JP2023163729A - 振動アクチュエータ及び電気機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化を図りつつ、使用される環境等に応じて、広い周波数帯で好適な振動出力を発生する。【解決手段】柱状のマグネットを有する可動体と、コイルと、コイルの内側で可動体の外周面との間に隙間を空けて可動体を囲む内周面を有し、弾性支持部を介して可動体を可動体の軸方向に振動可能に支持する本体部と、を有する固定体と、を有し、可動体の移動方向と反対方向への流体の流れを隙間に生じさせ且つ流体に対し管路抵抗を発生するように構成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、振動アクチュエータ及びこれを備える電気機器に関する。
従来、電気機器として振動機能を有する電子機器には、振動発生源として振動アクチュエータが実装されている。電子機器は、振動アクチュエータを駆動してユーザに振動を伝達して体感させることにより、刺激を付与したり、着信を通知したり、操作感や臨場感を向上したりすることができる。なお、電子機器は、主に、携帯型ゲーム端末、据置型ゲーム機のコントローラー(ゲームパッド)、携帯電話やスマートフォンなどの携帯通信端末、タブレットPCなどの携帯情報端末等を含む手持ち型電気機器である。また、振動アクチュエータは、服や腕などに装着されるウェアラブル端末等に実装される場合もある。
携帯機器に実装される小型化可能な構造の振動アクチュエータとしては、例えば、特許文献1に示すように、ページャー等に用いられる振動アクチュエータが知られている。
この振動アクチュエータは、一対の板状弾性体を対向するように配置して、円筒状の枠体の開口縁部でそれぞれ支持させている。加えて、この振動アクチュエータは、一対の板状弾性体のうちの一方の渦巻型形状の板状弾性体における盛り上がった中央部分に、磁石を取り付けたヨークを固定して、ヨークを枠体内で支持している。
ヨークは磁石とともに円環状の磁界発生体を構成し、この磁界発生体の磁界内に、コイルが他方の板状弾性体に取り付けた状態で配置されている。コイルに発振回路を通じて周波数の異なる電流が切替えて付与されることにより一対の板状弾性体は選択的に共振されて振動を発生し、ヨークは枠体内で枠体の中心線方向で振動する。
この振動アクチュエータでは、ヨークと枠体の内周壁との距離よりも磁石とコイル及びヨークとコイル間の距離を大きくしている。これにより、外部から衝撃を受けた場合、先にヨークが枠体の内周壁に衝突することによりヨークや磁石がコイルに接触することがなく、コイルの破損を防止している。
特許第3748637号公報
ところで、振動発生体としての振動アクチュエータは、搭載される製品の小型化に伴って、高出力を確保しつつ小型化が図られている。
その小型化が図られた構造において、使用される環境に応じて広い周波数帯での振動を発生することが望ましい。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、小型化を図りつつ、使用される環境等に応じて、広い周波数帯で好適な振動出力を発生する振動アクチュエータ及び電気機器を提供することを目的とする。
本発明の振動アクチュエータの一つの態様は、
柱状のマグネットを有する可動体と、
コイルと、前記コイルの内側で前記可動体の外周面との間に隙間を空けて前記可動体を囲む内周面を有し、弾性支持部を介して前記可動体を前記可動体の軸方向に振動可能に支持する本体部と、を有する固定体と、
を有し、
前記可動体の移動方向と反対方向への流体の流れを前記隙間に生じさせ且つ前記流体に対し管路抵抗を発生するように構成されている。
本発明の電気機器の一つの態様は、
手持ち型またはウェアラブル型の電気機器であって、
ユーザとの接触部に、上記構成の振動アクチュエータを実装した構成を採る。
本発明によれば、小型化を図りつつ、使用される環境等に応じて、広い周波数帯で好適な振動出力を発生することができる。
本発明の一実施の形態に係る振動アクチュエータを正面側から見た外観斜視図である。 振動アクチュエータの平面図である。 図2のA-A線断面図である。 同振動アクチュエータにおいてケースとその内部の駆動ユニットとを分解した状態を示す図である。 駆動ユニットにおいて、コイル組立体からアウターヨークを外したコイル組立体の外面を示す図である。 コイル組立体と可動体とを示す分解斜視図である。 可動体と弾性支持部とを示す斜視図である。 可動体と弾性支持部の分解斜視図である。 コイル組立体の分解斜視図である。 ケースの内部構造を示す斜視図である。 蓋体の裏面を示す斜視図である。 隙間と可動空間の説明に供する部分拡大断面図である。 線保持部の説明に供する振動アクチュエータの左側面図である。 図14A及び図14Bは、線保持部の説明に供する図である。 線保持部の変形例の説明に供する図である。 同振動アクチュエータの磁気回路構成を模式的に示す図である。 図17A及び図17Bは、同アクチュエータ本体の動作の説明に供する図である。 振動アクチュエータにおいて空気減衰の有無による共振周波数の違いの説明に供する図である。 振動アクチュエータをゲームコントローラに実装した例を示す図である。 振動アクチュエータを携帯端末に実装した例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[振動アクチュエータの全体構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る振動アクチュエータを正面側から見た外観斜視図であり、図2は、振動アクチュエータの平面図であり、図3は、図2のA-A線断面図である。また、図4は、同振動アクチュエータにおいてケースとその内部の駆動ユニットとを分解した状態を示す図である。また、図5は、駆動ユニットにおいて、コイル組立体からアウターヨークを外したコイル組立体の外面を示す図であり、図6は、コイル組立体と可動体とを示す分解斜視図である。
なお、本実施の形態における「上」側、「下」側は、理解しやすくするために便宜上付与したものであり、振動アクチュエータにおける可動体の軸方向、つまり、振動方向の一方、他方を意味する。すなわち、振動アクチュエータが電気機器(例えば、図19及び図20に示す電子機器)に搭載される際には上下が逆になっても左右になっても構わない。なお、図1に示すリード線は、図3~図6及び図9では、便宜上、図示省略する。
振動アクチュエータ1は、電気機器として携帯型ゲーム端末機器等の電子機器(図19参照)に振動発生源として実装され、電子機器の振動機能を実現する。この電子機器としては、スマートフォン等の携帯機器(図20参照)も含む。振動アクチュエータ1は、携帯型ゲーム端末機器或いは、携帯機器等の各機器に実装され、駆動することにより振動して、ユーザに対して着信を通知したり、操作感や臨場感を与えたりする。
振動アクチュエータ1は、図1に示すように、柱状のケース10を有する振動体であり、例えば、円柱状に形成されている。
ケース10は、本実施の形態では、図1から図4に示すように、複数のケース部から構成され、第1ケースとしてのケース本体11と第2ケースとしての蓋部12とを含む中空の円柱体である。なお、このケース10には、外部と内部とを連通する通気孔は設けられていない。ケース10についての詳細な説明は後述する。
振動アクチュエータ1は、図1から図4に示すように、ケース10内に、振動する可動体20を有する駆動ユニット15を収容することにより構成されている。可動体20が振動方向である可動体20の軸方向で可動することにより、振動アクチュエータ1自体が振動体として機能する。
本実施の形態では、駆動ユニット15は、全体として円柱状であり、その中心軸(不図示)は、同様に円柱状であるケース10の中心軸(不図示)と平行又は同軸である。また、本実施の形態では、可動体20の振動方向は、円柱状の駆動ユニット15の中心軸の方向に沿って延在する、F方向及び-F方向(図16参照)を含む直線方向である。
振動アクチュエータ1は、マグネット21、第1ヨーク23、第2ヨーク25、錘部(第1錘部27及び第2錘部29)を有する可動体20と、コイル(一対のコイル61、62)、コイル保持部42及びケースを有する固定体40と、板状の弾性支持部81、82と、を有する。
振動アクチュエータ1では、図3に示すように、固定体40のコイル保持部42の内周面42aと可動体20の外周面20aとの間に環状の隙間G(図3参照。以下、単に「隙間G」という)が設けられ、可動体20は、固定体40に弾性支持部81、82を介して軸方向に振動可能に支持される。この振動アクチュエータ1では、可動体20は、コイル保持部42とともに、ケース10内に収容される駆動ユニット15に含まれている。
振動アクチュエータ1は、可動体20の移動方向と反対方向への流体の流れを隙間Gに生じさせ、流体に対し管路抵抗を発生するように構成されている。なお、隙間Gの詳細については管路抵抗の説明とともに後述する。
図3~図6に示す駆動ユニット15は、コイル61、62とともに固定体の一部であるコイル組立体を構成するコイル保持部42と、アウターヨーク50と、可動体20と、弾性支持部81、82とを有する。
駆動ユニット15は、軸方向(振動方向)で離間して対向配置された弾性支持部81、82を介して、コイル保持部42内に、コイル保持部42の内周面42aとの間に隙間Gを空けて配置された可動体20を、コイル保持部42に対して吊った状態で振動方向に往復移動自在に支持する。
なお、駆動ユニット15は、その外周面(コイル保持部42の外周面)で露出する端子絡げ部(結線部)43を介して、外部機器に接続されて、外部機器から電力の供給を受ける。
図3~図6に示すように、コイル組立体は、アウターヨーク50とともに固定体の一部を構成する筒状体であり、弾性支持部81、82を介して、内部に可動体20を可動自在に収容している。
<可動体20>
可動体20は、図3に示すように、固定体40の筒状のコイル保持部42の内側に周方向で間隔を空けて配置される。可動体20は、柱状であり、軸方向、つまり振動方向で離間する両端部(上下端部)で、弾性支持部81、82の内周部に接続されている。弾性支持部81、82は、筒状のコイル保持部42の両開口部(開口端部427a、428a)を覆うように取り付けられている。
可動体20は、コイル保持部42の内周面42aに沿って、軸方向に往復移動可能に支持される。可動体20は、柱状であれば、平断面形状はどのような形状であってもよい。可動体20は、例えば円柱状或いは円柱状に近似する多角形状に形成され、コイル保持部42(筒状本体部422)の内周面42aとの間の隙間を全周に亘り、一定の幅で構成し易い形状であることが好ましい。なお、可動体20の外周面20aは、可動体20の可動域全体に亘りコイル保持部42の内周面42aよりも軸方向の両側に突出する長さを有し、可動体20の可動域全域で、空気減衰効果となる管路抵抗の発生を維持している。
図7は、弾性支持部が取り付けられた可動体の斜視図であり、図8は、弾性支持部が取り付けられる可動体の分解斜視図である。
可動体20は、図6~図8に示すように、マグネット21と、一対の錘部(錘部27、錘部29)と、マグネット21と一対の錘部27、29との間に配置される一対の可動体ヨーク(第1ヨーク23及び第2ヨーク25)とを有する。
本実施の形態では、図3、図7及び図8に示すように、可動体20において、可動体20の軸方向である振動方向の中央部、つまり、可動体20の中心にマグネット21が配置されている。このマグネット21の振動方向の両側(図8に示す表面21a側及び裏面21b側であり各図では上下方向)に、それぞれ第1ヨーク23及び第2ヨーク25、錘部27及び錘部29が、マグネット21を中心に対称に配置されている。具体的には、マグネット21の振動方向の両側にそれぞれ、第1ヨーク23、錘部27が、第2ヨーク25及び錘部29が、順に積層されている。
可動体20では、マグネット21、第1ヨーク23、第2ヨーク25、錘部27及び錘部29のそれぞれ外径は、同径あるいは略同径に構成されている。マグネット21、第1ヨーク23、第2ヨーク25、錘部27及び錘部29は、軸方向でフラットな外周面20aを構成する。これにより可動体20の外周面20aは、面一或いは略面一であり、凹凸の無いフラットな周面である。
可動体20の振動方向の両端部(錘部27、29)は、非駆動時において、固定部40(コイル保持部42)の内周面42aにおける振動方向の両端部よりも振動方向外方に位置する。
また、可動体20が振動方向の両側でそれぞれ最大振幅位置にあるときに(図17A及び図17B参照)、錘部27及び錘部29の一方の錘部27、29は、アウターヨーク50と径方向で対向する範囲から外れた位置に位置するよう構成されている。可動体20の外周面20aが、可動体20の可動域全体に亘って、固定体40のコイル保持部42の内周面42aよりも振動方向(軸方向)の両側に突出するように、錘部27及び錘部29は、マグネット21に積層された第1ヨーク23及び第2ヨーク25のそれぞれにマグネットの軸方向で接合されている。
可動体20では、外周面20aの凹凸の無い略フラットな周面は、具体的には、マグネット21、第1ヨーク23、第2ヨーク25及び錘部27、29の一部(錘本体272、292)の外周面である。これらマグネット21、第1ヨーク23、第2ヨーク25及び錘部27、29の一部(錘本体272、292)の外周面は、駆動基準位置及び最大振幅位置においてもコイル保持部42の内周面42aの内側で所定間隔を空けて対向する。なお、駆動基準位置は、可動体20が振動方向に移動する際の基準となる位置であり、例えば、非通電状態において、振動方向の真ん中の中心部分に位置する位置である。図3に示すように可動体20は、位置Kから内周面42aまでの長さTと、位置Kから長さT分の内周面42aから離れる方向の長さTとを合わせたT×2分のストローク長を有する。
<マグネット21>
マグネット21は、図7~図8に示すように、振動方向に着磁された中実の柱状体(板状も含む)のものである。例えば、マグネット21では、振動方向で離間する表裏面21a、21bがそれぞれ異なる極性を有する。また、マグネット21は、本実施の形態では、振動方向の長さ(高さ)よりも、直径(横幅)の方が長い円柱状(円板状と称してもよい)に形成されている。マグネット21は、凹部等の加工が施されてもよいが、中実の円柱状であれば、凹部等の加工が施されたマグネットと比較して安価で製造できる。マグネット21は、例えば、ネオジウム焼結マグネットである。マグネット21への加工としては、表裏面21a、21bに第1ヨーク23、第2ヨーク25とを接着等により接合する際に接着剤を貯める溝を設けてもよい。
マグネット21は、コイル保持部42に保持されるコイル(一対のコイル61、62)(詳細は後述する)に対して、コイル(一対のコイル61、62)の径方向の内側で間隔を空けて位置するように配置される。ここで、「径方向」とは、コイル(一対のコイル61、62)の軸方向(振動方向)と直交する方向でもある。言い換えれば、マグネット21は、径方向の外側で、コイル保持部42の内周面42aにおいて振動方向の中心位置と、対向するように配置されている。なお、一対のコイル61、62は、以下では、「コイル61、62」とも称する。
この径方向における間隔は、コイル61、62の径方向内方で、マグネット21との間に、コイル61、62が巻回される筒状本体部422が位置した状態でのコイル61、62とマグネット21との間隔である。また、この間隔は、可動体20の振動方向に互いに接触することなく移動可能な間隔とする。
マグネット21は、コイル61、62の内側で、コイル61、62の軸の延在方向に2つの着磁面をそれぞれ向けて配置されるものであれば、筒状、板形状等のように中実の柱状以外の形状であってもよい。また、マグネット21の軸方向の中心が、可動体20の軸方向の中心と一致することが望ましい。
<第1ヨーク23及び第2ヨーク25>
第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、磁性体であり、マグネット21の表裏面21a、21bにそれぞれ配置され、マグネットの21の磁束の磁気回路を効率化させる。第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、軸方向に厚みを有する柱状(板状でもよい)に形成され、マグネット21と同じ外径を有する。
第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、柱状であり、例えば、マグネット21と同径の円柱状(円板状と称してもよい)に形成され、それぞれマグネット21の外周面と面一の外周面を有する。第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、マグネット21の表裏面に固定されており、その外周面は、マグネット21の外周面及び錘部27、29の一部とともに可動体20のフラットな外周面20aを構成している。
第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、マグネット21、コイル(一対のコイル61、62)及びアウターヨーク50とともに、振動アクチュエータ1の磁気回路を構成する。第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、マグネット21の磁束を集中させて、漏らすことなく効率良く流し、マグネット21とコイル(一対のコイル61、62)間に流れる磁束を効果的に分布させる。第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、例えば、SECC(ボンデ鋼板)等の金属製の磁性体により形成されることが好ましい。
また、第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、磁気回路の一部としての機能の他、可動体20において、可動体20の本体部分としての機能、及び、ウェイトとしての機能を有してもよい。さらに、第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、外径が同じ錘部27、29を接合する際に、外径どうしを合わせることでマグネット21に対する錘部27、29の位置決めを行う機能を有する。
第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、本実施の形態では、同様に形成された同じ部材であり、マグネット21を中心に、マグネット21を挟むようにマグネット21の表裏面21a、21b(上下面)に対称に設けられている。なお、第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、マグネット21に吸引されることにより固着されてもよく、また、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化型接着剤もしくは嫌気性接着剤によりマグネット21に固定されてもよい。第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、上述の接着剤により錘部27、29に固定される。
マグネット21と第1ヨーク23及び第2ヨーク25のそれぞれとの接合部には、接着剤又は溶着材を溜める溜まり部としての溝部(不図示)及び溝部252が設けられている。第1ヨーク23と錘部27との接合部、及び、第2ヨーク25と錘部29との接合部にはそれぞれ、接着剤又は溶着材を溜める溜まり部としての溝部232及び溝部(不図示)が設けられている。
溝部232、252は、第1ヨーク23及び第2ヨーク25のそれぞれの表裏面の外周部に、周方向に沿って設けられている。溝部232、252は、第1ヨーク23及び第2ヨーク25に積層して固定される部材を接合する接着剤又は溶接剤材が溜まり、溝部232、252よりも径方向外方にはみ出ないようにする。すなわち、マグネット21と第1ヨーク23及び第2ヨーク25のそれぞれとの接合部や、第1ヨーク23及び第2ヨーク25のそれぞれとの接合部から接着剤又は溶接剤材が外周側に漏れはみ出ることがない。
すなわち、溝部232、252は、第1ヨーク23及び第2ヨーク25の表裏面に、マグネット21、錘部27、29を、それぞれ接着剤を介して接合する際に、接合対象物に挟まれて径方向外方に移動する接着剤を貯留する。これにより、接着剤が第1ヨーク23とマグネット21、第1ヨーク23と錘部27、第2ヨーク25とマグネット21、第2ヨーク25と錘部29とのそれぞれの接合部分から外縁側にはみ出ることなく、それぞれが接合される。
よって、マグネット21、第1ヨーク23、第2ヨーク25、錘部27、29の接合により構成される可動体20の外周面を滑らかな周面とすることができる。
なお、この溝部232、252は、互いに接合される面同士の少なくとも一方に設けられていればよく、マグネット21側や錘部27、29側に設けられてもよい。
溝部232、252は、第1ヨーク23及び第2ヨーク25のそれぞれの表裏面において少なくとも一方の面に設けられていればよい。第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、溝部232、252を、それぞれの表裏面に有するので、第1ヨーク23、第2ヨーク25をマグネット21や錘部27、29に接合する際に、その向きを設定することなく接合することができる。第1ヨーク23及び第2ヨーク25をSECC等で形成する場合、プレス加工で製造することができ、溝部232、252を形成し易い。
第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、非振動時において、コイル(一対のコイル61、62)の内側(径方向内方)で、コイル(一対のコイル61、62)の軸方向と直交する方向で、コイル(一対のコイル61、62)のそれぞれに対向するように位置する。
第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、可動体20の非振動時において、それぞれ、一対のコイル61、62の内側(径方向内方)で、振動方向と直交する方向で、一対のコイル61、62の振動方向の中心と対向するように位置することが好ましい。
また、第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、本実施の形態では、マグネット21の上側の第1ヨーク23の上面の高さ位置が、上側のコイル61の上端の位置よりも下側(中心側)に位置することが好ましい。加えて、マグネット21の下側の第2ヨーク25の下面の高さ位置が、下側のコイル62の下端の位置よりも上側(中心側)に位置することが好ましい。この構成により、第1ヨーク23及び第2ヨーク25は、マグネット21とコイル61、62と、アウターヨーク50とともに、磁束漏れが少なく磁気効率の高い好適な磁路を構成する。
<錘部27、29>
錘部27、29は、振動方向(マグネット21の着磁方向)でマグネット21の表裏面に接合された第1ヨーク23及び第2ヨーク25のそれぞれに、第1ヨーク23及び第2ヨーク25を挟むように設けられている。
錘部27、29は、第1ヨーク23及び第2ヨーク25のそれぞれに、振動方向の中央部に関して振動方向で対称に配置され、可動体20の振動出力を増加させている。錘部27、29は、可動体20において振動方向両側の端部、つまり、マグネット21から振動方向両側でそれぞれ離間して位置する両端部を構成する。
錘部27、29は、比重が高い材料により構成されることが好ましい。錘部27、29は、第1ヨーク23及び第2ヨーク25よりも比重が高い材料により形成され、例えば銅焼結等により形成される。なお、錘部27、29は、ケイ素鋼板(鋼板の比重は7.70~7.98g/cm)等の材料よりも比重の高い材料(例えば、比重が16~19g/cm程度)により形成されるのが好ましく、タングステン(19.3g/cm)等で形成されてもよい。これにより、設計等において可動体20の外形寸法が設定された場合でも、可動体20の質量を比較的容易に増加させることができ、ユーザに対する十分な体感振動となる所望の振動出力を実現することができる。
錘部27、29の外径は、第1ヨーク23、第2ヨーク25の外径と同径或いは略同径である。
錘部27、29は、第1ヨーク23、第2ヨーク25の外径と同径或いは略同径である錘本体272、292と、錘本体272、292に突設され、弾性支持部81、82に接続されるばね固定部274、294とを有する。錘本体272、292は柱状(板状と称してもよい)に形成されており、振動方向の長さを有する。
錘部27、29は、振動方向で離間する両端面を有する円柱状に形成され、例えば同じ形状で同様に構成されている。錘部27、29は、それぞれマグネット21側の端面(一端面)で第1ヨーク23或いは第2ヨーク25に固定され、それぞれマグネット21から離間する他端面側で、ばね固定部274、294を介して弾性支持部81、82が接続される。
錘部27、29の他端面の角部には面とり加工されてなる面取り部276、296が設けられ、他端面の中央部には、ばね固定部274、294が突設されている。
面取り部276、296は、可動体20が振動する際に、ばね固定部274、294に接続されて放射方向に延在する弾性支持部81、82の変形を受け入れる逃げ部を形成し、変形した弾性支持部81、82を可動体20に接触させない。
これにより可動体20は好適に振動でき、振動アクチュエータ1の小型化を図りつつ、高振動出力を確保する。
なお、錘部27、29が、非磁性体で構成されていれば、振動アクチュエータ1の磁気回路構成の振動方向への拡大を抑え、磁気回路をコンパクトに構成することができる。
錘部27、29が磁気回路サイズに影響しない銅焼結等の非磁性体で構成されているので、可動体20について所望の振動特性を得るうえで錘部27、29の設計自由度を高くすることができる。
ばね固定部274、294は、可動体20を弾性支持部81、82に固定する。
ばね固定部274、294は、錘本体272、292の軸心(可動体20の中心軸)に沿って配置され、円錐台部と突端部とを有する。
ばね固定部274、294は、可動体の振動方向の両端部を構成する。ばね固定部274、294では、断面円錘台状の円錐台部の中央部から突端部が突出して設けられ、突端部は、弾性支持部81、82の内周部802のそれぞれに接合される。突端部は、先端にフランジ状に形成されたカシメ部を有し、カシメ部を内周部802にカシメて弾性支持部81、82に固定されている。なお、円錐台部は円錐台形状でなくてもよく、円柱、多角形台状或いは多角形状であってもよい。
ばね固定部274、294は、錘本体272、292の外径よりも小さい外径を有する。ばね固定部274は、可動体20の振動方向の一方の端部、つまり、可動体20の上側の端部を構成し、弾性支持部81である上側板ばねの内径側の端部である内周部802に接合されている。ばね固定部294は、可動体20の振動方向の他方の端部、つまり、可動体20の下側の端部を構成し、弾性支持部82である下側板ばねの内周部802に接合されている。
ばね固定部274、294が、弾性支持部81、82の内周部802、802に内嵌して接合した状態では、内周部802、802はフランジ状の先端部と円錐部の上面との間で挟持され、錘部27、29に確実に保持される。
なお、ばね固定部274、294は、フランジ状の先端部(突端部)をカシメ加工等により弾性支持部81、82に固着されている。なお、ばね固定部274、294は、溶接、接着にカシメ加工を組み合わせた方法で弾性支持部81、82に接合する構成としてもよい。
ばね固定部274、294は、可動体20において、マグネット21及び第1ヨーク23、第2ヨーク25を含む可動体側の磁気回路上から外れた位置に配置されている。これにより、一対のコイル61、62の配置スペースを制限することがなく、つまり、可動体側の磁気回路(マグネット21、第1ヨーク23及び第2ヨーク25)と一対のコイル61、62との距離を離間させることがなく、電磁変換の効率は低下しない。よって、好適に可動体20の重量を増加でき、高振動出力を実現できる。
<固定体40>
図9は、コイル組立体の分解斜視図である。
図3~図6及び図9に示す固定体40は、一対のコイル61、62の径方向内方で、内周面42aと、可動体10の外周面20aとの間に隙間Gを空けて、マグネット21を有する可動体20を収容する。固定体40は、弾性支持部81、82を介して可動体20の軸方向(振動方向であり、コイル軸方向でもある)に移動自在に支持する。
固定体40は、ケース10と、コイル組立体と、アウターヨーク50とを有する。コイル組立体は、コイル(一対のコイル61、62)の他、コイル61、62を保持するコイル保持部42を有する。コイル組立体は、可動体20と、アウターヨーク50と、弾性支持部81、82とともに駆動ユニット15を構成する。
固定体40は、一対のコイル61、62を保持するコイル保持部42が、弾性支持部81、82を介して可動体20を移動自在に支持する構成であれば、ケース10を含まない構成としてもよい。
コイル保持部42は、コイル60(一対のコイル61、62)が配置されるものであり、非磁性体により構成される。コイル保持部42は、例えばコイル61、62を保持するボビン状に形成されてもよい。コイル保持部42は、フェノール樹脂、ポリブチレンテレフタレート(poly butylene terephtalate;PBT)等の樹脂により形成された筒状体である。コイル保持部42は、本実施の形態では、難燃性の高いベークライト等のフェノール樹脂を含む素材で形成されている。
コイル保持部42は、フェノール樹脂を含む素材で構成されているので、難燃性が高まり、保持するコイル(一対のコイル61、62)に電流が流れた際にジュール熱により発熱しても、駆動の際の安全性の向上を図ることができる。また、寸法精度が高まり、コイル(一対のコイル61、62)の位置精度が高まるため、振動特性のばらつきを低減出来る。
コイル保持部42は、図5及び図9に示すように、筒状本体部422と、フランジ部426~428と、端子引出部46及び連絡溝部47を有する引き回し部41と、係合突部44、45とを有する。なお、フランジ部426~428は、筒状本体部422の外周面に所定間隔を空けて配置され、外周面から放射方向に突出する。
コイル保持部42は、筒状本体部422及びフランジ部426~428によりコイルボビン形状に形成される。コイル保持部42は、フランジ部426~428間にコイル(一対のコイル61、62)が巻回されるコイル取付部42b、42cを有する。
筒状本体部422は、円筒状であり、一対のコイル61、62の径方向内方に位置し、可動体20の外周面20aと所定間隔(隙間G)を空けて対向する内周面42aを有する。内周面42aは、隙間Gが、可動体20の非移動時でも移動時でも軸方向に一定幅に維持されるように、軸方向(振動方向)にフラットであり、凹凸の無いフラットな周面ともいえる。すなわち、隙間Gは、可動体20が振動方向に移動する際に、内周面42aと接触することなく移動可能な間隔である。
内周面42aは、可動体20の外周面20aとともに、流体に対する直管損失の発生を可動体20の可動域全体に亘り維持するよう軸方向フラットに構成されている。
筒状本体部422は、マグネット21と一対のコイル61、62との間に位置することにより、マグネット21と一対のコイル61、62との接触を阻害する。筒状本体部422は、可動体20を、内周面42aに沿って往復移動可能に案内する。
すなわち、筒状本体部422は、可動体20の駆動時において、可動体20の一対のコイル61、62への衝突を保護する保護壁部として機能している。筒状本体部422の厚みは、移動する可動体20が接触しても外周側の一対のコイル61、62に何ら影響を与えない強度を有する厚みである。
コイル取付部42b、42cは、筒状本体部422の外周面に凹状に設けられている。
具体的には、コイル取付部42b、42c(図9参照)は、筒状本体部422の外周面とフランジ部426~428とにより、筒状本体部422の外周面から外周側に径方向の外側に開口するように形成されている。
コイル取付部42b、42cは、フランジ部426~428により仕切られるように設けられている。コイル取付部42b、42cには、一対のコイル61、62が、巻回されている。一対のコイル61、62は、フランジ部(「端部フランジ部」とも称する)427、428の間で、中央のフランジ部(以下、「中央フランジ部」とも称する)426を振動方向で挟むように、巻回されている。
コイル取付部42b、42c内のコイル61、62は、可動体20の第1ヨーク23及び第2ヨーク25の外周面(マグネット21の一部の外周面、第1ヨーク23の外周面及び第2ヨーク25の外周面)を囲むように、コイル軸方向に並んだ位置に配置されている。すなわち、非通電時において、一対のコイル61、62の振動方向の長さは、マグネット21を挟む第1ヨーク23及び第2ヨーク25の振動方向の長さよりも長く、一対のコイル61、62はこれらを覆うように配置されている。
中央フランジ部426は、筒状本体部422の外周面から径方向外方に突出して環状に形成されており、環状の外周部を有する。なお、中央フランジ部426の外周部の一部には、巻線を引き回す引き回し部41が設けられている。
中央フランジ部426において端子引出部46を除く部分の直径、つまり外周部426aの直径は、他のフランジ部(端部フランジ部427、428)の最大直径よりも短い。すなわち、中央フランジ部426の外周部426aの端面である外周面は、端部フランジ部427、428の外周面よりも径が小さく、端部フランジ部427、428の外端よりも後退した位置に配置される。なお、中央フランジ部426の外周面は、図5、図6及び図9に示すように、端部フランジ部427、428の一部とともに、アウターヨーク50が内嵌する凹状部420(詳細は後述する)を構成している。コイル取付部42b、42cはアウターヨーク50に被覆される。
引き回し部41は、端子引出部46により、コイル61、62の端末(巻線63)を外部機器と接続可能な状態に処理し、連絡溝部47は、コイルの巻線64をコイル取付部42b、42c内に案内する。これにより、コイル保持部42がコイル61、62を好適に保持するように、コイルの巻線(例えば巻線64)がコイル取付部42b、42c内に引き回される。
端子引出部46は、端子絡げ部43を有する。端子絡げ部43は、図5及び図9に示すように、一対のコイル61、62を連絡する巻線の端部の巻線63を絡げて、外部機器と接続するコネクタ結線部として機能する。端子絡げ部43は、一対のコイル61、62と外部機器(振動アクチュエータの本体部分以外、例えば、駆動制御部等の電源供給部)とを接続し、外部機器から一対のコイル61、62への電力供給を可能にする。
端子絡げ部43は、コイル保持部42、具体的には、筒状本体部422の外周部分に突設された導電性を有する部材である。端子絡げ部43は、コイルの巻き線を絡げるための棒状体を有する。
端子絡げ部43は、コイル保持部42の外周部、具体的には、コイル保持部42の中央フランジ部426の外周面に突設された端子引出部46に、基端部を圧入することにより設けられている。端子絡げ部43には、コイル61、62を構成する巻線の端部の巻線63が絡げて接続され、半田により形成されたフェレット432を介して電気的に確実に接合されている。
端子引出部46は、中央フランジ部426の外周面から突出することにより中央フランジ部426において、径方向の所定の長さと、振動方向の厚みと、周方向に沿う幅とを有して設けられており、端子絡げ部43の圧入シロを確保している。端子引出部46の幅は、中央フランジ部426の外周の接線と平行であり、本実施の形態では、端子引出部46は、直方体に形成され、その先端面に端子絡げ部43、つまり、コイル61、62の両端部が突設されている。
端子引出部46は、端子絡げ部43を圧入により固定する際の圧入シロを確保しているので、端子絡げ部43を強固に保持でき、端子絡げ部43をコイル保持部42に組み付ける際に、安定して固定させることができる。
端子引出部46は、端子絡げ部43を介して、コイル(一対のコイル61、62)を形成するコイルの巻線の端部を、振動アクチュエータ1の外部に引き出して供給電源に接続させる。端子引出部46は、アウターヨーク50を挿通し、端子絡げ部43を、アウターヨーク50の外部、ひいてはケース10の外部に露出させる。
端子絡げ部43は、端子引出部46に設けられているので、端子引出部46をアウターヨーク50に挿通させる際に、アウターヨーク50が接触してアウターヨーク50の荷重が掛かる場合でも、その荷重を端子引出部46で受けることができる。これにより、アウターヨーク50を取り付けた際の荷重が、端子絡げ部43に掛かることを防ぎ、荷重がかかることによる端子絡げ部43の変形を防ぎ、振動アクチュエータを安定して製造できる。なお、フランジ部426~428の同一外径の外周面に、接着部を設け、接着部を介して、フランジ部426~428の各々にアウターヨーク50を固着してもよい。これにより、より安定した振動特性を実現できる。
連絡溝部47内には、コイル(一対のコイル61、62)を連絡するコイルの巻線64が挿通される。本実施の形態の連絡溝部47では、コイル61及びコイル62を形成するコイルの巻線の巻回方向が連絡溝部47の上下で逆方向となるように反転される。
連絡溝部47は、中央フランジ部426の外周部で径方向外方に開口し、且つ、振動方向に沿って貫通するように形成されている。具体的には、連絡溝部47は、溝状の底を形成する底壁部と、底壁部において端子絡げ部43から遠い側壁部(一側壁部)とを有する。
連絡溝部47は、中央フランジ部426において、アウターヨーク50で覆われる。連絡溝部47は、アウターヨーク50に覆われた状態でも、アウターヨーク50の径方向内方でコイル取付部42b、42cどうしを振動方向で連通させる。連絡溝部47は、端子引出部46に近接或いは隣接配置されている。
連絡溝部47は、図5及び図9に示すように、端子引出部46に隣接して形成された、平行な壁面間に傾斜する底面を有した切り欠き状の部位である。切り欠き状の部位は、コイル61或いはコイル62のうちの一方を巻回して配置した後で、巻回方向を逆にして他方を巻回して配置する際に、巻線が外れないように巻線を係止する機能を有する。本実施の形態の連絡溝部47は、底壁部を底面として周方向で離間する両端で両側壁部が立設した平面視U字状に形成されている。
よって、コイルの巻線をコイル取付部42b、42cに上下反転方向で巻き付けて一対のコイル61、62を配置する際に、コイルの巻線64は、連絡溝部47から外れないように確実に連絡溝部47に係合して留まる。これにより、コイルの巻線64は、連絡溝部47によりコイル取付部42b、42cの一方から他方に好適に案内される。よって、一本のコイルの巻線によるコイル保持部42への一対のコイル61、62の組み付けを容易に行うことができる。
なお、引き回し部41は、中央フランジ部426の上下面(振動方向で離間する面)の少なくとも一方の面にコイル案内部412を有する。コイル案内部は、コイルの巻線63を端子絡げ部43からコイル保持部42のコイル巻回部分(コイル取付部42b、42cの一方)における一巻目の位置(例えば角部)に案内する。コイル案内部は、本実施の形態では、中央フランジ部426の上下面において、端子引出部46に対して、周方向の一方で隣接する連絡溝部47までの上面部分と、端子引出部46の下面部分とにそれぞれ段差状に形成されている。コイル案内部は、中央フランジ部426の上下面(振動方向の面)に設けられた段差であり、この段差は、端子絡げ部43から、コイルの巻線を、コイル取付部42b、42cの底面側、つまり、筒状本体部422の外周面側に引き込み可能に案内するよう形成されている。
端部フランジ部427、428は、筒状本体部422の軸方向で離間する両端部に設けられ、コイル保持部42の上下端部を構成する。
端部フランジ部427、428(纏めて「両端フランジ部」とも称する)は、それぞれ筒状本体部422の外周から振動方向の両端部に放射方向に張り出して設けられている。端部フランジ部427、428のそれぞれの外周部は、中央フランジ部426の外周部426aと同一径部分を有する。言い換えれば、端部フランジ部427が構成するコイル取付部42bの振動方向上側の開口縁部と、端部フランジ部428が構成するコイル取付部42cの振動方向下側の開口縁部とには、中央フランジ部426の外面と同一面を有する段差が設けられている。
段差の段差面が、中央フランジ部426の外周面と同一平面上に位置することで、端部フランジ部427、428は、中央フランジ部426の外周部426aの同一径部分を構成する。
これら段差面と、コイル保持部42の外周面とが、径方向外方に開口する凹状の凹状部420を構成する。凹状部420にアウターヨーク50が嵌合することにより、アウターヨーク50は、コイル保持部42に、アウターヨーク50の外面と、端部フランジ部427、428の外面とが面一となるように位置される。
この凹状部420にアウターヨーク50が配置されることにより、アウターヨーク50は、一対のコイル61、62を囲む位置に位置決めされる。また、アウターヨーク50は、外周部426aと、端部フランジ部427、428において中央フランジ部426の外径と同一径となる部分とに当接することにより、コイル保持部42に安定して固定される。これにより、アウターヨーク50の高さ寸法(振動方向の長さ)が大きくなる場合でも、それに対応した取り付け方で安定して固定させることができる。
端部フランジ部427、428は、中央フランジ部426から離間する方向、例えば、上下方向にそれぞれ開口した円筒状に形成される。端部フランジ部427、428において、開口側の端部、つまり、上下端部で、弾性支持部81、82が固定される。
端部フランジ部427、428は、上下方向で開口する開口部を筒状本体部422の上端から径方向外方に延在する水平な環状の面と、環状の面の外縁から傾斜して立ち上がる周面と、周面の径方向外方の端部から軸方向と平行に立ち上がる外周部とを有する。周面の径方向外方の端部から軸方向と平行に立ち上がる外周部は、開口端部427a、428aを仕切る壁部である。
係合突部44、45は、コイル保持部42の上下端部、つまり、端部フランジ部427、428の円環状の上下の開口端部(それぞれ「コイル保持部42の開口部」とも称する)427a、428aにおいて振動方向(上下方向)に突設された突状部である。
係合突部44、45は、図3及び図4に示すように、ケース10の蓋部12の係合凹部127と、ケース本体11の係合凹部117(図10及び図11参照)に係合する。係合突部44、45は、係合凹部127、117と係合することにより、コイル保持部42と、蓋部12及びケース本体11との径方向及び振動方向の位置決めを行うとともに、双方で挟持する弾性支持部81、82の径方向の位置決めも行う。
係合突部44、45は、蓋部12の天面部122と、ケース本体11の底部114とそれぞれ対向するように配置され、端部フランジ部427、428は、それぞれ弾性支持部81、82を挟んだ状態で、天面部122、底部114を受ける。
係合突部44、45を位置決め溝部808に嵌合することにより弾性支持部81、82のコイル保持部42に対する位置出しを行う。これにより、駆動ユニット15の各個体での弾性支持部81、82の位置を一律に設定して、コイル保持部42に対する弾性支持部81、82の安定した位置出しを行うことができる。これにより、弾性支持部81、82は、回転方向への移動が規制され、製品として、弾性支持部81、82のバラツキを抑制し、安定した特性を実現できる。
係合突部44、45は、コイル保持部42の軸を中心に等間隔に間を空けて複数設けられている。
また、複数の係合突部44、45で、弾性支持部81、82の位置決め溝部808と係合する。これにより、弾性支持部81、82の、コイル保持部42内への可動体20の挿入時の引っ掛かりや摩擦を低減して組立性良く組み付けて可動体20及びコイル保持部42の位置出しを容易に行うことができる。
また、コイル保持部42は、上下端部の係合突部44、45を、ケース10の係合凹部127、117と係合して、蓋部12の縁部と、底部114の縁部とに対向させた状態で収容され、ケース内で固定される。
コイル保持部42は、非駆動時において、弾性支持部81、82を介して可動体20を、可動体20の外周面の振動方向の両縁部が、内周面42aの振動方向の両縁部よりも振動方向で突出するように支持している。また、コイル保持部42は、駆動時においても、可動体20の円筒状の外周面20aが、内周面42aに対して振動方向に延在する一定の長さ(幅)の隙間Gが形成されるように、可動体20を支持している。
<コイル61、62>
一対のコイル61、62は、振動アクチュエータ1において、一対のコイル61、62の軸方向(マグネット21の着磁方向)を振動方向として、マグネット21、第1ヨーク23及び第2ヨーク25とともに、駆動源の発生に用いられる磁気回路を構成する。
一対のコイル61、62は、駆動時(振動時)に通電されて、マグネット21とともにボイスコイルモータを構成する。なお、本実施の形態では1対のコイル61、62としたが、同様に駆動する磁気回路を構成するものであれば、1つでも、3つ以上のコイルを用いてもよいが、コイルは振動方向で対称となるように、偶数個であることが望ましい。
一対のコイル61、62は、マグネット21、第1ヨーク23及び第2ヨーク25等を有する可動体20に対して、振動方向で、マグネット21を中心に対称の位置に配置される。コイルの振動方向の長さの中心位置、つまり、コイル61の上端とコイル62の下端との間の長さの中心位置が、可動体20(特にマグネット21)の振動方向の長さの中心位置と、振動方向で同じ位置(略同じ位置を含む)となることが好ましい。
一対のコイル61、62は、本実施の形態では、一本のコイルの巻線を、互いに逆方向に巻回されて構成され、通電時には、コイル61、62のそれぞれで逆方向に電流が流れる。
一対のコイル61、62のそれぞれの端部、つまり、一対のコイル61、62を構成するコイルの巻線の両端部は、フランジ部426の端子絡げ部43に絡げて接続されている。
一対のコイル61、62は、端子絡げ部43を介して、電源供給部(例えば、図19及び図20に示す駆動制御部203)に接続される。例えば、一対のコイル61、62のそれぞれの端部は、端子絡げ部43を介して、交流供給部に接続され、交流供給部から一対のコイル61、62に交流電源(交流電圧)が供給される。これにより、一対のコイル61、62はマグネットとの間に、互いの軸方向で互いに接離方向に移動可能な推力を発生できる。
本実施の形態では、一対のコイル61、62は、図9に示すように、端子絡げ部43の一方に、一端部を絡げたコイルの巻線の他端部側を、コイル取付部42b側のコイル案内部412における段差で、コイル取付部42bにおいて一巻き目が形成される位置に案内させる。この一巻き目の位置で、巻線を、反時計回りで巻回して、一巻き目を形成し、順次反時計回りで巻回してコイル62を形成する。
次いで、コイル62の他端部側の巻線を、上述したように連絡溝部47でコイル取付部42cに案内して、連絡溝部47内で巻回方向を逆方向にして、コイル取付部42cの一巻き目の位置に位置させる。その後、コイル取付部42bとは逆方向で巻回、本実施の形態では、時計回りで巻回してコイル61がコイル取付部42c内に形成される。なお、本実施の形態では、コイル(一対のコイル61、62)を一本の巻線により構成したが、これに限らず、別体のコイル(一対のコイル61、62)を用いて構成してもよい。この構成では、別体となったコイルどうしが、同じ方向で巻線を巻回して構成されている場合、駆動時には、それぞれ異なる方向電流を供給する。
なお、一対のコイル61、62のコイル軸は、コイル保持部42の軸、或いは、マグネット21の軸と同軸上に配置されることが好ましい。
振動アクチュエータ1では、一対のコイル61、62は、コイル保持部42の外側から、コイル取付部42b、42cに、コイルの巻線を巻き付けることにより円筒状に形成されている。これにより、コイル61、62は、自己融着線を用いずに組み立てることができ、コイル(一対のコイル61、62)自体の低コスト化、ひいては、振動アクチュエータ全体の低コスト化を実現している。
<アウターヨーク50>
アウターヨーク50は、筒状の磁性体であり、図3~図5に示すように、コイル保持部42の外周面を囲み、一対のコイル61、62を径方向の外側で覆う位置に配置される。
アウターヨーク50は、上述したように、一対のコイル61、62とともに固定体側の磁気回路を構成し可動体側の磁気回路、つまり、マグネット21、第1ヨーク23及び第2ヨーク25とともに磁気回路を構成する。アウターヨーク50は、磁気回路における振動アクチュエータ1の外部への漏れ磁束を防止する。
アウターヨーク50は、磁気回路において、推力定数を大きくして電磁変換効率を高めることができる。アウターヨーク50は、マグネット21の磁気吸引力を利用して、マグネット21とともに磁気ばねとしての機能を有し、弾性支持部81、82を機械バネにした際の弾性支持部81、82の応力を低下させることができ、弾性支持部81、82の耐久性を向上させることができる。
振動アクチュエータ1では、端子絡げ部43を介して、コイル61、62が通電されることで、コイル61、62とマグネット21とが協働して、ケース10内で、可動体20が振動方向に往復移動する。
アウターヨーク50は、アウターヨーク50の振動方向の長さの中心を、内側に配置されるマグネット21の振動方向の中心と同じ高さとなる位置となるように配置されている。このアウターヨーク50のシールド効果により、振動アクチュエータの外側への漏えい磁束の低減を図ることができる。
アウターヨーク50において振動方向で離間する両端部は、可動体20が可動した際に、可動体20の振動方向の両端部のそれぞれよりも低い位置に位置する。すなわち、アウターヨーク50は、振動方向で、マグネット21、第1ヨーク23及び第2ヨーク25を積層した積層体の振動方向の可動領域の両端部を覆う長さを有して構成される。
アウターヨーク50は、ヨーク本体51と、ヨーク本体51の振動方向の中央部に設けられた開口部53と、を有する。
ヨーク本体51は、円筒状に形成された磁性体であり、例えば、溶接性、耐食性に優れるSECC(電気亜鉛メッキ鋼板)により形成される。
ヨーク本体51は、本実施の形態では、可撓性を有し、周壁の一部に、軸方向に平行にスリットを有する。ヨーク本体51は、平断面視してC字状の円筒状に形成されている。ヨーク本体51は、コイル保持部42の外周に取り付ける際に、スリット部分を構成する端部52間を広げて、ヨーク本体51の内部に、コイル保持部42を配置する。次いで、ヨーク本体51の変形を戻して、ヨーク本体51をコイル保持部42の外周の凹状部420に嵌合させることにより、ヨーク本体51は、コイル保持部42に外装される。
開口部53は、外部機器とコイル61、62とを接続する配線を通過させる。なお、開口部53は、ヨーク本体51のスリット部分の中央部に、周方向に延在するように設けられている。開口部53を仕切る上下辺部は、ヨーク本体51において互いに、周方向で向かい合うように互いに周方向に延出する端部52により形成される。
開口部53内には、端子引出部46が挿入される。これにより開口部53内に、コイル61、62に接続される端子絡げ部(配線部)43が配置される。端子絡げ部(配線)43は、駆動ユニット15において、外部機器に接続できるようにアウターヨーク50の外部に突出して露出した状態で配置される。
また、開口部53は、端子引出部46に嵌合することにより、コイル保持部42に対するアウターヨーク50の周方向への回転止めとしての機能を有する。
アウターヨーク50では、開口部53を周方向で仕切る左右辺部が端子引出部46を挟む位置に位置するように形成されてもよい。
<弾性支持部81、82>
図3~図7に示す弾性支持部81、82は、可動体20を固定体40に対して振動方向に往復移動自在に支持する。
弾性支持部81、82は、可動体20の振動方向で可動体20を挟み、且つ、可動体20と固定体40との双方に振動方向と交差するように架設されている。
弾性支持部81、82は、本実施の形態では、図3及び図7に示すように、コイル保持部42の振動方向で離間する両端部(上下端部)と、可動体の両端部とのそれぞれに亘って、互いに平行に取り付けられている。
弾性支持部81、82は、円板状に形成され、内側のばね端部である環状の内周部802と、外側のばね端部である環状の外周部806とが、弾性変形する平面視円弧状の変形アーム804により接合された形状を有する。
変形アーム804は、内周部802と外周部806とを接続する渦状に配置され、変形アーム804の変形により、内周部802と外周部806とが、軸方向で相対的に変位する。
弾性支持部81、82は、可動体20を、固定体40に接触しないように軸方向(振動方向)に移動自在に支持する。
弾性支持部81、82は、それぞれ平板状の複数の板ばねである。可動体20は、複数の弾性支持部として、一対の弾性支持部81、82により支持されているが、3つ以上の板ばねで支持する構成としてもよい。これら複数の板ばねは、振動方向と直交する方向に沿って取り付けられる。
弾性支持部81、82は、可動体20の駆動(振動)時、或いは、外部からの衝撃を受けた場合でも、可動体20が筒状本体部422の内周面42aに接触し、一対のコイル61、62には接触しないので、損傷することがない。また、弾性支持部81、82は、可動体20を可動自在に弾性支持するものであれば、どのようなもので構成されてもよい。弾性支持部81、82は、本実施の形態では同様の構成を有する同部材である。
内周部802は、弾性支持部81、82の中心に配置された接続孔802aを有する。この接続孔802aに、可動体20において振動方向で離間する両端部がそれぞれ嵌合により接続されている。内周部802は、具体的には、錘部27、29のばね固定部274、294が挿入され、ばね固定部の錘部とフランジ部とに挟持されている。
一方、外周部806は、コイル保持部42の上下端部、つまり端部フランジ部427、428の開口端部427a、428aに取り付けられる。外周部806は、端部フランジ部427、428の開口端部427a、428aに接着剤等で接着される等して開口端部427a、428aに固定されてもよい。また、外周部806は、係合突部44、45を位置決め溝部808に係合して位置決めした状態で、開口端部427a、428aとケース10側の位置決め段差部128、118とで挟持して固定されてもよい。本実施の形態では、外周部806は、開口端部427a、428aとケース10側の位置決め段差部128、118とで挟持された状態で固定されている。
弾性支持部81、82としての板ばねは、弾性変形可能な材料であれば、どのような材料で形成されてもよく、ステンレス鋼板、リン青銅等を用いて板金加工により形成されてもよい。本実施の形態では、弾性支持部81、82は、加工性が高く、耐食性に優れ、引っ張り強度御及び耐摩耗性が高いリン青銅により形成された薄い平板円盤状の渦巻型ばねとしている。また、リン青銅のように非磁性体で形成すれば、磁気回路の磁束の流れも全く乱すことがない。弾性支持部81、82は、可動体20を振動可能に支持すれば、樹脂により形成されてもよい。また、弾性支持部81、82は、平板状であるので、円錐状のばねと比較して、位置精度の向上、つまり加工精度の向上を図ることできる。
複数の弾性支持部81、82は、本実施の形態では、渦巻きの向きが同一となる向きで、コイル保持部42と可動体20とに接合されている。
弾性支持部81、82は、本実施の形態では、変形アーム804或いは変形アーム804と外周部806に、弾性支持部81、82において発生する振動を減衰させる減衰部88が取り付けられている。
このように、本実施の形態では、複数の弾性支持部81、82として、渦巻き形状の板ばねを複数同じ渦巻の向きで用いて、可動体20において振動方向で離間する両端部にそれぞれ取り付けて、固定体40に対して可動体20を弾性支持している。
これにより、可動体20の移動量が大きくなると、可動体は、僅かではあるが回転しながら並進方向(例えば、振動方向に対して垂直な面上の方向)に移動する。複数の板ばねの渦の方向が反対向きであれば、複数の板ばねは、互いに座屈方向ないし引っ張り方向に動くことになり、円滑な動きが妨げられることになる。
本実施の形態の弾性支持部81、82は、渦巻きの向きが同一となるように可動体20に固定されているので、可動体20の移動量が大きくなったとしても、振動方向に沿って円滑に動く、つまり、変形することができる。よって、より大きな振幅となり、振動出力を高めることが可能である。但し、所望の可動体20の可動範囲に応じて、複数の弾性支持部81、82の渦巻き方向を互いに反対方向とする設計であってもよい。
板状の弾性支持部81、82は、可動体20に対して、弾性支持部81、82のそれぞれの内周部802を、可動体20の振動方向の端部を構成するばね固定部274、294に嵌合して接合している。なお、ばね固定部274、294に接着剤等を塗布して内周部802と接合してもよい。その際、内周部802の周囲に円弧状に形成された切り欠きにたまる接着剤を介してばね固定部274、294が内周部802に強固に接合されるようにしてもよい。
また、弾性支持部81の外周部806は、端部フランジ部427の環状の開口端部427a上に係合突部44を避けた部位に位置決め固定される。一方、弾性支持部82の外周部806は、端部フランジ部428の環状の開口端面428a上に係合突部45を避けた部位に位置決め固定される。
このように弾性支持部81、82は、コイル保持部42の上下の開口縁部の開口端部427a、428aと、ケース10の蓋部12及び底部114とにより、振動方向と直交する方向に配置された状態で挟持されている。
また、弾性支持部81、82は、外周側で一対のコイル61、62が巻回されたコイル保持部42の上下の開口を閉塞するように、コイル保持部42と、コイル保持部42の内部に収容した可動体20とに取り付けられている。
弾性支持部81、82は、内周部802の接続孔802aを可動体20の上下端部の錘部27、29のばね固定部274、294にカシメられることで、可動体20に接合されている。そして、位置決め溝部808を係合突部44、45に係合させて、外周部806は、コイル保持部42の開口端部427a、428aに当接して固定される。これにより、コイル(一対のコイル61、62)と可動体20との位置関係が規定された駆動ユニット15として構成され、ケース10内に配置し易くなる。
<減衰部(ダンパー)88>
減衰部88は、弾性支持部81、82に装着され、弾性支持部81,82による共振峰を抑え、且つ、広範囲にわたる安定した振動を発生させる。
弾性支持部81、82を介して支持する可動体20が、コイル保持部42内において中心軸の位置がずれて配置されるような状態、つまり軸ずれを起こしている場合、隙間Gが狭まり可動体20の全周において隙間Gが径方向で一定の幅にならないことが想定される。しかしながら、減衰部88を弾性支持部81、82に装着することにより、軸ずれを調整して可動体20に好適な可動を行わせることができる。
減衰部88は、例えば、平行に対向して配置され、弾性支持部81、82を挟む一対のフランジと、フランジの中央部同士を連結するリブ(押し込み部)とを有した断面H型形状に形成され、エラストマー等の弾性部材である。減衰部88は、エラストマーを板ばねである弾性支持部81のブリッジ部分、本実施の形態では、外周部806と変形アーム804との間に挿入することで双方に接触しつつ配置されている。減衰部88は、弾性支持部81に固着せずに複数取り付けられている。
減衰部88は、弾性支持部81、82における鋭いばね共振を減衰して、共振周波数付近での振動が著しく大きくなることで周波数による振動の差が大きくことを防止する。
これにより、可動体20は、弾性支持部81、82が塑性変形するように振動する場合でも、塑性変形する前で、天面部122及び底部114に接触しないように振動させることができ、天面部122及び底部114への可動体20の接触による異音は生じない。なお、減衰部88は、弾性支持部81、82における鋭い振動の発生を防止するものであれば、どのような形状、材料等で形成されてもよい。
<ケース10>
図10は、ケース本体11の天面側斜視図であり、図11は、蓋部12の底面側斜視図である。
ケース10は、図1~図3、図10及び図11に示すように、有底筒状のケース本体11の開口部115を、蓋部12で閉塞することで駆動ユニット15を収容する。ケース10は、例えば、PBT等の樹脂により形成されている。ケース本体11、蓋部12はPBT等の樹脂成形品であってもよい。
ケース本体11は、筒状の周壁部112と、周壁部112の一方の開口を閉塞する底部114と、線保持部18とを有する。周壁部112には、他方の開口である開口部115側を切り欠いた形状の切り欠き部113が設けられている。
ケース10における蓋部12及び底部114は、本実施の形態における振動アクチュエータ1の天面部122、下面部(底部114)を構成し、駆動ユニット15の可動体20に可動体20の振動方向で所定間隔を空けて対向して配置される。蓋部12は、天面部122の外周の一部から垂下して設けられ、ケース本体11の切り欠き部113に係合する垂下部124を有する。なお、ケース10は樹脂性であるので、蓋部12はケース本体11に対して、ケース本体11の開口縁部を溶接カシメすることにより接合される。なお、図10では、ケース本体11の開口縁部は、カシメられた後の屈曲した形状で図示されている。
蓋部12及び底部114は、駆動ユニット15内の可動体20の最大可動範囲を規定する。蓋部12の天面部122及びケース本体11の底部114の裏面には、それぞれすり鉢状(逆円錐台状)の凹部122b、114bが設けられている。凹部122b、114bの傾斜する周面は、弾性支持部81、82の変形した状態に沿って形成されている。
天面部122の凹部122b及び底部114の凹部114bは、ケース10内において、蓋部112及び底部114の内部空間、つまり、可動体20を挟む弾性支持部81、82よりも振動方向外方の移動空間を規定し、弾性支持部81、82の塑性変形を防ぐ。
よって、可動体20に、可動範囲を超える力が加わる場合でも、弾性支持部81、82は、塑性変形する前に固定体40(蓋部12及び底部114の少なくとも一方)に接触する。なお、可動範囲は、可動体20の可動域よりも軸方向(振動方向)に広い。
凹部122b及び凹部114bは、蓋部112及び底部114の内部空間と、駆動ユニット15の端部フランジ部427、428の内部空間とを合わせて、可動体20及び弾性支持部81、82の可動空間GS1、GS2を規定している。可動空間GS1、GS2は、軸方向の中心位置を通る軸直角断面に関して面対称な形状を有する。すなわち、可動空間GS1、GS2の流体の収容容量は略同じとなるように構成されている。
また、可動空間GS1、GS2は密閉空間であるが、振動アクチュエータ1の内部と外部との気圧差を解消したりする等、流管抵抗による空気減衰効果を発揮するための最小限の孔は設けられても良い。このような最小限の孔は、弾性支持部81、82の外周部806とコイル保持部42や位置決め段差部128、118との接着による接合部分に形成されてもよい。
なお、可動空間GS1、GS2と固定体40の筒状本体422の内側の内部空間とを含む全体の体積に対して、可動体20が占める体積の割合は略50%であることが好ましく、より好ましくは、可動体20は全体の50%強を占める。
可動空間GS1、GS2は、ケース10内空間において、可動体20の外周面20aと、コイル保持部42の内周面42aとの間に形成され、外周面20aの全周にわたり一定幅の円筒状の隙間Gの両端部に接続されている。
可動空間GS1、GS2は、固定体40において、可動体20の軸方向の両端部で隙間Gに連通する一対の流体収容室であり、流体である空気を貯留し収容する。
図3に示すように、可動空間GS1、GS2は、内周面42aに対して急峻に拡径するよう設けられている。
図12は、隙間Gと可動空間GS1、GS2の説明に供する部分拡大断面図である。
図12に示すように可動空間GS1は、固定体側の内周面を、隙間Gの幅から、急峻に拡径(D1で示す)した位置に位置するように形成されている。
これによりケース10内では、軸方向に延在する筒状の隙間Gの両端部に、隙間Gよりも外径が大きい可動空間GS1、GS2が接続されることにより、可動体20の可動域が形成されている。なお、可動空間GS1、GS2は、外径D1の長さ以上の径部分(空間S1の径部分)も有する。可動体20の可動時の可動空間GS1、GS2の機能についての詳細は、隙間Gとともに後述する。
なお、図12に示すように、面取り部276と、面取り部276と径方向外方(軸方向と直交する方向)で対向するコイル保持部42の開口部(開口端部427a)との間の空間S1は、可動空間GS1の凹部112bの径よりも大きい。これにより、空間S1は、可動体20よりも外方に膨らむ空間となり、可動体20の錘部27が凹部114b側に移動した際に、凹部114b内にあった空気を逃がして貯めることができる。
また、隙間Gは、可動体20の非可動時において、可動体20の外周面20aにおいて、互いに平行に対向配置される内周面42aから開口側に突出する部位の長さS2よりも小さい。
なお、図10に示すように底部114の内面側には、凹部114bの外周部分から位置決め段差部118が突設され、位置決め段差部118に隣接して係合凹部117が設けられている。一方、図11に示すように天面部122の裏面側には、天面部122の外周部分から位置決め段差部128が突設され、位置決め段差部128に隣接して係合凹部127が設けられている。
本実施の形態では、ケース10の切り欠き部113内には、コイル保持部42の端子引出部46と、垂下部124とが配置される。端子引出部46は、切り欠き部113内で、ケース10の中央部分に、配置され、周壁部112と垂下部124とにより囲まれており、切り欠き部113は塞がれている。これにより、端子絡げ部43は、ケース10の外周面から外方に突出した状態で配置され、振動アクチュエータ1は、端子絡げ部43を介して、外部機器との接続を容易にしている。
底部114及び天面部122の厚みは、周壁部112の厚みよりも厚くなるように形成されている。これにより、落下等により可動体或いは外部部材が衝突しても十分耐え得ることができる。また、可動体20の移動時に内部空間において急激な圧力の変化が発生してもこれに耐えることができ、耐久性の向上を図ることができる。
<隙間Gと可動空間GS1、GS2>
図3に示すようにケース10内において、可動体20の外周面20aは、可動体20の可動域全体(可動空間GS1、GS2と、隙間Gを含む中央の可動体収容空間)に亘り、コイル保持部42の内周面42aよりも軸方向の両側に突出して長い。これにより、隙間Gは、可動体20の外周面20aと、コイル保持部42の内周面42aとの間で、可動体20の非移動時に軸方向で一定幅であり、且つ可動体20の移動時に前記軸方向で一定に維持される。隙間Gは、例えば、可動体20の非可動時と可動時で同じ幅を維持するように構成されている。
すなわち、隙間Gは、径方向の長さ(幅)を、可動体20の外周を囲むように可動体20の全周に亘って均等の長さで有し、この環状の幅を軸方向(振動方向)で均等に延在して有する筒状の空間である。
このような隙間G内で発生する管路抵抗は、コイル保持部42内、つまり、内周面42aの内側を可動体20が移動することにより発生する。なお、管路抵抗で流体が流れる管は、本実施の形態では、コイル保持部42の内周面42aと可動体20の外周面20a等の隙間Gを囲む壁面に相当する。
管路抵抗により、ケース10内において可動体20の振動方向の両端部の可動空間GS1、GS2で空気の移動、つまり、隙間Gを介して可動空間GS1、GS2を流れる空気(流体)の移動が抑制される。管路抵抗は、ケース10内の可動体の可動域全体に亘って空気に空気減衰を作用させ、空気減衰効果を発揮して、可動体20の振動を減衰する。
管路抵抗としては、一般的には、管と流体の摩擦による運動エネルギーの損失である直管損失や、管路形状の違い(流路形状変化)による入口損失、出口損失、縮流損失、剥離流損失等が知られている。
入口損失は、流体が広い領域から管内に流入する場合に生じる運動エネルギーの損失であり、振動アクチュエータ1では、空気が可動空間GS1、GS2から隙間Gに流入するときに生じる損失と考えられる。
また、出口損失は、流体が管から広い領域に流出する場合に生じる運動エネルギーの損失であり、振動アクチュエータ1では、空気が隙間Gから可動空間GS1、GS2に流出するときに生じる損失と考えられる。
縮流損失(縮小損失)は、管断面が急縮小する管を流体が流れる場合等において、流れが収縮して、渦とともに、縮流(圧縮流れともいう)が生じることにより発生する運動エネルギーの損失であり、振動アクチュエータ1では、空気が可動空間GS1、GS2から隙間Gに流入するときに生じる損失と考えられる。
剥離流損失は、管断面が急拡大する管を流体が流れる場合等において、形状に沿わずに大きな剥離領域が起こり、渦とともに、剥離流が生じることにより発生する運動エネルギーの損失である。振動アクチュエータ1では、空気が可動空間GS1、GS2に隙間Gから流入するときに生じる損失と考えられる。
これらの少なくともいずれかを含む管路抵抗を発生させるように可動体20と固定体40、特に、外周面20aと内周面42aとは構成される。
<線保持部18>
図13は、線保持部の説明に供する振動アクチュエータの左側面図であり、図14A及び図14Bは、線保持部の説明に供する図であり、図14Aは、線保持部の拡大斜視図であり、図14Bは、リード線16の保持する前の線保持部18を示す図である。
図1~図3、図13及び図14に示す線保持部18は、ケース10内に収容する駆動ユニット15のコイル61、62と電気的に接続されるリード線16を、コイル61、62との接続部分に外部からの負荷が掛からないように保持する。
具体的には、線保持部18は、外部から導入され、端子絡げ部43で、コイル61、62の巻線に接続されたリード線16を保持する。なお、線保持部18は、ケース10のケース本体11と一体成形されているので、ケース本体11と同じ材料、例えば、PBT等の樹脂により形成されている。
線保持部18が、ケース10の外面に、切り欠き部113を囲む開口縁部に沿う位置から径方向外方に向かって突設されている。
線保持部18は、駆動ユニット15の端子絡げ部43に周方向で隣接する位置に配置されている。
線保持部18は、図14Aに示すように、リード線16を内嵌して保持する凹状の線挿入部182と、線固定部184とを有する。線挿入部182は、挿入されるリード線16が、端子絡げ部43に負荷が掛からず直線的に向かうように形成されている。
線固定部184は、線挿入部182に挿入されたリード線16を囲むように形成されている。線固定部184は、溶着されて変形される。すなわち、図14Bに示すように、変形前では、線挿入部182とともにリード線16が挿通可能な凹状部を形成しており、この凹状部にリード線16を挿入して、治具Jを当てて加熱することにより、変形して溶着して線挿入部182とともにリード線16を保持している。
これにより、リード線16を凹状部に挿入して、線固定部184を加熱するだけで容易に、リード線16を保持できる。
線保持部18は、溶接によりリード線16が動かないように、或いは、少なくともリード線16の放射方向への移動を規制するように保持しているが、これに限らず、図15に示すように接着剤187を用いてリード線16を保持する構成としてもよい。
図15は、線保持部の変形例の説明に供する図であり、ケース本体11の周壁部112の外面に、線保持部18に換えて設けられた線保持部180を示す。線保持部180は、ケース本体11の周壁部112の外周面に突設されたT字型の線保持部180であり、外周面との間で側方に開口する凹状の掛止部186を有する。掛止部186は、線保持部180は、凹状内に2本のリード線16をそれぞれ挿通させて掛止させている。
線保持部180は、掛止部186にリード線16を挿入して掛止する。このときリード線16は、掛止部186に中途部を掛止された状態で、端子絡げ部43まで延びて、その先端部は、端子絡げ部43に接続されている。線保持部180及びリード線16を接触させた状態で接着剤187により固定されている。
<振動アクチュエータ1の動作>
図16~図17を参照して、振動アクチュエータ1の磁気回路構成による動作を説明する。図16は、同振動アクチュエータの磁気回路構成を模式的に示す図である。図17は、同アクチュエータ本体の動作の説明に供する図であり、図17Aは、可動体の天面側における最大振幅位置にある振動状態を示す図である。図17Bは、同アクチュエータ本体の動作の説明に供する図であり、可動体の底面側における最大振幅位置にある振動状態を示す図である。
振動アクチュエータ1の動作について、マグネット21において、着磁方向の一方側(本実施の形態では上側)の表面21a側がN極、着磁方向の他方側(本実施の形態では下側)の裏面21b側がS極となるように着磁されている場合を一例に説明する。
振動アクチュエータ1では、可動体20は、ばね-マス系の振動モデルにおけるマス部に相当すると考えられるので、共振が鋭い(急峻なピークを有する)場合、振動を減衰することにより、急峻なピークを抑制する。振動を減衰することにより共振が急峻では無くなり、共振時の可動体20の最大振幅位置(最大振幅値)、最大移動量がばらつくことがなく、好適な安定した最大移動量による振動が出力される。
振動アクチュエータ1では、一対のコイル61、62は、コイル軸がマグネット21を振動方向で挟む第1ヨーク23及び第2ヨーク25からの磁束に直交するように、配置されている。
具体的には、通電していない場合の非振動時では、マグネット21の表面21a側から出射し、第1ヨーク23からコイル61側に放射され、アウターヨーク50を通り、コイル62を介して第2ヨーク25を通り、マグネット21へ裏面21b側から入射する磁束の流れmfが形成される。
したがって、図16に示すように通電が行われると、マグネット21の磁界とコイル(一対のコイル61、62)に流れる電流との相互作用により、フレミング左手の法則に従って一対のコイル61、62に-f方向のローレンツ力が生じる。
-f方向のローレンツ力は、磁界の方向とコイル(一対のコイル61、62)に流れる電流の方向に直交する方向である。コイル(一対のコイル61、62)は固定体40(コイル保持部42)に固定されているので、作用反作用の法則に則り、この-f方向のローレンツ力と反対の力が、マグネット21を有する可動体20にF方向の推力として発生する。これにより、マグネット21を有する可動体20側がF方向、つまり、蓋部12(蓋部12の天面部122)側に移動する(図17A参照)。
また、一対のコイル61、62の通電方向が逆方向に切り替わって一対のコイル61、62)に通電が行われると、逆向きのf方向のローレンツ力が生じる(図16参照)。このf方向のローレンツ力の発生により、作用反作用の法則に則り、このf方向のローレンツ力と反対の力が、可動体20に推力(-F方向の推力)として発生し、可動体20は、-F方向、つまり、ケース本体11の底部114側に移動する(図17B参照)。
振動アクチュエータ1では、通電していない場合の非振動時においては、マグネット21とアウターヨーク50との間に磁気吸引力がそれぞれ働き磁気バネとして機能する。このマグネット21とアウターヨーク50との間に発生する磁気吸引力と、弾性支持部81、82の元の形状に戻ろうとする復元力により、可動体20は、元の位置に戻る。
振動アクチュエータ1は、電源供給部(例えば、図19及び図20に示す駆動制御部203)から一対のコイル61、62へ入力される交流波によって駆動される。つまり、一対のコイル61、62の通電方向は周期的に切り替わり、可動体20には、図16に示すように、蓋部12の天面部122側のF方向の推力と底部114側の-F方向の推力が交互に作用する。これにより、可動体20は、振動方向に振動する。
図17A及び図17BのSK部分で示すように、コイル保持部42の内周面42a(断面がフラットな部分)の振動方向で離間する両縁部は、可動体20が振動方向の両側で最大振幅位置に位置した場合でも、面取り部276、296と径方向外方で対向しない。面取り部276、296は、内周面42aの外側に位置し、内周面42aは、可動体20のフラットな外周面20aと対向する。
可動体20の移動により、隙間Gには、移動方向と反対の方向へ空気の流れが発生し、空気に対して管路抵抗を発生させる。これにより、隙間Gの空気に圧力損失を発生させて、ケース10内における空気減衰を大きくして、可動体20の振動を減衰し、可動体20の振動を好適に発生させることができる。
これにより、ケース10に通気孔を設けることなく、また、可動体20の重量の増加を行うことなく、好適に可動体20の振動を減衰できる。
これにより、振動アクチュエータ1では、可動体20の可動により、隙間G内を流れる空気により発生する圧力損失によって、可動体20の移動を減衰して好適な振動を発生させることができる。
図18は、本実施の形態の振動アクチュエータ1における空気減衰の説明に供する図である。
図18は、可動体20の共振周波数を示す図であり、空気減衰を行う振動アクチュエータ1と、例えば、通気孔が設けられる等して空気減衰を行わないアクチュエータとの共振周波数f0を比較している。これによれば、空気減衰を行った振動アクチュエータ1によれば、共振周波数f0のピークのG値(K1)のみ抑制できる。これにより、振動アクチュエータ1は、周波数のピークが同等になる電圧を印加することにより共振周波数f0以外全体のG値を上昇させることができ、より広い周波帯での好適な振動を発生できる。
このように振動アクチュエータ1によれば、可動体20の移動方向と反対方向への流体の流れを隙間Gに生じさせ且つ空気に対し管路抵抗を発生するように構成されている。空気への管路抵抗により振動に空気減衰を付与して振動を広帯域化できる。振動アクチュエータ1によれば、小型化を図りつつ、使用される環境等に応じて、広い周波数帯で好適な振動出力を発生できる。
なお、可動体20の外周面20aは、可動体20の可動域全体に亘りコイル保持部42の筒状本体部(本体部)422の内周面よりも軸方向の両側に突出する長さを有する。これにより、空気減衰効果となる管路抵抗の発生を可動域全体で維持できる。
可動体20の外周面20aと筒状本体部422の内周面42aは、隙間Gが、可動体20の非移動時に軸方向で一定幅であり且つ可動体20の移動時に軸方向で一定に維持されるよう、それぞれ軸方向でフラットであり、空気に対する直管損失の発生を可動域全体に亘り維持する。これにより、空気減衰の安定化を図ることができる。
固定体40は、軸方向の両端部で隙間Gに連通する一対の可動空間(流体収容室)GS1、GS2を有する。一対の可動空間GS1、GS2は、隙間Gの入口及び出口で流路形状変化に起因する損失を、可動体20の可動域全体に亘り発生するように、内周面42aに対して急峻に拡径するので、空気減衰効果を可動域全体で確保できる。また、可動空間GS1、GS2は、軸方向の中心位置を通る軸直角断面に関して面対称な形状を有するので、空気の往復移動を対称的にして、空気減衰効果を安定化できる。
以下に、振動アクチュエータ1の駆動原理について簡単に説明する。本実施の形態の振動アクチュエータ1では、可動体20の質量をm[kg]、ばね(ばねである弾性支持部81、82)のばね定数をKspとした場合、可動体20は、固定体40に対して、下式(1)によって算出される共振周波数F[Hz]で振動する。
Figure 2023163729000002
可動体20は、ばね-マス系の振動モデルにおけるマス部を構成すると考えられるので、コイル(一対のコイル61、62)に可動体20の共振周波数Fに等しい周波数の交流波が入力されると、可動体20は共振状態となる。すなわち、電源供給部からコイル(一対のコイル61、62)に対して、可動体20の共振周波数Fと略等しい周波数の交流波を入力することにより、可動体20を効率良く振動させることができる。
振動アクチュエータ1の駆動原理を示す運動方程式及び回路方程式を以下に示す。振動アクチュエータ1は、下式(2)で示す運動方程式及び下式(3)で示す回路方程式に基づいて駆動する。
Figure 2023163729000003
Figure 2023163729000004
すなわち、振動アクチュエータ1における質量m[kg]、変位x(t)[m]、推力定数Kf[N/A]、電流i(t)[A]、ばね定数Ksp[N/m]、減衰係数D[N/(m/s)]等は、式(2)を満たす範囲内で適宜変更できる。また、電圧e(t)[V]、抵抗R[Ω]、インダクタンスL[H]、逆起電力定数K[V/(rad/s)]は、式(3)を満たす範囲内で適宜変更できる。
このように、振動アクチュエータ1では、可動体20の質量mと板ばねである弾性支持部81、82のばね定数Kspにより決まる共振周波数Fに対応する交流波によりコイル61、62への通電を行った場合に、効率的に大きな振動出力を得ることができる。
また、振動アクチュエータ1は、式(2)、(3)を満たし、式(1)で示す共振周波数を用いた共振現象により駆動する。これにより、振動アクチュエータ1では、低消費電力で駆動、つまり、可動体20を低消費電力で直線往復振動させることができる。また、減衰係数Dを大きくすれば、高帯域に渡り振動を発生させることができる。
本実施の形態によれば、可動体20の上下(振動方向)に板状の弾性支持部81、82を配置している。これにより、振動アクチュエータ1は、可動体20を上下方向に安定して駆動すると同時に、マグネット21の上下の弾性支持部81、82から効率的に一対のコイル61、62の磁束を分布できる。これにより、振動アクチュエータ1として、高出力の振動を実現することができる。
また、振動アクチュエータ1は、隙間Gを有するように構成され、隙間G(詳細には隙間Gの幅(径方向の長さ))は、下式(4)を満たすよう設定される。
Figure 2023163729000005
なお、上記式における管は、隙間Gを画成する内周面42a及び外周面20aが対応する。圧力損失ΔP[Pa]は、コイル保持部42の内周面42aと可動体20の外周面との間を流体が流れるときに、壁面との摩擦や壁面形状により流れが抵抗を受けて圧力が降下する現象である。管摩擦係数(隙間Gを囲む部材(内周面42a、外周面20a)の摩擦係数)λ、管の長さ(隙間Gを囲む部材(内周面42a、外周面20a)の振動方向の長さ)Li[m]、エアギャップ(隙間Gの径方向の長さ)h[m]、流体(空気)の密度ρ[kg/m]、流速u[m/s]等は、式(4)を満たす範囲内で適宜変更できる。特に、隙間Gの振動方向の長さLiを長くし、エアギャップhが狭い、つまり、隙間Gの径方向の長さを短くすれば、圧力損失、つまり、空気減衰を大きくできる。例えば、Li/hに所定の閾値を設定し、その式を満たす隙間Gとしてもよい。
(電子機器)
図19及び図20は、振動アクチュエータ1の実装形態の一例を示す図である。図19は、振動アクチュエータ1をゲームコントローラGCに実装した例を示し、図19は、振動アクチュエータ1を携帯端末Mに実装した例を示す。
ゲームコントローラGCは、例えば、無線通信によりゲーム機本体に接続され、ユーザが握ったり把持したりすることにより使用される。ゲームコントローラGCは、図19では矩形板状を有し、ユーザが両手でゲームコントローラGCの左右側を掴み操作するものとしている。
ゲームコントローラGCは、振動により、ゲーム機本体からの指令をユーザに通知する。なお、ゲームコントローラGCは、図示しないが、指令通知以外の機能、例えば、ゲーム機本体に対する入力操作部を備える。
携帯端末Mは、例えば、携帯電話やスマートフォン等の携帯通信端末である。携帯端末Mは、振動により、外部の通信装置からの着信をユーザに通知するとともに、携帯端末Mの各機能(例えば、操作感や臨場感を与える機能)を実現する。
図19及び図20に示すように、ゲームコントローラGC及び携帯端末Mは、それぞれ、通信部201、処理部202、駆動制御部203、及び駆動部としての振動アクチュエータ1である振動アクチュエータ204、205、206を有する。なお、ゲームコントローラGCでは、複数の振動アクチュエータ204、205が実装される。
ゲームコントローラGC及び携帯端末Mにおいて、振動アクチュエータ204~206は、例えば、端末の主面と振動アクチュエータ204~206の振動方向と直交する面、ここでは底部114の底面とが平行となるように実装されることが好ましい。
端末の主面とは、ユーザの体表面に接触する面であり、本実施の形態では、ユーザの体表面に接触して振動を伝達する振動伝達面を意味する。なお、端末の主面と、振動アクチュエータ204、205、206の底部114の底面とが直交するように配置されてもよい。
具体的には、ゲームコントローラGCでは、操作するユーザの指先、指の腹、手の平等が接触する面、或いは、操作部が設けられた面と、振動方向が直交するように振動アクチュエータ204、205が実装される。また、携帯端末Mの場合は、表示画面(タッチパネル面)と振動方向が直交するように振動アクチュエータ206が実装される。これにより、ゲームコントローラGC及び携帯端末Mの主面に対して垂直な方向の振動が、ユーザに伝達される。
通信部201は、外部の通信装置と無線通信により接続され、通信装置からの信号を受信して処理部202に出力する。ゲームコントローラGCの場合、外部の通信装置は、情報通信端末としてのゲーム機本体であり、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に従って通信が行われる。携帯端末Mの場合、外部の通信装置は、例えば基地局であり、移動体通信規格に従って通信が行われる。
処理部202は、入力された信号を、変換回路部(図示省略)により振動アクチュエータ204、205、206を駆動するための駆動信号に変換して駆動制御部203に出力する。なお、携帯端末Mにおいては、処理部202は、通信部201から入力される信号の他、各種機能部(図示省略、例えばタッチパネル等の操作部)から入力される信号に基づいて、駆動信号を生成する。
駆動制御部203は、振動アクチュエータ204、205、206に接続されており、振動アクチュエータ204、205、206を駆動するための回路が実装されている。駆動制御部203は、振動アクチュエータ204、205、206に対して駆動信号を供給する。
振動アクチュエータ204、205、206は、駆動制御部203からの駆動信号に従って駆動する。具体的には、振動アクチュエータ204、205、206において、可動体20は、ゲームコントローラGC及び携帯端末Mの主面に直交する方向に振動する。
なお、可動体20は、振動する度に、蓋部12の天面部122又は底部114にダンパーを介して接触するようにしてもよい。この場合、可動体20の振動に伴う蓋部12の天面部122又は底部114への衝撃、つまり、筐体への衝撃が、ダイレクトにユーザに振動として伝達される。
ゲームコントローラGC又は携帯端末Mに接触するユーザの体表面には、体表面に垂直な方向の振動が伝達されるので、ユーザに対して十分な体感振動を与えることができる。ゲームコントローラGCでは、ユーザに対する体感振動を、振動アクチュエータ204、205のうちの一方、または双方で付与でき、少なくとも強弱の振動を選択的に付与するといった表現力の高い振動を付与できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
また、本発明に係る振動アクチュエータは、ゲームコントローラGC及び携帯端末M以外の携帯機器、(例えば、タブレットPCなどの携帯情報端末、携帯型ゲーム端末)等のユーザとの接触部に実装してもよい。すなわち、振動アクチュエータ1は、携帯端末や美顔マッサージ器等の電動理美容器具等の手持ち型の電気機器において、ユーザとの接触部に実装してもよい。振動アクチュエータ1は、ユーザが身につけて使用するウェアラブル端末)においてユーザとの接触部に実装してもよい。ユーザとの接触部は、例えばゲームコントローラGC等のような手持ち型の電気機器の場合は、例えばユーザが使用時に把持するハンドル部であり、例えば美顔マッサージ器等のようなウェアラブル型の電気機器の場合は、例えばユーザの体表面に対して加圧する加圧部である。
本発明に係る振動アクチュエータは、小型化を図りつつ、使用される環境等に応じて、広い周波数帯で好適な振動出力を発生することができ、ゲーム機端末或いは携帯端末等の電子機器や電動理美容器具等の電気機器に搭載されるものとして有用である。
1、204、205、206 振動アクチュエータ
10 ケース
11 ケース本体
12 蓋部
15 駆動ユニット
16 リード線
18 線保持部
20 可動体
20a 外周面
21 マグネット
21a 表面
21b 裏面
23 第1ヨーク
25 第2ヨーク
27、29 錘部
40 固定体
41 引き回し部
42 コイル保持部(本体部)
42a 内周面
42b、42c コイル取付部
43 端子絡げ部
44、45 係合突部
46 端子引出部
47 連絡溝部
50 アウターヨーク
51 ヨーク本体
52 端部
53 開口部
60、61、62 コイル
63、64 巻線
81、82 弾性支持部
88 減衰部
112 周壁部
113 切り欠き部
114 底部
118、128 段差部
122 天面部
122b 凹部
124 垂下部
127 係合凹部
180 線保持部
182 線挿入部
184 線固定部
186 掛止部
187 接着剤
201 通信部
202 処理部
203 駆動制御部
232、252 溝部
272、292 錘本体
274、294 ばね固定部
276、296 面取り部
420 凹状部
422 筒状本体部
426 中央フランジ部
426a 外周部
427、428 端部フランジ部
427a、428a 開口端部
432 フェレット
802 内周部
802a 接続孔
804 変形アーム
806 外周部
808 溝部

Claims (8)

  1. 柱状のマグネットを有する可動体と、
    コイルと、前記コイルの内側で前記可動体の外周面との間に隙間を空けて前記可動体を囲む内周面を有し、弾性支持部を介して前記可動体を前記可動体の軸方向に振動可能に支持する本体部と、を有する固定体と、
    を有し、
    前記可動体の移動方向と反対方向への流体の流れを前記隙間に生じさせ且つ前記流体に対し管路抵抗を発生するように構成された、
    振動アクチュエータ。
  2. 前記可動体の外周面は、前記可動体の可動域全体に亘り前記本体部の内周面よりも前記軸方向の両側に突出する長さを有する、
    請求項1記載の振動アクチュエータ。
  3. 前記可動体は、前記マグネットを前記軸方向の中央部に有し、一対の錘部を前記軸方向の両端部に有し、前記マグネットと前記一対の錘部との間に一対のヨークを有し、
    前記マグネット、前記一対のヨーク及び前記一対の錘部は、同径の円柱状にそれそれぞれ形成され、それぞれの外周面が面一となるよう前記軸方向で接合されている、
    請求項2記載の振動アクチュエータ。
  4. 前記マグネットと前記一対のヨークのそれぞれとの接合部、又は、前記一対のヨークのそれぞれと前記一対の錘部のそれぞれとの接合部には、接着剤又は溶着材を溜める溜まり部が設けられている、
    請求項3記載の振動アクチュエータ。
  5. 前記可動体の外周面と前記本体部の内周面は、前記隙間が、前記可動体の非移動時に前記軸方向で一定幅であり且つ前記可動体の移動時に前記軸方向で一定に維持されるよう、それぞれ前記軸方向でフラットであり、前記流体に対する直管損失の発生を前記可動域全体に亘り維持する、
    請求項2記載の振動アクチュエータ。
  6. 前記固定体は、前記軸方向の両端部で前記隙間に連通する一対の流体収容室を有し、
    前記一対の流体収容室は、前記隙間の入口及び出口で流路形状変化に起因する損失を、前記可動体の可動域全体に亘り発生するように、前記内周面に対して急峻に拡径する、
    請求項2記載の振動アクチュエータ。
  7. 前記一対の流体収容室は、前記軸方向の中心位置を通る軸直角断面に関して面対称な形状を有する一対の密閉空間である、
    請求項6記載の振動アクチュエータ。
  8. 手持ち型またはウェアラブル型の電気機器であって、
    ユーザとの接触部に請求項1記載の振動アクチュエータを実装した構成を有する、
    電気機器。
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