JP2023168080A - 電動式鋏 - Google Patents

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【課題】可動刃が特定の位置にあることを検知する電動式鋏を提供し、電動式鋏の部品の破損を防止して使用者の満足度を向上させる。【解決手段】モータ6と、モータ6にギア板81を介して接続されている可動刃4と、可動刃4に相対的に開閉可能に重ねられた固定刃5と、可動刃4と固定刃5とモータ6とギア板81を保持して少なくとも可動刃4の開閉動作を許容する本体2とを備え、可動刃4またはギア板81と、本体2側のいずれか一方に設けられた磁力を検知する磁力検知センサ71と、他方に設けられた最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73とを備え、最大開位置磁石72は、可動刃4が第1開閉角度のときに、磁力検知センサ71に近接する位置に配置されており、最大閉位置磁石73は、可動刃4が第2開閉角度のときに、磁力検知センサ71に近接する位置に配置されている電動式鋏1とした。【選択図】図1

Description

この発明は、例えば、植物の剪定に用いられるような電動式鋏に関する。
従来、植物の剪定には、様々な剪定鋏が利用されている。近年では、電動で刃が動作する剪定鋏も提案されている。
例えば、モータの駆動によって刃を動作させて剪定する剪定ハサミが提案されている(特許文献1参照)。この剪定ハサミは、トリガを引き込み傾動させると、スイッチレバーがスイッチをON動作し、これによってモータが起動し、可動刃を固定刃に対して閉動作させる。
しかしながら、このような電動式の剪定ハサミは、可動刃が想定よりも開きすぎることや、可動刃が閉じ切った後さらに閉じる動作を行ってしまうことで、モータや駆動部が破損する恐れがあり、可動刃が開ききった位置や閉じ切った位置といった特定の位置に到達したことを検知する技術が望まれていた。
特開平2-238819号公報
この発明は、上述の問題に鑑みて、可動刃が特定の位置にあることを検知する電動式鋏を提供し、電動式鋏の部品の破損を防止して使用者の満足度を向上させることを目的とする。
この発明は、相対的に開閉可能な可動刃と、前記可動刃に対向する対向刃と、前記可動刃に駆動力を付与することによって少なくとも前記可動刃を前記対向刃に対して開閉させる駆動手段と、前記駆動手段の駆動力によって前記可動刃と連動する連動部材と、前記駆動手段を制御する制御手段と、前記可動刃と前記対向刃と前記駆動手段と前記連動部材を保持して少なくとも前記可動刃の開閉動作を許容する本体と、前記可動刃または前記連動部材に設けられた第1部と、前記可動刃の開閉動作に連動して前記第1部に対する相対位置が変化する第2部を備え、前記第1部および前記第2部の一方は第1磁石および第2磁石を有しており、前記第1部および前記第2部の他方は磁力を検知するセンサを有しており、前記第1磁石および前記第2磁石は、互いに離間して配置されており、前記第1磁石は、前記可動刃の開閉動作における第1開閉角度のときに、前記センサに近接するように設けられ、前記第2磁石は、前記可動刃の開閉動作における第2開閉角度のときに、前記センサに近接するように設けられている電動式鋏であることを特徴とする。
この発明により、可動刃が特定の位置にあることを検知する電動式鋏を提供し、電動式鋏1の部品の破損を防止して使用者の満足度を向上させることができる。
実施例1の電動式鋏の可動刃が最大開位置のときの右側面一部断面図。 実施例1の電動式鋏の可動刃が最大閉位置のときの右側面一部断面図。 可動刃が最大開位置のときの切断部およびセンサ部の拡大図。 可動刃が最大閉位置のときの切断部およびセンサ部の拡大図。 ギア板の左側面図。 ギア板の右側面図。 実施例1において、最大開状態におけるバッテリー側から長手方向に見たセンサ部の配置を示す模式図。 実施例1において、最大閉状態におけるバッテリー側から長手方向に見たセンサ部の配置を示す模式図。 センサ基板の右側面図。 磁力検知センサの検知した磁界の強さと出力電圧との関係を示す磁界-出力電圧グラフ。 実施例2の電動式鋏の可動刃が最大開位置のときの右側面一部断面図。 実施例2の電動式鋏の可動刃が最大閉位置のときの右側面一部断面図。 実施例2において、最大開状態における右側面方向から見たセンサ部の配置を示す模式図。 実施例2において、最大閉状態における右側面方向から見たセンサ部の配置を示す模式図。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。ただし、以下の説明において特に断らない限り、方向に関する記述は、当該説明の便宜上、図面に対応するものであり、例えば実施品、製品または権利範囲等を限定するものではない。
また、本発明の電動式鋏は、植物等の切断対象物の切断に用いられるような電動式鋏である。電動式鋏は、電動モータの駆動力によって刃を開閉させることによって切断対象物を切断するものである。以下、本発明の実施例を説明するが、電動式鋏の駆動形式については適宜の駆動形式を採用することができる。
図1は、本実施例における本発明の電動式鋏1の可動刃4が最大開位置のときの右側面一部断面図であり、図2は、本実施例における電動式鋏1の可動刃4が最大閉位置のときの右側面一部図である。本実施例の電動式鋏1は、電動モータの駆動力を、ギア(歯車)を有する伝達機構を介して可動刃4に伝達し、可動刃4を開閉動作させる。
電動式鋏1は、図示横長の長手状の本体2と、本体2の長手方向の一方の端部(一方端部)に固定された固定刃5と、固定刃5と対向して開閉する可動刃4と、本体2の内部に収容されたモータ6と導線(図示省略)によって電気的に接続されたバッテリー8と、可動刃4を操作する操作部60とを備える。固定刃5と可動刃4は、切断対象物を切断する切断部として機能する。
本体2は、略円筒形状に形成され、内部が中空である。本体2は、一方端部(固定刃5側、先端部)が図示上方向に突出し、他方の端部(固定刃5と反対側、後端部)が下方に向かって延びる筒状または柱状に形成されている。本体2の先端部には、固定刃5を固定する固定部と、可動刃4を軸支する軸支部とが設けられている。すなわち、本体2は、固定刃5および可動刃4を保持している。
本体2の内部には、後端部から順に、バッテリー8と、制御部9と、モータ6と、モータ6のモータ軸を格納するモータ軸格納部31と、モータ6のモータ軸と接続された接続装置22と、可動刃4の最大開位置と最大閉位置を検知するセンサ部90等が収容されている。
本体2の後端部は、下方に向かって開放(開口)する有底円筒状に形成されている。すなわち、後端部の内部には、円柱状の空間が形成されており、後端部の内部の空間が制御部9を収容する収容部およびバッテリー8を装着するバッテリー装着部として機能する。また、本体2は、電動式鋏1の長手方向の中央より後側の部分を把持部として使用者が握って使用することができる。
制御部9は、CPUおよびメモリ等を備え、電動式鋏1の各部位からの信号を受信するとともに、電動式鋏1の各部位に制御信号を送信し、各種制御を行う。
バッテリー8は、本体2に内蔵される内蔵型のバッテリーまたは本体2に着脱可能な着脱型のバッテリー等である。本実施形態では、バッテリー8は、本体2のバッテリー装着部に着脱可能に構成されている。なお、バッテリー8に代えて、またはこれに加えて商用電源に接続される電源接続部が設けられていても良い。
モータ6は、モータ6の中心を通り、本体2の長手方向と平行となるように配置されたモータ軸を備える。モータ6は、バッテリー8から供給された電力によって駆動する。モータ6は、制御部9と電気的に接続されており、モータ6の動作は制御部9によって制御される。本実施例のモータ6は、ブラシを備えないブラシレスモータであって、バッテリー8側の端部(後端部)にモータ制御センサを3つ備えている。モータ制御センサは、デジタル交番検知タイプのホール効果センサであって、回転駆動するモータの磁界の変化を検知し、対応した電圧に変換して制御部9に出力する。そして、制御部9は、出力された電圧からモータ6の回転位置(回転角度)を検出してモータ6の回転駆動を制御する。
モータ軸格納部31は、モータ6のモータ軸(図示省略)と、本体2に外周を固定されてモータ軸を回転可能に軸支するモータ軸ベアリング(図示省略)を格納している。したがって、モータ6は、モータ軸ベアリングを介して本体2に保持されている。モータ軸の可動刃4側の端部には、接続装置22内のギア(図示省略)が接続されている。
接続装置22は、複数のギア(ギア列)を有し、外周の少なくとも一部が本体2と当接されて本体2に保持されている。接続装置22では、モータ6のモータ軸から付与された駆動力は、ギア列のうちモータ軸の可動刃4側の端部のギア(回転出力ギア23)まで伝達される。回転出力ギア23は、基部から先端に向かって半径小となる円錐台の側面にギア面を設けたかさ歯車であり、ギア板81の一方の面に設けられたギア部84と噛合している。回転出力ギア23が正逆回転することでギア部84が回転出力ギア23の噛合部分から接線方向(図示上下方向)に移動する。ギア板81は、可動刃4とともに軸支部43の軸線を中心に回動可能に設けられているため、回転出力ギア23が正逆回転することによって、ギア板81および可動刃4が軸支部43の軸線を中心に回動する。したがって、モータ6の駆動力が接続装置22を通じて回転出力ギア23に伝達されると、可動刃4の開閉動作が実行される。
図3aは、可動刃4が最大開位置のときの切断部およびセンサ部90の拡大図であり、図3bは、可動刃4が最大閉位置のときの切断部およびセンサ部90の拡大図である。
固定刃5は、金属製で厚さ一定の板状の部材であり、本体2側の一端(後端部)に固定刃固定孔を有する。固定刃固定孔は、可動刃4の可動刃軸支孔およびギア板軸支孔82と連通している。固定刃固定孔には軸支部43が挿通されている。そして、固定刃5は、軸支部43によって回動不可能に本体2に固定されている。なお、固定刃5は、軸支部43とは別に、本体2に固定される固定部が設けられていてもよい。また、固定刃側刃部51は、可動刃4と対向する辺に中央が凹となるよう湾曲した固定刃切断部52が設けられている。
可動刃4は、金属製の板状の部材であり、本体2側の一端(後端部)に可動刃軸支孔が設けられており、可動刃軸支孔より内側にギア板固定孔が設けられている。また、可動刃4は、先端部に向かって延びる可動刃側刃部41と、可動刃側刃部41において固定刃5と対向する可動刃切断部42とを備えている。可動刃4は、固定刃5に対して可動刃4および固定刃5の厚み方向(軸支部43の軸線方向)に重ねるように配置され、可動刃軸支孔に挿通された軸支部43により固定刃5に対して回動可能に軸支されている。また、可動刃4は、固定刃5と反対側の面にギア板81が重ねて取付けられている。また、可動刃切断部42は、固定刃切断部52の形状に対応した形状を有する。
図4aは、ギア板81の左側面図であり、図4bは、ギア板81の右側面図である。
ギア板81は、金属製または樹脂製の板状であり、固定刃固定孔および可動刃軸支孔と連通しているギア板軸支孔82と、一方の面に厚み方向に波形状に形成されたギア部84と、厚み方向に突出したギア板固定凸部83とを有する。また、ギア板81には厚み方向に磁極面を有する最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73が設けられている。ギア板81は、可動刃4に対して厚み方向に重ねるように配置され、ギア板固定凸部83がギア板固定孔に挿入されている。また、ギア板81は、ギア板軸支孔82と、ギア板軸支孔82に連通した可動刃軸支孔に挿通された軸支部43により、可動刃4と一体となって固定刃5に対して回動可能に軸支されている。また、ギア部84は、ギア板81の一方の端部(本体2側)に形成され、接続装置22の回転出力ギア23とかみ合わされている。なお、本実施例では、ギア板81は可動刃4と別部材で構成されているが、可動刃4とギア板81は一体的に形成されていてもよい。すなわち、可動刃4は、可動刃軸支孔から本体2側に伸びる基部を備え、この基部に最大開位置磁石72、最大閉位置磁石73、およびギア部84が設けられていてもよい。
操作部60は、略半分が本体2の内部にあり、残りが把持部として外部に突出しているトリガーレバー61を含む。トリガーレバー61は、本体2(電動式鋏1)の幅方向(左右方向)の中央に位置し、本体2の幅方向の中央を中心に左右対称に形成されている。
トリガーレバー61は、本体2に回動可能に軸支されており、把持部に力が加えられることによって回動する。また、本体2の内部には、トリガーレバー61が操作(回動)されたことを検出するための操作検出センサ62が設けられる。操作検出センサ62は、制御部9に電気的に接続されており、トリガーレバー61の操作に応じた信号を制御部9に送出する。なお、トリガーレバー61に変えて、トリガーボタンが設けられていてもよい。また、操作部60には、可動刃4の最大開位置を調整する最大開位置調整部が含まれていてもよい。
操作部60の周りには、少なくとも操作部60の下方を覆う操作指保護部21が設けられる。操作部60は、本体2の長手方向の中央よりも前側に位置しているので、操作指保護部21も本体2の長手方向の中央よりも前側に位置している。また、操作指保護部21は、本体2(電動式鋏1)の幅方向の中央に位置し、本体2の幅方向の中央を中心に左右対称に形成される。操作指保護部21は、操作部60との間で使用者が十分に指を動かせる程度の空間を備えている。
センサ部90は、可動刃4の位置を検知するために設けられる。センサ部90は、可動刃4または連動部材に設けられた2つの磁石(最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73)と、可動刃4の開閉動作に連動して2つの磁石に対する位置が相対的に変化するセンサ(磁力検知センサ71)を備えている。なお、連動部材とは、可動刃4の開閉動作に連動して動作する部材のことである。連動部材としては、モータ6の駆動力を可動刃4に伝達するための部材(伝達部材)や、可動刃4や伝達部材等に固定されるなどして可動刃4に連動する部材等がある。また、連動部材は、直接的または間接的に本体2に保持されている。また、連動部材は、可動刃4とモータ6とを連結し、モータ6の駆動力(回転)を可動刃4に伝達する連結手段として機能する。本実施例では、接続装置22(伝達部材に該当)、回転出力ギア23(伝達部材に該当)、およびギア板81(可動刃4に連動する部材に該当)が連動部材に対応している。
図5aは、実施例1において、長手方向から見た場合の最大開位置におけるセンサ部90の配置を示す模式図であり、図5bは、実施例1において、長手方向から見た場合の最大閉位置におけるセンサ部90の配置を示す模式図である。
最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73は、永久磁石である。最大開位置磁石72は、可動刃4が最大開位置にある時に磁力検知センサ71に近接する位置に配置され、最大閉位置磁石73は、可動刃4が最大閉位置にある時に磁力検知センサ71に近接する位置に配置されている。また、可動刃4が最大開位置にあるときに、磁力検知センサ71に近接する最大開位置磁石72の磁極面720の極性は、可動刃4が最大閉位置にあるときに、磁力検知センサ71に近接する最大閉位置磁石73の磁極面730の極性と異なっている。例えば、磁極面720がN極であるとき、磁極面730はS極である。最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73の可動刃4または連動部材への固定方法は、可動刃4または連動部材に埋め込む、接着剤によって接着するなど適宜の方法を用いることができる。なお、可動刃4または連動部材における最大閉位置磁石73と最大開位置磁石72の固定位置は、可動刃4の回動の中心軸からの距離が等しい位置とすることができる。また、最大閉位置磁石73と最大開位置磁石72は、可動刃4または連動部材において、可動刃4が回動する方向に平行な方向(軸支部43の同心円上)にそれぞれ離間して配置されている。本実施例では、最大開位置磁石72と最大閉位置磁石73は、それぞれ連動部材であるギア板81に接着剤で固定され、ギア板81の回転中心(ギア板軸支孔82(軸支部43)の軸線)からの距離L3,L4が等距離となるように配置されている。
最大開位置磁石72は、ギア板81において最大閉位置磁石73と離間して配置されている。また、最大開位置磁石72は、N極またはS極の磁極面720をセンサ基板91と対向するように配置されている。最大開位置磁石72は、可動刃4が最大開位置にあるときに最大開位置磁石72のN極またはS極の磁極面720と磁力検知センサ71の検知面710が対向して近接するように配置されている。
最大閉位置磁石73は、ギア板81において最大開位置磁石72と回転方向離間距離L2だけ離間して配置されている。また、最大開位置磁石72は、N極またはS極の内、最大開位置磁石72の磁極面720と異なる方の磁極面730をセンサ基板91と対向するように配置されている。最大閉位置磁石73は、可動刃4が最大閉位置にあるときに最大閉位置磁石73のN極またはS極の磁極面730と磁力検知センサ71の検知面710が対向して近接するように配置されている。
磁力検知センサ71は、磁極の極性や磁界の大きさといった磁力のパラメータのうちの少なくとも1つを検知するセンサであり、制御部9と電気的に接続されている。磁力検知センサ71の最大開位置磁石72または最大閉位置磁石73に対向する面は、検知面710となる。本実施例の磁力検知センサ71は、長方形の薄板形状を有し、最も広い面の一方を検知面710としている。磁力検知センサ71は、例えば、アナログ型(アナログ両極検知型)またはデジタル型(デジタル両極検知型)のホール効果センサとすることができる。磁力検知センサ71は、可動刃4の開閉動作に連動して最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73に対する相対位置が変化する。すなわち、可動刃4の開閉動作に連動して磁力検知センサ71と、最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73のそれぞれとの距離が近づいたり遠ざかったりする。具体的には、磁力検知センサ71は、可動刃4が最大開位置にあるときに最大開位置磁石72に対して最も近接し、可動刃4が最大閉位置にあるときに最大閉位置磁石73に対して最も近接する。また、可動刃4が最大開位置にあるときの最大開位置磁石72の磁極面720と磁力検知センサ71の検知面710との距離と、可動刃4が最大閉位置にあるときの最大閉位置磁石73の磁極面730と磁力検知センサ71の検知面710との距離がほぼ同じとなるよう配置されていることが好ましい。ここで言う距離とは、検知面710と各磁極面720、730との直線距離であってもよく、厚み方向の距離であってもよく、磁界を表す磁力線上の距離であってもよい。
本実施例の磁力検知センサ71は、磁極の極性と磁界の大きさをアナログに検知する両極検知型のホール効果センサであって、線形出力(リニアタイプ)のアナログ・バイポーラ・ホール効果センサである。
図6は、センサ基板91の左側面図である。本実施例では、センサ部90は、センサ基板91を備える。センサ基板91は、金属製または樹脂製の板状であり、本体2または固定刃5に固定されている。また、センサ基板91は、ギア板81と対向するように配置され、ギア板81と対向する面に磁力検知センサ71が設けられている。本実施例では、磁力検知センサ71は、センサ基板91の略中央付近に配置されている。
図5aおよび図5bに戻って、最大開位置磁石72と最大閉位置磁石73の回転方向離間距離L2は、磁力線の中心軸方向の磁力検知センサ71と磁石(最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73)の磁軸方向離間距離L1に対して、1倍以上とすることができ、2倍以上とすることが好ましく、3倍以上とすることがより好ましく、4倍以上とすることがさらに好ましい。このような構成であれば、最大開位置磁石72と最大閉位置磁石73のそれぞれが他方の磁界の影響を受けにくい程度に離間させることができる。
図7は、磁力検知センサ71の検知した磁界の強さと出力電圧との関係を示す磁界-出力電圧グラフである。図7のグラフの縦軸は出力電圧を示し、横軸は検知した磁界の強さを示す。
磁力検知センサ71は、磁極の極性と磁界の大きさ(磁力)を検知し、検知した極性と磁界の大きさに対応した電圧を制御部9に出力する。詳細には、N極とS極の極性の内、検知した一方の極性の磁界が強くなるにつれて出力電圧が大きくなり、検知した一方の極性の磁界が最も強くなったとき(一方の最大強度-Bsatを検知したとき)最大電圧Vmaxを出力する。また、磁力検知センサ71は、検知した他方の極性の磁界が強くなるにつれて出力電圧が小さくなり、検知した他方の極性の磁界が最も強くなったとき(他方の最大強度Bsatを検知したとき)最小電圧Vminを出力する。すなわち、磁力検知センサ71は、N極とS極の極性の内、一方の極性の磁極面が検知面710に近づくにつれて大きい電圧を出力し、一方の極性が最も検知面710に近づいたとき最大電圧Vmaxを出力する。また、磁力検知センサ71は、他方の極性が検知面710に近づくにつれて小さい電圧を出力し、他方の極性の磁極面が最も検知面710に近づいたとき最小電圧Vminを出力する。すなわち、磁力検知センサ71は、一方の磁極の磁界を所定強度以上検知した場合に一方の磁石(最大開位置磁石72または最大閉位置磁石73)がセンサに近接したと判別し、他方の磁極の磁界を所定強度以上検知した場合に他方の磁石がセンサに近接したと判別する。したがって、磁力検知センサ71は、一方の磁極が最も検知面710に近接する場合の磁極面と検知面710との距離と、他方の磁極が最も検知面に近接する場合の磁極面と検知面710との距離とが等しい場合、磁界を検知していないときにはVmaxとVminの中央値電圧VQを出力する。なお、電圧が中央値電圧VQから徐々に大きくなって所定の電圧(閾値電圧VH)以上となったとき(閾値電圧VH未満の状態から閾値電圧VH以上の状態に変化したとき)が、一方の磁極の磁界を所定強度以上検知したときであり、電圧が中央値電圧VQから徐々に小さくなって所定の電圧(閾値電圧VL)以下となったとき(閾値電圧VL以上の状態から閾値電圧VL未満の状態に変化したとき)が、他方の磁極の磁界を所定強度以上検知したときである。
制御部9は、磁力検知センサ71から出力された電圧を検知し、徐々に大きく、または小さくなる電圧が所定の電圧(閾値電圧VH、VL)となったときに、モータ6がそれまで動作していた方向と同じ方向にそれ以上駆動しないように制御する。すなわち、モータ6を停止させ、可動刃4の動作を停止させる。すなわち、可動刃4が最大開位置に向かって移動するにつれて、最大開位置磁石72が磁力検知センサ71に近接していく。このとき、磁力検知センサ71は、最大開位置磁石72の磁極面720が近づくにつれて、検出する一方の極性の磁界が強くなり、出力する電圧も大きくまたは小さくなる。そして、磁力検知センサ71が磁界の強さに応じて出力する電圧を受けて、制御部9は、所定の電圧を検知した場合に、可動刃4の開く動作がそれ以上行われないようにモータ6を制御する。このときの可動刃4の位置が、可動刃4の最大開位置(第1開閉角度)である。また、可動刃4が最大閉位置に向かって移動する場合は、最大閉位置磁石73が磁力検知センサ71に近接していく。このとき、磁力検知センサ71は、最大閉位置磁石73の磁極面730が近づくにつれて、検出する他方の極性の磁界が強くなり、出力する電圧も大きくまたは小さく(最大開位置磁石72のときとは逆)なる。そして、磁力検知センサ71が所定の磁界を検知したときに所定の電圧を出力し、制御部9は、所定の電圧を検知した場合に、可動刃4の閉じる動作がそれ以上行われないようにモータ6を制御する。このときの可動刃4の位置が、可動刃4の最大閉位置(第2開閉角度)である。
なお、本実施例では、第1開閉角度を最大開位置とし、第2開閉角度を最大閉位置としたが、第1開閉角度および第2開閉角度は、検知したい可動刃4の位置に対応した角度として自由に設定できる。例えば、第1開閉角度または第2開閉角度を、電動式鋏1の電源を入れた際の可動刃4の初期位置の開閉角度としてもよい。また、第1開閉角度を、最大開位置を含む所定範囲の角度とし、第2開閉角度を、最大閉位置を含む所定範囲の角度とすることができる。すなわち、第1開閉角度を、可動刃4の最大開位置から少し閉じた位置としてもよく、第2開閉角度を、可動刃4の最大閉位置から少し開いた位置としてもよい。
所定の電圧(閾値電圧)は、高電圧側の閾値電圧である高電圧側閾値電圧VHと、低電圧側の閾値電圧である低電圧側閾値電圧VLが設けられており、それぞれに対応した磁界の強さである高電圧側閾値磁界BHと、低電圧側閾値磁界BLが設けられている。高電圧側閾値電圧VHはVmaxよりも低く、低電圧側閾値電圧VLはVminよりも高い。高電圧側閾値電圧VHの下限は、VminからVmaxの範囲の60%以上とすることができ、70%以上とすることが好ましく、80%以上とすることがより好ましい。また、高電圧側閾値電圧VHの上限は、VminからVmaxの範囲の95%以下とすることができ、90%以下とすることが好ましく、80%以下とすることがより好ましい。また、低電圧側閾値電圧VLの上限は、VminからVmaxの範囲の40%以下とすることができ、30%以下とすることが好ましく、20%以下とすることがより好ましい。また、低電圧側閾値電圧VLの下限は、VminからVmaxの範囲の5%以上とすることができ、10%以上とすることが好ましく、20%以上とすることがより好ましい。例えば、Vmaxが1000、Vminが0であった場合、高電圧側閾値電圧VHは800、低電圧側閾値電圧VLは200に設定することができる。
このように構成された本実施例の電動式鋏1では、使用者が、トリガーレバー61(操作部60)を操作することで、制御部9がモータ6を回転させる制御を行う。モータ6が回転駆動すると、接続装置22の回転出力ギア23が回転し、これによって回転出力ギア23にかみ合わされたギア板81と、ギア板81と一体に固定された可動刃4が、軸支部43を中心に回動する。これによって、可動刃4の可動刃側刃部41と固定刃5の固定刃側刃部51が鋏として機能し、枝などの切断対象を切断することができる。
また、可動刃4が開く方向に回動した場合、ギア板81に設けられている最大開位置磁石72の磁極面720が磁力検知センサ71の検知面710に徐々に近づいていく。そして、磁力検知センサ71が一方の磁極の特定の大きさの磁界の強度を検知し、検知した磁界の強度に対応した電圧(高電圧側閾値電圧VHまたは低電圧側閾値電圧VL)が制御部9に出力されると、制御部9が可動刃4をこれ以上開く方向に回動しないようにモータ6を制御し、可動刃4の動作が停止される。このときの可動刃4の位置が最大開位置となる。
また、可動刃4が閉じる方向に回動すると、ギア板81に設けられている最大閉位置磁石73の磁極面730が磁力検知センサ71の検知面710に徐々に近づいていく。そして、磁力検知センサ71が一方の磁極の特定の大きさの磁界の強度を検知し、検知した磁界の強度に対応した電圧(高電圧側閾値電圧VHまたは低電圧側閾値電圧VL)が制御部9に出力されると、制御部9が可動刃4をこれ以上閉じる方向に回動しないようにモータ6を制御する。このときの可動刃4の位置が最大閉位置となる。
以上の構成により、可動刃が最大開位置と最大閉位置にあるときに自動的に停止する電動式鋏を提供し、電動式鋏1の部品の破損を防止して使用者の満足度を向上させることができる。
電動式鋏1は、本体2または本体2に固定された固定刃5に磁力を検知する磁力検知センサ71を備え、ギア板81に互いに離間して配置された最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73を備え、可動刃4が最大開位置のときに最大開位置磁石72が磁力検知センサ71に近接し、可動刃4が最大閉位置のときに最大閉位置磁石73が磁力検知センサ71に近接する構成である。この構成により、電動式鋏1の制御部9は、磁力検知センサ71が検知した磁力に応じて、可動刃4が回動(開閉)によって最大開位置および最大閉位置に到達したとしてそれ以上回動しないように制御することができる。また、センサ部90は、磁石2つとセンサ1つから成る簡単な構成であるため、狭い内部空間であっても設けることができる。すなわち、電動式鋏1を小型化することができ、さらには製造コストの低下に寄与することができる。
また、最大開位置磁石72は、可動刃4が最大開位置のときにN極とS極の内一方の磁極が磁力検知センサ71に近接するよう配置され、最大閉位置磁石73は、可動刃4が最大閉位置のときにN極とS極の内他方の磁極が磁力検知センサ71に近接するよう配置されている。この構成により、磁力検知センサ71は、近接する磁極の違いによって可動刃4の位置が最大開位置か最大閉位置かを判別できる。したがって、制御部9は、可動刃4が最大開位置と最大閉位置のどちらに位置しているかを判別し、モータ6の回転駆動をどちらの方向に禁止するかの制御を行うことができる。
また、磁力検知センサ71は、磁極と磁界の強度を検知し、一方の磁極の磁界が高電圧側閾値磁界BHまたは低電圧側閾値磁界BLの一方であることを検知した場合に最大開位置磁石72がセンサに近接したと判別して高電圧側閾値電圧VHまたは低電圧側閾値電圧VLの対応する電圧を出力し、他方の磁極の磁界が高電圧側閾値磁界BHまたは低電圧側閾値磁界BLの他方であることを検知した場合に最大閉位置磁石73がセンサに近接したと判別して高電圧側閾値電圧VHまたは低電圧側閾値電圧VLの対応する電圧を出力する。この構成により、制御部9は、出力された電圧が高電圧側閾値電圧VHまたは低電圧側閾値電圧VLであることを検知したときに、可動刃4が回動によって最大開位置または最大閉位置に到達したと判断してそれ以上回動しないように制御することができる。
また、高電圧側閾値電圧VHは、最大電圧Vmaxより小さい値に設定され、低電圧側閾値電圧VLは、最小電圧Vminより大きい値に設定される。この構成により、電動式鋏1の個体ごとの最大開位置および最大閉位置の誤差を考慮することなく確実に可動刃4を最大開位置と最大閉位置で停止させることができ、可動刃4の回動しすぎによる破損を防止することができる。
また、最大閉位置磁石73と最大開位置磁石72は、ギア板81において、可動刃4が回動する方向に平行な方向にそれぞれ離間して配置されている。この構成により、磁力検知センサ71が検知する磁界の変化がスムーズとなり、出力される電圧の変化が直線的となる。したがって、より詳細な最大開位置および最大閉位置の設定をすることができる。
また、最大閉位置磁石73と最大開位置磁石72は、ギア板81において、軸支部43の中心軸からの距離がほぼ同じ位置にそれぞれ配置されている。この構成により、最大閉位置磁石73と磁力検知センサ71が最も近接する距離と、最大開位置磁石72と磁力検知センサ71が最も近接する距離を同一か同一に近い構成とすることができ、最大閉位置磁石73の検知レベルと最大開位置磁石72の検知レベルを同程度にすることができ、安定した検知を実現できる。また、これによって、磁力検知センサ71が検知する磁界の変化がスムーズとなり、出力される電圧の変化が直線的となる。したがって、よりシビアな最大開位置および最大閉位置の設定をすることができる。
また、最大開位置磁石72と最大閉位置磁石73の回転方向離間距離L2を、磁力線の中心軸方向の磁力検知センサ71と磁石(最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73)の磁軸方向離間距離L1よりも長くすることで、磁力検知センサ71が最大開位置磁石72と最大閉位置磁石73の一方を検知するときに他方の磁界が混在して不適切な検知となることを防止できる。
この発明と本実施例について、
この発明の駆動手段はモータ6に対応し、以下同様に、
対向刃は固定刃5に対応し、
第1磁石および第2磁石は最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73に対応し、
第1部は最大開位置磁石72、最大閉位置磁石73、およびギア板81の最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73が設けられている位置に対応し、
第2部は磁力検知センサ71およびセンサ基板91の磁力検知センサ71が設けられている位置に対応し、
センサは磁力検知センサ71に対応するが、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、本実施例では、可動刃4に固定されたギア板81(連動部材)側に最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73を設け、本体2または本体2に固定された固定刃5(本体)側に磁力検知センサ71を設けたが、連動部材側に磁力検知センサ71を設け、本体側に最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73を設けてもよい。
また、例えば、本実施例では連動部材をギア板81としたが、連動部材は、可動刃4の開閉動作に伴って動作するいずれの部材であってもよい。例えば、連動部材は、可動刃4の開閉動作に連動して回転するように構成された軸支部43であってもよい。または、可動刃4の開閉動作に連動して回転するように構成された軸支部43に固定された磁石取付用部材であってもよい。
また、例えば、本実施例では磁力検知センサ71を本体2に固定されたセンサ基板91に設けたが、センサ基板91を設けずに磁力検知センサ71を本体2に設けてもよいし、固定刃5に磁力検知センサ71、または磁力検知センサ71を設けたセンサ基板91を設けてもよい。
また、本実施例では、可動刃4の対向刃としての本体2に固定されている固定刃5を備えたが、これに限らず、固定刃5の替わりに可動刃4に対して相対的に可動する第2の可動刃を備え、この第2の可動刃を対向刃としてもよい。すなわち、両開き式の鋏であれば、一方を可動刃4、他方を対向刃として、対向刃も可動する構成としてもよい。このような構成の場合、例えば、可動刃4、第2の可動刃、および本体2のいずれかに最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73を設け、可動刃4、第2の可動刃、および本体2の最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73が設けられていないいずれかに磁力検知センサ71を設けることができる。そして、いずれの場合も可動刃4と第2の可動刃の可動により最大開位置で磁力検知センサ71が最大開位置磁石72を検知し、最大閉位置で磁力検知センサ71が最大閉位置磁石73を検知する配置とするとよい。この場合も上述した実施例と同様の効果を得ることができる。
また、本実施例では磁力検知センサ71をアナログ型(アナログ両極検知型)としたが、デジタル型(デジタル両極検知型)のホール効果センサとしてもよい。このような構成の場合、デジタル型ホール効果センサが一方の磁極の磁界を所定の強度検知したとき、電圧などの検出信号を制御部9に送出する。そして、制御部9は、デジタル型ホール効果センサの検出信号を受信したとき、可動刃4がそれ以上同方向に回動しないように制御する。また、デジタル型ホール効果センサが他方の磁極の磁界を所定の強度検知したとき、電圧などの検出信号を制御部9に送出する。そして、制御部9は、デジタル型ホール効果センサの検出信号を受信したとき、可動刃4がそれ以上同方向に回動しないように制御する。
図8は、本実施例における本発明の可動刃104が最大開位置のときの電動式鋏100の右側面一部断面図であり、図9は、本実施例における可動刃104が最大閉位置のときの電動式鋏100の右側面一部図である。本実施例の電動式鋏1は、電動モータの駆動力を、ボールねじ機構を介して可動刃4に伝達し、可動刃4を開閉動作させる。
電動式鋏100は、図示横長の長手状の本体102と、本体102の長手方向の一方端部に固定された固定刃105と、固定刃105と対向して開閉する可動刃104と、本体102の内部に収容されたモータ106と接続された電源ケーブル108と、可動刃104を操作する切断動作用操作部160(第1操作を行う操作部)と、可動刃104の開位置を調整する開位置調整部180(第2操作を行う操作部)とを備える。固定刃105と可動刃104は、対象を切断する切断部として機能し、切断動作用操作部160と開位置調整部180は、可動刃104を操作する操作部として機能する。
本体102は、略円筒形状に形成され、内部が中空である。本体102は、電動式鋏100の長手方向の中央より後側の部分を把持部として使用者が握って使用することができる。本体102は、電動式鋏100の長手方向の中央より前方(固定刃105側)の下側(操作部側)に、湾曲する棒状の操作指保護部123を、切断動作用操作部160および開位置調整部180を囲うように備えている。操作指保護部123は、切断動作用操作部160および開位置調整部180との間で使用者が十分に指を動かせる程度の空間を備えている。また、切断動作用操作部160および開位置調整部180は、使用者が本体102を把持した際の指側の一部に長手方向に並べて配置されている。
固定刃105は、金属製で厚さ一定の板状であり、略中央で軸支部146が挿通される孔(図示省略)を有し、その孔の一方(本体102側)に固定刃支持基部152が設けられ、他方(本体102とは逆側となる先端側)に固定刃側刃部151が設けられている。固定刃支持基部152の軸支部146から先端までの長さは、固定刃側刃部151の軸支部146から先端までの長さよりも短くなっている。
固定刃側刃部151は、可動刃104と対向する辺に中央が凹となるよう湾曲した固定刃切断部153が設けられている。また、固定刃支持基部152は、固定部156により、厚み方向が左右方向(図1の奥行方向)となり、かつ、固定刃側刃部151の固定刃切断部153が上を向く(可動刃104側を向く)ようにして本体102に固定される。
可動刃104は、金属製の略L字型の板状であり、略中心に軸支孔142が設けられている。この可動刃104は、固定刃105に対して厚み方向に重ねるように配置され、軸支孔142に挿通された軸支部146により固定刃105に対して回動可能に軸支されている。
可動刃104は、略L字状の一方の足となる可動刃胴体部143と、他方の足となる可動刃側刃部141を備え、両者の間に軸支部146を備えている。可動刃胴体部143は、端部にリンクロッド111と接続する駆動軸147を挿通する駆動接続部144を備えている。なお、可動刃胴体部143は、可動刃側刃部141と合わせて略L字状となる方向に設けられているが、これに限らず、軸支部146からみて可動刃側刃部141と反対側の方向あるいは異なる角度の方向に設けるなど、軸支部146からみて可動刃側刃部141と異なる適宜の方向に設けることができる。
本体102の内部には、モータ106と、モータ106のモータ軸132と接続された接続装置122と、接続装置122と接続されたボールねじユニット103と、ボールねじユニット103のねじ軸115を軸支するボールねじベアリング121と、モータ軸132を軸支するモータ軸ベアリング131と、可動刃4の位置を検知するセンサ部90が収容されている。本体102には、モータ106と逆側の端部付近(上面側の端部付近)に固定部156が設けられ、固定部156に固定刃105の固定刃支持基部152が固定されている。また、本体102の内部には、電源ケーブル108側から順に長手方向に、モータ106と、接続装置122と、ボールねじユニット103が配置されている。
モータ106は、モータ106の中心を通り、本体102の長手方向と平行となるように配置されたモータ軸132を備える。モータ106は、電源ケーブル108を介して接続されたバッテリーから供給された電力によって駆動する。
モータ軸132は、モータ軸ベアリング131により回転可能に軸支されている。したがって、モータ106が回転運動をするとモータ軸132が回転する。また、モータ軸132の可動刃104側の端部には、接続装置122の回転入力体が接続されている。モータ軸ベアリング131は、外周部材と内周部材が別で回転可能に構成され、内周がモータ軸132に固定され、外周が本体102に固定されている。したがって、モータ軸ベアリング131は、モータ軸132を軸支している。
接続装置122は、長手方向の可動刃104側の一端がねじ軸115と接続され、モータ106側の他端がモータ軸132と接続されている。接続装置122は、例えば、ねじ軸115の軸心方向を中心軸とする回転出力体と、モータ軸132の軸心方向を中心軸とする回転入力体と、回転出力体と回転入力体とを連動して回転可能に接続する少なくとも1つの接続ギアとで構成されている。したがって、回転入力体が、モータ106の回転によって生じたモータ軸132の駆動力を接続ギアに伝達し、さらに、接続ギアが、回転入力体から伝達された駆動力を回転出力体に伝達する。そして、回転出力体がねじ軸115に駆動力を伝達することによってねじ軸115が回転する。また、このとき回転入力体、回転出力体、および接続ギアの形態および歯数を適宜調整することによって、モータ軸132の回転数よりもねじ軸115の回転数が少なくなるようにし、ねじ軸115の回転トルクを増大させる構成にしてもよい。このような接続ギアの形態としては、例えば、回転入力体としたサンギアと、接続ギアとした複数の遊星歯車によって、モータ軸132からの駆動力をねじ軸115に伝達する形態とすることができる。
ボールねじユニット103は、ねじ軸115と、ナット113を有している。ナット113は、外周に設けられたナットホルダ114と、固定刃105側に設けられたボールねじカバー112と、固定刃105側に配置されたリンクロッド111の一端とが固定されている。なお、モータ106は、トリガーボタン161の押下を受けて可動刃104を開閉動作させるための駆動手段として機能し、ねじ軸115、ナット113、ナットホルダ114、ボールねじカバー112、およびリンクロッド111は、トリガーボタン161の押下を受けて可動刃104を開閉動作させるための連結手段として機能する。
ねじ軸115は、長手方向に長い棒形状で、中間付近から可動刃104側の先端にかけて軸ねじ部115bを有し、モータ106側の端部に基部115aを有する。軸ねじ部115bは、ナット113のナットねじ部113aと螺合している。ボールねじベアリング121は、外周部材と内周部材が別々で回転可能に構成され、内周がねじ軸115に固定され、外周が本体102に固定されている。したがって、ボールねじベアリング121は、ねじ軸115を軸支している。
基部115aは、軸心方向に配置されたボールねじベアリング121によりモータ軸132の回転軸の延長線上の回転軸にて回転可能に軸支されている。また、基部115aの端部が接続装置122の回転出力体に接続されている。したがって、基部115a(および基部115aを有するねじ軸115)は、接続装置122の回転出力体およびボールねじベアリング121により軸心方向に支持されている。この構成により、基部115a(および基部115aを有するねじ軸115)は、モータ軸132と連動して回転する。
ナット113は、円筒形状に形成され、内部が中空であり、内周面にナットねじ部113aを有する。ナット113のナットねじ部113aは、ねじ軸115の軸ねじ部115bと螺合しており、かつ、適宜の方法で回転しないように規制されている。したがって、ナット113は、ねじ軸115が正逆回転することでねじ軸115の長手方向(軸心方向)に前後移動(平行移動)する。
ナットホルダ114は、略円筒形状を有し、ナット113の外周を覆うようにナット113に固定される。したがって、ナット113が前後移動すると、ナットホルダ114も同様に前後移動(平行移動)する。
ボールねじカバー112は、内側にねじ軸115を収容できる大きさの略円筒形状を有し、内部が中空に形成されている。ボールねじカバー112は、ナット113またはナットホルダ114に固定されている。したがって、ナット113が前後移動すると、ボールねじカバー112もナット113とともに前後移動する。
ボールねじカバー112は、少なくともナット113の移動距離よりも長くナットホルダ114側へ突出しており、ナット113がねじ軸115の回転動作により長手方向のモータ106側に移動する全範囲において、ナット113から可動刃104側に突出したねじ軸115を保護する。
リンクロッド111は、長い板形状を有し、長手方向の一端がナット113、ナットホルダ114、またはボールねじカバー112に軸支され、他端が駆動軸147で可動刃104の可動刃胴体部143の駆動接続部144に軸支されている。なお、リンクロッド111の一端は、ナット113に軸支されることが好ましい。
この構成により、リンクロッド111は、ナット113の長手方向の動作を、可動刃104の駆動接続部144に伝達する。ナット113、ナットホルダ114、またはボールねじカバー112に対するリンクロッド111の角度、および可動刃104に対するリンクロッド111の角度は、それぞれの軸支部分が独立して回転可能であることによって多少の変動が許容される。
切断動作用操作部160は、本体102の下部前方の外周に配置され、トリガーボタン161と、トリガーボタン161が押下されることによって押圧されると押圧力を検知する押圧センサ162とを有している。押圧センサ162は、押圧力を出力できる圧電センサ等のセンサによって構成されている。これにより、使用者のトリガーボタン161の押下によってトリガーボタン161から付与される荷重が押圧センサ162に加わり、押圧センサ162がONを検出して制御部に伝達する。この切断動作用操作部160は、第1操作(例えば、切断用の閉動作用の押下操作)の操作部として機能する。
なお、切断動作用操作部160は、トリガーボタン161と押圧センサ162による構成に限らず、回動するレバーとそのレバーの近接度合いを検出する近接センサ、回動するレバーとそのレバーの回動量を検出する磁気センサ等、押下やスライドや回動等の操作量を検出できる適宜の操作検出ユニットにより構成することができる。いずれの場合も操作量を検出することができ、この操作量に応じてモータ106の回転速度を変化させて可動刃104の閉動作の速度を変化させることができる。
開位置調整部180は、本体102の下部前方で、切断動作用操作部160の前方に隣接して設けられている。開位置調整部180は、トリガーボタン181と、このトリガーボタン181が押下されることによって押圧されると押圧力を検知する押圧センサ182とを有している。押圧センサ182は、押圧力を出力できる圧電センサ等によって構成されている。これにより、使用者のトリガーボタン181押下によってトリガーボタン181から付与される荷重が押圧センサ182に加わり、押圧センサ182がONを検出して制御部に伝達する。この開位置調整部180は、第1操作(例えば、切断用の閉動作用の押下操作)とは異なる第2操作(例えば、可動刃104の開位置を変更するための押下操作)を行う操作部として機能する。
なお、開位置調整部180は、トリガーボタン181と押圧センサ182と変形体183による構成に限らず、押下ボタンとON/OFFを検知できるスイッチセンサ、回動するレバーとそのレバーの近接を検出する近接センサ、回動するレバーとそのレバーの回動量を検出する磁気センサ等、適宜の操作検出ユニットにより構成することができる。いずれの場合も最大開位置の調整(段階的変更)に利用することができる。
本実施例においては、電動式鋏100の使用者は、開位置調整部180を押圧することで内部の切り替えスイッチを動作させ、可動刃104の最大開位置を調整することができる。すなわち、切断動作用操作部160を押圧していない状態の開閉初期位置の刃の開き角度が、開位置調整部180を押圧操作1回毎に段階的に狭くなり、最小角度(刃の先端同士の幅が最小幅となる角度)の次は最大角度(刃の先端同士の幅が最大幅となる角度)になる構成となっている。これにより、太い切断対象を切断する際には、可動刃104の最大開位置を広い状態に設定し、可動刃104と固定刃105の交差角度が広い状態を切断初期位置とすることができる。すなわち、可動刃104と固定刃105が最大限に開いた状態から切断動作を実施でき、太い切断対象を挟み切断することができる。また、細い枝を切断するときは、開位置調整部180を操作して開閉初期位置が狭い状態として切断することができる。
なお、第1操作(切断用の閉動作用の押下操作)とは異なる第2操作を行う操作部は、開位置調整部180に限らず、他の構成としてもよい。例えば、第2操作を行う操作部として、切断動作用操作部160のトリガーボタン161を、開閉動作用の所定期間の押下継続操作とは異なるダブルクリック(2回連続して押下)等の操作をすることで、開位置調整部180が1回押下されたのと同じ動作(開閉初期位置の刃の開き角度が1段階狭くなる動作)を実行する構成としてもよい。この場合も開位置調整部180を有する場合と同じ作用効果を奏することができる。
電源ケーブル108の他端には、制御装置(図示せず)が接続されている。この制御装置は、電動式鋏100の各種の制御を行うとともに、電動式鋏100の動作に必要な電力を供給するバッテリー(電源部)として機能する。
センサ基板191に設けられている制御部は、押圧センサ162からの押圧信号と押圧センサ182からの押圧信号を受け、モータ106を正逆回転させる制御を行う。この制御部は、切断動作用操作部160の操作による開閉動作処理と、開位置調整部180の操作による開閉初期位置切替処理とを実行する。
開閉動作処理を行う制御部は、トリガーボタン161が押圧されて押圧センサ162から押圧信号を受けると、その押圧力に応じた速度でモータ106を正回転させて可動刃104を固定刃105に対して閉動作させる閉動作処理を実行し、トリガーボタン161が押圧解除されて押圧センサ162からの押圧信号が無くなるとモータ106を逆回転させて可動刃104を開閉初期位置まで戻す開動作処理を実行する。
開閉初期位置切替処理を行う制御基板は、トリガーボタン181が押圧されて押圧センサ182から押圧信号を1回受ける毎に、モータ106を所定量だけ正回転させて可動刃104を固定刃105に対して少し閉動作させ、開閉初期位置を1段階狭くする。トリガーボタン181の押圧回数が、あらかじめ定められた所定回数(例えば5回)になるまでは、開閉初期位置が段階的に狭くなり、所定回数を超えると、モータ106を所定量だけ逆回転させて開閉初期位置を最大開位置まで広げる。
図10aは、実施例2において、最大開状態における右側面方向から見たセンサ部190の配置を示す模式図であり、図10bは、実施例2において、最大閉状態における右側面方向から見たセンサ部190の配置を示す模式図である。
本実施例のセンサ部190は、制御基板を備えるセンサ基板191と、センサ基板191に設けられた磁力検知センサ171と、ナットホルダ114に設けられた最大開位置磁石172および最大閉位置磁石173とを有する。
ナットホルダ114の外周面の操作部と反対側(上側)には、実施例1と同じ永久磁石である最大開位置磁石172と最大閉位置磁石173が設けられている。最大開位置磁石172のN極またはS極の磁極面のうちの一方の面(磁極面1720)は、可動刃104が最大開位置にあるとき磁力検知センサ171の検知面1710に対して対向して近接する。最大閉位置磁石173のN極またはS極の磁極面のうちの一方の面(磁極面1730)は、可動刃104が最大閉位置にあるとき磁力検知センサ171の検知面1710に対して対向して近接する。ただし、磁極面1720と磁極面1730とは互いに異なる極性である。最大開位置磁石172および最大閉位置磁石173のナットホルダ114への固定方法は、ナットホルダ114に埋め込む、接着剤によって接着するなど適宜の方法を用いることができる。
最大開位置磁石172と最大閉位置磁石173は、本体102の長手方向に平行な一直線上にそれぞれ移動方向離間距離L102だけ離間して配置されている。最大開位置磁石172と最大閉位置磁石173の移動方向離間距離L102は、最大開位置磁石172と最大閉位置磁石173のそれぞれが他方の磁界の影響を受けない程度に離間させることが好ましい。より詳細には、最大開位置磁石172と最大閉位置磁石173の移動方向離間距離L102は、磁力線の中心軸方向の磁力検知センサ171と磁石(最大開位置磁石172および最大閉位置磁石173)の磁軸方向離間距離L101に対して、1倍以上とすることができ、2倍以上とすることが好ましく、3倍以上とすることがより好ましく、4倍以上とすることがさらに好ましい。このような構成であれば、最大開位置磁石172と最大閉位置磁石173のそれぞれが他方の磁界の影響を受けにくい程度に離間させることができる。
また、移動方向離間距離L102は、可動刃104が最大開位置から最大閉位置まで回転する間にナットホルダ114が移動する移動距離L103に対して、所定の最小距離から所定の最大距離までに間に設定されている。所定の最小距離は、移動距離L103の80%以上とすることができ、90%以上とすることが好ましく、100%以上とすることがより好ましい。所定の最大距離は、移動距離L103の120%以下とすることができ、110%以下とすることが好ましく、100%以下とすることがより好ましい。
センサ基板191は、長手方向に伸びる板形状を有し、制御部として機能する制御基板と、実施例1の磁力検知センサ71と同様の機能を有する磁力検知センサ171を備える。磁力検知センサ171は、センサ基板191の操作部側の面に設けられている。磁力検知センサ171は、検知面1710をナットホルダ114側(操作部側)の方向に向けて配置されている。磁力検知センサ171のセンサ基板191への固定方法は、センサ基板191に埋め込む、接着剤によって接着するなど適宜の方法を用いることができる。
このように構成された本実施例の電動式鋏100は、使用者が、切断動作用操作部160を押圧することで内部の押圧センサ162を押圧し、押圧力を電気信号に変換して制御部に伝達され、制御部が押圧力に応じた回転数の回転駆動をモータ106に指示する構成となっている。モータ106が回転すると、接続装置122を介してボールねじユニット103のねじ軸115が回転し、これによってナット113が進退方向にスライド移動する。そして、ナット113の移動がリンクロッド111により可動刃104の可動刃胴体部143に伝達され、軸支部146を中心に可動刃104が回動する。これによって、可動刃104の可動刃側刃部141と固定刃105の固定刃側刃部151が鋏として機能し、枝などの切断対象物を切断することができる。
また、ナット113の可動刃104側への移動によって、可動刃104が開く方向に回動すると、ナットホルダ114に設けられている最大開位置磁石172の磁極面が磁力検知センサ171の検知面に徐々に近づいていく。そして、磁力検知センサ171が一方の磁極の特定の大きさの磁界の強度を検知し、検知した磁界の強度に対応した電圧が制御部に出力されると、制御部が可動刃104をこれ以上開く方向に回動しない(ナット113を可動刃104側に移動しない)ようにモータ106を制御する。このときの可動刃104の位置が最大開位置となる。すなわち、センサ部190における可動刃104の位置検知の原理は、実施例1と同様である。
また、ナット113のモータ106側への移動によって、可動刃104が閉じる方向に回動すると、ナットホルダ114に設けられている最大閉位置磁石173の磁極面が磁力検知センサ171の検知面1710に徐々に近づいていく。そして、磁力検知センサ171が他方の磁極の特定の大きさの磁界の強度を検知し、検知した磁界の強度に対応した電圧が制御部に出力されると、制御部が可動刃104をこれ以上閉じる方向に回動しない(ナット113をモータ106側に移動しない)ようにモータ106を制御する。このときの可動刃104の位置が最大閉位置となる。
この発明と本実施例について、
この発明の駆動手段はモータ106に対応し、以下同様に、
連結手段は接続装置122、ナットホルダ114、リンクロッド111、ボールねじカバー112、ナット113に対応し、
連動部材は接続装置122、ナットホルダ114、リンクロッド111、ボールねじカバー112、ナット113に対応し、
制御手段は制御部に対応し、
対向刃は固定刃105に対応し、
第1磁石および第2磁石は最大開位置磁石172および最大閉位置磁石173に対応し、
第1部は最大開位置磁石172、最大閉位置磁石173、およびナットホルダ114の最大開位置磁石172および最大閉位置磁石173が設けられている位置に対応し、
第2部は磁力検知センサ171およびセンサ基板191の磁力検知センサ171が設けられている位置に対応し、
センサは磁力検知センサ171に対応するが、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
本実施例では、ナットホルダ114を連動部材として最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73を設けたが、連動部材は連結部材として構成しているいずれの部材としてもよい。例えば、連動部材はリンクロッド111、ボールねじカバー112、ナット113のいずれの部材であってもよい。また、これらの部材の内、連動部材を2つ設定し、それぞれの部材に最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73を一方ずつ設けてもよい。さらに、最大開位置磁石72および最大閉位置磁石73は、可動刃4または別途設けられた可動刃4の開閉運動に連動する部材に設けられていてもよい。
また、本実施例では、本実施例では磁力検知センサ171を本体102に固定されたセンサ基板191に設けたが、センサ基板191を設けずに磁力検知センサ71を本体102に直接固定して設けてもよいし、固定刃105に磁力検知センサ171、または磁力検知センサ171を設けたセンサ基板191を設けてもよい。
また、本実施例では、可動刃104の対向刃としての本体102に固定されている固定刃105を備えたが、これに限らず、固定刃105の替わりに可動刃104に対して相対的に可動する第2の可動刃を備え、この第2の可動刃を対向刃としてもよい。すなわち、両開き式の鋏であれば、一方を可動刃104、他方を対向刃として、対向刃も可動する構成としてもよい。この場合でも上述した実施例と同一の作用効果を奏することができる。
この発明は、植物を剪定等に用いる切断機能を有する機械工具の産業に利用することができる。
1…電動式鋏
2…本体
21…操作指保護部
22…接続装置
23…回転出力ギア
31…モータ軸格納部
4…可動刃
41…可動刃側刃部
42…可動刃切断部
43…軸支部
5…固定刃
51…固定刃側刃部
52…固定刃切断部
6…モータ
60…操作部
61…トリガーレバー
62…操作検出センサ
71…磁力検知センサ
72…最大開位置磁石
73…最大閉位置磁石
8…バッテリー
81…ギア板
82…ギア板軸支孔
83…ギア板固定凸部
84…ギア部
9…制御部

Claims (7)

  1. 相対的に開閉可能な可動刃と、
    前記可動刃に対向する対向刃と、
    前記可動刃に駆動力を付与することによって少なくとも前記可動刃を前記対向刃に対して開閉させる駆動手段と、
    前記駆動手段の駆動力によって前記可動刃と連動する連動部材と、
    前記駆動手段を制御する制御手段と、
    前記可動刃と前記対向刃と前記駆動手段と前記連動部材を保持して少なくとも前記可動刃の開閉動作を許容する本体と、
    前記可動刃または前記連動部材に設けられた第1部と、
    前記可動刃の開閉動作に連動して前記第1部に対する相対位置が変化する第2部を備え、
    前記第1部および前記第2部の一方は第1磁石および第2磁石を有しており、前記第1部および前記第2部の他方は磁力を検知するセンサを有しており、
    前記第1磁石および前記第2磁石は、互いに離間して配置されており、
    前記第1磁石は、
    前記可動刃の開閉動作における第1開閉角度のときに、前記センサに近接するように設けられ、
    前記第2磁石は、
    前記可動刃の開閉動作における第2開閉角度のときに、前記センサに近接するように設けられている
    電動式鋏。
  2. 前記可動刃の開閉動作における第1開閉角度のときの前記第1磁石から前記センサまでの距離と、前記可動刃の開閉動作における第2開閉角度のときの前記第2磁石から前記センサまでの距離とがほぼ同じである
    請求項1記載の電動式鋏。
  3. 前記第1磁石は、
    前記センサに近接するときにN極とS極のうち一方の磁極が前記センサに近接するよう配置され、
    前記第2磁石は、
    前記センサに近接するときにN極とS極のうち他方の磁極が前記センサに近接するよう配置されている
    請求項1または2記載の電動式鋏。
  4. 前記センサは、磁界の極性と強度を検知するセンサであり、
    前記制御手段は、前記センサが前記一方の磁極の磁界を所定強度以上検知した場合に、前記第1磁石が当該センサに近接したと判断し、前記他方の磁極の磁界を所定強度以上検知した場合に、前記第2磁石が当該センサに近接したと判断する
    請求項3記載の電動式鋏。
  5. 前記一方の磁極の磁界の所定強度および前記他方の磁極の磁界の所定強度は、
    前記可動刃の開閉によって前記センサが検知する磁界の最大強度よりも低い強度である
    請求項4記載の電動式鋏。
  6. 前記可動刃と前記駆動手段とを連結し、前記駆動手段の駆動力を前記可動刃に伝達する連結手段をさらに備え、
    前記連結手段の構成部材が前記連動部材である
    請求項1または2記載の電動式鋏。
  7. 前記第1開閉角度は、前記可動刃の最大開位置を含む所定範囲の角度であり、
    前記第2開閉角度は、前記可動刃の最大閉位置を含む所定範囲の角度である
    請求項1または2記載の電動式鋏。
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