JP2023152480A - 地図データ生成方法、地図データ生成装置及び地図データ生成プログラム - Google Patents

地図データ生成方法、地図データ生成装置及び地図データ生成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】走行ログデータから地図データを作成する場合において高い精度で地図データを生成できるようにする。【解決手段】本開示の方法によれば、走行ログデータ群10から複数のデータセット20A,20Bが生成される。データセット20A,20Bは複数の走行ログデータ12からなる。それぞれのデータセット20A,20Bから評価用の地図データ30A,30Bが生成される。評価用の地図データ30A,30Bを相互に比較することで異常な地図データ30Bが特定される。さらに、異常な地図データ30Bの作成に用いられたデータセット20Bと正常な評価用の地図データ30Aの作成に用いられたデータセット20Aとを比較することで異常な走行ログデータ12aが特定される。そして、異常な走行ログデータ12aを含まないデータセット20Cを用いて最終的な地図データ30Cが生成される。【選択図】図2

Description

本開示は、走行ログデータから地図データを生成する方法、装置及びプログラムに関する。
特許文献1は道路情報生成装置を開示している。この道路情報生成装置は走行データ記憶部に記憶された複数の走行データ(走行ログデータ)に対し、道路IDが同一の走行データの組み合わせを複数設定する。つぎに、道路情報生成装置は、走行データの組み合わせの各々について、組み合わされた走行データに基づいて道路IDについての道路地図を生成する。そして、道路情報生成装置は、道路IDについて生成された道路地図の各々について道路地図の信頼度を算出する。
しかしながら、取得された走行データには異常な走行データが含まれている場合がある。特許文献1に開示された道路情報生成装置では、走行データが異常かどうか判断することなく、道路IDが同一の走行データの組み合わせを設定する。このため、道路IDが同一の走行データの組み合わせの中に異常な走行データを含まれていた場合、その道路IDについて生成された地図の精度は異常な走行データの影響を受けてしまう。
なお、本開示に関連する技術分野の技術水準を示す文献としては、上述の特許文献1の他にも下記の特許文献2及び特許文献3を例示することができる。
特開2016-180797号公報 特開2012-520491号公報 特開2014-160064号公報
本開示は、上述のような問題に鑑みてなされたもので、走行ログデータから地図データを作成する場合において高い精度で地図データを生成できる技術を提供することを目的とする。
本開示は上記目的を達成するための地図データ生成技術として、地図データ生成方法、地図データ生成装置及び地図データ生成プログラムを提供する。
本開示の地図データ生成方法は以下のステップを含む。第1のステップは走行ログデータ群から複数のデータセットを生成することである。上記複数のデータセットのそれぞれは1又は複数の走行ログデータからなる。第2のステップは上記複数のデータセットのそれぞれから評価用の地図データを生成することである。第3のステップは上記複数のデータセットから生成された複数の評価用の地図データを相互に比較することにより上記複数の評価用の地図データに含まれる異常な地図データを特定することである。第4のステップは異常な地図データの作成に用いられたデータセットと異常な地図データ以外の評価用の地図データの作成に用いられたデータセットとを比較することにより異常な走行ログデータを特定することである。そして、第5のステップは異常な走行ログデータを含まないデータセットを用いて最終的な地図データを生成することである。
本開示の地図データ生成装置は、少なくとも1つのプロセッサと、その少なくとも1つのプロセッサと結合されたプログラムメモリとを備える。プログラムメモリは複数の実行可能なインストラクションを記憶する。上記複数の実行可能なインストラクションは上記少なくとも1つのプロセッサに以下の処理を実行させるように構成されている。第1の処理は走行ログデータ群から複数のデータセットを生成することである。上記複数のデータセットのそれぞれは1又は複数の走行ログデータからなる。第2の処理は上記複数のデータセットのそれぞれから評価用の地図データを生成することである。第3の処理は上記複数のデータセットから生成された複数の評価用の地図データを相互に比較することにより上記複数の評価用の地図データに含まれる異常な地図データを特定することである。第4の処理は異常な地図データの作成に用いられたデータセットと異常な地図データ以外の評価用の地図データの作成に用いられたデータセットとを比較することにより異常な走行ログデータを特定することである。そして、第5の処理は異常な走行ログデータを含まないデータセットを用いて最終的な地図データを生成することである。
本開示の地図データ生成プログラムは以下の処理をコンピュータに実行させるように構成されている。第1の処理は走行ログデータ群から複数のデータセットを生成することである。上記複数のデータセットのそれぞれは1又は複数の走行ログデータからなる。第2の処理は上記複数のデータセットのそれぞれから評価用の地図データを生成することである。第3の処理は上記複数のデータセットから生成された複数の評価用の地図データを相互に比較することにより上記複数の評価用の地図データに含まれる異常な地図データを特定することである。第4の処理は異常な地図データの作成に用いられたデータセットと異常な地図データ以外の評価用の地図データの作成に用いられたデータセットとを比較することにより異常な走行ログデータを特定することである。そして、第5の処理は異常な走行ログデータを含まないデータセットを用いて最終的な地図データを生成することである。なお、本開示の地図データ生成プログラムはコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよいし、ネットワーク経由で提供されてもよい。
本開示の地図データ生成技術、すなわち、地図データ生成方法、地図データ生成装置及び地図データ生成プログラムによれば、地図データの生成には異常な走行ログデータを含まないデータセットが用いられるので、高い精度で地図データを生成することができる。
本開示の地図データ生成技術において、走行ログデータ群に含まれる複数の走行ログデータのそれぞれを複数のパラメータで規定してもよい。そして、走行ログデータを規定する複数のパラメータのうち少なくとも1つのパラメータの条件を上記複数のデータセットに含まれる複数の走行ログデータ間で不均一にしてもよい。これによれば、走行ログデータの異常がパラメータの条件に依存する場合において、走行ログデータ群の中から異常な走行ログデータを探り出すことができる。
本開示の地図データ生成技術において、走行ログデータを規定する複数のパラメータのそれぞれの条件のうち地図データに異常を生じさせる条件を異常な走行ログデータに基づいて特定してもよい。そして、走行ログデータを規定する複数のパラメータの条件に地図データに異常を生じさせる条件を含まないデータセットを用いて最終的な地図データを生成してもよい。これによれば、走行ログデータの異常がパラメータの条件に依存する場合において、地図データの生成に用いるデータセットの中から異常な走行ログデータを排除することができる。
本開示の地図データ生成技術において、走行ログデータを規定する複数のパラメータのそれぞれの条件の組み合わせのうち地図データに異常を生じさせる条件の組み合わせを特定してもよい。それには異常な地図データの作成に用いられたデータセットと異常な地図データ以外の評価用の地図データの作成に用いられたデータセットとを比較すればよい。そして、走行ログデータを規定する複数のパラメータの条件の組み合わせに地図データに異常を生じさせる条件の組み合わせを含まないデータセットを用いて最終的な地図データを生成してもよい。これによれば、走行ログデータの異常がパラメータの条件の組み合わせに依存する場合において、地図データの生成に用いるデータセットの中から地図データに異常を生じさせる走行ログデータの組み合わせを排除することができる。
本開示の地図データ生成技術において、地図データは特徴量地図の地図データであってもよい。その場合、複数の評価用の地図データを相互に比較することは複数の評価用の地図データ間で特徴量のばらつきを比較することを含んでもよい。或いは、複数の評価用の地図データを相互に比較することは複数の評価用の地図データ間で特徴量を用いた自己位置推定の成功度合いを比較することを含んでもよい。
本開示の地図データ生成技術において、地図データは路面形状地図の地図データであってもよい。その場合、複数の評価用の地図データを相互に比較することは複数の評価用の地図データ間で高さ或いは路面勾配を比較することを含んでもよい。
本開示の地図データ生成技術において、地図データは路面輝度地図の地図データであってもよい。その場合、複数の評価用の地図データを相互に比較することは複数の評価用の地図データ間で輝度或いは輝度勾配を比較することを含んでもよい。
本開示の地図データ生成技術において、地図データは静止障害物地図の地図データであってもよい。その場合、複数の評価用の地図データを相互に比較することは複数の評価用の地図データ間でボクセルの位置を比較することを含んでもよい。
上述のように、本開示の地図データ生成技術によれば、異常な走行ログデータを含まないデータセットを用いて地図データを生成することで、高い精度で地図データを生成することができる。
走行ログデータを用いた地図データの生成に係る第1の課題について説明するための概念図である。 第1の課題に対する解決手段を説明するための概念図であって、本開示の実施形態に係る地図データ生成方法の概要を説明するための概念図である。 走行ログデータを用いた地図データの生成に係る第2の課題について説明するための概念図である。 第2の課題に対する解決手段を説明するための概念図であって、本開示の実施形態に係る地図データ生成方法の概要を説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置の機能を示すブロック図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置のハードウェア構成の例を示すブロック図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第1の例を説明するための概念図であって、第1の例における走行ログデータデータベースの構成の例を示す概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第1の例を説明するための概念図であって、第1の例におけるログデータ組み合わせ生成処理について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第1の例を説明するための概念図であって、第1の例における地図データ生成処理について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第1の例を説明するための概念図であって、第1の例における地図データ評価処理について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第1の例を説明するための概念図であって、第1の例における異常ログデータ判定処理について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第1の例を説明するための図であって、第1の例における最終地図データ生成処理について説明するための概念図である。 走行ログデータデータベースに記憶される走行ログデータの形式について説明するための概念図である。 走行ログデータデータベースに記憶される走行ログデータの形式について説明するための概念図である。 ログデータ組み合わせ生成処理における走行ログデータの組み合わせの形式について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第2の例を説明するための概念図であって、第2の例における走行ログデータデータベースの構成例を示す概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第2の例を説明するための概念図であって、第2の例におけるログデータ組み合わせ生成処理について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第2の例を説明するための概念図であって、第2の例における地図データ生成処理について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第2の例を説明するための概念図であって、第2の例における地図データ評価処理について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第2の例を説明するための概念図であって、第2の例における異常ログデータ判定処理について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第2の例を説明するための概念図であって、第2の例における異常パラメータ条件判定処理について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第2の例を説明するための概念図であって、第2の例における最終地図データ生成処理について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第3の例を説明するための概念図であって、第3の例における走行ログデータデータベースの構成例を示す概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第3の例を説明するための概念図であって、第3の例におけるログデータ組み合わせ生成処理について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第3の例を説明するための概念図であって、第3の例における地図データ生成処理について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第3の例を説明するための概念図であって、第3の例における地図データ評価処理について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第3の例を説明するための概念図であって、第3の例における異常ログデータ判定処理について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第3の例を説明するための概念図であって、第3の例における異常組み合わせ判定処理について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置により実施される地図データ生成方法の第3の例を説明するための概念図であって、第3の例における最終地図データ生成処理について説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための図であって、特徴量検出の例を示す図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための図であって、特徴量の種類の例を示す図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための図であって、SLAMによる特徴量地図の生成の例を示す図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための図であって、特徴量毎のばらつきの例を示す図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための図であって、地図データ毎の統計量の例を示す図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための図であって、F検定を用いた評価の例を示す図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための概念図であって、SLAMによるポーズでの自己位置推定の一例を説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための概念図であって、SLAMによるポーズでの自己位置推定の成功例を説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための概念図であって、SLAMによるポーズでの自己位置推定の失敗例を説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための図であって、特徴量地図においてSLAMによる各ポーズでの自己位置推定の成功度合いを可視化した例を示す図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための図であって、地図データ間のp値の変動の相関の例を示す図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための図であって、地図データ間のp値の変動の相関の別の例を示す図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための図であって、図41に示される所定区間における地図データ毎のp値の平均値の例を示す図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための図であって、地図データ間のp値の相関係数の例を示す図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための概念図であって、SLAM後の軌跡を用いた地図データ評価の一例を説明するための概念図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための概念図であって、路面形状地図の一例を示す図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための図であって、路面形状地図においてSLAMが成功した例と失敗した例とを示す図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための図であって、地図データ間の高さ方向の分散の変動の相関の例を示す図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための図であって、地図データ間のLiDARの点群数の変動の相関の例を示す図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための図であって、路面形状地図における路面形状のイメージの例を示す図である。 本開示の実施形態に係る地図データ生成装置による地図データ評価処理の具体例を説明するための図であって、地図データ間の路面の勾配の変動の相関の例を示す図である。
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。ただし、以下に示される実施形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、本開示に係る技術思想が限定されるものではない。また、以下に示される実施形態において説明する構造等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、本開示に係る技術思想に必ずしも必須のものではない。
1.地図データ生成方法の概要
本実施形態における地図データとは、特徴量地図(feature map)、路面形状地図(terrain map)、路面輝度地図(intensity map)、静止障害物地図(background knowledge)等、自動運転車両による自動運転用の地図を構成するデータを意味する。特徴量地図は典型的には自動運転車両の自己位置推定に使用される。路面形状地図は自動運転車両が走行する周辺の領域の路面の形状(高さ)がセルで記録された地図である。路面輝度地図は自動運転車両が走行する周辺の領域の路面の輝度がセルで記録された地図である。静止障害物地図は道路構造物等の静止障害物がボクセルで記録された地図である。
地図データの作成には、センサ付きの車両を実際に走行させて取得した多数の走行ログデータが使用される。地図データの作成に使用される走行ログデータの全体集合を走行ログデータ群と称する。また、走行ログデータを省略してログデータと呼ぶ場合もある。走行ログデータを用いた地図データの作成にはいくつかの課題がある。図1はログデータを用いた地図データの生成に係る第1の課題について説明するための概念図である。
図1には走行ログデータ群10を用いて地図データが生成される2つの例が示されている。左側の例では、走行ログデータ群10から複数のログデータ12の集合であるデータセット20Aが生成されている。そして、データセット20Aを用いて地図データ30Aが生成されている。右側の例では、走行ログデータ群10から複数のログデータ12の集合であるデータセット20Bが生成されている。そして、データセット20Bを用いて地図データ30Bが生成されている。各データセット20A,20Bを構成するログデータ12は、走行ログデータ群10から任意に抽出されてもよいし所定の選定条件に従い抽出されてもよい。
ここで、データセット20Aに含まれるログデータ12は全て正常であるのに対し、データセット20Bに含まれるログデータ12には異常なログデータ12aが含まれていたとする。この場合、データセット20Aから生成された地図データ30Aは正常であるのに対し、データセット20Bから生成される地図データ30Bは異常になってしまう。
地図データが正常か異常かどうか判断する一つの方法は統計的な判断である。図1では2つの地図データ30A,30Bのみが生成されているが、実際には走行ログデータ群10から多数の地図データを生成することができる。そして、地図データを構成する要素データのばらつき度合いが概ね一致している地図データの集団(要素データのばらつきが一定の幅に収まっている地図データの集団と言うこともできる)が存在する場合、その集団に属する地図データは統計的に正常とみなされ、その集団から外れる地図データは異常とみなされる。図1に示される例では、地図データ30Aは正常な地図データの集団に属する地図データであり、地図データ30Bは正常な地図データの集団から外れる地図データである。
異常なログデータ12aは他のログデータ12に対するばらつきが大きく、地図データ30Bが正常な地図データの集団から外れる原因となるログデータである。ゆえに、精度の高い地図データを生成する上では、予め異常なログデータ12aを排除しておくことが望ましい。しかし、走行ログデータ群10に含まれるログデータの数は膨大であるため、その膨大なログデータの中から異常なログデータ12aを抽出することは容易ではない。また、ログデータが異常かどうかは、そのログデータを用いて地図データを生成した場合に地図データが異常になるかどうかによって決まる。ゆえに、ログデータが異常かどうかを事前に判断するための判断基準を設定することも容易ではない。
本実施形態に係る地図データ生成方法は地図データの作成に係る上記第1の課題に対する解決手段を提供する。図2は本実施形態に係る地図データ生成方法の概要を説明するための概念図である。
本実施形態に係る地図データ生成方法によれば、走行ログデータ群10から複数のデータセット20A,20Bが生成される。各データセット20A,20Bを構成するログデータは走行ログデータ群10から任意に抽出されたものでもよいし所定の選定条件に従い抽出されたものでもよい。なお、図2では2組のデータセット20A,20Bのみが生成されているが、実際にはより多数のデータセットが生成される。各データセットを構成するログデータの数は好ましくは複数であるが1つでもよい。また、ログデータの数はデータセット間で同一でもよいし異なっていてもよい。
次に、生成されたそれぞれのデータセット20A,20Bから評価用の地図データ30A,30Bが生成される。そして、評価用の地図データ30A,30Bを相互に比較することによって、評価用の地図データ30A,30Bに含まれる異常な地図データ30Bが特定される。なお、図2で生成されている評価用の地図データ30A,30Bは2つであるが、実際には多数の評価用の地図データが生成される。前述のとおり、異常な地図データとは、地図データを構成する要素データのばらつき度合いが概ね一致している地図データの集団から外れている地図データである。比較の結果、評価用の地図データの全てが正常か或いは一部が異常と判断される。
異常な地図データ30Bが特定された場合、異常な地図データ30Bの作成に用いられたデータセット20Bと、正常と判定された評価用の地図データ30Aの作成に用いられたデータセット20Aとが比較される。評価用の地図データが多数作成されている場合には、異常な地図データの作成に用いられたデータセットと、異常な地図データ以外の評価用の地図データの作成に用いられたデータセットとが比較される。
データセット20Aとデータセット20Bとを比較することによって、データセット20Bに含まれる異常なログデータ12aが特定される。つまり、データセット20Aに含まれるログデータ12を基準にすることで、データセット20Aに含まれるログデータ12とは異なるログデータ12aが異常なログデータ、すなわち、地図データ30Bに異常を生じさせているログデータとして特定される。走行ログデータ群10に含まれる膨大なログデータから事前に異常なログデータを抽出することは容易ではない。しかし、異常な地図データの作成に用いられたデータセットと、異常な地図データ以外の評価用の地図データの作成に用いられたデータセットとを比較する方法であれば、異常なログデータを容易に特定することができる。
異常なログデータ12aが特定された場合、データセット20Bから異常なログデータ12aが除去される。そして、データセット20Aと異常なログデータ12aを除去されたデータセット20Bとを合わせて新たなデータセット20Cが生成され、データセット20Cから最終的な地図データ30Cが生成される。評価用の地図データが多数作成されている場合には、異常な地図データの作成に用いられたデータセットのそれぞれから異常なログデータが除去される。そして、異常なログデータを含まない最終的なデータセットが生成され、その最終的なデータセットから最終的な地図データが生成される。異常なログデータを含まないデータセットを用いて地図データを生成することで、高い精度で地図データを生成することができる。
以上述べたように、本実施形態に係る地図データ生成方法によれば、地図データの生成に用いるデータセットから地図データの精度の低下の原因となる異常なログデータを除去することができる。ただし、地図データの精度を低下させる原因は異常なログデータだけではない。これがログデータを用いた地図データの生成に係る第2の課題である。図3はログデータを用いた地図データの生成に係る第2の課題について説明するための概念図である。
図3には走行ログデータ群10を用いて地図データが生成される3つの例が示されている。左側の例では、走行ログデータ群10から複数のログデータ14の集合であるデータセット20Dが生成されている。そして、データセット20Dを用いて地図データ30Dが生成されている。中央の例では、走行ログデータ群10から複数のログデータ16の集合であるデータセット20Eが生成されている。そして、データセット20Eを用いて地図データ30Eが生成されている。右側の例では、走行ログデータ群10から複数のログデータ14,16の集合であるデータセット20Fが生成されている。そして、データセット20Fを用いて地図データ30Fが生成されている。ログデータは複数のパラメータによって規定されている。ログデータ14とログデータ16とは少なくとも1つのパラメータの条件に違いがある。
パラメータの条件の違いはログデータの特徴や傾向に大きな違いを生じさせる場合がある。例えば、パラメータが天候、時間帯、特定の外部センサの有無等である場合、パラメータの条件の違いはログデータの特徴や傾向に大きく影響する。ログデータ14とログデータ16とで特徴や傾向に大きな違いがある場合、ログデータ14から生成された地図データ30Dと、ログデータ16から生成された地図データ30Eとは異なる地図データの集団に属することになる。ここで、各データセット20D,20Eに含まれるログデータ14,16は全て正常であるとする。正常なログデータ14から生成された地図データ30Dは正常であり、正常なログデータ16から生成された地図データ30Eもまた正常である。
しかし、データセット20Fに含まれるログデータ14とログデータ16とがともに正常であったとしても、ログデータ14とログデータ16とから生成された地図データ30Fは異常になりうる。ログデータ14とログデータ16とで特徴や傾向に大きな違いがある場合、ログデータ14から見てログデータ16は異常なログデータであり、ログデータ16から見てログデータ14は異常なログデータであると考えることができる。ゆえに、パラメータの条件に違いがあるログデータ14とログデータ16とから生成される地図データ30Fは、どの地図データの集団にも属しない異常な地図データとなりうる。
精度の高い地図データを生成する上では、地図データに異常を生じさせるパラメータの条件の組み合わせは予め排除しておくことが望ましい。しかし、ログデータを規定するパラメータの条件の組み合わせは膨大であるため、どのようなパラメータの条件の組み合わせが地図データに異常を生じさせるかを事前に判断することは容易ではない。
本実施形態に係る地図データ生成方法は地図データの作成に係る上記第2の課題に対する解決手段を提供する。図4は本実施形態に係る地図データ生成方法の概要を説明するための概念図である。
本実施形態に係る地図データ生成方法によれば、走行ログデータ群10から複数のデータセット20D,20E,20Fが生成される。データセット20Dを構成するログデータ14とデータセット20Eを構成するログデータ16とは、少なくとも1つのパラメータの条件に違いを有する。データセット20Fはパラメータの条件に違いを有するログデータ14とログデータ16とで構成されている。なお、図4では3組のデータセット20D,20E,20Fのみが生成されているが、実際にはより多数のデータセットが生成される。各データセットを構成するログデータの数は好ましくは複数であるが1つでもよい。また、ログデータの数はデータセット間で同一でもよいし異なっていてもよい。
次に、生成されたそれぞれのデータセット20D,20E,20Fから評価用の地図データ30D,30E,30Fが生成される。そして、評価用の地図データ30D,30E,30Fを相互に比較することによって、評価用の30D,30E,30Fに含まれる異常な地図データ30Fが特定される。なお、図4で生成されている評価用の地図データは地図データ30D,30E,30Fの3つであるが、実際には多数の評価用の地図データが生成される。異常と判断された地図データ30Fは、地図データ30Dが属する地図データの集団からも地図データ30Eが属する地図データの集団からも外れている地図データである。
異常な地図データ30Fが特定された場合、異常な地図データ30Fの作成に用いられたデータセット20Fと、正常と判定された評価用の地図データ30D,30Eの作成に用いられたデータセット20D,20Eとが比較される。評価用の地図データが多数作成されている場合には、異常な地図データの作成に用いられたデータセットと、異常な地図データ以外の評価用の地図データの作成に用いられたデータセットとが比較される。
データセット20D,20Eとデータセット20Fとを比較することによって、データセット20Fに含まれるパラメータの条件に違いのあるログデータ、すなわち、ログデータ14とログデータ16とが特定される。そして、ログデータ14とログデータ16との比較により、ログデータを規定する複数のパラメータのそれぞれの条件の組み合わせのうち地図データ30Eに異常を生じさせている条件の組み合わせが特定される。どのようなパラメータの条件の組み合わせが地図データに異常を生じさせるかを事前に判断することは容易ではない。しかし、異常な地図データの作成に用いられたデータセットと、異常な地図データ以外の評価用の地図データの作成に用いられたデータセットとを比較する方法であれば、地図データに異常を生じさせるパラメータの条件の組み合わせを容易に特定することができる。
地図データに異常を生じさせるパラメータの条件の組み合わせが特定された場合、そのような組み合わせを含まないデータセットを用いて最終的な地図データが生成される。図4に示される例であれば、ログデータ14からなるデータセット20Dを用いて生成された地図データ30Dと、ログデータ16からなるデータセット20Eを用いて生成された地図データ30Eとが最終的な地図データとして生成される。地図データ30Dと地図データ30Eとはパラメータの条件の違いに応じて使い分けられる。これによれば、ログデータを規定するパラメータの条件の組み合わせの影響を排除して、高い精度で地図データを生成することができる。
2.地図データ生成装置
次に、本実施形態に係る地図データ生成方法を実施するための地図データ生成装置について説明する。図5は本実施形態に係る地図データ生成装置100の機能を示すブロック図である。
地図データ生成装置100はデータベースと処理部とを備える。地図データ生成装置100を構成するデータベースは、走行ログデータデータベース(以下、走行ログデータDBと表記する)110及び地図データデータベース(以下、地図データDBと表記する)160である。地図データ生成装置100を構成する処理部は、ログデータ組み合わせ生成部120、地図データ生成部130、地図データ評価部140及び異常ログデータ判定部150である。
走行ログデータDB110は多数のログデータが保存されたデータベースである。実際に車両を走行させることで取得されたログデータが走行ログデータDB110に蓄積されて走行ログデータ群を構成する。ログデータの取得に用いられる車両は自動運転車両でもよいし運転者によって運転される車両でもよい。ただし、ログデータの取得に用いられる外部センサ(LiDAR、カメラ、深度センサ等)の種類、型式、個数及び設置位置は、実際の自動運転で地図データが使用される自動運転車両と共通であることが好ましい。
ログデータは各種センサのデータと自動運転の各プロセスの出力データとを含む。各種センサには外部センサの他に例えばGPSやIMU(Inertial Measurement Unit)が含まれる。自動運転のプロセスには例えば自己位置推定結果、物体検出結果及び経路計画結果が含まれる。
ログデータは複数のパラメータで規定される。ログデータを規定するパラメータとその条件の例は以下の通りである。これらのパラメータのうちの1又は複数がログデータの規定に用いられる。なお、センサに関するパラメータはセンサ毎に設定される。同じ種類のセンサであっても型番が違うものや設置場所が異なるものは異なるセンサとして扱われる。
車種名:「Prius,e-Palette,Aqua,etc.」「8A2B,300C,405D,etc.」
車両名:「1号車,2号車,3号車,etc.」「Alice,Belle,Cindy,etc.」
日時:「2021年8月12日12:00,2021年8月12日14:00,etc.」
総走行距離:「10km,5km,etc.」
時間:「1時間21分14秒,2時間3分43秒,etc.」
天候:「晴れ,雨,曇り,雪,霧,etc.」
気温:「30°C,20°C,etc.」「86°F,68°F,etc.」
日照量:「0MJ/m,1.0MJ/m,etc.」
降雨量:「0mm/h,1mm/h,etc.」「0mm,2mm,etc.」
降雪量:「0mm/h,1mm/h,etc.」「0mm,2mm,etc.」
オペレータ名:「田中太郎,山田花子,etc.」「101番,203番,etc.」
乗車人数:「0人,1人,5人,etc.」「空,有」
車速:「最大車速20km/h,40km/h,etc.」「平均車速10km/h,20km/h,etc.」
センサの有無:「有,無,故障」
センサのバージョン:「Ver.1,Ver.2,etc.」「試作品、品確品、量産品」
自動運転ソフトウェアのバージョン:「Ver.1,Ver.2,etc.」「master, perception_test, planner_test,etc.」
運転方法:「手動,自動,一部自動」
ログデータ組み合わせ生成部120は走行ログデータDB110に保存されたログデータから複数のログデータの組み合わせ、すなわち、データセットを生成する。データセットを構成するログデータの組み合わせはデータセット毎に異ならされている。ただし、同じログデータが複数のデータセットに含まれていてもよい。また、走行ログデータDB110から読み出すログデータは上記のパラメータによってそのデータ範囲を限定することができる。ログデータを限定するデータ範囲の例としては、空間、区間、時間、天候、気温、車両、センサ種別等が挙げられる。例えば、「晴れた日の日中に車両AのセンサDで採られたデータ」にデータ範囲を限定し、そのようなデータ範囲のログデータを組み合わせてデータセットを生成することができる。
地図データ生成部130はログデータ組み合わせ生成部120で生成されたデータセットを用いて評価用の地図データを生成する。地図データ生成部130は1つのデータセットに対して1つの評価用の地図データを生成する。これにより、地図データ生成部130では、ログデータ組み合わせ生成部120で生成されたデータセットと同数の複数の評価用の地図データが生成される。
地図データ評価部140は地図データ生成部130で生成された複数の地図データを比較して評価する。地図は基本的には実環境に対して1対1の関係であることから、ログデータの組み合わせによらず地図データは一意に収束するはずである。ただし、データセットに異常なログデータが含まれていると、そのデータセットから生成された地図データそのものも異常な値を含むこととなる。そこで、地図データ評価部140は、異なるデータセットから生成された複数の地図データを比較することで、他とは異なる異常な地図データを検出する。
異常ログデータ判定部150は地図データ評価部140の評価結果に基づき異常なログデータを判定する。詳しくは、異常な地図データの作成に用いられたデータセットと、異常な地図データ以外の評価用の地図データの作成に用いられたデータセットとが比較される。この比較により、異常な地図データの作成に用いられたデータセットの中から異常な走行ログデータが特定される。また、異常ログデータ判定部150は、異常なログデータを特定することに加えて、ログデータを規定する複数のパラメータのそれぞれの条件のうち地図データに異常を生じさせる条件(例えば天候、時間帯、センサ故障等)を特定することもできる。
異常ログデータ判定部150の判定結果はログデータ組み合わせ生成部120に送られる。ログデータ組み合わせ生成部120は、最初に生成された複数のデータセットから異常ログデータ判定部150で特定された異常なログデータを除去し、異常なログデータが除去されたデータセットを組み合わせて最終的なデータセットを生成する。
地図データ生成部130はログデータ組み合わせ生成部120で生成された最終的なデータセット、すなわち、異常なログデータを含まないデータセットを用いて最終的な地図データを生成する。地図データ生成部130は生成した最終的な地図データを地図データDB160に保存する。
次に、上述の機能を実現するための地図データ生成装置100のハードウェア構成の例について図6を用いて説明する。図6は本実施形態に係る地図データ生成装置100のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
図6に示される例では、地図データ生成装置100はプロセッサ101、メモリ102、ストレージ104、通信モジュール105及びユーザインタフェース106を備えている。地図データ生成装置100を構成するこれらの要素はバス107によって結合されている。
プロセッサ101は地図データ生成のための演算を行う。プロセッサ101は地図データ生成装置100に1つ設けられていてもよいし複数設けられていてもよい(ここでは1つのプロセッサが設けられているとする)。
メモリ102はプログラム103を記憶する非一時的なプログラムメモリである。プログラム103は本実施形態に係る地図データ生成方法を実施するためのコンピュータで実行可能なプログラム(地図データ生成プログラム)である。プログラム103はプロセッサ101に処理を実行させるための複数のインストラクションを含む。プログラム103は、プロセッサ101で実行されることにより、プロセッサ101をログデータ組み合わせ生成部120、地図データ生成部130、地図データ評価部140及び異常ログデータ判定部150として機能させる。
ストレージ104は例えばSSDやHDDである。ストレージ104には走行ログデータDB110と地図データDB160とが構築されている。走行ログデータDB110が設けられたストレージと地図データDB160が設けられたストレージとは同一でもよいし別々でもよい。また、走行ログデータDB110は地図データ生成装置100の外部に設けられていてもよい。地図データDB160も地図データ生成装置100の外部に設けられていてもよい。
通信モジュール105は外部装置との通信のために設けられている。通信モジュール105による通信方法は無線通信でもよいし有線通信でもよい。走行ログデータDB110へのログデータの保存と、地図データDB160からの地図データの読み出しとは通信モジュール105を用いて行われる。ユーザインタフェース106は地図データ生成装置100の操作者による操作の入力と操作者への情報の出力のために設けられている。
3.地図データ生成方法の具体例
3-1.第1の例
次に、本実施形態に係る地図データ生成装置100により実施される地図データ生成方法の具体例について説明する。図7乃至図12は地図データ生成方法の第1の例を説明するための概念図である。なお、以下に説明する第1の例は前述の第1の課題とその解決手段とに対応している。
図7は第1の例における走行ログデータDB110の構成の例を示す概念図である。第1の例では、ログデータを規定するパラメータは車両名、日時及び時間であり、ログデータ1からログデータ4までの4つのログデータが走行ログデータDB110に保存されている。ログデータの内容は最終的に生成される地図データの種類によって異なる。本実施形態に係る地図データ生成方法はログデータから生成される地図データであれば広く適用可能であるため、ここではログデータの内容について限定しない。
図8は第1の例においてログデータ組み合わせ生成部120により実施されるログデータ組み合わせ生成処理について説明するための概念図である。ログデータ組み合わせ生成部120は走行ログデータDB110に保存された4つのログデータを組み合わせてデータセットを生成する。2つの異なるログデータが組み合わされるとすると、データセット1からデータセット6までの6つのデータセットが生成される。
図9は第1の例において地図データ生成部130により実施される地図データ生成処理について説明するための概念図である。地図データ生成部130はログデータ組み合わせ生成部120により生成された6つのデータセットのそれぞれから地図データを生成する。ログデータ1とログデータ2とから地図データ1が生成される。ログデータ1とログデータ3とから地図データ2が生成される。ログデータ1とログデータ4とから地図データ3が生成される。ログデータ2とログデータ3とから地図データ4が生成される。ログデータ2とログデータ4とから地図データ5が生成される。そして、ログデータ3とログデータ4とから地図データ6が生成される。これら6つの地図データは評価用の地図データである。
図10は第1の例において地図データ評価部140により実施される地図データ評価処理について説明するための概念図である。地図データ評価部140は地図データを構成する要素データのばらつき度合いを地図データ毎に計算する。例えば地図データが特徴量地図のデータの場合、地図全体の特徴量のばらつきが計算される。ばらつき度合いは例えば標準偏差や確率分布で表される。
図10に示される例では、地図データ1から地図データ6までのそれぞれの地図データにおける要素データのばらつき度合いが確率分布で表されている。このうち地図データ1、地図データ2及び地図データ4の確率分布は正規分布を示し、平均値への収束度合いが概ね一致している。これに対して地図データ3、地図データ5及び地図データ6の収束度合いは地図データ1等の収束度合いとは異なり、且つ、それぞれがばらばらである。地図データ評価部140は主要な集団を形成する地図データ1、地図データ2及び地図データ4を正常な地図データと評価し、その集団から外れている地図データ3、地図データ5及び地図データ6を異常な地図データと評価する。
図11は第1の例において異常ログデータ判定部150により実施される異常ログデータ判定処理について説明するための概念図である。異常ログデータ判定部150は地図データ評価部140による各地図データの評価結果と各地図データの作成に用いられたログデータに関する情報とを取得する。地図データ評価部140により異常と評価された地図データは地図データ3、地図データ5及び地図データ6である。これらの地図データに共通するログデータはログデータ4である。そして、ログデータ4は正常と評価された地図データ1、地図データ2及び地図データ4の作成には用いられていない。このような分析に基づき、異常ログデータ判定部150はログデータ4が地図データに異常を発生させるログデータ、すなわち、異常なログデータであると判定する。
異常ログデータ判定部150は判定結果をログデータ組み合わせ生成部120に渡す。ログデータ組み合わせ生成部120は異常なログデータ4を先に生成したデータセットから取り除き、ログデータ1、ログデータ2及びログデータ3を組み合わせて最終的なデータセットを生成する。
図12は第1の例において地図データ生成部130により実施される最終地図データ生成処理について説明するための概念図である。地図データ生成部130はログデータ組み合わせ生成部120で生成された最終的なデータセットを用いて最終的な地図データを生成する。最終的な地図データは異常なログデータ4が用いられていない精度の高い地図データである。地図データ生成部130は最終的な地図データを地図データDB160に保存する。
ここで、走行ログデータDB110に記憶されるログデータの形式について説明する。図13及び図14は走行ログデータDB110に記憶されるログデータの形式について説明するための概念図である。
図13に示される例では、ログデータを規定するパラメータは車両名、日時、時間及び各センサの有無である。走行ログデータDB110にはログデータ1からログデータ6までの6つのログデータが保存されている。ログデータ1、ログデータ2、ログデータ3及びログデータ4はセンサA、センサB及びセンサCを用いて取得されたログデータである。ログデータ5及びログデータ6はセンサDのみを用いて取得されたログデータである。
図13に示される例では、センサA、センサB及びセンサCの各データを一纏めにして1つのログデータとしている。ただし、センサA、センサB及びセンサCのそれぞれが取得したデータは独立している。ログデータを取得するセンサの種類には限定はない。例えば、ログデータ1乃至4の取得に用いられるセンサAはカメラで、ログデータ5及び6の取得に用いられるセンサDはLiDARであってもよい。異なるセンサで取得されたログデータであっても一つの地図上にマッピングすることは可能である。
図14に示される例では、ログデータを規定するパラメータは車両名、日時、時間及び各センサの有無である。走行ログデータDB110には14個のログデータが保存されている。ログデータ1aとログデータ1bとはログデータ1の部分データである。ログデータ1はセンサA、センサB及びセンサCのデータを含むのに対し、ログデータ1aはセンサAとセンサCのデータを含み、ログデータ1bはセンサBのデータのみを含む。同様に、ログデータ2aとログデータ2bとはログデータ2の部分データである。ログデータ3aとログデータ3bとはログデータ3の部分データである。そして、ログデータ4aとログデータ4bとはログデータ4の部分データである。
ログデータ1からログデータ1a及び1bが生成されるように、ログデータはパラメータ毎に分解することができ、分解してできた部分データは独立したログデータとすることができる。ログデータはパラメータ毎にいかようにも分解することができる。例えば、図14に示される例にて、各ログデータから日中のログデータと夜間のログデータとを生成することができる。また、ログデータの取得中に天候の変化があった場合には、天候毎にログデータを分解して天候毎の独立したログデータを生成することもできる。
次に、ログデータ組み合わせ生成処理におけるログデータの組み合わせの形式について説明する。図15はログデータの組み合わせの形式について説明するための概念図である。ただし、組み合わせ可能なログデータ、すなわち、走行ログデータDB110に記憶されるログデータはログデータ1からログデータ4までの4つとする。
図15に示される例では、データセット2は2つのログデータの組み合わせであり、データセットNは4つのログデータの組み合わせである。このように、1つのデータセットに含まれるログデータの数はデータセット間で同じでなくてもよい。また、データセット1のようにログデータが1つしか含まれないデータセットがあってもよいし、データセットNのように全てのログデータを含むデータセットがあってもよい。
ログデータ組み合わせ生成処理では、想定される全てのログデータの組み合わせが網羅されていなくてもよい。その一方で、データセット2とデータセットN-2のように重複するログデータの組み合わせがあってもよい。また、データセット4に2つのログデータ1が含まれているように、1つのデータセットの中に同じログデータが複数含まれていてもよい。
3-2.第2の例
図16乃至図22は地図データ生成方法の第2の例を説明するための概念図である。以下に説明する第2の例は第1の例と同様に前述の第1の課題とその解決手段とに対応している。
図16は第2の例における走行ログデータDB110の構成の例を示す概念図である。第2の例では、ログデータは5つのパラメータ、すなわち、車両名、日時、時間、センサAのデータの有無及びセンサBのデータの有無によって規定される。ログデータ1aはセンサAのデータのみを含み、ログデータ1bはセンサBのデータのみを含む。これらはセンサAとセンサBの両方のデータを含むログデータ1を分割して生成された独立したログデータである。同様に、ログデータ2、ログデータ3及びログデータ4からもセンサAのデータのみを含むログデータとセンサBのデータのみを含むログデータとが生成されている。センサAとセンサBはともに外部センサである。センサAとセンサBは例えばカメラとLiDARのように異なる種類のセンサでもよいし、種類は同じであるが型式が異なるセンサでもよいし、型式は同じであるが車両上の搭載位置が異なるセンサでもよい。
図17は第2の例においてログデータ組み合わせ生成部120により実施されるログデータ組み合わせ生成処理について説明するための概念図である。ログデータ組み合わせ生成部120は走行ログデータDB110に保存された12個のログデータを組み合わせてN個のデータセットを生成する。ログデータ1から生成されたログデータ1aやログデータ1bも独立したログデータとして他のログデータと組み合わせられる。図17には記載されていないが、ログデータ1とログデータ1aのように親と子の関係にあるログデータ同士を組み合わせてもよい。なお、ログデータ組み合わせ生成部120により生成されるデータセットの個数(N個)はログデータの組み合わせ方による。ここでは2つのログデータが組み合わされてデータセットが生成されているが、図15を用いて説明したように任意の個数のログデータを組みわせることができる。
図18は第2の例において地図データ生成部130により実施される地図データ生成処理について説明するための概念図である。地図データ生成部130はログデータ組み合わせ生成部120により生成されたN個のデータセットのそれぞれから地図データを生成する。各データセットから生成された合計N個の地図データは評価用の地図データである。
図19は第2の例において地図データ評価部140により実施される地図データ評価処理について説明するための概念図である。地図データ評価部140は地図データを構成する要素データのばらつき度合いを地図データ毎に計算する。図19に示される例では、地図データ1から地図データNまでのそれぞれの地図データにおける要素データのばらつき度合いが確率分布で表されている。ここで、少なくとも地図データ9と地図データNは収束度合いが概ね一致している主要な集団に属しており、地図データ1から地図データ8までの各地図データはその集団から外れているとする。また、地図データ1から地図データ8までの各地図データの収束度合いはばらばらであるとする。この場合、地図データ評価部140は少なくとも地図データ1から地図データ8までの各地図データを異常な地図データと評価する。
図20は第2の例において異常ログデータ判定部150により実施される異常ログデータ判定処理について説明するための概念図である。異常ログデータ判定部150は、地図データ評価部140による各地図データの評価結果と、各地図データの作成に用いられたログデータに関する情報とを取得する。地図データ評価部140により異常と評価された地図データは少なくとも地図データ1乃至地図データ8である。これらの異常な地図データの作成に用いられたログデータと、正常と評価された地図データ9の作成に用いられたログデータとを比較することにより、ログデータ1、ログデータ1a、ログデータ2及びログデータ2aが異常なログデータであることが分かる。
図21は第2の例において異常ログデータ判定部150により実施される異常パラメータ条件判定処理について説明するための概念図である。異常ログデータ判定部150は、異常なログデータと判定されたログデータ1、ログデータ1a、ログデータ2及びログデータ2aを規定するパラメータの条件と、それ以外のログデータを規定するパラメータの条件とを比較する。そして、異常ログデータ判定部150は、ログデータ2aを規定する5つのパラメータの条件のうち、異常なログデータのみに共通するパラメータの条件を特定する。そうして特定されたパラメータの条件が地図データに異常を生じさせる条件である。この例では、センサAのデータが有ることが地図データに異常を生じさせる条件である。ゆえに、異常ログデータ判定部150はセンサAのデータを有するログデータ3、ログデータ3a、ログデータ4及びログデータ4aを異常の蓋然性が高いログデータと判定する。
異常ログデータ判定部150は判定結果をログデータ組み合わせ生成部120に渡す。ログデータ組み合わせ生成部120はセンサAのデータを含むログデータを先に生成したデータセットから取り除き、センサAのデータを含まないログデータ1b、ログデータ2b、ログデータ3b及びログデータ4bのみを組み合わせて最終的なデータセットを生成する。なお、このケースでは、センサAに何らかの異常が起きていることを管理者に通知してもよい。何らかの異常とは、センサの故障、センサのキャリブレーションずれ、センサのそもそもの精度不足等である。
図22は第2の例において地図データ生成部130により実施される最終地図データ生成処理について説明するための概念図である。地図データ生成部130はログデータ組み合わせ生成部120で生成された最終的なデータセットを用いて最終的な地図データを生成する。最終的な地図データはセンサAのデータを含むログデータが用いられていない精度の高い地図データである。地図データ生成部130は最終的な地図データを地図データDB160に保存する。
なお、ログデータは、センサのデータの有無に限らず、先に列挙した様々なパラメータの条件によって分割することができる。例えば、一つのログデータを日中に取得したログデータと夜間に取得したログデータとに分割してもよい。一つのログデータを車速が所定速度以上で取得したログデータと所定速度未満で取得したログデータとに分割することもできる。一つのログデータを所定区間の走行時に取得したログデータと所定区間外で取得したログデータとに分割することもできる。一つのログデータを自動運転時に取得したログデータと手動運転時に取得したログデータとに分割することもできる。
3-3.第3の例
図23乃至図29は地図データ生成方法の第3の例を説明するための概念図である。以下に説明する第3の例は前述の第2の課題とその解決手段とに対応している。
図23は第3の例における走行ログデータDB110の構成の例を示す概念図である。第3の例では、ログデータは4つのパラメータ、すなわち、車両名、日時、時間及び天候によって規定される。ここでは、パラメータ“天候”の条件は晴れと雨の2種類であるとする。
図24は第3の例においてログデータ組み合わせ生成部120により実施されるログデータ組み合わせ生成処理について説明するための概念図である。ログデータ組み合わせ生成部120は走行ログデータDB110に保存された7個のログデータを組み合わせてN個のデータセットを生成する。ログデータ組み合わせ生成部120により生成されるデータセットの個数(N個)はログデータの組み合わせ方による。ここでは2つのログデータが組み合わされてデータセットが生成されているが、図15を用いて説明したように任意の個数のログデータを組みわせることができる。
図25は第3の例において地図データ生成部130により実施される地図データ生成処理について説明するための概念図である。地図データ生成部130はログデータ組み合わせ生成部120により生成されたN個のデータセットのそれぞれから地図データを生成する。例えば、ログデータ1とログデータ2とにより地図データ1が生成され、ログデータ1とログデータ3とにより地図データ2が生成されている。ログデータ3とログデータ4とにより地図データi-1が生成され、ログデータ3とログデータ5とにより地図データiが生成されている。また、ログデータ5とログデータ7とにより地図データN-1が生成され、ログデータ6とログデータ7とにより地図データNが生成されている。各データセットから生成された合計N個の地図データは評価用の地図データである。
図26は第3の例において地図データ評価部140により実施される地図データ評価処理について説明するための概念図である。地図データ評価部140は地図データを構成する要素データのばらつき度合いを地図データ毎に計算する。図26に示される例では、収束度合いが概ね一致している地図データの集団が2つ存在している。地図データ1及び地図データ2は第1の集団に属している。地図データN-1及び地図データNは第2の集団に属している。第1の集団に属する地図データと第2の集団に属する地図データのどちらも正規分布を示しているが、平均値への収束度合いに明確な差異がある。一方、少なくとも地図データi-1及び地図データiは第1の集団と第2の集団のどちらにも属しておらず、且つ、互いの収束度合いは一致していない。地図データ評価部140は地図データi-1及び地図データiを含む第1の集団と第2の集団のどちらにも属していない地図データを異常な地図データと評価する。
図27は第3の例において異常ログデータ判定部150により実施される異常ログデータ判定処理について説明するための概念図である。異常ログデータ判定部150は、地図データ評価部140による各地図データの評価結果と、各地図データの作成に用いられたログデータに関する情報とを取得する。そして、異常ログデータ判定部150は、地図データ評価部140により異常と評価された地図データの作成に用いられたログデータと、正常と評価された地図データの作成に用いられたログデータとを比較する。図27に示される例では、比較結果より地図データに異常を生じさせている特定のログデータは存在しないことが分かる。この場合、地図データに異常を生じさせている原因として想定されるのが、ログデータの組み合わせ、より詳しくはログデータを規定するパラメータの条件の組み合わせである。
図28は第3の例において異常ログデータ判定部150により実施される異常組み合わせ判定処理について説明するための概念図である。異常ログデータ判定部150は、異常と評価された各地図データの作成に用いられたログデータについて、ログデータ間でパラメータの条件を比較する。地図データi-1については、ログデータ3とログデータ4との間でパラメータの条件が比較される。地図データiについては、ログデータ3とログデータ5との間でパラメータの条件が比較される。それらの比較結果に基づき、異常ログデータ判定部150は、パラメータ“天候”の条件が晴れになっているログデータと、パラメータ“天候”の条件が雨になっているログデータとの組み合わせが地図データに異常が生じさせる原因であると判定する。
つまり、晴れた日に取得されたログデータと、雨の日に取得されたログデータとは、それぞれが正常なログデータであったとしても、それらを組み合わせることができない場合がある。このことについて特徴量地図における白線を例にとって説明する。特徴量を取得する外部センサがカメラである場合、晴れた日にはカメラで白線をはっきりと捉えることができるのに対し、雨の日にカメラで白線を捉えることは難しい。このため、晴れた日に取得される特徴量の分散は小さく収束度が高いのに対し、雨の日に取得される特徴量の分散は大きくなりやすい。ゆえに、晴れた日に取得された特徴量同士、雨の日に取得された特徴量同士はマッチングがとれるけども、晴れた日に取得された特徴量と雨の日に取得された特徴量との間ではマッチングがとれず、特徴量の不整合によって地図データに異常を生じせてしまう。
異常ログデータ判定部150は判定結果をログデータ組み合わせ生成部120に渡す。ログデータ組み合わせ生成部120は、判定結果を受けて、晴れた日に取得されたログデータのみを組み合わせたデータセットと、雨の日に取得されたログデータのみを組み合わせたデータセットとを生成する。
図29は第3の例において地図データ生成部130により実施される最終地図データ生成処理について説明するための概念図である。地図データ生成部130はログデータ組み合わせ生成部120で生成された最終的なデータセットを用いて最終的な地図データを生成する。地図データ生成部130で生成される最終的な地図データは、晴天用の地図データと雨天用の地図データの2種類の地図データである。晴天用の地図データは晴れた日に取得されたログデータ1、ログデータ2及びログデータ3のみを用いて生成されている。一方、雨天用の地図データは雨の日に取得されたログデータ4、ログデータ5、ログデータ6及びログデータ7のみを用いて生成されている。地図データ生成部130は晴天用の地図データと雨天用の地図データとを別々に地図データDB160に保存する。
地図データDB160に保存された晴天用の地図データは晴れた日の自動運転で利用される。一方、雨天用の地図データは雨の日の自動運転で利用される。外部センサがカメラである場合、雨の日は白線の認識は難しいことから、雨天用の地図データでは雨の日でも相対的に認識しやすい縁石の特徴量の重みは大きくされ、白線の特徴量の重みは小さくされる。これにより、晴天用の地図データは晴れた日の自動運転において高い精度を実現することができる一方、雨天用の地図データは雨の日の自動運転において高い精度を実現することができる。
なお、ここで例に挙げたパラメータ“天候”は条件の組み合わせが地図に異常を生じさせうるパラメータの一例である。天候以外にも、車両の種別、時間帯(日中か夜間か)、センサの種別(LiDARかカメラか)、地図生成アルゴリズム等のパラメータでは、条件の組み合わせ次第で地図データに異常が生じ得る。また、センサの種別が同じであっても性能に違いがある場合には、センサ毎に地図データを生成してもよい。例えば、縁石を検出しやすいLiDARと、縁石を検出し難いLiDARとでは、地図データにおける特徴量としての縁石の重みに違いがある。このため、それら2つのLiDARで取得されたログデータは別カテゴリとして扱い、それぞれのログデータを用いて地図データを別々に生成することが好ましい。
4.地図データ評価処理の具体例
4-1.特徴量地図に対する地図データ評価処理
4-1-1.特徴量地図の概要
以上の説明では地図データを構成する要素データのばらつき度合い(地図データの収束度合い)を視覚的に確率分布で表現した。しかし、これは異常のある地図データを特定する上での評価方法の一例であって、必ずしもある統計的な数値の収束度合いだけを見て評価する必要はない。以下では、自動運転システムで実際に使用されている地図の概要を説明し、それぞれの地図に対応した地図データ評価処理の具体例について説明する。図30乃至図50は本実施形態に係る地図データ生成装置100による地図データ評価処理の具体例を説明するための図である。
まず、特徴量地図について説明する。特徴量地図とは、自動運転車が自己位置推定のために用いる地図データである。特徴量地図は、LiDAR或いはカメラのセンサデータから取得したユニークな特徴量を重畳し、最適化計算、具体的にはSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)を実施することで生成される。自動運転では距離精度が求められることから、LiDARは好ましい外部センサの一例である。以下に説明する例では、LiDARによって特徴量が取得されている。
図30は特徴量地図のための特徴量検出の例を示す図である。図30の左側に示される画像はLiDARから得た3次元の点群を平面にマッピングすることで得られた点群画像である。画像の中央に位置している像はLiDARが搭載された車両である。この点群画像を特徴量検出器で処理し、特徴量を検出することで図30の右側に示される特徴量画像が得られる。特徴量画像では、画像中央に位置する車両の周辺に白線、縁石、建物の角が特徴量として検出されている。
図31A、図31B及び図31Cは特徴量の種類の例を示す図である。図31Aに示される特徴量画像では白線と縁石(段差)とが特徴量として検出されている。白線はLiDARの点群の反射強度情報を用いて直線として検出される。縁石はLiDARの点群の距離情報を用いて直線として検出される。
図31Bに示される特徴量画像では道路標識とそれを支えるポールとが特徴量として検出されている。道路標識については、一定サイズ以上、一定サイズ以下の平面がLiDARの点群の距離情報を用いて平面として検出される。ポールについては、一定太さ以上、一定太さ以下、一定長さ以上、一定長さ以下の円筒がLiDARの点群の距離情報を用いてZ方向に延びる直線として検出される。
図31Cに示される特徴量画像では建物の凸角と凹角とが特徴量として検出されている。建物の角については、平面が90度で交わるような、一定長さ以上、一定長さ以下の角がLiDARの点群の距離情報を用いて直線として検出される。
なお、全ての特徴量は対象物を識別したうえで検出されているわけではなく、アルゴリズムで定義された特徴物らしさがLiDARの点群のから検出されているだけである。したがって、例えば、LiDARの点群から一定サイズ以下の平面が検出された場合、実際には建物の壁であるにも関わらず道路標識として検出されることもある。しかし、特徴量地図を用いた自己位置推定では、特徴量の検出に再現性さえあればよい。ゆえに、道路標識として検出されたものが実際には建物の壁だったとしても、自己位置推定には問題なく使用することができる。このことは他の特徴量にも当てはまる。
図32はSLAMによる特徴量地図の生成の例を示す図である。図32の左側の画像は、各ログデータから得られた特徴量をロケータ(GPSとIMU)の出力に合わせて重畳することで得られた画像である。ロケータの出力は座標(x,y,z)と姿勢(ロール,ピッチ,ヨー)である。この画像では特徴量は合っているように見えるが、実際には画像全体で特徴量にばらつきが生じている。つまり、ロケータの出力に合わせて全ログデータ分の特徴量を単に重畳しただけでは、特徴量ばらついたままとなる。そこで、全ログデータ分の特徴量を重畳したものに対してSLAM、すなわち、最適化計算が実施される。図32の右側の画像は左側の画像に対して最適化計算を実施することで得られる特徴量地図である。作成された特徴量地図は地図データDB160に保存され、実際に自動運転車両が走る際の自己位置推定に使用される。
4-1-2.地図全体の統計量に基づく地図データの評価
上記のように特徴量地図の生成時には最適化計算が行われる。最適化計算によって特徴量の一致度は高められるものの、必ずしも全てのログデータ間で特徴量が完全に一致することはない。
図33A、図33B及び図33Cは特徴量地図における特徴量毎のばらつきの例を示す図である。図33Aには特徴量地図に登録された道路標識、ポール、建物の角(縦)及び建物の角(横)の各特徴量の例が示されている。図33Bには特徴量地図に登録された白線の特徴量の例が示されている。どれもが同じ対象物から取得された特徴量である。しかし、LiDARそのものの検出精度、LiDARのキャリブレーション(取り付け位置及び姿勢)の精度、特徴量検出アルゴリズムの精度、最適化計算の精度等の複数の理由から最適化計算後の特徴量の位置にはばらつきが生じる。
図33Cにはある特徴量地図における特徴量毎のばらつきが標準偏差で示されている。ただし、特徴量のばらつきとは、特定の対象物に着目した統計量ではなく、地図データ全体での統計量である。図33Cに示される例では、どの特徴量も標準偏差0.05m程度のばらつきを有している。
上記のように、それぞれの特徴量地図に対して特徴量を地図全体で見たときの統計量、すなわち、特徴量のばらつきを求めることができる。したがって、地図データが一致していると言えるかどうかは、地図データ間での統計量の比較で判断することができる。つまり、統計量の比較によって異常な地図データを特定することができる。図34は地図データ毎の統計量の例を示す図である。ここでは説明の簡素化のために地図データは3つとし、特徴量は白線のみとする。
ある2つの集合が等分散かどうかを判定する方法としてF検定が知られている。F検定では、2つの集合の分散が等しい確率を求めることができる。例えば確率5%以上で「等分散である」、確率5%未満では「等分散でない」と判定することができる。これに従い図34に示される3つの地図データのそれぞれを検定する。図35はF検定を用いた評価の例を示す図である。等分散であるもの同士をグルーピングすると、地図データ1及び地図データ2は等分散であるが、地図データ3のみ他の地図データとは等分散にはならず、また標準偏差も他の地図データより大きい。したがって、F検定による検定結果として、地図データ3を異常な地図データとして判定することができる。
また、地図全体の統計量に基づいて異常な地図データを判定する他の方法として、標準偏差が最小となる地図データからの差に基づく方法が挙げられる。単純に、特徴量の標準偏差が最小となる地図データは最も高精度な地図データと考えられる。その地図データの標準偏差を基準にして閾値を設定し、その閾値以上の標準偏差を有する地図データは異常な地図データであると判定してもよい。
例えば、図34に示される例では標準偏差が最小の地図データは地図データ1である。地図データ1の標準偏差より20%以上大きい標準偏差を有する地図データを異常とすると、地図データ3は異常な地図データであると判定される。地図データ1の標準偏差より0.001m以上大きい標準偏差を有する地図データを異常とすると、地図データ2及び地図データ3は異常な地図データであると判定される。
4-1-3.自己位置推定の成功度合いに基づく地図データの評価
特徴量地図の生成時には車両の自己位置及び姿勢を示すポーズが用いられる。図32において路上に連続的に配置されている円の中心が各時刻における車両のポーズであり、それを繋いだ線は車両が通過した経路である。SLAMでは、特徴量が最適化されると同時に、各ポーズもそのポーズで検出された特徴量を用いて最適化される。SLAMによるポーズでの自己位置推定の成功の度合いは、以下に説明する統計的な値から求めることができる。
図36はSLAMによるポーズでの自己位置推定の一例を説明するための概念図である。図36には、時刻tにおける車両のポーズXとそのポーズで観測された特徴量F、F及びFが示されている。特徴量Fは白線であり、特徴量Fは道路標識であり、特徴量Fはポールである。LiDARによる各特徴量F、F及びFの計測距離d、d及びdには、所定の計測誤差σ、σ及びσが含まれる。SLAMでは、各特徴量F、F及びFの位置、計測距離及び計測誤差に基づいてポーズXに対する自己位置推定が行われる。
図37及び図38はSLAMによるポーズでの自己位置推定の結果を説明するための概念図である。図37及び図38中の帯状の領域B、B及びBは各特徴量F、F及びFの位置、計測距離及び計測誤差から定義される。より詳細には、帯状の領域B、B及びBは、特徴量F、F及びFの位置から計測距離d~dだけ離れており、2σ~2σの幅を有する。3つの領域B、B及びBが重なっている領域Eが自己位置の推定領域である。自己位置の推定領域EとポーズXの周辺の領域Rとが重なる領域が大きいほど、ポーズXでの自己位置推定の成功度合いは高いと判定することができる。図37では自己位置の推定領域EとポーズXの周辺の領域Rとが重なっているので、これはポーズXでの自己位置推定の成功例を示している。一方、図38では自己位置の推定領域EとポーズXの周辺の領域Rとは重なっていないので、これはポーズXでの自己位置推定の失敗例を示している。
あるポーズXで観測された特徴量の整合性の判定には一般にはカイ2乗値を計算すればよい。カイ2乗値は、例えば、特徴量の計測距離の期待値と観測値とを用いて計算される。ポーズXにおけるカイ2乗値が統計的にどれくらいの確率で起こりうるのかはp値で表すことができる。カイ2乗値が大きいほどp値は小さくなり、カイ2乗値が小さいほどp値は大きくなる。SLAMによるポーズXでの自己位置推定の成功度合いは、p値によって0(失敗している可能性が高い)から1(成功している可能性が高い)までの範囲の確率で表される。
p値を用いることで、特徴量地図においてSLAMによる各ポーズでの自己位置推定の成功度合いを可視化することができる。図39は特徴量地図においてSLAMによる各ポーズでの自己位置推定の成功度合いを可視化した例を示す図である。図39に示される特徴量地図上には、p値の逆数がポーズからz方向に延びる線として可視化されている。ポーズでのp値は低いほど、そのポーズからz方向に延びる線は長くなる。
p値は理想的には地図全体で高くしたい。しかし、p値は基本的には場所依存であり、右側の円で囲まれた領域のように特徴量が十分に取得できない区間や取得できる特徴量に偏りがある区間では、p値が低くなるポーズが多く現れる。p値が低いポーズの多発はSLAMが失敗した可能性が高いことを意味している。一方、左側の円で囲まれた領域のように特徴量が充分に検出できる区間では、各ポーズでp値は高くなる。p値が低いポーズが少ないことはSLAMが成功した可能性が高いことを意味している。
p値が場所に依存するのであれば、複数の地図データが生成されたとき、それら地図データ間で共通の区間内では、地図データ間でp値の変動に強い相関が現れるはずである。その相関の強さを図る一般的な方法は、共通区間内のp値の平均値を地図データ間で比較することである。
例えば、図40Aに示されるA地点からB地点までの共通区間で取得されたログデータを用いて3つの地図データ、すなわち、地図データ1、地図データ2及び地図データ3が作成されたとする。各地図データのp値をA地点からの距離を横軸にとった同じグラフ上にプロットすることで、図40Bに示されるような地図データ間のp値の変動の相関を示すグラフが得られる。全ての地図データがA地点からB地点までN個のポーズで表現されているとし、i番目の地図データのnポーズ目のp値をpi,nと表記するものとする。この場合、地図データiの共通区間内でのp値の平均値は以下の式で表される。
Figure 2023152480000002
図40Bに示される例では、地図データ1のp値の平均値と地図データ2のp値の平均値とは概ね一致するのに対し、地図データ3のp値の平均値はそれらとはかけ離れて小さな値となる。よって、A地点からB地点までの共通区間における地図データ3は、地図データ1及び地図データ2との比較において異常な地図データであると判定される。
図41は地図データ間のp値の変動の相関の別の例を示す図である。図41に示される例ではウインドウW内の区間のみ、地図データ3のp値が地図データ1及び地図データ2のp値よりも著しく低くなっている。しかし、A地点からB地点までの全区間でp値の平均値を計算した場合、ウインドウW内の区間の影響は弱められる。つまり、地図データ1及び地図データ2と地図データ3との間でp値の平均値に差はなくなる可能性が有る。
ゆえに、図41に示される例のように一部の区間において地図データ間でp値に差異が生じうることを考えると、一定の区間ごとにp値の平均値を計算するようにしてもよい。例えば、ウインドウWをA地点からB地点まで動かしながら、ウインドウW内の区間でp値の平均値を計算するようにしてもよい。図42は図41に示されるウインドウW内の区間における地図データ毎のp値の平均値の例を示す図である。
図42に示される例では最もp値の平均値が高い地図データは地図データ1である。地図データ1のp値の平均値を基準として、それよりも0.1小さい値が閾値として設定されるとする。その場合、p値の平均値が0.45である地図データ2は地図データ1と一致すると判定される。しかし、p値の平均値が0.2である地図データ3は地図データ1とは一致しない、即ち、異常であると判定される。なお、ウインドウWの区間において地図データ3が異常であると判定された場合、その区間のみ地図データ3から切り取り、残りの区間は正常な地図データとして扱うことも可能である。
また、p値を用いて地図データの一致/不一致を評価する方法としては、p値の平均値を用いる方法の他にも、各地図データのp値の相関係数を用いる方法がある。図43は地図データ間のp値の相関係数の例を示す図である。2つの地図データが一致するとみなされる相関係数の閾値を例えば0.8と仮定する。その場合、地図データ1、地図データ2及び地図データ3の間におけるp値の相関係数が図43で表されるのであれば、地図データ1と地図データ2とは一致すると判定される。しかし、地図データ3は地図データ1とも地図データ2とも一致しないことから、地図データ3は異常な地図データであると判定される。
以上の例では、複数の地図データのうち少なくとも1つは有効であることが前提とされている。しかし、p値はポーズでのSLAMの成功度合いを確率で表現した数値であることから、そもそもp値が低いような地図データは他と比較するまでもなく自動運転には不適である可能性が高い。そこで、p値に対して絶対的な基準値を設け、p値が絶対的な基準値よりも低い地図データは異常と判定するようにしてもよい。例えば、地図データ全体のp値の平均値が0.4以下であれば異常と判定するようにした場合、図41に示される例では地図データ3のみが異常と判定される。しかし、全区間中で最低のp値が0.4以下であれば異常と判定するようにした場合、図41に示される例では全ての地図データが異常と判定される。
なお、地図データを比較する方法としては、各ポーズでのp値以外にも例えば以下の数値を用いることができる。
・検出できた白線の特徴量の個数
・検出できた縁石の特徴量の個数
・検出できた道路標識の特徴量の個数
・検出できた建物の角の特徴量の個数
・検出できた全特徴量の総数
・ポーズの高度(z方向の高さ)
検出できた特徴量が少ないときには一般的にはp値は低くなる。しかし、例えば複数のセンサが搭載された車両で一つのセンサだけが故障しているような場合には、他のセンサで特徴量を検出できるためにp値はあまり下がらない可能性がある。そのような場合には、検出できた特徴量の個数を地図データ間で比較することでセンサの故障を検知することができる。
4-1-4.SLAM後の軌跡に基づく地図データの評価
次に、地図データのSLAM後の軌跡、すなわち、ポーズを時系列順に並べたものを用いて地図データを評価する方法について説明する。図44はSLAM後の軌跡を用いた地図データ評価の一例を説明するための概念図である。
図44Aは地図データ1から地図データ4までの4つの地図データを示している。いずれの地図データもA地点からB地点までの区間の同じ経路に沿って生成されたものである。各地図データにおけるA地点からB地点までの経路はSLAM後の軌跡に対応する。これら4つの地図データの経路形状を比較するために、各地図データのA地点をxyz空間上の原点に移動し、各地図データのA地点でのポーズの方向(車両進行方向)をx軸の方に一致させるように回転させる。
上記の処理により図44Bが得られる。図44Bは各地図データのxy平面への写像を示している。図44Bに示されるxy平面において、原点から延びる矢印線はA地点から見た各地図データのSLAM後の軌跡を示している。それぞれの矢印線の先端がB地点である。しかし、SLAMの結果が異なるためにA地点から見たときのB地点の相対位置は地図データ毎に異なっている。
ここで、各地図データのB地点を座標(x,y,z)と姿勢(ロール,ピッチ,ヨー)とを用いてクラスタリングする。ここでいうクラスタリングとは、距離が近い複数のものをグループ化することであり、最短距離法などの一般的な手法を適用することができる。例えば、距離の閾値を3mとして最短距離法で各地図データのB地点をクラスタリングすることができる。図44Bに示す例では、地図データ1と地図データ2とが1つのグループにクラスタリングされている。所属する地図データの数が最も多いグループが最も信頼度が高いと言えるので、地図データ1と地図データ2とが属するグループが最も信頼度が高いと判定される。そして、そのグループに属しない地図データ3及び地図データ4は異常な地図データであると判定される。
4-2.路面形状地図及び路面輝度地図に対する地図データ評価処理
4-2-1.路面形状地図及び路面輝度地図の概要
図45は路面形状地図の画像データの一例を示す図である。路面形状地図では、図45に示されるような画像データがx方向とy方向に既定の分解度で分解され、画像データを分解して得られるそれぞれのセルに情報が格納されている。同様に、路面輝度地図でも画像データを分解して得られるセル毎に情報が格納されている。セルの解像度は例えばx方向、y方向ともに0.1mである。
路面形状地図の各セルには、セルに到達したLiDARの点群の数と、高さの平均値及び分散が格納される。高さの平均値及び分散の計算には、セルに達した全てのLiDARの点群の値(z方向の高さの値)が用いられる。路面輝度地図の各セルには、セルに到達したLiDARの点群の数と、路面輝度の平均値及び分散が格納される。路面輝度の平均値及び分散の計算には、セルに達した全てのLiDARの点群の値(反射強度)が用いられる。
以下では主に路面形状地図について説明する。ただし、必要に応じて各セルに格納されている高さ情報を輝度情報に置き換えることで、以下の説明は路面輝度地図にも当てはまる。
路面形状地図では、路面形状をある程度の面積を持ったセルで表現している特性上、草が茂るようなところや段差があるところでは、そこに当たるLiDARの点群の高さが同一にならないため、仮にSLAMが成功したとしても高さの分散は大きくなる。一方で、車両が走行する道路や歩行者が歩行する歩道では、セルの範囲内は平面であることが多いので、SLAMが成功している場合には高さの分散は小さくなることが期待される。
図46Aは路面形状地図においてSLAMが成功した具体例を示す。一方、図46Bは路面形状地図においてSLAMが失敗した具体例を示す。各図の路面における白黒の濃淡はセル毎の高さの標準偏差をヒートマップで表現したものである。白く見える箇所は高さの標準偏差が小さい箇所であり、黒く見える箇所は高さの標準偏差が大きい箇所である。SLAMが成功した場合、路面形状の分散が低くなるために図46Aに示されるように路面は白く表現される。中央の特に白く見える領域は標準偏差が0.01m程度の精度の領域である。一方、SLAMが失敗した場合、路面形状の分散が大きくなるために図46Bに示されるように路面は黒く表現される。中央の特に黒く見える領域は標準偏差が0.15m程度の精度の領域である。
4-2-2.路面形状に基づく地図データの評価
以下、路面形状に基づく地図データの評価の方法について説明する。ただし、必要に応じて各セルに格納されている高さ情報を輝度情報に置き換えることで、以下の説明は路面輝度に基づく地図データの評価にも当てはまる。
路面形状地図では、セル内に草が生えていたり縁石などの段差が存在したりすると、仮にSLAMが成功していようとも高さ方向の分散は大きくなる。しかし、自車両が通過した領域では、それが舗装された道路である限りは、セル内は平面であるため高さ方向の分散は小さくなるはずである。言い換えれば、自車両が通過した領域の高さ方向の分散が大きい場合、その地図データは正常ではない可能性が高い。つまり、自車両が通過した領域の路面形状の高さ方向の分散に着目することで、路面形状地図の地図データの異常を判定することができる。
例えば、A地点からB地点までの共通区間で取得されたログデータを用いて3つの地図データ、すなわち、地図データ1、地図データ2及び地図データ3が作成されたとする。各地図データの路面形状の高さ方向の分散σをA地点からの距離を横軸にとった同じグラフ上にプロットすることで、図47に示されるような地図データ間の高さ方向の分散σの変動の相関を示すグラフが得られる。路面形状の高さ方向の分散σは、ポーズの下、すなわち、車両の真下のセルの高さ方向の分散でもよいし、車両の周辺の複数のセルの高さ方向の分散の平均値でもよい。
路面形状地図の地図データの異常は、図47に示される地図データ間の高さ方向の分散σの変動の相関から判定することができる。具体的には、特徴量地図の地図データの異常の判定に用いた方法を路面形状地図にも応用することができる。特徴量地図の地図データの異常の判定方法には、p値の平均値を比較して異常を判定する方法、p値の相関係数を比較して異常を判定する方法、及び、p値の最低値に基づいて異常を判定する方法がある。これらの方法においてp値を高さ方向の分散σに置き換えることで、路面形状地図の地図データの異常を判定する方法として用いることが可能となる。同様に、p値を輝度の分散に置き換えることで、路面輝度地図の地図データの異常を判定する方法として用いることが可能となる。
また、各地図データのセルに到達したLiDARの点群数をA地点からの距離を横軸にとった同じグラフ上にプロットすることで、図48に示されるような地図データ間のLiDARの点群数Npointsの変動の相関を示すグラフが得られる。LiDARの点群数Npointsは、ポーズの下、すなわち、車両の真下のセルに到達したLiDARの点群数でもよいし、車両の周辺の複数のセルに到達したLiDARの点群数の平均値でもよい。特徴量地図の地図データの異常の判定方法において、p値をLiDARの点群数Npointsに置き換えることで、路面形状地図の地図データの異常を判定する方法として用いることが可能となる。また、路面輝度地図の地図データの異常を判定する方法としても用いることができる。
路面形状に基づいて地図データの一致/不一致を評価する方法としては、路面形状の高さ方向の分散を用いる方法の他にも、路面の勾配を用いる方法がある。路面形状地図は路面の形状、つまり、高さを表現した地図である。高さからは路面の勾配を求めることができる。自車両が通過したような領域は道路勾配が決まっているので、路面形状地図は「道路勾配+許容誤差」の範囲内で勾配が表現されていることが期待できる。
図49は路面形状地図における路面形状のイメージの例を示す図である。詳しくは、図49に示す例は、路面形状情報のx方向及びy方向の解像度が0.1mである場合において、路面形状情報から得られる路面形状をy方向から見たイメージである。図49に示す例では、0.1mごとに0.01m高さが上がっているので道路勾配は10%程度の右肩上がりである。しかし、中央付近の1セルだけ0.05m以上高くなっている。道路構造を考えると、0.05m以上の傾斜(50%の勾配)はありえない。ゆえに、図49に示す例では、生成された路面形状に異常があると判定することができる。
ここで、xy平面上の座標(i,j)におけるセルの高さの平均値をhi,jとすると、座標(i,j)におけるx方向の路面勾配Δxi,jとy方向の路面勾配Δyi,jは、それぞれ以下の式で計算することができる。
Δxi,j=hi,j-hi-1,j
Δyi,j=hi,j-hi,j-1
路面形状地図の地図データの異常は、地図データ間の路面勾配Δx、Δyの変動の相関から判定することができる。例えば、A地点からB地点までの共通区間で取得されたログデータを用いて3つの地図データ、すなわち、地図データ1、地図データ2及び地図データ3が作成されたとする。各地図データのx方向の路面勾配ΔxをA地点からの距離を横軸にとった同じグラフ上にプロットすることで、図50に示されるような地図データ間のx方向の路面勾配Δxの変動の相関を示すグラフが得られる。x方向の路面勾配Δxは、ポーズの下、すなわち、車両の真下のセルのx方向の路面勾配でもよいし、車両の周辺の複数のセルのx方向の路面勾配の平均値でもよい。同様な方法で、地図データ間のy方向の路面勾配Δyの変動の相関を示すグラフを得ることもできる。前述の特徴量地図の地図データの異常の判定方法において、p値をx方向の路面勾配Δx或いはy方向の路面勾配Δyに置き換えることで、路面形状地図の地図データの異常を判定する方法として用いることが可能となる。
また、路面の勾配を用いる方法では、必ずしもA地点からB地点までの経路に沿って路面勾配をプロットする必要はない。路面勾配が許容幅を超えるようなセルが1つでも含まれていれば、その地図データを異常と判定するようにしてもよい。
5.その他
地図データ生成装置100による地図データ評価処理は静止障害物地図にも適用することができる。静止障害物地図上のボクセルの位置を地図データ間で比較することで異常な地図データを判定することができる。例えば、前述の特徴量地図の地図データの異常の判定方法において、p値をボクセルの位置に置き換えることで、静止障害物地図の地図データの異常を判定する方法として用いることが可能となる。
10 走行ログデータ群
12,14,16 走行ログデータ
12a 異常な走行ログデータ
20A,20B,20D,20E,20F データセット
20C 最終的なデータセット
30A,30B,30D,30E,30F 評価用の地図データ
30C 最終的な地図データ
100 地図データ生成装置
101 プロセッサ
102 メモリ
103 地図データ生成プログラム
104 ストレージ
105 通信モジュール
106 ユーザインタフェース
107 バス
110 走行ログデータデータベース
120 ログデータ組み合わせ生成部
130 地図データ生成部
140 地図データ評価部
150 異常ログデータ判定部
160 地図データデータベース

Claims (8)

  1. 走行ログデータ群から複数のデータセットを生成し、
    複数のデータセットのそれぞれは1又は複数の走行ログデータからなり、
    前記複数のデータセットのそれぞれから評価用の地図データを生成し、
    前記複数のデータセットから生成された複数の評価用の地図データを相互に比較することで前記複数の評価用の地図データに含まれる異常な地図データを特定し、
    前記異常な地図データの作成に用いられたデータセットと前記異常な地図データ以外の評価用の地図データの作成に用いられたデータセットとを比較することで異常な走行ログデータを特定し、
    前記異常な走行ログデータを含まないデータセットを用いて最終的な地図データを生成する
    ことを特徴とする地図データ生成方法。
  2. 請求項1に記載の地図データ生成方法において、
    前記走行ログデータ群に含まれるそれぞれの走行ログデータを複数のパラメータで規定し、
    前記複数のパラメータのうち少なくとも1つのパラメータの条件を前記複数のデータセットに含まれる複数の走行ログデータ間で不均一にする
    ことを特徴とする地図データ生成方法。
  3. 請求項2に記載の地図データ生成方法において、
    前記複数のパラメータのそれぞれの条件のうち地図データに異常を生じさせる条件を前記異常な走行ログデータに基づいて特定し、
    前記複数のパラメータの条件に前記地図データに異常を生じさせる条件を含まないデータセットを用いて前記最終的な地図データを生成する
    ことを特徴とする地図データ生成方法。
  4. 請求項2又は3に記載の地図データ生成方法において、
    前記異常な地図データの作成に用いられたデータセットと前記異常な地図データ以外の評価用の地図データの作成に用いられたデータセットとを比較することで前記複数のパラメータのそれぞれの条件の組み合わせのうち地図データに異常を生じさせる条件の組み合わせを特定し、
    前記複数のパラメータの条件の組み合わせに前記地図データに異常を生じさせる条件の組み合わせを含まないデータセットを用いて前記最終的な地図データを生成する
    ことを特徴とする地図データ生成方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地図データ生成方法において、
    地図データは特徴量地図の地図データであり、
    前記複数の評価用の地図データを相互に比較することは前記複数の評価用の地図データ間で特徴量のばらつきを比較することを含む
    ことを特徴とする地図データ生成方法。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地図データ生成方法において、
    地図データは特徴量地図の地図データであり、
    前記複数の評価用の地図データを相互に比較することは前記複数の評価用の地図データ間で特徴量を用いた自己位置推定の成功度合いを比較することを含む
    ことを特徴とする地図データ生成方法。
  7. 少なくとも1つのプロセッサと、
    前記少なくとも1つのプロセッサと結合され複数の実行可能なインストラクションを記憶したプログラムメモリと、を備え、
    前記複数の実行可能なインストラクションは、前記少なくとも1つのプロセッサに、
    走行ログデータ群から複数のデータセットを生成させ、
    複数のデータセットのそれぞれは1又は複数の走行ログデータからなり、
    前記複数のデータセットのそれぞれから評価用の地図データを生成させ、
    前記複数のデータセットから生成された複数の評価用の地図データを相互に比較することで前記複数の評価用の地図データに含まれる異常な地図データを特定させ、
    前記異常な地図データの作成に用いられたデータセットと前記異常な地図データ以外の評価用の地図データの作成に用いられたデータセットとを比較することで異常な走行ログデータを特定させ、
    前記異常な走行ログデータを含まないデータセットを用いて最終的な地図データを生成させる、ように構成されている
    ことを特徴とする地図データ生成装置。
  8. 走行ログデータ群から複数のデータセットを生成し、
    複数のデータセットのそれぞれは1又は複数の走行ログデータからなり、
    前記複数のデータセットのそれぞれから評価用の地図データを生成し、
    前記複数のデータセットから生成された複数の評価用の地図データを相互に比較することで前記複数の評価用の地図データに含まれる異常な地図データを特定し、
    前記異常な地図データの作成に用いられたデータセットと前記異常な地図データ以外の評価用の地図データの作成に用いられたデータセットとを比較することで異常な走行ログデータを特定し、
    前記異常な走行ログデータを含まないデータセットを用いて最終的な地図データを生成する、ことをコンピュータに実行させるように構成されている
    ことを特徴とする地図データ生成プログラム。
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