくすることが可能である。
<変形例3>
本変形例では、押し順報知を実行し得るゲームでは、停止時抽選処理に基因するエラー(乱数異常エラー)が発生しないようにする。図926は、本変形例における停止時抽選処理を示すフローチャートである。なお、本変形例は、上記変形例2のように押し順報知を実行しないゲームでは各リール32L,32M,32Rの回転中に第2エラーカウンタへのアクセスが許容される構成とする。
本変形例では、停止時抽選処理において抽選契機とするゲームの結果が異なり、その他の処理は上記図872の処理と同様である。すなわち、ATモード中のゲームにおいて当該ゲームの抽選結果を把握した場合において(ステップSj1201、ステップSj1202、ステップSj5201、ステップSj5202)、図872の処理では当該ゲームの抽選結果が押し順ベル当選であった場合にステップSj1204以降のセット上乗せ抽選用の処理を実行する構成としていた。本変形例では、当該ゲームの抽選結果が押し順報知を実行しない結果として例えば外れ結果である場合に、ステップSj5204以降のセット上乗せ抽選用の処理を実行する構成とする。ステップSj5204以降の処理は上記ステップSj1204以降の処理と同様である。この場合の、上乗せ抽選の当選確率は、適宜設定すればよく、例えば、外れ結果である場合の2%で上乗せ当選する構成としてもよいし、スイカである場合の10%で上乗せ当選する構成としてもよい。
つまり、本変形例では、払出枚数表示部62において押し順報知が発生しないゲームの第1停止時に停止時抽選処理として抽選乱数取得処理(ステップSj5205)が実行され、押し順報知が発生するゲームでは第1停止時であっても抽選乱数取得処理は実行されない。その結果、押し順報知が発生するゲームでは、当該抽選乱数取得処理に基因する乱数異常エラーは発生しないようになる。
図927(a)に示すように、tо1にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tо3にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止する場合において、当該ゲームの抽選結果が例えば外れ結果であると、tо1からtо3では押し順報知が実行されない。この場合、tо2の第1停止操作時に停止時抽選処理が実行され、かかる抽選処理にて利用する抽選乱数を取得する際に乱数異常エラーが発生したとする。この場合、tо2にて当該乱数異常エラーの発生をCPU102が把握され(第1エラーカウンタに「7」が入力され)、当該tо2から、当該乱数異常エラーに対応するエラー報知が払出枚数表示部62にて開始される。tо3にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止してメダル払出が開始されると、エラー報知は一旦終了してメダル払出枚数の表示に切り換わる。そして、メダル払出がtо4にて完了すると、当該tо4からエラー報知が再開され、エラーの解除操作が行われるtо5まで継続して実行される。
これに対して、図927(b)に示すように、tp1にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tp3にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止する場合において、当該ゲームの抽選結果が押し順ベルであって押し順報知が実行されるとすると、tp2の第1停止操作時には停止時抽選処理が実行されない。そのため、停止時抽選処理に基因する乱数異常エラーが発生し得ず、tp3にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止してメダル払出が開始されると、押し順報知からメダル払出枚数の表示に切り換わり、メダル払出がtp4にて完了するまでメダル払出枚数の表示が行われる。
このようにすることで、払出枚数表示部62において押し順報知が発生するゲームでは、少なくとも乱数異常エラーの契機となる契機事象は、当該押し順報知の実行中に発生し得ない構成とすることができ、押し順報知が実行されていることからエラー報知のタイミングが後側にずらされる事象を少なくすることができる。
ここで、乱数異常エラーは、各ゲームの開始操作に基づく抽選(ゲームの抽選、ATモード移行抽選等)でも発生し得るところ、上記の通り、ゲームの抽選処理(図858)にて乱数異常エラーが発生した場合には、エラー時用予備乱数が取得されて強制的に外れ結果となる。つまり、ゲームの抽選処理にて乱数異常エラーが発生した場合には、押し順ベル当選となることはなく、この場合、上記変形例2のように押し順ベル当選ゲーム以外では各リール32L,32M,32Rの回転中にエラー報知を実行可能な構成とすることで、少なくとも、ゲームの抽選処理に基づく乱数異常エラーのエラー報知と押し順報知とが重複する事象は生じない。
<変形例4>
本変形例では、エラー発生時に払出枚数表示部62にて別の表示を行っている場合において、払出枚数表示部62におけるエラー報知を当該別の表示の終了まで待機させる場合であっても、補助表示部65等によるエラー報知演出はエラー発生時に実行する構成とする。
図928(a)は、本変形例におけるセンサ監視処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、センサ監視処理は、タイマ割込み処理にて実行される処理であり、通常処理とは別途、所定周期で起動される処理である。
ステップSj5301~ステップSj5304の処理は、上記ステップSj2901~ステップSj2904の処理と同様であり、特にステップSj5301~ステップSj5303では、投入メダル検出装置86や払出メダル検出装置95、予備タンク54に設けられている各種センサの検知状態を監視するとともに、これらのセンサにてエラーの発生(投入メダル滞留エラー、投入タイミングエラー、払出タイミングエラー、補助収納庫満杯エラー等の発生)を把握するための処理を実行する。
ステップSj5305では、第1エラーカウンタが「0」であるか否かを判定する。「0」である場合には、そのまま本センサ監視処理を終了する。「0」ではない場合には、ステップSj5306に進み、第1エラーカウンタの値に対応するエラーコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本センサ監視処理を終了する。エラーコマンドは、エラーの種類に応じて複数種類設けられている。
ここで、ステップSj5305にて第1エラーカウンタに「0」以外の値が入力されている場合とは、上記ステップSj5301~ステップSj5303の各種センサ監視処理にてエラーの発生が特定された場合の他、例えば、BET操作対応処理にて投入メダル異常通過エラーの発生を特定したり、メダル払出処理において払出メダル滞留エラーの発生を特定したり、抽選乱数取得処理において乱数異常エラーの発生を特定したりした場合も含まれる。
図928(b)は、本変形例における表示制御装置81にて実行されるエラーコマンド対応処理を示すフローチャートである。エラーコマンド対応処理は、例えば、演出設定処理(図883)におけるその他の処理(ステップSj2011)の一処理として実施される処理である。
ステップSj5311では、上記のいずれかのエラーコマンドを受信しているか否かを判定し、受信していない場合には、そのまま本エラーコマンド対応処理を終了する。いずれかのエラーコマンドを受信している場合には、ステップSj5312にて、現状、いずれかのリール32L,32M,32Rの回転中であるか、又はメダル払出中であるか否かを判定する。いずれのリール32L,32M,32Rも停止しており、且つメダルの払出中でもない場合には、ステップSj5313にて、今回受信しているエラーコマンドに対応するエラー報知演出データをROM182から取得する処理を実行する。そして、取得したデータに基づいて、ステップSj5314にてエラー報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行ってから、本エラーコマンド対応処理を終了する。エラー報知演出は、例えば図929(c)のように、エラーが発生していること、及びそのエラーの種類を報知するための演出である。
ステップSj5312にていずれかのリール32L,32M,32Rが回転中であるか、メダル払出中である場合、ステップSj5315に進む。ステップSj5315では、今回受信しているエラーコマンドに対応する特定エラー報知演出データをROM182から取得する処理を実行する。そして、取得したデータに基づいて、ステップSj5316にて特定エラー報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を実行する。特定エラー報知演出は、例えば図929(b)のように、エラーが発生していること、及びそのエラーの種類を報知するための演出であって、実行中の押し順報知演出やメダル払出演出等の各ゲームのゲーム演出と重複して実行可能なように、例えば、補助表示部65の画面上部に帯表示にて行う演出である。この場合、実行中の押し順報知演出やメダル払出演出等の各ゲームのゲーム演出で使用しない領域又は使用していてもその情報量が少ない領域(特に、押し順報知演出では操作順序を示す操作画像(1,2,3といった数字が付与されたキャラクタ)が表示されていない領域であり、メダル払出演出ではそのメダル払出数を示す払出画像が表示されていない領域)にて、上記の特定エラー報知演出を示す帯表示が行われるようにしていることから、特定エラー報知演出を行うことにより、これらのゲーム演出が確認できなくなってしまう、という不都合が生じにくくなっている。
続くステップSj5317では、今回受信しているエラーコマンドに対応するエラー報知演出データをROM182から取得する処理を実行する。そして、取得したデータに基づくエラー報知演出が、今回のゲームのゲーム演出に続けて補助表示部65やスピーカ64にて実行されるように、ステップSj5318にて設定する処理を行ってから、本エラーコマンド対応処理を終了する。
本変形例において、エラー報知演出や特定エラー報知演出が行われる様子について、図929を参照しながら説明する。
図929(a)に示すように、tq1にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tq3にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止する場合において、当該tq1からtq3にて押し順報知や押し順報知演出が実行されている最中であるtq2にてエラーが発生した場合、上記のように、払出枚数表示部62でのエラー報知は当該tq2では発生しない。その一方で、上記のようにエラーコマンドが表示制御装置81に出力されることにより、表示制御装置81では、押し順報知演出といったゲーム演出と重複可能な特定エラー報知演出をtq2から開始する(図929(b))。
tq3にて各リール32L,32M,32Rの回転が停止して、メダル払出が開始されると、払出枚数表示部62では押し順報知からメダル払出枚数の表示に切り換わる。また、補助表示部65におけるゲーム演出も押し順報知演出からメダル払出演出(払出枚数表示演出)に切り換わる。但し、特定エラー報知演出は当該メダル払出演出とも重複して実行される。
tq4にてメダル払出が完了すると、払出枚数表示部62でのエラー報知が開始される。この場合、補助表示部65におけるゲーム演出も終了し、特定エラー報知演出からエラー報知演出が開始される(図929(c))。これらエラー報知や、エラー報知演出はエラー解除操作が行われるtq5まで継続して実行される。
以上のように、払出枚数表示部62にて押し順報知を実行している状況(各リール32L,32M,32Rが回転している状況)でエラーが発生した場合、払出枚数表示部62での当該エラーに対応するエラー報知の実行は待機される一方、補助表示部65にて当該エラーに対応するエラー報知演出(特定エラー報知演出)が開始されるようにしたことから、払出枚数表示部62にて各報知の実行タイミングが重複してしまうことによる不都合を生じさせないようにしながらも、エラーの発生をより早期に知らしめることが可能となる。よって、エラー報知を好適に実行することが可能となり、遊技進行の好適化に大いに役立てることができる。
各リール32L,32M,32Rが回転している状況では、補助表示部65では各ゲームの演出が行われており、特に、払出枚数表示部62にて押し順報知が実行されている状況では、補助表示部65では押し順報知演出が実行されており、エラー報知演出を行う上で他の演出と重複してしまうことによる不都合は、払出枚数表示部62と同様に、補助表示部65でも生じ得る。但し、払出枚数表示部62と補助表示部65とを比較すると、その表示領域の面積は補助表示部65の方が大きいし、払出枚数表示部62が所謂7セグによる表示部であるのに対して、補助表示部65は液晶画面による表示部であり、その表示内容の自由度も補助表示部65の方が大きい。そのため、補助表示部65にて実行中の演出(押し順報知演出)と特定エラー報知演出とが重複したとしても、当該実行中の演出を終了させる必要性は払出枚数表示部62の場合よりも低く、補助表示部65では実行中の演出を継続しながらも特定エラー報知演出を実行可能である。よって、実行中の演出を終了することによる不都合を生じさせることなく、エラーの発生をより早期に知らしめることが可能となる。
特に、特定エラー報知演出を実行する場合、押し順報知演出やメダル払出演出にて使用していない又は使用していてもその情報量が少ない領域(特に、押し順報知演出では操作順序を示す操作画像(1,2,3といった数字が付与されたキャラクタ)が表示されていない領域であり、メダル払出演出ではそのメダル払出数を示す払出画像が表示されていない領域)にて、上記の特定エラー報知演出に対応するエラー画像(帯表示)が表示されるようにしている。そのため、特定エラー報知演出を行うことにより、押し順報知演出やメダル払出演出が確認できなくなってしまう、という不都合は生じにくい。
各リール32L,32M,32Rが停止してメダル払出も終了した後、払出枚数表示部62にてエラー報知が開始される場合、補助表示部65では、エラー報知演出が開始されるようにした。つまり、補助表示部65では、エラー発生時から特定エラー報知演出が開始され、払出枚数表示部62にてエラー報知が行われるタイミングで、当該特定エラー報知演出からエラー報知演出に切り換わる構成としている。上記のように、払出枚数表示部62でのエラー報知は、そのエラー解除操作が実行可能となるタイミングにて行われるようにしており、補助表示部65でもエラー報知演出が行われることによって、そのエラー解除操作が実行可能となったことを、遊技ホールの管理者等は好適に把握することが可能となる。
<変形例5>
本変形例では、上記変形例4のように、各リール32L,32M,32Rの回転中やメダル払出中にエラーが発生した場合、別の表示部としてクレジット表示部60にてエラーの報知を行う構成とする。なお、本変形例では、上記変形例2のようにエラー判定処理をタイマ割込み処理内で実行する構成とし、第2エラーカウンタへのアクセス制限タイミングや解除タイミングは、上記第1の実施形態のように各リール32L,32M,32Rの回転開始時にアクセスを制限し、メダル払出が完了したらアクセスを解除する構成とする。つまり、払出枚数表示部62にて押し順報知やメダル払出枚数の表示を実行し得る状況では、第2エラーカウンタへのアクセスが制限される構成である。
図930は、本変形例におけるセグメントデータ設定処理を示すフローチャートである。
ステップSj5401では、第1エラーカウンタが「0」であるか否かを判定する。「0」ではなく、いずれかのエラーが発生していることをCPU102が特定している状況であれば、ステップSj5402にて第2エラーカウンタへのアクセスが許容されている状況であるか否かを判定する。許容されている状況であれば、ステップSj5403にて各種フラグ格納エリア106dにエラー報知フラグがセットされているか否かを判定する。エラー報知フラグは、クレジット表示部60にてエラー報知を開始する場合にセットされ、エラー解除操作が行われることにより図示しないクリア処理にてクリアされるフラグである。
ステップSj5403にてエラー報知フラグがセットされていない場合や、ステップSj5401にて第1エラーカウンタに「0」が入力されており、いずれかのエラーが発生していることをCPU102が特定していない状況である場合、ステップSj5404にてクレジットカウンタの値を把握する処理を実行し、ステップSj5405にて当該クレジットカウンタの値がクレジット表示部60にて表示されるように設定する処理を行う。
これに対して、第1エラーカウンタに「0」が入力されており、いずれかのエラーが発生していることをCPU102が特定していない状況であって、更に第2エラーカウンタへのアクセスが制限されている状況である場合、ステップSj5406に進み、エラー報知フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSj5407にて、第1エラーカウンタの値から今回発生しているエラーのエラー種別を把握する処理を実行する。その後、ステップSj5405にて、上記把握したエラー種別に対応するエラー報知がクレジット表示部60にて行われるように設定する処理を実行する。
また、第2エラーカウンタへのアクセスが許容されている状況であっても、ステップSj5403にてエラー報知フラグがセットされている場合、ステップSj5407にて第1エラーカウンタの値から今回発生しているエラーのエラー種別を把握し、ステップSj5405にて、その把握した種別に対応するエラー報知がクレジット表示部60にて行われるように設定する処理を実行する。
ステップSj5408では、BBカウンタの値を把握し、ステップSj5409では、残払出枚数表示部61にてBBカウンタの値が表示されるように設定する処理を行う。これらステップSj5408及びステップSj5409の処理は、ステップSj2403及びステップSj2404の処理と同様である。
ステップSj5410では、第2エラーカウンタへのアクセスが許容されているか否かを判定する。許容されていない場合、ステップSj5411~ステップSj5414にて、上記ステップSj2406~ステップSj2409の処理と同様に、押し順報知やメダル払出枚数の表示が払出枚数表示部62にて行われるように設定する処理を実行してから、本セグメントデータ設定処理を終了する。
ステップSj5410にて、第2エラーカウンタへのアクセスが許容されていると判定した場合、ステップSj5415にて、第2エラーカウンタが「0」であるか否かを判定する。本変形例では、第2エラーカウンタへのアクセスが許容されている状況であって、且つ第2エラーカウンタに「0」以外の値が入力されている場合、ステップSj5416にてエラー報知フラグがセットされているか否かを判定する。エラー報知フラグがセットされている場合、本変形例では、第2エラーカウンタに「0」以外の値が入力されていても、ステップSj5411~ステップSj5414にて、押し順報知やメダル払出枚数の表示が払出枚数表示部62にて行われるように設定する処理を実行してから、本セグメントデータ設定処理を終了する。
また、ステップSj5415にて第2エラーカウンタに「0」が入力されている場合は、上記の通り、ステップSj5411~ステップSj5414にて、押し順報知やメダル払出枚数の表示が払出枚数表示部62にて行われるように設定する処理を実行してから、本セグメントデータ設定処理を終了する。
ステップSj5416にてエラー報知フラグがセットされていない場合、ステップSj5417に進み、第2エラーカウンタの値から今回発生しているエラーのエラー種別を把握する処理を実行する。その後、ステップSj5413にて、上記把握したエラー種別に対応するエラー報知が払出枚数表示部62にて行われるように設定する処理を実行してから、本クレジットデータ設定処理を終了する。
本変形例においてエラー報知が行われる様子を、図931を参照しながら説明する。
図931(a)では、第2エラーカウンタへのアクセスが許容されている状況、すなわち、各リール32L,32M,32Rが停止しており、且つメダル払出も実行していない状況でエラーが発生した場合を示している。
例えば、受入可能状態であるtr1にて投入メダル滞留エラーが発生した場合、払出枚数表示部62にてエラー報知(CE)が実行される。この場合、クレジット表示部60の表示はクレジット数(クレジットカウンタの値)を表示している。当該エラーがtr2にて解除されると、エラー報知は終了する。その後、tr3にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tr4にて各リール32L,32M,32Rが停止するまでは払出枚数表示部62では押し順報知が実行され、tr4からtr5までメダル払出が行われる場合には払出枚数表示部62ではメダル払出枚数の表示が行われる。この場合、クレジット表示部60では、上記の押し順報知やメダル払出枚数の表示の有無に関わらず、クレジット数の表示が行われる点は上述の通りである。
図931(b)では、第2エラーカウンタへのアクセスが制限されている状況、すなわち、各リール32L,32M,32Rが回転していたり、メダル払出が実行している状況でエラーが発生した場合を示している。
ts1にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、払出枚数表示部62にて押し順報知が開始される場合、クレジット表示部60ではクレジット数の表示が行われている。ts3にて各リール32L,32M,32Rが停止するよりも前であるts2にて、例えば、投入タイミングエラーが発生した場合、払出枚数表示部62での押し順報知は継続される一方、クレジット表示部60のクレジット数の表示は、エラー報知(UC)に切り換わる。
この場合、ts3にて各リール32L,32M,32Rが停止して、払出枚数表示部62の表示が押し順報知からメダル払出枚数の表示に切り換わっても、クレジット表示部60でのエラー報知は継続されるし、更に、ts4にてメダル払出が完了しても、クレジット表示部60でのエラー報知は継続される。当該クレジット表示部60でのエラー報知は、エラー解除操作が行われるts5まで継続され、当該エラー解除操作に基づいて、エラー報知からクレジット数の表示に切り換わる。なお、ts4にてメダル払出が完了する場合、払出枚数表示部62の表示は今回払い出したメダル数(例えば13)が表示されており、かかる表示は少なくともts4まで継続される。
以上のように、各リール32L,32M,32Rの回転が開始された後は、クレジット表示部60の更新が行われないことを利用して、各リール32L,32M,32Rの回転中にエラーが発生した場合には、クレジット表示部60にてエラー報知を実行するようにしたことで、エラー報知とクレジット数の表示とがクレジット表示部60にて共用される構成となり、遊技機構成部品の部材点数の削減を図るとともに、限られた領域において複数の表示部を設けることによって別の演出領域等を圧迫してしまうといったような不都合を生じさせないようにすることができる。
特に、基本的には、払出枚数表示を行う払出枚数表示部62にてエラー報知を実行するようにしながらも、払出枚数表示部62にて押し順報知を実行している場合には、そのエラー報知をクレジット表示部60にて行うようにしたことで、複数(4)の表示(払出枚数表示、クレジット数表示、押し順報知、エラー報知)をそれよりも少ない数(2)の表示部にてそれぞれ表示タイミングを異ならせて実行する構成となり、一方の表示部で表示タイミングが重複してしまうことによって表示開始が遅延してしまう事象を好適に回避することが可能となる。
クレジット表示部60にてエラー報知を開始させた場合、エラー解除操作が行われるまで、そのクレジット表示部60でのエラー報知を継続させる構成とした。このようにすることで、エラー報知が開始された後でそのエラー報知の行われる表示部が切り換わることによって、エラーが解消されていないのにもかかわらずエラーが解消されたと勘違いさせてしまわないようにすることができる。
特に、クレジット表示部60にてエラー報知が行われる場合、払出枚数表示部62では、押し順報知だけではなく、今回のゲームでのメダル払出数に対応する払出枚数表示が実行されることとなり、エラー報知を行いながらも、押し順報知や払出枚数表示によって、それらの示す情報を遊技者に知らしめることが可能となる。
払出枚数表示部62とクレジット表示部60とは、いずれも主制御装置101により表示制御される表示部であり、補助表示部65のように主制御装置101からの指示(コマンド)によって表示制御装置81により表示制御される表示部とは異なる。エラーの発生は主制御装置101にて特定されることから、上記のように主制御装置101にてエラー報知を行う構成とすることで、エラー発生時により速やかにエラー報知を実行することが可能となるし、主制御装置101から表示制御装置81への情報出力エラーによるエラー報知の誤報知も回避することが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)第1エラーカウンタにエラー情報が入力されることでCPU102がエラーの発生を特定可能とし、第2エラーカウンタにエラー情報が入力され、且つ第2エラーカウンタへのアクセスが許容されることでエラー報知が開始される構成としたが、一のエラーカウンタ(例えば、第1エラーカウンタ)によって上記のエラー発生の特定と、エラー報知の開始とを実現する構成としてもよい。具体的には、第1エラーカウンタにエラー情報が入力されることでCPU102がエラーの発生を特定可能とし、セグメントデータ設定処理において、第1エラーカウンタにエラー情報が入力されていても(第1エラーカウンタが「0」ではなくても)、払出枚数表示部62にて押し順報知や払出枚数表示を実行している場合には、エラー報知を開始せず、これらの押し順報知や払出枚数表示を実行していない場合にエラー報知を行う(第1エラーカウンタの値に応じたエラー情報を特定し、払出枚数表示部62にて表示させる処理を行う)構成としてもよい。なお、押し順報知や払出枚数表示を実行しているか否かを確認する構成に代えて、又は加えて、各リール32L,32M,32Rが回転しているか否かを判定したり、ホッパ装置51の駆動中であるか否かを判定することで、これら回転中や駆動中ではない場合にはエラー発生時にエラー報知を行う構成としてもよい。
また、基本的には第1エラーカウンタへのアクセスを制限する構成としたうえで、エラー発生時に第1エラーカウンタへのアクセス制限を一旦解除してエラー情報を入力可能とする一方、各リール32L,32M,32Rの回転中やホッパ装置51の駆動中では上記第2エラーカウンタのように第1エラーカウンタへのアクセスを制限する構成とし、セグメントデータ設定処理にて第1エラーカウンタへのアクセスが許容されており、且つ第1エラーカウンタにエラー情報が入力されている場合にエラー報知を行う構成としてもよい。
(2)リール回転中は第2エラーカウンタへのアクセスを制限することで、タイマ割込み処理のセグメントデータ設定処理において第2エラーカウンタを読み出し不能としたが、少なくとも各リール32L,32M,32Rが停止してから、第2エラーカウンタに第1エラーカウンタの値が入力される構成であれば、第2エラーカウンタへのアクセス制限の有無は必要がない。この場合であっても、押し順報知とエラー報知とを重複しないようにすることができる。但し、上記構成のようにすることで、ノイズ等によって第2エラーカウンタに「0」以外の値が入力されてしまった場合に、押し順報知が実行されなくなったり、押し順報知用の情報が消滅してしまったりする可能性を低減することが可能である。
(3)上記の各種エラーの他に、例えば、各リール32L,32M,32Rの回転が脱調する等の回転エラーや、前面扉12が開放されている扉開放エラー等についても、払出枚数表示部62にて報知する構成としてもよい。但し、これらのエラーは、各リール32L,32M,32Rが回転していても報知すべきより緊急性の高いエラーと考えられ、この場合、払出枚数表示部62にて押し順報知が実行されていても、当該押し順報知に代えてこれらのエラー報知を行う構成とするとよい。なお、このようなエラーであっても、他のエラーと同様に押し順報知等の後でエラー報知を行う構成としてもよく、このようにすれば処理構成の簡素化が図られる。
(4)払出枚数表示部62においてエラー報知を行う場合、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8が点灯状態とされていればその点灯状態を維持し、当該右第8表示用セグメントNa8が消灯状態とされていればその消灯状態を維持する構成としたが、逆に、払出枚数表示部62においてエラー報知を行う場合、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8が点灯状態とされていても、当該エラー報知の開始に際して消灯状態とし、エラー報知が終了する場合に点灯状態に復帰する構成としてもよい。点灯状態や消灯状態を維持する構成においては、エラー解除操作を行う遊技ホールの管理者等が、有利区間中に生じたエラーか否かを確認することが可能となるし、エラー報知時には点灯状態を消灯状態とする構成においては、エラー報知を際立たせることが可能となり、よりエラーの発生に気づかせ易くすることができる。なお、右第8表示用セグメントNa8が消灯状態の際にエラー報知を行う場合に点灯状態に切り換え、エラー報知を終了する場合に消灯状態に切り換える構成としてもよく、このようにすることで、エラー報知が行われる場合に点灯する表示部が増え、このようにしてもエラー報知に気付かせ易くする効果を見込むことが可能である。
(5)エラーの種別によって、エラー報知を行う表示部を異ならせてもよい。例えば、各リール32L,32M,32Rの回転中にも発生し得る投入タイミングエラーや払出タイミングエラーについてはクレジット表示部60にてエラー報知を行う構成とし、メダル払出処理や開始待ち処理にて発生し得る投入メダル異常通過エラーや払出メダル滞留エラーについては払出枚数表示部62にてエラー報知を行う構成としてもよい。
(6)エラーの種別を、払出枚数表示部62の表示内容にて報知する構成としたが、少なくともエラーが発生していることを遊技ホールの管理者等が把握可能であればよく、その表示内容は一種類でもよい。この場合、エラーが発生していることを払出枚数表示部62にて報知し、そのエラーの種別を補助表示部65にて表示する構成としてもよい。この場合、エラー報知を行う際に、表示制御装置81へエラー種別を示すコマンドを出力する構成とし、表示制御装置81では、かかるコマンドに基づいてエラー種別を示すエラー報知演出を補助表示部65等にて行う構成とするとよい。
(7)エラー報知を行う場合、遊技ホールのホールコンピュータへエラーが発生していることの情報を出力する構成としてもよい。この場合、エラーが発生していることをCPU102が特定した時点で、当該エラーが発生していることの情報の出力を開始する構成としてもよい。このようにすることで、エラー発生時に払出枚数表示部62にてエラー報知を開始しなくても、遊技ホールの管理者等はより早期にエラーの発生を把握することが可能となる。遊技ホールのホールコンピュータへ、エラーが発生していることの情報を出力する場合、そのエラーの種別の情報も出力する構成としてもよい。なお、ホールコンピュータへのエラー発生の情報出力を、エラー報知の開始時に行う構成としてもよく、このようにすることで、実際にエラー報知が開始されていないのにもかかわらず、遊技ホールの管理者等だけがエラー発生を把握しており、それを把握していない遊技者との行き違いや誤解を生じさせないようにすることも可能である。
(8)各リール32L,32M,32Rが回転しており、押し順報知が実行され得る状況でエラーが発生した場合、当該押し順報知が終了した後で当該エラーの発生に対応するエラー報知を実行する構成の他、各リール32L,32M,32Rが回転しており、押し順報知が実行され得る状況であっても、抽選結果や状態によって実際には押し順報知が実行されていない場合には、当該押し順報知が実行され得る状況でエラーが発生した場合に、当該発生時にエラー報知を開始する構成を説明したが、これら、押し順報知を実行し得る状況では抽選結果や状態によらずエラー報知を開始しない場合(例えばATモードの所定の状態)と、押し順報知を実行し得る状況であっても押し順報知を実行していなければエラー報知を開始可能となる場合(例えばATモードの所定の状態とは異なる他の状態)とのいずれもある構成としてもよい。
(9)払出枚数表示部62にてエラー報知を行う場合、対応する各表示部Na1~Na7,Nb1~Nb7を点灯状態とさせる構成としたが、点灯状態と消灯状態とが交互に繰り返される点滅状態とする構成としてもよい。この場合、点灯状態とする期間と点滅状態とする期間とが同じ長さの期間とすることで処理構成の簡素化が図られ、異なる期間とすることで、特に点灯状態とする期間の方が消灯状態とする期間よりも長くすることでエラー報知に気づき易くすることが可能となるし、逆に消灯状態とする期間の方が点灯状態とする期間よりも長くすることでエラー発生時の消費電力を低減することが可能である。なお、消灯状態とする期間や点灯状態とする期間がエラー報知の開始からの経過期間によって変化する構成としたり、発生しているエラーの種類によって異なる構成としたり、払出枚数表示部62にて押し順報知を実行している場合に発生したエラーと払出枚数表示を行っている場合に発生したエラーとで異なる構成としたり、払出枚数表示部62にて表示している押し順報知や払出枚数表示の終了を待ってから行うエラー報知かそれとも終了を待たずに行うエラー報知かによって異なる構成としてもよい。
(10)払出枚数表示部62にて、特定事象としてエラーが発生したことのエラー報知を行う構成として説明したが、特定事象は上記のエラーに限定されず、他のエラーであってもよい。また、エラーではなく、エラーが発生し得る契機事象として、例えば、投入メダル検出装置86や払出メダル検出装置95にてメダル等を検出した場合に、その検出したことに対応する報知を払出枚数表示部62にて行う構成としてもよい。また、ストップスイッチ42~44が操作されたことを検出した場合に、その検出したことに対応する報知を払出枚数表示部62にて行う構成としてもよいし、各種抽選に当選したことに対応する報知を払出枚数表示部62にて行う構成としてもよい。これらの場合において、払出枚数表示部62にて押し順報知や払出枚数表示を実行している状況で、上記の特定事象が生じた場合、押し順報知や払出枚数表示が終了してから当該特定事象に対応する報知が、払出枚数表示部62にて行われる構成とするとよい。
(11)払出枚数表示を行う払出枚数表示部62にて押し順報知が行われる構成とし、そのうえで、当該払出枚数表示部62にてエラー報知が行われる構成としたが、払出枚数表示を行う表示部と、押し順報知を行う表示部とが別々の表示部であってもよく、この場合、払出枚数表示を行う表示部にて払出枚数表示を行っている最中でエラーが発生した場合に、当該払出枚数表示が終了してから当該払出枚数表示を行う表示部にてエラー報知を行う構成としてもよく、押し順報知を行う表示部にて押し順報知を行っている最中でエラーが発生した場合に、当該押し順報知が終了してから当該押し順報知を行う表示部にてエラー報知を行う構成としてもよい。また、払出枚数表示を行う表示部にて払出枚数表示を行っている最中でエラーが発生した場合に、当該払出枚数表示を行う表示部ではなく押し順報知を行う表示部にてエラー報知を行う構成としてもよく、押し順報知を行う表示部にて押し順報知を行っている最中でエラーが発生した場合に、当該押し順報知を行う表示部ではなく払出枚数表示を行う表示部にてエラー報知を行う構成としてもよい。
(12)払出枚数表示部62において第1所定報知として押し順報知が実行されている状況で例えば投入タイミングエラーが発生した場合には、押し順報知が終了した後で当該エラーに対応するエラー報知を実行し、払出枚数表示部62において第2所定報知としてメダル払出枚数の表示が実行されている状況で例えば払出メダル滞留エラーが発生した場合には、メダル払出枚数の表示(メダル払出)の終了を待たずに当該エラーに対応するエラー報知を実行する構成としたが、払出枚数表示部62において第2所定報知としてメダル払出枚数の表示が実行されている状況で例えば投入タイミングエラーが発生した場合には、メダル払出枚数の表示(メダル払出)の終了を待たずに当該エラーに対応するエラー報知を実行する構成としてもよいし、払出枚数表示部62において第1所定報知として押し順報知が実行されている状況で例えば払出メダル滞留エラーが発生した場合には、押し順報知が終了した後で当該エラーに対応するエラー報知を実行する構成としてもよい。
(13)払出枚数表示部62において第1所定報知として押し順報知が実行されている状況でエラーが発生した場合には、押し順報知が終了した後で当該エラーに対応するエラー報知を実行し、払出枚数表示部62において第2所定報知としてメダル払出枚数の表示が実行されている状況でエラーが発生した場合には、メダル払出枚数の表示(メダル払出)の終了を待たずに当該エラーに対応するエラー報知を実行する構成としたが、払出枚数表示部62において実行している報知が終了するまでの期間に応じて、当該報知の実行中に生じたエラーに対応するエラー報知をその報知が終了するまで待機させるか否かを異ならせる構成としてもよい。
例えば、押し順報知を実行している状況において複数あるリール32L,32M,32Rのうちの全てのリール(第1数のリール)が回転している状況でエラーが発生した場合には当該エラーに対応するエラー報知は事後的に(押し順報知の終了後に)実行する一方、1つのリールが停止しており、残りのリール(第2数のリール)が回転している状況でエラーが発生した場合には当該エラーに対応するエラー報知を直ぐに(押し順報知の終了を待たずに)実行する構成としてもよい。
また、例えば、メダル払出枚数の表示を実行している状況において今回のゲームの結果に基づくメダル払出数のうちの所定割合未満(例えば半数未満)のメダル払出が残存している状況でエラーが発生した場合には当該エラーに対応するエラー報知は事後的に(メダル払出枚数の表示の終了を待って、メダル払出の終了を待って)実行する一方、メダル払出枚数のうちの所定割合以上(例えば半数以上)のメダル払出が残存している状況でエラーが発生した場合には当該エラーに対応するエラー報知を直ぐに(メダル払出枚数の表示の終了を待たずに、メダル払出の終了を待たずに)実行する構成としてもよい。
(14)払出枚数表示部62にてメダル払出枚数の表示を行い、当該払出枚数表示部62にて押し順報知やエラー報知を実行する構成としたが、メダル払出枚数の表示や、押し順報知、エラー報知を行う報知手段は別のものであってもよい。例えば、補助表示部65における所定領域にてメダル払出枚数の表示を行う構成とし、当該補助表示部65の所定領域や他の領域にて押し順報知やエラー報知を行う構成としてもよい。
(15)ゲームの抽選結果が押し順ベルである場合とそうではない場合のエラー発生時のエラー報知の実行タイミングを異ならせる構成としたが、ゲームの抽選結果が予め定められた特定結果である場合にエラーとは異なる特定事象(ストップスイッチ42~44等の遊技者による所定操作や、ATモードの上乗せ抽選等の所定の抽選に当選したこと等)の発生時の当該特定事象に対応する特定報知の実行タイミングが異なるものであってもよい。このようにすることで、当該特定報知の実行タイミングからゲームの抽選結果を予測する、といった遊技性も実現可能であり、遊技の興趣向上に役立てることができる。
この場合、特定事象に少なくとも何らかのエラーが含まれる構成とすることで、エラー発生時ですら、上記のゲームの結果を予測させる遊技に役立てることが可能である。また、特定報知が、ゲームの結果を報知する報知手段にて実行される構成とすることで、当該ゲームの結果報知と特定報知との重複を回避する等の効果も見込むことが可能である。
(16)各リール32L,32M,32Rが回転している状況では、クレジット表示部60によるクレジット数の変化が生じ得ないことから、当該状況でエラーが発生した場合にクレジット表示部60にてエラー報知を実行する場合がある構成としたが、各リール32L,32M,32Rが回転している状況で、補助表示部65による所定領域の更新が行われない又は他の所定の領域よりも更新が行われにくい構成とし、当該状況でエラーが発生した場合に当該補助表示部65による所定領域でエラー報知を実行し得る構成としてもよい。
(17)押し順報知の実行中にエラーが発生した場合にクレジット表示部60にてエラー報知を実行する変形例において、エラーの解除操作が行われるまでクレジット表示部60でのエラー報知を継続する構成としたが、各リール32L,32M,32Rが停止した場合(メダル払出が終了した場合)にはクレジット表示部60でのエラー報知を終了し、払出枚数表示部62でのエラー報知に切り換える構成としてもよい。
(18)抽選乱数取得処理にて、取得した数値が予め定められた範囲内の値とは異なる値となることを乱数異常エラー(特定事象)として、エラー報知(特定報知)を行う構成としたが、例えば、有利区間との関係で、有利区間移行時のATモード移行までの天井ゲーム数を決定する処理において、抽選により決定された天井ゲーム数が予め定められたゲーム数より大きかったり小さかったりした場合に特定事象の発生として特定報知を行う構成としてもよい。具体的には、ATモードの天井ゲーム数が第1ゲーム数(例えば100)から第2ゲーム数(700)の範囲で決定される場合を通常とし、第1ゲーム数よりも小さいゲーム数が天井ゲーム数として設定された場合に特定事象(第1特定事象)の発生として特定報知(第1特定報知)を行う構成としてもよいし、第2ゲーム数よりも大きいゲーム数が天井ゲーム数として設定された場合に特定事象(第2特定事象)の発生として特定報知(第2特定報知)を行う構成としてもよい。この場合、かかる特定報知を、払出枚数表示部62にて行う構成としてもよいし、補助表示部65にて行う構成としてもよい。なお、上記の天井ゲーム数の設定は、有利区間への移行ゲーム等の特定ゲームにて実行され得るところ、これらの特定事象は、当該特定ゲームのスタートレバー41の操作時に生じ、当該特定事象の発生に対応する特定報知を、当該ゲームにおいて各リール32L,32M,32Rの回転が停止してから行うようにすることで、有利区間において実行され得る押し順報知との重複を回避することができる。この場合、当該特定ゲームにおいて各リール32L,32M,32Rの回転が停止してから特定報知を行う場合と、各リール32L,32M,32Rの回転中に行う場合があってもよく、例えば、当該特定ゲームの抽選結果に応じてその特定報知の実行タイミングが異なる構成としてもよく、いずれのタイミングも、又はいずれかのタイミングが当該特定ゲームよりも後のタイミングとなってもよい。
(19)エラーが発生した場合に特定事象の発生としてエラー報知(特定報知)を実行する構成としたが、エラーが発生しない場合には特定事象が発生しなかったとしてその旨の報知を実行する構成としてもよい。この場合、エラーが発生しなかった場合の報知が、エラーが発生した場合の特定報知を含む構成としてもよく、所定の確率で特定事象が発生していなくても特定報知が行われる構成としてもよい。このようにすることで、エラーが発生していなくても特定報知が行われたことによってエラーが発生したのでは、というドキドキ感を提供することができる。例えば、遊技ホールの開店前に、ホッパ装置51内のメダル数を多くしたり少なくしたりすることによって当選確率設定処理にて設定された設定値を示唆したり、又は、ホッパ装置51内のメダル数が昨日の閉店時とは異なっている(例えば、閉店時は満タンだったのに今日はそれよりも減っている等)ことから当選確率設定処理が行われたと予測する(設定変更があったと予測する)場合もあり、遊技者によってはエラー(この場合は、遊技メダル払出装置エンプティエラー)の発生を心待ちにしている場合もある。その点からすると、上記のようにエラーが発生していなくてもエラー報知が行われる場合があるようにすることの意義がある。
(20)特定報知としてのエラー報知の解除操作を行った場合、エラー報知は終了するものの、例えば、エラーとしてのメダルの詰りは別途それに対処する必要がある。その点からすると、特定報知としてのエラー報知の解除操作は上記のものに限定されない。例えば、第1クレジット投入スイッチ56の操作によりエラーが解除される構成としてもよく、特に、特定報知を終了させるためだけであれば、遊技者が操作可能な操作手段(上記の第1クレジット投入スイッチ56やストップスイッチ42~44等)の操作が解除操作として設定されていてもよい。なお、各リール32L,32M,32Rが回転していたり、メダル払出中は、エラーとしてのメダルの詰り等の対処ができない又はそれを行っても有効とならない(エラーが解除されない)構成としてもよく、エラー報知の解除操作自体が有効とならない(解除操作を行ってもエラー報知が終了しない、又は解除操作を行ってもその後にエラー報知が開始される)構成としてもよい。このようにすることで、エラーの解除操作が有効となる場合にエラー報知が実行されることの意義をより高めることが可能となる。
(21)押し順報知が実行されていても、例えば、所定数のリール32L,32M,32Rの停止操作が行われれば、後は当該押し順報知が必要なくなる場合がある。すなわち、3つあるリールのうち2つのリールの停止操作が行われた後は、押し順報知を見るまでもなく残りのリールの停止操作を行えばよいし、例えば、最初に停止させるリールのみを指定するような押し順報知が行われる場合、当該最初のリールの停止操作が行われた後は、押し順報知が必要なくなる。そのため、このような押し順報知が必要なくなる状況で特定事象が発生した場合には、当該特定事象の発生時に押し順報知を終了させて特定報知を行うようにしてもよい。
(22)払出枚数表示部62において押し順報知を実行していても、所定の確率でエラー発生時に押し順報知を終了させてエラー報知が実行されるようにしてもよい。また、エラー種別によっては、押し順報知の実行中であってもエラー発生時に押し順報知を終了させてエラー報知を行うようにしてもよい。
(23)払出枚数表示部62において押し順報知を実行していても、遊技状況によってエラー発生時に押し順報知を終了させてエラー報知が実行されるようにしてもよい。例えば、ATモードの残りゲーム数や残りセット数と、現状の有利区間のゲーム数や有利区間増減枚数とから、有利区間の上限ゲーム数や上限増加枚数に達することが確定しているような状況であれば、当該エラーが発生したゲームの押し順報知がわからなくなることによる遊技者の損失は小さいものと考えられる。そこで、このような状況での押し順報知中にエラーが発生した場合には、当該エラーの発生時に押し順報知を終了させてエラー報知を開始させる構成としてもよい。
(24)乱数異常エラーが発生した場合、エラー時用予備乱数を設定する構成としたが、エラー時用予備乱数を取得せず、乱数異常エラーが発生した場合には、その後の抽選にて強制的に所定結果(例えば、外れ)となるように設定してもよい。
(25)乱数異常エラーを、電源投入時のメイン処理にて判定してもよい。具体的には、メイン処理において抽選用の乱数の生成状況を把握し、正常に生成されている(更新されている)場合には乱数異常エラーが発生していないと判定し、抽選用の乱数が一定の値を示しているなど、正常に生成されていない(更新されていない)場合には乱数異常エラーが発生していると判定する構成としてもよい。
(26)RAM異常エラーについても、各ゲームでその異常の発生を確認する構成としてもよい。この場合、例えば、開始待ち処理のエラー判定処理内で、RAM異常エラーが発生しているか否かを判定する構成とするとよい。なお、各リール32L,32M,32Rの回転中にRAM異常エラーの発生を特定可能とする場合、当該RAM異常エラーに対応するエラー報知は、各リール32L,32M,32Rの回転が停止してから(メダル払出が終了してから)実行するようにするとよい。
(27)乱数異常エラーは、前兆ゲーム数の抽選処理や有利区間移行時処理において前兆ゲーム数や天井ゲーム数を抽選により決定する場合の抽選乱数が異常となる場合も含む。この場合、前兆ゲーム数の抽選処理や天井ゲーム数の抽選処理において、設定値や今回のゲームの抽選結果と、取得した抽選乱数と、から前兆ゲーム数や天井ゲーム数を抽選する構成を、設定値や今回のゲームの抽選結果から取得する抽選乱数を異ならせ、当該取得した抽選乱数が前兆ゲーム数や天井ゲーム数を示すものとなっていてもよい。具体的には、例えば、前兆ゲーム数の抽選処理において、設定値等から第1数(1)から第2数(32)の間が正常範囲とされる第1抽選乱数(第1特定情報)を取得する場合と、第3数(10)から第4数(15)の間が正常範囲とされる第2抽選乱数(第2特定情報)を取得する場合と、があるようにし、取得した抽選乱数がそのまま又は所定の処理を行ってから前兆ゲーム数を示す前兆カウンタに入力される構成とし、第1抽選乱数を取得したのにも関わらず第1数よりも小さい値であったり、第2数よりも大きい値であったり、第2抽選乱数を取得したのにもかかわらず、第3数よりも小さい値であったり、第4数よりも大きい値であったりした場合に、乱数異常エラーとしての特定事象が発生したとして、特定報知としてのエラー報知を行う構成としてもよい。なお、上記思想を、ATモードの上乗せセット数の抽選や上乗せゲーム数の抽選に適用してもよい。
(28)払出枚数表示部62にて押し順報知や払出枚数表示といった所定報知を実行中に、第1特定事象としての第1種エラーが発生した場合には当該所定報知の終了後に当該第1特定事象に対応する報知を行う一方、第2特定事象としての第2種エラーが発生した場合には当該所定報知の終了を待たずに当該第2特定事象に対応する報知を行う構成としたが、かかる思想は、例えば、補助表示部65での所定演出中に第1特定事象が生じた場合と第2特定事象が生じた場合とで、当該所定演出の終了を待ってから特定事象(第1特定事象)に対応する報知を行うか、それとも所定演出の終了を待たずに特定事象(第2特定事象)に対応する報知を行うかを異ならせる構成にも適用可能である。このようにしても、実行中の所定演出と発生した特定事象との優劣を、特定事象の種類に応じて設定する構成となり、特定事象に対応する特定報知と所定報知とをいずれも補助表示部65にて好適に行うことが可能となる。
より具体的には、例えば、補助表示部65にてATモード中の演出を行っている場合に、第1特定事象としてATモードのセット上乗せの後乗せ(上乗せが行われたことを事後的に報知する上乗せ)が発生した場合には、ATモード中の演出が終了してから(残りゲーム数が少なくなってから)、当該後乗せに対応する報知を行い、第2特定事象としてATモードのセット上乗せの即乗せ(上乗せが行われた際に当該上乗せが行われたことの報知を行う上乗せ)が発生した場合には、ATモード中の演出の終了を待たずに、当該即乗せに対応する報知を行う構成等にも適用可能である。
(29)払出枚数表示部62にて第1所定報知として押し順報知が行われている状況で特定事象としてエラーが発生した場合には、当該第1所定報知が終了した後で当該特定事象に対応する報知を行う一方、第2所定報知として払出枚数表示が行われている状況で特定事象としてエラーが発生した場合には、当該第2所定報知の終了を待たずに当該特定事象に対応する報知を行う構成としたが、かかる思想は、例えば、補助表示部65での第1所定演出中に特定事象が生じた場合と第2所定演出中に特定事象が生じた場合とで、当該所定演出の終了を待ってから特定事象に対応する報知を行うか、それとも所定演出の終了を待たずに特定事象に対応する報知を行うかを異ならせる構成にも適用可能である。このようにしても、実行中の所定演出と発生した特定事象との優劣を、実行中の所定演出の種類に応じて設定する構成となり、特定事象に対応する特定報知と所定報知とをいずれも補助表示部65にて好適に行うことが可能となる。
より具体的には、例えば、補助表示部65にてATモードの各セット演出として、1セットの後半部分の演出(当該セットが継続するか否かの演出)を行っている状況で特定事象としてATモードのセット上乗せが発生した場合には、当該1セットの演出が終了してから当該上乗せに対応する報知(当該セット又は次回以降のセットが継続することの報知)を行い、1セットの前半部分の演出を行っている状況で特定事象としてATモードのセット上乗せが発生した場合には、当該1セットの演出の終了を待たずに、当該上乗せに対応する報知を行う構成等にも適用可能である。
(30)通常区間から有利区間に移行することで押し順報知が発生し得るようになる構成としたが、通常区間や有利区間は関係なく、ATモード(CZモード)移行抽選に当選した後、ATモード(CZモード)に移行することで押し順報知が実行され得るようになる構成としてもよい。この場合、有利区間の上限として上限ゲーム数や上限増加枚数のいずれか一方又はいずれもの管理を行わない構成としてもよく、一のATモード(CZモード)が1500ゲーム以上継続し得る構成としてもよいし、一のATモード(CZモード)にて2400枚以上の払出が生じ得る構成としてもよい。なお、この場合の一のATモード(CZモード)には、ATモード(CZモード)終了後、所定ゲーム数以内で再度ATモード(CZモード)が開始される所謂引き戻しが含まれる構成としてもよい。
(31)有利区間の上限ゲーム数までの残りゲーム数や消化ゲーム数との関係で、特定事象としてエラー等が発生した場合の特定報知(エラー報知)の実行タイミングを異ならせる構成としてもよい。具体的には、有利区間の残りゲーム数が所定ゲーム数未満である場合や、消化ゲーム数が所定ゲーム数以上である場合は、所定報知としての押し順報知の実行中に特定事象が発生した場合に当該所定報知の終了後に特定報知を行う一方、有利区間の残りゲーム数が所定ゲーム数以上である場合や、消化ゲーム数が所定ゲーム数未満である場合は、所定報知としての押し順報知の実行中に特定事象が発生した場合に当該所定報知の終了を待たずに特定報知を行う構成や、その逆の構成としてもよい。このようにすることで、特定報知の実行タイミングから残りゲーム数を予測・把握させる、といった効果を見込むことが可能となる。
(32)有利区間の上限増加枚数までの残り増加可能枚数や増加枚数との関係で、特定事象としてエラー等が発生した場合の特定報知(エラー報知)の実行タイミングを異ならせる構成としてもよい。具体的には、有利区間の残り増加可能枚数が所定枚数未満である場合や、増加枚数数が所定枚数以上である場合は、所定報知としての押し順報知の実行中に特定事象が発生した場合に当該所定報知の終了後に特定報知を行う一方、有利区間の残り増加可能枚数が所定枚数以上である場合や、増加枚数が所定枚数未満である場合は、所定報知としての押し順報知の実行中に特定事象が発生した場合に当該所定報知の終了を待たずに特定報知を行う構成や、その逆の構成としてもよい。このようにすることで、特定報知の実行タイミングから残り増加可能枚数を予測・把握させる、といった効果を見込むことが可能となる。
(33)有利区間中か通常区間中かによって、特定事象としてエラー等が発生した場合の特定報知(エラー報知)の実行タイミングを異ならせる構成としてもよい。具体的には、有利区間中である場合は、所定報知としての押し順報知が実行され得る各リール32L,32M,32Rの回転中に特定事象が発生した場合に各リール32L,32M,32Rの回転が停止した後で特定報知を行う一方、通常区間中である場合は、各リール32L,32M,32Rの回転中に特定事象が発生した場合に当該各リール32L,32M,32Rの回転停止を待たずに特定報知を行う構成や、その逆の構成としてもよい。
(34)押し順ベル当選時に押し順報知が行われる構成としたが、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞する再遊技が異なる押し順リプレイ等の他の押し順役でも押し順報知が行われる構成としてもよく、当該他の結果での押し順報知であっても、特定事象としてのエラーが発生した場合に当該エラーに対応する特定報知(エラー報知)を事後的に行わせる等の構成を適用可能である。この場合、例えば、押し順ベル当選時の押し順報知の実行中に特定事象が生じた場合と、押し順リプレイ当選時の押し順報知の実行中に特定事象が生じた場合とで、特定報知(エラー報知)の実行タイミングを異ならせる構成としてもよい。具体的には、押し順ベル当選時の押し順報知の実行中に特定事象が生じた場合は、当該押し順報知の終了後に特定報知を行う一方、押し順リプレイ当選時の押し順報知の実行中に特定事象が生じた場合は、当該押し順報知の終了を待たずに特定報知を行う構成や、その逆の構成としてもよい。
(35)押し順ベルのような押し順役のうち、第1の操作順序で有利な特典が得られる(多い払出枚数の小役が入賞する)ものと、第2の操作順序で有利な特典が得られるものとで、特定事象としてエラー等が発生した場合の特定報知(エラー報知)の実行タイミングを異ならせる構成としてもよい。具体的には、第1の操作順序で有利な特典が得られる押し順役当選時の押し順報知の実行中に特定事象が生じた場合は、当該押し順報知の終了後に特定報知を行う一方、第2の操作順序で有利な特典が得られる押し順役当選時の押し順報知の実行中に特定事象が生じた場合は、当該押し順報知の終了を待たずに特定報知を行う構成や、その逆の構成としてもよい。
(36)複数のエラーが発生した場合又は複数のエラーに対応するエラー報知の実行タイミングが重複する場合に、報知するエラーの種別を設定する構成としてもよい。例えば、投入タイミングエラーと投入メダル滞留エラーとが発生している場合、投入タイミングエラーの発生に対応するエラー報知を行う一方、投入メダル滞留エラーの発生に対応するエラー報知を行わないように設定する、又はその逆としてもよい。この場合、いずれのエラーに対応するエラー報知を行うかを予めその優劣を設定しておくことで、エラー報知時の処理構成の簡素化が図られる。
(37)複数のエラーが発生した場合又は複数のエラーに対応するエラー報知の実行タイミングが重複する場合に、これら複数のエラー報知を、払出枚数表示部62等にて交互に行う構成としてもよい。例えば、投入タイミングエラーと投入メダル滞留エラーとが発生している場合、投入タイミングエラーの発生に対応するエラー報知と、投入メダル滞留エラーの発生に対応するエラー報知とが払出枚数表示部62にて交互に行われる構成としてもよい。3つ以上のエラーが発生している場合、そのうちの2つのエラーに対応するエラー報知を交互に行う構成としてもよいし、3つのエラー報知を交代で実行する構成としてもよい。
(38)複数のエラーが発生した場合又は複数のエラーに対応するエラー報知の実行タイミングが重複する場合に、これら複数のエラー報知のうちの一のエラー報知を払出枚数表示部62にて行う一方、他のエラー報知を他の表示部(例えば、補助表示部65)にて行う構成としてもよい。例えば、投入タイミングエラーと投入メダル滞留エラーとが発生している場合、投入タイミングエラーの発生に対応するエラー報知は払出枚数表示部62にて行う一方、投入メダル滞留エラーの発生に対応するエラー報知は補助表示部65にて行う構成としてもよい。この場合、いずれのエラー報知を払出枚数表示部62にて行うか等について、予めその優劣を設定しておくことで、エラー報知時の処理構成の簡素化が図られる。
(39)投入メダル検出装置86や払出メダル検出装置95、乱数生成装置107にて、投入メダル滞留エラー、投入タイミングエラー、払出タイミングエラー、投入払出タイミングエラー、乱数異常エラーを特定可能とする変形例において、他のエラー(例えば、投入メダル異常通過エラー、払出メダル滞留エラー、遊技メダル払出装置エンプティエラー等)についても主制御装置101とは別の装置(投入メダル検出装置86や払出メダル検出装置95、乱数生成装置107)にて特定可能としてもよい。これらの場合、各エラーの発生を特定した場合に対応するエラー信号を主制御装置101へ出力する構成とし、主制御装置101において、これらのエラー信号に基づいて第1エラーカウンタに対応する値を入力する構成とするとよい。
(40)各リール32L,32M,32Rの回転中であってメダル払出が開始されるよりも前にエラーが発生した場合において、当該エラーの種別によってはメダル払出に支障が生じ得るものについては、各リール32L,32M,32Rの回転停止後であって、メダル払出前にエラー報知を開始する構成としてもよい。この場合、エラー報知の実行中はメダル払出を待機させる構成とするとよい。メダル払出に支障が生じ得るエラーとは、例えば、払出タイミングエラーや払出メダル滞留エラーが想定される。
(41)払出判定処理(図886)において、各リール32L,32M,32Rの停止態様が抽選結果と不整合であって停止エラーフラグをセットした場合(ステップSj2205)、当該エラーについても払出枚数表示部62にて報知する構成としてもよい。
(42)エラー対応処理において、エラー報知を実行する場合、払出枚数表示部62にて表示していた情報の退避処理を行う構成としたが、少なくとも押し順報知の実行や払出枚数表示の実行中にエラー報知を行わない場合には、当該退避処理を省略することが可能である。
(43)押し順報知や払出枚数表示の実行中にエラーが発生した場合に、当該押し順報知や払出枚数表示が終了してから当該エラーの発生に対応するエラー報知を行う構成としたが、当該押し順報知や払出枚数表示が終了した際にエラーが解消されていた場合には、エラー報知を行わない構成としてもよい。
(44)払出メダル検出装置95をホッパ装置51や払出装置53が有する構成としてもよい。
(45)押し順報知の実行中に当該押し順報知の終了を待たずにエラー報知を開始したり、払出枚数表示の実行中に当該払出枚数表示の終了を待たずにエラー報知を開始する場合、当該エラー報知の終了後に、これら押し順報知や払出枚数表示が再開されない構成としてもよい。この場合、エラー報知を開始する場合に押し順報知や払出枚数表示を終了する構成と解釈することも可能であり、言い換えると、押し順報知や払出枚数表示を終了することを待ってエラー報知を実行する構成と解釈することも可能である。
(46)払出枚数表示部62にて押し順報知を実行中にエラーが発生した場合に、クレジット表示部60にてエラー報知を開始させる変形例において、クレジットの増加が生じる場合や、クレジットが所定数以上増加する場合には、当該クレジット表示部60でのエラー報知を開始させずに、他の報知手段(補助表示部65)にてエラー報知を実行したり、押し順報知の終了後(払出枚数表示の終了後)に払出枚数表示部62にてエラー報知を実行したりする構成としてもよい。また、押し順報知の実行中は、クレジット表示部60にて当該押し順報知の実行中に生じたエラーに対応するエラー報知を行う一方、クレジットの増加が生じる場合や、クレジットが所定数以上増加する場合には、各リール32L,32M,32Rが停止した場合に(クレジットの増加が開始する場合に)、当該クレジット表示部60でのエラー報知を終了する又は一旦終了する構成としてもよい。
(47)払出枚数表示部62は6通りの操作順序をそれぞれ報知可能な構成としたが、例えば、通常リプA~Cのように、ストップスイッチ42~44の操作順序のうち最初に操作すべきストップスイッチ42~44だけが対応付けられた押し順役について、最初に操作すべきストップスイッチ42~44だけを報知する押し順報知の態様が含まれる構成としてもよい。
(48)ATモード終了時に有利区間を終了させる構成としたが、ATモード終了時に有利区間が終了しない場合もある構成としてもよい。例えば、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数に応じて有利区間が終了しない構成としてもよく、具体的には、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数が、当該残りゲーム数にATモード1ゲーム当たりの期待増加枚数を乗じた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよく、現状の有利区間増減枚数MYに上記の乗じた枚数を加えた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよい。
(49)有利区間移行時に、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を点灯制御する構成としたが、有利区間移行時であっても、右第8表示用セグメントNa8を点灯制御せず、有利区間中に所定の点灯条件が成立した場合に点灯制御する構成としてもよい。所定の点灯条件は、例えば、ATモードへの移行が確定した場合等、押し順報知が発生し得る状況となった場合に成立するものとしてもよい。
(50)CZモード中に押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよい。この場合、CZモードの残りゲーム数が0となっても、押し順報知が1回実行されるまでは、当該CZモードが終了しない構成としてもよい。
(51)3ベットゲームにて当選し得るBBとして第1BBを設け、2ベットゲームにて当選し得るBBとして第2BBを設けたが、いずれか一方のBBだけであってもよく、例えば、2ベットゲームにて第2BBに当選し、3ベットゲームではいずれのBBにも当選しない構成としてもよい。
(52)2ベットゲームにて、第2BBに当選する構成としたが、2ベットゲームにて複数種類のBBに当選し得る構成としてもよく、例えば、2ベットゲームにて第1BBと第2BBに当選し得る構成としてもよい。この場合、2ベットゲームにて第1BB入賞と第2BB入賞とが成立し得る構成とし、3ベットゲームでは第1BB及び第2BBのいずれにも当選もせず、更に3ベットゲームでは第1BB入賞と第2BB入賞とのいずれも成立しない構成としてもよい。なお、2ベットゲームと3ベットゲームとの関係が上記のものと逆であってもよい。
(53)第1BB状態と第2BB状態とでいずれも同じ抽選テーブルを用いて、同じ遊技ベースとなるようにしたが、異なる抽選テーブルを用いて、異なる純増枚数となるようにしてもよい。
(54)第1BB状態と、第2BB状態とを、いずれも3ベットゲームにて遊技する構成としたが、例えば、第1BB状態は3ベットゲームにて遊技し、第2BB状態は2ベットゲームにて遊技する、といったように、BB状態の種類によってベット数が異なる構成としてもよい。この場合、第1BB状態の各ゲームは特定規定数とは異なるベット数によるゲームとなり、第2BB状態の各ゲームは特定規定数のベット数によるゲームとなる。
(55)第1BB状態と、第2BB状態との遊技は、いずれも押し順報知用の処理や特定処理等の指示機能に関する実行が制限される構成としたが、例えば、第1BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が制限される一方、第2BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が許容される、といったように、BB状態の種類によって制限の有無が異なる構成としてもよい。また、CB状態やSB状態、MB状態を設け、これらのうちのいずれか又は全部で、各指示機能に関する処理が制限される又は制限されない構成としてもよい。
(56)3ベットゲームでは第2BB入賞を成立させることができず、2ベットゲームでは第1BB入賞を成立させることができない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BB入賞しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BB入賞しにくい構成としてもよい。
(57)3ベットゲームでは第2BB当選とならず、2ベットゲームでは第1BB当選とならない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BBに当選しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BBに当選しにくい構成としてもよい。
(58)1ベットを設定可能な第2クレジット投入スイッチ57を設けなくてもよい。
(59)第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を約プラス0.00枚として、第1BB状態や第2BB状態ではメダルが増えもせず、減りもしない構成としたが、メダルが増加し得る構成としてもよいし、メダルが減少し得る構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態での純増枚数が、少なくとも内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて遊技した場合の純増枚数よりも多い純増枚数数であればよい。
(60)遊技者が、内部状態や非内部状態を3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技したり、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることで、指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としたが、遊技機側で、例えば、所定ゲーム数の消化によって指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としてもよい。
(61)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(62)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(63)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(64)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第11kの実施形態>
以下、第11kの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図932はスロットマシン10の正面図、図933はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図934はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図935は前面扉12の背面図、図936は筐体11の正面図である。なお、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
図932~図936に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図934に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図937には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図937に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図938に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図939~図941は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第30小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図942(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図942(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図942(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図942(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図942(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図942(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第7小役~第30小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第7小役入賞~第30小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第7小役~第30小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図939及び図940に示すように、これら第7小役入賞~第30小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第30小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典(遊技価値)の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典(遊技価値)が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第11再遊技入賞がある。図941に示すように、これら第1再遊技~第11再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図943(a)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図944(c)に示すように、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
第3再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図944(d)に示すように、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄、「赤7」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図943(b)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図943(c)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図943(d)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂スイカテンパイ外れの停止態様となる。
第9再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第11再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図944(a)及び図944(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞又は第11再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第9再遊技又は第11再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第9再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第11再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第9再遊技入賞と第11再遊技入賞とを区別することが可能である。第10再遊技は、これら第9再遊技や第11再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。図945(a)に示すように、有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図945(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。
左リール32Lの「赤貝」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。図945(c)に示すように、有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図945(d)に示すように、下ラインL3に左から順に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止したりする。
図247等に示すように、遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図946)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
ストップスイッチ42~44には、ストップランプ42b~44bがそれぞれ内蔵されている。当該ストップランプ42b~44bからの光はストップスイッチ42~44の操作面を一部透過し、ストップランプ42b~44bの光はストップスイッチ42~44を介して視認可能となる。そして、ストップスイッチ42~44の操作が有効となる場合には、当該ストップランプ42b~44bが点灯制御され、ストップスイッチ42~44の操作が無効となる場合には、対応するストップランプ42b~44bがそれぞれ消灯制御される。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46(図934参照)によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51(図936参照)は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
図247に示すように、メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
図936に示すように、筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
(電気的構成)
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図946及び図947のブロック図に基づいて説明する。
図946に示すように、主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成されている。ROM105には、各種判定に際して参照するテーブルを記憶する各種テーブル記憶エリア105aと、各種処理(例えば後述するタイマ割込み処理や通常処理)を実行するための制御プログラムを記憶するプログラム記憶エリア105bとが設けられている。
RAM106は、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、役の抽選結果等を記憶するための各種抽選結果格納エリア106aと、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106bと、設定値を記憶するための設定値情報格納エリア106cと、各種フラグを格納する各種フラグ格納エリア106dと、各種カウンタとして機能する各種カウンタエリア106eと、バッファ106fと、バックアップエリアとが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図263参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
上記の外部集中端子板121は、遊技ホールのホール管理装置(ホールコンピュータ)やデータ表示器等に接続されており、これら遊技機の外部装置に対して情報を出力するためのものである。外部集中端子板121には、図947に示すように、一のゲームが実行されたことに対応する情報を出力するためのゲーム用出力端子121a、ボーナス状態としての第1BBや第2BBへの移行に対応する情報を出力するための第1BB用出力端子121b、第2BB用出力端子121c、ストップスイッチ42~44の操作順序が報知されるATモードへ移行したことに対応する情報を出力するためのAT用出力端子121dが設けられている。
図947に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
また、表示制御装置81に接続されている各構成42b~44b,63~65の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b~44b,63~65の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
(タイマ割込み処理)
図948は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSk101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSk102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSk103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSk102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSk104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSk104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSk105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSk106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSk107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図946参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSk108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップSk109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSk110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSk111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSk112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSk113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSk114では、先のステップSk101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSk115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図949のフローチャートに基づき説明する。
(通常処理)
先ずステップSk201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSk202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSk203~ステップSk213に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSk203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSk204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップSk107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップSk205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSk205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSk205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSk205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップSk204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップSk205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップSk206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップSk110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップSk206の処理を実行した後は、ステップSk207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSk204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSk208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSk209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSk210の抽選処理(通常遊技用の抽選処理)、ステップSk211の抽選処理(疑似遊技用の抽選処理)、ステップSk212のリール制御処理、ステップSk213のメダル払出処理を順に実行し、ステップSk203に戻る。
本実施形態に示すスロットマシン10では、前述のようにメダルをベットして開始可能となり結果によってはメダルの払い出しを受けられる遊技の他、メダルのベットや払い出しの行われない遊技が実行され得る。より詳しくは、ゲームの抽選結果に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止することで当該抽選結果に対応する特典(遊技価値)が付与される遊技、すなわち払出判定処理(後述のステップSk414)の判定対象となる遊技を遊技と、ゲームの抽選結果に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止又は仮停止しても当該抽選結果に対応する特典(遊技価値)が付与されない遊技、すなわち払出判定処理の判定対象とならない遊技とが実行され得る。以下の説明では、前者を「通常遊技」(「一般遊技」、「基本遊技」、「本遊技」)、後者を「疑似遊技」と称して適宜区別する。なお、詳細については後述するが、疑似遊技はリールユニット31を用いた回転演出の1つであり、ATモード中の通常遊技の実行中に当該通常遊技の進行を不能とした状態(フリーズ状態)とし当該フリーズ状態中に実行される構成となっている。
ここで、図950のフローチャートを参照し、ステップSk210の抽選処理について説明する。
(通常遊技用の抽選処理)
ステップSk301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点における通常遊技用のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。このフリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップSk302では、役の当否判定を行うための抽選テーブル(以下、通常遊技用役抽選テーブル)を選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSk302では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図951)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図952)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSk302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップSk302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図951は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図952は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSk303ではインデックス値IVを1とし、続くステップSk304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSk301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSk305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSk306に進み、該当するインデックス値(ステップSk305において肯定判定したインデックス値IV)に応じて遊技結果を示す情報(当選役番号)を、RAM106の各種抽選結果格納エリア106a(詳しくは後述する当選役番号記憶エリア)に記憶する。
なお、本実施形態においては、当選役番号=上記インデックス値となるように規定されており、例えば、IV=9のときに判定値DVが65535を超えた場合にはステップSk306にて当選役番号「9」を記憶し、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合にはステップSk306にて当選役番号「23」を記憶し、IV=24のときに判定値DVが65535を超えた場合にはステップSk306にて当選役番号「24」を記憶する。因みに、今回の抽選結果が第1BBの場合にはRAM106の各種フラグ格納エリアに第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)が格納され、今回の抽選結果が第2BBの場合にはRAM106の各種フラグ格納エリアに第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)が格納される。
上記当選役番号記憶エリアに記憶された当選役番号については該当ゲームの終了時にクリアされる一方、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグについては対応する入賞が成立したことを条件の1つとして消去される。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSk306では、インデックス値IV=23又は24のときに判定値DVが65535を超えた場合であっても新たに第1BB当選フラグや第2BB当選フラグが格納されることはない。因みに、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSk305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSk306にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSk307ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSk304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSk304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSk305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図951に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。スイカに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1であり、チャンス目Aに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約328分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約328分の1である。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=10~21の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~21)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=22)や第2BB(IV=24)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図952に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、スイカ、チャンス目A、チャンス目B、チェリーA、チェリーBに当選となる確率(IV=1~8の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=10~21)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=22)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=23)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.64枚)。
ステップSk307にて否定判定をした場合、すなわち判定すべき対象がない場合には、ステップSk308に進み、外れを示す抽選結果の情報(当選役番号「0」)をRAM106の各種抽選結果格納エリア106aの当選役番号記憶エリアに記憶する。
続くステップSk309では、ステップSk308にて記憶した今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。具体的には、第1小役~第30小役、第1再遊技~第11再遊技、第1BB、第2BBのうち入賞可能な役に応じたフラグを設定する。
例えば、押し順ベル1に当選(IV=10の際に当選)となっている場合には、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに、第1小役当選フラグ、第7小役当選フラグ、第8小役当選フラグ及び第11小役当選フラグをセットする。これにより、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となる。また、スイカに当選(IV=4の際に当選)となり、第2再遊技当選フラグ、第3再遊技当選フラグ、第4再遊技当選フラグ、第6再遊技当選フラグがセットされた場合、第2再遊技入賞、第3再遊技入賞、第4再遊技入賞、第6再遊技入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となる。
ここで、本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSk309の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSk312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSk310では、ステップSk309にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第2再遊技入賞、第3再遊技入賞、第4再遊技入賞、第6再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第2再遊技入賞、第3再遊技入賞、第4再遊技入賞、第6再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
続くステップSk311では、当選役番号記憶エリアに記憶されている当選役番号に基づいてサブ側の制御装置である表示制御装置81に送信する送信用データ(送信番号)と、ATやCZの抽選や上乗せ抽選等に使用される抽選用データ(抽選番号)とを作成する。そして、ステップSk312では作成した各データをRAM106の各種抽選結果格納エリア(具体的には送信番号記憶エリア及び抽選番号記憶エリア)に各々記憶する。なお、本実施形態ではステップSk308にて記憶された当選役番号については、本ゲーム終了までRAM106にて保持され、当該ゲームの終了時に消去される。
その後は、ステップSk313に進み、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSk301~ステップSk307の抽選結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。なお、抽選番号記憶エリアに記憶されている抽選用データ(抽選番号)については抽選結果対応処理における各種抽選後に消去される。
ステップSk313の処理を実行した後は、ステップSk314にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドは役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、当該抽選結果コマンドには上記送信用データ(送信番号)が含まれる。送信用データについては抽選結果コマンドの作成後に消去される。
因みに、本通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSk110)にて行われる。
ステップSk314の処理を実行した後は、ステップSk315にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSk211のリール制御処理について、図953のフローチャートに基づき説明する。
(リール制御処理)
リール制御処理では、先ずステップSk401において回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSk106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
続くステップSk402では、疑似遊技用リール制御処理を実行する。疑似遊技用リール制御処理は、通常遊技に対応したストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出の一種である疑似遊技を実行するための処理である。この疑似遊技用リール制御処理についての詳細は後述する。
疑似遊技用リール制御処理を実行した後は、ステップSk403に進み、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSk405に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSk403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSk405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSk406~ステップSk412に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを消灯するように制御する。
ステップSk406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSk407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSk407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSk408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSk409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSk410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSk411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSk412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSk403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=10~21の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図951、図952参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図954は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第15小役入賞、第16小役入賞又は第19小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第15小役入賞、第16小役入賞又は第19小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第16小役入賞が成立する余地は残るものの、第15小役入賞及び第19小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第16小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第16小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第16小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第16小役入賞及び第18小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSk411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSk413にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が抽選結果格納エリア106aの当選役番号記憶エリアに記憶されている当選役番号と対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選役番号と対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選役番号と対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップSk414にてボーナス状態処理を実行し、ステップSk415にて入賞結果対応処理を実行し、ステップSk416にて区間表示第2処理を実行する。ボーナス状態処理、入賞結果対応処理、区間表示第2処理についての詳細は後述する。
その後、ステップSk417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
ここで、通常処理におけるメダル払出処理(ステップSk213)について補足説明する。
(メダル払出処理)
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第11再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップSk204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、図955のフローチャートを参照してステップSk414のボーナス状態処理について説明する。
(ボーナス状態処理)
ボーナス状態処理においては先ず、ステップSk501にて現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSk501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSk502に進む。
ステップSk502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSk503に進む。
ステップSk503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSk503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSk504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSk505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSk506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSk506にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSk507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSk508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSk501にて肯定判定することになる。続くステップSk509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSk509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSk510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSk505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSk511に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSk512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSk513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSk514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSk514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSk510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSk501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSk515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図956は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図956に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=22の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップSk515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSk516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSk517にて、ステップSk516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップSk516ではBBカウンタから13を減算する。
ステップSk517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSk518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSk519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップSk520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSk521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSk519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図957を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図954)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図958のフローチャートを参照しながら、ステップSk313にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSk601~ステップSk603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップSk601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSk602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSk603にてベット数が2であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定ベット数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定ベット数として3が設定されている。ステップSk602やステップSk603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数はない場合には、ステップSk604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定ベット数として3が設定されていることから、2ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSk604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップSk602又はステップSk603にて肯定判定した場合、ステップSk604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSk605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
(有利区間移行抽選処理)
有利区間移行抽選処理では、図959のフローチャートに示すように、ステップSk701にて今回のゲームの抽選結果(通常遊技における抽選結果)を把握する。そしてステップSk702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図960に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図960にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チェリーA、チェリーB、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSk702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSk703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSk703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSk704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSk705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSk701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSk702~ステップSk705の処理を省略することも可能である。
ステップSk705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSk706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSk705にて否定判定した場合、又はステップSk706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
図958に示す抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSk604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSk606に進む。ステップSk606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ、第1ATモードフラグ及び第2ATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ここで、本実施形態では、ATモードとして上乗せ当選確率が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設定されており、第1ATモードフラグや第2ATモードフラグは、ATモードであることと、その種類をCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSk606にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSk607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSk606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSk608にてAT上乗せ用処理を実行する。
(AT抽選用処理)
先ず、ステップSk607のAT抽選用処理について図961のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSk801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算され、例えば、2ベットゲームでは減算されない。
ステップSk801にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップSk802にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップSk803~ステップSk808てATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップSk803にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSk804では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップSk804にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップSk805にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSk804にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSk806にて、CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図960に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、スイカを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では5%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば20%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップSk805又はステップSk806にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップSk803にて把握したゲームの抽選結果とを用いて、ステップSk807にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップSk808にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップSk808にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップSk802にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップSk809~ステップSk812のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップSk808にてATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップSk813~ステップSk816にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップSk809では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップSk810及びステップSk811にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップSk810では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSk811にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSk809にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSk811の処理を実行した後は、ステップSk812にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップSk606にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップSk813にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSk814にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップSk803にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図960に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップSk814にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップSk815にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップSk816にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップSk812又はステップSk816にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップSk817~ステップSk820にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム~32ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップSk817では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、チェリーAにて移行抽選に当選した場合の方がチェリーBにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。
なお、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップSk817では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにもかかわらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップSk818では、ステップSk817の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップSk819にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSk820にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
(AT上乗せ用処理)
次に、ステップSk608にて実行されるAT上乗せ用処理について、図962のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT上乗せ用処理は、ATモード当選フラグやいずれかのATモードフラグがセットされている状況で実行される処理であり、ATモードの継続ゲーム数の上乗せを行うための処理である。
AT上乗せ用処理では、先ずステップSk901にて、今回の抽選結果を簡易的に示す抽選番号(以下便宜上、上乗せ抽選番号ともいう)を把握する。そして、ステップSk902にて、特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーンフラグがセットされていない場合には、ステップSk903にて第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。第2ATモードフラグがセットされておらず、第1ATモードへの移行が確定している状況や第1ATモード中である場合、又はATモード移行抽選に当選した後、未だATモードの種別の決定(AT種別決定処理)が行われていない状況である場合、ステップSk904にて、各種テーブル記憶エリア105aから第1AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSk903にて第2ATモードフラグがセットされており、第2ATモードへの移行が確定している状況又は第2ATモード中である場合には、ステップSk905にて第2AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。また、ステップSk901にて特化ゾーンフラグがセットされている場合、ステップSk906にて特化ゾーン用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
各上乗せ抽選テーブルは、図963に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、例えば、チェリーAよりもチェリーBの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。また、同じ抽選結果で比較すると、第1AT用上乗せ抽選テーブルを用いた場合よりも第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた場合の方が上乗せ抽選に当選し易く、更に第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた場合よりも特化ゾーン用上乗せ抽選テーブルを用いた場合の方が上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップSk904、ステップSk905又はステップSk906にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSk907にて上乗せ抽選を実行し、ステップSk908にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSk909にて上乗せゲーム数抽選処理を実行する。上乗せゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから今回の当選役(上乗せ抽選番号)に対応した上乗せゲーム数テーブルを取得し、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた上乗せゲーム数抽選乱数カウンタの値(乱数値)を取得し、それら上乗せゲーム数テーブル及び乱数値に基づいて今回の上乗せゲーム数を決定する。
上乗せゲーム数テーブルは、図963に示すように、上乗せ契機となったゲームの抽選結果(上乗せ抽選番号)に応じて、上乗せゲーム数が異なるように設定されており、例えば、通常リプAを契機として上乗せが行われる場合には平均150ゲームの上乗せが発生する一方、チェリーAを契機として上乗せが行われる場合は平均15ゲームの上乗せが発生する、といったように、上乗せ抽選に当選しにくい契機にて上乗せが行われる場合の方が上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。なお、図963においては上乗せ抽選番号の図示を省略している。
ステップSk909にて上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップSk910にて各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。ATゲームカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。ステップSk910の処理を実行した後は、ステップSk911にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、上乗せが行われたことに対応する上乗せ報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
図958に示す抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSk607又はステップSk608の処理を実行した後は、ステップSk609~ステップSk613にて、ストップスイッチ42~44の押し順報知用の処理を実行する。
(押し順報知の概要)
ステップSk609~ステップSk613にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図964を参照しながら説明する。図964(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図964(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図964(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図964(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図965を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図965(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図965(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図965(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。なお、疑似遊技へ移行するゲームにおいて通常遊技の当選役が押し順報知に係る抽選結果となった場合には、当該押し順報知が疑似遊技から通常遊技へ復帰するタイミングで開始されるように規定されている。
次に、ステップSk609~ステップSk613における押し順報知用の処理について説明する。
ステップSk609では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップSk610にて、第1ATモードフラグ又は第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのATモードフラグがセットされている場合、ステップSk611にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップSk612にて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップSk610にていずれのATモードフラグもセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
ステップSk609にて押し順ベル当選ではない場合、ステップSk613に進む。ステップSk613では、AT開始報知用処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
本実施形態では、ATモードへの移行抽選に当選した場合、上記の通り、前兆モードを経てからその移行抽選に当選したことの報知が行われる。そして、その移行抽選に当選したことの報知が行われた後、ゲームの抽選結果がATモード開始用の結果として予め定められた結果当選となることで、ATモードが開始されるようにしている。AT開始報知用処理は、ATモード移行抽選に当選した後、上記のATモード開始用の結果に当選したことに基づいて当該ATモード開始用の結果に対応する結果入賞を成立させるための報知を行う処理である。以下、図966のフローチャートを参照して、AT開始報知用処理について説明する。
(AT開始報知用処理)
AT開始報知用処理においては先ず、ステップSk1001にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにATモード開始フラグがセットされているか否かを判定する。当該ATモード開始フラグがセットされていない場合には、そのまま本AT開始報知用処理を終了する。ATモード開始フラグがセットされている場合にはステップSk1001にて肯定判定をしてステップSk1002に進む。
ステップSk1002では、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~Cのいずれかの当選であるか否かを判定する。すなわち、本実施形態では、上記のATモードの開始用の結果として通常リプA~Cが設定されており、ステップSk1002にて通常リプA~C当選ではないと判定した場合、ATモードの開始報知を実行するタイミングではないとして、そのまま本AT開始報知用処理を終了する。
通常リプA~Cのいずれかに当選している場合には、ステップSk1003に進み、各種フラグ格納エリア106dに開始ゲームフラグをセットする。開始ゲームフラグは、今回のゲームの抽選結果がATモードの開始用の結果であったことをCPU102が把握するためのフラグである。
続くステップSk1004では、第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定することで、今回開始するATモードが第1ATモードであるか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップSk1005にて今回の通常リプの種類に応じて、第2再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。一方、第1ATモードフラグがセットされておらず、今回開始するATモードが第2ATモードである場合、ステップSk1006にて今回の通常リプの種類に応じて、第3再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。
図967に示すように、通常リプAに当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が中→左→右、中→右→左の順で操作された場合には第2再遊技入賞が成立し、右→左→中、右→中→左の順で操作された場合には第3再遊技入賞が成立する。通常リプBに当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中の順で操作された場合には第2再遊技入賞が成立し、中→左→右、中→右→左の順で操作された場合には第3再遊技入賞が成立する。通常リプCに当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が右→左→中、右→中→左の順で操作された場合には第2再遊技入賞が成立し、左→中→右、左→右→中の順で操作された場合には第3再遊技入賞が成立する。
ステップSk1005やステップSk1006では、これら各通常リプA~Cに応じて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立し得る操作順序の押し順報知を実行する。その後、ステップSk1007にて押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT開始報知用処理を終了する。
ここで、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序で各ストップスイッチ42~44を操作したとしても、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しない場合がある。すなわち、上記の通り、第2再遊技入賞は、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの「白貝」図柄、右リール32Rの「チェリー」図柄が有効ラインMLに停止することで入賞が成立するところ(図941)、いずれのリールの対応図柄も、図柄同士の間隔が5図柄以上となる区間が存在するように配置されており、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては、対応図柄を有効ラインML上に停止できない場合がある。また、第3再遊技入賞は、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの「白貝」図柄、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ラインMLに停止することで入賞が成立するところ(図941)、いずれのリールの対応図柄も、図柄同士の間隔が5図柄以上となる区間が存在するように配置されており、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては、対応図柄を有効ラインML上に停止できない場合がある。そこで、第2再遊技入賞となる操作順序や、第3再遊技入賞となる操作順序には、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞も対応付けられており、いずれの再遊技入賞も成立しない、といった事象が生じないように設定されている。つまり、通常リプA~Cに当選した場合であって、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44の操作が行われ、且つ、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合であっても、他の再遊技入賞が成立するように設定されている。
(入賞結果対応処理)
次に、リール制御処理におけるステップSk415にて実施される入賞結果対応処理について、図968のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSk1101にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSk1102にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSk1103にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップSk1101~ステップSk1103の処理は、上記ステップSk601~ステップSk603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップSk1104以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップSk1102又はステップSk1103にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップSk1104に進む。ステップSk1104では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した後、未だこれらの移行抽選に当選したことの報知が行われていない状況であることを意味する。この場合、ステップSk1105にて、前兆モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップSk1104にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップSk1106にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップSk1107にてCZモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップSk1106にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップSk1108にてATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。ステップSk1104にて前兆フラグがセットされておらず、且つステップSk1108にてATモード当選フラグがセットされている場合とは、既に前兆モードを経てATモード移行抽選に当選したことの報知が行われた後であって、且つ、ATモードへの移行が生じる前の状況(以下、かかる状況を「準備モード」と称する)であることを意味する。当該準備モードである場合には、ステップSk1109にて準備モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップSk1108にて準備モードではないと判定した場合、ステップSk1110にて第1ATモードフラグや第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップSk1111にてATモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップSk1110にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆モード用処理、CZモード用処理、準備モード用処理、ATモード用処理について、それぞれ説明する。
(前兆モード用処理)
前兆モード用処理では、図969に示すように、ステップSk1201にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSk1202にて前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となっている場合には、ステップSk1203にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSk1204では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップSk1205にて、AT種別決定処理を実行する。上記のように、本実施形態では、ATモードとして上乗せ当選確率が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設けられており、AT種別決定処理は、今回のATモードを第1ATモードとするか第2ATモードとするかを決定するための処理である。
(AT種別決定処理)
具体的には、図970のフローチャートに示すように、ステップSk1301では、AT種別抽選処理を実行する。AT種別抽選処理では、例えば、当選確率の設定処理にて設定される設定値や前回のATモードの種別、有利区間移行後のメダル増加数や有利区間移行後の消化ゲーム数等に応じて、又はランダムに今回のATモード種別を抽選により決定する。具体的は、例えば、出玉率が高くなる設定値が設定されているほど、上乗せし易い第2ATモードが選択され易くしてもよく、また、前回のATモードが第1ATモードであれば、今回は第2ATモードが選択され易くしてもよく、普段は第2ATモードは選択されにくいものの、一旦第2ATモードが選択されると次のATモードも第2ATモードが選択され易くなるようにしてもよいし、有利区間の序盤のメダル増加数や消化ゲーム数が少ない場面では第2ATモードが選択され易くしてもよい。
ステップSk1301の処理を実行した後は、ステップSk1302にて、ステップSk1301の処理結果が第1ATモードであったか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップSk1303にて各種フラグ格納エリア106dに第1ATモードフラグをセットする処理を実行し、ステップSk1304にて第1ATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT種別決定処理を終了する。第1ATコマンドを受信した表示制御装置81では、後続のステップSk1207にて出力設定されるAT当選報知コマンドに基づくAT当選報知演出において、ATモード移行抽選に当選したことの報知とともに、当選したATモードが第1ATモードである旨の報知を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
ステップSk1302にて第2ATモードである場合、ステップSk1305にて各種フラグ格納エリア106dに第2ATモードフラグをセットする処理を実行し、ステップSk1306にて第2ATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT種別決定処理を終了する。第2ATコマンドを受信した表示制御装置81では、後続のステップSk1206にて出力設定されるAT当選報知コマンドに基づくAT当選報知演出において、ATモード移行抽選に当選したことの報知とともに、当選したATモードが第2ATモードである旨の報知を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
図969の説明に戻り、前兆モード用処理において、ステップSk1205のAT種別決定処理を実行した後は、ステップSk1206にて各種カウンタエリア106eに設けられたAT準備カウンタに所定数としての40を入力する処理を実行する。既に説明した通り、AT準備カウンタはATモード移行抽選に当選したことの報知が行われてからのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。その後、ステップSk1207にてAT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。AT当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモード移行抽選に当選したことの報知を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。その際、当選しているATモードの種別の報知も行われる点については上述の通りである。
ステップSk1204にてATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップSk1208に進む。ステップSk1208では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSk1209にてCZモードフラグをセットし、ステップSk1210にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップSk1211にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
上記のように、前兆フラグがクリアされ(ステップSk1203)、CZモードフラグがセットされる(ステップSk1209)ことによって、次回の入賞結果対応処理においてCZモード用処理が実行されるようになる。これに対して、前兆フラグがクリアされ、CZモードフラグがセットされなかった場合には(ステップSk1204:YES)、次回の入賞結果対応処理において準備モード用処理が実行されるようになる。
(CZモード用処理)
CZモード用処理では、図971のフローチャートに示すように、ステップSk1401にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSk1402では、ステップSk1401の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSk1403にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSk1404にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップSk1403にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
次に図972のフローチャートを参照してステップSk111のATモード用処理について説明する。
<ATモード用処理>
ATモード用処理においては先ず、ステップSk1501にてATゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSk1502では、ステップSk1501の処理結果に基づいて、ATゲームカウンタが0となったか否かを判定する。ATゲームカウンタが0となっていない場合には、ステップSk1506にて疑似遊技移行用準備処理を実行した後、本ATモード用処理を終了する。この疑似遊技移行用準備処理についての詳細は後述する。
ATゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSk1503にてセットされているATモードフラグ(第1ATモードフラグ又は第2ATモードフラグ)をクリアする処理を実行する。その後、ステップSk1504にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して有利区間を終了させるためのフラグである。そして、ステップSk1505にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本ATモード用処理を終了する。AT終了コマンドを受信した表示制御装置81では、ATモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
次に図973のフローチャートを参照してステップSk1109の準備モード用処理について説明する。
(準備モード用処理)
準備モード用処理においては先ず、ステップSk1601にて第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。第1ATモードフラグがセットされている場合、ステップSk1602にて昇格抽選処理を実行する。昇格抽選処理は、今回移行させるATモードを第1ATモードではなく第2ATモードとする昇格抽選を行う。具体的には、各種テーブル記憶エリア105aから昇格抽選テーブル(図974参照)を取得し、今回のゲームの抽選結果、及びAT準備カウンタの値に応じて上記の昇格抽選を実行する。昇格抽選テーブルでは、例えば、チェリーAよりもチェリーBの方が昇格抽選に当選し易い、といったように各ゲームで当選しにくい抽選結果ほど、昇格抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップSk1602にて昇格抽選を実行した後は、ステップSk1603にて昇格抽選に当選したか否かを判定する。昇格抽選に当選している場合には、ステップSk1604にて昇格コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。昇格コマンドを受信した表示制御装置81では、移行するATモードが第1ATモードから第2ATモードに昇格したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。そして、ステップSk1605にて第1ATモードフラグをクリアし、第2ATモードフラグをセットする処理を実行する。
ステップSk1601若しくはステップSk1603にて否定判定した場合、又はステップSk1605の処理を実行した後は、ステップSk1606に進む。ステップSk1606では、開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。開始ゲームフラグは、準備モードにおいてATモード開始用の結果(通常リプA~C)に当選した場合にAT開始報知用処理にてセットされるフラグである。開始ゲームフラグがセットされていない場合、そのまま本準備モード用処理を終了する。
開始モードフラグがセットされている場合、ステップSk1607にて、今回の遊技結果として第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。既に説明した通り、準備モードにおいて通常リプA~Cに当選した場合には、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出が実行される。但し、通常リプA~Cに当選しているゲームにおいて、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44の操作が行われても、その操作タイミングによっては第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立せず、他の再遊技(第4再遊技、第5再遊技)の入賞が成立する場合がある。ステップSk1607では、開始ゲームフラグがセットされており、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させてATモードを開始させることが可能なゲームにおいて、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができたか否かを判定する。
ステップSk1607にて第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞を成立させることができたと判定した場合には、ステップSk1608に進み、AT当選フラグをクリアする。その後は、ステップSk1609にてATゲームカウンタにATモードの初期ゲーム数に相当する「50」を加算する処理を実行する。なお、既に説明した通り、ATモード移行抽選に当選した後は、抽選結果対応処理においてAT上乗せ用処理が行われる構成であるところ、ステップSk1608の初期ゲーム数の入力よりも前に、ATモードのゲーム数の上乗せ抽選に当選してATゲームカウンタに当該上乗せゲーム数の入力が行われている場合がある。
その後、ステップSk1610にてAT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモード開始演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSk1601の処理を実行した後又はステップSk1607にて否定判定をした場合には、ステップSk1611にて開始ゲームフラグをクリアした後に、本準備モード用処理を終了する。
(有利区間の管理)
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
(区間表示第1処理)
先ず、区間表示第1処理について、図975を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図950)におけるステップSk316にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSk1701では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSk1701にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップSk1702に進む。
ステップSk1702では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSk1703にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSk1704にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSk1705では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSk1706にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。
区間表示第1処理において、ステップSk1706にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップSk1707にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSk1701にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップSk1708にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSk1708について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSk1702にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSk1707にて表示開始処理を実行した後、又はステップSk1708の表示継続処理を実行した後は、ステップSk1709にていずれかのATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップSk1709にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップSk1710にて、各種カウンタエリア106eに設けらた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップSk1709にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップSk1711にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSk1710又はステップSk1711の処理を実行した後は、ステップSk1712にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSk1713にて、ステップSk1712の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している(図936参照)。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSk1713では、ステップSk1712の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSk1713の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSk1712の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
(区間表示第2処理)
次に、区間表示第2処理について、図976のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSk416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSk1801では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSk1802にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップSk1803では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSk1803のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSk1803のMY更新処理を実行した後は、ステップSk1804にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSk1805にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップSk1806にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSk1807にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSk1808では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSk1809にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行する。
ステップSk1809の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。ステップSk1809の処理を実行した後は、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSk1806にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSk1811に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップSk1807に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま区間表示第2処理を終了する。
次に、表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図977のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
(演出設定処理)
演出設定処理では、先ずステップSk1901にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSk1902にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSk1901にて否定判定した場合、又はステップSk1902の処理を実行した後は、ステップSk1903にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSk206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップSk1904にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSk1903にて否定判定した場合、又はステップSk1904の処理を実行した後は、ステップSk1905にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSk311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図958)や区間表示第1処理(図975)にてセットされる前兆コマンド、上乗せコマンド、押し順報知コマンド、天井コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップSk1906にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップSk1905にて否定判定した場合、又はステップSk1906の処理を実行した後は、ステップSk1907にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図953)のステップSk405にてセットされる停止指令コマンドがある。停止操作時コマンドを受信した場合には、ステップSk1908にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSk1907にて否定判定した場合、又はステップSk1908の処理を実行した後は、ステップSk1909にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図953)のステップSk417にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図955)、入賞結果対応処理(図968)や区間表示第2処理(図976)にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、AT当選報知コマンド、CZ開始コマンド、第1ATコマンド、第2ATコマンド、CZ終了コマンド、AT終了コマンド、昇格コマンド、AT開始コマンド、通常遊技復帰コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップSk1910にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップSk1909にて否定判定した場合、又はステップSk1910の処理を実行した後は、ステップSk1911にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSk1911では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSk1911では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。先ず、図978のフローチャートを参照して、ステップSk1906の開始時演出設定処理について説明する。
(開始時演出設定処理)
開始時演出設定処理においては先ず、ステップSk2001にてRAM183の各種フラグ格納エリア183aに疑似遊技フラグが格納されているか否かを判定する。疑似遊技フラグは主制御装置101から後述する疑似遊技移行コマンドを受信した場合に、各種フラグ格納エリア183aに格納され、疑似遊技が終了して通常遊技へ復帰する際にクリアされるフラグである。疑似遊技フラグがセットされている場合には、ステップSk2002にて疑似遊技演出用処理を実行した後、本開始時演出設定処理を終了する。ステップSk2001にて否定判定をした場合、又はステップSk2002の疑似遊技演出用処理を実行した後は、ステップSk2003に進む。なお、疑似遊技演出用処理についての詳細は後述する。
ステップSk2003では、受信している抽選結果コマンドに基づき、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選(押し順ベル当選)であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップSk2004にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSk2005にて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップSk2003にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選ではないと判定した場合、ステップSk2006にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A~チャンス目B、チェリーA~チェリーB及びスイカを特定役として設定している。図960に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモード移行抽選ではATモード移行当選となる確率が他の抽選結果よりも高くなるように設定されており、また、図963に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモードの上乗せ抽選においては、他の抽選結果を契機とするよりも上乗せ当選となり易いように設定されている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップSk2007にて、特定役報知演出を設定する処理を実行する。特定役報知演出の設定処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて3つの「!」の画像等を補助表示部65に表示するものや、補助表示部65の外縁部分に白色のエフェクトを表示するものを含む。
ステップSk2004若しくはステップSk2006にて否定判定した場合、又はステップSk2005若しくはステップSk2007の処理を実行した後は、ステップSk2008に進む。ステップSk2008では、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合、ステップSk2008にて上乗せ演出の設定処理を実行する。上乗せ演出の設定処理では、ATモードの残りゲーム数の上乗せが行われたことに対応する報知として、当該上乗せされたゲーム数を補助表示部65にて表示する上乗せ演出を実行する。なお、当該上乗せ演出の態様は、当該上乗せが行われたゲームにて行われる態様に限定されず、例えば、当該上乗せが行われたゲームを契機として所定ゲーム数後に上乗せゲーム数の報知が行われる態様が含まれていてもよいし、例えば、ATモードの残りゲーム数が所定数(例えば残り1ゲーム)となった状況で上乗せ演出を実行する所謂後乗せ演出の態様が含まれる構成としてもよい。
ステップSk2008にて否定判定した場合、又はステップSk2009の処理を実行した後は、ステップSk2010にて今回の開始時コマンドとして、前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信しており、ATモード移行抽選又はCZモード移行抽選に当選し、前兆モードに設定される場合、ステップSk2011にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側前兆カウンタに前兆ゲーム数に対応する値を入力する処理を実行する。サブ側前兆カウンタは、主制御装置101における前兆カウンタに相当するものであり、前兆モードの残りゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタであり、当該サブ側前兆カウンタが0よりも大きい状況が前兆モードとなる。
ステップSk2010にて否定判定した場合、又はステップSk2011の処理を実行した後は、ステップSk2012にて上記のサブ側前兆カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。サブ側前兆カウンタが0よりも大きく、前兆モード中である場合、ステップSk2013にてサブ側前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSk2014にてサブ側前兆カウンタの値に応じた前兆モード用の演出を設定する処理を実行する。例えば、サブ側前兆カウンタの値が小さいほど、いずれかの移行抽選に当選していることを強く示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにしたりするとよい。
ステップSk2012にて否定判定した場合、又はステップSk2014の処理を実行した後は、ステップSk2015にてAT開始用処理を実行する。AT開始用処理は、準備モード中にATモード開始用の結果(通常リプA~C)に当選した場合に、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させるように操作指示報知を実施するための処理である。
具体的には、準備モードフラグがセットされている場合には、準備モード演出を設定する。上記のように準備モード演出としては図981(b)及び図982(b)の演出が設定されており、サブ側第1ATモードフラグがセットされている状況では図981(b)の準備モード演出を設定し、サブ側第2ATモードフラグがセットされている状況では、図982(b)の準備モード演出を設定する。
また、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~C当選であるか否かを判定する。通常リプA~C当選ではない場合には、そのままAT開始用処理を終了する。既に説明した通り、準備モード中に通常リプA~C当選となると、主制御装置101からは押し順報知コマンドが出力される。そこで、通常リプA~C当選である場合には、サブ側第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、サブ側第1ATモードフラグがセットされている場合には、上記の押し順報知コマンドに基づいて第2再遊技入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、AT開始用処理を終了する。一方、サブ側第1ATモードフラグがセットされておらず、サブ側第2ATモードフラグがセットされている場合には、上記の押し順報知コマンドに基づいて第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、AT開始用処理を終了する。
押し順報知演出としては、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序を報知するとともに、第2再遊技入賞となる図柄や第3再遊技入賞となる図柄を報知する演出が設定されている。例えば、図984(a)に示すように、第2再遊技入賞に対応するストップスイッチ42~44の操作順序を報知するとともに、第2再遊技入賞が成立する場合に中ラインL2に停止する図柄(「白7」図柄-「白7」図柄-「白7」図柄)を報知する演出が補助表示部65にて行われるように設定する。また、例えば、ステップSa2206では、図984(b)に示すように、第3再遊技入賞に対応するストップスイッチ42~44の操作順序を報知するとともに、第3再遊技入賞が成立する場合に中ラインL2に停止する図柄(「白7」図柄-「白7」図柄-「赤7」図柄)を報知する演出が補助表示部65にて行われるように設定する。なお、中ラインL2に停止する図柄ではなく、有効ラインMLに停止する図柄を報知する構成としてもよく、具体的には、第2再遊技入賞であれば、「白7」図柄-「白貝」図柄-「チェリー」図柄を報知し、第3再遊技入賞であれば、「白7」図柄-「白貝」図柄-「BAR」図柄を報知する構成としてもよい。これらの場合、報知している図柄を停止させるべきライン(中ラインL2又は有効ラインML)をあわせて報知する構成としてもよい。
このように、本実施形態では、有利区間においてATモード移行抽選に当選したり天井ゲーム数に到達してATモードへ移行する権利を獲得すると、前兆モードを介してAT当選報知演出(図981(a)参照)が実行され、当該権利を獲得した旨の報知が行われる。準備モード中にATモード開始用の結果として通常リプA~Cに当選すると、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させるように操作指示報知が行われ(図984参照)、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立すると、ATモードが開始される。このようにすることで、ATモードへの移行に遊技者の操作の介入が必要となる構成となり、遊技機側のみで完結する構成と比較して、遊技の興趣向上が好適に図られる。特に、抽選等により獲得したATモードへ移行する権利を、自らの停止操作によって行使してATモードを開始させる構成となり、遊技者の操作に基づき抽選結果に対応する図柄を有効ラインMLに停止させて抽選結果に対応する特典を得る、といったスロットマシンの醍醐味をATモードに存分に活かすことが可能となる。
図978の説明に戻り、ステップSk2015にてAT開始用処理を実行した後は、ステップSk2016にてその他の開始時演出設定処理を実行し、本開始時演出設定処理を終了する。その他の開始時演出設定処理では、例えばゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことの報知を行ったりするための処理等を実行する。
(全停止時演出設定処理)
次に、演出設定処理(図977参照)におけるステップSk1910の全停止時演出設定処理について、図979のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、AT当選報知コマンド、CZ開始コマンド、第1ATコマンド、第2ATコマンド、CZ終了コマンド、AT終了コマンド、昇格コマンド、停止時AT開始コマンド等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップSk2101では、CZ開始コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ開始コマンドを受信している場合、ステップSk2102にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側CZフラグをセットする処理を実行し、ステップSk2103にてCZ開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ開始演出は、例えば、図980(a)に示すように、CZモードが開始されること、及びCZモードの残りゲーム数「10」を補助表示部65に表示する。
ステップSk2101にて否定判定した場合、ステップSk2104にて、CZ終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合、ステップSk2105にて上記のサブ側CZフラグをクリアする処理を実行し、ステップSk2106にてCZ終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ終了演出は、例えば、図980(b)に示すように、CZモードの残りゲーム数が「0」となり、CZモードが終了したことを報知する演出が設定されている。なお、CPU181は、上記のサブ側CZフラグがセットされている各ゲームでは、CZモード用の演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する。CZモード用の演出は、CZモード中であることを遊技者が識別可能となるように、例えば、背景色や登場するキャラクタ等が通常モードのそれと異ならせている。また、CZモード用の演出を行うにあたり、CPU181は、CZモードの残りゲーム数の表示もゲームの進行に応じてその表示を更新(減算)するように制御する。
ステップSk2104にて否定判定した場合、ステップSk2107にてAT当選報知コマンドを受信しているか否かを判定する。AT当選報知コマンドを受信している場合、ステップSk2108にて各種フラグ格納エリア183aに準備モードフラグをセットする処理を実行し、続くステップSk2109にて第1ATコマンドを受信しているか否かを判定する。第1ATコマンドを受信している場合、ステップSk2110にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側第1ATモードフラグをセットする処理を実行してから、ステップSk2112にてAT当選報知演出を設定する処理を実行する。一方、ステップSk2109にて第1ATコマンドを受信しておらず、第2ATコマンドを受信している場合、ステップSk2111にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側第2ATモードフラグをセットする処理を実行してから、ステップSk2112にてAT当選報知演出を設定する処理を実行する。AT当選報知演出は、例えば、図981(a)に示すように、ATモード移行抽選に当選したことの報知とともに、当選しているATモードの種別を報知する演出が設定されている。なお、ATモードの種別を報知する演出として、例えば、補助表示部65の背景色を異ならせる(第1ATモードであれば赤、第2ATモードであれば青)構成としてもよいし、ATモードの種別に応じて対応するキャラクタを表示させる(第1ATモードであれば第1AT用キャラクタ、第2ATモードであれば第2AT用キャラクタ)構成としてもよい。また、CPU181は、上記の準備モードフラグがセットされている各ゲームでは、準備モード用の演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する。準備モード用の演出は、サブ側第1ATモードフラグがセットされている場合と、サブ側第2ATモードフラグがセットされている場合とを、遊技者が識別可能なようにその演出内容が異ならせてあり、サブ側第1ATモードフラグがセットされている場合には、例えば、図981(b)に示すように、「昇格抽選中」といった文字表示が行われ、サブ側第2ATモードフラグがセットされている場合には、例えば、図982(b)に示すように、「AT準備中」といった文字表示が行われる。なお、図981(b)と図982(b)とでは、背景色が異なることを、ハッチ設定を異ならせて示している。
ステップSk2107にて否定判定した場合、ステップSk2113にて昇格コマンドを受信しているか否かを判定する。昇格コマンドを受信している場合、ステップSk2114にて上記にサブ側第1ATモードフラグをクリアするとともにサブ側第2ATモードフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSk2115にて昇格演出を設定する処理を実行する。昇格演出は、例えば、図982(a)に示すように、男性のキャラクタが雄叫びを挙げる演出が設定されている。なお、上記のようにサブ側第1ATモードフラグがクリアされてサブ側第2ATモードフラグがセットされることにより、昇格演出を介して、準備モード中の演出が、図981(b)の演出から図982(b)の演出に切り替わることになる。
ステップSk2113にて否定判定した場合、ステップSk2116にて停止時AT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。停止時AT開始コマンドを受信している場合、ステップSk2117にて、準備モードフラグをクリアし、ステップSk2118にて、AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT開始演出は、例えば、図983(a)に示すように、ATモードが開始される旨の表示(「AT スタート」といった文字表示)が行われる演出が設定されている。なお、AT開始演出は、開始するATモードの種類に応じて遊技者が識別可能な程度に異なっており、例えば、背景や効果音が異なるように設定されている。
ステップSk2116にて否定判定した場合、ステップSk2119にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップSk2120にてサブ側第1ATモードフラグやサブ側第2ATモードフラグをクリアする処理を実行し、ステップSk2121にてAT終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT終了演出は、例えば、図983(b)に示すように、ATモードが終了する旨の表示(「またね」といった文字表示)とともに、今回のATモードの継続ゲーム数や獲得メダル数の報知を行う演出が設定されている。
ステップSk2103、ステップSk2106、ステップSk2112、ステップSk2115、ステップSk2118若しくはステップSk2121の処理を実行した後、又はステップSk2119にて否定判定した後は、ステップSk2122にてその他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップSk2122では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
(疑似遊技)
既に説明したように、本実施形態では、ATモード中に所定の条件を満たした場合に疑似遊技へ移行する。疑似遊技中は、通常遊技の進行が規制(留保)され、当該疑似遊技が終了することで通常遊技に復帰する。ここで、ATモード中は通常遊技において所謂レア役と称される抽選結果となること、すなわち上述した特定役(スイカ、チャンス目、チェリー)に当選することにより、ATモードの継続ゲーム数(残りゲーム数)の上乗せが発生し得る。本実施形態においては、疑似遊技中のストップスイッチ42~44を対象とした仮停止操作に基づいて各リールが仮停止され、疑似遊技の種別抽選の結果に応じて上記特定役の停止出目と同様の停止出目(仮停止出目)が出現し得る構成となっている。疑似遊技の種別は、通常遊技の当選役であるスイカを模した第1の種別と、通常遊技の当選役であるチャンス目Bを模した第2の種別と、通常遊技の当選役であるチェリーAを模した第3の種別と、通常遊技における当選役であるチェリーBを模した第4の種別とに大別される。第1の種別では第6再遊技入賞に対応する図柄が仮停止表示可能となり、第2の種別では第8再遊技入賞に対応する図柄が仮停止表示可能となり、第3の種別では第9再遊技入賞に対応する図柄が仮停止表示可能となり、第4の種別では第10再遊技入賞に対応する図柄が仮停止表示可能となる。つまり、疑似遊技の種別については何れも特定役を模したものとなっている。以下、説明の便宜上、疑似遊技の各種別を疑似特定役とも称し、第1の種別をスイカ、第2の種別をチャンス目B、第3の種別をチェリーA、第4の種別をチェリーBとして適宜区別する。
疑似遊技においては当選した疑似特定役に応じてATモードの継続ゲーム数(残りゲーム数)の上乗せ抽選が実行され、ATモード中の通常遊技にて上記特定役に当選しない場合であっても上乗せ抽選の機会が付与され得る構成が実現されている。以下、当該疑似遊技に係る各種構成について詳しく説明する。先ず、図985のフローチャートを参照して、主制御装置101によりATモード用処理(図972参照)の一環として実行される疑似遊技移行用準備処理(ステップSk1506)について説明する。
(疑似遊技移行用準備処理)
疑似遊技移行用準備処理においては先ず、ステップSk2201にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dに何れかのATモードフラグがセットされているか否かを判定する。何れのATモードフラグもセットされていない場合には、そのまま本疑似遊技移行用準備処理を終了する。何れかのATモードフラグがセットされている場合には、ステップSk2202に進み、今回のゲーム(通常遊技)の抽選結果が何れかの役に対応しているか否かを判定する。何れかの役に対応している場合にはそのまま本疑似遊技移行用準備処理を終了する。何れの役に対応していない場合、すなわち外れ結果である場合には、ステップSk2203に進み、加算ポイント決定処理を実行する。
本実施形態に示すスロットマシン10では、RAM106の各種カウンタエリア106eに疑似遊技用ポイント抽選乱数カウンタが設けられている。このカウンタについては、フリーランカウンタであり、「0」~「127」の乱数を生成する。CPU102は、ゲーム終了時にフリーランカウンタの値をラッチし、ラッチした値をRAM106のバッファ106fに格納する。ROM105の各種テーブル記憶エリア105aには疑似遊技用ポイント抽選テーブル(図986参照)が記憶されており、ステップSk2203の加算ポイント決定処理では上記ラッチした値と疑似遊技用ポイント抽選テーブルとに基づいて加算ポイントを決定する。
疑似遊技用ポイント抽選テーブルは、ラッチした値(乱数値)が「0」~「1」の場合には加算ポイント=「6」、ラッチした値(乱数値)が「2」~「3」の場合には加算ポイント=「5」、ラッチした値(乱数値)が「4」~「6」の場合には加算ポイント=「4」、ラッチした値(乱数値)が「7」~「9」の場合には加算ポイント=「3」、ラッチした値(乱数値)が「10」~「15」の場合には加算ポイント=「2」、ラッチした値(乱数値)が「16」~「40」の場合には加算ポイント=「1」、ラッチした値(乱数値)が「41」~「127」の場合には加算ポイント=「0」となるように乱数値と加算ポイントとの関係を規定している。
RAM106の各種カウンタエリア106eには疑似遊技移行判定カウンタが設けられており、ステップSk2203にて決定された加算ポイントについては、続くステップSk2204にて当該疑似遊技移行判定カウンタに加算される。
その後は、ステップSk2205に進み、疑似遊技移行判定カウンタの値(ポイント累積値)が予め設定されている上限(本実施形態では「12」)に達したか否かを判定する。疑似遊技移行判定カウンタの値(ポイント累積値)が上限に達していない場合には、そのまま本疑似遊技移行用準備処理を終了する。疑似遊技移行判定カウンタの値が上限に達している場合には、ステップSk2205にて肯定判定をしてステップSk2206に進む。
ステップSk2206では、ATモードの残りゲーム数が「0」となっているか否かを判定する。つまり、次のゲームにおいてもATモードが続くか否かを判定する。次のゲームでもATモードが続く場合には、ステップSk2207に進みRAM106の各種フラグ格納エリア106dに疑似遊技フラグをセットする。CPU102では疑似遊技フラグがセットされた状態で次のゲームが開始された場合に疑似遊技へ移行するように遊技を進行させる。続くステップSk2208にて疑似遊技移行コマンドをセットする。疑似遊技移行コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSk110)にて表示制御装置81に送信される。表示制御装置81ではこの疑似遊技移行コマンドを受信した場合に、疑似遊技への移行条件が整って次のゲームで疑似遊技へ移行する状況となった旨を把握する。
ステップSk2208の処理を実行した後、又はステップSk2206にて肯定判定をした場合には、疑似遊技移行判定カウンタをリセット(0クリア)して、本疑似遊技移行用準備処理を終了する。
このように、本実施形態においては、ATモード中の外れ結果となったゲームにてポイント抽選が実行される構成となっており、このポイントの累積値が上限に達したこと且つ次のゲームもATモード中であることが疑似遊技への移行条件として規定されている。そして、これらの移行条件が成立した場合には、次のゲームにおけるスタートレバー41の操作を契機として疑似遊技へ移行する。次に、図987のフローチャートを参照して、通常処理(図949参照)の一環として実行される疑似遊技用の抽選処理(ステップSk211)について説明する。
(疑似遊技用の抽選処理)
疑似遊技用の抽選処理においては先ず、ステップSk2301にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dに何れかのATモードフラグがセットされているか否かを判定する。何れかのATモードフラグがセットされている場合、すなわちATモード中である場合には、ステップSk2302に進む。ステップSk2302では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに上述した疑似遊技フラグがセットされているか否かを判定する。疑似遊技フラグがセットされている場合には、ステップSk2303に進む。なお、ATモード中ではない場合又はATモード中であっても疑似遊技フラグがセットされていない場合には、そのまま本疑似遊技用抽選処理を終了する。
ステップSk2303では、RAM106における各種抽選結果格納エリア106aの当選役番号記憶エリアに記憶されている番号を各種抽選結果格納エリア106aにおける一時退避エリアに退避(移動)させる。この処理が実行される時点で当選役番号記憶エリアに記憶されている番号は、通常遊技の役の抽選結果を示す情報である当選役番号、すなわち通常遊技用抽選処理(ステップSk210)にて記憶された当選役番号であり、RAM106において当該当選役番号が記憶されるエリアが一時的に変更されることとなる。
続くステップSk2304では、疑似遊技の抽選に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、RAM106の各種カウンタエリア106eに疑似遊技用の抽選乱数カウンタ(以下、疑似遊技用抽選乱数カウンタという)が設けられている。疑似遊技用抽選乱数カウンタは乱数値の数値範囲が「0」~「127」となるフリーランカウンタであり、その数値範囲については通常遊技用抽選乱数カウンタの数値範囲よりも小さくなっている。CPU102は、疑似遊技に移行するゲームの開始操作(レバーON)時に、疑似遊技用抽選乱数カウンタの値をラッチし、当該ラッチした値をRAM106のバッファ106fに記憶する。
その後は、ステップSk2305にて疑似遊技の種別抽選処理、すなわち上述した疑似特定役の抽選処理を実行する。ROM105の各種テーブル記憶エリア105aには上述した設定値毎に疑似遊技用種別抽選テーブルが記憶されており、それら疑似遊技用種別抽選テーブルのうち現在の設定値に対応する種別抽選テーブルを取得する。
図988には設定値=「1」である場合の疑似遊技用種別抽選テーブルを例示している。この疑似遊技用種別抽選テーブルについては、疑似遊技用抽選乱数カウンタからラッチした値(乱数値)が「0」~「40」である場合には疑似特定役としての「スイカ」に当選、「41」~「66」である場合には疑似特定役としての「チャンス目」に当選、「67」~「107」である場合には疑似特定役としての「チェリーA」に当選、「108」~「127」である場合には疑似特定役としての「チェリーB」に当選となるように規定されている。つまり、疑似遊技の種別抽選においては何れかの疑似特定役の当選が確定する。なお、各疑似特定役となる割合については、通常遊技において特定役当選となった場合に当該特定役が「スイカ」、「チャンス目B」、「チェリーA」、「チェリーB」である割合と略同一となるように規定されている。これらの要件については、他の設定値に対応した疑似遊技用種別抽選テーブルについても同様である。
各疑似特定役には、何れの疑似特定役であるかをCPU102にて識別するための識別情報として、「1」~「4」の連番である種別番号(疑似特定役番号)が割り振られている。具体的には、疑似特定役が「スイカ」である場合には種別番号=「1」、疑似特定役が「チャンス目」である場合には種別番号=「2」、疑似特定役が「チェリーA」である場合には種別番号=「3」、疑似特定役が「チェリーB」である場合には種別番号=「4」となるように規定されている。疑似遊技用の種別抽選処理では、抽選結果として上記種別番号をRAM106のバッファ106fに記憶する。
なお、本実施形態では、疑似遊技への移行抽選用の抽選乱数カウンタと疑似遊技の種別抽選用の抽選乱数カウンタとを個別に設けたが、1の抽選乱数カウンタを両抽選にて共用とする構成としてもよい。
図987の説明に戻り、ステップSk2305の種別抽選処理を実行した後は、ステップSk2306にて疑似特定役の変換処理を実行し、ステップSk2307にて抽選結果コマンドをセットする。この抽選結果コマンドは、開始コマンドの1つであり、表示制御装置81では受信した抽選結果コマンドから疑似遊技における種別抽選の結果、すなわち疑似当選役を特定可能となっている。詳細については後述するがこの抽選結果コマンドについては基本的に通常遊技に係る抽選結果コマンドと含まれる情報及び情報形態が共通となるように構成されている。その後は、ステップSk2308にてAT上乗せ用処理を実行し、本疑似遊技用の抽選処理を終了する。なお、ステップSk2306,Si2308の各処理についての詳細は後述する。
上述したように、本実施形態に示す疑似遊技においては、ストップスイッチ42~44の停止操作(仮停止操作)に基づいて、当該疑似遊技に係る抽選結果に応じてあたかも第6再遊技入賞、第8再遊技入賞、第9再遊技入賞、第10再遊技入賞が成立したかのようにリール制御が実行され得る構成となっている。つまり、遊技の流れが通常遊技と実質的に同様となるように構成されている。以下、図989のフローチャートを参照して、疑似遊技に係るリール制御用の処理、具体的には通常処理におけるリール制御処理(ステップSk212)の一環として実行される疑似遊技用リール制御処理(ステップSk402)について説明する。
(疑似遊技用リール制御処理)
疑似遊技用リール制御処理においては先ず、ステップSk2401にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dに疑似遊技フラグがセットされているか否かを判定する。疑似遊技フラグがセットされていない場合には、そのまま本疑似遊技用リール制御処理を終了する。疑似遊技フラグがセットされている場合には、ステップSk2402に進み、ストップスイッチ42~44の疑似有効化処理を実行する。
疑似有効化処理では、ストップスイッチ42~44の操作を受け付けない状態からストップスイッチ42~44の操作を受け付ける状態とする。詳しくは、ストップスイッチ42~44の操作をストップ検出センサ42a~44aが検出しない状態から検出する状態としたり、ストップ検出センサ42a~44aがストップスイッチ42~44の操作を検出しても有効な操作としない状態から有効な操作とする状態としたりする処理を行う。
続くステップSk2403では、各種カウンタエリア106eに設けられた回転カウンタに「40260」(60secに相当)をセットする。回転カウンタは、タイマ割込み処理(図948)のタイマ更新処理(ステップSk108)が1回起動される度に1ずつ減算されるカウンタである。
その後は、ステップSk2404に進み、回転カウンタの値が「0」になったか否か、すなわち疑似遊技開始から60secが経過したか否かを判定する。60secが経過していない場合には、ステップSk2406に進み、ストップ検出センサ42a~44aの検出結果に基づき、回転中のリール32L,32M,32Rに対応するストップスイッチ42~44の操作が行われたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるかタイムアウト(疑似遊技開始から60sec経過)となるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSk2407に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。以下の説明では、通常遊技における停止操作や停止指令と区別するため、疑似遊技における停止操作を「仮停止操作」、停止指令を「仮停止指令」とも称する。
いずれかのストップスイッチ42~44の操作(仮停止操作)が行われた場合には、ステップSk2408に進み、今回操作されたストップスイッチ42~44の疑似無効化処理を実行する。具体的には、今回操作されたストップスイッチ42~44の操作をストップ検出センサ42a~44aが検出する状態から検出しない状態としたり、ストップ検出センサ42a~44aがストップスイッチ42~44の操作を検出した場合に有効な操作とする状態から有効な操作としない状態としたりする処理を行う。
その後は、ステップSk2409にて、仮停止指令コマンド(疑似操作コマンド)をセットする。この仮停止指令コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSk110)にて表示制御装置81へ送信される。表示制御装置81は、仮停止指令コマンドを受信した場合に停止操作対応処理を実行する。これにより、例えば操作対象となったストップスイッチ42~44のストップランプ42b~44bが消灯等することとなる。
本実施形態においては、疑似遊技において仮停止操作が行われた場合の各リールの挙動については通常遊技において各停止操作が行われた場合の各リールの挙動と同様となるように構成されている。つまり、停止操作に基づいたリールの停止制御の態様が通常遊技と疑似遊技とで同様となっている。
ステップSk2410では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSk2411では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる仮停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる仮停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる仮停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる仮停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる仮停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる仮停止態様との5パターンの仮停止態様が用意されている。そこでステップSk2411では、停止情報格納エリア106bに格納されている仮停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSk2412では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる仮停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSk2413では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と仮停止図柄の図柄番号とが等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSk2414にてリールの回転を停止(仮停止)させるリール仮停止処理を行う。その後、ステップSk2415では、全リール32L,32M,32Rが仮停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが仮停止していない場合には、ステップSk2416にて仮停止情報第2設定処理を行い、ステップSk2404に戻る。仮停止情報第2設定処理では、仮停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく仮停止情報第2設定処理を行う。本実施形態では、本停止と仮停止とでは、リールを完全停止させるか否かについては相違しているものの、具体的な制御については同様となっている。仮停止情報第2設定処理についての説明は、停止情報第2設定処理(ステップSk412)の説明を援用する。
ステップSk2415にて、全リール32L,32M,32Rが仮停止していると判定した場合、又は上記タイムアウトとなって全リールが強制的に仮停止された場合(ステップSk2405参照)には、ステップSk2417に進む。ステップSk2417では、上記回転カウンタに「2013」(30secに相当)をセットする。その後は、ステップSk2418にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。ステップSk2418にて否定判定をした場合には、タイムアウトとなるまで待機する(ステップSk2419)。スタートレバー41が操作された場合にはステップSk2420にて回転カウンタをリセット(0クリア)した後、仮停止を解除して(疑似遊技を終了して)通常遊技へ復帰させるための処理を行う。また、スタートレバー41が操作されることなくタイムアウトとなった場合にも仮停止を解除して(疑似遊技を終了して)通常遊技へ復帰させるための処理を行う。
具体的には、ステップSk2421ではRAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転再開情報をセットするモータ制御処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSk106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rの回転が再開される。
続くステップSk2422では、通常遊技復帰コマンドをセットする。このコマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSk110)にて表示制御装置81へ送信される。表示制御装置81は、このコマンドを受信した場合に、退避していた通常遊技の情報を読みだして当該通常遊技に係る演出等を実行する。その後は、ステップSk2423に進み、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされている疑似遊技フラグをクリアし、続くステップSk2424にて退避先(一時退避エリア)から通常遊技に係る当選役番号を読み出して当選役番号記憶エリアに移した後、本疑似遊技用リール制御処理を終了する。
次に、図990のフローチャートを参照して、表示制御装置81のCPU181にて実行される疑似遊技演出用処理について説明する。疑似遊技演出用処理はCPU181にて定期的に実行される定期処理の一環として実行される処理であり、主制御装置101から抽選結果コマンドを受信した場合に通常遊技に係る演出用処理(以下、通常遊技演出用処理という)に先行して実行される処理である。
(疑似遊技演出用処理)
疑似遊技演出用処理においては先ず、ステップSk2501にてRAM183の各種フラグ格納エリア183aに疑似遊技移行フラグがセットされているか否かを判定する。疑似遊技移行フラグは、主制御装置101から疑似遊技移行コマンドを受信した場合にセットされるフラグである。疑似遊技移行フラグがセットされていない場合には、そのまま本疑似遊技演出用処理を終了し、上記通常遊技演出用処理に移る。疑似遊技移行フラグがセットされている場合には、ステップSk2502に進む。
ステップSk2502では、通常遊技に係る各種コマンドの退避処理を実行する。具合的には、通常遊技に係る抽選結果コマンド及び上乗せコマンドをRAM183のバッファに設けられた一時退避エリアに退避させる。続くステップSk2503では、疑似遊技に係る抽選結果コマンドを受信しているか否かを判定する。疑似遊技に係る抽選結果コマンドを受信していない場合には当該抽選結果コマンドを受信するまで待機し、同抽選結果コマンドを受信した場合にステップSk2504~ステップSk2513の演出実行処理に進む。
ステップSk2504では疑似遊技中である旨を報知する疑似遊技報知を開始する報知開始処理を実行する。これにより、補助表示部65における所定領域(図992に示す例では左上隅部)に疑似遊技中である旨を示す画像(図992に示す例では「疑似遊技中」の文字)が表示されることとなる。
続くステップSk2505では疑似特定役報知演出の設定処理を実行する。これにより、補助表示部65に演出用の画像が表示され、スピーカ64から演出用の効果音が出力されることとなる。本実施形態では、疑似遊技中に実行される疑似特定役報知演出が通常遊技中に実行される特定役報知演出の一部と共通化されている。以下、図991及び図992を参照して、特定役報知演出と疑似特定役報知演出との関係について説明する。
通常遊技にて特定役に当選した場合に実行される特定役報知演出については、当選した特定役の種類を明示する明示演出と、当選した特定役の種類を明示しない非明示演出とに大別される。明示演出については、例えば表示画面にスイカを模した画像やチェリーを模した画像等を表示される。これに対して非明示演出では、例えば補助表示部65の中央に「チャンス」の文字が表示されるとともに、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させてビックリマークの画像が補助表示部65に3つ表示される。(図991参照)。つまり、これらの画像を見たしてもどの特定役に当選したかを特定することは困難となっている。
疑似特定役報知演出は、これら明示演出及び非明示演出のうち非明示演出が流用されている。つまり、疑似遊技へ移行した場合には、例えば補助表示部65の中央に「チャンス」の文字が表示されるとともに、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させてビックリマークの画像が補助表示部65に3つ表示される(図992参照)。
なお、本実施形態では疑似特定役報知演出に特定役報知演出のうち非明示演出を流用する構成としたが、これに代えて又は加えて明示演出を流用する構成とすることも可能である。また、必ずしも特定役報知演出を流用する必要はなく、疑似特定役報知演出を特定役報知演出とは別に設けてもよい。
図990の説明に戻り、ステップSk2505にて特定役報知演出の設定処理を実行した後は、ステップSk2506に進み、仮停止完了コマンドを受信しているか否かを判定する。仮停止完了コマンドを受信していない場合には、ステップSk2507に進み、仮停止指令コマンドを受信しているか否かを判定する。仮停止指令コマンドを受信している場合には、ステップSk2508にて仮停止操作対応処理を実行する。これにより、例えば操作対象となったストップスイッチ42~44のストップランプ42b~44bが消灯等することとなる。仮停止指令コマンドを受信していない場合又はステップSk2508の仮停止操作対応処理を実行した後は、ステップSk2506に戻る。
ステップSk2506にて肯定判定をした場合、すなわち仮停止完了コマンドを受信している場合には、ステップSk2509に進み、疑似特定役報知演出の終了処理を実行する。今回の疑似遊技にてATモードの残りゲームの上乗せとなった場合には、主制御装置101から上乗せ抽選の結果を示す上乗せコマンドが送信される。疑似遊技に係る上乗せコマンドを受信している場合には、ステップSk2510にて肯定判定をしてステップSk2511に進み上乗せ演出の設定処理を実行する。
本実施形態では、疑似遊技における仮停止完了後にスタートレバー41が操作されること又はタイムアウトとなることで通常遊技へ復帰する。このように通常遊技への復帰条件が成立した場合には、主制御装置101から表示制御装置81に通常遊技への復帰を示す通常遊技復帰コマンドが送信される。ステップSk2511の設定処理を実行した後、又はステップSk2510にて否定判定をした場合にはステップSk2512に進み、通常遊技復帰コマンドを受信したか否かを判定する。通常遊技復帰コマンドを受信していない場合には、当該通常遊技復帰コマンドを受信するまで待機する。
通常遊技復帰コマンドを受信した場合には、ステップSk2513に進み、疑似遊技報知の終了処理を実行する。これにより、補助表示部65に表示されていた「疑似遊技中」の文字が表示となる。続くステップSk2514では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにセットされている疑似遊技移行フラグを消去して、本疑似遊技演出用処理を終了する。
ここで、図992の概略図を参照して、疑似遊技の流れについて補足説明する。図992には、通常遊技における抽選結果が共通ベル当選且つ疑似遊技における抽選結果が疑似特定役であるチェリーA当選更に上乗せ抽選に当選となった場合を例示している。
ATモード中は補助表示部65に女の子や男の子のキャラクタ画像が表示され、補助表示部65の右上隅部にはATモードの残りゲーム数が表示されている。上述した累積ポイントが上限に達した次のゲームでは、スタートレバー41の操作を契機として疑似遊技へ移行する(開始される)。既に説明したように、本実施形態に示す疑似遊技についてはフリーズ演出の一種となっており、疑似遊技中は通常遊技の進行が一時的に規制されることとなる。この間は、通常遊技の抽選結果に対応した入賞を発生させることはできない。
疑似遊技への移行に伴って上述した疑似特定役報知演出が開始される。疑似遊技へ移行した後も各リール32L,32M,32Rについては回転を継続しており、ストップスイッチ42~44の操作(仮停止操作)に基づいて各リール32L,32M,32Rが仮停止する。ここで、仮停止されたリールについては完全に停止(静止)するのではなく、図柄が入れ替わらない範囲、すなわち有効ラインから外れない範囲で僅かに揺動を繰り返す構成となっている。
図992に示す例では、疑似遊技における疑似当選役がチェリーAとなっており、第9再遊技入賞時と同じ態様で図柄が仮停止されている。これにより、あたかも第9再遊技入賞となったかのように表示されている。そして疑似遊技における上乗せ抽選では30ゲームの上乗せに当選しており、各リール32L,32M,32Rが仮停止したタイミングで、補助表示部65に30ゲームの上乗せを示す「+30」の文字とチェリー当選を示す赤色のエフェクトとが表示されている。
その後は、スタートレバー41の操作を契機として疑似遊技が終了し、通常遊技へ移行(復帰)している。通常遊技への復帰に合わせて各リール32L,32M,32Rが回転を再開(開始)し、補助表示部65には上記キャラクタ画像と残りゲーム数が表示されている。図992に示す例では、通常遊技の抽選にて共通ベルに当選しており、ストップスイッチ42~44の操作(停止操作)に基づいて第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかとなる。これに合わせて、補助表示部65にはベル当選を示す画像としてベルを模した画像及び黄色のエフェクトが表示される。
以上詳述したように、通常遊技と疑似遊技とを併用することは遊技の多様化を実現し、遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。しかしながら、通常遊技に係る処理に加えて疑似遊技に係る処理が必要となればプログラム量や処理負荷が増大する要因になり得る。これは、遊技進行の円滑化を図る上で好ましくない。本実施形態では、このような不都合の発生を抑制するための工夫がなされていることを特徴の1つとしている。具体的には、疑似遊技においてはATモードに係る上乗せ抽選が実行されることになるが、疑似遊技における種別抽選の結果(疑似特定役)を当該上乗せ抽選に係る処理に適用できるように変換することを特徴の1つとしている。以下、図993~図997を参照して、当該変換に係る構成について説明する。図993は、主制御装置101のROM105を示す概略図、図994は主制御装置101のRAM106を示す概略図、図995は当選役名称と当選役番号との関係を示す概略図、図996及び図997は変換テーブルを示す概略図である。
(変換に係る電気的構成)
図993に示すように、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aは、通常遊技における特定役を含む各種役の抽選を行うための抽選テーブル(通常遊技用役抽選テーブル)、疑似遊技における種別(疑似特定役)の抽選を行うための抽選テーブル(疑似遊技用種別抽選テーブル)、ATモード中の上乗せ抽選を行うための抽選テーブル(上乗せ抽選テーブル)等の各種抽選テーブルを記憶する抽選テーブル記憶エリアを含む。
通常遊技用抽選テーブルについては、当選役(当選役名称)を識別するための識別情報として当選役番号が各当選役に対応付けられている。これら当選役番号は、上述したインデックス値IVと一致している。具体的には、図995に示すように、インデックス値IV=「1」となる通常リプAには当選役番号「1」、インデックス値IV=「2」となる通常リプBには当選役番号「2」、インデックス値IV=「3」となる通常リプCには当選役番号「3」、インデックス値IV=「4」となるスイカに当選には当選役番号「4」、インデックス値IV=「5」となるチャンス目Aには当選役番号「5」、インデックス値IV=「6」となるチャンス目Bには当選役番号「6」、インデックス値IV=「7」となるチェリーAには当選役番号「7」、インデックス値IV=「8」となるチェリーBには当選役番号「8」、インデックス値IV=「9」となる共通ベルには当選役番号「9」、インデックス値IV=「10」となる順押しベル1には当選役番号「10」、インデックス値IV=「11」となる順押しベル2には当選役番号「11」、インデックス値IV=「12」となる挟み押しベル1には当選役番号「12」、インデックス値IV=「13」となる挟み押しベル2には当選役番号「13」、インデックス値IV=「14」となる中順押しベル1には当選役番号「14」、インデックス値IV=「15」となる中順押しベル2には当選役番号「15」、インデックス値IV=「16」となる中逆押しベル1には当選役番号「16」、インデックス値IV=「17」となる中逆押しベル2には当選役番号「17」、インデックス値IV=「18」となる逆挟みベル1には当選役番号「18」、インデックス値IV=「19」となる逆挟みベル2には当選役番号「19」、インデックス値IV=「20」となる逆押しベル1には当選役番号「20」、インデックス値IV=「21」となる逆押しベル2には当選役番号「21」、インデックス値IV=「22」となる重複1枚役には当選役番号「22」、インデックス値IV=「23」となるBB1には当選役番号「23」、インデックス値IV=「24」となるBB2には当選役番号「24」が各々対応づけられている。なお、通常遊技に係る上記抽選結果のうち上記各役の当選結果以外、すなわち外れ結果には、当選役番号「0」が対応づけられている。
主制御装置101のRAM106における各種抽選結果格納エリア106aには当選役番号記憶エリアが設けられており、通常遊技における役の抽選結果である当選役番号についてはこの当選役番号記憶エリアに記憶される。主制御装置101のCPU102は、この当選役番号記憶エリアに記憶されている当選役番号に基づいて抽選結果を抽選後も把握可能となっている。
ここで、本実施形態に示すスロットマシン10では、当選役番号記憶エリアに記憶されている当選役番号に基づいて表示制御装置81にて当選役を把握するための送信用データと、CPU102にて上乗せ抽選を実行するための上乗せ抽選用データとが作成される(ステップSk311参照)。つまり、当選役番号が、当該当選役番号と送信用データと上乗せ抽選用データとを含む情報群に変換される構成となっている。
具体的には、ROM105の各種テーブル記憶エリア105a(変換テーブル記憶エリア)には、当選役番号を送信用データである送信番号に変換する送信番号用変換テーブルや当選役番号を上乗せ抽選用データである抽選番号(上乗せ抽選番号)に変換する抽選番号用変換テーブル(上乗せ抽選番号用変換テーブル)等の各種変換テーブルが記憶されている。上記ステップSk311の変換処理では、図996に示す送信番号用変換テーブルを参照して当選役番号を送信番号に変換し、図997に示す上乗せ抽選番号用変換テーブルを参照して当選役番号を上乗せ抽選番号に変換する。
図996に示す送信番号用変換テーブルについては、当選役番号「1」(通常リプA)が送信番号「1」、当選役番号「2」(通常リプB)が送信番号「2」、当選役番号「3」(通常リプC)が送信番号「3」、当選役番号「4」(スイカ)が送信番号「4」、当選役番号「5」(チャンス目A)が送信番号「5」、当選役番号「6」(チャンス目B)が送信番号「6」、当選役番号「7」(チェリーA)が送信番号「7」、当選役番号「8」(チェリーB)が送信番号「8」、当選役番号「9」(共通ベル)が送信番号「9」、当選役番号「10」~「21」(各種押し順ベル)が送信番号「10」、当選役番号「22」(重複1枚役)が送信番号「11」、当選役番号「23」(BB1)が送信番号「12」、当選役番号「24」(BB2)が送信番号「13」に各々対応づけられている。変換した送信番号は、各種抽選結果格納エリア106aの送信番号記憶エリアに記憶される(ステップSk312)。
当該送信番号用変換テーブルを参照した変換では当選役に関する情報の一部が簡素化又は削除される。このため、表示制御装置81では、この受信した送信番号に基づいて各ゲームの当選役を把握するが、例えば当該送信番号に基づいてどの押し順ベルに当選したかを特定することは不可となる。なお、当選役番号「5」(チャンス目A)及び当選役番号「6」(チャンス目B)を同じ送信番号に対応づけることで当選役情報の一部を更に簡素化してもよい。
次に、図997に示す上乗せ抽選番号用変換テーブルについては、当選役番号「0」(ハズレ)、当選役番号「22」(重複1枚役)、当選役番号「23」(BB1)、当選役番号「24」(BB2)の4つが上乗せ抽選番号「1」、当選役番号「1」(通常リプA)、当選役番号「2」(通常リプB)、当選役番号「3」(通常リプ3)の3つが上乗せ抽選番号「1」、当選役番号「9」(共通ベル)、当選役番号「10」~「21」(押し順ベル)が上乗せ抽選番号「2」、当選役番号「4」(スイカ)が上乗せ抽選番号「3」、当選役番号「5」(チャンス目A)及び当選役番号「6」(チャンス目B)の2つが上乗せ抽選番号「4」、当選役番号「7」(チェリーA)が上乗せ抽選番号「5」、当選役番号「8」(チェリーA)が上乗せ抽選番号「6」に各々対応付けられている。この上乗せ抽選番号については、各種抽選結果格納エリア106aに設けられた上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶される(ステップSk312)。
当該上乗せ抽選番号用変換テーブルを参照した変換では当選役に関する情報の一部が簡素化又は削除される。ステップSk907,Si909の上乗せ抽選処理では、変換された上乗せ抽選番号を参照して、ATモードにおける残りゲーム数の上乗せの有無や上乗せゲーム数を決定する。
既に説明したように疑似遊技においては疑似特定役の当選が確定する構成となっており、当選した疑似特定役に応じてATモードにおける残りゲーム数の上乗せの有無や上乗せゲーム数が決定される構成となっている。この抽選処理にて実行される制御プログラムについては、通常遊技における上乗せ抽選処理にて実行される制御プログラムと共通化されている。具体的には、ROM105の各種プログラム記憶エリア105bには通常遊技における上乗せ抽選処理を実行するためのプログラムが記憶されており、疑似遊技における上乗せ抽選処理においても当該プログラムが使用される構成となっている。このようなプログラムの共用化によって疑似遊技による遊技の多様化に起因したROM105の記憶容量が圧迫されることを抑制している。これは限りある記憶容量において他のプログラムとの共存を図る上で好ましい。
本実施形態に示すスロットマシン10においては、疑似遊技における種別抽選の結果である疑似特定役(詳しくは種別番号)を通常遊技における当選役番号に対応付けられた番号に変換し、この変換結果を用いて通常遊技に係る上乗せ抽選と同様の抽選を実行する構成となっている。以下、図998及び図999を参照して当該工夫について説明する。図998は主制御装置101のCPU102にて実行される疑似特定役用の変換処理(ステップSk2406)を示すフローチャート、図999は当該疑似特定役用の変換処理にて参照される変換テーブルを示す概略図である。
(疑似当選役用の変換処理)
図998に示すように、疑似当選役用の変換処理においては先ず、ステップSk2601にてROM105の各種テーブル記憶エリア105aから種別番号変換テーブルを読み出し、読み出した種別番号変換テーブルとバッファ106fに格納された種別番号とに基づいて当該種別番号を当選役番号に対応付けられた番号へ変換する。つまり、疑似遊技に係る疑似特定役を通常遊技に係る特定役に変換する。
種別番号変換テーブルにおいては、種別番号「1」(スイカ)については通常遊技におけるスイカの当選役番号「4」と同じ「4」、当選番号「2」(チャンス目)については通常遊技におけるチャンス目Bの当選役番号「6」と同じ番号、当選番号「3」(チェリーA)については通常遊技におけるチェリーAの当選役番号「7」と同じ番号、当選番号「4」(チェリーB)については通常遊技におけるチェリーBの当選役番号「8」と同じ番号に各々対応づけられている。種別番号「1」は「4」、種別番号「2」は「6」、種別番号「3」は「7」、種別番号「4」は「8」に各々変換される。
ステップSk2601にて変換された番号は、続くステップSk2602にてRAM106の各種当選役番号記憶エリアに記憶される。なお、既に説明したように疑似遊技が開始される場合には通常遊技に係る当選役番号が一時退避エリアに退避される。故に、上記変換結果(変換後の種別番号)を当選役番号記憶エリアに記憶したとしても通常遊技に係る当選役が消失することはない。
その後は、当選役番号記憶エリアに記憶されている番号を、当該番号と、送信用データである送信番号と、上乗せ抽選用データである上乗せ抽選番号と含む情報群に変換し(ステップSk2603)、変換した送信用データ(送信番号)をRAM106の各種抽選結果格納エリア106aの送信番号記憶エリアに記憶し、変換した上乗せ抽選用データ(上乗せ抽選番号)をRAM106の各種抽選結果格納エリア106aの上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶する(ステップSk2604)。なお、ステップSk2604の処理が実行されるタイミングでは、送信番号記憶エリア及び上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶されていた通常遊技に係る送信番号及び上乗せ抽選番号については事前に消去される構成となっているため、送信番号記憶エリア及び上乗せ抽選番号記憶エリアを通常遊技及び疑似遊技で共用としたとしても、通常遊技の進行に支障をきたすことはない。
ここで疑似遊技用の抽選処理(図987)における抽選結果コマンドのセット処理(ステップSk2307)及びAT上乗せ用処理(Si2308)について補足説明する。
ステップSk2307にてセットされる抽選結果コマンドについては、開始コマンドの1つであり、送信番号記憶エリアに記憶されている送信番号が付加される。表示制御装置81では受信した抽選結果コマンドに含まれる送信番号から疑似遊技における種別抽選の結果、すなわち種別番号(疑似当選役)を特定可能となっている。
疑似遊技に係るAT上乗せ用処理(ステップSk2308)については、通常遊技に係るAT上乗せ用処理(ステップSk608)と共通となっている。より詳しくは、疑似遊技に係るAT上乗せ用処理の実行に際してROM105の各種プログラム記憶エリア105bから取得される制御プログラム及び各種テーブル記憶エリア105aから取得される抽選テーブルについては、通常遊技に係るAT上乗せ用処理の実行に際してROM105の各種プログラム記憶エリア105bから取得される制御プログラム及び各種テーブル記憶エリア105aから取得される抽選テーブルと同一となっており、制御プログラムと抽選テーブルとを共用とすることでROM105の記憶容量の圧迫を抑制している。
具体的には、疑似遊技に係るAT上乗せ用処理では、RAM106の上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶されている上乗せ抽選番号を取得し、各種テーブル記憶エリア105aから現在のATモードに対応した上乗せ抽選用テーブルを取得し、上乗せ抽選乱数カウンタから乱数を取得し、それら取得した各種情報に基づいて上乗せ抽選を実行する。そして、上乗せ抽選に非当選であった場合にはそのままAT上乗せ用処理を終了する一方、上乗せ抽選に当選であった場合には上乗せゲーム数抽選処理を実行する。
上乗せゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから今回の種別(上乗せ抽選番号)に対応した上乗せゲーム数テーブルを取得し、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた上乗せゲーム数抽選乱数カウンタの値(乱数値)を取得し、それら上乗せゲーム数テーブル及び乱数値に基づいて今回の上乗せゲーム数を決定する。
上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタに今回の上乗せゲーム数を加算し、上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから本AT上乗せ用処理を終了する。
次に図1000~図1002を参照して上述した各種情報の動きについて説明する。図1000(a)は通常遊技における情報の動きを示す概略図、図1000(b)は疑似遊技における情報の動きを示す概略図、図1001はコマンドの送受信の態様を示す概略図、図1002は当選役番号の退避及び復帰の流れを示す概略図である。なお、図1000(a)には通常遊技に係る役の抽選結果がチェリーAである場合を例示しており、図1000(b)には通常遊技に係る役の抽選結果が共通ベル且つ疑似遊技機に係る種別抽選の結果がチェリーAである場合を例示している。
(変換の流れ)
ATモード中の通常遊技において特定役であるチェリーAに当選となった場合には、図1000(a)に例示しているように、その旨を識別するための識別情報である当選役番号「7」がRAM106の当選役番号記憶エリアに記憶される。この当選役番号については送信番号用変換テーブル及び上乗せ抽選番号用変換テーブルを参照して送信用データである送信番号「7」と上乗せ抽選用データである上乗せ抽選番号「5」とを含む情報群に変換される。そして、送信番号「7」はRAM106の送信番号記憶エリアに記憶され、上乗せ抽選番号はRAM106の上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶される。送信番号記憶エリアに記憶された送信番号については、通常遊技に係る抽選結果コマンドによって表示制御装置81へ送信される。
既に説明したように、抽選結果コマンドは開始コマンドの1つであり、図1001に示すように、コマンドの種別を識別するための情報(コマンド識別コード)と、抽選結果を識別するための情報(送信番号)とで構成されている。表示制御装置81は、当該抽選結果コマンドを受信した場合には、コマンド識別コードからコマンド種別を特定し、送信番号から当該コマンドの中身すなわち当選役を特定する。図1001に示す例では、当選役=チェリーAとなった場合の抽選コマンド「E07」が例示されており、前半の「E」が抽選結果コマンドであることを示すコマンド識別コード、後半の「07」がチェリーA当選であることを示す送信番号に該当する。
表示制御装置81のROM182にはコマンド解析用のコマンドリストが記憶されており、表示制御装置81のCPU181は受信したコマンドと当該コマンドリストとに基づいてコマンドの種別及び内容を把握する。
次に、ATモード中の疑似遊技において疑似当選役であるチェリーAに当選となった場合には、図1000(b)に例示しているように、その旨を識別するための識別情報として種別番号「3」がバッファ106fに記憶される。この種別番号については種別番号変換テーブルを参照して通常遊技の特定役に対応付けられた番号に変換された後、RAM106の当選役番号記憶エリアに記憶される。
疑似遊技が開始されるタイミングでは、当選役番号記憶エリアに通常遊技に係る抽選結果を識別するための識別情報として当選役番号が記憶されている。疑似遊技に係る種別番号を記憶する際には、先に記憶されている当選役番号がRAM106の一時退避エリアに退避されることとなる(ステップSk2403)。当選役番号記憶エリアに記憶された種別番号については送信番号用変換テーブル及び上乗せ抽選番号用変換テーブルを参照して送信用データである送信番号「7」と上乗せ抽選用データである上乗せ抽選番号「5」とを含む情報群に変換される。そして、送信番号「7」はRAM106の送信番号記憶エリアに記憶され、上乗せ抽選番号はRAM106の上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶される。送信番号記憶エリアに記憶された送信番号については、通常遊技に係る抽選結果コマンドにより表示制御装置81へ送信される。
抽選結果コマンドは開始コマンドの1つであり、図1001に示すように、コマンドの種別を識別するための情報(識別コード)と、抽選結果を識別するための情報(送信番号)とで構成されている。表示制御装置81は、当該抽選結果コマンドを受信した場合には、識別コードからコマンド種別を特定し、送信番号から当該コマンドの中身すなわち当選役を特定する。図1001に示す例では、疑似当選役=チェリーAとなった場合の抽選コマンド「E07」が例示されており、前半の「E」が抽選結果コマンドであることを示す識別コード、後半の「07」がチェリーA当選であることを示す送信番号に該当する。
図1001に示すように、疑似遊技に係る抽選結果コマンドについても、通常遊技に係る抽選結果コマンドと同様に、種別を識別するための情報(コマンド識別コード)と、抽選結果を識別するための情報(送信番号)とで構成されている。表示制御装置81は、当該抽選結果コマンドを受信した場合には、コマンド識別コードからコマンド種別を特定し、送信番号から当該コマンドの中身すなわち当選役を特定する。図1001に示す例では、当選役=チェリーAとなった場合の抽選コマンド「E07」が例示されており、前半の「E」が抽選結果コマンドであることを示すコマンド識別コード、後半の「07」がチェリーA当選であることを示す送信番号に該当する。
表示制御装置81のROM182にはコマンド解析用のコマンドリストが記憶されており、表示制御装置81のCPU181は受信したコマンドと当該コマンドリストとに基づいてコマンドの種別及び内容を把握する。このコマンドリストについても通常遊技に係る抽選結果コマンド及び疑似遊技に係る抽選結果コマンドで共通となっている。このように、通常遊技と疑似遊技とでは何れも開始コマンドとして同様の抽選結果コマンドが送信される構成となっており、表示制御装置81に送信されるコマンド種類の増加を抑制している。なお、表示制御装置81においては、疑似遊技移行用準備処理にて疑似遊技への移行準備が完了した場合に送信される疑似遊技移行コマンドに基づいて、今回受信した抽選結果コマンドが通常遊技及び疑似遊技の何れに対応するものであるかを識別する。
また、疑似遊技の開始に伴って一時退避エリアに退避された当選役番号については、疑似遊技中は当該一時退避エリアに留まり、疑似遊技が終了して通常遊技が開始される際(詳しくは疑似停止完了となった際)に、一時退避エリアから当選役番号記憶エリアに移る(図1002参照)。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
本実施形態に示すスロットマシン10においては、スタートレバー41の操作に基づいて各リール32L,32M,32Rの周回が開始されて当該遊技の抽選が行われ、ストップスイッチ42~44の操作に基づき当該抽選の結果に対応する図柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する遊技価値(メダル等)が付与される。ここで、ストップスイッチ42~44の操作に基づいてリール32L,32M,32Rを停止させても遊技価値付与の対象とならない疑似遊技が設定されており、疑似遊技と通常遊技とを織り交ぜて遊技させることで遊技性を大幅に向上することができる。
しかしながら、疑似遊技を用いて遊技の多様化を図る上では、当該疑似遊技に係る処理の増加に伴ってROM105に格納する制御プログラムについても増大し得る。このように制御プログラムが増大することは、ROM105の記憶容量を圧迫し更なる遊技の多様化等を実現する上で妨げになると懸念される。ここで、本実施形態に示す構成によれば、ATモード中は当選役に応じてゲーム数の上乗せ抽選が実行される。この上乗せ抽選については疑似遊技に移行した場合にも実行される。そして、通常遊技と疑似遊技とでは上乗せ抽選にて用いられる制御プログラムについては同一となっている。このように、通常遊技に適用される上乗せ抽選用の制御プログラムを疑似遊技にも流用可能とすれば、ROM105の記憶容量の圧迫を抑制し、更なる遊技の多様化を促進できる。
予め規定された変換用のテーブルを参照して疑似遊技の種別番号を上乗せ抽選番号に変換する構成によれば、当選役番号と種別番号とに何らの相関関係を設けなくても上乗せ抽選番号に変換可能となる。これは、遊技機を設計する際の設計自由度を好適に向上させて、遊技機の開発期間の短縮等を図る上で有利である。
また、種別番号変換テーブルによる変換候補については、特定役の一部に限定されている。このため、通常遊技の場合と疑似遊技の場合とで同じ上乗せ抽選が行われるとしても、疑似遊技の方が上乗せ抽選に当選しやすい。つまり、同じ上乗せ抽選用のプログラムを用いるとしても有利度に実質的な差を生じさせることができる。これは、抽選機能の統合を図りつつ通常遊技と疑似遊技との差別化を図る上で有利である。
疑似遊技の種別(疑似特定役)の数は特定役の種類よりも少ないため、種別番号を変換する際に参照する種別番号変換テーブルの情報量を少なくすることができる。種別番号変換テーブルの情報量が少なくなることにより、当該テーブルを読み出しやすくなり、変換実行時の制御負荷を好適に軽減できる。
上乗せ抽選について通常遊技と疑似遊技とで有利度に差を設けるには、以下の構成とすることも可能である。すなわち、抽選用のテーブルを通常遊技用と疑似遊技用とで個別に設ける構成とすることも可能である。しかしながら、このような構成では、上述した制御プログラム等の流用が難しくなるだけでなく、抽選用のテーブルを個別に設けることでROM105の記憶容量が圧迫さしやすくなる。この点、本実施形態に示したように、変換用のテーブルの情報量が抽選用のテーブルの情報量よりも少ない構成では、上述の如く抽選用のテーブルを複数設けた場合よりも抽選用のテーブルと変換用のテーブルとを設けた方がテーブルの総情報量を少なくすることができる。これは、記憶容量の圧迫を抑制する上で有利である。
本実施形態に示した構成によれば、種別番号を当選役番号に対応付けられた番号に変換し、当該変換後の種別番号がRAM106の当選役番号記憶エリアに記憶される。通常遊技と同様に疑似遊技においてもこの当選役番号記憶エリアに記憶された番号により各リール32L,32M,32Rの駆動/停止の制御パターンが決定されるため、通常遊技に係る駆動/停止制御と、疑似遊技に係る駆動/停止制御とに相関を生じさせることができる。これにより、疑似遊技と通常遊技とで見た目等を合わせることができ、通常遊技に擬態させる機能を好適に強化できる。
疑似遊技についても通常遊技と同じ流れで変換→上乗せ抽選となるため、上乗せ抽選に係る制御の大部分を通常遊技から流用可能となる。特に、種別番号を当選役番号に対応付けられた番号に変換する構成によれば、疑似遊技についても通常遊技と同様の制御(上乗せ抽選及び遊技結果コマンドの設定)が可能となり、上乗せ抽選に適用可能な上乗せ抽選番号への変換と、送信番号への変換とを別に行う構成と比較して、変換に係る構成全体の簡略化に寄与できる。
上述したように当選役番号に基づいて第2制御装置に送信する遊技結果コマンド(送信情報)が設定され、演出装置ではこの遊技結果コマンドに基づいて所定の遊技演出(特定役の示唆演出等)が実行される。遊技結果コマンドの設定については疑似遊技の種別番号に基づいても実行可能となっている。このように、通常遊技に適用される特定コマンドの設定用のプログラムを疑似遊技にも流用可能とすれば、遊技結果コマンドの設定に係るプログラムの量を削減できる。これにより、上記懸念を払しょくし、更なる遊技の多様化を促進できる。
送信番号用変換テーブルを参照して疑似遊技の種別(疑似特定役)を示す種別番号が遊技結果コマンドの設定用の情報である送信番号に変換される構成によれば、種別番号及び当選役番号に何らの相関関係を設けなくても送信番号への変換が可能となる。これは、遊技機を設計する際の設計自由度を好適に向上させて、遊技機の開発期間の短縮等を図る上で有利である。
本実施形態に示した構成によれば、通常遊技では当選役番号がRAM106の当選役番号記憶エリアに記憶され、この当選役番号に基づいて上乗せ抽選や遊技結果コマンドの設定が行われる。これに対して、疑似遊技では種別番号(詳しくは変換後の種別番号)がRAM106の上記当選役番号記憶エリアに記憶され、当該種別番号に基づいて上乗せ抽選や遊技結果コマンドの設定が行われる。つまり、通常遊技と疑似遊技とで記憶領域(当選役番号記憶エリア)を共用としており、通常遊技及び疑似遊技に同様の処理を適用可能となるように構成されている。このような構成とすれば、制御に係る構成の簡素化によって制御負荷の軽減等に寄与できる。そして、遊技の多様化に起因した制御負荷の増加を抑制することにより、遊技の多様化を好適に実現できる。これは、遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。
当選役番号記憶エリアは1のアドレスであり、当該当選役番号記憶エリアに記憶可能な情報の数は1つに限定されている。そして、状況(通常遊技、疑似遊技)に応じて当該当選役番号記憶エリアを使い分ける構成となっている。このような構成とすれば、上乗せ抽選番号への変換や送信番号への変換に際して記憶されている情報が通常遊技及び疑似遊技の何れに対応しているか等の判定や、参照すべき番号の取捨選択等が不要となる。これにより、各変換処理を実行する際の制御負荷を好適に軽減できる。
疑似遊技が実行される場合には、当選役番号記憶エリアに記憶されている当選役番号(通常遊技に係る抽選結果の情報)を一時退避エリアへ退避させて当該当選役番号を残す構成となっている。このような構成とすれば、疑似遊技開始までに当該当選役番号を用いた各種制御処理を全て完了させる必要がなくなる。これにより、当選役番号記憶エリアを通常遊技と疑似遊技とで共用としつつ、それに起因した各種制御処理の実行タイミングに係る制約を緩和させることができる。
疑似遊技の終了後は、一次退避エリアに退避された当選役番号を通常遊技に係る他の処理にてアクセスされる当選役番号記憶エリアに復帰させる構成とすれば、例えば状況に応じた当選役番号の参照先の変更等が不要となり、当選役番号に係る処理を速やかに実行できる。
当選役番号記憶エリアに記憶されている番号に基づいて複数の対応処理である上乗せ抽選番号への変換処理及び送信番号への変換処理が実行される構成に対して上述した各種構成を適用すれば、通常遊技に係る当選役番号と疑似遊技に係る種別番号とを一元化した上で複数の対応処理が実行されることとなり、通常遊技用の2つの変換処理と、疑似遊技用の2つの変換処理とを各々設ける構成と比較して、対応処理に係る構成を簡素化できる。
なお、本実施形態に示したインデックス値と当選役との関係には以下の技術的意義がある。すなわち、スロットマシンにおいては通常リプ(再遊技)の当選確率の設定幅に関する制約が大きく、通常リプの当選確率については機種間での差が微小となる。スロットマシンの設計を行う場合には、相対的に設定幅の小さい通常リプをインデックス値IV=「1」から並べて配置して、相対的に設定幅の大きい他の当選役をそれ以降に配置することにより、設計効率を好適に向上させることができる。
<変形例1>
上記実施形態では、当選役番号記憶エリアに記憶されている当選役番号を、当該当選役番号と送信番号と上乗せ抽選番号とからなる情報群に変換する構成としたが、これに限定されるものではない。変換後の情報群には当選役番号を含まない構成、すなわち変換元となる当選役番号が消去される構成とすることも可能である。但し、上記実施形態では、当選役番号記憶エリアに記憶された当選役番号に基づいて入賞態様を特定したり入賞後にエラー等の確認をしたりしている。このような機能を担保する上では、例えば当選役番号記憶エリアに記憶されている当選役番号を上記変換に際して消去する前に、当該当選役番号から入賞可能となる役を示すフラグをセットし、当該フラグに基づいて入賞態様を特定したり入賞後にエラー等の確認をしたりするとよい。
<変形例2>
上記実施形態では、通常遊技における役の抽選結果を示す情報(当選役番号)と疑似遊技における疑似特定役の抽選結果を示す情報(種別番号)とを何れもRAM106の当選役番号記憶エリアに記憶する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、RAM106の各種抽選結果格納エリア106aに、当選役番号を記憶する当選役番号記憶エリアと種別番号を記憶する種別番号記憶エリアとを各々設けてもよい。同様に、RAM106の各種抽選結果格納エリア106aに、当選役番号から変換された送信番号及び上乗せ抽選番号を記憶する送信番号記憶エリア及び上乗せ抽選番号記憶エリアと、種別番号から変換された送信番号及び上乗せ抽選番号を記憶する送信番号記憶エリア及び上乗せ抽選番号記憶エリアとを各々設けてもよい。
<変形例3>
上記実施形態では、累積ポイントが上限に達した場合には累積ポイントに関係なく同一の変換テーブルを参照して疑似特定役(種別番号)を変換する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、累積ポイントに第1閾値(実施形態における上限に相当)と当該第1閾値よりも大きい第2閾値を設け、累積ポイントが第1閾値に達している場合であって第2閾値に達していない場合には第1の変換テーブルを参照して疑似特定役(種別番号)を変換する一方、累積ポイントが第2閾値に達している場合には第1の変換テーブルよりも変換パターンが優遇された第2の変換テーブルを参照して疑似特定役(種別番号)を変換する構成としてもよい。
<変形例4>
上記実施形態では、ゲーム終了時(全リール停止時)に疑似遊技移行判定カウンタへポイント加算を行う構成としたが、ゲーム開始時にポイント加算を行う構成としてもよい。この場合、例えば疑似遊技移行判定カウンタの値(累積ポイント)が上限に達した場合には次のゲームを待たずに今回のゲームにて疑似遊技に移行する構成とすることも可能である。
<変形例5>
上記実施形態では、通常遊技に係る特定役の抽選に使用される通常遊技用役抽選乱数カウンタと、疑似遊技に係る疑似特定役(種別)の抽選に使用される疑似遊技用種別抽選乱数カウンタとを個別に設けたが、これら抽選乱数カウンタを共用としてもよい。すなわち、1の抽選用乱数カウンタを参照して、特定役の抽選及び疑似特定役の抽選を行う構成としてもよい。疑似遊技へ移行するゲームのスタートレバー41の操作時に、当該抽選用乱数カウンタの値をラッチして、通常遊技に係る役の抽選と疑似遊技に係る役の抽選とで併用するとよい。
このような構成とする場合には、疑似遊技の種別抽選についても通常遊技と同様に通常遊技用役抽選テーブルを参照する構成とすれば、種別番号を当選役番号に対応する番号に変換する処理が不要となる。但し、通常遊技の役の種類(24種)が多い点に鑑みれば、抽選処理を実行する際の制御負荷が大きくなりやすい。故に、上記実施形態に示したように種別(4種)の少ない疑似遊技独自の種別抽選→変換(4種)となる構成とすることには制御負荷を軽減できるという技術的意義がある。
<変形例6>
上記実施形態では、疑似遊技においては、スイカ、チャンス目、チェリーのいずれかの疑似特定役に当選する構成としたが、疑似遊技における抽選結果については上記疑似特定役に加えてハズレや通常リプレイを含める構成としてもよい。
<変形例7>
上記実施形態においてはATモード中に疑似遊技に移行した際に疑似特定役(種別)を決定する構成とした。本変形例では、疑似特定役(種別)の決定に係る構成が上記実施形態と相違している。具体的には、ATモードへの移行条件が成立した際、すなわち準備モード用処理にて第2再遊技又は第3再遊技が入賞したと判定した際に疑似特定役を抽選により事前決定する構成となっている。以下、図1003及び図1004を参照して、当該事前決定に係る構成(準備モード用処理)について説明する。なお、上記実施形態と共通する構成については説明を省略する。
(準備モード用処理)
図1003に示すように、準備モード用処理においては先ず、ステップSk2701にて第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。第1ATモードフラグがセットされている場合、ステップSk2702にて昇格抽選処理を実行する。昇格抽選処理は、今回移行させるATモードを第1ATモードではなく第2ATモードとする昇格抽選を行う。具体的には、各種テーブル記憶エリア105aから昇格抽選テーブル(図974)を取得し、今回のゲームの抽選結果、及びAT準備カウンタの値に応じて上記の昇格抽選を実行する。昇格抽選テーブルでは、例えば、チェリーAよりもチェリーBの方が昇格抽選に当選し易い、といったように各ゲームで当選しにくい抽選結果ほど、昇格抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップSk2702にて昇格抽選を実行した後は、ステップSk2703に進み、昇格抽選に当選したか否かを判定する。昇格抽選に当選している場合には、ステップSk2704にて昇格コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。昇格コマンドを受信した表示制御装置81では、移行するATモードが第1ATモードから第2ATモードに昇格したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。そして、ステップSk2705にて第1ATモードフラグをクリアし、第2ATモードフラグをセットする処理を実行する。
ステップSk2701若しくはステップSk2703にて否定判定した場合、又はステップSk2705の処理を実行した後は、ステップSk2706に進む。ステップSk2706では、開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。開始ゲームフラグは、準備モードにおいてATモード開始用の結果(通常リプA~C)に当選した場合にAT開始報知用処理にてセットされるフラグである。開始ゲームフラグがセットされていない場合、そのまま本準備モード用処理を終了する。
開始モードフラグがセットされている場合、ステップSk2707にて、今回の遊技結果として第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。既に説明した通り、準備モードにおいて通常リプA~Cに当選した場合には、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出が実行される。但し、通常リプA~Cに当選しているゲームにおいて、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44の操作が行われても、その操作タイミングによっては第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立せず、他の再遊技(第4再遊技、第5再遊技)の入賞が成立する場合がある。ステップSk2707では、開始ゲームフラグがセットされており、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させてATモードを開始させることが可能なゲームにおいて、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができたか否かを判定する。ステップSk2707にて第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞を成立させることができたと判定した場合には、ステップSk2708~Si110の事前準備処理を実行する。
事前準備処理においては先ず、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた疑似遊技用種別抽選乱数カウンタの値(乱数値)をラッチし、当該ラッチした値をRAM106のバッファ106fに記憶する。つまり、第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞を成立させたタイミング(第3停止のタイミング)で乱数値が取得される。
その後は、ステップSk2709にて疑似遊技の種別抽選処理、すなわち上述した疑似特定役の抽選処理を実行する。ROM105の各種テーブル記憶エリア105aには上述した設定値毎に疑似遊技用種別抽選テーブルが記憶されており、それら疑似遊技用抽選テーブルのうち現在の設定値に対応する種別抽選テーブルを取得する。この種別抽選テーブルとステップSk2708にて取得した乱数値とに基づいて種別(疑似特定役)を決定する。なお、種別抽選テーブルについては上記実施形態に示した種別抽選テーブルと同様であるため説明を省略する(例えば図988参照)。
各疑似特定役には、何れの疑似特定役であるかをCPU102にて識別するための識別情報として、「1」~「4」の連番である種別番号(疑似特定役番号)が割り振られている。疑似遊技用の種別抽選処理では、当該抽選の結果として上記種別番号をRAM106のバッファ106fに記憶する。
その後は、ステップSk2710に進み、バッファ106fに記憶された種別番号を、通常遊技に係る当選役番号に対応付けられた番号と表示制御装置81に送信する送信番号とからなる情報群に変換して記憶すべく種別番号変換及び記憶処理を実行する。
具体的には、先ずROM105の各種テーブル記憶エリア105aから種別番号変換テーブルを読み出し、読み出した種別番号変換テーブルとバッファ106fに記憶された種別番号とに基づいて当該種別番号を当選役番号に対応付けられた番号(すなわちリール制御や上乗せ抽選等の元になる番号)へ変換する。そして、変換結果(変換後の種別番号)をRAM106の各種抽選結果格納エリア106aに設けられた種別番号記憶エリア(図1004参照)に記憶する。種別番号記憶エリアに記憶された種別番号は、疑似遊技が開始されるまで当該種別番号記憶エリアにて保持され、当該疑似遊技の開始時に当選役番号記憶エリアに移されることとなる。
また、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから送信番号用変換テーブルを取得し、種別番号記憶エリアに記憶されている種別番号を表示制御装置81に送信する送信用データである送信番号に変換する。そして、この送信番号をRAM106のバッファ106fに記憶する。
その後は、ステップSk2711にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dに記憶されているAT当選フラグをクリアし、ステップSk2712にてATゲームカウンタにATモードの初期ゲーム数に相当する「50」を加算する処理を実行する。なお、ATモード移行抽選に当選した後は、抽選結果対応処理においてAT上乗せ用処理が行われる構成であるところ、ステップSk1608の初期ゲーム数の入力よりも前に、ATモードのゲーム数の上乗せ抽選に当選してATゲームカウンタに当該上乗せゲーム数の入力が行われている場合がある。
その後、ステップSk2713にてAT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモード開始演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。本実施形態においては特に、ステップSk2710にてバッファ106fに記憶された送信番号が当該AT開始コマンドに付加される。表示制御装置81ではこの送信番号に基づいて疑似遊技に係る種別抽選の結果を当該疑似遊技が開始される前に把握する。なお、バッファ106fに記憶された送信番号については、当該AT開始コマンドをセットした際に消去される。
ステップSk2713の処理を実行した後又はステップSk2707にて否定判定をした場合には、ステップSk2714にて開始ゲームフラグをクリアした後に、本準備モード用処理を終了する。
次に図1005を参照して、本実施形態における疑似遊技用の抽選処理について説明する。疑似遊技用の抽選処理は、通常処理(図949参照)の一環として実行される処理である。
(疑似遊技用の抽選処理)
疑似遊技用の抽選処理においては先ず、ステップSk2801にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dに何れかのATモードフラグがセットされているか否かを判定する。何れかのATモードフラグがセットされている場合、すなわちATモード中である場合には、ステップSk2802に進む。ステップSk2802では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに疑似遊技フラグがセットされているか否かを判定する。疑似遊技フラグは、上記実施形態と同様に、ATモード中の外れ結果となったゲームにてポイント抽選が実行され、このポイントの累積値が予め設定されている上限に達したこと且つATモードの残りゲームが「0」でないことを条件としてセットされるフラグである。
疑似遊技フラグがセットされている場合には、ステップSk2803に進む。なお、ATモード中ではない場合、又はATモード中ではあっても疑似遊技フラグがセットされていない場合には、そのまま本疑似遊技用の抽選処理を終了する。
ステップSk2803では、通常遊技の抽選結果に係る情報(当選役の情報)、詳しくは各種抽選結果格納エリア106aの当選役番号記憶エリアに記憶されている当選役番号を各種抽選結果格納エリア106aにおける一時退避エリアに退避(移動)させる。この処理が実行される時点で当選役番号記憶エリアに記憶されている番号は、通常遊技の役の抽選結果を示す情報である当選役番号、すなわち通常遊技用抽選処理(ステップSk210)にて記憶された当選役番号であり、RAM106において当該当選役番号が記憶されるエリアが一時的に変更されることとなる。
続くステップSk2804では、種別番号の変換及び記憶処理を実行する。この処理では、RAM106における各種抽選結果格納エリア106aの種別番号記憶エリアに記憶されている種別番号を当該種別番号、送信番号、上乗せ抽選番号からなる情報群に変換する。そして、種別番号を当選役番号記憶エリアに移動させ、送信番号をRAM106の各種抽選結果格納エリア106aの送信番号記憶エリアに記憶し、上乗せ抽選番号をRAM106の各種抽選結果格納エリア106aの上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶する。
その後は、ステップSk2805にて抽選結果コマンドをセットする。この抽選結果コマンドには、送信番号記憶エリアに記憶されている送信番号が付加される。表示制御装置81では受信した抽選結果コマンドに含まれる送信番号から疑似遊技における抽選結果、すなわち疑似当選役を特定可能となっている。この抽選結果コマンドについては、基本的に通常遊技にて表示制御装置81に送信される抽選結果コマンドと共通となっている。
その後は、ステップSk2806にてAT上乗せ用処理を実行する。AT上乗せ用処理については基本的に通常遊技にて実行されるAT上乗せ用処理(図962参照)と同一である。具体的には、RAM106の上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶されている上乗せ抽選番号を取得し、各種テーブル記憶エリア105aから現在のATモードに対応した上乗せ抽選用テーブルを取得し、上乗せ抽選乱数カウンタから乱数を取得し、それら取得した各種情報に基づいて上乗せ抽選を実行する。そして、上乗せ抽選に非当選であった場合にはそのままAT上乗せ用処理を終了する一方、上乗せ抽選に当選であった場合には上乗せゲーム数抽選処理を実行する。
上乗せゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから今回の種別(上乗せ抽選番号)に対応した上乗せゲーム数テーブルを取得し、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた上乗せゲーム数抽選乱数カウンタの値(乱数値)を取得し、それら上乗せゲーム数テーブル及び乱数値に基づいて今回の上乗せゲーム数を決定する。
上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタに今回の上乗せゲーム数を加算し、上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから本AT上乗せ用処理を終了する。
AT上乗せ用処理を実行した後は、本疑似遊技用の抽選処理を終了する。このように、本実施形態では、疑似特定役(種別)を決定する抽選自体はATモードへの移行する実行されるものの、その疑似特定役を契機とした上乗せ抽選については疑似遊技が開始される際に実行される。当選した疑似特定役によって上乗せ抽選の有利度が異なるため、遊技者はより有利度の高い疑似特定役に期待しながら疑似遊技を目指すものと想定される。
ここで、既に説明したように、事前に決定された疑似特定役(種別)については、ATモードへ移行する際に表示制御装置81に報知される。表示制御装置81では、把握した疑似特定役(種別)を遊技者に示唆する示唆演出を実行可能となっている。以下、図1006のフローチャートを参照して、表示制御装置81のCPU181にて実行される疑似特定役の示唆演出用の処理(疑似特定役示唆演出用処理)について説明する。疑似特定役示唆演出用処理は、表示制御装置81のCPU181により定期処理の一環として実行される処理である。
(疑似特定役示唆演出用処理)
疑似特定役示唆演出用処理においては先ず、今回のゲーム(通常遊技)の役の抽選結果が外れ結果であるか否かを判定する(ステップSk2901)。今回のゲームが外れ結果である場合、すなわち何れの役にも当選していない場合には、今回のゲームがATモードにおける最終ゲームであるか否かを判定する(ステップSk2902)。今回のゲームがATモードにおける最終ゲームではない場合には、今回のゲームにて疑似遊技移行判定用のポイント加算が発生したか否かを判定する(ステップSk2903)。今回のゲームにてポイント加算が発生した場合には、疑似特定役の示唆演出を発生させるか否かを抽選により決定する(ステップSk2904)。なお、上記ステップSk2901~ステップS2903の何れかの条件を満たさない場合には、ステップSk2904の抽選を行うことなく、本疑似特定役示唆演出用処理を終了する。
ステップSk2904の抽選に当選した場合には、ステップSk2905にて肯定判定をしてステップSk2906に進む。ステップSk2906では、疑似特定役の示唆演出の態様を決定すべく示唆演出態様決定処理を実行する。その後は、ステップSk2906で決定した態様で疑似特定役の示唆演出が実行されるように示唆演出設定処理(ステップSk2907)を実行して本疑似特定役示唆演出用処理を終了する。
本実施形態における疑似特定役の示唆演出については、通常遊技にて特定役を含む何れかの役に当選した場合に発生する報知演出とは異なる演出が実行される。具体的には、通常遊技における役の報知演出においては補助表示部65の表示画面の外縁部にエフェクト画像が追加され当該エフェクト画像の色によって当選した役が報知される構成となっているのに対して、本実施形態に示す疑似特定役の示唆演出においては例えば図1006(b)に示すようにATモード中に表示画面95aに表示される女の子や男の子のキャラクタ画像にエフェクト画像を追加表示することで示唆される。なお、疑似特定役の示唆演出については任意に変更してもよく、例えば女の子や男の子のキャラクタの挙動によって疑似特定役を示唆する構成とすることも可能である。
ここで、図1007を参照して、疑似特定役の示唆演出の態様について説明する。女の子や男の子のキャラクタ画像に追加されるエフェクト画像については、そのサイズとして「小」、「中」、「大」の3つが設定されており、その色として「白」、「緑」、「赤」、「黒」の4つが設定されている。
エフェクトのサイズについては、現在の累積ポイントに応じて決定される。具体的には、図1007(a)に示すように、現在の累積ポイントが「0」~「3」の場合には「小」が選択される確率が80%、「中」が選択される確率が20%、「大」が選択される確率が0%となるように差が設けられている。現在の累積ポイントが「4」~「8」の場合には「小」が選択される確率が40%、「中」が選択される確率が40%、「大」が選択される確率が20%となるように差が設けられている。現在の累積ポイントが「9」~「12」の場合には「小」が選択される確率が0%、「中」が選択される確率が20%、「大」が選択される確率が80%となるように差が設けられている。このような構成とすることにより、女の子や男の子のキャラクタに大きなエフェクトが追加されることで疑似遊技への移行が近い旨が示唆されることとなる。
エフェクトの色については、疑似特定役毎に対応関係が決まっている。具体的には、今回の疑似特定役が「スイカ」である場合にはエフェクトの色として「緑」又は「黒」が設定され、今回の疑似特定役が「チャンス目」である場合にはエフェクトの色として「白」又は「黒」が設定され、今回の疑似特定役が「チェリーA」又は「チェリーB」である場合にはエフェクトの色として「赤」又は「黒」が設定される。つまり、女の子や男の子のキャラクタに追加されたエフェクトの色が「白」の場合には「チャンス目」濃厚となり、「緑」の場合には「スイカ」濃厚となり、「赤」の場合には「チェリーA」又は「チェリーB」濃厚となり、「黒」の場合にはどの疑似特定役となるかについては識別が困難となるように構成されている。
以上詳述した変形例によれば、疑似遊技が実行される場合の当該疑似遊技の種別を疑似遊技の実行条件が成立する前に決定する構成となっている。このように疑似遊技の種別を事前に決定し、実行条件が成立した場合に事前に決定されている種別に応じて上乗せ抽選等を行う構成とすれば、疑似遊技の実行条件が成立して疑似遊技を進行させる際の処理負荷を軽減できる。これは疑似遊技を円滑に進行させる上で好ましい。また、疑似遊技の種別を事前に決定する構成によれば、疑似遊技の実行条件が成立する前に疑似遊技の種別を示唆したり報知したりするといった新たな演出が可能となる。これは、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の向上を図る上で有利である。また、種別を事前に決定したとしても上乗せの可否やゲーム数については未確定となるため、仮に種別の中でも上乗せの期待が低いものが示唆・報知されたとしても遊技への注目度が大きく低下することを抑制できる。これは、上記新たな演出についてその自由度を高める上で好ましい。
通常遊技に割込むようにして疑似遊技が実行される構成では、当該割込み時に制御負荷が大きく上昇する。このような構成に対して、上述した技術的思想を適用すれば、制御負荷を分散させて制御負荷の局所的な上昇を緩和できる。また、割込みが発生する通常遊技よりも前の通常遊技にて疑似遊技の種別が決定される構成によれば、上述した新たな演出を実行する機会(期間)を好適に確保することもできる。
<変形例8>
上記変形例7では、疑似遊技に係る上乗せ抽選及び上乗せゲーム数抽選を疑似遊技の開始時に実行する構成としたが、これに限定されるものではない。疑似遊技に係る上乗せ抽選及び上乗せゲーム数抽選を疑似遊技の前、例えばATモードへの移行時に実行する構成としてもよい。このような構成とする場合には、疑似遊技に係る上乗せの有無や上乗せゲーム数を当該疑似遊技に移行する前に補助表示装置65の表示画面に表示される画像やスピーカ64から出力されるBGM、効果音等によって示唆可能とするとよい。
また、疑似遊技に係る上乗せ抽選及び上乗せゲーム数抽選をことなるタイミングで実行してもよい。例えば、上乗せ抽選については疑似遊技の種別を決定した際に実行し、上乗せゲーム数抽選はそれよりも後、例えば疑似遊技の開始時に実行する構成としてもよい。
<変形例9>
上記変形例7では、外れ結果となったゲーム(通常遊技)のうち疑似遊技移行用のポイント加算が発生するゲームの一部にて疑似特定役(種別)が示唆される構成としたが、当該示唆の実行条件については任意である。例えば、外れ結果となったゲーム(通常遊技)のうち疑似遊技移行用のポイント加算が発生しないゲームの一部にて疑似特定役(種別)が示唆される構成としてもよい。また、ATモードへの移行後に予め設定されたゲーム数が消化された場合に疑似特定役(種別)が示唆される構成としてもよい。
なお、疑似特定役の示唆演出については、当該示唆演出の実行条件が成立したゲームで実行されず、当該ゲームの後に実行される後続のゲームの何れかにて実行される構成(持ち越される構成)とすることも可能である。
<変形例10>
ATモード中に疑似遊技へ移行した場合には、当該疑似遊技の終了時(通常遊技への復帰時)や次のゲームの開始時等に次の疑似特定役(種別)を決定する構成とすることも可能である。
<変形例11>
上記変形例7では、準備モード用処理にて疑似特定役(種別)を決定する構成、すなわちATモードへの移行条件成立時に疑似特定役(種別)を決定する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、ATモードへ移行した最初のゲームの開始時(スタートレバー41の操作時)に疑似特定役(種別)を決定する構成とすることも可能である。また、ATモード移行してから予め設定された数のゲームが消化された際に疑似特定役(種別)を決定する構成とすることも可能である。さらには、疑似遊技移行用のポイントが上限に達した際に疑似特定役(種別)を決定する構成とすることも可能である。
また、疑似遊技移行用のポイントに2つの閾値を設け、低い方の閾値に到達した場合に疑似特定役(種別)を決定し、高い方の閾値に到達した場合に疑似遊技に移行する構成としてもよい。この場合、1の通常遊技にて獲得できる上記ポイントの最大値を両閾値の差よりも小さくして、2つの閾値の到達が同時となることを回避することが好ましい。因みに、疑似遊技移行用のポイントに3つの閾値を設け、低い閾値に到達した場合に疑似特定役(種別)を決定し、真ん中の閾値に到達した場合に上乗せ抽選及び上乗せゲーム数抽選を実行し、高い方の閾値に到達した場合に疑似遊技に移行する構成とすることも可能である。
<変形例11>
上記変形例7では、通常遊技にて特定役を含む役に当選した場合に実行される役の報知演出と、疑似特定役の示唆演出とを相違させる構成としたが、両演出を共通とすることも可能である。例えば、疑似特定役=スイカとなる場合に、外れ結果となったゲームにてスイカを示唆する演出(スイカを模した画像の表示)を実行する構成とした場合には、スイカが示唆されたにも関わらず、スイカが入賞しないといった事象が発生する。このようなある種の矛盾によって遊技者に疑似特定役=スイカとなる可能性がある旨が示唆される。
<変形例12>
上記変形例7では、疑似遊技に係る種別番号を通常遊技に係る特定役に対応付けられた番号に変換してRAM106の種別番号記憶エリアに記憶し、当該記憶された種別番号を送信番号に変換する構成としたが、RAM106のバッファ106fに記憶された変換前の種別番号を送信番号に直接変換する構成としてもよい。
<変形例13>
上記変形例7では、疑似特定役の種別を決定した際に記憶された送信番号については、抽選結果コマンドのセット時に消去される構成としたが、この送信番号を疑似遊技の移行時(詳しくは疑似遊技に係る抽選結果コマンドのセット時)まで保持する構成としてもよい。
<変形例14>
擬似遊技の種別を事前に決定する場合には、上記疑似遊技移行用のポイントが上限に達した時点で種別を上乗せ抽選番号と送信番号とに変換する構成とすることも可能である。
<変形例15>
事前に決定された疑似特定役(種別)を疑似遊技への移行条件が成立するまでの間に別の疑似特定役に変更(例えば昇格)させる構成とすることも可能である。例えば、疑似特定役がチェリーAとなっている状況下にて通常遊技で特定役(例えばチェリーB)に当選した場合に疑似特定役をチェリーBに変更したり、疑似特定役がスイカとなっている状況下にて通常遊技で特定役(例えばチャンス目B)に当選した場合に疑似特定役をチェリーBに変更したりするとよい。なお、変更契機については通常遊技における特定役の当選に限定されるものではなく、疑似遊技に移行することなく消化されたゲーム数が所定数に達した場合に疑似特定役を変更(例えば昇格)させる構成とすることも可能である。このような構成とすれば、疑似特定役の事前決定から疑似遊技の実行までの期間を長くしても、遊技が単調になることを抑制できる。
<変形例16>
ATモードへの移行時に事前決定されて疑似当選役(種別)に応じて疑似遊技への移行条件を設定する又は疑似遊技への移行条件を変更する構成としてもよい。このように、疑似特定役が事前決定された場合に当該疑似特定役に応じて疑似遊技への移行条件を設定/変更する構成とすれば、遊技の単調化を好適に抑制できる。例えば、上乗せ抽選や上乗せゲーム数抽選にて有利度の高い疑似特定役(例えばチェリーB)である場合には、疑似遊技が実行されるまでの期間が長くなりやすく、上乗せ抽選や上乗せゲーム数抽選にて有利度の低い疑似特定役(例えばチェリーA)である場合には、疑似遊技が実行されるまでの期間が短くなりやすい構成とするとよい。このような構成とすれば、疑似遊技の実行条件が成立することなく遊技が進む場合に遊技者の遊技意欲が低下することを好適に抑制できる。
<変形例17>
上記実施形態では、ROM105に記憶されている種別番号変換テーブルを参照して、疑似特定役(種別番号)用の変換処理を実行する構成とした。本実施形態では、疑似特定役用の変換処理及びそれに関連する構成が上記実施形態と相違している。以下、図1008を参照して、本実施形態における特徴的な構成を上記実施形態との相違点を中心に説明する。図1008(a)は、当選役名称と当選役番号との関係を示す図、図1008(b)は種別番号の変換態様を示す図である。なお、上記実施形態と同様の構成については基本的に説明を省略する。
本変形例においては、通常遊技用役抽選テーブルによって規定されているインデックス値IVと当選役との関係が上記実施形態から一部変更されている。具体的には、図1008(a)に示すように、本変形例における通常遊技用役抽選テーブルについては、インデックス値IV=「1」である場合の当選役は通常リプA、インデックス値IV=「2」である場合の当選役は通常リプB、インデックス値IV=「3」である場合の当選役は通常リプC、インデックス値IV=「4」である場合の当選役はチャンス目A、インデックス値IV=「5」である場合の当選役はスイカ、インデックス値IV=「6」である場合の当選役はチャンス目B、インデックス値IV=「7」である場合の当選役はチェリーA、インデックス値IV=「8」である場合の当選役はチェリーBとなるようにインデックス値IVと当選役との関係が規定されている。なお、他のインデックス値IVと当選役との関係については上記実施形態(図951等参照)と同様となっているため説明を省略する。
このようにインデックス値IVと当選役との関係を変更することで、疑似特定役に相関のある当選役であるスイカ、チャンス目B、チェリーA、チェリーBの間に疑似特定役に相関の無い他の当選役が割込まない構成が実現されている。そして、当選役がスイカの場合の当選役番号=「5」、当選役がチャンス目Bの場合の当選役番号=「6」、当選役がチェリーAの場合の当選役番号=「7」、当選役がチェリーBの場合の当選役番号=「8」となっており、疑似特定役に相関のある各当選役の当選役番号が「5」~「8」の連番となっている。
次に、図1008(b)を参照して、疑似特定役に対応する種別番号について補足説明する。種別番号については、上記実施形態と同様に、疑似特定役がスイカである場合の種別番号=「1」、疑似特定役がチャンス目である場合の種別番号=「2」、疑似特定役がチェリーAである場合の種別番号=「3」、疑似特定役がチェリーBである場合の種別番号=「4」となっている。これら疑似特定役の並び順については上述した特定役の並び順と一致しており、種別番号についても「1」~「4」の連番となっている。
これにより、スイカに対応した当選役番号と種別番号との差、チャンス目に対応した当選役番号と種別番号との差、チェリーAに対応した当選役番号と種別番号との差、チェリーBに対応した当選役番号と種別番号との差は、何れも同一(本実施形態では4)となっている。
上記実施形態では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aに記憶された種別番号変換テーブルを参照して、種別番号を当選役番号(特定役)に対応づけられた番号に変換する構成とした。このような変換については、各当選役番号と各種別番号との間に一定の関係性がない場合には有用である。これに対して、本変形例に示すように、当選役番号と種別番号と間に一定の関係性が生じるように工夫した場合には、種別番号変換テーブルを用いずとも種別番号の変換を容易に実行することができる。
具体的には、本変形例における種別番号の変換処理(図998のステップSk2601参照)においては、今回の種別番号に上記差(具体的には4)を加算することで種別番号の変換が完了する。例えば、種別番号が「1」である場合には4を加算して「5」に変換し、種別番号が「2」である場合には4を加算して「6」に変換し、種別番号が「3」である場合には4を加算して「7」に変換し、種別番号が「4」である場合には4を加算して「8」に変換する。
このように種別番号の変換処理を行う場合に種別番号変換テーブルの取得が不要な構成を実現すれば、処理負荷の軽減及び処理速度の向上を図り、疑似遊技への移行機能を追加したことによって遊技進行の円滑さが低下するといった不都合を生じにくくすることができる。
<変形例18>
上記変形例17では、対応関係にある当選役番号と種別番号との差が何れも4となるように構成したが、対応関係にある当選役番号と種別番号との差が何れも一定となるように構成されているのであれば、具体的な差の数については任意に変更してもよい。
また、対応関係にある当選役番号と種別番号との差が何れも4となるように構成したが、対応関係にある当選役番号と種別番号との間に一定の関係性が設けられているのであれば足り、例えば当選役番号=種別番号×n(n=2,3,4・・・)とすることも可能である。このような構成においては、種別番号をn倍することで当該種別番号の変換を実現できる。
<変形例19>
上記実施形態では、ROM105に記憶されている変換テーブル(種別番号変換テーブル)を参照して、疑似特定役(種別番号)用の変換処理を実行する構成とした。本変形例では、当該変換を省略する工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図1009及び図1010を参照して、当該工夫について上記実施形態等との相違点を中心に説明する。図1009(a)は当選役名称と当選役番号との関係を示す図、図1009(b)は疑似当選役名称と種別番号との関係を示す図、図1010(a)は通常遊技における情報の動きを示す概略図、図1010(b)は疑似遊技における情報の動きを示す概略図である。なお、上記実施形態等と同様の構成については基本的に説明を省略する。
本変形例においては、通常遊技用役抽選テーブルによって規定されているインデックス値IVと当選役との関係が上記実施形態から一部変更されている。具体的には、図1009(a)に示すように、通常遊技用役抽選テーブルは、インデックス値IV=「1」である場合の当選役はスイカ、インデックス値IV=「2」である場合の当選役はチャンス目B、インデックス値IV=「3」である場合の当選役はチェリーA、インデックス値IV=「4」である場合の当選役はチェリーB、インデックス値IV=「5」である場合の当選役はチャンス目A、インデックス値IV=「6」である場合の当選役は通常リプA、インデックス値IV=「7」である場合の当選役は通常リプB、インデックス値IV=「8」である場合の当選役は通常リプCとなるようにインデックス値IVと当選役との関係が規定されている。なお、他のインデックス値IVと当選役との関係については上記実施形態(図951等参照)と同様となっているため説明を省略する。
このようにインデックス値IVと当選役との関係を変更することで、疑似特定役に相関のある当選役であるスイカ、チャンス目B、チェリーA、チェリーBの間に疑似特定役に相関の無い他の当選役が割込まない構成が実現されている。そして、当選役がスイカの場合の当選役番号=「1」、当選役がチャンス目Bの場合の当選役番号=「2」、当選役がチェリーAの場合の当選役番号=「3」、当選役がチェリーBの場合の当選役番号=「4」となっており、疑似特定役に相関のある各当選役の当選役番号が「1」から始まる連番となっている。
次に、図1009(b)を参照して、疑似特定役に対応する種別番号について補足説明する。種別番号については、上記実施形態と同様に、疑似特定役がスイカである場合の種別番号=「1」、疑似特定役がチャンス目である場合の種別番号=「2」、疑似特定役がチェリーAである場合の種別番号=「3」、疑似特定役がチェリーBである場合の種別番号=「4」となっている。これら疑似特定役の並び順については上述した特定役の並び順と一致しており、種別番号についても「1」から始まる連番となっている。
つまり、本変形例においては、種別番号が対応関係にある特定役の当選役番号と一致している。これにより、種別番号の変換が不要となっている。図1010の概略図に示すように、疑似遊技用の抽選処理にて決定された種別番号は、通常遊技用の抽選処理にて決定された当選役番号と同様に、変換処理を経由することなくRAM106の当選役番号記憶エリアに記憶される。
このように、種別番号の変換処理が不要な構成を実現すれば、処理負荷の軽減及び処理速度の向上を図り、疑似遊技への移行機能を追加したことによって遊技進行の円滑さが低下するといった不都合を生じにくくすることができる。
<変形例20>
本変形例では、疑似遊技における上乗せのメリハリを強化しつつ、それに起因した制御負荷の増加を抑制する工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、主制御装置101の基本構成について補足説明した後、上記実施形態との相違点を中心に上記工夫について説明する。なお、上記実施形態と共通の構成については基本的に説明を省略する。
図1011に示すように、主制御装置101のCPU102には、ROM105から制御プログラム(命令)を読み出し、読み出した制御プログラムを解読する制御部102aと、その解読結果(制御情報)に基づいて数値演算や論理演算を行う演算部102bと、解読結果、演算結果、メインメモリを構成するROM105及びRAM106から取り込んだ各種データ等を記憶する内部メモリ102c(レジスタ)と、メインメモリと通信するための通信手段である外部バスインターフェース102dとが設けられている。内部メモリ102cについては、メインメモリ(特にRAM106)と比べて記憶容量は小さいものの当該メインメモリと比べて情報へのアクセス速度は高い。
ROM105の各種プログラム記憶エリア105bには、各種制御に関する制御プログラムが個別に記憶されており、CPU102にて例えば通常処理(図949参照)やタイマ割込み処理(図948参照)を実行する場合には、ROM105の各種プログラム記憶エリア105bから制御の進行に応じて各種制御プログラムを順次読み出して解読し、解読結果(制御情報)を内部メモリ102cに記憶する。また、制御の進行に応じて必要になった各種テーブルを各種テーブル記憶エリア105aから読み出して内部メモリ102cに記憶したり、RAM106に記憶されているデータを随時読み出して内部メモリ102cに記憶したりする。内部メモリ102cに記憶された情報に基づいて各種演算を行った後は、当該演算結果が内部メモリ102cやRAM106に記憶されることとなる。
ここで、図1012を参照して、ATモード中の通常遊技にて上乗せ抽選が実行されるまでの制御の流れ及びATモード中の疑似遊技にて上乗せ抽選が実行されるまでの制御の流れについて説明する。図1012(a)はATモード中の通常遊技にて上乗せ抽選が実行されるまでの制御の流れの概要を示した概略図、図1012(b)はATモード中の疑似遊技にて上乗せ抽選が実行されるまでの制御の流れの概要を示した概略図である。
図1012(a)に示すように、通常遊技においては、役の抽選によって当選役番号を決定する。この役の抽選に際しては、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている通常遊技用役抽選テーブルを読み出して内部メモリ102cに役抽選テーブル情報として記憶するとともにRAM106から通常遊技用役抽選乱数の値を読み出して乱数情報として内部メモリ102cに記憶する。そして、内部メモリ102cに記憶された役抽選テーブル情報及び乱数情報に基づいて当選役番号を決定し、決定した当選役番号をRAM106に出力する。出力された当選役番号は、RAM106の当選役番号記憶エリアに記憶される。なお、内部メモリ102cに記憶された役抽選テーブル情報及び乱数情報については、当該役の抽選が終了した際に消去される。
当選役番号を決定した後は、当該当選役番号を上乗せ抽選に使用される上乗せ抽選番号に変換する。当選役番号については「1」~「24」の何れかの番号であるのに対して、上乗せ抽選番号は「1」~「12」の何れかの番号であり、この変換によって上乗せ抽選用の情報がスリム化される。この変換に際しては、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている上乗せ抽選番号用変換テーブルを読み出して内部メモリ102cに変換テーブル情報として記憶するとともにRAM106の当選役番号記憶エリアに記憶されている番号(当選役番号)を読み出して内部メモリ102cに当選番号情報として記憶する。そして、内部メモリ102cに記憶された変換テーブル情報及び当選番号情報に基づいて上乗せ抽選番号を決定し、決定した上乗せ抽選番号をRAM106に出力する。出力された上乗せ抽選番号は、RAM106の上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶される。なお、内部メモリ102cに記憶された変換テーブル情報及び当選番号情報については、当該変換が終了した際に消去される。
その後は、現在のATモードに応じて上乗せ抽選を実行する。この上乗せ抽選に際しては、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている各種上乗せ抽選テーブル(第1ATモード用の上乗せ抽選テーブル、第2ATモード用の上乗せ抽選テーブル、特化ゾーン用の上乗せ抽選テーブル)のうち現在のATモードに対応するものを読み出して内部メモリ102cに上乗せ抽選テーブル情報として記憶し、RAM106から上乗せ抽選番号を読み出して上乗せ抽選番号情報として内部メモリ102cに記憶するとともにRAM106から上乗せ抽選乱数の値を読み出して乱数情報として内部メモリ102cに記憶する。そして、内部メモリ102cに記憶された上乗せ抽選テーブル情報、上乗せ抽選番号情報、乱数情報に基づいて上乗せ抽選を実行する。上乗せ抽選の結果についてはRAM106に出力され、出力された上乗せ抽選の結果(上乗せゲーム数)に基づいてRAM106のATゲーム数カウンタが更新(加算)される。なお、内部メモリ102cに記憶された上乗せ抽選テーブル情報、上乗せ抽選番号情報、乱数情報については、当該上乗せ抽選が終了した際に消去される。
因みに、上述した役の抽選と番号の変換とが続けて実行される場合には、当選役番号をRAM106側だけでなく内部メモリ102c側でも両処理を跨ぐようにして保持する構成とすることも可能である。また、上述した番号の変換と上乗せ抽選とが続けて実行される場合には、上乗せ抽選番号をRAM106側だけでなく内部メモリ102c側でも両処理を跨ぐようにして保持する構成とすることも可能である。
次に、図1012(b)を参照して、疑似遊技にて上乗せ抽選が実行されるまでの制御の流れについて説明する。
疑似遊技においては、種別抽選によって種別番号を決定する。この種別抽選に際しては、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている疑似遊技用種別抽選テーブルを読み出して内部メモリ102cに種別抽選テーブル情報として記憶するとともにRAM106から疑似遊技用種別抽選乱数の値を読み出して乱数情報として内部メモリ102cに記憶する。そして、内部メモリ102cに記憶された種別抽選テーブル情報及び乱数情報に基づいて種別番号を決定し、決定した種別番号をRAM106に出力する。出力された種別番号は、RAM106のバッファ106fに記憶される。なお、内部メモリ102cに記憶された種別抽選テーブル情報及び乱数情報については、当該種別抽選が終了した際に消去される。
ここで、上記実施形態では、疑似遊技の抽選結果(くじの結果)として特定役を模した疑似特定役であるスイカ、チャンス目、チェリーA、チェリーBを設けたが、本変形例では疑似遊技の抽選結果として種別A、種別B、種別C、種別Dを設けている。疑似遊技用種別抽選テーブルについては、疑似遊技用種別抽選乱数カウンタから取得した乱数値が「0」~「40」である場合には抽選結果=種別Aとなり、乱数値が「41」~「66」である場合には抽選結果=種別Bとなり、乱数値が「67」~「107」である場合には抽選結果=種別Cとなり、乱数値が「108」~「127」である場合には抽選結果=種別Dとなるように規定されている(図1013参照)。これら抽選結果(種別A~種別D)にはそれらを識別する識別番号として種別番号が対応付けられている。具体的には、種別Aには種別番号「1」、種別Bには種別番号「2」、種別Cには種別番号「3」、種別Dには種別番号「4」が対応付けられている。
種別番号を決定した後は、当該種別番号を当選役番号に対応付けられた番号に変換する。この変換に際しては、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている種別番号変換テーブルを読み出して内部メモリ102cに変換テーブル情報として記憶するとともにRAM106から種別番号を読み出して内部メモリ102cに種別番号情報として記憶する。そして、内部メモリ102cに記憶された変換テーブル情報及び種別番号情報に基づいて種別番号を変換する。
本変形例では、ATモード毎に種別番号変換用テーブルが設けられている。具体的には、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aには、第1ATモード用の種別番号変換テーブル(以下、第1ATモード用変換テーブルという)と、第2ATモード用の種別番号変換テーブル(以下、第2ATモード用変換テーブルという)と、特化ゾーン用の種別番号変換テーブル(以下、特化ゾーン用変換テーブルという)とが記憶されている。
第1ATモード中のゲームにて疑似遊技へ移行する場合には、第1ATモード用変換テーブルを参照して種別番号を変換する。この第1ATモード用変換テーブルについては、種別番号「1」がスイカに対応付けられた当選役番号と同じ番号である「4」に変換され、種別番号「2」がチャンス目に対応付けられた当選役番号と同じ番号である「6」に変換され、種別番号「3」がチェリーAに対応付けられた当選役番号と同じ番号である「7」に変換され、種別番号「4」がチェリーBに対応付けられた当選役番号と同じ番号である「8」に変換されるように規定されている(図1014参照)。
第2ATモード中のゲームにて疑似遊技へ移行する場合には、第2ATモード用変換テーブルを参照して種別番号を変換する。この第2ATモード用変換テーブルについては、種別番号「1」及び当選番号「2」がチャンス目に対応付けられた当選役番号と同じ番号である「6」に変換され、種別番号「3」がチェリーAに対応付けられた当選役番号と同じ番号である「7」に変換され、種別番号「4」がチェリーBに対応付けられた当選役番号と同じ番号である「8」に変換されるように規定されている(図1014参照)。つまり、種別Aが種別Bと同様にチャンス目の扱いとなるため、第1ATテーブルよりも上乗せ抽選が優遇されやすい構成が実現されている。
第3ATモード中のゲームにて疑似遊技へ移行する場合には、第3ATモード用変換テーブルを参照して種別番号を変換する。この第3ATモード用変換テーブルについては、種別番号「1」及び種別番号「2」がチャンス目に対応付けられた当選役番号と同じ番号である「6」に変換され、種別番号「3」及び種別番号「4」がチェリーBに対応付けられた当選役番号と同じ番号である「8」に変換されるように規定されている(図1014参照)。つまり、種別Aが種別Bと同様にチャンス目の扱いとなり、種別Cが種別Dと同様にチェリーBの扱いとなるため、第1ATテーブル及び第2ATテーブルよりも上乗せ抽選が優遇されやすい構成が実現されている。
第1ATモード用変換テーブル、第2ATモード用変換テーブル、特化ゾーン用変換テーブルを用いて変換された種別番号についてはRAM106に出力され、出力された種別番号は、RAM106の当選役番号記憶エリアに記憶される。なお、内部メモリ102cに記憶された変換テーブル情報及び種別番号情報については、当該変換が終了した際に消去される。
種別番号を当選役番号に対応付けられた番号に変換した後は、当該番号(当選役番号記憶エリアに記憶されている番号)を上乗せ抽選に使用される上乗せ抽選番号に変換する。この変換に際しては、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている上乗せ抽選番号用変換テーブルを読み出して内部メモリ102cに変換テーブル情報として記憶するとともにRAM106の当選役番号記憶エリアに記憶されている番号(変換後の種別番号)を読み出して内部メモリ102cに当選番号情報として記憶する。そして、内部メモリ102cに記憶された変換テーブル情報及び当選番号情報に基づいて上乗せ抽選番号を決定し、決定した上乗せ抽選番号をRAM106に出力する。出力された上乗せ抽選番号は、RAM106の上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶される。なお、内部メモリ102cに記憶された変換テーブル情報及び当選番号情報については、当該変換が終了した際に消去される。
その後は、通常遊技の場合と同様に、現在のATモードに応じて上乗せ抽選を実行する。この上乗せ抽選に際しては、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている各種上乗せ抽選テーブル(第1ATモード用上乗せ抽選テーブル、第2ATモード用上乗せ抽選テーブル、特化ゾーン用上乗せ抽選テーブル)のうち現在のATモードに対応するものを読み出して内部メモリ102cに上乗せ抽選テーブル情報として記憶し、RAM106から上乗せ抽選番号を読み出して上乗せ抽選番号情報として内部メモリ102cに記憶するとともにRAM106から上乗せ抽選乱数の値を読み出して乱数情報として内部メモリ102cに記憶する。そして、内部メモリ102cに記憶された上乗せ抽選テーブル情報、上乗せ抽選番号情報、乱数情報に基づいて上乗せ抽選を実行する。上乗せ抽選テーブルについては、通常遊技と疑似遊技とで共通となっており且つ第1ATモード用の上乗せ抽選テーブル < 第2ATモード用の上乗せ抽選テーブル < 特化ゾーン用の上乗せ抽選テーブルの順に上乗せが優遇されているのは上記実施形態と同様である。
何れの上乗せ抽選テーブルについても、チャンス目やチェリーBに係る上乗せ抽選がスイカやチェリーAに係る上乗せ抽選よりも優遇されている。上記第2ATモード用変換テーブルについてはチャンス目となる確率が引き上げられることで上乗せ確率及び上乗せゲーム数が優遇され、上記特化ゾーン用変換テーブルについてはチェリーBとなる確率が引き上げられることで上乗せ確率及び上乗せゲーム数が優遇される。このような構成により、ATモードが上位になるほど、通常遊技の上乗せ抽選に対する疑似遊技の上乗せ抽選の優遇度合いが大きくなる。
上乗せ抽選の結果についてはRAM106に出力され、出力された上乗せ抽選の結果(上乗せゲーム数)に基づいてRAM106のATゲーム数カウンタが更新(加算)される。なお、内部メモリ102cに記憶された上乗せ抽選テーブル情報、上乗せ抽選番号情報、乱数情報については、当該上乗せ抽選が終了した際に消去されることとなる。
因みに、上述した種別の抽選と種別番号変換テーブルを用いた種別番号の変換とが続けて実行される場合には、種別番号を内部メモリ102cにて両処理を跨ぐようにして保持する構成とすることも可能である。また、種別番号変換テーブルを用いた種別番号の変換と上乗せ抽選番号への変換とが続けて実行される場合には、種別番号変換テーブルを用いて変換した種別番号を内部メモリ102cにて両処理を跨ぐようにして保持する構成とすることも可能である。更には、上乗せ抽選番号への変換と上乗せ抽選とが続けて実行される場合には、上乗せ抽選番号をRAM106だけでなく内部メモリ102c側でも両処理を跨ぐようにして保持する構成とすることも可能である。
ここで、図1015に示すように、例えばATモード毎に種別抽選テーブル(第1ATモード用種別抽選テーブル、第2ATモード用種別抽選テーブル、特化ゾーン用種別抽選テーブル)を設け、それらテーブル間で種別A~種別Dの振分確率に差を設ける構成とすれば、上述した優遇度合いの偏りを生じさせること自体は可能である。しかしながら、このような構成とした場合には、各テーブルを構成する情報量が過多となる。例えば、種別抽選テーブル毎に疑似遊技用種別抽選乱数の値である「1」~「127」に対応付けて種別A~種別D何れとなるかを規定する必要があるため情報量が多くなる。テーブルを構成する情報の量が多くなれば読み出し時間が長くなるだけでなく内部メモリ102cの空き容量を圧迫して他の情報の取り扱い係る制約が強くなる。このような事情から、本変形例に示したように、種別番号変換テーブルをATモード毎に設ける構成として、情報のスリム化を図ることには技術的意義がある。
<変形例21>
上記変形例20の実施形態に示した技術的思想と上記変形例17に示した技術的思想を組み合わせて、以下の構成とすることも可能である。すなわち、疑似遊技の抽選結果として種別A(種別番号「1」)及び種別B(種別番号「2」)の2つを設け、第1ATモード中に疑似遊技に移行する場合には種別番号に「5」を加算することで種別番号を当選役番号に対応付けられた番号に変換する構成とする。この場合、種別Aの種別番号は「1」→「6」(チャンス目に対応)に変換され、種別Bの種別番号は「2」→「7」(チェリーAに対応)に変換される。これに対して、第2ATモード又は特化ゾーン中に疑似遊技に移行する場合には種別番号に「6」を加算することで種別番号を当選役番号に対応付けられた番号に変換する構成とする。この場合、種別Aの種別番号は「1」→「7」(チェリーAに対応)に変換され、種別Bの種別番号は「2」→「8」(チェリーBに対応)に変換される。これにより、疑似遊技に係る上乗せの多様化を図りつつそれに起因した制御負荷等の増大を好適に抑制できる。
<変形例22>
上記変形例20では、ATモード毎に種別番号変換テーブルを設けたが、これに代えて又は加えて、疑似遊技に移行するゲームの通常遊技の当選役に応じて種別番号変換テーブルを設けてもよい。例えば、当選役=スイカの場合に参照する種別番号変換用テーブル、当選役=チャンス目の場合に参照する種別番号変換用テーブル、当選役=チェリーAの場合に参照する種別番号変換用テーブル、当選役=チェリーBの場合に参照する種別番号変換用テーブル、その他の場合に参照する種別番号変換用テーブルを各々設けてもよい。
<変形例23>
上記実施形態等にて説明したように、疑似遊技と通常遊技との併用によって遊技の多様化を実現することは遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。本変形例では、このような遊技の多様化を実現しつつ、疑似遊技が実行される際の制御負荷の更なる軽減を図る工夫がなされていることを特徴の1つとしている。具体的には、通常処理(図949参照)における通常遊技用の抽選処理と疑似遊技用の抽選処理とを統合して抽選テーブルや変換テーブルの読み出し→記憶→消去の機会を減らすことにより制御負荷を軽減していることを特徴の1つとしている。以下、図1016を参照し、変形例20との相違点を中心に上記工夫について説明する。図1016(a)は対比例として変形例20における制御の流れの概要を示した概略図、図1016(b)は本実施形態における制御の流れの概要を示した概略図である。なお、変形例20と共通の構成について説明を省略する。
疑似遊技へ移行するゲームにおいては、図1016(b)に示すように、通常遊技に係る役の抽選によって当選役番号を決定する。この役の抽選に際しては、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている通常遊技用役抽選テーブルを読み出して内部メモリ102cに役抽選テーブル情報として記憶するとともに通常遊技用役抽選乱数カウンタの値を乱数情報として内部メモリ102cに記憶する。そして、内部メモリ102cに記憶された役抽選テーブル情報及び乱数情報に基づいて当選役番号を決定し、決定した当選役番号をRAM106に出力する。出力された当選役番号は、RAM106の当選役番号記憶エリアに記憶される。なお、内部メモリ102cに記憶された役抽選テーブル情報及び乱数情報については、当該役の抽選が終了した際に消去される。
次に、疑似遊技に係る種別抽選によって種別番号を決定する。この種別抽選に際しては、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている疑似遊技用種別抽選テーブルを読み出して内部メモリ102cに種別抽選テーブル情報として記憶するとともに疑似遊技用種別抽選乱数カウンタの値を乱数情報として内部メモリ102cに記憶する。そして、内部メモリ102cに記憶された種別抽選テーブル情報及び乱数情報に基づいて種別番号を決定し、決定した種別番号をRAM106に出力する。出力された種別番号は、RAM106のバッファ106fに記憶される。なお、内部メモリ102cに記憶された種別抽選テーブル情報及び乱数情報については、当該種別抽選が終了した際に消去される。
種別番号を決定した後は、当該種別番号を当選役番号に対応付けられた番号に変換する。この変換に際しては、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている種別番号変換テーブルを読み出して内部メモリ102cに変換テーブル情報として記憶するとともにRAM106から種別番号を読み出して内部メモリ102cに種別番号情報として記憶する。そして、内部メモリ102cに記憶された変換テーブル情報及び種別番号情報に基づいて種別番号を変換する。
種別番号変換テーブルを用いて変換された種別番号についてはRAM106に出力され、出力された種別番号はRAM106の当選役番号記憶エリアに記憶される。この際、当選役番号記憶エリアに記憶されている番号(通常遊技に係る当選役番号)についてはRAM106に設けられた当選役番号用の一時退避エリアに退避される。なお、内部メモリ102cに記憶された変換テーブル情報及び種別番号情報については、当該変換が終了した際に消去されることとなる。
次に、当選役番号用の一時退避エリアに退避されている番号(当選役番号)と当選役番号記憶エリアに記憶されている番号(変換後の種別番号)とを上乗せ抽選にて使用される上乗せ抽選番号に変換する。
この変換に際しては、先ずROM105の各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている上乗せ抽選番号用変換テーブルを読み出して内部メモリ102cに変換テーブル情報として記憶する。
次に、RAM106の当選役番号用一時退避エリアに記憶されている番号(当選役番号)を読み出して内部メモリ102cに当選番号情報として記憶する。そして、内部メモリ102cに記憶された変換テーブル情報及び当選番号情報に基づいて上乗せ抽選番号を決定し、決定した上乗せ抽選番号をRAM106に出力する。出力された上乗せ抽選番号は、RAM106の第1上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶される。内部メモリ102cに記憶された当選番号情報については当該変換が終了した際に消去される。これに対して、変換テーブル情報については消去されず、記憶されたままとなる(保持される)。
その後、RAM106の当選役番号記憶エリアに記憶されている番号(変換後の種別番号)を読み出して内部メモリ102cに当選番号情報として記憶する。そして、内部メモリ102cにて保持されている変換テーブル情報及び当選番号情報に基づいて上乗せ抽選番号を決定し、決定した上乗せ抽選番号をRAM106に出力する。出力された上乗せ抽選番号は、RAM106の第2上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶される。内部メモリ102cに記憶された当選番号情報及び変換テーブル情報については当該変換が終了した際に消去される。
上乗せ抽選番号への変換を終えた後は、現在のATモードに応じて上乗せ抽選を実行する。この上乗せ抽選に際しては、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている各種上乗せ抽選テーブル(第1ATモード用の上乗せ抽選テーブル、第2ATモード用の上乗せ抽選テーブル、特化ゾーン用の上乗せ抽選テーブル)のうち現在のATモードに対応するものを読み出して内部メモリ102cに上乗せ抽選テーブル情報として記憶する。
なお、本変形例では、上記実施形態等に示した上乗せ抽選テーブル(上乗せの可否を決定するためのテーブル)に、上乗せゲーム数を決定するための上乗せゲーム数テーブルが統合されている。つまり、上乗せ抽選テーブルを参照して、上乗せの可否及び上乗せゲーム数が決定される構成となっている。このような構成を実現する上では、例えば、上乗せゲーム数が「0」となる判定結果を上乗せ抽選における非当選(外れ)として取り扱うとよい。
次に、RAM106の第1上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶されている上乗せ抽選番号(通常遊技に係る上乗せ抽選番号)を読み出して上乗せ抽選番号情報として内部メモリ102cに記憶するとともにRAM106から上乗せ抽選乱数の値を読み出して乱数情報として内部メモリ102cに記憶する。そして、内部メモリ102cに記憶された上乗せ抽選テーブル情報、上乗せ抽選番号情報、乱数情報に基づいて上乗せ抽選を実行する。上乗せ抽選の結果についてはRAM106に出力され、出力された上乗せ抽選の結果(上乗せゲーム数)に基づいてRAM106のATゲーム数カウンタが更新(加算)される。なお、内部メモリ102cに記憶された上乗せ抽選番号情報及び乱数情報については、当該上乗せ抽選が終了した際に消去される。これに対して、内部メモリ102cに記憶されている上乗せ抽選テーブル情報については消去されることなく記憶されたままとなる(保持される)。
その後は、RAM106の第2上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶されている上乗せ抽選番号(疑似遊技に係る上乗せ抽選番号)を読み出して上乗せ抽選番号情報として内部メモリ102cに記憶するとともにRAM106から上乗せ抽選乱数の値を読み出して乱数情報として内部メモリ102cに記憶する。そして、内部メモリ102cに記憶された上乗せ抽選テーブル情報、上乗せ抽選番号情報、乱数情報に基づいて上乗せ抽選を実行する。上乗せ抽選の結果についてはRAM106に出力され、出力された上乗せ抽選の結果(上乗せゲーム数)に基づいてRAM106のATゲーム数カウンタが更新(加算)される。なお、内部メモリ102cに記憶された上乗せ抽選番号情報及び乱数情報については、当該上乗せ抽選が終了した際に消去される。また、内部メモリ102cに記憶されている上乗せ抽選テーブル情報についても消去される。
通常遊技における役の抽選結果(当選役番号)及び疑似遊技における疑似特定役(種別)の抽選結果(種別番号)が何れも上乗せ抽選番号用変換テーブルに基づいて上乗せ抽選番号に変換され、同上乗せ抽選番号に基づいて上乗せ抽選処理が実行される。つまり、上乗せ抽選番号への変換機能を用いて通常遊技に関する処理と疑似遊技関する処理との少なくとも一部を共通化することが可能となっている。ここで、上乗せ抽選番号用変換テーブルについては外部記憶領域(所謂メインメモリ)であるROM105から読み出されて制御部であるCPU102の内部メモリ102cに一時的に記憶されるが、ROM105からの各種情報(変換テーブルを含む)の読み出しにはある程度の時間が必要となる。遊技の多様化等を実現すべく抽選結果の種類を多く設定しようとした場合には、上乗せ抽選番号用変換テーブルの情報量も多くなり、上記時間が嵩むことになる。このため、通常遊技と疑似遊技とが短期間にまとめて実行される場合に上乗せ抽選番号用変換テーブルの読み出しが繰り返されることで制御負荷が大きく上昇すると想定される。これは、遊技の多様化を図りつつ遊技進行の円滑さを担保する上で好ましくない。
この点、本変形例に示した構成においては特に、疑似遊技が実行される場合には、当選役番号の変換に際してROM105から読み出されて内部メモリ102cに記憶された上乗せ抽選番号変換テーブルは、種別番号の変換が実行されるまで当該内部メモリ102cにて保持される。つまり、内部メモリ102cに記憶された上乗せ抽選番号用変換テーブルを参照して2つの変換の両方が実行される構成となっている。これにより、ROM105から当該上乗せ抽選番号用変換テーブルの読み出しが繰り返されることを回避し、上記不都合の発生を抑制できる。これにより、遊技の多様化に起因して遊技進行の円滑さが損なわれることを抑制し、遊技への注目度の向上を図る効果を好適に発揮させることが可能となる。
また疑似遊技が実行される場合には、当選役番号の上乗せ抽選番号への変換と種別番号の上乗せ抽選番号への変換とが続けて実行されるため、内部メモリ102cにて上乗せ抽選番号用変換テーブルが保持される期間が過度に長くなることを抑制できる。このようにして当該上乗せ抽選番号用変換テーブルによって内部メモリ102cの空き容量が圧迫される期間を極力短くすることは、他の処理との共存を図る上で好ましい。
なお、疑似遊技が実行されない場合には、通常遊技について当選役番号を上乗せ抽選番号に変換した直後に内部メモリ102cから上乗せ抽選番号用変換テーブルが消去される。このようにして内部メモリ102cの空き容量が速やかに解放される構成とすることは、他の処理との共存を図る上で好ましい。因みに、通常遊技では当該変換テーブルが速やかに消去される点に鑑みれば、疑似遊技が実行される場合には当該変換テーブルが内部メモリ102cに保持される期間が延長されるとも言える。
本変形例では、種別番号変換テーブルに基づく種別番号の変換(一次変換)と、上乗せ抽選番号用変換テーブルによる変換(二次変換)とが実行される。このように、種別番号の変換が一次変換と二次変換とで構成されている場合であっても、当選役番号の変換と共用となっている上乗せ抽選番号用変換テーブルを内部メモリ102cにて保持する構成とすることにより上述した各種効果を好適に発揮させることができる。
種別番号変換テーブルの情報量は、上乗せ抽選番号変換用テーブルの情報量よりも多くなっている。情報量が多い上乗せ抽選番号用変換テーブル(サイズ大)については情報量の少ない種別番号変換テーブル(サイズ小)と比べて読み出しに必要な期間が長くなる。このため、上乗せ抽選番号変換用テーブルの読み出しが短期間に繰り返された場合には、制御負荷が局所的に大きく上昇すると想定される。これは、CPU102の動作の安定性や円滑な遊技進行の妨げになると懸念される。スロットマシン等の遊技機においては特に、防犯や管理等の目的から制御装置の性能に制約があり、制御負荷の局所的な上昇を抑えることは、円滑な遊技進行を実現する上で重要となる。この点、本変形例では、情報量が多い上乗せ抽選番号変換用テーブルを内部メモリ102cにて保持し、当該上乗せ抽選番号変換用テーブルを読み出す機会を減らすことができるため、制御負荷を大幅に軽減可能となる。故に、CPU102の動作の安定化や円滑な遊技進行の実現に好適に寄与できる。
<変形例24>
RAM106に第1上乗せ抽選番号記憶エリアと第2上乗せ抽選番号記憶エリアとを設け、通常遊技及び疑似遊技に係る各上乗せ抽選番号を記憶する構成に代えて、上乗せ抽選を実行するまでそれら上乗せ抽選番号を内部メモリ102cにて保持する構成とすることも可能である。
<変形例25>
上記変形例23では、当選役番号を上乗せ抽選番号に変換した後に種別番号を上乗せ抽選番号に変換する構成としたが、種別番号を上乗せ抽選番号に変換した後に当選役番号を上乗せ抽選番号に変換する構成とすることも可能である。
<変形例26>
上記変形例23では、通常遊技に係る上乗せ抽選を実行した後に、疑似遊技に係る上乗せ抽選を実行する構成としたが、疑似遊技に係る上乗せ抽選を実行した後に、通常遊技に係る上乗せ抽選を実行する構成とすることも可能である。
<変形例27>
上記実施形態等と同様に、上乗せ抽選テーブルを参照して上乗せの可否を決定し、上乗せゲーム数テーブルを参照して上乗せゲーム数を決定する構成とすることも可能である。この場合、先ずROM105の各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを読み出して内部メモリ102cに記憶し、当該上乗せ抽選テーブルの情報を保持したまま通常遊技に係る上乗せ抽選及び疑似遊技に係る上乗せ抽選を実行し、当該上乗せ抽選テーブルの情報を消去し、次にROM105の各種テーブル記憶エリア105aから上乗せゲーム数テーブルを読み出して内部メモリ102cに記憶し、当該上乗せゲーム数テーブルの情報を保持したまま通常遊技に係る上乗せゲーム数抽選及び疑似遊技に係る上乗せゲーム数抽選を実行する構成とするとよい。
<変形例28>
上記変形例23においては、上乗せ抽選番号用変換テーブルを保持する構成について説明したが、上乗せ抽選番号への変換を行う際には合わせて送信番号への変換も行われる。この変換においては送信番号変換用テーブルがROM105から読み出してCPU102の内部メモリ102cに記憶される。この送信番号用変換テーブルについても、当選役番号を送信番号に変換し且つ種別番号を送信番号に変換するまで内部メモリ102cにて保持する構成とするとよい。なお、上乗せ抽選番号への各変換と送信番号への各変換と実行順(何れを先に実行するか)については任意である。
<変形例29>
上記実施形態等では、通常遊技に係るAT上乗せ用処理と、疑似遊技に係るAT上乗せ用処理とに同一の制御プログラムを適用することにより、疑似遊技に係るプログラム量を軽減しROM105の記憶容量が圧迫されることを抑制した。本変形例では、プログラム量の圧縮に加えて、疑似遊技に移行するゲームにおける制御負荷の更なる軽減を図る工夫がなされていることを特徴の1つとしている。具体的には、通常遊技に係るAT上乗せ用処理と疑似遊技に係るAT上乗せ用処理とを一部統合し、CPU102のレジスタに読み込む各種テーブルをそれらテーブルの情報量とその後の制御の流れに基づいて保持/消去することにより、疑似遊技に移行するゲームにおける制御負荷が極端に大きくなることを抑制していることを特徴の1つとしている。以下、先ず当該工夫の前提となる構成について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成については適宜説明を省略する。
(テーブルの情報量)
先ず、上記実施形態では、AT上乗せ抽選にて参照する上乗せ抽選テーブルとして第1ATモード用の上乗せ抽選テーブル、第2ATモード用の上乗せ抽選テーブル、特化ゾーン用の上乗せ抽選テーブルが設けられていた一方、上乗せゲーム数テーブルについては第1ATモード、第2ATモード、特化ゾーン毎にて共通となっていた。これに対して、本変形例では、上乗せゲーム数テーブルについても、第1ATモード用の上乗せゲーム数テーブル、第2ATモード用の上乗せゲーム数テーブル、特化ゾーン用の上乗せゲーム数テーブルが設けられており、滞在中のATモードに応じて参照する上乗せゲーム数テーブルが選択される構成となっている点で上記実施形態と相違している。
本変形例においてはAT上乗せ用処理にて参照されるAT上乗せ抽選テーブルと上乗せゲーム数テーブルとでテーブルを構成している情報量に差がある。具体的には、上乗せゲーム数テーブルよりもAT上乗せ抽選テーブルの方がテーブルを構成する情報量が少なくなるように構成されている。より詳しくは、同一条件の最小単位のテーブル同士、言い換えれば内部メモリ102cに記憶される最小単位のテーブル同士を比較した場合には、上乗せゲーム数テーブルよりもAT上乗せ抽選テーブルの方がテーブルを構成する情報量が少なくなっている。すなわち、第1ATモード用の上乗せ抽選テーブルの情報量は第1ATモード用の上乗せゲーム数テーブルの情報量よりも少なく、第2ATモード用の上乗せ抽選テーブルの情報量は第2ATモード用の上乗せゲーム数テーブルの情報量よりも少なく、特化ゾーン用の上乗せ抽選テーブルの情報量は特化ゾーン用の上乗せゲーム数テーブルの情報量よりも少なくなっている。
情報量が少ないテーブルと多いテーブルとを比較した場合に、情報量が少ないものについてはテーブルを読み込んで内部メモリ102cにて保持したとしも内部メモリ102cの空き容量を大きく圧迫する可能性は低くなる。上記実施形態等に示したように、本スロットマシン10は、AT上乗せ用処理を実行している場合であっても、タイマ割込み処理(図948参照)の割込みが適宜発生するため、内部メモリ102cの空き容量が小さくなることは円滑な処理の妨げになるため好ましくない。そこで、内部メモリ102cの空き容量の圧迫を抑えつつテーブルの読み込みによる制御負荷を軽減すべく、本変形例では、ATモード用処理において参照される上記2つのテーブルのうち情報量が相対的に少ないテーブルである上乗せ抽選用テーブルを通常遊技に係る上乗せ抽選と疑似遊技に係る上乗せ抽選とを実行する間は保持しつつ、情報量が相対的に多いテーブルである上乗せゲーム数テーブルを通常遊技に係るゲーム数抽選及び疑似遊技に係るゲーム数抽選の都度読み込む構成とすることにより、AT上乗せ処理を含む通常処理とタイマ割込み処理とを好適に共存させることが可能となっている。
ここで、図1017のフローチャートを参照して、本変形例における特徴的な構成であるAT上乗せ用処理(ステップSk2308)について上記実施形態との相違点を中心に説明する。
(AT上乗せ用処理)
AT上乗せ用処理においては先ず、ステップSk3001にて、今回の抽選結果を簡易的に示す抽選番号(以下便宜上、上乗せ抽選番号ともいう)を把握する。具体的には、RAM106の上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶されている番号(上乗せ抽選番号)を読み出して内部メモリ102cに記憶する。
続くステップSk3002ではRAM106の各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーンフラグが格納されているか否かを判定する。特化ゾーンフラグがセットされていない場合には、ステップSk3003にて第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。
第2ATモードフラグがセットされておらず、第1ATモードへの移行が確定している状況や第1ATモード中である場合、又はATモード移行抽選に当選した後、未だATモードの種別の決定(AT種別決定処理)が行われていない状況である場合には、ステップSk3004にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから第1ATモード用の上乗せ抽選テーブル(以下、第1AT用上乗せ抽選テーブルという)を読み出して、内部メモリ102cに記憶する。
第2ATモードフラグがセットされており、第2ATモードへの移行が確定している状況又は第2ATモード中である場合には、ステップSk3005にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから第2ATモード用の上乗せ抽選テーブル(以下、第2AT用上乗せ抽選テーブルという)を読み出して、内部メモリ102cに記憶する。
特化ゾーンフラグがセットされている場合には、ステップSk3006にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから特化ゾーン用の上乗せ抽選テーブル(以下、特化ゾーン用上乗せ抽選テーブルという)を読み出して、内部メモリ102cに記憶する。
ステップSk3004~ステップSk3006にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSk3007にて上乗せ抽選を実行し、ステップSk3008にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。この上乗せ抽選においては、上乗せ抽選乱数カウンタの値(乱数値)を読み出して内部メモリ102cに記憶し、当該乱数値と内部メモリ102cに記憶されている上乗せ抽選テーブルとに基づいて上乗せを発生させるか否かを決定する。上乗せ抽選に当選した場合には、ステップSk3009~ステップSk3013にて上乗せゲーム数テーブルを取得する処理を行う。本実施形態では、内部メモリ102cに記憶された上乗せ抽選テーブルを保持したまま、上乗せゲーム数テーブルが取得される。
上乗せゲーム数テーブルの取得に際しては、ステップSk3009にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーンフラグが格納されているか否かを判定する。特化ゾーンフラグがセットされていない場合には、ステップSk3010にて第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。
第2ATモードフラグがセットされておらず、第1ATモードへの移行が確定している状況や第1ATモード中である場合、又はATモード移行抽選に当選した後、未だATモードの種別の決定(AT種別決定処理)が行われていない状況である場合には、ステップSk3011にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから第1ATモード用の上乗せゲーム数テーブル(以下、第1AT用上乗せゲーム数テーブルという)を読み出して、内部メモリ102cに記憶する。
第2ATモードフラグがセットされており、第2ATモードへの移行が確定している状況又は第2ATモード中である場合には、ステップSk3012にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから第2ATモード用の上乗せゲーム数テーブル(以下、第2AT用上乗せゲーム数テーブルという)を読み出して、内部メモリ102cに記憶する。
特化ゾーンフラグがセットされている場合には、ステップSk3013にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから特化ゾーン用の上乗せゲーム数テーブル(以下、特化ゾーン用上乗せゲーム数テーブル)を読み出して、内部メモリ102cに記憶する。
ステップSk3011~ステップSk3013にて上乗せゲーム数テーブルを取得した後は、ステップSk3014にて上乗せゲーム数抽選を実行する。この上乗せゲーム数抽選においては、上乗せゲーム数抽選乱数カウンタの値(乱数値)を読み出して内部メモリ102cに記憶し、当該乱数値と内部メモリ102cに記憶されている上乗せゲーム数テーブルとに基づいて上乗せゲーム数を決定する。
ステップSk3014にて上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップSk3015にて各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。ATゲームカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。ステップSk3015の処理を実行した後は、ステップSk3016にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、上乗せが行われたことに対応する上乗せ報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。なお、内部メモリ102cに記憶された上乗せゲーム数テーブルは、上乗せゲーム数を決定した時点で消去される。
ステップSо116の処理を実行した後、又はステップSk3008にて否定判定をした場合(上乗せ抽選に非当選となった場合)には、ステップSk3017に進む。ステップSk3017では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに疑似遊技実行フラグがセットされているか否かを判定する。疑似遊技実行フラグがセットされていない場合には、そのまま本AT上乗せ用処理を終了する。この時点で、内部メモリ102cに保持されている上乗せ抽選テーブルが消去される。RAM106の各種フラグ格納エリア106dに疑似遊技実行フラグがセットされていない場合には、ステップSk3017にて否定判定して、ステップSk3018に進み、上乗せ抽選番号を取得する。
本変形例では、RAM106に上乗せ抽選番号記憶エリアが設けられている点では上記実施形態と同様であるが、この上乗せ抽選番号記憶エリアに加えて、当該上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶された通常遊技に係る上乗せ抽選番号を一時的に退避させるエリアとして上乗せ抽選番号用の一時退避エリアが設けられている点で上記実施形態と構成が相違している。上述した変形例23に示したように、本変形例においても、AT上乗せ用処理が実行される前に当選役番号及び種別番号の各番号を上乗せ抽選番号に変換する処理が実行される。そして、変換された上乗せ抽選番号については基本的に上記上乗せ抽選番号記憶エリアに記憶されるものの、疑似遊技に移行するゲームにおいては、通常遊技に係る上乗せ抽選番号が一時退避エリアに退避され、上乗せ抽選番号記憶エリアに疑似遊技に係る上乗せ抽選番号が記憶される構成となっている。
ステップSk3018では、RAM106の一時退避エリアに退避されている上乗せ抽選番号、すなわち通常遊技に係る上乗せ抽選番号を読み出して、内部メモリ102cに記憶する。続くステップSо119では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされている疑似遊技実行フラグを消去する。その後は、ステップSk3007の上乗せ抽選処理に戻り、再びステップSk3007~ステップSk3012の処理を実行する。すなわち、通常遊技に係る上乗せ抽選及びゲーム数抽選を実行する。
疑似遊技へ移行する遊技回においては、疑似遊技及び通常遊技にてATモードが共通となるように構成されており、通常遊技に係る上乗せ抽選と疑似遊技に係る上乗せ抽選とで上乗せ抽選テーブルを共用とする上でATモードの多様化が妨げになることを回避している。内部メモリ102cには先の上乗せ抽選(疑似遊技に係る上乗せ抽選)にて参照した上乗せ抽選テーブルが保持されたままとなっており、ステップSk3008では、上乗せ抽選乱数カウンタの値(乱数値)を読み出して内部メモリ102cに記憶し、当該乱数値と、内部メモリ102cにて保持されている上乗せ抽選テーブルと、通常遊技に係る上乗せ抽選番号とに基づいて、上乗せ抽選を実行する。つまり、今回の上乗せ抽選においては、上乗せ抽選テーブルの再取得が回避される構成となっている。
その後は、ステップSk3008にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に当選した場合には、ステップSk3009~ステップSk3013にて上乗せゲーム数テーブルを取得する処理を行う。上乗せゲーム数テーブルの取得に際しては、ステップSk3009にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーンフラグが格納されているか否かを判定する。特化ゾーンフラグがセットされていない場合には、ステップSk3010にて第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。
第2ATモードフラグがセットされておらず、第1ATモードへの移行が確定している状況や第1ATモード中である場合、又はATモード移行抽選に当選した後、未だATモードの種別の決定(AT種別決定処理)が行われていない状況である場合には、ステップSk3011にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから第1AT用上乗せゲーム数テーブルを読み出して、内部メモリ102cに記憶する。
第2ATモードフラグがセットされており、第2ATモードへの移行が確定している状況又は第2ATモード中である場合には、ステップSk3012にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから第2AT用上乗せゲーム数テーブルを読み出して、内部メモリ102cに記憶する。
特化ゾーンフラグがセットされている場合には、ステップSk3013にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから特化ゾーン用上乗せゲーム数テーブルを読み出して、内部メモリ102cに記憶する。
ステップSk3011~ステップSk3013にて上乗せゲーム数テーブルを取得した後は、ステップSk3014にて上乗せゲーム数抽選を実行する。この上乗せゲーム数抽選においては、上乗せゲーム数抽選乱数カウンタの値(乱数値)を読み出して内部メモリ102cに記憶し、当該乱数値と内部メモリ102cに記憶されている上乗せゲーム数テーブルとに基づいて上乗せゲーム数を決定する。
ステップSk3014にて上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップSk3015にて各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。ATゲームカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。ステップSk3015の処理を実行した後は、ステップSk3016にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、上乗せが行われたことに対応する上乗せ報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。なお、内部メモリ102cに記憶された上乗せゲーム数テーブルは、上乗せゲーム数を決定した時点で消去される。
ステップSо116の処理を実行した後、又はステップSk3008にて否定判定をした場合(上乗せ抽選に非当選となった場合)には、ステップSk3017に進む。ステップSk3017では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに疑似遊技実行フラグがセットされているか否かを判定する。疑似遊技実行フラグがセットされていない場合には、そのまま本AT上乗せ用処理を終了する。
本変形例に示し構成では、上乗せ抽選テーブル(「第1抽選テーブル」に相当)に基づいて上乗せ抽選(「第1抽選」に相当)が実行され、上乗せゲーム数テーブル(「第2抽選テーブル」に相当)に基づいて上乗せゲーム数抽選(「第2抽選」に相当)が実行される。ここで、上乗せ抽選テーブル及び上乗せゲーム数テーブルは何れも外部記憶領域(所謂メインメモリ)であるROM105から読み出してCPU102の内部メモリ102cに一時的に記憶される。そして、上乗せ抽選テーブル及び上乗せゲーム数テーブルのうち情報量の少ない上乗せ抽選テーブルが内部メモリ102cにて保持される期間が情報量の多い上乗せゲーム数テーブルが保持される期間よりも長くなる。上乗せ抽選テーブルを保持する期間が長くなることで、この期間中はROM105から当該上乗せ抽選テーブルを取得する必要がなくなる。つまり、ROM105から上乗せ抽選テーブルを読み出す機会を減らすことができる。これにより制御負荷を軽減することが可能となる。制御負荷を軽減することにより、複数の抽選手段を併用して遊技の多様化を実現することによる弊害(制御装置の動作速度や動作安定性の低下等)を抑え、遊技への注目度を向上させる効果を好適に発揮させることができる。
ここで、上乗せ抽選テーブル及び上乗せゲーム数テーブルのうち上乗せゲーム数テーブルを保持する期間を長くする構成としても制御負荷を軽減することは可能である。但し、上乗せゲーム数テーブルについては上乗せ抽選テーブルよりも情報量が多いため、当該上乗せゲーム数テーブルを内部メモリ102cに保持した場合には、当該内部メモリ102cの空き容量が圧迫されやすくなる。CPU102においては定期的にタイマ割込み処理が実行されるため、内部メモリ102cの空き容量が圧迫される点に配慮しようとすれば当該タイマ割込み処理の処理内容に係る制約が強くなると想定される。これは、遊技機の設計自由度を低下させる要因になるだけでなく、メイン処理とタイマ割込み処理との共存を難しくする要因になると懸念される。この点、本実施形態に示す構成については、情報量が少ない上乗せ抽選テーブルの保持期間を長くする構成であるため、当該上乗せ抽選テーブルを保持している場合であっても内部メモリ102cの空き容量の圧迫は生じにくい。つまり、制御負荷の軽減を図りつつメイン処理とタイマ割込み処理との共存を好適に実現できる。
なお、上乗せ抽選処理については必ず通常遊技及び疑似遊技の両方の処理で実行されるのに対して、上乗せゲーム数抽選については上乗せ抽選処理に当選した場合にのみ実行される。両方で参照されることが確かな上乗せ抽選テーブルを内部メモリ102cにて保持する構成とすることは無駄がない。
<変形例30>
上記変形例29では、同一条件の最小単位のテーブル同士、言い換えれば内部メモリ102cに記憶される最小単位のテーブル同士を比較した場合には、上乗せ抽選テーブルを構成する情報の量が、上乗せゲーム数テーブルを構成する情報の量よりも少ない場合について例示したが、上乗せ抽選テーブルを構成する情報の量が、上乗せゲーム数テーブルを構成する情報の量よりも多い構成を否定するものではない。この場合、情報量の多い上乗せ抽選テーブルを通常遊技に係る抽選と疑似遊技に係る抽選とに跨って保持することとなる。情報量の多いテーブルの読み込みの機会を減らすことにより、AT上乗せ用処理を実行する際のCPU102の制御負荷を軽減することができる。但し、このような構成とする場合には、AT上乗せ用処理中にタイマ割込み処理が割り込んだとしても、当該タイマ割込み処理が簡素であり同タイマ割込み処理自体の制御負荷が小さくなるように、言い換えれば内部メモリ102cにて確保すべき記憶領域が少なくなるように工夫することが望ましく、タイマ割込み処理の自由度が低下し得る。これは、スロットマシンの設計を困難にする要因になると想定される。このような事情に配慮する場合、例えばATモード中はタイマ割込み処理を一時的に禁止するといった対策を講じるとよい。
<変形例31>
上記変形例29に示したAT上乗せ用処理では、疑似遊技に係る抽選(上乗せ抽選や上乗せゲーム数抽選)→通常遊技に係る抽選(上乗せ抽選や上乗せゲーム数抽選)の順に処理を実行する構成としたが、これを変更し、通常遊技に係る抽選→疑似遊技に係る抽選の順に処理を実行する構成とすることも可能である。このような構成とする場合には、例えばAT上乗せ用処理の冒頭にて疑似遊技実行フラグの有無を確認し、疑似遊技実行フラグがセットされている場合には、RAM106の一時退避エリアから通常遊技に係る上乗せ抽選番号を取得して通常遊技に係る抽選を実行し、その後、RAM106の当選役番号記憶エリアから疑似遊技に係る上乗せ抽選番号を取得して疑似遊技に係る抽選を実行する構成とするとよい。
<変形例32>
上記変形例29に示したAT上乗せ用処理では、疑似遊技に係る上乗せ抽選に当選したか否かに関係なく内部メモリ102cにて通常遊技に係る上乗せ抽選が終了するまで上乗せ抽選テーブルを保持する構成としたが、疑似遊技に係る上乗せ抽選に非当選となった場合(すなわち当該疑似遊技に係る上乗せゲーム数の抽選を行わない場合)には内部メモリ102cにて通常遊技に係る上乗せ抽選が終了するまで上乗せ抽選テーブルを保持する一方、疑似遊技に係る上乗せ抽選に非当選となった場合(すなわち当該疑似遊技に係る上乗せゲーム数の抽選を行う場合)には上乗せゲーム数テーブルを読み込む前に内部メモリ102cに記憶されている上乗せ抽選テーブルを消去する構成、すなわち当該上乗せ抽選テーブルを保持しない構成とすることも可能である。
<変形例33>
上記変形例29では、疑似遊技に移行するゲームにて当該疑似遊技が1回のみ実行される構成としたが、これに限定されるものではなく、疑似遊技に移行するゲームにて当該疑似遊技が複数回実行される構成とすることも可能である。このような構成とする場合には、AT上乗せ用処理にて、上記複数回の疑似遊技に係る各上乗せ抽選及び通常遊技に係る上乗せ抽選が完了するまで、内部メモリ102cに記憶された上乗せ抽選テーブルを保持する構成とするよい。
<変形例34>
上乗せ抽選を実行した後は、上乗せゲーム数を決定する前(上乗せ抽選処理の直後)、詳しくは上乗せゲーム数テーブルを取得する前に、疑似遊技実行フラグの有無を確認し、当該疑似遊技移行フラグがセットされていない場合には内部メモリ102cに記憶されている上乗せ抽選テーブルを消去し、疑似遊技移行フラグがセットされている場合には内部メモリ102cに記憶されている上乗せ抽選テーブルを保持する構成としてもよい。
<変形例35>
第1AT用上乗せ抽選テーブル、第2AT用上乗せ抽選テーブル、特化ゾーン用上乗せ抽選テーブルの各上乗せ抽選テーブルを、何れも上乗せ抽選番号毎に設けられたテーブルの集合とし、ステップSk3004~ステップSk3006の各処理では、当該テーブル群の中から上乗せ抽選番号及びATモードに対応付けられた該当テーブルを読み出して内部メモリ102cに記憶する構成としてもよい。例えば、第1ATモード且つ上乗せ抽選番号「4」の場合には第1ATモード且つ上乗せ抽選番号「4」に対応したテーブルを読み出して記憶する構成としてもよい。このような構成とする場合には、疑似遊技に係る上乗せ抽選番号と通常遊技に係る上乗せ抽選番号とが一致する場合にのみ、内部メモリ102cに記憶されている上乗せ抽選テーブルを疑似遊技に係る上乗せ抽選と通常遊技に係る上乗せ抽選とに亘って保持する構成とするとよい。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)ATモード中においてのみ疑似遊技が発生し得る構成としたが、通常時やCZ時においても疑似遊技が発生し得る構成を否定するものではない。通常時に疑似遊技が発生する場合には当選した疑似特定役に応じてAT直撃抽選やCZ抽選を行い、CZ時に疑似遊技が発生する場合には当選した疑似特定役に応じてAT抽選を行う構成とするとよい。
(2)疑似遊技中の停止操作(仮停止操作)に基づいて対応するリールを仮停止させる構成としたが、これに限定されるものではない。疑似遊技への移行後は仮停止操作を不要とし、各リールを疑似特定役に対応する図柄組合せが仮停止表示されるように自動停止させる構成としてもよい。
また、疑似遊技中に停止操作(仮停止操作)がなされた場合の各リールの停止制御態様(滑り制御態様)については通常遊技における各リールの停止制御態様(滑り制御態様)と同様としたが、疑似遊技中の滑りコマ数については通常遊技中よりも多くして、何れのタイミングで仮停止操作が行われた場合であっても疑似特定役に対応する所定の図柄組合せが仮停止表示されるように、通常遊技における各リールの停止制御態様とは相違させてもよい。
(3)疑似遊技に係る疑似特定役毎の上乗せ抽選態様及び仮停止態様(仮停止出目)の関係を通常遊技における各特定役の抽選態様及び停止態様(停止出目)の関係に合せる構成としたが、必ずしも疑似遊技に係る当選結果の種別については特定役に合せる必要はない。例えば、疑似遊技に係る当選結果の種別として種別A~種別Dを設け、種別Aの種別番号「1」については、変換によって「スイカ」に対応する番号「4」となるものの、仮停止出目については「スイカ」に対応する出目にならない構成としたり、種別Bの種別番号「2」については、変換によって「チャンス目B」に対応する番号「6」となるものの、停止出目については「チャンス目B」に対応する出目にならない構成としたりすることも可能である。また、種別Aの種別番号「1」については、変換によって「チャンス目B」に対応する番号「6」となるものの、仮停止出目については「チャンス目」に対応する出目にならない構成としたり、種別Bの種別番号「2」については、変換によって「チャンス目B」に対応する番号「6」となるものの、停止出目については「チャンス目B」に対応する出目にならない構成としたりすることも可能である。
(4)当選した疑似特定役に応じて仮停止出目(仮停止させる図柄組合せ)を相違させる構成としたが、これを以下の構成に変更してもよい。すなわち、当選した疑似特定役に関係なく仮停止出目を同一とする構成とすることも可能である。例えば、疑似遊技に係る当選結果の種別として種別A~種別Dを設け、それら種別A~種別Dについては上乗せ抽選に有利度の差はあるものの、何れも仮停止出目が右下がりBARとなるようにしてもよい。
(5)第1ATモードと第2ATモードとでは参照する疑似遊技用ポイント抽選テーブルを相違させる構成としてもよい。例えば、第1ATモードにて参照される疑似遊技用ポイント抽選テーブルよりも第2ATモードにて参照される疑似遊技用ポイント抽選テーブルの方がポイント加算が優遇される構成(当選確率が高い構成や当選時の加算ポイントが多い構成)としてもよいし、第2ATモードよりも第1ATモードの方が加算ポイントが優遇される構成(当選確率が高い構成や当選時の加算ポイントが多い構成)としてもよい。
また、第1ATモードと第2ATモードとで疑似遊技の移行条件である累積ポイントの上限を切り替える構成としてもよい。例えば、第1ATモードにおいては第2ATモードよりも累積ポイントの上限が低くなるように構成してよいし、第1ATモードにおいては第2ATモードよりも累積ポイントの上限が高くなるように構成してよい。
(6)ATモード中のハズレ時に累積ポイントが加算される構成としたが、これに代えて又は加えて特定役に当選したにも関わらず上乗せ抽選に非当選となった場合に累積ポイントが加算される構成としてもよい。また、特定役に当選した場合には上乗せの当選/非当選の何れについても累積ポイントの加算が確定する構成としてもよい。
(7)疑似遊技にて当選し得る疑似特定役の種類と通常遊技にて当選し得る特定役の種類とを相違させる構成とした。具体的には、疑似遊技に係るプログラム量の削減や制御負荷の軽減を図るべく疑似遊技にて当選し得る疑似特定役の種類を通常遊技にて当選し得る特定役の種類よりも少なくした。これを変更し、疑似遊技にて当選し得る疑似特定役の種類と、通常遊技にて当選し得る特定役の種類とを揃える構成とすることも可能である。
(8)通常遊技に係るAT上乗せ用処理をスタートレバー41操作時の抽選結果対応処理にて実行する構成としたが、これに加えて又は変えて通常遊技に係るAT上乗せ用処理を各リール32L,32M,32R停止時の入賞結果対応処理にて実行する構成としてもよい。また、疑似遊技に係るAT上乗せ用処理についてもスタートレバー41操作時の疑似遊技用の抽選処理にて実行する構成としたが、これに加えて又は変えて疑似遊技に係るAT上乗せ用処理を各リール32L,32M,32R停止時の疑似遊技用リール制御処理にて実行する構成としてもよい。
(9)セットが開始されてから所定数のゲームを実行した場合にATモードの継続の有無を判定するセット数管理型のATモードとしてもよい。このような構成においては、疑似遊技へ移行する場合に疑似特定役に応じてセット数の上乗せ抽選を行う構成とするとよい。この場合、疑似遊技におけるセット数の上乗せ抽選処理についても通常遊技おけるセット数の上乗せ抽選処理を流用することが好ましい。
(10)押し順報知を伴う第1小役入賞~第6小役入賞時のメダル払出数が所定数に達した場合にATモードの継続の有無を判定する払出枚数管理型のATモードとしてもよい。このような構成においては、疑似遊技へ移行する場合に疑似特定役に応じて払出枚数の上乗せ抽選を行う構成とするとよい。この場合、疑似遊技における払出枚数の上乗せ抽選処理についても通常遊技おける払出枚数の上乗せ抽選処理を流用することが好ましい。
(11)押し順報知の実行回数が所定回数に達した場合にATモードの継続の有無を判定する押し順報知の実行回数管理型のATモードとしてもよい。このような構成においては、疑似遊技へ移行する場合に疑似特定役に応じて押し順報知の実行回数の上乗せ抽選を行う構成とするとよい。この場合、疑似遊技における押し順報知の実行回数の上乗せ抽選処理についても通常遊技おける押し順報知の実行回数の上乗せ抽選処理を流用することが好ましい。
(12)ATモード終了時に有利区間を終了させる構成としたが、ATモード終了時に有利区間が終了しない場合もある構成としてもよい。例えば、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数に応じて有利区間が終了しない構成としてもよく、具体的には、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数が、当該残りゲーム数にATモード1ゲーム当たりの期待増加枚数を乗じた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよく、現状の有利区間増減枚数MYに上記の乗じた枚数を加えた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよい。
(13)有利区間移行時に、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を点灯制御する構成としたが、有利区間移行時であっても、右第8表示用セグメントNa8を点灯制御せず、有利区間中に所定の点灯条件が成立した場合に点灯制御する構成としてもよい。所定の点灯条件は、例えば、ATモードへの移行が確定した場合等、押し順報知が発生し得る状況となった場合に成立するものとしてもよい。
(14)CZモード中に押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよい。この場合、CZモードの残りゲーム数が0となっても、押し順報知が1回実行されるまでは、当該CZモードが終了しない構成としてもよい。
(15)3ベットゲームにて当選し得るBBとして第1BBを設け、2ベットゲームにて当選し得るBBとして第2BBを設けたが、いずれか一方のBBだけであってもよく、例えば、2ベットゲームにて第2BBに当選し、3ベットゲームではいずれのBBにも当選しない構成としてもよい。
(16)2ベットゲームにて、第2BBに当選する構成としたが、2ベットゲームにて複数種類のBBに当選し得る構成としてもよく、例えば、2ベットゲームにて第1BBと第2BBに当選し得る構成としてもよい。この場合、2ベットゲームにて第1BB入賞と第2BB入賞とが成立し得る構成とし、3ベットゲームでは第1BB及び第2BBのいずれにも当選もせず、更に3ベットゲームでは第1BB入賞と第2BB入賞とのいずれも成立しない構成としてもよい。なお、2ベットゲームと3ベットゲームとの関係が上記のものと逆であってもよい。
(17)第1BB状態と第2BB状態とでいずれも同じ抽選テーブルを用いて、同じ遊技ベースとなるようにしたが、異なる抽選テーブルを用いて、異なる純増枚数となるようにしてもよい。
(18)第1BB状態と、第2BB状態とを、いずれも3ベットゲームにて遊技する構成としたが、例えば、第1BB状態は3ベットゲームにて遊技し、第2BB状態は2ベットゲームにて遊技する、といったように、BB状態の種類によってベット数が異なる構成としてもよい。この場合、第1BB状態の各ゲームは特定規定数とは異なるベット数によるゲームとなり、第2BB状態の各ゲームは特定規定数のベット数によるゲームとなる。
(19)第1BB状態と、第2BB状態との遊技は、いずれも押し順報知用の処理や特定処理等の指示機能に関する実行が制限される構成としたが、例えば、第1BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が制限される一方、第2BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が許容される、といったように、BB状態の種類によって制限の有無が異なる構成としてもよい。また、CB状態やSB状態、MB状態を設け、これらのうちのいずれか又は全部で、各指示機能に関する処理が制限される又は制限されない構成としてもよい。
(20)3ベットゲームでは第2BB入賞を成立させることができず、2ベットゲームでは第1BB入賞を成立させることができない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BB入賞しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BB入賞しにくい構成としてもよい。
(21)3ベットゲームでは第2BB当選とならず、2ベットゲームでは第1BB当選とならない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BBに当選しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BBに当選しにくい構成としてもよい。
(22)1ベットを設定可能な第2クレジット投入スイッチ57を設けなくてもよい。
(23)第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を約プラス0.00枚として、第1BB状態や第2BB状態ではメダルが増えもせず、減りもしない構成としたが、メダルが増加し得る構成としてもよいし、メダルが減少し得る構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態での純増枚数が、少なくとも内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて遊技した場合の純増枚数よりも多い純増枚数数であればよい。
(24)遊技者が、内部状態や非内部状態を3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技したり、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることで、指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としたが、遊技機側で、例えば、所定ゲーム数の消化によって指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としてもよい。
(25)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(26)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(27)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(28)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第12mの実施形態>
以下、第12mの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1018はスロットマシン10の正面図、図1019はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図1020はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図1021は前面扉12の背面図、図1022は筐体11の正面図である。なお、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
図1018~図1022に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図1020に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図1024には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図1024に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図1025に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図1026~図1028は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図1029(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図1029(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図1029(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図1029(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図1029(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図1029(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図1030(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図1030(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役~第32小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役~第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図1026及び図1027に示すように、これら第9小役入賞~第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典(遊技価値)の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典(遊技価値)が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。図1028に示すように、これら第1再遊技~第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図1030(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図1031(e)に示すように、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
第3再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図1031(f)に示すように、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図1030(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図1030(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図1031(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図1031(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図1031(c)及び図1031(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、図1032(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図1032(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。
左リール32Lの「赤貝」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、図1032(c)に示すように、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図1032(d)に示すように、下ラインL3に左から順に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止したりする。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図1033)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
ストップスイッチ42~44には、ストップランプ42b~44bがそれぞれ内蔵されている。当該ストップランプ42b~44bからの光はストップスイッチ42~44の操作面を一部透過し、ストップランプ42b~44bの光はストップスイッチ42~44を介して視認可能となる。そして、ストップスイッチ42~44の操作が有効となる場合には、当該ストップランプ42b~44bが点灯制御され、ストップスイッチ42~44の操作が無効となる場合には、対応するストップランプ42b~44bがそれぞれ消灯制御される。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。
ここで、セレクタ46について、図1023を用いて説明する。図1023は、セレクタ46の内部構造を説明するための説明図である。なお、図中の2点鎖線は、理解を容易なものとするためにメダルの通過経路を示したものである。
セレクタ46には、メダル投入口45から投入されたメダルを貯留用通路47へ導くための案内通路84が形成されている。案内通路84は、メダルが1列で通行可能なようにして、図の上端部から右下部にかけて弧を描くような曲線状に形成されている。より詳しくは、セレクタ46を構成するセレクタボディには、図の手前側に突出する突条46bが設けられており、その突条84aが底部を構成するようにして案内通路84が形成されている。案内通路84に到達したメダルは、突条46b上を転がるようにして下流方向へ流れることとなる。
セレクタ46は、案内通路84の上流側にあるメダルを排出用通路48へ排出するための通路切替片85を備えている。通路切替片85は、案内通路84の上流側において当該案内通路84内に出没可能に設けられている。また、通路切替片85は、メダル通路切替ソレノイド46aに連結されており、メダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時には案内通路84内に通路切替片85が突出する。この場合、案内通路84の上流側にあるメダルはその突出した通路切替片85に当たることで突条46bを乗り上げて下方に落下し、排出用通路48に導かれる。排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。一方、メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時には案内通路84外に通路切替片85が没する。これにより、メダルは案内通路84に沿って流れ、貯留用通路47に導かれる。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。
また、セレクタ46において通路切替片85の下流側には、案内通路84を通過するメダルを検出するための投入メダル検出装置86が設けられている。投入メダル検出装置86は、フォトセンサからなる第1投入メダル検出センサ86aと同じくフォトセンサからなる第2投入メダル検出センサ86bとを備え、これら各投入メダル検出センサ86a,86bは案内通路84の流下方向に並ぶようにして近接配置されている(少なくとも1時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接状態とする)。これら各投入メダル検出センサ86a,86bにより案内通路84のメダルの通過が順次検出される。
セレクタ46において通路切替片85よりも上流側には、センサレバー87が設けらている。センサレバー87は案内通路84内に出没可能に設けられており、案内通路84内に出没した出没位置に向けて付勢されている。メダル投入口45から投入されたメダルは、センサレバー87を出没位置から退避位置に変位させながら案内通路84を通過する。センサレバー87の位置変位は、当該センサレバー87に対して設けられた(当該センサレバー87に連動するレバー連動遮光片に対して設けられた)レバー検出センサ88により検知され、センサレバー87が退避位置に変位することでレバー検出センサ88はON状態となる。案内通路84においてセンサレバー87が設けられている位置と、投入メダル検出装置86によりメダルが検出される位置とは、メダル1枚分の直径よりも長く離間しており、少なくとも投入メダル検出装置86によりメダルが検出されるよりも前に、当該メダルが退避位置に変位させたセンサレバー87は出没位置に復帰するようになっている。
すなわち、メダル投入口45からメダルが投入されると、レバー検出センサ88がON状態となり、その後、レバー検出センサ88がOFF状態となってから各投入メダル検出センサ86a,86bにより当該メダルの通過が検知される。
図1021や図1022に示すように、ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。
払出装置53には、当該払出装置53から払い出されるメダルを検出するための払出メダル検出装置95が設けられている。払出メダル検出装置95は、フォトセンサからなる第1払出メダル検出センサ95aと同じくフォトセンサからなる第2払出メダル検出センサ95bとを備え、これら各払出メダル検出センサ95a,95bは払出装置53からのメダル払い出し方向に並ぶようにして近接配置されている(少なくとも1時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接状態とする)。これら各払出メダル検出センサ95a,95bにより、払出装置53から払い出されるメダルの通過が順次検出される。
また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
予備タンク54には、当該予備タンク54内のメダルが一定量以上となったことを検出するための予備タンクセンサ96が設けられている。予備タンク54において、予備タンクセンサ96の設けられた高さ以上にメダルが貯留されると、当該予備タンクセンサ96がON状態となり、予備タンク54が満タン状態となったことが検出される。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定規定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定規定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定規定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定規定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定規定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定規定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定規定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。また、演出スイッチ66の右方には、各種演出を遊技者がカスタマイズしたり、音量を調節したりする場合に操作される第1調節スイッチ210が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。払出枚数表示部62は、メダルの払出枚数を表示する機能の他、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタとしての機能も有する。払出枚数表示部62(指示モニタ)については、後に詳細に説明する。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの下方であって、クレジット表示部60の左方には、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作やメダル投入口45へのメダル投入によって設定されるゲームのベット数を表示するための第1表示部としてのBET表示部75と、現状の遊技の進行状態を示す遊技状態表示部76とが設けられている。
また、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの左方には、上記のゲームのベット数を表示するための第2表示部としてのベット表示部34が設けられている。更に、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの右方には、ゲームの開始に際して各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるまでの待機すべき状態(ウェイト状態)であることを報知するためのウェイト表示部35が設けられている。
これらBET表示部75、遊技状態表示部76、ベット表示部34、ウェイト表示部35については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。表示制御装置81には、遊技ホールの管理者等が音量を調節するための第2調節スイッチ310が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図1033及び図1034のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入された投入メダルを検出するための第1投入メダル検出センサ86aや第2投入メダル検出センサ86b、セレクタ46においてセンサレバー87の動作を検出するためのレバー検出センサ88、ホッパ装置51から払い出される払出メダルを検出するための第1払出メダル検出センサ95aや第2払出メダル検出センサ95b、予備タンク54が満タン状態となったことを検出するための予備タンクセンサ96、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、BET表示部75、遊技状態表示部76、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。遊技状態表示部76には、今回のゲームが再遊技入賞後のゲームであって再遊技状態であることを示す再遊技状態表示部76aと、メダル投入口45からのメダル投入といったベット操作が可能な受入可能状態であることを示す受入可能状態表示部76cと、スタートレバー41の操作が可能な開始可能状態であることを示す開始可能状態表示部76bとが設けられており(図1034)、これらの表示部76a~76cがCPU102により点灯状態とされることによって対応する状態であることの報知となり、これらの表示部76a~76cがCPU102により消灯状態とされることによって対応する状態ではないことの報知となる。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報記憶エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図1035参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図1034に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にベット表示部34、ウェイト表示部35、第1クレジットランプ56b、ストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてベット表示部34、ウェイト表示部35、第1クレジットランプ56b、ストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
また、表示制御装置81の入力側には、演出発生時に操作される演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)や、遊技のカスタマイズを行ったり音量を調節したりする場合に操作される第1調節スイッチ210(より詳しくは当該第1調節スイッチ210の操作を検出する第1調節スイッチ検出センサ)、音量を調節する場合に操作される第2調節スイッチ310(より詳しくは当該第2調節スイッチ310の操作を検出する第2調節スイッチ検出センサ)等が接続されている。第1調節スイッチ210は複数のスイッチを有し、中スイッチ220を中心に、十字キーとして右スイッチ230、左スイッチ240、上スイッチ250,下スイッチ260が設けられている。いずれのスイッチ(より詳しくは各スイッチの操作を検出するスイッチ検出センサ)も表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81では、それぞれのスイッチの操作を個別に検出可能とされている。
なお、各種表示部60~62,75,76を表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。また、表示制御装置81に接続されている各構成42b~44b,63~66,210,310の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b~44b,63~66,210,310の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理とを説明する。
図1035は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSm101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSm102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSm103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSm102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSm104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSm104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSm105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSm106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSm107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a、クレジット投入検出センサ56a,57a、精算検出センサ59a、リセット検出センサ72a、設定キー検出センサ73a、投入メダル検出センサ86a,86b、レバー検出センサ88、払出メダル検出センサ95a,95b、予備タンクセンサ96等の各種センサ(図1033参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSm108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップSm109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSm110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSm111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSm112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSm113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSm114では、先のステップSm101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSm115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、主制御装置101のメイン処理について、図1036のフローチャートに基づき説明する。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ71のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
ステップSm201では、駆動用の初期化処理として、スタックポインタの値をCPU102内に設定するとともに、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU102内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、ステップSm202ではリセットスイッチ72の操作がなされているか否か、より詳しくは、リセット検出センサ72aからON信号を受信しているか否かを判定する。今回の電源投入時(復旧時)に、リセットスイッチ72が操作されている場合、ステップSm203にて、RAMクリア処理として、RAM106に記憶されているデータを全て消去する。
ステップSm202にてリセットスイッチ72が操作されていない場合、又はステップSm203のRAMクリア処理を実行した後は、ステップSm204にて、設定キーが設定キー挿入孔73に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは、設定キー検出センサ73aからON信号を受信しているか否かを判定する。今回の電源投入時(復旧時)に、設定キーのON操作がなされている場合には、ステップSm205に進み、RAMクリア処理を実行する。かかる処理は、上記ステップSm203の処理と同様である。
続くステップSm206では、当選確率設定処理を行う。
当選確率設定処理について、その概要を説明する。スロットマシン10には、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、当選確率設定処理とは、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。当選確率設定処理では、所定の操作として、リセットスイッチ72の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、リセットスイッチ72が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、RAM106における設定値情報記憶エリア106cに記憶してから当選確率設定処理を終了する。当選確率設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率設定処理で設定された設定値は、次の当選確率設定処理が起動されるまで、RAM106の設定値情報記憶エリア106cに記憶保持される。
当選確率設定処理を実行した後は、ステップSm207にてステップSm206の設定処理が正常に行われたことを確認して、エラーが発生していないことのエラー判定処理を実行する。ステップSm207では、例えば、当選確率設定処理にて設定された設定値が1~6の範囲内であればエラーが発生していないと判定し、設定値が1~6の範囲外である場合にはエラー(RAM異常エラー)が発生していると判定する。
ステップSm204にて設定キーのON操作がなされていないと判定した場合、又はステップSm207の処理を行った後は、ステップSm208にて、停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグがセットされていない場合には、ステップSm209にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
一方、ステップSm208にて停電フラグがセットされている場合には、ステップSm210以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM106のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、ステップSm210ではRAM判定値が正常か否かを判定する。具体的には、RAM106のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM106のデータは正常であると判定する。
ステップSm210においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値が0でなかったときには、RAM106のデータが破壊された(RAM異常エラーが発生している)可能性が高い。そのため、このような場合にはステップSm211にてRAM異常エラーが発生していることを報知するためのエラー対応処理を実行してから、リセット操作が行われるまでループする。
ステップSm210においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップSm212に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU102のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップSm213において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置81に送信する。その後、ステップSm214にて遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップSm215にてスタート検出センサ41a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップSm216にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップSm104)が実行されることとなる。
次に、メイン処理のステップSm209にて実行される通常処理について図1037のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSm301では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSm302では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップSm303~ステップSm312に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSm303では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSm304では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップSm107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出す貯留メダル精算処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行う。
開始待ち処理の終了後、ステップSm305ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSm305にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSm305にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSm305にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップSm304の開始待ち処理に戻る。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップSm305にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップSm306にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップSm110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップSm306の処理を実行した後は、ステップSm307にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSm304の開始待ち処理に戻る。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSm308にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSm309では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSm310の抽選処理、ステップSm311のリール制御処理、ステップSm312のメダル払出処理を順に実行し、ステップSm303に戻る。
次に、ステップSm310の抽選処理について、図1038のフローチャートに基づき説明する。
ステップSm401では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。なお、当該乱数取得処理にて取得された乱数が、更新範囲内(0~65535)の値ではない場合には、乱数異常エラーが発生したとして、その情報が記憶されるとともに、当該乱数異常エラーの発生を報知するための処理が行われる。
乱数を取得した後、ステップSm402では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSm402では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図1039)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図1040)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSm402では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。上記のように当選確率設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行され、当該当選確率設定処理にて設定の情報が設定値情報記憶エリア106cに記憶される。ステップSm302では、この記憶されている設定値の情報に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
なお、本スロットマシン10では、ステップSm402にて、設定されているベット数が規定枚数以外の枚数である場合、対応する抽選テーブルが存在しないことから、本抽選処理では強制的に外れ結果となる構成としている。但し、基本的には、規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態では、上記ステップSm305にて否定判定されることから、抽選処理が行われることはない。規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態で抽選処理が行われる場合とは、規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態であるのにもかかわらず、ノイズ等の影響によって、ステップSm305にて肯定判定してしまった場合である。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図1039は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図1040は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSm403ではインデックス値IVを1とし、続くステップSm404では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSm401にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSm405ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSm406にて、ステップSm405にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSm406にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSm406にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSm406にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のステップSm303参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSm406では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSm405にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSm407にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSm408ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSm404に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSm404では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSm405では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図1039に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1であり、押し順ベルに当選となる確率をまとめると約1.53分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図1040に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.78枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.78枚)。
ステップSm406にて当選フラグをセットした後、又はステップSm408にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSm409に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSm410では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSm401~ステップSm408の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSm410の処理を実行した後は、ステップSm411にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSm110)にて行われる。なお、ステップSm411の抽選結果コマンド処理については、後に詳細に説明する。
そして、ステップSm412では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSm406にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSm412の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSm412の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSm413では、ステップSm412にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSm413の処理を実行した後は、ステップSm414にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタとして機能する払出枚数表示部62や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSm311のリール制御処理について、図1041のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSm501にて、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSm409にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップSm410にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップSm502では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウェイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウェイト時間が経過するまで待機する。この場合、ウェイト表示部35を点灯状態とする処理を行う。ウェイト時間が経過した場合には、ウェイト表示部35を消灯状態とするとともに、次回の遊技のためのウェイト時間を再設定し、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSm106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。なお、回転開始処理については、後に詳細に説明する。
回転開始処理に続き、ステップSm503では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSm504に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップSm503に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSm505にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップSm506~ステップSm513に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを消灯するように制御する。
ステップSm506では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSm507では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSm507では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSm508では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSm509では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSm510にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSm511にて停止時抽選処理を実行する。停止時抽選処理は、停止操作に基づく所定の抽選を行う処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。続くステップSm512では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSm513にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSm503に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図1039、図1040参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図1041は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSm512にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップSm514にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する数のメダル払出が行われるように設定する処理を行う。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。なお、払出判定処理については、後に詳細に説明する。
払出判定処理を行った後は、ステップSm515にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSm516にて、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSm517にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタとして機能する払出枚数表示部62の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSm518にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSm312のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、今回のゲームのメダル払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップSm304)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、今回のゲームのメダル払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させるための処理を行う。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出すための処理を行う。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行う。メダル払出処理については、後に詳細に説明する。
次に、ステップSm514のボーナス状態処理を、図1043のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSm601では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSm601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSm602に進む。
ステップSm602では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSm603に進む。
ステップSm603では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定規定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSm603にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSm604では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSm605に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSm606にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSm606にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSm607では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSm608では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSm601にて肯定判定することになる。続くステップSm609では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSm609にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSm610にて規定ベット数を2に設定する処理を実行し、ステップSm611にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が2枚に設定され、2ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSm605にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSm612に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSm613にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSm614にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSm615にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSm615にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSm610にて規定ベット数を2に設定する処理を実行し、ステップSm611にてMAXベットカウンタに2を入力してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が2枚に設定され、2ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSm601にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSm616に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図1044は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図1044に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップSm616では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSm617にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSm618にて、ステップSm617の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると12枚の払出が発生することから、ステップSm617ではBBカウンタから12を減算する。
ステップSm618にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSm619にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSm620にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSm621にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSm611にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図1045を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図1042)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図1046のフローチャートを参照しながら、ステップSm410にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップSm701~ステップSm703では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップSm701では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSm702にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSm703にてベット数が3であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定枚数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定枚数として2が設定されている。ステップSm702やステップSm703の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数ではない場合には、ステップSm704以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定枚数として2が設定されていることから、3ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSm704以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップSm702又はステップSm703にて肯定判定した場合、ステップSm704にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSm705にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図1047のフローチャートに示すように、ステップSm801にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSm802にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図1048に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図1048にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSm802にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSm803にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSm803ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSm804にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSm805にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSm801にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSm802~ステップSm805の処理を省略することも可能である。
ステップSm805にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSm806にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSm805にて否定判定した場合、又はステップSm806の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSm704にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSm706に進む。ステップSm706では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグは、ATモードであることをCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSm706にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSm707にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSm706にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSm708にて継続判定処理を実行し、ステップSm709にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップSm707のAT抽選用処理について図1049のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSm901では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算され、例えば、2ベットゲームでは減算されない。
ステップSm901にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップSm902にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップSm903~ステップSm909にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップSm903にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSm904では、ATモード移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。ATモード移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSm904ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。続くステップSm905では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップSm905にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップSm906にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSm905にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSm907にて、CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図1048に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップSm906又はステップSm907にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップSm903にて把握したゲームの抽選結果とを用いて、ステップSm908にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップSm909にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップSm909にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップSm902にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップSm910~ステップSm913のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップSm909にてATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップSm914~ステップSm917にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップSm910では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップSm911及びステップSm912にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップSm911では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSm912にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップSm910にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップSm912の処理を実行した後は、ステップSm913にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップSm706にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップSm914にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSm915にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップSm903にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図1048に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップSm915にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップSm916にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップSm917にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップSm913又はステップSm917にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップSm918~ステップSm921にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム~32ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップSm918では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、チェリーAにて移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。なお、前兆ゲームの抽選処理でも、前兆ゲーム数の抽選用乱数を取得して上記の当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。
また、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップSm918では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにもかかわらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップSm919では、ステップSm918の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップSm920にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSm921にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
<継続判定処理>
次に、ステップSm708にて実行される継続判定処理について、図1050のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、継続判定処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理である。
ここで、本実施形態におけるATモードは、押し順報知によって予め定められた所定数(例えば100)のメダルの払い出しが行われることを1セット(単位継続数、単位状態)とし、例えば、1セットのATモードを更新する場合(セットを開始する場合又はセットを終了する場合)に次のセットの継続抽選を行い、当該継続抽選に当選している場合には当該セットの終了後、次のセットへ移行し、当該継続抽選に非当選である場合には次のセットへ移行せずにATモードが終了する構成としている。そして、ステップSm708の継続判定処理では、セットの更新に際して上記の継続抽選を行うための処理である。
ステップSm1001では、今回開始するゲームがATモードの1セットの開始ゲームであるか否かを判定する。開始ゲームではない場合には、そのまま本継続判定処理を終了する。開始ゲームである場合には、ステップSm1002に進む。
ステップSm1002では、各種カウンタエリア106eに設けられたATセットカウンタが0であるか否かを判定する。ATセットカウンタは、上記の継続抽選に非当選であっても又は継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させることを可能とするセット数をCPU102が把握するためのカウンタであり、継続条件が成立している状況で上乗せ当選した場合に1が加算され、継続抽選に非当選である場合や継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させた場合に1減算されるカウンタである。ATセットカウンタが0である場合、ステップSm1003にて今回のATモードにて選択されている継続抽選の当選確率を把握する。
ここで、本実施形態では、上記の継続抽選の当選確率(以下、「継続率」とも称する)として、複数の継続率が設定されており、具体的には、図1058に示すように最も継続率の高い90%と、それよりも継続率が低い60%及び10%が設定されている。当該継続率は、ATモードへの移行に際して設定される(後述のステップSm1511における継続率設定処理)。ステップSm1003では、当該継続率設定処理にて設定されている情報を読み出し、今回のATモードの継続率を把握する。
ステップSm1003にて継続率を把握した後は、ステップSm1004にて、継続抽選用の乱数を取得する処理を実行する。継続抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSm1004ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。続くステップSm1005では、ステップSm1003にて把握した継続率と、ステップSm1004にて取得した抽選乱数を用いて継続抽選処理を実行する。すなわち、90%の継続率が選択されている場合には、ステップSm1005の処理では90%の確率で継続当選し、10%の継続率が選択されている場合には、ステップSm1005の処理では10%の確率で継続当選する。
ステップSm1006では、ステップSm1005の処理結果が継続当選であったか否かを判定し、継続当選であった場合には、ステップSm1007にて各種フラグ格納エリア106dに継続フラグをセットする処理を実行する。継続フラグは、今回のセットの継続条件(次のセットへ移行する条件)が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップSm1008にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、継続判定処理を終了する。
また、ステップSm1002にてATセットカウンタが0ではないと判定した場合、ステップSm1009にてATセットカウンタを1減算する処理を実行してから、ステップSm1007に進み、継続フラグのセット、及び継続コマンドのセットを行ってから、継続判定処理を終了する。すなわち、本実施形態では、ATセットカウンタが0ではない場合、継続抽選を経ることなく、セットの継続条件が成立する構成としている。なお、ATセットカウンタの値に関わらず継続抽選を実行し、継続非当選である場合にATセットカウンタが1以上であれば継続条件が成立する構成としてもよい。
上記のように、本実施形態では、ATモードの1セットの開始時(スタートレバー41の操作時)に、今回開始するセットの次のセットまでATモードが継続するか否かの継続条件の成否判定が行われ、継続条件が成立していると判定した場合には、継続フラグがセットされ、その情報が表示制御装置81へ出力される。この場合、表示制御装置81では、継続条件が成立していることを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
これに対して、ステップSm1006にて継続当選ではないと判定した場合には、そのまま継続判定処理を終了する。この場合、ATモードの1セットの開始時には継続条件は成立しておらず、セットの開始に際して継続コマンドの出力も行われない。表示制御装置81では、セットの開始に際して継続コマンドを受信しないことを通じて継続条件が成立していないことを把握し、継続条件が成立していないことを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSm709にて実行されるAT上乗せ用処理について、図1051のフローチャートを参照しながら説明する。AT上乗せ用処理では、上記の継続抽選とは別途、ATモードのセット数を上乗せすることの上乗せ抽選を行い、当該上乗せ抽選にて当選した場合には、次のセットの継続抽選の結果に関わらず次のセットまで継続するようにする。
先ずステップSm1101にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSm1102にて、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
上乗せ抽選テーブルは、図1048に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、各ゲームの抽選処理にて当選し易い通常リプA~通常リプCや、押し順ベルといった通常役では上乗せ当選しない一方、各ゲームの抽選処理にて当選しにくいチャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、共通ベル、スイカ、といった特定役では上乗せ当選し得るように設定されている。そして、特定役のうち、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。なお、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ当選しない構成を、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ抽選を行わない構成としてもよい。また、各ゲームの抽選結果が通常役である場合にも上乗せ当選し得る構成とし、当該通常役での上乗せ当選の確率を特定役の場合の上乗せ当選の確率よりも低くなるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、通常役のうち、押し順ベルについては、スタートレバー41の操作に基づき実行されるAT上乗せ用処理では上記のように上乗せ抽選に当選しないように設定されている一方、各リール32L,32M,32Rが停止した場合に実行される停止時抽選処理(ステップSm511、図1052)では上乗せ抽選に当選し得るように設定されている。
ステップSm1102にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSm1103にて上乗せ抽選用の乱数を取得する処理を実行する。上乗せ抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSm1103ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。続く、ステップSm1104では上乗せ抽選を実行し、ステップSm1105にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSm1106にて、継続フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSm1106にて継続フラグがセットされていない場合、ステップSm1107にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSm1108にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。継続コマンドを受信した表示制御装置81は、継続条件が成立したことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
これに対して、ステップSm1106にて継続フラグがセットされている場合、ステップSm1109にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。ステップSm1109にATセットカウンタに1が加算されることにより、少なくとも今回のセットの次の次のセットまでATモードが継続することが確定する。なお、本実施形態では、上乗せ抽選に当選した場合に一律でATセットカウンタに1を加算する構成としているが、2以上の数を加算する場合がある構成としてもよく、例えば、上乗せ当選の契機となったゲームの抽選結果に応じてATセットカウンタに加算する数を抽選により決定する構成としてもよい。
続くステップSm1110ではセット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本上乗せ用処理を終了する。セット上乗せコマンドは、上乗せ抽選に当選したことやATセットカウンタの値を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。なお、複数のセット数を一の上乗せ当選にて上乗せする場合がある構成においては、当該セット上乗せコマンドに当該上乗せするセット数の情報を設定する構成とするとよい。セット上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、セット上乗せが行われたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
<停止時抽選処理>
次に、ステップSm511にて実行される停止時抽選処理について、図1052のフローチャートを参照しながら説明する。本実施形態では、上記のスタートレバー41の操作に基づき実行されるAT上乗せ用処理とは別途、各リール32L,32M,32Rが停止した場合にもATモードの上乗せ抽選を実行する構成としており、かかる停止時抽選処理は、当該ATモードの上乗せ抽選を行うための処理である。
ステップSm1201では、ATモードフラグの有無を確認することにより、ATモード中であるか否かを判定する。ATモード中ではない場合には、そのまま本停止時抽選処理を終了する。続くステップSm1202では、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行し、ステップSm1203にて、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合には、そのまま本停止時抽選処理を終了する。
ATモード中のゲームで押し順ベル当選である場合、ステップSm1204にて、直前のステップSm510のリール停止処理にて停止させたリールが、最初の停止リールであるか否かを判定する。すなわち、今回のリール停止処理にて停止させたリール以外に停止しているリールが存在しない場合にはステップSm1204にて肯定判定し、今回のリール停止処理にて停止させたリール以外に停止しているリールが存在する場合にはステップSm1204にて否定判定する。ステップSm1204にて否定判定した場合には、そのまま本停止時抽選処理を終了する。
ATモード中の押し順ベル当選となったゲームの第1停止時である場合、ステップSm1205以降で、ATモードの上乗せ抽選を実行する。すなわち、ステップSm1205では、停止時ATモード上乗せ抽選用の乱数を取得する処理を実行する。停止時ATモード上乗せ抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSm1205ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSm1206にて停止時上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。停止時上乗せ抽選テーブルは、図1048に示すように、押し順ベル当選時の第1停止時に3%で上乗せ当選するように設定されている。そして、ステップSm1207にて上乗せ抽選処理を実行し、ステップSm1208にて上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのまま停止時抽選処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSm1209~ステップSm1213にて、上記ステップSm1106~ステップSm1110の処理と同様の処理を実行する。
すなわち、ステップSm1209では、継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされていない場合、ステップSm1210にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSm1211にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本停止時抽選処理を終了する。継続コマンドを受信した表示制御装置81は、継続条件が成立したことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
これに対して、ステップSm1209にて継続フラグがセットされている場合、ステップSm1212にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。その後、ステップSm1213にてセット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本停止時抽選処理を終了する。セット上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、セット上乗せが行われたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
なお、停止時抽選処理にて出力する継続コマンドやセット上乗せコマンドに基づく演出を、上記AT上乗せ用処理にて出力する継続コマンドやセット上乗せコマンドに基づく演出と遊技者がその違いを把握可能な程度に異ならせてもよく、この場合、一部を共通の演出とする一方、一部を相違する演出とすることにより、同じ恩恵(上乗せや継続が確定することや、それらを示唆すること)であることを遊技者に把握させながらも、その契機の違いを遊技者に把握させることができる。また、AT上乗せ用処理にて出力する継続コマンドやセット上乗せコマンドに基づく演出(より詳しくは、ゲームの抽選結果が押し順ベルとは異なる結果を契機としてこれらのコマンドが出力された場合の演出)を当該停止時抽選処理にて出力する継続コマンドやセット上乗せコマンドに基づく演出を実行するタイミングでも実行し得る構成としてもよい。このようにすることで、スタートレバー41の操作に基づいて実行されるAT上乗せ用処理にて上乗せ当選したのか停止操作に基づき実行される停止時抽選処理にて上乗せ当選したのかが当該第1停止時の演出からは分かりにくくなり、いずれの抽選結果でもAT上乗せへの期待感を持たせる効果を高めることが可能である。
抽選結果対応処理(図1046)において、ステップSm707又はステップSm709の処理を実行した後は、ステップSm710~ステップSm715にて、ストップスイッチ42~44の押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップSm710~ステップSm715にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタとしての機能も有する払出枚数表示部62にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。払出枚数表示部62は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、払出枚数表示部62の構成について、図1053を参照しながら説明する。図1053(a)は、払出枚数表示部62の正面図であり、図1053(b)は、払出枚数表示部62が指示モニタとして機能する場合の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図1053(a)に示すように、払出枚数表示部62には15個の表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7が設けられている。各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、払出枚数表示部62では、2桁の数字やアルファベットを含む所定の記号が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7について詳細には、右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7,左第1表示用セグメントNb1~左第7表示用セグメントNb7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7,左第1表示用セグメントNb1~左第7表示用セグメントNb7は、数字の「0」~「9」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、右第8表示用セグメントNa8は、円形状の表示用セグメントであり、右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、払出枚数表示部62は、「00」~「99」や「AA」~「ZZ」と、「00.」~「99.」や「AA.」~「ZZ.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。数字とアルファベットの組み合わせからなる二けたの記号も表示可能としてもよい。
なお、払出枚数表示部62において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7の形状や配置態様は任意である。また、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7は、上記のように2桁の数字を表示することによって払出枚数を表示するとともに、押し順役の操作順序の報知に用いられる。例えば、図1053(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、右第6表示用セグメントNa6及び右第7表示用セグメントNa7と、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2及び左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7とが点灯表示されて「01」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、右第1表示用セグメントNa1~右第3表示用セグメントNa3、右第5表示用セグメントNa5及び右第6表示用セグメントNa6と、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2及び左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7とが点灯表示されて「05」が表示される。つまり、各表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
右第8表示用セグメントNa8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、右第8表示用セグメントNa8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としても機能する右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7、左第1表示用セグメントNb1~左第7表示用セグメントNb7、及び区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を有する払出枚数表示部62は、遊技パネル25に配置されている。つまり、指示モニタとして機能する払出枚数表示部62は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、右第8表示用セグメントNa8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62にて押し順表示器や区間表示器としての表示が行われるようにしていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、払出枚数表示部62において特に右第8表示用セグメントNa8は、周囲の表示部(例えば遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、右第8表示用セグメントNa8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、右第8表示用セグメントNa8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、右第8表示用セグメントNa8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、右第8表示用セグメントNa8の視認性が向上されており、当該右第8表示用セグメントNa8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図1054を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図1054(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図1054(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図1054(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、補助表示部65による押し順報知演出は、スタートレバー41の操作とともに実行されるように設定されており、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてからストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行されるため、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。これに対して、払出枚数表示部62による押し順報知は、スタートレバー41が操作されてから各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから実行されるように設定されており、スタートレバー41の操作タイミングがウェイト期間の経過前である場合には、補助表示部65による押し順報知演出よりも後で払出枚数表示部62による押し順報知が開始される場合があるように設定されている。
ここで、本スロットマシン10では、通常リプA~Cについてもストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞する再遊技が異なるように設定されており、例えば、ATモードの開始時やATモード中の上乗せ演出を実行する場合に操作順序を指示することによって、第1再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させる場合があるように設定されている。但し、通常リプA~C当選時にいずれの再遊技入賞が成立しても遊技者に付与される特典は同じ再遊技である。そのため、これら通常リプA~Cのように操作順序によって入賞する結果が異なるように設定されているものであって、いずれの結果が入賞しても遊技者に付与される特典が同じである場合、補助表示部65での押し順報知演出にて操作順序を報知するものの、払出枚数表示部62による押し順報知は行われないようにしている。このようにすることで、主制御装置101側で押し順報知を行うことの機会を極力少なくすることが可能となり、ゲームの抽選や特典付与を管理する主制御装置101の処理負荷を軽減し、ゲーム進行に際しての処理負荷の増大化やエラーの発生等による不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
そこで、上記のように補助表示部65による押し順報知演出よりも後で払出枚数表示部62による押し順報知が開始される場合があるように設定し、補助表示部65による押し順報知演出と払出枚数表示部62による押し順報知とが同時に開始されないようにすることで、例えば、通常リプA~C当選に補助表示部65により押し順報知演出を行う場合に、払出枚数表示部62にて押し順報知が行われていないことを通じて押し順ベル当選ではなく通常リプA~C当選であることが遊技者に見抜かれてしまうことを回避することが可能となる。
ステップSm710~ステップSm715における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップSm710では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。押し順ベル当選である場合、ステップSm711にて、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされている場合、ステップSm712にて今回の押し順ベルの種類を把握する処理を実行する。具体的には、押し順ベルのうち、順押しベル1,2、挟み押しベル1,2、中順押しベル1,2、中逆押しベル1,2、逆挟みベル1,2及び逆押しベル1,2のいずれであるかを判定する。そして、ステップSm713にて、ステップSm712にて把握した結果に基づいて、第1小役入賞~第6小役入賞となるストップスイッチ42~44の操作順序を把握する処理を実行する。
ステップSm713の処理を実行した後は、ステップSm714にて、ステップSm713にて把握した操作順序に対応する押し順第1情報を、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに記憶する処理を実行する。より詳しくは、順押しベル1,2である場合には順押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順1Aにセットし、挟み押しベル1,2である場合には挟み押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順2Aにセットし、中順押しベル1,2である場合には中順押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順3Aにセットし、中逆押しベル1,2である場合には中逆押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順4Aにセットし、逆挟みベル1,2である場合には逆挟み用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順5Aにセットし、逆押しベル1,2である場合には逆押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順6Aにセットする。
その後、ステップSm715にて、ステップSm714にて設定した押し順第1情報に対応する押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。具体的には、押し順第1情報として順押し用フラグをセットした場合には順押し用コマンドをセットし、押し順第1情報として挟み押し用フラグをセットした場合には挟み押し用コマンドをセットし、押し順第1情報として中順押し用フラグをセットした場合には中順押し用コマンドをセットし、押し順第1情報として中逆押し用フラグをセットした場合には中逆押し用コマンドをセットし、押し順第1情報として逆挟み押し用フラグをセットした場合には逆挟み押し用コマンドをセットし、押し順第1情報として逆押し用フラグをセットした場合には逆押し用コマンドをセットする。これらの押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、順押し操作~逆押し操作に対応する押し順報知演出(第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出)が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
このように、本実施形態では、操作態様役のうちの押し順ベルに当選したゲームがATモード中であれば、操作順序の情報を含む押し順報知コマンドが表示制御装置81へ出力されて、補助表示部65による押し順報知演出が行われる。その一方で、押し順ベルに当選したゲームがATモード中ではなければ、第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることを可能とする操作順序の情報を含む押し順報知コマンドも表示制御装置81に出力されないため、補助表示部65による押し順報知演出が行われない。
更に、本実施形態においては、抽選処理(図1038)におけるステップSm411の抽選結果コマンド処理では、押し順ベルに当選しているゲームでは押し順ベルのうちのいずれの結果(IV11~22)に当選しているかの情報が表示制御装置81へ出力されないようにしている。
具体的には、図1055(a)のフローチャートに示すように、ステップSm1301にて、今回のゲームがインデックス値IV=11~22にて当選となり、いずれかの押し順ベルに当選しているか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合、ステップSm1302にて、各当選結果に対応する抽選結果コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果コマンド設定処理を終了する。すなわち、ステップSm1302では、例えば、インデックス値IV=1にて当選となった場合、通常リプAを示す抽選結果コマンドをセットし、インデックス値I=8にて当選となった場合、チェリーAを示す抽選結果コマンドをセットし、インデックス値IV=27にて当選となった場合、特殊役を示す抽選結果コマンドをセットする。
これに対して、ステップSm1301にていずれかの押し順ベルに当選していると判定した場合、ステップSm1303にて押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果コマンド設定処理を終了する。当該押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドは、押し順ベルのいずれかに当選していることの情報を含むものの、いずれの押し順ベルに当選しているかの情報、すなわち、例えば、順押しベル1に当選していることの情報(IV=11にて当選となったことの情報)や、中逆押しベル2に当選していることの情報(IV=18にて当選となったことの情報)等の情報を含まないように設定されている。
つまり、図1055(b)にも示すように、本実施形態では、押し順ベルに当選していることの情報は、ATモード中か否かに関わらず、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドとして表示制御装置81へ出力される。そして、ATモード中においては、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する上記の押し順報知コマンドが合わせて出力されることにより、表示制御装置81にて押し順報知演出が実行可能となる。これに対して、ATモード中ではない場合、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する上記の押し順報知コマンドは表示制御装置81出力されないし、上記の通り、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドしか出力されないため、表示制御装置81側では、ATモードではないのにもかかわらず、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能なストップスイッチ42~44の操作順序を把握することができない。このようにすることで、主制御装置101から表示制御装置81へ出力されるコマンドや表示制御装置81を不正に解析するなどして、ATモードではないのにもかかわらずATモードの恩恵(押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能となる恩恵)を享受しようとする不正行為等を行わせないようにすることができる。
上記のように、表示制御装置81側では、スタートレバー41の操作に基づいて主制御装置101から出力される押し順ベルグループコマンドと操作順序の情報を含む押し順報知コマンドとを受信し、これらコマンドに基づいて補助表示部65による押し順報知演出を実行する。これに対して、主制御装置101側では、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される場合に押し順報知を実行する。この主制御装置101側の処理については後に詳細に説明する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSm516にて実施される入賞結果対応処理について、図1056のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSm1401にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSm1402にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSm1403にてベット数が3であるか否かを判定する。すなわち、ステップSm1401~ステップSm1403の処理は、上記ステップSm701~ステップSm703の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップSm1404以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップSm1402又はステップSm1403にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップSm1404に進む。ステップSm1404では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した後、未だこれらの移行抽選に当選したことの報知が行われていない状況であることを意味する。この場合、ステップSm1405にて、前兆モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップSm1404にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップSm1406にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップSm1407にてCZモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップSm1406にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップSm1408にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップSm1409にてATモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップSm1408にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆モード用処理、CZモード用処理、ATモード用処理について、それぞれ説明する。
<前兆モード用処理>
前兆モード用処理では、図1057に示すように、ステップSm1501にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSm1502にて前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となっている場合には、ステップSm1503にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSm1504では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップSm1505に進む。ステップSm1505では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSm1506にてCZモードフラグをセットし、ステップSm1507にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップSm1508にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSm1504にてATモード当選フラグがセットされており、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップSm1509にて、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSm1510にて、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグをセットする処理を実行する。続くステップSm1511では、継続率設定処理を実行する。上記の通り、本実施形態におけるATモードは押し順報知によって所定数のメダル払出が行われることを1セットとするセット管理型のATモードであり、残りセット数が存在しない状況(ATセットカウンタが0である状況)でセットの継続抽選に非当選となるまでATモードが継続する構成としており、ステップSm1511の継続率設定処理は継続抽選の当選確率(継続率)を設定する処理である。
本実施形態では、図1058に示すように、当選確率設定処理にて設定される設定値に応じて、複数設けられた継続率(90%、60%、10%)の選択率が異なるように設定されており、ステップSm1511では、当該設定値に基づいて、いずれの継続率を選択するかを抽選により決定する。具体的には、基本的には設定値が高いほど(出玉率が高くなる設定値ほど)高い継続率が選択され易くなるように設定されており、例えば、60%の継続率は設定1では30%の確率で選択されるのに対して、設定6では70%の確率で選択される。但し、90%の継続率は奇数設定の方が偶数設定よりも選択され易くなっており、最も選択され易い設定値は設定5である。そして、90%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに90%フラグをセットし、60%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに60%フラグをセットし、10%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに10%フラグをセットする。これら各継続率を示す情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)は、今回移行するATモードが終了する際にクリアされるフラグである。つまり、一旦、ATモードの継続率が設定された場合には、当該ATモードが終了するまで、その継続率にて各セットの継続抽選が行われる構成としている。なお、継続率設定処理でも、当該継続率の抽選用の乱数を取得して、取得した乱数と設定値に基づいて継続率抽選を行う。
ステップSm1511にて継続率設定処理を実行した後は、ステップSm1512にて各種カウンタエリア106eに設けられたAT払出カウンタに100を入力する処理を実行する。AT払出カウンタはATモードの1セットが終了するまでのメダル払出数をCPU102が把握するためのカウンタであり、押し順報知が実行されたゲームでメダル払い出しが行われた場合に、その枚数に対応する数が減算されるカウンタである。そして、AT払出カウンタが0となった場合(0以下となった場合)に継続条件が成立していれば、再度AT払出カウンタに所定数である100が入力され、AT払出カウンタが0となった場合(0以下となった場合)に継続条件が成立していなければ、ATモードが終了することになる。
その後、ステップSm1513にて、AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、前兆モード用処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが開始されることに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
<CZモード用処理>
CZモード用処理では、図1059のフローチャートに示すように、ステップSm1601にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSm1602では、ステップSm1601の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップSm1603にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSm1604にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップSm1603にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
<ATモード用処理>
ATモード用処理では、図1060のフローチャートに示すように、ステップSm1701にて今回のゲームで第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立しているかを判定する。これら第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立している場合、ステップSm1702にて対応する操作順序の押し順第1情報がRAM106にセットされているか否かを判定する。上記の通り、押し順第1情報は、抽選結果対応処理において、ATモード中に押し順ベル当選となった場合にセットされるものであり、かかる押し順第1情報に基づいて、補助表示部65による押し順報知演出が実行されている。
ステップSm1701及びステップSm1702にて肯定判定した場合、ステップSm1703にて今回のメダル払出数をAT払出カウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSm1704にて、AT払出カウンタが0となったか(0以下となったか)否かを判定する。AT払出カウンタが0となり、ATモードにおけるセットの終了条件が成立した場合、ステップSm1705~ステップSm1712にてセット継続・終了用の処理を実行する。一方、ステップSm1701にて第1小役入賞~第6小役入賞が成立しておらず、例えば他の小役入賞が成立していたり、再遊技入賞が成立していたり、いずれの結果入賞も成立していない場合や、ステップSm1702にて第1小役入賞~第6小役入賞が成立していても押し順第1情報がセットされていない場合、また、ステップSm1704にてAT払出カウンタが0となっていない場合には、ATモードにおけるセットの終了条件が成立していないとして、そのまま本ATモード用処理を終了する。
すなわち、本実施形態においては、押し順報知を伴う第1小役入賞~第6小役入賞によるメダル払出数が所定数(100)となった場合に1セットの終了条件が成立するように設定されており、例えば、他の小役によるメダル払出数はセットの終了条件に寄与しないし、押し順報知を伴わずにたまたま第1小役入賞~第6小役入賞が成立した場合のメダル払出数もセットの終了条件に寄与しないようにしている。このようにすることで、ATモードの終了条件の一つとしてメダル払出数を規定する構成としてメダル払出数を一定化することによる出玉管理の容易化を図りながらも、他の小役当選(小役入賞)等によって終了条件の成立時における総メダル払出数が若干は変化し得るようになり、各ゲームの抽選結果への期待感を向上させることが可能となる。
ステップSm1704にてAT払出カウンタが0となっている場合には、ステップSm1705にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされており、継続条件が成立している場合、次のセットに移行させるための処理(ステップSm1706~ステップSm1708)を実行する。これに対して、ステップSm1705にて継続フラグがセットされていない場合には、ATモードを終了させるための処理(ステップSm1709~ステップSm1712)を実行する。
ステップSm1705にて継続条件が成立している場合、ステップSm1706にて継続フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSm1707にてAT払出カウンタに100を入力する処理を実行し、ステップSm1708にてセット更新コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。セット更新コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードのセットの移行が行われたことに対応させて補助表示部65やスピーカ64の演出を更新するための処理を実行する。
一方、ステップSm1705にて継続条件が成立していない場合、ステップSm1709にてATモードフラグをクリアし、ステップSm1710にて継続率の情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)をクリアする処理を実行する。そして、ステップSm1711にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSm1712にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して、有利区間を終了させるためのフラグである。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが終了したことに対応する演出を行うように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図1061を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図1038)におけるステップSm414にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSm1801では、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8が表示中であるか否か、より詳しくは、右第8表示用セグメントNa8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、右第8表示用セグメントNa8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSm1801にて否定判定し、右第8表示用セグメントNa8を消灯中であると判定した場合、ステップSm1802に進む。
ステップSm1802では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSm1803にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSm1804にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSm1805では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSm1806にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。なお、天井カウンタの抽選においても、当該抽選用の乱数を取得して、設定値やゲームの抽選結果等を利用して天井ゲーム数(天井カウンタ)を抽選により決定する。
区間表示第1処理において、ステップSm1806にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップSm1807にて、右第8表示用セグメントNa8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSm1801にて区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を表示中であると判定した場合、ステップSm1808にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSm1808について具体的には、右第8表示用セグメントNa8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSm1802にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSm1807にて表示開始処理を実行した後、又はステップSm1808の表示継続処理を実行した後は、ステップSm1809にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップSm1809にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップSm1810にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップSm1809にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップSm1811にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSm1810又はステップSm1811の処理を実行した後は、ステップSm1812にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSm1813にて、ステップSm1812の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図1022に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77A、第2表示部77B、第3表示部77C、第4表示部77D、第5表示部77Eを有している。第1表示部77A~第5表示部77Eにおける表示用セグメントは、払出枚数表示部62の表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSm1813では、ステップSm1812の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77A~77Eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSm1813の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSm1812の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77Aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77Aを有さないようにしたり、第1表示部77Aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77Aと第2表示部77Bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図1062のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSm517にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSm1901では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSm1902にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップSm1903では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSm1903のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSm1903のMY更新処理を実行した後は、ステップSm1904にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSm1905にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップSm1906にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSm1907にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSm1908では、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSm1909にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSm1909の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSm1906にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSm1910に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップSm1907に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<主制御装置101側の押し順報知を行うための処理>
次に、主制御装置101側で押し順報知を行うための処理について説明する。既に説明した通り、表示制御装置81側の押し順報知演出は、抽選結果対応処理にて設定される押し順第1情報に基づいて実行され、より詳しくは、押し順第1情報に基づいて出力される押し順報知コマンドに含まれる操作順序の情報に基づいて実行される。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、主制御装置101側の押し順報知は、各ゲームの遊技結果として払い出されるメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62にて実行するようにしている。
<回転開始処理>
先ず、主制御装置101側の押し順報知を実行するための構成として、回転開始処理について、図1063のフローチャートを参照しながら説明する。回転開始処理は、リール制御処理(図1041)におけるステップSm502にて実行される処理であり、スタートレバー41が操作された後、ウェイト期間の経過に基づいて各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるための処理である。
ステップSm2001では、前回のゲームにて各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてからのウェイト期間(4.1sec)が経過したか否かを判定する。ウェイト経過していない場合には、ウェイト期間が経過するまで待機し、ウェイト期間が経過することでステップSm2001にて肯定判定し、ステップSm2002に進む。
ステップSm2002では、上記の押し順第1情報としての順押し用フラグ、挟み押し用フラグ、中順押し用フラグ、中逆押し用フラグ、逆挟み用フラグ、逆押し用フラグのいずれかのフラグが各種フラグ格納エリア106dにセットされているか否かを判定する。セットされている場合、ステップSm2003にて、押し順第1情報に基づいて各種カウンタエリア106eに設けられた押し順用カウンタに押し順第2情報を設定する処理を実行する。押し順用カウンタは、払出枚数表示部62にて押し順報知を行うための情報であり、CPU102は、押し順用カウンタに入力されている値が払出枚数表示部62にて表示されるようにして押し順報知を実行する。
具体的には、ステップSm2003では、押し順第1情報として順押し用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「01」を入力し、押し順第1情報として挟み押し用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「02」を入力し、押し順第1情報として中順押し用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「03」を入力し、押し順第1情報として中逆押し用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「04」を入力し、押し順第1情報として逆挟み用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「05」を入力し、押し順第1情報として逆押し用フラグがセットされている場合には押し順第2情報として押し順用カウンタに「06」を入力する。
ステップSm2002にて押し順第1情報がセットされていないと判定した場合や、ステップSm2003にて押し順第2情報の設定を行った後は、ステップSm2004にて開始駆動制御用処理を実行してから、本回転開始処理を終了する。開始駆動制御用処理では、先ず、ウェイト表示部35を消灯状態とするとともに、次回の遊技のためのウェイト時間を再設定し、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。モータ制御初期化処理を実行することにより、タイマ割込み処理(図1035)におけるステップSm106のステッピングモータ制御処理にて、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるようになる。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、定速回転となった場合には、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力してから、本回転開始処理を終了する。表示制御装置81では、定速回転となったことに基づいて、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
この場合、各リール32L,32M,32Rの回転開始とともに、押し順用カウンタに入力された値が払出枚数表示部62にて表示されることにより、今回のゲームの操作順序が報知されることになる(図1053(b))。
ここで、図1064に示すように、上記の押し順第1情報はRAM106における各種フラグ格納エリア106aの所定領域としての押し順1A~押し順6Aに記憶され、押し順第2情報はRAM106における各種カウンタエリア106eの所定領域としての押し順用カウンタに記憶される。これら押し順1A~押し順6Aの各フラグや、押し順用カウンタの情報は、毎ゲームクリアされる。
<払出判定処理>
次に、本実施形態における払出判定処理について、図1065のフローチャートを参照しながら説明する。払出判定処理はリール制御処理(図1041)におけるステップSm514にて実行される処理であり、全リール32L,32M,32Rの回転が停止した後で実行される処理である。
ステップSm2101では、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSm2102にて各リール32L,32M,32Rの有効位置に停止している図柄(図柄番号)を把握する処理を実行し、ステップSm2103にて、停止している図柄の組み合わせと今回のゲームの抽選結果に対応する図柄の組み合わせとの比較処理を実行する。なお、抽選処理(図1038)における停止情報設定処理(ステップSm412)では、今回のゲームの抽選結果に基づいて、当該抽選結果の入賞となる図柄の組み合わせを各リール32L,32M,32Rの停止情報として設定する他、入賞とならない図柄の組み合わせも各リール32L,32M,32Rの停止情報として設定する。ステップSm2103の比較処理では、これら入賞となる図柄の組み合わせだけではなく、入賞とならない図柄の組み合わせも含めて、今回のゲームの抽選結果に対応するものであるか否かの比較を行う。
そして、続くステップSm2104にて、ステップSm2103の比較処理の結果が不整合であり、停止している図柄の組み合わせと今回のゲームの抽選結果に対応しない図柄の組合せであるか否かの判定を行う。ステップSm2104にて肯定判定し、停止する予定ではない図柄が有効位置に停止している場合、ステップSm2105にて停止エラーフラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする処理を実行してから、本払出判定処理を終了する。停止エラーフラグがセットされた場合、エラー対応処理として、エラー報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われ、また、遊技進行の停止処理が行われる。
ステップSm2104にて不整合ではないと判定した場合、ステップSm2106に進む。ステップSm2106では、停止している図柄の組み合わせが今回にゲームの抽選結果の入賞に対応するものであるか否かを判定する。入賞に対応するものではない場合には、そのまま本払出判定処理を終了する。
入賞に対応するものである場合、ステップSm2107にて今回の入賞がいずれかの再遊技入賞であるか否かを判定する。再遊技入賞である場合、ステップSm2108にて再遊技状態に設定してから本払出判定処理を終了する。再遊技状態に設定することにより、次ゲームの開始待ち処理(ステップSm304)にて、今回の再遊技入賞の契機となったゲームのベット数と同数のベットが行われるように自動ベット処理が行われることになる。
再遊技入賞ではないと判定した場合、ステップSm2109にて今回の入賞がいずれかの小役入賞であるか否かを判定する。再遊技入賞でもなく小役入賞でもない場合とは、BB入賞であることを意味し、この場合、そのまま払出判定処理を終了し、本払出判定処理に続けて実行されるボーナス状態処理(ステップSm515)にて、BB入賞時の処理を実行する。
ステップSm2109にていずれかの小役入賞であると判定した場合、ステップSm2110にて小役入賞に伴う払出枚数を把握する処理を実行する。そして、ステップSm2111にて押し順第2情報としての押し順用カウンタを初期値である「00」にクリアする処理を実行してから、ステップSm2112~ステップSm2113にて払出枚数に対応する値が各種カウンタエリア106eに設けられた払出第1カウンタに入力されるようにする処理を実行してから、本払出判定処理を終了する。
具体的には、ステップSm2112にてタイマ割込み処理の割込み待ち処理を実施する。すなわち、ステップSm2111の処理を実行した後、タイマ割込み処理が1回起動されることで次のステップSm2113に進む。ステップSm2113では、ステップSm2110にて把握した払出枚数に対応する数値情報を払出第1カウンタに入力してから、払出判定処理を終了する。
<メダル払出処理>
次に、通常処理(図1037)におけるステップSm312にて実行されるメダル払出処理について、図1066のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップSm2201にて上記の払出第1カウンタが0であるか否かを判定する。0よりも大きい場合には、ステップSm2202にて各種カウンタエリア106eに設けられたクレジットカウンタが上限値である50となっているか否かを判定する。上限値ではない場合には、ステップSm2203にてクレジットカウンタを1加算する処理を実行し、上限値である場合には、ステップSm2204にて払出装置53から1枚のメダルの払い出しが行われるように払出装置53を制御するための払出駆動処理を実行する。クレジットカウンタはクレジット枚数をCPU102がカウントするためのカウンタである。
ステップSm2203又はステップSm2204の処理を実行した後は、ステップSm2205にて払出第1カウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSm2206では、各種カウンタエリア106eに設けられた払出第2カウンタを1加算する処理を実行する。払出第2カウンタは、払出枚数表示部62に払出枚数を表示させるためのカウンタである。ステップSm2206の処理を実行した後は、ステップSm2207にて、タイマ割込み処理の割込み待ち処理を実行する。かかる処理は、上記ステップSm2112の処理と同様である。ステップSm2207にてタイマ割込み処理が1回起動された場合、ステップSm2201に戻り、払出第1カウンタが0となるまでステップSm2201~ステップSm2207の処理を繰り返す。
ステップSm2201にて、払出第1カウンタが0となり、入賞に基づく払出が完了した場合、ステップSm2208にてRAM106のエラー報知用エリア106gに設けられたエラーカウンタのアクセス制限(エラー報知用エリア106gへのアクセス制限)を解除する処理を実行してから、本メダル払出処理を終了する。エラーカウンタは、エラーが発生していることをCPU102が特定した場合に、そのエラーの種類(エラー番号)に対応する値が入力される。
<セグメントデータ設定処理>
上記のように、払出枚数表示部62にてメダル払出枚数と押し順報知とを行ううえで、払出枚数表示部62を含む各種表示部を更新するための処理として、セグメントデータ設定処理について、図1067のフローチャートを参照しながら説明する。セグメントデータ設定処理は、タイマ割込み処理(図1036)のステップSm111にて実行される処理である。タイマ割込み処理は、通常処理とは並行して実行される処理であり、通常処理の終了を待たずにセグメントデータ設定処理が起動される。
ステップSm2301では、上記のクレジットカウンタの値を把握する処理を実行し、続くステップSm2302にて、クレジット表示部60の表示がクレジットカウンタの値を示す表示となるようにクレジット表示部60用のデータを更新する処理を実行する。この場合、当該セグメントデータ設定処理に続いて起動されるセグメントデータ表示処理(ステップSm112)では、ステップSm2302にて更新されたデータの表示となるようにクレジット表示部60のセグメント制御を行う。
ステップSm2303では、BBカウンタの値を把握する処理を実行し、続くステップSm2304にて残払出枚数表示部61の表示をBBカウンタの値を示す表示となるように残払出枚数表示部61用のデータを更新する処理を実行する。この場合、当該セグメントデータ設定処理に続いて起動されるセグメントデータ表示処理(ステップSm112)では、ステップSm2304にて更新されたデータの表示となるように残払出枚数表示部61のセグメント制御を行う。
続くステップSm2305では、エラーカウンタにアクセス(エラー報知用エリア106gへのアクセス)が可能な状態か否かを判定する。エラーカウンタへのアクセスが不可である場合、ステップSm2306に進み、払出第2カウンタが0であるか否かを判定する。払出第2カウンタが0よりも大きい場合、ステップSm2307にて払出第2カウンタの値を把握する処理を実行し、ステップSm2308にて払出枚数表示部62の表示を払出カウンタの値を示す表示となるように払出枚数表示部62用のデータを更新する処理を実行してから、本セグメントデータ設定処理を終了する。一方、払出第2カウンタが0である場合、ステップSm2309にて押し順第2情報としての押し順用カウンタの値を把握する処理を実行し、ステップSm2308にて払出枚数表示部62の表示を押し順用カウンタの値を示す表示となるように払出枚数表示部62用のデータを更新する処理を実行してから、本セグメントデータ設定処理を終了する。この場合、当該セグメントデータ設定処理に続いて起動されるセグメントデータ表示処理(ステップSm112)では、ステップSm2308にて更新されたデータの表示となるように払出枚数表示部62のセグメント制御を行う。
つまり、小役入賞に伴いメダル払出が行われる場合、本実施形態では、払出第2カウンタが0から1ずつカウントアップされ、払出第1カウンタは1ずつカウントダウンされ、実際に1枚のメダル払出が行われる度に払出枚数表示部62の払出枚数の表示は1ずつカウントアップされる。このようにすることで、メダル払出の枚数が多いほどカウントアップやカウントダウンに伴う表示の更新回数が多くなるし、更新期間も長くなり、払出枚数と更新回数乃至更新期間が関連付けられるため、遊技者が払出枚数を直感的に把握することができるようになる。
しかも、払出枚数の表示を行う払出枚数表示部62にて押し順報知も行う構成とし、当該押し順報知から払出枚数の表示に切り替える際には、押し順用カウンタを「00」にクリアする構成としている。このようにすることで、払出枚数表示部62にて表示されていた操作順序を示す数値が、一旦、いずれの操作順序にも対応しない「00」となってから払出枚数を示すカウントアップに移行するようになり、押し順報知と払出枚数の表示との間に「00」の表示が介在するようになる。具体的には、例えば、逆押し用の押し順報知が行われ、払出枚数表示部62にて「06」と表示されている状況で第6小役入賞が成立した場合に、「06」から「01」→「02」、、、「13」として払出枚数のカウントアップが行われるのではなく、「06」の表示が「00」に更新されてから、「01」→「02」、、、「13」として払出枚数のカウントアップが行われる。よって、押し順報知の表示と払出枚数の表示とを共通の表示部にて行うことで構成の簡素化を図りながらも、両表示の区切りが存在するようになり、いずれの報知が行われているかを遊技者が把握し易くすることが可能となる。
特に、押し順用カウンタを「00」にクリアした後、タイマ割込み処理の割込み待ちを行い、払出第2カウンタのカウントアップよりも前に、セグメントデータ設定処理が確実に起動されるようにしていることから、通常処理とタイマ割込み処理といった並行して実行される処理にて払出枚数表示部62の表示を管理するうえで、より確実に払出枚数表示部62が「00」として表示される状況が存在するようにすることが可能となる。
<毎ゲームRAMクリア処理>
通常処理(図1035)におけるステップSm303にて実行される毎ゲームRAMクリア処理について説明する。毎ゲームRAMクリア処理は、前ゲームが終了した後であって、前ゲームの再遊技入賞に伴い自動ベット処理が行われる再遊技状態に設定されるよりも前であり、ベット操作が可能となる受入可能状態となるよりも前であり、更にスタートレバー41による開始操作が可能となる開始可能状態となるよりも前に実行される処理である。なお、再遊技状態やベット操作が可能となる受入可能状態や開始操作が可能となる開始可能状態は、ステップSm304の開始待ち処理にて設定され、再遊技状態となると再遊技状態表示部76aが点灯状態とされ、受入可能状態となると受入可能状態表示部76cが点灯状態とされ、開始可能状態となると開始可能状態表示部76bが点灯状態とされる。つまり、毎ゲームRAMクリア処理は、これら各状態表示部76a~76cが点灯状態とされるよりも前に実行される処理である。
ステップSm303の毎ゲームRAMクリア処理では、RAM106に記憶されているRAMクリアの対象となる各種情報を初期値としてクリアする。ステップSm303においてRAMクリアの対象となる各種情報としては、各ゲームの抽選結果に対応する当選フラグが格納される当選フラグ格納エリア106aや、図柄停止情報が格納される停止情報格納エリア106bの他、各種フラグ格納エリア106dのうちの毎ゲームクリアされるフラグとして、上記の押し順第1情報としての各押し順フラグ(順押し用フラグ、挟み押し用フラグ、中順押し用フラグ、中逆押し用フラグ、逆挟み用フラグ、逆押し用フラグ)や、各種カウンタエリア106eのうちの毎ゲームクリアされるカウンタとして、例えば、上記の払出枚数を示す払出第1カウンタや払出第2カウンタ、ベット数を示すベットカウンタの他に、上記の押し順第2情報としての押し順用カウンタが設定されている。つまり、これらの情報は、毎ゲーム初期値にクリアされ、次ゲームに持ち越されることがない。また、当該RAMクリア処理において、各ゲームの抽選結果に対応する当選フラグや図柄停止情報をクリアする際に、押し順第1情報や押し順第2情報もまとめてクリアする構成としているため、これら押し順第1情報や押し順第2情報をクリアするために別途処理を設ける必要がなく処理構成の簡素化が図られている。
<押し順報知と払出枚数の表示と押し順情報のクリア>
押し順報知及び払出枚数の表示の実行タイミングと押し順情報のクリアタイミングとの関係を、図1068を参照しながら説明する。
規定枚数のベットが行われている状況でt1にてスタートレバー41の操作が行われると、抽選処理にて今回のゲームの抽選が行われる。抽選処理に続けて実行される抽選結果対応処理にて、今回のゲームで押し順報知が行われることの決定がなされた場合、抽選結果コマンド(押し順ベルグループコマンド)とともに押し順報知コマンドが主制御装置101から表示制御装置81に出力され、当該t1にて補助表示部65等によるサブ側の押し順報知演出が開始される。
t1のスタートレバー41の操作がウェイト期間の経過前であった場合、当該t1では各リール32L,32M,32Rの回転は開始せず、t1よりも後のt2にてウェイト期間が経過すると各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。この場合、t1では、上記の通り補助表示部65等によるサブ側の押し順報知演出は開始されるものの、払出枚数表示部62による主側の押し順報知は開始されず、当該主側の押し順報知は各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるt2にて実行される。払出枚数表示部62による表示は、t1からt2では「00」が表示されており、t2にて押し順報知が開始されると操作順序に対応する表示内容となる(図では、逆順押しを示す05が表示されている)。
t3にて各リール32L,32M,32Rが停止し、小役入賞(第6小役入賞)が成立していると、払出枚数表示部62の表示は、押し順報知から払出枚数の表示に切り替わる。この場合、先ず、押し順第2情報としての押し順用カウンタが初期値である「00」にクリアされてから、払出枚数のカウントアップが行われることから、当該t3の切り替わりタイミングよりも前に起動されるタイマ割込み処理中のセグメントデータ設定処理にて更新される払出枚数表示部62の表示は、押し順第2情報(押し順用カウンタ)に対応するものであり、t3の切り替わりタイミングよりも後に起動されるタイマ割込み処理中のセグメントデータ設定処理にて更新される払出枚数表示部62の表示は、払出第2カウンタに対応するものである。
この場合、押し順報知(「01」~「06」)と払出枚数の表示(「01」~「13」)との間に、払出枚数表示部62の表示が「00」となる状態が介在することになることから、遊技者は両表示を区別し易くなり、いずれの表示が行われているかを容易に確認することが可能となる。
しかも、押し順用カウンタを初期値である「00」にクリアした後であって、払出第2カウンタのカウントアップを開始するよりも前にてタイマ割込み処理の割込み待ちを行うようにしていることから、払出第2カウンタがカウントアップされるよりも前に押し順用カウンタの値が「00」となっている状況でセグメントデータ設定処理が実施されることとなり、通常処理とタイマ割込み処理の起動状況によって区切りとなる「00」が存在しない場合がある、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
t3にて払出枚数表示部62の表示内容が払出第2カウンタに相当する表示に切り替わってから、払出枚数のカウントアップが行われる。この場合、払出第2カウンタを1加算する度にタイマ割込み処理の割込み待ちを行うようにしていることから、払出第2カウンタが1加算される度により確実にセグメントデータ設定処理が起動され、払出枚数表示部62の更新をより細かくすることが可能となる。
t4にてメダル払い出しが完了すると、払出第2カウンタは今回の払出枚数に相当する値(「13」)となる。この場合、メダル払い出しの完了とともに、次のゲームの開始前状態に移行し、通常処理におけるRAMクリア処理(ステップSm303)が実施される。上記のように、当該t4の毎ゲームRAMクリア処理にて押し順第1情報や押し順第2情報もまとめてクリアされる。但し、押し順第2情報は、上記のように払出第1カウンタの設定時にクリアされるようにしていることから、既にクリアされた状態で再クリアが行われることになる。
t5にて次ゲームの開始操作としてスタートレバー41が操作され、t6にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される場合、上記t1及びt2の場合と同様に、t5にて押し順第1情報に基づいてサブ側の押し順報知演出が開始され、t6にて押し順第1情報に基づく押し順第2情報の設定が行われて主側の押し順報知が開始される。
例えば、今回のゲームで押し順報知の示す操作順序に従わないストップスイッチ42~44の操作が行われた場合であって、t7にて各リール32L,32M,32Rが停止した際にいずれの小役入賞も成立しなかった場合、払出判定処理においては、入賞無しとしてステップSm2106にて否定判定する。この場合、メダル払出が発生しないことから、払出第1カウンタの設定処理(ステップSm2113)は行われないし、当該払出第1カウンタの設定前の押し順第2情報のクリア処理(ステップSm2111)も実施されない。
但し、t7にて払出判定処理が終了した後は、次ゲームの開始前状態に移行し、上記のRAMクリア処理(ステップSm303)にて、押し順第1情報や押し順第2情報もまとめてクリアされる。そのため、押し順第1情報や押し順第2情報を個別にクリアする処理を設けなくても、毎ゲームのクリア処理に合わせてこれら各押し順情報をクリアすることが可能となり、当該押し順情報を次ゲームに持ち越さないようにするうえで、構成の簡素化を図ることが可能となる。
また、セグメントデータ設定処理において、払出第2カウンタが0である場合には押し順第1情報ではなく押し順第2情報を把握して、その値を払出枚数表示部62に表示させるようにしていることから、スタートレバー41の操作に基づく押し順第1情報の設定時ではなく、各リール32L,32M,32Rの回転開始時から払出枚数表示部62による押し順報知が開始されるようになる。ちなみに、払出第2カウンタが0である場合であって、押し順第2情報の設定前においては、押し順第2情報は初期値の「00」であり、この場合、払出枚数表示部62には「00」が表示されることとなる。なお、この場合、払出枚数表示部62にて表示を行わないようにしてもよい。
<エラーの種類と報知について>
払出枚数表示部62にてメダル払出枚数の報知(払出枚数表示)や押し順報知の他に、スロットマシン10で発生した特定事象として、例えばエラーの報知が行われる構成としている。図1069を参照しながら、払出枚数表示部62にて行われるエラー報知(特定報知)の種類とその報知に対応する特定事象としてのエラーの種類とについて説明する。
払出枚数表示部62において、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2、左第4表示用セグメントNb4、左第5表示用セグメントNb5、右第1表示用セグメントNa1~右第5表示用セグメントNa5がそれぞれ点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「CE」と表示される場合、メダル投入口45から投入されたメダルが案内通路84内で滞留していることを示す、投入メダル滞留エラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2、左第4表示用セグメントNb4、左第5表示用セグメントNb5、右第1表示用セグメントNa1~右第4表示用セグメントNa4、右第7表示用セグメントNa7が点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「CP」と表示される場合、案内通路84内においてメダルが逆流したこと等を示す、投入メダル異常通過エラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第2表示用セグメントNb2~左第4表示用セグメントNb4、左第6表示用セグメントNb6、左第7表示用セグメントNb7、右第1表示用セグメントNa1~右第5表示用セグメントNa5がそれぞれ点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「HE」と表示される場合、ホッパ装置51において貯留タンク52内のメダルが空となったことを示す、遊技メダル払出装置エンプティエラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第2表示用セグメントNb2~左第4表示用セグメントNb4、左第6表示用セグメントNb6、左第7表示用セグメントNb7、右第1表示用セグメントNa1~右第4表示用セグメントNa4、右第7表示用セグメントNa7が点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「HP」と表示される場合、払出装置53からのメダル払出通路にてメダルが滞留していることを示す、払出メダル滞留エラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第2表示用セグメントNb2~左第4表示用セグメントNb4、左第6表示用セグメントNb6、左第7表示用セグメントNb7、右第1表示用セグメントNa1~右第4表示用セグメントNa4が点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「HF」と表示される場合、予備タンク54が満タン状態となっていることを示す、補助収納庫満杯エラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第1表示用セグメントNb1~左第5表示用セグメントNb5、右第6表示用セグメントNa6、右第7表示用セグメントNa7がそれぞれ点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「E1」と表示される場合、停電処理が正常に行われなかった場合や当選確率設定処理にて設定される設定値が正常範囲(1~6)内にない場合を示す、RAM異常エラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第1表示用セグメントNb1~左第5表示用セグメントNb5、右第1表示用セグメントNa1、右第3表示用セグメントNa3~右第5表示用セグメントNa5、右第7表示用セグメントNa7がそれぞれ点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「E2」と表示される場合、抽選用乱数が正常に取得できなかったり、取得された乱数が予め定められた範囲内の乱数ではなかったり、乱数作成回路の故障や誤動作が生じていることを示す、乱数異常エラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第2表示用セグメントNb2、左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7、右第1表示用セグメントNa1、右第2表示用セグメントNa2、右第4表示用セグメントNa4、右第5表示用セグメントNa5がそれぞれ点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「UC」と表示される場合、受入可能状態以外で投入メダル検出装置86にてメダルを検出した場合や、案内通路84においてセンサレバー87が退避位置に配置されたのにもかかわらず、その後、投入メダル検出装置86にてメダルを検出できない場合や、センサレバー87が所定期間に亘って退避位置に配置される、投入タイミングエラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第2表示用セグメントNb2、左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7、右第2表示用セグメントNa2~右第4表示用セグメントNa4、右第6表示用セグメントNa6、右第7表示用セグメントNa7がそれぞれ点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「UH」と表示される場合、メダル払出処理の実行中以外で払出メダル検出装置95にてメダルを検出したことを示す、払出タイミングエラーが発生していることを意味する。
払出枚数表示部62において、左第2表示用セグメントNb2、左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7、右第3表示用セグメントNa3~右第7表示用セグメントNa7がそれぞれ点灯状態とされ、払出枚数表示部62に「Ud」と表示される場合、上記の投入タイミングエラーと払出タイミングエラーとが重複していることを示す、投入払出タイミングエラーが発生していることを意味する。
CPU102は、上記各種エラーが発生した場合には、その種類に応じてエラーカウンタにエラー番号に対応する値を入力する。例えば、投入メダル滞留エラーが発生している場合、エラーカウンタに「1」を入力し、補助収納庫満杯エラーが発生している場合、エラーカウンタに「5」を入力する。そして、図1067のセグメントデータ設定処理では、ステップSm2305にてエラーカウンタにアクセス可能であると判定し、ステップSm2310にてエラーカウンタが0ではないと判定した場合、ステップSm2311にてエラーカウンタの値から発生しているエラーの種類を把握する。この場合、ステップSm2308にて、把握したエラーの種類に対応する表示が払出枚数表示部62にて行われるようにセグメントデータを設定する。このように、本スロットマシン10では、主制御装置101側の払出枚数表示部62にて、押し順報知、メダル払出枚数、及びエラー報知が行われるようになる。また、ステップSm2311にてエラーの種類を把握した場合、エラーの種類に応じたエラーコマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を実行する。これらのエラーコマンドを受信した表示制御装置81では、補助表示部65やスピーカ64にて対応するエラー報知を実行するための処理を行う。
<表示メイン処理>
次に、サブ側の表示制御装置81のCPU181にて実行される処理について説明する。図1070は、表示制御装置81の電源投入に伴い起動される表示メイン処理を示すフローチャートである。
ステップSm2401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU181内に設定するとともに、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU181内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
続くステップSm2402では、立ち上げ時音量設定処理を実行する。立ち上げ時音量設定処理では、電源投入後、所定期間に亘って音量を特定音量に設定するための処理を実行する。なお、当該音量設定処理については後に詳細に説明する。
ステップSm2402の処理を実行した後は、ステップSm2403にて、システム状態が電圧低下状態か否か、すなわち駆動電圧が所定電圧(本実施形態では10ボルト未満)まで低下して電源が遮断されたか否かを判定する。システム状態が電圧低下状態である場合には電源が遮断されたものと判断し、ステップSm2404にて停電処理を行う。
システム状態が電圧低下状態でない場合には、ステップSm2405にて各種演出の選択等の際に用いる乱数値の更新処理を行い、ステップSm2406にて表示制御装置81側のタイマ割込み処理用の処理を実行する。ステップSm2406では、例えば、タイマ割込み処理の割込みタイミングであるか否かを判定し、割込みタイミングである場合には、当該タイマ割込み処理を起動させるための処理を行う。タイマ割込み処理では、例えば、各種タイマカウンタや設定済みの演出データの更新処理を行う。
その後、ステップSm2407にて演出設定処理を実行し、ステップSm2408にて音出力設定処理を実行し、ステップSm2409にてサブ操作対応処理を実行し、ステップSm2410にて待機モード管理処理を実行し、ステップSm2411にて基板側音量設定処理を実行してから、ステップSm2403に戻る。
演出設定処理は、主制御装置101からの各種コマンドに基づいて補助表示部65やスピーカ64にて行う各種演出データの設定するための処理である。また、音出力設定処理は、演出設定処理にて設定された演出の効果音等の音量を設定する処理である。サブ操作対応処理は、第1調節スイッチ210が操作された場合に各種演出をカスタマイズしたり、音量設定を行ったりするための処理である。待機モード管理処理は、所定期間に亘って遊技操作が行われなかった場合に補助表示部65やスピーカ64のモードを待機モードに設定するための処理である。そして、基板側音量設定処理は、遊技ホールの管理者等によって第2調節スイッチ310が操作された場合に、音量設定を行うための処理である。
この場合、これらステップSm2403~ステップSm2411のループ処理は、1.49msec周期で実行されるように設定されており、これら演出設定処理、音出力設定処理、サブ操作対応処理、待機モード管理処理、基板側音量設定処理も1.49msec周期で起動されることになる。以下、演出設定処理、音出力設定処理、サブ操作対応処理、待機モード管理処理、基板側音量設定処理について、それぞれ詳細に説明する。
<演出設定処理>
先ず、ステップSm2407の演出設定処理について、図1071のフローチャートに基づき説明する。
演出設定処理では、先ずステップSm2501にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSm2502にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップSm2501にて否定判定した場合、又はステップSm2502の処理を実行した後は、ステップSm2503にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSm306にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップSm2504にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSm2503にて否定判定した場合、又はステップSm2504の処理を実行した後は、ステップSm2505にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSm411にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図1046)等にてセットされる前兆コマンド、継続コマンド、セット上乗せコマンド及び押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップSm2506にて開始時演出設定処理を実行する。
開始時演出設定処理では、開始時コマンドに基づいて、前兆モードやCZモード、ATモード等へ移行する場合の演出設定を行ったり、今回開始するゲームで実行する演出(例えば上乗せ報知演出等)を設定するための処理を実行する。
また、開始時演出設定処理では、主制御装置101から受信する抽選結果コマンドと各種押し順報知コマンドとに基づいて、押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定するための処理を行う。具体的には、押し順ベルグループコマンドと順押し用コマンドとを受信している場合には順押し用の押し順報知演出が行われるように設定し、押し順ベルグループコマンドと挟み押し用コマンドとを受信している場合には挟み押し用の押し順報知演出が行われるように設定し、押し順ベルグループコマンドと中順押し用コマンドとを受信している場合には中順押し用の押し順報知演出が行われるように設定し、押し順ベルグループコマンドと中逆押し用コマンドとを受信している場合には中逆押し用の押し順報知演出が行われるように設定し、押し順ベルグループコマンドと逆挟み押し用コマンドとを受信している場合には逆挟み押し用の押し順報知演出が行われるように設定し、押し順ベルグループコマンドと逆押し用コマンドとを受信している場合には逆押し用の押し順報知演出が行われるように設定する。
上記のように、これらの押し順報知演出は、スタートレバー41の操作に基づき実行される演出である。この場合、スタートレバー41の操作後であってウェイト期間の経過後に各リール32L,32M,32Rの回転が開始される場合であっても、上記押し順報知演出は各リール32L,32M,32Rの回転開始前であってスタートレバー41の操作時に開始されることになる。
ステップSm2505にて否定判定した場合、又はステップSm2506の処理を実行した後は、ステップSm2507にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図1041)のステップSm506にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップSm2508にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップSm2507にて否定判定した場合、又はステップSm2508の処理を実行した後は、ステップSm2509にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図1041)のステップSm520にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図1043)や入賞結果対応処理(図1056)等にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップSm2510にて全停止時演出設定処理を実行する。
全停止時演出設定処理では、全停止時コマンドに基づいて、前兆モードやCZモード、ATモード等を終了させる場合の演出設定を行ったり、次ゲームからこれらのモード移行が生じる場合の演出設定を行ったり、ゲームの終了に際して実行する演出を設定するための処理を実行する。
ステップSm2509にて否定判定した場合、又はステップSm2510の処理を実行した後は、ステップSm2511にて、いずれかのエラーコマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのエラーコマンドを受信している場合、ステップSm2512にてエラー報知設定処理を実行する。エラー報知設定処理では、受信しているエラーコマンドに対応するエラー報知が実行されるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップSm2511にて否定判定した場合、又はステップSm2512の処理を実行した後は、ステップSm2513にて、前面扉12が開放された場合に主制御装置101から出力される開放コマンドや閉鎖された場合に出力される閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する。これらの開閉コマンドを受信している場合、ステップSm2514にて、開閉報知設定処理を実行する。開閉報知設定処理では、開放コマンドを受信してれば、前面扉12が開放されていることを示す開放報知が開始されるように補助表示部65やスピーカ64を制御し、閉鎖コマンドを受信していれば、当該開放報知を終了するように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップSm2513にて否定判定した場合、又はステップSm2514の処理を実行した後は、ステップSm2515にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSm2515では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSm2515では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定等を行う。
<音出力設定処理>
表示メイン処理(図1070)における音出力設定処理(ステップSm2408)について、図1072のフローチャートを参照しながら説明する。音出力設定処理は、直前の演出設定処理にて設定された演出等に対応する効果音等の音量設定を行うための処理である。
ステップSm2601では、直前の演出設定処理にていずれかの演出設定が行われたか否かを判定する。いずれの演出設定も行われていない場合、そのまま本音出力設定処理を終了する。いずれかの演出設定が行われた場合、ステップSm2602にて、設定された演出データを把握する処理を実行する。そして、ステップSm2603にて、設定された演出を実行する場合の実行状態を把握する処理を実行する。上記のように、本実施形態では、表示モードとして、通常モード、CZモードやATモード等が設定されており、ステップSm2603にて把握する実行状態は、主にこれら表示モードが対応している。本実施形態では、この他に、一定時間遊技進行処理が行われなかった場合に移行する待機モードが設定されており、ステップSm2603では、実行状態として待機モードも含めて把握する。
続くステップSm2604では、各種カウンタエリア183bに設けられた音量設定カウンタの値を把握する。音量設定カウンタは、現状設定されている音量の大小をCPU181が把握するためのカウンタである。なお、音量設定カウンタの設定については、後に詳細に説明する。
その後、ステップSm2605にて、上記ステップSm2602~ステップSm2605にて把握した情報に基づいて、今回出力する音の音量を設定する処理を実行してから、本音出力設定処理を終了する。
<サブ操作対応処理>
次に、表示メイン処理(図1070)におけるサブ操作対応処理(ステップSm2409)について、図1073のフローチャートを参照しながら説明する。サブ操作対応処理では、第1調節スイッチ210を用いた各種演出のカスタマイズや音量調節等を行うための処理を実行する。
サブ操作対応処理の説明に先立ち、第1調節スイッチ210の構成について、図1085(a)を参照しながら簡単に説明する。既に説明した通り、第1調節スイッチ210は、第1クレジット投入スイッチ56や演出スイッチ66と並設されており、遊技者が操作可能となっている(図1018,図1019参照)。第1調節スイッチ210は、台座270に対して、中央に中スイッチ220が設けられており、この中スイッチ220を中心に、右スイッチ230、左スイッチ240、上スイッチ250及び下スイッチ260が設けられている。これら各スイッチは、慨すると、上下左右のスイッチ230,240,250,260が項目等の選択に用いられる所謂十字キーであり、中スイッチ220が選択している項目の決定等に用いられる所謂決定キーである。これら、中スイッチ220と、右スイッチ230、左スイッチ240、上スイッチ250及び下スイッチ260と、は近接して設けられており、中スイッチ220を操作しようとすれば、その手で右スイッチ230、左スイッチ240、上スイッチ250及び下スイッチ260を操作可能であり、右スイッチ230、左スイッチ240、上スイッチ250又は下スイッチ260を操作しようとすれば、その手で中スイッチ220を操作可能な位置にそれぞれのスイッチ220,230,240,250,260が設けられている。このような近い位置に各スイッチを設けることで、第1調節スイッチ210を用いた一連の設定・確認操作の操作性を向上させることが可能である。
サブ操作対応処理において、ステップSm2701では、第1調節スイッチ210の操作が有効化されるサブ操作有効期間であるか否かを判定する。サブ操作有効期間とは、ゲームが行われていない状況を示し、より詳しくは、スタートレバー41が操作されてから(各リール32L,32M,32Rの回転開始処理が行われてから)、各リール32L,32M,32Rの回転が停止して、当該ゲームの結果としてメダル払出処理が完了するまでの状況を除く状況を示す。すなわち、例えば、いずれかの小役入賞が成立して、その小役入賞に対応するメダル払出が行われた後、次のゲームにおいて、スタートレバー41が操作されるまでの期間がサブ操作有効期間に相当する。
本実施形態では、例えば、前ゲームでメダル払出が行われた後であって、今回のゲームでベット操作やメダル投入が行われた後であっても、スタートレバー41の操作が行われるよりも前は、サブ操作有効期間として設定している。このようにすることで、例えば、ベット操作を行った場合に、当該ベット操作に伴う効果音が大きすぎること又は小さすぎることを通じて音量を調節したい場合等、今回のゲームの終了を待たずにその調節を行うことが可能となる。
サブ操作有効期間である場合、ステップSm2702に進み、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに調整用フラグがセットされているか否かを判定する。調整用フラグは、所定の音量調整を行うまでの待ちの状況であることをCPU181が把握するためのフラグである。調整用フラグがセットされていない場合、ステップSm2703にてRAM183の各種カウンタエリア183bの待機用タイマカウンタを1減算する処理を実行する。待機用タイマカウンタは、補助表示部65やスピーカ64の状態を待機モードにするまでの期間をCPU181が把握するためのカウンタであり、遊技進行用の処理が終了した場合に(例えばメダル払出用の効果音の出力が終了した場合に)、待機モードとするまでの期間に相当する値(420268、60sec相当)が入力される。
ステップSm2703にて待機用タイマカウンタの減算処理を行った後は、ステップSm2704にて当該待機用タイマカウンタが0となったか否かを把握する。待機用タイマカウンタが0となり、遊技進行用の処理が終了してから60secが経過した場合、ステップSm2705にて、各種カウンタエリア183bの音量調整用タイマカウンタに所定の音量調整を行うまでの期間に相当する値(1208054、30min相当)を入力する処理を実行する。そして、ステップSm2706にて、上記の調整用フラグをセットする処理を実行する。
ステップSm2702にて既に調整用フラグがセットされている場合、ステップSm2704にて待機用タイマカウンタが0に至っていない場合、又はステップSm2706の処理を実行した後は、ステップSm2707に進む。ステップSm2707~ステップSm2716では、補助表示部65における表示内容に応じて、第1調節スイッチ210の操作用の各種処理を行う。
<補助表示部65でのメニュー画面>
ここで、サブ操作有効期間において補助表示部65にて表示されるメニュー画面の概要について、図1087~図1089を参照しながら説明する。
図1087のメニュー画面は、第1調節スイッチ210における中スイッチ220(メインボタン)を操作した場合に表示される画面である。メニュー画面では、選択項目として、演出に登場するキャラクターを選択する項目を示す第1項目画像KP1、遊技履歴の確認を示す第2項目画像KP2、音量設定を示す第3項目画像KP3、及びメニュー画面を閉じることを示す第4項目画像KP4が表示される。この場合、第1調節スイッチ210を模したスイッチ画像SPも、これら各項目画像KP1~KP4とあわせて表示され、当該スイッチ画像SPにおける上下のスイッチ250,260に対応する上スイッチ画像SP1及び下スイッチ画像SP2が強調表示(例えば点滅)されることにより、各項目画像KP1~KP4の選択を上下のスイッチ250,260によって変更できることの操作指示演出が行われる。
各項目画像KP1~KP4のうち、現状、選択している画像については、例えば、背景色が変更される等して強調表示される(図1087(a)においては、現状、第1項目画像KP1を選択していることを示している)。
この場合、例えば、下スイッチ260を操作することによって、選択している項目画像KP1~KP4を切り替えることにより、所望の画像を選択することが可能となる(図1087(b)においては、現状、第3項目画像KP3を選択していることを示している)。
メニュー画面において、中スイッチ220を操作すると、現状、選択している項目画像KP1~KP4に対応する表示の切り換えが行われる。例えば、第1項目画像KP1を選択している状況で中スイッチ220を操作すると、図1088(a)に示すように、キャラクター選択画面に表示が切り換わり、左右のスイッチ230,240を操作することによって各種演出に登場するキャラクタを遊技者が選択できるようになる。
また、第2項目画像KP2を選択している状況で中スイッチ220を操作すると、図1088(b)に示すように、遊技履歴の確認画面に表示が切り換わり、上下のスイッチ250,260を操作することによってこれまでの遊技履歴を遊技者が確認できるようになる。
更に、第3項目画像KP3を選択している状況で中スイッチ220を操作すると、図1089(a)や図1089(b)に示すように、左右のスイッチ230,240を操作することによって遊技者が音量の調節を行うことができるようになる。なお、第4項目画像KP4を選択している状況で中スイッチ220を操作すると、メニュー画面の表示が終了し、メニュー画面を表示させる前の表示画面(例えば、ATモード中であれば、ATモード中の演出画面)に切り換わるようになる。
サブ操作対応処理の説明に戻り、ステップSm2707では、現状、補助表示部65にていずれかの項目画面を表示中か否かを判定する。具体的には、ステップSm2707では、キャラクター選択画面(図1088(a))や、遊技履歴の確認画面(図1088(b))、音量設定画面(図1089)が表示されている状況である場合に肯定判定し、そうではない場合に否定判定する。
ステップSm2707にて否定判定した場合、ステップSm2708にてメニュー画面(図1087)を表示中であるか否かを判定する。各項目画面やメニュー画面を表示中ではない場合、すなわち、例えばATモード中であれば、ATモード中の演出画面が表示されている状況であったり、待機モード中であれば待機モード中の画面が表示されている状況である場合、ステップSm2709にて、中スイッチ220が操作されたか否かを判定する。中スイッチ220が操作された場合、ステップSm2710にてメニュー画面(図1087)を表示させるためのメニュー画面表示用処理を実行する。ステップSm2710では、メニュー画面用の各種画像データをROM182から読み出し、当該画像データが補助表示部65にて表示されるようにするための処理を実行する。なお、以下の各種表示を行う場合の処理において、表示させる画像データをROM182から読み出す処理を行う点や、読み出した画像データを補助表示部65にて表示させるようにする処理を行う点は、以下の処理も同様であるため、その説明を省略する。
その後、ステップSm2711にて、各種カウンタエリア183bのメニュー表示タイマカウンタにメニュー表示を継続するための期間に対応する値(420368、60sec相当)を入力してから、本サブ操作対応処理を終了する。メニュー表示タイマカウンタは、サブ操作対応処理が起動される度に1ずつ減算され、0となると、表示中のメニュー画面や項目画面を終了するように設定されている。
ステップSm2709にて中スイッチ220が操作されていないと判定した場合、ステップSm2712にて上下左右のスイッチ230,240,250,260のうちの、左右のスイッチ230,240が操作されたか否かを判定する。左右いずれかのスイッチ230,240が操作された場合、ステップSm2713にて、各種フラグ格納エリア183aにショートカットフラグをセットした後、ステップSm2714にて音量設定画面表示用処理を実行する。ショートカットフラグは、メニュー画面を介することなく音量設定画面を表示させたことをCPU181が把握するためのフラグである。ステップSm2714の処理については後に詳細に説明するが、現状の設定音量を把握したうえで、図1089の音量設定画面を表示させるための処理を行う。その後、ステップSm2711にて、メニュー表示タイマカウンタに60sec相当の値を入力した後、サブ操作対応処理を終了する。
ステップSm2712にて左右いずれのスイッチ230,240も操作されていない場合や、上下のスイッチ250,260が操作されている場合には、そのまま本サブ操作対応処理を終了する。
ステップSm2708にて、メニュー画面を表示中であると判定した場合、ステップSm2715にてメニュー表示中操作対応処理を実行してから、サブ操作対応処理を終了する。また、ステップSm2707にて、いずれかの項目画面を表示中であると判定した場合、ステップSm2716にて項目表示中操作対応処理を実行してから、サブ操作対応処理を終了する。これら、メニュー表示中操作対応処理や項目表示中操作対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSm2701にて、サブ操作有効期間ではないと判定した場合、すなわち、スタートレバー41が操作されてから、メダル払出処理が完了するまでの期間である場合、ステップSm2717に進む。ステップSm2717では、上記の調整用フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSm2718にて調整用フラグをクリアしてから、本サブ操作対応処理を終了する。なお、サブ操作有効期間ではなくなってから最初のサブ操作対応処理にて、ステップSm2717にて肯定判定して調整用フラグがクリアされ、その後のサブ操作対応処理では、ステップSm2717にて否定判定することとなる。
ステップSm2717にて否定判定した場合、ステップSm2719にて遊技進行処理の終了タイミングか否かを判定する。具体的には、メダル払出処理(メダル払出や再遊技状態の設定に伴う自動ベット)の終了タイミングであるか否かを判定する。遊技進行処理の終了タイミングである場合、上記の待機用タイマカウンタに60sec相当の値を入力してから、本サブ操作対応処理を終了する。上記のように、待機用タイマカウンタはサブ操作有効期間において1ずつ減算され、0となることで補助表示部65やスピーカ64の待機モードに移行するとともに、所定の音量調節を行うための待機期間に移行する。ステップSm2719にて否定判定した場合(遊技進行処理の実行中である場合)には、そのまま本サブ操作対応処理を終了する。
<メニュー表示中操作対応処理>
次に、ステップSm2715にて実行されるメニュー表示中操作対応処理について、図1074のフローチャートを参照しながら説明する。メニュー表示中操作対応処理は、サブ操作有効期間においてメニュー画面(図1087)が表示されている状況で実行される処理である。
ステップSm2801では、上下左右のスイッチ230,240,250,260のうち上下のスイッチ250,260の操作が行われたか否かを判定する。上下のスイッチ250,260のいずれかが操作された場合、ステップSm2802に進み、選択項目切換処理を実行する。選択項目切換処理では、選択している項目画像KP1~KP4の強調表示を、操作されたスイッチに対応する側の項目画像に切り換える処理を実行する。例えば、第1項目画像KP1が選択されている状況で下スイッチ260が操作された場合、第2項目画像KP2が選択されている状況を示す画像表示となるように処理を行う。また、第1項目画像KP1が選択されている状況で上スイッチ250が操作された場合、第4項目画像KP4が円卓されている状況を示す画像表示となるように処理を行う。
ステップSm2801にて、上下のスイッチ250,260が操作されていない場合、ステップSm2803にて中スイッチ220が操作されたか否かを判定する。操作された場合、ステップSm2804~ステップSm2813にて、中スイッチ220が操作された状況にて選択されていた項目画像に応じた処理を実行する。
具体的には、ステップSm2804では、第1項目画像KP1(キャラクター選択)を選択している状況で中スイッチ220が操作されたか否かを判定する。ステップSm2804にて肯定判定した場合、ステップSm2805にて、キャラ選択画面表示用処理を実行する。
ステップSm2804にて否定判定した場合、ステップSm2806にて、第2項目画像KP2(遊技履歴の確認)を選択している状況で中スイッチ220が操作されたか否かを判定する。ステップSm2806にて肯定判定した場合、ステップSm2807にて遊技履歴画面表示用処理を実行する。
ステップSm2806にて否定判定した場合、ステップSm2808にて、第3項目画像KP3(音量設定)を選択している状況で中スイッチ220が操作されたか否かを判定する。ステップSm2808にて肯定判定した場合、ステップSm2809にて音量設定画面表示用処理を実行する。
これらステップSm2802、ステップSm2805、ステップSm2807、ステップSm2809のいずれかの処理を実行した後は、ステップSm2710にてメニュー表示タイマカウンタに60sec相当の値を入力してから、本メニュー表示中操作対応処理を終了する。
ステップSm2804、ステップSm2806及びステップSm2808にて否定判定する場合とは、第4項目画像KP4を選択している状況で中スイッチ220が操作されたことを意味する。この場合、ステップSm2811に進み、調整用フラグがセットされているか否かを判定する。調整用フラグがセットされている場合とは、上記のように遊技進行処理が終了した場合にセットされる待機用タイマカウンタが0となった後の状況であり、補助表示部65やスピーカ64が待機モードとなっている状況であることを意味する。この場合、ステップSm2812にて、現状のメニュー画面の表示を終了して待機モード中の表示に切り換わるようにするための処理を実行してから、本メニュー表示中操作対応処理を終了する。
これに対して、ステップSm2811にて調整用フラグがセットされていない状況であれば、ステップSm2813にて、現状のメニュー画面の表示を終了してメニュー画面表示前の表示(例えば、ATモード中であった場合にはATモード中の演出画面の表示)に復帰させる処理を実行してから、本メニュー表示中操作対応処理を終了する。
ステップSm2803にて中スイッチ220が操作されていないと判定した場合、ステップSm2814に進む。ステップSm2814では、いずれかの遊技進行操作が行われたか否かを判定する。なお、本実施形態では、有効な遊技進行操作が行われた場合にはステップSm2814にて肯定判定する一方、無効な遊技進行操作が行われた場合にはステップSm2814にて肯定判定しない構成としているが、有効か無効かに関わらず、いずれかの遊技進行操作が行われた場合には、ステップSm2814にて肯定判定する構成としてもよい。より具体的には、本実施形態では、例えば、スタートレバー41の操作が有効な期間中(有効なベットが行われ、且つ各リール32L,32M,32R回転開始前の状況)にスタートレバー41が操作された場合にはステップSm2814にて肯定判定する一方、スタートレバー41の操作が無効な期間中(有効なベットが行われていない状況であったり、各リール32L,32M,32Rの回転開始後の状況)にスタートレバー41が操作された場合にはステップSm2814にて肯定判定しない構成としているが、いずれの状況であってもスタートレバー41が操作された場合にはステップSm2814にて肯定判定する構成としてもよい。
ステップSm2814にて肯定判定した場合、ステップSm2815にて、遊技モード(通常画面)に復帰させる処理を実行する。この場合、メニュー画面の表示を終了するとともに、対応する遊技進行操作に応じた演出画像(上記のスタートレバー41の操作であれば、各リール32L,32M,32Rの回転開始時の演出画像、押し順報知演出等)が表示されるようにして、本メニュー表示中操作対応処理を終了する。
ステップSm2814にて否定判定した場合、ステップSm2815にてメニュー表示タイマカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSm2816にて当該メニュー表示タイマカウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップSm2817にて、現状のメニュー画面の表示を終了して待機モード中の表示に切り換わるようにするための処理を実行してから、本メニュー表示中操作対応処理を終了する。この場合、調整用フラグの有無に関わらず、メニュー画面の表示の終了後は待機モード中の表示となるようにしている。ステップSm2816にて否定判定した場合、そのまま本メニュー表示中操作対応処理を終了する。
<項目表示中操作対応処理>
次に、サブ操作対応処理におけるステップSm2716にて実行される項目表示中操作対応処理について、図1075のフローチャートを参照しながら説明する。項目表示中操作対応処理は、キャラ選択画面や履歴確認画面、音量設定画面が表示されている場合に実行される処理である。
すなわち、ステップSm2901では、キャラ選択画面を表示中であるか否かを判定する。キャラ選択画面を表示中である場合、ステップSm2902にてキャラ選択操作対応処理を実行してから、本項目表示中操作対応処理を終了する。ステップSm2901にて否定判定した場合、ステップSm2903にて履歴確認画面を表示中であるか否かを判定する。履歴確認画面を表示中である場合、ステップSm2904にて履歴確認操作対応処理を実行してから、本項目表示中操作対応処理を終了する。
ステップSm2901及びステップSm2903にて否定判定する場合とは、音量設定画面を表示中であることを意味する。この場合、ステップSm2905にて、音量設定操作対応処理を実行してから、本項目表示中操作対応処理を終了する。
以下、それぞれの項目の表示用処理と対応する操作対応処理とを合わせて説明する。
<キャラ選択画面表示用処理>
ステップSm2805のキャラ選択画面表示用処理について、図1076のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSm3001では、現状、選択中のキャラクタを把握する処理を実行する。本実施形態では、選択可能なキャラクタとして、男の子のキャラクタ(第1キャラクタCP1)と、女の子のキャラクタ(第2キャラクタCP2)と、男性の軍人のキャラクタ(第3キャラクタCP3)と、が設定されており、選択中のキャラクタが各種演出(例えば、ATモードの継続判定用の演出)に登場するように設定されていたり、選択中のキャラクタに応じた演出が設定されている。
CPU181において選択中のキャラクタは、各種カウンタエリア183bに設けられたキャラクタカウンタに入力されている値から把握可能となっている。すなわち、第1キャラクタCP1を選択中である場合にはキャラクタカウンタに1が入力され、第2キャラクタCP2を選択中である場合にはキャラクタカウンタに2が入力され、第3キャラクタCP3を選択中である場合にはキャラクタカウンタに3が入力される。なお、本スロットマシン10の電源投入時には、キャラクタカウンタに初期値として1が入力されるように設定されており、遊技者がキャラクタの選択操作を行っていない状況であれば、初期値として第1キャラクタCP1が選択された状態で各種演出が行われることになる。
ステップSm3001では、上記キャラクタカウンタの値を把握して現状選択されているキャラクタえを把握する処理を実行する。続くステップSm3002では、ステップSm3001にて把握したキャラクタに対応するキャラクタ画像を、補助表示部65における選択領域E1に表示する処理を実行する。続くステップSm3003では、残りのキャラクタに対応するキャラクタ画像を、補助表示部65における左非選択領域E2及び右非選択領域E3に表示する処理を実行する。図1088(a)に示すように、補助表示部65において選択領域E1と左右の非選択領域E2,E3とは明確に区別されており、選択領域E1が画面中央に配置され、非選択領域E2,E3が当該選択領域E1の横(左右)に配置されるように設定されている。なお、本実施形態では、左右の非選択領域E2,E3においては、残りのキャラクタに対応するキャラクタ画像のうち、キャラクタカウンタの値が小さい側のキャラクタ画像を左非選択領域E2に表示させ、キャラクタカウンタの値が大きい側のキャラクタ画像を右非選択領域E3に表示させる構成としているが、キャラクタカウンタの値の大小と表示させる位置との関係が逆であってもよいし、表示させる位置をランダムに決定する構成としてもよい。
ステップSm3002及びステップSm3003の処理により選択領域E1及び非選択領域E2,E3に、各キャラクタ画像を表示させた後は、ステップSm3004にて、選択キャラクタの変更操作用の画像データを補助表示部65に表示させる処理を実行してから、本キャラ選択画面表示用処理を終了する。ステップSm3004では、変更操作用の画像データとして、第1調節スイッチ210を模したスイッチ画像SPを表示し、当該スイッチ画像SPにおける左右のスイッチ230,240に対応する右スイッチ画像SP3及び左スイッチ画像SP4が強調表示(例えば点滅)されることにより、各キャラクタ画像の選択を左右のスイッチ230,240によって変更できることの操作指示演出が行われるようにする。
<キャラ選択操作対応処理>
次に、ステップSm2902のキャラ選択操作対応処理について、図1077のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSm3101では、左スイッチ240が操作されたか否かを判定する。左スイッチ240が操作された場合、ステップSm3102にて、キャラ選択画面における選択領域E1と左右の非選択領域E2,E3との各キャラクタ画像を左回りにスクロールして表示領域を変更するための処理を実行する。具体的には、中央の選択領域E1に表示されていたキャラクタ画像を左非選択領域E2に表示させ、左非選択領域E2に表示されていたキャラクタ画像を右非選択領域E3に表示させ、右非選択領域E3に表示されていたキャラクタ画像を中央の選択領域E1に表示させる処理を実行する。続くステップSm3103では、選択領域E1に表示されるようになったキャラクタ画像を所定の動作を行わせたり、強調表示したりする等のアクション描写を行ってから、本キャラ選択操作対応処理を終了する。この場合、右非選択領域E3に表示されていたキャラクタ画像が選択領域E1に表示され、そのキャラクタ画像のアクション描写が施されることによって、当該キャラクタを選択している状態となったことを遊技者が明確に把握可能となる。
ステップSm3101にて否定判定した場合、ステップSm3104にて右スイッチ230が操作されたか否かを判定する。右スイッチ230が操作された場合、ステップSm3105にて、キャラ選択画面における選択領域E1と左右の非選択領域E2,E3との各キャラクタ画像を右回りにスクロールして表示領域を変更するための処理を実行する。具体的には、中央の選択領域E1に表示されていたキャラクタ画像を右非選択領域E3に表示させ、右非選択領域E3に表示されていたキャラクタ画像を左非選択領域E2に表示させ、左非選択領域E2に表示されていたキャラクタ画像を中央の選択領域E1に表示させる処理を実行する。続くステップSm3106では、選択領域E1に表示されるようになったキャラクタ画像を所定の動作を行わせたり、強調表示したりする等のアクション描写を行ってから、本キャラ選択操作対応処理を終了する。この場合、左非選択領域E2に表示されていたキャラクタ画像が選択領域E1に表示され、そのキャラクタ画像のアクション描写が施されることによって、当該キャラクタを選択している状態となったことを遊技者が明確に把握可能となる。
ステップSm3104にて否定判定した場合、ステップSm3107にて中スイッチ220が操作されたか否かを判定する。中スイッチ220が操作された場合、ステップSm3108にて選択領域E1に表示されているキャラクタ画像に対応する値をキャラクタカウンタに入力することにより、当該キャラクタが以降の演出等に用いられるようにするための処理を実行する。そして、ステップSm3109にて、メニュー画面(図1087)への復帰処理を実行してから、本キャラ選択操作対応処理を終了する。
ステップSm3107にて否定判定した場合、ステップSm3110にて、いずれかの遊技進行操作が行われたか否かを判定する。遊技進行操作が行われた場合、ステップSm3111にて選択領域E1に表示されているキャラクタ画像に対応する値をキャラクタカウンタに入力することにより、当該キャラクタが以降の演出等に用いられるようにするための処理を実行する。ステップSm3111の処理は上記ステップSm3108の処理と同様である。但し、この場合、ステップSm3112にて、メニュー画面(図1087)ではなく、操作された遊技進行操作に応じた遊技モード(通常画面)への復帰処理を実行してから、本キャラ選択操作対応処理を終了する。かかる処理は、上記ステップSm2813と同様であり、例えば、遊技進行操作としてスタートレバー41が操作された場合、復帰処理として、キャラ選択画面から開始時演出(例えば押し順報知演出)に切り換わるようにするための処理を実行する。
ステップSm3110にて否定判定した場合、ステップSm3113にてメニュー表示タイマカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSm3114にて当該メニュー表示タイマカウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま本キャラ選択操作対応処理を終了する。0となった場合には、ステップSm3115にて、待機画面への復帰処理を実行してから、本キャラ選択操作対応処理を終了する。かかる処理は、上記ステップSm2817の処理と同様であり、現状のキャラ選択画面の表示を終了して待機モード中の表示に切り換わるようにするための処理を実行する。
<遊技履歴画面表示用処理>
次に、ステップSm2807の遊技履歴画面表示用処理について、図1078のフローチャートを参照しながら説明する。上記のとおり、遊技履歴画面表示用処理は、メニュー画面において第2項目画像KP2(遊技履歴の確認)を選択している状況で中スイッチ220が操作された場合に実施される処理である。
ステップSm3201では、電源投入時からの遊技履歴を把握する処理を実行する。本実施形態では、遊技履歴として、ATモードが終了してから又は電源投入時から、ATモードへの移行までに要したゲーム数を遊技履歴としてRAM183の所定領域に記憶可能としているとともに、そのATモードへの移行までに要したゲーム数を複数記憶可能としている。なお、ATモードを第1ATモードと第2ATモード(第1ATモードと第2ATモードは、例えば継続率や上乗せ率が異なる)といったように複数種類設ける構成においては、移行したATモードの種類も記憶する構成としてもよく、ATモードの他に第1BBや第2BBへの移行までに要したゲーム数やそのBBの種類も記憶する構成としてもよい。ATモードの他にBBも記憶する場合、ATモード中に移行したBBか、そうではないBBかを別々に記憶可能とし、ATモード中に移行したBBである場合には、ATモードに移行してからBBに移行するまでのゲーム数を記憶する構成としてもよい。遊技履歴は、ATモードやBBの当選回数、ATモードやBBの当選確率の他、小役や再遊技の当選回数や小役や再遊技の入賞回数、総ゲーム数、総ATモードゲーム数等を記憶して、ステップSm3201にてこれらの遊技履歴を把握する構成としてもよい。
本実施形態のように、電源投入時からの遊技履歴を把握するようにすることで、例えば、遊技ホールの開店時に前日の遊技履歴が残存していることを通じて、設定変更が行われていないことが特定されてしまう不都合を回避することができる。なお、RAM183のリセット処理(RAMクリア処理、設定変更)を行ってからの遊技履歴を記憶する構成としてもよく、この場合、ステップSm3201ではリセット処理を行ってからの遊技履歴を把握する構成としてもよく、リセット処理を行ってからの遊技履歴とは別途、電源投入時からの遊技履歴(つまり、前々日に設定変更を行っても、前日からの遊技履歴ではなく、当日の遊技履歴)を把握する構成としてもよい。
続くステップSm3202では、ステップSm3201にて把握した遊技履歴の情報が補助表示部65にて表示されるように制御する処理を実行する。この場合、図1088(b)に示すように、直近のATモード移行ゲーム数を並べて表示するようにするとよい。
続くステップSm3203では、遊技履歴表示のスクロール操作用の画像データを補助表示部65に表示させる処理を実行してから、遊技履歴画面表示用処理を終了する。ステップSm3203では、スクロール操作用の画像データとして、第1調節スイッチ210を模したスイッチ画像SPを表示し、当該スイッチ画像SPにおける上下のスイッチ250,260に対応する上スイッチ画像SP1及び下スイッチ画像SP2が強調表示(例えば点滅)されることにより、上記の遊技履歴のスクロール操作(表示されていないデータを表示させる操作)を上下のスイッチ250,260によって変更できることの操作指示演出が行われるようにする。
<履歴確認操作対応処理>
次に、ステップSm2904の履歴確認操作対応処理について、図1079のフローチャートを参照しながら説明する。上記のとおり、履歴確認操作対応処理は、サブ操作有効期間において遊技履歴画面が表示されている状況で実施される処理である。
ステップSm3301では、上スイッチ250が操作されたか否かを判定する。上スイッチ250が操作された場合、ステップSm3302にて遊技履歴の表示を上側(直近の履歴側)にスクロールする処理を実行してから、本履歴確認操作対応処理を終了する。なお、ステップSm3302では、これ以上、上側にスクロールできない場合には、当該スクロール処理を行うことなく、そのまま本履歴確認操作対応処理を終了する。
ステップSm3301にて否定判定した場合、ステップSm3303にて下スイッチ260が操作されたか否かを判定する。下スイッチ260が操作された場合、ステップSm3304にて遊技履歴の表示を下側(過去の履歴側)にスクロールする処理を実行してから、本履歴確認操作対応処理を終了する。なお、ステップSm3304では、これ以上、下側にスクロールできない場合には、当該スクロール処理を行うことなく、そのまま本履歴確認操作対応処理を終了する。
ステップSm3303にて否定判定した場合、ステップSm3305にて中スイッチ220が操作されたか否かを判定する。中スイッチ220が操作された場合、ステップSm3306にて遊技履歴画面を終了してメニュー画面に切り換える処理を実行してから、本履歴確認操作対応処理を終了する。
ステップSm3305にて否定判定した場合、ステップSm3307にて、いずれかの遊技進行操作が行われたか否かを判定する。遊技進行操作が行われた場合、ステップSm3308にて、メニュー画面(図1087)ではなく、操作された遊技進行操作に応じた画面(遊技モード)への復帰処理を実行してから、本履歴確認操作対応処理を終了する。かかる処理は、上記ステップSm2813と同様である。
ステップSm3307にて否定判定した場合、ステップSm3309にてメニュー表示タイマカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSm3310にて当該メニュー表示タイマカウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま本履歴確認操作対応処理を終了する。0となった場合には、ステップSm3311にて、待機画面への復帰処理を実行してから、本履歴確認操作対応処理を終了する。かかる処理は、上記ステップSm2817の処理と同様である。
<音量設定画面表示用処理>
次に、ステップSm2809やステップSm2714の音量設定画面表示用処理について、図1080のフローチャートを参照しながら説明する。上記のとおり、音量設定画面表示用処理は、メニュー画面において第3項目画像KP3(音量調節)を選択している状況で中スイッチ220が操作された場合の他、サブ操作有効期間においてメニュー画面を介さずに左右のスイッチ230,240が操作された場合に実施される処理である。
ここで、上記のとおり、本実施形態では、各種演出等の音量を、遊技者により操作される第1調節スイッチ210の他に、遊技ホールの管理者等により操作される第2調節スイッチ310によっても設定が可能としている。そこで、音量設定画面表示用処理の説明に先立って、第2調節スイッチ310について説明する。
<第2調節スイッチ310>
第2調節スイッチ310は、前面扉12が開放されることで操作可能となる位置に設けられており、より詳しくは、表示制御装置81に対して直接設けられており、施錠装置20の施錠を解除することができる遊技ホールの管理者等は操作可能であるものの、遊技者は操作できないようになっている(図1021参照)。
図1085(b)に示すように、第2調節スイッチ310は、所定の回転軸を中心に回転可能に設けられた操作部320と、当該操作部320の周方向にメモリが付されたメモリ台座330とからなり、メモリ台座330に付されたメモリに合わせて操作部220を回転操作することで、音量の調節が行われる。メモリ台座330には、「0」~「8」の数字と、「A」~「F」のアルファベットが付されており、このうち、「3」~「7」の数字が通常営業時に使用される音量を示す通常営業用メモリ340であり、「9」及び「A」~「D」が節電営業時に使用される音量を示す節電営業用メモリ350である。
メモリと音量について詳しくは、通常営業用メモリ340のうち、「3」に操作部320を合わせた場合が最小の音量となり、「7」に操作部320を合わせた場合が最大の音量となるように設定されている。また、節電営業用メモリ350のうち、「D」に操作部320を合わせた場合が最小の音量となり、「9」に操作部320を合わせた場合が最大の音量となるように設定されている。なお、音量設定画面においては設定音量を、音量画像ОPによるメーターによって表示し(図1089)、第2調節スイッチ310がメモリ「3」や「D」に合わせている状況では音量画像ОPによるメーターは1となり、第2調節スイッチ310がメモリ「5」や「9」に合わせている状況では音量画像ОPによるメーターは5となるように設定されている。
また、メモリの「0」は、音量が0となり(無音となり)、演出等において効果音の出力タイミングであっても、その効果音を聞き取ることができなくなるようにするための設定値である。メモリの「8」は、例えば、遊技機の動作確認や所定の検定を受ける場合に、その動作確認や検定に適した音量にて効果音等が出力されるようになる設定値である。その他、メモリの「2」や「1」、「E」や「F」は、通常営業時や節電営業時よりも小さい音量にて効果音が出力されるようになる設定値であり、例えば、遊技ホール等の広い部屋ではなくユーザーの自宅等に設置したり、遊技台販促用の営業時にて使用するための設定値である。
各メモリは、演出等の最大音量を規定するものであり、例えば、図1086(a)に示すように、第2調節スイッチ310がメモリ「3」に合わせてあると、演出等の最大音量は85dBに設定され、メモリ「7」に合わせてあると、演出等の最大音量は95dBに設定される。
図1072の音出力設定処理にて説明したとおり、演出等の音量は、演出の種類(音情報の種類)と、出力する状態と、により異なるように設定されている。図1086(b)に示すように、例えば、同じ演出データA1(通常演出用効果音)であって、メモリが「3」に合わせてあっても(液晶メーターが1)、当該演出データA1を実行する場面(実行状態)が実行状態S1(通常モード)である場合には当該演出データA1の音量を50dBに設定する一方、当該演出データA1を実行する場面(実行状態)が実行状態S2(CZモード)である場合には80dBとなり、実行状態S3(ATモード)である場合には85dBとなる、といったように、実行状態によって音量が異なるように設定されている。
また、同じ実行状態S1であって、メモリが「3」に合わせてあっても、演出データA1であれば50dBとなる一方、演出データA2(確定演出用効果音)であれば85dBとなるといったように、演出データによって音量が異なるように設定されている。
さらに、例えば、演出データA2のように、実行状態にかかわらず最大音量となるように設定される演出データ(音情報)や、演出データA3(挿入メロディ)のように、実行状態にかかわらず最大音量よりも小さい音量となるように設定される演出データ(音情報)も設定されている。
メモリ「3」及び「D」(液晶メーター1)、「4」及び「C」(液晶メーター2)、「5」及び「B」(液晶メーター3)、「6」及び「A」(液晶メーター4)、「7」及び「9」(液晶メーター5)は、いずれも演出時の最大音量が共通するように設定されており、基本的には通常営業用メモリ340側と節電営業用メモリ350側とのいずれに合わせてあっても、音量は変わらないものの、節電営業用メモリ350側に合わせてあると、所定の状態(例えば待機モード)における音量が通常営業用メモリ340側に合わせてある場合よりも小さくなる又は無音となるように設定されている(図1086(b)における演出データA3の実行状態S4)。
表示制御装置81では、第2調節スイッチ310の回転量からいずれのメモリに操作部220が合わせてあるかを把握可能となっており、把握したメモリは、各種カウンタエリア183bにおける基板音量カウンタと節電カウンタとに入力される。この場合、図1086(a)に示すように、第2調節スイッチ310がメモリ「3」や「D」に合わせてあると、基板音量カウンタには1が入力され、第2調節スイッチ310がメモリ「4」や「C」に合わせてあると、基板音量カウンタには2が入力され、第2調節スイッチ310がメモリ「5」や「B」に合わせてあると、基板音量カウンタには3が入力され、第2調節スイッチ310がメモリ「6」や「A」に合わせてあると、基板音量カウンタには4が入力され、第2調節スイッチ310がメモリ「7」や「9」に合わせてあると、基板音量カウンタには5が入力される。また、第2調節スイッチ310が節電営業用メモリ350に合わせてあると、節電カウンタに1が入力され、通常営業用メモリ340に合わせてあると、節電カウンタに0が入力される。この他、第2調節スイッチ310がメモリ「0」、「1」、「F」、「2」、「E」、「8」に合わせてある場合、基板音量カウンタには5よりも大きい値(6~9)が入力される。
本実施形態では、遊技ホールの管理者等が第2調節スイッチ310にて設定した音量を、遊技者が第1調節スイッチ210にて再設定することが可能となっており、遊技ホール側である程度の音量調節を行いながらも、遊技者による自由な設定を許容し、大きい音量を好む遊技者や小さい音量を好む遊技者であっても、好適に遊技を行うことが可能となる。
音量設定画面表示用処理の説明に戻る(図1080)。ステップSm3401では、各種カウンタエリア183bの基板音量カウンタの値が6以上であるか否かを判定する。上記のとおり、基板音量カウンタは、第2調節スイッチ310のメモリに応じた値が入力されており、6以上の値が入力される場合とは、メモリ「0」、「1」、「F」、「2」、「E」、「8」に合わせてある場合である。基板音量カウンタの値が5以下であり、これらメモリ「0」、「1」、「F」、「2」、「E」、「8」ではなく、「3」~「7」や「D」~「A」、「9」に合わせてある場合、ステップSm3402に進む。
ステップSm3402では、各種カウンタエリア183bにおける音量設定カウンタの値を把握する処理を実行する。音量設定カウンタは、現状設定されている音量を示すカウンタであり、1から5の間で更新され、例えば、第1調節スイッチ210の操作によって音量が変更される場合、かかる音量設定カウンタの値が変更される。
続くステップSm3403では、音量設定カウンタの値に応じた音量画像OPが補助表示部65にて表示されるように設定する処理を実行する。具体的には、図1089に示すように、音量設定画面では、音量画像OPを1つ表示可能な第1列領域M1と、音量画像OPを2つ表示可能な第2列領域M2と、音量画像OPを3つ表示可能な第3列領域M3と、音量画像OPを4つ表示可能な第4列領域M4と、音量画像OPを5つ表示可能な第5列領域M5と、が設定されている。ステップSm3403では、音量設定カウンタが1であれば、第1列領域M1に音量画像OPが表示され(液晶メーター1)、音量設定カウンタが3であれば、第1列領域M1~第3列領域M3に音量画像OPが表示され(液晶メーター3)、音量設定カウンタが5であれば、第1列領域M1~第5列領域M5に音量画像OPが表示されるようにする(液晶メーター5)。この場合、音量画像OPを表示しない列領域には、音量画像OPの輪郭だけ表示するようにするとよい。
続くステップSm3404では、音量設定操作用の画像データを補助表示部65に表示させる処理を実行してから、音量設定画面表示用処理を終了する。ステップSm3404では、音量設定用操作用の画像データとして、第1調節スイッチ210を模したスイッチ画像SPを表示し、当該スイッチ画像SPにおける左右のスイッチ230,240に対応する右スイッチ画像SP3及び左スイッチ画像SP4が強調表示(例えば点滅)されることにより、音量設定操作を左右のスイッチ230,240によって変更できることの操作指示演出が行われるようにする。
ステップSm3401にて基板音量カウンタが6以上であって、第2調節スイッチ310がメモリ「0」、「1」、「F」、「2」、「E」、「8」に合わせてある場合、ステップSm3405に進み、液晶設定不可画像を表示してから、本音量設定画面表示用処理を終了する。図1090に示す様に、液晶設定不可画像は、上記第1列領域M1~第5列領域M5のいずれにも音量画像OPを表示させず、例えば、音量画像OPの輪郭だけを表示する画像である。なお、「音量設定不可」という文字等を表示するようにしてもよい。
<音量設定操作対応処理>
次に、ステップSm2905の音量設定操作対応処理について、図1081のフローチャートを参照しながら説明する。上記のとおり、音量設定操作対応処理は、サブ操作有効期間において音量設定画面が表示されている状況で実施される処理である。
ステップSm3501では、上記ステップSm3405にて液晶設定不可画像が表示された状況であるか否かを判定する。液晶設定不可画像が表示されていない場合、ステップSm3502に進み、左スイッチ240が操作されたか否かを判定する。左スイッチ240が操作された場合、各種カウンタエリア183bの液晶音量カウンタを1減算する処理を実行する。液晶音量カウンタは、第1調節スイッチ210により設定される音量をCPU181が把握するためのカウンタであり、1~5の間で更新されるカウンタである。液晶音量カウンタには、基本的には、現状の設定音量である音量設定カウンタと同じ値が入力されている。この場合、補助表示部65では、ステップSm3503の処理前の液晶音量カウンタの値に応じた音量画像OPが表示されている。なお、ステップSm3503において、液晶音量カウンタが最小値の1である場合、液晶音量カウンタの減算を行わずにその最小値を維持する。
ステップSm3502にて左スイッチ240が操作されていないと判定した場合、ステップSm3504にて右スイッチ230が操作されたか否かを判定する。右スイッチ230が操作された場合、ステップSm3505にて上記の液晶音量カウンタを1加算する処理を実行する。なお、ステップSm3505において、液晶音量カウンタが最大値の5である場合、液晶音量カウンタの加算を行わずにその最大値を維持する。
ステップSm3503又はステップSm3505の処理を実行した後は、ステップSm3506にて、液晶音量カウンタの値に応じて、音量画像OPの表示を変更するための処理を実行する。具体的には、例えば、液晶音量カウンタが2であって、第1列領域M1と第2列領域M2に音量画像OPが表示されている状況から、液晶音量カウンタが1加算された場合、第3列領域M3に音量画像OPを表示させる処理を行い、液晶音量カウンタが1減算された場合、第2列領域M2の音量画像OPを非表示とする処理(輪郭だけを表示させるようにする処理)を実行する。
続くステップSm3507では、ステップSm3503やステップSm3505の更新後の液晶音量カウンタの値に応じた音量で受付効果音が出力されるようにする処理を実行してから、本音量設定操作対応処理を終了する。
ステップSm3504にて右スイッチ230が操作されていないと判定した場合、ステップSm3508に進む。ステップSm3508では、中スイッチ220が操作されたか否かを判定する。中スイッチ220が操作された場合、ステップSm3509にて、液晶音量カウンタの値を音量設定カウンタに入力する処理を実行する。この処理により、ステップSm3503やステップSm3505にて、遊技者による音量変更操作に基づいて更新した液晶音量カウンタの値が、以降の演出等の音量に反映されるようになる。
続くステップSm3510では、各種フラグ格納エリア183aに調整済みフラグをセットする処理を実行する。調整済みフラグは、遊技者による音量変更操作が行われたことをCPU181が把握するためのフラグである。
その後、ステップSm3511にて調整用フラグがセットされているか否かを判定する。調整用フラグがセットされており、今回の音量変更が待機モード中に行われたものである場合、ステップSm3512にてショートカットフラグがセットされているか否かを判定する。ショートカットフラグは、上記のように、メニュー画面を介することなく音量設定画面を表示する場合にセットされるフラグである。
ショートカットフラグがセットされていない場合、ステップSm3513にて、音量設定画面の表示を終了してメニュー画面に切り換える処理を実行してから、本音量設定操作対応処理を終了する。一方、ショートカットフラグがセットされている場合、ステップSm3514にて、音量設定画面の表示を終了して待機モード中の表示に切り換える処理を実行してから、本音量設定操作対応処理を終了する。なお、音量設定画面の終了に際して、上記のショートカットフラグを消去する。
つまり、本実施形態では、第1調節スイッチ210の中スイッチ220を操作してメニュー画面を表示させた後、音量設定画面を表示させて音量変更を行った場合と、第1調節スイッチ210の左右のスイッチ230,240を操作してメニュー画面を介することなく音量設定画面を表示させて音量変更を行った場合とで、その変更後の復帰先が異なり、メニュー画面を介した場合にはメニュー画面に復帰し、メニュー画面を介していない場合にはメニュー画面の表示前の画面(待機モード中の表示)に復帰するようにしている。
メニュー画面を介して音量変更を行った場合には、当該音量変更だけでなく他の設定・確認(キャラクター選択や遊技履歴の確認)を行う意図があった可能性があり、このような意図があったのにもかかわらずメニュー画面ではなく待機モード中の表示に戻してしまうと、遊技者は、再度メニュー画面を表示させる操作を行わなければならなくなり、煩わしさを感じてしまう可能性がある。その一方で、せっかくメニュー画面を介さないで音量変更を行ったのにもかかわらずメニュー画面に戻してしまうと、遊技者はメニュー画面を終了させる操作を行わなければならなくなり、これも煩わしさを感じてしまう可能性がある。そこで、上記構成のようにそれぞれの操作に応じた復帰先を設定することで、音量変更操作を含む遊技操作の操作性を向上させることが可能となる。
一方、ステップSm3511にて調整用フラグがセットされておらず、今回の音量変更が待機モードではなく遊技モード中に行われたものである場合、ステップSm3515にて、ショートカットフラグの有無にかかわらず、音量設定画面の表示を終了して遊技モード(通常画面)の表示に切り換える処理を実行してから、本音量設定操作対応処理を終了する。なお、ショートカットフラグがセットされている場合には、音量設定画面の終了に際して、当該ショートカットフラグを消去する。このようにすることで、速やかに遊技に復帰させることが可能となり、遊技進行の好適化を図ることができる。
ステップSm3508にて中スイッチ220が操作されていないと判定した場合、ステップSm3516にていずれかの遊技進行操作が行われたか否かを判定する。遊技進行操作が行われた場合、ステップSm3517及びステップSm3518にて、ステップSm3509及びステップSm3510と同様に、液晶音量カウンタの値を音量設定カウンタに入力し、調節済みフラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSm3515に進み、操作された遊技進行操作に応じた画面(遊技モード)への復帰処理を実行してから、本音量設定操作対応処理を終了する。なお、この場合も、音量設定画面の終了に際して、ショートカットフラグがセットされている場合にはそれを消去する処理を行う。
ステップSm3516にて否定判定した場合、ステップSm3519にてメニュー表示タイマカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSm3520にて当該メニュー表示タイマカウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま本音量設定操作対応処理を終了する。0となった場合には、ステップSm3521にて、音量設定カウンタの値を液晶音量カウンタに入力してから、ステップSm3514に進み、待機モードへの復帰処理を実行してから、本音量設定操作対応処理を終了する。この場合、ステップSm3503やステップSm3505にて、遊技者による音量変更操作に基づいて更新した液晶音量カウンタの値は、以降の演出等の音量に反映されることなく、更新前の音量にて以降の演出等が行われるようになる。なお、これらの場合も、音量設定画面の終了に際して、ショートカットフラグがセットされている場合にはそれを消去する処理を行う。
ステップSm3501にて液晶設定不可画像を表示中であると判定した場合、ステップSm3522にていずれかの遊技進行操作が行われたか否かを判定する。遊技進行操作が行われた場合、ステップSm3515に進み、遊技モードの表示への復帰処理を実行してから、本音量設定操作対応処理を終了する。遊技進行操作が行われていない場合、ステップSm3519側に進み、メニュー表示タイマカウンタが0となれば待機モードの表示へ復帰させる処理を実行してから、本音量設定操作対応処理を終了する。なお、これらの場合も、音量設定画面の終了に際して、ショートカットフラグがセットされている場合にはそれを消去する処理を行う。
<待機モード管理処理>
次に、表示メイン処理(図1070)におけるステップSm2410の待機モード管理処理について、図1082のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSm3601では、調整用フラグがセットされているか否かを判定する。調整用フラグがセットされている場合、ステップSm3602にて待機モードに設定する処理を実行する。待機モードは、上記のとおり所定期間に亘って遊技進行操作が行われなかった場合に移行するモードであり、通常の遊技モード中の画面の輝度や光量を低く表示させるとともに、スピーカ64からの効果音(待機音)も遊技モード中の画面を表示する場合よりも小さい音量にて出力するモードである。
ステップSm3601にて否定判定した場合、又はステップSm3602の処理を実行した後は、ステップSm3603にていずれかの遊技進行操作が行われたか否かを判定する。遊技進行操作が行われた場合、ステップSm3604にて待機モード中であるか否かを判定し、待機モードである場合には、ステップSm3605にて調整用フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSm3606にて、待機モードを終了させる処理(遊技モードに切り換える処理)を実行してから、本待機モード管理処理を終了する。ステップSm3603やステップSm3604にて否定判定した場合は、そのまま本待機モード管理処理を終了する。
<立ち上げ時音量設定処理>
次に、表示メイン処理(図1070)におけるステップSm2402の立ち上げ時音量設定処理について、図1083のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSm3701では、音量設定カウンタに1を入力する処理を実行する。つまり、本実施形態では、スロットマシン10の電源投入時は第2調節スイッチ310のメモリに関係なく、予め定められた特定音量(音量設定カウンタに1対応する音量)に設定される。このようにすることで、複数の処理が起動されて処理負荷が増大化し得る立ち上げ時に、第2調節スイッチ310のメモリ(回転量)を把握する処理を不要とし、処理負荷を好適に低減することが可能となる。
更に、例えば、第2調節スイッチ310のメモリに応じた音量にて起動される構成においては、その異なる音量である事象が第2調節スイッチ310のメモリが異なることに基因する可能性が高くなり、その結果、表示制御装置81の不正改造やスピーカ64の故障等の発見が遅れる可能性が高い。その点、上記のようにスロットマシン10の起動後の音量が第2調節スイッチ310のメモリとは関係なく特定音量とされることから、正常に起動したことを第2調節スイッチ310のメモリにかかわらず特定音量にて確認することも可能であり、当該特定音量とは異なる音量が出力されることを通じてその不正改造や故障を好適に発見することが可能となる。
本実施形態では、上記の特定音量として音量設定カウンタを1の音量に設定しており、通常営業時や節電営業時の最小音量となるように設定している。このようにすることで、遊技ホールの開店作業時等のように複数の遊技台の電源が一斉に投入されるような場面において、これらの遊技台から出力される立ち上げ時音を比較的、小音量とすることができ、開店作業操作を快適に行うことが可能となる。
上記のように第2調節スイッチ310は、メモリを「0」~「2」や「E」、「F」に合わせることで、通常営業時や節電営業時の最小音量よりも小さい音量に設定することも可能としているものの、本実施形態では、電源投入時の特定音量を、通常営業時や節電営業時の最小音量よりも小さい音量よりも大きい音量となるように設定している。このようにすることで、例えば、第2調節スイッチ310を最小音量よりも小さい音量となるように不正に操作された場合において、遊技の効果音等が聞こえない又は聞き取りにくいことを通じて、更なる不正行為が行われた場合にそれを特定しにくくなることを好適に回避することが可能となる。
続くステップSm3702では、音量調整用タイマカウンタに所定値を入力する処理を実行する。ここで入力する所定値は、上記ステップSm3701にて設定した音量(音量設定カウンタの値)を維持する期間に相当し、本実施形態では30minに相当する1208054を入力する。続くステップSm3703では調整用フラグをセットする。これにより、電源投入後は待機モード中の画面が表示されるようになる。
続くステップSm3704では、第2調節スイッチ310のメモリ(回転量)を把握する処理を実行し、ステップSm3705にて、把握した第2調節スイッチ310のメモリに相当する値を基板音量カウンタに入力する処理を実行してから、本立ち上げ時音量設定処理を終了する。
<基板側音量設定処理>
次に、表示メイン処理(図1070)における基板側音量設定処理(ステップSm2411)について、図1084のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSm3801では、調整用フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合、ステップSm3802にて音量調整用タイマカウンタを1減算する処理を実行する。上記のように音量調整用タイマカウンタには、電源投入時にステップSm3702にて30minに相当する値が入力される他、サブ操作対応処理(図1073)において待機用タイマカウンタが0となって調整用フラグをセットする場合に(待機モード管理処理にて待機モードに設定される場合に)も、30minに相当する値が入力される。
続くステップSm3803では、音量調整用タイマカウンタが0となったか否かを判定する。0となり、電源投入や待機モードに設定されてから30minが経過した場合には、ステップSm3804に進み、調整済みフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、調整済みフラグは、遊技者による音量設定操作が行われた場合に、音量設定操作対応処理(図1081、ステップSm3510,ステップSm3518)にてセットされるフラグである。
調整済みフラグがセットされておらず、遊技者による音量設定操作が行われていない場合、ステップSm3805に進み、基板音量カウンタを把握する処理を実行する。上記のように、基板音量カウンタには、立ち上げ時音量設定処理において第2調節スイッチ310のメモリに応じた値が入力されている。そして、ステップSm3806にて、基板音量カウンタの値を音量設定カウンタに入力する処理を実行し、ステップSm3807にて調整用フラグをクリアする処理を実行してから、本基板側音量設定処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、電源が投入された場合には、第2調節スイッチ310のメモリにかかわらず、予め定められた特定音量にて音量が設定され、その後、所定期間(30min)が経過すると、第2調節スイッチ310のメモリに応じた音量に変更される。このようにすることで、電源投入時における音量を一定化しながらも、遊技ホールの環境や営業方針等に応じて営業時の音量に設定することが可能となる。
ステップSm3804にて調整済みフラグがセットされている場合、ステップSm3808に進む。ステップSm3808では、基板音量カウンタの値が6以上であり、メモリが「0」、「1」、「F」、「2」、「E」、「8」に合わせてあるか否かを判定する。基板音量カウンタが5以下である場合、ステップSm3809にて、基板音量カウンタの値が液晶音量カウンタの値よりも大きいか否かを判定する。
ステップSm3808にて基板音量カウンタの値が6以上である場合や、ステップSm3809にて基板音量カウンタの値の方が液晶音量カウンタの値よりも大きい場合、ステップSm3805に進み、基板音量カウンタの値を把握して、ステップSm3806にて基板音量カウンタの値を音量設定カウンタに入力することで、音量を第2調節スイッチ310のメモリに応じた音量に設定し、ステップSm3807にて調整用フラグをクリアしてから、本基板側音量設定処理を終了する。
これに対して、基板音量カウンタの値が5以下であって、基板音量カウンタの値よりも液晶音量カウンタの値の方が大きい場合や液晶音量カウンタの値と等しい場合、ステップSm3807にて調整用フラグをクリアしてから、本基板側音量設定処理を終了する。この場合、基板音量カウンタの値は音量設定カウンタに入力されず、第2調節スイッチ310のメモリに応じた音量ではなく、遊技者が第1調節スイッチ210により設定した音量にて、以降の演出等の音出力が行われるようになる。
<電源投入後における音量設定の推移>
電源が投入された後、所定期間に亘って特定音量(音量設定カウンタ=1)に設定される様子を、図1091を参照しながら説明する。
図1091(a)に示すように、t1のタイミングで電源が投入されると、立ち上げ時音量設定処理において、第2調節スイッチ310のメモリ(基板音量カウンタ)にかかわらず、音量が特殊音量に設定される。また、立ち上げ時音量設定処理においては、音量調整用タイマカウンタに所定期間(30min)に相当する値が入力される。また、電源投入に際して調整用フラグがセットされることから、補助表示部65の表示やスピーカ64からの音声出力は待機モードに設定される。この場合、例えば、特定音量(音量設定カウンタ=1)である場合の待機モード中の演出データA3(挿入メロディ)は、通常営業用であれば40dBで出力され、節電営業用であれば0dBで出力される(図1086)。
t2のタイミングで音量調節用タイマカウンタが0となり、電源投入後、所定期間が経過すると、基板側音量設定処理において第2調節スイッチ310のメモリ(基板音量カウンタ)に対応する音量に設定される。例えば、基板音量カウンタが3である場合、待機モード中の演出データA3(挿入メロディ)は、通常営業用であれば40dBで出力され、節電営業用であれば0dBで出力される(図1086)。
ここで、待機モード中の演出データA3の音量は、音量設定カウンタの値にかかわらず同じ音量となるように設定している。そのため、上記のように待機モード中に実行される基板側音量設定処理において基板音量カウンタに対応する音量設定が行われても、出力中の演出データA3の音量の変更は必要ない。よって、遊技機側で自動的に行う音量設定に伴い音量が変更されないようになり、遊技の透明性を担保することが可能となる。
その後、t3のタイミングでいずれかの遊技進行操作が行われると、調整用フラグがクリアされて待機モードが終了する。例えば、基板音量カウンタが3である場合、遊技進行操作に応じた演出データA1(通常演出用効果音)は、55dBで出力される(図1086)。
t4のタイミングで第1調節スイッチ210による音量設定が行われると、音量設定カウンタは基板音量カウンタではなく液晶音量カウンタの値に対応する値となり、遊技者により設定された音量にて以降の効果音等の出力が行われるようになる。例えば、液晶音量カウンタが5に設定された場合、以降の演出データA1(通常演出用効果音)は、60dBで出力される(図1086)。
図1091(b)は、電源投入後、所定期間が経過する前に遊技進行操作が行われた場合を示している。
t11のタイミングで電源が投入されると、t1の場合と同様に、特定音量の設定、音量調節用タイマカウンタの入力、及び待機モードの設定が行われる。音量調節用タイマカウンタが0となるt13よりも前のt12のタイミングで、いずれかの遊技進行操作が行われた場合、待機モードは終了して当該遊技進行操作に伴う演出が行われる。そしてその演出の効果音は上記特定音量にて出力される。つまり、例えば、基板音量カウンタが3であっても、遊技進行操作に応じた演出データA1(通常演出用効果音)は、基板音量カウンタに応じた音量(55dB)ではなく、特定音量(音量設定カウンタ=1、50dB)にて出力される(図1086)。
その後、t14にて第1調節スイッチ210による音量設定が行われると、音量設定カウンタは液晶音量カウンタの値に対応する値となり、遊技者により設定された音量にて以降の効果音等の出力が行われるようになる。例えば、液晶音量カウンタが5に設定された場合、以降の演出データA1(通常演出用効果音)は、特定音量に設定されている場合の音量(50dB)ではなく60dBで出力される(図1086)。
図1091(c)は、電源投入後、所定期間が経過する前に遊技者による音量設定が行われた場合を示している。
t21のタイミングで電源が投入されると、t1の場合と同様に、特定音量の設定、音量調節用タイマカウンタの入力、及び待機モードの設定が行われる。音量調節用タイマカウンタが0となるt23よりも前のt22のタイミングで、第1調節スイッチ210による音量設定が行われると、音量設定カウンタは液晶音量カウンタの値に対応する値となる。例えば、音量設定の終了操作として遊技進行操作を行わなければ、待機モードは継続する。この場合、当該待機モード中の演出(演出データA3の挿入メロディ)は、特定音量に設定されている場合の音量(40dB)ではなく、遊技者により設定された音量にて出力される。但し、上記のように演出データA3は、音量設定カウンタの値にかかわらず同じ音量にて出力されるため、例えば、液晶音量カウンタが5に設定された場合であっても、特定音量に設定されている場合と同じ40dBで出力される(図1086)。
上記のように、待機モード中に音量設定を行っても待機モードは継続し得るところ、当該音量設定に際して調整済みフラグがセットされることから、t23にて音量調節用タイマカウンタが0となった場合に、液晶音量カウンタと基板音量カウンタとの関係で音量設定カウンタの再設定が行われ得る。図においては液晶音量カウンタの値の方が基板音量カウンタよりも大きい場合を示しており、この場合、音量設定カウンタの再設定は行われない(図1084)。
そして、t24のタイミングにていずれかの遊技進行操作が行われると、待機モードは終了し、当該遊技進行操作に伴う演出の効果音等は、t22にて設定された音量にて出力される。
<待機モード移行時の音量設定>
次に、待機モードに移行する場合の音量の推移について、図1092を参照しながら説明する。なお、図においては、電源が投入された直後の待機モードではなく、一旦、遊技モードに移行した後の待機モードへの移行を示している。また、当該遊技モードにおける音量は、第1調節スイッチ210により設定された音量として、液晶音量カウンタに相当する音量が設定されているものとする。
図1092(a)に示すように、遊技モード中であるt31のタイミングにおいて、いずれかの遊技進行操作に伴う遊技進行処理が終了すると、待機用タイマカウンタに所定期間(60sec)に相当する数値の入力が行われる。t32のタイミングにて当該待機用タイマカウンタが0となると、音量調整用タイマカウンタに所定期間(30min)に相当する数値の入力が行われるとともに、待機モードの設定(調整用フラグのセット)が行われる(図1073)。この場合、待機モード中の演出(演出データA3の挿入メロディ)は、遊技者により設定された音量にて出力され、例えば、液晶音量カウンタが2に設定された場合、40dBで出力される(図1086)。
待機モードに移行した後、t33のタイミングで音量調整用タイマカウンタが0となって所定期間が経過すると、基板音量カウンタと液晶音量カウンタとの関係により音量設定カウンタの再設定が行われる(図1084)。例えば、基板音量カウンタの値が5以下であり、且つ液晶音量カウンタの値(2)よりも大きい3が設定されている場合、基板音量カウンタの値が音量設定カウンタに入力され、待機モード中の演出(演出データA3の挿入メロディ)が、第2調節スイッチ310により設定された音量にて出力されるようになる。但し、この場合も、出力中の演出データA3の音量に実質的な変更はない(図1086)。
図1092(b)に示すように、遊技モード中であるt41のタイミングにおいて、いずれかの遊技進行操作に伴う遊技進行処理が終了すると、待機用タイマカウンタの設定が行われる。t42のタイミングにて当該待機用タイマカウンタが0となると、音量調整用タイマカウンタの設定が行われるとともに、待機モードの設定(調整用フラグのセット)が行われる。
待機モードに移行した後、t43のタイミングで音量調整用タイマカウンタが0となると、基板音量カウンタと液晶音量カウンタとの関係により音量設定カウンタの再設定が行われる(図1084)。この例では、基板音量カウンタの値が5以下であり、且つ液晶音量カウンタの値(2)の方が基板音量カウンタの値(1)よりも大きい場合を示しており、この場合、基板音量カウンタの値が音量設定カウンタに入力されず、遊技者により設定された音量(40dB)での出力が継続される(図1086)。
<音量設定画面への移行操作>
次に、第1調節スイッチ210による音量設定画面への移行操作について、図1093を参照しながら説明する。
通常操作は、メニュー画面を介して音量設定画面へ移行させる操作である。具体的には、例えば、待機モード中において、第1調節スイッチ210の中スイッチ220を操作するとメニュー画面が表示される。この場合、上下のスイッチ250,260によって選択項目を切り換えて、第3項目画像KP3(音量設定)を選択している状況で中スイッチ220を操作することで、音量設定画面に切り換えることが可能となる。この場合、第1調節スイッチ210の操作回数は、少なくとも4回(中スイッチ220、下スイッチ260、下スイッチ260、中スイッチ220)である。
ショートカット操作は、メニュー画面を介することなく音量設定画面に移行させる操作である。具体的には、例えば、待機モード中において、第1調節スイッチ210の左右のスイッチ230,240のいずれかを操作することで、音量設定画面に切り換えることが可能となる。この場合、第1調節スイッチ210の操作回数は、1回(右スイッチ230)であり、通常操作の回数よりも少ない回数である。
<音量設定終了操作と移行モードとの関係>
次に、上記の通常操作及びショートカット操作において、音量設定を終了する場合の移行先の表示画面の関係について図1094を参照しながら説明する。
通常操作にて音量設定画面が表示されている状況で、中スイッチ220を操作することで、音量設定を完了することができる。この場合、中スイッチ220の操作後は、メニュー画面に切り換わるようになる。メニュー画面において、第4項目画像KP4(戻る)を選択して中スイッチ220を操作すると、待機モードの表示に切り換わるようになる。
これに対して、ショートカット操作にて音量設定画面が表示されている状況で中スイッチ220を操作すると、メニュー画面を介することなく、待機モードの表示に切り換わるようになる。
このように、ショートカット操作にて音量設定を行う場合、その終了時においてもメニュー画面が介在されないことから、遊技者の操作が更に簡略化されるとともに、遊技機側の処理構成も大幅に簡素化することが可能となる。
また、通常操作のように、メニュー画面を介在させてから音量設定画面を表示させた遊技者は、当該音量設定だけではなく、他の操作(キャラクター選択や遊技履歴の確認)も行いたいとも考えられる。その点、仮に、メニュー画面を介在させずに待機モード等に切り換えてしまうと、このような他の操作を行いたい遊技者としては、再度、メニュー画面を表示させるべく中スイッチ220を操作する必要が生じ得る。そこで、上記構成のようにすることで、そのような煩わしさを生じさせることなく、好適に遊技のカスタマイズ等を行わせることが可能となる。
但し、通常操作を行うことで音量設定画面を表示している状況であっても、いずれかの遊技進行操作を行うことで当該音量設定画面を終了する場合、メニュー画面を介在することなく、遊技モードの表示に切り換えるようにしている。このようにすることで、遊技進行操作に対応する演出がメニュー画面によって表示されない不都合を好適に回避させることができる。なお、この構成は、ショートカット操作を行うことで音量設定画面を表示している状況においても同様であり、いずれかの遊技進行操作を行うことで、待機モードではなく遊技モードの表示に切り換えることができるようになる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
電源投入から所定期間に亘って、第2調節スイッチ310のメモリにかかわらず、予め定められた特定音量に設定するようにしたことで、遊技ホールの管理者等が開店作業や確認操作を行う場合にその音量が一定化され、音量が通常と異なることを通じて電源投入が正規に行われなかったこと(閉店後も電通状態であった可能性)や、各種制御装置の基板等に不正な改造が施されていることを発見し易くなる。また、遊技者が遊技を開始する際の音量が一定化されることから、遊技ホールの設定音量(第2調節スイッチ310のメモリ)にかかわらず、音量を大きくすべきか小さくすべきかを自らの経験則から判断することも可能となり、音量設定をより行い易くすることができる。
特定音量を、通常営業時に設定され得る音量の範囲内であって、音量設定カウンタの範囲内の値に対応する音量に設定した。このようにすることで、特定音量が設定されている場合の音量データを別途設定する必要がなく、記憶容量の削減を図ることができる。
特定音量を、音量設定カウンタの最小値(1)の音量に対応する音量となるように設定したことから、電源投入後の開店作業等における遊技機からの音量を比較的小さい音量とすることが可能となり、当該開店作業等の作業性を向上させることができる。また、遊技者も、遊技ホールの設定音量(第2調節スイッチ310のメモリ)にかかわらず、小さい音量から遊技を行うことができ、小さい音量を好む遊技者に対していきなり大きな音量にて効果音が出力されることを好適に回避させることができる。なお、大きい音量を好む遊技者に対して小さい音量にて効果音を出力した場合と、小さい音量を好む遊技者に対して大きい音量にて効果音を出力した場合と、では、後者の方がその効果音が煩わしいと感じる程度が大きいものと考えられる。そこで、上記のように、特定音量を小さい音量を好む遊技者側に対応させるようにすることで、好みの異なる様々な遊技者がより好適に遊技を行い易くすることが可能となる。
音量調整用タイマカウンタが0となり、所定期間が経過した場合、第2調節スイッチ310のメモリの応じた基板側音量カウンタの値が音量設定カウンタに入力される。そのため、所定期間が経過すると、第2調節スイッチ310のメモリに応じた音量にて効果音等が出力されるようになる。このようにすることで、強制的な特定音量による設定がいつまでも継続してしまう事象を回避することが可能となる。
所定期間の経過は、遊技進行操作が行われていない待機モード中(調整用フラグがセットされている状況)にてカウントする構成としたことから、上記のように所定期間が経過して特定音量から第2調節スイッチ310のメモリに応じた音量に変更される状況とは、待機モード中であることになる。待機モード中は演出データA3(挿入メロディ)の演出が行われるところ、当該演出データA3の音量は、音量設定カウンタの値にかかわらず共通の音量となるように設定しており、特定音量と同じ音量となるように設定している。このようにすることで、待機モード中に特定音量から第2調節スイッチ310のメモリに応じた音量に変更されても、出力中の音量には変化が生じないようになり、遊技者等が操作していないのにもかかわらず突然音量が変更される、といった事象を生じさせないようにすることができる。
電源投入後、所定期間が経過する前であっても、第1調節スイッチ210による音量設定操作が行われた場合には、その操作に応じた音量に変更されることを許容する構成とした。このようにすることで、所定期間経過前であっても特定音量での遊技が強要されず、遊技者の好みに応じた態様にて遊技を行わせることが可能となる。
上記のように所定期間の経過は、遊技進行操作が行われていない待機モード中にてカウントする構成としたことから、所定期間の経過前に遊技進行操作が行われた場合には、その期間のカウントは停止する。この場合、当該遊技進行操作に応じた効果音等は、第1調節スイッチ210の変更操作が行われていなければ、特定音量にて出力される。その後、待機モードに移行した場合、再度、所定期間の設定が行われ(音量調整用タイマカウンタの再入力が行われ)、所定期間が経過すると、第2調節スイッチ310側の音量に変更されるようになる。このようにすることで、遊技者による第1調節スイッチ210の音量設定が行われないからといって、いつまでも特定音量にて効果音等が出力される事象を回避することができ、遊技ホールの環境や営業方針等に応じて管理者等が設定する第2調節スイッチ310の設定を反映させることが可能となる。
音量設定を行う場合、メニュー画面を介して音量設定画面を表示させる通常操作と、メニュー画面を介することなく音量設定画面を表示させるショートカット操作と、を設定したことにより、音量設定を行おうとする状況等に応じていずれの操作にて音量を変更するかを遊技者が選択することができるようになり、各種設定・確認操作の操作性を劇的に向上させることができる。具体的には、音量設定の他、各種設定・確認(キャラクター選択や遊技履歴の確認)を行おうとしている遊技者は、メニュー画面を表示させたうえで音量変更を行うであろうし、音量変更のみを行いたい遊技者はメニュー画面を介することなく音量変更を行うであろうと考えられ、このような差から、通常操作の他に、メニュー画面を介することなく音量変更を可能なショートカット操作を別途設けるようにしたことから、音量変更操作の操作性を向上さることが可能となる。
通常操作とショートカット操作とを比較すると、第1調節スイッチ210の操作回数は、通常操作の方が多く、ショートカット操作の方が少ない構成とした。このようにすることで、他の各種設定・確認を行わない遊技者は、より手数が少ない操作にて音量設定を行うことが可能となり、当該音量変更操作の操作性が向上される。
待機モード中に通常操作にて音量設定を行った後は、メニュー画面に復帰するのに対して、待機モード中にショートカット操作にて音量設定を行った後は、待機モード中の画面に復帰するようにした。このようにすることで、音量変更だけでなくその他の各種設定・確認も行いたい意図があったのにもかかわらず、待機モード中の画面に復帰してしまうことにより再度メニュー画面を表示させることの煩わしさや、音量変更だけを行いたい意図があったのにもかかわらずメニュー画面を終了させる操作を強要される煩わしさを感じさせないようにすることができる。
これに対して、遊技モード中に音量設定を行った後は、通常操作及びショートカット操作のいずれにて音量設定を行ったかにかかわらず、その音量設定を終了する場合にはメニュー画面ではなく遊技モード中の画面に復帰させる構成とした。このようにすることで、速やかに遊技を行うことが可能となり、音量設定による遊技者のカスタマイズを許容しながらも、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
また、音量設定を行った後、いずれかの遊技進行操作が行われたことを通じて当該音量設定が終了される場合も、通常操作及びショートカット操作のいずれにて音量設定を行ったかにかかわらず、その音量設定を終了する場合にはメニュー画面ではなく遊技モード中の画面に復帰させる構成とした。このようにすることで、実行された遊技進行操作に伴う遊技に速やかに復帰させることが可能となる。
第1調節スイッチ210において、通常操作の中スイッチ220と、ショートカット操作の左右のスイッチ230,240とは、近接して設けられており、中スイッチ220を操作しようとすれば左右のスイッチ230,240も操作可能であり、左右のスイッチ230,240を操作しようとすれば中スイッチ220も操作可能な位置に設けられている。このようにすることで、第1調節スイッチ210の操作性を向上させることができる。但し、このように近接して配置することで、例えば、中スイッチ220を操作しようとしたのにもかかわらず、左右のスイッチ230,240を操作してしまったり、その逆の操作を行ってしまったり、という操作ミス(押し間違い)が生じ得るものと考えられる。その点、上記のように音量設定について、中スイッチ220の操作を介する通常操作と、左右のスイッチ230,240の操作を介するショートカット操作と、を設けていることから、仮に音量設定を行ううえで操作ミスをしてしまっても、正規の音量設定画面にたどり着くことが可能となり、音量設定を行ううえでの操作性を向上させることができる。
ショートカット操作の契機となる左右のスイッチ230,240は、音量設定を行ううえで、音量を大きくしたり小さくしたりする契機となるスイッチでもあり、更に、音量設定とは異なる設定(キャラクター選択)の操作にも用いられるスイッチでもある。このように、左右のスイッチ230,240に機能を集約化することによって、遊技機構成部材の部材点数を少なくすることができるし、限られた設置領域において、これらスイッチ以外の演出用の部材や遊技進行用の操作手段等を配置する余地を残し、遊技演出乃至遊技進行操作の好適化にも貢献することができる。
なお、音量設定画面を表示させる契機となるショートカット操作に際して、左右のスイッチ230,240が操作された場合、当該表示開始の契機となる左右のスイッチ230,240についても音量変更の契機とする構成としてもよい。具体的には、ステップSm2712にて左右にスイッチ230,240が操作されたと判定した場合、右スイッチ230が操作されていれば液晶音量カウンタを1加算したうえで(最大値であれば加算しない)、ステップSm2713に進み、左スイッチ240が操作されていれば液晶音量カウンタを1減算したうえで(最小値であれば減算しない)、ステップSm2713に進む構成とする。このようにすることで、ショートカット操作における手数を更に少なくすることが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、電源投入時の第2調節スイッチ310のメモリに応じて、所定期間に亘って特定音量に設定するか否かを異ならせる。図1095は、本変形例における立ち上げ時音量設定処理を示すフローチャートである。
ステップSm3901では、第2調節スイッチ310のメモリを把握する処理を実行する。続くステップSm3902では、第2調節スイッチ310のメモリが「6」又は「A」であるか否かを判定する。「6」又は「A」である場合、ステップSm3903に進み、音量設定カウンタに1を入力し、ステップSm3904にて音量調整用タイマカウンタに所定期間(30min)に相当する値を入力する処理を実行する。これらステップSm3903及びステップSm3904の処理は、上記ステップSm3701及びステップSm3702の処理と同様であり、電源投入後、所定期間に亘って特定音量に設定するための処理である。
その後、ステップSm3905にて調整用フラグをセットすることにより待機モードに設定し、ステップSm3906にて基板音量カウンタに第2調節スイッチ310のメモリに対応する値を入力してから、本立ち上げ時音量設定処理を終了する。
これに対して、ステップSm3902にて第2調節スイッチ310のメモリが「6」又は「A」ではないと判定した場合、ステップSm3907に進む。ステップSm3907では、基板音量カウンタに第2調節スイッチ310のメモリに対応する値を入力する処理を実行する。そして、ステップSm3908にて、基板音量カウンタの値を音量設定カウンタに入力する処理を実行する。その後、ステップSm3909にて調整用フラグをセットすることにより待機モードに設定するための処理を実行してから、本立ち上げ時音量設定処理を終了する。
つまり、本変形例では、電源投入時の第2調節スイッチ310のメモリが「6」又は「A」(基板音量カウンタ=4)である場合には、電源投入後、所定期間に亘って特定音量(音量設定カウンタ=1に相当する音量)となるように設定し、「6」又は「A」ではない場合には、第2調節スイッチ310のメモリに応じた音量となるように設定する。このようにすることで、電源投入後、所定期間に亘って強制的に特定音量に設定する機会を限定的なものとすることができる。よって、例えば、遊技ホールの環境や営業方針等で、特定音量の設定を行わないようにすることも可能であり、このような場合には、第2調節スイッチ310のメモリを「6」や「A」とは異なるメモリに合わせて電源を投入すればよいことになる。
なお、第2調節スイッチ310のメモリ「6」や「A」とは異なるメモリにて電源を投入した場合であっても、その後、第1調節スイッチ210を操作することで、これら「6」や「A」に対応する音量(音量設定カウンタ=4)に設定する余地はあるため、特定音量の設定を行わないようにすることを許容するあまり、当該特定音量の設定を行わない場合のメモリに応じた音量に設定できなくなる、といった不都合が生じないようにすることが担保されている。
<変形例2>
本変形例では、所定の操作を行うこと(所定の操作を行わないこと)で、電源投入時から第2調節スイッチ310のメモリに応じた音量の設定を許容する。図1096(a)は、本変形例において、主制御装置101側の電源投入時に起動されるメイン処理の一部を示すフローチャートである。
ステップSm4001では、上記ステップSm201と同様に初期化処理を実行する。続くステップSm4002では、リセットスイッチ72が操作されているか否かを判定する。リセットスイッチ72が操作されながら電源が投入された場合、ステップSm4003に進み、クリア時コマンドを表示制御装置81へ出力する処理を実行する。
ステップSm4003の処理を実行した後は、ステップSm4004にて、ステップSm203と同様にRAMクリア処理を実行する。ステップSm4002にて否定判定した場合、又はステップSm4004の処理を実行した後は、ステップSm204に進み、設定変更用の処理等を行う。
図1096(b)は、本変形例において、表示制御装置81側の立ち上げ時音量設定処理を示すフローチャートである。
ステップSm4011では、上記のクリア時コマンドを受信しているか否かを判定する。クリア時コマンドを受信している場合、ステップSm4012~ステップSm4016にて、上記ステップSm3701~ステップSm3705の処理と同様に、所定期間に亘って特定音量とする処理、待機モードに設定するための処理、及び基板音量カウンタへの入力処理を実行してから、本立ち上げ時音量設定処理を終了する。
ステップSm4011にてクリア時コマンドを受信していない場合、ステップSm4017に進む。ステップSm4017では、第2調節スイッチ310のメモリを把握する処理を実行する。続くステップSm4018では、基板音量カウンタに第2調節スイッチ310のメモリに対応する値を入力する処理を実行する。そして、ステップSm4019にて、基板音量カウンタの値を音量設定カウンタに入力する処理を実行する。その後、ステップSm4020にて調整用フラグをセットすることにより待機モードに設定するための処理を実行してから、本立ち上げ時音量設定処理を終了する。
以上のように、本変形例では、電源投入時に主制御装置101側のRAM106の初期化処理が行われる場合に、その後、所定期間に亘って特定音量に設定する構成としたことから、当該特定音量の設定をより限定的なものとすることができ、遊技ホールの環境や営業方針等に基づいて特定音量の設定を行わないようにする余地が残り、音量設定の自由度を向上させることができる。
特に、上記のように初期化処理を伴わない電源のON/OFFでは特定音量の設定が行われないようにすることで、遊技ホールの営業中等で電断状態となった場合に、意図せず特定音量に設定されてしまう事象を回避することが可能である。
また、主制御装置101側の初期化処理が行われる場合、当該初期化処理の前にクリア時コマンドを出力し、表示制御装置81側でそのクリア時コマンドに基づいて特定音量の設定を行うようにしたことから、主制御装置101と表示制御装置81といった別々の制御装置を有する構成において、主制御装置101側の初期化処理の実行中に表示制御装置81の起動が終了してしまい、特定音量に設定する機会を逸してしまったり、特定音量に設定されることなく、初期化処理中の効果音(例えば、「RAMをクリアしています」という効果音)が特定音量とは異なる音量にて出力されることを回避することが可能となる。つまり、上記のようにすることで、初期化処理中の効果音(例えば、「RAMをクリアしています」というクリア時効果音)やその処理に伴う効果音(例えば、「RAMのクリアが終了しました」といった終了時効果音等)をも、特定音量にて出力させることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、電源投入後であっても第2調節スイッチ310の操作が有効とされる。図1097は本変形例における基板側音量設定処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSm4108にて変更対応処理を行う点で、上記実施形態の処理(図1084)と異なっており、他の処理(ステップSm4101~ステップSm4107)は上記実施形態の処理(ステップSm3801~ステップSm3807)と共通している。変更対応処理は、第2調節スイッチ310の操作が行われた場合の処理である。
<変更対応処理>
変更対応処理について、図1098のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSm4201では、第2調節スイッチ310の操作が行われたか否かを判定する。より具体的には、第2調節スイッチ310の操作部320が回転操作されたか否かを判定する。第2調節スイッチ310が操作されている場合、ステップSm4202に進み、前面扉12が開放されている状況か否かを、前面扉12が開放された場合に主制御装置101から出力される開放コマンドの有無により判定する。前面扉12が開放されていない場合には、そのまま本変更対応処理を終了する。
前面扉12が開放されている状況での第2調節スイッチ310の操作である場合、ステップSm4203にて、第2調節スイッチ310のメモリに対応する値を基板音量カウンタに入力する処理を実行する。その後、ステップSm4204にて、各種フラグ格納エリア183aに変更フラグをセットする処理を実行してから、本変更対応処理を終了する。変更フラグは、第2調節スイッチ310の操作に基づく音量変更を音量設定カウンタに反映させるためのフラグである。
ステップSm4201にて否定判定した場合、ステップSm4205に進む。ステップSm4205では、上記の変更フラグがセットされているか否かを判定する。変更フラグがセットされていない場合には、そのまま本変更対応処理を終了する。
変更フラグがセットされている場合、ステップSm4206にて前面扉12が閉鎖されたか否かを判定する。ステップSm4206の判定は、前面扉12が閉鎖された場合に主制御装置101から出力される閉鎖コマンドの有無により判定可能である。閉鎖されておらず、未だ前面扉12が開放されている場合には、そのまま本変更対応処理を終了する。
前面扉12が閉鎖された場合には、ステップSm4207に進み、音量設定カウンタに基板音量カウンタの値を入力する処理を実行する。その後、ステップSm4208にて変更フラグをクリアする処理を実行してから、本変更対応処理を終了する。
すなわち、本変形例では、電源投入後に第2調節スイッチ310が操作された場合、当該操作のために開放された前面扉12が閉鎖されたタイミングで音量設定カウンタに変更後の音量に相当する値が入力される。このようにすることで、例えば、第1調節スイッチ210が故障等により当該第1調節スイッチ210による音量変更操作が不可となった場合に、電源投入後であっても音量変更が可能となる。
上記のように、第1調節スイッチ210の操作が可能な期間は、主に各リール32L,32M,32Rが回転していないサブ操作有効期間に限定されているものの、本変形例における第2調節スイッチ310の操作が可能な期間は、サブ操作有効期間に限定されておらず、遊技進行処理の実行中であっても操作可能である。このようにすることで、音量設定を行うタイミングの自由度が圧倒的に高められたものとすることができる。
但し、上記のように音出力設定処理において音の出力設定を行う処理は、各種演出の設定時に行うため、上記第2調節スイッチ310を操作しても、実行中の音の音量は変更されず、前面扉12が閉鎖されて音量設定カウンタの入力処理が行われた後、次回の音出力設定処理の実行タイミング(次回の遊技進行操作の実行時)に変更される。このようにすることで、音量変更をリアルタイムで行うことによる処理負荷の増大化を回避しながら、音量設定を行う自由度を好適に高めることが可能となる。
前面扉12を開放することにより開放報知が行われており、当該開放報知は、音量設定カウンタの値にかかわらず所定音量(最大音量、例えば95dB)にて出力される構成としている。そのため、仮に、第2調節スイッチ310の操作に基づきリアルタイムで音量を変更したとしても、当該開放報知の音量には影響がない。また、仮に、開放報知とともに、当該開放報知とは別の演出(例えば、開放報知の実行前から行われている演出データA3の挿入メロディ)が行われ得る構成とし、その別の演出の音量を第2調節スイッチ310の操作に基づいてリアルタイムで変更するとしても、その別の演出は開放報知によってかき消されてしまい、音量変更が行われたことが認識されにくい可能性が高い。また、開放報知が同時に行われていることによって別の演出が聞き取りにくいことを通じて、適切な音量に設定できず、適切な音量よりも大きな音量としてしまう不都合も考えられる。その点、上記のように、前面扉12の閉鎖後、すなわち開放報知の終了後に音量変更を有効化することで、上記のような効果の薄い又は不都合が生じ得る音量変更を行うことによる無駄な処理を行わない構成として、処理構成の簡素化や処理負荷の軽減に大いに貢献することができる。
なお、前面扉12が閉鎖された場合に音出力設定処理を実行する構成としてもよい。このようにすることで、前面扉12の閉鎖後、次の遊技進行操作の実行を待たずに、前面扉12の閉鎖前の第2調節スイッチ310の音量変更操作を有効化することが可能である。
本変形例では、第2調節スイッチ310が操作された場合に、前面扉12が開放されていなければ、その操作自体を受け付けないようにした。このようにすることで、例えば、施錠装置20を開錠することなく不正に第2調節スイッチ310を操作しようとする行為が行われたとしても、その不正な操作によって音量が変更されてしまう事象を好適に回避することが可能となる。
なお、前面扉12が開放されることなく第2調節スイッチ310が操作された場合、不正行為が行われたとして不正検出報知やエラー報知(特定報知)を実行する構成としてもよいし、当該不正行為に基づいて、実行中のゲームの遊技進行処理を停止する(例えば、各リール32L,32M,32Rが回転中であれば、それを強制的に停止させる)構成としてもよいし、実行中のゲームの遊技進行処理は許容するものの、次回のゲームの遊技進行処理は行わない構成としてもよい。
<変形例4>
本変形例では、上記変形例3のように電源投入後の第2調節スイッチ310の操作を有効化するうえで、前面扉12の開放中にその第2調節スイッチ310の操作に基づく音量変更を有効化する。図1099は、本変形例における変更対応処理を示すフローチャートである。
ステップSm4301では、第2調節スイッチ310が操作されたか否かを判定する。操作されている場合、ステップSm4302に進み、サブ操作有効期間であるか否かを判定する。上記のように本実施形態では、スタートレバー41が操作されてから、各リール32L,32M,32Rが停止してメダル払出処理が終了するまでがサブ操作無効期間であり、それ以外がサブ操作有効期間として設定されている。ステップSm4302にてサブ操作有効期間であると判定した場合、ステップSm4303にて、音量設定画面表示用処理を実行する。音量設定画面表示用処理は、図1080に示す処理であり、音量設定カウンタの値に応じた音量画像OPを表示させるための処理である。
ステップSm4302にてサブ操作有効期間ではなく、サブ操作無効期間である場合、ステップSm4304にてサブ音量画像の表示開始用処理を実行する。サブ音量画像の表示開始用処理は、図1080の音量設定画面表示用処理と概ね同様の処理であり、音量設定カウンタの値を把握してその値に応じた音量を示す画像を補助表示部65に表示させる処理である。但し、ステップSm4304では、サブ音量画像SOとして、図1089の音量設定画像を縮小したうえで、補助表示部65において通常演出の各種画像と重複しない特定領域TEに表示させる(図1100参照)。特定領域TEは、例えば押し順報知演出において押し順を示す押し順画像が表示される領域とは異なる領域であって、例えば、補助表示部65における右下領域に設定されている。なお、通常演出の各種画像と完全に重複しない領域を特定領域TEとして設定する他、一部重複する領域を特定領域TEとして設定してもよく、少なくとも通常演出の各種画像の示す意味や内容(押し順報知演出であれば、押し順)を遊技者が把握可能な程度の重複であればよい。
ステップSm4303又はステップSm4304の処理を実行した後は、ステップSm4305にて基板音量カウンタに第2調節スイッチ310のメモリに対応する値を入力する処理を実行する。そして、ステップSm4306にて音量設定カウンタに基板音量カウンタの値を入力する処理を実行し、ステップSm4307にて音量画像の変更処理を実行する。ステップSm4307では、上記のサブ音量画像SOを、基板音量カウンタや音量設定カウンタの値に応じた画像となるように変更する処理を実行する。
続くステップSm4308では、第2調節スイッチ310を操作すべく前面扉12が開放されていることを示す開放報知の音量を調節する処理を実行する。具体的には、開放報知は、上記演出設定処理(図1071)におけるステップSm2513にて演出設定が行われ、当該開放報知の効果音の音量は、音量設定カウンタの設定値にかかわらず予め定められた音量(最大音量、95dB)にて設定されている。ステップSm4308では、当該開放報知の効果音の音量を所定割合小さくする処理を実行する。具体的には、ステップSm4308では、最大音量に対して60%の音量となるように開放報知の効果音の音量を一時的に小さくする処理を実行する。
続くステップSm4309では、基板音量カウンタ(音量設定カウンタ)の値に応じた受付効果音が、所定期間後(1.0sec後)に出力されるようにする処理を実行する。なお、受付効果音は音量設定カウンタの値に対する最大音量にて出力されるように設定されている。
つまり、第2調節スイッチ310の操作に基づく受付効果音が出力される場合、当該受付効果音は音量設定カウンタの値に対する最大音量で出力され、実行中の開放報知の効果音は60%の音量で出力されるようになる。このようにすることで、最大音量にて開放報知が行われている状況下で音量設定を好適に行わせることが可能となる。なお、本実施形態では、開放報知の音量調節処理において、最大音量の60%の音量となるように調節する構成としているが、60%よりも小さい音量となるようにしてもよいし、60%よりも大きい音量となるようにしてもよく、少なくとも音量変更操作に伴う受付効果音が聞き取り可能となる音量となるように開放報知の音量を調節するとよく、例えば開放報知の効果音よりも受付効果音の方が音量が大きくなればよい。
しかも、受付効果音が、第2調節スイッチ310の操作よりも所定期間後に出力されるようにしていることから、開放報知の上記の小音化処理が確実に完了した後、受付効果音が出力されるようになり、開放報知と受付効果音とが重複することによって受付効果音が聞き取れなくなる不都合をより好適に回避することが可能となる。
続くステップSm4310では、各種カウンタエリア183bの表示タイマカウンタに所定期間(10sec、70048)に相当する値を入力する処理を実行する。表示タイマカウンタは、第2調節スイッチ310の操作が行われてからの期間をCPU181が把握するためのカウンタである。その後、ステップSm4311にて変更フラグをセットしてから、本変更対応処理を終了する。
ステップSm4301にて否定判定した場合、ステップSm4312にて変更フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、そのまま本変更対応処理を終了する。セットされている場合、ステップSm4313にて、表示タイマカウンタを1減算する処理を実行し、ステップSm4314にて表示タイマカウンタが0となったか否かを判定する。0となっていない場合には、そのまま本変更対応処理を終了する。
表示タイマカウンタが0となり、第2調節スイッチ310が操作されてから所定期間(10sec)が経過した場合、ステップSm4315にてサブ音量画像SOを表示中であるか否かを判定する。サブ音量画像SOを表示中ではなく、サブ操作有効期間中に第2調節スイッチ310が操作された場合、ステップSm4316にて音量設定画面を終了させて通常画面(遊技モードの画面)に復帰させる処理を実行する。また、サブ音量画像SOを表示中である場合は、ステップSm4317にて当該サブ音量画像SOの表示を終了させる処理を実行する。
ステップSm4316又はステップSm4317の処理を実行した後は、ステップSm4318にて開放報知の音量を最大音量に復帰させる処理を実行する。その後、ステップSm4319にて変更フラグをクリアする処理を実行してから、本変更対応処理を終了する。
サブ操作無効期間中に第2調節スイッチ310が操作される場合の音量の推移を、図1100を参照しながら説明する。
例えば、スタートレバー41が操作されて各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、補助表示部65においては押し順報知演出が実行されているt51にて前面扉12が開放されると、開放報知が開始される。この場合、当該開放報知の効果音(例えば、「扉が開いています!」とのアナウンス)は音量設定カウンタの値(2)にかかわらず、予め定められた音量(最大音量)にて出力される。また、押し順報知演出の効果音(通常演出効果音や挿入メロディ)は音量設定カウンタの値(2)に応じた音量にて出力される。
当該押し順報知演出が実行されているt52にて第2調節スイッチ310が操作されて、基板音量カウンタ及び音量設定カウンタが2から3に変更されると、当該音量変更操作の受付効果音が、t52から所定期間後(1.0sec後)であるt53にて、変更後の音量設定カウンタの値(3)の最大音量にて出力される。また、この場合、受付効果音の出力前であるt52にて開放報知の効果音は最大音量の60%にて出力されるようになる。なお、押し順報知演出の効果音は、変更前の音量設定カウンタの値(2)に応じた音量にて出力されている。
t52にて音量変更操作を行ってからt54にて所定期間(10sec)が経過すると、サブ音量画像SOの表示が終了するとともに、開放報知の効果音の出力も最大音量に復帰する。
t55にて更に第2調節スイッチ310が操作されて、基板音量カウンタ及び音量設定カウンタが3から4に変更されると、当該音量変更操作の受付効果音が、t56にて変更後の音量設定カウンタの値(4)の最大音量にて出力される。この場合も、t55にて開放報知の効果音は最大音量の60%にて出力され、押し順報知演出の効果音は、変更前の音量設定カウンタの値(2)に応じた音量にて出力されている。
t55にて音量変更操作を行ってからt57にて所定期間が経過すると、サブ音量画像SOの表示が終了するとともに、開放報知の効果音の出力も最大音量に復帰する。
t58にて前面扉12が閉鎖されると、開放報知は終了する。なお、本実施形態では開放報知は前面扉12が閉鎖されてからも、所定期間(例えば3sec)に亘って継続するように設定されており、開放報知は、t58にて前面扉12が閉鎖された後、t59にて終了される。
その後、t59にてストップスイッチ42~44の操作が行われて、押し順報知演出の更新(各停止時演出設定処理に基づく演出設定)が行われることにより音出力設定処理において音量設定処理が実行され、変更後の音量設定カウンタの値(4)に対応する音量にて、押し順報知演出の効果音が出力されるようになる。
つまり、本変形例では、第2調節スイッチ310の操作に基づく音量設定カウンタの更新は、当該操作時に行われるものの、既に出力設定済みの効果音の音量変更は行わず、次に出力設定される効果音から、変更後の音量にて出力されるようになる。このようにすることで、開放報知や受付効果音等を含めて複数の効果音が出力されている状況下で、それら各効果音の音量を全て調節することによる処理負荷の増大化を回避することが可能となる。
なお、上記の例では、第2調節スイッチ310による音量変更操作が行われた場合、前面扉12が閉鎖された後、ストップスイッチ42~44の操作が行われた際に、変更操作が反映された音量にて効果音が出力される構成を示したが、例えば、第2調節スイッチ310による音量変更操作が行われた後、前面扉12が閉鎖されるよりも前にストップスイッチ42~44の操作が行われることを通じて音出力設定処理において音量設定処理が行われる場合には、当該ストップスイッチ42~44の操作に基づく効果音は、変更操作が反映された音量にて出力されることになる。
以上のように、所定の設定操作としての第2調節スイッチ310が操作された場合に、実行中の報知(開放報知)の音量が小さくなるように調節(変更)する調節処理(特定処理)を実行するようにしたことで、第2調節スイッチ310の操作を行う場合に実行中の開放報知が邪魔になってうまく設定操作を行うことができない、という不都合を回避することが可能となる。
なお、第2調節スイッチ310の操作に基づき、実行中の開放報知を一旦中断(終了)させる(音量を0とする)ような構成としてもよい。このようにしても、第2調節スイッチ310の操作に開放報知が邪魔になる事象を回避可能である。特に、開放報知を終了させた場合の方が、完全に第2調節スイッチ310による設定操作に集中できるようになるため、当該設定操作の操作性の向上という観点からすると好ましい。但し、仮に不正に前面扉12が開放されて第2調節スイッチ310が操作されている場合、開放報知を中断する構成とすると、その不正行為の発見が遅れる可能性がある。その点、上記変形例のように、開放報知の音量を小さくしながらも開放報知を継続させる構成とすることで、不正対策を講じながらも第2調節スイッチ310の操作性を向上させることが可能となる。なお、第2調節スイッチ310の操作に基づき、実行中の開放報知を一旦中断(終了)させる(音量を0とする)構成としたうえで、前面扉12が開放中で且つ開放報知を中断したことに対応する情報を遊技ホールのホールコンピュータ等に出力する構成としてもよい。
第2調節スイッチ310の操作に基づく受付報知のうちの受付効果音の出力を、当該操作から所定期間遅れて行う構成とした。このようにすることで、開放報知の音量を小さくする処理が確実に完了してから受付効果音が出力されるようになるため、受付効果音が開放報知にかき消されてしまって聞き取れない、といった事象を好適に回避することが可能となる。
第2調節スイッチ310を操作する場合、音量設定画面又はサブ音量画像SOが表示されるようにし、当該操作に基づいて受付報知のうちの音量画像OPの更新演出を行う構成とした。このようにすることで、仮に操作に基づく受付効果音が聞き取れなかったとしても、当該更新演出によって操作が受け付けられていることを好適に把握することが可能となる。
特に、上記の受付効果音の出力は操作から所定期間遅れて行う一方、当該更新演出については操作時に行う構成としたことから、受付効果音がリアルタイムで出力されないことを通じて、第2調節スイッチ310が故障していると勘違いさせてしまう事象を回避することが可能である。
開放報知の音量は、音量設定画面やサブ音量画像SOの表示を終了する場合に、元の音量に戻されるようにした。このようにすることで、第2調節スイッチ310による音量設定操作が完了したのにもかかわらず、いつまでも開放報知の音量が小さい、といった事象を生じさせないようにし、開放報知による不正対策効果を好適に担保することが可能となる。
<変形例5>
本変形例では、上記変形例3のように電源投入後の第2調節スイッチ310の操作を有効化するうえで、変形例4のように前面扉12の開放中にその第2調節スイッチ310の操作に基づく音量変更を有効化し、更に、その操作に基づく音量変更を、既に出力されている(出力設定されている)効果音等にも反映させる構成とする。図1101は、本変形例における変更対応処理を示すフローチャートである。
本変形例においては、図1099の変更対応処理と比較して、ステップSm4410~ステップSm4412の処理が追加されている点で相違しており、他のステップSm4401~ステップSm4409、ステップSm4413~ステップSm4422の処理は、上記ステップSm4301~ステップSm4319の処理と同様である。
すなわち、ステップSm4401~ステップSm4409にて、第2調節スイッチ310の操作に基づく音量変更用の各処理を実行した後、ステップSm4410にて、現状、音出力中の演出データを把握する処理を実行する。そして、ステップSm4411にて、把握した演出データが音量変更可能な演出データであるか否かを判定する。
図1102に示すように、本変形例においては、音量変更操作が行われた場合の音量変更タイミングが各演出データに対して定められており、具体的には、通常演出用効果音(演出データA1)や確定演出用効果音(演出データA2)は、音量変更操作が行われた場合に次回演出発生時(次回の音量設定処理の実行時)に、変更操作が反映された音量となるように設定されている。これに対して、挿入メロディ(演出データA3)については、音量変更操作が行われた際に、当該変更操作を反映した音量に変更されるように設定されている。
すなわち、ステップSm4411では、出力中の演出データが演出データA1や演出データA2である場合には否定判定し、演出データA3である場合には肯定判定する。そして、ステップSm4411にて肯定判定した場合には、ステップSm4412に進み、出力中の演出データの音量変更処理を実行する。これにより、出力中の挿入メロディ(演出データA3)の音量が、第2調節スイッチ310のメモリに応じた音量に変更されるようになる。なお、複数の演出データが設定されており、これら複数の演出データに応じた音が複数出力されている場合には、変更可能な演出データに対応する音の音量を第2調節スイッチ310のメモリに応じた音量に変更されるようにするとよい。
ステップSm4411にて否定判定した場合やステップSm4412の処理を実行した後は、ステップSm4413に進み、表示タイマカウンタの入力処理や、変更フラグのセットを行ってから、本変更対応処理を終了する。ステップSm4401にて否定判定した場合、上記のようにステップSm4312~ステップSm4319の処理と同様に、ステップSm4415~ステップSm4422にて音量設定画面等の終了処理や開放報知の音量の復帰処理等を行ってから、変更対応処理を終了する。
以上のように、演出データに応じてリアルタイムで変更される場合もあるようにしたことにより、音量変更操作を行っているのにもかかわらず、出力中の音量が変更されないことを通じて、音量変更操作が有効化されていないと勘違いさせてしまう事象を生じさせないようにすることができる。
この場合、演出データによっては、出力中であってもリアルタイムで変更されないもの(通常演出用効果音、確定演出用効果音)もあるようにしている。これは、出力中の音量をリアルタイムで変更することによる処理負荷の増大化を解消するための工夫であり、演出データによって、リアルタイムで変更可能なものとそうではないものとを設定することで、当該リアルタイムでの変更処理が行われる機会を減らし、処理負荷の増大化を解消しながらも、リアルタイムで変更されないことの違和感を与えないようにすることが可能である。
なお、本変形例では、リアルタイムで変更されない演出データの一例として、演出データA1(通常演出用効果音)と演出データA2(確定演出用効果音)を示し、リアルタイムで変更される演出データの一例として、演出データA3(挿入メロディ)を示した。これら、演出データA1~A3は、演出内容の違いだけでなく、概ね、演出データA1と演出データA2とは比較的短期間で終了する演出である一方、演出データA3は比較的長期間に亘って継続する演出である、といった違いがある。より詳しくは、演出データA1や演出データA2は、基本的には各遊技進行操作に基づいて開始される演出であって、次の遊技進行操作が行われることで終了される場合が多く、長くても、1ゲームが終了する場合に当該演出も終了するように設定されている演出の演出データである。これに対して、演出データA3は、複数のゲームを跨いで実行され得る演出の演出データである。つまり、演出データA1や演出データA2については、次の遊技進行操作を契機として、又は今回のゲームの終了に際して当該演出データA1や演出データA2の演出が終了するのであるから、無理にリアルタイムで音量変更を行わなくても違和感を与えにくい。これに対して、演出データA3は、以降のゲームでも継続して実行され得る演出であり、更に、以降のゲームで継続するとしても、新たに演出設定は行われないことから、次の遊技進行操作に基づいて音出力設定処理の設定対象とならない。そこで、当該演出データA3については、リアルタイムで音量を変更する構成とすることで、音量が変更されないことに対する違和感を与えないようにすることができる。
なお、リアルタイムで音量を変更する演出データと、リアルタイムで音量を変更せず、事後的に音量を変更する演出データとの組み合わせは、上記のものに限定されず、例えば、演出データA3はリアルタイムで音量を変更せず、演出データA1や演出データA2はリアルタイムで音量を変更する構成としてもよいし、演出データA1についてはリアルタイムで音量を変更し、演出データA2(演出データA3も)についてはリアルタイムで音量を変更する構成としてもよく、別の演出データを用いてこれらの組み合わせを設定してもよい。
なお、図1102に示すように、第2調節スイッチ310による音量変更操作が有効化されるタイミングだけでなく、第1調節スイッチ210による音量変更操作が有効化されるタイミングについても、上記のように演出データA1や演出データA2は次回演出発生時とし、演出データA3はリアルタイムとしている。このようにすることで、遊技者が変更する場合においても、上記のようなリアルタイムで変更を行うことによる処理負荷の増大化と、音量変更がリアルタイムでなされないことによる違和感を与えないこととのバランスを、各種演出データの継続期間の長短やその後の演出設定の有無との関係から設定することが可能である。
但し、第1調節スイッチ210による音量変更操作が有効化されるタイミングと、第2調節スイッチ310による音量変更操作が有効化されるタイミングとを異ならせてもよく、そのタイミングの相違を、演出データによって設定してもよく、例えば、演出データA1については、第1調節スイッチ210による音量変更操作がリアルタイムで有効化され、第2調節スイッチ310による音量変更操作がリアルタイムで有効化されない構成としたり、演出データA2については、第1調節スイッチ210による音量変更操作がリアルタイムで有効化されず、第2調節スイッチ310による音量変更操作がリアルタイムで有効化されるようにする構成としてもよい。
<変形例6>
本変形例では、エラー報知と音量変更との関係を説明する。図1103(a)は、本変形例におけるエラー報知設定処理を示すフローチャートである。エラー報知設定処理は、演出設定処理(図1071)におけるステップSm2512にて実行される処理であり、主制御装置101から各種エラーコマンドを受信している場合に実行される処理である。なお、本スロットマシン10におけるエラーは、図1069に示すとおりである。
ステップSm4501では、受信しているエラーコマンドに基づいて、発生しているエラーの種別を把握する処理を実行する。続くステップSm4502では、エラー表示処理を実行する。エラー表示処理は、エラーが発生していることの情報や発生しているエラーの種別を補助表示部65にて表示させるための処理である。
続くステップSm4503では、エラー音出力処理を実行する。エラー音出力処理は、エラーが発生していることのエラー効果音をスピーカ64から出力させるための処理である。エラー効果音の音量設定は、音出力設定処理(図1072)における音量設定処理(ステップSm2605)にて実行される。
ステップSm2605の音量設定処理では、図1103(b)のフローチャートに示すよう、ステップSm4511にて、今回音量設定する音演出がエラー報知であるか否かを判定する。エラー報知ではない場合には、ステップSm4512にて、上記のとおり、演出データや実行状態、及び音量設定カウンタの値に応じた音量に設定する処理を実行してから、音量設定処理を終了する。
ステップSm4511にてエラー報知であると判定した場合、ステップSm4513にて、エラー種別を把握して、今回のエラー報知がエラー番号1~5に対応するものであるか否かを判定する。図1069に示すように、エラー番号1~5のエラーとは、投入メダル滞留エラー(1)、投入メダル異常通過エラー(2)、遊技メダル払出装置エンプティエラー(3)、払出メダル滞留エラー(4)、及び補助収納庫満杯エラー(5)である。これらのエラーである場合、ステップSm4514にて、基板音量カウンタの値を把握して、当該基板音量カウンタの値に応じた最大音量となるようにエラー報知の音量を設定してから、本音量設定処理を終了する。ちなみに、これらのエラー番号1~5に対応するエラー報知は、エラーの事象が解消された後、リセットスイッチ72が操作されることで終了される。
ステップSm4513にて、今回のエラー報知がエラー番号1~5に対応するものではないと判定した場合、すなわち今回のエラー報知がエラー番号6~10に対応するものである場合は、ステップSm4515に進む。図1069に示す様に、エラー番号6~10のエラーとは、RAM異常エラー(6)、乱数異常エラー(7)、投入タイミングエラー(8)、払出タイミングエラー(9)、投入払出タイミングエラー(10)である。これらのエラーである場合、ステップSm4515にて、スロットマシン10が出力可能な最大音量(95dB)を、今回のエラー報知の音量として設定してから、本音量設定処理を終了する。ちなみに、これらのエラー番号6~10に対応するエラー報知は、エラーの事象が解消された後、リセットスイッチ72の操作を介してRAMクリア処理が行われることで終了される(RAMクリア処理後にエラー報知が再開されないようになる)。
エラー報知設定処理(図1103(a))において、ステップSm4503にてエラー音出力処理を実行した後は、ステップSm4504に進み、サブ操作無効期間に設定する処理を実行する。この場合、スタートレバー41が操作されて各リール32L,32M,32Rの回転が開始した後、メダル払出処理が完了するまでの期間だけではなく、メダル払出処理が完了した後、次ゲームのスタートレバー41の操作までの期間であっても、サブ操作無効期間に設定してから、本エラー報知設定処理を終了する。かかる操作により、サブ操作対応処理(図1073)においては、ステップSm2701にて否定判定するようになり、エラー報知の実行に際して、第1調節スイッチ210のいずれの操作も受け付けないようになる。なお、エラー報知が行われている期間においては、サブ操作有効期間かサブ操作無効期間かにかかわらず、第1調節スイッチ210の操作を受け付けない構成としてもよい。また、図による詳細な説明は省略するが、エラー報知が行われている期間においては、主制御装置101側に接続された各操作手段として遊技者が操作可能な操作手段(ストップスイッチ42~44やクレジット投入スイッチ56,57等)の操作も無効化される。
かかる構成を、上記変形例3~変形例5に適用することにより、エラー報知の音量を、第2調節スイッチ310の操作によって変更することが可能となる。図1104は、変形例5に適用した場合を示しており、第2調節スイッチ310による音量変更操作がリアルタイムで反映される内容を示している。
上記のように、エラー報知は、音調設定カウンタの値ではなく、基板音量カウンタや固定音量にて出力されることから、いずれの種別のエラー報知であっても、第1調節スイッチ210による音量変更は不可とされている。これに対して、エラー番号1~5のエラー報知については、第2調節スイッチ310の操作によりその音量を変更することが可能となっている。これにより、例えば、エラー報知の音量が小さい場合に音量を大きくすることで、遊技ホールの管理者がエラーの発生に気づき易くすることが可能となるし、また、エラー報知の音量が大きい場合に音量を小さくすることで、エラー報知による遊技者の不快感を解消することが可能となる等、遊技ホールの環境に合わせて好適に特定可能なエラー報知の音量に設定することができるようになる。
これに対して、エラー番号6~10のエラー報知については、第2調節スイッチ310を操作しても、その音量を変更することができないようにしている。これらのエラーについては、エラー番号1~5のように遊技機の通常の遊技進行に伴って発生し得るエラー(機種固有データにより判定されるエラー)ではなく、CPU102自体の故障(RAM異常エラー、乱数異常エラー)や、各種センサーの故障又は取り付け不良等(投入タイミングエラー、払出タイミングエラー、投入払出タイミングエラー)を主な原因として発生するエラー(機種共通データにより判定されるエラー)であり、エラーが発生した場合の対処として、部品交換等を伴う場合が多い。また、不正にCPU102や各種センサーの改造が行われた場合等にも、これらのエラーが発生する場合がある。そこで、上記のように、これらエラー番号6~10のエラー報知については、エラー報知の音量変更を不可とすることで、不正に改造された場合において更にエラー報知の音量が小さくされることを通じて、当該エラーの発生の特定が遅れてしまう不都合を好適に回避することが可能となる。
そして、上記変形例5のように、エラー報知の実行中に、第2調節スイッチ310を操作することで、当該エラー報知の音量を変更可能とすることで、発生しているエラーの処置を遊技ホールの管理者等が行っている最中に、当該エラー報知の音量を小さくする等することができるようになり、不必要に大きな音量でエラー報知を行わないようにすることを通じて、遊技者に不快感を与えにくくすることが可能となる。
なお、図1101の変更対応処理におけるステップSm4412では、出力中のエラー報知の音量を、音量設定カウンタではなく基板音量カウンタの値に応じて変更する。これにより、第1調節スイッチ210の操作をエラー報知の音量反映することなく、第2調節スイッチ310側の操作だけを反映させることが可能となる。
図による詳細な説明は省略するが、変形例3や変形例4に適用する場合、エラー報知の実行中に第2調節スイッチ310による音量変更操作を行った場合、実行中のエラー報知の音量は変更されないものの、次回のエラー報知の音量は変更されて出力されるようになる。このような構成であっても、エラー報知が行われた場合には、遊技ホールの管理者によるエラー解除処置が行われることから、その台にてエラーが発生したことを遊技ホールの管理者は記憶することができ、次回、エラーが発生した場合に備える(小さい音量でのエラー報知であっても気付くことができるようになったり、より大きい音量でのエラー報知を行わせることで更に気づき易くするようにすることができるようになる)ことが可能となる。
<変形例7>
本変形例では、上記変形例6のように、エラー報知の音量を第2調節スイッチ310の操作により変更可能となる構成の変形例を説明する。図1105は、本変形例におけるエラー種別とエラー報知の音量変更の可否等との関係性を示す図である。
本変形例では、エラー番号6~10についても、第2調節スイッチ310の操作による音量変更を可能としている。但し、音量変更タイミングは、エラー番号1~5については、上記変形例6のようにリアルタイム(第2調節スイッチ310の操作時)とされているものの、エラー番号6~10については、電源投入時(RAMクリア時)とされている。つまり、エラー番号6~10については、リセットスイッチ72を操作しながら電源が投入された場合に、その時点での第2調節スイッチ310のメモリに応じた音量(基板音量カウンタの値に応じた音量)が、これらエラー番号6~10のエラーが発生した際の音量として設定される。なお、図による詳細な説明は省略するが、立ち上げ時音量設定処理(図1083)において、基板音量カウンタに第2調節スイッチ310のメモリに応じた値を入力する場合、各種カウンタエリア183bにおけるエラー番号6~10のエラー報知用の音量カウンタに、当該立ち上げ時の基板音量カウンタの値を入力する処理を行う。そして、音量設定処理(図1103(b))においてエラー番号6~10のエラー報知の音量設定を行う場合(ステップSm4515)、かかるエラー報知用の音量カウンタの値を参照して音量を設定する構成とするとよい。このようにすることで、事後的に操作される可能性のある第2調節スイッチ310であっても、電源投入時の第2調節スイッチ310のメモリに応じた音量にてエラー報知を行うことが可能となる。
<変形例8>
本変形例では、遊技者が音量変更操作を更に行い易くするための構成を説明する。図1106は、本変形例における待機モード管理処理を示すフローチャートである。上記のように、待機モード管理処理は、表示メイン処理(図1070)におけるステップSm2410にて実施される処理である。
ステップSm4601では、調節用フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSm4602にて待機モードに設定する処理を実行する。これらステップSm4601及びステップSm4602の処理は、上記ステップSm3601及びステップSm3601及びステップSm3602の処理と同様である。
ステップSm4602の処理を実行した後は、本変形例では、ステップSm4603にてサブ音量画像SOを補助表示部65における特定領域TEに表示させるための処理を実行する。サブ音量画像SOや特定領域TEは、上記図1100のものと同様であり、サブ音量画像SOは、図1089の音量設定画像を縮小化した画像であり、特定領域TEは、通常演出の各種画像と重複しない領域に設定されている。
続くステップSm4604では、ショートカット操作画像HPを上記特定領域TEに表示させる処理を実行する。上記のように、本実施形態では、音量設定画面を表示させる操作として、メニュー画面を介する操作と、メニュー画面を介さない操作とが設定されており(図1093)、ステップSm4604では、メニュー画面を介さないで音量設定画面を表示させるショートカット操作の操作方法をショートカット操作画像HPによって表示する。ショートカット操作画像HPは、図1107(a)に示すように、第1調節スイッチ210を模したスイッチ画像SPにおいて、左右のスイッチ230,240に対応する右スイッチ画像SP3及び左スイッチ画像SP4を強調表示させることにより、左右のスイッチ230,240によって音量設定画面を表示させることが可能となることを、視覚的に容易に把握できるようにしている。また、「左右のボタンで音量を変更できます」との文字表示を行ってもよい。
ステップSm4601にて否定判定した場合、又はステップSm4604の処理を実行した後は、ステップSm4605にて、遊技進行操作が行われたか否かを判定する。遊技進行操作が行われた場合、ステップSm4606にて待機モード中であるか否かを判定し、待機モード中である場合、ステップSm4607にて調整用フラグをクリアしてから、ステップSm4608にて待機モードを終了させるための処理を実行する。これらステップSm4605~ステップSm4608の処理は、上記ステップSm3603~ステップSm3606の処理と同様である。また、ステップSm4605又はステップSm4606にて否定判定した場合は、そのまま本待機モード管理処理を終了する。
ステップSm4608の処理を実行した後は、本変形例では、ステップSm4609にて上記のサブ音量画像SOの表示を終了させる処理を実行する。そして、ステップSm4610にて、上記のショートカット操作画像HPの表示も終了させる処理を実行してから、本待機モード管理処理を終了する。
このように、待機モードにおいて、サブ音量画像SOを表示させることによって、遊技者は、現状の設定音量を明確に把握することが可能となる。特に、例えば、節電営業用の音量設定が行われている場合には、待機モード中の挿入メロディ(演出データA3)の音量は音量設定カウンタの値にかかわらず0dBに設定されるため、少なくとも挿入メロディからは遊技者は現状の設定音量を把握することができない。その点、上記のようにサブ音量画像SОを表示させることによって、設定音量を明確に把握することができ、例えば、遊技を開始する際に、意図せず、大音量にて効果音が出力されてしまう、といった不都合等を解消させることができる。
更に、音量設定画面を表示させるための操作方法をショートカット操作画像HPによって表示するようにしていることで、遊技者が音量を変更したいのにもかかわらず、その操作方法がわからない、といった不都合も生じさせないようにすることができる。
この場合、音量設定画面を表示させるための操作方法として、メニュー画面を介する通常操作ではなく、メニュー画面を介しないショートカット操作の操作方法を表示するようにしていることから、遊技者はそれに従うだけで、より容易に音量設定を行うことが可能となる。
特に、音量を小さくしたい場合において、メニュー画面を表示させることによってその効果音が出力されるような構成においては、設定されている音量を小さくしたいのにもかかわらず、メニュー画面を介することによって大音量の効果音が出力されてしまう可能性がある。その点、上記のように、ショートカット操作を促すことによって、そのような不都合を生じさせることがない。
なお、サブ音量画像SOやショートカット操作画像HPを補助表示部65における特定領域TEにて表示させる構成としたが、図1107(b)のように、補助表示部65とは異なる別の表示部にて表示させる構成としてもよい。すなわち、図1107(b)では、別の表示部として、表示窓26L,26M,26Rの側方(正面視で右方)に第2補助表示部410が設けられている例を示しており、当該第2補助表示部410において、サブ音量画像SOやショートカット操作画像HPを表示させる構成としてもよい。
この場合、当該第2補助表示部410におけるサブ音量画像SOやショートカット操作画像HPの表示は、遊技進行用の各種演出が行われない待機モード中に行う構成に限定されず、特に補助表示部65にて遊技進行用の各種演出が行われる状況で、又は当該状況においても表示させる構成としてもよい。この場合、音量設定画面を当該第2補助表示部410に表示させる構成としてもよく、メニュー画面や他の項目画面についても、当該第2補助表示部410に表示させる構成としてもよい。
更に、第1調節スイッチ210の操作をサブ操作有効期間中にのみ有効化する構成に代え、又は加えて、遊技進行用の各種演出が行われる上記実施形態ではサブ操作無効期間とされた状況であっても第1調節スイッチ210の操作を有効化する構成としてもよい。つまり、スタートレバー41が操作されてから、メダル払出処理が完了するまでの期間においても、第1調節スイッチ210の操作が有効化される構成としてもよい。この場合、サブ操作有効期間中においては、第1調節スイッチ210の全ての操作が有効化され、サブ操作無効期間中においては、ショートカット操作を介する音量設定操作のみが有効化され、他の操作(キャラクター選択操作や遊技履歴の確認操作)は無効化される構成としてもよい。
<変形例9>
本変形例では、第1調節スイッチ210と第2調節スイッチ310とで音量設定を行ううえで、その設定方法を変更する。図1108は、本変形例における第1調節スイッチ210の操作により変更される液晶音量カウンタの値と、第2調節スイッチ310の操作により変更される基板音量カウンタの値とによって設定される音量の関係を示す図である。なお、本変形例では、第1調節スイッチ210のメモリの値と基板音量カウンタの値との関係が上記実施形態のものと異なっており、メモリが「0」であれば基板音量カウンタは0となり、メモリが「1」や「F」であれば基板音量カウンタは1となり、メモリが「2」や「E」であれば基板音量カウンタは2となり、といったように設定されている。
本変形例では、第2調節スイッチ310により変更される基板音量カウンタの値に応じて、第1調節スイッチ210により変更される音量の範囲が規定されている。具体的には、例えば、基板音量カウンタが3であれば85dBから90dBの範囲で音量変更が可能であり、基板音量カウンタが7であれば85dBから95dBの範囲で音量変更が可能となり、これらの範囲においていずれの音量とされるかが液晶音量カウンタによって定められる。
また、本変形例においては、第2調節スイッチ310が「6」や「A」に設定されており、基板音量カウンタに6が入力される場合に、電源が投入された後、所定期間に亘って特定音量(85dB)となるように設定されており、この場合は、液晶音量カウンタの値にかかわらず、特定音量が設定される。
基板音量カウンタに6が入力されている状況で特定音量を設定するか否かは、各種フラグ格納エリア183aに特定フラグがセットされているか否かによって判定される。特定フラグは、電源投入に伴いRAMクリア処理が行われた場合にセットされる。
すなわち、図1109のフローチャートに示すように、本変形例における立ち上げ時音量設定処理では、ステップSm4701にて第2調節スイッチ310のメモリを把握し、ステップSm4702にて当該メモリに対応する値を基板音量カウンタに入力した後、ステップSm4703にてクリア時コマンドを受信しているか否かを判定する。クリア時コマンドは、上記のように、リセットスイッチ72を操作したまま電源が投入されてRAMクリア処理が実行される場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。クリア時コマンドを受信していない場合、ステップSm4704にて調整用フラグをセットしてから、本立ち上げ時音量設定処理を終了する。
クリア時コマンドを受信している場合、ステップSm4705にて、基板音量カウンタが6であって、第2調節スイッチ310が「6」や「A」とされているか否かを判定する。基板音量カウンタが6である場合、ステップSm4706にて、上記の特定フラグをセットする処理を実行し、ステップSm4707にて音量調節用タイマカウンタに所定期間(30min)に相当する値を入力する処理を実行する。ステップSm4705にて否定判定した場合や、ステップSm4707の処理を実行した後は、ステップSm4704にて調整用フラグをセットしてから、本立ち上げ時音量設定処理を終了する。
本変形例における音出力設定処理では、当該特定フラグの有無によって、設定する音量を異ならせる。具体的には、図1110のフローチャートに示すように、ステップSm4801にていずれかの演出設定が行われたと判定した場合、ステップSm4802にて演出データを把握し、ステップSm4803にて実行状態を把握する。そして、ステップSm4804にて、上記の特定フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、液晶音量カウンタの値を把握するとともに(ステップSm4805)、基板音量カウンタの値を把握し(ステップSm4806)、これらの値と、演出データや実行状態から規定される音量にて効果音等が出力されるように音量設定処理(ステップSm4807)を実行してから、本音出力設定処理を終了する。
一方、ステップSm4804にて特定フラグがセットされていると判定した場合、ステップSm4808にて、特定音量(85dB)を把握する処理を実行する。そして、当該特定音量と、演出データや実行状態から規定される音量にて効果音等が出力されるように音量設定処理(ステップSm4807)を実行してから、本音出力設定処理を終了する。
本変形例における音量設定画面は、上記実施形態の音量設定画面と同様であるものの、音量画像OPの設定方法が異なっている。
すなわち、本変形例における音量設定画面表示用処理では、図1111(a)のフローチャートに示すように、ステップSm4901にて上記の特定フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合、ステップSm4902にて液晶音量カウンタの値を把握する処理を実行する。そして、ステップSm4903にて液晶音量カウンタの値に応じた音量画像OPが音量設定画面に表示されるように設定する処理を実行する。すなわち、液晶音量カウンタが1であれば、第1列領域M1に音量画像OPを1つ表示させ、液晶音量カウンタが5であれば、第1列領域M1に音量画像OPを1つ、第2列領域M2に音量画像OPを2つ表示させ、第3列領域M3に音量画像OPを3つ表示させ、第4列領域M4に音量画像OPを4つ表示させ、第5列領域M5に音量画像OPを5つ表示させるようにする。
一方、ステップSm4901にて特定フラグがセットされていると判定した場合、ステップSm4901にて液晶音量カウンタが1である場合に相当する音量画像OPが音量設定画面に表示されるようにする処理を実行する。ここで、特定フラグがセットされる場合の特定音量(85dB)は、第2調節スイッチ310の通常営業範囲のメモリ(3~7)におけるいずれの音量範囲においても最小音量となるように設定されている。そこで、本変形例では、特定音量が設定される場合には、各音量範囲における最小音量を示す画像(液晶音量カウンタが1である場合に相当する音量画像OP)を表示させるようにしている。このようにすることで、実際の出力音量と表示される音量画像OPとの乖離を小さくして(なくして)、遊技者に違和感を与えないようにすることができる。
そして、ステップSm4903又はステップSm4904の処理を実行した後は、ステップSm4905にて、変更設定操作用の画像(スイッチ画像SPにおいて右スイッチ画像SP3及び左スイッチ画像SP4を強調表示する画像)を表示させる処理を実行してから、本音量設定画面表示用処理を終了する。
つまり、本変形例では、現状の音量を示す音量設定画面の音量画像ОPは、音量設定カウンタの値ではなく、液晶音量カウンタの値に対応させて表示される。上記のように、本変形例では、基板音量カウンタの値と液晶音量カウンタの値とにより音量が定められることから、音量設定画面の示す音量が同じ音量であっても、実際の音量は異なる場合があり、例えば、液晶音量カウンタが2であって、第1列領域M1と第2列領域M2に音量画像OPが表示されていても、基板音量カウンタの値が3であれば、音量(最大音量)は86dBであるものの、基板音量カウンタの値が7であれば、音量(最大音量)は90dBとなる(図1108)。
本変形例においても、待機モード中にサブ音量画像SOの表示を行う構成とする。図1111(b)は、本変形例における待機モード管理処理を示すフローチャートである。
ステップSm4911では、調整用フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合、ステップSm4912にて待機モードに設定する処理を実行する。そして、ステップSm4913にて、上記の特定フラグがセットされているか否かを判定する。特定フラグがセットされていない場合、ステップSm4914にて、液晶音量カウンタの値を把握し、ステップSm4915にて液晶音量カウンタの値に応じたサブ音量画像SOが補助表示部65にて表示されるようにするための処理を実行する。
一方、ステップSm4913にて特定フラグがセットされていると判定した場合、ステップSm4916にて液晶音量カウンタの値が1である場合に相当するサブ音量画像SOが補助表示部65にて表示されるようにするための処理を実行する。この処理は、上記の音量画面表示用処理におけるステップSm4904の処理に対応するものである。
ステップSm4915又はステップSm4916の処理を実行した後は、ステップSm4917にて、ショートカット操作画像HPを表示させるための処理を実行する。ステップSm4911にて否定判定した場合、又はステップSm4917の処理を実行した後は、上記のステップSm4605に進む。
本変形例における音量設定操作対応処理について、図1112のフローチャートを参照しながら説明する。音量設定操作対応処理は、音量設定画面が表示されている状況で実行される処理である。
ステップSm5001では、左スイッチ240が操作されたか否かを判定し、操作されている場合には、ステップSm5002にて液晶音量カウンタを1減算する処理を実行する。なお、液晶音量カウンタが最小値(1)である場合には、ステップSm5002ではその状態を維持する。
ステップSm5001にて左スイッチ240が操作されていないと判定した場合、ステップSm5003にて右スイッチ230が操作されたか否かを判定する。操作されている場合には、ステップSm5004にて液晶音量カウンタを1加算する処理を実行する。なお、液晶音量カウンタが最大値(5)である場合には、ステップSm5004ではその状態を維持する。
ステップSm5002又はステップSm5004の処理を実行した後は、ステップSm5005にて液晶音量カウンタの値に応じた音量画像OPの更新処理を実行する。そして、ステップSm5006では、更新後の液晶音量カウンタと、基板音量カウンタと、に応じた音量にて受付効果音が出力されるようにする処理を実行する。その後、ステップSm5007にて調整済みフラグをセットし、ステップSm5008にて特定フラグをクリアしてから、本音量設定操作対応処理を終了する。
ステップSm5008にて特定フラグをクリアすることにより、音出力設定処理(図1110)では、液晶音量カウンタと基板音量カウンタ(6)と、演出データや実行状態に基づく音量にて効果音等の出力が行われるようになる。
ステップSm5003にて右スイッチ230が操作されていないと判定した場合、ステップSm5009にて中スイッチ220が操作されたか否かを判定する。操作された場合、ステップSm5010にて調整済みフラグをセットし、ステップSm5011にて特定フラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSm5012にて調整用フラグがセットされているか否かを判定し、セットされており、待機モード中の音量設定操作であった場合、ステップSm5013にてショートカットフラグがセットされているか否かを判定する。
ショートカットフラグがセットされていない場合には、ステップSm5014にてメニュー画面に戻る処理を実行してから、本音量設定操作対応処理を終了する。ショートカットフラグがセットされている場合、ステップSm5015にて待機モードの画面に戻る処理を実行してから、本音量設定操作対応処理を終了する。また、ステップSm5012にて調整用フラグがセットされておらず、通常モード中の音量設定操作であった場合、ステップSm5016にて通常モードの画面に戻る処理を実行してから、本音量設定操作対応処理を終了する。
ステップSm5009にて中スイッチ220が操作されていないと判定した場合、ステップSm5017にていずれかの遊技進行操作が行われたか否かを判定する。操作された場合には、ステップSm5018にて調整済みフラグをセットし、ステップSm5019にて特定フラグをクリアし、ステップSm5016にて通常モードの画面に戻る処理を実行してから、本音量設定操作対応処理を終了する。
ステップSm5017にて遊技進行操作が行われていないと判定した場合、ステップSm5020にてメニュー表示タイマカウンタを1減算する処理を実行し、ステップSm5021にてメニュー表示タイマカウンタが0となったか否かを判定する。0となっていない場合には、そのまま本音量設定操作対応処理を終了し、0となった場合には、ステップSm5015にて待機モードの画面に戻る処理を実行してから、本音量設定操作対応処理を終了する。
このように、音量設定操作対応処理では、第1調節スイッチ210の操作に基づいて液晶音量カウンタの変更を行い、基板音量カウンタによって定められた音量の範囲内で出力音量が変更されるようにする。
次に、本変形例における基板側音量設定処理について、図1113のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSm5101では調整用フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップSm5102にて音量調整用タイマカウンタを1減算する処理を実行し、ステップSm5103にて音量調節用タイマカウンタが0となったか否かを判定する。0となった場合、ステップSm5104にて調整済みフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合、ステップSm5105にて特定フラグをクリアする処理を実行する。
その後、ステップSm5106では、液晶音量カウンタに1を入力する処理を実行する。つまり、RAMクリア時に第2調節スイッチ310のメモリを「6」や「A」として電源投入後の所定期間に亘って特定音量が設定されることとなった状態が終了する場合、液晶音量カウンタは1に設定されて、基板音量カウンタ(6)により規定される音量範囲の内の最小音量として設定される。
ここで、基板音量カウンタが6である場合の最小音量は85dBであり、特定音量と同じ音量となるように設定されている(図1108)。このようにすることで、所定期間が経過して特定音量の設定が終了する場合に、遊技者や遊技ホールの管理者等による音量設定操作を介することなく、全く異なる音量に設定されることの不自然さを解消することができる。
ステップSm5104にて調節済みフラグがセットされている場合や、ステップSm5106の処理を実行した後は、ステップSm5107にて調整用フラグをクリアする処理を実行する。ステップSm5101若しくはステップSm5103にて否定判定した場合、又はステップSm5107の処理を実行した後は、ステップSm5108にて変更対応処理を実行してから、本基板側音量設定処理を終了する。
ステップSm5108の変更対応処理について、図1114のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSm5201では第2調節スイッチ310が操作されたか否かを判定する。操作された場合には、ステップSm5202にてサブ操作有効期間か否かを判定し、サブ操作有効期間である場合には、ステップSm5203にて音量設定画面表示用処理を実行する。一方、サブ操作有効期間ではなくサブ操作無効期間である場合には、ステップSm5204にてサブ音量画像SOを表示させるための処理を実行する。
ステップSm5203又はステップSm5204の処理を実行した後は、ステップSm5205に進み、第2調節スイッチ310の操作がメモリ「6」や「A」からの変更操作であったか否かを判定する。「6」や「A」からの変更操作であった場合、ステップSm5206にて特定フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップSm5205にてメモリ「6」や「A」からの変更操作ではないと判定した場合や、ステップSm5206にて特定フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSm5207にて、基板音量カウンタに第2調節スイッチ310のメモリに対応する値を入力する処理を実行する。そして、ステップSm5208では、液晶音量カウンタに最大値である5を入力する処理を実行する。続くステップSm5209では、液晶音量カウンタの値(5)に応じた音量画像ОPが表示されるように音量設定画面やサブ音量画像SOの更新処理を実行する。
ステップSm5206にて特定フラグがセットされていると判定した場合、ステップSm5210に進み、特定フラグをクリアする処理を実行する。続くステップSm5211では、基板音量カウンタに第2調節スイッチ310のメモリに対応する値を入力する処理を実行する。そして、ステップSm5212では、液晶音量カウンタに最小値である1を入力する処理を実行する。続くステップSm5213では、液晶音量カウンタの値(1)に応じた音量画像ОPが表示されるように音量設定画面やサブ音量画像SOの更新処理を実行する。
ステップSm5209又はステップSm5213の処理を実行した後は、ステップSm5214にて、前面扉12の開放に伴い実行されている開放報知の音量調節処理(小音処理)を実行する。そして、ステップSm5215にて、基板音量カウンタと、液晶音量カウンタとの値に応じて規定される音量にて受付効果音が出力されるように設定する処理を実行する。
その後、ステップSm5216にて表示タイマカウンタに10secに相当する値を入力し、ステップSm5217にて変更フラグをセットする処理を実行してから、本変更対応処理を終了する。
ステップSm5201にて否定判定した場合、ステップSm5218に進み、ステップSm5218~ステップSm5225にて音量設定画面やサブ音量画像SOを終了させる処理等を実行する。ステップSm5218~ステップSm5225の処理は、上記ステップSm4415~ステップSm4422の処理と同様である。
電源投入後に特定音量が設定された場合において、第2調節スイッチ310による音量変更操作が行われた場合に音量が変更される様子や、音量画像OP(サブ音量画像SO)の変化について、図1115及び図1116を参照しながら説明する。
図1115(a)は、特定音量が設定された後、所定期間(30min)が経過する場合のサブ音量画像SOの変化を示している。
上記のように、特定音量は液晶音量カウンタにかかわらず、85dBが設定される。そして、所定期間(30min)が経過すると、液晶音量カウンタが1、基板音量カウンタが6に設定される。この場合の音量は85dBで、音量の変更はない。また、サブ音量画像SOも、特定音量時において液晶音量カウンタ(1)に相当する画像が表示されていることから、所定期間が経過しても当該サブ音量画像SOについても変更されない。
図1115(b)は、特定音量が設定された後、所定期間(30min)が経過する前に第2調節スイッチ310が操作された場合のサブ音量画像SOの変化を示している。
上記のように、第2調節スイッチ310の操作時に特定フラグがセットされていた場合、液晶音量カウンタには1が入力される。そして、液晶音量カウンタが1である場合、基板音量カウンタが通常営業時に使用される3~7であれば、その音量は85dBであり、特定音量からの音量の変更はない。また、サブ音量画像SOも当該液晶音量カウンタの値に対応する画像が表示されため、この場合においても、サブ音量画像SOの変更はない。
図1116(a)は、特定音量が設定された後、所定期間(30min)が経過する前に第1調節スイッチ210が操作された場合のサブ音量画像SOの変化を示している。
第1調節スイッチ210が操作されると、液晶音量カウンタが更新されるとともに、特定フラグがクリアされる。その結果、基板音量カウンタが6であって、特定フラグがセットされていない場合の音量範囲にて、音量調節が可能となる。図においては、液晶音量カウンタが1から3に変更された場合を示しており、音量は、85dBから91dBに変更され、サブ音量画像SOも第1列領域M1~第3列領域M3に音量画像OPが表示される内容にて変更される。なお、変更時の受付効果音は、基板音量カウンタが6、液晶音量カウンタが3の音量(91dB)にて出力されるものの、実行中の演出(挿入メロディ)の音量はリアルタイムでの変更は行われない。これらの演出の音量は、次回の音量設定処理にて設定される効果音等から当該音量にて出力されるようになる。ただし、実行中の演出(挿入メロディ)も、リアルタイムで変更される構成としてもよい。
図1116(b)は、特定音量が設定された後、所定期間(30min)が経過した後で、第2調節スイッチ310が操作された場合のサブ音量画像SOの変化を示している。
上記のように、第2調節スイッチ310の操作時に特定フラグがセットされていない場合、液晶音量カウンタには5が入力される。例えば、基板音量カウンタが6から7に変更されると、この場合の受付効果音は、基板音量カウンタが7、液晶音量カウンタが5の音量(95dB)にて出力される。
以上のように、本変形例によれば、遊技者により操作される第1調節スイッチ210と、遊技ホールの管理者等により操作される第2調節スイッチ310とを用いて、より詳細な音量設定が可能となり、遊技ホールの環境や遊技者の好みに応じてカスタマイズすることが可能となり、より好適な遊技進行を実現することができる。
なお、特定フラグがセットされている状況で第2調節スイッチ310が操作された場合に、液晶音量カウンタに最小値である1を入力する構成としたが、最大値である5を入力する構成としてもよく、それ以外(2~4)を入力する構成としてもよい。最大値を入力する構成の場合、特定フラグがセットされている状況では、液晶音量カウンタに5が入力される(音量メーター5)構成とするとよい。
また、特定フラグがセットされていない状況で第2調節スイッチ310が操作された場合に、液晶音量カウンタに最大値である5を入力する構成としたが、最小値である1を入力する構成としてもよく、液晶音量カウンタの値を変更しない(直前の液晶音量カウンタの値を入力する)構成としてもよい。
音量画像ОPを、液晶音量カウンタの値に応じた内容となるように表示する構成としたが、基板音量カウンタの値に応じた内容となるように表示する構成としてもよい。また、基板音量カウンタの値と、液晶音量カウンタの値とによって、音量画像ОPやそれに対応する表示を行う構成としてもよく、音量変更可能範囲と、その範囲内で現状設定されている音量とを表示する構成としてもよい。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)特定音量を音量設定カウンタが1である場合の音量等に設定したが、音量設定カウンタが2~5である場合の音量に設定してもよく、音量設定カウンタの設定値の示す音量とは異なる音量に設定してもよい。この場合、第2調節スイッチ310における通常営業用メモリ340や節電営業用メモリ350の範囲外のメモリに応じた音量に設定する構成としてもよい。
(2)特定音量に設定されている場合(特定フラグがセットされている場合)、最大音量が85dBとなるように設定したが、当該最大音量は85dBに限定されず、それよりも小さくてもよいし大きくてもよい。
(3)特定音量に設定されている場合(特定フラグがセットされている場合)、最大音量が85dBとなるように設定し、演出データや実行状態に応じた音量にて効果音等が出力される構成としたが、演出データや実行状態にかかわらず一定の音量(予め定められた音量)にて効果音等が出力される構成としてもよい。
(4)特定音量に設定された後、所定期間(30min)が経過する前に遊技進行操作が行われた場合、その後、待機モードに移行する際に再度所定期間の設定が行われて、その所定期間の経過後に、基板音量カウンタに応じた音量設定に変更される構成としたが、特定音量に設定された後、所定期間が経過する前に遊技進行操作が行われた場合、以後、基板音量カウンタに応じた音量設定に変更されない構成としてもよいし、その後、待機モードに移行する際に設定される所定期間を最初に設定される期間(30min)とは異なる期間(30minよりも短い期間や長い期間)に設定する構成としてもよい。
(5)特定音量に設定された後、所定期間が経過した場合、基板側音量設定処理において、液晶音量カウンタと基板音量カウンタのうち音量が大きい側の値を音量設定カウンタに入力する構成としたが、音量が小さい側の値を音量設定カウンタに入力する構成としてもよく、両音量カウンタを利用して所定の演算処理を行った値(例えば平均値)を音量設定カウンタに入力する構成としてもよい。
(6)電源投入から所定期間に亘って特定音量に設定される構成としたが、所定期間の開始契機(所定契機)は電源投入に限定されず、例えば、表示モードがCZモードやATモードに移行したことを開始契機としてもよく、CZモードやATモードが終了したことを開始契機としてもよく、有利区間が終了したことや通常区間が終了したこと(通常区間に移行したことや有利区間に移行したこと)を開始契機としてもよく、BB状態等のボーナス状態やリプレイ確率が変化するRT状態に移行したことやボーナス状態やRT状態が終了したことを開始契機としてもよく、遊技モードから待機モードに移行したことや遊技モードに移行したことを開始契機としてもよく、これらのモードや状態の移行が生じてから特定期間が経過したことやその後所定事象(遊技進行操作が行われたことや小役入賞が成立したこと等)が生じたことを開始契機としてもよい。
(7)待機モードに移行するタイミングは上記のように遊技進行処理が終了してから所定期間(30sec)が経過したタイミングに限定されず、遊技進行処理が終了したタイミングであってもよい。また、実行していた遊技進行処理の種類に応じて、その後、待機モードに移行するタイミングを異ならせてもよく、例えば、小役入賞に基づくメダル払出処理を遊技進行処理とする場合と、精算スイッチ59が操作されたことに基づくメダル払出処理を遊技進行処理とする場合とで、待機モードに移行するタイミングを異ならせてもよく、後者の方が早く待機モードに移行する構成としてもよい。
(8)特定音量から、基板音量カウンタや液晶音量カウンタの値に応じた音量に変更するタイミングは、電源投入後、所定期間が経過した場合や、待機モードに移行してから所定期間が経過した場合に限られず、他のタイミングであってもよい。例えば、所定の設定操作が行われた場合に、特定音量からの変更が行われる構成としてもよく、この場合の所定の設定操作は第1調節スイッチ210だけでなく、第2調節スイッチ310の操作であってもよいし、他のスイッチ(例えば、演出スイッチ66)であってもよい。
(9)第1調節スイッチ210の他にも、遊技者が操作可能な操作手段であって、音量設定に用いられる操作手段を設けてもよい。例えば、第2補助表示部410をタッチパネルとし、当該タッチパネルの所定領域をタッチすることで音量設定操作を行うことが可能な構成としてもよい。この場合、当該タッチパネルを操作することで、左右のスイッチ230,240によるショートカット操作と同等の手数で音量設定画面を表示させることが可能な構成としてもよいし、ショートカット操作とは異なる手数で音量設定画面を表示させることが可能な構成としてもよい。また、当該タッチパネルの操作による音量設定に際しては、当該タッチパネルにて音量設定画面を表示させる構成としてもよく、その音量設定画面の内容を、上記補助表示部65の音量設定画面の内容と異ならせてもよい。また、タッチパネルによる構成だけでなく、別のスイッチを設けて、そのスイッチによって音量設定を行うことが可能な構成としてもよい。
(10)サブ操作有効期間中にショートカット操作を行うことで、メニュー画面を介することなく音量設定画面を表示させる構成としたが、サブ操作無効期間中にショートカット操作を行うとサブ音量画像SOを表示させる構成としてもよい。また、サブ操作有効期間中に通常操作を行うと音量設定画面を表示させ、サブ操作有効期間中にショートカット操作を行うとサブ音量画像SОを表示させる構成としてもよく、その逆の構成としてもよく、通常操作とショートカット操作とで表示される内容が異なる構成としてもよい。いずれにしても、通常操作とショートカット操作とで音量設定が可能な構成であればよい。
(11)通常操作とショートカット操作とで、音量設定操作の終了後の表示内容(表示画面の切り換え先)を異ならせる構成としたが、通常操作を行っていても所定の場合には、ショートカット操作と音量設定操作の終了後の表示内容を共通化させてもよい。例えば、通常操作を行った場合に音量設定画面を表示させるよりも前にキャラ選択画面や遊技履歴画面を表示させていた場合には、音量設定操作の終了後にメニュー画面に復帰させずに、待機モード用の表示に復帰させる構成としてもよい。
(12)遊技モードにおいて通常操作とショートカット操作とを行った場合には、音量設定操作の終了後の表示内容を共通化して、いずれもメニュー画面を介することなく遊技モードの表示に切り換える構成としたが、待機モードのように、通常操作であればメニュー画面に切り換え、ショートカット操作であれば遊技モードの表示に切り換える構成としてもよい。
(13)待機モード中に、音量設定操作の方法としてショートカット操作の方法を示唆するショートカット操作画像HPを表示する構成としたが、通常操作の方法を示唆する画像を表示する構成としてもよいし、両操作の方法を示唆する画像を表示する構成としてもよい。また、待機モード中だけでなく、遊技モード中においてもこれらの操作方法を示唆する画像を表示する構成としてもよく、遊技モード中はショートカット操作の方法を示唆する画像を表示させ、待機モード中は通常操作の方法を示唆する画像を表示させる、又はその逆で、遊技モード中は通常操作の方法を示唆する画像を表示させ、待機モード中はショートカット操作の方法を示唆する画像を表示させる、といったように、モードに応じて表示する操作方法を異ならせてもよい。更に、遊技モード中においては、通常操作とショートカット操作の方法を示唆する画像を表示させ、待機モード中はショートカット操作の方法を示唆する画像を表示させる構成としてもよいし、その逆で、遊技モード中においては、通常操作の方法を示唆する画像を表示させ、待機モード中は通常操作とショートカット操作の方法を示唆する画像を表示させる構成としてもよい。
(14)第1調節スイッチ210の各スイッチ220,230,240,250,260の操作を受け付けた場合に、対応する効果音を出力する構成としてもよく、受け付けない場合であっても操作されれば、対応する効果音を出力する構成としてもよく、受け付けた場合(例えば、サブ操作有効期間中の操作であった場合)と受け付けない場合(例えば、サブ操作無効期間中の操作であった場合)とで、出力する効果音を異ならせる構成としてもよい。これらの場合、音量変更の有無とは関係なく、効果音を出力する構成とするとよい。また、各スイッチ220,230,240,250,260に応じて異なる効果音を出力する構成としてもよく、例えば、中スイッチ220を操作した場合と、上下左右のスイッチ230,240,250,260を操作した場合とで、出力される効果音が異なる構成としてもよい。
(15)メニュー画面や音量設定画面、サブ音量画像SOの表示に際して、実行中の演出の効果音(例えば、演出データA3の挿入メロディ)の出力音量が変更される構成としてもよく、効果音(例えば、挿入メロディ)の出力音量が小さくされる構成としてもよい。
(16)メニュー画面において、上下のスイッチ250,260を操作することで選択項目が切り換えられる構成としたが、音量変更に用いられる(ショートカット操作に用いられる)左右のスイッチ230,240を操作することで選択項目が切り換えられる構成としてもよい。
(17)第2調節スイッチ310を通常営業用メモリ340や節電営業用メモリ350に合わせて電源が投入された場合には特定音量の設定を行う一方、通常営業用メモリ340や節電営業用メモリ350とは異なるメモリに合わせて電源が投入された場合には特定音量の設定を行わない構成としてもよい。
(18)所定のエラー報知の音量を第2調節スイッチ310の操作によって変更可能としたが、エラー報知の音量に加えて、又は代えて、エラー報知の表示内容やエラー報知が行われる場合の報知箇所(補助表示部65での報知と、スピーカ64での報知との組み合わせやその他の表示手段での報知)や、外部出力端子からの出力情報や出力先を変更可能としてもよい。
(19)前面扉12が開放された場合に行われる開放報知についても、第2調節スイッチ310の操作によって(メモリに応じて)、その音量や表示内容等の報知態様を変更することが可能な構成としてもよく、特に音量については、音量設定カウンタや基板音量カウンタの値に応じた音量にて出力される構成としてもよい。この場合、開放報知の音量は、音量設定カウンタや基板音量カウンタの値に応じた音量のうち最大音量となるように設定することが好ましい。
(20)開放報知中に第2調節スイッチ310を操作した場合、開放報知の音量を一旦小さくする構成としたが、大きくする構成としてもよい。
(21)第1調節スイッチ210や第2調節スイッチ310の構成は上記のものに限定されず、少なくとも音量を調節可能な機能を有していればよい。例えば、第1調節スイッチ210であれば、少なくともショートカット操作、及び音量調節を行う左右のスイッチ230,240を有していればよく、中スイッチ220や上下のスイッチ250,260を有していなくてもよい。また、第1調節スイッチ210において、通常操作を行うためには、中スイッチ220と左右のスイッチ230,240を有していればよく、選択項目の切り換えや履歴確認のスクロールについても左右のスイッチ230,240により行うことが可能な構成とすれば、他の設定・確認操作(キャラクタ選択・履歴確認)も含めて、上下のスイッチ250,260を有さなくてもよい構成となる。
更に、各スイッチ220,230,240,250,260をそれぞれ別々の操作面を有するスイッチとしたが、一体の操作面を有するスイッチにより構成し、一体の操作面を有するスイッチの下方(押下方向)の当該一体の操作面と重なる位置において、上下左右及び中央にそれぞれ検知スイッチを配置し、当該一体の操作面の中央付近を操作することで中スイッチ220の操作が行われたとし、当該一体の操作面の右側付近を操作することで右スイッチ230の操作が行われたとし、当該一体の操作面の左側付近を操作することで左スイッチ240の操作が行われたとし、当該一体の操作面の上側付近を操作することで上スイッチ250の操作が行われたとし、当該一体の操作面の下側付近を操作することで右スイッチ260の操作が行われたとする構成としてもよい。
また、メニュー画面を表示させる(通常操作を行う)中スイッチ220を、左右のスイッチ230,240の中央に配置する構成としたが、左右のスイッチ230,240に近接する位置であればよく、例えば、右スイッチ230の右方に配置してもよく、左スイッチ240の左方に配置してもよい。中スイッチ220と、左右のスイッチ230,240が近接していなくてもよい。
(22)ショートカット操作に際して左右のスイッチ230,240を操作した場合に、当該操作も音量変更用の操作としてみなす構成において、右スイッチ230が操作された場合には音量を大きくする操作としてみなし(液晶音量カウンタを1加算する)、右スイッチ240が操作された場合には音量を小さくする操作としてみなす(液晶音量カウンタを1減算する)構成とした。かかる構成において、液晶音量カウンタが1~5の範囲で変更可能な構成であることからすると、例えば、液晶音量カウンタが1である状況でショートカット操作として左スイッチ240が操作された場合には、音量設定画面を表示するものの音量変更用の操作とみなさず液晶音量カウンタを変更せず(1のままとし)、液晶音量カウンタが1である状況でショートカット操作として右スイッチ230が操作された場合には、音量設定画面を表示するものの音量変更用の操作とみなして液晶音量カウンタを1加算する構成となる。つまり、ショートカット操作を行う場合、第1の状況(液晶音量カウンタが最小値又は最大値ではない状況)であれば、第1処理(音量設定画面を表示する処理)及び第2処理(液晶音量カウンタの値を変更する処理)を実行し、第2の状況(液晶音量カウンタが最小値又は最大値である状況)であれば、第1処理を行う一方、第2処理は行わない構成となる。また、第2の状況において第1操作(液晶音量カウンタが最大値であれば左スイッチ240の操作)が行われた場合には、第1処理及び第2処理を実行し、第2操作(液晶音量カウンタが最大値であれば右スイッチ230の操作)が行われた場合には、第1処理を行う一方、第2処理は行わない構成となる。このように、各操作が行われた場合の状況やその操作の種類に応じて、実行する処理を異ならせることにより、音量調節を含めて各種設定操作を好適に行わせることが可能となる。なお、上記の第1の状況や第2の状況、第1処理や第2処理、第1操作や第2操作は一例であり、他の設定・確認操作においても適用することが可能である。
(23)液晶音量カウンタの更新可能な範囲(1~5)と基板音量カウンタの更新可能な範囲(1~9、0~8)とが異なる構成としたが、両音量カウンタの更新可能な範囲を同じ範囲としてもよく、液晶音量カウンタの更新可能な範囲の方が基板音量カウンタの更新可能な範囲よりも広い範囲としてもよい。例えば、液晶音量カウンタの更新可能な範囲を基板音量カウンタの更新可能な範囲と同じ範囲とし、第2調節スイッチ310においてのみ設定可能としていた音量(メモリ0~2、8、E、F)についても第1調節スイッチ210において設定可能としてもよい。
(24)電源投入後においても、第2調節スイッチ310の操作を受付可能な構成において、変更対応処理の実行タイミングや実行の有無を、状況に応じて変更してもよい。例えば、各リール32L,32M,32Rの回転中に第2調節スイッチ310が操作された場合には、回転中に変更対応処理を実行する構成に、代えて又は加えて、各リール32L,32M,32Rの停止後に変更対応処理を実行する構成としてもよい。回転中に変更対応処理を実行し、更に停止後に、再度、変更対応処理を実行する構成とすることで、仮に処理負荷が集中し得る回転中の変更対応処理がうまく完了できなかった場合等、エラーが生じていても、再度の変更対応処理によって音量設定を完了することが可能となり、より音量設定を好適に行うことができるようになる。また、所定の演出の実行中に第2調節スイッチ310が操作された場合、実行中の演出が第1演出(例えば、挿入メロディ)であれば、当該第2調節スイッチ310の操作時に変更対応処理を実行し、実行中の演出が第2演出(例えば、押し順報知演出)であれば、実行中の演出が終了した後で第2調節スイッチ310の操作に対応する変更対応処理を実行する構成としてもよい。
(25)特定音量に設定された後、所定期間が経過した場合の状況に応じて、特定音量からの変更態様を異ならせる構成としてもよい。例えば、所的期間が経過した場合の状況が電源投入から遊技モードに移行することなく継続している待機モードであれば、上記のように基板側音量設定処理において、液晶音量カウンタと基板音量カウンタのうち音量が大きい側の値を音量設定カウンタに入力する構成とし、所定期間が経過した場合の状況が電源投入から遊技モードを介して移行した待機モードであれば、基板側音量設定処理において、液晶音量カウンタと基板音量カウンタのうち音量が小さい側の値を音量設定カウンタに入力する構成としてもよく、その逆の構成としてもよい。また、所定期間の経過を待機モードか否かにかかわらず計測する構成としたうえで、所定期間が経過した状況が待機モードであれば、基板側音量設定処理において、液晶音量カウンタと基板音量カウンタのうち音量が大きい側の値を音量設定カウンタに入力する構成とし、所定期間が経過した状況が遊技モードであれば、基板側音量設定処理において、特定音量から音量を変更する処理を行わないようにする構成としてもよい。この場合、次回、遊技モードに移行した際に、液晶音量カウンタと基板音量カウンタのうち音量が大きい側の値を音量設定カウンタに入力する構成としてもよい。
(26)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
また、パチンコ機のようなハンドル操作を開始することで遊技球の発射が開始されて遊技が開始され、ハンドル操作を終了することで遊技球の発射が停止されて遊技が終了され、発射された遊技球の入球先や入球した場合の抽選内容等によって特典が付与される遊技機や、上記の球使用回胴式遊技機においても、上記の音量設定に関する発明を適用可能である。
(27)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<第13nの実施形態>
以下、第13nの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1117はスロットマシン10の正面図、図1118はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図1119はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図1120は前面扉12の背面図、図1121は筐体11の正面図である。なお、以下の説明においては、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素については同じ符号を用いて説明し、同じ符号であっても異なる機能を備える構成要素については、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。
図1117~図1121に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図1119に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図1123には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図1123に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図1124に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図1125~図1127は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図1128(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図1128(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図1128(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図1128(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図1128(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは12枚のメダル払出が行われる。
図1128(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図1129(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図1129(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役~第32小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役~第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図1125及び図1126に示すように、これら第9小役入賞~第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典(遊技価値)の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典(遊技価値)が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。図1127に示すように、これら第1再遊技~第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図1129(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図1130(e)に示すように、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
第3再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図1130(f)に示すように、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図1129(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図1129(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図1130(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図1130(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図1130(c)及び図1130(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、図1131(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図1131(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。
左リール32Lの「赤貝」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、図1131(c)に示すように、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図1131(d)に示すように、下ラインL3に左から順に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止したりする。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図1132)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
ストップスイッチ42~44には、ストップランプ42b~44bがそれぞれ内蔵されている。当該ストップランプ42b~44bからの光はストップスイッチ42~44の操作面を一部透過し、ストップランプ42b~44bの光はストップスイッチ42~44を介して視認可能となる。そして、ストップスイッチ42~44の操作が有効となる場合には、当該ストップランプ42b~44bが点灯制御され、ストップスイッチ42~44の操作が無効となる場合には、対応するストップランプ42b~44bがそれぞれ消灯制御される。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。
ここで、セレクタ46について、図1122を用いて説明する。図1122は、セレクタ46の内部構造を説明するための説明図である。なお、図中の2点鎖線は、理解を容易なものとするためにメダルの通過経路を示したものである。
セレクタ46には、メダル投入口45から投入されたメダルを貯留用通路47へ導くための案内通路84が形成されている。案内通路84は、メダルが1列で通行可能なようにして、図の上端部から右下部にかけて弧を描くような曲線状に形成されている。より詳しくは、セレクタ46を構成するセレクタボディには、図の手前側に突出する突条46bが設けられており、その突条84aが底部を構成するようにして案内通路84が形成されている。案内通路84に到達したメダルは、突条46b上を転がるようにして下流方向へ流れることとなる。
セレクタ46は、案内通路84の上流側にあるメダルを排出用通路48へ排出するための通路切替片85を備えている。通路切替片85は、案内通路84の上流側において当該案内通路84内に出没可能に設けられている。また、通路切替片85は、メダル通路切替ソレノイド46aに連結されており、メダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時には案内通路84内に通路切替片85が突出する。この場合、案内通路84の上流側にあるメダルはその突出した通路切替片85に当たることで突条46bを乗り上げて下方に落下し、排出用通路48に導かれる。排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。一方、メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時には案内通路84外に通路切替片85が没する。これにより、メダルは案内通路84に沿って流れ、貯留用通路47に導かれる。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。
また、セレクタ46において通路切替片85の下流側には、案内通路84を通過するメダルを検出するための投入メダル検出装置86が設けられている。投入メダル検出装置86は、フォトセンサからなる第1投入メダル検出センサ86aと同じくフォトセンサからなる第2投入メダル検出センサ86bとを備え、これら各投入メダル検出センサ86a,86bは案内通路84の流下方向に並ぶようにして近接配置されている(少なくとも1時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接状態とする)。これら各投入メダル検出センサ86a,86bにより案内通路84のメダルの通過が順次検出される。
セレクタ46において通路切替片85よりも上流側には、センサレバー87が設けらている。センサレバー87は案内通路84内に出没可能に設けられており、案内通路84内に出没した出没位置に向けて付勢されている。メダル投入口45から投入されたメダルは、センサレバー87を出没位置から退避位置に変位させながら案内通路84を通過する。センサレバー87の位置変位は、当該センサレバー87に対して設けられた(当該センサレバー87に連動するレバー連動遮光片に対して設けられた)レバー検出センサ88により検知され、センサレバー87が退避位置に変位することでレバー検出センサ88はON状態となる。案内通路84においてセンサレバー87が設けられている位置と、投入メダル検出装置86によりメダルが検出される位置とは、メダル1枚分の直径よりも長く離間しており、少なくとも投入メダル検出装置86によりメダルが検出されるよりも前に、当該メダルが退避位置に変位させたセンサレバー87は出没位置に復帰するようになっている。
すなわち、メダル投入口45からメダルが投入されると、レバー検出センサ88がON状態となり、その後、レバー検出センサ88がOFF状態となってから各投入メダル検出センサ86a,86bにより当該メダルの通過が検知される。
図1120や図1121に示すように、ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。
払出装置53には、当該払出装置53から払い出されるメダルを検出するための払出メダル検出装置95が設けられている。払出メダル検出装置95は、フォトセンサからなる第1払出メダル検出センサ95aと同じくフォトセンサからなる第2払出メダル検出センサ95bとを備え、これら各払出メダル検出センサ95a,95bは払出装置53からのメダル払い出し方向に並ぶようにして近接配置されている(少なくとも1時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接状態とする)。これら各払出メダル検出センサ95a,95bにより、払出装置53から払い出されるメダルの通過が順次検出される。
また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
予備タンク54には、当該予備タンク54内のメダルが一定量以上となったことを検出するための予備タンクセンサ96が設けられている。予備タンク54において、予備タンクセンサ96の設けられた高さ以上にメダルが貯留されると、当該予備タンクセンサ96がON状態となり、予備タンク54が満タン状態となったことが検出される。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定規定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定規定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定規定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定規定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定規定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定規定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定規定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。払出枚数表示部62は、メダルの払出枚数を表示する機能の他、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタとしての機能も有する。払出枚数表示部62(指示モニタ)については、後に詳細に説明する。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの下方であって、クレジット表示部60の左方には、第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作やメダル投入口45へのメダル投入によって設定されるゲームのベット数を表示するための第1表示部としてのBET表示部75と、現状の遊技の進行状態を示す遊技状態表示部76とが設けられている。BET表示部75には、第1BET表示部75a、第2BET表示部75b、第3BET表示部75cが設けられており(図1133)、これら各BET表示部75a~75cを消灯状態から点灯状態に切り替えることによってゲームのベット数が示される。また、遊技状態表示部76には、今回のゲームが再遊技入賞後のゲームであって再遊技状態であることを示す再遊技状態表示部76aと、メダル投入口45からのメダル投入といったベット操作が可能な受入可能状態(ベット待ち状態)であることを示す受入可能状態表示部76cと、スタートレバー41の操作が可能な開始可能状態(開始操作待ち状態)であることを示す開始可能状態表示部76bとが設けられており(図1133)、これらの表示部76a~76cが点灯状態とされることによって対応する状態であることが示され、これらの表示部76a~76cが消灯状態とされることによって対応する状態ではないことが示される。
また、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの左方には、上記のゲームのベット数を表示するための第2表示部としてのベット表示部34が設けられている。更に、遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの右方には、ゲームの開始に際して各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるまでの待機すべき状態(ウェイト状態)であることを報知するためのウェイト表示部35が設けられている。ベット表示部34には、第1ベット表示部34a、第2ベット表示部34b、第3ベット表示部34cが設けられており、これら各ベット表示部34a~34cを消灯状態から点灯状態に切り替えることによってゲームのベット数が示される。また、ウェイト表示部35も点灯状態と消灯状態とに切り替え可能とされており、点灯状態ではウェイト状態であることが示され、消灯状態ではウェイト状態ではないことが示される。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、補助表示部65を制御するための表示制御装置81が設けられており、当該表示制御装置81のさらに背面には、表示制御装置81と上部ランプ63、スピーカ64を制御するためのサブ制御装置180が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図1132及び図1133のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入された投入メダルを検出するための第1投入メダル検出センサ86aや第2投入メダル検出センサ86b、セレクタ46においてセンサレバー87の動作を検出するためのレバー検出センサ88、ホッパ装置51から払い出される払出メダルを検出するための第1払出メダル検出センサ95aや第2払出メダル検出センサ95b、予備タンク54が満タン状態となったことを検出するための予備タンクセンサ96、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号はサブ制御装置180にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、BET表示部75、遊技状態表示部76、役比モニタ77、サブ制御装置180、図示しないホール管理装置(ホールコンピュータやデータ表示器等)等に情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報記憶エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図1134参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図1133に示すように、サブ制御装置180は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
サブ制御装置180には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にベット表示部34、ウェイト表示部35、第1クレジットランプ56b、ストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び表示制御装置81が接続されている。表示制御装置81には、補助表示部65が接続されており、サブ制御装置180からの情報に基づき表示制御装置81が補助表示部65を制御する。
主制御装置101とサブ制御装置180との接続について詳細には、主制御装置101の入出力ポート104における主側端子CN1と、サブ制御装置180の入出力ポートにおけるサブ側端子CN2とが伝送手段(接続経路)としてのハーネスHを介して接続されている。この場合、ハーネスHにおける主側の差込口を主側端子CN1に差し込み、ハーネスHにおけるサブ側の差込口をサブ側端子CN2に差し込むことで主制御装置101とサブ制御装置180との接続が完了する。言い換えると、主制御装置101とサブ制御装置180とは、主側端子CN1やサブ側端子CN2からハーネスHを引き抜くことで接続を解消することが可能であり、例えば、主制御装置101とサブ制御装置180との接続を行わずに、主制御装置101だけの動作確認(立ち上げ)も可能である。
サブ制御装置180は、主制御装置101と同様に電源装置91と接続されており、当該電源装置91の電源部91aから駆動電力が供給される。この電源装置91とサブ制御装置180との接続は、上記ハーネスHとは別のハーネス(接続経路、伝送手段)とされており、サブ制御装置180は、ハーネスHを接続することなく(主制御装置101と接続することなく)、サブ制御装置180だけの動作確認(立ち上げ)も可能である。
なお、本実施形態では電源装置91を、主制御装置101とサブ制御装置180とにそれぞれ接続して、主制御装置101とサブ制御装置180とはいずれも電源装置91からそれぞれ駆動電力が供給される構成としているが、電源装置91と主制御装置101とを接続し、主制御装置101とサブ制御装置180とを接続する一方、電源装置91とサブ制御装置180とを接続しないようにして、サブ制御装置180への駆動電力の供給が主制御装置101を介して行われる構成としてもよい。この場合においても、主制御装置101とサブ制御装置180との駆動電力の供給用のハーネスを、上記ハーネスHとは異なるものとするとよい。
そして、主制御装置101からハーネスHを介してサブ制御装置180に入力される各種コマンドに基づいて、サブ制御装置180は、ベット表示部34、ウェイト表示部35、第1クレジットランプ56b、ストップランプ42b~44b、上部ランプ63、スピーカ64等を駆動制御し、また、主制御装置101から入力された各種コマンドをそのまま又は解析処理等を行ってから表示制御装置81へ出力することで、表示制御装置81を制御して補助表示部65にて対応する表示が行われるように駆動制御する。つまり、サブ制御装置180は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
また、サブ制御装置180の入力側には、演出発生時に操作される演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。
なお、各種表示部60~62,75,76をサブ制御装置180が駆動制御する構成としてもよい。また、サブ制御装置180に接続されている各構成42b~44b,63~66,81,210,310の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b~44b,63~66,81,210,310の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理とを説明する。
図1134は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップSn101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップSn102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップSn103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSn102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップSn104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップSn104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップSn105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップSn106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップSn107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a、クレジット投入検出センサ56a,57a、精算検出センサ59a、リセット検出センサ72a、設定キー検出センサ73a、投入メダル検出センサ86a,86b、レバー検出センサ88、払出メダル検出センサ95a,95b、予備タンクセンサ96等の各種センサ(図1132参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップSn108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップSn109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップSn110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドをサブ制御装置180へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップSn111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップSn112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップSn113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップSn114では、先のステップSn101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップSn115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、主制御装置101のメイン処理について、図1135のフローチャートに基づき説明する。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ71のオン操作によって電源が投入された際に起動される。
ステップSn201では、駆動用の初期化処理として、スタックポインタの値をCPU102内に設定するとともに、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU102内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、ステップSn202ではリセットスイッチ72の操作がなされているか否か、より詳しくは、リセット検出センサ72aからON信号を受信しているか否かを判定する。今回の電源投入時(復旧時)に、リセットスイッチ72が操作されている場合、ステップSn203にて、RAMクリア処理として、RAM106に記憶されているデータを全て消去する。
ステップSn202にてリセットスイッチ72が操作されていない場合、又はステップSn203のRAMクリア処理を実行した後は、ステップSn204にて、設定キーが設定キー挿入孔73に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは、設定キー検出センサ73aからON信号を受信しているか否かを判定する。今回の電源投入時(復旧時)に、設定キーのON操作がなされている場合には、ステップSn205に進み、RAMクリア処理を実行する。かかる処理は、上記ステップSn203の処理と同様である。
続くステップSn206では、当選確率設定処理を行う。
当選確率設定処理について、その概要を説明する。スロットマシン10には、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、当選確率設定処理とは、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。当選確率設定処理では、所定の操作として、リセットスイッチ72の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、リセットスイッチ72が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、RAM106における設定値情報記憶エリア106cに記憶してから当選確率設定処理を終了する。当選確率設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率設定処理で設定された設定値は、次の当選確率設定処理が起動されるまで、RAM106の設定値情報記憶エリア106cに記憶保持される。
当選確率設定処理を実行した後は、ステップSn207にてステップSn206の設定処理が正常に行われたことを確認して、エラーが発生していないことのエラー判定処理を実行する。ステップSn207では、例えば、当選確率設定処理にて設定された設定値が1~6の範囲内であればエラーが発生していないと判定し、設定値が1~6の範囲外である場合にはエラー(RAM異常エラー)が発生していると判定する。
ステップSn204にて設定キーのON操作がなされていないと判定した場合、又はステップSn207の処理を行った後は、ステップSn208にて、立ち上げ時コマンドをサブ制御装置180へ出力する処理を実行する。立ち上げ時コマンドは、本スロットマシン10の電源投入が行われた際に主制御装置101とサブ制御装置180との接続確認を行うためのコマンドである。
続くステップSn209では、停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグがセットされていない場合には、ステップSn210にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
一方、ステップSn209にて停電フラグがセットされている場合には、ステップSn211以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM106のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、ステップSn211ではRAM判定値が正常か否かを判定する。具体的には、RAM106のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM106のデータは正常であると判定する。
ステップSn211においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値が0でなかったときには、RAM106のデータが破壊された(RAM異常エラーが発生している)可能性が高い。そのため、このような場合にはステップSn212にてRAM異常エラーが発生していることを報知するためのエラー対応処理を実行してから、リセット操作が行われるまでループする。
ステップSn211においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップSn213に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU102のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップSn214において、復電処理の実行を伝える復電コマンドをサブ制御装置180に出力する。その後、ステップSn215にて遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップSn216にてスタート検出センサ41a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップSn217にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップSn104)が実行されることとなる。
次に、メイン処理のステップSn210にて実行される通常処理について図1136のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップSn301では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップSn302では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、サブ制御装置180等が初期化を終了するまで待機する。サブ制御装置180等の初期化が終了した場合には、ステップSn303~ステップSn312に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップSn303では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップSn304では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップSn107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出す貯留メダル精算処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行う。
開始待ち処理の終了後、ステップSn305ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップSn305にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップSn305にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップSn305にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップSn304の開始待ち処理に戻る。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップSn305にて肯定判定することとなったベット数の情報や、ベット契機の情報(再遊技入賞に伴う自動投入処理によるベットであることや、遊技者によるクレジット投入スイッチ56,57の操作に基づくベットであること等の情報)を含むベット時コマンドを、ステップSn306にてサブ側の制御装置としてのサブ制御装置180への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップSn110にてサブ制御装置180へ出力される。ベット時コマンドを受信したサブ制御装置180では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップSn306の処理を実行した後は、ステップSn307にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップSn304の開始待ち処理に戻る。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップSn308にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップSn309では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップSn310の抽選処理、ステップSn311のリール制御処理、ステップSn312のメダル払出処理を順に実行し、ステップSn302に戻る。
次に、ステップSn310の抽選処理について、図1137のフローチャートに基づき説明する。
ステップSn401では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。なお、当該乱数取得処理にて取得された乱数が、更新範囲内(0~65535)の値ではない場合には、乱数異常エラーが発生したとして、その情報が記憶されるとともに、当該乱数異常エラーの発生を報知するための処理が行われる。
乱数を取得した後、ステップSn402では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップSn402では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図1138)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図1139)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップSn402では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。上記のように当選確率設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行され、当該当選確率設定処理にて設定の情報が設定値情報記憶エリア106cに記憶される。ステップSn402では、この記憶されている設定値の情報に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
なお、本スロットマシン10では、ステップSn402にて、設定されているベット数が規定枚数以外の枚数である場合、対応する抽選テーブルが存在しないことから、本抽選処理では強制的に外れ結果となる構成としている。但し、基本的には、規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態では、上記ステップSn305にて否定判定されることから、抽選処理が行われることはない。規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態で抽選処理が行われる場合とは、規定枚数とは異なる枚数がベットされている状態であるのにも関わらず、ノイズ等の影響によって、ステップSn305にて肯定判定してしまった場合である。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図1138は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図1139は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップSn403ではインデックス値IVを1とし、続くステップSn404では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップSn401にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップSn405ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップSn406にて、ステップSn405にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSn406にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSn406にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップSn406にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のステップSn303参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップSn406では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップSn405にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップSn407にてインデックス値IVを1加算し、続くステップSn408ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップSn404に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップSn404では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップSn405では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図1138に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1であり、押し順ベルに当選となる確率をまとめると約1.53分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図1139に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.78枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.78枚)。
ステップSn406にて当選フラグをセットした後、又はステップSn408にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップSn409に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップSn410では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップSn401~ステップSn408の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップSn410の処理を実行した後は、ステップSn411にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべくサブ制御装置180に対して送信されるコマンドであり、スタートレバー41の操作(開始操作)に基づき送信される開始操作時コマンドの一種である。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、サブ制御装置180に対してコマンドを送信しない。サブ制御装置180へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップSn110)にて行われる。なお、ステップSn411の抽選結果コマンド処理については、後に詳細に説明する。
そして、ステップSn412では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップSn406にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSn412の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップSn412の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップSn413では、ステップSn412にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップSn413の処理を実行した後は、ステップSn414にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタとして機能する払出枚数表示部62や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップSn311のリール制御処理について、図1140のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップSn501にて、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップSn409にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップSn410にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。
続くステップSn502では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウェイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウェイト時間が経過するまで待機する。この場合、ウェイト時コマンドをサブ制御装置180に対して出力し、ウェイト表示部35を点灯状態とさせる。ウェイト時間が経過した場合には、ウェイト経過コマンドをサブ制御装置180に対して出力し、ウェイト表示部35を消灯状態とさせてから、ステップSn503に進み、回転開始処理を実行する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。
ステップSn503の回転開始処理では、次回の遊技のためのウェイト時間を再設定し、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップSn106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。
ステップSn503にて各リール32L,32M,32Rの回転を開始した場合、続くステップSn504にて回転開始時コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする。回転開始時コマンドを受信したサブ制御装置180は、各リール32L,32M,32Rの回転開始に伴う表示演出や効果音の出力を行うべく、表示制御装置81(補助表示部65)やスピーカ64等を制御する。
続くステップSn505では、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転となるまで待機する。各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となった場合には、ステップSn506にて、停止可能時コマンドをサブ制御装置180に対する出力対象としてセットする。停止可能時コマンドを受信したサブ制御装置180側のCPU181は、各ストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
続くステップSn507では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップSn508に進み、有効な停止操作であったか否かを判定する。
ここで、ストップスイッチ42~44の操作態様について、補足説明する。ストップスイッチ42~44は手前側に配置される初期位置から、奥側に配置される操作位置まで変位可能となっている。初期位置に配置される状況では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号はLOW状態となっており、初期位置から操作位置まで操作されることによって、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号がHI信号に切り換わる。そして、主制御装置101では、検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わったことに基づいて、ストップスイッチ42~44の押圧操作が行われたとする停止ON操作が行われたと把握する。
また、ストップスイッチ42~44は、バネ等によって初期位置に向けて付勢されている。そのため、停止ON操作が行っているストップスイッチ42~44から手を離して、操作位置に向けて押し込んだ操作力(押圧力)を付与しないようにすると、ストップスイッチ42~44は、上記バネ等の付勢力によって、初期位置に復帰する。この場合、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号は、HI信号からLOW信号に切り換わる。そして、主制御装置101では、検知信号がHI信号からLOW信号に切り換わったことに基づいて、ストップスイッチ42~44の押圧操作が終了されたとする停止OFF操作が行われたと把握する。
本スロットマシン10では、回転中のリール32L,32M,32Rに対応するストップスイッチ42~44に対して停止ON操作が行われた場合に、対応するリール32L,32M,32Rの停止駆動制御を行う。そして、当該停止駆動制御の契機となった停止ON操作が行われている状況下で、他の回転中のリール32L,32M,32Rに対応するストップスイッチ42~44に対して停止ON操作が行われた場合には、先に開始された停止駆動制御が完了する(リールが停止する)まで待たずに、後に停止ON操作されたリールの停止駆動制御を開始する。つまり、複数のリール32L,32M,32Rの停止駆動制御を重複して実行可能な構成としている。
この場合、先に開始された停止駆動制御の契機となった停止ON操作の終了を待たずに、つまり、当該停止ON操作が行われたストップスイッチ42~44に対して停止OFF操作が行われることを待たずに、後に実行される停止ON操作を有効なものとして停止駆動制御を開始可能としている。つまり、複数のストップスイッチ42~44に対して停止ON操作が行われた場合に、その停止ON操作をそれぞれ有効なものとしていずれに対しても停止駆動制御を行う構成としている。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止操作の操作性を向上させることが可能となる。
ちなみに、本実施形態では、複数のストップスイッチ42~44に対して停止ON操作を同じタイミングで行われた場合、停止ON操作が行われたと判定する処理や停止駆動制御を行うための処理の順序は予め定められており、具体的には、左リール32Lに対する処理が最も優先され、次に中リール32Mに対する処理が優先され、右リール32Rに対する処理は最後に実行されることになる。例えば、左リール32Lと右リール32Rに対するストップスイッチ42,44の停止ON操作が完全に同じタイミングで実行され、主制御装置101に対する検知信号のLOW信号からHI信号に切り換わるタイミングが同一であった場合、主制御装置101では、左リール32Lに対して停止ON操作が行われたと判定する処理やそれに伴う停止駆動制御用の処理を先に実行し、その後、右リール32Rに対して停止ON操作が行われたと判定する処理やそれに伴う停止駆動制御用の処理を実行する構成としている。このようにすることで、同時に停止駆動制御を開始させるための処理構成の複雑化を招くことなく、複数の停止駆動制御を重複して実行することが可能となる。
なお、同時に停止ON操作された場合の、停止ON操作が行われたと判定する処理や停止駆動制御用の処理の優先順序は上記のものに限定されず、例えば、右リール32Rが最も優先される構成としてもよい。また、同時に停止ON操作された場合、停止ON操作が行われたと判定する処理は同時に実行するものの、停止駆動制御用の処理は優先順序が定められている構成としてもよいし、停止ON操作が行われたと判定する処理に対して優先順序を定め、その結果として停止駆動制御用の処理が、停止ON操作が行われたと判定する処理の優先順序に従って実行される構成としてもよい。
さらに、同時に停止ON操作された場合は、優先側のリールに対しては停止ON操作が行われたと判定する処理や停止駆動制御用の処理を実行するものの、非優先側のリールに対しては停止ON操作が行われたと判定する処理及び停止駆動制御用の処理を実行しない構成としたり、非優先側のリールに対しては停止ON操作が行われたと判定する処理及び停止駆動制御用の処理の一部を実行しない構成(例えば、停止ON操作が行われたと判定する処理は実行する一方、停止駆動制御用の処理を実行しない構成)としてもよい。この場合、同時に停止ON操作された場合とする同時の期間を予め定めておく構成とするとよく、例えば、所定期間(0.2sec)以内に複数のリールに対して同時に停止ON操作が行われた場合には、上記のように優先側と非優先側とで停止の有無を異ならせる構成とするとよい。なお、上記所定期間の長さは、遊技状態によって異なる構成としてもよく、例えば、通常時は所定期間を短くすることで非優先側が停止しない事象を少なくし、有利な状態(後述のATモードやBB状態)においては所定期間を長くすることで意図せず非優先側をも停止させてしまうことに伴う遊技者の不利益を少なくする構成としてもよい。
同時に停止ON操作された場合の停止の有無に対して優先順位を設定する場合、例えば、「スイカ」図柄のように各リール32L,32M,32Rで付された図柄数が異なる(左リール32L及び中リール32Mは4つずつであり、右リール32Rは3つ)場合、その図柄数に応じて(取りこぼしの可能性の高低)上記各処理の優先順位を設定してもよい。この場合、図柄数が多いリールの処理を優先する構成とすることで、取りこぼしの発生を未然に防ぐことが可能である。
なお、以下の説明では、ストップスイッチ42~44の停止操作が重複しない場合を想定してリール制御処理の説明を行う。
ステップSn508にて、有効な停止指令が発生していない場合には、ステップSn507に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップSn509にて、今回の停止操作が停止ON操作であったか否かを判定する。
停止ON操作であった場合、ステップSn508にて、各種カウンタエリア106eに設けられた順序番号カウンタに1を加算する処理を実行する。順序番号カウンタは、今回の停止ON操作が、何番目の停止ON操作であったかをCPU102が把握するためのカウンタであり、各リール32L,32M,32Rの回転が開始された後、最初に停止ON操作された場合には順序番号カウンタは1であり、2番目に停止ON操作された場合には順序番号カウンタは2であり、3番目に停止ON操作された場合には順序番号カウンタは3である。なお、順序番号カウンタは、ゲームの開始に際して初期値である0にクリアされる(ステップSn303)。そして、ステップSn509にて停止ON時コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする。停止ON時コマンドには、今回停止操作されたストップスイッチ42~44(対応するリール32L,32M,32R)の情報の他、上記の順序番号カウンタの情報が含まれている。停止ON時コマンドを受信したサブ制御装置180は、対応するリールを停止させることの演出を表示制御装置81(補助表示部65)やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42~44に対応するストップランプ42b~44bを消灯するように制御する。
ステップSn512~ステップSn519は、回転中のリールを停止させるための停止制御処理である。
具体的に、ステップSn512では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップSn513では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップSn513では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップSn514では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップSn515では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップSn516にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップSn517にて、リール停止時コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする。リール停止時コマンドには、停止させたリール32L,32M,32Rの情報が含まれている。リール停止時コマンドを受信したサブ制御装置180は、リールが停止したことの演出を表示制御装置81(補助表示部65)やスピーカ64にて行うように制御する。そして、ステップSn518にて、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップSn519にて停止情報第2設定処理を行い、ステップSn507に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図1138、図1139参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図1141は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップSn509にて、今回の停止操作が停止ON操作ではなく停止OFF操作であると判定した場合、ステップSn520にて停止OFF時コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行する。停止OFF時コマンドには、今回停止操作されたストップスイッチ42~44(対応するリール32L,32M,32R)の情報が含まれている。停止OFF時コマンドを受信したサブ制御装置180は、対応するリールの停止操作が完了したこと(停止OFF操作が行われたこと)の演出を表示制御装置81(補助表示部65)やスピーカ64にて行うように制御する。
ステップSn518にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合、又はステップSn520にて停止OFF時コマンドをセットした後は、ステップSn521にて全てのストップスイッチ42~44が初期位置に配置されているか否かを、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号がいずれもLOW信号であるか否かを確認することによって判定する。いずれかのストップスイッチ42~44が初期位置に配置されておらず、例えば、停止ON操作は行われて対応するリールは停止しているものの、停止OFF操作に至っていない場合等は、ステップSn507に戻る。
つまり、本スロットマシン10では、停止ON操作の重複に伴う停止駆動制御の重複を許容しながらも、全てのストップスイッチ42~44に対して停止OFF操作が完了するまでは、ステップSn522以降の全リール32L,32M,32R停止に伴う払出判定等の処理が行われない構成としている。このようにすることで、各ゲームで確実に停止操作が行われる(停止ON操作が継続されたままで各ゲームが進行しない)ようにすることができ、遊技者による遊技操作によって各ゲームが進行するというスロットマシン10の遊技の前提の範囲内で遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
全てのストップスイッチ42~44が初期位置に配置されている場合、ステップSn522にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する数のメダル払出が行われるように設定する処理を行う。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理について、具体的に、図1142のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSn601では、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSn602にて各リール32L,32M,32Rの有効位置に停止している図柄(図柄番号)を把握する処理を実行し、ステップSn603にて、停止している図柄の組み合わせと今回のゲームの抽選結果に対応する図柄の組み合わせとの比較処理を実行する。なお、抽選処理(図1137)における停止情報設定処理(ステップSn412)では、今回のゲームの抽選結果に基づいて、当該抽選結果の入賞となる図柄の組み合わせを各リール32L,32M,32Rの停止情報として設定する他、入賞とならない図柄の組み合わせも各リール32L,32M,32Rの停止情報として設定する。ステップSn603の比較処理では、これら入賞となる図柄の組み合わせだけではなく、入賞とならない図柄の組み合わせも含めて、今回のゲームの抽選結果に対応するものであるか否かの比較を行う。
そして、続くステップSn604にて、ステップSn603の比較処理の結果が不整合であり、停止している図柄の組み合わせと今回のゲームの抽選結果に対応しない図柄の組合せであるか否かの判定を行う。ステップSn604にて肯定判定し、停止する予定ではない図柄が有効位置に停止している場合、ステップSn605にて停止エラーフラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする処理を実行してから、本払出判定処理を終了する。停止エラーフラグがセットされた場合、エラー対応処理として、エラー報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われ、また、遊技進行の停止処理が行われる。
ステップSn604にて不整合ではないと判定した場合、ステップSn606に進む。ステップSn606では、停止している図柄の組み合わせが今回にゲームの抽選結果の入賞に対応するものであるか否かを判定する。入賞に対応するものではない場合には、そのまま本払出判定処理を終了する。
入賞に対応するものである場合、ステップSn607にて今回の入賞がいずれかの再遊技入賞であるか否かを判定する。再遊技入賞である場合、ステップSn608にて再遊技状態に設定してから本払出判定処理を終了する。再遊技状態に設定することにより、次ゲームの開始待ち処理(ステップSn304)にて、今回の再遊技入賞の契機となったゲームのベット数と同数のベットが行われるように自動ベット処理が行われることになる。
再遊技入賞ではないと判定した場合、ステップSn609にて今回の入賞がいずれかの小役入賞であるか否かを判定する。再遊技入賞でもなく小役入賞でもない場合とは、BB入賞であることを意味し、この場合、そのまま払出判定処理を終了し、本払出判定処理に続けて実行されるボーナス状態処理(ステップSn523)にて、BB入賞時の処理を実行する。
ステップSn609にていずれかの小役入賞であると判定した場合、ステップSn610にて小役入賞に伴う払出枚数を把握する処理を実行する。そして、把握した払出枚数に対応する値を、ステップSn2611にて各種カウンタエリア106eに設けられた払出カウンタに入力する処理を実行してから、本払出判定処理を終了する。
払出判定処理を行った後は、ステップSn523にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップSn524にて、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップSn525にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタとして機能する払出枚数表示部62の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップSn526にて今回のゲームにおける入賞成立役をサブ制御装置180に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップSn312のメダル払出処理について、図1143のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップSn701にて上記の払出カウンタが0であるか否かを判定する。0よりも大きい場合には、ステップSn702にて、払出開始時コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行する。払出開始時コマンドを受信したサブ制御装置180は、メダル払出用の演出が行われるように表示制御装置81(補助表示部65)やスピーカ64を制御する。
続くステップSn703では、各種カウンタエリア106eに設けられたクレジットカウンタが上限値である50となっているか否かを判定する。上限値ではない場合には、ステップSn704にてクレジットカウンタを1加算する処理を実行し、上限値である場合には、ステップSn705にて払出装置53から1枚のメダルの払い出しが行われるように払出装置53を制御するための払出駆動処理を実行する。クレジットカウンタはクレジット枚数をCPU102がカウントするためのカウンタである。
ステップSn704又はステップSn705の処理を実行した後は、ステップSn706にて払出カウンタを1減算する処理を実行する。続くステップSn707では、払出カウンタが0となり、入賞に基づく払出が完了したか否かを判定し、払出カウンタが0ではない場合には、ステップSn703に戻る。
払出が完了した場合、ステップSn708にて払出終了時コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行してから、本メダル払出処理を終了する。払出終了時コマンドを受信したサブ制御装置180は、実行中のメダル払出用の演出が終了されるように表示制御装置81(補助表示部65)やスピーカ64を制御する。
次に、ステップSn523のボーナス状態処理を、図1144のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップSn801では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップSn801では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップSn802に進む。
ステップSn802では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップSn803に進む。
ステップSn803では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定規定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップSn803にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップSn804では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップSn805に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップSn806にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップSn806にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップSn807では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップSn808では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップSn801にて肯定判定することになる。続くステップSn809では、第1BB開始コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることをサブ制御装置180へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信したサブ制御装置180では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、サブ制御装置180では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップSn809にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSn810にて規定ベット数を2に設定する処理を実行し、ステップSn811にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が2枚に設定され、2ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップSn805にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップSn812に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップSn813にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップSn814にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSn815にて第2BB開始コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることをサブ制御装置180へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信したサブ制御装置180では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップSn815にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップSn810にて規定ベット数を2に設定する処理を実行し、ステップSn811にてMAXベットカウンタに2を入力してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が2枚に設定され、2ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップSn801にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップSn816に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図1145は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図1145に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップSn816では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップSn817にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップSn818にて、ステップSn817の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると12枚の払出が発生することから、ステップSn817ではBBカウンタから12を減算する。
ステップSn818にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップSn819にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップSn820にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドをサブ制御装置180への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信したサブ制御装置180は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップSn821にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップSn811にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図1146を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序(図1141)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図1147のフローチャートを参照しながら、ステップSn410にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。なお、本実施形態におけるATモードは、移行時に設定される枚数のメダル払出が行われた場合に終了する枚数管理型のモードとしている。
先ず、ステップSn901~ステップSn903では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップSn901では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSn902にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSn903にてベット数が3であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定枚数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定枚数として2が設定されている。ステップSn902やステップSn903の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数ではない場合には、ステップSn904以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定枚数として2が設定されていることから、3ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップSn904以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップSn902又はステップSn903にて肯定判定した場合、ステップSn904にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップSn905にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図1148のフローチャートに示すように、ステップSn1001にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップSn1002にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図1149に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図1149にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップSn1002にて抽選テーブルを取得した後は、ステップSn1003にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSn1003ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップSn1004にて有利区間移行抽選を実行し、ステップSn1005にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップSn1001にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップSn1002~ステップSn1005の処理を省略することも可能である。
ステップSn1005にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップSn1006にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSn1005にて否定判定した場合、又はステップSn1006の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップSn904にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップSn906に進む。ステップSn906では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグは、ATモードであることをCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSn906にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップSn907にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップSn906にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップSn908にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
ステップSn907のAT抽選用処理について図1150のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSn1101では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算され、例えば、2ベットゲームでは減算されない。
ステップSn1101にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップSn1102にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップSn1103~ステップSn1109にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップSn1103にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSn1104では、ATモード移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。ATモード移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSn1104ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。続くステップSn1105では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ここで、本実施形態のCZモードについて概要を説明する。本実施形態のCZモードでは、所定数(本実施形態では5)のゲームを単位継続数とするセットを、最大で特定数(本実施形態では3)に亘って実行可能とする構成としている。CZモード中の各ゲームでは、上記のように通常モードよりも当選し易いATモード移行抽選が行われ、当該ATモード移行抽選に当選することでATモードへの移行が可能となる。また、CZモードの各セットで継続条件の判定を行い、当該継続条件が成立することでセットの更新が行われ、特定数目のセットで継続条件が成立することでもATモードへの移行が可能となる。各セットの継続条件が成立せず、且つATモード移行抽選に当選しないまま、当該セットのゲーム数(5)を消化すると、当該セットでCZモードは終了する。つまり、本実施形態では、CZモードに移行することで当該CZモードの各ゲームでATモード移行抽選に当選するチャンスが高まるだけでなく、CZモードの各セットの継続条件を成立させることでもATモードへ移行させることが可能となり、CZモード中の興趣向上が図られている。
ステップSn1105にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップSn1106にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップSn1105にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップSn1107にて、CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図1149に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップSn1106又はステップSn1107にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップSn1103にて把握したゲームの抽選結果とを用いて、ステップSn1108にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップSn1109にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップSn1109にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップSn1102にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップSn1110に進む。ステップSn1110では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選ではない場合、ステップSn1111にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップSn906にて肯定判定することとなる。
続くステップSn1112~ステップSn1115では、前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム~32ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
すなわち、ステップSn1112では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。この場合、当選契機となったゲームの抽選結果によって前兆ゲーム数が異なるようにしてもよく、例えば、チェリーAにてATモード移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにてATモード移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くしてもよい。なお、前兆ゲームの抽選処理でも、前兆ゲーム数の抽選用乱数を取得して上記の当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。
続くステップSn1113では、ステップSn1112の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップSn1114にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップSn1115にて前兆コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかをサブ制御装置180へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信したサブ制御装置180は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
ステップSn1110にてCZモード中のATモード移行抽選に当選したと判定した場合、ステップSn1116に進む。ステップSn1116では、上記のATモード当選フラグをセットする処理を実行し、ステップSn1117では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSn1118にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを上記の前兆カウンタに入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの各セットの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの1セットの単位継続ゲーム数(5ゲーム)に相当する値(5)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
続くステップSn1119では、現状のCZモードのセット数から、当該CZモードのセット数が特定数に至るまでの残りセット数を把握する処理を実行する。例えば、今回のセットがCZモードの最初のセットであれば、特定数(3)までの残りセット数は2である。なお、各種カウンタエリア106eにはバトルカウンタが設けられており、セットの更新が行われるたびにバトルカウンタが1加算され、残りセット数は当該バトルカウンタにて把握可能とされている。
続くステップSn1120では、ステップSn1119にて把握した残りセット数と、セットの単位継続数(5)とを乗算した値を、上記の前兆カウンタに加算する処理を実行する。つまり、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、当該ゲームにてCZモードは終了し、当該CZモードにおいて最大数(特定数)のセットが継続した場合のゲーム数が前兆モードのゲーム数として設定される。この場合、サブ制御装置180側での演出は、前兆モードとされてもCZモードが継続している演出を行う構成としており、このようにすることで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した後のゲームであっても、CZモードの各セットの継続条件を成立させることへの期待感を持続させることが可能となる。
ステップSn1120の処理を実行した後は、ステップSn1114に進み、前兆フラグをセットした後、ステップSn1115にて前兆コマンドの出力設定を行ってから、本AT抽選用処理を終了する。
ステップSn1109にてATモード移行抽選に当選していないと判定した場合、ステップSn1121に進む。ステップSn1121では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップSn1122にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップSn1103にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図1149に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにも関わらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップSn1122にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップSn1123にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップSn1124にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
続くステップSn1125では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。本前兆ゲーム数の抽選処理でも、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。この場合、ATモード移行抽選に当選している場合(ステップSn1112)とCZモード移行抽選に当選している場合(ステップSn1125)とで、前兆ゲーム数が異なり得るように設定してもよく、例えば、ATモード移行抽選に当選している場合のほうがCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くしてもよい。また、当選契機となったゲームの抽選結果によって前兆ゲーム数が異なるようにしてもよく、例えば、チェリーAにてCZモード移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにてCZモード移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くしてもよい。
続くステップSn1126では、ステップSn1125の抽選結果を前兆カウンタに入力する処理を実行する。その後、ステップSn1114にて前兆フラグをセットし、ステップSn1115にて前兆コマンドの出力設定を行ってから、本AT抽選用処理を終了する。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップSn908にて実行されるAT上乗せ用処理について、図1151のフローチャートを参照しながら説明する。AT上乗せ用処理では、ATモードの払出枚数を上乗せすることの上乗せ抽選を行い、当該上乗せ抽選にて当選した場合には、ATモードの残り払出枚数を加算する処理(増加させる処理、上乗せ処理)を実行する。
先ずステップSn1201にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップSn1202にて、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
上乗せ抽選テーブルは、図1152に示すように、ATモードの種類と、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されている。具体的には、本実施形態ではATモードの種類として、第1ATモードと第2ATモードとが設定されており、第1ATモードよりも第2ATモードのほうが上乗せ当選率が高くなるように設定されている。なお、本実施形態では、第1ATモードと第2ATモードとは、ATモード開始時の演出やATモード中の演出が共通しており、見た目上、遊技者からは識別困難とされている。つまり、ATモードに移行した場合、上乗せ当選率によって第1ATモードであるか第2ATモードであるかを予測する楽しみが追加されている。
第1ATモードと第2ATモードのいずれであっても、各ゲームの抽選処理にて当選し易い通常リプA~通常リプCや、押し順ベルといった通常役では上乗せ当選しにくい一方、各ゲームの抽選処理にて当選しにくいチャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、共通ベル、スイカ、といった特定役では通常役よりも上乗せ当選し易くなるように設定されている。そして、特定役のうち、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。ただし、上乗せ当選しにくい結果に基づいて上乗せ当選した場合には、上乗せ枚数が多くなり易いように設定されており、上乗せ当選時の意外性とともに通常役であっても上乗せ当選への期待感を維持させることが可能である。なお、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ当選しない構成としてもよい。
ステップSn1202にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップSn1203にて上乗せ抽選用の乱数を取得する処理を実行する。上乗せ抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップSn1203ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。続く、ステップSn1204では上乗せ抽選を実行し、ステップSn1205にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップSn1206にて、上乗せ枚数抽選処理を実行する。
ステップSn1206にて上乗せ枚数の抽選を行った後は、ステップSn1207にて上乗せ枚数をAT枚数カウンタに加算する処理を実行する。AT枚数カウンタは、ATモードの残り払出枚数(差枚数、払出枚数からベット数を減算した枚数)をCPU102が把握するためのカウンタである。そして、ステップSn1208にて上乗せコマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドを受信したサブ制御装置180は、上乗せ条件が成立したことに対応する演出(上乗せ報知演出)を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図1147)において、ステップSn907又はステップSn908の処理を実行した後は、ステップSn909~ステップSn914にて、ストップスイッチ42~44の押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップSn909~ステップSn914にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタとしての機能も有する払出枚数表示部62にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。払出枚数表示部62は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65はサブ制御装置180(表示制御装置81)に接続されており、サブ制御装置180により押し順報知演出が行われる。
先ず、払出枚数表示部62の構成について、図1153を参照しながら説明する。図1153(a)は、払出枚数表示部62の正面図であり、図1152(b)は、払出枚数表示部62が指示モニタとして機能する場合の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図1153(a)に示すように、払出枚数表示部62には15個の表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7が設けられている。各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、払出枚数表示部62では、2桁の数字やアルファベットを含む所定の記号が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7について詳細には、右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7,左第1表示用セグメントNb1~左第7表示用セグメントNb7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7,左第1表示用セグメントNb1~左第7表示用セグメントNb7は、数字の「0」~「9」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、右第8表示用セグメントNa8は、円形状の表示用セグメントであり、右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、払出枚数表示部62は、「00」~「99」や「AA」~「ZZ」と、「00.」~「99.」や「AA.」~「ZZ.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。数字とアルファベットの組み合わせからなる二けたの記号も表示可能としてもよい。
なお、払出枚数表示部62において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7の形状や配置態様は任意である。また、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントNa1~Na8,Nb1~Nb7において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7は、上記のように2桁の数字を表示することによって払出枚数を表示するとともに、押し順役の操作順序の報知に用いられる。例えば、図1153(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、右第6表示用セグメントNa6及び右第7表示用セグメントNa7と、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2及び左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7とが点灯表示されて「01」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、右第1表示用セグメントNa1~右第3表示用セグメントNa3、右第5表示用セグメントNa5及び右第6表示用セグメントNa6と、左第1表示用セグメントNb1、左第2表示用セグメントNb2及び左第4表示用セグメントNb4~左第7表示用セグメントNb7とが点灯表示されて「05」が表示される。つまり、各表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
右第8表示用セグメントNa8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、右第8表示用セグメントNa8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としても機能する右第1表示用セグメントNa1~右第7表示用セグメントNa7、左第1表示用セグメントNb1~左第7表示用セグメントNb7、及び区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を有する払出枚数表示部62は、遊技パネル25に配置されている。つまり、指示モニタとして機能する払出枚数表示部62は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、右第8表示用セグメントNa8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62にて押し順表示器や区間表示器としての表示が行われるようにしていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、払出枚数表示部62において特に右第8表示用セグメントNa8は、周囲の表示部(例えば遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、右第8表示用セグメントNa8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、右第8表示用セグメントNa8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、右第8表示用セグメントNa8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、右第8表示用セグメントNa8の視認性が向上されており、当該右第8表示用セグメントNa8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図1154を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図1154(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図1154(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図1154(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、補助表示部65による押し順報知演出は、スタートレバー41の操作とともに実行されるように設定されており、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてからストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行されるため、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。これに対して、払出枚数表示部62による押し順報知は、スタートレバー41が操作されてから各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから実行されるように設定されており、スタートレバー41の操作タイミングがウェイト期間の経過前である場合には、補助表示部65による押し順報知演出よりも後で払出枚数表示部62による押し順報知が開始される場合があるように設定されている。
ここで、本スロットマシン10では、通常リプA~Cについてもストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞する再遊技が異なるように設定されており、例えば、ATモードの開始時やATモード中の上乗せ演出を実行する場合に操作順序を指示することによって、第1再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させる場合があるように設定されている。但し、通常リプA~C当選時にいずれの再遊技入賞が成立しても遊技者に付与される特典は同じ再遊技である。そのため、これら通常リプA~Cのように操作順序によって入賞する結果が異なるように設定されているものであって、いずれの結果が入賞しても遊技者に付与される特典が同じである場合、補助表示部65での押し順報知演出にて操作順序を報知するものの、払出枚数表示部62による押し順報知は行われないようにしている。このようにすることで、主制御装置101側で押し順報知を行うことの機会を極力少なくすることが可能となり、ゲームの抽選や特典付与を管理する主制御装置101の処理負荷を軽減し、ゲーム進行に際しての処理負荷の増大化やエラーの発生等による不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
そこで、上記のように補助表示部65による押し順報知演出よりも後で払出枚数表示部62による押し順報知が開始される場合があるように設定し、補助表示部65による押し順報知演出と払出枚数表示部62による押し順報知とが同時に開始されないようにすることで、例えば、通常リプA~C当選に補助表示部65により押し順報知演出を行う場合に、払出枚数表示部62にて押し順報知が行われていないことを通じて押し順ベル当選ではなく通常リプA~C当選であることが遊技者に見抜かれてしまうことを回避することが可能となる。
ステップSn909~ステップSn914における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップSn909では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。押し順ベル当選である場合、ステップSn910にて、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされている場合、ステップSn911にて今回の押し順ベルの種類を把握する処理を実行する。具体的には、押し順ベルのうち、順押しベル1,2、挟み押しベル1,2、中順押しベル1,2、中逆押しベル1,2、逆挟みベル1,2及び逆押しベル1,2のいずれであるかを判定する。そして、ステップSn912にて、ステップSn911にて把握した結果に基づいて、第1小役入賞~第6小役入賞となるストップスイッチ42~44の操作順序を把握する処理を実行する。
ステップSn912の処理を実行した後は、ステップSn913にて、ステップSn912にて把握した操作順序に対応する押し順情報を、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに記憶する処理を実行する。より詳しくは、順押しベル1,2である場合には順押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順1Aにセットし、挟み押しベル1,2である場合には挟み押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順2Aにセットし、中順押しベル1,2である場合には中順押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順3Aにセットし、中逆押しベル1,2である場合には中逆押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順4Aにセットし、逆挟みベル1,2である場合には逆挟み用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順5Aにセットし、逆押しベル1,2である場合には逆押し用フラグを各種フラグ格納エリア106dにおける押し順6Aにセットする。
その後、ステップSn914にて、ステップSn913にて設定した押し順情報に対応する押し順報知コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果対応処理を終了する。具体的には、押し順情報として順押し用フラグをセットした場合には順押し用コマンドをセットし、押し順情報として挟み押し用フラグをセットした場合には挟み押し用コマンドをセットし、押し順情報として中順押し用フラグをセットした場合には中順押し用コマンドをセットし、押し順情報として中逆押し用フラグをセットした場合には中逆押し用コマンドをセットし、押し順情報として逆挟み押し用フラグをセットした場合には逆挟み押し用コマンドをセットし、押し順情報として逆押し用フラグをセットした場合には逆押し用コマンドをセットする。これらの押し順報知コマンドを受信したサブ制御装置180では、順押し操作~逆押し操作に対応する押し順報知演出(第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出)が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
このように、本実施形態では、操作態様役のうちの押し順ベルに当選したゲームがATモード中であれば、操作順序の情報を含む押し順報知コマンドがサブ制御装置180へ出力されて、補助表示部65による押し順報知演出が行われる。その一方で、押し順ベルに当選したゲームがATモード中ではなければ、第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることを可能とする操作順序の情報を含む押し順報知コマンドもサブ制御装置180に出力されないため、補助表示部65による押し順報知演出が行われない。
更に、本実施形態においては、抽選処理(図1137)におけるステップSn411の抽選結果コマンド処理では、押し順ベルに当選しているゲームでは押し順ベルのうちのいずれの結果(IV11~22)に当選しているかの情報がサブ制御装置180へ出力されないようにしている。
具体的には、図1155(a)のフローチャートに示すように、ステップSn1301にて、今回のゲームがインデックス値IV=11~22にて当選となり、いずれかの押し順ベルに当選しているか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合、ステップSn1302にて、各当選結果に対応する抽選結果コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果コマンド設定処理を終了する。すなわち、ステップSn1302では、例えば、インデックス値IV=1にて当選となった場合、通常リプAを示す抽選結果コマンドをセットし、インデックス値I=7にて当選となった場合、チェリーAを示す抽選結果コマンドをセットする。
これに対して、ステップSn1301にていずれかの押し順ベルに当選していると判定した場合、ステップSn1303にて押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行してから、本抽選結果コマンド設定処理を終了する。当該押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドは、押し順ベルのいずれかに当選していることの情報を含むものの、いずれの押し順ベルに当選しているかの情報、すなわち、例えば、順押しベル1に当選していることの情報(IV=11にて当選となったことの情報)や、中逆押しベル2に当選していることの情報(IV=18にて当選となったことの情報)等の情報を含まないように設定されている。
つまり、図1155(b)にも示すように、本実施形態では、押し順ベルに当選していることの情報は、ATモード中か否かに関わらず、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドとしてサブ制御装置180へ出力される。そして、ATモード中においては、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する上記の押し順報知コマンドが合わせて出力されることにより、サブ制御装置180にて押し順報知演出が実行可能となる。これに対して、ATモード中ではない場合、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する上記の押し順報知コマンドはサブ制御装置180出力されないし、上記の通り、押し順ベルグループを示す抽選結果コマンドしか出力されないため、サブ制御装置180側では、ATモードではないのにも関わらず、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能なストップスイッチ42~44の操作順序を把握することができない。このようにすることで、主制御装置101からサブ制御装置180へ出力されるコマンドやサブ制御装置180を不正に解析するなどして、ATモードではないのにも関わらずATモードの恩恵(押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能となる恩恵)を享受しようとする不正行為等を行わせないようにすることができる。
上記のように、サブ制御装置180側では、スタートレバー41の操作に基づいて主制御装置101から出力される押し順ベルグループコマンドと操作順序の情報を含む押し順報知コマンドとを受信し、これらコマンドに基づいて補助表示部65による押し順報知演出を実行する。これに対して、主制御装置101側では、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される場合に押し順報知を実行する。そのため、特に、ウェイト期間の経過前にスタートレバー41が操作された場合には、サブ制御装置180側の押し順報知演出が先に開始され、その後、主制御装置101側の押し順報知が行われることになる。このようにすることで、遊技者の目を、先に開始される押し順報知演出側に向けさせることができ、各種演出を行う補助表示部65の注目度を好適に高めることができる。また、例えば、押し順ベル当選ゲーム以外でも押し順報知演出を行ったり、また、押し順ベル当選ゲームであるのにも関わらず、別の抽選結果(例えばレア役としての各種チェリー)であるかのような演出を行う場合、主制御装置101側の押し順報知を確認することで、その演出がまるわかりとなっていしまう(押し順ベル当選ゲームではないことや押し順ベル当選ゲームであることが判別され得る)ところ、上記のように主制御装置101側の押し順報知が後から行われるようにしておけば、上記のような演出を行ううえで演出効果を好適に期待することも可能となる。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップSn524にて実施される入賞結果対応処理について、図1156のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップSn1401にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップSn1402にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップSn1403にてベット数が3であるか否かを判定する。すなわち、ステップSn1401~ステップSn1403の処理は、上記ステップSn901~ステップSn903の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップSn1404以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップSn1402又はステップSn1403にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップSn1404に進む。ステップSn1404では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した後、未だこれらの移行抽選に当選したことの報知が行われていない状況であることを意味する。この場合、ステップSn1405にて、前兆モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップSn1404にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップSn1406にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップSn1407にてCZモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップSn1406にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップSn1408にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップSn1409にてATモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップSn1408にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆モード用処理、CZモード用処理、ATモード用処理について、それぞれ説明する。
<前兆モード用処理>
前兆モード用処理では、図1157に示すように、ステップSn1501にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSn1502にて前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、ステップSn1503にて前兆ゲーム数コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。前兆ゲーム数コマンドには、現状の前兆カウンタの情報が含まれており、サブ制御装置180では、前兆モードの開始時に受信する前兆コマンドによって前兆モードの残りゲーム数を把握可能であり、更に、前兆ゲーム数コマンドによっても前兆モードの残りゲーム数を把握可能である。このようにすることで、例えば、CZモードの前兆モードの途中でATモード移行抽選に当選した場合等、前兆ゲーム数が書き換えられた場合にサブ制御装置180側で残りのゲーム数を正確に把握することが可能となる。
ステップSn1502にて前兆カウンタが0となっている場合には、ステップSn1504にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップSn1505では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップSn1506に進む。ステップSn1506では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSn1507にてCZモードフラグをセットし、ステップSn1508にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての5を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの1セットの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップSn1509にて、継続率設定処理を実行する。上記のように本実施形態におけるCZモードは、各セットで継続条件の判定を行い、特定数目のセットで継続条件が成立することでもATモードへの移行が可能となる構成としており、継続率設定処理は、各セットの更新時に継続条件を成立させる継続判定に用いられる継続率を設定する処理である。
継続率設定処理は、図1158(a)に示すように、先ずステップSn1601にて、各種カウンタエリア106eに設けられたCZ回数カウンタに1を加算する処理を実行する。CZ回数カウンタは、1の有利区間中のCZモードへの移行回数をCPU102が把握するためのカウンタであり、有利区間の終了時に0にクリアされるカウンタである。
続くステップSn1602では、各種テーブル記憶エリア105aから継続率テーブルを取得する処理を実行する。継続率テーブルは、図1158(b)に示すように、1の有利区間中のCZモードへの移行回数に応じて、選択される継続率(50%~80%)が異なり得るように設定されており、CZモードへの移行回数が多くなるほど高い継続率が選択され易くなるように設定されている。このようにすることで、CZモードにおいてATモードへの移行を生じさせることができなくても、CZモードの回数を重ねることで、よりATモードへ移行させやすくなり、遊技者に遊技を続行させる後押しとすることができる。
続くステップSn1603では、継続率抽選処理を実行する。そして、ステップSn1603の処理結果を、ステップSn1604にて継続率を各種カウンタエリア106eの継続率カウンタに入力することで今回のCZモードの各セットの継続率を設定する。その後、ステップSn1605にて継続率コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行してから、本継続率設定処理を終了する。継続率コマンドを受信したサブ制御装置180では、CZモードの開始時やCZモード中の演出において、今回のCZモードの継続率を示唆する示唆演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
前兆モード用処理(図1157)の説明に戻り、ステップSn1509にて継続率設定処理を実行した後は、ステップSn1510にて各種カウンタエリア106eに設けられたバトルカウンタに1を加算する処理を実行する。バトルカウンタは、現状のセットが今回のCZモードにおける何番目のセットであるかをCPU102が把握するためのカウンタである。そして、ステップSn1511にて、CZ開始コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信したサブ制御装置180は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップSn1505にてATモード当選フラグがセットされており、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップSn1512にて、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSn1513にて、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグをセットする処理を実行する。続くステップSn1514では、各種カウンタエリア106eに設けられたAT枚数カウンタに100を入力する処理を実行する。上記の通り、AT枚数カウンタは、ATモードの残り払出枚数(差枚数、払出枚数からベット数を減算した枚数)をCPU102が把握するためのカウンタであり、1ゲーム消化する度に払出枚数からベット数を差し引いた値が減算されて更新されるカウンタである。
その後、ステップSn1515にて、AT開始コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行し、前兆モード用処理を終了する。AT開始コマンドを受信したサブ制御装置180は、ATモードが開始されることに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。なお、ATモードを開始する場合に、当該ATモードを第1ATモードとするか第2ATモードとするかの抽選を実行し、当該抽選結果に応じた情報をRAM106に記憶する構成とするとよい。なお、当該抽選は、ATモードへの移行契機となった抽選結果(ATモード移行抽選に当選した場合の抽選結果)に応じて第1ATモードと第2ATモードとの選択率が異なるようにしてもよいし、ATモード移行時の抽選結果に応じて選択率が異なるようにしてもよいし、抽選結果に関わらず、ランダムにいずれを選択するかを抽選する構成としてもよい。上記のように第1ATモードと第2ATモードとは、上乗せ抽選の当選確率等が異なっており、上記のようにすることで、ATモード中の上乗せ抽選に際して、いずれの抽選テーブルを取得するかの選択を好適に行うことが可能となる(図1151)。本実施形態では、移行する(実行している)ATモードが、第1ATモードと第2ATモードとのいずれであるかを、演出内容等からは遊技者は特定することが困難としているが、演出内容等から特定することが可能な構成としてもよい。
<CZモード用処理>
上記のように、本実施形態におけるCZモードは、各ゲームで通常モードよりも当選し易いATモード移行抽選が行われるとともに、所定数のゲームを1セットとして、各セットで継続条件を成立させることでセットの更新が行われ、特定数目のセットにおいて継続条件を成立させることでもATモードへの移行が可能とされている。本CZモード用処理では、各セットにおけるゲーム数の管理を行うとともに、セットの更新、継続条件の成否判定等を行う。
すなわち、CZモード用処理では、図1159のフローチャートに示すように、ステップSn1701にてCZモードの開始ゲームであるか否かを判定する。開始ゲームであることは、セット数を示すバトルカウンタが1であり、且つ1セットのゲーム数を示すCZゲームカウンタが最大数(減算前であるため5)であることにより特定可能である。CZモードの開始ゲームである場合には、ステップSn1702にてCZ開始時AT抽選処理を実行する。CZ開始時AT抽選処理では、今回終了するゲームの抽選結果や入賞結果に基づいて、ATモード移行抽選を実行する。例えば、図1149に示すように、CZモード中の各ゲームのATモード移行抽選とは当選確率が異なり得るように設定されており、本実施形態では、CZモード中の各ゲームよりもATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、各ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、各ゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほどATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。さらに、例えば、押し順ベルについては、入賞結果によってATモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立している場合にはATモード移行抽選に当選し得る一方、第1小役~第6小役入賞のいずれもが成立していない場合(第9小役入賞~第32小役入賞が成立している場合や取りこぼしとなっている場合)には、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立している場合よりもATモード移行抽選に当選しにくくなるように設定されており、具体的には、ATモード移行抽選に当選しないように設定されている。
ステップSn1702にてCZ開始時AT抽選処理を実行した後は、ステップSn1703にてATモード移行抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップSn1704~ステップSn1710にて、CZモード中のATモード移行抽選に当選した場合の処理を行う。
すなわち、上記ステップSn1116~ステップSn1120,ステップSn1114~ステップSn1115の処理と同様に、ステップSn1704にてATモード当選フラグをセットし、ステップSn1705にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップSn1706にてCZゲームカウンタを前兆カウンタに入力し、ステップSn1707にてCZモードの残りセット数(初回なので残り2)を把握する。ステップSn1708では、CZモードの残りセット数に単位継続ゲーム数を乗算した数を前兆カウンタに加算する処理を実行する。これらの処理によって、CZモードは終了し、ATモードへの移行までのゲームが前兆モードにて実行されることになる。その後、ステップSn1709にて前兆フラグをセットし、ステップSn1710にて前兆コマンドの出力設定を行ってから、本CZモード用処理を終了する。
ステップSn1701にてCZモード開始ゲームではないと判定した場合や、ステップSn1703にてCZ開始時AT抽選処理に非当選であったと判定した場合、ステップSn1711に進む。ステップSn1711では、バトルカウンタを把握することによって、今回のゲームがCZモードにおける何セット目であるかを把握する。そして、ステップSn1712にて、CZゲームカウンタを把握することによって、今回のセットにおける残りゲーム数を把握する。
続くステップSn1713では、今回のゲームがセットの開始ゲームであるか否かを判定する。なお、CZモードの開始ゲームは、セットの開始ゲームでもあるため、ステップSn1713にて肯定判定することになる。セットの開始ゲームである場合には、ステップSn1714にてセット開始時勝利抽選処理を実行する。
本実施形態では、CZモードの各セットで、補助表示部65やスピーカ64による演出として味方キャラクタと敵キャラクタのバトルを行う構成としている。そして、当該セットの継続条件が成立した場合には、当該バトルにおいて味方キャラクタが勝利する演出が実行され、継続条件が成立しなかった場合には味方キャラクタが敗北する演出が実行される。ステップSn1714のセット開始時勝利抽選処理は、セットの開始時に当該セットの継続条件を成立させるか否かの抽選を行う処理であり、当該勝利抽選処理にて当選した場合に、当該セットの継続条件が成立して味方キャラクタが勝利する演出が行われる。
ステップSn1714のセット開始時勝利抽選処理では、上記継続率設定処理にて設定された今回のCZモードにおける継続率を継続率カウンタから把握して、勝利抽選処理を行う。なお、ステップSn1714の処理にて勝利抽選に当選した場合、今回のセットの継続条件が成立したことを示す継続用のフラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする処理を実行する。また、ステップSn1714では、勝利抽選に当選した場合、セットの継続条件が成立したことを示す継続用コマンドをサブ制御装置180側への出力対象としてセットする。サブ制御装置180側では、当該継続用コマンドを受信したことに基づいて、今回のセットで味方キャラクタが勝利する演出を行うように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップSn1713にてセットの開始ゲームではない場合、又はステップSn1714の抽選処理を実行した後は、ステップSn1715にてCZゲームカウンタの減算処理を実行する。続くステップSn1716では、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定し、0ではなくセットの残りゲーム数が残存している場合には、ステップSn1717に進む。
ステップSn1717では、バトル中勝利抽選処理を実行する。バトル中勝利抽選処理では、今回終了するゲームの抽選結果や入賞結果に基づいて、今回のセットの継続条件を成立させることの抽選を実行する。例えば、図1149に示すように、本実施形態では、各ゲームの抽選結果に応じてバトル中勝利抽選の当選確率が異なるように設定されており、各ゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど勝利抽選に当選し易くなるように設定されている。さらに、例えば、押し順ベルについては、入賞結果によって勝利抽選の当選確率が異なるように設定されており、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立している場合には勝利抽選に当選し得る一方、第1小役~第6小役入賞のいずれもが成立していない場合(第9小役入賞~第32小役入賞が成立している場合や取りこぼしとなっている場合)には、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立している場合よりも勝利抽選に当選しにくくなるように設定されており、具体的には、勝利抽選に当選しないように設定されている。なお、ステップSn1717の処理にて勝利抽選に当選した場合においても、ステップSn1714の処理と同様に、今回のセットの継続条件が成立したことを示す継続用のフラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする処理を実行する。また、ステップSn1717でも、勝利抽選に当選した場合、セットの継続条件が成立したことを示す継続用コマンドをサブ制御装置180側への出力対象としてセットする。
その後、ステップSn1718では、CZゲーム数コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行した後、本CZモード用処理を終了する。CZゲーム数コマンドには、現状のCZゲームカウンタやバトルカウンタの情報が含まれており、サブ制御装置180では、CZゲーム数コマンドによってCZモードの現状のセット数や当該セットの残りゲーム数を把握可能である。
ステップSn1716にてCZゲームカウンタが0であると判定し、セットの終了ゲームであると判定した場合、ステップSn1719にて今回のセットの継続条件が成立しているか否か、すなわち、バトルの勝利条件が成立しているか否かを判定する。バトルの勝利条件が成立していないと判定した場合、ステップSn1720にて、CZモードフラグをクリアする処理を実行し、ステップSn1721にてCZ終了コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信したサブ制御装置180では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップSn1720にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
ステップSn1719にて、今回のセットの継続条件が成立している(バトルの勝利条件が成立している)と判定した場合、ステップSn1722に進む。ステップSn1722では、バトルカウンタが特定数(3)であるか否かを判定する。ステップSn1722にて肯定判定する場合とは、今回終了するセットが最終セットであり、当該最終セットにて継続条件(勝利条件)が成立していたことを意味する。また、ステップSn1722にて否定判定する場合とは、今回終了するセットが最終セットではなく、次のセットへ継続することを意味する。
ステップSn1722にて否定判定した場合、ステップSn1723に進み、バトルカウンタを1加算する処理を実行し、続くステップSn1724にて、CZゲームカウンタに5を入力する処理を実行する。これらの処理により次セットへの更新が行われたことになる。そして、ステップSn1725にてバトル継続コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。サブ制御装置180側では、当該バトル継続コマンドに基づいてセットの更新が行われたことの演出が補助表示部65やスピーカ64にて実行されるようにするための処理を行う。
ステップSn1722にて肯定判定した場合、ステップSn1726に進み、ATモードへ移行させるための処理を実行する。ステップSn1726では、ATモード当選フラグをセットする処理を実行する。そしてステップSn1727では、前兆カウンタに0を入力する処理を実行し、ステップSn1728にて前兆フラグをセットする処理を実行する。これらの処理により、0ゲームの前兆モードに移行したことになり、次ゲームでATモードへの移行処理が行われる。そしてステップSn1729にて、前兆コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。
<ATモード用処理>
ATモード用処理では、図1160のフローチャートに示すように、ステップSn1801にて、今回のゲームのベット数を把握する処理を実行し、ステップSn1802にて、今回のゲームの払出枚数を把握する処理を実行する。そして、ステップSn1803にて、払出枚数からベット数を差し引いた値を、AT枚数カウンタから減算する処理を実行する。例えば、3ベットゲームにおいて13枚の払い出しが発生した場合には、AT枚数カウンタから10を減算する処理を実行し、3ベットゲームにおいて0枚の払い出しが発生した場合には、AT枚数カウンタに0を加算する処理を実行する。
なお、本実施形態では、メダルの払い出し(小役入賞)が発生した場合のゲームにてAT枚数カウンタの更新を行う構成としているが、メダルの払い出しが発生していないゲームでもAT枚数カウンタの更新を行う構成としてもよい。この場合、メダルの払い出しが発生していないゲームでは、そのゲームのベット数をAT枚数カウンタに加算する構成とするとよく、このようにすることで、なかなか小役入賞が発生しない場合に、同じ払出枚数であっても、各ゲームのベットに要するメダル数分だけ、ATモード中の総払出枚数が減ってしまう事象を回避させることができる。これに対して、本実施形態のようにすることで、各ゲームにおける小役入賞の成否によってATモード中の総払出枚数が異なるようになり、ATモード中の各ゲームの遊技性を向上させることが可能である。また、本実施形態ではAT枚数カウンタの更新をゲームの終了時に行う構成としているが、小役非入賞時のベット数を加味する構成とする場合には、ゲームの開始時に当該ゲームのベット数をAT枚数カウンタから加算する構成としてもよい。
さらに、本実施形態では、小役入賞時にベット数を減算した払出枚数をAT枚数カウンタから加算する構成としているところ、ゲームの開始時に当該ゲームのベット数をAT枚数カウンタから加算する構成としたうえで、ゲームの終了時に当該ゲームの払出枚数をAT枚数カウンタから減算する構成としてもよい。この場合、小役非入賞時はゲームの終了時に当該ゲームのベット数をAT枚数カウンタから減算する構成とすると、小役非入賞時のベット数を加味しない構成(各ゲームの小役入賞の成否によって総払出枚数が異なる構成)となり、小役非入賞時はゲームの終了時に当該ゲームのベット数をAT枚数カウンタから減算しない構成とすると、小役非入賞時のベット数を加味する構成(各ゲームの小役入賞の成否に関わらず総払出枚数が同じ枚数となる構成)となる。
そして、ステップSn1804にて、AT枚数カウンタが0となったか否かを判定する。AT枚数カウンタが0となっておらず、ATモードの終了条件が成立していない場合、ステップSn1805にて、AT枚数コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。AT枚数コマンドには、現状のAT枚数カウンタの情報が含まれており、サブ制御装置180では、ATモードの開始時に受信するAT開始コマンドによってATモードの残り枚数を把握可能であり、更に、ATモード中の各ゲームで受信するAT枚数コマンドによってもATモードの残り枚数を把握可能である。
AT枚数カウンタが0となり、ATモードの終了条件が成立した場合、ステップSn1806~ステップSn1808にてATモード終了用の処理を実行する。
すなわち、ステップSn1806にてATモードフラグをクリアし、ステップSn1807にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップSn1808にてAT終了コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して、有利区間を終了させるためのフラグである。ATモード終了コマンドを受信したサブ制御装置180は、ATモードが終了したことに対応する演出を行うように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図1161を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図1137)におけるステップSn414にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップSn1901では、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8が表示中であるか否か、より詳しくは、右第8表示用セグメントNa8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、右第8表示用セグメントNa8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップSn1901にて否定判定し、右第8表示用セグメントNa8を消灯中であると判定した場合、ステップSn1902に進む。
ステップSn1902では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップSn1903にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSn1904にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップSn1905では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップSn1906にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドをサブ制御装置180へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。なお、天井カウンタの抽選においても、当該抽選用の乱数を取得して、設定値やゲームの抽選結果等を利用して天井ゲーム数(天井カウンタ)を抽選により決定する。
区間表示第1処理において、ステップSn1906にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップSn1907にて、右第8表示用セグメントNa8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップSn1901にて区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8を表示中であると判定した場合、ステップSn1908にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップSn1908について具体的には、右第8表示用セグメントNa8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップSn1902にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップSn1907にて表示開始処理を実行した後、又はステップSn1908の表示継続処理を実行した後は、ステップSn1909にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップSn1909にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップSn1910にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップSn1909にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップSn1911にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップSn1910又はステップSn1911の処理を実行した後は、ステップSn1912にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップSn1913にて、ステップSn1912の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図1121に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77A、第2表示部77B、第3表示部77C、第4表示部77D、第5表示部77Eを有している。第1表示部77A~第5表示部77Eにおける表示用セグメントは、払出枚数表示部62の表示用セグメントNa1~Na7,Nb1~Nb7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップSn1913では、ステップSn1912の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77A~77Eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップSn1913の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップSn1912の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77Aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77Aを有さないようにしたり、第1表示部77Aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77Aと第2表示部77Bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図1162のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップSn525にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップSn2001では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップSn2002にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップSn2003では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップSn2003のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップSn2003のMY更新処理を実行した後は、ステップSn2004にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップSn2005にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残り払出枚数等に基づき、現状の残り払出枚数を払い出すために要するであろうゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、AT枚数カウンタ(ATモードの残り払出枚数)から算出される予想残りゲーム数との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残り払出枚数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、AT枚数カウンタと、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップSn2006にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップSn2007にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップSn2008では、区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップSn2009にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップSn2009の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップSn2006にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップSn2010に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップSn2007に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<表示メイン処理>
次に、サブ側のサブ制御装置180のCPU181にて実行される処理について説明する。図1163は、サブ制御装置180の表示メイン処理を示すフローチャートである。表示メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ71のオン操作によって電源が投入された際に起動される処理である。つまり、主制御装置101側のメイン処理(図1135)が起動される場合に、サブ制御装置180側の表示メイン処理も起動される。
ステップSn2101では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU181内に設定するとともに、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU181内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
続くステップSn2102では、主制御装置101から立ち上げ時コマンドを受信しているか否かを判定する。立ち上げ時コマンドは、上述の通り、主制御装置101におけるメイン処理のステップSn208にて出力されるコマンドであり、電源投入が行われた際に主制御装置101とサブ制御装置180との接続確認を行うためのコマンドである。立ち上げ時コマンドを受信している場合には、ステップSn2103にて、立ち上げ時音量設定処理を実行する。立ち上げ時音量設定処理では、電源投入後、所定期間に亘って音量を特定音量に設定するための処理を実行する。
ステップSn2103の処理を実行した後は、ステップSn2104にて、システム状態が電圧低下状態か否か、すなわち駆動電圧が所定電圧(本実施形態では10ボルト未満)まで低下して電源が遮断されたか否かを判定する。システム状態が電圧低下状態である場合には電源が遮断されたものと判断し、ステップSn2105にて停電処理を行う。停電処理では、現状の演出内容等の情報をRAM183のバックアップエリアに保存する処理を実行する。これにより、復電時に当該バックアップエリアに記憶された情報に基づいて、停電前の演出状態に復帰させることが可能となる。停電処理を実行した後は、電源が完全に遮断されて処理ができなくなるまで無限ルーに入る。
システム状態が電圧低下状態でない場合には、ステップSn2106にて各種演出の選択等の際に用いる乱数値の更新処理を行い、ステップSn2107にてサブ制御装置180側のタイマ割込み処理用の処理を実行する。ステップSn107では、例えば、タイマ割込み処理の割込みタイミングであるか否かを判定し、割込みタイミングである場合には、当該タイマ割込み処理を起動させるための処理を行う。タイマ割込み処理では、例えば、各種タイマカウンタや設定済みの演出データの更新処理を行う。
その後、ステップSn2108にて各種演出設定を行う演出設定処理を実行し、ステップSn2109にて、演出スイッチ66等が操作された場合の処理としてのサブ操作対応処理を実行し、ステップSn2110にて、所定期間に亘って操作が行われなかった場合等に移行する待機モードの管理用の待機モード管理用処理を実行し、ステップSn2111にてスピーカ64から出力する各種効果音等の音量を設定する音量設定処理を実行してから、ステップSn2104に戻る。
これらステップSn2104~ステップSn2111のループ処理は、1.49msec周期で実行されるように設定されており、これら演出設定処理、サブ操作対応処理、待機モード管理処理、音量設定処理等も1.49msec周期で起動されることになる。
一方、ステップSn2102にて主制御装置101からの立ち上げ時コマンドを受信していないと判定した場合、ステップSn2112にてエラー報知処理を実行する。エラー報知処理については、後に詳細に説明する。
<演出設定処理>
ステップSn2108の演出設定処理について、図1164のフローチャートに基づき説明する。
演出設定処理では、先ずステップSn2201にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップSn2202にて、受信したコマンドに基づいて主制御装置101側の遊技進行状況を把握等するためのコマンド判定処理を実行する。
ステップSn2202の処理を実行した後は、ステップSn2203にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであるか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップSn306にてセットされるコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップSn2204にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップSn2203にて否定判定した場合、又はステップSn2204の処理を実行した後は、ステップSn2205にて、新たに受信したコマンドが、開始操作時コマンドであるか否かを判定する。開始操作時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップSn411にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理等にてセットされる前兆コマンド、上乗せコマンド及び押し順報知コマンド等がある。これらの開始操作時コマンドである場合には、ステップSn2206にて開始操作時演出設定処理を実行する。
ステップSn2205にて否定判定した場合、又はステップSn2206の処理を実行した後は、ステップSn2207にて、新たに受信したコマンドが、回転開始時コマンドであるか否かを判定する。回転開始時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される場合に主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理のステップSn504にてセットされるコマンドである。回転開始時コマンドである場合には、ステップSn2208にて回転開始時演出設定処理を実行する。
ステップSn2207にて否定判定した場合、又はステップSn2208の処理を実行した後は、ステップSn2209にて、新たに受信したコマンドが、停止可能時コマンドであるか否かを判定する。停止可能時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rの回転が定速回転に至って、ストップスイッチ42~44の操作が可能とされる場合に主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理のステップSn506にてセットされるコマンドである。停止可能時コマンドである場合には、ステップSn2210にて停止可能時演出設定処理を実行する。
ステップSn2209にて否定判定した場合、又はステップSn2210の処理を実行した後は、ステップSn2211にて、新たに受信したコマンドが、停止時コマンドであるか否かを判定する。停止時コマンドとは、ストップスイッチ42~44の停止ON操作や停止OFF操作が行われた場合に主制御装置101のリール制御処理にて出力される停止ON時コマンドや停止OFF時コマンドの他、対応するリールが停止した場合に主制御装置101のリール制御処理にて出力されるリール停止時コマンドが相当する。これらの停止時コマンドである場合には、ステップSn2212にて停止時演出設定処理を実行する。
ステップSn2211にて否定判定した場合、又はステップSn2212の処理を実行した後は、ステップSn2213にて、新たに受信したコマンドが、入賞時コマンドであるか否かを判定する。入賞時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理のステップSn526にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理や入賞結果対応処理等にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、CZ開始コマンド、継続率コマンド、前兆コマンド、継続用コマンド、CZゲーム数コマンド、CZ終了コマンド、バトル継続コマンド、AT開始コマンド、AT枚数コマンド、AT終了コマンド等がある。これらの入賞時コマンドである場合には、ステップSn2214にて入賞時演出設定処理を実行する。
ステップSn2213にて否定判定した場合、又はステップSn2214の処理を実行した後は、ステップSn2215にて、新たに受信したコマンドが、払出開始時コマンドであるか否かを判定する。払出開始時コマンドとは、メダルの払出が開始される場合に主制御装置101から出力されるコマンドであり、メダル払出処理のステップSn702にてセットされるコマンドである。払出開始時コマンドである場合には、ステップSn2216にて払出開始時演出設定処理を実行する。
ステップSn2215にて否定判定した場合、又はステップSn2216の処理を実行した後は、ステップSn2217にて、新たに受信したコマンドが、払出終了時コマンドであるか否かを判定する。払出終了時コマンドとは、メダルの払出が終了される場合に主制御装置101から出力されるコマンドであり、メダル払出処理のステップSn708にてセットされるコマンドである。払出終了時コマンドである場合には、ステップSn2218にて払出終了時演出設定処理を実行する。
ステップSn2217にて否定判定した場合、又はステップSn2218の処理を実行した後は、ステップSn2219にて、いずれかのエラーコマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかのエラーコマンドを受信している場合、ステップSn2220にてエラー報知設定処理を実行する。エラー報知設定処理では、受信しているエラーコマンドに対応するエラー報知が実行されるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップSn2201若しくはステップSn2219にて否定判定した場合、又はステップSn2220の処理を実行した後は、ステップSn2221にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップSn2221では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップSn2221では、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定等を行う。
以下、ベット時演出設定処理、開始操作時演出設定処理、回転開始時演出設定処理、停止可能時演出設定処理、停止時演出設定処理、入賞時演出設定処理、払出開始時演出設定処理、払出終了時演出設定処理、エラー報知設定処理についてそれぞれ説明した後、コマンド判定処理について説明する。
<ベット時演出設定処理>
先ず、ステップSn2203のベット時演出設定処理について、図1165のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSn2301では、各種フラグ格納エリア183aにコマンド異常フラグがセットされているか否かを判定する。コマンド異常フラグは、主制御装置101側から受信するコマンドと、ステップSn2201のコマンド判定処理にて把握している遊技進行状況と、に齟齬が生じている場合にセットされるフラグである。かかるコマンド異常フラグをセットする処理や、当該コマンド異常フラグがセットされている場合の対処等については後に説明するとして、ここでは、コマンド異常フラグがセットされていない場合について説明する。
ステップSn2301にてコマンド異常フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSn2302にて今回受信しているベット時コマンドが再遊技用のベット時コマンドであるか否かを判定する。再遊技用のベット時コマンドは、前回のゲームの結果がいずれかの再遊技入賞であり、当該再遊技入賞に伴う自動ベット処理が行われる場合に(再遊技入賞に伴うベットが行われる場合に)主制御装置101から出力されるコマンドである。
再遊技用のベット時コマンドではなく、遊技者によるクレジット投入スイッチ56,57の操作やメダル投入に基づいて規定枚数に達するベットが行われたことに基づくベット時コマンドである場合、ステップSn2303にて各種カウンタエリア183bのベット数カウンタに今回のベット数に対応する値を入力する処理を実行する。ベット数カウンタは、今回のゲームでベットされたメダル数をCPU181が把握するためのカウンタである。そして、ステップSn2304にて、ベット数カウンタに入力されたベット数に応じたベット時演出を行うための処理を実行してから、本ベット時演出設定処理を終了する。より具体的には、ベット数カウンタに入力されたベット数に応じて、ベット表示部34の点灯処理を行うとともに、当該ベット数に応じた効果音がスピーカ64から出力されるようにする処理を実行する。
ステップSn2302にて再遊技用のベット時コマンドであると判定した場合、ステップSn2305にて今回受信した再遊技用のベット時コマンドが、特殊再遊技(チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC)入賞に伴う再遊技用のベット時コマンドであるか否かを判定する。これら特殊再遊技入賞に伴う再遊技用のベット時コマンドではない場合には、ステップSn2306にて受信した再遊技用のベット時コマンドに基づくベット数に応じた通常再遊技用のベット時演出を行うための処理を実行してから、本ベット時演出設定処理を終了する。
ステップSn2305にて特殊再遊技入賞に伴う再遊技用のベット時コマンドであると判定した場合、ステップSn2307にて、受信した再遊技用のベット時コマンドに基づくベット数に応じた特殊再遊技用のベット時演出を行うための処理を実行してから、本ベット時演出設定処理を終了する。
通常再遊技用のベット時演出と特殊再遊技用のベット時演出とは、遊技者が識別可能となるように演出態様が異なっており、具体的には、通常再遊技用のベット時演出では、当該再遊技用のベット時コマンドを受信したことに基づいてベット時演出(ベット表示部34の点灯処理や効果音の出力)を行うのに対して、特殊再遊技用のベット時演出は、遊技者がいずれかのベット操作(クレジット投入スイッチ56,57の操作やメダル投入)を行ったことに基づいてベット時演出を行う点で実行タイミングが異なっている。また、ベット時演出の効果音についても異なっており、具体的には、特殊再遊技用のベット時演出における効果音は、遊技者によるベット操作に伴うベット時演出における効果音(ステップSn2304にて設定するベット時演出における効果音)と同じ又はほぼ同様となるように設定されており、通常再遊技用のベット時演出における効果音は、これら特殊再遊技用の効果音やステップSn2304の効果音とは異なるように設定されている。このようにすることで、特殊再遊技(チャンス目A~チャンス目CやチェリーA~チェリーC)が再遊技ではなく、通常の払出小役(スイカ等)と同等の扱いである印象を遊技者に強く与えることが可能となる。
<開始操作時演出設定処理>
次に、ステップSn2206の開始操作時演出設定処理について、図1166のフローチャートを参照しながら説明する。
開始操作時演出設定処理では、先ずステップSn2401にて上記のコマンド異常フラグがセットされているか否かの判定を行う。ここでは、コマンド異常フラグがセットされていないものとして説明を進める。
コマンド異常フラグがセットされていない場合、ステップSn2404に進み、獲得表示更新第1処理を実行する。獲得表示更新第1処理は、ATモードにおいて獲得した(払い出された)メダル数の累計(総数)を補助表示部65にて表示させるための処理である。続くステップSn2405では、消化数更新処理を実行する。消化数更新処理は、ATモードにおいて消化したゲーム数(実行したゲーム数)の累計(総数)を補助表示部65にて表示させるための処理である。これらステップSn2404やステップSn2405の処理については、後に詳細に説明する。
続くステップSn2406では、受信している抽選結果コマンドに基づいて今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSn2407にて、今回のゲームの抽選結果がいずれかの特定役であるか否かを判定する。本実施形態では、特定役としてチャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC、スイカ等の当選確率が比較的低い所謂レア役を設定しているが、これら各役のうちの一部の役や、他の役を判定対象としてもよい(これら各役のうちの一部の役や他の役である場合にステップSn2407にて肯定判定する構成としてもよい)。
ステップSn2407にて特定役であると判定した場合、ステップSn2408にてチャンス演出抽選処理を実行する。チャンス演出とは、特定役に当選しているゲームであることを示唆する演出であり、例えば図1178(a)に示すように、補助表示部65にてビックリマークを3つ表示させる演出が設定されている。なお、特定役に当選している可能性や当選している特定役の種類に応じてチャンス演出の演出態様を異ならせてもよい(例えば、当選確率の低い特定役に当選している可能性が高いほど、ビックリマークの数を多くするなど)。チャンス演出抽選処理では、各種カウンタエリア183bから抽選用のカウンタ(乱数)を取得して、今回のゲームでチャンス演出を実行するか否かの抽選を行う。この場合、当選している特定役の種類に応じてチャンス演出抽選処理の当選確率を異ならせてもよく、ゲームの出現率(当選確率)の低い特定役ほどチャンス演出抽選処理に当選し易い構成としてもよい。
ステップSn2408にてチャンス演出抽選処理を実行した後は、ステップSn2409にて当該抽選処理に当選したか否かを判定する。抽選処理に当選している場合、ステップSn2410に進み、今回実行するチャンス演出の態様を選択する処理を実行する。例えば、上記のビックリマークの数が異なる複数のチャンス演出の態様が設定されている場合には、当該複数の態様から一の態様を抽選等(今回のゲームの抽選結果を利用した抽選等)に基づき選択する処理を行う。その後、ステップSn2411にて、今回のゲームの回転開始時演出としてチャンス演出が行われるように補助表示部65(表示制御装置81)やスピーカ64を制御するための処理を実行する。つまり、本実施形態のチャンス演出は、開始操作時演出ではなく、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される場合の回転開始時演出として実行される。なお、ステップSn2410では、表示制御装置81に対してチャンス演出の設定用のコマンドを出力し、表示制御装置81では、当該チャンス演出用の画像データ等をROMから読み出して、RAMの所定領域に一時記憶させる処理を行う。この一時記憶した画像データは、チャンス演出を実行するタイミング(各リール32L,32M,32Rの回転開始時)にて所定領域から読み出され、当該読み出された画像データに対応する表示が補助表示部65にて行われるようになる。このようなサブ制御装置180の演出設定と表示制御装置81の表示設定との流れは、以下の各演出設定処理でも同様である。
ステップSn2407にて特定役当選ゲームではないと判定した場合、ステップSn2412に進む。ステップSn2412では、今回受信した抽選結果コマンドが押し順ベルグループコマンドであるか否かを判定する。既に説明した通り、本実施形態ではゲームの抽選結果がいずれかの押し順ベルである場合には、その詳細の抽選結果に対応するコマンドは主制御装置101から出力されず、押し順ベルグループに対応する抽選結果コマンドが出力される。そのため、サブ制御装置180側では、今回の抽選結果コマンドから、いずれかの押し順ベル当選ゲームであることは把握可能であるものの、いずれの押し順ベル当選であるかは把握することができず、第1小役~第6小役入賞となる操作順序を当該抽選結果コマンドからは特定することができない。
押し順ベルグループコマンドである場合、ステップSn2413にて押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順ベルグループコマンドを受信しており且つ押し順報知コマンドを受信している場合、ステップSn2414に進み、受信している押し順報知コマンドに基づいて第1小役~第6小役入賞となる押し順(ストップスイッチ42~44の操作順序)の情報を各種カウンタエリア183bの押し順カウンタに記憶する処理を実行する。
押し順カウンタは、0~6の間で更新可能なカウンタとして設定されており、0は押し順報知なしに対応し、1は順押し(左→中→右)に対応し、2は挟み押し(左→右→中)、3は中順押し(中→左→右)、4は中逆押し(中→右→左)、5は逆挟み押し(右→左→中)、6は逆押し(右→中→左)に対応している。なお、第1停止のみ指示する操作順序(左が第1停止で、第2停止は中・右不問の操作順序、中が第1停止で、第2停止は左・右不問の操作順序、右が第1停止で、第2停止は左・中不問の操作順序)を設ける場合には、これらの操作順序に対応させて押し順カウンタを設定するとよい。
ステップSn2414にて押し順情報を押し順カウンタに記憶した後は、ステップSn2415にて、今回のゲームの回転開始時演出として、押し順報知演出が補助表示部65(表示制御装置81)やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。つまり、本実施形態の押し順報知演出も、チャンス演出と同様に、開始操作時演出ではなく、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される場合の回転開始時演出として実行される。
ステップSn2411若しくはステップSn2415の処理を実行した後、又は、ステップSn2409、ステップSn2412若しくはステップSn2413にて否定判定した場合、ステップSn2416に進む。ステップSn2416では、前兆演出設定処理を実行する。前兆演出設定処理では、主制御装置101から受信している前兆コマンドに基づいて、前兆モード中の各ゲームの演出内容を設定する処理を実行する。上記の通り、前兆モードは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した場合に設定されるモードであり、設定されるゲーム数の前兆モードを経て、ATモードやCZモードに当選したことの報知が行われるモードである。なお、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していない場合に、疑似的な前兆モードに設定する構成としてもよく、当該疑似的な前兆モードにおいて、上記の当選している場合の前兆モードの演出と似た又は同じ演出を行うようにすることで、ATモードやCZモードに当選しているか否かを当該前兆モードや疑似的な前兆モードにおいて楽しませることが可能となる。さらに、ATモード移行抽選に当選している場合と、CZモード移行抽選に当選している場合とで、前兆モード中の演出内容や演出の選択率を異ならせるようにすることで、いずれの移行抽選に当選しているかを演出内容等から予測する遊技を楽しませることが可能となる。また、疑似的な前兆モードも設ける構成においては、ATモードやCZモードに当選している場合の前兆モードの演出内容や演出の選択率と、疑似的な前兆モードにおける演出内容や演出の選択率とを異ならせるようにすることで、ATモードやCZモードに当選しているか否かを演出内容等から予測する遊技も楽しませることが可能となる。
続くステップSn2417では、CZ演出設定処理を実行する。CZモードは、上記のように、所定数のゲームを単位継続ゲーム数とするセットを特定数に亘って実行されるモードであり、当該CZモード中の各ゲームはATモード移行抽選の当選確率が高くなるとともに、特定数目のセットで継続抽選に当選している場合にはATモードへの移行が確定するモードである。ステップSn2417のCZ演出設定処理では、味方キャラクタと敵キャラクタとバトル演出にて各セットの継続の有無を示唆・報知する演出を設定する。なお、上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には、主制御装置101側では前兆モードに移行するものの、サブ制御装置180側では、CZモード中の演出を継続させるようにしており、当該CZモード中にATモード移行抽選に当選した後の演出についてもステップSn2415のCZ演出設定処理にて設定される構成としている。
続くステップSn2418では、AT演出設定処理を実行する。ATモードは、上記のように、押し順報知や押し順報知演出が実行されることによって、押し順ベル当選時のメダル獲得期待枚数が多くなり、多くのメダルを獲得可能となるモードであり、主制御装置101側で管理するATモードの残り払出枚数(AT枚数カウンタ)が0となることで終了するモードである。ステップSn2418のAT演出設定処理では、補助表示部65やスピーカ64にて上記の押し順報知演出が行われ易いモードであることを示す演出を行うようにしたり、ATモードの残り払出枚数の上乗せが行われたことの上乗せ報知演出が行われるようにしたり、ATモード中の消化ゲーム数や残り払出枚数、獲得メダル数等の表示を行うようにするための処理を実行する。
その後、ステップSn2419では、その他の開始操作時演出設定処理を実行してから、本開始操作時演出設定処理を終了する。ステップSn2419では、例えば、スタートレバー41が操作されたことを示す効果音がスピーカ64から出力されるようにするための処理を実行したり、スタートレバー41が操作されたものの各リール32L,32M,32Rの回転が開始されないウェイト期間中であることを示す演出(ウェイト中演出)が開始されるようにするための処理を実行したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことの報知を行うための処理等を実行する。
<回転開始時演出設定処理>
次に、ステップSn2208にて実行される回転開始時演出設定処理について、図1167のフローチャートを参照しながら説明する。回転開始時演出設定処理は、回転開始時コマンドを受信している場合に実行される処理である。
ステップSn2501では、上記のコマンド異常フラグがセットされているか否かを判定する。ここでも、コマンド異常フラグがセットされていないものとして説明を進める。
ステップSn2501にて肯定判定した場合、直前の開始操作時演出設定処理にて回転開始時演出として設定された演出(例えば、チャンス演出や押し順報知演出)が開始されるようにするための処理を実行する。そして、ステップSn2503にて、その他の回転開始時演出設定処理を実行してから、本回転開始時演出設定処理を終了する。ステップSn2503では、例えば、各リール32L,32M,32Rの回転開始時の効果音がスピーカ64から出力されるようにする処理等を実行する。
<停止可能時演出設定処理>
次に、ステップSn2210にて実行される停止可能時演出設定処理について、図1168のフローチャートを参照しながら説明する。停止可能時演出設定処理は、停止可能時コマンドを受信している場合に実行される処理である。
ステップSn2601では、上記のコマンド異常フラグがセットされているか否かを判定する。ここでは、コマンド異常フラグがセットされていないものとして説明を進める。
ステップSn2601にて肯定判定した場合、ステップSn2602にてストップスイッチ42~44に内蔵されているストップランプ42b~44bの点灯色を停止不可状態に対応する点灯色から停止可能状態に対応する点灯色に変更する処理を実行する。ストップランプ42b~44bの点灯色を停止可能状態に対応する点灯色に変更することにより、ストップスイッチ42~44を操作可能となったことを遊技者は把握可能となる。
なお、消灯状態から点灯状態とすることによる停止可能となったことを把握させる構成としてもよい。また、当該ストップランプ42b~44bの状態を変更することによって停止可能となった旨を報知する演出を、停止可能時コマンドを受信することなく実行する場合がある構成としてもよい。具体的には、当該停止可能となった旨を報知する演出を、いわゆるフリーズ演出を行う場合にも実行する構成としてもよい。当該フリーズ演出は、例えば、ストップスイッチ42~44の操作を無効化する無効期間が通常とは異なる期間として設定される(通常よりも長い期間として設定される)演出である。このようなフリーズ演出においても、ストップランプ42b~44bを用いた停止可能となった旨の演出を行うようにすることで、当該ストップランプ42b~44bの状態変化から、遊技者は各リール32L,32M,32Rの停止操作が可能となったと判断してストップスイッチ42~44を操作するものの、当該操作によっては停止制御が行われないようになり、フリーズ演出の演出効果(停止操作を行ったのにも関わらず停止制御が行われないことの驚き)をより高めることが可能となる。ステップSn2602の処理を実行した後は、本停止可能時演出設定処理を終了する。
<停止時演出設定処理>
次に、ステップSn2212にて実行される停止時演出設定処理について、図1169のフローチャートを参照しながら説明する。停止時演出設定処理は、停止時コマンドとして、停止ON時コマンドや停止OFF時コマンド、リール停止時コマンド等を受信した場合に実行される処理である。
ステップSn2701では、上記のコマンド異常フラグがセットされているか否かを判定する。ここでも、コマンド異常フラグがセットされていないものとして説明を進める。
ステップSn2701にて否定判定した場合、ステップSn2702にて、今回受信した停止時コマンドが停止ON時コマンドであるか否かを判定する。停止ON時コマンドは、いずれかのストップスイッチ42~44を停止ON操作した場合に出力されるコマンドであり、主制御装置101では、対応するリールが停止していない場合に停止ON操作されると、当該リールの停止処理を行う構成としている。
停止ON時コマンドを受信している場合(ステップSn2702にて肯定判定した場合)、ステップSn2703にて、各種カウンタエリア183bに設けられたON操作カウンタを1加算する処理を実行する。ON操作カウンタは、1のゲームにおいて、停止ON時コマンドを受信した回数をCPU181が把握するためのカウンタである。そして、ステップSn2704にて、受信している停止ON時コマンドに基づいて、今回停止ON操作されたリールを把握する処理を実行する。
続くステップSn2705では、今回のゲームにおいて押し順報知演出を実行しているか否かを判定する。実行していない場合、ステップSn2706にて、今回の停止ON時コマンドに基づく停止ON操作時演出が補助表示部65(表示制御装置81)やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。停止ON操作時演出としては、例えば、チャンス演出(図1178(a))のように、各リール32L,32M,32Rに対応させてビックリマークを模した第1チャンスキャラクタC1~第3チャンスキャラクタC3を表示している場合には、停止ON操作されたリールに対応するキャラクタを非表示としたり表示態様を変更したりする処理を行う(図1178(b)においては、左ストップスイッチ42の停止ON操作が行われた場合の停止ON操作時演出を示しており、左リール32Lや左ストップスイッチ42に対応する第1チャンスキャラクタC1を非表示とする演出を示している)。ステップSn2706の処理を実行した後は、本停止時演出設定処理を終了する。
ステップSn2705にて押し順報知演出を実行していると判定した場合、ステップSn2707に進む。ステップSn2707では、各種フラグ格納エリア183aに非対応フラグがセットされているか否かを判定する。非対応フラグは、押し順報知演出を実行しているゲームにおいて報知した操作順序とは異なる順序でストップスイッチ42~44が操作された場合にセットされるフラグである。ステップSn2707で非対応フラグがセットされている場合とは、今回の停止ON操作よりも前の停止ON操作が、押し順報知演出によって報知されている操作順序とは異なる順序であったことを示し、この場合、そのまま停止時演出設定処理を終了する。
ステップSn2707にて非対応フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSn2708にて押し順情報の読み出し処理を実行する。押し順情報は、各種カウンタエリア183bに設けられた押し順カウンタから読み出し可能であり、押し順カウンタには上記のように押し順報知コマンドを受信した場合に今回の押し順ベルにおいて第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序に対応する情報が入力されている。
ステップSn2708にて押し順情報を読み出した後は、ステップSn2709にて、当該押し順情報と、ステップSn2703にて入力したON操作カウンタと、今回の停止ON時コマンドに対応するリールの情報とから、今回の停止ON操作が押し順報知によって報知されている操作順序に対応しているか否かを判定する。例えば、読み出した押し順情報が中順押し(中→左→右、押し順カウンタ=3)であり、最初の停止ON操作(ON操作カウンタが1)である場合であって、今回の停止ON時コマンドが中リール32Mに対応するコマンド(中ストップスイッチ43のON操作に対応するコマンド)である場合、今回の停止ON操作が、押し順報知によって報知されている操作順序に対応していると判定し、ステップSn2709にて肯定判定することになる。
ステップSn2709にて肯定判定した場合、ステップSn2710にて操作対応演出が補助表示部65(表示制御装置81)やスピーカ64にて行われるようにするための処理を実行する。例えば、図1179(a)のように、押し順報知演出として、1番目の操作順序を示す第1指示キャラクタS1、2番目の操作順序を示す第2指示キャラクタS2、3番目の操作順序を示す第3指示キャラクタS3が、ストップスイッチ42~44の配置に対応しさせて表示されている場合(図では中順押しの押し順報知演出を示し、各指示キャラクタS1~S3は、左から順に、第2指示キャラクタS2、第1指示キャラクタS1、第3指示キャラクタS3が配置されている。また、今回の操作順序に対応する第1指示キャラクタS1を他の指示キャラクタS2~S3よりも拡大して表示している)、操作対応演出では、図1179(b)に示すように、今回の操作に対応する指示キャラクタS1~S3(図では第1指示キャラクタS1)を非表示とするとともに、今回の操作の次の操作に対応する指示キャラクタS1~S3(図では第2指示キャラクタS2)を拡大して表示する演出が行われるように設定されている。また、操作対応演出としてスピーカ64からは、操作順序に対応する操作が行われたことを示す効果音(例えば、「オッケー」という音声)が出力されるように設定されている。
ステップSn2710の処理を実行した後は、ステップSn2711にて各種カウンタエリア183bに設けられた対応操作カウンタを1加算する処理を実行する。対応操作カウンタは、今回のゲームにおいて押し順報知演出にて報知している操作順序に対応する停止ON操作が行われた回数をCPU181が把握するためのカウンタである。続くステップSn2712では、上記の対応操作カウンタが3となったか否かを判定する。
ステップSn2712にて肯定判定した場合、すなわち、全てのストップスイッチ42~44の操作が今回の押し順報知演出にて報知している操作順序に対応する操作であった場合、ステップSn2713にて各種フラグ格納エリア183aに対応入賞フラグをセットする処理を実行する。対応入賞フラグは、押し順報知演出にて報知している操作順序に対応する操作が行われ、対応する小役(第1小役~第6小役)の入賞が成立することをCPU181が把握するためのフラグである。なお、上記のように、ストップスイッチ42~44を停止ON操作することによって対応するリール32L,32M,32Rの停止駆動制御が開始され、この場合、そのまま停止する場合と、所定数の図柄分だけ回転してから停止する(スベリ制御が行われて停止する)場合とがあり、対応入賞フラグがセットされる場合には、未だ対応するリール32L,32M,32Rが停止しておらず、入賞前である場合も含まれている。つまり、対応入賞フラグは、押し順報知演出によって報知している操作順序にて操作されて、対応する小役入賞が成立することをCPU181が、入賞前(事前)に把握することを可能とするフラグといえる。ステップSn2713の処理を実行した後は、本停止時演出設定処理を終了する。
ステップSn2709にて否定判定し、今回の停止ON操作が、押し順報知によって報知されている操作順序に対応していないと判定した場合、ステップSn2717にて操作非対応演出が補助表示部65(表示制御装置81)やスピーカ64にて行われるようにするための処理を実行する。例えば、図1179(a)の押し順報知演出が行われている場合、操作非対応演出では、図1180(a)に示すように、押し順報知演出の表示を暗転させる(白黒に表示させる)演出が設定されている。また、操作非対応演出としてスピーカ64からは、操作順序に対応しない操作が行われたことを示す効果音(例えば、「なにやっているんだ」という音声)が出力されるように設定されている。
ステップSn2717にて操作非対応演出の設定を行った後は、ステップSn2718にて各種フラグ格納エリア183aに非対応フラグをセットする処理を実行してから、本停止時演出設定処理を終了する。この非対応フラグをセットすることにより、次回以降の停止ON操作時のステップSn2707では肯定判定することになる。
ステップSn2702にて今回受信している停止時コマンドが停止ON時コマンドではないと判定した場合、ステップSn2716に進む。ステップSn2716では、今回受信している停止時コマンドが停止OFF時コマンドであるか否かを判定する。停止OFF時コマンドである場合、ステップSn2717に進み、受信したコマンドに基づいて、今回停止したリールを把握する処理を実行する。そして、ステップSn2718にて、対応するリールの停止OFF操作時演出が補助表示部65(表示制御装置81)やスピーカ64にて行われるようにするための処理を実行する。停止OFF操作時演出としては、例えば、図1180(b)に示すように、操作されたリールに対応する領域(例えば、左リール32Lであれば補助表示部65の左下領域、中リール32Mであれば補助表示部65の中下領域、右リール32Rであれば補助表示部65の右下領域)に波紋を模した波紋キャラクタHKが表示されるように設定されている。また、停止OFF時の効果音(例えば「デデッ」という電子音)が出力されるように設定されている。
なお、本実施形態では、停止OFF操作時演出について、上記の押し順報知演出実行中に操作対応演出を行った後で実行可能であり、更に操作非対応演出を行った後でも実行可能としている。つまり、操作非対応演出を実行した場合であっても、当該操作非対応演出の契機となった停止操作に基づく停止OFF操作時に停止OFF時演出が行われるようにしている。さらに、操作非対応演出の契機となった停止操作の後、更に停止操作が行われた場合であっても、当該停止操作の停止OFF操作時に停止OFF操作時演出が行われる。このようにすることで、停止OFF時演出が行われないことを通じて、対応するリールが停止していないと勘違いさせないようにすることが可能となる。
また、本実施形態では、リール停止時コマンドを受信し、停止操作に基づいてリールが停止した場合には、当該リールが停止したことを示す演出は行わない構成としている。このようにすることで、停止OFF操作時演出と当該リールが停止したことを示す演出とが重複することによって演出がわかりにくくなってしまうことや処理負荷の増大化を好適に回避することが可能となる。ただし、リール停止時に別途演出を行う構成としてもよく、この場、例えば、停止ON操作時演出や停止OFF操作時演出が行われる個所(補助表示部65やスピーカ64)と、リールが停止したことを示す演出が行われる個所とが異なる箇所となるようにすることで、演出が重複しても別々の演出であることを遊技者に理解させ易くなる。なお、リールが停止したことを示す演出は、例えば、各リール32L,32M,32Rを後方から照らすバックライトや、前方から照らすフロントライトによって実行するとよい。ちなみに、停止ON操作時演出や停止OFF操作時演出とは異なる箇所とする場合、全ての演出を異なる箇所とする構成だけでなく、一部の演出を異なる箇所にて行う構成としてもよく、例えば、リールが停止したことを示す演出として、スピーカ64からの効果音を設定してもよい。
ステップSn2718にて停止OFF操作時演出の設定を行った後は、ステップSn2719にて対応入賞フラグがセットされているか否かを判定する。上記の通り、対応入賞フラグは、押し順報知演出を行っているゲームにおいて、全てのリール(ストップスイッチ)に対して、報知している操作順序に対応する停止ON操作が行われた場合にセットされるフラグである。ステップSn2719にて肯定判定する場合とは、直前の停止ON操作が対応入賞フラグをセットすることの契機となった操作であることを意味し、当該停止ON操作に基づく停止駆動制御によって、第1小役~第6小役入賞が成立している又は成立することを意味する。
ステップSn2719にて対応入賞フラグがセットされていると判定した場合、ステップSn2720にて入賞時演出が補助表示部65(表示制御装置81)やスピーカ64にて行われるようにするための設定処理を実行する。入賞時演出としては、図1181(a)に示すように、補助表示部65(表示制御装置81)において第1小役入賞~第6小役入賞が成立したことや当該入賞成立に基づいて払い出されるメダル数(13枚)を示す内容が表示され、具体的には、「GET+13」という文字表示が行われるように設定されている。また、入賞時演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、「ゲットー」という音声)が出力されるように設定されている。
なお、ステップSn2720では、表示制御装置81へ入賞時演出設定用のコマンドを出力し、表示制御装置81にて入賞時演出の設定処理が行われるようにする。表示制御装置81では、入賞時演出用の画像データをROM等から読み出し、その画像データをRAMの所定領域に一時記憶させる。これにより、演出実行タイミングが到来した際に、再度ROMの読み出しを行う必要がないようになる。
続くステップSn2721では、今回受信している停止OFF時コマンドに対応するリールのリール停止時コマンドを受信済みか否かを判定する。既に説明した通り、ストップスイッチ42~44の操作(停止ON操作)に基づいて対応するリール32L,32M,32Rの停止駆動制御が行われ、当該リールは、所定数の図柄数分だけ回転してから停止する場合がある(スベリ制御)。そのため、停止ON操作に続けて停止OFF操作が行われた場合において、当該停止OFF操作が行われるよりも後で、対応するリールが停止する場合もあり、ステップSn2721にてリール停止時コマンドを受信していない場合とは、リール停止前に停止OFF操作が行われたことを示している。
ステップSn2721にてリール停止後に停止OFF操作が行われたと判定した場合、ステップSn2722にて、上記ステップSn2720にて設定した入賞時演出が補助表示部65(表示制御装置81)やスピーカ64にて実行されるようにする処理を行う。一方、ステップSn2721にてリール停止前に停止OFF操作が行われたと判定した場合、上記設定した入賞時演出は、今回の処理では実行せず、対応するリールが停止してから(リール停止時コマンドを受信した場合に)実行される。
なお、ステップSn2720にて入賞時演出を行う場合、サブ制御装置180は表示制御装置81へ入賞時演出実行用のコマンドを出力する。この場合、表示制御装置81では、上記の所定領域に一時記憶している(ROMから読み出し済みの)画像データを使用して、補助表示部65にて入賞時演出に対応する表示が行われるようにする。
ステップSn2722にて入賞時演出を実行した場合と、ステップSn2721にてリール停止前に停止OFF操作が行われたと判定して入賞時演出の実行を持ち越した場合は、ステップSn2723にて上記の対応操作カウンタを0にクリアする処理を実行する。
ステップSn2719にて対応入賞フラグがセットされていないと判定した場合、又はステップSn2723にて対応操作カウンタを0にクリアした後は、ステップSn2724にてON操作カウンタが3であり、今回の停止OFF操作が3番目(最後)のストップスイッチ42~44の操作であったか否かを判定する。ステップSn2724にて肯定判定した場合、ステップSn2725にてON操作カウンタを0にクリアする処理を実行してから、本停止時演出設定処理を終了する。ステップSn2724にて否定判定し、未だ停止操作前のリール(ストップスイッチ)が残存している場合には、そのまま本停止時演出設定処理を終了する。
ステップSn2716にて今回受信している停止時コマンドが停止OFF時コマンドではないと判定した場合とは、今回受信している停止時コマンドがリール停止時コマンドであることを意味する。この場合、ステップSn2726にて入賞時演出が設定済みであるか否かを判定する。入賞時演出が設定済みである場合、ステップSn2727にて、設定済みの入賞時演出を実行するための処理を行ってから、本停止時演出設定処理を終了する。ステップSn2727の処理は、上記ステップSn2722の処理と同様である。入賞時演出が設定されていない場合には、そのまま本停止時演出設定処理を終了する。
このように、本実施形態では、全リール32L,32M,32Rが停止するよりも前に事前に入賞時演出を行うための設定処理(対応入賞フラグのセット処理や、入賞時演出の設定処理)を実行し、全リール32L,32M,32Rが停止してから当該設定済みの入賞時演出を実行する場合があるようにしていることから、入賞時(全リール32L,32M,32R停止時)に入賞時演出を設定するよりも、当該入賞時の処理負荷を増大化させることなく、入賞タイミングと入賞時演出の実行タイミングとのタイムラグを小さくすることが可能となる。また、入賞時演出の設定を前倒しで行うようにしていることから、本来ならば入賞時に行うべき処理の分だけ、入賞時の処理容量に空きが生じ、当該処理容量の空きを利用して、入賞時の演出を派手にする等、入賞時演出の充実化に貢献することも可能となる。
<入賞時演出設定処理>
次に、ステップSn2214にて実行される入賞時演出設定処理について、図1170のフローチャートを参照しながら説明する。入賞時演出設定処理は、入賞時コマンドとして、入賞結果コマンド等を受信した場合に実行される処理である。
ステップSn2801では、獲得表示更新第2処理を実行し、ステップSn2802では、残数表示更新処理を実行する。これらの処理は、特定状態(主にATモード)中に獲得したメダル数や特定状態の残り払出枚数の表示を更新するための処理であり、後に詳細に説明する。
ステップSn2803では、上記のコマンド異常フラグがセットされているか否かを判定する。ここでもコマンド異常フラグがセットされていないものとして説明を進める。ステップSn2803にて否定判定した場合、ステップSn2804に進み、受信している入賞結果コマンドに基づいて今回の入賞結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSn2805にて、上記の対応入賞フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップSn2806にて、非対応フラグがセットされているか否かを判定する。対応入賞フラグも非対応フラグもセットされていない場合、ステップSn2807にて、上記ステップSn2804にて把握した入賞結果に対応する入賞時演出が、補助表示部65(表示制御装置81)やスピーカ64にて実行されるようにするための処理を行う。なお、当該入賞時演出は、ステップSn2807の演出設定が行われたことを契機として実行される(入賞時コマンドを受信したタイミングで実行される)。
この場合、例えば、第1小役入賞~第6小役入賞(ベル入賞)に対応する入賞時演出と、第7小役入賞や第8小役入賞(スイカ入賞)に対応する入賞時演出との演出態様を、遊技者が識別可能な程度に異なるようにするとよく、例えば、第7小役入賞や第8小役入賞に対応する入賞時演出では、3枚の払出枚数に対応させて「GET+3」と表示するとよい。また、入賞時演出のエフェクトの色や背景色を、第1小役入賞~第6小役入賞(ベル入賞)に対応する入賞時演出と、第7小役入賞や第8小役入賞(スイカ入賞)に対応する入賞時演出とで異なるようにしてもよく、第1小役入賞~第6小役入賞(ベル入賞)に対応する入賞時演出であれば黄色のエフェクトや背景色とし、第7小役入賞や第8小役入賞(スイカ入賞)に対応する入賞時演出であれば緑色のエフェクトや背景色としてもよい。
なお、ステップSn2807では、表示制御装置81へ入賞時演出実行用のコマンドを出力し、表示制御装置81にて入賞時演出が実行されるようにする。表示制御装置81では、入賞時演出用の画像データをROM等から読み出し、その画像データに対応する表示が補助表示部65にて行われるようにする。つまり、ステップSn2807が行われる場合、表示制御装置81では、入賞時演出に使用する画像データをROMから読み出す処理と、当該画像データを補助表示部65にて表示させる処理を実行し、上記ステップSn2720とステップSn2722(ステップSn2727)の両処理を、当該ステップSn2807にて実行することとなる。
ステップSn2805にて対応入賞フラグがセットされている場合とは、上記のとおり、停止時演出設定処理において入賞時演出が実行されている場合である。また、ステップSn2806にて非対応フラグがセットされている場合とは、入賞時演出は実行されていないものの、第1小役入賞~第6小役入賞が成立しない場合である。この場合、ステップSn2808にて対応入賞フラグ又は非対応フラグをクリアする処理を行う。つまり、対応入賞フラグがセットされている場合には既に入賞時演出が実行されているため、本入賞時演出設定処理では入賞時演出の設定(実行)を行わないし、非対応フラグがセットされている場合には、入賞時演出を行うべき入賞は成立していないため、入賞時演出設定処理では入賞時演出の設定(実行)を行わない。
ステップSn2807又はステップSn2808の処理を実行した後は、ステップSn2809にて、BB用処理を実行する。BB用処理では、例えば、入賞時コマンドとして第1BB開始コマンドや第2BB開始コマンドを受信している場合には、対応するBB開始演出が行われるようにするための処理を実行し、入賞時コマンドとして第1BB終了コマンドや第2BB終了コマンドを受信している場合には、対応するBB終了演出が行われるようにするための処理を実行する。
続くステップSn2810では、CZ用処理を実行する。CZ用処理では、入賞時コマンドとしてCZ開始コマンドを受信している場合には、CZモードの開始演出が行われるようにするための処理を実行し、入賞時コマンドとしてCZ終了コマンドを受信している場合には、CZモードの終了演出が行われるようにするための処理を実行する。また、入賞時コマンドとして、CZゲーム数コマンドや継続用コマンド、バトル継続コマンドを受信している場合には、CZモードの各セットの継続の有無を示唆する演出や、セットの更新演出が行われるようにするための処理を実行する。
CZモード中の演出としては、例えば、図1182(a)に示すように、CZモードを開始する場合、補助表示部65においてCZモードに移行することの表示(例えば、「バトルチャンス突入!!」との文字表示)を行い、図1182(b)に示すように味方キャラクタと敵キャラクタとの組み合わせが表示され、セットの各ゲームで、当該味方キャラクタと敵キャラクタとが戦う演出が行われる。そして、最終的に味方キャラクタが勝利すると(図1182(c))、次セットへの継続演出(図では、「バトルチャンス継続!!」との文字表示)が行われる(図1182(d))。また、最終的に味方キャラクタが敗北すると(図1182(e))、CZモードの終了演出(図では、「バトルチャンス終了」との文字表示)が行われてCZモードが終了するように設定されている。
CZモード中の各ゲームでは、図1183(a)に示すように、今回のセットの残りゲーム数を補助表示部65における第1残数表示エリアNGA1(図では左上領域)に表示するとともに、現状のセット数(最終セットまでの残りセット数)を補助表示部65におけるセット数表示エリアSA(図では右上領域)に表示する。これにより、遊技者は、各セットの継続条件をあと何ゲームで成立させるべきかの情報(セットの残りゲーム数)を把握することが可能となるとともに、あと何セットの継続条件を成立させるべきかの情報(最終セットまでの残りセット数)を把握可能となる。これら第1残数表示エリアNGA1やセット数表示エリアSAはCZモードの各ゲームの消化に応じて更新される。そして、最終セットで継続条件が成立している場合には、図1183(b)に示すように、当該セットの終了ゲームにおいて、ATモードへの移行が生じることの報知を行う(図では、「バトルラッシュ確定!!」との文字表示を行う)。
CZ用処理を実行した後は、ステップSn2811にてAT用処理を実行する。AT用処理では、入賞時コマンドとしてAT開始コマンドを受信している場合には、ATモードの開始演出が行われるようにするための処理を実行し、入賞時コマンドとしてAT終了コマンドを受信している場合には、ATモードの終了演出が行われるようにするための処理を実行する。また、入賞時コマンドとして、上乗せコマンドを受信している場合には、ATモードのゲーム数の上乗せが行われたことの上乗せ報知演出が行われるようにするための処理を実行する。
ATモードの開始演出や終了演出、ATモード中の演出としては、例えば、図1184(a)に示すように、ATモードの開始演出としては、補助表示部65においてATモードに移行することの表示(例えば、「バトルラッシュ突入」との文字表示)を行うとともに、当該ATモードの残り払出枚数を第2残数表示エリアNGA2に表示する(図では残り100枚の払い出しが可能であることを表示している)。また、ATモードにおいては、ATモードの総消化ゲーム数(総実行ゲーム数)を消化数表示エリアSGAに表示するとともに、ATモードにおいて払い出されたメダル数を獲得枚数表示エリアKMAに表示する。これら第2残数表示エリアNGA2、消化数表示エリアSGA、及び獲得枚数表示エリアKMAは、ATモードのゲームの消化に応じて更新される(図1184(b))。
また、ATモードの上乗せ報知演出では、図1185(a)に示すように、上乗せされた枚数を表示して、何枚の上乗せが発生したかを報知する(図では、50枚の上乗せが行われたことを示している)。そして、ATモードが終了する場合、図1185(b)に示すように、ATモードの終了演出(図では、「END」との文字表示と、総消化ゲーム数、総獲得枚数を表示している)が行われるように設定されている。
ステップSn2811にてAT用処理を実行した後は、ステップSn2812にて、その他の入賞時演出設定処理を実行する。ステップSn2812では、例えば、入賞結果に応じて上部ランプ63を点灯/点滅等させる処理を行う。
その後、ステップSn2813にて、今回の入賞結果に基づいて、メダルの払い出しが発生するか否か(続けて払出開始時演出設定処理や払出終了時演出設定処理が起動されるか否か)を判定する。払い出しがない場合には、ステップSn2814にて、今回のゲームに用いた各種演出用の情報の初期化処理を実行する。ステップSn2814の処理では、複数のゲームに亘って継続する状態に用いられる演出用情報、具体的には、ATモード中の獲得メダル数の表示を行うための獲得枚数カウンタの情報や、ATモード中の総消化ゲーム数の表示を行うための消化ゲーム数カウンタの情報の初期化処理は行わず、例えば、押し順報知演出を行うための押し順カウンタの情報や、停止操作の回数管理に用いられるON操作カウンタの情報、対応操作カウンタの情報、順序カウンタの情報等の各種カウンタや、各種フラグを初期化する処理を実行する。ステップSn2813にて払い出しがあると判定した場合や、ステップSn2814の処理を実行した後は、入賞時演出設定処理を終了する。
<払出開始時演出設定処理>
次に、ステップSn2216にて実行される払出開始時演出設定処理について、図1171のフローチャートを参照しながら説明する。払出開始時演出設定処理は、1ゲームの入賞結果としてメダル払出が行われる場合(クレジットカウンタに払出枚数が加算される場合も含む)に主制御装置101から出力される払出開始時コマンドを受信した際に実行される処理である。
ステップSn2901では、上記のコマンド異常フラグがセットされているか否かを判定する。ここでも、コマンド異常フラグがセットされていないものとして説明を進める。
ステップSn2901にて否定判定した場合、ステップSn2902にて、直前に受信している入賞時コマンド(入賞結果コマンド)に基づいて、今回の入賞結果を把握する処理を実行する。そして、ステップSn2903にて、今回受信している払出開始時コマンドに基づいて今回の払出枚数を把握する処理を実行する。
ステップSn2902及びステップSn2903の処理を実行した後は、ステップSn2904にて、今回の入賞結果と払出枚数に対応する払出演出が補助表示部65(表示制御装置81)やスピーカ64にて行われるようにするための処理を実行する。払出演出としては、例えば、上記の補助表示部65における入賞時演出の表示(図1181(a)における「GET+13」との表示)を継続したまま、図1181(b)に示すように、スピーカ64から払出時の効果音(例えば、「ドッドッドッ」という電子音)が出力されるように設定されている。ステップSn2904の処理を実行した後は、本払出開始時演出設定処理を終了する。
<払出終了時演出設定処理>
次にステップSn2218にて実行される払出終了時演出について、図1172のフローチャートを参照しながら説明する。払出終了時演出設定処理は、1ゲームの入賞結果としてメダル払出が行われて、そのメダル払出が終了する場合に主制御装置101から出力される払出終了時コマンドを受信した際に実行される処理である。
ステップSn3001では、上記のコマンド異常フラグがセットされているか否かを判定する。ここでも、コマンド異常フラグがセットされていないものとして説明を進める。
ステップSn3001にて否定判定した場合、ステップSn3002にて、実行中の払出演出が終了されるようにするための処理を実行する。その後、ステップSn3003にて、今回のゲームに用いられた各種演出用の情報の初期化処理を実行してから、本払出終了時演出設定処理を終了する。ステップSn3003の処理は、上記ステップSn2814の処理と同様である。
<エラー報知設定処理>
次に、ステップSn2220にて実行されるエラー報知設定処理について、図1173のフローチャートを参照しながら説明する。エラー報知設定処理は、主制御装置101側で各種エラーが発生していると把握された場合に出力されるエラーコマンドを受信した際に実行される処理である。
ステップSn3101では、受信しているエラーコマンドに基づいて、今回発生しているエラーを把握する処理を実行する。ちなみに主制御装置101側で把握されるエラーとしては、メダル投入口45から投入されたメダルが案内通路84内で滞留していることを示す投入メダル滞留エラー、案内通路84内においてメダルが逆流したこと等を示す投入メダル異常通過エラー、ホッパ装置51において貯留タンク52内のメダルが空となったことを示す遊技メダル払出装置エンプティエラー、払出装置53からのメダル払出通路にてメダルが滞留していることを示す払出メダル滞留エラー、予備タンク54が満タン状態となっていることを示す補助収納庫満杯エラー、停電処理が正常に行われなかった場合や当選確率設定処理にて設定される設定値が正常範囲(1~6)内にない場合を示すRAM異常エラー、抽選用乱数が正常に取得できなかったり、取得された乱数が予め定められた範囲内の乱数ではなかったり、乱数作成回路の故障や誤動作が生じていることを示す乱数異常エラー、受入可能状態以外で投入メダル検出装置86にてメダルを検出した場合や、案内通路84においてセンサレバー87が退避位置に配置されたのにも関わらず、その後、投入メダル検出装置86にてメダルを検出できない場合や、センサレバー87が所定期間に亘って退避位置に配置される投入タイミングエラー、メダル払出処理の実行中以外で払出メダル検出装置95にてメダルを検出したことを示す払出タイミングエラー、投入タイミングエラーと払出タイミングエラーとが重複していることを示す投入払出タイミングエラー、前面扉12が開放されていることを示すドアオープンエラー、等がある。これらのエラーは、主制御装置101におけるセンサ監視処理(ステップSn107)等で、そのエラーの発生(例えば、前面扉12が開放されたこと)が特定され、対応するエラーコマンドがサブ制御装置180へ出力設定される。また、主制御装置101におけるセンサ監視処理等で、そのエラーの発生が特定されている状態において、当該エラーが解消されたこと(例えば、前面扉12が閉鎖されたこと)が特定されると、対応するエラー解消コマンドがサブ制御装置180へ出力設定される。
ステップSn3101にて発生しているエラーを把握した後は、ステップSn3102にて、対応するエラー報知が補助表示部65(表示制御装置81)やスピーカ64にて行われるようにする処理を実行してから、本エラー報知設定処理を終了する。エラー報知としては、例えば、ドアオープンエラーが発生している場合には、補助表示部65にて前面扉12が開放されている旨の表示(例えば、「ドアが開いてます」との文字表示)を行うとともに、スピーカ64から対応する効果音(例えば、「ドアが開いてます」との音声)が出力されるように設定されている。
<獲得枚数、消化数、残数の更新処理>
上記のCZモードやATモードにおいて表示される第1残数表示エリアNGA1、第2残数表示エリアNGA2における残りゲーム数や残り払出枚数の表示や、消化数表示エリアSGAにおける総消化ゲーム数の表示、獲得枚数表示エリアKMAにおける獲得メダル数の表示の更新用の処理について説明する。これらの更新処理は、開始操作時演出設定処理(図1166)における獲得表示更新第1処理(ステップSn2404)や消化数更新処理(ステップSn2405)、入賞時演出設定処理(図1170)における獲得表示更新第2処理(ステップSn2801)や残数表示更新処理(ステップSn2802)にて行われる。以下、それぞれ説明する。
<獲得表示更新第1処理>
先ず、獲得表示更新第1処理について、図1174のフローチャートを参照しながら説明する。獲得表示更新第1処理は、獲得枚数表示エリアKMAにおける獲得メダル数の表示を更新するための処理である。上記のように、獲得表示更新第1処理は、開始操作時演出設定処理において実行される処理であり、概して、今回のゲームにおいてベットされたベット数を獲得メダル数から減算し、その表示を更新するための処理である。
ステップSn3201では、今回開始するゲームが獲得枚数表示エリアKMAにて獲得メダル数の表示を実行している状態であるか否か、より具体的には、ATモード中であるか否かを判定する。なお、CZモード中も獲得メダル数を表示する場合には、ステップSn3201にて肯定判定するようにするとよい。獲得メダル数を表示する状態ではない場合には、そのまま本第1処理を終了する。
獲得メダル数を表示する状態である場合、ステップSn3202にて各種カウンタエリア183bに設けられた獲得枚数カウンタを把握する処理を実行する。獲得枚数カウンタはATモード中に払い出したメダル数とベットされたメダル数との差分(獲得メダル数)をCPU181が把握するためのカウンタである。当該獲得枚数カウンタは、ATモードが終了した場合に初期値(0)にリセットされる。なお、ATモードが終了した後、所定ゲーム数(例えば50ゲーム)消化した場合に獲得枚数カウンタを初期値にリセットする構成としてもよく、このようにすることで、ATモードの終了後に再度ATモードに移行した場合に、両ATモードにおける獲得メダル数の合算値を報知することが可能である。この場合において、ATモードが終了した後、初期値にリセットするまでの間のゲームにおいて獲得メダル数を表示しない構成とする場合、ステップSn3201にて否定判定しても、そのゲームでのベット数や払出メダル数が獲得枚数カウンタに反映される構成とするとよい。
ステップSn3202にて獲得枚数カウンタを把握した後は、ステップSn3203にてベット数カウンタを把握する処理を実行する。上記の通り、ベット数カウンタには、今回のゲームのベット数に対応する値がベット時演出設定処理において入力される。なお、本実施形態では、前回のゲームの結果が再遊技入賞であり、今回のゲームのベットが再遊技状態に設定されたことに基づく自動ベットである場合にはベット数カウンタにはそのベット数は反映されない構成としている。再遊技入賞に伴うベット数についてもベット数カウンタに反映させる構成とする場合、再遊技入賞時の払出枚数を今回のゲームのベット数として獲得枚数カウンタに反映させたうえで、次ゲームの自動ベット数を獲得枚数カウンタに反映させる構成とするとよい。
獲得枚数カウンタ及びベット数カウンタを把握した後は、ステップSn3204にて獲得枚数カウンタからベット数カウンタを減算する処理を実行する。そして、ステップSn3205にて、獲得枚数表示エリアKMAの獲得メダル数の表示を、減算後の獲得枚数カウンタに対応する獲得メダル数の表示に更新する処理を実行してから、本獲得表示更新第1処理を終了する。なお、本実施形態では、獲得枚数カウンタが0以下である場合には、獲得枚数表示エリアKMAの獲得メダル数が0枚として表示されるように設定されており、獲得メダル数がマイナスの枚数にならないように設定されている。この場合、獲得枚数カウンタのマイナス分を別のカウンタにて管理するようにしてもよく、このようにすることで、CPU181が獲得枚数カウンタにてプラスの値とマイナスの値とを把握する必要がなく、処理構成の簡素化を図ることが可能である。
<獲得表示更新第2処理>
次に、獲得表示更新第2処理について、図1175のフローチャートを参照しながら説明する。獲得表示更新第2処理も、獲得枚数表示エリアKMAにおける獲得メダル数の表示を更新するための処理である。上記のように、獲得表示更新第2処理は、入賞時演出設定処理において実行される処理であり、概して、今回のゲームにおいて払い出された枚数を獲得メダル数に加算し、その表示を更新するための処理である。
獲得表示更新第2処理では、先ずステップSn3301にて、ステップSn3201と同様に、今回終了するゲームが獲得枚数表示エリアKMAにて獲得メダル数の表示を実行している状態であるか否かを判定する。獲得メダル数を表示する状態ではない場合には、そのまま本第2処理を終了する。
獲得メダル数を表示する状態である場合、ステップSn3302にて獲得枚数カウンタを把握し、ステップSn3303にて、今回の入賞結果を入賞結果コマンドに基づいて把握する処理を実行する。そして、ステップSn3304にて入賞結果に対応する獲得枚数(払出枚数)を獲得枚数カウンタに加算する処理を実行し、ステップSn3305にて、獲得枚数表示エリアKMAの獲得メダル数の表示を、ステップSn3304の演算後の獲得枚数カウンタに更新されるようにする処理を実行してから、本獲得表示更新第2処理を終了する。
<消化数更新処理>
次に、消化数更新処理について、図1176のフローチャートを参照しながら説明する。消化数更新処理は、消化数表示エリアSGAにおける総消化ゲーム数の表示を更新する処理であり、開始操作時演出設定処理におけるステップSn2402にて実行される処理である。
消化数更新処理では、先ず、ステップSn3401にて、今回開始するゲームが消化数表示エリアSGAにて総消化ゲーム数の表示を実行している状態であるか否か、より具体的には、ATモード中であるか否かを判定する。なお、通常モードやCZモード、有利区間中も消化ゲーム数を表示する場合には、ステップSn3401にて肯定判定するようにするとよい。消化ゲーム数を表示する状態ではない場合には、そのまま本第2処理を終了する。
消化ゲーム数を表示する状態である場合、ステップSn3402にて各種カウンタエリア183bに設けられた消化ゲーム数カウンタを把握する処理を実行する。消化ゲーム数カウンタはATモード(消化ゲーム数を表示する状態)中に消化された(実行した)ゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタである。当該消化ゲーム数カウンタは、ATモードが終了した場合に初期値(0)にリセットされる。なお、ATモードが終了した後、所定ゲーム数(例えば50ゲーム)消化した場合に消化ゲーム数を初期値にリセットする構成としてもよく、このようにすることで、ATモードの終了後に再度ATモードに移行した場合に、両ATモードにおける消化ゲーム数の合算値を報知することが可能である。この場合において、ATモードが終了した後、初期値にリセットするまでの間のゲームにおいて消化ゲーム数を表示しない構成とする場合、ステップSn3401にて否定判定し、そのゲームでの消化ゲーム数が消化ゲーム数カウンタに反映されない構成とするとよい。
続くステップSn3403では、上記の消化ゲーム数カウンタを1加算する処理を実行する。そして、ステップSn3404にて、消化数表示エリアSGAの消化ゲーム数の表示を、ステップSn3403の演算後の消化ゲーム数カウンタに更新されるようにする処理を実行してから、本消化数更新処理を終了する。
<残数表示更新処理>
次に、残数表示更新処理について、図1177のフローチャートを参照しながら説明する。残数表示更新処理は、第1残数表示エリアNGA1や第2残数表示エリアNGA2における残りゲーム数の表示を更新する処理であり、入賞時演出設定処理におけるステップSn2802にて実行される処理である。
残数表示更新処理では、先ずステップSn3501にて、今回終了するゲームが第1残数表示エリアNGA1や第2残数表示エリアNGA2にて残りゲーム数や残り払出枚数の表示を実行している状態であるか否か、より具体的には、CZモードやATモード中であるか否かを判定する。残りゲーム数や残り払出枚数を表示する状態ではない場合には、そのまま本残数表示更新処理を終了する。
残りゲーム数や残り払出枚数を表示する状態である場合、ステップSn3502にて入賞時コマンドとして受信しているCZゲーム数コマンドやAT枚数コマンドに基づいて、残りゲーム数や残り払出枚数を把握する処理を実行する。より詳しくは、第1残数表示エリアNGA1に残りゲーム数の表示を行うCZモードである場合には、CZゲーム数コマンドに基づき残りゲーム数を把握し、第2残数表示エリアNGA2に残り払出枚数の表示を行うATモードである場合には、AT枚数コマンドに基づき残り払出枚数を把握する。
そして、ステップSn3503にて、第1残数表示エリアNGA1や第2残数表示エリアNGA2に表示される残りゲーム数や残り払出枚数が、ステップSn3502の把握結果に対応する数に更新されるようにする処理を実行してから、本残数更新処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、主制御装置101にて各種遊技の進行が管理され、その遊技進行に応じて出力されるコマンドに基づいて、サブ制御装置180側で当該遊技進行に対応する各種演出等を行う構成としている。このように遊技進行用の処理と演出用の処理とを別々の制御装置にて行うようにすることで、処理負荷の分散化を図ることが可能となる。
上記のように制御装置を複数有するうえで、それぞれの制御装置の同期を図るための構成について説明する。より具体的には、主制御装置101側で進行される遊技進行の状況をサブ制御装置180側で把握し、当該サブ制御装置180にて把握する遊技進行の状況を、主制御装置101側で実際に進行される遊技進行の状況と同期させるための構成を説明する。このような主制御装置101とサブ制御装置180との同期は、主にサブ制御装置180側の演出設定処理(図1164)におけるステップSn2202のコマンド判定処理にて行われる。
<コマンド判定処理>
コマンド判定処理について、図1186のフローチャートを参照しながら説明する。コマンド判定処理は、演出設定処理において主制御装置101から新たなコマンドを受信した場合に実行される処理である。
ステップSn3601では、各種カウンタエリア183bに設けられたコマンドカウンタを把握する処理を実行する。コマンドカウンタは、主制御装置101から受信する各種コマンドに基づいて、遊技進行状況をCPU181が把握するためのカウンタである。
図1187に示すように、コマンドカウンタは1~9の値が設定されるカウンタであり、主制御装置101側で管理される各遊技進行状態とコマンドカウンタの各値とが1対1で対応付けられているとともに、受信したコマンドの判定用の各処理にジャンプするアドレス情報と1対1で対応付けられている。
すなわち、コマンドカウンタが1である場合の状態として、1ゲームの開始前であってベットが可能なベット待ち状態(受入可能状態、受入可能状態表示部76cが点灯状態とされている状態)に対応付けられており、コマンドカウンタが2である場合の状態として、ベット数が規定枚数に達しており、スタートレバー41の操作が可能な開始操作待ち状態(開始操作が可能な開始可能状態、開始可能状態表示部76bが点灯状態とされている状態)が対応付けられており、コマンドカウンタが3である場合の状態として、スタートレバー41の操作後であって各リール32L,32M,32Rの回転の開始待ちの状態(ウェイト期間の経過前の状態、ステップSn502での肯定判定待ちの状態)が対応付けられており、コマンドカウンタが4である場合の状態として、各リール32L,32M,32Rの回転が開始された後であって各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速に至るまでの停止不可状態(ステップSn505での肯定判定待ちの状態)が対応付けられており、コマンドカウンタが5である場合の状態として、全リール32L,32M,32Rが停止するよりも前の停止待ち状態(ステップSn521での肯定判定待ちの状態)が対応付けられており、コマンドカウンタが6である場合の状態として、全リール32L,32M,32Rの停止後であって入賞時コマンドの受信前の入賞結果待ち状態が対応付けられており、コマンドカウンタが7である場合の状態として、メダルの払出が開始されるまでの払出開始待ち状態が対応付けられており、コマンドカウンタが8である場合の状態として、メダル払出の開始後、メダル払出の終了前の払出状態が対応付けられており、コマンドカウンタが9であるの場合の状態として、主制御装置101側で特定された各種エラー状態が対応付けられている。
ステップSn3601では、上記のコマンドカウンタの値を確認することによって、現状の主制御装置101側の遊技進行状態をいずれの状態としてサブ制御装置180にて把握しているかを確認する。そして、コマンドカウンタの値に基づいて、コマンド判定用の各処理のアドレス情報を把握する処理を実行する。すなわち、コマンドカウンタが1であればベット待ち状態であると把握するとともにベット時判定処理のアドレス情報(SA1)を把握し、コマンドカウンタが2であれば開始操作待ち状態であると把握するとともに開始操作時判定処理のアドレス情報(SA2)を把握し、コマンドカウンタが3であれば回転開始待ち状態であると把握するとともに回転開始時判定処理のアドレス情報(SA3)を把握し、コマンドカウンタが4であれば停止不可状態であると把握するとともに停止可能時判定処理のアドレス情報(SA4)を把握し、コマンドカウンタが5であれば停止待ち状態であると把握するとともに停止時判定処理のアドレス情報(SA5)を把握し、コマンドカウンタが6であれば入賞結果待ち状態であると把握するとともに入賞時判定処理のアドレス情報(SA6)を把握し、コマンドカウンタが7であれば払出開始待ち状態であると把握するとともに払出開始時判定処理のアドレス情報(SA7)を把握し、コマンドカウンタが8であれば払出状態であると把握するとともに払出終了時判定処理のアドレス情報(SA8)を把握し、コマンドカウンタが9であればエラー状態であると把握するとともにエラー時判定処理のアドレス情報(SA9)を把握する。
そして、ステップSn3602にて、上記ステップSn3601にて把握したコマンドカウンタの値に対応するアドレスの判定処理(ステップSn3603~ステップSn3611)にジャンプする処理を実行する。
ステップSn3603はコマンドカウンタが1である場合に実行されるベット時判定処理であり、ステップSn3604はコマンドカウンタが2である場合に実行される開始操作時判定処理であり、ステップSn3605はコマンドカウンタが3である場合に実行される回転開始時判定処理であり、ステップSn3606はコマンドカウンタが4である場合に実行される停止可能時判定処理であり、ステップSn3607はコマンドカウンタが5である場合に実行される停止時判定処理であり、ステップSn3608はコマンドカウンタが6である場合に実行される入賞時判定処理であり、ステップSn3609はコマンドカウンタが7である場合に実行される払出開始時判定処理であり、ステップSn3610はコマンドカウンタが8である場合に実行される払出終了時判定処理であり、ステップSn3611はコマンドカウンタが9である場合に実行されるエラー時判定処理である。
これらステップSn3603~ステップSn3611の各判定処理では、ステップSn3601にて受信したコマンドが、現状の遊技進行状態に沿うものであるか否かを判定し、現状の遊技進行状態に沿うものであって、次の遊技進行状態に移行するための進行契機となるコマンドである場合には、コマンドカウンタの値を1加算して、現状の遊技進行状態から次の遊技進行状態に移行したことを記憶する処理を実行する。
進行契機となるコマンドとしては、ベット待ち状態ではベット時コマンドが設定されており、開始操作待ち状態では開始操作時コマンドが設定されており、回転開始待ち状態では回転開始時コマンドが設定されており、停止不可状態では停止可能時コマンドが設定されており、停止待ち状態では全リールに対する停止OFF時コマンドが設定されており、入賞結果待ち状態では入賞時コマンドが設定されており、払出開始待ち状態では払出開始時コマンドが設定されており、払出状態では払出終了時コマンドが設定されており、エラー状態ではエラー対処時の各コマンドが設定されている。
本実施形態では、これら各遊技進行状態において進行契機となるコマンドは、一の遊技進行状態において複数種類のコマンドが設定されている場合と、一の遊技進行状態において一種類のコマンドが設定されている場合とがある。具体的には、例えば、開始操作待ち状態において次の回転開始待ち状態への進行契機となる開始操作時コマンドは、抽選結果コマンドや押し順報知コマンド等の複数種類のコマンドを含み、回転開始待ち状態において次の停止不可状態への進行契機となる回転開始時コマンドは、各リール32L,32M,32Rの回転開始時に出力される回転開始時コマンドだけである。前者のように複数種類のコマンドをいずれも進行契機として設定することにより、例えば、押し順報知コマンドを受信することができなくとも、抽選結果コマンドを受信することで遊技進行状態を進行させることが可能となり、遊技進行状態の把握を抜けなく行うことが可能となる。これに対して、後者のように一種類のコマンドを進行契機として設定することにより、コマンド受信時のコマンドの種別を把握する処理の処理負荷を低減することが可能となる。
本実施形態では、以下のいずれの判定処理においても、今回受信しているコマンドをまとめて判定する構成としており、具体的には、複数種類のコマンドを受信している場合であっても、今回受信しているコマンドについてはまとめて同じ判定処理の対象とする構成としている。つまり、例えば、開始操作待ち状態である状況で、複数種類の開始操作時コマンドを受信した場合(例えば、抽選結果コマンドと押し順報知コマンドとを受信した場合)には、これらの複数種類の開始操作時コマンドをまとめて開始操作時判定処理の処理対象とする。このようにすることで、一の開始操作時コマンドに基づいて開始操作時判定処理が行われることで遊技進行状態が進行し、他の開始操作時コマンドに基づいて次の遊技進行状態の判定処理である回転開始時判定処理が行われてしまう、という不都合を生じさせないようにすることができる。
なお、上記のように複数種類のコマンドを受信している場合であっても、同じ遊技進行コマンドである場合には、まとめて対応する判定処理を行う構成は、遊技進行コマンドの種類(例えば、開始操作時コマンドなのか回転開始時コマンドなのか等)だけを把握して、いずれのコマンド(例えば、抽選結果コマンドなのか押し順報知コマンドなのか等)であるかを把握することなく上記対応する判定処理を行う構成ともいえる。このようにすることで、いずれの判定処理を実行すべきかを判断する処理の処理負荷の増大化を好適に解消することができる。
この場合、例えば、主制御装置101から各種コマンドを出力する場合に、遊技進行コマンドの種類の情報(第1種類情報、第1分類情報、大分類情報)を第1の領域に記憶させるとともに、そのコマンドの詳細な種類(第2種類情報、第2分類情報、小分類情報)を第2の領域に記憶させたうえで、当該コマンドをサブ制御装置180へ出力する構成とするとよい。このようにすることで、サブ制御装置180側では、いずれの判定処理を実行すべきかを判断する処理において、受信しているコマンドの上記第1の領域だけを確認すればよく、第2の領域も含めて読み込む必要がなくなる。この場合、複数種類のコマンドが一の遊技進行コマンドとして設定されているものについては、第2の領域に基づいて演出用の設定処理が行われ、一のコマンドが一の遊技進行コマンドとして設定されているものについては、第1の領域又は第2の領域に基づいて演出用の設定処理が行われる構成となる。
上記の各判定処理について、以下、詳細に説明する。
<ベット時判定処理>
ベット時判定処理について、図1188のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSn3701では、ステップSn2201にて受信したコマンドがベット時コマンドであるか否かを判定する。ベット時コマンドである場合、ステップSn3702にてベット時コマンドをRAM183のコマンド格納エリア183cに格納する処理を実行する。コマンド格納エリア183cは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。ステップSn3702にて格納されたベット時コマンドは、ベット時演出設定処理(図1165)において再度読み出され、当該ベット時コマンドに基づきベット時の各種演出が設定される。
その後、ステップSn3703にてコマンドカウンタに1加算する処理を実行して、現状の遊技進行状態(ベット待ち状態)から次の遊技進行状態(開始操作待ち状態)に移行したことを記憶してから、本ベット時判定処理を終了する。
ステップSn3701にてベット時コマンドではないと判定した場合、ステップSn3704にて、ステップSn2201にて受信したコマンドがいずれかのエラーコマンドであるか否かを判定する。エラーコマンドである場合、ステップSn3705にてエラーコマンドをコマンド格納エリア183cに格納する処理を実行する。その後、ステップSn3706にて、現状のコマンドカウンタの値をRAM183の退避用エリア183dに記憶する処理を実行する。本実施形態では、エラー状態から復帰する際に、退避用エリア183dに記憶された値に基づいてエラー状態の発生前の状態に復帰させる構成としている。その後、ステップSn3707にて、コマンドカウンタに9を入力する処理を実行して、現状の遊技進行状態(ベット待ち状態)からエラー状態にジャンプしたことを記憶してから、本ベット時判定処理を終了する。
ステップSn3704にてエラーコマンドではないと判定した場合、ステップSn3708にて、ステップSn2201にて受信したコマンドが他の遊技進行コマンドであるか否かを判定する。すなわち、ステップSn3708では、例えばステップSn2201にて受信したコマンドが開始操作時コマンド(開始操作待ち状態での遊技進行コマンド)である場合に肯定判定することとなる。他の遊技進行コマンドである場合には、ステップSn3709にて各種フラグ格納エリア183aにコマンド異常フラグをセットする処理を実行する。つまり、ベット時判定処理では、サブ制御装置180側ではベット待ち状態であると把握しているのにも関わらず、主制御装置101側からベット待ち状態に対応する遊技進行コマンド(ベット時コマンド)とは異なる遊技進行コマンドを受信した場合に、コマンド異常フラグをセットする。また、ステップSn3708にて否定判定した場合には、そのまま本ベット時判定処理を終了する。
ステップSn3709の処理を実行した後は、ステップSn3710にてコマンド異常フラグのセットの契機となった遊技進行コマンドが、開始操作時コマンド又は入賞時コマンドであるか否かを判定する。ステップSn3710にて肯定判定した場合には、ステップSn3711にて、受信した遊技進行コマンド(開始操作時コマンド又は入賞時コマンド)の格納処理を実行してから、本ベット時判定処理を終了する。ステップSn3710にて否定判定した場合には、そのまま本ベット時判定処理を終了する。これら開始操作時コマンドや入賞時コマンドを格納する意義については後に詳細に説明する。
<開始操作時判定処理>
次に開始操作時判定処理について、図1189のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSn3801では、ステップSn2201にて受信したコマンドが開始操作時コマンドであるか否かを判定する。開始操作時コマンドである場合、ステップSn3802にて開始操作時コマンドをコマンド格納エリア183cに格納する処理を実行する。ステップSn3802にて格納された開始操作時コマンドは、開始操作時演出設定処理(図1166)において再度読み出され、当該開始操作時コマンドに基づき開始操作時の各種演出が設定される。
その後、ステップSn3803にてコマンドカウンタに1加算する処理を実行して、現状の遊技進行状態(開始操作待ち状態)から次の遊技進行状態(回転開始待ち状態)に移行したことを記憶した後、本開始操作時判定処理を終了する。
ステップSn3801にて開始操作時コマンドではないと判定した場合、ステップSn3804にて、ステップSn2201にて受信したコマンドがいずれかのエラーコマンドであるか否かを判定する。エラーコマンドである場合、ステップSn3805にてエラーコマンドをコマンド格納エリア183cに格納する処理を実行する。その後、ステップSn3806にて、現状のコマンドカウンタの値を退避用エリア183dに記憶する処理を実行し、ステップSn3807にてコマンドカウンタに9を入力する処理を実行して、現状の遊技進行状態(開始操作待ち状態)からエラー状態にジャンプしたことを記憶してから、本開始操作時判定処理を終了する。
ステップSn3804にてエラーコマンドではないと判定した場合、ステップSn3808にて、ステップSn2201にて受信したコマンドが他の遊技進行コマンドであるか否かを判定する。他の遊技進行コマンドである場合には、ステップSn3809にてコマンド異常フラグをセットする処理を実行する。つまり、ベット時判定処理と同様に、開始操作時判定処理では、サブ制御装置180側では開始操作待ち状態であると把握しているのにも関わらず、主制御装置101側から開始操作待ち状態に対応する遊技進行コマンド(開始操作時コマンド)とは異なる遊技進行コマンドを受信した場合に、コマンド異常フラグをセットする。また、ステップSn3808にて否定判定した場合には、そのまま本開始操作時判定処理を終了する。
ステップSn3809の処理を実行した後は、ステップSn3810にてコマンド異常フラグのセットの契機となった遊技進行コマンドが、入賞時コマンドであるか否かを判定し、当該入賞時コマンドである場合には、ステップSn3811にて、受信した入賞時コマンドの格納処理を実行してから、本開始操作時判定処理を終了する。ステップSn3810にて否定判定した場合には、そのまま本開始操作時判定処理を終了する。
<回転開始時判定処理>
次に回転開始時判定処理について、図1190のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSn3901では、ステップSn2201にて受信したコマンドが回転開始時コマンドであるか否かを判定する。回転開始時コマンドである場合、ステップSn3902にて回転開始時コマンドをコマンド格納エリア183cに格納する処理を実行する。ステップSn3902にて格納された回転開始時コマンドは、回転開始時演出設定処理(図1167)において再度読み出され、当該回転開始時コマンドに基づき回転開始時の各種演出が設定される。
その後、ステップSn3903にてコマンドカウンタに1加算する処理を実行して、現状の遊技進行状態(回転開始待ち状態)から次の遊技進行状態(停止不可状態)に移行したことを記憶してから、本回転開始時判定処理を終了する。
ステップSn3901にて回転開始時コマンドではないと判定した場合は、他の判定処理と同様に、ステップSn3904にて、受信したコマンドがいずれかのエラーコマンドであるか否かを判定し、エラーコマンドである場合は、ステップSn3905にてエラーコマンドを格納し、ステップSn3906にて現状のコマンドカウンタの値を退避用エリア183dに記憶する処理を実行し、ステップSn3907にてコマンドカウンタに9を入力する処理を実行してから、本回転開始時判定処理を終了する。
また、ステップSn3904にてエラーコマンドではないと判定した場合、ステップSn3908にて、受信したコマンドが他の遊技進行コマンドであるか否かを判定し、他の遊技進行コマンドである場合には、ステップSn3909にてコマンド異常フラグをセットする処理を実行する。つまり、他の判定処理と同様に、回転開始時判定処理では、サブ制御装置180側では回転開始待ち状態であると把握しているのにも関わらず、主制御装置101側から回転開始待ち状態に対応する遊技進行コマンド(回転開始時コマンド)とは異なる遊技進行コマンドを受信した場合に、コマンド異常フラグをセットする。また、ステップSn3908にて否定判定した場合には、そのまま本回転開始時判定処理を終了する。
ステップSn3909の処理を実行した後は、ステップSn3710及びステップSn3711の処理と同様に、ステップSn3910にてコマンド異常フラグのセットの契機となった遊技進行コマンドが、開始操作時コマンド又は入賞時コマンドであるか否かを判定し、これらのコマンドである場合には、ステップSn3911にて、受信した遊技進行コマンド(開始操作時コマンド又は入賞時コマンド)の格納処理を実行してから、本回転開始時判定処理を終了する。ステップSn3910にて否定判定した場合には、そのまま本回転開始時判定処理を終了する。
<停止可能時判定処理>
次に停止可能時判定処理について、図1191のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSn4001では、ステップSn2201にて受信したコマンドが停止可能時コマンドであるか否かを判定する。停止可能時コマンドである場合、ステップSn4002にて停止可能時コマンドをコマンド格納エリア183cに格納する処理を実行する。ステップSn4002にて格納された停止可能時コマンドは、停止可能時演出設定処理(図1168)において再度読み出され、当該停止可能時コマンドに基づき停止可能時の各種演出が設定される。
その後、ステップSn4003にてコマンドカウンタに1加算する処理を実行して、現状の遊技進行状態(停止不可状態)から次の遊技進行状態(停止可能状態)に移行したことを記憶してから、本停止可能時判定処理を終了する。
ステップSn4001にて停止可能時コマンドではないと判定した場合は、他の判定処理と同様に、ステップSn4004にて、受信したコマンドがいずれかのエラーコマンドであるか否かを判定し、エラーコマンドである場合は、ステップSn4005にてエラーコマンドを格納し、ステップSn4006にて現状のコマンドカウンタの値を退避用エリア183dに記憶する処理を実行し、ステップSn4007にてコマンドカウンタに9を入力する処理を実行してから、本停止可能時判定処理を終了する。
また、ステップSn4004にてエラーコマンドではないと判定した場合、ステップSn4008にて、受信したコマンドが他の遊技進行コマンドであるか否かを判定し、他の遊技進行コマンドである場合には、ステップSn4009にてコマンド異常フラグをセットする処理を実行する。つまり、他の判定処理と同様に、停止可能時判定処理では、サブ制御装置180側では停止不可状態であると把握しているのにも関わらず、主制御装置101側から停止不可状態に対応する遊技進行コマンド(停止可能時コマンド)とは異なる遊技進行コマンドを受信した場合に、コマンド異常フラグをセットする。また、ステップSn4008にて否定判定した場合には、そのまま本停止可能時判定処理を終了する。
ステップSn4009の処理を実行した後は、ステップSn3710及びステップSn3711の処理と同様に、ステップSn4010にてコマンド異常フラグのセットの契機となった遊技進行コマンドが、開始操作時コマンド又は入賞時コマンドであるか否かを判定し、これらのコマンドである場合には、ステップSn4011にて、受信した遊技進行コマンド(開始操作時コマンド又は入賞時コマンド)の格納処理を実行してから、本停止可能時判定処理を終了する。ステップSn4010にて否定判定した場合には、そのまま本停止可能時判定処理を終了する。
<停止時判定処理>
次に、停止時判定処理について、図1192のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSn4101では、ステップSn2201にて受信したコマンドが停止時コマンドのうち停止ON時コマンドであるか否かを判定する。停止ON時コマンドである場合、ステップSn4102にて当該停止ON時コマンドに基づいて順序番号を把握する処理を実行する。順序番号は、一のゲームにおいて3つあるストップスイッチ42~44の停止ON操作が行われた順番に対応しており、主制御装置101側のリール制御処理(図1140)において当該順序番号の情報が含まれるように停止ON時コマンドの設定が行われる。
ステップSn4102にて順序番号を把握した後は、ステップSn4103にて各種カウンタエリア183bに設けられた順序カウンタを1加算する処理を実行する。順序カウンタはサブ制御装置180側のCPU181において一のゲームにおいて3つあるストップスイッチ42~44の停止ON操作が行われた順番を把握するためのカウンタであり、停止ON時コマンドを受信するたびに1ずつ加算されるカウンタである。そして、ステップSn4104にて、ステップSn4102にて把握した順序番号とステップSn4103にて加算した後の順序カウンタとが一致しているか否かを判定する。
主制御装置101側で管理している順序番号とサブ制御装置180側で管理している順序カウンタとが一致している場合とは、具体的には、例えば、順序番号が1であり且つ順序カウンタが1であって、一のゲームにおいて3つあるストップスイッチ42~44の最初の停止ON操作が行われた場合や、順序番号が2であり且つ順序カウンタが2であって、一のゲームにおいて3つあるストップスイッチ42~44の2番目の停止ON操作が行われた場合や、順序番号が3であり且つ順序カウンタが3であって、一のゲームにおいて3つあるストップスイッチ42~44の3番目の停止ON操作が行われた場合である。
ステップSn4104にて肯定判定した場合、ステップSn4105にて今回停止ON操作されたリールを把握する処理を実行する。そして、ステップSn4106にて、ステップSn4105にて把握したリールに対応する停止ONフラグが各種フラグ格納エリア183aにセットされているか否かを判定する。停止ONフラグとしては、各リール32L,32M,32Rに対応させて左リール用の停止ONフラグ、中リール用の停止ONフラグ、右リール用の停止ONフラグが設けられており、後述するように、停止ON時コマンドを受信した場合に対応するリールの停止ONフラグがセットされる構成としている。そして、通常であれば、ステップSn4106では、対応するリールの停止ONフラグはセット前であるため否定判定することになる。つまり、ステップSn4106の処理は、今回受信した停止ON時コマンドが、既に停止ON操作されたリールに対応するものであるかを判定する処理ともいえる。
ステップSn4106にて否定判定した場合、ステップSn4107にて、ステップSn4105にて把握したリールに対応するリールの停止済みフラグが各種フラグ格納エリア183aにセットされているか否かを判定する。停止済みフラグとしては、各リール32L,32M,32Rに対応させて左リール用の停止済みフラグ、中リール用の停止済みフラグ、右リール用の停止済みフラグが設けられており、後述するように、各リール32L,32M,32Rが停止したことを示すリール停止時コマンドを受信した場合に対応するリールの停止済みフラグがセットされる構成としている。そして、通常であれば、ステップSn4107では、対応するリールの停止済みフラグはセット前であるため否定判定することになる。つまり、ステップSn4107の処理は、今回受信した停止ON時コマンドが、既に停止済みのリールに対応するものであるかを判定する処理ともいえる。
ステップSn4107にて否定判定した場合、ステップSn4108にて対応するリールの停止ONフラグを各種フラグ格納エリア183aにセットする処理を実行する。そして、ステップSn4109にて、今回受信した停止ON時コマンドをコマンド格納エリア183cに格納する処理を実行してから、本停止時判定処理を終了する。ステップSn4109にて格納された停止ON時コマンドは、停止時演出設定処理(図1169)において再度読み出され、当該停止ON時コマンドに基づき停止ON操作時の各種演出が設定される。
ステップSn4101にて否定判定した場合、ステップSn4110に進む。ステップSn4110では、ステップSn2201にて受信したコマンドが停止時コマンドのうちリール停止時コマンドであるか否かを判定する。リール停止時コマンドである場合、ステップSn4111にて、今回停止したリールを把握する処理を実行する。そして、ステップSn4112にて、ステップSn4111にて把握したリールに対応する停止ONフラグがセットされているか否かを判定する。上記のように停止ONフラグは、停止ON操作された場合にセットされる構成としており、停止ON操作に基づいて対応するリールの停止駆動制御が行われることから、通常であれば、ステップSn4112では、今回停止したリールに対応する停止ONフラグがセットされていると判定(肯定判定)することになる。つまり、ステップSn4112の処理は、今回受信したリール停止時コマンドが、未だ停止ON操作が行われていないリールに対応するものであるかを判定する処理ともいえる。
ステップSn4112にて肯定判定した場合、ステップSn4113にて、ステップSn4111にて把握したリールに対応する停止済みフラグがセットされているか否かを判定する。上記のように停止済みフラグは、リール停止時にセットされる構成としており、通常であれば、ステップSn4113では、今回停止したリールに対応する停止済みフラグはセットされていないと判定(否定判定)することになる。つまり、ステップSn4113の処理は、今回受信したリール停止時コマンドが、既に停止済みのリールに対応するものであるかを判定する処理ともいえる。
ステップSn4113にて否定判定した場合、ステップSn4114にて今回受信したリール停止時コマンドに対応するリールの停止済みフラグを各種フラグ格納エリア183aにセットする処理を実行する。そして、ステップSn4115にて、今回受信したリール停止時コマンドをコマンド格納エリア183cに格納する処理を実行する。ステップSn4115にて格納されたリール停止時コマンドは、停止時演出設定処理(図1169)において再度読み出され、当該リール停止時コマンドに基づきリール停止時の各種演出が設定される。
ステップSn4115の処理を実行した後は、ステップSn4116にて、ステップSn4111にて把握したリールに対応する停止OFFフラグがセットされているか否かを判定する。停止OFFフラグとしては、各リール32L,32M,32Rに対応させて左リール用の停止OFFフラグ、中リール用の停止OFFフラグ、右リール用の停止OFFフラグが設けられており、後述するように、停止OFF時コマンドを受信した場合に対応するリールの停止OFFフラグがセットされる構成としている。上記のように、リールの停止駆動制御は停止ON操作に基づき行われ、停止OFF操作前にリールが停止することもある。ステップSn4116にて対応するリールの停止OFFフラグがセットされていない場合とは、停止OFF操作後に対応するリールが停止したことを意味する。ステップSn4116にて否定判定した場合は、そのまま本停止時判定処理を終了する。
ステップSn4110にて否定判定した場合、ステップSn4117に進む。ステップSn4117では、ステップSn2201にて受信したコマンドが停止時コマンドのうち停止OFF時コマンドであるか否かを判定する。停止OFF時コマンドである場合、ステップSn4118にて、今回停止したリールを把握する処理を実行する。そして、ステップSn4119にて、ステップSn4118にて把握したリールに対応する停止ONフラグがセットされているか否かを判定する。上記のように停止ONフラグは、停止ON操作された場合にセットされる構成としており、停止ON操作に基づいて対応するリールの停止駆動制御が行われることから、通常であれば、ステップSn4119では、今回停止OFF操作されたリールに対応する停止ONフラグがセットされていると判定(肯定判定)することになる。つまり、ステップSn4119の処理は、今回受信した停止OFF時コマンドが、未だ停止ON操作が行われていないリールに対応するものであるかを判定する処理ともいえる。
ステップSn4119にて肯定判定した場合、ステップSn4120にて、対応するリールの停止OFFフラグを各種フラグ格納エリア183aにセットする処理を実行する。ステップSn2140にて格納された停止OFF時コマンドは、停止時演出設定処理(図1167)において再度読み出され、当該停止OFF時コマンドに基づき停止OFF操作時の各種演出が設定される。

ステップSn4120の処理を実行した後は、ステップSn4121にて、受信している停止OFF時コマンドをコマンド格納エリア183cに格納する処理を実行する。
続くステップSn4122では、ステップSn4118にて把握したリールに対応する停止済みフラグがセットされているか否かを判定する。上記のように、リールの停止駆動制御は停止ON操作に基づき行われ、停止OFF操作前にリールが停止することもある。ステップSn4122にて対応するリールの停止済みフラグがセットされていない場合、すなわち、今回の停止OFF操作前に対応するリールが停止していない場合、そのまま本停止時判定処理を終了する。
ステップSn4122にて停止済みフラグがセットされており、今回の停止OFF操作前に対応するリールが停止している場合、ステップSn4123に進む。また、上記のステップSn4116にてリール停止時コマンド受信時に、対応するリールの停止OFFフラグがセットされている場合も、ステップSn4123に進む。つまり、停止OFF操作が行われ、且つ対応するリールが停止している場合にステップSn4123以降の処理が行われる。
ステップSn4123では、対応するリールの停止ONフラグをクリアする処理を実行する。続くステップSn4124では、対応するリールの停止OFFフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSn4125では、対応するリールの停止済みフラグをクリアする処理を実行する。ステップSn4123~ステップSn4125にて各フラグのクリア処理を実行した後は、ステップSn4126にて各種カウンタエリア183bに設けられた停止カウンタに1を加算する処理を実行する。一のリール(ストップスイッチ)に対する停止ON時コマンド、停止OFF時コマンド、及びリール停止時コマンドをセットで受信した場合に停止カウンタに1が加算される構成としている。つまり、停止カウンタは、正規な操作によって停止したリール数をCPU181が把握するためのカウンタである。
そして、ステップSn4127にて停止カウンタが3(全リール数)となったか否かを判定し、停止カウンタが3ではない場合には、そのまま本停止時判定処理を終了する。
停止カウンタが3となった場合には、ステップSn4128にて停止カウンタを初期値である0にクリアする処理を実行する。その後、ステップSn4129にてコマンドカウンタに1加算する処理を実行して、現状の遊技進行状態(停止待ち状態)から次の遊技進行状態(入賞結果待ち状態)に移行したことを記憶してから、本停止時判定処理を終了する。
ステップSn4117にて停止OFF時コマンドではないと判定した場合、ステップSn4130にて、ステップSn2201にて受信したコマンドがいずれかのエラーコマンドであるか否かを判定する。エラーコマンドである場合、ステップSn4131にてエラーコマンドをコマンド格納エリア183cに格納する処理を実行する。その後、ステップSn4132にて現状のコマンドカウンタの値を退避用エリア183dに記憶する処理を実行し、ステップSn4133にてコマンドカウンタに9を入力する処理を実行して、現状の遊技進行状態(停止待ち状態)からエラー状態にジャンプしたことを記憶してから、本停止時判定処理を終了する。
ステップSn4130にてエラーコマンドではないと判定した場合、ステップSn4134にて、ステップSn2201にて受信したコマンドが他の遊技進行コマンドであるか否かを判定する。他の遊技進行コマンドである場合には、ステップSn4135にてコマンド異常フラグをセットする処理を実行する。つまり、他の判定処理と同様に、停止時判定処理では、サブ制御装置180側では停止待ち状態であると把握しているのにも関わらず、主制御装置101側から停止待ち状態に対応する遊技進行コマンド(停止ON時コマンド、停止OFF時コマンド、リール停止時コマンド)とは異なる遊技進行コマンドを受信した場合に、コマンド異常フラグをセットする。
さらに、停止時判定処理では、停止ON時コマンドを受信した場合において、順序番号と順序カウンタとが一致しない場合(ステップSn4104:NO)や、既に停止ONフラグがセットされているリールに対応する停止ON時コマンドである場合(ステップSn4106:YES)、既に停止しているリール(停止済みフラグがセットされているリール)に対応する停止ON時コマンドである場合(ステップSn4107:YES)も、ステップSn4135に進んでコマンド異常フラグをセットする。
また、停止時判定処理では、リール停止時コマンドを受信した場合において、停止ON操作が行われていないリールに対応するリール停止時コマンドである場合(ステップSn4112:NO)や、既に停止しているリールに対応するリール停止時コマンドである場合(ステップSn4113:YES)も、ステップSn4135に進んでコマンド異常フラグをセットする。
加えて、停止時判定処理では、停止OFF時コマンドを受信した場合において、停止ON操作が行われていないリールに対応する停止OFF時コマンドである場合(ステップSn4119:NO)にも、ステップSn4135に進んでコマンド異常フラグをセットする。
つまり、本実施形態では、停止時判定処理において、今回の遊技進行状況とは異なる遊技進行状況に対応するコマンドを受信した場合だけでなく、停止ON操作、停止OFF操作及びリール停止を1セットとする正規のリール停止が行われなかった場合にも、コマンド異常フラグをセットする構成としている。
ステップSn4135にてコマンド異常フラグをセットした後は、ステップSn3710及びステップSn3711の処理と同様に、ステップSn4136にてコマンド異常フラグのセットの契機となった遊技進行コマンドが、開始操作時コマンド又は入賞時コマンドであるか否かを判定し、これらのコマンドである場合には、ステップSn4137にて、受信した遊技進行コマンド(開始操作時コマンド又は入賞時コマンド)の格納処理を実行してから、本停止時判定処理を終了する。ステップSn4136にて否定判定した場合には、そのまま本停止時判定処理を終了する。また、ステップSn4134にて否定判定した場合にも、そのまま本停止時判定処理を終了する。
<入賞時判定処理>
次に、入賞時判定処理について、図1193のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSn4201では、ステップSn2201にて受信したコマンドがいずれかの入賞時コマンドであるか否かを判定する。入賞時コマンドである場合、ステップSn4202にて入賞時コマンドをコマンド格納エリア183cに格納する処理を実行する。ステップSn4202にて格納された入賞時コマンドは、入賞時演出設定処理(図1169)において再度読み出され、当該入賞時コマンドに基づき入賞時の各種演出が設定される。
その後、ステップSn4203にてコマンドカウンタに1加算する処理を実行して、現状の遊技進行状態(入賞結果待ち状態)から次の遊技進行状態(払出開始待ち状態)に移行したことを記憶する。続くステップSn4204では、受信した入賞時コマンド(特に入賞結果コマンド)に基づいて、今回のゲームで払出が発生するか否か(いずれかの小役入賞が成立したか否か)を判定する。払出が発生する場合には、上記ステップSn4203にて設定した遊技進行状態(払出開始待ち状態)のままで本入賞時判定処理を終了する。払出が発生しない場合には、ステップSn4205にてコマンドカウンタに1を入力する処理を実行して、遊技進行状態がベット待ち状態に移行したこと(今回のゲームが終了したこと)を記憶してから、本入賞時判定処理を終了する。
ちなみに、払出が発生しない場合においては、遊技進行状態としてはベット待ち状態に移行するため、サブ制御装置180は、ベット待ち状態に対応する演出(例えば、クレジット投入スイッチ56のクレジットランプ56bをベット待ち状態に対応する点灯色にて点灯させる演出)が行われるように制御する。
ステップSn4201にて入賞時コマンドではないと判定した場合は、他の判定処理と同様に、ステップSn4206にて、受信したコマンドがいずれかのエラーコマンドであるか否かを判定し、エラーコマンドである場合は、ステップSn4207にてエラーコマンドを格納し、ステップSn4208にて現状のコマンドカウンタの値を退避用エリア183dに記憶する処理を実行し、ステップSn4209にてコマンドカウンタに9を入力する処理を実行してから、本入賞時判定処理を終了する。
また、ステップSn4206にてエラーコマンドではないと判定した場合、ステップSn4210にて、受信したコマンドが他の遊技進行コマンドであるか否かを判定し、他の遊技進行コマンドである場合には、ステップSn4211にてコマンド異常フラグをセットする処理を実行する。つまり、他の判定処理と同様に、入賞時判定処理では、サブ制御装置180側では入賞結果待ち状態であると把握しているのにも関わらず、主制御装置101側から入賞結果待ち状態に対応する遊技進行コマンド(入賞時コマンド)とは異なる遊技進行コマンドを受信した場合に、コマンド異常フラグをセットする。また、ステップSn4210にて否定判定した場合には、そのまま本入賞時判定処理を終了する。
ステップSn4211の処理を実行した後は、ステップSn4212にてコマンド異常フラグのセットの契機となった遊技進行コマンドが、開始操作時コマンドであるか否かを判定し、開始操作時コマンドである場合には、ステップSn4213にて、受信した開始操作時コマンドの格納処理を実行してから、本入賞時判定処理を終了する。ステップSn4212にて否定判定した場合には、そのまま本入賞時判定処理を終了する。
<払出開始時判定処理>
次に払出開始時判定処理について、図1194のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSn4301では、ステップSn2201にて受信したコマンドが払出開始時コマンドであるか否かを判定する。払出開始時コマンドである場合、ステップSn4302にて払出開始時コマンドをコマンド格納エリア183cに格納する処理を実行する。ステップSn4302にて格納された払出開始時コマンドは、払出開始時演出設定処理(図1170)において再度読み出され、当該払出開始時コマンドに基づき払出開始時の各種演出が設定される。
その後、ステップSn4303にてコマンドカウンタに1加算する処理を実行して、現状の遊技進行状態(払出開始待ち状態)から次の遊技進行状態(払出状態)に移行したことを記憶してから、本払出開始時判定処理を終了する。
ステップSn4301にて払出開始時コマンドではないと判定した場合は、他の判定処理と同様に、ステップSn4304にて、受信したコマンドがいずれかのエラーコマンドであるか否かを判定し、エラーコマンドである場合は、ステップSn4305にてエラーコマンドを格納し、ステップSn4306にて現状のコマンドカウンタの値を退避用エリア183dに記憶する処理を実行し、ステップSn4307にてコマンドカウンタに9を入力する処理を実行してから、本払出開始時判定処理を終了する。
また、ステップSn4304にてエラーコマンドではないと判定した場合、ステップSn4308にて、受信したコマンドが他の遊技進行コマンドであるか否かを判定し、他の遊技進行コマンドである場合には、ステップSn4309にてコマンド異常フラグをセットする処理を実行する。つまり、他の判定処理と同様に、払出開始時判定処理では、サブ制御装置180側では払出開始待ち状態であると把握しているのにも関わらず、主制御装置101側から払出開始待ち状態に対応する遊技進行コマンド(払出開始時コマンド)とは異なる遊技進行コマンドを受信した場合に、コマンド異常フラグをセットする。また、ステップSn4308にて否定判定した場合には、そのまま本払出開始時判定処理を終了する。
ステップSn4309の処理を実行した後は、ステップSn3710及びステップSn3711の処理と同様に、ステップSn4310にてコマンド異常フラグのセットの契機となった遊技進行コマンドが、開始操作時コマンド又は入賞時コマンドであるか否かを判定し、これらのコマンドである場合には、ステップSn4311にて、受信した遊技進行コマンド(開始操作時コマンド又は入賞時コマンド)の格納処理を実行してから、本払出開始時判定処理を終了する。ステップSn4310にて否定判定した場合には、そのまま本払出開始時判定処理を終了する。
<払出終了時判定処理>
次に払出終了時判定処理について、図1195のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSn4401では、ステップSn2201にて受信したコマンドが払出終了時コマンドであるか否かを判定する。払出終了時コマンドである場合、ステップSn4402にて払出終了時コマンドをコマンド格納エリア183cに格納する処理を実行する。ステップSn4402にて格納された払出終了時コマンドは、払出終了時演出設定処理(図1171)において再度読み出され、当該払出終了時コマンドに基づき払出終了時の各種演出が設定される。
その後、ステップSn4403にてコマンドカウンタに1を入力する処理を実行して、遊技進行状態がベット待ち状態に移行したこと(今回のゲームが終了したこと)を記憶してから、本払出終了時判定処理を終了する。
ステップSn4401にて払出終了時コマンドではないと判定した場合は、他の判定処理と同様に、ステップSn4404にて、受信したコマンドがいずれかのエラーコマンドであるか否かを判定し、エラーコマンドである場合は、ステップSn4405にてエラーコマンドを格納し、ステップSn4406にて現状のコマンドカウンタの値を退避用エリア183dに記憶する処理を実行し、ステップSn4407にてコマンドカウンタに9を入力する処理を実行してから、本払出終了時判定処理を終了する。
また、ステップSn4404にてエラーコマンドではないと判定した場合、ステップSn4408にて、受信したコマンドが他の遊技進行コマンドであるか否かを判定し、他の遊技進行コマンドである場合には、ステップSn4409にてコマンド異常フラグをセットする処理を実行する。つまり、他の判定処理と同様に、払出終了時判定処理では、サブ制御装置180側では払出状態であると把握しているのにも関わらず、主制御装置101側から払出状態に対応する遊技進行コマンド(払出終了時コマンド)とは異なる遊技進行コマンドを受信した場合に、コマンド異常フラグをセットする。また、ステップSn4408にて否定判定した場合には、そのまま本払出終了時判定処理を終了する。
ステップSn4409の処理を実行した後は、ステップSn3710及びステップSn3711の処理と同様に、ステップSn4410にてコマンド異常フラグのセットの契機となった遊技進行コマンドが、開始操作時コマンド又は入賞時コマンドであるか否かを判定し、これらのコマンドである場合には、ステップSn4411にて、受信した遊技進行コマンド(開始操作時コマンド又は入賞時コマンド)の格納処理を実行してから、本払出終了時判定処理を終了する。ステップSn4410にて否定判定した場合には、そのまま本払出終了時判定処理を終了する。
ちなみに、メダルの払出が終了した後は、遊技進行状態としてはベット待ち状態に移行するため、サブ制御装置180は、ベット待ち状態に対応する演出(例えば、クレジット投入スイッチ56のクレジットランプ56bをベット待ち状態に対応する点灯色にて点灯させる演出)が行われるように制御する。
<エラー判定処理>
次に、エラー判定処理について、図1196のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSn4501では、ステップSn2201にて受信したコマンドがエラー解消コマンドであるか否かを判定する。エラー解消コマンドは、主制御装置101側でエラー状態が解消した場合に出力されるコマンドである。エラー解消コマンドである場合には、ステップSn4502にて、実行中のエラー報知を終了させる処理を実行する。そして、ステップSn4503にて、退避用エリア183dに記憶しているエラー状態発生前のコマンドカウンタの値を読み出す処理を実行し、ステップSn4504にて当該読み出した値をコマンドカウンタに入力する処理を実行してから、本エラー判定処理を終了する。この処理によって、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態が、エラー状態から当該エラー状態前の状態に移行することになる。
ステップSn4501にてエラー解消コマンドではないと判定した場合、ステップSn4505にていずれかの遊技進行コマンドであるか否かを判定する。本実施形態では、いずれのエラー状態においても当該エラー状態が解消するまで遊技を進行させることができないようになっており、サブ制御装置180側でエラー状態と把握しているのにも関わらず、いずれかの遊技進行コマンドを受信する場合とは、主制御装置101からのエラー解消コマンドを受信できていない可能性が高い。そこで、ステップSn4505にてエラー解消前に遊技進行コマンドを受信している場合、ステップSn4506にてコマンド異常フラグをセットする処理を実行する。また、ステップSn4505にて遊技進行コマンドを受信していない場合には、そのまま本エラー判定処理を終了する。
ステップSn4506の処理を実行した後は、ステップSn3710及びステップSn3711の処理と同様に、ステップSn4507にてコマンド異常フラグのセットの契機となった遊技進行コマンドが、開始操作時コマンド又は入賞時コマンドであるか否かを判定し、これらのコマンドである場合には、ステップSn4508にて、受信した遊技進行コマンド(開始操作時コマンド又は入賞時コマンド)の格納処理を実行してから、本エラー時判定処理を終了する。ステップSn4507にて否定判定した場合には、そのまま本エラー時判定処理を終了する。
<各遊技進行コマンドに基づく演出と遊技進行状態の移行について>
図1197~図1205を参照しながら、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態と、当該状態中に遊技進行コマンドを受信した場合の演出や、当該遊技進行コマンドに基づいて移行する遊技進行状態について説明する。
図1197(a)に示すように、コマンドカウンタが1であり、サブ制御装置180側でベット待ち状態であると把握している状況において、遊技進行コマンドとして主制御装置101からベット時コマンドが出力されると、サブ制御装置180側では上記ベット時判定処理にて説明したように、コマンドカウンタは2とされて遊技進行状態は開始操作待ち状態に移行する。この場合、当該遊技進行状態の移行契機となったベット時コマンドに基づいて、図1197(b)~図1197(d)に示すように、ベット時演出設定処理にてベット時演出を実行するための処理が行われる。図では3ベット用のベット時演出が実行された状況を示しており、具体的には、第1ベット表示部34aが点灯するとともにその効果音が出力され(図1197(b))、その後、第2ベット表示部34bが点灯するとともにその効果音が出力され(図1197(c))、その後、第3ベット表示部34cが点灯するとともにその効果音が出力されることで、3枚のベットが行われたことに対応する3ベット用のベット時演出が行われる。
図1198(a)に示すように、コマンドカウンタが2であり、サブ制御装置180側で開始操作待ち状態であると把握している状況において、スタートレバー41が操作されて遊技進行コマンドとして主制御装置101から開始操作時コマンドが出力されると、サブ制御装置180側では、上記開始操作時判定処理にて説明したように、コマンドカウンタは3とされて遊技進行状態は回転開始待ち状態に移行する。この場合、当該遊技進行状態の移行契機となった開始操作時コマンドに基づいて、図1198(b)に示すように、開始操作時演出設定処理にて開始操作時演出を実行するための処理が行われる(図では開始操作後、回転開始前にウェイト表示部35が点灯状態とされる状況を示している)。なお、主制御装置101側の処理として指示モニタとしての払出枚数表示部62での押し順報知が開始操作に基づき実行される。
図1199(a)に示すように、コマンドカウンタが3であり、サブ制御装置180側で回転開始待ち状態であると把握している状況において、ウェイト期間が経過して各リール32L,32M,32Rの回転が開始されて遊技進行コマンドとして主制御装置101から回転開始時コマンドが出力されると、サブ制御装置180側では、上記回転開始時判定処理にて説明したように、コマンドカウンタは4とされて遊技進行状態は停止不可状態に移行する。この場合、当該遊技進行状態の移行契機となった回転開始時コマンドに基づいて、図1199(b)に示すように、回転開始時演出設定処理にて回転開始時演出を実行するための処理が行われる(図では開始操作時に設定された押し順報知演出が、回転開始時に実行される状況や、回転開始前に点灯状態とされていたウェイト表示部35が消灯状態とされる状況を示している)。
図1200(a)に示すように、コマンドカウンタが4であり、サブ制御装置180側で停止不可状態であると把握している状況において、各リール32L,32M,32Rの回転が定速回転に達した場合(タイミングTA)、遊技進行コマンドとして主制御装置101から停止可能時コマンドが出力され、サブ制御装置180側では、上記停止可能時判定処理にて説明したように、コマンドカウンタは5とされて遊技進行状態は停止待ち状態に移行する。この場合、当該遊技進行状態の移行契機となった停止可能時コマンドに基づいて、図1200(b)に示すように、停止可能時演出設定処理にて停止可能時演出を実行するための処理が行われる(図では、ストップランプ42b~44bの点灯色が変更され停止可能となったことの報知が行われている状況を示している)。
図1201(a)に示すように、コマンドカウンタが5であり、サブ制御装置180側で停止待ち状態であると把握している状況において、第3リールの停止ON操作が行われて3番目のリールの停止制御が行われた場合、主制御装置101側からは停止ON時コマンドが出力される。サブ制御装置180側では、当該停止ON時コマンドに基づいて停止ON操作時演出を実行する。例えば、今回のゲームの抽選結果が特定役としてのスイカ当選であり、回転開始時演出としてチャンス演出が実行されている場合、今回の停止ON操作時演出として、右リール32Rに対応する第3チャンスキャラクタC3を非表示とする演出が行われる。
停止待ち状態においては、当該3番目の停止ON時コマンドを受信しただけでは、サブ制御装置180側の遊技進行状態は停止待ち状態のままであり、当該第3リールが停止し、且つ当該第3リールの停止OFF操作が行われた場合、すなわち、最終リールの停止ON時コマンド、停止OFF時コマンド及びリール停止時コマンドをセットで受信した場合に、サブ制御装置180側で遊技進行状態が入賞結果待ち状態に移行する(図1201(b))。
図1202(a)に示すように、コマンドカウンタが6であり、サブ制御装置180側で入賞結果待ち状態であると把握している状況において、主制御装置101におけるリール制御処理がステップSn522以降の処理に進む(全リール32L,32M,32Rが停止し、且つ全ストップスイッチ42~44について停止OFF操作が行われたと判定する)と、主制御装置101側から入賞時コマンドが出力される。サブ制御装置180側では、上記入賞時判定処理にて説明したように、コマンドカウンタは7とされて遊技進行状態は払出開始待ち状態に移行する。この場合、当該遊技進行状態の移行契機となった入賞時コマンドに基づいて、図1202(b)に示すように、入賞時演出設定処理にて入賞時演出を実行するための処理が行われる(図では、入賞時演出として、スイカ入賞に対応する「GET+3」との表示が補助表示部65にて行われ、「ゲットー」という効果音がスピーカ64から出力される状況を示している)。
本実施形態では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル等の押し順役であって、今回のゲームにて押し順報知演出を実行している場合、入賞時演出の実行契機が上記図1201及び図1202の場合と異なっている。
すなわち、図1203(a)に示すように、コマンドカウンタが5であり、サブ制御装置180側で停止待ち状態であると把握している状況において、第3リールの停止ON操作が行われて3番目のリールの停止制御が行われた場合、上記図1201の場合と同様に、主制御装置101側からは停止ON時コマンドが出力される。サブ制御装置180側では、当該停止ON時コマンドに基づいて停止ON操作時演出を実行する。今回のゲームの抽選結果が押し順ベルであり、押し順報知演出を実行しており、操作順序は押し順報知演出の示す操作順序に対応しているため、今回の停止ON操作時演出としては操作対応演出(3番目の操作順序を示す第3指示キャラクタS3を非表示とする演出)が行われる。
上記のように、停止待ち状態において、第3リールが停止し、且つ当該第3リールの停止OFF操作が行われた場合、すなわち、最終リールの停止ON時コマンド、停止OFF時コマンド及びリール停止時コマンドをセットで受信した場合に、サブ制御装置180側で遊技進行状態が入賞結果待ち状態に移行する。押し順報知演出を実行しているゲームにおいては、停止時演出設定処理にて当該入賞結果待ち状態への移行契機となる停止時コマンド(停止OFF時コマンド又はリール停止時コマンド)に基づいて、図1203(b)に示すように、入賞時演出を実行するための処理が行われる(図では、入賞時演出として、ベル入賞に対応する「GET+13」との表示が補助表示部65にて行われ、「ゲットー」という効果音がスピーカ64から出力される状況を示している)。つまり、押し順報知演出を実行しているゲームにおいては、入賞時コマンドを受信する前に(入賞時コマンドを契機とすることなく)、入賞時演出が実行される。
図1204(a)に示すように、コマンドカウンタが6であり、サブ制御装置180側で入賞結果待ち状態であると把握している状況において、主制御装置101におけるリール制御処理がステップSn522以降の処理に進む(全リール32L,32M,32Rが停止し、且つ全ストップスイッチ42~44について停止OFF操作が行われたと判定する)と、主制御装置101側から入賞時コマンドが出力される。サブ制御装置180側では、上記入賞時判定処理しにて説明したように、コマンドカウンタは7とされて遊技進行状態は払出開始待ち状態に移行する。ただし、上記のように押し順報知演出を実行していたゲームでは、入賞時コマンドを契機とすることなく入賞時演出を実行しているため、図1204(b)に示すように、遊技進行状態の移行契機となった入賞時コマンドでは、入賞時演出を実行するための処理は行われない。なお、本実施形態では、入賞時コマンドを受信した場合に、それ以前に開始されている入賞時演出を継続するようにしている。
つまり、本実施形態では、押し順報知演出を実行しているゲームにおいては、入賞時コマンドを受信する前に(入賞時コマンドを契機とすることなく)、入賞時演出を設定し、更にその入賞時演出を実行するようにしており、より詳しくは、押し順報知演出を実行しているゲームにおいては、当該押し順報知演出にて報知している操作順序に対応する順序でストップスイッチ42~44の操作が行われた場合に、当該操作を示す停止時コマンドに基づいて入賞時演出を実行する構成としている。このようにすることで、押し順報知演出を実行しているゲームにおいて、入賞時演出を行うための準備用の処理等を、入賞時コマンドを受信するまで待つ必要がなくなり、押し順報知演出から続けて入賞時演出を実行する場合の処理をよりスムーズに進行させることが可能となるし、処理負荷の低減も図ることが可能となる。
ここで、停止待ち状態から入賞結果待ち状態に移行する契機となる停止OFF時コマンドやリール停止時コマンドと、入賞結果待ち状態から払出開始待ち状態に移行する契機となる入賞時コマンドと、は、いずれも遊技者による同じ操作を契機とするものである。そのため、第3リールの停止OFF時コマンドやリール停止時コマンドを受信した後、入賞時コマンドを受信するまでに時間的な猶予はほぼなく、上記のように第3リールの停止OFF時コマンドやリール停止時コマンドに基づいて入賞時演出を実行するようにしたとしても、遊技者はそれに気づくことは困難であり、違和感なく演出を楽しませることが可能である。
特に、押し順ベルは、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによって入賞の有無が変化する小役(いわゆる取りこぼしがある小役)とは異なり、ストップスイッチ42~44の操作順序が押し順報知演出にて示す操作順序であれば、対応する第1小役~第6小役の入賞が成立するように設定されているため、入賞時コマンドの設定契機となる払出判定処理やボーナス状態処理等を経ることなく、入賞の有無を主制御装置101のCPU102やサブ制御装置180のCPU181が判断可能である。つまり、押し順ベル当選ゲームにおける上記の入賞時演出を実行する構成は、主制御装置101側の判定処理(入賞判定等)を経ることなく、主制御装置101側の判定処理が行われた場合のその判定結果に対応する演出をサブ制御装置180側で実行する構成であり、サブ制御装置180において、主制御装置101側の判定処理の判定結果を事前に把握して、その把握結果に対応する演出を行う構成である。このように、複数の制御装置によって遊技進行と演出とを並行して実行する遊技機において、一方の制御装置における処理の結果を待たず、当該制御装置の処理の結果を、それまでの処理から予測(把握)し、その処理結果に対応する処理を事前に行う構成とすることで、制御装置間の確認作業(コマンドのやり取り)を待って対応する処理を実行する構成と比較して、処理スピードを圧倒的に向上させることが可能となる。
この場合、特に押し順ベル等の押し順役当選ゲームにおいては、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時コマンド(入賞結果コマンド)の出力を省略する構成としてもよい。つまり、主制御装置101側のリール制御処理(図1140)において、リール停止時コマンドや停止OFF時コマンドを出力する際に、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選であり、押し順報知を実行していること、及び、ストップスイッチ42~44の操作順序が、押し順報知の示す操作順序に対応するものであることと、を判定したうえで、リール停止時コマンドや停止OFF時コマンドにその判定結果の情報を含ませるようにし、そのうえで、入賞時コマンド(入賞結果コマンド)の出力を行わない構成としてもよい。このようにすることで、押し順ベル当選ゲームで、主制御装置101からサブ制御装置180へ出力するコマンド数を少なくすることが可能である。
ただし、上記のようにすると、リール制御処理において抽選結果や押し順報知の有無、操作順序を把握する処理を行うようにすることによる処理構成の複雑化が懸念されるだけでなく、ゲームの抽選結果に応じて入賞時コマンドの出力の有無を異ならせることとなるため、処理の場合分けが複雑化し、処理エラーの発生率が高くなることも考えられる。その点、本実施形態のように、抽選結果等に関わらず、主制御装置101から入賞結果コマンドが出力される構成とすることで、主制御装置101側の処理構成の複雑化を生じさせないようにすることが可能となるし、主制御装置101側からの遊技進行用のコマンドに基づいて遊技進行状態を把握するサブ制御装置180側の処理構成の複雑化も生じさせないようにすることが可能となる。
図1205(a)に示すように、コマンドカウンタが7であり、サブ制御装置180側で払出開始待ち状態であると把握しており、補助表示部65等にて入賞時演出を実行している状況において、主制御装置101から遊技進行コマンドとして払出開始時コマンドが出力されると、サブ制御装置180側では、上記払出開始時判定処理にて説明したように、コマンドカウンタは8とされて遊技進行状態は払出状態に移行する。この場合、当該遊技進行状態の移行契機となった払出開始時コマンドに基づいて、図1205(b)に示すように、払出開始時演出設定処理にて払出演出を実行するための処理が行われる(図では、クレジットカウンタが上限値(50)となったことを条件に、メダル排出口49からメダルが払い出される様子を示している。なお、払出演出は、クレジットカウンタの増加だけでも実行されるし、クレジットカウンタの増加に続けてメダルの払出が行われる場合には、クレジットカウンタの増加開始時から払出演出が開始される)。その後、メダル払出が終了すると、払出終了時コマンドが主制御装置101から出力され、サブ制御装置180側では実行中の払出演出を終了するとともに、コマンドカウンタを初期値である1にリセットし、遊技進行状態をベット待ち状態に移行させる。
以上のように、本実施形態では、主制御装置101からの遊技進行コマンドに基づいて、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態の移行が行われ、更に、当該遊技進行状態の移行の契機となった遊技進行コマンドに基づいて、サブ制御装置180側の演出設定が行われる。このようにすることで、遊技進行状態を、主制御装置101とサブ制御装置180とで同期させるために別途コマンドを設定する構成と比較して、コマンド数の削減を図ることが可能となる。また、従来からある演出用のコマンドを用いて遊技進行状態の同期を図るようにしているため、新たな構成を追加する必要がなく比較的簡素な構成にて主制御装置101とサブ制御装置180との同期を図ることが可能となる。
遊技進行状態の同期を図るための遊技進行コマンドは、遊技者の操作を契機として出力されるものとしている。つまり、ベット待ち状態において次の開始操作待ち状態に移行したとサブ制御装置180が判定する遊技進行コマンドは、遊技者によるベット操作に基づくベット時コマンドであり、開始操作待ち状態において次の回転開始待ち状態に移行したとサブ制御装置180が判定する遊技進行コマンドは、遊技者によるスタートレバー41の開始操作に基づく開始操作時コマンドであり、停止待ち状態において次の入賞結果待ち状態に移行したとサブ制御装置180が判定する遊技進行コマンドは、遊技者によるストップスイッチ42~44の停止操作(停止ON操作、停止OFF操作)に基づく停止時コマンドである。
また、回転開始待ち状態において次の停止不可状態に移行したとサブ制御装置180が判定する遊技進行コマンドは、上記の遊技者による開始操作に基づいて各リール32L,32M,32Rの回転を開始する場合に出力される回転開始時コマンドであり、停止不可状態において次の停止待ち状態に移行したとサブ制御装置180が判定する遊技進行コマンドも、上記開始操作に基づいて開始した各リール32L,32M,32Rの回転の速度が定速に至った場合に出力される停止可能時コマンドである。そして、入賞結果待ち状態において次の払出開始待ち状態に移行したとサブ制御装置180が判定する遊技進行コマンドは、上記の遊技者による停止操作に基づいて全リール32L,32M,32Rが停止した場合に入賞判定を経て出力される入賞時コマンドであり、払出開始待ち状態において次の払出状態に移行したとサブ制御装置180が判定する遊技進行コマンドも、上記停止操作に基づいて行われる入賞判定を経て出力される払出開始時コマンドであり、払出状態が終了した(次のベット待ち状態に移行した)とサブ制御装置180が判定する遊技進行コマンドも、上記停止操作に基づいて開始されるメダル払出制御が終了した場合に出力される払出終了時コマンドである。
このように遊技者の操作に基づき遊技が進行するスロットマシン10において、遊技者の操作に基づいて両制御装置101,180の同期が図られる構成とすることで、両制御装置101,180の同期を図るべきタイミングを遊技機側で管理する必要が生じず、構成の簡素化が図られるし、例えば、遊技者による遊技(操作)が行われていない場合にも同期を図るような構成と比較して、無駄な構成を排除することも可能となる。
<両制御装置101,180の同期がとれない状態について>
上記のように、本実施形態では、両制御装置101,180の遊技進行状態の同期(より詳しくは、サブ制御装置180における主制御装置101との同期)を、主制御装置101から出力される遊技進行コマンドに基づいて行う構成としている。これらの遊技進行コマンドは、主制御装置101側の各コマンドを設定する処理にて設定され、タイマ割込み処理のコマンド出力処理にてサブ制御装置180へ出力される。上記のように、主制御装置101とサブ制御装置180とは、主制御装置101の入出力ポート104における主側端子CN1と、サブ制御装置180の入出力ポートにおけるサブ側端子CN2とがハーネスHを介して接続されており、上記の遊技進行コマンドもハーネスHを介して主制御装置101からサブ制御装置180へ出力されることになる。
このような構成において、例えば、ハーネスHの短絡や、主側端子CN1やサブ側端子CN2からの抜け等が生じている等の物理的な異常が生じている場合、主制御装置101から出力される遊技進行コマンドはサブ制御装置180では受信することができず、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態は主制御装置101側の遊技進行状態とは異なる状態となり得るし、更に、主制御装置101側のコマンド設定時の処理エラー、コマンド出力時の処理エラー、サブ制御装置180側のコマンド受信時の処理エラー、コマンド読み出し時の処理エラー等の内部処理的な異常が生じている場合にも、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態は主制御装置101側の遊技進行状態とは異なる状態となり得る。
以下、このように主制御装置101側とサブ制御装置180側との同期が図れない状況(同期異常)での処理について、説明する。
<電源投入時の同期異常>
上記のように、スロットマシン10の電源が投入されると、主制御装置101ではメイン処理(図1135)が起動され、サブ制御装置180では表示メイン処理(図1163)が起動される。主制御装置101側のメイン処理では、初期化処理や当選確率設定処理等の後、立ち上げ時コマンドの出力が行われ(ステップSn208)、サブ制御装置180側の表示メイン処理では、サブ制御装置180側の初期化処理を行った後、当該立ち上げ時コマンドを受信していることを条件として、通常遊技演出設定用の各種処理(ステップSn2103~ステップSn2111)へ進む構成としている。
サブ制御装置180側の表示メイン処理において、主制御装置101からの立ち上げ時コマンドを受信していない場合(ステップSn2102;NO)、ステップSn2112にてエラー報知処理を実行し、上記遊技演出設定用の各種処理を行うことなくステップSn2112にてループする構成としている。ステップSn2112のエラー報知処理では、図1206(a)に示すように、補助表示部65にて、エラー報知(特定報知)として、両制御装置101,180の接続関係に異常が生じている旨を示す接続エラー第1キャラクタSEP1による報知(第1特定報知、図では、「接続エラー!!」という文字表示を行う例を示している)とともに、エラーの対処(ハーネスHの再接続等)を行った後、スロットマシン10の電源を再投入すべき旨を示す接続エラー第2キャラクタSEP2による報知(第2特定報知、図では、「主制御装置とサブ制御装置との接続を確認し、電源を入れなおして下さい。」という文字表示を行う例を示している)が行われるように設定されている。
また、エラー報知処理では、上記のエラー報知(特定報知)として、スピーカ64にてエラー効果音(例えば、「エラー発生!!」という音声)が繰り返し出力されるようにするための処理を行う。
主制御装置101側からのコマンド、特に、通り立ち上げ時コマンドを受信していない場合とは、主制御装置101とサブ制御装置180とのハーネスHによる接続が行われていない場合(より詳しくは、例えば主側端子CN1とハーネスHとの接続が行われていなかったり、サブ側端子CN2とハーネスHとの接続が行われていなかったりする場合)や、上記主制御装置101とサブ制御装置180との接続に短絡等が生じている場合(より詳しくは、ハーネスH、主側端子CN1、サブ側端子CN2の短絡の他、主制御装置101側の入出力ポート104内の短絡やサブ制御装置180側の入出力ポート内の短絡等が生じている場合)、更には、主制御装置101側の立ち上げ時の処理(メイン処理)にエラーが生じる等して立ち上げ時コマンドの出力処理(ステップSn208)が実行されなかったり、実行されていても立ち上げ時コマンドの出力が行われなかったりした場合、また、主制御装置101側からは正常に立ち上げ時コマンドを出力したもののサブ制御装置180側のエラーによって立ち上げ時コマンドを受信できなかった場合等(以下、これらの異常をまとめて「接続異常」と称する)、が考えられる。
ステップSn2112にてエラー報知を行うための処理を実行した後は、上記のように、ステップSn2104~ステップSn2111の通常遊技演出設定用の各種処理に移行することなく、そのまま待機する。この場合、上記のエラー報知は、遊技機の電源がOFFとされるまで継続されることになる。
本実施形態では、上記エラー報知が開始された後、主制御装置101とサブ制御装置180との再接続を行うなどして上記エラー報知の原因(接続不良等)を解消したとしても、エラー報知は終了しない(エラー報知を継続する)ようにしている。
つまり、図1206(b)に示すように、t1のタイミングでスロットマシン10の電源が投入された際に、ハーネスHが抜けている等、主制御装置101とサブ制御装置180との接続に異常(接続異常)が生じていた場合、サブ制御装置180における表示メイン処理にてエラー報知処理(ステップSn2112)が実行されてエラー報知が行われる。この場合、t2にて遊技ホールの管理者等がハーネスHを再接続する等、当該エラーを解消しても、エラー報知は実行されたままで終了しない。その後、t3にてスロットマシン10の電源がOFFとされると、エラー報知は終了し、t4にて再度電源をONとすると、上記のようにエラーは解消しているため、エラー報知は実行されない。この場合、サブ制御装置180側の表示メイン処理では、通常遊技演出設定用の各種処理が行われるようになる。
ここで、エラー報知を実行している際に、エラー報知の原因が解消されたことの把握処理をサブ制御装置180側に設定しようとすると、例えば上記ステップSn2112の処理を行った後、当該把握処理を延々とループさせる必要があり処理構成の複雑化が生じ得る。また、仮にエラー報知の原因が解消された場合に電源再投入を伴わずに復帰させる構成とすると、主制御装置101側の立ち上げタイミングとサブ制御装置180側の立ち上げタイミングとにズレが生じることとなり、例えば、主制御装置101側のタイマ(時間情報等)をサブ制御装置180側で利用しようとしてもその同期が図れない不都合も生じ得る。さらに、上記エラー報知はサブ制御装置180側で一方的に把握しているエラーに対するエラー報知であるところ、そのエラー報知の原因の発生や復旧を主制御装置101側で把握したうえで、サブ制御装置180側との同期等を図ろうとすると、主制御装置101とサブ制御装置180との双方向の情報のやり取りを可能とする構成等が必要になると考えられ、そのような構成は、不正対策上好ましくない。
その点、特に遊技機の電源投入時とは、遊技が開始されていない遊技ホールの朝一状態や、遊技中に遊技ホールの管理者等によって電源再投入された場合、停電時等で一時的に遊技機の電源がOFFとされた後の復電時等が想定され、いずれであっても遊技ホールの管理者が電源投入を把握できるタイミングである。そして、上記のエラー報知が行われた場合には、遊技ホールの管理者が当該エラー報知の原因を解消するための処置を行って再度電源を投入しなおすことによって、当該エラー報知が行われていない状態(通常状態)に復帰させることが可能である。つまり、本実施形態のようにエラー報知が行われた場合に電源OFFとされるまで当該エラー報知を継続するようにしておけば、上記のような各種構成の複雑化等を招くことなく、エラー報知の原因の発生に十分に対処することが可能である。
遊技機の電源を再投入することでエラー報知を終了させることが可能となるところ、本実施形態では、エラー報知の原因の解消に際して、主制御装置101側のRAM106のクリア処理は必須としない構成とした。つまり、エラー報知が行われた場合、そのエラーの原因の対処を行った後、リセットスイッチ72を操作することなく主制御装置101側の電源を再投入することで、エラー報知が行われていない状態に復帰させることが可能である。このようにしたことによって、例えば、遊技中に停電が生じ、その復電時に上記のエラー報知が行われた場合、エラー報知の原因を解消して、電源の再投入を行うことによって、停電前の遊技に復帰させることが可能となる。よって、エラー報知の終了に際して電源の再投入を必須としながらも、エラー発生前の状態に復帰させることができ、遊技者の不測の不利益を好適に解消することが可能となる。
ここで、上記のように電源投入時に接続異常が生じていることを通じて、主制御装置101とサブ制御装置180との同期が図れないことのエラー報知は、同期異常が生じていることを報知するものであるとともに、接続異常が生じていることを報知するものでもある。つまり、電源投入時については、実際には、サブ制御装置180で主制御装置101側の遊技進行状態を把握するよりも前の段階であり、サブ制御装置180側で把握する遊技進行状態が、主制御装置101側の遊技進行状態と同期していない同期異常の発生前の状態である。そのため、上記電源投入時の立ち上げ時コマンドを正規に受け付けることができないことに基づく同期異常に対応する(同期異常の発生に対応する)エラー報知は、当該同期異常の原因となる接続異常に対応する(接続異常の発生に対応する)エラー報知ともいえ、同期異常の発生前の事前報知ともいえる。
ちなみに、上記のように、接続異常用のエラー報知を、接続異常の解消後も継続させ、電源をOFFとするまで継続する構成としているところ、接続異常が生じていることを把握した遊技ホールの管理者等は、その接続異常の対処(ハーネスHの抜き差しや交換等)を行う場合、基本的には電源をOFFとして作業を行うことが考えられる。そのため、上記のように接続異常の解消後に電源OFFとされる場合とは、遊技ホールの管理者等の対処後に電源がOFFとされた場合よりも、むしろ立ち上げ時の内部処理の異常やノイズ等によって一時的に接続異常が生じ、その後、当該一時的な接続異常が解消された可能性が高い。つまり、電源ONの立ち上げ時に何らかの異常が一時的に生じていた可能性がある。そうすると、当該内部処理の異常やノイズ等は、接続異常だけの異常にとどまらず、例えば、当選確率の設定処理等で異常な値が設定されてしまっていることも考えられ、接続異常事態は解消されていても、その別の異常は解消されずに残存している可能性がある。つまり、上記のように電源の再投入による再度の立ち上げを強いる構成は、接続異常以外の異常の可能性も含めて、初期化処理等を介した再設定を行うことにより当該接続異常以外の異常への対処も可能とする構成といえる。このようにすることで、遊技機の立ち上げを好適に実施することが可能である。
<立ち上げ後の同期異常>
次に、スロットマシン10の電源投入後、サブ制御装置180側で遊技演出設定用の各種処理(ステップSn2103~ステップSn2111)が行われるようになってから、サブ制御装置180にて把握している遊技進行状態と、主制御装置101側の遊技進行状態とが異なることとなった場合について説明する。
上記のように、サブ制御装置180では主制御装置101側の遊技進行状態を、主制御装置101からの遊技進行コマンドに基づくコマンドカウンタにて把握する構成としている。つまり、遊技進行コマンドを受信した場合に、コマンド判定処理(図1186)にて、現状の遊技進行状態に対応するコマンドカウンタから、次の遊技進行状態に対応するコマンドカウンタに更新することで、受信した遊技進行コマンドの出力契機によって、現状の遊技進行状態から、次の遊技進行状態に移行したと把握する。
ただし、例えば、電源投入後に、主制御装置101とサブ制御装置180とのハーネスHによる接続に抜けや短絡が生じた場合や、主制御装置101側からのコマンド出力処理(ステップSn110)や各種遊技進行コマンドの設定処理、サブ制御装置180側のエラーによって各種遊技進行コマンドを受信できなかった場合等(接続異常)によって、主制御装置101側での遊技進行状態の移行を、サブ制御装置180側で把握することができず、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態と、主制御装置101側の遊技進行状態とにズレが生じる場合がある(同期異常)。
この場合、主制御装置101側で遊技進行状態の移行が生じても、サブ制御装置180側では当該移行に対応する遊技進行コマンドを正規に受け付けていないため、サブ制御装置180側においてコマンドカウンタの更新が行われないことを通じて、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態は、実際の遊技進行状態(主制御装置101側の遊技進行状態)とズレが生じることとなる。
主制御装置101側からの各種遊技進行コマンドは、サブ制御装置180側で遊技進行状態を把握するために用いられるだけでなく、サブ制御装置180側で各種演出設定に用いられるコマンドである。そのため、主制御装置101側から各種遊技進行コマンドを正規に受け付けていない場合、サブ制御装置180側では各種演出設定用の処理(演出設定処理(図1164)のステップSn2203~ステップSn2221)も実行されない。
つまり、図1207に示すように、t11にて電源が投入された際に例えばハーネスHの抜けや短絡が生じていた場合、上記のように電源投入時の立ち上げ時処理において、エラー報知が行われ、t12にてハーネスHの抜けや短絡を解消した後、t13及びt14にて電源を再投入することで、エラー報知は解消された状態で遊技が可能となる(t13の電源OFF時にエラー報知は終了する)。
t15にて、遊技進行契機として、例えば、ベット操作が行われると、遊技進行コマンドとしてのベット時コマンドが主制御装置101から出力される。サブ制御装置180では、当該ベット時コマンドに基づくベット時演出の設定処理とともに、当該ベット時コマンドに基づくコマンドカウンタの更新処理を行い、遊技進行状態がベット待ち状態から開始操作待ち状態に移行したと把握する。
また、t16にて、遊技進行契機として、例えば、開始操作が行われると、遊技進行コマンドとしての開始操作時コマンドが主制御装置101から出力される。サブ制御装置180では、当該開始操作時コマンドに基づく開始操作時演出の設定処理とともに、当該開始操作時コマンドに基づくコマンドカウンタの更新処理を行い、遊技進行状態が開始操作待ち状態から回転開始待ち状態に移行したと把握する。
例えば、t17にて、ハーネスHの抜けや短絡が発生した場合、続くt18にて、遊技進行契機として、例えば、各リール32L,32M,32Rの回転開始制御が行われると、遊技進行コマンドとしての回転開始時コマンドが主制御装置101から出力される。上記のようにハーネスHの抜けや短絡が生じていることから、サブ制御装置180では、当該回転開始時コマンドを正規に受け付けることができず、当該回転開始時コマンドに基づく回転開始時演出の設定処理や、当該回転開始時コマンドに基づくコマンドカウンタの更新処理を行うことができない。この場合、遊技進行状態は、停止不可状態に移行しているのにも関わらず、サブ制御装置180では、最後に受信したt16の開始操作時コマンドに基づいて、主制御装置101側の遊技進行状態を回転開始待ち状態として把握しており、主制御装置101とサブ制御装置180とで齟齬が生じることになる。
ちなみに、サブ制御装置180では、t18にて回転開始時コマンドの出力が行われても、t16に受信した開始操作時コマンドに基づく開始操作時演出を継続することになる。
また、続くt19にて、遊技進行契機として、例えば、各リール32L,32M,32Rの回転が定速回転に達した場合、遊技進行コマンドとしての停止可能時コマンドが主制御装置101から出力される。ここでも、ハーネスHの抜けや短絡が生じていることから、サブ制御装置180では、当該停止可能時コマンドを正規に受け付けることができず、当該停止可能時コマンドに基づく停止可能時演出の設定処理や、当該停止可能時コマンドに基づくコマンドカウンタの更新処理を行うことができない。この場合、遊技進行状態は、停止可能状態に移行しているのにも関わらず、サブ制御装置180では、最後に受信したt16の開始操作時コマンドに基づいて、主制御装置101側の遊技進行状態を回転開始待ち状態として把握しており、主制御装置101とサブ制御装置180との齟齬は、更に拡大することとなる。
ちなみに、サブ制御装置180では、t19にて停止可能時コマンドの出力が行われても、t16に受信した開始操作時コマンドに基づく開始操作時演出を継続することになる。
つまり、主制御装置101とサブ制御装置180との接続異常(ハーネスHの抜けや短絡等)が電源投入時に生じ、それに伴い同期異常が生じる場合、サブ制御装置180側でその接続異常及び同期異常を把握して、当該接続異常及び同期異常に対応するエラー報知を行う。これに対して、主制御装置101とサブ制御装置180との接続異常が、電源投入後に生じた場合、サブ制御装置180側ではその接続異常を把握することができず、当該接続異常やそれに伴う同期異常に対応するエラー報知は行われない。特に、サブ制御装置180側では、接続異常が生じると、主制御装置101側との同期異常が発生していることすら把握することができない。
ここで、サブ制御装置180側で、主制御装置101からの遊技進行コマンドを正規に受け付けることができないことを特定するための構成(接続異常が生じていることを特定するための構成)を設けようとすると、例えば、主制御装置101側の遊技進行処理がいつ行われるかを、サブ制御装置180側で予測したりするための構成や、ハーネスHの抜けや短絡を物理的に検出可能な構成等を用意する必要があり、構成の複雑化が懸念される。
これに対して、スロットマシン10の遊技進行用の各種処理は主制御装置101にて行う構成であるため、上記の接続異常が生じていても遊技進行は可能である。つまり、クレジット投入スイッチ56等によるベット操作、及びスタートレバー41の操作に基づいてゲームを開始可能であり、ストップスイッチ42~44の操作によってゲームを終了可能である。そうすると、接続異常が生じることによってサブ制御装置180側で各種演出の設定処理が行われなくなっても、遊技進行は可能である。さらに、例えば、サブ制御装置180側で押し順報知演出が行われなくても、主制御装置101側の指示モニタにて押し順報知が行われるため、遊技者に不利益を生じさせることもない。
そこで、上記のように、電源投入後に接続異常が生じた場合に当該接続異常に対応する(接続異常の発生に対応する)エラー報知を行わなくても、最低限の遊技進行に支障はなく(遊技者に不利益を生じさせない範囲で遊技進行が可能であり)、その接続異常を特定するための構成を設けることによる構成の複雑化を回避することが可能である。
ちなみに、上記のように、スロットマシン10の遊技進行用の各種処理は、遊技者による遊技操作を契機として開始されることから、遊技者としては、遊技操作を行ったのにも関わらず、サブ制御装置180側の各種演出(補助表示部65やスピーカ64による各種演出)が行われないことを通じて、何らかのエラーが発生していることを把握可能であり、例えば、遊技ホールの管理者等に連絡する等して、そのエラーの対処を行うことが可能である。
また、遊技操作を行った場合に、当該遊技操作に対応する遊技進行処理が実行される(例えば、スタートレバー41の操作を行った場合に各リール32L,32M,32Rの回転が開始される)一方、上記のようにサブ制御装置180側の各種演出(補助表示部65やスピーカ64による各種演出)が行われないことを通じて、主制御装置101とサブ制御装置180との接続異常が発生していることも把握可能であり、例えば、遊技ホールの管理者等に連絡する等して、その接続異常の対処を行うことも可能である。
さらに、電源投入時に接続異常が生じていないことの確認が既に行われていることから、電源投入後の通常遊技を行っている場合に接続異常が生じる可能性は当該電源投入時に確認済みである分だけ低くなる。その点からしても、電源投入後に接続異常が生じていることの特定を行うための構成を設けなくても、遊技を正規に行うことができなくなる影響は電源投入時の対処を行わない場合よりも小さく済むものと考えられ、接続異常の発生の可能性を考慮したより適切な対処とすることが可能となる。
<同期異常の特定>
上記のように、サブ制御装置180側では、接続異常が発生していると、主制御装置101側で遊技進行状態が移行していることを特定することができず、同期異常が生じていることも特定することができない。ただし、接続異常が、例えば、ノイズ等による一時的なものであって、事後的に当該接続異常が解消された場合、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態が、主制御装置101側の遊技進行状態とズレていることが把握可能となり同期異常の特定が行われる。その場合の処理の流れについて、説明する。
サブ制御装置180側では、主制御装置101側の遊技進行状態をコマンドカウンタにて把握している。つまり、図1186のコマンド判定処理では、ステップSn3601にてコマンドカウンタを把握して、現状の遊技進行状態を特定し、特定した遊技進行状態に応じた(コマンドカウンタの値に応じた)各判定処理を行う。
図1188のベット時判定処理は、ベット待ち状態(コマンドカウンタ=1)である場合に実行される処理であり、当該ベット待ち状態で受信する遊技進行コマンドは、ベット時コマンド(又はエラーコマンド)である。ただし、上記のように一時的に接続異常が生じる等して、当該一時的な接続異常中の遊技進行コマンドを正規に受け付けることができていない場合、主制御装置101側の遊技進行状態がベット待ち状態とは異なる状態である可能性があり、この場合、サブ制御装置180側でベット待ち状態として把握しているのにも関わらず、他の遊技進行コマンドを受信する可能性がある。ベット時判定処理において、ベット時コマンドやエラーコマンドではなく、他の遊技進行コマンドを受信している場合、ステップSn3708にて肯定判定して、ステップSn3709にてコマンド異常フラグがセットされる。
同様に、図1189の開始操作時判定処理は、開始操作待ち状態(コマンドカウンタ=2)である場合に実行される処理であり、当該開始操作待ち状態で受信する遊技進行コマンドは、開始操作時コマンド(又はエラーコマンド)である。ただし、上記のように、サブ制御装置180側で開始操作待ち状態として把握しているのにも関わらず、他の遊技進行コマンドを受信する可能性がある。開始操作時判定処理において、開始操作時コマンドやエラーコマンドではなく、他の遊技進行コマンドを受信している場合、ステップSn3808にて肯定判定して、ステップSn3809にてコマンド異常フラグがセットされる。
図1190の回転開始時判定処理は、回転開始待ち状態(コマンドカウンタ=3)である場合に実行される処理であり、当該回転開始待ち状態で受信する遊技進行コマンドは、回転開始時コマンド(又はエラーコマンド)である。ただし、上記のように、サブ制御装置180側で回転開始待ち状態として把握しているのにも関わらず、他の遊技進行コマンドを受信する可能性がある。回転開始時判定処理において、回転開始時コマンドやエラーコマンドではなく、他の遊技進行コマンドを受信している場合、ステップSn3908にて肯定判定して、ステップSn3909にてコマンド異常フラグがセットされる。
図1191の停止可能時判定処理は、停止不可状態(コマンドカウンタ=4)である場合に実行される処理であり、当該停止不可状態で受信する遊技進行コマンドは、停止可能時コマンド(又はエラーコマンド)である。ただし、上記のように、サブ制御装置180側で停止不可状態として把握しているのにも関わらず、他の遊技進行コマンドを受信する可能性がある。停止可能時判定処理において、停止可能時コマンドやエラーコマンドではなく、他の遊技進行コマンドを受信している場合、ステップSn4008にて肯定判定して、ステップSn4009にてコマンド異常フラグがセットされる。
図1192の停止時判定処理は、停止待ち状態(コマンドカウンタ=5)である場合に実行される処理であり、当該停止待ち状態で受信する遊技進行コマンドは、停止ON時コマンドや停止OFF時コマンド、リール停止時コマンドといった停止時コマンド(又はエラーコマンド)である。ただし、上記のように、サブ制御装置180側で停止待ち状態として把握しているのにも関わらず、他の遊技進行コマンドを受信する可能性がある。停止時判定処理において、停止時コマンドやエラーコマンドではなく、他の遊技進行コマンドを受信している場合、ステップSn4134にて肯定判定して、ステップSn4135にてコマンド異常フラグがセットされる。
停止時判定処理においては、更に、停止ON操作の順序が、主制御装置101側で把握している順序とサブ制御装置180側で把握している順序とにズレがある場合(ステップSn4104:NO)、既に停止ON操作が行われているストップスイッチ42~44に対応する停止ON時コマンドを更に受信した場合(ステップSn4106:YES)、既に停止済みのリールに対応するストップスイッチ42~44の停止ON時コマンドを受信した場合(ステップSn4107:YES)、停止ON操作が行われていないストップスイッチ42~44のリールに対応するリール停止時コマンドを受信した場合(ステップSn4112:NO)、既に停止済みのリールに対応するリール停止時コマンドを受信した場合(ステップSn4113:YES)、停止ON操作が行われていないストップスイッチ42~44に対応する停止OFF時コマンドを受信した場合(ステップSn4119:NO)にも、ステップSn4135にてコマンド異常フラグがセットされる。
図1193の入賞時判定処理は、入賞結果待ち状態(コマンドカウンタ=6)である場合に実行される処理であり、当該入賞結果待ち状態で受信する遊技進行コマンドは、入賞時コマンド(又はエラーコマンド)である。ただし、上記のように、サブ制御装置180側で入賞結果待ち状態として把握しているのにも関わらず、他の遊技進行コマンドを受信する可能性がある。入賞時判定処理において、入賞時コマンドやエラーコマンドではなく、他の遊技進行コマンドを受信している場合、ステップSn4210にて肯定判定して、ステップSn4211にてコマンド異常フラグがセットされる。
図1194の払出開始時判定処理は、払出開始待ち状態(コマンドカウンタ=7)である場合に実行される処理であり、当該払出開始待ち状態で受信する遊技進行コマンドは、払出開始時コマンド(又はエラーコマンド)である。ただし、上記のように、サブ制御装置180側で払出開始待ち状態として把握しているのにも関わらず、他の遊技進行コマンドを受信する可能性がある。払出開始時判定処理において、払出開始時コマンドやエラーコマンドではなく、他の遊技進行コマンドを受信している場合、ステップSn4308にて肯定判定して、ステップSn4309にてコマンド異常フラグがセットされる。
図1195の払出終了時判定処理は、払出状態(コマンドカウンタ=8)である場合に実行される処理であり、当該払出状態で受信する遊技進行コマンドは、払出終了時コマンド(又はエラーコマンド)である。ただし、上記のように、サブ制御装置180側で払出状態として把握しているのにも関わらず、他の遊技進行コマンドを受信する可能性がある。払出終了時判定処理において、払出終了時コマンドやエラーコマンドではなく、他の遊技進行コマンドを受信している場合、ステップSn4408にて肯定判定して、ステップSn4409にてコマンド異常フラグがセットされる。
図1196のエラー時判定処理は、エラー状態(コマンドカウンタ=9)である場合に実行される処理であり、本実施形態では、当該エラー状態では、エラーを解消するまで遊技を進行させることができないようにしていることから、当該エラー状態では、エラー解消コマンドを受信するはずである。ただし、上記のように、サブ制御装置180側でエラー状態として把握しているのにも関わらず、遊技進行コマンドを受信する可能性がある。エラー時判定処理にて、エラー解消コマンドではなく、遊技進行コマンドを受信している場合、ステップSn4505にて肯定判定して、ステップSn4506にてコマンド異常フラグがセットされる。
このように、サブ制御装置180側では、同期異常が生じていることを、コマンドカウンタの示す遊技進行状態に対応しない遊技進行コマンドを受信した場合に特定し、コマンド異常フラグをセットすることによって、当該同期異常が生じていることをCPU181が特定可能とする。同期異常が生じている場合とは、それよりも以前に主制御装置101から出力された遊技進行コマンドを正規に受け付けていない場合であり、当該遊技進行コマンドに基づく演出設定も行われていない場合である。そうすると、例えば、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態に対応する演出を行っている状況で、当該遊技進行状態に対応しない遊技進行コマンドを受信した場合、当該遊技進行コマンドに対応する演出を行おうとすると、演出上の矛盾が生じ得る。
より具体的には、例えば、停止待ち状態において、それよりも以前の開始操作時コマンドに基づくチャンス演出(図1178(a))や押し順報知演出(図1179(a))を実行している場合、当該停止待ち状態において受信する停止時コマンドに基づいて、当該チャンス演出や押し順報知演出の報知態様を変更する演出を行う構成としている(図1178(b)や図1179(b))。この場合、仮に接続異常によって開始操作時コマンドを正規に受け付けることができず、当該開始操作時コマンドに基づくチャンス演出や押し順報知演出を開始していないのにも関わらず、その後に接続異常が解消されて停止時コマンドを正規に受け付けることが可能となったからといって、当該停止時コマンドに基づいて演出を行おうとしても、その演出対象となる上記チャンス演出や押し順報知演出が行われていないのであるから、当該停止時コマンドに基づく演出は実行することができないし、無理やり実行しようとすると、停止時コマンドに基づいてチャンス演出や押し順報知演出をも開始可能とする等、構成の複雑化を生じかねない。そこで、本実施形態では、このような同期異常が生じている場合の演出設定処理では、特徴ある処理を設けている。
<同期異常が特定されている場合の演出設定>
同期異常が特定されており、上記のコマンド異常フラグがセットされている場合、本実施形態では、一部の演出(特定の演出)を除いて、基本的には遊技進行コマンドに基づく演出設定が行われない構成としており、所定の遊技進行コマンドに基づいて、同期異常を解消するための処理を行う構成としている。本実施形態では、上記一部の演出として、獲得数や残数を示す演出を設定しており、より具体的には、入賞時演出設定処理における獲得表示更新第2処理や残数表示更新処理については、同期異常が特定されていても入賞時コマンドに基づいて実行する構成としている。また、本実施形態では、同期異常を解消するための処理の契機となる所定の遊技進行コマンドとして、開始操作時コマンドを設定している。そこで、先ずは、開始操作時コマンド以外の遊技進行コマンドを受信した場合の処理について説明する。
ベット時コマンドを受信した場合のベット時演出設定処理(図1165)では、ステップSn2301にてコマンド異常フラグがセットされていると判定した場合には、以降のベット時演出の設定処理(ステップSn2302~ステップSn2307)を実行することなく、そのまま本ベット時演出設定処理を終了する。つまり、遊技者によるベット操作が行われた場合であっても、同期異常が特定されている場合には、対応するベット時演出は実行されない。
また、回転開始時コマンドを受信した場合の回転開始時演出設定処理(図1167)では、ステップSn2501にてコマンド異常フラグがセットされていると判定した場合には、以降の回転開始時演出の設定処理(ステップSn2502~ステップSn2503)を実行することなく、そのまま回転開始時演出設定処理を終了する。つまり、遊技者による開始操作が行われた場合であっても、同期異常が特定されている場合には、当該開始操作後の各リール32L,32M,32Rの回転開始制御に対応する回転開始時演出は実行されない。なお、上記のように開始操作に基づいて、同期異常を解消するための処理が行われる構成としていることから、回転開始時コマンドの受信時に同期異常が特定されている場合とは、少なくとも直前の開始操作時コマンドを正規に受け付けることができなかった可能性が高い場合である。
停止可能時コマンドを受信した場合の停止可能時演出設定処理(図1168)では、ステップSn2601にてコマンド異常フラグがセットされていると判定した場合には、ステップSn2602の停止可能時演出(ストップランプ42b~44bの点灯色の変更処理)を行うことなく、そのまま停止可能時演出設定処理を終了する。つまり、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速回転に至った場合であっても、同期異常が特定されている場合には、対応する停止可能時演出は実行されない。
各種停止時コマンドを受信した場合の停止時演出設定処理(図1169)では、ステップSn2701にてコマンド異常フラグがセットされていると判定した場合には、以降の停止時演出の設定処理(ステップSn2702~ステップSn2727)を実行することなく、そのまま本停止時演出設定処理を終了する。つまり、遊技者による停止操作が行われた場合であっても、同期異常が特定されている場合には、対応する停止時演出は実行されない。
入賞時コマンドを受信した場合の入賞時演出設定処理(図1170)では、上記のように、同期異常が特定されていても獲得数や残数を示す演出の更新処理は実行する構成としている。つまり、コマンド異常フラグがセットされていても(コマンド異常フラグの有無を判定する処理よりも前に)、ステップSn2801にて獲得枚数更新第2処理を実行し、ステップSn2802にて残数表示更新処理を実行する。これらの処理を同期異常が特定されている場合にも実行する理由については後に詳細に説明する。
ステップSn2803にてコマンド異常フラグがセットされていると判定した場合には、以降の入賞時演出の設定処理(ステップSn2804~ステップSn2814)を実行することなく、そのまま本入賞時演出設定処理を終了する。つまり、遊技者による停止操作に基づき全リール32L,32M,32Rが停止した場合であっても、同期異常が特定されている場合には、本入賞時演出設定処理による入賞時演出は実行されない。
払出開始時コマンドを受信した場合の払出開始時演出設定処理(図1171)では、ステップSn2901にてコマンド異常フラグがセットされれていると判定した場合には、以降の払出開始時演出の設定処理(ステップSn2902~ステップSn2904)を実行することなく、そのまま本払出開始時演出設定処理を終了する。つまり、例えば、メダル払い出しに対応する小役入賞が成立し、実際にメダルの払い出しが開始される場合であっても、同期異常が特定されている場合には、払出演出は開始されない。
払出終了時コマンドを受信した場合の払出終了時演出設定処理(図1172)では、ステップSn3001にてコマンド異常フラグがセットされていると判定した場合には、ステップSn3002による払出演出の終了処理やステップSn3003の初期化処理を行うことなく、本払出終了時演出設定処理を終了する。つまり、払出開始時演出設定処理にて払出演出が開始され、その後、実際のメダル払い出しが終了した場合であっても、同期異常が特定されている場合には、当該払出演出は終了されないし、払出演出が開始されていない場合(払出開始時演出設定処理の実行時にも同期異常が特定されていた場合)には、そのままの状態が維持される。
図1208に示すように、ベット待ち状態(コマンドカウンタ=1)である状況であってベット待ち状態に対応する演出を実行しているt21にて遊技進行契機が発生する(ベット操作が行われる)と、遊技進行状態は開始操作待ち状態(コマンドカウンタ=2)に移行するとともに、開始操作待ち状態に対応する演出が開始される。当該開始操作待ち状態であるt22にて遊技進行契機が発生する(開始操作が行われる)と、遊技進行状態は回転開始待ち状態(コマンドカウンタ=3)に移行するとともに、回転開始待ち状態に対応する演出が開始される。当該回転開始待ち状態であるt23にて遊技進行契機が発生する(各リール32L,32M,32Rの回転が開始される)と、遊技進行状態は停止不可状態(コマンドカウンタ=4)に移行するとともに、停止不可状態に対応する演出が開始される。当該停止不可状態であるt24にて遊技進行契機が発生する(定速回転に達する)と、遊技進行状態は停止待ち状態(コマンドカウンタ=5)に移行するとともに、停止待ち状態に対応する演出が開始される。
停止待ち状態であるt24にて遊技進行契機が発生する(全リール32L,32M,32Rが停止する)と、遊技進行状態は入賞結果待ち状態(コマンドカウンタ=6)に移行するとともに、入賞結果待ち状態に対応する演出が開始される。当該入賞結果待ち状態であるt25にて遊技進行契機が発生する(入賞判定等が行われる)と、遊技進行状態は払出開始待ち状態(コマンドカウンタ=7)に移行するとともに、払出開始待ち状態に対応する演出が開始される。払出開始待ち状態であるt26にて遊技進行契機が発生する(払出条件が成立する)と、遊技進行状態は払出状態(コマンドカウンタ=8)に移行するとともに、払出状態に対応する演出が開始される。そして、当該払出状態であるt28にて遊技進行契機が発生する(払出が完了する)と、遊技進行状態はベット待ち状態(コマンドカウンタ=1)に移行するとともに、ベット待ち状態に対応する演出が開始される。
また、ベット待ち状態であるt29にて遊技進行契機が発生すると、開始操作待ち状態に移行するとともに開始操作待ち状態の演出が開始され、開始操作待ち状態であるt30にて遊技進行契機が発生すると、回転開始待ち状態に移行するとともに回転開始待ち状態の演出が開始される。当該回転開始待ち状態であって、回転開始待ち状態に対応する演出を実行しているt31にて主制御装置101とサブ制御装置180との接続異常が発生した場合、続くt32にて遊技進行契機が発生して停止不可状態に移行しても、その遊技進行状態の移行をサブ制御装置180側では特定できない。そのため、当該t32においてもそれ以前の回転開始待ち状態に対応する演出を継続する。
同様に、停止不可状態であるt33にて遊技進行契機が発生し、停止待ち状態に移行しても、サブ制御装置180側の回転開始待ち状態に対応する演出は継続され、停止待ち状態であるt34にて遊技進行契機が発生し、入賞結果待ち状態に移行しても、回転開始待ち状態に対応する演出は継続される。
当該入賞結果待ち状態であるt35において接続異常が解消されると、t36にて遊技進行契機が生じて出力されたコマンド(入賞時コマンド)をサブ制御装置180側で受け付けることが可能となる。この場合、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態と、受け付けた遊技進行コマンドの齟齬が生じており、同期異常が発生していることの特定がなされ、コマンド異常フラグがセットされる。そうすると、当該t36にて受け付けた遊技進行コマンドに基づく演出設定(入賞時演出の設定)は行われず、上記の回転開始待ち状態に対応する演出が継続される。同様に、払出開始待ち状態に移行した後のt37にて遊技進行契機が生じても、当該遊技進行契機に基づくコマンド(払出開始時コマンド)に基づく演出設定(払出演出の開始設定)は行われず、上記の回転開始待ち状態に対応する演出が継続され、払出状態に移行した後のt38にて遊技進行契機が生じても、当該遊技進行契機に基づくコマンド(払出終了時コマンド)に基づく演出設定(払出演出の終了設定)は行われず、上記の回転開始待ち状態に対応する演出が継続される。
このように、本実施形態では、主制御装置101とサブ制御装置180との接続異常が生じた場合であっても、主制御装置101側の遊技進行を中止することなく、遊技進行を可能としていることから、例えば、遊技者による開始操作に基づく抽選処理にて、遊技者が望む抽選結果となったのにも関わらず、当該遊技が無効とされてしまう事象を回避することができ、遊技者に不利益を生じさせないようにすることができる。また、主制御装置101やサブ制御装置180で接続異常が生じていることを把握するための構成を設置しないため、構成の簡素化も図ることが可能である。
また、上記の接続異常が生じていても、当該接続異常が生じていることをサブ制御装置180側では特定しないようにしているため、それに伴うエラー報知等は実行しないし、それ以前の演出を継続させるようにしている。このような構成であっても、遊技進行契機が基本的には遊技者の操作に基づき発生するスロットマシンの特性上、遊技進行状態の移行が生じている(遊技進行契機を発生させた)のにも関わらず、演出の更新が行われないことを、遊技者は容易に特定可能であり、上記の接続異常が生じていることの対処(遊技ホールの管理者等への報告など)を好適に行うことが可能である。
さらに、接続異常が解消された後、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態と一致しない遊技進行コマンドを受信することで、サブ制御装置180側で同期異常が生じていることの特定(接続異常が生じていたことの特定)が行われるところ、当該同期異常が生じていることの特定を行っても、それに伴うエラー報知等は実行しないし、それ以前の演出をそのまま継続させるようにしている。これは、接続異常が解消されたということは、上記のように接続異常が生じていることの対処が行われた後である可能性が高く、エラー報知を行う必要性は低いと考えられることによるものである。また、同期異常の特定が行われた場合に、演出上の矛盾をあえて解消しない(それ以前の演出をそのまま継続させる)構成としたことにより、当該演出上の矛盾を解消するために設定する処理を省略することも可能となり処理構成の簡素化が図られる。そもそも、同期異常が生じていることの特定がサブ制御装置180側で行われるよりも前に、遊技進行契機が生じたのにも関わらず演出が更新されないことを通じて、遊技者自身がその同期異常の発生を理解している可能性が高く、そうすると、演出上の矛盾を無理やり解消する必要性も低いと考えられる。
これに対して、主制御装置101側でエラー(異常、特定事象)の発生が特定されたことに基づき出力されたエラーコマンドを、サブ制御装置180側で受信した場合には、エラー報知設定処理(図1173)にて、同期異常の有無を判定することなく(コマンド異常フラグの有無を判定することなく)、特定されたエラーに対応するエラー報知を行うための処理(ステップSn3101及びステップSn3102)を実行する構成としている。
図1208に示すように、ベット待ち状態であるt39にて遊技進行契機が発生すると、開始操作待ち状態に移行するとともに開始操作待ち状態の演出が開始され、開始操作待ち状態であるt40にて遊技進行契機が発生すると、回転開始待ち状態に移行するとともに回転開始待ち状態の演出が開始される。当該回転開始待ち状態であって、回転開始待ち状態に対応する演出を実行しているt41にて主制御装置101とサブ制御装置180との接続異常が発生した場合、続くt42にて遊技進行契機が発生して停止不可状態に移行しても、その遊技進行状態の移行をサブ制御装置180側では特定できない。そのため、当該t42においてもそれ以前の回転開始待ち状態に対応する演出を継続する。
同様に、停止不可状態であるt43にて遊技進行契機が発生し、停止待ち状態に移行しても、サブ制御装置180側の回転開始待ち状態に対応する演出は継続され、停止待ち状態であるt44にて遊技進行契機が発生し、入賞結果待ち状態に移行しても、回転開始待ち状態に対応する演出は継続される。
当該入賞結果待ち状態であるt45において接続異常が解消されると、t46にて遊技進行契機が生じて出力されたコマンド(入賞時コマンド)をサブ制御装置180側で受け付けることが可能となる。この場合、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態と、受け付けた遊技進行コマンドの齟齬が生じており、同期異常が発生していることの特定がなされ、コマンド異常フラグがセットされる。そうすると、当該t46にて受け付けた遊技進行コマンドに基づく演出設定(入賞時演出の設定)は行われず、上記の回転開始待ち状態に対応する演出が継続される。同様に、払出開始待ち状態に移行した後のt47にて遊技進行契機が生じても、当該遊技進行契機に基づくコマンド(払出開始時コマンド)に基づく演出設定(払出演出の開始設定)は行われず、上記の回転開始待ち状態に対応する演出が継続される。
払出状態に移行した後のt48にて、例えば、ホッパ装置51において貯留タンク52内のメダルが空となったことを示す遊技メダル払出装置エンプティエラーが発生した場合、主制御装置101から当該メダル払出装置エンプティエラーに対応するエラーコマンドがサブ制御装置180へ出力される。当該t48では、同期異常の発生が特定されているものの、接続異常は解消されていることから、当該エラーコマンドはサブ制御装置180で正規に受け付けることが可能である。その結果、当該エラーコマンドに基づいて、遊技進行状態はエラー状態(コマンドカウンタ=9)に移行するとともに、くエラー報知がt48にて開始される。
これは、同期異常が特定されているからといってエラーの発生を早期に報知しなければ、遊技者又は遊技ホールに多大な不利益が発生し得るものと考えられるためである。また、エラー報知は、遊技進行状態に伴う各種演出とは異なり、それよりも以前の遊技進行状態の演出を利用せずに実行可能な演出であり、実行中の演出に関わらずエラー報知を開始しても、遊技者や遊技ホールの管理者に何ら違和感を与えないものであることも理由の一つである。
<同期異常が特定された場合の修正処理>
本実施形態では、上記のようにサブ制御装置180側で同期異常が特定した場合、その後に受信する遊技進行コマンドに基づく演出設定を行わないようにしているものの、所定契機として、開始操作時コマンドを受信した場合に、演出設定を行う状態に復帰させる構成としている。以下、当該復帰用の処理について説明する。
復帰用の処理は、開始操作時コマンドを受信した場合の開始操作時演出設定処理(図1166)にて実行される。すなわち、ステップSn2401にてコマンド異常フラグがセットされていると判定された場合、ステップSn2402にてコマンド異常フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSn2403にて表示情報修正処理を実行する。
ステップSn2403の表示情報修正処理では、図1209のフローチャートに示すように、ステップSn4601にて、実行中の演出を、一旦、終了させる処理を実行する。また、ステップSn4602では、実行中の演出用情報の初期化処理を実行する。なお、ステップSn4602は、上記ステップSn2814やステップSn3003の処理と同様の処理であり、複数のゲームに亘って継続する状態に用いられる演出用情報、具体的には、ATモード中の獲得メダル数の表示を行うための獲得枚数カウンタの情報や、ATモード中の総消化ゲーム数の表示を行うための消化ゲーム数カウンタの情報の初期化処理は行わず、例えば、押し順報知演出を行うための押し順カウンタの情報や、停止操作の回数管理に用いられるON操作カウンタの情報、対応操作カウンタの情報、順序カウンタの情報等の、本来であれば1ゲームの終了に際して初期化される各種カウンタや、各種フラグを初期化する処理である。
続くステップSn4603では、コマンドカウンタに3を入力する処理を実行する。かかる処理によって、開始操作時コマンドに基づいて遊技進行状態が回転開始待ち状態に移行したことになり、同期異常が解消されたこととなる。なお、コマンドカウンタに既に3が入力されている場合(回転開始待ち状態にて接続異常が発生していた場合)であっても、ステップSn4603にてコマンドカウンタに再度3を入力する処理を実行する。このようにすることで、現状のコマンドカウンタの値を参照する処理を設ける必要がなくなるため、処理構成の簡素化を図ることが可能である。ステップSn4603の処理を実行した後は、表示情報修正処理を終了する。
上記表示情報修正処理を実行することによって、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態が、主制御装置101側の遊技進行状態と再同期することとなり、同期異常が解消される。また、同期異常が生じることによって演出更新が行われなかった間の演出が、一旦、リセットされることになる。そして、ステップSn2403に続けて実行される開始操作時演出設定処理の各処理(ステップSn2404~ステップSn2419)において、今回開始されるゲームの演出設定が行われるようになる。
例えば、上記表示情報修正処理の実行前に押し順報知演出を実行しており、更に当該表示情報修正処理の実行ゲームにおいて押し順報知演出を行う場合、表示情報修正処理によって、実行中の押し順報知演出が一旦終了し、続けて今回のゲームに対応する押し順報知演出が開始されることになる。この場合、修正前後の押し順報知演出の示す操作順序が異なる場合、当該修正によって、今回のゲームにおいて第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能な操作順序を遊技者に明確に把握させることが可能となる。また、修正前後の押し順報知演出の示す操作順序が同じ場合、その演出の切り替わりは一瞬(1フレーム分)で完了するため、その切り替わりを遊技者は把握することは困難であり、あたかも、修正前の押し順報知演出がそのまま継続されているかのように思わせることが可能である。
開始操作時コマンドに基づいて実行される開始操作時演出設定処理では、コマンド異常フラグがセットされている場合には、上記の表示情報修正処理等を実行した後、開始操作時の演出設定を行う構成としており、開始操作時演出設定処理は、他の演出設定処理のように、コマンド異常フラグがセットされている場合には演出設定自体を行わないわけではなく、コマンド異常フラグがセットされていても演出設定が可能な処理といえる。これは、当該コマンド異常フラグがセットされており、同期異常が特定されている場合において、その同期異常の解消用の契機を、本実施形態では開始操作として設定していることに起因するものであり、開始操作時コマンドを正規に受け付けることができたことに基づく開始操作時演出設定処理が起動された場合とは、当該同期異常が解消されることを意味するからである。
同期異常が特定されている状況において、主制御装置101側から受信したコマンドに基づき演出設定を行う処理として、上記のエラー報知用の処理の他に、入賞時演出設定処理における獲得表示更新第2処理や、残数表示更新処理がある。
これら獲得表示更新第2処理や、残数表示更新処理と、開始操作時演出設定処理において実行される獲得表示更新第1処理や消化数表示更新処理は、複数のゲームに亘って更新しながら表示する情報(獲得枚数、消化数、残数)を管理するための処理である。
上記のように、同期異常の解消処理は、開始操作時コマンドを正規に受け付けることが可能となった場合に実行される構成としているところ、接続異常が生じていた間のゲームでは、各種遊技進行用コマンドを受け付けることができないため、上記の複数のゲームに亘って更新されるはずの獲得枚数や消化数、残数の表示も、当該接続異常が生じていた間はその表示の更新が行われない。この場合、接続異常が解消されて同期異常が特定された場合に、獲得枚数や消化数、残数の更新が再開されるようになるものの、その表示の種類によって、接続異常が生じていた間のゲームの情報の管理が異なっている。
そこで、これらの獲得枚数の表示や消化数の表示、残数表示の更新用処理と、同期異常との関係を説明する。
<同期異常が生じている場合の獲得枚数、消化数、残数の更新処理>
先ず、同期異常が生じている場合の獲得枚数の更新について説明する。
上記のように獲得枚数の更新は、開始操作時演出設定処理における獲得表示更新第1処理と入賞時演出設定処理における獲得表示更新第2処理とにより行われる。獲得表示更新第1処理は獲得枚数からベット数を減算して更新するための処理であり、獲得表示更新第2処理は獲得枚数に払出枚数を加算して更新するための処理である。
上記のように獲得表示更新第1処理は、同期異常が特定されている状況で開始操作時コマンドを受信した場合であっても、当該開始操作時演出設定処理において、その同期異常の解消処理が行われた後で実行される。また、獲得表示更新第2処理は、同期異常が特定されている状況で入賞時コマンドを受信した場合であっても、コマンド異常フラグの判定処理よりも前に実行される。そのため、これらの処理は、いずれも同期異常の特定が行われている状況であっても実行可能な処理といえる。
ただし、いずれも遊技進行コマンド(開始操作時コマンドや入賞時コマンド)を受信していないゲーム(接続異常が生じている状況で実行されたゲーム)では、これらの更新処理は実行されず、獲得枚数の更新も行われない。
上記の通り、獲得枚数表示更新第1処理では、現状、獲得枚数表示エリアKMAにおける獲得メダル数の表示を実行している場合には、開始操作時コマンドに基づいて今回のゲームのベット数を獲得枚数カウンタから減算し、その表示の更新を行う。また、獲得枚数表示更新第2処理では、現状、獲得枚数表示エリアKMAにおける獲得メダル数の表示を実行している場合には、今回受信した入賞結果コマンドに基づいて、今回のゲームの入賞結果に対応する払出枚数を把握し、当該払出枚数を獲得枚数カウンタに加算する処理を行い、その表示の更新を行う。
この場合、同期異常が生じることによって、獲得枚数カウンタの値は実際の獲得枚数とは異なり得る。つまり、獲得表示更新第1処理や獲得表示更新第2処理よりも前において接続異常が生じている状況で、主制御装置101側から開始操作時コマンドや入賞結果コマンドが出力されていると、当該コマンドをサブ制御装置180側では正規に受け付けることができなかった可能性があり、当該コマンドに基づく獲得枚数カウンタの更新は行われていない。
本実施形態では、上記のように接続異常等によって獲得枚数カウンタの更新が行われておらず、実際の獲得枚数(獲得枚数表示を行う状況での払出枚数-ベット数)とは異なる可能性があっても、それを修正するための処理を行わずに、主制御装置101側からのコマンドを正規に受け付けることが可能となってからの情報に基づいて獲得枚数カウンタの更新を行う構成としている。つまり、接続異常が生じている間の獲得枚数の増減は考慮せずに、接続異常の発生前と接続異常が解消された後で生じた獲得枚数の増減だけを表示する構成としている。
すなわち、図1210(a)に示すように、接続異常が生じていない状況であるt51にて開始操作が行われた場合には、獲得表示更新第1処理が実行されて獲得枚数の表示の更新が行われ、接続異常が生じていない状況であるt52にて全リール32L,32M,32Rが停止した場合には、獲得表示第2処理が実行されれて獲得枚数の表示の更新が行われる。
t53にて接続異常が生じた場合、当該接続異常が解消されていないt54にて開始操作が行われると獲得表示更新第1処理は実行されず、続くt55にて全リール32L,32M,32Rが停止した場合にも、獲得表示更新第2処理も実行されない。
同様に、接続異常中のt56にて開始操作が行われると獲得表示更新第1処理は実行されない。当該開始操作が行われたゲームにおいて、全リール32L,32M,32Rが停止するt58よりも前のt57にて接続異常が解消されると、当該t58では、サブ制御装置180において入賞時コマンドを正規に受け付けることが可能となるため、獲得表示更新第2処理が実行される。ただし、当該獲得表示更新第2処理にて更新する獲得枚数の表示は、実際に更新契機が生じたt54のベット数、t55の払出枚数、t56のベット数を加味しないで更新が行われ、より具体的には、t51やt52にて更新された払出枚数カウンタに対してt58の払出枚数を加算した値に更新されることになる。
次に、同期異常が生じている場合の消化ゲーム数の更新について説明する。
上記のように消化ゲーム数の更新は、開始操作時演出設定処理における消化数更新処理により行われる。獲得表示更新第1処理と同様に、消化数更新処理は、同期異常が特定されている状況で開始操作時コマンドを受信した場合であっても、当該開始操作時演出設定処理において、その同期異常の解消処理が行われた後で実行される。つまり、消化数更新処理についても、同期異常の特定が行われている状況であっても実行可能な処理である。
ただし、獲得表示更新第1処理や第2処理と同様に、遊技進行コマンド(開始操作時コマンド)を受信していないゲーム(接続異常が生じている状況で実行されたゲーム)では、消化数更新処理は実行されず、消化ゲーム数の更新も行われない。
上記の通り、消化数更新処理では、現状、消化数表示エリアSGAにおける総消化ゲーム数の表示を実行している場合には、開始操作時コマンドに基づいて消化ゲーム数カウンタの加算処理を行い、総消化ゲーム数の表示の更新を行う。
この場合、同期異常が生じることによって、総消化ゲーム数カウンタの値は実際の消化ゲーム数とは異なり得る。つまり、消化数更新処理よりも前において接続異常が生じている状況で、主制御装置101側から開始操作時コマンドが出力されていると、当該コマンドをサブ制御装置180側では正規に受け付けることができなかった可能性があり、当該コマンドに基づく消化ゲーム数カウンタの更新は行われていない。
本実施形態では、総消化ゲーム数の表示についても、上記の獲得枚数の表示と同様に、上記のように接続異常等によって消化ゲーム数カウンタの更新が行われておらず、実際の総消化ゲーム数とは異なる可能性があっても、それを修正するための処理を行わずに、主制御装置101側からのコマンドを正規に受け付けることが可能となってからの情報に基づいて消化ゲーム数カウンタの更新を行う構成としている。つまり、接続異常が生じている間に消化されたゲーム数は考慮せずに、接続異常の発生前と接続異常が解消された後で消化されたゲーム数だけを表示する構成としている。
すなわち、図1210(b)に示すように、接続異常が生じていない状況であるt61にて開始操作が行われた場合には、消化数更新処理が実行されて総消化ゲーム数の表示の更新が行われる。その後、接続異常が生じていない状況であるt62にて全リール32L,32M,32Rが停止する。
t63にて接続異常が生じた場合、当該接続異常が解消されていないt64にて開始操作が行われると消化数更新処理は実行されず、続くt65にて開始されるゲームについても、消化数更新処理は実行されない。
t65にて開始操作が行われたゲームにおいて、全リール32L,32M,32Rが停止するt67よりも前のt66にて接続異常が解消されると、当該t67では、サブ制御装置180において主制御装置101からの各種遊技進行コマンドを正規に受け付けることが可能となる。ただし、t65にて開始されたゲームについては、上記のように消化数更新処理の処理タイミングでは接続異常が生じていたため、当該ゲームの開始操作時コマンドは受け付けることができず、当該ゲームでの消化数更新処理は実行されない。
その後、t68にて次のゲームが開始されると(開始操作が行われると)、開始操作時コマンドに基づく消化数更新処理が実行されて、総消化ゲーム数の表示の更新が行われる。ただし、当該消化数更新処理にて更新する総消化ゲーム数の表示は、実際に更新契機が生じたt64やt65のゲーム数を加味しないで更新が行われ、より具体的には、t61にて更新された消化ゲーム数カウンタに対してt68にて1を加算した値に更新されることになる。
このように、本実施形態では、獲得枚数の表示や、消化ゲーム数の表示といった第1特定情報の表示については、接続異常が生じていた間の情報を加味せずに、更新を行う構成としている。このようにすることで、例えば、サブ制御装置180側がコマンドを正規に受け付けることができない可能性を見越して、主制御装置101側からのコマンドに、それよりも以前に出力済みのコマンドに含まれる情報をも含ませるような構成(具体的には、獲得枚数表示を行う状況となってからの実際の獲得枚数や、払出枚数の総数、ベット数の総数等や、総消化ゲーム数表示を行う状況となってからの実際の消化ゲーム数を、主制御装置101側で常に把握しておく構成)を用意する必要がなく、構成の複雑化を生じさせないようにすることが可能となる。
これに対して、同期異常が生じている状況での残りゲーム数や残り払出枚数といった第2特定情報は、接続異常が生じていた間の情報を加味して更新が行われる構成としている。
残りゲーム数や残り払出枚数の更新は、入賞時演出設定処理における残数表示更新処理にて行われる。上記の通り、入賞時演出設定処理では、コマンド異常フラグがセットされている状況であっても、当該コマンド異常フラグの有無の確認処理よりも前に残数表示更新処理を実行する構成としており、当該残数表示更新処理についても、同期異常の特定が行われている状況であっても実行可能な処理とされている。
上記の通り、残数表示更新処理では、第1残数表示エリアNGA1における残りゲーム数の表示や第2残数表示エリアNGA2における残り払出枚数の表示を行っている状況で入賞時コマンド(CZゲーム数コマンドやAT枚数コマンド)を受信した場合には、当該入賞時コマンドに基づいて、残りゲーム数や残り払出枚数の更新を行う構成としている。
この場合、今回の残数表示更新処理よりも前において、接続異常が生じている状況で主制御装置101側から入賞時コマンド(CZゲーム数コマンドやAT枚数コマンド)が出力されていると、当該入賞時コマンドをサブ制御装置180側では正規に受け付けることができなかった可能性があり、当該入賞時コマンドに基づく残りゲーム数や残り払出枚数の更新は行われていない。
ただし、本実施形態では、今回の残数表示更新処理で残りゲーム数や残り払出枚数の更新を行うために参照する情報は、サブ制御装置180側で管理しているカウンタ等ではなく、主制御装置101側から受信するCZゲーム数コマンドやAT枚数コマンドに基づくCZモードの残りゲーム数の情報やATモードの残り払出枚数の情報としている。そのため、入賞時コマンドを正規に受け付けることができて残数表示更新処理が行われる場合の残りゲーム数や残り払出枚数の情報は、接続異常が生じていた間の更新の有無に関わらず、主制御装置101側で管理している実際の残りゲーム数や残り払出枚数の情報となり、第1残数表示エリアNGA1や第2残数表示エリアNGA2の表示は実際の残数として更新されることになる。
すなわち、図1210(c)に示すように、接続異常が生じていない状況であるt71にて開始操作が行われて開始されたゲームがt72にて全リール32L,32M,32Rが停止すると、残数表示更新処理が行われて、対応する残数表示(CZモードであれば残りゲーム数の表示、ATモードであれば残り払出枚数の表示)の更新が行われる。
t73にて接続異常が生じた場合、当該接続異常が解消されていない状況で開始されたゲームがt74にて終了(全リール32L,32M,32R停止)しても、サブ制御装置180側で入賞時コマンドを受け付けることができないため、残数表示更新処理は実行されない。
t75にて開始操作が行われたゲームにおいて、全リール32L,32M,32Rが停止するt77よりも前のt76にて接続異常が解消されると、当該t77では、サブ制御装置180において主制御装置101からの入賞時コマンドを正規に受け付けることが可能となり、t77にて残数表示更新処理が実行される。
この場合、残数表示更新処理にて更新する残数表示は、t77にて主制御装置101側から受信する当該入賞時コマンドとしてのCZゲーム数コマンドやAT枚数コマンドに基づくものであり、当該CZゲーム数コマンドやAT枚数コマンドは、接続異常が生じていた間のt74に終了したゲームの情報も含んでいる。
つまり、t77にて更新される残数表示は、接続異常が生じていた間に消化されたゲームの情報(接続異常が生じていた間に進行したゲームの情報)をも含んで更新される。
このような相違は、以下のような理由によるものである。つまり、獲得枚数の表示については、接続異常の有無に関わらず、遊技進行に伴って、実際にベットやメダルの払い出しが行われているのであるから、獲得枚数の表示に多少の誤差が生じていても、遊技者に大きな不利益を与えることにはならない。また、総消化ゲーム数の表示についても、接続異常の有無に関わらず、遊技進行に伴って、実際にゲームは消化可能とされていたのであるから、当該総消化ゲーム数の表示に多少の誤差が生じていても、遊技者に大きな不利益を与えることにはつながらない。すなわち、獲得枚数や消化ゲーム数といった第1特定情報の表示については、接続異常の解消後に更新する際、接続異常が生じていた間に更新された情報を反映させなくても、遊技者に大きな不利益を与えることにはつながりにくい。
これに対して、遊技者にとって有利なCZモードやATモードの残数(残りゲーム数や残り払出枚数)の表示については、仮に、接続異常が生じていた間のゲーム数や残り払出枚数を残数表示の更新に反映させないと、例えば、サブ制御装置180側で管理する表示ではまだまだ残りゲーム数や残り払出枚数が存在しているのにも関わらず、主制御装置101側で管理する残数が0となって、対応するCZモードやATモードが終了する事象が生じ得る。そうすると、まだまだ有利なモードが継続すると思っていた遊技者としては、その有利なモードが搾取されたかのように感じてしまう可能性があり、遊技者に不信感を抱かせてしまうだけでなく、遊技意欲の低下をも招きかねない。つまり、残数表示といった第2特定情報の表示については、接続異常の解消後に更新する際、接続異常が生じていた間に更新された情報が反映されないと、遊技者にとって大きな不利益を与えることにつながり得るものであり、特に第1特定情報の表示が更新されない場合よりも遊技者に不利益を与えることにつながり易い。そこで、上記のように、有利状態(CZモードやATモード)の残数表示については、接続異常が生じていた間の情報も含めて正しい残数に更新されるようにすることで、遊技意慾の低下を回避することが可能となる。
しかも、上記のように主制御装置101側では、CZモードやATモードの終了条件の成否をCZモードやATモードの残数によって管理しており、より具体的には、CZゲーム数コマンドやAT枚数コマンドのもととなるCZゲームカウンタやAT枚数カウンタによって管理している。つまり、サブ制御装置180側で残数表示を正しい表示に更新するために、別途、主制御装置101側で管理しているのではなく、既存の構成(主制御装置101側で行う遊技進行に用いる情報)を利用して、残数表示を正しい表示に更新可能としている。このようにすることで、構成の複雑化を生じさせることなく、残数表示を正しい表示に更新することによる上記の効果を期待することが可能となる。
第2特定情報としての残数表示の更新処理は、入賞時演出設定処理において実行されるところ、当該残数表示更新処理は、上記のように同期異常が特定された後、当該同期異常の解消前であっても、入賞時コマンドを正規に受けることができれば実行される構成としている。このようにすることで、より正しい情報として更新されなければ遊技者に不利益を与えかねない第2特定情報について、より早期に更新を行うことが可能となる。つまり、せっかく入賞時コマンドを受信したのにも関わらず、同期異常の解消前であることを通じて残数表示の更新を行うことができない、といった不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
より具体的には、例えば、CZモードやATモードが次のゲームで終了する(次のゲームで残り払出枚数が0となり得る)場合、その最終ゲームに復活演出(上乗せされたものの上乗せ報知演出が実行されていない後乗せ報知演出)等が行われる場合があるように設定されている構成においては、当該復活演出が行われることを期待しながらゲームの開始操作が行われるものと考えられるところ、仮に、同期異常の解消後でなければ残数表示更新処理を実行できない構成としていると、最終ゲームの1ゲーム前の遊技中(開始操作後)に接続異常が解消していても、当該最終ゲームの1ゲーム前では残数表示更新処理が行われずに、遊技者は、次のゲームが最終ゲームとなることを把握できず、上記の復活演出を楽しみとする遊技を行うことができないし、最終ゲームであることを知らずに当該最終ゲームを遊技することとなり、突然、CZモードやATモードが終了してしまう印象を強く与える結果となってしまう。これに対して、上記のように残数表示更新処理を同期異常の解消前であっても実行可能としておけば、少なくとも最終ゲームの1ゲーム前における入賞結果待ち状態(入賞時コマンドの出力前の状態)において接続異常さえ解消されれば、遊技者は、次のゲームが最終ゲームとなることを把握可能となり、当該最終ゲームを存分に楽しませることが可能となるし、少なくとも、最終ゲームであることを知りながら当該最終ゲームを遊技することになるため、CZモードやATモードが突然終了する印象を与えにくくすることが可能となる。
なお、CZモードやATモードが終了する場合には、主制御装置101から出力されるCZ終了コマンドやAT終了コマンドは入賞時コマンドとして出力され、当該終了ゲームでは、CZゲーム数コマンドやAT枚数コマンドを出力しない構成としているが、最終ゲームにおいてもCZゲーム数コマンドやAT枚数コマンドを出力する構成としてもよい。このようにすることで、最終ゲームにおいて残数表示を0としたうえで、CZモードやATモードの終了演出を行うことも可能である。
本実施形態では、入賞時演出設定処理において第2特定情報としての残数表示の更新用の処理を行う構成としているところ、当該残数表示更新処理が実行される場合には、第1特定情報としての獲得枚数の更新用の処理(獲得表示更新第2処理)についても実行する構成としている。このようにすることで、第2特定情報の更新が行われているのにも関わらず、第1特定情報の更新が行われないことの違和感を遊技者に与えにくくすることが可能である。つまり、第1特定情報としての獲得枚数の表示の更新が行われていないのにも関わらず、第2特定情報としての残数表示の更新が、接続異常が生じていた間も含めて行われると、CZモードやATモードの残数だけが一気に減ってしまう印象を強く与える可能性があるところ、上記のように獲得枚数の表示更新も併せて行う構成とすることで、それ以前の接続異常が解消されたことを、獲得枚数の表示も併せて更新させることを通じて理解させ易くなり、CZモードやATモードの残数だけが搾取されたといった誤解を与えにくくすることが可能となる。
<同期異常と押し順報知演出との関係>
上記のように、接続異常は複数ゲームに亘って生じ得るものであるし、接続異常が解消された後も、把握しているコマンドカウンタの値と、受信した遊技進行コマンドとに齟齬があると同期異常とされて、当該同期異常が解消されるまで、上記第1特定情報や第2特定情報の更新演出やエラー報知演出を除いて、基本的には各種演出の更新が行われない。
この場合、ATモードのように押し順報知演出が頻繁に実行されるような状態においては、報知している操作順序との関係で、操作された操作順序と演出上の不一致が生じ得る。そこで、以下は、押し順報知演出と同期異常との関係を説明する。
既に説明した通り、押し順報知演出は、開始操作時コマンドに基づく開始操作時演出設定処理(図1166)にて設定され、回転開始時コマンドに基づいてその押し順報知演出が開始される。なお、主制御装置101側の押し順報知は開始操作に基づいて(各リール32L,32M,32Rの回転開始前に)に開始される点は上述の通りである。
そして、開始操作時演出設定処理では、当該押し順報知演出にて示すストップスイッチ42~44の操作順序を押し順情報(押し順カウンタ)として一時記憶したうえで、その後、停止時演出設定処理(図1169)にて、受信する停止ON時コマンドが当該押し順情報に合致している場合には指示対応演出(図1179(b))を実行し、合致していない場合には指示非対応演出(図1180(a))を実行する構成としている。
また、停止時判定処理(図1192)では、停止ON操作の順序が、主制御装置101側で把握している順序とサブ制御装置180側で把握している順序とにズレがある場合(ステップSn4104:NO)、既に停止ON操作が行われているストップスイッチ42~44に対応する停止ON時コマンドを更に受信した場合(ステップSn4106:YES)、既に停止済みのリールに対応するストップスイッチ42~44の停止ON時コマンドを受信した場合(ステップSn4107:YES)、停止ON操作が行われていないストップスイッチ42~44のリールに対応するリール停止時コマンドを受信した場合(ステップSn4112:NO)、既に停止済みのリールに対応するリール停止時コマンドを受信した場合(ステップSn4113:YES)、停止ON操作が行われていないストップスイッチ42~44に対応する停止OFF時コマンドを受信した場合(ステップSn4119:NO)にも、同期異常が生じていると判定する(コマンド異常フラグをセットする)構成としており、当該判定後は、対応する演出の更新が行われなくなる。
以下、実際の事象を例示しながら説明する。
<押し順報知演出を実行するゲームで接続異常が発生し、当該ゲーム中に接続異常が解消された場合>
先ず、押し順報知演出を実行するゲームで接続異常が発生し、当該ゲームが終了するよりも前に接続異常が解消された場合について、図1211を参照しながら説明する。
図1211(a)に示すように、例えば、ta1にて開始操作(図ではレバーを示す「L」にて表示)が行われて開始されたゲームで順押し(左→中→右)に対応する押し順報知演出が実行される場合(図では主制御装置101側の押し順報知に対応する「1」にて表示)、ta2にて左ストップスイッチ42の停止ON操作が行われると、対応する指示対応演出(第1指示キャラクタS1を非表示とする演出)が実行され、ta3にて中ストップスイッチ43の停止ON操作が行われると、対応する指示対応演出(第2指示キャラクタS2を非表示とする演出)が実行され、ta4にて右ストップスイッチ44の停止ON操作が行われると、対応する指示対応演出(第3指示キャラクタS3を非表示とする演出)が実行される。そして、ta5にて右ストップスイッチ44の停止OFF操作が行われて右リール32Rが停止すると、入賞時演出が実行される(図1181(a))。
ta5の入賞時演出は、入賞時コマンド(入賞結果コマンド)に基づく入賞時演出設定処理にて設定されるものではなく、上記のように押し順報知演出を実行している状況下で押し順報知演出に対応する操作順序で操作されたことに基づいて停止時演出設定処理にて設定される演出である。つまり、押し順報知演出の実行ゲーム(特定ゲーム)では、入賞時コマンドの受信前に、入賞時コマンドを受信した場合の演出を実行可能な構成であり、より詳しくは、停止時コマンドに基づいて、入賞結果をサブ制御装置180側で事前に特定し、当該特定結果に基づいて入賞判定を経ずに入賞結果に対応する演出(入賞時演出)を実行する構成としている。このようにすることにより、押し順報知演出の実行ゲームのように停止操作毎に演出を更新する必要があるゲームにおいて、演出内容を事前に設定することが可能となり、主制御装置101からのコマンドを待って演出内容を設定する構成と比較して、演出設定に係る処理負荷の増大化を回避することができるし、入賞時に設定する他の演出用にCPU181の処理容量を割くことが可能となり、より演出を好適に行うことが可能となる。
この場合、上記の通り、ta1の開始操作時に消化ゲーム数表示の更新と獲得枚数表示の更新が行われ、ta5の全停止時に獲得枚数表示の更新と残数表示の更新が行われるところ、上記の入賞時に設定する他の演出としては、獲得枚数表示の更新演出や、残数表示の更新演出が相当する。つまり、上記のように、入賞時演出を事前に設定・実行することにより、入賞時の残数表示の演出更新時に入賞時演出の設定・実行用の処理が必要なくなることから、処理エラー等によって残数表示の更新演出が実行されないようになる不都合を好適に回避することが可能である。
続くta6にて開始操作が行われたゲームで逆押し(右→中→右)に対応する押し順報知演出が実行される場合(図1211(b))において、第1停止前のta7にて接続異常が生じた場合、ta8にて右ストップスイッチ44の停止ON操作が行われても、サブ制御装置180側で停止ON時コマンドを正規に受け付けることができないため、指示対応演出は実行されない。また、続くta9にて右ストップスイッチ44の停止OFF操作が行われても、停止OFF時コマンドを受け付けることができないため、停止OFF操作時演出(図1180(b))は実行されない。
第1停止操作(右ストップスイッチ44の停止ON操作及び停止OFF操作)が行われた後の、ta10にて接続異常が解消した場合、続くta11にて中ストップスイッチ43の停止ON操作が行われると、当該停止ON操作に基づく停止ON時コマンドを停止時コマンドとして受信した際の停止時判定処理において、順序番号と順序カウンタとが相違すると判定されて(ステップSn4104:NO)、同期異常が特定される。その結果、当該ta11の停止ON時コマンドに基づく停止ON操作時演出や指示対応演出及び指示非対応演出は実行されず、同様にta12にて中ストップスイッチ43の停止OFF操作が行われても停止OFF操作時演出は行われないし、ta13にて左ストップスイッチ42の停止ON操作が行われても停止ON操作時演出や指示対応演出、指示非対応演出は行われず、ta14にて左ストップスイッチ42の停止OFF操作が行われても停止OFF操作時演出は実行されない。また、全停止後の入賞時演出も実行されない。
ただし、上記の通り、入賞時演出設定処理における獲得表示更新第2処理や残数表示更新処理は、同期異常が特定されていても実行されるため、ta14(実際にはta14にて停止OFF操作が行われた後)にて獲得枚数表示や残数表示の更新が行われる。
この場合、続くta15にて次のゲームの開始操作が行われることによって、同期異常の解消処理が行われ、実行中の押し順報知演出(ta6にて開始された押し順報知演出)が、一旦終了されて、当該ta15にて開始されるゲームに対応する押し順報知演出(逆挟み押し、右→左→中)にその演出が更新される(図1211(c))。
<押し順報知演出を実行するゲームで接続異常が発生し、当該ゲームの終了後に接続異常が解消された場合>
次に、押し順報知演出を実行するゲームで接続異常が発生し、当該ゲームが終了した後、次のゲームの開始前に接続異常が解消された場合について、図1212を参照しながら説明する。
図1212(a)に示すように、例えば、tb1にて開始操作が行われて開始されたゲームで順押しに対応する押し順報知演出が実行された後、第1停止操作が行われるよりも前のtb2にて接続異常が生じた場合、続くtb3にて左ストップスイッチ42の停止ON操作が行われても停止ON操作時演出や指示対応演出、指示非対応演出は実行されないし、tb4にて中ストップスイッチ43の停止ON操作が行われても停止ON操作時演出や指示対応演出、指示非対応演出は実行されない。同様に、tb5にて右ストップスイッチ44の停止ON操作が行われても停止ON操作時演出や指示対応演出、指示非対応演出は実行されず、tb6にて右ストップスイッチ44の停止OFF操作が行われても停止OFF操作時演出は実行されず、全停止時に入賞時演出も実行されない。この場合、tb1にて開始された押し順報知演出が継続されることになる(図1212(b))。
次のゲームが開始されるよりも前のtb7にて接続異常が解消されると、続くtb8にて開始操作が行われた際にサブ制御装置180側の回転開始時判定処理、停止不可時判定処理及び停止時判定処理のいずれか(tb2にて接続異常が発生した状況で把握していた遊技進行状態に対応する判定処理)にて同期異常の特定が行われる。ただし、その直後、開始操作時演出設定処理にて、同期異常の解消処理が行われて、実行中の演出(順押しを指示する押し順報知演出)は、受信した開始操作時コマンドに基づく今回のゲームの開始操作時演出(逆押しを指示する押し順報知演出)に書き換えられる(図1212(c))。
その結果、tb9にて右ストップスイッチ44の停止ON操作が行われると、対応する指示対応演出が実行され、tb10にて中ストップスイッチ43の停止ON操作が行われると、対応する指示対応演出が実行され、tb11にて左ストップスイッチ42の停止ON操作が行われると、対応する操作時時演出が実行されることになる。
そして、tb12にて左ストップスイッチ42の停止OFF操作が行われると、停止OFF操作時演出が行われるとともに、その後、入賞時演出が実行される。
<押し順報知演出を実行するゲームで接続異常が発生し、当該ゲームの次のゲーム中に接続異常が解消された場合1>
次に、押し順報知演出を実行するゲームで接続異常が発生し、当該ゲームの次のゲームの実行中に接続異常が解消された場合について、図1213を参照しながら説明する。
図1213(a)に示すように、例えば、tc1にて開始操作が行われて開始されたゲームで順押しに対応する押し順報知演出が実行された後、第1停止操作が行われるよりも前のtc2(例えば、停止可能時コマンドの受信後、サブ制御装置180では停止待ち状態として把握している状況)にて接続異常が生じた場合、続くtc3にて左ストップスイッチ42の停止ON操作が行われても停止ON操作時演出や指示対応演出、指示非対応演出は実行されないし、tc4にて中ストップスイッチ43の停止ON操作が行われても停止ON操作時演出や指示対応演出、指示非対応演出は実行されない。同様に、tc5にて右ストップスイッチ44の停止ON操作が行われても停止ON操作時演出や指示対応演出、指示非対応演出は実行されず、tc6にて右ストップスイッチ44の停止OFF操作が行われても停止OFF操作時演出は実行されず、全停止時に入賞時演出も実行されない。この場合、tc1にて開始された押し順報知演出が継続されることになる(図1212(b))。
次のゲームがtc7にて開始されると、未だ接続異常が未解消であるため、当該開始操作に基づく同期異常の解消処理も開始操作時演出の設定も行われない。そのため、当該ゲームが逆押しに対応する押し順報知演出を実行するゲームであっても、上記のように前ゲームの押し順報知演出が継続されることになる(図1212(c))。ただし、主制御装置101側の指示モニタによる押し順報知は今回のゲームに対応する操作順序を示す報知として実行されるため、遊技者は、少なくとも当該指示モニタによる押し順報知から有利な操作順序を把握することが可能である。
この場合、tc8にて逆押しに対応する第1停止操作としての右ストップスイッチ44の停止ON操作が行われても、停止ON操作時演出や指示対応演出は実行されず、上記tc1にて開始された押し順報知演出が継続される。
tc9にて接続異常が解消された後、tc10にて逆押しに対応する第2停止操作としての中ストップスイッチ43の停止ON操作が行われた場合、仮に、サブ制御装置180において現状の遊技進行状態を停止待ち状態であると把握していたとしても(tc2の接続異常の発生タイミングが停止可能時コマンドの受信後であっても)、主制御装置101側の順序番号とサブ制御装置180側の順序カウンタとの相違によって同期異常と判定され、当該停止ON時コマンドに基づく停止ON操作時演出や指示対応演出、指示非対応演出は実行されない。なお、サブ制御装置180において現状の遊技進行状態を停止待ち状態ではなく、回転開始待ち状態や停止不可状態であると把握している場合(tc2の接続異常の発生タイミングが停止可能時コマンドの受信前であった場合)、tc10の停止ON時コマンドは、遊技進行状態に対応しない遊技進行コマンドであるとして同期異常の特定がなされることになる。
続くtc11にて、逆押しの第3停止操作としての左ストップスイッチ42の停止ON操作が行われた場合にも、上記のように同期異常が特定されていることから、当該停止ON時コマンドに基づく停止ON操作時演出や指示対応演出、指示非対応演出は実行されない。また、tc12にて左ストップスイッチ42の停止OFF操作が行われた場合にも、停止OFF操作時演出や、その後の入賞時演出は実行されない。
ただし、tc12における入賞時コマンドに基づく獲得枚数表示の更新や残数表示の更新は行われる。
tc13にて次のゲームの開始操作が行われると、当該開始操作時コマンドに基づき、同期異常の解消処理が実行される。その結果、tc1にて開始された押し順報知演出が一旦終了し、tc13にて開始されるゲームに対応する押し順報知演出に更新されることになる。
<押し順報知演出を実行するゲームで接続異常が発生し、当該ゲームの次のゲーム中に接続異常が解消された場合2>
次に、押し順報知演出を実行するゲームの所定の遊技進行状態で接続異常が発生し、当該ゲームの次のゲームにおける当該所定の遊技進行状態で接続異常が解消された場合について、図1214を参照しながら説明する。つまり、接続異常が生じた遊技進行状態と接続異常が解消された遊技進行状態とが、異なるゲームにおける同じ遊技進行状態である場合である。
図1214(a)に示すように、例えば、td1にて開始操作が行われて開始されたゲームで順押しに対応する押し順報知演出が実行された後、第1停止操作が行われるよりも前のtd2(例えば、停止可能時コマンドの受信後、サブ制御装置180では停止待ち状態として把握している状況)にて接続異常が生じた場合、続くtd3にて左ストップスイッチ42の停止ON操作が行われても停止ON操作時演出や指示対応演出、指示非対応演出は実行されないし、td4にて中ストップスイッチ43の停止ON操作が行われても停止ON操作時演出や指示対応演出、指示非対応演出は実行されない。同様に、td5にて右ストップスイッチ44の停止ON操作が行われても停止ON操作時演出や指示対応演出、指示非対応演出は実行されず、td6にて右ストップスイッチ44の停止OFF操作が行われても停止OFF操作時演出は実行されず、全停止時に入賞時演出も実行されない。この場合、td1にて開始された押し順報知演出が継続されることになる。
次のゲームがtd7にて開始されると、未だ接続異常が未解消であるため、当該開始操作に基づく同期異常の解消処理も開始操作時演出の設定も行われない。そのため、当該ゲームが逆押しに対応する押し順報知演出を実行するゲームであっても、上記のように前ゲームの押し順報知演出が継続されることになる。ただし、上記の通り、主制御装置101側の指示モニタによって、遊技者は今回のゲームにおいて第1小役入賞~第6小役入賞となる有利な操作順序(この例では逆押し)を把握可能である。
td7にて上記の開始操作が行われた後、上記td2にて接続異常が生じた遊技進行状態と同じ遊技進行状態(例えば、停止待ち状態)であるtd8にて接続異常が解消されたとする。そして、この例では、td7にて開始されたゲームにおいて、td1にて開始された押し順報知演出(順押しの押し順報知演出)に対応する操作順序でストップスイッチ42~44の操作が行われた場合を説明する。
この場合、続くtd9にて順押しの第1停止操作としての左ストップスイッチ42における停止ON時コマンドを受信しても、受信した遊技進行コマンドはサブ制御装置180にて把握している遊技進行状態に合致するものであるし、更に、停止時判定処理において、主制御装置101側の順序番号とサブ制御装置180側の順序カウンタとは同じであり、左リール32Lは未停止であり、左ストップスイッチ42に対応する停止ONフラグはセットされていないことから、同期異常の特定はなされない(コマンド異常フラグはセットされない)。
しかも、サブ制御装置180側では、td1にて開始されたゲームにおける押し順報知演出に対応する押し順情報を記憶しており、td9にて受信した左ストップスイッチ42の停止ON時コマンドは記憶している押し順情報の操作順序に対応するものであることから(ステップSn2709:YES)、サブ制御装置180側ではtd8の停止ON時コマンドに基づいて操作対応演出を実行することになる。
続くtd10にて順押しの第2停止操作としての中ストップスイッチ43の停止ON操作が行われると、同様に、記憶している押し順情報の操作順序に対応するものであることから、操作対応演出が実行され、td11にて順押しの第3停止操作としての右ストップスイッチ44の停止ON操作が行われると、操作対応演出が行われる。
しかも、この場合、td11の停止ON操作によって、対応操作カウンタは3となり、対応入賞フラグがセットされる(ステップSn2713)。そうすると、td12にて当該第3停止操作の停止OFF操作が行われ、全リール32L,32M,32Rが停止すると入賞時演出が実行されることになる。
この場合、今回のゲームはtd7にて開始されたゲームであって、ストップスイッチ42~44を逆押しで操作することで第6小役入賞が成立する逆押しベル1又は逆押しベル2が当選したゲームである。これに対して、上記のようにtd7にて開始されたゲームで、ストップスイッチ42~44を順押しで操作しており、そうすると、td9にて第1停止操作を行った際に、図1214(b)に示すように、操作対応演出が行われるものの、左リール32Lは、第6小役ではなく第25小役に対応する出目(第25小役図柄としての「赤7」図柄が有効ラインMLに停止する出目)となって停止する。
そして、td12にて第3停止操作を行った際には、図1214(c)に示すように、第25小役入賞が成立しているものの、補助表示部65では、第6小役入賞に対応する入賞時演出が実行されることになる。
これらの操作対応演出や入賞時演出は、当該ゲーム(td7にて開始されたゲーム)と当該ゲームで実行された停止操作や停止出目との関係では、矛盾する演出となっているとも考えられるものの、td1にて開始されたゲームと、td7にて開始されたゲームで実行された停止操作や停止出目と、の関係では矛盾しない演出となっている。そして、当該td1にて開始されたゲームでは、停止操作に基づく操作対応演出や入賞時演出が実行されていないことから、td7のゲームで改めて実行された停止操作に基づいて、操作対応演出や入賞時演出を実行しているとも解することができる。
つまり、遊技者としては、td1にて実行された押し順報知演出に従って、td3、td4、td5にて停止操作を行っていたとしても、対応する操作対応演出や入賞時演出が実行されていないことから、当該停止操作が遊技機に正規に受け付けられていないと勘違いしてしまう恐れがある。その点、改めて開始されたtd7のゲームで、td9、td10、td11にて、td1にて実行された押し順報知演出に従って停止操作が行われた場合に、対応する操作対応演出や入賞時演出を行うことによって、遊技者の誤解や不安を事後的に解消することが可能となり、遊技意欲の低下を好適に回避することが可能となる。
しかも、上記のような構成は、接続異常が生じたことを接続異常が解消するよりも前にサブ制御装置180側で特定するための構成を設けなくても作用することが可能な構成である。つまり、サブ制御装置180側では、把握している遊技進行状態に対応する遊技進行コマンドを受信した場合であって、記憶している押し順情報に対応する停止時コマンドを受信した場合には、それ以前の接続異常の有無に関わらず、操作対応演出や入賞時演出を実行すればよく、複雑な構成を用いることなく遊技者の遊技意欲の低下を回避する効果を見込むことが可能である。
<押し順報知演出を実行するゲームで接続異常が発生し、当該ゲームの次のゲーム中に接続異常が解消された場合3>
次に、押し順報知演出を実行するゲームの所定の遊技進行状態で接続異常が発生し、当該ゲームの次のゲームにおける当該所定の遊技進行状態で接続異常が解消された場合について、図1215を参照しながら説明する。つまり、上記の例と同様に、接続異常が生じた遊技進行状態と接続異常が解消された遊技進行状態とが、異なるゲームにおける同じ遊技進行状態である場合である。ただし、本例では、後側の押し順ベル当選時のゲームにおいて、先に開始されたゲームの押し順報知演出に対応する操作順序とは異なる操作順序であって、後で開始されたゲームの押し順報知(指示モニタによる押し順報知)に対応する操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合について説明する。
すなわち、図1215(a)に示すように、上記td1~td6と同様に、te1にて開始操作が行われて開始されたゲームで順押しに対応する押し順報知演出が実行された後、第1停止操作が行われるよりも前のte2にて接続異常が生じた場合、続くte3、te4、te5にて順押しに対応する操作順序でストップスイッチ42~44が操作されても、各停止ON操作時に停止ON操作時演出や指示対応演出、指示非対応演出は実行されないし、te6の全停止時に入賞時演出も実行されない。この場合も、te1にて開始された押し順報知演出が継続されることになる。
次のゲームがte7にて開始されると、未だ接続異常が未解消であるため、当該開始操作に基づく同期異常の解消処理も開始操作時演出の設定も行われず、当該ゲームが逆押しに対応する押し順報知演出を実行するゲームであっても、上記のように前ゲームの押し順報知演出が継続されることになる。ただし、上記の通り、主制御装置101側の指示モニタによって、遊技者は今回のゲームにおいて第1小役入賞~第6小役入賞となる有利な操作順序を把握可能である。
te7にて上記の開始操作が行われた後、上記te2にて接続異常が生じた遊技進行状態と同じ遊技進行状態(例えば、停止待ち状態)であるte8にて接続異常が解消されたとする。そして、この例では、上記の通り、te7にて開始されたゲームにおいて、te1にて開始された押し順報知演出(順押しの押し順報知演出)とは対応しない操作順序であって、te7にて開始される主制御装置101側の押し順報知(逆押しの押し順報知)と対応する操作順序でストップスイッチ42~44の操作が行われた場合を説明する。
この場合、続くte9にて逆押しの第1停止操作としての右ストップスイッチ44における停止ON時コマンドを受信すると、受信した遊技進行コマンドはサブ制御装置180にて把握している遊技進行状態に合致するものであり、停止時判定処理において、主制御装置101側の順序番号とサブ制御装置180側の順序カウンタとは同じであり、更に、左リール32Lは未停止であり、左ストップスイッチ42に対応する停止ONフラグはセットされていないことから、同期異常の特定はなされない(コマンド異常フラグはセットされない)。
ただし、サブ制御装置180側では、te1にて開始されたゲームにおける押し順報知演出に対応する押し順情報を記憶しており、te9にて受信した右ストップスイッチ44の停止ON時コマンドは記憶している押し順情報の操作順序に対応しないものであることから(ステップSn2709:NO)、サブ制御装置180側ではte9の停止ON時コマンドに基づいて操作非対応演出を実行することになる(図1215(b))。
続くte10にて逆押しの第2停止操作としての中ストップスイッチ43の停止ON操作が行われ、te11にて逆押しの第3停止操作としての左ストップスイッチ42の停止ON操作が行われても、上記のように既に操作非対応演出を実行していることからる、これらte10やte11では対応する演出(操作非対応演出や停止ON操作時演出)は実行されず、te9にて開始された操作非対応演出が継続されることになる。
今回のゲームはte7にて開始されたゲームであって、ストップスイッチ42~44を逆押しで操作することで第6小役入賞が成立する逆押しベル1又は逆押しベル2が当選したゲームであるため、上記のようにte7にて開始されたゲームで、ストップスイッチ42~44を逆押しで操作すると、te12の全停止時には、図1215(c)に示すように、第6小役入賞が成立することになる。
ただし、サブ制御装置180側では、te1にて開始されたゲームの押し順情報とは異なる操作順序でストップスイッチ42~44が操作されたと判定しており、te7の全停止時には第6小役入賞に対応する入賞時演出は実行されず、te9にて開始された操作非対応演出が継続されることになる。なお、本実施形態では、一旦、操作非対応演出が実行された後は、当該ゲームが終了するまで操作非対応演出が継続される構成としているが、各操作時に当該操作非対応演出が更新される構成としてもよく、以降の停止操作時には操作非対応演出は更新されないものの、停止ON操作時演出や停止OFF操作時演出は実行される構成としてもよい。
上記の操作非対応演出を実行することや入賞時演出を実行しないことは、当該ゲーム(te7にて開始されたゲーム)と当該ゲームで実行された停止操作や停止出目との関係では、矛盾する演出となっているとも考えられるものの、te1にて開始されたゲームと、te7にて開始されたゲームで実行された停止操作や停止出目と、の関係では矛盾しない演出となっている。そして、当該te1にて開始されたゲームでは、停止操作に基づく操作非対応演出等は実行されていないことから、te7のゲームで改めて実行された停止操作に基づいて、操作非対応演出を実行しているとも解することができる。
つまり、遊技者としては、te1にて実行された順押しの操作順序を示す押し順報知演出に従わずに(例えば逆押しにて)、te3、te4、te5にて停止操作を行っていたとしても、対応する操作非対応演出は実行されないことから、当該停止操作が遊技機に正規に受け付けられていないと勘違いしてしまう恐れがある。その点、改めて開始されたte7のゲームで、te9、te10、te11にて、te1にて実行された押し順報知演出に従わない停止操作が行われた場合に、対応する操作非対応演出を行うことによって、遊技者の誤解や不安を事後的に解消することが可能となり、遊技意欲の低下を好適に回避することが可能となる。
このように、本実施形態では、サブ制御装置180側で記憶している押し順情報に対応する操作順序で停止操作が行われた場合には、当該押し順情報の記憶が行われたゲームとは異なるゲームで当該停止操作が行われた場合であっても、正しい操作順序(押し順情報と対応する操作順序)で操作されたものとして操作対応演出を実行するようにし、また、サブ制御装置180側で記憶している押し順情報に対応しない操作順序で停止操作が行われた場合には、当該押し順情報の記憶が行われたゲームとは異なるゲームで当該停止操作が行われた場合であっても、誤った操作順序(押し順情報と対応しない操作順序)で操作されたものとして操作非対応演出を実行するようにしている。このようにすることで、既に開始している押し順報知演出の内容を尊重し、当該押し順報知演出自体の修正を行いながら停止操作に対応する演出を行うような構成とすることによる処理負荷の増大化等を解消することが可能となる。
また、上記のように押し順情報に対応する操作順序で停止操作が行われた場合には、当該押し順情報の記憶が行われたゲームとは異なるゲームで当該停止操作が行われた場合であっても、正しい操作順序で操作されたものとして、入賞時演出を、入賞時コマンドを待つことなく全停止時に実行する構成としている。つまり、今回実行している押し順報知演出が、今回のゲームに対応するものか否かの特定を行うことなく、当該押し順報知演出の更新演出(指示対応演出、指示非対応演出)や、当該押し順報知演出を終了させる演出(入賞時演出)を実行する構成であり、このようにすることで、押し順報知演出実行時の処理構成の複雑化を生じさせることなく、演出の更新を行うことが可能となるし、更に、事前に入賞時演出を設定することによる効果をより好適に奏することが可能となる。
さらに、本実施形態では、電源投入時においてサブ制御装置180にて立ち上げ時コマンドを受信することができず、特定事象としての接続異常が生じている場合、接続異常用のエラー報知を開始し、その後、当該接続異常が解消しても当該エラー報知を終了させない(継続させる)ようにしたことから、接続異常用のエラー報知を実行している最中に接続異常が解消されたことを把握するための構成を用意する必要がなく、構成の簡略化が図られている。
ちなみに、接続異常用のエラー報知を実行している最中に接続異常が解消されたことを把握するための構成や、それに伴うエラー報知を終了させるための構成としては、例えば、主制御装置101から立ち上げ時コマンドを出力した後、定期的に(例えば通常処理に移行した場合に、当該通常処理の1起動毎に)、接続確認用のコマンドをサブ制御装置180へ出力する構成とし、サブ制御装置180においてエラー報知を実行している最中に、上記の接続確認用のコマンドを受信することができた場合には、接続異常が解消されたとして接続異常用のエラー報知を終了する構成が考えられる。なお、接続異常用のコマンドを設ける構成に代え、又は加えて、上記の遊技進行用のコマンドを受信した場合にエラー報知を終了する構成としてもよい。これらの構成とすることで、電源投入時に生じている接続異常が解消された場合に、電源の再投入を経ることなく接続異常用のエラー報知を終了させることが可能である。
ただし、既に説明した通り、電源投入時に接続異常が発生した場合とは、ハーネスHの抜け等の物理的な異常の他、主制御装置101側の立ち上げ処理やサブ制御装置180側の立ち上げ処理においてノイズ等の影響によって何らかの異常が生じている可能性がある。つまり、接続異常以外の異常も同時に発生している可能性があり、そうすると、仮に当該電源投入時の接続異常が解消されたとしても、接続異常以外の異常が残存していることも考えられ、上記構成のように、電源の再投入によって、再度の立ち上げ処理のやり直しを強要する構成とすることで、未発見の接続異常以外の異常をも解消できる可能性を高めることが可能となる。よって、遊技をより好適に進行可能とすることができる。
また、電源投入時に接続異常が生じている場合には、接続異常用のエラー報知を実行する一方、電源投入後の通常遊技において接続異常が生じている場合には、接続異常用のエラー報知を行わない構成とした。これは、電源投入時においては、サブ制御装置180側で、主制御装置101から接続確認用のコマンド(立ち上げ時コマンド)が出力されることを予測可能(出力されるタイミングを把握可能)である一方で、電源投入後の通常遊技においては主制御装置101からの接続確認用のコマンドが出力されることを予測困難(出力されるタイミングを把握困難)であることに起因している。
電源投入後の通常遊技においても接続異常が生じていることの確認を可能とする場合、上記のように主制御装置101から定期的に(例えば通常処理に移行した場合に、当該通常処理の1起動毎に)、接続確認用のコマンドをサブ制御装置180へ出力する構成とし、サブ制御装置180において、当該接続確認用のコマンドの定期的な受信確認用の処理を設けることで、電源投入後の通常遊技のように、遊技者の自由なタイミングで遊技が進行される構成において、接続確認を可能とすることができる。ただし、このような構成とすると、定期的なコマンド出力やその受信確認が必要となり、処理構成の複雑化や、送受信されるコマンド数が膨大な数量となることを通じて処理エラー等の発生が懸念される。
また、電源投入時に接続確認を行って、接続異常が生じていないことを条件として通常遊技に移行する構成としていることから、通常遊技においては、少なくともそれ以前の電源投入時には接続異常が生じていなかったことになり、通常遊技において接続異常の確認を行う必要性は、電源投入時よりも低いと考えられる。また、通常遊技においては、遊技進行に伴い、演出の更新が行われないことを通じて、遊技者自身が接続異常が生じていることを明確に把握することができるものと考えられる。
そこで、上記のように、電源投入時においては接続異常の確認を行う(接続異常用のエラー報知を行う)一方、通常遊技においては接続確認を行わない(接続異常用のエラー報知を行わない)ようにすることで、接続異常の確認やその報知を適切なタイミングで行う構成とすることができ、限られた処理容量を適切に配分することが可能となる。
通常遊技においては、接続異常が生じていたことを、接続異常が解消された場合にとくてい可能な構成としている。つまり、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態に対応しない遊技進行コマンドを受信した場合、それ以前に接続異常が生じていた可能性があるとして、事後的にではあるものの、その接続異常が生じていたことを特定可能としている。このようにすることで、接続異常が生じていたことに起因する演出上の矛盾等への対処を好適に行うことが可能となる。
この場合、通常遊技においては、接続異常が生じている状況を主制御装置101やサブ制御装置180は特定することができないものの、遊技進行を行う遊技者は、遊技進行を行っても当該遊技進行に対応する演出等が行われないことを通じて、接続異常が生じている状況を特定することができる。そのため、事後的にではあっても、接続異常が生じていたことをスロットマシン10側で特定することの意義はあり、このようにすることで、接続異常が生じていたことに基づく演出上の矛盾等への対処をスロットマシン10側で行うことが可能となる。
接続異常用のエラー報知は、主制御装置101からの接続確認用のコマンド(立ち上げ時コマンド)を受信しないことに基づいて実行されるエラー報知であり、他のエラー報知のように、主制御装置101からのエラーコマンドを受信することに基づいて実行されるエラー報知とは異なる。このようなエラー報知を設けることによって、主制御装置101が把握できない異常(接続異常)についても、その発生を遊技者や遊技ホールの管理者等に知らせることが可能となる。つまり、他のエラー(例えば、ドアオープンエラー等)については、主制御装置101にて把握可能であるものの、接続異常については、主制御装置101にて把握できない異常であり、言い換えると、他のエラーについては、サブ制御装置180側では主制御装置101を介することで把握可能となる異常であって、接続異常については、サブ制御装置180側で主制御装置101を介することなく把握可能となる異常である。つまり、主制御装置101側で把握することができない異常については、サブ制御装置180側にその把握を任せる構成としている。このようにすることで、遊技進行を担う主制御装置101と、演出等の管理を担うサブ制御装置180といった複数の制御装置によって遊技を実現するスロットマシン10において、異常の特定についても、複数の制御装置によってそれぞれ管理可能な構成となり、複数の制御装置によって処理負荷の分散化を図る意義においても好ましい構成とすることができる。
電源投入後の通常遊技において、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態に対応しない遊技進行コマンドを受信した場合、すなわち、実行している演出の内容に対応しないコマンドを主制御装置101から受信した場合、当該受信したコマンドに基づく演出が行われないようにした。このようにすることで、実行中の演出内容と受信したコマンドに基づく演出内容とにギャップがあるような場合に、そのギャップを埋め合わせるための演出更新が行われない構成となり、処理構成の簡素化に貢献することができるし、全く演出内容が異なる演出内容に更新されることによる違和感を遊技者に与えないようにすることも可能となる。
主制御装置101にて進行されている遊技進行状態を、サブ制御装置180において把握して、両制御装置の同期を図る場合、主制御装置101から受信する演出用のコマンドを遊技進行状態が移行した契機(遊技進行コマンド)として、主制御装置101側の遊技進行状態を把握する構成とした。このようにすることで、両制御装置の同期を図るうえで、別途、遊技進行コマンドを設ける必要が生じず、既存の構成をうまく利用して、両制御装置の同期を図ることが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、電源投入時に接続異常が生じている場合のエラー報知を、所定期間後に終了させる構成とする。図1216(a)は本変形例における表示メイン処理の一部を示すフローチャートである。
すなわち、ステップSn4701では、上記ステップSn2101の処理と同様に、サブ制御装置180の立ち上げに伴う初期化処理を実行する。続くステップSn4702では、主制御装置101側からの立ち上げ時コマンドを受信しているか否かの処理、すなわち、接続異常が生じているか否かの判定処理を実行する。立ち上げ時コマンドを受信しており、接続異常が生じていないと判定した場合には、ステップSn4703にて立ち上げ時音量設定処理を実行した後、ステップSn2104に進み、演出用のループ処理に移行する。ステップSn4703の処理は、上記ステップSn2103の処理と同様である。
ステップSn4702にて、立ち上げ時コマンドを受信しておらず、接続異常が生じていると判定した場合、ステップSn4704にてエラー報知処理を実行する。かかる処理にて、図1206(a)のエラー報知が実行されることになる。
続くステップSn4705では、外部出力処理を実行する。
ここで、図1217(a)に示すように、本変形例では、主制御装置101と外部集中端子板121とが接続されているとともに、サブ制御装置180も外部集中端子板121と接続されており、サブ制御装置180からも外部集中端子板121を介して遊技ホールのホールコンピュータやデータ表示器等へ情報を出力可能な構成としている。なお、主制御装置101と接続されている外部集中端子板121とは別の外部集中端子板を介して外部出力を可能とする構成としてもよい。主制御装置101と同じ外部集中端子板121にサブ制御装置180も接続する構成とすることで、外部集中端子板121を共用する構成となり、機能の集約化を通じて構成の簡素化を図ることが可能となる。また、別々の外部集中端子板とすることで、仮に一方の外部集中端子板が故障等によって情報出力ができない等の不都合が生じても他方の外部集中端子板を介して情報出力を行う余地が残り、情報出力を好適に行うことが可能となる。
ステップSn4705の外部出力処理は、外部集中端子板121を介して遊技ホールのホールコンピュータやデータ表示器等へ接続異常が生じていることの情報を出力する処理である。この場合、当該接続異常が生じていることの情報を出力する構成に加えて又は代えて、何らかの異常(エラー)が生じていることの情報を出力する構成としてもよい。このような異常の種類を特定できないものの、異常の発生を特定可能な情報を出力する構成とすることによって、異常の種類に応じて情報出力端子をそれぞれ設ける必要がなく、構成の簡素化を図ることが可能である。また、例えば、外部集中端子板121における異常出力用の端子からの出力信号を出力停止状態(LOW状態)から出力状態(HI状態)に切り替えることによって、何らかの異常が生じていることの情報を出力する構成とし、当該出力停止状態と出力状態との切替態様(切替の間隔や、切換回数等)を異常の種類に応じて設定し、その設定された切替態様に応じて出力停止状態と出力状態とを切り替える構成とすると、一の出力端子を用いていずれの種類の異常が発生しているかを当該情報の受け先(ホールコンピュータやデータ表示器等)で特定可能である。
続くステップSn4706では、各種カウンタエリア183bに設けられた報知タイマに所定期間に相当する値を入力する処理を実行する。所定期間としては、エラー報知を開始してから当該エラー報知に対応する接続異常が生じていることを、遊技ホールの管理者等が把握可能となる期間よりも長い期間であるとよく、例えば、本変形例では5minを設定している。なお、報知タイマに入力された値は、図1216(b)に示すタイマ管理処理にて、所定周期(1.49msec周期)で1ずつ減算される(ステップSn4711)。
ステップSn4707では、上記報知タイマが0となり、上記所定期間が経過したか否かを判定し、経過していない場合には、そのまま待機する。この場合、上記エラー報知や外部出力が継続されることになる。
所定期間が経過することでステップSn4707にて肯定判定し、ステップSn4708に進む。ステップSn4708では、エラー報知の終了処理を実行する。その後、ループ処理に移行する。
すなわち、図1217(b)に示すように、接続異常が生じているtf1にて電源が投入された場合において、当該tf1にてエラー報知や外部出力が開始される。その後、上記実施形態と同様に、tf2にて接続異常が解消されても、エラー報知や外部出力は終了しないで継続される。そして、本変形例では、tf1にてエラー報知を開始してから所定期間が経過するtf3にてエラー報知が終了する。その後、tf4にて電源がOFFとされると、外部出力も終了し、tf5にて電源が再投入されると、接続異常は解消済みであることから、エラー報知や外部出力は行われない。
このようにすることで、遊技ホールの管理者等が接続異常の発生を把握しているのにも関わらず、エラー報知が継続されることによる煩わしさを低減することが可能となる。つまり、遊技ホールの管理者等は、接続異常の発生を把握した後は、接続異常を解消するための処置(ハーネスHの挿し直しや交換等)を行うものと考えられるが、当該処置中にもエラー報知が行われると、当該管理者が処置に集中できない可能性もあり、上記のようにすることで、接続異常が生じていることを好適に把握させることが可能としながらも、作業効率を向上させることが可能となる。
本変形例では、エラー報知に加えて、外部出力も行うようにしていることから、仮に電源投入時に遊技ホールの管理者等が当該遊技機付近にいなくても、遊技ホールのホールコンピュータ等を介して、その接続異常の発生を好適に管理者等に把握させることが可能である。しかも、外部出力に関しては、所定期間が経過しても電源がOFFとされるまで継続されるようにしたことから、エラー報知が行われていることを、所定期間内に把握できなくても、管理者等は把握できるようになる。よって、接続異常が発生しているまま、遊技が開始されてしまう不都合を好適に回避することが可能となる。
なお、本変形例では、所定期間が経過するとエラー報知を終了する構成としたが、開始からの期間に応じてエラー報知の報知態様が変化する構成であればよく、例えば、所定期間が経過すると、補助表示部65での報知は継続されるものの、スピーカ64からの効果音の出力は停止する構成としてもよい。また、効果音の出力音量が期間の経過に応じて徐々に小さくなる構成としてもよい。さらに、効果音の出力音量が、所定期間経過後は経過前よりも大きくなる構成としてもよいし、期間の経過に応じて徐々に大きくなる構成としてもよく、このようにすることで、より早期の対処を促すことが可能である。なお、所定の操作部(例えば、リセットスイッチ72)を操作することで、出力音量を小さくしたり効果音の出力を停止したり、エラー報知の報知態様を変化させることが可能な構成としてもよい。
サブ制御装置180から遊技ホールのホールコンピュータやデータ表示器へ外部出力が可能な構成としたことにより、サブ制御装置180側で異常等を特定した場合にその旨を遊技ホールの管理者等に好適に知らせることが可能となる。特に、サブ制御装置180側から外部出力可能な構成とすることで、主制御装置101側では特定しない又は特定できないような異常等の事象をサブ制御装置180側で特定したことの情報を出力することが可能となる。つまり、上記のように接続異常が生じていることや、接続異常が生じていたことによって同期異常が生じていることは主制御装置101側では把握しておらず、その情報は主制御装置101側からは出力することができない。これに対して、サブ制御装置180側から外部出力を可能とすることで、これら接続異常や同期異常が生じていることを遊技ホールの管理者等に好適に知らせることが可能となる。
なお、サブ制御装置180側からも外部出力を可能とすることにより、以下のような効果も期待できる。すなわち、本スロットマシン10は、主制御装置101側で各種エラーの発生を特定した場合には、サブ制御装置180に対してエラーコマンドを出力するとともに、そのエラーの発生を特定したことの情報を外部集中端子板121を介してホールコンピュータやデータ表示器へ出力する構成としているところ、エラーコマンドを受信したサブ制御装置180側からもホールコンピュータやデータ表示器へ外部出力する構成とすることも可能である。この場合、ホールコンピュータやデータ表示器側では、各種エラーが発生した場合の遊技機からの情報として主制御装置101からの情報とサブ制御装置180からの情報を受信することになり、サブ制御装置180からの情報出力が行われない(主制御装置101からの情報を受信する一方、サブ制御装置180からの情報を受信しない)ことを通じて、各種エラーの発生とともに、接続異常が生じていることもホールコンピュータやデータ表示器側で把握することが可能となる。これにより、接続異常が生じている場合に、当該接続異常が解消するよりも前に、その接続異常が生じていることを遊技ホールの管理者等が把握することが可能となり、その対処を早期に行うことが可能となる。
ちなみに、上記の例では、各種エラーが発生した場合に主制御装置101からサブ制御装置180へ情報出力するとともに、外部出力を行う場合について説明したが、サブ制御装置180への情報出力と外部出力とを行う事象は各種エラーの発生に限定されず、別の事象であってもよい。すなわち、主制御装置101から各種遊技進行コマンド等の各種コマンドを介してゲームの進行(ゲーム数)や遊技状態の移行(通常区間から有利区間へ移行したこと、有利区間から通常区間へ移行したこと、CZモードやATモードへの移行が生じたこと、CZモードやATモードが終了したこと等)等の情報をサブ制御装置180へ出力する場合に、主制御装置101からホールコンピュータやデータ表示器へ外部出力するような構成において、サブ制御装置180からも主制御装置101からの情報(コマンド)を受信した場合にこれらの情報を外部出力する構成とすることで、これらのゲームの進行や遊技状態の移行等が生じたことをホールコンピュータやデータ表示器側で二重で管理することが可能となる。そして、当該二重で管理するようにすることで、上記のように、主制御装置101からの情報は受信するものの、サブ制御装置180からの情報を受信しない場合に、接続異常が生じている可能性があると特定することが可能となる。よって、より早期に接続異常の発生を遊技ホールの管理者等が把握することができ、その対処も早期に行うことが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、サブ制御装置180側にも電源スイッチを設ける。すなわち、図1218(a)に示すように、サブ制御装置180の所定位置(背面)に、当該サブ制御装置180を電入状態と電断状態とに切替可能なサブ側電源スイッチ185を設ける。サブ側電源スイッチ185をONに操作するとサブ制御装置180は電入状態となり、サブ側電源スイッチ185をOFFに操作するとサブ制御装置180は電断状態となる。ただし、サブ制御装置180は、電源装置91を介して電力が供給される構成としていることから、電源装置91側の電源スイッチ71がONであることを条件にサブ側電源スイッチ185をONとすることでサブ制御装置180も電入状態とされる。つまり、電源装置91側の電源スイッチ71がOFFとされている状況では、サブ側電源スイッチ185をONとしてもサブ制御装置180は電入状態とされない。なお、電源装置91側の電源スイッチ71をONとすることでサブ制御装置180側のサブ側電源スイッチ185がOFFであっても主制御装置101は電入状態とされ、電源装置91側の電源スイッチ71をOFFとすることでサブ側電源スイッチ185がONであっても主制御装置101は電断状態とされる(この場合サブ制御装置180も電断状態とされる)ことから、電源装置91側の電源スイッチ71を主制御装置101側の電源スイッチ71とも称する。
上記のようにサブ側電源スイッチ185を設けることによって、主制御装置101の電入状態と電断状態との切替を伴わずにサブ制御装置180の電入状態と電断状態との切替が可能とされる。つまり、主制御装置101側の電源スイッチ71がONとされ、サブ制御装置180のサブ側電源スイッチ185もONとされている状況で、サブ側電源スイッチ185だけをOFFとすると、主制御装置101は電入状態のままであるものの、サブ制御装置180側だけを電断状態とすることができる。この場合、サブ側電源スイッチ185を再度ONとすると、サブ制御装置180が電入状態に切り替えられる。
このような構成とすることで、例えば、サブ制御装置180側の異常が生じている場合に、主制御装置101側の電源の再投入を行うことによって、現状の抽選結果や遊技状態が消滅してしまう事象や消滅してしまうのではという疑いをもたれることなく、サブ制御装置180側だけの電源の再投入が可能となる。つまり、現状の抽選結果や遊技状態が消滅してしまう場合はもちろんのこと、実際には主制御装置101の電源の再投入ではこれらの情報は消滅しない構成であっても、遊技者によっては、消滅してしまうのでは、という不安を覚えたり、縁起が悪いとして、主制御装置101の電源の再投入が嫌われる場面も想定され、このような場面では、上記サブ制御装置180の異常への対処の作業性が大幅に低下する恐れがある。また、主制御装置101よりもサブ制御装置180のほうが処理能力が高いことが一般的であることから、電源投入後の立ち上げに要する時間は主制御装置101のほうがサブ制御装置180よりも長い場合が多く、そうすると、主制御装置101も含めて電源再投入を行う場合、サブ制御装置180側だけの電源再投入よりも長い時間待機する必要が生じるものと考えられる。いずれにしても、上記のように、サブ制御装置180を独立して電源の再投入が可能な構成とすることで、サブ制御装置180の異常等への対処を行う場合の作業性を大幅に向上させることが可能である。
本変形例では、サブ制御装置180の立ち上げ時の表示メイン処理の処理構成が異なっている。すなわち、図1218(b)に示すように、ステップSn4801にて初期化処理を実行した後は、ステップSn4802にてサブ側電源スイッチ185による電源投入か否かを判定する。ステップSn4802では、サブ側電源スイッチ185がONとされたまま、主制御装置101側の電源スイッチ71がOFFからONに切り替えられた場合には否定判定し、主制御装置101側の電源スイッチ71がONとされたまま、サブ側電源スイッチ185がOFFからONに切り替えられた場合には肯定判定する。ステップSn4802にて否定判定した場合は、上記実施形態と同様に、接続異常の有無の判定を行う。
本変形例では、立ち上げ時コマンドを受信していなくても、所定期間に亘ってエラー報知の開始を待機する構成としている。すなわち、ステップSn4803にて各種カウンタエリア183bに設けられた待機カウンタに所定期間(20sec)に相当する値を入力する処理を実行する。待機カウンタは、上記タイマ管理処理(図1216(b))と同様に、別のタイマ処理にて所定周期で1ずつ減算される。
ステップSn4804にて待機カウンタの入力処理を行った後は、ステップSn4805にて立ち上げ時コマンドを受信しているか否かを判定する。立ち上げ時コマンドを受信している場合には、ステップSn4805に進み、立ち上げ時音量設定処理を実行してから、ステップSn2104の通常遊技用の処理に移行する。
ステップSn4804にて立ち上げ時コマンドを受信していない場合には、ステップSn4806に進み、待機カウンタが0となり所定期間が経過したか否かを判定する。経過していない場合には、ステップSn4804に戻り、立ち上げ時コマンドを受信しているか否かの判定を実行する。すなわち、接続異常の有無の判定処理を所定期間に亘って繰返し実行する構成としている。
所定期間が経過したことによってステップSn4806にて肯定判定し、ステップSn4807にてエラー報知を開始する。なお、本変形例では、ステップSn4807のエラー報知を開始した後は、上記実施形態と同様に、サブ制御装置180側の電源がOFFとされるまで、そのエラー報知が終了されるようにしている。
ステップSn4802にて、主制御装置101側の電源スイッチ71がONとされたまま、サブ側電源スイッチ185がOFFからONに切り替えられた場合、すなわち、主制御装置101側の立ち上げ処理は実行されずに、サブ制御装置180側だけ立ち上げ処理が行われている場合には、立ち上げ時コマンドの受信判定等を行うことなくステップSn4805に進に、立ち上げ時音量設定処理を実行してから、ステップSn2104の通常遊技用の処理に移行する。
図1219に示すように、接続異常が生じている状況でtg1にて主制御装置101側の電源スイッチ71がONとされると、主制御装置101及びサブ制御装置180が電入状態に切り替えられて、立ち上げ用の処理が行われる。この場合、主制御装置101側から立ち上げ時コマンドが出力され、サブ制御装置180にて接続異常の確認(接続確認)が行われることで、接続異常が特定される。この場合、tg1の接続異常の特定から所定期間経過後のtg2にてエラー報知が開始される。
このような主制御装置101側から立ち上げ時コマンドを受信していない場合であっても、接続異常と判断することを所定期間に亘って待機する構成は、主制御装置101とサブ制御装置180との処理能力の差を考慮したうえでの構成であり、主制御装置101側の立ち上げ処理がサブ制御装置180側の立ち上げ処理よりも時間を要する可能性があることに配慮した構成である。つまり、主制御装置101側で立ち上げ時コマンドの出力がなかなか行われないことを通じて、接続異常が生じていないのにも関わらずサブ制御装置180側で接続異常が生じていると誤判定してしまうことを回避するための構成である。なお、上記所定期間待機する構成を備えるうえで、実際に主制御装置101とサブ制御装置180との処理能力に差がある必要はないし、主制御装置101側の立ち上げ処理に要する期間の長さとサブ制御装置180側の立ち上げ処理に要する期間の長さと差がある必要がないことは言うまでもない。
そして、tg3にて接続異常が解消された後、tg4にて主制御装置101側の電源スイッチ71がOFFとされると、主制御装置101及びサブ制御装置180が電断状態に切り替えられて、エラー報知も終了する。
主制御装置101及びサブ制御装置180のいずれもが電入状態であって、立ち上げ処理の終了後の状況(主制御装置101においては通常処理が実行され、サブ制御装置180では通常遊技用のステップSn2104~ステップSn2111のループ処理が実行される状況)で、tg5にて接続異常が生じた場合、上記のように、接続異常が発生していることの確認は行われない。そのため、エラー報知も開始されない。ただし、遊技者や遊技ホールの管理者等は、接続異常が生じていることを遊技進行に伴う演出の更新が行われないことを通じて把握可能である。
接続異常が生じている状況で、tg6にてサブ制御装置180におけるサブ側電源スイッチ185をOFFとすると、サブ制御装置180は電断状態に切り替わるものの、主制御装置101は電入状態が維持される。そして、tg7にてサブ側電源スイッチ185をONとすると、主制御装置101は電入状態が維持されたまま、サブ制御装置180は電断状態から電入状態に切り替わる。
この場合、サブ側電源スイッチ185の操作を契機として表示メイン処理が起動されていることから、接続異常の確認が行われず、主制御装置101側から立ち上げ時コマンドを受信していなくてもエラー報知が実行されないようになる(tg8)。ただし、上記のように接続異常は解消されていないため、エラー報知は行われないものの、遊技進行に伴う演出の更新は行われない。
そこで、tg9にて主制御装置101側の電源スイッチ71をOFFとして、tg10にて再度電源スイッチ71をONとすることで、接続異常の確認が行われて、所定期間経過後であるtg11にてエラー報知が開始される。
このようにすることで、サブ制御装置180側の独立した電源再投入を可能としながら、サブ制御装置180だけ電源再投入を行った場合に、接続異常が生じていないのにも関わらず、エラー報知が開始されてしまう事象を回避することができる。
なお、主制御装置101側の電源スイッチ71と同様に、サブ制御装置180側のサブ側電源スイッチ185についても、前面扉12が閉鎖状態である状況では操作不可とされ、開放状態とすることで操作可能となる位置に設けられていることから、サブ側電源スイッチ185の操作は、前面扉12の施錠装置20を解錠することができる遊技ホールの管理者等に限定されている。つまり、サブ側電源スイッチ185は遊技者が操作不可とされる操作手段である。このようにしておけば、サブ制御装置180の独立した電源再投入を可能として、管理者等の作業効率を圧倒的に向上させながらも、サブ制御装置180を意図的に電断状態とする等の不正な行為を好適に抑止することが可能である。
<変形例3>
本変形例では、接続異常の確認用の処理を、電源投入時以外にも実行する構成とする。本変形例では、その実行タイミングの例として、前面扉12が開放された後、所定期間経過後に接続異常の確認用の処理を実行する構成を説明する。
図1220は、主制御装置101のCPU102にて実行される扉開放検知処理を示すフローチャートである。扉開放検知処理は、例えば、タイマ割込み処理が起動されるたびに実行される処理である。
ステップSn4901では、前面扉12が閉鎖状態から開放状態とされたことを検知可能な扉検知センサ(図示略)の検知結果を把握する。例えば、扉検知センサは、前面扉12が閉鎖状態とされている場合に主制御装置101へ閉鎖状態用の検知信号(LOW信号)を出力し、前面扉12が開放状態とされている場合に主制御装置101へ開放状態用の検知信号(HI信号)を出力する構成とするとよい。
ステップSn4902では、前面扉12が開放状態であるか否かを判定する。開放状態である場合、ステップSn4903に進み、各種フラグ格納エリア106dに扉開放フラグがセットされているか否かを判定する。扉開放フラグは、前面扉12が開放状態とされた際にサブ制御装置180へ前面扉12が開放されたことの情報(扉開放コマンド)を出力したことをCPU102が把握するためのフラグである。ステップSn4903にて扉開放フラグがセットされている場合には、そのまま扉開放検知処理を終了する。
ステップSn4903にて扉開放フラグがセットされていない場合、ステップSn4904にて、扉開放フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSn4905にて、扉開放コマンドをサブ制御装置180へ出力する処理を実行する。扉開放コマンドは、上記のように、前面扉12が開放されたことをサブ制御装置180へ把握させるためのコマンドであり、ドアオープンエラーが生じたことを示すエラーコマンドである。ステップSn4905の処理を実行した後は、本扉開放検知処理を終了する。
ステップSn4902にて前面扉12が閉鎖状態であると判定した場合、ステップSn4906に進む。ステップSn4906では、扉開放フラグがセットされており、前回の処理では前面扉12が開放状態と判定したか否かを判定する。扉開放フラグがセットされていない場合には、そのまま本扉開放検知処理を終了する。
扉開放フラグがセットされている場合、ステップSn4907にて扉開放フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSn4908にて扉閉鎖コマンドをサブ制御装置180へ出力する処理を実行する。扉閉鎖コマンドは、前面扉12が閉鎖されたことをサブ制御装置180へ把握させるためのコマンドであり、ドアオープンエラーが生じていた場合に当該ドアオープンエラーが解消されたことを示すエラー解消コマンドである。ステップSn4908の処理を実行した後は、本扉開放検知処理を終了する。
つまり、主制御装置101では、前面扉12が開放された場合にドアオープンエラーが生じたとして扉開放コマンドをサブ制御装置180へ出力し、前面扉12が閉鎖された場合にドアオープンエラーが解消されたとして扉閉鎖コマンドをサブ制御装置180へ出力する。
図1221は、本変形例におけるエラー報知設定処理を示すフローチャートである。上記のように、エラー報知設定処理は、主制御装置101から各種エラーコマンドを受信した場合に対応するエラー報知を行うための処理である。
ステップSn5001では、受信しているエラーコマンドに基づき、エラー種別を把握する処理を実行する。そして、ステップSn5002にて対応するエラー報知が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する処理を実行する。ステップSn5001及びステップSn5002の処理は、上記ステップSn3101及びステップSn3102の処理と同様である。
続くステップSn5003では、今回エラー報知を開始したエラーの種別が、ドアオープンエラーであるか否かを判定する。ドアオープンエラーではない場合には、そのまま本エラー報知設定処理を終了する。
ドアオープンエラーである場合、ステップSn5004に進み、各種カウンタエリア183bに設けられた開放中カウンタに所定期間(例えば5min)に相当する値を入力する処理を実行する。
その後、ステップSn5005にて各種フラグ格納エリア183aに開放中フラグをセットする処理を実行してから、本エラー報知設定処理を終了する。
図1222は、本変形例におけるエラー時判定処理を示すフローチャートである。上記のように、エラー時判定処理は、サブ制御装置180側で現状の遊技進行状態がエラー状態(コマンドカウンタ=9)であると把握している場合に実施される処理である。
ステップSn5101では、エラー解消コマンドを受信したか否かを判定する。エラー解消コマンドを受信した場合、ステップSn5102にて実行中のエラー報知の終了処理を実行する。これらステップSn5101やステップSn5102の処理は、上記ステップSn4501やステップSn4502の処理と同様である。
続くステップSn5103では、上記の扉開放フラグがセットされているか否かを判定することにより、実行中のエラー報知がドアオープンエラーであったか否かを判定する。ドアオープンエラーであった場合、ステップSn5104に進み、開放中カウンタを0にクリアする処理を実行し、ステップSn5105にて開放中フラグをクリアする処理を実行する。
ステップSn5103にて否定判定した場合や、ステップSn5105の処理を実行した後は、ステップSn5106に進む。ステップSn5106~ステップSn5111の処理は、上記ステップSn4503~ステップSn4508の処理と同様であるため、説明を省略する。
図1223は、サブ制御装置180のCPU181にて実行される扉開放中処理を示すフローチャートである。扉開放中処理は、例えば、演出設定処理(図1164)におけるその他の処理(ステップSn2221)の一処理として実施される処理である。
ステップSn5201では、扉開放中フラグがセットされているか否かを判定することにより、ドアオープンエラーに対応するエラー報知を実行中であるか否かを判定する。ドアオープンエラーのエラー報知中である場合、ステップSn5202にて開放中カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSn5203にて開放中カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま扉開放中処理を終了する。
ステップSn5203にて開放中カウンタが0となったと判定した場合、すなわち、ドアオープンエラーの開始から所定期間(5min)が経過したものの、主制御装置101からのドアオープンエラーのエラー解消コマンド(扉閉鎖コマンド)を受信していないと判定した場合、ステップSn5204にて、実行中のドアオープンエラーのエラー報知を、接続異常用のエラー報知(図1206(a))に切り替える処理を実行してから、本扉開放中処理を終了する。
本変形例において、接続異常用のエラー報知が行われる様子について、図1224を参照しながら説明する。
図1224(a)に示すように、接続異常が生じていない状況であるth1にて前面扉12が開放された場合、主制御装置101からの扉開放コマンドに基づき、ドアオープンエラーに対応するエラー報知が開始される。そして、th2にて前面扉12が閉鎖されると、主制御装置101からの扉閉鎖コマンドに基づき、ドアオープンエラーのエラー報知が終了される。
同様に、接続異常が生じていない状況であるth3にて前面扉12が開放された場合、ドアオープンエラーのエラー報知が開始される。
その後、前面扉12の開放中のth4にて接続異常が発生した場合、th5にて前面扉12を閉鎖しても、サブ制御装置180側では扉閉鎖コマンドを正規に受け付けることができず、ドアオープンエラーのエラー報知は終了されず、継続される。この場合、ドアオープンエラーの発生から所定期間が経過するth6にて、接続異常用のエラー報知が開始されるようになる。これにより、遊技者や遊技ホールの管理者等は接続異常が発生していることを明確に理解することが可能となる。
ここで、前面扉12が開放される場面としては、メダルの補給の他、スロットマシン10内部のメンテナンス(異常の確認や対処)が行われる場面と想定されるところ、主制御装置101とサブ制御装置180とを接続するハーネスHの抜けや短絡は、このような前面扉12を開放して行う作業中に作業者(遊技ホールの管理者等)の手が触れる等して発生し易いものと考えられる。
また、作業者は、上記作業後に前面扉12を閉鎖した際、ドアオープンエラーのエラー報知が終了することを確認する前に、別の作業を行う等、その場を離れてしまう可能性があり、そうすると、接続異常が生じることによって、ドアオープンエラーが終了しないことの特定が遅れることも考えられる。
上記接続異常用のエラー報知が開始されるまでの所定期間を、前面扉12が開放されてから実行されるであろう作業が十分に完了する期間としていることから、基本的には、作業中に接続異常用のエラー報知が開始されないようになっている。
そのため、上記構成のように、ドアオープンエラーの発生から所定期間が経過しても、扉閉鎖コマンドを受信しないことを接続異常の発生として解釈し、接続異常用のエラー報知を開始するようにしたことによって、接続異常が生じたまま遊技が開始されてしまうことを好適に回避することができる。
ここで、前面扉12が開放されてから、作業が所定期間内に完了しなかった場合、すなわち、開放から所定期間が経過しても前面扉12が閉鎖されなかった場合には、前面扉12の開放中であっても、接続異常用のエラー報知に切り替わることになる。
すなわち、図1224(b)に示すように、接続異常が生じていないth7にて前面扉12が開放されると、ドアオープンエラーのエラー報知が開始され、当該th7から所定期間が経過するth8にてドアオープンエラーのエラー報知が接続異常用のエラー報知に切り替わる。その後、th9にて前面扉12が閉鎖された場合、主制御装置101から扉閉鎖コマンドが出力される。th9において接続異常は生じていないため、当該ドアオープンエラーのエラー解消コマンドとしての扉閉鎖コマンドをサブ制御装置180にて正規に受け付けることが可能であり、かかる扉閉鎖コマンドに基づいて、エラー時判定処理においてステップSn5102にて実行中のエラー報知を終了する処理が行われる。つまり、th9にて、接続異常用のエラー報知は終了されることになる。
これにより、例えば、前面扉12を開放することにより行う作業が予定よりも長引いた等の理由によって接続異常用のエラー報知が開始されてしまった場合であっても、電源の再投入を介さずに当該接続異常用のエラー報知を終了させることが可能となる。
上記のように、扉閉鎖コマンドを正規に受け付けることによって、接続異常用のエラー報知を終了させることが可能としていることにより、実際に接続異常が生じていた場合であっても、接続異常を解消さえすれば当該接続異常用のエラー報知を終了させることができる。
つまり、図1224(c)に示すように、接続異常が生じていないth10にて前面扉12が開放されると、ドアオープンエラーのエラー報知が開始される。前面扉12を開放中であるth11にて接続異常が発生すると、th12にて前面扉12を閉鎖してもドアオープンエラーのエラー報知は終了しない。この例では、当該エラー報知が終了しないことを通じて、接続異常等の何らかの異常が生じていることを作業者が把握できたとする。この場合、th13にて再度、前面扉12を開放して、異常の確認が行われるものと考えられる。その確認作業中であるth14にて、最初の前面扉12の開放から所定期間が経過してドアオープンエラーのエラー報知から接続異常のエラー報知に切り替わることを通じて、作業者は、発生している異常が接続異常であると確信することができる。
その後、th15にてハーネスHを挿し直す等して接続異常を解消させた後、th16にて前面扉12を閉鎖すると、閉鎖時コマンドがサブ制御装置180に受け付けられることを通じて、実行中の接続異常用のエラー報知が終了するようになる。
このように、本変形例では、接続異常の確認やその接続異常の発生に伴うエラー報知を、電源投入時以外にも行うようにすることで、接続異常が生じていることを、いち早く遊技者や遊技ホールの管理者等に好適に把握させることが可能となる。
また、本変形例では、接続異常用のエラー報知が開始された場合、電源投入時のエラー報知とは異なり、電源の再投入を伴わず所定操作(上記例では前面扉12の閉鎖)によって終了させることが可能としている。このようにすることで、接続異常が明らかに解消しているのにも関わらず、電源の再投入に伴う立ち上げ時の待ち時間を生じさせることなく、早期に遊技を再開させることができるようになる。
なお、電源投入時の接続異常用のエラー報知と、前面扉12が開放されてから所定期間後の接続異常用のエラー報知との、報知態様を異ならせてもよい。すなわち、前面扉12が開放されてから所定期間後の接続異常用のエラー報知は、そのエラー報知の終了に電源再投入が必要ないことから、スロットマシン10の電源を再投入すべき旨を示す接続エラー第2キャラクタSEP2による報知を行わないようにしてもよい。また、前面扉12が開放されてから所定期間後の接続異常用のエラー報知は、接続異常が発生していない可能性も含むため、接続関係に異常が生じている旨を示す接続エラー第1キャラクタSEP1による報知の報知態様を、接続関係に異常が生じている可能性がある旨を示す態様(例えば、「接続エラーの可能性あり!!」との文字表示)に変更してもよい。
また、上記構成では、前面扉12が開放された場合に開始するドアオープンエラーのエラー報知を、前面扉12が閉鎖された場合に終了することを前提として、ドアオープンエラーの開始から所定期間経過した場合に接続異常用のエラー報知に切り替える構成としたが、前面扉12が閉鎖された場合、一定期間(例えば5sec)経過してから、ドアオープンエラーのエラー報知を終了する構成としてもよい。
このような構成においては、前面扉12を閉鎖しても、すぐにドアオープンエラーのエラー報知が終了しないため、接続異常が発生していることに気付きにくくなる。そのため、このような構成において、前面扉12が開放された後、所定期間後に接続異常用のエラー報知を行う構成を適用すると、より接続異常用のエラー報知によって接続異常の発生が把握される機会が多くなり、当該接続異常用のエラー報知を行う意義が高められる。
<変形例4>
本変形例では、サブ制御装置180によって制御される補助表示部65やスピーカ64とは別途、主制御装置101によって制御される報知手段を設ける。
図1225(a)に示すように、本変形例では、主制御装置101による処理結果に対応する報知を行う報知手段として、サブ制御装置180(表示制御装置81)を介して制御される補助表示部65やスピーカ64(以下、「サブ側スピーカ64」とも称する)の他に、主制御装置101に直接接続される主側スピーカ110を設ける。主側スピーカ110は、主制御装置101の処理結果に対応する報知を行う報知手段の一種であり、より具体的には、主制御装置101側で異常等の特定事象が発生していることの特定が行われた場合に、当該特定事象の発生に対応する報知(エラー報知)を行うための報知手段である。主制御装置101では、異常等の特定事象が発生していることの特定を行った場合、サブ制御装置180に対して当該異常等の特定事象が発生していることに対応するコマンド(エラーコマンド)を出力するとともに、上記主側スピーカ110からエラー報知に対応する効果音が出力されるように制御する。
図1225(b)に示すように、接続異常が生じていない状況であるti1にて、所定の演出(例えば、押し順報知演出)の演出実行契機が生じた場合、主制御装置101からコマンド出力が行われて、サブ制御装置180側の補助表示部65やサブ側スピーカ64にて所定の演出がti2まで実行される。この場合、主制御装置101側の主側スピーカ110からは効果音の出力は行われない。
これに対して、上記異常等の特定事象として、例えば、ti3に前面扉12が開放されると、上記のように、主制御装置101からエラーコマンドが出力されて、サブ制御装置180側の補助表示部65にてエラー報知が行われるとともに、主制御装置101側の主側スピーカ110にてエラー報知の効果音出力が行われる。かかるエラー報知は、エラーが解消される(前面扉12が閉鎖される)ti4まで継続される。
ti5にて接続異常が発生し、その接続異常が解消されていないti6にて所定の演出の演出実行契機が生じた場合、主制御装置101からのコマンドはサブ制御装置180にて受信できないため、当該所定の演出の実行期間であるti6からti7では、サブ制御装置180側の補助表示部65やサブ側スピーカ64による所定の演出は実行されない。本変形例では、主側スピーカ110は演出用ではなくエラー報知用としているため、ti6からti7にて所定の演出に対応する効果音の出力は行われない。
ti8にて、上記異常等の特定事象として前面扉12が開放されると、主制御装置101からエラーコマンドが出力されるものの、サブ制御装置180側ではそのエラーコマンドを受信できず、補助表示部65でのエラー報知は実行されない。ただし、主制御装置101側の主側スピーカ110からのエラー報知に対応する効果音の出力は行われる。このエラー報知に対応する効果音の出力は、前面扉12が閉鎖されるti9まで継続される。
このように、サブ制御装置180を介さずに、主制御装置101に報知手段を接続することにより、主制御装置101とサブ制御装置180との接続異常が生じた場合であっても、主制御装置101の処理結果に対応する報知を行うことが可能となる。
なお、主制御装置101に主側スピーカ110を直接接続する構成としているが、少なくともサブ制御装置180との接続に用いられるハーネスHを介さずに、別の接続経路にて主制御装置101と主側スピーカ110とが接続される構成であればよく、主制御装置101と主側スピーカ110との間に別の制御装置(例えば、効果音出力用のアンプ等)が介在する構成であってもよい。
本変形例では、主制御装置101側の主側スピーカ110を、演出用には用いずに特定事象としてエラーが発生した場合のエラー報知用に用いる構成としていることから、主側スピーカ110から効果音の出力が行われる場面が限定的なものとなる。つまり、主制御装置101側で主側スピーカ110を制御する場面は、エラーの発生時に限定されるため、主制御装置101側で制御すべき構成を追加したとしても、通常時の処理負荷の増大化にはつながりにくい。
また、エラーの発生時には、接続異常の有無に関わらず、主側スピーカ110にてエラー報知用の効果音の出力を行う構成としていることから、主制御装置101において接続異常が発生していることを特定する必要がなく、主側スピーカ110を制御するうえで処理負荷の増大化を回避することが可能となっている。
<変形例5>
本変形例では、一の遊技進行コマンドとして、複数種類のコマンドが設定されている場合に、そのうちの予め定められた一のコマンドとしての設定コマンド(特定コマンド)を受信したこと契機として、遊技進行状態が移行したものと把握する構成とする。
本変形例におけるコマンド判定処理では、図1226に示すように、ステップSn5301にて、受信しているコマンドが、上記の遊技進行コマンドのうちの設定コマンドであるか否かを判定する。設定コマンドである場合には、ステップSn5302~ステップSn5312にて、上記ステップSn3601~ステップSn3611と同様の処理を実行する。設定コマンドではない場合には、そのまま本コマンド判定処理を終了する。なお、設定コマンドではない場合でも、その後に演出設定用に用いられるコマンドであることから、ステップSn5301にて否定判定した場合には、今回受信しているコマンドを、コマンド格納エリア183cに格納する処理を実行してから、コマンド判定処理を終了する構成とするとよい。
設定コマンドとしては、図1227に示すように、一の遊技進行コマンドとして複数種類のコマンドが設定されている開始操作時コマンドでは、抽選結果コマンドを設定コマンドとし、他の前兆コマンドや上乗せコマンド、押し順報知コマンドについては、それ単独で受信したとしても上記ステップSn5301にて否定判定し、遊技進行状態が移行したと判定しないようにする。
また、停止時コマンドでは、主制御装置101から全リール32L,32M,32R停止時(ステップSn521を肯定判定した後、リール全停止且つ全ストップスイッチOFFとなった後)に全停止コマンドをサブ制御装置180へ出力する構成としたうえで、当該全停止コマンドを停止時コマンドにおける設定コマンドとする。そして、他の停止ON時コマンドや、停止OFF時コマンド、リール停止時コマンドについては、上記ステップSn5301にて否定判定し、遊技進行状態が移行したことの判定対象としないようにする。
この場合、図1228に示すように、停止時判定処理では、他の判定処理と同様に、停止時コマンド(全停止コマンド)であれば、遊技進行状態が移行したものとする処理を行い、そうではないコマンドであれば、コマンド異常フラグをセットする処理を行う。
具体的には、ステップSn5401にて停止時コマンド(全停止コマンド)であるか否かを判定し、停止時コマンドである場合には、ステップSn5402にて停止時コマンドを格納する処理を実行する。そして、ステップSn5403にてコマンドカウンタを1加算する処理を実行して、遊技進行状態を入賞待ち状態(コマンドカウンタ=6)としてから、本停止時判定処理を終了する。
ステップSn5401にて否定判定した場合、ステップSn5404にてエラーコマンドであるか否かを判定する。エラーコマンドである場合には、ステップSn5405にてエラーコマンドを格納し、ステップSn5406にて、現状のコマンドカウンタを退避用エリア183dに記憶させる処理を行い、ステップSn5407にてコマンドカウンタに9を入力してから、本停止時判定処理を終了する。
ステップSn5404にて否定判定した場合、ステップSn5408にて他の遊技進行コマンドであるか否かの判定を行い、他の遊技進行コマンドである場合には、ステップSn5409にてコマンド異常フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSn5410にて、受信しているコマンドが開始操作時コマンド又は入賞時コマンドであるか否かを判定し、これらのコマンドである場合には、ステップSn5411にてコマンド格納処理を実行してから、本停止時判定処理を終了する。なお、ステップSn5408又はステップSn5410にて否定判定した場合には、そのまま本停止時判定処理を終了する。
更に、一の遊技進行コマンドとして複数種類のコマンドが設定されている入賞時コマンドでは、入賞結果コマンドを設定コマンドとし、他の各種BB開始コマンド、各種BB終了コマンド、CZ開始コマンド等については、それ単独で受信したとしても上記ステップSn5301にて否定判定し、遊技進行状態が移行したと判定しないようにする。
このようにすることで、遊技状態やゲーム等に応じて、遊技進行コマンドの種類数が異なる構成において、各コマンド判定処理の処理負荷が遊技状態毎に大きく異なる事象を回避することが可能となる。つまり、一のゲームにおける所定の遊技進行の契機で複数種類の遊技進行コマンドを受信する場合がある構成において、当該複数種類の遊技進行コマンドをまとめてコマンド判定処理の対象とすると、複数種類の遊技進行コマンドを受信するゲームと、そうではなく単独の遊技進行コマンドを受信するゲームとで、処理負荷が異なるようになるし、複数種類の遊技進行コマンドが設定されているもの(開始操作時コマンド、停止時コマンド、入賞結果待ちコマンド)と、そうではなく単独の遊技進行コマンドしか設定されていないもの(ベット時コマンド等)との処理負荷も異なるようになる。その点、上記変形例のようにすることで、コマンド判定処理の対象とされるコマンドは、いずれのゲームであっても、いずれの遊技進行状態であっても、一のコマンドとなり、処理負荷のばらつきを抑え、処理エラーの発生を好適に回避することが可能となる。
<変形例6>
本変形例では、一の遊技進行状態を、複数の遊技進行状態に細分化して設定する例について説明する。例えば、図1229(a)に示すように、停止待ち状態(コマンドカウンタ=5)を、全リール32L,32M,32Rが停止していない停止前状態と、いずれか1のリールについての停止ON操作が行われた第1停止状態と、いずれか2のリールについての停止ON操作が行われた第2停止状態と、に設定する。つまり、コマンドカウンタが5であり、サブ制御装置180において主制御装置101側の遊技進行状態を停止待ち状態として把握している状況が、停止前状態である状況と第1停止状態である状況と第2停止状態である状況とがある構成としている。
本変形例における停止時判定処理について、図1229(b)のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップSn5501では、停止ON時コマンドを受信したか否かを判定する。停止ON時コマンドを受信している場合、ステップSn5502にて停止ON時コマンドに含まれる順序番号を把握する処理を実行する。かかる処理は、上記ステップSn4102の処理と同様である。
ここで、主制御装置101において停止ON時コマンドに順序番号(何番目の停止ON操作であるかを示す情報)を設定する構成は、何番目の停止ON操作であるかを示す停止ON時コマンドを設定(出力)する構成ともいえる。つまり、順序番号が1である停止ON時コマンドは、第1停止操作に対応する第1停止ON時コマンドとして解釈でき、順序番号が2である停止ON時コマンドは第2停止操作に対応する第2停止ON時コマンドとして解釈でき、順序番号が3である停止ON時コマンドは第3停止操作に対応する第3停止ON時コマンドとして解釈できる。
つまり、第1停止ON時コマンドは、停止待ち状態において、停止前状態から第1停止状態へ移行したと判定可能となる遊技進行コマンドであり、第2停止ON時コマンドは、停止待ち状態において、第1停止状態から第2停止状態へ移行したと判定可能となる遊技進行コマンドであり、第3停止ON時コマンドは、停止待ち状態における第2停止状態から、入賞待ち状態へ移行したと判定可能となる遊技進行コマンドである。
ステップSn5502の処理を実行した後は、ステップSn5503にて順序カウンタを1加算する処理を実行する。順序カウンタは、上記の通り、何番目の停止ON操作であるかをサブ制御装置180側で把握するためのカウンタである。
続くステップSn5504では、順序番号と順序カウンタとが一致しているか否かを判定し、一致している場合には、ステップSn5505に進み、今回受信している停止ON時コマンドを格納する処理を実行する。その後、ステップSn5506にて、順序カウンタが3となったか否かを判定し、3となった場合には、ステップSn5507にて順序カウンタを0にクリアした後、ステップSn5508にてコマンドカウンタに1を加算して、遊技進行状態が入賞待ち状態(コマンドカウンタ=6)に移行したことを記憶してから、本停止時判定処理を終了する。ステップSn5504にて順序番号と順序カウンタとが一致しない場合には、コマンド異常フラグをセットする処理に進む。
この場合、上記のように、第1停止ON時コマンドを受信することで順序カウンタは0から1とされ、第2停止ON時コマンドを受信することで順序カウンタは1から2とされる、第3停止ON時コマンドを受信することで順序カウンタは2から3とされるとともに停止待ち状態から入賞待ち状態に移行する(コマンドカウンタは5から6とされる)ことから、順序カウンタは、停止待ち状態において細分化された遊技進行状態(サブ遊技進行状態)をサブ制御装置180のCPU181が把握するためのカウンタとも解釈でき、当該順序カウンタはサブ遊技進行状態を記憶するためのサブコマンドカウンタといえる。
つまり、コマンドカウンタが5、サブコマンドカウンタが0である状態は、停止待ち状態における停止前状態を示し、コマンドカウンタが5、サブコマンドカウンタが1である状態は、停止待ち状態における第1停止状態を示し、コマンドカウンタが5、サブコマンドカウンタが2である状態は、停止待ち状態における第2停止状態を示すことになる。
ステップSn5501にて否定判定した場合、ステップSn5509に進み、いずれかのエラーコマンドを受信しているか否かを判定する。エラーコマンドである場合、ステップSn5510にてエラーコマンドの格納処理を実行し、ステップSn5511にて現状のコマンドカウンタの値及びサブコマンドカウンタ(順序カウンタ)の値を退避させる処理を実行する。その後、ステップSn5512にてコマンドカウンタに9を入力してから、本停止時判定処理を終了する。
ステップSn5509にてエラーコマンドではない場合、ステップSn5513にて、他の遊技進行コマンドであるか否かを判定する。なお、本変形例では、停止待ち状態において正規に受信する停止OFF時コマンドやリール停止時コマンドは、上記変形例5のように遊技進行状態の判定に用いる設定コマンドではないとして、停止時判定処理の対象とならないようにしている。ただし、上記実施形態のように、これら停止OFF時コマンドやリール停止時コマンドも遊技進行状態の判定に用いる構成としてもよく、これらのコマンドに基づいて同期異常の発生を特定可能な構成としてもよい(停止ON時コマンドを受信していないリールについて停止OFF時コマンドを受信した等)。
ステップSn5513にて肯定判定した場合や、ステップSn5504にて否定判定した場合、ステップSn5514にてコマンド異常フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップSn5515にて、受信している遊技進行コマンドが開始操作時コマンド又は入賞時コマンドであるか否かを判定し、これらのコマンドである場合には、ステップSn5516にてコマンド格納処理を実行してから、本停止時判定処理を終了する。ステップSn5513又はステップSn5515にて否定判定した場合は、そのまま本停止時判定処理を終了する。
以上のように、サブ制御装置180側で複数の情報(コマンドカウンタとサブコマンドカウンタ)を用いて、主制御装置101側の遊技進行状態を把握するようにすることで、遊技進行状態のより詳細な管理を可能としながら、処理構成の圧倒的な簡素化を図ることが可能となる。
<変形例7>
本変形例では、サブ制御装置180側で把握する遊技進行状態を、主制御装置101からのコマンドに基づかずに移行させる場合があるようにする。具体的には、一の遊技進行状態の移行が生じたと把握してから、所定期間が経過した場合に、次の遊技進行状態への移行が生じたものと把握可能な構成とする。その例として、本変形例では、開始操作待ち状態において開始操作時コマンドを受信した場合、所定期間経過することで停止待ち状態へ移行する構成と、入賞結果待ち状態において入賞時コマンドを受信した場合、所定期間経過することで払出状態へ移行する構成とについて、以下、説明する。
図1230は、本変形例における開始操作時判定処理を示すフローチャートである。
ステップSn5601にて開始操作時コマンドを受信したか否かを判定し、受信している場合には、ステップSn5602に進み、受信しているコマンドの格納処理を行う。そして、ステップSn5603にてコマンドカウンタを1加算する処理を実行する。かかる処理は、上記ステップSn3801~ステップSn3803の処理と同様である。ただし、本変形例では、図1233に示すように、回転開始待ち状態の次の遊技進行状態として停止可能待ち状態(コマンドカウンタ=3)が設定されており、上記ステップSn5603の処理は、回転開始待ち状態から停止可能待ち状態へ移行したことを記憶する処理といえる。
ステップSn5603の処理を実行した後は、ステップSn5604にて各種カウンタエリア183bの進行カウンタに所定期間(第1所定期間)として約0.75secに相当する値(500)を入力する処理を実行してから、本開始操作時判定処理を終了する。進行カウンタは、現状の遊技進行状態を維持する期間をCPU181が把握するためのカウンタであり、所定周期(1.49msec)で1ずつ減算されるカウンタである。すなわち、ステップSn5603にて移行させた停止可能待ち状態は、上記ステップSn5604にて入力した値が0となるまで(第1所定期間が経過するまで)維持される。なお、本変形例においてステップSn5604にて入力する値は、開始操作(スタートレバー41の操作)が行われてから、ストップスイッチ42~44が操作可能となるまでの最短期間に設定されている。つまり、少なくともストップスイッチ42~44の操作が有効とされて、停止時コマンドを受信するタイミングまでには、停止可能待ち状態から停止待ち状態へ移行するように設定されている。
ステップSn5605~ステップSn5612の処理は、上記ステップSn3804~ステップSn3811の処理と同様であるため、説明を省略する。
図1231は、本変形例における入賞時判定処理を示すフローチャートである。
本変形例では、入賞時コマンドを受信した場合に、払出開始待ち状態へ移行したことを記憶する処理(ステップSn5703)を実行した後、今回の入賞結果に基づいて、払出があると判定した場合の処理が、上記図1193の処理と異なっている。すなわち、ステップSn5701~ステップSn5713の処理は、上記ステップSn4201~ステップSn4213の処理と同様であり、ステップSn5704にて肯定判定した場合の処理が異なっている。
ステップSn5704にて肯定判定し、メダル払出がある(いずれかの小役入賞である)と判定した場合、ステップSn5714に進む。ステップSn5714では、上記の進行カウンタに所定期間(第2所定期間)として、約0.08secに相当する値(50)を入力する処理を実行してから、本入賞時判定処理を終了する。この場合、ステップSn5703にて移行させた払出開始待ち状態は、ステップSn5714にて入力した値が0となるまで(第2所定期間が経過するまで)維持される。なお、本変形例においてステップSn5714にて入力する値は、1枚のメダル払出(クレジットカウンタの加算)に要する期間よりも短い期間に設定されている。つまり、払出開始待ち状態は、入賞時コマンドを受信した後、1枚のメダル払出が開始されるよりも前に払出状態に移行するように設定されている。
図1232は、遊技進行用処理を示すフローチャートである。遊技進行用処理は、例えば、演出設定処理(図1164)のその他の処理にて実行される処理である。
ステップSn5801では、コマンドカウンタが3であるか否かを判定する。コマンドカウンタが3であり、停止可能待ち状態である場合、ステップSn5802に進み、進行カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップSn5803にて進行カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま遊技進行用処理を終了する。0となっている場合には、ステップSn5804にてコマンドカウンタに2を加算し、遊技進行状態を停止待ち状態へ移行させる処理を実行してから、本遊技進行用処理を終了する。
なお、本変形例では、図1233に示すように、コマンドカウンタが4である遊技進行状態は設定されていない。また、本変形例におけるコマンド判定処理は、上記変形例5のコマンド判定処理のように、設定コマンド以外は判定対象としない構成(ステップSn5301にて否定判定して、各判定処理に進まない構成)としている。そして、停止可能待ち状態についての設定コマンドは設けられていないため、コマンドカウンタが3である場合にいずれのコマンドを受信しても、受信したコマンドは遊技進行状態の移行判定の対象とされない。同様に、本変形例では、払出開始待ち状態においても設定コマンドは設けられていないため、コマンドカウンタが7である場合にいずれのコマンドを受信しても、受信したコマンドは遊技進行状態の移行判定の対象とされない。ただし、これらコマンドカウンタが3や7である状況下で受信したコマンドに基づく演出は、対応する演出設定処理(回転開始時演出設定処理、停止可能時演出設定処理、払出開始時演出設定処理)にて設定される。
ステップSn5801にて否定判定した場合、ステップSn5805にてコマンドカウンタが7であるか否かを判定する。7である場合には、ステップSn5806にて進行カウンタを1減算し、ステップSn5807にて進行カウンタが0となったか否かを判定する。ステップSn5805又はステップSn5807にて否定判定した場合は、そのまま本遊技進行用処理を終了する。
ステップSn5807にて進行カウンタが0となったと判定した場合、ステップSn5808にて、コマンドカウンタに1を加算する処理を実行してから、本遊技進行用処理を終了する。かかる処理により、遊技進行状態が払出開始待ち状態から払出状態へ移行したことが記憶される。
このように、本変形例では、サブ制御装置180側の遊技進行状態の把握用の処理として、主制御装置101から所定の遊技進行コマンドを受信して遊技進行状態が移行したことを記憶してから所定期間経過後に、次の遊技進行状態に移行したと記憶するようにしていることから、全ての遊技進行状態について、主制御装置101側からのコマンドを契機として移行したことの記憶処理を行う構成と比較して、コマンドの判定処理の実行数を少なくすることができ、処理負荷を軽減することが可能となる。
しかも、主制御装置101側からの遊技進行コマンドに基づかずに、サブ制御装置180側単独で遊技進行状態の移行記憶を行う場合がある構成としていることから、主制御装置101からのコマンドを正規に受け付けることができなかったとしても(接続異常が生じていても)遊技進行状態の移行記憶を行うことが可能となる。これにより、接続異常が生じていても、ある程度はサブ制御装置180側単独で演出を進行させる余地が残り、例えば、ノイズ等によって一時的に接続異常が生じた場合であっても、接続異常解消後のコマンドに基づいて演出を行うことが可能となり得る。つまり、上記構成においては、仮に、開始操作時コマンドを受信した後、回転開始時コマンドや停止可能時コマンドをサブ制御装置180にて正規に受け付けることができなくても、停止時コマンドを受信するまでに当該接続異常が解消されていれば、コマンド異常フラグはセットされず、受信した停止時コマンドに基づいて演出を行うことが可能となる。
<変形例8>
本変形例では、上記変形例7における遊技進行状態の移行待ち状態(所定期間の経過待ち状態)において、対応するコマンドを受信しない場合にエラー報知を実行する。
図1234は、本変形例における遊技進行用処理を示すフローチャートである。
本変形例における遊技進行用処理では、進行カウンタが0となったと判定した場合の処理が、上記変形例7のものと異なっている。すなわち、ステップSn5901~ステップSn5903にて、上記ステップSn5801~ステップSn5803の処理と同様に、停止可能待ち状態において所定期間が経過したか否かの判定を行う。ステップSn5903にて進行カウンタが0となり、停止可能待ち状態に移行してから所定期間が経過した場合、ステップSn5904に進み、停止可能時コマンドは受信済みであるか否かを判定する。上記の通り、停止可能時コマンドは、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速回転に至って、ストップスイッチ42~44の操作が有効化される場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。なお、当該停止可能時コマンドに基づいて、サブ制御装置180側では、ストップランプ42b~44bの点灯色を停止不可に対応する点灯色から、停止可能に対応する点灯色に切り替える演出を行う。
ステップSn5904にて停止可能時コマンドを受信していない場合とは、開始操作時コマンドを受信した後、接続異常が生じている場合や、ウェイト期間等との関係から停止可能時コマンドの出力が遅れている場合が考えられる。接続異常が生じている場合、これ以上待っても停止可能時コマンドを受信できない可能性があり、ウェイト期間等との関係から出力が遅れている場合、この後、停止可能時コマンドを受信するものと考えられる。本変形例では、このような場合、ステップSn5905にて、接続異常が生じている可能性がある旨を示す第1遅延エラー報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにする処理を実行する構成としている。
第1遅延エラー報知としては、例えば、図1235(a)に示すように、回転開始時コマンドに基づいて開始された(開始操作時コマンドに基づいて設定され、回転開始コマンドに基づいて開始された)押し順報知演出が行われている状況であって、停止可能時コマンドを受信しておらず、ストップスイッチ42~44のストップランプ42b~44bが停止不可に対応する点灯色で点灯されている状況下において、補助表示部65にて「リールを停止させて下さい」といった停止示唆キャラクタTOKを表示させる。かかる表示により、ストップランプ42b~44bは停止不可に対応する点灯色であっても、ストップスイッチ42~44の操作を促すことが可能となる。
この場合、ストップスイッチ42~44の操作によって対応するリールが停止する。かかる状況において接続異常が解消されていない場合、停止ON時コマンドを受信することができないため、図1235(b)に示すように、停止ON操作に対応する停止ON時演出は実行されない。
また、ステップSn5904にて停止可能時コマンドを受信していない場合として、単に、そのコマンドの出力が遅延している場合、上記第1遅延エラー報知によって、ストップスイッチ42~44を操作しても、対応するリールは停止しない。ただし、その後、停止可能時コマンドを受信することによって、ストップランプ42b~44bの点灯色が停止可能に対応する点灯色に切り替えられることを通じて、先のストップスイッチ42~44の操作が、有効化される前の操作であったことを明確に理解することができ、演出上の矛盾は即座に解消されるため、遊技者に与え得る違和感は小さくて済むものと考えられる。
ステップSn5904にて停止可能時コマンドを受信している場合、又はステップSn5905にて第1遅延エラー報知を実行した後は、ステップSn5906にて停止待ち状態への移行記憶処理を実行してから、本遊技進行用処理を終了する。
ステップSn5901にて否定判定した場合、ステップSn5907に進み、ステップSn5907~ステップSn5909にて、上記ステップSn5805~ステップSn5807の処理と同様に、払出開始待ち状態において所定期間が経過したか否かの判定を行う。ステップSn5909にて所定期間が経過したと判定した場合、ステップSn5910にて払出開始時コマンドを受信済みであるか否かを判定する。
ステップSn5910にて、所定期間が経過したのにも関わらず払出開始時コマンドを受信していない場合とは、入賞時コマンドの受信後、払出開始時コマンドの出力までに接続異常が生じた可能性や、メダル払出時の異常(メダル詰まり等)が発生した可能性があり、この場合、ステップSn5911にて第2遅延エラー報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにする処理を実行する。
第2遅延エラー報知としては、例えば、図1236(a)に示すように、本来であれば、入賞時コマンドを受信し、入賞時演出が実行されている状況において、払出開始時コマンドに基づいて払出演出が開始されるところを、補助表示部65において「店員さんを呼んで下さい」といったように、遊技ホールの管理者等の指示を仰ぐべき状況である旨を示す異常用キャラクタTPKを表示させる。また、スピーカ64からは、「ピーンポーン、店員さんを呼んで下さい」といった音声が出力されるようにする。これらの報知によって、メダル払出が開始されても、その開始をサブ制御装置180側で把握することができない状況(接続異常)であることや、メダル払出時の異常が生じていることを、遊技者や遊技ホールの管理者等に知らせることができる。なお、後者のメダル払出時の異常が生じている場合、その後(メダル払出時の異常を主制御装置101側で検知でき次第)、エラーコマンドがサブ制御装置180へ出力され、対応するエラー報知が開始される(対応するエラー報知に切り替わる)ようになる。
ステップSn5910にて払出開始時コマンドを受信している場合や、ステップSn5911にて第2遅延エラー報知を実行した後は、ステップSn5912にて払出状態に移行したことの記憶処理を行ってから、本遊技進行用処理を終了する。
このように、接続異常が生じている可能性があることを、遊技進行に伴い必ず出力されるコマンドを受信していないことを通じて特定するようしたことで、接続異常が解消されることを待ってから、接続異常が生じていたことの特定を行うよりもより早期に接続異常への対処を行うことが可能となる。
また、上記接続異常が生じている可能性があることの特定を行った場合、第1遅延エラー報知や第2遅延エラー報知を行う構成としていることから、その報知によって、接続異常が生じている可能性があることを遊技者や遊技ホールの管理者は明確に把握することができる。よって、当該接続異常への対処をより好適に行うことができる。
なお、上記の第1遅延エラー報知や第2遅延エラー報知は、所定契機で終了させる構成とするとよく、例えば、所定のコマンドを受信した場合(接続異常が解消された場合や、接続異常ではなかったことが判明した場合等)に終了させる構成とするとよい。所定のコマンドとしては、第1遅延エラー報知は、停止可能時コマンドを受信した場合に終了する構成とするとよく、第2遅延エラー報知は、払出開始時コマンドを受信した場合に終了する構成としてもよい。
<変形例9>
本変形例では、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態に対応しない遊技進行コマンドを受信した場合(同期異常を特定した場合)、特定報知を実行する。
すなわち、図1237(a)に示すように、各遊技進行コマンドを受信した場合の判定処理において、把握している遊技進行状態とは対応しない遊技進行コマンドであるとして、コマンド異常フラグをセットする処理(ステップSn3709、ステップSn3809、ステップSn3909、ステップSn4009、ステップSn4135、ステップSn4211、ステップSn4309、ステップSn4409、ステップSn4506)を実行した後、ステップSn6001にて上記特定報知として、同期異常が生じている旨を報知するためのコマンド異常報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにする処理を実行する。なお、開始操作時演出設定処理において表示情報修正処理(ステップSn2403)が起動される場合に、当該表示情報修正処理の一処理として、当該コマンド異常報知が終了されるようにする処理を設け、接続異常が解消された後の開始操作に基づいて当該コマンド異常報知が終了するようにするとよい。
コマンド異常報知としては、図1237(b)に示すように、補助表示部65にて、同期異常が生じていることの説明や、その同期異常が生じていることによって演出が更新されない状態であることの説明、更に、当該演出が更新されない状態がいつ解消されるかの説明を行う同期異常キャラクタDEP(図では、「異常があったため演出の更新ができません。次ゲームで復帰します。」との文字表示)が表示されるようにする。
このようにすることで、ゲームの操作を行って、ゲームを進行させること(リールを停止させること等)ができるのにも関わらず、補助表示部65等の演出が更新されないことの違和感を解消することができるし、その更新されない状態がいつまで続くのか(解消される見込みがあるのか)がわからないことによる不安感を解消し、遊技継続の後押しとすることが可能となる。
<変形例10>
本変形例では、主制御装置101側で管理・進行される各ゲームの遊技進行状態に加えて、又は代えて、主制御装置101側で管理・進行される複数のゲームに亘って継続し得る遊技状態(通常区間、有利区間、通常モード、CZモード、ATモード等)を、サブ制御装置180側で把握する場合の構成について説明する。
図1238は、第2コマンド判定処理を示すフローチャートである。第2コマンド判定処理は、上記コマンド判定処理(図1186)に加えて、又は代えて実行される処理である。上記コマンド判定処理に加えて実行されるようにする場合、当該コマンド判定処理に続けて(当該コマンド判定処理の実行後に)、第2コマンド判定処理を実行するようにするとよい。この場合、第2コマンド判定処理は、演出設定処理(図1164)において、新たなコマンドを受信した場合に起動される。
ステップSn6101では、今回受信しているコマンドが、遊技状態が移行したことを示す状態進行コマンドとして設定された設定コマンドであるか否かを判定する。状態進行コマンドとしての設定コマンドは、図1239(a)に示すように、有利区間から通常区間へ移行したことを示す状態進行コマンドの設定コマンドとして有利区間終了時コマンドが設定されており、通常区間から有利区間の通常モードへ移行しことを示す状態進行コマンドの設定コマンドとして有利区間移行時コマンドが設定されており、有利区間において通常モードからCZモードへ移行したことを示す状態進行コマンドの設定コマンドとしてCZ開始コマンドが設定されており、有利区間において通常モードやCZモードからATモードへ移行したことを示す状態進行コマンドの設定コマンドとしてAT開始コマンドが設定されている。なお、有利区間終了時コマンドは、主制御装置101における区間表示第2処理において、有利区間を終了させる場合に出力されるコマンドであり(例えばステップSn2008の処理時に出力される)、有利区間移行時コマンドは、主制御装置101における区間表示第1処理において、有利区間に移行させる場合に出力されコマンドである(例えばステップSn1906の処理時に出力される)。また、CZ開始コマンドや、AT開始コマンドは、上記の通り、主制御装置101における前兆モード用処理においてCZモードやATモードを開始させる場合に出力されるコマンドである。
ステップSn6101にて、これらの状態進行コマンドとしての設定コマンドではないと判定した場合、そのまま本第2コマンド判定処理を終了する。これらの設定コマンドである場合、ステップSn6102に進む。ステップSn6102では、各種カウンタエリア183bに設けられた状態コマンドカウンタの値を把握する処理を実行する。状態コマンドカウンタは、主制御装置101側で管理・進行される遊技状態を、サブ制御装置180において把握するためのカウンタであり、上記主制御装置101側で管理・進行されるゲームの遊技進行状態をサブ制御装置180において把握するためのコマンドカウンタに相当するものである。
つまり、図1239(a)に示すように、本変形例では、状態コマンドカウンタの値が1である場合は通常区間であると把握しており、状態コマンドカウンタの値が2である場合は有利区間の通常モードであると把握しており、状態コマンドカウンタの値が3である場合は有利区間のCZモードであると把握しており、状態コマンドカウンタの値が4である場合は有利区間のATモードであると把握している。
ステップSn6102にて状態コマンドカウンタの値を把握して、現状把握している遊技状態を確認した後は、ステップSn6103にて、今回受信したコマンドが、ステップSn6102にて把握した遊技状態(状態コマンドカウンタ)に対応するコマンドであるか否かを判定する。この場合、通常状態(状態コマンドカウンタ=1)であると把握している場合には有利区間移行時コマンドが対応するコマンドとして判定し、通常モード(状態コマンドカウンタ=2)であると把握している場合にはCZ開始コマンドが対応するコマンドとして判定し、CZモードであると把握している場合にはAT開始コマンドが対応するコマンドとして判定し、ATモードであると把握している場合には有利区間終了時コマンドが対応するコマンドとして判定する。
ステップSn6103にてこれらの対応するコマンドであると判定した場合、ステップSn6104にて、受信しているコマンドが有利区間終了時コマンドであるか否かを判定する。有利区間終了時コマンドではない場合、ステップSn6105にて、受信しているコマンドをコマンド格納エリア183cに格納するコマンド格納処理を実行する。そして、ステップSn6106にて、状態コマンドカウンタを1加算する処理を実行してから、本第2コマンド判定処理を終了する。ステップSn6106の処理によって、主制御装置101側で管理・進行される遊技状態が1つ移行したことを、サブ制御装置180側でも把握・記憶することが可能となる。具体的には、通常区間から有利区間の通常モードに移行したこと(1→2)、通常モードからCZモードに移行したこと(2→3)、CZモードからATモードに移行したこと(3→4)が把握・記憶される。
また、ステップSn6104にて有利区間終了時コマンドであると判定した場合、ステップSn6107にてコマンド格納処理を実行した後、ステップSn6108にて状態コマンドに1を入力する処理を実行してから、本第2コマンド判定処理を終了する。ステップSn6108の処理によって、主制御装置101側で管理・進行される遊技状態が初期状態(通常区間)に移行したことを、サブ制御装置180側でも把握・記憶することが可能となる。つまり、有利区間から通常区間に移行したこと(2→1、3→1、4→1)が把握・記憶される。
ステップSn6103にて否定判定した場合、ステップSn6109に進む。ステップSn6109では、受信しているコマンドが、AT開始コマンドであって、且つ現状の遊技状態を有利区間の通常モード(状態コマンドカウンタ=2)と把握しているか否かを判定する。ステップSn6109にて肯定判定する場合とは、通常モードにおいてCZモードを介することなくATモードへ移行する場合である。この場合、ステップSn6110に進み、コマンド格納処理を実行した後、ステップSn6111にて、状態コマンドカウンタに2を加算する処理を実行する。ステップSn6111の処理によって、主制御装置101側で管理・進行される遊技状態が有利区間の通常モードからATモードに移行したことを、サブ制御装置180側でも把握・記憶することが可能となる(2→4)。
ステップSn6109にて否定判定した場合、ステップSn6112にてコマンド格納処理を実行した後、ステップSn6113にて各種フラグ格納エリア183aに状態コマンド異常フラグをセットする処理を実行してから、本第2コマンド判定処理を終了する。状態コマンド異常フラグは、サブ制御装置180側で把握している限りにおいて、遊技機として設定されている遊技状態の移行経路とは異なる移行経路で遊技状態の移行が生じたことをCPU181が把握するためのフラグであり、上記コマンド異常フラグに対応するものである。つまり、状態コマンド異常フラグは、主制御装置101側で管理・進行される遊技状態が、設定されている移行経路以外の移行経路で移行した場合のほか、主制御装置101側から出力される状態進行コマンドをサブ制御装置180側で正規に受信できていない事象(接続異常)が、今回、状態進行コマンドを受信したタイミングよりも前で発生していた可能性があること(同期異常)を示すフラグである。
本変形例では、上記の状態コマンドフラグがセットされており、今回受信したコマンドよりも前で接続異常が生じていた可能性や、主制御装置101側で正規とは異なる移行経路で遊技状態の移行が生じた可能性がある場合には、図1217(a)のようにサブ制御装置180に接続された外部集中端子板121を介して遊技ホールのホールコンピュータやデータ表示器等へ外部出力する構成としている。
すなわち、図1239(b)に示すように、本変形例における上記の状態進行コマンドを受信した場合の演出設定用の処理(対応演出設定処理、図1164の演出設定処理におけるその他の処理の一処理)では、ステップSn6201にて状態進行コマンドの設定コマンド(有利区間終了時コマンド、有利区間移行時コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド)を受信したか否かを判定し、受信している場合には、ステップSn6202にて、上記の状態コマンド異常フラグがセットされているか否かを判定する。状態コマンド異常フラグがセットされていない場合には、ステップSn6203にて、受信しているコマンドに対応する演出設定用の処理を行ってから、本処理を終了する。なお、有利区間終了時コマンドを受信した場合の演出としては、例えば、当該有利区間が終了したことの演出の他、次ゲームから開始される通常区間用の演出や、設定値の示唆演出等を設定するとよい。また、有利区間移行時コマンドを受信した場合の演出としては、例えば、有利区間移行時に抽選等により設定されたATモード移行までの最大ゲーム数(天井)を示唆する演出等の移行する有利区間の有利度を示す演出や、設定値の示唆演出等を設定するとよい。
ステップSn6202にて状態コマンド異常フラグがセットされている場合には、ステップSn6204にて状態移行に関する同期異常等をサブ制御装置180側で特定した場合の処理として、例えば上記のように外部出力処理を実行してから、本処理を終了する。
このようにすることで、状態移行に関する同期異常が生じていることや、状態移行が異常なルートで生じていることを、遊技ホールの管理者等に知らせることが可能となり、その対処を早期に行うことが可能となる。
特に、主制御装置101側で管理・進行する遊技状態に関して、正規の移行経路で移行させるのではなく、不正な操作を行うなどして異常な移行経路で移行させる行為が行われた場合、主制御装置101側ではその移行経路を特定することができない場合があり、そうすると、上記のように、サブ制御装置180側から外部出力することによって、このような不正な行為が行われた可能性があることを、遊技ホール側で早期に特定することが可能となる。よって、これらの不正な行為の対処を好適に行うことができるようになる。
<変形例11>
本変形例では、同期異常を特定している場合の演出上の矛盾等を解消する契機が上記実施形態と異なっている。すなわち、上記実施形態では、同期異常が特定されてコマンド異常フラグがセットされた場合、その後、開始操作時コマンドを正規に受信するまでは、受信したコマンドに基づく演出設定が基本的には(残数表示の更新等は除いて)行われず、開始操作時コマンドを受信することを契機として、それまでの演出を一旦リセットしてから、当該開始操作時コマンドに基づく演出設定を行う構成としていた。本変形例では、同期異常が特定された場合、記憶している遊技進行状態に対応する遊技進行コマンドを受信したことを契機として、それまでの演出のリセット等の同期異常の対処処理を行う構成とする。図1240は、本変形例におけるコマンド判定処理を示すフローチャートである。上記のように、コマンド判定処理は、サブ制御装置180側において新たにコマンドを受信した場合に起動される処理である。
ステップSn6201では、コマンドカウンタの値に基づいて記憶している遊技進行状態を把握する処理を実行する。続くステップSn6202では、コマンド異常フラグがセットされており、同期異常の特定が行われた後であるか否かを判定する。コマンド異常フラグがセットされている場合、ステップSn6203にて、今回受信したコマンドが、記憶している遊技進行状態に対応するコマンドであるか否かを判定する。例えば、ベット待ち状態であると把握している場合には、ベット時コマンドが対応するコマンドであり、開始操作待ち状態であると把握している場合には、開始操作時コマンドが対応するコマンドである。つまり、記憶している遊技進行状態から次の遊技進行状態への移行記憶の契機となる遊技進行コマンドである場合に、ステップSn6203にて肯定判定する。この場合、ステップSn6204~ステップSn6206にて、同期異常の対処処理を実行する。
すなわち、ステップSn6204では、上記のコマンド異常フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSn6205にて実行中の演出を一旦終了させる処理を実行する。その後、ステップSn6206にて実行中の演出用情報の初期化処理を実行する。これらステップSn6204~ステップSn6206の処理は、上記開始操作時演出設定処理におけるステップSn2402、ステップSn2403(ステップSn4601、ステップSn4602)の処理に対応するものである。
ステップSn6202若しくはステップSn6203にて否定判定した場合、又はステップSn6206の処理を実行した後は、ステップSn6207~ステップSn6216にて、上記ステップSn3602~ステップSn3611と同様の処理を行ってから、本コマンド判定処理を終了する。
上記のように、同期異常が特定されている場合に、記憶している遊技進行状態に対応する遊技進行コマンドに基づいて、同期異常の対処処理を行う構成としたことにより、受信した遊技進行コマンドから、演出の更新が再開されるようになる。つまり、例えば、記憶している遊技進行状態が払出開始待ち状態である場合、払出開始時コマンドを受信することで同期異常の対処処理が行われて演出更新が再開されるようになる。このようにすることで、演出更新が行われなくなったゲーム(接続異常が発生したゲーム)と、演出更新が再開されるゲーム(接続異常が解消されて対応する遊技進行コマンドを受信したゲーム)とは異なるものの、演出更新の再開前の演出の続きの演出として演出を再開することが可能となり、演出更新再開時に遊技者に与え得る違和感を小さくすることができるようになる。
ちなみに、上記変形例においては、開始操作時に同期異常の対処処理が行われない場合も生じるようになる。つまり、開始操作時演出設定処理(図1166)においてステップSn2401にてコマンド異常フラグがセットされていると判定した場合には、そのまま開始操作時演出設定処理を終了する構成とするとよく、ステップSn2402~ステップSn2403の処理は実行しないようにするとよい。この場合、コマンド異常フラグがセットされており、同期異常が特定されている場合に、各種開始操作時の演出(チャンス演出や押し順報知演出等)が実行されないようになるし、更に、獲得表示更新第1処理や消化数更新処理も実行されないようになる。
つまり、コマンド異常フラグがセットされており、同期異常が特定されている場合には、獲得表示更新第1処理や消化数更新処理は実行されないものの、入賞時演出設定処理における残数表示更新処理は実行される構成となる。同期異常が特定されていることから、獲得数や消化数の表示に誤差がある可能性が高く、このような場合にまで獲得数や消化数を更新することの意義は低く、むしろ誤差がある表示をあえて更新することによる誤解を生じさせないようにすることが可能となる。そして、少なくとも残数表示さえ更新できれば、遊技者が意図しないタイミングでATモード等が終了してしまうことを抑止することが可能となる。
<変形例12>
本変形例では、同期異常が生じていることを特定している状況であっても、受信したコマンドに基づいて演出更新を可能とする。図1241(a)は、各種演出設定処理の一部の処理を示しており、具体的には、各種演出設定処理におけるコマンド異常フラグの有無を判定する処理(ステップSn2301、ステップSn2501、ステップSn2601、ステップSn2701、ステップSn2803、ステップSn2901、ステップSn3001)を示している。なお、開始操作時演出設定処理においてコマンド異常フラグの有無を判定する処理(ステップSn2401)は除いている。
すなわち、主制御装置101から受信したコマンドに基づいて演出設定を行う場合、ステップSn6301(ステップSn2301、ステップSn2501、ステップSn2601、ステップSn2701、ステップSn2803、ステップSn2901、ステップSn3001)にてコマンド異常フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合、本変形例では、ステップSn6302にて異常用報知処理を実行してから、ステップSn2302、ステップSn2502、ステップSn2602、ステップSn2702、ステップSn2804、ステップSn2902、ステップSn3002以降の演出設定用の処理に進む。また、ステップSn6301にてコマンド異常フラグがセットされていない場合には、ステップSn6302の異常用報知処理を実行することなく、ステップSn2302、ステップSn2502、ステップSn2602、ステップSn2702、ステップSn2804、ステップSn2902、ステップSn3002以降の演出設定用の処理に進む。
ステップSn6302の異常用報知処理は、同期異常が生じていることの特定が行われている状況下で、実行中の演出内容を維持しながら、受信したコマンドに基づく演出更新を可能とする報知を行うための処理である。本変形例では、図1241(b)に示すように、実行中の演出内容として、補助表示部65にて表示している画像を縮小表示させ、受信したコマンドに基づく演出内容の表示を、上記実行中の演出内容を縮小表示させたものと並べて表示させる構成としている。より具体的には、実行中の演出内容を縮小表示させた旧表示キャラクタQHPを補助表示部65における所定領域に表示させ、その旧表示キャラクタQHPに対して前面から重ね合わせて、受信したコマンドに基づく演出内容を縮小表示させた実行中表示キャラクタGHPを補助表示部65における特定領域に表示させる。この場合、実行中表示キャラクタGHPと旧表示キャラクタQHPとが少なくとも一部に重複が生じないように表示されるようにすることで、実行中表示キャラクタGHPの背後に表示される旧表示キャラクタQHPの内容を当該重複しない一部から視認させることが可能となる。
つまり、上記ステップSn6302の異常用報知処理は、実行中の演出内容を旧表示キャラクタQHPとして表示させる処理と、ステップSn2302、ステップSn2502、ステップSn2602、ステップSn2702、ステップSn2804、ステップSn2902、ステップSn3002以後の演出設定用の処理において設定される演出内容が、実行中表示キャラクタGHPの表示領域に表示されるように設定する処理とを含むものである。
このようにすることで、遊技者や遊技ホールの管理者等は、接続異常が発生する直前に更新された演出内容を旧表示キャラクタQHPから把握しながら、接続異常が解消された後で進行される遊技の内容を実行中表示キャラクタGHPから把握することが可能となる。よって、遊技操作に基づいて遊技を進行させているのにも関わらず演出が更新されないことの違和感を低減しながらも、どのような状況で接続異常が生じたのかを特定し易くなり、その後の対処を行い易くすることが可能となる。
<変形例13>
本変形例では、入賞時コマンドを受信するよりも前に入賞時演出を設定する構成の変形例を説明する。上記実施形態では、押し順報知演出を実行するゲームにおいて、ストップスイッチ42~44の操作順序が押し順報知演出の示す操作順序に合致している場合、第3停止操作における停止ON操作時に対応入賞フラグをセットし(ステップSn2713)、その後、停止OFF操作時に入賞時演出の設定を行い(ステップSn2720)、当該停止OFF操作時にリール停止済みであればその時点で入賞時演出を行い(ステップSn2722)、リール未停止であれば、リール停止時に入賞時演出を行う(ステップSn2727)としていた。
本変形例では、これを変更し、押し順報知演出を実行するゲームにおいて、第2停止操作における停止ON操作時に入賞時演出を設定する構成とする。
すなわち、図1242に示すように、ステップSn6405にて押し順報知演出を実行していると判定した場合に、ステップSn6406にて非対応フラグがセットされていなければ、ステップSn6408にて押し順情報(押し順カウンタ)の読み出しを行う。そして、ステップSn6409にて今回の操作は押し順情報の指示に対応しているか否かを判定し、対応している場合には、ステップSn6410にて指示対応演出を行うための処理を実行する。そして、ステップSn6411にて対応操作カウンタを1加算する処理を実行する。なお、ステップSn6401~ステップSn6411の処理は、上記ステップSn2701~ステップSn2711の処理と同様である。
ステップSn6411にて加算する対応操作カウンタは、上記の通り、押し順報知演出が行われるゲームにおいて押し順報知演出の示す操作順序に合致するストップスイッチ42~44の停止ON操作が行われた回数を示すものである。
ステップSn6412では、当該対応操作カウンタが2であるか否かを判定し、3つあるストップスイッチ42~44のうち2つの停止ON操作が押し順報知演出の示す操作順序に合致するものであったか否かを判定する。ステップSn6412にて肯定判定した場合、ステップSn6413にて対応入賞フラグをセットし、その後、ステップSn6414にて入賞時演出を設定する処理を実行する。当該ステップSn6414の処理は、上記ステップSn2720の処理に対応するものであり、押し順報知演出が行われるゲームにおいて、押し順報知演出の示す操作順序に沿って操作した場合の第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出を、当該第1小役入賞~第6小役入賞が成立するよりも前に設定するための処理である。
すなわち、3つあるストップスイッチ42~44のうち2つの停止ON操作が、指示内容に沿った操作順序であった場合とは、最後の1つの停止ON操作を待たずに、今回のゲームにおいて指示内容に沿った操作順序で操作が行われることが確定する場合である。言い換えると、3つあるストップスイッチ42~44のうち2つの停止ON操作が、指示内容に沿った操作順序であった場合とは、第1小役入賞~第6小役入賞が成立することが確定する最も早いタイミングである。このようなタイミングで入賞時演出を設定するようにすることで、処理を前倒しで行う構成となり、その後の処理の処理負荷を低減することが可能となる。
ステップSn6407にて肯定判定した場合や、ステップSn6412にて否定判定した場合には、そのまま本停止時演出設定処理を終了する。また、ステップSn6409にて否定判定した場合、ステップSn6415及びステップSn6416にて、上記ステップSn2714及びステップSn2715と同様の処理(操作非対応演出を実行する処理、非対応フラグをセットする処理)を実行してから、本停止時演出設定処理を終了する。
ステップSn6402にて停止ON時コマンドではないと判定した場合、ステップSn6417に進み、停止OFF時コマンドであるか否かを判定する。停止OFF時コマンドである場合、ステップSn6418にて操作されたリールを把握し、対応するリールの停止OFF時演出を実行する(ステップSn6419)。そして、ステップSn6420にて対応入賞フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップSn6421に進む。ステップSn6417~ステップSn6420の処理は、上記ステップSn2716~ステップSn2719の処理と同様である。
ステップSn6421では、対応操作カウンタが3であるか否かを判定する。3であり、全てのストップスイッチ42~44の停止操作が行われた状態である場合、ステップSn6422に進み、今回操作したリールは停止済みであるか否かの確認を行う。停止済みである場合には、ステップSn6423にて、ステップSn6414にて設定した入賞時演出が行われるようにする処理を実行する。リールが未停止である場合(ステップSn6422:NO)や、入賞時演出を実行した後は、ステップSn6424にて対応操作カウンタを0にクリアする処理を実行する。ステップSn6420若しくはステップSn6421にて否定判定した場合、又はステップSn6424の処理を実行した後は、ステップSn6425に進む。ステップSn6422~ステップSn6428の処理は、上記ステップSn2721~ステップSn2727の処理と同様である。
本変形例において入賞時演出が設定されるタイミングについて、図1243を参照しながら説明する。
先ず、押し順報知演出の示す操作順序に従ってストップスイッチ42~44が操作された場合について説明する。
tj1にてスタートレバー41による開始操作が行われて開始されるゲームにおいて押し順報知演出が開始される場合、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるtj2にて当該押し順報知演出が開始される。この例では、中逆押しベル1に当選しており、中逆押し(中→右→左)の操作順序を示す押し順報知演出が行われたとする。
この場合、tj3にて中ストップスイッチ43の停止ON操作が行われると、第4小役入賞に対応する中リール32Mの第4小役図柄(「リプレイ」図柄)が、中リール32Mの有効ライン上に停止可能となるように停止駆動制御が行われる。またこの場合、tj3にて操作対応演出が実行される。続くtj4にて右ストップスイッチ44の停止ON操作が行われると、第4小役入賞に対応する右リール32Rの第4小役図柄(「ベル」図柄)が、右リール32Rの有効ライン上に停止可能となるように停止駆動制御が行われるとともに、操作対応演出が実行される。
この場合、tj4のタイミングで、残りの左リール32Lを停止させる前に、第4小役入賞が成立することが確定し、そうすると、tj4にて第4小役入賞が成立した場合の入賞時演出が設定される。
tj5にて左ストップスイッチ42の停止ON操作が行われると、第4小役入賞に対応する左リール32Lの第4小役図柄(「スイカ」図柄)が、左リール32Lの有効ライン上に停止可能となるように停止駆動制御が行われるとともに、操作対応演出が実行される。
その後、tj6にて、左ストップスイッチ42の停止OFF操作が行われ、既に左リール32Lが停止していると、当該tj6にて入賞時演出が実行される。なお、当該tj6にて第4小役入賞が成立している。
次に、押し順報知演出の示す操作順序に従わずにストップスイッチ42~44が操作された場合について説明する。
tj7にてスタートレバー41による開始操作が行われて開始されるゲームにおいて押し順報知演出が開始される場合、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるtj8にて当該押し順報知演出が開始される。この例でも、中逆押しベル1に当選しており、中逆押し(中→右→左)の操作順序を示す押し順報知演出が行われたとする。
この場合、tj9にて中ストップスイッチ43の停止ON操作が行われると、第4小役入賞に対応する中リール32Mの第4小役図柄(「リプレイ」図柄)が、中リール32Mの有効ライン上に停止可能となるように停止駆動制御が行われる。またこの場合、tj9にて操作対応演出が実行される。
続くtj10にて、押し順報知演出の示す操作順序とは異なる左ストップスイッチ42の停止ON操作が行われると、第17小役、第18小役、第23小役入賞に対応する左リール32Lの第17小役図柄(「赤7」図柄、「BAR」図柄)、第18小役図柄(「赤貝」図柄、「白貝」図柄)、第23小役図柄(「リプレイ」図柄、「青年」図柄)のいずれかが、左リール32Lの有効ライン上に停止可能となるように停止駆動制御が行われるとともに、操作非対応演出が実行される。
この場合、tj10のタイミングでは、第4小役入賞が成立した場合の入賞時演出が設定されない。
tj11にて右ストップスイッチ44の停止ON操作が行われると、第17小役、第18小役、第23小役入賞に対応する右リール32Rの第17小役図柄(「赤7」図柄、「白7」図柄)、第18小役図柄(「白貝」図柄、「青年」図柄)、第23小役図柄(「BAR」図柄、「リプレイ」図柄)のいずれかが、右リール32Rの有効ライン上に停止可能となるように停止駆動制御が行われ、いずれもが有効ライン上に停止させることができない場合には、いずれの小役図柄にも対応しない図柄を有効ライン上に停止させるように停止駆動制御が行われる(取りこぼしとなる)。
この場合、tj12にて、右ストップスイッチ44の停止OFF操作が行われ、既に左リール32Lが停止していても、当該tj12にて入賞時演出は実行されない。なお、当該tj12では、第17小役入賞、第18小役入賞及び第23小役入賞のいずれかが成立しているか、いずれも成立しておらず取りこぼしとなっていることを示している。
このように、小役入賞が成立することが確定するタイミングで入賞時演出を設定するようにし、より早期に入賞時演出を設定する(入賞時演出の設定タイミングを前倒しする)ことで、その後の演出設定を行う場合の処理に余裕が生じ、処理負荷の分散化を通じて処理エラーの発生を抑制することができるし、余裕が生じた分の処理容量を他の演出に充てることが可能となり、演出の充実化にも貢献することができる。
<変形例14>
本変形例では、いずれかの再遊技に当選したゲームにおいても、入賞時演出の事前設定を行う構成とする。図1244(a)は、本変形例における再遊技用開始操作時演出設定処理を示すフローチャートである。当該処理は、開始操作時演出設定処理におけるその他の開始操作時演出設定処理(ステップSn2419)の一処理として実行される処理である。
ステップSn6501では、今回開始されるゲームの抽選結果を、受信している開始操作時コマンド(抽選結果コマンド)に基づいて把握し、いずれかの再遊技に当選しているか否かを判定する。再遊技当選ではない場合には、そのまま本処理を終了する。再遊技当選である場合には、ステップSn6502に進む。
ステップSn6502では、当選している再遊技の種類を把握する処理を実行する。具体的には、今回当選している再遊技が、通常リプA~通常リプC(IV=1~3)と、チャンス目A~チャンス目C及びチェリーA~チェリーC(IV=4~9)とのいずれであるかを判定する。そして、ステップSn6503では、ステップSn6502にて把握した再遊技の種類に応じた入賞時演出を設定する処理を実行する。
例えば、今回のゲームで通常リプA~通常リプCのいずれかに当選している場合、図1244(b)に例示する通常再遊技入賞演出が入賞時に行われるように、当該入賞時演出を開始操作時に設定する。また、今回のゲームでチャンス目A~チャンス目C及びチェリーA~チェリーCのいずれかに当選している場合、図1244(c)に例示する特別再遊技入賞演出が入賞時に行われるように、当該入賞時演出を開操作時に設定する。通常再遊技入賞時演出と特別再遊技入賞時演出とは、その内容を遊技者が識別可能な程度に表示態様や効果音が異なっており、特別再遊技入賞時演出のほうが通常再遊技入賞時演出よりも、得られる利益が大きい(CZモードやATモードへ移行する確率が高いことや、ATモードの上乗せが生じ易いこと、上乗せゲーム数が多いこと等)ことを期待させる演出として設定されている。
このように、開始操作時に入賞時の演出を設定しても、再遊技は取りこぼしが生じないように設定されていることから、開始時に設定した入賞時演出と、全リール32L,32M,32Rが停止した場合の入賞態様とに齟齬が生じない。よって、より早期に入賞時演出を設定することが可能となり、設定処理の前倒しによって、その後の処理を行う場合の
処理容量に空きを生じさせることができ、当該生じた空き容量を使用して他の演出設定を行う等、演出の多様化に大いに貢献することが可能となる。
<変形例15>
本変形例では、ストップスイッチ42~44の停止タイミングから有効ラインML上に停止する停止図柄を把握しながら、入賞時演出の設定を行う。図1245は、本変形例におけるリール制御処理を示すフローチャートである。上記のように、リール制御処理は、主制御装置101において、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転を開始させたり、ストップスイッチ42~44の操作に基づき対応するリールの停止駆動制御を行う処理である(図1140)。
本変形例におけるリール制御処理では、サブ制御装置180側へ出力する停止ON時コマンドをセットするタイミングと、当該停止ON時コマンドに設定する情報が上記実施形態のものと異なっている。
すなわち、ステップSn6607にてストップスイッチ42~44の操作が行われたと判定し、ステップSn6608にて有効操作であると判定した場合、ステップSn6609に進む。ステップSn6609にて停止ON操作であるか否かを判定し、停止ON操作である場合、ステップSn6610にて順序番号カウンタに1を加算する処理を実行する。
本変形例では、ステップSn6610の処理の後、ステップSn6611にて到達図柄番号を取得する処理を実行し、ステップSn6612にてスベリ数を算出する処理を実行し、ステップSn6613にて停止図柄番号を決定する処理を実行する。これらステップSn6611~ステップSn6613の処理は、ステップSn512~ステップSn514の処理と同様であり、ストップスイッチ42~44の操作タイミングと抽選結果とから、有効ラインML上に(基準位置である下段に)停止させる図柄を決定する処理である。なお、ステップSn6601~ステップSn6610の処理は、上記ステップSn501~ステップSn510の処理と同様である。
ステップSn6611~ステップSn6613の処理を実行した後は、ステップSn6614にて停止ON時コマンドをサブ制御装置180への出力対象としてセットする処理を実行する。本変形例では、当該停止ON時コマンドに、ステップSn6610にて加算後の順序番号カウンタの値の情報に加え、ステップSn6611~ステップSn6613の処理結果の情報、すなわち、今回のゲームの抽選結果の情報と、有効ラインML上に停止させる予定の図柄の種類の情報を設定する。
ステップSn6614の処理を実行した後は、上記ステップSn515~ステップSn526の処理と同様に、ステップSn6615~ステップSn6626の処理を実行する。
図1246は、本変形例におけるサブ制御装置180側の停止時演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例では、押し順報知演出を実行していないゲームにおける停止ON操作時演出の設定処理を行った後の処理が異なっている。すなわち、ステップSn6706にて停止ON操作時演出の設定処理を行った後、本変形例では、ステップSn6707にて入賞時演出用処理を実行してから、本停止時演出設定処理を終了する。なお、ステップSn6701~ステップSn6706の処理は、上記ステップSn2701~ステップSn2706の処理と同様であり、ステップSn6608~ステップSn6628の処理は、上記ステップSn2707~ステップSn2727の処理と同様である。
ステップSn6707の入賞時演出用処理について、図1247を参照しながら説明する。
ステップSn6801では、受信している停止ON時コマンドに基づいて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。続くステップSn6802では、受信している停止ON時コマンドに基づいて、有効ラインML上に停止させる予定の図柄の種類の情報(停止図柄番号)を把握する処理を実行する。
そして、ステップSn6803にて、ステップSn6802にて把握した停止予定の図柄の種類は、今回のゲームの抽選結果に対応する入賞図柄であるか否かを判定する。入賞図柄ではない場合には、そのまま本入賞時演出用処理を終了する。入賞図柄である場合には、ステップSn6804に進み、対応操作カウンタを1加算する処理を実行する。そして、ステップSn6805にて対応操作カウンタが3となったか否かを判定し、3となった場合には、ステップSn6806にて対応入賞フラグをセットする処理を実行してから、本入賞時演出用処理を終了する。ステップSn6805にて否定判定した場合には、そのまま入賞時演出用処理を終了する。
対応入賞フラグがセットされることによって、その後に、停止OFF時コマンドを受信した場合のステップSn6720の処理にて肯定判定することになり、ステップSn6721にて入賞時演出の設定処理が行われるようになる。この場合、本変形例では、今回の抽選結果に対応する入賞時演出の設定を行うようにし、より具体的には、例えばスイカ当選ゲームであれば、スイカ入賞に対応する入賞時演出(図1202(b))を設定する。
当該設定された入賞時演出は、今回の停止OFF操作時(ステップSn6823)、又はリール停止時(ステップSn6828)にて実行される。つまり、本変形例でも、入賞時演出を入賞が成立するよりも前に事前に設定する構成となっている。
停止図柄と入賞時演出の事前設定との関係について、図1248を参照しながら説明する。
tk1にて開始されたゲームで、tk2にて第1停止操作の停止ON操作、tk3にて第2停止操作の停止ON操作、tk4にて第3停止操作の停止ON操作が行われた場合において、これら第1停止操作~第3停止操作に基づいて有効ラインML上に停止する図柄がいずれも入賞図柄である場合、tk2~tk4にて停止ON操作時演出が行われるとともに、第3停止ON操作が行われたtk4にて入賞時演出の事前設定(対応入賞フラグのセット処理)が行われる。この場合、tk5にて第3停止操作の停止OFF操作が行われた場合(リールが停止した場合)、tk4にて事前設定が行われた入賞時演出が実行される。そして、この場合、実行される入賞時演出に対応する役の入賞が成立する。
tk6にて開始されたゲームで、tk7にて第1停止操作の停止ON操作、tk8にて第2停止操作の停止ON操作、tk9にて第3停止操作の停止ON操作が行われた場合において、これら第1停止操作~第3停止操作に基づいて有効ラインML上に停止する図柄が、第1停止操作については入賞図柄であるものの、第2停止操作及び第3停止操作については非入賞図柄である場合、tk7~tk9にて停止ON操作時演出が行われるものの、第3停止ON操作が行われたtk9では、入賞時演出の設定が行われない。この場合、tk10にて第3停止操作の停止OFF操作が行われた場合(リールが停止した場合)、入賞時演出は実行されないし、対応する役の入賞も成立しない。
このように、実際に有効ラインML上に停止する予定の図柄を、ストップスイッチ42~44の操作タイミングから把握し、その停止予定の図柄に基づいて入賞時演出を設定することで、操作順序によって入賞する結果が異なる押し順役(押し順ベル)や、取りこぼしが生じない結果(再遊技等)だけでなく、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによって入賞の成否が異なる取りこぼしが生じ得る結果についても、入賞時演出を事前に設定することが可能となる。これにより、入賞時演出設定処理における入賞時演出の設定処理を、抽選結果に応じて実行したり実行しなかったりする必要が生じず、入賞時演出の処理負荷を減らすことができるし、各ゲームの当該入賞時演出の処理負荷を均等化することも可能となる。これにより、処理負荷の増大化や、処理負荷のバラつきに起因する処理エラー等の発生を好適に回避することができるようになる。
<変形例16>
本変形例では、所定事象が生じる前に当該所定事象が生じた場合の演出を設定する構成において、当該所定事象が生じた後の演出についても、所定事象が生じる前に設定する。具体的には、事前に入賞時演出の設定を行う構成において、払出演出も事前に設定する構成とする。
すなわち、図1249(a)に示すように、停止時演出設定処理のステップSn2719にて対応入賞フラグがセットされていると判定し、押し順ベル当選時に押し順報知演出が実行されており、第3停止操作の停止ON操作時に、第1停止操作~第3停止操作の操作順序が押し順報知演出の示す操作順序に対応するものであると判定されている場合、ステップSn6901に進み、入賞時演出の設定処理を行う。当該ステップSn6901の処理は、上記ステップSn2720の処理と同様であり、入賞前の停止OFF操作時に入賞時演出を事前に設定する処理である。
続くステップSn6902では、払出演出を設定する処理を実行する。当該処理にて設定する払出演出は、第1小役入賞~第6小役入賞に伴い付与されるメダル数(13枚)に対応する払出演出である。その後、ステップSn2721に進み、今回の停止OFF操作時に入賞時演出を実行するか否かの判定等を行う。
また、図1249(b)に示すように、本変形例における入賞時演出設定処理では、ステップSn2806にて否定判定し、上記の対応入賞フラグや非対応フラグがセットされていないと判定した場合、ステップSn6911に進み、今回の入賞結果に対応する入賞時演出を実行する。ステップSn6911の処理は、上記ステップSn2807の処理と同様であり、入賞結果に応じた態様にて入賞時演出が行われるようにする。そしてステップSn6912にて、上記ステップSn6902と同様に、払出演出を設定する処理を実行する。当該処理にて設定する払出演出は、今回の入賞結果に対応する払出演出である。その後、ステップSn2809に進み、他の入賞時演出の設定処理を行う。
本変形例における払出開始時演出設定処理では、図1249(c)に示すように、ステップSn6921にてコマンド異常フラグがセットされていないと判定した後、ステップSn6922にて、上記ステップSn6902やステップSn6912にて設定済みの払出演出を開始する処理を実行してから、本払出開始時演出設定処理を終了する。コマンド異常フラグがセットされている場合には、そのまま本払出開始時演出設定処理を終了する。
このようにすることで、サブ制御装置180側においては、入賞時コマンドを受信した場合に、停止時演出設定処理にて実行している分だけ、入賞時演出を実行する機会を減らすことが可能となるだけでなく、払出開始時コマンドを受信した場合に、既に設定済みの払出演出を開始すればよくなるため、当該払出開始時コマンドを受信した場合の処理負荷を圧倒的に軽減することが可能となる。つまり、払出演出の設定を前倒しで行うようにすることで、払出演出の開始時の処理容量に空きを生じさせることができ、その分、払出演出をより派手に行うなど演出の充実化を図ることが可能となる。これにより、ゲームの結果に応じて特典としてメダルを付与する遊技機において、その特典付与時の演出効果をより高めることが可能となり、遊技者に特典付与に沿った又は付与する特典以上の満足感を提供することができるようになる。
<変形例17>
本変形例では、接続異常が生じたゲームで押し順ベルに当選し、その後のゲームで接続異常が解消された場合において、当該接続異常の解消に伴い同期異常の特定が行われなかった場合(当該接続異常の解消時の遊技進行コマンドが、接続異常が発生した際に記憶していた遊技進行状態に対応するものであった場合)の、補足説明を行う。既に説明した通り、接続異常の解消に伴い同期異常の特定が行われると、受信する遊技進行コマンドに基づく演出の更新は基本的には行われない一方で、接続異常の解消に伴い同期異常の特定が行われない場合、受信する遊技進行コマンドに基づく演出の更新が行われるようになる(図1211~図1215)。
図1250(a)は、接続異常が発生したゲームと接続異常が解消したゲームとのいずれにおいても押し順ベルに当選し、当該押し順ベルにおける第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序が同じ場合であって、接続異常の解消に伴い同期異常の特定が行われなかった場合の演出等の関係を、発生ゲームにおける押し順報知演出の実行の有無を分けて示している。
接続異常の発生ゲームにおいて押し順報知演出が行われ、接続異常の解消ゲームにおいて、実行中の押し順報知演出に従ってストップスイッチ42~44を操作すると、発生ゲームと解消ゲームの第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序が同じであるため、当該解消ゲームにおいて第1小役入賞~第6小役入賞が成立する。この場合、発生ゲームにおいて開始している押し順報知演出の示す操作順序に対応する操作であるため、各停止ON操作時に指示対応演出(ステップSn2710)が行われる。また、第3停止操作の停止ON操作時に対応入賞フラグがセットされ(ステップSn2713)、その停止OFF操作時に入賞時演出が設定される(ステップSn2720)。設定された入賞時演出は、当該停止OFF操作時又はリール停止時に実行される。なお、これらの演出設定は、接続異常の解消ゲームにおける停止時演出設定処理により行われるものの、当該演出設定の基準(押し順情報)は、接続異常の発生ゲームのものである。ただし、残数表示更新処理については、当該接続異常の解消ゲームにおいて受信するコマンドに基づいて実行される。
接続異常の発生ゲームにおいて押し順報知演出が行われ、接続異常の解消ゲームにおいて、実行中の押し順報知演出に従わずにストップスイッチ42~44を操作すると、発生ゲームと解消ゲームの第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序が同じであるため、当該解消ゲームにおいて第1小役入賞~第6小役入賞が成立せず、第9小役入賞~第32小役入賞が成立したり、取りこぼしとなったりする(ベルこぼしとなる)。この場合、発生ゲームにおいて開始している押し順報知演出の示す操作順序に対応する操作ではないため、非対応となった際の停止ON操作時に指示非対応演出(ステップSn2714)が行われる。また、入賞時演出の事前設定は行われない。なお、当該演出設定も、接続異常の解消ゲームにおける停止時演出設定処理により行われるものの、当該演出設定の基準(押し順情報)は、接続異常の発生ゲームのものである。この場合も、残数表示の更新は、当該接続異常の解消ゲームにおいて受信するコマンドに基づいて実行される。
これに対して、接続異常が発生したゲームにおいて押し順報知演出が実行されていない場合、解消ゲームにおける停止時演出設定処理においては、押し順ベル用の演出設定(ステップSn2707~ステップSn2715)は実行されない。そのため、接続異常の発生ゲームに当選した押し順ベルにおける第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序で、解消ゲームにて操作した場合、各停止ON操作時には、操作対応演出ではなく、停止ON操作時演出(ステップSn2706)が行われる。また、入賞時演出の事前設定も行われないため、入賞時演出は入賞時演出設定処理にて設定・実行される。上記のように、解消ゲームでは第1小役入賞~第6小役入賞が成立するため、この場合、当該第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞結果コマンドに基づいて入賞時演出が入賞時演出設定処理にて設定・実行される。なお、この場合も残数更新は行われる。
接続異常が発生したゲームにおいて押し順報知演出が実行されていない場合において、解消ゲームにて第1小役入賞~第6小役入賞とは異なる操作順序にて操作した場合、各停止ON操作時の停止ON操作時演出は実行されるものの、第1小役入賞~第6小役入賞は成立しないため、当該第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出は実行されない。なお、第9小役入賞~第32小役入賞や、取りこぼしに対応する演出を入賞時演出として行う場合には、当該第9小役入賞~第32小役入賞や、取りこぼしを示す入賞結果コマンドに基づいて対応する演出が実行される。また、この場合も残数更新は行われる。
図1250(b)は、接続異常が発生したゲームと接続異常が解消したゲームとのいずれにおいても押し順ベルに当選し、当該押し順ベルにおける第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序が異なる場合であって、接続異常の解消に伴い同期異常の特定が行われなかった場合の演出等の関係を、発生ゲームにおける押し順報知演出の実行の有無を分けて示している。
接続異常の発生ゲームにおいて押し順報知演出が行われ、接続異常の解消ゲームにおいて、実行中の押し順報知演出に従ってストップスイッチ42~44を操作すると、発生ゲームと解消ゲームの第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序が異なるため、当該解消ゲームにおいて第1小役入賞~第6小役入賞が成立せず、第9小役入賞~第32小役入賞が成立したり、取りこぼしとなったりする(ベルこぼしとなる)。ただし、発生ゲームにおいて開始している押し順報知演出の示す操作順序に対応する操作であるため、各停止ON操作時に指示対応演出が行われる。また、入賞時演出についても停止操作に基づく事前設定が行われて実行されるようになる。
接続異常の発生ゲームにおいて押し順報知演出が行われ、接続異常の解消ゲームにおいて、実行中の押し順報知演出に従わず、主制御装置101において実行されている押し順報知の示す操作順序、すなわち、今回のゲームの押し順ベルにおいて第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序にてストップスイッチ42~44を操作すると、当該解消ゲームにおいて第1小役入賞~第6小役入賞が成立する。ただし、発生ゲームにおいて開始している押し順報知演出の示す操作順序に対応しない操作であるため、各停止ON操作時に指示非対応演出が行われ、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出は実行されない。
接続異常の発生ゲームにおいて押し順報知演出が行われ、接続異常の解消ゲームにおいて、実行中の押し順報知演出に従わず、主制御装置101において実行されている押し順報知の示す操作順序にも従わないでストップスイッチ42~44を操作すると、当該解消ゲームにおいて第1小役入賞~第6小役入賞が成立せず、第9小役入賞~第32小役入賞が成立したり、取りこぼしとなったりする(ベルこぼしとなる)。この場合、発生ゲームにおいて開始している押し順報知演出の示す操作順序に対応しない操作であるため、各停止ON操作時に指示非対応演出が行われ、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出は実行されない。
接続異常が発生したゲームにおいて押し順報知演出が実行されていない場合、接続異常の発生ゲームに当選した押し順ベルにおける第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序で、解消ゲームにて操作した場合、発生ゲームと解消ゲームとの操作順序の相違によって、第1小役入賞~第6小役入賞が成立せず、第9小役入賞~第32小役入賞が成立したり、取りこぼしとなったりする(ベルこぼしとなる)。この場合、各停止ON操作時に停止ON操作時演出が行われ、入賞時演出の事前設定も行われないため、入賞時演出は入賞時演出設定処理にて設定されるものの、解消ゲームでは第1小役入賞~第6小役入賞が成立していないため、入賞時演出は実行されない。
接続異常が発生したゲームにおいて押し順報知演出が実行されていない場合において、解消ゲームの押し順ベルにおける第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序にて操作した場合、第1小役入賞~第6小役入賞が成立する。この場合、停止ON操作時演出は実行され、第1小役入賞~第6小役入賞の成立に基づく入賞時演出も実行される。
接続異常が発生したゲームにおいて押し順報知演出が実行されていない場合において、発生ゲームの押し順ベル第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序及び解消ゲームの押し順ベルの第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序のいずれとも異なる操作順序で操作した場合、第1小役入賞~第6小役入賞は成立しない。この場合、停止ON操作時演出は実行されるものの、第1小役入賞~第6小役入賞は成立しないため、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出も実行される。
図1251(a)は、接続異常が発生したゲームにおいて押し順ベルに当選した場合において、接続異常が解消されたゲームにおいて再遊技に当選し、接続異常の解消に伴い同期異常の特定が行われなかった場合の演出等の関係を、発生ゲームにおける押し順報知演出の実行の有無を分けて示している。
再遊技に当選している場合、本実施形態ではいずれの操作順序であっても再遊技入賞が成立するように設定されているため、接続異常が解消されたゲームにおいて、接続異常の発生ゲームにて開始されている押し順報知演出の示す操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合と、当該押し順報知演出の示す操作順序と異なる操作順序で操作した場合とのいずれであっても、再遊技入賞が成立する。ただし、押し順報知演出の示す操作順序で操作すると、操作対応演出が実行され、更に、入賞時演出が事前に設定されて、入賞時コマンド受信前に実行される。この入賞時演出は、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出であり、再遊技入賞に対応する入賞時演出ではない。つまり、接続異常が発生したゲームに対応する入賞時演出が、解消したゲームにおいて実行されることになる。また、解消ゲームにおいて押し順報知演出の示す操作順序とは異なる操作順序で操作すると、操作非対応演出が実行され、入賞時演出の事前設定等は行われないし、再遊技入賞に伴う入賞時演出の設定・実行も行われない。
これに対して、接続異常の発生ゲームで押し順報知演出が実行されていなければ、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず、解消ゲームにおける各停止操作時に停止ON時演出が実行されるとともに、入賞時には入賞結果コマンドに基づく入賞時演出が実行される。かかる入賞時演出は、入賞している再遊技に対応する演出である。
図1251(b)は、接続異常が発生したゲームにおいて押し順ベルに当選した場合において、接続異常が解消されたゲームにおけるゲームの抽選結果が外れ結果であり、接続異常の解消に伴い同期異常の特定が行われなかった場合の演出等の関係を、発生ゲームにおける押し順報知演出の実行の有無を分けて示している。
外れ結果の場合、いずれの操作順序であっても小役や再遊技の入賞は成立しないため、接続異常が解消されたゲームにおいて、接続異常の発生ゲームにて開始されている押し順報知演出の示す操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合と、当該押し順報知演出の示す操作順序と異なる操作順序で操作した場合とのいずれであっても、いずれの結果入賞も成立しない。ただし、再遊技の場合と同様に、押し順報知演出の示す操作順序で操作すると、操作対応演出が実行され、更に、入賞時演出が事前に設定されて、入賞時コマンド受信前に実行される。この入賞時演出は、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出である。また、解消ゲームにおいて押し順報知演出の示す操作順序とは異なる操作順序で操作すると、操作非対応演出が実行され、入賞時演出も実行されない。つまり、解消ゲームにおける入賞態様がいずれの入賞態様にも対応しない場合であっても、操作順序によっては入賞時演出が実行される場合と、入賞時演出が実行されない場合とがあることになる。
これに対して、接続異常の発生ゲームで押し順報知演出が実行されていなければ、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず、解消ゲームにおける各停止操作時に停止ON時演出が実行される。ただし、解消ゲームの入賞態様はいずれの入賞態様にも対応しないものであるため、入賞時演出は実行されない。
図1252(a)は、接続異常が発生したゲームにおいて押し順ベルに当選した場合において、接続異常が解消されたゲームにおいて共通ベルに当選し、接続異常の解消に伴い同期異常の特定が行われなかった場合の演出等の関係を、発生ゲームにおける押し順報知演出の実行の有無を分けて示している。
既に説明した通り、共通ベルに当選しているゲームでは、ストップスイッチ42~44の操作順序によらず、第1小役入賞~第6小役入賞のいずれかが成立する。そのため、接続異常が解消されたゲームにおいて、接続異常の発生ゲームにて開始されている押し順報知演出の示す操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合と、当該押し順報知演出の示す操作順序と異なる操作順序で操作した場合とのいずれであっても、第1小役入賞~第6小役入賞が成立する。ただし、押し順報知演出の示す操作順序で操作すると、操作対応演出が実行され、更に、入賞時演出が事前に設定されて、入賞時コマンド受信前に実行される。この入賞時演出は、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出であり、解消ゲームの入賞態様に対応するものである。また、解消ゲームにおいて押し順報知演出の示す操作順序とは異なる操作順序で操作すると、操作非対応演出が実行され、入賞時演出の事前設定等は行われない。この場合、第1小役入賞~第6小役入賞が成立していても、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出は実行されない。
これに対して、接続異常の発生ゲームで押し順報知演出が実行されていなければ、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず、解消ゲームにおける各停止操作時に停止ON時演出が実行されるとともに、入賞時には入賞結果コマンドに基づく入賞時演出が実行される。かかる入賞時演出は、入賞している第1小役入賞~第6小役入賞に対応する演出である。つまり、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出は、停止時演出設定処理にて設定される場合と、入賞時演出設定処理にて設定される場合とがあり、同じ操作順序で操作した場合であっても、発生ゲームでの押し順報知の有無によって、停止時演出設定処理にて設定される場合と、入賞時演出設定処理にて設定される場合とが異なることになる。
図1252(b)及び図1252(c)は、接続異常が発生したゲームにおいて押し順ベルに当選した場合において、接続異常が解消されたゲームにおいてスイカに当選し、接続異常の解消に伴い同期異常の特定が行われなかった場合の演出等の関係を、発生ゲームにおける押し順報知演出の実行の有無を分けて示している。
既に説明した通り、スイカに当選しているゲームでは、ストップスイッチ42~44の操作順序によらず、第7小役入賞又は第8小役入賞のいずれかが成立するものの、そのストップスイッチ42~44の操作タイミングによってはいずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。そのため、接続異常が解消されたゲームにおいて、接続異常の発生ゲームにて開始されている押し順報知演出の示す操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合であっても、第7小役入賞又は第8小役入賞が成立する場合と、いずれの小役入賞も成立しない場合とがある。ただし、実行中の押し順報知演出の示す操作順序で操作することによって、指示対応演出が実行されるとともに、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出が実行される。また、接続異常が解消されたゲームにおいて、接続異常の発生ゲームにて開始されている押し順報知演出の示す操作順序とは異なる操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合、第7小役入賞又は第8小役入賞が成立する場合と、いずれの小役入賞も成立しない場合とがあり、この場合、実行中の押し順報知演出の示す操作順序で操作しないことによって、指示非対応演出が実行され、入賞時演出は実行されない。
これに対して、接続異常の発生ゲームで押し順報知演出が実行されていなければ、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず、解消ゲームにおける各停止操作時に停止ON時演出が実行されるとともに、入賞時には入賞結果コマンドに基づく入賞時演出の設定が行われる。この場合、第7小役入賞又は第8小役入賞のいずれかが成立していれば、当該第7小役入賞や第8小役入賞に対応する入賞時演出が実行され、いずれも成立していなければ、入賞時演出は実行されない。
このように、接続異常が発生し、その後、接続異常が解消された場合において同期異常の特定が行われなかった場合、接続異常の発生ゲームの演出内容に沿って、解消ゲームにおける演出更新が行われる場合と、接続異常の解消ゲームの遊技内容に沿って、当該解消ゲームにおける演出更新が行われる場合とがある。つまり、接続異常の発生ゲームが押し順報知演出を実行しているゲームであれば、解消ゲームでは、その押し順報知演出に従った演出(指示対応演出と指示非対応演出、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出)が実行される。これに対して、接続異常の発生ゲームが押し順報知演出を実行していないゲームであれば、解消ゲームでは、当該解消ゲームの遊技内容に従った演出(停止ON操作時演出、当該解消ゲームにおける入賞態様に対応する入賞時演出)が実行される。
このようにすることで、接続異常が発生したとはいえ、遊技者に対して行った操作指示(押し順報知演出)に遊技者が従って操作したのにも関わらず、操作指示に従わなかった場合の演出が行われること(指示非対応演出の実行、入賞時演出の非実行)による遊技機への不信感を与えないようにし、遊技者の遊技意欲の低下を回避することが可能となるし、既に開始している操作指示についての演出を、完了させることなく(指示対応演出や指示非対応演出を実行することなく)終了してしまうことの違和感を与えないようにし、ゲームは異なるとはいえ、正規の演出ルートで完了させる(指示対応演出や指示非対応演出を行うことで演出を更新させる)ことが可能となる。
そして、このような構成を、操作指示を行っていない遊技に対しても適用するのではなく、操作指示を行っていない遊技においては、当該遊技の内容に即した演出を行うようにすることで、操作指示を行っていないのにも関わらず、当該行っていない演出内容を無理やり完了させる(指示対応演出や指示非対応演出を実行する)ことによる演出上の矛盾を生じさせないようにすることができるし、接続異常が解消された遊技を通常の遊技として進行させることが可能となり、接続異常による影響を最小限のものとして抑えることができる。
<変形例18>
本変形例では、押し順報知演出を実行しているゲームにおいて、当該押し順報知演出の示す操作順序に従わない操作が行われた場合、入賞時コマンドに基づいて入賞時演出の設定処理が行われ得る構成とする。図1253は、本変形例における入賞時演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップSn7004にて今回の入賞結果を把握した後、ステップSn7005にて対応入賞フラグがセットされているか否かを判定する。対応入賞フラグがセットされている場合とは、上記のように停止時演出設定処理において入賞時演出の設定・実行用の処理が行われている場合である。
対応入賞フラグがセットされていない場合、本変形例では、ステップSn7006にて非対応フラグがセットされているか否かを判定する。非対応フラグがセットされている場合とは、押し順報知演出を実行しているゲームにおいて、当該押し順報知演出の示す操作順序に従わない操作が行われて指示非対応演出を行ったことを意味する。この場合、ステップSn7007にて非対応フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップSn7008にて今回の入賞結果に対応する入賞時演出を実行するための処理を行う。
ステップSn7005にて対応入賞フラグがセットされている場合には、ステップSn7009にて当該対応入賞フラグをクリアする処理を実行する。この場合、入賞時演出設定処理では入賞時演出の設定が行われない。ステップSn7008又はステップSn7009の処理を実行した後は、ステップSn7010以降の処理に進む。ステップSn7001~ステップSn7005、及びステップSn7010~ステップSn7015の処理は、上記ステップSn2801~ステップSn2805、及びステップSn2809~ステップSn2814の処理と同様である。
このようにすることで、入賞時演出の設定機会が増え、例えば、接続異常が発生したゲームで押し順報知演出を実行している場合において、接続異常が解消したゲームで、当該発生ゲームにおける押し順報知演出の示す操作順序とは異なる操作順序で操作した場合であっても、当該解消ゲームにおける入賞態様に対応する入賞時演出が行われるようにすることができる。
より具体的には、上記図1250(b)のように、接続異常の発生ゲームと解消ゲームとで押し順報知演出を実行しており、且つ、これら発生ゲームと解消ゲームとの第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序が異なる場合であって、解消ゲームで同期異常の特定が行われなかった場合に、当該解消ゲームにて、発生ゲームの第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序とは異なる操作順序(当該解消ゲームの第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序)で操作した場合、上記のように停止ON操作時には指示非対応演出が実行されるものの、上記構成のようにすることで、入賞時演出が入賞時演出設定処理にて設定されて実行されるようになる。
また、図1251(a)のように、接続異常の発生ゲームで押し順報知演出を実行しており、解消ゲームで再遊技に当選した場合であって、解消ゲームで同期異常の特定が行われなかった場合に、当該解消ゲームにて、発生ゲームの第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序とは異なる操作順序で操作した場合、上記のように停止ON操作時には指示非対応演出が実行されるものの、上記構成のようにすることで、再遊技入賞に対応する入賞時演出が入賞時演出設定処理にて設定されて実行されるようになる。
さらに、図1252(a)のように、接続異常の発生ゲームで押し順報知演出を実行しており、解消ゲームで共通ベルに当選した場合であって、解消ゲームで同期異常の特定が行われなかった場合に、当該解消ゲームにて、発生ゲームの第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序とは異なる操作順序で操作した場合、上記のように停止ON操作時には指示非対応演出が実行されるものの、上記構成のようにすることで、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出が入賞時演出設定処理にて設定されて実行されるようになる。
そして、図1252(c)のように、接続異常の発生ゲームで押し順報知演出を実行しており、解消ゲームでスイカに当選した場合であって、解消ゲームで同期異常の特定が行われなかった場合に、当該解消ゲームにて、発生ゲームの第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序とは異なる操作順序で操作した場合、上記のように停止ON操作時には指示非対応演出が実行されるものの、上記構成のようにすることで、第7小役入賞や第8小役入賞が成立していることを条件として、第7小役入賞~第8小役入賞に対応する入賞時演出が入賞時演出設定処理にて設定されて実行されるようになる。
つまり、接続異常の発生したゲームで開始された押し順報知演出を、接続異常の解消ゲームにて完了させる構成において、当該完了させることの効果は、指示対応演出や指示非対応演出を実行することによってある程度は得られるものであり、そうすると、入賞時演出については、本来の解消ゲームの遊技内容に即した演出とすることで、接続異常による影響をより少なく抑えることが可能となる。
特に、上記構成のようにすることで、入賞が成立しているのにも関わらず、入賞時演出が実行されていない事象を生じさせないようにすることができる。これにより、入賞時演出が実行されていないのにも関わらず、メダル払出が発生している等の事象が生じにくくなり、不正にメダル払出を発生させる行為との区別を好適に行うことが可能となる。また、入賞時演出が実行されていないのにも関わらず、その後の払出演出が実行される不自然さを解消することも可能となる。
<変形例19>
本変形例では、変形例15のように主制御装置101から出力する停止ON時コマンドに、抽選結果や有効ラインML上に停止する図柄の情報(停止図柄番号の情報)を設定する構成としたうえで、押し順報知演出実行時の演出設定処理を異ならせる。図1254は、本変形例における停止時演出用処理のフローチャートの一部を示す図である。
すなわち、停止ON時コマンドを受信した場合において、ステップSn2705にて押し順報知演出を実行中であると判定した場合、ステップSn7101にて非対応フラグがセットされているか否かを判定する。非対応フラグがセットされている場合には、そのまま停止時演出設定処理を終了する。非対応フラグがセットされていない場合、ステップSn7102にて押し順情報(押し順カウンタ)の読み出しを行い、ステップSn7103にて、今回のストップスイッチ42~44の操作が、押し順情報に対応するものであるか否かを判定する。ステップSn7101~ステップSn7103の処理は、上記ステップSn2707~ステップSn2709の処理と同様である。
ステップSn7103にて肯定判定した場合、本変形例では、ステップSn7104にて、受信している停止ON時コマンドに基づき、停止図柄番号の情報を把握する処理を実行する。そして、ステップSn7105にて、ステップSn7104の処理結果が、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する図柄が有効ラインML上に停止するか否かを判定する。
第1小役入賞~第6小役入賞に対応する図柄が停止する場合には、ステップSn7106にて指示対応演出を実行し、ステップSn7107にて対応操作カウンタを1加算する処理を実行し、ステップSn7108にて対応操作カウンタが3となったか否かを判定する。3となった場合には、ステップSn7109にて対応入賞フラグをセットする処理を実行してから、停止時演出設定処理を終了する。この場合、停止OFF操作時に第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出の設定・実行用の処理が行われる。ステップSn7101にて肯定判定した場合、又はステップSn7108にて否定判定した場合は、そのまま停止時演出設定処理を終了する。ステップSn7103又はステップSn7105にて否定判定した場合には、ステップSn7110にて指示非対応演出を実行するための処理を行い、ステップSn7111にて非対応フラグをセットする処理を実行してから、本停止時演出設定処理を終了する。これらステップSn7106~ステップSn7111の処理は、上記ステップSn2710~ステップSn2714の処理と同様である。
本変形例において、押し順ベルに当選し押し順報知演出が実行されるゲームにて接続異常が発生した場合において、その後、接続異常が解消させるゲームにおいて押し順ベルに当選し押し順報知演出が実行される場合であって、同期異常が特定されない場合の演出の様子を、図1255を参照しながら説明する。
tm1にて開始操作が行われ、サブ側の押し順報知演出及び主側の押し順報知が実行された後であって(実際には主側の押し順報知は開始操作と同時に開始され、サブ側の押し順報知演出は各リール32L,32M,32Rの回転開始時に開始されるものの、説明の簡素化のため、図ではいずれもtm1にて開始されるものとして示している)、停止操作が行われるよりも前のtm2にて接続異常が発生したとする。なお当該tm1にて開始されたゲームの押し順ベルは順押しベルであるとし、押し順報知演出及び押し順報知は、左→中→右の操作順序を示しているとする。
この場合、接続異常中のtm3、tm4、tm5にてストップスイッチ42~44の操作を行っても、各停止操作で、第1小役入賞に対応する図柄が停止しても、サブ制御装置180側で停止ON時コマンドを受信することができず、指示対応演出は実行されない。またこの場合、第3停止操作の停止ON操作時(tm5)にて入賞時演出の事前設定処理(対応入賞フラグのセット処理)は行われないし、第3停止操作の停止OFF操作時やリール停止時(tm6)にて入賞時演出の実行用の処理も行われない。
tm7にて次のゲームの開始操作が行われ、そのゲームの停止操作前であるtm8にて接続異常が解消されたものとする。なお、当該tm7にて開始されたゲームの押し順ベルもtm1のゲームと同じ順押しベルであるとする。
tm7では接続異常の解消前であるため、押し順報知演出の更新は行われないものの、主制御装置101側の押し順報知は、左→中→右の操作順序を示す内容に更新される(tm6にて終了していた表示が再表示される)。
この場合において、tm9、tm10、tm11にて左→中→右の順序でストップスイッチ42~44の操作を行うと、tm7にて開始したゲームの抽選結果である順押しベルに対応する操作順序であるため、tm9、tm10、tm11の各停止操作で、第1小役入賞に対応する図柄が停止し、サブ制御装置180側では停止ON時コマンドに基づく指示対応演出が実行される。またこの場合、第3停止操作の停止ON操作時(tm11)にて入賞時演出の事前設定処理(対応入賞フラグのセット処理)が行われ、第3停止操作の停止OFF操作時やリール停止時(tm12)にて入賞時演出の実行用の処理が行われる。なお、tm1にて開始された押し順報知演出は、tm12の入賞時演出の実行とともに終了する(補助表示部65の表示内容が入賞時演出に更新されることで押し順報知演出が終了する)。
tm13にて開始操作が行われ、サブ側の押し順報知演出及び主側の押し順報知が実行された後であって、停止操作が行われるよりも前のtm14にて接続異常が発生したとする。なお当該tm13にて開始されたゲームの押し順ベルは順押しベルであるとし、押し順報知演出及び押し順報知は、左→中→右の操作順序を示しているとする。
この場合、接続異常中のtm15、tm16、tm17にてストップスイッチ42~44の操作を行っても、各停止操作で、第1小役入賞に対応する図柄が停止しても、サブ制御装置180側で停止ON時コマンドを受信することができず、指示対応演出は実行されない。またこの場合、第3停止操作の停止ON操作時(tm17)にて入賞時演出の事前設定処理(対応入賞フラグのセット処理)は行われないし、第3停止操作の停止OFF操作時やリール停止時(tm18)にて入賞時演出の実行用の処理も行われない。
tm19にて次のゲームの開始操作が行われ、そのゲームの停止操作前であるtm20にて接続異常が解消されたものとする。なお、当該tm19にて開始されたゲームの押し順ベルは、tm13のゲームとは異なり挟み押しベルであるとする。
tm19では接続異常の解消前であるため、押し順報知演出の更新は行われないものの、主制御装置101側の押し順報知は、左→右→中の操作順序を示す内容に更新される(tm18にて終了していた表示が再表示される)。
この場合において、tm21、tm22、tm23にて左→中→右の順序でストップスイッチ42~44の操作を行うと、tm21の操作は、tm13にて開始したゲームの抽選結果である順押しベルに対応する操作順序であり、更に第1小役入賞に対応する図柄が停止して、指示対応演出が実行されるものの、tm22及びtm23の操作は、tm13にて開始したゲームの押し順ベルに対応する操作順序であるものの、第1小役入賞に対応する図柄が停止しないため、指示対応演出は実行されず指示非対応演出が実行される。この場合、第3停止操作の停止ON操作時(tm23)にて入賞時演出の事前設定処理(対応入賞フラグのセット処理)は行われないし、第3停止操作の停止OFF操作時やリール停止時(tm24)にて入賞時演出の実行用の処理も行われない。
このようにすることで、実際に第1小役入賞~第6小役入賞が成立していないのにも関わらず、入賞時演出が実行されることの違和感を解消することが可能となる。
より具体的には、上記図1250(b)のように、接続異常の発生ゲームと解消ゲームとで押し順報知演出を実行しており、且つ、これら発生ゲームと解消ゲームとの第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序が異なる場合であって、解消ゲームで同期異常の特定が行われなかった場合に、当該解消ゲームにて、発生ゲームの第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序(当該解消ゲームの第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序とは異なる操作順序)で操作した場合、停止ON操作時には指示対応演出が実行されるものの、上記構成のようにすることで、第1小役入賞~第6小役入賞が成立していないのにも関わらず入賞時演出が実行される事象を解消することができる(入賞時演出を発生させないようにすることができる)。
また、図1251(a)のように、接続異常の発生ゲームで押し順報知演出を実行しており、解消ゲームで再遊技に当選した場合であって、解消ゲームで同期異常の特定が行われなかった場合に、当該解消ゲームにて、発生ゲームの第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序で操作した場合、停止ON操作時には指示対応演出が実行されるものの、上記構成のようにすることで、再遊技入賞が成立しているのにも関わらず(第1小役入賞~第6小役入賞が成立していないのにも関わらず)、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出が実行される事象を解消することができる(入賞時演出を発生させないようにすることができる)。この場合、上記変形例18の構成を適用すると、入賞時演出は再遊技入賞として実行されることになる。

また、図1251(b)のように、接続異常の発生ゲームで押し順報知演出を実行しており、解消ゲームの抽選結果が外れ結果であった場合であって、解消ゲームで同期異常の特定が行われなかった場合に、当該解消ゲームにて、発生ゲームの第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序で操作した場合、停止ON操作時には指示対応演出が実行されるものの、上記構成のようにすることで、いずれの入賞も成立していないのにも関わらず(第1小役入賞~第6小役入賞が成立していないのにも関わらず)、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出が実行される事象を解消することができる(入賞時演出を発生させないようにすることができる)。
そして、図1252(b)のように、接続異常の発生ゲームで押し順報知演出を実行しており、解消ゲームでスイカに当選した場合であって、解消ゲームで同期異常の特定が行われなかった場合に、当該解消ゲームにて、発生ゲームの第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序で操作した場合、上記のように停止ON操作時には指示対応演出が実行されるものの、上記構成のようにすることで、第7小役入賞や第8小役入賞が成立していたり、いずれも入賞が成立していないのにも関わらず(第1小役入賞~第6小役入賞が成立していないのにも関わらず)、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出が実行される事象を解消することができる。この場合、上記変形例18の構成を適用すると、入賞時演出は、第7小役入賞や第8小役入賞が成立していることを条件として第7小役入賞や第8小役入賞に対応する入賞時演出が実行されるようになる。
よって、上記構成のようにすることで、入賞が成立していないのにも関わらず、入賞時演出が実行される事象を生じさせないようにすることができる。これにより、入賞時演出が実行されていのにも関わらず、メダル払出が発生していないことを通じて、遊技機の故障であると勘違いされること事象を生じにくくすることができるようになる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)電源投入時に主制御装置101側からの立ち上げ時コマンドをサブ制御装置180側で受信できなかった場合、接続異常が生じているとしてエラー報知を実行する構成とし、接続異常が解消されても電源がOFFとされるまでそのエラー報知が継続される構成としたが、少なくともの接続異常が解消された場合であってもエラー報知が継続されればよく、例えば、接続異常が解消されるであろう所定期間に亘ってエラー報知を継続させ、当該所定期間の経過に基づいてエラー報知を終了する構成としてもよい。この場合、所定期間の経過が電源OFFよりも前であってもエラー報知を終了するようにするとよい。
(2)電源投入時に主制御装置101側からの立ち上げ時コマンドをサブ制御装置180側で受信できなかった場合、接続異常が生じているとして接続異常用のエラー報知と、外部出力とが行われるようにした構成において、接続異常用のエラー報知を所定期間経過後に終了させ、外部出力は電源OFFまで継続させる構成としたが、エラー報知と外部出力のいずれもを所定期間経過後に終了させる構成としてもよく、エラー報知と外部出力のいずれもを電源OFFまで継続させる構成してもよい。また、エラー報知を電源OFFまで継続させる構成とし、外部出力を所定期間経過後に終了させる構成としてよい。さらに、いずれも所定期間経過後に終了させる構成としたうえで、エラー報知と外部出力とをそれぞれ終了させる所定期間を異ならせる構成としてもよい。さらに、これらエラー報知と外部出力とが別々の終了契機で終了する構成としてもよく、例えば、エラー報知はリセットスイッチ72の操作によって終了させることが可能とし、外部出力は所定期間経過で終了させることが可能としてもよい。
(3)電源投入時に接続確認を行うことで接続異常の有無を確認する構成としたが、電源投入時は接続確認を行わない構成としてもよい。
(4)主制御装置101からの復電コマンド(停電からの復帰時に出力されるコマンド)を、主制御装置101とサブ制御装置180との接続確認用のコマンドとして用いる構成としてもよい。すなわち、停電からの復帰時に、サブ制御装置180において主制御装置101からの復電コマンドを受信できないことを接続異常とし、接続異常用のエラー報知を行う構成としてもよい。
(5)主制御装置101側で特定されたエラー状態中は、主制御装置101側の遊技を進行させることができない構成としたが、当該エラー状態中も主制御装置101側の遊技を進行させることができる構成としてもよい。この場合、サブ制御装置180側で把握する遊技進行状態にエラー状態を追加することなく(コマンドカウンタにて管理することなく)、別のモードとして管理する構成とするとよい(エラー状態であっても、主制御装置101側の遊技進行状態を把握する構成とするとよい)。
(6)主制御装置101とサブ制御装置180とが、双方向通信可能な構成としてもよい。すなわち、上記実施形態等では、主制御装置101からサブ制御装置180への情報出力は可能であるものの、サブ制御装置180から主制御装置101への情報出力は不可として一方向通信を前提として説明したが、双方向通信が可能であれば、例えば、主制御装置101側からサブ制御装置180にてコマンドを受信した場合に、当該受信したことの情報等を主制御装置101へ出力する等することで、主制御装置101においても接続異常の発生の有無を特定することが可能となる。
(7)主制御装置101とサブ制御装置180との情報のやり取りに異常が生じる(接続異常や同期異常が生じる)等した場合を例として発明の説明を行ったが、他の制御装置間の情報のやり取りに、上記発明を適用してもよい。例えば、サブ制御装置180と表示制御装置81との情報のやり取りに上記発明を適用してもよく、主制御装置101と払出装置53との情報のやり取りに上記発明を適用してもよく、主制御装置101と指示モニタとしての払出枚数表示部62等の各種表示部との情報のやり取りに上記発明を適用してもよい。
(8)主制御装置101とサブ制御装置180との情報のやり取りに用いられる伝送手段としてのハーネスHと、サブ制御装置180への電源共有用の伝送手段としてのハーネスを別途設ける構成としたが、両ハーネスを共用する、又はケーブル自体は別々であっても、同じコネクタにてサブ制御装置180に接続される構成としたり、両ハーネスが束ねて管理される構成としてもよい。このようにすることで、遊技機内部の配線を簡素化することができ、不正等の目的で別のハーネス等が接続された場合にそれを発見し易くすることができる。ただし、電源供給用のハーネスに隣接させて(束ねる等させて)情報のやり取り用のハーネスHが配置される場合、電源供給時の磁場の影響等によって、ハーネスH内でノイズが発生する可能性が高くなり、そうすると、上記の接続異常や同期異常が生じる可能性も高くなる。
(9)電源投入時に接続異常が生じている場合に、特定事象が生じているとしてエラー報知(特定報知)を行う構成としたが、特定事象としては接続異常に限定されず、例えば、主制御装置101側から異常なコマンドを受信した場合を特定事象として、エラー報知を行う構成としてもよい。異常なコマンドとしては、通常の立ち上げ時には受信しないコマンド、例えば、所定の遊技進行コマンドであってもよい。より具体的には、主制御装置101において通常処理が起動される前の状況では、スタートレバー41やストップスイッチ42~44の操作が行われても開始操作時コマンドや停止時コマンドは主制御装置101から出力されない構成であるため、立ち上げ時のタイミングでこれらの遊技進行コマンドを受信した場合に異常が生じているとしてエラー報知を行う構成としてもよい。また、例えば、何らかの遊技機構成部品に異常が生じている場合に特定事象が生じているとしてエラー報知を行う構成としても良い。より具体的には、例えば、第1位置と第2位置とに動作可能な役物が設けられている場合には、電源投入時の役物の位置が所定の位置(初期位置)とは異なる場合(主制御装置101に役物が接続されている場合には主制御装置101からの役物位置情報に基づき)にエラー報知を行う構成としてもよく、例えば、閉鎖位置と開放位置に変位可能な前面扉12が開放位置とされている場合(閉鎖位置とされていない場合、主制御装置101からの扉開放情報に基づき)にエラー報知を行う構成としてもよい。これらの構成においても、特定事象が解消されてもエラー報知が継続されるようにするとよい。
(10)サブ制御装置180用のサブ側電源スイッチ185を設けることによって、主制御装置101の電入状態や電断状態を維持しながらサブ制御装置180側を電断状態と電入状態との切替を実行可能な構成としたが、少なくとも主制御装置101の電入状態や電断状態を維持しながらサブ制御装置180側において表示メイン処理の再度の立ち上げ(ステップSn2101から処理が行われるようにすること)が可能であればよく、サブ制御装置180において表示メイン処理をステップSn2101から再起動させるスイッチやリセットさせるスイッチを設けてもよいし、サブ制御装置180自体の再起動用(リセット用)のスイッチを設けても良い。また、サブ側電源スイッチ185とは異なる構成によってサブ制御装置180の電断状態と電入状態との切替や再起動(再立ち上げ、リセット)を実現してもよい。例えば、電源装置91からの電源をサブ制御装置180へ供給するケーブルや、電源装置91からの電源を主制御装置101を介してサブ制御装置180へ供給するケーブルを、主制御装置101又はサブ制御装置180のいずれか一方で抜き差し可能な構成としておき、当該ケーブルの抜き差しによってサブ制御装置180側の独立した電断状態と電入状態との切替や再起動(再立ち上げ、リセット)を可能としてもよい。
これらの場合においても、サブ制御装置180側の独立した電断状態と電入状態との切替時の立ち上げ処理が、主制御装置101もセットで電断状態と電入状態とに切り替える場合の立ち上げ処理と異なる処理構成(処理内容)であるとよい。また、サブ制御装置180側の独立した電断状態と電入状態との切替時の立ち上げ時にサブ制御装置180を介して補助表示部65等にて報知される立ち上げ時の報知内容(報知態様)が、主制御装置101もセットで電断状態と電入状態とに切り替える場合の立ち上げ時の報知内容(報知態様)と異なる内容(態様)としてもよく、このようにすることで、主制御装置101もセットで再起動等している状況であるか否かを遊技者や遊技ホールの管理者等が明確に把握することが可能となる。
(11)サブ制御装置180において独自の再起動(主制御装置101の再起動を伴わない再起動)等を実行可能とする構成において、接続確認を行わない構成としたが、主制御装置101の再起動を伴う再起動等の場合と同様に、接続確認を行う構成としてもよい。すなわち、サブ制御装置180において独自の再起動等を行った場合でも、主制御装置101からの立ち上げ時コマンドを受信しているか否かの判定を行う構成としてもよい。この場合、サブ制御装置180において独自の再起動等を行う場合には、立ち上げ時コマンドを受信していないため、接続異常用のエラー報知が必ず発生する構成となる。そこで、このような構成において、接続異常用のエラー報知を所定操作等の所定契機で終了させることが可能な構成とすることで、サブ制御装置180独自の再起動等を行う場合の処理を、主制御装置101の再起動等も介して行う場合の処理と同じ処理としながらも、必ず発生してしまうエラー報知を終了させることができない不都合を生じさせないようにすることができる。
なお、サブ制御装置180独自の再起動等に伴うエラー報知は終了させることができるものの、主制御装置101の再起動等も伴うサブ制御装置180の再起動等によるエラー報知は終了させることができない構成としてもよい。
(12)サブ制御装置180独自の再起動等を行う場合にも接続確認を行う構成としたうえで、主制御装置101側の所定操作(例えば、リセットスイッチ72の操作)によって、立ち上げ時コマンドが出力される構成としてもよい。つまり、サブ制御装置180側で接続確認を行うタイミングで、遊技ホールの管理者等による上記所定操作を契機として接続確認用のコマンド出力が行われる構成としてもよい。
(13)サブ制御装置180が外部集中端子板121やそれとは異なる外部集中端子板を介して情報を出力可能な構成としたが、外部集中端子板等を介さずに直接別の制御装置(データ表示部やモニタ等)へ情報を出力可能な構成としてもよい。また、情報の出力先は、遊技機外部の装置に限定されず、例えばデータ表示部が遊技機内部や遊技機に直接接続されている構成においては、当該遊技機内部や直接接続されたデータ表示部に対して情報を出力する構成としてもよく、遊技機に設けられた他の制御装置に情報を出力する構成としてもよい。
(14)サブ制御装置180において同期異常を特定し、コマンド異常フラグをセットする場合、外部出力を行う構成としてもよい。この場合、開始操作等に基づいて、コマンド異常フラグをクリアする際に、外部出力を終了する構成としてもよいし、終了しない構成としてもよい。終了しない構成とする場合、別の契機で外部出力を終了する構成とするとよく、例えば、外部出力を開始してから複数である特定数の開始操作等が行われた場合に当該外部出力を終了させる構成としてもよい。
(15)主側スピーカ110を設け、エラー報知を行う場合に、当該主側スピーカ110から効果音を出力する構成としたが、サブ側スピーカ64からもエラー報知時の効果音を出力する構成としてもよい。
(16)エラー等の発生時に主制御装置101から主側スピーカ110を介して当該エラー等の発生に対応する情報を出力する構成としたが、主制御装置101がサブ制御装置180を介することなく情報出力が可能な構成であればよく、主制御装置101に接続されるモニタ等の別の制御装置を介して情報を出力する構成としてもよい。
(17)主制御装置101が外部集中端子板121を介して遊技ホールの管理コンピュータやデータ表示器等へ外部出力を可能とし、更に、サブ制御装置180が外部集中端子板121又はそれとは異なる外部集中端子板を介して遊技ホールの管理コンピュータやデータ表示器等へ外部出力を可能な構成としたが、外部出力先が主制御装置101とサブ制御装置180とで異なる構成としてもよい。例えば、主制御装置101は遊技ホールの管理コンピュータへ出力し、サブ制御装置180はデータ表示器へ出力する構成としてもよく、その逆の構成としてもよい。
(18)サブ制御装置180側で実行している接続異常用のエラー報知を所定操作等で終了可能とする場合、その終了契機となる所定操作を主制御装置101側に設けられた操作手段の操作とすることで、接続異常用のエラー報知を終了させる際に接続異常が解消していることの確認(主制御装置101からサブ制御装置180へ当該操作手段の操作が行われたことの情報の出力が行われ、その情報を受信できることの確認)を同時に行うことが可能である。これに対して、サブ制御装置180側に設けられた操作手段(例えば演出スイッチ66)の操作とすることで、接続異常が解消されていなくてもそのエラー報知を終了させることが可能である。
(19)遊技進行状態を、ベット待ち状態~払出状態、及びエラー状態として規定し、主制御装置101側のこれらの遊技進行状態の移行を、サブ制御装置180側でも把握可能としたが、遊技進行状態の規定は上記のものに限定されず、上記のものよりも詳細に状態移行を規定してもよく、上記の遊技進行状態のうちの複数の遊技進行状態をまとめて一の遊技進行状態として規定してもよく、遊技進行状態の移行契機や移行タイミング(遊技進行状態の区切り)も上記のものと異ならせてもよい。例えば、上記のベット待ち状態は、前ゲームが終了してから(電源投入後)、開始操作が可能となる規定枚数のベットが行われる前の状態として規定しているが、規定枚数に満たないベットが行われている状態も一の遊技進行状態とし、例えば、規定枚数を3枚とすると、0枚のベットが行われているベットなし状態と、1枚のベットが行われている第1ベット待ち状態と、2枚のベットが行われている第2ベット待ち状態と、を設け、3枚(規定枚数)のベットが行われることで開始操作待ち状態に移行する構成としてもよい。この場合、ベットなし状態において1枚のベットが行われると第1ベット待ち状態に移行し、第1ベット待ち状態において1枚のベットが行われると第2ベット待ち状態に移行し、第2ベット待ち状態において1枚のベットが行われると開始操作待ち状態に移行する他、ベットなし状態において第1クレジット投入スイッチ56が操作されると3枚のベットが行われて開始操作待ち状態に移行し、第1ベット待ち状態や第2ベット待ち状態、開始操作待ち状態において、精算スイッチ59が操作されると、ベットされたメダルも含めて払出が行われてベットなし状態に移行する等、状態移行の契機が複数存在したり、状態移行が1つずつ移行するものに加えてまとめて複数状態の移行が生じるものが存在したり、状態の移行が一方向ではなく双方向となるものも存在するようになり、より詳細な遊技進行状態の規定を行うことが可能となる。
なお、上記実施形態や変形例においても、払出状態は、払出開始待ち状態から移行する場合だけでなく、精算スイッチ59の操作によっても移行するものである。この構成に代え、又は加えて、小役入賞に基づいてメダルの払い出しやクレジットの加算が行われる状態と、精算スイッチ59の操作によってメダルの払い出しが行われる状態とを、別々の状態として管理(規定)する構成としてもよい。
(20)サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態を所定期間の経過に基づき移行させる構成において、所定期間の長さは上記のものに限定されない。例えば、開始操作に基づいて設定する停止可能待ち状態の維持期間は上記のものよりも長くてもよいし短くてもよい。停止可能待ち状態の維持期間が予め定められた期間ではなく、その都度設定される期間としてもよい。例えば、停止可能待ち状態の維持期間を開始操作が行われてからストップスイッチ42~44が操作可能となる最短の期間としたが、最長の期間としてもよく、平均的な期間としてもよい。また、サブ制御装置180側でもウェイト期間に相当する期間を把握可能な構成とし、当該ウェイト期間と、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから定速回転に至るまでの期間と、から、開始操作が行われてからストップスイッチ42~44が操作可能となるまでの期間(停止可能待ち状態の維持期間)を設定する構成としてもよい。
(21)第1遅延エラー報知や第2遅延エラー報知を行う場合、すなわち、期間経過で遊技進行状態が移行したものとしてサブ制御装置180側で管理するものの、その遊技進行状態の移行に伴い主制御装置101側からの対応コマンドを受信しない場合、これらの第1遅延エラー報知や第2遅延エラー報知の実行に代えて、又は加えて外部出力を行う構成としてもよい。
(22)同期異常が特定されてコマンド異常フラグがセットされた場合、当該同期異常が解消するまで(コマンド異常フラグがクリアされるまで)、コマンド判定処理を実行しない構成としてもよい。
(23)押し順報知演出の実行ゲームでは入賞時演出を事前に設定する構成において、押し順報知演出として、ストップスイッチ42~44の第1停止操作の種類だけを指示する押し順報知演出や、第1停止操作と狙うべき図柄を指示する押し順報知演出を行うような構成においては、当該第1停止操作が行われた時点で入賞時演出の設定が可能である。
(24)ストップスイッチ42~44の操作態様によらず第1小役入賞~第6小役入賞が成立する共通ベルに当選しているゲームでは、再遊技当選ゲームと同様に、開始操作時に入賞時演出(第1小役入賞~第6小役入賞に対応する入賞時演出)を設定する構成としてもよい。
(25)開始操作時に、抽選結果に基づいて入賞可能となる小役等に対応する入賞時演出を設定し、入賞時や、入賞態様が確定する段階で、その事前に設定された入賞時演出を実行するか否かの決定を行う構成としてもよい。この場合、開始操作時には、複数種類の入賞時演出を設定し、入賞態様が限定される時点で、当該複数種類の入賞時演出から実行する入賞時演出を選択する構成としてもよい。これらの場合、実行する入賞時演出を決定した後、全リール32L,32M,32Rが停止した際に当該決定した入賞時演出が実行されるようにするとよい。
(26)獲得数や消化数の表示に関し、同期異常が生じても正しい獲得数や消化数に修正することなく(同期異常が生じていた間の獲得数や消化数を反映することなく)、同期異常の解消後はそのまま更新する構成としたが、残数表示と同様にこれらの獲得数や消化数に関しても、主制御装置101側でカウンタ等を用いて管理する構成としたうえで、同期異常の解消後に修正される(主制御装置101からの情報をそのまま表示させる)構成としてもよい。
(27)獲得数や消化数の表示に関し、同期異常が生じて、同期異常が解消された場合には、その表示態様を変更する構成としてもよい。すなわち、不確定の内容を含み得ることを遊技者に知らしめるべく、例えば、「0010枚」との獲得数の表示をはてなマーク等を付与して「0000枚?」等と表示してもよく、「0010ゲーム」との消化数の表示をはてなマーク等を付与して「0010ゲーム?」等と表示してもよい。さらに、同期異常が解消された場合には、その表示を行わない構成としてもよい。
(28)主制御装置101において入賞判定(払出判定処理)を実行して、今回のメダル払出数等の設定を行う構成としたが、有効ラインML上に実際に停止している図柄や図柄の組み合わせ(停止図柄、停止態様)から入賞判定を行う構成に代え、又は加えて、停止させる予定の図柄や図柄の組み合わせから入賞判定を行う構成としてもよい。具体的には、ストップスイッチ42~44が停止ON操作された場合に設定する停止図柄番号等の情報に基づき、有効ラインML上(基準位置の下段)に停止させる図柄を把握し、当該停止させる図柄の組み合わせから、入賞判定を行う構成としてもよい。この場合、主制御装置101においても、入賞前(全停止前)に入賞判定を行うことが可能な構成となる。そこで、当該事前の入賞判定に基づいて入賞時コマンドをサブ制御装置180へ出力し、サブ制御装置180側では当該事前の入賞時コマンドに基づいて、入賞前に入賞時演出を設定する構成としてもよい。
(29)2ベットゲームで当選する第2BBを持ち越しながら3ベットゲームを行う構成を例として説明したが、各種BBが当選している状態で遊技を進行させる構成に代え、又は加えて、BBが当選していない状態で遊技を進行させる構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態へ移行させることでメダル増加が見込める構成とし、ATモードとBBモードとでメダルを増加させる遊技性(いわゆるA+AT)としてもよい。また、ATモードに代えて、又は加えてリプレイ当選確率が変化するRT状態へ移行可能とする遊技性やその遊技性とBBとの組み合わせの遊技性(A+RT)としてもよいし、当該RT状態において押し順報知演出や押し順報知を実行するART状態へ移行可能とする遊技性やその遊技性とBBとの組み合わせの遊技性(A+ART)としてもよい。
(30)有利区間移行抽選では、外れ結果を除くすべての抽選結果で有利区間への移行抽選に当選する構成としたが、一部の抽選結果(例えば再遊技)では有利区間への移行抽選に当選しない構成としてもよく、抽選結果に応じて有利区間への移行抽選の当選確率が異なる構成としてもよい。
(31)ATモードを設定された枚数のメダル払出が生じた場合に終了する枚数管理型のモードとしたが、設定されたゲーム数を消化することで終了するゲーム数管理型のモードとしてもよく、所定数のゲームを1セットとして、各セットで継続抽選を行い、当該継続抽選に非当選となることやセットのストックが0となることでATモードが終了するセット数管理型のモードとしてもよい。
(32)有利区間移行時にATモード移行が確定するゲーム数(天井ゲーム数)を設定する構成としたが、CZモード移行が確定するゲーム数を設定する構成としてもよく、CZモードにおける各セットの継続率の選択率を設定する構成としてもよく、CZモードにおける各セットの継続率に関わらずATモード移行が確定する(特定数のセットが継続することとなる)CZモードの移行回数を設定する構成としてもよい。
(33)有利区間は、1500ゲーム消化、又は2400枚の払出によって強制終了する構成としたが、当該強制終了条件はこれらに限定されない。例えば、1500ゲームではなく3000ゲームとしてもよいし、それよりも多くてもよく少なくてもよい。また、2400枚の払出に関しては、5000枚としてもよく、それよりも多くてもよく少なくてもよい。さらに、有利区間に移行してから投入された枚数を加味して2400枚の増加が生じた場合(差枚数が+2400枚となった場合)に強制終了する構成としてもよい。また、有利区間を設けずに、通常モードとCZモードとATモードとを行き来する構成としてもよい。少なくとも、押し順報知演出や押し順報知による遊技性を実現するうえでは、押し順報知演出や押し順報知が実行され易い状態(ATモード)と、当該状態よりも押し順報知演出や押し順報知が実行されにくい状態(通常モードやCZモード)と、が設定されていればよい。
(34)主制御装置101又はサブ制御装置180にて、ハーネスHが接続されている場合と接続されていない場合との電圧差等を利用して、接続異常の有無を判定可能な構成としてもよい。
(35)サブ制御装置180において同期異常が特定されても、受信したコマンド(遊技進行コマンド等)に基づいて演出を行う構成としてもよく、この場合、同期異常の有無に関わらず、同様の演出を行う構成としてもよい。
(36)遊技進行コマンドは、各種演出用のコマンドとして設定したが、遊技進行コマンドに含まれない演出用のコマンドを設けてもよく、遊技進行コマンドであっても演出設定に用いられないコマンドを設けてもよい。
(37)エラー等の発生時に、サブ制御装置180側の当該特定事象に対応する情報の出力(エラー報知)を行う構成に加えて、サブ制御装置180を介することなく主制御装置101側(主側スピーカ110)でも当該特定事象に対応する情報の出力(エラー報知)を行う構成としたが、出力(報知)する情報はエラーに限定されず、例えば、遊技進行に伴い生じる事象に関する情報であってもよい。遊技進行に伴い生じる事象としては、スタートレバー41の開始操作に基づく開始情報の出力や、ベット操作に伴うベット情報の出力、各リール32L,32M,32Rの回転開始に基づく回転開始情報の出力、各リール32L,32M,32Rの停止に基づくリール停止情報の出力、入賞時の入賞情報や払出枚数情報等の出力であってもよい。また、各ゲームの抽選結果や抽選結果に付随する情報(例えば、押し順ベル当選時の第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序に対応する情報)の出力であってもよい。これらの場合において、サブ制御装置180を介することなく主制御装置101からこれらの情報が出力され、サブ制御装置180側でも同様の情報が出力される構成としてもよく、また、サブ制御装置180を介することなく主制御装置101からこれらの情報が出力される一方、サブ制御装置180側からは同様の情報が出力されない構成としてもよい。両制御装置101,180から出力される場合、それぞれ対応する情報や相当する情報が出力される構成であればよく、完全に同じ情報が出力されるものに限定されない。また、両制御装置101,180から出力されるタイミングは同じタイミングであってもよく、異なるタイミングであってもよい。主制御装置101からの情報に基づいてサブ制御装置180から情報が出力される場合、主制御装置101からの情報出力のタイミングのほうが、サブ制御装置180からの情報出力のタイミングよりも早くなる。
(38)同期異常がサブ制御装置180側にて特定されている場合(コマンド異常フラグがセットされている場合)、主制御装置101側から受信した遊技進行用のコマンドに基づく演出を制限する構成とし、サブ制御装置180側で実行している演出等に対応しないコマンドを主制御装置101側から受信した場合に、当該受信したコマンドに基づく演出を制限する構成としたが、その演出の制限範囲は上記のものに限定されない。例えば、受信したコマンドに基づく演出設定用の処理自体は行うものの、補助表示部65での表示(表示制御装置81へのコマンド出力や表示制御装置81での表示用の処理)や、スピーカ64からの効果音の出力を制限したり、当該演出設定用の処理に基づく補助表示部65での表示やスピーカ64からの効果音の出力も行うものの、補助表示部65での表示態様やスピーカ64からの効果音の出力態様を制限する(例えば、通常の表示態様とは異なる表示態様にて表示する、輝度や光度を通常よりも低く設定する、通常とは異なるキャラクタを表示させる、暗転表示させる、効果音の音量を通常よりも小さくする、効果音の音量を通常よりも大きくする、通常とは異なる効果音を出力する等)構成としてもよい。また、サブ制御装置180側で実行している演出等に対応しないコマンドは、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態に対応しないコマンドに限定されず、サブ制御装置180側で把握している遊技進行状態に対応するものの、実行している演出等に対応しないコマンドであればよく、例えば、今回のゲームで入賞予定の役を報知しているのにもかかわらず、その報知している役とは異なる役入賞に対応する入賞結果コマンドを受信した場合や、実行している操作態様に関する報知とは異なる停止時コマンドを受信した場合に当該コマンドに基づく演出を制限する構成としてもよい。
(39)同期異常がサブ制御装置180側にて特定されている場合、主制御装置101側から受信した遊技進行用のコマンドに基づく演出を制限するうえで、補助表示部65での表示演出は実行する一方、スピーカ64からの効果音の出力は制限する構成、又はその逆の構成としてもよい。
(40)主制御装置101側からのコマンドに基づいてサブ制御装置180にて当該コマンドに対応する演出設定を行う構成を利用して、当該演出設定用のコマンドを用いて、サブ制御装置180側で、主制御装置101側にて管理される遊技進行状態を把握する構成としたが、当該主制御装置101側にて管理される遊技進行状態は、1ゲーム間の遊技進行状態に限定されず、複数のゲームに亘って管理される遊技進行状態(遊技状態)であってもよい。この場合、主制御装置101が、遊技状態が移行したことに対応する演出をサブ制御装置180にて行わせるためのコマンドに基づいて、サブ制御装置180側で当該遊技状態が移行したことに対応する演出を行うとともに、主制御装置101側で管理される遊技進行状態を、サブ制御装置180側でも把握する構成としてもよい。
(41)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
また、パチンコ機のようなハンドル操作を開始することで遊技球の発射が開始されて遊技が開始され、ハンドル操作を終了することで遊技球の発射が停止されて遊技が終了され、発射された遊技球の入球先や入球した場合の抽選内容等によって特典が付与される遊技機や、上記の球使用回胴式遊技機においても、上記の音量設定に関する発明を適用可能である。
(42)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴a群>
以下の特徴aA群乃至特徴aE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1aの実施形態α乃至第1aの実施形態δ、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴aA群>
特徴aA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
予め定められた判定契機に基づいて、遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)へ移行させることを可能とする移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記有利状態へ移行させることが可能な移行結果(ATモード移行当選)であって、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行対応結果(通常リプA~C)である場合に前記有利状態へ移行させる第1有利移行手段(主制御装置101による第2,第3再遊技入賞に基づきATモード開始用の処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果であって、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果とは異なる結果である場合に、前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段を制御する特定手段(主制御装置101による回転演出処理において第1回転演出や第2回転演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記特定動作が行われる場合に、前記有利状態へ移行させる第2有利移行手段(主制御装置101による回転演出を伴いATモード開始用の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態への移行判定の結果が移行結果である場合に、遊技の抽選結果が移行対応結果であれば有利状態へ移行するため、移行判定の結果が移行結果となることと、遊技の抽選結果が移行対応結果と、がセットとなることで有利状態へ移行するようになる。このようにすることで、移行判定の結果が移行結果となることなく有利状態へ移行してしまう事象を生じさせないようにすることができるし、移行結果となっただけでは有利状態へ移行しないようになるため、各遊技の抽選の結果への関心の低下を回避しながら有利状態へ移行することを楽しみにさせることが可能となる。
その一方で、上記のように、移行結果となっても遊技の抽選結果が移行対応結果となるまで有利状態への移行が生じないようにすると、移行対応結果の当選確率等によっては、移行結果となった後、延々と有利状態への移行が待機される可能性があり、遊技の中だるみの要因となり得る。かといって、自動的に有利状態へ移行させてしまうと、せっかく抽選結果とセットで有利状態への移行が生じるようにした意義が消失してしまう。
そこで、移行結果となった場合において遊技の抽選結果が移行対応結果とならなかった場合には、周回体を用いた演出動作制御である特定動作を実行して有利状態へ移行させるようにしたことで、各周回体の停止出目等によって特典が付与されることになる、というスロットマシンの遊技を模した態様で有利状態への移行を生じさせることが可能となり、遊技の抽選の結果への関心の低下を回避しながら、上記のような有利状態へなかなか移行しないことの不都合を好適に解消することが可能となる。
なお、上記構成は、抽選手段の結果が移行対応結果である場合において特定動作が実行されることを否定するものではない。その点を明確にするために、例えば、上記の「特定手段」を、「前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果であって、前記抽選手段による抽選結果に関わらず、前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段を制御する特定手段(主制御装置101による回転演出処理において第1回転演出や第2回転演出を行うための処理を実行する機能)」と表現してもよい。
また、「前記周回体を用いた演出動作制御である特定動作」について、「前記通常動作の開始又は進行が制限される特定動作」と表現してもよく、かかる表現の変更は他の特徴や他の特徴群についても同様である。
特徴aA2.前記特定手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果となった後、予め定められた特定数の遊技にて前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果とならなかった場合に、前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段の駆動制御を実行可能であることを特徴とする特徴aA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の結果が移行対応結果となることに基づいて有利状態へ移行させることが優先され、特定数の遊技を行っても移行対応結果とならなかった場合に特定動作が行われて有利状態へ移行させる構成となる。このように、移行対応結果にて有利状態へ移行させることを優先するようにすれば、遊技の抽選の結果への関心を低下させることなく、移行対応結果とならない場合の不都合を解消することが可能となる。
特徴aA3.前記抽選手段は、各遊技で所定数分の1の確率にて前記移行対応結果となるように前記抽選を実行し、
前記特定数は前記所定数よりも大きい数として設定されていることを特徴とする特徴aA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行対応結果となる確率の分母よりも大きい数の遊技数に亘って移行対応結果とならなければ、特定動作が行われて有利状態へ移行するようになる。このようにすることで、基本的には移行対応結果当選で有利状態へ移行させることを前提とする遊技であって、特定動作を介して有利状態へ移行することがあくまで補助的な役割であることが明確化される。よって、各遊技の抽選結果が移行対応結果となることへの期待感を低下させないようにすることができる。
特徴aA4.前記第1有利移行手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せ(第2,第3再遊技結果入賞となる出目)が停止した場合に前記有利状態へ移行させることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行対応結果にて有利状態へ移行させる場合は、当該移行対応結果となった遊技において当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せが有効位置に停止した場合に、当該有利状態への移行が生じるようになる。言い換えると、移行対応結果となっても、移行用の絵柄組合せが停止しなければ有利状態への移行が生じない。このようにすることで、有利状態へ移行させるためには、遊技の結果が移行対応結果となるだけでは足りず、停止操作手段の操作を駆使して移行対応結果の入賞を成立させる、といったように、有利状態への移行に遊技者の介入が必要な構成となり、かかる遊技者の介入の必要性を通じて、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴aA5.前記特定手段は、前記特定動作として、前記移行用の絵柄組合せが前記表示部を介して視認可能な位置に設定された特定位置に存在する特定状況を生じさせるように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴aA4に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行対応結果にて有利状態へ移行する場合と、特定動作が行われて有利状態へ移行する場合とで、表示部を介して視認可能となる停止出目が共通なものとなる。よって、両有利状態への移行を似せることによる効果を高めることが可能となる。
特徴aA6.前記特定手段は、前記特定状況において前記移行用の絵柄組合せが前記特定位置に停止又は仮停止するように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴aA5に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に移行用の絵柄組合せが特定位置に存在するだけでなく、移行用の絵柄組合せが特定位置に仮停止するため、移行対応結果が入賞することで有利状態へ移行する場合と、停止出目が共通なものとなり、両移行を似せる効果が高められる。
なお、上記の「停止」とは、周回体の周回が終了して当該周回体が動作しない状態を意味し、「仮停止」とは、周回体の周回は終了しているもののその周回が終了した位置にて小刻みに振動したり、揺れ動いたり、動作する状態を含み、完全に動作しない状態とは異なる状態を意味する。この点は、当該「停止」や「仮停止」を用いて表現する他の特徴についても同様である。
特徴aA7.前記特定手段は、特定の絵柄組合せが前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に少なくとも所定期間に亘って停止又は仮停止している特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せが特定位置に所定期間に亘って停止している特況が生じて有利状態へ移行するため、移行対応結果の入賞に基づき有利状態へ移行する場合の状況と似せる効果を高めることができる。
なお、上記構成を特徴aA5に適用するならば、「特定の絵柄組合せ」を「移行用の絵柄組合せ」と限定するとよい。
特徴aA8.前記通常動作が開始された後、次の前記通常動作が開始されるまでに予め定められた特定期間が経過していない場合、当該次の通常動作の開始を待機させる手段(主制御装置101による回転開始処理においてウェイトを設定する処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記特定動作を前記通常動作の前に実行するものであり、
前記所定期間が設定されることにより、前記特定動作が開始された後、前記通常動作が開始されるまでの期間が前記特定期間以上の長さとなることを特徴とする特徴aA7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作が行われて有利状態への移行が生じる場合の特定の絵柄組合せが停止し、その状態が所定期間に亘って維持されることにより、特定動作が開始されてから次に通常動作が開始されるまでの期間が、移行対応結果入賞が生じて有利状態への移行が生じる場合の次のゲームの回転開始までの期間以上の期間となる。このようにすることで、特定動作を通常動作に似せる効果を高めることができるし、移行対応結果入賞が生じた場合に実行する演出を、特定動作にて特定の絵柄組合せを停止させた状態でも容易に流用することが可能となる。
特徴aA9.前記特定手段は、前記特定動作において、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体を停止又は仮停止させることで、前記表示部を介して視認可能な位置に設定された特定位置に特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能な第1停止手段(主制御装置101による回転演出中にストップスイッチ42~44の操作に基づき対応するリールの停止制御を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常動作と同様に、特定動作においても停止操作手段の操作に基づいて周回体が停止又は仮停止するようになる。このようにすることで、移行対応結果入賞で有利状態へ移行する場合と似せる効果が劇的に高められ、移行対応結果に当選しなくても、自らの操作によって有利状態を勝ち取った満足感を提供することが可能となる。
なお、上記構成を特徴aA5に適用するならば、「特定の絵柄組合せ」を「移行用の絵柄組合せ」と限定するとよい。
特徴aA10.前記特定手段は、前記特定動作を開始してから予め定められた期間が経過した場合には、前記停止操作手段が操作されていなくても前記周回体を停止させることで、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能な第2停止手段(主制御装置101による回転演出中に時間経過でストップスイッチ42~44の操作に関わらず対応するリールの停止制御を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作においても停止操作手段の操作に基づき特定の絵柄組合せを停止させる構成において、停止操作手段の操作が行われなかった場合には時間の経過によって停止させるようにしたため、いつまでも停止しないといった事象が生じないようになるし、特定動作において停止操作手段を操作したくない遊技者に対して、その操作を強要せず、遊技者の意思を尊重することが可能な遊技機とすることができる。
なお、上記構成は、以下のように限定してもよい。
「前記特定手段は、前記特定動作を開始してから予め定められた期間が経過した場合には、前記停止操作手段が操作されていなくても停止していない周回体を全て停止させることで、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能な第2停止手段(主制御装置101による回転演出中に時間経過でストップスイッチ42~44の操作に関わらず対応するリールの停止制御を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA9に記載の遊技機」。
このようにすることで、時間の経過で全ての周回体が停止することになり、特定動作による有利状態への移行をスムーズに実現することが可能となる。
特徴aA11.前記特定手段は、前記特定動作において、前記停止操作手段とは異なる所定の操作手段(第1クレジット投入スイッチ56)が操作された場合、前記停止操作手段が操作されていなくても対応する前記周回体を停止させることで、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能な第3停止手段(主制御装置101による回転演出中に第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づいてリールの停止制御を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA9又は特徴aA10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作においても停止操作手段の操作に基づき特定の絵柄組合せを停止させる構成において、停止操作手段とは異なる所定の操作手段の操作が行われた場合には停止操作手段が操作されていなくても周回体を停止させるようにしたため、いつまでも停止しないといった事象が生じないようになるし、特定動作において停止操作手段を操作したくない遊技者に対して、その操作を強要せず、遊技者の意思を尊重することが可能な遊技機とすることができる。
なお、上記構成は、以下のように限定してもよい。
「前記特定手段は、前記特定動作において、前記停止操作手段とは異なる所定の操作手段が操作された場合、停止していない周回体を全て停止させることで、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能な第3停止手段(主制御装置101による回転演出中に第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づいてリールの停止制御を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA9又は特徴aA10に記載の遊技機」。
このようにすることで、複数存在する周回体に対応する停止操作手段をそれぞれ操作して停止させるよりも、所定の操作手段を操作したほうが操作回数が少なくなり易く、特定動作における停止操作手段の操作を億劫に感じる遊技者であっても容易に特定の絵柄組合せを停止させることが可能となる。
特徴aA12.前記特定手段が前記特定動作において前記周回体を停止又は仮停止させたのにもかかわらず、前記特定の絵柄組合せが前記表示部を介して視認可能な位置に設定された特定位置に停止又は仮停止していない場合、当停止又は仮停止していないことに対応する特定処理を実行可能な特定処理実行手段(主制御装置101によるステップSa3214~ステップSa3228、表示制御装置81によるステップSa3301~ステップSa3306の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せを停止又は仮停止させる特定動作において、周回体が停止又は仮停止しているのにも関わらず特定の絵柄組合せが停止又は仮停止していない場合には、それをエラー等として対応する特定処理が行われるため、特定の絵柄組合せが停止又は仮停止していないことに対して適切に対処することが可能となる。
なお、上記構成を特徴aA5に適用するならば、「特定の絵柄組合せ」を「移行用の絵柄組合せ」と限定するとよい。
特徴aA13.前記特定手段による前記特定動作の実行対象となる遊技を特定遊技とし、
前記特定遊技における前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果である場合、前記特定動作の実行を制限することが可能な制限手段(主制御装置101による回転演出処理におけるステップSa2302等の通常リプA~C当選である場合に回転演出の実行を制限する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利移行手段により有利状態へ移行させることが可能な遊技と、第2有利移行手段により有利状態へ移行させることが可能な遊技とが重複した場合には、第1有利移行手段による移行が優先される構成となる。このように、遊技の抽選結果が移行対象結果となって有利状態へ移行することに期待させる遊技を前提とし、特定動作を介する有利状態への移行を補助的な役割とすることで、遊技の抽選結果への関心が薄れてしまってスロットマシンの醍醐味が抹殺されてしまうことを回避することができる。
特徴aA14.前記第1有利移行手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せ(第2,第3再遊技入賞に対応する出目)が停止した場合に前記有利状態へ移行させるものであり、
前記特定手段による前記特定動作の実行対象となる遊技を特定遊技とし、
前記特定遊技における前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果である場合、前記特定動作の実行を制限することが可能な制限手段(主制御装置101による回転演出処理におけるステップSa2302等の通常リプA~C当選である場合に回転演出の実行を制限する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行対応結果にて有利状態へ移行させる場合は、当該移行対応結果となった遊技において当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せが有効位置に停止した場合に、当該有利状態への移行が生じるようになる。言い換えると、移行対応結果となっても、移行用の絵柄組合せが停止しなければ有利状態への移行が生じない。このようにすることで、有利状態へ移行させるためには、遊技の結果が移行対応結果となるだけでは足りず、停止操作手段の操作を駆使して移行対応結果の入賞を成立させる、といったように、有利状態への移行に遊技者の介入が必要な構成となる。
しかも、第1有利移行手段により有利状態へ移行させることが可能な遊技と、第2有利移行手段により有利状態へ移行させることが可能な遊技とが重複した場合には、第1有利移行手段による移行が優先されるため、遊技の抽選結果が移行対応結果となって当該移行対応結果の入賞を成立させることで有利状態へ移行することに期待させる遊技を前提とし、特定動作を介して有利状態への移行を生じさせることが可能な遊技であっても、遊技者の操作により有利状態へ移行させる機会が奪われないようになる。よって、遊技者の操作により有利状態へ移行させる楽しみを好適に担保することが可能となる。
特徴aA15.前記特定遊技において、前記制限手段により前記特定動作の実行が制限され、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止しなかった場合、前記有利状態へ移行させることが可能な第3有利移行手段(主制御装置101による回転演出処理におけるステップSa2302等の通常リプA~C当選である場合に回転演出の実行を制限する一方で、前ゲームでATモード当選フラグをクリアしたままとする機能)を備えていることを特徴とする特徴aA14に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技において第2有利移行手段よりも第1有利移行手段が優先された場合において、移行用の絵柄組合せを停止させることができなくても、有利状態への移行は生じることになる。このようにすることで、例えば、移行対応結果当選が連続して発生したような場合において、移行対応結果入賞を成立させることができない遊技者であるのにもかかわらず、いつまでも移行対応結果入賞を狙わせることを強要しないようにすることができ、延々と有利状態が開始されない、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴aA16.前記第1有利移行手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せ(第2,第3再遊技入賞に対応する出目)が停止した場合に前記有利状態へ移行させるものであり、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止しなかった場合に、当該遊技の次の遊技を、前記特定手段による前記特定動作の実行対象となる特定遊技として設定する設定手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果当選となったゲームにてATモード開始用の結果入賞が成立しなかった場合に次ゲームで回転演出を実行するようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行対応結果に当選したのにも関わらず、移行対応結果入賞を成立させることができなければ、次のゲームにて特定動作を伴って有利状態への移行が生じることになる。このようにすることで、移行対応結果入賞を成立させることができずに、いつまでも有利状態へ移行させることができない、といった不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴aA17.前記第1有利移行手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せ(第2,第3再遊技入賞に対応する出目)が停止した場合に前記有利状態へ移行させるものであり、
前記特定手段は、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果となった後、予め定められた特定数の遊技にて前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果とならなかった場合の次回の遊技を第1特定遊技(準備モード後のゲーム)とし、当該第1特定遊技にて前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段の駆動制御を実行可能な第1特定手段(主制御装置101によるAT準備カウンタが0となることにより回転演出を行うようにする処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止しなかった場合に、当該遊技の次の遊技を、前記特定手段による前記特定動作の実行対象となる第2特定遊技(ATモード開始用の結果当選後のゲーム)とし、当該第2特定遊技にて前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段の駆動制御を実行可能な第2特定手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果に非入賞となったことに基づき回転演出を行うようにする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定遊技おける前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果である場合、前記特定動作の実行を制限する一方、前記第2特定遊技おける前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果である場合、前記特定動作の実行を許容する手段(主制御装置101による回転演出処理における準備モードの最終ゲームが通常リプA~C当選である場合に回転演出の実行を制限する一方、準備モードにおいて通常リプA~C当選となり当該ゲームで第2再遊技や第3再遊技入賞が成立しなかった場合の次ゲームが通常リプA~C当選であった場合は回転演出が行われるようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果となって有利状態へ移行させることが可能な状態となってから、特定数の遊技が消化されるまでに移行対応結果入賞が成立すれば有利状態へ移行し、特定数の遊技が消化されるまでに移行対応結果当選とならなければ特定動作を伴って有利状態へ移行することを前提とし、移行対応結果当選となったのにもかかわらず移行対応結果入賞が成立しなかった場合には次のゲームで特定動作を伴って有利状態へ移行する構成としたうえで、これら移行対応結果入賞が成立しなかったゲームの次のゲームや、特定数の遊技が消化された後のゲームといったように特定動作の実行対象となるゲームの抽選結果が移行対応結果となった場合、特定数の遊技が消化された後のゲームでは特定動作の実行が制限されて移行対応結果入賞を成立させる機会が与えられる一方で、移行対応結果入賞を成立させることができなかったゲームの次のゲームでは特定動作の実行は制限されない。これは、移行対応結果入賞を成立させることができなかったゲームの次のゲームにおいては、既に移行対応結果入賞を成立させる機会は付与されているのに対して、特定数の遊技が消化された後のゲームでは、移行対応結果入賞を成立させる機会は付与されていないことの差によるものである。つまり、このようにすることで、移行対応結果入賞を成立させる機会を付与しながらも、その機会を過剰に付与してしまうことを特定動作によって解消することが可能となる。
特徴aA18.前記移行判定の結果が前記移行結果となってから、前記有利状態が開始されるまでの遊技数が多いほど、遊技者にとって有利となり易い構成であることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果となり有利状態への移行を生じさせることが可能な状況となった後、移行対応結果となって有利状態へ移行させることを心待ちにさせながらも、有利状態へ移行するまでのゲーム数が多いほど有利となるため、移行対応結果とならないことを遊技者は望むようになる。そのうえで、特定動作を伴って有利状態へ移行する場合もあるようにしていることから、移行対応結果当選となるまでのゲーム数に上限を設けたりすることも可能となり、有利状態へ移行するまでのゲームが過剰に有利となり過ぎることを抑制することができる。
特徴aA19.前記第1有利移行手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せ(第2,第3再遊技入賞に対応する出目)が停止した場合に前記有利状態へ移行させるものであり、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果である場合、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せを停止させて前記有利状態への移行が生じるようにする一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せを停止させずに前記有利状態への移行が生じないようにする手段(主制御装置101によるステップSa4113の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果となってから移行対応結果となっても第1の操作態様ではなく第2の操作態様にて操作することで有利状態への移行を遅延させることができる。このようにすることで、遊技者の好みのタイミングで有利状態を開始させることが可能となるし、特徴aA18のように有利状態へ移行するまでの遊技数が多いほど遊技者にとって有利となるような構成に適用することで、有利状態への移行を遅延させることで有利となるといった、斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴aA20.前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であって、前記停止操作手段が前記第2の操作態様のうちの所定操作態様(2コマ滑り以上となる操作)にて操作された場合、当該移行対応結果となった遊技の次の遊技にて前記特定手段にて前記特定動作が行われるようにして前記有利状態へ移行させる一方、前記停止操作手段が前記第2の操作態様のうちの特定操作態様(1マ滑り以下となる操作)にて操作された場合、当該移行対応結果となった遊技の次の遊技にて前記特定手段にて前記特定動作が行われないようにして前記有利状態へ移行させないようにする手段(主制御装置101によるステップSa4112の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aA19に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2の操作態様にて移行用の絵柄組合せが停止させないようにして有利状態への移行を回避したとしても、第2の操作態様のうちの所定操作態様である場合には次のゲームで特定動作が発生して有利状態への移行が生じ、特定操作態様であれば特定動作が発生して有利状態への移行が生じない。このようにすることで、有利状態への移行を遅延させたい遊技者としては、第2の操作態様を行った後、特定動作が行われないことを願いながら次のゲームを消化するようになり、遊技の面白みを向上させることが可能となる。
特徴aA21.前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であって、前記停止操作手段が前記所定操作態様にて操作された場合には所定の絵柄組合せが前記有効位置に停止し、前記停止操作手段が前記特定操作態様にて操作された場合には前記所定の絵柄組合せが前記有効位置に停止することを特徴とする特徴aA20に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2の操作態様のうち所定操作態様にて操作した場合と特定操作態様にて操作した場合とで、有効位置に停止する停止出目が共通なものとなる。そうすると、次のゲームにて特定動作が行われるか否かをもって、いずれの操作態様にて操作されたかの答え合わせを行うことが可能な構成となり、当該次ゲームにて特定動作が行われるか否かへの注目度を劇的に高めることが可能となる。
特徴aA22.前記特定手段は、一の遊技において、前記通常動作が行われるよりも前に前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA21のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は一の遊技の開始時に実行される構成となり、特定動作が行われることを期待しながら、又は行われないことを期待しながら、始動操作手段を操作することになり、始動操作手段の操作に力が入る面白みのある遊技性を実現することができる。
特徴aA23.前記特定手段は、一の遊技において、前記通常動作が行われた後で前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA22のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は一の遊技の終了時に実行される構成となり、特定動作が行われることを期待しながら、又は行われないことを期待しながら、停止操作手段を操作することになり、停止操作手段の操作に力が入る面白みのある遊技性を実現することができる。
特徴aA24.前記特定手段は、一の遊技において、前記通常動作と前記通常動作との間で前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴aA1乃至特徴aA23のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は一の遊技の途中で実行される構成となり、特定動作が行われるタイミングが任意なものとなるし、特定動作と通常動作との境目がわかりにくくなり、一の遊技の遊技性を大幅に向上させることが可能となる。
特徴aA25.前記特定手段は、前記特定動作を行う遊技において、前記通常動作として第1の周回体が停止した後、当該第1の周回体の停止出目を利用して、当該第1の周回体とは異なる周回体であって停止前の第2の周回体による前記特定動作を行うことが可能であることを特徴とする特徴aA24に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作が遊技の途中で行われる構成において、実際に通常動作にて停止させた停止出目が特定動作に利用されることから、特定動作を演出上の動作の印象を与えにくくすることができ、特定動作にて有利状態へ移行させることにより与える満足感を高めることが可能となる。
なお、上記特徴aA1乃至特徴aA25に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴aA1乃至特徴aA25の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA25、特徴aB1乃至特徴aB22、特徴aC1乃至特徴aC12、特徴aD1乃至特徴aD8、特徴aE1乃至特徴aE9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴aB群>
特徴aB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報を出力することが可能な第1特定情報出力手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果入賞に基づいてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する機能)を備え、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とならなかった場合、前記周回体を用いた演出動作制御として、前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定状況に対応させて、遊技機外部の装置に対して前記第1特定情報又はそれとは異なる第2特定情報を出力することが可能な第2特定情報出力手段(主制御装置101によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われる場合があるようにしているため、周回体の動作を利用した演出を遊技性の向上に役立てることができる。
しかも、抽選の結果が特定結果当選となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報が出力される場合があることを前提としながら、特定結果当選とならなかった遊技において、特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況が生じるように特定動作が行われる場合にも遊技機外部の装置に対して第1特定情報や第2特定情報の出力が行われる場合がるようにしていることから、例えば通常動作に似せて特定動作を行う場合、周回体の動作を似せるだけにとどまらず、遊技機外部の装置に対する情報出力の面からも当該似せる効果を得ることが可能となる。この場合、例えば、遊技機に接続されているデータ表示器が第1特定情報等に基づいてそのデータの表示の更新を行う等の構成においては、当該データ表示器が更新されることを通じて遊技者は情報出力が行われたことを把握可能である。このようにすることで、特定動作を用いた遊技の興趣向上の効果を高めることが可能となる。
なお、「特定位置」を「有効位置」とすることで、特定動作を通常動作と似せる行為を高めることが可能である。この点は、「特定位置」と「有効位置」との表現が併存する他の特徴についても同様である。
特徴aB2.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に予め定められた前記特定の絵柄組合せが停止した場合に当該特定結果に対応する特典を付与可能となる構成であることを特徴とする特徴aB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有効位置に特定の絵柄組合せが有効位置に停止することで特定結果の入賞が成立することを前提としたうえで、特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況が生じるように特定動作が行われるため、特定動作をあたかも特定結果に基づく通常動作である印象を与えることが可能となる。そして、これら特定結果当選時に第1特定情報が出力され、更に特定動作が行われる場合にも第1特定情報や第2特定情報が出力されるため、データ表示器等の更新も含めて、特定結果入賞として特定の絵柄組合せが停止しているのか、それとも特定動作として特定の絵柄組合せが特定位置に存在しているのかの見分けがつきにくくなる。このようにすることで、特定動作を利用した遊技性をより好適に向上させることが可能となる。
特徴aB3.前記第1特定情報出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である遊技において、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止した場合に前記第1特定情報を出力するようにし、
前記第2特定情報出力手段は、前記特定の絵柄組合せが前記特定位置に存在する前記特定状況が生じた場合に、前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力するようにすることを特徴とする特徴aB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せが有効位置に停止して特定結果入賞が成立した場合に第1特定情報が出力されることを前提とし、特定動作においても、特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況が生じた場合に第1特定情報等の出力が行われる。このようにすることで、遊技進行に合わせて第1特定情報の出力が行われる通常動作と、周回体を用いた演出動作制御である特定動作との見分けがつきにくくなり、特定動作を利用する特徴aB1の効果をより好適に向上させることが可能である。
特徴aB4.前記第1特定情報出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である遊技において前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止した場合、当該遊技の次の遊技にて前記第1特定情報を出力するようにし、
前記第2特定情報出力手段は、前記特定状況が生じた後、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが存在しない状況となる場合に前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力するようにすることを特徴とする特徴aB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せが有効位置に停止して特定結果入賞が成立した場合に、当該遊技の次の遊技において第1特定情報が出力されることを前提とし、特定動作においても、特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況が生じた後、特定の絵柄組合せが特定位置に存在しない状況となる場合に第1特定情報等の出力が行われる。このようにすることで、遊技進行に合わせて第1特定情報の出力が行われる通常動作と、周回体を用いた演出動作制御である特定動作との見分けがつきにくくなり、特定動作を利用する特徴aB1の効果をより好適に向上させることが可能である。
特徴aB5.前記特定駆動制御手段は、前記特定動作において、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せを停止又は仮停止させることで前記特定状況を生じさせることが可能であって、当該特定状況を生じさせた後、各前記周回体が周回するように制御可能であり、
前記第1特定情報出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である遊技において前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止した場合、当該遊技の次の遊技にて各前記周回体の周回が開始される場合に前記第1特定情報を出力するようにし、
前記第2特定情報出力手段は、前記特定状況が生じた後、各前記周回体の周回が開始される場合に前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力するようにすることを特徴とする特徴aB4に記載の遊技機。
上記構成は、特徴aB4の具体的構成であり、このように通常動作と特定動作とにおいて特定の絵柄組合せが停止等した後、周回体の周回が開始されるタイミングで第1特定情報等の出力が行われるようにすることで、両動作の見分けをつきにくくさせる効果をより向上させることが可能である。
特徴aB6.前記特定駆動制御手段による前記特定動作が行われるよりも前に、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うことの設定処理を実行可能な第1設定手段(主制御装置101による外部出力設定第1処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定駆動制御手段による特定動作が行われている最中に第1特定情報等を出力するための設定処理を行う必要が生じず、複数の処理の実行が重複することによる処理負荷の増大化を好適に回避することができる。
特徴aB7.前記第1設定手段は、前記特定駆動制御手段による前記特定動作において前記周回体の周回が開始されるよりも前に、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うことの設定処理を実行可能であることを特徴aB6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は周回体の周回が行われることを含む動作であることを前提とし、当該特定動作において周回体の周回が開始されるよりも前に、第1特定情報等の出力用の設定処理が実行される。このようにすることで、周回体の駆動制御用の処理と、特定情報出力用の処理とが重複しないようになり、処理の分散化を図ることができる。
特徴aB8.前記特定駆動制御手段による前記特定動作が行われる対象遊技よりも前の特定遊技にて、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うことの設定処理を実行可能な第2設定手段(主制御装置101による予約状態に設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定駆動制御手段による特定動作が行われている最中に第1特定情報等を出力するための設定処理を行う必要が生じず、複数の処理の実行が重複することによる処理負荷の増大化を好適に回避することができる。
特に本構成では、特定動作が行われるゲームよりも前のゲームにて第1特定情報等の出力を行うことの設定を行う構成となるため、特定動作用の処理との重複は一切生じないようになり、上記の処理負荷の増大化を回避する効果を高めることができる。
特徴aB9.前記特定駆動制御手段による前記特定動作が行われる対象遊技よりも前の特定遊技にて、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行う出力状態の設定処理を実行可能な第2設定手段(主制御装置101による予約状態に設定する処理を実行する機能)と、
前記出力状態に設定されている状況における前記対象遊技にて、前記特定駆動制御手段による前記特定動作が行われるよりも前に、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うタイミングの設定処理を実行可能な第1設定手段(主制御装置101による外部出力設定第1処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、対象遊技よりも前の特定遊技にて出力状態に設定され、当該出力状態の対象遊技において特定動作が行われるよりも前に第1特定情報等の出力を行うタイミングが設定される。このように、第1特定情報等の出力を複数の処理にて分担して設定する構成としたうえで、いずれの処理についても第1特定情報等を出力するよりも前のタイミングに完了するようにしたことで、処理負荷の増大化を好適に抑制することが可能となる。
特徴aB10.前記第1設定手段は、前記出力状態に設定されている状況における前記対象遊技にて、前記特定駆動制御手段による前記特定動作において前記周回体の周回が開始されるよりも前に、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うタイミングの設定処理を実行可能であることを特徴aB9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は周回体の周回が行われることを含む動作であることを前提とし、当該特定動作において周回体の周回が開始されるよりも前に、第1特定情報等を出力するタイミングの設定処理が実行される。このようにすることで、周回体の駆動制御用の処理と、特定情報出力用の処理とが重複しないようになり、処理の分散化を図ることができる。
特徴aB11.前記第1設定手段は、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力が行われるまでの特定期間(予約出力カウンタ)を設定する処理を実行可能な構成であり、
前記第2特定情報出力手段は、前記第1設定手段による前記特定期間の設定が行われた後、当該特定期間が経過した場合に前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行う構成であることを特徴とする特徴aB9又は特徴aB10に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1設定手段は、第1特定情報等を出力するタイミングを設定する処理として、出力までの特定期間を設定し、その特定期間が経過することで第1特定情報等が出力される構成となる。このようにすることで、比較的簡素な構成にて、第1特定情報等の出力を事前に設定する構成を実現することが可能となる。
特徴aB12.前記特定駆動制御手段による前記特定動作が行われる対象遊技よりも前の特定遊技にて、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うことを設定可能な第2特定設定手段(主制御装置101による予約状態に設定する処理を実行する機能)を備え、
前記特定駆動制御手段は、前記特定遊技よりも後の遊技であって、前記対象遊技よりも前の前遊技にて、前記特定動作を実行する場合がある構成であり、
前記第2特定情報出力手段は、当該前遊技にて前記特定動作が行われた場合にも前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力する構成であることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、第1特定情報等の出力を行うことを設定する特定遊技よりも後の遊技であって、もともと特定動作を行うはずであった対象遊技よりも前の前遊技にて特定動作が行われる場合があるような構成であっても、特定動作に対応させて第1特定情報等の出力が行われる。このような第1特定情報等の出力をすべき状況が予定よりも早まる可能性がある構成においては、事前の遊技にて第1特定情報等の出力を行うことの設定を済ませておく必要性が高く、かかる構成に特徴aB1の構成を適用することにより、特徴aB1の優れた効果をより好適に期待することが可能となる。
特徴aB13.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に予め定められた特定の絵柄組合せが停止した場合に当該特定結果に対応する特典が付与可能となる構成であり、
前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うタイミングを設定可能な設定手段(主制御装置101による外部出力設定第1処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段は、前記特定状況が生じるタイミングより所定期間後のタイミングにて前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力するように設定することを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB12のいずれか1に記載の遊技機。
特定動作は、通常動作とは異なる遊技動作であるところ、周回体の駆動制御等を通常の駆動制御と異ならせる等、特殊な制御が必要になり得る。そのため、特定状況が生じるピッタリのタイミングで特定情報等の出力を行うように設定してしまうと、特定状況の発生タイミングと第1特定情報等の出力タイミングとがズレてしまう可能性があり、第1特定情報等の出力の方が特定状況の発生よりも先に生じると、せっかく演出によって特定状況を生じさせているのにもかかわらず第1特定情報等の出力により(データ表示器の更新により)、その特定状況が生じることが事前に察知されてしまう可能性がある。そこで、上記構成では、そもそも、特定状況が生じるタイミングよりも後のタイミングで第1特定情報が出力されるように設定しておくことで、特定状況が生じるよりも前に第1特定情報等が出力される可能性を低減することが可能となる。
特徴aB14.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に予め定められた特定の絵柄組合せが停止した場合に当該特定結果に対応する特典が付与可能となる構成であり、
前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止することで前記特定状況が生じる構成であることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作によって特定の絵柄組合せが特定位置に停止又は仮停止し、この場合に、第1特定情報等の出力が行われる。このようにすることで、特定結果当選となった遊技において特定の絵柄組合せが停止して特定結果入賞が成立する通常動作と同様の流れで、遊技機外部の装置に対して第1特定情報等の出力が行われるようになり、第1特定情報等が出力されることを通じて特定動作を遊技進行に必要な動作であることの印象等を強めることが可能となる。
特徴aB15.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に予め定められた特定の絵柄組合せが停止した場合に当該特定結果に対応する特典が付与可能となる構成であり、
前記特定駆動制御手段は、前記通常動作の前に前記特定動作を実行する構成であり、
前記第2特定情報出力手段は、前記特定状況が生じた後、前記通常動作が開始される場合に、前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行う構成であることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況が生じた後、通常動作に移行する際に第1特定情報等の出力が行われる。このようにすることで、遊技者は、特定の絵柄組合せが特定位置に存在することの確認と、第1特定情報等が出力されること(データ表示器が更新されること)の確認と、を別々のタイミングで行うことが可能となり、当該第1特定情報等が出力されることの確認を行おうとするあまり、特定の絵柄組合せが特定位置に存在することを見逃してしまう、といった事象が生じにくくなる。
特徴aB16.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に予め定められた特定の絵柄組合せが停止した場合に当該特定結果に対応する特典が付与可能となる構成であり、
前記特定動作において、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止していることを判定する判定手段(主制御装置101による回転演出処理において第2再遊技や第3再遊技に対応する停止出目が仮停止していることの判定を行う処理を実行する機能)を備え、
前記第2特定情報出力手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力することが可能であることを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、実際に特定の絵柄組合せが停止又は仮停止している場合に、第1特定情報等の出力が行われるようになるため、特定の絵柄組合せが停止又は仮停止していないのにもかかわらず第1特定情報等が出力される、といった矛盾を生じさせないようにすることができる。
特徴aB17.前記特定駆動制御手段は、前記特定動作として、前記停止操作手段が操作された場合に、対応する前記周回体を停止させることが可能な疑似遊技を実行可能とするように駆動制御することを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段を操作することで周回体を停止させることが可能な疑似遊技において、第1特定情報等の外部出力が行われる。このようにすることで、単に、周回体を演出として回転制御等するような構成と比較して、停止操作手段の操作を伴うことから通常の遊技に似せる効果を好適に高めることが可能となる。
なお、「疑似遊技」について、以下のように限定してもよく、当該「疑似遊技」の表現により限定される他の特徴についても同様である。
「前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記有効位置に当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記特典付与手段により当該所定結果に対応する特典が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、
前記抽選手段による抽選結果が前記所定結果であって、前記有効位置に当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記特典付与手段による前記所定結果に対応する特典の付与が行われない又はその付与が制限される疑似遊技」。
または、「前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記停止操作手段の操作に基づき、前記有効位置に当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記特典付与手段により当該所定結果に対応する特典が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、
前記抽選手段による抽選結果が前記所定結果であって、前記停止操作手段の操作に基づき、前記有効位置に当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記特典付与手段による前記所定結果に対応する特典の付与が行われない又はその付与が制限される疑似遊技」。
特徴aB18.前記第2特定情報出力手段は、前記特定動作の実行後に前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力するように、前記特定動作中に前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力設定を行うことを特徴とする特徴aB1乃至特徴aB17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作中に第1特定情報等の出力設定を行い、当該出力設定により、特定動作の実行後に第1特定情報等が出力されるようになる。このようにすることで、特定動作に基づいて遊技が進行している印象を強く与えることが可能となり、例えば、特徴aB17のように特定動作にて疑似遊技を行うことによる演出効果を劇的に高めることが可能となる。
特徴aB19.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記周回体を用いた演出動作制御として前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定状況に対応して、遊技機外部の装置に対して特定情報の出力設定を行う特定情報出力手段(主制御装置101によるタイマ管理処理実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われて特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況が生じる場合があるようにしているため、周回体の動作を利用した演出を遊技性の向上に役立てることができる。
その反面、上記のような特定動作は、通常動作とは異なる演出上の動作である印象を与えやすく、速やかな遊技進行を望む遊技者には当該特定動作を煩わしく感じさせてしまう可能性もある。また、遊技ホールの管理者としては、特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況が、通常動作において抽選手段による抽選結果として生じているのか、それとも、特定動作において生じているのかの見分けがつきにくくなり、ゲームの抽選を経ることなく不正に利益を得ようとする不正行為を特定しにくくなる不都合も生じ得る。
そこで、上記構成においては、特定動作において特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況に対応して、遊技機外部に対して特定情報を出力可能な構成としていることから、例えば、遊技機に接続されているデータ表示器が特定情報に基づいてそのデータの表示の更新を行うことが可能となり、特定動作を通常動作と思わせる効果を高めることができるし、当該データの更新を通じて、特定動作が遊技の進行に必要な動作である印象を遊技者に与えることが可能となる。さらに、遊技機に接続されている遊技ホールのホールコンピュータでは、特定動作にて特定状況が生じたことを把握することができるようになり、上記の不正行為を特定し易くなる。以上の結果、上記の不都合を生じさせることなく、特定動作を用いて遊技の注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、上記特徴aB19に対して、特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成を適用してもよく、特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成の一部を適用してもよく、これら特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成の全部又は一部を組み合わせて適用してもよい。
特徴aB20.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果となった場合、遊技操作に応じて、遊技機外部の装置に対して第1特定情報を出力することが可能な第1特定情報出力手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果入賞に基づいてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する機能)を備え、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とならなかった場合、前記周回体を用いた演出動作制御として、前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定状況に対応させて、遊技機外部の装置に対して前記第1特定情報又はそれとは異なる第2特定情報を出力することが可能な第2特定情報出力手段(主制御装置101によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われる場合があるようにしているため、周回体の動作を利用した演出を遊技性の向上に役立てることができる。
しかも、抽選の結果が特定結果当選となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報が出力される場合があることを前提としながら、特定結果当選とならなかった遊技において、特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況が生じるように特定動作が行われる場合にも遊技機外部の装置に対して第1特定情報や第2特定情報の出力が行われる場合がるようにしていることから、例えば通常動作に似せて特定動作を行う場合、周回体の動作を似せるだけにとどまらず、遊技機外部の装置に対する情報出力の面からも当該似せる効果を得ることが可能となる。この場合、例えば、遊技機に接続されているデータ表示器が第1特定情報等に基づいてそのデータの表示の更新を行う等の構成においては、当該データ表示器が更新されることを通じて遊技者は情報出力が行われたことを把握可能である。このようにすることで、特定動作を用いた遊技の興趣向上の効果を高めることが可能となる。
なお、上記特徴aB20に対して、特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成を適用してもよく、特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成の一部を適用してもよく、これら特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成の全部又は一部を組み合わせて適用してもよい。
特徴aB21.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報を出力することが可能な第1特定情報出力手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果入賞に基づいてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する機能)を備え、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とならなかった場合、前記周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定動作に対応させて、遊技機外部の装置に対して前記第1特定情報又はそれとは異なる第2特定情報を出力することが可能な第2特定情報出力手段(主制御装置101によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われる場合があるようにしているため、周回体の動作を利用した演出を遊技性の向上に役立てることができる。
しかも、抽選の結果が特定結果当選となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報が出力される場合があることを前提としながら、特定結果当選とならなかった遊技において、特定動作が行われる場合にも遊技機外部の装置に対して第1特定情報や第2特定情報の出力が行われる場合がるようにしていることから、例えば通常動作に似せて特定動作を行う場合、周回体の動作を似せるだけにとどまらず、遊技機外部の装置に対する情報出力の面からも当該似せる効果を得ることが可能となる。この場合、例えば、遊技機に接続されているデータ表示器が第1特定情報等に基づいてそのデータの表示の更新を行う等の構成においては、当該データ表示器が更新されることを通じて遊技者は情報出力が行われたことを把握可能である。このようにすることで、特定動作を用いた遊技の興趣向上の効果を高めることが可能となる。
なお、上記特徴aB21に対して、特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成を適用してもよく、特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成の一部を適用してもよく、これら特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成の全部又は一部を組み合わせて適用してもよい。
特徴aB22.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報を出力することが可能な第1特定情報出力手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果入賞に基づいてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する機能)を備え、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定動作に対応させて、遊技機外部の装置に対して前記第1特定情報又はそれとは異なる第2特定情報を出力することが可能な第2特定情報出力手段(主制御装置101によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われる場合があるようにしているため、周回体の動作を利用した演出を遊技性の向上に役立てることができる。
しかも、抽選の結果が特定結果当選となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報が出力される場合があることを前提としながら、特定動作が行われる場合にも遊技機外部の装置に対して第1特定情報や第2特定情報の出力が行われる場合がるようにしていることから、例えば通常動作に似せて特定動作を行う場合、周回体の動作を似せるだけにとどまらず、遊技機外部の装置に対する情報出力の面からも当該似せる効果を得ることが可能となる。この場合、例えば、遊技機に接続されているデータ表示器が第1特定情報等に基づいてそのデータの表示の更新を行う等の構成においては、当該データ表示器が更新されることを通じて遊技者は情報出力が行われたことを把握可能である。このようにすることで、特定動作を用いた遊技の興趣向上の効果を高めることが可能となる。
なお、上記特徴aB22に対して、特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成を適用してもよく、特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成の一部を適用してもよく、これら特徴aB1乃至特徴aB18のいずれか1にて限定した各構成の全部又は一部を組み合わせて適用してもよい。
なお、上記特徴aB1乃至特徴aB22に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴aB1乃至特徴aB22の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA25、特徴aB1乃至特徴aB22、特徴aC1乃至特徴aC12、特徴aD1乃至特徴aD8、特徴aE1乃至特徴aE9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴aC群>
特徴aC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記表示部を介して視認可能な位置に設定される有効位置に特定の絵柄組合せ(第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる停止出目)を停止させることが可能な特定結果(例えば、通常リプA~C)であった場合、特定特典(ATモード)を付与することが可能な特定特典手段(主制御装置101によるATモードを開始させる処理を実行する機能)と、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記周回体を用いた演出動作制御として前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に前記特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定動作の実行対象となる特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定駆動制御手段により前記特定動作が行われることを制限可能な特定手段(主制御装置101による回転演出処理において通常リプA~C当選である場合に回転演出を行わないようにする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技の抽選結果が特定結果である場合は、特定の絵柄組合せが停止して対応する特定特典が付与される構成とし、更に、特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況は、周回体を用いた演出動作制御としての特定動作においても発生し得るようにしたため、遊技の結果が特定結果当選とならなくても、特定の絵柄組合せを自由に表示させることが可能となり、特定特典を付与するタイミングの自由度を大幅に向上させることができ、例えば、特定特典を付与したいのにもかかわらず、なかなか特定結果当選とならないことによって特定特典を付与できない、といった不都合を解消することができる。
そのうえで、特定結果当選に基づいて特定の絵柄組合せを停止させることが可能となる遊技と、特定動作の実行対象となる遊技とが重複した場合には、特定動作ではなく、通常動作にて特定の絵柄組合せを停止させることを優先するように、特定動作の実行を制限する特定手段を備えるようにしたため、遊技者が自らの操作によって周回体を停止させて特典を獲得する、といったスロットマシンの醍醐味を抹殺しないようにしながら、上記の特定動作による自由なタイミングで特定特典を付与可能となるといった優れた効果を期待することができる。
特徴aC2.前記特定遊技よりも前の遊技において、前記特定遊技にて前記特定動作を実行することの設定を行う先設定手段(主制御装置101による各種開始時フリーズフラグやAT準備カウンタをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先設定手段により特定遊技にて特定動作を行うことの設定が行われた後、当該特定遊技の抽選結果が特定結果ではなければ特定動作が実行され、特定遊技の抽選結果が特定結果であると特定動作の実行が制限されることになる。このようにすることで、特定動作を実行する遊技を事前に設定して処理の分散化を図りながらも、当該遊技にて特定の絵柄組合せが何度も停止してしまう不都合を解消することが可能となる。
特徴aC3.予め定められた有利状態へ移行させることの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利状態へ移行可能とする有利結果である場合、前記有利状態へ移行可能とする移行前状態(準備モード、CZモード)に設定する移行前状態設定手段(主制御装置101による準備モードやCZモードに設定する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定特典手段は、前記移行前状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止した場合に前記特定特典として前記有利状態へ移行させる構成であり、
前記特定駆動制御手段による前記特定状況が生じた場合に、前記有利状態へ移行させる第2特定特典手段(主制御装置101による回転演出を行う際にATモード開始用の処理を実行する機能)を備え、
前記先設定手段は、前記移行前状態設定手段により前記移行前状態の設定が行われる場合、当該設定が行われる遊技よりも後の遊技である前記特定遊技にて前記特定動作が行われるように設定することを特徴とする特徴aC2に記載の遊技機。
上記構成のようにすることで、有利状態へ移行することが可能な移行前状態となり、当該移行前状態にて特定結果となると特定の絵柄組合せが停止可能となって有利状態への移行が生じ、また、移行前状態において特定遊技にて特定動作が行われても有利状態への移行が生じることになる。このように、特定遊技となる事象と、特定結果となる事象とのいずれかで有利状態への移行が生じる構成を前提とし、両事象が重複した場合に、特定結果側を優先する構成とすれば、両事象によって特定の絵柄組合せが何度も表示されてしまう事象を回避することができるだけでなく、有利状態の移行用の処理についても重複して実施されてしまう不都合も回避することができる。
特徴aC4.前記特定手段は、前記特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であっても、予め定められた特定条件が成立している場合には前記特定動作の実行を許容可能であることを特徴とする特徴aC1乃至特徴aC3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技における抽選結果が特定結果である場合、一律で特定動作の実行が制限されるわけではなく、特定条件が成立している場合には、特定結果当選であっても特定動作の実行が許容されるようになる。このような構成とすることで、特定動作の実行の自由度を大幅に向上させることが可能となる。
特徴aC5.前記特定遊技よりも前の遊技であって、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である所定遊技において、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せを停止させることができなかった場合に前記特定条件が成立することを特徴とする特徴aC4に記載の遊技機。
特定遊技よりも前の遊技において、特定結果であるのにもかかわらず特定の絵柄組合せを停止させることができなかった遊技者は、自らの操作で特定の絵柄組合せを停止させるよりも特定動作によって特定の絵柄組合せが停止等してくれた方が好ましく感じるものと考えられる。そこで、上記のように、特定結果当選時に特定の絵柄組合せを停止させることができなかったことを一の条件として、特定遊技において特定結果となっても特定動作の実行を許容する構成とすることで、遊技者の更なる操作を強要することなく、遊技者の熟練度等にあわせた柔軟な遊技性を提供することが可能となる。
特徴aC6.前記特定遊技よりも前の遊技において、前記特定遊技にて前記特定動作を実行することの設定を行う先設定手段(主制御装置101による各種開始時フリーズフラグやをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記先設定手段は、前記所定遊技において、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止しなかった場合に前記特定遊技にて前記特定動作を実行することの設定を行うことを特徴とする特徴aC5に記載の遊技機。
上記構成は、特徴aC5の具体的構成であり、上記構成のようにすることで、特定の絵柄組合せを停止させることができない遊技者であることを判断したうえで、特定動作を実行する構成とすることが可能となる。よって、遊技者の操作によって周回体を停止させて特典を付与するスロットマシンの醍醐味を活かしながら、その操作が未熟な遊技者を特定動作によって的確にフォローすることが可能となる。
特徴aC7.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定の絵柄組合せを停止可能とする特別報知を所定の報知手段にて実行する特別報知手段と(表示制御装置81によるAT開始用処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段により前記特定動作の実行が制限される場合、前記特別報知手段による前記特別報知が実行されることを特徴とする特徴aC1乃至特徴aC6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技にて特定動作と特定結果とが重複して、特定動作の実行が制限される場合、特定結果当選に基づく特定の絵柄組合せを停止させることを可能とする特別報知が実行される。このようにすることで、通常動作側にて特定の絵柄組合せを停止させることを優先したのにもかかわらず、遊技者がそれに気づかない等して特定の絵柄組合せが停止しない、といった残念な事象を生じさせないようにすることができる。
なお、上記「特別報知手段」は、以下のように限定してもよく、このようにすることで、特別報知を実行する意義が高められる。
「前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であり、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記有効位置に前記特定の絵柄組合せとは異なる絵柄組合せが停止可能となる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様に対応する特別報知を所定の報知手段にて実行する特別報知手段」。
また、上記構成は、抽選手段による抽選結果が特定結果である場合であって、特定手段により特定動作の実行が制限されない状況で特別報知手段が特別報知を実行することを否定するものではない。
特徴aC8.前記特定手段は、前記特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であっても、予め定められた特定条件が成立している場合には前記特定動作の実行を許容可能であり、
前記特定条件が成立している場合、前記特別報知手段による前記特別報知の実行が制限されることを特徴とする特徴aC7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作が実行されているのにもかかわらず、特別報知が実行され、特定の絵柄組合せが何度も表示されてしまう事象を生じさせないようにすることができる。
特徴aC9.前記特定状況が生じたことに基づいて、前記特定特典を付与可能な手段(主制御装置101による回転演出処理の実行に際してATモード開始用の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aC1乃至特徴aC7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作が行われることによって特定特典が付与されるようになるため、特定動作を実行する特定遊技において特定結果となった場合には、特定特典が重複して付与される可能性が生じることとなる。その点、特徴aC1のように、このような場合には特定動作の実行が制限されるようになるため、当該制限する意義が高められる。
なお、上記構成は、特徴aC3における「第2特定特典手段」に相当するものである。
特徴aC10.前記特定状況において、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止することを特徴とする特徴aC1乃至特徴aC9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に特定位置に特定の絵柄組合せが存在するだけではなく、特定の絵柄組合せが停止又は仮停止することになる。このような構成とすることで、特定の絵柄組合せが停止等することと、特定特典が付与されることと、がセットであることの印象を強め、特定動作による演出効果が高められる。
特徴aC11.前記特定駆動制御手段は、前記特定動作として、前記停止操作手段が操作された場合に、対応する前記周回体を停止させることが可能な疑似遊技を実行可能とするものであることを特徴とする特徴aC1乃至特徴aC10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技において、停止操作手段を操作することで周回体を停止させることが可能な疑似遊技中に特定の絵柄組合せが有効位置に存在する状況が生じ得るものとなり、このような疑似遊技と、実際の特定結果当選に基づいて特定の絵柄組合せを停止させる遊技とが重複する場合には、疑似遊技の実行が制限されることとなる。このようにすることで、特定動作の実行を制限することは、遊技者に重複する操作を強要してしまうことを回避することにもつながり、当該制限することの意義を高めることが可能となる。
特徴aC12.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記表示部を介して視認可能な位置に設定される有効位置に特定の絵柄組合せ(第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる停止出目)を停止させることが可能な特定結果(例えば、通常リプA~C)であった場合、特定特典(ATモード)を付与することが可能な特定特典手段(主制御装置101によるATモードを開始させる処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定の絵柄組合せを停止可能とする特別報知を所定の報知手段にて実行する特別報知手段と(表示制御装置81によるAT開始用処理を実行する機能)と、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記周回体を用いた演出動作制御として前記表示部を介して視認可能な位置に設定された特定位置に前記特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定動作の実行対象となる特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定駆動制御手段による前記特定動作の実行、及び前記特別報知手段による前記特別報知の実行のいずれかを制限可能な特定手段(主制御装置101による回転演出処理において通常リプA~C当選である場合に回転演出を行わないようにする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技の抽選結果が特定結果である場合は、特定の絵柄組合せが停止して対応する特定特典が付与される構成とし、更に、特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況は、周回体を用いた演出動作制御としての特定動作においても発生し得るようにしたため、遊技の結果が特定結果当選とならなくても、特定の絵柄組合せを自由に停止させることが可能となり、特定特典を付与するタイミングの自由度を大幅に向上させることができ、例えば、特定特典を付与したいのにもかかわらず、なかなか特定結果当選とならないことによって特定特典を付与できない、といった不都合を解消することができる。
そのうえで、特定結果当選に基づいて特定の絵柄組合せを停止させることが可能となる遊技と、特定動作の実行対象となる遊技とが重複した場合には、特定動作の実行と通常動作において特定の絵柄組合せを停止させる特別報知の実行とのいずれかが制限されることから、特定の絵柄組合せが何度も表示されてしまう、といった不都合を解消することができる。
なお、上記特徴aC12に対して、特徴aC1乃至特徴aC11にて限定した構成をそれぞれ個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。また、特徴aC1乃至特徴aC11にて限定した構成のうちの一部の構成を適用してもよく、その一部の構成を相互に組み合わせて適用してもよい。
なお、上記特徴aC1乃至特徴aC12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴aC1乃至特徴aC12の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA25、特徴aB1乃至特徴aB22、特徴aC1乃至特徴aC12、特徴aD1乃至特徴aD8、特徴aE1乃至特徴aE9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴aD群>
特徴aD1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了することを一の遊技とし、
所定の報知手段により前記遊技の結果が報知される遊技機において、
前記遊技の結果に対応する特定情報を、当該遊技機の外部の装置に対して出力する出力手段(主制御装置101によるタイマ更新処理を実行する機能)と、
前記出力手段により前記特定情報が出力されることとなる遊技を特定遊技とし、当該特定遊技よりも前の遊技にて前記特定情報を出力するための第1設定を行う第1設定手段(主制御装置101によるAT準備カウンタをセットする等して予約状態に設定する処理を行う機能)と、
前記第1設定手段による設定が行われた後であって、前記出力手段による前記特定情報の出力が行われるよりも前に、前記特定情報を出力するための第2設定を行う第2設定手段(主制御装置101による予約出力カウンタをセットする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技機外部の装置に対する遊技の結果に対応する特定情報の出力が、第1設定と第2設定とを介して行われる構成となる。このように、複数の設定処理を介して特定情報が出力される構成としたことによって、出力される特定情報の正確性が向上し、例えば、遊技の結果に関わらず特定情報を出力したり出力しなかったりさせることで、遊技機に接続されたデータ表示器等の更新を不正に操作する行為を行いにくくさせることが可能となる。しかも、上記構成においては、特定情報の出力設定を、先ず、当該特定情報が出力される遊技よりも前の遊技において設定する第1設定と、当該第1設定が行われた後であって、特定情報が出力されるよりも前に設定する第2設定と、に担わせる構成としていることから、いずれの設定処理の実行タイミングも、特定情報の出力タイミングと重複しないようになり、処理の重複による処理負荷の増大化を解消することが可能となる。
特徴aD2.前記第2設定手段は、前記第2設定として、前記特定遊技における前記特定情報の出力タイミングを設定することを特徴とする特徴aD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、事前の遊技において特定情報出力の第1設定が行われた後、第2設定では、特定遊技における特定情報の出力タイミングを設定する処理が行われることとなる。このような構成とすることで、特定情報を出力する出力手段においては、第2設定手段により設定されたタイミングを見定めればよいだけとなり、特定情報の出力時の処理を劇的に簡素なものとすることが可能となる。よって、処理の分散化による処理負荷の増大化を解消することが可能となるし、更に、特定情報の出力時のエラーの発生の可能性も低減することができ、特定情報の正確性も向上させることが可能となる。
特徴aD3.前記第2設定手段は、前記特定遊技が開始された後、当該特定遊技が終了するよりも前のタイミングを前記特定情報の出力タイミングとして設定することを特徴とする特徴aD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報の出力タイミングは特定遊技が開始されてから終了するまでの途中のタイミングとなる。このように一の遊技の途中で外部出力する構成においては、遊技の進行用の処理と、外部出力用の処理とが重複することとなり、処理負荷の増大化が懸念されるところ、上記のように外部出力用の処理の簡素化が図られており、当該処理負荷の増大化を好適に回避することが可能となる。
特徴aD4.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
前記開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記終了条件を成立させるための終了操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2設定手段は、各前記周回体の周回が開始された後、前記停止操作手段の操作に基づき各前記周回体が停止するよりも前のタイミングを前記特定情報の出力タイミングとして設定することを特徴とする特徴aD3に記載の遊技機。
上記構成は、特徴aD3の具体的構成である。このような始動操作手段の操作に基づき複数の周回体の周回が開始され、停止操作手段の操作に基づきそれぞれ周回体が停止する、といった所謂スロットマシンにおいては、遊技が遊技者の操作によって進行する構成であり、遊技進行用の処理が複雑化し易い。そこで、上記構成のように、遊技進行用の処理が行われるタイミングと特定情報の出力タイミングとが重複するような構成であっても、特定情報の出力用の処理を簡素なものとしていることから、処理負荷の増大化を回避することが可能となる。
特徴aD5.前記周回体の周回が開始された後であって、所定期間に亘って前記停止操作手段の操作又は操作に基づく前記周回体の停止を無効化する無効手段(主制御装置101による回転開始処理において無効期間を設定する処理を実行する機能)を備え、
前記第2設定手段は、前記無効手段により無効化される前記所定期間中のタイミングを前記特定情報の出力タイミングとして設定することを特徴とする特徴aD4に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の無効期間としての所定期間中に特定情報が出力される。このような構成とすることで、遊技者の操作に基づく駆動制御を行う必要のない状況、すなわち、遊技者の操作を監視しなくてもよい状況で特定情報を出力する構成となり、処理の重複を好適に回避することが可能となる。
なお、「疑似遊技」を行う遊技機に本構成を適用する場合、上記無効期間としての「所定期間」は、当該疑似遊技を行う期間に相当する。この場合、「遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段」と、「前記周回体の停止結果に基づいて前記抽選手段による抽選結果に対応する特典を付与する特典付与手段」と、を備える構成としたうえで、「無効手段」による「所定期間」を、「前記周回体の停止が前記特典付与手段による特典付与の対象とならない又は付与が制限される期間」として限定してもよい。
特徴aD6.各前記周回体の周回が開始された後、前記停止操作手段の操作に基づき各前記周回体を停止させることが可能となるよりも前のタイミングにおいて、予め定められた特定の絵柄組合せが遊技者から視認可能な位置に設定される特定位置に存在する特定状況が生じるように、各前記周回体を駆動制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aD4又は特徴aD5に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作によって遊技が進行するスロットマシンにおいて、その遊技の終了操作が可能となるよりも前に、特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況が生じるように周回体の駆動制御が行われる場合があり、このような状況下で、特定情報の出力が行われるように特定情報の出力タイミングが設定される。このような、所謂周回体の回転演出が行われるタイミングで特定情報の出力を行う構成とすることで、当該回転演出が行われることにより遊技機に接続されているデータ表示器等の更新が行われるようにすることも可能であり、回転演出を遊技の結果と好適に関連付けることが可能となる。しかも、事前に特定情報の出力設定を行う構成であることから、このような特殊な回転制御が行われる状況化であっても、出力用の処理によって処理負荷の増大化を招くことがなく、上記の特定情報の出力を回転演出とを関連付ける効果を好適に享受することができる。
特徴aD7.前記第1設定手段は、予め定められた設定契機(準備モード移行)が生じた場合、前記第1設定として、当該設定契機が生じた遊技よりも後の遊技のうちの所定の遊技を前記特定遊技と設定することを特徴とする特徴aD1乃至特徴aD6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1設定手段は、特定情報出力用の第1設定として、特定情報を出力する遊技を設定する構成となる。このように、先ず第1設定手段にてどの遊技で特定情報を出力するかを設定しておけば、第2設定手段は、第2設定を行うにあたってその設定された特定遊技か否かを判断すればよく、特定情報の出力契機が生じているか否かを判断する処理が必要なくなる。
特徴aD8.前記第1設定手段は、前記特定遊技の設定を行った後、当該特定遊技よりも前の遊技において予め定められた特定事象(ATモード開始用の結果当選且つ非入賞となった場合)が生じた場合、当該設定済みの特定遊技よりも前の遊技を前記特定遊技に再設定することが可能であることを特徴とする特徴aD7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1設定手段により特定遊技の設定を行った後、特定事象が生じた場合には特定遊技が前倒しになって、設定済みの特定遊技よりも前の遊技が特定遊技として再設定される。このようにすることで、特定情報を出力する遊技を事前に設定する構成において、当該出力する遊技の自由度が向上する。しかも、このような遊技であっても、第1設定手段は、特定遊技を再設定するのであるから、第2設定手段は、第2設定を行うにあたって特定遊技か否かを判断すればよく、特定遊技の自由度を向上させながらも、当該特定遊技における処理負荷の増大化を招かないようにすることができる。
なお、上記特徴aD1乃至特徴aD8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴aD1乃至特徴aD8の各構成に対して特徴aA1乃至特徴aA25、特徴aB1乃至特徴aB22、特徴aC1乃至特徴aC12、特徴aD1乃至特徴aD8、特徴aE1乃至特徴aE9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴aE群>
特徴aE1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する遊技価値を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止し場合に、前記遊技価値付与手段により当該所定結果に対応する遊技価値が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、
前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技を実行可能な疑似遊技手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)を備え、
前記疑似遊技手段は、前記通常遊技において前記周回体のうちの第1の周回体が停止した後、前記疑似遊技として、前記周回体のうちの第2の周回体を停止させることで、少なくとも前記第1の周回体及び前記第2の周回体にそれぞれ付された絵柄を含んだ特定の絵柄組合せが前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に停止する特定疑似遊技を実行可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体の周回が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する遊技価値が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させても遊技価値付与の対象とならない疑似遊技が設定されていることから、各遊技の抽選と一対一で対応付けられた通常遊技だけでなく、当該抽選と対応しない疑似遊技を通常遊技と織り交ぜて遊技させることで遊技性を大幅に向上することができる。
しかも、本遊技機においては、当該疑似遊技を、通常遊技における停止出目を利用して特定の絵柄組合せを停止させることが可能な構成としており、一の遊技において通常遊技と疑似遊技との境目が把握しにくくなり、抽選結果に対応しない結果を疑似遊技の停止出目によって報知するにしても、疑似的に演出で報知している印象を遊技者に与えにくくすることが可能となる。また、疑似遊技において全ての周回体を停止させる構成と比較して、特定の絵柄組合せを停止させるために一のゲームにおいて必要な停止操作の回数が通常遊技の分だけ少なくなり、当該特定の絵柄組合せを停止させる遊技をスムーズに行わせることも可能となる。よって、疑似遊技による演出効果を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴aE2.前記疑似遊技手段により前記特定の絵柄組合せを停止させる前記疑似遊技が行われた後、前記第1の周回体を停止させたまま、前記第2の周回体の前記通常遊技が行われる構成であることを特徴とする特徴aE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の遊技において、第1の周回体が通常遊技として停止した後、第2の周回体は疑似遊技として停止し、その後、当該第2の周回体の通常遊技が行われる。この場合、第1の周回体は停止したままであるため、第1の周回体の停止操作を再度強要させず、第1の周回体の停止出目を利用した疑似遊技を行う意義を高めることができる。
特徴aE3.前記疑似遊技手段により前記特定の絵柄組合せを停止させる前記疑似遊技が行われた後、前記第1の周回体を停止させたまま、前記第2の周回体の前記通常遊技が行われ、前記第1の周回体及び前記第2の周回体にそれぞれ付された絵柄を含む絵柄組合せが、当該遊技における前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せである場合、当該抽選結果に対応する遊技価値が前記遊技価値付与手段により付与されることを特徴とする特徴aE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の遊技において通常遊技が行われた後、疑似遊技が行われ、その後、通常遊技が行われる。そして、疑似遊技にて停止させた第2の周回体の絵柄を用いずに、当該疑似遊技の前後で行われた通常遊技にて停止させた絵柄を用いて、遊技価値の付与が行われる構成となる。このようにすることで、一の遊技の最中に疑似遊技が盛り込まれる遊技性において、当該一の遊技の抽選結果に対応する遊技価値を得るための通常遊技としての操作を増やすことなく、当該遊技価値を好適に付与することが可能となる。
特徴aE4.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果である場合、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止することで前記特定結果に対応する遊技価値が前記遊技価値付与手段により付与される構成であることを特徴とする特徴aE1乃至特徴aE3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の抽選結果が特定結果である場合に、通常遊技として特定の絵柄組合せが有効位置に停止することで当該特定結果に対応する遊技価値が付与される。このような構成を前提として、疑似遊技にて特定の絵柄組合せを停止させるようにすることで、当該疑似遊技を通常遊技と似せる効果を高めることができ、疑似遊技による演出効果を向上させることが可能となる。
特徴aE5.予め定められた判定契機に基づいて遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定(ATモード移行抽選)を行う有利判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせる有利結果となった場合であって、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となり、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止した場合に前記有利事象を生じさせる第1有利手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてATモードを開始させる処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となった場合であって、前記疑似遊技において前記特定の絵柄組合せが停止した場合に前記有利事象を生じさせる第2有利手段(主制御装置101による回転演出に際してATモードを開始させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴aE4に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常遊技において特定の絵柄組合せが停止した場合には、特定結果に対応する遊技価値が付与されるだけでなく、有利判定の結果が有利結果であることを条件として有利事象が発生し、疑似遊技において特定の絵柄組合せが停止した場合にも有利事象が発生する。このようにすることで、特定の絵柄組合せが停止することと有利事象が発生することとがセットとなり、疑似遊技にて特定の絵柄組合せが停止したことを、通常遊技にて特定の絵柄組合せが停止したことに似せる効果が高められる。しかも、一の遊技の抽選結果に対応しない疑似遊技であっても、その疑似遊技にて周回体を停止させたことに対して、当該遊技の抽選結果とは異なる結果に基づく特典を付与することが可能となり、疑似遊技の存在意義を高めることができる。
特徴aE6.前記疑似遊技手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とは異なる特別結果(押し順ベル)である場合に、前記特定疑似遊技を実行することを特徴とする特徴aE4又は特徴aE5に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の抽選結果が特定結果とは異なる特別結果であって、通常遊技にて特定の絵柄組合せを有効位置に停止させることができない場合に、特定疑似遊技として特定の絵柄組合せを停止させることが可能となる。言い換えると、特定結果であって、通常遊技にて特定の絵柄組合せを停止させることができる遊技であれば、特定疑似遊技の実行に頼ることなく、通常遊技が優先される構成となる。このようにすることで、遊技者が抽選結果に応じた停止出目を停止させることで特典を得るといった通常遊技の遊技性を尊重しながら、特定疑似遊技を用いた演出効果を期待することが可能となる。
特徴aE7.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合には前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合には前記特定の絵柄組合せとは異なる絵柄組合せが停止可能となる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記停止操作手段が前記第1の停止順序で操作された場合には前記有効位置に特別の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第2の停止順序で操作された場合には前記特別の絵柄組合せとは異なる絵柄組合せが停止可能となる構成であり、
前記疑似遊技手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記第1の停止順序となるように前記第1の周回体及び前記第2の周回体を利用した前記特定疑似遊技を実行することを特徴とする特徴aE6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せが停止可能となる特定結果や、特定疑似遊技の実行契機となる特別結果は、いずれも停止操作手段の操作順序によって停止出目が異なることとなる結果であり、特定結果当選時に第1の停止順序で操作することで特定の絵柄組合せが停止可能となり、特別結果当選時に第1の停止順序で操作することで特別の絵柄組合せが停止可能となる。そして、特別結果当選時に特定疑似遊技を実行する場合には、第1の周回体、第2の周回体を当該第1の停止順序で操作させる構成としており、その結果、当該遊技の結果としては、特別の絵柄組合せが停止することになる。このようにすることで、特別結果当選であっても、特定結果当選時の操作順序にて操作させて特定の絵柄組合せが停止することを期待させつつ、当該遊技の抽選結果に対応する停止出目を停止させることが可能となる。
特徴aE8.前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む順序報知を、所定の報知手段にて実行可能な順序報知手段(主制御装置101による押し順報知を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記順序報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記疑似遊技手段による前記特定疑似遊技が実行される場合、前記第1の停止順序に対応する前記順序報知を実行する特定順序報知手段(主制御装置101による回転演出を実行するゲームにて押し順ベル当選となった場合の押し順報知を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴aE7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴aE7のように特別結果当選時に第1の操作順序にて操作させる遊技を好適に実現することが可能となる。
特徴aE9.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止した場合の方が、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せとは異なる絵柄組合せが停止した場合よりも、遊技者にとって有利であることを特徴とする特徴aE7又は特徴aE8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選時に特定疑似遊技を行うことによって遊技者の損失が生じないようにしながら、特定疑似遊技による演出効果を期待することが可能となる。
なお、上記特徴aE1乃至特徴aE9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴aE1乃至特徴aE9の各構成に対して、特徴aA1乃至特徴aA25、特徴aB1乃至特徴aB22、特徴aC1乃至特徴aC12、特徴aD1乃至特徴aD8、特徴aE1乃至特徴aE9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以上詳述した特徴aA群乃至特徴aE群の各構成に対して、他の特徴a群乃至特徴n群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴b群>
以下の特徴bA群乃至特徴bE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2bの実施形態α乃至第2bの実施形態γ、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴bA群>
特徴bA1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定の判定契機に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象(ATモードのセット継続)を生じさせることの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101による継続判定処理やAT上乗せ用処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果である場合、予め定められた特定タイミングにて前記有利事象を生じさせる有利実行手段(主制御装置101によるATモード用処理における新たなセットを開始させる処理、例えばステップSb1404~ステップSb1406の処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であって前記特定タイミングよりも前の状況にて実行される特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果である場合、前記有利結果であることに対応する特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による特定演出抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段による判定結果が前記特定報知を実行することに対応する対応結果である場合、前記特定報知を実行する特定報知手段(表示制御装置81による特定演出設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることの有利判定が行われ、その有利判定の結果が有利結果である場合、予め定められた特定タイミングにて有利事象が生じることから、各ゲームにて特典を得るといった遊技性に有利事象を生じさせる遊技性が追加され遊技の多様化が図られる。
このような遊技性においては、有利事象の有利度等によっては、各ゲームの抽選結果やその抽選結果に基づく特典付与よりも、有利事象を生じさせる有利判定に対して遊技者の関心が集中してしまう場合もあり、ゲームの開始及び特典付与に遊技者の操作が関与するスロットマシンの遊技性がないがしろにされてしまう可能性が否めない。特に、有利判定の結果が有利結果であった場合、有利事象が生じるまでのゲームは、有利事象待ちのゲームとなり、遊技者の関心が低下してしまう可能性も高くなる。
そこで、上記構成では、有利事象を生じさせる有利判定の結果が有利結果となった後であって有利事象が生じるよりも前の状況における特定遊技としてのゲームにて、そのゲームの抽選結果に応じて有利結果に対応する特定報知の実行判定が行われるようにしたことから、有利結果となったことを有利事象が生じるよりも前に知りたい遊技者の心理を利用して、当該特定遊技の抽選結果への注目度が好適に高められる。
しかも、上記構成のようにすることで、所定の判定契機に基づいて実行される有利判定の結果が有利結果となった後、有利事象が生じるまでにタイムラグが存在する遊技において、各ゲームの抽選結果に応じて有利事象が生じることに対応する特定報知が行われるため、所定の判定結果に基づく有利判定の結果として特定報知が行われているのではなく、あたかも、各ゲームの抽選結果に応じて有利判定が行われ、その結果として特定報知が行われている印象を与えることも可能である。このようにすることで、有利事象が生じるまでの特定遊技への注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴bA2.前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となる確率が異なる第1状態(例えば、継続率10%のATモード)及び第2状態(例えば、継続率90%のATモード)が設定されており、
前記第1状態にて前記有利結果となった場合の前記特定遊技において前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率と、前記第2状態にて前記有利結果となった場合の前記特定遊技において前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率と、が異なることを特徴とする特徴bA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定の結果が有利結果となる確率が異なる第1状態と第2状態とでは、同じ抽選手段による抽選結果であっても、特定遊技において特定報知の実行当選となる確率が異なる。このようにすることで、特定報知により有利判定の結果を把握する遊技性だけではなく、特定報知によって有利判定の判定状態(第1状態又は第2状態)を把握する遊技性が追加され、特定報知への注目度が高められることを通じて、特定遊技における抽選結果への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴bA3.前記第1状態よりも前記第2状態の方が前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となる確率が高い構成であり、
前記第1状態にて前記有利結果となった場合の前記特定遊技において前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率よりも、前記第2状態にて前記有利結果となった場合の前記特定遊技において前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率の方が高い構成であることを特徴とする特徴bA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利結果となり易い判定状態(第2状態)ほど、特定遊技にて特定報知が実行され易くなる。つまり、有利結果となり易い判定状態においては、有利結果となった後、有利事象が生じるよりも前に特定報知が実行され易くなる。言い換えると、有利結果となりにくい判定状態においては、有利結果となってから有利事象が生じるまでに特定報知が行われないゲームが多く消化され得る。このようにすることで、特定報知が実行されることを期待する遊技者心理を利用して各ゲームの注目度を向上させる構成において、注目度を向上させる効果が期待できるゲームは、有利事象が生じにくいほど多くなる。よって、有利事象の発生率を高め過ぎることによって出玉率が高騰することを回避しながら、各ゲームの注目度を好適に高めることが可能となる。
また、例えば、有利事象が生じた後も前回の有利判定の判定状態を引き継いで有利判定が行われるような構成であったり、前回の判定状態がその後の判定状態に影響を及ぼすような構成においては、有利結果となった後であっても、特定報知によって有利判定の判定状態を把握することへ遊技者は高い関心を寄せるものと考えられ、特定報知が発生するタイミングから、有利判定の判定状態を予測する遊技が追加され、遊技の興趣向上も図られる。
特徴bA4.前記第1状態にて実行された前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であり、前記有利実行手段により前記有利事象が生じた後、前記第1状態にて前記有利判定手段により有利判定が行われる、又は前記第2状態よりも前記第1状態にて前記有利判定手段により前記有利判定が行われ易い構成であり、前記第2状態にて実行された前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であり、前記有利実行手段により前記有利事象が生じた後、前記第2状態にて前記有利判定手段により有利判定が行われる、又は前記第1状態よりも前記第2状態にて前記有利判定手段により前記有利判定が行われ易い構成であることを特徴とする特徴bA3に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定にて有利結果となって有利事象が生じた後、前回の有利判定の判定状態を引き継いで有利判定が行われる又は前回の有利判定の判定状態を引き継いで有利判定が行われ易くなる構成となり、特定報知が発生するタイミングから、有利判定の判定状態を予測する遊技が追加され、遊技の興趣向上も図られる。
特徴bA5.前記特定結果として第1特定結果(通常役)と、当該第1特定結果とは異なる第2特定結果(特定役)と、が設定されており、
前記抽選手段は第1確率にて前記第1特定結果となるように前記抽選を行い、且つ前記第1確率よりも低い確率である第2確率にて前記第2特定結果となるように前記抽選を行うものであり、
前記実行判定手段は、前記第1特定結果である場合は第3確率にて前記対応結果となるように前記実行判定を行い、且つ前記第2特定結果である場合は前記第3確率よりも高い確率である第4確率にて前記対応結果となるように前記実行判定を行うものであり、
前記第1確率と前記第3確率との積(継続率10%なら5.5%、継続率90%なら13.3%)の方が、前記第2確率と前記第4確率との積(継続率10%なら0.8%、継続率90%なら1.0%、図131)よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果とそれよりも当選しにくい第2特定結果とがあって、第1特定結果を契機とする特定報知の実行判定よりも第2特定結果を契機とする特定報知の実行判定の方が当選し易い構成において、第1特定結果の当選確率(第1確率)と第1特定結果を契機とする特定報知の実行判定の当選確率(第3確率)との積の方が、第2特定結果の当選確率(第2確率)と第2特定結果を契機とする特定報知の実行判定の当選確率(第4確率)との積よりも大きくなるように設定されていることから、実質的に第1特定結果を契機とする特定報知の方が第2特定結果を契機とする特定報知の方が発生し易い構成となる。このようにすることで、所謂レア役としての第2特定結果を契機として特定報知が実行され易いとはいえ、なかなか第2特定結果当選とならずに、事実上、特定報知が実行される機会がさほどない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。よって、ゲームの抽選結果として比較的当選し易い第1特定結果であっても特定報知が行われることに期待させることができ、特定報知を利用した注目度向上効果を好適に奏する構成とすることが可能となる。
特徴bA6.前記実行判定手段は、少なくとも特別数(10)の前記特定遊技にて、前記特定報知を実行することの実行判定を行う構成であり、
前記第1確率は第1特定数(1.04)分の1の確率であり、
前記特別数よりも前記第1特定数の方が小さくなるように設定されていることを特徴とする特徴bA5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が実行され得る(実行判定が行われる)特別数の遊技中に、第1特定結果となる特定遊技が少なくとも1回は生じるように各確率が設定されていることから、特定報知が実行される機会を好適に確保することが可能となる。
特徴bA7.前記実行判定手段は、少なくとも特別数(10)の前記特定遊技にて、前記特定報知を実行することの実行判定を行う構成であり、
前記第2確率は第2特定数(28.4)分の1の確率であり、
前記特別数よりも前記第2特定数の方が大きくなるように設定されていることを特徴とする特徴bA5又は特徴bA6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が実行され得る(実行判定が行われる)特別数の遊技中に、第2特定結果となる特定遊技が1回も生じない可能性が高くなるように各確率が設定されていることから、第1特定結果を契機とする特定報知が実行され易くなるように設定する意義が高められる。
特徴bA8.前記実行判定手段は、少なくとも特別数(10)の前記特定遊技にて、前記特定報知を実行することの実行判定を行う構成であり、
前記第1確率は第1特定数(1.04)分の1の確率であり、
前記第1確率と前記第3確率との積は第3特定数分の1(継続率10%なら約18.2分の1、継続率90%なら7.52分の1)であり、前記第2確率と前記第4確率との積は第4特定数分の1(継続率10%なら約122分の1、継続率90%なら約105分の1)であり、
前記第3特定数は前記特別数よりも小さい値となり得る一方、前記第4特定数は前記特別数よりも小さい値とならないように設定されていることを特徴とする特徴bA5乃至特徴bA7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成よれば、特定報知が実行され得る(実行判定が行われる)特別数の遊技中に、第1特定結果を契機とする特定報知は少なくとも1回は発生し得る一方、第2特定結果を契機とする特定報知は1回も発生しない可能性が高くなるように設定されていることから、せっかく用意した特定報知が実行されないといった事象を生じさせないようにし、且つゲームの抽選結果として比較的当選し易い第1特定結果への期待感を高めることが可能となる。
特徴bA9.前記特定報知手段により前記特定報知が行われた後、少なくとも前記有利事象が生じるまで前記特定報知の実行を制限する制限手段(表示制御装置81による発生済みフラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が実行された後は、有利事象が生じるまで再度の特定報知の実行が制限されることから、特定報知を見逃さないようにしたい遊技者心理を利用して、遊技演出への注目度を好適に高めることができる。
特徴bA10.前記特定報知として、第1特定報知(例えば、VS表示における特定演出)と、当該第1特定報知と遊技者が識別可能な程度に報知態様が異なる第2特定報知(例えば、味方キャラアップにおける特定演出)とが設定されており、
前記特定報知手段は、前記特定遊技のうち、第1特定遊技(セット1ゲーム目)にて前記特定報知を実行する場合は前記第1特定報知を実行し、前記特定遊技のうち、前記第1特定遊技とは異なる第2特定遊技(セット2~4ゲーム目)にて前記特定報知を実行する場合は前記第2特定報知を実行する構成であることを特徴とする特徴bA9に記載の遊技機。
上記構成によれば、一旦特定報知が実行された場合にはそれ以降の特定報知の実行が制限される構成において、各ゲームで実行され得る特定報知の報知態様が異なるように設定されていることから、より注意深く特定報知の発生を確認しようとしていなければ、特定報知の実行を見逃してしまう可能性が高くなる。このようにすることで、特定報知への期待感を通じて、遊技演出への注目度を高める効果をより向上させることが可能となる。
特徴bA11.前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果とは異なる結果であって、前記特定タイミングよりも前の前記特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果に基づき前記有利事象を生じさせることの有利判定を実行する第2有利判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)を備え、
前記有利実行手段は、前記第2有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果である場合、前記特定タイミングにて前記有利事象を生じさせる構成であり、
前記実行判定手段は、前記第2有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であって前記特定タイミングよりも前の状況にて実行される特定遊技においても、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果である場合、前記特定報知を実行することの実行判定を行うことを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定手段による有利判定の結果が有利結果とならなくても、特定タイミングとなるよりも前に第2有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となれば、特定タイミングにて有利事象が生じるようになる。そして、当該第2有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となった場合においても、特定タイミングよりも前の特定遊技において特定結果である場合に、特定報知が実行され得るようになる。この場合、第2有利判定手段による有利判定は抽選手段による抽選結果に基づき行う構成としていることから、有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となったことを各ゲームの抽選結果に応じて特定報知として報知する構成において、実際に各ゲームの抽選結果に応じて有利事象が生じることとなる特定報知も行われるようになる構成となる。このようにすることで、有利判定手段によって事前に有利結果となっている状況において、あたかも各ゲームの抽選結果に応じて有利結果となって特定報知が実行されている印象を更に強めることが可能となる。
なお、上記構成における「第2有利判定手段」との関係性を明確化すべく、特徴bA1における「有利判定手段」を「第1有利判定手段」と表現してもよい。
特徴bA12.前記特定結果として第1特定結果(通常役)と、当該第1特定結果とは異なる第2特定結果(特定役)と、が設定されており、
前記抽選手段は第1確率にて前記第1特定結果となるように前記抽選を行い、且つ前記第1確率よりも低い確率である第2確率にて前記第2特定結果となるように前記抽選を行うものであり、
前記第2有利判定手段は、前記特定遊技における前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合は有利判定を行う一方、前記第1特定結果である場合は前記有利判定を行わない構成、又は前記特定遊技における前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合の方が前記第1特定結果である場合よりも前記有利結果となり易いように有利判定を行う構成であり、
前記特定報知手段は、前記特定遊技における前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であることを契機として前記特定報知を実行する割合の方が、前記第2特定結果であることを契機として前記特定報知を実行する割合よりも多くなるように設定されていることを特徴とする特徴bA11に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2有利判定手段による有利判定では、第1特定結果よりも当選しにくい第2特定結果である場合の方が有利結果となり易いことを前提としながら、特定報知は、第1特定結果を契機とする特定報知の方が第2特定結果を契機とする特定報知よりも発生し易い構成としており、このような構成とすることで、第2有利判定手段による有利判定にて有利結果となる事象を生じ易くし過ぎないようにしながらも、あたかも第1特定結果を契機として有利事象が生じる場合がある印象を強く与えることが可能となる。よって、出玉率が高騰してしまうことを回避しながらも、特定遊技においては、抽選結果として当選し易い第1特定結果ですら注目度を高めることができ、有利事象が生じるまでの特定遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴bA13.前記特定結果として第1特定結果(通常役)と、当該第1特定結果とは異なる第2特定結果(特定役)と、が設定されており、
前記抽選手段は第1確率にて前記第1特定結果となるように前記抽選を行い、且つ前記第1確率よりも低い確率である第2確率にて前記第2特定結果となるように前記抽選を行うものであり、
前記実行判定手段は、前記第2特定結果を契機として前記第2有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となった場合、前記第1特定結果となる前記特定遊技にて前記対応結果となるように前記実行判定を行うことが可能な手段(表示制御装置81において、特定役にて上乗せ当選して継続コマンドを受信したゲームにおいて、特定演出抽選に非当選であれば当該ゲームでは特定演出を実行せず、その後の通常役であるゲームにて特定演出抽選に当選となることに基づいて特定演出を行うことが可能なように設定された特定演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bA11又は特徴bA12に記載の遊技機。
上記構成によれば、比較的当選しにくい第2特定結果を契機とする第2有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となった場合であっても、当該第2特定結果となった特定遊技ではなく、第1特定結果となる特定遊技にて特定報知が実行される場合があるようになり、第1特定結果を契機とする有利判定の結果が有利結果となる確率が高くなり過ぎないようにしながらも、第1特定結果であっても有利判定の結果が有利結果となることへの期待感を疑似的に高めることが可能となる。
特徴bA14.前記特定結果として第1特定結果(通常役)と、当該第1特定結果とは異なる第2特定結果(特定役)と、が設定されており、
前記抽選手段は第1確率にて前記第1特定結果となるように前記抽選を行い、且つ前記第1確率よりも低い確率である第2確率にて前記第2特定結果となるように前記抽選を行うものであり、
前記実行判定手段は、前記第2特定結果を契機として前記第2有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となった場合、当該第2特定結果となった前記特定遊技にて前記対応結果となるように前記実行判定を行うことが可能な手段(表示制御装置81において、特定役にて上乗せ当選して継続コマンドを受信したゲームにおいて、特定演出抽選に当選であれば当該ゲームにて特定演出を行うことが可能なように設定された特定演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bA11乃至特徴bA13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、比較的当選しにくい第2特定結果を契機とする第2有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となった場合、当該第2特定結果となった特定遊技にて特定報知が実行される場合があるようになる。このように、特定遊技において所謂レア役としての第2特定結果に当選した場合にそれを契機として有利事象が生じることを特定報知によって報知することで、特定遊技において第2有利判定手段による有利判定が実際に実行されている印象を強く与えることが可能となり、これにより、所定の判定契機に基づいて行われる有利判定の結果ではなく、特定遊技において実行される第2有利判定手段による有利判定の結果として有利事象が生じているように思わせる効果を高めることができる。
特徴bA15.前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であって、前記特定タイミングよりも前の前記特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果に基づき前記有利事象を生じさせることの有利判定を実行する第3有利判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)を備え、
前記有利実行手段は、前記第3有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果である場合、前記有利判定手段による判定結果に基づく前記有利事象が生じた後、前記第3有利判定手段による判定結果に基づく前記有利事象が生じるようにすることが可能な構成であり、
前記実行判定手段は、前記第3有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果とは異なる結果となる前記特定遊技にて前記対応結果となるように前記実行判定を行うことが可能な手段(表示制御装置81による非当選コマンドに基づき特定演出を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定手段による有利判定の結果が有利結果である場合において、特定タイミングとなるよりも前に第3有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となれば、特定タイミングにて有利判定手段の判定結果に基づいて有利事象が生じ、更にその後に第3有利判定手段の判定結果に基づいて有利事象が生じる、といったように、所謂有利事象の上乗せが行われる場合があるようになる。そして、上記構成では、有利判定手段による有利判定の結果が有利結果である場合において、第3有利判定手段による有利判定の結果が有利結果ではない場合に特定報知が実行されるようにしたことから、特定遊技において第3有利判定手段による有利判定の当選確率を高めすぎることなく、あたかも特定遊技の抽選結果に応じて有利結果となって特定報知が実行されている印象を更に強めることが可能となる。
なお、上記構成における「第3有利判定手段」との関係性を明確化すべく、特徴bA1における「有利判定手段」を「第1有利判定手段」と表現してもよい。
特徴bA16.前記有利判定手段は、前記所定の判定契機が生じた遊技における前記抽選手段による抽選結果に関わらず前記有利判定を行うことを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定手段による有利判定の結果に基づき有利事象が生じる構成を、あたかもその後の特定遊技の結果として有利事象が生じているように印象付けるうえで、有利判定手段による有利判定が行われた遊技ではなく、その後の特定遊技における抽選手段による抽選結果に有利事象が強く関連付けられた印象を与えることが可能となり、特定遊技の結果として有利事象が生じている印象付けを行い易くすることができる。
特徴bA17.前記特定遊技として、前記特定報知が実行され得る第1特定遊技(例えば、対峙演出が行われるゲーム)と、前記特定報知が実行されない又は前記第1特定遊技よりも前記特定報知が実行されにくい第2特定遊技(例えば、バトル演出が行われるゲーム)と、が設定されており、
前記第1特定遊技の後に前記第2特定遊技が実行され、その後、前記特定タイミングが生じることを特徴とする特徴bA1乃至特徴bA16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定が行われた後、特定報知が行われ得る第1特定遊技を経て、特定報知が行われない又は行われにくい第2特定遊技が実行され、その後、有利事象が生じ得るようになる。このようにすることで、特定報知が行われるタイミングが限定的なものとなり、当該特定報知の希少性が高められることを通じて特定報知への注目度を向上させることが可能となる。しかも、特定報知が発生し得る第1特定遊技と有利事象との間に、特定報知が発生し得ない第2特定遊技が介在する構成としていることから、例えば第2特定遊技にて特定報知とは別の演出にて有利事象発生の有無を報知する構成とする場合に、当該報知と特定報知とが混在することによって注目が分散化されてしまうことを好適に解消することも可能となる。
特徴bA18.前記第2特定遊技にて、所定報知(例えば、味方攻撃演出や敵攻撃演出)の実行後、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であることに対応する有利内容(味方勝利演出)及び前記有利結果とは異なる結果であることに対応する非有利内容(敵勝利演出)を含む内容報知のいずれかを実行する対応報知を実行可能な対応報知手段(表示制御装置81によるバトル演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bA17に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知の実行後、有利内容又は非有利内容を含む内容報知のいずれかが行われる対応報知が第2特定遊技にて行われて有利判定の結果が報知される構成において、当該第2特定遊技では特定報知が行われないようにしていることから、有利結果演出を楽しませるうえで、特定報知の発生により注意が散漫となってしまって対応報知を存分に楽しませることができないといった不都合を解消することができるし、仮に第1特定遊技にて特定報知が行われていた場合には、その特定報知の発生を把握している遊技者だけが、第2特定遊技における対応報知が有利内容となることを把握している、といったように優越感に浸らせながら対応報知を楽しませることができ、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
なお、上記特徴bA1乃至特徴bA18に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bA1乃至特徴bA18の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bB群>
特徴bB1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態は、単位状態(ATセット)として特定数(18ゲーム)以上の遊技を実行可能に構成され、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記継続条件が成立している前記単位状態であって、当該単位状態が終了する遊技よりも前の遊技において、前記継続条件が成立していることに対応する特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による特定演出抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段による実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する対応結果である場合、前記特定報知を実行する特定報知手段(表示制御装置81による特定演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記有利状態として、第1有利状態(継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも前記継続条件が成立し易い第2有利状態(継続率90%のATモード)とが設定されており、
前記継続条件が成立している状況において、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が、前記特定報知手段による前記特定報知が実行され易くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態は、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。
そして、継続条件が成立している単位状態において、当該単位状態が終了するよりも前に、継続条件が成立していることに対応する事前告知としての特定報知が行われる場合があるようにしていることから、継続条件が成立していることを確定させて安心したい遊技者心理を利用して、特定報知への期待感を煽り、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
しかも、有利状態は、第1有利状態と、それよりも継続条件が成立し易い第2有利状態とが設定されており、上記の事前告知としての特定報知は、第1有利状態よりも第2有利状態の方が発生し易いように設定されている。そのため、特定報知の発生は、単に当該単位状態における継続条件の成立を示すものではなく、その発生タイミング等によって単位状態の継続率を示すものとなる。つまり、特定報知が発生した場合には、単位状態が継続することだけでなく、単位状態の継続率が高いことをも示唆することにつながり、特定報知への期待感をより高めることが可能となる。
それだけでなく、上記構成のように、継続率が高いほど特定報知が発生し易い構成とすることで、単位状態が開始されてから特定報知が発生するまでの遊技数は、継続率が高い有利状態ほど少なくなり、継続率が低いほど多くなる。
ここで、遊技者が特定報知の発生を心待ちにしていることを前提とするならば、一の単位状態において、特定報知が発生するか否かを楽しみにする遊技数、すなわち、特定報知が発生するまでの遊技数が多いほど、当該単位状態のドキドキ感を存分に楽しませることにつながると考えられる。その点、上記のように継続率が低いほど特定報知が発生するまでの遊技数が多くなるようにしているため、継続率が低い有利状態であっても特定報知が発生するか否かのドキドキ感を存分に楽しませることが可能な構成となる。また、逆に、継続率が高いほど、一の単位状態における特定報知が発生するまでの遊技数は少なくなり得るものの、単位状態の繰り返し回数が多くなることを通じて、一の単位状態における当該特定報知が発生するまでの遊技数が少ないことを補うことが可能となる。以上の結果、各継続率において、特定報知が発生することを期待させる遊技を存分に楽しませることが可能となる。
特徴bB2.前記実行判定手段は、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記特定報知を実行することの実行判定を行うことを特徴とする特徴bB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知を実行することの実行判定が行われるため、単に特定報知が行われることに期待させるだけではなく、各ゲームの抽選結果に対しても注目させることが可能となる。特に、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知が行われるようにすることで、継続条件の成否が各ゲームの抽選結果に応じて決定されている印象を与えることも可能であり、各ゲームの注目度を好適に高めることが可能である。
特徴bB3.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果である場合、前記実行判定手段による前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が高くなるように設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率は、前記第1有利状態と前記第2有利状態とで同じ確率又は略同じ確率に設定されていることを特徴とする特徴bB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、ゲームの抽選結果が有利状態の種類に関わらず同じ当選確率である特定結果である場合、実行判定の判定結果が実行結果となる確率が第1有利状態よりも第2有利状態の方が高くなるように設定されていることから、結果的に第1有利状態よりも第2有利状態の方が特定報知の発生率が高くなる。このようにすることで、各ゲームの抽選結果の当選確率を各有利状態によって異ならせなくても、特定報知の実行抽選の当選確率を変更するだけで、特徴bB1の優れた効果を期待することが可能となる。
特徴bB4.前記単位状態の更新を行う更新手段(主制御装置101によるATモード用処理を実行する機能)と、
前記更新手段による前記単位状態の更新が行われる場合に、前記継続条件が成立していることの成立判定を行う成立判定手段(主制御装置101による継続判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記成立判定手段による成立判定の結果が前記継続条件が成立していることに対応する成立結果となる確率が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が高くなるように設定されており、
少なくとも前記更新手段及び前記成立判定手段を備える第1制御装置(主制御装置101)と、当該第1制御装置とは異なる制御装置であって、前記実行判定手段及び前記特定報知手段を備える第2制御装置(表示制御装置81)と、
を有していることを特徴とする特徴bB1乃至特徴bB3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態の更新時に継続条件の成否の成立判定が行われ、継続率の高低は、当該成立判定にて継続条件が成立していると判定する確率に依存することになる。そして、単位状態の更新と継続条件の成立判定を第1制御装置にて行い、特定報知の実行判定や特定報知の実行は第2制御装置にて行う構成とすることで、機能の分散化を通じて処理負荷の局所的な増大化を防止することが可能となる。
なお、「更新手段」について、「前記継続条件が成立している状況で前記単位状態が終了する場合、次の単位状態へ移行するように前記単位状態の更新を行う更新手段」と限定してもよい。
また、「成立判定手段」について、「前記更新手段により前記継続条件が成立している前記単位状態が終了される場合に、又は前記更新手段により更新されて新たな前記単位状態が開始される場合に、前記継続条件が成立していることの成立判定を行う成立判定手段」と限定してもよい。
特徴bB5.前記成立判定手段は、前記成立判定を行う遊技における前記抽選手段による抽選結果に関わらず、当該成立判定を行う構成であることを特徴とする特徴bB4に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件の成否判定は、ゲームの抽選結果に関わらず、有利状態の種類に応じて設定されている継続率にて行われる。このようにすることで、継続条件の成否を行ううえでの処理構成を極端に簡素なものとすることができるし、ゲームの抽選結果によって設計値を凌駕するほど、単位状態が継続してしまうといった事象の発生を好適に抑制することが可能となる。
なお、上記構成は以下のように表現してもよい。
「前記成立判定手段は、前記成立判定を行う遊技における前記抽選手段による抽選結果に関わらず、前記第1有利状態においては第1確率にて当該成立判定を行い、前記第2有利状態においては第2確率にて当該成立判定を行うことを特徴とする特徴bB4に記載の遊技機」。
特徴bB6.前記継続条件が成立していない前記単位状態において、前記抽選手段による抽選結果に基づき当該単位状態における前記継続条件を成立させることの第2成立判定を実行する第2成立判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)を備え、
前記第2成立判定手段は、前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれにおいても共通の確率にて前記第2成立判定を行う構成であることを特徴とする特徴bB4又は特徴bB5に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態の更新時に行われる継続判定の判定結果が継続条件が成立していないとする結果であったとしても、更新後の単位状態におけるゲームの抽選結果に応じて継続条件を成立させる第2成立判定が行われるようにしていることから、各ゲームの抽選結果への注目度を好適に高めることができる。しかも、第2成立判定は、有利状態の継続率の高低に依存することなく、各ゲームの抽選結果に応じて行われる構成としていることから、例えば、低い継続率の有利状態であるからといって、あきらめさせることなく、遊技への関心低下を好適に抑止することができる。
なお、「前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれにおいても共通の確率にて前記第2成立判定を行う」との記載は、「前記抽選手段による抽選結果が第1結果である場合、前記第1有利状態であれば、第1の確率にて前記継続条件が成立させることに対応する成立結果となるように前記第2成立判定を行い、前記第2有利状態であれば、前記第1の確率にて前記成立結果となるように前記第2成立判定を行い、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果である場合、前記第1有利状態であれば、前記第1の確率とは異なる第2の確率にて前記成立結果となるように前記第2成立判定を行い、前記第2有利状態であれば、前記第2の確率にて前記成立結果となるように前記第2成立判定を行う」といったように、第2成立判定は、有利状態の種類に依存することなく各ゲームの抽選結果に応じて第2成立判定を行う構成出ればよく、ゲームの抽選結果に応じて継続条件を成立させる確率が異なることを除外するものではない。
特徴bB7.前記実行判定手段は、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記特定報知を実行することの実行判定を行い、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第1特定結果(外れ結果)である場合、前記実行判定手段による前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が高くなるように設定されている一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果とは異なる第2特定結果(スイカ)である場合、前記実行判定手段による前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率が、前記第2有利状態よりも前記第1有利状態の方が高くなるように設定されており、
前記抽選手段は、前記抽選の結果が前記第1特定結果となる確率の方が前記第2特定結果となる確率よりも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴bB1乃至特徴bB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知を実行することの実行判定が行われるため、単に特定報知が行われることに期待させるだけではなく、各ゲームの抽選結果に対しても注目させることが可能となる。特に、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知が行われるようにすることで、継続条件の成否が各ゲームの抽選結果に応じて決定されている印象を与えることも可能であり、各ゲームの注目度を好適に高めることが可能である。
しかも、ゲームの抽選結果が第1特定結果であれば第1有利状態のほうが第2有利状態よりも特定報知が実行され易く、第2特定結果であれば第1有利状態よりも第2有利状態の方が特定報知が実行され易くなるように設定されており、ゲームの抽選結果として第1特定結果の方が第2特定結果よりも出現し易くなるようにしていることから、トータル的に第1有利状態の方が第2有利状態よりも特定報知が実行され易くなる構成を、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知の発生率の高低が異なる構成としながらも実現することが可能となる。このようにすることで、継続率の高低を特定報知の発生率から予測する遊技性や、特定報知が発生するまでのドキドキ感を提供する遊技数を継続率の高低に応じて異ならせる遊技性において、ゲームの抽選結果と特定報知の発生率との関係で多様なものとすることができ、遊技性を好適に向上させることが可能となる。
特徴bB8.前記特典付与手段により付与される前記特典の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数設定されており、当該複数の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)と、
前記設定手段により設定されている設定値に対応する特別報知を実行可能な特別報知手段(例えば、表示制御装置81による示唆演出設定処理やエンディングゲーム数の抽選処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1有利状態と前記第2有利状態とで、前記特別報知手段による前記特別報知の実行確率又は実行態様が異なっていることを特徴とする特徴bB1乃至特徴bB7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態の継続率に応じて設定値の示唆演出としての特別報知の実行確率や実行態様が異なっているため、単に一の有利状態が長く継続すべく高い継続率であることを期待する遊技性だけではなく、その有利状態が特別報知により設定値の判別や予測を行い易い継続率であることを期待する遊技性も追加することが可能となり、遊技の興趣性を好適に向上させることが可能となる。
この場合、継続率の高低は特定報知の発生率により予測・判別できる構成としているところ、特別報知が発生した場合、特定報知により予測・判別している継続率との関係から設定値の絞り込みを行うといった構成となることから、設定値の予測・判別を行うための判断材料を獲得する、といった意味で、特定報知への注目度がより高められる。
なお、「特別報知手段」について、以下のように表現することも可能である。
「遊技者にとって有益な特別情報(設定値、ATセットカウンタの情報)に対応する特別報知を実行可能な特別報知手段(例えば、表示制御装置81による示唆演出設定処理やエンディングゲーム数の抽選処理や、ATセットカウンタの示唆演出を行うための処理を実行する機能)」。
特徴bB9.前記設定手段により第1設定値(設定1,2)が設定されている場合、前記第1有利状態では前記特別報知手段による前記特別報知が第1態様(長いエンディングゲーム数)にて実行され易い一方、前記第2有利状態では前記特別報知手段による前記特別報知が第2態様(短いエンディングゲーム数)にて実行され易い構成であり、
前記設定手段により前記第1設定値とは異なる第2設定値(設定5,6)が設定されている場合、前記第1有利状態では前記特別報知手段による前記特別報知が前記第2態様にて実行され易い一方、前記第2有利状態では前記特別報知手段による前記特別報知が前記第1態様にて実行され易い構成であることを特徴とする特徴bB8に記載の遊技機。
上記構成は特徴bB8の具体的構成の一態様であり、上記構成のように特別報知の態様と継続率(有利状態の種類)とによって設定値の絞り込みを行うことが可能な構成とすることで、特定報知への注目度を相乗的に向上させることが可能となる。
特徴bB10.前記特別報知手段は、前記特定報知手段による前記特定報知が行われることにより、前記特別報知を実行可能となる構成であることを特徴とする特徴bB8又は特徴bB9に記載の遊技機。
上記構成のように、継続率に応じて発生確率の異なる特定報知が実行されることによって、設定示唆としての特別報知が実行可能となる構成とすることで、設定値を把握したい遊技者心理を利用してその前段階としての特定報知への注目度を高めることが可能となる。
特徴bB11.前記特別報知手段は、前記継続条件が成立していない前記単位状態において前記特別報知を実行する構成、又は、前記継続条件が成立していない前記単位状態を終了する場合に前記特別報知を実行する構成であることを特徴とする特徴bB8乃至特徴bB10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態が長く継続することを期待しながら確認する特定報知と、有利状態が終了する際に行われる設定示唆としての特別報知とを確認する状況が明確に区別される構成となり、両報知を確認しようとするあまり報知を見逃してしまう事象を回避することが可能となるし、両報知を同じ状況で生じさせようとするための処理負荷の増大化についても好適に回避することが可能となる。そして、例えば、少ない単位状態の更新回数にて有利状態が終了してしまったとしても、その終了が、そもそも低い継続率(第1有利状態)であったことに起因することなのか、それとも高い継続率(第2有利状態)であったのにもかかわらずたまたま継続条件が成立しなかったことに起因する事なのかを、特別報知が実行される状況までに把握しておくことで、設定値の絞り込みが可能となる構成となる。このようにすることで、特定報知に基づく継続率を予測・把握する意義を好適に高めることが可能となるし、有利状態が終了する場合であっても、それまでに継続率を把握していれば、設定値の予測を行うやる気を高めることができ、有利状態終了に際して気持ちを切り替えさせることが可能となる。
特徴bB12.一の前記単位状態において、前記特定報知手段により前記特定報知が実行された後、当該特定報知手段による前記特定報知の実行を制限する手段(表示制御装置81による発生済みフラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bB1乃至特徴bB11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の単位状態において、事前告知としての特定報知が実行された後は、再度の特定報知の実行が制限される。つまり、単位状態の継続率が高いほど特定報知が発生し易い構成において、継続率が高いほど特定報知が行われた後、単位状態の更新が行われるまでの遊技数が多くなる。言い換えると、継続率が低いほど、特定報知が行われた後、単位状態の更新が行われるまでの遊技数が少なくなり、特定報知が行われるまでの遊技数は相対的に多くなる。
ここで、遊技者が特定報知の発生を心待ちにしていることを前提とするならば、一の単位状態において、特定報知が発生するか否かを楽しみにする遊技数、すなわち、特定報知が発生するまでの遊技数が多いほど、当該単位状態のドキドキ感を存分に楽しませることにつながると考えられる。その点、上記のように継続率が低いほど特定報知が発生するまでの遊技数は多くなるため、継続率が低い有利状態であっても特定報知が発生するか否かのドキドキ感を存分に楽しませることが可能な構成となる。また、逆に、継続率が高いほど、一の単位状態における特定報知が発生するまでの遊技数は少なくなり得るものの、単位状態の繰り返し回数が多くなることを通じて、一の単位状態における当該特定報知が発生するまでの遊技数が少ないことを補うことが可能となる。以上の結果、各継続率において、特定報知が発生することを期待させる遊技を存分に楽しませることが可能となる。
なお、上記特徴bB1乃至特徴bB12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bB1乃至特徴bB12の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bC群>
特徴bC1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態は、予め定められた特定数(18ゲーム)以上の遊技を一の単位状態とし、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記継続条件が成立していない状況において、前記抽選手段による抽選結果が第1結果(例えばチェリーA等の特定役)である場合に前記継続条件を成立させることの成立判定を行う一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果(例えば、押し順ベル等の通常役)である場合には前記成立判定を行わない、又は前記第1結果である場合よりも前記継続条件が成立しにくくなるように前記成立判定を実行する成立判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)と、
前記継続条件が成立している前記単位状態において、当該単位状態が終了するよりも前に、前記継続条件が成立していることに対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81による特定演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である遊技よりも前記第2結果である遊技の方が、前記特定報知手段による前記特定報知が行われ易くなっていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態は、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。しかも、継続条件が成立していない単位状態において、ゲームの抽選結果が第1結果である場合には、第2結果である場合よりも、当該単位状態における継続条件が成立し易い成立判定が行われ得るようにしており、単位状態中の各ゲームの抽選結果への注目度が好適に高められる。
しかし、例えば、単位状態のゲーム数としての特定数や第1結果の当選確率からして、一の単位状態中に第1結果当選となることは稀となる場合があり、そのような構成においては、せっかく用意している成立判定に対して、遊技者はさほど期待を寄せなくなってしまう可能性もある。かといって、特定数を多くしたり第1結果の当選確率を高くし過ぎたり、更には成立判定の当選確率を高くし過ぎたりしてしまうと、出玉率が高騰してしまう可能性も否めない。
そこで、上記構成においては、継続条件が成立している単位状態において当該単位状態が終了するよりも前に、継続条件が成立していることに対応する特定報知が発生し得るようにしたうえで、当該特定報知を第1結果よりも第2結果であるゲームにて発生し易くなるように設定したことから、今回の単位状態における継続条件が、第2結果となったゲームにて成立したかのような印象を与えることが可能となる。このようにすることで、特定数を多くしたりする等しなくても、成立判定への期待感を好適に高めることが可能となる。
特徴bC2.前記成立判定手段による前記成立判定の結果が前記継続条件を成立させることに対応する成立結果となる遊技において、前記特定報知手段による前記特定報知の実行を制限する手段(表示制御装置81により継続コマンドを受信したゲームであっても、特定演出抽選に非当選であれば特定演出を行わないようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件を成立させることに対応する成立結果となったゲームでは特定報知の実行が制限されることから、第1結果である場合の方が第2結果である場合よりも成立判定の結果が成立結果となり易い構成としながらも、第1結果であるゲームにて特定報知が行われにくくすることが可能となる。このようにすることで、第2結果であるゲームへ期待感を寄せさせることが可能となる。
なお、上記構成は、成立判定手段による成立判定の結果が継続条件を成立させることに対応する成立結果となる遊技において、特定報知手段により特定報知が実行されることを否定するものではなく、少なくとも成立結果となる遊技において特定報知が実行されない場合がある構成であればよい。但し、成立結果となる遊技において特定報知が完全に実行されないような構成としてもよく、その場合、上記記載の効果をより明確に期待することができるようになる。
特徴bC3.前記継続条件が成立している状況において、当該単位状態の次回以降の単位状態の継続条件を成立させることの成立判定を行う第2成立判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記第2成立判定手段による前記成立判定の結果が前記継続条件を成立させることに対応する成立結果とならない遊技において、前記特定報知が実行されるようにする非成立用手段(表示制御装置81による非当選コマンドを受信したことに基づく特定演出を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bC1又は特徴bC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、次回以降の継続条件を成立させる、といった所謂上乗せ判定としての成立判定の結果が成立結果とならず、上乗せ判定に非当選であった場合、当該ゲームにて特定報知が実行され得るようになる。このようにすることで、単位状態の継続率を高くし過ぎないようにしながらも、特定報知を実行する機会を増やすことが可能となり、各ゲームにて特定報知が行われることへ注目させることが可能となる。
特徴bC4.前記第2成立判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合に前記成立判定を行う一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第2結果である場合には前記成立判定を行わない、又は前記第1結果である場合よりも前記継続条件が成立しにくくなるように前記成立判定を実行する構成であり、
前記非成立用手段は、前記第1結果に基づく前記第2成立判定手段による前記成立判定の結果が前記成立結果とならない遊技において前記特定報知が実行されるようにする一方、前記第2結果に基づく前記第2成立判定手段による前記成立判定の結果が前記成立結果とならない遊技においては前記特定報知が実行されないようにする又は前記第1結果に基づく場合よりも前記特定報知が実行されにくくなるように設定されていることを特徴とする特徴bC3に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件が成立している状況において、第1結果に基づく第2成立判定手段による成立判定にて非当選となった場合に特定報知が実行され易くなる。このようにすることで、第2成立判定手段による成立判定の当選確率を高めすぎることなく特定報知の発生率を高めることが可能となる。しかも、第1結果である場合の方が第2結果である場合よりも当該第2成立判定手段による成立判定に当選し易い構成であることからして、第1結果と特定報知との関連付けを行い易く、第1結果時の特定報知の信頼性(今回の第1結果に基づいて継続条件が成立したとの信頼性)を高めることも可能となる。
特徴bC5.前記単位状態において、所定報知を実行した後、当該単位状態の前記継続条件が成立していることに対応する有利内容及び前記継続条件が成立していないことに対応する非有利内容を含むいずれかの内容報知を実行する対応報知を実行可能な対応報知手段(表示制御装置81によるバトル演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記成立判定手段による前記成立判定の結果が前記継続条件が成立していることに対応する成立結果となった場合であっても、前記対応報知手段による前記対応報知の実行に対応する遊技において前記特定報知手段による前記特定報知の実行を制限する手段(表示制御装置81によるバトル演出中は特定演出を行わないようにする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴bC1乃至特徴bC4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知の後に有利内容や非有利内容の内容報知によって継続条件の成否が報知される、といった対応報知が行われる遊技においては、仮に成立判定手段による成立判定の結果として継続条件が成立することとなったとしても、特定報知の実行が制限される。このようにすることで、せっかく用意している対応報知への関心低下を好適に回避することができる。
特徴bC6.前記対応報知手段は、前記対応報知を開始してから、前記成立判定手段による前記成立判定の結果が前記成立結果となった場合、当該対応報知における前記内容報知を前記有利内容に変更する手段(表示制御装置81によるバトル書き換え用の処理として例えばステップSb2014、ステップSb2015の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bC5に記載の遊技機。
上記構成によれば、対応報知中に継続条件が成立した場合に特定報知の実行が制限される構成であっても、対応報知における内容報知の書き換えは行われるため、対応報知と継続条件の成否との矛盾が生じないようにすることができる。
特徴bC7.前記成立判定手段による前記成立判定の結果が前記継続条件を成立させることに対応する成立結果となる遊技において、前記特定報知手段による前記特定報知の実行を許容する手段(表示制御装置81により継続コマンドを受信したゲームにおいて特定演出を行うようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bC1乃至特徴bC6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件を成立させることに対応する成立結果となったゲームでは特定報知の実行が許容される場合があるようにしていることから、第1結果である場合の方が第2結果である場合よりも成立判定の結果が成立結果となり易い構成であって、且つ第1結果である場合よりも第2結果である場合の方が特定報知が行われ易い構成において、第1結果であるゲームでも特定報知が行われる場合があるようにすることが可能となる。このようにすることで、所謂レア役としての第1結果に当選したのにも関わらず、特定報知が実行されない、といった演出上の違和感を低減することができる。
なお、上記構成は、成立判定手段による成立判定の結果が継続条件を成立させることに対応する成立結果となる遊技において、特定報知手段により特定報知が実行されないこと(特徴bC2の構成)を否定するものではなく、少なくとも成立結果となる遊技において特定報知が実行される場合がある構成であればよい。但し、成立結果となる遊技においては、特定報知が必ずに実行されるような構成としてもよい。
特徴bC8.前記継続条件が成立している前記単位状態において、前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、
前記実行判定手段は、今回の遊技にて前記成立判定手段による前記成立判定の結果が前記継続条件を成立させることに対応する成立結果となったか否かに関わらず、前記実行判定を行うことを特徴とする特徴bC1乃至特徴bC7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、成立判定手段による成立判定によって継続条件が成立したゲームか否かは関係なく、今回のゲームにおける抽選手段の抽選結果に応じて特定報知の実行判定を行う構成となる。このようにすることで、各ゲームの抽選結果に応じて成立判定を行う構成としながらも、特定報知の発生率を成立判定における当選確率とは別途設定することが可能となり、その発生率を調整することによる特徴bC1の効果を期待することが可能となる。
特徴bC9.前記継続条件が成立している前記単位状態において、前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段は第1確率にて前記第1結果となるように前記抽選を行い、且つ前記第1確率よりも高い確率である第2確率にて前記第2結果となるように前記抽選を行うものであり、
前記実行判定手段は、前記第1結果である場合は第3確率にて前記特定報知を実行するとの結果となるように前記実行判定を行い、且つ前記第2結果である場合は前記第3確率よりも低い確率である第4確率にて前記特定報知を実行するとの結果となるように前記実行判定を行うものであり、
前記第1確率と前記第3確率との積(継続率10%なら0.8%、継続率90%なら1.0%)よりも、前記第2確率と前記第4確率との積(継続率10%なら5.5%、継続率90%なら13.3%図131)の方が大きくなるように設定されていることを特徴とする特徴bC1乃至特徴bC8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果とそれよりも当選し易い第2結果とがあって、第1結果を契機とする特定報知の実行判定の方が第2結果を契機とする特定報知の実行判定よりも当選し易い構成において、第1結果の当選確率(第1確率)と第1結果を契機とする特定報知の実行判定の当選確率(第3確率)との積よりも、第2結果の当選確率(第2確率)と第2結果を契機とする特定報知の実行判定の当選確率(第4確率)との積の方が大きくなるように設定されていることから、実質的に第1結果を契機とする特定報知よりも第2結果を契機とする特定報知の方が発生し易い構成となる。このようにすることで、所謂レア役としての第1結果を契機として特定報知が実行され易いとはいえ、なかなか第1結果当選とならずに、事実上、特定報知が実行される機会がさほどない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。よって、ゲームの抽選結果として比較的当選し易い第2結果であっても特定報知が行われることに期待させることができ、特定報知を利用した注目度向上効果を好適に奏する構成とすることが可能となる。
なお、上記特徴bC1乃至特徴bC9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bC1乃至特徴bC9の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bD群>
特徴bD1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定の判定契機に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象(ATモードのセット継続)を生じさせることの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101による継続判定処理やAT上乗せ用処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果である場合、予め定められた特定タイミングにおいて前記有利事象を生じさせる有利実行手段(主制御装置101によるATモード用処理における新たなセットを開始させる処理、例えばステップSb1404~ステップSb1406の処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であって前記特定タイミングよりも前の特定状況において、前記有利結果であることに対応する特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による特定演出抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段による判定結果に基づいて、前記特定報知を実行する特定報知手段(表示制御装置81による特定演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定状況において、所定報知(例えば、味方攻撃演出や敵攻撃演出)の実行後、前記有利判定の結果が前記有利結果であることに対応する有利内容(味方勝利演出)及び前記有利結果ではないことに対応する非有利内容(敵勝利演出)を含む内容報知のいずれかを実行する対応報知を行うことが可能な対応報知手段(表示制御装置81によるバトル演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記対応報知手段により前記対応報知が行われている状況において、前記特定報知手段による前記特定報知の実行を制限する制限手段(表示制御装置81によるサブ側ATカウンタの値に応じて特定演出設定処理を行わないようにする処理等を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることの有利判定が行われ、その有利判定の結果が有利結果である場合、予め定められた特定タイミングにて有利事象が生じることから、各ゲームにて特典を得るといった遊技性に有利事象を生じさせる遊技性が追加され遊技の多様化が図られる。
このような遊技性においては、有利事象の有利度等によっては、各ゲームの抽選結果やその抽選結果に基づく特典付与よりも、有利事象を生じさせる有利判定に対して遊技者の関心が集中し得るようになり、ゲームの開始及び特典付与に遊技者の操作が関与するスロットマシンの遊技性がないがしろにされてしまう可能性が否めない。特に、有利判定の結果が有利結果であった場合、有利事象が生じるまでのゲームは、有利事象待ちのゲームとなり、遊技者の関心も大きく低下し得る。
そこで、上記構成では、有利事象を生じさせる有利判定の結果が有利結果となった後であって有利事象が生じるよりも前の特定状況において、有利結果に対応する特定報知を実行可能としたことから、有利事象が生じるよりも前の各ゲームにおいて特定報知が行われることに期待させながら遊技を行わせることが可能となる。そして、更に特定状況においては、所定報知を実行後、有利判定の結果が有利結果であることに対応する有利内容及び有利結果ではないことに対応する非有利内容を含む内容報知が行われる対応報知が実行されるようにしたことから、所定報知が行われた場合いずれの内容報知が行われるかに対して関心を寄せさせ、有利事象が発生する特定タイミングに向けて、遊技進行に合わせて演出を大いに盛り上げることが可能となる。
その一方で、上記のような最終的な内容報知によって有利判定の結果が報知される対応報知においては、内容報知が行われる遊技よりも前の遊技での報知内容(所定報知の態様)によって内容報知がある程度予測されてしまう場合があり、特に有利結果に対応する特定報知がその対応報知中に行われてしまうと、内容報知への興味が薄れ、遊技への注目度が極端に低下してしまう可能性がある。
かといって、有利事象の事前告知となる特定報知を期待する遊技者のニーズもあり、特定報知を行わない構成としてしまうことによる遊技機会の損失も懸念される。
そこで上記構成においては、対応報知中に限って特定報知の実行が制限されるようにしたことから、有利判定が行われた後、有利事象が生じるまでの特定状況において、特定報知が行われ得る遊技と、特定報知が行われず対応報知が行われる遊技とが明確に区別されるようになり、対応報知と特定報知とが重複することによる不都合を生じさせないようにしながら両報知による演出効果を好適に期待することが可能となる。
特徴bD2.前記特定状況において実行される遊技として、前記特定報知手段による前記特定報知が実行される第1特定遊技と、当該第1特定遊技の後の遊技であって前記特定報知手段による前記特定報知の実行が前記制限手段により制限され、前記対応報知手段による前記対応報知が行われる第2特定遊技とが設定されていることを特徴とする特徴bD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知後に内容報知によって有利判定の結果が報知される対応報知は、特定状況における第2特定遊技にて行われ、当該第2特定遊技よりも前の第1特定遊技にて有利結果に対応する特定報知が行われ得る構成となる。つまり、有利判定が行われた後、当該有利判定の結果を確定的に報知する特定報知が行われ得る遊技の後、所定報知を経て内容報知にて有利判定の結果が報知される対応報知が実行される遊技が設定された構成となる。このようにすることで、有利内容の対応報知が行われた後で特定報知が行われたり、有利内容の対応報知が行われたのにもかかわらず特定報知が行われない、といった演出上の重複や矛盾を生じさせないようにしながら、両報知による演出効果を期待することが可能となる。
特徴bD3.前記対応報知手段による前記対応報知における前記所定報知の態様が複数設定されており、当該複数設定された態様から今回の前記所定報知の態様を選択する選択手段(表示制御装置81によるバトル演出テーブルから今回の演出テーブルを選択する処理を実行する機能)を備え、
前記選択手段は、前記特定報知手段による前記特定報知の実行の有無に関わらず、前記所定報知の態様を選択することが可能であることを特徴とする特徴bD1又は特徴bD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、対応報知手段による所定報知の態様を選択手段が選択するにあたって、特定報知の実行の有無を把握する必要が生じない。そのため、選択手段の処理構成が圧倒的に簡素なものとなるし、特定報知を実行した場合のパターンの所定報知を記憶しておく必要がないため記憶容量の削減にも寄与することができる。
また、例えば、特定報知を前提とした構成とする場合、特定報知が発生した場合には対応報知において内容報知の時点で継続条件が成立していることを報知する確定的な報知態様を選択する、といったような態様を用意すると、そのような態様が選択されたのにもかかわらず、例えば特定報知が見逃されていた場合には、当該確定的な報知態様にて特定報知を見逃してしまったことを遊技者は後追いで知らされる、といった不都合が生じ得る。そうすると、特定報知の見逃しを防止する、といった観点から、特定報知を派手な演出態様に設定せざるを得ない事情も生じ得る。これに対して、上記構成のように、特定報知を前提とした対応報知としない演出態様とすることで、特定報知の見逃しを許容できる態様にて態様報知の態様を設定することが可能となり、特定報知自体をさほど派手な演出としなくてもよい構成となる。よって、より注意して演出に向き合わなければ特定報知の発生を把握できないような態様とすることも可能となり、特定報知を見逃さまいとする遊技者心理を利用して遊技演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴bD4.前記対応報知手段による前記対応報知における前記所定報知の態様が複数設定されており、当該複数設定された態様から今回の前記所定報知の態様を選択する選択手段(表示制御装置81によるバトル演出テーブルから今回の演出テーブルを選択する処理を実行する機能)を備え、
前記選択手段は、前記特定報知手段による前記特定報知が実行された場合には予め定められた特定態様となる前記所定報知の態様を選択する構成であり、
前記選択手段は、前記特定報知手段による前記特定報知が実行されていない場合にも前記特定態様となる前記所定報知の態様を選択することが可能であることを特徴とする特徴bD1又は特徴bD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、対応報知手段による所定報知の態様を選択手段が選択するにあたって、特定報知が実行されていれば特定態様となる所定報知の態様が選択されるようになる。このようにすることで、特定報知の実行に伴い、所定報知の態様が一の態様に定められるため、処理構成の簡素化が図られる。しかも、特定態様となる所定報知の態様は、特定報知が実行されなかった場合にも選択され得るものであるから、当該特定態様となる所定報知の態様を特定報知が実行された場合専用のものとして用意する構成と比較して、記憶容量の削減にも寄与することができるし、特定報知の見逃し防止のために当該特定報知を派手なものとする必要も生じず、特定報知への注目度も高めることが可能となる。
特徴bD5.前記選択手段により選択される前記所定報知の態様により、遊技者にとって有益となり得る特定情報(ATモードの継続率、設定値)が示唆される構成であることを特徴とする特徴bD4に記載の遊技機。
上記構成によれば、選択手段により選択される所定報知の態様によって特定情報が示唆されることを前提とするならば、特定報知の実行によって、選択手段により選択される所定報知の態様が一義的な態様(特定態様)となる特徴bD4の構成においては、特定報知が行われることによって、遊技者は特定情報を知ることができなくなる可能性がある。このような構成とすることで、特定報知を楽しみにさせながらも、それの対価として特定情報を知り得なくなるようにして、遊技の興趣向上が図られる。
特徴bD6.前記特定報知手段による前記特定報知の態様(発生率)により、前記特定情報が示唆される構成であることを特徴とする特徴bD5に記載の遊技機。
上記構成のようにすることで、特定報知が行われることによって、所定報知の態様による特定情報の示唆は行われなくなるものの、特定報知の態様から特定情報が示唆されるのであるから、特定情報を知りたい遊技者としては、より特定報知へ注目するようになる。よって、遊技の注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴bD7.前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果である場合であっても前記特定報知手段により前記特定報知が実行されない場合があるように設定されている一方、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果である場合には前記対応報知手段による前記対応報知における前記内容報知は前記非有利内容とならないように設定されていることを特徴とする特徴bD1乃至特徴bD6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定の結果が有利結果であれば、対応報知においては必ず有利内容となるものの、特定報知は実行されない場合がある。このようにすることで、基本的には対応報知によって有利判定の結果が明確に報知されることを前提としながら、特定報知によってその内容報知の如何を知ることもできる場合がある、といったように特定報知を対応報知の補助的な報知として解釈させることができる。よって、特定報知によって内容報知の如何を知ることのお得感を提供することができ、特定報知を楽しみにさせることが可能となる。
特徴bD8.前記特定状況にて実行される遊技において、所定の報知手段にて遊技報知を行う遊技報知手段(表示制御装置81による対峙演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記遊技報知手段による前記遊技報知における一部を通常態様(例えば白文字のVS表示)から特定態様(例えば赤文字のVS表示)に変更することを前記特定報知として実行する構成であり、
前記遊技報知手段は、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果である場合に前記通常態様にて前記遊技報知を実行可能であり、かつ前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果とは異なる結果である場合に前記通常態様にて前記遊技報知を実行可能であることを特徴とする特徴bD1乃至特徴bD7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知は各ゲームにて行われる遊技報知のうちの一部を通常態様から特定態様に変更して行われる。この場合、通常態様での遊技報知は、有利判定の結果が有利結果である場合にも実行されるし、有利結果ではない場合にも実行される。つまり、特定報知が行われなかったとしてもそれが有利結果ではないことを示すものではないし、特定報知は遊技報知のうちの一部が特定態様に変更されるだけであることから、それが見逃される可能性もより高くなる。このような構成とすることで、特定報知を見逃さまいとする遊技者心理を利用して遊技演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴bD9.前記実行判定手段は、前記特定状況にて実行される遊技における前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記特定報知を実行することの実行判定を行う構成であることを特徴とする特徴bD1乃至特徴bD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知は特定状況における各ゲームの抽選結果に基づいて実行判定が行われる。このようにすることで、特定報知と各ゲームの抽選結果とが密接に関連付けられ、例えば、当該特定報知が発生したゲームにおける抽選結果によって有利判定が行われ、当該有利判定にて有利結果となったという印象を与えることも可能となる。
特徴bD10.前記所定報知は複数の遊技に亘って実行される構成であり、
当該複数の遊技に亘る前記所定報知の報知態様が複数種類設定されている報知態様情報群(バトル演出テーブル)を記憶する報知態様情報記憶手段(表示制御装置81による各種テーブル記憶エリア182a)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果に基づいて、前記報知態様情報記憶手段に記憶されている前記報知態様情報群から、今回の対応報知における所定報知の報知態様を選択する報知態様選択手段(表示制御装置81による今回のバトル演出テーブルを選択する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記対応報知手段は、前記報知態様選択手段により選択された前記報知態様に基づいて前記所定報知を実行することを特徴とする特徴bD1乃至特徴bD9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、対応報知における所定報知は、複数のゲームに亘って実行されるものであり、その所定報知は、有利判定の結果に基づいて報知態様情報群から選択された報知態様にて行われる。ここで、複数のゲームに亘って所定報知を行う構成において、当該所定報知を実行するゲームにて特定報知を行う場合があるような構成とすると、各ゲームで所定報知の報知態様を決定する必要が生じるし、そのような各ゲームで所定報知の報知態様を決定する構成でなければ、実行する特定報知やその後の内容報知との整合が取れなくなる可能性もある。その点、上記のように対応報知を実行するゲームでは特定報知の実行が制限されていることから、各ゲームで所定報知の報知態様を決定する構成とする必要がなく、比較的簡素な構成にて対応報知を行うことが可能となる。
特徴bD11.前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となる確率が異なる第1有利状態(継続率10%のATモード)と第2有利状態(継続率90%のATモード)とが設定されており、
前記実行判定手段は、前記第1有利状態と前記第2有利状態とで、前記特定報知を実行するとの結果となる確率が異なるように前記実行判定を行うことを特徴とする特徴bD1乃至特徴bD10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の発生率は、有利判定の当選確率に応じて異なるようになり、特定報知の発生率を通じて、有利判定の当選確率を予測する、といった遊技が追加されることになる。このようにすることで、特定報知が行われることにより有利判定の結果を把握することができるだけでなく、有利判定の当選確率をも予測することが可能となり、特定報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、上記特徴bD1乃至特徴bD11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bD1乃至特徴bD11の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bE群>
特徴bE1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態は、単位状態(ATセット)として特定数(18ゲーム)以上の遊技を実行可能に構成され、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記有利状態において、前記特定数よりも少ない特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態の報知用継続条件が成立している場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始する一方、当該報知用継続条件が成立していない場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記単位報知状態における前記報知用継続条件が成立している場合、当該単位報知状態において予め定められた特定報知(特定演出)を実行する特定報知手段(表示制御装置81による疑似セット演出において第3特定演出や第4特定演出を行うための処理を実行する機能)と、
一の前記単位報知状態において前記特定報知手段による前記特定報知が行われた場合、当該単位報知状態の残りの遊技数に関わらず、当該単位報知状態を終了させて、次の単位報知状態を開始可能とする手段(表示制御装置81による疑似セット演出において第3特定演出や第4特定演出に基づいて次の疑似セットに移行させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態は、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。しかも、有利状態においては、単位状態の継続ゲーム数である特定数よりも少ない特別数のゲームを一の単位報知状態とし、当該単位報知状態の報知継続条件が成立してれば単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されるし、単位報知状態の報知継続条件が成立していなければ単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されないようにしていることから、有利状態における単位状態の繰り返し数よりも、単位報知状態の繰り返し数の方が多くなり易く、有利状態における単位状態の継続条件を成立し易くし過ぎないようにして有利度を高めすぎることなく、単位報知状態の繰り返し数を多くして、あたかも継続条件が成立し易いかのように見せることが可能となる。
但し、このように単位状態の遊技数よりも少ない遊技数である単位報知状態を繰り返す構成においては、単位状態が終了する遊技と、単位報知状態が終了する遊技とを合わせることが困難となる場合がある。より詳しくは、単位状態の遊技数である特定数と、単位報知状態の遊技数である特別数と、の公約数でなければ単位状態が終了する遊技と、単位報知状態が終了する遊技とが合致せず、単位報知状態による演出効果を好適に期待できない可能性もある。
そこで、上記構成においては、単位報知状態にて報知継続条件が成立している場合には、特定報知を実行し、当該単位報知状態の残りの遊技数に関わらず当該特定報知を契機として当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始させる構成としたことから、単位報知状態における遊技数を、単位状態における遊技数に合わせやすくなる。よって、単位状態よりも少ない遊技数にて単位報知状態を繰り返すことによる演出効果を好適に期待できるようになる。
特徴bE2.前記単位状態において前記継続条件が成立している場合、当該単位状態における残りの遊技数が存在している状況下において当該単位状態を終了させることを制限する手段(主制御装置101によるATゲームカウンタが0となるよりも前にATモードのセットの更新を行わないようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位報知状態側は特定報知を契機として、当該単位報知状態の残りの遊技数に関わらず当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始させる一方、単位状態側は、継続条件が成立していても、当該単位状態の残りの遊技数が存在している状況下においては、当該単位状態を終了させて次の単位状態を開始させることが制限されている。このように、単位報知状態側の遊技数だけを調節することで両状態の遊技数を合わせる構成とすることで、比較的簡素な構成にて両状態の遊技数を合わせることが可能となる。
特徴bE3.前記特定報知手段は、前記単位状態における残りの遊技数に応じて前記特定報知を実行する第1手段(表示制御装置81による継続コマンドを受信していないセットの更新に際して特定演出を発生させるための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bE1又は特徴bE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態側の残りゲーム数に応じて特定報知を発生させることで、単位報知状態が更新されるため、単位状態の残りゲーム数と単位報知状態の継続ゲーム数(特別数)とを違和感なく調節することが可能となる。
特徴bE4.前記第1手段は、前記単位状態における残りの遊技数が前記特別数よりも多い遊技にて前記特定報知を実行することを特徴とする特徴bE3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知を行って単位報知状態を終了させ、次の単位報知状態を開始しても単位状態の残りのゲーム数を消化するまでに、当該次の単位報知状態における特別数のゲーム数を消化することが可能となる。よって、例えば、単位報知状態の途中で単位状態が終了する、といった事象が生じないようになり、単位状態の残りゲーム数と単位報知状態の継続ゲーム数とを違和感なく調節することが可能となる。
特徴bE5.前記第1手段は、前記継続条件が成立していない前記単位状態において、当該単位状態の残り遊技数に応じて前記特定報知を実行することを特徴とする特徴bE3又は特徴bE4に記載の遊技機。
継続条件が成立している単位状態においては、当該単位状態の残りの遊技数を消化した後も、次の単位状態における特定数以上の遊技が存在する。そこで、上記構成においては、残りの遊技数に応じて特定報知を行う機会を継続条件が成立していない単位状態に限定したため、当該残りの遊技数に応じた特定報知を行うための処理の実行頻度を低くすることができ、処理の簡素化を図ることが可能となる。
特徴bE6.前記特定報知手段は、前記継続条件が成立している前記単位状態において、当該単位状態における残りの遊技数に関わらず前記特定報知を実行する第2手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選や第4特定演出抽選に基づきこれらの特定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bE1乃至特徴bE5のいずれか1に記載の遊技機。
継続条件が成立している単位状態においては、当該単位状態の残りの遊技数を消化した後も、次の単位状態における特定数以上の遊技が存在し、どのタイミングで特定報知を実行しても次の単位報知状態における特別数のゲームを消化可能である。そこで、上記構成においては、当該継続条件が成立している単位状態においては、残りの遊技数に関わらず特定報知を実行するようにすることで、特定報知の実行タイミングにランダム性を生じさせることが可能となり、いつ特定報知が行われて単位報知状態が更新されるかが悟られにくくなり、演出の多様化を図ることが可能となる。
特徴bE7.前記第2手段は、前記継続条件が成立している前記単位状態における各遊技にて、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理や第4特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行判定手段による判定結果に基づいて前記特定報知を実行することを特徴とする特徴bE6に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件が成立している単位状態においては、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知の実行判定が行われるため、あたかも各ゲームの抽選結果によって継続条件が成立したかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。よって、各ゲームへの注目度を好適に高めることができる。
特徴bE8.前記特定報知手段は、前記継続条件が成立している前記単位状態において、前記単位報知状態の遊技が前記特別数に達する場合に前記特定報知を実行する第3手段(表示制御装置81による疑似セットの最終ゲームで第3特定演出や第4特定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bE1乃至特徴bE7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、当該継続条件が成立している単位状態においては、単位報知状態の最終ゲームにて特定報知を実行するようにすることで、特定報知が行われないまま単位報知状態が終了してしまうといった不都合を解消することができる。この場合、特定報知を行う単位報知状態の最終ゲームが、単位状態における何ゲーム目であるかに関わらず、当該特定報知後の次の単位報知状態を消化するだけのゲーム数は存在しているため、単位状態と単位報知状態とのゲーム数を無理なく調整することが可能となる。
特徴bE9.前記単位報知状態において前記特定報知が行われないまま前記特別数の遊技が実行され、当該単位報知状態が終了した後、前記有利状態が終了する終了遊技までの遊技において所定の終了報知を実行する終了報知手段(表示制御装置81によるエンディング演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bE1乃至特徴bE8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態が終了するゲームと単位報知状態が終了するゲームとが完全に一致しなくても、所定の終了報知によってその差を埋めることが可能となる。このような構成であれば、単位状態と単位報知状態とのゲーム数を無理なく調整することが可能となる。
特徴bE10.前記終了報知手段は、前記所定の終了報知を第1数の遊技に亘って実行することが可能であって、当該第1数とは異なる第2数の遊技に亘って実行することが可能であることを特徴とする特徴bE9に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の終了報知のゲーム数は第1数とすることも第2数とすることも可能であり、単位報知状態を終了させてから単位状態が終了するまでのゲーム数が一律のゲーム数である必要が生じない。このようにすることで、単位報知状態のゲーム数を単位状態のゲーム数に合わせる構成を比較的簡素な構成にて実現することができる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記終了報知手段は、前記単位報知状態が終了してから前記有利状態が終了するまでの遊技数が第1数である場合には、当該第1数の遊技に亘って前記所定の終了報知を行い、前記単位報知状態が終了してから前記有利状態が終了するまでの遊技数が前記第1数とは異なる第2数である場合には、当該第2数の遊技に亘って前記所定の終了報知を行うことを特徴とする特徴bE9に記載の遊技機」。
特徴bE11.前記特典付与手段により付与される前記特典の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数設定されており、当該複数の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記設定手段により設定されている設定値が第1設定値である場合には、前記単位報知状態において前記特定報知が行われないまま前記特別数の遊技が消化され、当該単位報知状態が終了した後、前記有利状態が終了する終了遊技までの終了遊技数が第1数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行し、前記設定手段により設定されている設定値が前記第1設定値とは異なる第2設定値である場合には、前記終了遊技数が前記第1数とは異なる第2数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行することが可能な第4手段(表示制御装置81によるエンディングゲーム数の抽選処理の結果に基づいて第3特定演出を行うようにする処理を実行する機能、図159)を備えていることを特徴とする特徴bE1乃至特徴bE10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位報知状態と単位状態の終了ゲームとの差分のゲーム数(終了遊技数)が、設定値によって異なり易くなり、当該差分のゲーム数から設定値の予測を行わせる、といった斬新な遊技性を実現することができる。
特徴bE12.前記有利状態として、第1有利状態(継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも前記単位状態の前記継続条件が成立し易い第2有利状態(継続率90%のATモード)とが設定されており、
前記第4手段は、
前記第1有利状態においては、前記設定手段により設定されている設定値が前記第1設定値である場合には、前記終了遊技数が前記第1数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行し、前記設定手段により設定されている設定値が前記第2設定値である場合には、前記終了遊技数が前記第2数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行し、
前記第2有利状態においては、前記設定手段により設定されている設定値が前記第1設定値である場合には、前記終了遊技数が前記第2数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行し、前記設定手段により設定されている設定値が前記第2設定値である場合には、前記終了遊技数が前記第1数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴bE11に記載の遊技機。
上記構成におよれば、継続条件の異なる第1有利状態と第2有利状態とでは、単位報知状態と単位状態の終了ゲームとの差分のゲーム数(終了遊技数)が示す設定値が相違している。つまり、設定値の絞り込みを行うためには、単に差分のゲーム数だけを把握すればよいだけでは足りず、それよりも以前にいずれの有利状態であるかを把握しておく必要がある構成となる。このようにすることで、有利状態における遊技性を好適に向上させることができる。
特徴bE13.前記特定報知手段は、前記継続条件が成立している前記単位状態において、当該単位状態における残りの遊技数に関わらず前記特定報知を実行する第2手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選や第4特定演出抽選に基づきこれらの特定演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記第2手段は、前記継続条件が成立している前記単位状態における各遊技にて、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理や第4特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行判定手段による判定結果に基づいて前記特定報知を実行する構成であり、
前記実行判定手段は、前記第1有利状態と前記第2有利状態とで前記特定報知を実行するとの結果となる確率が異なるように前記特定報知の実行判定を行うことを特徴とする特徴bE12に記載の遊技機。
継続条件が成立している単位状態においては、当該単位状態の残りの遊技数を消化した後も、次の単位状態における特定数以上の遊技が存在し、どのタイミングで特定報知を実行しても次の単位報知状態における特別数のゲームを消化可能である。そこで、上記構成においては、当該継続条件が成立している単位状態においては、残りの遊技数に関わらず特定報知を実行するようにすることで、特定報知の実行タイミングにランダム性を生じさせることが可能となり、いつ特定報知が行われて単位報知状態が更新されるかが悟られにくくなり、演出の多様化を図ることが可能となる。
しかも、継続条件が成立している単位状態においては、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知の実行判定が行われるため、あたかも各ゲームの抽選結果によって継続条件が成立したかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。よって、各ゲームへの注目度を好適に高めることができる。
それだけでなく、特定報知の実行判定は、第1有利状態と第2有利状態とで当選確率が異なるように行われる構成であることから、特定報知の発生率からいずれの有利状態に滞在しているかを遊技者は予測することが可能となる。このようにすることで、有利状態の途中においては、単位報知状態中の特定報知の発生率から有利状態の種類を把握し、単位報知状態が終了したら、有利状態終了までの差分のゲーム数と、当該予測した有利状態の種類と、から設定値を予測する、といった面白みのある遊技性を実現することができる。
なお、上記特徴bE1乃至特徴bE13に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bE1乃至特徴bE13の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bF群>
特徴bF1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態において、特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態において予め定められた特定報知が行われた場合には、当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始する一方、当該特定報知が行われることなく前記特別数の遊技が実行された場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記有利状態における残り遊技数が前記特別数よりも多い場合に、前記単位報知状態において前記特定報知が行われるようにする第1手段(表示制御装置81による継続コマンドを受信していないセットの開始ゲームで疑似セットの更新を行う処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態においては、特別数のゲームを一の単位報知状態とし、当該単位報知状態において特定報知が実行された場合には単位報知状態を終了させて次の単位報知状態が開始されるし、単位報知状態において特定報知が行われることなく特別数の遊技が実行された場合には単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されないようにしていることから、遊技者は単位報知状態が繰り返される限り有利状態が継続することを把握することができ、単位報知状態において特定報知が行われることへ期待させることができる。
但し、このような有利状態の継続を単位報知状態の繰り返しによって報知する構成おいて、単位報知状態の残り遊技数が存在するのにもかかわらず有利状態が終了してしまうと、そもそもの前提が崩れてしまい、単位報知状態による報知の信頼度が大幅に低下してしまう。
そこで、上記構成においては、有利状態の残りゲーム数が特別数よりも多い場合に特定報知が行われるようにしていることから、当該特定報知によって単位報知状態の更新が行われ、新たな単位報知状態においては特別数のゲームを全て消化することができるようになり、単位報知状態の残りゲーム数が存在しない状況で有利状態を終了させることが可能となる。よって、単位報知状態の報知による演出効果を好適に期待することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴bF2.前記有利状態における残り遊技数が前記特別数よりも多い状況において、前記単位報知状態にて前記特定報知を行うことの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理や第4特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行判定手段による実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する対応結果であった場合、前記特定報知が行われるようにする第2手段(表示制御装置81による各特定演出抽選の抽選結果に基づき特定演出を行うための処理を実行する機能能)を備えていることを特徴とする特徴bF1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態の残りゲーム数が所定数となれば、一律で特定報知が発生して単位報知状態の更新が行われる一方で、特別数となるよりも前においては、各ゲームの実行判定に基づいて特定報知が発生して単位報知状態の更新が行われる。このようにすることで、単位報知状態の各ゲームにおいていつ特定報知が発生するかがわかりにくくなり、単位報知状態の繰り返しによって有利状態の継続を把握させる遊技性を好適に実現することが可能となる。
特徴bF3.前記有利状態において所定契機(ATセットの更新)が生じた場合に、前記特別数よりも多い所定数の遊技を実行した後、当該有利状態を終了させる終了判定を行う終了判定手段(主制御装置101による継続判定処理を実行する機能)を備え、
前記第1手段は、前記終了判定手段による終了判定の結果が前記所定数の遊技を実行した後に当該有利状態を終了させることに対応する終了結果(非継続)である場合に、前記単位報知状態において前記特定報知が行われるようにすることを特徴とする特徴bF1又は特徴bF2に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了判定手段は、所定数のゲーム後に当該有利状態を終了させる終了判定を行う構成であり、当該終了判定の結果が終了結果である場合に、特定報知が行われて単位報知状態が更新される。このような構成であれば、特定報知手段における第1手段は、終了判定手段の判定結果に基づいて特定報知を行えばよくなり、有利状態の残りゲーム数を第1手段が常に把握する必要がなくなる等、処理構成の簡素化が図られる。
特徴bF4.少なくとも前記終了判定手段を有する第1制御装置(主制御装置101)と、
少なくとも前記報知制御手段を有し、前記第1制御装置とは別途設けられた第2制御装置(表示制御装置81)と、
を備えていることを特徴とする特徴bF3に記載の遊技機。
上記構成のように、終了判定手段と特定報知手段(特に第1手段)とが別々の制御装置にて備えられている構成であれば、機能の分散化によって特徴bF3の効果をより好適に奏することができる。
特徴bF5.前記所定契機は、前記所定数の遊技が実行される度に生じることを特徴とする特徴bF3又は特徴bF4に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了判定手段は、毎ゲーム終了判定を行わずに、所定数のゲーム毎に終了判定を行う構成となる。このようにすることで、終了判定の頻度を少なくすることができ、処理負荷を抑制することが可能となる。
特徴bF6.前記報知制御手段は、前記終了判定手段による終了判定の結果が前記終了結果とは異なる結果(継続)である場合に、前記単位報知状態において前記特定報知が行われるようにする第3手段(表示制御装置81によるATセットの更新時に特定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bF3乃至特徴bF5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了判定の結果が終了結果ではなくても第3手段によって特定報知が行われる場合があるようにしているため、当該第3手段による特定報知によって第1手段による特定報知をうまくカモフラージュさせることが可能となり、特定報知が残り所定数のゲームによって終了することのサインになりにくくなる。このようにすれば、特定報知が行われても有利状態がまだまだ継続することに期待させることができる。
特徴bF7.前記第1手段は、前記有利状態における残り遊技数が前記特別数よりも多い所定数である場合に、前記単位報知状態において前記特定報知が行われるようにする構成であり、
前記所定数と前記特別数との差分の遊技数に亘って、予め定められた特別報知を実行することが可能な特別報知手段(表示制御装置81によるエンディング演出や大当たり演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bF1乃至特徴bF6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1手段によって特定報知が行われる場合、有利状態の残りのゲーム数は所定数となっており、そのうち、特別数のゲームは特定報知により更新された後の単位報知状態による演出が行われ、その所定数と特別数との差分のゲーム数に亘って特別報知が行われる。このようにすることで、所定数と特別数とが完全に一致していなくても、演出上の空白期間を生じさせないようにすることができる。
特徴bF8.前記特別報知手段は、前記第1手段による前記特定報知に基づき終了された前記単位報知状態の次の単位報知状態が終了した後、前記特別報知を実行することを特徴とする特徴bF7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が行われることによって更新された次の単位報知状態の後に、特別報知が行われ、当該特別報知の終了とともに有利状態が終了する。つまり、特別報知が有利状態の終了を示す演出となり、単位報知状態による演出の終了後、有利状態が終了するまでのゲームを所謂エンディング演出によって補う構成となる。よって、単位報知状態による演出が行われない期間の演出を違和感なく楽しませることができる。
なお、上記構成は以下のように表現してもよい。
「前記特別報知手段は、前記第1手段による前記特定報知に基づき終了された前記単位報知状態の次の単位報知状態が終了した後、前記有利状態が終了することを示す前記特別報知を実行することを特徴とする特徴bF7に記載の遊技機」。
特徴bF9.前記特別報知手段は、前記第1手段による前記特定報知に基づき終了された前記単位報知状態と、当該単位報知状態の次の単位報知状態との間の遊技にて、前記特別報知を実行することを特徴とする特徴bF7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が行われることによって更新された単位報知状態と、その次の単位報知状態との間のゲームで特別報知が行われ、当該次の単位報知状態の終了とともに有利状態が終了する。このようにすることで、単位報知状態中に特定報知が行われなければ有利状態が終了する、といった印象を強く与えることが可能となり、特定報知への注目度を好適に高めることが可能となる。この場合、特別報知は、単位報知状態において特定報知が発生し、次の単位報知状態へ移行することを示す大当たり演出に相当するものとなり、単位報知状態による演出が行われない期間の演出を違和感なく楽しませることができる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記特別報知手段は、前記第1手段による前記特定報知に基づき終了された前記単位報知状態と、当該単位報知状態の次の単位報知状態との間の遊技にて、前記単位報知状態が更新されることを示す前記特別報知を実行することを特徴とする特徴bF7に記載の遊技機」。
また、上記の「特別報知」は、第1手段による特定報知によって終了される単位報知状態と、次の単位報知状態との間のゲームに限らず、他の手段による特定報知によって終了される単位報知状態と、次の単位報知状態との間のゲームにおいても当該特別報知が行われる構成とすることで、特別報知が、単位報知状態が更新され得ることを示す報知である印象を強く会えることが可能となる。
特徴bF10.前記第1手段は、前記有利状態における残り遊技数が前記特別数よりも多い所定数である場合に、前記単位報知状態において前記特定報知が行われるようにする構成であり、
前記所定数は、前記特別数の2倍以下の数であることを特徴とする特徴bF1乃至特徴bF9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態の残りゲーム数が所定数となった場合に特定報知を行って単位報知状態を終了させた後、次のゲームから単位報知状態を開始すると、当該単位報知状態を特別数のゲームに亘って消化した時点では、有利状態の残りのゲーム数は特別数よりも少なくなる。つまり、特別数のゲームに亘る単位報知状態を2回分は消化できないものの少なくとも1回分は消化することができる状況となった時点で、第1手段による特定報知が行われるようになる。よって、当該1回分の単位報知状態を更新することなく(特定報知を発生させることなく)行ってから単位報知状態による演出を終了させればよく、単位報知状態の最中に有利状態が終了してしまう、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴bF11.前記所定数は前記特別数より1多い数であることを特徴とする特徴bF10に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態の残りゲーム数が所定数となった場合に特定報知を行って単位報知状態を終了させた後、次のゲームから単位報知状態を開始すれと、当該単位報知状態を特別数のゲームに亘って消化した時点で、ちょうど有利状態の残りのゲーム数が0となる。このようにすることで、有利状態の終了ゲームと単位報知状態による演出の終了ゲームとを合わせることが可能となる。
なお、上記特徴bF1乃至特徴bF11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bF1乃至特徴bF11の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bG群>
特徴bG1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態として、第1有利状態(例えば、継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも遊技数が多くなり易い第2有利状態(例えば、継続率90%のATモード)と、が設定されており、
前記有利状態において、特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態において予め定められた特定報知が行われた場合には、当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始する一方、当該特定報知が行われることなく前記特別数の遊技が実行された場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記単位報知状態で前記特定報知が実行される場合において、当該単位報知状態にて実行される実行遊技数の平均数が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が多くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態においては、特別数のゲームを一の単位報知状態とし、当該単位報知状態において特定報知が実行された場合には単位報知状態を終了させて次の単位報知状態が開始されるし、単位報知状態において特定報知が行われることなく特別数の遊技が実行された場合には単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されないようにしていることから、遊技者は単位報知状態が繰り返される限り有利状態が継続することを把握することができ、単位報知状態において特定報知が行われることへ期待させることができる。
有利状態としては継続ゲーム数が異なる第1有利状態と第2有利状態とが設定されているところ、これら第1有利状態における単位報知状態よりも第2有利状態における単位報知状態の方が、単位報知状態にて特定報知が行われる場合の当該単位報知状態の滞在ゲーム数としての実行遊技数の平均数が多くなるように設定されている。
この場合、第1有利状態よりも継続ゲーム数が長くなり易い第2有利状態の方が単位報知状態の滞在ゲーム数が多くなるため、仮に第1有利状態と第2有利状態とが同じゲーム数継続した場合には、単位報知状態の繰り返し数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも多くなり易くなる。そうすると、実質的には第2有利状態の方が第1有利状態よりも長く継続するにしても、単位報知状態の繰り返し数の差を第2有利状態と第1有利状態との継続ゲーム数の差よりも小さく見せることが可能となる。このように、有利状態におけるゲーム数差を、単位報知状態の繰り返し数によってより大きく見せることが可能となり、興趣向上を図ることが可能となる。
特徴bG2.前記報知制御手段は、前記単位報知状態の各遊技において前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理や第4特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行判定手段による前記実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する対応結果となった場合に前記特定報知を行うようにする構成であり、
前記実行判定手段による前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率が前記第1有利状態の方が前記第2有利状態よりも高くなるように設定されることで、前記単位報知状態で前記特定報知が実行される場合において、当該単位報知状態にて実行される実行遊技数の平均数が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が多くなることを特徴とする特徴bG1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の実行判定の当選確率を異ならせるだけで特徴bG1の優れた効果を期待することができる。
特徴bG3.前記実行判定手段は、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記実行判定を行う構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が特定結果である場合、前記第1有利状態での前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率が前記第2有利状態での前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率よりも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴bG2に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果に応じて実行判定が行われる構成となり、特定報知の実行の有無が自らの運に左右される印象を与えることが可能となるため、各ゲームの抽選結果への注目度が好適に高められる。
特徴bG4.前記第1有利状態と前記第2有利状態とで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率が共通していることを特徴とする特徴bG3に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果が特定結果となる確率を異ならせることなく、第1有利状態の方が第2有利状態よりも特定報知の発生率を高くすることが可能となる。よって、結果的に、単位報知状態における実行遊技数の平均数を第2有利状態の方が多くなるようにすることができ、比較的簡素な構成にて特徴bG1の優れた遊技性を実現することが可能となる。
特徴bG5.前記単位報知状態の繰り返し数の平均数は、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が多くなるように設定されていることを特徴とする特徴bG1乃至特徴bG4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、単位報知状態の実行遊技数の平均数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも少なくなり易く、第1有利状態における単位報知状態の繰り返し数が継続ゲーム数の割に多くすることが可能となる構成において、実際の単位報知状態の繰り返し数の平均数については第2有利状態の方が多くなるように設定されており、単位報知状態の実行遊技数の平均数の差は、繰り返し数を逆転するほどの差ではないことになる。このようにすることで、単位報知状態の実行遊技数の平均数の差があまりに大きくて所謂出来レースである印象を与えないようにすることが可能となる。
特徴bG6.前記単位報知状態の繰り返し数の平均数は、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が少なくなるように設定されていることを特徴とする特徴bG1乃至特徴bG5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、単位報知状態の実行遊技数の平均数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも少なくなり易く、第1有利状態における単位報知状態の繰り返し数が継続ゲーム数の割に多くすることが可能となる構成において、実際の単位報知状態の繰り返し数の平均数も第1有利状態の方が多くなるように設定されており、単位報知状態の実行遊技数の平均数の差は、繰り返し数を逆転するほどの差となる。このようにすることで、単位報知状態の実行遊技数の平均数に差を設けることによって、少ない継続ゲーム数の第1有利状態であっても第2有利状態よりも有利に見せる演出効果を最大限に期待することが可能となる。
なお、上記構成を特徴bG5に適用する場合、有利状態の種類をより多くし、特徴bG5における第1有利状態と第2有利状態との組み合わせと、特徴bG6における第1有利状態と第2有利状態との組み合わせとが異なるようにするとよい。
具体的には、例えば、継続遊技数の平均数が少ない順で、第1有利状態(継続率10%のATモード)、第2有利状態(継続率60%のATモード)、第3有利状態(継続率90%のATモード)、を設け、単位報知状態の実行遊技数の平均数を、第1有利状態を最も少なくなり易くし、第3有利状態を最も多くなり易くする。そのうえで、第1有利状態における単位報知状態の繰り返し数の平均数よりも第3有利状態における単位報知状態の繰り返し数の平均数の方が多くなるようにし(特徴bG5)、第2有利状態における単位報知状態の繰り返し数の平均数の方が第3有利状態における単位報知状態の繰り返し数の平均数よりも多くなるようにする(特徴bG6)ことで、特徴bG5の構成と特徴bG6の構成を矛盾なく備えることが可能となる。
特徴bG7.前記有利状態は、予め定められた特定数(18ゲーム)以上の遊技を一の単位状態とし、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が前記継続条件が成立し易いことで、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が遊技数が多くなり易いことを特徴とする特徴bG1乃至特徴bG6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数の遊技を一の単位状態として継続条件が成立していれば次の単位状態に移行し、継続条件が成立していなければ次の単位状態に移行しない、といったようにセット管理型の有利状態において、第1有利状態よりも第2有利状態の方が継続条件が成立し易くなりその遊技数が多くなる。このようなセット管理型の有利状態においては、セット数差による有利度の差はもちろん遊技数差よりも大きくなることから、継続条件の成立確率に差がある第1有利状態と第2有利状態との有利/不利の印象も大きく異なることになる。そこで、上記構成のようなセット管理型の有利状態に特徴bG1の構成を適用することで、実際の単位状態の繰り返し数の差(セット数差)よりも単位報知状態の繰り返し数の差を大きくしたり、小さくしたりすることが可能となり、かかる演出効果をより好適に期待することができる。
特徴bG8.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態として、第1有利状態(例えば、継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも遊技数が多くなり易い第2有利状態(例えば、継続率90%のATモード)と、が設定されており、
前記有利状態において、特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態において予め定められた特定報知が行われた場合には、当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始する一方、当該特定報知が行われることなく前記特別数の遊技が実行された場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記単位報知状態で前記特定報知が実行される場合において、当該単位報知状態にて実行される実行遊技数の平均数が、前記第1有利状態と前記第2有利状態とで異なるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態においては、特別数のゲームを一の単位報知状態とし、当該単位報知状態において特定報知が実行された場合には単位報知状態を終了させて次の単位報知状態が開始されるし、単位報知状態において特定報知が行われることなく特別数の遊技が実行された場合には単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されないようにしていることから、遊技者は単位報知状態が繰り返される限り有利状態が継続することを把握することができ、単位報知状態において特定報知が行われることへ期待させることができる。
有利状態としては継続ゲーム数が異なる第1有利状態と第2有利状態とが設定されているところ、これら第1有利状態における単位報知状態と、第2有利状態における単位報知状態とで、単位報知状態にて特定報知が行われる場合の当該単位報知状態の滞在ゲーム数としての実行遊技数の平均が異なるように設定されている。
この場合、例えば、第1有利状態よりも継続ゲーム数が長くなり易い第2有利状態の方が単位報知状態の滞在ゲーム数が多くなり易くすると、仮に第1有利状態と第2有利状態とが同じゲーム数継続した場合には、単位報知状態の繰り返し数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも多くなり易くなる。そうすると、実質的には第2有利状態の方が第1有利状態よりも長く継続するにしても、単位報知状態の繰り返し数の差を第2有利状態と第1有利状態との継続ゲーム数の差よりも小さく見せることが可能となる。また、例えば、第1有利状態よりも継続ゲーム数が長くなり易い第2有利状態の方が単位報知状態の滞在ゲーム数が少なくなり易くすると、仮に第1有利状態と第2有利状態とが同じゲーム数継続した場合には、単位報知状態の繰り返し数は第2有利状態の方が第1有利状態よりも多くなり易くなる。よって、単位報知状態の繰り返し数の差を第2有利状態と第1有利状態との継続ゲーム数の差よりも大きく見せることが可能となる。
このように、上記構成によれば、各有利状態におけるゲーム数差を、単位報知状態の繰り返し数によってより大きく見せたり小さく見せたりすることが可能となり、興趣向上を図ることが可能となる。
なお、上記特徴bG1乃至特徴bG8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bG1乃至特徴bG8の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bH群>
特徴bH1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態は、予め定められた特定数(18ゲーム)の遊技を一の単位状態とし、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記有利状態において、複数の遊技に亘って第1報知(疑似セット演出)を実行可能な第1報知手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記有利状態において、前記第1報知の前又は後に連続するように、複数の遊技に亘って第2報知(例えばオープニング演出やエンディング演出や大当たり演出)を実行可能な第2報知手段(表示制御装置81によるオープニング演出やエンディング演出や大当たり演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1報知手段による前記第1報知が行われる遊技数と前記第2報知手段による前記第2報知が行われる遊技数とが、前記特定数以上となる場合と、前記特定数よりも少なくする場合とがあるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態は、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。
このような構成において、単位状態中に第1報知と第2報知とが行われるようにしており、しかも第1報知と第2報知とのゲーム数を合わせると、単位状態のゲーム数である特定数以上となる場合と特定数未満となる場合とがあるようになっている。このようにすることで、単位状態のゲーム数を特定数から変化させなくても、演出側であたかも単位状態のゲーム数が長くなったり短くなったりしているかのように見せることが可能となり、複雑な処理を用いなくてもセット管理型の有利状態における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴bH2.前記第1報知手段は、前記特定数よりも少ない遊技数にて前記第1報知を実行するものであり、
前記第2報知手段は、前記特定数よりも少ない遊技数にて前記第2報知を実行するものであることを特徴とする特徴bH1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一方の報知だけでは特定数以上のゲーム数にはならないようになり、両報知のセットが一の単位状態に対応しているかのような印象を与えることが可能となる。よって、両報知によって単位状態の長さが変化するように思わせる効果を好適に高めることができる。
特徴bH3.前記第1報知手段は、前記第1報知を第1数の遊技に亘って実行可能であり、且つ前記第1数とは異なる第2数の遊技に亘って実行可能であり、
前記第2報知手段は、前記第2報知を第3数の遊技に亘って実行可能であり、且つ前記第3数とは異なる第4数の遊技に亘って実行可能であることを特徴とする特徴bH1又は特徴bH2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知と第2報知とのゲーム数はいずれも変化し得るものとなる。このようにすることで、例えば、第1報知に続けて第2報知が行われて1セットの演出が行われるような構成において、仮に第1報知が短くなってしまっても第2報知が長く継続することに期待感を寄せさせることが可能となる。
なお、上記構成は、「第1数」と「第3数」とが同じ数であることを排除するものではなく、また、「第2数」と「第4数」とが同じ数であることを排除するものではない。
また、上記構成は以下のように表現してもよい。
「前記第1報知手段は、前記第1報知を実行する遊技数を変化させることが可能であり、
前記第2報知手段は、前記第2報知を実行する遊技数を変化させることが可能であることを特徴とする特徴bH1又は特徴bH2に記載の遊技機」。
特徴bH4.前記第1報知手段は、特別数(10)の遊技を上限として前記第1報知を実行するものであり、
前記第1報知手段による前記第1報知の実行中に予め定められた特定報知が実行された場合、当該第1報知の残りの遊技数に関わらず当該第1報知が終了し、前記第2報知手段による前記第2報知が開始されるように設定されており、且つ、前記特別数の遊技に亘って前記特定報知が実行されなければ、当該第1報知の終了後、当該有利状態が終了するように設定されていることを特徴とする特徴bH3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知は特別数の遊技に亘って行われる構成であって、その最中に特定報知が行われると第2報知に移行するものの、その最中に特定報知が行われなければ有利状態が終了してしまう。そのため、なるべく遅いタイミングで特定報知が行われて第1報知のゲーム数を多く確保したい気持ちと、なるべく早いタイミングで特定報知が行われて有利状態が終了しないことを確定させたい気持ちといった遊技者の相反する事象を望む気持ちを利用してドキドキ感ある遊技性を実現することが可能となる。
特徴bH5.前記有利状態の残りの遊技数が前記特別数に1を加えた数となった遊技にて前記第2報知手段による前記第2報知を終了させ、次の遊技から前記第1報知手段による前記第1報知を開始させる手段(表示制御装置81による最終ATセットの8ゲーム目で大当たり演出を終了させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bH4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別数の遊技に亘って特定報知が行われないまま第1報知が実行された場合に有利状態が終了する、といった特徴bH4の遊技機を好適に実現することができる。
特徴bH6.前記継続条件が成立していない前記単位状態が開始される前の遊技において、前記第2報知手段による前記第2報知が実行されていた場合、当該単位状態における残り遊技数が前記特別数に1を加えた数となる遊技まで、当該実行されていた前記第2報知を継続させる手段(表示制御装置81によるステップSb3905~ステップSb3908の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bH4又は特徴bH5に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件が成立しておらず、そのまま継続条件が成立しなければ最後の単位状態となる場合、当該単位状態の更新前のゲームで第2報知が行われていれば、当該第2報知を単位状態の残りゲーム数が特別数+1となるまで継続させる。このようにすることで、当該最後の単位状態において第2報知が行われ、その後、第1報知が特別数のゲームに亘って行われて有利状態が終了するようになる。このような構成は、第2報知のゲーム数を変化させることが可能な構成だからこそ実現できるものであり、このようにすることで、特徴bH1のように両報知によって単位状態が長くなったり短くなったりするように印象付けることを可能としながらも、単位状態の終了と両報知の終了とをうまく合わせることが可能となる。
特徴bH7.前記継続条件が成立していない前記単位状態が開始される前の遊技において、前記第2報知手段による前記第2報知が実行されていた場合、当該単位状態における残り遊技数が前記特別数に1を加えた数となる遊技まで、当該実行されていた前記第2報知を継続させた場合の当該第2報知の継続遊技数が前記第2報知の継続遊技数の上限よりも多くなる場合、当該第2報知を終了させて前記第1報知手段による前記第1報知を開始させる手段(表示制御装置81によるステップSb3909~ステップSb3917の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bH4乃至特徴bH6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件が成立しておらず、そのまま継続条件が成立しなければ最後の単位状態となる場合、当該単位状態の更新前のゲームで第2報知が行われている場合において、当該第2報知を単位状態の残りゲーム数が特別数+1となるまで継続させると第2報知の上限ゲーム数に達してしまう場合には、当該第2報知を終了させて第1報知が行われるようにする。このようにすることで、当該最後の単位状態となったことを第2報知の長さが通常よりも長いことを通じて悟られてしまうことを回避することができる。
特徴bH8.前記継続条件が成立していない前記単位状態の残りの遊技数が前記特別数に1を加えた数となるまでに、前記第1報知手段による前記第1報知、及び前記第2報知手段による前記第2報知を行わせる手段(表示制御装置81によるステップSb3617~ステップSb3620、ステップSb3715~ステップSb3718等を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴bH7に記載の遊技機。
上記構成によれば、最後の単位状態の更新に際して第2報知を終了させて第1報知が開始された場合、当該最後の単位状態の残りゲーム数が特別数+1となるまでに、第1報知と第2報知とが行われるようになる。そして、残りの特別数のゲームで再度第1報知が行われて有利状態が終了する。このようにすることで、特徴bH1のように両報知によって単位状態が長くなったり短くなったりするように印象付けることを可能としながらも、単位状態の終了と両報知の終了とをうまく合わせることが可能となる。
特徴bH9.前記第1報知手段は、前記第1報知を第1数の遊技に亘って実行可能であり、且つ前記第1数とは異なる第2数の遊技に亘って実行可能であり、
前記第2報知手段は、前記第2報知を第3数の遊技に亘って実行することを特徴とする特徴bH1乃至特徴bH8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知のゲーム数は変化し得る一方、第2報知のゲーム数は変化しないようになる。このようにすることで、第1報知側のゲーム数の調節だけで特徴bH1の効果を期待することができ、構成の簡素化を図ることが可能となる。
なお、上記構成は、「第1数」と「第3数」とが同じ数であることを排除するものではなく、また、「第2数」と「第3数」とが同じ数であることを排除するものではない。
なお、上記構成を特徴bH3乃至特徴bH8に適用する場合、例えば、「前記第2報知手段は、特定第2報知手段と、所定第2報知手段とを備え、前記特定第2報知手段は、前記第2報知を第3数の遊技に亘って実行可能であり、且つ前記第4数とは異なる第2数の遊技に亘って実行可能であり、前記所定第2報知手段は、記第2報知を第3数の遊技に亘って実行する」と限定するとよい。
また、上記構成は以下のように表現してもよい。
「前記第1報知手段は、前記第1報知を実行する遊技数を変化させることが可能であり、
前記第2報知手段は、前記第2報知を実行する遊技数を変化させることが不可能であることを特徴とする特徴bH1乃至特徴bH8のいずれか1に記載の遊技機」。
なお、上記特徴bH1乃至特徴bH9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bH1乃至特徴bH9の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bI群>
特徴bI1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態として、第1有利状態(例えば、継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも遊技数が多くなり易い第2有利状態(例えば、継続率90%のATモード)と、が設定されており、
前記有利状態は、単位状態(ATセット)として特定数(18ゲーム)以上の遊技を実行可能に構成され、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記有利状態において、特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態において予め定められた特定報知が行われた場合には、当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始する一方、当該特定報知が行われることなく前記特別数の遊技が実行された場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記単位状態にて実行される前記単位報知状態の回数(疑似セット数)が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が少なくなり易いように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態においては、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。
このような構成において、有利状態中に特別数のゲームを一の単位報知状態とし、当該単位報知状態において特定報知が実行された場合には単位報知状態を終了させて次の単位報知状態が開始されるし、単位報知状態において特定報知が行われることなく特別数の遊技が実行された場合には単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されないようにしていることから、遊技者は単位報知状態が繰り返される限り有利状態が継続することを把握することができ、単位報知状態において特定報知が行われることへ期待させることができる。
有利状態としては継続ゲーム数が異なる第1有利状態と第2有利状態とが設定されているところ、これら第1有利状態における単位報知状態と、第2有利状態における単位報知状態とで、単位状態にて実行される単位報知状態の回数が第1有利状態よりも第2有利状態の方が少なくなり易いように設定されている。
この場合、第1有利状態と第2有利状態とが同じ回数の単位状態が繰り返し実行されたとしたら、単位報知状態の繰り返し数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも多くなり易くなる。そうすると、実質的には第2有利状態の方が第1有利状態よりも長く継続して、単位状態の繰り返し数も多くなるにしても、単位報知状態の繰り返し数の差を第2有利状態と第1有利状態との継続ゲーム数の差よりも小さく見せることが可能となる。
このようにすることで、各有利状態におけるゲーム数差を、単位報知状態の繰り返し数によってより大きく見せることが可能となり、興趣向上を図ることが可能となる。
特徴bI2.前記報知制御手段は、前記単位報知状態の各遊技において前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理や第4特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行判定手段による前記実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する対応結果となった場合に前記特定報知を行うようにする構成であり、
前記実行判定手段による前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率が前記第1有利状態の方が前記第2有利状態よりも高くなるように設定されることで、前記単位状態にて実行される前記単位報知状態の回数(疑似セット数)が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が少なくなり易いことを特徴とする特徴bI1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の実行判定の当選確率を異ならせるだけで特徴bI1の優れた効果を期待することができる。
特徴bI3.前記実行判定手段は、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記実行判定を行う構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が特定結果である場合、前記第1有利状態での前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率が前記第2有利状態での前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率よりも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴bI2に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果に応じて実行判定が行われる構成となり、特定報知の実行の有無が自らの運に左右される印象を与えることが可能となるため、各ゲームの抽選結果への注目度が好適に高められる。
特徴bI4.前記第1有利状態と前記第2有利状態とで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率が共通していることを特徴とする特徴bI3に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果が特定結果となる確率を異ならせることなく、第1有利状態の方が第2有利状態よりも特定報知の発生率を高くすることが可能となる。よって、結果的に、単位状態における単位報知状態の繰り返し数が第1有利状態の方が多くなるようにすることができ、比較的簡素な構成にて特徴bI1の優れた遊技性を実現することが可能となる。
特徴bI5.前記有利状態における前記単位報知状態の総回数は、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が多くなるように設定されていることを特徴とする特徴bI1乃至特徴bI4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、有利状態における特定数の遊技を単位とする一の単位状態における単位報知状態の回数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも多くなり易く、第1有利状態における単位報知状態の回数が継続ゲーム数の割に多くすることが可能となる構成において、実際の有利状態全体の単位報知状態の繰り返し数の総回数については第2有利状態の方が多くなるように設定されており、単位状態における単位報知状態の回数の差は、有利状態中の単位報知状態の総回数を逆転するほどの差ではないことになる。このようにすることで、単位報知状態の回数の差があまりに大きくて所謂出来レースである印象を与えないようにすることが可能となる。
特徴bI6.前記有利状態における前記単位報知状態の総回数は、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が少なくなるように設定されていることを特徴とする特徴bI1乃至特徴bI5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、有利状態における特定数の遊技を単位とする一の単位状態における単位報知状態の回数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも多くなり易く、第1有利状態における単位報知状態の回数が継続ゲーム数の割に多くすることが可能となる構成において、実際の有利状態全体の単位報知状態の繰り返し数の総回数についても第1有利状態の方が多くなるように設定されており、単位状態における単位報知状態の回数の差は、有利状態中の単位報知状態の総回数を逆転するほどの差となる。このようにすることで、少ない継続ゲーム数の第1有利状態であっても第2有利状態よりも有利に見せる演出効果を最大限に期待することが可能となる。
なお、上記構成を特徴bI5に適用する場合、有利状態の種類をより多くし、特徴bI5における第1有利状態と第2有利状態との組み合わせと、特徴bI6における第1有利状態と第2有利状態との組み合わせとが異なるようにするとよい。
具体的には、例えば、継続遊技数の平均数が少ない順で、第1有利状態(継続率10%のATモード)、第2有利状態(継続率60%のATモード)、第3有利状態(継続率90%のATモード)、を設け、単位状態における単位報知状態の回数を、第1有利状態を最も多くなり易くし、第3有利状態を最も少なくなり易くする。そのうえで、第1有利状態における単位報知状態の繰り返し数の総回数よりも第3有利状態における単位報知状態の繰り返し数の総回数の方が多くなるようにし(特徴bI5)、第2有利状態における単位報知状態の繰り返し数の総回数の方が第3有利状態における単位報知状態の繰り返し数の総回数よりも多くなるようにする(特徴bI6)ことで、特徴bI5の構成と特徴bI6の構成を矛盾なく備えることが可能となる。
なお、上記特徴bI1乃至特徴bI6に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bI1乃至特徴bI6の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴bJ群>
特徴bJ1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態として、第1有利状態(例えば、継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも遊技数が多くなり易い第2有利状態(例えば、継続率90%のATモード)と、が設定されており、
前記有利状態は、単位状態(ATセット)として特定数(18ゲーム)以上の遊技を実行可能に構成され、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記有利状態において、特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態の継続条件が成立している場合には、次の単位報知状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、次の単位報知状態に移行させない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記報知制御手段は、前記単位状態と前記単位状態とを跨いで前記単位報知状態が実行されるようにすることが可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態においては、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。
このような構成において、有利状態中に特別数のゲームを一の単位報知状態とするセット管理型の報知も行われるようにしており、有利状態における単位状態と単位状態とを跨ぐようにして単位報知状態が実行され得るようにしている。このようにすることで、単位状態の繰り返しと単位報知状態の繰り返しとが同期しないことが許容され、単位状態の継続条件の成否にさほど影響を受けずに、単位報知状態の継続条件の成否を比較的自由に設定することが可能となる。よって、実際の単位状態の繰り返し数よりも単位報知状態の繰り返し数を多くしたり少なくしたりすることが可能となり、遊技の多様化に大きく貢献することができる。
特徴bJ2.前記特定数は前記特別数の整数倍の数とは異なる数であり、前記特別数は前記特定数の整数倍の数とは異なる数であることを特徴とする特徴bJ1に記載の遊技機。
上記構成のように、単位状態の繰り返し単位となるゲーム数と、単位報知状態の繰り返し単位となるゲーム数とが整数倍の関係とはならないようにすることで、単位状態と単位報知状態とが同期しにくくなる。よって、単位状態と単位状態とを跨いで単位報知状態が実行され易くなり、特徴bJ1の効果をより明確に奏することが可能となる。
特徴bJ3.前記報知制御手段は、前記単位報知状態において予め定められた特定報知が行われたことを当該単位報知状態の継続条件の成立として、当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始する一方、当該特定報知が行われることなく前記特別数の遊技が実行された場合には、当該単位報知状態の継続条件の非成立として、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない構成であることを特徴とする特徴bJ1又は特徴bJ2に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位報知状態は、特別数のゲームを実行することなく特定報知によって更新される場合があるようになり、単位報知状態のゲーム数は特別数を最大数として変化し得るようになる。このようにすることで、単位状態と単位状態とを跨いで単位報知状態を実行するうえで、単位状態の更新と単位報知状態の更新とが同期する場合もあれば、単位状態と単位報知状態とが同期しない場合もあることを、単位報知状態における特定報知の実行の有無によって比較的自由に管理することが可能となり、特徴bJ1の効果を簡素な構成にて奏することが可能となる。
特徴bJ4.前記継続条件が成立している前記単位状態において、当該単位状態の残り遊技数に関わらず、前記特定報知を実行することの実行判定を行う第1実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理等を実行する機能)を備え、
前記報知制御手段は、前記第1実行判定手段による実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する結果である場合に前記特定報知を実行することを特徴とする特徴bJ3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知によって単位報知状態の更新が行われる構成において、継続条件が成立している単位状態では、当該単位状態の残りゲーム数に関わらず特定報知の実行判定が行われる。このようにすることで、特定報知が実行されるゲームの自由度が大幅に向上するし、単位状態を跨いで単位報知状態が実行される場面が多くなる。よって、特徴bJ1の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴bJ5.前記継続条件が成立していない前記単位状態において、当該単位状態の残り遊技数に応じて、前記特定報知を実行することの実行判定を行う第2実行判定手段(表示制御装置81によるサブ側継続フラグがセットされていないATセット1ゲーム目で第3特定演出等を実行するようにする機能)を備え、
前記報知制御手段は、前記第2実行判定手段による実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する結果である場合に前記特定報知を実行することを特徴とする特徴bJ3又は特徴bJ4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知によって単位報知状態の更新が行われる構成において、継続条件が成立していない単位状態では、当該単位状態の残りゲーム数に応じて特定報知の実行判定が行われる。このようにすることで、単位状態が終了して有利状態も終了するのにもかかわらず、単位報知状態は継続している、といった事象を生じにくくすることが可能となり、単位報知状態の信頼性を担保することができる。
特徴bJ6.前記第2実行判定手段は、前記単位状態の残り遊技数が前記特別数以上である遊技にて前記特定報知が行われるように、前記実行判定を行うことを特徴とする特徴bJ5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴bJ5の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴bJ7.前記報知制御手段は、前記単位報知状態の継続条件が成立している場合、当該単位報知状態を終了させて、予め定められた第2特別数の遊技に亘って特別報知が実行されるようにし、当該特別報知の実行後、次の前記単位報知状態が開始されるようにする構成であることを特徴とする特徴bJ1乃至特徴bJ6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位報知状態と単位報知状態との間に特別報知が行われる遊技が介在されるようになる。特別報知としては、例えば、単位報知状態の継続条件が成立したことを祝福するような大当たり演出が考えられる。このようにすることで、単位報知状態の継続条件が成立した場合の演出効果を高めることが可能となるし、仮に単位状態の継続ゲーム数である特定数と単位報知状態の継続ゲーム数である特別数とが同じ数であったり、たまたま単位状態と単位報知状態との更新が同期した場合であっても、特別報知を行う遊技によってその更新にズレが生じ、単位状態と単位状態とに跨るように単位報知状態が実行される場面が生じ易くなる。よって、単位報知状態の継続条件が成立した場合の演出効果を高めながら、特徴bJ1の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴bJ8.前記単位状態と前記単位状態とに跨るように前記特別報知が実行され得る構成であることを特徴とする特徴bJ7に記載の遊技機。
上記構成によれば、大当たり演出としての特別報知も単位状態を跨いで実行される場合があるようになる。このようにすることで、単位状態が更新されるゲームとは関係なく、単位報知状態を更新することが可能となり、単位報知状態による演出を行ううえでの自由度を大幅に向上させることができる。
特徴bJ9.前記特定数よりも前記特別数の方が少ない数であることを特徴とする特徴bJ1乃至特徴bJ8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態の繰り返し数よりも単位報知状態の繰り返し数の方が多くなり易く、単位報知状態の更新が頻繁に行われることを利用して、実際の有利状態の継続ゲーム数よりも長く有利状態が継続している印象を与えることが可能となる。また、このようにすることで、単位状態と単位状態とを単位報知状態が跨ぐうえで、一の単位報知状態が複数の単位状態を跨ぐことがなくなる。そのため、少なくとも一の単位状態中に単位報知状態の更新が行われるようになり、単位状態の継続条件が成立せずに有利状態が終了するのにもかかわらず、単位報知状態が未だ特別数のゲームを消化していない、といった事象を生じにくくすることができる。
特徴bJ10.一の前記有利状態において、前記単位状態の継続条件よりも前記単位報知状態の継続条件の方が成立し易いことを特徴とする特徴bJ1乃至特徴bJ9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態の繰り返し数よりも単位報知状態の繰り返し数の方が多くなる。このようにすることで、実際の有利状態の継続ゲーム数よりも長く継続している印象を与えることが可能となる。
なお、上記特徴bJ1乃至特徴bJ10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴bJ1乃至特徴bJ10の各構成に対して、特徴bA1乃至特徴bA18、特徴bB1乃至特徴bB12、特徴bC1乃至特徴bC9、特徴bD1乃至特徴bD11、特徴bE1乃至特徴bE13、特徴bF1乃至特徴bF11、特徴bG1乃至特徴bG8、特徴bH1乃至特徴bH9、特徴bI1乃至特徴bI6、特徴bJ1乃至特徴bJ10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以上詳述した特徴bA群乃至特徴bH群の各構成に対して、他の特徴a群乃至特徴n群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴c群>
以下の特徴cA群乃至特徴cH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3cの実施形態、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴cA群>
特徴cA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)と、
前記賭数操作手段の賭数操作に基づいて、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるメダル投入対応処理、第1操作対応処理、第2操作対応処理等を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合に特定報知(ベット過程演出)を実行した後、当該賭数操作に基づき設定された賭数に対応する賭数対応報知(ベット対応演出)を特定の報知手段(ベット表示部34)にて実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定報知が実行されている特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合に、実行されている前記特定報知を制限可能とする特定処理を実行する特定処理手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理における開始操作コマンドに基づきベット対応演出に切り替える等する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、賭数操作手段の賭数操作が行われると賭数が設定され、特定報知を経て、設定された賭数に対応する賭数対応報知が行われる。そのため、自らの賭数操作に基づき設定した賭数を賭数対応報知にて把握可能となるうえで、当該特定報知によって賭数操作が受け付けられたことも把握することができ、不必要な賭数操作を行わせないようにすることが可能である。
但し、この場合、例えば、特定報知の実行中であって賭数対応報知が行われるよりも前に始動操作手段が操作されて、当該操作に基づいて周回体の回転が開始されたりする場合も想定され、このような場合には、周回体の回転開始用の演出や処理が、特定報知や特定報知用の処理と重複する可能性が高く、処理負荷の増大化が懸念されたり、演出等の重複による遊技者の混乱を生じさせたりする可能性がある。
そこで、上記構成においては、特定報知の実行中に始動操作手段が操作された場合には、当該実行中の特定報知を制限可能とする特定処理を実行する特定処理手段を備えるようにしたことから、当該回転開始用の演出と特定報知との重複や、回転開始用の処理と特定報知用の処理との重複が解消され、上記の各種不都合の発生を好適に回避することが可能となる。よって、遊技を好適に進行可能な遊技機を提供することが可能となる。
特徴cA2.前記特定処理手段は、前記特定状況における前記始動操作手段の操作に基づき、前記特定報知の少なくとも一部の報知の実行を制限する特定処理を実行可能な構成であることを特徴とする特徴cA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の実行中である特定状況下で始動操作手段の操作が行われた場合、特定報知の少なくとも一部の報知の実行が制限されるようになるため、始動操作手段の操作に基づき実行される開始用の報知との重複が解消され得るようになり、両報知が重複することによって遊技者を混乱させてしまう事象を好適に回避することが可能となる。
特徴cA3.前記特定報知は、第1特定報知(ベット表示部34による点灯演出)と第2特定報知(ベット時効果音)を含んで実行される構成であり、
前記特定処理手段は、前記特定状況における前記始動操作手段の操作に基づき、前記特定報知のうちの前記第1特定報知の実行を制限する一方、前記特定報知のうちの前記第2特定報知の実行は許容するように前記特定処理を実行可能であることを特徴とする特徴cA2に記載の遊技機。
上記構成は特徴cA2の具体的構成であり、特に、少なくとも一部の報知を制限する構成として第1特定報知の実行を制限する一方、第2特定報知の実行は許容するように特定処理を行う構成とすることで、全ての特定報知の実行を制限することによる処理負荷の増大化を好適に回避することができるし、途中まで実行していた特定報知を止めることによる違和感を与えにくくすることも可能である。
なお、上記構成は、「前記第2特定報知よりも前記第1特定報知の方が、実行するためのデータ量が多い又は実行するための処理の処理負荷が大きい」等の構成を限定することで、第1特定報知の実行を制限することの意義がより高められる。なお、かかる構成の具体的構成としては、「前記第1特定報知は所定の表示演出であり、前記第2特定報知は所定の音演出である」構成が考えられる。
また逆に、「前記第1特定報知よりも前記第2特定報知の方が、実行するためのデータ量が多い又は実行するための処理の処理負荷が大きい」等の構成を限定した場合、既に設定済みの第2特定報知を中止してしまうことの無駄を解消することも可能であり、この場合、「前記第1特定報知よりも前記第2特定報知の方が、既に設定済みのデータ量が多い、又は実行済みの処理の処理負荷が大きい」等の構成と表現してもよい。
特徴cA4.前記賭数報知手段は、前記特定処理手段による前記特定処理によって前記特定報知の制限が行われた場合であっても、当該制限が行われない場合と同じ態様にて前記賭数対応報知を実行することが可能である(例えば、図243(d)参照)ことを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知については始動操作手段の操作に基づき制限を行うものの、賭数対応報知については制限の有無に関わらずその態様を変更する必要が生じない。これにより、比較的簡素な構成にて処理の重複による処理負荷の増大化を回避することが可能となる。
なお、上記の「同じ態様」とは、完全に同じ態様だけではなく、遊技者が識別しにくい又は識別できない程度に異なる態様であってもよい。
また、上記の「同じ態様」を、「同じタイミング」と表現してもよく、このようにすることで、賭数対応報知の実行開始タイミングすら変更しなくてもよくなり、さらなる処理負荷の低減を図ることが可能となる。
特徴cA5.前記賭数報知手段は、前記特定処理手段による前記特定処理によって前記特定報知の制限が行われたことに基づいて、前記賭数対応報知を実行することが可能である(例えば、図243(b)参照)ことを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき特定報知が制限されると、賭数対応報知に切り替わるようになる。よって、始動操作手段の操作に基づき各周回体の回転が開始されているのにもかかわらず、賭数がわからないといった空白期間を生じさせないようにすることができる。
特徴cA6.前記特定報知は、第1報知部(ベット表示部34)による第1特定報知(ベット表示部34による点灯演出)と、前記第1報知部とは異なる第2報知部(スピーカ64)による第2特定報知(ベット時効果音)を含んで実行される構成であり、
前記賭数報知手段は、前記賭数対応報知を前記第1報知部にて実行するものであり、
前記特定処理手段は、前記特定状況における前記始動操作手段の操作に基づき、前記特定報知のうちの前記第1特定報知の実行を制限する一方、前記特定報知のうちの前記第2特定報知の実行は許容するように前記特定処理を実行するものであることを特徴とする特徴cA5に記載の遊技機。
上記構成によれば、全ての特定報知の実行を制限することによる処理負荷の増大化を好適に回避することができるし、途中まで実行していた特定報知を止めることによる違和感を与えにくくすることも可能である。そして、特に賭数対応報知が第1報知部にて行われることを前提とすると、第1報知部での第1特定報知を制限して賭数対応報知に切り替えるようにすることで、第1報知部にて賭数の報知が行われない空白期間を生じさせないようにすることができる。
特徴cA7.前記始動操作手段の操作に基づき前記駆動制御手段による開始駆動制御が行われる場合、所定の報知手段にて開始報知(押し順報知演出、特定役報知演出等)を実行可能な開始報知手段(表示制御装置81による開始時演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理手段は、前記特定状況における前記始動操作手段の操作に基づき、前記開始報知手段による所定の開始報知(押し順報知演出)が行われる場合には前記特定処理を実行する一方、前記開始報知手段による所定の開始報知が行われない場合又は前記開始報知手段による所定の開始報知と前記特定報知とが重複しない場合には前記特定処理を実行しないようにすることが可能であること(例えば、図247参照)を特徴とする特徴cA1乃至特徴cA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、周回体の回転開始時の演出としての開始報知と、特定報知とが重複する場合にはその特定報知を制限可能とする特定処理が行われるものの、開始報知が実行されない場合や開始報知と特定報知とが重複しないような場合には特定処理が実行されない。このような構成とすることで、報知が重複することを回避する等のための特定処理であっても、そもそも報知が重複せずに不必要な場面では当該特定処理が行われないようになり、処理負荷の低減に寄与することが可能となる。
特徴cA8.前記開始駆動制御が開始されてから、予め定められた特定期間が経過するまで、次の前記開始駆動制御の開始を制限する開始制限手段(主制御装置101による回転開始処理におけるウェイト時間が経過するまで回転開始を待機する処理を実行する機能)と、
前記特定期間が経過する前における前記特定状況にて前記始動操作手段が操作された場合、前記特定報知の実行を許容することが可能な許容手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理におけるウェイト期間中の開始操作ではベット対応演出に切り替えないようにする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA7のいずれか1に記載の遊技機、
上記構成によれば、開始駆動制御と開始駆動制御とが特定期間以上となることから、単位時間当たりに実行可能な遊技数が制限され、遊技の適正化が図られる。このような、特定期間が設定されて、所謂ウェイトが規定される構成において、特定期間経過前の賭数操作に基づいて特定報知を介する賭数対応報知が行われる場合、特定報知中に始動操作手段の操作が行われても、特定期間経過前であれば開始駆動制御の実行が制限されるため、かかる始動操作手段の操作に基づいて周回体の回転は開始されない。そのため、このような場合には、回転開始用の報知や処理と特定報知や特定報知用の処理とが重複する、といった特徴cA1に示した不都合は発生しないか、発生しても不都合の程度が低い可能性が高く、特定報知を制限する必要性が低いものと考えられる。よって、このような場合には、特定報知の実行を許容することが可能な許容手段を備えるようにしたことにより、不必要な場面でも特定報知が制限されてしまうことを回避することが可能となり、遊技者に違和感を与えないようにして遊技演出の好適化を図ることが可能となる。
特徴cA9.前記開始駆動制御が開始されてから、予め定められた特定期間が経過するまで、次の前記開始駆動制御の開始を制限する開始制限手段(主制御装置101による回転開始処理におけるウェイト時間が経過するまで回転開始を待機する処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理手段は、前記特定期間が経過する前における前記特定状況にて前記始動操作手段が操作され、且つ当該始動操作手段の操作に基づく前記開始駆動制御が当該特定状況にて実行される場合、当該開始駆動制御が行われる場合に前記特定報知を制限可能とするように前記特定処理を実行可能な構成であることを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、開始駆動制御と開始駆動制御とが特定期間以上となることから、単位時間当たりに実行可能な遊技数が制限され、遊技の適正化が図られる。このような、特定期間が設定されて、所謂ウェイトが規定される構成において、特定期間経過前の賭数操作に基づいて特定報知を介する賭数対応報知が行われる場合、特定報知中に始動操作手段の操作が行われても、特定期間経過前であれば開始駆動制御の実行が制限されるものの、特定期間経過に基づいて当該始動操作手段の操作に基づく開始駆動制御が実行される場合があり、かかる開始駆動制御が行われるタイミングでは、未だ、特定報知が終了していない可能性がある。その点、上記構成においては、このような場面では、開始駆動制御が行われる場合に特定報知の制限が行われるように特定処理が実行される構成としていることから、不必要な場面で特定処理を実行しながらも、特定報知を制限可能となり、特定処理の実効性を高めることが可能となる。
特徴cA10.前記抽選手段による抽選結果が再遊技結果であって、前記有効位置に当該再遊技結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、当該再遊技結果となった前記抽選手段による抽選が行われた賭数と同数の賭数が設定される再遊技状態にて、再度、前記抽選手段による抽選を受けることが可能となる再遊技処理を実行する再遊技設定手段(主制御装置101による再遊技設定用処理を実行する機能)を備え、
前記賭数報知手段は、特定の再遊技結果(特定再遊技結果)に基づいて前記再遊技処理が行われた場合、前記賭数操作手段の賭数操作に基づき、前記特定報知を実行した後、当該再遊技処理にて設定された賭数に対応する前記賭数対応報知を実行可能な特定賭数報知手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果の入賞が成立して再遊技処理が行われる場合、当該再遊技処理にて設定される賭数に対応する賭数対応報知は、賭数操作手段の賭数操作に基づき行われる。しかも、この場合においても、賭数対応報知の前に特定報知が行われるようにしていることから、通常の賭数操作に基づき賭数設定手段により賭数が設定される場合と同様の報知態様となる。このようにすることで、再遊技処理が行われることとなる再遊技結果であっても、他の小役結果や外れ結果後の遊技と同様の流れで遊技を進行させることが可能となり、違和感なく遊技を進行させることが可能となるし、再遊技結果ではない印象を遊技者に与えることを利用して、例えば、特定の再遊技結果を他の小役結果や外れ結果と同様の扱いである印象を与える効果も高めることが可能となり遊技の多様化に大きく貢献することができる。
なお、「再遊技結果」について、「前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により、今回の賭数と同数の賭数にて、再度、前記抽選手段による抽選を受けることが可能となる再遊技が付与される再遊技結果」として規定してもよく、この点については、他の特徴や他の特徴群における「再遊技結果」についても同様である。
また、上記構成は、以下のような小役結果や外れ結果の限定を行うことで、より上記の効果が明確化される。この点についても、他の特徴や他の特徴群における「再遊技結果」との関係性を明確化する場合に適用可能である。
「前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段による特典として、所定数の遊技価値が付与される小役結果(例えば、小役結果)が設定されており、
前記賭数報知手段は、前記小役結果に基づいて前記特典付与手段により所定数の遊技価値が付与された後の次の遊技において、前記賭数操作手段の賭数操作に基づき、前記特定報知を実行した後、当該賭数操作に基づき設定された賭数に対応する前記賭数対応報知を実行する」構成や、「前記抽選手段による抽選結果として外れ結果が設定されており、
前記賭数報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記外れ結果であった次の遊技において、前記賭数操作手段の賭数操作に基づき、前記特定報知を実行した後、当該賭数操作に基づき設定された賭数に対応する前記賭数対応報知を実行する」構成。
特徴cA11.前記賭数報知手段は、前記特定の再遊技結果とは異なる所定の再遊技結果(通常再遊技結果)に基づいて前記再遊技処理が行われた場合、前記賭数操作手段の賭数操作を介することなく、当該再遊技処理にて設定された賭数に対応する前記賭数対応報知を実行可能な所定賭数報知手段(表示制御装置81による通常再遊技ベット演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cA10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果の場合の、賭数操作を経て賭数対応報知が行われることの特殊性が明確化される。すなわち、所定の再遊技結果のように、通常であれば、賭数操作を経ることなく賭数対応報知が行われるところ、特定の再遊技結果であれば、賭数操作を経ることで賭数対応報知が行われることが明確化される。このようにすることで、特定の再遊技結果が所定の再遊技結果のような再遊技結果の一種ではなく、他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を強く与えることが可能となり、それを利用した遊技の多様化が図られるし、このように遊技の多様化を図るうえで、特徴cA1に記載したような、特定状況下で始動操作手段が操作される可能性が生じるようになり、特定報知を制限可能な特定処理を実行する特定処理手段を備えることの意義が大いに高められる。
特徴cA12.前記所定賭数報知手段は、前記特定報知を実行することなく前記賭数対応報知を実行する構成、又は前記特定報知とは異なる所定報知を実行した後で、前記賭数対応報知を実行する構成であることを特徴とする特徴cA11に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の再遊技結果の場合と特定の再遊技結果の場合とで、賭数操作の有無だけではなく、賭数対応報知が行われるまでの報知態様が異なることとなる。この場合、特定の再遊技結果は他の小役結果や外れ結果の報知態様と共通しているため、上記構成のようにすることで、特定の再遊技結果が所定の再遊技結果のような再遊技結果ではなく、他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与える手助けとすることが可能となる。
特徴cA13.前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合に、前記賭数設定手段にて設定される賭数に対応する賭数報知を前記特定の報知手段とは異なる所定の報知手段(BET表示部75)にて実行する第2賭数報知手段(主制御装置101によるBET用処理を実行する機能)を備え、
前記第2賭数報知手段は、前記再遊技設定手段による前記再遊技処理が行われた場合、当該再遊技処理の契機となった再遊技結果の種類に関わらず、前記賭数操作を介することなく前記賭数報知を実行可能な構成であることを特徴とする特徴cA10乃至特徴cA12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果に基づく再遊技処理が行われた場合、賭数対応報知については賭数操作に基づいて行われる構成において、第2賭数報知手段側の賭数報知は、再遊技結果の種類に関わらず賭数操作を介することなく行われる。このようにすることで、賭数対応報知を通じて特定の再遊技結果を他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与えながらも、特定の再遊技結果が再遊技結果の一種であることを確認しようとすればそれが可能な構成となり、例えば、再遊技結果ではないのにもかかわらず再遊技処理を行わせる不正行為や、特定の再遊技結果が他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を利用して他の小役結果等であるのにもかかわらず特定の再遊技結果の恩恵を享受しようとする不正行為を、遊技ホールの管理者等が好適に発見することが可能となる。
それだけでなく、再遊技処理が行われることで賭数の設定が行われるため、特定の再遊技結果については、本来ならば不要な賭数操作を演出上行わせる構成であり、上記構成のように第2賭数報知手段側で賭数操作を介さずに賭数報知を行うようにしておけば、特定の再遊技結果後であっても、賭数操作を介さずに開始操作が可能な構成であることを明確化することが可能である。
特徴cA14.前記賭数設定手段は、予め定められた特定数を上限として賭数を設定可能な構成であり、
前記特定の報知手段は、前記特定数の報知部(ベット表示部34a~34c)を有し、各報知部は、報知状態(点灯状態)と非報知状態(消灯状態)とに切り替え可能に構成されており、
前記賭数報知手段は、前記賭数設定手段により設定される賭数に対応する数の前記報知部を、順次、前記報知状態に切り替えることを前記特定報知とし、当該賭数に対応する数の前記報知部が前記報知状態に切り替わった状態を前記賭数対応報知として実行するものであることを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は賭数対応報知や特定報知の具体的構成であり、特に、設定された賭数に対応する数の報知部を報知状態に順次切り替えることを特定報知とすることで、例えば、賭数を1つずつ設定する賭数操作においても、その賭数操作が受け付けられたことを対応する報知部が報知状態に切り替わる様を通じて明確に把握することが可能となる。
特徴cA15.前記賭数報知手段は、前記特定報知を行う場合、所定の報知部を前記報知状態に切り替え、所定期間(0.1sec又は0.2sec)後に、当該所定の報知部の次の報知部を前記報知状態に切り替える構成であることを特徴とする特徴cA14に記載の遊技機。
上記構成のように、特定報知において所定期間毎に報知部が順次報知状態に切り替えられるような構成であれば、賭数によっては特定報知が比較的長期間に亘って行われるようになる。その結果、当該特定報知中に始動操作手段が操作される事象も生じ易くなり、特徴cA1の特定処理手段を備える意義がより高められる。
特徴cA16.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が再遊技結果であって、前記有効位置に当該再遊技結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、当該再遊技結果に対応する特典として、当該再遊技結果となった前記抽選手段による抽選が行われた賭数と同数の賭数が前記賭数設定手段にて設定された再遊技状態にて、再度、前記抽選手段による抽選を受けることが可能となる再遊技処理を実行する再遊技設定手段(主制御装置101による再遊技設定用処理を実行する機能)を備え、
前記賭数報知手段は、特別の前記再遊技結果(通常リプA~C)に基づいて前記再遊技処理が行われた場合、当該特別の前記再遊技結果となった状況が予め定められた特別状況(例えばAT開始ゲーム)であれば、前記賭数操作手段の賭数操作に基づき、前記特定報知を実行した後、当該再遊技処理にて設定された賭数に対応する前記賭数対応報知を実行可能である一方、当該特別の前記再遊技結果(通常リプA~C)となった状況が前記特別状況とは異なる状況(例えば通常遊技状態)であれば、前記賭数操作手段の賭数操作を介することなく、前記特定報知を実行した後、当該再遊技処理にて設定された賭数に対応する前記賭数対応報知を実行可能な特別賭数報知手段(表示制御装置81による通常リプA~Cにおける第2再遊技結果入賞や第3再遊技結果入賞が成立した場合には特定再遊技ベット演出設定処理を行い、通常リプA~Cにおける第1再遊技結果入賞が成立した場合には通常再遊技ベット演出設定処理を行う機能)を備えていることを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別の再遊技結果の入賞が成立して再遊技処理が行われる場合、当該再遊技処理にて設定される賭数に対応する賭数対応報知は、当該特別の再遊技結果の入賞が成立した状況が特別状況であれば、賭数操作手段の賭数操作に基づき行われる一方、特別状況では無ければ、賭数操作を介することなく行われる。この場合、特別状況であれば、賭数対応報知の前に特定報知が行われるようにしていることから、通常の賭数操作に基づき賭数設定手段により賭数が設定される場合と同様の報知態様となる。このようにすることで、再遊技処理が行われることとなる再遊技結果であっても、状況によって、他の小役や外れ結果後の遊技と同様の流れで遊技を進行させることが可能となり、遊技進行を好適化することが可能となるし、再遊技結果ではない印象を遊技者に与えることを利用して、例えば、特別の再遊技結果を他の小役や外れ結果と思わせる効果も期待することが可能となり、当該他の小役や外れ結果と思わせる効果を用いて遊技の多様化も図ることが可能となる。
また、上記構成を特徴cA10や特徴cA11、及びこれらを引用する他の特徴に適用する場合、「特別の再遊技結果」が「特定の再遊技結果」や「所定の再遊技結果」のいずれかと同じ結果であってもよいし、「特定の再遊技結果」や「所定の再遊技結果」とは異なる結果であってもよい。
また、上記の「特別の再遊技結果」を「特定の再遊技結果」と「所定の再遊技結果」とに重複して当選する結果とし、特別状況なら特定の再遊技結果の入賞を成立させるようにし、特別状況ではなければ所定の再遊技結果の入賞を成立させるようにしてもよい。
特徴cA17.遊技状態として、第1遊技状態(通常モード)と、当該第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(ATモード)が設定されており、
前記特別状況は、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態への移行が生じる状況であることを特徴とする特徴cA16に記載の遊技機。
上記構成のように遊技状態の移行が生じる状況で特別の再遊技結果入賞が生じた場合、賭数操作に基づいて賭数対応報知が行われるようすれば、移行する第2遊技状態を賭数操作から開始させることが可能となり、前の第1遊技状態の結果が引き継がれることなく、新たな気持ちで第2遊技状態を開始させることが可能となる。
特徴cA18.前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定手段(例えば、主制御装置101によるATモード移行抽選処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、第1特定結果(特定再遊技結果)と、第2特定結果(例えば通常再遊技結果)と、が設定されており、
前記有利判定手段は、前記第1特定結果に基づいて前記有利判定を行う場合の方が、前記第2特定結果に基づいて前記有利判定を行う場合よりも前記有利事象を生じさせる結果となり易い又は有利な前記有利事象を生じさせる結果となり易い構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果である場合、当該第1特定結果となった遊技における前記周回体の周回が停止された後、前記特定報知が実行されている特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合は前記特定処理の実行対象となる一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合、当該第2特定結果となった遊技における前記周回体の周回が停止された後、前記特定報知が実行されている特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合であっても前記特定処理の実行対象とならない構成であることを特徴とする特徴cA1乃至特徴cA17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果の方が第2特定結果よりも有利判定にて有利な結果となり易い構成において、第1特定結果後では、特定状況において始動操作手段が操作された場合に特定報知が制限される一方、第2特定結果後では、同特定状況において始動操作手段が操作されても特定報知は制限されない。このようにすることで、例えば、有利判定の結果が始動操作手段の操作に基づいて報知されるような構成や、有利判定の結果が有利であるほど、遊技進行を急ぐ必要がある場面に特定報知が途中で制限され易くなり、特定報知中に周回体の回転が開始されることを好適に回避することが可能となる。
特徴cA19.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57)と、
前記賭数操作手段が操作された場合に、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101による第1操作対応処理や第2操作対応処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数操作手段が操作された場合に、特定報知(ベット過程演出)を実行した後、前記賭数設定手段により設定された賭数に対応する賭数対応報知(ベット対応演出)を所定の報知手段にて実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定報知が実行されている特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合に、予め定められた特定処理を実行する特定処理手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理における開始操作コマンドに基づきベット対応演出に切り替える等する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、賭数操作手段が操作されると遊技の賭数が設定され、特定報知を経て、遊技の賭数に対応する賭数対応報知が所定の報知手段にて行われる。この場合、例えば、特定報知の実行中に始動操作手段が操作されて、当該操作に基づいて周回体の回転が開始されたりする場合も想定され、このような場合には、当該回転開始用の演出や処理が、特定報知や特定報知用の処理と重複する可能性が高く、処理負荷の増大化が懸念されたり、演出等の重複による遊技者の混乱を生じさせたりする可能性がある。
そこで、上記構成においては、特定報知の実行中に始動操作手段が操作された場合には、特定処理を実行する特定処理手段を備えるようにしたことから、当該特定処理を、例えば、当該回転開始用の演出と特定報知との重複や、回転開始用の処理と特定報知用の処理との重複を解消するための処理として設定することで、上記の各種不都合の発生を好適に回避することが可能となる。よって、遊技を好適に進行可能な遊技機を提供することが可能となる。
上記特徴cA19に特徴cA1乃至特徴cA18にて限定した構成を個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。また、特徴cA1乃至特徴cA18にて限定した構成のうちの一部の構成を適用してもよく、それらを組み合わせて適用してもよい。
特徴cA20.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57)と、
前記賭数操作手段が操作された場合に、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101による第1操作対応処理や第2操作対応処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数操作手段が操作された場合に、特定報知(ベット過程演出)を実行した後、前記賭数設定手段により設定された賭数に対応する賭数対応報知(ベット対応演出)を所定の報知手段にて実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記駆動制御手段により各前記周回体の回転が開始される場合に、前記特定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて開始報知を実行する開始報知手段(表示制御装置81による開始時演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定報知が実行されている特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合に、前記特定報知又は前記開始報知のいずれか一方を制限可能な特定処理を実行する特定処理手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理における開始操作コマンドに基づきベット対応演出に切り替える処理や、押し順報知演出の開始を遅延させる処理等を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、賭数操作手段が操作されると遊技の賭数が設定され、特定報知を経て、遊技の賭数に対応する賭数対応報知が所定の報知手段にて行われる。この場合、例えば、特定報知の実行中に始動操作手段が操作されて、当該操作に基づいて周回体の回転が開始されたりする場合も想定され、このような場合には、当該回転開始用の開始報知や処理が、特定報知や特定報知用の処理と重複する可能性が高く、処理負荷の増大化が懸念されたり、演出等の重複による遊技者の混乱を生じさせたりする可能性がある。
そこで、上記構成においては、特定報知の実行中に始動操作手段が操作された場合には、特定報知又は開始報知を制限可能な特定処理を実行する特定処理手段を備えるようにしたことから、開始報知と特定報知との重複や、開始報知用の処理と特定報知用の処理との重複を解消することが可能となる。よって、遊技を好適に進行可能な遊技機を提供することが可能となる。
上記特徴cA20に特徴cA1乃至特徴cA18にて限定した構成を個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。また、特徴cA1乃至特徴cA18にて限定した構成のうちの一部の構成を適用してもよく、それらを組み合わせて適用してもよい。
上記特徴cA1乃至特徴cA20に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴cA1乃至特徴cA20の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA20、特徴cB1乃至特徴cB15、特徴cC1乃至特徴cC9、特徴cD1乃至特徴cD11、特徴cE1乃至特徴cE9、特徴cF1乃至特徴cF8、特徴cG1乃至特徴cG9、特徴cH1乃至特徴cH7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cB群>
特徴cB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56)と、
前記賭数操作手段が操作された場合に、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101による第1操作対応処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、今回の前記抽選手段による抽選が行われた賭数と同数の賭数が設定される再遊技状態にて、再度、前記抽選手段による抽選を受けることが可能となる再遊技結果が設定されており、
前記賭数操作手段に対して設けられ、第1報知状態(点灯状態)と第2報知状態(消灯状態)とに切り替わり可能な操作報知手段(第1クレジットランプ56b)と、
前記操作報知手段を前記第1報知状態とする第1制御手段(表示制御装置81による第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行する機能)と、
前記操作報知手段が前記第1報知状態である状況で前記賭数操作手段の操作が行われた場合に、前記操作報知手段を前記第2報知状態に切り替える第2制御手段(表示制御装置81による連ベット演出設定処理を実行する機能)と、
前記再遊技状態の設定の契機となった前記再遊技結果が所定の再遊技結果である場合は当該再遊技状態にて前記操作報知手段を前記第1報知状態としない一方、前記再遊技状態の設定の契機となった前記再遊技結果が前記所定の再遊技結果とは異なる特定の再遊技結果である場合は当該再遊技状態にて前記操作報知手段を前記第1報知状態とする第3制御手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定の再遊技結果である場合に設定された前記操作報知手段の前記第1報知状態を特定期間に亘って維持し、当該特定期間が経過した場合に前記操作報知手段を前記第2報知状態に切り替える第4制御手段(表示制御装置81による待機用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の操作に基づき遊技の賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されるとともに、設定された賭数に応じた抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、賭数操作手段に対して操作報知手段が設けられており、賭数操作手段の操作により賭数が設定可能な状況では第1報知状態とされ、当該第1報知状態である状況で操作が行われると当該第1報知状態から第2報知状態に切り替わるようにしていることから、遊技の開始するにあたり賭数操作手段の操作が必要であることや、その賭数操作手段を操作した場合にその操作が受け付けられたことを遊技者が理解し易くなる。
この場合、抽選結果として同じ賭数にて再度抽選を受けることが可能となる再遊技結果が設定されており、再遊技結果後は、新たな賭数の設定は必要が生じない。但し、上記構成においては、所定の再遊技結果であれば、新たな賭数の設定を要しないことを明確化すべく操作報知手段を第1報知状態としないものの、特定の再遊技結果であれば、賭数操作手段の操作を促すように操作報知手段が第1報知状態とされるようにしており、このようにすることで、特定の再遊技結果をあたかも他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を遊技者に与えることが可能となる。
但し、これら所定の再遊技結果も特定の再遊技結果も、あくまで再遊技結果であり、例えば、これらの再遊技結果入賞が成立したまま遊技を終了してしまうと、新たな賭数の設定を行うことなく少なくとも1回は遊技することが可能であるのにもかかわらず、それが放棄されてしまうことになる。また、遊技ホールが閉店した場合、次の日に新たな賭数の設定を要することなく遊技が可能であった場合には、前日の再遊技結果入賞が成立した状態が引き継がれているとして、設定値の変更が行われなかった等が遊技者に把握されるし、逆に次の日に新たな賭数の設定を要した場合には、設定値の変更が行われた可能性があることが遊技者に把握されることとなる。
そこで、上記構成においては、特定の再遊技結果に基づいて第1報知状態とされた場合、特定期間に亘って当該第1報知状態を維持して、特定の再遊技結果が他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与えるようにしながらも、当該特定期間が経過した後は、第1報知状態から第2報知状態に切り替えるようにしていることから、他の所定の再遊技結果と同様の報知態様となり、再遊技結果入賞が成立している状況を明確に把握させることが可能となる。
特徴cB2.前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により所定数の遊技価値が付与される小役結果が設けられており、
前記抽選手段による抽選結果が前記小役結果であり、当該小役結果に対応する前記周回体の周回が停止された後、前記操作報知手段を前記第1報知状態とすることが可能な第5制御手段(表示制御装置81による第1クレジットランプ56bを点灯状態とする処理を実行する機能)と、
前記小役結果に対応する前記周回体の周回が停止されて前記操作報知手段が前記第1報知状態とされた後、前記特定期間が経過した場合、前記第1報知状態を維持することが可能な第6制御手段(表示制御装置81による小役後は仮待機状態に設定しない処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、小役結果後は、特定の再遊技結果と同様に操作報知手段が第1報知状態とされ得る。その一方で、特定期間が経過すると、特定の再遊技結果の場合には第2報知状態とされ、小役結果の場合には第1報知状態が維持される。このようにすることで、特徴cB1の構成において、特定の再遊技結果入賞が成立している状況であることを把握させるだけではなく、特定の再遊技結果入賞であるか、小役結果後であるかの判別も行えるようにすることが可能となる。
つまり、例えば、小役結果を特定の再遊技結果と似たような停止出目とする場合、いずれの結果であっても操作報知手段は第1報知状態とされ得るものの、特定の再遊技結果後は特定期間の経過後に第2報知状態とされ、その似たような停止出目の小役結果後は特定期間が経過しても第2報知状態とならない、といった差が生じ得るようになり、いずれの結果であったかを、操作報知手段の特定期間後の状態変化によって把握させる、といった新たな遊技性を実現することが可能となる。このようにすることで、遊技の興趣向上に役立てることも可能である。
特徴cB3.前記再遊技状態に設定されたことの再遊技報知を前記操作報知手段よりも小さい所定報知手段(再遊技状態表示部76a)にて実行可能な再遊技報知手段(主制御装置101による遊技状態表示部用処理を実行する機能)を備え、
前記再遊技報知手段は、前記再遊技状態の設定の契機となった前記再遊技結果の種類に関わらず、前記再遊技報知を実行する構成であることを特徴とする特徴cB1又は特徴cB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技報知手段による再遊技報知によっても、再遊技結果入賞が成立したことを把握することが可能となる。このようにすることで、特定の再遊技結果である場合に、操作報知手段の報知状態の変化を確認せずとも、再遊技報知を確認すれば、再遊技結果であることを明確に把握することが可能となる。この場合、再遊技報知は操作報知手段よりも小さい所定報知手段にて行われる構成であることから、再遊技結果であることを確認しようとすれば、それが可能であるものの、当該再遊技報知は操作報知手段よりも目にとまりにくく、特定の再遊技結果を他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与える障壁となりにくい。このようにすることで、再遊技結果であることの確認を可能としながらも、特定の再遊技結果を利用した遊技の多様化に貢献することが可能となる。
特徴cB4.前記再遊技報知手段は、前記特定期間が経過した後も前記再遊技報知を実行可能であることを特徴とする特徴cB3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定期間の経過後は、操作報知手段の報知状態の変化ではなく再遊技報知によって再遊技結果入賞が成立した後であることを確認することが可能となる。言い換えると、特定期間の経過後において再遊技報知が行われている場合、それが所定の再遊技結果入賞後なのか特定の再遊技結果入賞後なのかがわからなくなる。そうすると、例えば、所定の再遊技結果と特定の再遊技結果との停止出目が似たような停止出目であっていずれの再遊技結果かを判別しにくいような構成においては、特定期間が経過するよりも前に、操作報知手段が第1報知状態となっていることを確認することで特定の再遊技結果であることが把握可能となる構成となり、操作報知手段への注目度を好適に高めることも可能となる。
特徴cB5.遊技進行に応じて演出を行う演出手段(補助表示部65)と、
一の遊技が終了されてから予め定められた所定期間に亘って遊技が行われなかった場合、前記演出手段を待機状態とさせる待機手段(表示制御装置81による補助表示部65を待機状態に設定する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定期間は、前記所定期間とは長さが異なる期間であることを特徴とする特徴cB1乃至特徴cB4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、演出手段が所謂デモ状態としての待機状態に切り替わるタイミングとは異なるタイミングで、特定の再遊技結果に基づく操作報知手段の第1報知状態が第2報知状態に切り替わるようになる。このようにすることで、操作報知手段の報知状態の変化からいずれの再遊技結果かを判別しようとする遊技において、待機状態となることによってその報知状態の変化が生じたと混乱させてしまうことを回避することが可能となる。また、例えば、小役結果や外れ結果後に操作報知手段が第1報知状態とされる構成において、待機状態に切り替わるタイミングで当該小役結果等の後で第1報知状態となっている操作報知手段についても第2報知状態とすることも考えられ、このような構成においては、操作報知手段が第1報知状態から第2報知状態に切り替えられるタイミングによって、特定の再遊技結果であったか、小役結果等であったかを判断させる遊技性も実現することが可能となる。
特徴cB6.前記特定期間は、前記所定期間よりも短い期間であることを特徴とする特徴cB5に記載の遊技機。
所謂デモ状態としての待機状態に切り替わるまでの所定期間としては、一般的には比較的長い期間が設定されているところ、上記構成のようにすることで、そのような長い期間を待たずにも、特徴cB2に記載したような、特定の再遊技結果であったか小役結果等であったかを判断させる遊技を行わせることが可能である。
特徴cB7.遊技進行に応じて演出を行う演出手段(補助表示部65)と、
一の遊技が終了されてから予め定められた所定期間に亘って遊技が行われなかった場合、前記演出手段を待機状態とさせる待機手段(表示制御装置81による補助表示部65を待機状態に設定する処理を実行する機能)と、
少なくとも前記特定の再遊技結果に基づいて設定された前記再遊技状態において前記待機手段により前記待機状態とされる場合と、当該特定の再遊技結果とは異なる結果の後で前記待機手段により前記待機状態とされる場合とで前記待機状態の態様を異ならせることが可能な手段(表示制御装置81による特定再遊技入賞報知を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cB1乃至特徴cB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、待機状態となった場合に、その待機状態の態様から特定の再遊技結果後であることを、遊技者は明確に把握することが可能となる。この場合、待機状態の態様から特定の再遊技結果入賞後であること判別しようとするならば、少なくとも待機状態とされるまでの所定期間に亘って遊技を中断する必要が生じる。このようにすることで、早く結果を知りたがる遊技者のはやる気持ちを逆に利用して、待機状態となるまでの期間を心待ちにさせる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴cB8.遊技進行に応じて演出を行う演出手段(補助表示部65)と、
一の遊技が終了されてから予め定められた所定期間に亘って遊技が行われなかった場合、前記演出手段を待機状態とさせる待機手段(表示制御装置81による補助表示部65を待機状態に設定する処理を実行する機能)と、
前記再遊技状態において前記待機手段により前記待機状態とされることを制限する手段(主制御装置101による再遊技状態では待機カウンタのカウントを不許可とする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cB1乃至特徴cB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技状態に設定されてから所定期間が経過して、操作報知手段は第1報知状態から第2報知状態に切り替えられたとしても、再遊技状態においては待機状態とされることは制限されているため、所定期間が経過しても待機状態となること自体が制限されたり、演出手段の一部だけが待機状態とされるように待機状態の態様が制限されたり、所定期間が経過しても待機状態とならずその後に待機状態となるといったように、その待機状態となるまでの期間が制限されたりする。このようにすることで、再遊技状態にて特定期間が経過した場合の第1報知状態から第2報知状態に切り替えられる様をより目立たせることが可能となり、かかる構成を利用して、再遊技結果入賞が成立していることを明確に知らしめることが可能となる。
特徴cB9.予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)を備え、
前記賭数操作手段が操作された場合に設定される賭数に相当する特定数の仮想遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている場合、前記賭数操作手段の操作に基づいて前記特定数の賭数が設定される一方、前記特定数の仮想遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されてない場合、前記賭数操作手段が操作されても前記特定数の賭数は設定されない構成であり、
前記第3制御手段は、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に関わらず、前記再遊技状態の設定の契機となった前記再遊技結果が前記特定の再遊技結果である場合は当該再遊技状態にて前記操作報知手段を前記第1報知状態とすることを特徴とする特徴cB1乃至特徴cB8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果後の再遊技状態であれば、特定数の賭数に相当する仮想遊技価値が記憶されていなくても操作報知手段は第1報知状態とされる。このようにすることで、特定の再遊技結果後に操作報知手段を第1報知状態とする場合に、仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を把握する必要が生じず、処理構成の簡素化が図られる。また、仮想遊技価値記憶手段に仮想遊技価値が記憶されていないのにもかかわらず、操作報知手段が第1報知状態とされることを通じて、特定の再遊技結果入賞後であることを遊技者に知らしめることも可能である。
特徴cB10.予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)と、
前記賭数操作手段が操作された場合に設定される賭数に相当する特定数の仮想遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている場合、前記賭数操作手段の操作に基づいて前記特定数の賭数が設定される一方、前記特定数の仮想遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されてない場合、前記賭数操作手段が操作されても前記特定数の賭数は設定されない構成であり、
遊技者が操作可能な清算用操作手段(清算スイッチ59)と、
前記清算用操作手段が操作された場合に、少なくとも前記仮想遊技価値記憶手段に記憶された仮想遊技価値の数に相当する数の遊技価値の清算を実行可能な清算手段(主制御装置101によるメダル返却処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定の再遊技結果に基づいて前記操作報知手段が前記第1報知状態に設定されている状況で前記清算用操作手段が操作された場合、当該操作報知手段が前記第1報知状態であることを継続させることが可能な継続手段(主制御装置101によるメダル返却処理において、第3移行期間が経過していなかったり、清算操作カウンタが特定数に至っていない場合には清算用の処理を行わないことにより、表示制御装置81側では第1クレジットランプ56を消灯状態としない機能)を備えていることを特徴とする特徴cB1乃至特徴cB9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、清算用操作手段が操作された場合に仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値に相当する数の遊技価値の清算が行われる構成において、特定の再遊技結果に基づいて操作報知手段が第1報知状態とされている場合に清算用操作手段が操作されても、当該第1報知状態が継続される。清算用操作手段が操作されると記憶されている仮想遊技価値が遊技価値として清算されることから、基本的には賭数操作手段を操作しても設定可能な仮想遊技価値は記憶していない状態となるところ、小役結果や外れ結果後であれば、操作報知手段も第1報知状態から第2報知状態に切り替わると考えられる。これに対して、特定の再遊技結果に基づいて操作報知手段が第1報知状態とされている状況下においては、仮想遊技価値の記憶数に関わらず賭数の設定は可能であり、この場合、清算用操作手段が操作されても第1報知状態が継続される。このようにすることで、清算用操作手段を操作して賭数報知手段の報知状態の変化の有無を通じて特定の再遊技結果であることを把握させるといった新たな遊技性を実現することが可能となる。
なお、上記構成は、「前記清算用操作手段が操作され、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶された仮想遊技価値の数に相当する数の遊技価値の清算が行われた場合、前記第1報知状態である前記操作報知手段を前記第2報知状態に切り替える手段」を備える構成とすることで、上記の優れた効果をより好適に奏することが可能となる。
また、「清算手段」は「前記清算用操作手段が操作された場合に、少なくとも前記仮想遊技価値記憶手段に記憶された仮想遊技価値の数に相当する数の遊技価値を払い出すことが可能な払出手段(主制御装置101によるメダル返却処理を実行する機能)」と表現してもよく、当該「清算手段」の表現の変更は、同様の表現を用いた他の特徴群や他の特徴においても適用可能である。
特徴cB11.前記清算用操作手段が操作された場合に、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算の実行を制限可能な清算制限手段(主制御装置101によるメダル返却処理において、第3移行期間が経過していなかったり、清算操作カウンタが特定数に至っていない場合には清算用の処理を行わない機能)を備えていることを特徴とする特徴cB10に記載の遊技機。
上記構成によれば、清算用操作手段を操作しても清算制限手段によって仮想遊技価値の清算が制限される場合がある。このようにすることで、賭数報知手段が第1報知状態である状況下で清算用操作手段を操作しても第1報知状態が維持された場合に、特定の再遊技結果に基づいて第1報知状態とされていることが分かりにくくなる。よって、清算用操作手段を操作して特定の再遊技結果であることを見抜く遊技性の興趣を好適に向上させることが可能となる。
特徴cB12.前記清算制限手段は、予め定められた特定数の前記清算用操作手段の操作に基づく前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算の実行を制限可能であり、
前記清算手段は、前記特定数を超える前記清算用操作手段の操作に基づいて、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算を実行する構成であることを特徴とする特徴cB11に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴cB11の効果を奏しながらも、仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の清算を行いたいにもかかわらず、その清算ができない、といった不都合を解消することができる。
特徴cB13.前記特定の再遊技結果に基づいて前記操作報知手段が前記第1報知状態とされている場合、前記清算用操作手段の操作に基づいて前記仮想遊技価値記憶手段に記憶された仮想遊技価値の数に相当する数の遊技価値の清算が行われる場合に、前記操作報知手段を前記第2報知状態とする手段(表示制御装置81による特定清算コマンドに基づいて第1クレジットランプ56bの消灯処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cB11又は特徴cB12に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果に基づいて第1報知状態とされた操作報知手段は、仮想遊技価値の清算とともに第2報知状態とされる。このようにすることで、特定の再遊技結果後に仮想遊技価値の清算用の操作が行われた場合、清算が制限されたり第1報知状態が継続されたりしながらも、清算が行われた際には第1報知状態から第2報知状態に切り替わり、他の遊技結果と操作報知手段の報知状態と同じようになる。これにより、特定の再遊技結果であることを、清算操作を行った遊技者だけが把握し易くなり、当該清算操作によって特定の再遊技結果であることを把握する遊技の優位性を好適に担保することが可能となる。
特徴cB14.前記清算手段は、前記再遊技状態において前記清算用操作手段が操作された場合に、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算を実行可能な構成であることを特徴とする特徴cB10乃至特徴cB13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、再遊技状態であっても仮想遊技価値の清算が可能としておけば、特定の再遊技結果に基づく再遊技状態のまま遊技が終了される事象が生じ易くなり、特徴cB12のように清算操作によって操作報知手段の第1報知状態が継続されることを通じて特定の再遊技結果後であることを把握させることの意義が高められる。
特徴cB15.前記清算手段は、前記再遊技状態に設定されてから前記特定期間よりも短い特別期間が経過することで、前記清算用操作手段が操作された場合に、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算を実行することが可能となる構成であることを特徴とする特徴cB14に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技状態においては、特別期間が経過するまで仮想遊技価値の清算が行えない。このようにすることで、再遊技状態であることを分かりやすくすることが可能となる。
上記特徴cB1乃至特徴cB15に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴cB1乃至特徴cB15の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA20、特徴cB1乃至特徴cB15、特徴cC1乃至特徴cC9、特徴cD1乃至特徴cD11、特徴cE1乃至特徴cE9、特徴cF1乃至特徴cF8、特徴cG1乃至特徴cG9、特徴cH1乃至特徴cH7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cC群>
特徴cC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57)と、
前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合に、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101による第1操作対応処理や第2操作対応処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数設定手段により設定された賭数に対応する賭数対応報知を実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記賭数報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が第1結果(小役結果)であって、当該第1結果に対応する前記周回体の周回が停止した後である第1特定状況において、当該第1結果となる抽選に用いられた賭数に対応する前記賭数対応報知を予め定められた特定期間が経過した場合に終了する一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果(特定再遊技結果)であって、当該第2結果に対応する前記周回体の周回が停止した後である第2特定状況において、当該第2結果となる抽選に用いられた賭数に対応する前記賭数対応報知を、前記特定期間が経過した後においても継続させることが可能な特定賭数報知手段(表示制御装置81による再遊技状態ではベット表示部34の仮待機用処理を行わない機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の賭数操作に基づき遊技の賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されるとともに、設定された賭数に応じた抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、各遊技の賭数に対応する賭数対応報知は、遊技の結果が第1結果である場合には、周回体が停止したり特典が付与されたりして今回の遊技が終了してから特定期間が経過すると終了する一方、遊技の結果が第2結果である場合には特定期間が経過しても終了しない。このようにすることで、周回体の停止出目によって抽選の結果を把握させる遊技を前提としながらも、周回体の停止出目だけではなく既存の賭数対応報知が継続される期間の長さをうまく利用して、遊技の結果を把握させることが可能となり、例えば、停止出目からはいずれの結果かが判断しにくい場合など、特定期間経過後の賭数対応報知が終了するか否かによっていずれの結果かを判断させるといった遊技も行わせることが可能となる。特に、特定期間経過によっていずれの結果かを判断させるようにすることで、従来のようなスムーズな遊技進行を促しながら遊技の興趣向上を図る遊技性とは真逆の、周回体の停止後に待つことで結果が判断できる、といった斬新な遊技性を提供することが可能となり、このような遊技性によって遊技の興趣向上に大きく貢献することも可能となる。
なお、「第1特定状況」や、「第2特定状況」は以下のように表現してもよく、かかる表現の変更は、対応する表現を用いる他の特徴や特徴群でも適用可能である。
「前記抽選手段による抽選結果が第1結果(小役結果)であって、当該第1結果に対応するとなる抽選が行われることとなった前記始動操作手段の操作に基づいて開始された各前記周回体の回転が停止した後又は前記特典付与手段により当該第1結果に基づく特典が付与された後である第1特定状況」、「前記抽選手段による抽選結果が第2結果(特定再遊技結果)であって、当該第2結果に対応するとなる抽選が行われることとなった前記始動操作手段の操作に基づいて開始された各前記周回体の回転が停止した後又は前記特典付与手段により当該第2結果に基づく特典が付与された後である第2特定状況」。
特徴cC2.前記賭数報知手段による前記賭数対応報知の実行中に前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、当該実行中の前記賭数対応報知を終了させてから、今回の賭数に対応する賭数対応報知に更新する更新報知を実行可能な更新手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理において、各種賭数操作に基づいてベット表示部34を一旦消灯状態とし、その後、ベット対応演出が行われるようにする処理を実行する機能)を備え、
前記更新手段は、前記第1特定状況において前記賭数操作が行われた場合に前記更新報知を実行可能であり、且つ前記第2特定状況において前記賭数操作が行われた場合に前記更新報知を実行可能であり、
前記特定賭数報知手段は、前記第1特定状況において前記更新手段による前記更新報知が行われた場合、前記特定期間が経過した後において前記賭数対応報知を継続させることが可能であることを特徴とする特徴cC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれの結果後においても、賭数操作が行われると、それまでの賭数対応報知が一旦終了してから今回の賭数操作に対応する賭数対応報知に更新される。この場合、第1結果後に賭数操作が行われた後、更新後の賭数対応報知は特定期間が経過した後も継続される。このようにすることで、特定期間後の賭数対応報知の継続の有無によっていずれの結果であったかを判別しようとするならば、賭数操作を思いとどまらせる、といったように、待つことが遊技の肝となる斬新な遊技性を実現することが可能となる。また、賭数操作を行って新たな遊技を行おうとするならば、当該賭数操作によって更新された賭数対応報知については、前回の遊技の結果に左右されずその賭数を知らしめる機能を担保することが可能となる。
特徴cC3.遊技進行に応じて演出を行う演出手段(補助表示部65)と、
一の遊技が終了されてから前記特定期間よりも長い所定期間に亘って遊技が行われなかった場合、前記演出手段を待機状態とさせる待機手段(表示制御装置81による待機用処理を実行する機能)と、
前記第1特定状況において前記待機手段により前記待機状態とされることを許容する一方、前記第2特定状況において前記待機手段により前記待機状態とされることを制限する手段(主制御装置101による再遊技状態では待機カウンタのカウントを不許可とする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cC1又は特徴cC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果となった遊技後の第1特定状況となってから所定期間が経過すると演出手段は待機状態となるし、特定期間が経過すると賭数対応報知は終了するものの、第2結果となった遊技後の第2特定状況となってから所定期間が経過しても、演出手段は待機状態となることが制限されているし、特定期間が経過しても賭数対応報知は終了しない。このように第1結果か第2結果かを判別する材料を増やすことで、両結果を判別する遊技性の興趣向上が図られる。
特徴cC4.前記賭数報知手段による前記賭数対応報知の実行中に前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、当該実行中の前記賭数対応報知を終了させてから、今回の賭数に対応する賭数対応報知に更新する更新報知を実行可能な更新手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理において、各種賭数操作に基づいてベット表示部34を一旦消灯状態とし、その後、ベット対応演出が行われるようにする処理を実行する機能)を備え、
前記更新手段は、前記第1特定状況において前記賭数操作が行われた場合に前記更新報知を実行可能であり、且つ前記第2特定状況において前記賭数操作が行われた場合に前記更新報知を実行可能であり、
前記特定賭数報知手段は、前記第1特定状況において前記更新手段による前記更新報知が行われた場合、前記特定期間が経過した後において前記賭数対応報知を継続させることが可能である一方で、前記待機状態となることで前記賭数対応報知を終了させることを特徴とする特徴cC3に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれの結果後においても、賭数操作が行われると、それまでの賭数対応報知が一旦終了してから今回の賭数操作に対応する賭数対応報知に更新される。この場合、第1結果後に賭数操作が行われた後、更新後の賭数対応報知は特定期間が経過した後も継続される。このようにすることで、特定期間後の賭数対応報知の継続の有無によっていずれの結果であったかを判別しようとするならば、賭数操作を思いとどまらせる、といったように、待つことが遊技の肝となる斬新な遊技性を実現することが可能となる。また、賭数操作を行って新たな遊技を行おうとするならば、当該賭数操作によって更新された賭数対応報知については、前回の遊技の結果に左右されずその賭数を知らしめる機能を担保することが可能となる。
そのうえで、待機状態となると、第1結果後の第1特定状況では賭数対応報知が終了されることから、仮に誤って賭数操作を行ってしまった場合には、待機状態となるまで所定期間に亘って待てばよく、遊技者の誤操作を好適に救済することも可能となる。
特徴cC5.前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により付与される特典として、所定数の遊技価値が付与される小役結果と、今回の賭数と同数の賭数にて、再度、前記抽選手段による抽選を受けることが可能となる再遊技状態に設定される再遊技結果と、が設定されており、
前記第1結果は所定の前記小役結果であり、前記第2結果は所定の前記再遊技結果であることを特徴とする特徴cC1乃至特徴cC4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定数の遊技価値が付与される小役結果の場合には、当該小役結果となった遊技の終了後である第1特定状況にて賭数対応報知が特定期間に亘って行われ、その後、当該賭数対応報知は終了する。これに対して、再遊技状態に設定される再遊技結果の場合には、当該再遊技結果となった遊技の終了後である第2特定状況にて賭数対応報知が特定期間後においても継続される。再遊技結果の場合には、当該再遊技結果となった遊技の賭数と同数の賭数にて次の遊技が可能となるところ、再遊技結果となった遊技に対応する賭数対応報知は、次の遊技の賭数対応報知としてそのまま利用することが可能である。そこで、上記構成のように、特定期間後においても賭数対応報知を継続させることで、遊技の進行と矛盾を生じさせることなく、賭数対応報知の状態変化を省略することが可能となる。
特徴cC6.前記賭数報知手段による前記賭数対応報知の実行中に前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、当該実行中の前記賭数対応報知を終了させてから、今回の賭数に対応する賭数対応報知に更新する更新報知を実行可能な更新手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理において、各種賭数操作に基づいてベット表示部34を一旦消灯状態とし、その後、ベット対応演出が行われるようにする処理を実行する機能)を備え、
前記更新手段は、前記再遊技結果に基づいて設定される前記再遊技状態において、前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、当該再遊技結果となった抽選に対応する前記賭数対応報知を終了してから、当該再遊技状態にて設定される賭数に対応する賭数対応報知に更新する更新報知を実行可能であることを特徴とする特徴cC5に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技結果となると当該再遊技結果となった遊技の賭数と同数の賭数にて次の遊技が可能となるところ、賭数対応報知自体は同じものを流用可能であっても、賭数操作に基づいて更新報知が行われる。このようにすることで、小役結果としての第1結果のように、新たな賭数の設定に賭数操作が必要な遊技と遊技進行の流れを同じ流れとすることが可能となり、第1結果と第2結果とを判別しにくくすることができる。よって、特定期間後の賭数対応報知の状態変化の有無によって結果の判別を行う必要性が高まり、かかる遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴cC7.前記再遊技結果として所定の再遊技結果と特定の再遊技結果とが設定されており、
前記更新手段は、前記再遊技状態が前記所定の再遊技結果に基づいて設定された場合、前記賭数操作手段の賭数操作を介することなく前記更新報知を実行する一方、前記再遊技状態が前記特定の再遊技結果に基づいて設定された場合、前記賭数操作手段の賭数操作を介して前記更新報知を実行することを特徴とする特徴cC6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴cC6のように再遊技状態にて賭数操作を介して更新報知が行われる構成が、全ての再遊技結果に当てはまるのではなく、一部(特定の再遊技結果)にだけ当てはまるものである構成となる。このようにすることで、再遊技状態に設定されればそのまま賭数の設定が行われるのであるから、通常であれば賭数操作を介することなく更新報知が行われることを前提とし、賭数操作を介して更新報知が行われることを通じて、再遊技状態に設定されていないかのような印象を与えることが可能となり、特定の再遊技結果を小役結果としての第1結果と判別しにくくすることができる。よって、特定期間の経過とともに賭数報知手段の状態変化の有無を見定める遊技性の興趣を好適に向上させることができる。
特徴cC8.前記賭数報知手段は前記賭数対応報知を特定の報知手段にて実行し、
前記賭数設定手段にて設定される賭数に対応する賭数報知を前記特定の報知手段とは異なる所定の報知手段(BET表示部75)にて実行する第2賭数報知手段(主制御装置101によるBET用処理を実行する機能)を備え、
前記第2賭数報知手段は、前記第1特定状況において、前記第1結果となる抽選に用いられた賭数に対応する前記賭数報知を予め定められた所定期間が経過した場合に終了する一方、前記第2特定状況において、前記第2結果となる抽選に用いられた賭数に対応する前記賭数報知を前記所定期間が経過した後も継続することが可能な特定第2賭数報知手段(主制御装置101によるBET表示部75の待機用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cC1乃至特徴cC7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、賭数報知手段による賭数対応報知の継続の有無だけではなく、第2賭数報知手段による賭数報知の継続の有無からも第1結果と第2結果との判別を行うことが可能となる。このようにすることで、賭数対応報知や賭数報知の継続の有無から結果を判別する遊技における判断の枝が増え、遊技の興趣を好適に高めることが可能である。
特徴cC9.前記特定の報知手段は、前記所定の報知手段よりも遊技者により識別し易くなるように設定されており、
前記特定期間は前記所定期間よりも短い期間であることを特徴とする特徴cC8に記載の遊技機。
上記構成によれば、より識別性の高い特定の報知手段による賭数対応報知の継続の有無によって、結果の判別を行うことが可能となるタイミングの方が早期に到来することになる。このようにすることで、報知の継続の有無から結果を判別する遊技を好適に行わせることが可能となる。
上記特徴cC1乃至特徴cC9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴cC1乃至特徴cC9の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA20、特徴cB1乃至特徴cB15、特徴cC1乃至特徴cC9、特徴cD1乃至特徴cD11、特徴cE1乃至特徴cE9、特徴cF1乃至特徴cF8、特徴cG1乃至特徴cG9、特徴cH1乃至特徴cH7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cD群>
特徴cD1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)と、
遊技の賭数を設定するための操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57)と、
前記賭数操作手段が操作された場合に、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101による第1操作対応処理や第2操作対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記賭数操作手段が操作された場合に設定される賭数に相当する特定数の仮想遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている場合、前記賭数操作手段の操作に基づいて前記特定数の賭数が設定される一方、前記特定数の仮想遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されてない場合、前記賭数操作手段が操作されても前記特定数の賭数は設定されない構成であり、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
遊技者が操作可能な清算用操作手段(清算スイッチ59)と、
前記清算用操作手段が操作された場合に、少なくとも前記仮想遊技価値記憶手段に記憶された仮想遊技価値の数に相当する数の遊技価値の清算を実行可能な清算手段(主制御装置101によるメダル返却処理を実行する機能)と、
前記賭数設定手段により設定された賭数に対応する賭数対応報知を所定の賭数報知用手段(ベット表示部34)にて実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記清算用操作手段が操作された場合、前記所定の賭数報知手段にて特定報知を実行可能な特定賭数報知手段(表示制御装置81による特定清算コマンドを受信したことに基づく疑似ベット演出を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の操作に基づき遊技の賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されるとともに、設定された賭数に応じた抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、遊技の賭数は賭数報知手段による賭数対応報知によって把握可能とされていることから、賭数操作手段の操作が受け付けられたことや、今回の賭数を、遊技者は明確に把握することが可能となり、遊技を好適に進行させることができる。
そして、上記構成においては、清算用操作手段が操作された場合に仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値に相当する数の遊技価値の清算が行われる構成としたうえで、清算用操作手段の操作に基づいて、賭数報知手段による賭数対応報知が行われる場合があるようにしている。清算用操作手段は、遊技を終了する場合に操作されることが一般的であるところ、上記構成のように、遊技を終了しようとした場合に所定の賭数報知手段にて特定報知が行われるようにすることで、遊技の賭数が設定されている状況など、遊技を終了すべき状況ではないことを遊技者に知らしめることが可能となる。よって、遊技者に不利益となり得る事象を好適に回避させることができ、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
特徴cD2.前記賭数報知手段は、前記賭数設定手段により賭数が設定される場合、当該賭数が設定されるまでに実行されていた前記賭数対応報知を終了させてから、今回の賭数に対応する前記賭数対応報知を実行する構成であり、
前記特定賭数報知手段は、前記清算用操作手段が操作された場合、前記清算用操作手段が操作されるまでに実行されていた前記賭数対応報知を終了させてから、前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴cD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、清算用操作手段が操作されたことに基づいて新たな賭数が設定され、清算後、更に新たな賭数の設定を要することなく次の遊技を実行可能であることを印象付けることが可能となる。このようにすることで、清算によって遊技を終了しようとする遊技者を思いとどまらせることが可能となる。
特徴cD3.前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により付与される特典として、今回の賭数と同数の賭数にて、再度、前記抽選手段による抽選を受けることが可能となる再遊技状態に設定される再遊技結果が設定されており、
前記特定賭数報知手段は、前記再遊技状態にて前記清算用操作手段が操作された場合に、当該再遊技状態にて設定されている賭数に対応する賭数対応報知を前記特定報知として実行する構成であることを特徴とする特徴cD1又は特徴cD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の結果が再遊技結果の場合には、当該再遊技結果となった抽選の賭数と同数の賭数にて再度抽選が受けられる再遊技状態とされるところ、再遊技状態にて清算用操作手段が操作された場合に、当該再遊技状態にて設定されている賭数が賭数対応報知として報知される。このようにすることで、再遊技状態に設定されているのにもかかわらず遊技を終了してしまう、といった遊技者の不利益の発生を好適に防ぐことが可能となる。
特徴cD4.前記清算手段は、前記再遊技状態にて前記清算用操作手段が操作された場合、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値に相当する遊技価値の清算を実行可能であることを特徴とする特徴cD3に記載の遊技機。
上記構成のように、再遊技状態であっても清算用操作手段を操作して清算が可能である構成においては、再遊技状態の遊技を行うことなく遊技が終了されてしまう不都合が生じ易い。その点、上記特徴cD3のように、清算用操作手段の操作に基づいて特定報知が行われるため、再遊技状態であることを気づかせ易くなり、遊技者が不利益を被る可能性を低減することができる。
特徴cD5.前記清算手段は、前記再遊技状態に設定されていない状況において前記清算用操作手段が操作された場合、前記賭数設定手段により設定された賭数に相当する遊技価値も含めて遊技価値の清算を実行可能であることを特徴とする特徴cD3又は特徴cD4に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技状態に設定されていない状況で清算用操作手段が操作された場合、設定された賭数も含めて清算が行われる。この場合、特定賭数報知手段による賭数対応報知は行われないものの、仮に清算後に遊技を行おうとするならば、新たな賭数の設定が必要な場面であり、そのまま遊技を終了しても遊技者に不利益は生じにくい。そこで、上記構成のようにすることで、清算用操作手段が操作された場合に特定報知が行われることの異様さを際立たせ、これによって清算時に特定報知が行われたことを遊技者が気づき易くなる。よって、遊技者が不利益を被りにくくすることが可能となる。
特徴cD6.前記清算用操作手段が操作された場合に、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算の実行を制限可能な清算制限手段(主制御装置101による清算操作カウンタが特定数に至るまでは清算用の処理を行わない機能)を備えていることを特徴とする特徴cD1乃至特徴cD5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、清算用操作手段を操作しても清算制限手段によって仮想遊技価値の清算が制限される場合がある。このようにすることで、清算用操作手段の操作に基づいて、既に設定済みの賭数に対応する遊技価値も含めて清算が行われるような構成であっても、設定済みの賭数に対応する賭数対応報知を特定報知として行っても、賭数対応報知と賭数とに矛盾が生じない。よって、特定報知の信頼性を低下させることなく、当該特定報知を利用して、遊技続行の意思決定の後押しをすることが可能となる。
特徴cD7.前記清算制限手段は、予め定められた特定数の前記清算用操作手段の操作に基づく前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の払い出しの実行を制限可能であり、
前記清算手段は、前記特定数を超える前記清算用操作手段の操作に基づいて、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算を実行する構成であることを特徴とする特徴cD6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴cD6の効果を奏しながらも、仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の清算を行いたいにもかかわらず清算ができない、といった不都合を解消することができる。
特徴cD8.前記清算制限手段は、少なくとも前回の遊技が終了してから所定期間(第3移行期間)が経過するまで、前記清算用操作手段の操作に基づく前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算の実行を制限可能であり、
前記清算手段は、前記所定期間の経過後の前記清算用操作手段の操作に基づいて、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数に相当する遊技価値の清算を実行する構成であることを特徴とする特徴cD6又は特徴cD7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴cD6の効果を奏しながらも、仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の清算を行いたいにもかかわらず清算ができない、といった不都合を解消することができる。特に、所定期間が経過するまでは清算用操作手段が操作されても清算できないようにすることで、清算時には清算用操作手段を常に連打するような遊技者であっても、清算が行われないことを通じて遊技を終了すべき状況ではないことを把握させることが可能となる。
特徴cD9.前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により付与される特典として、今回の賭数と同数の賭数にて、再度、前記抽選手段による抽選を受けることが可能となる再遊技状態に設定される再遊技結果が設定されており、
前記特定賭数報知手段は、前記再遊技結果として特定の再遊技結果に基づいて設定された前記再遊技状態にて前記清算用操作手段が操作された場合、当該再遊技状態にて設定されている賭数に対応する賭数対応報知を前記特定報知として実行する一方、前記再遊技結果として前記特定の再遊技結果とは異なる所定の再遊技結果に基づいて設定された前記再遊技状態にて前記清算用操作手段が操作された場合、当該再遊技状態にて設定されている賭数に対応する賭数対応報知を前記特定報知として実行しない構成であることを特徴とする特徴cD1乃至特徴cD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の結果が再遊技結果の場合には、当該再遊技結果となった抽選の賭数と同数の賭数にて再度抽選が受けられる再遊技状態とされるところ、特定の再遊技結果を契機とする再遊技状態にて清算用操作手段が操作された場合に、当該再遊技状態にて設定されている賭数が賭数対応報知として報知される。この場合、特定の再遊技結果とは異なる所定の再遊技結果を契機とする再遊技状態にて清算用操作手段が操作されても、賭数対応報知は行われない。このようにすることで、清算用操作手段を操作した場合に賭数対応報知が行われる場面がより限定的なものとなり、これによって賭数対応報知が行われることの異様さを際立たせ、遊技者がそれに気づき易くなる。
特徴cD10.前記清算手段により仮想遊技価値の清算が行われる場合、所定の報知手段にて清算用報知を実行する清算報知手段(表示制御装置81による返却時演出処理を実行する機能)と、
前記特定賭数報知手段により特定報知が実行される場合、当該特定報知と、前記清算用報知とのいずれかの制限処理を実行可能な制限手段(表示制御装置81による疑似ベット演出後に返却時効果音を出力するようにしたり、清算後に疑似ベット演出を実行するようにしたりする処理を実行する機能、図261)と、
を備えていることを特徴とする特徴cD1乃至特徴cD9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、清算手段に仮想遊技価値の清算が行われる場合に特定報知を行う構成において、清算時の清算用報知と、当該特定報知とが重複することによる処理や演出上の不都合を好適に解消することができる。
特徴cD11.前記清算報知手段は、前記特定報知が完了するまでの期間よりも長い期間に亘って前記清算用報知を実行可能であることを特徴とする特徴cD10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴cD10の構成において清算用報知が制限されるようにしても、特定報知が完了した後、清算用報知を行う余地が残る。このようにすることで、清算用報知を行うことによって不正行為を特定し易くする、といった意義を消失しない範囲で、清算用報知と特定報知との重複を解消することができる。
上記特徴cD1乃至特徴cD11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴cD1乃至特徴cD11の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA20、特徴cB1乃至特徴cB15、特徴cC1乃至特徴cC9、特徴cD1乃至特徴cD11、特徴cE1乃至特徴cE9、特徴cF1乃至特徴cF8、特徴cG1乃至特徴cG9、特徴cH1乃至特徴cH7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cE群>
特徴cE1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)と、
前記賭数操作手段の賭数操作に基づいて、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるメダル投入対応処理、第1操作対応処理、第2操作対応処理等を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合に、特定報知(ベット過程演出)を実行した後、前記賭数設定手段により設定された賭数に対応する賭数報知(ベット対応演出)を特定の報知手段にて実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段が操作された場合に、前記特定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて開始報知を実行する開始報知手段(表示制御装置81による開始時演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定報知が実行されている特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合に、前記開始報知手段による前記開始報知を制限可能な特定処理を実行する特定処理手段(表示制御装置81による押し順報知演出を遅延させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、賭数操作手段が操作されると遊技の賭数が設定され、特定報知を経て、遊技の賭数に対応する賭数報知が所定の報知手段にて行われる。この場合、例えば、特定報知の実行中に始動操作手段が操作されて、当該操作に基づいて周回体の回転が開始されたりする場合も想定され、このような場合には、当該回転開始用の開始報知や処理が、特定報知や特定報知用の処理と重複する可能性が高く、処理負荷の増大化が懸念されたり、報知や処理の重複による遊技者の混乱を生じさせたりする可能性がある。
そこで、上記構成においては、特定報知の実行中に始動操作手段が操作された場合には、開始報知を制限可能な特定処理を実行する特定処理手段を備えるようにしたことから、当該回転開始用の開始報知と特定報知との重複や、開始報知用の処理と特定報知用の処理との重複が解消される。よって、遊技を好適に進行可能な遊技機を提供することが可能となる。
特徴cE2.前記特定処理手段による前記特定処理が行われる場合、前記賭数報知手段による前記特定報知は、当該特定処理が行われない場合と同様の報知態様にて実行されることを特徴とする特徴cE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、開始報知を制限する特定処理が行われる場合、既に開始されている特定報知側の報知態様は変更されないため、実行中の報知を途中で変更するといった複雑な処理が必要なく、処理負荷の増大化を回避することが可能となる。
特徴cE3.前記特定処理手段は、前記始動操作手段の操作に基づき前記開始報知手段による前記開始報知が実行される状況が前記特定状況である場合に前記特定処理が行われるようにする一方、前記始動操作手段の操作に基づき前記開始報知手段による前記開始報知が実行される状況が前記特定状況とは異なる状況である場合には前記特定処理が行われないようにする構成であることを特徴とする特徴cE1又は特徴cE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき実際に開始報知が実行される状況が特定状況であれば特定処理が行われるようにする一方、当該開始報知が実行される状況が特定状況ではなければ特定処理が行われない。このようにすることで、例えば、始動操作手段の操作が行われたタイミングと開始報知が行われるタイミングとにズレが生じるような構成であっても、実質的に開始報知と特定報知との重複を好適に回避することが可能となる。
特徴cE4.前記特定処理手段は、前記始動操作手段の操作が前記特定状況にて実行された場合であっても、当該始動操作手段の操作に基づく前記開始報知手段による所定の開始報知(特定役報知演出)が前記特定状況とは異なる状況にて実行される場合には、前記特定処理を実行しないことを特徴とする特徴cE1乃至特徴cE3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のようにすることで、始動操作手段の操作タイミングと開始報知の実行タイミングとにズレがある場合において、開始報知が特定報知と重複しないような場面にまで特定処理が行われないようにすることが可能となり、無駄な処理の実行を排除することができる。
特徴cE5.前記開始報知手段は、前記開始報知として第1開始報知(押し順報知演出)と第2開始報知(特定役報知演出)とを実行可能であり、
前記開始駆動制御が開始されてから、予め定められた特定期間が経過するまで、次の前記開始駆動制御の開始を制限する開始制限手段(主制御装置101による回転開始処理におけるウェイト時間が経過するまで回転開始を待機する処理を実行する機能)を備え、
前記始動操作手段が、前記特定期間が経過するよりも前に操作された場合、前記開始報知手段は、前記第1開始報知を前記始動操作手段が操作された場合に実行し、前記第2開始報知を前記開始駆動制御が開始された場合に実行するものであることを特徴とする特徴cE4に記載の遊技機。
上記構成は特徴cE4の具体的構成であり、所謂ウェイト期間としての特定期間の経過前後で開始報知の実行タイミングを異ならせることで、各開始報知の機能を十分に発揮させることも可能となる。
特徴cE6.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は第1結果の入賞が成立可能となり、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には前記第1結果とは異なる第2結果の入賞が成立可能となる操作態様結果(押し順役)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が、前記操作態様結果である場合、所定の報知手段にて前記第1操作態様又は前記第2操作態様を含む態様報知を実行可能な態様報知手段(表示制御装置81による押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記第1開始報知は、前記態様報知手段による前記態様報知を含むことを特徴とする特徴cE5に記載の遊技機。
上記構成のように、第1操作態様と第2操作態様とのいずれにて操作するかで入賞する結果が異なるような操作態様結果に当選した場合には、より慎重な停止操作手段の操作が求められるところ、所謂ウェイト期間としての特定期間の経過前から態様報知を実行する意義は高い。但し、だからといって、賭数対応報知の特定報知との重複が生じる場合、それを優先するほどのことではなく、上記のようにすることで、態様報知を特定期間経過前から開始するようにしてより慎重な操作を促しながらも、演出が重複することによる違和感を好適に回避することが可能となる。
特徴cE7.前記操作態様結果として、前記第1結果の入賞が成立した場合に前記特典付与手段により付与される特典と、前記第2結果の入賞が成立した場合に前記特典付与手段により付与される特典との遊技者にとっての利益が異なる特定操作態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記特定処理手段は、前記第1開始報知が前記特定操作態様結果に基づくものである場合には、前記特定処理を実行しないようにすることが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴cE6に記載の遊技機。
所謂ウェイト期間としての特定期間の経過前に、態様報知としての第1開始操作を行う意義としては、主に、停止操作手段のより慎重な操作を促すためであるところ、上記構成のように、入賞する結果によって遊技者の利益が異なる特定操作態様結果である場合の態様報知については、特定報知と重複する場合であっても態様報知を制限しないようにすることで、遊技者の利益を好適に担保することが可能となる。
特徴cE8.前記操作態様結果として、前記第1結果の入賞が成立した場合に前記特典付与手段により付与される特典と、前記第2結果の入賞が成立した場合に前記特典付与手段により付与される特典との遊技者にとっての利益が共通している所定操作態様結果(通常リプA~C)が設定されており、
前記特定処理手段は、前記第1開始報知が前記所定操作態様結果に基づくものである場合には、前記特定処理を実行することを特徴とする特徴cE6又は特徴cE7に記載の遊技機。
所謂ウェイト期間としての特定期間の経過前に、態様報知としての第1開始操作を行う意義としては、主に、停止操作手段のより慎重な操作を促すためであるところ、上記構成のように、入賞する結果に関わらず遊技者の利益が共通する所定操作態様結果である場合の態様報知については、特定報知と重複する場合の態様報知を制限するようにすることで、遊技者に不利益が生じない範囲で、特定報知と開始報知との重複を解消することが可能となる。
特徴cE9.前記始動操作手段が操作された場合に、特定期間に亘って、各前記周回体を用いた遊技演出を行う特定駆動制御を実行する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定報知が実行されている特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合に、当該始動操作手段の操作に基づき前記特定駆動制御手段による前記特定駆動制御が実行される場合、前記特定報知を制限可能な第2特定処理を実行する第2特定処理手段(表示制御装置81による第1フリーズコマンドに基づいてベット過程演出をベット対応演出に切り替える処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cE1乃至特徴cE8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づいて、周回体を用いた遊技演出が行われる所謂フリーズ演出としての特定駆動制御が開始報知として実行される構成において、かかる特定駆動制御が特定報知と重複するような場合には、特定駆動制御ではなく特定報知側が制限される。一般的に、上記のフリーズ演出としての特定駆動制御は、比較的大当たりへの期待感が高められた演出であることが一般的であり、上記のこのようにすることで、遊技者が大いに注目するであろう特定駆動制御の実行が、特定報知と重複することによって制限されてしまうことを好適に回避することができる。
上記特徴cE1乃至特徴cE9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴cE1乃至特徴cE9の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA20、特徴cB1乃至特徴cB15、特徴cC1乃至特徴cC9、特徴cD1乃至特徴cD11、特徴cE1乃至特徴cE9、特徴cF1乃至特徴cF8、特徴cG1乃至特徴cG9、特徴cH1乃至特徴cH7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cF群>
特徴cF1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)と、
前記賭数操作手段の賭数操作に基づいて、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101による第1操作対応処理や第2操作対応処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数設定手段により設定される賭数に対応する特定報知(ベット過程演出)を実行する特定報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記開始駆動制御が開始されてから、予め定められた特定期間が経過するまで、次の前記開始駆動制御の開始を制限する開始制限手段(主制御装置101による回転開始処理におけるウェイト時間が経過するまで回転開始を待機する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果であって、当該特定結果に対応する前記周回体の回転が停止した後において前記賭数設定手段により賭数の設定が行われる特定状況が、前記特定期間の経過前である場合には前記特定報知を第1報知態様とする一方、当該特定状況が前記特定期間の経過よりも後である場合又は前記特定報知が前記特定期間を跨いで実行される状況である場合には前記特定報知を前記第1報知態様とは異なる第2報知態様とすることが可能な構成である(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理において、ウェイト期間の経過でベット対応演出に切り替えたり、ウェイト期間の経過前は再遊技ベット演出を行う一方、経過後は連ベット演出を行うようにする処理を実行する機能)ことを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、開始駆動制御と開始駆動制御とが特定期間以上の間隔を隔てて実行されるようにしていることから、単位時間当たりに実行可能な遊技数が制限され、遊技の適正化が図られている。
このような、特定期間といった所謂ウェイトが規定される構成においては、回転開始のための準備としての賭数の設定や始動操作手段の操作の受付は特定期間の経過前から可能であるものの、結局は回転開始前に準備を行っても回転開始自体は特定期間の経過とともになされるものであり、回転開始に合わせた演出等も回転開始まで行われない。
そこで、上記構成では、特定期間経過前に賭数の設定が行われた場合にはその賭数に対応する特定報知を第1報知態様にて行い、特定期間の経過よりも後で賭数の設定が行われたり特定期間を跨いで特定報知が行われたりするような場合には当該特定報知は第2報知態様にて行われる、といったように、特定期間の経過との関係で賭数に対応する特定報知の報知態様を異ならせるようにしたことから、例えば、特定期間の経過前に賭数の設定が行われた場合には、通常よりも派手な特定報知を行うようにする等、ウェイトの待ち時間を利用して遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
それだけではなく、特定期間の経過前後で特定報知の報知態様を異ならせることによって、特定期間の経過前は比較的ゆったりとした特定報知を行うようにしながらも、特定期間の経過ともに回転が開始される場合には比較的速やかに特定報知が完了するようにする等して、回転開始時の演出やその処理と特定報知とが重複しないようにすることも可能であり、処理負荷の低減効果や演出の重複を解消することによる遊技者の混乱防止効果も見込むことが可能である。
以上の結果、好適に遊技を行わせることが可能な遊技機を提供することができる。
特徴cF2.前記第2報知態様は、前記第1報知態様における前記特定報知のうちの少なくとも一部の態様の報知の実行が制限された態様であることを特徴とする特徴cF1に記載の遊技機。
上記構成のように、特定期間が経過した後や特定期間を跨ぐ場合の特定報知の態様を、第1報知態様における特定報知のうちの少なくとも一部の態様の報知の実行が制限された態様とすることで、第1報知態様を第2報知態様よりも態様の種類に富んだ派手なものとしたことが明確化されるし、第2報知態様にて実行する場合に処理負荷が軽減されたり回転開始時の演出との重複が解消され得ることも明確化される。よって、特徴cE1の効果を好適に奏することが可能となる。
特徴cF3.前記特定報知手段は、
前記特定報知を行う場合、第1特定報知(点灯演出)と当該第1特定報知とは異なる第2特定報知(ベット時効果音演出)を含んで前記特定報知を実行する構成であり、
前記第1特定報知及び前記第2特定報知を含んだ態様を第1報知態様として前記特定報知を実行し、前記第1特定報知を含む一方で前記第2特定報知を含まない態様を前記第2報知態様として前記特定報知を実行する構成であることを特徴とする特徴cF2に記載の遊技機。
上記構成は特徴cF2の具体的構成であり、特に、少なくとも一部の報知を制限する構成として、特定期間の経過後は第1特定報知及び第2特定報知のうちの第2特定報知の実行が制限された態様にて特定報知を行うようにすることで、全ての特定報知の実行を制限することによる処理負荷の増大化を好適に回避することができる。
特徴cF4.前記第1特定報知は所定の表示演出であり、前記第2特定報知は所定の音演出であることを特徴とする特徴cF3に記載の遊技機。
上記構成は特徴cF3の具体的構成である。特に、表示演出は音演出よりも実行するにあたっての処理が複雑化したり、設定するデータ量が多くなり易いところ、上記構成のように、ウェイト期間としての特定期間を経過した場合には、第1特定報知としての表示演出はそのまま実行し、第2特定報知としての音演出は実行しないようにすることで、処理の複雑化等を生じさせない範囲で特徴cF1の効果を奏することが可能となる。また、表示演出については、表示演出の実行される領域を異ならせれば特定報知と回転開始時の演出との重複が許容され得るものの、音演出については、複数の音が混在して出力されることの違和感は多大なものと考えられ、上記のようにすることで、回転開始時の演出との重複を違和感なく解消することができる。
特徴cF5.前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、当該所定の結果に対応する前記周回体の回転が停止した後において前記賭数設定手段により賭数の設定が行われる状況が、前記特定期間の経過よりも後である場合又は前記特定報知が前記特定期間を跨いで実行される状況である場合に、前記特定報知を前記第1報知態様にて実行する手段(表示制御装置81による通常再遊技ベット演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cF1乃至特徴cF4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果後であって特定期間の経過前に賭数の設定が行われた場合に第1報知態様にて特定報知が行われる構成において、特定期間の経過後や特定期間を跨ぐ場合にも第1報知態様にて行われる場合があるようになる。このように、第1報知態様による特定報知が、特定期間の経過に関わらず実行される場合があることを前提とすれば、特定結果後において特定期間の経過前に第2報知態様とは異なる第1報知態様にて特定報知を行うようにしても、それを違和感なく受け入れさせることが可能となる。
しかも、上記構成のようにすることで、第1報知態様が特定結果専用の報知態様ではなく、所定の結果においても実行されるようになるため、特定結果後の特定期間の前後で特定報知の報知態様を異ならせるうえで、記憶データの少量化を図ることが可能となる。
特徴cF6.前記特定報知手段は、記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、当該所定の結果に対応する前記周回体の回転が停止した後において前記賭数設定手段により賭数の設定が行われる状況が、前記特定期間の経過前である場合に、前記特定報知を前記第2報知態様にて実行する手段(表示制御装置81による連ベット演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cF1乃至特徴cF5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果後であって特定期間の経過後に賭数の設定が行われた場合や特定期間の経過を跨ぐ場合に第2報知態様にて特定報知が行われる構成において、特定期間の経過前にも第2報知態様にて行われる場合があるようになる。このように、第2報知態様による特定報知が、特定期間の経過に関わらず実行される場合があることを前提とすれば、特定結果後において特定期間の経過後に第1報知態様とは異なる第2報知態様にて特定報知を行うようにしても、それを違和感なく受け入れさせることが可能となる。
しかも、上記構成のようにすることで、第2報知態様が特定結果専用の報知態様ではなく、所定の結果においても実行されるようになるため、特定結果後の特定期間の前後で特定報知の報知態様を異ならせるうえで、記憶データの少量化を図ることが可能となる。
特徴cF7.前記第1報知態様よりも前記第2報知態様の方が、前記特定報知に要する報知期間が短くなるように設定されていることを特徴とする特徴cF1乃至特徴cF6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定期間の経過前であって周回体の回転が開始されるよりも前は比較的長い報知期間である第1報知態様にて特定報知を行い、特定期間の経過後等であって周回体の回転が開始される場合には比較的に短い報知期間である第2報知態様にて特定報知を行うようになる。このようにすることで、遊技進行の実情に沿った特定報知とすることができる。
特徴cF8.前記賭数設定手段は、予め定められた特定数を上限として賭数を設定可能な構成であり、
複数の報知部(ベット表示部34a~34c)を有し、
前記特定報知手段は、前記複数の報知部のうち前記賭数に対応する数の報知部を非報知状態から報知状態に切り替えることで前記特定報知を実行する構成であり、
所定の報知部を前記報知状態に切り替えた後、当該所定の報知部の次の報知部を前記報知状態に切り替えるまでの待機期間が、前記第1報知態様よりも前記第2報知態様の方が短くなるように設定されていることを特徴とする特徴cF7に記載の遊技機。
上記構成は特徴cF7の具体的構成であり、上記のように、複数の報知部を順次報知状態とする場合の間隔を異ならせることで報知期間の長短を実現するようにすれば、第1報知態様と第2報知態様とを比較的簡素な構成にて実現することが可能となり、記憶データの少量化を図ることができる。
上記特徴cF1乃至特徴cF8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴cF1乃至特徴cF8の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA20、特徴cB1乃至特徴cB15、特徴cC1乃至特徴cC9、特徴cD1乃至特徴cD11、特徴cE1乃至特徴cE9、特徴cF1乃至特徴cF8、特徴cG1乃至特徴cG9、特徴cH1乃至特徴cH7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cG群>
特徴cG1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)と、
前記賭数操作手段の賭数操作に基づいて、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるメダル投入対応処理、第1操作対応処理、第2操作対応処理等を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合に特定報知(ベット過程演出)を実行し、当該賭数操作に基づき設定された賭数に対応する賭数対応報知(ベット対応演出)を特定の報知手段(ベット表示部34)にて実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が再遊技結果であって、前記有効位置に当該再遊技結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、当該再遊技結果となった前記抽選手段による抽選が行われた賭数と同数の賭数が設定される再遊技状態にて、再度、前記抽選手段による抽選を受けることが可能となる再遊技処理を実行する再遊技設定手段(主制御装置101による再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記賭数操作手段として、第1賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56)と、第2賭数操作手段(メダル投入口45、第2クレジット投入スイッチ57)と、を有し、
特定の再遊技結果(特定再遊技結果)に基づいて前記再遊技処理が行われた場合、前記第1賭数操作手段の賭数操作に基づき、第1報知態様にて前記特定報知を実行可能な第1特定報知手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定の再遊技結果(特定再遊技結果)に基づいて前記再遊技処理が行われた場合、前記第2賭数操作手段の賭数操作に基づき、前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(単ベット演出)にて前記特定報知を実行可能な第2特定報知手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、賭数操作手段の賭数操作が行われると賭数が設定され、特定報知を経て、設定された賭数に対応する賭数対応報知が行われる。そのため、自らの賭数操作に基づき設定した賭数を賭数対応報知にて把握可能となるうえで、当該特定報知によって賭数操作が受け付けられたことも把握することができ、不必要な賭数操作を行わせないようにすることが可能である。
しかも、特定の再遊技結果の入賞が成立して再遊技処理が行われる場合、当該再遊技処理にて設定される賭数に対応する賭数対応報知は、賭数操作手段の賭数操作に基づき行われる。この場合においても、賭数対応報知の前に特定報知が行われるようにしていることから、通常の賭数操作に基づき賭数設定手段により賭数が設定される場合と同様の報知態様となる。
そのうえで、特定の再遊技結果入賞後において、賭数操作手段のうち第1賭数操作手段の賭数操作が行われた場合と、第2賭数操作手段の賭数操作が行われた場合とで、特定報知の報知態様を異ならせるようにしたことで、その報知態様を各賭数操作手段の通常の賭数操作に対応付けられた報知態様とすることも可能であり、このようにすることで、再遊技処理が行われることとなる再遊技結果であっても、他の小役結果や外れ結果後の遊技と同様の流れで遊技を進行させることができる。また、他の小役結果や外れ結果後と同様であって、再遊技結果後とは異なる印象を遊技者に与えることを利用して、例えば、特定の再遊技結果を他の小役結果や外れ結果と同様の扱いである印象を与える効果を高めることも可能となり遊技の多様化に大きく貢献することができる。
特徴cG2.前記賭数設定手段は、前記第1賭数操作手段による賭数操作が行われた場合には第1数の賭数を設定し、前記第2賭数操作手段による賭数操作が行われた場合には前記第1数とは異なる第2数の賭数を設定する構成であり、
前記第1報知態様は前記第1数の前記賭数対応報知が行われるようにする前記特定報知の報知態様であり、
前記第2報知態様は前記第2数の前記賭数対応報知が行われるようにする前記特定報知の報知態様であることを特徴とする特徴cG1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果後の再遊技状態として、既に賭数の設定が行われた後であっても、第1賭数操作手段を操作して第1数の賭数の設定を行ったり、第2賭数操作手段を操作して第2数の賭数の設定を行ったりすることが可能である印象を遊技者に与えることができる。このようにすることで、特定の再遊技結果を他の小役結果や外れ結果と同じ扱いである印象を与える手助けとすることができ、遊技の興趣向上に役立てることが可能となる。
特徴cG3.前記第1特定報知手段による前記第1報知態様の前記特定報知が実行された場合、前記第1数の賭数に対応する前記賭数対応報知が行われるようにする手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理を実行する機能)と、
前記第2特定報知手段による前記第2報知態様の前記特定報知が実行された場合、前記第2数の賭数に対応する前記賭数対応報知が行われるようにする手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理において特定投入コマンドや特定第2操作コマンドに基づき単ベット演出設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴cG2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果後の再遊技状態において、第1賭数操作手段や第2賭数操作手段を操作すると、特定報知の報知態様だけでなく、賭数対応報知も通常時の賭数に対応するものとして報知されるようになる。このようにすることで、賭数対応報知に至るまでの特定報知は、各賭数操作手段に対応するものであるものの、賭数対応報知自体は特定の再遊技状態にて設定済みの賭数に対応するものである、といった演出の矛盾を生じさせないようにすることができる。
特徴cG4.前記第1特定報知手段による前記第1報知態様の前記特定報知が実行され、前記第1数の賭数に対応する前記賭数対応報知が行われている状況で、又は前記第2特定報知手段による前記第2報知態様の前記特定報知が実行され、前記第2数の賭数に対応する前記賭数対応報知が行われている状況で、前記始動操作手段の操作が行われた場合、当該賭数対応報知を、前記再遊技状態において設定された賭数に対応する前記賭数対応報知に切り替える手段(表示制御装置81による疑似ベット演出におけるベット対応演出を行うための処理を実行する機能、図254(c)参照)を備えていることを特徴とする特徴cG3に記載の遊技機。
上記構成によれば、既に再遊技状態として賭数が設定されている状況下で、各賭数操作手段の操作に対応した疑似的な賭数対応報知を行うことを可能としながらも、始動操作手段が操作された場合には当該再遊技状態として設定されている賭数に対応する賭数対応報知に切り替えるようにすることで、周回体の回転が開始されているのにもかかわらず、今回の抽選手段にて供与された賭数を遊技者が把握できない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴cG5.前記第1特定報知手段による前記第1報知態様の前記特定報知が実行されている状況で、又は前記第2特定報知手段による前記第2報知態様の前記特定報知が実行されている状況で、前記始動操作手段の操作が行われた場合、当該賭数対応報知を、前記再遊技状態において設定された賭数に対応する前記賭数対応報知に切り替える手段(表示制御装置81による疑似ベット演出におけるベット過程演出中にベット対応演出に切り替える処理を実行する機能、図254(c)参照)を備えていることを特徴とする特徴cG3又は特徴cG4に記載の遊技機。
上記構成によれば、既に再遊技状態として賭数が設定されている状況下で、各賭数操作手段の操作に対応した疑似的な賭数対応報知を行うことを可能としながらも、当該疑似的な賭数対応報知に至る前に始動操作手段が操作された場合には、当該再遊技状態として設定されている賭数に対応する賭数対応報知に切り替えるようにすることで、周回体の回転が開始されているのにもかかわらず、今回の抽選手段にて供与された賭数を遊技者が把握できない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴cG6.前記特定報知手段は、前記特定報知として第1特定報知(点灯演出)と、当該第1特定報知とは異なる第2特定報知(ベット時効果音演出)とを含んで当該特定報知を実行可能であり、
前記第1特定報知手段による前記第1報知態様での前記特定報知は、前記第1特定報知及び前記第2特定報知を含む態様である一方、前記第2特定報知手段による前記第2報知態様での前記特定報知は、前記第1特定報知を含まず且つ前記第2特定報知を含む態様であることを特徴とする特徴cG1乃至特徴cG5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知態様と第2報知態様との違いは、第1特定報知を含むか否かの違いとなり、このように特定報知のうちの一部を実行するか否かを異ならせるといった比較的簡素な構成にて、特徴cG1の優れた効果を期待することが可能となる。
特徴cG7.遊技者により遊技価値が投入される遊技価値投入手段(メダル投入口45)と、
前記遊技価値投入手段に遊技価値が投入されたことを把握する遊技価値投入把握手段(投入メダル検出センサ45a)と、
を備え、
前記遊技価値投入把握手段は、遊技価値が投入されたことを把握した場合、前記第2賭数操作手段による賭数操作が実行されたと把握することを特徴とする特徴cG1乃至特徴cG6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果に基づいて設定された再遊技状態において、遊技者により遊技価値が投入された場合に、第2賭数操作手段の操作が行われたとして、第2報知態様での特定報知が実行される。つまり、特定の再遊技結果に基づく再遊技状態においても遊技価値の投入が可能な構成であって、更に、当該遊技価値の投入によって賭数の設定すら可能であるかのように扱うことで、特定の再遊技結果が他の小役結果等と同等である印象を遊技者に与える手助けとすることができる。
特徴cG8.予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)を備え、
前記第1賭数操作手段が操作された場合に設定される賭数に相当する第1数の仮想遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている場合、前記第1賭数操作手段の操作に基づいて前記第1数の賭数が設定される構成であり、
前記第2特定報知手段は、前記特定の再遊技結果に基づいて前記再遊技処理が行われた場合において、前記第2賭数操作手段による賭数操作に基づき、前記仮想遊技価値記憶手段の仮想遊技価値の記憶数を増加させるとともに、前記第2報知態様による前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴cG7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果に基づく再遊技状態において、遊技価値投入手段から遊技価値を投入した場合、疑似的な第2報知態様による特定報知が行われるだけではなく、仮想遊技価値記憶手段の記憶数の増加させることが可能となる。このようにすることで、特定の再遊技状態においてあたかも仮想遊技価値を投入して賭数の設定が可能な要に思わせながらも、このような疑似的な特定報知のために遊技価値が費やされてしまう、といった遊技者の不利益を生じさせないようにすることができる。
特徴cG9.前記第2賭数操作手段による賭数操作にて設定される賭数は、前記特定の再遊技結果に基づく前記再遊技状態にて設定される賭数と異なる場合がある構成であり、
前記第2特定報知手段は、前記特定の再遊技結果に基づいて前記再遊技処理が行われた場合において、前記第2賭数操作手段による賭数操作に基づき、前記第2報知態様による前記特定報知を実行するとともに、当該再遊技処理にて設定された賭数に対応する前記賭数対応報知を実行(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理において特定投入コマンドに基づきベット対応演出を行うための処理を実行する機能、図254(d)参照)し、当該賭数対応報知が実行されている状況において、更に、前記第2賭数操作手段による賭数操作が実行された場合、前記賭数対応報知を更新することなく所定報知(クレジット増加効果音、図254(a))を実行することが可能であることを特徴とする特徴cG1乃至特徴cG8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果に基づく再遊技状態において、第2賭数操作手段による賭数操作が行われると、第2報知態様による特定報知とともに賭数対応報知が行われ、その後、更に第2賭数操作手段による賭数操作が行われると、賭数対応報知の更新を行うことなく所定報知のみが行われる。このように、特定の再遊技結果に基づく再遊技状態において、第2賭数操作手段の賭数操作による特定報知とともに、当該第2賭数操作手段の賭数操作による賭数ではなく、当該再遊技状態にて設定された賭数に対応する賭数対応報知が行われるようにすることで、第2賭数操作手段による賭数操作が受け付けられたことを明確に把握可能としながらも、正規の賭数を把握させることも可能となる。そのうえで、再度の第2賭数操作手段による賭数操作が行われた場合には、賭数対応報知の更新を行わないようにすれば、その賭数対応報知が正規なものであることの印象を強めることができるし、その賭数操作時に所定報知も行われるので、更新が行われなくても当該賭数操作が受け付けられたことを把握させることも可能である。よって、第2賭数操作手段の賭数操作により設定される賭数と、再遊技状態における賭数とが異なる場合の、第2賭数操作手段による賭数操作に対する報知の矛盾や不都合を好適に解消することが可能となる。
上記特徴cG1乃至特徴cG9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴cG1乃至特徴cG9の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA20、特徴cB1乃至特徴cB15、特徴cC1乃至特徴cC9、特徴cD1乃至特徴cD11、特徴cE1乃至特徴cE9、特徴cF1乃至特徴cF8、特徴cG1乃至特徴cG9、特徴cH1乃至特徴cH7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴cH群>
特徴cH1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57)と、
前記賭数操作手段が操作された場合に、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101による第1操作対応処理や第2操作対応処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数操作手段が操作された場合に特定報知(ベット過程演出等のベット時演出)を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理におけるベット過程演出等を行うための処理を実行する機能)と、
前記賭数設定手段により設定された賭数に対応する賭数対応報知(ベット対応演出)を所定の報知手段にて実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定報知が実行されている特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合に、当該始動操作手段の操作に基づく前記開始駆動制御の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101によるフリーズ抽選処理において、特定再遊技結果に基づく再遊技状態におけるベット過程演出中の開始操作である場合に第2フリーズフラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、賭数操作手段が操作されると遊技の賭数が設定され、特定報知が実行されるとともに、遊技の賭数に対応する賭数対応報知が所定の報知手段にて行われる。この場合、例えば、特定報知の実行中に始動操作手段が操作されて、当該操作に基づいて周回体の回転が開始されたりする場合も想定され、このような場合には、当該回転開始用の開始駆動制御の実行が制限される。このようにすることで、特定報知と周回体の回転開始とが重複してしまう事象を好適に回避することができ、演出や処理の重複による不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴cH2.前記周回体を用いた遊技演出としての特定動作(第2フリーズ演出)を行うように特定駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理にて第2フリーズ演出を実行する機能)を備え、
前記特定駆動制御手段は、前記特定手段により前記開始駆動制御の実行が制限される場合、前記特定駆動制御を実行可能であることを特徴とする特徴cH1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知と周回体の回転開始とが重複する場合、所謂フリーズ演出等の周回体を用いた遊技演出としての特定動作が実行される。このような特定動作を用いることで、特定報知と周回体の回転開始とが重複する場合であっても違和感なく受け入れさせることが可能であるし、周回体の回転開始待ちの時間ですら、周回体の動作に注目させることが可能となり、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
なお、上記構成は、「前記駆動制御手段は、前記特定駆動制御手段による前記特定駆動制御が終了した後、前記開始駆動制御を実行可能である」との構成を追加してもよい。
特徴cH3.前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記特定駆動制御手段による前記特定駆動制御を実行することの実行抽選を行う実行抽選手段(主制御装置101によるフリーズ抽選処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記実行抽選手段による実行抽選の結果が、前記特定駆動制御を実行することに対応する結果とは異なる結果であっても、前記特定駆動制御を行わせることが可能であることを特徴とする特徴cH2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作の実行抽選が抽選手段による抽選結果に基づいて行われる構成において、当該特定動作の実行抽選に非当選であっても、特定報知と周回体の回転開始とが重複する場合には、特定動作を行わせることが可能となる。このようにすれば、特定報知と回転開始とが重複する場合に特定動作が行われることが偶然に生じる構成ではないことがより明確化される。
特徴cH4.前記抽選手段による抽選結果に基づいて遊技者に有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が第1結果(特定役)である場合の方が、当該第1結果とは異なる第2結果(通常役)である場合よりも、前記有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する結果となり易いように前記有利判定を実行するものであり、
前記実行抽選手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合の方が、前記第2結果である場合よりも、前記実行抽選の結果が前記特定駆動制御を実行することに対応する結果となり易いように前記実行抽選を実行することを特徴とする特徴cH3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作の実行率と有利事象の発生率とが明確に関係付けられる。このようにすることで、有利事象を期待する遊技者心理を利用して、特定動作の発生に注目させるようにすることが可能となり、これにより、特定報知と回転開始とが重複する場合に特定動作が行われた場合、それを違和感なく受け入れさせるとともに、大いなる期待感を持って注目させることができる。
特徴cH5.前記特定報知手段は、前記特定駆動制御手段による前記特定駆動制御が終了するよりも前に前記特定報知を終了させることが可能な構成である(図252(d)参照)ことを特徴とする特徴cH2乃至特徴cH4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作が終了するよりも前に特定報知が終了するため、せっかく開始駆動制御を制限して特定動作を行ったのにもかかわらず、開始駆動制御と特定報知との重複が解消されないことの不都合を好適に回避することができる。
特徴cH6.前記特定駆動制御手段は、前記特定手段により前記開始駆動制御の実行が制限される場合、前記周回体を停止させて前記開始駆動制御により前記周回体の回転が開始されることを遅延させる前記特定動作を行うように前記特定駆動制御を実行することを特徴とする特徴cH2乃至特徴cH5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は周回体が回転しないことが明確化される。このようにすることで、特定報知と周回体の動作とが重複しないようになり、処理の重複による不都合等を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴cH7.前記周回体の回転を含む遊技演出としての第1特定動作(第1フリーズ演出)を行うように第1特定駆動制御を実行可能な第1特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理にて第1フリーズ演出を実行する機能)と、
前記周回体の回転を含まない遊技動作としての第2特定動作(第2フリーズ演出)を行うように第2特定駆動制御を実行可能な第2特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理にて第2フリーズ演出を実行する機能)と、
を備え、
前記特定状況において、前記始動操作手段が操作された場合に、当該始動操作手段の操作に基づいて前記第1特定駆動制御手段による前記第1特定駆動制御が行われる場合は前記特定報知を制限可能な制限処理を実行する特定制限手段(表示制御装置81による特定再遊技ベット演出設定処理において第1フリーズコマンドに基づいてベット過程演出をベット対応演出に切り替える処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴cH1乃至特徴cH6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、周回体の回転を含む第1特定動作と特定報知とが重複する場合にはん、特定報知側が制限される。このように、周回体の回転を止めてまで、賭数操作手段の操作に基づく特定報知を行わせないような構成とせず、周回体の回転による第1特定動作を優先させる構成とすることで、周回体の駆動制御を急遽変更する等による駆動部に対する高負荷を抑制することができる。
上記特徴cH1乃至特徴cH7に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴cH1乃至特徴cH7の各構成に対して、特徴cA1乃至特徴cA20、特徴cB1乃至特徴cB15、特徴cC1乃至特徴cC9、特徴cD1乃至特徴cD11、特徴cE1乃至特徴cE9、特徴cF1乃至特徴cF8、特徴cG1乃至特徴cG9、特徴cH1乃至特徴cH7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
なお、以上詳述した特徴cA群乃至特徴cH群の各構成に対して、他の特徴a群乃至特徴n群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴d群>
以下の特徴dA群乃至特徴dN群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4dの実施形態、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴dA群>
特徴dA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様の態様報知を所定の報知手段にて実行する態様報知手段(例えば主制御装置101による指示モニタ68による押し順報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知の機能に関する特定処理を実行する特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記特定処理として第1特定処理を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記特定処理として前記第1特定処理よりも遊技者にとって不利となる第2特定処理を実行する又は前記特定処理を実行しないように設定されており、
前記特殊遊技において、前記停止操作手段の操作が実行された後である特定タイミングにて、前記特定処理に対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81のよる停止時CZ演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与されるとともに、態様報知の機能に関する特定処理として第1特定処理が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与されるとともに、態様報知の機能に関する特定処理として第2特定処理が実行される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利である一方、第1特定処理の方が第2特定処理よりも遊技者にとって有利であるため、特殊結果となった場合、特典付与手段により付与される特典の有利な側(第2操作態様)と、態様報知の機能が有利な側(第1操作態様)との選択を遊技者に委ねる、といった斬新な遊技性を実現することが可能である。
しかも、上記構成においては、このような操作態様によって付与される特典や特定処理が異なる特殊結果に当選した遊技では、停止操作手段の操作が実行された後、特定処理の結果に対応する特定報知を実行可能としたことから、特殊結果に基づく特定処理の結果をその特殊結果当選となった遊技内で報知する構成となる。よって、各ゲームで特定処理の結果を報知するような所謂完全告知タイプの遊技機であっても、特殊結果を設定することが可能となり、遊技の興趣向上に大いに役立てることができる。
特徴dA2.前記特定処理手段は、
前記態様報知手段による態様報知が実行され易くする特定事象(ATモード移行当選、CZモード移行、AT上乗せ当選、天井カウンタの減算)を生じさせるための処理を前記特定処理として実行可能な手段を備え、
前記第1特定処理を実行した場合の方が前記第2特定処理を実行した場合よりも前記特定事象が生じ易いように設定されており、
前記特定報知手段は、前記特定事象が生じることに対応する報知として前記特定報知を実行するものであり、
前記特定処理手段による前記特定処理の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する対応結果(ATモード移行当選、CZモード移行当選)である場合、当該特定事象を生じさせる特定事象制御手段(主制御装置101による前兆モードの設定を行う処理)を備え、
前記特定事象制御手段は、前記特殊結果を契機とする前記特定処理の結果が前記対応結果となった場合、当該特殊結果となった前記特殊遊技の次の遊技にて前記特定事象を生じさせることが可能な手段(主制御装置101による前兆ゲーム数を0に設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に第1操作態様にて操作すると特定事象が生じ易い第1特定処理が実行され、第2操作態様にて操作すると第1操作態様の場合よりも特定事象が生じにくい第2特定処理が実行される構成において、特定事象が生じることに対応する特定報知が当該特殊結果となったゲームにて実行される。そのうえで、当該特殊結果となった特殊遊技の次の遊技にて特定事象が生じるため、特定事象が生じることに対応する特定報知を、特定事象が生じるとした対応結果となった遊技内にて実行すべき必要性が高められる。このようにすることで、停止操作手段の操作が行われた後、特定処理が実行されて次の遊技にて特定事象が生じ得るような構成であっても、その特定事象が生じることが知らされないまま特定事象が生じてしまうことが回避され、特定事象の不意打ちを抑制することができるし、特定報知が実行され得る期間がより限定的なものとなるため、遊技者の意識が当該期間に集中し、遊技への注目度を極限まで高めることが可能となる。
特徴dA3.前記特定事象制御手段により前記特定事象が生じた場合、当該特定事象が生じた遊技以降の遊技(ATモード)は、当該特定事象が生じる前の遊技(CZモード、通常モード)よりも、遊技者にとっての有利度が高い遊技であることを特徴とする特徴dA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果を契機とする特定処理の結果が対応結果となった特殊遊技を境として遊技者にとっての有利度が高くなるため、特定報知を特殊遊技にて行う必要性が高くなる。よって、このような場面で特徴dA1の構成を適用することで、特徴dA1の優れた効果がより好適に奏されることが期待できるようになる。
なお、「遊技者にとっての有利度が高い」との表現について、「前記特典付与手段により付与される特典として1回の遊技当たりで期待できる単位期待特典(純増枚数)が多い」と表現してもよく、また、「前記特定処理の結果が遊技者にとって有利な結果となり易い」と表現してもよい。
特徴dA4.前記特定処理手段による前記特定処理の結果に基づいて、前記特殊遊技の次の遊技以降での前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度を、前記特殊遊技までの遊技での実行頻度よりも高くなるようにすることが可能な手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果を契機とする特定処理の結果に基づいて、当該特殊結果となった特殊遊技の次の遊技以降の遊技では態様報知の実行頻度が高くなる。そのため、遊技者は態様報知に従うことで所望の結果入賞を成立させることが可能となり、当該所望の結果入賞に基づく特典を効率よく獲得することができるようになる。そして、特殊遊技内で特定処理の結果に対応する特定報知が行われるようにしたことから、少なくとも態様報知の実行頻度が高くなるよりも前にその旨が特定報知により知らされることとなり、遊技者に違和感を与えないようにすることが可能となる。
特徴dA5.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合は、第1結果の入賞が成立可能となる一方で、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合は、前記第1結果の入賞が成立した場合とは前記特典付与手段により付与される特典が異なる第2結果の入賞が成立可能となる態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記態様報知手段は、前記始動操作手段が操作されたことに基づいて、前記第1の操作態様及び前記第2の操作態様を含む操作態様を前記態様報知として実行可能な構成であることを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選となった特殊遊技の次の遊技が態様結果当選となり、当該態様結果に基づいて態様報知が行われる場合、少なくとも特殊結果を契機とする特定処理の結果に対応する特定報知が特殊遊技内で実行されていれば、態様結果当選となった遊技の開始時に実行される態様報知と特定報知とが重複しにくくなる。このようにすることで、報知が重複することによって遊技者を混乱させてしまうことを回避することができる。
特に特徴dA4のように、態様報知の実行頻度が特殊遊技の次の遊技から高くなるような構成においては、上記のような特殊結果当選となった遊技の次の遊技の開始時に態様報知が行われる可能性は高くなり、特殊遊技内で特定報知を実行しておく意義は高い。
特徴dA6.前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特定結果(例えば特定役)である遊技にて、前記停止操作手段が操作されるよりも前に前記特定処理として第3特定処理を実行可能な手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理等を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である遊技において、少なくとも前記特定タイミングまでに前記第3特定処理の結果に対応する報知を実行可能な第2特定報知手段(表示制御装置81のよる開始時CZ演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果である遊技では停止操作手段の操作前に第3特定処理が行われるところ、このような場合には、当該遊技内にて第3特定処理の結果に対応する報知は容易に行うことが可能である。つまり、特定報知は、当該特定結果である場合の報知に合わせるようにして特定タイミングにて実行するように設定されているともいえ、このようにすることで、抽選処理の抽選結果によって特定処理の結果の報知タイミングが異なることの違和感を与えないようにすることができるし、当該報知タイミングの相違から特定処理の結果が見抜かれてしまうことも解消することができる。
なお、「第2特定報知手段」との関係で、特徴dA1における「特定報知手段」を「第1特定報知手段」と言い換えてもよい。
特徴dA7.前記第2特定報知手段は、前記特定タイミングよりも前のタイミングで前記第3特定処理の結果に対応する報知(テンパイ演出)を実行可能であることを特徴とする特徴dA6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果である遊技では停止操作手段の操作前に第3特定処理が行われ、特定タイミングよりも前のタイミングにて当該第3特定処理の結果に対応する報知が実行される。つまり、特定処理として第1特定処理や第2特定処理が実行される場合には停止操作手段の操作後である特定タイミングにて当該特定処理の結果に対応する報知が実行されることを前提とし、特定結果当選時には特定タイミングよりも前に特定処理としての第3特定処理の結果に対応する報知が実行されるようになる。このようにすることで、特定処理の結果に対応する報知が実行されるタイミングが多様化されるし、その特定処理の契機となる抽選結果と報知タイミングとの関係で特定処理の結果を予測させる遊技も実現可能となり、遊技の興趣向上に寄与することができる。
特徴dA8.前記特定処理手段は、
前記態様報知手段による態様報知が実行され易くする特定事象(ATモード移行当選、CZモード移行、AT上乗せ当選、天井カウンタの減算)を生じさせるための処理を前記特定処理として実行可能な手段を備え、
前記特殊結果である場合の前記特定処理の方が、所定の前記特定結果(例えば、チェリーA)である場合の前記特定処理よりも前記特定事象が生じ易くなるように設定されていることを特徴とする特徴dA6又は特徴dA7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果に基づいて第1特定処理や第2特定処理といった特定処理が行われた場合の方が、特定結果に基づいて第3特定処理といった特定処理が行われた場合よりも特定事象が生じ易い。そのため、特定処理の結果に対応する報知は、特定結果当選となった遊技である場合の方が圧倒的にその遊技内で実行し易いものの、遊技者が求める特定事象につながることの報知は特殊結果当選となった遊技の方が発生し易くなる。そこで、特定処理の結果に対応する報知を、あえて特殊結果であっても当該特定処理が行われた遊技内で実行するようにすることで、特定結果である遊技ですら特定処理の結果に対応する報知へ期待感を寄せさせることが可能となる。
特徴dA9.前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果となる確率よりも、他の前記特定結果(通常リプA~C、チャンス目A~C、チェリーA~C,スイカ)となる確率の方が高くなるように設定されていることを特徴とする特徴dA6乃至特徴dA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果となる方が他の特定結果となるよりも出現率が低くなるため、特殊結果側に特定処理の結果に対応する報知のタイミングを合わせてしまうと、他の特定結果の場合に、特定処理が実行されてからなかなかその報知が行われないなどの不都合が生じ易くなる。その点、他の特定結果に合わせて特定処理の結果を報知するようにすることで、特殊結果であることを他の特定結果に紛れさせることができ、報知タイミングから特定処理の結果に対応する報知の内容が見抜かれてしまうことを抑制し、当該報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴dA10.前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特定結果(例えば特定役)である遊技にて、前記停止操作手段が操作されるよりも前に前記特定処理として第3特定処理を実行可能な手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理等を実行する機能)を備え、
前記特殊結果を契機として前記第1特定処理を実行した場合の方が、所定の前記特定結果を契機として前記第3特定処理を実行した場合よりも遊技者にとって有利となるように設定されていることを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時には第1操作態様にて操作することで、他の特定結果当選時において操作態様に関わらず実行される第3特定処理よりも有利な第1特定処理が行われる。このような構成であれば、特殊結果当選時の操作態様をより慎重に行わせることが可能となるし、その操作に基づく第1特定処理の結果をより早期に知りたいと思わせることができ、特徴dA1のように特殊結果となった特殊遊技内にて特定報知を行う意義が高められる。
特徴dA11.前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特定結果(例えば特定役)である遊技にて、前記停止操作手段が操作されるよりも前に前記特定処理として第3特定処理を実行可能な手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理等を実行する機能)を備え、
前記特殊結果を契機として前記第2特定処理を実行した場合よりも、所定の前記特定結果を契機として前記第3特定処理を実行した場合の方が遊技者にとって有利となるように設定されていることを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時には第2操作態様にて操作してしまうと、他の特定結果当選時において操作態様に関わらず実行される第3特定処理よりも不利な第2特定処理が行われる。このような構成であれば、特殊結果当選時の操作態様をより慎重に行わせることが可能となる。特に特徴dA10との関係からも、その操作に基づく第2特定処理の結果をより早期に知りたいと思わせることができ、特徴dA1のように特殊結果となった特殊遊技内にて特定報知を行う意義が高められる。
特徴dA12.前記特定処理の結果に対応する先報知(テンパイ演出や確定演出や特定報知演出)を実行可能な先報知手段(表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理において特殊役を契機としてテンパイ演出や特定報知演出が行われるようにする処理を実行する機能やチェリー当選時の確定演出が行われるようにする処理を実行する機能)を備え、
前記先報知手段は、前記特殊遊技における前記特定タイミングよりも前のタイミングで前記先報知を実行することが可能な手段(表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理において特殊役を契機としてテンパイ演出や特定報知演出が行われるようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様によって特定処理が異なる構成において、当該特定処理の結果に対応する特定報知が行われる特定タイミングよりも前のタイミングにて当該特定処理に対応させた先報知が行われる場合があるようにしたことから、遊技者は、特定報知が行われることを事前に察知することが可能となるし、報知タイミングが限られている特定報知であってもその期間をより長く確保することが可能となり、遊技演出の好適化を図ることができるようになる。
特徴dA13.前記特定報知手段は、前記特定処理の結果に応じて、遊技者にとって有利となる有利内容及び当該有利内容が行われた場合よりも遊技者にとって不利となる非有利内容を含む内容報知のいずれかを前記特定報知として実行可能であり、
前記先報知手段により前記先報知が行われた後、前記有利内容の前記特定報知が行われる場合があり、且つ、前記先報知手段により前記先報知が行われた後、前記非有利内容の前記特定報知が行われる場合があるように設定されており、
更に、前記先報知手段により前記先報知が行われた後、前記有利内容の前記特定報知の方が前記非有利内容の前記特定報知よりも行われ易い構成であることを特徴とする特徴dA12に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理の実行前に先報知を行う場合であっても、その後の特定報知が有利内容となる場合もあれば非有利内容となる場合があるようになり、先報知を行ったとしてもその後の特定報知に矛盾が生じにくくなる。そのうえで、先報知が行われた場合には、有利内容となり易いことから、当該先報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴dA14.前記第1操作態様と前記第2操作態様とのいずれの操作態様となるかの各前記停止操作手段の操作が行われるうえでの分岐タイミング(第1停止ON操作)以後に前記先報知手段による前記先報知が行われるようにする手段(表示制御装置81によるテンパイ演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA12又は特徴dA13に記載の遊技機。
上記構成によれば、先報知手段による先報知によっていずれの操作態様にて操作するかを遊技者が決定することができなくなる。つまり、例えば、仮に特定報知の内容を事前に察知できるのであれば、その察知した内容が遊技者にとって好ましいものではなければ第2特定処理が行われるものの第2特典を獲得するように第2操作態様にて操作することも考えられるところ、上記のように先報知を第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミング以後で発生させることで、上記の行為が行われにくくなる。
特徴dA15.前記第1操作態様と前記第2操作態様とのいずれの操作態様となるかの各前記停止操作手段の操作が行われるうえでの分岐タイミング(第1停止ON操作)よりも前に前記先報知手段による前記先報知が行われるようにする手段(表示制御装置81による特定報知演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA12乃至特徴dA14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先報知手段による先報知によっていずれの操作態様にて操作するかを遊技者が決定することができるようになる。つまり、例えば、仮に特定報知の内容を事前に察知できるのであれば、その察知した内容が遊技者にとって好ましいものではなければ第2特定処理が行われるものの第2特典を獲得するように第2操作態様にて操作することも考えられるし、察知した内容が遊技者にとって好ましいものであればより慎重に停止操作手段を操作するものと考えられ、上記のように先報知を第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミングよりも前に発生させることで、先報知によって第1操作態様と第2操作態様とのいずれにて操作すべきかを判断させたうえで効率的に特典を獲得させる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となるし、特定報知に向けて演出を大いに盛り上げることも可能である。
特徴dA16.前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特定結果である遊技において、前記先報知又は当該先報知と報知態様が共通する報知が行われるようにする第2先報知手段(表示制御装置81による特殊役非当選時にテンパイ演出や特定報知演出を行うようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA12乃至特徴dA15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先報知が他の特定結果であっても発生するようになるため、先報知が特殊結果の目印となりにくくなる。よって、報知内容から遊技結果を予測しにくくし、より純粋に報知を楽しませることが可能となる。
特徴dA17.前記特定処理手段は前記特定処理を実行するよりも前に取得する特定数値情報(AT抽選用乱数や上乗せ抽選用乱数)を用いて前記特定処理を実行する構成であり、
前記特定数値情報が前記特定処理に用いられた場合の当該特定処理の結果を、当該特定処理が行われるよりも前に特定可能な先特定手段(主制御装置101による事前判定処理等を実行する機能)を備え、
前記先報知は前記先特定手段の特定結果に基づいて実行されることを特徴とする特徴dA12乃至特徴dA16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様によって処理が異なる特殊結果であっても、第1操作態様にて操作された場合の第1特定処理の結果や第2操作態様にて操作された場合の第2特定処理の結果を事前に特定することが可能となり、当該事前に先特定された結果に基づいて先報知が行われるようになるため、先報知の信頼性を高めることが可能となる。
特徴dA18.前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果であって、前記停止操作手段を前記第1操作態様にて操作した場合、各前記周回体のうち特定周回体(左リール32L)の特定位置に特定絵柄が停止して、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せが停止する構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特定結果(チェリーA~C)である場合、前記特定周回体の特定位置に前記特定絵柄が停止するとともに、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せ及び前記第2の絵柄組合せとは異なる第3の絵柄組合せが停止することで、当該特定結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記先報知手段は、前記特定周回体の特定位置に前記特定絵柄が停止し、且つ他の周回体が停止していない状況で前記先報知を実行可能な特定手段(表示制御装置81によるチェリー当選時の確定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dA12乃至特徴dA17のいずれか1に記載の遊技機。
特定周回体の特定位置に特定絵柄が停止した場合、それが特定結果に基づくものなのか、それとも特殊役結果当選時の第1操作態様によるものなのかが、停止出目からは判別することができない。このような構成において、当該特定周回体の特定位置に特定絵柄が停止した場合に先報知が行われる場合があるようにしたことから、当該先報知が特定結果に基づく特定処理に対応するものなのか、それともその後の第1特定処理や第2特定処理に対応するものなのかを判別することができず、先報知が行われた場合の結果を予測するうえでの選択枝が増え、当該先報知と特定報知の注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴dA19.前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である遊技にて、前記停止操作手段が操作されるよりも前に前記特定処理として第3特定処理を実行可能な手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理等を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記特定結果に基づく前記第3特定処理の結果に対応する報知を前記先報知として実行することを特徴とする特徴dA18に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作前に第3特定処理が行われており、その結果に対応する報知が特定周回体の特定位置に特定絵柄が停止した場合に先報知として実行される。このようにすることで、当該先報知が行われる場面が、特殊結果であれば未だ特定処理の実行前の停止出目と同じ状況としながらも、先報知の内容に矛盾が生じないようになり、先報知への信頼性を高めることが可能となる。
特徴dA20.前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記特定周回体の特定位置に前記特定絵柄が停止することなく前記有効位置に前記第2の絵柄組合せが停止することを特徴とする特徴dA18又は特徴dA19に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に第1操作態様にて操作した場合には特定周回体の特定位置に特定絵柄が停止するものの、第2操作態様にて操作した場合には特定絵柄が停止しないため、先報知が、操作態様の選択の結果として実行された印象を強く与えることが可能となる。このようにすることで、先報知への注目度を高めることができる。
なお、上記構成は、「各前記停止操作手段の操作が行われるうえで、前記第1操作態様と前記第2操作態様とのいずれの操作態様となるかの分岐タイミング(第1停止ON操作)が設定されており、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合に、前記第1操作態様にて操作することで前記分岐タイミングにて前記特定周回体の特定位置に前記特定絵柄が停止する一方、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合に、前記第2操作態様にて操作することで前記分岐タイミングにて前記特定周回体の特定位置に前記特定絵柄が停止せずに他の絵柄が停止する」構成を限定することで、第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミングで特定絵柄が停止するか否かが異なることがより明確化される。
特徴dA21.前記停止操作手段は、各前記周回体の数に対応させて複数設けられており、
前記特定処理手段は、全ての前記停止操作手段の操作が実行された後で前記第1特定処理又は前記第2特定処理を実行するものであり、
前記特定報知手段は、前記特殊遊技において前記第1特定処理又は前記第2特定処理が実行された後、前記特定報知を実行することを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA20のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数設けられた停止操作手段の操作が全て完了した後で、第1特定処理や第2特定処理が実行されて特定報知が行われるようになる。このような構成とすることで、特殊結果当選時の停止操作手段のより慎重な操作が促されるようになるし、当該特殊結果に当選となった特殊遊技内で特定報知を行うタイミングはより限定的なものとなる。これにより、特定報知へ注目すべきタイミングが集約され、特定報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴dA22.前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果となった前記特殊遊技の次の遊技が開始されるよりも前に前記特定報知を実行することを特徴とする特徴dA1乃至特徴dA21のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が特殊結果当選となった特殊遊技内で実行され、次の遊技に特定報知が持ち越されることがないことが明確化される。このような構成とすることで、特定報知が行われる特定タイミングがより限定化され、当該特定報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、上記特徴dA1乃至特徴dA22に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dA1乃至特徴dA22の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dB群>
特徴dB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記第1操作態様又は前記第2操作態様を含む操作態様の態様報知を所定の報知手段にて実行する態様報知手段(例えば主制御装置101による指示モニタ68による押し順報知を実行する機能)と、
遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理を実行する機能)と、
前記有利判定の結果に対応する特定報知を所定の報知手段にて実行可能な特定報知手段(表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理や停止時CZ演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記有利判定手段は、
前記始動操作手段が操作された場合に前記有利判定としての第1有利判定を実行する第1有利判定手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理を実行する機能)と、
前記停止操作手段が操作された後で前記有利判定としての第2有利判定を実行する第2有利判定手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知手段は、
所定の前記停止操作手段が操作されるよりも前である特定タイミングにて前記第1有利判定の結果に対応する第1特定報知(特定役に基づくテンパイ演出)を前記特定報知として実行可能な第1特定報知手段(表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定タイミングにて前記第2有利判定の結果に対応する第2特定報知(特殊役に基づくテンパイ演出)を前記特定報知として実行可能な第2特定報知手段(表示制御装置81による停止時CZ演出設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与される特殊結果が設定されており、第1操作態様や第2操作態様を含む操作態様の態様報知が行われる場合があるため、当該態様報知の有無によって同じ結果でも得られる特典が異なる、といった遊技性を実現することができる。
このように停止操作手段の操作によって得られる特典が異なり得るような遊技性を前提としながらも、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定が、停止操作手段の操作前である始動操作手段の操作に基づいて行われる場合と、停止操作手段の操作後に行われる場合とがあるため、単に操作態様によって第1特典や第2特典のいずれを得ることができるか、といった遊技だけではなく、操作の前後の有利判定も含めて遊技性に盛り込むことができ、遊技の多様化が図られている。
そのうえで、停止操作手段の操作前の第1有利判定の結果に対応する第1特定報知が所定の停止操作手段の操作前の特定タイミングにて行われるようにしながらも、停止操作手段の操作後の第2有利判定の結果に対応する第2特定報知についても特定タイミングにて行われるようにしていることから、実行された特定報知が第1有利判定と第2有利判定とのいずれに対応するものかの区別がつきにくくなるし、有利判定の実行前の第2特定報知であっても有利判定の実行後の第1特定報知によって当該第2特定報知への信頼感を高めることができ、当該特定報知への注目度を向上させることができる。
特徴dB2.前記停止操作手段は複数である特定数設けられており、
前記第2有利判定手段は、前記特定数の前記停止操作手段が操作された後、前記第2有利判定を実行することを特徴とする特徴dB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2有利判定は、全ての停止操作手段を操作した後で実行される。このようにすることで、所定の停止操作手段が操作されるよりも前のタイミングである特定タイミングが、全ての停止操作手段の操作完了前のタイミングであることが明確化される。よって、第2特定報知が第2有利判定の実行前の事前報知であることも明確化され、第1特定報知を利用してこのような事前報知の信頼性を高める特徴dB1の効果も際立てることができる。
特徴dB3.前記第2特定報知手段は、所定の前記停止操作手段(第3リールに対応するストップスイッチ)の操作前であって特定の停止操作手段(第1リールに対応するストップスイッチ)の操作後を前記特定タイミングとて前記第2特定報知を実行可能な手段(表示制御装置81によるテンパイ演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dB1又は特徴dB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定報知は、少なくとも特定の停止操作手段の操作は行われた後で実行されるようになることから、例えば停止操作手段の操作順序によって第2有利判定の内容や結果が異なるような構成においては、ある程度の絞り込みを行ったうえで第2特定報知を行うことも可能である。よって、第2特定報知自体の信頼性を高めることができる。
特徴dB4.前記第2特定報知手段は、前記特定の停止操作手段が第1態様(第1停止且つ所定箇所)にて操作された場合には前記第2特定報知を実行するようにする一方、前記特定の停止操作手段が前記第1態様とは異なる第2態様(第2,第3停止、又は第1停止且つ所定箇所以外)にて操作された場合には前記第2特定報知が実行されないようにすることが可能な手段(表示制御装置81による第1停止ON時演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dB3に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作後に実行される第2有利判定が、特定の停止操作手段を第1態様にて操作するか第2態様にて操作するかによって異なる印象を遊技者に与えることが可能となり、第2特定報知を通じて停止操作手段をより慎重に且つ期待感を持たせながら操作させることが可能となる。
特徴dB5.前記第2有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合において、前記特定の停止操作手段が前記第1態様にて操作された場合には前記第2有利判定を実行可能となり、前記特定の停止操作手段が前記第2態様にて操作された場合には前記第2有利判定を実行不可となる場合があるように設定されていることを特徴とする特徴dB4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴dB4のように操作態様によって第2特定報知の実行の有無が異なることとの整合性が担保される。よって、特定報知の信頼性が高められ、特定報知に関心を寄せさせることが可能となる。
特徴dB6.各遊技において、前記有利判定が行われる場合に又は前記有利判定が行われた場合に、前記所定の報知手段にて所定報知を開始させ、当該有利判定の結果に対応する結果報知となるようにして前記所定報知を終了させる所定報知手段(表示制御装置81による各変動領域SP1~SP3による数字のキャラクタによる変動表示を実行する機能)を備え、
前記第1特定報知手段は、前記第1特定報知を前記所定報知における前記特定タイミングにて実行したうえで、前記第1有利判定の結果に対応する前記結果報知となるように前記所定報知手段による前記所定報知を実行させ、
前記第2特定報知手段は、前記第2特定報知を前記所定報知における前記特定タイミングにて実行したうえで、前記第2有利判定の結果に対応する前記結果報知となるように前記所定報知手段による前記所定報知を実行させることを特徴とする特徴dB1乃至特徴dB5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定報知や第2特定報知は、所定報知の途中の演出であって、これら各特定報知が行われた後、有利判定の結果に対応する結果報知が行われるようになる。このようにすることで、第2有利判定が行われるよりも前に第2特定報知が行われる構成であっても、その後に結果報知が行われることを通じて、第2特定報知の報知内容を補填するようにすることも可能となる。つまり、第2特定報知を事前報知として扱うことが可能となり、第2特定報知の報知内容の自由度が大幅に向上する。
特徴dB7.通常状態(通常区間)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(有利区間)とが設定されており、
前記有利状態において予め定められた終了条件が成立した場合、当該有利状態を終了させる終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理における上限ゲーム数や上限増加枚数に到達したことに基づく有利区間終了用の処理を実行する機能)と、
前記終了手段により前記有利状態が終了されることが、前記終了条件が成立するよりも前に特定されている状況において、前記第2特定報知手段による前記第2特定報知を実行する特定手段(表示制御装置81による特殊役当選時にAT中特定報知演出ではなく第1小役用~第6小役用の押し順報知演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴dB1乃至特徴dB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作後に行われる第2有利判定に対応する第2特定報知が事前に行われることを、有利状態の上限に到達することの合図とすることができる。このようにすることで、第2特定報知を、単に第2有利判定の事前告知といった機能だけではなく、有利状態の上限に到達することの事前告知といった機能を有するようにすることが可能となり、機能の集約化を通じて第2特定報知への注目度を高めることが可能となる。
特徴dB8.前記第2特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合に前記第2特定報知を実行可能であり、
前記第2特定報知は、前記第2操作態様に対応する内容の報知を含むことを特徴とする特徴dB7に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態の上限に到達することが特定されている状況において第2特定報知が行われると、第2特典が付与されるようになる第2操作態様が示される。このようにすることで、有利状態が終了するにあったって、遊技者はより多くの特典を獲得することが可能となるし、有利状態で獲得可能な特典数に上限が設けられているような構成においては、より早期に上限に到達させることが可能となる。
なお、上記特徴dB1乃至特徴dB8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dB1乃至特徴dB8の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dC群>
特徴dC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様の態様報知を所定の報知手段にて実行する態様報知手段(例えば主制御装置101による指示モニタ68による押し順報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知を実行し易くなる特定事象を生じさせることの特定判定を実行する特定判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定判定手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記特定判定として第1特定判定を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記特定判定として前記第1特定判定よりも前記特定事象が生じにくくなる第2特定判定を実行する又は前記特定判定を実行しないように設定されており、
前記特定判定手段による前記特定判定の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する対応結果となった場合、当該対応結果となったことに対応する特定報知を当該遊技よりも後の前記特殊遊技にて実行可能な特定報知手段(主制御装置101による遅延フラグに基づく前兆コマンドを出力する処理や、表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理において前兆コマンドに基づきゾロ目演出を行うようにする機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与されるとともに、態様報知が実行され易くなる特定事象を生じさせることの第1特定判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与されるとともに、特定事象を生じさせることの第2特定判定が実行される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利である一方、第1特定判定の方が第2特定判定よりも特定事象が生じ易くなるように設定されているため、特殊結果となった場合、特典付与手段により付与される特典の有利な側(第2操作態様)と、特定事象を生じさせるうえで有利な側(第1操作態様)との選択を遊技者に委ねる、といった斬新な遊技性を実現することが可能である。
しかも、上記構成においては、特定判定の結果が特定事象を生じさせる対応結果である場合、当該対応結果であることの特定報知が当該遊技ではなく、それ以後の、特殊結果に当選した特殊遊技にて実行される場合があるようにしている。つまり、特殊結果当選となった特殊遊技では、停止操作が行われた後にしか特定報知ができないといった不都合が生じ得るものの、かかる不都合を、それよりも以前の遊技での特定判定の結果報知を特殊遊技にて行うことでフォローする構成となる。このようにすることで、特殊結果を設けることによる遊技性向上の恩恵を享受しながらも、特殊結果当選となった特殊遊技での特定報知の自由度を劇的に向上させることができる。
特徴dC2.前記特定判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特定結果である特定遊技において、前記停止操作手段の操作態様に関わらず前記特定判定として第3特定判定を実行可能に設定されており、
前記特定報知手段は、前記特定判定手段による前記第3特定判定の結果が前記対応結果となった場合、当該対応結果となったことに対応する特定報知を、当該特定遊技よりも後の前記特殊遊技にて実行可能であることを特徴とする特徴dC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様に関わらず第3特定判定が行われる特定遊技にて特定報知を行う代わりに、操作態様によって第1特定判定や第2特定判定が行われる特殊遊技にて特定報知が行われるようになり、操作態様と特定報知との関連性が強められる。よって、自らの操作態様によって対応結果を勝ち取った印象を強く与えることが可能となり、遊技の興趣向上に好適に寄与することができる。
特徴dC3.前記特定判定手段による前記第3特定判定の結果が前記対応結果となった場合、当該対応結果となったことに対応する特定報知を、当該特定遊技にて実行可能な第2特定報知手段(表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理にてゾロ目演出が行われるように設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様に関わらず第3特定判定が行われる特定遊技にて特定報知が行われる場合もあるようになる。このようにすることで、特定遊技の注目度を低くし過ぎないようにしながらも、特殊遊技での特定報知の自由度を向上させるといった優れた効果を期待できるようになる。
特徴dC4.前記特定判定手段による前記第3特定判定の結果が前記対応結果となった場合、当該対応結果となったことに対応する特定報知を、当該特定遊技よりも後の遊技であって前記特殊遊技とは異なる遊技にて実行可能な第3特定報知手段(主制御装置101による遅延フラグ及びCZモードの終了に基づいて前兆コマンドを出力する処理や、表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理において前兆コマンドに基づきゾロ目演出を行うようにする機能能)を備えていることを特徴とする特徴dC2又は特徴dC3に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様に関わらず第3特定判定が行われる特定遊技にて特定報知を行わなかった場合に、特殊結果当選とならなくても特定報知が実行できるようなるため、いつまでも特定報知が行われない、といった不都合を好適に回避することができる。
特徴dC5.前記特定報知手段は、前記特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合に前記特定報知を実行可能であり、且つ、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合に前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴dC1乃至特徴dC4のいずれか1に記載の遊技機。
操作態様によって第1特定判定と第2特定判定が行われる特殊結果であっても、それ以前の特定判定の結果に対応する特定報知を特殊結果当選となった特殊遊技にて実行する構成であるため、当該特定報知は、操作態様に関わらず実行可能である。そこで、上記構成のように、いずれの操作態様であっても特定報知が行われるようにすることで、第1特定判定や第2特定判定(特に第2特定判定)の結果が対応結果となる確率が、実際よりも高い確率である印象を与えることが可能となる。このようにすることで、特に、第2操作態様にて操作して、第2の絵柄組合せが停止した場合であっても、特定事象の発生に期待させることが可能となる。
特徴dC6.前記第2の絵柄組合せは、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特別結果(押し順ベル)である場合にも、前記有効位置に停止可能となる構成であることを特徴とする特徴dC1乃至特徴dC5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選となった特殊遊技にて、それ以前の特定判定の結果に対応する特定報知が行われた場合、その特殊遊技での停止出目から、特殊結果当選であったのか、それとも特別結果当選であったのかが判別しにくくなる。つまり、特殊遊技にて特定報知を行う構成を利用して、特殊結果を契機として特定事象が生じる印象を与えるだけではなく、特別結果を契機として特定事象が生じる印象をも与えることが可能となる。これにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴dC7.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には、前記有効位置に前記第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せ及び前記第2の絵柄組合せとは異なる第3の絵柄組合せが停止可能となることを特徴とする特徴dC6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時の特定報知によって、特別結果当選となった遊技での注目度を高めるうえで、特別結果当選時の操作態様によって、第2の絵柄組合せが停止する場合と、そうではない場合とがあるようになるため、特殊結果当選時に第2の絵柄組合せが停止して特定報知が行われたことを、特別結果当選時の操作態様が第1の操作態様であったからこそ実行されたものである、という印象を与えることができる。よって、所謂押し順役である既存の特別結果と、特殊結果との停止出目の共通性をうまく利用して、特別結果当選時の注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴dC8.前記特定判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であることに基づいて前記特定判定を実行する場合、前記第1特定判定よりも前記対応結果となりにくくなるように当該特定判定を実行することを特徴とする特徴dC6又は特徴dC7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時にそれ以前の特定処理の結果に基づいて特定報知を行うとともに、特殊結果当選時に第2操作態様にて操作された場合の停止出目と、特別結果での停止出目の共通性を利用して、特別結果に基づく特定処理にて対応結果となることの印象を与えることも可能である。つまり、単に特別結果当選時にも特定報知を行うことで、特別結果であっても対応結果となることの印象を与えるのだけではなく、特殊結果に基づいて対応結果となる場合があること及び当該特殊結果との停止出目の共通性を利用することで、特別結果であっても対応結果となることの印象を与えるうえで嘘くささを低減することができ、当該印象を与え易くすることが可能となる。
特徴dC9.前記始動操作手段が操作されたことに基づいて、所定報知(押し順予想演出)を実行し、前記停止操作手段が第1特定順序にて操作されることで、前記特定判定の結果が前記対応結果であることを示唆する第1特別報知(正解演出)を実行し、前記停止操作手段が前記第1特定順序とは異なる第2特定順序で操作されることで、前記特定判定の結果が前記対応結果とは異なる結果であることを示唆する第2特別報知(不正解演出)を実行する特別演出実行手段(図325(c))を備え、
前記特別演出実行手段は、前記特定報知手段による前記特定報知が実行される前記特殊遊技にて、前記所定報知を実行し、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合に前記第1特別報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴dC1乃至特徴dC8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、所定報知を実行した後、停止操作手段の操作順序に応じて特定判定の結果が特定結果であることを示唆する第1特別報知を実行したり、特定結果ではないことを示唆する第2特別報知を実行する、といったように、停止操作手段の操作順序を予想させるような演出が実行される場合があるような構成において、特殊結果当選となった特殊遊技において特定報知が実行される場合、特定判定として第2特定判定が実行される等の不利な側の第2操作態様にて操作された場合であっても、特定結果であることを示唆する第1特別報知を実行するようにすることで、第2操作態様にて操作して、第2の絵柄組合せが停止した場合であっても、特定事象の発生に期待させることが可能となる。
特徴dC10.前記第2の絵柄組合せは、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特別結果(押し順ベル)である場合にも、前記有効位置に停止可能となる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には、前記有効位置に前記第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せ及び前記第2の絵柄組合せとは異なる第3の絵柄組合せが停止可能となる構成であり、
前記特別演出実行手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記所定報知を実行し、前記停止操作手段が前記第1の操作態様にて操作された場合に前記第1特別報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴dC9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選時に第1の操作態様にて操作して、第2の絵柄組合せを停止させた場合、特定判定の結果が特定結果であることを示唆する第1特別報知が行われる場合がある。このようにすることで、特殊結果当選時に第2操作態様にて操作して第2の絵柄組合せを停止させた場合に第1特別報知が実行されるとともに、特定報知が実行されるといった特徴dC9との関係で、あたかも特別結果当選時に第2の絵柄組合せを停止させることに成功したことによって第1特別報知が実行された(特定結果を勝ち取った)ような印象を与えることが可能となる。以上の結果、特殊結果に当選した遊技だけではなく、特別結果に当選した遊技についても注目度を向上させることができ、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴dC11.前記特別演出実行手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記所定報知を実行し、前記停止操作手段が前記第2の操作態様にて操作された場合に前記第2特別報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴dC10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果に当選した場合において、第2の絵柄組合せを停止させることに成功した場合に第1特別報知が実行されることとの関係で、第2の絵柄組合せを停止させることに失敗した場合に第2特別報知が実行されるので、第1特別報知が操作順序や停止出目との関係で実行されている印象をより強めることができる。
特徴dC12.前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記特別演出実行手段によって前記第1特別報知が実行される遊技において、前記特定報知を実行しないようにすることが可能である(図325(d))ことを特徴とする特徴dC10又は特徴dC11に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選時に第2の絵柄組合せを停止させることに成功し、第1特別報知が実行された場合であっても、対応結果であることの特定報知が実行されない場合がある。つまり、第2の絵柄組合せが停止して第1特別報知が実行された場合の一部で、特定報知が実行されることになる。このようにすることで、特別結果に当選した際に第2の絵柄組合せを停止させることができたのにもかかわらず、特定報知が実行されない(特定事象が生じない)こととの矛盾を解消することができる。
なお、上記特徴dC1乃至特徴dC12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dC1乃至特徴dC12の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dD群>
特徴dD1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する数の特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記特典付与手段は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せが停止して前記第1特典を付与する場合には第1期間を要し、前記有効位置に前記第2の絵柄組合せが停止して前記第2特典を付与する場合には前記第1期間よりも長い第2期間を要する構成であり、
遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば主制御装置101によるATモード移行抽選やAT上乗せ抽選を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果である場合、前記有利事象を生じさせる有利事象手段(例えば、主制御装置101によるATモードへ移行させる処理や上乗せを行う処理を実行する機能)と、
所定報知(爆弾演出)を開始した後、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であることに対応する有利内容(爆発演出)、及び前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果とは異なる結果であることに対応する非有利内容(不発演出)を含むいずれかの内容報知が行われる特定報知(CZモードの各ゲームの演出)を所定の報知手段にて実行する特定報知手段(表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理や停止時CZ演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
各前記周回体が停止した後、前記第1期間が経過する第1タイミングの方が、各前記周回体が停止した後、前記第2期間が経過する第2タイミングよりも、前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行され易いように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する数の遊技価値が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、抽選結果が特殊結果であれば、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典が付与されるため、特殊結果となった場合、特典の有利な側(第2操作態様)の操作を選択したほうが遊技者にとって有利となり得る。
また、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定が行われ、当該有利判定の結果が特定報知として報知される。特定報知は、所定報知を実行した後、有利事象の発生に対応する有利内容及び有利事象の発生に対応しない非有利内容のいずれかの内容報知が行われるように設定されているため、有利事象の発生を望む遊技者としては、特定報知が有利内容となることを期待するものと考えられる。
そして、各周回体の周回が停止した後、第1特典の付与が行われる期間である第1期間が経過した後の方が、第2特典の付与が行われる期間である第2期間が経過した後よりも、特定報知は有利内容となり易くなるように設定されている。
このようにすることで、より有利な特典を獲得したい気持ちと、特定報知を有利内容とさせて有利事象の発生を確定させたい気持ちといった、相反する気持ちを利用して、特殊結果当選となった遊技の遊技性を劇的に向上させることが可能となる。
特徴dD2.前記有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記有利判定として第1有利判定を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記有利判定として前記第1有利判定よりも前記有利結果となりにくい第2有利判定を実行する又は前記有利判定を実行しないように設定されていることを特徴とする特徴dD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊役当選となった特殊遊技においては、停止操作手段の操作態様によって有利判定の内容や実行の有無が異なり、第1特典が付与される側の第1操作態様の方が、第2特典が付与される側の第2操作態様よりも有利事象が生じ易くなる。上記のように、第1特典が付与される第1期間が経過する第1タイミングの方が、第2特典が付与される第2期間が経過する第2タイミングの方が、有利事象が生じることに対応する有利内容になり易いのであるから、このような構成であれば、特殊遊技における有利判定の内容や実行の有無と、付与される特典との関係が特定報知と合致するようになる。よって、有利判定と特定報知との矛盾を生じさせにくくすることができ、特定報知の信頼性を高め遊技の興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
特徴dD3.前記特典付与手段は、前記第1特典よりも遊技者にとって有利であって、前記第2特典よりも遊技者によって不利な第3特典を付与する場合には、前記第1期間よりも長く前記第2期間よりも短い第3期間を要し、
前記抽選手段による抽選結果が特定結果であって、前記有効位置に前記特定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、当該特定結果に対応する特典として前記第3特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
各前記周回体が停止した後、前記第3期間が経過する第3タイミングでは、前記第1タイミングよりも前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行されにくく、且つ、前記第2タイミングよりも前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行され易いように設定されていることを特徴とする特徴dD1又は特徴dD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に付与され得る第1特典や第2特典だけではなく、他の特定結果当選時に付与され得る第3特典についても、特典付与に要する期間の長さに応じて、有利内容のなり易さが関連付けられているようになる。このようにすることで、従来からの、より有利度の高い特典を獲得しようとする遊技から脱却し、より有利度の低い特典を獲得することで、別の有利事象が生じ易くなる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴dD4.前記抽選手段による抽選結果が特別結果である場合、前記有効位置に前記第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第2特典が付与される構成であり、
各前記周回体が停止した後、前記第2期間が経過する前記第2タイミングにおいて、当該第2期間が前記特別結果を契機とする期間である場合には、前記特殊結果を契機とする期間である場合よりも、前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行されにくいように設定されている又は前記有利内容とならないように設定されていることを特徴とする特徴dD1乃至特徴dD3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典付与に要する期間が同じ第2期間であっても、有利内容のなり易さは抽選結果によっても異なることとなる。特に、特殊結果である場合に第2特典が付与される場合と、特別結果である場合に第2特典が付与される場合とで停止出目が共通しており、当該停止出目からは有利内容のなり易さは把握することができない。このようにすることで、抽選結果と特典付与に要する期間との長さから内容報知の種類を予測する、という遊技性を実現することが可能となる。
特徴dD5.前記抽選手段による抽選結果が特別結果である場合、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第3の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典が付与される構成であり、
各前記周回体が停止した後、前記第1期間が経過する前記第1タイミングにおいて、当該第1期間が前記特別結果を契機とする期間である場合には、前記特殊結果を契機とする期間である場合よりも、前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行されにくいように設定されている又は前記有利内容とならないように設定されていることを特徴とする特徴dD1乃至特徴dD4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典付与に要する期間が同じ第1期間であっても、有利内容のなり易さは抽選結果によっても異なることとなる。特に、特殊結果である場合に第1特典が付与される場合と、特別結果である場合に第1特典が付与される場合とで停止出目が異なることから、当該停止出目と特典付与に要する期間との長さから内容報知の種類を予測する、という遊技性を実現することが可能となる。
特徴dD6.前記抽選手段による抽選結果が再遊技結果であって、前記有効位置に前記再遊技結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、前記特典付与手段により前記特典として当該再遊技結果となった遊技と同数の賭数が設定される再遊技処理が実行される構成であり、
所定の前記再遊技結果(例えばチェリーA~C)である場合、所定数の賭数が前記再遊技処理にて設定される場合に第4期間を要し、特定の前記再遊技結果(例えば通常リプA~C)である場合、前記所定数の賭数が前記再遊技処理にて設定される場合に前記第4期間よりも長い第5期間を要するように設定されており、
各前記周回体が停止した後、前記第4期間が経過する第4タイミングの方が、各前記周回体が停止した後、前記第5期間が経過する第5タイミングよりも、前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行され易いように設定されていることを特徴とする特徴dD1乃至特徴dD5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技結果入賞に基づいて賭数が設定される期間の長さによっても、特定報知が有利内容となるなり易さが異なるようになり、より短い期間で賭数が設定される場合の方が有利内容となり易くなる。このようにすることで、他の特殊結果のように第1特典や第2特典が付与される場合の演出内容と、再遊技結果の場合の演出内容とを大きく異ならせる必要が生じず、比較的簡素な構成にて特徴dD1の斬新な遊技性を、再遊技結果でも実現することが可能となる。
特徴dD7.前記特典付与手段は、前記第1特典よりも遊技者にとって有利であって、前記第2特典よりも遊技者によって不利な第3特典を付与する場合には、前記第1期間よりも長く前記第2期間よりも短い第3期間を要し、
前記抽選手段による抽選結果が特定結果であって、前記有効位置に前記特定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、当該特定結果に対応する特典として前記第3特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
各前記周回体が停止した後、前記第3期間が経過する第3タイミングでは、前記第1タイミングよりも前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行されにくく、且つ、前記第2タイミングよりも前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行され易いように設定されており、
前記第4期間は前記第3期間と同じ又は略同じ長さの期間として設定されており、
前記所定の再遊技結果に基づいて各前記周回体が停止した後、前記第4タイミングとなった場合と、前記特定結果に基づいて各前記周回体が停止した後、前記第3タイミングとなった場合とで、前記特定報知手段による前記特定報知における前記有利内容の実行され易さが同じ又は同程度となるように設定されていることを特徴とする特徴dD6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に付与され得る第1特典や第2特典だけではなく、他の特定結果当選時に付与され得る第3特典についても、特典付与に要する期間の長さに応じて、有利内容になり易さが関連付けられているようになる。このようにすることで、従来からの、より有利度の高い特典を獲得しようとする遊技から脱却し、より有利度の低い特典を獲得することで、別の有利事象が生じ易くなる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
そのうえで、所定の再遊技結果に基づいて所定数の賭数が設定される第4期間は第3期間の長さと同じ又は略同じ期間として設定されており、所定の再遊技結果である場合も特定結果である場合も周回体が停止してから第3期間や第4期間が経過した場合の有利内容のなり易さは共通している。このようにすることで、所謂小役結果や再遊技結果の種別に関わらず、周回体が停止してからの期間に応じて有利内容のなり易さが異なる、といった特徴dD1の斬新な遊技性を実現することができ、遊技の興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
特徴dD8.前記特典付与手段は、前記第1特典よりも遊技者にとって有利であって、前記第2特典よりも遊技者によって不利な第3特典を付与する場合には、前記第1期間よりも長く前記第2期間よりも短い第3期間を要し、
前記抽選手段による抽選結果が特定結果であって、前記有効位置に前記特定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、当該特定結果に対応する特典として前記第3特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
各前記周回体が停止した後、前記第3期間が経過する第3タイミングでは、前記第1タイミングよりも前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行されにくく、且つ、前記第2タイミングよりも前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容として実行され易いように設定されており、
前記第5期間は前記第3期間よりも長い期間として設定されており、
前記特定の再遊技結果に基づいて各前記周回体が停止した後、前記第5タイミングとなった場合よりも、前記特定結果に基づいて各前記周回体が停止した後、前記第3タイミングとなった場合の方が、前記特定報知手段による前記特定報知の前記内容報知が前記有利内容になり易いように設定されていることを特徴とする特徴dD6又は特徴dD7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に付与され得る第1特典や第2特典だけではなく、他の特定結果当選時に付与され得る第3特典についても、特典付与に要する期間の長さに応じて、有利内容のなり易さが関連付けられているようになる。このようにすることで、従来からの、より有利度の高い特典を獲得しようとする遊技から脱却し、より有利度の低い特典を獲得することで、別の有利事象が生じ易くなる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
そのうえで、特定の再遊技結果に基づいて所定数の賭数が設定される第5期間は第3期間の長さよりも長い期間として設定されており、特定の再遊技結果である場合に周回体が停止してから第5期間が経過した場合は、特定結果である場合に周回体が停止してから第3期間が経過した場合のよりも有利内容になりにくいように設定されている。このようにすることで、所謂小役結果や再遊技結果の種別に関わらず、周回体が停止してからの期間に応じて有利内容になり易さが異なる、といった特徴dD1の斬新な遊技性を実現することができ、遊技の興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
特徴dD9.前記停止操作手段は複数である特定数設けられており、
前記特定報知手段は、前記複数ある前記停止操作手段のうち、前記特定数の前記停止操作手段が操作された場合に、前記所定報知を開始させることを特徴とする特徴dD1乃至特徴dD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知において所定報知が開始されてから内容報知が有利内容となるまでの期間が、全周回体が停止してから特典付与が完了するまでの期間に対応付けられることになる。このようにすることで、周回体の停止後の期間ですら、遊技に組み込むことが可能となり、かかる構成を利用して遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴dD10.前記特定報知手段は、前記非有利内容の前記内容報知を実行した後は、前記有利判定手段による有利判定の結果に対応する結果報知を実行する一方、前記有利内容の前記内容報知を実行した後は、前記結果報知の前又は後で、前記有利事象が生じることに対応する対応報知(AT当選報知)を実行可能であることを特徴とする特徴dD1乃至特徴dD9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、有利内容の内容報知を行う場合には、対応報知と結果報知とセットで行われ、非有利内容の内容報知を行う場合には、結果報知だけが行われる構成において、特徴dD1のように、周回体が停止してからの期間が短いほど有利内容となり易いようにしておけば、対応報知の分の期間をうまく確保することが可能となり、演出用の期間の長さを有利判定の結果に応じて異ならせる必要が生じず、遊技進行の好適化を図りながらも、特徴dD1の優れた効果を期待することが可能となる。
なお、上記特徴dD1乃至特徴dD10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dD1乃至特徴dD10の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dE群>
特徴dE1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果と、特定数値情報(AT抽選用乱数や上乗せ抽選用乱数)とを用いて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記有利判定として第1有利判定を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記有利判定として前記第1有利判定よりも遊技者にとって不利となる第2有利判定を実行する又は前記有利判定を実行しないように設定されており、
前記特定数値情報が前記有利判定に用いられた場合の当該有利判定の結果を、当該有利判定が行われるよりも前に特定可能な先特定手段(主制御装置101による事前判定処理等を実行する機能)を備え、
前記先特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記特定数値情報が前記第1有利判定に用いられた場合の当該第1有利判定の結果を特定可能な第1先特定手段を備え、
前記特殊遊技において、所定の前記停止操作手段の操作が実行される前である特定タイミングにて、前記第1先特定手段による特定結果に対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81のよる第1停止ON時演出設定処理や、特定報知演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与されるとともに、遊技者にとって有利となる有利事象を生じさせる有利判定として第1有利判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与されるとともに、有利判定として第2有利判定が実行される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利である一方、第1有利判定の方が第2有利判定よりも有利であるため、特殊結果となった場合、特典付与手段により付与される特典の有利な側(第2操作態様)と、有利判定が有利な側(第1操作態様)との選択を遊技者に委ねる、といった斬新な遊技性を実現することが可能である。
しかも、上記構成においては、このような操作態様によって付与される特典や有利判定が異なる特殊結果に当選した遊技において、その有利判定が行われるよりも前に、少なくとも第1操作態様にて操作されたと仮定したうえで、第1有利判定が実行された場合の当該第1有利判定の結果が特定され、その特定結果に対応する特定報知が、有利判定の実行タイミングよりも前に実行される場合がある。
このようにすることで、遊技者にとって有利な側の第1有利判定の結果が先に特定可能となり、当該有利な側の結果に応じた演出を事前に行うようにすることができるようになるため、当該有利判定の結果を前もって大いに煽る演出を設定することが可能となる。よって、演出設計の自由度が大幅に向上し、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴dE2.前記特定報知手段は、前記第1操作態様と前記第2操作態様とのいずれの操作態様となるかの各前記停止操作手段の操作が行われるうえでの分岐タイミング(第1停止ON操作)以後のタイミングを前記特定タイミングとして前記特定報知が行われるようにする手段(表示制御装置81によるテンパイ演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知によっていずれの操作態様にて操作するかを遊技者が決定することができなくなる。つまり、例えば、仮に特定報知の内容を操作前に完全に察知できるのであれば、その察知した内容が遊技者にとって好ましいものではなければ第2有利判定が行われるものの第2特典を獲得するように第2操作態様にて操作することも考えられるところ、上記のように特定報知を第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミング以後で発生するようにすれば、特定報知に基づいていずれの操作態様とするかを決定できないようにしながら、有利判定前から当該有利判定の結果に対応する演出を開始することができる。
特徴dE3.複数設けられた前記停止操作手段のうち、特定の停止操作手段(左ストップスイッチ42)を特定番目(1番目)に操作することが前記第1操作態様となり、前記特定の停止操作手段とは異なる所定の停止操作手段(中ストップスイッチ43、右ストップスイッチ44)を前記特定番目に操作することが前記第2操作態様となり、前記分岐タイミングは、前記特定番目の前記停止操作手段が操作されたタイミングであることを特徴とする特徴dE2に記載の遊技機。
上記構成は特徴dE2の具体的構成であり、上記のようにすることで、いずれの停止操作手段を特定番目に操作するかを把握するだけでいずれの有利判定が実行されるかを判断することが可能となり、比較的簡素な構成にて特殊結果当選時の有利判定を行うことが可能となり、且つ、特殊結果当選時に先特定手段による特定を行うことが可能となる。
特徴dE4.前記特定の停止操作手段を前記特定番目に操作し、且つ当該特定の停止操作手段に対応する特定周回体における特定絵柄が特定範囲に存在しているタイミングで当該特定の停止操作手段を操作することが前記第1操作態様となり、前記特定の停止操作手段とは異なる所定の停止操作手段(中ストップスイッチ43、右ストップスイッチ44)を前記特定番目に操作すること、及び前記特定の停止操作手段を前記特定番目に操作し、且つ前記特定周回体における前記特定絵柄が前記特定範囲に存在しないタイミングで当該特定の停止操作手段を操作することが前記第2操作態様となるように設定されていることを特徴とする特徴dE3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1操作態様や第2操作態様は、特定の停止操作手段を特定番目に操作するだけではなく、当該特定の停止操作手段の操作タイミングも含めて第1操作態様となるか第2操作態様となるかが異なるようになる。このようにすることで、第1操作態様を行うことの難易度が向上し、第1有利判定を行わせるための操作を含めて遊技性が向上するし、第1操作態様や第2操作態様にとらわれず操作する場合には、第2操作態様となる確率が高くなり、これにより有利な側の第2特典が得られ易くなる。よって、有利判定を行わせることを優先する遊技性と、有利判定を行わせることを優先しない遊技性とが大きく異なるようになり、いずれを選択するかの判断の楽しさを向上させることができる。
特徴dE5.前記特定報知手段は、前記特定報知を、前記特定番目よりも後の前記停止操作手段の操作に基づいて実行することが可能であることを特徴とする特徴dE3又は特徴dE4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知は、操作態様の分岐タイミングである特定番目の操作よりも後の操作に基づいて実行されることとなる。このようにすることで、分岐タイミングで先特定手段による特定を行い、且つ特定報知を実行する、といった窮屈な処理構成とすることなく、特定報知を行ううえでの時間的猶予を確保することが可能となる。更に、特定番目の操作は操作態様の分岐タイミングとなるのであるから、遊技者としてもより慎重な操作を行おうとしているものと考えられるところ、このようなタイミングで特定報知を行ってしまうと、せっかくの特定報知が見逃されてしまう可能性がある。その点、上記のように分岐タイミングよりも後で特定報知を発生させるようにすることで、当該特定報知の見逃しを好適に抑制することができる。
特徴dE6.前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる特定結果である遊技において、前記特定報知が前記特定タイミングにて行われるようにする第2特定報知手段(表示制御装置81による特殊役非当選時にテンパイ演出や特定報知演出を行うようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dE1乃至特徴dE5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が他の特定結果であっても発生するようになるため、特定報知が特殊結果の目印となりにくくなる。よって、報知内容から遊技結果を予測しにくくし、より純粋に報知を楽しませることが可能となる。
特徴dE7.前記有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記停止操作手段が操作されるよりも前に前記有利判定としての第3有利判定を実行可能な構成であり、
前記第2特定報知手段は、前記第3有利判定の結果に基づいて前記特定報知を実行することを特徴とする特徴dE6に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様によって有利判定の内容や実行の有無が異なる特殊結果とは異なり、特定結果であれば停止操作手段の操作前に第3有利判定が実行されるようになる。そして、特定結果に基づく特定報知は、第3有利判定の結果に基づく報知であるため、特定タイミングであっても事前の報知とならず、先特定手段といった特殊な処理を経る必要がない。つまり、このような構成を前提としたうえで、特殊結果当選となった特殊遊技での特定報知の実行タイミングを、当該特定結果当選時の特定報知の実行タイミングに合わせるようにして、特殊遊技だけが報知の態様が異なってしまう、といった違和感を与えないようにすることが可能となる。
特徴dE8.前記有利判定手段は、前記第1有利判定を実行する場合及び前記第2有利判定を実行する場合と、前記第3有利判定を実行する場合とで、同じ前記特定数値情報を用いることを特徴とする特徴dE7に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれの有利判定を行う場合であっても、共通の特定数値情報を用いる構成であるため、各有利判定に応じて特定数値情報をそれぞれ用意するよりも記憶容量の削減が図られる。しかも、取得時にいずれの抽選結果であるかが把握できていない場合や、いずれの操作態様となるかが把握できない場合であっても、取得用の処理を異ならせることなく共通の取得処理にて有利判定を行わせることが可能となり、処理構成の圧倒的な簡略化が図られる。
特徴dE9.前記先特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記特定数値情報が前記第2有利判定に用いられた場合の当該第2有利判定の結果を特定可能な第2先特定手段を備えていることを特徴とする特徴dE1乃至特徴dE8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利な側の第1有利判定だけではなく、第2有利判定側も先特定するようにしているため、第2操作態様にて操作することで有利事象が生じるようになるような場面もカバーして、特定報知を行ったり、別の報知を行ったりすることも可能となり、特殊結果当選となった特殊遊技での報知やその報知に基づく遊技性の多様化を図ることが可能となる。
特徴dE10.前記先特定手段による特定結果が、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応しない結果である場合、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する結果である場合にも実行され得る報知態様にて前記特定報知手段による前記特定報知を実行させる手段(表示制御装置81による第1操作当選予告コマンド等を受信していない場合であってもテンパイ演出を発生させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dE1乃至特徴dE9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知から、第1操作態様にて操作しても有利事象が生じないこと、すなわち、第1操作態様ではなく第2操作態様にて操作すべきことが確定しないようになる。このようにすることで、特定報知が、第2特典を得やすくする指標となりにくくなり、遊技の公平性を担保することが可能となる。
特徴dE11.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果と、特定数値情報(AT抽選用乱数や上乗せ抽選用乱数)とを用いて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記有利判定として第1有利判定を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記有利判定として前記第1有利判定よりも遊技者にとって不利となる第2有利判定を実行する又は前記有利判定を実行しないように設定されており、
前記特定数値情報が前記有利判定に用いられた場合の当該有利判定の結果を、当該有利判定が行われるよりも前に特定可能な先特定手段(主制御装置101による事前判定処理等を実行する機能)を備え、
前記特殊遊技において、所定の前記停止操作手段の操作が実行される前である特定タイミングにて、前記先特定手段による特定結果に対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81のよる第1停止ON時演出設定処理や、特定報知演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与されるとともに、遊技者にとって有利となる有利事象を生じさせる有利判定として第1有利判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与されるとともに、有利判定として第2有利判定が実行される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利である一方、第1有利判定の方が第2有利判定よりも有利であるため、特殊結果となった場合、特典付与手段により付与される特典の有利な側(第2操作態様)と、有利判定が有利な側(第1操作態様)との選択を遊技者に委ねる、といった斬新な遊技性を実現することが可能である。
しかも、上記構成においては、このような操作態様によって付与される特典や有利判定が異なる特殊結果に当選した遊技において、その有利判定が行われるよりも前に、有利判定が実行された場合の当該有利判定の結果が特定され、その特定結果に対応する特定報知が、有利判定の実行タイミングよりも前に実行される場合がある。
このようにすることで、有利判定の結果に応じた演出を事前に行うことが可能となるため、当該有利判定の結果を前もって大いに煽る演出を設定することができる。よって、演出設計の自由度が大幅に向上し、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
なお、上記特徴dE11に対して、特徴dE1乃至特徴dE10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
なお、上記特徴dE1乃至特徴dE11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dE1乃至特徴dE11の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dF群>
特徴dF1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果と、特定数値情報(AT抽選用乱数や上乗せ抽選用乱数)とを用いて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記有利判定として第1有利判定を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記有利判定として前記第1有利判定よりも遊技者にとって不利となる第2有利判定を実行する又は前記有利判定を実行しないように設定されており、
前記特定数値情報が前記有利判定に用いられた場合の当該有利判定の結果を、当該有利判定が行われるよりも前に特定可能な先特定手段(主制御装置101による事前判定処理等を実行する機能)と、
前記特殊遊技において、所定の前記停止操作手段の操作が実行される前である特定タイミングにて、前記先特定手段による特定結果に対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81のよる第1停止ON時演出設定処理や、特定報知演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応しない結果である場合、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する結果である場合にも実行され得る報知態様にて前記特定報知手段による前記特定報知を実行させる制限手段(表示制御装置81による第1操作当選予告コマンド等を受信していない場合であってもテンパイ演出を発生させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与されるとともに、遊技者にとって有利となる有利事象を生じさせる有利判定として第1有利判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与されるとともに、有利判定として第2有利判定が実行される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利である一方、第1有利判定の方が第2有利判定よりも有利であるため、特殊結果となった場合、特典付与手段により付与される特典の有利な側(第2操作態様)と、有利判定が有利な側(第1操作態様)との選択を遊技者に委ねる、といった斬新な遊技性を実現することが可能である。
しかも、上記構成においては、このような操作態様によって付与される特典や有利判定が異なる特殊結果に当選した遊技において、その有利判定が行われるよりも前に、有利判定が実行された場合の当該有利判定の結果が特定され、その特定結果に対応する特定報知が、有利判定の実行タイミングよりも前に実行される場合がある。
このようにすることで、有利判定の結果に応じた演出を事前に行うことができるようになるため、当該有利判定の結果を前もって大いに煽る演出を設定することが可能となる。
但し、有利判定の結果が事前に察知できることを通じて、いずれの操作態様にて操作すべきかが判断できてしまうと、遊技の公平性が担保しにくくなる。つまり、第1操作態様にて操作したとしても有利な側の第1有利判定の結果が有利事象を生じさせることに対応する結果とならないのであるのであれば、いっそのこと第2操作態様にて操作して、第2特典を獲得する、といった行為も行われ得る。その点、上記構成においては、特定報知が行われた場合に第1有利判定が行われたとしても有利事象を生じさせることに対応しない結果となることが確定しないようにする制限手段を備えていることから、上記の行為が行われにくくなる。よって、遊技の公平性を担保しながらも、特定報知による演出効果を好適に期待することが可能となる。
なお、上記構成における「前記先特定手段による特定結果が、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応しない結果である場合、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する結果である場合にも実行され得る報知態様にて前記特定報知手段による前記特定報知を実行させる手段を備えている」は、「前記特定報知手段は前記第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせないことに対応する結果となることが確定しないように当該特定報知を実行する」と表現してもよく、「前記特定報知手段により前記特定報知が実行された場合であって前記第1有利判定が実行された場合に、当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する結果となる場合があり、且つ、前記特定報知手段により前記特定報知が実行された場合であって前記第1有利判定が実行された場合に、当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせないことに対応する結果となる場合があるように、当該特定報知の報知態様が設定されている」等と表現してもよい。
特徴dF2.前記先特定手段による特定結果が、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する結果である場合、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応しない結果である場合には実行されない報知態様(確定演出)にて前記特定報知手段による前記特定報知を実行させることが許容されていることを特徴とする特徴dF1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1操作態様にて操作を行えば有利事象が生じることが確定するような報知態様での特定報知は許容されていることから、有利事象が生じないことが確定してしまうような報知態様は制限するようにすることによって特定報知自体の信頼性が低下してしまうことを解消するだけではなく、信頼性を向上させることも可能であり、特定報知への注目度を好適に高めることができる。
特徴dF3.前記特定報知手段は、所定の報知手段にて特別報知(テンパイ演出)が実行されることを前記特定報知として実行し、
前記先特定手段による特定結果が、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応しない結果である場合であっても、前記特別報知が実行される場合があるように設定されていることを特徴とする特徴dF1又は特徴dF2に記載の遊技機。
上記構成は特徴dF1の具体的構成であり、上記構成のように、先特定手段による特定結果に関わらず特別報知が実行され得るような構成とすれば、特定報知を特別報知の実行の有無といった比較的簡素な構成にて特徴dF1の優れた効果を奏することが可能となる。
特徴dF4.前記特殊遊技にて前記特別報知を実行することの実行抽選を行う実行抽選手段(表示制御装置81によるテンパイ演出抽選処理を実行する機能)を備え、
前記先特定手段による特定結果が、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する結果となる場合、前記実行抽選手段による前記実行抽選にて前記特別報知を実行することに対応する実行結果となる確率が当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応しない結果である場合よりも高くなる又は、前記実行抽選を経ることなく前記特別報知を実行するように設定されていることを特徴とする特徴dF3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の実行抽選の当選確率を調節したり、実行抽選の有無を異ならせるだけで、先特定手段による特定結果を報知することが可能となり、有利判定の結果を事前に報知するようにしながらも、極めて簡素な構成にて特徴dF1の効果を奏することが可能となる。
特徴dF5.前記有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する対応結果である場合において当該有利判定の結果に対応する結果報知を行う場合、当該有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応しない非対応結果を前記結果報知として実行した後、所定報知を実行し、前記対応結果を前記結果報知として実行する第1結果報知手段(表示制御装置81によるAT当選時の爆弾演出を実行する機能)と、
前記有利判定の結果が前記非対応結果である場合において当該有利判定の結果に対応する結果報知を行う場合、前記非対応結果を前記結果報知として実行した後、前記所定報知を実行し、前記非対応結果を前記結果報知として実行する第2結果報知手段(表示制御装置81によるAT非当選時の爆弾演出を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が、前記有利判定の結果が前記対応結果であるとの結果であって、前記特定報知手段により前記特定報知が行われる場合、前記第1結果報知手段による前記結果報知が行われるようにする手段(表示制御装置81による第1操作当選予告コマンド等を受信している場合に爆弾演出を発生させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dF1乃至特徴dF4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定の結果が有利事象を生じさせることに対応する対応結果である場合の結果報知を行う際に、有利事象を生じさせることに対応しない非対応結果を結果報知として報知してから、所定報知を介して対応結果を結果報知として報知したり、所定報知を介するものの非対応結果のままで終了したりする、所謂復活演出が設けられており、特定報知を行う場合、非対応結果としてから所定報知を介して対応結果となるようにしている。つまり、特定報知が行われて、一旦、有利事象の発生に対応しない非対応結果が結果報知として報知されたとしても、その後、復活して対応結果が結果報知として報知される可能性があるのであるから、特定報知の態様やその実行の有無から有利判定の結果が非対応結果となるのではと予測できたとしても、それだけで第2操作態様としてしまうと、上記の復活の可能性を自らの操作によって無くしてしまうことになる。このようにすることで、特定報知による演出効果を期待しながらも、特定報知が第2特典を効率的に獲得できる目印とならないようにすることが可能となる。
特徴dF6.前記先特定手段による特定結果が、前記有利判定の結果が前記非対応結果であるとの結果であって、前記特定報知手段により前記特定報知が行われる場合、前記第2結果報知手段による前記結果報知が行われるようにする手段(表示制御装置81による第1操作当選予告コマンド等を受信していなくても爆弾演出を発生させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dF5に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定の結果を事前に特定した結果、その有利判定が有利事象を生じさせることに対応しない非対応結果であるとの特定結果であった場合も、一旦、非対応結果としてから所定報知を介して更に非対応結果となるように結果報知が行われる。このように、仮に有利判定の結果が非対応結果であっても所謂復活演出が行われるようにすることで、有利判定の結果が対応結果である場合の復活演出との区別がつきにくく、これにより、特定報知が第2特典を効率的に獲得できる目印とならないようにすることが可能となる。
特徴dF7.前記停止操作手段を複数である特定数有し、
前記第1結果報知手段及び前記第2結果報知手段は、前記特定数の前記停止操作手段が操作された場合に前記所定報知を実行することを特徴とする特徴dF5又は特徴dF6に記載の遊技機。
上記構成によれば、全ての停止操作手段を操作することで所定報知が発生するようになる。つまり、第1結果報知手段や第2結果報知手段によって結果報知が行われた後、所定報知を介して正しい結果報知に切り替わる(そのままとされる)うえで、所定報知は、全ての停止操作手段が操作された場合に発生し、正しい結果報知は、停止操作手段の操作が完了した後となる。このようにすることで、操作態様によって有利判定の内容や実行の有無が異なる構成において、事前にその結果を特定報知として報知しながらも、最後まで停止操作手段の操作と報知の展開とを楽しませることが可能となる。
特徴dF8.前記特定報知は、前記特定数の前記停止操作手段が操作されるよりも前に実行されることを特徴とする特徴dF7に記載の遊技機。
上記構成のようにすることで、特定報知が有利判定の前に実行されることが明確化され、特定報知による演出効果を好適に期待することが可能となる。
なお、上記特徴dF1乃至特徴dF8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dF1乃至特徴dF8の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dG群>
特徴dG1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果と、特定数値情報(AT抽選用乱数や上乗せ抽選用乱数)とを用いて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記有利判定として第1有利判定を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記有利判定として前記第1有利判定よりも遊技者にとって不利となる第2有利判定を実行する又は前記有利判定を実行しないように設定されており、
前記特定数値情報が前記有利判定に用いられた場合の当該有利判定の結果を、当該有利判定が行われるよりも前に特定可能な先特定手段(主制御装置101による事前判定処理等を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が、前記第1有利判定が行われた場合に当該第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応しない非対応結果である場合、前記特殊遊技における所定の前記停止操作手段の操作が実行される前である特定タイミングにて、当該非対応結果に対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81による特定報知演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与されるとともに、遊技者にとって有利となる有利事象を生じさせる有利判定として第1有利判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与されるとともに、有利判定として第2有利判定が実行される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利である一方、第1有利判定の方が第2有利判定よりも有利であるため、特殊結果となった場合、特典付与手段により付与される特典の有利な側(第2操作態様)と、有利判定が有利な側(第1操作態様)との選択を遊技者に委ねる、といった斬新な遊技性を実現することが可能である。
しかも、上記構成においては、このような操作態様によって付与される特典や有利判定が異なる特殊結果に当選した遊技において、その有利判定が行われるよりも前に、第1有利判定が実行されたと仮定し、当該第1有利判定の結果が特定され、その特定結果が有利事象を生じさせることに対応しない非対応結果である場合は、当該非対応結果であることに対応する特定報知が、有利判定の実行タイミングよりも前に実行される場合がある。このようにすることで、当該特殊結果当選時において、第1操作態様にて操作したとしても有利な側の第1有利判定の結果が有利事象を生じさせることに対応する結果とならないのであるから、第2操作態様にて操作して第2特典を獲得させる、といった遊技性を実現することが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴dG2.前記特定報知手段は、前記特定タイミングとして前記始動操作手段が操作された場合に前記特定報知を行うようにすることが可能であることを特徴とする特徴dG1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知は停止操作手段の操作前である始動操作手段の操作時に実行される。このようにすることで、特定報知によって第1操作態様ではなく第2操作態様を行わせるうえで、既に第1操作態様にて操作してしまった後で特定報知が実行される、といった無意味な演出としないようにすることが可能となる。
特徴dG3.前記特定報知の実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81によるナビモード抽選処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記実行判定手段による実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する実行結果である場合に前記特定報知を実行することを特徴とする特徴dG1又は特徴dG2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選となり、且つ第1有利判定の結果が非対応結果となる場合であっても、実行判定に当選しなければ特定報知は実行されない。このように、第1有利判定に当選となり有利事象を生じさせる遊技に、第1有利判定に非当選となり有利事象が生じない代わりに第2操作態様にて第2特典を得る遊技を追加するうえで、当該第2特典を得る遊技では実行判定に当選する必要もあるようになる。そのため、第1有利判定に当選となることを目指すとともに、第1有利判定に非当選となるならば、せめて実行判定は当選して欲しい、といったように多段階的に期待させる遊技が実現され、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴dG4.前記特典付与手段により付与される前記特典の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数設定されており、当該複数の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と前記第1設定値よりも遊技者にとって有利となる第2設定値が設定されている場合とで、前記第1有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する対応結果となる確率は共通している一方、前記設定手段により前記第1設定値が設定されている場合と前記第2設定値が設定されている場合とで、前記実行判定手段による実行判定の結果が前記実行結果となる確率が異なっていることを特徴とする特徴dG3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利判定の当選確率を設定値によって異ならせなくても、実行判定の当選確率を設定値によって異ならせることで、特殊結果当選時の第2特典の獲得率を設定値によって異ならせることが可能となる。このようにすることで、出玉率等を設計するうえで、有利事象の発生率を異ならせることなく、単位遊技価値で遊技できる遊技数(所謂ベース)を設定値によって異ならせることが可能となる。
特徴dG5.遊技状態として、前記特定報知手段による前記特定報知が実行される特定状態(ナビモード)と、当該特定状態よりも前記特定報知手段による前記特定報知が実行されにくい又は前記特定報知が実行されない非特定状態(通常モード)と、が設定されており、
移行条件(ナビモード当選)が成立した場合に、前記非特定状態から前記特定状態に移行させる手段(表示制御装置81によるナビモードフラグをセットする処理を実行する機能)と、
終了条件(ATモード移行)が成立した場合、前記特定状態から前記非特定状態に移行させる手段(表示制御装置81によるナビモードフラグをクリアする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴dG1乃至特徴dG4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態に移行することで、特定報知が発生し易くなるため、特殊役当選時に第2特典を獲得しながら効率的に有利事象を生じさせる有利判定を受けることが可能となる。このような、特定状態を設定することで、遊技の興趣向上を図るうえで、大いに役立てることが可能となる。
なお、「特定状態」を「第1状態」、「非特定状態」を「第2状態」と表現してもよい。
特徴dG6.前記特典付与手段は、遊技に供される遊技価値を前記特典として付与し、
前記第1特典は第1数の遊技価値であり、
前記第2特典は前記第1数よりも多い第2数の遊技価値であり、
単位遊技価値当たりで実行可能な平均遊技数又は単位遊技当たり増加する遊技価値の平均増加数は、前記非特定状態において前記特殊遊技を前記第1操作態様にて操作する第1遊技態様よりも、前記特定状態において前記特殊遊技にて前記特定報知が行われた場合には前記第2操作態様にて操作し、当該特殊遊技にて前記特定報知が行われなかった場合には前記第1操作態様にて操作する第2遊技態様の方が多くなり、
更に、前記単位遊技価値当たりで実行可能な平均遊技数又は単位遊技当たりで増加する遊技価値の平均増加数は、前記特定状態において前記特殊遊技にて前記特定報知が行われた場合には前記第2操作態様にて操作し、当該特殊遊技にて前記特定報知が行われなかった場合には前記第1操作態様にて操作する第2遊技態様よりも、前記非特定状態において前記特殊遊技を前記第2操作態様にて操作する第3遊技態様の方が多くなることを特徴とする特徴dG5に記載の遊技機。
上記構成は、特定報知による恩恵を特典付与手段により付与される特典との関係で具体的に表現したものであり、上記構成のように、特定報知が行われることで、有利事象が生じる対応結果となる有利判定を効率的に受けながらも、非対応結果の場合には有利判定を受けずに第2数の遊技価値を獲得するという第2遊技態様が、常に第1操作態様にて操作する第1遊技態様よりも単位遊技価値当たりの平均遊技数や単位遊技当たりの遊技価値の平均増加数が多くなり、且つ、常に第2操作態様にて操作する第3遊技態様よりも単位遊技価値当たりの平均遊技数や単位遊技数当たりの遊技価値の平均増加数が少なくなるようになる。よって、いずれの遊技を行うかを遊技者に選択させるうえで、その選択肢が増え、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴dG7.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段の操作態様に関わらず、他の結果よりも前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する対応結果となり易い特別結果が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である遊技において、前記特定報知手段による前記特定報知と報知態様が共通する特別報知を実行する特別報知手段(表示制御装置81による特別役に基づく特定報知演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dG1乃至特徴dG6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知と特別報知とは報知態様が共通していることから、特殊結果当選時に第2操作態様にて操作することを報知しているのか、それとも有利判定に当選し易い特別結果当選である旨を報知しているのかが判別することができない。つまり、特別結果当選に基づいて有利事象が発生するのでは、と期待させながら、当該特別結果当選ではなくても、第2特典を得ることができるようになる、といった報知とすることができ、第1有利判定に非当選であるから第2操作態様にて操作する場合ですら、有利事象の発生に期待感を持たせることが可能となる。
なお、「他の結果」とは、「特殊結果」であってもよいし、それとも異なる結果であってもよい。また、「特別結果」は有利判定の結果が対応結果と最もなり易い結果ではなくてもよく、「特別結果」よりも対応結果となり易い結果が存在していてもよく、少なくとも、「特別結果」を契機とする有利判定の結果が対応結果となることがある構成であればよい。
特徴dG8.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合に、前記特別結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記特別報知は、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せを停止させることが可能な第3操作態様にて操作すべき旨の報知を行うように報知態様が設定されており、
前記第3操作態様は、前記第2操作態様に含まれていることを特徴とする特徴dG7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果入賞を成立させるべき旨の報知を特別報知として行うようにして、当該特別結果入賞を成立可能とする第3操作態様が第2操作態様に含まれるようにすることで、同様の報知態様である特定報知が行われた場合には、特別結果入賞を狙わせながら第2操作態様を行わせることが可能となり、遊技者は特段意識せずに第2特典を獲得することができるようになる。
特徴dG9.通常状態(通常区間)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(有利区間)とが設定されており、
前記有利状態において予め定められた終了条件が成立した場合、当該有利状態を終了させる終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理における上限ゲーム数や上限増加枚数に到達したことに基づく有利区間終了用の処理を実行する機能)を備え、
前記終了手段により前記有利状態が終了されることが、前記終了条件が成立するよりも前に特定されている状況において、前記特定報知手段による前記特定報知を実行が許容される構成であることを特徴とする特徴dG1乃至特徴dG8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知を行うことによって、より早期に終了条件を成立させるようにしたり、終了条件が成立する場合に獲得している総獲得特典を多くすることが可能となる。よって、有利状態での遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
なお、上記特徴dG1乃至特徴dG9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dG1乃至特徴dG9の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dH群>
特徴dH1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作順序にて操作された場合は第1結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1操作順序とは異なる第2操作順序にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が少ない第2結果(第9小役~第32小役)の入賞が成立可能となる順序結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理、AT上乗せ抽選用処理等の指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、遊技状態を通常状態から遊技者にとって有利な有利状態に移行させることを前記有利事象として、当該有利状態への移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備え、
前記順序結果のうちの第1順序結果では、前記停止操作手段を前記第1操作順序にて操作することで前記第1結果又は当該第1結果に対応する結果の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段を前記第2操作順序にて操作することで前記第2結果又は当該第2結果に対応する結果の入賞が成立可能となり、前記順序結果のうちの前記第1順序結果とは異なる第2順序結果では、前記停止操作手段を前記第2操作順序にて操作することで前記第1結果又は当該第1結果に対応する結果の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段を前記第1操作順序にて操作することで前記第2結果又は当該第2結果に対応する結果の入賞が成立可能となるように設定されており、
前記停止操作手段の操作順序についての順序報知を所定の報知手段にて実行する順序報知手段(主制御装置101による指示モニタ68にて押し順報知を実行する機能)を備え、
前記順序報知手段は、前記通常状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果及び前記第2順序結果のいずれであるかを遊技者が識別困難となるように前記所定の報知手段を制御する一方、前記有利状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果であれば前記第1操作順序に対応する順序報知を実行し、前記第2順序結果であれば前記第2操作順序に対応する順序報知を実行するものであり、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は第3結果(第33小役)の入賞が成立可能となり、且つ前記有利判定手段による前記有利判定として第1有利判定が実行される一方、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には前記第3結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が多い前記第4結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となり、且つ、前記有利判定手段による前記有利判定として前記第1有利判定よりも前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果となりにくい第2有利判定が実行される又は前記有利判定が実行されない特殊結果が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記停止操作手段が前記第2操作態様として前記第1操作順序にて操作された場合に前記第4結果の入賞が成立可能となり、且つ前記停止操作手段が前記第2操作態様として前記第2操作順序にて操作された場合は前記第4結果の入賞が成立可能となる構成であり、
前記順序報知手段は、前記有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記第1操作順序及び前記第2操作順序を含む複数の操作順序の順序報知のうちの予め定められた一の操作順序に対応する特定順序報知(第6小役用の押し順報知)を前記所定の報知手段にて実行可能な特定順序報知手段(主制御装置101による特殊役当選ゲームにて第6小役用の押し順報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作順序にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となる一方、第2操作順序にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が少ない第2結果入賞が成立可能となる所謂押し順役が設けられており、有利状態に移行することで当該押し順役の押し順報知としての順序報知が行われるようになるため、順序報知の有無によって有利度を大きく異ならせることが可能となる、といった優れた遊技性を実現することができる。
順序結果としては、第1順序結果と第2順序結果とが設定されており、第1結果入賞となる操作順序は互いに異なっている。そして、順序結果となった場合であっても、有利状態への移行前であれば、第1順序結果と第2順序結果との判別ができない態様にて順序報知が行われるように設定されていることから、各ゲームの抽選結果から第1結果入賞となる操作順序を判別しようとする行為が行われにくくなっている。このようにすることで、有利状態への移行が生じた場合に順序報知によって有利度を大きく異ならせるうえで、移行前からその恩恵が享受されてしまう不都合を解消することができる。
そのうえで、抽選手段による抽選結果として、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第3結果入賞が成立可能となるとともに、有利判定の判定結果が有利事象を生じさせることに対応する有利結果となり易い第1有利判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第3結果入賞時よりも特典が多い第4結果入賞が成立可能となるものの、有利判定として有利結果となりにくい第2有利判定が実行される特殊結果が設定されており、遊技者は、有利判定の有利度を選択するか、特典の多い方を選択するか、といった極めて特殊な遊技性を追加することができる。
この場合、特殊結果当選時においては、第1順序結果の場合に第1結果入賞となる第1操作順序にて操作した場合であっても、第2順序結果の場合に第1結果入賞となる第2操作順序にて操作した場合であっても、第2操作態様として第4結果入賞が成立するように設定されている。
ここで、有利状態移行前においては、特殊結果当選時においては、なるべく有利事象を生じさせるべく第1操作態様にて操作させたほうが遊技者にとって有利となると考えられるものの、有利状態においては、なるべく多くの特典を獲得させるべく、第2操作態様にて操作させるべきと考えられる。
そこで、上記構成においては、有利状態中に特殊結果当選となった場合には、第1操作順序や第2操作順序といった順序報知を行うことで第4結果入賞の成立を促すようにしていることから、特殊結果当選時により多くの特典を獲得させる遊技性を実現するうえで、特殊結果専用の第2操作態様用の報知を設ける必要がなく、記憶容量の削減を図ることが可能となる。
それだけではなく、上記構成においては、特殊役当選時の第2操作態様として、第1操作順序や第2操作順序のうちの予め定められた一の操作順序に対応する特定順序報知を順序報知として報知する構成としている。このようにすることで、いずれの操作順序でも第4結果入賞が成立するものの、いずれの操作順序を報知するかを特殊役当選時に決定する必要が生じず、処理構成を極端に簡素なものとすることができる。よって、極めて簡素な構成にて、有利状態中に特殊結果に当選した場合に、第4結果入賞を成立させるようにすることが可能となる。
なお、「前記順序報知手段は、前記通常状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果及び前記第2順序結果のいずれであるかを遊技者が識別困難となるように前記所定の報知手段を制御する一方、前記有利状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果であれば前記第1操作順序に対応する順序報知を実行し、前記第2順序結果であれば前記第2操作順序に対応する順序報知を実行するものであり、」との構成は、「前記順序報知手段は、前記通常状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果及び前記第2順序結果のいずれであるかを遊技者が識別困難となるように特別報知を実行する一方、前記有利状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果であれば前記第1操作順序に対応する順序報知を実行し、前記第2順序結果であれば前記第2操作順序に対応する順序報知を実行するものであり、」と表現してもよく、かかる表現の変更は同様の表現を用いた特徴や特徴群にも適用可能である。
特徴dH2.前記特定順序報知は、前記第1操作態様とならない操作順序に対応する順序報知として設定されていることを特徴とする特徴dH1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時の特定順序報知に従ったのにもかかわらず、第3結果入賞が成立してしまう事象を好適に回避することが可能となる。
特徴dH3.予め定められた特定の停止操作手段を特定番目に操作し、且つ当該特定の停止操作手段に対応する特定周回体における特定絵柄が特定範囲に存在しているタイミングで当該特定の停止操作手段を操作することが前記第1操作態様となり、前記特定の停止操作手段とは異なる所定の停止操作手段(中ストップスイッチ43、右ストップスイッチ44)を前記特定番目に操作すること、及び前記特定の停止操作手段を前記特定番目に操作し、且つ前記特定周回体における前記特定絵柄が前記特定範囲に存在していないタイミングで当該特定の停止操作手段を操作することが前記第2操作態様となるように設定されており、
前記特定順序報知は、前記特定番目に前記所定の停止操作手段を操作する操作順序の順序報知となるように設定されていることを特徴とする特徴dH1又は特徴dH2に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作順序と操作タイミングによって第1操作態様が規定されていることころ、仮に操作順序が第1操作態様のものであっても、操作タイミングさえ異ならせれば第2操作態様とすることも可能である。つまり、特定順序報知を行った場合に、操作タイミングによっては第3結果入賞が成立したり第4結果入賞が成立したりする構成とすることも可能であるものの、上記構成ではあえてそのようにせず、特定順序報知の操作順序通りに停止操作手段を操作すれば、その操作タイミングに関わらず必ず第4結果入賞が成立するようになり、有利状態中の特殊結果当選時により多くの特典を獲得させる意図にマッチした構成とすることが可能となる。
特徴dH4.前記有効位置に前記第1結果に対応する第1の絵柄組合せが停止した場合、当該第1結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与され、前記有効位置に前記第4結果に対応する第4の絵柄組合せが停止した場合、当該第4結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記第1の絵柄組合せは、前記第4の絵柄組合せと同じ又は対応する絵柄組合せであることを特徴とする特徴dH1乃至特徴dH3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、順序結果当選に基づいて第1結果入賞が成立した場合と、特殊結果当選に基づいて第4結果入賞が成立した場合とで、停止出目が共通なものとなる。そして、特殊結果当選時に順序報知手段により報知される特定順序報知は、順序結果当選時にも実行され得るものであることから、当該第1結果入賞や第4結果入賞が、順序結果当選に基因するものなのか、特殊結果当選に基因するものなのか、出目や順序報知からは判別することができなくなる。このようにすることで、例えば、特殊結果の当選確率や、順序結果の当選確率から、設定値を予測できる等、遊技者にとって有益な情報を予測できるような構成において、その予測を行いにくくさせることが可能となる。
なお「対応する絵柄組合せ」とは、有効位置に停止する絵柄組合せ同士は異なるものの、当該有効位置とは異なる位置に、いずれも特定の絵柄組合せが停止する関係を意味する。この場合、特定の絵柄組合せが停止する位置は両結果で異なっていてもよい。この点は、同様の表現を用いた他の特徴や他の特徴群にも適用可能である。
特徴dH5.前記有効位置に前記第1結果に対応する第1の絵柄組合せが停止した場合、当該第1結果に対応する第1特典が前記特典付与手段により付与され、前記有効位置に前記第4結果に対応する第4の絵柄組合せが停止した場合、当該第4結果に対応する第4特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記第1特典は、前記第4特典と同じ特典であることを特徴とする特徴dH1乃至特徴dH4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、順序結果当選に基づいて第1結果入賞が成立した場合と、特殊結果当選に基づいて第4結果入賞が成立した場合とで、付与される特典が共通なものとなる。そして、特殊結果当選時に順序報知手段により報知される特定順序報知は、順序結果当選時にも実行され得るものであることから、当該第1結果入賞や第4結果入賞が、順序結果当選に基因するものなのか、特殊結果当選に基因するものなのか、付与される特典や順序報知からは判別することができなくなる。このようにすることで、例えば、特殊結果の当選確率や、順序結果の当選確率から、設定値を予測できる等、遊技者にとって有益な情報を予測できるような構成において、その予測を行いにくくさせることが可能となる。
特徴dH6.前記第4結果は前記1結果であることを特徴とする特徴dH4又は特徴dH5に記載の遊技機。
上記構成は、特徴dH4や特徴dH5の具体的構成であり、このように同じ結果とすることで、特徴dH4や特徴dH5の優れた効果を極めて簡素な構成にて期待できるようになる。
特徴dH7.少なくとも前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果となるよりも前の所定契機(有利区間移行)に基づいて、前記第1操作順序及び前記第2操作順序を含む複数の操作順序に対応する順序報知から一の操作順序に対応する順序報知を選択する選択手段(主制御装置101による報知小役抽選処理を実行する機能)を備え、
前記特定順序報知手段は、前記選択手段により選択された順序報知を前記特定順序報知として前記所定の報知手段にて実行することを特徴とする特徴dH1乃至特徴dH6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、予め定められた一の順序報知としての特定順序報知を所定契機に基づき決定するようにすれば、特殊結果当選時の処理負荷を軽減しながらも、特殊結果当選時に報知される順序報知のランダム性を担保することが可能となる。
特徴dH8.前記所定契機は、前記有利状態に移行する場合に生じることを特徴とする特徴dH7に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定契機は有利状態移行に際して生じることから、特殊結果当選となり、順序報知を実行すべき状況であるのにも関わらず選択が完了していないといった不都合は生じないし、工場出荷時を所定契機とするような構成よりは選択頻度を高くすることができる。よって、順序報知のランダム性を確保しながらも、処理負荷の低減を図ることが可能となる。
なお、上記特徴dH1乃至特徴dH8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dH1乃至特徴dH8の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dI群>
特徴dI1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作順序にて操作された場合は第1結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1操作順序とは異なる第2操作順序にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が少ない第2結果(第9小役~第32小役)の入賞が成立可能となる順序結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理、AT上乗せ抽選用処理等の指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、遊技状態を通常状態から遊技者にとって有利な有利状態に移行させることを前記有利事象として、当該有利状態への移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備え、
前記順序結果のうちの第1順序結果では、前記停止操作手段を前記第1操作順序にて操作することで前記第1結果又は当該第1結果に対応する結果の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段を前記第2操作順序にて操作することで前記第2結果又は当該第2結果に対応する結果の入賞が成立可能となり、前記順序結果のうちの前記第1順序結果とは異なる第2順序結果では、前記停止操作手段を前記第2操作順序にて操作することで前記第1結果又は当該第1結果に対応する結果の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段を前記第1操作順序にて操作することで前記第2結果又は当該第2結果に対応する結果の入賞が成立可能となるように設定されており、
前記停止操作手段の操作順序についての順序報知を所定の報知手段にて実行する順序報知手段(主制御装置101による指示モニタ68にて押し順報知を実行する機能)を備え、
前記順序報知手段は、前記通常状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果及び前記第2順序結果のいずれであるかを遊技者が識別困難となる前記所定の報知手段を制御する一方、前記有利状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果であれば前記第1操作順序に対応する順序報知を実行し、前記第2順序結果であれば前記第2操作順序に対応する順序報知を実行するものであり、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は第3結果(第33小役)の入賞が成立可能となり、且つ前記有利判定手段による前記有利判定として第1有利判定が実行される一方、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には前記第3結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が多い前記第4結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となり、且つ、前記有利判定手段による前記有利判定として前記第1有利判定よりも前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果となりにくい第2有利判定が実行される又は前記有利判定が実行されない特殊結果が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記停止操作手段が前記第2操作態様として前記第1操作順序にて操作された場合に前記第4結果の入賞が成立可能となり、且つ前記停止操作手段が前記第2操作態様として前記第2操作順序にて操作された場合は前記第4結果の入賞が成立可能となる構成であり、
前記順序報知手段は、前記有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記第1操作順序及び前記第2操作順序を含む複数の操作順序に対応する順序報知から一の操作順序に対応する順序報知を選択する選択手段(主制御装置101による報知小役抽選処理を実行する機能)を備え、当該選択手段により選択された順序報知を実行することを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作順序にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となる一方、第2操作順序にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が少ない第2結果入賞が成立可能となる所謂押し順役が設けられており、有利状態に移行することで当該押し順役の押し順報知としての順序報知が行われるようになるため、順序報知の有無によって有利度を大きく異ならせることが可能となる、といった優れた遊技性を実現することができる。
順序結果としては、第1順序結果と第2順序結果とが設定されており、第1結果入賞となる操作順序は互いに異なっている。そして、順序結果となった場合であっても、有利状態への移行前であれば、第1順序結果と第2順序結果との判別ができない態様にて順序報知が行われるように設定されていることから、各ゲームの抽選結果から第1結果入賞となる操作順序を判別しようとする行為が行われにくくなっている。このようにすることで、有利状態への移行が生じた場合に順序報知によって有利度を大きく異ならせるうえで、移行前からその恩恵が享受されてしまう不都合を解消することができる。
そのうえで、抽選手段による抽選結果として、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第3結果入賞が成立可能となるとともに、有利判定の判定結果が有利事象を生じさせることに対応する有利結果となり易い第1有利判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第3結果入賞時よりも特典が多い第4結果入賞が成立可能となるものの、有利判定として有利結果となりにくい第2有利判定が実行される特殊結果が設定されており、遊技者は、有利判定の有利度を選択するか、特典の多い方を選択するか、といった極めて特殊な遊技性を追加することができる。
この場合、特殊結果当選時においては、第1順序結果の場合に第1結果入賞となる第1操作順序にて操作した場合であっても、第2順序結果の場合に第1結果入賞となる第2操作順序にて操作した場合であっても、第2操作態様として第4結果入賞が成立するように設定されている。
ここで、有利状態移行前においては、特殊結果当選時においては、なるべく有利事象を生じさせるべく第1操作態様にて操作させたほうが遊技者にとって有利となると考えられるものの、有利状態においては、なるべく多くの特典を獲得させるべく、第2操作態様にて操作させるべきと考えられる。
そこで、上記構成においては、有利状態中に特殊結果当選となった場合には、第1操作順序や第2操作順序といった順序報知を行うことで第4結果入賞の成立を促すようにしていることから、特殊結果当選時により多くの特典を獲得させる遊技性を実現するうえで、特殊結果専用の第2操作態様用の報知を設ける必要がなく、記憶容量の削減を図ることが可能となる。
それだけではなく、上記構成においては、特殊役当選時の第2操作態様として、第1操作順序や第2操作順序のうちから一の操作順序に対応する順序報知を選択し、その選択した順序報知を行うようにしていることから、順序報知の実行割合を均等化することが可能となる。このようにすることで、順序報知から特殊結果当選が見抜かれてしまう等の不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴dI2.前記選択手段は、前記第1操作態様となる操作順序に対応する順序報知を含めて前記順序報知を選択することを特徴とする特徴dI1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時の順序報知によって第4小役入賞が成立する他、第3小役入賞も成立する場合があるようになる。このようにすることで、第3小役入賞が成立したり第4小役入賞が成立したりすることも遊技性に含めることができるし、順序報知の均等化をより好適に行うことが可能となる。
特徴dI3.前記特典付与手段により付与される前記特典の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数設定されており、当該複数の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と、前記設定手段により前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記選択手段が前記第1操作態様となる操作順序に対応する順序報知を選択する割合が異なっていることを特徴とする特徴dI2に記載の遊技機。
上記構成によれば、順序報知に従って操作したのにも関わらず、第4結果ではなく第3結果が入賞する場合がある構成において、当該第3結果が入賞する場合には特典が少ないものの、設定値の予測の材料とすることが可能となる場合であり、寧ろ遊技者にとっては好ましい事象もとなり得る。このようにすることで、第1操作態様となる順序報知も含めて選択するようにして各順序報知の発生率の均等化を図りながらも、第1操作態様となる順序報知が選択された場合に遊技者が不利益を被り得る点をうまくフォローすることが可能となる。
特徴dI4.前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と、前記設定手段により前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記選択手段が前記第1操作態様となる操作順序に対応する順序報知を選択する割合の差は、前記第1設定値が設定されている場合において所定の前記順序報知を前記選択手段が選択する割合と他の前記順序報知を前記選択手段が選択する割合との差よりも大きいことを特徴とする特徴dI3に記載の遊技機。
上記構成によれば、各順序報知の発生率の均等化を図りながらも、各順序報知の選択率の差は、第1操作態様となる順序報知の選択率の設定差よりも大きくなるため、第1操作態様となる順序報知から設定値を予測する遊技を行い易くなる。このようにすることで、第1操作態様となる順序報知が行われることによって、第3小役入賞が成立して少ない特典となることの残念感をうまくフォローすることが可能となる。
特徴dI5.前記操作順序は複数である特定数の種類を有し、
前記選択手段は、少なくとも前記操作順序のうち所定の操作順序を除く他の操作順序の選択率が均等となるように選択することを特徴とする特徴dI1乃至特徴dI3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作順序が100%で割り切れないような構成であっても、少なくとも所定の操作順序以外の他の操作順序に関しては選択率が均等化される。このようにすることで、順序報知をより均等に実行することが可能となる。
特徴dI6.前記特典付与手段により付与される前記特典の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数設定されており、当該複数の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と、前記設定手段により前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記所定の順序報知として設定される順序報知が異なることを特徴とする特徴dI5に記載の遊技機。
上記構成によれば、100%で割り切れなかった選択率の余りを利用して、設定値の予測を行わせることが可能となる。これにより、順序報知の均等化を図りながらも、その順序報知の均等化を完全に行えない部分をうまく利用して、設定値の予測を行わせるといった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴dI7.前記特典付与手段により付与される前記特典の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が前記特定数設定されており、当該特定数の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により設定されている設定値に応じて、前記所定の順序報知として設定される順序報知が異なることを特徴とする特徴dI5又は特徴dI6に記載の遊技機。
上記構成によれば、100%で割り切れなかった選択率の余りを利用して、設定値の予測を行わせることが可能となる。これにより、順序報知の均等化を図りながらも、その順序報知の均等化を完全に行えない部分をうまく利用して、設定値の予測を行わせるといった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴dI8.前記選択手段は、前記第1操作態様となる操作順序に対応する順序報知を含めずに前記順序報知を選択する、又は他の操作順序に対応する順序報知よりも前記第1操作態様となる操作順序に対応する順序報知を選択しにくいことを特徴とする特徴dI1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時の順序報知にさえ従えば第4小役入賞が成立するようになり、第3小役入賞は成立しないようになる。このようにすることで、有利状態において、容易に多くの特典を獲得できるようにすることが可能となる。
特徴dI9.前記抽選手段による抽選結果が特別結果(押し順ベル)である場合、前記第1操作態様となる操作順序にて前記停止操作手段が操作されることで前記特別結果に対応する結果(第1小役、第2小役)の入賞が成立可能となり、前記第1操作態様とはならない操作順序にて前記停止操作手段が操作されることで前記特別結果に対応する結果(第3小役~第6小役)の入賞が成立可能となるように設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合に、前記順序報知手段による前記順序報知が実行される頻度が、前記第1操作態様となる操作順序に対応する順序報知の方が、前記第1操作態様とならない操作順序に対応する順序報知よりも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴dI8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に第1操作態様となる操作順序に対応する順序報知が行われない分を、当別結果当選時の順序報知によってうまくカバーすることが可能となる。このようにすることで、遊技全体を通じて順序報知の均等化を図ることが可能となる。
特徴dI10.予め定められた特定の停止操作手段を特定番目に操作し、且つ当該特定の停止操作手段に対応する特定周回体における特定絵柄が特定範囲に存在しているタイミングで当該特定の停止操作手段を操作することが前記第1操作態様となり、前記特定の停止操作手段とは異なる所定の停止操作手段(中ストップスイッチ43、右ストップスイッチ44)を前記特定番目に操作すること、及び前記特定の停止操作手段を前記特定番目に操作し、且つ前記特定周回体における前記特定絵柄が前記特定範囲に存在していないタイミングで当該特定の停止操作手段を操作することが前記第2操作態様となるように設定されていることを特徴とする特徴dI1乃至特徴dI9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作順序と操作タイミングによって第1操作態様が規定されていることころ、仮に操作順序が第1操作態様のものであっても、操作タイミングさえ異ならせれば第2操作態様とすることも可能である。つまり、第1操作態様となる操作順序に対応する操作順序を含めて選択する構成においては、当該第1操作態様となる操作順序の順序報知が行われた場合、操作タイミングによって第3結果入賞が成立したり第4結果入賞が成立したりする。そのため、より多くの特典を獲得したいのであれば、操作タイミングを駆使する必要があり、かかる構成を遊技性に組み込むことで遊技の興趣向上が図られる。
特徴dI11.前記選択手段は、少なくとも前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果となるよりも前の所定契機(有利区間移行)に基づいて、前記第1操作順序及び前記第2操作順序を含む複数の操作順序に対応する順序報知から一の操作順序に対応する順序報知を選択し、
前記順序報知手段は、前記所定契機で選択された順序報知を、前記特殊結果となった場合に実行することを特徴とする特徴dI1乃至特徴dI10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選となる度に操作順序を選択する構成と比較して、圧倒的な処理負荷の低減を図ることが可能となる。
特徴dI12.前記所定契機は、前記有利状態に移行する場合に生じることを特徴とする特徴dI11に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定契機は有利状態移行に際して生じることから、特殊結果当選となり、順序報知を実行すべき状況であるのにも関わらず選択が完了していないといった不都合は生じないし、特殊結果当選の度に実行するよりも選択頻度は低くするものの、例えば、工場出荷時を所定契機とするような構成寄りは選択頻度を高くすることができる。よって、順序報知のランダム性を確保しながらも、処理負荷の低減を図ることが可能となる。
なお、上記特徴dI1乃至特徴dI12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dI1乃至特徴dI12の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dJ群>
特徴dJ1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作順序にて操作された場合は第1結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1操作順序とは異なる第2操作順序にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が少ない第2結果(第9小役~第32小役)の入賞が成立可能となる順序結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理、AT上乗せ抽選用処理等の指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、遊技状態を通常状態から遊技者にとって有利な有利状態に移行させることを前記有利事象として、当該有利状態への移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備え、
前記順序結果のうちの第1順序結果では、前記停止操作手段を前記第1操作順序にて操作することで前記第1結果又は当該第1結果に対応する結果の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段を前記第2操作順序にて操作することで前記第2結果又は当該第2結果に対応する結果の入賞が成立可能となり、前記順序結果のうちの前記第1順序結果とは異なる第2順序結果では、前記停止操作手段を前記第2操作順序にて操作することで前記第1結果又は当該第1結果に対応する結果の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段を前記第1操作順序にて操作することで前記第2結果又は当該第2結果に対応する結果の入賞が成立可能となるように設定されており、
前記停止操作手段の操作順序についての順序報知を所定の報知手段にて実行する順序報知手段(主制御装置101による指示モニタ68にて押し順報知を実行する機能)を備え、
前記順序報知手段は、前記通常状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果及び前記第2順序結果のいずれであるかを遊技者が識別困難となる前記所定の報知手段を制御する一方、前記有利状態にて前記抽選手段による抽選結果が前記順序結果である場合、前記第1順序結果であれば前記第1操作順序に対応する順序報知を実行し、前記第2順序結果であれば前記第2操作順序に対応する順序報知を実行するものであり、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は第3結果(第33小役)の入賞が成立可能となり、且つ前記有利判定手段による前記有利判定として第1有利判定が実行される一方、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には前記第3結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が多い第4結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となり、且つ、前記有利判定手段による前記有利判定として前記第1有利判定よりも前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果となりにくい第2有利判定が実行される又は前記有利判定が実行されない特殊結果(特殊役)が設定されており、
少なくとも前記第1操作順序による前記停止操作手段の操作は前記第2操作態様に含まれており、
前記有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記第1操作順序に対応する順序報知を前記所定の報知手段にて実行可能な特定順序報知手段(主制御装置101による特殊役当選時の押し順報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作順序にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となる一方、第2操作順序にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が少ない第2結果入賞が成立可能となる所謂押し順役が設けられており、有利状態に移行することで当該押し順役の押し順報知としての順序報知が行われるようになるため、順序報知の有無によって有利度を大きく異ならせることが可能となる、といった優れた遊技性を実現することができる。
順序結果としては、第1順序結果と第2順序結果とが設定されており、第1結果入賞となる操作順序は互いに異なっている。そして、順序結果となった場合であっても、有利状態への移行前であれば、第1順序結果と第2順序結果との判別ができない態様にて順序報知が行われるように設定されていることから、各ゲームの抽選結果から第1結果入賞となる操作順序を判別しようとする行為が行われにくくなっている。このようにすることで、有利状態への移行が生じた場合に順序報知によって有利度を大きく異ならせるうえで、移行前からその恩恵が享受されてしまう不都合を解消することができる。
そのうえで、抽選手段による抽選結果として、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第3結果入賞が成立可能となるとともに、有利判定の判定結果が有利事象を生じさせることに対応する有利結果となり易い第1有利判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第3結果入賞時よりも特典が多い第4結果入賞が成立可能となるものの、有利判定として有利結果となりにくい第2有利判定が実行される特殊結果が設定されており、遊技者は、有利判定の有利度を選択するか、特典の多い方を選択するか、といった極めて特殊な遊技性を追加することができる。
しかも、特殊結果当選時の第2操作態様は第1操作順序を含む態様であり、その構成を利用して、有利状態中は、特殊結果当選時に第1操作順序に対応する順序報知が行われるようにしている。これにより、特殊結果当選時により多くの特典を獲得させるべく第2操作態様に操作させるうえで、順序結果における順序報知といった既存の構成を使用して、特殊結果専用の報知を設ける必要がなくなる。しかも、特殊結果当選を、順序結果当選時の第1順序結果にうまく紛れさせることが可能となるため、例えば、特殊結果の当選確率や順序結果の当選確率等から設定値の予測を行えるような構成において、その予測を行いにくくさせることも可能となる。以上の結果、遊技の興趣向上を容易に図ることが可能となる。
特徴dJ2.前記有効位置に前記第1結果に対応する第1の絵柄組合せが停止した場合、当該第1結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与され、前記有効位置に前記第4結果に対応する第4の絵柄組合せが停止した場合、当該第4結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記第1の絵柄組合せは、前記第4の絵柄組合せと同じ又は対応する絵柄組合せであることを特徴とする特徴dJ1に記載の遊技機。
上記構成によれば、順序結果当選に基づいて第1結果入賞が成立した場合と、特殊結果当選に基づいて第4結果入賞が成立した場合とで、停止出目が共通なものとなる。そして、特殊結果当選時に順序報知手段により報知される特定順序報知は、順序結果当選時にも実行され得るものであることから、当該第1結果入賞や第4結果入賞が、順序結果当選に基因するものなのか、特殊結果当選に基因するものなのか、出目や順序報知からは判別することができなくなる。このようにすることで、例えば、特殊結果の当選確率や、順序結果の当選確率から、設定値を予測できる等、遊技者にとって有益な情報を予測できるような構成において、その予測を行いにくくさせることが可能となる。
特徴dJ3.前記第1順序結果では、前記停止操作手段を前記第1操作順序にて操作することで当該第1順序結果に対応付けられた前記第1結果の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段を前記第2操作順序にて操作することで当該第1順序結果に対応付けられた前記第2結果の入賞が成立可能となり、前記第2順序結果では、前記停止操作手段を前記第2操作順序にて操作することで当該第2順序結果に対応付けられた前記第1結果の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段を前記第1操作順序にて操作することで当該第2順序結果に対応付けられた前記第2結果の入賞が成立可能となるように設定されており、
前記有効位置に前記第1結果に対応する第1の絵柄組合せのうち、前記第1順序結果に対応付けられた前記第1結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、当該結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与され、前記有効位置に前記第4結果に対応する第4の絵柄組合せが停止した場合、当該第4結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記第1順序結果に対応付けられた前記第1結果に対応する絵柄組合せは、前記第4の絵柄組合せと同じ又は対応する絵柄組合せであることを特徴とする特徴dJ2に記載の遊技機。
上記構成は、特徴dJ2において順序結果当選時に各操作順序に応じていずれも第1結果に相当する結果が入賞するものの、厳密にはそれぞれの操作順序で異なる結果が入賞するような構成の具体的構成である。このような構成においても、特殊結果当選時の第4結果入賞の停止出目と順序結果当選時の第1結果に相当する結果入賞の停止出目とを共通化することで、特殊結果を順序結果にうまく紛れらせる効果を高めることが可能となる。
特徴dJ4.前記有効位置に前記第1結果に対応する第1の絵柄組合せが停止した場合、当該第1結果に対応する第1特典が前記特典付与手段により付与され、前記有効位置に前記第4結果に対応する第4の絵柄組合せが停止した場合、当該第4結果に対応する第4特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記第1特典は、前記第4特典と同じ特典であることを特徴とする特徴dJ1乃至特徴dJ3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、順序結果当選に基づいて第1結果入賞が成立した場合と、特殊結果当選に基づいて第4結果入賞が成立した場合とで、付与される特典が共通なものとなる。そして、特殊結果当選時に順序報知手段により報知される特定順序報知は、順序結果当選時にも実行され得るものであることから、当該第1結果入賞や第4結果入賞が、順序結果当選に基因するものなのか、特殊結果当選に基因するものなのか、付与される特典や順序報知からは判別することができなくなる。このようにすることで、例えば、特殊結果の当選確率や、順序結果の当選確率から、設定値を予測できる等、遊技者にとって有益な情報を予測できるような構成において、その予測を行いにくくさせることが可能となる。
特徴dJ5.前記第4結果は前記1結果であることを特徴とする特徴dJ2乃至特徴dJ4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は、特徴dJ2乃至特徴dJ4の具体的構成であり、このように同じ結果とすることで、特徴dJ2乃至特徴dJ4の優れた効果を極めて簡素な構成にて期待できるようになる。
特徴dJ6.前記順序結果を契機として前記順序報知手段により実行される前記第1操作順序に対応する順序報知の報知態様と、前記特殊結果を契機として前記特定順序報知手段により実行される前記第1操作順序に対応する順序報知の報知態様とが共通の報知態様であることを特徴とする特徴dJ1乃至特徴dJ5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、順序結果における第1操作順序の順序報知と特殊結果における第1操作順序の順序報知との報知態様が同じ報知態様にて実行されるため、単に操作順序の共通性だけではなく報知態様からも、特殊結果を順序結果に紛れさせることの効果が期待できるようになる。
特徴dJ7.前記有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記第1順序結果である場合、前記第1操作順序についての情報又は前記第1順序結果であることの情報である特定情報を他の制御装置(表示制御装置81)に対して出力することが可能な第1出力手段(主制御装置101による押し順ベル当選時に第6小役用の押し順コマンドを出力設定する処理を実行する機能)と、
前記有利状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記特定情報を前記他の制御装置に対して出力することが可能な第2出力手段(主制御装置101による押し順ベル当選時に第6小役用の押し順コマンドを出力設定する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴dJ1乃至特徴dJ6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、順序結果当選時に第1操作順序の順序報知が行われる場合、第1操作順序についての情報や第1順序結果であることの情報である特定情報が他の制御装置に対して出力される構成において、特殊結果当選時に第1操作順序の順序報知が行われる場合も、当該特定情報が他の制御装置に対して出力されるため、順序報知だけではなく、当該特定情報を不正に解析する等しても、順序結果なのか特殊結果なのかの判別ができない。このようにすることで、不正に結果を判別することにより利益を得ようとする行為等が行われにくくすることが可能となる。
特徴dJ8.前記他の制御装置は、前記特定情報に基づいて前記第1操作順序に対応する特定報知(押し順報知)を特定の報知手段(補助表示部65やスピーカ64)にて実行する特定報知手段(表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記特定情報が前記順序結果を契機として出力された場合と、前記特定情報が前記特殊結果を契機として出力された場合とで、共通の報知態様にて前記特定報知を実行することを特徴とする特徴dJ7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の報知手段側の特定報知についても、順序結果を契機とするものなのか特殊結果を契機とするものなのかの判別ができないようになり、特徴dJ1の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴dJ9.前記順序結果に基づく前記有利判定にて前記有利結果となる確率又は当該有利結果となった場合の前記有利事象の有利度と、前記特殊結果に基づく前記有利判定にて前記有利結果となる確率又は当該有利結果となった場合の前記有利事象の有利度とが異なっていることを特徴とする特徴dJ1乃至特徴dJ8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、順序結果に基づく有利判定の当選確率や有利度と、特殊結果当選に基づく有利判定の当選確率や有利度とが異なるため、特殊結果当選時の順序報知を順序結果の順序報知を利用することで特殊結果当選を順序報知に紛れさす構成を利用して、順序結果に基づいて有利事象が生じることを特殊結果に基づいて有利事象が生じると思わせたり、逆に特殊結果に基づいて有利事象が生じることを順序結果に基づいて有利事象が生じると思わせたりすることができる。
特徴dJ10.前記順序結果に基づく前記有利判定にて前記有利結果となる確率又は当該有利結果となった場合の前記有利事象の有利度よりも、前記特殊結果に基づく前記有利判定にて前記有利結果となる確率又は当該有利結果となった場合の前記有利事象の有利度の方が高いことを特徴とする特徴dJ9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果に基づいて有利事象が生じることを順序結果に基づいて有利事象が生じる印象を与えることができる。つまり、順序結果を、単に順序報知の有無によって付与する特典を異ならせる機能だけではなく、有利事象の有力な契機となり得る印象を遊技者に与えることが可能となり、当該順序結果を利用する遊技の興趣を大幅に向上させることができる。
特徴dJ11.前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果となる確率よりも、前記順序結果となる確率の方が高いことを特徴とする特徴dJ10に記載の遊技機。
上記構成のように、順序結果の方が特殊結果よりも当選し易いことから、通常であれば、このような順序結果を有利事象の契機とすると出玉率が高騰する等の不都合が生じ得る。その点、上記特徴dJ1や特徴dJ10のように、特殊結果を利用して順序結果に対する有利事象への期待感を高めるようにすることで、出玉率の高騰を回避しながらも、当選し易い順序結果への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、上記特徴dJ1乃至特徴dJ11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dJ1乃至特徴dJ11の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dK群>
特徴dK1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理、AT上乗せ抽選用処理等の指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、遊技状態を通常状態から遊技者にとって有利な有利状態に移行させることを前記有利事象として、当該有利状態への移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備え、
所定契機(有利区間移行)からの遊技数が特定遊技数に達した場合に、前記移行判定手段による前記移行判定を介することなく又は前記移行判定の結果が前記有利状態へ移行することに対応する移行結果とは異なる結果であっても、前記有利状態へ移行させるための移行用処理を実行する特定移行手段(主制御装置101による天井カウンタが0となることに基づいてATモード当選フラグをセットする処理を実行する機能)と、
所定契機からの遊技数に対応する遊技数情報を把握する把握手段(主制御装置101による天井カウンタを把握する処理を実行する機能)と、
前記所定契機からの遊技の進行に応じて前記遊技数情報を更新する更新手段(主制御装置101による天井カウンタからの減算処理を実行する機能)と、
前記所定契機からの遊技数を遊技数報知として所定の報知手段(補助表示部65)にて報知し、遊技の進行に応じて前記遊技数報知を更新する遊技数報知手段(表示制御装置81による有利区間ゲーム数画像APを表示させる機能)と、
前記所定契機からの遊技において特定条件(特殊役当選時に第2操作態様にて操作すること、特殊役の限定)が成立した場合、前記更新手段による前記遊技数情報の更新を制限する又は前記更新手段による更新が行われる場合よりも前記遊技数情報が前記特定遊技数に対応する特定情報(天井カウンタ=0)となりにくくする特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による特殊役当選ゲームで第2操作態様にて操作した場合に天井カウンタの減算を行わないようにする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定移行手段は、前記遊技数情報が前記特定情報となることで前記移行用処理を実行する構成であり、
前記遊技数報知手段は、前記特定処理手段により前記特定処理が行われる遊技であっても前記遊技数報知を更新し、
前記遊技数報知手段による前記遊技数報知が前記特定遊技数に対応する報知となる場合、前記遊技数情報が前記特定情報となるまでの遊技数が特定数以下である場合には、第1特定報知(第1前兆モード演出)を前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて実行し、前記遊技数情報が前記特定情報となるまでの遊技数が特定数よりも多い場合には、前記第1特定報知とは異なる第2特定報知(第3前兆モード演出)を前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて実行可能な特定報知手段(表示制御装置81による停止時前兆演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、抽選の結果に応じて有利判定として遊技者にとって有利な有利状態へ移行させる移行判定が行われるほか、所定契機からの遊技数が特定遊技数に至ることで有利状態に移行する場合がある。つまり、各遊技の抽選だけではなく有利状態を目指す遊技性を追加するうえで、遊技数が特定遊技数に至った場合には移行判定を介することなく有利状態に移行させるといった所謂天井を設けるようにすることで、遊技を途中で止めにくくさせ遊技継続の後押しとすることが可能となる。
上記構成においては、所定契機からの遊技において特定条件が成立すると、遊技数に対応する遊技数情報の更新が制限される場合がある一方で、所定契機からの遊技数を示す遊技数報知は特定条件が成立しても更新が行われるため、遊技数報知側では天井に対応する特定遊技数に至っているのにもかかわらず遊技数情報側は天井に対応する特定情報に至っていない、といった事象が生じ得る。
このような事象が生じると、遊技者は、特定遊技数となることで有利状態への移行用処理が行われることを期待して遊技していたのにもかかわらず、それが行われないといった不安感にかられ、せっかくそこまで遊技してきたのにもかかわらず遊技を終了してしまう可能性も否めない。
そこで、上記構成では、遊技数報知が特定遊技数に到達した際に、遊技数情報が特定情報に至るまでの遊技数を把握し、その遊技数が特定数以下であれば第1特定報知を実行し、特定数よりも多ければ第2特定報知を実行するようにしたことで、これまでの遊技が無駄ではなかったことを理解できるとともに、あとどれくらいで天井に到達するかを特定報知の種類から把握することが可能となる。よって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴dK2.前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記移行結果である場合、所定遊技数の遊技を実行後、前記有利状態へ移行させる手段(主制御装置101による前兆ゲーム数の設定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記移行結果となった場合、前記有利状態へ移行するまでの遊技において、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて特別報知を実行する特別報知手段(表示制御装置81による開始時前兆演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別報知手段は、前記所定遊技数が前記特定数以下である場合、前記特別報知として第1特別報知を実行し、前記所定遊技数が前記特定数よりも多い場合、前記特別報知として前記第1特別報知とは異なる第2特別報知を実行し、
前記特定報知手段により実行される前記第1特定報知の報知態様は、前記特別報知手段により実行される前記第1特別報知の報知態様と同じ報知態様なるように又は前記第1特別報知の報知態様と遊技者が識別困難な報知態様となるように設定されており、前記特定報知手段により実行される前記第2特定報知の報知態様は、前記特別報知手段により実行される前記第2特別報知の報知態様と同じ報知態様なるように又は前記第2特別報知の報知態様と遊技者が識別困難な報知態様となるように設定されていることを特徴とする特徴dK1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技数報知が特定遊技数に到達して特定報知が行われる場合、特定遊技数に至る前に移行判定にて当選して有利状態に移行する場合の特別報知と見た目上同じ報知態様にて特定報知が行われるようになる。このようにすることで、天井到達用の特定報知として別途報知態様のデータを記憶しておく必要が生じず、記憶容量の削減を図ることができるし、遊技者も、あとどれくらいで有利状態に移行するかを明確に把握することが可能となる。
特徴dK3.前記有利状態として第1有利状態(ATモード)と当該第1有利状態よりも遊技者にとって不利な第2有利状態(CZモード)とが設定されており、
前記特定移行手段は、前記第1有利状態に移行させる構成であり、
前記特別報知手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記第1有利状態へ移行させることに対応する結果であり、前記所定遊技数が前記特定数よりも多い場合には、前記特別報知として前記第2特別報知を実行し、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記第2有利状態へ移行させることに対応する結果であり、前記所定遊技数が前記特定数よりも多い場合には、前記特別報知として前記第2特別報知とは異なる第3特別報知を実行することを特徴とする特徴dK2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技報知が特定遊技数に到達した後、天井までの遊技数が特定数よりも多い場合に実行される第2特定報知の報知態様は、通常時であれば有利な側の第1有利状態への移行が生じる際に実行される第2特別報知の報知態様と同じ報知態様となる。このようにすることで、表示上の天井に到達したのにもかかわらず有利状態になかなか移行しない、といった遊技者の焦りや苛立ちを、第1有利状態への移行が確定することの報知(第2特定報知、第2特別報知)によってうまくフォローすることができ、第1有利状態への移行が生じるまでの遊技者の気持ちを和らげることができる。
特徴dK4.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は第1結果(第33小役)の入賞が成立可能となり、且つ前記有利判定手段による前記有利判定として第1有利判定が実行される一方、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が多い第2結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となり、且つ、前記有利判定手段による前記有利判定として前記第1有利判定よりも前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果となりにくい第2有利判定が実行される又は前記有利判定が実行されない特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果であって前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作されたことを前記特定条件の成立として前記特定処理を実行可能であることを特徴とする特徴dK1乃至特徴dK3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となるとともに、有利判定の判定結果が有利事象を生じさせることに対応する有利結果となり易い第1有利判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が多い第2結果入賞が成立可能となるものの、有利判定として有利結果となりにくい第2有利判定が実行される特殊結果が設定されており、遊技者は、有利判定の有利度を選択するか、特典の多い方を選択するか、といった極めて特殊な遊技性を追加することができる。
しかも、特殊結果当選時に第2操作態様にて操作すると、遊技数情報の更新が制限される特定処理が実行されるため、第2操作態様は、不利な側の第2有利判定が行われるだけではなく、今回の遊技が天井までの遊技数に寄与しない等となってしまう。つまり、第2特典を得たいからといっても、第2操作態様にて操作すると有利状態へ移行させる遊技性においては遊技者にとって不利となる。
但し、第1操作態様や第2操作態様の区別を理解していない遊技者や、それらの操作態様を意図的に区別して行うことができない遊技者も想定されるし、第2特典を得る遊技を選択することは遊技者の自由であり、上記のような特殊結果を設けるとどうしても天井までの表示上の遊技数と実際の遊技数とに齟齬が生じ易くなる。
そこで、上記特徴dK1のように遊技数報知が特定遊技数に到達した場合の、実際の天井までの遊技数に応じて特定報知を行うようにしておけば、このような特殊結果による遊技の多様化といった効果を得ながらも、まもなく天井に到達することを遊技者に理解させたり、天井までの遊技数を特定報知から把握させるといった優れた効果を期待することが可能となる。
特徴dK5.前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記移行結果である場合、所定遊技数の遊技を実行後、前記有利状態へ移行させる手段(主制御装置101による前兆ゲーム数の設定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記移行結果となった場合、前記有利状態へ移行するまでの遊技において、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて特別報知を実行する特別報知手段(表示制御装置81による開始時前兆演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定遊技数の遊技を行った場合の前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果となる平均回数と、前記特殊結果に基づいて前記特定処理が行われた場合に当該特定処理が行われなかった場合の前記更新手段により更新される前記遊技数情報からの更新数との平均差分と、の積が、前記所定遊技数の最大数以下となるように設定されていることを特徴とする特徴dK4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に、毎回、第2操作態様にて操作された場合であっても、遊技数報知が特定遊技数に達した場合の、実際の天井までの遊技数が、通常時の移行判定にて当選した場合の特別報知が行われる所定遊技数以内となり易くなる。このようにすることで、表示上の天井に到達した際に特定報知を開始させるような構成であっても、あまりに長く特定報知が行われるといった中だるみを生じさせないようにすることができるし、特徴dK2のように特別報知の報知態様を特定報知に流用するような構成においては、その流用を極めてスムーズに行うことも可能である。
特徴dK6.前記特定移行手段は、前記遊技数情報が前記特定情報となった遊技から、特定遊技数の遊技後に前記有利状態に移行するように前記移行用処理を実行する構成であり、
前記特定遊技数の遊技を行った場合の前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果となる平均回数と、前記特殊結果に基づいて前記特定処理が行われた場合に当該特定処理が行われなかった場合の前記更新手段により更新される前記遊技数情報からの更新数と、の平均差分と、の積に、前記特定遊技数を加算した遊技数が、前記所定遊技数の最大数以下となるように設定されていることを特徴とする特徴dK5に記載の遊技機。
上記構成によれば、天井に到達した場合には特定遊技数の遊技を経て有利状態に移行するところ、このような特定遊技数を加味して、特殊結果当選時に、毎回、第2操作態様にて操作された場合であっても、遊技数報知が特定遊技数に達した場合の、実際の天井までの遊技数が、通常時の移行判定にて当選した場合の特別報知が行われる所定遊技数以内となり易くなる。よって、天井に到達した後、有利区間移行までに演出等を行う猶予を特定遊技数として設けたうえで、当該特定遊技数をそのまま表示上の天井を超過した場合にも流用しながら上記の効果を期待することが可能となる。このようにすれば、複雑な処理やデータ量の増大化を招くことなく、有利状態移行までの演出の好適化を図ることが可能となる。
特徴dK7.前記更新手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果であって前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果とは異なる結果である場合に前記遊技数情報を更新した際の当該更新の前後の差分よりも差分が大きくなるように前記遊技数情報の更新を行うことが可能であることを特徴とする特徴dK4乃至特徴dK6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に第1操作態様にて操作することで、遊技数情報を他の抽選結果の場合よりも大きく更新することが可能となる。そのため、特殊結果当選時に第1操作態様にて操作することで天井到達を早める一方、第2操作態様にて操作することで天井到達を遅くする、といったように、いずれの操作態様にて操作するかで両極端の結果となる。よって、特殊結果当選時の操作態様をより慎重に行わせることができ、遊技の興趣向上を図るうえで大いに貢献することが可能となる。
特徴dK8.前記第1操作態様よりも前記第2操作態様の方が、操作難易度が低い操作態様である(第1操作態様は操作順序に加えて操作タイミングを駆使する必要がある)ことを特徴とする特徴dK7に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様を駆使しなければ、特殊結果当選時には第2操作態様となり易く、特定処理によって、表示上の天井到達と、実際の天井到達とにズレが生じ易くなる。そのため、このような構成に対して、特徴dK1のような構成を採用することの意義は高いと考えられる。
特徴dK9.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理、AT上乗せ抽選用処理等の指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記有利判定手段は、遊技状態を通常状態から遊技者にとって有利な有利状態に移行させることを前記有利事象として、当該有利状態への移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備え、
前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記有利状態へ移行することに対応する移行結果である場合となった場合、前記有利状態へ移行するまでの遊技において、所定の報知手段にて特別報知を実行する特別報知手段(表示制御装置81による開始時前兆演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は第1結果(第33小役)の入賞が成立可能となり、且つ前記移行判定手段による前記移行判定として第1移行判定が実行される一方、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が多い第2結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となり、且つ、前記移行判定手段による前記移行判定として前記第1移行判定よりも前記移行結果となりにくい第2移行判定が実行される又は前記移行判定が実行されない特殊結果(特殊役)が設定されており、
所定契機(有利区間移行)からの遊技数が特定遊技数に達した場合に、前記移行判定手段による前記移行判定を介することなく又は前記移行判定の結果が前記移行結果とは異なる結果であっても、前記有利状態へ移行させるための移行用処理を実行する特定移行手段(主制御装置101による天井カウンタが0となることに基づいてATモード当選フラグをセットする処理を実行する機能)と、
所定契機からの遊技数に対応する遊技数情報を把握する把握手段(主制御装置101による天井カウンタを把握する処理を実行する機能)と、
前記所定契機からの遊技の進行に応じて前記遊技数情報を更新する更新手段(主制御装置101による天井カウンタの減算処理を実行する機能)と、
前記所定契機からの遊技数を遊技数報知として所定の報知手段(補助表示部65)にて報知し、遊技の進行に応じて前記遊技数報知を更新する遊技数報知手段(表示制御装置81による有利区間ゲーム数画像APを表示させる機能)と、
を備え、
前記特定移行手段は、前記遊技数情報が前記特定遊技数に対応する特定情報となることで前記移行用処理を実行する構成であり、
前記遊技数報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果であって前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された遊技であっても前記遊技数報知を更新し、
前記特別報知手段は、前記特別報知として第1特別報知(第1前兆モード演出)と第2特別報知(第3前兆モード演出)とを実行可能であり、移行させる前記有利状態の有利度が高いほど、前記第1特別報知よりも前記第2特別報知を実行し易い構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である遊技にて前記停止操作手段を前記第2操作態様にて操作することにより、前記遊技数報知手段による前記遊技数報知が前記特定遊技数に対応する報知となる場合、前記特別報知手段による前記第2特別報知が実行され易くなることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、抽選の結果に応じて有利判定として遊技者にとって有利な有利状態へ移行させる移行判定が行われるほか、所定契機からの遊技数が特定遊技数に至ることで有利状態に移行する場合がある。つまり、各遊技の抽選だけではなく有利状態を目指す遊技性を追加するうえで、遊技数が特定遊技数に至った場合には移行判定を介することなく有利状態に移行させるといった所謂天井を設けるようにすることで、遊技を途中で止めにくくさせ遊技継続の後押しとすることが可能となる。
更に、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となるとともに、移行判定の判定結果が有利状態への移行を生じさせる移行結果となり易い第1移行判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が多い第2結果入賞が成立可能となるものの、移行判定として移行結果となりにくい第2移行判定が実行される特殊結果が設定されており、遊技者は、移行判定の有利度を選択するか、特典の多い方を選択するか、といった極めて特殊な遊技性を追加することができる。
この場合、有利状態への移行を生じさせるためには特殊結果当選時に第1操作態様にて操作すべきと考えられるものの、遊技者によっては、第1操作態様としようとしても誤って第2操作態様としてしまう可能性もあり、有利状態への移行を目指す遊技性において特殊結果を設けると遊技の公平性が担保されにくい。
そこで、上記構成においては、特殊結果当選時に第2操作態様にて操作された場合には、天井到達時に有利な有利状態への移行に対応する第2特別報知が実行され易くなるようにしたことから、誤って第2操作態様にて操作してしまった遊技者をうまくフォローすることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
なお、上記特徴dK9に対して、特徴dK1乃至特徴dK8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
なお、上記特徴dK1乃至特徴dK9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dK1乃至特徴dK9の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dL群>
特徴dL1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合は第1結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が少ない第2結果(第9小役~第32小役)の入賞が成立可能となる態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様及び前記第2の操作態様のいずれか含む操作態様についての態様報知を実行する態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知の機能に関する特定処理を実行する特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、前記態様報知手段による態様報知が実行可能となる特定状態(有利区間)と、前記態様報知手段による態様報知が実行不可となる又は前記特定状態よりも態様報知が実行されにくくなる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記特定処理手段は、前記特定処理として、前記通常状態から前記特定状態へ移行させることの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101による有利区間移行抽選処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は第3結果(第33小役)の入賞が成立可能となり、且つ前記移行判定手段による前記移行判定として第1移行判定が実行される一方、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には前記第3結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が多い前記第4結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となり、且つ、前記移行判定手段による前記移行判定として前記第1移行判定よりも前記特定状態へ移行させることに対応する移行結果となりにくい第2移行判定が実行される又は前記移行判定が実行されない特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記移行判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定結果(特定役)である場合よりも当該特定結果とは異なる所定結果である場合の方が、有利な前記特定状態(少ないゲーム数で天井に到達する有利区間)に移行させることが可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1の操作態様にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となる一方、第2の操作態様にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が少ない第2結果入賞が成立可能となる所謂押し順役が設けられており、特定状態に移行することで当該押し順役の押し順報知としての態様報知が行われるようになるため、態様報知の有無によって有利度を大きく異ならせることが可能となる、といった優れた遊技性を実現することができる。
そのうえで、抽選手段による抽選結果として、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第3結果入賞が成立可能となるとともに、特定状態への移行判定として第1移行判定が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第3結果入賞時よりも特典が多い第4結果入賞が成立可能となるものの、移行判定として第1移行判定よりも特定状態へ移行させることに対応する移行結果となりにくい第2移行判定が実行されたり移行判定が実行されない特殊結果が設定されており、遊技者は、特定状態への移行させることを選択するか、特典の多い方を選択するか、といった極めて特殊な遊技性を追加することができる。
そして、態様報知が実行可能となる特定状態へは、特定処理のうちの移行判定手段による移行判定にて移行結果となると移行するところ、当該移行判定では特定結果当選を契機として実行された方が所定結果当選を契機として実行された場合よりも有利な特定状態へ移行される結果となり易い。
そうすると、上記のように特殊結果当選時の操作態様によって移行判定の内容や得られる特典が異なる点を利用して、特殊結果当選時には第2操作態様にて操作して、第2特典を獲得しながら特定状態への移行を生じさせないようにし、抽選結果が特定結果となるまで特定状態への移行を生じさせない、といった遊技を行うことも可能となり、このような構成を利用することで、遊技の多様化に大きく貢献することができる。
特徴dL2.前記移行判定手段は、前記特殊結果に基づいて前記特定状態へ移行させる場合よりも、前記特定結果に基づいて前記特定状態へ移行させる場合の方が遊技者にとって有利な特定状態へ移行し易いことを特徴とする特徴dL1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果当選時に特定状態へ移行させずに、特定結果当選を待つことの意義がより明確化される。よって、上記特徴dL1の特殊な遊技性を好適に実現することが可能となる。
特徴dL3.前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果となった場合、当該移行する特定状態の有利度を設定する設定手段(主制御装置101による天井ゲーム数の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段は、前記特定結果に基づいて移行する前記特定状態の方が、前記所定結果に基づいて移行する前記特定状態よりも有利となるように設定し易いことを特徴とする特徴dL1又は特徴dL2に記載の遊技機。
上記構成のように、設定手段を移行判定手段とは別途設けることで、機能を各手段に分散化することができ、処理負荷の増大化によるエラー等の発生を抑制することができる。
特徴dL4.遊技を実行するために必要な遊技価値が特定数(3枚)として設定されており、
前記第4結果の入賞が成立した場合に付与される特典は、前記特定数の2倍以上の遊技価値(8枚)に相当することを特徴とする特徴dL1乃至特徴dL3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果に当選となった遊技にて第2操作態様にて操作し、移行判定の結果が移行結果となることを棒に振ったとしても、当該遊技にて要した遊技価値と、次の遊技にて必要な遊技価値以上の遊技価値が獲得できるので、当該遊技が無駄になりにくく、寧ろ特徴dL1の特定結果待ちの遊技性を遊技価値の減りを考慮することなく実現させることができる。
特徴dL5.前記特定状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合には、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は前記特定処理として第1特定処理が実行される一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記特定処理として前記第1特定処理よりも遊技者にとって不利となる第2特定処理が実行される又は前記特定処理が実行されない構成であり、
前記第1操作態様にて前記停止操作手段を操作した場合の方が、前記第2操作態様にて操作した場合よりも遊技者にとって有利となるように前記第3結果及び前記第4結果が入賞した場合の特典、前記第1特定処理及び前記第2特定処理が設定されていることを特徴とする特徴dL1乃至特徴dL4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態に移行した後は、特殊結果当選時に第1操作態様にて操作したほうが第2操作態様にて操作するよりも遊技者にとって有利となる。このようにすることで、特定状態移行前の特殊結果当選では第2操作態様にて操作させ、特定状態移行後の特殊結果当選では第1操作態様にて操作させるといった、特定状態の移行を挟んで真逆の操作を推奨する極めて特殊な遊技性を実現することができる。よって、このような構成を利用して、遊技の多様化を図ることができる。
特徴dL6.前記特定状態として、前記態様報知手段による態様報知が実行され易くなる第1特定状態(ATモード)と、当該第1特定状態よりも前記態様報知手段による態様報知が実行されにくくなる又は実行されなくなる第2特定状態(通常モード)とが設定されており、
前記第2特定状態から前記第1特定状態へ移行させることの移行判定を実行する特定移行判定手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定処理及び前記第2特定処理は、前記特定移行判定手段による移行判定を含み、
前記特定移行判定手段による移行判定として前記第1特定処理が実行された場合の方が、前記第2特定処理が実行された場合よりも、前記第1特定状態へ移行することの特定移行結果となり易い構成であることを特徴とする特徴dL5に記載の遊技機。
上記構成は、特徴dL5の具体的構成である。
特徴dL7.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合は第1結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が少ない第2結果(第9小役~第32小役)の入賞が成立可能となる態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様及び前記第2の操作態様のいずれか含む操作態様についての態様報知を実行する態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知の機能に関する特定処理を実行する特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、前記態様報知手段による態様報知が実行可能となる特定状態(有利区間)と、前記態様報知手段による態様報知が実行不可となる又は前記特定状態よりも態様報知が実行されにくくなる通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記通常状態から前記特定状態へ移行させることの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101による有利区間移行抽選処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は第3結果(第33小役)の入賞が成立可能となり、且つ前記特定処理手段による前記特定処理として第1特定処理が実行される一方、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合には前記第3結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が多い前記第4結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となり、且つ、前記特定処理手段による前記特定処理として前記第1特定処理よりも遊技者時とって不利となる第2特定処理が実行される又は前記特定処理が実行されない特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記移行判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定結果(特定役)である場合よりも当該特定結果とは異なる所定結果である場合の方が、有利な前記特定状態(少ないゲーム数で天井に到達する有利区間)に移行させることが可能であり、且つ、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である場合、前記停止操作手段の操作態様に関わらず前記移行判定を実行する構成であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1の操作態様にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となる一方、第2の操作態様にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が少ない第2結果入賞が成立可能となる所謂押し順役が設けられており、特定状態に移行することで当該押し順役の押し順報知としての態様報知が行われるようになるため、態様報知の有無によって有利度を大きく異ならせることが可能となる、といった優れた遊技性を実現することができる。
そのうえで、抽選手段による抽選結果として、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第3結果入賞が成立可能となるとともに、特定状態への移行判定や特定状態の有利度を設定したりする等の特定処理として第1特定処理が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第3結果入賞時よりも特典が多い第4結果入賞が成立可能となるものの、特定処理として第1特定処理よりも遊技者にとって不利となる第2特定処理が実行されたり特定処理が実行されない特殊結果が設定されており、遊技者は、特定状態への移行させることを選択するか、特典の多い方を選択するか、といった極めて特殊な遊技性を追加することができる。
そして、態様報知が実行可能となる特定状態へは、移行判定手段による移行判定にて移行結果となると移行するところ、当該移行判定では特定結果当選を契機として実行された方が所定結果当選を契機として実行された場合よりも有利な特定状態へ移行される結果となり易い。
そうすると、上記のように特殊結果当選時の操作態様によって特定処理の内容や得られる特典が異なる点を利用して、特殊結果当選時には第2操作態様にて操作して、第2特典を獲得しながら特定状態への移行を生じさせないようにし、抽選結果が特定結果となるまで特定状態への移行を生じさせない、といった遊技を行うことも可能となり得る。
そこで、上記構成では、特殊結果に基づく移行判定では、停止操作手段の操作態様に関わらず移行判定を実行するようにしたことで、上記のように第2特典を獲得しながら特定状態への移行を回避する、といった行為を行わせないようにすることができる。よって、遊技の公平性を好適に担保することができる。
なお、上記特徴dL1乃至特徴dL7に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dJ1乃至特徴dJ8の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dM群>
特徴dM1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様の態様報知を所定の報知手段にて実行する態様報知手段(例えば主制御装置101による指示モニタ68による押し順報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知の機能に関する特定処理を実行する特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特殊結果である特殊遊技において、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記特定処理として第1特定処理を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記特定処理として前記第1特定処理よりも遊技者にとって不利となる第2特定処理を実行する又は前記特定処理を実行しないように設定されており、
前記特殊結果として、第1特殊結果(特殊役A)と、当該第1特殊結果とは異なる第2特殊結果(特殊役B)とが設定されており、
前記第1特殊結果についての前記第1操作態様(左ストップスイッチ42を最初に操作する操作態様)が前記第2特殊結果についての前記第2操作態様となるように設定されており、前記第2特殊結果についての前記第1操作態様(中ストップスイッチ43を最初に操作する操作態様)が前記第1特殊結果についての前記第2操作態様となるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与されるとともに、態様報知の機能に関する特定処理として第1特定処理が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与されるとともに、態様報知の機能に関する特定処理として第2特定処理が実行される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利である一方、第1特定処理の方が第2特定処理よりも遊技者にとって有利であるため、特殊結果となった場合、特典付与手段により付与される特典の有利な側(第2操作態様)と、態様報知の機能が有利な側(第1操作態様)との選択を遊技者に委ねる、といった斬新な遊技性を実現することが可能である。
しかも、上記構成においては、特殊結果を複数設け、第1特殊結果についての第1操作態様が第2特殊結果についての第2操作態様となり、第2特殊結果についての第1操作態様が第1特殊結果についての第2操作態様となるように設定したことから、第1特殊結果についての第1操作態様にて遊技を継続して行う遊技者であっても、第1特殊結果における第1操作態様での恩恵だけではなく、第2特殊結果における第2操作態様での恩恵を享受させることができるし、第1特殊結果についての第2操作態様にて遊技を継続して行う遊技者であっても、第1特殊結果における第2操作態様での恩恵だけではなく、第2特殊結果における第1操作態様での恩恵を享受させることが可能となる。よって、遊技者間の公平性を担保しながらも、上記の特殊結果を用いた斬新な遊技性を創出することが可能となる。
特徴dM2.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特殊結果である場合、当該第1特殊結果についての前記第1操作態様に対応する第1特定報知(通常モードやCZモード中の特殊役当選時の押し順報知演出)を所定の報知手段にて実行し、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特殊結果である場合、当該第2特殊結果についての前記第1操作態様に対応する第1特定報知(通常モードやCZモード中の特殊役当選時の押し順報知演出)を所定の報知手段にて実行する第1特定報知手段(主制御装置101による抽選結果対応処理にて、ATモードフラグがセットされていない状況で特殊役A~C当選時の押し順報知コマンドを出力設定する処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dM1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の特殊結果を設けて第1操作態様だけではなく第2操作態様でも操作させるような遊技を前提としながらも、第1特殊結果に当選した場合に第1操作態様にて操作させ、第2特殊結果に当選した場合に第1操作態様にて操作させる、といった遊技も行わせることが可能となる。このようにすることで、一の遊技機で複数の遊技性を実現することができるし、第1特定報知手段による報知に従うか否かは遊技者の自由であるから、特殊結果当選時に第1操作態様だけではなく第2操作態様でも操作する遊技を行うか、それぞれの特殊結果に応じた第1操作態様にて操作する遊技を行うかを遊技者が選択することも可能となる。これにより、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴dM3.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合は第1結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が少ない第2結果(第9小役~第32小役)の入賞が成立可能となる態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様及び前記第2の操作態様のいずれか含む操作態様についての前記態様報知を実行可能であり、
前記第1特定報知手段による前記第1特定報知の報知態様と、前記態様報知手段による前記態様報知の報知態様とは遊技者が識別可能となるように異なっていることを特徴とする特徴dM2に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段を第1の操作態様にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となる一方、第2の操作態様にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が少ない第2結果入賞が成立可能となる所謂押し順役が設けられており、当該押し順役の押し順報知としての態様報知が行われるようになるため、態様報知の有無によって有利度を大きく異ならせることが可能となる、といった優れた遊技性を実現することができる。このような遊技において、特殊結果についての第1操作態様を報知する第1特定報知を遊技性に追加する場合、態様報知に従って操作した場合に有利な側の第1結果入賞が成立可能となることを前提とすると、同じように停止操作手段の操作態様を報知する態様報知と第1特定報知との関係から、第1特定報知に従って操作した場合にも有利な側の第2特典が得られるようになると遊技者は勘違いしてしまう可能性がある。その点、上記構成のように、態様報知と第1特定報知との報知態様を遊技者が識別可能となるように異ならせていることから、第1特定報知に従って操作した場合に不利な側の第1特典が得られるようになった場合であっても、遊技者に違和感を与えにくくすることが可能となる。そして、上記のようにしながら第1操作態様にて操作させることで、遊技者に違和感なく有利な側の第1特定処理を行わせる遊技性を実現することが可能となる。
特徴dM4.前記第1特殊結果についての前記第1操作態様は複数の操作態様を含み、
前記第2特殊結果についての前記第1操作態様は複数の操作態様を含み、
前記第1特定報知手段は、前記第1特殊結果についての前記第1操作態様としての前記複数の操作態様のうち一の操作態様に対応する第1特定報知を実行する手段と、前記第1特殊結果についての前記第1操作態様としての前記複数の操作態様のうち前記一の操作態様とは異なる他の操作態様に対応する第1特定報知を実行する手段と、前記第2特殊結果についての前記第1操作態様としての前記複数の操作態様のうち一の操作態様に対応する第1特定報知を実行する手段と、前記第2特殊結果についての前記第1操作態様としての前記複数の操作態様のうち前記一の操作態様とは異なる他の操作態様に対応する第1特定報知を実行する手段と、を備えていることを特徴とする特徴dM2又は特徴dM3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特殊結果についての第1操作態様や第2特殊結果についての第1操作態様は、それぞれ複数の操作態様が含まれるように設定されているところ、これら各特殊結果当選時に第1操作態様を報知する第1特定報知としては、それぞれの操作態様が実行される場合があるように設定されているため、第1操作態様に複数の操作態様が含まれていても、報知される操作態様が偏ってしまう事象を回避することが可能となる。よって、常に同じような操作態様が報知される構成と比較して、第1特定報知への信頼性を高めることができる。
特徴dM5.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特殊結果である場合、当該第1特殊結果についての前記第2操作態様に対応する第2特定報知(ATモード中の特殊役当選時の押し順報知演出)を所定の報知手段にて実行し、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特殊結果である場合、当該第2特殊結果についての前記第2操作態様に対応する第2特定報知(ATモード中の特殊役当選時の押し順報知演出)を所定の報知手段にて実行する第2特定報知手段(主制御装置101による抽選結果対応処理にて、ATモードフラグがセットされている状況で特殊役A~C当選時の押し順報知コマンドを出力設定する処理を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dM1乃至特徴dM4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の特殊結果を設けて第1操作態様だけではなく第2操作態様でも操作させるような遊技を前提としながらも、第1特殊結果に当選した場合に第2操作態様にて操作させ、第2特殊結果に当選した場合に第2操作態様にて操作させる、といった遊技も行わせることが可能となる。このようにすることで、一の遊技機で複数の遊技性を実現することができるし、第2特定報知手段による報知に従うか否かは遊技者の自由であるから、特殊結果当選時に第1操作態様だけではなく第2操作態様でも操作する遊技を行うか、それぞれの特殊結果に応じた第2操作態様にて操作する遊技を行うかを遊技者が選択することも可能となる。これにより、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴dM6.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合は第1結果(第1小役~第6小役)の入賞が成立可能となる一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記第1結果よりも前記特典付与手段により付与される特典が少ない第2結果(第9小役~第32小役)の入賞が成立可能となる態様結果(押し順ベル)が設定されており、
前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様及び前記第2の操作態様のいずれか含む操作態様についての前記態様報知を実行可能であり、
前記第2特定報知手段による前記第2特定報知の報知態様と、前記態様報知手段による前記態様報知の報知態様とは遊技者が識別困難となるように設定されていることを特徴とする特徴dM5に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段を第1の操作態様にて操作した場合には第1結果入賞が成立可能となる一方、第2の操作態様にて操作した場合には第1結果入賞時よりも特典が少ない第2結果入賞が成立可能となる所謂押し順役が設けられており、当該押し順役の押し順報知としての態様報知が行われるようになるため、態様報知の有無によって有利度を大きく異ならせることが可能となる、といった優れた遊技性を実現することができる。このような遊技において、特殊結果についての第2操作態様を報知する第2特定報知を遊技性に追加する場合、態様報知に従って操作した場合に有利な側の第1結果入賞が成立可能となることを前提とし、第2特定報知に従って操作した場合にも有利な側の第2特典が得られるようになる。そして、態様報知と第2特定報知との報知態様は遊技者が識別困難となるように設定されていることから、遊技者はいずれの報知かを特段意識することなく、その報知に従えば有利な側の操作を行うことが可能となる。
特徴dM7.前記第1特殊結果についての前記第2操作態様は複数の操作態様を含み、
前記第2特殊結果についての前記第2操作態様は複数の操作態様を含み、
前記第2特定報知手段は、前記第1特殊結果についての前記第2操作態様としての前記複数の操作態様のうち一の操作態様に対応する第2特定報知を実行する手段と、前記第1特殊結果についての前記第2操作態様としての前記複数の操作態様のうち前記一の操作態様とは異なる他の操作態様に対応する第2特定報知を実行する手段と、前記第2特殊結果についての前記第2操作態様としての前記複数の操作態様のうち一の操作態様に対応する第2特定報知を実行する手段と、前記第2特殊結果についての前記第2操作態様としての前記複数の操作態様のうち前記一の操作態様とは異なる他の操作態様に対応する第2特定報知を実行する手段と、を備えていることを特徴とする特徴dM5又は特徴dM6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特殊結果についての第2操作態様や第2特殊結果についての第2操作態様は、それぞれ複数の操作態様が含まれるように設定されているところ、これら各特殊結果当選時に第2操作態様を報知する第2特定報知としては、それぞれの操作態様が実行される場合があるように設定されているため、第2操作態様に複数の操作態様が含まれていても、報知される操作態様が偏ってしまう事象を回避することが可能となる。よって、常に同じような操作態様が報知される構成と比較して、第2特定報知への信頼性を高めることができる。
特徴dM8.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特殊結果であって、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合に前記特定処理手段により実行される前記第1特定処理及び前記抽選手段による抽選結果が前記第2特殊結果であって、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合に前記特定処理手段により実行される前記第1特定処理と、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特殊結果であって、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合に前記特定処理手段により実行される前記第2特定処理及び前記抽選手段による抽選結果が前記第2特殊結果であって、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合に前記特定処理手段により実行される前記第2特定処理と、の少なくともいずれかが異なる処理となるように設定されている(図348、図349)ことを特徴とする特徴dM1乃至特徴dM7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特殊結果と第2特殊結果とでは、操作態様によって実行される特定処理の内容が異なるように設定されていることから、同じように第1操作態様や第2操作態様にて操作していても当選する特殊結果によって、態様報知手段による態様報知の機能に関する特定処理による恩恵が異なるようになる。よって、いずれの特殊結果であるかへの注目度を向上させるようにしながら、実行する操作態様がいずれの特殊結果についての第1操作態様(第2操作態様)かにも関心を寄せさせることが可能となり、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴dM9.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特殊結果であって、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合に前記特典付与手段により付与される前記第1特典及び前記抽選手段による抽選結果が前記第2特殊結果であって、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合に前記特典付与手段により付与される前記第1特典と、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特殊結果であって、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合に前記特典付与手段により付与される前記第2特典及び前記抽選手段による抽選結果が前記第2特殊結果であって、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合に前記特典付与手段により付与される前記第2特典と、の少なくともいずれかが異なる特典となるように設定されていることを特徴とする特徴dM1乃至特徴dM8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特殊結果と第2特殊結果とでは、操作態様によって実行される付与される特典が異なるように設定されていることから、同じように第1操作態様や第2操作態様にて操作していても当選する特殊結果によって、得られる特典が異なるようになる。よって、いずれの特殊結果であるかへの注目度を向上させるようにしながら、実行する操作態様がいずれの特殊結果についての第1操作態様(第2操作態様)かにも関心を寄せさせることが可能となり、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴dM10.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特殊結果及び前記第2特殊結果のいずれであるかを遊技者が識別困難とする手段(主制御装置101によるATモード中の特殊役A~C当選時は特殊役用の報知ではなく操作順序の報知を行う機能)を備えていることを特徴とする特徴dM1乃至特徴dM9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特殊結果であるか第2特殊結果であるかを遊技者が識別困難となり、操作している操作態様が、第1特殊結果当選時の第1操作態様なのか、第2特殊結果当選時の第2操作態様なのかの区別がつかなくなる。このようにすることで、自らの操作がいずれの結果に対応するものなのか予測しながら遊技を行う、といった斬新な遊技性を実現することができる。
特に特徴dM8や特徴dM9のように、特殊結果によって実行される特定処理や特典が異なる構成においては、いずれの結果に対応する操作かによって、遊技者の利益も大きく異なり得るようになるため、上記の自らの操作がいずれに対応するものなのかを予測する面白みを向上させることが可能である。
特徴dM11.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特殊結果及び前記第2特殊結果のいずれであるかを遊技者が識別可能とする手段(主制御装置101によるATモード移行前の特殊役A~C当選時は特殊役用の報知を行う機能)を備えていることを特徴とする特徴dM1乃至特徴dM10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特殊結果であるか第2特殊結果であるかを遊技者が識別可能となり、操作している操作態様が、第1特殊結果当選時の第1操作態様なのか、第2特殊結果当選時の第2操作態様なのかの区別がつくようになる。このようにすることで、自らの操作がいずれの結果に対応するものなのか把握しながら遊技を行うようになり、その操作をより慎重に行わせることが可能となる。
特に特徴dM8や特徴dM9のように、特殊結果によって実行される特定処理や特典が異なる構成においては、いずれの結果に対応する操作かによって、遊技者の利益も大きく異なり得るようになるため、上記の自らの操作がいずれに対応するものなのかを把握することの重要性も増し、上記構成を適用することの意義は高い。
特徴dM12.前記特殊結果として、前記第1特殊結果及び前記第2特殊結果とは異なる第3特殊結果(特殊役C)が設定されており、
前記第1特殊結果についての前記第1操作態様(左ストップスイッチ42を最初に操作する操作態様)が前記第2特殊結果及び前記第3特殊結果についての前記第2操作態様となるように設定されており、前記第2特殊結果についての前記第1操作態様(中ストップスイッチ43を最初に操作する操作態様)が前記第1特殊結果及び前記第3特殊結果についての前記第2操作態様となるように設定されており、前記第3特殊結果についての前記第1操作態様(右ストップスイッチ44を最初に操作する操作態様)が前記第1特殊結果及び前記第2特殊結果についての前記第2操作態様となるように設定されており、
前記停止操作手段は、第1停止操作手段、第2停止操作手段、及び第3停止操作手段により構成されており、
前記第1特殊結果についての前記第1操作態様は前記第1停止操作手段を特定番目に操作することであり、前記第2特殊結果についての前記第1操作態様は前記第2停止操作手段を前記特定番目に操作することであり、前記第3特殊結果についての前記第1操作態様は前記第3停止操作手段を前記特定番目に操作することであことを特徴とする特徴dM1乃至特徴dM11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特殊結果を停止操作手段の数だけ設け、いずれの停止操作手段を特定番目に操作するかが、各特殊結果についての第1操作態様として設定されている。このようにすることで、いずれの特殊結果に当選しているかを予測し、更にいずれの操作態様にて操作するか、といった遊技性において、どの停止操作手段を特定番目に操作すればよいかだけの選択となり、当該斬新な遊技における難易度を下げ、多くの遊技者に当該遊技を楽しませることが可能となる。
なお、上記特徴dM1乃至特徴dM12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dJ1乃至特徴dJ8の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC12、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴dN群>
特徴dN1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる態様結果(押し順ベル、特殊役)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様の態様報知を所定の報知手段にて実行する態様報知手段(例えば主制御装置101による指示モニタ68による押し順報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知の機能に関する特定処理を実行する特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)と、
前記特定処理手段による前記特定処理に対応する特定報知を実行する特定報知手段(表示制御装置81による開始時CZ演出設定処理や停止時CZ演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知手段は、
第1契機(第3停止操作)に基づいて実行される前記特定処理に対応する特定報知を実行可能な第1特定報知手段(表示制御装置81のよるゾロ目演出やバラケ目演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記第1契機とは異なる第2契機(スタートレバー41の操作)に基づいて実行される前記特定処理に対応する特定報知を実行可能な第2特定報知手段(表示制御装置81によるチェリー当選時の確定演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定報知手段による前記特定報知の報知制御と、前記第2特定報知手段による前記特定報知の報知制御とが異なっていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利であるため、特殊結果となった場合、停止操作手段の操作態様の態様報知の実行の有無によって有利度を異ならせることが可能であり、遊技の興趣向上に貢献することができる。
しかも、上記構成においては、このような操作態様によって付与される特典が異なり得る遊技性において、操作態様についての態様報知に関する特定処理が第1契機に基づいて実行された場合と、第2契機に基づいて実行された場合とで、当該特定処理に対応する特定報知の報知制御が異なるようにしていることから、特定報知から特定処理の結果を遊技者が予測するうえで、いずれの契機に基づく特定処理であるかも含めて注目させることができ、契機によって特定処理の結果や内容が異なる等との遊技性に適用したりする等、態様報知を利用した遊技の興趣向上を図るうえで、大いに役立てることが可能となる。
特徴dN2.前記特定処理手段は、
前記抽選手段による抽選結果が第1結果(特殊役)である場合、前記第1契機として、前記停止操作手段の操作後に前記特定処理を実行する第1特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果(特定役)である場合、前記第2契機として、前記停止操作手段の操作前に前記特定処理を実行する第2特定処理手段(例えば、主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である第1遊技における前記停止操作手段の操作後である特定タイミングにて前記特定報知として第1特定報知を実行し、
前記第2特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2結果である第2遊技における前記特定タイミングより前(第1停止ON操作時)に、前記特定報知として第2特定報知を実行することを特徴とする特徴dN1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様によって付与される特典が異なり得る遊技性において、操作態様についての態様報知に関する特定処理を、抽選手段による抽選結果が第1結果である場合には停止操作手段の操作後に実行されるようにし、第2結果である場合には停止操作手段の操作後に実行されるようにし、第1結果である場合には、操作後の特定タイミングにて特定処理に対応する第1特定報知が実行され、第2結果である場合には、特定タイミングよりも前に特定処理に対応する第2特定報知が実行されるため、抽選結果と特定処理の実行タイミングとが関連付けられ、抽選結果から特定処理の実行タイミングを予測・把握したうえで、当該特定処理の結果が遊技者にとって有利となるように、停止操作手段を操作する手に力が入る面白みのある遊技性を実現することができる。
特徴dN3.前記第1結果は前記態様結果であり、
前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記特定処理として第1特定処理を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記特定処理として前記第1特定処理よりも遊技者にとって不利となる第2特定処理を実行する又は前記特定処理を実行しないように設定されており、
前記第1遊技において、前記第1操作態様と前記第2操作態様とのいずれの操作態様となるかの各前記停止操作手段の操作が行われるうえでの分岐タイミング(第1停止ON操作)以後であって、前記特定タイミングよりも前に前記特定処理に対応する報知が行われるようにする手段(表示制御装置81によるテンパイ演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dN2に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選結果が第1結果である場合、停止操作手段を第1操作態様にて操作すると第1特典が付与されるとともに、態様報知の機能に関する特定処理として第1特定処理が実行される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作すると第2特典が付与されるとともに、態様報知の機能に関する特定処理として第2特定処理が実行されるため、第1結果となった場合、特典付与手段により付与される特典の有利な側(第2操作態様)と、態様報知の機能が有利な側(第1操作態様)との選択を遊技者に委ねる、といった斬新な遊技性を実現することが可能である。
そのうえで、操作後である特定タイミングにて第1特定報知が実行される第1遊技において、第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミング以後であって特定タイミングよりも前に特定処理に対応する報知が実行される場合があるようにしたことから、特定処理に対応する報知をなるべく早期に実行可能としながらも、当該報知によって第1操作態様とすべきか第2操作態様とすべきかを悟られないようにすることができる。つまり、例えば、仮に特定処理の結果を事前に察知できるのであれば、その察知した結果が遊技者にとって好ましいものではなければ第2特定処理が行われるものの第2特典を獲得するように第2操作態様にて操作することも考えられるところ、上記のように特定処理に対応する報知を第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミング以後で発生させることで、上記の行為が行われにくくなる。よって、遊技の公平性を担保しながらも、第1遊技における特定処理に対応する報知をより早期から開始させることが可能となる。
特徴dN4.前記第1結果は前記態様結果であり、
前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記特定処理として第1特定処理を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記特定処理として前記第1特定処理よりも遊技者にとって不利となる第2特定処理を実行する又は前記特定処理を実行しないように設定されており、
前記第2遊技において、前記第1遊技であれば前記第1操作態様と前記第2操作態様とのいずれの操作態様となるかの各前記停止操作手段の操作が行われるうえでの分岐タイミングとなるタイミング(第1停止ON操作時)で、前記特定処理に対応する報知を実行可能な手段(表示制御装置81によるチェリー当選時の確定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dN2又は特徴dN3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2結果に基づく特定処理に対応する報知を第1操作態様と第2操作態様との分岐タイミングで発生させることで、仮にその報知からは、結果を把握することができず、第1結果とも予測され得るものであれば、当該報知が行われた場合に、第1操作態様と第2操作態様との操作の選択が正しく、特定処理の結果が遊技者にとって好ましいものであったか否かを、当該分岐タイミングでの報知によって把握させる、といった斬新な遊技性を実現することが可能となし、特定タイミングでの報知に向けて演出を大いに盛り上げることも可能である。
特徴dN5.前記第1結果は前記態様結果であり、
前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合には前記特定処理として第1特定処理を実行する一方、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記特定処理として前記第1特定処理よりも遊技者にとって不利となる第2特定処理を実行する又は前記特定処理を実行しないように設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果であって、前記停止操作手段を前記第1操作態様にて操作した場合、各前記周回体のうち特定周回体(左リール32L)の特定位置に特定絵柄が停止して、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せが停止する構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2結果(チェリーA~C)である場合、前記特定周回体の特定位置に前記特定絵柄が停止するとともに、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せ及び前記第2の絵柄組合せとは異なる第3の絵柄組合せが停止することで、当該第2結果に対応する特典が前記特典付与手段により付与される構成であり、
前記特定周回体の特定位置に前記特定絵柄が停止し、且つ他の周回体が停止していない状況で特別報知を実行可能な特別報知手段(表示制御装置81によるチェリー当選時の確定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴dN2乃至特徴dN4のいずれか1に記載の遊技機。
特定周回体の特定位置に特定絵柄が停止した場合、それが第2結果に基づくものなのか、それとも第1結果当選時の第1操作態様によるものなのかが、停止出目からは判別することができない。このような構成において、当該特定周回体の特定位置に特定絵柄が停止した場合に特別報知が行われる場合があるようにしたことから、当該特別報知が第2結果に基づく特定処理に対応するものなのか、それともその後の第1特定処理や第2特定処理に対応するものなのかを判別することができず、特別報知が行われた場合の結果を予測するうえでの選択枝が増え、当該特別報知の注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴dN6.前記特別報知手段は、前記第2結果に基づく前記特定処理の結果に対応する報知を前記特別報知として実行することを特徴とする特徴dN5に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作前に特定処理が行われており、その結果に対応する報知が特定周回体の特定位置に特定絵柄が停止した場合に特別報知として実行される。このようにすることで、当該特別報知が行われる場面が、第1結果であれば未だ特定処理の実行前の停止出目と同じ状況としながらも、特別報知の内容に矛盾が生じないようになり、特別報知への信頼性を高めることが可能となる。
特徴dN7.前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、前記特定周回体の特定位置に前記特定絵柄が停止することなく前記有効位置に前記第2の絵柄組合せが停止することを特徴とする特徴dN5又は特徴dN6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果当選時に第1操作態様にて操作した場合には特定周回体の特定位置に特定絵柄が停止するものの、第2操作態様にて操作した場合には特定絵柄が停止しないため、特別報知が、操作態様の選択の結果として実行された印象を強く与えることが可能となる。このようにすることで、特別報知への注目度を好適に高めることができる。
特徴dN8.前記特定処理手段は、
前記態様報知手段による態様報知が実行され易くする特定事象(ATモード移行当選、CZモード移行、AT上乗せ当選、天井カウンタの減算)を生じさせるための処理を前記特定処理として実行可能な手段を備え、
前記第1結果である場合の前記特定処理の方が、所定の前記第2結果(例えば、チェリーA)である場合の前記特定処理よりも前記特定事象が生じ易くなるように設定されていることを特徴とする特徴dN2乃至特徴dN7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果に基づいて操作後に特定処理が行われた場合の方が、第2結果に基づいて操作前に特定処理が行われた場合よりも特定事象が生じ易い。そのため、第2結果当選となった遊技である場合の方が圧倒的にその遊技内で特定処理の結果に対応する報知を実行し易いものの、遊技者が求める特定事象につながる特定処理は第1結果当選となった遊技のほうが実行され易くなる。そこで、特定処理の結果に対応する報知を、第1結果であってもあえて特定処理が行われた遊技内の特別タイミングにて実行するようにすることで、第2結果である遊技ですら特定処理の結果に対応する報知へ期待感を寄せさせることが可能となる。
特徴dN9.前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果となる確率よりも、前記第2結果(通常リプA~C、チャンス目A~C、チェリーA~C,スイカ)となる確率の方が高くなるように設定されていることを特徴とする特徴dN2乃至特徴dN8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果となる方が第2結果となるよりも出現率が低くなるため、第1結果側に特定処理の結果に対応する報知のタイミングを合わせてしまうと、第2結果の場合に、特定処理が実行されてからなかなかその報知が行われないなどの不都合が生じ易くなる。その点、いずれの結果でもその遊技内の特別タイミングにて特定処理の結果に対応する報知を実行するようにすることで、第1結果であることを第2結果に紛れさせることができ、報知タイミングから特定処理の結果に対応する報知の内容が見抜かれてしまうことを抑制し、当該報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴dN10.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様の態様報知を所定の報知手段にて実行する態様報知手段(例えば主制御装置101による指示モニタ68による押し順報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知の機能に関する特定処理を実行する特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理手段は、
前記抽選手段による抽選結果が第1結果(特殊役)である場合、前記停止操作手段の操作後に前記特定処理を実行する第1特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果(特定役)である場合、前記停止操作手段の操作前に前記特定処理を実行する第2特定処理手段(例えば、主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である第1遊技における前記停止操作手段の操作後である特定タイミングにて、前記特定処理に対応する第1特定報知を実行可能な第1特定報知手段(表示制御装置81のよるゾロ目演出やバラケ目演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2結果である第2遊技における前記特定タイミングより前(第1停止ON操作時)に、前記特定処理の結果に対応する第2特定報知を実行可能な第2特定報知手段(表示制御装置81によるチェリー当選時の確定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利であるため、特殊結果となった場合、停止操作手段の操作態様の態様報知の実行の有無によって有利度を異ならせることが可能であり、遊技の興趣向上に貢献することができる。
しかも、上記構成においては、このような操作態様によって付与される特典が異なり得る遊技性において、操作態様についての態様報知に関する特定処理を、抽選手段による抽選結果が第1結果である場合には停止操作手段の操作後に実行されるようにし、第2結果である場合には停止操作手段の操作後に実行されるようにしたことから、抽選結果と特定処理の実行タイミングとが関連付けられ、抽選結果を予測する遊技と、その予測に基づいて特定処理の実行タイミングを把握したうえで、当該特定処理の結果が遊技者にとって有利となるように、停止操作手段を操作する手に力が入る面白みのある遊技性を実現することができる。
そのうえで、第1結果である場合には、操作後の特定タイミングにて特定処理の結果に対応する第2特定報知が実行され、第2結果である場合には、特定タイミングよりも前に特定処理の結果に対応する第3特定報知が実行されるため、第2特定報知や第3特定報知によっていずれの結果であるかを予測することを可能とし、各特定報知への注目度を好適に高めるとともに、結果を予測したうえで停止操作手段を操作させる遊技性を好適に実現することが可能となる。
上記特徴dN10に対して、特徴dN1乃至特徴dN9にて限定した各構成を個別に適用してもよく、各構成を組み合わせて適用してもよい。
特徴dN11.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により第1特典(1枚のメダル払出)が付与される一方、
前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合は、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止可能となり、前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって有利な第2特典(8枚のメダル払出)が付与されることとなる特殊結果(特殊役)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様の態様報知を所定の報知手段にて実行する態様報知手段(例えば主制御装置101による指示モニタ68による押し順報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知の機能に関する特定処理を実行する特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理や停止時AT抽選用処理等、指示機能に関する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理手段は、
前記抽選手段による抽選結果が第1結果(特殊役)である場合、前記停止操作手段の操作後に前記特定処理を実行する第1特定処理手段(例えば、主制御装置101による開始時AT抽選用処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果(特定役)である場合、前記停止操作手段の操作前に前記特定処理を実行する第2特定処理手段(例えば、主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である第1遊技における特別タイミング(第2停止ON操作時)において、前記特定処理に対応する第1特定報知を実行可能であって、且つ前記抽選手段による抽選結果が前記第2結果である第2遊技における前記特別タイミング(第2停止ON操作時)において、前記特定処理に対応する前記第1特定報知を実行可能な第1特定報知手段(表示制御装置81のよるテンパイ演出を発生させるための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1特典が付与される一方、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2特典が付与される特殊結果が設定されており、第1特典よりも第2特典の方が遊技者にとって有利であるため、特殊結果となった場合、停止操作手段の操作態様の態様報知の実行の有無によって有利度を異ならせることが可能であり、遊技の興趣向上に貢献することができる。
しかも、上記構成においては、このような操作態様によって付与される特典が異なり得る遊技性において、操作態様についての態様報知に関する特定処理を、抽選手段による抽選結果が第1結果である場合には停止操作手段の操作後に実行されるようにし、第2結果である場合には停止操作手段の操作後に実行されるようにしたことから、抽選結果と特定処理の実行タイミングとが関連付けられ、抽選結果を予測する遊技と、その予測に基づいて特定処理の実行タイミングを把握したうえで、当該特定処理の結果が遊技者にとって有利となるように、停止操作手段を操作する手に力が入る面白みのある遊技性を実現することができる。
そのうえで、操作後に特定処理が実行される第1結果である場合と操作前に特定処理が実行される第2結果である場合とで、いずれの結果の遊技においても特別タイミングにて特定処理の結果に対応する第1特定報知が実行される場合があるようにしたことから、抽選結果が分かりにくくなり、上記の遊技性の面白みをより高めることが可能となる。
上記特徴dN11に対して、特徴dN1乃至特徴dN10にて限定した各構成を個別に適用してもよく、各構成を組み合わせて適用してもよい。
なお、上記特徴dN1乃至特徴dN11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴dN1乃至特徴dN10の各構成に対して、特徴dA1乃至特徴dA22、特徴dB1乃至特徴dB8、特徴dC1乃至特徴dC8、特徴dD1乃至特徴dD10、特徴dE1乃至特徴dE11、特徴dF1乃至特徴dF8、特徴dG1乃至特徴dG9、特徴dH1乃至特徴dH8、特徴dI1乃至特徴dI12、特徴dJ1乃至特徴dJ8、特徴dK1乃至特徴dK9、特徴dL1乃至特徴dL7、特徴dM1乃至特徴dM12、特徴dN1乃至特徴dN11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以上詳述した特徴dA群乃至特徴dN群の各構成に対して、他の特徴a群乃至特徴n群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴e群>
以下の特徴eA群乃至特徴eE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5eの実施形態、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴eA群>
特徴eA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、前記停止駆動制御によって前記所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、当該所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定契機に基づいて、少なくとも前記周回体を用いた遊技演出としての特定演出を実行することの実行判定を行う実行判定手段(主制御装置101による上乗せループ抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、所定の演出手段(補助表示部65)にて対応演出を行うことが可能な対応演出実行手段(表示制御装置81による演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記対応演出実行手段は、
前記表示部を介して視認可能な特定位置に停止又は仮停止している絵柄が特定絵柄である場合、前記対応演出として第1対応演出を実行する第1対応演出手段(表示制御装置81による第1回転演出用処理を実行する機能)と、
前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合、前記対応演出として前記第1対応演出とは異なる第2対応演出を実行する第2対応演出手段(表示制御装置81による第2回転演出用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた遊技演出である特定演出が行われる場合があるため、周回体を用いて特典の獲得を目指すスロットマシンの遊技性にマッチした演出にて遊技の興趣向上が図られる。
しかも、特定演出が行われる場合に、特定位置に停止等している絵柄が特定絵柄である場合には所定の演出手段において第1対応演出が実行され、特定位置に特定絵柄とは異なる絵柄が停止等している場合には所定の演出手段において第2対応演出が実行されるようにしていることから、特定演出の前段階から周回体の停止出目に関心を寄せさせ、特定演出の注目度を向上させることが可能となるし、例えば、停止出目によって特定演出の態様を異ならせるなどの複雑な制御を行わなくても、停止出目と特定演出との関連付けを行うことができ、比較的簡素な処理構成にて特定演出の演出効果を向上させることが可能となる。
特徴eA2.前記特定演出として、前記周回体を回転させた後、当該回転の前である前状態において前記特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄(第1特定態様、第2特定態様)を当該特定位置又は当該特定位置に対応する位置に停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記周回体の特定駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による第1回転制御処理において第1回転動作を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA1に記載の遊技機。
特定演出を行ううえでは、当該特定演出前の前状態における絵柄の停止位置によって特定演出の態様を異ならせる等することで特定演出による演出効果を高めることが可能となるものの、このような前状態における絵柄の停止位置によって特定演出の態様を異ならせようとすると、周回体の回転速度や加速度等を絵柄の停止位置等によって異ならせる等、極度に処理負荷が増大化するといった不都合が生じ得る。
その点、上記構成においては、特定演出前の前状態において特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄を当該特定位置等に停止又は仮停止させるようにし、前状態における絵柄の停止位置に関わらず、単に、停止又は仮停止している状態から周回体を回転させて同じ絵柄や対応する絵柄をそのまま停止等させるだけとしたことから、特定演出を行う上での処理負荷の増大化を好適に抑制することが可能となる。
特徴eA3.前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定駆動制御が実行されるようにする一方、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定駆動制御の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定位置に特定絵柄が停止していなければ回転後そのまま停止させる特定駆動制御すら制限するようにすることで、特定演出を行う上での処理負荷の増大化を更に抑制することが可能となる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は、前記周回体を回転させた後、前記特定駆動制御が実行されるようにする一方、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は、前記周回体を回転させた後、前記特定駆動制御の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)を備えている」。
特徴eA4.前記駆動制御手段は、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記周回体を停止させる場合、周回中の当該周回体の絵柄位置に基づいて当該周回体の前記停止駆動制御を実行する構成であり、
一の前記周回体には特定数の絵柄が付されており、
前記特定駆動制御手段は、前記特定演出が開始されてから前記特定数の所定数倍に対応する絵柄分だけ前記周回体が回転したタイミングで当該周回体を停止又は仮停止させることで、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄を前記特定位置又は当該特定位置に対応する位置に停止又は仮停止する特定状況が生じさせる構成であることを特徴とする特徴eA2又は特徴eA3に記載の遊技機。
上記構成のように、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させる場合には、周回中の周回体の絵柄位置を把握したうえで、当該絵柄位置に基づいて周回体の停止駆動制御を行うことで、例えば、抽選手段の抽選結果とは対応しない絵柄が有効位置に停止してしまうことを回避することができるし、抽選手段の抽選結果に対応する絵柄を有効位置に停止させるにあたって停止操作手段の操作タイミングが若干ずれていても当該有効位置に停止させる制御(いわゆる滑り制御)を行うことも可能である。
これに対して、特定動作は演出上の回転動作であるから、抽選結果とは関係なく停止させることが可能であり、上記のように周回中の絵柄位置に関わらず、単に所定数倍だけ周回したタイミングで停止制御を行うようにすることで、前状態にて停止等していた対応絵柄をそのままその位置に停止等させることが可能となり、その演出効果を期待するうえでの制御負荷の圧倒的な軽減効果を見込むことが可能となる。
そのうえで、特定位置に特定絵柄が停止等していない場合には、特定位置に停止していなかった特定絵柄を特定位置に再停止させるような複雑な処理を用いることなく、単にその再停止させる制御を行わないようにすることで、特定動作を行う上での処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
なお、「所定数倍」を「整数倍」と限定することで、特定位置に停止等していた絵柄と同じ絵柄を同特定位置に停止等する状況が生じるように駆動制御することが可能であり、「所定数倍」を「非整数倍」と限定することで、特定位置に停止等していた絵柄に対応する絵柄を同特定位置に停止等する状況や、特定位置に停止等していた絵柄と同じ絵柄を同特定位置に対応する位置に停止等する状況が生じるように駆動制御することが可能な構成とすることができる。
また、上記構成は、以下のように表現することも可能である。
「前記駆動制御手段は、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記周回体を停止させる場合、周回中の当該周回体の絵柄位置に基づいて当該周回体の前記停止駆動制御を実行する構成であり、
前記特定駆動制御手段は、前記対応絵柄を前記特定位置に停止又は仮停止させる場合、前記周回体が1周するために要する周回期間(総ステップカウンタ)に基づいて、当該対応絵柄を前記特定位置に停止又は仮停止させる構成である」。
特徴eA5.前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合、前記特定演出において、前記特定駆動制御が複数回に亘って実行され得る構成であることを特徴とする特徴eA3又は特徴eA4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出においては、特定位置に停止していた絵柄が再停止される特定駆動制御が複数回に亘って実行され得る構成であり、特定絵柄が停止等されるたびにその喜びを感じさせる等によって演出効果が高められている。その一方で、仮に、特定位置に特定絵柄が停止していないのにもかかわらず、このような特定駆動制御が複数回に亘って実行されるようにしてしまうと、特定絵柄を停止させることができなかった屈辱感や残念感を累積的に味合わせてしまう構成となる。その点、特徴eA3のように特定絵柄が停止していなければ、当該特定駆動制御の実行が制限されるようになることから、特定動作による演出効果を期待するうえでの構成がかえって逆効果となってしまう不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴eA6.前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定駆動制御が実行されるようにする一方、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定駆動制御の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記特定演出が終了する場合、前記周回体が停止又は仮停止する構成であり、
前記特定手段により前記特定駆動制御の実行が制限された場合において、前記特定演出の終了に際して前記周回体が停止又は仮停止する場合、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄が前記特定位置に停止又は仮停止しないように設定されていることを特徴とする特徴eA3乃至特徴eA5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定位置に特定絵柄が停止していないことを理由として、当該特定絵柄を再停止させる特定駆動制御をせっかく制限したのにも関わらず、特定演出の終了に際して周回体を停止等させる場合に、特定位置に特定絵柄が停止していない停止出目が再現されてしまうことが回避される。
特徴eA7.前記特定演出は、前記開始駆動制御が行われた場合と逆方向に各周回体を周回させる動作を含むことを特徴とする特徴eA6に記載の遊技機。
上記構成のように、特定演出では、通常と逆方向に周回体を回転させるようにすることで、特定演出の終了に際しては、一旦、各周回体を停止等させる必要が生じるようになり、特徴eA6の構成を有することの意義が高められる。
特徴eA8.前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、前記特定位置に前記特定絵柄を停止させる旨の指示報知を所定の報知手段にて実行する指示報知手段(表示制御装置81による操作指示演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、指示報知に従って特定位置に特定絵柄を停止等させることに成功した場合には、特定演出において第1対応演出が実行される一方、指示報知に従わなかった場合や、特定位置に特定絵柄を停止等させることに失敗した場合には、特定演出において第2対応演出が実行される。また、特徴eA3では、指示報知に従って特定位置に特定絵柄を停止等させることに成功した場合には、当該特定位置に特定絵柄が再停止する特定駆動制御が実行される一方、指示報知に従わなかった場合や、特定位置に特定絵柄を停止等させることに失敗した場合には、特定位置に特定絵柄が再停止する特定駆動制御の実行が制限される。このようにすることで、特定絵柄を再停止等させることを目標として、指示報知の指示通り操作できるように遊技技能を習得する等、遊技意欲の増進に寄与することができる。
特徴eA9.前記特定演出として、前記周回体を回転させた後、当該回転の前である前状態において前記特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄(第1特定態様、第2特定態様)を当該特定位置又は当該特定位置に対応する位置に停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記周回体の特定駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による第1回転制御処理において第1回転動作を実行する機能)と、
前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定駆動制御が実行されるようにする一方、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定駆動制御の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記実行判定手段は、遊技者にとって有利となる有利事象(ATモードのセット上乗せ)が発生する場合、実行判定の結果が前記特定演出を実行することに対応する結果となる構成であり、
前記特定駆動制御手段による前記特定駆動制御が制限される場合であっても、前記有利事象は発生することを特徴とする特徴eA3乃至特徴eA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出における特定駆動制御の実行が制限された場合であっても、有利事象は発生することから、遊技者の利益を確保しながら特定駆動制御の実行の有無による特徴eA3の効果を得ることができる。
特徴eA10.前記有利事象が発生することに対応する有利報知を実行する有利報知手段(表示制御装置81による第1ループ演出や第2ループ演出を実行する機能)を備え、
前記有利報知手段は、前記特定演出が開始されてから所定期間が経過した場合に前記有利報知を実行可能となることを特徴とする特徴eA9に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利事象が発生することの有利報知は、特定動作が開始されてから所定期間が経過することで実行されるようになることから、仮に、特定絵柄が特定位置に停止していないからといって、特定演出における周回体の動作自体を中止してしまった場合には、有利報知を実行する機会が消失してしまう可能性がある。その点、上記のように特定演出における周回体の動作自体を制限するのではなく特定演出における特定駆動制御を制限することで、有利報知の実行機会を確保することが可能となる。
特徴eA11.前記特定手段は、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合、前記特定駆動制御の前段階として前記周回体を回転させる回転駆動制御の実行も制限することが可能な構成であり、
前記有利報知手段は、前記特定手段により前記特定演出が制限された場合、前記特定演出が開始されていたとした場合において前記所定期間が経過するよりも前となるタイミングで前記有利報知を実行可能となることを特徴とする特徴eA10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出における周回体の動作が制限されるような構成においても、有利報知の実行機会を確保することが可能となる。
特徴eA12.前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定され、且つ、前記特定位置に前記特定絵柄が停止又は仮停止した場合に、遊技者にとって有益となる特定情報を提示する一方、前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合であっても、前記特定位置に前記特定絵柄が停止又は仮停止しなかった場合には、前記特定情報を提示しない又は前記特定位置に前記特定絵柄が停止若しくは仮停止した場合の前記特定情報よりも遊技者にとって有益となりにくい態様にて前記特定情報を提示する特定情報提示手段(表示制御装置81による設定値の示唆としての特別演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を実行することの決定がなされた場合であっても、特定位置に特定絵柄が停止等しなければ特定情報の提示が行われなかったり、停止等した場合よりも有益となりにくい態様にて特定情報の提示が実行されるようになる構成としていることから、特定位置に特定絵柄を停止させることができなかった場合には、特定演出における対応演出が第1対応演出ではなく第2対応演出とされたり特定駆動制御が実行されないようになるだけでなく、上記の特定情報の提示の有無等といった実質的な有利度の差が生じるようになる。このようにすることで、特定位置に特定絵柄を停止させることを可能とする遊技技術の向上を目指すようになる、といったように、遊技意欲の増進に寄与することが可能となる。
特徴eA13.前記対応演出実行手段は、前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である前記周回体についての前記対応演出は、前記第1対応演出手段により前記第1対応演出が実行されるようにし、前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である前記周回体についての前記対応演出は、前記第2対応演出手段により前記第2対応演出が実行されるようにすることが可能であることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、周回体毎に特定位置に特定絵柄が停止しているか否かが判断され、停止している周回体についての対応演出は第1対応演出となり、停止していない周回体についての対応演出は第2対応演出となる。このようにすることで、特定演出がより段階的な演出となり、演出効果が高められるし、特定位置に特定絵柄を停止させることに一部でも成功した場合に、それに応じた演出を行うことが可能となることから、遊技意欲の増進に寄与することも可能となる。
特徴eA14.前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定演出が実行されるようにする一方、前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定演出の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である前記周回体については前記特定演出が実行されるようにする一方、前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である前記周回体については前記特定演出の実行を制限することが可能であることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、周回体毎に特定位置に特定絵柄が停止しているか否かが判断され、停止している周回体については特定演出が実行されるものの、停止していない周回体については特定演出の実行が制限される。このようにすることで、特定演出がより段階的な演出となり、演出効果が高められるし、特定位置に特定絵柄を停止させることに一部でも成功した場合に、それに応じた演出を行うことが可能となることから、遊技意欲の増進に寄与することも可能となる。
特徴eA15.前記特定演出として、前記周回体を回転させた後、当該回転の前である前状態において前記特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄(第1特定態様、第2特定態様)を当該特定位置又は当該特定位置に対応する位置に停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記周回体の特定駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による第1回転制御処理において第1回転動作を実行する機能)と、
前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定駆動制御が実行されるようにする一方、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定駆動制御の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定手段により、前記特定駆動制御の実行が制限された場合とそうではない場合とで、当該特定駆動制御の対象となる前記特定演出の後、各前記周回体の周回を開始させる場合の制御態様を異ならせることが可能な特別手段(主制御装置101によるランダム回転用の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA14のいずれか1に記載の遊技機。
特定位置に特定絵柄を停止させる特定駆動制御を行った場合、特定動作後に遊技を開始させるべく周回体の開始駆動制御を行うと、特定絵柄を視認できる遊技者とそうではない遊技者とで、周回体の停止操作を行ううえでの難易度が異なるようになる等、遊技の公平性が損なわれる可能性がある。そのため、例えば、周回体の回転開始タイミングを異ならせる等して特定の絵柄組合せが揃ったまま回転しないようにする工夫が必要となり得る。
但し、特定駆動制御の実行が制限される場合があり、特定演出を実行したからといって、次の回転開始時に、上記のように回転開始タイミングを異ならせる等の制御を一律に実行するような構成としてしまうと、遊技のスムーズな進行が妨げられるし、処理負荷の増大化も懸念される。
そこで、上記構成では、特定演出において、特定駆動制御の有無によって、次の回転開始時の制御態様を異ならせることが可能な特定手段を備えるようにしたことから、上記のような不都合を生じさせないようにしながら、特定演出による演出効果を好適に得ることが可能となる。
特徴eA16.各前記周回体のうち第1周回体と当該第1周回体とは異なる第2周回体とで、周回を開始させるタイミングを異ならせる特定開始制御を実行可能な手段(主制御装置101によるランダム回転を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特別手段は、前記特定演出において前記特定駆動制御が実行された場合は、当該特定演出の後、各前記周回体の周回を開始させる場合に前記特定開始制御が行われるようにする一方、前記特定演出において前記特定駆動制御が実行されなかった場合は、当該特定演出の後、各前記周回体の周回を開始させる場合に前記特定開始制御が行われないようにすることで、当該特定演出の後、各前記周回体の周回を開始させる場合の制御態様を異ならせることが可能であることを特徴とする特徴eA15に記載の遊技機。
上記構成は特徴eA15の具体的構成であり、特定演出において特定駆動制御を実行した場合には、当該特定演出の後、各周回体の周回を開始させるタイミングが異なるようにする特定開始制御を実行する一方、特定演出において特定駆動制御を実行しなかった場合には、当該特定演出の後、特定開始制御を実行しないようにすることで、遊技の公平性を損なわない範囲で、無駄な処理を省略することが可能となり、特定演出を用いた演出効果を好適に得ることが可能となる。
特徴eA17.前記特定演出は、特定契機(ループ非当選)が生じた場合に当該特定演出が終了される構成であり、
前記特定演出において前記特定駆動制御が実行され、当該特定演出の終了後に前記特定開始制御が行われる場合、最初に周回が開始されてから、最後に周回が開始されるまでに特定期間を要するように設定されており、
前記特定演出において前記特定駆動制御が行われなかった場合、前記特定契機が生じてから前記特定期間が経過するまで当該特定動作が終了されることを待機させる手段(主制御装置101による第2回転制御処理において、総ステップカウンタが「9000」となるまで待機させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA16に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出において特定駆動制御が実行されて特定開始制御が行われる場合と、特定演出において特定駆動制御が実行されずに特定開始制御も行われない場合とで、遊技の進行スピードを合わせることが可能となる。つまり、特定駆動制御の実行の有無では遊技の進行速度は影響がなくなり、このようにすることで、遊技進行をはやるあまり、特定演出において演出上盛り上がる特定駆動制御を鬱陶しく感じさせてしまう、といった本末転倒な構成とならないようにすることが可能となる。
特徴eA18.前記特定演出として、前記周回体を回転させた後、当該回転の前である前状態において前記特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄(第1特定態様、第2特定態様)を当該特定位置又は当該特定位置に対応する位置に停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記周回体の特定駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による第1回転制御処理において第1回転動作を実行する機能)と、
前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定駆動制御が実行されるようにする一方、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定駆動制御の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)と、
前記特定手段により前記特定演出において前記特定駆動制御が実行されないようにされる場合、前記周回体の視認性を前記特定駆動制御が実行される場合よりも低下させる手段(第2補助表示部650)と、
備えていることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定駆動制御の実行が制限される場合には当該特定駆動制御が行われるはずであった周回体が見えにくくなるため、特定駆動制御の実行が制限されていることに気付きにくくなる。よって、特定駆動制御の実行を制限することによる演出効果の低下を抑制することが可能となる。
特徴eA19.前記表示部を含むようにして表示演出を実行可能な表示手段(第2補助表示部650)を備え、
前記表示手段にて前記第2対応演出手段により前記第2対応演出が実行されることにより、前記周回体の視認性が低下することを特徴とする特徴eA18に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2対応演出が表示手段にて実行されることにより、その背後で回転する周回体の動作が見にくくなる。このようにすることで、周回体の視認性が低下することに対して違和感を与えないようにしながら、第2対応演出への注目度を高めることが可能となる。
特徴eA20.前記特定演出として、前記周回体を回転させた後、当該回転の前である前状態において前記特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄(第1特定態様、第2特定態様)を当該特定位置又は当該特定位置に対応する位置に停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記周回体の特定駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による第1回転制御処理において第1回転動作を実行する機能)と、
前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定駆動制御が実行されるようにする一方、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定駆動制御の実行を制限可能な特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定手段は、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定駆動制御の実行を許容することで前記特定演出が第1特定態様にて実行されるようにし、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定駆動制御の実行を制限することで前記特定演出が前記第1特定態様とは異なる第2特定態様にて実行されるようにすることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA19のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定手段により特定駆動制御の実行が制限される場合であっても、特定演出の態様を変えて周回体を用いた演出としての動作自体は実行されることが明確化される。このようにすることで、せっかく特定演出を実行することの決定がなされたのにもかかわらず、特定位置に特定絵柄を停止等させることができなかっただけで特定演出自体が実行されなくなるといった残念な結果とならないようにすることができ、演出バランスの好適化を図ることが可能となる。
特徴eA21.前記第1特定態様と前記第2特定態様とは、前記周回体の回転速度が異なる態様であることを特徴とする特徴eA20に記載の遊技機。
上記構成によれば、回転速度を異ならせるといった、比較的簡素な構成にて特徴eA20の効果を得ることが可能となる。
特徴eA22.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、前記停止駆動制御によって前記所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、当該所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定契機に基づいて、少なくとも前記周回体を用いた遊技演出としての特定演出を実行することの実行判定を行う実行判定手段(主制御装置101による上乗せループ抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、所定の演出手段(補助表示部65)にて対応演出を行うことが可能な対応演出実行手段(表示制御装置81による演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記対応演出実行手段は、
前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される特定位置に停止又は仮停止している絵柄に対応する対応絵柄が特定絵柄である場合、前記対応演出として第1対応演出を実行する第1対応演出手段(表示制御装置81による第1回転演出用処理を実行する機能)と、
前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合、前記対応演出として前記第1対応演出とは異なる第2対応演出を実行する第2対応演出手段(表示制御装置81による第2回転演出用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定演出を第1特定態様にて実行されるようにする一方、前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定演出を前記第1特定態様とは異なる第2特定態様にて実行されるようにする特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた遊技演出である特定演出が行われる場合があるため、周回体を用いて特典の獲得を目指すスロットマシンの遊技性にマッチした演出にて遊技の興趣向上が図られる。
しかも、特定演出が行われる場合に、特定位置に停止等している絵柄が特定絵柄である場合には特定演出は第1特定態様にて実行され、更に所定の演出手段において第1対応演出が実行され、特定位置に特定絵柄とは異なる絵柄が停止等している場合には特定演出は第2特定態様にて実行され、更に所定の演出手段において第2対応演出が実行されるようにしていることから、特定演出の前段階から周回体の停止出目に関心を寄せさせ、特定演出の注目度を向上させることが可能となる。
なお、上記特徴eA22に対して、特徴eA1乃至特徴eA21にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
特徴eA23.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、前記停止駆動制御によって前記所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、当該所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定契機に基づいて、少なくとも前記周回体を用いた遊技演出としての特定動作を含む特定演出を実行することの実行判定を行う実行判定手段(主制御装置101による上乗せループ抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、前記特定動作として、前記周回体を回転させた後、当該回転の前である前状態において前記表示部を介して視認可能な特定位置に停止又は仮停止していた絵柄に対応する対応絵柄(第1特定態様、第2特定態様)が当該特定位置又は当該特定位置に対応する位置に停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記周回体の特定駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による第1回転制御処理において第1回転動作を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、所定の演出手段(補助表示部65)にて対応演出を行うことが可能な対応演出実行手段(表示制御装置81による演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記対応演出実行手段は、
前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が特定絵柄である場合、前記対応演出として第1対応演出を実行する第1対応演出手段(表示制御装置81による第1回転演出用処理を実行する機能)と、
前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合、前記対応演出として前記第1対応演出とは異なる第2対応演出を実行する第2対応演出手段(表示制御装置81による第2回転演出用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄である場合は前記特定駆動制御が実行されるようにする一方、前記前状態において前記特定位置に停止又は仮停止している絵柄が前記特定絵柄とは異なる絵柄である場合は前記特定駆動制御が実行されないようにする特定手段(主制御装置101による第1回転演出フラグではなく第2回転演出フラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた遊技演出である特定動作が行われる場合があり、更に、当該特定動作が行われる場合には、所定の演出手段にて特定動作に応じた対応演出が行われる、といったような特定演出を行うようにしているため、周回体を用いて特典の獲得を目指すスロットマシンの遊技性にマッチした演出にて遊技の興趣向上が図られる。
ここで、特定動作を行ううえでは、当該特定動作前の前状態における絵柄の停止位置によって特定動作の態様を異ならせる等することで特定動作による演出効果を高めることが可能となるものの、このような前状態における絵柄の停止位置によって特定動作を異ならせようとすると、周回体の回転速度や加速度等を絵柄の停止位置等によって異ならせる等、極度に処理負荷が増大化するといった不都合が生じ得る。
その点、上記構成においては、特定動作前の前状態において特定位置に停止又は仮停止していた対応絵柄を当該特定位置に停止又は仮停止させるようにし、前状態における絵柄の停止位置に関わらず、単に、停止又は仮停止している状態から周回体を回転させて同じ絵柄や対応する絵柄をそのまま停止等させるだけとしたうえで、前状態における絵柄の停止位置によって、対応演出を第1対応演出や第2対応演出とし、更に上記の特定位置に特定絵柄が停止していなければ回転後そのまま停止させる特定駆動制御すら制限するようにすることで、特定演出の演出効果を担保しながらも、特定動作を行う上での処理負荷の増大化を好適に抑制することが可能となる。
なお、上記特徴eA23に対して、特徴eA1乃至特徴eA22にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
なお、上記特徴eA1乃至特徴eA23に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴eA1乃至特徴eA23の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA23、特徴eB1乃至特徴eB9、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴eB群>
特徴eB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、前記停止駆動制御によって前記所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、当該所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定契機に基づいて、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置である特定位置(中ラインL2)に、第1特定絵柄(第1特定態様)を停止させることの第1指示報知(第1操作指示演出)を実行可能な第1指示報知手段(表示制御装置81による第1操作指示演出を実行する機能)と、
前記第1指示報知が実行され、前記特定位置に前記第1特定絵柄が停止又は仮停止した場合に、少なくとも前記周回体による特定動作(第1回転動作)を含む第1特定演出を実行する第1特定演出手段(主制御装置101による第1回転制御処理を実行する機能、表示制御装置81による第1停止時演出、第1開始演出、第1ループ演出等を実行する機能)と、
前記第1指示報知が実行され、前記特定位置に前記第1特定絵柄が停止又は仮停止しなかった場合に、前記第1特定演出手段による前記第1特定演出の実行を制限する第1制限手段(主制御装置101による第2回転制御処理を実行する機能、表示制御装置81による第2停止時演出、第2開始演出、第2ループ演出等を実行する機能)と、
所定契機に基づいて、前記特定位置(中ラインL2)に、前記第1特定絵柄とは異なる第2特定絵柄(第2特定態様)を停止させることの第2指示報知(第2操作指示演出)を実行可能な第2指示報知手段(表示制御装置81による第1操作指示演出を実行する機能)と、
前記第2指示報知が実行され、前記特定位置に前記第2特定絵柄が停止又は仮停止した場合に、少なくとも前記周回体による特定動作(第1回転動作)を含む第2特定演出を実行する第2特定演出手段(主制御装置101による第1回転制御処理を実行する機能、表示制御装置81による第3停止時演出、第1開始演出、第1ループ演出等を実行する機能)と、
前記第2指示報知が実行され、前記特定位置に前記第2特定絵柄が停止又は仮停止しなかった場合に、前記第2特定演出手段による前記第2特定演出の実行を制限する第2制限手段(主制御装置101による第2回転制御処理を実行する機能、表示制御装置81による第2停止時演出、第2開始演出、第2ループ演出等を実行する機能)と、
前記第2指示報知が実行され、前記特定位置に前記第1特定絵柄が停止又は仮停止した場合に、少なくとも前記周回体による特定動作(制限動作)を含む第3特定演出を実行する第3特定演出手段(主制御装置101による第1回転制御処理を実行する機能、表示制御装置81による第4停止時演出、第1開始演出、第1ループ演出等を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、特定位置に第1特定絵柄や第2特定絵柄を停止又は仮停止させる第1指示報知や第2指示報知が実行される場合があるようにしていることから、抽選結果に対応する絵柄組合せを停止させて特典を得る遊技性に加えて、第1特定絵柄や第2特定絵柄を狙わせる遊技性も追加され、遊技の多様化が図られる。
しかも、第1指示報知に従って第1特定絵柄を特定位置に停止させると、周回体による特定動作を含む第1特定演出が行われ、第2指示報知に従って第2特定絵柄を特定位置に停止させると、特定動作を含む第2特定演出が行われる一方、これら指示報知が実行された場合であっても対応する特定絵柄を停止させることができなかった場合には、対応する特定演出の実行が制限されるため、自らの停止操作の成否が、周回体による特定動作を含む特定演出によって報知される構成となり、単に表示画面等での演出によって報知される構成と比較して、圧倒的な遊技の満足感を提供することが可能となる。
但し、例えば、遊技者によっては、第2指示報知が実行されたのにもかかわらず、誤って第2特定絵柄ではなく第1特定絵柄を停止させてしまう場面もあると考えられるところ、勘違い等ではあるものの、第1特定絵柄を停止等させる停止操作には成功している。この場合、遊技者は、第1特定絵柄を狙って第1特定絵柄を停止させているのであるから、当該第1特定絵柄が特定位置に停止した際には、自らの操作が成功した歓喜するものと考えられる。つまり、第1特定絵柄を狙っている時点で既に第2指示報知を第1指示報知と勘違いしているのであり、第1特定絵柄が停止した際に、その勘違いに気付くことは困難である。この場合、第2特定絵柄が停止していないからといって、第2特定演出の実行が一律に制限される構成としてしまうと、当該第2特定演出が実行されないことを通じてその勘違いに気付かされる構成となり、遊技者の遊技意欲の低下が懸念される。
そこで、このような場合には、単に第2特定絵柄を狙ったのにもかかわらず第2特定絵柄を停止させることができなかった場面とは異なり、特定動作を含む第3特定演出が行われるようにしたことから、少なくとも第1特定絵柄を停止させたことを労う報知とすることも可能となり、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴eB2.前記特定位置に前記第1特定絵柄が停止した場合よりも、前記特定位置に前記第2特定絵柄が停止した場合のほうが、遊技者にとって有利となり易いように設定されている(第2操作指示演出は80%ループ当選時に実行される)ことを特徴とする特徴eBB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、せっかく有利な側の第2特定絵柄を停止させるチャンスであったのにもかかわらず、誤って第1特定絵柄を停止させてしまった場合には、第2特定演出の実行が制限されるだけではなく、周回体による特定動作を含む第3特定演出が実行されるようになる。よって、第3特定演出を行って遊技者の遊技意欲を持続させることの意義が寄高められる。
特徴eB3.前記駆動制御手段は、回転用情報(通常回転テーブル)を設定する回転用情報設定手段(主制御装置101による回転テーブルを設定する処理を実行する機能)を備え、設定された前記回転用情報に基づいて前記周回体の駆動制御を実行する構成であり、
前記第1特定演出手段により前記第1特定演出が行われる場合、前記特定動作について前記回転用情報設定手段が設定する所定の回転用情報(特別回転テーブル)と、前記第3特定演出手段により前記第3特定演出が行われる場合、前記特定動作について前記回転用情報設定手段が設定する所定の回転用情報と、が共通していることを特徴とする特徴eB1又は特徴eB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1指示報知に基づいて第1特定絵柄を停止させた場合の第1特定演出用の特定動作と、第2指示報知に基づいて誤って前記第1特定絵柄を停止させた場合の第3特定演出用の特定動作と、で設定する回転用情報が共通化されていることから、両特定動作用に別々の回転用情報を設定する構成と比較して、記憶容量の大幅な削減を図ることが可能となる。
なお、「所定の回転用情報」について、具体的には、例えば「一の前記周回体を駆動するために複数の駆動部が設けられており、前記所定の回転用情報は、駆動する駆動部と駆動タイミングが対応付けられている」と限定してもよい。
特徴eB4.前記第1特定演出において実行される前記特定動作の態様(第1回転動作)と、前記第3特定演出において実行される前記特定動作の態様(制限動作)と、が異なるように設定されていることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、同じように第1特定絵柄を特定位置に停止させた場合であっても、第1指示報知が実行されて停止させた正規の場合の第1特定演出と、第2指示報知が実行されて停止させた非正規の場合の第3特定演出と、ではいずれも特定動作を実行するもののその特定動作の態様が異なるようにしたことから、誤って第1特定絵柄を停止させてしまったことを逆なでしない範囲で上記の正規の第1特定絵柄の停止と、非正規の第1特定絵柄の停止とに差を設けることができる。よって、遊技者の遊技意欲の低下を抑制しながら、演出バランスを担保することが可能となる。
特徴eB5.前記駆動制御手段は、所定の回転用情報(通常回転テーブル)を設定する回転用情報設定手段(主制御装置101による回転テーブルを設定する処理を実行する機能)を備え、設定された前記回転用情報に基づいて前記周回体の駆動制御を実行する構成であり、
前記第1特定演出手段により前記第1特定演出が行われる場合、前記特定動作について前記回転用情報設定手段が設定する所定の回転用情報(特別回転テーブル)と、前記第3特定演出手段により前記第3特定演出が行われる場合、前記特定動作について前記回転用情報設定手段が設定する所定の回転用情報と、が共通しており、
前記第1特定演出手段により前記第1特定演出が行われる場合の前記特定動作では、所定タイミングで前記周回体の動作に変化を生じさせる特定制御(主制御装置101による停止指令処理を実行する機能)が実行される一方、前記第3特定演出手段により前記第3特定演出が行われる場合の前記特定動作では、前記所定タイミングで前記特定制御が実行されないことにより、前記第1特定演出において実行される前記特定動作の態様(第1回転動作)と、前記第3特定演出において実行される前記特定動作の態様(制限動作)と、が異なるように設定されていることを特徴とする特徴eB4に記載の遊技機。
上記構成は、特徴eB4を特徴eB3に適用した場合の具体的構成であり、回転用情報を共通化しながらも、特定動作の途中で特定制御が実行されるか否か、といった比較的簡素な構成にて両特定動作の差を設定することが可能となる。
特徴eB6.前記第1特定演出において実行される前記特定動作の態様と、前記第3特定演出において実行される前記特定動作の態様と、が共通するように設定されていることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、同じように第1特定絵柄を特定位置に停止させた場合、第1指示報知が実行されて停止させた正規の場合の第1特定演出と、第2指示報知が実行されて停止させた非正規の場合の第3特定演出と、ではいずれも特定動作を実行し、且つその特定動作の態様が共通するようにし、両特定演出の差は特定動作とは異なる演出として例えば表示演出の差となる。このようにしたことから、誤って第1特定絵柄を停止させてしまったことを逆なでしない範囲で上記の正規の第1特定絵柄の停止と、非正規の第1特定絵柄の停止とに差を設けることができる。よって、遊技者の遊技意欲の低下を抑制しながら、演出バランスを担保することが可能となる。
特徴eB7.所定の演出を実行する演出手段(補助表示部65)を備え、
前記第1特定演出手段は、前記第1特定演出を実行する場合、前記演出手段において第1対応演出(第1停止時演出、第1ループ演出、第1開始演出)を実行可能であり、
前記第2特定演出手段は、前記第2特定演出を実行する場合、前記演出手段において第2対応演出(第3停止時演出、第1ループ演出、第1開始演出)を実行可能であり、
前記第3特定演出手段は、前記第3特定演出を実行する場合、前記演出手段において第3対応演出(第4停止時演出、第2ループ演出、第2開始演出)を実行可能であり、
前記第1対応演出の少なくとも一部が前記第2対応演出と異なるように設定されており、且つ、前記第1対応演出の少なくとも一部が前記第3対応演出と異なるように設定されていることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1指示報知に基づいて第1特定絵柄が停止した場合の第1対応演出と第2指示報知に基づいて第2特定絵柄が停止した場合の第2対応演出との少なくとも一部が異なり、且つ、第1指示報知に基づいて第1特定絵柄が停止した場合の第1対応演出と第2指示報知に基づいて第1特定絵柄が停止した場合の第3対応演出との少なくとも一部が異なるように設定していることから、いずれも周回体による特定動作が行われるにしても、各対応演出がそれぞれ相違するようになり、指示通りに対応する特定絵柄を停止させた場合の演出と、誤って対応しない対応絵柄を停止させてしまった場合の演出とに、遊技者の遊技意欲の低下を招かない範囲で差を設けることが可能となる。よって、演出バランスの好適化を図ることができる。
特徴eB8.前記駆動制御手段は、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記周回体を停止させる場合、周回中の当該周回体の絵柄位置に基づいて当該周回体の前記停止駆動制御を実行する構成であり、
前記駆動制御手段は、前記特定動作を実行する場合、前記周回体を周回させた後、当該特定動作の開始前である前状態にて所定の位置に停止又は仮停止している対応絵柄を、再度、前記所定の位置に停止又は仮停止させることが可能な特定制御手段(主制御装置101による第1回転制御処理において2周回転したタイミングで停止させる処理を実行する機能)を備え、
前記特定制御手段は、前記対応絵柄を前記所定の位置に停止させる場合、当該対応絵柄の絵柄位置に基づかず当該周回体の停止制御を実行する構成であることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させる場合には、周回中の周回体の絵柄位置を把握したうえで、当該絵柄位置に基づいて周回体の停止駆動制御を行うことで、例えば、抽選手段の抽選結果とは対応しない絵柄が有効位置に停止してしまうことを回避することができるし、抽選手段の抽選結果に対応する絵柄を有効位置に停止させるにあたって停止操作手段の操作タイミングが若干ずれていても当該有効位置に停止させる制御(いわゆる滑り制御)を行うことも可能である。
これに対して、特定動作は演出上の回転動作であるから、抽選結果とは関係なく停止させることが可能であり、上記のように周回中の絵柄位置に関わらず停止制御を行うようにすることで、その演出効果を期待するうえでの制御負荷の圧倒的な軽減効果を見込むことが可能となる。
特徴eB9.前記駆動制御手段は、前記特定動作を実行する場合、前記周回体を周回させた後、当該特定動作の開始前である前状態にて所定の位置に停止又は仮停止している対応絵柄を、再度、前記所定の位置に停止又は仮停止させることが可能な特定制御手段(主制御装置101による第1回転制御処理において2周回転したタイミングで停止させる処理を実行する機能)を備え、
前記特定制御手段は、前記対応絵柄を前記所定の位置に停止させる場合、前記周回体が1周するために要する周回期間(総ステップカウンタ)に基づいて、当該対応絵柄を前記所定の位置に停止又は仮停止させることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定絵柄が特定位置に停止している場合であっても、第2特定絵柄が特定位置に停止している場合であっても、特定動作として周回体を周回後に、これら第1特定絵柄や第2特定絵柄を再停止させる場合に、第1特定絵柄や第2特定絵柄が特定位置に到達したことを把握する必要がなく、単に周回体が周回するために要する周回期間の経過に基づいて停止させるだけで、元の対応絵柄(第1特定絵柄や第2特定絵柄)が特定位置に停止するようになり、特定動作を行うにあたっての処理負荷を圧倒的に軽減することが可能となる。
なお、上記特徴eB1乃至特徴eB9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴eB1乃至特徴eB9の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA23、特徴eB1乃至特徴eB9、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴eC群>
特徴eC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、前記停止駆動制御によって前記所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、当該所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定契機に基づいて、少なくとも前記周回体による特定動作を含む特定演出を実行することの実行判定を行う実行判定手段(主制御装置101による上乗せループ抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、前記特定動作が行われるように前記周回体の駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定動作において、前記表示部を介して視認可能な位置である特定位置(中ラインL2)に特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況を生じさせる特定制御を実行可能な特定制御手段(主制御装置101による2周分回転したタイミングでリールの停止指令処理を実行する機能)と、
前記特定動作において前記特定制御が実行された場合と、前記特定動作において前記特定制御が実行されなかった場合とで、当該特定動作の後、各前記周回体の周回を開始させる場合の制御態様を異ならせることが可能な特定手段(主制御装置101によるランダム回転用の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた特定動作を含むが特定演出を行うようにしており、しかも、特定動作においては、特定位置に特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況を生じさせる特定制御が実行される場合があり、単に周回体を回転させるだけではなく、特定の絵柄組合せを演出として出現させることで、周回体を用いた特定動作による演出効果をより高めることが可能となる。
しかし、このように特定位置に特定の絵柄組合せを停止等させた場合、特定動作後に遊技を開始させるべく周回体の開始駆動制御を行った場合、そのまま特定の絵柄組合せが揃ったまま各周回体が回転する可能性があり、このような回転態様を視認できる遊技者とそうではない遊技者とで、周回体の停止操作を行ううえでの難易度が異なるようになる等、遊技の公平性が損なわれる可能性がある。そのため、例えば、周回体の回転開始タイミングを異ならせる等して特定の絵柄組合せが揃ったまま回転しないようにする工夫が必要となり得る。
但し、上記構成における特定動作では、特定の絵柄組合せを停止等させない可能性もあり、特定動作を実行したからといって、次の回転開始時に、上記のように回転開始タイミングを異ならせる等の制御を一律に実行するような構成としてしまうと、遊技のスムーズな進行が妨げられるし、処理負荷の増大化も懸念される。
そこで、上記構成では、特定動作において、特定の絵柄組合せを停止等させる特定制御の実行の有無によって、次の回転開始時の制御態様を異ならせることが可能な特定手段を備えるようにしたことから、上記のような不都合を生じさせないようにしながら、特定の絵柄組合せを停止等させることに伴う遊技の公平性を担保する処置を行うことが可能となり、特定動作による演出効果を好適に得ることができるようになる。
特徴eC2.前記特定制御手段は、前記特定動作の開始前である前状態において前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止している場合、当該特定動作において前記特定制御を実行する一方、前記前状態において前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止していない場合、当該特定動作において前記特定制御を実行しないことを特徴とする特徴eC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作の開始前の前状態での停止出目を、特定制御によってそのまま停止させるだけの制御となり、各周回体の絵柄同士の位置ずれを修正する等の必要が生じないため、特定制御や特定動作自体の制御負荷を大幅に低減することが可能となる。そのうえで、特定動作中の特定制御の有無によって、次の回転開始時の制御態様を異ならせるようにしていることから、全体的に無駄な処理が省略されており、大幅な制御負荷の削減効果を見込むことが可能となる。
特徴eC3.前記特定駆動制御手段は、前記始動操作手段の操作に基づき前記特定動作が行われるように前記周回体の駆動制御を実行可能であり、
前記特定手段は、前記特定動作の開始契機となった前記始動操作手段の操作に基づいて各前記周回体の周回を開始させる場合の制御態様を異ならせることを特徴とする特徴eC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴eC2の構成が、始動操作手段の操作に基づく一のゲームの処理負荷を低減する構成であることが明確化される。このようにすることで、特定動作に続いて通常のゲームも実行され得るような構成において、処理の集中による処理負荷の増大化を好適に回避することが可能となる。
特徴eC4.前記特定動作において前記特定制御が実行された場合、当該特定制御にて前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止した状態で当該特定動作が終了し、
前記特定動作において前記特定制御が実行されなかった場合、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止しないように各前記周回体を停止又は仮停止させた状態で当該特定動作が終了することを特徴とする特徴eC1乃至特徴eC3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定制御が実行された場合には、特定の絵柄組合せが停止等した状態で特定動作が終了し、特定制御が実行されなかった場合には、特定の絵柄組合せとは異なる絵柄組合せが停止等した状態で特定動作が終了する。このような構成だからこそ、特定動作の後、各周回体の回転を開始させようとすると、特定の絵柄組合せが揃った状態で各周回体が周回してしまう事象が生じ易くなるとともに、特定の絵柄組合せが揃った状態で各周回体が周回しないようにもなり、特定動作の後、各周回体の回転開始タイミングを異ならせる等の制御を行う必要がある場合当該制御を行う必要がない場合とが生じ得るようになる。
特徴eC5.前記特定動作は、前記開始駆動制御が行われた場合と逆方向に各周回体を周回させる動作を含むことを特徴とする特徴eC1乃至特徴eC4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、特定動作では、通常と逆方向に周回体を回転させるようにすることで、特定動作の終了に際しては、一旦、各周回体を停止等させる必要が生じるようになり、特徴eC1の構成を有することの意義が高められる。
特徴eC6.各前記周回体のうち第1周回体と当該第1周回体とは異なる第2周回体とで、周回を開始させるタイミングを異ならせる特定開始制御を実行可能な手段(主制御装置101によるランダム回転を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記特定動作において前記特定制御が実行された場合は、当該特定動作の後、各前記周回体の周回を開始させる場合に前記特定開始制御が行われるようにする一方、前記特定動作において前記特定制御が実行されなかった場合は、当該特定動作の後、各前記周回体の周回を開始させる場合に前記特定開始制御が行われないようにすることで、当該特定動作の後、各前記周回体の周回を開始させる場合の制御態様を異ならせることが可能であることを特徴とする特徴eC1乃至特徴eC5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は特徴eC1の具体的構成であり、特定動作において特定の絵柄組合せを停止等させた場合には、当該特定動作の後、各周回体の周回を開始させるタイミングが異なるようにする特定開始制御を実行して特定の絵柄組合せが揃った状態で周回しないようにする一方、特定動作において特定の絵柄組合せを停止等させなかった場合には、当該特定動作の後、特定開始制御を実行しないようにすることで、遊技の公平性を損なわない範囲で、無駄な処理を省略することが可能となり、特定動作を用いた演出効果を好適に得ることが可能となる。
特徴eC7.前記特定動作は、特定契機が生じた場合に当該特定動作が終了する構成であり、
前記特定動作において前記特定制御が実行され、当該特定動作の終了後に前記特定開始制御が行われる場合、最初に周回が開始されてから、最後に周回が開始されるまでに特定期間を要するように設定されており、
前記特定動作において前記特定制御が行われなかった場合、前記特定契機が生じてから前記特定期間が経過するまで当該特定動作が終了されることを待機させる手段(主制御装置101による第2回転制御処理において、総ステップカウンタが「9000」となるまで待機させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eC6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作において特定制御が実行されて特定開始制御が行われる場合と、特定動作において特定制御が実行されずに特定開始制御も行われない場合とで、遊技の進行スピードを合わせることが可能となる。つまり、特定制御の実行の有無では遊技の進行速度は影響がなくなり、このようにすることで、遊技進行をはやるあまり、特定動作において演出上盛り上がる特定制御を鬱陶しく感じさせてしまう、といった本末転倒な構成とならないようにすることが可能となる。
特徴eC8.前記特定動作において前記特定制御が実行された場合、当該特定動作において特定の遊技操作(スタートレバー41の操作)が遊技者により行われることによって、当該特定動作の実行期間が短縮され得る一方、前記特定動作において前記特定制御が実行されなかった場合、当該特定動作において前記特定の遊技操作が遊技者により行われても、当該特定動作の実行期間が短縮されない又は前記特定制御が実行された場合に短縮される期間よりも短い期間が短縮されること(第1回転動作ではスタートレバー41の操作により総ステップカウンタが「8000」となる前に当該第1回転動作が終了する一方、制限動作ではスタートレバー41を操作しても総ステップカウンタが「9000」となるまでは当該制限動作は終了しない)を特徴とする特徴eC1乃至特徴eC7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、特定制御が行われることを前提として特定の遊技動作を行うことで特定動作の実行期間の短縮化を図ることが可能となる構成とすることで、遊技進行を急ぐ遊技者心理を利用して、特定制御が行われることへの期待感を好適に高めることが可能となる。
なお、上記特徴eC1乃至特徴eC8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴eC1乃至特徴eC8の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA23、特徴eB1乃至特徴eB9、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴eD群>
特徴eD1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、前記停止駆動制御によって前記所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、当該所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定の演出を実行する演出手段(補助表示部65)と、
所定契機に基づいて、少なくとも前記周回体による特定動作を含む特定演出を実行することの実行判定を行う実行判定手段(主制御装置101による上乗せループ抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、前記特定動作が行われるように前記周回体の駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
遊技機の異常として特定事象の発生を把握する特定把握手段(主制御装置101による扉開放フラグや電断フラグ、エラーフラグをセットする処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定されてから、前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握されなかった場合、前記特定演出が第1特定態様にて実行されるようにする第1手段(主制御装置101による扉開放フラグや電断フラグ、エラーフラグがセットされていない場合に第1回転動作にて回転動作を行う処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定されてから、前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握された場合、前記特定演出が前記第1特定態様とは異なる第2特定態様にて実行されるようにする第2手段(主制御装置101による扉開放フラグや電断フラグ、エラーフラグがセットされている場合に第2回転動作にて回転動作を行う処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を利用した特定動作を含むが特定演出を行うようにしているため、周回体を用いて特典の獲得を目指すスロットマシンの遊技性にマッチした演出にて遊技の興趣向上が図られる。
しかも、上記構成においては、特定演出を実行することの決定がなされた後、遊技機の異常状態等、通常遊技を実行できない特定事象が発生した場合、特定動作は特定事象が発生しなかった場合の第1特定態様とは異なる第2特定態様にて実行されるように設定されている。遊技機の異常が発生した場合、例えば遊技ホールの管理者による点検等が行われ、この場合、点検に際して周回体に手が触れる等して周回体の位置がずれる可能性がある。そのため、復帰後にそのまま特定演出における特定動作を実行しようとすると、ずれが生じたまま特定動作が実行されてしまうし、当該ずれを解消するために複雑な制御を用意する必要がある。かといって、せっかく特定演出を実行することの決定がなされたのにもかかわらず、当該特定演出自体の実行が制限されてしまうと、たとえ演出上の不実行の決定であっても、遊技者は当該特定演出により得られる利益が消失してしまったと勘違いしてしまう可能性があり、遊技意欲の大幅な低下が懸念される。
そこで上記構成においては、特定演出の実行が決定された後、遊技機の異常等の特定事象が発生した場合、特定演出の態様を異ならせるようにしていることから、特定演出自体の実行が制限されてしまうことによる上記不都合を生じさせないようにすることができる。したがって、特定演出を用いた遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴eD2.前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、当該特定演出を実行することに対応する実行演出を行うことが可能な実行演出手段(表示制御装置81による第1停止時演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記第2手段は、前記実行演出手段による前記実行演出が実行された後、前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握された場合、前記特定演出を前記第2特定態様にて実行されるようにすることを特徴とする特徴eD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は実行演出により特定演出が実行されることを把握しており、このような状況後に、特定事象が生じた場合に特定演出が第1特定態様ではなく第2特定態様にて実行されるようにすることで、特定演出による利益が消失してしまったと勘違いさせてしまう等の不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴eD3.前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、当該特定演出を実行することに対応する実行演出を行うことが可能な実行演出手段(表示制御装置81による第1停止時演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定されてから、前記実行演出手段による前記実行演出が実行される前に、前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握された場合、前記特定演出の実行を制限することが可能な第3手段(第1停止時演出が実行される前に特定事象が発生した場合に、ループ抽選やそれに伴う上乗せを行うだけで、これらの回転演出を実行しないようにする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴eD1又は特徴eD2に記載の遊技機。
上記構成では、実行演出により特定演出が実行されることを遊技者が把握する前で特定事象が生じた場合には、特定演出の実行自体を制限するようにしている。このようにすることで、特定演出が第2特定態様にて実行されて演出上の違和感を与える機会を少なくすることができ、演出バランスの好適化を図ることができる。
特徴eD4.前記実行演出手段は、前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定され、且つ、前記表示部を介して視認可能な位置である特定位置に特定絵柄が停止又は仮停止した場合に、前記実行演出を実行する一方、前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合であっても、前記特定位置に前記特定絵柄が停止又は仮停止しなかった場合には、前記実行演出を実行しない又は前記特定位置に前記特定絵柄が停止若しくは仮停止した場合の前記実行演出の態様とは異なる態様にて前記実行演出を実行することを特徴とする特徴eD2又は特徴eD3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を実行することの決定がなされた場合であっても、特定位置に特定絵柄が停止等しなければ実行演出は実行されなかったり、停止等した場合とは異なる態様にて実行演出が実行されるようになる。つまり、特定位置に特定絵柄を停止させることに成功した場合に正規の実行演出が実行されるような構成となる。このようにすることで、自らの操作によって特定演出が行われることを勝ち取った印象を強く与えることができ、遊技意欲を掻き立てることが可能となる。しかし、このような実行演出が行われたのにもかかわらず、特定事象の発生によって特定演出自体を実行しないようにしてしまうと、単に遊技機側の決定だけで実行演出を実行するような構成よりも、遊技意欲の更なる低下が懸念される。その点、特徴eD1のように、特定演出自体を制限するのではない構成とすることで、遊技の興趣向上を図りながらも、遊技意欲の低下を回避することが可能となる。
特徴eD5.前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、所定の報知手段にて前記特定動作に対応する対応演出を実行する対応演出実行手段(表示制御装置81による回転演出用処理等を実行する機能)を備え、
前記対応演出実行手段は、少なくとも第1対応演出(例えば第1ループ演出や第1開始演出)及び当該第1対応演出とは異なる第2対応演出(例えば第2ループ演出や第2開始演出)を前記対応演出として実行可能であり、
前記第1手段は、前記第1特定態様にて前記特定演出が実行される場合、前記対応演出実行手段により前記第1対応演出が行われるようにし、
前記第2手段は、前記第2特定態様にて前記特定演出が実行される場合、前記対応演出実行手段により前記第2対応演出が行われるようにし、
前記対応演出実行手段は、前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定されてから、前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握されていなくても、前記第2対応演出を前記対応演出として実行可能であることを特徴とするた場合、前記特定演出が前記第1特定態様とは異なる第2特定態様にて実行されるようにする特徴eD1乃至特徴eD4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が発生した場合に対応演出が第1対応演出ではなく第2対応演出にて実行される構成において、第2対応演出は普段から実行され得る演出となり、第2対応演出に切り替わったことの違和感を与えにくくすることが可能となる。
特徴eD6.前記特定駆動制御手段は、前記特定動作として、前記周回体を周回させる第1動作と、当該周回している前記周回体を停止又は仮停止させる第2動作とが行われ得るように前記周回体の駆動制御を実行する構成であり、
前記第1手段は、前記第1動作及び前記第2動作が行われることを前記第1特定態様として前記特定演出における前記特定動作が行われるようにし、
前記第2手段は、前記第1動作は行われる一方前記第2動作は行われないようにすることを前記第2特定態様として前記特定演出における前記特定動作が行われるようにすることを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作として周回体が周回する第1動作と停止する第2動作が行われるような構成において、特定事象が発生した場合には、第1動作は実行されるものの第2動作は実行されないようになる。このようにすることで、例えば周回体を停止させる場合に所定の絵柄を出現させることを第2動作として実行するような構成において、当該所定の絵柄を出現させるうえで特定事象によって絵柄の位置情報が不明となる等して処理負荷が増大化する等の不都合を生じさせないようにしながら、特定動作の制限される範囲を最小限とし、特定事象の発生により第2特定態様にて特定演出が行われる場合であっても特定演出による演出効果を好適に期待することが可能となる。
特徴eD7.前記実行判定手段は、遊技者にとって有利となる有利事象(ATモードのセット上乗せ)が発生する場合、前記特定演出を実行すると決定し得る構成であり、
前記第1手段により前記第1特定態様にて前記特定演出が実行されるようになる場合は、前記有利事象は発生し、
前記第2手段により前記第2特定態様にて前記特定演出が実行されるようになる場合も、前記有利事象は発生することを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象の発生によって特定演出の態様が第1特定態様ではなく第2特定態様となったとしても有利事象は発生することから、遊技者の利益を確保しながら特定事象の発生による遊技演出の不都合を解消することができる。
特徴eD8.前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定され、且つ、前記表示部を介して視認可能な位置である特定位置に特定絵柄が停止又は仮停止した場合に、遊技者にとって有益となる特定情報を提示する一方、前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合であっても、前記特定位置に前記特定絵柄が停止又は仮停止しなかった場合には、前記特定情報を提示しない又は前記特定位置に前記特定絵柄が停止若しくは仮停止した場合の前記特定情報よりも遊技者にとって有益となりにくい態様にて前記特定情報を提示する特定情報提示手段(表示制御装置81による設定値の示唆としての特別演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特定位置に前記特定絵柄が停止又は仮停止しており、且つ、前記第2手段により前記第2特定態様にて前記特定演出が行われる場合、前記特定情報提示手段による前記特定情報の提示が行われる一方、前記特定位置に前記特定絵柄が停止又は仮停止しておらず、且つ、前記第2手段により前記第2特定態様にて前記特定演出が行われる場合、前記特定情報提示手段による前記特定情報の提示が行われないことを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を実行することの決定がなされた場合であっても、特定位置に特定絵柄が停止等しなければ特定情報の提示が行われなかったり、停止等した場合よりも有益となりにくい態様にて特定情報の提示が実行されるようになる構成において、特定事象が発生した場合であっても、特定絵柄を特定位置に停止等させたことによる特定情報の提示を受けることの権利は確保され、特定演出が第1特定態様ではなく第2特定態様として実行された場合であっても特定情報が提示されるようにしたことから、特定演出の制限態様に工夫を設けた特徴eD1の構成において、遊技者の遊技意欲の低下を回避する効果をより高めることが可能となる。
特徴eD9.遊技機に対して前方に開放可能に設けられ、開放されることで前記周回体へのアクセスが許容される一方、閉鎖されることで前記周回体へのアクセスが制限される前面扉(前面扉12)を備え、
前記特定事象には、前記前面扉が開放された事象が含まれていることを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は、特定事象の具体的構成である。
特徴eD10.遊技機に対して電力が供給される電入状態と、電力が供給されない電断状態とを把握する電力把握手段を備え、
前記特定事象は、前記電力把握手段により前記電断状態となったことが把握された事象が含まれていることを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は、特定事象の具体的構成である。
特徴eD11.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、前記停止駆動制御によって前記所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、当該所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定の演出を実行する演出手段(補助表示部65)と、
所定契機に基づいて、少なくとも前記周回体による特定動作を含む特定演出を実行することの実行判定を行う実行判定手段(主制御装置101による上乗せループ抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、前記特定動作が行われるように前記周回体の駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
特定事象の発生を把握する特定把握手段(主制御装置101による扉開放フラグや電断フラグ、エラーフラグをセットする処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定されてから、前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握されなかった場合、前記特定演出が第1特定態様にて実行されるようにする第1手段(主制御装置101による扉開放フラグや電断フラグ、エラーフラグがセットされていない場合に第1回転動作にて回転動作を行う処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定されてから、前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握された場合、前記特定演出が前記第1特定態様とは異なる第2特定態様にて実行されるようにする第2手段(主制御装置101による扉開放フラグや電断フラグ、エラーフラグがセットされている場合に第2回転動作にて回転動作を行う処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を利用した特定動作を含むが特定演出を行うようにしているため、周回体を用いて特典の獲得を目指すスロットマシンの遊技性にマッチした演出にて遊技の興趣向上が図られる。
しかも、上記構成においては、特定演出を実行することの決定がなされた後、遊技機の異常状態等の特定事象が発生した場合、特定動作は特定事象が発生しなかった場合の第1特定態様とは異なる第2特定態様にて実行されるように設定されている。遊技機の異常が発生した場合、例えば遊技ホールの管理者による点検等が行われ、この場合、点検に際して周回体に手が触れる等して周回体の位置がずれる可能性がある。そのため、復帰後にそのまま特定演出における特定動作を実行しようとすると、ずれが生じたまま特定動作が実行されてしまうし、当該ずれを解消するために複雑な制御を用意する必要がある。かといって、せっかく特定演出を実行することの決定がなされたのにもかかわらず、当該特定演出自体の実行が制限されてしまうと、たとえ演出上の不実行の決定であっても、遊技者は当該特定演出により得られる利益が消失してしまったと勘違いしてしまう可能性があり、遊技意欲の大幅な低下が懸念される。
そこで上記構成においては、特定演出の実行が決定された後、遊技機の異常等の特定事象が発生した場合、特定演出の態様を異ならせるようにしていることから、特定演出自体の実行が制限されてしまうことによる上記不都合を生じさせないようにすることができる。したがって、特定演出を用いた遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
なお、上記特徴eD11に対して、特徴eD1乃至特徴eD10にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
なお、上記特徴eD1乃至特徴eD11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴eD1乃至特徴eD11の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA23、特徴eB1乃至特徴eB9、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴eE群>
特徴eE1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、前記停止駆動制御によって前記所定の結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、当該所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定契機に基づいて、少なくとも前記周回体による特定動作を含む特定演出を実行することの実行判定を行う実行判定手段(主制御装置101による上乗せループ抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段により前記特定演出を実行すると決定された場合、前記特定動作として第1特定動作(第1回転動作)及び当該第1特定動作において実行される特定制御が制限された第2特定動作(制限動作)を含む複数の特定動作のうちのいずれかが行われるように前記周回体の駆動制御を実行可能な特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
特定事象の発生を把握する特定把握手段(主制御装置101による扉開放フラグや電断フラグ、エラーフラグをセットする処理を実行する機能)と、
前記特定駆動制御手段により前記第1特定動作が行われている状況で、前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握された場合、実行中の前記第1特定動作が前記第2特定動作として実行されるようにする特定手段(主制御装置101による扉開放フラグや電断フラグ、エラーフラグに基づいて第1回転動作から第2回転動作に切り替える処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を利用した特定動作を含むが特定演出を行うようにしているため、周回体を用いて特典の獲得を目指すスロットマシンの遊技性にマッチした演出にて遊技の興趣向上が図られる。
しかも、上記構成においては、第1特定動作による特定演出を実行している状況下で、特定事象が発生した場合、実行中の第1特定動作が第2特定動作に切り替えられる。第2特定動作は、第1特定動作において実行される特定制御が制限された動作であるところ、このように第1特定動作から第2特定動作への切り替えが行われても、特定制御を除けば、特定動作自体は継続されることになる。このようにすることで、例えば、周回体の脱調等の特定事象が生じた場合に特定動作自体を中止するような構成と比較して、当該特定動作による演出効果を持続させながらも、特定事象を契機として特定動作を再調整する等の複雑な制御を要しない構成とすることができる。よって、特定動作による演出効果を好適に得ることができる。
特徴eE2.前記特定駆動制御手段は、前記第1特定動作又は前記第2特定動作の開始から実行した処理数又は経過した期間に対応する特別情報を把握可能な特別把握手段(総ステップカウンタ)を備え、当該特別把握手段により把握される前記特別情報に応じて前記第1特定動作又は前記第2特定動作の動作態様を設定可能であり、
前記第1特定動作が行われている状況で前記特定把握手段により前記特定事象の発生が把握され、前記特定手段により実行中の前記第1特定動作が前記第2特定動作として実行される場合、前記特定事象の発生前の前記第1特定動作における前記特別情報を利用して、前記特定事象の発生後の前記第2特定動作を実行することを特徴とする特徴eE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定動作から第2特定動作に切り替える場合、特別把握手段により把握される処理数や期間に対応する特別情報を利用することで、第2特定動作の最初から開始されるのではなく、第2特定動作の途中から実行されるようになる。よって、特定動作の切り替えをスムーズに且つ違和感なく実行することが可能となる。
特徴eE3.所定の演出を実行する演出手段(補助表示部65)と、
前記実行判定手段による実行判定の結果が前記特定演出を実行することに対応する結果である場合、前記特定動作に対応する対応演出(第1ループ演出や第1開始演出、第2ループ演出や第2開始演出)が行われるように前記演出手段を制御可能な対応演出実行手段(表示制御装置81による回転演出用処理等を実行する機能)と、
を備え、
前記特定手段により実行中の前記第1特定動作が前記第2特定動作として実行される場合、実行中の前記対応演出が当該第2特定動作に対応する対応演出として実行されるようになることを特徴とする特徴eE1又は特徴eE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作の切り替えに対応させて、演出手段での対応演出の切り替えも行われる。このようにすることで、周回体の特定動作だけが切り替えられることによる演出上の違和感を与えないようにすることができる。
特徴eE4.前記対応演出実行手段は、前記第1特定動作が行われる場合には、前記対応演出として前記第1特定動作に対応する第1対応演出(例えば第1ループ演出や第1開始演出)を実行し、前記第2特定動作が行われる場合には、前記対応演出として前記第2特定動作に対応する第2対応演出(例えば第2ループ演出や第2開始演出)とを少なくとも実行する構成であり、
前記特定手段により実行中の前記第1特定動作が前記第2特定動作として実行される場合、実行中の前記第1対応演出が前記第2対応演出とは異なる第3対応演出(第3ループ演出、第3開始時演出)として実行されるようになることを特徴とする特徴eE3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定動作から第2特定動作に切り替えられる場合、対応演出は、第1対応演出から第2対応演出に切り替えられるのではなく、第1対応演出から第3対応演出に切り替えられるようになる。このようにすることで、切り替えによる演出上の違和感を与えないようにしながらも、切り替えが生じたこと自体は第2特定動作と第3対応演出とのセットの演出によって把握可能となり、不正に特定事象を発生させた場合等を遊技ホールの管理者等が容易に特定することが可能となる。
特徴eE5.前記特定制御は、前記表示部を介して視認可能な位置である特定位置に特定絵柄を停止させる制御であることを特徴とする特徴eE1乃至特徴eE4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、第1特定動作では途中で特定位置に特定絵柄を停止させる特定制御が行われ得る一方、第2特定動作では当該特定位置に特定絵柄を停止させる特定制御は行われないようにしている。このような構成であれば、特定事象が生じた場合に、第1特定動作から第2特定動作に切り替えることで、特定位置に特定絵柄を停止させる制御が行われなくなる。よって、例えば、特定事象として周回体の絵柄位置情報が把握できなくなったりした場合であっても第2特定動作であれば不都合が生じにくくなり、特定事象を契機として特定動作の切り替えを行うことによる効果をより好適に期待できるようになる。
特徴eE6.前記特定事象が発生したことにより、周回中の前記周回体の再加速処理を実行する手段、又は前記特定事象が発生したことにより停止された前記周回体の再加速処理を実行する手段を備えていることを特徴とする特徴eE1乃至特徴eE5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、特定事象が発生した場合に周回体の再加速処理が行われるような構成では、実行中の特定動作をうまく行えなくなる可能性が高く、少なくとも特定制御を含まない第2特定動作に切り替えることで、特定事象による特定動作が実行できなくなる不都合をなるべく生じないようにすることが可能となる。
特徴eE7.前記第2特定動作は、前記周回体の周回を開始させ、定速回転に至った後は、当該第2特定動作の終了まで、当該定速回転を維持するように設定されていることを特徴とする特徴eE1乃至特徴eE6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、定速回転に至った後は、終了までその定速回転を維持するような第2特定動作であれば、例えば、特徴eE6のような再加速処理が行われる場合であっても、再度定速回転に至ればそれが維持されるだけであるため不都合は生じにくい。よって、特徴eE1のように特定動作の途中で特定事象が生じた場合に第2特定動作に切り替えることのメリットを好適に享受することが可能となる。
なお、上記特徴eE1乃至特徴eE7に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴eE1乃至特徴eE7の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA23、特徴eB1乃至特徴eB9、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。また、以上詳述した特徴eA群乃至特徴eE群の各構成に対して、他の特徴a群乃至特徴n群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴f群>
以下の特徴fA群乃至特徴fE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6fの実施形態、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴fA群>
特徴fA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)と、
前記賭数操作手段の賭数操作に基づいて、遊技の賭数の設定処理を実行する賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理において、特定状況(ベット数のエラー、クレジット数のエラーが生じている状況)となっていることを把握可能な把握手段(主制御装置101による第1確認処理や第2確認処理、例えば、ステップSf1915、ステップSf2103、ステップSf2202の処理を実行する機能)と、
前記把握手段により前記特定状況となっていることが把握された場合に、特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による第1修正処理や第2修正処理、例えば、ステップSf1916、ステップSf2106、ステップSf2107、ステップSf2205、ステップSf2206の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の賭数操作が行われると賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が賭数に応じて実行され、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、賭数の設定処理において異常が生じている特定状況となっている場合には特定処理が実行される。賭数の設定処理における異常としては、例えば正規の賭数とは異なる賭数が設定されてしまった状況や、賭数自体は正規の賭数として設定されたものの、賭数とクレジット数の減少数とが異なっていた状況等が想定され、このような状況が生じると、異なる賭数によって遊技の抽選が行われてしまったり、クレジット数の差異によって遊技者又は遊技ホールに不利益が発生したりしてしまう。更に、賭数が異なると、例えば、所定の賭数にて遊技を行わせ、当該所定の賭数とは異なる賭数にて遊技させないことで実現される遊技性が台無しになってしまう可能性がある。そこで、上記のように、異常発生時に特定処理を実行するようにしていることから、賭数の設定処理に際する異常に起因する各種不都合を生じさせないようにして、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
特徴fA2.遊技状態として、第1遊技状態(内部状態)と第2遊技状態(非内部状態、BB状態)とが設定されており、
前記賭数設定手段は、前記第1遊技状態において所定の前記賭数操作手段による賭数操作が行われた場合、第1賭数(3)が今回の遊技の賭数として設定された状態とする一方、前記第2遊技状態において所定の前記賭数操作手段による賭数操作が行われた場合、前記第1賭数とは異なる第2賭数(2)が今回の遊技の賭数として設定された状態とするものであり、
前記把握手段は、前記第1遊技状態において所定の前記賭数操作手段の賭数操作に基づく前記賭数の設定処理により前記第2賭数が設定された状態となっている場合に前記特定状況であると把握可能であり、前記第2遊技状態において所定の前記賭数操作手段の賭数操作に基づく前記賭数の設定処理により前記第1賭数が設定された状態となっている場合に前記特定状況であると把握可能な手段(主制御装置101による第1確認処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1に記載の遊技機。
遊技状態に応じて賭数が異なるような構成においては、異常の賭数となっていても他の遊技状態であればそれは正規の賭数であることから、異常の賭数となっていても遊技者は気付きにくく、そのまま遊技を継続してしまう可能性が高い。そこで、上記構成では、遊技状態に応じた賭数となっていない場合に異常(特定状況)であると把握されるようにしていることから、異常の賭数となったまま遊技が行われてしまうことによる不都合を回避させることが可能となり、遊技者の利益を担保することができる。
特徴fA3.前記賭数設定手段により第1賭数(3)が設定された状況で前記抽選手段による抽選が実行可能であり、前記賭数設定手段により前記第1賭数とは異なる第2賭数が設定された状況で前記抽選手段による抽選が実行可能であり、
所定の前記賭数操作手段の賭数操作に基づく前記賭数の設定手段により前記第1賭数が設定される状況において、前記把握手段は、所定の前記賭数操作手段の賭数操作に基づく前記賭数の設定処理により前記第2賭数が設定された状態となっている場合に前記特定状況であると把握する一方、所定の前記賭数操作手段の賭数操作に基づく前記賭数の設定処理により前記第1賭数が設定された状態となっている場合に前記特定状況であると把握しない手段(主制御装置101による内部状態において投入上限カウンタに3を入力したうえで、投入後ベットカウンタが投入上限カウンタと等しいか否かの判定を行う機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1又は特徴fA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数と第2賭数とはいずれも抽選手段による抽選が可能な正規の賭数であるような構成において、所定の賭数操作手段の操作によって第1賭数が設定される状況であるのにもかかわらず、第2賭数が設定されている場合には異常であると把握される。このようにすることで、正規の賭数であっても賭数の設定処理によって異なる賭数が設定されてしまった場合に、それが異常として特定処理が行われるようにしたことから、第1賭数にて遊技を行おうとしたのにもかかわらず第2賭数にて遊技を行わせてしまうことに起因する不都合を回避させることが可能となる。
特徴fA4.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定結果(第2BB)であり、当該特定結果に対応する絵柄組合せが前記有効位置に停止することで当該特定結果に対応する特典を付与する構成であり、
前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第1賭数である場合には前記特定結果に対応する絵柄組合せが前記有効位置に停止することを制限する一方、前記第2賭数である場合には前記特定結果に対応する絵柄組合せが前記有効位置に停止することを許容する手段(主制御装置101による3ベットゲームでは第2BB入賞を制限する一方、2ベットゲームでは第2BB入賞を許容する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA2又は特徴fA3に記載の遊技機。
上記構成は、第1賭数であれば特定結果の入賞が成立しない一方、第2賭数であれば特定結果の入賞が成立し得る構成であり、第2賭数ではなく第1賭数にて遊技を行うことで特定結果の入賞を成立させないまま進行する遊技を実現可能となる。このような遊技性において、第1賭数にて遊技を行おうと所定の賭数操作手段を操作したのにもかかわらず、第1賭数ではなく第2賭数が設定されてしまった場合、上記の特定結果の入賞を回避する遊技性が台無しとなってしまう。そこで、上記特徴fA2や特徴fA3のように、第1賭数を設定すべき状況で第2賭数となっていることを異常として把握するようにしたことで、かかる遊技性を実現するうえでの障壁を好適に排除することが可能となる。
特徴fA5.前記賭数設定手段は、予め定められた上限数(3)の賭数を上限として前記賭数の設定処理を実行する構成であり、
前記把握手段は、前記賭数の設定手段によって前記上限数よりも大きい数の賭数が設定されている状況を前記特定状況として把握する手段(主制御装置101による投入後ベットカウンタが4以上となっている場合に第1修正処理を実行するようにする機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、上限よりも多い数の賭数が設定されている状況では異常として把握されることから、その後の抽選手段による抽選が行われる場合に、当該抽選が実行できずに遊技が中止されてしまったり、強制的に外れ結果となってしまったりする事象を好適に回避することが可能となる。
特徴fA6.前記賭数設定手段は、予め定められた下限数(2)の賭数を下限として前記賭数の設定処理を実行する構成であり、
前記把握手段は、前記賭数の設定処理によって前記下限数よりも小さい数の賭数が設定されている状況を前記特定状況として把握する手段(主制御装置101による投入後ベットカウンタが1以下となっている場合に第1修正処理を実行するようにする機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、下限よりも少ない数の賭数が設定されている状況では異常として把握されることから、その後の抽選手段による抽選が行われる場合に、当該抽選が実行できずに遊技が中止されてしまったり、強制的に外れ結果となってしまったりする事象を好適に回避することが可能となる。
特徴fA7.前記賭数設定手段は、所定の前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、予め定められた特定数の賭数が設定された状態となるように前記賭数の設定処理を実行する構成であり、
前記把握手段は、前記特定数とは異なる賭数が設定された状態となっている状況を前記特定状況として把握する手段(主制御装置101による投入後ベットカウンタが投入上限カウンタの値と等しいことの判定を行う機能)を備え、
前記特定処理手段は、前記特定処理として前記特定数が設定された状態となるようにする処理を実行する手段(主制御装置101による投入後ベットカウンタに投入上限カウンタの値を入力する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数の賭数が設定された状態とするように所定の賭数操作手段の賭数操作が行われたのにもかかわらず、その特定数の賭数が設定された状態となっていなければ、それが異常として把握され、特定数の賭数が設定された状態とするように特定処理が実行される。このようにすることで、より確実に特定数の賭数が設定された状態となるようにすることができ、賭数が異なることによる不都合の発生を好適に回避させることが可能となる。
特徴fA8.前記賭数設定手段は、前記賭数が前記特定数とは異なる第1数(0)である状況で所定の前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、前記特定数の賭数が設定された状態となるように前記賭数の設定処理を実行し、前記賭数が前記特定数及び前記第1数とは異なる第2数(1)である状況で所定の前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、前記特定数の賭数が設定された状態となるように前記賭数の設定処理を実行する構成であることを特徴とする特徴fA7に記載の遊技機。
上記構成は、特定数の賭数が設定された状態とするように所定の賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、その賭数操作の前に設定されている賭数によって、設定される賭数は異なり、特定数との差分が賭数として設定される構成である。このような構成においては、所定の賭数操作手段の賭数操作が行われる度に、今回追加して設定する賭数を算出する処理が必要となり、かかる算出処理によってエラーが生じ易くなる。したがって、このような構成に対して特徴fA1の構成を適用することによって、特徴fA1の効果がより好適に奏されるようになる。
特徴fA9.前記賭数設定手段は、
賭数用の数値情報(投入後ベットカウンタ)に今回の賭数に対応する数を入力することで前記賭数の設定処理を実行する構成であり、
所定の前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、前記賭数用の数値情報に入力されれている数と、予め定められた特定数との差分を演算し、当該演算の結果を前記賭数用の数値情報に加算することで、前記特定数の賭数が設定された状態とするようにする手段(主制御装置101による投入用カウンタの算出を行い、投入用カウンタを投入後ベットカウンタに加算する処理を実行する機能)を備え、
前記把握手段は、前記賭数用の数値情報に入力された数が前記特定数ではない状況を前記特定状況として把握する手段(主制御装置101による投入後ベットカウンタが投入上限カウンタの値と等しいことの判定を行う機能)を備え、
前記特定処理手段は、前記特定処理として前記賭数用の数値情報に前記特定数を入力することで前記特定数の賭数が設定された状態となるようにする処理を実行する手段(主制御装置101による投入後ベットカウンタに投入上限カウンタの値を入力する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA7又は特徴fA8に記載の遊技機。
上記構成は特徴fA7の具体的構成である。
特徴fA10.遊技に用いる各種情報を記憶可能な記憶手段(ROM105、RAM106)を備え、
前記記憶手段は、
記憶されている情報を書き換え可能な第1記憶手段(RAM106)と、
記憶されている情報を書き換え不能な第2記憶手段(ROM105)と、
を有し、
前記特定処理手段は、前記第2記憶手段に記憶されている情報を用いて、前記特定処理を実行することを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常が生じた場合には書き換え不能な第2記憶手段に記憶されている情報を用いて異常に対する特定処理を行うようにしていることから、賭数の設定処理の最中に書き換えられる等した情報を用いて異常に対する特定処理を行うよりも、当該異常が解消される可能性が高くなる。つまり、仮に賭数の設定処理によって書き換えられた情報を用いて異常に対する特定処理を行うようにしてしまうと、当該賭数の設定処理の正規な書き換えとは異なり、ノイズ等で異常な値に書き換えられた情報を用いて特定処理を行う可能性もあり、特定処理を行っても異常が解消されない場合も生じ得る。そこで、上記構成のようにすることで、異常を好適に解消する特定処理とすることが可能となる。
なお、上記構成は以下の構成を限定することで、第2記憶手段に記憶されている情報を用いて特定処理を行うことの意義がより明確化される。
「前記賭数設定手段は、前記第1記憶手段に記憶されている情報を用いて前記賭数の設定処理を実行する構成である」。
特徴fA11.予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)を備え、
前記賭数設定手段は、前記賭数操作手段が操作された場合に前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値を用いて、前記賭数の設定処理を実行する仮想賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理におけるクレジットからベットを行う処理を実行する機能)を備え、
前記把握手段は、前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理によって設定される賭数と、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されていた前記仮想遊技価値の数の減少数とを比較する比較手段(主制御装置101による第2確認処理において投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分とベットされた数とを比較する処理、例えばステップSf2103やステップSf2202の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所謂クレジットとしての仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値を用いて賭数の設定が行われる構成において、賭数の設定処理によって設定された賭数と、仮想遊技価値の数の減少数とを比較する処理を行うことで異常としての特定状況の把握が行われるようになるため、設定した賭数よりも多い数の仮想遊技価値を仮想遊技価値記憶手段から減少してしまったり、少ない数の仮想遊技価値を減少してしまったりする異常を好適に特定することが可能となる。よって、賭数の設定処理によってクレジット数に異常が生じたことによる遊技者や遊技ホールの被り得る被害をより好適に回避させるようにすることができる。
特徴fA12.前記仮想賭数設定手段は、所定の前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、予め定められた特定数と前記賭数操作が行われる前の賭数との差分を演算し、当該演算の結果(投入用カウンタ)を前記前の賭数に加算することで、前記特定数の賭数が設定された状態となるように前記賭数の設定処理を実行する構成であり、
前記比較手段は、前記特定数と前記賭数操作が行われる前の賭数との差分を演算し、当該演算の結果(第2差分カウンタ)と、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されていた前記仮想遊技価値の数の減少数とを比較する構成であることを特徴とする特徴fA11に記載の遊技機。
上記構成によれば、比較手段は、賭数の設定処理において特定数と賭数操作が行われる前の賭数との差分を算出する処理を再度行ってその算出結果を用いて、クレジットの減少数との比較を行うようにしていることから、仮に賭数の設定処理において特定数と賭数操作が行われる前の賭数との差分を算出する処理において異常が生じていた場合であっても、その異常を好適に特定状況として把握できる可能性が高くなる。
特徴fA13.前記特定処理手段は、前記比較手段による比較結果が、前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理によって設定される賭数よりも、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されていた前記仮想遊技価値の数の減少数の方が多い結果である場合、その差分を前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値の数に加算する処理を前記特定処理として実行する加算手段(主制御装置101による投入後クレジットカウンタに差分を加算する処理、例えばステップSf2106やステップSf2205の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA11又は特徴fA12に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮想遊技価値記憶手段から今回の賭数よりも多く減算してしまった場合には、その差分が特定処理によって戻される。このようにすることで、所謂クレジットが正規の数よりも少なくなってしまうことによる遊技者の不利益を生じさせないようにすることができる。
特徴fA14.前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値の精算を行う精算手段(主制御装置101による貯留メダル精算処理を実行する機能)を備え、
前記精算手段は、前記加算手段により加算された分の前記仮想遊技価値を除いて前記精算を行うことが可能な手段(主制御装置101による精算不可カウンタの分を除いて精算を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA13に記載の遊技機。
上記構成によれば、加算手段によって仮想遊技価値記憶手段に加算された分の仮想遊技価値は精算が不可となることから、加算手段による加算が行われ得る構成を利用して、仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を不正に増加させようとする不正行為が行われた場合であっても、かかる不正行為による増加分の精算が制限され、不正行為の実効性を失わせることが可能となる。
特徴fA15.前記加算手段により加算された分の前記仮想遊技価値を用いて前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理が行われた場合、遊技者にとって有利な特典を付与することが可能な手段(表示制御装置81による精算不可カウンタの消化時に特別報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA13又は特徴fA14に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常としての特定状況となり、特定処理として仮想遊技価値を戻す処理が実行された場合、戻された分の仮想遊技価値を用いて遊技が行われる場合に、特典が付与され得るようになることから、異常が生じて特定処理が行われることによって、通常の遊技進行と比較して何らかの不都合が生じる場合であっても、それによる遊技意欲の低下を上記特典によってうまく補うことが可能となる。
特徴fA16.前記特定処理手段は、前記比較手段による比較結果が、前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理によって設定される賭数の方が、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されていた前記仮想遊技価値の数の減少数よりも多い結果である場合、その差分を前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値の数から減算する処理を前記特定処理として実行する減算手段(主制御装置101による投入後クレジットカウンタから差分を減算する処理、例えばステップSf2107やステップSf2206の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA11乃至特徴fA15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮想遊技価値記憶手段から今回の賭数よりも少ない数しか減算しなかった場合には、その差分が特定処理によって減算される。このようにすることで、所謂クレジットが正規の数よりも多くなってしまうことによる遊技ホールの不利益を生じさせないようにすることができる。
特徴fA17.前記特定処理手段による前記特定処理が行われる場合、前記賭数操作手段による賭数操作の実行を制限することが可能な制限手段(主制御装置101によるメダル受付を禁止する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、把握手段により異常発生の特定状況が把握されており、特定処理手段によってその異常を対処しようとしているのにもかかわらず、新たな賭数操作が行われることによって更なる異常が生じてしまうことを好適に回避することが可能となる。
特徴fA18.前記特定処理手段は、所定の前記賭数操作手段の操作に基づいて前記特定処理を実行することが可能な手段(主制御装置101による第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作に基づいて修正処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、賭数の設定処理により生じた異常が、遊技機側の一方的な処理ではなく、遊技者の操作によって解消されて正規の賭数に設定される等の特定処理が実行される、といった構成となる。このようにすることで、異常を解消する処理とはいっても、賭数の設定が遊技者の介入なく行われることを回避することができる。しかも、上記構成のようにすることで、異常が生じたことを遊技者も把握することが可能となり、遊技ホールの管理者に報告する等、異常による遊技ホール側の対処を促すこともできるし、異常が生じないようにより慎重な遊技操作が行われることも期待できるようになる。
特徴fA19.前記特定処理手段は、前記把握手段により前記特定状況となっていることが把握された場合、再度、前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理が行われるようにする再処理手段(例えば、主制御装置101によるステップSf2808にて否定判定した後の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、賭数の設定処理によって異常が生じた場合、当該賭数の設定処理の前の状態に戻す処理が行われる。この場合、再度賭数の設定処理を行えば、当該異常が解消される可能性もあり、比較的簡素な構成で賭数の設定処理による異常を対処することが可能となる。
特徴fA20.前記再処理手段により、前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理が行われる場合、前記把握手段により前記特定状況となっていることが把握された契機となった前記賭数の設定処理が行われる前の状態に戻す処理を実行する手段(例えば、主制御装置101によるステップSf2809及びステップSf2910の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA19に記載の遊技機。
上記構成によれば、再度賭数の設定処理が行われる場合、先の設定処理の前の状態に戻されることから、再度の賭数の設定処理においては、前回の設定処理との関係性を考慮することなく、そのまま設定処理を行えばよく、処理構成の圧倒的な簡素化が図られる。
特徴fA21.前記特定処理手段は、前記賭数の設定処理が実行されてから当該賭数の設定処理による異常に対応するための対応処理が行われるまでの期間、又は当該賭数の設定処理の契機となった賭数操作の次の遊技操作が行われるまでの期間を担保する手段(例えば、主制御装置101によるベット時効果音を特別ベット時効果音として出力したり、第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づいて第2修正処理が行われるようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA20のいずれか1に記載の遊技機。
賭数の設定処理により異常が生じる場合とは、遊技機の周囲で電波等が発せられた等によってノイズが生じたり、遊技者による遊技操作が連続して実行されることにより処理待ちが生じたりすることが一の原因として挙げられる。そこで、上記構成においては、異常が生じている状況であることが特定された場合、当該異常に対応する対応処理や、遊技者による次の遊技操作のタイミングが、当該異常が生じた設定処理のタイミングと所定期間隔てたものとなるように担保される。このようにすることで、対処処理の実行時には電波等の不都合が解消されていることが期待できたり、遊技者による連続操作による処理の重複が解消されることも期待でき、異常に対して好適に対処することが可能となる。
特徴fA22.遊技に用いる各種情報を記憶可能な記憶手段(ROM105、RAM106)を備え、
前記特定処理手段は、前記記憶手段に記憶されている情報の確認処理を実行する手段(例えば、主制御装置101によるステップSf2617の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA21のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、賭数の設定処理により異常が生じた場合、遊技に用いる各種情報の確認処理が行われるため、異常の原因の特定が可能となるほか、賭数の設定処理により生じた異常によって、別の異常が生じていることも特定することが可能となる。
特徴fA23.前記特定処理手段により前記特定処理が実行される場合、所定の報知手段により特別報知を実行可能な特別報知手段(表示制御装置81による第1特別ベット時効果音や第2特別ベット時効果音を出力させる機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA22のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常が生じたことを遊技者や遊技ホールの管理者が把握することが可能となり、異常による遊技ホール側の対処が可能となるし、異常が生じないようにより慎重な遊技操作が行われることも期待できるようになる。また、特別報知によって遊技者の手が止まり、特定処理の実行に際して新たな操作情報が入力されないといったメリットも期待でき、特定処理によって異常が解消される可能性を高めることができる。
なお、上記特徴fA1乃至特徴fA23における「特定処理」について、「前記特定状況を解消するための特定処理」や「前記異常を解消するための特定処理」や、「前記特定状況を解消することの処理を含む特定処理」や「前記異常を解消することの処理を含む特定処理」等と表現してもよい。
なお、上記特徴fA1乃至特徴fA23に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴fA1乃至特徴fA23の各構成に対して、特徴fA1乃至特徴fA23、特徴fB1乃至特徴fB14、特徴fC1乃至特徴fC8、特徴fD1乃至特徴fD14、特徴fE1乃至特徴fE11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴fB群>
特徴fB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)と、
遊技の賭数を設定するための操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57)と、
前記賭数操作手段が操作された場合に、遊技の賭数の設定処理を実行する賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記賭数設定手段は、前記賭数操作手段が操作された場合に前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値を利用して賭数の設定処理を実行する仮想賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理における第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作に基づくベットを行うための処理を実行する機能)を備え、
前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理において設定される賭数と、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の減少数とを比較する比較手段(主制御装置101による第2確認処理において投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分とベットされた数とを比較する処理、例えばステップSf2103やステップSf2202の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の賭数操作が行われると賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が賭数に応じて実行され、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、所謂クレジットとして仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値を用いて賭数の設定処理が行われる場合、賭数の設定処理により設定された賭数と、仮想遊技価値の減少数とを比較する比較手段を備えていることから、設定した賭数よりも多い数の仮想遊技価値を仮想遊技価値記憶手段から減少してしまったり、少ない数の仮想遊技価値を減少してしまったりする異常を好適に特定することが可能となる。よって、賭数の設定処理によってクレジット数に異常が生じたことも把握することが可能となり、遊技者や遊技ホールの被り得る被害を好適に回避させるようにすることができる。
なお、上記の「比較手段」は、以下のように表現してもよい。
「前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理において設定される賭数が、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の減少数であるかを判定する判定手段(主制御装置101による第2確認処理において投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分とベットされた数とを比較する処理、例えばステップSf2103やステップSf2202の処理を実行する機能)」。
特徴fB2.前記比較手段による比較結果が、前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理において設定される賭数と、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の減少数とが異なるとする結果である場合、特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による第2修正処理、例えば、ステップSf2106、ステップSf2107、ステップSf2205、ステップSf2206等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、設定した賭数よりも多い数の仮想遊技価値を仮想遊技価値記憶手段から減少してしまったり、少ない数の仮想遊技価値を減少してしまったりする異常が特定された場合、その異常が生じていることを報知したり出力したり、その異常を修正したりする特定処理が実行される。これにより、かかる異常を好適に対処することが可能となる。
特徴fB3.前記特定処理手段は、前記比較手段による比較結果が、前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理によって設定される賭数よりも、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されていた前記仮想遊技価値の数の減少数の方が多い結果である場合、その差分を前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値の数に加算する処理を前記特定処理として実行する加算手段(主制御装置101による投入後クレジットカウンタに差分を加算する処理、例えばステップSf2106やステップSf2205の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮想遊技価値記憶手段から今回の賭数よりも多く減算してしまった場合には、その差分が加算手段によって戻される。このようにすることで、所謂クレジットが正規の数よりも少なくなってしまうことによる遊技者の不利益を生じさせないようにすることができる。
特徴fB4.前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値の精算を行う精算手段(主制御装置101による貯留メダル精算処理を実行する機能)を備え、
前記精算手段は、前記加算手段により加算された分の前記仮想遊技価値を除いて前記精算を行うことが可能な手段(主制御装置101による精算不可カウンタの分を除いて精算を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB3に記載の遊技機。
上記構成によれば、加算手段によって仮想遊技価値記憶手段に加算された分の仮想遊技価値は精算が不可となることから、加算手段による加算が行われ得る構成を利用して、仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を不正に増加させようとする不正行為が行われた場合であっても、かかる不正行為による増加分の精算が制限され、不正行為の実効性を失わせることが可能となる。
特徴fB5.前記仮想賭数設定手段は、前記加算手段により加算された分の前記仮想遊技価値を、前記加算手段により加算されていない分の前記仮想遊技価値よりも先に前記賭数の設定処理に用いることが可能な手段(主制御装置101によるベット時に精算不可カウンタの分を優先して消化する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB3又は特徴fB4に記載の遊技機。
上記構成によれば、加算手段により加算された分の仮想遊技価値がいつまでも残存している、といった事象を生じさせにくくすることが可能となる。よって、仮想遊技価値数の異常を解消しながらも、正規に投入された等した遊技価値とは異なる不安定な遊技価値がなるべく存在しないようにすることができるし、特徴fB4のように精算不可とするような構成において、いつまでも遊技を終了することができないといった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴fB6.前記加算手段により加算された分の前記仮想遊技価値を用いて前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理が行われた場合、遊技者にとって有利な特典を付与することが可能な手段(表示制御装置81による精算不可カウンタの消化時に特別報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB3乃至特徴fB5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮想遊技価値数の異常が発生して特定処理として仮想遊技価値を戻す処理が実行された場合、戻された分の仮想遊技価値を用いて遊技が行われる場合に、特典が付与され得るようになることから、異常が生じて特定処理が行われることによって、通常の遊技進行と比較して何らかの不都合が生じる場合であっても、それによる遊技意欲の低下を上記特典によってうまく補うことが可能となる。
特徴fB7.前記賭数設定手段により前記賭数の設定処理が行われた場合、設定された賭数に対応する賭数報知を所定の報知手段にて実行する賭数報知手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
前記加算手段により加算された分の前記仮想遊技価値を用いて前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理が行われた場合とそうでない場合とで、前記賭数報知手段による前記賭数報知の態様を異ならせることが可能な手段(表示制御装置81による通常ベット時効果音、第1特別ベット時効果音や第2特別ベット時効果音を出力する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴fB3乃至特徴fB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、加算手段により加算された分の仮想遊技価値が消化されたことを賭数報知の態様から遊技者は把握することが可能となる。よって、正規に投入された等した遊技価値とは異なる不安定な遊技価値が存在しない状況となることを把握でき、安心して遊技を楽しませることが可能となる。
特徴fB8.前記特定処理手段は、前記比較手段による比較結果が、前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理によって設定される賭数の方が、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されていた前記仮想遊技価値の数の減少数よりも多い結果である場合、その差分を前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値の数から減算する処理を前記特定処理として実行する減算手段(主制御装置101による投入後クレジットカウンタから差分を減算する処理、例えばステップSf2107やステップSf2206の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB2乃至特徴fB7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮想遊技価値記憶手段から今回の賭数よりも少ない数しか減算しなかった場合には、その差分が減算手段によって減算される。このようにすることで、所謂クレジットが正規の数よりも多くなってしまうことによる遊技ホールの不利益を生じさせないようにすることができる。
特徴fB9.前記特定処理手段は、遊技者による所定の遊技操作に基づいて、前記特定処理を実行することを特徴とする特徴fB2乃至特徴fB8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば特徴fB3のように差分を仮想遊技価値数に加算したり、特徴fB8のように差分を仮想遊技価値数から減算したりする構成において、遊技者の遊技操作を介して加算や減算が行われるようになる。このようにすることで、仮想遊技価値数の修正用の特定処理とはいえ、遊技者の介在無しにその数が変化する事象を生じさせないようにすることができ、遊技の透明性を担保することが可能となるし、その変化する事象を逆手に取った不正行為を行いにくくすることも可能となる。
特徴fB10.前記特定処理手段は、前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理の契機となった前記賭数操作手段が、再度操作されたことに基づいて前記特定処理を実行することを特徴とする特徴fB9に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常が生じた場合に再度同じ賭数操作を行わせることでその修正が行われるようになる。よって、異常が生じた賭数操作と修正が行われる賭数操作とが関連付けられ、遊技の透明性がより向上する。
特徴fB11.前記仮想賭数設定手段は、所定の前記賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56)の賭数操作が行われた場合、予め定められた特定数(3)と前記賭数操作が行われる前の賭数との差分を算出し、当該算出結果(投入用カウンタ)を前記前の賭数に加算することで、前記特定数の賭数が設定された状態となるように前記賭数の設定処理を実行する構成であり、
前記比較手段は、前記特定数と前記賭数操作が行われる前の賭数との差分を算出し、当該算出結果(第2差分カウンタ)と、前記仮想遊技価値記憶手段における前記仮想遊技価値の数の減少数とを比較する構成であることを特徴とする特徴fB1乃至特徴fB10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、比較手段は、賭数の設定処理において特定数と賭数操作が行われる前の賭数との差分を算出する処理を再度行って、その算出結果を用いて、クレジットの減少数との比較を行うようにしていることから、仮に賭数の設定処理において特定数と賭数操作が行われる前の賭数との差分を算出する処理において異常が生じていた場合であっても、その異常を好適に特定状況として把握可能となる可能性を高くすることができる。
特徴fB12.前記仮想賭数設定手段は、所定の前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、予め定められた所定数(1)の前記仮想遊技価値が賭数として設定されるように前記賭数の設定処理を実行する構成であり、
前記比較手段は、前記仮想遊技価値記憶手段における前記仮想遊技価値の数の減少数が前記所定数であるかを判定する構成であることを特徴とする特徴fB1乃至特徴fB11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、予め定められた所定数の仮想遊技価値が賭数として設定される構成においては、仮想遊技価値の減少数が所定数であるかを判定することで正しい仮想遊技価値数が仮想遊技価値記憶手段から減算されたか否かを把握することが可能である。よって、比較的簡素な構成にて賭数の設定処理において仮想遊技価値数の異常を特定することができる。
特徴fB13.前記比較手段による比較結果が、前記仮想賭数設定手段による前記賭数の設定処理において設定される賭数と、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の減少数とが異なるとする結果である場合、特別報知を実行する特別報知手段(主制御装置101による第2修正処理、例えば、ステップSf2106、ステップSf2107、ステップSf2205、ステップSf2206等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB1乃至特徴fB12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮想遊技価値数の減少数に異常が生じたことを特別報知によって遊技者は把握可能となる。これにより、当該異常を遊技ホールの管理者に報告する等して適切な対処を受けることが可能であるし、異常を生じさせないようにより慎重な遊技操作が行われるようになることにも期待が持てる。
特徴fB14.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)と、
遊技の賭数を設定するための操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57)と、
前記賭数操作手段が操作された場合に前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値を利用して賭数の設定処理を実行する賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理における第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作に基づくベットを行うための処理を実行する機能)と、
前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理の前の第1情報(投入前ベットカウンタ、投入前クレジットカウンタ)と、前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理の後の第2情報(投入後ベットカウンタ、投入後クレジットカウンタ)と、を比較する比較手段(主制御装置101による第2確認処理において投入前ベットカウンタと投入上限カウンタとの差分を算出する処理や、投入前クレジットカウンタと投入後クレジットカウンタとの差分を算出する処理、例えば、ステップSf2101やステップSf2102の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の賭数操作が行われると賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が賭数に応じて実行され、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、所謂クレジットとして仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値を用いて賭数の設定処理が行われる場合、賭数の設定処理の前の賭数や仮想遊技価値の数といった第1情報と、賭数の設定処理の後の賭数や仮想遊技価値の数といった第2情報と、を比較する比較手段を備えていることから、設定した賭数が設定予定の賭数となっていないことや、設定した賭数とは異なる数の仮想遊技価値を仮想遊技価値記憶手段から減少してしまっていることによる異常を好適に特定することが可能となる。よって、賭数の設定処理の異常により、遊技者や遊技ホールの被り得る被害を好適に回避させるようにすることができる。
なお、上記特徴fB14に対して、特徴fB1乃至特徴fB13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
なお、上記特徴fB1乃至特徴fB14に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴fB1乃至特徴fB14の各構成に対して、特徴fA1乃至特徴fA23、特徴fB1乃至特徴fB14、特徴fC1乃至特徴fC8、特徴fD1乃至特徴fD14、特徴fE1乃至特徴fE11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴fC群>
特徴fC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)と、
前記賭数操作手段の賭数操作に基づいて、遊技の賭数の設定処理を実行する賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数設定手段は、予め定められた特定数の賭数が設定された状態となるように前記賭数の設定処理を実行する特定賭数設定手段(例えば、主制御装置101によるステップSf1908~ステップSf1920の処理を実行する機能)を備え、
前記特定賭数設定手段は、
前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、当該賭数操作の前の賭数と、前記特定数との差分を演算し、現状の賭数を示す賭数情報(投入後ベットカウンタ)に対して前記演算の結果を加算することで前記特定数の賭数が設定された状態とする第1手段(主制御装置101による投入用カウンタに基づくベットを行う処理を実行する機能)と、
前記賭数操作手段の賭数操作が行われた場合、前記特定数を前記賭数情報に入力することで前記特定数の賭数が設定された状態とする第2手段(主制御装置101による第1修正処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の賭数操作が行われると賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が賭数に応じて実行され、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、特定数の賭数が設定された状態となるように設定する場合、賭数操作の前の賭数と、特定数との差分を演算し、その演算結果を賭数情報に加算することで特定数の賭数が設定された状態とするといったように、どれくらいの遊技価値が賭数として設定されたかが把握可能となる第1手段と、賭数情報に対して特定数を直接入力することで特定数の賭数が設定された状態とするといった、第1手段のように要した遊技価値は把握できないものの、より簡素で確実に特定数の賭数が設定された状態とすることが可能な第2手段とを備えていることから、例えば、状況に応じて第1手段と第2手段とを使い分けるようにしたり、第1手段にて処理を行い、仮にその処理にてエラーが発生した場合には、今度は第2手段のように直接的な処理を行うようにする等、賭数の設定処理における利便性や確実性を向上させることが可能となる。
特徴fC2.前記第1手段による前記賭数の設定処理が実行された後、前記第2手段による前記賭数の設定処理が実行されるようにする特定手段(主制御装置101による第1確認処理にてエラーが発生していると確認された場合に第1修正処理が行われるようにする機能)を備えていることを特徴とする特徴fC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1手段にて詳細な処理を行い、その後により確実な第2手段による処理が控える構成となり、賭数の設定処理における利便性や確実性を向上させる手助けとすることが可能となる。
特徴fC3.前記特定手段は、前記第1手段による前記賭数の設定処理が実行された後、予め定められた特定状況となっている場合、前記第2手段による前記賭数の設定処理が実行されるようにする一方、前記特定状況となっていない場合、前記第2手段による前記賭数の設定処理は実行されないようにすることが可能であることを特徴とする特徴fC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1手段による処理の後、特定状況となっていれば第2手段による処理が実行される一方、特定状況となっていなければ第2手段による処理は実行されないため、第1手段による処理の意義が担保されるし、第2手段による強制的な賭数の設定が行われる頻度を低くすることも可能となる。
特徴fC4.前記特定状況は、前記特定数の賭数が設定されていない状況であることを特徴とする特徴fC3に記載の遊技機。
上記構成は、特徴fC3の具体的構成である。
特徴fC5.予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)と、
前記第1手段により前記演算の結果が前記賭数情報に加算される場合、当該演算の結果に対応する数を、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値から減算する処理を実行する第3手段(主制御装置101による投入用カウンタの値を投入後クレジットカウンタから減算する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴fC1乃至特徴fC4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所謂クレジットとしての仮想遊技価値から賭数の設定を行う場合、第1手段のように現状の賭数と特定数との差分だけが利用されることから、不必要な分まで仮想遊技価値が利用されてしまう不都合を回避することができる。
特徴fC6.前記第2手段は、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値を利用せずに前記賭数の設定処理を実行することを特徴とする特徴fC5に記載の遊技機。
上記構成によれば、現状の賭数と特定数との差分を演算することなく賭数の設定を行う第2手段は、クレジットとしての仮想遊技価値を利用しないようにしていることから、例えば仮想遊技価値記憶手段に仮想遊技価値が記憶されていなくても特定数の賭数の設定が可能であるし、そもそも仮想遊技価値が必要数あるかを確認したりする処理すら実行することなく賭数の設定が可能となる。よって、賭数の設定処理において余分な処理が排除され、かかる処理によるエラーの発生を極力排除することが可能となる。
特徴fC7.予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)と、
前記第2手段による前記賭数の設定処理の後、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている前記仮想遊技価値の数を調整することが可能な第4手段(主制御装置101による第2修正処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴fC1乃至特徴fC6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、強制的に特定数を賭数情報に入力する第2手段による賭数の設定処理の後、所謂クレジットとしての仮想遊技価値の数の調整処理が行われることから、第2手段による賭数の設定処理における正確性のメリットを抹殺することなく、仮想遊技価値の利用分の調整を行うことが可能となる。
特徴fC8.遊技に用いる各種情報を記憶可能な記憶手段(ROM105、RAM106)を備え、
前記記憶手段は、
記憶されている情報を書き換え可能な第1記憶手段(RAM106)と、
記憶されている情報を書き換え不能な第2記憶手段(ROM105)と、
を有し、
前記第1手段が利用する前記賭数操作の前の賭数と、前記特定数との差分の前記演算の結果と、は前記第1記憶手段に記憶されており、
前記第2手段が利用する前記特定数の情報は、前記第2記憶手段に記憶されていることを特徴とする特徴fC1乃至特徴fC7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1手段による賭数の設定処理は書き換え可能な第1記憶手段に記憶された情報を用いることから利便性が向上し、第2手段による賭数の設定処理は書き換え不能な第2記憶手段に記憶された情報を用いることから確実性が向上し、両手段による特性がより際立ったものとされる。
なお、上記特徴fC1乃至特徴fC8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴fC1乃至特徴fC8の各構成に対して、特徴fA1乃至特徴fA23、特徴fB1乃至特徴fB14、特徴fC1乃至特徴fC8、特徴fD1乃至特徴fD14、特徴fE1乃至特徴fE11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴fD群>
特徴fD1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)と、
前記賭数操作手段の賭数操作に基づいて、遊技の賭数の設定処理を実行する賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)を備え、
前記賭数設定手段は、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値を利用して前記賭数の設定処理を実行可能な構成であり、
第1契機に基づいて、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を増加させる処理を実行可能な第1増加手段(例えば、主制御装置101による払出判定処理や、メダル投入監視処理を実行する機能)と、
前記第1契機とは異なる第2契機に基づいて、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を増加させる処理を実行可能な第2増加手段(例えば、主制御装置101によるステップSf2106やステップSf2205の処理を実行する機能)と、
前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の精算を行う精算手段(主制御装置101による貯留メダル精算処理を実行する機能)と、
前記第1増加手段により増加された分の仮想遊技価値については前記精算手段による精算が行われることを許容する一方、前記第2増加手段により増加された分の仮想遊技価値については前記精算手段による精算が行われることを制限する制限手段(主制御装置101によるステップSf3102~ステップSf3107の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の賭数操作が行われると賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が賭数に応じて実行され、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、所謂クレジットとしての仮想遊技価値記憶手段が設けられており、例えば、特典付与や遊技価値の投入といったように仮想遊技価値の数が所定数を上限として増加し得るため、これらの仮想遊技価値を利用して賭数の設定処理を行う等、遊技を進行させるうえでの利便性を向上させることが可能となる。そのうえで、仮想遊技価値の増加が第1契機に基づいて行われたものであればその仮想遊技価値の精算を行うことが可能であるものの、仮想遊技価値の増加が第2契機に基づいて行われたものであればその仮想遊技価値の精算が制限されるようにしていることから、同じように遊技に使用できる仮想遊技価値であっても優劣を生じさせることが可能となる。このようにすることで、付与する仮想遊技価値の数が同じであっても、実質的な価値を異ならせることができ、仮想遊技価値を利用した遊技性や利便性の向上を図ることが可能となる。
特徴fD2.遊技価値を投入可能な遊技価値投入手段(メダル投入口45)を有し、
前記遊技価値投入手段から遊技価値が投入された場合、前記第1契機として、前記第1増加手段により前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数が前記投入された遊技価値の数だけ増加され得る構成であることを特徴とする特徴fD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、現実の遊技価値が投入されて仮想遊技価値として記憶される場合、当該仮想遊技価値は精算可能なものとして記憶されるようになる。このようにすることで、現実の遊技価値を仮想遊技価値に変換してしまっただけで、再度、現実の遊技価値に戻す(精算する)ことができなくなってしまう、という不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴fD3.前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理が行われる場合に、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を減算する減算手段(主制御装置101による投入後クレジットカウンタから投入用カウンタの値等を減算する処理を実行する機能)を備え、
前記第2増加手段は、前記第2契機が生じた場合、前記減算手段により減算した仮想遊技価値の数の全部又は一部について、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を増加させる処理を実行可能であることを特徴とする特徴fD1又は特徴fD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、賭数の設定処理に利用された仮想遊技価値を、第2契機に基づいて戻す(減算された分を増加させる)処理が行われた場合、当該戻した分の仮想遊技価値については精算が不可とされる。このように、遊技者による賭数操作といった既に利用の意思が示されている分については、精算を不可としても遊技者の不利益にはつながりにくい。そこで、当該戻した分を精算不可とすることで、かかる増加処理を逆手にとって仮想遊技価値の数を不正に増やす行為が行われたとしても、それを現実の仮想遊技価値とすることができなくなり、当該不正な行為を行わせにくくすることができる。
特徴fD4.前記賭数操作手段による賭数操作に基づき前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理が行われる場合に利用されるべき仮想遊技価値の数(第2差分カウンタ)と、前記減算手段により減算された仮想遊技価値の数(第1差分カウンタ)と、を比較する比較手段(主制御装置101による第2確認処理を実行する機能)を備え、
前記比較手段による比較結果が、前記利用されるべき仮想遊技価値の数と、前記減算された仮想遊技価値の数と、が異なる数であるとする結果である場合、前記第2契機が生じたとして前記第2増加手段による処理が実行され得る構成であることを特徴とする特徴fD3に記載の遊技機。
本来であれば、賭数の設定処理にて利用されるべき仮想遊技価値の数と、減算される仮想遊技価値の数とは等しいはずであるところ、これらが異なる場合とは、余分に減算してしまった場合や、少なく減算してしまった場合が考えられる。そこで、上記構成では、このように仮想遊技価値の減算時にエラーが生じている場合には、第2契機として減算された分の全部又は一部を戻すようにすることで、かかるエラーに対処することが可能となる。そして、このようにイレギュラーで戻された仮想遊技価値については、精算を不可とすることで、意図的にイレギュラーを生じさせる不正行為等を行わせにくくすることができる。
特徴fD5.前記制限手段により、前記精算手段による精算が行われることが制限される仮想遊技価値の数が前記所定数よりも多くならないようにする上限手段(主制御装置101による精算不可カウンタを優先して消化するようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fD1乃至特徴fD4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、精算することができない仮想遊技価値が記憶上限である所定数を超過しないようになっているため、精算できないはずなのにもかかわらず、例えば、特典として遊技価値が付与される場合に遊技価値が仮想遊技価値としてではなく遊技価値として付与されてしまう、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴fD6.前記上限手段は、前記賭数設定手段により仮想遊技価値を利用した前記賭数の設定処理が行われる場合、前記第2増加手段により増加された仮想遊技価値を優先して利用するようにすることで、前記所定数よりも多くならないようにすることが可能であることを特徴とする特徴fD5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2増加手段により増加された分の仮想遊技価値は優先して消化されるようになるため、比較的簡素な構成にて仮想遊技価値記憶手段の記憶上限を超過しないようにすることが可能となる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記賭数設定手段により仮想遊技価値を利用した前記賭数の設定処理が行われる場合、前記第2増加手段により増加された仮想遊技価値を優先して利用するようにすることで、前記所定数よりも多くならないようにすることが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴fD1乃至特徴fD5のいずれか1に記載の遊技機」。
特徴fD7.前記制限手段により、前記精算手段による精算が行われることが制限される仮想遊技価値が前記賭数設定手段による前記賭数の設定処理に利用される場合、遊技者にとって有利な特典を付与することが可能な手段(表示制御装置81による精算不可カウンタの消化時に特別報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fD1乃至特徴fD6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、精算ができない分の仮想遊技価値が遊技の賭数に利用される場合、遊技者にとって有利な特典が付与され得るようになることから、同じように遊技に利用できる仮想遊技価値であっても、精算ができるものとできないものとの差を消化時の特典付与によってうまく補うことが可能となる。
特徴fD8.前記賭数設定手段は、前記第1増加手段により増加された仮想遊技価値を前記賭数の設定処理にて利用可能であり、且つ前記第2増加手段により増加された仮想遊技価値を前記賭数の設定処理にて利用可能であることを特徴とする特徴fD1乃至特徴fD7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように限定することで、第1増加手段による仮想遊技価値と第2増加手段による仮想遊技価値とが、同じように賭数の設定処理に利用可能であるものの、精算の可否のみ差がある構成であることがより明確化される。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよく又は以下の限定を追加してもよい。
「前記抽選手段は、前記第1増加手段により増加された仮想遊技価値を利用する場合と、前記第2増加手段により増加された仮想遊技価値を利用する場合とで、共通の当選確率となるように前記抽選を実行することが可能な構成である」。
特徴fD9.前記第2増加手段により増加された分の仮想遊技価値の精算が前記制限手段により制限される場合、特別報知を実行可能な特別報知手段(主制御装置101によるステップSf3107の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fD1乃至特徴fD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、精算手段による仮想遊技価値の精算を行わせたのにもかかわらず、制限手段によりその精算が制限されたことを遊技者に知らしめることが可能となり、仮想遊技価値が残存しているままで遊技を終了してしまうことによる遊技者の不利益を生じさせないようにすることができる。
特徴fD10.前記特典付与手段は、前記特典として仮想遊技価値を付与することが可能であり、
前記第2増加手段は、前記特典付与手段により仮想遊技価値が付与されることを前記第2契機として仮想遊技価値の数を増加させることが可能であることを特徴とする特徴fD1乃至特徴fD9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の結果として付与される特典の一部又は全部が、精算不可とされる仮想遊技価値として付与されるようになる。このようにすることで、遊技価値を遊技の賭数として設定し、その遊技の特典として遊技価値を得る遊技性において、獲得する遊技価値が精算不可とされるか否かといった点も含めて遊技を楽しませることが可能となり、これまでにない斬新な遊技性を創出することができる。
特徴fD11.前記抽選手段による抽選結果が第1結果(例えば、第7小役や第8小役)であって、当該第1結果に対応する第1特典が前記特典付与手段により付与される場合、前記第1契機として前記第1増加手段による仮想遊技価値の数が増加され得る構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果(例えば、第9小役~第32小役)であって、当該第2結果に対応する第2特典が前記特典付与手段により付与される場合、前記第2契機として前記第2増加手段による仮想遊技価値の数が増加され得る構成であることを特徴とする特徴fD10に記載の遊技機。
上記構成によれば、当選する(入賞する)結果によって、精算可能な仮想遊技価値が付与されるか、それとも精算不可な仮想遊技価値が付与されるかが異なるようになる。よって、特徴fD10の遊技性を利用して、これまで以上に抽選結果や入賞結果への注目度を向上させることが可能となる。
特徴fD12.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が特別結果(例えば、第1小役~第6小役)である場合、特別数(13)の遊技価値又は仮想遊技価値を付与可能な構成であり、
前記特典付与手段により前記特別結果に対応する特典が付与される場合、前記特別数のうちの一部の仮想遊技価値を前記第2増加手段による増加対象とさせる手段(主制御装置101による第1小役入賞~第6小役入賞時に13枚のうち3枚に対応する3を精算不可カウンタに加算する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fD10又は特徴fD11に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2増加手段により増加される仮想遊技価値の数が特別結果入賞時に付与される仮想遊技価値の数に限定されなくなり、精算が不可とされる仮想遊技価値が増加する場面を増やしながらも、精算不可とする仮想遊技価値によって付与される遊技価値や仮想遊技価値の数が制限される事象を回避することが可能となる。
特徴fD13.前記第2増加手段により増加された仮想遊技価値の数が特定数となった場合に、遊技者にとって有利な特典を付与することが可能な手段(例えば主制御装置101によるステップSf3453の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fD1乃至特徴fD12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、精算ができない分の仮想遊技価値の数が特定数となった場合、遊技者にとって有利な特典が付与され得るようになることから、精算不可とされる仮想遊技価値が付与され得る構成を利用して、当該精算不可とされる仮想遊技価値を如何に貯めるかといった遊技性を実現することが可能となり、新たな遊技性の創出に貢献することができる。
特徴fD14.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技の賭数を設定するための賭数操作が行われる賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、メダル投入口45)と、
前記賭数操作手段の賭数操作に基づいて、遊技の賭数の設定処理を実行する賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、前記賭数設定手段により設定された賭数に応じて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた所定数を上限として仮想遊技価値を記憶する仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)を備え、
前記賭数設定手段は、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値を利用して前記賭数の設定処理を実行可能な構成であり、
第1契機に基づいて、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を増加させる処理を実行可能な第1増加手段(例えば、主制御装置101による払出判定処理や、メダル投入監視処理を実行する機能)と、
前記第1契機とは異なる第2契機に基づいて、前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値の数を増加させる処理を実行可能な第2増加手段(例えば、主制御装置101によるステップSf2106やステップSf2205の処理を実行する機能)と、
前記第1増加手段により増加された分の仮想遊技価値と、前記第2増加手段により増加された分の仮想遊技価値とで、同じ仮想遊技価値の数であっても有利度を異ならせることが可能な手段(主制御装置101によるステップSf3102~ステップSf3107の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、賭数操作手段の賭数操作が行われると賭数が設定され、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が賭数に応じて実行され、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、所謂クレジットとしての仮想遊技価値記憶手段が設けられており、例えば、特典付与や遊技価値の投入といったように仮想遊技価値の数が所定数を上限として増加し得るため、これらの仮想遊技価値を利用して賭数の設定処理を行う等、遊技を進行させるうえでの利便性を向上させることが可能となる。そのうえで、仮想遊技価値の増加が第1契機に基づいて行われたものと、仮想遊技価値の増加が第2契機に基づいて行われたものとで、同じように遊技に使用できる仮想遊技価値であっても有利度が異なり得るようにしていることから、付与する仮想遊技価値の数が同じであっても、実質的な価値を異ならせることができ、仮想遊技価値を利用した遊技性や利便性の向上を図ることが可能となる。
なお、上記特徴fD14に対して、特徴fD1乃至特徴fD13にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
なお、上記特徴fD1乃至特徴fD14に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴fD1乃至特徴fD14の各構成に対して、特徴fA1乃至特徴fA23、特徴fB1乃至特徴fB14、特徴fC1乃至特徴fC8、特徴fD1乃至特徴fD14、特徴fE1乃至特徴fE11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴fE群>
特徴fE1.遊技者による遊技開始用の操作に基づき一の遊技が開始され、遊技者による遊技終了用の操作に基づき当該一の遊技の結果に応じた特典が付与される遊技機であって、
遊技者による特定の操作に基づいて、予め定められた第1情報(投入用カウンタ)を当該第1情報とは異なる第2情報(投入上限カウンタ、投入前ベットカウンタや投入前クレジットカウンタ)を利用して設定する特定設定手段(主制御装置101による投入用カウンタを算出する処理を実行する機能)と、
前記特定設定手段により設定された前記第1情報を用いて、予め定められた特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による投入用カウンタを用いて投入後ベットカウンタに加算したり投入後クレジットカウンタから減算したりする処理を実行する機能)と、
前記特定処理手段による処理結果を、少なくとも前記第2情報を用いて確認することが可能な確認手段(主制御装置101による第1確認処理や第2確認処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者が遊技開始用の操作を行って一の遊技を開始し、遊技終了用の操作を行うことでその遊技が終了するとともにその遊技における特典が付与される遊技機において、特定の操作に基づいて、第2情報を用いて第1情報を設定し、当該設定した第1情報を利用して特定処理が行われ、その特定処理の結果の確認を、第1情報ではなく第2情報を用いて行うようにしていることから、特定処理の結果の正確性を向上させることができる。より詳しくは、元データとしての第2情報自体を用いて特定処理を実行しようとすると、特定処理の処理構成が複雑化され易く、第2情報から第1情報に変換したうえで特定処理を実行することで特定処理自体の処理エラーを抑制することができる。そのうえで、仮に、特定処理の結果の確認を第1情報にて行う構成とすると、第2情報から第1情報への変換ミスが発生していた場合、かかる確認にてエラーを見逃してしまう可能性がある。そこで、上記構成においては、第1情報ではなく第2情報を用いて特定処理の結果の確認を行う構成としていることから、確認処理の精度が高まり、これらを通じて特定処理の正確性を向上させることが可能となる。
特徴fE2.前記確認手段は、前記特定設定手段により設定された前記第1情報を利用せずに前記確認を実行可能であることを特徴とする特徴fE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴fE1が第2情報から第1情報への変換ミスを見逃したまま確認処理が行われてしまうことを回避する構成であることがより明確化される。
特徴fE3.遊技に用いる各種情報を記憶可能な記憶手段(ROM105、RAM106)を備え、
前記記憶手段は、
記憶されている情報を書き換え可能な第1記憶手段(RAM106)と、
記憶されている情報を書き換え不能な第2記憶手段(ROM105)と、
を有し、
前記第1情報は前記第1記憶手段に記憶されており、
前記第2情報は前記第2記憶手段に記憶されていることを特徴とする特徴fE1又は特徴fE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、書き換え不能な第2情報を書き換え可能な第1情報に変換したうえで特定処理に利用することで、特定処理の実行時のノイズ等によって、もとのデータ(第2情報)が書き換わってしまう事象を回避することが可能となる。そのうえで、特定処理の結果の確認についても、書き換え不能な第2情報を用いることから、特定処理の正確性をより好適に向上させることが可能となる。
特徴fE4.遊技状態として第1遊技状態(内部状態)と第2遊技状態(非内部状態、BB状態)とが設定されており、
前記特定設定手段は、前記第1遊技状態では前記第2情報のうちの第1対応情報(特定規定枚数=3)を利用して前記第1情報の設定を行い、前記第2遊技状態では前記第2情報のうちの第2対応情報(特定規定枚数=2)を利用して前記第1情報の設定を行う構成であり、
前記確認処理は、前記第1遊技状態では前記第1対応情報を利用して前記確認を行い、前記第2遊技状態では前記第2対応情報を利用して前記確認を行うことを特徴とする特徴fE1乃至特徴fE3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技状態に応じて元データとしての第2情報が異なるため、その第2情報を直接利用するのではなく第1情報に変換してから特定処理を行うようにすることによる、特定処理の処理構成を簡素化する効果がより高められる。
特徴fE5.前記確認手段による確認の結果が、異常が生じているとの結果である場合、修正処理を実行可能な手段(主制御装置101による第1修正処理や第2修正処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fE1乃至特徴fE4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、確認手段により異常が生じていることが確認された場合にその異常が放置されることなく、対処を行うことが可能となり、特定処理による確認を行うことの意義を好適に高めることが可能となる。
特徴fE6.前記特定設定手段は、予め定められた第3情報(投入前ベットカウンタ)が前記第2情報(投入上限カウンタ)となるまでの差分の情報を前記第1情報(投入用カウンタ)として設定する構成であり、
前記特定処理手段は、前記第1情報を利用して前記第3情報を第4情報(投入上限カウンタに相当する値)とすることを前記特定処理として実行する手段(主制御装置101による投入用カウンタを投入後ベットカウンタの値に加算する処理を実行する機能)を備え、
前記確認手段は、前記第4情報が前記第2情報となっていることを前記確認として実行可能な手段(主制御装置101による第1確認処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fE1乃至特徴fE5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第3情報と第2情報との差分を第1情報として設定し、その第1情報を第3情報に加算等することで第4情報としたうえで、当該第4情報が第2情報となっているかの確認が行われる構成となる。このようにすることで、第3情報と第2情報との差分の算出や、第1情報を用いて第3情報を第4情報とする処理において、ノイズ等によるエラーが発生して各情報が書き換えられてしまった場合に、確認処理によってそれまでの処理が正確に行われていたかが確認される。よって、特定処理の正確性をより向上させることが可能となる。
特徴fE7.前記確認手段による確認の結果が、前記第4情報が前記第2情報となっていないとの結果である場合、前記第4情報に前記第2情報を入力する処理を実行可能な手段(主制御装置101による第1修正処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fE6に記載の遊技機。
上記構成によれば、確認手段より第4情報が第2情報となっていないと確認された場合、第4情報に第2情報を入力する構成としている。このようにすることで、再度第1情報を設定する等して、再度のエラーを生じさせないようにすることができ、第4情報を用いた遊技をより好適に実行させることが可能となる。
特徴fE8.前記特定設定手段は、予め定められた第3情報(投入前ベットカウンタ)が前記第2情報(投入上限カウンタ)となるまでの差分の情報を前記第1情報(投入用カウンタ)として設定する構成であり、
前記特定処理手段は、予め定められた第4情報(投入前クレジットカウンタ)から前記第1情報を減算して第5情報(投入後クレジットカウンタが今回のベット数だけ減算された値)とすること前記特定処理として実行する手段(主制御装置101による投入後クレジットカウンタから投入用カウンタを減算する処理を実行する機能)を備え、
前記確認手段は、前記第4情報と前記第5情報との差分が、前記第2情報と前記3情報との差分であることを前記確認として実行可能な手段(主制御装置101による第2確認処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fE1乃至特徴fE7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第3情報と第2情報との差分を第1情報として設定し、その第1情報を第4情報から減算して第5情報としたうえで、当該第4情報と第5情報との差分が第2情報と第3情報との差分となっているかの確認が行われる構成となる。このようにすることで、第3情報と第2情報との差分の算出や、第4情報から第1情報を減算する処理において、ノイズ等によるエラーが発生して各情報が書き換えられてしまった場合に、確認処理によってそれまでの処理が正確に行われていたかが確認される。よって、特定処理の正確性をより向上させることが可能となる。
特徴fE9.前記確認手段による確認の結果が、前記第4情報と前記第5情報との差分と、前記第2情報と前記3情報との差分とが異なるとの結果である場合、両差分の差に基づいて前記第5情報を修正する処理を実行可能な手段(主制御装置101による第2修正処理における加算処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fE8に記載の遊技機。
上記構成によれば、確認手段より第4情報と第5情報との差分と、第2情報と第3情報都の差分とが異なる結果である場合、両差分に基づいて第5情報の修正処理が行われる。このようにすることで、第5情報を用いた遊技をより好適に実行させることが可能となる。
特徴fE10.前記第1情報及び前記第2情報は、遊技に用いられ得る遊技価値の数を示す情報であることを特徴とする特徴fE1乃至特徴fE9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技に利用される遊技価値の数を示す情報を変換したりする処理における正確性を向上させることが可能となり、特徴fE1の構成を備えることの意義が竹目られるし、遊技の公平性を好適に担保することが可能となる。
特徴fE11.遊技者による遊技開始用の操作に基づき一の遊技が開始され、遊技者による遊技終了用の操作に基づき当該一の遊技の結果に応じた特典が付与される遊技機であって、
遊技者による特定の操作に基づいて実行される特定処理において、又は当該特定処理の結果を利用する処理において異常が生じたことを特定する特定手段(主制御装置101による第1確認処理や第2確認処理を実行する機能)と、
前記特定手段により前記異常が生じたことが特定された場合、前記特定処理の契機となった前記特定の操作が再度行われるようにする再操作手段(例えば、主制御装置101によるステップSf2701~ステップSf2703、ステップSf2711~ステップSf2713の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者が遊技開始用の操作を行って一の遊技を開始し、遊技終了用の操作を行うことでその遊技が終了するとともにその遊技における特典が付与される遊技機において、特定の操作に基づき実行される特定処理やその特定処理の結果を利用して実行される処理において異常が生じた場合、当該特定の操作が再度行われるようにする再操作手段を備えていることから、当該再度行われる特定の操作によって、異常が生じた処理を再度やり直したり、異常を修正する処理を実行したりするようにすることができる。
ここで、特定処理やその特定処理の結果を利用して実行される処理において異常が生じた場合、その異常を遊技機内部で修正するようにする構成も考えられ、このような構成の方が、遊技者はその異常発生を特に気にすることなく遊技を進められる点でメリットがあるとも考えられる。しかし、異常が生じたからとはいえ、仮に遊技者の介入なくその異常に対処する処理を実行するような構成とすると、せっかく遊技者自身の操作によって遊技を進行させるという本遊技機の遊技の醍醐味が抹殺されてしまう可能性があるし、通常の遊技ですら、遊技者の関与できない処理が実行されているのではと勘繰られてしまう可能性があり、遊技の透明性が大幅に低下することによる遊技意欲の低下を招きかねない。
そこで上記構成においては、異常に対する処理であっても、あえて遊技者の操作を介在させるようにすることで、遊技の透明性を担保することが可能となる。特に、その異常が発生した契機となった遊技操作と同じ操作を再度行わせるようにしたことから、異常の契機となった操作を遊技者自身も把握することができるため、以降は、より慎重な遊技操作が行われることに期待することも可能となる。
なお、上記特徴fE11に対して特徴fE1乃至特徴fE10にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
なお、上記特徴fE1乃至特徴fE11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴fE11乃至特徴fE11の各構成に対して、特徴fA1乃至特徴fA23、特徴fB1乃至特徴fB14、特徴fC1乃至特徴fC8、特徴fD1乃至特徴fD14、特徴fE1乃至特徴fE11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。また、以上詳述した特徴fA群乃至特徴fE群の各構成に対して、他の特徴a群乃至特徴n群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴g群>
以下の特徴gA群乃至特徴gF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7gの実施形態、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴gA群>
特徴gA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
照射対象(各リール32L,32M,32R)に対して光を照射する第1状態と、前記照射対象に対して光を照射しない又は前記第1状態よりも照射量を低下させた第2状態とに切り替え可能な照射手段(フロントライト及びバックライト装置100)と、
所定契機に基づいて、前記照射手段の前記第1状態と前記第2状態との切換制御を含む特定演出を実行する特定演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ演出制御用処理を実行する機能)と、
前記特定演出手段による演出態様を設定する態様設定手段(表示制御装置81による通常フラッシュ設定処理や特別フラッシュ設定を実行する機能)と、
を備え、
前記態様設定手段は、特定ゲームにおける前記特定演出の演出態様を、当該特定ゲームよりも前の所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様に基づいて設定する特定態様設定手段(表示制御装置81による特別フラッシュ設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、照射対象に対する光の照射を含む所謂フラッシュ演出としての特定演出が設定されていることから、比較的、簡素な構成にて各ゲームの演出を行うことが可能であるし、遊技者に対してはよりわかりやすい演出となり、遊技の興趣向上を図るうえで好ましい演出を設定することが可能となる。
そのうえで、上記構成では、特定ゲームにおけるフラッシュ演出の態様を、それよりも以前の所定ゲームにおいて実行されたフラッシュ演出の態様に基づいて設定する構成としていることから、複数の遊技をフラッシュ演出にて関連付け、これら複数の遊技に亘って遊技者を惹きつける演出を実現することが可能となる。
この場合、例えば、仮に、所定ゲームにおけるフラッシュ演出の態様が遊技者にとって好ましい態様であったのにもかかわらず、今回の特定ゲームにおけるフラッシュ演出の態様が遊技者にとって好ましくない態様となる等してしまうと、せっかく期待感をもってゲームを行ったのにもかかわらず、それが遊技者にとって好ましい結果ではない可能性が高い以前のゲームでのフラッシュ演出の態様に基づいて今回のゲームのフラッシュ演出の態様を設定するようにすれば、かかる不都合も回避することができ、フラッシュ演出による演出効果を好適に期待することが可能となる。
特徴gA2.前記特定態様設定手段により前記特定演出の演出態様が設定されること、又は前記特定態様設定手段による前記特定演出の演出態様の設定処理の実行を制限可能な制限手段(表示制御装置81による特別フラッシュ設定処理において低期待度のフラッシュ演出の実行後は主側フラッシュ演出を優先させる処理、例えばステップSg2904:YES、ステップSg3001~ステップSg3004、ステップSg3101~ステップSg3106の処理や、特定フラッシュフラグをクリアする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、制限手段によって特定態様設定手段により特定演出の演出態様の設定が制限される場合があるようにすることで、以前のゲームでのフラッシュ演出の態様によって今回のゲームのフラッシュ演出の態様が設定される場面を少なくすることができ、それぞれのゲームに対応するフラッシュ演出である印象を強く与えることができる。そのうえで、制限手段により制限されなければ、以前のゲームでのフラッシュ演出の態様によって今回のゲームのフラッシュ演出の態様が設定されることもあるため、ここぞという場面で複数のゲームに亘って関連付けられたフラッシュ演出を行うことが可能となり、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。また、フラッシュ演出を実行すべきではない場合や、所定の態様にてフラッシュ演出を実行すべきではない場合等、所定ゲームのフラッシュ演出を参照しながら特定ゲームのフラッシュ演出を実行するうえで不都合が生じ得るような場合にもフラッシュ演出の実行を制限可能であるし、フラッシュ演出が延々と繰り返されてしまう事象も生じさせないようにすることができる。よって、フラッシュ演出を用いた演出効果を好適に得ることが可能となる。
特徴gA3.前記抽選手段による抽選又は抽選結果に基づき遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やATモード用の第2ゲーム数管理処理を実行する機能)を備え、
前記態様設定手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることに期待できる第1演出態様(例えば高期待度のフラッシュF,G)、及び前記第1演出態様よりも前記有利事象手段により前記有利事象が生じることに期待できない第2演出態様(例えば低期待度のフラッシュB)とを少なくとも設定可能であり、
前記制限手段は、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第1演出態様であった場合、前記特定ゲームにおいて実行する前記特定演出の演出態様が、前記特定態様設定手段により前記第2演出態様に設定されることを制限可能であることを特徴とする特徴gA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、前回の特定演出の演出態様が第1演出態様であって有利事象が生じることへの期待感が高められているのにもかかわらず、今回の演出態様が第2演出態様となって、その期待感が一気に低下してしまうことが回避される。このようにすることで、複数のゲームに亘ってフラッシュ演出を関連付けるうえで、有利事象への期待感を徐々に高めていって遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴gA4.前記抽選手段による抽選又は抽選結果に基づき遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やATモード用の第2ゲーム数管理処理を実行する機能)を備え、
前記態様設定手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることに期待できる第1演出態様(例えば高期待度のフラッシュF,G)、及び前記第1演出態様よりも前記有利事象手段により前記有利事象が生じることに期待できない第2演出態様(例えば低期待度のフラッシュB)とを少なくとも設定可能であり、
前記制限手段は、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第2演出態様であった場合、前記特定態様設定手段により前記演出態様が設定されること、又は前記特定態様設定手段による前記特定演出の演出態様の設定処理の実行を制限可能であることを特徴とする特徴gA2又は特徴gA3に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定ゲームにおいて実行されたフラッシュ演出が期待度の低い第2演出態様であった場合は、特定態様設定手段によるフラッシュ演出の態様の設定が行われにくくなる。つまり、もともと所定ゲームにて期待度の低いフラッシュ演出が実行されていた場合には、特定ゲームにて実行されるフラッシュ演出の期待度を調節しなくても、後側にフラッシュ演出の期待度の方が低くなることによる不都合が生じにくい。よって、このようにすることで、特定態様設定手段により態様が設定される機会を少なくし、フラッシュ演出の信ぴょう性を高めることが可能となる。
特徴gA5.前記抽選手段による抽選結果が特定結果(押し順ベル)である場合、前記特定演出手段による前記特定演出が実行されない構成であり、
前記制限手段は、前記特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定態様設定手段により、前記特定演出の演出態様の設定が行われることを制限可能な構成である、
又は、
前記態様設定手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定結果(押し順ベル)である場合、前記特定演出の演出態様を特定態様となるように設定を行わない構成であり、
前記制限手段は、前記特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定演出の演出態様を特定態様となるように設定が行われることを制限可能な構成であることを特徴とする特徴gA2乃至特徴gA4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、フラッシュ演出が実行されず、又は特定態様のフラッシュ演出が実行されない特定結果であるのにもかかわらず、特定ゲームにおいてフラッシュ演出が実行されたり、特定態様のフラッシュ演出が実行されてしまったりすることにより、遊技者を混乱させてしまう事象を回避することができる。
特徴gA6.前記特定態様設定手段は、前記特定ゲームにおいて前記制限手段による制限が行われた場合、当該特定ゲームよりも後のゲームで実行する前記特定演出の演出態様を、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様に基づいて設定することが可能であることを特徴とする特徴gA2乃至特徴gA5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、何らかの事情によって制限手段により特定ゲームでのフラッシュ演出が制限された場合であっても、更にその後のゲームで所定ゲームにおいて実行されたフラッシュ演出の態様を反映させたフラッシュ演出が行われ得るようになる。このようにすることで、より複数のゲームを関連付けたフラッシュ演出とすることができるし、更に、所定ゲームと特定ゲームとが連続するゲームだけではなく、その間に他のゲームが介在し得るようになり、仮に所定ゲームの次ゲームでフラッシュ演出が実行されなかったり、実行されてもその態様が遊技者の期待通りのものではなかったとしても、その後の特定ゲームまで遊技者の期待感を好適に保つことができる。
特徴gA7.前記抽選手段による抽選又は抽選結果に基づき遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やATモード用の第2ゲーム数管理処理を実行する機能)を備え、
前記態様設定手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることに期待できる第1演出態様(例えば高期待度のフラッシュF,G)、及び前記第1演出態様よりも前記有利事象手段により前記有利事象が生じることに期待できない第2演出態様(例えば低期待度のフラッシュB)とを少なくとも設定可能であり、
前記有利事象手段により前記有利事象が生じる場合、前記制限手段による制限が行われないようにする手段(表示制御装置101による第3特別設定処理や第6特別設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gA2乃至特徴gA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、制限手段による制限が行われず、特定態様設定手段により自由な演出態様にて特定演出の態様が設定されることを通じて、有利事象が生じることを遊技者は把握可能となる。このようにすることで、特定態様設定手段による設定を制限することによってフラッシュ演出の一定の法則性を担保してその法則性による演出効果を期待しながらも、その法則性が崩れることに対しても期待させることができ、フラッシュ演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴gA8.前記所定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が特別結果(スイカ)であり、前記有効位置に当該特別結果に対応する絵柄組合せが停止して、前記特典付与手段により当該特別結果に対応する特典が付与された場合よりも、前記所定ゲームにおける抽選手段による抽選結果が前記特別結果であり、前記有効位置に当該特別結果に対応する絵柄組合せが停止せず、前記特典付与手段により当該特別結果に対応する特典が付与されなかった場合の方が、前記特定ゲームにおいて前記特定態様設定手段により演出態様が設定された前記特定演出が実行され易くする手段(表示制御装置101による第4特別設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gA1乃至特徴gA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定ゲームで特別結果入賞が成立せず所謂取りこぼしが発生した場合には、取りこぼしが発生せずに特別結果入賞が成立した場合よりも、特定態様設定手段により特定演出の演出態様が設定される場面が多くなる。このようにすることで、各周回体を停止させてゲームの結果入賞を狙ううえでより慎重な停止操作が求められ、遊技性が向上し得る。また、特別結果入賞を取りこぼした場合、遊技者は、今回のゲームの抽選結果が特別結果ではなく別の結果当選であったと予測し得るものとも考えられるところ、その別の結果へ期待する遊技者の心理をうまく利用して、特定ゲームでのフラッシュ演出を行うことで、高い期待感を抱きながらゲームを行う特定ゲームにおける演出を好適に実施することが可能となる。
特徴gA9.前記態様設定手段は、前記特定ゲームにおける前記特定演出手段による前記特定演出の演出態様を、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様に基づかず設定する通常態様設定手段(表示制御装置81による通常フラッシュ設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gA1乃至特徴gA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定ゲームにてフラッシュ演出が実行された場合、必ずそのフラッシュ演出の態様が参照されて特定態様設定手段にて設定されるわけではなく、当該所定ゲームのフラッシュ演出の態様を参照せずに特定ゲームにてフラッシュ演出が実行される場合もあるようになる。このようにすることで、特定態様設定手段によりフラッシュ演出の態様が設定される特異性を高め、当該設定されたフラッシュ演出による演出効果を好適に期待できるようになる。
特徴gA10.前記特定演出手段は、前記特定態様設定手段による設定及び前記通常態様設定手段による設定が行われている場合には前記特定態様設定手段にて設定された演出態様にて前記特定演出を実行する一方、前記通常態様設定手段による設定は行われているものの前記特定態様設定手段による設定は行われていない場合には前記通常態様設定手段にて設定された演出態様にて前記特定演出を実行する構成であり、
前記通常態様設定手段は、前記特定態様設定手段による設定が行われることを把握することなく、前記特定ゲームにおける前記特定演出の演出態様を設定可能であることを特徴とする特徴gA9に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常態様設定手段による特定演出の演出態様の設定が行われてそれがそのまま実行されることを通常とし、特定態様設定手段による設定が行われている場合だけ、その特定態様設定手段により設定された演出態様にて特定演出を実行すればよく、常に、いずれの手段にて態様を設定すべきかを選択しなくてもよくなるため、通常時の処理の複雑化を生じさせないようにしながら、複数のゲームに亘って関連するフラッシュ演出を行うことによる演出効果を好適に期待できるようになる。
特徴gA11.少なくとも前記抽選手段及び前記通常態様設定手段を備える第1制御装置(主制御装置101)と、
少なくとも前記特定演出手段及び前記特定態様設定手段を備える第2制御装置(表示制御装置81)と、
を備えていることを特徴とする特徴gA9又は特徴gA10に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選手段を有し、遊技の主たる制御を行う第1制御装置と、特定演出手段を有し、演出用の制御を行う第2制御装置とを備えることを前提とし、通常態様設定手段は第1制御装置側に設け、特定態様設定手段は第2制御装置側に設けるようにすることで、処理負荷の分散化を図りながら、特定演出による演出効果を期待できるようになる。
なお、上記構成を特徴gA8に適用する場合、「前記第1制御装置から前記第2制御装置への情報出力は許容されている一方、前記第2制御装置から前記第1制御装置への情報出力は制限される」構成であることを更に限定することで、通常態様設定手段側が特定態様設定手段側の設定の有無を把握することなく演出態様の設定を行う構成であること意義が更に高められる。
特徴gA12.前記特定演出手段は、前記特定態様設定手段による設定及び前記通常態様設定手段による設定が行われている場合には前記特定態様設定手段にて設定された演出態様にて前記特定演出を実行する一方、前記通常態様設定手段による設定は行われているものの前記特定態様設定手段による設定は行われていない場合には前記通常態様設定手段にて設定された演出態様にて前記特定演出を実行する構成であり、
前記特定態様設定手段は、前記通常態様設定手段により設定された前記特定演出の演出態様に対応する実行期間(無効期間)よりも短い実行期間となる前記特定演出の演出態様が設定されないように、前記特定ゲームにおける前記特定演出の演出態様を設定することを特徴とする特徴gA9乃至特徴gA11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常態様設定手段により設定された演出態様が特定態様設定手段により上書きされるような構成の場合、特定態様設定手段は、通常態様設定手段にて設定された演出態様よりも短い実行期間に対応する演出態様とならないように設定するため、例えば、実行期間中は遊技操作が無効化されたり、遊技機に設けられた役物が動作するような構成において、特定態様設定手段による上書きが行われることによって、フラッシュ演出が実行されていない(既に終了された)のにもかかわらず、未だ実行期間が継続していて遊技操作が無効化されたり、役物が動作し続けてしまう、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴gA13.前記通常態様設定手段により設定された前記特定演出の演出態様に対応する実行期間に亘って遊技の所定操作を無効化する無効期間を設定可能な無効化手段(主制御装置101によるフラッシュ待機用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gA12に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定態様設定手段による上書きが行われることによって、フラッシュ演出が実行されていない(既に終了された)のにもかかわらず、未だ遊技操作が無効化される無効期間が未だ継続している、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴gA14.前記通常態様設定手段により設定された演出態様による前記特定演出に対応する実行期間の経過後、特別演出(払出効果音、再遊技入賞に伴う自動ベット時のベット時効果音)を実行可能な特別演出手段(表示制御装置81による払出効果音出力用処理や通常再遊技用再ベット演出処理を実行する機能)と、
前記特定態様設定手段により設定された演出態様による前記特定演出が行われる場合、前記特別演出(払出効果音、再遊技入賞に伴う自動ベット時のベット時効果音)を、当該特定演出の終了まで待機させる待機手段(表示制御装置81によるステップSg3705、ステップSg3706の処理やサブフラッシュ用再ベット演出処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴gA12又は特徴gA13に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮に特定態様設定手段により設定された演出態様が、通常態様設定手段の設定した演出態様の実行期間よりも長かった場合でも、特別演出の実行は、その特定態様設定手段にて設定された演出態様による特定演出の終了まで待機される。このようにすることで、特定演出の実行中に特別演出が行われることによって、特定態様設定手段により設定された特定演出であることが悟られてしまう事象を好適に回避することが可能となる。
特徴gA15.遊技の結果に応じて、前記通常態様設定手段により設定された演出態様による前記特定演出に対応する実行期間の経過後、特別処理(メダル払出処理、BET用処理)を実行可能な特別処理手段(主制御装置101によるメダル払出処理やBET用処理を実行する機能)を備え、
前記特別演出手段は、前記特別処理手段による前記特別処理が行われる場合に前記特別演出を実行する構成であり、
前記特別処理手段は、前記待機手段により前記特別演出の実行が待機される場合であっても、前記通常態様設定手段により設定された演出態様による前記特定演出に対応する実行期間の経過後、前記特別処理を実行する構成であることを特徴とする特徴gA14に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の結果に応じた特別処理が行われるうえで、その特別処理に対応する特別演出は特定態様設定手段により設定された特定演出(フラッシュ演出)の終了後に実行されるものの、特別処理については、通常態様設定処理により設定されたとk低演出に対応する実行期間の経過後に行われる。このようにすることで、通常態様設定手段により設定される実行期間以上の期間となり得る特定演出が行われる場合であっても、特別処理手段は、その特定態様設定手段側の期間等を把握する必要がなく、通常態様設定手段側の期間だけを把握して特別処理を行えばよくなる。よって、両態様設定手段により特定演出の演出態様が設定され得るような構成においても、特別処理を行う上で処理や構成の複雑化を生じさせることが内容にすることが可能となる。
特徴gA16.前記特定演出手段は、前記周回体が停止した後で、当該周回体が停止することとなった遊技に対応する前記特定演出を実行する構成であり、
前記特別処理手段は、前記特定演出手段により前記特定演出が実行される場合、前記周回体が停止した後、前記通常態様設定手段により設定された演出態様に対応する実行期間が経過した後、前記特別処理を実行する構成であることを特徴とする特徴gA15に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出や特別演出は周回体が停止した後で実行される構成であることから、例えば、周回体の周回開始後であって停止前に行うような構成と比較して、特定演出や特別演出の実行期間と遊技進行とを対応付け易い。すなわち、周回体の周回開始後であって停止前に特定演出や特別演出を行うような構成の場合、遊技者の停止操作のタイミングによって実行期間の長さが異なるようになり、特徴gA15のように特定演出の実行期間の経過後に特別処理を行うような構成とする場合、その実行期間が可変期間となることから、おのずと構成の複雑化が生じ得る。その点、上記構成のようにすることで、比較的簡素な構成にて、特定演出や特別演出の実行期間と遊技進行とを対応付けながら演出を行うことが可能となる。
特徴gA17.前記特別処理手段は、前記特典付与手段により特典を付与することを前記特別処理として実行することが可能な構成であることを特徴とする特徴gA16に記載の遊技機。
上記構成は、特徴gA16の具体的構成である。
特徴gA18.前記抽選手段による抽選結果が所定の払出結果であって、前記有効位置に前記払出結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、前記特典付与手段により前記特典として、前記払出結果に対応する遊技価値の払出が行われ得る構成であり、
前記特別処理手段は、遊技価値の払出を行うことを前記特別処理として実行可能であり、
前記特別演出手段は、遊技価値の払出を行う場合の演出を前記特別演出として実行可能であることを特徴とする特徴gA17に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の結果として遊技価値が払い出される場合、当該払い出しに要する処理は通常態様設定手段により設定された実行期間の経過後に行われることを前提とし、特定態様設定手段により設定された特定演出が行われる場合には、通常態様設定手段により設定された演出態様に対応する実行期間の経過後に遊技価値が払い出されたうえで、特定態様設定手段により設定された特定演出の実行後に遊技価値の払い出しに対応する特別演出が行われる。このようにすることで、フラッシュ演出としての特定演出が行われているのにもかかわらず、遊技価値の払い出しに対応する特別演出が行われることによって、当該特定演出が通常態様設定手段により設定されたものではなく特定態様設定手段により設定されたものであると悟られてしまうことを回避することができる。
特徴gA19.遊技に用いられる仮想遊技価値を、所定数を上限として記憶可能な仮想遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)を備え、
前記特別処理手段は、前記特別処理によって払い出す遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値と前記所定数との差分未満である場合には前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値に当該払い出す遊技価値を加算し、払い出す遊技価値が前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値と前記所定数との差分を超える場合には、その超える分の遊技価値を所定の払出口(メダル排出口49)から払い出す構成であり、
前記特別処理手段による前記特別処理によって前記仮想遊技価値記憶手段に記憶されている仮想遊技価値に払い出す遊技価値が加算され、前記所定の払出口から遊技価値が払い出されない場合には、前記特定態様設定手段により前記特定演出の演出態様が設定されること、又は前記特定態様設定手段による前記特定演出の演出態様の設定処理の実行を許容する一方、前記特別処理手段による前記特別処理によって、前記所定の払出口から遊技価値が払い出される場合には、前記特定態様設定手段により前記特定演出の演出態様が設定されること、又は前記特定態様設定手段による前記特定演出の演出態様の設定処理の実行を制限することが可能な特定手段(表示制御装置81によるステップSg5106及びステップSg5107の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gA18に記載の遊技機。
上記構成によれば、今回のゲームの遊技結果として遊技価値の払い出しが行われる場合、それが仮想遊技価値として加算されるだけの場合には特定態様設定手段による特定演出の設定が行われるものの、実際の遊技価値として所定の払出口から払い出される場合には、当該特定態様設定手段による特定演出の設定が行われない。このようにすることで、遊技価値の払い出しとしての特別処理の実行タイミングと、当該払い出しに対応する演出としての特別演出の実行タイミングとが異なり得るような構成において、実際に遊技価値が払い出されることによって、そのタイミングの相違が遊技者に見抜かれてしまうことを好適に抑制することが可能となる。
特徴gA20.前記特定手段は、少なくとも全ての前記周回体が停止するよりも前に前記許容すること及び前記制限することの決定を行うことを特徴とする特徴gA19に記載の遊技機。
上記構成によれば、少なくとも特定演出の開始前には、その特定演出が特定態様設定手段により設定されたものか通常態様設定手段により設定されたものかの決定を行うことが可能となる。よって、途中で他方の態様設定手段に設定されたものに切り替えるといった複雑な処理を必要とせず、比較的簡素な構成にて、特徴gA17の効果を奏することが可能となる。
特徴gA21.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が再遊技結果であって、前記有効位置に前記再遊技結果に対応する絵柄組合せが停止した場合、当該さい遊技結果に対応する特典として当該再遊技結果となった遊技と同じ賭数にて遊技を行う再遊技を付与する構成であり、
前記特別処理手段は、前記再遊技を付与する場合、遊技者による賭数操作が行われることなく前記同じ賭数となるように賭数を設定する処理を行うことを前記特別処理として実行する構成であり、
前記特別演出手段は、前記賭数を設定する場合の演出を前記特別演出として実行可能であることを特徴とする特徴gA17乃至特徴gA20のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の結果として再遊技が付与される場合、当該再遊技に基づく賭数の設定処理は通常態様設定手段により設定された実行期間の経過後に行われることを前提とし、特定態様設定手段により設定された特定演出が行われる場合には、通常態様設定手段により設定された演出態様に対応する実行期間の経過後に賭数の設定処理が行わたうえで、特定態様設定手段により設定された特定演出の実行後に賭数の設定処理に対応する特別演出が行われる。このようにすることで、フラッシュ演出としての特定演出が行われているのにもかかわらず、賭数の設定処理に対応する特別演出が行われることによって、当該特定演出が通常態様設定手段により設定されたものではなく特定態様設定手段により設定されたものであると悟られてしまうことを回避することができる。
特徴gA22.前記特別演出手段は、前記特別処理手段により、特定の再遊技結果を契機として前記特別処理として前記賭数を設定する処理が行われた場合、前記通常態様設定手段により演出態様が設定された前記特定演出の実行後、遊技者による賭数操作に基づいて前記特別演出を実行可能であり、前記特定態様設定手段により演出態様が設定された前記特定演出の実行後、遊技者による賭数操作に基づいて前記特別演出を実行可能であることを特徴とする特徴gA21に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の再遊技結果の場合には、賭数操作を契機として特別演出が行われるようにすることで、再遊技結果の入賞に伴い自動的に賭数の設定処理が行われたことを遊技者に悟られにくくし、あたかも当該特定の再遊技結果が他の払出小役のような扱いである印象を与えることが可能となる。そのうえで、通常態様設定手段により設定された特定演出であっても、特定態様設定手段により設定された特定演出であっても、いずれも賭数操作に基づいて特別演出が行われるようにすることで、両態様設定手段の違いが把握されにくくなり、複数のゲームに亘って特定演出を実行することによる演出効果を好適に奏することが可能となる。
特徴gA23.前記駆動制御手段は、前記特別処理手段による前記特別処理が行われた後は、前記特定態様設定手段により演出態様が設定された前記特定演出が実行されていても、前記始動操作手段が操作された場合には各前記周回体の周回を開始させることを特徴とする特徴gA21又は特徴gA22に記載の遊技機。
特別処理手段によって賭数の操作が行われているのであるから、次のゲームを開始可能な状態であり、仮に特定演出が実行されていても、始動操作手段の操作に基づいて当該ゲームを開始すべきである。そこで、上記構成のように特定演出が行われているからといってゲームの開始を許容することで、特定演出による演出効果を期待しながらも、スムーズな遊技進行を実現することが可能である。
特徴gA24.前記駆動制御手段は、前記特別処理手段による前記特別処理が行われた後、前記始動操作手段が操作された場合には各前記周回体の周回を開始させることが可能となる構成であり、
前記特定態様設定手段により演出態様が設定された前記特定演出の実行中に各前記周回体の周回を開始させる場合、前記特別演出の実行を制限することが可能な手段(表示制御装置81による途中終了フラグに基づいてベット時演出をキャンセルする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gA15乃至特徴gA23のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、周回体の周回開始を契機として途中で特定演出を終了させる場合には、特定演出後に実行予定であった特別演出がキャンセルされる。このようにすることで、周回体の周回開始時の演出と特別演出とが重複することによって遊技者に違和感を与えてしまう不都合や処理の集中による処理負荷の増大化を回避することが可能となる。
上記特徴gA1乃至特徴gA24に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の注目度向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴gA1乃至特徴gA24の各構成に対して、特徴gA1乃至特徴gA24、特徴gB1乃至特徴gB12、特徴gC1乃至特徴gC16、特徴gD1乃至特徴gD10、特徴gE1乃至特徴gE11、特徴gF1乃至特徴gF8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
特徴gB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選又は抽選結果に基づき遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やATモード用の第2ゲーム数管理処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段により抽選結果が第1結果(特定役)である場合よりも第2結果(例えば押し順ベル)である場合の方が、前記有利事象手段により前記有利事象が生じにくい構成であり、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、所定の演出手段(フロントライトやバックライト装置100、補助表示部65、スピーカ64)を利用した特定演出(フラッシュ演出等)を実行する特定演出手段(表示制御装置81)と、
前記特定演出手段による演出態様を設定する態様設定手段(表示制御装置81による通常フラッシュ設定処理や特別フラッシュ設定を実行する機能)と、
を備え、
前記態様設定手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることに期待できる第1演出態様(例えば高期待度のフラッシュF,G)、及び前記第1演出態様よりも前記有利事象手段により前記有利事象が生じることに期待できない第2演出態様(例えば低期待度のフラッシュB)とを少なくとも設定可能であり、
前記態様設定手段は、特定ゲームにおいて実行する前記特定演出の演出態様を、当該特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果と、当該特定ゲームよりも前の所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様と、に基づいて設定する特定態様設定手段(表示制御装置81による特別フラッシュ設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、特定ゲームにおける特定演出の態様を、それよりも以前の所定ゲームにおいて実行された特定演出の態様と、特定ゲームにおける抽選手段による抽選結果と、に基づいて設定する構成としていることから、今回のゲームよりも前のゲームにて実行された特定演出による期待感を今回のゲームまで引き継ぐことが可能となり、これら複数の遊技に亘って遊技者を惹きつける演出を実現することが可能となる。
この場合、特定演出自体はそのゲームの抽選結果に基づいて実行されることから、特定ゲームにおいて設定される演出態様は、所定ゲームにおける抽選結果及び演出態様と、特定ゲームにおける抽選結果とに基づいて設定されることになる。このようにすることで、各ゲームの抽選結果への注目度を特定演出を通じて関連付けることができ、例えば、所定ゲームでの抽選結果が遊技者にとって好ましいものであったことを特定演出から予測されている場合において、その後の特定ゲームにまで特定演出を通じて所定ゲームでの抽選結果への期待感を持続させることができる。
しかも、そのように特定演出を通じて期待感を持続させるうえで、特定ゲームにおける抽選結果自体も当該特定ゲームにおける特定演出に反映されることから、例えば、所定ゲームで結果に期待を持って臨んだ特定ゲームにおいて、その特定ゲームの抽選結果から所定ゲームでの結果が遊技者の望むものではないと判断されるような場面では、特定演出ではそれに対応する演出態様とすることも可能となり、以前のゲームの演出態様を引き継ぐうえで、むやみに期待感を煽らないようにすることで、演出バランスを好適に担保し、遊技への注目度を図るうえで大いに役立てることが可能となる。
特徴gB2.前記特定態様設定手段は、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第1演出態様であり、前記特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、当該特定ゲームにおいて実行する前記特定演出の演出態様が前記第2演出態様となることを制限可能な手段(表示制御装置81による第2特別設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、前回の特定演出の演出態様が第1演出態様であって有利事象が生じることへの期待感が高められている状況で、更に今回のゲームの抽選結果が有利事象に期待が持てる第1結果であるのにもかかわらず、今回の演出態様が第2演出態様となって、その期待感が一気に低下してしまうことが回避される。
特徴gB3.前記特定態様設定手段は、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第2演出態様であり、前記特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、当該特定ゲームにおいて実行する前記特定演出の演出態様が前記第2演出態様となることを許容可能な手段(表示制御装置81による第2特別設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gB1又は特徴gB2に記載の遊技機。
前回の特定演出の演出態様が第2演出態様であって有利事象が生じることへの期待感が高められていない状況であれば、今回のゲームの抽選結果が有利事象に期待が持てる第1結果であっても、今回の演出態様が第2演出態様となってもその期待感は前ゲームと比べて低下しにくいものと考えられる。そこで、上記構成のようにすることで、例えば特徴gB2のように、特定演出の期待度の低下が生じないようにしながらも、それが許容される場面を設けるようにすれば、その演出態様の調整が不自然になりにくくなり、遊技者に違和感を与えにくくすることが可能となる。よって、特定演出を用いた演出効果を好適に期待することが可能となる。
特徴gB4.前記特定態様設定手段は、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第2演出態様であり、前記特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、当該特定ゲームにおいて前記特定演出が実行されないようにすることが可能な手段(表示制御装置81による第2特別設定処理においてステップSg3002にて否定判定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB3のいずれか1に記載の遊技機。
前回の特定演出の演出態様が第2演出態様であって有利事象が生じることへの期待感が高められていない状況であれば、仮に今回のゲームの抽選結果が有利事象に期待が持てる第1結果であっても、特定演出が発生しなくても有利事象への期待感は前ゲームと比べて低下しにくいものと考えられる。そこで、上記構成のように、第1結果であってもむやみに特定演出を発生させないようにすることで、特定演出の発生率を低く抑えることが可能となり、特定演出が行われた場合の期待感を好適に高めることができる。
特徴gB5.前記特定態様設定手段は、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第1演出態様であり、前記特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果が前記第2結果である場合、当該特定ゲームにおいて前記特定演出が実行されないようにすることが可能な手段(表示制御装置81による第1特別設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、前回の特定演出の演出態様が第1演出態様であって有利事象が生じることへの期待感が高められている状況であっても、今回のゲームの抽選結果が有利事象に期待が持てない第2結果であれば、今回のゲームにて特定演出が実行されない場合がある。このようにすることで、有利事象への期待が持てない第2結果である場合における特定演出の実行率を低く抑えることが可能となり、特定演出の期待度と各ゲームの抽選結果とのバランスを担保することが可能となる。また、例えば、そもそも第2結果である場合には特定演出が実行されないような構成としている場合、前回のゲームで第1演出態様にて特定演出を行っているからといって、今回のゲームが第2結果であるのにもかかわらず特定演出を行ってしまうことによる遊技者の混乱を避けることも可能である。
特徴gB6.前記特定態様設定手段は、前記所定ゲーム又は前記特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選若しくは抽選結果に基づき前記有利事象が生じる場合であって、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第1演出態様である場合、当該特定ゲームにおいて実行する前記特定演出の演出態様が前記第2演出態様となることを許容可能な手段(表示制御装置81による第3特別設定処理や第6特別設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、所定ゲームや特定ゲームでの抽選結果によって有利事象が生じる場合、所定ゲームで有利事象に期待が持てる第1演出態様にて特定演出が行われていても、特定ゲームで有利事象に期待が持てない第2演出態様にて特定演出が行われることが許容することで、所定ゲームから特定ゲームへの期待度の低下が生じることが有利事象の発生のサインとして捉えさせることが可能となる。よって、特徴gB2のように期待度の低下が生じないようにしながらも、期待度の低下が生じた場合にも有利事象に期待させることが可能となる。
特徴gB7.所定契機に基づいて、前記特定ゲームにおける前記特定演出の実行を制限可能な制限手段(例えば、表示制御装置81によるステップSg5307にて否定判定する処理を実行する機能)を備え、
前記特定態様設定手段は、前記制限手段にて前記特定ゲームにおける前記特定演出の実行が制限された場合、当該特定ゲームよりも後のゲームにおいて実行する前記特定演出の演出態様を、当該後のゲームにおける前記抽選手段による抽選結果と、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様と、に基づいて設定することが可能であることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定態様設定手段により特定演出の演出態様が設定される場面が、連続するゲームではなく、連続しないゲームも含むことが明確化される。このようにすることで、特定演出の発生率を低く抑えることが可能であるし、より複数のゲームに亘って特定演出を利用した注目度の向上効果を期待することも可能となる。
特徴gB8.遊技状態として、通常状態(通常区間)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な状態又は遊技者にとって有利となり得る特定事象(押し順報知)が発生し易い状態である特定状態(有利区間)とが設定されており、
前記制限手段は、前記所定契機として、前記特定状態の実行数又は残数に応じて前記特定演出の実行の制限を行うことが可能であることを特徴とする特徴gB7に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に各ゲームの抽選結果に応じて特定演出を行うだけではなく、特定状態の実行数や残数を、特定演出の実行の有無に関連付けることが可能となり、特定演出の演出態様による注目度向上効果を、特定状態と関連付けながら期待することが可能となる。
特徴gB9.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせる複数段階の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により第1設定値が設定されている場合と、前記第1設定値とは異なる第2設定値が設定されている場合とで、前記制限手段による前記特定ゲームにおける前記特定演出の実行を制限する制限態様が異なることを特徴とする特徴gB7又は特徴gB8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定ゲームにて特定演出の実行が制限される態様によって、設定値を予測させる遊技を行わせることができる。このようにすることで、特定演出が実行されることへ期待させるだけではなく、実行されないことへの期待感も高めることができるし、その制限態様によっては特定ゲームにおける抽選結果へも注目させることができ、遊技の興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
特徴gB10.特定数のゲームに亘って関連する演出を実行可能となり、当該特定数のゲームにて所定の抽選の抽選結果に対応する結果演出を実行可能な連続演出手段(表示制御装置81による連続演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定演出手段は、前記連続演出手段により実行される前記特定数のゲームに含まれる前記所定ゲーム及び前記特定ゲームにおいて、前記関連する演出を前記特定演出として実行可能であることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数のゲームに亘って関連する演出が実行され得るようになる所謂連続演出において、その関連する演出が特定演出として所定ゲームや特定ゲームにて実行される。この場合、所定ゲームにおける関連する演出の演出態様と、特定ゲームにおけるゲームの抽選結果とに基づいて、当該特定ゲームにおける関連する演出の演出態様が設定されるようになることから、連続演出が所定の抽選の抽選結果によって予め定められた演出パターンとならず、各ゲームの演出態様と各ゲームの抽選結果が反映されたものとなり、連続演出の各ゲームの抽選結果への注目度を高めるうえで大いに役立てることが可能となる。
特徴gB11.前記特定態様設定手段は、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様と、当該特定ゲームにおける前記抽選手段による抽選結果と、前記特定数のゲームが実行されるまでの残数と、に応じて前記特定ゲームにおける前記特定演出の演出態様を設定することが可能であることを特徴とする特徴gB10に記載の遊技機。
上記構成によれば、連続演出における残りゲーム数も加味して当該連続演出中の各ゲームにおいて実行される特定演出の演出態様が決定される。このようにすることで、例えば、連続演出の序盤と終盤とで各ゲームの関連付けの強弱を設定したり、序盤と終盤とで設定される演出態様を異ならせたりすることが可能となり、かかる構成を利用することで、連続演出の注目度を好適に高めることができるようになる。
特徴gB12.前記特定態様設定手段は、前記特定数のゲームが実行されるまでの残数が所定数以上である場合、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第1演出態様であれば前記特定ゲームにおいて実行する前記特定演出の演出態様が前記第2演出態様となることを許容可能である一方、前記特定数のゲームが実行されるまでの残数が前記所定数よりも少ない場合、前記所定ゲームにおいて実行された前記特定演出の演出態様が前記第1演出態様であれば前記特定ゲームにおいて実行する前記特定演出の演出態様が前記第2演出態様となることを制限可能であることを特徴とする特徴gB11に記載の遊技機。
上記構成によれば、連続演出における序盤(残数が所定数以上)は、当該連続演出の各ゲームで実行される特定演出の期待度が低下することが許容されているものの、連続演出の終盤(残数が所定数未満)は、当該連続演出の各ゲームで実行される特定演出の期待度が低下することが制限される。このようにすることで、連続演出において期待度が一方的に高められることによって連続演出の終盤の演出態様が同じような演出態様となってしまうことを回避しながら、所定の抽選の抽選結果が報知される連続演出の終盤の注目度を好適に高めることが可能となる。
上記特徴gB1乃至特徴gB12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の注目度向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴gB1乃至特徴gB12の各構成に対して、特徴gA1乃至特徴gA24、特徴gB1乃至特徴gB12、特徴gC1乃至特徴gC16、特徴gD1乃至特徴gD10、特徴gE1乃至特徴gE11、特徴gF1乃至特徴gF8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴gC群>
特徴gC1.遊技者による操作に基づいてゲームを開始させ、遊技者による操作に基づいてゲームを終了させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行されるゲームの結果に応じて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技者による所定の遊技操作が無効化される、又は所定の遊技操作が行われた場合に前記遊技進行手段による遊技進行を制限する特定期間を設定可能な特定期間設定手段(主制御装置101によるフラッシュ待機用処理を実行する機能)と、
所定の演出手段(バックライト装置100)にて、特定演出を実行する特定演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ演出制御用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定演出手段は、
前記特定期間設定手段により設定される前記特定期間において、特定態様にて前記特定演出を実行可能な第1演出手段(表示制御装置81による通常フラッシュ設定処理を実行する機能)と、
前記特定期間設定手段により設定される前記特定期間とは異なる期間において、前記特定態様にて前記特定演出を実行可能な第2演出手段(表示制御装置81による特別フラッシュ設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作によってゲームが進行され、そのゲームの結果に応じて特典が付与される遊技機において、遊技者の操作等が無効化される所謂無効期間としての特定期間において特定態様にて特定演出が実行される場合と、その特定期間とは異なる期間において特定態様にて特定演出が実行される場合とがある。このようにすることで、特定態様の特定演出が実行される場合、その最中は遊技進行が制限される特定期間であることを前提とすると、特定態様の特定演出が行われているのにもかかわらず、遊技者が所定の操作を行うと遊技進行が許容される場合もあり、逆に、特定態様の特定演出が実行される場合、その最中は遊技進行が制限されない期間であることを前提とすると、特定態様の特定演出が行われているの最中に遊技者が所定の操作を行うと遊技進行が制限される場合もあり、いずれにしても遊技者を驚愕させる意外性のある演出とすることが可能であるし、同じような特定演出であっても遊技者の操作が受け付けられるか否かといった違いを設けることで、特定演出の演出パターンをより多く記憶しておかなくても遊技演出を劇的に多様化させることも可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
なお、上記の「第2演出手段」は、以下のように限定してもよい。
「遊技者による所定の遊技操作を受け付ける、又は所定の遊技操作が行われた場合に前記遊技進行手段による遊技進行が許容される通常期間において、前記特定態様にて前記特定演出を実行可能な第2演出手段(表示制御装置81による特別フラッシュ設定処理を実行する機能)」。
特徴gC2.前記第1演出手段によって前記特定態様にて前記特定演出が実行される期間は、遊技者による所定の遊技操作を受け付ける、又は所定の遊技操作が行われた場合に前記遊技進行手段による遊技進行が許容される通常期間を含まず、
前記第2演出手段は、前記特定期間を含まないように前記特定態様にて前記特定演出を実行することが可能であることを特徴とする特徴gC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定態様にて特定演出が行われる場合、その全期間に亘って無効期間としての特定期間である場合と、その全期間に亘って操作が有効である通常期間である場合と、があるようになる。このようにすることで、遊技者は特定演出が開始された直後に所定の操作を行うことで、それが特定期間中のものかそれとも通常期間中のものかを判別することが可能となり、早く演出の結果や内容(いずれの演出手段による特定演出か)を知りたいという遊技者のニーズに沿うものとすることが可能となる。
特徴gC3.前記第1演出手段によって前記特定態様にて前記特定演出が実行される期間は、遊技者による所定の遊技操作を受け付ける、又は所定の遊技操作が行われた場合に前記遊技進行手段による遊技進行が許容される通常期間を含まず、
前記第2演出手段は、前記特定期間及び前記通常期間を含むように前記特定態様にて前記特定演出を実行することが可能であることを特徴とする特徴gC1又は特徴gC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定態様にて特定演出が行われる場合、その全期間に亘って無効期間としての特定期間である場合と、その期間中に特定期間と、操作が有効である通常期間とが含まれる場合と、があるようになる。このようにすることで、遊技者が操作するタイミングによっては、いずれの演出手段により実行されている特定演出であっても特定期間である場合があるようになり、いずれの演出手段による特定演出であるかが判別しにくくなる。よって、いずれの演出手段による特定演出かを知りたい遊技者心理を逆手にとって、それを分かりにくくすることによって演出効果を好適に期待できるようにすることが可能となる。
特徴gC4.前記第2演出手段によって前記特定態様にて前記特定演出が実行される期間は、前記特定期間の後、前記通常期間となるように設定されていることを特徴とする特徴gC3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出が行われてからの序盤は、いずれの演出手段によるものであっても特定期間であり、その後、特定期間が継続されるもの(第1演出手段)と、通常期間に切り換わるもの(第2演出手段)とがあるようになる。このようにすることで、いずれの演出手段による特定演出かを判別できるようになるタイミングを後側に先延ばしにすることで、特定演出への注目度を後側まで持続させることが可能となる。
特徴gC5.前記特定演出の態様として、第1演出態様(フラッシュA)と、当該第1演出態様にて演出が行われた後、第2演出態様にて演出が行われるように設定された第3演出態様(フラッシュF)と、を含み、
前記第2演出手段により、前記特定演出の前記特定態様が前記第3演出態様にて実行される場合、前記第1演出態様に対応する期間が前記特定期間となり、前記第2演出態様に対応する期間が前記通常期間となるように設定されることを特徴とする特徴gC4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出は、第1演出態様にて終了する場合もあれば、第1演出態様の実行後、第2演出態様に発展して第3演出態様となる場合もあることを前提とし、第3演出態様にて特定演出が行われた場合、第1演出態様にて実行されている期間は特定期間であって、その後の第2演出態様にて実行されている期間は通常期間となる。この場合、例えば、通常期間中の操作で特定演出をキャンセル可能な構成とする場合、第2演出態様への発展前は、第2演出手段による特定演出であっても特定期間であることから、当該第2演出態様への発展前はキャンセルできなくなり、第2演出態様へ発展するか否かを遊技者に否応なく確認させる構成となる。よって、演出の発展の有無といった遊技者が関心を寄せ易い箇所を設けた意義を抹殺することなく、特定演出を両演出手段によって行うことの効果を好適に奏することが可能となる。
特徴gC6.前記第1演出手段は、前記第3演出態様を前記特定態様として前記特定演出を実行することが可能であることを特徴とする特徴gC5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2演出態様への発展後は、いずれの演出手段によるものかが判別することが可能となる。このように、特徴gC5の構成において、遊技者の関心どころとなる発展の有無の確認後はいずれの演出手段によるものかの判別を可能とすることで、段階的に発展する特定演出による演出効果を期待しながらも、いずれの演出手段によるものかを知りたい遊技者のニーズにも応じた演出とすることが可能となる。
特徴gC7.前記第2演出手段による前記特定演出の実行中に所定の操作が行われた場合、当該実行中の前記特定演出を終了させる終了手段(表示制御装置81によるステップSg3801及びステップSg3802にて肯定判定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gC1乃至特徴gC6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者による操作が無効化される無効期間としての特定期間とは異なる期間にて特定演出が実行される場合、遊技者の操作に基づいて実行中の特定演出が終了されるようになる。このようにすることで、遊技者による操作に基づきゲームが開始され、遊技者による操作に基づいてゲームが終了する遊技機において、遊技進行を許容しながら特定演出を行う上で、遊技進行に伴う演出と特定演出とが重複してしまう不都合を好適に回避することが可能となる。
特徴gC8.前記第2演出手段は、前記特定期間の後、遊技者による所定の遊技操作を受け付ける、又は所定の遊技操作が行われた場合に前記遊技進行手段による遊技進行が許容される通常期間を含むように前記特定態様にて前記特定演出を実行することが可能であり、
前記終了手段は、前記特定期間の経過後に、前記特定演出を終了させることを特徴とする特徴gC7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を途中で終了させたのにもかかわらず、特定期間が経過しておらず、遊技が進行しない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴gC9.前記終了手段は、前記特定期間において前記所定の操作が行われた場合、当該特定期間の経過後に、前記特定演出を終了させることが可能であることを特徴とする特徴gC8に記載の遊技機。
上記構成によれば、無効期間としての特定期間の経過前に操作が行われた場合、その操作による特定演出の途中終了は、特定期間の経過とともに有効となるようになる。このようにすることで、特定期間の経過タイミングで操作を行わなくても、特定期間中に操作を行うようにすることで最も早いタイミングで特定演出を終了させることが可能となり、遊技進行を優先させたい遊技者のニーズに応えることが可能となる。
特徴gC10.前記遊技進行手段は各ゲームで前記特典付与手段により特典を付与することの抽選を実行する抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選又は抽選結果に基づき遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やATモード用の第2ゲーム数管理処理を実行する機能)と、
前記有利事象が生じることに対応する有利報知(確定表示部35の点灯状態)を、前記特定演出の後で実行可能な有利報知手段(表示制御装置81による確定表示部35を点灯状態とする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1演出手段及び前記第2演出手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることを示唆する示唆演出として実行するものであり、
前記終了手段により前記特定演出が終了された場合、前記有利報知手段による前記有利報知の実行を制限可能な手段(表示制御装置81によるステップSg4709及びステップSg4710の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gC7乃至特徴gC9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を途中で終了させると、有利事象が生じることに対応する有利報知が実行されない。特定演出は、有利事象が生じることを示唆する演出であることから、特定演出の示唆によっては有利事象が生じることを把握できなかった遊技者に対しては、有利報知によって有利事象が生じることを知らしめる意義があると考えられる。逆に、特定演出の示唆によって有利事象が生じることを把握した遊技者は、更なる有利報知を不要と考える場合もあると考えられ、特に特定演出を途中でキャンセルする遊技者は、その有利事象が生じることを把握している可能性が高いものと考えられる。そこで、上記構成のようにすることで、遊技者の技量や知識に応じてより好適に演出を行うことが可能となる。
特徴gC11.前記第1演出手段は、前記遊技進行手段によりゲームが終了された後であって、当該終了されたゲームの結果に応じて前記特典付与手段により特典が付与されるまでの期間を前記特定期間として、前記特定演出を実行可能であることを特徴とする特徴gC1乃至特徴gC10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、ゲームの結果に応じて特典が付与される、といった遊技機における最も注目されるタイミングにおいて第1演出手段による特定演出が行われる。このようにすることで、より遊技者が関心を寄せるタイミングにて特定演出が行われることになり、特定演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴gC12.前記第2演出手段は、前記特典付与手段により特典が付与されている状況下で前記特定演出を実行可能であることを特徴とする特徴gC11に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典付与手段が特典を付与する場合、実行する特定演出がいずれの演出手段によるものかを確認する必要がなく、単にゲームが終了した後、特定期間の経過後に特典を付与すればよくなる。よって、構成の複雑化を生じさせることなく特徴gC1の効果を奏することが可能となる。
特徴gC13.前記特典付与手段により付与される特典に対応する特別演出を実行可能な特別演出手段(表示制御装置81による払出効果音出力用処理や通常再遊技用再ベット演出処理を実行する機能)と、
前記第2演出手段により前記特定演出が実行される場合、前記特別演出(払出効果音、再遊技入賞に伴う自動ベット時のベット時効果音)を、当該特定演出の終了まで待機させる待機手段(表示制御装置81によるステップSg3705、ステップSg3706の処理やサブフラッシュ用再ベット演出処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴gC12に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮に特定演出と特典付与とが重複した場合であっても、特典付与に対応する特別演出の実行は、その特定演出の終了まで待機される。このようにすることで、特定演出の実行中に特別演出が行われることによって、いずれの演出手段により実行されている特定演出であることが悟られてしまう事象を好適に回避することが可能となる。
特徴gC14.前記第2演出手段による前記特定演出の実行中に所定の操作が行われた場合、当該実行中の前記特定演出を終了させる終了手段(表示制御装置81によるステップSg3801及びステップSg3802にて肯定判定する処理を実行する機能)と、
前記終了手段により前記特定演出が終了される場合、前記待機手段により待機された前記特別演出を当該特定演出の終了後に実行する手段(表示制御装置81によるステップSg3705、ステップSg3706の処理やサブフラッシュ用再ベット演出処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴gC13に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者による操作が無効化される無効期間としての特定期間とは異なる期間にて特定演出が実行される場合、遊技者の操作に基づいて実行中の特定演出が終了されるようになる。このようにすることで、遊技者による操作に基づきゲームが開始され、遊技者による操作に基づいてゲームが終了する遊技機において、遊技進行を許容しながら特定演出を行う上で、遊技進行に伴う演出と特定演出とが重複してしまう不都合を好適に回避することが可能となる。
さらに、上記のように特定演出を途中で終了させた場合、待機していた特別演出が実行されるようになる。よって、特典付与に対応する特別演出が実行されないことを通じて、遊技者に、特典が付与されなかったのではと勘違いしてしまうことを好適に予防することができる。
特徴gC15.前記第2演出手段による前記特定演出の実行中に所定の操作が行われた場合、当該実行中の前記特定演出を終了させる終了手段(表示制御装置81によるステップSg4901及びステップSg4902にて肯定判定する処理を実行する機能)と、
前記終了手段により前記特定演出が終了される場合、前記待機手段により待機された前記特別演出を実行しないようにする手段(表示制御装置81によるステップSg4903~ステップSg4908の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴gC13に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者による操作が無効化される無効期間としての特定期間とは異なる期間にて特定演出が実行される場合、遊技者の操作に基づいて実行中の特定演出が終了されるようになる。このようにすることで、遊技者による操作に基づきゲームが開始され、遊技者による操作に基づいてゲームが終了する遊技機において、遊技進行を許容しながら特定演出を行う上で、遊技進行に伴う演出と特定演出とが重複してしまう不都合を好適に回避することが可能となる。
さらに、上記のように特定演出を途中で終了させた場合、待機していた特別演出が実行されないようになる。遊技者は、特定演出が途中で終了されることによって当該特定演出が第2演出手段によるものであったことを把握可能であり、このような場合には、特別演出を実行しないようにすることで、更なる遊技進行に基づく遊技演出と特別演出とが重複してしまうことを好適に回避可能となる。なお、この場合であっても、特典は付与されていることから遊技者に直接的な不利益は生じない。
特徴gC16.前記第1演出手段による前記特定演出の実行中に、遊技者により所定の操作が行われたことに対応する操作情報を記憶可能な記憶手段(表示制御装置81によるステップSg5211の処理を実行する機能)と、
前記記憶手段に前記操作情報が記憶されている場合、前記第2演出手段による前記特定演出の実行を制限可能な制限手段(表示制御装置81によるステップSg5206の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴gC1乃至特徴gC14のいずれか1に記載の遊技機。
第2演出手段による特定演出の実行中に所定の操作が行われると、当該操作が行われるタイミングは特定期間中ではない可能性が高く、その操作に基づく遊技進行用の処理を行う必要が生じる。そこで、上記構成のように、第1演出手段による特定演出の実行中は所謂無効期間として特定期間である一方、第2演出手段による特定演出の実行中は特定期間ではない構成において、第1演出手段による特定演出中に所定の操作が行われている場合には、第2演出手段による特定演出の実行が制限されるようにした。このようにすることで、そもそも特定演出中に操作を行いがちな遊技者が遊技している場合には、第2演出手段による特定演出が行われないようになり、第2演出手段による特定演出の実行中に所定の操作が行われることによる不都合を生じにくくすることが可能となる。
上記特徴gC1乃至特徴gC16に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の注目度向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴gC1乃至特徴gC16の各構成に対して、特徴gA1乃至特徴gA24、特徴gB1乃至特徴gB12、特徴gC1乃至特徴gC16、特徴gD1乃至特徴gD10、特徴gE1乃至特徴gE11、特徴gF1乃至特徴gF8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴gD群>
特徴gD1.遊技者による操作に基づいてゲームを開始させ、遊技者による操作に基づいてゲームを終了させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行されるゲームの結果に応じて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定の演出手段(バックライト装置100)にて、特定演出を実行する特定演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ演出制御用処理を実行する機能)を備え、
前記特定演出手段は、
前記特定演出を実行している特定状況において、遊技者による所定の操作が行われた場合、当該実行している前記特定演出を終了させない第1演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ中調整用処理においてステップSg3801にて否定判定する処理を実行する機能)と、
前記特定演出を実行している特定状況において、遊技者による所定の操作が行われた場合、当該実行している前記特定演出を終了させる第2演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ中調整用処理においてステップSg3801及びステップSg3802にて肯定判定する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作によってゲームが進行され、そのゲームの結果に応じて特典が付与される遊技機において、特定演出が実行されている状況下で所定の操作を行った場合に、実行中の特定演出が終了する場合と、終了しない場合とがあるようにしていることから、同じような特定演出であっても遊技者の操作によりそれを途中でキャンセルすることができるか否かといった違いを設けることで、特定演出の演出パターンをより多く記憶しておかなくても遊技演出を劇的に多様化させることも可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴gD2.前記第2演出手段は、遊技者による所定の操作が行われた場合に、前記実行している前記特定演出を終了させない第1状況(無効期間)と、前記実行している前記特定演出を終了させる第2状況(通常期間)と、が前記特定状況に含まれるように、前記特定演出を実行することが可能な構成であることを特徴とする特徴gD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2演出手段による特定演出であっても、操作された状況が第1状況であれば、第1演出手段による特定演出と同様に、途中でキャンセルされないようになる。このようにすることで、例えば、特定演出を行うにあたってキャンセルされると不都合があるような演出を含む場合に、その演出は第1状況にて行う等することで、両演出手段による特定演出を実行することの効果を奏しながらも、特定演出がいつでもキャンセル可能とすることによる不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴gD3.前記第2演出手段は、遊技者による所定の操作が第1タイミングにて行われた場合、当該だ1タイミングよりも後の第2タイミングにて前記特定演出を終了させることを特徴とする特徴gD1又は特徴gD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作されたタイミングよりも後のタイミングで特定演出が終了される。このようにすることで、操作されたタイミングでは特定演出を終了させることに不都合があったり、特徴gC2のように終了させることができない状況であった場合にも、遊技者のキャンセルさせるという意思を尊重して、その後、特定演出を終了させることが可能となる。よって、特定演出がいつでもキャンセル可能とすることによる不都合を生じさせないようにしながらも、遊技者のキャンセル意思を尊重させることが可能となる。
特徴gD4.前記第1タイミングは、前記第2演出手段による前記特定演出が開始されるよりも前のタイミングであることを特徴とする特徴gD3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2演出手段による特定演出の開始前の操作によって、当該第2演出手段による特定演出が実行されないようにすることができる。遊技者によっては、途中でキャンセル可能な特定演出が実行されることを望まないことも考えられ、特に、途中でキャンセル可能であれば最初から実行されないようにしたい、といった遊技者の要望もあり、それに応えることが可能となる。
特徴gD5.前記第1タイミングは、前記第1演出手段により前記特定演出が実行されている特定状況のタイミングであることを特徴とする特徴gD4に記載の遊技機。
上記構成によれば、途中でキャンセルできない第1演出手段による特定演出中に操作された場合、その後の第2演出手段による特定演出が実行されないようになる。このようにすることで、そもそも特定演出が行われる最中に操作が行われる可能性が高い場合には、その操作に基づき途中で特定演出を終了することとなる第2演出手段による特定演出が実行されないようになり、特定演出が途中で終了される場面を極力少なくすることができる。よって、遊技者の多様なニーズに応じながら、特定演出を好適に実行することが可能となる。
特徴gD6.前記特典付与手段により付与される特典に対応する特別演出を実行可能な特別演出手段(表示制御装置81による払出効果音出力用処理や通常再遊技用再ベット演出処理を実行する機能)と、
前記第2演出手段により前記特定演出が実行される場合、前記特別演出(払出効果音、再遊技入賞に伴う自動ベット時のベット時効果音)を、当該特定演出の終了まで待機させる待機手段(表示制御装置81によるステップSg3705、ステップSg3706の処理やサブフラッシュ用再ベット演出処理を実行する機能)と、
前記第2演出手段による前記特定演出の実行中に所定の操作が行われたことに基づいて当該実行中の前記特定演出を終了させる場合、前記待機手段により待機された前記特別演出を実行しないようにする手段(表示制御装置81によるステップSg4903~ステップSg4908の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴gD1乃至特徴gD5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を途中で終了させた場合、待機していた特別演出が実行されないようになる。遊技者は、特定演出が途中で終了されることによって当該特定演出が第2演出手段によるものであったことを把握可能であり、このような場合には、特別演出を実行しないようにすることで、更なる遊技進行に基づく遊技演出と特別演出とが重複してしまうことを好適に回避可能となる。なお、この場合であっても、特典は付与されていることから遊技者に直接的な不利益は生じない。
特徴gD7.前記特典付与手段により付与される特典に対応する特別演出を実行可能な特別演出手段(表示制御装置81による払出効果音出力用処理や通常再遊技用再ベット演出処理を実行する機能)と、
前記第2演出手段により前記特定演出が実行される場合、前記特別演出(払出効果音、再遊技入賞に伴う自動ベット時のベット時効果音)を、当該特定演出の終了まで待機させる待機手段(表示制御装置81によるステップSg3705、ステップSg3706の処理やサブフラッシュ用再ベット演出処理を実行する機能)と、
前記第2演出手段による前記特定演出の実行中に第1操作が行われたことに基づいて当該実行中の前記特定演出を終了させる場合、前記待機手段により待機された前記特別演出を当該終了させる前記特定演出の後で実行するようにする手段(図601(a))と、
前記第2演出手段による前記特定演出の実行中に前記第1操作とは異なる第2操作が行われたことに基づいて当該実行中の前記特定演出を終了させる場合、前記待機手段により待機された前記特別演出を実行しないようにする手段(図602)と、
を備えていることを特徴とする特徴gD1乃至特徴gD6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を途中で終了させた場合、終了させた操作によって、待機していた特別演出が実行される場合と実行されない場合とがあるようになる。仮に、特定演出が途中で終了されることによって当該特定演出が第2演出手段によるものであったことを把握可能であったとしても、特別演出が行われることを楽しみにしていたり、特別演出が行われないことに対して違和感を感じる場合もあり、その点、特定演出を途中で終了させるにしても特別演出を実行する意義は存在している。但し、特定演出を途中で終了させる場合、更なる遊技進行に基づく遊技演出と特別演出とが重複してしまう可能性もある。そこで、上記構成のように、終了契機となる操作の種類によって特別演出の実行の有無を異ならせることで、上記の不都合を生じさせないようにしながら、特定演出や特別演出を実行することが可能となる。
特徴gD8.遊技者により操作されることで前記遊技進行手段により進行されるゲームの賭数が設定される賭数操作手段(第1クレジット投入スイッチ56)と、
前記賭数が設定されている状況下で遊技者により操作されることで前記遊技進行手段によりゲームが開始される開始操作手段(スタートレバー41)と、
を備え、
前記第1操作は、前記賭数操作手段の操作であり、
前記第2操作は、前記開始操作手段の操作であることを特徴とする特徴gD7に記載の遊技機。
上記構成のように、賭数操作手段を操作することでゲームの賭数が設定され、その賭数が設定されている状況下で開始操作手段を操作することでゲームが開始される遊技の流れにおいて、賭数操作手段を操作しても直ちにゲームは開始されないものの、開始操作手段を操作するとゲームが開始される違いがある。そうのため、特定演出の実行中に賭数操作手段を操作して特定演出を終了させても、開始操作手段が操作されるまではゲームが開始されないため、特別演出を実行する猶予はあり、これに対して、開始操作手段を操作して特定演出を終了させると、その操作に基づきゲームが開始されるため、特別演出を実行する猶予はない。このような観点で特徴gC7を限定することで、遊技の流れに沿いながら特別演出を好適に行うことが可能となる。
特徴gD9.前記遊技進行手段は各ゲームで前記特典付与手段により特典を付与することの抽選を実行する抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選又は抽選結果に基づき遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やATモード用の第2ゲーム数管理処理を実行する機能)と、
前記有利事象が生じることに対応する有利報知(確定表示部35の点灯状態)を、前記特定演出の後で実行可能な有利報知手段(表示制御装置81による確定表示部35を点灯状態とする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1演出手段及び前記第2演出手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることを示唆する示唆演出として実行するものであり、
前記第2演出手段により実行されている前記特定演出が遊技者による所定の操作に基づき終了された場合、前記有利報知手段による前記有利報知の実行を制限可能な手段(表示制御装置81によるステップSg4709及びステップSg4710の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gD1乃至特徴gD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を途中で終了させると、有利事象が生じることに対応する有利報知が実行されない。特定演出は、有利事象が生じることを示唆する演出であることから、特定演出の示唆によっては有利事象が生じることを把握できなかった遊技者に対しては、有利報知によって有利事象が生じることを知らしめる意義があると考えられる。逆に、特定演出の示唆によって有利事象が生じることを把握した遊技者は、更なる有利報知を不要と考える場合もあると考えられ、特に特定演出を途中でキャンセルする遊技者は、その有利事象が生じることを把握している可能性が高いものと考えられる。そこで、上記構成のようにすることで、遊技者の技量や知識に応じてより好適に演出を行うことが可能となる。
特徴gD10.前記遊技進行手段は各ゲームで前記特典付与手段により特典を付与することの抽選を実行する抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選又は抽選結果に基づき遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やATモード用の第2ゲーム数管理処理を実行する機能)と、
前記有利事象が生じることに対応する有利報知(確定表示部35の点灯状態)を、前記特定演出の後で実行可能な有利報知手段(表示制御装置81による確定表示部35を点灯状態とする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1演出手段及び前記第2演出手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることを示唆する示唆演出として実行するものであり、
前記有利報知手段は、前記第2演出手段により実行されている前記特定演出が遊技者による所定の操作に基づき終了された場合、前記有利報知を実行する構成であることを特徴とする特徴gD1乃至特徴gD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を途中で終了させると、有利事象が生じることに対応する有利報知が実行されるようになる。特定演出は、有利事象が生じることを示唆する演出であることから、特定演出による示唆を最後まで確認するか、それとも特定演出を途中で終了させて有利報知の有無を確認するか、を遊技者に選択させることが可能となる。よって、遊技者が特定演出の進行や有利報知の実行の有無に介入する余地が生じ、遊技への積極参加を通じて遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
上記特徴gD1乃至特徴gD10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の注目度向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴gD1乃至特徴gD10の各構成に対して、特徴gA1乃至特徴gA24、特徴gB1乃至特徴gB12、特徴gC1乃至特徴gC16、特徴gD1乃至特徴gD10、特徴gE1乃至特徴gE11、特徴gF1乃至特徴gF8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴gE群>
特徴gE1.遊技者による操作に基づいてゲームを開始させ、遊技者による操作に基づいてゲームを終了させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行されるゲームの結果に応じて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される各ゲームで、前記特典付与手段により特典を付与することの抽選を実行する抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定の演出手段(バックライト装置100)にて、特定演出を実行する特定演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ演出制御用処理を実行する機能)と、
前記特定演出を実行している特定状況において、遊技者による所定の操作が行われた場合、当該実行している前記特定演出を終了させる終了手段(表示制御装置81によるフラッシュ中調整用処理においてステップSg3801及びステップSg3802にて肯定判定する処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選又は抽選結果に基づき遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるボーナス状態処理やATモード用の第2ゲーム数管理処理を実行する機能)と、
前記終了手段により前記特定演出を終了させる場合、前記有利事象が生じることに対応する有利報知(確定表示部35の点灯状態)を実行可能な有利報知手段(表示制御装置81によるフラッシュ中調整用処理において確定表示部35を点灯状態とする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作によってゲームが進行され、そのゲームの結果に応じて特典が付与される遊技機において、特定演出が実行されている状況下で所定の操作を行った場合に、実行中の特定演出が終了する場合があり、その場合、有利事象が生じることに対応する有利報知が実行されるようになる。このようにすることで、特定演出を最後まで楽しむか、それとも特定演出を途中で終了させて有利報知の有無を確認するか、を遊技者に選択させることが可能となる。よって、遊技者が特定演出の進行や有利報知の実行の有無に介入する余地が生じ、遊技への積極参加を通じて遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴gE2.前記特定演出手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることを示唆する示唆演出として実行するものであることを特徴とする特徴gE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出は、有利事象が生じることを示唆する演出であることから、特定演出による示唆を最後まで確認するか、それとも特定演出を途中で終了させて有利報知の有無を確認するか、を有利事象へ期待する遊技者に選択させることが可能となる。このようにすることで、特徴gD1に記載した、遊技への積極参加を通じた遊技への注目度を高める効果を更に期待することが可能となる。
特徴gE3.前記特定演出の実行後、前記有利報知(確定表示部35の点灯状態)を実行可能な第2有利報知手段(表示制御装置81による終了時調整用処理において確定表示部35を点灯状態とする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gE1又は特徴gE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を途中で終了させた場合だけではなく、最後まで特定演出が行われた場合であっても、特定演出後に有利報知が行われる場合があるようになる。このようにすることで、最後まで特定演出を楽しみたい遊技者のニーズにも応じることができるようになる。
なお、上記構成を特徴gE1に適用する場合、特徴gE1における「有利報知手段」を「第1有利報知手段」と読み替えることで、両手段の区別をより明確化することが可能である。
特徴gE4.前記有利報知手段は、第1有利報知手段であり、
前記第1有利報知手段により前記有利報知が実行される確率と、前記第2有利報知手段により前記有利報知が実行される確率とが、異なっていることを特徴とする特徴gE3に記載の遊技機。
上記構成によれば、最後まで特定演出を実行させるか、それとも途中で終了させるかで、特定演出後の有利報知の実行率が異なるようになる。このようにすることで、特定演出を最後まで楽しむか否かを有利報知により有利事象が生じることの確認を行いたい気持ちとの関係で遊技者に選択させることが可能となり、これらの要素をもとに選択させる遊技を通じて遊技の興趣向上が図られる。
特徴gE5.前記第2有利報知手段は、前記特定演出手段による前記特定演出が特定態様(前回よりも期待度が低い演出パターン)である場合は前記有利報知を実行する一方、前記特定演出手段による前記特定演出が前記特定態様とは異なる態様である場合は前記有利報知を実行しないことを特徴とする特徴gE3又は特徴gE4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出の演出態様が特定態様であれば、その特定演出を最後まで実行させると有利報知が実行されるものの、その特定演出の演出態様が特定態様とは異なる態様である場合には、その特定演出を最後まで実行させても有利報知は実行されない。このようにすることで、例えば、特定演出が特定態様ではないことの確認を行ったうえで、特定演出を途中で終了させて有利報知を行わせる、といった遊技性を実現することができ、特定演出の演出態様へ高い関心を寄せさせることが可能となる。
特徴gE6.特定ゲームにおいて前記特定演出手段により実行される前記特定演出が第1演出態様(例えば中期待度のフラッシュ演出)であり、当該特定ゲームよりも前の所定ゲームにおいて前記特定演出手段により実行された前記特定演出が第2演出態様(例えば高期待度のフラッシュ演出)である場合、前記特定ゲームにおいて実行される前記第1演出態様の前記特定演出は前記特定態様となる一方、前記特定ゲームにおいて前記特定演出手段により実行される前記特定演出が前記第1演出態様(例えば中期待度のフラッシュ演出)であり、前記所定ゲームにおいて前記特定演出手段により実行された前記特定演出が第3演出態様(例えば低期待度のフラッシュ演出)である場合、前記特定ゲームにおいて実行される前記第1演出態様の前記特定演出は前記特定態様とならないことを特徴とする特徴gE5に記載の遊技機。
上記構成によれば、同じ演出態様であっても、今回の特定演出よりも前に実行された特定演出の演出態様との関係で今回の特定演出の演出態様が有利報知の実行契機となる特定態様となるようになる。このようにすることで、単に今回の特定演出だけではなく、それよりも以前のゲームでの特定演出との関連付けを行うことが可能となり、複数のゲームに亘って特定演出を関連付けることを通じてこれら各ゲームの注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴gE7.前記所定ゲームと前記特定ゲームとが非連続である場合も含むことを特徴とする特徴gE6に記載の遊技機。
上記構成によれば、より多くのゲームを特定演出を通じて関連付けることができ、各ゲームの注目度向上を図るうえでより好ましくなる。
特徴gE8.前記特定演出手段は、前記有利事象手段により前記有利事象が生じることを示唆する示唆演出として実行するものであり、
前記所定ゲームにて実行された前記特定演出において前記有利事象が生じることを示唆する期待度よりも、前記特定ゲームにて実行される前記特定演出において前記有利事象が生じることを示唆する期待度が低い場合に当該特定ゲームにおいて実行される前記特定演出が前記特定態様となることを特徴とする特徴gE6又は特徴gE7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出が示唆する期待度が低くなる場合に特定態様となって有利報知が行われるようになる。換言すれば、期待度が低くならなければ有利報知はおこなわれないものの、そもそも特定ゲームにおいて特定演出によって有利事象が生じることの期待度が高くなることが示唆されていることから、有利報知が行われなくても有利事象への期待感は好適に高められている。よって、いずれの場合であっても有利事象への期待感を高める演出とすることができるようになる。
特徴gE9.前記特定演出手段は、前記遊技進行手段により進行される各ゲームの抽選結果に応じて前記特定演出の演出態様を設定する構成であり、
ゲームの抽選結果が特定結果(押し順ベル)である場合、前記特定演出の演出態様が特定演出態様(フラッシュA)となること、又は前記特定演出が実行されることを制限可能な手段(表示制御装置81による通常フラッシュ設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定ゲームにおける抽選結果が前記特定結果であって、当該特定ゲームにおいて実行される前記特定演出の演出態様が前記特定演出態様である場合、当該特定ゲームにおいて実行される前記特定演出が前記特定態様となることを特徴とする特徴gE6乃至特徴gE8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、ゲームの抽選結果が特定結果である場合、当該特定結果に対応しない特定演出態様の特定演出が行われると、特定演出の終了後に有利報知が行われるようになる。このようにすることで、単に特定演出への注目度だけではなく、ゲームの抽選結果へも関心を寄せさせることが可能となり、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴gE10.遊技者により操作されることで前記遊技進行手段によりゲームが開始される開始操作手段(スタートレバー41)と、
遊技者により操作されることで前記遊技進行手段によりゲームが終了される終了操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
を備え、
前記所定の操作は、前記開始操作手段の操作を含む一方、前記終了操作手段の操作を含まないことを特徴とする特徴gE1乃至特徴gE9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、開始操作手段を操作することでゲームが開始され、終了操作手段を操作することでゲームが終了される遊技の流れにおいて、開始操作手段を操作すると特定演出を途中でキャンセルすることができる一方、終了操作手段を操作しても特定演出を途中でキャンセルすることができない。このように、特定演出をキャンセルできる遊技操作とそうではない遊技操作とを設定することで、意図せずキャンセルしてしまうことを好適に予防することができるし、例えば、特定演出が実行されている状況の次の遊技操作をキャンセル用の遊技操作とすれば、遊技進行を優先したい遊技者にとってキャンセルし易い構成とすることが可能となる。
特徴gE11.前記特定演出手段は、前記遊技進行手段によりゲームが終了されてから前記特定演出を実行することを特徴とする特徴gE1乃至特徴gE10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一のゲームが終了してから特定演出が行われることから、当該ゲームの遊技進行や遊技進行用の操作とは関係なく、例えば、キャンセルしようとして意図せず今回のゲームの遊技を進行させてしまうことを回避することができるし、当該ゲームで遊技を終了したい遊技者としては、特定演出をキャンセルすることで有利報知の有無を確認することができる。また、特徴gE10に適用すれば、一のゲームの終了後、次のゲームの開始操作を行うと、特定演出がキャンセルされる構成となることから、特定演出と有利報知とを確認させながらも遊技進行を優先させることも可能となる。
上記特徴gE1乃至特徴gE11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の注目度向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴gE1乃至特徴gE11の各構成に対して、特徴gA1乃至特徴gA24、特徴gB1乃至特徴gB12、特徴gC1乃至特徴gC16、特徴gD1乃至特徴gD10、特徴gE1乃至特徴gE11、特徴gF1乃至特徴gF8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴gF群>
特徴gF1.遊技者による操作に基づいてゲームを開始させ、遊技者による操作に基づいてゲームを終了させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行されるゲームの結果に応じて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記特典付与手段により特典が付与される場合、所定の演出手段(補助表示部65、スピーカ64)にて、当該付与される特典に応じた特別演出を実行可能な特別演出手段(表示制御装置81による払出効果音出力用処理や通常再遊技用再ベット演出処理を実行する機能)を備え、
前記特別演出手段は、
前記特典が付与される状況にて前記特別演出を実行する第1演出手段(表示制御装置81による払出効果音出力用処理を実行する機能や、表示制御装置81による通常再遊技用再ベット演出処理を実行する機能)と、
前記特典が付与される状況よりも後の特定状況(サブ側フラッシュ演出の終了時)にて前記特別演出を実行する第2演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ中調整用処理や終了時調整用処理において払出効果音を出力する処理を実行する機能や、表示制御装置81によるサブフラッシュ用再ベット演出処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作によってゲームが進行され、そのゲームの結果に応じて特典が付与される遊技機において、特典付与に対応する特別演出は、特典が付与されている状況で実行される場合の他、当該特典が付与されている状況よりも後の特定状況にて実行される場合もあるようになる。このようにすることで、例えば、特典付与のタイミングと別の演出の実行タイミングとが重複しているような場合に、特典付与のタイミングをずらすような複雑な処理を要することなく、特典が付与されたことを遊技者に知らしめることが可能となる。
特徴gF2.所定契機が生じた場合、特定演出(フラッシュ演出)を実行する特定演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ演出制御用処理を実行する機能)を備え、
前記第2演出手段は、前記特典付与手段により特典が付与される状況において前記特定演出手段による前記特別演出が実行されている場合、当該特定演出の終了後を前記特定状況として前記特別演出を実行することを特徴とする特徴gF1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典付与のタイミングで特定演出が実行される場合には、特典付与用の特別演出は特定演出の終了後に実行される。このようにすることで、両演出が重複することによる演出や処理の不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴gF3.前記特定演出手段は、前記特定演出を前記所定の演出手段とは別の演出手段(バックライト装置100)にて実行可能であることを特徴とする特徴gF2に記載の遊技機。
特定演出と特別演出とが別々の演出手段にて実行される場合であっても、それぞれの演出には意味があり、それらを別々に遊技者に把握させることの意義は高い。そこで、上記構成のように特定演出と特別演出とが別々の演出手段にて実行される場合であっても、これらの演出が重複する場合には、特定演出の終了を待って特別演出を行うようにすることで、せっかく用意した各演出が遊技者に把握されない不都合を好適に回避することができる。
特徴gF4.所定契機が生じた場合、特定演出(フラッシュ演出)を実行する特定演出手段(表示制御装置81によるフラッシュ演出制御用処理を実行する機能)を備え、
前記特定演出手段は、前記特典付与手段により特典が付与される前に前記特定演出を実行することが可能であることを特徴とする特徴gF2又は特徴gF3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出は特典付与の前に実行され得ることから、特典付与のタイミングと特定演出の実行タイミングとが重複する場合もあれば、重複しない場合もあるようになる。このようにすることで、特定演出が特典付与と重複する場合にだけ、第2演出手段により特典付与用の特別演出をずらせばよいことから、特典付与のタイミングと特別演出の実行タイミングとのズレが生じる事象が発生しにくくなる。よって、第2演出手段による特別演出がよりイレギュラーの場合の処置となり、遊技者にそのズレによる違和感を与えにくくすることが可能となる。
特徴gF5.前記特定演出手段は、前記遊技進行手段により進行されるゲームの結果に応じて前記特定演出を実行することを特徴とする特徴gF2乃至特徴gF4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出も特別演出もゲームの結果に応じて実行される演出となり、両演出をそれぞれ別々に行うことの意義がより高められる。
特徴gF6.前記特定状況において前記第2演出手段にて前記特別演出が実行されることを制限可能な制限手段(表示制御装置81による開始時フラッシュ演出用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gF1乃至特徴gF5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況となっても特別演出を実行すべきではない場合も考えられ、その場合、制限手段により特別演出の実行が制限される。このようにすることで、特典付与に対応する特別演出の実行タイミングの自由度を向上させながらも、その特別演出を他の演出等との調整を図ることができる。なお、上記の場合であっても、特典付与は行われていることから、遊技者に対して直接的な不利益は生じない。
特徴gF7.前記制限手段は、前記第2演出手段により実行される前記特別演出の契機となったゲームの次のゲームが前記遊技進行手段により開始されることに基づいて、当該特別演出の実行を制限することを特徴とする特徴gF6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別演出の実行契機となったゲームの次ゲームが開始されてしまった場合、既に遊技者の関心は次ゲームに移っているものと考えられ、このような場合には特別演出の実行が制限される。このようにすることで、不必要な場合にまで特別演出を実行しないようにすることができ、遊技者が関心を寄せ易い特別演出とすることが可能となる。また、次ゲームが開始される場合、当該次ゲームに対応する演出も実行される場合があり、特別演出の実行を制限することで当該特別演出と次ゲームの演出とが重複してしまうことを好適に回避することも可能である。
特徴gF8.遊技者による操作に基づいてゲームを開始させ、遊技者による操作に基づいてゲームを終了させ、当該ゲームの結果に応じて遊技者に特典を付与可能なる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)を備える遊技機であって、
前記遊技進行手段は、
遊技進行用の処理として、第1処理(メダル払出処理)を実行する第1処理手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)と、
遊技進行用の処理として、前記第1処理とは異なる第2処理(BET用処理)を実行する第2処理手段(主制御装置101によるBET用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1処理手段により実行される前記第1処理に対応する第1対応演出(払出効果音)を、当該第1処理が前記遊技進行手段により実行される状況とは異なる状況にて実行可能な第1対応演出手段(表示制御装置81による払出効果音出力用処理を実行する機能)と、
前記第2処理手段により実行される前記第2処理に対応する第2対応演出(ベット時効果音)を、当該第2処理が前記遊技進行手段により実行される状況とは異なる状況にて実行可能な第2対応演出手段(表示制御装置81によるベット時演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2対応演出手段は、前記第1処理手段により前記第1処理が実行される状況にて前記第2対応演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作によってゲームが進行され、そのゲームの結果に応じて特典が付与される遊技機において、遊技進行用の第1処理と第2処理とのいずれについても、第1処理に対応する第1対応演出や第2処理に対応する第2対応演出が、それぞれに対応する処理が実行される状況とは異なる状況にて実行され得る。そのため、処理に応じて対応演出を一対一で対応付けて実行する必要がなく、遊技進行と演出の実行タイミングとの自由度を大幅に向上させることが可能となる。しかも、第1処理が実行される状況にて第2対応演出を実行することが可能となっていることから、処理の実行タイミングと対応演出の実行タイミングとのズレが許容されているだけではなく、実行中の処理と実行中の対応演出とがマッチしないことも許容されている構成となり、遊技進行と演出の実行タイミングとの自由度の更なる向上を図ることが可能となる。よって、遊技演出を好適に行うことができ、遊技への注目度向上を図るうえで大いに役立てることが可能となる。
なお、上記特徴gF8に対して、特徴gF1乃至特徴gF7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
この場合、「第1処理手段」を特徴gF1における「遊技進行手段」が備え、「第2処理手段」を特徴gF1における「特典付与手段」が備える構成として、表現を適宜修正するとよい。
上記特徴gF1乃至特徴gF8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技価値としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の注目度向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
上記特徴gF1乃至特徴gF8の各構成に対して、特徴gA1乃至特徴gA24、特徴gB1乃至特徴gB12、特徴gC1乃至特徴gC16、特徴gD1乃至特徴gD10、特徴gE1乃至特徴gE11、特徴gF1乃至特徴gF8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。また、以上詳述した特徴gA群乃至特徴gF群の各構成に対して、他の特徴a群乃至特徴n群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴h群>
以下の特徴hA群乃至特徴hG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8hの実施形態、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴hA群>
特徴hA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第2結果とを有し、
前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を特定報知手段(払出枚数表示部62)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による各押し順情報等に基づく押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知コマンドに基づく押し順報知演出を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段は、前記態様報知にて報知する操作態様に対応する操作態様情報(例えば押し順第1情報や押し順第2情報)を記憶する操作態様記憶手段(主制御装置101による押し順第1情報や押し順第2情報をセットする処理を実行する機能)を備え、当該操作態様記憶手段に記憶された前記操作態様情報に基づいて前記態様報知を実行する構成であり、
少なくとも前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報(各当選フラグ)を記憶可能な特定領域(RAM106の毎ゲームクリア領域111)が設けられており、
前記特典付与手段による特典が付与された後であって、前記抽選手段による抽選が行われるよりも前に、前記特定領域に記憶された情報を消去又は初期化する特定処理を実行可能な特定処理手段(主制御装置101による毎ゲームRAMクリア処理を実行する機能)を備え、
前記操作態様記憶手段は、前記操作態様情報を前記特定領域に記憶させることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1結果入賞となったり、第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
また本遊技機は、各ゲームの抽選結果を含む情報が特定領域に記憶され、当該特定領域に記憶される情報は各ゲームで特定処理手段により消去又は初期化されるようにしていることから、前回のゲームの抽選結果の情報を次のゲームにて引き継がないようにすることができ、どのタイミングからゲームを開始しても遊技者にとっては公平な抽選が受けられるようになり、遊技の公平性が担保されるし、例えば、遊技ホールの開店直後等において、前日のゲームの抽選結果が記憶されていることを判別することによって遊技機のリセット操作を伴う設定値の変更の有無等が見抜かれる、といった不都合が生じないようにすることが可能となっている。
そのうえで、停止操作態様に関する態様報知を、操作態様情報に基づいて実行されるようにし、かかる操作態様情報を、上記の特定領域に記憶されるようにしたことから、態様報知を行うための操作態様情報についても、特定処理手段により毎ゲーム消去乃至初期化されるようになる。よって、操作態様情報を毎ゲーム消去するための新たな構成を追加することなく、既存の構成をうまく利用して、操作態様情報が次のゲームに持ち越されることによる不都合を生じさせないようにすることができる。
なお、操作態様情報が次のゲームに持ち越されることの不都合としては、上記抽選結果が持ち越されることの不都合と同様の不都合の他、複数の停止操作手段の操作態様としての比較的情報量が大きい操作態様情報が蓄積されていくことによって遊技機の記憶容量を圧迫する、といった不都合や、態様報知が実行され易い状態とそうではない状態とで、操作態様情報の記憶の有無が異なり易くなる事象を利用して、前日の状態が引き継がれているか否かを判別することにより、遊技機のリセット操作が行われる設定値の変更等の有無が見抜かれる、といった不都合が考えられる。
特徴hA2.前記特定処理手段は、前記特典付与手段により特典が付与された後であって、前記始動操作手段が操作されるよりも前に、前記特定処理を実行可能であることを特徴とする特徴hA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作は、ゲームの抽選が行われるとともに、周回体の周回が開始される、といったようにゲームの開始操作であり、そのゲームの開始操作よりも前に特定領域の情報を消去乃至初期化するようにしたことから、ゲームの開始操作が行われたのにもかかわらず、特定処理によって抽選等の進行が滞ってしまう、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴hA3.前記操作態様記憶手段は、前記始動操作手段が操作された場合に、前記操作態様情報を前記特定領域に記憶させることを特徴とする特徴hA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、以前のゲームで利用した操作態様情報は始動操作手段が操作されるよりも前に特定処理手段により消去等されていることから、始動操作手段の操作に基づき新たに操作態様情報を記憶させる際に、以前の操作態様情報と今回の操作態様情報とが混在することによる処理エラー等の発生による不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴hA4.前記態様報知手段は、前記始動操作手段が操作された場合に、前記態様報知を開始させることが可能な手段(表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hA3に記載の遊技機。
上記構成のように、始動操作手段の操作に基づいて態様報知を開始する構成においては、当該始動操作手段の操作が行われてから態様報知が開始されるまでのタイムロスは、演出上好ましくなく、仮に特定領域の消去等をこのタイミングで実行するような構成としてしまうと、当該消去等によるタイムロスは多大なものとなり、始動操作手段の操作と態様報知の開始とが大きくずれてしまう恐れがある。その点、上記特徴hA2のように、始動操作手段の操作前に操作態様情報が消去されていることから、当該操作態様情報の消去に伴うタイムロスを生じさせないようにすることができる。しかも、かかる消去等の特定処理は、操作態様情報専用のものではなく、もともとは抽選結果等を消去するものであり、既存の構成をうまく利用して、上記の優れた効果を奏することが可能である。
特徴hA5.前記態様報知手段は、前記始動操作手段が操作された後で、前記態様報知を開始させることが可能な手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hA3又は特徴hA4に記載の遊技機。
上記構成のように、始動操作手段の操作よりも後で態様報知を開始する構成であっても、特徴hA3のように始動操作手段の操作に基づき操作態様情報が記憶されるため、それよりも以前に特定領域の情報を消去等しておかないと、特定領域に記憶されている操作態様情報が今回のゲームのものなのか、それとも以前のゲームのものなのかが判断できなかったり、その判断を行うために新たな処理が必要となってしまったりする不都合が生じ得る。その点、上記のように始動操作手段の操作前に操作態様情報が消去等されることから、操作態様情報が重複することによる不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴hA6.前記周回体の周回が停止した場合に、少なくとも前記操作態様情報を利用する特別処理を実行可能な特別処理実行手段(主制御装置101によるATモード用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hA1乃至特徴hA5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、周回体が停止した場合に操作態様情報が特別処理に利用されるような構成においては、仮にそれよりも以前に操作態様情報が消去等されてしまうと、当該特別処理を実行することができなくなってしまう。その点、上記のように特定処理手段による特定領域の消去等の特定処理の実行タイミングは、周回体の停止後であって特典が付与された後であることからして、特別処理のために操作態様情報を特定処理後も記憶させておくような特殊な構成を用いることなく、上記のような不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴hA7.前記特定領域は、第1の操作態様に対応する前記操作態様情報を記憶させる第1特定領域(例えば、順押しに対応する押し順1A)と、前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様に対応する前記操作態様情報を記憶させる第2特定領域(例えば、挟み押しに対応する押し順2A)と、を有し、
前記操作態様記憶手段は、今回の操作態様が前記第1の操作態様に対応する前記態様報知を実行する場合、前記第1特定領域に前記操作態様情報を記憶させる一方、前記第2特定領域には前記操作態様情報を記憶させず、今回の操作態様が前記第2の操作態様に対応する前記態様報知を実行する場合、前記第2特定領域に前記操作態様情報を記憶させる一方、前記第1特定領域には前記操作態様情報を記憶させない構成であることを特徴とする特徴hA1乃至特徴hA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、複数の領域のいずれかに今回の操作態様情報を記憶させる構成においては、いずれの領域に操作態様情報が記憶されているかによって、操作態様を判断できるため、例えば操作態様情報の種類から操作態様を判断するような構成と比較すると簡素な構成にて、実行すべき操作態様の区別を行うことが可能となる。しかし、例えば、前回記憶させた領域が第1特定領域であり、今回記憶させる領域が第2特定領域である場合、仮に、前回の情報が消去等されていなかったとすると、第1特定領域及び第2特定領域のいずれにも操作態様情報が記憶されている状況となり得ることから、いずれの操作態様に対応する態様報知を実行すべきかの判断ができなくなる恐れがある。その点、上記特徴hA1のように、特定領域の消去等の特定処理によって抽選結果等の情報とあわせて操作態様情報も消去等されることから、比較的簡素な構成にて上記の不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴hA8.前記態様報知手段は、
前記操作態様情報が記憶されている領域が前記第1特定領域である場合、前記第1の操作態様に対応する前記態様報知を実行し、
前記操作態様情報が記憶されている領域が前記第2特定領域である場合、前記第2の操作態様に対応する前記態様報知を実行する(主制御装置101においてセットされているフラグに基づいて押し順報知コマンドを出力し、当該押し順報知コマンドに基づいて表示制御装置81にて押し順報知演出を実行する機能)ことを特徴とする特徴hA7に記載の遊技機。
上記のように限定することにより、特徴hA7の効果をより明確化することが可能である。
特徴hA9.前記操作態様情報は、所定範囲で更新可能な所定の数値情報であり、
前記態様報知手段は、
前記操作態様情報が第1数値である場合、第1の操作態様に対応する前記態様報知を実行し、
前記操作態様情報が前記第1数値とは異なる第2数値である場合、前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様に対応する前記態様報知を実行し、
前記操作態様記憶手段は、今回の操作態様が前記第1の操作態様に対応する前記態様報知を実行する場合、前記第1数値を前記特定領域に記憶させ、今回の操作態様が前記第2の操作態様に対応する前記態様報知を実行する場合、前記第2数値に前記特定領域に記憶させることを特徴とする特徴hA1乃至特徴hA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、数値情報の示す数値によって今回の操作態様を区別させる構成においては、記憶させる記憶領域を少なくすることができる、というメリットがある。しかし、例えば、前回記憶させた数値情報が第1数値であり、今回記憶させる数値情報が第2数値である場合、その数値は上書きされて特定領域に記憶されることとなるところ、仮に、前回の情報が消去等されていなかったとすると、前回の数値情報の有無や数値情報によって上書き時の処理負荷や処理速度に差が生じ得るし、それに伴うエラー等の不都合の発生も懸念される。その点、上記特徴hA1のように、特定領域の消去等の特定処理によって抽選結果等の情報とあわせて操作態様情報も消去等されることから、比較的簡素な構成にて上記の不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴hA10.前記特定領域に記憶される情報とは異なる情報が記憶される第2特定領域(移行時クリア領域112、リセット時クリア領域113)が設けられており、
前記特定処理手段による前記特定処理の実行契機とは異なる契機に基づいて、前記第2特定領域に記憶された情報を消去又は初期化する第2特定処理を実行可能な第2特定処理手段(主制御装置101による有利区間終了時の初期化処理や、リセットスイッチ72の操作に基づく初期化処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hA1乃至特徴hA9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理手段による特定処理のように毎ゲーム実行される処理で消去等される情報とは異なる情報を第2特定領域に記憶させておくことも可能であり、かかる第2特定領域の消去等は別の契機としていることから、特定領域を別途設けることでその情報の消去等ができないという不都合が生じないようにすることも可能である。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「遊技に用いられる情報を所定の記憶領域に記憶可能な記憶手段(RAM106)を備え、
前記記憶手段は、所定の記憶領域として、少なくとも、前記特定領域と、当該特定領域に記憶される情報とは異なる情報が記憶される第2特定領域(移行時クリア領域112、リセット時クリア領域113)とを備えていることを特徴とする特徴hA1乃至特徴hA9のいずれか1に記載の遊技機」。
特徴hA11.遊技媒体、仮想遊技媒体、若しくは遊技価値の増減、又は遊技媒体、仮想遊技媒体、若しくは遊技価値の増減態様に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定値が設けられており、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段により設定される設定値の情報は、前記第2特定領域に記憶されることを特徴とする特徴hA10に記載の遊技機。
上記構成によれば、設定値の情報が特定処理手段によって毎ゲーム消去されてしまう不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴hA12.前記態様報知手段による前記態様報知が実行される特定状態(有利区間)と、当該特定状態よりも前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が低い又は前記態様報知が実行されない通常状態(通常区間)とが設定されており、
前記特定状態の実行数を把握可能とする実行数情報記憶手段(主制御装置101による有利区間ゲーム数AGを管理する処理を実行する機能)を備え、
前記実行数情報記憶手段は、前記実行数の情報を前記第2特定領域に記憶させることを特徴とする特徴hA10又は特徴hA11に記載の遊技機。
上記構成のように、態様報知に関する情報とはいっても、複数のゲームに亘って継続し得る状態用の情報等は、毎ゲーム消去されてしまうと不便であり、そのような情報は特定領域ではなく第2特定領域に記憶させておくことで、毎ゲーム消去されないようにすることが可能である。
なお、上記構成を特徴hA11に適用する場合、「設定値の情報」を記憶する領域と、「実行数の情報」を記憶する領域とを別の領域としてもよいし、同じ領域としてもよく、これらの情報の消去等を行う第2特定処理についても、別の第2特定処理によって消去等する構成としてもよいし、同じ第2特定処理によって消去等する構成としてもよい。
特徴hA13.開放状態と非開放状態とに切り換わり可能な扉体(前面扉12)と、
前記扉体が前記開放状態とされることにより操作可能となり、前記扉体が前記非開放状態とされることにより操作不可となる所定の操作手段(リセットスイッチ72)と、
前記扉体が前記開放状態とされることを制限する施錠状態と、前記扉体が前記開放状態とされることを許容する非施錠状態とに切り替え可能な施錠手段(キーシリンダ21)と、
を備え、
前記第2特定処理手段は、前記所定の操作手段が操作されたことに基づいて前記第2特定処理を実行することが可能であることを特徴とする特徴hA10乃至特徴hA12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の操作手段を操作することによって第2特定領域に記憶された情報の消去等が行われる構成において、所定の操作手段は施錠手段を非施錠状態とすることで操作可能となり、基本的には遊技者により操作されるものではなく、遊技ホールの管理者等により操作されるものとなる。これに対して、抽選結果や操作態様情報が記憶される特定領域は、遊技者によるゲーム進行に伴い消去されるものであることから、これら特定領域と第2特定領域にとに記憶する情報を区別するうえで、遊技者により消去され得る情報とそうではない情報とを区別しながら記憶させることが可能となる。
特徴hA14.前記第2特定処理手段は、前記第2特定領域に記憶された情報を消去又は初期化する前記第2特定処理を実行する場合、前記特定領域に記憶された情報も消去又は初期化することが可能であるを特徴とする特徴hA10乃至特徴hA13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定領域に記憶された情報を消去等しようとする際には特定領域に記憶された操作態様情報もまとめて消去等される。このようにすることで、消去等の処理や操作を比較的簡素な構成とすることができる。
特徴hA15.前記操作態様記憶手段は、前記操作態様情報を前記特定領域のうちの前記結果情報が記憶される領域とは異なる領域に記憶させることを特徴とする特徴hA1乃至特徴hA14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理手段により特定領域に記憶された情報がまとめて消去等されるとはいえ、各ゲームの結果情報と操作態様情報とは特定領域のうちの別々の領域に記憶されるため、操作態様情報が結果情報により上書きされてしまったり、結果情報が操作態様情報により上書きされてしまったりする等、一方の情報が読み取れなくなってしまう事象を好適に回避しながら、各情報を次ゲームに持ち越さないようにすることができる。
特徴hA16.前記態様報知手段は、前記特定領域に記憶された前記結果情報を前記操作態様情報として前記態様報知を実行可能であることを特徴とする特徴hA1乃至特徴hA14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、結果情報を操作態様情報として利用して態様報知を行うようにすれば、操作態様情報を別途記憶する必要も生じないし、結果情報は特定処理にて消去等されることから操作態様情報も次ゲームに持ち越されることがない。
なお、上記構成を特徴hA1に適用する場合、以下のように表現してもよい。
「複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第2結果とを有し、
前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を特定報知手段(払出枚数表示部62)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による各押し順情報等に基づく押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知コマンドに基づく押し順報知演出を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段は、前記態様報知にて報知する操作態様情報(例えば押し順第1情報や押し順第2情報)を記憶する操作態様記憶手段(主制御装置101による押し順第1情報や押し順第2情報をセットする処理を実行する機能)を備え、当該操作態様記憶手段に記憶された前記操作態様情報に基づいて前記態様報知を実行する構成であり、
少なくとも前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報(各当選フラグ)を記憶可能な特定領域(RAM106の毎ゲームクリア領域111)が設けられており、
前記特典付与手段による特典が付与された後であって、前記抽選手段による抽選が行われるよりも前に、前記特定領域に記憶された情報を消去又は初期化する特定処理を実行可能な特定処理手段(主制御装置101による毎ゲームRAMクリア処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段は、前記特定領域に記憶された前記結果情報を前記操作態様情報として前記態様報知を実行可能であることを特徴とする遊技機」。
特徴hA17.前記操作態様記憶手段は、前記操作態様情報を前記特定領域のうちの前記結果情報が記憶される領域とは異なる領域であって、前記態様報知とは異なる遊技進行用の情報(共用カウンタ)が記憶される領域に記憶させることを特徴とする特徴hA1乃至特徴hA14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理手段により特定領域に記憶された情報がまとめて消去等されるとはいえ、各ゲームの結果情報と操作態様情報とは特定領域のうちの別々の領域に記憶されるため、操作態様情報が結果情報により上書きされてしまったり、結果情報が操作態様情報により上書きされてしまったりする等、一方の情報が読み取れなくなってしまう事象を好適に回避しながら、各情報を次ゲームに持ち越さないようにすることができる。
そのうえで、操作態様情報が記憶される領域は、態様報知とは異なる遊技進行用の情報が記憶される領域としていることから、特定領域に記憶させる情報を操作態様情報と当該遊技進行用の情報とで共用する構成となる。このようにすることで、特定領域の記憶容量を削減することができるし、特定処理の処理負荷も軽減することができる。
特徴hA18.前記異なる遊技進行用の情報を用いて前記特定報知手段にて特定報知(払出枚数の表示)を実行可能な特定報知手段(主制御装置101による払出枚数の表示を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hA17に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様情報と記憶領域を共用する遊技進行用の情報は特定報知手段にて特定報知を行う情報となる。この場合、例えば、特定報知手段にて報知を行う際に、いずれの情報かを判断することなく記憶されている情報に基づいて報知を行うようにすることも可能であり、報知を行う特定報知手段を共用するだけではなく、処理構成の簡素化にも大きく貢献することができる。
特徴hA19.前記特定処理手段による前記特定処理が行われるよりも前に、前記操作態様情報を消去又は初期化する事前処理を実行することが可能な事前処理手段(主制御装置101による押し順第1情報や押し順第2情報をクリアする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hA1乃至特徴hA18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理手段による特定処理(操作態様情報の消去又は初期化)を待たずに、事前に消去又は初期化することが可能となる。このようにすることで、例えば、操作態様情報を記憶する領域を別の情報の記憶領域と共用するような場合に、当該別の情報を記憶する前に操作態様情報を消去等して、当該別の情報の記憶時にエラー等が発生しないようにすることが可能となる。よって、操作態様情報の利便性を向上させることができる。
特徴hA20.前記事前処理手段は、所定条件が成立している場合(小役入賞により払出が発生する)には前記事前処理を実行する一方、前記所定条件が成立していない場合には前記事前処理を実行しないことを特徴とする特徴hA19に記載の遊技機。
上記構成によれば、事前処理手段による操作態様情報の消去等は所定条件が成立している場合だけとなり、所定条件が成立していないと操作態様情報の事前消去はなされない。ただし、特定処理手段による特定処理によって消去等がなされるようにしていることから、このような構成としても、操作態様情報が次ゲームに持ち越されてしまう不都合を好適に回避することが可能となる。
特徴hA21.前記特定処理手段は、前記事前処理手段による前記事前処理の実行の有無に関わらず、前記特定処理を実行することを特徴とする特徴hA19又は特徴hA20に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理手段による特定処理にて事前処理の実行の有無を確認する必要がなく、事前処理を行ったことの情報を特定処理の実行時まで記憶しておかなくてもよくなるため、比較的簡素な構成を用いて特徴hA19の効果を奏しながらも、操作態様情報の消去等を行うことが可能となる。
特徴hA22.前記事前処理手段により前記事前処理が実行されることにより、前記態様報知手段による前記態様報知が、いずれの操作態様にも対応しない特定態様報知(00の表示)となることを特徴とする特徴hA19乃至特徴hA21のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、事前処理手段によってゲーム中に操作態様情報の消去等が行われる場合、いずれの操作態様にも対応しない特定態様報知となるため、態様報知が別の操作態様に対応するものに切り替わってしまっていずれの操作態様にて操作すべきかが判断できなくなってしまう、といった不都合が生じないようにすることができる。
特徴hA23.前記事前処理手段は、全ての前記停止操作手段の操作が行われた後であって、前記特定処理手段による前記特定処理が行われる前に、前記事前処理を実行可能であることを特徴とする特徴hA19乃至特徴hA22のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、事前処理手段は停止操作が終了した後で操作態様情報の消去等を実行するため、態様報知が初期化されることによっていずれの操作態様にて操作すべきかが判断できなくなってしまう、といった不都合が生じないようにすることができる。
なお、上記特徴hA1乃至特徴hA23に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴hA1乃至特徴hA23の各構成に対して、特徴hA1乃至特徴hA23、特徴hB1乃至特徴hB15、特徴hC1乃至特徴hC12、特徴hD1乃至特徴hD9、特徴hE1乃至特徴hE11、特徴hF1乃至特徴hF9及び特徴hG1乃至特徴hG8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴hB群>
特徴hB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第2結果とを有し、
前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を特定報知手段(払出枚数表示部62)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による各押し順情報等に基づく押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知コマンドに基づく押し順報知演出を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段は、前記態様報知にて報知する操作態様情報(例えば押し順第1情報や押し順第2情報)を記憶する操作態様記憶手段(主制御装置101による押し順第1情報や押し順第2情報をセットする処理を実行する機能)を備え、当該操作態様記憶手段に記憶された前記操作態様情報に基づいて前記態様報知を実行する構成であり、
前記特典付与手段による特典が付与された後であって、前記抽選手段による抽選が行われるよりも前に、少なくとも前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報(各当選フラグ)を含む情報を消去又は初期化する特定処理を実行可能な特定処理手段(主制御装置101によるRAMクリア処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理手段は、前記操作態様情報を含めて前記特定処理を実行することが可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1結果入賞となったり、第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
また本遊技機は、各ゲームの抽選結果を含む特定情報は各ゲームで特定処理手段により消去等されるようにしていることから、前回のゲームの抽選結果の情報を次のゲームにて引き継がないようにすることができ、どのタイミングからゲームを開始しても遊技者にとっては公平な抽選が受けられるようになり、遊技の公平性が担保されるし、例えば、遊技ホールの開店直後等において、前日のゲームの抽選結果が記憶されていることを判別することによって遊技機のリセット操作を伴う設定値の変更の有無等が見抜かれる、といった不都合が生じないようにすることが可能となっている。
そのうえで、停止操作態様に関する態様報知を、操作態様情報に基づいて実行されるようにし、かかる操作態様情報についても、上記の特定処理の処理対象とするようにしたことから、態様報知を行うための操作態様情報についても、特定処理手段により毎ゲーム消去されるようになる。よって、操作態様情報を毎ゲーム消去するための新たな構成を追加することなく、既存の構成をうまく利用して、操作態様情報が次のゲームに持ち越されることによる不都合を生じさせないようにすることができる。
なお、操作態様情報が次のゲームに持ち越されることの不都合としては、上記抽選結果が持ち越されることの不都合と同様の不都合の他、複数の停止操作手段の操作態様としての比較的情報量が大きい操作態様情報が蓄積されていくことによって遊技機の記憶容量を圧迫する、といった不都合や、態様報知が実行され易い状態とそうではない状態とで、操作態様情報の記憶の有無が異なり易くなる事象を利用して、前日の状態が引き継がれているか否かを判別することにより、遊技機のリセット操作が行われる設定値の変更等の有無が見抜かれる、といった不都合が考えられる。
特徴hB2.前記特定処理手段は、前記操作態様情報が記憶されているか否かに関わらず、前記特定処理を実行することを特徴とする特徴hB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様情報が記憶されておらず、特定処理の処理対象が存在しないことを理由として当該特定処理がストップしてしまう、といった不都合を生じさせないようにすることができる。よって、例えば、態様報知が毎ゲーム実行されないような構成であっても、既存の構成を利用して操作態様情報をうまく消去することが可能となる。
特徴hB3.前記操作態様記憶手段は、前記操作態様情報を前記態様報知とは異なる遊技進行用の情報(払出第2カウンタ、共用カウンタ)であって、前記特定処理の対象となる情報が記憶される領域(毎ゲームクリア領域111や、共用カウンタの記憶領域)に記憶させる構成であることを特徴とする特徴hB1又は特徴hB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様情報を既存の特定処理の対象とするだけではなく、他の特定処理の対象となる遊技進行用の情報と記憶領域を共通化することによって、特定処理を行ううえで別々の記憶領域の消去等を行う手間を省くことが可能となり特定処理の処理構成の簡素化を図ることができるし、記憶領域の共通化によって記憶容量の削減も図ることができる。
特徴hB4.前記操作態様情報と前記遊技進行用の情報とは特定領域(共用カウンタの記憶領域)に記憶される構成であり、
前記特定処理手段は、
前記特定領域に前記操作態様情報が記憶されている場合、当該操作態様情報を対象として前記特定処理を実行することが可能であり、
前記特定領域に前記操作態様情報が記憶されていない場合、前記遊技進行用の情報を対象として前記特定処理を実行することが可能であることを特徴とする特徴hB3に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様情報と遊技進行用の情報との記憶領域を共通の特定領域としたうえで、特定領域に操作態様情報が記憶されていれば当該操作態様情報の消去等が行われ、操作態様情報が記憶されていなければ遊技進行用の情報の消去等が行われるため、操作態様情報が記憶されていない状況であっても特定処理の実行対象が存在するようになり、実行対象がないことを理由として特定処理がストップしてしまう等の不都合が生じないようにすることができる。
なお、上記構成は、「前記特定領域に前記操作態様情報が記憶されている場合に、前記遊技進行用の情報も前記特定領域に記憶されている」構成を排除するものではなく、この場合、「前記操作態様情報は前記特定領域における第1領域に記憶され、前記遊技進行用の情報は前記特定領域における第2領域に記憶される」構成とするとよい。
特徴hB5.前記操作態様記憶手段は、前記態様報知とは異なる遊技進行用の情報(払出第2カウンタ、共用カウンタ)であって、前記特定処理の対象となる特定情報(共用カウンタ)に前記操作態様情報を記憶させる構成であることを特徴とする特徴hB1乃至特徴hB4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様情報を既存の特定処理の対象とするだけではなく、他の特定処理の対象となる遊技進行用の特定情報と共用の情報とすることで、特定処理を行ううえで別々の情報の消去等を行う手間を省くことが可能となり特定処理の処理構成の簡素化を図ることができるし、記憶する情報の共通化によって記憶容量の削減も図ることができる。
特徴hB6.前記特定情報に前記遊技進行用の情報が記憶されている場合、前記特定報知手段にて前記態様報知とは異なる報知であって、前記遊技進行用の情報に対応する特別報知を実行する特別報知手段(主制御装置101による払出枚数の表示を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hB5に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様情報と遊技進行用の情報とを特定情報として共用の情報とするだけではなく、いずれも特定報知手段にて報知を行う情報とすることで、例えば、特定報知手段にて報知を行う場合、いずれの情報かを判断することなく記憶されている特定情報に基づいて報知を行うようにすることも可能であり、報知を行う特定報知手段を共用することによる効果だけではなく、処理構成の簡素化にも大きく貢献することができる。
特徴hB7.前記特定処理手段による前記特定処理の実行契機とは異なる契機に基づいて、前記操作態様情報を消去又は初期化する特別処理を実行可能な特別処理手段(主制御装置101による有利区間終了時の初期化処理やリセット操作時のRAMクリア処理、押し順第1情報や押し順第2情報のクリア処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hB1乃至特徴hB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選結果に対応する結果情報とまとめて消去等される特定処理の実行タイミングとは異なるタイミングで操作態様情報が消去等される場合があるようになる。このようにすることで、例えば、特徴hB5のように別の遊技進行用の情報と記憶領域を共用するような構成においては、操作態様情報が残存していることによる不都合を生じさせないようにすることができるし、例えば、操作態様情報に限らず、態様報知に関する全ての情報を消去等したい場合に特定処理を起動させる必要がない等、処理構成等の好適化を図ることが可能となる。
特徴hB8.前記特別処理手段は、前記結果情報を含めずに前記特別処理を実行する構成であることを特徴とする特徴hB7に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選結果に対応する結果情報の消去等は行いたくないものの、操作態様情報の消去等を行いたい場面では、特定処理ではなく特別処理を起動させればよくなり、用途や必要性に応じて処理を異ならせることにより遊技進行用の処理をスムーズに行うことが可能となる。
特徴hB9.前記特定処理手段は、前記特別処理手段による前記特別処理が行われた後で、前記特定処理を実行可能であることを特徴とする特徴hB7又は特徴hB8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別処理による操作態様情報の消去等の有無に関わらず、特定処理自体は起動される構成となるため、特別処理を実行したことの情報を記憶しておく必要もないし、特定処理において特別処理の実行の有無を判断する必要もなく、処理構成を簡素なものとすることが可能となる。
なお、上記構成は以下のように表現してもよい。
「前記特定処理手段は、前記特定処理を実行した後であって、次の前記特定処理の実行機会までに、前記特別処理手段による前記特別処理が行われた場合であっても、当該次の前記特定処理の実行機会にて当該特定処理を実行可能である」。
特徴hB10.前記態様報知手段による前記態様報知が実行可能となる第1状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行不可となる又は実行頻度が前記第1状態よりも低くなる第2状態(通常区間)と、が設けられており、
前記特別処理手段は、前記第1状態から前記第2状態に移行させる場合に、前記態様報知手段により前記態様報知を実行するための各種情報を消去又は初期化することを前記特別処理として実行する構成であることを特徴とする特徴hB7乃至特徴hB9のいずれか1に記載の遊技機。
一般的に、態様報知が実行可能となる所謂有利区間としての第1状態が終了して所謂通常区間としての第2状態に移行する場合に、態様報知手段により態様報知を実行するための各種情報の初期化処理が実行されるところ、上記構成では、特別処理手段による特別処理は、かかる態様報知を実行するための各種情報の初期化処理に対応する処理となる。このようにすることで、各種情報の初期化処理を実行したのにもかかわらず、操作態様情報だけが残存しているといった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴hB11.前記特定処理手段は、前記特典付与手段により特典が付与された後であって、前記始動操作手段が操作されるよりも前に、前記特定処理を実行可能であることを特徴とする特徴hB1乃至特徴hB10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作は、ゲームの抽選が行われるとともに、周回体の周回が開始される、といったようにゲームの開始操作であり、そのゲームの開始操作よりも前に結果情報や操作態様情報を消去乃至初期化するようにしたことから、ゲームの開始操作が行われたのにもかかわらず、特定処理によって抽選等の進行が滞ってしまう、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴hB12.前記操作態様記憶手段は、前記始動操作手段が操作された場合に、前記操作態様情報を記憶させることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
上記構成によれば、以前のゲームで利用した操作態様情報は始動操作手段が操作されるよりも前に特定処理手段により消去等されていることから、始動操作手段の操作に基づき新たに操作態様情報を記憶させる際に、以前の操作態様情報と今回の操作態様情報とが混在することによる処理エラー等の発生による不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴hB13.前記態様報知手段は、前記始動操作手段が操作された場合に、前記態様報知を開始させることが可能な手段(表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hB12に記載の遊技機。
上記構成のように、始動操作手段の操作に基づいて態様報知を開始する構成においては、当該始動操作手段の操作が行われてから態様報知が開始されるまでのタイムロスは、演出上好ましくなく、仮に操作態様情報の消去等をこのタイミングで実行するような構成としてしまうと、当該消去等によるタイムロスは多大なものとなり、始動操作手段の操作と態様報知の開始とが大きくずれてしまう恐れがある。その点、上記特徴hB11のように、始動操作手段の操作前に操作態様情報が消去されていることから、当該操作態様情報の消去に伴うタイムロスを生じさせないようにすることができる。しかも、かかる消去等の特定処理は、操作態様情報専用のものではなく、もともとは抽選結果等を消去するものであり、既存の構成をうまく利用して、上記の優れた効果を奏することが可能である。
特徴hB14.前記態様報知手段は、前記始動操作手段が操作された後で、前記態様報知を開始させることが可能な手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hB12又は特徴hB13に記載の遊技機。
上記構成のように、始動操作手段の操作よりも後で態様報知を開始する構成であっても、特徴hB12のように始動操作手段の操作に基づき操作態様情報が記憶されるため、それよりも以前に前ゲームの操作態様情報を消去等しておかないと、当該操作態様情報が今回のゲームのものなのか、それとも以前のゲームのものなのかが判断できなかったり、その判断を行うために新たな処理が必要となってしまったりする不都合が生じ得る。その点、上記のように始動操作手段の操作前に操作態様情報が消去等されることから、上記のように既存の構成をうまく利用しながら、操作態様情報が重複することによる不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴hB15.前記周回体の周回が停止した場合に、少なくとも前記操作態様情報を利用する処理を実行可能な手段(主制御装置101によるATモード用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hB1乃至特徴hB14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、周回体が停止した場合に操作態様情報が利用される処理が存在するような構成においては、仮にそれよりも以前に操作態様情報が消去等されてしまうと、当該処理を実行することができなくなってしまう。その点、上記のように特定処理手段による特定処理の実行タイミングは、周回体の停止後であって特典が付与された後であることからして、上記処理のために操作態様情報を特定処理後も記憶させておくような特殊な構成を用いることなく、上記のような不都合は生じさせないようにすることが可能となる。
なお、上記特徴hB1乃至特徴hB15に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴hB1乃至特徴hB15の各構成に対して、特徴hA1乃至特徴hA23、特徴hB1乃至特徴hB15、特徴hC1乃至特徴hC12、特徴hD1乃至特徴hD9、特徴hE1乃至特徴hE11、特徴hF1乃至特徴hF9及び特徴hG1乃至特徴hG8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴hC群>
特徴hC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
特定報知手段(払出枚数表示部62)にて所定の遊技情報に対応する特別報知を、特別情報(共用カウンタ)に基づいて実行する特別報知手段(主制御装置101による払出枚数を表示するための処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第2結果とを有し、
前記特別報知とは異なる報知であって、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を前記特定報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による各押し順情報等に基づく押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知コマンドに基づく押し順報知演出を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段は、前記態様報知にて報知する操作態様に対応する情報を前記特別情報として記憶する記憶手段(主制御装置101による押し順第1情報に基づいて共用カウンタをセットする処理を実行する機能)を備え、当該特別情報に基づいて前記態様報知を実行する構成であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1結果入賞となったり、第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
態様報知は特定報知手段にて実行されるところ、特定報知手段では、態様報知とは異なる遊技情報を報知する特別報知が実行される場合があり、この特別報知は特別情報に基づいて実行されるように設定されている。そのうえで、本遊技機では、態様報知にて報知する操作態様の情報を特別報知に利用される特別情報として記憶する構成としており、特別情報が特別報知と態様報知とで共用される構成としている。このようにすることで、共通の報知手段にて実行される特別報知と態様報知とで、特別情報も共用する構成となり、遊技構成の簡素化に大きく貢献し、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
特徴hC2.前記特別報知手段は前記態様報知手段による前記態様報知が実行されるタイミングとは異なるタイミングにて前記特別報知を実行し、
前記態様報知手段は前記特別報知手段による前記特別報知が実行されるタイミングとは異なるタイミングにて前記態様報知を実行することを特徴とする特徴hC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、報知タイミングが重複することによっていずれの報知を特定報知手段にて実行すべきかが判断できなくなるといった不都合を生じさせないようにすることができる。
なお、上記構成における「タイミング」との表現は、「状況」と読み替えて表現することが可能である。かかる点は、本特徴群だけではなく他の特徴群においても同様であり、「タイミング」と表現している構成は、「状況」と読み替えて表現することが可能である。
特徴hC3.前記特別報知手段は、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されないゲームにおいて、仮に前記態様報知が実行されるのであればその態様報知が開始されるタイミングとは異なるタイミングで前記特別報知を開始し、
前記態様報知手段は、前記特別報知手段による前記特別報知が実行されないゲームにおいて、仮に前記特別報知が実行されるのであればその特別報知が開始されるタイミングとは異なるタイミングで前記態様報知を開始することを特徴とする特徴hC1又は特徴hC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、報知タイミングが重複することによっていずれの報知を特定報知手段にて実行すべきかが判断できなくなるといった不都合を生じさせないようにすることができ、特に、本構成においては、他方の報知が実行されないゲームであっても、その他方の報知が実行されるであろうタイミングとは異なるタイミングでもう一方の報知を行うようにしていることから、当該もう一方の報知が開始されたことによって他方の報知が開始されたと遊技者に勘違いさせてしまうことを回避することができる。
なお、上記構成における「開始されるタイミング」との表現は、「実行中となるタイミング」として限定してもよく、このようにすることで、他方の報知が実行中となる全てのタイミングでもう一方の報知が実行されないようになり、上記の遊技者に勘違いさせない効果を更に好適に奏することが可能である。
特徴hC4.前記特別報知手段は、今回のゲームの遊技結果に関する情報を前記所定の遊技情報として前記特別報知にて報知することを特徴とする特徴hC1乃至特徴hC3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様についての態様報知と、ゲームの遊技結果に関する特別報知とが、同じ特定報知手段にて実行される構成となる。このようにすることで、遊技者の操作により遊技が進行される所謂スロットマシンにおいて、その操作の態様と、遊技進行の結果と、といった遊技者が最も関心を寄せる情報の報知が共通の報知手段にて実行される構成となり、両報知を確認する際に遊技者が視線を移す必要がなく、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴hC5.前記特別報知手段は、前記態様報知手段による前記態様報知が実行された後で前記特別報知を実行することを特徴とする特徴hC1乃至特徴hC4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様についての態様報知が特別報知よりも先に実行されることととなるため、態様報知の実行タイミングが遅くて停止操作手段のスムーズな操作に支障がある、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特に、上記構成を特徴hC4のように特別報知が遊技結果についての報知である場合、仮に遊技結果についての特別報知が停止操作の態様報知よりも先に行われてしまうと、今回のゲームの遊技結果が操作前に丸わかりになってしまう。その点、上記構成のように、停止操作についての態様報知の後で遊技結果についての特別報知が実行される構成とすることで、上記の不都合を生じさせないようにすることも可能である。
特徴hC6.前記記憶手段により前記態様報知にて報知する操作態様に対応する情報を前記特別情報として記憶するよりも前に、又は前記特別報知手段による前記特別報知に対応する前記所定の遊技情報を前記特別情報として記憶するよりも前に、前記特別情報を消去又は初期化する特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101によるステップSh2802や、ステップSh203の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hC1乃至特徴hC5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報を共用するうえで、一方の情報を記憶させる場合には他方の情報が消去等されてから記憶されるようになる。このようにすることで、特別情報の上書きがうまくいかなかった場合等、他方の情報が一方の情報の報知時に残存することによる不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴hC7.前記特定処理手段による前記特定処理が実行された後、当該特定処理の後の前記特別情報に対応する報知を前記特定報知手段により実行するようにする手段(主制御装置101による共用カウンタのクリア処理を実行した後、割込み待ち処理を実行する機能や、主制御装置101による毎ゲームRAMクリア処理後の共用カウンタを表示させる機能)を備えていることを特徴とする特徴hC6に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知と特別報知とが共通の特定報知手段にて実行される構成において、特別情報が消去等された状態での報知を、両報知の区切りの報知とすることが可能となり、例えば態様報知が途中で別の操作態様を示す報知に切り替わってしまった、といった誤解を生じさせることなく、両報知による機能を好適に発揮させることが可能となる。
特徴hC8.前記特定処理手段による前記特定処理が実行された後、当該特定処理の実行対象となった側の前記特別情報に対応する報知が前記特定報知手段により実行され、その後、当該特定処理の実行対象とならなかった側の前記特別情報に対応する報知が前記特定報知手段により実行されることを特徴とする特徴hC7に記載の遊技機。
態様報知と特別報知が特定報知手段にて実行される構成において、後側の報知を開始してから、消去や初期化されたものを一旦報知し、その後、後側の報知内容に沿った報知を行おうとすると、後側の報知用の処理において特別情報が消去や初期化されたものが報知されたことを確認する処理と、その確認後に後側の報知内容に沿った報知に更新する処理が必要になる。これに対して、上記構成のように、報知の切り換え前に特別情報を消去や初期化し、その消去や初期化を行った特別情報に対応する報知を行ってから、後側の報知に切り替えるようにすることで、後側の報知用の処理において消去等された特別情報の報知が行われたことの確認処理を設ける必要がなくなる。このようにすることで、後側の報知用の処理の処理構成を簡素化することが可能となる。
特徴hC9.前記特定処理手段は、前記記憶手段により前記態様報知にて報知する操作態様に対応する情報を前記特別情報として記憶するよりも前に前記特別報知手段による前記特別報知が実行されていなくても、又は前記特別報知手段による前記特別報知に対応する前記所定の遊技情報を前記特別情報として記憶するよりも前に前記態様報知手段による前記態様報知が実行されていなくても、前記特定処理を実行することを特徴とする特徴hC6乃至特徴hC8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知前に特別報知が実行されていなくても、又は特別報知前に態様報知が実行されていなくても、報知の切り替え前に特別情報の消去や初期化を実行する。このようにことで、切り替え前に他方の報知の実行の有無を確認する処理を設ける必要がなく、処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
特徴hC10.前記特定処理手段は、前記特別報知手段による前記特別報知に対応する前記所定の遊技情報を前記特別情報として記憶するよりも前に、前記記憶手段により記憶された前記態様報知にて報知する操作態様に対応する前記特別情報の前記特定処理を実行する構成であり、
前記特定処理手段による前記特定処理の実行前に、前記特別情報に対応する情報を所定の記憶領域に記憶させる手段(主制御装置101による押し順第1情報を記憶させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hC6乃至特徴hC9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知に用いる特別情報を特別報知用の情報と共用する構成において、態様報知用の情報が所定の記憶領域にも記憶されるようになることから、特別報知に切り替える際に特別情報を消去等することによって態様報知についての操作態様の情報が遡って把握することができなくなる、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴hC11.前記特典付与手段による特典が付与された後であって、前記抽選手段による抽選が行われるよりも前に、前記特別情報を消去又は初期化する処理を実行可能な手段(主制御装置101によるRAMクリア処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hC1乃至特徴hC10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知と特別報知とで特定報知手段と特別情報と共用する構成において、毎ゲームの開始前に特別情報の消去等が行われる。このようにすることで、例えば、態様報知は実行したけど特別報知は実行しなかったゲームと、逆に特別報知は実行したけど態様報知は実行しなかったゲームとで、ゲーム開始時に記憶されている特別情報が異なり得る、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴hC12.前記特別情報に基づいて、前記特定報知手段の報知設定を実行する報知設定手段(主制御装置101によるセグメントデータ設定処理を実行する機能)を備え、当該報知設定手段による報知設定によって、前記態様報知手段による前記態様報知又は前記特別報知手段による前記特別報知が実行される構成であり、
前記報知設定手段は、前記態様報知手段による前記態様報知及び前記特別報知手段による前記特別報知のいずれが実行されるかを判断することなく前記特別情報に基づく報知設定を行うことを特徴とする特徴hC1乃至特徴hC11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知と態様報知との区別なく、記憶されている特別情報に基づく報知設定を行うようにしていることから、報知設定手段による報知設定を行う上での処理構成を簡素なものとすることができる。
なお、上記特徴hC1乃至特徴hC12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴C1乃至特徴hC12の各構成に対して、特徴hA1乃至特徴hA23、特徴hB1乃至特徴hB15、特徴hC1乃至特徴hC12、特徴hD1乃至特徴hD9、特徴hE1乃至特徴hE11、特徴hF1乃至特徴hF9及び特徴hG1乃至特徴hG8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴hD群>
特徴hD1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
特定報知手段(払出枚数表示部62)にて所定の遊技情報に対応する特別報知を、特別情報(払出カウンタ)に基づいて実行する特別報知手段(主制御装置101による払出枚数を表示するための処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第2結果とを有し、
前記特別報知とは異なる報知であって、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を前記特定報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による各押し順情報等に基づく押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知コマンドに基づく押し順報知演出を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段は、前記態様報知にて報知する操作態様に対応する操作態様情報を記憶する記憶手段(主制御装置101による押し順第1情報に基づいて押し順第2情報をセットする処理を実行する機能)を備え、当該操作態様情報に基づいて前記態様報知を実行する構成であり、
前記態様報知手段による前記態様報知の実行後、前記特別報知手段による前記特別報知の実行前に、前記操作態様情報を消去若しくは初期化する特定処理、又は前記特別報知手段による前記特別報知の実行後、前記態様報知手段による前記態様報知の実行前に、前記特別情報を消去若しくは初期化する特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による押し順第2情報をクリアする処理や、毎ゲームRAMクリア処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1結果入賞となったり、第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
態様報知は特定報知手段にて実行されるところ、特定報知手段では、態様報知とは異なる遊技情報を報知する特別報知が実行される場合があり、態様報知と特別報知とが共通の特定報知手段にて実行される構成としている。このようにすることで、それぞれ報知手段を設ける構成と比較して構成の簡素化を図ることが可能となる。
そのうえで、上記構成では、態様報知から特別報知に切り替える際や、特別報知から態様報知に切り替える際に、切り替え前の報知に利用していた情報を消去等する構成としている。このようにすることで、切り替え後においても、切り替え前の情報が残存していることによって、いずれの情報に対応する報知を行うべきかを遊技機が判断できなくなる、といった不都合を生じさせないようにすることができるし、切り替え前の情報が残存している場合にいずれの報知を行うべきかを選択する処理を設ける等、処理構成の複雑化を生じさせることもないようにすることができる。
特徴hD2.前記特別情報又は前記操作態様情報に基づいて、前記特定報知手段の報知設定を実行する報知設定手段(主制御装置101によるセグメントデータ設定処理を実行する機能)を備え、当該報知設定手段による報知設定によって、前記態様報知手段による前記態様報知又は前記特別報知手段による前記特別報知が実行される構成であり、
前記特定処理手段により前記特定処理が実行されることによって、前記特別情報又は前記操作態様情報は特定態様情報(初期値、00)となる構成であり、
前記報知設定手段は、前記特定態様情報ではない側の前記特別情報又は前記操作態様情報を前記報知設定に用いる構成であることを特徴とする特徴hD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理によって特別情報や操作態様情報は特定態様情報となるところ、特定態様情報ではない側の情報を特定報知手段にて報知するようにすることで、特定報知にて報知する情報を切り替えるうえで、その切り替えるべき状況か否かを判断する処理を組み込む必要がなく、比較的簡素な構成にて特定処理を契機とした報知の切り替えを実現することが可能となる。
特徴hD3.前記特別情報又は前記操作態様情報に基づいて、前記特定報知手段の報知設定を実行する報知設定手段(主制御装置101によるセグメントデータ設定処理を実行する機能)を備え、当該報知設定手段による報知設定によって、前記態様報知手段による前記態様報知又は前記特別報知手段による前記特別報知が実行される構成であり、
前記特定処理手段により前記特定処理が実行されることによって、前記特別情報又は前記操作態様情報は特定態様情報(初期値、00)となる構成であり、
前記報知設定手段は、前記特別情報及び前記操作態様情報のうちの一方の情報が前記特定態様情報ではない場合、他方の情報が前記特定態様情報ではなくても前記一方の情報を前記報知設定に用いる構成であることを特徴とする特徴hD1又は特徴hD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理によって特別情報や操作態様情報は特定態様情報となるところ、一方の情報が特定態様情報ではなければ、当該一方の情報を特定報知手段にて報知するようにする構成となる。このようにことで、比較的簡素な処理構成にて、報知の切り替えを行うことが可能となるし、例えば、特別報知と態様報知との切り替えが生じなかった場合等、特定処理が実行されなかったこと等を理由としていずれの情報も特定態様情報ではない場合に、いずれの情報を報知すべきかを遊技機が判断できなくなる、といった不都合を生じさせることがないようにすることができる。
特徴hD4.前記特定処理手段による前記特定処理の実行後の前記操作態様情報又は前記特別情報が前記特定報知手段にて報知されるようにする手段(主制御装置101による押し順第2情報をクリアした後の割込み待ち処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hD1乃至特徴hD3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知と態様報知とが共通の特定報知手段にて実行される構成において、その切り替わりに際して報知用の情報が消去等されるだけではなく、その消去等されたことが特定報知手段にて報知される。このようにすることで、実行されていた報知が別の報知に切り替わることを遊技者に理解させ易くすることができる。
特徴hD5.前記特定処理手段による前記特定処理が行われることにより、前記操作態様情報及び前記特別情報は特定態様情報(初期値、00)となる構成であり、
前記特別報知手段及び前記態様報知手段の少なくとも一方は、前記特定処理手段による前記特定処理を経ずに前記特定態様情報に対応する報知を実行可能であることを特徴とする特徴hD4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定処理によって特定態様情報とされて特定報知手段にて報知されることにより特別報知と態様報知との区切りを明示する構成において、当該区切りとなる特定態様情報の報知は、特定処理によらず報知される場合があるように設定されている。このようにすることで、当該特定態様情報による報知に、区切りとなる機能を付与しながらも、その区切りが違和感のないものとすることが可能となる。
特徴hD6.前記特典付与手段は、前記特典として所定数の遊技価値を付与することが可能な構成であり、
前記特別報知手段は、前記特典付与手段により付与される遊技価値の数の情報を前記所定の遊技情報として前記特別報知を実行可能であり、
前記特別報知手段は前記態様報知手段による前記態様報知の実行後に前記特別報知を実行する構成であり、
前記特定態様情報は、付与される前記遊技価値の数がゼロであることに対応する報知であることを特徴とする特徴hD5に記載の遊技機。
上記構成は特徴hD5の具体的構成である。上記のように特別報知を特典としての遊技価値数を示す報知としたうえで、特定態様情報による区切りの報知が付与される遊技価値がゼロであることに対応する報知としていることから、実際に報知され得る内容となり、その区切りの報知によって違和感を与えにくくすることが可能となる。
特徴hD7.前記特別報知手段は、前記特典付与手段により所定数の遊技価値が付与される場合、前記特定態様情報による付与される遊技価値がゼロを示す報知から、特定数(1)ずつ付与される遊技価値が増加するようにその報知を更新し、前記所定数の遊技価値を示す報知とする構成であることを特徴とする特徴hD6に記載の遊技機。
上記構成のように、付与される遊技価値がゼロを示す報知から所定数の遊技価値を示す報知まで特定数ずつカウントアップするような構成とすることで、態様報知から付与される遊技価値の特定報知に切り替わる際に付与される遊技価値がゼロを示す報知となることによって、遊技価値が付与されないと遊技者に勘違いさせないようにすることができる。
特徴hD8.前記記憶手段は、前記操作態様情報を前記特別情報に記憶させる構成であり、
前記態様報知手段は、前記記憶手段により前記特別情報として記憶された前記操作態様情報に基づいて前記態様報知を実行可能であることを特徴とする特徴hD1乃至特徴hD7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、操作態様情報を特別情報に記憶させる構成とすることで、態様報知用の情報と特別報知用の情報とを共用する構成となり、記憶領域を削減することができる。
特徴hD9.前記特典付与手段による特典が付与された後であって、前記抽選手段による抽選が行われるよりも前に、少なくとも前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報(各当選フラグ)を含む特定情報を消去又は初期化する特定処理を実行可能な第2特定処理手段(主制御装置101によるRAMクリア処理を実行する機能)を備え、
前記第2特定処理手段は、前記操作態様情報及び前記特別情報を前記特定処理により消去又は初期化することを特徴とする特徴hD1乃至特徴hD8のいずれか1に記載の遊技機。
態様報知と特別報知とをいずれも特定報知手段にて行う構成において、切り替えに際して態様報知用の操作態様情報や特別報知用の特別情報を消去等する構成としているものの、一方の報知が行われない等、切り替えが行われない場合も想定され、この場合、これらの情報の消去等が行われないと、当該情報が次ゲームに持ち越されることが懸念される。その点、上記構成によれば、毎ゲーム、操作態様情報や特別情報の消去等が行われるようにしていることから、上記のような情報が次ゲームに持ち越されることによる不都合を生じさせないようにすることができる。
なお、上記特徴hD1乃至特徴hD9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴D1乃至特徴hD9の各構成に対して、特徴hA1乃至特徴hA23、特徴hB1乃至特徴hB15、特徴hC1乃至特徴hC12、特徴hD1乃至特徴hD9、特徴hE1乃至特徴hE11、特徴hF1乃至特徴hF9及び特徴hG1乃至特徴hG8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴hE群>
特徴hE1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第2結果とを有し、
前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を特定報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による各押し順情報等に基づく押し順報知を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段は、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記態様報知にて報知する操作態様に対応する第1操作態様情報を記憶する第1記憶手段(主制御装置101による押し順第1情報をセットする処理を実行する機能)と、
前記第1操作態様情報に基づいて、前記態様報知にて報知する操作態様に対応する第2操作態様情報を記憶する第2記憶手段(主制御装置101による押し順第1情報に基づいて押し順第2情報をセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
当該第2操作態様情報に基づいて前記態様報知を実行する構成であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1結果入賞となったり、第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
抽選手段による抽選結果に基づいて態様報知にて報知する操作態様に対応する情報として第1操作態様情報が記憶され、その第1操作態様情報に基づいて第2操作態様情報が記憶され、これら第1操作態様情報と第2操作態様情報とのうち態様報知は第2操作態様情報に基づいて実行される。このように、態様報知にて報知する操作態様に対応する情報を第1操作態様情報と第2操作態様情報といった2段階で記憶するようにすることで、始動操作手段の操作に基づき実行される抽選手段による抽選結果に応じて第1操作態様情報を記憶させて、当該第1操作態様情報によって今回の操作態様に対応する処理を進行させながらも、態様報知自体は、第2操作態様情報に基づいて実行されることから、当該今回の操作態様に対応する処理の開始よりも後で態様報知を開始させることが可能となる。よって、各ゲームで態様報知を行ううえで、態様報知よりも事前に操作態様に対応するような処理を行うことも可能となり、遊技進行の好適化を図るうえで大いに役立てることができる。
特徴hE2.前記第1記憶手段により前記第1操作態様情報が記憶された場合、所定条件が成立するまで前記第2記憶手段による前記第2操作態様情報の記憶処理を待機させる待機手段(主制御装置101によるステップSh1901等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1操作態様情報が記憶された後、第2操作態様情報が記憶されるまでに所定条件が成立する必要があって、第1操作態様情報の記憶と第2操作態様情報の記憶とにタイムラグがあることがより明確化される。このようにすることで、特徴hE1の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴hE3.前記第1記憶手段は、前記始動操作手段の操作に基づいて前記第1操作態様情報を記憶させ、
前記第2記憶手段は、各前記周回体の周回が開始されることに基づいて前記第2操作態様情報を記憶させる構成であることを特徴とする特徴hE1又は特徴hE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき抽選手段による抽選が行われて第1操作態様情報が記憶され、その後、周回体の周回が開始されると第2操作態様情報が記憶されて態様報知が開始されることになる。このようにすることで、周回体の周回の開始よりも前から態様報知にて報知する操作態様に対応する処理を行いながらも、態様報知自体は周回体の周回が開始されてから実行されるようにすることができ、態様報知を行う上での事前処理を行う猶予を設けることが可能となる。
特徴hE4.各前記周回体の周回が開始されてから所定期間が経過するまで、次のゲームにおいて各前記周回体の周回が開始されることを制限する手段(主制御装置101によるステップSh1901等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hE3に記載の遊技機。
上記構成は、特徴hE3の構成を特徴hE2に適用する場合の「待機手段」の具体的構成である。
特徴hE5.前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を、前記特定報知手段とは異なる特別報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第2態様報知手段(表示制御装置81による押し順報知コマンドに基づく押し順報知演出を実行する機能)を備え、
前記第2態様報知手段は、前記第1操作態様情報に基づいて前記態様報知を実行することを特徴とする特徴hE1乃至特徴hE4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1操作態様情報に基づいて特別報知手段にて第2態様報知手段による態様報知が実行され、第2操作態様情報に基づいて特定報知手段にて態様報知手段による態様報知が実行される。このようにすることで、特別報知手段側の態様報知は先に開始させ、特定報知手段側の態様報知は後から開始させる、といった態様報知のタイムラグが生じる構成を、二つの操作態様情報を用いるといった比較的簡素な構成にて実現することが可能となる。よって、態様報知を用いて遊技性を向上させるうえで処理構成の簡素化を図ることができる。
なお、「第2態様報知手段」との関係で、特徴hE1における「態様報知手段」を「第1態様報知手段」と読み替えて表現してもよい。
特徴hE6.前記第2態様報知手段は、前記第1操作態様情報に基づかずに前記態様報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴hE5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1操作態様情報が記憶されないゲームにおいても特別報知手段側の態様報知が実行される場合があるため、特別報知手段側で態様報知が開始された場合であっても、第1結果や第2結果が入賞しない場合もあるようになる。このようにすることで、特別報知手段側の態様報知を遊技演出としても利用することができ、各ゲームの興趣向上を図るうえで大いに役立てることが可能となる。
特徴hE7.前記第2態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果又は前記第2結果の入賞が成立し得るようになる態様結果(押し順ベル)とは異なる結果(通常リプA~C、チャンス目A~C、チェリーA~C)である場合に前記態様報知を実行可能であることを特徴とする特徴hE6に記載の遊技機。
上記構成は、特徴hE6の具体的構成である。
特徴hE8.前記態様報知手段は、前記第2操作態様情報に基づかずに前記態様報知が実行されることがないように設定されていることを特徴とする特徴hE1乃至特徴hE7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知手段側の態様報知が第2操作態様情報の記憶前に開始されてしまったり、第2操作態様情報が記憶されないゲームで態様報知が実行されてしまったりすることがないため、特定報知手段による態様報知の信頼性を高めることが可能となる。
特徴hE9.特定領域に記憶される情報を前記特定報知手段にて報知する手段(主制御装置101によるセグメントデータ設定処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段は、前記特定領域に前記第2操作態様情報を記憶させることで前記特定報知手段にて前記態様報知が行われるようにする構成であり、
前記第2操作態様情報が記憶されていない状況において、前記特定領域に記憶されている情報を前記停止操作手段の操作態様に対応しない特定態様情報(初期値、00、払出第2カウンタ)となるようにする手段(主制御装置101による毎ゲームRAMクリア処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hE1乃至特徴hE8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定領域に第2操作態様情報を記憶させるだけで態様報知が行われる構成となり、比較的簡素な構成にて態様報知を実現することができる。そのうえで、第2操作態様情報が記憶されていない状況においては、操作態様に対応しない特定態様情報が特定領域に記憶されていることから、特定領域の情報をそのまま報知する構成であっても、態様報知が実行されているか否かを遊技者が明確に判断することが可能となる。
特徴hE10.前記特典付与手段による特典が付与された後であって、前記抽選手段による抽選が行われるよりも前に、前記特定領域に記憶されている情報を前記特定態様情報とする特定処理を実行可能な特定処理手段(主制御装置101による毎ゲームRAMクリア処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hE9に記載の遊技機。
上記構成によれば、毎ゲーム開始前に特定領域に記憶されている情報が特定態様情報とされることから、前ゲームの態様報知が引き続き次ゲームまで実行されてしまう、といった不都合を回避することができる。
特徴hE11.前記周回体の周回が停止した場合に、前記第1操作態様情報及び前記第2操作態様情報の少なくとも一方を利用する特別処理を実行可能な特別処理実行手段(主制御装置101によるATモード用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hE1乃至特徴hE10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、周回体が停止した場合に第1操作態様情報や第2操作態様情報が特別処理に利用されるような構成においては、仮にそれよりも以前に両方の操作態様情報が消去等されてしまうと、当該特別処理を実行することができなくなってしまう。その点、上記のように操作態様情報を複数有するようにしておけば、ゲームの途中で一方の操作態様情報を消去等しても特別処理を実行することが可能となり、例えば一方の操作態様情報を消去等してその領域に別の情報を記憶させたり報知を切り替えたりする等の構成とすることもできるようになる。
なお、上記特徴hE1乃至特徴hE11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴E1乃至特徴hE11の各構成に対して、特徴hA1乃至特徴hA23、特徴hB1乃至特徴hB15、特徴hC1乃至特徴hC12、特徴hD1乃至特徴hD9、特徴hE1乃至特徴hE11、特徴hF1乃至特徴hF9及び特徴hG1乃至特徴hG8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴hF群>
特徴hF1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第2結果とを有し、
前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を特定報知手段(払出枚数表示部62)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による各押し順情報等に基づく押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知コマンドに基づく押し順報知演出を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段は、前記態様報知にて報知する操作態様に対応する操作態様情報を記憶する記憶手段(主制御装置101による押し順第1情報に基づいて押し順第2情報をセットする処理を実行する機能)を備え、当該操作態様情報に基づいて前記態様報知を実行する構成であり、
前記特典付与手段による特典が付与された後であって、前記抽選手段による抽選が行われるよりも前に、前記操作態様情報を消去又は初期化する第1特定処理を実行可能な第1特定処理手段(主制御装置101による毎ゲームRAMクリア処理を実行する機能)と、
前記特典付与手段による特典が付与される前に、前記操作態様情報を消去又は初期化する第2特定処理を実行可能な第2特定処理手段(主制御装置101による押し順第1情報や押し順第2情報をクリアする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1結果入賞となったり、第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
ここで、本遊技機は、停止操作態様に関する態様報知を、操作態様情報に基づいて実行されるようにしているところ、仮に、当該操作態様情報が次ゲームまで記憶されたままの状態が生じるような構成としてしまうと、複数の停止操作手段の操作態様としての比較的情報量が大きい操作態様情報が蓄積されていくことによって遊技機の記憶容量を圧迫する、といった不都合や、態様報知が実行され易い状態とそうではない状態とで、操作態様情報の記憶の有無が異なり易くなる事象を利用して、前日の状態が引き継がれているか否かを判別することにより、遊技機のリセット操作が行われる設定値の変更等の有無が見抜かれる、といった不都合が生じ得る。
そこで上記構成においては、上記の操作態様情報を第1特定処理手段によりゲームの終了後であってゲームの開始前に消去等するようにしていることから、操作態様情報が次のゲームに持ち越されることによる不都合を生じさせないようにすることができる。
しかも、操作態様情報を第2特定処理手段によって、ゲームの終了前にも消去等するようにしていることから、例えば、態様報知をゲームの途中で終了させる場合に、単に操作態様情報を消去等する方が消去等せずに報知のみを終了するよりも比較的簡素な処理構成とすることができるし、態様報知の終了に際して操作態様情報を記憶している領域に別の遊技情報を記憶させるようにして記憶領域の削減を図ったりすることも可能となり、遊技進行用の処理や構成の好適化を図ることが可能となる。
特徴hF2.前記第1特定処理手段は、前記第1特定処理によって、前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報も含めて消去又は初期化することが可能であることを特徴とする特徴hF1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果もゲーム開始前には消去等されることになる。このようにすることで、前回のゲームの抽選結果の情報を次のゲームにて引き継がないようにすることができ、どのタイミングからゲームを開始しても遊技者にとっては公平な抽選が受けられるようになり、遊技の公平性が担保されるし、例えば、遊技ホールの開店直後等において、前日のゲームの抽選結果が記憶されていることを判別することによって遊技機のリセット操作を伴う設定値の変更の有無等が見抜かれる、といった不都合が生じないようにすることが可能となる。
特徴hF3.前記第2特定処理手段により前記第2特定処理が実行されることによって、前記態様報知手段による前記態様報知が終了することを特徴とする特徴hF1又は特徴hF2に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様情報を消去等することによって態様報知を終了させる構成とすることも可能となり、態様報知自体を終了する処理を別途設ける必要がなく処理構成の簡素化を図ることが可能となる。また、例えば、態様報知が終了していないのにも関わらず、操作態様情報が消去等されることによるう不都合が生じないようにすることも可能である。
特徴hF4.前記操作態様情報に基づいて、前記特定報知手段の報知設定を実行する報知設定手段(主制御装置101によるセグメントデータ設定処理を実行する機能)を備え、当該報知設定手段による報知設定によって、前記態様報知手段による前記態様報知が実行される構成であり、
前記第2特定処理手段により前記第2特定処理が実行されることによって、前記操作態様情報は特定態様情報(初期値、00)となる構成であり、
前記特定報知手段における前記特定態様情報に対応する報知はいずれの前記停止操作手段の操作態様にも対応しない報知となるように設定されていることを特徴とする特徴hF3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定処理によって操作態様情報は特定態様情報となるところ、特定態様情報に対応する報知を特定報知手段にて行うように報知設定手段にて設定されると、当該報知はいずれの操作態様にも対応しないものとなる。このようにすることで、態様報知が終了したことを遊技者は明確に理解することが可能となり、途中で別の操作態様に切り替わったものと誤解させてしまう不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴hF5.前記第2特定処理手段は、前記態様報知手段による前記態様報知が開始された後であって、前記態様報知が終了するよりも前に、前記第2特定処理を実行することが可能な手段(主制御装置101による押し順第2情報の設定に際して押し順第1情報をクリアする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hF1乃至特徴hF4のいずれか1に記載の遊技機。
態様報知が開始された後であれば、操作態様情報を消去等してもさほど支障は生じないものと考えられ、上記構成では、態様報知の開始後、終了前に操作態様情報を消去等する構成としている。このようにすることで、より早期に操作態様情報用の記憶領域を別の遊技情報にて使用すること等ができるようになる。
特徴hF6.前記第2特定処理手段により前記第2特定処理を実行する場合、前記操作態様情報に対応する特定情報(押し順第2情報)を記憶させる手段(主制御装置101による押し順第1情報をクリアする際に押し順第2情報を設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hF1乃至特徴hF5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、操作態様情報をゲームの途中で消去等する場合には、別の特定情報が記憶されることから、例えば、ゲームの終了に際して態様報知の有無によって処理を異ならせる等の場合に、その処理を実行可能としながらも、操作態様情報を記憶する領域を別の情報にて使用する等の利便性を向上させることが可能となる。
特徴hF7.前記特定情報は、前記操作態様情報よりも情報量が少ない情報として設定されていることを特徴とする特徴hF6に記載の遊技機。
上記構成のようにすることで、操作態様情報を消去等して別の特定情報を記憶させておくことによる情報量の少量化を図ることが可能となる。
なお、上記構成の具体的構成としては以下の通りである。
「前記特定情報は、前記操作態様に対応する情報は含まない一方、前記態様報知を実行したことの情報を含む」構成。
特徴hF8.前記第2特定処理手段は、所定条件(小役入賞)が成立している場合には前記第2特定処理を実行する一方、前記所定条件が成立していない場合には前記第2特定処理を実行しない構成であることを特徴とする特徴hF1乃至特徴hF7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定処理は必要に応じて実行する構成となり、不要な処理が毎ゲーム実行されることによる処理負荷の増大化を回避することができる。なお、かかる構成であっても、第1特定処理によって操作態様情報の消去等がなされることから、操作態様情報が次ゲームに引き継がれることによる不都合は生じない。
特徴hF9.前記第1特定処理手段は、前記所定条件が成立していなくても前記第1特定処理を実行することを特徴とする特徴hF8に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定処理が実行されなかった場合であっても第1特定処理によって操作態様情報の消去等が行われることが明確化される。また、上記構成のように、条件の成否にかかわらず第1特定処理を実行するようにすることで、毎ゲーム実行する第1特定処理の処理構成を簡素なものとすることが可能となる。
なお、上記特徴hF1乃至特徴hF9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴F1乃至特徴hF9の各構成に対して、特徴hA1乃至特徴hA23、特徴hB1乃至特徴hB15、特徴hC1乃至特徴hC12、特徴hD1乃至特徴hD9、特徴hE1乃至特徴hE11、特徴hF1乃至特徴hF9及び特徴hG1乃至特徴hG8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴hG群>
特徴hG1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止可能となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に前記有効位置に第2の絵柄組合せが停止可能となる第2結果とを有し、
前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を特定報知手段(払出枚数表示部62)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による各押し順情報等に基づく押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知コマンドに基づく押し順報知演出を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段は、前記態様報知にて報知する操作態様に対応する操作態様情報を記憶する記憶手段(主制御装置101による押し順第1情報に基づいて押し順第2情報をセットする処理を実行する機能)を備え、当該操作態様情報に基づいて前記態様報知を実行する構成であり、
各前記周回体が停止した場合に、前記操作態様情報を利用した特別処理を実行可能な特別処理手段(主制御装置101によるATモード用処理において第1小役入賞~第6小役入賞時に押し順第2情報の有無を確認する処理を実行する機能)と、
前記特典付与手段により付与する特典を設定する設定処理を実行する特典設定手段(主制御装置101による払出判定処理における払出第1カウンタを設定する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別処理手段による特別処理の方が前記特典設定手段による設定処理よりも先に実行されるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1の絵柄組合せが停止して第1結果入賞となったり、第2の絵柄組合せが停止して第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
上記のように停止操作手段の操作態様によって入賞する結果が異なる場合、態様報知に従って停止操作手段を操作して所望の結果入賞が成立する場合のほか、態様報知は実行されていないもののたまたま停止操作手段の操作態様が所望の結果入賞に対応するものであって、当該所望の結果入賞が成立する場合もあるところ、各周回体が停止した際に操作態様情報を利用した特別処理を実行する特別処理手段を設けているため、当該特別処理にてこれらの場合分けを行うことも可能となり、例えば、態様報知による所望の結果の入賞回数や特典の付与数等によって状態移行を管理するうえで、たまたま所望の結果入賞となった場合を区別して管理することも可能となり、遊技進行の好適化を図るうえで好ましい。
しかも、本遊技機では、上記の特別処理を、入賞に伴い付与する特典を設定する設定処理よりも前に実行するようにしていることから、例えば、当該特別処理によって状態移行させるための演出を実行した後で特典を付与するように設定することも可能であるし、当該特別処理を実行した後であって設定処理よりも前に操作態様情報を消去してしまう(設定処理時のデータ量削減)ことも可能であり、遊技演出の自由度向上や、遊技進行用の処理構成の簡素化を図ることも可能となる。
特徴hG2.前記特別処理の後であって、前記設定処理よりも前に、前記操作態様情報を消去又は初期化する処理を行う特定手段(主制御装置101による押し順第2情報をクリアする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hG1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典付与用の設定処理に際しては操作態様情報が消去等されていることから、当該設定処理に操作態様情報用の記憶領域を使用したりすることもできるし、少なくとも設定処理を行う際に記憶されているデータ量は操作態様情報の分だけ少なくなることから、設定処理を行う上での処理負荷の低減を図ることが可能である。
特徴hG3.前記特典設定手段による前記設定処理が行われることにより、前記特定報知手段にて前記付与する特典についての報知が行われる構成であることを特徴とする特徴hG2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典付与用の設定処理が行われることによって、態様報知が行われていた特定報知手段にて付与する特典についての報知が行われるようになるため、特徴hG2のように事前に操作態様情報を消去等しておけば、特定報知手段にていずれの報知を行うべきかを遊技機が判断できなくなるといった不都合は生じにくくなるし、かかる判断を行うための処理を追加する必要もなく処理構成の簡素化にも貢献することが可能となる。
特徴hG4.前記特典設定手段による前記設定処理が行われることにより、前記操作態様情報に対応する情報が記憶されていた領域に、前記付与する特典についての情報に対応する情報が記憶されることを特徴とする特徴hG2又は特徴hG3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典付与用の設定処理を行う場合に、操作態様情報が記憶されていた領域に特典付与用の情報が記憶されるため、特徴hG2のように事前に操作態様情報を消去等しておけば、当該特典付与用の情報の記憶時に操作態様情報が邪魔となって記憶処理がうまくいかない、といった不都合や、記憶されている操作態様情報によって特典付与用の処理負荷が異なる、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴hG5.前記特別処理の後であって、前記設定処理よりも前に、所定期間に亘って遊技進行を制限する制限状態に設定する制限手段(主制御装置101によるATモード用処理において終了時無効カウンタを設定する処理や、押し順第2情報をクリアした後の割込み待ち処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hG1乃至特徴hG4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典付与用の設定処理よりも前であって、操作態様情報を利用した特別処理後に、所定期間に亘って遊技進行を制限する制限状態に設定されるため、例えば、かかる特別処理の結果に対応する演出を実行してから特典を付与する、といった構成とすることもでき、当該特別処理の結果に対応する演出を実行するための猶予を生じさせることが可能となる。
特徴hG6.前記制限手段は、前記特別処理の結果が特定の結果(押し順報知に基づく第1小役入賞~第6小役入賞であって、それに基づいてATモードが終了する結果)である場合には前記制限状態に設定する一方、前記特別処理の結果が前記特定の結果とは異なる結果である場合には前記制限状態に設定しないことを特徴とする特徴hG5に記載の遊技機。
上記構成のように、特別処理の結果に応じて制限状態としたり制限状態としなかったりすることで、特別処理の結果を制限状態にて報知する意義を生じさせることができる。
特徴hG7.前記特典設定手段による前記設定処理の実行後に、前記操作態様情報を消去又は初期化する特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による毎ゲームRAMクリア処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hG1乃至特徴hG6のいずれか1に記載の遊技機。
仮に、当該操作態様情報が次ゲームまで記憶されたままの状態が生じるような構成としてしまうと、複数の停止操作手段の操作態様としての比較的情報量が大きい操作態様情報が蓄積されていくことによって遊技機の記憶容量を圧迫する、といった不都合や、態様報知が実行され易い状態とそうではない状態とで、操作態様情報の記憶の有無が異なり易くなる事象を利用して、前日の状態が引き継がれているか否かを判別することにより、遊技機のリセット操作が行われる設定値の変更等の有無が見抜かれる、といった不都合が生じ得る。
そこで上記構成においては、上記の操作態様情報を特典設定手段による設定処理後に消去等するようにしていることから、操作態様情報が次のゲームに持ち越されることによる不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴hG8.前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報も含めて前記特定処理を実行することを特徴とする特徴hG7に記載の遊技機。
上記構成のように、抽選結果に対応する結果情報は一般的に毎ゲーム開始前に消去等されるところ、当該結果情報の消去等を行う特定処理手段によって操作態様情報も消去等される構成とすることで、操作態様情報を消去等する構成を別途設ける必要がなく、既存の構成をうまく利用して特徴hG7の効果を奏することが可能となる。
なお、上記構成は以下のように表現してもよい。
「前記特定処理手段による前記特定処理が実行されることによって、前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報も消去又は初期化される」構成。
なお、上記特徴hG1乃至特徴hG8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴hG1乃至特徴hG8の各構成に対して、特徴hA1乃至特徴hA23、特徴hB1乃至特徴hB15、特徴hC1乃至特徴hC12、特徴hD1乃至特徴hD9、特徴hE1乃至特徴hE11、特徴hF1乃至特徴hF9及び特徴hG1乃至特徴hG8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。また、以上詳述した特徴hA群乃至特徴hG群の各構成に対して、他の特徴a群乃至特徴n群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴i群>
以下の特徴iA群乃至特徴iS群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第9iの実施形態、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴iA群>
特徴iA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に前記特典付与手段により第1特典(8枚のメダル)が付与され得るようになる第1の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって不利となる第2特典(1枚のメダル)が付与され得るようになる第2の絵柄組合せが停止可能となる特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による各チャレンジ報知演出を)を備え、
前記特定結果として、
前記第1の絵柄組合せとしての第1特定の絵柄組合せと、前記第2の絵柄組合せとしての第2特定の絵柄組合せと、が少なくとも停止可能となる第1特定結果(例えば、第1左中ベル)と、
前記第1特定の絵柄組合せと前記第2特定の絵柄組合せと、が少なくとも停止可能となる結果であって、前記第1特定結果とは異なる第2特定結果(例えば、左中特殊ベル)と、
が設定されており、
前記第1特定結果と他の特定結果とを含むように設定される第1特定結果群(第1押し順ベル)と、
前記第2特定結果と他の特定結果とを含むように設定される第2特定結果群(第2押し順ベル)と、
が設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には第1の絵柄組合せが停止可能となり、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第2の絵柄組合せが停止可能となる特定結果が設定されており、操作態様についての態様報知が実行される場合があるため、当該態様報知によって各絵柄組合せを停止させてそれぞれ別々の特典を付与させる遊技性を実現することが可能となる。
そのうえで、上記構成においては、第1の絵柄組合せとしての第1特定の絵柄組合せと、第2の絵柄組合せとしての第2特定の絵柄組合せとが、操作態様によって停止したり停止しなかったりする特定結果として、第1特定結果と第2特定結果とが設けられているため、第1所定の操作態様にて操作して第1特定の絵柄組合せが停止した際に、第1特定結果に基づくものなのか、それとも第2特定結果に基づくものなのかが遊技者からは判断しにくくなるし、同様に、第2所定の操作態様にて操作して第2特定の絵柄組合せが停止した際に、第1特定結果に基づくものなのか、それとも第2特定結果に基づくものなのかが遊技者からは判断しにくくなる。
しかも、これら第1特定結果と第2特定結果とを、それぞれの他の特定結果を含むように第1特定結果群と第2特定結果群といった別々のグループに設定していることから、例えば、特定結果群の種類に応じて別々の処理を行ったりするようにする等、グループ毎に扱いを異ならせることができ、処理構成の簡素化を実現しながら、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴iA2.前記第1特定結果群と前記第2特定結果群とで、前記態様報知手段により前記態様報知を実行する場合の実行条件(ナビ抽選の当選確率)が異なる特定状態(例えば、第1ナビ状態~第3ナビ状態)が設けられていることを特徴とする特徴iA1に記載の遊技機。
第1特定結果と第2特定結果との態様報知の実行条件を異ならせる場合に、第1特定結果と第2特定結果とを別々のグループに設定しておけば、上記構成のように、それぞれのグループの実行条件を異ならせるだけでよく、他の特定結果も含めて、比較的簡素な構成にて特定結果当選時の態様報知を管理することが可能となる。よって、態様報知を利用した遊技性の向上に大いに貢献することが可能となる。
特徴iA3.前記第1特定結果群と前記第2特定結果群とで、前記態様報知手段により前記態様報知を実行する場合の実行条件(ナビ抽選の当選確率)が共通する所定状態(例えば、第4ナビ状態)が設けられていることを特徴とする特徴iA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果群と第2特定結果群とで、態様報知手段による態様報知の実行条件が異なる特定状態だけでなく、実行条件が共通している所定状態もある構成となる。このようにすることで、特定状態から所定状態に移行する場合や、所定状態から特定状態に移行する場合に、それぞれのグループの実行条件を異ならせるだけでよく、第1特定結果や第2特定結果だけではなく他の特定結果も含めて、比較的簡素な構成にて特定結果当選時の態様報知を管理することが可能となる。
特徴iA4.前記所定状態と前記特定状態とで、前記第1特定結果群についての前記実行条件が共通している一方、前記第2特定結果群についての前記実行条件が異なっていることを特徴とする特徴iA3に記載の遊技機。
上記構成のように、所定状態と特定状態とで、各特定結果群の態様報知の実行条件のうちの一方だけを異ならせるようにする場合であっても、第1特定結果と第2特定結果とのそれぞれの実行条件だけでなく、他の特定結果も含めて管理することが可能であり、特定結果当選時の態様報知の実行条件を状態によって異ならせる構成を、比較的簡素な構成にて実現することが可能となり、当該構成を利用した遊技性の向上に大いに貢献することができる。特に、上記構成のように、第1特定結果群と第2特定結果群のうち、第2特定結果群の実行条件だけを変更するようにしていることから、同じ操作態様で停止可能となる絵柄組合せが共通する特定結果であっても、第1特定結果と第2特定結果との扱いを異ならせることができ、それぞれ別々の結果として設定した意義を担保することができる。
特徴iA5.前記所定状態と前記特定状態とで、前記第1特定結果群についての前記実行条件が異なっており、前記第2特定結果群についての前記実行条件が異なっていることを特徴とする特徴iA3に記載の遊技機。
上記構成のように、所定状態と特定状態とで、各特定結果群の態様報知の実行条件のうちの両方を異ならせるようにする場合であっても、第1特定結果と第2特定結果とのそれぞれの実行条件だけでなく、他の特定結果も含めて管理することが可能となる。このようにすることで、特定結果当選時の態様報知の実行条件を状態によって異ならせる構成を、比較的簡素な構成にて実現することが可能となり、当該構成を利用した遊技性の向上に大いに貢献することができる。特に、上記構成のように、第1特定結果群と第2特定結果群のうち、両方の特定結果群の実行条件を変更するようにしていることから、同じ操作態様で停止可能となる絵柄組合せが共通する特定結果の実行条件に付いての振れ幅を大きくすることもできるし、より詳細な実行条件の設定を行うことができるようになる。
特徴iA6.前記停止操作手段の操作態様として特定数(6)の種類の操作態様が設定されており、
前記第1特定結果群は、前記特定数の種類の操作態様をそれぞれ前記第1所定の操作態様とする特定結果に当選となる確率がそれぞれ同じ確率となるように設定されており、
前記第2特定結果群は、前記特定数の種類の操作態様をそれぞれ前記第1所定の操作態様とする特定結果のうちの所定の特定結果(左第1停止となる押し順ベル)の当選となる確率が他の特定結果の当選となる確率と異なるように設定されていることを特徴とする特徴iA1乃至特徴iA5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果群は、第1特定結果を含めた各特定結果に当選となった場合に、それぞれ第1特典を得るための第1所定の操作態様が異なり、いずれの特定結果も同じ確率で当選し、第2特定結果群は、第2特定結果を含めた各特定結果に当選となった場合に、それぞれ第1特典を得るための第1所定の操作態様が異なり、そのうちの所定の特定結果の当選確率と他の特定結果の当選確率とが異なるように設定されている。このように、第1特典を得るための第1所定の操作態様が均等に配分された第1特定結果群と、不均等に配分された第2特定結果群とを別々のグループとして扱うようにすることで、態様報知を行ううえで、その実行される態様報知の頻度を均等化したり、態様報知が実行されない場合の所定の操作態様を均等化したりする等することが可能となり、態様報知を利用した遊技性を向上させながら、当該遊技性の攻略要素を少なくして遊技の公平性を担保するために大いに貢献することが可能となる。
特徴iA7.前記第2特定結果群における前記所定の特定結果は当選しないように設定されている、又は当該所定の特定結果が設定されていないことを特徴とする特徴iA6に記載の遊技機。
上記構成は特徴iA6の具体的構成であり、上記構成のようにすることで、第2特定結果群において所定の操作態様を不均等に配分する構成を比較的簡素な構成にて実現することが可能となる。
特徴iA8.前記第1特定結果群は、前記第1所定の操作態様となる操作態様が異なる特定結果が第1数設けられており、
前記第2特定結果群は、前記第1所定の操作態様となる操作態様が異なる特定結果が前記第1数よりも少ない第2数設けられていることを特徴とする特徴iA1乃至特徴iA7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果群よりも第2特定結果群の方が第1所定の操作態様となる操作態様が異なる特定結果の種類が少ない構成となる。つまり、態様報知が実行されない状況下においては、第2特定結果群に当選となった場合の方が、第1特定結果群に当選となった場合よりも、遊技者の停止操作手段の操作態様が第1所定の操作態様となる可能性が高く、第1特典を容易に得ることが可能となる。このような構成において、第1特定結果群と第2特定結果群とを別々にグループ化しておくことで、第1所定の操作態様となる確率に応じて、態様報知の実行頻度を異ならせる等することもでき、態様報知を利用した遊技性を向上させために大いに貢献することが可能となる。
特徴iA9.前記抽選手段を有する第1制御装置(主制御装置101)と、
前記態様報知手段を有する第2制御装置(表示制御装置81)と、
を備え、
前記第1制御装置は、前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報を前記第2制御装置へ出力する第1出力手段(主制御装置101による抽選結果コマンド設定処理を実行する機能)を備え、
前記第1出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果群に含まれる結果である場合に前記結果情報として特定情報(押し順ベルグループコマンド)を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果群に含まれる結果である場合に前記結果情報として前記特定情報を出力可能であることを特徴とする特徴iA1乃至特徴iA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1制御装置側では第1特定結果群と第2特定結果群とが別々のグループとして扱われる一方、第2制御装置側では第2特定結果群と第2特定結果群とが同じグループとして扱われるようになる。このようにすることで、例えば、第1制御装置から出力される結果情報を不正に解析する等して、第1特定結果群と第2特定結果群とを判別することにより不正な利益を得ようとする行為を行わせにくくすることができ、遊技の公平性を担保することが可能となる。
特徴iA10.前記第1制御装置は、前記第1所定の操作態様を含む操作態様についての第1側態様報知を特定の報知手段にて実行可能な第1側態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能)を備え、
前記第1側態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果群に含まれる結果である場合に前記第1側態様報知として特定報知(第2押し順ベルグループ報知)を実行可能であり、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果群に含まれる結果である場合に前記第1側態様報知として前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iA9に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、少なくとも特定報知によって第1特定結果群及び第2特定結果群のいずれかに当選していることを把握することができる。このようにすることで、例えば、特徴iA6のように第1特典を得ることが可能となる第1所定の操作態様が不均等な確率で出現するような構成において有利となり得る操作態様にて操作する等の対処が可能となり、遊技者に不測の不利益を被らせないようにすることができる。
特徴iA11.前記抽選手段を有する第1制御装置(主制御装置101)と、
前記態様報知手段を有する第2制御装置(表示制御装置81)と、
を備え、
前記第1制御装置は、前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報を前記第2制御装置へ出力する第1出力手段(主制御装置101による抽選結果コマンド設定処理を実行する機能)を備え、
前記第1出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果群に含まれる結果である場合に前記結果情報として第1特定情報(第1押し順ベルグループコマンド)を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果群に含まれる結果である場合に前記結果情報として前記第1特定情報とは異なる第2特定情報(第2押し順ベルグループコマンド)を出力可能であることを特徴とする特徴iA1乃至特徴iA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1制御装置側では第1特定結果群と第2特定結果群とが別々のグループとして扱われ、更に第2制御装置側でも第2特定結果群と第2特定結果群とが別々のグループとして扱われるようになる。このようにすることで、第2制御装置側でも、それぞれのグループに応じた処理等を行うことが可能となり、遊技性の向上に大いに貢献することが可能となる。なお、このような構成であっても、第1特定結果群や第2特定結果群は、第1特定結果や第2特定結果と他の特定結果により構成されるものであり、単独の結果ではないことから、第1出力手段から出力される結果情報を不正に解析する等して、抽選結果を判別することにより不正な利益を得ようとする行為を行わせにくくすることができ、遊技の公平性を担保することが可能である。
特徴iA12.前記抽選手段を有する第1制御装置(主制御装置101)と、
前記態様報知手段を有する第2制御装置(表示制御装置81)と、
を備え、
前記第1制御装置は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、当該特定結果に対応する前記第1所定の操作態様の情報を含む態様情報を前記第2制御装置へ出力可能な第2出力手段(主制御装置101による押し順報知コマンドを出力設定する処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段は、前記態様情報に基づいて前記態様報知を実行することを特徴とする特徴iA1乃至特徴iA11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果を含む第1特定結果群や、第2特定結果を含む第2特定結果群といったように特定結果をグループ化して第1制御装置側の処理構成の簡素化を図りながらも、第2制御装置側で態様報知を実行することが可能となる。
特に、本特徴を特徴iA9や特徴iA11に適用することで、第2制御装置側においては、特定結果の種類を把握できないようにしながらも、特定結果に応じた第1所定の操作態様についての態様報知を実行することができる構成となり、遊技の公平性と遊技性の向上とを両立することが可能となる。
特徴iA13.前記第2特定結果群は、前記停止操作手段による操作態様のうちの特別操作態様が前記第1所定の操作態様となる特定結果が含まれないように設定されており、又は当該特別操作態様が前記第1所定の操作態様となる特定結果が他の操作態様が前記第1所定の操作態様となる特定結果よりも当選確率が低くなるように設定されおり、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果群に含まれる結果であって、前記停止操作手段が前記特別操作態様にて操作された場合、当該特別操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合よりも、前記態様報知手段による前記態様報知に関する特定処理(例えばATモード移行抽選)において遊技者にとって有利となるように処理を実行可能な手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iA1乃至特徴iA12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定結果群に当選した場合に、特別操作態様にて操作することで第1特典を得にくくなる(第2特典を得やすくなる)一方で、態様報知に関する特定処理は有利な態様にて実施されるようになる。このようにすることで、第1所定の操作態様が不均等となるように設定される第2特定結果群に当選した場合に、第1特典と特定処理の有利性とのいずれの利益を得るかを遊技者に選択させる遊技性を実現することができ、遊技の興趣向上に大いに役立てることが可能となる。そのうえで、上記のような第2特定結果群に含まれる第2特定結果と、同じ操作態様にて第1特典が得られる第1特定結果が別のグループである第1特定結果群として設定される構成とすることで、上記のような遊技者に選択させる遊技性を実現しながらも、第1特定の絵柄組合せや第2特定の絵柄組合せが停止した場合に、それが第2特定結果群の第2特定結果に基づくものであったか、第1特定結果群の第1特定結果に基づくものであったかが分かりにくくなり、当該相同性を利用した遊技性の向上も図ることが可能となる。
特徴iA14.前記第1特定結果群は、前記停止操作手段による操作態様のうちの前記特別操作態様が前記第1所定の操作態様となる特定結果が含まれるように設定されていることを特徴とする特徴iA13に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者が特別操作態様にて操作して、態様報知についての特定処理を有利に行わせようとしたとしても、それが第2特定結果群の当選ゲームではなく第1特定結果群の当選ゲームであれば、第1特定の絵柄組合せが停止したことに基づく第1特典を得ることができる場合もあるようになる。よって、特定処理を有利に実行させて態様報知による遊技性を好適に進行させる操作(特別操作態様)を推奨しながら、それが、第1特典を全く得ることができないような操作ではない印象を遊技者に強く与えることが可能となり、特別操作態様による操作を利用した遊技性を向上させることができる。
特徴iA15.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果群に含まれる結果であって、前記停止操作手段が前記特別操作態様にて操作された場合、当該特別操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合よりも、前記特定処理において遊技者にとって有利となるように処理を実行可能な手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iA13又は特徴iA14に記載の遊技機。
上記構成よれば、第1特定結果群に当選した場合もに、特別操作態様にて操作することで態様報知に関する特定処理は有利な態様にて実施されるようになる。このようにすることで、第1所定の操作態様が不均等となるように設定される第2特定結果群に当選した場合だけでなく、第1特定結果群に当選した場合にも、第1特典と特定処理の有利性とのいずれの利益を得るかを遊技者に選択させる遊技性を実現することができ、遊技の興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
なお、上記特徴iA1乃至特徴iA15に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iA1乃至特徴iA15の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iB群>
特徴iB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により第1特典(8枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって不利となる第2特典(1枚のメダル)が付与され得るようになる特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合であって所定の実行条件が成立した場合に、前記停止操作手段の操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による各チャレンジ報知演出を実行する機能)を備え、
前記特定結果として、
前記第1所定の操作態様が第1特定の操作態様として設定される第1特定結果(例えば、第1押し順ベル、第1種押し順ベル)と、
前記第1所定の操作態様が前記第1特定の操作態様とは異なる第2特定の操作態様として設定される第2特定結果(例えば、第2押し順ベル、第2種押し順ベル)と、
が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果となる確率と、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果となる確率と、が異なるように設定されており、
所定遊技状態である場合に、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果である場合に前記所定の実行条件としての第1実行条件が成立する確率(第1押し順ベルや第1種押し順ベルのナビ抽選に当選となる確率、上乗せチャレンジの当選確率)と、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合に前記所定の実行条件としての第2実行条件が成立する確率(第2押し順ベルや第2種押し順ベルのナビ抽選に当選となる確率、上乗せチャレンジの当選確率)と、が異なるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には第1特典が付与され、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第1特典よりも不利な第2特典が付与される特定結果が設定されているため、遊技者の操作態様によって異なる特典が付与されるという遊技性を創出される。
そのうえで、上記構成においては、特定結果として、有利な側の第1特典が付与されることとなる第1所定の操作態様がそれぞれ異なる第1特定結果と第2特定結果とが設定されており、これら第1特定結果の当選確率と第2特定結果の当選確率とが異なるように設定されているため、例えば、当選し易い側の特定結果に対応する第1所定の操作態様にて遊技者が操作することを促すことで第1特典を獲得し易くなるような遊技性を創出することが可能であるし、逆に当選しにくい側の特定結果に対応する第1所定の操作態様にて遊技者が操作することを促すことで第1特典を獲得しにくくなる(第2特典を獲得し易くなる)ような遊技性を創出することも可能となり、これら第1特典や第2特典との関係を利用した遊技の興趣向上を図るうえで、大いに役立てることが可能となる。
しかも、上記構成においては、第1特定結果当選時の態様報知の実行条件の成立確率と第2特定結果当選時の態様報知の実行条件の成立確率とも異なるように設定されている。このようにすることで、例えば、当選し易い側の特定結果についての態様報知を比較的実行し易くする一方、当選しにくい側の特定結果についての態様報知を比較的実行しにくくすることで、両特定結果に基づく態様報知の実行頻度の差を大きく設定することが可能となるし、また、例えば、当選し易い側の特定結果についての態様報知を比較的実行しにくくし、当選しにくい側の特定結果についての態様報知を比較的実行し易くすることで、両特定結果に基づく態様報知の実行頻度を同じ程度にすることも可能となる。したがって、第1特典を得るための第1所定の操作態様が異なるように設定された特定結果同士の当選確率を異ならせることで遊技性の向上を図るうえで、態様報知の実行頻度の高低も調節することで、更なる遊技性の向上を期待できるようになり、遊技の注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴iB2.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であるゲームと、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果であるゲームとを、少なくとも前記停止操作手段による停止操作が行われるよりも前においては、遊技者が判別しにくくなるように設定されている又は判別できなくなるように設定されている(押し順報知演出を実行しない場合の第1押し順ベル及び第2押し順ベルや第1種押し順ベル及び第2種押し順ベルの押し順報知はいずれも08であったり、いずれも補助表示部65にて偏りベル報知演出が実行されたりする、また、押し順報知演出が行われる場合も第1停止が中、右の押し順報知演出だと第1押し順ベルと第2押し順ベルとは区別がつかない)ことを特徴とする特徴iB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果と第2特定結果とのいずれに当選しているかが遊技者からは判別しにくくなっていることから、いずれの特定結果に当選しているかを予測しながら行う遊技の遊技性を向上させることができるし、例えば、態様報知が実行されなかったゲームにて第1所定の操作態様が見抜かれてしまうことにより第1特典が得易くなる、といった事象も生じにくくすることができる。よって、遊技の公平性を担保しながら、遊技性の向上を図ることが可能となる。
特徴iB3.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であって前記第1実行条件が成立しないゲームにおいて、特定の報知手段(払出枚数表示部62)にて特定報知(第2押し順ベルグループ報知)を実行し、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果であって前記第2実行条件が成立しないゲームにおいて、前記特定の報知手段にて前記特定報知を実行可能な手段(主制御装置101による第1押し順ベル当選時と第2押し順ベル当選時や、第1種押し順ベル当選時と第2種押し順ベル当選時とでいずれも第2押し順ベルグループ報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iB1又は特徴iB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知が実行されないゲームにおいていずれの特定結果でも特定報知が実行されるようになることから、遊技者は、態様報知が実行されなくても、特定報知を介していずれかの特定結果に当選していることは把握することが可能となる。このようにすれば、態様報知が実行されないゲームにおいて、第1所定の操作態様(第1特定の操作態様と第2特定の操作態様)を当てさせる遊技性を実現することができ、遊技の興趣向上が図られる。
特徴iB4.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果となる確率より、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果となる確率の方が高くなるように設定されており、
前記第1実行条件が成立する確率より前記第2実行条件が成立する確率の方が低くなるように設定されていることを特徴とする特徴iB1乃至特徴iB3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、両特定結果に基づく態様報知の実行頻度の差を小さくすることができる。したがって、態様報知が実行された場合に、それが第1特定結果に基づくものなのか、第2特定結果に基づくものなのかを分かりにくくすることができるし、逆に、態様報知が実行されない場合に、第1所定の操作態様となる操作態様を均等化することも可能となり、態様報知を利用した遊技を行う上で公平性を担保することができる。
特徴iB5.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果となり、前記第1実行条件が成立しないゲームと、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果となり、前記第2実行条件が成立しないゲームと、の出現率が同じ又は略同じ程度となるように設定されている(図754)ことを特徴とする特徴iB4に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知が実行されない場合に、第1所定の操作態様となる操作態様が均等化され、意図的に第1特典を得ようとする行為を行わせにくくすることが可能となる。よって、態様報知を利用した遊技を行う上で公平性を担保することができる。
特徴iB6.前記第1特定結果は、特定数値(65535)に対して第1所定数値(7920)となる確率で当選となり、前記第2特定結果は前記特定数値に対して第2所定数値(16280)となる確率で当選となる構成であり、
前記第1実行条件は、前記第1所定数値に対して、前記第1所定数値から第3所定数値(例えば6000)を減算した数値となる確率で成立し、前記第2実行条件は、前記第2所定数値に対して、前記第2所定数値から前記第3所定数値を減算した数値となる確率で成立するように設定されていることを特徴とする特徴iB5に記載の遊技機。
上記構成は特徴iB5の具体的構成であり、特にこのようにすることで、各ゲームの当選確率に利用される第1所定数値や第2所定数値を用いて第1実行条件や第2実行条件を設定するうえで、これらの第1実行条件や第2実行条件が成立しない数値(第3所定数値)を共通化することで、態様報知が実行されない場合の第1所定の操作態様となる操作態様を均等化することが可能となる。よって、比較的簡素な構成にて、特徴iB5の効果を得ることができるようになる。
特徴iB7.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果となり、前記第1実行条件が成立するゲームと、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果となり、前記第2実行条件が成立するゲームと、の出現率が同じ又は略同じ程度となるように設定されている(図756)ことを特徴とする特徴iB4乃至特徴iB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知が実行される場合に、第1所定の操作態様となる操作態様が均等化され、意図的に第1特典を得ようとする行為を行わせにくくすることが可能となる。よって、態様報知を利用した遊技を行う上で公平性を担保することができる。
特徴iB8.前記態様報知手段は、前記態様報知として、前記第1所定の操作態様についての情報を報知しない特定態様報知を実行可能な手段(表示制御装置81による第1チャレンジ報知演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iB7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定態様報知が実行される場合に、例えば、第1所定の操作態様を報知せずに、当該第1所定の操作態様を遊技者に当てさせる遊技を行うことが可能となる。このような特定態様報知を行う上で、特徴iB7のように第1所定の操作態様となる頻度が均等化されていることから、当該特定態様報知を利用したゲームの公平性を向上させることが可能となる。
なお、上記特徴iB1乃至特徴iB8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iB1乃至特徴iB8の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iC群>
特徴iC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により第1特典(8枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって不利となる第2特典(1枚のメダル)が付与され得るようになる特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による第1チャレンジ報知演出を実行する機能)を備え、
前記特定結果として、
前記第1所定の操作態様が特定の操作態様(例えば、中→左→右)として設定される第1特定結果(例えば、第1中左ベル)と、
前記第1所定の操作態様が前記特定の操作態様として設定される結果であって前記第1特定結果とは異なる第2特定結果(例えば、中左特殊ベル)と、
が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果である場合、第1特定処理を実行する第1特定手段(主制御装置101による第1押し順ベルに基づく停止時AT抽選処理やAT上乗せ用処理やチャレンジ結果用処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合、前記第1特定処理とは異なる第2特定処理を実行する第2特定手段(主制御装置101による第2押し順ベルに基づく停止時AT抽選処理やAT上乗せ用処理やチャレンジ結果用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には第1特典が付与され、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第1特典よりも不利な第2特典が付与される特定結果が設定されているため、遊技者の操作態様によって異なる特典が付与されるという遊技性を創出される。
そのうえで、上記構成においては、特定結果として第1特典を得ることが可能となる第1所定の操作態様が特定の操作態様として共通する第1特定結果と第2特定結果とが設けられており、これら第1特定結果と第2特定結果とでは、それぞれ第1特定処理と第2特定処理といった別々の処理が行われる。このようにすることで、特定の操作態様にて操作して第1特典が付与された場合に、第1特定結果に基づくものなのか、それとも第2特定結果に基づくものなのかを遊技者からは判断しにくくしながらも、いずれの特定処理が行われるかによって遊技者にとっての有利度を変化させたり、その後の遊技進行を異ならせたりする等することができ、遊技性の向上に大いに役立てることが可能となる。
特徴iC2.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果である場合、特定の報知手段(払出枚数表示部62)にて特定報知(第2押し順ベルグループ報知)を実行し、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合に、前記特定の報知手段にて前記特定報知を実行可能な手段(主制御装置101による第1押し順ベル当選時と第2押し順ベル当選時とでいずれも第2押し順ベルグループ報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれの特定結果でも特定報知が実行されるようになることから、遊技者は、特定報知を介していずれかの特定結果に当選していることは把握することが可能となる。このようにすれば、例えば、特定結果に当選していないのにも関わらず特定処理の実行を予測させる等の無駄な遊技を行わないようにすることを通じて、いずれの特定処理が実行されるかを予測させるタイミングを局所的なものとすることが可能となり、遊技の注目度を好適に高めることができる。
特徴iC3.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果である場合及び前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合の一方で、特別の報知手段(払出枚数表示部62)にて特別報知(第1押し順ベルグループ報知)を実行することが可能な手段(主制御装置101による第2押し順ベル当選時に第1押し順ベルグループ報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iC1又は特徴iC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれか一方の特定結果で特別報知が実行されるようになることから、遊技者は、特別報知を介していずれの特定結果に当選していることを把握することができるようになる。よって、把握した特定結果に対応する特定処理の実行を期待しながら停止操作手段を操作させることが可能となり、遊技性の向上に大いに貢献することができる。
なお、上記の「特別の報知手段」は、特徴iC2における「特定の報知手段」と同じ報知手段であってもよいし、異なる報知手段であってもよい。
特徴iC4.前記第1特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であって前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作されて前記第1特定処理を実行した場合よりも、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であって前記停止操作手段が前記第2所定の操作態様にて操作されて前記第1特定処理を実行した場合の方が遊技者にとって有利となる、又は有利となり易いように設定されている構成(第1押し順ベルにおける特定操作態様が第2操作態様となる例えば第1中左ベル当選ゲームで特定操作態様にて操作した場合は停止時AT抽選処理にてATモード移行抽選等を実行する一方、非特定操作態様にて操作した場合はATモード移行抽選等を行わない)、
及び、
前記第2特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果であって前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作されて前記第2特定処理を実行した場合よりも、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果であって前記停止操作手段が前記第2所定の操作態様にて操作されて前記第2特定処理を実行した場合の方が遊技者にとって有利となる、又は有利となり易いように設定されている構成(第2押し順ベルにおける特定操作態様が第2操作態様となる例えば中左特殊ベル当選ゲームで特定操作態様にて操作した場合は停止時AT抽選処理にてATモード移行抽選等を実行する一方、非特定操作態様にて操作した場合はATモード移行抽選等を行わない)、
の少なくとも一方であることを特徴とする特徴iC1乃至特徴iC3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果や第2特定結果に当選したゲームにて遊技者にとって不利な側の第2特典が付与されることとなる第2所定の操作態様にて操作した場合、有利な側の第1特典が付与されることとなる第1所定の操作態様(特定の操作態様)にて操作した場合よりも対応する特定処理が遊技者にとって有利となるように実行される。つまり、付与される特典といった恩恵と、特定処理による恩恵とを、操作態様によって遊技者が選択する構成となる。そのうえで、第2所定の操作態様にて特定処理による恩恵が選択された場合において、第1特定処理と第2特定処理とでその内容が異なる構成であることから、単にいずれの恩恵を享受するかを遊技者が選択するだけではなく、特定結果の種類に応じた選択を行わせる遊技性も実現することが可能となり、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴iC5.前記第1特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であって前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作された場合、前記第1特定処理を実行しないように設定されている構成、
及び、
前記第2特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果であって前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作された場合、前記第2特定処理を実行しないように設定されている構成、
の少なくとも一方であることを特徴とする特徴iC4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果当選となって特定の操作態様にて操作されて、付与される特典による恩恵が選択された場合、対応する特定処理が実行されない構成となる。このように、特定処理の実行の有無といった比較的簡素な構成することで、第2所定の操作態様にて操作された場合との特定処理による恩恵の差を、容易に設定することが可能となる。
特徴iC6.前記第1特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であって前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作されて前記第1特定処理を実行した場合の方が、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であって前記停止操作手段が前記第2所定の操作態様にて操作されて前記第1特定処理を実行した場合よりも遊技者にとって有利となる、又は有利となり易いように設定されている構成(第1押し順ベルを契機とする上乗せチャレンジにてチャレンジ成功した場合はセット上乗せする一方、チャレンジ失敗時はセット上乗せしない)、
及び、
前記第2特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果であって前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作されて前記第2特定処理を実行した場合の方が、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果であって前記停止操作手段が前記第2所定の操作態様にて操作されて前記第2特定処理を実行した場合よりも遊技者にとって有利となる、又は有利となり易いように設定されている構成(第2押し順ベルを契機とする上乗せチャレンジにてチャレンジ成功した場合はセット上乗せする一方、チャレンジ失敗時はセット上乗せしない)、
の少なくとも一方であることを特徴とする特徴iC1乃至特徴iC5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果や第2特定結果に当選したゲームにて遊技者にとって有利な側の第1特典が付与されることとなる第1所定の操作態様(特定の操作態様)にて操作した場合、不利な側の第2特典が付与されることとなる第2所定の操作態様にて操作した場合よりも対応する特定処理が遊技者にとって有利となるように実行される。つまり、付与される特典といった恩恵だけでなく、特定処理による恩恵も含めて、操作態様によって遊技者が選択する構成となる。そのうえで、第1所定の操作態様にて特定処理による恩恵が選択された場合において、第1特定処理と第2特定処理とでその内容が異なる構成であることから、単に特定の操作態様にて操作することで、特典と特定処理とによる恩恵を享受可能となるだけではなく、特定結果の種類に応じて、特定処理による恩恵も異なるような遊技性も実現することが可能となり、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
なお、上記構成を特徴iC4に適用する場合、第1所定の操作態様にて操作された場合よりも第2所定の操作態様にて操作された場合の方が有利となる第1特定処理や第2特定処理と、第2所定の操作態様にて操作された場合よりも第1所定の操作態様にて操作された場合の方が有利となる第1特定処理や第2特定処理と、が異なる処理として設定されていてもよいし、同じ処理として設定されていてもよい。同じ処理として設定されている場合、別の条件(例えば遊技状態や、別の抽選結果)によっていずれの操作態様を有利とするかを決定する構成とするとよい。
特徴iC7.遊技状態として第1状態(通常モードやCZモード)と第2状態(ATモード)とが設定されており、
前記第1状態においては、
前記第1特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であって前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作されて前記第1特定処理を実行した場合よりも、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であって前記停止操作手段が前記第2所定の操作態様にて操作されて前記第1特定処理を実行した場合の方が遊技者にとって有利となる、又は有利となり易いように設定されている構成(第1押し順ベルにおける特定操作態様が第2操作態様となる例えば第1中左ベル当選ゲームで特定操作態様にて操作した場合は停止時AT抽選処理にてATモード移行抽選等を実行する一方、非特定操作態様にて操作した場合はATモード移行抽選等を行わない)、
及び、
前記第2特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果であって前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作されて前記第2特定処理を実行した場合よりも、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果であって前記停止操作手段が前記第2所定の操作態様にて操作されて前記第2特定処理を実行した場合の方が遊技者にとって有利となる、又は有利となり易いように設定されている構成(第2押し順ベルにおける特定操作態様が第2操作態様となる例えば中左特殊ベル当選ゲームで特定操作態様にて操作した場合は停止時AT抽選処理にてATモード移行抽選等を実行する一方、非特定操作態様にて操作した場合はATモード移行抽選等を行わない)、
の少なくとも一方であり、
前記第2状態においては、
前記第1特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であって前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作されて前記第1特定処理を実行した場合の方が、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であって前記停止操作手段が前記第2所定の操作態様にて操作されて前記第1特定処理を実行した場合よりも遊技者にとって有利となる、又は有利となり易いように設定されている構成(第1押し順ベルを契機とする上乗せチャレンジにてチャレンジ成功した場合はセット上乗せする一方、チャレンジ失敗時はセット上乗せしない)、
及び、
前記第2特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果であって前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作されて前記第2特定処理を実行した場合の方が、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果であって前記停止操作手段が前記第2所定の操作態様にて操作されて前記第2特定処理を実行した場合よりも遊技者にとって有利となる、又は有利となり易いように設定されている構成(第2押し順ベルを契機とする上乗せチャレンジにてチャレンジ成功した場合はセット上乗せする一方、チャレンジ失敗時はセット上乗せしない)、
の少なくとも一方であることを特徴とする特徴iC1乃至特徴iC6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、遊技状態によって、第1所定の操作態様にて操作された場合の第1特定処理や第2特定処理よりも第2所定の操作態様にて操作された場合の第1特定処理や第2特定処理の方が有利となったり、第2所定の操作態様にて操作された場合の第1特定処理や第2特定処理よりも第1所定の操作態様にて操作された場合の第1特定処理や第2特定処理の方が有利となり、有利な側の特定処理が実行される操作態様が遊技状態によって異なるようになる。よって、これらの遊技状態が行き来することで、操作態様により得られる特典が異なったり特定処理の有利度が異なる遊技性が真逆なものとなり、遊技の多様化に大いに貢献することが可能となる。
特徴iC8.前記態様報知手段による前記第1所定の操作態様についての態様報知の実行頻度が相対的に高低となる高頻度状態(ATモード)と低頻度状態(通常モードやCZモード)とが設定されており、
前記第2状態は前記高頻度状態を含むことを特徴とする特徴iC7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1所定の操作態様についての態様報知が実行され易くなる状態においては、特定結果当選時に第1所定の操作態様にて操作した際に実行される第1特定処理や第2特定処理が有利なものとして実行される。つまり、当該第1所定の操作態様についての態様報知が実行され易くなる状態では、第1特典を獲得しながら有利な側の第1特定処理や第2特定処理が実行されるようになり、当該状態の優位性をより一層際立てることが可能となる。
特徴iC9.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果となる確率よりも、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果となる確率の方が高くなるように設定されており(例えば、第1中左ベルと第2中左ベルとの合算確率よりも、中左特殊ベルの確率の方が高い)、
前記第1特定処理が実行された場合の方が、前記第2特定処理が実行された場合よりも遊技者にとって有利となる、又は有利となり易いように設定されている(第1上乗せチャレンジ成功時の方が第2上乗せチャレンジ成功時よりも上乗せセット数が多い)ことを特徴とする特徴iC1乃至特徴iC8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、同じ操作態様にて第1特典が得られるようになる第1特定結果と第2特定結果とで、当選し易い側の第2特定結果よりも、当選しにくい側の第1特定結果の方が、対応する特定処理が遊技者にとって有利となる。このようにすることで、第1特典を得た場合等に、遊技者として第1特定結果を契機とするものであったことを期待するようになり、各ゲームの抽選結果への注目度を高めることを通じて遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴iC10.前記態様報知手段は、前記第1特定処理又は前記第2特定処理の処理結果が実行結果(ナビ抽選当選、上乗せチャレンジ抽選当選)となった場合に、前記態様報知を実行可能となる構成であり、
前記第1特定処理の結果が前記実行結果となる確率と、前記第2特定処理の結果が前記実行結果となる確率とが異なるように設定されていることを特徴とする特徴iC1乃至特徴iC9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果に当選した場合と第2特定結果に当選した場合とで、同じ第1所定の操作態様にて第1特典が得られるようになるとしても、当該第1所定の操作態様を示すような態様報知の実行率が異なるようになる。よって、第1特典を効率的に得るためには、実行率の高い(実行結果となる確率が高い)側の特定結果に当選することに期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣向上に大いに役立てることができる。
なお、上記特徴iC1乃至特徴iC10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iC1乃至特徴iC10の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iD群>
特徴iD1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により第1特典(8枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって不利となる第2特典(1枚のメダル)が付与され得るようになる特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記特定結果として、
前記第1所定の操作態様が第1特定の操作態様(特定操作態様)として設定される第1特定結果(例えば、第1押し順ベル、第1種押し順ベル)と、
前記第1所定の操作態様が前記第1特定の操作態様とは異なる第2特定の操作態様(非特定操作態様)として設定される第2特定結果(例えば、第2押し順ベル、第2種押し順ベル)と、
が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果となる確率よりも、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果となる確率の方が高くなるように設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が、前記第1特定結果及び前記第2特定結果を含む特定結果群である場合に、前記停止操作手段が前記第1特定の操作態様にて操作された場合の方が、前記停止操作手段が前記第2特定の操作態様にて操作された場合よりも有利な態様となる特定処理を実行可能となる特定手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定結果群について、前記第1特典の付与され易さに対応する第1情報(ベルの揃い易さの情報)と、前記特定処理の態様に対応する第2情報(ATモード移行抽選の有無についての情報)と、を含む特定報知を行う特定報知手段(主制御装置101による第2押し順ベルグループ報知を実行する機能、表示制御装置81による偏りベル報知演出を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には第1特典が付与され、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第1特典よりも不利な第2特典が付与される特定結果が設定されているため、遊技者の操作態様によって異なる特典が付与されるという遊技性を創出される。
そのうえで、上記構成においては、特定結果として、有利な側の第1特典が付与されることとなる第1所定の操作態様がそれぞれ異なる第1特定結果と第2特定結果とが設定されており、これら第1特定結果の当選確率よりも第2特定結果の当選確率の方が高くなるように設定されているため、例えば、遊技者は、いずれかの特定結果に当選している状況において、当選し易い側の第2特定結果に対応する第2特定の操作態様にて操作することで、第1特典を効率よく獲得することが可能となる。
その一方で、これら第1特定結果や第2特定結果を含む特定結果群当選時に、第1特定の操作態様にて操作すると第2特定の操作態様にて操作した場合よりも有利な態様にて特定処理が実行されるようになるため、特定処理による恩恵を享受したいのであれば、第2特定の操作態様よりも第1特定の操作態様にて操作したほうが有利となる。
つまり、上記構成では、第1特典を得るか、それとも特定処理による恩恵を得るかを、遊技者が選択することが可能となるといった変則的な遊技性を実現することにより、遊技者による遊技参加を通じて遊技への注目度を高める効果を期待することが可能となる。
このような変則的な遊技性において、更に、第1特典の付与され易さに対応する第1情報と、特定処理の態様に対応する第2情報とを含む特定報知が実行されるようにしていることから、遊技者に、上記の変則的な遊技性を容易に把握させることが可能となり、かかる遊技性を利用した注目度向上効果をより好適に期待することができるようになる。
特徴iD2.前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果群である場合に、所定の報知手段(払出枚数表示部62,補助表示部65、第2補助表示部65b、補助表示領域65c)にて前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、少なくとも、特定結果群に当選となり、第1特定の操作態様にて操作して特定処理の優位性を享受するか、第2特定の操作態様にて操作して第1特典を得るかを選択すべきゲームにおいては特定報知が行われるため、遊技者にこれらの選択を行わせる遊技を好適に進行させることが可能となる。
特徴iD3.前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果群とは異なる結果である場合に、前記所定の報知手段にて前記特定報知を実行可能である(第2押し順ベルグループ報知は、他の抽選結果でも実行され得る)ことを特徴とする特徴iD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が特定結果群当選ゲームだけでなく他のゲームにおいても実行されるようになることから、遊技者は、基本的には毎ゲームいずれの恩恵を享受するかを選択して遊技することになる。よって、例えば、特定結果群に当選したゲームにて、急遽その選択を迫られるわけではなく、それよりも前から心構えを行わせることが可能となり、当該変則的な遊技性を行わせるうえで好ましい態様とすることができる。
特徴iD4.前記特定報知は、前記第1特定の操作態様に対応する前記停止操作手段を示す情報の第1報知と、前記第2特定の操作態様に対応する前記停止操作手段を示す情報の第2報知とを含むことを特徴とする特徴iD1乃至特徴iD3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、各特定の操作態様に対応する停止操作手段を示す情報の報知を含むように特定報知を実行することで、それぞれの恩恵だけでなく、いずれの停止操作手段を操作すべきかを、遊技者に直感的に理解させ易くすることが可能となる。
特徴iD5.前記第2情報は前記第1報知にて報知され、前記第1情報は前記第2報知にて報知されることを特徴とする特徴iD4に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれの操作態様であれば、第1特典を得易くなるか(第1情報)、特定処理の態様が有利となるか(第2情報)を、明確に知らしめることが可能となる。よって、上記の変則的な遊技を好適に実行させることができる。
特徴iD6.前記抽選手段による抽選結果に応じた遊技演出を、前記特定報知が行われる報知手段とは異なる特定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な演出実行手段(表示制御装置81による演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iD1乃至特徴iD5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選結果に応じた遊技演出の演出領域に影響を及ぼさないようにしながら(遊技演出の邪魔にならないようにしながら)、特定報知を実行することが可能となる。よって、遊技演出による遊技の興趣向上を図りながらも、特徴iD1の遊技性を好適に実現することができる。
特徴iD7.前記特定報知手段は、遊技者による所定操作(例えば、所定キャラクタをタップする操作)に基づいて前記特定報知を実行可能となる構成であることを特徴とする特徴iD1乃至特徴iD6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者が必要に応じて特定報知の内容を把握することが可能となる。つまり、遊技者が不要と判断すれば特定報知を行わせないようにすることも可能であり、特定報知により特殊な遊技性を遊技者に理解させる効果を期待しながら、特定報知が行われることによる煩わしさを感じさせないようにすることが可能となる。
特徴iD8.遊技の進行状況に応じて、特定の報知手段を通常状態からデモ状態とすることが可能な手段を備え、
前記特定報知手段は、前記デモ状態となっている前記特定の報知手段にて前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iD1乃至特徴iD7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、デモ状態とされている特定の報知手段にて、特定報知が実行されるようになる。このようにすることで、例えば、特徴iD2のように特定結果群に当選する度に実行するような構成と比較して、特定報知を実行することによって遊技演出に影響を及ぼしにくくすることができる(特定報知が遊技演出の邪魔にならないようにすることができる)。そして、遊技者が遊技を開始する場合や、当該遊技者の後任の遊技者が遊技を開始する場合には、デモ状態となっている可能性が高いことを考慮すると、いずれの遊技者も遊技を開始する際には、特定報知を視認することが可能となり得る構成となり、特定報知の内容を知ることなく遊技が行われることによって、所望の遊技性を実現することができない、といった不都合を生じにくくさせることができるようになる。
特徴iD9.遊技の進行状況に応じて、特定の報知手段を通常状態からデモ状態とすることが可能な手段を備え、
前記特定報知手段は、前記デモ状態から通常状態とされる場合に前記特定の報知手段にて前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iD1乃至特徴iD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の報知手段がデモ状態から通常状態に復帰する場合に、当該特定の報知手段にて特定報知が実行されるようになる。このようにすることで、例えば、特徴iD2のように特定結果群に当選する度に実行するような構成と比較して、特定報知を実行することによって遊技演出に影響を及ぼしにくくすることができる(特定報知が遊技演出の邪魔にならないようにすることができる)。そして、遊技者が遊技を開始する場合や、当該遊技者の後任の遊技者が遊技を開始する場合には、デモ状態となっている可能性が高いことを考慮すると、いずれの遊技者も遊技を開始する際には、特定報知を視認することが可能となり得る構成となり、特定報知の内容を知ることなく遊技が行われることによって、所望の遊技性を実現することができない、といった不都合を生じにくくさせることができるようになる。
なお、上記特徴iD1乃至特徴iD9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iD1乃至特徴iD9の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iE群>
特徴iE1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により第1特典(8枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって不利となる第2特典(1枚のメダル)が付与され得るようになる特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による第1チャレンジ報知演出を実行する機能)を備え、
前記特定結果として、
前記第1所定の操作態様が特定の操作態様(例えば、中→左→右)として設定される第1特定結果(例えば、第1中左ベル)と、
前記第1所定の操作態様が前記特定の操作態様として設定される結果であって前記第1特定結果とは異なる第2特定結果(例えば、中左特殊ベル)と、
が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であって前記停止操作手段が前記第2所定の操作態様にて操作された場合、前記第2特典が付与されることとなる絵柄組合せが停止しない場合もあるように設定されている一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果であって前記停止操作手段が前記第2所定の操作態様にて操作された場合、前記第2特典が付与されることとなる絵柄組合せが停止しない場合がないように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には第1特典が付与され、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第1特典よりも不利な第2特典が付与される特定結果が設定されているため、遊技者の操作態様によって異なる特典が付与されるという遊技性を創出される。
そのうえで、上記構成においては、特定結果として第1特典を得ることが可能となる第1所定の操作態様が特定の操作態様として共通する第1特定結果と第2特定結果とが設けられており、第1特定結果では、第2所定の操作態様にて操作した場合に、第2特典を獲得できない場合もあり、所謂取りこぼしが生じ得るように設定されている一方、第2特定結果では、第2所定の操作態様にて操作した場合に、第2特典が必ず獲得でき、所謂取りこぼしが生じ得ないように設定されている。取りこぼしが生じ得るように設定する場合、通常、同時に狙って停止させることができない絵柄同士により構成される絵柄組合せがそれぞれ設定される複数の特定結果を設けることが一般的であるところ、第1特定結果については、同じ特定の操作態様を第1所定の操作態様とする特定結果を別に設ける必要があるようになる。これに対して、第2特定結果については、取りこぼしが生じないようにすればよいため、上記のような同じ特定の操作態様を第1所定の操作態様とする特定結果を設ける必要がなくなる。このようにすることで、限られた記憶容量の制御装置を用いて遊技の多様化を図るうえで、第2特定結果の記憶容量を削減することが可能となる。
また、上記のように第1特定結果については、第2所定の操作態様にて操作した場合には取りこぼしが生じ得るように設定する一方、第2特定結果については第2所定の操作態様にて操作した場合には取りこぼしが生じないように設定することで、これら第1特定結果の当選となった場合と第2特定結果の当選となった場合とで、平均的に得られる特典の差を、取りこぼしの有無の面から大きくすることが可能となる。よって、第1特定結果に当選となった場合の恩恵と第2特定結果に当選となった場合の恩恵の差を、遊技の多様化に利用することも可能となる。これらを通じて、遊技の興趣向上を好適に図ることができるようになる。
特徴iE2.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により第1特典(8枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって不利となる第2特典(1枚のメダル)が付与され得るようになる特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による第1チャレンジ報知演出を実行する機能)を備え、
複数種類の前記特定結果を含む特定結果群として、
前記停止操作手段の操作態様のうちの第1種類の操作態様をそれぞれ前記第1所定の操作態様として設定された第1特定結果群(第1押し順ベル)と、
前記停止操作手段の操作態様のうちの前記第1種類よりも少ない第2種類の操作態様をそれぞれ前記第1所定の操作態様として設定された第2特定結果群(第2押し順ベル)と、
が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果群のうちの第1特定結果である場合であって前記停止操作手段が前記第2所定の操作態様にて操作された場合、前記第2特典が付与されることとなる絵柄組合せが停止しない場合もあるように設定されている一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果群のうちの第2特定結果である場合であって前記停止操作手段が前記第2所定の操作態様にて操作された場合、前記第2特典が付与されることとなる絵柄組合せが停止しない場合がないように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には第1特典が付与され、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第1特典よりも不利な第2特典が付与される特定結果が設定されているため、遊技者の操作態様によって異なる特典が付与されるという遊技性を創出される。
そのうえで、上記構成においては、複数の特定結果を含む特定結果群として、第1特典を得ることが可能となる第1所定の操作態様が、停止操作手段の操作態様のうちの第1種類の操作態様にそれぞれ対応付けられた第1特定結果群と、第1種類よりも少ない第2種類の操作態様にそれぞれ対応付けられた第2特定結果群とが設定されているため、第1特定結果群のうちのいずれかの特定結果に当選した場合には、第1種類の操作態様から一の操作態様が第1所定の操作態様となり、第2特定結果群のうちのいずれかの特定結果に当選した場合には、第2種類の操作態様から一の操作態様が第1所定の操作態様となり、第1特典を得ることができる確率は、第2特定結果群の方が高くなる。
このような、第1所定の操作態様の種類数が少なく設定された第2特定結果群を、第1特定結果群とは別途設ける構成とすることで、いずれかの特定結果群の当選となったゲームで、第2特定結果群において第1所定の操作態様が設定されていない操作態様にて操作した場合と、第2特定結果群において第1所定の操作態様が設定されている操作態様にて操作した場合とで、第1特典を獲得できる確率を異ならせることが可能となる。このようにすることで、例えば、遊技状態に応じて第1特典を獲得させる遊技と、第1特典を獲得させない遊技とを使い分ける等、比較的簡素な構成にて遊技の多様化を図ることが可能となる。
そのうえで、上記構成においては、第1特定結果群における第1特定結果では、第2所定の操作態様にて操作した場合に、第2特典を獲得できない場合もあり、所謂取りこぼしが生じ得るように設定されている一方、第2特定結果群における第2特定結果では、第2所定の操作態様にて操作した場合に、第2特典が必ず獲得でき、所謂取りこぼしが生じ得ないように設定されている。取りこぼしが生じ得るように設定する場合、通常、同時に狙って停止させることができない絵柄同士により構成される絵柄組合せがそれぞれ設定される複数の特定結果を設けることが一般的であるところ、第1特定結果群については、一の操作態様を第1所定の操作態様とする特定結果を、それぞれ取りこぼし用に複数種類ずつ設定する必要があるようになる。これに対して、第2特定結果群については、取りこぼしが生じないようにすればよいため、上記のような一の操作態様を第1所定の操作態様とする特定結果について、それぞれ複数の特定結果として設定する必要がなくなる。このようにすることで、限られた記憶容量の制御装置を用いて遊技の多様化を図るうえで、第2特定結果群の記憶容量を削減することが可能となる。
また、上記のように第1特定結果群については、第2所定の操作態様にて操作した場合には取りこぼしが生じ得るように設定する一方、第2特定結果群については第2所定の操作態様にて操作した場合には取りこぼしが生じないように設定することで、これら第1特定結果群の当選となった場合と第2特定結果群の当選となった場合とで、平均的に得られる特典を、操作態様の種類数の面からだけでなく取りこぼしの有無の面からもその差を大きくすることが可能となる。つまり、第1特定結果群は、第1所定の操作態様となる種類数が第2特定結果群よりも多いことから、第2特定結果群よりも第1特典を獲得しにくくなるし、第1所定の操作態様ではなく第2所定の操作態様となった場合には、第1特定結果群であれば取りこぼしが生じ得るのであるから第2特典すら獲得しにくくなる。よって、第1特定結果群に当選となった場合の恩恵と第2特定結果群に当選となった場合の恩恵の差を、遊技の多様化に利用することも可能となる。これらを通じて、遊技の興趣向上を好適に図ることができるようになる。
特徴iE3.前記第1特定結果を含む第1特定結果群(第1押し順ベル)と、前記第2特定結果を含む第2特定結果群(第2押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果として、前記第1特定結果に対して設定される操作態様を前記第1所定の操作態様とする他の特定結果が、前記第1特定結果群には当該第1特定結果の他に設定されており、
前記抽選手段による抽選結果として、前記第2特定結果に対して設定される操作態様を前記第1所定の操作態様とする特定結果は、前記第2特定結果群には当該第2特定結果の他に設定されていないことを特徴とする特徴iE1又は特徴iE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果についての第1所定の操作態様と同じ操作態様を第1所定の操作態様として設定される特定結果が別途設けられており、第2特定結果については同じ第1所定の操作態様として設定される特定結果が設けられていないことが明確化される。よって、遊技機の記憶容量の削減を図りながら遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴iE4.前記第1特定結果は、前記第2所定の操作態様にて操作された場合に第1の絵柄組合せが停止して前記第2特典が付与されるようになり、前記第1特定結果と前記第1所定の操作態様が共通する前記他の特定結果は、前記第2所定の操作態様にて操作された場合に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止して前記第2特典が付与されるようになるように設定されており、
前記第1の絵柄組合せと、前記第2の絵柄組合せとは、前記停止操作手段が前記第1の絵柄組合せを停止可能とするように操作された場合には、前記第2の絵柄組合せを停止させることができず、前記停止操作手段が前記第2の絵柄組合せを停止可能とするように操作された場合には、前記第1の絵柄組合せを停止させることができないように設定されていることを特徴とする特徴iE3に記載の遊技機。
上記構成は、特徴iE2の具体的構成であり、このように第1所定の操作態様を共通とする第1特定結果と他の特定結果とで、第2所定の操作態様にて操作された場合に停止可能となる絵柄組合せを異ならせるだけでよいため、比較的簡素な構成にて、特徴iE2の効果を得ることが可能となる。
特徴iE5.前記第2特定結果は、前記第2所定の操作態様にて操作された場合に、前記第1の絵柄組合せが停止して前記第2特典が付与されるようになるとともに、前記第2の絵柄組合せが停止して前記第2特典が付与されるようになるように設定されていることを特徴とする特徴iE4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果群であれば、第1特定結果と他の特定結果とで第1の絵柄組合せ及び第2の絵柄組合せが別々の特定結果に対して割り振られている一方、第2特定結果群であれば、当該第1特定結果と第1所定の操作態様が共通する第2特定結果について、第1の絵柄組合せ及び第2の絵柄組合せがいずれも割り振られている。このようにすることで、第1特定結果については取りこぼしが生じ得る一方、第2特定結果については取りこぼしが生じ得ない構成を、比較的簡素に実現することが可能となる。よって、特徴iE1の作用効果を容易に得ることができるようになる。
特徴iE6.前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合、所定の報知手段にて特定報知を実行可能な特定報知手段(主制御装置101による第2押し順ベルグループ報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iE1乃至特徴iE5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定結果の当選ゲームでは特定報知が実行される。この場合、第2特定結果は第2所定の操作態様にて操作しても取りこぼしが生じないように設定されていることから、当該特定報知が行われたのにもいずれの特典も付与されない事象が生じないようになる。よって、当該特定報知が行われたのにもいずれの特典も付与されないことを通じて、遊技者が、当該特定報知を意味不明な報知として解釈してしまい、遊技意欲の低下を招く要因となり得ることを好適に回避することが可能となる。
特徴iE7.前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果である場合は、前記特定報知を実行しない又は第2特定結果である場合よりも前記特定報知を実行しにくいことを特徴とする特徴iE6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知は取りこぼしが生じ得る第1特定結果の場合には実行されない又は実行されにくくなるため、当該特定報知を第2特定結果の当選ゲームであるサインとして解釈させ易くなるし、当該特定報知が行われたのにいずれの特典も付与されない、といった事象を生じにくくすることができる。
特徴iE8.前記第1特定結果を含む第1特定結果群(第1押し順ベル)と、前記第2特定結果を含む第2特定結果群(第2押し順ベル)が設定されており、
前記第1特定結果群においては特定の操作態様を前記第1所定の操作態様とする特定結果が設けられている一方、前記第2特定結果群においては前記特定の操作態様を前記第1所定の操作態様とする特定結果が設けられていない、又は当該特定の操作態様を前記第1所定の操作態様とする特定結果の当選確率が前記第1特定結果群において設定されている前記特定の操作態様を前記第1所定の操作態様とする特定結果の当選確率よりも低くなるように設定されている構成であり、
前記第2特定結果において前記特定の操作態様は、前記第2所定の操作態様となるものであり、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果群又は前記第2特定結果群であって、前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作された場合、遊技者にとって有利となり得る特定処理を実行する特定手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iE1乃至特徴iE7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果群であれば第1特典が得られる可能性がある一方、第2特定結果群であれば第1特典が得られる可能性がない又は少ない特定の操作態様にて操作された場合に、遊技者にとって有利となり得る特定処理が実行される場合があるようになる。このようにすることで、特定処理の有益性を利用して、特定の操作態様にて操作させて、第2特定結果群の分だけ第1特典を得られにくくする遊技性を実現することができる。この場合、第2特定結果群であれば第1特典が得られないものの、当該特定の操作態様は第2所定の操作態様に対応付けられることから、第2特典が必ず得られるようになる。よって、いずれの特典も付与していないのにもかかわらず、特定処理が実行される、といった不自然な構成となりにくくなり、特定処理を利用して遊技性の向上を図るうえで、遊技者が理解し易い処理体系とすることが可能となる。
特徴iE9.前記第2特典が付与されることとなる絵柄組合せが停止した場合、又は前記第2特典が付与された場合に、遊技者にとって有利となり得る特定処理を実行する特定手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iE1乃至特徴iE8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果であれば第2所定の操作態様にて操作した場合に特定処理が実行されない場合もある一方、第2特定結果であれば第2所定の操作態様にて操作した場合に特定処理が実行されない場合がないようになる。このようにすることで、第1特定結果と第2特定結果とのいずれに当選しているかへの注目度を高めることが可能となるし、第1特定結果であっても、取りこぼしが生じないこと(第2特典が付与されること)を願いながら若しくは狙って操作するようになり、当該ゲームへの注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴iE10.前記第2特典が付与されることとなる絵柄組合せが停止していない場合、又は前記第2特典が付与されない場合に、遊技者にとって有利となり得る特定処理を実行する特定手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iE1乃至特徴iE9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果であれば第2所定の操作態様にて操作した場合に特定処理が実行される場合がある一方、第2特定結果であれば第2所定の操作態様にて操作した場合に特定処理が実行されないようになる。このようにすることで、第1特定結果と第2特定結果とのいずれに当選しているかへの注目度を高めることが可能となるし、第1特定結果において、取りこぼしが生じること(第2特典が付与されないこと)を願いながら若しくは狙って操作するようになり、当該ゲームへの注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、上記特徴iE1乃至特徴iE10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iE1乃至特徴iE10の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iF群>
特徴iF1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により第1特典(8枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって不利となる第2特典(1枚のメダル)が付与され得るようになる特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による各チャレンジ報知演出を実行する機能)を備え、
前記特定結果として、
前記第1所定の操作態様が第1特定の操作態様(特定操作態様)として設定される第1特定結果(例えば、第1押し順ベル、第1種押し順ベル)と、
前記第1所定の操作態様が前記第1特定の操作態様とは異なる第2特定の操作態様(非特定操作態様)として設定される第2特定結果(例えば、第2押し順ベル、第2種押し順ベル)と、
が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果となる確率よりも、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果となる確率の方が高くなるように設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が少なくとも前記第2特定結果である場合、前記停止操作手段が前記第1特定の操作態様にて操作された場合の方が、前記停止操作手段が前記第2特定の操作態様にて操作された場合よりも特定処理(停止時AT抽選用処理)において有利となるように処理を実行可能とする特定手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が少なくとも前記第2特定結果と、前記第1特定結果及び前記第2特定結果とは異なる特別結果(例えばリプレイ等)である場合、予め定められた特定報知を実行可能な特定報知手段(主制御装置101による第2押し順ベルグループ報知を実行する機能、表示制御装置81による偏りベル報知演出を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には第1特典が付与され、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第1特典よりも不利な第2特典が付与される特定結果が設定されているため、遊技者の操作態様によって異なる特典が付与されるという遊技性を創出される。
そのうえで、上記構成においては、特定結果として、有利な側の第1特典が付与されることとなる第1所定の操作態様がそれぞれ異なる第1特定結果と第2特定結果とが設定されており、これら第1特定結果の当選確率よりも第2特定結果の当選確率の方が高くなるように設定されているため、例えば、遊技者は、いずれかの特定結果に当選している状況において、当選し易い側の第2特定結果についての第1所定の操作態様である第2特定の操作態様にて操作した場合の方が、当選しにくい側の第1特定結果についての第1所定の操作態様である第1特定の操作態様にて操作した場合よりも第1特典を効率よく獲得することが可能となる。
その一方で、少なくとも第2特定結果の当選時に、第1特定の操作態様にて操作すると、第2特定の操作態様にて操作した場合よりも有利な態様にて特定処理が実行されるようになるため、特定処理による恩恵を享受したいのであれば、第2特定の操作態様よりも第1特定の操作態様にて操作したほうが有利となる。
つまり、上記構成では、第1特典を得るか、それとも特定処理による恩恵を得るかを、遊技者が選択することが可能となるといった変則的な遊技性を実現することにより、遊技者による遊技参加を通じて遊技への注目度を高める効果を期待することが可能となる。
そのうえで、このような変則的な遊技性において、更に、第2特定結果に当選したゲームにて特定報知を実行するようにしていることから、第1特典と特定処理による恩恵とを選択するゲームであることを遊技者が明確に把握することが可能となる。
但し、このような特定報知によって、ゲームの抽選結果が丸わかりになってしまう可能性もあり、遊技性の低下を招く恐れがある。そこで、上記構成においては、特定報知を、第2特定結果だけでなく、第1特定結果や第2特定結果とは異なる特別結果の当選ゲームでも実行するようにしていることから、少なくとも特定報知によって第1特典と特定処理による恩恵とを選択するゲームの可能性があることを遊技者に知らしめることができるし、当該特定報知によってゲームの抽選結果が丸わかりになってしまう不都合も生じにくくすることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴iF2.前記抽選手段による抽選結果を利用して、予め定められた有利事象(ATモードへの以降、ATモードの上乗せ)を生じさせることの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理や、AT上乗せ用処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果であった場合、前記有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるATモードへ移行させたりATモードの上乗せを行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記有利判定手段は、前記特別結果を利用する前記有利判定の方が前記第2特定結果を利用する前記有利判定よりも前記有利結果となり易いように設定されていることを特徴とする特徴iF1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果を利用した有利判定を経て有利事象が生じる場合もあるようになるため、更なる遊技性の向上が図られる。そのうえで、特定報知の対象として含めるようにした特別結果は、第2特定結果よりも有利事象の契機となり易い結果であり、所謂レア役が相当する。この場合、仮にこのような特別結果を特定報知の対象に含めない場合、特定報知が行われることを通じて、当該ゲームの抽選結果が特別結果ではないことが丸わかりとなってしまい、特別結果当選を期待しながら行う遊技の遊技性を低下させてしまう要因となりかねない。その点、上記特徴iF1のように、特別結果も含めて特定報知を行うようにすることで、特別結果当選ゲームを分かりにくくすることが可能となり、遊技性の向上に大いに貢献することが可能となる。
特徴iF3.前記有利事象手段は、前記特定手段による前記特定処理の結果が対応結果となった場合、前記有利事象を生じさせることが可能であることを特徴とする特徴iF2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定の操作態様にて操作して有利な特定処理を行わせることと、特別結果を利用した有利判定とが関連付けられ、いずれも有利事象を生じさせるのものとなる。このような関係であれば、遊技者は、特定報知が行われたゲームでは有利事象を生じさせるべく第1特定の操作態様にて操作し、その結果、第1特定結果や第2特定結果ではなく、より有利事象につながり易い特別結果であったことが判明する、といった驚きを提供することもでき、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴iF4.前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果となる確率よりも、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となる確率の方が低いことを特徴とする特徴iF1乃至特徴iF3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、比較的当選しにくい特別結果をも含めて特定報知を実行する構成とすることで、特別結果当選ゲームを第2特定結果当選ゲームにうまく紛れさせることが可能となる。よって、特定報知が行われるゲームへの注目度を高めることが可能となるし、当該特定報知が行われることを通じて特別結果当選が否定されてしまう事象を回避することが可能となる。
特徴iF5.前記抽選手段による抽選結果が所定の前記第2特定結果であって、前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作された場合、前記第1特典に対応する絵柄組合せ及び前記第2特典に対応する絵柄組合せのいずれもが停止しない場合もあるように設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であり、前記停止操作手段が対応する操作態様にて操作された場合には、前記特別結果に対応する絵柄組合せが停止する一方、前記停止操作手段が前記対応する操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合には、前記特別結果に対応する絵柄組合せが停止しない又は停止しにくいように設定されていることを特徴とする特徴iF1乃至特徴iF4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が行われたゲームにおいて第1特定の操作態様にて操作された場合、当該特定報知が第1特定結果や第2特定結果を契機とするものであっても、第1特典や第2特典が付与されることとなる絵柄組合せが停止しない場合もあるし、当該特定報知が特別結果を契機とするものであっても、当該特別結果に対応する絵柄組合せが停止しない場合もあり、停止した絵柄組合せからは、当該特定報知の契機となった抽選結果を遊技者が識別しにくくなる。このようにすることで、特定報知の契機を、その他の要因から予測する遊技性を追加することができるし、特定報知が行われたゲームで、仮に特別結果であれば特別結果入賞を取りこぼさないようにより慎重な操作を行う等、当該ゲームへの注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴iF6.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記停止操作手段が前記第1特定の操作態様にて操作された場合、前記特別結果に対応する絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第2特定の操作態様にて操作された場合、前記特別結果に対応する絵柄組合せが停止可能となることを特徴とする特徴iF1乃至特徴iF5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果は、特定結果のように第1特定の操作態様と第2特定の操作態様とで入賞する結果が異なるものではないことが明確化される。このようにすることで、当該特定報知が実行されたゲームにて、第1特典と特定処理とのいずれの恩恵を享受することが選択された場合であっても、特別結果入賞の可能性を残すことができ、特定報知の実行対象に特別結果を含めることによって、特別結果入賞を取りこぼし易くなってしまう、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴iF7.前記特定報知手段は、前記所定の報知手段にて前記特定報知を実行することを特徴とする特徴iF1乃至特徴iF6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知は、態様報知が行われる所定の報知手段にて実行されることになり、報知手段を共用することによる遊技機の部材点数の削減に貢献することが可能となるし、特定報知が停止操作手段に操作態様に関する報知である印象を強く与えるようになり、第1特典と特定処理による恩恵とを、自らの操作態様にて選択すべきゲームであることを理解させ易くすることができる。
特徴iF8.前記態様報知手段による態様報知の実行頻度が相対的に高低となる高頻度状態(ATモード)と低頻度状態(通常モード、CZモード)とが設定されており、
前記特定報知は、前記低頻度状態の方が、前記高頻度状態よりも実行され易いことを特徴とする特徴iF1乃至特徴iF7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知が行われにくい低頻度状態にて特定報知が実行され易くなるため、いずれの報知に基づいて操作を行うべきかが不明となってしまう事象を生じさせにくくすることができる。
特に、特徴iF7のように、態様報知を実行する所定の報知手段にて特定報知を行う構成において、両報知の実行ゲームが重複してしまうことにより、遊技機のエラーが発生してしまう等の不都合も回避することができる。
特徴iF9.前記特定報知手段は、前記高頻度状態においても前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iF8に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知が実行され易くなる高頻度状態においても特定報知が実行され得るようになるため、高頻度状態は、態様報知と特定報知とによって、操作が指示され得る状態となる。このようにすることで、仮に態様報知の実行頻度を低く設定しても、特定報知が行われる場合もあるようになるため、何らかの報知が行われている可能性は高くなり、せっかく高頻度状態に移行したのにも関わらず、操作態様についての報知がなかなか発生しない、といった遊技者の不満を解消することができる。
特徴iF10.前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果であって、所定の実行条件が成立した場合に前記態様報知を実行する構成であり、
前記特定報知手段は、前記高頻度状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果であって、前記所定の実行条件が成立しない場合に前記特定報知を実行する構成であることを特徴とする特徴iF8又は特徴iF9に記載の遊技機。
上記構成によれば、高頻度状態において、第2特定結果である場合、所定の実行条件が成立した場合には態様報知が実行され、所定の実行条件が成立しない場合には特定報知が実行される。そして、当該特定報知は、所定の実行条件とは関係のない特別結果当選時にも実行されることから、高頻度状態に移行した後、態様報知が実行されないゲームにおいて、第2特定結果とともに、特別結果当選への期待も寄せさせることが可能となり、当該高頻度状態への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴iF11.前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が第1特定結果である場合、前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iF1乃至特徴iF10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が第1特定結果である場合も実行され得るようになるため、特定報知によって特別結果を他の結果(第1特定結果や第2特定結果)に紛れさせる効果をより高めることが可能となる。
なお、上記特徴iF1乃至特徴iF11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iF1乃至特徴iF11の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iG群>
特徴iG1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により第1特典(8枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって不利となる第2特典(1枚のメダル)が付与され得るようになる特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による第1チャレンジ報知演出を実行する機能)を備え、
前記特定結果として、
前記第1所定の操作態様が第1特定の操作態様(特定操作態様)として設定される第1特定結果(例えば、第1押し順ベル、第1種押し順ベル)と、
前記第1所定の操作態様が前記第1特定の操作態様とは異なる第2特定の操作態様(非特定操作態様)として設定される第2特定結果(例えば、第2押し順ベル、第2種押し順ベル)と、
が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果となる確率よりも、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果となる確率の方が高くなるように設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果及び前記第2特定結果を含む対象結果であって前記第1特典が付与されることとなる場合、当該第1特典が前記第1特定結果に基づくものである場合と、当該第1特典が前記第2特定結果に基づくものである場合とで、遊技者にとっての有利度が異なる有利事象を生じさせる有利手段(主制御装置101によるチャレンジ結果用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には第1特典が付与され、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第1特典よりも不利な第2特典が付与される特定結果が設定されているため、遊技者の操作態様によって異なる特典が付与されるという遊技性を創出される。
そのうえで、上記構成においては、特定結果として、有利な側の第1特典が付与されることとなる第1所定の操作態様がそれぞれ異なる第1特定結果と第2特定結果とが設定されており、これら第1特定結果の当選確率よりも第2特定結果の当選確率の方が高くなるように設定されているため、例えば、遊技者は、いずれかの特定結果に当選している状況において、当選し易い側の第2特定結果についての第1所定の操作態様である第2特定の操作態様にて操作した場合の方が、当選しにくい側の第1特定結果についての第1所定の操作態様である第1特定の操作態様にて操作した場合よりも第1特典を効率よく獲得することが可能となる。
しかも、これら第1特定結果や第2特定結果の当選時に、第1特典を獲得可能となると、当該第1特典の契機となった特定結果が第1特定結果であった場合と第2特定結果であった場合とで、遊技者にとっての有利度が異なる有利事象が生じる。そのため、例えば、当選し易い第2特定結果契機の方が有利な有利事象となるのであれば、第2特定の操作態様にて操作したほうが有利となり、第1特定の操作態様と第2特定の操作態様との有利度の差を第1特典の獲得率以上に設定することが可能となる。また、例えば、当選しにくい第1特定結果契機の方が有利な有利事象となるのであれば、第1特定の操作態様にて操作して有利な有利事象を生じさせることにチャレンジするか、第2特定の操作態様にて操作してより確実に有利事象を生じさせるようにするかを選択させることができる。よって、これらの遊技性を通じて、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴iG2.前記有利手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記対象結果であって前記第1特典が付与されることとなる場合、当該第1特典が前記第1特定結果に基づくものである場合と、当該第1特典が前記第2特定結果に基づくものである場合との、いずれであっても前記有利事象を生じさせることを特徴とする特徴iG1に記載の遊技機。
上記構成によれば、少なくとも第1特典を獲得する際には有利度の高低の差はあれど、有利事象が生じるようになる。よって、いずれの操作態様にて操作して有利事象を得るようにするか、という遊技の健全性を担保することができる。
特徴iG3.前記有利手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記対象結果であって前記第1特典が付与されることとなる場合、当該第1特典が前記第1特定結果に基づくものである場合の方が、当該第1特典が前記第2特定結果に基づくものである場合よりも遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることが可能な第1手段(主制御装置101による第3上乗せチャレンジにて、左第1停止でベル揃い時に5セット分のAT上乗せを行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iG1又は特徴iG2に記載の遊技機。
上記構成によれば、当選確率が低い側の第1特定結果を契機として第1特典を獲得した場合の方が遊技者にとって有利な有利事象が生じるようになる。よって、第1特典を獲得できる確率と有利事象の有利度とのバランスを担保することができる。
特徴iG4.前記有利手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記対象結果であって前記第1特典が付与されることとなる場合、当該第1特典が前記第1特定結果に基づくものである場合よりも、当該第1特典が前記第2特定結果に基づくものである場合の方が遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることが可能な第2手段(主制御装置101による第3上乗せチャレンジにて、左第1停止でベル揃い時に1セット分のAT上乗せを行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iG1乃至特徴iG3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、当選確率が高い側の第2特定結果を契機として第1特典を獲得した場合の方が遊技者にとって有利な有利事象が生じるようになる。よって、より有利な有利事象が生じ易くなり、対象結果となることへの期待感を高めることが可能となる。
特徴iG5.前記有利手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記対象結果であって前記第1特典が付与されることとなる場合、当該第1特典が前記第1特定結果に基づくものである場合の方が、当該第1特典が前記第2特定結果に基づくものである場合よりも遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることが可能な第1手段(主制御装置101による第3上乗せチャレンジにて、左第1停止でベル揃い時に5セット分のAT上乗せを行う処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記対象結果であって前記第1特典が付与されることとなる場合、当該第1特典が前記第1特定結果に基づくものである場合よりも、当該第1特典が前記第2特定結果に基づくものである場合の方が遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることが可能な第2手段(主制御装置101による第3上乗せチャレンジにて、左第1停止でベル揃い時に1セット分のAT上乗せを行う処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1手段により前記第1特定結果に基づく有利事象を生じさせた場合の有利度と、前記第2手段により前記第1特定結果に基づく有利事象を生じさせた場合の有利度との平均と、前記第1手段により前記第2特定結果に基づく有利事象を生じさせた場合の有利度と、前記第2手段により前記第2特定結果に基づく有利事象を生じさせた場合の有利度との平均と、が同じ又は略同じとなるように設定されていることを特徴とする特徴iG1乃至特徴iG4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果に基づいて有利事象が生じた場合と、第2特定結果に基づいて有利事象が生じた場合とで、その都度、有利度の差は生じ得るものの、これらの有利事象の有利度の平均は同じ程度のものとなる。そのため、当選確率の高い分だけ第2特定結果の方が有利なものとなる。よって、遊技の公平性を担保しながらも、対象結果となるのであれば第2特定結果であることに期待させることが可能となり、各ゲームの注目度を好適に高めることができる。
特徴iG6.少なくとも前記第2特定結果は、前記第1所定の操作態様となる操作態様が異なる複数の特定結果が設定されており、
前記第1特定の操作態様よりも、前記第2特定の操作態様の方が種類数が多くなるように設定されている(左第1停止と、中・右第1停止)ことを特徴とする特徴iG1乃至特徴iG5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果よりも第2特定結果の方が当選し易いものの、第1特典を獲得できるようになる操作態様は、第1特定結果よりも第2特定結果のほうがその選択肢が多くなるため、第2特定結果を契機として特典を獲得しにくくなる。このようにすることで、当選確率の異なる第1特定結果と第2特定結果とで、第1特典を獲得した場合の有利事象の有利度に差を設けるうえで、遊技の公平性を担保することが可能となる。
特徴iG7.前記抽選手段による抽選結果が前記対象結果である場合、前記第1特定の操作態様に対応する第1報知(第3キャラクタC3)と、前記第2特定の操作態様に対応する第2報知(第1キャラクタC1)とを含む特定報知を実行する特定報知手段(表示制御装置81による第3チャレンジ報知演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iG1乃至特徴iG6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は特定報知に基づいて、いずれの操作態様が第1特定の操作態様と第2特定の操作態様とにそれぞれ対応しているかを明確に把握することができる。よって、特徴iG1の遊技を遊技者が好適に行うことが可能となる。
特徴iG8.前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果又は前記第2特定結果であって、所定の実行条件が成立した場合に前記第1所定の操作態様に対応する報知を前記態様報知として実行する構成であり、
前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果及び前記第2特定結果である場合、前記所定の実行条件が成立しない場合に前記特定報知を実行可能であり、
前記有利手段は、前記特定報知手段による前記特定報知が行われた遊技を対象として前記有利事象を生じさせることを特徴とする特徴iG7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果や第2特定結果である場合、所定の実行条件が成立した場合には第1所定の操作態様についての態様報知が実行されることから、当該態様報知によって遊技者は第1特典を容易に獲得できるようになる。そして、所定の実行条件が成立しない場合には特定報知が実行され、第1特典を獲得できたらその契機応じた有利度の有利事象が生じるようになる。このようにすることで、態様報知により第1特典を獲得しながら、特定報知が行われる遊技では第1特典を獲得することに期待を込めて停止操作する、といったように、いずれにしても第1特典獲得を目指す遊技であるため遊技を分かりやすくすることができる。しかも、単に第1特典を獲得するだけではなく特定報知実行時の方が有利事象の分だけ有利となるため、遊技の多様化も図ることが可能となる。
特徴iG9.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果及び前記第2特定結果である場合、前記特定報知を実行することの第1抽選を行う第1抽選手段(主制御装置101によるチャレンジ抽選を行う機能)と、前記態様報知を実行することの第2抽選を行う第2抽選手段(主制御装置101によるナビ抽選を行う機能)と、を備え、
前記第2抽選手段は、前記第1抽選手段による前記第1抽選の結果が前記特定報知を実行しないとの結果であった場合に、前記第2抽選を実行することを特徴とする特徴iG8に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知を実行しないゲームで特定報知を行う構成において、特定報知の実行抽選に非当選となった場合に態様報知の実行抽選を行う構成としたため、両実行抽選に当選となる事象を生じさせないようにすることができ、処理構成の簡素化を図ることができる。また、先に特定報知の実行抽選を行うようにすることで、態様報知が行われないゲームの出現率に、特定報知による影響が及ばないようにすることも可能である。
なお、上記特徴iG1乃至特徴iG9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iG1乃至特徴iG9の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iH群>
特徴iH1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典として所定数の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により第1数の遊技価値(13枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第1数よりも少ない第2数の遊技価値(1枚のメダル)が付与され得るようになる特定結果(例えば、押し順ベル)と、
対応する絵柄組合せが停止した場合に前記遊技価値付与手段により前記第1数よりも少ない第3数の遊技価値が付与され得るようになる特別結果(例えば、各2択1枚役)と、
が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による各チャレンジ報知演出を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報を出力する出力手段(主制御装置101による抽選結果コマンド用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合に予め定められた特定結果情報(偏りベルグループの結果番号に対応する抽選結果コマンド)を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合に前記特定結果情報を出力することが可能な特定出力手段(主制御装置101による偏りベルグループの結果番号に対応する抽選結果コマンドを出力設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する数の遊技価値が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には第1数の遊技価値が付与され、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第1数よりも少ない第2数の遊技価値が付与される特定結果が設定されているため、遊技者の操作態様によって異なる数の遊技価値が付与されるという遊技性を創出される。
そのうえで、上記構成においては、特定結果とは別途、対応する絵柄組合せが停止した場合に第1数よりも少ない第3数の遊技価値が付与される特別結果が設定されており、これら各ゲームの抽選結果を結果情報として出力する出力手段は、特定結果である場合と特別結果である場合は、いずれも特定結果情報を出力する特定出力手段を備えている。つまり、特定結果と特別結果とが抽選結果の結果情報を出力するうえではグループ化されて特定結果情報として出力される構成となる。
このようにすることで、特定結果に当選となった場合に第1数又は第2数の遊技価値が付与される構成において、特定結果情報が出力されるゲームにて期待できる遊技価値の平均数を少なくすることが可能となる。より詳しくは、第1数の遊技価値が付与されることとなる第1所定の操作態様の種類数と、第2数の遊技価値が付与されることとなる第2所定の操作態様の種類数とを加味して、特定結果に当選となった場合に期待できる遊技価値の平均数が算出されるところ、かかる算出に、第1数よりも少ない第3数の遊技価値が付与されることとなる特別結果の分も加味されることとなり、当該遊技価値の平均数は当該特別結果の分だけ少なくなる。よって、例えば、期待できる遊技価値の平均数等によって処理を異ならせたり、遊技履歴の記憶領域を異ならせる等の構成において、その平均数が少ない側の扱いを行うことが可能となる。このように、特定結果を平均数が少ない側として扱うことによって、例えば、他の平均数が少ない側の結果との区別をつきにくくしたり、特定結果に基づき付与される遊技価値を平均数が少ない側のグループとして遊技履歴の管理を行うことが可能となる。
特に、遊技履歴の管理において、特定結果に基づき付与される遊技価値が、全ての付与遊技価値に占める割合が大きくなると、上記の操作態様によって異なる数の遊技価値が付与される遊技性が遊技に与える影響が大きくなり過ぎて、始動操作手段の操作に基づき実行される抽選の結果の影響が小さくなる等、本来のスロットマシンの遊技性を抹殺しかねず、好ましくないという事情もある。その点、上記構成のようにすることで、特定結果に基づき付与される遊技価値を、遊技履歴の管理において平均数が少ない側の扱いを可能とすることで、上記のような不都合を生じさせることなく、操作態様による遊技性の向上に貢献することが可能となる。よって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
なお、上記構成は、以下のように表現することも可能であり、この点については他の特徴や他の特徴群の対応する構成についても同様である。
「複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典として所定数の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により第1数の遊技価値(13枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第1数よりも少ない第2数の遊技価値(1枚のメダル)が付与され得るようになる特定結果(例えば、押し順ベル)と、
対応する絵柄組合せが停止した場合に前記遊技価値付与手段により前記第1数よりも少ない第3数の遊技価値が付与され得るようになる特別結果(例えば、各2択1枚役)と、
が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による各チャレンジ報知演出を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報を出力する出力手段(主制御装置101による抽選結果コマンド用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記出力手段は、前記抽選手段による抽選結果と前記結果情報とが対応付けられた結果情報群を利用して前記結果情報を出力する構成であり、
前記結果情報群には、前記特定結果と前記特別結果とがグループ化されて共通の結果情報である特定結果情報が設定されていることを特徴とする遊技機」。
特徴iH2.前記特定結果及び前記特別結果を含む結果である場合に、付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数(期待払出数)が予め定められた特定数(3)以下となるように設定されていることを特徴とする特徴iH1に記載の遊技機。
上記構成は、特別結果を特定結果と同じグループとして特定結果情報を出力する構成とすることにより、当該特定結果情報が出力されるグループの平均遊技価値数が特定数以下となることを明確化するものである。
このようにすることで、例えば、特定数を超過する場合と特定数以下である場合とで、遊技履歴の算出の扱いや処理を異ならせる構成において、本来ならば特定数を超過する扱いを受けるはずであった特定結果を、特定数以下の扱いを受けるようにすることも可能となる。
特徴iH3.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合に、付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数(期待払出数)が予め定められた特定数(3)を超過するように設定されており、
前記特定結果及び前記特別結果を含む結果である場合の前記平均遊技価値数が前記特定数以下となるように設定されていることを特徴とする特徴iH1又は特徴iH2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果だけだと平均遊技価値数が特定数を超過するものの、特定結果に特別結果を含めて平均遊技価値数を算出すると、当該平均遊技価値数は特定数以下となる。このようにすることで、特別結果を特定結果と同じグループとして特定結果情報を出力する構成とすることにより、当該特定結果情報が出力されるグループの平均遊技価値数を下げる効果があることがより明確化される。
また、例えば、特定数を超過する場合と特定数以下である場合とで、遊技履歴の算出の扱いや処理を異ならせる構成において、本来ならば特定数を超過する扱いを受けるはずであった特定結果を、特定数以下の扱いを受けるようにすることも可能となる。
特徴iH4.遊技に利用する遊技価値を賭数として設定する賭数設定手段(主制御装置101によるベット用の処理を実行する機能)を備え、
前記特定数は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果又は前記特別結果となる場合に前記賭数設定手段により設定される賭数以下であることを特徴とする特徴iH2又は特徴iH3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果と特別結果とを合わせた平均遊技価値数が賭数設定手段により設定される賭数以下となる。つまり、特定結果や特別結果となった場合に、平均的に獲得できる遊技価値と賭数との差し引きが0以下となり、遊技価値が増加しない構成となる。このように特定数を設定することで、特定結果や特別結果となっても、通常であれば遊技価値の増加が見込めず、これらの特定結果や特別結果となったゲームを遊技履歴として管理するうえで、例えば、遊技価値が増加するゲームと増加しないゲームとで分類するならば、遊技価値が増加しない側に割り振ることが可能となる。よって、操作態様によって得られる遊技価値数が異なる特定結果と、操作態様についての態様報知を利用した遊技性を実現しながらも、遊技価値が増加しないゲームの割合を増やすことが可能となり、出玉率の設定を行ううえで大いに役立てることが可能となる。
特徴iH5.前記特定数は、前記第1数より少なく、前記第2数より多い数であることを特徴とする特徴iH2乃至特徴iH4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様によって第1数の遊技価値や第2数の遊技価値が付与され得る特定結果との関係で、特定結果と特別結果とを合わせた平均遊技価値数は、第1数より少なく第2数よりも多くなることから、特定結果に対して特別結果を組み合わせることによって、仮に特定結果である場合に全て第1数の遊技価値が付与されたとしても、平均遊技価値数が第1数よりも少なくなる効果があることが明確化される。
特徴iH6.前記特定数は3であることを特徴とする特徴iH2乃至特徴iH5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は特徴iH2の具体的構成である。
特徴iH7.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率よりも、前記抽選手段による抽選結果が所定の前記特別結果となる確率の方が高くなるように設定されていることを特徴とする特徴iH1乃至特徴iH6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果情報が出力された場合に、それが特定結果を契機として出力された可能性よりも特別結果を契機として出力された可能性の方が高くなる。よって、例えば、特定結果に当選となっていることを不正に特定しようとして、結果情報を解析する等によって当該特定結果情報であることが特定できたとしても、実際に特定結果である可能性は比較的低く、かかる行為により特定結果であることを特定することの困難性を高めることができる。
また、例えば特徴iH2のように、特定結果と特別結果との平均遊技価値数を算出するうえで、特定結果により付与される遊技価値数よりも特別結果により付与される遊技価値数の方が平均遊技価値数の算出に与える影響が大きくなる。よって、特別結果を追加することによる平均遊技価値数を下げる効果をより好適に得ることが可能となる。
特徴iH8.前記特定結果は、前記第1所定の操作態様として設定される操作態様が異なる複数の個別特定結果(例えば、中左特殊ベルA、右左特殊ベルA)により構成されるものであり、
前記抽選手段による抽選結果が所定の前記個別特定結果となる確率よりも、前記抽選手段による抽選結果が所定の前記特別結果となる確率の方が高くなるように設定されていることを特徴とする特徴iH1乃至特徴iH7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果は、第1所定の操作態様となる操作態様が異なる複数の個別特定結果により構成されるものであり、上記構成では、これら個別特定結果に当選となる確率よりも特別結果となる確率の方が高くなるように設定していることから、第1所定の操作態様にて操作されて第1数の遊技価値が付与されることとなる個別特定結果と第3数の遊技価値が付与されることとなる特別結果とを組み合わせたとしても、特別結果により第3数の遊技価値が付与されることとなる確率の方が高くなる。
よって、例えば特徴iH2のように、特定結果と特別結果との平均遊技価値数を算出するうえで、特定結果により付与される遊技価値数よりも個別特別結果により付与される遊技価値数の方が平均遊技価値数の算出に与える影響が大きくなる。よって、特別結果を追加することによる平均遊技価値数を下げる効果をより好適に得ることが可能となる。
特徴iH9.前記第3数は前記第2数に含まれる数であることを特徴とする特徴iH1乃至特徴iH8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果となった場合に付与される遊技価値数は、特定結果となった場合に付与される遊技価値数のうちの少ない側の第2数に含まれる数となる。よって、例えば、特徴iH2のように平均遊技価値数を算出するうえで、特定結果となった場合の平均遊技価値数は、特別結果を追加することによって、より少ない側の第2数に近い数とすることが可能となる。これにより、例えば、かかる平均遊技価値数によって遊技履歴の管理を行ううえで、特定結果情報が出力される特定結果と特別結果との組み合わせについては、平均遊技価値数が少ない側での管理を行うことが可能となる。
なお、「前記第3数は前記第2数に含まれる数である」とは、例えば、第2数が複数種類の数である場合(第4数や第5数)、これら複数種類の数のうちの一の数が第3数となり、第2数が一種類の数である場合、当該第2数と第3数とが同じ数であることを意味するものである。
特徴iH10.少なくとも前記特定結果である場合、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて特定報知(偏り役報知、99の表示)を実行可能な特定報知手段(主制御装置101による偏り役報知を行うための処理を実行する機能)を備え、
当該特定報知手段は、前記特別結果である場合も前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iH1乃至特徴iH9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果である場合や特別結果である場合には特定報知が実行されるところ、仮に当該特定結果である場合に態様報知手段による態様報知が行われていなくても、当該特定報知によって今回の特定結果に対応する第1所定の操作態様が明らかとなる可能性もある。その点、当該特定報知を伴う特定結果にて得られる遊技価値は、態様報知の一種としての特定報知によって得られた遊技価値として判断される可能性もある。
遊技履歴の管理を行ううえで、態様報知により得られる遊技価値数と態様報知を介さずに得られる遊技価値数との割合を管理することで、態様報知による遊技性が、本来のスロットマシンの遊技性を凌駕してしまうこと等を回避する考えもある。このような観点からすると、上記のように態様報知自体ではなくても特定報知を伴う特定結果にて得られる遊技価値が態様報知により得られる遊技価値数に含まれるようになると、本来の態様報知を介して得られるようになる遊技価値数よりも多くの遊技価値数が、当該態様報知により得られる遊技価値数側に含まれることとなり、かかる割合が本来意図している割合とは異なる等、遊技設計上不都合が生じ得る。但し、このような特定報知を伴う特定結果にて得られる遊技価値であっても、その平均遊技価値数が少なければ、態様報知による遊技性に与える影響は小さいため、かかる遊技価値を態様報知により得られる遊技価値数ではなく、態様報知を介さずに得られる遊技価値数に追加してもよい、という考えもある。
その点、上記のように、特定結果に対して特別結果を含ませてグループ化することにより、当該グループでの平均遊技価値数は低下することから、当該グループでの遊技価値数を態様報知を介さずに得られる遊技価値数に追加し易くなる。よって、遊技設計上の不都合を生じさせることなく、態様報知を利用した遊技性の向上を図ることが可能となる。
特徴iH11.遊技履歴を管理する遊技履歴管理手段(主制御装置101による例えば有利区間比率の算出を行うための処理や、指示込役物比率の算出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記遊技履歴管理手段は、前記態様報知手段による態様報知が行われた遊技にて付与された遊技価値数を含む第1遊技価値数(指示払出メダル数、役物払出メダル数)と、前記態様報知手段による態様報知が行われない遊技にて付与された遊技価値数を含む第2遊技価値数(指示無し払出メダル数)と、を把握する遊技価値把握手段(主制御装置101による指示有りカウンタや指示なしカウンタに今回の払出枚数を加算する処理を実行する機能)を備え、
前記遊技価値把握手段は、前記態様報知手段による態様報知又は前記特定報知手段による特定報知が行われた遊技であっても、付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数(期待払出数)が予め定められた特定数(3)以下となる抽選結果を契機として付与された遊技価値である場合、又は、付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数(期待払出数)が予め定められた特定数(3)以下となることにより、前記特定報知手段による特定報知が前記態様報知手段による態様報知に含まれないこととなる抽選結果を契機として付与された遊技価値である場合、当該遊技価値の数を前記第2遊技価値数に加算することが可能であることを特徴とする特徴iH10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果や特別結果である場合に特定報知が行われる構成において、態様報知を介した第1遊技価値数と、態様報知を介さない第2遊技価値数とを把握するうえで、平均遊技価値数が特定数以下であれば、態様報知や特定報知が行われていても、又は、平均遊技価値数が特定数以下であることにより特定報知が態様報知に含まれないとされる場合には、当該ゲームの遊技価値は態様報知を介さない第2遊技価値数に追加される。このようにすることで、特定結果や特別結果をグループ化することにより、当該グループの遊技価値数が第2遊技価値数に含まれるようになり、態様報知を介する遊技性と態様報知を介さない遊技性とのバランスを好適化することに大いに貢献することが可能となる。
特徴iH12.前記遊技履歴管理手段は、前記第1遊技価値数と前記第2遊技価値数との割合、又は、前記第1遊技価値数及び前記第2遊技価値数に対する前記第1遊技価値数の割合を算出する手段(主制御装置101による指示込役物比率の算出処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iH11に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴iH11のように第1遊技価値数と第2遊技価値数とを把握管理したうえで、第1遊技価値数の割合が算出されることから、第1遊技価値数を下げることの意義がより明確化される。
特徴iH13.遊技状態として、通常状態(通常モードやCZモード)と、前記態様報知手段による態様報知の実行頻度が前記通常状態よりも高くなる特定状態(ATモード)と、が設定されており、
前記特定出力手段は、前記通常状態において前記抽選手段に抽選結果が前記特定結果である場合に前記特定結果情報を出力可能であり、前記通常状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合に前記特定結果情報を出力可能であることを特徴とする特徴iH1乃至特徴iH12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知の実行頻度が特定状態よりも低い通常状態において、特定結果と特別結果とがグループ化されて特定結果情報の出力が行われる。このようにすることで、態様報知が行われる特定状態において、結果情報の出力先の制御装置にて特定結果と特別結果との区別がつかずに態様報知をうまく実行できない、といった不都合を生じさせないようにしながらも、特定結果と特別結果とをグループ化することによる効果を好適に得ることが可能となる。
特徴iH14.遊技状態として、通常状態(通常モードやCZモード)と、前記態様報知手段による態様報知の実行頻度が前記通常状態よりも高くなる特定状態(ATモード)と、が設定されており、
前記特定出力手段は、前記特定状態において前記抽選手段に抽選結果が前記特定結果である場合に前記特定結果情報を出力可能であり、前記特定状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合に前記特定結果情報を出力可能であることを特徴とする特徴iH1乃至特徴iH13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知の実行頻度が通常状態よりも高い特定状態において、特定結果と特別結果とがグループ化されて特定結果情報の出力が行われる。このようにすることで、特徴iH12のように、特定結果と特別結果とをグループ化することにより態様報知を介する遊技価値数の割合を下げる効果を好適に期待することが可能となる。
更に、本構成を特徴iH13に適用することにより、通常状態と特定状態とで結果情報の出力態様を変更する必要が生じなくなるため、処理構成の簡素化にも貢献することが可能となる。
特徴iH15.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合に、付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数(期待払出数)が、各操作態様のうちの特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合の方が、当該特定の操作態様とは異なる操作態様(非特定操作態様)にて操作した場合よりも少なくなるように設定されていることを特徴とする特徴iH1乃至特徴iH14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果に当選となった場合、操作態様によって期待できる平均遊技価値数が異なるため、例えば、所定の状態(ATモード)に移行するまでは、平均遊技価値数が少なくなる操作態様にて操作させ、所定の状態に移行した場合には、平均遊技価値数が多くなる操作態様にて操作させたり、更に、態様報知によってより多くの遊技価値(第1数の遊技価値)を付与するようにすれば、所定の状態の移行前後での遊技価値の増減の幅を大きくすることができ、遊技性の向上に大いに貢献することができるようになる。
その一方で、例えば、当該特定結果であることを何らかの報知(例えば、特徴iH10の特定報知)によって特定可能であれば、平均遊技価値数が多くなる操作態様にて操作した方が遊技者にとって有利となる。この場合、当該特定結果であることの報知は、操作態様によって得られる遊技価値数を異ならせる、一種の態様報知であると解釈される場合がある。そうすると、例えば、特徴iH11のように遊技履歴の管理を行う上で、態様報知を介する遊技と態様報知を介さない遊技とを別々に管理しようとする場合、態様報知自体は行っていなくても、特定結果であることが判別可能となる報知を行うだけで、当該特定結果となる遊技は態様報知を介する遊技に含まれるようになり得るようになり、純粋に態様報知を介する遊技の割合が、上記の特定結果であることが判別可能となる遊技によって浸食され、遊技設計を行ううえで好ましくない。
その点、特定結果に対して特別結果をグループ化することにより、当該グループの平均遊技価値数が少なくなり、例えば、特徴iH11のように、態様報知を介する遊技側に含まれないようにすることも可能となり、上記のような遊技設計上の不都合を好適に回避することが可能となる。
なお、上記構成は、「前記特定結果は、前記第1所定の操作態様として設定される操作態様が異なる複数の個別特定結果(例えば、中左特殊ベルA、右左特殊ベルA)により構成される」点を限定することで、特定の操作態様とそれとは異なる操作態様での平均遊技価値数が異なる構成がより明確化され、この点については、かかる表現を用いている他の特徴や他の特徴群についても同様である。
特徴iH16.前記特定結果は、前記第1所定の操作態様として設定される操作態様が異なる複数の個別特定結果(例えば、中左特殊ベルA、右左特殊ベルA)により構成されるものであって、複数の操作態様のうち、前記特定の操作態様(左第1停止)を前記第1所定の操作態様として設定される前記個別特定結果を含まない構成、
前記特定の操作態様を前記第1所定の操作態様として設定される前記個別特定結果の当選確率が、他の操作態様を前記第1所定の操作態様として設定される前記個別特定結果の当選確率よりも低い構成、
及び、
前記特定の操作態様を前記第1所定の操作態様として設定される前記個別特定結果における前記第1数よりも、他の操作態様を前記第1所定の操作態様として設定される前記個別特定結果における前記第1数の方が少ない構成、
の少なくともいずれか1であることを特徴とする特徴iH15に記載の遊技機。
上記構成は特徴iH15の具体的構成であり、このような構成であれば、比較的簡素な構成にて特徴iH15の構成を実現することが可能となる。
特徴iH17.遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることを可能とする特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による指示機能に関する各種処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記停止操作手段が特定の操作態様にて操作された場合よりも、当該特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合の方が前記特定処理において有利な態様となる処理を実行可能な手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iH1乃至特徴iH16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果に当選となった場合、操作態様によって特定処理による有利度が異なるため、例えば、所定の状態(ATモード)に移行するまでは、有利な態様にて特定処理が行われるような操作態様にて操作させ、所定の状態に移行した場合には、不利な態様となる特定処理が行われるような操作態様にて操作させたり、操作態様による特定処理における有利不利を無くすように設定することで、所定の状態の移行前後での遊技性の向上に大いに貢献することができるようになる。
その一方で、例えば、当該特定結果であることを何らかの報知(例えば、特徴iH10の特定報知)によって特定可能であれば、特定処理が有利な態様にて行われる操作態様にて操作した方が遊技者にとって有利となる。この場合、当該特定結果であることの報知は、操作態様によって遊技者の有利度を異ならせる、一種の態様報知であると解釈される場合がある。そうすると、例えば、特徴iH11のように遊技履歴の管理を行う上で、態様報知を介する遊技と態様報知を介さない遊技とを別々に管理しようとする場合、態様報知自体は行っていなくても、特定結果であることが判別可能となる報知を行うだけで、当該特定結果となる遊技は態様報知を介する遊技に含まれるようになり得るようになり、純粋に態様報知を介する遊技の割合が、上記の特定結果であることが判別可能となる遊技によって浸食され、遊技設計を行ううえで好ましくない。
その点、特定結果に対して特別結果をグループ化することにより、当該グループの平均遊技価値数が少なくなり、例えば、特徴iH11のような解釈によって、当該グループを態様報知を介する遊技側に含まれないようにすることも可能となり、上記のような遊技設計上の不都合を好適に回避することが可能となる。
特徴iH18.前記停止操作手段の操作態様についての第2態様報知を、前記所定の報知手段とは異なる特定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第2態様報知手段(表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による各チャレンジ報知演出を実行する機能)と、
前記第2態様報知手段による前記第2態様報知が実行されない遊技であることの特別報知(特定表示)を実行可能な特別報知手段(主制御装置101による右第9表示用セグメントNa9や左第8表示用セグメントNb8による特定表示を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別報知手段は、所定の状態において、少なくとも前記特定結果である遊技にて前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴iH1乃至特徴iH17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴iH11のように態様報知を介する遊技と態様報知を介さない遊技とを管理するうえで、特に第2態様報知手段による態様報知が実行されない遊技であることを特別報知により特定することが可能となる。このようにすることで、例えば、態様報知が行われていない遊技にて、不正に第2態様報知を行わせる行為を、特別報知により特定し易くなる。
特に、特徴iH1のように特定結果当選時には特別結果と同じ特定結果情報の出力が行われるため、当該結果情報の出力先においては、特定結果と特別結果とを区別することができず、例えば、特定結果であれば第2態様報知を行うものの、特別結果であれば第2態様報知を行わない構成や、いずれの結果であっても第2態様報知を行わない構成において、その第2態様報知が正規のものであるかの判断がしにくくなる。
その点、上記構成のように、第2態様報知が実行されない遊技を特別報知によって特定可能としておけば、かかる第2態様報知が正規なものであるか否かを好適に判断することが可能となる。
特徴iH19.前記特別報知手段は、所定の状態において、前記特別結果である遊技にて前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴iH18に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果である場合も特別結果である場合も特別報知が行われるようになるため、特別報知の有無によって特定結果であるか特別結果であるかが容易に判断できてしまう事象を回避することが可能となる。よって、特別報知を行うことによる遊技性の低下を生じさせることなく、不正な第2態様報知を好適に特定可能とすることができる。
なお、上記特徴iH1乃至特徴iH19に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iH1乃至特徴iH19の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iI群>
特徴iI1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典として所定数の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により第1数の遊技価値(13枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第1数よりも少ない第2数の遊技価値(1枚のメダル)が付与され得るようになる特定結果(例えば、押し順ベル)と、
前記特定結果とは異なる特別結果(例えば、各2択1枚役、特殊1枚役A~特殊1枚役C、チェリー)と、
が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による各チャレンジ報知演出を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報を出力する第1出力手段(主制御装置101による抽選結果コマンド用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合に予め定められた特定結果情報(偏りベルグループの結果番号に対応する抽選結果コマンド)を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合に前記特定結果情報を出力することが可能な特定出力手段(主制御装置101による偏りベルグループの結果番号に対応する抽選結果コマンドを出力設定する処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、特別情報を出力することが可能な第2出力手段(主制御装置101による特定役コマンドを出力設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する数の遊技価値が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には第1数の遊技価値が付与され、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第1数よりも少ない第2数の遊技価値が付与される特定結果が設定されているため、遊技者の操作態様によって異なる数の遊技価値が付与されるという遊技性を創出される。
そのうえで、上記構成においては、特定結果とは別途、特別結果が設定されており、各ゲームの抽選結果を結果情報として出力する出力手段は、特定結果である場合と特別結果である場合は、いずれも特定結果情報を出力する特定出力手段を備えている。つまり、特定結果と特別結果とが抽選結果の結果情報を出力するうえではグループ化されて特定結果情報として出力される構成となる。このようにすることで、遊技履歴の管理を行ううえで、特定結果と特別結果とをまとめて管理することができ、例えば、各結果で期待できる遊技価値数を把握するうえで、特定結果単独での遊技価値数とは異なる遊技価値数として管理することができ、出玉設計上好ましい事情もある。
但し、このように特定結果と特別結果とをグループ化してしまうと、特定結果情報の出力先の装置では、今回のゲームの抽選結果が特定結果であるか特別結果であるかが特定できなくなり、例えば、ゲームの抽選結果に応じた演出や制御等を行ううえでは不都合が生じ得る。
そこで、上記構成では、特別結果である場合には特別情報を出力するようにすることで、特定結果情報が出力された場合には、特別情報の出力の有無から、いずれの結果であるかを特定することが可能となる。よって、特定結果と特別結果とをまとめて管理しながらも、これらの結果を好適に区別することが可能となり、遊技の興趣向上を図るうえで大いに役立てることができる。
特徴iI2.前記特別結果として、第1特別結果(例えば、チェリー)と、第2特別結果(例えば、共通ベル)とが設定されており、
前記第2出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果である場合に前記特別情報を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果である場合に前記特別情報を出力することを特徴とする特徴iI1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果は第1特別結果と第2特別結果とが設定されており、いずれの特別結果である場合であっても特別情報が出力され、特別情報は、これら第1特別結果と第2特別結果とをグループ化した情報となる。このようにすることで、各特別結果に対してそれぞれ特別情報の種類を異ならせる、といった構成と比較して、特別情報の種類を少なくすることができ、特定結果と特別結果とをグループ化することにより結果情報の種類を少なくすることの効果を抹殺することなく、特定結果と特別結果とを区別することが可能となる。
特徴iI3.前記特定出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果である場合には前記特定結果情報を出力する一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果である場合には前記特定結果情報を出力しないことを特徴とする特徴iI2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果は特定結果とグループ化されて特定結果情報が出力されるものの、第2特別結果は特定結果とグループ化されずに特定結果情報が出力されないようになる。このようにすることで、特別情報が出力された場合に、特定結果や特別結果のグループであることが確定せず、特別結果や特別情報の自由度を大幅に向上させることができ、当該特別結果や特別情報を用いた演出等による興趣向上を図るうえで大いに役立てることができる。
特徴iI4.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率よりも、前記抽選手段による抽選結果が所定の前記特別結果となる確率の方が低い確率となるように設定されていることを特徴とする特徴iI1乃至特徴iI3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果は、比較的(特定結果よりも)当選しにくい結果となる。この場合、特定結果と特別結果とをグループ化するうえで、例えば、当該グループの平均的に期待できる遊技価値数を算出する場合、上記のように特別結果の当選確率を低くしておけば、当該平均的に期待できる遊技価値数に与える影響を小さくすることができる。このようにすることで、当該グループの遊技価値数を特定結果当選時に平均的に期待できる遊技価値数とも解釈し易くなり、例えば、特別結果が操作態様によって得られる遊技価値の数が異ならないような結果であっても、操作態様によって得られる遊技価値の数が異なる特定結果と同じような扱い(処理)を行うことが可能となる。
特徴iI5.前記抽選手段による抽選結果を利用して、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることを可能とする特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による各種指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
所定の前記特別結果を利用した前記特定処理の方が、前記特定結果を利用した前記特定処理よりも前記有利事象を生じさせることになり易いように設定されていることを特徴とする特徴iI1乃至特徴iI4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利事象を期待する遊技者としては、おのずと当該有利事象が生じ易い特別結果に当選となることへも期待しながら遊技を行うものと考えられる。そのため、特別結果に当選となったことが、結果情報の出力先(特定結果情報や特別情報の出力先)で把握可能となれば、遊技者が高い関心を寄せる演出等を設定することが可能となる。よって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴iI6.前記第2出力手段からの前記特別情報を利用して、特別演出を行うことが可能な特別演出手段(表示制御装置81による特定役報知演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iI1乃至特徴iI5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、特別情報を受信した場合に特別演出が行われるようにすることで、遊技者は特別結果に当選となったことを好適に把握することができるようになる。よって、特定結果と特別結果とをグループ化しながらも、特別結果当選がわからなくなる不都合を好適に回避することが可能となる。
特徴iI7.前記抽選手段による抽選結果が、前記第1出力手段により前記特定結果情報が出力されることとなる結果である場合、特定報知を実行可能な特定報知手段(主制御装置101による払出枚数表示部62での偏り役報知を行う機能)を備えていることを特徴とする特徴iI1乃至特徴iI6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果又は特別結果となったことを、遊技者は特定報知を通じて把握することが可能となる。これにより、少なくとも操作態様によって得られる遊技価値数が異なる可能性があることを遊技者に把握させ、不測の不利益を与えないようにすることができる。
特徴iI8.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合に、付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数(期待払出数)が、各操作態様のうちの特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合の方が、当該特定の操作態様とは異なる操作態様(非特定操作態様)にて操作した場合よりも少なくなるように設定されていることを特徴とする特徴iI1乃至特徴iI7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果に当選となった場合、操作態様によって期待できる平均遊技価値数が異なるため、例えば、所定の状態(ATモード)に移行するまでは、平均遊技価値数が少なくなる操作態様にて操作させ、所定の状態に移行した場合には、平均遊技価値数が多くなる操作態様にて操作させたり、更に、態様報知によってより多くの遊技価値(第1数の遊技価値)を付与するようにすれば、所定の状態の移行前後での遊技価値の増減の幅を大きくすることができ、遊技性の向上に大いに貢献することができるようになる。
特徴iI9.前記特定結果は、前記第1所定の操作態様として設定される操作態様が異なる複数の個別特定結果(例えば、中左特殊ベルA、右左特殊ベルA)により構成されるものであって、複数の操作態様のうち、前記特定の操作態様(左第1停止)を前記第1所定の操作態様として設定される前記個別特定結果を含まない構成、
前記特定の操作態様を前記第1所定の操作態様として設定される前記個別特定結果の当選確率が、他の操作態様を前記第1所定の操作態様として設定される前記個別特定結果の当選確率よりも低い構成、
及び、
前記特定の操作態様を前記第1所定の操作態様として設定される前記個別特定結果における前記第1数よりも、他の操作態様を前記第1所定の操作態様として設定される前記個別特定結果における前記第1数の方が多い構成、
の少なくともいずれか1であることを特徴とする特徴iI8に記載の遊技機。
上記構成は特徴iI8の具体的構成であり、このような構成であれば、比較的簡素な構成にて特徴iI8の構成を実現することが可能となる。
特徴iI10.遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることを可能とする特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による指示機能に関する各種処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記停止操作手段が特定の操作態様にて操作された場合よりも、当該特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合の方が前記特定処理において有利な態様となる処理を実行可能な手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iI1乃至特徴iI9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果に当選となった場合、操作態様によって特定処理による有利度が異なるため、例えば、所定の状態(ATモード)に移行するまでは、有利な態様にて特定処理が行われるような操作態様にて操作させ、所定の状態に移行した場合には、不利な態様となる特定処理が行われるような操作態様にて操作させたり、操作態様による特定処理における有利不利を無くすように設定することで、所定の状態の移行前後での遊技性の向上に大いに貢献することができるようになる。
特徴iI11.前記停止操作手段の操作態様についての第2態様報知を、前記所定の報知手段とは異なる特定の報知手段(補助表示部65)にて実行可能な第2態様報知手段(表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による各チャレンジ報知演出を実行する機能)と、
前記第2態様報知手段による前記第2態様報知が実行されない遊技であることの特別報知(特定表示)を実行可能な特別報知手段(主制御装置101による右第9表示用セグメントNa9や左第8表示用セグメントNb8による特定表示を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別報知手段は、所定の状態において、少なくとも前記特定結果である遊技にて前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴iI1乃至特徴iI10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知が行われていない遊技にて、不正に第2態様報知を行わせる行為を、特別報知により特定し易くなる。
特に、特徴iI1のように特定結果当選時には特別結果と同じ特定結果情報の出力が行われるため、当該結果情報の出力先においては、特定結果と特別結果とを区別することができず、例えば、特定結果であれば第2態様報知を行うものの、特別結果であれば第2態様報知を行わない構成や、いずれの結果であっても第2態様報知を行わない構成において、その第2態様報知が正規のものであるかの判断がしにくくなる。
その点、上記構成のように、第2態様報知が実行されない遊技を特別報知によって特定可能としておけば、かかる第2態様報知が正規なものであるか否かを好適に判断することが可能となる。
特徴iI12.前記特別報知手段は、所定の状態において、前記特別結果である遊技にて前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴iI11に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果である場合も特別結果である場合も特別報知が行われるようになるため、特別報知の有無によって特定結果であるか特別結果であるかが容易に判断できてしまう事象を回避することが可能となる。よって、特別報知を行うことによる遊技性の低下を生じさせることなく、不正な第2態様報知を好適に特定可能とすることができる。
特徴iI13.遊技状態として、第1遊技状態と第2遊技状態とが設定されており、
前記第1出力手段は、
前記第1遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定出力手段により前記特定結果情報を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記特定出力手段により前記特定結果情報を出力する構成であり、
前記第2遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定結果情報とは異なる結果情報を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記特定結果情報とは異なる情報を出力する構成であることを特徴とする特徴iI1乃至特徴iI12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技状態であれば、特定結果と特別結果とがグループ化されて特定結果情報が出力されるものの、第2遊技状態であれば、これらの結果である場合に特定結果情報が出力されず、例えば、個別の結果情報が出力される。このように、遊技状態に応じて、両結果をグループ化したり、グループ化しなかったりするようにすることで、かかるグループ化を行うことによる結果情報を不透明化させる効果を必要に応じて(遊技状態に応じて)適宜享受することが可能となり、当該グループ化の自由度及びその効果を圧倒的に向上させることができる。
特徴iI14.遊技に利用する遊技価値を賭数として設定する賭数設定手段(主制御装置101によるベット用の処理を実行する機能)を備え、
前記第1数は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果又は前記特別結果となる場合に前記賭数設定手段により設定される賭数以下であることを特徴とする特徴iI1乃至特徴iI13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様によって付与される遊技価値数が異なる特定結果において、多い側の遊技価値数である第1数は、賭数以下となる。その為、特定結果当選ゲームにおいてどのような操作態様であっても、遊技価値の増加は見込めないようになる。このような特定結果を、特別結果とグループ化することにより、仮に特定結果だけでは遊技者の関心を引くことができなくても、例えば特徴iI5のように特別結果への関心の高さ等を利用して当該グループへの注目度を好適に高めることが可能となる。
また、例えば、操作態様によって付与される遊技価値数が異なる別結果が別途設けられているような構成において、かかる別結果と、特定結果とで共通の報知を行う等して見分けをつきにくくすることを通じて、特別結果当選を更に紛れさせることが可能となる。つまり、特別結果を直接的に別結果とグループ化するよりも、遊技価値数が少ない特定結果とグループ化したほうが、特別結果を2重で紛れさせる構成となり、結果情報からは特別結果当選をより特定しにくくすることが可能となる。よって、結果情報を不正に解析する等して特定結果当選を特定しようとする行為を行わせにくくすることができる。そのうえで、特別結果当選時は特別情報が出力されるようにすることで、演出上の不都合を生じさせることなく、上記の各効果を奏することができるようになる。
なお、上記特徴iI1乃至特徴iI14に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iI1乃至特徴iI14の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iJ群>
特徴iJ1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
遊技に利用する遊技価値を賭数として設定する賭数設定手段(主制御装置101によるベット用の処理を実行する機能)を備え、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典として所定数の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により第1数の遊技価値(1枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第1数よりも少ない第2数の遊技価値(0枚のメダル、取りこぼしと入賞を平均化すると0.5枚のメダル)が付与されることが期待できるようになる特定結果(例えば、特殊2択1枚役A、特殊2択1枚役B)と、
前記特定結果とは異なる特別結果(例えば、第1スベリチャンス、第2スベリチャンス、共通ベル、特殊1枚役A~特殊1枚役C、チェリー)と、
が設定されており、
前記第1数は、前記賭数設定手段により設定される賭数以下の数であり、
前記停止操作手段の操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による各チャレンジ報知演出を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報を出力する出力手段(主制御装置101による抽選結果コマンド用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合に予め定められた特定結果情報(偏りベルグループの結果番号に対応する抽選結果コマンド)を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合に前記特定結果情報を出力することが可能な特定出力手段(主制御装置101による偏りベルグループの結果番号に対応する抽選結果コマンドを出力設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する数の遊技価値が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には賭数以下である第1数の遊技価値が付与され、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第1数よりも少ない第2数の遊技価値が付与される特定結果が設定されているため、遊技者の操作態様によって異なる数の遊技価値が付与されるという遊技性を創出される。
そのうえで、上記構成においては、特定結果とは別途、特別結果が設定されており、各ゲームの抽選結果を結果情報として出力する出力手段は、特定結果である場合と特別結果である場合は、いずれも特定結果情報を出力する特定出力手段を備えている。つまり、特定結果と特別結果とが抽選結果の結果情報を出力するうえではグループ化されて特定結果情報として出力される構成となる。
このようにすることで、遊技履歴の管理を行ううえで、特定結果と特別結果とをまとめて管理することができ、例えば、各結果で期待できる遊技価値数を把握するうえで、特定結果単独での遊技価値数とは異なる遊技価値数として管理することができ、出玉設計上好ましい事情もある。
また、特別結果を特定結果とグループ化することにより、例えば結果情報に基づく演出等からは特別結果当選を分かりにくくすることも可能となる。しかも、特定結果は、多い側の第1数の遊技価値が付与される場合であってもその第1数は賭数以下であることから、いずれの操作態様であっても遊技価値の増加が見込めない結果となる。このような特定結果を、特別結果とグループ化することにより、例えば特別結果の優位性を利用して、遊技価値の増加が見込めない特定結果にすら遊技者の関心を寄せさせることができるし、例えば、操作態様によって付与される遊技価値が異なる結果を特定結果とは別に設けた場合において、当該別に設けた結果との関係で、特別結果当選は2重にカモフラージュされることとなり、当該特別結果当選を分かりにくくする効果も高めることが可能となる。
特徴iJ2.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により第3数の遊技価値(例えば、各特殊1枚役であれば1枚のメダル、チェリーであれば5枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第3数の遊技価値(例えば、各特殊1枚役であれば1枚のメダル、チェリーであれば5枚のメダル)が付与されることが期待できるようになることを特徴とする特徴iJ1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果は操作態様に関わらず入賞が成立して第3数の遊技価値が付与される結果となる。このようにすることで、操作態様によって入賞する結果が異なる特定結果よりも、操作態様を問わない分だけ特別結果のほうが優位となり、かかる優位性を利用して遊技価値の増加が見込めない特定結果にすら遊技者の関心を寄せさせる効果を好適に奏することが可能となる。
特徴iJ3.前記第3数は前記第1数よりも多い数であることを特徴とする特徴iJ2に記載の遊技機。
上記構成によれば、グループ化される特定結果と特別結果のうち、操作態様により付与される遊技価値数が異なる特定結果よりも、特別結果の方が付与される遊技価値数が多くなる。このようにすることで、より多くの遊技価値の増加が望める特別結果の優位性を利用して遊技価値の増加が見込めない特定結果にすら遊技者の関心を寄せさせる効果を好適に奏することが可能となる。
特徴iJ4.前記第3数は前記第1数以下の数であることを特徴とする特徴iJ2又は特徴iJ3に記載の遊技機。
上記構成によれば、グループ化される特定結果と特別結果のうち、操作態様により付与される遊技価値数が異なる特定結果と、特別結果とで、遊技価値数が同じ数となる。但し、特別結果で付与され得るようになる遊技価値数は、特定結果で付与され得るようになる遊技価値数のうち多い側の第1数と同じ数となる。このようにすることで、操作態様とは関係なく第1数の遊技価値が得られる特別結果の優位性を利用して遊技価値の増加が見込めない特定結果にすら遊技者の関心を寄せさせる効果を好適に奏することが可能となる。
なお、上記特徴iJ4を特徴iJ3に適用するならば、例えば、「所定の前記特定結果についての前記第3数は前記第1数よりも多い数として設定されており、特定の前記特定結果についての前記第3数は前記第1数以下の数として設定されている」構成、と表現するとよい。
特徴iJ5.前記抽選手段による抽選結果を利用して、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることを可能とする特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による各種指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記特別結果を利用した前記特定処理の方が、前記特定結果を利用した前記特定処理よりも前記有利事象を生じさせることになり易いように設定されていることを特徴とする特徴iJ1乃至特徴iJ4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利事象を期待する遊技者としては、おのずと当該有利事象が生じ易い特別結果に当選となることへも期待を持って遊技を行っているものと考えられる。そのため、かかる特別結果の優位性を利用して遊技価値の増加が見込めない特定結果にすら遊技者の関心を寄せさせる効果を好適に奏することが可能となる。
特徴iJ6.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合に、付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数(期待払出数)が、各操作態様のうちの特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合の方が、当該特定の操作態様とは異なる操作態様(非特定操作態様)にて操作した場合よりも少なくなるように設定されていることを特徴とする特徴iJ1乃至特徴iJ5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果に当選となった場合、操作態様によって期待できる平均遊技価値数が異なる。但し、当該特定結果では、いずれの平均遊技価値数も遊技価値の増加が見込めないものであることから、各操作態様による差は比較的小さくなる。このようにすることで、例えば、所定の状態(ATモード)に移行するまでは、平均遊技価値数が少なくなる操作態様にて操作させ、所定の状態に移行した場合には、平均遊技価値数が多くなる操作態様にて操作させたり、更に、態様報知によってより多くの遊技価値(第1数の遊技価値)を付与するようにするうえで、その所定の状態の移行前後での遊技価値の増減の幅が比較的小さくなる。言い換えるならば、上記のような態様報知の実行の有無という遊技者の操作を促すことによる遊技への注目度を好適に高めながらも、平均遊技価値数の差は比較的小さいものに留めることが可能となる。
特徴iJ7.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第3所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により第4数の遊技価値(13枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第3所定の操作態様とは異なる第4所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第4数よりも少ない第5数の遊技価値(1枚のメダル)が付与されることが期待できるようになる第2特定結果(押し順ベル)が設定されており、
前記第4数は、前記賭数設定手段により設定される賭数よりも多い数であることを特徴とする特徴iJ1乃至特徴iJ6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様によって付与される遊技価値数が異なり得る結果として、第2特定結果に当選する場合があるようにもすることで、特別結果を特定結果とグループ化するカモフラージュが、特定結果と第2特定結果との関係から2重のカモフラージュとなり、当該特別結果当選を分かりにくくする効果を更に高めることが可能となる。特に、第2特定結果については、操作態様によって賭数よりも多い数の遊技価値が付与され得ることから、当該第2特定結果であれば遊技価値の増加が見込める構成となり、遊技者の関心は当該第2特定結果に寄せられ易くなることから、上記のカモフラージュする効果がより一層高められるものと考えられる。
なお、上記「第2特定結果」との関係で、「特定結果」を「第1特定結果」と表現してもよい。
特徴iJ8.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、特定報知を実行可能な特定報知手段(主制御装置101による払出枚数表示部62での偏り役報知を行う機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合も、前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iJ7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果又は第2特定結果となったことを、遊技者は特定報知を通じて把握することが可能となる。つまり、特定結果と第2特定結果との見分けが特定報知からはつかなくなる。よって、特別結果を特定結果に紛れさせ、更に特定結果を第2特定結果に紛れさせる効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴iJ9.前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合も、前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iJ8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果や第2特定結果だけでなく、特別結果についても、特定報知からは見分けがつかなくなる。よって、特別結果を特定結果に紛れさせ、更に特定結果を第2特定結果に紛れさせる効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴iJ10.前記抽選手段による抽選結果を利用して、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることを可能とする特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による各種指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
前記特別結果を利用した前記特定処理の方が、前記第2特定結果を利用した前記特定処理よりも前記有利事象を生じさせることになり易いように設定されていることを特徴とする特徴iJ7乃至特徴iJ9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利事象を期待する遊技者としては、おのずと当該有利事象が生じ易い特別結果に当選となることへも期待を持って遊技を行っているものと考えられる。そのため、かかる特別結果の優位性を利用して第2特定結果や遊技価値の増加が見込めない特定結果にすら遊技者の関心を寄せさせる効果を好適に奏することが可能となる。
特徴iJ11.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合に、付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数(期待払出数)が、各操作態様のうちの前記特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合の方が、当該特定の操作態様とは異なる操作態様(非特定操作態様)にて操作した場合よりも多くなるように設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合に、前記平均遊技価値数が、各操作態様のうちの特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合の方が、当該特定の操作態様とは異なる操作態様(非特定操作態様)にて操作した場合よりも少なくなるように設定されていることを特徴とする特徴iJ7乃至J10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果や第2特定結果に当選となった場合、操作態様によって期待できる平均遊技価値数が異なるようになり、特定結果と第2特定結果とでは、平均遊技価値数が多くなる操作態様が真逆となり、特定の操作態様にて操作した場合には特定結果では平均遊技価値数が多くなるものの第2特定結果では平均遊技価値数が少なくなり、他の操作態様にて操作した場合には特定結果では平均遊技価値数が少なくなるものの第2特定結果では平均遊技価値数が多くなる。よって、いずれの操作態様で操作していても、両結果の多い側の操作態様となる構成となり、各結果での偏った期待遊技価値数を平均化することが可能となる。
なお、上記特徴iJ1乃至特徴iJ11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iJ1乃至特徴iJ11の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iK群>
特徴iK1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により第1特典(13枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって不利な第2特典(1枚のメダル)が付与され得るようになる特定結果(例えば、押し順ベル)と、
前記特定結果とは異なる特別結果(例えば、各2択1枚役、特殊1枚役A~特殊1枚役C、チェリー)と、
が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による各チャレンジ報知演出を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報を出力する出力手段(主制御装置101による抽選結果コマンド用処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、第1遊技状態と第2遊技状態とが設定されており、
前記出力手段は、
前記第1遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、予め定められた特定結果情報(偏りベルグループの結果番号に対応する抽選結果コマンド)を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記特定結果情報を出力する構成であり、
前記第2遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記特定結果情報とは異なる情報(例えば、結果番号4、72、17~20に対応する抽選結果コマンド)を出力する構成であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には第1特典が付与され、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第1特典よりも不利な第2特典が付与される特定結果が設定されているため、遊技者の操作態様によって異なる特典が付与されるという遊技性を創出される。
そのうえで、上記構成においては、特定結果とは別途、特別結果が設定されており、各ゲームの抽選結果を結果情報として出力する出力手段は、第1遊技状態であれば特定結果である場合と特別結果である場合はいずれも特定結果情報を出力し、第2遊技状態であれば、特に特別結果である場合は特定結果情報とは異なる情報を出力する。つまり、特定結果と特別結果とが抽選結果の結果情報を出力するうえでは、少なくとも第1遊技状態においてはグループ化されて特定結果情報として出力され、第2遊技状態においては特別結果について当該グループ化された特定結果情報ではなく、個別の結果情報等が出力される構成となる。
このようにすることで、特定結果情報が出力される状況では、特定結果と特別結果とがその出力先において区別することができなくなり、例えば、結果情報を不正に解析する等して特定結果や特別結果を特定する行為を行いにくくしながらも、その出力先において特定結果と特別結果とを区別しなくてはいけない状況では別々の結果情報を出力する等といったように、かかるグループ化を行うことによる結果情報を不透明化させる効果を必要に応じて(遊技状態に応じて)適宜享受することが可能となり、当該グループ化の自由度及びその効果を圧倒的に向上させることができる。
また、遊技履歴の管理を行ううえでは、特定結果と特別結果とをまとめて管理したり個別に管理することを必要に応じて使い分けることができ、例えば、各結果で期待できる特典数を把握するうえで、特定結果単独での特典数とは異なる特典数として管理したり特定結果単独での特典数として管理したりすることができ、出玉設計上好ましい構成とすることも可能である。
特徴iK2.前記出力手段は、前記第2遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記異なる結果情報として特別結果情報(図810の84番の結果番号に対応する抽選結果コマンド)を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果とは異なる結果である場合、前記特別結果情報を出力する構成であることを特徴とする特徴iK1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果は、第1遊技状態では特定結果とグループ化されており、第2遊技状態ではそれとは異なる結果とグループ化されている構成となる。このようにすることで、第2遊技状態において特定結果と特別結果とのグループ化を解除したとしても、結果情報の種類の増大化につながりにくく、記憶容量の削減効果を見込むことが可能となる。
特徴iK3.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第3所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により第4特典(1枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第3所定の操作態様とは異なる第4所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第4特典よりも遊技者にとって不利な第5特典(0.5枚のメダル)が付与されることが期待できるようになる第2特定結果(各特殊2択1枚役)が設定されており、
前記第2遊技状態において前記特別結果情報が出力されることとなる前記異なる結果は、前記第2特定結果であること(図811)を特徴とする特徴iK2に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様によって付与される特典が異なり得る結果として、第2特定結果に当選する場合があるようにもすることで、第2遊技状態においても、当該第2特定結果と特別結果とをグループ化することにより、例えば、結果情報を不正に解析する等して第2特定結果や特別結果を特定する行為を行いにくくすることが可能となる。
特徴iK4.前記出力手段は、前記第2遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記異なる結果情報として特別結果情報(図791の17~20番の結果番号に対応する抽選結果コマンド)を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果とは異なる結果である場合、前記特別結果情報とは異なる情報を出力する構成であることを特徴とする特徴iK1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果は、第1遊技状態では特定結果とグループ化されており、第2遊技状態では特別結果固有の結果情報を特別結果情報として出力する構成となる。このようにすることで、第2遊技状態では、特別結果であることを、その出力先において特定し易くなり、各遊技状態においてグループ化を行ったり、グループ化を解除したりすることによる特徴iK1の効果をより好適に奏するとが可能となる。
特徴iK5.前記態様報知手段は、
前記第1遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、予め定められた特定報知(偏り役報知、99)を前記所定の報知手段にて実行し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記特定報知を前記所定の報知手段にて実行する構成であり、
前記第2遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定報知(偏り役報知、99)を前記所定の報知手段にて実行し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記特定報知を前記所定の報知手段にて実行する構成(図824)であることを特徴とする特徴iK1乃至特徴iK4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様に関する態様報知を行う態様報知手段は、いずれの遊技状態であっても特定結果及び特別結果である場合に特定報知を実行する構成となる。このようにすることで、いずれの遊技状態であっても、態様報知手段による報知内容からは、特定結果や特別結果を区別することができなくなる。つまり、各遊技状態においてこれらの結果を区別したり区別できなくしたりしながらも、態様報知手段よる報知内容からはいずれ遊技状態でもこれらの結果を区別できないようにする構成となり、遊技者に対していずれの報知内容を確認させるかを場合分けさせる等、遊技の興趣向上に大いに貢献することが可能な構成とすることができる。
特徴iK6.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率よりも、前記抽選手段による抽選結果が所定の前記特別結果となる確率の方が低い確率であることを特徴とする特徴iK1乃至特徴iK5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技状態において特定結果とグループ化する特別結果は、比較的(特定結果よりは)当選しにくい結果となる。このような結果であれば、特定結果とグループ化しても当該グループに影響を与えにくくすることができる。よって、各遊技状態でこれらの結果がグループ化されたりグループ化されなかったりする特徴iK1の構成としても、各遊技状態で、特定結果となった場合の処理内容(結果情報の出力や、付与される遊技価値の数等)の差が小さくなり、かかる処理内容の差による処理エラー等の発生を好適に回避することができる。
特徴iK7.前記抽選手段による抽選結果を利用して、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることを可能とする特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による各種指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
所定の前記特別結果を利用した前記特定処理の方が、前記特定結果を利用した前記特定処理よりも前記有利事象を生じさせることになり易いように設定されていることを特徴とする特徴iK1乃至特徴iK6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利事象を期待する遊技者としては、おのずと当該有利事象が生じ易い特別結果に当選となることへも期待を持って遊技を行っているものと考えられる。そのため、例えば、有利事象の生じ易さが第1遊技状態と第2遊技状態とでリンクするように設定すると、特別結果に当選となったことが、結果情報の出力先で把握可能としたり把握できないようにする特徴iK1の構成と相俟って、遊技者が高い関心を寄せる演出等を好適に設定することが可能となる。より具体的には、特別結果となっても比較的有利事象に期待が持てない状態であれば、特定結果と特別結果とを区別せずに結果情報を出力し(第1遊技状態)、特別結果となると比較的有利事象に期待が持てる状態であれば、特定結果と特別結果とを区別して結果情報を出力する(第2遊技状態)といったようにすることで、特別結果当選時の有利事象に期待させる演出を好適に設定することが可能となる。
特徴iK8.前記抽選手段による抽選結果を利用して、遊技状態の移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選やCZモード移行抽選、チャレンジ準備用処理を実行する機能)を備え、
前記第1遊技状態から前記第2遊技状態の移行、又は前記第2遊技状態から前記第1遊技状態の移行は、前記移行抽選手段による移行抽選に基づいて生じる構成であることを特徴とする特徴iK1乃至特徴iK7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果と特別結果とを区別せずに結果情報を出力する第1遊技状態と、特定結果と特別結果とを区別して結果情報を出力する第2遊技状態との移行が、各ゲームの抽選結果を利用して行われる移行抽選手段による移行抽選に基づいて生じる構成となる。このようにすることで、各ゲームの抽選結果への関心の高さを利用して、その結果が(結果情報の出力先による報知等によって)分かりにくい第1遊技状態から分かりやすくなる第2遊技状態へ移行することに期待させる、という遊技性を実現することができ、各ゲームへの注目度をより一層高めることが可能となる。
特徴iK9.前記移行抽選手段は、所定の前記特別結果を利用して実行する移行抽選の方が、前記特定結果を利用して実行する移行抽選よりも、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態への移行、又は前記第2遊技状態から前記第1遊技状態への移行が生じ易くなるように設定されていることを特徴とする特徴iK8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果を契機として第1遊技状態と第2遊技状態との行き来が生じ易くなる。このようにすることで、例えば、特定結果と区別がつかない第1遊技状態においては、特定結果を契機として第2遊技状態に移行したとも遊技者に思わせることもできるようになる。よって、特別結果における移行抽選の当選し易さを利用して、特定結果にも注目させることが可能となり、これまでにない斬新な遊技性を実現するうえで大いに役立てることが可能となる。
特徴iK10.前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とを遊技者が識別可能又は識別し易くする手段(例えば、通常モードとCZモードとで補助表示部65での演出内容が異なる構成)を備えていることを特徴とする特徴iK1乃至特徴iK9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果と特別結果とが区別されない第1遊技状態と、区別される第2遊技状態とのいずれであるかを遊技者が識別できるようになることから、例えば、区別されない第1遊技状態においては、特別結果が特定結果に紛れていることを遊技者に理解させることによって当該特定結果当選ゲームでも特別結果に期待させる効果を好適に高めることができるし、区別される第2遊技状態においては、特別結果が特定結果に紛れていないことを通じて、特定結果当選となったゲームや特別結果当選となったゲームでの演出効果を際立たせることが可能となる。
特徴iK11.前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とを遊技者が識別不能又は識別しにくくする手段(図813の特殊モード)を備えていることを特徴とする特徴iK1乃至特徴iK10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果と特別結果とが区別されない第1遊技状態と、区別される第2遊技状態とのいずれであるかを遊技者が識別しにくくなることから、例えば、区別されない第1遊技状態にて特定結果となっても特別結果である可能性が否定できないことを通じて、区別される第2遊技状態において特定結果当選となったゲームですら特別結果への期待感を抱かせることが可能となる。
なお、上記特徴iK1乃至特徴iK11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iK1乃至特徴iK11の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iL群>
特徴iL1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、特定結果(例えば、各種押し順ベル)と、当該特定結果とは異なる特別結果と、が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報を出力する出力手段(主制御装置101による抽選結果コマンド用処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、第1遊技状態と第2遊技状態とが設定されており、
前記出力手段は、
前記第1遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、予め定められた特定結果情報(偏りベルグループの結果番号に対応する抽選結果コマンド)を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記特定結果情報を出力する構成であり、
前記第2遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記特定結果情報とは異なる情報(例えば、結果番号4、72、17~20に対応する抽選結果コマンド)を出力する構成であり、
前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とを遊技者が識別不能又は識別しにくくする手段(図813の特殊モード)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、各ゲームの抽選結果を結果情報として出力する出力手段は、第1遊技状態であれば特定結果である場合と特別結果である場合はいずれも特定結果情報を出力し、第2遊技状態であれば、特に特別結果である場合は特定結果情報とは異なる情報を出力する。つまり、特定結果と特別結果とが抽選結果の結果情報を出力するうえでは、少なくとも第1遊技状態においてはグループ化されて特定結果情報として出力され、第2遊技状態においては特別結果について当該グループ化された特定結果情報ではなく、個別の結果情報等が出力される構成となる。
このようにすることで、特定結果情報が出力される状況では、特定結果と特別結果とがその出力先において区別することができなくなり、例えば、結果情報を不正に解析する等して特定結果や特別結果を特定する行為を行いにくくしながらも、その出力先において特定結果と特別結果とを区別しなくてはいけない状況では別々の結果情報を出力する等といったように、かかるグループ化を行うことによる結果情報を不透明化させる効果を必要に応じて(遊技状態に応じて)適宜享受することが可能となり、当該グループ化の自由度及びその効果を圧倒的に向上させることができる。
また、遊技履歴の管理を行ううえでは、特定結果と特別結果とをまとめて管理したり個別に管理することを必要に応じて使い分けることができ、例えば、各結果で期待できる特典数を把握するうえで、特定結果単独での特典数とは異なる特典数として管理したり特定結果単独での特典数として管理したりすることができ、出玉設計上好ましい構成とすることも可能である。
そのうえで、特定結果と特別結果とが区別されない第1遊技状態と、区別される第2遊技状態とのいずれであるかを遊技者が識別しにくくする手段を備えていることから、例えば、区別されない第1遊技状態にて特定結果となっても特別結果である可能性が否定できないことを通じて、区別される第2遊技状態において特定結果当選となったゲームですら特別結果への期待感を抱かせることが可能となる。
特徴iL2.前記抽選手段による抽選結果を利用して、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることを可能とする特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による各種指示機能に関する処理を実行する機能)を備え、
所定の前記特別結果を利用した前記特定処理の方が、前記特定結果を利用した前記特定処理よりも前記有利事象を生じさせることになり易いように設定されていることを特徴とする特徴iL1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利事象を期待する遊技者としては、おのずと当該有利事象が生じ易い特別結果に当選となることへも期待しながら遊技を行うものと考えられる。そのため、例えば、有利事象の生じ易さが第1遊技状態と第2遊技状態とでリンクするように設定すると、特別結果に当選となったことが、結果情報の出力先で把握可能としたり把握できないようにする特徴iL1の構成と相俟って、遊技者が高い関心を寄せる演出等を好適に設定することが可能となる。より具体的には、特別結果となっても比較的有利事象に期待が持てない状態であれば、特定結果と特別結果とを区別せずに結果情報を出力し(第1遊技状態)、特別結果となると比較的有利事象に期待が持てる状態であれば、特定結果と特別結果とを区別して結果情報を出力する(第2遊技状態)といったようにすることで、特別結果当選時の有利事象に期待させる演出を好適に設定することが可能となる。
特徴iL3.前記抽選手段による抽選結果を利用して、遊技状態の移行抽選を実行する移行抽選手段(主制御装置101によるATモード移行抽選やCZモード移行抽選、チャレンジ準備用処理を実行する機能)を備え、
前記移行抽選手段は、所定の前記特別結果を利用して実行する移行抽選の方が、前記特定結果を利用して実行する移行抽選よりも、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態への移行、又は前記第2遊技状態から前記第1遊技状態への移行が生じ易くなるように設定されていることを特徴とする特徴iL1又は特徴iL2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果と特別結果とを区別せずに結果情報を出力する第1遊技状態と、特定結果と特別結果とを区別して結果情報を出力する第2遊技状態との移行が、各ゲームの抽選結果を利用して行われる移行抽選手段による移行抽選に基づいて生じる構成となる。このようにすることで、各ゲームの抽選結果への関心の高さを利用して、その結果が(結果情報の出力先による報知等によって)分かりにくい第1遊技状態から分かりやすくなる第2遊技状態へ移行することに期待させる、という遊技性を実現することができ、各ゲームへの注目度をより一層高めることが可能となる。
そのうえで、特別結果を契機として第1遊技状態と第2遊技状態との行き来が生じ易くなるため、例えば、特定結果と区別がつかない第1遊技状態においては、特定結果を契機として第2遊技状態に移行したとも遊技者に思わせることもできるようになる。よって、特別結果における移行抽選の当選し易さを利用して、特定結果にも注目させることが可能となり、これまでにない斬新な遊技性を実現するうえで大いに役立てることが可能となる。
特徴iL4.前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とを遊技者が識別可能又は識別し易くする手段(例えば、通常モードとCZモードとで補助表示部65での演出内容が異なる構成)を備えていることを特徴とする特徴iL1乃至特徴iL3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果と特別結果とが区別されない第1遊技状態と、区別される第2遊技状態とのいずれであるかを遊技者が識別しにくくする手段を備えながらも、更に、特定結果と特別結果とが区別されない第1遊技状態と、区別される第2遊技状態とのいずれであるかを遊技者が識別できるようにする手段も備えている。この場合、これら各遊技状態を識別できるようにすることで、区別されない第1遊技状態においては、特別結果が特定結果に紛れていることを遊技者に理解させることによって当該特定結果当選ゲームでも特別結果に期待させる効果を好適に高めることができるし、区別される第2遊技状態においては、特別結果が特定結果に紛れていないことを通じて、特定結果当選となったゲームや特別結果当選となったゲームでの演出効果を際立たせることが可能となる。
このように、各遊技状態を識別できるようにしたり、識別できないようにしたりすることが可能となれば、状況によってそれらを使い分けるなど、遊技性の設定における自由度が圧倒的に向上し、遊技の興趣向上を図るうえで大いに役立てることが可能となる。
特徴iL5.前記第1遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、予め定められた特定報知(偏り役報知、99)を所定の報知手段にて実行し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記特定報知を前記所定の報知手段にて実行し、
前記第2遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定報知(偏り役報知、99)を前記所定の報知手段にて実行し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記特定報知とは異なる報知(押し順不問表示、00)を前記所定の報知手段にて実行する特定報知手段(主制御装置101による払出枚数表示部62の表示制御を行うための処理を実行する機能、図791)を備えていることを特徴とする特徴iL1乃至特徴iL4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知手段は、第1遊技状態であれば特定結果及び特別結果である場合に特定報知を実行するものの、第2遊技状態であれば特定結果である場合に特定報知を実行し、特別結果である場合には別の報知を実行する。つまり、第1遊技状態と第2遊技状態とが識別しにくくされているものの、特に特別結果である場合に、第1遊技状態と第2遊技状態とで、特定報知手段による報知内容が異なることとなる。このようにすることで、いずれの遊技状態であるかが識別できない前提のもと、特別結果に当選となった場合に、その当選となったことがわかる場合とわからない場合(特定結果である可能性もある場合)とを創出することが可能となる。
特徴iL6.前記特定報知手段は、前記第2遊技状態において前記特別結果である場合に行う前記異なる報知を、前記第2遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果とは異なる結果(例えば、BARリプS)である場合も実行することを特徴とする特徴iL5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技状態において特別結果に当選となった場合に、特定報知手段による報知内容からは特定結果ではないことが判明するものの、特別結果とは異なる結果である可能性も含まれるようになる。このようにすることで、各ゲームの抽選結果が周回体の停止出目によって表示されるスロットマシンの遊技性を抹殺することなく、特定結果と特別結果とを区別できたり区別できなかったりすることによる遊技性を創出することが可能となる。
特徴iL7.前記特定報知手段は、前記停止操作手段の操作態様についての態様報知を前記所定の報知手段にて実行可能な構成であることを特徴とする特徴iL5又は特徴iL6に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の操作態様についての態様報知が所定の報知手段にて報知されるため、かかる態様報知への関心の高さを利用して、特徴iL5や特徴iL6において特定結果と特別結果とを区別可能としたり区別不能としたりする報知が見逃されることを回避させることが可能となる。
特徴iL8.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により第1特典(13枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって不利な第2特典(1枚のメダル)が付与され得るようになることを特徴とする特徴iL1乃至特徴iL7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様により得られる特典が異なる所謂押し順役としての特定結果を特別結果と区別せずに結果情報を出力する状態と、区別して結果情報を出力する状態とを識別しにくく設定するため、いずれの状態かを遊技者からは分かりにくくしながらも、その結果情報の出力先において押し順役として特定結果ではない可能性も含みながらも演出を行ったり、特定結果ではない可能性を排除して演出を行うようにすることが可能となり、遊技者の利益に直結する操作態様に関する演出を行ううえで矛盾等を生じさせないようにすることができる。
なお、上記特徴iL1乃至特徴iL8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iL1乃至特徴iL8の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iM群>
特徴iM1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により第1特典(13枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第1特典(1枚のメダル)が付与され得るようになる特定結果(例えば、押し順ベル)と、
前記特定結果とは異なる特別結果(例えば、各2択1枚役、特殊1枚役A~特殊1枚役C、チェリー)と、
が設定されており、
前記特定結果である場合に、付与されることが平均的に期待できる平均特典(期待払出数)が、各操作態様のうちの特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合の方が、当該特定の操作態様とは異なる操作態様(非特定操作態様)にて操作した場合よりも少なくなるように設定されており、
前記停止操作手段の操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による各チャレンジ報知演出を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報を出力する出力手段(主制御装置101による抽選結果コマンド用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合に予め定められた特定結果情報(偏りベルグループの結果番号に対応する抽選結果コマンド)を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合に前記特定結果情報とは異なる結果情報(例えば、個別の結果番号に対応する抽選結果コマンド)を出力することが可能な構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、予め定められた特定報知を実行可能であり、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記特定報知を実行可能な特定報知手段(主制御装置101による第2押し順ベルグループ報知や偏り役報知、特定表示を実行する機能、表示制御装置81による偏りベル報知演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には第1特典が付与され、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第1特典よりも不利となる第2特典が付与される特定結果が設定されているため、遊技者の操作態様によって異なる特典が付与されるという遊技性を創出される。
しかも、特定結果は、平均的に付与される平均特典が特定の操作態様とそれとは異なる操作態様で異なることから、例えば、特定結果が複数の結果から構成されるような場合、いずれの結果に当選となったかを特定できないことを前提とすると、遊技者は平均特典が多い側の操作態様となるように遊技したいと考えるものと想定される。そこで、上記構成においては、かかる特定結果である場合には、特定報知を実行するようにすることで、当該操作態様によって平均特典が異なる特定結果であることを理解しながら遊技を行わせることが可能となる。
更に、かかる特定報知は特定結果だけでなく特別結果当選時にも実行される場合があるようにしていることから、当該特定報知が特定結果であることを確定的に報知するものではなくなり、遊技者にその予測を行いながら遊技させたりする等、遊技性の向上に大いに貢献することが可能となる。
付け加えると、かかる特定報知を、例えば、態様報知が実行されない場合に行うようにすると、当該態様報知が実行されない旨の特定報知を、態様報知の対象となる特定結果だけでなく態様報知の対象とならない特別結果時にも実行可能な構成となる。このようにすることで、本来ならば態様報知が行われない遊技であるのにも関わらず、不正に態様報知を行わせる行為を、特定結果当選となった遊技だけでなく特別結果当選となった遊技でも好適に発見することが可能となる。
なお、「前記特定結果である場合に、付与されることが平均的に期待できる平均特典(期待払出数)が、各操作態様のうちの特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合の方が、当該特定の操作態様とは異なる操作態様(非特定操作態様)にて操作した場合よりも少なくなるように設定されており、」との構成は、「前記特定結果は、前記第1所定の操作態様として設定される操作態様が異なる複数の個別特定結果(特殊2択1枚役A、特殊2択1枚役B)により構成されるものであり、前記特定結果である場合に、付与されることが平均的に期待できる平均特典(期待払出数)が、各操作態様のうちの特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合の方が、当該特定の操作態様とは異なる操作態様(非特定操作態様)にて操作した場合よりも少なくなるように設定されており、」と表現してもよいし、「前記特定結果として、前記第1所定の操作態様が第1特定の操作態様(特定操作態様)として設定される第1特定結果(例えば、第1押し順ベル、第1種押し順ベル)と、前記第1所定の操作態様が前記第1特定の操作態様とは異なる第2特定の操作態様(非特定操作態様)として設定される第2特定結果(例えば、第2押し順ベル、第2種押し順ベル)と、が設定されており、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果となる確率よりも、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果となる確率の方が高くなるように設定されており、」と表現することも可能である。
特徴iM2.前記特定報知手段による前記特定報知は、前記態様報知手段による態様報知、又はそれとは異なる手段による前記停止操作手段の操作態様に関する報知が実行されない遊技であることを示す報知であることを特徴とする特徴iM1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知等が実行されない遊技であることを、特定報知を通じて遊技者や遊技ホールの管理者等が把握することが可能となる。これにより、例えば、本来ならば態様報知等が実行されない遊技であるのにも関わらず、不正に態様報知等を行わせる行為を、特定報知によって好適に特定することが可能となる。
特徴iM3.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作された場合の方が、前記停止操作手段が前記特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合よりも特定処理(停止時AT抽選用処理)において有利となるように処理を実行可能とする特定手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iM1又は特徴iM2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果当選となった遊技では、特定の操作態様にて操作すると平均特典は少なくなるものの、特定処理においては有利となるような処理が行われるため、平均特典と特定処理とでいずれの有利さを操作態様によって遊技者が選択可能な構成となる。よって、当該選択遊技により遊技性の向上を図ることが可能となる。そして、当該特定結果当選となった遊技では特定報知が行われることから、かかる特定報知を頼りとして、上記の選択遊技を好適に行わせることが可能となる。
特徴iM4.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作された場合の方が、前記停止操作手段が前記特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合よりも特定処理(停止時AT抽選用処理)において有利となるように処理を実行可能とする特定手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iM1乃至特徴iM3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様によって特典が変化する特定結果だけでなく、特別結果についても操作態様による特定処理に関して優劣がある構成となる。このようにすることで、特定報知が行われた場合、操作態様による何らかの優劣がある結果であることを遊技者に知らしめることが可能となり、かかる遊技を好適に行わせることができるようになる。
特徴iM5.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作された場合、対応する絵柄組合せが停止可能となることで第3特典が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合、対応する絵柄組合せが停止可能となることで前記第3特典が付与され得るようになることを特徴とする特徴iM4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴iM4のように、特別結果当選となった遊技における操作態様によって特定処理に優劣があるものの、特定結果のような特典に関して優劣があるわけではない構成となる。このような構成であっても、特定報知によって操作態様による何らかの優劣があることが示されることから、遊技者に不測の不利益を生じさせないようにすることが可能となり、かかる操作態様による優劣を利用した遊技性を好適に実現することができる。
特徴iM6.前記特別結果として第1特別結果(チェリーA)と第2特別結果(チェリーB)とが設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果である場合、前記特定報知手段による前記特定報知の実行を許容する手段と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果である場合、前記特定報知手段による前記特定報知の実行を制限する手段と、
を備えていることを特徴とする特徴iM1乃至特徴iM5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果当選時に実行される特定報知は、特別結果のうちの第1特別結果であれば実行されるものの、第2特別結果では実行されないようになる。このようにすることで、例えば、特定報知が実行されないことを通じて特別結果当選ではないことが判明してしまう不都合を好適に解消することができるようになる。よって、当該特定報知が実行されない遊技でも注目度を好適に担保することが可能となる。
特徴iM7.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果である場合、特定の絵柄組合せが停止して第3特典が付与されるようになり、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果である場合、前記特定の絵柄組合せが停止して前記第3特典が付与されるようになることを特徴とする特徴iM6に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止出目といった見た目上同じ結果であっても、特定報知が実行される第1特別結果と特定報知が実行されない第2特別結果とがある構成となる。このようにすることで、いずれの特別結果であったかを判別しにくくする効果を高め、特定報知の実行の有無による特別結果の差を遊技者に意識させないようにすることができ、各遊技において特別結果当選を期待させる効果を好適に担保することが可能となる。
特徴iM8.前記抽選手段による抽選結果を利用して、予め定められた有利事象(ATモードへの以降、ATモードの上乗せ)を生じさせることの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101による開始時AT抽選用処理や、AT上乗せ用処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果であった場合、前記有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるATモードへ移行させたりATモードの上乗せを行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記有利判定手段は、前記特別結果を利用する前記有利判定の方が前記特定結果を利用する前記有利判定よりも前記有利結果となり易いように設定されていることを特徴とする特徴iM1乃至特徴iM7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果を利用した有利判定を経て有利事象が生じる場合もあるようになるため、更なる遊技性の向上が図られる。そのうえで、特定報知の対象として含めるようにした特別結果は、特定結果よりも有利事象の契機となり易い結果であり、所謂レア役が相当する。この場合、仮にこのような特別結果を特定報知の対象に含めない場合、特定報知が行われることを通じて、当該ゲームの抽選結果が特別結果ではないことが丸わかりとなってしまい、特別結果当選を期待しながら行う遊技の遊技性を低下させてしまう要因となりかねない。その点、上記特徴iM1のように、特別結果も含めて特定報知を行うようにすることで、特別結果当選ゲームを分かりにくくすることが可能となり、遊技性の向上に大いに貢献することが可能となる。
特徴iM9.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率よりも、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となる確率の方が低いことを特徴とする特徴iM1乃至特徴iM8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、比較的当選しにくい特別結果をも含めて特定報知を実行する構成とすることで、特別結果当選ゲームを特定結果当選ゲームにうまく紛れさせることが可能となる。よって、特定報知が行われるゲームへの注目度を高めることが可能となるし、当該特定報知が行われることを通じて特別結果当選が否定されてしまう事象を回避することが可能となる。
特徴iM10.前記抽選手段による抽選結果が所定の前記特定結果であって、前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作された場合、前記第1数の遊技価値が付与されることに対応する絵柄組合せ及び前記第2数の遊技価値が付与されることに対応する絵柄組合せのいずれもが停止しない場合もあるように設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であり、前記停止操作手段が対応する操作態様にて操作された場合には、前記特別結果に対応する絵柄組合せが停止する一方、前記停止操作手段が前記対応する操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合には、前記特別結果に対応する絵柄組合せが停止しない又は停止しにくいように設定されていることを特徴とする特徴iM1乃至特徴iM9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が行われたゲームにおいて特定の操作態様にて操作された場合、当該特定報知が特定結果を契機とするものであっても、遊技価値が付与されることとなる絵柄組合せが停止しない場合もあるし、当該特定報知が特別結果を契機とするものであっても、当該特別結果に対応する絵柄組合せが停止しない場合もあり、停止した絵柄組合せからは、当該特定報知の契機となった抽選結果を遊技者が識別しにくくなる。このようにすることで、特定報知の契機を、その他の要因から予測する遊技性を追加することができるし、特定報知が行われたゲームで、仮に特別結果であれば特別結果入賞を取りこぼさないようにより慎重な操作を行う等、当該ゲームへの注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴iM11.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記停止操作手段が前記特定の操作態様にて操作された場合、前記特別結果に対応する絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合、前記特別結果に対応する絵柄組合せが停止可能となることを特徴とする特徴iM1乃至特徴iM10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果は、特定結果のように操作態様によって入賞する結果が異なるものではないことが明確化される。このようにすることで、当該特定報知が実行されたゲームにて、特定結果の可能性を加味して多くの遊技価値を得られるように操作態様を遊技者が操作した場合であっても、特別結果入賞の可能性を残すことができ、特定報知の実行対象に特別結果を含めることによって、特別結果入賞を取りこぼし易くなってしまう、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴iM12.前記特定報知手段は、前記所定の報知手段にて前記特定報知を実行することを特徴とする特徴iM1乃至特徴iM11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知は、態様報知が行われる所定の報知手段にて実行されることになり、報知手段を共用することによる遊技機の部材点数の削減に貢献することが可能となるし、特定報知が停止操作手段に操作態様に関する報知である印象を強く与えるようになり、特定結果当選時に、自らの操作態様にて多くの遊技価値を獲得すべきゲームであることを理解させ易くすることができる。
特徴iM13.前記態様報知手段による態様報知の実行頻度が相対的に高低となる高頻度状態(ATモード)と低頻度状態(通常モード、CZモード)とが設定されており、
前記特定報知は、前記低頻度状態の方が、前記高頻度状態よりも実行され易いことを特徴とする特徴iM1乃至特徴iM12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知が行われにくい低頻度状態にて特定報知が実行され易くなるため、いずれの報知に基づいて操作を行うべきかが不明となってしまう事象を生じさせにくくすることができる。
特に、特徴iM12のように、態様報知を実行する所定の報知手段にて特定報知を行う構成において、両報知の実行ゲームが重複してしまうことにより、遊技機のエラーが発生してしまう等の不都合も回避することができる。
特徴iM14.前記特定報知手段は、前記高頻度状態においても前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iM13に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知が実行され易くなる高頻度状態においても特定報知が実行され得るようになるため、高頻度状態は、態様報知と特定報知とによって、操作が指示され得る状態となる。このようにすることで、仮に態様報知の実行頻度を低く設定しても、特定報知が行われる場合もあるようになるため、何らかの報知が行われている可能性は高くなり、せっかく高頻度状態に移行したのにも関わらず、操作態様についての報知がなかなか発生しない、といった遊技者の不満を解消することができる。
特徴iM15.前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、所定の実行条件が成立した場合に前記態様報知を実行する構成であり、
前記特定報知手段は、前記高頻度状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記所定の実行条件が成立しない場合に前記特定報知を実行する構成であることを特徴とする特徴iM13又は特徴iM14に記載の遊技機。
上記構成によれば、高頻度状態において、特定結果である場合、所定の実行条件が成立した場合には態様報知が実行され、所定の実行条件が成立しない場合には特定報知が実行される。そして、当該特定報知は、所定の実行条件とは関係のない特別結果当選時にも実行されることから、高頻度状態に移行した後、態様報知が実行されないゲームにおいて、特定結果とともに、特別結果当選への期待も寄せさせることが可能となり、当該高頻度状態への注目度を好適に高めることが可能となる。
また、上記特徴iM1乃至特徴iM15に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iM1乃至特徴iM15の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iN群>
特徴iN1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により第1特典(13枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第1特典よりも不利となる第2特典(1枚のメダル)が付与され得るようになる特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記特定結果である場合に、付与されることが平均的に期待できる平均特典(期待払出数)が、各操作態様のうちの特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合の方が、当該特定の操作態様とは異なる操作態様(非特定操作態様)にて操作した場合よりも少なくなるように設定されており、
前記停止操作手段の操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による各チャレンジ報知演出を実行する機能)を備え、
遊技状態として、通常状態(通常区間)と、当該通常状態よりも前記態様報知手段による前記態様報知が実行され易くなる特定状態(有利区間)と、が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、特定報知(偏り役報知)を実行可能な特定報知手段を(主制御装置101による偏り役報知を行うための処理を実行する機能)備え、
当該特定報知手段は、前記通常状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合に前記特定報知を実行可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には第1特典が付与され、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第1特典よりも不利となる第2特典が付与される特定結果が設定されているため、遊技者の操作態様によって異なる特典が付与されるという遊技性を創出される。
しかも、特定結果は、平均的に付与される平均特典が特定の操作態様とそれとは異なる操作態様で異なることから、例えば、特定結果が複数の結果から構成されるような場合、いずれの結果に当選となったかを特定できないことを前提とすると、遊技者は平均遊技価値数が多い側の操作態様となるように遊技したいと考えるものと想定される。そこで、上記構成においては、かかる特定結果である場合には、特定報知を実行するようにすることで、当該操作態様によって平均遊技価値数が異なる特定結果であることを理解しながら遊技を行わせることが可能となる。
更に、上記構成では、特定報知は態様報知が実行されにくい通常状態において行われるようにしている。そのため、通常状態において、特定結果当選時に態様報知が行われなくても、特定報知によって上記の操作態様による優劣が生じる遊技であることを遊技者に知らしめることが可能となる。よって、態様報知が実行されない場面でも、遊技者が不測の不利益を被ることを回避させることができる。付け加えると、例えば、当該特定報知が行われる場合とは態様報知等の操作態様の報知が行われない遊技である場合とすると、仮に、不正に操作態様の報知を実行させる行為が行われた場合に、当該特定報知によって、その行為を好適に特定することも可能となる。以上の結果、遊技の興趣向上を好適に図ることができるようになる。
特徴iN2.前記特定報知手段は、前記特定報知を前記所定の報知手段にて実行することを特徴とする特徴iN1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知は態様報知が行われる所定の報知手段にて実行されることになる。このようにすることで、遊技機構成部品の供用を図り、部材点数の削減を通じて、コストを削減することだけでなく、演出領域の確保を行うことが可能となり、遊技の興趣向上に大いに役立てることができる。
特徴iN3.前記態様報知手段は、前記態様報知として、前記第1所定の操作態様に関する報知を実行可能な構成であり、
前記特定報知手段は、前記態様報知手段による前記第1所定の操作態様に関する報知が行われない遊技において前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iN2に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の報知手段にて第1所定の操作態様に関する態様報知が行われない遊技にて特定報知が行われることになる。よって、所定の報知手段にて報知されている内容が特定報知なのか態様報知なのかが不明になってしまう不都合を好適に回避させることが可能となる。
特徴iN4.前記態様報知手段による前記第1所定の操作態様に関する報知と、前記特定報知手段による前記態様報知とは報知態様が異なっていることを特徴とする特徴iN3に記載の遊技機。
上記構成のように、報知態様が異なれば、遊技者がいずれの報知が行われているかを明確に区別することが可能となる。
特徴iN5.前記特定状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とは異なる結果である場合、前記所定の報知手段にて特別報知(押し順不問報知)を実行可能な特別報知手段(主制御装置101による押し順不問報知を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知手段は、前記通常状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記異なる結果である場合、前記所定の報知手段にて前記特別報知(押し順不問報知)を実行しないことを特徴とする特徴iN2乃至特徴iN4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態においては、特定結果だけでなく他の結果でも所定の報知手段にて何らかの報知が行われる一方、通常状態においては、当該他の結果では特別報知が行われないため、通常状態において所定の報知手段による特定報知が行われる遊技が目立ちやすくなる。よって、例えば、通常状態であって態様報知が行われないはずなのに関わらず、不正に態様報知を行わせる行為を特定報知によって好適に発見することが可能となる。
特徴iN6.前記特定状態においては、前記所定の報知手段による報知が行われる遊技の方が前記所定の報知手段による報知が行われない遊技よりも多くなる一方、
前記通常状態においては、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である遊技だけ前記所定の報知手段による報知が行われることを特徴とする特徴iN5に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利区間としての特定状態では、半数以上の遊技にて何らかの報知が所定の報知手段にて行われており、通常区間としての通常状態では、特定結果となった遊技だけが所定の報知手段による報知(特定報知)が実行されるため、特徴iN5のように、通常状態において不正に態様報知を行わせる行為をより発見し易くなる。
特徴iN7.前記通常状態は、前記態様報知手段についての態様報知に関する処理(指示機能に関する処理)の実行が制限される状態であることを特徴とする特徴iN1乃至特徴iN6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所謂通常区間において態様報知に関する処理(指示機能に関する処理)が制限されることが明確化される。このように、通常状態において態様報知に関する処理が制限されることを通じて、特定結果であるのにも関わらず、不利な操作態様にて操作してしまう、という遊技者の不利益の発生を特定報知によって回避させることが可能となる。
また、上記特徴iN1乃至特徴iN7に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iN1乃至特徴iN7の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iO群>
特徴iO1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典として所定数の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により第1数の遊技価値(8枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第1数よりも少ない第2数の遊技価値(1枚のメダル)が付与され得るようになる第1特定結果(例えば、特殊ベルA)と、
前記停止操作手段が第3所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第1数とは異なる第3数の遊技価値(12枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第3所定の操作態様とは異なる第4所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第3数よりも少ない第4数の遊技価値(1枚のメダル)が付与され得るようになる第2特定結果(例えば、特殊ベルB)と、
が設定されており、
前記第1特定結果は、前記第1所定の操作態様として設定される操作態様が異なる複数の第1個別特定結果(例えば、中左特殊ベルA、中右特殊ベルA)により構成されるものであり、
前記第2特定結果は、前記第3所定の操作態様として設定される操作態様が異なる複数の第2個別特定結果(例えば、中左特殊ベルB、中右特殊ベルB)により構成されるものであり、
前記第1特定結果である場合に、付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数(期待払出数)が、各操作態様のうちの特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合の方が、当該特定の操作態様とは異なる操作態様(非特定操作態様)にて操作した場合よりも少なくなるように設定されており、
前記第2特定結果である場合に、付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数(期待払出数)が、各操作態様のうちの特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合の方が、当該特定の操作態様とは異なる操作態様(非特定操作態様)にて操作した場合よりも少なくなるように設定されており、
前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報を出力する出力手段(主制御装置101による抽選結果コマンド用処理を実行する機能)を備え、
前記出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1個別特定結果のいずれかである場合に予め定められた第1特定結果情報(例えば50番の結果番号に対応する抽選結果コマンド)を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記第2個別特定結果のいずれかである場合に前記第1特定結果情報とは異なる第2特定結果情報(例えば51番の結果番号に対応する抽選結果コマンド)を出力することを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する数の遊技価値が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には第1数の遊技価値が付与され、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第1数よりも少ない第2数の遊技価値が付与される第1特定結果と、停止操作手段を第3所定の操作態様にて操作した場合には第3数の遊技価値が付与され、停止操作手段を第4所定の操作態様にて操作した場合には第3数よりも少ない第4数の遊技価値が付与される第2特定結果とが設定されているため、遊技者の操作態様によって異なる数の遊技価値が付与されるという遊技性を創出される。
しかも、第1特定結果において多い側の遊技価値数である第1数と、第2特定結果において多い側の遊技価値数である第3数とが異なる構成であり、これら第1特定結果と第2特定結果とは、所謂押し順役のうちの、得られる遊技価値数が異なる結果となり、いずれの特定結果となるかによって、同じように多い側の遊技価値数に対応する操作態様に正解したとしても、得られる遊技価値数が異なることとなり、各遊技の抽選結果への注目度が好適に高められる。
そのうえで、これら第1特定結果や第2特定結果は、それぞれ第1所定の操作態様や第3所定の操作態様とする操作態様が異なる複数の個別特定結果のグループであり、特定の操作態様にて操作した場合の方がそれとは異なる操作態様にて操作した場合よりも、付与されることが期待できる平均遊技価値数が少なくなる所謂偏り役となっている。
そして、本構成では、このような正解時の(第1所定の操作態様や第3所定の操作態様での)遊技価値数が異なる押し順役を偏り役としたうえで、更に、これらの偏り役における各個別特定結果である場合に、それぞれ第1特定結果情報や第2特定結果情報を出力する、といったようにこれらの偏り役を別々のグループ結果として設定している。このようにすることにより、例えば、結果情報を不正に解析することにより正解となる操作態様を特定できたとしても、それがいずれの偏り役のものであるかを特定しにくくなり、つまり、いずれの遊技価値数に対応する操作態様であるかを特定しにくくなり、このような不正行為の抑止効果を高めることが可能となる。よって、これら複数の偏り役を設けることによる遊技性の向上を図りながらも、不正行為を好適に抑止することが可能となる。
特徴iO2.遊技に利用する遊技価値を賭数として設定する賭数設定手段(主制御装置101によるベット用の処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定結果である場合に、前記特定の操作態様及び当該特定の操作態様とは異なる操作態様での前記平均遊技価値数は前記賭数設定手段により設定される賭数(3)以下である一方、前記第2特定結果である場合に、前記特定の操作態様及び当該特定の操作態様とは異なる操作態様の少なくとも一方での前記平均遊技価値数は前記賭数設定手段により設定される賭数(3)よりも多いことを特徴とする特徴iO1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様に関する態様報知がなされないことを前提とすると、特定の操作態様やそれとは異なる操作態様にて操作した場合に第1特定結果では平均的に遊技価値の増加が見込めず、第2特定結果では平均的に遊技価値の増加が見込めるようになる。このような違いの各特定結果を、それぞれのグループ結果として結果情報を出力する構成とすることで、その結果情報の出力先においてそれぞれ遊技媒体の増加が見込める演出や見込めない演出を行うことも可能となり、かかる遊技価値の増加との関係での演出を好適に行うことが可能となる。
また、遊技履歴を管理するうえで、平均的に遊技媒体の増加が見込める結果と増加が見込めない結果とを別々に管理する場合があり、この場合、それぞれ上記のように別々のグループ化していることから、当該遊技履歴の管理を行い易くすることも可能となる。
特徴iO3.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果となる確率の方が、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果となる確率よりも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴iO2に記載の遊技機。
上記構成によれば、平均遊技価値数が少なく遊技媒体の増加が見込めない第1特定結果の方が、遊技媒体の増加が見込める第2特定結果よりも当選し易くなることから、出玉率への影響を与えにくくしながらも、遊技媒体の増加が見込める第2特定結果への期待感を利用して、同様に操作態様による遊技価値数が異なる第1特定結果への注目度をも好適に高めることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴iO4.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果となる確率と当該第1特定結果についての平均遊技価値数との積は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果となる確率と当該第2特定結果についての平均遊技価値数との積よりも大きいことを特徴とする特徴iO1乃至特徴iO3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、平均遊技価値数と当選確率との積は、第1特定結果の方が大きくなることから、遊技全体を通してみると、第1特定結果を契機として付与される遊技価値の方が第2特定結果を契機として付与される遊技価値よりも多くなる。よって、例えば、特徴iO2のように第1特定結果については遊技価値の増加が見込めなくても、遊技進行における遊技価値の減りを軽減することに当該第1特定結果が多大な影響を及ぼすこととなり、かかる第1特定結果への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴iO5.前記出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が第1特別結果(共通ベル)である場合に前記第1特定結果情報(55番の結果番号に対応する抽選結果コマンド)を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果とは異なる第2特別結果(左第1ベル)である場合に前記第2特定結果情報(56番の結果番号に対応する抽選結果コマンド)を出力可能であることを特徴とする特徴iO1乃至特徴iO4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果と第2特定結果とは、それぞれ第1特別結果と第2特別結果といった異なる結果とグループ化されて結果情報の出力が行われる。このように、複数の偏り役のグループを有する構成において、それぞれ別々の結果をグループに含める構成とすることで、含ませる結果をグループに紛らわせたり、含ませる結果によってグループの平均遊技価値数を変化させたりする効果を、それぞれのグループに応じて適宜設定することが可能となる。
特徴iO6.前記第2特別結果は、前記停止操作手段が第5所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により第5数の遊技価値(12枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第5所定の操作態様とは異なる第6所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第5数よりも少ない第6数の遊技価値(1枚のメダル)が付与され得るようになる構成であり、
前記第2特別結果は、前記第5所定の操作態様として設定される操作態様が異なる複数の第2個別特別結果(左中ベル、左右ベル)により構成されるものであり、
前記第2特別結果である場合に、付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数(期待払出数)が、各操作態様のうちの前記特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合の方が、当該特定の操作態様とは異なる操作態様(非特定操作態様)にて操作した場合よりも多くなるように設定されていることを特徴とする特徴iO5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定結果とグループ化される第2特別結果は、操作態様によって付与される遊技価値数が異なる押し順役であり、更に特定の操作態様とそれとは異なる操作態様で平均遊技価値数が異なる偏り役となる。但し、第2特別結果は、特定の操作態様の方がそれとは異なる操作態様よりも平均遊技価値数が多くなり、第2特定結果とは逆となる。このようにすることで、第2特定結果において特定の操作態様にて少なくなる平均遊技価値数を、第2特別結果にて補う形となり、これら第2特定結果と第2特別結果とをグループ化した場合の各操作態様による平均遊技価値数の差を小さくすることが可能となる。よって、第2特定結果と第2特別結果とがいずれも偏り役とはいえ、これらをグループ化することによって偏り役と解釈されにくくすることができ、偏り役当選時の規定(その旨の報知が必要であったり、その旨の報知を行うことによって指示込役物比率に追加する必要が生じる等)による不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴iO7.前記第2特定結果と前記第2特別結果とによる平均遊技価値数は、前記特定の操作態様とそれとは異なる操作態様とで共通していることを特徴とする特徴iO6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定結果と第2特別結果とのグループは平均遊技価値数においては偏り役とは解釈されなくなる。よって、上記特徴iO6の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴iO8.前記出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果である場合に予められた特定情報(99番の結果番号に対応する抽選結果コマンド)を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合に前記特定情報を出力することが可能な手段(図824)を備えていることを特徴とする特徴iO1乃至特徴iO7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果と第2特定結果とは別々のグループとして結果情報が出力される場合もあれば、共通のグループとして結果情報が出力される場合もあるようになる。これらの偏り役を共通のグループとすることで、結果情報の種類を少なくすることができるし、例えば、偏り役としての報知を行うための処理や遊技履歴の算出用の処理において場合分けの数が少なくなることから処理構成の簡素化も図ることが可能となる。よって、状況に応じて別々のグループとしたり共通のグループとすることで、それらによる効果を適宜奏することが可能となる。
また、上記特徴iO1乃至特徴iO8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iO1乃至特徴iO8の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iP群>
特徴iP1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典として所定数の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、
前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により第1数の遊技価値(8枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第1数よりも少ない第2数の遊技価値(1枚のメダル)が付与され得るようになる第1特定結果(例えば、特殊ベルA)と、
前記停止操作手段が第3所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第1数とは異なる第3数の遊技価値(12枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第3所定の操作態様とは異なる第4所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第3数よりも少ない第4数の遊技価値(1枚のメダル)が付与され得るようになる第2特定結果(例えば、特殊ベルB)と、
が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報を出力する出力手段(主制御装置101による抽選結果コマンド用処理を実行する機能)を備え、
前記出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果である場合に予め定められた特定結果情報(例えば99番の結果番号に対応する抽選結果コマンド)を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合に前記特定結果情報を出力することが可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する数の遊技価値が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には第1数の遊技価値が付与され、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第1数よりも少ない第2数の遊技価値が付与される第1特定結果と、停止操作手段を第3所定の操作態様にて操作した場合には第3数の遊技価値が付与され、停止操作手段を第4所定の操作態様にて操作した場合には第3数よりも少ない第4数の遊技価値が付与される第2特定結果とが設定されているため、遊技者の操作態様によって異なる数の遊技価値が付与されるという遊技性を創出される。
しかも、第1特定結果において多い側の遊技価値数である第1数と、第2特定結果において多い側の遊技価値数である第3数とが異なる構成であり、これら第1特定結果と第2特定結果とは、所謂押し順役のうちの、得られる遊技価値数が異なる結果となり、いずれの特定結果となるかによって、同じように多い側の遊技価値数に対応する操作態様に正解したとしても、得られる遊技価値数が異なることとなり、各遊技の抽選結果への注目度が好適に高められる。
そのうえで、これら第1特定結果や第2特定結果である場合に、いずれも特定結果情報を出力する構成とし、これらの各特定結果を共通のグループ結果として設定している。このようにすることにより、例えば、結果情報を不正に解析することにより正解となる操作態様を特定できたとしても、それがいずれの特定結果のものであるかを特定しにくくなり、つまり、いずれの遊技価値数に対応する操作態様であるかを特定しにくくなり、このような不正行為の抑止効果を高めることが可能となる。よって、これら複数の押し順役を設けることによる遊技性の向上を図りながらも、不正行為を好適に抑止することが可能となる。
特徴iP2.前記出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果及び前記第2特定結果とは異なる特別結果(例えば共通ベル)である場合に、前記特定結果情報を出力可能であることを特徴とする特徴iP1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果情報の出力が行われた場合に、第1特定結果や第2特定結果であることが確定せず、他の結果(特別結果)である可能性もあるようになる。そのため、例えば、当該特別結果を第1特定結果や第2特定結果に紛れさすことも可能であるし、逆に第1特定結果や第2特定結果を特別結果に紛れさすことも可能となり、結果情報を不正に解析することにより抽選結果を特定しようとする行為を行わせにくくすることができる。
特徴iP3.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果及び前記第2特定結果の少なくとも一方である場合に、付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数(期待払出数)が、各操作態様のうちの特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合の方が、当該特定の操作態様とは異なる操作態様(非特定操作態様)にて操作した場合よりも少なくなるように設定されていることを特徴とする特徴iP1又は特徴iP2に記載の遊技機。
上記構成によれば、グループ化される第1特定結果と第2特定結果との少なくとも一方は、特定の操作態様にて操作することで他の操作態様よりも平均遊技価値数が少なくなる所謂偏り役となる。つまり、複数の押し順役としての第1特定結果と第2特定結果とのいずれかが偏り役となり、当該第1特定結果や第2特定結果をグループ化する特定結果情報は、偏り役を含む結果情報となる。このようにすることで、偏り役を他の押し順役に紛れさせたり、逆に他の押し順役を偏り役に紛れさせることが可能となり、偏り役の特性(いずれの個別特定結果であるかがわからない状況であれば、特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作したほうが多くの遊技価値の付与が期待できるようになること)を利用してより多くの遊技価値を得ようとする行為を行わせにくくすることができ、かかる特性を理解している遊技者とそうではない遊技者との公平性を担保することが可能となる。
特徴iP4.前記第1特定結果及び前記第2特定結果のいずれもが、前記平均遊技価値数(期待払出数)が、各操作態様のうちの前記特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合の方が、当該特定の操作態様とは異なる操作態様(非特定操作態様)にて操作した場合よりも少なくなるように設定されていることを特徴とする特徴iP3に記載の遊技機。
上記構成によれば、グループ化される第1特定結果と第2特定結果とのいずれもが偏り役となる。つまり、複数の押し順役としての第1特定結果と第2特定結果とのいずれもが偏り役となる。この場合、これら第1特定結果における第1所定の操作態様で付与される遊技価値数(第1数)と第2特定結果における第3所定の操作態様で付与される遊技価値数(第3数)とが異なることから、これら第1特定結果と第2特定結果との平均遊技価値数も異なり易くなり、平均遊技価値数の異なる偏り役同士がグループ化された構成となる。このように、偏り役同士を組み合わせることで、一の偏り役における特定の操作態様と他の操作態様との平均遊技価値数の差よりも大きな差とすることも可能となり、かかる偏り役を用いた遊技設定の自由度を向上させることを通じて、遊技の興趣向上を図るうえで大いに役立てることが可能となる。
特徴iP5.前記第1特定結果及び前記第2特定結果のいずれか一方は、前記平均遊技価値数(期待払出数)が、各操作態様のうちの前記特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合と、当該特定の操作態様とは異なる操作態様(非特定操作態様)にて操作した場合とで同じ又は略同じとなるように設定されていることを特徴とする特徴iP3に記載の遊技機。
上記構成によれば、グループ化される第1特定結果と第2特定結果とのいずれか一方が偏り役であり、他方は偏り役ではない構成となる。このように、偏り役とそうではない押し順役同士を組み合わせることで、偏り役における特定の操作態様と他の操作態様との平均遊技価値数の差よりも小さくして平均化することも可能となり、かかる偏り役を用いた遊技設定の自由度を向上させることを通じて、遊技の興趣向上を図るうえで大いに役立てることが可能となる。
特徴iP6.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果となる確率の方が、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果となる確率よりも高くなるように設定されており、
前記第1数よりも前記第3数の方が多い数として設定されていることを特徴とする特徴iP1乃至特徴iP5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、正解時に得られる遊技価値数が少ない第1特定結果の方が、遊技価値数が多い第2特定結果よりも当選し易くなることから、これら第1特定結果と第2特定結果とをグループ化することを通じて、出玉率への影響を与えにくくしながらも、多い遊技媒体の付与が見込める第2特定結果への期待感を利用して、同様に操作態様による遊技価値数が異なる第1特定結果への注目度をも好適に高めることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴iP7.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果及び前記第2特定結果である場合に、付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数(期待払出数)が、各操作態様のうちの特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合の方が、当該特定の操作態様とは異なる操作態様(非特定操作態様)にて操作した場合よりも少なくなるように設定されていることを特徴とする特徴iP1乃至特徴iP6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果と第2特定結果とをグループ化された結果としてみると、かかるグループ化された結果は、特定の操作態様にて操作することで他の操作態様よりも平均遊技価値数が少なくなる所謂偏り役となる。つまり、複数の押し順役としての第1特定結果と第2特定結果とを組み合わせてグループ化した場合に、当該グループ化された結果は偏り役となり、当該第1特定結果や第2特定結果をグループ化する特定結果情報は、偏り役の結果情報となる。このようにすることで、いずれの個別特定結果であるかがわからない状況であれば、特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作したほうが多くの遊技価値の付与が期待できるようになる、という偏り役の特性を複数の押し順役に適用することが可能となり、仮に、これら第1特定結果や第2特定結果が偏り役ではなくても、偏り役である場合に上記の特性上行うべき報知や制御を当該第1特定結果や第2特定結果に適用することも可能となる。よって、偏り役である場合の報知や制御を通常の押し順役にも適用することを通じて、遊技結果を特定しにくくしたり、通常の押し順役に対して偏り役用の制御を行うことによる遊技性の向上を見込むことが可能となる。
特徴iP8.遊技に利用する遊技価値を賭数として設定する賭数設定手段(主制御装置101によるベット用の処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定結果及び前記第2特定結果である場合に、前記特定の操作態様及び当該特定の操作態様とは異なる操作態様での前記平均遊技価値数は前記賭数設定手段により設定される賭数(3)以下であることを特徴とする特徴iP7に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様に関する態様報知がなされないことを前提とすると、特定の操作態様やそれとは異なる操作態様にて操作した場合に、第1特定結果や第2特定結果のグループでは平均的に遊技価値の増加が見込めないようになる。このようにすることで、遊技履歴を管理するうえで、当該第1特定結果や第2特定結果を、平均的に遊技媒体の増加が見込めない結果として管理することが可能となり、出玉率の算出等において出玉率を低く算出する効果を期待することが可能となる。
特徴iP9.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果及び前記第2特定結果である場合、各操作態様のうちの特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合の方が、前記停止操作手段が前記特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合よりも特定処理(停止時AT抽選用処理)において有利となるように処理を実行可能とする特定手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iP1乃至特徴iP8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様によって遊技価値数が変化する第1特定結果と第2特定結果とを組み合わせたグループでは、操作態様による特定処理に関して優劣がある構成となる。このようにすることで、当該グループの結果となった場合に、有利な特定処理を行わせる側の特定の操作態様にて操作させる遊技性を実現することができるし、例えば、特徴iP7のように特定の操作態様にて操作した場合には平均遊技価値数が少なくなる構成においては、遊技価値数と特定処理とのいずれの優位性を選択するかを遊技者が停止操作手段の操作によって選択するという遊技性も実現することが可能となる。よって、遊技の興趣向上に大いに役立てることが可能となる。
また、上記特徴iP1乃至特徴iP9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iP1乃至特徴iP9の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iQ群>
特徴iQ1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果(例えば押し順ベル)である場合、前記停止操作手段が特定の操作態様(特定操作態様)にて操作された場合よりも、前記停止操作手段が前記特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合の方が第1特定処理(天井ゲーム数の減算値の設定処理)において不利となるように処理を実行可能とする第1特定手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記停止操作手段が前記特定の操作態様(特定操作態様)にて操作された場合よりも、前記停止操作手段が前記特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合の方が第2特定処理(停止時AT抽選用処理)において不利となるように処理を実行可能とする第2特定手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とは異なる特別結果(例えばチェリー)である場合、前記特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合よりも、前記停止操作手段が前記特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合の方が前記第1特定処理(天井ゲーム数の減算値の設定処理)において不利となるように処理を実行可能であり、
前記第2特定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記特定の操作態様(特定操作態様)にて操作した場合よりも、前記停止操作手段が前記特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合の方が前記第2特定処理(停止時AT抽選用処理)において不利とならないように処理を実行可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、特定結果当選となったゲームでは、停止操作手段を特定の操作態様にて操作した場合よりもそれとは異なる操作態様にて操作した場合の方が第1特定処理及び第2特定処理において不利となる処理が行われる一方、特定結果とは異なる特別結果となったゲームでは、停止操作手段を特定の操作態様にて操作した場合よりもそれとは異なる操作態様にて操作した場合の方が第1特定処理において不利となる処理が行われるものの、第2特定処理においては不利とならないように処理が行われる。
このようにすることで、特定結果及び特別結果について、停止操作手段が特定の操作態様にて操作して場合にはいずれも第1特定処理及び第2特定処理における不利な対象とならないものの、特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作した場合に、特定結果と特別結果とで不利となる処理や度合いを異ならせることが可能となる。よって、単に抽選手段による抽選結果を停止出目により表示させて特典を付与するだけでなく、抽選結果と操作態様によって不利度合いが異なる、という斬新な遊技性を実現することが可能となり、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴iQ2.特定条件が成立した場合に、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利事象手段(主制御装置101によるATモードへの移行を生じさせる処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定手段は、前記第1特定処理として前記特定条件を成立させることを可能とする処理を実行し、前記不利となるように処理を実行する場合、不利とならないように処理を実行する場合と比較して前記特定条件を成立させにくいように処理を実行する、又は前記第1特定処理を実行しない構成であり、
前記第2特定手段は、前記第2特定処理として前記特定条件を成立させることを可能とする処理を実行し、前記不利となるように処理を実行する場合、不利とならないように処理を実行する場合と比較して前記特定条件を成立させにくいように処理を実行する、又は前記第2特定処理を実行しない構成であることを特徴とする特徴iQ1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利事象を生じさせる特定条件の成立を目指す遊技性において、特定結果当選時に特定の操作態様にて操作すると、第1特定処理と第2特定処理において特定条件を成立させるために不利となり、特別結果当選時に特定の操作態様にて操作すると、第1特定処理において特定条件を成立させるために不利となり、第2特定処理においてはそのような不利な処理とはならないようになる。つまり、有利事象を生じさせる遊技性において、特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作した場合のダメージは、特定結果よりも特別結果の方が軽くなる。このようにすることで、各結果に応じて特定条件成立への影響度合いを変えることによる遊技性の向上を図るとともに、ダメージ(遊技者の被る不利益度合い)を軽く済ます側である特別結果当選時の操作態様の自由度を向上させることが可能となる。
特徴iQ3.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記特定の操作態様にて操作された場合に前記第2特定手段により前記第2特定処理が行われた場合よりも、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記特定の操作態様にて操作された場合に前記第2特定手段により前記第2特定処理が行われた場合の方が、前記特定条件が成立し易くなるように設定されていることを特徴とする特徴iQ2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の操作態様にて操作された場合を比較すると、特定結果当選時に第2特定処理が行われた場合よりも特別結果当選時に第2特定処理が行われた場合の方が、有利事象を生じさせることとなる特定条件が成立し易くなる。つまり、特定結果よりも特別結果の方が、第2特定処理が行われなくなったり、不利な処理となったりした場合のダメージが大きくなる構成となり、このような構成において、特別結果当選時には特定の操作態様とは異なる操作態様であっても、第2特定処理において不利とならないように処理を行うようにすれば、操作態様を誤っただけなのに、遊技者に多大な不利益を与えてしまわないようにすることができる。
特徴iQ4.前記第1特定処理が行われた場合よりも、前記第2特定処理が行われた場合の方が前記特定条件が成立し易くなることを特徴とする特徴iQ2又は特徴iQ3に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利事象を生じさせるためには、第1特定処理が行われなかったり不利な処理として行われる場合よりも、第2特定処理が行われなかったり不利な処理として行われる場合の方が、ダメージが大きくなる。つまり、特別結果当選に特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作した場合に、有利事象を生じさせるための障壁となりにくい側の特定処理において不利な扱いを受ける構成としたことで、特別結果当選時に操作態様を誤っただけなのに、遊技者に多大な不利益を与えてしまわないようにすることができる。
特徴iQ5.前記有利事象手段は、
前記特定条件が成立することなく実行された遊技数に対応する遊技数情報を更新する遊技数情報更新手段(主制御装置101による天井ゲーム数の更新用の処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果を利用して前記有利事象を生じさせる有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101によるATモード移行抽選を実行する機能)と、
前記遊技数情報更新手段により遊技数情報が特定数情報に更新された場合に前記特定条件が成立したとして前記有利事象を生じさせる第1手段(主制御装置101による天井カウンタが0となったことに基づいてATモード当選フラグをセットする処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となった場合に前記特定条件が成立したとして前記有利事象を生じさせる第2手段(主制御装置101によるATモード移行抽選に当選したことに基づいてATモード当選フラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定手段は、前記遊技数情報更新手段による前記遊技数情報の更新用の処理を前記第1特定処理として実行し、
前記第2特定手段は、前記有利判定手段による前記有利判定を前記第2特定処理として実行することを特徴とする特徴iQ2乃至特徴iQ4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果及び特別結果のいずれでも特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作した場合に不利となる処理とされる第1特定処理は、有利事象を生じさせるまでの所謂天井ゲーム数としての特定数情報に至るまでの遊技数情報を更新する処理であり、特定結果では特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作した場合に不利となる処理とされる一方、特別結果ではそうならない第2特定処理は、遊技の抽選結果を利用して有利事象を生じさせる有利判定用の処理となる。つまり、特定結果となった遊技にて特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作した場合は、天井ゲーム数までのカウントと、有利事象を生じさせる有利判定とが行われず、特別結果となった遊技にて特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作した場合は、天井ゲーム数までのカウントは実行されないものの、今回のゲームの抽選結果を利用して行われる有利判定は実行されるようになる。よって、各遊技の抽選結果を停止出目によって報知するというスロットマシンの遊技において、特に特徴iQ3のような特別結果について、操作態様を誤っただけで、今回の遊技の抽選結果に対応する停止出目が報知されたのにも関わらず有利判定が実行されなくなってしまうという不条理を回避させることが可能となり、遊技意欲の低下を生じさせないようにすることができる。
特徴iQ6.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合に特定報知を実行する特定報知手段(主制御装置101による偏り役報知や特定表示を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合にも前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iQ1乃至特徴iQ5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果と特別結果とでいずれも特定報知が実行されるようになることから、かかる特定報知からは、いずれの結果であるかを遊技者は判別することができなくなる。この場合、特定結果と特別結果との関係で、特別結果を特定結果に紛れさせたり、特定結果を特別結果に紛れさせたりする効果が期待できる。但し、このような特定結果に対応する特定報知を行うこと通じて、例えば、特定結果に対して操作態様別の処理を行おうとしているのにも関わらず、特別結果に対してもかかる操作態様別の処理を行わざるを得なくなる事情もある。そこで、特別結果に対しても操作態様別の処理を行うものの、その操作態様別の処理の操作態様による差を、特定結果に対する操作態様別の処理と比較して小さくなるようにすることで、特定結果と特別結果とを区別しにくくさせながらも、本来ならば特定結果のための処置が特別結果に対してまで影響を及ぼさないようにすることが可能となる。
特徴iQ7.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により第1特典(12枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第1特典よりも遊技者にとって不利となる第2特典(1枚のメダル)が付与され得るようになる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により第3特典(例えば3枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第3特典が付与され得るようになる構成であることを特徴とする特徴iQ1乃至特徴iQ6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果は、操作態様によって付与され得る特典が異なる所謂押し順役となり、特別結果は、操作態様によって付与され得る特典が異ならない結果となる。つまり、押し順役としての特定結果では、特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作してしまうと、第1特定処理及び第2特定処理のいずれでも不利な扱いを受ける一方、押し順は付与される特典に関係がない特別結果では、特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作してしまうと、両特定処理のうち、第1特定処理だけで不利な扱いを受ける構成となる。このように、操作態様との付与される特典の優劣とが密接に関連付けられた特定結果と、そうではない特別結果とで、特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作した場合の不利な扱いを設定することで、遊技者の操作によって周回体を停止させて特典を獲得するというスロットマシンの遊技性にマッチした構成とすることが可能となる。
特徴iQ8.前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報を出力する出力手段(主制御装置101による抽選結果コマンド用処理を実行する機能)を備え、
前記出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、予め定められた特定結果情報を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記特定結果情報を出力することを特徴とする特徴iQ1乃至特徴iQ7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各遊技の抽選結果に対応する結果情報を出力する場合、特定結果と特別結果とはいずれも特定結果情報が出力されるようになり、これら特定結果と特別結果とが結果情報の出力用の構成においてグループ化されている構成となる。このようにすることで、かかる結果情報の出力先において、特定結果と特別結果とを区別することができなくなり、例えば、結果情報やその出力先を不正に解析する等して、いずれの結果であるかを特定する行為を行いにくくすることが可能となる。この場合、特定結果と特別結果とを遊技者も区別することができなくする効果も見込め、特定結果と特別結果との関係で、特別結果を特定結果に紛れさせたり、特定結果を特別結果に紛れさせたりする効果が期待できる。但し、このような特定結果に対応する特定報知を行うこと通じて、例えば、特定結果に対して操作態様別の処理を行おうとしているのにも関わらず、特別結果に対してもかかる操作態様別の処理を行わざるを得なくなる事情もある。そこで、特別結果に対しても操作態様別の処理を行うものの、その操作態様別の処理の操作態様による差を、特定結果に対する操作態様別の処理と比較して小さくなるようにすることで、特定結果と特別結果とを区別しにくくさせながらも、本来ならば特定結果のための処置が特別結果に対してまで影響を及ぼさないようにすることが可能となる。
また、上記特徴iQ1乃至特徴iQ8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iQ1乃至特徴iQ8の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iR群>
特徴iR1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典として所定数の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、第1特定結果(例えば、第2特殊押し順ベル)と、第2特定結果(例えば、第1特殊押し順ベル)とが設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果である場合に前記遊技価値付与手段により付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数と、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合に前記遊技価値付与手段により付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数と、が異なる構成であり、
遊技履歴の所定の演算処理を実行可能な履歴手段(主制御装置101による指示込役物比率の算出用の処理を実行する機能)を備え、
前記履歴手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果である遊技における遊技履歴の所定の演算処理として特別処理を実行可能な手段(主制御装置101による3枚超グループとして指示払出カウンタへの加算処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である遊技における遊技履歴の所定の演算処理として前記特別処理を実行しないように構成されることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する数の遊技価値が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、抽選結果として平均的に付与されることが期待できる平均遊技価値数の異なる第1特定結果と第2特定結果とが設定されていることから、遊技者としては、かかる平均遊技価値数の多い側の結果となることへの期待感を寄せながら遊技を行うものと考えられ、各遊技の注目度を好適に高めることが可能となる。
この場合、平均遊技価値数の多い側の結果に当選し易くしたり、平均遊技価値数を多くしたりすることで、より一層の注目度向上効果を見込めるものと考えられるものの、かかる構成は、出玉率の高騰等、遊技性の設計において好ましくない一面もある。
そこで、このような平均遊技価値数が異なる結果同士を、遊技履歴の所定の演算処理では特別処理を行うか否かを異ならせるようにすることで、例えば、どれくらいの割合でこれらの第1特定結果と第2特定結果とが当選となっているかを確認したり、他の結果も含めて付与された遊技価値のうち、第1特定結果や第2特定結果がそれぞれ占める割合を確認したりすることが可能となり、これらの遊技履歴の確認を行いながら、各遊技の注目度向上を好適に図ることが可能となる。
特徴iR2.遊技に利用する遊技媒体を賭数として設定する賭数設定手段(主制御装置101によるベット用の処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定結果についての前記平均遊技価値数は前記賭数よりも多くなるように設定されており、
前記第2特定結果についての前記平均遊技価値数は前記賭数以下となるように設定されていることを特徴とする特徴iR1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果についての平均遊技価値数は賭数よりも多くなるため、第1特定結果となった場合には平均的にみると遊技価値の増加が見込め、第2特定結果についての平均遊技価値数は賭数以下となるため、第2特定結果となった場合には平均的にみると遊技価値の増加が見込めないようになる。このような遊技価値の増加が見込める結果と見込めない結果とを、遊技履歴の所定の演算処理において処理を異ならせるようにすることで、例えば、付与された全体の遊技価値に占める割合を演算する際に、それが全体的に見て遊技価値の増加につながるものであるか否かを区別しながら確認することができ、より好適に遊技履歴の確認を行うことが可能となる。
特徴iR3.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果又は前記第2特定結果である場合、前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により第1数の遊技価値(8枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第1数よりも少ない第2数の遊技価値(1枚のメダル)が付与され得るようになる構成であり、
前記停止操作手段による操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知や、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iR1又は特徴iR2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果と第2特定結果とのいずれか一方は、操作態様によって付与される遊技価値数が異なる所謂押し順役となり、このような操作態様についての態様報知が行われる場合もあるようにしていることから、例えば、態様報知の有無によって付与する遊技価値数を異ならせるような遊技性も創出可能となる。このような、操作態様によって付与する遊技価値数が異なる遊技性は、各遊技の抽選結果に応じて遊技価値を付与するスロットマシン本来の遊技性に付帯する遊技性であると解釈される場合があり、この場合、全体の遊技において当該操作態様による遊技性の占める割合を確認する場合もある。その点、上記のように遊技履歴の所定の演算処理において第1特定結果と第2特定結果とで処理を異ならせるようにしていることから、例えば、その操作態様による遊技において付与された遊技価値数を確認するうえで、押し順役とそうではない役とで別々に管理する等、好適に役立てることが可能となる。
特徴iR4.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果である場合、前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により第1数の遊技価値(12枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第1数よりも少ない第2数の遊技価値(1枚のメダル)が付与され得るようになる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合、前記停止操作手段が第3所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第1数とは異なる第3数の遊技価値(8枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第3所定の操作態様とは異なる第4所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第3数よりも少ない第4数の遊技価値(1枚のメダル)が付与され得るようになる構成であり、
前記停止操作手段による操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知や、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iR1乃至特徴iR3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果と第2特定結果とのいずれもが、操作態様によって付与される遊技価値数が異なる所謂押し順役となり、このような操作態様についての態様報知が行われる場合もあるようにしていることから、例えば、態様報知の有無によって付与する遊技価値数を異ならせるような遊技性も創出可能となる。
しかも、上記構成においては、第1特定結果である場合と第2特定結果である場合とで、正解の操作態様(第1所定の操作態様や第3所定の操作態様)にて操作した場合に付与される遊技価値数(第1数と第3数)が異なっていることから、押し順役を用いた遊技を多様化することができ、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
このような、操作態様によって付与する遊技価値数が異なる遊技性は、各遊技の抽選結果に応じて遊技価値を付与するスロットマシン本来の遊技性に付帯する遊技性であると解釈される場合があり、この場合、全体の遊技において当該操作態様による遊技性の占める割合を確認する場合もある。その点、上記のように遊技履歴の所定の演算処理において第1特定結果と第2特定結果とで特別処理の実行の有無を異ならせるようにしていることから、例えば、押し順役として多い遊技価値数が付与される結果と、それよりも少ない遊技価値数が付与される結果とを分けて管理することが可能となる。
この場合、例えば、少ない遊技価値数が付与される押し順役については、操作態様による遊技性によって付与された遊技価値であっても、比較的、その数は少ないものであることから、操作態様によって多くの遊技価値を付与したり付与しなかったりする、という操作態様による本来の遊技性とは異なるものであり、このような場合には、かかる操作態様による遊技性によって付与された遊技価値とはみなさず、操作態様によらない本来の遊技性によって付与された遊技価値とみなすこともできると考えられる。よって、上記のように、これら第1特定結果と第2特定結果とで、遊技履歴の所定の演算処理において処理を異ならせる(特別処理の実行の有無を異ならせる)ようにしていることから、操作態様による遊技性の確認を行ううえで、かかる操作態様による遊技性の占める割合等を適切に管理することが可能となり、遊技履歴を確認しながら遊技の興趣向上を図るうえで、大いに役立てることが可能となる。
特徴iR5.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果及び前記第2特定結果のいずれか一方である場合、
前記停止操作手段の操作態様のうちの特定の操作態様にて操作した場合と、当該特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作した場合とで、前記遊技価値付与手段により付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数が異なる構成、及び、前記停止操作手段の操作態様のうちの特定の操作態様にて操作した場合と、当該特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作した場合とで、特定処理において有利度が異なる処理が行われる構成、の少なくとも一方であることを特徴とする特徴iR1乃至特徴iR4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果や第2特定結果の少なくとも一方は、特定の操作態様にて操作した場合とそれとは異なる操作態様にて操作した場合とで、平均遊技価値数や特定処理における有利度が異なることとなる所謂偏り役となる。このような偏り役を用いる遊技では、当該偏り役に当選した場合に、所定の報知を行うことで、遊技者に不測の不利益を被らせないようにすることが可能となる。但し、かかる所定の報知は所謂押し順報知のように遊技者に操作態様を指示する報知と解釈される場合があり、この場合、このような押し順報知を利用した遊技の占める割合を管理するうえで、かかる所定の報知を行った遊技についても当該押し順報知を利用した遊技に含める必要性が生じ得る。但し、その平均遊技価値数が少ないものであれば、押し順報知によって多くの遊技価値を付与したり付与しなかったりする本来的な押し順報知の遊技とは異なるものであり、このような結果であれば、上記の所定の報知を行う場合であっても、押し順報知を利用した遊技に含めないようにしてもよいと考えられる。そこで、上記構成のように、平均遊技価値数が異なる第1特定結果と第2特定結果とで、遊技履歴の所定の演算処理において処理を異ならせるようにしていることから、上記のような偏り役において押し順報知を利用した遊技に含めたり含めなかったりすることが可能となり、遊技履歴を確認しながら遊技設計を行ううえで、大いに役立てることが可能となる。
特徴iR6.前記抽選手段による抽選結果が、前記停止操作手段の操作態様のうちの特定の操作態様にて操作した場合と、当該特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作した場合とで、前記遊技価値付与手段により付与されることが平均的に期待できる平均遊技価値数が異なる構成、及び、前記停止操作手段の操作態様のうちの特定の操作態様にて操作した場合と、当該特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作した場合とで、特定処理において有利度が異なる処理が行われる構成、の少なくとも一方である結果である場合、特定報知を実行することが可能な特定報知手段(主制御装置101による偏り役報知や特定表示を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iR5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴iR5において、偏り役である場合に特定報知が行われるようになることから、偏り役であることを遊技者に理解させることができ、不測の不利益を被らせてしまうことを回避することが可能となる。その場合、上記のように、かかる特定報知が押し順報知として解釈される場合もあるところ、平均遊技価値数が異なる第1特定結果と第2特定結果とで、遊技履歴の所定の演算処理において処理を異ならせるようにしていることから、そのように特定報知が押し順報知として解釈されたとしても、それを別々に管理することが可能となり、より遊技設計の好適化を図ることが可能となる。
特徴iR7.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により第1数の遊技価値(8枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記遊技価値付与手段により前記第1数よりも少ない第2数の遊技価値(1枚のメダル)が付与され得るようになる結果が含まれており、
前記停止操作手段による操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知や、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能)を備え、
前記履歴手段は、前記態様報知手段による態様報知が行われた遊技にて付与された遊技価値数を含む第1遊技価値数(指示払出メダル数、役物払出メダル数)と、前記態様報知手段による態様報知が行わない遊技にて付与された遊技価値数を含む第2遊技価値数(指示無し払出メダル数)と、を把握する遊技価値把握手段(主制御装置101による指示有りカウンタや指示なしカウンタに今回の払出枚数を加算する処理を実行する機能)を備え、
前記遊技価値把握手段は、前記態様報知手段による態様報知又は前記特定報知手段による特定報知が行われた遊技であっても、前記平均遊技価値数(期待払出数)が予め定められた特定数(3)以下となる抽選結果を契機として付与された遊技価値である場合、又は、前記平均遊技価値数(期待払出数)が予め定められた特定数(3)以下となることにより、前記特定報知手段による特定報知が前記態様報知手段による態様報知に含まれないこととなる抽選結果を契機として付与された遊技価値である場合、当該遊技価値の数を前記第2遊技価値数に加算することが可能であることを特徴とする特徴iR6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果や第2特定結果の少なくとも一方が、特定の操作態様にて操作した場合とそれとは異なる操作態様にて操作した場合とで、平均遊技価値数や特定処理における有利度が異なることとなる所謂偏り役となる特徴iR5の構成において、態様報知を介した第1遊技価値数と、態様報知を介さない第2遊技価値数とを把握するうえで、平均遊技価値数が特定数以下であれば、態様報知が行われていても、又は、平均遊技価値数が特定数以下であることにより特定報知が態様報知に含まれないとされる場合には、当該ゲームの遊技価値は態様報知を介さない第2遊技価値数に追加される。このようにすることで、例えば特定報知が行われる特定結果の平均遊技価値数が特定数以下であれば第1遊技価値数ではなく第2遊技価値数に追加することが可能となり、平均遊技価値数のことなる第1特定結果と第2特定結果とを遊技履歴の管理を行ううえで別処理を行う意義を生じさせることが可能となる。
特徴iR8.前記第1特定結果は前記平均遊技価値数が前記特定数よりも多くなるように設定されており、
前記第2特定結果は前記平均遊技価値数が前記特定数以下となるように設定されており、
前記履歴手段は、前記遊技価値把握手段により前記第1特定結果を契機として付与された遊技価値を前記第1遊技価値数に加算する処理を前記特別処理として実行する構成であり、
前記遊技価値把握手段により前記第2特定結果を契機として付与された遊技価値を前記第2遊技価値数に加算する処理を実行可能な手段(主制御装置101による3枚以下グループとして指示なしカウンタへの加算処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iR7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴iR7の構成が特徴iR1との関係でより明確化される。
特徴iR9.前記履歴手段は、前記第1遊技価値数と前記第2遊技価値数との割合、又は、前記第1遊技価値数及び前記第2遊技価値数に対する前記第1遊技価値数の割合を算出する算出手段(主制御装置101による指示込役物比率の算出処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iR7又は特徴iR8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴iR7のように第1遊技価値数と第2遊技価値数とを把握管理したうえで、第1遊技価値数の割合を算出して遊技履歴が管理される。よって、態様報知を介した遊技と、態様報知を介さない遊技との割合を分かりやすく管理することが可能となる。
特徴iR10.前記算出手段により算出された結果を報知する手段(役比モニタ77)を備えていることを特徴とする特徴iR9に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知を介した遊技と、態様報知を介さない遊技との割合が報知されることから、かかる報知の内容を確認することで、遊技履歴を確認することが可能となる。
なお、上記特徴iR1乃至特徴iR10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iR1乃至特徴iR10の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴iS群>
特徴iS1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記停止操作手段が第1所定の操作態様(第1操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により第1特典(13枚のメダル)が付与され得るようになり、前記停止操作手段が前記第1所定の操作態様とは異なる第2所定の操作態様(第2操作態様)にて操作された場合に対応する絵柄組合せが停止して前記特典付与手段により前記第1特典(1枚のメダル)が付与され得るようになる特定結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記停止操作手段の操作態様についての態様報知を所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知演出を実行する機能、表示制御装置81による各チャレンジ報知演出を実行する機能)と、
前記態様報知手段による態様報知、又はそれとは異なる手段による前記停止操作手段の操作態様に関する報知が実行されない遊技であることに対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(主制御装置101による偏り役報知や特定表示を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1所定の操作態様にて操作した場合には第1特典が付与され、停止操作手段を第2所定の操作態様にて操作した場合には第1特典よりも不利となる第2特典が付与される特定結果が設定されており、これら操作態様に関する態様報知が実行される場合があるため、かかる態様報知によって、遊技者の操作態様を指示することを通じて、多くの特典を付与するという遊技性を創出される。
しかも、このような操作態様に関する態様報知等が実行されない遊技においては、かかる遊技であることに対応する特定報知が行われるため、例えば、態様報知等が行われない遊技であるのにも関わらず、不正に態様報知等を行わせる等の行為が行われた場合、かかる行為を特定報知を通じて好適に特定することが可能となる。
よって、このような不正行為を抑止し、態様報知による遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
特徴iS2.遊技状態として、通常状態(通常区間)と、当該通常状態よりも前記態様報知手段による態様報知の実行頻度が高くなる特定状態(有利区間)とが設定されており、
前記特定報知手段は、前記特定状態において前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iS1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知の実行頻度が高くなる特定状態において、態様報知等が実行されない遊技では特定報知が行われるため、正規の態様報知に紛れて不正な態様報知を行わせる行為を、特定報知を通じて好適に特定することが可能となる。
特徴iS3.遊技状態として、通常状態(通常区間)と、当該通常状態よりも前記態様報知手段による態様報知の実行頻度が高くなる特定状態(有利区間)とが設定されており、
前記特定報知手段は、前記通常状態において前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iS1又は特徴iS2に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知の実行頻度が低い通常状態において不正な態様報知を行わせる行為を、特定報知を通じて好適に特定することが可能となる。
特徴iS4.前記通常状態では消灯状態とされる一方、前記特定状態では点灯状態とされる又は前記特定状態において点灯条件が成立した場合に点灯状態とされる特別手段(区間表示器としての右第8表示用セグメントNa8)を備えていることを特徴とする特徴iS2又は特徴iS3に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知の実行頻度が高くなる特定状態と、実行頻度が低くなる通常状態とを特別手段の点灯の有無によって明確に把握することが可能となる。このようにすることで、実行されている態様報知が正規のものなのか否かを、特定報知手段による特定報知と特別手段の点灯の有無とによってより明確に把握することが可能となり、不正行為の特定を好適に行うことができるようになる。
特徴iS5.前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である遊技において前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iS1乃至特徴iS4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様によって得られる特典が異なる特定結果であって、態様報知が実行されない結果である場合に、特定報知が行われる。このようにすることで、特定報知の実効性を担保することが可能となる。
特徴iS6.前記特定報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とは異なる特別結果である遊技において前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iS1乃至特徴iS5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様によって得られる特典が異なる特定結果とは別の結果において、態様報知等が実行されない遊技であることに対応する特定報知が行われる。このようにすることで、例えば、特徴iS5のように態様報知が行われる場合があるような特定結果だけでなく、態様報知が行われ得ない特別結果についても、特定報知が行われることを通じて、特定報知が行われていない遊技にて態様報知が行われる構成とすることも可能であり、特定報知が結果によって実行されたり実行されなかったりすることを通じて、特定報知を介して不正を発見しにくくなることや、特定報知の実行の有無を通じて抽選結果が丸わかりとなってしまう不都合を好適に回避することが可能となる。
特徴iS7.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記停止操作手段が特定の操作態様にて操作された場合の方が、前記停止操作手段が前記特定の操作態様とは異なる操作態様にて操作された場合よりも特定処理(停止時AT抽選用処理)において有利となるように処理を実行可能とする特定手段(主制御装置101による停止時AT抽選用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴iS6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果は、操作態様によって特典が変化する結果ではないものの、操作態様による特定処理に関して優劣がある構成となる。この場合、かかる特別結果について態様報知が実行される場合もあるし、それを不正に行わせることも考えられ、当該特別結果となった遊技において特定報知を行うことの意義が高められる。
特徴iS8.前記抽選手段による抽選結果に対応する結果情報を出力する出力手段(主制御装置101による抽選結果コマンド用処理を実行する機能)を備え、
前記出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、予め定められた特定結果情報を出力し、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とは異なる特別結果である場合、前記特定結果情報を出力する構成であり、
前記特定報知手段は、前記出力手段により前記特定結果情報が出力される場合、前記特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴iS1乃至特徴iS7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果と特別結果とがグループ化されて特定結果情報として出力される構成において、かかるグループ化された特定結果情報が出力される場合には、特定報知が行われる構成となる。このようにすることで、特定報知が特定結果だけでなく特別結果であっても実行されるようになることから、特定報知を通じて特別結果ではないことが丸わかりになってしまう不都合を好適に回避することができるし、更に、特定報知を行ううえで、特定結果であって態様報知が行われない遊技と、特別結果であって態様報知が行われない遊技とを、把握して特定報知を実行するよりも、上記のグループ化された特定結果情報が出力されることを把握して特定報知を実行する方が処理構成の簡素化が図られる。
なお、上記特徴iS1乃至特徴iS8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴iS1乃至特徴iS8の各構成に対して、特徴iA1乃至特徴iA15、特徴iB1乃至特徴iB8、特徴iC1乃至特徴iC10、特徴iD1乃至特徴iD9、特徴iE1乃至特徴iE10、特徴iF1乃至特徴iF11、特徴iG1乃至特徴iG9、特徴iH1乃至特徴iH19、特徴iI1乃至特徴iI14、特徴iJ1乃至特徴iJ11、特徴iK1乃至特徴iK11、特徴iL1乃至特徴iL8、特徴iM1乃至特徴iM15、特徴iN1乃至特徴iN7、特徴iO1乃至特徴iO8、特徴iP1乃至特徴iP9、特徴iQ1乃至特徴iQ8、特徴iR1乃至特徴iR10、特徴iS1乃至特徴iS8のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以上詳述した特徴iA群乃至特徴iS群の各構成に対して、他の特徴a群乃至特徴n群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴j群>
以下の特徴jA群乃至特徴jF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第10jの実施形態、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴jA群>
特徴jA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第2結果とを有し、
前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を特定報知手段(払出枚数表示部62)にて実行可能な態様報知実行手段(主制御装置101による各押し順情報等に基づく押し順報知を実行する機能、表示制御装置81による押し順報知コマンドに基づく押し順報知演出を実行する機能)と、
予め定められた特定事象が生じていることの特定判定を実行する特定判定手段(例えば、主制御装置101によるセンサ監視処理や、開始待ち処理、メダル払出処理、抽選乱数取得処理等において各種エラーが発生していることの判定を行う機能や、投入メダル検出装置86、払出メダル検出装置95、乱数生成装置107による対応する処理を実行する機能、主制御装置101によるエラー判定処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による前記特定判定の結果が前記特定事象が生じていることに対応する対応結果である場合、当該特定事象が生じていることに対応する特定報知を前記特定報知手段にて実行する特定報知実行手段(主制御装置101によるセグメントデータ設定処理にてエラー報知を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記態様報知実行手段による前記態様報知が実行される特定状況において前記特定事象が生じた場合、前記特定報知実行手段は、当該態様報知の後で、当該特定事象に対応する前記特定報知を実行することが可能な特定手段(主制御装置101による開始待ち処理のエラー判定処理にてエラー報知を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体を停止させる停止操作手段の停止操作態様によって第1結果入賞となったり、第2結果入賞となったりする結果が設定されており、これらの停止操作態様に関する態様報知が行われる場合があり、態様報知の有無によって入賞の有無を変化させて有利度を異ならせる遊技性が創出される。
また、本遊技機では、態様報知が行われる特定報知手段にて、特定事象が生じていることに対応する特定報知が行われる場合があるようにしていることから、態様報知用の報知手段と特定報知用の報知手段とを特定報知手段にて共用する構成となり、部材点数の削減を図るとともに、限られた領域において複数の報知手段を設けることによって別の演出領域等を圧迫してしまうといったような不都合を生じさせないようにすることができる。
しかも、態様報知の実行中である特定状況において特定事象が生じた場合、当該特定事象に対応する特定報知は態様報知の後で実行されるようにしていることから、特定報知によって態様報知がかき消されてしまい、遊技者が停止操作手段の停止操作態様がわからなくなってしまう、という不都合を生じさせないようにすることができる。よって、態様報知と特定報知との報知手段の共用化を図りながらも、態様報知による遊技性を好適に担保することができる。
なお、上記の「特定事象」は、例えば、「所定の異常を含む特定事象」と表現することも可能であり、更に、「遊技媒体が所定箇所に滞留している事象(投入メダル滞留エラーや払出メダル滞留エラー)」や、「予め定められた契機事象が所定状況(受入可能状態やメダル払出処理)以外で生じる事象(投入タイミングエラーや払出タイミングエラー)」や、「予め定められた特定範囲の数値となるように設定される特定情報が、当該特定範囲外の数値となる事象(乱数異常エラー)」と限定してもよく、この点は他の特徴や他の特徴群においても同様である。
特徴jA2.前記特定手段は、当該特定状況となったゲームの結果として前記特典付与手段による特典が付与された後で、前記特定報知を実行することが可能となっていることを特徴とする特徴jA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知の実行中に特定事象が生じた場合、当該態様報知に従って停止操作手段を操作して各周回体を停止させた後であって、更に、その結果として特典付与手段による特典が付与された後で、特定事象の発生に対応する特定報知が実行されることになる。このようにすることで、特定事象が生じたことによって態様報知が不明となってしまう事象を回避するだけではなく、当該態様報知に従った遊技の結果として付与されるはずの特典が、特定報知が実行されることによってその付与が遅れたり、その付与タイミングが特定報知と重複する等して、当該特典が消滅してしまったと勘違いさせないようにすることも可能となる。
特徴jA3.前記特典付与手段は、前記特典として所定数の遊技媒体の払出を実行可能な払出手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jA2に記載の遊技機。
上記構成は、特徴jA2の具体的構成であり、このように特典として所定数の遊技媒体が払い出される場合において、特定報知によって遊技媒体の払出に気付きにくくなったり、逆に、当該遊技媒体の払出音(遊技媒体同士の衝突音や、払出装置の駆動音の他、払出用の効果音や払出演出)によって特定報知が把握しにくくなったりする不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴jA4.前記払出手段による遊技媒体の払出に対応する払出報知を実行する払出報知手段(主制御装置101による払出枚数表示部62にメダル払出枚数の表示を行わせる処理を実行する機能)を備え、
前記払出報知手段は、前記特定報知手段にて前記払出報知を実行可能であることを特徴とする特徴jA3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知手段は、態様報知と特定報知とが行われるだけではなく、払出報知も実行される構成となり、更なる部材点数の削減を図ることが可能となる。しかも、特定報知は、遊技媒体の払出が終了してから実行されることから、特定報知手段による払出報知と特定報知が重複して実行される事象も回避することが可能となる。
特徴jA5.前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により再遊技が付与される再遊技結果が設定されており、
前記特典付与手段は、前記特典として再遊技を付与する再遊技手段(主制御装置101による再遊技状態設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jA2乃至特徴jA4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は、特徴jA2の具体的構成であり、このように特典として再遊技が付与される場合において、特定報知によって当該再遊技に設定されたことを気付かずに、遊技者が新たな賭数を設定しようとしたりしてしまう、といった無駄な操作を行わせないようにすることができる。
特徴jA6.前記特定手段は、前記特定事象が発生している状態から当該特定事象が発生していない状態とするための、若しくは前記特定事象に対応する前記特定報知を終了させるための特定操作(エラー解除操作)を行うことが可能となる又は当該特定操作が有効となる状況となってから、前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が生じて特定報知が実行されても、当該特定事象を解消したり特定報知を終了させることができない状況をなるべく少なくすることが可能となる。よって、特定報知が開始された場合に、速やかにその解除等の特定操作を行わせることが可能となる。
特徴jA7.前記特定判定手段は、前記特定状況において前記特定判定を実行可能であり、
前記特定判定手段による前記特定判定の結果を記憶可能な結果記憶手段(主制御装置101における第1エラーカウンタ)を備えていることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況においても特定事象が生じていることの特定判定が可能となっており、しかも、当該特定判定の結果を記憶しておけば、事後的に特定報知を実行する場合において、再度、特定判定を実行する必要が生じないし、例えば、当該特定報知の実行時に特定判定の結果が対応結果とは異なる結果となっていたとしても、特定報知を実行するような構成とすることも可能となる。よって、特定報知をよりスムーズに実行することが可能となる。
特徴jA8.前記結果記憶手段に前記特定事象が生じていることに対応する結果が記憶されている場合、前記特定報知実行手段により前記特定報知が実行されることを制限可能な制限手段(主制御装置101において第2エラーカウンタへのアクセス制限を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jA7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定判定によって特定事象が生じていることが特定されてその結果が結果記憶手段に記憶された場合であっても、制限手段によって特定報知の実行が制限されることから、特定判定自体は特定状況か否かに関わらず実行するようにしても、制限の有無だけで特定報知の実行タイミングを調節することが可能となり、比較的簡素な構成にて特定報知と態様報知との実行タイミングをずらすことができる。
特徴jA9.前記特定報知実行手段は、予め定められた特定領域(第2エラーカウンタ)に特定情報(エラー種別に対応する値)が入力された場合、前記特定報知を実行する構成であり、
前記制限手段は、前記結果記憶手段に前記特定事象が生じていることに対応する結果が記憶されている場合に前記特定領域へ前記特定情報が入力されることを制限することが可能であることを特徴とする特徴jA8に記載の遊技機。
上記構成によれば、結果記憶手段にて特定事象の発生を記憶し、その記憶された情報が特定領域に特定情報として入力されることで特定報知が実行される構成において、制限手段は、当該特定領域に特定情報が入力されることを制限する。このように、特定事象の発生に対応する情報と、特定報知用の情報とを別々に管理することで、特定事象の発生タイミングと特定報知の実行タイミングとを容易にずらすことが可能となる。
特徴jA10.前記特定判定手段による前記特定判定の結果が前記対応結果である場合、前記特定報知実行手段による前記特定報知の実行を制限可能な手段(主制御装置101による第2エラーカウンタへのアクセス制限を行うことによりエラー報知が行われないようにする機能)を備えていることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定判定によって特定事象が生じていることが特定された場合であっても、制限手段によって特定報知の実行が制限されることから、特定判定自体は特定状況か否かに関わらず実行するようにしても、制限の有無だけで特定報知の実行タイミングを調節することが可能となり、比較的簡素な構成にて特定報知と態様報知との実行タイミングをずらすことができる。
特徴jA11.前記特定判定手段による前記特定判定は、前記特定状況では実行されない又は実行されにくいように設定されている(例えば、第1エラーカウンタにエラー情報を入力する入力処理と、当該第1エラーカウンタにエラー情報が入力されていることの判定処理のうち、入力処理はタイマ割込み処理内で実行され得る一方、判定処理は開始待ち処理等にて行う)ことを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況にて特定事象が生じても、当該特定状況では特定判定が行われないことから、当該特定判定の結果が対応結果となって特定報知が実行される事象は生じない。このようにすることで、比較的簡素な構成にて、特定報知と態様報知とが重複してしまう事象を回避することが可能となる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記特定状況において、前記特定判定手段による前記特定判定の実行を制限する手段を備えている」。
特徴jA12.前記特定事象の契機となる契機事象が生じていることの契機判定を実行する契機判定手段(投入メダル検出装置86による投入センサ用処理を実行する機能や、払出メダル検出装置95による払出センサ用処理を実行する機能等)を備え、
前記特定判定手段は、前記契機判定手段による前記契機判定の結果が前記契機事象が生じていることに対応する結果である場合、前記契機事象を契機として前記特定事象が生じていることの前記特定判定を実行可能であり、
前記契機判定手段は前記特定状況において前記契機判定を実行可能である一方、前記特定判定手段は前記特定状況において前記特定判定の実行が制限される又は前記特定判定を前記特定状況とは異なる状況において実行するように設定されていることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知の実行中である特定状況において、特定事象の契機となる契機事象の契機判定は実行される一方、特定事象の特定判定は実行されないように設定されていることから、例えば、特定判定の結果が対応結果となった場合に、直ちに特定報知を実行する構成としても、特定状況にて特定報知が実行されないようにすることが可能となる。よって、特定判定から特定報知に至るまでの構成を比較的簡素な構成としながらも特定状況にて特定報知が行われないようにすることができる。
特徴jA13.前記特定判定手段は、前記特定状況で前記契機事象が生じた場合、前記特定事象が生じたと判定する一方、前記特定状況とは異なる状況で前記契機事象が生じた場合、前記特定事象が生じたと判定しないことが可能であることを特徴とする特徴jA12に記載の遊技機。
上記構成は特徴jA12の具体的構成であり、このようにすることで、特定判定手段において契機事象が生じた際に特定状況か否かを判定するだけで特定事象の発生を特定可能となり、比較的簡素な構成にて特定判定を行うことが可能となる。
特徴jA14.少なくとも前記特定報知実行手段を備える第1装置(主制御装置101)と、
前記契機判定手段及び前記特定判定手段を備える第2装置(投入メダル検出装置86、払出メダル検出装置95)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、前記特定判定手段による判定結果が前記対応結果である場合に前記第2装置から前記第1装置に出力される特定情報(各種エラー信号)に基づいて、前記特定報知を実行することを特徴とする特徴jA12又は特徴jA13に記載の遊技機。
上記構成のように、特定報知実行手段を備える第1装置と、契機判定手段や特定判定手段を備える第2装置とを、別々の装置とすることで、機能の分散化によって処理負荷の増大化を解消することが可能となる。
特徴jA15.前記第2装置は前記駆動制御手段と接続されており、前記駆動制御手段による駆動制御が行われていることの情報を把握可能であることを特徴とする特徴jA14に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2装置が備える特定判定手段や契機判定手段は、特定状況において特定事象や契機事象が生じたことと、特定状況ではない状況で特定事象や契機事象が生じたこととを区別することが可能となる。このようにすることで、特定報知実行手段を備える第1装置側ではなく、第2装置側で特定判定手段等を備える構成としたことの実効性を高めることが可能となる。
特徴jA16.前記特定判定手段は、前記特定状況において前記特定情報を出力した後、前記特定状況が終了した後においても当該特定情報を出力可能となっていることを特徴とする特徴jA14又は特徴jA15に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況において特定事象が生じた場合に、特定報知実行手段側では、特定状況が終了した後(態様報知が終了した後)で特定報知を実行するところ、特定事象が生じたことの特定情報は特定状況後も出力されるものであることから、特定報知実行手段側で、特定状況にて特定事象が生じたことを特定状況後まで記憶しておく必要が生じず、特定状況後に特定情報が出力されていれば特定報知を実行すればよくなる。よって、特定報知実行手段を有する第1装置側の処理負荷を圧倒的に軽減することが可能となる。
特徴jA17.前記第1装置は、前記態様報知実行手段を有していることを特徴とする特徴jA14乃至特徴jA16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1装置では特定報知だけではなく態様報知も実行する構成となり、各機能をそれぞれの装置で分散化したことの効果をより好適に奏することが可能となる。
特に、特定状況では第1装置では態様報知を実行していることとなり、仮に第2装置側からの特定事象が生じていることの情報(特定情報)を受信していても、それを記憶する処理を追加することは態様報知用の処理と処理が重複することとなり好ましくない。その点、特徴jA16のように、特定情報が特定状況後も出力される構成とすることで、各装置で処理の分散化を図りながら、第1装置側の処理負荷を好適に低減することが可能となる。
特徴jA18.前記特定報知実行手段は、前記駆動制御手段による駆動制御が行われており、且つ前記態様報知実行手段による態様報知が実行されていない状況で前記特定事象が生じた場合、当該状況で前記特定報知を実行することが可能な手段(図925(b))を備えていることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、各周回体が周回していても特定報知手段にて態様報知が実行されていなければ、特定事象が生じた場合に特定報知を実行するようにすることで、態様報知との重複を避けながらも、より早期に特定事象が生じていることを遊技者や遊技ホールの管理者等に知らせることが可能となる。
特徴jA19.前記特定報知実行手段は、前記駆動制御手段による駆動制御が行われている状況で前記特定事象が生じた場合、前記態様報知実行手段による態様報知が実行されていない場合であっても、当該特定事象に対応する前記特定報知を、前記駆動制御手段による駆動制御が終了した後で実行することを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、各周回体の周回中であれば、特定報知手段にて態様報知が実行されていなくても、特定事象が生じた場合に特定報知を後で行うようにことで、態様報知の有無を判断しながら特定報知を行わせるようにすることの処理を省略することができ、処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
特徴jA20.前記特定報知が実行されている状況で、予め定められた特定操作(エラー解除操作)が行われた場合に当該特定報知を終了させる手段(主制御装置101による例えばステップSj3504にて肯定判定してステップSj3505~ステップSj3507の処理を実行する機能)を備え、
前記特定操作は、前記駆動制御手段による駆動制御が行われていない状況で有効とされることを特徴とする特徴jA19に記載の遊技機。
上記構成のように、駆動制御手段による駆動制御が終了した後でなければ特定報知を終了させる特定操作が有効とされないのであれば、結局は駆動制御手段による駆動制御の終了後まで特定報知は実行されていることとなり、特徴jA18のようにしても、特定報知の実効性を消失させることにはつながりにくい。
特徴jA21.前記特定状況において前記特定事象が生じた場合、前記特定報知手段とは異なる特別報知手段(クレジット表示部60、補助表示部65)にて当該特定事象に対応する特別報知を実行することが可能な特別手段(主制御装置101によるステップSj5407等の処理や、表示制御装置81によるエラーコマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA20のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が生じた場合に態様報知が実行されていて、当該特定事象の発生に対応する特定報知の実行が待機される場合であっても、当該特定事象の発生に対応する特別報知は特定報知手段とは別の特別報知手段にて実行されることから、態様報知と特定事象の発生に対応する特別報知(特定報知)とを両立させながら、特定事象の発生をより早期に知らしめることが可能となる。
特徴jA22.前記特別報知手段にて前記特別報知とは異なる報知を実行する手段(主制御装置101によるクレジット表示部60にてクレジット数の表示を行わせる処理を実行する機能、表示制御装置81による補助表示部65にて各種演出を行わせる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jA21に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知手段だけではなく、特別報知手段も他の報知と報知手段を共用する構成となり、特別報知手段にて特別報知を行う構成としても、遊技機構成部品の増加を招くことがない。よって、特定事象の発生をより早期に知らしめる構成としながらも、特徴jA1の効果を奏することが可能となる。
特徴jA23.前記特別手段は、前記特別報知手段にて前記特別報知を実行する場合、前記特定状況後も当該特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴jA21又は特徴jA22に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況の終了後、特定報知が特定報知手段にて行われる場合、特別報知手段でも特別報知が継続される構成となる。このようにすることで、特定事象の発生が複数の報知手段にて報知されることとなり遊技者等に特定事象の発生をより好適に知らせることが可能となる。
なお、上記特徴jA1乃至特徴jA23に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴jA1乃至特徴jA23の各構成に対して、特徴jA1乃至特徴jA23、特徴jB1乃至特徴jB10、特徴jC1乃至特徴jC10、特徴jD1乃至特徴jD9、特徴jE1乃至特徴jE9及び特徴jF1乃至特徴jF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴jB群>
特徴jB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
遊技媒体を投入可能な投入手段(メダル投入口45)と、
前記投入手段(メダル投入口)に遊技媒体が投入された場合、遊技の賭数を設定することが可能な賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を実行可能な払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記払出手段により払い出される遊技媒体の数を特定報知手段(払出枚数表示部62)にて報知する払出数報知手段(主制御装置101による払出枚数表示部62にメダル払出枚数の表示が行われるようにする処理を実行する機能)と、
前記投入手段に投入された遊技媒体、又は前記払出手段により払い出される若しくは払い出された遊技媒体を検出可能な遊技媒体検出手段(投入CPU86c、払出CPU95c)を有する第1装置(投入メダル検出装置86、払出メダル検出装置95)と、
前記払出数報知手段を有する第2装置(主制御装置101)と、
を備え、
前記遊技媒体検出手段は、対応する検出センサ(第1投入メダル検出センサ86a、第2投入メダル検出センサ86b、第1払出メダル検出センサ95a、第2払出メダル検出センサ95b)が第1状態(ON状態)である場合に遊技媒体を検出しているとし、前記対応する検出センサが前記第1状態とは異なる第2状態(OFF状態)である場合に遊技媒体を検出していないとする構成であり、
前記第1装置は、
各前記周回体が停止している状況で前記対応する検出センサが前記第1状態となった場合、第1情報(各メダル検出センサの検出信号)を前記第2装置へ出力する第1手段(投入CPU86cや払出CPU95cによりメダルを検出した場合の検出信号をHI状態とする処理を実行する機能)と、
各前記周回体が周回している状況で前記対応する検出センサが第1状態となった場合、前記第1情報とは異なる第2情報(各エラー信号)を前記第2装置へ出力することが可能な第2手段(投入CPU86cや払出CPU95cにより各エラー信号をHI状態とする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば払出手段により遊技媒体の払出が行われるといった所謂スロットマシンにおいて、遊技者により投入され賭数の設定に用いられる遊技媒体は遊技媒体検出手段により検出され、払い出される遊技媒体も遊技媒体検出手段により検出され、その枚数が管理される。そして、払い出される遊技媒体は、払出数報知手段にて報知されることから、自らが投入した数と払出数とを遊技者が明確に把握することが可能となる。
しかも、遊技媒体検出手段を有する第1装置と、払出数報知手段を有する第2装置とを、別々の装置としたことから、遊技機の機能が複数の装置に分散化され、処理集中による処理エラー等の発生を好適に回避することが可能となっている。
そのうえで、遊技媒体検出手段は、周回体が停止している状況で遊技媒体が投入されたり払い出されたりした場合に第1情報を第2装置側へ出力し、周回体が周回している状況で遊技媒体が投入されたり払い出されたりした場合に第2情報を第2装置側へ出力する構成としている。賭数の設定のために遊技媒体が投入されたり、特典として遊技媒体が払い出される場合は、当然、周回体が停止しており、周回体が周回している最中に遊技媒体が検出される場合とは、例えば、投入口や払出口に遊技媒体が詰まっていたり、不正に遊技媒体の払出を発生させようとしたりする等の異常が発生している可能性が高い。そして、本遊技機では、上記のような異常を、第2装置側ではなく第1装置側で把握可能とし、第2装置側では、その出力情報に基づいて、正規な検出か否かを判定すればよく、より一層、第2装置側の処理負荷を軽減することができる。よって、主に第2装置側で進行される遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
特徴jB2.前記第2装置は、前記第2情報を受信した場合、予め定められた特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101によるエラー判定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2情報を受信した場合に、異常が発生した場合の異常用の処理として特定処理を実行する構成としておけば、第1装置にて検出した異常に適切に対処することが可能となる。
特徴jB3.前記第2装置は、前記第2情報を受信した場合、前記周回体が停止するまで前記特定処理手段による特定処理の実行を待機させることが可能となっている(主制御装置101による開始待ち処理にてエラー判定処理を行うように設定された通常処理の処理順序)ことを特徴とする特徴jB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、周回体の周回中に遊技媒体を検出したことに対応する第2情報が出力されると、当該第2情報に基づく特定処理の実行は周回体が停止してから実行されることになる。このようにすることで、周回体の周回中といった、遊技進行において最も処理が集中するタイミングで特定処理を実行しないようにすることができ、処理負荷の増大化によって特定処理による適切な異常対処ができなくなってしまう等の不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴jB4.前記第2手段は、前記第2情報を出力した場合、前記周回体が停止した後であっても、当該第2情報の出力を継続することが可能であることを特徴とする特徴jB1乃至特徴jB3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、周回体の周回中に遊技媒体を検出した場合、第2情報を出力し、その後、周回体が停止しても第2情報を出力し続けるため、例えば、特徴jB3のように第2装置側で周回体の停止まで特定処理の実行を待機するような構成においては、周回中に第2情報を受信していたことを記憶しておく必要がなく、周回体が停止した後で、第2情報が出力されていることに基づいて特定処理を実行すればよくなり、第2装置側の構成の簡素化が図られるし、第1装置側においても、第2情報の出力後に当該出力を停止するための構成を用意する必要がなくなり、第1装置側の構成の簡素化も図ることが可能となる。
特徴jB5.前記第2手段は、前記払出手段により遊技媒体が払い出されている状況で、前記遊技媒体検出手段のうちの前記投入手段に投入された遊技媒体を検出可能な投入遊技媒体検出手段(投入CPU86c)に対応する検出センサ(第1投入メダル検出センサ86a、第2投入メダル検出センサ86b)が前記第1状態となった場合、前記第2情報を前記第2装置に出力することが可能であることを特徴とする特徴jB1乃至特徴jB4のいずれか1に記載の遊技機。
一般的には、遊技媒体の払出中に、投入口から遊技媒体を投入すると、通常は対応する検出センサには検出されず所定の排出口から排出されるところ、このような払出中に投入遊技媒体検出手段に対応する検出センサにて遊技媒体等が検出された場合とは、不正に遊技媒体等を投入しようされた等の異常が発生している可能性が高い。そこで、上記構成では、このような場合にも、第2情報を第2装置へ出力する構成としたことで、第2装置側で当該異常への適切な対処(特徴jB2)を行うことが可能となる。
特徴jB6.前記第1手段は、前記払出手段により遊技媒体が払い出されている状況で、前記遊技媒体検出手段のうちの前記払出手段により払い出される又は払い出された遊技媒体を検出可能な払出遊技媒体検出手段(払出CPU95c)に対応する検出センサ(第1払出メダル検出センサ95a、第2払出メダル検出センサ95b)が前記第1状態となった場合、前記第1情報を前記第2装置に出力することが可能であることを特徴とする特徴jB1乃至特徴jB5のいずれか1に記載の遊技機。
上記のように、払出手段から遊技媒体が払い出されている最中に、払出遊技媒体検出手段により遊技媒体が検出されることは通常であることから、第1情報が出力される。このようにすることで、特に、特徴jB5のように、払出中に第2情報が出力される場合もある構成において、異常の発生を第2装置側で適切に把握することが可能となる。
特徴jB7.前記第2装置は、
前記停止操作手段の操作態様に関する態様報知を実行する態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を行うための処理を実行する機能)と、
前記第2情報を受信した場合、予め定められた特定報知を実行するための特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101によるエラー判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記態様報知と前記特定報知とが、共通の報知手段にて実行され得ることを特徴とする特徴jB1乃至特徴jB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように態様報知が行われる場合、遊技者はその態様報知に従って停止操作手段を操作するであろうところ、上記構成では、かかる態様報知と第2情報を受信した場合の異常用の特定報知とが、共通の報知手段にて実行されるようにしたことから、部材点数の削減を図るとともに、限られた領域において複数の報知手段を設けることによって別の演出領域等を圧迫してしまうといったような不都合を生じさせないようにすることができるし、上記のように遊技者が操作態様を把握しようと注目するであろう報知手段にて特定報知が行われるようにすることで、当該特定報知が見逃される事象を好適に回避させることが可能となれる。
特徴jB8.前記第2装置は、前記第2情報を受信した場合、前記周回体が停止するまで前記特定処理手段による特定処理の実行を待機させることが可能となっている(主制御装置101による開始待ち処理にてエラー判定処理を行うように設定された通常処理の処理順序)ことを特徴とする特徴jB7に記載の遊技機。
上記構成によれば、周回体の周回中に遊技媒体を検出したことに対応する第2情報が出力されると、当該第2情報に基づく特定報知用の特定処理の実行は周回体が停止してから実行されることになる。このようにすることで、特徴jB7のように停止操作手段の操作態様に関する態様報知が実行されている状況で、当該態様報知と報知手段を共用する特定報知が行われないようにすることができ、態様報知から特定報知に切り替えて実行することによる遊技者の混乱や、態様報知用の情報の消失等の不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴jB9.前記第2装置は、前記第2情報を受信した場合、予め定められた特定報知を実行するための特定処理を実行する特定処理手段(主制御装置101による投入センサ監視処理や払出センサ監視処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知は、前記特定報知手段にて実行され得ることを特徴とする特徴jB1乃至特徴jB8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の払出数の報知と、第2情報を受信した場合の異常用の特定報知とがいずれも特定報知手段にて実行される構成となり、部材点数の削減を図るとともに、限られた領域において複数の報知手段を設けることによって別の演出領域等を圧迫してしまうといったような不都合を生じさせないようにすることができる。
特に、特定報知手段では、遊技媒体の払出数が報知され、更に当該払出に基因する異常等の特定報知も実行されることから、遊技者や遊技ホールの管理者が、その異常の発生箇所を直感的に理解し易くなり、特定報知の実効性を好適に高めることができる。
また、特徴jB7に本構成を適用すると、遊技媒体の払出数の報知と、第2情報を受信した場合の異常用の特定報知とだけでなく、停止操作手段の操作態様に関する態様報知についても、特定報知手段にて実行される構成となり、更なる部材点数の削減等の効果を期待できる。
特徴jB10.前記第1装置は、前記遊技媒体検出手段に対応する検出センサが第1状態となった後、予め定められた所定期間が経過しても当該対応する検出センサが第2状態とならない又は別の検出センサが第1状態とならない場合、前記第2情報(各エラー信号)を前記第2装置へ出力することが可能な第3手段(投入CPU86cによる期間経過に基づく投入タイミングエラー信号や投入メダル滞留エラー信号をHI状態とする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jB1乃至特徴jB9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体検出手段を有する第1装置では、周回体の周回中に遊技媒体を検出等した場合だけではなく、遊技媒体等の検出後、所定期間が経過してもその遊技媒体が通過しない等の異常も把握することが可能となり、この場合も、第2情報を第2装置へ出力する。このようにすることで、従来であれば第2装置側で実行していた処理等を第1装置側に委ね、機能の分散化により、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
なお、上記特徴jB1乃至特徴jB10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴jB1乃至特徴jB10の各構成に対して、特徴jA1乃至特徴jA23、特徴jB1乃至特徴jB10、特徴jC1乃至特徴jC10、特徴jD1乃至特徴jD9、特徴jE1乃至特徴jE9及び特徴jF1乃至特徴jF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴jC群>
特徴jC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた所定報知(押し順報知、メダル払出枚数の表示)を特定報知手段(払出枚数表示部62)にて実行可能な所定報知実行手段(主制御装置101による払出枚数表示部62にて押し順報知やメダル払出枚数の表示を実行する機能)と、
予め定められた特定事象が生じていることの特定判定を実行する特定判定手段(例えば、主制御装置101によるセンサ監視処理や、開始待ち処理、メダル払出処理、抽選乱数取得処理等において各種エラーが発生していることの判定を行う機能や、投入メダル検出装置86、払出メダル検出装置95、乱数生成装置107による対応する処理を実行する機能、主制御装置101によるエラー判定処理を実行する機能)と、
前記所定報知実行手段による前記所定報知が実行される特定状況において、前記特定事象として第1特定事象(例えば、投入タイミングエラー)が生じた場合、当該所定報知の後で当該第1特定事象が生じていることに対応する第1特定報知を前記特定報知手段にて実行する第1特定報知実行手段(主制御装置101によるセグメントデータ設定処理にて第1種エラーに対応するエラー報知を行うための処理を実行する機能)と、
前記特定状況において、前記特定事象として前記第1特定事象とは異なる第2特定事象(例えば、払出メダル滞留エラー、遊技メダル払出装置エンプティエラー)が生じた場合、当該所定報知の終了を待たずに、当該第2特定事象が生じていることに対応する第2特定報知を前記特定報知手段にて実行する第2特定報知実行手段(主制御装置101によるセグメントデータ設定処理にて第2種エラーに対応するエラー報知を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、所定報知が行われる特定報知手段にて、特定事象が生じていることに対応する各特定報知が行われる場合があるようにしていることから、所定報知用の報知手段と各特定報知用の報知手段とを特定報知手段にて共用する構成となり、部材点数の削減を図るとともに、限られた領域において複数の報知手段を設けることによって別の演出領域等を圧迫してしまうといったような不都合を生じさせないようにすることができる。
しかも、所定報知を実行している特定状況において、特定事象としての第1特定事象が生じた場合、当該第1特定事象の発生に対応する第1特定報知は所定報知の後で実行される一方、特定状況において特定事象としての第2特定事象が生じた場合、当該第2特定事象の発生に対応する第2特定報知は所定報知の終了を待たずに実行される構成としたことから、同じような特定事象であっても特定事象の種類に応じて所定報知との関係で優劣を設ける構成となり、報知手段の共用化を図りながらも所定報知と特定報知とをいずれも好適に実行することが可能となる。
特徴jC2.前記第2特定報知実行手段により前記特定状況において前記第2特定報知が実行された場合、当該第2特定報知の後で前記所定報知が行われ得ることを特徴とする特徴jC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知の途中で第2特定報知が行われた場合に、当該所定報知が途中で終了してしまったと遊技者に勘違いさせないようにすることが可能となる。よって、所定報知と第2特定報知とを共通の報知手段(特定報知手段)にて行う構成としながらも、両報知を両立させることができる。
特徴jC3.前記第2特定報知実行手段により前記特定状況において前記第2特定報知が実行される場合、前記所定報知に用いる所定情報を所定の退避領域に退避させる手段(主制御装置101によるステップSj3501の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jC1又は特徴jC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知の途中で第2特定報知を行う場合に、当該所定報知に用いていた情報が消去されてしまう、といった不都合を生じさせないようにすることができる。この場合、例えば特徴jC2のように、第2特定報知の後で所定報知を再開するような構成においては、退避させた情報を用いて所定報知を再開することが可能となり、遊技進行の好適化に大いに役立てることができる。
特徴jC4.前記所定報知実行手段は前記所定報知を行うための所定報知用処理を実行する所定報知用処理手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)を備え、
前記所定報知用処理手段による前記所定報知用処理において、前記第2特定事象が生じていることの特定判定が実行される構成であることを特徴とする特徴jC1乃至特徴jC3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知を行いながらも途中で第2特定報知に切り換える場合がある処理構成を、所定報知用処理内で実現することが可能となり、例えば、所定報知用の処理と第2特定事象が生じていることの特定判定が別々の処理であって並行して行われるような構成と比較して、簡素な構成にて特徴jC1の効果を奏することが可能となる。
特徴jC5.所定事象(メダル払出)を生じさせるための所定処理を実行する所定事象手段(主制御装置101による払出駆動処理を実行する機能)を備え、
前記所定報知実行手段は、前記所定事象手段により前記所定事象が生じるたびに前記所定報知を更新することが可能な更新手段(主制御装置101によるメダル払出処理において払出第2カウンタを更新する処理を実行する機能)を備え、
前記特定判定手段による特定判定は、前記所定事象手段による前記所定処理において前記所定事象が生じない場合に前記第2特定事象が生じているとする結果となる構成であることを特徴とする特徴jC1乃至特徴jC4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定事象を生じさせる所定処理を行っても、所定事象が生じずに所定報知の更新が行われない場合、第2特定報知が実行されることになる。つまり、第2特定報知は、所定処理を行っても所定事象が生じないことに対応する報知となり、このような所定報知と第2特定報知との関係であれば、所定報知の途中で第2特定報知が行われることの違和感を生じさせないようにすることができるし、所定報知の途中であっても第2特定報知を実行することの意義を生じさせることができる。
特徴jC6.前記特典付与手段は、前記特典として所定数の遊技媒体を払い出す払出手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)を備え、
前記所定報知は前記払出手段による遊技媒体の払出数についての報知であり、
前記第2特定事象は、前記払出手段により遊技媒体の払出が行われる際に生じる異常であることを特徴とする特徴jC1乃至特徴jC5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は特徴jC1の具体的構成であり、遊技媒体の払出時に生じる異常であれば、遊技媒体の払出数の所定報知を実行している最中であっても、当該異常に対応する第2特定報知を実行する必要性があり、このような構成とすることで、所定報知と第2特定報知との報知手段を共用するような構成において、それぞれの報知を好適に実行することが可能となる。
なお、上記構成を特徴jC5に適用するならば、「所定事象」は「単位数の遊技媒体の払出」、「所定処理」は「単位数の遊技媒体を払い出すための単位払出処理」として解釈乃至限定するとよい。
特徴jC7.前記第1特定事象は、前記払出手段による遊技媒体の払出とは関係なく生じ得る異常であることを特徴とする特徴jC6に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の払出とは関係なく生じる異常(第1特定事象)については、遊技媒体の払出数についての所定報知の最中に発生しても、当該所定報知の後でその異常報知としての第1特定報知を行うようにすることで、遊技媒体の払出を途中で中断することによって遊技進行が停滞してしまう事象や、払出を継続しながら第1特定報知を行うことにより実際の払出数を遊技者が把握できなくなってしまう事象等の不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴jC8.前記特定判定手段は、前記特定状況において契機事象(投入メダル検出装置86でのメダル検出)が生じた場合には前記第1特定事象が生じていると判定することが可能である一方、前記特定状況とは異なる状況において前記契機事象が生じた場合には前記第1特定事象が生じていないと判定することが可能であることを特徴とする特徴jC1乃至特徴jC7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況において契機事象が生じた場合には第1特定事象が生じたとして第1特定報知が所定報知の後で実行される一方、特定状況とは異なる状況にて契機事象が生じた場合には第1特定事象は生じていないとして第1特定報知は実行されない。この場合、特定状況中の契機事象よりも所定報知の契機となる事象(所定契機)を優先する構成となり、言い換えると、特定状況中の第2特定事象の契機となる事象の方が第1契機事象よりも優先される構成となる。このようにすることで、複数の事象の発生を共通の特定報知手段にて報知するうえで、いずれを優先するかが不明な構成と比較して処理構成の簡素化を図ることが可能となる。特に、通常時でも生じ得る契機事象であれば、かかる契機事象の発生を検出する検出センサ等の精度によっては、特定状況にて契機事象が発生したと誤って判断してしまう可能性も否めないところ、上記のようにかかる契機事象が発生しても特定報知を事後的に行うようにすることで、特定状況の遊技進行を妨げることなく、特定報知を実行することが可能となる。
特徴jC9.遊技媒体が投入される投入口(メダル投入口45)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出可能な投入遊技媒体検出手段(投入メダル検出装置86)と、
前記投入遊技媒体検出手段の検出結果を利用して、遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるBET操作対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段は、前記賭数設定手段により設定された賭数を利用して前記抽選を行うものであり、
前記投入口から投入された遊技媒体が前記投入遊技媒体検出手段により検出される第1状態と、前記投入口から投入された遊技媒体が前記投入遊技媒体検出手段により検出されない第2状態と、に切り換え可能な切換手段(主制御装置101によるメダル通路切替ソレノイド46aの励磁状態と非励磁状態とを切り換える処理を実行する機能)を備え、
前記投入遊技媒体検出手段は、対応する所定の検出手段(各投入メダル検出センサ86a,86b)の検出状態が第3状態(ON状態)である場合に遊技媒体を検出しているとし、当該第3状態とは異なる第4状態(OFF状態)である場合に遊技媒体を検出していないとする構成であり、
前記切換手段は、前記特定状況においては前記第2状態とするものであり、
前記特定判定手段は、前記特定状況において前記投入遊技媒体検出手段に対応する所定の検出手段が前記第3状態である場合は前記第1特定事象が生じていると判定し、前記特定状況とは異なる状況において前記遊技媒体検出手段に対応する所定の検出手段が前記第3状態である場合は前記第1特定事象が生じていないと判定することを特徴とする特徴jC8に記載の遊技機。
上記構成は特徴jC8の具体的構成であり、遊技に用いられる遊技媒体を検出し得ない状況で検出した場合には、遊技媒体が検出手段に対応する位置で滞留していたり、投入口から無理やり遊技媒体やそれを模した物体を投入したりする等の異常が発生していると考えられ、かかる異常が第1特定事象となる。但し、当該異常が発生していたとしても、異常発生前に開始された遊技は正規のものである可能性が高く、例えば、所定報知が当該遊技において重要な役目をなすものである場合、当該所定報知を差し置いて第1特定報知を実行してしまうと、遊技者が当該正規な遊技において受けるべき利益を消失させてしまう可能性がある。そこで、特徴jC1のように、所定報知の終了後に第1特定報知を実行する構成とすることで、遊技者の利益損失を回避しながら、第1特定事象の発生を知らしめることが可能となる。
特徴jC10.所定の前記特定事象が生じた場合、当該特定事象が解消されるまで遊技進行を中断させる中断処理を実行する中断手段(主制御装置101によるエラー対応処理において、エラー解除操作が行われるまで待機する処理を実行する機能)を備え、
前記中断手段は、前記第1特定事象が生じたことに基づいて前記中断処理を実行しない又は当該中断処理の実行を待機する一方、前記第2特定事象が生じたことに基づいて前記中断処理を実行することを特徴とする特徴jC1乃至特徴jC9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技進行の中断の有無との関係で特定報知の実行タイミングが規定される構成となる。つまり、第1特定事象が生じても遊技進行は中断しないため、その特定事象に対応する特定報知は所定報知後に実行し、第2特定事象が生じると遊技進行は中断されるため、その特定事象に対応する特定報知はその際に実行する。このようにすることで、所定報知と特定報知とを遊技進行に合わせて好適に実行することが可能となる。
なお、上記特徴jC1乃至特徴jC10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴jC1乃至特徴jC10の各構成に対して、特徴jA1乃至特徴jA23、特徴jB1乃至特徴jB10、特徴jC1乃至特徴jC10、特徴jD1乃至特徴jD9、特徴jE1乃至特徴jE9及び特徴jF1乃至特徴jF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴jD群>
特徴jD1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた所定報知(押し順報知、メダル払出枚数の表示)を特定報知手段(払出枚数表示部62)にて実行可能な所定報知実行手段(主制御装置101による払出枚数表示部62にて押し順報知やメダル払出枚数の表示を実行する機能)と、
予め定められた特定事象が生じていることの特定判定を実行する特定判定手段(例えば、主制御装置101によるセンサ監視処理や、開始待ち処理、メダル払出処理、抽選乱数取得処理等において各種エラーが発生していることの判定を行う機能や、投入メダル検出装置86、払出メダル検出装置95、乱数生成装置107による対応する処理を実行する機能、主制御装置101によるエラー判定処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による前記特定判定の結果が前記特定事象が生じていることに対応する対応結果である場合、当該特定事象が生じていることに対応する特定報知を前記特定報知手段にて実行する特定報知実行手段(主制御装置101によるセグメントデータ設定処理にてエラー報知を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、
前記特定報知手段において、前記所定報知として第1所定報知(押し順報知)が実行されている状況で前記特定事象が生じた場合、当該第1所定報知が終了した後で、当該特定事象に対応する前記特定報知を実行する第1手段(例えば、主制御装置101による投入タイミングエラーに対応するエラー報知を実行する機能)と、
前記特定報知手段において、前記所定報知として前記第1所定報知とは異なる第2所定報知が実行されている状況で前記特定事象が生じた場合、当該第2所定報知の終了を待たずに、当該特定事象に対応する前記特定報知を実行する第2手段(例えば、主制御装置101による払出メダル滞留エラーに対応するエラー報知を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、所定報知が行われる特定報知手段にて、特定事象が生じていることに対応する特定報知が行われる場合があるようにしていることから、所定報知用の報知手段と特定報知用の報知手段とを特定報知手段にて共用する構成となり、部材点数の削減を図るとともに、限られた領域において複数の報知手段を設けることによって別の演出領域等を圧迫してしまうといったような不都合を生じさせないようにすることができる。
しかも、所定報知として第1所定報知を実行している状況で特定事象が生じた場合、当該特定事象の発生に対応する特定報知は所定報知の後で実行される一方、所定報知として第2所定報知を実行している状況で特定事象が生じた場合、当該特定事象の発生に対応する特定報知は所定報知の終了を待たずに実行される構成としたことから、同じように所定報知の実行中に特定事象が生じた場合であっても実行中の所定報知の種類に応じて特定報知との関係で優劣を設ける構成となり、報知手段の共用化を図りながらも所定報知と特定報知とをいずれも好適に実行することが可能となる。
特徴jD2.前記第1所定報知は、各前記周回体が周回している状況で実行され得る報知であることを特徴とする特徴jD1に記載の遊技機。
各周回体は、遊技者による停止操作に基づいて停止する構成であることから、各周回体の周回中は、遊技者はその停止操作に集中しているものと考えられる。そこで上記構成のように、周回体の周回中に実行され得る第1所定報知が行われている状況で特定事象が生じたとしても、当該特定事象の発生に対応する特定報知を直ぐに実行しないようにすることで、特定報知が気付かれない事象や、特定報知に気を取られて停止操作に失敗してしまう、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴jD3.前記第1所定報知は、前記停止操作手段の操作態様についての報知を含むことを特徴とする特徴jD1又は特徴jD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知手段にて第1所定報知として停止操作手段の操作態様についての報知が実行されている状況では、特定事象が発生しても当該特定事象に対応する特定報知は、当該第1所定報知の終了後に行われることから、第1所定報知によって指示されている操作態様を遊技者がわからなくなってしまう事象を生じさせないようにすることができる。
特徴jD4.前記停止操作手段の操作に基づき実行される処理(停止時抽選処理)にて前記特定事象が発生し得ることを特徴とする特徴jD2又は特徴jD3に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作に基づいて遊技機により実行される処理にて特定事象が発生し得る場合があるところ、当該特定事象が生じたことの特定報知が周回体の周回中に実行される第1所定報知に置き換わって実行されてしまうと、当該特定事象が遊技者自身の操作によって生じた印象を強く与える可能性がある。その点、上記構成のように、停止操作に基づく処理にて生じた特定事象に対応する特定報知を、第1所定報知の後で実行する構成とすることで、遊技者の操作と特定事象の発生とを関連付けにくくすることが可能となる。よって、例えば、遊技機内部の処理で生じたエラーのように、遊技者に何ら非がないのにもかかわらず、遊技者に負の印象を与えてしまうことを好適に回避することができる。
特徴jD5.前記第1所定報知の後で前記第2所定報知が実行される構成であり、
前記第1手段は、前記第1所定報知の実行中に前記特定事象が生じた場合、当該第1所定報知の後で実行される前記第2所定報知が終了した後で、当該特定事象が生じたことに対応する特定報知を実行することを特徴とする特徴jD1乃至特徴jD4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1所定報知の最中に特定事象が生じた場合は、その後の第2所定報知の後で当該特定事象に対応する特定報知が実行される。この場合、第2所定報知の最中に特定事象が生じた場合には当該第2所定事象の終了を待たずに特定報知が実行されることから、第2所定報知を途中で中断してまで特定報知を実行することとなる特定事象とは、第2所定報知中に生じ得る特定事象であることとなり、第1所定報知中にも生じ得る特定事象である場合には、第1所定報知だけではなく第2所定報知も終了を待ってから当該特定事象に対応する特定報知を実行することとなる。このように、それぞれの所定報知の内容だけではなく発生する特定事象のタイミングとの関係で所定報知と特定報知との優劣をつけることで、所定報知と特定報知とを特定報知手段にて実行する構成において、いずれを優先すべきか不明となる事象を好適に回避させ、処理エラーの発生を抑制することができる。
特徴jD6.前記第2所定報知は、各前記周回体が停止した状態で実行される報知であることを特徴とする特徴jD1乃至特徴jD5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、周回体の停止中に実行される第2所定報知であれば、当該第2所定報知を中断して特定報知を実行したとしても、始動操作手段を操作して周回体を周回させ、停止操作手段を操作して周回体を停止させる、といった所謂スロットマシンの遊技操作に影響を与えることなく特定報知を実行することが可能となる。
特徴jD7.前記第2手段により前記第2所定報知の途中で前記特定報知が実行された場合、当該特定報知の終了後、前記第2所定報知を再開することが可能な手段(主制御装置101によるエラー解除操作に基づきメダル払出数の表示を再開させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jD6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2所定報知が途中で中断されて特定報知が実行された場合であっても、特定報知の終了後、第2所定報知が再開されるため、第2所定報知により報知される内容(例えば特典等)が消滅してしまったと勘違いさせてしまう事象を回避することが可能となる。
特徴jD8.前記第2所定報知は、前記特典付与手段により付与される特典に関する報知であることを特徴とする特徴jD7に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段を操作して周回体を停止させて各ゲームの結果として特典を得る、というスロットマシンの遊技において、第2特定報知は当該ゲームの結果として得られる特典に関する報知となり、遊技者が手を止めて大きく関心を寄せている報知の最中に特定事象が発生した場合には、第2所定報知から当該特定事象の発生に対応する特定報知に切り換わり、その後、特定報知が終了すると、第2所定報知が再開されることになる。このようにすることで、遊技者が得られる特典が消滅してしまったと勘違いさせてしまう事象をより好適に回避することが可能となる。
特徴jD9.所定の前記特定事象が生じた場合、当該特定事象が解消されるまで遊技進行を中断させる中断処理を実行する中断手段(主制御装置101によるエラー対応処理において、エラー解除操作が行われるまで待機する処理を実行する機能)を備え、
前記中断手段は、前記第1所定報知が実行されている状況で前記特定事象が生じたことに基づいて前記中断処理を実行しない又は当該中断処理の実行を待機する一方、前記第2所定報知が実行されている状況で前記特定事象が生じたことに基づいて前記中断処理を実行することを特徴とする特徴jD1乃至特徴jD8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技進行の中断の有無との関係で特定報知の実行タイミングが規定される構成となる。つまり、第1所定報知の実行中に特定事象が生じても遊技進行は中断しないため、その特定事象に対応する特定報知は第1所定報知後に実行し、第2所定報知の実行中に特定事象が生じると遊技進行は中断されるため、その特定事象に対応する特定報知はその際に実行する。このようにすることで、各所定報知と特定報知とを遊技進行に合わせて好適に実行することが可能となる。
なお、上記特徴jD1乃至特徴jD9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴jD1乃至特徴jD9の各構成に対して、特徴jA1乃至特徴jA23、特徴jB1乃至特徴jB10、特徴jC1乃至特徴jC10、特徴jD1乃至特徴jD9、特徴jE1乃至特徴jE9及び特徴jF1乃至特徴jF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴jE群>
特徴jE1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた特定事象が生じていることの特定判定を実行する特定判定手段(例えば、主制御装置101によるセンサ監視処理や、開始待ち処理、メダル払出処理、抽選乱数取得処理等において各種エラーが発生していることの判定を行う機能や、投入メダル検出装置86、払出メダル検出装置95、乱数生成装置107による対応する処理を実行する機能、主制御装置101によるエラー判定処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による前記特定判定の結果が前記特定事象が生じていることに対応する対応結果である場合、当該特定事象が生じていることに対応する特定報知を特定報知手段(払出枚数表示部62)にて実行する特定報知実行手段(主制御装置101によるセグメントデータ設定処理にてエラー報知を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定事象は、予め定められた特定範囲の値が設定される処理において前記特定範囲外の値が設定される事象(乱数異常エラー)を含むものであり、
前記特定報知実行手段は、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第1結果(押し順ベル)であるゲームにおいて前記特定事象が生じた場合、第1タイミングで前記特定報知を実行することが可能である一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果(例えば、通常リプA等)であるゲームにおいて前記特定事象が生じた場合、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングで前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、抽選手段による抽選結果が第1結果であるゲームで特定事象が生じた場合、当該特定事象の発生に対応する特定報知は第1タイミングで実行される一方、抽選手段による抽選結果が第2結果であるゲームで特定事象が生じた場合、当該特定事象の発生に対応する特定報知は第1タイミングとは異なる第2タイミングで実行される。このようにすることで、特定報知からゲームの結果を予測する、という遊技性を追加することが可能であり、興趣向上に役立てることが可能であり、この場合、特定事象は所定の異常を含むことから、異常発生時ですら、上記のゲームの結果を予測する遊技を行わせることが可能であり、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。また、異常等の特定事象が発生した場合に、ゲームの抽選結果に応じた演出内容との関係で、当該異常発生時の報知である特定報知の実行タイミングを異ならせれば、ゲームの演出内容に与える影響を小さくしながら特定報知を実行することが可能となる。よって、ゲームの進行に影響を与えないようにしながら、特定事象の発生を好適に報知することが可能となり、遊技の興趣向上を図りながら遊技進行の好適化を実現することができる。
特徴jE2.前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合、当該第1結果に対応する結果報知(押し順報知)を実行可能な結果報知手段(主制御装置101による押し順報知を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記結果報知手段は、前記特定報知手段にて前記結果報知を実行するものであることを特徴とする特徴jE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果である場合には、特定報知手段にて結果報知が実行される場合があるところ、このような構成を特徴jE1に適用することで、第1結果であるゲームにて特定事象が生じた場合に、特定報知を行う際、上記の結果報知と報知タイミングが重複しないようにするといった工夫も行うことが可能となり、より一層、遊技進行の好適化を実現することが可能となる。
特徴jE3.前記第1タイミングは前記結果報知が実行される状況に含まれないことを特徴とする特徴jE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴jE2において第1結果である場合に実行される結果報知と特定報知とが重複しないようにする効果を好適に奏することが可能となる。
特徴jE4.前記結果報知は、前記停止操作手段の操作態様についての報知を含むことを特徴とする特徴jE3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果であるゲームで停止操作手段の操作態様についての報知を含む結果報知が行われ、当該ゲームで特定事象が発生した場合には、その結果報知が実行される状況とは異なる状況にて特定報知が行われる。このようにすることで、特定報知によって、停止操作手段の操作態様がわからなくなってしまう、という不都合を生じさせないようにしながら、操作態様についての報知等と特定報知とを特定報知手段にて実行することが可能となる。
特徴jE5.前記第2タイミングは前記結果報知が実行される状況に含まれ得ることを特徴とする特徴jE2乃至特徴jE4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果である場合に実行される結果報知と重複するタイミングで第2結果である場合の特定報知が実行されるようになり、各結果で特定報知の実行タイミングを異ならせる意義をより高めることが可能となる。
特徴jE6.前記第1タイミングよりも前記第2タイミングの方が、前記特定事象が生じたタイミングに近いタイミングであることを特徴とする特徴jE5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2結果であるゲームで異常等の特定事象が生じた場合の方が、第1結果であるゲームで特定事象が生じた場合よりも、当該特定事象の発生タイミングと特定報知と実行タイミングとが近くなり、第1結果であれば結果報知が実行される状況にて特定報知が実行されることになる。よって、第1結果である場合には、結果報知と特定報知との調整を図りながらも、第2結果であるゲームでは異常が発生したことを早期に把握させるようにすることが可能となる。
特徴jE7.前記特定報知実行手段は、予め定められた特定条件(ATモードフラグがセットされていること)が成立している場合には、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果であるゲームにおいて前記特定事象が生じた場合、前記第1タイミングで前記特定報知を実行する一方、前記特定条件が成立していない場合には、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果であるゲームにおいて前記特定事象が生じた場合、前記第2タイミングで前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴jE1乃至特徴jE6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果のゲームであっても、特定報知が第1タイミングではなく第2タイミングで実行される場合があるようにしていることから、特定報知の実行タイミングからゲームの抽選結果を予測する遊技の選択肢が増え、当該遊技の興趣向上が図られる。
特徴jE8.前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果であって前記特定条件が成立している場合、当該第1結果に対応する結果報知(押し順報知)を実行可能な結果報知手段(主制御装置101による押し順報知を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記結果報知手段は、前記特定報知手段にて前記結果報知を実行するものであることを特徴とする特徴jE7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果である場合には、特定報知手段にて結果報知が実行される場合があるところ、このような構成を特徴jE1に適用することで、第1結果であるゲームにて特定事象が生じた場合に、特定報知を行う際、上記の結果報知と報知タイミングが重複しないようにするといった工夫も行うことが可能となり、より一層、遊技進行の好適化を実現することが可能となる。
しかも、上記の結果報知は特定条件が成立している場合に実行されることから、第1結果であっても結果報知が実行されない場合があり、その場合、特定事象が発生した場合の特定報知は第2タイミングで実行されるようになる。このようにすることで、結果報知の実行の有無との関係で特定報知の実行タイミングを好適に調節することが可能となる。
特徴jE9.前記結果報知手段により前記結果報知が実行される場合、前記特定事象が生じた場合の前記特定報知の実行タイミングが前記第1タイミングとなるように設定されることを特徴とする特徴jE8に記載の遊技機。
上記構成によれば、結果報知を行う場合に、特定事象が生じた際の特定報知の実行タイミングを、事前に第1タイミングとして設定する。このようにすることで、特定事象が生じた際に、第1タイミングにて実行するか、それとも第2タイミングにて実行するかを判断する必要がなく、処理構成の簡素化が図られる。
なお、上記特徴jE1乃至特徴jE9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴jE1乃至特徴jE9の各構成に対して、特徴jA1乃至特徴jA23、特徴jB1乃至特徴jB10、特徴jC1乃至特徴jC10、特徴jD1乃至特徴jD9、特徴jE1乃至特徴jE9及び特徴jF1乃至特徴jF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴jF群>
特徴jF1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
予め定められた所定報知(押し順報知、メダル払出枚数の表示)を実行可能な所定報知実行手段(主制御装置101による払出枚数表示部62にて押し順報知やメダル払出枚数の表示を実行する機能)と、
予め定められた特定事象が生じていることの特定判定を実行する特定判定手段(例えば、主制御装置101によるセンサ監視処理や、開始待ち処理、メダル払出処理、抽選乱数取得処理等において各種エラーが発生していることの判定を行う機能や、投入メダル検出装置86、払出メダル検出装置95、乱数生成装置107による対応する処理を実行する機能、主制御装置101によるエラー判定処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による前記特定判定の結果が前記特定事象が生じていることに対応する対応結果である場合、当該特定事象が生じていることに対応する特定報知を実行する特定報知実行手段(主制御装置101によるセグメントデータ設定処理にてエラー報知を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、
前記所定報知実行手段により前記所定報知が実行されている状況で前記特定事象が生じた場合、第1報知手段(クレジット表示部60、補助表示部65)にて前記特定報知を実行する第1手段(主制御装置101による押し順報知の実行中にクレジット表示部60や補助表示部65にてエラー報知を行うための処理を実行する機能)と、
前記所定報知実行手段により前記所定報知が実行されていない状況で前記特定事象が生じた場合、前記第1報知手段とは異なる第2報知手段(払出枚数表示部62)にて前記特定報知を実行することが可能な第2手段(主制御装置101による押し順報知の非実行中に払出枚数表示部62にてエラー報知や特定エラー報知演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、所定報知を実行している状況で特定事象が生じた場合、当該特定事象の発生に対応する特定報知は第1報知手段にて実行される一方、所定報知を実行していない状況で特定事象が生じた場合、当該特定事象の発生に対応する特定報知は第1報知手段とは異なる第2報知手段にて実行される構成としたことから、所定報知の実行の有無との関係で特定報知を行う報知手段が異なることとなり、特定報知が実行されていることを所定報知との関係で気づき易くしたり、所定報知が実行される報知手段との関係で、うまく所定報知と特定報知とを両立させたりすることが可能となり、これら所定報知や特定報知を好適に行うことが可能となる。よって、遊技進行の好適化を図ることができる。
特徴jF2.前記所定報知実行手段は、前記所定報知を前記第2報知手段にて実行する構成であることを特徴とする特徴jF1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2報知手段にて所定報知が実行されている状況であれば、特定報知は第1報知手段にて実行され、第2報知手段にて所定報知が実行されていない状況であれば、特定報知は第2報知手段にて実行される。このようにすることで、所定報知と特定報知とがいずれも第2報知手段にて実行され得るようにしながら、それらが重複してしまう場合には別の報知手段(第1報知手段)にて実行されるようにし、報知手段を共用することで遊技機構成部品の少量化を図りながら、各報知を好適に実行することが可能となる。
特徴jF3.前記第1報知手段にて予め定められた特別報知(クレジット数の表示、各種演出)を実行する特別報知実行手段(主制御装置101によるクレジット表示部60にてクレジット数の表示を行わせる処理を実行する機能、表示制御装置81による補助表示部65にて各種演出を行わせる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jF1又は特徴jF2に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知が実行されている状況で特定報知が行われる第1報知手段は、特別報知実行手段による特別報知と共用されることになる。よって、遊技機構成部品の少量化を図り、限られた設置範囲において報知手段を共用し、その分、他の演出用の構成部品を設ける等の措置をとることが可能となる。
特徴jF4.所定の更新契機が生じた場合に前記特別報知実行手段による前記特別報知を更新する更新手段(主制御装置101によるクレジット数の変化に応じてクレジット表示部60の表示を更新させる処理を実行する機能)を備え、
前記第1手段により前記特定報知が前記第1報知手段にて実行される状況は、前記更新手段による前記特別報知の更新契機が生じない又は生じにくい状況であることを特徴とする特徴jF3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知手段にて実行されている特別報知の更新が行われない状況であれば、当該状況において特別報知を継続させる意義は低く、当該状況において第1報知手段にて特定報知を実行するようにしても特別報知への影響は低いものと考えられる。そこで、上記構成のようにすることで、第1報知手段にて特別報知と特定報知とを両立させることが可能となる。
特徴jF5.前記第1手段により、前記第1報知手段にて前記特定報知が実行された場合、前記所定報知が終了しても前記第1報知手段による前記特定報知が継続されることを特徴とする特徴jF1乃至特徴jF4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知の実行中に特定事象が生じて第1報知手段にて特定報知が開始された場合、当該所定報知が終了した後も、第1報知手段での特定報知が継続されることから、所定報知の終了とともに特定報知が行われる箇所が変化してしまうことにより特定事象が解消されていないのにもかかわらず解消されたと遊技者等に勘違いさせてしまう事象を回避することができる。
特徴jF6.前記第1手段により、前記第1報知手段にて前記特定報知が実行された場合、前記所定報知が終了することで、当該特定報知の報知態様が変化し得る(補助表示部65による表示が特定エラー報知演出からエラー報知演出に変化し得る)ことを特徴とする特徴jF5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴jF5において、所定報知が終了すると特定報知の報知態様が変化して実施されることから、特定報知を見るだけで所定報知の終了も把握することが可能となる。よって、遊技者は、複数の箇所を確認しなくても、多くの情報を得ることが可能となり、遊技を進行するうえで好ましい態様とすることができる。
特徴jF7.前記第1手段により前記第1報知手段にて前記特定報知が実行された場合であって前記所定報知が終了した場合、前記第2報知手段にて前記特定報知が開始されることを特徴とする特徴jF1乃至特徴jF6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知中に特定事象が発生した場合には、第1報知手段にて特定報知が開始され、その後、所定報知が終了すると第2報知手段にて特定報知が開始される。このようにすることで、第2報知手段では、所定報知を実行していない状況で特定事象が発生した場合には、その際に特定報知が開始され、所定報知の実行中に特定事象が発生した場合には特定報知の実行が所定報知後まで待機される構成となる。つまり、いずれにしても特定報知が第2報知手段にて行われる構成となり、基本的には第2報知手段にて特定報知が行われる印象を遊技者等に与えることができるため、特定事象が発生していることが見逃されてしまうことを好適に抑制することが可能となる。
特徴jF8.前記特典付与手段は、前記特典として所定数の遊技媒体を払い出すことが可能な払出手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能)を備え、
前記所定報知実行手段は、前記払出手段により払い出される遊技媒体数を報知する払出報知手段(払出枚数表示部62)にて前記所定報知を実行することを特徴とする特徴jF1乃至特徴jF7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、払出報知手段にて所定報知が実行されている状況とそうではない状況とで特定事象が生じた場合の当該特定事象の発生に対応する特定報知を実行する報知手段が異なる構成となる。このように限定することで、遊技者が高い関心を寄せる遊技媒体数等を的確に報知しながら、その報知と特定報知との報知箇所をうまく調節することが可能となる。
特徴jF9.遊技に用いられる遊技媒体を仮想遊技媒体として記憶可能な記憶手段(クレジットカウンタ)と、
前記記憶手段に記憶されている仮想遊技媒体の数を報知する記憶数報知手段(クレジット表示部60)と、
を備え、
前記第1報知手段は、前記記憶数報知手段であることを特徴とする特徴jF1乃至特徴jF8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所謂クレジット数を表示する表示部にて特定報知が行われることとなり、既存の構成をうまく利用して特徴jF1の効果を奏することが可能となる。
なお、上記特徴jF1乃至特徴jF9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴jF1乃至特徴jF9の各構成に対して、特徴jA1乃至特徴jA23、特徴jB1乃至特徴jB10、特徴jC1乃至特徴jC10、特徴jD1乃至特徴jD9、特徴jE1乃至特徴jE9及び特徴jF1乃至特徴jF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以上詳述した特徴jA群乃至特徴jF群の各構成に対して、他の特徴a群乃至特徴n群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴k群>
以下の特徴kA群乃至特徴kH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第11kの実施形態、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴kA群>
特徴kA1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
記憶部(ROM105やRAM106)を有し、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御装置(主制御装置101)と
を備え、
前記制御装置は、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う第1抽選手段(主制御装置101にて抽選処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101にてリール制御処理を実行する機能)と、
前記第1抽選手段による抽選の結果が所定結果(例えば共通ベルやスイカ等)であり且つ前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に前記所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する遊技価値(例えばメダル)を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101にて払出判定処理を実行する機能)と
を有し、
前記第1抽選手段による抽選が実行され、前記有効位置に停止した絵柄組合せに応じて前記遊技価値付与手段により遊技価値が付与可能に制御される遊技である通常遊技と、前記第1抽選手段による抽選が実行されず、前記有効位置に何れの絵柄組合せが停止した場合であっても前記遊技価値付与手段により遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技とを実行可能となっており、
前記制御装置は、
前記第1抽選手段による抽選の結果を示す情報(当選役番号)又は当該抽選の結果に相関のある情報(上乗せ抽選番号)である特定情報に基づいて前記遊技価値とは異なる特典(例えばATモードにおける残りゲーム数の上乗せ)の抽選(上乗せ抽選)を行う第2抽選手段(主制御装置101にて通常遊技用の上乗せ抽選処理を実行する機能)と、
前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)と
を有し、
前記種別決定手段により決定された前記種別を示す情報又は当該種別に相関のある情報に基づいて前記第2抽選手段による前記抽選を実行可能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体の周回が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する遊技価値が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させても遊技価値付与の対象とならない疑似遊技が設定されていることから、第1抽選手段による抽選と一対一で対応付けられた通常遊技だけでなく、当該第1抽選手段による抽選と対応しない疑似遊技を通常遊技と織り交ぜて遊技させることで遊技性を大幅に向上することができる。
しかしながら、疑似遊技を用いて遊技の多様化を図る上では、当該疑似遊技に係る処理の増加に伴って記憶部に格納する制御プログラムについても増大し得る。このように制御プログラムが増大することは、記憶部の記憶容量を圧迫し更なる遊技の多様化等を実現する上で妨げになると懸念される。ここで、本特徴に示す構成によれば、第1抽選手段による抽選の結果(具体的には抽選の結果を示す情報又は当該抽選の結果に相関のある情報)に基づいて遊技価値とは異なる特典の抽選が行われる。第2抽選手段による当該抽選については種別決定手段により決定された疑似遊技の種別(具体的には当該種別を示す情報又は当該種別に相関のある情報)に基づいても実行可能となっている。このように、通常遊技に適用される第2抽選手段を用いた抽選を疑似遊技にも流用可能とすれば、上記異なる特典用の抽選に係る処理を圧縮できる。これにより、上記懸念を払しょくし、更なる遊技の多様化を促進できる。
因みに、本特徴に示す「前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う第1抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)」、「前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)」との記載を「前記始動操作手段の操作に基づき、役の抽選を行う役抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)」、「前記疑似遊技の疑似特定役を抽選する疑似特定役抽選手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)」とすることも可能である。
また、本特徴に示す「通常遊技」及び「疑似遊技」に関する構成を以下のように変更することも可能である。すなわち、「前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止し場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技を実行可能な疑似遊技手段を備え」又は「前記始動操作手段の操作に基づいて各前記周回体を回転させ、前記停止操作手段の停止操作及び前記抽選手段による抽選結果に基づいて各周回体を停止させる遊技を通常遊技とし、前記駆動制御手段は、所定の実行条件が成立した場合に、前記始動操作手段が操作されてから前記通常遊技に対応した前記停止操作手段の操作が有効化されるまでの間に各前記周回体を特定態様で動作させ且つ所定の停止条件が成立した場合にそれら周回体を仮停止させる疑似遊技を実行する疑似遊技実行手段を有し」とすることも可能である。
特徴kA2.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
記憶部(ROM105やRAM106)を有し、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御装置(主制御装置101)と
を備え、
前記制御装置は、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う第1抽選手段(主制御装置101にて抽選処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101にてリール制御処理を実行する機能)と、
前記第1抽選手段による抽選の結果が所定結果(例えば共通ベルやスイカ等)であり且つ前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に前記所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する遊技価値(例えばメダル)を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101にて払出判定処理を実行する機能)と
を有し、
前記第1抽選手段による抽選が実行され、前記有効位置に停止した絵柄組合せに応じて前記遊技価値付与手段により遊技価値が付与可能に制御される遊技である通常遊技と、前記第1抽選手段による抽選が実行されず、前記有効位置に何れの絵柄組合せが停止した場合であっても前記遊技価値付与手段により遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技とを実行可能となっており、
前記制御装置は、
前記第1抽選手段による抽選の結果を示す情報(例えば当選役番号)又は当該抽選の結果に相関のある情報(例えば上乗せ抽選番号)である特定情報に基づいて前記遊技価値とは異なる特典(例えばATモードにおける残りゲーム数の上乗せ)の抽選(上乗せ抽選)を行う第2抽選手段(主制御装置101にて通常遊技用の上乗せ抽選処理を実行する機能)と、
前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)と、
前記種別決定手段により決定された前記疑似遊技の種別を示す情報(種別番号)を前記第2抽選手段による抽選に適用可能な情報に変換する変換手段(主制御装置101にて種別番号の変換処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体の周回が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する遊技価値が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させても遊技価値付与の対象とならない疑似遊技が設定されていることから、第1抽選手段による抽選と一対一で対応付けられた通常遊技だけでなく、当該第1抽選手段による抽選と対応しない疑似遊技を通常遊技と織り交ぜて遊技させることで遊技性を大幅に向上することができる。
しかしながら、疑似遊技を用いて遊技の多様化を図る上では、当該疑似遊技に係る処理の増加に伴って記憶部に格納する制御プログラムについても増大し得る。このように制御プログラムが増大することは、記憶部の記憶容量を圧迫し更なる遊技の多様化等を実現する上で妨げになると懸念される。ここで、本特徴に示す構成によれば、第1抽選手段による抽選の結果(具体的には抽選の結果を示す情報又は当該抽選の結果に相関のある情報)に基づいて遊技価値とは異なる特典の抽選が行われる。第2抽選手段による当該抽選については種別決定手段により決定された疑似遊技の種別(具体的には当該種別を示す情報又は当該種別に相関のある情報)に基づいても実行可能となっている。このように、通常遊技に適用される第2抽選手段を用いた抽選を疑似遊技にも流用可能とすれば、上記異なる特典用の抽選に係る処理を圧縮できる。これにより、上記懸念を払しょくし、更なる遊技の多様化を促進できる。
因みに、本特徴に示す「前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う第1抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)」、「前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)」との記載を「前記始動操作手段の操作に基づき、役の抽選を行う役抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)」、「前記疑似遊技の疑似特定役を抽選する疑似特定役抽選手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)」とすることも可能である。
また、本特徴に示す「通常遊技」及び「疑似遊技」に関する構成を以下のように変更することも可能である。すなわち、「前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止し場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技を実行可能な疑似遊技手段を備え」又は「前記始動操作手段の操作に基づいて各前記周回体を回転させ、前記停止操作手段の停止操作及び前記抽選手段による抽選結果に基づいて各周回体を停止させる遊技を通常遊技とし、前記駆動制御手段は、所定の実行条件が成立した場合に、前記始動操作手段が操作されてから前記通常遊技に対応した前記停止操作手段の操作が有効化されるまでの間に各前記周回体を特定態様で動作させ且つ所定の停止条件が成立した場合にそれら周回体を仮停止させる疑似遊技を実行する疑似遊技実行手段を有し」とすることも可能である。
特徴kA3.前記制御装置の前記記憶部には、前記疑似遊技の種別を示す情報(例えば種別番号)と前記特定情報との関係が規定されたテーブル(例えば種別番号変換テーブル)が記憶されており、
前記変換手段は、前記種別決定手段により決定された種別を示す情報と前記記憶部に記憶されている前記テーブルとに基づいて、当該種別を示す情報を前記第2抽選手段による抽選に適用可能な情報に変換する構成となっていることを特徴とする特徴kA2に記載の遊技機。
予め規定された変換用のテーブルを参照して疑似遊技の種別を示す情報が第2抽選手段による抽選用の情報(特定情報)に変換される構成によれば、両情報に何らの相関関係を設けなくても抽選用の情報に変換可能となる。これは、遊技機を設計する際の設計自由度を好適に向上させて、遊技機の開発期間の短縮等を図る上で有利である。
特徴kA4.前記第2抽選手段による抽選の結果は、前記第1抽選手段による抽選の結果が前記所定結果である場合には前記所定結果ではない場合(例えば外れ結果である場合)よりも当選結果となる可能性が高くなるように構成されており、
前記制御装置の前記記憶部には、前記疑似遊技の種別を示す情報と前記特定情報のうち前記第1抽選手段による抽選の結果が前記所定結果である場合に設定される特定情報との関係が規定されたテーブル(種別番号変換テーブル)が記憶されており、
前記変換手段は、前記種別決定手段により決定された種別を示す情報と前記記憶部に記憶されている前記テーブルとに基づいて、当該種別を示す情報を前記第2抽選手段による抽選に適用可能な情報に変換する構成となっていることを特徴とする特徴kA2に記載の遊技機。
予め規定された変換用のテーブルを参照して疑似遊技の種別を示す情報が第2抽選手段による抽選用の情報(特定情報)に変換される構成によれば、両情報に何らの相関関係等を設けなくても抽選用の情報に変換可能となる。これは、遊技機を設計する際の設計自由度を好適に向上させて、遊技機の開発期間の短縮等を図る上で有利である。
また、変換手段による第2抽選手段の抽選結果の変換については、第1抽選手段による抽選結果のうち所定結果をターゲットとしている。このため、通常遊技の場合と疑似遊技の場合とで同じ第2抽選手段による抽選が行われるとしても、疑似遊技の方が当選結果となりやすくなる。つまり、同じ第2抽選手段を用いるとしても有利度に実質的な差を生じさせることができる。これは、抽選機能の統合を図りつつ通常遊技と疑似遊技との差別化を図る上で有利である。
なお、本特徴に示す構成を「前記所定結果として、第1結果(例えば通常リプや押し順ベル等)と、当該第1結果よりも前記第2抽選手段による抽選に当選しやすい第2結果(例えばスイカやチェリー等)とを含み、前記変換手段により変換された情報は、前記特定情報のうち前記第2結果である場合に設定される情報に対応付けられた情報となるように構成されていることを特徴とする特徴kA2又は特徴kA3に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴kA5.前記種別決定手段により決定され得る前記種別の種類は、前記所定結果の種類よりも少なくなるように構成されていることを特徴とする特徴kA4に記載の遊技機。
疑似遊技の種別の数は第1抽選手段による各種抽選結果のうち所定結果の種類よりも少ないため、種別を示す情報を変換する際に参照するテーブルの情報量を少なくすることができる。テーブルの情報量が少なくなることにより、当該テーブルを読み出しやすくなり、変換実行時の制御負荷を好適に軽減できる。
特徴kA6.前記テーブルの情報量は、前記第2抽選手段が前記抽選にて参照する抽選用のテーブルの情報量よりも少ないことを特徴とする特徴kA4又は特徴kA5に記載の遊技機。
上記特徴kA4に示したように、第2抽選手段による抽選について通常遊技と疑似遊技とで有利度に差を設けるには、以下の構成とすることも可能である。すなわち、抽選用のテーブルを通常遊技用と疑似遊技用とで個別に設ける構成とすることも可能である。しかしながら、このような構成では、上述した第2抽選手段の流用が難しくなるだけでなく、抽選用のテーブルを個別に設けることで記憶部の記憶容量が圧迫されやすくなる。この点、本特徴に示すように、変換用のテーブルの情報量が抽選用のテーブルの情報量よりも少ない構成では、上述の如く抽選用のテーブルを複数設けた場合よりも抽選用のテーブルと変換用のテーブルとを設けた方がテーブルの総情報量を少なくすることができる。これは、記憶容量の圧迫を抑制する上で有利である。
特徴kA7.前記特定情報は、前記第1抽選手段の抽選結果を示す情報(例えば当選役番号)となるように構成されており、
前記通常遊技においては、前記特定情報に応じて各前記周回体の停止制御が実行され、
前記変換手段は、前記種別を示す情報を前記第1抽選手段の抽選結果を示す情報に対応付けられた情報に変換する構成となっており、
前記疑似遊技においては、前記変換手段により変換された情報に基づいて各前記周回体の停止制御が実行される構成となっていることを特徴とする特徴kA2乃至特徴kA6のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、種別を示す情報を第1抽選手段の抽選結果を示す情報に対応付けられた情報に変換し、当該変換された情報に基づいて各前記周回体の停止制御を実行することで、当該変換された情報により通常遊技に係る停止制御と、疑似遊技に係る停止制御とに相関を生じさせることができる。これにより、疑似遊技と通常遊技とで見た目等を合わせることができ、通常遊技に擬態させる機能を好適に強化できる。
特徴kA8.前記変換手段は、第1変換手段であり、
前記第2抽選手段は、前記第1抽選手段による抽選の結果に相関のある情報に基づいて前記抽選を行う構成となっており、
前記制御装置は、前記第1抽選手段による抽選の結果を示す情報(例えば当選役番号)を前記相関のある情報に変換する第2変換手段(主制御装置101にて上乗せ抽選番号への変換処理を実行する機能)を有し、
前記第1変換手段は、前記種別決定手段により決定された前記種別を示す情報を、前記第1抽選手段による抽選の結果を示す情報に対応付けられた情報となるように変換することで前記第2抽選手段による抽選に適用可能とし、
前記第2変換手段は、前記第1変換手段により変換された前記種別を示す情報を前記相関のある情報に変換可能となっていることを特徴とする特徴kA2乃至特徴kA7のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、疑似遊技についても通常遊技と同じ流れで変換→第2抽選となるため、抽選に係る制御の大部分を通常遊技から流用可能となる。
特徴kA9.前記制御装置は、前記第1抽選手段の抽選結果を示す情報(例えば当選役番号)を前記第2抽選手段による抽選用の処理とは異なる所定の処理(抽選結果コマンドの設定処理)にて参照する情報に変換する第3変換手段(主制御装置101にて送信番号への変換処理を実行する機能)を有し、
前記第3変換手段は、前記第1変換手段により変換された前記種別を示す情報を前記所定の処理にて参照可能な情報に変換可能となっていることを特徴とする特徴kA8に記載の遊技機。
特徴kA8に示したように、種別を示す情報を第1抽選手段による抽選の結果を示す情報(識別情報)に対応付けられた情報に変換する構成とすれば、疑似遊技についても通常遊技と同様の制御(第2抽選手段による抽選や上記所定の処理)が可能となり、第2抽選手段による抽選に適用可能な情報への変換と、所定の処理に適用可能な情報への変換とを別に行う構成と比較して、変換に係る構成全体の簡略化に寄与できる。
特徴kA10.前記変換手段は、第1変換手段であり、
前記第2抽選手段は、前記相関のある情報に基づいて前記抽選を行う構成となっており、
前記制御装置は、前記第1抽選手段の抽選結果を示す情報(例えば当選役番号)を前記相関のある情報に変換する第2変換手段(主制御装置101にて上乗せ抽選番号への変換処理を実行する機能)を有し、
前記第1変換手段は、前記種別決定手段により決定された前記種別を示す情報を、前記相関のある情報に対応付けられた情報となるように変換することで前記第2抽選手段による抽選に適用可能とすることを特徴とする特徴kA2乃至特徴kA7のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、第1抽選手段による抽選結果を示す情報(識別情報)を第3変換手段によって上記相関のある情報(相関情報)に変換し、当該相関情報に基づいて第2抽選手段による抽選が実行される。ここで、第1変換手段については、種別を示す情報を識別情報ではなく相関情報に合せて変換することにより、当該種別を示す情報を識別情報に変換する構成と比較して、情報の変換ステップを少なくすることができる。これにより、疑似遊技が実行される際の制御負荷の過度上昇を抑制することができる。
特徴kA11.前記特定情報と前記変換手段により変換された前記種別を示す情報とは何れも、前記制御装置の前記記憶部に設けられた所定領域(例えば当選役番号記憶エリアや上乗せ抽選番号記憶エリア)に記憶される構成となっており、
前記第2抽選手段は、前記所定領域に記憶されている情報に基づいて前記抽選を行う構成となっていることを特徴とする特徴kA2乃至特徴kA10のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、第2抽選手段が所定領域に記憶されている情報に基づいて抽選を行う構成としたうえで、通常遊技に係る特定情報と疑似遊技に係る種別を示す情報とを何れも当該所定領域に記憶させる構成とすれば、情報を読み出す領域が同一となることで、抽選に係る制御(制御プログラム)の簡素化に貢献できる。
特徴kA12.前記所定領域に記憶される情報である前記特定情報及び前記変換手段により変換された前記種別を示す情報の各情報は、何れもその情報が前記通常遊技及び前記疑似遊技の何れに対応しているかを示す情報を含んでいないことを特徴とする特徴kA11に記載の遊技機。
第2抽選手段にて参照される情報(特定情報及び変換後の種別情報)が通常遊技及び疑似遊技の何れに対応しているかを示す情報を含まない構成、すなわちそれらの情報から何れの遊技であるかを特定しない構成とすれば、当該情報を参照して抽選を行う際の情報分析等が容易となり、第2抽選手段による抽選を速やかに実行できる。
特徴kA13.前記制御装置の前記記憶部には、前記疑似遊技の種別を示す情報と前記特定情報との関係が規定されたテーブル(種別番号変換テーブル)が記憶されており、
前記変換手段は、前記種別決定手段により決定された種別を示す情報と前記記憶部に記憶されている前記テーブルとに基づいて、当該種別を示す情報を前記第2抽選手段による抽選に適用可能な情報に変換する構成となっており、
前記テーブルとして、前記種別を示す情報と前記特定情報との関係が第1の関係となるように規定された第1変換テーブルと、前記種別を示す情報と前記特定情報との関係が前記第1の関係よりも遊技者に有利となるように規定された第2変換テーブルとを含み、
前記変換手段は、複数の前記テーブルから参照するテーブルを選択する手段を有していることを特徴とする特徴kA2乃至特徴kA12のいずれか1つに記載の遊技機。
種別を示す情報と特定情報との関係が異なる複数のテーブルを設け、第2変換手段による変換に際して参照するテーブルをそれら複数のテーブルの中から選択する構成とすれば、変換(変換態様)に偏りを生じさせつつも第2抽選手段による抽選を実行することができる。
因みに、特徴kA2乃至特徴kA13に示した各技術的思想を特徴kA1に適用することも可能である。
なお、上記特徴kA1乃至特徴kA13に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴kB群>
特徴kB1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
記憶部(ROM105やRAM106)を有し、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う第1制御装置(主制御装置101)と
を備え、
前記第1制御装置は、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選の結果が所定結果(例えば共通ベルやスイカ等)であり且つ前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に前記所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する遊技価値(例えばメダル)を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選の結果を示す情報(当選役番号)又は当該抽選の結果に相関のある情報(送信番号)である特定情報に基づいて第2制御装置(表示制御装置81)に送信する特定コマンド(抽選結果コマンド)を設定する特定コマンド設定手段(主制御装置101にて抽選結果コマンドの設定処理を実行する機能)と
を有し、
前記第2制御装置は、前記特定コマンドに基づいて所定の遊技演出(特定役の示唆演出等)が実行されるように演出装置(補助表示部65)を制御する手段を有し、
前記抽選手段による抽選が実行され、前記有効位置に停止した絵柄組合せに応じて前記遊技価値付与手段により遊技価値が付与可能に制御される遊技である通常遊技と、前記抽選手段による抽選が実行されず、前記有効位置に何れの絵柄組合せが停止した場合であっても前記遊技価値付与手段により遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技とを実行可能となっており、
前記第1制御装置は、前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)を有し、前記種別決定手段により決定された前記種別を示す情報又は当該種別に相関のある情報に基づいて前記特定コマンド設定手段による前記特定コマンドの設定が可能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体の周回が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する遊技価値が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させても遊技価値付与の対象とならない疑似遊技が設定されていることから、各遊技の抽選と一対一で対応付けられた通常遊技だけでなく、当該抽選と対応しない疑似遊技を通常遊技と織り交ぜて遊技させることで遊技性を大幅に向上することができる。
しかしながら、疑似遊技を用いて遊技の多様化を図る上では、当該疑似遊技に係る処理の増加に伴って記憶部に格納する制御プログラムについても増大し得る。このように制御プログラムが増大することは、記憶部の記憶容量を圧迫し更なる遊技の多様化等を実現する上で妨げになると懸念される。ここで、本特徴に示す構成によれば、抽選手段による抽選の結果(具体的には抽選の結果を示す情報又は当該抽選の結果に相関のある情報)に基づいて第2制御装置に送信する特定コマンド(送信情報)が設定され、演出装置ではこの特定コマンドに基づいて所定の遊技演出(特定役の示唆演出等)が実行される。特定コマンド設定手段による特定コマンドの設定については種別決定手段により決定された疑似遊技の種別(具体的には当該種別を示す情報又は当該種別に相関のある情報)に基づいても実行可能となっている。このように、通常遊技に適用される特定コマンド設定手段を用いた特定コマンドの設定を疑似遊技にも流用可能とすれば、特定コマンドの設定に係る処理を圧縮できる。これにより、上記懸念を払しょくし、更なる遊技の多様化を促進できる。
因みに、本特徴に示す「前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)」、「前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)」との記載を「前記始動操作手段の操作に基づき、役の抽選を行う役抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)」、「前記疑似遊技の疑似特定役を抽選する疑似特定役抽選手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)」とすることも可能である。
また、本特徴に示す「通常遊技」及び「疑似遊技」に関する構成を以下のように変更することも可能である。すなわち、「前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止し場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技を実行可能な疑似遊技手段を備え」又は「前記始動操作手段の操作に基づいて各前記周回体を回転させ、前記停止操作手段の停止操作及び前記抽選手段による抽選結果に基づいて各周回体を停止させる遊技を通常遊技とし、前記駆動制御手段は、所定の実行条件が成立した場合に、前記始動操作手段が操作されてから前記通常遊技に対応した前記停止操作手段の操作が有効化されるまでの間に各前記周回体を特定態様で動作させ且つ所定の停止条件が成立した場合にそれら周回体を仮停止させる疑似遊技を実行する疑似遊技実行手段を有し」とすることも可能である。
特徴kB2.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
記憶部(ROM105やRAM106)を有し、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う第1制御装置(主制御装置101)と
を備え、
前記第1制御装置は、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選の結果が所定結果(例えば共通ベルやスイカ等)であり且つ前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に前記所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する遊技価値(例えばメダル)を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選の結果を示す情報(当選役番号)又は当該抽選の結果に相関のある情報(送信番号)である特定情報に基づいて第2制御装置(表示制御装置81)に送信する特定コマンド(抽選結果コマンド)を設定する特定コマンド設定手段(主制御装置101にて抽選結果コマンドの設定処理を実行する機能)と
を有し、
前記第2制御装置は、前記特定コマンドに基づいて所定の遊技演出(特定役の示唆演出等)が実行されるように演出装置(補助表示部65)を制御する手段を有し、
前記抽選手段による抽選が実行され、前記有効位置に停止した絵柄組合せに応じて前記遊技価値付与手段により遊技価値が付与可能に制御される遊技である通常遊技と、前記抽選手段による抽選が実行されず、前記有効位置に何れの絵柄組合せが停止した場合であっても前記遊技価値付与手段により遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技とを実行可能となっており、
前記第1制御装置は、
前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)と、
前記種別決定手段により決定された前記疑似遊技の種別を示す情報(種別番号)を、前記特定コマンド設定手段による前記特定コマンドの設定に適用可能な情報に変換する変換手段(主制御装置101にて種別番号の変換処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体の周回が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する遊技価値が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させても遊技価値付与の対象とならない疑似遊技が設定されていることから、各遊技の抽選と一対一で対応付けられた通常遊技だけでなく、当該抽選と対応しない疑似遊技を通常遊技と織り交ぜて遊技させることで遊技性を大幅に向上することができる。
しかしながら、疑似遊技を用いて遊技の多様化を図る上では、当該疑似遊技に係る処理の増加に伴って記憶部に格納する制御プログラムについても増大し得る。このように制御プログラムが増大することは、記憶部の記憶容量を圧迫し更なる遊技の多様化等を実現する上で妨げになると懸念される。ここで、本特徴に示す構成によれば、抽選手段による抽選の結果(具体的には抽選の結果を示す情報又は当該抽選の結果に相関のある情報)に基づいて第2制御装置に送信する特定コマンド(送信情報)が設定され、演出装置ではこの特定コマンドに基づいて所定の遊技演出(特定役の示唆演出等)が実行される。特定コマンド設定手段による特定コマンドの設定については種別決定手段により決定された疑似遊技の種別(具体的には当該種別を示す情報又は当該種別に相関のある情報)に基づいても実行可能となっている。このように、通常遊技に適用される特定コマンド設定手段を用いた特定コマンドの設定を疑似遊技にも流用可能とすれば、特定コマンドの設定に係る処理を圧縮できる。これにより、上記懸念を払しょくし、更なる遊技の多様化を促進できる。
因みに、本特徴に示す「前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)」、「前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)」との記載を「前記始動操作手段の操作に基づき、役の抽選を行う役抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)」、「前記疑似遊技の疑似特定役を抽選する疑似特定役抽選手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)」とすることも可能である。
また、本特徴に示す「通常遊技」及び「疑似遊技」に関する構成を以下のように変更することも可能である。すなわち、「前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止し場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技を実行可能な疑似遊技手段を備え」又は「前記始動操作手段の操作に基づいて各前記周回体を回転させ、前記停止操作手段の停止操作及び前記抽選手段による抽選結果に基づいて各周回体を停止させる遊技を通常遊技とし、前記駆動制御手段は、所定の実行条件が成立した場合に、前記始動操作手段が操作されてから前記通常遊技に対応した前記停止操作手段の操作が有効化されるまでの間に各前記周回体を特定態様で動作させ且つ所定の停止条件が成立した場合にそれら周回体を仮停止させる疑似遊技を実行する疑似遊技実行手段を有し」とすることも可能である。
特徴kB3.前記制御装置の前記記憶部には、前記疑似遊技の種別を示す情報(例えば種別番号)と前記特定情報との関係が規定されたテーブル(例えば種別番号変換テーブル)が記憶されており、
前記変換手段は、前記種別決定手段により決定された種別を示す情報と前記記憶部に記憶されている前記テーブルとに基づいて、当該種別を示す情報を前記特定コマンド設定手段による前記特定コマンドの設定に適用可能な情報に変換する構成となっていることを特徴とする特徴kB2に記載の遊技機。
予め規定された変換用のテーブルを参照して疑似遊技の種別を示す情報が特定コマンド設定手段による特定コマンドの設定用の情報(特定情報)に変換される構成によれば、両情報に何らの相関関係を設けなくても設定用の情報に変換可能となる。これは、遊技機を設計する際の設計自由度を好適に向上させて、遊技機の開発期間の短縮等を図る上で有利である。
特徴kB4.前記種別決定手段により決定され得る前記種別の種類は、前記所定結果の種類よりも少なくなるように構成されていることを特徴とする特徴kB3に記載の遊技機。
疑似遊技の種別の数は第1抽選手段による各種抽選結果のうち所定結果の種類よりも少ないため、種別を示す情報を変換する際に参照するテーブルの情報量を少なくすることができる。テーブルの情報量が少なくなることにより、当該テーブルを読み出しやすくなり、変換実行時の制御負荷を好適に軽減できる。
特徴kB5.前記特定情報は、前記抽選手段の抽選結果を示す情報(例えば当選役番号)となるように構成されており、
前記通常遊技においては、前記特定情報に応じて各前記周回体の停止制御が実行され、
前記変換手段は、前記種別を示す情報を前記抽選手段の抽選結果を示す情報に対応付けられた情報に変換する構成となっており、
前記疑似遊技においては、前記変換手段により変換された情報に基づいて各前記周回体の停止制御が実行される構成となっていることを特徴とする特徴kB2乃至特徴kB4のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、種別を示す情報を抽選手段の抽選結果を示す情報に対応付けられた情報に変換し、当該変換された情報に基づいて各前記周回体の停止制御を実行することで、当該変換された情報により通常遊技に係る停止制御と、疑似遊技に係る停止制御とに相関を生じさせることができる。これにより、疑似遊技と通常遊技とで見た目等を合わせることができ、通常遊技に擬態させる機能を好適に強化できる。
特徴kB6.前記変換手段は、第1変換手段であり、
前記特定コマンド設定手段は、前記相関のある情報に基づいて前記特定コマンドを設定する構成となっており、
前記第1制御装置は、前記抽選手段による抽選の結果を示す情報(例えば当選役番号)を前記相関のある情報に変換する第2変換手段(主制御装置101にて送信番号への変換処理を実行する機能)を有し、
前記第1変換手段は、前記種別決定手段により決定された前記種別を示す情報を、前記抽選手段による抽選の結果を示す情報に対応付けられた情報となるように変換する構成となっており、
前記第2変換手段は、前記第1変換手段により変換された前記種別を示す情報を前記相関のある情報に変換可能となっていることを特徴とする特徴kB2乃至特徴kB5のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、疑似遊技についても通常遊技と同じ流れで変換→特定コマンドの設定となるため、特定コマンドの設定に係る制御の大部分を通常遊技から流用可能となる。
特徴kB7.前記第1制御装置は、前記抽選手段の抽選結果を示す情報(例えば当選役番号)を前記特定コマンド設定手段による前記特定コマンドの設定用の処理とは異なる所定の処理(抽選結果コマンドの設定処理)にて参照する情報に変換する第3変換手段(主制御装置101にて送信番号への変換処理を実行する機能)を有し、
前記第3変換手段は、前記第1変換手段により変換された前記種別を示す情報を前記所定の処理にて参照可能な情報に変換可能となっていることを特徴とする特徴kB6に記載の遊技機。
上述の如く種別を示す情報を抽選手段による抽選の結果を示す情報(識別情報)に対応付けられた情報に変換する構成とすれば、疑似遊技についても通常遊技と同様の制御(特定コマンド設定手段による特定コマンドの設定用の処理や上記所定の処理)が可能となり、特定コマンド設定手段による特定コマンドの設定に適用可能な情報への変換と、所定の処理に適用可能な情報への変換とを別に行う構成と比較して、変換に係る構成全体の簡略化に寄与できる。
特徴kB8.前記変換手段は、第1変換手段であり、
前記特定コマンド設定手段は、前記相関のある情報に基づいて前記特定コマンドを設定する構成となっており、
前記第1制御装置は、前記抽選手段の抽選結果を示す情報(例えば当選役番号)を前記相関のある情報に変換する第2変換手段(主制御装置101にて送信番号への変換処理を実行する機能)を有し、
前記第1変換手段は、前記種別決定手段により決定された前記種別を示す情報を、前記相関のある情報に対応付けられた情報となるように変換することで前記特定コマンド設定手段による前記特定コマンドの設定に適用可能とすることを特徴とする特徴kB2乃至特徴kB5のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、抽選手段による抽選結果を示す情報(識別情報)を第3変換手段によって上記相関のある情報(相関情報)に変換し、当該相関情報に基づいて特定コマンド設定手段による特定コマンドの設定がなされる。ここで、第1変換手段については、種別を示す情報を識別情報ではなく相関情報に合せて変換することにより、当該種別を示す情報を識別情報に変換する構成と比較して、情報の変換ステップを少なくすることができる。これにより、疑似遊技が実行される際の制御負荷の過度上昇を抑制することができる。
特徴kB9.前記特定情報と前記変換手段により変換された前記種別を示す情報とは何れも、前記第1制御装置の前記記憶部に設けられた所定領域(例えば当選役番号記憶エリアや送信番号記憶エリア)に記憶される構成となっており、
前記特定コマンド設定手段は、前記所定領域に記憶されている情報に基づいて前記特定コマンドを設定する構成となっていることを特徴とする特徴kB1乃至特徴kB8のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、特定コマンド設定手段が所定領域に記憶されている情報に基づいて特定コマンドを設定する構成とした上で、通常遊技に係る特定情報と疑似遊技に係る種別を示す情報とを何れも当該所定領域に記憶させる構成とすれば、情報を読み出す領域が同一となることで、抽選に係る制御(制御プログラム)の簡素化に貢献できる。
特徴kB10.前記所定領域に記憶される情報である前記特定情報及び前記変換手段により変換された前記種別を示す情報の各情報は、何れもその情報が前記通常遊技及び前記疑似遊技の何れに対応しているかを示す情報を含んでいないことを特徴とする特徴kB9に記載の遊技機。
特定コマンド設定手段にて参照される情報(特定情報及び変換後の種別情報)が通常遊技及び疑似遊技の何れに対応しているかを示す情報を含まない構成、すなわちそれらの情報から何れの遊技であるかを特定しない構成とすれば、当該情報を参照して特定コマンドを設定する際の情報分析等が容易となり、特定コマンド設定手段による特定コマンドの設定を速やかに実行できる。
因みに、特徴kB2乃至特徴kB10に示した各技術的思想を特徴kB1に適用することも可能である。
なお、上記特徴kB1乃至特徴kB10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴kB1乃至特徴kB10の各構成に対して、特徴kA1乃至特徴kA13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
<特徴kC群>
特徴kC1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)及び当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)が設けられている制御装置(主制御装置101)と
を備え、
前記制御部は、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101のCPU102にて抽選処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101のCPU102にてリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であり且つ前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に前記所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する遊技価値(例えばメダル)を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101のCPU102にて払出判定処理を実行する機能)と
を有し、
前記抽選手段による抽選が実行され、前記有効位置に停止した絵柄組合せに応じて前記遊技価値付与手段により遊技価値が付与可能に制御される遊技である通常遊技と、前記抽選手段による抽選が実行されず、前記有効位置に何れの絵柄組合せが停止した場合であっても前記遊技価値付与手段により遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技とを実行可能となっており、
前記記憶部における所定の記憶領域(例えばRAM106の当選役番号記憶エリア、上乗せ抽選番号用記憶エリア、送信番号用記憶エリア)には、特定情報(例えば当選役番号、上乗せ抽選番号、送信番号)を記憶可能となっており、
前記制御部は、
前記抽選手段により抽選が行われた場合に、今回の抽選結果の情報又は当該抽選結果に相関のある情報を前記特定情報として前記所定の記憶領域に記憶させる第1設定手段(主制御装置101のCPU102にて通常遊技に係る当選役番号、上乗せ抽選番号、送信番号の記憶処理を実行する機能)と、
前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101のCPU102にて種別抽選処理を実行する機能)と、
前記種別決定手段により種別が決定された場合に、今回の種別の情報又は当該種別に相関のある情報を前記特定情報として前記所定の記憶領域に記憶させる第2設定手段(主制御装置101のCPU102にて疑似遊技に係る種別番号、上乗せ抽選番号、送信番号の記憶処理を実行する機能)と、
前記所定の記憶領域に記憶されている前記特定情報に応じて特定情報対応処理(例えば上乗せ抽選番号や送信番号への変換処理、上乗せ抽選処理、遊技結果コマンドの設定処理)を実行する対応処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号や送信番号への変換処理、上乗せ抽選処理、遊技結果コマンドの設定処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体の周回が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する遊技価値が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させても遊技価値付与の対象とならない疑似遊技が設定されていることから、各遊技の抽選と一対一で対応付けられた通常遊技だけでなく、当該抽選と対応しない疑似遊技を通常遊技と織り交ぜて遊技させることで遊技性を大幅に向上することができる。
しかしながら、通常遊技と疑似遊技とを併用して遊技の多様化を図る上では、当該疑似遊技の存在が制御プログラムの肥大化や制御負荷の増加の要因となり得る。これは遊技の円滑な進行の妨げになると懸念される。ここで、本特徴に示す構成によれば、通常遊技では抽選手段の抽選結果に係る情報(抽選結果の情報又は抽選結果に相関のある情報)が特定情報として記憶部における所定の記憶領域(所定のアドレス)に記憶され、当該特定情報に基づいて特定情報対応処理が実行される。これに対して、疑似遊技では種別決定手段により決定された種別に係る情報(種別の情報又は種別に相関のある情報)が特定情報として上記所定の記憶領域に記憶され、当該特定情報に基づいて特定情報対応処理が実行される。つまり、通常遊技と疑似遊技とで所定の記憶領域を共用としており、通常遊技及び疑似遊技に同様の特定情報対応処理を適用可能となるように構成されている。このような構成とすれば、制御に係る構成の簡素化によって制御負荷の軽減等に寄与できる。そして、遊技の多様化に起因した制御負荷の増加を抑制することにより、遊技の多様化を好適に実現できる。これは、遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。
なお、本特徴に示す構成を「複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)及び当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)が設けられている制御装置(主制御装置101)とを備え、前記制御部は、前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、前記抽選手段における抽選結果が所定結果であり且つ前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に前記所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する遊技価値(例えばメダル)を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)とを有し、前記有効位置に停止した絵柄組合せに応じて前記遊技価値付与手段により遊技価値が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、前記制御部は、前記有効位置に停止した絵柄組合せに関係なく前記遊技価値付与手段により遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技を実行可能な疑似遊技実行手段(主制御装置101にて疑似遊技用リール制御処理等を実行する機能)と、前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)とを有し、前記記憶部における所定の記憶領域(例えば上乗せ抽選番号用記憶エリアや送信番号用記憶エリア)には、複数の特定情報(例えば上乗せ抽選番号や送信番号)からなる特定情報群の何れかを記憶可能となっており、前記制御部は、前記所定の記憶領域に記憶されている前記特定情報に応じて特定情報対応処理(例えば上乗せ抽選処理や遊技結果コマンドの設定処理)を実行する対応処理実行手段(CPU102にて上乗せ抽選処理や遊技結果コマンドの設定処理を実行する機能)を有し、前記抽選手段による抽選結果である前記所定結果として複数の所定結果(例えば、特定役であるスイカ、チャンス目B、チェリーA、チェリーB)が設けられており且つ前記種別決定手段により決定される前記種別として複数の種別(例えば、疑似特定役であるスイカ、チャンス目B、チェリーA、チェリーB)が設けられており、前記制御部は、前記抽選手段により抽選が行われた場合に、今回の抽選結果の情報又は当該抽選結果に相関のある情報を前記特定情報として前記所定の記憶領域に記憶させる第1設定手段と、前記種別決定手段により種別が決定された場合に、今回の種別の情報又は当該種別に相関のある情報を前記特定情報として前記所定の記憶領域に記憶させる第2設定手段とを備えていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
因みに、本特徴に示す「前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)」、「前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)」との記載を「前記始動操作手段の操作に基づき、役の抽選を行う役抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)」、「前記疑似遊技の疑似特定役を抽選する疑似特定役抽選手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)」とすることも可能である。
また、本特徴に示す「通常遊技」及び「疑似遊技」に関する構成を以下のように変更することも可能である。すなわち、「前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止し場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技を実行可能な疑似遊技手段を備え」又は「前記始動操作手段の操作に基づいて各前記周回体を回転させ、前記停止操作手段の停止操作及び前記抽選手段による抽選結果に基づいて各周回体を停止させる遊技を通常遊技とし、前記駆動制御手段は、所定の実行条件が成立した場合に、前記始動操作手段が操作されてから前記通常遊技に対応した前記停止操作手段の操作が有効化されるまでの間に各前記周回体を特定態様で動作させ且つ所定の停止条件が成立した場合にそれら周回体を仮停止させる疑似遊技を実行する疑似遊技実行手段を有し」とすることも可能である。
特徴kC2.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)及び当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)が設けられている制御装置(主制御装置101)と
を備え、
前記制御部は、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101のCPU102にて抽選処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101のCPU102にてリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であり且つ前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に前記所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する遊技価値(例えばメダル)を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101のCPU102にて払出判定処理を実行する機能)と
を有し、
前記抽選手段による抽選が実行され、前記有効位置に停止した絵柄組合せに応じて前記遊技価値付与手段により遊技価値が付与可能に制御される遊技である通常遊技と、前記抽選手段による抽選が実行されず、前記有効位置に何れの絵柄組合せが停止した場合であっても前記遊技価値付与手段により遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技とを実行可能となっており、
前記制御部は、
前記抽選手段により抽選が行われた場合に、今回の抽選結果の情報又は当該抽選結果に相関のある情報を特定情報として前記記憶部における所定の記憶領域(例えばRAM106の当選役番号記憶エリア、上乗せ抽選番号記憶エリア、送信番号記憶エリア)に記憶させる第1設定手段(主制御装置101のCPU102にて通常遊技に係る当選役番号、上乗せ抽選番号、送信番号の記憶処理を実行する機能)と、
前記所定の記憶領域に記憶されている前記特定情報に応じて特定情報対応処理(例えば上乗せ抽選番号や送信番号への変換処理、上乗せ抽選処理、遊技結果コマンドの設定処理)を実行する対応処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号や送信番号への変換処理、上乗せ抽選処理、遊技結果コマンドの設定処理を実行する機能)と、
前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101のCPU102にて種別抽選処理を実行する機能)と、
前記種別決定手段により種別が決定された場合に、今回の種別の情報又は当該種別に相関のある情報を前記特定情報として前記所定の記憶領域に記憶させる第2設定手段(主制御装置101のCPU102にて疑似遊技に係る種別番号、上乗せ抽選番号、送信番号の記憶処理を実行する機能)と
を有し、
前記対応処理実行手段は、前記第2設定手段によって前記所定の記憶領域に前記特定情報が記憶された場合にも、当該特定情報に応じて前記特定情報対応処理(例えば上乗せ抽選処理や遊技結果コマンドの設定処理)を実行するように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体の周回が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する遊技価値が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させても遊技価値付与の対象とならない疑似遊技が設定されていることから、各遊技の抽選と一対一で対応付けられた通常遊技だけでなく、当該抽選と対応しない疑似遊技を通常遊技と織り交ぜて遊技させることで遊技性を大幅に向上することができる。
しかしながら、通常遊技と疑似遊技とを併用して遊技の多様化を図る上では、当該疑似遊技の存在が制御プログラムの肥大化や制御負荷の増加の要因となり得る。これは遊技の円滑な進行の妨げになると懸念される。ここで、本特徴に示す構成によれば、通常遊技では抽選手段の抽選結果に係る情報(抽選結果の情報又は抽選結果に相関のある情報)が特定情報として記憶部における所定の記憶領域(所定のアドレス)に記憶され、当該特定情報に基づいて特定情報対応処理が実行される。これに対して、疑似遊技では種別決定手段により決定された種別に係る情報(種別の情報又は種別に相関のある情報)が特定情報として上記所定の記憶領域に記憶され、当該特定情報に基づいて特定情報対応処理が実行される。つまり、通常遊技と疑似遊技とで所定の記憶領域を共用としており、通常遊技及び疑似遊技に同様の特定情報対応処理を適用可能となるように構成されている。このような構成とすれば、制御に係る構成の簡素化によって制御負荷の軽減等に寄与できる。そして、遊技の多様化に起因した制御負荷の増加を抑制することにより、遊技の多様化を好適に実現できる。これは、遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。
特徴kC3.前記所定の記憶領域に記憶される前記特定情報の数は1つとなるように構成されていることを特徴とする特徴kC1又は特徴kC2に記載の遊技機。
所定の記憶領域に1の特定情報が記憶される構成とすれば、特定情報対応処理にて参照すべき特定情報の選択等が不要となる。これにより、特定情報対応処理を実行する際の制御負荷を好適に軽減できる。
特徴kC4.前記所定の記憶領域は、前記通常遊技が実行される場合には前記第1設定手段により前記特定情報が記憶される領域として機能し、前記疑似遊技が実行される場合には前記第2設定手段により前記特定情報が記憶される記憶領域として機能することを特徴とする特徴kC1乃至特徴kC3のいずれか1つに記載の遊技機。
上述の如く所定の記憶領域を状況(通常遊技、疑似遊技)に応じて使い分ける構成とすれば、特徴kC1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴kC5.前記通常遊技にて所定の実行条件が成立した場合に、前記通常遊技の進行を規制して前記疑似遊技が実行される構成となっており、
前記制御部は、前記第1設定手段により記憶された前記特定情報が前記所定の記憶領域に保持されている状況下にて、前記第2設定手段によって当該所定の記憶領域に新たに前記特定情報が記憶される場合には、前記所定の記憶領域に保持されている前記特定情報を前記記憶部に設けられた退避領域(一時退避エリア)へ退避させる手段を有していることを特徴とする特徴kC1乃至特徴kC4のいずれか1つに記載の遊技機。
疑似遊技が実行される場合には、所定の記憶領域に記憶されている特定情報(通常遊技に係る特定情報)を退避領域へ退避させて当該特定情報を残す構成とすれば、疑似遊技開始までに当該特定情報を用いた各種制御処理を全て完了させる必要がなくなる。このような構成とすることにより、所定の記憶領域を通常遊技と疑似遊技とで共用としつつ、それに起因した各種制御処理の実行タイミングに係る制約を緩和させることができる。
特徴kC6.前記制御部は、前記記憶部の前記退避領域に前記特定情報が退避されている状況下にて前記所定の記憶領域に記憶されている前記特定情報に基づいた前記特定情報対応処理が実行された場合には、当該特定情報対応処理が実行された後に、前記退避領域に退避されている前記特定情報を前記所定の記憶領域に復帰させる手段を有していることを特徴とする特徴kC5に記載の遊技機。
退避領域に退避された特定情報を、特定情報対応処理にてアクセスされる領域である所定の記憶領域に復帰させる構成とすれば、特定情報対応処理を実行する場合に例えば状況に応じた情報の参照先の変更等が不要となり、特定情報対応処理を速やかに実行できる。
特徴kC7.前記特定情報は、当該特定情報が前記通常遊技及び前記疑似遊技の何れに対応しているかを示す情報を含まない構成となっていることを特徴とする特徴kC1乃至特徴kC6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴kC7に示す構成によれば、特定情報の情報量を少なくすることができる。これは、当該特定情報の取り扱いを容易としたり、所定の記憶領域の容量に係る制約を抑えたりする上で好ましい。
なお、本特徴に示す構成を「前記特定情報は、当該特定情報が前記第1設定手段及び前記第2設定手段の何れにより記憶されたかを示す情報を含まない構成となっていることを特徴とする特徴kC1乃至特徴kC6のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴kC8.前記対応処理実行手段は、前記第1設定手段により記憶された前記特定情報と前記第2設定手段により記憶された前記特定情報とを区別することなく前記特定情報対応処理を実行する構成となっていることを特徴とする特徴kC1乃至特徴kC7のいずれか1つに記載の遊技機。
特定情報対応処理を実行する上で特定情報の由来を不問とすることにより、当該特定情報対応処理を実行する際の制御負荷の軽減に寄与できる。
特徴kC9(各ルートで記憶される特定情報が全然違う情報ではない点).前記第2設定手段により前記所定の記憶領域に記憶され得る前記特定情報の種類は、前記第1設定手段により前記所定の記憶領域に記憶され得る前記特定情報の種類と一致、又は前記第1設定手段により前記所定の記憶領域に記憶され得る前記特定情報の種類に含まれていることを特徴とする特徴kC1乃至特徴kC8のいずれか1つに記載の遊技機。
通常遊技に係る特定情報の全種類と疑似遊技に係る特定情報の全種類とを一致させる構成又は前者に後者が含まれる構成とすれば、通常遊技と疑似遊技との相関関係を強めることができる。
特徴kC10.前記対応処理実行手段は、前記特定情報対応処理として、前記所定の記憶領域に記憶されている前記特定情報を他の情報に変換する変換処理(上乗せ抽選番号への変換処理や送信番号への変換処理)を実行する手段を有していることを特徴とする特徴kC1乃至特徴kC9のいずれか1つに記載の遊技機。
通常遊技に係る特定情報と疑似遊技に係る特定情報とを他の情報に変換する上では、それら特定情報を同様に取り扱う構成とすることで変換用のテーブル等を共通とすることができる。これは、記憶部の記憶容量の圧迫を抑える上で好ましい。
特徴kC11.前記対応処理実行手段は、前記特定情報対応処理として、前記所定の記憶領域に記憶されている前記特定情報に応じて前記遊技価値とは異なる特典の抽選を行う抽選処理(上乗せ抽選処理)を実行する手段を有していることを特徴とする特徴kC1乃至特徴kC10のいずれか1つに記載の遊技機。
通常遊技に係る特定情報と疑似遊技に係る特定情報とを一元化した上で遊技価値とは異なる特典の抽選を行う構成とすれば、通常遊技と疑似遊技との相関を強めることができる。
特徴kC12.前記対応処理実行手段は、前記特定情報対応処理として、前記所定の記憶領域に記憶されている前記特定情報に応じて第1対応処理(上乗せ抽選番号への変換処理)及び第2対応処理(送信番号への変換処理)を実行する構成となっていることを特徴とする特徴kC1乃至特徴kC11のいずれか1つに記載の遊技機。
所定の記憶領域に記憶されている特定情報に基づいて複数の対応処理が実行される構成に対して特徴kC1等に示した構成を適用すれば、通常遊技に係る特定情報と疑似遊技に係る特定情報とを一元化した上で複数の対応処理が実行されることとなり、通常遊技用の第1/第2対応処理と、疑似遊技用の第1/第2対応処理とを各々設ける構成と比較して、情報対応処理に係る構成を簡素化できる。
なお、上記特徴kC1乃至特徴kC12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴kC1乃至特徴kC12の各構成に対して、特徴kA1乃至特徴kA13、特徴kB1乃至特徴kB10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴kD群>
特徴kD1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)及び当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)が設けられている制御装置(主制御装置101)と
を備え、
前記制御部は、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101のCPU102にて抽選処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101のCPU102にてリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であり且つ前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に前記所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する遊技価値(例えばメダル)を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101のCPU102にて払出判定処理を実行する機能)と
を有し、
前記抽選手段による抽選が実行され、前記有効位置に停止した絵柄組合せに応じて前記遊技価値付与手段により遊技価値が付与可能に制御される遊技である通常遊技と、前記抽選手段による抽選が実行されず、前記有効位置に何れの絵柄組合せが停止した場合であっても前記遊技価値付与手段により遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技とを実行可能となっており、
前記制御部は、
前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101のCPU102にて種別抽選処理を実行する機能)と、
前記種別決定手段により決定された前記種別及び前記抽選手段の前記抽選結果に基づいて特定の処理を各々実行する特定処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号への変換処理や送信番号への変換処理を実行する機能)と
を有し、
前記抽選手段による抽選結果として前記所定結果を含む複数の抽選結果(例えば、特定役であるスイカ、チャンス目B、チェリーA、チェリーB等)が設けられており且つ前記種別決定手段により決定される前記種別として複数の種別(例えば、疑似特定役であるスイカ、チャンス目B、チェリーA、チェリーB)が設けられており、
各前記種別は、前記特定処理実行手段による処理結果(例えば上乗せ抽選番号や送信番号の変換結果)が前記複数の抽選結果の何れかと同一となるように規定されており、
前記制御部にて処理を実行する場合に当該制御部が各前記抽選結果を識別するための識別情報として各前記抽選結果に各々対応付けられた抽選結果識別情報(当選役番号)が設けられており、
前記制御部にて処理を実行する場合に当該制御部が各前記種別を識別するための識別情報として各前記種別に各々対応付けられた種別識別情報(種別番号)が設けられており、
前記特定処理手段による処理結果が同一となる前記抽選結果及び前記種別の組合せについては、前記抽選結果識別情報と前記種別識別情報との相関関係(例えば差)が何れも所定の相関関係(例えば一致の関係や差が何れも同じ関係)となるように規定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体の周回が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する遊技価値が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させても遊技価値付与の対象とならない疑似遊技が設定されていることから、各遊技の抽選と一対一で対応付けられた通常遊技だけでなく、当該抽選と対応しない疑似遊技を通常遊技と織り交ぜて遊技させることで遊技性を大幅に向上することができる。
しかしながら、通常遊技と疑似遊技とを併用して遊技の多様化を図る上では、当該疑似遊技の存在が制御プログラムの肥大化や制御負荷の増加の要因となり得る。これは遊技の円滑な進行の妨げになると懸念される。ここで、本特徴においては、抽選手段の抽選結果及び種別決定手段により決定された種別に基づいて特定の処理が各々実行される。そして、特定処理実行手段による処理結果が同一となる抽選結果及び種別の組合せが複数設けられており、各同一となる組合せに係る抽選結果識別情報及び種別識別情報の相関関係が何れも所定の相関関係となるように規定されている。このような構成とすれば、通常遊技用の特定の処理と疑似遊技用の特定の処理とを完全に分ける必要がなく、各処理の共通化を促進できる。例えば、所定の関係が一致の関係であれば各特定の処理の共通化は容易となり、所定の関係が一致の関係ではない場合であっても当該所定の相関関係に基づいて識別情報の変換/置換を簡易に実現できるため各特定の処理の共通化が容易となる。これにより、遊技の多様化に起因した制御負荷の増加等を抑制し、遊技への注目度を向上させる効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示す「前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)」、「前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)」との記載を「前記始動操作手段の操作に基づき、役の抽選を行う役抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)」、「前記疑似遊技の疑似特定役を抽選する疑似特定役抽選手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)」とすることも可能である。
また、本特徴に示す「通常遊技」及び「疑似遊技」に関する構成を以下のように変更することも可能である。すなわち、「前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止し場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技を実行可能な疑似遊技手段を備え」又は「前記始動操作手段の操作に基づいて各前記周回体を回転させ、前記停止操作手段の停止操作及び前記抽選手段による抽選結果に基づいて各周回体を停止させる遊技を通常遊技とし、前記駆動制御手段は、所定の実行条件が成立した場合に、前記始動操作手段が操作されてから前記通常遊技に対応した前記停止操作手段の操作が有効化されるまでの間に各前記周回体を特定態様で動作させ且つ所定の停止条件が成立した場合にそれら周回体を仮停止させる疑似遊技を実行する疑似遊技実行手段を有し」とすることも可能である。
特徴kD2.各前記抽選結果識別情報及び各前記種別識別情報は何れも番号であり、
前記抽選結果識別情報と前記種別識別情報との相関関係は、前記特定処理手段による処理結果が同一となる前記抽選結果及び前記種別の各組合せについて前記抽選結果識別情報と前記種別識別情報との差が何れも所定数(例えば4)となるように規定されていることを特徴とする特徴kD1に記載の遊技機。
特定処理手段による処理結果が同一となる組合せについては抽選結果識別情報と種別識別情報との差が何れも所定数となる。所定数が0の場合には言うまでもなく、所定数が0でない場合であっても抽選結果識別情報と種別識別情報との互換性は高くなる。両識別情報の一方について所定数を加算又は減算すれば他方と同様に取り扱うことが可能となり、上述した変換や置換を実行する場合に変換テーブルや置換テーブル等の読み出しが不要となる。これにより制御負荷を好適に軽減できる。
特徴kD3.各前記抽選結果識別情報及び各前記種別識別情報は何れも連続する番号であることを特徴とする特徴kD2に記載の遊技機。
本特徴に示すように抽選結果識別情報及び種別識別番号を何れも連番とすれば、上述した所定の相関関係を好適に構築できる。
特徴kD4.各前記抽選結果識別情報及び各前記種別識別情報は何れも番号であり、
前記抽選結果識別情報と前記種別識別情報との相関関係は、前記特定処理手段による処理結果が同一となる前記抽選結果及び前記種別の各組合せについて前記抽選結果識別情報と前記種別識別情報との一方を他方で除した数が何れも所定数となるように規定されていることを特徴とする特徴kD1に記載の遊技機。
特定処理手段による処理結果が同一となる組合せについては抽選結果識別情報と種別識別情報との一方を他方で除した数が何れも所定数となる。所定数が1の場合には言うまでもなく、所定数が1でない場合であっても抽選結果識別情報と種別識別情報との互換性は高くなる。両識別情報の一方について所定数をかけ算すれば他方と同様に取り扱うことが可能となり、上述した変換や置換を実行する場合に変換テーブルや置換テーブル等の情報群の読み出しが不要となる。これにより制御負荷を好適に軽減できる。
特徴kD5.前記制御部は、各前記抽選結果識別情報及び各前記種別識別情報のうち一方を前記所定の相関関係に基づいて変換する変換手段(主制御装置101にて種別番号の変換処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理実行手段は、前記変換手段により変換された情報に基づいて前記特定の処理を実行可能となっていることを特徴とする特徴kD1乃至特徴kD4のいずれか1つに記載の遊技機。
所定の相関関係に基づいて情報を変換し、当該変換した情報に基づいて特定の処理を実行する構成とすることにより、特定の処理を通常遊技及び疑似遊技の両方に適用する上で場合分け等が不要となる。これにより、当該特定の処理の処理負荷を軽減し、当該特定の処理を速やかに実行可能な構成を実現できる。
特徴kD6.前記疑似遊技は、所定の実行条件が成立した場合に実行される構成となっており、
前記制御部は、各前記抽選結果識別情報及び各前記種別識別情報のうち各前記種別識別情報を前記所定の相関関係に基づいて変換する変換手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号の変換処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理実行手段は、前記変換手段により変換された前記種別識別情報に基づいて前記特定の処理を実行可能となっていることを特徴とする特徴kD1乃至特徴kD4のいずれか1つに記載の遊技機。
擬似遊技については所定の実行条件が成立した場合に実行される構成であり、通常遊技と比べて実行頻度が低い。そこで、変換手段による変換の対象を疑似遊技に係る種別識別情報とすることで、都度の通常遊技では上記変換手段による変換が不要となり、変換機能が慢性的な処理負荷の増加を招く要因になることを回避できる。
特徴kD7.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)及び当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)が設けられている制御装置(主制御装置101)と
を備え、
前記制御部は、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101のCPU102にて抽選処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101のCPU102にてリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であり且つ前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に前記所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する遊技価値(例えばメダル)を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101のCPU102にて払出判定処理を実行する機能)と
を有し、
前記抽選手段による抽選が実行され、前記有効位置に停止した絵柄組合せに応じて前記遊技価値付与手段により遊技価値が付与可能に制御される遊技である通常遊技と、前記抽選手段による抽選が実行されず、前記有効位置に何れの絵柄組合せが停止した場合であっても前記遊技価値付与手段により遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技とを実行可能となっており、
前記制御部は、
前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101のCPU102にて種別抽選処理を実行する機能)と、
前記種別決定手段により決定された前記種別及び前記抽選手段の前記抽選結果に基づいて特定の処理を各々実行する特定処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号への変換処理や送信番号への変換処理を実行する機能)と
を有し、
前記抽選手段による抽選結果である前記所定結果として第1所定結果(例えば特定役であるチャンス目B)及び第2所定結果(例えば特定役であるチェリーA)を含み且つ前記種別決定手段により決定される前記種別として前記特定処理実行手段による処理結果(例えば上乗せ抽選番号や送信番号の変換結果)が前記第1所定結果と同一となる第1種別(例えば疑似特定役であるチャンス目B)及び前記特定処理実行手段による処理結果(例えば上乗せ抽選番号や送信番号の変換結果)が前記第2所定結果と同一となる第2種別(例えば疑似特定役であるチェリーA)を含み、
前記制御部にて処理を実行する場合に当該制御部が各前記所定結果を識別するための所定結果識別情報(当選役番号)として、前記第1所定結果に対応付けられた第1所定結果識別情報(例えば当選役番号「6」)と前記第2所定結果に対応付けられた第2所定結果識別情報(例えば当選役番号「7」)とを含み、
前記制御部にて処理を実行する場合に当該制御部が各前記種別を識別するための種別識別情報(種別番号)として、前記第1種別に対応付けられた第1種別識別情報(例えば種別番号「2」)と前記第2種別に対応付けられた第2種別識別情報(例えば種別番号「3」)とを含み、
前記第1所定結果識別情報及び前記第1種別識別情報の相関関係(例えば番号の差)と、前記第2所定結果識別情報及び前記第2種別識別情報との相関関係(例えば番号の差)とが何れも所定の相関関係(例えば差が何れも「4」)となるように規定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体の周回が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する遊技価値が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させても遊技価値付与の対象とならない疑似遊技が設定されていることから、各遊技の抽選と一対一で対応付けられた通常遊技だけでなく、当該抽選と対応しない疑似遊技を通常遊技と織り交ぜて遊技させることで遊技性を大幅に向上することができる。
しかしながら、通常遊技と疑似遊技とを併用して遊技の多様化を図る上では、当該疑似遊技の存在が制御プログラムの肥大化や制御負荷の増加の要因となり得る。これは遊技の円滑な進行の妨げになると懸念される。ここで、本特徴においては、抽選手段の抽選結果及び種別決定手段により決定された種別に基づいて特定の処理が各々実行される。そして、特定処理実行手段による処理結果が同一となる所定結果(抽選結果)及び種別の組合せが複数設けられており、各同一となる組合せに係る所定結果識別情報及び種別識別情報の相関関係が何れも所定の相関関係となるように規定されている。このような構成とすれば、通常遊技用の特定の処理と疑似遊技用の特定の処理とを完全に分ける必要がなく、各処理の共通化を促進できる。例えば、所定の関係が一致の関係であれば各特定の処理の共通化は容易となり、所定の関係が一致の関係ではない場合であっても当該所定の相関関係に基づいて識別情報の変換/置換を簡易に実現できるため各特定の処理の共通化が容易となる。これにより、遊技の多様化に起因した制御負荷の増加等を抑制し、遊技への注目度を向上させる効果を好適に発揮させることができる。
特徴kD8.各前記所定結果識別情報及び各前記種別識別情報は何れも番号であり、
前記第1所定結果識別情報と前記第1種別識別情報との差と、前記第2所定結果識別情報と前記第2種別識別情報との差とが何れも所定数となるように構成されていることを特徴とする特徴kD7に記載の遊技機。
特定処理手段による処理結果が同一となる組合せについては所定結果識別情報と種別識別情報との差が何れも所定数となる。所定数が0の場合には言うまでもなく、所定数が0でない場合であっても所定結果識別情報と種別識別情報との互換性は高くなる。両識別情報の一方について所定数を加算又は減算すれば他方と同様に取り扱うことが可能となり、上述した変換や置換を実行する場合に変換テーブルや置換テーブル等の読み出しが不要となる。これにより制御負荷を好適に軽減できる。
特徴kD9.各前記所定結果識別情報及び各前記種別識別情報は何れも番号であり、
前記第1所定結果識別情報を前記第1種別識別情報にて除した数と、前記第2所定結果識別情報を前記第2種別識別情報にて除した数とが何れも所定数となるように構成されていることを特徴とする特徴kD7に記載の遊技機。
特定処理手段による処理結果が同一となる組合せについては所定結果識別情報を種別識別情報で除した数が何れも所定数となる。所定数が1の場合には言うまでもなく、所定数が1でない場合であっても所定結果識別情報と種別識別情報との互換性は高くなる。両識別情報の一方について所定数をかけ算すれば他方と同様に取り扱うことが可能となり、上述した変換や置換を実行する場合に変換テーブルや置換テーブル等の情報群の読み出しが不要となる。これにより制御負荷を好適に軽減できる。
特徴kD10.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)及び当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)が設けられている制御装置(主制御装置101)と
を備え、
前記制御部は、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101のCPU102にて抽選処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101のCPU102にてリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であり且つ前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に前記所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する遊技価値(例えばメダル)を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101のCPU102にて払出判定処理を実行する機能)と
を有し、
前記抽選手段による抽選が実行され、前記有効位置に停止した絵柄組合せに応じて前記遊技価値付与手段により遊技価値が付与可能に制御される遊技である通常遊技と、前記抽選手段による抽選が実行されず、前記有効位置に何れの絵柄組合せが停止した場合であっても前記遊技価値付与手段により遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技とを実行可能となっており、
前記制御部は、
前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101のCPU102にて種別抽選処理を実行する機能)と、
前記種別決定手段により決定された前記種別及び前記抽選手段の前記抽選結果に基づいて特定の処理を各々実行する特定処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号への変換処理や送信番号への変換処理を実行する機能)と
を有し、
前記抽選手段による抽選結果である前記所定結果として第1所定結果(例えば特定役であるチャンス目B)、第2所定結果(例えば特定役であるチェリーA)、第3所定結果(チェリーB)を含み且つ前記種別決定手段により決定される前記種別として第1種別(例えば疑似特定役であるチャンス目B)、第2種別(例えば疑似特定役であるチェリーA)を含み、
前記制御部にて処理を実行する場合に当該制御部が各前記所定結果を識別するための所定結果識別情報(当選役番号)として、前記第1所定結果に対応付けられた第1所定結果識別情報(例えば当選役番号「6」)と前記第2所定結果に対応付けられた第2所定結果識別情報(例えば当選役番号「7」)と前記第3所定結果に対応付けられた第3所定結果識別情報(例えば当選役番号「8」)とを含み、
前記制御部にて処理を実行する場合に当該制御部が各前記種別を識別するための種別識別情報(種別番号)として、前記第1種別に対応付けられた第1種別識別情報(例えば種別番号「2」)と前記第2種別に対応付けられた第2種別識別情報(例えば種別番号「3」)とを含み、
前記第1所定結果識別情報及び前記第1種別識別情報の相関関係(例えば番号の差)と、前記第2所定結果識別情報及び前記第2種別識別情報との相関関係(例えば番号の差)とが何れも第1の相関関係(例えば差が何れも「4」)となるように規定されており、
前記第2所定結果識別情報及び前記第1種別識別情報の相関関係(例えば番号の差)と、前記第3所定結果識別情報及び前記第2種別識別情報との相関関係(例えば番号の差)とが何れも第2の相関関係(例えば差が何れも「5」)となるように規定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体の周回が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する遊技価値が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させても遊技価値付与の対象とならない疑似遊技が設定されていることから、各遊技の抽選と一対一で対応付けられた通常遊技だけでなく、当該抽選と対応しない疑似遊技を通常遊技と織り交ぜて遊技させることで遊技性を大幅に向上することができる。
しかしながら、通常遊技と疑似遊技とを併用して遊技の多様化を図る上では、当該疑似遊技の存在が制御プログラムの肥大化や制御負荷の増加の要因となり得る。これは遊技の円滑な進行の妨げになると懸念される。ここで、本特徴においては、抽選手段の抽選結果及び種別決定手段により決定された種別に基づいて特定の処理が各々実行される。そして、第1所定結果識別情報及び第1種別識別情報の相関関係と、第2所定結果識別情報及び第2種別識別情報との相関関係とが何れも第1の相関関係となるように規定されており、第2所定結果識別情報及び第1種別識別情報の相関関係と、第3所定結果識別情報及び第2種別識別情報との相関関係とが何れも第2の相関関係となるように規定されている。このような構成とすれば、通常遊技用の特定の処理と疑似遊技用の特定の処理とを完全に分ける必要がなく、各処理の共通化を促進できる。例えば、第1の相関関係が一致の関係であれば各特定の処理の共通化は容易となり、第1の相関関係が一致の関係ではない場合であっても当該第1の相関関係に基づいて識別情報の変換/置換を簡易に実現できるため各特定の処理の共通化が容易となる。同様に、第2の相関関係が一致の関係であれば各特定の処理の共通化は容易となり、第2の相関関係が一致の関係ではない場合であっても当該第2の相関関係に基づいて識別情報の変換/置換を簡易に実現できるため各特定の処理の共通化が容易となる。これにより、遊技の多様化に起因した制御負荷の増加等を抑制し、遊技への注目度を向上させる効果を好適に発揮させることができる。
特徴kD11.前記制御部は、前記第1種別識別情報及び前記第2種別識別情報を前記第1の相関関係に基づいて変換する第1の変換手段(主制御装置101にて種別番号の変換処理を実行する機能)と、前記第1種別識別情報及び前記第2種別識別情報を前記第2の相関関係に基づいて変換する第2の変換手段(主制御装置101にて種別番号の変換処理を実行する機能)とを有し、それら第1の変換手段及び第2の変換手段の何れかによって前記変換を行う構成となっており、
前記特定処理実行手段は、前記第1の変換手段により変換された情報に基づいて前記特定の処理を実行可能、且つ前記第2の変換手段により変換された情報に基づいて前記特定の処理を実行可能となるように構成されていることを特徴とする特徴kD10に記載の遊技機。
第1の変換手段については第1の相関関係に基づいて種別識別情報を変換し、第2の変換手段については第2の相関関係に基づいて種別識別情報を変換する。これら2つの変換手段については何れも一義的に定められた相関関係を利用できるため、変換パターンの多様化を実現しつつ、変換実行時の制御負荷の増加を抑制できる。
特徴kD12.前記種別決定手段により種別が決定された場合には、前記第1の変換手段による変換及び前記第2の変換手段による変換の何れを実行するかが遊技の状況に基づいて決定される構成となっていることを特徴とする特徴kD11に記載の遊技機。
遊技の状況に基づいて第1の変換手段による変換と第2の変換手段による変換とを使い分ける構成とすれば、種別識別情報と所定結果識別情報との対応関係を遊技の状況に応じて変化させることができる。これにより、遊技の更なる多様化に貢献できる。
なお、上記特徴kD1乃至特徴kD12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴kD1乃至特徴kD12の各構成に対して、特徴kA1乃至特徴kA13、特徴kB1乃至特徴kB10、特徴kC1乃至特徴kC12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴kE群>
特徴kE1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する遊技価値を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と
を備えている遊技機であって、
前記抽選手段による抽選が実行され、前記有効位置に停止した絵柄組合せに応じて前記遊技価値付与手段により遊技価値が付与可能に制御される遊技である通常遊技と、前記抽選手段による抽選が実行されず、前記有効位置に何れの絵柄組合せが停止した場合であっても前記遊技価値付与手段により遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技とを実行可能となっており、
前記疑似遊技の種別(例えば疑似特定役「スイカ」に対応した疑似遊技、疑似特定役「チェリーA」に対応した疑似遊技等)を決定する種別決定手段(主制御装置101にてATモードへの移行時等に疑似遊技の種別を決定する機能)を備え、
前記種別決定手段は、前記疑似遊技の実行条件が成立する前に当該疑似遊技の種別を決定する構成となっていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体の周回が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する遊技価値が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させても遊技価値付与の対象とならない疑似遊技が設定されていることから、各遊技の抽選と一対一で対応付けられた通常遊技だけでなく、当該抽選と対応しない疑似遊技を通常遊技と織り交ぜて遊技させることで遊技性を大幅に向上することができる。
本特徴に示す構成においては特に、疑似遊技が実行される場合の当該疑似遊技の種別を疑似遊技の実行条件が成立する前に決定する構成となっている。このように疑似遊技の種別を事前に決定する構成とすれば、疑似遊技の実行条件が成立して疑似遊技を進行させる際の処理負荷を軽減できる。これは疑似遊技を円滑に進行させる上で好ましい。また、疑似遊技の種別を事前に決定する構成によれば、疑似遊技の実行条件が成立する前に疑似遊技の種別を示唆したり報知したりするといった新たな演出が可能となる。これは、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の向上を図る上で有利である。
なお、本特徴に示す「前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)」、「前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)」との記載を「前記始動操作手段の操作に基づき、役の抽選を行う役抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)」、「前記疑似遊技の疑似特定役を抽選する疑似特定役抽選手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)」とすることも可能である。
また、本特徴に示す「通常遊技」及び「疑似遊技」に関する構成を以下のように変更することも可能である。すなわち、「前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止し場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技を実行可能な疑似遊技手段を備え」又は「前記始動操作手段の操作に基づいて各前記周回体を回転させ、前記停止操作手段の停止操作及び前記抽選手段による抽選結果に基づいて各周回体を停止させる遊技を通常遊技とし、前記駆動制御手段は、所定の実行条件が成立した場合に、前記始動操作手段が操作されてから前記通常遊技に対応した前記停止操作手段の操作が有効化されるまでの間に各前記周回体を特定態様で動作させ且つ所定の停止条件が成立した場合にそれら周回体を仮停止させる疑似遊技を実行する疑似遊技実行手段を有し」とすることも可能である。
特徴kE2.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う第1抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記第1抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する遊技価値を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と
を備えている遊技機であって、
前記第1抽選手段による抽選が実行され、前記有効位置に停止した絵柄組合せに応じて前記遊技価値付与手段により遊技価値が付与可能に制御される遊技である通常遊技と、前記第1抽選手段による抽選が実行されず、前記有効位置に何れの絵柄組合せが停止した場合であっても前記遊技価値付与手段により遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技とを実行可能となっており、
前記疑似遊技の種別(例えば疑似特定役「スイカ」に対応した疑似遊技、疑似特定役「チェリーA」に対応した疑似遊技等)を決定する種別決定手段(主制御装置101にてATモードへの移行時等に疑似遊技の種別を決定する機能)と、
前記種別決定手段により決定された種別に応じて前記遊技価値の付与とは異なる特典(残りゲーム数の上乗せ)を遊技者に付与することの抽選を行う第2抽選手段(主制御装置101にて上乗せ抽選を実行する機能)と
を備え、
前記種別決定手段は、前記疑似遊技の実行条件が成立する前に当該疑似遊技の種別を決定する構成となっており、
前記第2抽選手段は、前記疑似遊技の前記実行条件が成立した場合に前記異なる特典の抽選を行う構成となっていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体の周回が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する遊技価値が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させても遊技価値付与の対象とならない疑似遊技が設定されていることから、各遊技の抽選と一対一で対応付けられた通常遊技だけでなく、当該抽選と対応しない疑似遊技を通常遊技と織り交ぜて遊技させることで遊技性を大幅に向上することができる。
本特徴に示す構成においては特に、疑似遊技が実行される場合の当該疑似遊技の種別を疑似遊技の実行条件が成立する前に決定する構成となっている。このように疑似遊技の種別を事前に決定し、実行条件が成立した場合に事前に決定されている種別に応じて特典の抽選を行う構成とすれば、疑似遊技の実行条件が成立して疑似遊技を進行させる際の処理負荷を軽減できる。これは疑似遊技を円滑に進行させる上で好ましい。また、疑似遊技の種別を事前に決定する構成によれば、疑似遊技の実行条件が成立する前に疑似遊技の種別を示唆したり報知したりするといった新たな演出が可能となる。これは、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の向上を図る上で有利である。また、種別を事前に決定したとしても特典については未確定となるため、仮に種別の中でも特典が付与される期待が低いものが示唆・報知されたとしても遊技への注目度が大きく低下することを抑制できる。これは、上記新たな演出についてその自由度を高める上で好ましい。
なお、本特徴における「前記第2抽選手段は、前記疑似遊技の前記実行条件が成立した場合に前記異なる特典の抽選を行う構成となっている」との記載を「前記第2抽選手段は、前記疑似遊技が実行されるまで前記異なる特典の抽選を留保する構成となっている」とすることも可能である。
因みに、本特徴に示す「前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)」、「前記疑似遊技の種別を決定する種別決定手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)」との記載を「前記始動操作手段の操作に基づき、役の抽選を行う役抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)」、「前記疑似遊技の疑似特定役を抽選する疑似特定役抽選手段(主制御装置101にて種別抽選処理を実行する機能)」とすることも可能である。
また、本特徴に示す「通常遊技」及び「疑似遊技」に関する構成を以下のように変更することも可能である。すなわち、「前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止し場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技を実行可能な疑似遊技手段を備え」又は「前記始動操作手段の操作に基づいて各前記周回体を回転させ、前記停止操作手段の停止操作及び前記抽選手段による抽選結果に基づいて各周回体を停止させる遊技を通常遊技とし、前記駆動制御手段は、所定の実行条件が成立した場合に、前記始動操作手段が操作されてから前記通常遊技に対応した前記停止操作手段の操作が有効化されるまでの間に各前記周回体を特定態様で動作させ且つ所定の停止条件が成立した場合にそれら周回体を仮停止させる疑似遊技を実行する疑似遊技実行手段を有し」とすることも可能である。
特徴kE3.前記疑似遊技の実行条件が成立することにより、前記通常遊技の進行が規制され当該通常遊技に割込むようにして前記疑似遊技が実行される構成となっており、前記種別決定手段は、当該通常遊技よりも前に実行される通常遊技にて前記種別を決定する構成となっていることを特徴とする特徴kE1又は特徴kE2に記載の遊技機。
特徴kE3に示すように通常遊技に割込むようにして疑似遊技が実行される構成では、当該割込み時に制御負荷が大きく上昇する。このような構成に対して、特徴kE1等に示した技術的思想を適用すれば、制御負荷を分散させて制御負荷の局所的な上昇を緩和できる。また、割込みが発生する通常遊技よりも前の通常遊技にて疑似遊技の種別が決定される構成によれば、上述した新たな演出を実行する機会(期間)を好適に確保することもできる。
特徴kE4.遊技状態として、第1遊技状態(通常遊技状態)と、当該第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(ATモード)とが設けられており、
前記疑似遊技は、前記第2遊技状態中に実行可能となるように構成されており、
前記種別決定手段は、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へ移行する場合に前記疑似遊技の前記種別を決定する構成となっていることを特徴とする特徴kE1乃至特徴kE3のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように第2遊技状態中に疑似遊技が実行される構成においては、当該第2遊技状態への移行時に疑似遊技の種別を決定する構成とすることにより、上述した新たな演出を実行する機会(期間)を好適に確保できる。
特徴kE5.前記実行条件は、第1条件(例えば疑似遊技移行判定カウンタの値=第1閾値)であり、
遊技の進行に伴って、前記第1条件よりも先に成立する第2条件(例えば疑似遊技移行判定カウンタの値=第2閾値)が設けられており、
前記種別決定手段は、前記第2条件が成立した場合に前記疑似遊技の前記種別を決定する構成となっていることを特徴とする特徴kE1乃至特徴kE3のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、疑似遊技の実行条件(第1条件)よりも先に成立する第2条件を設け、この第2条件が成立した場合に疑似遊技の種別を決定する構成とすれば、種別の決定を先行させる構成を好適に実現できる。
特徴kE6.前記第1条件及び前記第2条件は、同時成立しない構成となっていることを特徴とする特徴kE5に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、種別の決定タイミングと疑似遊技の実行タイミングとを確実にずらすことができる。
特徴kE7.前記種別決定手段により決定された種別を示す情報を所定情報(上乗せ抽選番号)に変換する変換手段(主制御装置101にて上乗せ抽選番号への変換処理を実行する機能)を備え、
前記第2抽選手段は、前記変換手段により変換された前記所定情報に基づいて前記抽選を行う構成となっており、
前記変換手段は、少なくとも前記疑似遊技の前記実行条件が成立する前に前記所定情報への変換を行う構成となっていることを特徴とする特徴kE1乃至特徴kE6のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように種別を示す情報を抽選用の情報に変換する構成においては、当該変換を疑似遊技の実行条件が成立する前に変換を行うことで、疑似遊技が実行される際に制御負荷が過度に大きくなることを好適に抑制できる。
特徴kE8.前記種別決定手段により決定された種別を示唆する示唆手段を備え、
前記示唆手段は、前記疑似遊技が実行される前に前記示唆を行う構成となっていることを特徴とする特徴kE1乃至特徴kE7のいずれか1つに記載の遊技機。
事前に決定された種別を疑似遊技が実行される前に示唆することにより、遊技への注目度を好適に向上させることができる。
特徴kE9.前記示唆手段は、前記通常遊技における前記第1抽選手段の抽選結果が非当選結果であることを条件の1つとして当該通常遊技にて前記示唆を行う構成となっていることを特徴とする特徴kE8に記載の遊技機。
非当選結果となった通常遊技にて疑似遊技の種別を示唆する構成とすれば、通常遊技における当選役の示唆等との混同を抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「前記示唆手段は、前記通常遊技における前記第1抽選手段の抽選結果が非当選結果であることを条件の1つとして当該通常遊技又は当該通常遊技の後の通常遊技にて前記示唆を行う構成となっていることを特徴とする特徴kE8に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴kE10.前記種別として、前記第2抽選手段による抽選の有利度が相違する第1種別及び第2種別を含み、
前記種別決定手段により前記種別が前記第1種別に決定されており且つ前記実行条件が不成立である状況下にて、所定の変更条件が成立した場合に、決定されている種別を前記第1種別から前記第2種別に変更する種別変更手段を備えていることを特徴とする特徴kE1乃至特徴kE9のいずれか1つに記載の遊技機。
事前に決定した種別についてはその後の遊技の進行等に伴って所定の変更条件が成立した場合に変更される。このような構成とすれば、種別の事前決定から疑似遊技の実行までの期間を長くしても、遊技が単調になることを抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「前記種別として、第1種別及び当該第1種別よりも前記第2抽選手段による抽選が有利となる第2種別とを含み、前記種別決定手段により前記種別が前記第1種別に決定されており且つ前記実行条件が不成立である状況下にて、所定の変更条件が成立した場合に、決定されている種別を前記第1種別から前記第2種別に変更する種別変更手段を備えていることを特徴とする特徴kE1乃至特徴kE9のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴kE11.前記種別決定手段により決定された前記種別に応じて前記疑似遊技の実行条件を設定する又は前記疑似遊技の実行条件を変更する手段を備えていることを特徴とする特徴kE1乃至特徴kE10のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、疑似遊技の種別が事前決定された場合に当該種別に応じて疑似遊技の実行条件を設定/変更する構成とすれば、遊技の単調化を好適に抑制できる。
特徴kE12.前記種別として、第1種別及び当該第1種別よりも前記第2抽選手段による抽選が有利となる第2種別とを含み、
前記種別決定手段により決定された前記種別が前記第1種別の場合よりも前記第2種別の方が前記実行条件の成立が困難となるように構成されていることを特徴とする特徴kE1乃至特徴kE11のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第2抽選手段による抽選にて有利となる種別である場合には、疑似遊技が実行されるまでの期間が長くなりやすい。このような構成とすれば、疑似遊技の実行条件が成立することなく遊技が進む場合に遊技者の遊技意欲が低下することを好適に抑制できる。
特徴kE13.前記種別決定手段は、前記疑似遊技が実行された場合には、当該疑似遊技が終了した場合に次に実行される疑似遊技の種別を決定する構成となっていることを特徴とする特徴kE1乃至特徴kE12のいずれか1つに記載の遊技機。
疑似遊技が実行された場合には、当該疑似遊技が終了した場合に次の疑似遊技の種別が決定されることとなる。このような構成とすれば、疑似遊技の種別決定から実行までの期間を好適に稼ぐことができる。
なお、上記特徴kE1乃至特徴kE13に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴kE1乃至特徴kE13の各構成に対して、特徴kA1乃至特徴kA13、特徴kB1乃至特徴kB10、特徴kC1乃至特徴kC12、特徴kD1乃至特徴kD12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴kF群>
特徴kF1.記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)と、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)とが設けられている制御装置(主制御装置101)を備えている遊技機であって、
前記制御部は、
第1の遊技(通常遊技)が実行される場合に抽選(役の抽選)を行う第1抽選手段(主制御装置101のCPU102にて役の抽選処理を実行する機能)と、
第2の遊技(疑似遊技)が実行される場合に抽選(疑似特定役の抽選)を行う第2抽選手段(主制御装置101のCPU102にて疑似特定役の抽選処理を実行する機能)と、
前記第1抽選手段による抽選結果及び前記第2抽選手段による抽選結果に相関のある相関情報(送信番号や上乗せ抽選番号)に基づいて所定処理(抽選結果コマンドの設定処理や上乗せ抽選処理)を実行する所定処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて抽選結果コマンドの設定処理や上乗せ抽選処理を実行する機能)と、
前記記憶部に記憶されている所定の変換テーブル(上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブル)を読み出して前記制御部に設けられた内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する変換テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブルの取得処理を実行する機能)と、
前記内部記憶領域に記憶されている前記所定の変換テーブルに基づいて前記第1抽選手段による抽選結果を示す情報(当選役番号)を前記相関情報に変換可能な第1変換手段(主制御装置101のCPU102にて当選役番号を送信番号や上乗せ抽選番号に変換する処理を実行する機能)と、
前記内部記憶領域に記憶されている前記所定の変換テーブルに基づいて前記第2抽選手段による抽選結果を示す情報(種別番号)を前記相関情報に変換可能な第2変換手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号を送信番号や上乗せ抽選番号に変換する処理を実行する機能)と
を備え、
所定条件が成立した場合には、前記第1変換手段による変換及び前記第2変換手段による変換の一方が実行される状況下にて前記変換テーブル取得手段により前記所定の変換テーブルが前記記憶部から読み出されて前記内部記憶領域に記憶され、前記内部記憶領域に記憶された前記所定の変換テーブルが前記第1変換手段による変換及び前記第2変換手段による変換の他方が実行されるまで当該内部記憶領域にて保持される構成となっていることを特徴とする遊技機。
本特徴に示す遊技機では、第1抽選手段による抽選結果及び第2抽選手段による抽選結果が何れも所定の変換テーブルに基づいて相関情報に変換され、同相関情報に基づいて所定処理(例えば抽選結果コマンドの設定処理や上乗せ抽選処理)が実行される。つまり、相関情報への変換機能を用いて第1の遊技に関する処理と第2の遊技に関する処理との少なくとも一部を共通化することが可能となっている。ここで、所定の変換テーブルについては外部記憶領域(所謂メインメモリ)である記憶部から読み出されて制御部の内部記憶領域に一時的に記憶されるが、外部記憶領域からの各種情報(所定の変換テーブルを含む)の読み出しにはある程度の期間が必要となる。遊技の多様化等を実現すべく抽選結果の種類を多く設定しようとした場合には、所定の変換テーブルの情報量も多くなり、上記期間が嵩むことになる。このため、第1の遊技と第2の遊技とが短期間にまとめて実行される場合に所定の変換テーブルの読み出しが繰り返されることで制御負荷が一時的に大きく上昇すると想定される。これは、遊技の多様化を図りつつ遊技進行の円滑さを担保する上で好ましくない。
この点、本特徴に示す構成においては特に、所定条件が成立した場合には、一方の変換に際して記憶部から読み出されて内部記憶領域に記憶された所定の変換テーブルは、他方の変換が実行されるまで当該内部記憶領域にて保持される。つまり、内部記憶領域に記憶された所定の変換テーブルを参照して2つの変換の両方が実行される構成となっている。これにより、記憶部から当該所定の変換テーブルの読み出しが繰り返されることを回避し、上記不都合の発生を抑制できる。これにより、遊技の多様化に起因して遊技進行の円滑さが損なわれることを抑制し、遊技への注目度の向上を図る効果を好適に発揮させることが可能となる。
特徴kF2.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)を有する絵柄表示装置(リールユニット31)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)と、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)とが設けられている制御装置(主制御装置101)と
を備えている遊技機であって、
前記制御部は、
第1の遊技(通常遊技)が実行される場合に抽選(役の抽選)を行う第1抽選手段(主制御装置101のCPU102にて役の抽選処理を実行する機能)と、
第2の遊技(疑似遊技)が実行される場合に抽選(疑似特定役の抽選)を行う第2抽選手段(主制御装置101のCPU102にて疑似特定役の抽選処理を実行する機能)と、
前記第1抽選手段による抽選結果及び前記第2抽選手段による抽選結果に相関のある相関情報(送信番号や上乗せ抽選番号)に基づいて所定処理(抽選結果コマンドの設定処理や上乗せ抽選処理)を実行する所定処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて抽選結果コマンドの設定処理や上乗せ抽選処理を実行する機能)と、
前記記憶部に記憶されている所定の変換テーブル(上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブル)を読み出して前記制御部に設けられた内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する変換テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブルの取得処理を実行する機能)と、
前記内部記憶領域に記憶されている前記所定の変換テーブルに基づいて前記第1抽選手段による抽選結果を示す情報(当選役番号)を前記相関情報に変換可能な第1変換手段(主制御装置101のCPU102にて当選役番号を送信番号や上乗せ抽選番号に変換する処理を実行する機能)と、
前記内部記憶領域に記憶されている前記所定の変換テーブルに基づいて前記第2抽選手段による抽選結果を示す情報(種別番号)を前記相関情報に変換可能な第2変換手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号を送信番号や上乗せ抽選番号に変換する処理を実行する機能)と
を備え、
所定条件が成立した場合には、前記第1変換手段による変換及び前記第2変換手段による変換の一方が実行される状況下にて前記変換テーブル取得手段により前記所定の変換テーブルが前記記憶部から読み出されて前記内部記憶領域に記憶され、前記内部記憶領域に記憶された前記所定の変換テーブルが前記第1変換手段による変換及び前記第2変換手段による変換の他方が実行されるまで当該内部記憶領域にて保持される構成となっていることを特徴とする遊技機。
本特徴に示す遊技機では、第1抽選手段による抽選結果及び第2抽選手段による抽選結果が何れも所定の変換テーブルに基づいて相関情報に変換され、同相関情報に基づいて所定処理(例えば抽選結果コマンドの設定処理や上乗せ抽選処理)が実行される。つまり、相関情報への変換機能を用いて第1の遊技に関する処理と第2の遊技に関する処理との少なくとも一部を共通化することが可能となっている。ここで、所定の変換テーブルについては外部記憶領域(所謂メインメモリ)である記憶部から読み出されて制御部の内部記憶領域に一時的に記憶されるが、外部記憶領域からの各種情報(所定の変換テーブルを含む)の読み出しにはある程度の時間が必要となる。遊技の多様化等を実現すべく抽選結果の種類を多く設定しようとした場合には、所定の変換テーブルの情報量も多くなり、上記時間が嵩むことになる。このため、第1の遊技と第2の遊技とが短期間にまとめて実行される場合に所定の変換テーブルの読み出しが繰り返されることで制御負荷が大きく上昇すると想定される。これは、遊技の多様化を図りつつ遊技進行の円滑さを担保する上で好ましくない。
この点、本特徴に示す構成においては特に、所定条件が成立した場合には、一方の変換に際して記憶部から読み出されて内部記憶領域に記憶された所定の変換テーブルは、他方の変換が実行されるまで当該内部記憶領域にて保持される。つまり、内部記憶領域に記憶された所定の変換テーブルを参照して2つの変換の両方が実行される構成となっている。これにより、記憶部から当該所定の変換テーブルの読み出しが繰り返されることを回避し、上記不都合の発生を抑制できる。これにより、遊技の多様化に起因して遊技進行の円滑さが損なわれることを抑制し、遊技への注目度の向上を図る効果を好適に発揮させることが可能となる。
特徴kF3.前記所定条件が成立していない場合には、前記第1変換手段による変換及び前記第2変換手段による変換の一方が実行される状況下にて前記変換テーブル取得手段により前記記憶部から読み出されて前記内部記憶領域に記憶された前記所定の変換テーブルは、当該一方の変換の終了に伴って前記内部記憶領域から消去される構成となっていることを特徴とする特徴kF1又は特徴kF2に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、所定条件が成立していない場合には、内部記憶領域に記憶された所定の変換テーブルが当該記憶の契機となった変換が終了した際に当該内部記憶領域から消去されることとなる。このようにして内部記憶領域の空き容量が速やかに解放される構成とすることは、他の処理との共存を図る上で好ましい。
特徴kF4.前記所定条件が成立した場合には、前記第1変換手段による変換及び前記第2変換手段による一方の変換が実行されてから再び当該一方の変換が実行されるまでの期間と比べて、前記第1変換手段による変換及び前記第2変換手段による一方の変換が実行されてから他方の変換が実行されるまでの期間の方が短くなるように構成されていることを特徴とする特徴kF1乃至特徴kF3のいずれか1つに記載の遊技機。
所定条件が成立した場合に、第1変換手段及び第2変換手段による一方の変換から当該一方の次の変換までの期間よりも一方の変換から他方の変換までの期間が短くなる構成に特徴kF1等に示した技術的思想を適用すれば、所定の変換テーブルを保持することによる制御負荷の軽減効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「前記所定条件が成立した場合には、前記第1変換手段による変換が実行されてから当該第1変換手段による変換が再び実行されるまでの期間と比べて、前記第1変換手段による変換が実行されてから前記第2変換手段による変換が実行されるまでの期間の方が短くなるように構成されていることを特徴とする特徴kF1乃至特徴kF3のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴kF5.前記第1の遊技及び前記第2の遊技が続けて実行される場合に前記所定条件が成立となり、当該所定条件が成立した場合には前記第1変換手段による変換と前記第2変換手段による変換とが続けて実行される構成となっていることを特徴とする特徴kF1乃至特徴kF4のいずれか1つに記載の遊技機。
第1の遊技と第2の遊技とが続けて実行される場合に所定の変換テーブルを内部記憶領域にて保持する構成とすれば、所定の変換テーブルによって内部記憶領域の空き容量が圧迫される期間を極力短くすることができる。これにより、他の処理との共存を好適に実現できる。
特徴kF6.前記所定条件が成立した場合には、前記第1抽選手段による抽選と前記第2抽選手段による抽選とが実行された後に前記第1変換手段による変換と前記第2変換手段による変換とが実行される構成となっていることを特徴とする特徴kF5に記載の遊技機。
各抽選手段による抽選を終えた後に各変換手段による変換が実行される構成によれば、所定の変換テーブルを内部記憶領域にて保持する期間の短縮に寄与できる。
特徴kF7.前記第1変換手段は、前記所定の変換テーブルである第1変換テーブルに基づいて前記変換を行う構成となっており、
前記第2変換手段は、前記所定の変換テーブルとは異なる第2変換テーブル(種別番号変換テーブル)に基づいて前記第2抽選手段による抽選結果を変換し、当該変換した抽選結果を前記第1変換テーブルに基づいて前記相関情報に変換する構成となっていることを特徴とする特徴kF1乃至特徴kF6のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、第2変換手段による変換が第2変換テーブルに基づく一次変換と第1変換テーブル(所定の変換テーブル)に基づく二次変換とで構成されている場合であっても、第1変換手段と共用となっている第1変換テーブルを内部記憶領域にて保持する構成とすることにより特徴kF1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴kF8.前記第1変換テーブルの情報量は、前記第2変換テーブルの情報量よりも多いことを特徴とする特徴kF7に記載の遊技機。
情報量が多い第1変換テーブル(サイズ大)については情報量の少ない第2変換テーブル(サイズ小)と比べて読み出しに必要な期間が長くなる。このため、第1変換テーブルの読み出しが短期間に繰り返された場合には、制御負荷が局所的に大きく上昇すると想定される。これは、制御装置の動作の安定性や円滑な遊技進行の妨げになると懸念される。スロットマシン等の遊技機においては特に、防犯や管理等の目的から制御装置の性能に制約があり、制御負荷の局所的な上昇を抑えることは、円滑な遊技進行を実現する上で重要となる。この点、特徴kF1等との組み合せによれば、情報量が多い第1変換テーブルを読み出す機会を減らすことができるため、制御負荷を大幅に軽減可能となる。故に、制御装置の動作の安定化や円滑な遊技進行の実現に好適に寄与できる。
特徴kF9.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記第1抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する遊技価値を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と
を備えている遊技機であって、
前記第1の遊技は、前記有効位置に停止した絵柄組合せに応じて前記遊技価値付与手段により遊技価値が付与可能に制御される通常遊技であり、前記第2の遊技は、前記有効位置に何れの絵柄組合せが停止した場合であっても前記遊技価値付与手段により遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される疑似遊技であり、
前記疑似遊技は、前記所定条件が成立した場合に、前記通常遊技の進行を規制して実行される構成となっており、
前記所定条件が成立した場合には、前記記憶部から読み出されて前記内部記憶領域に記憶された前記所定の変換テーブルが、前記第1変換手段による変換及び前記第2変換手段による変換が実行されるまで当該内部記憶領域にて保持される構成となっていることを特徴とする特徴kF1乃至特徴kF8の何れか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体の周回が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する遊技価値が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させても遊技価値付与の対象とならない疑似遊技が設定されていることから、各遊技の抽選と一対一で対応付けられた通常遊技だけでなく、当該抽選と対応しない疑似遊技を通常遊技と織り交ぜて遊技させることで遊技性を大幅に向上することができる。
本特徴に示す構成においては特に、疑似遊技が実行される場合には疑似遊技と通常遊技とで併用される所定の変換テーブルが内部記憶領域にて保持され、それら疑似遊技及び通常遊技に係る変換に使用される。このような構成とすれば、疑似遊技が実行される場合の制御負荷が大きく上昇することを抑制できる。
特徴kF10(タイマ割込み処理の存在).前記制御部は、前記第1変換手段による変換用の処理と前記第2変換手段による変換用の処理とを含むメイン処理(通常処理)に、定期的に割り込むようにして割込み処理を実行する割込み処理実行手段を有し、
当該割込みが発生した場合であっても前記内部記憶領域に記憶されている前記所定の変換テーブルが保持される構成となっていることを特徴とする特徴kF1乃至特徴kF9のいずれか1つに記載の遊技機。
制御部においては定期的に割込み処理が実行される。このため、内部記憶領域の空き容量が圧迫される点に配慮しようとすることで、当該割込み処理の処理内容に係る制約が強くなると想定される。これは、遊技機の設計自由度を低下させる要因になるだけでなく、メイン処理と割込み処理との共存を難しくする要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成については、所定条件が成立した場合に所定の変換テーブルの保持期間が長くなるように構成されているため、当該所定の変換テーブルの保持機能によって内部記憶領域の空き容量が圧迫されやすい期間が限定される。これにより、制御負荷の軽減を図りつつメイン処理と割込み処理との共存を好適に実現できる。
特徴kF11.前記制御部は、前記記憶部に記憶されている情報を読み出す読出速度よりも前記内部記憶領域に記憶されている情報を読み出す読出速度の方が速くなるように構成されていることを特徴とする特徴kF1乃至特徴kF10のいずれか1つに記載の遊技機。
記憶部から読み出した情報(所定の変換テーブル等)を内部記憶領域に記憶する場合には、当該読み出しにある程度の期間が必要となる。一方、記憶した後は当該情報を保持している限り次回以降の記憶部からの読み出しが不要となる。そして、内部記憶領域からの情報の読み出しについては速度が速いため、記憶部から情報を都度読み出す構成と比較して制御負荷を低減する上で有利となる。このような事情から、特徴kF1等に示したように所定の変換テーブルを読み出した後は、当該所定の変換テーブルの再利用が見込まれる状況下で同テーブルを保持する期間を長くすることには技術的意義がある。
なお、上記特徴kF1乃至特徴kF11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴kF1乃至特徴kF11の各構成に対して、特徴kA1乃至特徴kA13、特徴kB1乃至特徴kB10、特徴kC1乃至特徴kC12、特徴kD1乃至特徴kD12、特徴kE1乃至特徴kE13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴kG群>
特徴kG1(ゼロ パチンコを含む 軽めのテーブル×重めのテーブル).記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)と、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)とが設けられている制御装置(主制御装置101)を備えている遊技機であって、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶されている第1テーブル(種別番号変換テーブル)を読み出して前記制御部に設けられた内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第1テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号変換テーブルの取得処理を実行する機能)と、
前記第1テーブル取得手段により取得された前記第1テーブル及び第1遊技情報に基づいて第1処理を実行する第1処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号の変換処理を実行する機能)と、
前記記憶部に記憶されている第2テーブル(上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブル)を読み出して前記内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第2テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブルの取得処理を実行する機能)と、
前記第2テーブル取得手段により取得された前記第2テーブル及び第2遊技情報(当選役番号や変換後の種別番号)に基づいて第2処理を実行する第2処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号や送信番号への変換処理を実行する機能)と
を有し、
前記第2テーブルの情報量は、前記第1テーブルの情報量よりも多くなっており、
少なくとも所定条件が成立した場合には、前記第2テーブル取得手段により取得された前記第2テーブルを前記内部記憶領域に記憶したまま保持する期間が、前記第1テーブル取得手段により取得された前記第1テーブルを前記内部記憶領域に記憶したまま保持する期間よりも長くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
本特徴に示す遊技機では、第1テーブル及び第1遊技情報に基づいて第1処理が実行され、第2テーブル及び第2遊技情報に基づいて第2処理が実行される。ここで、第1テーブル及び第2テーブルは何れも外部記憶領域(所謂メインメモリ)である記憶部から読み出して制御部の内部記憶領域に一時的に記憶される(取得される)が、情報量が多い第2テーブル(サイズ大)については情報量の少ない第1テーブル(サイズ小)と比べて読み出しに必要な期間が長くなる。このような第2テーブルの読み出しが短期間に繰り返された場合には、制御負荷が局所的に大きく上昇すると想定される。これは、制御装置の動作の安定性や円滑な遊技進行の妨げになると懸念される。スロットマシン等の遊技機においては特に、防犯や管理等の目的から制御装置の性能に制約があり、局所的な制御負荷の増加を抑制することは、円滑な遊技進行を実現する上で重要となる。ここで、本特徴に示す構成では、所定条件が成立した場合には、第2テーブルを内部記憶領域に保持する期間が第1テーブルを内部記憶領域に保持する期間よりも長くなる。これにより、制御負荷の小さい第1テーブルを読み出す機会と比べて制御負荷の大きい第2テーブルを読み出す機会を減らすことができる。故に、局所的な制御負荷の増加を抑制し、制御装置の動作安定性の向上や円滑な遊技進行の実現に寄与できる。
なお、本特徴に示す構成を「記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)と、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)とが設けられている制御装置(主制御装置101)を備えている遊技機であって、前記制御部は、前記記憶部に記憶されている第1テーブル(種別番号変換テーブル)を読み出して前記制御部に設けられた内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第1テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号変換テーブルの取得処理を実行する機能)と、前記第1テーブル取得手段により取得された前記第1テーブル及び第1遊技情報に基づいて第1処理を実行する第1処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号の変換処理を実行する機能)と、前記記憶部に記憶されている第2テーブル(上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブル)を読み出して前記内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第2テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブルの取得処理を実行する機能)と、前記第2テーブル取得手段により取得された前記第2テーブル及び第2遊技情報(当選役番号や変換後の種別番号)に基づいて第2処理を実行する第2処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号や送信番号への変換処理を実行する機能)とを有し、前記第2テーブルの情報量は、前記第1テーブルの情報量よりも多くなっており、少なくとも所定条件が成立した場合には、前記第2テーブル取得手段により取得された前記第2テーブルを前記内部記憶領域に記憶したまま保持する期間が延長される構成となっていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴kG2.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)を有する絵柄表示装置(リールユニット31)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)と、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)とが設けられている制御装置(主制御装置101)と
を備えている遊技機であって、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶されている第1テーブル(種別番号変換テーブル)を読み出して前記制御部に設けられた内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第1テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号変換テーブルの取得処理を実行する機能)と、
前記第1テーブル取得手段により取得された前記第1テーブル及び第1遊技情報に基づいて第1処理を実行する第1処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号の変換処理を実行する機能)と、
前記記憶部に記憶されている第2テーブル(上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブル)を読み出して前記内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第2テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブルの取得処理を実行する機能)と、
前記第2テーブル取得手段により取得された前記第2テーブル及び第2遊技情報(当選役番号や変換後の種別番号)に基づいて第2処理を実行する第2処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号や送信番号への変換処理を実行する機能)と
を有し、
前記第2テーブルの情報量は、前記第1テーブルの情報量よりも多くなっており、
少なくとも所定条件が成立した場合には、前記第2テーブル取得手段により取得された前記第2テーブルを前記内部記憶領域に記憶したまま保持する期間が、前記第1テーブル取得手段により取得された前記第1テーブルを前記内部記憶領域に記憶したまま保持する期間よりも長くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
本特徴に示す遊技機では、第1テーブル及び第1遊技情報に基づいて第1処理が実行され、第2テーブル及び第2遊技情報に基づいて第2処理が実行される。ここで、第1テーブル及び第2テーブルは何れも外部記憶領域(所謂メインメモリ)である記憶部から読み出して制御部の内部記憶領域に一時的に記憶されるが、情報量が多い第2テーブル(サイズ大)については情報量の少ない第1テーブル(サイズ小)と比べて読み出しに必要な期間が長くなる。このような第2テーブルの読み出しが短期間に繰り返された場合には、制御負荷が局所的に大きく上昇すると想定される。これは、制御装置の動作の安定性や円滑な遊技進行の妨げになると懸念される。スロットマシン等の遊技機においては特に、防犯や管理等の目的から制御装置の性能に制約があり、局所的な制御負荷の増加を抑制することは、円滑な遊技進行を実現する上で重要となる。ここで、本特徴に示す構成では、所定条件が成立た場合には、第2テーブルを内部記憶領域に保持する期間が第1テーブルを内部記憶領域に保持する期間よりも長くなる。これにより、制御負荷の小さい第1テーブルを読み出す機会と比べて制御負荷の大きい第2テーブルを読み出す機会を減らすことができる。故に、局所的な制御負荷の増加を抑制し、制御装置の動作安定性の向上や円滑な遊技進行の実現に寄与できる。
なお、本特徴に示す構成を「複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)を有する絵柄表示装置(リールユニット31)と、各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)と、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)とが設けられている制御装置(主制御装置101)とを備えている遊技機であって、前記制御部は、前記記憶部に記憶されている第1テーブル(種別番号変換テーブル)を読み出して前記制御部に設けられた内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第1テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号変換テーブルの取得処理を実行する機能)と、前記第1テーブル取得手段により取得された前記第1テーブル及び第1遊技情報に基づいて第1処理を実行する第1処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号の変換処理を実行する機能)と、前記記憶部に記憶されている第2テーブル(上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブル)を読み出して前記内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第2テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブルの取得処理を実行する機能)と、前記第2テーブル取得手段により取得された前記第2テーブル及び第2遊技情報(当選役番号や変換後の種別番号)に基づいて第2処理を実行する第2処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号や送信番号への変換処理を実行する機能)とを有し、前記第2テーブルの情報量は、前記第1テーブルの情報量よりも多くなっており、少なくとも所定条件が成立した場合には、前記第2テーブル取得手段により取得された前記第2テーブルを前記内部記憶領域に記憶したまま保持する期間が延長される構成となっていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴kG3.前記所定条件が成立した場合には、前記第2テーブルを前記内部記憶領域に記憶したまま保持する期間が延長される構成となっていることを特徴とする特徴kG1又は特徴kG2に記載の遊技機。
本特徴に示すように、第2テーブルを消去することなく保持する期間が延長される構成とすれば、再び第2処理が実行される場合等に第2テーブルの読み出しが必要となる機会を減らすことができる。
特徴kG4.前記第1テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第1テーブルは、前記第1処理実行手段により前記第1処理が実行された場合に消去される一方、前記第2テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第2テーブルは、前記第2処理実行手段により前記第2処理が実行された後も消去されることなく保持されることにより、前記第2テーブルが前記内部記憶領域にて保持される期間が、前記第1テーブルが前記内部記憶領域にて保持される期間よりも長くなることを特徴とする特徴kG1乃至特徴kG3のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、第1テーブルについては第1処理が終了した場合に内部記憶領域から消去される一方、第2テーブルについては第2処理の終了後も保持される構成とすることで、当該第2テーブルを保持する期間を確保する構成を好適に実現できる。
特徴kG5.前記所定条件が成立した場合(疑似遊技へ移行する場合)には、当該所定条件が成立していない場合(疑似遊技へ移行しない場合)と比べて、前記第2処理実行手段により先の第2処理が実行されてから当該第2処理実行手段により次の第2処理が実行されるまでの期間が短くなるように構成されていることを特徴とする特徴kG1乃至特徴kG4のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第2テーブルの読み出し機会が多くなる場合に第2テーブルを保持する期間が長くなることで、読み出しが連続することによる制御負荷の上昇を好適に抑制できる。
特徴kG6.前記第2テーブル取得手段によって前記内部記憶領域に記憶された前記第2テーブルは、前記第2処理実行手段による前記次の第2処理が終了するまで保持される構成となっていることを特徴とする特徴kG5に記載の遊技機。
内部記憶領域に保持されている第2テーブルを次の第2処理が終了するまで保持することで、当該第2テーブルの保持によって読み出しの機会を減らす効果を好適に発揮させることができる。
特徴kG7.記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)と、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)とが設けられている制御装置(主制御装置101)を備えている遊技機であって、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶されている第1変換テーブル(種別番号変換テーブル)を読み出して前記制御部に設けられた内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第1変換テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号変換テーブルの取得処理を実行する機能)と、
前記第1変換テーブル取得手段により取得された前記第1変換テーブルに基づいて第1遊技情報(種別番号)を変換する第1変換手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号の変換処理を実行する機能)と、
前記記憶部に記憶されている第2変換テーブル(上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブル)を読み出して前記内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第2変換テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブルの取得処理を実行する機能)と、
前記第2変換テーブル取得手段により取得された前記第2変換テーブルに基づいて第2遊技情報(当選役番号や変換後の種別番号)を変換する第2変換手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号や送信番号への変換処理を実行する機能)と
を有し、
前記第2変換テーブルの情報量は、前記第1変換テーブルの情報量よりも多くなっており、
少なくとも所定条件が成立した場合には、前記第2変換テーブル取得手段が取得した前記第2変換テーブルを前記内部記憶領域に記憶したまま保持する期間は、前記第1変換テーブル取得手段が取得した前記第1変換テーブルを前記内部記憶領域に記憶したまま保持する期間よりも長くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
本特徴に示す遊技機では、第1変換テーブルに基づいて第1遊技情報が変換され、第2変換テーブルに基づいて第2遊技情報が変換される。ここで、第1変換テーブル及び第2変換テーブルは何れも外部記憶領域(所謂メインメモリ)である記憶部から読み出して制御部の内部記憶領域に一時的に記憶されるが、情報量が多い第2変換テーブル(サイズ大)については情報量の少ない第1変換テーブル(サイズ小)と比べて読み出しに必要な期間が長くなる。このような第2変換テーブルの読み出しが短期間に繰り返された場合には、局所的に制御負荷が大きく上昇すると想定される。これは、制御装置の動作の安定性や円滑な遊技進行の妨げになると懸念される。スロットマシン等の遊技機においては特に、防犯や管理等の目的から制御装置の性能に制約があり、局所的な制御負荷の増加を抑制することは、円滑な遊技進行を実現する上で重要となる。ここで、本特徴に示す構成では、所定条件が成立した場合には、第2変換テーブルを内部記憶領域に保持する期間が第1変換テーブルを内部記憶領域に保持する期間よりも長くなる。これにより、制御負荷の小さい第1変換テーブルを読み出す機会と比べて制御負荷の大きい第2変換テーブルを読み出す機会を減らすことができる。故に、局所的な制御負荷の増加を抑制し、制御装置の動作安定性の向上や円滑な遊技進行の実現に寄与できる。
なお、本特徴に示す構成を「記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)と、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)とが設けられている制御装置(主制御装置101)を備えている遊技機であって、前記制御部は、前記記憶部に記憶されている第1変換テーブル(種別番号変換テーブル)を読み出して前記制御部に設けられた内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第1変換テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号変換テーブルの取得処理を実行する機能)と、前記第1変換テーブル取得手段により取得された前記第1変換テーブルに基づいて第1遊技情報(種別番号)を変換する第1変換手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号の変換処理を実行する機能)と、前記記憶部に記憶されている第2変換テーブル(上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブル)を読み出して前記内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第2変換テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブルの取得処理を実行する機能)と、前記第2変換テーブル取得手段により取得された前記第2変換テーブルに基づいて第2遊技情報(当選役番号や変換後の種別番号)を変換する第2変換手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号や送信番号への変換処理を実行する機能)とを有し、前記第2変換テーブルの情報量は、前記第1変換テーブルの情報量よりも多くなっており、少なくとも所定条件が成立した場合には、前記第2変換テーブル取得手段により取得された前記第2変換テーブルを前記内部記憶領域に記憶したまま保持する期間が延長される構成となっていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴kG8.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)を有する絵柄表示装置(リールユニット31)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)と、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)とが設けられている制御装置(主制御装置101)と
を備えている遊技機であって、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶されている第1変換テーブル(種別番号変換テーブル)を読み出して前記制御部に設けられた内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第1変換テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号変換テーブルの取得処理を実行する機能)と、
前記第1変換テーブル取得手段により取得された前記第1変換テーブルに基づいて第1遊技情報(種別番号)を変換する第1変換手段(主制御装置101のCPU102にて種別番号の変換処理を実行する機能)と、
前記記憶部に記憶されている第2変換テーブル(上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブル)を読み出して前記内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第2変換テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号用変換テーブルや送信番号用変換テーブルの取得処理を実行する機能)と、
前記第2変換テーブル取得手段により取得された前記第2変換テーブルに基づいて第2遊技情報(当選役番号や変換後の種別番号)を変換する第2変換手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選番号や送信番号への変換処理を実行する機能)と
を有し、
前記第2変換テーブルの情報量は、前記第1変換テーブルの情報量よりも多くなっており、
少なくとも所定条件が成立した場合には、前記第2変換テーブル取得手段が取得した前記第2変換テーブルを前記内部記憶領域に記憶したまま保持する期間は、前記第1変換テーブル取得手段が取得した前記第1変換テーブルを前記内部記憶領域に記憶したまま保持する期間よりも長くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
本特徴に示す遊技機では、第1変換テーブルに基づいて第1遊技情報が変換され、第2変換テーブルに基づいて第2遊技情報が変換される。ここで、第1変換テーブル及び第2変換テーブルは何れも外部記憶領域(所謂メインメモリ)である記憶部から読み出して制御部の内部記憶領域に一時的に記憶されるが、情報量が多い第2変換テーブル(サイズ大)については情報量の少ない第1変換テーブル(サイズ小)と比べて読み出しに必要な期間が長くなる。このような第2変換テーブルの読み出しが短期間に繰り返された場合には、局所的に制御負荷が大きく上昇すると想定される。これは、制御装置の動作の安定性や円滑な遊技進行の妨げになると懸念される。スロットマシン等の遊技機においては特に、防犯や管理等の目的から制御装置の性能に制約があり、局所的な制御負荷の増加を抑制することは、円滑な遊技進行を実現する上で重要となる。ここで、本特徴に示す構成では、所定条件が成立した場合には、第2変換テーブルを内部記憶領域に保持する期間が第1変換テーブルを内部記憶領域に保持する期間よりも長くなる。これにより、制御負荷の小さい第1変換テーブルを読み出す機会と比べて制御負荷の大きい第2変換テーブルを読み出す機会を減らすことができる。故に、局所的な制御負荷の増加を抑制し、制御装置の動作安定性の向上や円滑な遊技進行の実現に寄与できる。
特徴kG9(延長).前記所定条件が成立した場合には、前記第2変換テーブルを前記内部記憶領域に記憶したまま保持する期間が延長される構成となっていることを特徴とする特徴kG7又は特徴kG8に記載の遊技機。
本特徴に示すように、第2変換テーブルを消去することなく保持する期間が延長される構成とすれば、再び第2変換手段による変換が実行される場合等に第2変換テーブルの読み出しが必要となる機会を減らすことができる。
特徴kG10.前記第1変換テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第1変換テーブルは、前記第1変換手段による前記変換が行われた場合に消去される一方、前記第2変換テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第2変換テーブルは、前記第2変換手段による前記変換後も消去されることなく保持されることにより、前記第2変換テーブルが前記内部記憶領域にて保持される期間が、前記第1変換テーブルが前記内部記憶領域にて保持される期間よりも長くなることを特徴とする特徴kG7乃至特徴kG9のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、第1変換テーブルについては第1変換手段による変換が行われた場合に内部記憶領域から消去される一方、第2変換テーブルについては第2変換手段による変換が行われた後も保持される構成とすることで、当該第2変換テーブルを保持する期間を確保する構成を好適に実現できる。
特徴kG11.前記所定条件が成立した場合(疑似遊技へ移行する場合)には、当該所定条件が成立していない場合(疑似遊技へ移行しない場合)と比べて、前記第2変換手段による変換が実行されてから当該第2変換手段による次の変換が実行されるまでの期間が短くなるように構成されており、
前記第2変換テーブル取得手段によって前記内部記憶領域に記憶された前記第2変換テーブルは、前記第2変換手段による前記次の変換が終了するまで保持される構成となっていることを特徴とする特徴kG7乃至特徴kG10のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第2変換テーブルの読み出す機会が多くなりそうな場合に第2変換テーブルを保持する期間が長くなることで、情報量の多い第2変換テーブルの読み出しが連続することによる制御負荷の上昇を好適に抑制できる。
特徴kG12.前記所定条件が成立した場合(疑似遊技へ移行する場合)には、前記第2変換手段による変換が変換対象を変えて複数回続けて実行される構成となっており、
前記第2変換テーブル取得手段によって前記内部記憶領域に記憶された前記第2変換テーブルは、前記第2変換手段による前記複数回の変換が終了するまで保持される構成となっていることを特徴とする特徴kG7乃至特徴kG11のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第2変換手段による変換が変換対象を変えて複数回続けて実行される場合には内部記憶領域に記憶されている第2変換テーブルが当該複数回の変換が終了するまで保持される。このようにして、情報量の多い第2変換テーブルの読み出す機会を減らすことにより、制御負荷の上昇を好適に抑制できる。
特徴kG13.前記所定条件が成立した場合(疑似遊技へ移行する場合)には、前記第2変換手段による変換が変換対象を変えて複数回続けて実行され、前記第2変換テーブル取得手段によって前記内部記憶領域に記憶された前記第2変換テーブルは、前記第2変換手段による前記複数回の変換が終了するまで保持される構成となっており、
前記所定条件が成立していない場合(疑似遊技へ移行しない場合)には、前記第2変換手段による変換が1回実行され、前記内部記憶領域に記憶されている前記第2変換テーブルは今回の変換が終了した場合に消去される構成となっていることを特徴とする特徴kG7乃至特徴kG12のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第2変換手段による変換が変換対象を変えて複数回続けて実行される場合には内部記憶領域に記憶されている第2変換テーブルが当該複数回の変換が終了するまで保持される。このようにして、情報量の多い第2変換テーブルの読み出しの機会を減らすことにより、制御負荷の上昇を好適に抑制できる。また、第2変換テーブルについては情報量が多いため、内部記憶領域に保持したままの状態が続くことは空き容量を圧迫して、他の制御処理に係る制約が強くなると想定される。そこで、所定条件が成立していない場合には第2変換手段による変換が終了した場合に内部記憶領域に記憶されている第2変換テーブルが消去される構成として、上記制約を抑制するとよい。
特徴kG14.前記制御部は、前記所定条件が成立しているか否かを判定する条件判定手段(主制御装置101のCPU102にて疑似遊技フラグの有無の判定処理を実行する機能)を有し、
前記条件判定手段による判定は、少なくとも前記第2変換手段による変換前又は当該変換の直後に実行される構成となっていることを特徴とする特徴kG7乃至特徴kG13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴kG14に示す構成によれば、情報量の多い第2変換テーブルを保持する必要がない場合には、当該第2変換テーブルが内部記憶領域から速やかに消去されるため、内部記憶領域の空き容量に係る制約が強くなる期間を極力短くすることができる。
特徴kG15.前記第1変換手段は、前記第1遊技情報を前記第2遊技情報に変換する構成となっており、
前記第2変換手段は、前記第1変換手段により変換された情報および前記第1変換手段により変換された情報ではない情報を前記第2遊技情報として取得可能となっており、前記所定条件が成立した場合には、それら第2遊技情報の一方について前記変換を行った後、それら第2遊技情報の他方について前記変換を行う構成となっていることを特徴とする特徴kG7乃至特徴kG14のいずれか1つに記載の遊技機。
第1変換手段による変換後に第2変換手段による変換が続けて実行される場合に、内部記憶領域に記憶された第2変換テーブルを保持する期間が長くなれば、第2変換テーブルを読み出す機会を減らしやすくなる。
なお、本特徴に示すように第2変換手段による変換が続けて実行される場合には、後の変換が終了するまで内部記憶領域に記憶されている第2変換テーブルを保持する構成とすることが好ましい。
特徴kG16.前記制御部は、前記記憶部からの情報読み取り速度よりも前記内部記憶領域からの情報読み取り速度の方が速くなるように構成されていることを特徴とする特徴kG1乃至特徴kG15のいずれか1つに記載の遊技機。
記憶部から内部記憶領域に取り込む情報については取り込みにある程度の期間が必要となるものの、一旦取り込みが完了した後は当該情報を保持している限り次回以降の取り込みが不要となる。そして、内部記憶領域からの情報の読み取りについては速度が速いため、記憶部から情報を都度取り込む構成と比較して制御負荷を低減する上で有利となる。このような事情から、特徴kG1等に示したように情報量の多いテーブルを内部記憶領域に取り込んだ後は、当該テーブルの再利用が見込まれる状況下で同テーブルを保持する期間を長くすることには技術的意義がある。
なお、上記特徴kG1乃至特徴kG16に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴kG1乃至特徴kG16の各構成に対して、特徴kA1乃至特徴kA13、特徴kB1乃至特徴kB10、特徴kC1乃至特徴kC12、特徴kD1乃至特徴kD12、特徴kE1乃至特徴kE13、特徴kF1乃至特徴kF11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴kH群>
特徴kH1.記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)と、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)とが設けられている制御装置(主制御装置101)を備えている遊技機であって、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶されている第1テーブル(上乗せ抽選テーブル)を読み出して前記制御部に設けられた内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第1テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選テーブルを取得する機能)と、
前記内部記憶領域に記憶されている前記第1テーブルに基づいて第1処理(上乗せ抽選)を実行する第1処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選処理を実行する機能)と、
前記記憶部に記憶されている第2テーブル(上乗せゲーム数テーブル)を読み出して前記内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第2テーブル取得手段(CPU102にて上乗せゲーム数テーブルを取得する機能)と、
前記内部記憶領域に記憶されている前記第2テーブルに基づいて第2処理(上乗せゲーム数抽選)を実行する第2処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せゲーム数抽選処理を実行する機能)と、
前記第1処理及び前記第2処理を含んでなるメイン処理(通常処理)に対して定期的に割り込むようにして割込み処理(タイマ割込み処理)を実行する手段(主制御装置101のCPU102にてタイマ割込み処理を実行する機能)と
を有し、
前記第1テーブルの情報量は、前記第2テーブルの情報量よりも少なくなっており、
前記第1テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第1テーブルを消去することなく当該内部記憶領域にて保持する期間は、前記第2テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第2テーブルを消去することなく当該内部記憶領域にて保持する期間よりも長くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
本特徴に示す遊技機では、第1テーブルに基づいて第1処理が実行され、第2テーブルに基づいて第2処理が実行される。ここで、第1テーブル及び第2テーブルは何れも外部記憶領域(所謂メインメモリ)である記憶部から読み出して制御部の内部記憶領域に一時的に記憶される。そして、第1テーブル及び第2テーブルのうち情報量の少ない第1テーブルが内部記憶領域にて保持される期間が情報量の多い第2テーブルよりも長くなる。第1テーブルを保持する期間が長くなれば、この期間中に再び第1処理を実行する場合に記憶部から当該第1テーブルを取得する必要がなくなる。つまり、記憶部から第1テーブルを読み出す機会を減らすことができる。これにより制御負荷を軽減することが可能となる。制御負荷を軽減することにより、各種テーブルを併用して遊技の多様化を実現することによる弊害(制御装置の動作速度や動作安定性の低下等)を抑え、遊技への注目度を向上させる効果を好適に発揮させることができる。
ここで、第1テーブル及び第2テーブルのうち第2テーブルを保持する期間を長くする構成としても制御負荷を軽減することは可能である。但し、第2テーブルについては第1テーブルよりも情報量が多いため、当該第2テーブルを内部記憶領域に保持した場合には、当該内部記憶領域の空き容量が圧迫されやすくなる。制御部においては定期的に割込み処理が実行されるため、内部記憶領域の空き容量が圧迫される点に配慮しようとすれば当該割込み処理の処理内容に係る制約が強くなると想定される。これは、遊技機の設計自由度を低下させる要因になるだけでなく、メイン処理と割込み処理との共存を難しくする要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成については、情報量が少ない第1テーブルの保持期間を長くする構成であるため、当該第1テーブルを保持している場合であっても内部記憶領域の空き容量の圧迫は生じにくい。つまり、制御負荷の軽減を図りつつメイン処理と割込み処理との共存を好適に実現できる。
特徴kH2.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)を有する絵柄表示装置(リールユニット31)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)と、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)とが設けられている制御装置(主制御装置101)と
を備えている遊技機であって、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶されている第1テーブル(上乗せ抽選テーブル)を読み出して前記制御部に設けられた内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第1テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選テーブルを取得する機能)と、
前記内部記憶領域に記憶されている前記第1テーブルに基づいて第1処理(上乗せ抽選)を実行する第1処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選処理を実行する機能)と、
前記記憶部に記憶されている第2テーブル(上乗せゲーム数テーブル)を読み出して前記内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第2テーブル取得手段(CPU102にて上乗せゲーム数テーブルを取得する機能)と、
前記内部記憶領域に記憶されている前記第2テーブルに基づいて第2処理(上乗せゲーム数抽選)を実行する第2処理実行手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せゲーム数抽選処理を実行する機能)と、
前記第1処理及び前記第2処理を含んでなるメイン処理(通常処理)に対して定期的に割り込むようにして割込み処理(タイマ割込み処理)を実行する手段(主制御装置101のCPU102にてタイマ割込み処理を実行する機能)と
を有し、
前記第1テーブルの情報量は、前記第2テーブルの情報量よりも少なくなっており、
前記第1テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第1テーブルを消去することなく当該内部記憶領域にて保持する期間は、前記第2テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第2テーブルを消去することなく当該内部記憶領域にて保持する期間よりも長くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
本特徴に示す遊技機では、第1テーブルに基づいて第1処理が実行され、第2テーブルに基づいて第2処理が実行される。ここで、第1テーブル及び第2テーブルは何れも外部記憶領域(所謂メインメモリ)である記憶部から読み出して制御部の内部記憶領域に一時的に記憶される。そして、第1テーブル及び第2テーブルのうち情報量の少ない第1テーブルが内部記憶領域にて保持される期間が情報量の多い第2テーブルよりも長くなる。第1テーブルを保持する期間が長くなれば、この期間中に再び第1処理を実行する場合に記憶部から当該第1テーブルを取得する必要がなくなる。つまり、記憶部から第1テーブルを読み出す機会を減らすことができる。これにより制御負荷を軽減することが可能となる。制御負荷を軽減することにより、各種テーブルを併用して遊技の多様化を実現することによる弊害(制御装置の動作速度や動作安定性の低下等)を抑え、遊技への注目度を向上させる効果を好適に発揮させることができる。
ここで、第1テーブル及び第2テーブルのうち第2テーブルを保持する期間を長くする構成としても制御負荷を軽減することは可能である。但し、第2テーブルについては第1テーブルよりも情報量が多いため、当該第2テーブルを内部記憶領域に保持した場合には、当該内部記憶領域の空き容量が圧迫されやすくなる。制御部においては定期的に割込み処理が実行されるため、内部記憶領域の空き容量が圧迫される点に配慮しようとすれば当該割込み処理の処理内容に係る制約が強くなると想定される。これは、遊技機の設計自由度を低下させる要因になるだけでなく、メイン処理と割込み処理との共存を難しくする要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成については、情報量が少ない第1テーブルの保持期間を長くする構成であるため、当該第1テーブルを保持している場合であっても内部記憶領域の空き容量の圧迫は生じにくい。つまり、制御負荷の軽減を図りつつメイン処理と割込み処理との共存を好適に実現できる。
特徴kH3.前記第2テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第2テーブルは、前記第2処理実行手段により前記第2処理が実行された場合に消去される一方、前記第1テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第1テーブルは、前記第1処理実行手段により前記第1処理が実行された後も消去されることなく保持されることにより、前記第1テーブルが前記内部記憶領域にて保持される期間が、前記第2テーブルが前記内部記憶領域にて保持される期間よりも長くなることを特徴とする特徴kH1又は特徴kH2に記載の遊技機。
本特徴に示すように、第2テーブルについては第2処理が終了した場合に内部記憶領域から消去される一方、第1テーブルについては第1処理の終了後も保持される構成とすることで、当該第1テーブルを保持する期間を確保する構成を好適に実現できる。
特徴kH4.前記第2テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第2テーブルは、前記第2処理実行手段により前記第2処理が実行された場合に消去され、
前記第1テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第1テーブルは、前記第1処理実行手段により前記第1処理が実行された後も少なくとも所定の判定処理(疑似遊技フラグの有無の判定処理)が実行されるまで前記内部記憶領域にて保持され、当該所定の判定処理の結果が特定結果となった場合には、少なくとも前記第1処理実行手段によって次に前記第1処理が実行されるまで保持されたままとなるように構成されていることを特徴とする特徴kH1乃至特徴kH3のいずれか1つに記載の遊技機。
内部記憶領域に記憶された第2テーブルは第2処理が実行された場合に消去されるのに対して内部記憶領域に記憶された第1テーブルは第1処理が実行された後も少なくとも所定の判定処理が実行されるまで内部記憶領域にて保持される。そして、所定の判定処理の結果が特定結果となった場合には、少なくとも次に第1処理が実行されるまで保持されたままとなる。このような構成とすれば、第1テーブルの保持によって当該第1テーブルの読み出しの機会を減らす効果を好適に発揮させることができる。
特徴kH5.前記内部記憶領域にて保持されている前記第1テーブルは、前記所定の判定処理の結果が非特定結果となった場合には当該所定の判定処理の直後に消去され、前記所定の判定処理の結果が前記特定結果となった場合には次に前記第1処理が実行された直後に消去されることを特徴とする特徴kH4に記載の遊技機。
本特徴に示すように、内部記憶領域にて保持されている第1テーブルの消去のタイミングを設定すれば、当該第1テーブルが内部記憶領域にて保持される期間が無駄に長くなることを好適に回避できる。
特徴kH6.前記所定の判定処理にて前記特定結果となった場合には、非特定結果となった場合と比べて、次に前記第1処理が実行されるまでの期間が短縮される構成となっていることを特徴とする特徴kH4又は特徴kH5に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、特定結果となった場合には次に第1処理が実行されるまでの期間が短縮されるため、第1テーブルを保持することによって内部記憶領域の空き容量が減った状態が長く続くことを好適に抑制できる。
特徴kH7.前記所定の判定処理は、前記第1処理の直後に実行される構成となっていることを特徴となっていることを特徴とする特徴kH6に記載の遊技機。
所定の判定処理にて非特定結果となった場合、すなわち第1処理が短い期間で連続しない場合には、第1処理の直後に所定の判定処理を実行する構成とすることにより、当該第1処理後は速やかに第1テーブルが内部記憶領域から消去されることとなる。このようにして内部記憶領域の空き容量が速やかに解放される構成とすることは、他の処理との共存を図る上で好ましい。
特徴kH8.前記第1処理は、前記第2処理を実行するか否かを判定する判定処理であり、
前記第1処理の結果が前記第2処理を実行する旨の判定結果となった場合には前記第2テーブル取得手段による前記第2テーブルの読み出しが実行され、前記第1処理の結果が前記第2処理を実行しない旨の判定結果となった場合には前記第2テーブルの読み出しが実行されない構成となっていることを特徴とする特徴kH1乃至特徴kH7のいずれか1つに記載の遊技機。
第2テーブルの要否については第1処理にて第2処理を実行する旨の判定結果となるか否かに依存する。そこで、第2テーブルよりも情報量が少なく且つ第2テーブルよりも参照頻度が高い第1テーブルを保持する期間を稼ぐ構成とすることで、内部記憶領域にてテーブルを保持することによる制御負荷の低減効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴kH9.前記所定の判定処理は、前記第2処理の後に実行される構成となっていることを特徴となっていることを特徴とする特徴kH8に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第1処理にて第2処理を実行する旨の判定結果となった場合には、速やかに第2処理が実行され、それらの処理の間に第1テーブルの持ち越しの判定や当該第1テーブルの消去処理が実行されることを回避できる。これは、第1処理→第2処理の結果を速やかに遊技に反映する構成(応答性を向上させる構成)を実現する上で有利である。
特徴kH10.記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)と、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)とが設けられている制御装置(主制御装置101)を備えている遊技機であって、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶されている第1抽選テーブル(上乗せ抽選テーブル)を読み出して前記制御部に設けられた内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第1抽選テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選テーブルを取得する機能)と、
前記内部記憶領域に記憶されている前記第1抽選テーブルに基づいて第1抽選(上乗せ抽選)を実行する第1抽選手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選処理を実行する機能)と、
前記記憶部に記憶されている第2抽選テーブル(上乗せゲーム数テーブル)を読み出して前記内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第2抽選テーブル取得手段(出してCPU102にて上乗せゲーム数テーブルを取得する機能)と、
前記内部記憶領域に記憶されている前記第2抽選テーブルに基づいて第2抽選(上乗せゲーム数抽選)を実行する第2抽選手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せゲーム数抽選処理を実行する機能)と、
前記第1抽選手段による前記第1抽選用の処理及び前記第2抽選手段による前記第2抽選用の処理を含んでなるメイン処理(通常処理)に対して定期的に割り込むようにして割込み処理(タイマ割込み処理)を実行する手段(主制御装置101のCPU102にてタイマ割込み処理を実行する機能)と
を有し、
前記第1抽選テーブルの情報量は、前記第2抽選テーブルの情報量よりも少なくなっており、
前記第1抽選テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第1抽選テーブルを消去することなく当該内部記憶領域にて保持する期間は、前記第2抽選テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第2抽選テーブルを消去することなく当該内部記憶領域にて保持する期間よりも長くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
本特徴に示す遊技機では、第1抽選テーブルに基づいて第1抽選が実行され、第2抽選テーブルに基づいて第2抽選が実行される。ここで、第1抽選テーブル及び第2抽選テーブルは何れも外部記憶領域(所謂メインメモリ)である記憶部から読み出して制御部の内部記憶領域に一時的に記憶される。そして、第1抽選テーブル及び第2抽選テーブルのうち情報量の少ない第1抽選テーブルが内部記憶領域にて保持される期間が情報量の多い第2抽選テーブルよりも長くなる。第1抽選テーブルを保持する期間が長くなることで、この期間中は記憶部から当該第1抽選テーブルを取得する必要がなくなる。つまり、記憶部から第1抽選テーブルを読み出す機会を減らすことができる。これにより制御負荷を軽減することが可能となる。制御負荷を軽減することにより、複数の抽選手段を併用して遊技の多様化を実現することによる弊害(制御装置の動作速度や動作安定性の低下等)を抑え、遊技への注目度を向上させる効果を好適に発揮させることができる。
ここで、第1抽選テーブル及び第2抽選テーブルのうち第2抽選テーブルを保持する期間を長くする構成としても制御負荷を軽減することは可能である。但し、第2抽選テーブルについては第1抽選テーブルよりも情報量が多いため、当該第2抽選テーブルを内部記憶領域に保持した場合には、当該内部記憶領域の空き容量が圧迫されやすくなる。制御部においては定期的に割込み処理が実行されるため、内部記憶領域の空き容量が圧迫される点に配慮しようとすれば当該割込み処理の処理内容に係る制約が強くなると想定される。これは、遊技機の設計自由度を低下させる要因になるだけでなく、メイン処理と割込み処理との共存を難しくする要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成については、情報量が少ない第1抽選テーブルの保持期間を長くする構成であるため、当該第1抽選テーブルを保持している場合であっても内部記憶領域の空き容量の圧迫は生じにくい。つまり、制御負荷の軽減を図りつつメイン処理と割込み処理との共存を好適に実現できる。
特徴kH11.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)を有する絵柄表示装置(リールユニット31)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
記憶部(メインメモリであるROM105,RAM106)と、当該記憶部に記憶されている情報(制御プログラムやテーブル等)に基づいて遊技に関する制御を行う制御部(CPU102)とが設けられている制御装置(主制御装置101)と
を備えている遊技機であって、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶されている第1抽選テーブル(上乗せ抽選テーブル)を読み出して前記制御部に設けられた内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第1抽選テーブル取得手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選テーブルを取得する機能)と、
前記内部記憶領域に記憶されている前記第1抽選テーブルに基づいて第1抽選(上乗せ抽選)を実行する第1抽選手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せ抽選処理を実行する機能)と、
前記記憶部に記憶されている第2抽選テーブル(上乗せゲーム数テーブル)を読み出して前記内部記憶領域(内部メモリ102c)に記憶する第2抽選テーブル取得手段(CPU102にて上乗せゲーム数テーブルを取得する機能)と、
前記内部記憶領域に記憶されている前記第2抽選テーブルに基づいて第2抽選(上乗せゲーム数抽選)を実行する第2抽選手段(主制御装置101のCPU102にて上乗せゲーム数抽選処理を実行する機能)と、
前記第1抽選手段による前記第1抽選用の処理及び前記第2抽選手段による前記第2抽選用の処理を含んでなるメイン処理(通常処理)に対して定期的に割り込むようにして割込み処理(タイマ割込み処理)を実行する手段(主制御装置101のCPU102にてタイマ割込み処理を実行する機能)と
を有し、
前記第1抽選テーブルの情報量は、前記第2抽選テーブルの情報量よりも少なくなっており、
前記第1抽選テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第1抽選テーブルを消去することなく当該内部記憶領域にて保持する期間は、前記第2抽選テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第2抽選テーブルを消去することなく当該内部記憶領域にて保持する期間よりも長くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
本特徴に示す遊技機では、第1抽選テーブルに基づいて第1抽選が実行され、第2抽選テーブルに基づいて第2抽選が実行される。ここで、第1抽選テーブル及び第2抽選テーブルは何れも外部記憶領域(所謂メインメモリ)である記憶部から読み出して制御部の内部記憶領域に一時的に記憶される。そして、第1抽選テーブル及び第2抽選テーブルのうち情報量の少ない第1抽選テーブルが内部記憶領域にて保持される期間が情報量の多い第2抽選テーブルよりも長くなる。第1抽選テーブルを保持する期間が長くなることで、この期間中は記憶部から当該第1抽選テーブルを取得する必要がなくなる。つまり、記憶部から第1抽選テーブルを読み出す機会を減らすことができる。これにより制御負荷を軽減することが可能となる。制御負荷を軽減することにより、複数の抽選手段を併用して遊技の多様化を実現することによる弊害(制御装置の動作速度や動作安定性の低下等)を抑え、遊技への注目度を向上させる効果を好適に発揮させることができる。
ここで、第1抽選テーブル及び第2抽選テーブルのうち第2抽選テーブルを保持する期間を長くする構成としても制御負荷を軽減することは可能である。但し、第2抽選テーブルについては第1抽選テーブルよりも情報量が多いため、当該第2抽選テーブルを内部記憶領域に保持した場合には、当該内部記憶領域の空き容量が圧迫されやすくなる。制御部においては定期的に割込み処理が実行されるため、内部記憶領域の空き容量が圧迫される点に配慮しようとすれば当該割込み処理の処理内容に係る制約が強くなると想定される。これは、遊技機の設計自由度を低下させる要因になるだけでなく、メイン処理と割込み処理との共存を難しくする要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成については、情報量が少ない第1抽選テーブルの保持期間を長くする構成であるため、当該第1抽選テーブルを保持している場合であっても内部記憶領域の空き容量の圧迫は生じにくい。つまり、制御負荷の軽減を図りつつメイン処理と割込み処理との共存を好適に実現できる。
特徴kH12.前記第2抽選テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第2抽選テーブルは、前記第2抽選手段により前記第2抽選が実行された場合に消去される一方、前記第1抽選テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第1抽選テーブルは、前記第1抽選手段により前記第1抽選が実行された後も消去されることなく保持されることにより、前記第1抽選テーブルが前記内部記憶領域にて保持される期間が、前記第2抽選テーブルが前記内部記憶領域にて保持される期間よりも長くなることを特徴とする特徴kH10又は特徴kH11に記載の遊技機。
本特徴に示すように、第2抽選テーブルについては第2抽選が終了した場合に内部記憶領域から消去される一方、第1抽選テーブルについては第1抽選の終了後も保持される構成とすることで、当該第1抽選テーブルを保持する期間を確保する構成を好適に実現できる。
特徴kH13.前記第2抽選テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第2抽選テーブルは、前記第2抽選手段により前記第2抽選が実行された場合に消去され、
前記第1抽選テーブル取得手段により前記内部記憶領域に記憶された前記第1抽選テーブルは、前記第1抽選手段により前記第1抽選が実行された後も少なくとも所定の判定処理(疑似遊技フラグの有無の判定処理)が実行されるまで前記内部記憶領域にて保持され、当該所定の判定処理の結果が特定結果となった場合には、少なくとも前記第1抽選手段によって次に前記第1抽選が実行されるまで保持されたままとなるように構成されていることを特徴とする特徴kH10乃至特徴kH12のいずれか1つに記載の遊技機。
内部記憶領域に記憶された第2抽選テーブルは第2抽選が実行された場合に消去されるのに対して内部記憶領域に記憶された第1抽選テーブルは第1抽選が実行された後も少なくとも所定の判定処理が実行されるまで内部記憶領域にて保持される。そして、所定の判定処理の結果が特定結果となった場合には、少なくとも次に第1抽選が実行されるまで保持されたままとなる。このような構成とすれば、第1抽選テーブルの保持によって当該第1抽選テーブルの読み出しの機会を減らす効果を好適に発揮させることができる。
特徴kH14.前記内部記憶領域にて保持されている前記第1抽選テーブルは、前記所定の判定処理の結果が非特定結果となった場合には当該所定の判定処理の直後に消去され、前記所定の判定処理の結果が前記特定結果となった場合には次に前記第1抽選が実行された直後に消去されることを特徴とする特徴kH13に記載の遊技機。
本特徴に示すように、内部記憶領域にて保持されている第1抽選テーブルの消去のタイミングを設定すれば、当該第1抽選テーブルが内部記憶領域にて保持される期間が無駄に長くなることを好適に回避できる。
特徴kH15.前記所定の判定処理にて前記特定結果となった場合には、非特定結果となった場合と比べて、次に前記第1抽選が実行されるまでの期間が短縮される構成となっていることを特徴とする特徴kH13又は特徴kH14に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、特定結果となった場合には次に第1抽選が実行されるまでの期間が短縮されるため、第1抽選テーブルを保持することによって内部記憶領域の空き容量が減った状態が長く続くことを好適に抑制できる。
特徴kH16.前記所定の判定処理は、前記第1抽選の直後に実行される構成となっていることを特徴となっていることを特徴とする特徴kH15に記載の遊技機。
所定の判定処理にて非特定結果となった場合、すなわち第1抽選が短い期間で連続しない場合には、第1抽選の直後に所定の判定処理を実行する構成とすることにより、当該第1抽選後は速やかに第1抽選テーブルが内部記憶領域から消去されることとなる。このようにして内部記憶領域の空き容量が速やかに解放される構成とすることは、他の処理との共存を図る上で好ましい。
特徴kH17.前記第1抽選は、前記第2抽選を実行するか否かを判定する判定処理であり、
前記第1抽選の結果が前記第2抽選を実行する旨の判定結果となった場合には前記第2抽選テーブル取得手段による前記第2抽選テーブルの読み出しが実行され、前記第1抽選の結果が前記第2抽選を実行しない旨の判定結果となった場合には前記第2抽選テーブルの読み出しが実行されない構成となっていることを特徴とする特徴kH11乃至特徴kH16のいずれか1つに記載の遊技機。
第2抽選テーブルの要否については第1抽選にて第2抽選を実行する旨の判定結果となるか否かに依存する。そこで、第2抽選テーブルよりも情報量が少なく且つ第2抽選テーブルよりも高参照頻度が高い第1抽選テーブルを保持する期間を稼ぐ構成とすることで、内部記憶領域にてテーブルを保持することによる制御負荷の低減効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴kH18.前記所定の判定処理は、前記第2抽選の後に実行される構成となっていることを特徴となっていることを特徴とする特徴kH17に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第1抽選にて第2抽選を実行する旨の判定結果となった場合には、速やかに第2抽選が実行され、それらの処理の間に第1抽選テーブルの持ち越しの判定や当該第1抽選テーブルの消去処理が実行されることを回避できる。これは、第1抽選→第2抽選の結果を速やかに遊技に反映する構成(応答性を向上させる構成)を実現する上で有利である。
なお、上記特徴kH1乃至特徴kH18に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴kH1乃至特徴kH18の各構成に対して、特徴kA1乃至特徴kA13、特徴kB1乃至特徴kB10、特徴kC1乃至特徴kC12、特徴kD1乃至特徴kD12、特徴kE1乃至特徴kE13、特徴kF1乃至特徴kF11、特徴kG1乃至特徴kG16のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以上詳述した特徴kA群乃至特徴kH群の各構成に対して、他の特徴a群乃至特徴n群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴m群>
以下の特徴mA群乃至特徴mG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第12mの実施形態、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴mA群>
特徴mA1.所定の開始操作により遊技が開始され、
所定の終了操作により遊技が終了され、
遊技の結果に応じて遊技価値が付与される遊技機において、
遊技内容に応じて実行される報知の音量を設定する音量設定手段(表示制御装置81による第1調節スイッチ210の操作に基づく音量設定操作対応処理や、第2調節スイッチ310のメモリに基づく基板側音量設定処理を実行する機能)と、
前記音量設定手段による設定(液晶音量カウンタ、基板音量カウンタ、音量設定カウンタ)に応じた音量にて報知を実行可能な報知実行手段(表示制御装置81による演出設定処理や音出力設定処理を実行する機能)と、
予め定められた所定契機(電源投入、RAMクリア等)から、特定期間に亘って、前記音量設定手段による設定にかかわらず、予め定められた特定設定に対応する音量にて前記報知実行手段による報知が実行されるようにする特定手段(表示制御装置81による立ち上げ時音量設定処理等で特定音量の設定を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による遊技操作によって遊技が進行される遊技機において、各種遊技演出等の報知の音量を音量設定手段にて設定することができるため、遊技ホールの環境や遊技者の好みに応じた好適な遊技を実現可能となる。そのうえで、所定契機から特定期間に亘って、音量設定手段の設定にかかわらず特定設定に対応する音量となるようにする特定手段を備えていることから、例えば、遊技者が遊技を開始する場合の音量を一定化することができるようになるため、好みに応じて音量を設定するうえで、自らの経験則から、その設定操作の前から音量を小さくすべきか大きくすべきかを判断することも可能となる。また、例えば、遊技機が正常に動作するかの試験等を行う際に、音量が一定化できるため、その音量が音量設定手段の設定によるものなのかの判断が不要となり、当該試験等を行い易くすることも可能である。したがって、上記のような特定手段を備えることで、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
特徴mA2.前記特定期間が経過した場合、前記音量設定手段による設定に応じた音量にて前記報知実行手段による報知が実行されるようにする特定処理を実行可能な第1手段(表示制御装置81による基板側音量設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定契機から特定期間が経過すれば、音量設定手段による設定に応じた音量となることから、特定設定に対応する音量にて報知が行われる期間が限定的なものであることが明確化され、音量設定手段による音量設定の実効性を担保しながらも、特徴mA1の効果を期待できるようになる。
特徴mA3.前記特定期間が経過した場合に前記特定処理を制限可能な第2手段(表示制御装置81において、所定期間経過前に第1調節スイッチ210が操作された場合に、当該操作に基づく音量設定を優先する機能や、遊技進行操作が行われた場合に調整用フラグをクリアする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定期間が経過したからといって、一律で、音量設定手段の設定に応じた音量に変更されるわけではなく、例外があるようにしていることから、例えば、例外なく特定処理を実行することによって遊技中に音量が変更されてしまう、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴mA4.前記第2手段は、前記特定期間が経過するよりも前に所定の遊技操作が行われた場合に、前記特定期間が経過した場合の前記特定処理を制限可能であることを特徴とする特徴mA3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定期間の経過前に所定の遊技操作が行われて遊技が行われた場合、特定期間が経過しても、特定設定に対応する音量から音量設定手段の設定に対応する音量への変更用の特定処理が行われないようになる。このようにすることで、遊技中に意図せず音量が変更されてしまう、といった不都合を生じさせないようにすることができ、特定期間に亘って特定設定に対応する音量に設定したり、特定期間が経過した場合にそれを修正することの効果を期待しながらも、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
特徴mA5.前記第2手段は、前記特定期間が経過するよりも前に前記音量設定手段による設定の変更が行われた場合に、前記特定期間が経過した場合の前記特定処理を制限可能であることを特徴とする特徴mA3又は特徴mA4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定期間の経過前に遊技者等が音量設定手段の設定を変更したのにもかかわらず、その後、特定期間が経過した場合に特定設定に対応する音量に戻ってしまう、といった不都合を生じないようにすることができる。
特徴mA6.前記音量設定手段として、第1音量設定手段(第1調節スイッチ210)及び第2音量設定手段(第2調節スイッチ310)を備え、
前記第1手段は、前記特定期間が経過した場合、前記第2音量設定手段の設定に応じた音量にて前記報知実行手段による報知が実行されるように前記特定処理を実行であることを特徴とする特徴mA2乃至特徴mA5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の音量設定手段がある構成において、特定期間経過時の音量の設定を、いずれの音量設定手段の設定を利用して行うかが予め定められていることから、当該特定期間経過時の音量設定用の処理を比較的簡素なものとすることが可能となる。
特徴mA7.遊技機本体に対して前方に開放可能な前面扉(前面扉12)と、
前記前面扉が開放されることを制限可能な施錠手段(施錠装置20)と、
を備え、
前記第2音量設定手段は、前記前面扉が開放されることで操作可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴mA6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定期間が経過した場合に設定が参照される側の第2音量設定手段は、遊技者が操作できるものではなく、施錠手段を開錠することができる遊技ホールの管理者等が操作可能なものとなる。つまり、特定期間が経過した場合には、遊技ホールの管理者が設定した音量にて報知が行われるようになるため、遊技ホールの環境や営業方針等に合わせた音量設定を、特定期間が経過した場合に自動的に反映させることが可能となり、特定期間に亘って特定設定に対応する音量にて設定することの効果を期待しながらも、遊技ホールの管理者等の省力化を実現することができる。
特徴mA8.前記第1音量設定手段は、前記前面扉が開放されることなく操作可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴mA7に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技ホールの管理者等だけではなく、遊技者も音量設定が可能な構成であることが明確化される。よって、遊技者は、自らの好みに応じた音量にて遊技を行うことが可能となり、遊技進行の好適化が図られる。
特徴mA9.前記第2音量設定手段による設定が第1の設定である場合、前記特定設定に対応する音量にて前記報知実行手段による報知が実行されるようになり、前記第2音量設定手段による設定が第2の設定である場合、前記特定設定に対応する音量とは異なる音量にて前記報知実行手段による報知が実行されるようになることを特徴とする特徴mA6乃至特徴mA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定設定に対応する音量は第2音量設定手段にて設定可能な設定に応じた音量に含まれるようになる。このようにすることで、第2音量設定手段による複数の設定に応じた音量にて報知が行われるように各報知の音量データを記憶したうえで、更に、特定設定に対応する音量にて報知が行われるように各報知の音量データを別途記憶する必要が生じず、記憶容量の削減を図ることが可能となる。
特徴mA10.前記音量設定手段による設定が特別設定である場合、前記所定契機が生じた場合に当該特別設定に応じた音量にて前記報知実行手段による報知が実行されるようにする第3手段(表示制御装置81によるステップSm3907~ステップSm3909の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mA1乃至特徴mA9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、音量設定手段を予め特別設定としておくことで、所定契機が生じても、特定設定に対応する音量に設定されず、当該特別設定に対応する音量にて報知が行われるようになる。このように、特定設定に対応する音量の設定の有無を管理することが可能な構成とすることで、特定設定に対応する音量の設定による恩恵を享受可能としながらも、一律で特定設定に対応する音量となってしまうことによる不都合(例えば、遊技ホールとは異なる場所で遊技を行う場合等、遊技ホールに適した特定音量が設定されていることを通じて、当該異なる場所での遊技ではその音量がマッチしない等の不都合)を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴mA11.前記音量設定手段として、第1音量設定手段(第1調節スイッチ210)及び第2音量設定手段(第2調節スイッチ310)を備え、
遊技機本体に対して前方に開放可能な前面扉(前面扉12)と、
前記前面扉が開放されることを制限可能な施錠手段(施錠装置20)と、
を備え、
前記第2音量設定手段は、前記前面扉が開放されることで操作可能となる位置に設けられており、
前記第3手段は、前記第2音量設定手段による設定が特別設定である場合、前記所定契機が生じた場合に当該特別設定に応じた音量にて前記報知実行手段による報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴mA10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別設定に対応する音量の設定の有無を管理することができるのが、前面扉の施錠を解除できる遊技ホールの管理者等に限定される。このようにすることで、特定設定に対応する音量に設定されることや、特定設定に対応する音量に設定されないことを利用した不正行為等を好適に回避することが可能となる。
特徴mA12.遊技機本体に対して前方に開放可能な前面扉(前面扉12)と、
前記前面扉が開放されることを制限可能な施錠手段(施錠装置20)と、
を備え、
前記特定手段は、前記所定契機が生じた場合、前記前面扉が開放されることで操作可能となる位置に設けられた特定操作手段(リセットスイッチ72)が操作されていることを一の条件として、前記特定期間に亘って、前記特定設定に対応する音量にて前記報知実行手段による報知が行われるようにすることが可能であることを特徴とする特徴mA1乃至特徴mA11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定契機が生じる場合に特定設定に対応する音量の設定の有無を管理することができるのが、前面扉の施錠を解除できる遊技ホールの管理者等に限定される。このようにすることで、特定設定に対応する音量に設定されることや、特定設定に対応する音量に設定されないことを利用した不正行為等を好適に回避することが可能となる。
特徴mA13.遊技の進行処理を実行する手段及び前記特定操作手段を有する第1制御装置(主制御装置101)と、
前記特定期間が経過した場合、前記音量設定手段による設定に応じた音量にて前記報知実行手段による報知が実行されるようにする特定処理を実行可能な第1手段(表示制御装置81による基板側音量設定処理を実行する機能)及び前記報知実行手段を有する第2制御装置(表示制御装置81)と、
を備え、
前記所定契機が生じた場合に前記特定操作手段が操作されることにより、前記第1制御装置の所定の記憶領域(RAM106)の初期化処理が行われる構成であり、
前記所定契機が生じた場合に前記特定操作手段が操作されている場合、前記初期化処理が行われるよりも前に、前記第2制御装置に対して特定情報(クリア時コマンド)を出力する手段(主制御装置101によるステップSm4003の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mA12に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の記憶領域の初期化処理を行うことにより、その後、特定期間に亘って特定設定に対応する音量にて報知が行われるようになる。このようにすることで、特定設定に対応する音量に設定される機会を限定的なものとすることができる。この場合、初期化処理よりも前に、第1手段を有する第2制御装置側へ特定情報が出力されるようになることから、初期化処理によって複数の情報(コマンド)が第2制御装置側へ出力されることとなる当該初期化処理の終了時の出力情報の削減を図ることができるし、更に、第2制御装置側で、初期化処理の完了を待つことなく特定設定に対応する音量に設定する処理を行うことが可能となる。よって、例えば、初期化処理の最中の出力音量や初期化処理の終了時の出力音量を特定音量に統一することが可能となり、遊技機の試験等において大いに役立てることができるようになる。
特徴mA14.前記特定期間が経過した場合、前記音量設定手段による設定に応じた音量にて前記報知実行手段による報知が実行されるようにする特定処理を実行可能な第1手段(表示制御装置81による基板側音量設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定処理が行われることによって設定される音量が、前記特定設定に対応する音量となるように設定されている(待機モードの挿入メロディの音量はいずれの音量設定カウンタでも変わらないように設定されている構成や、液晶音量カウンタが1であれば基板音量カウンタの値にかかわらず音量が同じ音量となるようになっている構成)ことを特徴とする特徴mA1乃至特徴mA13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定契機から特定期間が経過すれば、音量設定手段による設定に応じた音量となることから、特定設定に対応する音量にて報知が行われる期間が限定的なものであることが明確化され、音量設定手段による音量設定の実効性を担保しながらも、特徴mA1の効果を期待できるようになる。
そのうえで、特定処理が行われても、特定設定に対応する音量と音量が変わらないように設定されていることから、特定期間の経過によって、急に音量が変更することによる違和感を与えないようにすることができ、遊技機が遠隔操作されているという疑いをもたれないようにすることが可能となる等の効果が期待でき、遊技の公平性が担保される。
なお、上記構成は、「前記特定処理が行われることによって設定される音量が、前記音量設定手段による設定に関わらず、前記特定設定に対応する音量となるように設定されている」と限定してもよい。
特徴mA15.前記所定契機は、遊技機の電源が投入されたことであることを特徴とする特徴mA1乃至特徴mA14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、電源投入後、特定期間に亘って、特定設定に対応する音量にて報知が行われるようになる。このようにすることで、遊技ホールの開店前に電源を投入した後の音量が一定化され、例えば、不正改造が施されている場合にその特定設定に対応する音量ではない音量にて報知が行われることを通じて当該不正改造を発見し易くすることが可能となる。
上記構成においては、例えば、特徴mA10や特徴mA12のように、所定契機が生じても、特定設定に対応する音量の設定が行われない場合がある(特定設定に対応する音量の設定を行われないようにすることができる)構成とするとよく、そのようにすることで、例えば、遊技ホールの営業中に何らかの原因によって電断が生じた場合等において、特定設定に対応する音量に設定されてしまう不都合(遊技中に特定設定に対応する音量に設定されてしまうことの不都合等)を回避することが可能となる。
なお、上記特徴mA1乃至特徴mA15に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴mA1乃至特徴mA15の各構成に対して、特徴mA1乃至特徴mA15、特徴mB1乃至特徴mB11、特徴mC1乃至特徴mC12、特徴mD1乃至特徴mD12、特徴mE1乃至特徴mE13、特徴mF1乃至特徴mF9、特徴mG1乃至特徴mG9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴mB群>
特徴mB1.所定の開始操作により遊技が開始され、
所定の終了操作により遊技が終了され、
遊技の結果に応じて遊技価値が付与される遊技機において、
遊技内容に応じて実行される報知の音量を設定する音量設定手段(表示制御装置81による第1調節スイッチ210の操作に基づく音量設定操作対応処理や、第2調節スイッチ310のメモリに基づく基板側音量設定処理を実行する機能)と、
前記音量設定手段による設定(液晶音量カウンタ、基板音量カウンタ、音量設定カウンタ)に応じた音量にて報知を実行可能な報知実行手段(表示制御装置81による演出設定処理や音出力設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記音量設定手段として、第1音量設定手段(第1調節スイッチ210)及び第2音量設定手段(第2調節スイッチ310)を備え、
予め定められた所定契機で、前記第1音量設定手段による第1設定(液晶音量カウンタ)及び前記第2音量設定手段による第2設定(基板音量カウンタ)の一方の設定に応じた音量にて前記報知実行手段による報知が実行されるようにする特定手段(表示制御装置81による基板側音量設定処理において基板音量カウンタを音量設定カウンタに入力する処理や、基板側音量設定処理において液晶音量カウンタに特定値を入力する処理や、音量設定操作対応処理において液晶音量カウンタを音量設定カウンタに入力する処理や、変更対応処理において液晶音量カウンタに特定値を入力する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による遊技操作によって遊技が進行される遊技機において、各種遊技演出等の報知の音量を音量設定手段にて設定することができるため、遊技ホールの環境や遊技者の好みに応じた好適な遊技を実現可能となる。特に、本遊技機では、音量設定手段として第1音量設定手段と第2音量設定手段とを設けていることから、複数の音量設定手段によって音量を設定することが可能となり、例えば、より細かい音量設定が可能となったり、設けられている位置等によって、遊技者による操作の可否を異ならせる等、より好適に音量の設定を行うことができるようになる。
そのうえで、所定契機で、第1音量設定手段による第1設定と、第2音量設定手段による第2設定のうちの一方の設定に応じた音量となるように設定する特定手段を備えるようにしたことによって、例えば、第1音量設定手段と第2音量設定手段との優劣を設定して、一定条件下で優位ではない側の設定に応じた音量による報知を可能とし、所定契機で優位な側の設定に強制的に戻す、等といった構成ともすることができ、遊技機の音量管理をより好適に行うことが可能となる。
特徴mB2.遊技機本体に対して前方に開放可能な前面扉(前面扉12)と、
前記前面扉が開放されることを制限可能な施錠手段(施錠装置20)と、
を備え、
前記第1音量設定手段は、前記前面扉が開放されることなく操作可能となる位置に設けられおり、
前記第2音量設定手段は、前記前面扉が開放されることで操作可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴mB1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1音量設定手段は遊技者が操作可能な音量設定手段となり、第2音量設定手段は遊技者は操作不可であって、前面扉の施錠を解除できる遊技ホールの管理者等が操作可能となる。このように、複数の音量設定手段を設けるうえで、操作可能なユーザーを切り分けることで、いずれの音量設定手段の設定値を優位な側とするかを操作するユーザーによって設定することが可能となり、遊技機の音量管理を行い易くなる。
特徴mB3.前記特定手段は、前記所定契機が生じた場合、前記第2音量設定手段による第2設定に応じた音量にて前記報知実行手段による報知が行われるようにする第2手段(表示制御装置81による基板音量設定処理において、基板音量カウンタを音量設定カウンタに入力する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定契機が生じた場合、遊技者により操作される第1音量設定手段と、遊技ホールの管理者等により操作される第2音量設定手段と、のうち第2音量設定手段側を優位なものとして、当該第2音量設定手段の第2設定に応じた音量にて報知が行われるようにする。このようにすることで、所定契機が生じる場合に、遊技ホールの管理者がその都度音量設定を行うことなく、複数の遊技台の音量を一定の音量に統一することも可能となり、遊技機の音量管理の容易化が図られる。
特徴mB4.前記特定手段は、前記所定契機が生じた場合、前記第1音量設定手段による第1設定に応じた音量にて前記報知実行手段による報知が行われるようにする第1手段(表示制御装置81による基板音量設定処理において、基板音量カウンタを音量設定カウンタに入力しないようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mB2又は特徴mB3に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定契機が生じた場合、遊技者により操作される第1音量設定手段と、遊技ホールの管理者等により操作される第2音量設定手段と、のうち第1音量設定手段側を優位なものとして、当該第1音量設定手段の第1設定に応じた音量にて報知が行われるようにする。このようにすることで、遊技者が遊技を行っていた場合において所定契機が生じる場合に、強制的に遊技ホール側が設定した音量に設定されてしまう不都合を回避させることが可能となる。
特徴mB5.所定の遊技進行処理が終了してから、予め定められた所定期間が経過した場合に前記所定契機が生じることを特徴とする特徴mB1乃至特徴mB4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技進行処理が終了してからであれば遊技を行っている可能性は低く、更にその後、所定期間が経過した後であれば、遊技者も遊技台に着席していない可能性も低くなる。そこで、このような状況で音量設定を行うようにすることで、遊技中に強制的に音量が変更されたり、遊技を行っていなくても、遊技者の目の前で音量が変更されないようにすることができ、音量設定をより好適に行うことが可能となる。
特徴mB6.前記報知実行手段の状態として、前記所定の遊技進行処理が行われる状態を含む状態としての通常状態(遊技モード)と、前記所定の遊技進行処理が行われない状態を含む状態としての特定状態(待機モード)とが設定されており、
前記所定の遊技進行処理が終了した後、前記所定期間が経過するよりも前記通常状態から前記特定状態への設定が行われることを特徴とする特徴mB5に記載の遊技機。
特定状態に移行する場合に、当該移行と同時に音量設定を行う(所定契機が生じる)ようにする構成も考えられるが、そのようにしてしまうと、遊技進行処理が終了した後、特定状態に移行するまでの期間が短い構成などにおいては、遊技が終了された後、遊技者が未だ遊技台に着席している可能性が高くなる。その点、上記構成のようにすることで、特定状態に移行した後であれば、遊技者が遊技を行っている可能性も、遊技台に着席している可能性もより一層低くなり、特徴mB5の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴mB7.前記報知実行手段の状態として、通常状態(遊技モード)と特定状態(待機モード)とが設定されており、
前記所定契機は前記特定状態において生じるものであり、
前記報知実行手段は、前記特定状態において、前記音量設定手段による設定に関わらず、特定設定に対応する音量にて報知を実行することを特徴とする特徴mB1乃至特徴mB6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定手段による音量の設定が行われても、特定状態であれば実質的に音量の変更はない。よって、音量の変更を自動的に行うようにしながらも、突然、出力中の音量が変更されるような不自然な事象を生じさせないようにすることができる。
特徴mB8.前記音量設定手段により設定される音量に対応する音量表示を、所定の表示手段にて実行可能な音量表示手段(表示制御装置81による音量設定画面表示用処理や、サブ音量画像の表示開始用処理を実行する機能)を備え、
前記音量表示手段は、前記所定契機が生じる状態において所定の音量表示を実行可能であることを特徴とする特徴mB1乃至特徴mB7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定手段により音量が自動設定される構成において、その自動設定時に所定の音量表示が行われる構成となる。このようにすることで、音量が変更された場合に、その音量を音量表示に反映させて、当該音量を遊技者に明確に報知することも可能となるし、例えば特徴mB7のように、音量の自動設定が行われる状況では設定に関わらず音量が変わらないような構成においては、自動設定時の音量を音量表示に反映させなくても、違和感を与えることがない。
特徴mB9.前記所定契機が生じた場合、前記音量表示手段による所定の音量表示の示す音量が変化しないようになっていることを特徴とする特徴mB8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定手段によって音量が自動設定されても、所定の音量表示の示す音量は変化しないようになっているため、突然、遊技機の音量表示が変更されることを通じて、遊技の透明性が担保されない事象を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴mB10.前記特定手段は、前記第1音量設定手段及び前記第2音量設定手段のいずれか一方の設定の変更が行われたことを前記所定契機とし、他方の設定に応じた音量にて前記報知実行手段による報知が行われるようにすることが可能であり、
前記音量表示手段は、前記他方の設定に対応する音量表示を行うことを特徴とする特徴mB8又は特徴mB9に記載の遊技機。
上記構成によれば、一方の設定を変更した場合、他方の設定に応じた音量にて報知が行われるようになる構成において、音量表示は当該他方の設定に対応していることから、一方の設定を変更しても、他方の設定が変更されないため音量表示の変更はない。このようにすることで、突然、遊技機の音量表示が変更されることに基因する不都合を好適に回避することが可能となる。
特徴mB11.前記第1音量設定手段による第1設定と、前記第2音量設定手段による第2設定と、に基づいて、前記報知実行手段による報知の音量が定められる構成であることを特徴とする特徴mB1乃至特徴mB10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、両音量設定手段による設定に基づいて、報知の音量が定められる構成であれば、より詳細な音量設定が可能となる。そのうえで、所定契機で、一方の設定に対応する音量にて報知が行われるようにすることで、他方の設定を変更した場合に当該一方の設定を変更しなくても、実質的に音量を変更することが可能となる。
なお、上記特徴mB1乃至特徴mB11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴mB1乃至特徴mB11の各構成に対して、特徴mA1乃至特徴mA15、特徴mB1乃至特徴mB11、特徴mC1乃至特徴mC12、特徴mD1乃至特徴mD12、特徴mE1乃至特徴mE13、特徴mF1乃至特徴mF9、特徴mG1乃至特徴mG9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴mC群>
特徴mC1.所定の開始操作により遊技が開始され、
所定の終了操作により遊技が終了され、
遊技の結果に応じて遊技価値が付与される遊技機において、
遊技機本体に対して前方に開放可能な前面扉(前面扉12)と、
前記前面扉が開放されることを制限可能な施錠手段(施錠装置20)と、
遊技内容に応じて実行される報知の音量を設定操作する音量設定手段(表示制御装置81による第1調節スイッチ210の操作に基づく音量設定操作対応処理や、第2調節スイッチ310のメモリに基づく基板側音量設定処理を実行する機能)と、
前記音量設定手段により設定操作された設定(液晶音量カウンタ、基板音量カウンタ、音量設定カウンタ)に応じた音量にて報知を実行可能な報知実行手段(表示制御装置81による演出設定処理や音出力設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記音量設定手段として、前記前面扉が開放されることなく操作可能となる位置に設けられた第1音量設定手段(第1調節スイッチ210)と、前記前面扉が開放されることで操作可能となる位置に設けられた第2音量設定手段(第2調節スイッチ310)と、を備え、
遊技機の電源が投入された後の所定の状況において、前記第2音量設定手段による操作が行われた場合に、当該操作に対応する特定処理を実行可能な特定手段(表示制御装置81による変更対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による遊技操作によって遊技が進行される遊技機において、各種遊技演出等の報知の音量を音量設定手段にて設定することができるため、遊技ホールの環境や遊技者の好みに応じた好適な遊技を実現可能となる。特に、本遊技機では、音量設定手段として第1音量設定手段と第2音量設定手段とを設けていることから、複数の音量設定手段によって音量を設定することが可能となり、例えば、より細かい音量設定が可能となる。
第1音量設定手段は、施錠可能な前面扉が開放されることなく操作が可能な位置に設けられているため、基本的には遊技者が操作するものであり、第2音量設定手段は、施錠可能な前面扉が開放されることで操作が可能な位置に設けられているため、基本的には遊技者は操作できず、遊技ホールの管理者等が操作可能なものである。
このように、両音量設定手段の操作主体を区別することによって、両音量設定手段による詳細な音量設定を行いながら、状況に応じてその音量設定の可否を異ならせる等、より綿密な音量管理を行うことが可能となる。
しかも、上記構成では、遊技ホールの管理者側の第2音量設定手段について、電源投入後の所定の状況であっても、その操作に対応する特定処理を実行することが可能となっていることから、例えば、第1音量設定手段が故障してしまった場合に遊技を中断することなく(電断状態を介することなく)音量を変更することが可能となるし、また、例えば、第1音量設定手段側では設定できず、第2音量設定手段側では設定できるような特殊な音量設定を行うことが可能な構成において、その特殊な音量設定を遊技を中断することなく行うことが可能となる。よって、このような音量設定を可能とすることを通じて、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
特徴mC2.前記特定手段は、前記第2音量設定手段により設定操作される設定を変更する処理を前記特定処理として実行可能であり、
前記特定手段による処理が行われた後、所定の遊技進行操作が行われた場合に、前記報知実行手段による報知が、前記処理後の設定に応じた音量にて行われるようにする第1手段(表示制御装置81による音出力設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技中に遊技ホールの管理者により第2音量設定手段の操作が行われた場合、音量の設定の変更が行われ、その変更は、次の所定の遊技進行操作が行われた場合に有効化される構成となる。つまり、第2音量設定手段の操作に基づいてリアルタイムで音量が変更されるものではない構成となる。
ここで、第2音量設定手段は、前面扉が開放されることで操作可能となる位置に設けられているところ、電通状態にて前面扉を開放させると、通常、当該前面扉が開放されていることの開放報知が行われる。そして、当該開放報知は、基本的には、不正防止の観点から最大音量で行われる場合が多く、そうすると、仮に、遊技中に第2音量設定手段を操作することで、当該遊技において出力中の効果音等の音量をリアルタイムで変更しようとしても、最大音量にて出力されている開放報知によって、その効果音等はかき消されてしまう(聞き取りにくくなってしまったり、そもそも開放報知が行われる場合には、効果音等の出力が停止したりしている)ことが考えられ、リアルタイムに変更することによって得られる効果を期待できないことが考えられる。
そこで、上記構成においては、あえてリアルタイムで音量を変更せず、事後的にその変更を有効化することによって、電通状態で行う第2音量設定手段による操作に基づく音量の変更時の処理負荷の増大化を回避することが可能となる。
特徴mC3.前記第1手段は、前記前面扉が閉鎖された後、前記所定の遊技進行操作が行われた場合に、前記報知実行手段による報知が、前記処理後の設定に応じた音量にて行われるようにすることを特徴とする特徴mC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、前面扉が開放中であって開放報知が行われている最中に、変更処理によって変更された音量に変更されることがないようになる。よって、変更後の効果音等が開放報知によって聞き取れない事象を好適に回避するとともに、開放報知中に音量を変更することに基因する処理負荷の増大化も回避することが可能となる。
特徴mC4.前記特定手段は、前記第2音量設定手段により設定操作される設定を変更する処理を前記特定処理として実行可能であり、
前記特定手段による処理が行われた後、所定の遊技進行操作が行われる前に、前記報知実行手段による報知が、前記処理後の設定に応じた音量にて行われるようにする手段(表示制御装置81による変更対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mC1乃至特徴mC3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技中に遊技ホールの管理者により第2音量設定手段の操作が行われた場合、音量の設定の変更が行われ、その変更は、次の所定の遊技進行操作が行われるよりも前に有効化される構成となる。つまり、第2音量設定手段の操作に基づいてリアルタイムで音量が変更される構成となる。
特徴mC2に記載した通り、遊技中に第2音量設定手段を操作することで、当該遊技において出力中の効果音等の音量をリアルタイムで変更しようとしても、最大音量にて出力されている開放報知によって、その効果音等はかき消されてしまうことも考えられる。
しかし、リアルタイムで変更するからこそ、出力中の効果音等の音量をちょうどよい音量に調節することができるであり、上記構成においては、開放報知との関係や、処理負荷の増加等によるデメリットよりも、リアルタイムで変更することのメリットを選択する構成となり、このような構成であっても、音量設定の好適化による恩恵は享受できるものと考えられる。
特徴mC5.前記特定手段は、前記第2音量設定手段により設定操作される設定を変更する処理を前記特定処理として実行可能であり、
前記報知実行手段は、
第1報知(通常演出効果音や確定演出効果音)の音量が、前記特定手段による処理が行われた後の設定に応じた音量に第1タイミング(次回演出発生時)から変更されるようにする手段と、
前記第1報知とは異なる第2報知(挿入メロディ)の音量が、前記特定手段による処理が行われた後の設定に応じた音量に前記第1タイミングとは異なる第2タイミング(音量設定操作時)から変更されるようにする手段と、
を備えていることを特徴とする特徴mC1乃至特徴mC4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知と第2報知とで、第2音量設定手段による音量変更が有効化されるタイミングが異なる。このようにすれば、例えば、音量変更をリアルタイムで変更しないと変更操作が有効に受け付けられていないのでは、と勘違いされてしまう等、不自然な事象を生じないようにしながら、他の報知の音量については事後的に音量を変更することで処理負荷の増大化を回避させる、といった構成とすることも可能だし、出力中ではない報知の音量まで全て同時に変更する必要もなく、より音量設定を好適に行わせることが可能となる。
特徴mC6.前記第2音量設定手段では、前記報知実行手段により特殊音量にて報知が行われるようにする設定が可能であり、
前記第1音量設定手段では、前記報知実行手段により前記特殊音量にて報知が行われるようにする設定が不可であることを特徴とする特徴mC1乃至特徴mC5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、電通状態において、第1音量設定手段では設定できない特殊音量への音量変更を行うことが可能となる。
なお、「特殊音量」としては、例えば、「遊技者が聞き取り困難又は聞き取り不能となる音量」や、「設定した場合、その後、第1音量設定手段による設定が不可とされる音量」等が挙げられる。
特徴mC7.前記特定手段は、所定の報知手段(補助表示部65や第2補助表示部410)にて前記報知実行手段により実行される報知の音量に対応する音量報知(サブ音量画像SO)を行わせる処理を前記特定処理として実行可能な手段(表示制御装置81によるステップSm4302~ステップSm4304等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mC1乃至特徴mC6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2音量設定手段を操作することで、現状の音量や、その操作に基づいて設定される音量等の音量報知が行われるため、より音量設定を行い易くなる。特に、前面扉を開放することによって開放報知が行われることを前提とすると、その開放報知によって、出力中の報知の音量が聞き取れなくなる可能性もあり、所定の報知手段による音量報知は、音量変更操作を行ううえで大きな手助けとなり得る。
特徴mC8.前記第2音量設定手段による操作が行われた場合、前記音量報知の示す音量の内容が変化しないようにすることが可能な手段(表示制御装置81によるステップSm5211~ステップSm5213の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mC7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2音量設定手段による音量変更を行っても、音量報知の示す音量の内容は変化しないようになっており、このようにすることで、第2音量設定手段を操作することで、現状の音量を把握することができるようにしながら、その操作に基づいて音量報知の内容をリアルタイムで変更する等の処理による処理負荷の増大化を好適に抑制することが可能となる。
特徴mC9.前記特定手段は、前記前面扉が開放されていることの開放報知の音量を小さくする処理を前記特定処理として実行可能な第3手段(表示制御装置81によるステップSm4308等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mC1乃至特徴mC8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、前面扉を開放して第2音量設定手段を操作する場合に、実行されている開放報知の音量が小さくなるため、その操作を行い易くなるし、当該操作に基づいて変更される報知の音量を聞き取り易くすることが可能となる。
特徴mC10.前記第3手段による処理後の前記開放報知の音量を大きくする処理を実行可能な手段(表示制御装置81によるステップSm4318等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mC9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴mC9において、不正防止目的で実行している開放報知の音量が、いつまでも小さくされてしまって、その不正防止効果が期待できなくなってしまう不都合を好適に回避することが可能となる。
特徴mC11.前記特定手段は、前記第2音量設定手段による操作が受け付けられたことに対応する特定報知(受付効果音)を実行するための処理を前記特定処理として実行可能な第4手段(表示制御装置81によるステップSm4309等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mC1乃至特徴mC10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2音量設定手段を操作したことが正規に受け付けられたことを特定することが可能となる。特に、第2音量設定手段を操作するために前面扉を開放することで開放報知が行われるような構成においては、当該開放報知によって、実行中の演出等の音がかき消されてしまったり、実行中の演出が中断されたりすることも考えられ、そうすると、第2音量設定手段により音量の変更を行ったことが受け付けられたことをこれらの実行中の演出等からは特定できない可能性もあり、上記のように受け付けられたことの特定報知を実行することの意義は高いと考えられる。
上記構成は、特に特徴mC9のように開放報知の音量を小さくする構成と組み合わせることで、相乗的な効果を期待できる。つまり、開放報知の音量を小さくすることで特定報知をより把握し易くなり、第2音量設定手段による音量変更をより好適に行うことが可能となる。
特徴mC12.前記第4手段は、前記第2音量設定手段による操作が受け付けられた後、所定期間後に、前記特定報知が実行されるようにすることが可能であることを特徴とする特徴mC11に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば特徴mC9のように開放報知の音量を小さくする構成と組み合わせる場合、第2音量設定手段の操作によってその開放報知の音量が小さくされた後で、操作が受け付けられたことの特定報知が行われるようになるため、特定報知が開放報知にかき消されてしまう事象を好適に回避することが可能となる。また、仮に開放報知の音量が小さくならない構成であっても、第2音量設定手段による操作の受付処理と特定報知の実行処理とを重複して行うことによる処理負荷の増大化を回避することが可能である。
なお、上記特徴mC1乃至特徴mC12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴mC1乃至特徴mC12の各構成に対して、特徴mA1乃至特徴mA15、特徴mB1乃至特徴mB11、特徴mC1乃至特徴mC12、特徴mD1乃至特徴mD12、特徴mE1乃至特徴mE13、特徴mF1乃至特徴mF9、特徴mG1乃至特徴mG9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴mD群>
特徴mD1.所定の開始操作により遊技が開始され、
所定の終了操作により遊技が終了され、
遊技の結果に応じて遊技価値が付与される遊技機において、
予め定められた特定事象(エラー)が生じた場合、当該特定事象が生じていることに対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81によるエラー報知設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定事象が第1特定事象(エラー番号1~5に対応するエラー)である場合、特定の操作手段を操作することにより、前記特定報知の報知態様を変更可能であり、
前記特定事象が第2特定事象(エラー番号6~10に対応するエラー)である場合、前記特定報知の報知態様を変更不可とされていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による遊技操作によって遊技が進行される遊技機において、遊技機の異常等の予め定められた特定事象が発生した場合に特定報知が行われるため、遊技者や遊技ホールの管理者等は、当該特定報知によって特定事象の発生を好適に把握することが可能となる。
この場合、特定事象が第1特定事象である場合には、特定の操作手段の操作によって当該第1特定事象に対応する特定報知の報知態様を変更可能であるものの、第2特定事象である場合には、その特定報知の報知態様の変更が不可とされているため、報知態様の変更の可否によって、実行中の特定報知が第1特定事象に対応するものなのか、それとも第2特定事象に対応するものなのかを明確に把握することが可能となる。
更に、例えば、遊技ホールの管理者等が対処可能な特定事象については、発生していることさえ特定報知によって把握できればよく、当該対処中に特定報知を行う必要がない場合もあり、そのような特定事象については報知態様を変更可能としておくことのメリットは大きいと考えられる。その一方で、特定事象によっては、その特定報知の報知態様が変更されることを通じて、不正行為が行われ易くなる等の不都合も考えられ、報知態様を無制限に変更可能とすることのデメリットは大きい。そこで、上記構成のようにすることによって、特定報知の報知態様を変更可能とすることによるメリットを享受しながら、その報知態様が無制限に変更されることによるデメリットを生じさせないようにすることが可能となる。
特徴mD2.遊技機本体に対して前方に開放可能な前面扉(前面扉12)と、
前記前面扉が開放されることを制限可能な施錠手段(施錠装置20)と、
を備え、
前記特定の操作手段は、前記前面扉が開放されることで操作可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴mD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定事象については特定報知の報知態様を変更可能とはいえ、その変更操作は、前面扉の施錠を解除できる遊技ホールの管理者等に限定される。このようにすることで、第1特定事象についても特定報知の報知態様が無制限に変更可能とされるわけではない構成となり、報知態様が変更されることのデメリットを生じさせないようにすることが可能となる。
特徴mD3.前記前面扉が開放された状態で、前記第1特定事象が発生している状態から当該第1特定事象が発生していない状態とすることを可能とする操作が実行されることを特徴とする特徴mD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定事象が生じた場合の処置は、施錠を解除して前面扉を開放した状態で行われる。つまり、第1特定事象が生じたことの特定報知の報知態様を変更する場合の特定の操作手段の操作と、第1特定事象が生じた場合の処置とは、いずれも前面扉を開放した状態で行われることになる。よって、これらの操作を行う遊技ホールの管理者等は、第1特定事象の処置を行う際に、それにあわせて報知態様の変更操作も行うこともできるようになり、作業効率を向上させることが可能となる。
特徴mD4.操作することにより所定報知の報知態様を変更することが可能な所定の操作手段(第1調節スイッチ210)を備え、
前記所定の操作手段を操作することにより、前記第1特定事象に対応する前記特定報知の報知態様を変更することが不可とされていることを特徴とする特徴mD1乃至mD3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の報知態様の変更が、他の報知の報知態様の変更用の所定の操作手段では不可とされることから、特定報知の報知態様の変更の可否が特定事象の種類だけでなく操作手段についても限定的なものとされ、変更を許容することのメリットを享受しながら、無制限に変更を許容してしまうことのデメリットを生じさせない効果を高めることができる。
特徴mD5.前記特定の操作手段を操作することにより、前記所定報知の報知態様を変更することが可能とされていることを特徴とする特徴mD4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の報知態様を変更可能とする特定の操作手段を操作することで、所定報知の報知態様も変更可能となる。つまり、所定の操作手段よりも、特定の操作手段の方が、報知態様を変更可能な報知の種類が多い構成となる。このようにすることで、特定の操作手段の機能を集約化することができ、遊技機構成部品の部材点数の削減等を図ることが可能となる。
特徴mD6.遊技機本体に対して前方に開放可能な前面扉(前面扉12)と、
前記前面扉が開放されることを制限可能な施錠手段(施錠装置20)と、
を備え、
前記特定の操作手段は、前記前面扉が開放されることで操作可能となる位置に設けられており、
前記所定の操作手段は、前記前面扉が開放されることなく操作可能な位置に設けられていることを特徴とする特徴mD4又は特徴mD5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の操作手段は施錠を解除できる遊技ホールの管理者等が操作でき、所定の操作手段は遊技者等が操作できるものとなる。このようにすることで、遊技者による特定報知の報知態様の変更を回避しながら、所定報知の報知態様を変更可能として遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
特徴mD7.操作されることを一の条件として、遊技機の所定の記憶領域(RAM106)の初期化処理が実行されるようになる特別の操作手段(リセットスイッチ72)を備え、
前記特別の操作手段を操作することにより、前記第1特定事象に対応する前記特定報知を終了させることが可能とされていることを特徴とする特徴mD1乃至特徴mD6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の記憶領域の初期化処理が行われる所謂リセットスイッチとしての特別の操作手段を操作することで、第1特定事象の特定報知を終了させることが可能となる。つまり、第1特定事象に対応する特定報知が行われた場合に、当該特定報知を終了させることが可能なことを前提として、特定の操作手段を操作することでその報知態様を変更することが可能な構成となる。このようにすることで、第1特定事象に対応する特定報知が実行されることによるメリットを享受しながらも、その特定報知の態様を遊技ホールの環境や報知が行われている状況での作業にあわせてカスタマイズすることが可能となる。
特徴mD8.前記特別の操作手段を操作することにより、前記初期化処理を介することなく前記第1特定事象に対応する前記特定報知を終了させることが可能とされていることを特徴とする特徴mD7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定事象の特定報知の終了に際して、初期化処理の実行が必要ではない構成となる。つまり、遊技機の異常等の特定事象のうち、第1特定事象は初期化処理を介することなく対処できる事象といえる。このような初期化処理を介することなく対処可能な異常は、通常の遊技進行であっても生じることが多い異常であることが一般的であり、このような第1特定事象に対応する特定報知の報知態様を変更可能としておけば、遊技ホールの営業中に比較的何度も実行される特定報知を、遊技ホールの環境等に応じてうまくカスタマイズすることが可能となり、第1特定事象の対処をより好適に行うことができるようになる。
特徴mD9.前記特別の操作手段を操作して前記初期化処理を介することで、前記第2特定事象に対応する前記特定報知を終了させることが可能とされていることを特徴とする特徴mD8に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定事象の特定報知は初期化処理を介することなく終了させることが可能である一方、第2特定事象の特定報知は初期化処理を介して終了させることが可能な構成となる。つまり、第1特定事象よりも第2特定事象の方が、遊技機の異常としては重症な部類の異常といえ、このような第2特定事象の特定報知については、その報知態様が不正に変更されることによるデメリットの方が大きいと考えられる。よって、上記構成のようにすることで、これら第1特定事象と第2特定事象の特定報知の報知態様の変更の可否によるメリットやデメリットのバランスをとることができるようになる。
特徴mD10.前記特定の操作手段を操作することにより、実行中の前記第1特定事象に対応する前記特定報知の報知態様を変更することが可能であることを特徴とする特徴mD1乃至特徴mD9のいずれか1に記載の遊技機。
例えば、遊技ホールの管理者等が第1特定事象に対処している最中は、既にその第1特定事象の発生を把握しているのであるから、特定報知を継続させる必要性は低い。但し、当該特定報知自体を終了してしまうと、第1特定事象が解消していないのにもかかわらず、解消したものと勘違いしてしまう可能性もある。そこで、上記構成のように、第1特定事象の対処中にその特定報知の報知態様を変更可能とすることで、第1特定事象の発生を特定しているのにもかかわらず特定報知が行われることの煩わしさを解消しながらも、第1特定事象が解消できていないことを好適に把握させることが可能となる。
特徴mD11.所定の開始操作により遊技が開始され、
所定の終了操作により遊技が終了され、
遊技の結果に応じて遊技価値が付与される遊技機において、
予め定められた特定事象(エラー)が生じた場合、当該特定事象が生じていることに対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81によるエラー報知設定処理を実行する機能)を備え、
特定の操作手段を操作することにより、前記特定報知の報知態様を変更可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による遊技操作によって遊技が進行される遊技機において、遊技機の異常等の予め定められた特定事象が発生した場合に特定報知が行われるため、遊技者や遊技ホールの管理者等は、当該特定報知によって特定事象の発生を好適に把握することが可能となる。
例えば、遊技ホールの管理者等が対処可能な特定事象については、発生していることさえ特定報知によって把握できればよく、当該対処中に特定報知を行う必要がない場合もあり、そのような特定事象については報知態様を変更可能としておくことのメリットは大きいと考えられる。
そこで、上記構成では、特定の操作手段の操作によって特定事象に対応する特定報知の報知態様を変更可能としているため、上記のメリットを好適に享受することが可能となる。
なお、上記特徴mD11に対して、特徴mD1乃至特徴mD10の各構成を個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
特徴mD12.所定の開始操作により遊技が開始され、
所定の終了操作により遊技が終了され、
遊技の結果に応じて遊技価値が付与される遊技機において、
予め定められた特定事象(エラー)が生じた場合、当該特定事象が生じていることに対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81によるエラー報知設定処理を実行する機能)と、
操作することにより所定報知の報知態様を変更することが可能である一方、操作することにより前記特定報知の報知態様を変更することが不可とされる所定の操作手段(第1調節スイッチ210)と、
操作することにより前記特定報知の報知態様を変更することが可能な特定の操作手段(第2調節スイッチ310)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による遊技操作によって遊技が進行される遊技機において、遊技機の異常等の予め定められた特定事象が発生した場合に特定報知が行われるため、遊技者や遊技ホールの管理者等は、当該特定報知によって特定事象の発生を好適に把握することが可能となる。
この場合、所定の操作手段を操作すると、所定報知の報知態様は変更できるものの、特定報知の報知態様は変更できず、特定の操作手段を操作すると、特定報知の報知態様を変更することが可能となる。
このように、特定報知の報知態様の変更を、特定の操作手段に限定することで、特定報知の報知態様が変更されることを通じて不正行為が行われ易くなることの不都合を発生させないようにしながら、特定報知の報知態様を変更することによるメリットを享受することが可能となる。
なお、上記特徴mD12に対して、特徴mD1乃至特徴mD11の各構成を個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
なお、上記特徴mD1乃至特徴mD12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴mD1乃至特徴mD12の各構成に対して、特徴mA1乃至特徴mA15、特徴mB1乃至特徴mB11、特徴mC1乃至特徴mC12、特徴mD1乃至特徴mD12、特徴mE1乃至特徴mE13、特徴mF1乃至特徴mF9、特徴mG1乃至特徴mG9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴mE群>
特徴mE1.所定の開始操作により遊技が開始され、
所定の終了操作により遊技が終了され、
遊技の結果に応じて遊技価値が付与される遊技機において、
遊技内容に応じて実行される報知の音量を設定可能な音量設定手段(表示制御装置81による第1調節スイッチ210の操作に基づく音量設定操作対応処理や、第2調節スイッチ310のメモリに基づく基板側音量設定処理を実行する機能)と、
前記音量設定手段による設定(液晶音量カウンタ、基板音量カウンタ、音量設定カウンタ)に応じた音量にて報知を実行可能な報知実行手段(表示制御装置81による演出設定処理や音出力設定処理を実行する機能)と、
予め定められた第1操作(通常操作、第1調節スイッチ210に対する操作)が行われた場合に、前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態とする第1手段(表示制御装置81によるステップSm2809等の通常操作に基づく音量設定画面表示用処理を実行する機能、)と、
前記第1操作とは異なる第2操作(ショートカット操作、第2調節スイッチ310に対する操作)が行われた場合に、前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態とする第2手段(表示制御装置81によりステップSm2714等のショートカット操作に基づく音量設定画面表示用処理を実行する機能や、基板側の変更対応処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による遊技操作によって遊技が進行される遊技機において、各種遊技演出等の報知の音量を音量設定手段にて設定することができるため、遊技ホールの環境や遊技者の好みに応じた好適な遊技を実現可能となる。
しかも、本遊技機では、第1操作を行うことでこの音量設定手段による音量の設定が行われる状態とすることが可能であり、更に、第2操作を行うことでも当該音量設定手段による音量の設定が行われる状態とすることが可能であることから、複数種類の操作によって音量設定を行うことが可能な構成となる。このようにすることで、例えば、遊技状況に応じて音量設定を行うための操作を異ならせたり、音量設定を行うための操作の難易度や手数、操作を行う主体等、を異ならせることが可能となり、より音量設定を行い易くすることができるようになる。よって、遊技進行の好適化が図られる。
特徴mE2.前記第1操作は、第1数の操作を行うことで前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態とする操作であり、
前記第2操作は、前記第1数よりも少ない第2数の操作を行うことで前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態とする操作であることを特徴とする特徴mE1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1操作と第2操作とでは、音量設定手段による音量の設定が可能な状態とするまでの手数(操作の数)が異なり、第1操作よりも第2操作の方が手数が少ない構成となる。このようにすることで、急いで音量を設定したい場合等では手数が少ない側の第2操作を行って設定する等、音量設定を行う場合の自由度が向上し、より設定を行い易くすることができる。
特徴mE3.前記第1操作は、少なくとも第1特定操作(メニュー画面を表示させるための中スイッチ220の操作)と、第2特定操作(音量設定の第3項目画像KP3を選択するための中スイッチ220の操作)とを含み、
前記第1特定操作が行われた後、第2特定操作とは異なる第3特定操作(例えばキャラクタ選択の第1項目画像KP1を選択するための中スイッチ220の操作)を行うことにより、前記音量設定手段による音量の設定とは異なる所定事象の設定又は確認のいずれかを行うが可能な状態とすることが可能となっていることを特徴とする特徴mE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、手数の多い側の第1操作は、第1特定操作を行った後、第2特定操作を行うことで音量の設定が可能な状態となり、第3特定操作を行うことで音量とは異なる所定事象の設定や確認を行うことが可能と状態となるため、第1操作のうちの第1特定操作は他の設定・確認用の操作と兼用の操作となる。このように、例えば、音量の設定だけではなく、所定事象の設定や確認を行いたい場合には、第1操作(第1特定操作)の方がよく、音量の設定だけを行いたい場合には第2操作のほうがよい、といったように、それぞれの優位性を担保することで、複数の操作によって音量の設定を行うことを可能とした効果を好適に奏することができるようになる。
特徴mE4.前記第1操作は、第1操作手段(中スイッチ220,第1調節スイッチ210)に対して行われる操作を含み、
前記第2操作は、前記第1操作手段とは異なる第2操作手段(左右のスイッチ230,240、第2調節スイッチ310)に対して行われる操作を含むことを特徴とする特徴mE1乃至特徴mE3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の操作手段によって、音量の設定を行うことが可能となる。これにより、操作し易い側の操作手段を操作して音量の設定を行うことできるような構成とすることも可能となるし、例えば、遊技者による操作の可否を操作手段によって(例えば、設けられている位置等によって)異ならせることで、通常遊技用ではない特殊な音量の設定を行ったりもすることが可能となる。
特徴mE5.遊技機本体に対して前方に開放可能な前面扉(前面扉12)と、
前記前面扉が開放されることを制限可能な施錠手段(施錠装置20)と、
を備え、
前記第1操作手段は、前記前面扉が開放されることなく操作可能な位置に設けられており、
前記第2操作手段は、前記前面扉が開放されることなく操作可能な位置に設けられていることを特徴とする特徴mE4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1操作手段と第2操作手段はいずれも施錠を解除できる遊技ホールの管理者等だけでなく、遊技者が操作できる操作手段となる。このように、遊技者の好みや状況に応じた操作手段を操作して音量を変更することが可能とすることで、より音量設定を行い易くすることができ、それを通じて、自らカスタマイズした遊技演出を好適に楽しませることが可能となる。
特徴mE6.操作されることで前記第1操作手段が操作されたとされる第1操作領域(中スイッチ220の押圧面)と、操作されることで前記第2操作手段が操作されたとされる第2操作領域(左右のスイッチ230,240の押圧面)と、が近接していることを特徴とする特徴mE5に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、音量を設定しようとして第1操作手段を操作しようとしたのにもかかわらず、間違えて第2操作手段を操作してしまったりする押し間違いであっても、音量の設定を行うことが可能となり、より音量設定を行い易くなる。
なお、「近接」とは、第1操作領域と第2操作領域とが接している態様だけでなく、第1操作領域と第2操作領域との間に所定領域が設けられている態様を含み、少なくとも、遊技者が第1操作手段を操作しようとすればその手の届く範囲に第2操作手段が設けられており、第2操作手段を操作しようとすればその手の届く範囲に第1操作手段が設けられている態様を含む。また、第1操作領域と第2操作領域とが一部重複している態様も含む。
特徴mE7.前記第1操作は、第1操作手段(中スイッチ220)を操作する第1特定操作と、第2操作手段(左右のスイッチ230,240)又はそれとは異なる操作手段(上下のスイッチ250,260)を操作する第2特定操作とを含み、
前記第2操作は、前記第2操作手段(左右のスイッチ230,240)の操作を含み、
操作されることで前記第1操作手段が操作されたとされる第1操作領域(中スイッチ220の押圧面)と、操作されることで前記第2操作手段が操作されたとされる第2操作領域(左右のスイッチ230,240の押圧面)と、が近接していることを特徴とする特徴mE1乃至特徴mE6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は、特徴mE6を特徴mE3に適用した場合の具体的構成であり、このようにすることで、例えば、第2操作手段を操作しようとして第1操作手段を操作してしまっても、第1特定操作となった後、その後、第2特定操作を行うことで、音量の設定を行うことが可能となり、操作を間違えてしまってもそのリカバリーを好適に行うことが可能な構成とすることができる。
特徴mE8.前記第2操作手段を操作することにより、前記第2特定操作が行われる構成、又は前記音量設定手段による音量の設定とは異なる所定事象の設定又は確認のいずれかを行うが可能な状態とすることが可能となる構成のいずれかであることを特徴とする特徴mE7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2操作手段が、第2特定操作用の操作手段として機能したり、他の設定や確認用の操作手段として機能したりし、機能を集約化することを通じて遊技機構成部品の部材点数の削減を図ることが可能となる。
特徴mE9.所定の場合に、前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態を終了させることが可能な終了手段(表示制御装置81によるステップSm3513~ステップSm3515、ステップSm4316~ステップSm4317等の処理を実行する機能)を備え、
前記終了手段は、
前記第1操作によって前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態とされている場合、当該音量の設定が可能な状態を終了させて第1状態(メニュー画面、遊技モード、待機モード)とする手段(表示制御装置81によるメニュー画面への復帰処理、通常画面への復帰処理やサブ音量画像の表示終了用処理を実行する機能)と、
前記第2操作によって前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態とされている場合、当該音量の設定が可能な状態を終了させて前記第1状態とは異なる第2状態とする手段(表示制御装置81による待機画面への復帰処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴mE1乃至特徴mE8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1操作で音量の設定を行った後は第1状態に移行し、第2操作で音量の設定を行った後は第2状態に移行する。例えば、第1操作と第2操作とで、操作する主体が遊技者と遊技ホールの管理者等のように異なる場合、遊技者は音量を設定するだけであるのに対して、遊技ホールの管理者等は音量だけでなくその他の設定も変更する可能性が高く、そのような場合には、音量の設定を終了する場合に当該その他の設定を変更可能な状態に移行させることが操作性の観点から好ましい。また、例えば、第1操作と第2操作とがいずれも遊技者の操作であるとしても、他の設定を変更する可能性のある操作を第1操作とし、そうではない場合の操作を第2操作として設定する等すると、上記のように音量の設定を終了する場合に他の設定を変更可能な状態に移行させるか否かを異ならせることによって、操作の主体が同じであっても操作性の向上が見込めるものと考えられる。
特徴mE10.前記第1操作は、少なくとも第1特定操作(メニュー画面を表示させるための中スイッチ220の操作)と、第2特定操作(音量設定の第3項目画像KP3を選択するための中スイッチ220の操作)とを含み、
前記第1特定操作が行われた場合に前記第1状態とする手段(表示制御装置81によるメニュー画面表示用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mE9に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1操作によって音量の設定を行った場合、その音量の設定を終了すると、第1操作のうちの第1特定操作によって移行する第1状態とされる。例えば、特徴mE3のように、この第1状態で第3特定操作が行われた場合に音量設定手段による音量の設定とは異なる所定事象の設定又は確認のいずれかを行うが可能な状態とされるようにすることで、上記特徴mE9に示したような効果を好適に奏することが可能となる。
特徴mE11.所定の場合に、前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態を終了させることが可能な終了手段(表示制御装置81によるステップSm3513~ステップSm3515、ステップSm4316~ステップSm4317等の処理を実行する機能)を備え、
前記終了手段は、所定の遊技進行操作が行われた場合に前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態を終了させる遊技用終了手段(表示制御装置81によるステップSm3515等の処理を実行する機能)を備え、
前記遊技用終了手段は、
前記第1操作によって前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態とされている場合、当該音量の設定が可能な状態を終了させて第3状態(遊技モード)とし、
前記第2操作によって前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態とされている場合、当該音量の設定が可能な状態を終了させて前記第3状態(遊技モード)とすることを特徴とする特徴mE1乃至特徴mE10のいずれか1に記載の遊技機。
遊技進行操作が行われた場合には、遊技者が他の設定等を行うのではなく遊技を進行させる意思表示と捉えることができ、このような場合にまで、特徴mE10のような配慮を行うと、かえって遊技進行の妨げとなり得る。そこで、上記構成では、遊技進行操作によって音量の設定を終了する場合には、第1操作と第2操作とのいずれであっても第3状態とされるようにしていることから、両操作による音量設定のメリットを享受しながらも、遊技の好適な進行を実現することが可能となる。
特徴mE12.前記第1操作は、第1数の操作を行うことで前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態とする操作であり、
前記第2操作は、前記第1数よりも少ない第2数の操作を行うことで前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態とする操作であり、
前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態とする操作の態様に対応する態様報知(スイッチ画像SPや上スイッチ画像SP1や下スイッチ画像SP2の強調表示による操作指示演出、ショートカット操作画像HP)を、所定の報知手段(補助表示部65、第2補助表示部410)にて報知可能な操作態様報知手段(表示制御装置81によるステップSm2710やステップSm4603等の処理を実行する機能)を備え、
前記操作態様報知手段は、前記第2操作の操作に対応する第2態様報知を実行可能な第2操作態様報知手段(表示制御装置81によるステップSm4603等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mE1乃至特徴mE11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1操作と第2操作とでは、音量設定手段による音量の設定が可能な状態とするまでの手数(操作の数)が異なり、第1操作よりも第2操作の方が手数が少ない構成となる。このようにすることで、急いで音量を設定したい場合等では手数が少ない側の第2操作を行って設定する等、音量設定を行う場合の自由度が向上し、より設定を行い易くすることができる。
この場合、音量の設定を行うための操作の態様を態様報知として報知可能な操作態様報知手段は、手数の少ない側である第2操作の態様を報知可能としていることから、遊技者はより簡易に音量の変更を行うことが可能となるし、手数が多い余計な操作が行われることを通じて、不要な部品の消耗を回避することが可能となる。
特徴mE13.前記第1操作は、第1数の操作を行うことで前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態とする操作であり、
前記第2操作は、前記第1数よりも少ない第2数の操作を行うことで前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態とする操作であり、
前記第2操作を行うことで、音量の設定を変更しながら、前記音量設定手段による音量の設定が可能な状態とされることを特徴とする特徴mE1乃至特徴mE12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1操作と第2操作とでは、音量設定手段による音量の設定が可能な状態とするまでの手数(操作の数)が異なり、第1操作よりも第2操作の方が手数が少ない構成となる。このようにすることで、急いで音量を設定したい場合等では手数が少ない側の第2操作を行って設定する等、音量設定を行う場合の自由度が向上し、より設定を行い易くすることができる。
この場合、手数が少ない側の第2操作を行うことで、音量の設定が可能な状態とするだけでなく、その操作によって音量の変更も行うことができる。つまり、第2操作は、状態の移行操作と変更操作とを兼ねる構成となり、更なる手数の削減によって、音量設定を行い易くすることが可能となる。
なお、上記特徴mE1乃至特徴mE13に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴mE1乃至特徴mE13の各構成に対して、特徴mA1乃至特徴mA15、特徴mB1乃至特徴mB11、特徴mC1乃至特徴mC12、特徴mD1乃至特徴mD12、特徴mE1乃至特徴mE13、特徴mF1乃至特徴mF9、特徴mG1乃至特徴mG9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴mF群>
特徴mF1.所定の開始操作により遊技が開始され、
所定の終了操作により遊技が終了され、
遊技の結果に応じて遊技価値が付与される遊技機において、
遊技内容に応じて実行される報知の音量を設定する音量設定手段(表示制御装置81による第1調節スイッチ210の操作に基づく音量設定操作対応処理や、第2調節スイッチ310のメモリに基づく基板側音量設定処理を実行する機能)と、
前記音量設定手段による設定(液晶音量カウンタ、基板音量カウンタ、音量設定カウンタ)に応じた音量にて報知を実行可能な報知実行手段(表示制御装置81による演出設定処理や音出力設定処理を実行する機能)と、
操作された場合に前記音量設定手段による音量の設定を行わせることが可能な設定操作手段(第1調節スイッチ210、第2調節スイッチ310)と、
所定の場合に、前記設定操作手段による操作を介することなく前記音量設定手段による音量の設定を変更可能な特定手段(表示制御装置81による基板側音量設定処理を実行する機能)と、
前記特定手段による音量の設定の変更が行われる特定状況(調整用タイマカウンタ=0となる状況)において、前記音量設定手段により設定される音量に対応する音量報知を所定の報知手段にて実行可能な音量報知実行手段(表示制御装置81によるサブ音量画像SOを表示させるための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による遊技操作によって遊技が進行される遊技機において、設定操作手段を操作することで各種遊技演出等の報知の音量を音量設定手段にて設定することができるため、遊技ホールの環境や遊技者の好みに応じた好適な遊技を実現可能となる。しかも、所定の場合には、設定操作手段の操作を介することなく音量が変更される場合があり、このようにすることで、例えば、強制的に所定期間に亘って特定音量となるようにする構成においてその所定期間が経過した際に、設定操作手段の操作を介することなく音量を変更することが可能となる。
しかし、このように自動的に音量の変更が行われる場合、遊技機の内部的に設定が変わってしまうことは、遊技の透明性の観点から好ましくない、という考えもある。そこで、上記構成では、このような自動的な音量の変更が行われる特定状況にて、設定されている音量報知を行うようにしていることから、当該音量の変更が行われる様子を明確に報知することが可能となり、自動的な音量変更によるメリットを享受しながらも、遊技の透明性を担保することが可能となる。
特徴mF2.前記特定手段による音量の変更が行われる場合、実行中の前記音量報知の示す音量が変更されないようになっていることを特徴とする特徴mF1に記載の遊技機。
上記構成によれば、設定操作手段の操作を介することなく自動的に音量の変更が行われても、音量報知の示す音量は変更されないため、遊技機の設定が遊技者の目の前で変更されることが如実に表現されないようになり、遊技の透明性を担保するうえでより好ましい態様とすることが可能となる。
特徴mF3.前記音量設定手段は、少なくとも第1設定(液晶音量カウンタ)及び第2設定(基板音量カウンタ)を利用して報知の音量を設定する構成であり、
前記音量報知実行手段は、前記第1設定を利用して前記音量報知を実行する構成であり、
前記特定手段は、前記音量設定手段による音量を変更する場合、前記第2設定を変更する構成であることを特徴とする特徴mF2に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の設定によって音量を設定することで、より詳細な音量設定を行うことが可能となる。そして、特定手段により変更される側の設定と、音量報知に利用される側の設定とを別々のものとしておけば、音量報知の示す音量に影響を及ぼさないで、特定手段による自動的な音量変更を実現することが可能となる。
特徴mF4.前記報知実行手段は、前記特定手段により音量の変更が行われた後、所定の遊技進行操作が行われた場合、当該所定の遊技進行操作の前の報知を前記特定手段による変更の前の音量にて出力し、当該所定の遊技進行操作の後の報知を前記特定手段による変更の後の音量にて出力する構成であることを特徴とする特徴mF1乃至特徴mF3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定手段による音量変更をリアルタイムで有効化する構成と比較して、変更時の処理負荷を低減することが可能となるし、特に特徴mF2のように、音量報知側の変更を行わない構成において、音量報知が変更されていないのにもかかわらず音量だけが変更される、という不自然な構成としないようにすることができる。
特徴mF5.前記特定状況においては遊技機の報知モードが特定態様(待機モード)とされる構成であり、
前記所定の遊技進行操作が行われることで、遊技機の報知モードが前記特定態様から通常態様(遊技モード)とされることを特徴とする特徴mF4に記載の遊技機。
上記構成によれば、報知モードの切り換えととともに特定手段による音量変更を有効化する構成となる。このようにすることで、報知モードや音量が変更される機会を集約し、何度もこれらの変更が行われることによって遊技者に煩わしさを感じさせないようにすることができる。
特徴mF6.前記特定状況となる前に遊技機の報知モードが前記特定態様とされることを特徴とする特徴mF5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴mF4においては、特定状況にて音量変更が行われてもそれが有効化されない構成であることから、報知モード自体は事前に変更しておけば、音量等の変更タイミングを増やすことなく、これらの変更用の処理が集中することによる処理負荷の増大化を回避することができる。
特徴mF7.前記設定操作手段の操作によって音量の変更が行われる場合に所定の受付報知を実行する手段(表示制御装置81による受付効果音を出力するための処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段による音量の変更が行われる場合、前記受付報知が行われない構成であることを特徴とする特徴mF1乃至特徴mF6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定手段による自動的な音量変更時には、受付報知が行われないため、遊技者等が設定操作手段を操作して音量変更を行っていないのにもかかわらず、その受付報知が行われることによる違和感を与えないようにすることができる。
特徴mF8.前記設定操作手段の操作によって音量の設定の変更が行われる場合、実行中の前記音量報知の示す音量が変更されないようにすることが可能な手段(表示制御装置81による特定音量からの第2調節スイッチ310の操作時にサブ音量画像SOの変更が行われないようになっている構成)を備えていることを特徴とする特徴mF1乃至特徴mF7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、設定操作手段の操作を介する音量の変更であっても音量報知の示す音量は変更されない場合があるため、例えば特徴mF2のように特定手段による自動変更時に音量報知の示す音量の変更が行われないような構成としても、比較的違和感なく受け入れさせることが可能となる。
特徴mF9.前記報知実行手段は、前記特定状況においては、前記音量設定手段による音量の設定にかかわらず、予め定められた音量にて報知を実行するようになっていることを特徴とする特徴mF1乃至特徴mF8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定手段による音量の変更の有無にかかわらず、特定状況では実行中の報知の音量の変化がないようになっているため、特定手段による音量の変更が行われた場合であっても、遊技者に違和感を与えないようにすることが可能となる。
なお、上記特徴mF1乃至特徴mF9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴mF1乃至特徴mF9の各構成に対して、特徴mA1乃至特徴mA15、特徴mB1乃至特徴mB11、特徴mC1乃至特徴mC12、特徴mD1乃至特徴mD12、特徴mE1乃至特徴mE13、特徴mF1乃至特徴mF9、特徴mG1乃至特徴mG9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴mG群>
特徴mG1.所定の開始操作により遊技が開始され、
所定の終了操作により遊技が終了され、
遊技の結果に応じて遊技価値が付与される遊技機において、
遊技内容に応じて実行される報知の音量を設定する音量設定手段(表示制御装置81による第1調節スイッチ210の操作に基づく音量設定操作対応処理や、第2調節スイッチ310のメモリに基づく基板側音量設定処理を実行する機能)と、
前記音量設定手段による設定(液晶音量カウンタ、基板音量カウンタ、音量設定カウンタ)に応じた音量にて報知を実行可能な報知実行手段(表示制御装置81による演出設定処理や音出力設定処理を実行する機能)と、
遊技機の所定の設定操作が行われる場合、前記報知実行手段による報知の音量を変更する特定処理を実行することが可能な特定手段(表示制御装置81によるステップSm4308、ステップSm4318等の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による遊技操作によって遊技が進行される遊技機において、遊技機の所定の設定操作が行われる場合、各種遊技演出等の報知の音量の変更が行われるため、例えば音量を小さくすることで、当該設定操作を行ううえで実行中の報知が邪魔にならないようにすることが可能となるし、音量を大きくすることで、当該大きくされたことを通じて不正に設定操作が行われていることを遊技ホールの管理者等が特定することが可能となる。
特徴mG2.前記特定手段は、前記報知実行手段による報知の音量を小さくする処理を前記特定処理として実行可能な手段(表示制御装置81によるステップSm4308等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mG1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の設定操作を行う際に、実行中の報知の音量が小さくなることから、実行中の報知が当該所定の設定操作の邪魔にならないようにすることができる。
特徴mG3.前記所定の設定操作は、前記音量設定手段による音量の設定を変更可能とする操作を含むことを特徴とする特徴mG1又は特徴mG2に記載の遊技機。
上記構成によれば、音量を変更する設定操作を行ううえで、実行中の報知の音を事前に変更しておけば、例えば変更時に出力される受付音等を聞きながら音量を変更するうえで、実行中の報知が邪魔になる、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴mG4.前記音量設定手段による音量の設定を変更可能とする操作が行われた場合、所定の受付報知を実行可能な手段(表示制御装置81による受付効果音を出力するための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴mG1乃至特徴mG3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば特徴mG2のように音量を小さく変更することで、受付効果音が実行中の報知によってかき消されてしまう事象を回避することが可能となる。
特徴mG5.前記特定手段は、前記受付報知が実行されるよりも前に前記特定処理を実行可能であることを特徴とする特徴mG4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴mG2のように音量を小さくするうえで、その小さくする処理が受付報知の実行に間に合わず、結局は受付報知が実行中の報知にかき消されてしまう、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴mG6.前記特定手段は、前記所定の設定操作が終了される場合に音量を変更する処理を前記特定処理として実行可能であることを特徴とする特徴mG1乃至特徴mG5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の設定操作の終了に際して、既に変更されている音量をもとに戻す等を行うことで、実行中の報知の音量が変更されたままとならないし、例えば、未変更の音量を変更する構成であっても、所定の設定操作が受け付けられたことを当該音量の変更を通じて把握させることが可能となる。
なお、上記構成を、「前記特定手段は、前記所定の設定操作が終了される場合に、変更前の音量に戻す処理を前記特定処理として実行可能である」とすることで、音量が変更されたままとならないようにすることが可能となる効果がより明確化される。
特徴mG7.前記所定の設定操作が行われる場合、当該所定の設定操作に対応する設定報知(音量設定画面の表示)を、所定の報知手段にて実行可能な設定報知手段(表示制御装置81による音量設定画面表示用処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記設定報知手段による前記設定報知が終了される場合に、変更前の音量に戻す処理を実行可能であることを特徴とする特徴mG6に記載の遊技機。
上記構成によれば、設定報知が終了されたのにもかかわらず、報知の音量がそのままとなっている、といったミスマッチを生じさせないようにして、所定の設定操作を行ううえで実行中の報知が邪魔になる等の不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴mG8.前記所定の設定操作は、前記音量設定手段による音量の設定を変更可能とする操作を含み、
前記特定手段により変更される報知の音量は、当該特定手段による前記特定処理が行われることに基づいて変更されるものであり、
前記所定の設定操作により変更される前記音量設定手段による音量は、前記特定処理が行われるよりも後の特定事象(遊技進行操作)に基づいて変更されるものであることを特徴とする特徴mG1乃至特徴mG7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、音量の変更操作を行う場合に、実行中の報知の音量が特定手段によって変更される一方、その音量の変更操作の有効化はその後の特定事象に基づいて行われる。つまり、所定の設定操作としての音量の変更操作の対象が、特定手段により変更される報知の音量ではないことがより明確化なものとされる。
特徴mG9.前記特定手段により音量が変更される報知は、前記音量設定手段による設定にかかわらず予め定められた音量にて実行される報知であることを特徴とする特徴mG1乃至特徴mG8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定手段により変更される報知の音量が、通常であれば音量設定手段による設定では変更できない報知の音量であることになる。つまり、このような表現としても、所定の設定操作による設定の対象が、特定手段により変更される報知の音量ではないことがより明確化なものとされる。
なお、上記特徴mG1乃至特徴mG9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴mG1乃至特徴mG9の各構成に対して、特徴mA1乃至特徴mA15、特徴mB1乃至特徴mB11、特徴mC1乃至特徴mC12、特徴mD1乃至特徴mD12、特徴mE1乃至特徴mE13、特徴mF1乃至特徴mF9、特徴mG1乃至特徴mG9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以上詳述した特徴mA群乃至特徴mG群の各構成に対して、他の特徴a群乃至特徴n群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴n群>
以下の特徴nA群乃至特徴nQ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第13nの実施形態、これらの変形例又はこれらの組み合せから抽出される。
<特徴nA群>
特徴nA1.所定の開始操作に基づき遊技が開始され、所定の終了操作に基づき遊技が終了される遊技機であって、
第1状況(電源投入時等)において特定事象(接続異常等)が生じている場合に、当該特定事象に対応する特定報知(接続異常用のエラー報知等)を実行することが可能な第1手段(サブ制御装置180によるステップSn2112の処理を実行する機能等)と、
前記特定報知が開始された後、前記特定事象が生じていない第2状況となった場合に、当該特定報知が継続されるようにすることが可能な第2手段(サブ制御装置180によるステップSn2112の処理を実行した後、ループ処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による操作によって遊技が進行される遊技機において、特定事象が生じた場合に特定報知が行われるため、当該特定事象が生じていることを遊技者や遊技ホールの管理者等が明確に把握することが可能となる。しかも、本遊技機では、特定報知を開始した後、特定事象が生じていない状況となった場合であっても、特定報知が継続されるようにしていることから、遊技者の操作によって遊技が進行する遊技機において、遊技進行に伴い特定報知が終了してしまうような事象を回避することが可能となる。これにより、例えば、特定事象として遊技機に何らかの異常が生じているような場合に、その異常が一旦は解消されたとしても、その異常が発生していたことを報知し続けることが可能となり、エラー(特定事象)が再度生じないような対処を講じることが可能となる。また、例えば、不正な利益を享受しようとして特定事象を生じさせ、その後、特定事象を生じさせない状態とされた場合であっても、上記構成のようにすることで、特定事象が生じさせられたことを好適に特定することが可能となる。
特徴nA2.所定の操作手段(電源スイッチ71等)と、
前記第2状況において当該所定の操作手段が操作された場合に、前記特定報知の報知態様が変更されるようにすることが可能な手段(サブ制御装置180において電源OFFに伴いエラー報知を終了する機能等)と、
を備えていることを特徴とする特徴nA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の操作手段を操作することで特定事象解消後も継続されている特定報知を終了させる等とすることが可能となる。このようにすることで、基本的には遊技進行に伴い特定報知が終了されないようにしながらも、特定報知が延々と継続されてしまう不都合を解消することができる。
特徴nA3.前記開始操作が行われる開始操作手段(スタートレバー41等)と、
前記終了操作が行われる終了操作手段(ストップスイッチ42~44等)と、
を備え、
前記所定の操作手段は、前記開始操作手段及び前記終了操作手段とは異なる操作手段であることを特徴とする特徴nA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴nA2の構成において、遊技進行用の操作手段を操作しても特定報知が継続されることが明確化される。このようにすることで、遊技進行に伴い特定報知が終了されてしまう事象を回避可能であることをより明確化することが可能である。
なお、上記構成は、「遊技者による前記開始操作及び前記終了操作を含む遊技進行操作に基づき一の遊技の遊技進行処理を実行する遊技進行手段(主制御装置101)を備え、
前記所定の操作手段を操作することは、前記遊技進行操作に含まれないことを特徴とする特徴nA2に記載の遊技機」等と表現してもよい。
特徴nA4.遊技機前方に向けて開放される開放状態と閉鎖される閉鎖状態とに変位可能な扉手段(前面扉12等)と、
前記扉手段を前記閉鎖状態として施錠可能な施錠手段(施錠装置20等)と、
を備え、
前記所定の操作手段は、前記扉手段が前記開放状態とされることで操作可能とされることを特徴とする特徴nA2又は特徴nA3に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、所定の操作手段を操作して特定報知を終了させることができず、扉手段の施錠を解錠可能な遊技ホールの管理者等が特定報知を終了させることができる構成となる。このようにすることで、例えば特定事象を生じさることで不正な利益を享受しようとする不正行為が行われた場合に、当該特定事象の発生に対応する特定報知が簡単に終了されてしまい、遊技ホールの管理者等がその不正行為を特定しにくくなることを好適に回避することが可能となる。
特徴nA5.前記特定報知が行われている状況で前記所定の操作手段が操作され、前記特定事象が生じている場合、前記特定報知が実行されることを特徴とする特徴nA2乃至特徴nA4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の操作手段が操作されたからといって、特定事象が解消されていなければ、その所定の操作手段の操作後も特定報知が実行される。このようにすることで、特定事象が生じているのにも関わらず、特定報知が実行されない場面を少なくすることができ、特定報知の実効性を高めることが可能である。
特徴nA6.前記特定報知として、前記特定事象が生じていることの第1報知を実行することが可能な手段(サブ制御装置180による接続エラー第1キャラクタSEP1による報知を行う機能等)と、
前記特定報知として、前記所定の操作手段の操作に関する第2報知を実行することが可能な手段(サブ制御装置180による接続エラー第2キャラクタSEP2による報知を行う機能等)と、
を備えていることを特徴とする特徴nA2乃至特徴nA5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が行われることで、特定事象が生じていること(第1報知)に加えて、所定の操作手段の操作を行うべきこと(第2報知)を明確に把握することができ、特定事象を解消させ特定報知を終了させる対処を好適に行うことが可能となるし、特定事象が解消された第2状況としても特定報知が継続されてしまうことが、遊技機の故障等と勘違いさせないようにすることもできる。
特徴nA7.前記第1状況において前記特定事象が生じている場合に、他の制御手段(遊技ホールのホールコンピュータやデータ表示器等)に対して特定情報を出力することが可能な第3手段(サブ制御装置180によるステップSn4705の処理を実行する機能等)を備え、
前記第2状況において前記第3手段による前記特定情報の出力を継続させることが可能な第4手段(サブ制御装置180によるステップSn4708の処理の後ループ処理を行う機能等)と、
を備えていることを特徴とする特徴nA1乃至特徴nA6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、外部の制御手段に対する特定情報の出力も、特定事象が生じない第2状況となった後も継続される。このようにすることで、仮に、遊技ホールの管理者等が、特定報知が継続されることを通じて特定事象が発生していたことを発見できなかったとしても、外部の制御手段に対する特定情報の出力を通じて、その特定事象が発生していたことを把握することが可能となる。よって、当該特定事象が発生していたことをより把握させ易くすることができる。
特徴nA8.前記第2手段により継続される前記特定報知と、前記第4手段により継続される前記特定情報の出力と、の終了契機が異なっていることを特徴とする特徴nA7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知と特定情報の出力とが行われる構成において、終了契機が異なるため、いずれか一方が終了しても、他方が継続されることになる。これにより、何らかの事情によって一方が終了しても、他方によって特定事象が生じていたことを好適に把握することが可能となる。よって、特定事象が生じていたことをより把握させ易くすることが可能となる。
特徴nA9.前記開始操作が行われた場合に遊技の開始処理を実行し、前記終了操作が行われた場合に遊技の終了処理を実行する第1制御手段(主制御装置101等)と、前記第1制御手段からの情報(コマンド等)に基づき、当該情報に対応する報知が行われるようにする第2制御手段(サブ制御装置180等)と、を備え、
前記第2制御手段は、前記第1手段を有し、
前記第1制御手段から所定の情報を受信することの判定結果を利用して前記特定報知を実行することが可能とされている(サブ制御装置180によるステップSn2102の処理等)ことを特徴とする特徴nA1乃至特徴nA8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技進行用の処理を行う第1制御手段と、当該第1制御手段からの情報に対応する報知が行われるようにする第2制御手段といった複数の制御手段を有することにより、処理負荷の分散化が図られ、遊技進行や遊技演出を好適に実施することが可能となる。
そのうえで、特定事象が生じていることの特定報知は、第1制御手段からの情報に基づく判定によってその特定報知の実行の有無が決定されるようにしていることから、特定事象が生じていることを、第2制御手段側で直接把握する必要がなく、第2制御手段側では、あくまで第1制御手段側からの指示に従って特定報知を行えばよくなる。このようにすることで、第2制御手段側の処理負荷を好適に低減することができ、その分の処理容量を遊技演出へ費やすことが可能となる。
特徴nA10.前記第2手段は、前記第1制御手段から前記所定の情報を受信しない場合に前記特定報知を実行することの判定が可能であることを特徴とする特徴nA9に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1制御手段から所定の情報を受信している場合に特定事象が発生していないことになり、所定の情報を受信していない場合に特定事象が発生していることになる。よって、例えば、特定事象を、第1制御手段と第2制御手段との接続関係の異常として情報のやり取りができない場合の事象とすると、第2制御手段側で当該特定事象の発生を好適に把握することが可能となる。
特徴nA11.前記第1制御手段は、前記所定の情報を前記特定事象が生じていることの判定を行うことなく出力する構成であることを特徴とする特徴nA9又は特徴nA10に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1制御手段側では特定事象が生じていることの判定を行わずに所定の情報を出力し、第2制御手段側でその所定の情報を受信することの判定結果を利用して特定事象が発生していることに対応する特定報知を実行する構成となる。このようにすることで、両制御手段で特定事象の判定を直接行うのではなく、所定の情報のやり取りを通じて特定事象の判定を行う構成となる。よって、特定事象を、第1制御手段と第2制御手段とで情報のやり取りが行われていることや行われていないことの接続関係の事象として、このような情報のやり取りに関する特定報知を好適に行うことが可能となる。
特徴nA12.前記第1状況は、少なくとも前記開始操作が可能となるよりも前の状況であることを特徴とする特徴nA1乃至特徴nA11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、特定事象が発生して特定報知が開始される第1状況は、開始操作が可能となって遊技者により遊技が行われる状況よりも前の状況となる。このような状況は、未だ遊技者による操作によって遊技が開始されていないのであるから、仮にエラー等の特定事象が発生している場合に特定報知が行われ、その特定事象を解消しても特定報知が継続される構成としたとしても、遊技進行に影響を及ぼしにくいものと考えられる。また、遊技機の電源を再投入(一旦電源をOFFと)しなくては特定報知を終了させることができない構成等としても、遊技進行に影響を及ぼしにくく、いずれにしても遊技進行の妨げとならないようにしながら、遊技者の操作によって遊技が進行する遊技機において、特定事象の発生を好適に知らしめることが可能となる。
なお、上記構成についてより具体的に記載するならば、「前記第1状況は、遊技機の電源が投入され、少なくも前記開始操作が可能となるよりも前の状況である」と記載してもよい。
特徴nA13.前記第1状況とは異なる第3状況(立ち上げ後)において、前記特定事象が生じた場合、前記特定報知が行われないようにすることが可能とされていることを特徴とする特徴nA1乃至特徴nA12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が生じた場合に第1状況であれば特定報知が実行されるものの、第3状況であれば特定報知は実行されないため、特定報知を行うべきタイミングをより詳細に設定することが可能となる。また、特定事象の発生の有無を、第1状況だけ把握していればよく、第3状況においては特定事象の発生を把握する必要がなくなるため、構成の簡素化に大いに貢献できる。
特徴nA14.前記第3状況は、少なくとも前記開始操作が可能とされる状況を含むことを特徴とする特徴nA13に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が発生しても特定報知が実行されない第3状況は、開始操作が可能となって遊技者により遊技が行われる状況となる。仮にエラー等の特定事象が発生している場合に特定報知が行われ、その特定事象を解消しても特定報知が継続される構成とした場合、遊技進行に及ぼす影響が大きくなるものと考えられる。また、遊技機の電源を再投入(一旦電源をOFFと)しなくては特定報知を終了させることができない構成等とする場合にも、遊技進行に及ぼす影響が大きくなり、いずれにしても特定報知を行うことによって遊技進行の妨げとなる可能性がある。その点、上記構成のようにすることで、遊技者の操作によって遊技が進行する遊技機において、遊技進行に影響を及ぼさない範囲で、特定事象の発生を好適に知らしめることが可能となる。
特徴nA15.前記第1状況とは異なる第3状況において前記特定事象が生じた場合、前記特定報知を開始可能な手段(サブ制御装置180によるステップSn5204の処理を実行する機能等)と、
前記第3状況において前記特定報知が開始された後、前記特定事象が生じていない状況となった場合に終了させることが可能な手段(サブ制御装置180によるステップSn5102の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする特徴nA1乃至特徴nA14のいずれか1に記載の遊技機。
例えば特徴nA14のように開始操作が可能となった状況で、特徴nA1のような特定事象が解消されても継続される特定報知を実行するようにしてしまうと、遊技進行の妨げとなり得ると考えられるところ、上記構成のようにすることで、特定事象が発生した状況に応じて特定報知を終了させることが可能とすることで、遊技進行の妨げとならないようにしながら、特定事象の発生を好適に知らしめることが可能となる。
特徴nA16.前記特定事象は、所定の異常であることを特徴とする特徴nA1乃至特徴nA15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は、特徴nA1の作用効果をより明確化するための構成であり、上記のような異常が生じている場合に特定報知を開始し、当該異常が解消された場合であっても、特定報知を継続するようにしておけば、例えば、不正な利益を受けるべく一時的に異常を生じさせる不正行為が行われたことを、遊技ホールの管理者等が好適に特定することが可能となる。
なお、上記特徴nA1乃至特徴nA16に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nA1乃至特徴nA16の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴nB群>
特徴nB1.所定の開始操作に基づき遊技が開始され、所定の終了操作に基づき遊技が終了される遊技機であって、
第1状況(電源投入時等)において特定事象(接続異常等)が生じている場合に、当該第1状況において特定事象が生じていることに対応する特定報知(接続異常用のエラー報知等)を実行することが可能な第1手段(サブ制御装置180によるステップSn2112の処理を実行する機能等)を備え、
前記第1状況とは異なる第2状況(立ち上げ後の遊技可能な状態等)において特定事象が生じている場合、前記第2状況において特定事象が生じていることに対応する報知が実行されないようにする又は前記第1状況で特定事象が生じた場合よりも前記第2状況において特定事象が生じていることに対応する報知が実行されにくくなるようにすることが可能とされている(立ち上げ後に接続異常が生じてもエラー報知が行われない構成や、前面扉12を開放している最中に当該接続異常が生じた場合にエラー報知を行うものの、閉鎖中に接続異常が生じた場合にはエラー報知を行わない構成)ことを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による操作によって遊技が進行される遊技機において、第1状況において特定事象が生じた場合に特定報知が行われるため、当該特定事象が生じていることを遊技者や遊技ホールの管理者等が明確に把握することが可能となる。ただし、当該特定事象が第1状況とは異なる第2状況で生じた場合にはその報知は実行されないようにしたりその報知が実行されにくいようにしていることから、遊技機としては、特定事象の発生を第1状況だけ把握すればよく、第2状況ではその特定事象の発生を把握する必要がなくなったり、把握の頻度やタイミングを減らすことができる。このように、特定事象の発生を把握するタイミングを必要に応じて限定することで、構成の圧倒的な簡素化を図ることが可能となり、かかる構成の簡素化を通じて、他の遊技進行用の構成や演出用の構成の充実化を図ることができるようになる。
なお、「第1状況において特定事象が生じていることに対応する特定報知」と、「第2状況において特定事象が生じていることに対応する報知」とは、同じ報知である必要はなく、異なる報知であることを含むものである(前面扉12を開放している最中に接続異常が生じた場合の接続異常用のエラー報知は、電源再投入を促す報知を行わない場合もある)。その点からすると、「第1状況において特定事象が生じていることに対応する特定報知」と、「第2状況において特定事象が生じていることに対応する報知」とを、「第1状況において特定事象が生じていることに対応する第1特定報知」と、「第2状況において特定事象が生じていることに対応する第2特定報知」といった表現を適用してもよい。
また、「第1状況」において生じた「特定事象」と、「第2状況」において生じた「特定事象」とは、同じ事象である必要はなく、異なる事象であることを含むものである(立ち上げ時はサブ制御装置180側で立ち上げ時コマンドを受信しないことであり、立ち上げ後は前面扉12の開放から所定期間が経過しても扉閉鎖コマンドを受信しないことである)。その点からすると、「第1状況」において生じた「特定事象」と、「第2状況」において生じた「特定事象」とは、「第1特定事象」と「第2特定事象」といった表現を適用してもよい。
特徴nB2.所定の開始操作に基づき遊技が開始され、所定の終了操作に基づき遊技が終了される遊技機であって、
第1状況(電源投入時等)において第1特定事象(接続異常等)が生じている場合に、前記第1特定事象が生じていることに対応する第1特定報知(接続異常用のエラー報知等)を実行することが可能な第1手段(サブ制御装置180によるステップSn2112の処理を実行する機能等)を備え、
前記第1状況とは異なる第2状況(立ち上げ後の遊技可能な状態等)において前記第1特定事象又はそれとは異なる第2特定事象が生じている場合、当該第1特定事象若しくは前記第2特定事象のいずれかが生じていることに対応する前記第1特定報知若しくは前記第2状況において特定事象が生じていることに対応する第2特定報知が実行されないようにする又は前記第1状況で前記第1特定事象が生じた場合よりも前記第1特定報知若しくは前記第2特定報知が実行されにくくなるようにすることが可能とされている(立ち上げ後に接続異常が生じてもエラー報知が行われない構成や、前面扉12を開放している最中に当該接続異常が生じた場合にエラー報知を行うものの、閉鎖中に接続異常が生じた場合にはエラー報知を行わない構成)ことを特徴とする遊技機。
上記構成は、特徴nB1の表現を変更したものであり、その技術的意義は特徴nB1と同じである。なお、以下の構成においては、特徴nB1の表現を用いて各構成を記載しているが、本特徴nB2を引用する場合、「第1特定事象」や「第2特定事象」、「第1特定報知」、「第2特定報知」を適宜用いて表現を修正するとよい。
特徴nB3.前記第2状況は前記第1状況よりも後の状況であることを特徴とする特徴nB1又は特徴nB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1状況で特定事象が生じていれば特定報知が行われるのであるから、例えば、特定事象を何らかのエラーとすると、第1状況よりも後の第2状況においては、当該エラーの対処が行われた後である可能性が高く、そうすると、第2状況において特定事象の発生を把握しなくても大きな影響はないと考えられる。よって、上記構成のように、効率的に特定事象の発生を把握するようにすれば、構成の簡素化に大いに貢献することが可能となる。
特徴nB4.前記第1状況において前記特定事象が生じていると、前記第2状況とならないようにされていることを特徴とする特徴nB3に記載の遊技機。
上記構成は、特徴nB3の作用効果をより明確化するための構成であり、このような構成であれば、基本的には第1状況では特定事象が発生していないことを前提として、第2状況においては特定事象の発生を把握しないようにしても大きな影響がないことがより明確化される。
特徴nB5.前記特定事象が生じていることの判定を実行可能な判定手段(サブ制御装置180によるステップSn2102の処理を実行する機能等)を備え、
前記判定手段は、前記第1状況において前記判定を実行可能であり、前記第2状況において前記判定を実行不可又は前記第1状況よりも前記判定を実行しにくい構成であることを特徴とする特徴nB1乃至特徴nB4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴nB1や特徴nB2の作用効果をより明確化するための構成であり、上記構成のようにすることで、特定事象の発生を第1状況だけ把握している構成としたり、第2状況では第1状況よりも把握の頻度を低くする構成等とすることが可能となり、構成の簡素化に大いに貢献することが可能となる。
特徴nB6.前記第2状況において、前記特定事象が生じた後、当該特定事象が生じていない状況となった場合に当該特定事象が生じていたことを把握可能な手段(サブ制御装置180によるコマンド異常フラグをセットする処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴nB1乃至特徴nB5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2状況では特定事象の発生を特定しないものの、特定事象が発生していたことを事後的にではあるものの把握することが可能となる。このような構成であれば、第2状況において特定事象の発生をリアルタイムで把握しようとする構成が必要なくなるため、構成の簡素化は図られ、そのうえで、特定事象が発生したことの対処を特定事象の解消後に適切に行うことが可能となる。
特徴nB7.前記第2状況において、前記特定事象が生じていない状況となった場合に前記特定事象が生じていたことが把握された場合、当該特定事象が生じていたことに対応する報知が実行されないことを特徴とする特徴nB6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が生じていたことが事後的に把握された場合には、それに対応する報知は実行されないため、既に解消済みの特定事象を後から報知することの無駄を省くことが可能となる。
特徴nB8.前記第2状況において、前記特定事象が生じていない状況となった場合に前記特定事象が生じていたことが把握された場合、特定処理を実行可能な手段(サブ制御装置180による開始操作時コマンドに基づくコマンド異常フラグがセットされている場合の処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴nB6又は特徴nB7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が生じていたことを事後的に特定した場合、当該特定事象が解消されたからといってそのままとせずに、特定処理を実行するため、例えば、特定事象が生じていた間に生じた別の事象(例えば、報知上の矛盾等の別のエラー)への対処を好適に行うことが可能となる。
特徴nB9.前記特定処理は、前記特定事象が生じてから前記特定事象が生じなくなるまでの間に生じた事象を解消するための処理であることを特徴とする特徴nB8に記載の遊技機。
上記構成は、特徴nB8の具体的構成である。
特徴nB10.前記特定事象が生じていることの判定を実行可能な判定手段(サブ制御装置180による遊技進行状態に対応しない遊技進行コマンドを受信していることの判定を行う機能等)を備え、
前記判定手段は、前記第2状況において前記判定を実行可能とされていることを特徴とする特徴nB1乃至特徴nB9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2状況においても特定事象が生じていること自体は把握することが可能となる。このような構成であっても、特徴nB1や特徴nB2において、第2状況では特定報知が実行されないようにすることが可能であるのであるから、その分の処理構成の簡素化は期待できる。
特徴nB11.前記第2状況において特定事象が発生していることに対応する報知を実行可能な手段(サブ制御装置180によるステップSn5204の処理を実行する機能等)を備え、
第1事象(電源OFF)が生じた場合に、前記第1状況にて実行された前記特定報知が終了され、
前記第1事象とは異なる第2事象(前面扉12の閉鎖)が生じた場合に、前記第2状況において実行された特定事象に対応する報知が終了されることを特徴とする特徴nB1乃至特徴nB10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2状況でも特定事象が発生すると報知が実行される構成において、第1状況にて実行された特定報知の終了契機(第1事象)と、第2状況にて実行された報知の終了契機(第2事象)とが異なっていることから、状況に応じて、報知の終了契機を、適宜設定することが可能となり、特定事象が発生している状況での遊技ホールの管理者等の作業性を向上させることが可能となる。
なお、「第1事象」や「第2事象」は、「第1契機」や「第2契機」と表現してもよく、「第1操作が行われたこと」や、「第2操作が行われたこと」と表現してもよい。
特徴nB12.前記第2事象は、前記第2状況において特定事象が生じていない状況となったことであることを特徴とする特徴nB11に記載の遊技機。
上記構成によれば、実行頻度が低い第2状況での報知は、特定事象が解消されたことに基づいて終了することになる。また、第1事象は第2事象とは異なる事象であることから、第1状況での特定報知は、特定事象が解消されても終了しないことになる。そうすると、第1状況では、特定報知を終了させるために特定事象を解消させるだけでは足りず、別の事象を生じさせる必要がある構成となる。
このようにすることで、第2状況においては、特定事象が発生している状況ではその報知が行われ、特定事象が生じなくなったら報知が終了する、というわかり易い報知となり、特定事象が生じた場合の対処用の作業性を向上させることできる。また、逆に第1状況においては、特定事象を解消しても特定報知が継続されるため、例えば、不正な利益を得ようとして一時的に特定事象を発生させられた場合であっても、その特定事象を解消しても特定報知が終了されないため、このような不正行為を特定し易くすることが可能となる。
なお、上記特徴nB1乃至特徴nB12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nB1乃至特徴nB12の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴nC群>
特徴nC1.所定の開始操作に基づき遊技が開始され、所定の終了操作に基づき遊技が終了される遊技機であって、
前記開始操作が行われた場合に遊技の開始処理を実行し、前記終了操作が行われた場合に遊技の終了処理を実行する第1制御手段(主制御装置101等)と、前記第1制御手段からの情報(コマンド等)に基づき、当該情報に対応する報知が行われるようにする第2制御手段(サブ制御装置180等)と、を備え、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段から第1情報(エラーコマンド等)を受信した場合に第1特定報知(エラーコマンドに対応するエラー報知等)を実行することが可能となる手段(サブ制御装置180によるエラー報知設定処理を実行する機能等)と、
前記第1制御手段から第2情報(立ち上げ時コマンド等)を受信しない場合に第2特定報知(接続異常用のエラー報知等)を実行することが可能な手段(サブ制御装置180によるステップSn2112の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技進行用の処理を行う第1制御手段と、当該第1制御手段からの情報に対応する報知が行われるようにする第2制御手段といった複数の制御手段を有することにより、処理負荷の分散化が図られ、遊技進行や遊技演出を好適に実施することが可能となる。
そのうえで、本遊技機は、第1制御手段と第2制御手段との情報のやり取りが正常に行われている状況で第1情報のやり取りが行われた場合に第1特定報知が実行されることを前提として、第1制御手段と第2制御手段との情報のやり取りが正常に行われてない状況で第2情報のやり取りが行われない場合に第2特定報知が実行されるため、両制御手段の情報のやり取りが正常に行われないことを第2特定報知によって遊技者や遊技ホールの管理者等に知らしめることが可能となる。よって、両制御手段の接続等に異常が生じていることを好適に特定することができ、遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
特徴nC2.前記第1制御手段は、
第1事象(各種エラー)が生じた場合に前記第1情報を前記第2制御手段へ出力可能する手段(主制御装置101による各種エラー発生時に対応するエラーコマンドを出力する機能)と、
前記第1事象とは異なる第2事象(電源の投入)が生じた場合に前記第2情報を前記第2制御手段へ出力可能する手段(主制御装置101による電源投入時の立ち上げ時コマンドを出力する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nC1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1情報と第2情報とが異なる事象を示す情報であることが明確化される。つまり、第1特定報知については第1事象が生じた場合に第1情報を正常に受信できた場合に実行されるものであり、第2特定報知については第2事象が生じた場合であっても第2情報を正常に受信できなかった場合に実行されるものである、といった内容であることがより明確化される。
特徴nC3.前記第2制御手段は、前記第2事象が生じたことを、前記第2情報を使用することなく把握可能とされていることを特徴とする特徴nC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2制御手段において、第2事象が生じたことを第2情報を用いなくても把握可能とされていることから、第2事象が生じているのにも関わらず、第1制御手段から第2情報を正常に受信できていないことを明確に把握することが可能となる。
特徴nC4.前記第2事象は、前記第1制御手段及び前記第2制御手段の電源が投入されたことであることを特徴とする特徴nC2又は特徴nC3に記載の遊技機。
上記構成によれば、両制御手段の電源投入がされた場合には、情報(コマンド等)のやり取りを介することなく、第2制御手段は電源が投入されたことを当然にして把握可能であり、このような構成であれば、電源が投入されたのにも関わらず、電源が投入された場合に第1制御手段から出力されるはずの第2情報を正常に受信していないことを特定することが可能となる。
特徴nC5.前記第2制御手段は、
前記第1制御手段又はそれとは異なる手段(電源装置91)から第1伝送手段(駆動電力供給用のハーネス)を介して電力の供給が行われる構成であり、
前記第1制御手段から前記第1伝送手段とは異なる第2伝送手段(ハーネスH)を介して情報を受信する構成であることを特徴とする特徴nC4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1制御手段と第2制御手段との電力供給用の伝送手段(第1伝送手段)と、情報のやり取り用の伝送手段(第2伝送手段)とが別々のものであることが明確化される。このような構成である場合、第2伝送手段にだけ異常が生じていると、第2制御手段への電力供給は正常にされているものの、第1制御手段からの情報を受けることができない、という接続関係の異常が生じ得るようになる。よって、このような構成において、特徴nC1の構成を適用することで、接続関係の異常を好適に特定するとともに、その異常を遊技ホールの関係者等に把握させることが可能となる。
特徴nC6.前記第1制御手段が電断状態から電入状態とされる場合には、前記第2制御手段も電断状態から電入状態とされ、
前記第1制御手段が電入状態から電断状態とされる場合には、前記第2制御手段も電入状態から電断状態とされることを特徴とする特徴nC4又は特徴nC5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1制御手段及び第2制御手段の電源が投入される第2事象が両制御手段で同期して生じるようになる。このような構成であれば、第2事象が生じたのにも関わらず、第2制御手段側で第2情報を受信しないことの判定を、両制御手段でタイミングを合わせて行うことが可能となる。つまり、第2事象としての電入状態に切り替わるタイミングが同期していれば、第2制御手段側で、いつ第1制御手段から第2情報の出力が行われるかが明確に把握することができ、情報を受信できないことの判定を好適に行うことが可能となる。
特徴nC7.予め定めらた第1特定事象(前面扉12の開放、開始操作等)が生じた後、当該第1特定事象とは異なる第2特定事象(前面扉12の閉鎖、回転開始等)が生じる構成であり、
前記第1制御手段は、
前記第1特定事象が生じた場合に当該第1特定事象に対応する情報を前記第2制御手段へ出力可能な手段(主制御装置101による扉開放コマンドや開始操作時コマンドを出力する機能等)と、
前記第2特定事象が生じた場合に当該第2特定事象に対応する情報を前記第2制御手段へ出力可能な手段(主制御装置101による扉閉鎖コマンドや回転開始時コマンドを出力する機能等)と、
を備え、
前記第2制御手段は、前記第1特定事象に対応する情報を受信した後、予め定められた所定期間が経過しても前記第2特定事象に対応する情報を受信しない場合に、前記第2特定報知を実行可能となる構成であることを特徴とする特徴nC1乃至特徴nC6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の進行や遊技機の管理において第1特定事象が生じた後、第2特定事象が生じる構成であって、これら第1特定事象が生じたことの情報や、第2特定事象が生じたことの情報は、第1制御手段と第2制御手段との情報のやり取りによって共有される。この場合において、第2制御手段は、第1特定事象が生じた後、所定期間待っても第2特定事象が生じたことの情報を第1制御手段から受信しない場合、何らかの異常が生じているとして第2特定報知を実行する。このように、通常であれば第1特定事象に続いて第2特定事象が生じることを前提とすれば、第2特定事象が生じたことの情報を第2情報として、当該第2情報を受信しないことの判定を好適に行うことができ、第1制御手段との接続に異常が生じていることの第2特定報知を行うことが可能となる。
特徴nC8.前記第2特定事象が生じた後、当該第2特定事象とは異なる第3特定事象(停止可能等)が生じる構成であり、
前記第1制御手段は、前記第3特定事象が生じた場合に当該第3特定事象に対応する情報を前記第2制御手段へ出力可能な手段(主制御装置101による停止可能時コマンドを出力する機能等)を備え、
前記第2制御手段は、前記第1特定事象に対応する情報を受信した後、前記第2特定事象に対応する情報を受信することなく、前記第3特定事象に対応する情報を受信した場合に、前記第2特定報知又はそれとは異なる報知を実行可能となる構成であることを特徴とする特徴nC7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定事象、第2特定事象、第3特定事象が順番に生じることを前提として、第1特定事象が生じたことの情報を第2制御手段にて受信した後、第2特定事象が生じたことの情報を受信することなく、第3特定事象が生じたことの情報を第2制御手段にて受信してしまった場合、第2特定事象に対応する情報を正常に受信することができなかったとして、第2情報を受信しないことに対応する第2特定報知やそれとは異なる報知を行う。このように、事象の生じる順番と、対応する情報を受信する順番とが相違する場合に、情報の受信漏れがある可能性が高いと判断することで、第2制御手段側で第2情報を受信できないことの判定を好適に実行することが可能となる。
なお、上記構成は、第1特定事象→第2特定事象→第3特定事象といった順番で1つずつ特定事象が生じる構成に限定されず、少なくとも第1特定事象の後で第2特定事象が生じ、第2特定事象の後で第3特定事象が生じればよく、第1特定事象と第2特定事象との間に別の事象が生じてもよいし、第2特定事象と第3特定事象との間に別の事象が生じてもよく、これら別の事象は単数であってもよいし複数であってもよい。そして、これら別の事象が生じた場合に、第1制御手段から第2制御手段へ対応する情報が出力される構成とするとよい。
特徴nC9.遊技機前方に向けて開放される開放状態と閉鎖される閉鎖状態とに変位可能な扉手段(前面扉12等)と、
前記扉手段を前記閉鎖状態として施錠可能な施錠手段(施錠装置20等)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
前記扉手段が前記閉鎖状態から前記開放状態とされた場合に、当該開放状態とされたことに対応する開放情報を前記第2制御手段へ出力可能な手段(主制御装置101による扉開放コマンドを出力する処理を実行する機能等)と、
前記扉手段が前記開放状態から前記閉鎖状態とされた場合に、当該閉鎖状態とされたことに対応する閉鎖情報を前記第2制御手段へ出力する手段(主制御装置101による扉閉鎖コマンドを出力する処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記第2制御手段は、前記扉手段が前記閉鎖状態から前記開放状態とされた後、前記閉鎖情報を受信しない場合に、前記第2特定報知又はそれとは異なる報知を実行可能であることを特徴とする特徴nC1乃至特徴nC8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、扉手段が施錠されていることを前提とすると、扉手段が開放状態とされる場合とは、遊技ホールの管理者等が、内部の点検等の作業を行う場面であって、その作業が終了した後は、本来ならば扉手段は閉鎖状態とされるものと考えられる。そこで、上記構成のように、扉手段が開放状態とされた後、閉鎖状態とされたことに対応する閉鎖情報を受信できない場合には、実際には閉鎖状態としているのにも関わらず、接続関係の異常等によってその閉鎖情報を受信できなかった可能性があり、第2特定報知を実行する構成としている。このように、本来あるべき状態(閉鎖状態)からそうではない状態(開放状態)とされた後、本来あるべき状態に復帰することを前提とすると、当該本来あるべき状態に復帰したことの情報を第2制御手段にて受信することを正常とすれば、当該復帰したことの情報を第2情報としてとらえて、当該第2情報を受信しないことの判定を行うことが可能となる。
特に、遊技機内部の作業等を行う場合に、当該作業を行っている作業者の手が意図しない箇所に触れる等して、第1制御手段と第2制御手段との接続に異常が生じる可能性もあり、上記のようにすることで、より適切なタイミングで第2情報を受信しないことの判定を行うことが可能となる。
特徴nC10.前記第2制御手段は、前記開放情報を受信した場合に、前記第1特定報知を実行可能であることを特徴とする特徴nC9に記載の遊技機。
上記構成によれば、開放情報は第1情報とされ、当該第1情報としての開放情報を受信した場合に、第1特定報知が行われる。よって、第2情報としての閉鎖情報を受信しないことに対応する第2特定報知と、扉手段が開放状態とされた場合の報知との区別を明確化することが可能となる。
特徴nC11.前記第2特定報知が開始された後、前記閉鎖情報を受信した場合に、当該第2特定報知が終了されるようにすることが可能とされていることを特徴とする特徴nC9又は特徴nC10に記載の遊技機。
上記構成のように、閉鎖情報を受信できたということは、接続関係の異常ではなく、作業が長引いた等の理由であると考えられる。そこで、上記のように閉鎖情報を受信したことに基づいて第2特定報知を終了させることで、報知を実態に沿ったものとすることが可能となる。
なお、上記特徴nC1乃至特徴nC11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nC1乃至特徴nC11の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴nD群>
特徴nD1.所定の開始操作に基づき遊技が開始され、所定の終了操作に基づき遊技が終了される遊技機であって、
前記開始操作が行われた場合に遊技の開始処理を実行し、前記終了操作が行われた場合に遊技の終了処理を実行する第1制御手段(主制御装置101等)と、前記第1制御手段からの情報(コマンド等)に基づき、当該情報に対応する報知が行われるようにする第2制御手段(サブ制御装置180等)と、を備え、
前記第1制御手段及び前記第2制御手段の電断状態と電入状態との切替を実行可能な第1手段(電源スイッチ71等)と、
前記第1制御手段が電入状態である状況を維持したまま、前記第2制御手段を電断状態と電入状態との切替を実行可能な第2手段(サブ側電源スイッチ185等)と、
を備え、
前記第2制御手段は、
前記第1手段により前記第1制御手段及び前記第2制御手段が電断状態から電入状態に切り替えられた場合、第1処理(ステップSn4803、ステップSn4804、ステップSn4806、ステップSn4807等)を実行可能な手段(サブ制御装置180によるステップSn4802にて否定判定する処理を実行する機能等)と、
前記第2手段により前記第2制御手段が電断状態から電入状態に切り替えられた場合、前記第1処理とは異なる第2処理(ステップSn4803及びステップSn4802をスキップする処理)を実行可能又は前記第1処理を実行しないようにすることが可能な手段(サブ制御装置180によるステップSn4802にて肯定判定する処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技進行用の処理を行う第1制御手段と、当該第1制御手段からの情報に対応する報知が行われるようにする第2制御手段といった複数の制御手段を有することにより、処理負荷の分散化が図られ、遊技進行や遊技演出を好適に実施することが可能となる。
そのうえで、本遊技機は、第1制御手段と第2制御手段とが連動して電断状態と電入状態との切替が行われた場合には、第2制御手段において第1処理が行われるのに対して、第2制御手段だけが独立して電断状態と電入状態との切替が行われた場合には、当該第1処理が実行されなかったり、第1処理とは異なる第2処理が実行される。このようにすることで、遊技機全体の立ち上げなのか、報知制御を担う第2制御手段のみの立ち上げなのかを処理構成として明確に区別することが可能となるし、第1制御手段の立ち上げ処理と第2制御手段の立ち上げ処理とが同時に実行される場合に、その同時に実行されることを利用した所定の処理(接続確認用の処理等)を行う構成とし、同時に立ち上げ処理が行われない場合に当該所定の処理を行うことができないことによる処理落ちやエラー等を回避することが可能となる。
特徴nD2.前記第1処理及び前記第2処理は、前記第2手段により前記第2制御手段が電断状態から電入状態に切り替えられたことの判定を行う処理を含むことを特徴とする特徴nD1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2手段により第2制御手段の電源投入が行われたことの判定を行う処理を第1処理及び第2処理に設定しておけば、当該判定の結果に応じて以降の処理を異ならせればよく、第1手段による電源投入か第2手段による電源投入かによってそれぞれ全体が異なる別々の処理を行う必要がなくなる。よって、第1処理及び第2処理のプログラム全体をそれぞれ記憶しておく構成と比較して処理構成の簡素化を図ることができる。
特徴nD3.前記第1処理よりも前記第2処理のほうが、処理数が少ないことを特徴とする特徴nD1又は特徴nD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2制御手段側だけの電源を再投入しようとする場合には、第1制御手段側も含めて電源再投入するよりも処理数が少なく、早期に第2制御手段の立ち上げ処理が完了することになる。よって、作業効率の向上を図ることができる。
特徴nD4.前記第1処理よりも前記第2処理のほうが、短い期間で完了することが可能とされていることを特徴とする特徴nD1乃至特徴nD3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2制御手段側だけを電源再投入しようとする場合には、第1制御手段側も含めて電源再投入するよりも早期に第2制御手段の立ち上げ処理が完了することになる。よって、作業効率の向上を図ることができる。
特徴nD5.前記第1処理は、所定期間に亘って待機又はループする特別処理(ステップSn4806にて否定判定する処理)を含み、
前記第2処理は、前記特別処理を含まないことを特徴とする特徴nD4に記載の遊技機。
上記構成は、特徴nD4の具体的構成であり、第1制御手段側も含めて電源再投入を行う場合には、第1制御手段側の立ち上げ処理の進行待ちの場面も生じ易く、その結果、第1処理ではその完了までに比較的長時間を要することも考えられる。その点、第2処理では、そのような進行待ちを行う必要がないため、早期に処理を完了させることが可能となり、作業性の向上に大いに貢献することが可能となる。
特徴nD6.前記第1制御手段は、前記電断状態から前記電入状態に切り替えられた場合に、前記第2制御手段へ特定情報(立ち上げ時コマンド)を出力する手段(主制御装置101による立ち上げ時コマンドを出力する処理を実行する機能等)を備え、
前記第1処理は、前記特定情報を受信しない場合の特定処理(接続異常用のエラー報知を行う処理)を含み、
前記第2処理は、前記特定処理を含まないことを特徴とする特徴nD1乃至特徴nD5のいずれか1に記載の遊技機。
例えば、両制御手段を電入状態に切り替えた場合、両制御手段の接続が正常に行われているかの確認等を行うべく、第1制御手段から第2制御手段へ特定情報の出力が行われる場合があり、上記構成においては、第1処理は当該特定情報を受信しない場合の特定処理を含み、第2処理は当該特定処理を含まないようにしていることから、第1制御手段側は電断状態から電入状態への切り替えが行われておらず、特定情報の出力が行われていないのにも関わらず、当該特定情報を受信できないことを接続の異常と判定してしまうことを回避することができる。
特徴nD7.前記特定処理に基づいて特定報知を実行可能な手段(サブ制御装置180によるステップSn4807の処理を実行する機能等)を備え、
前記特定報知は、前記第2制御手段が前記電断状態とされるまで継続可能とされていることを特徴とする特徴nD6に記載の遊技機。
上記構成のように、特定情報を受信しない異常用の特定処理が行われた場合に、特定報知が実行されるところ、仮に、特徴nD6のように、第2処理側は特定処理を含まないようにしなければ、第2手段による電源再投入を契機として特定報知が毎回行われ、その特定報知を終了させるためには第1手段による電源再投入を要する(第2手段による再投入では再度の特定報知の発生につながる)という構成となってしまう。その点、特徴nD7のようにしておけば、両制御手段の電源再投入時の接続関係の確認を行いながらも、特定報知が行われることを好適に回避することが可能となる。
特徴nD8.所定の開始操作に基づき遊技が開始され、所定の終了操作に基づき遊技が終了される遊技機であって、
前記開始操作が行われた場合に遊技の開始処理を実行し、前記終了操作が行われた場合に遊技の終了処理を実行する第1制御手段(主制御装置101等)と、前記第1制御手段から出力される情報(コマンド等)に基づき、当該情報に対応する報知が行われるようにする第2制御手段(サブ制御装置180等)と、を備え、
前記第1制御手段及び前記第2制御手段の電断状態と電入状態との切替を実行可能とする第1手段(電源スイッチ71等)と、
前記第1制御手段が電入状態である状況を維持したまま、前記第2制御手段を電断状態と電入状態との切替を実行可能とする第2手段(サブ側電源スイッチ185等)と、
前記第1手段により前記第1制御手段及び前記第2制御手段が電断状態から電入状態に切り替えられた場合、特定報知(接続異常用のエラー報知等)が実行されるようにすることが可能な手段(サブ制御装置180によるステップSn2112の処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記第2手段により前記第2制御手段が電断状態から電入状態に切り替えられた場合、前記特定報知が実行されないようにすることが可能とされている(サブ制御装置180によるステップSn4802の処理を実行する機能等)ことを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技進行用の処理を行う第1制御手段と、当該第1制御手段からの情報に対応する報知が行われるようにする第2制御手段といった複数の制御手段を有することにより、処理負荷の分散化が図られ、遊技進行や遊技演出を好適に実施することが可能となる。
そのうえで、本遊技機は、第1制御手段と第2制御手段とが連動して電断状態と電入状態との切替が行われた場合には、第2制御手段において特定報知が行われるのに対して、第2制御手段だけが独立して電断状態と電入状態との切替が行われた場合には、当該特定報知が行われないようになっている。このようにすることで、遊技機全体の立ち上げ(電源の再投入)なのか、報知制御を担う第2制御手段のみの立ち上げなのかを明確に区別することが可能となる。また、例えば、遊技機全体の立ち上げ時に実行するチェックでエラーとなった場合に特定報知を行う構成とし、第2制御手段のみの立ち上げ時にはそのチェックを省略する等の構成ともすることが可能となり、処理構成の簡素化にも貢献することが可能となる。よって、これらの作用効果を通じて、遊技進行の好適化に寄与することができる。
なお、上記特徴nD8に対して、特徴nD1乃至特徴nD7にて限定した構成の全部又は一部を適用してもよく、これら特徴nD1乃至特徴nD7にて限定した構成の全部又は一部を組み合わせて適用してもよい。
なお、上記特徴nD1乃至特徴nD8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nD1乃至特徴nD8の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴nE群>
特徴nE1.遊技の進行処理を実行可能な第1制御手段(主制御装置101等)と、前記第1制御手段により進行される遊技に応じた情報を出力可能な第2制御手段(表示制御装置81等)とを備える遊技機であって、
前記第1制御手段は、
特定事象が生じたことを特定可能な手段(主制御装置101による扉開放検知処理を行う機能等)と、
前記特定事象が生じたことの特定が行われた場合に、前記第2制御手段に当該特定事象が生じたことを把握させることが可能な手段(主制御装置101による扉開放コマンドを出力する処理を実行する機能等)と、
前記特定事象が生じたことの特定が行われた場合に、第1特定情報(主側のエラー報知)を出力可能な手段(主制御装置101による扉開放用のエラー報知を実行する機能等)と、
を備え、
前記第2制御手段は、前記特定事象が生じたことが把握された場合に第2特定情報(サブ側のエラー報知)を出力可能な手段(サブ制御装置180によるエラー報知設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技進行用の処理を行う第1制御手段と、当該第1制御手段にて進行される遊技に応じた情報の出力(演出等)が行われるようにする第2制御手段といった複数の制御手段を有することにより、処理負荷の分散化が図られ、遊技進行や遊技演出を好適に実施することが可能となる。
そのうえで、本遊技機では、特定事象が生じた場合に第1制御手段により第2制御手段は当該特定事象が生じたことが把握可能とされて、第2制御手段にて第2特定情報の出力が行われる構成としながら、更に第1制御手段側でも第1特定情報の出力が行われるため、仮に第1特定情報及び第2特定情報のいずれかの出力がエラー等で行われなかったとしても、いずれかの特定情報によって特定事象が生じていることを遊技者乃至遊技ホールの管理者等に把握させることが可能となる。
また、例えば、第1制御手段側から第2制御手段への情報経路等に異常が生じている場合、特定事象が生じても第2制御手段へその旨を把握させることができないため、生じた特定事象に対応する特定情報は第1特定情報のみが出力されることになる。言い換えると、第1制御手段と第2制御手段との情報経路等に異常が生じていても、第1特定情報の出力によって特定事象が生じていることを遊技者や遊技ホールの管理者等は把握することが可能となる。また、このような事象を通じて、第1制御手段と第2制御手段との情報経路等に異常が生じていることも、遊技者や遊技ホールの管理者等は把握することが可能となる。
以上を通じて、両制御手段により遊技の進行や情報出力が行われる遊技をより好適に実施させることが可能となる。
特徴nE2.前記第2制御手段は、前記第1制御手段を介して前記特定事象が生じたことを把握可能となる構成であることを特徴とする特徴nE1に記載の遊技機。
上記構成は、特徴nE1において第2制御手段独自で特定事象が生じたことを把握できない構成を限定するものである。このような構成だからこそ、第1特定情報は出力されるものの第2特定情報の出力が行われないことが、第1制御手段と第2制御手段との情報経路等の異常であると判断可能となる。
なお、上記構成は、「前記第2制御手段は、前記第1制御手段を介することなく前記特定事象が生じたことの把握ができない構成とされている」等と表現してもよい。
特徴nE3.前記第1特定情報は、前記第1制御手段及び前記第2制御手段とは異なる他の制御手段(遊技ホールのホールコンピュータやデータ表示器)に対して出力されるものであり、
前記第2特定情報は、前記他の制御手段又はそれとは異なる制御手段(遊技ホールのホールコンピュータやデータ表示器)に対して出力されるものであることを特徴とする特徴nE1又は特徴nE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が生じたことを遊技機に接続されている他の制御手段側で特定することが可能となる。これにより、第1特定情報又は第2特定情報を受信できない場合の異常を当該他の制御手段側で好適に特定することができるようになる。
特徴nE4.前記第1特定情報は、第1手段(主側スピーカ110等)を介して出力されるものであり、
前記第2特定情報は、前記第1手段とは異なる第2手段(サブ側スピーカ64等)を介して出力されるものであることを特徴とする特徴nE1乃至特徴nE3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、両特定情報の出力が同じ手段を介して出力されるような構成と比較して、当該出力用の手段の故障等によって両特定情報の出力が行われない、といった事象を回避することが可能となる。つまり、出力用の手段をそれぞれ分けることによって、リスク分散を行い、両制御手段からそれぞれ特定情報を出力することの意義を担保することが可能となる。
特徴nE5.前記第2制御手段は、前記第2特定情報とは異なる情報を、前記第2手段を介して出力可能であることを特徴とする特徴nE4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2手段は他の情報出力にも用いられるものとなり、機能の集約化を通じて、遊技機の構成の簡素化や構成部品の単純化を図ることが可能となる。
特徴nE6.前記第1制御手段は、前記第2制御手段により前記異なる情報の出力が前記第2手段を介して行われる場合に、前記第1手段を介する情報の出力を行わない構成であることを特徴とする特徴nE5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1制御手段側の第1手段は、第1特定情報の出力専用のものとなる。このようにすることで、遊技の進行処理を担う第1制御手段は、特定事象が生じた場合の第1特定情報の出力だけを行えばよく、他の情報出力については第2制御手段に任せる構成となり、複数の制御手段による処理負荷の分散化を図ることの意義を担保しながら、特定事象が生じた場合の特徴nE1の優れた効果を奏することが可能となる。
特徴nE7.前記第1制御手段と前記第2制御手段とを接続し、前記第1制御手段からの情報を前記第2制御手段へ出力可能とする伝送手段(ハーネスH)を備え、
前記伝送手段の異常が生じた場合、前記第1特定情報は出力可能であるものの、前記第2特定情報は出力不可とされることを特徴とする特徴nE1乃至特徴nE6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、伝送手段を介して第1制御手段からの情報が第2制御手段に出力される構成において、両特定情報を両制御手段から別々に出力する構成としておくことの意義をより担保することが可能となる。つまり、伝送手段に異常が生じた場合には、第1特定情報しか出力されないのであるから、第2特定情報とは別途第1特定情報を出力するようにしておくことの効果を好適に奏することが可能となるし、第1特定情報の出力のみされることを通じて伝送手段に異常が生じていることを好適に特定することが可能となる。
なお、上記特徴nE1乃至特徴nE7に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nE1乃至特徴nE7の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴nF群>
特徴nF1.遊技の進行処理を実行可能な第1制御手段(主制御装置101等)と、前記第1制御手段からの情報(各種コマンド等)に基づき遊技の進行に応じた報知を実行可能な第2制御手段(表示制御装置81等)とを備える遊技機であって、
前記第2制御手段は、
実行している報知の内容に対応する情報を前記第1制御手段から受信した場合、当該受信した情報に基づく報知を実行するようにすることが可能な第1手段(サブ制御装置180による各種演出設定処理においてコマンド異常フラグがセットされていない場合の演出設定処理を実行する機能)と、
実行している報知の内容に対応しない情報を前記第1制御手段から受信した場合、当該受信した情報に基づく報知が実行されないようにすることが可能な第2手段(サブ制御装置180による各種演出設定処理においてコマンド異常フラグがセットされている場合の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技進行用の処理を行う第1制御手段と、当該第1制御手段からの情報に対応する報知が行われるようにする第2制御手段といった複数の制御手段を有することにより、処理負荷の分散化が図られ、遊技進行や遊技演出を好適に実施することが可能となる。
そのうえで、本遊技機では、報知や演出を担う第2制御手段において、実行中の報知に対応する情報を第1制御手段から受信した場合には、当該受信した情報に基づく報知を行う一方、実行中の報知に対応しない情報を受信した場合には、当該受信した情報に基づく報知が実行されないようにしている。このようにすることで、実行中の報知に対応しない情報を受信した場合に、当該受信した情報に基づく報知を行うことによって、実行中の報知との関係で矛盾が生じてしまうことの不都合や、当該矛盾が生じないようにするために処理負荷が増大化するといった不都合を生じさせないようにすることができる。
なお、上記構成は以下のように表現することも可能である。以下の表現を他の特徴や他の特徴群に適用してもよく、当該表現を用いる場合には対応する各種構成の表現も適宜修正するとよい。
「遊技の進行処理を実行可能な第1制御手段(主制御装置101等)と、前記第1制御手段からの特定情報(各種コマンド等)に基づき遊技の進行に応じた報知を実行可能な第2制御手段(表示制御装置81等)とを備える遊技機であって、
前記第2制御手段は、実行中の報知内容に対応しない情報を受信した場合、特定処理を実行可能な特定手段(表示制御装置81による各種演出設定処理においてコマンド異常フラグがセットされている場合の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。」
特徴nF2.前記第2制御手段は、前記第1制御手段から受信した情報に基づく報知を行うための報知用処理を実行することにより、当該受信した情報に基づく報知が行われるようにすることが可能な構成であり、
前記第1手段は、実行している報知の内容に対応する情報を前記第1制御手段から受信した場合、前記報知用処理を実行することにより、当該受信した情報に基づく報知が行われるようにすることが可能であり、
前記第2手段は、実行している報知の内容に対応しない情報を前記第1制御手段から受信した場合、前記報知用処理を実行しないことにより、当該受信した情報に基づく報知が行われないようにすることが可能であることを特徴とする特徴nF1に記載の遊技機。
上記構成によれば、受信した情報に基づく報知を行う場合、報知用処理を実行することで当該報知が行われることを前提とし、実行している内容に対応しない情報を受信した場合には、報知用処理自体が行われないようになる。このようにすることで、報知用処理を行ったうえで、その報知が行われないようにしたり、報知内容を修正したりするような構成と比較して、簡素な構成にて上記特徴nF1の効果を期待することが可能となる。
特徴nF3.前記第2制御手段は、受信した情報が実行している報知の内容に対応する情報であることの判定を、今回受信した情報の前に、前記第1制御手段から受信した情報に基づいて実行可能であることを特徴とする特徴nF1又は特徴nF2に記載の遊技機。
上記構成によれば、直前に受信している情報に基づいて、今回の情報が実行している報知の内容に対応する情報であることの判定が行われることから、複数分の情報を記憶しておく必要がないし、膨大な種類の報知を行う第2制御手段において、報知の内容自体と今回受信した情報とを見比べる処理を設ける必要がなく、処理構成の簡素化にも貢献することができる。
特徴nF4.前記受信した情報が実行している報知の内容に対応する情報であることの判定の対象となる情報に基づいて、前記実行している報知の設定が行われる構成であることを特徴とする特徴nF3に記載の遊技機。
上記構成によれば、直前に受信した情報は、報知の設定に用いられるとともに、その後に受信する情報が報知の内容に対応しているか否かの判定にも用いられることになる。このようにすることで、報知を行うための情報が第1制御手段から第2制御手段へ出力される、という既存の構成をうまく利用して特徴nF1乃至特徴nF3の優れた効果を期待することが可能となる。
特徴nF5.前記受信した情報が実行している報知の内容に対応する情報であることの判定の対象となる情報の後であって、前記受信した情報よりも前に、前記第1制御手段から情報の出力が行われている場合、前記受信した情報が実行している報知の内容に対応する情報であることの判定において、前記報知の内容に対応しない情報であると判定されることを特徴とする特徴nF3又は特徴nF4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1制御手段からの情報に基づいて第2制御手段にて報知を行う構成を前提とし、第2制御手段で受信している情報の抜けがある場合に、今回受信した情報が報知の内容に対応しない情報であると判定され、当該情報に基づく報知の実行が制限される。つまり、本来であれば、直前に受信した情報と、今回受信した情報との間に、第1制御手段から情報が出力されており、当該情報に基づく報知が行われているはずであり、そうすると、当該抜けの情報に基づく報知を行っていない分だけ、実行中の報知を、今回受信した情報に基づく内容に更新しようとすると、報知内容に矛盾や違和感が生じることとなる。そこで、このような場合には、受信した情報に基づく報知の実行を制限してしまえば、少なくとも報知内容の矛盾や違和感を生じさせないようにすることができるようになる。
特徴nF6.前記受信した情報が実行している報知の内容に対応する情報であることの判定の対象となる情報の後であって、前記受信した情報よりも前に、前記第1制御手段から出力された情報を受信していた場合、当該情報に基づく報知が実行される構成であることを特徴とする特徴nF5に記載の遊技機。
上記構成を限定することにより、特徴nF5の作用効果をより明確化することが可能である。
特徴nF7.前記第2手段により前記受信した情報に基づく報知が実行されないようにされた後、前記第1制御手段から受信する情報に基づく報知が実行されないようにすることが可能であることを特徴とする特徴nF1乃至特徴nF6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一旦、報知内容に対応しない情報を受信して、当該情報に基づく報知を行わないようにした後は、その後に受信した情報に基づいても報知が行われないようになる。これは、受信した情報が報知中の内容とギャップがあり、当該受信した情報に基づく報知を実行しないようにしたことを通じて、次に受信する情報と実行中の報知の内容とのギャップは累積的に大きくなるものと考えられることによるものであり、上記構成のようにすることで、当該累積的に大きくなるギャップを埋める報知を行おうとする処理負荷の増大化を回避することが可能となる。
特徴nF8.前記第2手段により、前記受信した情報に基づく報知が実行されないようにされた後、前記第1制御手段から特定情報(開始操作時コマンド)を受信した場合、前記第1制御手段から受信した情報に基づく報知が実行されるようにすることが可能な手段(サブ制御装置180によるステップSn2401~ステップSn2403の処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴nF1乃至特徴nF7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、報知内容に対応しない情報を受信して、当該情報に基づく報知を行わないようにした後、特定情報を受信すると、対応する報知が行われるようになる。そのため、特徴nF7のように、その後も報知が行われないようになる構成において、いつまでも報知が実行されない不都合を解消することが可能となる。
特徴nF9.前記特定情報は、一の遊技の開始操作が行われたことに基づいて前記第1制御手段から出力される情報であることを特徴とする特徴nF8に記載の遊技機。
一の遊技の開始操作が行われると、その遊技の抽選結果の情報やその抽選結果に基づく演出用の情報等が第2制御手段に出力され、第2制御手段では、当該遊技の開始に際して、当該遊技の報知内容を設定する処理が行われる。このような遊技機を想定すると、一の遊技の開始操作が行われた場合の報知内容の更新は、その遊技における途中の更新と比較すると大幅な更新となり、仮に、更新後の報知内容が実行中の報知内容とのギャップがあっても、比較的違和感を与えにくいものと考えられる。そこで、上記構成のように開始操作に基づく特定情報を受信した場合に、報知が行われるようにすることで、実行中の報知と更新後の報知とのギャップを違和感なく埋め合わせることが可能となる。
特徴nF10.実行している報知の内容に対応しない情報を前記第1制御手段から受信した場合、当該受信した情報に基づく報知として、第1報知(入賞時演出)が実行されないようにし、当該受信した情報に基づく報知として、前記第1報知とは異なる第2報知(残数表示の更新演出)は実行されるようにすることが可能な手段(サブ制御装置180による入賞時演出設定処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴nF1乃至特徴nF9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、更新を行うことによって違和感が大きい場合等の報知についてはその更新を行わないようにし、更新を行っても違和感が小さい場合等の報知についてはその更新を行う等、報知の種類や必要に応じて更新の有無を設定することが可能となる。
また、例えば、更新しなければ遊技者に不利益を与える場合がある報知も考えられ、更新契機となる情報を受信しているのにも関わらず、更新することで違和感が生じる等の理由だけで全体の更新を制限してしまうと、かえって遊技者に不利益を与えてしまう可能性もあり、上記のようにすることで、かかる不都合を解消することも可能となる。
特徴nF11.前記第1手段は、実行している報知の内容に対応する情報を前記第1制御手段から受信した場合、当該実行している報知の内容を使用して、当該受信した情報に基づく報知を実行するようにすることが可能であることを特徴とする特徴nF1乃至特徴nF10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、実行している報知の内容を使用して、受信した情報に基づく報知を実行することを前提とすると、実行している報知の内容に対応しない情報を受信した場合、実行している報知の内容を使用することができず、そのギャップを補おうとすると、実行していない報知も含めて今回の情報に基づいて実行(開始)する必要があることが明らかとなる。よって、特徴nF1のように、対応しない情報を受信した場合には、その情報に基づく報知が行われないようにすることで、上記のギャップを補うための処理負荷の増大化を回避することが可能となるし、そのギャップがいきなり補われることを通じて、遊技者に違和感を与えてしまうことも回避することが可能となる。
なお、上記特徴nF1乃至特徴nF11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nF1乃至特徴nF11の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴nG群>
特徴nG1.遊技の進行処理を実行可能な第1制御手段(主制御装置101等)と、前記第1制御手段からの情報(各種コマンド等)に基づき遊技の進行に応じた報知を実行可能な第2制御手段(表示制御装置81等)とを備える遊技機であって、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段からの所定の報知用の情報(各種遊技進行コマンド、開始操作時コマンド等)に基づいて、当該所定の報知を実行可能な所定報知手段(サブ制御装置180による演出設定処理を実行する機能)と、
前記第1制御手段にて実行している遊技進行の状況を把握することが可能な把握手段(サブ制御装置180によるコマンド判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記把握手段は、前記所定の報知用の情報に基づいて前記第1制御手段による遊技進行の状況を把握可能とされていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技進行用の処理を行う第1制御手段と、当該第1制御手段からの情報に対応する報知が行われるようにする第2制御手段といった複数の制御手段を有することにより、処理負荷の分散化が図られ、遊技進行や遊技演出を好適に実施することが可能となる。
そのうえで、本遊技機では、報知や演出を担う第2制御手段では、第1制御手段側の遊技進行の状態を、所定の報知用の情報に基づいて把握することが可能とされている。そのため、第2制御手段側で第1制御手段側の遊技進行の状態を把握するために、別途、第1制御手段側から遊技進行の状態の情報を出力する必要が生じず、機能の集約化を通じて処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
特徴nG2.前記把握手段は、前記所定の報知用の情報に基づいて、前記第1制御手段による遊技進行の状況が、所定の状況から次の状況に移行したことを把握可能であることを特徴とする特徴nG1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の報知用の情報は、現状の状況を把握するだけでなく、次の状況に移行したことを把握するために用いられる構成となり、当該次の状況に移行した後、更に報知用の情報を受信した場合には、当該次の状況であることが把握されるとともに、更に次の状況に移行したことが把握される。このようにすることで、第1制御手段側での進行に応じて出力される報知用の情報を利用して、第2制御手段側でも遊技進行の状況をリアルタイムで把握することが可能となり、複数の制御手段の同期を好適に図ることが可能となる。
特徴nG3.前記把握手段は、前記所定の報知用の情報(開始操作時コマンド等)として、第1報知用の情報(抽選結果コマンド等)に基づいて、前記第1制御手段による遊技進行の状況を第1状況(回転開始待ち状態等)であると把握可能であり、前記第1報知用の情報とは異なる第2報知用の情報(押し順報知コマンド等)に基づいて、前記第1制御手段による遊技進行の状況を前記第1状況であると把握可能であることを特徴とする特徴nG1又は特徴nG2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知や第2報知といった複数種類の報知用の情報が、遊技進行の状況のうち第1状況として把握するために用いられる。つまり、一の遊技進行の状況を把握するために複数種類の報知用の情報が設定されている構成となる。このようにすることで、一の遊技進行状況を把握するために単一の報知用の情報を設定する構成と比較して、遊技によってその報知用の情報が出力されない場合があるなど、遊技進行状況を把握する際の抜けの発生を回避することが可能となる。
特徴nG4.前記把握手段は、前記第1報知用の情報と前記第2報知用の情報とを受信している場合、これら前記第1報知用の情報と前記第2報知用の情報とにより前記第1状況であることの把握処理をまとめて行う構成であることを特徴とする特徴nG3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知用の情報に基づいて第1状況であると把握するとともに、次の遊技進行の状況に移行したことを把握した後、第2報知用の情報に基づいて遊技進行の状況を把握しようとすると、本来であれば第1状況であると把握すべきであるのにも関わらず、次の遊技進行の状況であると把握してしまう等の不都合を回避することが可能となる。
なお、上記「把握処理をまとめて行う構成」は、「把握処理を1回行う構成」と表現してもよい。
特徴nG5.前記第1制御手段は、前記所定の報知用の情報を出力する場合、前記第1制御手段にて実行している遊技進行の状況に対応する第1情報と、実行させる報知に対応する第2情報とを含むように前記所定の報知用の情報を出力可能であり、
前記把握手段は、前記第1情報に基づいて、前記第1制御手段にて実行している遊技進行の状況を把握することが可能であることを特徴とする特徴nG1乃至特徴nG4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1制御手段から出力される情報に、遊技進行の状況に対応する第1情報と、実行すべき報知の内容に対応する第2情報とが含まれているため、第2制御手段側では、第1情報を読み出して、実行中の遊技進行の状況を把握することが可能となる。このようにすることで、例えば、上記特徴nG2のように複数種類の報知用の情報が一の遊技進行の状況にて出力されるような構成において、第1情報の読み出し処理の処理負荷を増大化させることなく、一の遊技進行の状況にて出力する情報の種類数を多くすることが可能となり、演出の多様化に寄与することができる。
特徴nG6.前記第2制御手段は、前記把握手段による把握結果(コマンドカウンタ等)を使用して、特定事象の特定を行うことが可能な特定手段(サブ制御装置180によるコマンド異常フラグをセットする処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴nG1乃至特徴nG5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1制御手段にて進行される遊技進行の情報に基づいて第2制御手段にて報知を行う構成を前提としながらも、第2制御手段側でその遊技進行の情報に基づいて特定事象が生じていることの特定が行われる。つまり、第2制御手段を、第1制御手段からの指示待ち手段とせず、第2制御手段側においても特定事象が生じていることの特定が可能な構成としていることから、複数の制御手段によって処理負荷の分散化を図る効果をより高めることができる。
特に、遊技の進行は第1制御手段が担うため、当該遊技の進行中に何らかの事象(例えばエラー)が生じた場合、当該事象は、第1制御手段側で特定可能である。そのため、例えば、当該事象が生じたことの報知を行うのであれば、第1制御手段からその情報を出力して、第2制御手段でその情報に基づいて報知を行えばよいものと考えられる。これに対して、例えば、第1制御手段と第2制御手段との情報のやり取りが正常に行えなかった等の事象が生じた場合、出力側の第1制御手段はその事象の発生を特定することができない可能性が高い。そこで、上記構成のように、第2制御手段側で特定事象の発生を特定可能な構成としておけば、第1制御手段側で特定し得ない事象が生じていることを特定し、遊技者や遊技ホールの管理者等に知らせることが可能となる。
特徴nG7.前記第1制御手段は、前記特定事象が生じていることを特定できない構成であることを特徴とする特徴nG6に記載の遊技機。
上記構成を限定することにより、特徴nG6の作用効果をより明確化することができる。
なお、上記構成は、「前記第1制御手段は、前記特定事象を特定することが可能な手段を備えていない」や、「前記第1制御手段にて実行される前記特定事象が生じていない場合の遊技進行用の処理と、前記特定事象が生じている場合の遊技進行用の処理とが共通している」といった表現を用いた構成とすることも可能である。
特徴nG8.前記特定手段は、前記把握手段による把握結果と、前記所定の報知用の情報を使用して、前記特定事象の特定を行うことが可能であることを特徴とする特徴nG6又は特徴nG7に記載の遊技機。
上記構成によれば、把握手段にて把握している遊技進行の状況と、受信している報知用の情報とから、特定事象の特定が行われる構成となる。例えば、把握している遊技進行の状況に対応しないような報知用の情報を受信している場合、第1制御手段からの情報に抜け(正常に受信できていない場合や、第1制御手段側で情報出力が行われなかった場合等)があると考えられ、かかる事象を特定事象とすると、第2制御手段側で当該情報の抜けの発生時の処理(報知内容の修正等)を好適に行うことが可能となる。
特徴nG9.前記特定手段は、前回受信した前記所定の報知用の情報に基づく前記把握手段による把握結果と、今回受信した前記所定の報知用の情報に基づく前記把握手段による把握結果と、を使用して前記特定事象の特定を行うことが可能であることを特徴とする特徴nG8に記載の遊技機。
上記構成によれば、既に把握している遊技進行の状況と、受信している報知用の情報から把握される遊技進行の状況と、を利用して特定事象の特定が行われる構成となる。このようにすることで、前回把握した遊技進行の状況と今回把握した遊技進行の状況とに矛盾がある(遊技進行の状況に抜けがある)等の特定事象を好適に把握することができ、その把握結果を遊技ホールの管理者等に知らせることが可能となる。
特徴nG10.前記第2制御手段は、前記所定の報知用の情報を受信した場合、前記特定手段による前記特定事象の特定を行う処理が行われた後で、前記所定の報知用の情報に基づく前記所定の報知を行うための処理を実行する構成であることを特徴とする特徴nG6乃至特徴nG9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象の特定用の処理の後で、報知用の処理が行われるようにしていることから、特定事象が生じている場合の報知や、特定事象が生じていない場合の報知を、受信している報知用の情報に基づいて行うことが可能となる。よって、受信している報知用の情報に基づく報知を行った後で、事後的に特定事象に対応する報知を行う等の無駄を排除し、処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
特徴nG11.前記第2制御手段は、前記所定の報知用の情報を受信した場合に、特定情報の更新を行う手段(サブ制御装置180によるコマンドカウンタの更新を行う処理を実行する機能等)を備え、
前記把握手段は、前記特定情報に基づいて、前記第1制御手段にて実行している遊技進行の状況を把握することが可能であることを特徴とする特徴nG1乃至特徴nG10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、第1制御手段にて遊技が進行されるたびに所定の報知用の情報が第2制御手段へ出力される構成を前提とし、第2制御手段側で所定の報知用の情報を受信するたびに特定情報を更新する構成とすることで、第1制御手段にて事項される遊技進行の状況を特定情報から容易に把握することが可能となる。よって、例えば、受信している報知用の情報やその種類を記憶しておき、その都度読み出すような構成と比較して、把握手段の構成を圧倒的に簡素なものとすることが可能となる。
特徴nG12.前記特定情報は数値情報であることを特徴とする特徴nG11に記載の遊技機。
上記構成によれば、数値情報として遊技進行の状況を把握しておけば、遊技進行の状況に応じて記憶領域を設ける等の構成と比較して、記憶容量の圧倒的な軽減を図ることが可能となる。
なお、上記特徴nG1乃至特徴nG12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nG1乃至特徴nG12の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴nH群>
特徴nH1.遊技の進行処理を実行可能な第1制御手段(主制御装置101等)と、前記第1制御手段からの情報(各種コマンド等)に基づき遊技の進行に応じた報知を実行可能な第2制御手段(表示制御装置81等)とを備える遊技機であって、
前記第1制御手段は、
遊技の進行処理に対応する処理として第1処理(主制御装置101による通常処理におけるステップSn305の処理を実行する機能等)を実行した場合に第1情報(ベット時コマンド等)を出力する手段(主制御装置101によるステップSn306の処理を実行する機能等)と、
遊技の進行処理に対応する処理であって前記第1処理の後で実行され得る処理として、第2処理(主制御装置101による抽選処理を実行する機能等)を実行した場合に第2情報(開始操作時コマンドとしての抽選結果コマンド等)を出力する手段(主制御装置101による抽選結果コマンドを出力する機能等)と、
を備え、
前記第2制御手段は、
前記第1情報を受信した後で前記第2情報を受信したことを判定する第1判定手段(サブ制御装置180による開始操作時判定処理においてステップSn3801~ステップSn3803の処理を実行する機能等)と、
前記第1情報を受信するよりも前に前記第2情報を受信したことを判定する第2判定手段(サブ制御装置180による開始操作時判定処理においてステップSn3804~ステップSn3811の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技進行用の処理を行う第1制御手段と、当該第1制御手段からの情報に対応する報知が行われるようにする第2制御手段といった複数の制御手段を有することにより、処理負荷の分散化が図られ、遊技進行や遊技演出を好適に実施することが可能となる。
そのうえで、本遊技機では、第1制御手段側で第1処理が行われると第1情報が出力され、第1処理の後で実行される処理として第2処理が行われると第2情報が出力される構成としたうえで、第2制御手段側で第1情報の後で第2情報を受信したことの判定と、第1情報の前に第2情報を受信したことの判定を行うことが可能としていることから、第1情報を受信していないことの特定を好適に行うことができるようになる。また、第1制御手段側の処理の順序が、正規のルート(第1処理が行われた後で第2処理が行われるルート)であることと、正規ではないルート(第1処理を経ることなく第2処理が行われるルート)であることと、を第2制御手段側で特定することも可能となり、第1制御手段側の異常の発生等を第2制御手段側で特定することも可能となる。以上の結果、遊技を好適に進行させることが可能な遊技機を提供することができるようになる。
特徴nH2.前記第2制御手段は、前記第1判定手段による判定結果が、前記第1情報を受信した後で前記第2情報を受信したことに対応する結果であった場合、前記第2情報に基づく報知を行うことが可能な手段(サブ制御装置180による各種演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nH1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2情報を受信した場合に、第1制御手段から受信している情報の抜けがないことや、第1制御手段の処理の順序が正規のルートであることの確認が行われてから、当該第2情報に基づく報知が行われるようになる。このようにすることで、第2情報に基づく報知用の処理や報知と、上記確認の結果に基づく報知用の処理や報知とを別々に実行するような構成と比較して、処理の無駄を排除することができ、処理構成の簡素化を通じて、その分、他の報知(演出)用の処理に記憶容量を割くことが可能となる。
特徴nH3.前記第2制御手段は、前記第2判定手段による判定結果が、前記第1情報を受信するよりも前に前記第2情報を受信したことに対応する結果であった場合、前記第2情報に基づく報知が行われないようにすることが可能な手段(サブ制御装置180によるコマンド異常フラグがセットされている場合に演出設定を行わないようにする処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴nH1又は特徴nH2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2情報を受信した場合に、第1制御手段から受信している情報の抜けがあったり、第1制御手段の処理の順序が正規のルートではないことの確認が行われた場合、第2情報に基づく報知が行われないようになる。このようにすることで、何らかの異常が生じているのにも関わらず、第2情報に基づく報知をそのまま実行することによる不都合が生じないようにすることができる。より具体的には、第1情報を受信していないため、受信した第2情報に基づく報知を行うと、第1情報に基づく報知が行われていないまま第2情報に基づく報知を行うこととなり、演出上の矛盾が生じ易く、遊技者に違和感を与えかねない。また、その演出上の矛盾を生じさせないようにするために演出の修正等を行うようにすると、処理構成の複雑化が懸念される。その点、上記構成のようにすることで、これらの不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴nH4.前記第2制御手段は、前記第2判定手段による判定結果が、前記第1情報を受信するよりも前に前記第2情報を受信したことに対応する結果であった場合、前記第2情報に基づく報知が行われるようにすることが可能な手段(サブ制御装置180による開始操作時演出設定処理や、残数表示更新処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴nH1乃至特徴nH3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2情報を受信した場合に、第1制御手段から受信している情報の抜けがあったり、第1制御手段の処理の順序が正規のルートではないことの確認が行われた場合であっても、第2情報に基づく報知が行われるようになる。このように、何らかの異常が生じていることが特定された場合であっても、第2情報を受信できているのであるから、その第2情報に基づく報知を実行するようにすれば、当該第2情報が無駄となることはないし、少なくとも、第2処理が行われたことを第2情報に基づく報知によって、遊技者は明確に把握することが可能となる。
特徴nH5.前記第1制御手段は、所定の第1操作が行われた場合に前記第1処理を実行可能となり、所定の第2操作が行われた場合に前記第2処理を実行可能となることを特徴とする特徴nH1乃至特徴nH4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者による操作に基づいて第1処理や第2処理が行われ、それらの処理に基づいて、第1情報や第2情報が出力される構成となる。この場合、第1操作と第2操作との順序は、遊技者自身が明確に把握しており、つまり、第1操作を行った後で第2操作を行ったか、第1操作を行うことなく第2操作を行ったかを、遊技者自身が理解している。そのため、特徴nH1のように第2制御手段において、第1情報の後で第2情報を受信したことの判定や、第1情報を受信することなく第2情報を受信したことの判定を行うことにより、遊技者の操作の順序と、処理の順序や情報受信の順序との照合を取ることが可能となり、遊技者の操作によって遊技が進行する遊技機において、その操作が正規に行われているかの判定も含めて、遊技機側で管理することが可能となる。
なお、上記構成は、「所定の第1操作」が行われることを契機として「第1処理」が行われ、「所定の第2操作」が行われることを契機として「第2処理」が行われる構成であればよく、「所定の第1操作」や「所定の第2操作」が行われた後、所定期間が経過してから「第1処理」や「第2処理」が実行される構成であってもよいし、「所定の第1操作」や「所定の第2操作」が行われた後、所定の処理が実行されてから「第1処理」や「第2処理」が実行される等の構成であってもよい。これらの場合、「所定の第1操作」や「所定の第2操作」が行われた後、「第1処理」や「第2処理」が実行されるまでの「所定期間」の長さは、「第1処理」と「第2処理」とで同じ長さであってもよく、異なっていてもよく、「所定の第1操作」や「所定の第2操作」が行われた後、「第1処理」や「第2処理」が実行されるまでの「所定の処理」の種類や内容は、「第1処理」と「第2処理」とで同じであってもよく、異なっていてもよい。同じ長さや同じ種類・内容であれば処理構成の簡素化が図られ、異なる長さや異なる種類・内容であれば処理構成の自由度の向上が図られる。
特徴nH6.前記所定の第1操作が行われることによって、前記所定の第2操作が可能となる構成であることを特徴とする特徴nH5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1操作が行われないと第2操作が可能とならないことから、第1操作を行うことなく第2操作が行われる、という事象が排除される。このようにすることで、第2制御手段において1情報を受信することなく第2情報を受信したことの判定が行われた場合を、第1操作が実行されていなかったり第1操作が受け付けられていなかったりする可能性を排除でき、第1処理を行ったのにも関わらず第2制御手段側で第1情報を受信できていないものとして判断することが可能となる。
特徴nH7.前記第2制御手段は、前記第1情報を受信した後、第2情報を受信するよりも前に前記第1情報を受信したことを判定する第3判定手段(サブ制御装置180による同じ遊技進行コマンドを続けて受信した場合の処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴nH1乃至特徴nH6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1情報を受信した後、本来ならば第2情報を受信するはずであるところ、当該第2情報を受信しることなく、第1情報を受信してしまったことを判定することが可能となる。この場合、既に第1情報を受信済みであるから、第1制御手段側の第1処理が重複して実行されている異常の可能性や、第2制御装置側で第2情報を正規に受信することできなかった異常の可能性があり、上記構成のように第3判定処理を有することによって、これらの異常を好適に特定することが可能となる。
特徴nH8.前記第1処理と前記第2処理とは、一の遊技内で実行される処理であることを特徴とする特徴nH1乃至特徴nH7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1処理と第2処理とは同じ遊技内(同じゲーム内)で実行される処理であることが明確化される。このような構成とすることで、遊技者による開始操作に基づき遊技が開始され、遊技者による終了操作に基づき遊技が終了する遊技機において、第1情報を受信することなく第2情報を受信する場合とは、当該ゲーム内の処理が正常に実行されていない(第1処理が実行されていない)可能性や、当該ゲーム内で情報の抜けがある可能性に限定されることになり、異常の特定を好適に行うことが可能となる。
特徴nH9.前記第1判定手段による判定結果が、前記第1情報を受信した後で前記第2情報を受信したことに対応する結果であった場合、当該第1情報が出力された遊技と、当該第2情報が出力された遊技とが異なる場合を含むことを特徴とする特徴nH1乃至特徴nH8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1情報を受信した後、第2情報を受信した場合であっても、一の遊技において第1情報を受信し、当該一の遊技において第2情報を受信することができず、次の遊技において第1情報を受信することができず、当該次の遊技において第2情報を受信することができた可能性もある。このように、第1判定手段による判定結果が、前記第1情報を受信した後で前記第2情報を受信したことに対応する結果であった場合であっても、何らかの異常(情報の抜け等)が生じている可能性があり、第1情報の後で第2情報を受信することを当たり前の事象ととらえて判定すらしないような構成とせず、第1判定手段によって判定することの意義を好適に担保することが可能となる。
特徴nH10.前記第1判定手段による判定結果が、前記第1情報を受信した後で前記第2情報を受信したことに対応する結果であった場合、当該第1情報が出力された遊技と、当該第2情報が出力された遊技とが異なるか否かに関わらず、前記第2情報に基づく報知を実行する手段(サブ制御装置180による停止時演出設定処理を実行する機能等)を備えることを特徴とする特徴nH1乃至特徴nH9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴nH9のように、情報の抜けがあっても、複数のゲームに跨ることで正規な順序で情報を受信した場合には、その受信した情報(第2情報)に基づく報知を実行するようにしているため、複数のゲームに跨った情報の受信であるか否かを判定するための処理を設ける構成と比較して処理構成の圧倒的な簡素化を図ることが可能となる。
なお、上記特徴nH1乃至特徴nH10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nH1乃至特徴nH10の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴nI群>
特徴nI1.予め定められた特定事象(接続異常等)が生じている第1状況(接続異常が生じている状況等)から、当該特定事象が生じていない第2状況(接続異常が生じていない状況等)となった場合に、前記第1状況であったことを特定可能な手段(サブ制御装置180によるコマンド異常フラグをセットする処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定事象が生じている第1状況から特定事象が生じていない第2状況となってから、特定事象が生じていたことの特定を行うため、特定事象の発生を事後的に特定する構成となり、特定事象が生じている場合に特定事象を特定することができなくても、少なくとも後追いではあるものの特定事象が生じていたことを遊技機として把握することができ、その対処を行うことができるし、遊技者や遊技ホールの管理者等にもそれを報知するようにすることも可能である。よって、特定事象が生じている場合にそれを特定することができなくても、特定事象の対処を好適に実施することができるようになる。
特徴nI2.前記特定事象が生じたことを特定することができない構成であることを特徴とする特徴nI1に記載の遊技機。
上記構成のように、特定事象が発生してもそれを特定できないのであれば、事後的にではあっても、特定事象が解消された場合に特定事象が発生していたことを特定することの意義が担保される。
特徴nI3.前記第1状況であることを特定することができない構成であることを特徴とする特徴nI1又は特徴nI2に記載の遊技機。
上記構成のように、特定事象が発生している第1状況であることを特定できないのであれば、事後的にではあっても、特定事象が解消された場合に特定事象が発生していたことを特定することの意義が担保される。
特徴nI4.前記第1状況であることを遊技者は特定可能であることを特徴とする特徴nI1乃至特徴nI3のいずれか1に記載の遊技機。
例えば、特徴nI3のように、遊技機自身は特定事象が発生している第1状況であることを特定できなくても、遊技者は特定可能であることから、事後的にではあっても、当該特定事象が発生していたことを遊技機が特定することの意義(特定事象が発生したことによる事象の対処等)はある。
特徴nI5.前記第1状況である状況において、所定の処理を実行可能であることを特徴とする特徴nI1乃至特徴nI4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が発生している第1状況においても、所定の処理は実行可能であり、第1状況は遊技機が動作可能な状況であることになる。つまり、遊技機自体は、特定事象が生じていても動作可能であるため、通常通り処理等が行われ、特徴nI2や特徴nI3のように、特定事象が生じていてもそれを特定することができないことも考えられる。ただし、特定事象が生じることによって、何らかの異常やその異常の蓄積が生じるものと考えられるところ、特定事象が解消されてからであっても、それを特定し、蓄積した異常への対処を行うようにすれば、当該蓄積した異常によって遊技進行に不都合が生じてしまうことを好適に回避することができる。
特徴nI6.前記所定の処理は、遊技進行用の処理であることを特徴とする特徴nI5に記載の遊技機。
上記構成は、特徴nI5の作用効果をより明確化するための構成であり、上記構成を限定することにより、第1状況で遊技機自体が通常の遊技進行用の処理が可能であることがより明確化される。
特徴nI7.前記所定の処理が行われた場合に、所定の報知を実行することが可能な手段(サブ制御装置180による演出設定処理を実行する機能等)を備え、
前記第1状況において前記所定の処理が行われた場合、前記所定の報知が実行されないことを特徴とする特徴nI5又は特徴nI6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が生じている第1状況においては、所定の処理は実行されるものの、その所定の処理に基づく所定の報知は実行されないようになる。つまり、特定事象は、少なくとも、所定の報知が実行されない異常であることになる。この場合、所定の処理が行われているのにも関わらず所定の報知が行われていないことを通じて、その後に所定の報知が行われ得るようになったとしても、それよりも以前の所定の報知が行われていなかったこととの関係で、報知内容に矛盾が生じ得ると考えられる。また、所定の処理は実行されるものの、所定の報知が実行されないことを通じて、遊技者自身は特定事象を生じている第1状況であることを特定できることも考えられる(特徴nI4)。よって、特定事象が生じていたことを事後的にではあるものの、遊技機自身が特定可能としておけば、その矛盾への対処を好適に行うことが可能となる。
特徴nI8.少なくとも前記所定の処理を実行可能な第1制御手段(主制御装置101)と、
前記第1制御手段からの情報に基づいて、前記所定の報知を実行可能となる第2制御手段(サブ制御装置180)と、
を備えていることを特徴とする特徴nI7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が生じている第1状況で所定の報知が行われないことは、第2制御手段側の異常か、第1制御手段と第2制御手段との接続関係の異常であるかの絞り込みを行うことができる。これにより、特定事象への対処を好適に行うことができる。
特徴nI9.前記第2制御手段は、前記第1状況において前記所定の報知とは異なる報知(接続異常発生前から実行している報知等)を実行可能であることを特徴とする特徴nI8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が生じている第1状況で所定の報知が行われないことは、第1制御手段と第2制御手段との接続関係の異常であるとの絞り込みを行うことができる。これにより、特定事象への対処を好適に行うことができる。
特徴nI10.前記所定の処理が行われた場合に、前記所定の報知とは異なる特定の報知(主制御装置101側の表示)を実行することが可能な手段(主制御装置101による対応する表示用の処理を実行する機能)を備え、
前記第1状況において前記所定の処理が行われた場合、前記特定の報知が実行されることを特徴とする特徴nI7乃至特徴nI9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が生じている第1状況においては、所定の処理に伴う所定の報知は実行されないものの、特定の報知は実行されるようになる。仮に所定の報知が行われないことによって、所定の処理の内容がわからずに遊技者に不利益が生じ得るような場合であっても、特定の報知によってその不利益の発生を回避させることが可能となる。
特徴nI11.少なくとも前記所定の処理を実行可能な第1制御手段(主制御装置101)と、
前記第1制御手段からの情報に基づいて、前記所定の報知を実行可能となる第2制御手段(サブ制御装置180)と、
を備え、
前記特定の報知は、前記第1制御手段にて実行されることを特徴とする特徴nI10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が生じている第1状況において、第1制御手段側は正常に動作している確認を特定の報知から行うことが可能となる。これにより、所定の報知は行われないものの、遊技機が動作可能な状態であって、所定の処理自体は行われていること(第1制御手段側は正常に動作していること)を遊技者や遊技ホールの管理者等は理解できるようになり、特定事象への対処を行い易くすることができる。
特徴nI12.遊技の進行用の処理を実行可能な第1制御手段(主制御装置101)と、
前記第1制御手段からの情報に基づいて所定の報知を実行可能となる第2制御手段(サブ制御装置180)と、
を備え、
前記特定事象は、前記第1制御手段からの情報を前記第2制御手段にて受信できない又は受信困難となる事象であることを特徴とする特徴nI1乃至特徴nI11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の進行用の処理を行う第1制御手段と、その第1制御手段からの情報に基づいて報知が可能となる第2制御手段とを備える構成において、第1制御手段からの情報が第2制御手段にて正規に受け付けられない場合に特定事象が生じて、それが解消されると特定事象の特定が行われる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「遊技の進行用の処理を実行可能な第1制御手段(主制御装置101)と、
前記第1制御手段からの情報に基づいて所定の報知を実行可能となる第2制御手段(サブ制御装置180)と、
を備え、
前記特定事象は、前記第1制御手段と前記第2制御手段とを接続する接続手段の異常を含むことを特徴とする特徴nI1乃至特徴nI11のいずれか1に記載の遊技機」。
なお、上記特徴nI1乃至特徴nI12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nI1乃至特徴nI12の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴nJ群>
特徴nJ1.所定の開始操作が行われた場合に遊技を開始させ、所定の終了操作が行われた場合に遊技を終了させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能等)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技の結果が所定の表示手段(各リール32L,32M,32R)にて表示された後、当該遊技の結果に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理を実行する機能等)と、
を備える遊技機であって、
前記所定の表示手段にて前記遊技の結果が表示され、前記特典付与手段により特典が付与される場合、当該特典が付与されることに対応する特定報知(入賞時演出)を実行可能な特定手段(サブ制御装置180による入賞時演出設定処理を実行する機能等)と、
前記所定の表示手段にて前記遊技の結果が表示されるよりも前に、前記特定報知を設定することが可能な特定手段(サブ制御装置180による停止時演出設定処理にて入賞時演出を設定する処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づいて遊技が開始され、終了操作に基づいて遊技が終了し、その遊技の結果に応じた特典が、遊技の結果が所定の表示手段にて表示されてから付与される、といういわゆるスロットマシン等の遊技機において、遊技の結果に応じた特典が付与される場合、特定報知が行われるため、当該特典が付与されることを遊技者に明確に把握させることができるし、その特典が付与されることを演出によって盛り上げることで遊技の興趣向上が図られる。
しかも、本遊技機では、上記の特典が付与されることに対応する特定報知が、所定の表示手段にて遊技の結果が表示されるよりも前に設定される。このようにすることで、処理の分散化が図られ、特典付与に際し、特典付与用の処理と、特定報知用の処理とを同時並行で実行する構成と比較して、特典付与時の処理負荷を圧倒的に軽減することが可能となる。
特徴nJ2.前記所定の表示手段に前記遊技の結果が表示された場合、前記特定手段により設定されている前記特定報知が実行されることを特徴とする特徴nJ1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知を事前に設定しておき、結果が表示される際に当該事前設定された特定報知が行われる構成であることが明確化される。つまり、例えば、事前に設定してその設定した段階で特典が付与されることを報知するような予告報知とは全く異なる構成であることが明確化され、事前設定しておくことの意義をより明らかとすることが可能となる。
特徴nJ3.前記開始操作が行われた場合に前記所定の表示手段による絵柄の変動表示を開始させ、前記終了操作が行われた場合に前記所定の表示手段による絵柄の変動表示を終了させる変動手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能等)を備え、
前記変動手段により前記絵柄の変動表示が終了される場合に、前記遊技の結果が表示されることを特徴とする特徴nJ1又は特徴nJ2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者による終了操作が行われるまで絵柄の変動表示は終了されないため、所定の表示手段に遊技の結果が表示されるタイミングは遊技機側で管理することができず、ランダムなものといえる。つまり、基本的にはいつ所定の表示手段にて遊技の結果を表示するかが遊技機側で管理できず、終了操作が行われたタイミングで特定報知を行うとともに特典を付与する必要性が生じる。このような遊技機に、上記特徴nJ1の構成を適用することで、当該終了操作が行われたタイミングで、慌てて特定報知を設定する必要がないため、当該タイミングでの処理負荷の増大化を解消することが可能となる。
特徴nJ4.前記終了操作として、少なくとも第1終了操作(第2停止操作等)と、当該第1終了操作の後で実行される第2終了操作(第3停止操作等)とを含み、
前記第2終了操作が行われることで、前記遊技の結果が表示される構成であり、
前記特定手段は、少なくとも前記第2終了操作が行われるよりも前に前記特定報知の設定を行うことが可能とされていることを特徴とする特徴nJ3に記載の遊技機。
上記構成のように、第1終了操作の後で第2終了操作を行うことで遊技の結果が表示されて特典が付与されるとともに特定報知が行われる構成において、第2終了操作が行われるよりも前に特定報知の設定を行うようにしておけば、第2終了操作が行われた場合に特定報知を設定し且つ実行する構成と比較して処理負荷の増大化が解消することが可能となる。
特徴nJ5.前記第2終了操作が行われるよりも前に、当該第2終了操作が行われた場合の前記遊技の結果の内容が特定可能とされていることを特徴とする特徴nJ4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2終了操作が行われるよりも前に、遊技の結果の内容が特定可能であることから、上記特徴nJ4のように第2終了操作前に特定報知の設定を行っても、その内容に齟齬が生じることがなく、特徴nJ1の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴nJ6.前記特定手段は、前記第1終了操作に基づいて前記特定報知の設定を行うことが可能とされていることを特徴とする特徴nJ4又は特徴nJ5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2終了操作が行われるよりも前であって、第1終了操作が行われた時点で特定報知の設定が行われるため、その設定処理のタイミングが明確化され、時間管理で特定報知の設定を行うような構成と比較して、設定処理の抜けやエラーの発生を抑えることが可能となる。
特徴nJ7.前記第1終了操作が行われる前に、前記第2終了操作が行われた場合の前記遊技の結果の内容が特定不可であり、
前記第1終了操作が行われることで、前記第2終了操作が行われた場合の前記遊技の結果の内容が特定可能とされることを特徴とする特徴nJ6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1終了操作の前は特定報知の設定を行うと、その内容に齟齬が生じてしまうが、第1終了操作が行われてから特定報知の設定を行うと、齟齬が生じなくなる。つまり、第1終了操作が、遊技の結果の内容を特定可能となる分岐点となり、当該分岐点で特定報知を設定しておくことで、より迅速に、且つ確実に特定報知を設定することが可能となる。
特徴nJ8.遊技者に特典を付与することの抽選を実行する手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能等)を備え、
前記遊技の結果が特定結果(押し順ベル等)である場合、前記終了操作が第1操作態様にて行われた場合には前記所定の表示手段に第1表示(第1小役入賞~第6小役入賞の表示等)が行われて前記特定結果に対応する特定特典(13枚のメダル払出等)が付与され、前記終了操作が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて行われた場合には前記所定の表示手段に前記第1表示とは異なる第2表示が行われて前記特定特典が付与されない又は前記特定特典とは異なる特典が付与されることを特徴とする特徴nJ1乃至特徴nJ7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了操作の態様が第1操作態様である場合と第2操作態様である場合とで、遊技の結果としての表示が異なり、付与される特典も異なる構成であることが明確化される。このような構成において、事前に特典付与に対応する特定報知の設定を行うようにしておけば、遊技の結果を表示する際に操作態様がいずれであったかの判定を行いながらも特定報知の設定を行う必要がなくなり、処理負荷の局所的な増大化を回避することが可能となる。
特徴nJ9.前記特定手段は、前記遊技の結果が第1結果(第1小役入賞~第6小役入賞等)となる場合に、当該遊技の結果が表示されるより前に前記特定報知の設定を行い、
前記遊技の結果が前記第1結果とは異なる第2結果(第7小役入賞~第8小役入賞等)となる場合には、当該遊技の結果が表示されるよりも前に前記特定報知の設定を行わないようにすることが可能であることを特徴とする特徴nJ1乃至特徴nJ8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の結果が第1結果となる場合には特定報知の事前設定を行うものの、第2結果となる場合には当該事前設定を行わない。このように結果に応じて事前設定の可否を調節可能とすれば、特徴nI7のような操作態様によって結果が異なるような構成であっても、事前設定する特定報知と結果とに齟齬が生じてしまう不都合を生じにくくすることが可能となる。
特徴nJ10.遊技者に特典を付与することの抽選を実行する手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能等)を備え、
前記遊技の結果が特定結果(押し順ベル等)である場合、前記終了操作が第1操作態様にて行われた場合には前記所定の表示手段に第1表示(第1小役入賞~第6小役入賞の表示等)が行われて前記特定結果に対応する特定特典(13枚のメダル払出等)が付与され、前記終了操作が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて行われた場合には前記所定の表示手段に前記第1表示とは異なる第2表示が行われて前記特定特典が付与されない又は前記特定特典とは異なる特典が付与される構成であり、
所定の報知手段にて前記終了操作の操作態様についての態様報知を実行可能な手段(サブ制御装置180による押し順報知演出を行うための処理を実行する機能等)を備え、
通常状態と、前記態様報知が実行され易くなる特定状態(ATモード)とが設定されており、
前記特定手段は、前記特定状態において前記遊技の結果が前記特定結果である場合に、前記遊技の結果が表示される前に前記特定報知の設定を行うことが可能な構成であることを特徴とする特徴nJ1乃至特徴nJ9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了操作の操作態様によって表示される結果や付与される特典が異なる特定結果が設けられており、操作態様についての態様報知が実行され易くなる特定状態において、特定報知の事前設定が行われる構成となる。このようにすることで、態様報知を行うなど、比較的、報知の実行頻度やその報知のための処理負荷が増大化し得る特定状態において、特定報知の事前設定が行われる分、処理負荷の局所的な増大化を解消することが可能となる。
特徴nJ11.前記所定の終了操作が行われた場合、前記所定の表示手段に前記遊技の結果を表示させるよりも前に、当該表示させる遊技の結果を把握可能な先把握手段(主制御装置101による停止ON時操作に基づく停止図柄番号の把握処理を行う機能、サブ制御装置180による停止ON時コマンドに基づく停止図柄番号の把握処理を行う機能等)を備え、
前記先把握手段による把握結果に基づいて、前記特定報知を設定することが可能とされていることを特徴とする特徴nJ1乃至特徴nJ10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の終了操作に基づいて所定の表示手段に表示させる遊技の結果を、その表示前に把握し、その把握結果に基づいて特典が付与される場合の特定報知の事前設定が行われる。このようにすることで、所定の表示手段に表示される遊技の結果と、特定報知とに齟齬が生じにくくしながらも、特定報知の事前設定による優れた効果を期待することが可能となる。
特徴nJ12.前記所定の表示手段にて前記遊技の結果が表示される場合、前記特定報知とは異なる特別報知(残数表示の更新等)が実行されることを特徴とする特徴nJ1乃至特徴nJ11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、遊技の結果が表示されるタイミングで、特定報知だけでなく特別報知も実行される構成とすることで、当該遊技の結果が表示されるタイミングよりも前に、少なくとも特定報知の事前設定を行うことで、当該タイミングにて特別報知を行う上での処理に影響を及ぼしにくくなる。このように、当該タイミングで複数の報知が行われる場合の処理の集中を、特定報知の事前設定により解消することが可能となる。
なお、上記特徴nJ1乃至特徴nJ12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nJ1乃至特徴nJ12の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴nK群>
特徴nK1.遊技の進行用の処理を実行可能な第1制御手段(主制御装置101)と、
前記第1制御手段からの情報に基づいて所定の報知を実行可能となる第2制御手段(サブ制御装置180)と、
を備え、
前記遊技の進行用の処理として、第1処理(ストップスイッチ42~44の停止操作に基づいて各リール32L,32M,32Rを停止させる処理等)と、当該第1処理の後で実行される第2処理(入賞結果に基づくメダル払出処理等)とを含み、
前記第1制御手段は、
前記第1処理を実行した場合に、前記第2制御手段に対して第1情報(停止時コマンド)を出力する第1出力手段(主制御装置101による各停止時コマンドを出力するための処理を実行する機能等)と、
前記第2処理を実行した場合に、前記第2制御手段に対して第2情報(入賞時コマンド)を出力する第2出力手段(主制御装置101による入賞時コマンドを出力するための処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記第2制御手段は、
前記第1情報に基づいて、前記第1処理に対応する第1報知(各停止時演出)を行うための第1報知用手段(サブ制御装置180による停止時演出設定処理にて各停止時演出を行うための処理を実行する機能等)と、
前記第1情報に基づいて、前記第2処理に対応する第2報知(入賞時演出)を行うための第2報知用手段(サブ制御装置180による停止時演出設定処理にて入賞時演出を設定するための処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技進行用の処理を行う第1制御手段と、当該第1制御手段からの情報に対応する報知が行われるようにする第2制御手段といった複数の制御手段を有することにより、処理負荷の分散化が図られ、遊技進行や遊技演出を好適に実施することが可能となる。
そのうえで、本遊技機では、第1制御手段側で第1処理が行われると第1情報が出力され、第1処理の後で実行される処理として第2処理が行われると第2情報が出力される構成としたうえで、第2制御手段側で第1情報に基づいて第1処理に対応する第1報知を実行し、更に第1情報に基づいて第2処理に対応する第2報知を実行するようにすることが可能とされていることから、第2制御手段側で第2情報を受信した場合に、第2報知用の処理を新たに行う必要が生じず、当該第2情報受信時の処理負荷を圧倒的に軽減することが可能となる。つまり、第2情報を受信した場合の第2報知用の処理を、第1情報の受信時に前倒しで行うようにしていることから、第2情報の受信時に事前に行った処理の分だけ処理容量に空きが生じ、当該空きの容量を利用して、第2報知の充実化等を行うことが可能となる。このように、第1制御手段側からの情報に基づいて報知を行う第2制御手段側の報知用の処理の実行タイミングを調節することで、第2制御手段側の報知による遊技進行の好適化を図ることが可能となる。
なお、上記「第1報知用手段」や「第2報知用手段」は、「前記第1情報に基づいて、前記第1処理に対応する第1報知を行うための第1報知用処理(停止時演出設定処理)を実行可能な第1報知用手段」、「前記第1情報に基づいて、前記第2処理に対応する第2報知を行うための第2報知用処理(対応入賞フラグをセットする処理や、入賞時演出や払出処理の事前設定を行う処理)を実行可能な第2報知用手段」と表現することも可能である。
特徴nK2.前記第2制御手段は、前記第2情報を受信した場合に、前記第2報知用手段により設定された前記第2報知を実行することが可能な手段(サブ制御装置180による事前設定された入賞時演出を入賞時コマンドに基づいて実行する処理や、事前設定された払出演出を払出開始時コマンドに基づいて開始する処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴nK1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2情報は、第1情報に基づいて第2報知用手段によって事前に設定された第2報知の実行契機とされる。このようにすることで、第2情報受信時には、第2報知に関して、設定済みのものを開始するだけでよくなり、第2情報受信時の処理負荷を軽減することができる。また、第2制御手段側で事前設定した第2報知の実行タイミングを第2情報により判断することが可能となり、第2処理の実行前に第2報知が実行されてしまったり、第2処理から遅れて(別の遊技進行処理が行われる状況に進行してから)第2報知が実行されてしまったりする不都合を好適に回避することができるようになる。
特徴nK3.前記第2制御手段は、前記第1制御手段により前記第2処理が実行された場合であっても、前記第2情報を受信するまで前記第2報知用手段により設定された前記第2報知の実行を待機させることが可能であることを特徴とする特徴nK2に記載の遊技機。
上記構成のようにすることで、第2制御手段側は、第2情報待ちで第2報知を行うことがより明確化されるし、更に、第1制御手段側で第2処理が行われても第2報知が行われないことを通じて、第1制御手段と第2制御手段との接続関係に異常が生じている可能性を示唆することも可能となる。よって、このような異常への対処をより早期に行うことが可能となる。
特徴nK4.前記第2制御手段は、前記第1報知を実行した場合も、前記第2情報を受信するまで前記第2報知用手段により設定された前記第2報知の実行を待機させることが可能であることを特徴とする特徴nK3に記載の遊技機。
上記構成のようにすることで、第1情報に基づいて第1報知は実行されたものの、当該第1情報に基づいて事前に設定された第2報知が第2処理の実行時に行われないことを通じて、第1処理と第2処理との間で第1制御手段と第2制御手段との接続関係に異常が生じたことを特定することが可能となる。
特徴nK5.前記第1処理の結果が第1結果である場合、前記第2処理の内容が第1内容となり、
前記第1処理の結果が前記第1結果とは異なる第2結果である場合、前記第2処理の内容が前記第1内容とは異なる第2内容となる構成であり、
前記第1出力手段は、前記第1処理の結果が含まれるように前記第1情報を出力可能であることを特徴とする特徴nK1乃至特徴nK4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1処理の結果によって第2処理の内容が異なる構成において、第1処理の結果が第1情報に含まれていることから、第2制御手段側で第1情報に基づいて第2報知用の処理を行う場合に、その後の第2処理の内容と齟齬が生じてしまう事象を回避することが可能となる。
特徴nK6.前記第2制御手段は、前記第2情報を受信した場合に、前記第2処理に対応する第2報知(入賞時演出)を行うための特定第2報知用手段(サブ制御装置180による入賞時演出設定処理にて入賞時演出を設定するための処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴nK1乃至特徴nK5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2制御手段では、第1情報を受信した場合に第2処理に対応する第2報知を行うための事前処理を実行する場合と、第2情報を受信してから第2報知を行うための処理を実行する場合とがあるようになる。このようにすることで、全ての状況において、第1情報に基づいて第2処理の実行前に第2報知の設定処理等を行う必要がなくなり、第1情報に基づいて第2処理の内容が決定できない場面等であっても、好適に第2報知を行うことが可能となる。
なお、「特定第2報知用手段」は、「前記第2情報を受信した場合に、前記第2処理に対応する第2報知を行うための特定第2報知用処理(入賞時演出設定処理)を実行可能な特定第2報知用手段」と表現してもよい。
特徴nK7.前記第2制御手段は、
第1状況(押し順報知演出の実行ゲーム)では、前記第2報知用手段により前記第2報知を実行するようにし、
前記第1状況とは異なる第2状況(押し順報知演出の非実行ゲーム)では、前記特定第2報知用手段により前記第2報知を実行するようにすることが可能とされていることを特徴とする特徴nK6に記載の遊技機。
上記構成は、特徴nK6の作用効果をより明確化するための構成であり、このように状況に応じて第2報知を行うための手段を使い分ければ、第2報知の内容に齟齬が生じる事象を生じないようにすることができる。
特徴nK8.前記第1処理の結果が第1結果である場合、前記第2処理の内容が第1内容となり、
前記第1処理の結果が前記第1結果とは異なる第2結果である場合、前記第2処理の内容が前記第1内容とは異なる第2内容となる構成であり、
前記第1状況において、前記第1処理の内容が前記第1結果となるようにするための、又は前記第1結果となり易くするための特定処理(押し順報知演出を行うための処理)を実行することが可能な手段(サブ制御装置180による押し順報知演出を行うための処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴nK7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1処理の結果によって第2処理の内容が異なる構成において、第1情報に基づく第2報知の事前設定が行われる第1状況では、第1処理の結果が第1結果となるようにするための特定処理が行われる場合があるため、第2処理の内容は第1内容となり易くなり、その結果、事前設定を行う第2報知の内容が第2処理の内容と合致し易くなる。
特徴nK9.前記第1状況において、遊技者が第1操作を行うと前記第1処理の結果が前記第1結果となり、遊技者が前記第1操作とは異なる第2操作を行うと前記第1処理の結果が前記第2結果となる構成であり、
前記特定処理は、前記第1操作を行わせるための特定報知を実行するための処理を含むことを特徴とする特徴nK8に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1状況における遊技者の遊技操作によって、第1処理の結果が第1結果となったり第2結果となったりする構成において、第1処理の結果が第1結果となるような操作を遊技者に行わせるための特定報知が特定処理により実行されるようになる。これにより、遊技者の操作に基づき遊技を開始させ、遊技者の操作に基づき遊技を終了させる、といった遊技者自らの操作によって遊技を進行させるスロットマシン等の遊技性の醍醐味を抹殺しないようにしながら、遊技者が第1操作を行うように促して、第1処理の結果が第1結果となり易くなるようにすることが可能となる。
なお、上記特徴nK1乃至特徴nK9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nK1乃至特徴nK9の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴nL群>
特徴nL1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記表示部を介して視認可能な特定位置に当該所定の結果に対応する絵柄組み合わせが停止した後で、当該所定の結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合に前記特定位置に第1の絵柄組み合わせが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合に前記特定位置に前記第1の絵柄組み合わせとは異なる第2の絵柄組み合わせが停止可能となる特定結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記停止操作手段による操作態様についての態様報知を実行可能な態様報知手段(サブ制御装置180による押し順報知演出を実行する機能等)と、
前記態様報知手段による前記第1操作態様についての前記態様報知が実行されている特定状況(押し順報知演出が実行されている状況)において、前記特定位置に前記第1の絵柄組み合わせが停止する場合に、当該第1の絵柄組み合わせが停止することに対応する対応報知を実行可能な第1手段(サブ制御装置180による入賞時演出を行うための処理を実行する機能等)と、
前記特定状況において、前記特定位置に前記第1の絵柄組み合わせが停止しない場合に、前記対応報知を実行可能な第2手段(サブ制御装置180による接続異常解消ゲームにおいて入賞時演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1の絵柄組み合わせが停止可能となり、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2の絵柄組み合わせが停止可能となる特定結果が設定されており、更に、停止操作手段の操作態様についての態様報知が行われる場合があるため、態様報知の有無によって、遊技者の操作態様によって異なる結果の入賞を成立させるという遊技性を創出される。
そのうえで、上記構成では、特定結果当選時に第1操作態様についての態様報知が行われている特定状況において、第1の絵柄組み合わせが停止する場合に、当該第1の絵柄組み合わせが停止することに対応する対応報知が行われることを前提としながらも、当該特定状況において、第2の絵柄組み合わせが停止する場合にも、対応報知が行われる場合があるようにしている。つまり、例えば、第1操作態様についての態様報知が次ゲームに持ち越された場合等において、当該次のゲームが特定結果ではなく、当該態様報知に従って第1操作態様にて操作しても第1の絵柄組み合わせが停止しない場合であっても、その態様報知に従った操作を行ったことを尊重して対応報知を行うようにしている。このようにすることで、せっかく態様報知に従った操作を行ったのにも関わらず、第1の絵柄組み合わせも停止しないだけでなく、対応報知すら実行されないといった不条理を解消することができ、遊技者の遊技意欲の低下を回避することが可能となる。
特徴nL2.前記第1手段は、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合に前記対応報知を実行する構成であり、
前記第2手段は、前記停止操作手段が前記第1操作態様にて操作された場合に前記対応報知を実行する構成であることを特徴とする特徴nL1に記載の遊技機。
上記構成は、特徴nL1の作用効果をより明確に奏するための構成であり、このようにすることで、態様報知に従って第1操作態様にて操作したのにも関わらず第1の絵柄組み合わせが停止しなかった場合に、対応報知すら実行されない不条理を解消することが可能となる。
特徴nL3.前記第1手段は、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記対応報知を実行しない構成であり、
前記第2手段は、前記停止操作手段が前記第2操作態様にて操作された場合には前記対応報知を実行しない構成であることを特徴とする特徴nL1又は特徴nL2に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知に従わずに第2操作態様にて操作された場合には、第2の絵柄組み合わせが停止するはずであるため、このような場合には対応報知は実行されない。このようにすることで、対応報知が第1の絵柄組み合わせが停止することに対応する報知であるとともに、第1操作態様にて操作されたことに対応する報知である印象をより強めることができ、第1の絵柄組み合わせが停止しない場合であっても対応報知を行うことが、第1操作態様にて操作したことによるものであることを理解させ易くすることが可能となる。
特徴nL4.前記第2手段は、前記特定状況において実行されている前記態様報知に対応させて前記第1手段による前記対応報知が実行されていない場合に前記対応報知を実行可能であることを特徴とする特徴nL1乃至特徴nL3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、既に第1の絵柄組み合わせが停止して対応報知が実行されている場合には、別途、対応報知が行われないようになる。これにより、一の態様報知に対して一の対応報知が実行される、といった遊技者も理解し易い構成とすることが可能となる。
特徴nL5.前記第2手段は、前記特定位置に前記第2の絵柄組み合わせが停止する場合に前記対応報知を実行可能であることを特徴とする特徴nL1乃至特徴nL4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、本来ならば、第2操作態様にて操作すると停止するはずの第2の絵柄組み合わせが、第1操作態様に対応する態様報知が行われている状況で停止した場合には、第1の絵柄組み合わせが停止することに対応する対応報知が行われる。つまり、仮に、第2操作態様の態様報知を実行すべきであるのにも関わらず、エラー等によって第1操作態様の態様報知が行われている特定状況では、その態様報知の内容を尊重して、第1の絵柄組み合わせに対応する対応報知を行うようにすることで、演出上の矛盾を生じさせないようにすることができる。
特徴nL6.前記第2手段は、前記特定位置に前記第2の絵柄組み合わせとは異なる絵柄組み合わせが停止する場合に前記対応報知を実行可能であることを特徴とする特徴nL1乃至特徴nL5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1の絵柄組み合わせも第2の絵柄組み合わせも停止しない場合に、第1の絵柄組み合わせに対応する対応報知が実行され得る構成となる。このようにすることで、対応報知を、態様報知の示す内容に対応する報知である印象をより強めることができ、演出上の矛盾を生じさせないようにすることができるし、停止する絵柄組み合わせとの関係で報知内容を設定する必用も生じないため、処理構成の簡素化にも貢献することが可能となる。
特徴nL7.前記異なる絵柄組み合わせは、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とは異なる結果である場合に停止可能となるものであることを特徴とする特徴nL6に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選結果が特定結果とは異なる結果であるのにも関わらず、特定結果の場合の態様報知が実行されている特定状況であれば、当該態様報知の示す内容に沿って、対応報知まで実行する構成となる。つまり、既に停止結果と報知内容とに矛盾が生じ得るような状況であり、このような状況において、停止結果に関わらず、対応報知を実行するようにすることで、停止結果と報知内容との矛盾はあっても、少なくとも態様報知の示す内容と対応報知との矛盾は生じないようになり、遊技者に与える不信感を軽減することが可能となる。
特徴nL8.前記第2手段は、前記態様報知手段による前記態様報知が開始された遊技とは異なる遊技にて、前記対応報知を実行可能であることを特徴とする特徴nL1乃至特徴nL7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、何らかの事情によって、開始された態様報知が実行されたまま別の遊技が開始されてしまったような場合、当該態様報知の内容に対応させて対応報知が行われるようになる。よって、このような状況であれば、停止結果とは異なる内容の対応報知が実行されたとしても、少なくとも態様報知の内容とは矛盾がないのであるから、遊技者にその報知の内容を受け入れ易くすることが可能となる。
特徴nL9.前記第2手段は、前記態様報知手段による前記態様報知が開始された特定遊技とは異なる遊技にて、当該特定遊技にて開始された前記態様報知が実行されている場合に、当該異なる遊技にて前記対応報知を実行可能であることを特徴とする特徴nL8に記載の遊技機。
上記構成は、特徴nL8の具体的構成である。
特徴nL10.前記特定遊技にて操作された前記停止操作手段の操作態様の情報又は前記周回体の停止絵柄の情報に基づく報知を実行することができず、前記異なる遊技にて操作された前記停止操作手段の操作態様の情報又は前記周回体の停止絵柄の情報に基づく報知を実行することができる場合に、前記第2手段による前記対応報知が実行され得ることを特徴とする特徴nL9に記載の遊技機。
上記構成のように、態様報知を開始した特定遊技では操作態様や停止絵柄の情報に基づく報知を実行できない場合、対応報知を実行することができない場合があり、その後、異なる遊技にて操作態様や停止絵柄の情報に基づく報知が実行可能となった場合に、特定遊技にて開始された態様報知に対応する対応報知が実行されることが明確化される。
なお、上記特徴nL1乃至特徴nL10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nL1乃至特徴nL10の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴nM群>
特徴nM1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合に前記表示部を介して視認可能とされる特定位置に第1の絵柄組み合わせが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合に前記特定位置に前記第1の絵柄組み合わせとは異なる第2の絵柄組み合わせが停止可能となる特定結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記停止操作手段による操作態様についての態様報知を実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知を実行する機能等)と、
前記態様報知手段による前記第1操作態様についての前記態様報知が実行されている特定状況(押し順報知が実行されている状況)において、前記第1操作態様にて前記停止操作手段が操作された場合、前記態様報知の操作態様に対応する操作が行われたことに対応する対応報知(指示対応演出、入賞時演出)を実行可能な第1手段(サブ制御装置180による指示対応演出や入賞時演出を行うための処理を実行する機能等)と、
前記特定状況において、前記第1操作態様にて前記停止操作手段が操作された場合、前記第1手段による前記対応報知の実行を制限可能な第2手段(サブ制御装置180による指示対応演出を実行しないようにするための処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1の絵柄組み合わせが停止可能となり、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2の絵柄組み合わせが停止可能となる特定結果が設定されており、更に、停止操作手段の操作態様についての態様報知が行われる場合があるため、態様報知の有無によって、遊技者の操作態様によって異なる結果の入賞を成立させるという遊技性を創出される。
そのうえで、上記構成においては、第1操作態様に対応する態様報知が行われている特定状況で当該態様報知の示す操作態様に対応する第1操作態様による操作が遊技者により行われた場合には、対応報知が行われることを前提としながらも、態様報知の示す操作態様に対応する第1操作態様による操作が行われた場合であっても、態様報知が行われることが制限される場合があるようにしている。このようにすることで、例えば、本来であれば第2操作態様の態様報知を実行すべき状況であるのにも関わらず、第1操作態様の態様報知が実行されている場合等、第1の絵柄組み合わせが停止しないのにも関わらず、対応報知が行われることの不自然さを解消することが可能となる。
特徴nM2.前記対応報知は、前記態様報知が実行されている報知手段とは異なる報知手段にて実行されることを特徴とする特徴nM1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知と対応報知とは別々の報知手段にて実行されるものであることから、態様報知に従って操作したのにも関わらず対応報知が実行されないことの報知上の矛盾が生じても、遊技者はその矛盾に気付きにくくなる。このような構成においては、遊技の結果が報知される絵柄の組み合わせのほうが、遊技者の目をひき易いものと考えられ、そうすると、第1の絵柄組み合わせが停止しないことと、対応報知が実行されてしまうこととの矛盾のほうが優先して解消すべきと考えられ、特徴nM1のような構成とすることの効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴nM3.前記態様報知手段とは別途設けられ、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記停止操作手段による操作態様についての第2態様報知を実行可能な第2態様報知手段(サブ制御装置180による押し順報知演出を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴nM1又は特徴nM2に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知手段とは別途、第2態様報知手段が設けられているため、遊技者は複数の手段によって停止操作手段による操作態様を把握することが可能となり、特定結果時の遊技性を向上させることが可能となる。ただし、上記のように複数の手段により操作態様の報知が行われる構成においては、例えば異常等の発生によって、両手段の報知内容が異なってしまう場面も生じ得る。そこで、上記特徴nM1のように、態様報知手段の内容に対応する操作態様にて操作された場合であっても、対応報知が実行されないようにすることが可能な構成としておけば、両手段の報知内容の相違等によるエラーの発生時に好適に対処することが可能となる。
特徴nM4.前記第2手段は、前記態様報知手段による前記態様報知の示す操作態様と、前記第2態様報知手段による前記第2態様報知の示す操作態様とが、異なる場合に前記第1手段による前記対応報知の実行を制限可能であることを特徴とする特徴nM3に記載の遊技機。
上記構成は、特徴nM3の作用効果をより明確に奏するための具体的構成である。
特徴nM5.前記第2手段は、前記第2態様報知手段による前記第2態様報知の示す操作態様とは異なる操作態様で前記停止操作手段が操作された場合に、前記第1手段による前記対応報知の実行を制限可能であることを特徴とする特徴nM4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2態様報知の示す操作態様とは異なる操作態様で操作すると対応報知が実行されないようになる。つまり、第1態様報知と第2態様報知との示す操作態様が同じものであることが前提ではあるものの、対応報知自体は第1態様報知よりも第2態様報知に対応するものとなる。よって、第1態様報知の示す操作態様にて操作したのにも関わらず対応報知が行われないことの矛盾を解消することが可能となる。
特徴nM6.前記第1手段は、前記第2態様報知手段による前記第2態様報知の示す操作態様にて前記停止操作手段が操作された場合に、前記対応報知を実行可能であることを特徴とする特徴nM5に記載の遊技機。
上記構成は、特徴nM5の作用効果をより明確に奏するための補足的な構成であり、このような構成であれば、対応報知が第2態様報知側に対応させているものであることがより明確に理解可能となる。
特徴nM7.前記態様報知は、前記第2態様報知が行われる報知手段にて実行されるものであることを特徴とする特徴nM3乃至特徴nM6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴nM5や特徴nM6のように対応報知が第2態様報知に対応しているものである印象をより強めることが可能となるし、第1態様報知の内容と対応報知とが合致しなくても違和感を与えにくくすることが可能となる。
特徴nM8.前記第2手段により前記対応報知の実行が制限された場合であっても、前記第1操作態様による前記停止操作手段の操作に基づき、前記第1の絵柄組み合わせが停止可能となることを特徴とする特徴nM1乃至特徴nM7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、対応報知は実行されないものの、第1の絵柄組み合わせは停止することが明確化される。このような構成であれば、遊技者が第1操作態様にて操作したのにも関わらず、第1の絵柄組み合わせを停止させることができない、といった不利益を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴nM9.前記停止操作手段が操作された場合に、当該操作に基づき停止させる絵柄又は停止した絵柄を把握可能な把握手段(主制御装置101による停止図柄番号を把握する処理や入賞結果を把握する処理を実行する機能等)を備え、
前記第2手段は、前記把握手段による把握結果に基づいて前記対応報知の実行を制限可能であることを特徴とする特徴nM1乃至特徴nM8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、停止操作手段の操作態様だけでなく、実際に停止する絵柄を把握して対応報知の実行の可否を決定するようにすれば、報知内容の矛盾だけでなく停止結果との矛盾も解消することが可能となる。
なお、上記特徴nM1乃至特徴nM9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nM1乃至特徴nM9の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴nN群>
特徴nN1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
各前記周回体の周回を開始するための開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
各前記周回体の周回を停止するための停止操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させる開始駆動制御を実行し、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体の周回を停止させる停止駆動制御を実行する駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に、前記所定の結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101によるメダル払出処理や再遊技設定用処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1操作態様にて操作された場合に前記表示部を介して視認可能となる特定位置に第1の絵柄組み合わせが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第1操作態様とは異なる第2操作態様にて操作された場合に前記特定位置に前記第1の絵柄組み合わせとは異なる第2の絵柄組み合わせが停止可能となる特定結果(押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記停止操作手段による操作態様についての態様報知を実行可能な態様報知手段(サブ制御装置180による押し順報知演出を実行する機能等)と、
前記態様報知手段による前記態様報知が所定遊技(接続異常の発生ゲーム)にて実行され、前記態様報知が当該所定遊技よりも後の特定遊技(接続異常の解消ゲーム)にて実行されている特定状況(接続異常の解消ゲームにて発生ゲームの押し順報知演出が実行されている状況)において、当該態様報知に対応する対応報知(指示対応演出、指示非対応演出、入賞時演出)を実行可能な対応報知手段(サブ制御装置180による指示対応演出、指示非対応演出や入賞時演出を行うための処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する特典が付与される所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段を第1操作態様にて操作した場合には第1の絵柄組み合わせが停止可能となり、停止操作手段を第2操作態様にて操作した場合には第2の絵柄組み合わせが停止可能となる特定結果が設定されており、更に、停止操作手段の操作態様についての態様報知が行われる場合があるため、態様報知の有無によって、遊技者の操作態様によって異なる結果の入賞を成立させるという遊技性を創出される。
そのうえで、上記構成においては、態様報知が所定遊技にて開始され、その態様報知が所定遊技よりも後の特定遊技でも実行されている特定状況で当該態様報知に対応する対応報知が行われる場合があるようにしている。このように、態様報知が開始された後、異常等で当該態様報知が継続されているような状況で、その態様報知をなかったことにせず、その後に、態様報知に対応する対応報知を行うようにすることで、態様報知が複数の遊技に亘って継続してしまうような異常が発生したとはいえ、突然、態様報知が終了してしまわないようにして、違和感なく対応報知によって完了させることが可能となる。
特徴nN2.前記対応報知手段は、予め定められた特定条件(接続異常の解消時の遊技進行状態が、接続異常発生ゲームの状態と同期していること、押し順報知演出に対応する操作順序で操作されたこと)が成立している場合に、前記特定遊技にて前記対応報知を実行可能とされ、前記特定条件が成立していない場合には、前記特定遊技にて前記対応報知を実行不可とされていることを特徴とする特徴nN1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知が何らかの異常によって継続してしまっている場合に、無条件に対応報知を行うのではなく、特定条件の成否によって対応報知を実行するようにしていることから、例えば、態様報知に対応する操作が行われていないかったり、異常が解消していないのにも関わらず、対応報知が行われる不自然な演出としないようにすることができる。
特徴nN3.前記特定条件は、前記特定遊技における前記停止操作手段の操作態様以外の条件を含むことを特徴とする特徴nN2に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定遊技にて開始された態様報知が実行されている特定遊技において停止操作手段をどのように操作しても、対応報知が行われない場合があるようになる。このようにしておけば、例えば、特定遊技において未だ異常が解消していなかったり、その解消時の条件が満たされていなかったりする場合に、無理に対応報知を実行しなくてもよく、処理負荷の増大化を解消しながら、実行されている態様報知を違和感なく完了させることが可能となる。
特徴nN4.前記特定条件は、前記所定遊技において特定事象が生じている状態となり、前記特定遊技において前記特定事象が生じていない状態となったことを含むことを特徴とする特徴nN2又は特徴nN3に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常等の特定事象が所定遊技において発生し、その特定事象が特定遊技において解消したことが特定条件に含まれるため、そもそも態様報知が特定遊技まで実行されていること自体が特定事象に起因するものであることも明確化されるし、その特定事象が解消されていないのに、態様報知に対応する対応報知を実行してしまう不自然な構成とせず、特定事象が解消されてから対応報知を実行する、という自然な構成とすることができるようになる。よって、遊技者に違和感を与えないようにしながら、態様報知を完了させることが可能となる。
特徴nN5.前記特定条件は、前記所定遊技において前記特定事象が生じている状態となった状況と、前記特定遊技において前記特定事象が生じていない状態となった状況とが対応していることを含むことを特徴とする特徴nN4に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に特定事象が解消すればよいだけでなく、特定事象の発生時と解消時の状況が対応している場合に、対応報知が実行されるようになる。このようにすることで、例えば、所定遊技において対応報知を途中まで実行しているような状況で、特定遊技にて、再度、対応報知を最初から実行するような構成としないようにすることができ、所定遊技にて開始された態様報知を特定遊技での対応報知によって順序通りに完了させること等が可能となる。
特徴nN6.少なくとも前記抽選手段及び前記駆動制御手段を有する第1制御手段(主制御装置101)と、少なくとも前記態様報知手段及び対応報知手段を有する第2制御手段(サブ制御装置180)と、を有し、
前記第2制御手段は、前記第1制御手段からの情報に基づいて報知を実行するものであり、
前記特定事象は、前記第1制御手段からの情報を前記第2制御手段にて受け付けることができない又は正規に受け付けることが困難となる事象であることを特徴とする特徴nN4又は特徴nN5に記載の遊技機。
上記構成のように、態様報知を開始した所定遊技において、遊技の抽選や停止操作手段の操作に基づく周回体の駆動制御を行う第1制御手段と、態様報知や対応報知を行う第2制御手段との情報のやり取りができなくなった場合、第2制御手段においては第1制御手段からの指示に基づく態様報知の更新(対応報知の実行)を行えなくなる。そこで、上記構成のように、特定遊技においてそのやり取りができるようになってから、態様報知の更新を行うようにすることで、開始済みの態様報知を対応報知にて完了させることが可能となる。
特徴nN7.前記特定条件が成立していなくても、前記特定遊技において特定報知(残数表示の更新)の実行が可能とされていることを特徴とする特徴nN2乃至特徴nN6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技において対応報知は実行されなくても特定報知は実行されるようになる。このようにすることで、例えば特徴nN4のような構成において、特定遊技において特定事象が生じていない状態となったことを遊技者や遊技ホールの管理者等が把握することが可能となる。
特徴nN8.前記対応報知手段は、前記特定遊技における前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とは異なる結果であっても、前記対応報知を実行可能であることを特徴とする特徴nN1乃至特徴nN7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定遊技で開始された態様報知を特定遊技にて対応報知にて完了させるにあたって、特定遊技の抽選結果は問わない構成となる。このようにすることで、特定遊技の抽選結果が特定結果ではないことを理由として態様報知を完了させることができない不都合を生じさせないようにすることができる。
特徴nN9.前記停止操作手段が操作された場合に、当該操作に基づき停止させる絵柄又は停止した絵柄を把握可能な把握手段(主制御装置101による停止図柄番号を把握する処理や入賞結果を把握する処理を実行する機能等)を備え、
前記対応報知手段は、前記把握手段による把握結果に基づいて前記対応報知の実行を実行可能であることを特徴とする特徴nN1乃至特徴nN8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、停止操作手段の操作に基づいて実際に停止する絵柄を把握して対応報知を実行するようにすれば、態様報知を対応報知によって完了させる場合に停止する絵柄と報知内容との矛盾についても解消することが可能となる。
特徴nN10.前記対応報知手段は、前記所定遊技に開始した前記態様報知が終了した後、前記所定遊技にて開始した前記態様報知に対応する前記態様報知を前記特定遊技にて実行する場合、前記所定遊技にて開始した前記態様報知に対応する対応報知を前記特定遊技にて実行可能であることを特徴とする特徴nN9に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定遊技と特定遊技との間で、態様報知が一旦終了した場合であっても、特定遊技において同じ内容の態様報知が行われる場合には、所定遊技にて開始した態様報知に対応する対応報知を特定遊技にて実行可能となり、このようにすることで、未完了の態様報知を対応報知によって改めて完了させることが可能となる。
なお、上記特徴nN1乃至特徴nN10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nN1乃至特徴nN10の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴nO群>
特徴nO1.遊技の進行用の処理を実行可能な第1制御手段(主制御装置101)と、
前記第1制御手段からの情報に基づいて所定の報知を実行可能となる第2制御手段(サブ制御装置180)と、
を備え、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段からの情報(例えばベット時コマンドのベット数や、入賞時コマンドの払出枚数の情報等)と、前記第2制御手段にて記憶している情報(獲得枚数カウンタ等)とを使用した第1報知を実行可能な第1手段(サブ制御装置180による獲得数や消化数の表示を行うための処理を実行する機能等)と、
前記第1制御手段からの情報(CZゲーム数コマンドやAT枚数コマンド等)を使用した第2報知を実行可能な第2手段(サブ制御装置180による残数の表示を行うための処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技進行用の処理を行う第1制御手段と、当該第1制御手段からの情報に対応する報知が行われるようにする第2制御手段といった複数の制御手段を有することにより、処理負荷の分散化が図られ、遊技進行や遊技演出を好適に実施することが可能となる。
そのうえで、本遊技機では、第1制御手段から受信する情報と第2制御手段にて記憶している情報とを使用した第1報知を行う場合と、第1制御手段から受信する情報だけを使用した第2報知を行う場合とがあるため、第1報知を行ううえでの第1制御手段側の負担を第2制御手段側で担うことになり、上記の処理負荷の分散化に貢献することができるし、更に、仮に、第2制御手段側で記憶している情報が何らかの事情によって異常が生じた場合であっても、第1制御手段側からの情報のみで第2報知を行うことも可能であることから、より遊技進行の内容に沿った正確な報知を行うことが可能となる。よって、遊技を好適に進行させることが可能となる。
特徴nO2.前記第2制御手段にて記憶している情報を、前記第1制御手段からの情報に基づいて更新することが可能な手段(サブ制御装置180による獲得数や消化数の更新を行う処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴nO1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知に使用される第2制御手段にて記憶している情報は、第1制御手段からの情報に基づいて更新されるものであることから、仮に、第1制御手段からの情報を受信できない期間があった場合には、その間の情報は反映されていない情報となる。そうすると、当該受信できない期間の分だけ、第1報知の内容は実際の遊技の進行とは異なる内容となり得る。その点、第1制御手段側からの情報だけで第2報知も行われるようにしていることから、このような受信できない期間が生じても、遊技進行の内容に沿った報知を行うことが可能となる。
特徴nO3.前記第1手段は、前記第1制御手段から受信する情報から把握される数値情報と、前記第2制御手段にて記憶している数値情報と、を使用して所定の演算処理を実行し、その演算処理の結果に対応する報知を前記第1報知として実行可能とされており、
前記第2手段は、前記第2制御手段にて記憶している数値情報との所定の演算処理を行うことなく、前記第1制御手段から受信する情報から把握される数値情報に対応する報知を前記第2報知として実行可能とされていることを特徴とする特徴nO1又は特徴nO2に記載の遊技機。
上記構成は、特徴nO1をより具体的な表現にて限定するものであり、このような表現であれば、第2報知が、第2制御手段にて記憶している情報(数値情報)を使用しないことがより明確化され、情報のやり取りを行うことができない期間があっても、第1制御手段側の遊技進行の内容に沿ったものであることが明らかとなる。
特徴nO4.遊技状態として、所定の移行条件が成立した場合に移行し、所定の終了条件が成立した場合に終了する特定状態(ATモード等)が設定されており、
前記第1報知及び前記第2報知は、前記特定状態の進行状況についての報知を行うものであることを特徴とする特徴nO1乃至特徴nO3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、特定状態の進行状況を第1報知や第2報知によって把握することができるようになり、第1制御手段と第2制御手段との情報のやり取りができない期間が生じても、そのやり取りができるようになってからは、少なくとも第2報知によってその進行状況を把握することが可能となる。よって、情報のやり取りができない期間が生じることに起因して特定状態の進行状況が把握できなくなってしまうこと、言い換えると、特定状態の進行状態を誤って把握してしまうこと、を好適に回避させることが可能となる。
特徴nO5.前記第2報知は、前記所定の終了条件に関する報知であることを特徴とする特徴nO4に記載の遊技機。
上記構成によれば、情報のやり取りができない期間が生じた場合であっても、少なくとも第2報知によって、遊技者は所定の終了条件を正確に把握することが可能となる。よって、誤って報知されている内容を鵜呑みにして、意図しないタイミングで特定状態が終了してしまうような事象を生じさせないようにすることができる。
特徴nO6.前記特定状態は、前記第2報知の示す情報が前記所定の終了条件の成立に対応する情報となった場合に終了することを特徴とする特徴nO5に記載の遊技機。
上記構成は、特徴nO5の具体的構成である。
特徴nO7.前記第1制御手段は、
前記所定の移行条件が成立した場合に前記特定状態に移行させる手段(主制御装置101によるATモードへ移行させる処理を実行する機能等)と、
所定情報(AT枚数カウンタ)が特定情報(0)に対応する情報となる場合に、前記所定の終了条件が成立するとして前記特定状態を終了させる手段(主制御装置101によるいATモードを終了させる処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記第2手段は、前記第1制御手段からの前記所定情報に基づいて又は前記所定情報に対応する情報に基づいて、前記第2報知を実行可能であることを特徴とする特徴nO6に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の終了条件を示す第2報知用の情報は、第1制御手段側で特定状態を終了させるために管理している所定情報となる。このようにすることで、第2報知を行うにあたって、第1制御手段側で新たに情報の管理を行う必要がなく、両制御手段によって処理負荷の分散化を図る意図に反しないようにしながら、第1制御手段側で管理する遊技進行の内容に沿った報知を行うことが可能となる。
特徴nO8.前記第1報知は、前記特定状態の実行数又は前記特定状態において遊技者が獲得した利益に関する報知であることを特徴とする特徴nO4乃至特徴nO7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態の実行数や獲得した利益については、その報知の内容に多少誤差があっても、実際に実行した数や実際に獲得した利益であるから、遊技者に不利益を与えることにはならない。むしろ、このような利益に直接関与しない報知こそ、第1制御手段とは別管理で第2制御手段にて実行すべきものであり、このようにすることで、両制御手段によって処理負荷の分散化を図ることが可能となる。
特徴nO9.予め定められた特定状況(接続異常中や、コマンド異常フラグがセットされている状況)において、前記第1報知の実行を制限し、前記第2報知の実行を許容することが可能な手段(サブ制御装置180によるコマンド異常フラグがセットされている状況で獲得数表示や消化数表示の更新は制限するものの、残数表示の更新は許容する機能等)を備えていることを特徴とする特徴nO1乃至特徴nO8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況では第1報知は制限され、第2報知だけ許容されるようになる。このようにすれば、例えば、第2制御手段側で第1制御手段からの情報を受信できない期間があった場合において、無理に第2制御手段側の情報も使用した第1報知を実行することの処理負荷の増大化等を回避しながら、第1制御手段側の遊技進行の正確な内容を第2報知によって遊技者に把握させることが可能となる。
特徴nO10.前記第1報知として、前記第2報知の実行タイミングと同じ又は同様のタイミングで実行される特定第1報知(残数更新第2処理による残数の更新演出等)と、前記第2報知の実行タイミングと異なるタイミングで実行される所定第1報知(残数更新第1処理による残数の更新演出、消化数の更新演出等)と、が設定されており、
前記特定状況において前記特定第1報知の実行を許容し、前記所定第1報知の実行が制限されることを特徴とする特徴nO9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況であっても第2報知は実行される構成において、当該第2報知と同じタイミングで実行される特定第1報知はその実行が許容される。このようにすることで、誤った情報である可能性がある第1報知であっても、第2報知が実行されるのにも関わらず、第1報知が実行されない、という違和感を解消することが可能となる。
なお、上記特徴nO1乃至特徴nO10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nO1乃至特徴nO10の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴nP群>
特徴nP1.遊技の進行用の処理を実行可能な第1制御手段(主制御装置101)と、
前記第1制御手段からの情報に基づいて所定の報知を実行可能となる第2制御手段(サブ制御装置180)と、
を備え、
予め定められた特定事象が生じている特定状況(接続異常や同期異常が生じている状況)において、前記第1制御手段による遊技の進行に応じた第1報知が実行されないようにする第1手段(サブ制御装置180によるコマンド異常フラグがセットされている場合に各種演出を行わないようにする処理を実行する機能等)と、
前記特定状況において、前記第1制御手段による遊技の進行に応じた第2報知が実行されるようにする第2手段(サブ制御装置180による残数表示更新処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技進行用の処理を行う第1制御手段と、当該第1制御手段からの情報に対応する報知が行われるようにする第2制御手段といった複数の制御手段を有することにより、処理負荷の分散化が図られ、遊技進行や遊技演出を好適に実施することが可能となる。
そのうえで、本遊技機では、エラー等の特定事象が生じている特定状況では、遊技の進行に応じた第1報知が実行されないようにしながらも、遊技の進行に応じた第2報知は実行されるようにしている。つまり、特定状況において、遊技の進行に応じて実行される報知の取捨選択が行われる構成としている。このように、特定状況においては遊技が進行しても実行する報知を限定的なものとすることで、特定状況における報知内容を適正なものとしたり、エラー等の特定事象への対処等を行い易くしたりすることが可能となる。
特徴nP2.前記特定事象が生じていない状況において、前記第1制御手段による遊技の進行に応じた第1報知が実行されるようにする第3手段(サブ制御装置180によるコマンド異常フラグがセットされていない場合に各種演出を行うようにする処理を実行する機能等)と、
前記特定事象が生じていない状況において、前記第1制御手段による遊技の進行に応じた第2報知が実行されるようにする第3手段(サブ制御装置180による残数表示更新処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする特徴nP1に記載の遊技機。
上記構成によれば、報知内容の取捨選択が特定状況において実行されるものであって、特定事象が生じていない状況では、報知内容の取捨選択が行われないことが明確化される。つまり、本来であれば第1報知も第2報知も実行されるものが、特定事象が生じている特定状況において、やむを得ず報知内容の取捨選択を行う構成となり、上記特徴nP1の作用効果をより好適に奏することが可能となる。
なお、「第3手段」は「第2手段」が「特定事象が生じていない状況」でも「第2報知」を実行可能であることを明らかとするための構成であり、「第2報知」を「第2手段」と「第3手段」とで別々の手段によって実行することを意図するものではない。そのため、上記「第3手段」については、「前記第2手段は、前記特定事象が生じていない状況において、前記第2報知が実行されるようにすることが可能とされている」等と表現してもよい。
特徴nP3.前記第2制御手段は、前記第1手段及び前記第2手段を有し、
前記第1手段は、前記第1制御手段から遊技の進行に応じた情報を受信した場合に前記第1報知が実行されないようにする構成であり、
前記第2手段は、前記第1制御手段から遊技の進行に応じた情報を受信した場合に前記第2報知が実行されるようにする構成であることを特徴とする特徴nP1又は特徴nP2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1制御手段からの情報に基づいて第2制御手段にて報知を行う構成において、特定状況では、第1制御手段からの情報を受信しても第1報知が実行されないようになり、且つ、第1制御手段からの情報を受信して第2報知が実行されるようになる。このように、第1報知及び第2報知のいずれについても、第1制御手段からの情報を受信していることを前提とし、一方は実行せず、他方は実行するような構成とすることで、特定状況における報知の取捨選択を第2制御手段側で行う構成となり、その取捨選択に第1制御手段は関与しない構成とすることができる。このようにすることで、遊技進行を担う第1制御手段の処理負荷を増大化させることなく、特定状況における報知内容の適切化や第2制御手段側の処理負荷の低減を行うことが可能となる。
特徴nP4.前記第1手段は、前記第1制御手段から遊技の進行に応じた特定情報(入賞時コマンド)を受信した場合に前記第1報知が実行されないようにする構成であり、
前記第2手段は、前記第1制御手段から前記特定情報を受信した場合に前記第2報知が実行されるようにする構成であることを特徴とする特徴nP3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴nP3の構成において、第1報知と第2報知との実行契機(不実行契機)となる情報は同じ特定情報となる。つまり、特定情報を受信した場合に、第1報知は実行されないようにし、第2報知は実行されるようになる。このようにすることで、同じ特定情報を受信するタイミングにおいて報知の内容を制限する構成となり、当該タイミングにおける報知内容の適切化や処理負荷を低減することが可能となる。
特徴nP5.前記第1手段は、前記第1制御手段から遊技の進行に応じた所定情報(開始操作時コマンド)を受信した場合に前記第1報知が実行されないようにする構成であり、
前記第2手段は、前記第1制御手段から前記所定情報とは異なる情報を受信した場合に前記第2報知が実行されるようにする構成であることを特徴とする特徴nP3又は特徴nP4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴nP3や特徴nP4の構成において、第1報知と第2報知との実行契機(不実行契機)となる情報は異なる情報ともなる。つまり、所定情報を受信した場合に、第1報知は実行されないようにし、所定情報とは異なる情報を受信した場合に第2報知は実行されるようになる。このようにすることで、異なる情報を受信する別々のタイミングにおいて報知の内容を制限する構成となり、それぞれのタイミングに応じて、報知内容の適切化や処理負荷を低減することが可能となる。
なお、上記構成を特徴nP4に適用する場合、「所定情報」を「特定情報」としてもよく、「所定情報とは異なる情報」を「特定情報」としてもよい。
特徴nP6.前記第1制御手段は、一の遊技における遊技進行用の処理のうち第1処理を実行した場合に前記所定情報を出力し、前記一の遊技における遊技進行用の処理のうち前記第1処理とは異なる第2処理を実行した場合に前記所定情報とは異なる情報を出力する構成であることを特徴とする特徴nP5に記載の遊技機。
上記構成によれば、報知の取捨選択が行われる状況が一の遊技内の別々のタイミングであることが明らかとされる。つまり、特定状況化の一の遊技内の別々のタイミングにおいて、必要に応じて報知を実行したり実行しないようにしたりする構成となり、比較的短い期間内で報知の実行の有無を異ならせるようにすることが可能となる。よって、特定状況下の報知内容の適切化や処理負荷の低減をより好適に実現することが可能となる。
特徴nP7.前記第1制御手段は、前記特定状況において遊技の進行が可能とされていることを特徴とする特徴nP1乃至特徴nP6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況であっても、遊技の進行が可能であることが明らかとされる。つまり、特定状況となっても遊技の進行が可能であって、当該状況において第1報知は実行されないようになるけど、第2報知は実行される構成となる。このようにすることで、遊技の進行に伴い、報知内容に矛盾が生じないように適切化を図ったりすることが可能となる。
特徴nP8.前記特定事象は、前記第2制御手段にて把握している前記第1制御手段の遊技進行の状況が、前記第1制御手段の遊技進行の状況とは異なる状況となる事象であることを特徴とする特徴nP1乃至特徴nP7のいずれか1に記載の遊技機。
第2制御手段側で把握している遊技進行の状況が、実際の第1制御手段側の遊技進行の状況とは異なる状況となった場合、第1制御手段側からの情報に基づいて報知を行うと、報知内容に矛盾等が生じる可能性が高い。ただし、遊技進行に応じて報知を実行しなければ、遊技者に不利益を与え得るものある。そこで、上記構成のように、このような状況であっても、報知を行わないものと報知を行うものとを設定することで、報知内容の矛盾を最低限のものとしながら、遊技者に不利益を与えないようにすることが可能となる。
なお、上記特徴nP1乃至特徴nP8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nP1乃至特徴nP8の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴nQ群>
特徴nQ1.所定の開始操作に基づき遊技を開始させ、所定の終了操作に基づき遊技を終了させ、当該遊技の結果に応じて特典を付与可能な遊技機において、
遊技状態として、遊技者にとって有利な特定状態が設定されており、
前記特定状態における残数の残数報知を実行可能な第1手段(サブ制御装置180による残数表示更新処理を実行する機能等)と、
前記特定状態における実行数の実行数報知を実行可能な第2手段(サブ制御装置180による消化数更新処理を実行する機能等)と、
特定事象が生じた場合に、前記残数報知の更新は許容することが可能であり、前記実行数報知の更新を制限することが可能な第3手段(サブ制御装置180によるコマンド異常フラグがセットされている状況下で消化数更新処理は実行しないもの残数表示更新処理は実行するようにする機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作が行われた場合に遊技が開始され、終了操作が行われた場合に遊技が終了し、その遊技の結果に応じて特典が付与され得るいわゆるスロットマシン等の遊技機において、遊技者にとって有利な特定状態にて特定事象が生じた場合、その特定状態の実行数の報知の更新は制限されるものの、残数の報知の更新は実行されるようになる。このようにすることで、特定状態中に残数の報知が更新されなくなることを通じて、特定状態がいつ終了してしまうかを遊技者が把握できなくなる不都合を生じさせないようにすることができ、そのうえで、実行数の報知の更新を制限することで、特定事象を契機として実行数の報知に誤差が生じた場合等、その誤差があるまま更新されることによる不自然な印象を遊技者に与えないようにすることが可能となる。
特徴nQ2.前記特定事象は、前記特定状態における残数と前記第1手段による前記残数報知の内容、及び前記特定状態における実行数と前記第2手段による前記実行数報知の内容、の少なくともいずれか一方が異なる内容となり得る事象であることを特徴とする特徴nQ1に記載の遊技機。
上記構成によれば、実際の残数と残数報知の内容と、実際の実行数と実行数報知の内容と、のいずれか一方が異なる事象が生じた場合、残数報知の更新は行われるものの、実行数報知の更新は行われないようになる。このようにすることで、残数報知が更新されないことによる遊技者に与え得る不利益を解消しながら、実際の内容とは異なる場合にまで実行数報知が更新される不自然さを解消することができる。
特徴nQ3.前記特定事象は、前記特定状態における残数と前記第1手段による前記残数報知の内容、及び前記特定状態における実行数と前記第2手段による前記実行数報知の内容、のいずれもが同じ内容である事象も含むことを特徴とする特徴nQ2に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれかの報知が実際の内容と異なることが必要なわけではなく、いずれかの報知が実際の内容と異なることとなる可能性があることで足りることが明確化される。このような構成であれば、その可能性がある事象が生じた場合に、特徴nQ1のように報知の更新を制限したり許容したりすればよく、実際に異なる内容となっていることの判定等を行う必要がなくなる。よって、処理構成の複雑化を生じさせることなく特徴nQ1の優れた効果を期待することが可能となる。
特徴nQ4.前記特定事象が生じた後、前記特定事象が生じない状況となった場合、前記第2手段は、前記実行数報知の更新が許容されることを特徴とする特徴nQ1乃至特徴nQ3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が解消されたのにも関わらず、いつまでも実行数報知の更新が行われない、という報知上の矛盾を生じさせないようにすることができる。
特徴nQ5.前記特定事象が生じた後、前記特定事象が生じない状況となった場合、前記実行数報知の更新が行われなかった数を含めずに前記特定事象が生じない状況となった後の前記実行数報知の更新が行われることを特徴とする特徴nQ4に記載の遊技機。
上記構成によれば、実行数報知の更新は再開されるものの、実行数報知の更新が行われなかった数を含めずに、再開後の実行数報知の更新が行われることになる。つまり、再開後の実行数報知は、実際の実行数とは異なる実行数を示すものとなり得る。このような構成であっても、実行数報知は、既に特定遊技において実行した遊技数を示すものであることから、実行数報知に誤差があっても遊技者に与える不利益は小さいものと考えられるし、むしろ、更新が行われなかった数を後追いで更新に反映させたりする構成のほうが、処理構成の複雑化を招きかねず、かかる複雑化を通じてエラー等が発生してしまう可能性があり、遊技者に与える不利益は大きくなり得る。そこで、上記構成のようにすることで、報知上の矛盾と、遊技者に与え得る不利益とのバランスを担保した報知とすることが可能となる。
特徴nQ6.前記特定事象が生じた場合、前記第1手段による前記残数報知は前記特定状態における正しい残数に更新可能又は正しい残数に更新し易い構成であり、前記第2手段による前記実行数報知は前記特定状態における正しい実行数に更新不可又は正しい実行数に更新しにくい構成であることを特徴とする特徴nQ1乃至特徴nQ5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が生じると、残数報知は正しい残数に更新可能であるものの、実行数報知は正しい実行数に更新不可となる。
なお、「正しい残数」や「正しい実行数」は、例えば、「実際の残数」や「実際の実行数」、「前記特定状態の終了条件が成立するまでの残数」や「前記特定状態において実行された実行数」等と表現してもよい。
なお、上記特徴nQ1乃至特徴nQ6に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技進行の好適化を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴nQ1乃至特徴nQ6の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA16、特徴nB1乃至特徴nB12、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD8、特徴nE1乃至特徴nE7、特徴nF1乃至特徴nF11、特徴nG1乃至特徴nG12、特徴nH1乃至特徴nH10、特徴nI1乃至特徴nI12、特徴nJ1乃至特徴nJ12、特徴nK1乃至特徴nK9、特徴nL1乃至特徴nL10、特徴nM1乃至特徴nM9、特徴nN1乃至特徴nN10、特徴nO1乃至特徴nO10、特徴nP1乃至特徴nP8、特徴nQ1乃至特徴nQ6のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以上詳述した特徴nA群乃至特徴nQ群の各構成に対して、他の特徴a群乃至特徴n群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
また、以上詳述した特徴aA群乃至aE群、特徴bA群乃至特徴bJ群、特徴cA群乃至特徴cH群、特徴dA群乃至特徴dN群、特徴eA群乃至特徴eE群、特徴fA群乃至特徴fE群、特徴gA群乃至特徴gF群、及び特徴hA群乃至特徴hE群の各構成に対して、他の特徴aA群乃至aE群、特徴bA群乃至特徴bJ群、特徴cA群乃至特徴cH群、特徴dA群乃至特徴dN群、特徴eA群乃至特徴eE群、特徴fA群乃至特徴fE群、特徴gA群乃至特徴gF群、特徴hA群乃至特徴hE群、特徴iA群乃至特徴iS群、特徴jA群乃至特徴jF群、特徴kA群乃至特徴kH群、特徴mA群乃至特徴mG群、特徴nA群乃至特徴nQ群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。

Claims (7)

  1. 遊技の進行処理を実行可能な第1制御手段と、前記第1制御手段からの情報に基づき遊技の進行に応じた報知を実行可能な第2制御手段とを備える遊技機であって、
    前記第2制御手段は、
    前記第1制御手段からの所定の報知用の情報に基づいて、当該所定の報知を実行可能な所定報知手段と、
    前記第1制御手段にて実行している遊技進行の状況を把握することが可能な把握手段と、
    を備え、
    前記把握手段は、前記所定の報知用の情報に基づいて前記第1制御手段による遊技進行の状況を把握可能とされていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記把握手段は、前記所定の報知用の情報に基づいて、前記第1制御手段による遊技進行の状況が、所定の状況から次の状況に移行したことを把握可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記把握手段は、前記所定の報知用の情報として、第1報知用の情報に基づいて、前記第1制御手段による遊技進行の状況を第1状況であると把握可能であり、前記第1報知用の情報とは異なる第2報知用の情報に基づいて、前記第1制御手段による遊技進行の状況を前記第1状況であると把握可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  4. 前記把握手段は、前記第1報知用の情報と前記第2報知用の情報とを受信している場合、これら前記第1報知用の情報と前記第2報知用の情報とにより前記第1状況であることの把握処理をまとめて行う構成であることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
  5. 前記第1制御手段は、前記所定の報知用の情報を出力する場合、前記第1制御手段にて実行している遊技進行の状況に対応する第1情報と、実行させる報知に対応する第2情報とを含むように前記所定の報知用の情報を出力可能であり、
    前記把握手段は、前記第1情報に基づいて、前記第1制御手段にて実行している遊技進行の状況を把握することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  6. 前記第2制御手段は、前記把握手段による把握結果を使用して、特定事象の特定を行うことが可能な特定手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  7. 前記第1制御手段は、前記特定事象が生じていることを特定できない構成であることを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
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