JP2023149206A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技の興趣を向上する。
【解決手段】 所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技に関する演出を表示手段に表示可能に制御する演出制御手段を備え、演出制御手段は、表示手段に第1画像を表示する第1演出態様から、表示手段に第1画像を表示せずに第2画像を表示する第2演出態様となるか否かを示唆する示唆演出を実行可能である。
【選択図】図4-36

Description

本発明は、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機に関する。
従来の遊技機において、遊技を演出するために複数のステージを備え、一定の条件を満たすことでステージを移行可能な遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2019-42605号公報
しかしながら、遊技の興趣を十分に向上することができなかった。本発明の目的は、遊技の興趣を向上することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、
遊技に関する演出を表示手段に表示可能に制御する演出制御手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記表示手段に第1画像を表示する第1演出態様から、前記表示手段に前記第1画像を表示せずに第2画像を表示する第2演出態様となるか否かを示唆する示唆演出を実行可能であることを特徴とする。
本発明によれば、遊技の興趣を向上することができる。
本発明の一実施形態の遊技機の正面図である。 本発明の一実施形態の遊技機を前面側から見た斜視図である。 遊技盤の正面図である。 遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。 遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。 特図変動表示ゲームの結果の振分率、大当り図柄の振分率、普図確率及び天井到達ゲーム数の一例を示す図である。 遊技状態の遷移を説明するための図である。 メイン処理を説明するフローチャートである。 メイン処理を説明するフローチャートである。 タイマ割込み処理を説明するフローチャートである。 特図ゲーム処理を説明するフローチャートである。 特図始動口スイッチ共通処理を説明するフローチャートである。 特図保留情報判定処理を説明するフローチャートである。 特図普段処理を説明するフローチャートである。 特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理を説明するフローチャートである。 特図1停止図柄設定処理を説明するフローチャートである。 特図2停止図柄設定処理を説明するフローチャートである。 特図変動中処理を説明するフローチャートである。 時短終了設定処理を説明するフローチャートである。 特図表示中処理を説明するフローチャートである。 特図表示中処理を説明するフローチャートである。 ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を説明するフローチャートである。 サポ作動設定処理を説明するフローチャートである。 大当り終了処理を説明するフローチャートである。 特定領域スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。 小当り残存球処理を説明するフローチャートである。 小当り終了処理を説明するフローチャートである。 演出制御装置のメイン処理を説明するフローチャートである。 受信コマンドチェック処理を説明するフローチャートである。 受信コマンド解析処理を説明するフローチャートである。 演出の一例を説明する図である。 演出の一例を説明する図である。 演出の一例を説明する図である。 演出の一例を説明する図である。 演出の一例を説明する図である。 演出の一例を説明する図である。 演出の一例を説明する図である。 演出の一例を説明する図である。 演出の一例を説明する図である。 画像の一例を説明する図である。 選択表示の一例を説明する図である。 本発明の一実施形態の遊技機の正面図である。 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演出の一例を説明する図である。 特定画像の表示と演出態様の移行タイミングを示すタイムチャートである。 遊技機を前面側から見た斜視図である。 遊技盤の正面図である。 遊技機の遊技制御系の構成例を示すブロック図である。 遊技機の演出制御系の構成例を示すブロック図である。 メイン処理の手順を示すフローチャート(その1)である。 メイン処理の手順を示すフローチャート(その2)である。 メイン処理の手順を示すフローチャート(その3)である。 遊技用マイコンのRAMの構成を示す図である。 安全装置情報初期化処理の手順を示すフローチャートである。 性能表示編集処理の手順を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。 出力処理の手順を示すフローチャートである。 入賞口スイッチ/状態監視処理の手順を示すフローチャートである。 不正&入賞監視処理の手順を示すフローチャートである。 入賞数カウンタ更新処理の手順を示すフローチャートである。 遊技機状態チェック処理の手順を示すフローチャートである。 確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである。 特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。 始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。 特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。 特定領域スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。 特図普段処理の手順を示すフローチャートである。 特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。 特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。 大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。 大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。 大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。 小当り判定処理の手順を示すフローチャートである。 サポ当り判定処理の手順を示すフローチャートである。 特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。 特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。 特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。 2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。 振り分け処理の手順を示すフローチャートである。 変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。 特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。 時短終了設定処理の手順を示すフローチャートである。 演出モード情報チェック処理の手順を示すフローチャートである。 特図表示中処理の前半部分の手順を示すフローチャートである。 特図表示中処理の後半部分の手順を示すフローチャートである。 サポ作動設定処理の手順を示すフローチャートである。 役物ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。 役物普段処理の手順を示すフローチャートである。 大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。 大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。 大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。 普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。 ゲートスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。 普電入賞スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。 普図普段処理の手順を示すフローチャートである。 普図変動中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。 普図変動中処理の手順を示すフローチャートである。 普図表示中処理の手順を示すフローチャートである。 普図当り中処理の手順を示すフローチャートである。 普電作動移行設定処理の手順を示すフローチャートである。 普電残存球処理の手順を示すフローチャートである。 普図当り終了処理の手順を示すフローチャートである。 外部情報編集処理の前半部分の手順を示すフローチャートである。 外部情報編集処理の後半部分の手順を示すフローチャートである。 外部情報又は試験信号の送信の様子を示すタイムチャートである。 安全装置関連処理の手順を示すフローチャートである。 領域外統合処理の手順を示すフローチャートである。 性能表示装置制御処理の手順を示すフローチャートである。 差玉確認処理の手順を示すフローチャートである。 安全装置作動監視処理の手順を示すフローチャートである。 演出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 受信コマンドチェック処理を示すフローチャートである。 受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。 単発系コマンド処理を示すフローチャートである。 先読み図柄系コマンド処理を示すフローチャートである。 先読み変動系コマンド処理を示すフローチャートである。 図柄系コマンド処理を示すフローチャートである。 変動系コマンド処理を示すフローチャートである。 変動演出設定処理を示すフローチャートである。 当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。 安全装置の状態に応じた演出系の装置の態様等を示すテーブルである。 表示装置の表示画面を時系列で示した画面遷移図の一例(例1)である。 表示装置の表示画面を時系列で示した画面遷移図の一例(例1)である。 表示装置の表示画面を時系列で示した画面遷移図の別の一例(例2)である。 客待ち中以外における作動予告表示を例示する図である。 客待ち中以外のうち変動表示中のリーチ前後における作動予告表示を例示する図である。 客待ち中における作動予告表示を例示する図である。 設定確認状態(設定確認モード)における表示装置の表示画面を例示する。 映像以外で表示される特定機種表示の例(例1)を示す図である。 映像以外で表示される特定機種表示の例(例2)を示す図である。 メニュー画面と、メニュー画面で選択された項目に対応する項目画面と、の一例を示す図である。 安全装置の作動と、メニュー画面と、メニュー画面で選択された項目に対応する項目画面と、の関係の一例を説明する図である。 安全装置の作動と、表示と、演出ボタンと、の関係の一例を説明するタイミングチャートである。 安全装置の作動と、表示と、演出ボタンと、の関係の一例を説明する図である。 安全装置の作動と、メニュー画面と、の関係の一例を説明する図である。 安全装置の作動と、メニュー画面で選択された項目に対応する項目画面と、の関係の一例を説明する図である。 安全装置の作動と、メニュー画面で選択された項目に対応する項目画面と、の関係の一例を説明する図である。 安全装置の作動と、メニュー画面で選択された項目に対応する項目画面と、の関係の一例を説明するタイミングチャートである。 作動時ムービーと、メニュー画面と、の関係の一例を説明する図である。 メニュー画面の変形例を説明する図である。 作動中表示の一例を説明する図である。 安全装置の作動と、外部信号と、の関係の一例を説明するタイミングチャートである。 演出制御装置が行う初期動作設定処理の一例を説明するフローチャートである。 遊技制御装置が行う節電モード処理の一例を説明するフローチャートである。 演出制御装置が行う節電機能設定処理の一例を説明するフローチャートである。
<第1実施形態>
図1-1は、本実施形態の遊技機10の正面図であり、図1-2は、本実施形態の遊技機10の前面側斜視図である。
図1-1及び図1-2に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図1-3参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明板保持枠)15が取り付けられている。
ガラス枠15には、カバーガラス14の後方となる位置に遊技盤30の前面を覆う表示
板350が設けられている。表示板350は遊技盤30を透視可能であるとともに、所定
の表示を表示可能となっている。本実施形態の遊技機では、側端から光を導入することで
像が浮かび上がる導光板で構成されているが、透明な液晶表示装置やEL表示装置で構成
されていても良い。
表示板350に所定の表示がされていない状態では透明であって後方の遊技盤30の視
認を妨げないようになっている。そして、表示板350に所定の表示がされた場合には、
当該所定の表示の部分では後方の遊技盤30の視認性が低下することとなる。この状態で
は、所定の表示を透して後方の遊技盤30が視認可能であっても良いし、所定の表示によ
り後方の遊技盤30が視認不能であっても良い。
ガラス枠15の上部には、遊技機10の機種名等を表示する機種名等表示部16が設け
られている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異
常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例
えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例え
ば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠
12及びガラス枠15の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また
、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声
で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報
知用のランプを設けるようにしても良い。
また、ガラス枠15の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25a(図1-5参照)を内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25には、当該演出ボタン25を振動させる駆動源も内蔵されている。すなわち、本実施形態の遊技機10は、演出ボタン25を振動させることで所定の報知を行うバイブレーション機能を備えている。なお、演出ボタン25は、通常状態(図1-1や図1-2に示す状態)から突出状態(演出ボタン25の上面(押圧面)が通常状態時よりも上側にある状態)に変換可能に構成されていても良い。
前面枠12の下部には、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する
下皿(受皿)23、打球発射装置のハンドル24等が設けられている。さらに、前面枠1
2の下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入する
ための鍵穴26が設けられている。
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する貸出ボタン(球貸ボタン)27a、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する返却ボタン(排出ボタン)27b、プリペイドカードの残高を表示する残高表示器(残高表示部)27c、上皿21内の遊技球を下皿23へ流下させるために操作する上皿操作レバー27d、遊技者が所有するスマートフォンなどの携帯端末を置くための携帯端末置き部28等が設けられている。また、演出ボタン25の左方には、音量調整用ボタン27e、十字キー29等が設けられている。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者がハンドル24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25や十字キー29を操作することによって、表示装置41(図1-3参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図1-3を用いて遊技盤30の一例について説明する。図1-3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
図1-3に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体を備える。遊技盤本体は木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体の前面には、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及び外周壁(ガイドレール)31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、外周壁31で囲まれた遊技領域32内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンター
ケース40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複
数の識別情報を変動表示する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置
されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン
管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表
示領域)には、演出画像として静止画や動画を表示可能であり、例えば、複数の識別情報
(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等
の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として
割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対
応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出
のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画
像等)が表示される。
センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側
に導くためのワープ流路を形成するワープ流路形成部材614と、当該ワープ流路を通過
した遊技球が転動可能なステージ部620とが設けられている。センターケース40のス
テージ部620は、始動入賞口36の上方に配置されているため、ステージ部620上で
転動した遊技球は始動入賞口36に入賞し易くなっている。
また、センターケース40の上部及び下部には、動作することによって遊技の演出を行
う盤演出装置44が備えられている。センターケース40の下部に設けられた下演出装置
44aは、センターケース40の下部の位置と、この位置よりも表示装置41の中央側の
位置である位置との間で動作可能となっている。
センターケース40の上部に設けられた上演出装置44bは、センターケース40の上
部の位置と、この位置よりも表示装置41の中央側の位置である位置との間で動作可能と
なっている。また、この上演出装置44bは、プロペラを模した回転する動作部材44c
を有しており、動作部材44cの動作によっても演出を行うことが可能である。
すなわち、下演出装置44aが動作可能な第1可動部材を有する第1可動役物をなし、
上演出装置44bが動作可能な第2可動部材を有する第2可動役物をなす。
センターケース40の右方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ34a(図1-4参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には、3つの一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右方の遊技領域32には、1つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ35a(図1-4参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図1-4参照)によって検出される。
センターケース40の右方には、特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図1-4参照)によって検出される。
普通変動入賞装置37は、可動部材37bを備えており、この可動部材37bは常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定結果となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図1-4参照)によって逆「ハ」の字状に動作され、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
なお、普通変動入賞装置37は、可動部材37bが閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としても良い。
センターケース40の右下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が設けられている。特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、開放により上大入賞口を遊技球が流入可能な状態に変換する。特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって、大入賞口を閉じた閉状態から開状態に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。特別変動入賞装置38に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図1-4参照)によって検出される。
大入賞口の内部(入賞領域)には、遊技球が流入可能な特定領域が設けられているとともに、当該特定領域への遊技球の流入確率を変化させるようにレバーソレノイド38f(図1-4参照)により動作するレバー部材が設けられている。特定領域には遊技球の流入を検出可能な特定領域スイッチ38d(図1-4参照)が設けられており、当該特定領域スイッチ38dで遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態が発生する(本実施形態では、特別遊技状態が発生する)ようになっている。特定領域に流入した遊技球は特別変動入賞装置38の外部へ排出される。
また、大入賞口の内部には、特定領域に流入せずに特別変動入賞装置38の外部へ排出される遊技球を検出する残存球排出口スイッチ38e(図1-4参照)が設けられている。大入賞口の内部に設けられた大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数(大入賞口に流入した遊技球数)と、特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数(大入賞口から排出される遊技球数)とが一致することにより上大入賞口内の遊技球が全て排出されたことを確認でき、基本的にはこの確認が終了するまでは新たな大入賞口の開放が行われないようになっている。
始動入賞口36の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収す
るアウト口30aが設けられている。また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体80
の右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)
及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、特図1変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)
51及び特図2変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52と、特図1
変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器53及び特図2変動表示ゲームの
始動記憶数報知用の特図2保留表示器54とを備える。
また、一括表示装置50は、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数
)を表示するラウンド表示部55と、遊技機10の遊技状態を表示する遊技状態表示部5
6とを備えている。この遊技状態表示部56には、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊
技者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部56a
、時短状態(変動時間短縮機能作動時)であることを報知する第2遊技状態表示部56b
、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを報知する
第3遊技状態表示部56cが設けられている。なお、本実施形態の遊技機では、特図確率
は常に一定となっているため、第3遊技状態表示部56cは使用しない。
さらに、一括表示装置50は、普図変動表示ゲーム用の普図表示器57、普図変動表示
ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器58を備えている。
図1-4は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CP
U)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み
、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有
する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモ
ータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5
Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC-DC
コンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電
圧を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン1
11の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、
停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や
リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが
、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制
御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及
び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電
源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成
部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成
することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(
特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが
保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、停電が発生し当該遊技
機への電源供給が停止しても遊技に関する情報を記憶保持可能であるとともに、停電復旧
後には記憶保持された情報に基づき遊技を再開可能とする遊技情報記憶保持手段をなす。
制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視して
それが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるととも
に、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点
から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このR
AM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき
遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶され
ている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化
スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行す
るメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割
込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A
、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRA
M(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作
業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM11
1Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ
状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パター
ンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている
変動パターン乱数1~3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテー
ブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるは
ずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテ
ーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の
変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテー
ブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前
半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パター
ン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置
が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特
別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)
となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、
既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をい
う。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示
結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からは
ずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しなが
ら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態
に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示
される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に
決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条
件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表
示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情
報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものであ
る場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同
一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての
変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示
領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、
ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表
示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可
能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペ
シャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3
リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチな
し<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<
プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも
特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動
表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が
導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれること
もある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大
当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装
置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや
表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しない
が、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や
大当りの図柄を決定するための特図図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各
種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定す
るための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生
成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づ
いてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生
成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111B
に記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブ
ルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り
、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(低確
率状態或いは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの
中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111A
は、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パタ
ーンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得
手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフ
ェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従っ
て、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また
、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの
払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電
波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の
始動口2スイッチ37a、一般入賞口35内の入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置
38内の大入賞口スイッチ38a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、特別
変動入賞装置38内に配設される特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38
e、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球(セーフ球及びアウト球)を検
出するアウト球検出スイッチ32aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレ
ベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理
の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I
/F121は、入力の範囲が7V-11Vとされることで、センサや近接スイッチのリー
ド線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線
が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知
信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124又は第4入
力ポート126へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれ
る。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ
37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a及びゲートスイッチ34aの検
出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、特
定領域スイッチ38d、残存球排出口スイッチ38e及びアウト球検出スイッチ32aの
検出信号は第4入力ポート126へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、
盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常
検知信号は第3入力ポート124に入力される。
また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用
の磁気センサ61の検出信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65の検出信号、
遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊
技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号
も入力されるようになっている。
さらに、第3入力ポート124には、設定キー操作部の操作を検出する設定キースイッ
チ152からの信号が入力される。設定キー操作部は、設定キーを差し込む鍵穴を備え、
対応する設定キーを差し込んだ場合にのみ第1位置から第2位置(所定状態)へ当該設定
キーを回すことができるように構成されている。設定キースイッチ152は、第2位置に
回した状態となっていることを検出可能なセンサであり、第2位置に回した状態である場
合にオン状態となり、第2位置に回していない状態である場合にオフ状態となる。
RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、特図変動表示ゲームで特別結果と
なる確率値が割り当てられた確率設定値を複数から選択するための操作部であり、これら
の操作部を操作することで、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられ
た確率設定値を選択することができ、選択された確率設定値に対応する確率値が遊技で使
用されるようになっている。ここでは確率設定値として“設定1”~“設定6”の6つが
用意されている。
確率設定値を選択する際には、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態でR
AM初期化スイッチ112を操作(押下)しながら遊技機の電源を投入することで確率設
定値を変更可能な確率設定値変更モードとなり、確率設定値変更モード中にRAM初期化
スイッチ112を操作(押下)することで確率設定値を変更することができるようになっ
ている。選択されている確率設定値は、算出されたベース値や役物比率を表示するための
性能表示装置153に表示される。具体的には、性能表示装置153には、確率設定値に
関する操作をしている間(確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである間)は確
率設定値の情報が表示され、それ以外では算出されたベース値や役物比率が表示されるよ
うになっている。
また、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態(RAM初期化スイッチ11
2は操作しない)で遊技機の電源を投入することで、現在選択されている確率設定値が性
能表示装置153に表示されるが確率設定値の変更はできない確率設定値確認モードとな
る。なお、RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、前面枠12を開状態とし
なければ操作できないようにされている。
性能表示装置153は7セグメント式のディスプレイであり、確率設定値を1~6の数
字で表示するようになっている。もちろん表示態様はこれに限られず、確率設定値を認識
できる表示態様であれば良い。また、液晶表示装置など他の形式の表示装置でも良いし、
一又は複数のLEDの点灯態様や発光色等により確率設定値を示すものであっても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力及び第4入力ポ
ート126への出力(アウト球検出スイッチ32aの検出信号は除く)は、主基板100
から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さ
らに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37
aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように
構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル
変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動
作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポー
ト123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE
2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポ
ート124や第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設
けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号
(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステー
タス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の
遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以
上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチ
スイッチ信号(ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込
んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が
設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信
号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられてお
り、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。
電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッ
チ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイ
コン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として
扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には
制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、
遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部
130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さず
に直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポ
ート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リ
セット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するように
してもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,
124,126には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン
111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止す
るためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の
各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセ
ットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊
技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ
132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置
200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊
技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試
験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号
などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。この
バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技
制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力され
る始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さず
に中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62や振動センサ65のようにそのままでは試射
試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号
若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラ
ー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置
へ供給される。なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込ん
で試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を
中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用
マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより
選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続された第2出力ポート134が設け
られている。第2出力ポート134は、特別変動入賞装置38を開成させる大入賞口ソレ
ノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、特別変動入賞装置38内のレバー部材を動作さ
せるレバーソレノイド38f及び普通変動入賞装置37を開成させる普電ソレノイド37
cの動作データを出力するとともに、現在選択されている確率設定値を表示する性能表示
装置153の表示データを出力するためのポートである。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード
端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート
135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/
オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板7
1へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフ
ォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部
管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外
部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシ
ュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド
38bやレバーソレノイド38fや普電ソレノイド37cの動作データ信号を受けてソレ
ノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート1
35から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号
を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置5
0の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c
、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端
子板71へ出力する第4ドライバ138d、第2出力ポート134から出力される性能表
示装置153の表示データ信号を受けて駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138e
が設けられている。なお、第2出力ポート134から第5ドライバ138eへは、シリア
ル通信でデータが送信される。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため
、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。第5ドライバ138eに
は、5Vで動作する性能表示装置153を駆動できるようにするため、電源電圧としてD
C5Vが電源装置400から供給される。
また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC1
2Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じた
デジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれ
であってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード
端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よ
りセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択された
LEDに電源電圧が流れて点灯される。
外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号
に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。
なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御
装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるように
してもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラ
ムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ13
9は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送
受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通
常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を
利用して行われるため、入力ポート122,123,124,126のようなポートは設
けられていない。
なお、特に限定されるわけではないが、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、
普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口ス
イッチ38a、ゲートスイッチ34aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が
近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(
以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に
設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠
開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができ
る。
次に、図1-5を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したP
ROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領
域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFe
RAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段を
なすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン
311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン
311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マ
イコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してV
DP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ラ
ンプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理する
ためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映
像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラク
タなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデ
オRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パ
ラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを
送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することがで
きる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や
遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYN
C、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312
から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割
込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの
状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する
映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回
路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力
されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介し
て表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主
制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続
されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INT
が入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた
上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパ
ワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成さ
れた音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力さ
れる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受
信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンド
I/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特
図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御
指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111
はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動
作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられ
ているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制
御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾
装置(例えば表示板350を含む枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回
路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(
例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制
御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドな
どを駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介
して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演
出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置
を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵さ
れている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられた十字キー29、盤演出装
置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)
のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出
制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン
311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300
やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モ
ータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モー
タやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5
Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するよう
に構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2V
のような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3V
やDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられ
る。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マ
イコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン
311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314
、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなど
を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリ
セット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FA
N45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆
動するようにされている。
以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合
は、単に特図変動表示ゲームと称する。また、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変
動表示ゲームを区別しない場合は、単に飾り特図変動表示ゲームと称する。また、大当り
(第1特別結果)と小当り(第2特別結果)を区別しない場合は、単に当り(特別結果)
と称する。また、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態と、小当りに基づ
く特別遊技状態である第2特別遊技状態と、を区別しない場合は、単に特別遊技状態と称
する。
なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果(第1特別結果)であり、小当りは条
件装置の作動を伴わない特別結果(第2特別結果)である。条件装置とは、特図変動表示
ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が
作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38
を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動され
る)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場
合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記の
ようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良い
し、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、
「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチン
コ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様
な意味を有する用語として使用している。
本実施形態の遊技機10では、打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図1-4参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球
を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や、当該始動入賞口36の左方に配
設された一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわ
ゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置
38、一般入賞口35への入賞を狙うことができるようになっている。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための
非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34aが設けられており、遊技領域32
内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aに
より検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普
図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基
づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1
)してRAM111Cに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一
括表示装置50の普図保留表示器58に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートス
イッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結
果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変
動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状
態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り
判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの
当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値
が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普
図特定結果)が導出されることとなる。
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置
50に設けられた普図表示器57に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パ
ターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じ
た点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
なお、普図表示器57を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、
キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表
示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器57に特別の結果態様となる点
灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装
置37の可動部材を所定時間(例えば、24ms又は1648ms)開放する制御を行う
。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材)の変換制御を行う変換制御実
行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器57には
ずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
また、始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内
部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、始動入賞口36への
入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4
個)を限度に記憶するとともに、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図
始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。始動
入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当
り乱数値や特図図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており
、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Cに記憶される
。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留
表示器53や特図2保留表示器54に表示されるとともに、センターケース40の表示装
置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、第1始動記憶に基づいて特図1表示器51(第1変動表示装置
)で特図1変動表示ゲームを行い、第2始動記憶に基づいて特図2表示器52(第2変動
表示装置)で特図2変動表示ゲームを行う。そして、第1始動記憶と第2始動記憶との両
方が記憶されている場合には、特図2変動表示ゲームを特図1変動表示ゲームよりも優先
して実行する。
すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、始動入賞口36(第1始動入賞領
域)への遊技球の入賞に応じて記憶される第1始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム
(第1特図変動表示ゲーム)の実行制御を行うとともに、普通変動入賞装置37(第2始
動入賞領域)への遊技球の入賞に応じて記憶される第2始動記憶に基づいて特図2変動表
示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う実行制御手段をなす。そして、実
行制御手段は、第1始動記憶及び第2始動記憶が記憶されている状態で、第2始動記憶に
基づく特図2変動表示ゲームを第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームよりも優先し
て実行するように構成されている。
特図1表示器51及び特図2表示器52では、変動表示を行った後、所定の結果態様を
停止表示する。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特図1表示器
51若しくは特図2表示器52の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当
り結果態様)となって大当りとなり、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)となる。
また、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図
2表示器52の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態様)とな
って小当りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち、特図1
表示器51が、始動入賞口36への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲーム(特図1変
動表示ゲーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。また、特図2表示器52が、普通
変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム
)を表示可能な第2変動表示手段をなす。
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、大当り遊技状態(第1特別遊技状態)
の終了後、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状況(当り確率が高確率であることや普電
サポートがあること)で遊技を進行可能な遊技状態(特定遊技状態)を発生させる制御を
行うことが可能である。すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100が特定遊技状態
発生手段をなす。
また、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの実行に対応して、表示装置41
にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特
図変動表示ゲームが実行されるようになっている。表示装置41での飾り特図変動表示ゲ
ームには、特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームと、特図2変動表
示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームとがあり、これらは別々の表示領域に表示
される。そして、対応する特図変動表示ゲームの変動に伴い変動表示が行われ、対応する
特図変動表示ゲームでの結果態様の導出に伴い結果に対応した表示が行われる。
すなわち、表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)及び第2変
動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動表示する飾り変動
表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段をなす。なお、飾
り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームで別々の表示装置を使用するとして
も良いし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしても良い。また、遊技機1
0に特図1表示器51及び特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表
示ゲームを実行するようにしても良い。
図1-6に、本実施形態における振分率の一例を示す。
図1-6(a)は、特図変動表示ゲームの結果の振分率の一例である。特図変動表示ゲームの結果には、例えば図1-6(a)に示すように、大当り、小当り、サポ当り及びはずれの4種類がある。本実施形態において、大当りの振分率は特図1と特図2で共通となっているが、特図1と特図2で異なっていても良い。また、図1-6(a)において、大当りの振分率は、確率設定値が“設定1”である場合と、“設定2”である場合と、“設定3”である場合とで同一となっているが、異なっていても良い。また、図1-6(a)において、大当りの振分率は、確率設定値が“設定4”である場合と、“設定5”である場合と、“設定6”である場合とで同一となっているが、異なっていても良い。
また、図1-6(a)において、小当り及びサポ当りの振分率は、確率設定値にかかわらず同一となっているが、異なっていても良い。すなわち、本実施形態では、確率設定値の変更によって大当りの当選確率のみが変更され、小当り及びサポ当りの確率は変更されないようにされている。
また、小当りについては、特図2の方が特図1よりも振分率が高くなっている。これにより、特図2の方が小当りとなる可能性が高くなり、小当りとなった場合は特定領域への流入により第1特別遊技状態(大当り)となることから、特図2の方が遊技者にとって有利な特図変動表示ゲームとなっている。
図1-6(b)は、大当り種類の振分率の一例である。大当りには、例えば図1-6(b)に示すように、大当り図柄(大当りの結果態様)として5R大当りA図柄が停止表示される5R大当りAと、5R大当りB図柄が停止表示される5R大当りBと、10R大当りA図柄が停止表示される10R大当りA、10R大当りB図柄が停止表示される10R大当りBの4種類がある。
5R大当りAは、特別遊技状態のラウンド数が5ラウンドであり、特別遊技状態の終了後にサポートAの普電サポート状態(特定遊技状態)となる。5R大当りBは、特別遊技状態のラウンド数が5ラウンドであり、特別遊技状態の終了後にサポートBの普電サポート状態となる。10R大当りAは、特別遊技状態のラウンド数が10ラウンドであり、特別遊技状態の終了後にサポートBの普電サポート状態となる。10R大当りBは、特別遊技状態のラウンド数が10ラウンドであり、特別遊技状態の終了後にサポートCの普電サポート状態となる。
サポートA~Cは普電サポート状態の終了条件が異なるものであり図1-6(e)に示した条件を満たすことにより普電サポート状態が終了するようになっている。
図1-6(b)において、大当り種類の振分率は、特図変動表示ゲームが実行された遊技状態によって異なっており、通常遊技状態の場合は5R大当りA及び10R大当りAが選択可能である。特定遊技状態の場合は、5R大当りB、10R大当りA及び10R大当りBが選択可能である。
また、小当りに基づく第2特別遊技状態で特別変動入賞装置38の特定領域へ遊技球が流入したことにより発生する大当りについては、小当りとなった特図変動表示ゲームが実行された遊技状態に基づき上述のように大当り種類が選択される。なお、特図1と特図2でそれぞれ選択率が異なっていても良い。
図1-6(c)は普図変動表示ゲームの一例である。普図変動表示ゲームの当り確率及び変動時間は遊技状態に関わらず一定である。また、普図変動表示ゲームが当りとなった場合における普通変動入賞装置37の開放時間は、普電サポート中である場合の開放時間(1648ms)の方が普電サポートでない場合の開放時間(24ms)よりも長くなっており入賞が容易となるようにしている。さらに、普電最大カウント数は1個とされており、普通変動入賞装置37に遊技球が1個入賞すると開放時間の経過前であっても普通変動入賞装置37を閉鎖するようになっている。
なお、普電サポートでない状態(第1状態)よりも普電サポートである状態(第2状態)の方が普通変動入賞装置37への入賞が容易となれば良く、確率、変動時間、開放時間又は普電最大カウント数のいずれか一つ又は複数を変化させるものであっても良い。
また、本実施形態の遊技機では、図1-6(d)に示すようにいわゆる天井機能が搭載されている。すなわち、ゲームの実行回数が天井回数(ここでは500)に達した場合に、特別遊技状態を発生せずにサポートCの普電サポート状態となるようにしている。ゲームの実行回数は、低確率状態時であれば普電サポートの有無にかかわらず常に計数を行い、高確率状態時には計数を中断する。本実施形態の遊技機では、特図確率は常に一定であるので常時計数する。また、ゲームの実行回数は、特図1変動表示ゲームを実行した回数と特図2変動表示ゲームを実行した回数の合計とする。
ゲームの実行回数の計数結果をクリアするタイミングは、天井回数への到達を契機とした普電サポート状態となったとき、条件装置が作動したとき(第1特別遊技状態)となっている。なお、ゲームの実行回数の計数結果をクリアするタイミングは、適宜変更可能であり、例えば、RAM初期化スイッチ112を操作する際にゲーム実行回数のクリアを選択したときや、RAMクリア時に替えて電源投入時としても良い。
また、RAMクリア時のうち、設定変更を伴わないRAMクリア時にはゲーム実行回数
の計測をクリアして、設定変更を伴うRAMクリア時にはゲーム実行回数の計測をクリア
しないようにしても良い。設定変更を伴わないRAMクリア時とは、例えば、設定キース
イッチ152はオンせずにRAM初期化スイッチ112をオンしながら電源投入した時な
どである。このように、設定変更を伴うRAMクリア時にはゲーム実行回数の計測をクリ
アしないようにすることで、設定変更が行われたことを判別しにくくすることが可能とな
る。
図1-6(e)には普電サポート状態(特定遊技状態)の終了条件を示した。
サポートAの普電サポート状態では、特図2変動表示ゲームの実行回数が1回となるか、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの合計実行回数が6回となるか、特図2変動表示ゲームで小当りが1回発生するか、のいずれかの条件を満たすことにより普電サポート状態が終了するようになっている。サポートB及びサポートCの普電サポート状態についても同様に、図1-6(e)に示したゲーム数を実行することにより普電サポート状態が終了するようになっている。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)〕
まず、遊技制御装置100の遊技制御による遊技状態の遷移(移行)について説明する。図1-7は、本実施形態における遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図(ゲームフロー)を例示する図である。
遊技状態には、通常遊技状態ST1、第1特別結果(大当り)に基づく第1特別遊技状態ST2、第2特別結果(小当り)に基づく第2特別遊技状態ST3、特定遊技状態ST4、残保留消化状態ST5がある。
各遊技状態では、演出制御装置300で制御されて遊技の演出態様を定める演出モード、当該遊技状態において主に狙うべき始動領域である主始動領域、主として実行するべき特図変動表示ゲームの種類である主変動特図、及び遊技球の発射方向が定められている。
本実施形態の遊技機10においては、左打ちにより始動入賞口36への入賞を狙うこと
ができ、右打ちにより普通変動入賞装置37への入賞を狙うことができるようになってい
る。すなわち、遊技者の意思により狙う始動領域を選択可能となっている。また、各遊技
状態では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち、いずれか一方を主とし
て遊技を進行することを想定して設計されており、この設計に従い遊技者が遊技を進行す
るように、設計上で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームを主として遊技を進行し
た方が遊技者にとって有利となるように構成されている。なお、本明細書では、各遊技状
態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームをメイン変動と称し、他方の特図変動表
示ゲームをイレギュラー変動と称することがある。
通常遊技状態ST1は、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させ
て入賞を容易とする普電サポートがなく、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変
動時間を短縮する時短もない状態である。主変動特図は特図1変動表示ゲームであり、主
始動領域は始動入賞口36であって、この始動入賞口36を狙うため発射方向は左打ちと
されている。また、演出態様を規定する演出モードは通常ステージとされる。
第1特別遊技状態ST2は、普電サポートがなく時短もない状態である。また、演出態
様を規定する演出モードは大当りモードとされる。この第1特別遊技状態ST2では、特
別変動入賞装置38が開放されるので発射方向は右打ちとされている。
第2特別遊技状態ST3では、普電サポート、時短については小当り当選時の状態を引
き継ぐためにある場合とない場合がある。また、演出態様を規定する演出モードは小当り
モードとされる。この第2特別遊技状態ST3では、特別変動入賞装置38が開放される
ので発射方向は右打ちとされている。
特定遊技状態ST4は、第1特別遊技状態ST2の後に規定ゲーム数にわたり滞在する
状態であり、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易
とする普電サポートがある状態である。
普電サポートがある場合は特図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もありとなる
。また、主変動特図は特図2変動表示ゲームであり、主始動領域は普通変動入賞装置37
であって、この普通変動入賞装置37を狙うため発射方向は右打ちとされている。特定遊
技状態ST4は、普電サポートがあることや小当りが高頻度で発生する特図2変動表示ゲ
ームを主として実行するので通常遊技状態ST1よりも遊技者にとって有利な状態であっ
て有利状態をなすものである。
残保留消化状態ST5は、特定遊技状態ST4が終了した際に残存する第2始動記憶に
基づく特図2変動表示ゲームを実行可能な状態である。
この残保留消化状態ST5では、普電サポートはないが特図変動表示ゲームの変動時間
を短縮する時短はありとなる。普電サポートがないため始動入賞口36を狙うように発射
方向は左打ちとされているが、特定遊技状態ST4に連続する短い期間であるので、左打
ちの指示を明確に行わなくても良い。また、残保留消化状態ST5での特図変動表示ゲー
ムの変動時間の平均は、特定遊技状態ST4における特図変動表示ゲームの変動時間の平
均よりも短いものとなっている。
残保留消化状態ST5は、特定遊技状態ST4において主に発生する第2始動記憶に基
づく特図2変動表示ゲームを主として実行するので、通常遊技状態ST1よりも遊技者に
とって有利な状態であって有利状態をなすものである。
遊技状態の移行は、第1特別結果(大当り)の導出、第2特別結果(小当り)の導出、サポ当りの導出、第1特別遊技状態の終了、第2特別遊技状態の終了、規定ゲーム数の消化、天井への到達により行われる。
通常遊技状態ST1において大当りとなると第1特別遊技状態ST2に移行する。第1特別遊技状態ST2の終了後は、図1-6(e)に示した条件が成立するまでの期間にわたり普電サポート及び時短がある状態となり、特定遊技状態ST4に移行する。
特定遊技状態ST4や残保留消化状態ST5において大当りとなった場合も第1特別遊技状態ST2に移行し、その後に特定遊技状態ST4となる。
また、サポ当りとなった場合や天井に到達した場合は、第1特定遊技状態ST2を経ずに特定遊技状態ST4となる。
特定遊技状態ST4では、普電サポートにより普通変動入賞装置37に遊技球が入賞しやすくなることにより第2始動記憶を発生可能であり、特図2変動表示ゲームを実行可能となる。この特定遊技状態ST4において図1-6(e)に示した条件が成立した場合は、普電サポートが終了し、特定遊技状態ST4で発生した第2始動記憶である残保留があれば残保留消化状態ST5となり、残保留がなければ通常遊技状態ST1に移行する。
本実施形態の遊技機では、第1始動記憶よりも第2始動記憶を優先して消化するが、特に通常遊技状態ST1で大当りとなった場合には特定遊技状態ST4の開始直後には残存している第1始動記憶に基づき特図1変動表示ゲームが実行される可能性が高い。これにより、第2始動記憶を溜めるための時間を確保することができる。特に、特定遊技状態ST4における1回目の特図変動表示ゲームの変動時間は、2回目以降の変動時間よりも長い変動時間(例えば100s)とされ、第2始動記憶を溜めるための時間を確保することができるようにしている。
また、図1-6(e)に示したように、特定遊技状態ST4で特図1変動表示ゲームを実行する場合は、特図2変動表示ゲームのみを実行する場合よりも5ゲームだけ長く特定遊技状態ST4に滞在可能となる。この回数は第1始動記憶の上限数である4よりも多く、特定遊技状態ST4の開始時に残存している第1始動記憶に基づき特図1変動表示ゲームを実行しても遊技者にとって不利となることはない。
残保留消化状態ST5には、残保留である第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲーム
が終了するまで滞在可能となっている。この残保留消化状態ST5では特定遊技状態ST
4と連続した一連の演出を行うようになっている。この残保留消化状態ST5の終了後は
通常遊技状態ST1に移行する。
通常遊技状態ST1、特定遊技状態ST4又は残保留消化状態ST5において、小当り
となった場合は第2特別遊技状態ST3に移行する。
第2特別遊技状態ST3において特定領域に遊技球が流入した場合(V入賞)は、第1
特別遊技状態ST2に移行する。本実施形態の遊技機では、特別変動入賞装置38に遊技
球が流入した場合は、ほぼ確実に特定領域へ流入するようになっている。よって、小当り
となった場合はほぼ確実に第1特別遊技状態ST2に移行することが可能であり、小当り
の発生確率が高い特図2変動表示ゲームを多く実行することは遊技者にとって有利なこと
となる。もちろん、特別変動入賞装置38の内部に設けられたレバー部材により特定領域
への流入確率を制御するようにしても良い。
また、第2特別遊技状態ST3において特定領域に遊技球が流入しなかった場合は、特定遊技状態ST4、残保留消化状態ST5又は通常遊技状態ST1に移行する。
特図1変動表示ゲームで小当りとなった場合、図1-6(e)に示したゲーム数を消化していない場合は特定遊技状態ST4に移行する。また、図1-6(e)に示したゲーム数を消化しているが、特定遊技状態ST4で発生した第2始動記憶である残保留が存在する場合は、残保留消化状態ST5に移行する。また、図1-6(e)に示したゲーム数を消化しており残保留も存在しない場合は、通常遊技状態ST1に移行する。
特図2変動表示ゲームで小当りとなった場合、特定遊技状態ST4で発生した第2始動記憶である残保留が存在する場合は、残保留消化状態ST5に移行する。普電サポート状態の終了条件として特図2変動表示ゲームで小当りが発生することが含まれているため、特定遊技状態ST4であった場合は図1-6(e)に示したゲーム数を消化していなくても普電サポート状態は終了して残保留消化状態ST5となる。また、残保留が存在しない場合は、通常遊技状態ST1に移行する。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図1-8及び図1-9に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図1-10に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図1-8及び図1-9に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップX1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップX2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップX3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップX4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップX5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ152の状態を読み込み(ス
テップX6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行う。ステッ
プX7の処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置1
00からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出
制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)
が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって
従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマン
ドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することが
できる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御
装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等
)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の
対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行わ
れる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部
のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防
止することができる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行った後、停電が発生して
いるか判定し(ステップX8)、停電が発生している場合(ステップX8;Y)には、遊
技機の電源が遮断されるのを待つ。
具体的には、ステップX8では、例えば、電源装置400から入力されている停電監視
信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定
し、停電監視信号がオンであるかの判定を行う。そして、停電監視信号がオンである場合
は、設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか判定する。そして
、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合は、停電監視信号がオン
であるかの判定に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場
合には、停電が発生していると判定する。後述するステップX34,X54においても同
様である。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生し
たと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時に
おける不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電
監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせてい
る期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に
適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可さ
れておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの
停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が
発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる
一方、停電が発生していない場合(ステップX8;N)には、電源投入ディレイタイマ
を-1更新し(ステップX9)、タイマの値が0であるか判定する(ステップX10)。
タイマの値が0でない場合(ステップX10;N)、すなわち、待機時間が終了していな
い場合には、停電が発生しているか判定する処理(ステップX8)に戻る。また、タイマ
の値が0である場合(ステップX10;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合には、
RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス
許可をし(ステップX11)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定
)する(ステップX12)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施
形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステッ
プX13)、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び
乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動
する処理(ステップX14)を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のク
ロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの
発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU1
11Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供
給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
次いで、RAM異常フラグをセットする(ステップX15)。ここでは、RAMに異常
があるか否かにかかわらずRAMに異常があることを前提として、一旦、RAM異常フラ
グを所定のレジスタにセットする。
次いで、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例え
ば5Ah)であるか判定し(ステップX16)、正常であれば(ステップX16;Y)、
RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)
であるか判定する(ステップX17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ス
テップX17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処
理(ステップX18)を行い、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致す
るか判定する(ステップX19)。チェックサムが一致する場合(ステップX19;Y)
には、RAMに異常がないためRAM異常フラグをクリアして(ステップX20)、ステ
ップX21へ移行する。
また、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステッ
プX16;NもしくはステップX17;N)、チェックサムが一致しないと判定された場
合(ステップX19;N)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいて設定キースイ
ッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態であるか判定する(ステップ
X21)。そして、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも
一方がオフ状態である場合(ステップX21;N)には、RAM異常フラグがセットされ
ているか判定する(ステップX22)。RAM異常フラグがセットされている場合(ステ
ップX22;Y)には、RAMに異常があるため、遊技制御装置100が異常であること
を報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送
信する(ステップX24)。
一方、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップX22;N)には、確率
設定変更中フラグがセットされているか判定する(ステップX23)。そして、確率設定
変更中フラグがセットされている場合(ステップX23;Y)には、メイン異常エラー報
知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX24)。こ
こでセットされている確率設定中フラグは、停電発生前にセットされた確率設定中フラグ
である。すなわち、確率設定値の変更中に遊技機の電源が遮断して再起動した場合には、
遊技制御装置100の動作が停止するのでステップX24の処理を行う。
次いで、遊技停止時の7セグ表示データを、第2出力ポート134を介して第5ドライ
バ138eに出力する(ステップX25)。その後、セキュリティ信号のオンデータを出
力するとともにセキュリティ信号以外の信号のオフデータを出力して(ステップX26)
、ステップX25に戻る。
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態である
場合(ステップX21;Y)には、RAM異常フラグがセットされているか判定する(ス
テップX27)。そして、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップX27
;N)には、確率設定変更中フラグをセットする(ステップX29)。これにより確率設
定値変更モードに移行する。その後、確率設定変更中のコマンドを演出制御基板(演出制
御装置300)に送信して(ステップX30)、ステップX31へ移行する。演出制御装
置300では、確率設定変更中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41の表示
、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ1
9a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更中である旨を示す報知を行
う。
一方、RAM異常フラグがセットされている場合(ステップX27;Y)には、確率設
定値をクリアする処理(ステップX28)を行う。これにより、RWM内の確率設定値用
の領域に0がセットされて、確率設定値が“設定1”となる。その後、ステップX29,
X30の処理を行って、ステップX31へ移行する。
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフ
状態であり(ステップX21;N)、RAM異常フラグも確率設定変更中フラグもセット
されていない場合(テップX22;N及びステップX23;N)には、ステップX6で読
み込んだ状態に基づいて設定キースイッチ152がオン状態であるか判定する(ステップ
X35)。そして、設定キースイッチ152がオン状態でない場合(ステップX35;N
)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいてRAM初期化スイッチ112がオン状
態であるか判定する(ステップX43)。
RAM初期化スイッチ112がオン状態でないと判定した場合(ステップX43;N)
、すなわち設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオフ状態であ
る場合には、ステップX41へ移行して停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
一方、RAM初期化スイッチ112がオン状態であると判定した場合(ステップX43
;Y)には、ステップX44へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、RAM初期化ス
イッチ112が外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初
期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段
をなす。
また、設定キースイッチ152がオン状態である場合(ステップX35;Y)には、確
率設定確認中フラグをセットする(ステップX36)。これにより確率設定値確認モード
に移行する。その後、確率設定確認中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)
に送信する(ステップX37)。演出制御装置300では、確率設定確認中のコマンドを
受信することに基づき、表示装置41の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLED
の発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、
確率設定値の確認中である旨の報知を行う。
そして、50m秒間以上のセキュリティ信号の出力を保証するために、セキュリティ信
号制御タイマ領域に128m秒に対応する値をセーブする(ステップX31)。セキュリ
ティ信号は、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである場合にはタイマ割込み
処理の確率設定変更/確認処理(ステップX122)で出力され、それ以外の場合はタイ
マ割込み処理の外部情報編集処理(ステップX120)で出力される。したがって、12
8m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認モードが終了する場合には、タイ
マ割込み処理の外部情報編集処理(ステップX120)によってセキュリティ信号が継続
して出力される。すなわち、128m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認
モードが終了する場合であっても、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行
してから128m秒間はセキュリティ信号が出力される。なお、ステップX31において
セキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする値は128m秒に対応する値に限定されな
い。ただし、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行してから少なくとも5
0m秒間はセキュリティ信号を出力する必要があるため、50m秒以上に対応する値をセ
ーブする必要がある。
そして、割込みを許可し(ステップX32)、設定キースイッチ152がオフ状態であるか判定する(ステップX33)。ステップX33では、ステップX6で読み込んだ状態(電源投入時の状態)に基づいて判定するのではなく、タイマ割込み処理(図1-10)の入力処理(ステップX103)で読み込んだ状態(現時点の状態)に基づいて判定する。ステップX33で設定キースイッチ152がオフ状態である判定された場合に、確率設定値が確定される。
設定キースイッチ152がオフ状態でない場合(ステップX33;N)には、停電が発生しているか判定し(ステップX34)、停電が発生していない場合(ステップX34;N)には、ステップX33に戻り、停電が発生している場合(ステップX34;Y)には、ステップX55へ移行する。確率設定変更中フラグがセットされている状態でステップX34にて停電が発生していると判定された場合に、当該停電から復旧した後のメイン処理(図1-8及び図1-9)のステップX23において、確率設定変更中フラグがセットされていると判定される。
一方、設定キースイッチ152がオフ状態である場合(ステップX33;Y)には、割込みを禁止する処理(ステップX38)を行う。割込みを許可する処理(ステップX32)を行ってから割込みを禁止する処理(ステップX38,X55)を行うまでの間は、タイマ割込み処理(図1-10)が所定時間周期(例えば4m秒)で行われる。当該タイマ割込み処理では、確率設定値に関する処理である確率設定変更/確認処理(ステップX122)が行われる。すなわち、確率設定値の変更や確認が終了するまで(あるいは停電が発生するまで)の間、メイン処理は待機していることとなる。
次いで、報知終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX39)。演出制御装置300では、報知終了のコマンドを受信することに基づき、実行中の報知(確率設定値の変更中である旨を示す報知又は確率設定値の確認中である旨の報知)を終了する。
次いで、確率設定変更中フラグがセットされているか判定し(ステップX40)、確率
設定変更中フラグがセットされていない場合(ステップX40;N)、すなわち確率設定
確認中フラグがセットされている場合には、初期化すべき領域(例えば、停電検査領域、
チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域)に停電復旧時の初期値をセーブする処
理等を行う停電復旧処理(ステップX41)を行う。確率設定確認中フラグは、このステ
ップX41でクリアされる。
その後、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制
御装置300)へ送信し(ステップX42)、ステップX47へ移行する。本実施形態の
場合、ステップX42では、機種指定コマンド、確率設定情報コマンド、特図1保留数コ
マンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、演出回数情報コマンド、画面指定の
コマンド等の複数のコマンドを送信する。画面指定のコマンドとしては、特図1及び特図
2について何れも後述する普段処理中である場合、すなわち特図変動表示ゲームの実行中
でもなく特別遊技状態中でもない場合である客待ち中であれば客待ちデモ画面のコマンド
を送信し、それ以外であれば復旧画面のコマンドを送信する。また、機種によっては、こ
れらのコマンドに加えて、高確率回数情報コマンド等も送信する。
一方、確率設定変更中フラグがセットされている場合(ステップX40;Y)には、確
率設定値以外のRAM領域を0クリアする(ステップX44)。ステップX44では、確
率設定値用のRAM領域(ワーク領域(確率設定値の1バイト領域))と性能表示(ベー
ス値や役物比率の表示)用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)はクリアせず、遊
技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)を0クリアする。したがって、確率
設定変更中フラグは、このステップX44でクリアされる。なお、ステップX44では、
スタック領域や未使用領域をクリアしてもしなくても良い。
そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップX45)
。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域であ
る。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信す
る(ステップX46)。本実施形態の場合、ステップX46では、機種指定コマンド、確
率設定情報コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド
、演出回数情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるととも
に、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド
)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、
演出回数情報コマンドや普電サポートありとした特図変動表示ゲームの実行回数の情報で
あるサポート回数情報コマンド等も送信する。
次いで、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップX47)。具体的には、乱
数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させる
ためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成
回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パター
ンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビッ
ト転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転
置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パ
ターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるととも
に、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一
のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても
良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)
の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する
特図図柄乱数、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)として
RWMの所定領域にセーブしてから(ステップX48)、割込みを許可する(ステップX
49)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎
にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値
乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩
すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理
(ステップX50)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態において
は、大当り乱数、特図図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用
して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等
以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、特図図柄乱数
、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(
タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新さ
れる「低速カウンタ」である。また、特図図柄乱数、当り乱数においては、乱数が一巡す
る毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初
期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは-1によるカウンタ式
更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム
式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、特図
図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
なお、本実施形態では、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)を設けていな
いため、普図の当り図柄は1種類しかないが、当り図柄乱数を設けて普図の当り図柄を複
数種類の中から選択するようにしても良い。
ステップX50の初期値乱数更新処理の後、割込みを禁止する処理(ステップX51)
を行って、性能表示編集処理(ステップX52)を行う。そして、割込みを許可する処理
(ステップX53)を行った後、停電が発生しているか判定し(ステップX54)、停電
が発生していない場合(ステップX54;N)には、初期値乱数更新処理(ステップX5
0)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示
編集処理と停電監視を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップX50)の前に割込
みを許可する(ステップX49)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが
発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新
処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、ステップX50での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処
理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合
には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数
更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、
本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内
のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それ
によってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、停電が発生している場合(ステップX54;Y)には、一旦割込みを禁止する処
理(ステップX55)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップX56)を
行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップX57
)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップX58)。
さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップ
X59)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップX60)を行った後、RW
Mへのアクセスを禁止する処理(ステップX61)を行ってから、遊技機の電源が遮断さ
れるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源
遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報
が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主
制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御
装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該
主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待
機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停
電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電
の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御
装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判
定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、
外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部
が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(
遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み
込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへの
アクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理はクロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。すなわち、所定周期で開始される割込みルーチンである。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図1-10のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップX1
01)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使
っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと
同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位ア
ドレスをセットする(ステップX102)。ステップX102では、メイン処理における
ステップX4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサや
スイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処
理(ステップX103)を行う。
次いで、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされているか判定し
(ステップX104)、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされて
いる場合(ステップX104;Y)には、確率設定変更/確認処理(ステップX122)
を行って、タイマ割込み処理を終了する。
一方、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグの両方がセットされていない場合
(ステップX104;N)には、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイ
ド(大入賞口ソレノイド38b、レバーソレノイド38f、普電ソレノイド37c)等の
アクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップX105)を行う。なお
、メイン処理におけるステップX5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行わ
れることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされ
る。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信
号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状
態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発
射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの
発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に
、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力す
る払出コマンド送信処理(ステップX106)、乱数更新処理1(ステップX107)、
乱数更新処理2(ステップX108)を行う。乱数更新処理1(ステップX107)では
、初期値乱数更新処理の対象となっている特図図柄乱数、当り乱数の初期値(スタート値
)が更新される。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口ス
イッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、賞
球の設定、前面枠やガラス枠の開放や、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38へ
の不正入賞などのエラーの監視を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX109
)を行う。
次に、異常排出発生中であるか判定する(ステップX110)。異常排出とは、特別変
動入賞装置38において、特別変動入賞装置38から排出される遊技球数(特定領域スイ
ッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数)が、特別変動入賞装
置38に流入した遊技球数(大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数)を上回るこ
とである。なお、異常排出発生中である場合には異常排出フラグがセットされている。そ
して、異常排出発生中である場合(ステップX110;Y)には、ステップX116へ移
行する。すなわち、遊技が進行しないようにする。
一方、異常排出発生中でない場合(ステップX110;N)には、特図変動表示ゲーム
に関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップX112)、普図変動表示ゲームに関する
処理を行う普図ゲーム処理(ステップX114)を行って、遊技機10に設けられ、特図
変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容
を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップX115)を行う。
次いで、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行
う磁石不正監視処理(ステップX116)、盤電波センサ62からの検出信号をチェック
して異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップX117)、振動セ
ンサ65からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う振動不正監視処
理(ステップX118)、異常排出が発生していないか判定する処理を行う異常排出監視
処理(ステップX119)を行う。さらに、外部の各種装置に出力する信号を出力バッフ
ァにセットする外部情報編集処理(ステップX120)、性能表示装置153の制御に関
する性能表示モニタ制御処理(ステップX121)を行って、タイマ割込み処理を終了す
る。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可す
る処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定
する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお
、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を
復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップX112)の詳細に
ついて説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ3
7aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を
行う。
図1-11に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視
処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検
出を監視する処理を行う。そして、特定領域38hでの遊技球の検出を監視する特定領域
スイッチ監視処理を行う(ステップA3)。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ-1更新する(ステップA4)。なお
、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タ
イマの値が「0」であるかを判定する(ステップA5)。特図ゲーム処理タイマの値が「
0」である場合(ステップA5;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアッ
プしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図
ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA6)、当該テーブルを用
いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA7)。
そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA8)。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動
開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を
行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定
や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA
10)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技
結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当
りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/イン
ターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11
)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定
や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンフ
ァーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウ
ンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディン
グコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行
う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウ
ンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り
終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)
を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために
必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入
賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を
行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA16)を
行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設
定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA
17)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞
口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行う
ために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA18)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うため
に必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA19)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA
20)、特図1表示器51による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステッ
プA21)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備し
た後(ステップA22)、特図2表示器52による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動
制御処理(ステップA23)を行う。その後、レバーソレノイド38fの動作を制御する
レバーソレノイド制御処理(ステップA24)を行って、特図ゲーム処理を終了する。一
方、ステップA5にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA5;
N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA20の処理に移行して、それ
以降の処理を行う。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理において行われる特図始動口スイッチ共通処理の
詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動
口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理で
ある。
図1-12に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口
スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステ
ップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N
)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更
新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA13
6)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の
始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップ
A138)、ハード乱数取得処理にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域
にセーブする(ステップA139)。
次いで、監視対象の始動口スイッチの特図図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA1
40)、RWMの特図図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセ
ーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)を行う。
次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド
を準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、
特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装
置37の始動領域での遊技球の検出に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの
実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動
記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入
賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始
動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、
所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA14
6)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図
変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を
行う先読み処理である。
図1-13に示すように、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA154)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り用特図図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA140にて準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA168の処理に移行する。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、大当り乱数値が小当
り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステッ
プA159)を行う。そして、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)に
は、小当り用特図図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、特図始動口
スイッチ共通処理のステップA140にて準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報
を取得して(ステップA162)、ステップA168の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、大当り乱数値がサポ
当り判定値と一致するか否かによりサポ当りであるか否かを判定するサポ当り判定処理(
ステップA163)を行う。そして、判定結果がサポ当りでない場合(ステップA164
;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA167)、ステップA168の
処理に移行する。
また、判定結果がサポ当りである場合(ステップA164;Y)には、サポ当り用特図
図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA165)、特図始動口スイッチ共通処理
のステップA140にて準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステ
ップA166)、ステップA168の処理に移行する。
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを
準備し(ステップA168)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA169)。次に
、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理
(ステップA170)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設
定処理を行う(ステップA171)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号
及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備
して(ステップA172)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA173)、特図保
留情報判定処理を終了する。なお、ステップA170における特図情報設定処理、ステッ
プA171における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始
時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先
読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報
を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これ
により、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定
結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミング
より前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示され
る飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミン
グより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶と
して記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例え
ば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶
された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく
、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図1-14に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA305)。そして、特図1保留数が「0」である(ステップA305;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA309)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA309;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA310)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA311)、演出コマンド設定処理
(ステップA312)を行う。次いで、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定
して(ステップA313)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステ
ップA314)。そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA315)、大
入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA316
)、特図普段処理を終了する。すなわち、特図変動表示ゲームを開始可能な状態であるが
始動条件が成立しない場合に、待機情報をなす客待ちデモコマンドを演出制御装置300
に送信するようにしていることとなる。
一方、ステップA309にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA309;
Y)は、ステップA310~A312の処理を行わずに、ステップA313の処理へ移行
する。
また、ステップA301にて、特図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;
N)は、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA302
)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA303)を行い、特図2変動開始処理(
ステップA304)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA305にて、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA305;
N)は、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA306
)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA307)を行い、特図1変動開始処理(
ステップA308)を行って、特図普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA308)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図1-15(a)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA321)。次に、大当り乱数を判定して第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する処理や、第1特図変動表示ゲームがサポ当りであるか否かを判別するためのサポ当りフラグにはずれ情報やサポ当り情報を設定する処理を行う大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA
323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定す
る特図情報設定処理(ステップA324)を行う。パラメータとしては遊技状態、保留数
、停止図柄パターン番号及び残りの普電サポート回数などが用いられる。次に、第1特図
変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定さ
れたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325
)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変
動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の
情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)
、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA329)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特図1の変動開始に
関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブ
する(ステップA331)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブ
し(ステップA332)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器5
1の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA33
3)。次いで、特図1変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステ
ップA334)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA304)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図1-15(a)に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図1-15(b)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA341)。次に、大当り乱数を判定して第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する処理や、第2特図変動表示ゲームがサポ当りであるか否かを判別するためのサポ当りフラグにはずれ情報やサポ当り情報を設定する処理を行う大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA
343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定す
る特図情報設定処理(ステップA344)を行う。パラメータとしては遊技状態、保留数
、停止図柄パターン番号及び残りの普電サポート回数などが用いられる。次に、第2特図
変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定さ
れたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345
)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変
動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の
情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA348)
、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA349)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA350)、特図2の変動開始に
関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブ
する(ステップA351)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブ
し(ステップA352)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器5
2の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA35
3)。次いで、特図2変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステ
ップA354)、特図2変動開始処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づき特図変
動表示ゲームを実行する特図変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図変動表示ゲ
ーム実行制御手段は、第1始動記憶に基づき特図変動表示ゲームとして第1特図変動表示
ゲームを実行し、第2始動記憶に基づき特図変動表示ゲームとして第2特図変動表示ゲー
ムを実行することとなる。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図1-16に、本実施形態の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を示す。
この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステップA431)、大当りである場合(ステップA431;Y)は、特図1特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする(ステップA432)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(ステップA433)、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA434)。この処理により大当り種類が選択される。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップA435)、停止図柄
番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(ステッ
プA436)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停
止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に
対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステッ
プA437)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して時間短縮判定デー
タ領域にセーブし(ステップA438)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出
モード移行情報をセーブする(ステップA439)。これらの情報は、特別遊技状態の実
行態様、特別遊技状態の終了後の演出モード及び特別遊技状態の終了後の変動選択テーブ
ル群の移行に関する情報である変動パターンシナリオを設定するためのものである。そし
て、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA455)。
一方、大当り1フラグは大当りでない場合(ステップA431;N)は、小当りフラグ
1は小当りであるかを判定し(ステップA440)、小当りである場合(ステップA44
0;Y)は、特図1特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする
(ステップA441)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップA442)
、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域に
セーブする(ステップA443)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停
止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブし(ス
テップA444)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブして(ステ
ップA445)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA
455)。
また、小当りフラグ1は小当りでない場合(ステップA440;N)は、サポ当りフラ
グ1がサポ当りかを判定し(ステップA446)、サポ当りである場合(ステップA44
6;Y)は、特図1特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする
(ステップA447)。次に、特図1サポ当り図柄テーブルを設定し(ステップA448
)、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域
にセーブする(ステップA449)。この処理によりサポ当り種類が選択される。
その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域に
セーブし(ステップA450)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して
時間短縮判定データ領域にセーブし(ステップA451)、停止図柄パターンに対応する
演出モード移行情報をセーブして(ステップA452)、停止図柄パターンに対応する飾
り特図コマンドを準備する(ステップA455)。
また、サポ当りフラグ1はサポ当りでない場合(ステップA446;N)は、はずれ時
の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップA453)、はずれ停止
図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA454)、停止図柄パタ
ーンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA455)。以上の処理により、
特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA456)、
演出コマンド設定処理(ステップA457)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出
制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出
力データ領域にセーブして(ステップA458)、特図1特図図柄乱数格納領域(保留数
1用)を0クリアして(ステップA459)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図1-17に、本実施形態の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を示す。なお、特図2停止図柄設定処理は、特図1停止図柄設定処理と同じ処理を、特図2を対象として行うものである。
この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップA471)、大当りである場合(ステップA471;Y)は、特図2特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする(ステップA472)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定し(ステップA473)、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA474)。この処理により大当り種類が選択される。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップA475)、停止図柄
番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(ステッ
プA476)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停
止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に
対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステッ
プA477)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して時間短縮判定デー
タ領域にセーブし(ステップA478)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出
モード移行情報をセーブする(ステップA479)。これらの情報は、特別遊技状態の実
行態様、特別遊技状態の終了後の演出モード及び特別遊技状態の終了後の変動選択テーブ
ル群の移行に関する情報である変動パターンシナリオを設定するためのものである。そし
て、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA495)。
一方、大当りフラグ2は大当りでない場合(ステップA471;N)は、小当りフラグ
2は小当りであるかを判定し(ステップA480)、小当りである場合(ステップA48
0;Y)は、特図2特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする
(ステップA481)。次に、特図2小当り図柄テーブルを設定し(ステップA482)
、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄番号領域に
セーブする(ステップA483)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停
止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブし(ス
テップA484)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブして(ステ
ップA485)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA
495)。
また、小当りフラグ2は小当りでない場合(ステップA480;N)は、サポ当りフラ
グ2がサポ当りかを判定し(ステップA486)、サポ当りである場合(ステップA48
6;Y)は、特図2特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする
(ステップA487)。次に、特図2サポ当り図柄テーブルを設定し(ステップA488
)、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄番号領域
にセーブする(ステップA489)。この処理によりサポ当り種類が選択される。
その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域に
セーブし(ステップA490)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して
時間短縮判定データ領域にセーブし(ステップA491)、停止図柄パターンに対応する
演出モード移行情報をセーブして(ステップA492)、停止図柄パターンに対応する飾
り特図コマンドを準備する(ステップA495)。
また、サポ当りフラグ2がサポ当りでない場合(ステップA486;N)は、はずれ時
の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(ステップA493)、はずれ停止
図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA494)、停止図柄パタ
ーンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA495)。以上の処理により、
特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA496)、
演出コマンド設定処理(ステップA497)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出
制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出
力データ領域にセーブして(ステップA498)、特図2特図図柄乱数格納領域(保留数
1用)を0クリアして(ステップA499)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
このように各結果の停止図柄の設定を行う際に、結果にかかわらず共通の特図図柄乱数
を用いることで必要な乱数の種類を少なくでき、遊技機の仕様やプログラムの簡素化を図
ることができて、制御の負担を軽減することができる。
〔特図変動中処理〕
図1-18に、本実施形態の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA10)を示す。
この特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグに対応する図柄停止コマンドを準
備して(ステップA601)、演出コマンド設定処理(ステップA602)を行う。次い
で、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA603)、設定した表
示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA604)。すなわち、遊技
制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止表示時間を設定する停
止表示時間設定手段をなす。
次に、普電サポート中であるかを判定し(ステップA605)、普電サポート中でない
場合(ステップA605;N)はステップA612に移行する。また、普電サポート中で
ある場合(ステップA605;Y)は、特図1の変動であるかを判定する(ステップA6
06)。
特図1の変動である場合(ステップA606;Y)は、ステップA609に移行する。
また、特図1の変動でない場合(ステップA606;N)は、時間短縮変動回数2領域の
時間短縮変動回数2を-1更新し(ステップA607)、時間短縮変動回数2が0になっ
たかを判定する(ステップA608)。
時間短縮変動回数2が0である場合(ステップA608;Y)は、普電サポートを終了
するための時短終了設定処理を行い(ステップA611)、ステップA612に移行する
。また、時間短縮変動回数2が0でない場合(ステップA608;N)は、時間短縮変動
回数1領域の時間短縮変動回数1を-1更新し(ステップA509)、時間短縮変動回数
1が0になったかを判定する(ステップA610)。
時間短縮変動回数1が0である場合(ステップA610;Y)は、普電サポートを終了
するための時短終了設定処理を行い(ステップA611)、ステップA612に移行する
。また、時間短縮変動回数1が0でない場合(ステップA610;N)は、ステップA6
12に移行する。
すなわち、特図1変動表示ゲームの場合は時間短縮変動回数1のみが減算され、特図2
変動表示ゲームの場合は時間短縮変動回数1と時間短縮変動回数2の両方が減算される。
そして、時間短縮変動回数1又は時間短縮変動回数2のいずれかが0となった場合に普電
サポートを終了するようになっている。
演出モード情報チェック処理(ステップA612)を行った後、残保留消化状態が終了
したかを判定する(ステップA613)。ここでの残保留消化状態が終了したとは、残保
留消化状態ST5の終了条件が成立した場合の他、特定遊技状態ST4の終了の際に残保
留が存在しなかった場合も含む。
残保留消化状態が終了していない場合(ステップA613;N)は、ステップA616
に移行する。また、残保留消化状態が終了した場合(ステップA613;Y)は、結果が
はずれであるかを判定する(ステップA614)。
結果がはずれでない場合(ステップA614;N)は、ステップA616に移行する。
結果がはずれである場合(ステップA614;Y)は、時短終了に関する信号(例えば、
大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA615)、ス
テップA616に移行する。
ステップA616では、処理番号として特図表示中処理にかかる「2」を設定し(ステ
ップA616)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA61
7)。さらに、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF
)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA618)、特図2の変動終了に関す
る信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし
て(ステップA619)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る
図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば、256m秒)をセーブす
る(ステップA620)。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制
御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フ
ラグ領域にセーブし(ステップA621)、特図2表示器52における特図2変動表示ゲ
ームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変
動制御フラグ領域にセーブして(ステップA622)、特図変動中処理を終了する。
〔時短終了設定処理〕
図1-19に、特図変動中処理における時短終了設定処理(ステップA611)を示す。この時短終了設定処理では、まず、時短の終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF、普通図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、普通電動役物1開放延長状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA632)。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA633)、普
図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&時短なしフラグをセーブして(ステップA63
4)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステッ
プA635)。
そして、時間短縮変動回数1領域をクリアし(ステップA636)、時間短縮変動回数
2領域をクリアする(ステップA637)。
その後、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号
出力データ領域にセーブし(ステップA638)、右打ち中の表示LED(例えば、第1
遊技状態表示部56a)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番
号をセーブして(ステップA639)、通常ベース状態判定領域に通常ベース状態情報を
セーブして(ステップA640)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
図1-20及び図1-21に、本実施形態の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)を示す。
この特図表示中処理では、まず、大当りフラグ1設定処理にて設定されたサポ当りフラ
グ1と、大当りフラグ2設定処理にて設定されたサポ当りフラグ2と、をロードして(ス
テップA701)、RWMのサポ当りフラグ1領域及びサポ当りフラグ2領域をクリアす
る(ステップA702)。
次いで、大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグ1と、大当りフラグ2設
定処理にて設定された小当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの
小当りフラグ1領域及び小当りフラグ2領域をクリアする(ステップA704)。
次いで、大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、大当りフラグ2設
定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA705)、RWMの
大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする(ステップA706)。そして
、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA707)、大当りであ
る場合(ステップA707;Y)は、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)
の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中
信号をON、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし
て(ステップA710)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA711)。
一方、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA707;N)は、ロードされた
大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA708)、大当りである場合(ステッ
プA708;Y)は、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する
試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をON、特
別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA
709)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA711)。
次いで、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「1
0」又は「5」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA7
12)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、R
WMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA713)。
次に、RWMの飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ス
テップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。その後、普図変
動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状
態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド
設定処理(ステップA717)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて
設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコ
マンドを準備して(ステップA718)、演出コマンド設定処理(ステップA719)を
行う。このファンファーレコマンドが特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信
される特別遊技状態開始情報をなす。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果
となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステ
ップA720)。本実施形態の場合、ステップA720において、大入賞口開放情報と確
率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それ
ぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号
は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはO
N、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1
)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。
また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである
場合にはOFFとなる。なお、本実施形態の遊技機では、全て出玉のある大当りである。
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結
果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間を設定して(ステップA721
)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステ
ップA722)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図
ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA723)。これにより特別結果が
発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶し
た情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(
ステップA724)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラ
グ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA725)。その後、ファンファ
ーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設
定処理1(ステップA726)を行い、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御
装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別
結果となることに基づき、特別変動入賞装置38を開状態に変換する特別遊技状態を発生
する特別遊技状態発生手段をなす。
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA708;N)は、特図変動表示
ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA727)。本実施形態の
遊技機では、特図確率は常に一定であるので常に高確率状態でないと判定し(ステップA
727;N)、天井到達済みフラグがあるかを判定する(ステップA728)。
天井到達済みフラグがある場合(ステップA728;Y)は、天井に到達することに基
づく普電サポートの開始に関する処理を行わず、ステップA732に移行する。天井到達
済みフラグは、天井に到達することに基づきセットされ、大当りの発生に基づきクリアさ
れるようになっている。これにより、天井に到達することに基づき普電サポートが開始さ
れた場合には、大当りを経過した後でなければ新たな天井への到達に基づく普電サポート
が開始されないようにすることができる。
天井到達済みフラグがない場合(ステップA728;N)は、天井カウンタ領域の値を
+1更新し(ステップA729)、天井に到達したかを判定する(ステップA730)。
天井に到達していない場合(ステップA730;N)は、ステップA732に移行する。
また、天井に到達した場合(ステップA730;Y)は、天井時短発動フラグ及び天井到
達済みフラグをセットし(ステップA731)、ステップA732に移行する。
ステップA732では、ロードされた小当りフラグ2が小当りかを判定して(ステップ
A732)、小当りである場合(ステップA732;Y)は、第2特図変動表示ゲームの
小当り(特図2小当り)の開始に関する試験信号(例えば、特別図柄2小当り信号をON
)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA735)、ステップA7
36に移行する。
また、小当りフラグ2が小当りでない場合(ステップA732;N)は、ロードされた
小当りフラグ1が小当りかを判定して(ステップA733)、小当りである場合(ステッ
プA733;Y)は、第1特図変動表示ゲームの小当り(特図1小当り)の開始に関する
試験信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域に
セーブして(ステップA734)、ステップA736に移行する。
次いで、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA
736)。本実施形態の遊技機では、特図確率は常に一定であるので常に高確率状態でな
いと判定し(ステップA736;N)、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロ
ードし、準備して(ステップA737)、演出コマンド設定処理(ステップA738)を
行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA739)、演出コマ
ンド設定処理(ステップA740)を行って、ステップA741の処理に移行する。この
小当りファンファーレコマンドも特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信され
る特別遊技状態開始情報をなす。
そして、小当りファンファーレ中処理に移行するための小当りファンファーレ中処理移
行設定処理(ステップA741)を行って、特図表示中処理を終了する。
一方、小当りフラグ1が小当りでない場合(ステップA733;N)は、天井時短発動
フラグがあるかを判定する(ステップA742)。天井時短発動フラグがある場合(ステ
ップA742;Y)は、天井時短回数の初期値を時間短縮変動回数領域1と時間短縮変動
回数領域2にセーブし(ステップA743)、サポ作動設定処理(ステップA747)に
移行する。
ここでは、時間短縮変動回数領域1に特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの
実行回数の合計に基づく終了条件として255をセーブし、時間短縮変動回数領域2に特
図2変動表示ゲームの実行回数に基づく終了条件として250をセーブする。
また、天井時短発動フラグがない場合(ステップA742;N)は、ロードされたサポ
当りフラグ2がサポ当りかを判定する(ステップA744)。サポ当りでない場合(ステ
ップA744;N)は、ロードされたサポ当りフラグ1がサポ当りかを判定する(ステッ
プA745)。サポ当りでない場合(ステップA745;N)は、特図普段処理に移行す
るための特図普段処理移行設定処理(ステップA748)を行って、特図表示中処理を終
了する。
一方、サポ当りフラグ2がサポ当りである場合(ステップA744;Y)又はサポ当り
フラグ1がサポ当りである場合(ステップA745;Y)は、時間短縮判定データに対応
する初期値を時間短縮変動回数領域1と時間短縮変動回数領域2にセーブし(ステップA
746)、サポ作動設定処理(ステップA747)に移行する。
ここでは、時間短縮変動回数領域1に特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの
実行回数の合計に基づく終了条件として12をセーブし、時間短縮変動回数領域2に特図
2変動表示ゲームの実行回数に基づく終了条件として7をセーブする。
サポ作動設定処理(ステップA747)を行った後、特図普段処理に移行するための特
図普段処理移行設定処理(ステップA748)を行って、特図表示中処理を終了する。
以上の処理では、天井へ到達したか否かの判定は特図変動表示ゲームの終了時に行って
おり(ステップA727~A731)、サポ当りの当選と天井への到達が同一の特図変動
表示ゲームで発生した場合には、天井への到達に基づく特定遊技状態ST4の終了条件を
設定するようにしている(ステップA742~A747)。
これにより、サポ当りの当選と天井への到達が同一の特図変動表示ゲームで発生した場
合には、当該特図変動表示ゲームでは開始時にサポ当りに基づく変動パターンや結果態様
が選択されるが、特図変動表示ゲームの終了時に付与される特定遊技状態ST4の終了条
件はサポ当りに基づく終了条件ではなく天井への到達に基づく終了条件とされる。
天井への到達とサポ当りの当選が同一の特図変動表示ゲームで発生することは稀であり
、特図変動表示ゲームの開始時において常にこれをチェックすることは制御の無駄となる
。そこで、本実施形態のようにすることで、このような無駄な処理が不要となり、特図変
動表示ゲームの開始時における制御を簡単なものとすることができる。
なお、変動パターンや結果態様としてはサポ当りに対応したものが選択されるのに対し
、付与される特定遊技状態ST4の終了条件は天井への到達に基づく終了条件となるとい
う矛盾が生じるが、特定遊技状態ST4に移行することに変わりはないため遊技者が不満
に思うことはない。特に、本実施形態の遊技機では、天井への到達に基づく終了条件の方
が遊技者にとって有利であるので遊技者が不満を持つことはない。
特図変動表示ゲームの開始時における制御に余裕がある場合には、特図変動表示ゲーム
の開始時に天井への到達とサポ当りの当選が同一の特図変動表示ゲームで発生するかを判
定するようにしても良い。天井への到達とサポ当りの当選が同一の特図変動表示ゲームで
発生する場合には、特図変動表示ゲームの変動パターンや結果態様をはずれ結果に対応し
たものや天井への到達に対応したものとすることで矛盾が生じないようにすることができ
る。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
図1-22に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA726)を示す。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA791)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA792)。
次に、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大
当り+小当りで出力)、大当り4信号をON(大当りで出力))を外部情報出力データ領
域にセーブし(ステップA793)、高確率&時短の終了に関する信号(例えば、特別図
柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間
短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状
態信号をOFF、普通図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、普通電動役物1開放延長状
態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA794)。その後
、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステ
ップA795)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(ステップA79
6)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステッ
プA797)。
そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA798)、高確率状態の表示
に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(例えば、第3遊技状態表示部56c)を
消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA799)、特図ゲーム
モードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA800)。次
に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信
コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA801)、時短状態
で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための時間短縮変動回数1領域及び時
間短縮変動回数2領域をクリアする(ステップA802、A803)。これにより普電サ
ポート及び時短状態が終了する。さらに、天井カウンタ領域をクリアし(ステップA80
4)、天井時短発動フラグ領域をクリアして(ステップA805)、天井到達済みフラグ
領域をクリアする(ステップA806)。
その後、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップA807)、
演出残り回転数領域をクリアして(ステップA808)、次モード移行情報領域に更新な
しコードをセーブする(ステップA809)。そして、右打ち指示に関する信号(例えば
、発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA810
)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部56a)を点灯させるため、遊
技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA811)、ファン
ファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。
〔サポ作動処理〕
図1-23に、上述の特図表示中処理におけるサポ作動処理(ステップA747)を示す。
このサポ作動設定処理では、まず、時短の開始に関する信号(例えば、大当り2信号及
び大当り3信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA821)。
次に時短信号制御タイマ領域にタイマ初期値をセーブする(ステップA822)。ここで
はタイマ初期値として128msをセーブする。これにより、時短の開始に関する信号の
うち、大当り3信号に関しては短い時間だけ出力されるようになる。
次いで、時短の開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、
特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON、普通図柄1
変動時間短縮状態信号をON、普通電動役物1開放延長状態信号をON)を試験信号出力
データ領域にセーブする(ステップA823)。
さらに、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(ステップA824)、普
図ゲートモードフラグ領域に普図高確率&時短ありフラグをセーブして(ステップA82
5)、確率状態フラグを維持して時短ありにするために、特図ゲームモードフラグ領域に
特図時短ありフラグを合成する(ステップA826)。
次いで、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をON)を試験信号出
力データ領域にセーブし(ステップA827)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊
技状態表示部56a)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号
をセーブする(ステップA828)。そして、演出モード情報アドレステーブルを設定し
て(ステップA829)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情
報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA830)。演出モード移行情報
に基づき対応するテーブルのアドレスを取得することで、変動選択テーブル群の移行に関
する情報である変動パターンシナリオも取得される。
次に、遊技制御装置100での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として
、まず、サポ当りとなった特図変動表示ゲームの終了後に設定される演出モードの演出モ
ード番号を取得し、演出モード番号領域にセーブする(ステップA831)。さらに、サ
ポ当りとなった特図変動表示ゲームの終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を
取得し、演出残り回転数領域にセーブして(ステップA832)、サポ当りとなった特図
変動表示ゲームの終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得し、次モード
移行情報領域にセーブする(ステップA833)。ここでセーブされた情報に基づき、サ
ポ当りとなった特図変動表示ゲームの終了後から所定回数の特図変動表示ゲームを実行す
ることに基づき演出モードや変動選択テーブル群が移行するようになる。
その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA834)、
コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA835)、演出コマン
ド設定処理(ステップA836)を行う。次いで、新しく設定された演出残り回転数に対
応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA837)、演出コマンド設定処理(ス
テップA838)を行い、時間短縮変動回数に対応する時間短縮変動回数コマンドを準備
して(ステップA839)、演出コマンド設定処理(ステップA840)を行う。
そして、時間短縮判定データ領域をクリアし(ステップA841)、演出モード移行情
報領域をクリアして(ステップA842)、サポ作動設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
図1-24に、本実施形態の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)を示す。
この大当り終了処理では、まず、時短の開始に関する信号(例えば、大当り2信号をO
N)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA901)。時短の開始に関する
信号は、大当り中から出力されているので継続する形で外部情報出力データ領域にセーブ
される。次いで、低確率&時短の開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状
態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をO
N、普通図柄1変動時間短縮状態信号をON、普通電動役物1開放延長状態信号をON)
を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA902)。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(ステップA903)、普
図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&時短ありフラグをセーブして(ステップA90
4)、特図ゲームモードフラグ領域に特図時短ありフラグをセーブする(ステップA90
5)。その後、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値をセーブする(ステップ
A906)。ここでは、時間短縮変動回数1領域及び時間短縮変動回数2領域に初期値を
セーブする。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、時短状態となる。また、時短変
動回数領域に時短変動回数初期値をセットすることで、所定回数の特図変動表示ゲームの
実行により時短状態が終了するようになる。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技
状態の終了後、予め定められた所定期間にわたり、普通変動入賞装置37を入賞容易な状
態とする特定遊技状態(時短状態、普電サポート状態)を発生可能な特定遊技状態発生制
御手段をなす。
その後、確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA9
10)、演出コマンド設定処理(ステップA911)を行う。ここで、確率情報コマンド
として、「時短あり」、「時短なし」の何れかに、更に演出モードの情報が含まれた複数
のコマンドがある。次いで、時間短縮変動回数1に対応する時間短縮変動回数コマンドを
準備して(ステップA914)、演出コマンド設定処理(ステップA915)を行う。
次いで、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA918)、処
理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA917)。
その後、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF、大当り3信号を
OFF、大当り4信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA9
18)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をOFF、役物連続作
動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号をOFF
)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA919)。続いて、確率変動判定
データ領域の情報をクリアし(ステップA920)、大当りのラウンド回数を示すラウン
ドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(ステップA921)、演出モード移行情報
領域の情報をクリアする(ステップA922)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領
域の情報をクリアし(ステップA923)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視
期間中フラグをセーブして(ステップA924)、大当り終了処理を終了する。
〔特定領域スイッチ監視処理〕
図1-25に、特図ゲーム処理における特定領域スイッチ監視処理(ステップA3)を示す。この特定領域スイッチ監視処理では、まず、小当り中であるかを判定する(ステップA41)。ここでの小当り中とは、小当り中処理及び小当り残存球処理を行っている期間である。この小当り中でない場合(ステップA41;N)は、特定領域スイッチ監視処理を終了する。すなわち、特定領域スイッチ38dは、小当り中処理及び小当り残存球処理を行っている期間でのみ有効とされる。また、小当り中である場合(ステップA41;Y)は、条件装置が作動中であるかを判定する(ステップA42)。
条件装置が作動中である場合(ステップA42;Y)は、特定領域スイッチ監視処理を
終了する。また、条件装置が作動中でない場合(ステップA42;N)は、特定領域スイ
ッチに入力があるかを判定する(ステップA43)。そして、特定領域スイッチに入力が
ない場合(ステップA43;N)は、特定領域スイッチ監視処理を終了する。また、特定
領域スイッチに入力がある場合(ステップA43;Y)は、特定領域通過フラグをセット
し(ステップA44)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。後にこの特定領域通過フ
ラグがあることに基づき第1特別遊技状態を発生させる処理が行われるようになる。
〔小当り残存球処理〕
図1-26に、特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA18)において図1-26に示す処理を示す。この小当り残存球処理では、まず、残存球エラーの発生中であるかを判定する(ステップA861)。残存球エラーの発生中である場合(ステップA861;Y)は、ステップA863に移行する。また、残存球エラーの発生中でない場合(ステップA861;N)は、残存球カウンタが0であるかを判定する(ステップA862)。残存球カウンタが0でない場合(ステップA862;N)は、小当り残存球処理を終了する。また、残存球カウンタが0である場合(ステップA862;Y)は、ステップA863以降の小当りを終了するための処理を行う。
すなわち、特別変動入賞装置38内の残存球が全て排出されてから小当りを終了するた
めの処理を行うようにしている。ただし、最後に遊技球が特別変動入賞装置38に流入し
てから所定時間以上経っても排出が確認できない状態である残存球エラー中の場合は、排
出に必要な時間が十分経過したものとして小当りを終了するための処理に移行するように
している。もちろん残存球エラー中の場合は小当りを終了するための処理に移行しないよ
うにしても良い。よって、ステップA861の処理は行わないようにしても良い。
小当りを終了するための処理では、まず、特定領域通過があったかを判定する(ステッ
プA863)。特定領域38hに遊技球が流入して通過した場合は、特定領域スイッチ3
8dにより検出されて特定領域通過フラグがセットされる。ここではこの特定領域通過フ
ラグの有無により特定領域通過があったかを判定する。特定領域通過があった場合(ステ
ップA863;Y)は、ステップA870に移行して特別遊技状態を発生させる処理を行
う。また、特定領域通過がない場合(ステップA863;N)は、ステップA864に移
行して第2特別遊技状態を終了して特図変動表示ゲームを実行可能とするための処理を行
う。
ステップA864以降の第2特別遊技状態を終了して特図変動表示ゲームを実行可能と
するための処理では、処理番号として小当り終了処理にかかる10を設定し(ステップA
864)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA865)。次に
、小当りエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA866)
、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(ステップA
867)。そして、大入賞口カウント数領域をクリアし(ステップA868)、小当り中
制御ポインタ領域をクリアして(ステップA869)、小当り残存球処理を終了する。
一方、特定領域通過があり(ステップA863;Y)、ステップA870以降の第1特
別遊技状態を発生させる処理を行う場合は、飾り特図コマンド領域からコマンドをロード
して準備し(ステップA870)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA871)。
次に、V大当りファンファーレコマンドを準備して(ステップA872)、演出コマンド
設定処理を行う(ステップA873)。
その後、大当り(V大当り)の開始に関する信号外部情報出力データ領域にセーブし(
ステップA874)、大当り(V大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作
動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)を試
験信号出力データ領域にセーブする(ステップA875)。
そして、遊技状態表示番号領域に大当り中の番号をセーブし(ステップA876)、ラ
ウンド数上限値テーブルを設定して(ステップA877)、ラウンド数上限値情報に対応
するラウンド数上限値(3又は10)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ス
テップA878)。さらに、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを
取得してラウンドLEDポインタ領域にセーブし(ステップA879)、ラウンド数領域
に初期値(ここでは1)をセーブする(ステップA880)。ラウンド数の上限値として
は3又は10ラウンドが設定されるが、小当り動作が1ラウンド目に相当するので、ラウ
ンド数初期値として1を設定することで特別遊技状態では2ラウンド分又は9ラウンド分
の開放が行われるようにしている。
その後、処理番号としてファンファーレ/インターバル処理にかかる3を設定し(ステ
ップA881)、特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA882)。さらに、
V大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA883
)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA884)を行って、
ステップA868に移行する。
〔小当り終了処理〕
図1-27に、本実施形態の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA19)を示す。
この小当り終了処理では、まず、普電サポート中であるかを判定する(ステップA93
1)。普電サポート中でない場合(ステップA931;N)は、左打ち指示に関する信号
(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステッ
プA932)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部56a)を消灯させ
るため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA933
)、ステップA937に移行する。
また、普電サポート中である場合(ステップA931;Y)は、特図2の小当りである
かを判定する(ステップA934)。特図2の小当りでない場合(ステップA934;N
)は、ステップA937に移行する。また、特図2の小当りである場合(ステップA93
4;Y)は、時短終了設定処理を行い(ステップA935)、時短終了に関する信号(例
えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA936
)、ステップA937に移行する。すなわち、普電サポート中である場合に特図2の小当
りが発生した場合は、小当り遊技状態の終了に伴い普電サポートを終了するようにしてい
る。
次に、天井時短発動フラグがあるかを判定する(ステップA937)。天井時短発動フ
ラグがない場合(ステップA937;N)は、ステップA940に移行する。また、天井
時短発動フラグがある場合(ステップA937;Y)は、天井時短回数の初期値を時間短
縮変動回数1領域と時間短縮変動回数2領域にセーブする(ステップA938)。ここで
は時間短縮変動回数1領域に時間短縮変動回数1として255を設定し、時間短縮変動回
数2領域に時間短縮変動回数2として250を設定する。そして、サポ作動設定処理を行
い(ステップA939)、ステップA940に移行する。
その後、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA940)、処
理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA941)。
さらに、小当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF)を外部情報出力
データ領域にセーブして(ステップA942)、小当りの終了に関する信号(例えば、特
別図柄1小当り信号をOFF、特別図柄2小当り信号をOFF)を試験信号出力データ領
域にセーブする(ステップA943)。
続いて、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA944)、演出モード移行情
報領域をクリアして(ステップA945)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視
期間中フラグをセーブして(ステップA946)、小当り終了処理を終了する。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、図1-28に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
〔メイン処理〕
図1-28に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理として
ループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアす
る(ステップC8)。次いで、演出ボタン25や十字キー29の操作に基づく入力信号(
立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う
。演出ボタン25や十字キー29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、こ
の演出ボタン入力処理では演出ボタン25や十字キー29からの入力があった時に、演出
内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLED
や液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う
(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を
更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェッ
ク処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編
集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定
する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を
行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/3
0秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画
像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施
形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/6
0秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイ
ミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り
替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切
り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した
場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステ
ップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)に
は、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する
制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や表示板350を含む
枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置
44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、演出
を制御する盤演出設定処理(ステップC20)を行って、WDTをクリアする処理(ステ
ップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図1-29には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204
)、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コ
マンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。
このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、
受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマン
ド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中
に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)
を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位
でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定し
た場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド
受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、
コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステッ
プC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分の
コマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信
数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、
ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと
判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。こ
のように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信した
コマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存でき
る構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図1-30には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でない
と判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップ
C234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC2
34;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(
ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する
(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドであ
る。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235
;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理
を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定す
る(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファ
ーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作
(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MO
DEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大
当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合
(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定す
る(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の
停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマ
ンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(
ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系
コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄
コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立する
コマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄
停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどが
ある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC24
1;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処
理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判
定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると
判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC2
44)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した
場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否
かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲で
あると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステッ
プC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、
MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)
には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するため
に必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出
ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表
示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンにな
るか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始
動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演
出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド
)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知ら
せるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信さ
れる。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、特図変動表示ゲー
ムの開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
次に、遊技の演出等について説明する。
図1-31には通常遊技状態ST1の通常ステージにおける演出の一例を示した。なお、他の遊技状態においても基本的には同様の表示内容とされるが、遊技状態によっては一部の表示内容について表示しないようにすることも可能である。また、通常遊技状態ST1であることや他の各遊技状態であることは、表示内容によって遊技者が判別できるようになっている。
図1-31(a)に示すように、表示装置41の表示領域の中央には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第1飾りゲームを表示する第1飾りゲーム表示部81が設けられる。第1飾りゲーム表示部81では、左変動表示領域81a、中変動表示領域81b、右変動表示領域81cの変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。
表示装置41の表示領域の右上部には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第2飾りゲー
ムを表示する第2飾りゲーム表示部82が設けられる。第2飾りゲーム表示部82に表示
される第2飾りゲームは、第1飾りゲーム表示部81に表示される第1飾りゲームと同様
に、左領域、中領域、右領域の各領域で識別情報を変動表示した後に停止して結果を表示
する。第2飾りゲーム表示部82には、第1飾りゲーム表示部81に表示される識別情報
(大図柄)よりも相対的に小さい識別情報(小図柄)が表示されるようになっている。
また、表示装置41の表示領域の右下部には、始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表
示を表示する待機中記憶表示部83が設けられる。
待機中記憶表示部83には、第1始動記憶や第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶
表示が表示される。通常遊技状態ST1では第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを
主として遊技が進行するため、待機中記憶表示部83には第1始動記憶に対応する飾り特
図始動記憶表示が表示される。
待機中記憶表示部83に表示される飾り特図始動記憶表示は、始動記憶と一対一に対応
し、左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された始動記憶に対応する飾り特図始動記
憶表示となるように記憶順に並んで表示され、消化される毎に左へ移行するようになって
いる。なお、待機中記憶表示部83に、特図1変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶
(第1始動記憶)に対応する飾り特図始動記憶表示と、特図2変動表示ゲームの実行権利
となる始動記憶(第2始動記憶)に対応する飾り特図始動記憶表示と、の双方を表示する
ようにしても良い。
さらに、待機中記憶表示部83では、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果や変
動パターンなどの先読み結果を、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示の表示態
様によって示唆することが可能である。
待機中記憶表示部83の左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記
憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。実行中記憶表示部84に
は、特図変動表示ゲームの開始時に待機中記憶表示部83の左端にある飾り特図始動記憶
表示が移行するようになっている。さらに、実行中記憶表示部84では、現在実行中の特
図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを、当該実行中記憶表示部84に表示される
実行中記憶表示の表示態様によって示唆することが可能である。
表示装置41の表示領域の左上部には、第1始動記憶数(特図1保留数)を表示する第
1始動記憶数表示部85aと、第2始動記憶数(特図2保留数)を表示する第2始動記憶
数表示部85bとが設けられる。
また、表示装置41の表示領域の中央上部には、遊技状態を示す遊技状態表示86が表
示され、ここでは通常遊技状態ST1であることが示されている。
新たな特図変動表示ゲームが開始されると、図1-31(b)に示すように待機中記憶表示部83の左端にある飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部84へ移行する演出が実行されるとともに、待機中記憶表示部83の左端以外にある飾り特図始動記憶表示が待機中記憶表示部83内において左へ移行する。さらに、第1始動記憶数表示部85aの数値が変化する。また、第1飾りゲーム表示部81及び第2飾りゲーム表示部82で識別情報の変動表示が開始される。
選択された変動パターンによっては特図変動表示ゲームの進行に伴い図1-31(c)に示すように左変動表示領域81aと右変動表示領域81cで同じ識別情報が仮停止したリーチ状態となることもある。さらに演出が発展してSPリーチとなることもある。
所定の変動時間が終了すると図1-31(d)に示すように結果態様が停止表示される。ここでは結果が大当りとなっており、結果態様として特別結果態様が表示される。結果が小当り、はずれ又はサポ当りであった場合はそれぞれ対応する結果態様が表示される。
結果態様を表示する所定の停止表示時間が経過すると特図変動表示ゲームが終了し、実行中記憶表示部84に表示される実行中記憶表示が消去される。
ここでは結果が大当りであったので、特図変動表示ゲームの終了に伴い第1特別遊技状態ST2が開始されて図1-31(e)、(f)に示すようにファンファーレ演出が行われる。このファンファーレ演出では、遊技領域32の右下側に位置する特別変動入賞装置38を狙うように指示する画像として、右打ちを行うことを指示する右打ち指示表示90と、狙うべき箇所を示すために遊技機の所定箇所として特別変動入賞装置38を示す説明画像91が表示される。ここでの説明画像91においては、開放した状態の特別変動入賞装置38の他にその周囲の部材である普通変動入賞装置37やセンターケース40、一括表示装置50を含めて遊技機の正面から見た正面視により表示している。また、説明画像91の表示位置は、遊技領域32の右下側に位置する特別変動入賞装置38に合わせて、表示領域の右下側に表示するようにしている。また、小当りとなった場合も図1-31(f)に示すような右打ち指示表示90及び説明画像91が表示される。
その後、図1-31(g)に示すようにラウンド演出が行われる。
第1特別遊技状態ST2においては、初回大当り及びこれに続く連荘大当りを対象とした
大当りの回数である連荘大当り回数を表示する連荘大当り回数表示87を行うとともに、
初回大当り及びこれに続く連荘大当りを対象として特別遊技状態における獲得遊技球数を
通算した獲得遊技球数表示88を行う。ここでは通常遊技状態ST1での大当りであった
ので初回大当りとなり連荘大当り回数は1回目とされている。また、獲得遊技球数は特別
変動入賞装置38への入賞毎に更新される。なお、小当りを経由して大当りとなった場合
も同様に第1特別遊技状態ST2となり、同様の演出が行われる。
さらに第1特別遊技状態ST2では、複数の第1特別遊技状態ST2にわたり連荘大当
り回数が増えるごとに演出が進行する(物語が進行する)一連の演出を実行可能である。
ここでは連荘大当り回数が1回目であり、第1のキャラクタが登場する第1段階の演出が
行われている。
第1特別遊技状態ST2が終了すると特定遊技状態ST4となる。特定遊技状態ST4の開始時には図1-31(h)に示すように有利状態である特定遊技状態ST4の開始を報知する開始演出が行われる。また、特定遊技状態ST4では、図1-32(a)に示すように遊技状態表示86に特定遊技状態ST4であることを示す「チャンスステージ」の表示がなされる。
特定遊技状態ST4では第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームが主として実行さ
れるので、待機中記憶表示部83には第2始動記憶に対応した表示も行われる。第2始動
記憶に対応する待機中記憶表示部83は実行中記憶表示部84の左側に表示され、ここに
表示される飾り特図始動記憶表示は始動記憶と一対一に対応し、右端の飾り特図始動記憶
表示が最先に記憶された始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示となるように記憶順に
並んで表示され、消化される毎に右へ移行するようになっている。なお、特定遊技状態S
T4においては待機中記憶表示部83や実行中記憶表示部84を表示しないようにしても
良い。
また、図1-32(a)に示すように、遊技領域32の右側に位置する普通変動入賞装置37を狙うように指示する画像として、右打ちを行うことを指示する右打ち指示表示90と、狙うべき箇所を示すために遊技機の所定箇所を示す説明画像91が表示される。ここでの説明画像91においては、開放した状態の普通変動入賞装置37の他にその周囲の部材である特別変動入賞装置38やセンターケース40、一括表示装置50を含めて遊技機の正面から見た正面視により表示している。また、説明画像91の表示位置は、遊技領域32の右側に位置する普通変動入賞装置37に合わせて、表示領域の右側に表示するようにしている。普通変動入賞装置37は特別変動入賞装置38よりも上方に位置するので、図1-31(f)に示した特別変動入賞装置38の説明画像91の位置と比較して、図1-32(a)に示した説明画像91は上方に位置するように表示されている。
図1-32(b)以下には、特定遊技状態ST4の終了条件としてサポートAが選択された場合の演出の一例を示した。
この演出は、特定遊技状態ST4での最終ゲームから残保留に基づく特図2変動表示ゲ
ームにわたり一連の演出を行うものであり、この演出において演出ボタン25の操作を要
求する演出を実行するようになっている。
終了条件がサポートAである特定遊技状態ST4では、特図2変動表示ゲームの実行回
数が1回となるか、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの合計実行回数が6回
となるか、特図2変動表示ゲームで小当りが1回発生するか、のいずれかの条件を満たす
ことにより普電サポート状態が終了するようになっている。よって、特定遊技状態ST4
の最終ゲームとは、特図1変動表示ゲームの6回目のゲームか、特図2変動表示ゲームの
1回目のゲームである。
遊技が進行して特定遊技状態ST4での最終ゲームとなり、所定のタイミングとなると図1-32(b)に示すように操作部をなす演出ボタン25の操作を遊技者に要求する演出が開始されるまでの時間を示す残り時間表示94が行われる。また、右打ち指示表示90や説明画像91も継続され、残り時間内に第2始動記憶を上限数まで発生させるように指示するようになっている。
また、表示領域の左部には、演出ボタン25の操作の要求を待機していることを示す待
機表示92と、待機表示92が表示され得ることを示す星型の待機予告表示93が並んで
表示される。ここではあと4つの待機表示92を表示可能であることを示している。待機
表示92は演出ボタン25を模した表示であり、演出ボタン25のユニットのみを斜視に
より表示している。
本実施形態では、各待機表示92が特図変動表示ゲームのそれぞれと対応付けられるよ
うになっており、最も下の位置にある待機表示92が実行中の特図変動表示ゲームに対応
し、下から2番目、3番目、4番目及び5番目の待機表示92がそれぞれ順に消化順序で
1番目、2番目、3番目及び4番目の第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームに対応
するようになっている。
図1-32(b)の段階では第2始動記憶が存在しておらず、実行中の特図変動表示ゲームに対応した一つの待機表示92が表示された状態となっている。なお、待機表示92と特図変動表示ゲームは対応付けられていなくても良い。
図1-32(c)に示すように、新たな第2始動記憶が発生すると待機表示92が1つ増加する。その後、図1-32(d)に示すように、さらに2つの第2始動記憶が発生して待機表示92が2つ増加している。
待機表示92の表示態様には複数の表示態様があり、各表示態様はそれぞれ示唆又は報
知する特別結果となる可能性の高さである期待度が異なるものとなっている。すなわち、
待機表示92は特別結果となる可能性の高さを示唆する示唆表示をなす。ここでは下から
3つ目までの待機表示92の表示態様は期待度が最も低いことを示す白色の表示態様であ
り、下から4つ目の待機表示92の表示態様はこれらよりも期待度が高いことを示す斜線
の表示態様となっている。下から4つ目の待機表示92は3番目に消化される第2始動記
憶に基づく特図2変動表示ゲームに対応しており、ここでは3番目に消化される第2始動
記憶に基づく特図2変動表示ゲームが期待度の高いものであることが示唆又は報知されて
いる。第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果については事前判定結果に基づき
判定する。
そして、演出ボタン25の操作を遊技者に要求する演出が開始されるまでに第2始動記憶が上限数まで達すると、図1-32(e)に示すように待機予告表示93が表示されていた全ての箇所に待機表示92が表示された状態となる。また、上限数まで到達したことを示す表示として「準備完了!!」の表示がなされる。
その後、残り時間表示94で表示する残り時間がなくなると、図1-32(f)に示すように演出ボタン25の操作を遊技者に要求する演出が開始される。図1-32(g)に示すようにこの演出ではメーター表示95が行われ、メーター表示95の値が上限に達することで特別結果となることが示されるものとなっている。
メーター表示95の値は演出ボタン25の操作に対応した演出により増加するようにな
っており、まず最も下の位置にある待機表示92が表示領域の中央に移動して要求表示9
6となり、遊技者に演出ボタン25の操作を要求する。要求表示96は、演出ボタン25
を模した表示であり、演出ボタン25のユニットのみを斜視により表示している。また、
要求表示96の下側に隣接して操作部の操作が有効となる時間を示すメーター表示96a
も併せて行われる。
遊技者が要求表示96に従い演出ボタン25を操作すると、図1-32(h)に示すように対応した演出として獲得したポイントを表示するポイント表示97がなされるとともに、獲得したポイントの分だけメーター表示95が増加する。遊技者が演出ボタン25を操作せずに操作部の操作が有効となる時間が経過した場合は、対応した演出を行わないようにしても良いし、対応した演出が行われるようにしても良い。
その後も図1-33(a)~(d)に示すように、順次下の位置にある待機表示92が表示領域の中央に移動して要求表示96となり、遊技者が要求表示96に従い演出ボタン25を操作すると獲得したポイントを表示するポイント表示97がなされるとともに、獲得したポイントの分だけメーター表示95が増加する。
図1-33(c)に示すように期待度の高い表示態様で示された待機表示92が表示領域の中央に移動して要求表示96となる際には、要求表示96でも待機表示92での表示態様を引き継いで表示される。なお、要求表示96となる際に表示態様が変化しても良い。ここでは要求表示96となった後は表示態様が変化せず、この要求表示96での表示態様が最終的な表示態様となり期待度を示すものとなる。すなわち、要求表示96は特別結果となる可能性の高さを示唆する示唆表示をなす。
そして、図1-33(d)に示すようにポイントを獲得することでメーター表示95が上限値に達している。これに伴い、図1-33(e)に示すようにメーター表示95が上限値に達したことに伴う報知演出が開始される。
この例では、3つ目に消化される第2始動記憶が特別結果となるものであり、図1-33(f)に示すように報知演出の実行中に特定遊技状態ST4の最終ゲームである特図変動表示ゲームがはずれ結果で終了する。これにより特定遊技状態ST4は終了して残保留消化状態ST5となるが、特定遊技状態ST4が終了した旨の特別の演出はここでは行われない。
そして、図1-33(g)に示すように1つ目及び2つ目に消化される第2始動記憶がはずれ結果で消化され、図1-33(h)に示すように3つ目に消化される第2始動記憶の終了に伴い特別結果が導出される。
特定遊技状態ST4の最終ゲームと残保留消化状態ST5での最大で4つの第2始動記憶に基づく第2特図変動表示ゲームのいずれで特別結果となる場合であっても図1-33(e)から(h)に示した演出と同様の演出が行われるようになっており、見た目ではいずれの特図変動表示ゲームで特別結果となったかが判別し難くなっている。
このように複数の特図変動表示ゲームを一連の演出で行うことで、特定遊技状態ST4の最終ゲームと残保留消化状態ST5での最大で4つの第2始動記憶に基づく第2特図変動表示ゲームが一の特図変動表示ゲームであるかのように見せることができる。
一連の演出に複数の特図変動表示ゲームが含まれることで、この一連の演出において特別結果となる可能性が高まるので、特定遊技状態ST4の終了時には特別結果となる可能性が高いという印象を与えることができ、遊技の興趣を効果的に向上することができる。
図1-34には、待機表示92や要求表示96での表示態様の別例を示した。
図1-32、図1-33での待機表示92や要求表示96の表示態様は、表示態様が変化せずに単一の表示態様でのみ表示され、当該表示態様が最終的な表示態様となるようになっている。
例えば、図1-32(b)で表示が開始された待機表示92は白色の表示態様で表示され、その後に表示態様が変化することなく図1-32(g)に示すように要求表示96となっている。また、図1-32(g)に示したように要求表示96になった際には白色の表示態様であり、その後もこの表示態様が維持されるようになっていて、白色の表示態様が最終的な表示態様となっている。
図1-34には、待機表示92や要求表示96での表示過程として特定の表示過程を経て最終的な表示態様とする場合の一例を示した。
図1-34(a)に示すように、この例では下から4つ目の待機表示92が特定の表示過程を経るものとなっている。この特定の表示過程では、当該待機表示92の表示開始から表示態様が白色、横線、斜線、網掛け、白色…の順に順次変化するようになっている。なお、この順次変化する表示態様には最終的な表示態様となるものが含まれており、特定の表示過程は、表示態様が順次変化する過程で、最終的な表示態様となる表示態様が一時的に表示された後に他の表示態様となり、再び最終的な表示態様となるものとも言える。
また、表示態様が変化していて最終的な表示態様が不明であることを示すように「?」
の文字表示が付されるようになっている。表示態様を変化させる際には、複数の表示態様
が同時に表示されないように変化させるようにし、多色が同時に表示される虹色の表示と
は異なるようにしている。
この表示態様の変化は、図1-34(b)から(d)に示すように待機表示92が表示されている期間にわたり継続して行われる。
その後、図1-34(e)に示すように待機表示92から要求表示96に移行すると、要求表示96においても特定の表示過程は継続して行われる。
特定の表示過程が継続して行われた場合には、遊技者が操作部を操作することに伴い図1-34(f)に示すように要求表示96の演出ボタン25を模した表示は押下された状態の表示となるとともに、表示態様の変化が終了して最終的な表示態様として一の表示態様を表示する演出が行われる。ここでは網掛けの表示態様が最終的な表示態様であることを示している。これにより遊技者が最終的な表示態様を明確に把握可能となる。図1-34(f)に示したような最終的な表示態様を示す演出は特定の表示過程を経ない場合には行われないが、特定の表示過程を経ない場合も最終的な表示態様を示す演出として行うようにしても良い。
その後、図1-34(g)に示すように操作に対応した演出として獲得したポイントを表示するポイント表示97がなされる。この際に、ポイント表示97の表示態様を要求表示96で示した最終的な表示態様とするようにしており、ここでは網掛けの表示態様としている。このように操作に対応した演出においても最終的な表示態様を示すことで、遊技者がより明確に最終的な表示態様を把握することが可能となる。この演出についても特定の表示過程を経ない場合において最終的な表示態様を示す演出として行うようにしても良い。
図1-34(h)には、待機表示92や要求表示96の表示態様と期待度の一例を示した。表示態様には白色、横線、斜線、網掛けの4種類がある。なお、図中においては、待機表示92や要求表示96の表示態様を白色、横線、斜線、網掛けで表現しているが、実際の遊技機においては表示色の違いにより表現するようにしても良い。例えば、図中の白色の表示態様を白色の表示色の表示態様とし、図中の横線の表示態様を緑色の表示色の表示態様とし、図中の斜線の表示態様を赤色の表示色の表示態様とし、図中の網掛けの表示態様を金色の表示色の表示態様としても良い。
それぞれの表示態様について、遊技者が操作部を操作した際の表示態様である最終的な
表示態様となった場合の期待度が定められている。
この期待度は、特定の表示過程を経ない場合と、特定の表示過程を経る場合とで異なっ
ており、特定の表示過程を経る場合の方が特定の表示過程を経ない場合よりも期待度が高
くなるようにされている。特に本実施形態では、一段階上の表示態様の期待度となるよう
にしており、例えば特定の表示過程を経た斜線の表示態様は、特定の表示過程を経ない場
合における網掛けの表示態様の期待度となるようにしている。これにより各表示態様がラ
ンクアップしたような印象を与えることができ、遊技の興趣を効果的に向上することがで
きる。
このように特定の表示過程を経るか否かで、各表示態様の期待度が異なるようにするこ
とで、表示態様のバリエーションを増やすことなく演出のパターンを増やすことができ、
RAMの容量の増加を抑えることができるとともに、遊技者に分りやすくバリエーション
に富んだ演出とすることができる。
なお、各表示態様について特定の表示過程を経ない場合での期待度の順番と、特定の表
示過程を経る場合の期待度の順番が異なるようにしても良い。例えば、特定の表示過程を
経ない場合は白色が最も期待度が低いが、特定の表示過程を経る場合は白色が最も期待度
が高くなるようにしても良い。さらに、特定の表示過程を経る場合でのみ出現する表示態
様があるようにしても良く、当該表示態様が他の表示態様よりも期待度が高いものとして
も良い。
また、特定の表示過程において表示態様が変化する順は、白色、横線、斜線、網掛け、
白色…の順とし、期待度の低いものから順次高くなるように変化させるようにしているが
、この順は任意に設定可能であり、ランダムに変化させるものでも良い。
また、全ての表示態様を順次表示するものとしたが、一部の表示態様のみ順次表示する
ようにしても良い。また、複数の表示態様のうちから選択された表示態様を順次表示する
ようにしても良い。この場合、選択された表示態様の期待度の平均値の高さにより、最終
的な表示態様の期待度の高さを示唆又は報知するようにしても良い。
また、図1-34(f)、(g)に示すように、最終的な表示態様を明示する演出を行うようにしているが、これ以外の演出により最終的な表示態様を示すようにしても良い。例えば、図1-34(f)のタイミングで最終的な表示態様に対応してエフェクト表示を表示領域に表示するようにしても良いし、最終的な表示態様に対応するキャラクタ表示を行うようにしても良い。
また、特定の表示過程を経る場合の最終的な表示態様として、特定の表示過程を経ない
場合に選択し得る全ての表示態様を選択可能としたが、一部の表示態様のみを選択可能と
しても良い。例えば、特定の表示過程を経る場合には期待度が最も低い白色の表示態様を
選択しないようにし、期待度が高く期待の持てる表示態様が選択されるようにしても良い

また、待機表示92の表示開始の時点から特定の表示過程を開始するようにしたが、待
機表示92の表示開始の時点では単一の表示態様のみを表示する状態とし、その後の所定
タイミングから特定の表示過程を開始するようにしても良い。
また、待機表示92で特定の表示過程とした場合は要求表示96でも特定の表示過程と
するようにしたが、待機表示92で特定の表示過程とし、要求表示96となった際に変化
を停止して要求表示96では単一の表示としても良い。また逆に、待機表示92で単一の
表示とし、要求表示96となった際に特定の表示過程を開始しても良い。また、待機表示
92や要求表示96で任意のタイミングで特定の表示過程を開始、終了するようにしても
良い。これらの場合の期待度は、特定の表示過程を経る場合の期待度とすることが好まし
いが、特定の表示過程を経ない場合の期待度としても良い。
また、特定の表示過程としては、表示態様が循環的又はランダムに変化して一度表示さ
れた表示態様が変化の過程で再度表示され得る表示態様としたが、一度表示された表示態
様が変化の過程で再度表示されない一方向的な変化の表示態様を含んでも良い。
また、特定の表示過程は表示態様をここで示したものに限られず、他の表示過程であっ
ても良い。例えば、キャラクタなどの特定の表示が付されることとしても良いし、大きさ
や形状を異ならせることとしても良い。
また、待機表示92や要求表示96で特定の表示過程を経る場合について説明したが、
他の表示において表示態様により期待度を示唆又は報知する場合にも同様に特定の表示過
程を経る場合と経ない場合とで同じ表示態様の期待度が異なるようにしても良い。他の表
示の表示態様としては、待機中記憶表示部83の飾り特図始動記憶表示の表示態様、実行
中記憶表示部84の実行中記憶表示、演出で表示される特定箇所の表示、文字表示、エフ
ェクト表示、背景表示などが挙げられる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結
果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技の演出を制御す
る演出制御手段(演出制御装置300)と、遊技の演出を表示可能な表示手段(表示装置
41)と、を備え、演出制御手段は、表示手段に特別結果となる可能性の高さを示唆する
示唆表示を表示可能であり、示唆表示において特定の表示過程を経て最終的な表示態様と
した場合と、特定の表示過程を経ずに最終的な表示態様とした場合と、で最終的な表示態
様が同じである場合に、示唆する特別結果となる可能性の高さが異なるようにすることが
可能であることとなる。
したがって、演出のバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上することができる。
また、遊技者が操作可能な操作部(演出ボタン25)を備え、演出制御手段は、操作部
の操作を要求する操作要求演出を実行可能であり、操作要求演出において表示手段に操作
部の操作を要求する要求表示を行うことが可能であり、要求表示において示唆表示を表示
可能であることとなる。
したがって、遊技者が注目する箇所で示唆を行うことが可能であり、遊技の興趣を向上
することができる。
また、演出制御手段は、特定の表示過程として複数の表示態様を循環的に表示し、操作
部の操作に伴い最終的な表示態様を表示するようにしたこととなる。
したがって、遊技者の操作に基づき最終的な表示態様が表示されるようになり、遊技者
の意思により最終的な表示態様を選択したかのように見せることができて遊技の興趣を向
上することができる。
また、演出制御手段は、特定の表示過程として、最終的な表示態様となる表示態様とし
た後に他の表示態様とし、再び最終的な表示態様とすることとなる。
したがって、一度表示された表示態様が再び表示されることがあり、最終的な表示態様
となる過程における興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、特定の表示過程を経て最終的な表示態様とする場合に、特別結
果となる可能性の高さが最も低い表示態様を選択しないようにしたこととなる。
したがって、特定の表示過程に対する期待感が増し、遊技の興趣を向上することができ
る。
図1-35には、図1-32から図1-34に示した演出において要求された操作以外の操作を有効とする演出の一例を示した。
図1-35(a)は図1-33(c)に示したタイミングである。この例では、要求表示96により演出ボタン25の操作が要求された際に、演出ボタン25とは別の操作部である十字キー29の中央ボタン29aを遊技者が押下している。ここでは、この十字キー29の操作も有効な操作とされ、操作に伴い、演出ボタン25を押下した場合の図1-33(d)に示した演出に替えて図1-35(b)に示す演出が行われる。
この図1-35(b)に示す演出は、獲得するポイントが非常に高く一撃でメーター表示95の値が上限まで達するものであって当り確定演出であり、操作を要求された操作部以外の操作部の操作を行った場合にのみ発生可能な特別な演出となっている。
なお、要求された操作以外の操作をした場合に行われる演出は、上記したものに限られ
ない。要求された操作をした場合の演出と、要求された操作以外の操作をした場合に行わ
れる演出と、は異なるものとすることが好ましいが、同じ演出が行われる場合があっても
良い。
図1-32から図1-34に示した一連の演出において、このように要求された操作以外の操作が有効となるのは、要求表示96が表示されている期間であって複数回の要求表示96の表示機会のうち所定の表示機会のみとされている。
例えば、図1-35(a)に示すように、要求表示96の表示態様が所定の表示態様である場合にのみ有効とされ、その他の要求表示96の表示機会では無効とされている。もちろん、すべての要求表示96の表示機会において有効としても良い。特に、特別結果となる場合に要求された操作以外の操作を有効とし、図1-35(b)に示したような当り確定演出を行うことで、遊技の興趣を向上することができる。
このように、所定の操作を要求した際に、要求した操作とは別の操作がされることに基
づき操作に対応した演出を実行可能とすることで、異なる趣向の演出を行うことができ、
遊技の興趣を効果的に向上することができる。
また、要求表示96を表示していない期間に他の操作部の操作を有効とする演出の場合
には、当該遊技機の仕様を知っている一部の遊技者のみしか操作を行うことができず、興
趣の向上の効果は限定的であるが、上記のように要求表示96を表示している期間に要求
した操作以外の操作を有効とすることで、なんらかの操作を行う機会であることを認識し
ているので他の操作を試みる可能性も高くなり、遊技に不慣れな遊技者であっても特別な
演出を見ることができる可能性が高まるので遊技の興趣を効果的に向上することができる
なお、要求された操作以外の操作が無効である場合に要求された操作以外の操作がされ
た場合には、操作が無効である旨の報知を行うようにしても良い。
また、上記の例では操作を要求された演出ボタン25以外の十字キー29が操作された
場合に異なる演出を実行可能としたが、操作を要求された演出ボタン25において特定の
操作を行った場合に、特定の操作を行わない場合とは異なる演出を実行可能としても良い
。例えば、演出ボタン25を1回押下する操作が要求された場合に、1回押下した場合と
、複数回押下した場合とで異なる演出を実行可能としても良い。すなわち、要求された操
作と異なる操作が行われた場合に当該操作に対応する演出を行うものであれば良い。
また、図1-32から図1-35に示した演出は特定遊技状態ST4の終了条件としてサポートAが選択された場合に行うとしたが、特定遊技状態ST4の終了条件としてサポートB又はサポートCが選択された場合に実行することも可能である。
また、特別結果として大当りが導出される場合に限られず、小当り、サポ当りとなる場
合も同様の演出を実行可能である。
また、天井に到達する所定ゲーム前から天井に到達するゲームにわたり上記したような
演出を行い、メーター表示95が上限まで達することで天井の到達に到達する報知するよ
うにしても良い。この場合、天井に到達しない場合にも同様の演出を行い、メーター表示
95が上限に達せずに終了するようにしても良い。
図1-36、図1-37には、操作部の操作を要求する演出の別例を示した。
図1-36(a)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部81の各変動表示領域でそれぞれ識別情報が変動表示している状態で所定のタイミングとなると、図1-36(b)に示すように各変動表示領域に演出ボタン25の押下を要求する要求表示96が表示される。
遊技者が演出ボタン25を押下すると、図1-36(c)に示すように左変動表示領域81aの変動表示が仮停止する。続いて遊技者が演出ボタン25を押下すると、図1-36(d)に示すように中変動表示領域81bの変動表示が仮停止する。さらに、遊技者が演出ボタン25を押下すると、図1-36(e)に示すように右変動表示領域81cの変動表示が仮停止し、その後に図1-36(f)に示すように変動表示が終了する。
ここでは特図変動表示ゲームの結果が特別結果であるので特別結果態様で停止するようになっているが、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、はずれの結果態様で停止するようになっている。はずれの場合でも図1-36(d)の時点ではリーチ状態とすることで遊技者の期待感を維持することができる。もちろん図1-36(d)の時点でリーチ状態とならずはずれであることを示しても良い。また、演出ボタン25の操作に伴う停止順を、左変動表示領域81a、中変動表示領域81b、右変動表示領域81cの順としたが、これに限られるものではなく停止順は任意に設定可能である。
このような演出において、要求された操作以外の操作によっても演出を進行可能となっている。
図1-37(a)に示すように各変動表示領域に演出ボタン25の操作を要求する要求表示96が表示された状態で、十字キー29の右ボタン29cを押下すると、図1-37(b)に示すように右ボタン29cに対応した右変動表示領域81cの変動表示が仮停止する。次に、十字キー29の左ボタン29eを押下すると、図1-37(c)に示すように左ボタン29eに対応した左変動表示領域81aの変動表示が仮停止する。さらに、十字キー29の中央ボタン29a中を押下すると、図1-37(d)に示すように中央ボタン29aに対応した中変動表示領域81bの変動表示が仮停止する。
ここでは特図変動表示ゲームの結果が特別結果であるので特別結果態様で停止するようになっているが、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、はずれの結果態様で停止するようになっている。特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は図1-37(c)の時点ではリーチ状態となるが、図1-37(d)の時点でリーチを構成する識別図柄とは異なる識別図柄が仮停止し、はずれの結果態様が表示されるようになっている。もちろん図1-37(c)の時点でリーチ状態とならずはずれであることを示しても良い。
このように、各変動表示領域に対応した十字キー29のボタンを操作することで対応した変動表示領域の変動表示を仮停止することが可能となっている。図1-37に示した操作順序は一例であって、遊技者が十字キー29のボタンを選択することで任意に仮停止する変動表示領域を選択可能である。これにより、スロットマシンのように遊技者が選択した変動表示領域を停止させることが可能となり、新たなゲーム性を持たせることができて遊技の興趣を向上することができる。
なお、図1-36に示したような演出ボタン25の操作による変動表示の停止と、図1-37に示したような十字キー29の操作による変動表示の停止と、を併用することも可能である

例えば、図1-36(c)の状態から、十字キー29の左ボタン29eを押下してもすでに左変動表示領域81aが仮停止しているため変化は起きないが、十字キー29の右ボタン29cを押下した場合は右変動表示領域81cの変動表示が仮停止し、十字キー29の中央ボタン29aを押下した場合は中変動表示領域81bの変動表示が仮停止する。
また、図1-37(b)の状態から演出ボタン25を押下すると、左変動表示領域81aの変動表示が仮停止する。演出ボタン25を押下した場合の仮停止の優先順序は左変動表示領域81a、中変動表示領域81b、右変動表示領域81cの順とされており、十字キー29の操作により一部の変動表示領域が仮停止している場合には、未だ仮停止していない変動表示領域のうちから上記の優先順序に従い仮停止させる変動表示領域が選択される。
以上のように、操作部の操作を要求する一の演出に対して2種類の操作態様を設けるこ
とができ、遊技の興趣を効果的に向上することができる。演出自体は1つの演出であるの
で、2種類の演出を設ける場合に比べて演出の情報を記憶するRAMの容量の消費を抑え
ることができるとともに、開発費用や期間の増加を抑えることができる。
なお、操作部として演出ボタン25と十字キー29の各ボタンを挙げたが、これら以外
の遊技者が操作可能な部分を操作部として用いても良い。例えば、貸出ボタン27a、返
却ボタン27b、上皿操作レバー27d、音量調整用ボタン27e、下皿23の球抜き用
レバー、ハンドル24などが挙げられる。また、本実施形態の遊技機には設けられていな
いが、遊技者が操作可能なレバーやスティック、タッチパネル、店員を呼び出すための呼
び出しボタンなどを含んでも良い。
また、操作を要求された操作部において特定の操作を行うことで任意の変動表示領域を
仮停止させることができるようにしても良い。例えば、演出ボタン25を1回押下すると
左変動表示領域81aが仮停止し、演出ボタン25を素早く2回押下すると中変動表示領
域81bが仮停止し、演出ボタン25を素早く3回押下すると右変動表示領域81cが仮
停止するようにしても良い。すなわち、操作が要求された操作部において異なる操作態様
で操作することにより、当該操作に対応する演出が行われるようにしても良い。
また、図1-36、図1-37に示した演出においても要求表示96の表示態様により期待度を示唆又は報知するようにしても良い。
また、ここでは通常遊技状態ST1における演出としたが、他の遊技状態でも同様の演出が可能である。
また、図1-32から図1-37では、操作部の操作を要求する操作要求演出において、要求した操作以外の操作が行われた場合の例について示したが、遊技機が操作部の操作を要求していない状態で操作が行われた場合に当該操作に対応した演出を実行可能としても良い。
例えば、図1-32から図1-35に示した演出において、要求表示96が表示されていない状態で操作部を操作した場合に当該操作に対応した演出を実行可能としても良い。この場合の対象となる操作部は、待機表示92や要求表示96の対象である演出ボタン25を除く他の操作部としても良いし、演出ボタン25を含んでも良い。当該操作に対応した演出としては、要求表示96に従って演出ボタン25を操作した場合と同様にポイントを獲得可能としてポイント表示97が表示されてメーター表示95が増加する演出としても良いし、キャラクタが出現するなどの演出としても良い。
また、図1-36、図1-37に示した演出において、要求表示96が表示されていない状態で操作部を操作した場合に当該操作に対応した演出を実行可能としても良い。
例えば、図1-36(a)に示すように要求表示96が表示されていない状態で演出ボタン25を押下すると、変動表示領域の変動表示が仮停止するようにしても良い。この場合、一回の押下で全ての変動表示領域の変動表示が仮停止するようにしても良いし、一回の押下で一つの変動表示領域の変動表示が仮停止するようにしても良い。
また、図1-36(a)に示すように要求表示96が表示されていない状態で十字キー29の右ボタン29cを押下すると右変動表示領域81cの変動表示が仮停止し、十字キー29の左ボタン29eを押下すると左変動表示領域81aの変動表示が仮停止し、十字キー29の中央ボタン29a中を押下すると中変動表示領域81bの変動表示が仮停止するようにしても良い。
ここで挙げた例の他でも要求表示96が表示されていない状態で操作部を操作した場合
に当該操作に対応した演出を実行可能としても良く、当該操作に対応した演出として、特
定の表示を行うことや、特定の音声を出力すること、特定のLEDが発光すること、特定
の役物が動作することなどが挙げられる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行可能な遊技機において、遊技の
演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、遊技者が操作可能な操作部(演
出ボタン25、十字キー29)と、を備え、演出制御手段は、操作部の操作を要求する操
作要求演出を実行可能であり、要求した操作が行われた場合に、当該操作に対応した演出
を実行可能であり、要求していない操作が行われた場合に、当該操作に対応した演出を実
行可能であることとなる。
したがって、演出のバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、操作部の操作を要求する操作要求演出において、要求した操作
以外の操作が行われた場合に、当該操作に対応した演出を実行可能であることとなる。
したがって、演出のバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上することができる。
また、操作部を複数備え、操作要求演出において、複数の操作部のうち所定の操作部の
操作を要求し、当該操作を要求した操作部が操作されることに基づき操作に対応した演出
を実行可能であり、操作を要求した操作部以外の操作部が操作された場合でも操作に対応
した演出を実行可能であることとなる。
したがって、演出のバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、操作要求演出を実行する際に、要求した操作以外の操作がされ
た場合に当該操作に対応した演出を実行するか否かを設定可能であることとなる。
したがって、対応した演出が実行される場合とされない場合が生じ、演出のバリエーシ
ョンが増加し、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、一の操作要求演出において複数回の操作部の操作機会を設ける
ことが可能であり、複数の操作部のうち、所定の操作については複数回の操作機会のいず
れでも操作に基づき当該操作に対応した演出を実行可能とし、所定の操作以外の操作につ
いては複数回の操作機会のうち特定の操作機会での操作に基づき当該操作に対応した演出
を実行可能とするようにしたこととなる。
したがって、対応した演出が実行される場合とされない場合が生じ、演出のバリエーシ
ョンが増加し、遊技の興趣を向上することができる。
また、操作部として少なくとも3つ以上の操作部を備え、演出制御手段は、操作要求演
出において一の操作部の操作を要求し、操作を要求した操作部以外の操作部について、操
作されることに基づき操作に対応した演出を実行する操作部と、操作されても操作に対応
した演出を実行しない操作部と、を設定するようにしたこととなる。
したがって、対応した演出が実行される場合とされない場合が生じ、演出のバリエーシ
ョンが増加し、遊技の興趣を向上することができる。
また、遊技の演出を表示可能な表示手段(表示装置41)を備え、演出制御手段は、表
示手段において、ゲームとして複数の識別情報を複数の変動表示領域で変動表示した後に
停止し、各変動表示領域で停止表示された識別情報の組み合わせにより当該ゲームの結果
を提示するように構成され、一のゲームにおける操作要求演出として、各変動表示領域に
対応する操作部を定め、対応した操作部を操作することにより対応した変動表示領域の変
動表示が停止するように見せる演出を実行することが可能であり、複数の操作部のうち、
所定の操作部についてはいずれの変動表示領域にも対応し、所定の操作部以外の操作部に
ついては、複数の変動表示領域のそれぞれに対して別々の操作部が対応するようにしたこ
ととなる。
したがって、対応した演出が実行される場合とされない場合が生じ、演出のバリエーシ
ョンが増加し、遊技の興趣を向上することができる。
図1-38には、特定遊技状態ST4の終了条件としてサポートB又はサポートCが選択された場合の演出の一例を示した。
この演出は、特定遊技状態ST4の最終ゲームで開始されるものであり、実行中である
特定遊技状態ST4の最終ゲームとなる特図変動表示ゲームと、当該最終ゲームで存在し
た第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにわたって行われる。この演出により結果を
報知する対象となる特図変動表示ゲームは、実行中である特定遊技状態ST4の最終ゲー
ムとなる特図変動表示ゲームと、当該最終ゲームで存在した第2始動記憶に基づく特図変
動表示ゲームとなっている。第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果については
事前判定結果に基づき判定する。
図1-38(a)に示すように特定遊技状態ST4の最終ゲームが実行されている状態で所定タイミングとなると、図1-38(b)に示すように演出が開始される。この演出では表示領域にメーター表示85が行われ、メーター表示85の値が上限に達することで特別結果となることが示されるものとなっている。メーター表示85の値は普通変動入賞装置37への入賞に基づき増加するようになっている。
また、表示領域には普通変動入賞装置37を狙うために右打ちを指示する右打ち指示表示90がなされるとともに、普通変動入賞装置37への入賞を促す促進表示98がなされる。なお、図1-32(a)に示したような普通変動入賞装置37を示す説明画像91を表示しても良い。
普通変動入賞装置37への入賞があると、図1-38(c)に示すように普通変動入賞装置37の近傍となる表示領域の右端部にエフェクト表示99が行われるとともに、当該エフェクト表示99がメーター表示85に移行してメーター表示85の値が増加する。
図1-38(d)に示すように第2始動記憶が上限値に達すると、メーター表示85への値の加算を行う期間の残り時間を示す残り時間表示89がなされる。第2始動記憶が上限値に達してもメーター表示85の値が上限に達しないようにし、促進表示98及び右打ち指示表示90を継続するとともに残り時間表示89を行うことで、残り時間中に遊技者が止め打ちしないようにすることができ、遊技機の稼働率の低下を防止できる。
ここでは3つ目に消化される第2始動記憶の結果が特別結果となることが事前判定結果により判明しており、図1-38(e)に示すようにメーター表示85が上限に達し、図1-38(f)、(g)に示すようにメーター表示85が上限に達したことに対応する演出が開始される。このメーター表示85が上限に達したことに対応する演出の実行中に結果がはずれとなる特図変動表示ゲームが消化され、図1-38(h)に示すように3つ目に消化される第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの終了とともに最終的に特別結果が導出される。
図1-39にはメーター表示85が上限に達しない場合を示した。図1-39(a)に示すようにメーター表示85が上限に達せずにメーター表示85への値の加算を行う期間が終了すると、図1-39(b)、(c)に示すようにメーター表示85が上限に達しなかったことに対応した演出が開始される。この演出では特定遊技状態ST4が終了する旨の報知がなされる。
対象となる特図変動表示ゲームに特別結果となるものがない場合は、図1-39(d)に示すようにこの演出の実行中にすべての第2始動記憶が消化され、図1-39(e)に示すように通常遊技状態ST1に移行する。
一方、対象となる特図変動表示ゲームに特別結果となるものがある場合は、図1-39(c)の状態から図1-39(f)に示すように特定遊技状態ST4が終了する旨の報知が中止され、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームが消化された後に図1-39(g)に示すように最終的に特別結果が導出される。
このように複数の特図変動表示ゲームを一連の演出で行うことで、特定遊技状態ST4
の最終ゲームと残保留消化状態ST5での最大で4つの第2始動記憶に基づく第2特図変
動表示ゲームが一の特図変動表示ゲームであるかのように見せることができる。一連の演
出に複数の特図変動表示ゲームが含まれることで、この一連の演出において特別結果とな
る可能性が高まるので、特定遊技状態ST4の終了時には特別結果となる可能性が高いと
いう印象を与えることができ、遊技の興趣を効果的に向上することができる。
なお、図1-38、図1-39に示した演出は特定遊技状態ST4の終了条件としてサポートB又はサポートCが選択された場合に行うとしたが、特定遊技状態ST4の終了条件としてサポートAが選択された場合に実行することも可能である。
また、特別結果として大当りが導出される場合に限られず、小当り、サポ当りとなる場
合も同様の演出を実行可能である。
また、天井に到達する所定ゲーム前から天井に到達するゲームにわたり上記したような
演出を行い、メーター表示85が上限まで達することで天井の到達に到達する報知するよ
うにしても良い。この場合、天井に到達しない場合にも同様の演出を行い、メーター表示
85が上限に達せずに終了するようにしても良い。
次に、表示装置41に表示される遊技機の所定箇所を示す画像について説明する。
表示装置41には、遊技者に操作や遊技球の入賞を促すために遊技機の所定箇所を示す画像を表示することが可能である。例えば、図1-31(f)に示したように特別変動入賞装置38への入賞を促すために特別変動入賞装置38を示す画像である説明画像91を表示することが可能である。また、図1-32(b)に示すように普通変動入賞装置37への入賞を促すために普通変動入賞装置37を示す画像である説明画像91を表示することが可能である。また、図1-32(g)に示したように演出ボタン25の操作を促すために演出ボタン25を示す画像である要求表示96や待機表示92を表示することが可能である。これらの画像は、表示する遊技機の所定箇所に応じて定められる表示態様で表示するようになっている。
図1-40(a)には図1-31(f)に示した説明画像91を示し、図1-40(b)には図1-32(b)に示した説明画像91を示し、図1-40には図1-32(g)に示した要求表示96を示した。なお、待機表示92は要求表示96と大きさが違うのみで同じ表示である。図1-40に示したものはいずれも表示装置41に表示される画像であるが、説明のために画像の中の対応する部材に対応する符号を付している。
本実施形態では、遊技盤30の所定箇所を示す画像は正面視の画像で表示するようになっている。すなわち、図1-40(a)、(b)に示すように遊技盤30に設けられた特別変動入賞装置38や普通変動入賞装置37を示す説明画像91は正面視の画像で表示するようになっている。
遊技盤30の所定箇所としては、この他に下演出装置44aや上演出装置44bのよう
な盤演出装置44や、普図始動ゲート34、始動入賞口36、特別変動入賞装置38内の
特定領域(V入賞口)などが挙げられる。
これに対して遊技盤30を保持する前面枠12の所定箇所を示す画像は斜視の画像で表示するようになっている。すなわち、図1-40(c)に示すように前面枠12に設けられた演出ボタン25を示す要求表示96の画像は斜視の画像で表示するようになっている。斜視の角度については遊技者の見た目に近い角度とすることが好ましいが、これに限られるものではない。
前面枠12の所定箇所としては、十字キー29、貸出ボタン27a、返却ボタン27b
、残高表示器27c、上皿操作レバー27d、音量調整用ボタン27e、携帯端末置き部
28、枠装飾装置18、スピーカ19、上皿21、下皿23、下皿23の球抜き用レバー
、ハンドル24などが挙げられる。また、本実施形態の遊技機には設けられていないが、
遊技者が操作可能なレバーやスティック、タッチパネル、店員を呼び出すための呼び出し
ボタンなどを前面枠12に備えていても良い。
遊技盤30は遊技者の視点の正面に位置しており、前面枠12はその大部分が遊技者の
視点の正面に位置していない。すなわち、遊技者の視点から遊技機の所定箇所を見た時に
、遊技盤30の所定箇所よりも前面枠12の所定箇所の方が斜視の度合いが大きくなる。
このため、遊技盤30の所定箇所を示す画像については正面視の画像とした方が遊技者の
見た目に近い表示となり理解しやすくなり、前面枠12の所定箇所を示す画像については
斜視の画像とした方が遊技者の見た目に近い表示となり理解しやすくなる。
また、遊技盤30の所定箇所を示す画像は、対象となる部材の他に周囲にある他の部材も含めて表示するようになっている。例えば、図1-40(a)に示した特別変動入賞装置38を示す画像では、周囲にある普通変動入賞装置37やセンターケース40、一括表示装置50を含めて表示している。また、図1-40(b)に示した普通変動入賞装置37を示す画像では、周囲にある特別変動入賞装置38やセンターケース40、一括表示装置50を含めて表示している。対象となる部材の周囲にある他の部材とは、対象となる部材の機能とは異なる機能を発揮する部材である。例えば、特別変動入賞装置38を対象となる部材として示す画像では、普通変動入賞装置37やセンターケース40、一括表示装置50は特別変動入賞装置38とは機能が異なるものであるので他の部材となる。
これに対して前面枠12の所定箇所を示す画像は、対象となる部材のみを表示するようになっている。すなわち、対象となる部材の機能とは異なる機能を発揮する部材を含まずに表示するようになっている。例えば、図1-40(c)に示した要求表示96では、演出ボタン25のみを表示している。
また、前面枠12の所定箇所を示す画像が表示対象とする範囲は、遊技盤30の所定箇
所を示す画像が表示対象とする範囲よりも狭い範囲となっている。
遊技盤30は多くの部材が狭い範囲に配置されているので、対象となる部材の他に周囲
の部材も含めて表示することで、遊技者が対象となる部材を見つけやすくなる。また、各
部材が狭い範囲に配置されているので、対象となる部材の他に周囲の部材も含めて表示し
ても対象となる部材が小さく表示されることがない。
これに対して前面枠12は遊技盤30よりも大きいため離れて配置されている部材が多
く、対象となる部材の他に周囲の部材も含めて表示すると広い範囲を小さい画像で表示す
ることとなり対象となる部材が小さく表示されて分り難い表示となってしまう。また、各
部材が離れて配置されているので、対象となる部材のみを表示しても遊技者が容易に対象
となる部材を見つけることができる。
また、遊技盤30の所定箇所を示す画像は、対象となる部材に近い位置に表示するようになっている。例えば、図1-31(f)に示したように特別変動入賞装置38を示す画像では、表示領域の右下側に表示している。また、図1-32(b)に示したように普通変動入賞装置37を示す画像では、表示領域の右側に表示している。
これに対して前面枠12の所定箇所を示す画像は、対象となる部材の位置とは関係なく表示するようになっている。例えば、図1-32(g)に示したように要求表示96は表示領域の中央に表示しており、待機表示92は表示領域の左側に表示している。
遊技盤30は表示装置41を中心として各部材が周囲に隣接して配されているので、表
示装置41と対象となる部材の距離が短く、対象となる部材の近くに画像を表示すること
で表示位置に基づいて対象となる部材を発見しやすくなる効果が高まる。
これに対して前面枠12の各部材は遊技盤30の各部材と比べて表示装置41からの距
離が長いため、表示位置に基づいて対象となる部材を発見する効果はそれほど高くなく、
演出表示のレイアウトを優先した方が装飾性が高まるので結果として興趣の高い表示とす
ることができる。
なお、画像を正面視とするか斜視とするかについては、対象となる部材が遊技盤30に
あるか前面枠12にあるかにより分けるようにしたが、これに限られるものではなくその
他の要因に基づいて分けるようにしても良い。
例えば、制限時間を表示するものについては斜視で表示し、制限時間を表示しないものは正面視で表示するようにしても良い。上述の例では、図1-32(g)に示した要求表示96は、操作の制限時間を示すメーター表示を併せて行うので斜視で表示する。また、図31(e)に示した特別変動入賞装置38を示す画像や、図1-32(b)に示した普通変動入賞装置37を示す画像では入賞の制限時間を表示しないので正面視で表示する。
制限時間のあるものについては遊技者からの見た目に近い表示とすることで、遊技者が
対象となる部材を発見しやすくなり、制限時間内に対処することが容易となる。制限時間
の表示がないものについては慌てて対処する必要がないものであり、遊技者以外の者に対
しても何が起こっているのかやどこを示しているのかを直感的に理解させることができる
また、画像を正面視とするか斜視とするかについて、対象となる部材の位置により分け
るようにしても良い。例えば、遊技者の視点を仮定し、当該視点からの視角が所定範囲と
なる位置にあるものは正面視とし、所定範囲外となる位置にあるものは斜視とするように
しても良い。この場合、遊技者の視点がおおよそ遊技盤の中心にあるものとし、遊技領域
32の上端から下端までの範囲に位置する部材は正面視とし、遊技領域32の上端よりも
上方又は遊技領域32の下端よりも下方に位置する部材は斜視としても良い。このように
することで、遊技者からの見た目に近い画像とすることができる。
また、遊技者が操作不能な箇所を示す画像は正面視で表示し、遊技者が操作可能な箇所
を示す画像は斜視で表示するようにしても良い。例えば、特別変動入賞装置38や普通変
動入賞装置37は遊技者が操作不能なものであるので正面視で表示し、演出ボタン25は
遊技者が操作可能なものであるので斜視で表示する。
また、ガラス枠15の所定箇所を示す画像の場合は、ガラス枠15が前面枠12の一部
分であることから前面枠12の表示態様に合わせて斜視としても良いし。ガラス枠が遊技
者の略正面に位置することから遊技盤30の表示態様に合わせて正面視としても良い。ま
た、ガラス枠15の所定箇所のうち、遊技領域32の上端から下端までの範囲に位置する
部材は正面視とし、遊技領域32の上端よりも上方又は遊技領域32の下端よりも下方に
位置する部材は斜視としても良い。
また、表示態様を正面視と斜視で分けるようにしたが、動画と静止画で分けるようにし
ても良い。この場合、上述した分け方に倣い正面視としたものは静止画とし、斜視とした
ものは動画とするようにしても良い。また、例えば、演出ボタン25や特別変動入賞装置
38、普通変動入賞装置37のように動作のある部材を示す画像は動画で表示し、普図始
動ゲート34のように動作のない部材を示す画像は静止画で表示するようにしても良い。
このようにすることで、動作についても示すことができて遊技者が理解しやすくなる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行可能な遊技機において、情報を
表示可能な表示手段(表示装置41)と、表示手段を制御する演出制御手段(演出制御装
置300)と、を備え、演出制御手段は、表示手段に遊技機の所定箇所を示す画像を表示
可能であり、所定箇所に応じて定められる表示態様で表示することが可能であることとな
る。
したがって、遊技者に分りやすい表示とすることができ、遊技の進行がスムーズになっ
て遊技の興趣を向上することができる。
また、遊技球が流下する遊技領域32を備えた遊技盤30と、遊技盤30を保持する前
面枠12と、を備え、演出制御手段は、遊技盤30の所定箇所を示す画像は正面視の画像
で表示し、前面枠12の所定箇所を示す画像は斜視の画像で表示することとなる。
したがって、遊技者の見た目に近い表示とすることができて遊技者に分りやすい表示と
することができ、遊技の進行がスムーズになって遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、遊技者が操作不能な所定箇所を示す画像は正面視の画像で表示
し、遊技者が操作可能な所定箇所を示す画像は斜視の画像で表示することとなる。
したがって、遊技者に分りやすい表示とすることができ、遊技の進行がスムーズになっ
て遊技の興趣を向上することができる。
次に、遊技者による選択を可能とする項目の選択態様について説明する。
遊技機においては音量や輝度、各種の設定など、遊技者が選択可能な項目が設定されて
いる。これらの選択は遊技者が十字キー29などの操作部を操作することで行うようにな
っている。この選択可能な項目や選択態様は遊技状態に基づき設定されるようになってい
る。
図1-41には、選択態様の一例を示した。第1期間をなす特図変動表示ゲームの実行中では、遊技者が十字キー29を押下すると図1-41(a)に示すように音量や輝度を選択するための選択画像79が表示され、音量や輝度の選択が可能となる。ここでは、十字キー29の右ボタン29cを操作することで音量を大きくすることが可能であり、十字キー29の左ボタン29eを操作することで音量を小さくすることが可能である。また、十字キー29の上ボタン29bを操作することで輝度を高くすることが可能であり、十字キー29の下ボタン29dを操作することで輝度を低くすることが可能である。
この第1期間の選択態様においては、音量が最大の状態で十字キー29の右ボタン29
cを操作しても音量は変化せず音量が最小の状態に移行することはない。また、音量が最
小の状態で十字キー29の左ボタン29eを操作しても音量は変化せず音量が最大の状態
に移行することはない。すなわち、選択肢がループしないようになっている。
また、輝度が最高の状態で十字キー29の上ボタン29bを操作しても輝度は変化せず
輝度が最低の状態に移行することはない。また、輝度が最低の状態で十字キー29の下ボ
タン29dを操作しても輝度は変化せず輝度が最大の状態に移行することはない。すなわ
ち、選択肢がループしないようになっている。
選択肢がループしない場合は選択画像79に示した十字キー29の操作を説明するため
の三角形の表示79aが白色とされる。音量や輝度のように値の大小を選択する項目につ
いては選択肢をループしないようにすることで意図しない値に移行してしまうことを防止
し、確実な選択ができるようにしている。
第2期間をなす特別遊技状態ST4において遊技者が十字キー29を押下すると、図41(b)に示すように音量や楽曲を選択するための選択画像79が表示され、音量や楽曲
の選択が可能となる。ここでは、十字キー29の右ボタン29cを操作することで音量を
大きくすることが可能であり、十字キー29の左ボタン29eを操作することで音量を小
さくすることが可能である。また、十字キー29の上ボタン29bを操作することで楽曲
を選択するカーソルが上に移動し、十字キー29の下ボタン29dを操作することで楽曲
を選択するカーソルが下に移動する。
この第2期間の選択態様においては、音量が最大の状態で十字キー29の右ボタン29
cを操作しても音量は変化せず音量が最小の状態に移行することはない。また、音量が最
小の状態で十字キー29の左ボタン29eを操作しても音量は変化せず音量が最大の状態
に移行することはない。すなわち、選択肢がループしないようになっている。
また、楽曲を選択するカーソルが上端(楽曲A)の位置にある状態で十字キー29の上
ボタン29bを操作するとカーソルが下端(楽曲C)の位置に移動する。また、楽曲を選
択するカーソルが下端(楽曲C)の位置にある状態で十字キー29の下ボタン29dを操
作するとカーソルが上端(楽曲A)の位置に移動する。すなわち、選択肢がループするよ
うになっている。選択肢がループする場合は選択画像79に示した十字キー29の操作を
説明するための三角形の表示79aが黒色とされている。
楽曲の選択のように値の大小を選択するものでない項目については、選択肢をループす
るようにすることで選択を容易にするとともに、ボタンを長押ししてカーソルを順次移動
させて任意のタイミングでボタンを離す操作を行うことでランダムな選択も可能としてい
る。
第3期間をなす客待ち状態において遊技者が十字キー29を押下すると、図1-41(c)に示すように各種設定を選択するための選択画像79が表示され、各種設定の選択が可能となる。ここでは、十字キー29の右ボタン29cを操作することで表示領域の上部に表示された設定を行う項目を選択するカーソルが右に移動し、十字キー29の左ボタン29eを操作することで設定を行う項目を選択するカーソルが左に移動する。また、十字キー29の上ボタン29bを操作することで表示領域の右下部に表示された詳細な設定項目を選択するカーソルが上に移動し、十字キー29の下ボタン29dを操作することで詳細な設定項目を選択するカーソルが下に移動する。
この第3期間の選択態様においては、設定を行う項目を選択するカーソルが右端(輝度
)の位置にある状態で十字キー29の右ボタン29cを操作するとカーソルが左端(キャ
ラ選択)の位置に移動する。また、設定を行う項目を選択するカーソルが左端(キャラ選
択)の位置にある状態で十字キー29の左ボタン29eを操作するとカーソルが右端(輝
度)の位置に移動する。すなわち、選択肢がループするようになっている。
また、詳細な設定項目を選択するカーソルが上端(キャラA)の位置にある状態で十字
キー29の上ボタン29bを操作してもカーソルは移動せず、カーソルが下端(終了)の
位置に移動することはない。また、詳細な設定項目を選択するカーソルが下端(終了)の
位置にある状態で十字キー29の下ボタン29dを操作してもカーソルは移動せず、カー
ソルが上端(キャラA)の位置に移動することはない。すなわち、選択肢がループしない
ようになっている。この詳細な設定項目では、選択した項目を確定して選択を終了する「
終了」の項目が含まれており、選択肢をループしないことで、確実に「終了」の選択がで
きるようにしている。
以上のように、選択を行う期間によって選択態様が異なるようにされている。十字キー
29の上ボタン29b及び下ボタン29dについては、第1期間では選択肢がループせず
、第2期間では選択肢がループし、第3期間では選択肢がループしない。十字キー29の
右ボタン29c及び左ボタン29eについては、第1期間及び第2期間では選択肢がルー
プせず、第3期間では選択肢がループする。
なお、選択可能な項目をすべて同時に表示せずに一部の項目のみを表示し、操作部の操
作に応じて表示される項目が順次変化するような表示態様とすることも可能である。この
ような表示態様とする場合に選択肢をループさせるようにしても良い。
また、ここで示したように十字キー29の押下により選択画像79が表示されるように
することは、要求していない十字キー29の操作が行われた場合に、当該操作に対応した
演出として選択画像79を表示しているものとも言える。
<第2実施形態>
図2-1から図2-37を参照して、第2実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1の実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用いる。
図2-1は、本実施形態の遊技機10の正面図であり、図2-2は、本実施形態の遊技機10の前面側斜視図である。
図2-1及び図2-2に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2-3参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明板保持枠)15が取り付けられている。
ガラス枠15には、カバーガラス14の後方となる位置に遊技盤30の前面を覆う表示
板350が設けられている。表示板350は遊技盤30を透視可能であるとともに、所定
の表示を表示可能となっている。本実施形態の遊技機では、側端から光を導入することで
像が浮かび上がる導光板で構成されているが、透明な液晶表示装置やEL表示装置で構成
されていても良い。
表示板350に所定の表示がされていない状態では透明であって後方の遊技盤30の視
認を妨げないようになっている。そして、表示板350に所定の表示がされた場合には、
当該所定の表示の部分では後方の遊技盤30の視認性が低下することとなる。この状態で
は、所定の表示を透して後方の遊技盤30が視認可能であっても良いし、所定の表示によ
り後方の遊技盤30が視認不能であっても良い。
ガラス枠15の上部には、遊技機10の機種名等を表示する機種名等表示部16が設け
られている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異
常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例
えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例え
ば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠
12及びガラス枠15の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また
、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声
で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報
知用のランプを設けるようにしても良い。
また、ガラス枠15の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25a(図2-5参照)を内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25には、当該演出ボタン25を振動させる駆動源も内蔵されている。すなわち、本実施形態の遊技機10は、演出ボタン25を振動させることで所定の報知を行うバイブレーション機能を備えている。なお、演出ボタン25は、通常状態(図2-1や図2-2に示す状態)から突出状態(演出ボタン25の上面(押圧面)が通常状態時よりも上側にある状態)に変換可能に構成されていても良い。
前面枠12の下部には、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する
下皿(受皿)23、打球発射装置のハンドル24等が設けられている。さらに、前面枠1
2の下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入する
ための鍵穴26が設けられている。
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に
操作する貸出ボタン(球貸ボタン)27a、球貸機のカードユニットからプリペイドカー
ドを排出させるために操作する返却ボタン(排出ボタン)27b、プリペイドカードの残
高を表示する残高表示器(残高表示部)27c、上皿21内の遊技球を下皿23へ流下さ
せるために操作する上皿操作レバー27d、遊技者が所有するスマートフォンなどの携帯
端末を置くための携帯端末置き部28等が設けられている。また、演出ボタン25の左方
には、音量調整用ボタン27e、十字キー29等が設けられている。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者がハンドル24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25や十字キー29を操作することによって、表示装置41(図2-3参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2-3を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2-3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
図2-3に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体を備える。遊技盤本体は木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体の前面には、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及び外周壁(ガイドレール)31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、外周壁31で囲まれた遊技領域32内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンター
ケース40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複
数の識別情報を変動表示する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置
されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン
管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表
示領域)には、演出画像として静止画や動画を表示可能であり、例えば、複数の識別情報
(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等
の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として
割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対
応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出
のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画
像等)が表示される。
センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側
に導くためのワープ流路を形成するワープ流路形成部材614と、当該ワープ流路を通過
した遊技球が転動可能なステージ部620とが設けられている。センターケース40のス
テージ部620は、始動入賞口36の上方に配置されているため、ステージ部620上で
転動した遊技球は始動入賞口36に入賞し易くなっている。
また、センターケース40の上部及び下部には、動作することによって遊技の演出を行
う盤演出装置44が備えられている。センターケース40の下部に設けられた下演出装置
44aは、センターケース40の下部の位置と、この位置よりも表示装置41の中央側の
位置である位置との間で動作可能となっている。
センターケース40の上部に設けられた上演出装置44bは、センターケース40の上
部の位置と、この位置よりも表示装置41の中央側の位置である位置との間で動作可能と
なっている。また、この上演出装置44bは、プロペラを模した回転する動作部材44c
を有しており、動作部材44cの動作によっても演出を行うことが可能である。
すなわち、下演出装置44aが動作可能な第1可動部材を有する第1可動役物をなし、
上演出装置44bが動作可能な第2可動部材を有する第2可動役物をなす。
センターケース40の右方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ34a(図2-4参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には、3つの一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右方の遊技領域32には、1つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ35a(図2-4参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図2-4参照)によって検出される。
センターケース40の右方には、特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図2-4参照)によって検出される。
普通変動入賞装置37は、可動部材37bを備えており、この可動部材37bは常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定結果となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図2-4参照)によって逆「ハ」の字状に動作され、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
なお、普通変動入賞装置37は、可動部材37bが閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としても良い。
センターケース40の右下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が設けられている。特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、開放により上大入賞口を遊技球が流入可能な状態に変換する。特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって、大入賞口を閉じた閉状態から開状態に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。特別変動入賞装置38に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図2-4参照)によって検出される。
大入賞口の内部(入賞領域)には、遊技球が流入可能な特定領域が設けられているとともに、当該特定領域への遊技球の流入確率を変化させるようにレバーソレノイド38f(図2-4参照)により動作するレバー部材が設けられている。特定領域には遊技球の流入を検出可能な特定領域スイッチ38d(図2-4参照)が設けられており、当該特定領域スイッチ38dで遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態が発生する(本実施形態では、特別遊技状態が発生する)ようになっている。特定領域に流入した遊技球は特別変動入賞装置38の外部へ排出される。
また、大入賞口の内部には、特定領域に流入せずに特別変動入賞装置38の外部へ排出される遊技球を検出する残存球排出口スイッチ38e(図2-4参照)が設けられている。大入賞口の内部に設けられた大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数(大入賞口に流入した遊技球数)と、特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数(大入賞口から排出される遊技球数)とが一致することにより上大入賞口内の遊技球が全て排出されたことを確認でき、基本的にはこの確認が終了するまでは新たな大入賞口の開放が行われないようになっている。
始動入賞口36の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体80の右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、特図1変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)
51及び特図2変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52と、特図1
変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器53及び特図2変動表示ゲームの
始動記憶数報知用の特図2保留表示器54とを備える。
また、一括表示装置50は、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数
)を表示するラウンド表示部55と、遊技機10の遊技状態を表示する遊技状態表示部5
6とを備えている。この遊技状態表示部56には、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊
技者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部56a
、時短状態(変動時間短縮機能作動時)であることを報知する第2遊技状態表示部56b
、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを報知する
第3遊技状態表示部56cが設けられている。なお、本実施形態の遊技機では、特図確率
は常に一定となっているため、第3遊技状態表示部56cは使用しない。
さらに、一括表示装置50は、普図変動表示ゲーム用の普図表示器57、普図変動表示
ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器58を備えている。
図2-4は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御
する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコ
ンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出
力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力
部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CP
U)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み
、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有
する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモ
ータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5
Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC-DC
コンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電
圧を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン1
11の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、
停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や
リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが
、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制
御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及
び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電
源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成
部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成
することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(
特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが
保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、停電が発生し当該遊技
機への電源供給が停止しても遊技に関する情報を記憶保持可能であるとともに、停電復旧
後には記憶保持された情報に基づき遊技を再開可能とする遊技情報記憶保持手段をなす。
制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視して
それが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるととも
に、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点
から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このR
AM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき
遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶され
ている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化
スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行す
るメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割
込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A
、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRA
M(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作
業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM11
1Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ
状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パター
ンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている
変動パターン乱数1~3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテー
ブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるは
ずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテ
ーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の
変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテー
ブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前
半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パター
ン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置
が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特
別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)
となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、
既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をい
う。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示
結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からは
ずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しなが
ら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態
に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示
される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に
決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条
件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表
示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情
報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものであ
る場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同
一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての
変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示
領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、
ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表
示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可
能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペ
シャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3
リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチな
し<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<
プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも
特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動
表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が
導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれること
もある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大
当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装
置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや
表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しない
が、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や
大当りの図柄を決定するための特図図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各
種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定す
るための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生
成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づ
いてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生
成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111B
に記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブ
ルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り
、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(低確
率状態或いは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの
中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111A
は、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パタ
ーンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得
手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフ
ェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従っ
て、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また
、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの
払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電
波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の
始動口2スイッチ37a、一般入賞口35内の入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置
38内の大入賞口スイッチ38a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、特別
変動入賞装置38内に配設される特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38
e、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球(セーフ球及びアウト球)を検
出するアウト球検出スイッチ32aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレ
ベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理
の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I
/F121は、入力の範囲が7V-11Vとされることで、センサや近接スイッチのリー
ド線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線
が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知
信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124又は第4入
力ポート126へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれ
る。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ
37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a及びゲートスイッチ34aの検
出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、特
定領域スイッチ38d、残存球排出口スイッチ38e及びアウト球検出スイッチ32aの
検出信号は第4入力ポート126へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、
盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常
検知信号は第3入力ポート124に入力される。
また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用
の磁気センサ61の検出信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65の検出信号、
遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊
技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号
も入力されるようになっている。
さらに、第3入力ポート124には、設定キー操作部の操作を検出する設定キースイッ
チ152からの信号が入力される。設定キー操作部は、設定キーを差し込む鍵穴を備え、
対応する設定キーを差し込んだ場合にのみ第1位置から第2位置(所定状態)へ当該設定
キーを回すことができるように構成されている。設定キースイッチ152は、第2位置に
回した状態となっていることを検出可能なセンサであり、第2位置に回した状態である場
合にオン状態となり、第2位置に回していない状態である場合にオフ状態となる。
RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、特図変動表示ゲームで特別結果と
なる確率値が割り当てられた確率設定値を複数から選択するための操作部であり、これら
の操作部を操作することで、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられ
た確率設定値を選択することができ、選択された確率設定値に対応する確率値が遊技で使
用されるようになっている。ここでは確率設定値として“設定1”~“設定6”の6つが
用意されている。
確率設定値を選択する際には、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態でR
AM初期化スイッチ112を操作(押下)しながら遊技機の電源を投入することで確率設
定値を変更可能な確率設定値変更モードとなり、確率設定値変更モード中にRAM初期化
スイッチ112を操作(押下)することで確率設定値を変更することができるようになっ
ている。選択されている確率設定値は、算出されたベース値や役物比率を表示するための
性能表示装置153に表示される。具体的には、性能表示装置153には、確率設定値に
関する操作をしている間(確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである間)は確
率設定値の情報が表示され、それ以外では算出されたベース値や役物比率が表示されるよ
うになっている。
また、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態(RAM初期化スイッチ11
2は操作しない)で遊技機の電源を投入することで、現在選択されている確率設定値が性
能表示装置153に表示されるが確率設定値の変更はできない確率設定値確認モードとな
る。なお、RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、前面枠12を開状態とし
なければ操作できないようにされている。
性能表示装置153は7セグメント式のディスプレイであり、確率設定値を1~6の数
字で表示するようになっている。もちろん表示態様はこれに限られず、確率設定値を認識
できる表示態様であれば良い。また、液晶表示装置など他の形式の表示装置でも良いし、
一又は複数のLEDの点灯態様や発光色等により確率設定値を示すものであっても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力及び第4入力ポ
ート126への出力(アウト球検出スイッチ32aの検出信号は除く)は、主基板100
から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さ
らに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37
aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように
構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル
変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動
作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポー
ト123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE
2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポ
ート124や第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設
けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号
(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステー
タス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の
遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以
上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチ
スイッチ信号(ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込
んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が
設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信
号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられてお
り、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。
電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッ
チ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイ
コン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として
扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には
制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、
遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部
130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さず
に直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポ
ート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リ
セット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するように
してもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,
124,126には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン
111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止す
るためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の
各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセ
ットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊
技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ
132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置
200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊
技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試
験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号
などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。この
バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技
制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力され
る始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さず
に中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62や振動センサ65のようにそのままでは試射
試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号
若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラ
ー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置
へ供給される。なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込ん
で試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を
中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用
マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより
選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続された第2出力ポート134が設け
られている。第2出力ポート134は、特別変動入賞装置38を開成させる大入賞口ソレ
ノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、特別変動入賞装置38内のレバー部材を動作さ
せるレバーソレノイド38f及び普通変動入賞装置37を開成させる普電ソレノイド37
cの動作データを出力するとともに、現在選択されている確率設定値を表示する性能表示
装置153の表示データを出力するためのポートである。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード
端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート
135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/
オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板7
1へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフ
ォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部
管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外
部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシ
ュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド
38bやレバーソレノイド38fや普電ソレノイド37cの動作データ信号を受けてソレ
ノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート1
35から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号
を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置5
0の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c
、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端
子板71へ出力する第4ドライバ138d、第2出力ポート134から出力される性能表
示装置153の表示データ信号を受けて駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138e
が設けられている。なお、第2出力ポート134から第5ドライバ138eへは、シリア
ル通信でデータが送信される。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため
、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。第5ドライバ138eに
は、5Vで動作する性能表示装置153を駆動できるようにするため、電源電圧としてD
C5Vが電源装置400から供給される。
また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC1
2Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じた
デジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれ
であってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード
端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よ
りセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択された
LEDに電源電圧が流れて点灯される。
外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号
に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。
なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御
装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるように
してもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラ
ムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ13
9は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送
受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通
常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を
利用して行われるため、入力ポート122,123,124,126のようなポートは設
けられていない。
なお、特に限定されるわけではないが、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、
普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口ス
イッチ38a、ゲートスイッチ34aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が
近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(
以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に
設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠
開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができ
る。
次に、図2-5を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC
)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマン
ドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロ
セッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音
などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314
を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したP
ROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領
域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFe
RAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段を
なすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン
311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン
311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マ
イコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してV
DP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ラ
ンプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理する
ためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映
像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラク
タなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデ
オRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パ
ラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを
送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することがで
きる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や
遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYN
C、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312
から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割
込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの
状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する
映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回
路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力
されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介し
て表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主
制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続
されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INT
が入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた
上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパ
ワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成さ
れた音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力さ
れる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受
信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンド
I/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特
図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御
指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111
はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動
作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられ
ているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制
御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾
装置(例えば表示板350を含む枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回
路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(
例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制
御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドな
どを駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介
して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演
出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置
を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵さ
れている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられた十字キー29、盤演出装
置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)
のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出
制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン
311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300
やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モ
ータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モー
タやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5
Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するよう
に構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2V
のような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3V
やDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられ
る。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マ
イコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン
311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314
、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなど
を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリ
セット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FA
N45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆
動するようにされている。
以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合
は、単に特図変動表示ゲームと称する。また、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変
動表示ゲームを区別しない場合は、単に飾り特図変動表示ゲームと称する。また、大当り
(第1特別結果)と小当り(第2特別結果)を区別しない場合は、単に当り(特別結果)
と称する。また、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態と、小当りに基づ
く特別遊技状態である第2特別遊技状態と、を区別しない場合は、単に特別遊技状態と称
する。
なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果(第1特別結果)であり、小当りは条
件装置の作動を伴わない特別結果(第2特別結果)である。条件装置とは、特図変動表示
ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が
作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38
を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動され
る)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場
合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記の
ようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良い
し、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、
「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチン
コ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様
な意味を有する用語として使用している。
本実施形態の遊技機10では、打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図2-4参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球
を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や、当該始動入賞口36の左方に配
設された一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわ
ゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置
38、一般入賞口35への入賞を狙うことができるようになっている。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための
非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34aが設けられており、遊技領域32
内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aに
より検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普
図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基
づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1
)してRAM111Cに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一
括表示装置50の普図保留表示器58に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートス
イッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結
果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変
動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状
態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り
判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの
当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値
が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普
図特定結果)が導出されることとなる。
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置
50に設けられた普図表示器57に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パ
ターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じ
た点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
なお、普図表示器57を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、
キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表
示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器57に特別の結果態様となる点
灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装
置37の可動部材を所定時間(例えば、24ms又は1648ms)開放する制御を行う
。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材)の変換制御を行う変換制御実
行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器57には
ずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
また、始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内
部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、始動入賞口36への
入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4
個)を限度に記憶するとともに、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図
始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。始動
入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当
り乱数値や特図図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており
、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Cに記憶される
。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留
表示器53や特図2保留表示器54に表示されるとともに、センターケース40の表示装
置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、第1始動記憶に基づいて特図1表示器51(第1変動表示装置
)で特図1変動表示ゲームを行い、第2始動記憶に基づいて特図2表示器52(第2変動
表示装置)で特図2変動表示ゲームを行う。そして、第1始動記憶と第2始動記憶との両
方が記憶されている場合には、特図2変動表示ゲームを特図1変動表示ゲームよりも優先
して実行する。
すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、始動入賞口36(第1始動入賞領
域)への遊技球の入賞に応じて記憶される第1始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム
(第1特図変動表示ゲーム)の実行制御を行うとともに、普通変動入賞装置37(第2始
動入賞領域)への遊技球の入賞に応じて記憶される第2始動記憶に基づいて特図2変動表
示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う実行制御手段をなす。そして、実
行制御手段は、第1始動記憶及び第2始動記憶が記憶されている状態で、第2始動記憶に
基づく特図2変動表示ゲームを第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームよりも優先し
て実行するように構成されている。
特図1表示器51及び特図2表示器52では、変動表示を行った後、所定の結果態様を
停止表示する。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特図1表示器
51若しくは特図2表示器52の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当
り結果態様)となって大当りとなり、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)となる。
また、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図
2表示器52の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態様)とな
って小当りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち、特図1
表示器51が、始動入賞口36への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲーム(特図1変
動表示ゲーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。また、特図2表示器52が、普通
変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム
)を表示可能な第2変動表示手段をなす。
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、大当り遊技状態(第1特別遊技状態)
の終了後、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状況(当り確率が高確率であることや普電
サポートがあること)で遊技を進行可能な遊技状態(特定遊技状態)を発生させる制御を
行うことが可能である。すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100が特定遊技状態
発生手段をなす。
また、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの実行に対応して、表示装置41
にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特
図変動表示ゲームが実行されるようになっている。表示装置41での飾り特図変動表示ゲ
ームには、特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームと、特図2変動表
示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームとがあり、これらは別々の表示領域に表示
される。そして、対応する特図変動表示ゲームの変動に伴い変動表示が行われ、対応する
特図変動表示ゲームでの結果態様の導出に伴い結果に対応した表示が行われる。
すなわち、表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)及び第2変
動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動表示する飾り変動
表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段をなす。なお、飾
り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームで別々の表示装置を使用するとして
も良いし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしても良い。また、遊技機1
0に特図1表示器51及び特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表
示ゲームを実行するようにしても良い。
図2-6に、本実施形態における振分率の一例を示す。
図2-6(a)は、特図変動表示ゲームの結果の振分率の一例である。特図変動表示ゲームの結果には、例えば図2-6(a)に示すように、大当り、小当り、サポ当り及びはずれの4種類がある。本実施形態において、大当りの振分率は特図1と特図2で共通となっているが、特図1と特図2で異なっていても良い。また、図2-6(a)において、大当りの振分率は、確率設定値が“設定1”である場合と、“設定2”である場合と、“設定3”である場合とで同一となっているが、異なっていても良い。また、図2-6(a)において、大当りの振分率は、確率設定値が“設定4”である場合と、“設定5”である場合と、“設定6”である場合とで同一となっているが、異なっていても良い。
また、図2-6(a)において、小当り及びサポ当りの振分率は、確率設定値にかかわらず同一となっているが、異なっていても良い。すなわち、本実施形態では、確率設定値の変更によって大当りの当選確率のみが変更され、小当り及びサポ当りの確率は変更されないようにされている。
また、小当りについては、特図2の方が特図1よりも振分率が高くなっている。これに
より、特図2の方が小当りとなる可能性が高くなり、小当りとなった場合は特定領域への
流入により第1特別遊技状態(大当り)となる可能性が高いことから、特図2の方が遊技
者にとって有利な特図変動表示ゲームとなっている。
図2-6(b)は、大当り種類の振分率の一例である。大当りには、例えば図2-6(b)に示すように、大当り図柄(大当りの結果態様)として5R大当りA図柄が停止表示される5R大当りAと、5R大当りB図柄が停止表示される5R大当りBと、10R大当りA図柄が停止表示される10R大当りA、10R大当りB図柄が停止表示される10R大当りBの4種類がある。
5R大当りAは、特別遊技状態のラウンド数が5ラウンドであり、特別遊技状態の終了
後にサポートAの普電サポート状態(特定遊技状態)となる。5R大当りBは、特別遊技
状態のラウンド数が5ラウンドであり、特別遊技状態の終了後にサポートBの普電サポー
ト状態となる。10R大当りAは、特別遊技状態のラウンド数が10ラウンドであり、特
別遊技状態の終了後にサポートBの普電サポート状態となる。10R大当りBは、特別遊
技状態のラウンド数が10ラウンドであり、特別遊技状態の終了後にサポートCの普電サ
ポート状態となる。
サポートA~Cは普電サポート状態の終了条件が異なるものであり図2-6(f)に示した条件を満たすことにより普電サポート状態が終了するようになっている。
図2-6(b)において、大当り種類の振分率は、特図変動表示ゲームが実行された遊技状態によって異なっており、通常遊技状態の場合は5R大当りA及び10R大当りAが選択可能である。特定遊技状態の場合は、5R大当りB、10R大当りA及び10R大当りBが選択可能である。なお、特図1と特図2でそれぞれ選択率が異なっていても良い。
図2-6(c)には小当り種類の振分率を示した。小当りAが最も振分率が高く、小当りB、小当りCの順に振分率が低くなっている。
また、小当りに基づく第2特別遊技状態で特別変動入賞装置38の特定領域へ遊技球が
流入したことにより発生する大当りについては、小当りの種類に基づき大当り種類が選択
される。小当りAに基づく第2特別遊技状態で特定領域へ遊技球が流入した場合は第1特
別遊技状態の終了後にサポートAの普電サポート状態となる。小当りBに基づく第2特別
遊技状態で特定領域へ遊技球が流入した場合は第1特別遊技状態の終了後にサポートBの
普電サポート状態となる。小当りCに基づく第2特別遊技状態で特定領域へ遊技球が流入
した場合は第1特別遊技状態の終了後にサポートCの普電サポート状態となる。なお、特
図1と特図2でそれぞれ振分率が異なっていても良い。
図2-6(d)は普図変動表示ゲームの一例である。普図変動表示ゲームの当り確率及び変動時間は遊技状態に関わらず一定である。また、普図変動表示ゲームが当りとなった場合における普通変動入賞装置37の開放時間は、普電サポート中である場合の開放時間(1648ms)の方が普電サポートでない場合の開放時間(24ms)よりも長くなっており入賞が容易となるようにしている。さらに、普電最大カウント数は1個とされており、普通変動入賞装置37に遊技球が1個入賞すると開放時間の経過前であっても普通変動入賞装置37を閉鎖するようになっている。
なお、普電サポートでない状態(第1状態)よりも普電サポートである状態(第2状態)の方が普通変動入賞装置37への入賞が容易となれば良く、確率、変動時間、開放時間又は普電最大カウント数のいずれか一つ又は複数を変化させるものであっても良い。
また、本実施形態の遊技機では、図2-6(e)に示すようにいわゆる天井機能が搭載されている。すなわち、ゲームの実行回数が天井回数(ここでは600)に達した場合に、特別遊技状態を発生せずにサポートCの普電サポート状態となるようにしている。ゲームの実行回数は、低確率状態時であれば普電サポートの有無にかかわらず常に計数を行い、高確率状態時には計数を中断する。本実施形態の遊技機では、特図確率は常に一定であるので常時計数する。また、ゲームの実行回数は、特図1変動表示ゲームを実行した回数と特図2変動表示ゲームを実行した回数の合計とする。
ゲームの実行回数の計数結果をクリアするタイミングは、天井回数への到達を契機とし
た普電サポート状態となったとき、条件装置が作動したとき(第1特別遊技状態)となっ
ている。なお、ゲームの実行回数の計数結果をクリアするタイミングは、適宜変更可能で
あり、例えば、RAM初期化スイッチ112を操作する際にゲーム実行回数のクリアを選
択したときや、RAMクリア時に替えて電源投入時としても良い。
また、RAMクリア時のうち、設定変更を伴わないRAMクリア時にはゲーム実行回数
の計測をクリアして、設定変更を伴うRAMクリア時にはゲーム実行回数の計測をクリア
しないようにしても良い。設定変更を伴わないRAMクリア時とは、例えば、設定キース
イッチ152はオンせずにRAM初期化スイッチ112をオンしながら電源投入した時な
どである。このように、設定変更を伴うRAMクリア時にはゲーム実行回数の計測をクリ
アしないようにすることで、設定変更が行われたことを判別しにくくすることが可能とな
る。
図2-6(f)には普電サポート状態(特定遊技状態)の終了条件を示した。
サポートAの普電サポート状態では、特図2変動表示ゲームの実行回数が10回となるか、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの合計実行回数が15回となるか、小当りAが3回導出されるか、小当りBが1回導出される、小当りBが1回導出されるか、のいずれかの条件を満たすことにより普電サポート状態が終了するようになっている。サポートB及びサポートCの普電サポート状態についても同様に、図2-6(f)に示したゲーム数を実行することや所定回数の小当りが導出されることにより普電サポート状態が終了するようになっている。
このように、複数種類ある小当りのそれぞれについて、終了条件となる導出回数を個別
に定めることが可能であるので、単に小当りの導出だけでなくその種類についても遊技者
が関心を持つようになり、遊技の興趣を向上することができる。
また、サポートCでは小当りAについて500回の導出を終了条件としているが、この導出回数が達成されることは困難である。すなわち、終了条件となる導出回数の設定により小当りAのように実質的に終了条件が成立しない小当り種類を設定することも可能であり、図2-6(c)に示したような小当り種類の振分率だけに縛られない多彩な終了条件を設定可能となるので遊技の興趣を向上することができる。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)〕
まず、遊技制御装置100の遊技制御による遊技状態の遷移(移行)について説明する。図2-7は、本実施形態における遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図(ゲームフロー)を例示する図である。
遊技状態には、通常遊技状態ST1、第1特別結果(大当り)に基づく第1特別遊技状
態ST2、第2特別結果(小当り)に基づく第2特別遊技状態ST3、特定遊技状態ST
4、残保留消化状態ST5がある。
各遊技状態では、演出制御装置300で制御されて遊技の演出態様を定める演出モード
、当該遊技状態において主に狙うべき始動領域である主始動領域、主として実行するべき
特図変動表示ゲームの種類である主変動特図、及び遊技球の発射方向が定められている。
本実施形態の遊技機10においては、左打ちにより始動入賞口36への入賞を狙うこと
ができ、右打ちにより普通変動入賞装置37への入賞を狙うことができるようになってい
る。すなわち、遊技者の意思により狙う始動領域を選択可能となっている。また、各遊技
状態では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち、いずれか一方を主とし
て遊技を進行することを想定して設計されており、この設計に従い遊技者が遊技を進行す
るように、設計上で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームを主として遊技を進行し
た方が遊技者にとって有利となるように構成されている。なお、本明細書では、各遊技状
態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームをメイン変動と称し、他方の特図変動表
示ゲームをイレギュラー変動と称することがある。
通常遊技状態ST1は、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させ
て入賞を容易とする普電サポートがなく、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変
動時間を短縮する時短もない状態である。主変動特図は特図1変動表示ゲームであり、主
始動領域は始動入賞口36であって、この始動入賞口36を狙うため発射方向は左打ちと
されている。また、演出態様を規定する演出モードは通常ステージとされる。
第1特別遊技状態ST2は、普電サポートがなく時短もない状態である。また、演出態
様を規定する演出モードは大当りモードとされる。この第1特別遊技状態ST2では、特
別変動入賞装置38が開放されるので発射方向は右打ちとされている。
第2特別遊技状態ST3では、普電サポート、時短については小当り導出時の状況によ
りある場合とない場合がある。基本的には小当り導出時の状態を引き継ぐが、特定遊技状
態ST4の終了条件が成立する小当りの導出時には小当りとなる特図変動表示ゲームの終
了に伴い普電サポート、時短が終了するため、この場合は普電サポート、時短については
ない状態となる。また、演出態様を規定する演出モードは小当りモードとされる。この第
2特別遊技状態ST3では、特別変動入賞装置38が開放されるので発射方向は右打ちと
されている。
特定遊技状態ST4は、第1特別遊技状態ST2の後に規定ゲーム数にわたり滞在する
状態であり、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易
とする普電サポートがある状態である。
普電サポートがある場合は特図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もありとなる
。また、主変動特図は特図2変動表示ゲームであり、主始動領域は普通変動入賞装置37
であって、この普通変動入賞装置37を狙うため発射方向は右打ちとされている。特定遊
技状態ST4は、普電サポートがあることや小当りが高頻度で発生する特図2変動表示ゲ
ームを主として実行するので通常遊技状態ST1よりも遊技者にとって有利な状態であっ
て有利状態をなすものである。
残保留消化状態ST5は、特定遊技状態ST4が終了した際に残存する第2始動記憶に
基づく特図2変動表示ゲームを実行可能な状態である。
この残保留消化状態ST5では、普電サポートはないが特図変動表示ゲームの変動時間
を短縮する時短はありとなる。普電サポートがないため始動入賞口36を狙うように発射
方向は左打ちとされているが、特定遊技状態ST4に連続する短い期間であるので、左打
ちの指示を明確に行わなくても良い。また、残保留消化状態ST5での特図変動表示ゲー
ムの変動時間の平均は、特定遊技状態ST4における特図変動表示ゲームの変動時間の平
均よりも短いものとなっている。
残保留消化状態ST5は、特定遊技状態ST4において主に発生する第2始動記憶に基
づく特図2変動表示ゲームを主として実行するので、通常遊技状態ST1よりも遊技者に
とって有利な状態であって有利状態をなすものである。
遊技状態の移行は、第1特別結果(大当り)の導出、第2特別結果(小当り)の導出、
サポ当りの導出、第1特別遊技状態の終了、第2特別遊技状態の終了、規定ゲーム数の消
化、天井への到達により行われる。
通常遊技状態ST1において大当りとなると第1特別遊技状態ST2に移行する。第1特別遊技状態ST2の終了後は、図2-6(f)に示した条件が成立するまでの期間にわたり普電サポート及び時短がある状態となり、特定遊技状態ST4に移行する。
特定遊技状態ST4や残保留消化状態ST5において大当りとなった場合も第1特別遊技状態ST2に移行し、その後に特定遊技状態ST4となる。
また、サポ当りとなった場合や天井に到達した場合は、第1特別遊技状態ST2を経ずに特定遊技状態ST4となる。
特定遊技状態ST4では、普電サポートにより普通変動入賞装置37に遊技球が入賞しやすくなることにより第2始動記憶を発生可能であり、特図2変動表示ゲームを実行可能となる。この特定遊技状態ST4において図2-6(f)に示した条件が成立した場合は、普電サポートが終了し、特定遊技状態ST4で発生した第2始動記憶である残保留があれば残保留消化状態ST5となり、残保留がなければ通常遊技状態ST1に移行する。
本実施形態の遊技機では、第1始動記憶よりも第2始動記憶を優先して消化するが、特
に通常遊技状態ST1で大当りとなった場合には特定遊技状態ST4の開始直後には残存
している第1始動記憶に基づき特図1変動表示ゲームが実行される可能性が高い。これに
より、第2始動記憶を溜めるための時間を確保することができる。特に、特定遊技状態S
T4における1回目の特図変動表示ゲームの変動時間は、2回目以降の変動時間よりも長
い変動時間(例えば100s)とされ、第2始動記憶を溜めるための時間を確保すること
ができるようにしている。
また、図2-6(f)に示したように、特定遊技状態ST4で特図1変動表示ゲームを実行する場合は、特図2変動表示ゲームのみを実行する場合よりも5ゲームだけ長く特定遊技状態ST4に滞在可能となる。この回数は第1始動記憶の上限数である4よりも多く、特定遊技状態ST4の開始時に残存している第1始動記憶に基づき特図1変動表示ゲームを実行しても遊技者にとって不利となることはない。
残保留消化状態ST5には、残保留である第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲーム
が終了するまで滞在可能となっている。この残保留消化状態ST5では特定遊技状態ST
4と連続した一連の演出を行うようになっている。この残保留消化状態ST5の終了後は
通常遊技状態ST1に移行する。
通常遊技状態ST1、特定遊技状態ST4又は残保留消化状態ST5において、小当り
となった場合は第2特別遊技状態ST3に移行する。
第2特別遊技状態ST3において特定領域に遊技球が流入した場合(V入賞)は、第1
特別遊技状態ST2に移行する。特別変動入賞装置38に遊技球が流入した場合は、特定
領域へ流入する可能性があり、小当りの発生確率が高い特図2変動表示ゲームを多く実行
することは遊技者にとって有利なこととなる。特定領域への流入の可能性の高さは、特別
変動入賞装置38の内部に設けられ、特定領域への遊技球の流入を制御可能なレバー部材
をレバーソレノイド38fにより動作して、特定領域への遊技球の流入を許容する状態と
特定領域への遊技球の流入を不能とする状態とを切り替えることで制御するようにしてい
る。
また、第2特別遊技状態ST3において特定領域に遊技球が流入しなかった場合は、特
定遊技状態ST4、残保留消化状態ST5又は通常遊技状態ST1に移行する。
特定遊技状態ST4の終了条件が成立していない場合は特定遊技状態ST4に移行する
。また、特定遊技状態ST4の終了条件が成立しており、特定遊技状態ST4で発生した
第2始動記憶である残保留が存在する場合は、残保留消化状態ST5に移行する。また、
特定遊技状態ST4の終了条件が成立しており残保留も存在しない場合は、通常遊技状態
ST1に移行する。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図2-8及び図2-9に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図2-10に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図2-8及び図2-9に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップX1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップX2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップX3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップX4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップX5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ152の状態を読み込み(ス
テップX6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行う。ステッ
プX7の処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置1
00からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出
制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)
が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって
従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマン
ドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することが
できる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御
装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等
)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の
対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行わ
れる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部
のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防
止することができる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行った後、停電が発生して
いるか判定し(ステップX8)、停電が発生している場合(ステップX8;Y)には、遊
技機の電源が遮断されるのを待つ。
具体的には、ステップX8では、例えば、電源装置400から入力されている停電監視
信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定
し、停電監視信号がオンであるかの判定を行う。そして、停電監視信号がオンである場合
は、設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか判定する。そして
、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合は、停電監視信号がオン
であるかの判定に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場
合には、停電が発生していると判定する。後述するステップX34,X54においても同
様である。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生し
たと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時に
おける不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電
監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせてい
る期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に
適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可さ
れておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの
停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が
発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる
一方、停電が発生していない場合(ステップX8;N)には、電源投入ディレイタイマ
を-1更新し(ステップX9)、タイマの値が0であるか判定する(ステップX10)。
タイマの値が0でない場合(ステップX10;N)、すなわち、待機時間が終了していな
い場合には、停電が発生しているか判定する処理(ステップX8)に戻る。また、タイマ
の値が0である場合(ステップX10;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合には、
RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス
許可をし(ステップX11)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定
)する(ステップX12)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施
形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステッ
プX13)、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び
乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動
する処理(ステップX14)を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のク
ロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの
発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU1
11Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供
給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
次いで、RAM異常フラグをセットする(ステップX15)。ここでは、RAMに異常
があるか否かにかかわらずRAMに異常があることを前提として、一旦、RAM異常フラ
グを所定のレジスタにセットする。
次いで、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例え
ば5Ah)であるか判定し(ステップX16)、正常であれば(ステップX16;Y)、
RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)
であるか判定する(ステップX17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ス
テップX17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処
理(ステップX18)を行い、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致す
るか判定する(ステップX19)。チェックサムが一致する場合(ステップX19;Y)
には、RAMに異常がないためRAM異常フラグをクリアして(ステップX20)、ステ
ップX21へ移行する。
また、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステッ
プX16;NもしくはステップX17;N)、チェックサムが一致しないと判定された場
合(ステップX19;N)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいて設定キースイ
ッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態であるか判定する(ステップ
X21)。そして、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも
一方がオフ状態である場合(ステップX21;N)には、RAM異常フラグがセットされ
ているか判定する(ステップX22)。RAM異常フラグがセットされている場合(ステ
ップX22;Y)には、RAMに異常があるため、遊技制御装置100が異常であること
を報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送
信する(ステップX24)。
一方、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップX22;N)には、確率
設定変更中フラグがセットされているか判定する(ステップX23)。そして、確率設定
変更中フラグがセットされている場合(ステップX23;Y)には、メイン異常エラー報
知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX24)。こ
こでセットされている確率設定中フラグは、停電発生前にセットされた確率設定中フラグ
である。すなわち、確率設定値の変更中に遊技機の電源が遮断して再起動した場合には、
遊技制御装置100の動作が停止するのでステップX24の処理を行う。
次いで、遊技停止時の7セグ表示データを、第2出力ポート134を介して第5ドライ
バ138eに出力する(ステップX25)。その後、セキュリティ信号のオンデータを出
力するとともにセキュリティ信号以外の信号のオフデータを出力して(ステップX26)
、ステップX25に戻る。
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態である
場合(ステップX21;Y)には、RAM異常フラグがセットされているか判定する(ス
テップX27)。そして、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップX27
;N)には、確率設定変更中フラグをセットする(ステップX29)。これにより確率設
定値変更モードに移行する。その後、確率設定変更中のコマンドを演出制御基板(演出制
御装置300)に送信して(ステップX30)、ステップX31へ移行する。演出制御装
置300では、確率設定変更中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41の表示
、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ1
9a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更中である旨を示す報知を行
う。
一方、RAM異常フラグがセットされている場合(ステップX27;Y)には、確率設
定値をクリアする処理(ステップX28)を行う。これにより、RWM内の確率設定値用
の領域に0がセットされて、確率設定値が“設定1”となる。その後、ステップX29,
X30の処理を行って、ステップX31へ移行する。
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフ
状態であり(ステップX21;N)、RAM異常フラグも確率設定変更中フラグもセット
されていない場合(テップX22;N及びステップX23;N)には、ステップX6で読
み込んだ状態に基づいて設定キースイッチ152がオン状態であるか判定する(ステップ
X35)。そして、設定キースイッチ152がオン状態でない場合(ステップX35;N
)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいてRAM初期化スイッチ112がオン状
態であるか判定する(ステップX43)。
RAM初期化スイッチ112がオン状態でないと判定した場合(ステップX43;N)
、すなわち設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオフ状態であ
る場合には、ステップX41へ移行して停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
一方、RAM初期化スイッチ112がオン状態であると判定した場合(ステップX43
;Y)には、ステップX44へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、RAM初期化ス
イッチ112が外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初
期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段
をなす。
また、設定キースイッチ152がオン状態である場合(ステップX35;Y)には、確
率設定確認中フラグをセットする(ステップX36)。これにより確率設定値確認モード
に移行する。その後、確率設定確認中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)
に送信する(ステップX37)。演出制御装置300では、確率設定確認中のコマンドを
受信することに基づき、表示装置41の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLED
の発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、
確率設定値の確認中である旨の報知を行う。
そして、50m秒間以上のセキュリティ信号の出力を保証するために、セキュリティ信
号制御タイマ領域に128m秒に対応する値をセーブする(ステップX31)。セキュリ
ティ信号は、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである場合にはタイマ割込み
処理の確率設定変更/確認処理(ステップX122)で出力され、それ以外の場合はタイ
マ割込み処理の外部情報編集処理(ステップX120)で出力される。したがって、12
8m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認モードが終了する場合には、タイ
マ割込み処理の外部情報編集処理(ステップX120)によってセキュリティ信号が継続
して出力される。すなわち、128m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認
モードが終了する場合であっても、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行
してから128m秒間はセキュリティ信号が出力される。なお、ステップX31において
セキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする値は128m秒に対応する値に限定されな
い。ただし、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行してから少なくとも5
0m秒間はセキュリティ信号を出力する必要があるため、50m秒以上に対応する値をセ
ーブする必要がある。
そして、割込みを許可し(ステップX32)、設定キースイッチ152がオフ状態であるか判定する(ステップX33)。ステップX33では、ステップX6で読み込んだ状態(電源投入時の状態)に基づいて判定するのではなく、タイマ割込み処理(図2-10)の入力処理(ステップX103)で読み込んだ状態(現時点の状態)に基づいて判定する。ステップX33で設定キースイッチ152がオフ状態である判定された場合に、確率設定値が確定される。
設定キースイッチ152がオフ状態でない場合(ステップX33;N)には、停電が発生しているか判定し(ステップX34)、停電が発生していない場合(ステップX34;N)には、ステップX33に戻り、停電が発生している場合(ステップX34;Y)には、ステップX55へ移行する。確率設定変更中フラグがセットされている状態でステップX34にて停電が発生していると判定された場合に、当該停電から復旧した後のメイン処理(図2-8及び図2-9)のステップX23において、確率設定変更中フラグがセットされていると判定される。
一方、設定キースイッチ152がオフ状態である場合(ステップX33;Y)には、割込みを禁止する処理(ステップX38)を行う。割込みを許可する処理(ステップX32)を行ってから割込みを禁止する処理(ステップX38,X55)を行うまでの間は、タイマ割込み処理(図2-10)が所定時間周期(例えば4m秒)で行われる。当該タイマ割込み処理では、確率設定値に関する処理である確率設定変更/確認処理(ステップX122)が行われる。すなわち、確率設定値の変更や確認が終了するまで(あるいは停電が発生するまで)の間、メイン処理は待機していることとなる。
次いで、報知終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステ
ップX39)。演出制御装置300では、報知終了のコマンドを受信することに基づき、
実行中の報知(確率設定値の変更中である旨を示す報知又は確率設定値の確認中である旨
の報知)を終了する。
次いで、確率設定変更中フラグがセットされているか判定し(ステップX40)、確率
設定変更中フラグがセットされていない場合(ステップX40;N)、すなわち確率設定
確認中フラグがセットされている場合には、初期化すべき領域(例えば、停電検査領域、
チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域)に停電復旧時の初期値をセーブする処
理等を行う停電復旧処理(ステップX41)を行う。確率設定確認中フラグは、このステ
ップX41でクリアされる。
その後、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制
御装置300)へ送信し(ステップX42)、ステップX47へ移行する。本実施形態の
場合、ステップX42では、機種指定コマンド、確率設定情報コマンド、特図1保留数コ
マンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、演出回数情報コマンド、画面指定の
コマンド等の複数のコマンドを送信する。画面指定のコマンドとしては、特図1及び特図
2について何れも後述する普段処理中である場合、すなわち特図変動表示ゲームの実行中
でもなく特別遊技状態中でもない場合である客待ち中であれば客待ちデモ画面のコマンド
を送信し、それ以外であれば復旧画面のコマンドを送信する。また、機種によっては、こ
れらのコマンドに加えて、高確率回数情報コマンド等も送信する。
一方、確率設定変更中フラグがセットされている場合(ステップX40;Y)には、確
率設定値以外のRAM領域を0クリアする(ステップX44)。ステップX44では、確
率設定値用のRAM領域(ワーク領域(確率設定値の1バイト領域))と性能表示(ベー
ス値や役物比率の表示)用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)はクリアせず、遊
技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)を0クリアする。したがって、確率
設定変更中フラグは、このステップX44でクリアされる。なお、ステップX44では、
スタック領域や未使用領域をクリアしてもしなくても良い。
そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップX45)
。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域であ
る。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信す
る(ステップX46)。本実施形態の場合、ステップX46では、機種指定コマンド、確
率設定情報コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド
、演出回数情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるととも
に、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド
)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、
演出回数情報コマンドや普電サポートありとした特図変動表示ゲームの実行回数の情報で
あるサポート回数情報コマンド等も送信する。
次いで、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップX47)。具体的には、乱
数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させる
ためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成
回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パター
ンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビッ
ト転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転
置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パ
ターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるととも
に、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一
のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても
良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)
の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する
特図図柄乱数、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)として
RWMの所定領域にセーブしてから(ステップX48)、割込みを許可する(ステップX
49)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎
にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値
乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩
すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理
(ステップX50)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態において
は、大当り乱数、特図図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用
して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等
以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、特図図柄乱数
、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(
タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新さ
れる「低速カウンタ」である。また、特図図柄乱数、当り乱数においては、乱数が一巡す
る毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初
期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは-1によるカウンタ式
更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム
式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、特図
図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
なお、本実施形態では、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)を設けていな
いため、普図の当り図柄は1種類しかないが、当り図柄乱数を設けて普図の当り図柄を複
数種類の中から選択するようにしても良い。
ステップX50の初期値乱数更新処理の後、割込みを禁止する処理(ステップX51)
を行って、性能表示編集処理(ステップX52)を行う。そして、割込みを許可する処理
(ステップX53)を行った後、停電が発生しているか判定し(ステップX54)、停電
が発生していない場合(ステップX54;N)には、初期値乱数更新処理(ステップX5
0)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示
編集処理と停電監視を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップX50)の前に割込
みを許可する(ステップX49)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが
発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新
処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、ステップX50での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処
理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合
には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数
更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、
本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内
のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それ
によってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、停電が発生している場合(ステップX54;Y)には、一旦割込みを禁止する処
理(ステップX55)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップX56)を
行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップX57
)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップX58)。
さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップ
X59)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップX60)を行った後、RW
Mへのアクセスを禁止する処理(ステップX61)を行ってから、遊技機の電源が遮断さ
れるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源
遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報
が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主
制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御
装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該
主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待
機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停
電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電
の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御
装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判
定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、
外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部
が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(
遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み
込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへの
アクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理はクロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。すなわち、所定周期で開始される割込みルーチンである。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図2-10のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップX1
01)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使
っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと
同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位ア
ドレスをセットする(ステップX102)。ステップX102では、メイン処理における
ステップX4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサや
スイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処
理(ステップX103)を行う。
次いで、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされているか判定し
(ステップX104)、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされて
いる場合(ステップX104;Y)には、確率設定変更/確認処理(ステップX122)
を行って、タイマ割込み処理を終了する。
一方、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグの両方がセットされていない場合
(ステップX104;N)には、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイ
ド(大入賞口ソレノイド38b、レバーソレノイド38f、普電ソレノイド37c)等の
アクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップX105)を行う。なお
、メイン処理におけるステップX5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行わ
れることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされ
る。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信
号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状
態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発
射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの
発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に
、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力す
る払出コマンド送信処理(ステップX106)、乱数更新処理1(ステップX107)、
乱数更新処理2(ステップX108)を行う。乱数更新処理1(ステップX107)では
、初期値乱数更新処理の対象となっている特図図柄乱数、当り乱数の初期値(スタート値
)が更新される。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口ス
イッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、賞
球の設定、前面枠やガラス枠の開放や、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38へ
の不正入賞などのエラーの監視を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX109
)を行う。
次に、異常排出発生中であるか判定する(ステップX110)。異常排出とは、特別変
動入賞装置38において、特別変動入賞装置38から排出される遊技球数(特定領域スイ
ッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数)が、特別変動入賞装
置38に流入した遊技球数(大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数)を上回るこ
とである。なお、異常排出発生中である場合には異常排出フラグがセットされている。そ
して、異常排出発生中である場合(ステップX110;Y)には、ステップX116へ移
行する。すなわち、遊技が進行しないようにする。
一方、異常排出発生中でない場合(ステップX110;N)には、特図変動表示ゲーム
に関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップX112)、普図変動表示ゲームに関する
処理を行う普図ゲーム処理(ステップX114)を行って、遊技機10に設けられ、特図
変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容
を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップX115)を行う。
次いで、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行
う磁石不正監視処理(ステップX116)、盤電波センサ62からの検出信号をチェック
して異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップX117)、振動セ
ンサ65からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う振動不正監視処
理(ステップX118)、異常排出が発生していないか判定する処理を行う異常排出監視
処理(ステップX119)を行う。さらに、外部の各種装置に出力する信号を出力バッフ
ァにセットする外部情報編集処理(ステップX120)、性能表示装置153の制御に関
する性能表示モニタ制御処理(ステップX121)を行って、タイマ割込み処理を終了す
る。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可す
る処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定
する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお
、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を
復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップX112)の詳細に
ついて説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ3
7aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を
行う。
図2-11に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視
処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検
出を監視する処理を行う。そして、特定領域38hでの遊技球の検出を監視する特定領域
スイッチ監視処理を行う(ステップA3)。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ-1更新する(ステップA4)。なお
、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タ
イマの値が「0」であるかを判定する(ステップA5)。特図ゲーム処理タイマの値が「
0」である場合(ステップA5;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアッ
プしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図
ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA6)、当該テーブルを用
いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA7)。
そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA8)。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動
開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を
行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定
や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA
10)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技
結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当
りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/イン
ターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11
)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定
や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンフ
ァーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウ
ンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディン
グコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行
う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウ
ンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り
終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)
を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために
必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入
賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を
行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA16)を
行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設
定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA
17)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞
口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行う
ために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA18)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うため
に必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA19)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA
20)、特図1表示器51による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステッ
プA21)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備し
た後(ステップA22)、特図2表示器52による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動
制御処理(ステップA23)を行う。その後、レバーソレノイド38fの動作を制御する
レバーソレノイド制御処理(ステップA24)を行って、特図ゲーム処理を終了する。一
方、ステップA5にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA5;
N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA20の処理に移行して、それ
以降の処理を行う。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理において行われる特図始動口スイッチ共通処理の
詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動
口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理で
ある。
図2-12に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口
スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステ
ップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N
)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更
新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA13
6)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の
始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップ
A138)、ハード乱数取得処理にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域
にセーブする(ステップA139)。
次いで、監視対象の始動口スイッチの特図図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA1
40)、RWMの特図図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセ
ーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)を行う。
次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド
を準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、
特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装
置37の始動領域での遊技球の検出に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの
実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動
記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入
賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始
動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、
所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA14
6)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図
変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を
行う先読み処理である。
図2-13に示すように、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA154)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り用特図図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA140にて準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA168の処理に移行する。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、大当り乱数値が小当
り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステッ
プA159)を行う。そして、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)に
は、小当り用特図図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、特図始動口
スイッチ共通処理のステップA140にて準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報
を取得して(ステップA162)、ステップA168の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、大当り乱数値がサポ
当り判定値と一致するか否かによりサポ当りであるか否かを判定するサポ当り判定処理(
ステップA163)を行う。そして、判定結果がサポ当りでない場合(ステップA164
;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA167)、ステップA168の
処理に移行する。
また、判定結果がサポ当りである場合(ステップA164;Y)には、サポ当り用特図
図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA165)、特図始動口スイッチ共通処理
のステップA140にて準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステ
ップA166)、ステップA168の処理に移行する。
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを
準備し(ステップA168)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA169)。次に
、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理
(ステップA170)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設
定処理を行う(ステップA171)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号
及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備
して(ステップA172)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA173)、特図保
留情報判定処理を終了する。なお、ステップA170における特図情報設定処理、ステッ
プA171における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始
時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先
読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報
を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これ
により、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定
結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミング
より前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示され
る飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミン
グより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶と
して記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例え
ば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶
された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく
、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図2-14に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA305)。そして、特図1保留数が「0」である(ステップA305;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA309)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA309;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA310)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA311)、演出コマンド設定処理
(ステップA312)を行う。次いで、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定
して(ステップA313)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステ
ップA314)。そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA315)、大
入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA316
)、特図普段処理を終了する。すなわち、特図変動表示ゲームを開始可能な状態であるが
始動条件が成立しない場合に、待機情報をなす客待ちデモコマンドを演出制御装置300
に送信するようにしていることとなる。
一方、ステップA309にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA309;
Y)は、ステップA310~A312の処理を行わずに、ステップA313の処理へ移行
する。
また、ステップA301にて、特図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;
N)は、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA302
)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA303)を行い、特図2変動開始処理(
ステップA304)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA305にて、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA305;
N)は、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA306
)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA307)を行い、特図1変動開始処理(
ステップA308)を行って、特図普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA308)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図2-15(a)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA321)。次に、大当り乱数を判定して第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する処理や、第1特図変動表示ゲームがサポ当りであるか否かを判別するためのサポ当りフラグにはずれ情報やサポ当り情報を設定する処理を行う大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA
323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定す
る特図情報設定処理(ステップA324)を行う。パラメータとしては遊技状態、保留数
、停止図柄パターン番号及び残りの普電サポート回数などが用いられる。次に、第1特図
変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定さ
れたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325
)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変
動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の
情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)
、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA329)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特図1の変動開始に
関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブ
する(ステップA331)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブ
し(ステップA332)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器5
1の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA33
3)。次いで、特図1変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステ
ップA334)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA304)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図2-15(a)に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図2-15(b)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA341)。次に、大当り乱数を判定して第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する処理や、第2特図変動表示ゲームがサポ当りであるか否かを判別するためのサポ当りフラグにはずれ情報やサポ当り情報を設定する処理を行う大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA
343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定す
る特図情報設定処理(ステップA344)を行う。パラメータとしては遊技状態、保留数
、停止図柄パターン番号及び残りの普電サポート回数などが用いられる。次に、第2特図
変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定さ
れたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345
)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変
動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の
情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA348)
、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA349)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA350)、特図2の変動開始に
関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブ
する(ステップA351)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブ
し(ステップA352)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器5
2の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA35
3)。次いで、特図2変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステ
ップA354)、特図2変動開始処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づき特図変
動表示ゲームを実行する特図変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図変動表示ゲ
ーム実行制御手段は、第1始動記憶に基づき特図変動表示ゲームとして第1特図変動表示
ゲームを実行し、第2始動記憶に基づき特図変動表示ゲームとして第2特図変動表示ゲー
ムを実行することとなる。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図2-16に、本実施形態の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を示す。
この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステッ
プA431)、大当りである場合(ステップA431;Y)は、特図1特図図柄乱数格納
領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする(ステップA432)。次に、特図1
大当り図柄テーブルを設定し(ステップA433)、ロードした特図図柄乱数に対応する
停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA434)。こ
の処理により大当り種類が選択される。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップA435)、停止図柄
番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(ステッ
プA436)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停
止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に
対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステッ
プA437)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して時間短縮判定デー
タ領域にセーブし(ステップA438)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出
モード移行情報をセーブする(ステップA439)。これらの情報は、特別遊技状態の実
行態様、特別遊技状態の終了後の演出モード及び特別遊技状態の終了後の変動選択テーブ
ル群の移行に関する情報である変動パターンシナリオを設定するためのものである。そし
て、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA455)。
一方、大当り1フラグは大当りでない場合(ステップA431;N)は、小当りフラグ
1は小当りであるかを判定し(ステップA440)、小当りである場合(ステップA44
0;Y)は、特図1特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする
(ステップA441)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップA442)
、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域に
セーブする(ステップA443)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停
止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブし(ス
テップA444)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブして(ステ
ップA445)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA
455)。
また、小当りフラグ1は小当りでない場合(ステップA440;N)は、サポ当りフラ
グ1がサポ当りかを判定し(ステップA446)、サポ当りである場合(ステップA44
6;Y)は、特図1特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする
(ステップA447)。次に、特図1サポ当り図柄テーブルを設定し(ステップA448
)、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域
にセーブする(ステップA449)。この処理によりサポ当り種類が選択される。
その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域に
セーブし(ステップA450)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して
時間短縮判定データ領域にセーブし(ステップA451)、停止図柄パターンに対応する
演出モード移行情報をセーブして(ステップA452)、停止図柄パターンに対応する飾
り特図コマンドを準備する(ステップA455)。
また、サポ当りフラグ1はサポ当りでない場合(ステップA446;N)は、はずれ時
の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップA453)、はずれ停止
図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA454)、停止図柄パタ
ーンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA455)。以上の処理により、
特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA456)、
演出コマンド設定処理(ステップA457)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出
制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出
力データ領域にセーブして(ステップA458)、特図1特図図柄乱数格納領域(保留数
1用)を0クリアして(ステップA459)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図2-17に、本実施形態の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を示す。なお、特図2停止図柄設定処理は、特図1停止図柄設定処理と同じ処理を、特図2を対象として行うものである。
この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステッ
プA471)、大当りである場合(ステップA471;Y)は、特図2特図図柄乱数格納
領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする(ステップA472)。次に、特図2
大当り図柄テーブルを設定し(ステップA473)、ロードした特図図柄乱数に対応する
停止図柄番号を取得して特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA474)。こ
の処理により大当り種類が選択される。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップA475)、停止図柄
番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(ステッ
プA476)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停
止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に
対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステッ
プA477)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して時間短縮判定デー
タ領域にセーブし(ステップA478)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出
モード移行情報をセーブする(ステップA479)。これらの情報は、特別遊技状態の実
行態様、特別遊技状態の終了後の演出モード及び特別遊技状態の終了後の変動選択テーブ
ル群の移行に関する情報である変動パターンシナリオを設定するためのものである。そし
て、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA495)。
一方、大当りフラグ2は大当りでない場合(ステップA471;N)は、小当りフラグ
2は小当りであるかを判定し(ステップA480)、小当りである場合(ステップA48
0;Y)は、特図2特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする
(ステップA481)。次に、特図2小当り図柄テーブルを設定し(ステップA482)
、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄番号領域に
セーブする(ステップA483)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停
止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブし(ス
テップA484)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブして(ステ
ップA485)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA
495)。
また、小当りフラグ2は小当りでない場合(ステップA480;N)は、サポ当りフラ
グ2がサポ当りかを判定し(ステップA486)、サポ当りである場合(ステップA48
6;Y)は、特図2特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする
(ステップA487)。次に、特図2サポ当り図柄テーブルを設定し(ステップA488
)、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄番号領域
にセーブする(ステップA489)。この処理によりサポ当り種類が選択される。
その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域に
セーブし(ステップA490)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して
時間短縮判定データ領域にセーブし(ステップA491)、停止図柄パターンに対応する
演出モード移行情報をセーブして(ステップA492)、停止図柄パターンに対応する飾
り特図コマンドを準備する(ステップA495)。
また、サポ当りフラグ2がサポ当りでない場合(ステップA486;N)は、はずれ時
の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(ステップA493)、はずれ停止
図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA494)、停止図柄パタ
ーンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA495)。以上の処理により、
特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA496)、
演出コマンド設定処理(ステップA497)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出
制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出
力データ領域にセーブして(ステップA498)、特図2特図図柄乱数格納領域(保留数
1用)を0クリアして(ステップA499)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
このように各結果の停止図柄の設定を行う際に、結果にかかわらず共通の特図図柄乱数
を用いることで必要な乱数の種類を少なくでき、遊技機の仕様やプログラムの簡素化を図
ることができて、制御の負担を軽減することができる。
〔特図変動中処理〕
図2-18に、本実施形態の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA10)を示す。
この特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグに対応する図柄停止コマンドを準
備して(ステップA601)、演出コマンド設定処理(ステップA602)を行う。次い
で、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA603)、設定した表
示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA604)。すなわち、遊技
制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止表示時間を設定する停
止表示時間設定手段をなす。
次に、普電サポート中であるかを判定し(ステップA605)、普電サポート中でない
場合(ステップA605;N)はステップA612に移行する。また、普電サポート中で
ある場合(ステップA605;Y)は、特図1の変動であるかを判定する(ステップA6
06)。
特図1の変動である場合(ステップA606;Y)は、ステップA609に移行する。
また、特図1の変動でない場合(ステップA606;N)は、時間短縮変動回数2領域の
時間短縮変動回数2を-1更新し(ステップA607)、時間短縮変動回数2が0になっ
たかを判定する(ステップA608)。
時間短縮変動回数2が0である場合(ステップA608;Y)は、普電サポートを終了
するための時短終了設定処理を行い(ステップA611)、ステップA612に移行する
。また、時間短縮変動回数2が0でない場合(ステップA608;N)は、時間短縮変動
回数1領域の時間短縮変動回数1を-1更新し(ステップA509)、時間短縮変動回数
1が0になったかを判定する(ステップA610)。
時間短縮変動回数1が0である場合(ステップA610;Y)は、普電サポートを終了
するための時短終了設定処理を行い(ステップA611)、ステップA612に移行する
。また、時間短縮変動回数1が0でない場合(ステップA610;N)は、ステップA6
12に移行する。
すなわち、特図1変動表示ゲームの場合は時間短縮変動回数1のみが減算され、特図2
変動表示ゲームの場合は時間短縮変動回数1と時間短縮変動回数2の両方が減算される。
そして、時間短縮変動回数1又は時間短縮変動回数2のいずれかが0となった場合に普電
サポートを終了するようになっている。
演出モード情報チェック処理(ステップA612)を行った後、残保留消化状態が終了
したかを判定する(ステップA613)。ここでの残保留消化状態が終了したとは、残保
留消化状態ST5の終了条件が成立した場合の他、特定遊技状態ST4の終了の際に残保
留が存在しなかった場合も含む。
残保留消化状態が終了していない場合(ステップA613;N)は、ステップA616
に移行する。また、残保留消化状態が終了した場合(ステップA613;Y)は、結果が
はずれであるかを判定する(ステップA614)。
結果がはずれでない場合(ステップA614;N)は、ステップA616に移行する。
結果がはずれである場合(ステップA614;Y)は、時短終了に関する信号(例えば、
大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA615)、ス
テップA616に移行する。
ステップA616では、処理番号として特図表示中処理にかかる「2」を設定し(ステ
ップA616)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA61
7)。さらに、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF
)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA618)、特図2の変動終了に関す
る信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし
て(ステップA619)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る
図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば、256m秒)をセーブす
る(ステップA620)。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制
御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フ
ラグ領域にセーブし(ステップA621)、特図2表示器52における特図2変動表示ゲ
ームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変
動制御フラグ領域にセーブして(ステップA622)、特図変動中処理を終了する。
〔時短終了設定処理〕
図2-19に、特図変動中処理における時短終了設定処理(ステップA611)を示す。この時短終了設定処理では、まず、時短の終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF、普通図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、普通電動役物1開放延長状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA632)。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA633)、普
図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&時短なしフラグをセーブして(ステップA63
4)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステッ
プA635)。
そして、時間短縮変動回数1領域をクリアし(ステップA636)、時間短縮変動回数
2領域をクリアする(ステップA637)。なお、特定遊技状態ST4の終了条件となる
小当りの種類ごとに設定された導出回数をクリアするとともに、特定遊技状態ST4にお
いて小当りの種類ごとの導出回数を積算するカウンタを0クリアするようにしても良い。
その後、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号
出力データ領域にセーブし(ステップA638)、右打ち中の表示LED(例えば、第1
遊技状態表示部56a)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番
号をセーブして(ステップA639)、通常ベース状態判定領域に通常ベース状態情報を
セーブして(ステップA640)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
図2-20及び図2-21に、本実施形態の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)を示す。
この特図表示中処理では、まず、大当りフラグ1設定処理にて設定されたサポ当りフラ
グ1と、大当りフラグ2設定処理にて設定されたサポ当りフラグ2と、をロードして(ス
テップA701)、RWMのサポ当りフラグ1領域及びサポ当りフラグ2領域をクリアす
る(ステップA702)。
次いで、大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグ1と、大当りフラグ2設
定処理にて設定された小当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの
小当りフラグ1領域及び小当りフラグ2領域をクリアする(ステップA704)。
次いで、大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、大当りフラグ2設
定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA705)、RWMの
大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする(ステップA706)。そして
、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA707)、大当りであ
る場合(ステップA707;Y)は、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)
の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中
信号をON、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし
て(ステップA710)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA711)。
一方、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA707;N)は、ロードされた
大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA708)、大当りである場合(ステッ
プA708;Y)は、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する
試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をON、特
別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA
709)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA711)。
次いで、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「1
0」又は「5」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA7
12)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、R
WMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA713)。
次に、RWMの飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ス
テップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。その後、普図変
動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状
態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド
設定処理(ステップA717)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて
設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコ
マンドを準備して(ステップA718)、演出コマンド設定処理(ステップA719)を
行う。このファンファーレコマンドが特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信
される特別遊技状態開始情報をなす。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果
となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステ
ップA720)。本実施形態の場合、ステップA720において、大入賞口開放情報と確
率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それ
ぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号
は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはO
N、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1
)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。
また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである
場合にはOFFとなる。なお、本実施形態の遊技機では、全て出玉のある大当りである。
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結
果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間を設定して(ステップA721
)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステ
ップA722)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図
ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA723)。これにより特別結果が
発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶し
た情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(
ステップA724)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラ
グ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA725)。その後、ファンファ
ーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設
定処理1(ステップA726)を行い、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御
装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別
結果となることに基づき、特別変動入賞装置38を開状態に変換する特別遊技状態を発生
する特別遊技状態発生手段をなす。
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA708;N)は、特図変動表示
ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA727)。本実施形態の
遊技機では、特図確率は常に一定であるので常に高確率状態でないと判定し(ステップA
727;N)、天井到達済みフラグがあるかを判定する(ステップA728)。
天井到達済みフラグがある場合(ステップA728;Y)は、天井に到達することに基
づく普電サポートの開始に関する処理を行わず、ステップA732に移行する。天井到達
済みフラグは、天井に到達することに基づきセットされ、大当りの発生に基づきクリアさ
れるようになっている。これにより、天井に到達することに基づき普電サポートが開始さ
れた場合には、大当りを経過した後でなければ新たな天井への到達に基づく普電サポート
が開始されないようにすることができる。
天井到達済みフラグがない場合(ステップA728;N)は、天井カウンタ領域の値を
+1更新し(ステップA729)、天井に到達したかを判定する(ステップA730)。
天井に到達していない場合(ステップA730;N)は、ステップA732に移行する。
また、天井に到達した場合(ステップA730;Y)は、天井時短発動フラグ及び天井到
達済みフラグをセットし(ステップA731)、ステップA732に移行する。
ステップA732では、ロードされた小当りフラグ2が小当りかを判定して(ステップ
A732)、小当りである場合(ステップA732;Y)は、第2特図変動表示ゲームの
小当り(特図2小当り)の開始に関する試験信号(例えば、特別図柄2小当り信号をON
)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA735)、ステップA7
36に移行する。
また、小当りフラグ2が小当りでない場合(ステップA732;N)は、ロードされた
小当りフラグ1が小当りかを判定して(ステップA733)、小当りである場合(ステッ
プA733;Y)は、第1特図変動表示ゲームの小当り(特図1小当り)の開始に関する
試験信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域に
セーブして(ステップA734)、ステップA736に移行する。
次いで、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA
736)。本実施形態の遊技機では、特図確率は常に一定であるので常に高確率状態でな
いと判定し(ステップA736;N)、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロ
ードし、準備して(ステップA737)、演出コマンド設定処理(ステップA738)を
行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA739)、演出コマ
ンド設定処理(ステップA740)を行って、ステップA741の処理に移行する。この
小当りファンファーレコマンドも特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信され
る特別遊技状態開始情報をなす。
そして、普電サポート中であるかを判定し(ステップA741)、普電サポート中でな
い場合(ステップA741;N)は、小当りファンファーレ中処理に移行するための小当
りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップA746)を行って、特図表示中処理を
終了する。
また、普電サポート中である場合(ステップA741;Y)は、小当りの種類ごとに導
出回数を積算し(ステップA742)、普電サポートの終了条件が成立したかを判定する
(ステップA743)。小当りの種類ごとに積算される導出回数は、特定遊技状態ST4
の開始時に0クリアされ、特定遊技状態ST4の終了まで積算が継続される。
普電サポートの終了条件が成立していない場合(ステップA743;N)は、ステップA746の処理を行って特図表示中処理を終了する。また、普電サポートの終了条件が成立した場合(ステップA743;Y)は、普電サポートを終了するための時短終了設定処理を行い(ステップA744)、時短終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA745)、ステップA746の処理を行って特図表示中処理を終了する。これにより、小当りの導出回数が図2-6(f)に示した条件を満たすことで特定遊技状態ST4が終了するようになる。
一方、小当りフラグ1が小当りでない場合(ステップA733;N)は、天井時短発動
フラグがあるかを判定する(ステップA751)。天井時短発動フラグがある場合(ステ
ップA751;Y)は、天井時短回数の初期値を時間短縮変動回数領域1と時間短縮変動
回数領域2にセーブし(ステップA752)、サポ作動設定処理(ステップA756)に
移行する。
ここでは、時間短縮変動回数領域1に特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの
実行回数の合計に基づく終了条件として505をセーブし、時間短縮変動回数領域2に特
図2変動表示ゲームの実行回数に基づく終了条件として500をセーブする。また、小当
りの種類ごとに終了条件となる導出回数を設定するとともに、小当りの種類ごとの導出回
数を積算するカウンタを0クリアする。
また、天井時短発動フラグがない場合(ステップA751;N)は、ロードされたサポ
当りフラグ2がサポ当りかを判定する(ステップA753)。サポ当りでない場合(ステ
ップA753;N)は、ロードされたサポ当りフラグ1がサポ当りかを判定する(ステッ
プA754)。サポ当りでない場合(ステップA754;N)は、特図普段処理に移行す
るための特図普段処理移行設定処理(ステップA757)を行って、特図表示中処理を終
了する。
一方、サポ当りフラグ2がサポ当りである場合(ステップA753;Y)又はサポ当り
フラグ1がサポ当りである場合(ステップA754;Y)は、時間短縮判定データに対応
する初期値を時間短縮変動回数領域1と時間短縮変動回数領域2にセーブし(ステップA
755)、サポ作動設定処理(ステップA756)に移行する。
ここでは、時間短縮変動回数領域1に特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの
実行回数の合計に基づく終了条件として20をセーブし、時間短縮変動回数領域2に特図
2変動表示ゲームの実行回数に基づく終了条件として15をセーブする。また、小当りの
種類ごとに終了条件となる導出回数を設定するとともに、小当りの種類ごとの導出回数を
積算するカウンタを0クリアする。
サポ作動設定処理(ステップA756)を行った後、特図普段処理に移行するための特
図普段処理移行設定処理(ステップA757)を行って、特図表示中処理を終了する。
以上の処理では、天井へ到達したか否かの判定は特図変動表示ゲームの終了時に行って
おり(ステップA727~A731)、サポ当りの当選と天井への到達が同一の特図変動
表示ゲームで発生した場合には、天井への到達に基づく特定遊技状態ST4の終了条件を
設定するようにしている(ステップA751~A756)。
天井への到達とサポ当りの当選が同一の特図変動表示ゲームで発生することは稀であり
、特図変動表示ゲームの開始時において常にこれをチェックすることは制御の無駄となる
。そこで、本実施形態のようにすることで、このような無駄な処理が不要となり、特図変
動表示ゲームの開始時における制御を簡単なものとすることができる。
なお、サポ当りや天井への到達に基づいてそれぞれ特定の変動パターンや結果態様を設
定するようにした場合、サポ当りの当選と天井への到達が同一の特図変動表示ゲームで発
生した場合には、当該特図変動表示ゲームでは開始時にサポ当りに基づく変動パターンや
結果態様が選択されるが、特図変動表示ゲームの終了時に付与される特定遊技状態ST4
の終了条件はサポ当りに基づく終了条件ではなく天井への到達に基づく終了条件とされる

変動パターンや結果態様としてはサポ当りに対応したものが選択されるのに対し、付与
される特定遊技状態ST4の終了条件は天井への到達に基づく終了条件となるという矛盾
が生じるが、特定遊技状態ST4に移行することに変わりはないため遊技者が不満に思う
ことはない。特に、本実施形態の遊技機では、天井への到達に基づく終了条件の方が遊技
者にとって有利であるので遊技者が不満を持つことはない。
特図変動表示ゲームの開始時における制御に余裕がある場合には、特図変動表示ゲーム
の開始時に天井への到達とサポ当りの当選が同一の特図変動表示ゲームで発生するかを判
定するようにしても良い。天井への到達とサポ当りの当選が同一の特図変動表示ゲームで
発生する場合には、特図変動表示ゲームの変動パターンや結果態様をはずれ結果に対応し
たものや天井への到達に対応したものとすることで矛盾が生じないようにすることができ
る。本実施形態の遊技機では、サポ当りや天井への到達に基づいて特定の変動パターンや
結果態様を設定しないため、このような矛盾が生じることはない。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
図2-22に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA726)を示す。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA791)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA792)。
次に、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大
当り+小当りで出力)、大当り4信号をON(大当りで出力))を外部情報出力データ領
域にセーブし(ステップA793)、高確率&時短の終了に関する信号(例えば、特別図
柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間
短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状
態信号をOFF、普通図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、普通電動役物1開放延長状
態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA794)。その後
、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステ
ップA795)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(ステップA79
6)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステッ
プA797)。
そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA798)、高確率状態の表示
に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(例えば、第3遊技状態表示部56c)を
消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA799)、特図ゲーム
モードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA800)。次
に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信
コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA801)、時短状態
で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための時間短縮変動回数1領域及び時
間短縮変動回数2領域をクリアする(ステップA802、A803)。これにより普電サ
ポート及び時短状態が終了する。さらに、天井カウンタ領域をクリアし(ステップA80
4)、天井時短発動フラグ領域をクリアして(ステップA805)、天井到達済みフラグ
領域をクリアする(ステップA806)。なお、特定遊技状態ST4の終了条件となる小
当りの種類ごとに設定された導出回数をクリアするとともに、特定遊技状態ST4におい
て小当りの種類ごとの導出回数を積算するカウンタを0クリアするようにしても良い。
その後、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップA807)、
演出残り回転数領域をクリアして(ステップA808)、次モード移行情報領域に更新な
しコードをセーブする(ステップA809)。そして、右打ち指示に関する信号(例えば
、発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA810
)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部56a)を点灯させるため、遊
技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA811)、ファン
ファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。
〔サポ作動処理〕
図2-23に、上述の特図表示中処理におけるサポ作動処理(ステップA756)を示す。
このサポ作動設定処理では、まず、時短の開始に関する信号(例えば、大当り2信号及び大当り3信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA821)。次に時短信号制御タイマ領域にタイマ初期値をセーブする(ステップA822)。ここではタイマ初期値として128msをセーブする。これにより、時短の開始に関する信号のうち、大当り3信号に関しては短い時間だけ出力されるようになる。
次いで、時短の開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、
特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON、普通図柄1
変動時間短縮状態信号をON、普通電動役物1開放延長状態信号をON)を試験信号出力
データ領域にセーブする(ステップA823)。
さらに、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(ステップA824)、普
図ゲートモードフラグ領域に普図高確率&時短ありフラグをセーブして(ステップA82
5)、確率状態フラグを維持して時短ありにするために、特図ゲームモードフラグ領域に
特図時短ありフラグを合成する(ステップA826)。
次いで、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をON)を試験信号出
力データ領域にセーブし(ステップA827)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊
技状態表示部56a)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号
をセーブする(ステップA828)。そして、演出モード情報アドレステーブルを設定し
て(ステップA829)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情
報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA830)。演出モード移行情報
に基づき対応するテーブルのアドレスを取得することで、変動選択テーブル群の移行に関
する情報である変動パターンシナリオも取得される。
次に、遊技制御装置100での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として
、まず、サポ当りとなった特図変動表示ゲームの終了後に設定される演出モードの演出モ
ード番号を取得し、演出モード番号領域にセーブする(ステップA831)。さらに、サ
ポ当りとなった特図変動表示ゲームの終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を
取得し、演出残り回転数領域にセーブして(ステップA832)、サポ当りとなった特図
変動表示ゲームの終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得し、次モード
移行情報領域にセーブする(ステップA833)。ここでセーブされた情報に基づき、サ
ポ当りとなった特図変動表示ゲームの終了後から所定回数の特図変動表示ゲームを実行す
ることに基づき演出モードや変動選択テーブル群が移行するようになる。
その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA834)、
コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA835)、演出コマン
ド設定処理(ステップA836)を行う。次いで、新しく設定された演出残り回転数に対
応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA837)、演出コマンド設定処理(ス
テップA838)を行い、時間短縮変動回数に対応する時間短縮変動回数コマンドを準備
して(ステップA839)、演出コマンド設定処理(ステップA840)を行う。
そして、時間短縮判定データ領域をクリアし(ステップA841)、演出モード移行情
報領域をクリアして(ステップA842)、サポ作動設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
図2-24に、本実施形態の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)を示す。
この大当り終了処理では、まず、時短の開始に関する信号(例えば、大当り2信号をO
N)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA901)。時短の開始に関する
信号は、大当り中から出力されているので継続する形で外部情報出力データ領域にセーブ
される。次いで、低確率&時短の開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状
態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をO
N、普通図柄1変動時間短縮状態信号をON、普通電動役物1開放延長状態信号をON)
を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA902)。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(ステップA903)、普
図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&時短ありフラグをセーブして(ステップA90
4)、特図ゲームモードフラグ領域に特図時短ありフラグをセーブする(ステップA90
5)。その後、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値をセーブする(ステップ
A906)。ここでは、時間短縮変動回数1領域及び時間短縮変動回数2領域に終了条件
に応じた初期値をセーブする。また、小当りの種類ごとに終了条件となる導出回数を設定
するとともに、小当りの種類ごとの導出回数を積算するカウンタを0クリアする。以上の
処理により、特別遊技状態の終了後、普電サポート状態及び時短状態となる。また、時短
変動回数領域に時短変動回数初期値や小当りの種類ごとの終了条件となる導出回数をセッ
トすることで、所定回数の特図変動表示ゲームの実行や所定回数の小当りの導出により普
電サポート状態及び時短状態が終了するようになる。すなわち、遊技制御装置100が、
特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間にわたり、普通変動入賞装置37を入賞
容易な状態とする特定遊技状態(時短状態、普電サポート状態)を発生可能な特定遊技状
態発生制御手段をなす。
その後、確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA9
10)、演出コマンド設定処理(ステップA911)を行う。ここで、確率情報コマンド
として、「時短あり」、「時短なし」の何れかに、更に演出モードの情報が含まれた複数
のコマンドがある。次いで、時間短縮変動回数1に対応する時間短縮変動回数コマンドを
準備して(ステップA914)、演出コマンド設定処理(ステップA915)を行う。
次いで、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA918)、処
理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA917)。
その後、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF、大当り3信号を
OFF、大当り4信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA9
18)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をOFF、役物連続作
動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号をOFF
)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA919)。続いて、確率変動判定
データ領域の情報をクリアし(ステップA920)、大当りのラウンド回数を示すラウン
ドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(ステップA921)、演出モード移行情報
領域の情報をクリアする(ステップA922)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領
域の情報をクリアし(ステップA923)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視
期間中フラグをセーブして(ステップA924)、大当り終了処理を終了する。
〔特定領域スイッチ監視処理〕
図2-25に、特図ゲーム処理における特定領域スイッチ監視処理(ステップA3)を示す。この特定領域スイッチ監視処理では、まず、小当り中であるかを判定する(ステップA41)。ここでの小当り中とは、小当り中処理及び小当り残存球処理を行っている期間である。この小当り中でない場合(ステップA41;N)は、特定領域スイッチ監視処理を終了する。すなわち、特定領域スイッチ38dは、小当り中処理及び小当り残存球処理を行っている期間でのみ有効とされる。また、小当り中である場合(ステップA41;Y)は、条件装置が作動中であるかを判定する(ステップA42)。
条件装置が作動中である場合(ステップA42;Y)は、特定領域スイッチ監視処理を
終了する。また、条件装置が作動中でない場合(ステップA42;N)は、特定領域スイ
ッチに入力があるかを判定する(ステップA43)。そして、特定領域スイッチに入力が
ない場合(ステップA43;N)は、特定領域スイッチ監視処理を終了する。また、特定
領域スイッチに入力がある場合(ステップA43;Y)は、特定領域通過フラグをセット
し(ステップA44)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。後にこの特定領域通過フ
ラグがあることに基づき第1特別遊技状態を発生させる処理が行われるようになる。
〔小当り残存球処理〕
図2-26に、特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA18)を示す。この小当り残存球処理では、まず、残存球エラーの発生中であるかを判定する(ステップA861)。残存球エラーの発生中である場合(ステップA861;Y)は、ステップA863に移行する。また、残存球エラーの発生中でない場合(ステップA861;N)は、残存球カウンタが0であるかを判定する(ステップA862)。残存球カウンタが0でない場合(ステップA862;N)は、小当り残存球処理を終了する。また、残存球カウンタが0である場合(ステップA862;Y)は、ステップA863以降の小当りを終了するための処理を行う。
すなわち、特別変動入賞装置38内の残存球が全て排出されてから小当りを終了するた
めの処理を行うようにしている。ただし、最後に遊技球が特別変動入賞装置38に流入し
てから所定時間以上経っても排出が確認できない状態である残存球エラー中の場合は、排
出に必要な時間が十分経過したものとして小当りを終了するための処理に移行するように
している。もちろん残存球エラー中の場合は小当りを終了するための処理に移行しないよ
うにしても良い。よって、ステップA861の処理は行わないようにしても良い。
小当りを終了するための処理では、まず、特定領域通過があったかを判定する(ステッ
プA863)。特定領域38hに遊技球が流入して通過した場合は、特定領域スイッチ3
8dにより検出されて特定領域通過フラグがセットされる。ここではこの特定領域通過フ
ラグの有無により特定領域通過があったかを判定する。特定領域通過があった場合(ステ
ップA863;Y)は、ステップA870に移行して特別遊技状態を発生させる処理を行
う。また、特定領域通過がない場合(ステップA863;N)は、ステップA864に移
行して第2特別遊技状態を終了して特図変動表示ゲームを実行可能とするための処理を行
う。
ステップA864以降の第2特別遊技状態を終了して特図変動表示ゲームを実行可能と
するための処理では、処理番号として小当り終了処理にかかる10を設定し(ステップA
864)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA865)。次に
、小当りエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA866)
、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(ステップA
867)。そして、大入賞口カウント数領域をクリアし(ステップA868)、小当り中
制御ポインタ領域をクリアして(ステップA869)、小当り残存球処理を終了する。
一方、特定領域通過があり(ステップA863;Y)、ステップA870以降の第1特
別遊技状態を発生させる処理を行う場合は、飾り特図コマンド領域からコマンドをロード
して準備し(ステップA870)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA871)。
次に、V大当りファンファーレコマンドを準備して(ステップA872)、演出コマンド
設定処理を行う(ステップA873)。
その後、大当り(V大当り)の開始に関する信号外部情報出力データ領域にセーブし(
ステップA874)、大当り(V大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作
動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)を試
験信号出力データ領域にセーブする(ステップA875)。
そして、遊技状態表示番号領域に大当り中の番号をセーブし(ステップA876)、ラ
ウンド数上限値テーブルを設定して(ステップA877)、ラウンド数上限値情報に対応
するラウンド数上限値(5又は10)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ス
テップA878)。さらに、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを
取得してラウンドLEDポインタ領域にセーブし(ステップA879)、ラウンド数領域
に初期値(ここでは1)をセーブする(ステップA880)。ラウンド数の上限値として
は5又は10ラウンドが設定されるが、小当り動作が1ラウンド目に相当するので、ラウ
ンド数初期値として1を設定することで特別遊技状態では4ラウンド分又は9ラウンド分
の開放が行われるようにしている。
その後、処理番号としてファンファーレ/インターバル処理にかかる3を設定し(ステ
ップA881)、特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA882)。さらに、
V大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA883
)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA884)を行って、
ステップA868に移行する。
〔小当り終了処理〕
図2-27に、本実施形態の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA19)を示す。
この小当り終了処理では、まず、普電サポート中であるかを判定する(ステップA93
1)。普電サポート中である場合(ステップA931;Y)は、ステップA937に移行
する。普電サポート中でない場合(ステップA931;N)は、左打ち指示に関する信号
(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステッ
プA932)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部56a)を消灯させ
るため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA933
)、ステップA937に移行する。
次に、天井時短発動フラグがあるかを判定する(ステップA937)。天井時短発動フ
ラグがない場合(ステップA937;N)は、ステップA940に移行する。また、天井
時短発動フラグがある場合(ステップA937;Y)は、天井時短回数の初期値を時間短
縮変動回数1領域と時間短縮変動回数2領域にセーブする(ステップA938)。ここで
は時間短縮変動回数1領域に時間短縮変動回数1として505を設定し、時間短縮変動回
数2領域に時間短縮変動回数2として500を設定する。また、小当りの種類ごとに終了
条件となる導出回数を設定するとともに、小当りの種類ごとの導出回数を積算するカウン
タを0クリアする。
そして、サポ作動設定処理を行い(ステップA939)、ステップA940に移行する
その後、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA940)、処
理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA941)。
さらに、小当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF)を外部情報出力
データ領域にセーブして(ステップA942)、小当りの終了に関する信号(例えば、特
別図柄1小当り信号をOFF、特別図柄2小当り信号をOFF)を試験信号出力データ領
域にセーブする(ステップA943)。
続いて、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA944)、演出モード移行情
報領域をクリアして(ステップA945)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視
期間中フラグをセーブして(ステップA946)、小当り終了処理を終了する。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、図2-28に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
〔メイン処理〕
図2-28に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理として
ループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアす
る(ステップC8)。次いで、演出ボタン25や十字キー29の操作に基づく入力信号(
立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う
。演出ボタン25や十字キー29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、こ
の演出ボタン入力処理では演出ボタン25や十字キー29からの入力があった時に、演出
内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLED
や液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う
(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を
更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェッ
ク処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編
集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定
する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を
行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/3
0秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画
像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施
形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/6
0秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイ
ミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り
替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切
り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した
場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステ
ップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)に
は、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する
制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や表示板350を含む
枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置
44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、演出
を制御する盤演出設定処理(ステップC20)を行って、WDTをクリアする処理(ステ
ップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図2-29には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204
)、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コ
マンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。
このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、
受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマン
ド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中
に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)
を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位
でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定し
た場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド
受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、
コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステッ
プC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分の
コマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信
数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、
ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと
判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。こ
のように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信した
コマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存でき
る構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図2-30には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でない
と判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップ
C234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC2
34;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(
ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する
(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドであ
る。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235
;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理
を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定す
る(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファ
ーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作
(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MO
DEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大
当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合
(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定す
る(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の
停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマ
ンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(
ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系
コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄
コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立する
コマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄
停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどが
ある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC24
1;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処
理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判
定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると
判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC2
44)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した
場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否
かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲で
あると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステッ
プC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、
MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)
には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するため
に必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出
ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表
示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンにな
るか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始
動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演
出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド
)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知ら
せるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信さ
れる。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、特図変動表示ゲー
ムの開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
次に、遊技の演出等について説明する。
図2-31には通常遊技状態ST1の通常ステージにおける演出の一例を示した。なお、他の遊技状態においても基本的には同様の表示内容とされるが、遊技状態によっては一部の表示内容について表示しないようにすることも可能である。また、通常遊技状態ST1であることや他の各遊技状態であることは、表示内容によって遊技者が判別できるようになっている。
図2-31(a)に示すように、表示装置41の表示領域の中央には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第1飾りゲームを表示する第1飾りゲーム表示部81が設けられる。第1飾りゲーム表示部81では、左変動表示領域81a、中変動表示領域81b、右変動表示領域81cの変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。
表示装置41の表示領域の右上部には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第2飾りゲー
ムを表示する第2飾りゲーム表示部82が設けられる。第2飾りゲーム表示部82に表示
される第2飾りゲームは、第1飾りゲーム表示部81に表示される第1飾りゲームと同様
に、左領域、中領域、右領域の各領域で識別情報を変動表示した後に停止して結果を表示
する。第2飾りゲーム表示部82には、第1飾りゲーム表示部81に表示される識別情報
(大図柄)よりも相対的に小さい識別情報(小図柄)が表示されるようになっている。
また、表示装置41の表示領域の右下部には、始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表
示を表示する待機中記憶表示部83が設けられる。
待機中記憶表示部83には、第1始動記憶や第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶
表示が表示される。通常遊技状態ST1では第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを
主として遊技が進行するため、待機中記憶表示部83には第1始動記憶に対応する飾り特
図始動記憶表示が表示される。
待機中記憶表示部83に表示される飾り特図始動記憶表示は、始動記憶と一対一に対応
し、左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された始動記憶に対応する飾り特図始動記
憶表示となるように記憶順に並んで表示され、消化される毎に左へ移行するようになって
いる。なお、待機中記憶表示部83に、特図1変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶
(第1始動記憶)に対応する飾り特図始動記憶表示と、特図2変動表示ゲームの実行権利
となる始動記憶(第2始動記憶)に対応する飾り特図始動記憶表示と、の双方を表示する
ようにしても良い。
さらに、待機中記憶表示部83では、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果や変
動パターンなどの先読み結果を、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示の表示態
様によって示唆することが可能である。
待機中記憶表示部83の左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記
憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。実行中記憶表示部84に
は、特図変動表示ゲームの開始時に待機中記憶表示部83の左端にある飾り特図始動記憶
表示が移行するようになっている。さらに、実行中記憶表示部84では、現在実行中の特
図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを、当該実行中記憶表示部84に表示される
実行中記憶表示の表示態様によって示唆することが可能である。
表示装置41の表示領域の左上部には、第1始動記憶数(特図1保留数)を表示する第
1始動記憶数表示部85aと、第2始動記憶数(特図2保留数)を表示する第2始動記憶
数表示部85bとが設けられる。
また、表示装置41の表示領域の中央上部には、遊技状態を示す遊技状態表示86が表
示され、ここでは通常遊技状態ST1であることが示されている。
また、表示領域の左下部には、特図変動表示ゲームの実行回数を表示する実行回数表示
部90が設けられている。この実行回数表示部90は宝箱を模した表示であり、特図変動
表示ゲームの実行回数が所定回数となった場合などに遊技に関する示唆又は報知を行うこ
とが可能となっている。本実施形態の遊技機では、実行回数が「11」、「88」のよう
な二桁ぞろ目や、「123」、「345」、「432」のような順目、「222」や「3
33」のような三つ揃い、「100」、「300」のようなキリ番の場合を所定回数とし
ている。もちろん、これ以外の実行回数を所定回数としても良い。
本実施形態では、第1特別遊技状態ST2の終了から計数を開始した特図変動表示ゲー
ムの実行回数を示している。この計数の開始タイミングは、天井への到達を管理するため
に特図変動表示ゲームの実行回数の計数を開始するタイミングと一致しており、実行回数
表示部90の値により天井への到達までの残り実行回数を把握可能となっている。
もちろん、これ以外の開始タイミングからの特図変動表示ゲームの実行回数を表示する
ようにしても良い。
新たな特図変動表示ゲームが開始されると、図2-31(b)に示すように待機中記憶表示部83の左端にある飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部84へ移行する演出が実行されるとともに、待機中記憶表示部83の左端以外にある飾り特図始動記憶表示が待機中記憶表示部83内において左へ移行する。さらに、第1始動記憶数表示部85aの数値が変化する。また、第1飾りゲーム表示部81及び第2飾りゲーム表示部82で識別情報の変動表示が開始される。
所定の変動時間が終了すると図2-31(c)に示すように結果態様が停止表示される。ここでは結果がはずれとなっており、結果態様としてはずれの結果態様が表示される。結果が大当り又は小当りであった場合はそれぞれ対応する結果態様が表示される。また、結果がサポ当りであった場合ははずれの結果態様が表示されるが、サポ当りに対応した結果態様を表示するようにしても良い。
結果態様を表示する所定の停止表示時間が経過すると特図変動表示ゲームが終了し、実
行中記憶表示部84に表示される実行中記憶表示が消去される。また、特図変動表示ゲー
ムの終了に伴い実行回数表示部90に表示される実行回数が増加し、ここでは600回の
特図変動表示ゲームを実行したことが示されている。
図2-31(d)に示すように次の特図変動表示ゲームが開始された後、図2-31(e)に示すように宝箱を模した実行回数表示部90が開いて、中から「遊」の文字が記載された示唆表示93が飛び出す演出が行われる。本実施形態の遊技機では、第1特別遊技状態の終了から大当りが発生せずに600回の特図変動表示ゲームを実行した場合に天井に到達して特定遊技状態ST4となるようにされている。この天井の到達に伴い開始される特定遊技状態ST4は遊タイムと称するものであり、この遊タイムを示す「遊」の文字が記載された示唆表示93が出現することで天井への到達を報知している。
そして、図2-31(f)に示すように天井の到達に基づく特定遊技状態ST4が開始されたことを示す「遊タイム突入!!」の報知表示94が行われ、図2-31(g)に示すように遊技状態表示86に特定遊技状態ST4であることを示す「チャンスステージ」の表示がなされる。
また、特定遊技状態ST4では第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームが主として
実行されるので、待機中記憶表示部83には第2始動記憶に対応した表示も行われる。第
2始動記憶に対応する待機中記憶表示部83は、通常遊技状態ST1において第1始動記
憶に対応する待機中記憶表示部83が表示されていた位置で同じように表示される。また
、第1始動記憶に対応する待機中記憶表示部83は第2始動記憶に対応する待機中記憶表
示部83の上に小さく表示される。なお、特定遊技状態ST4においては待機中記憶表示
部83や実行中記憶表示部84を表示しないようにしても良い。
図2-31(h)に示すように特図変動表示ゲームが終了すると、実行回数表示部90に表示された実行回数が増加する。実行回数表示部90に表示される実行回数は、天井に到達しても次回の大当りが発生するまで計数を継続するようになっている。
このように、本実施形態の遊技機では、天井の到達を実行回数表示部90で報知するよ
うにしており、飾り特図変動表示ゲームの変動パターンや結果態様は天井への到達の有無
に関係なく選択されたものとしている。これにより、天井の到達に伴い飾り特図変動表示
ゲームの変動パターンや結果態様を特定の変動パターンや結果態様に変更する必要がなく
、制御の負担を軽減することができる。もちろん、飾り特図変動表示ゲームの変動パター
ンや結果態様を天井の到達を示す特定の変動パターンや結果態様としても良い。
なお、実行回数表示部90は、天井の到達に伴い表示を終了し、次回の大当りに基づく
第1特別遊技状態ST2の終了に伴い表示を開始するようにしても良い。また、天井の到
達に伴い実行回数の表示のみを終了し、宝箱を模した表示は表示したままとしても良い。
また、実行回数表示部90は、第1特別遊技状態ST2の終了後、所定回数の特図変動
表示ゲームを実行したタイミングから表示を開始するようにしても良い。また、宝箱を模
した表示は第1特別遊技状態ST2の終了に伴い表示するがこの時点では実行回数の表示
を行わず、実行回数の表示については第1特別遊技状態ST2の終了後、所定回数の特図
変動表示ゲームを実行したタイミングから表示を開始するようにしても良い。
また、実行回数表示部90は宝箱を模した表示に限られずどのような表示であっても良
い。特図変動表示ゲームの実行回数の増加に伴い変化する表示であっても良く、例えば、
特図変動表示ゲームの実行回数の増加に伴い、つぼみから徐々に膨らんで開花する表示と
することで天井への到達を示唆する表示としても良い。また、特図変動表示ゲームの実行
回数の増加に伴い、宝箱の装飾や色彩が変化するようにして天井への到達を示唆するよう
にしても良い。
また、実行回数表示部90での実行回数の表示は、特図変動表示ゲームの終了に伴い実
行回数が増加するカウントアップ方式での表示としたが、特図変動表示ゲームの終了に伴
い天井到達までの残り実行回数が減少するカウントダウン方式での表示としても良い。
また、図2-31に示したような実行回数表示部90による報知は、天井への到達に限られるものではなく、実行回数が二桁ぞろ目、順目、三つ揃い、キリ番等の特定の回数となることに基づき実行可能である。
例えば、図2-31(i)に示すように実行回数が三つ揃いの111回となることに基づき報知を実行可能であり、ここでは宝箱を模した実行回数表示部90が開いて、中から「SPリーチ」の文字が記載された示唆表示93が飛び出す演出が行われて、実行中の特図変動表示ゲームがSPリーチとなることが報知されている。
また、図2-31(j)に示すように実行回数が順目の123回となることに基づき報知を実行可能であり、ここでは宝箱を模した実行回数表示部90が開いて、中から「激熱」の文字が記載された示唆表示93が飛び出す演出が行われて、実行中の特図変動表示ゲームが大当りとなる可能性が非常に高いことが報知されている。
また、実行中の特図変動表示ゲームではなく、始動記憶を対象とした示唆又は報知を行うようにしても良い。
上述のような報知は、実行回数が二桁ぞろ目、順目、三つ揃い、キリ番等の特定の回数となることに基づき実行可能であるが、特定の回数において必ず行うようにしても良いし、特定の回数になっても報知を行わない場合があるようにしても良い。
図2-32には、実行回数表示部90による示唆又は報知の別例を示した。この例は、特図変動表示ゲームの実行回数が二桁ぞろ目、順目、三つ揃い、キリ番等の特定の回数であるか否かにかかわらず報知を実行可能とする例である。
図2-32(a)から(d)に示す例は、実行中の特図変動表示ゲームについての示唆又は報知を行う例である。図2-32(a)に示すように、ここでは実行回数表示部90に表示される実行回数が「114」となっており、二桁ぞろ目、順目、三つ揃い、キリ番等の特定の回数ではない回数となっている。
このように特定の回数でない場合でも報知を実行可能であり、この場合はまず図2-32(b)に示すように実行中記憶表示部84の実行中記憶表示が鍵を模した特定表示92に変化する。この特定表示92は、宝箱を模した実行回数表示部90が開いて示唆又は報知が行われることを示唆するものである。ここでは実行中の特図変動表示ゲームが対象なので実行中記憶表示が特定表示92に変化している。そして、図2-32(c)に示すように宝箱を模した実行回数表示部90が開いて、中から「リーチ」の文字が記載された示唆表示93が飛び出す演出が行われてリーチとなることが報知され、図2-32(d)に示すようにリーチ状態となる。
また、図2-32(e)から(h)に示す例は、始動記憶についての事前判定結果の示唆又は報知を行う例である。図2-32(e)に示すように、ここでは実行回数表示部90に表示される実行回数が「126」となっており、二桁ぞろ目、順目、三つ揃い、キリ番等の特定の回数ではない回数となっている。この特図変動表示ゲームの実行中に、図2-32(f)に示すように待機中記憶表示部83の飾り特図始動記憶表示が鍵を模した特定表示92に変化している。特定表示92に変化する飾り特図始動記憶表示は、示唆又は報知の対象となる始動記憶に対応した飾り特図始動記憶表示となっている。
そして、図2-32(g)に示すように宝箱を模した実行回数表示部90が開いて、中から「熱」の文字が記載された示唆表示93が飛び出す演出が行われて始動記憶に大当りとなる可能性が高い始動記憶があることが報知され、図2-32(h)に示すように飾り特図始動記憶表示の表示態様が変化する。
実行回数表示部90を用いて行われる示唆又は報知は上述のものに限られず、大当り、小当り又はSPリーチとなることや、演出で使用可能なポイントやアイテムを獲得することなど、どのようなものであっても良い。また、サポ当りが発生することを報知するようにしても良く、この場合には図2-31に示したのと同様に飾り特図変動表示ゲームの変動パターンや結果態様はサポ当りの有無に関係なく選択されたものとし、飾り特図変動表示ゲームの変動パターンや結果態様を特定の変動パターンや結果態様に変更する必要をなくして、制御の負担を軽減するようにしても良い。
また、図2-32に示した例では、報知の対象となる実行中記憶表示や飾り特図始動記憶表示を特定表示92に変化させるようにしたが、図2-31に示す例においても同様に報知の対象となる実行中記憶表示や飾り特図始動記憶表示を特定表示92に変化させるようにしても良い。
また、図2-31に示したように特図変動表示ゲームの実行回数が特定の回数になることに基づき行われる報知と、図2-32に示したように特図変動表示ゲームの実行回数が特定の回数であるか否かにかかわらず行われる報知と、の両方をそれぞれ一の特図変動表示ゲームで実行可能としても良い。
また、図2-31に示したように特図変動表示ゲームの実行回数が特定の回数になることに基づき行われる報知と、図2-32に示したように特図変動表示ゲームの実行回数が特定の回数であるか否かにかかわらず行われる報知と、の両方について一の特図変動表示ゲームで実行することが選択された場合に、いずれか一方の報知を優先するようにして当該一方の報知のみ行うようにしても良い。例えば、特定の回数であることから図2-31に示した報知を優先するようにしても良いし、報知する対象があることに基づき行われる図2-32に示した報知を優先するようにしても良い。
また、特図変動表示ゲームの実行中に限られず、特別遊技状態の実行中に実行回数表示
部90を用いて示唆又は報知を行うようにしても良い。例えば、特別遊技状態の終了後の
特定遊技状態ST4の終了条件を示唆又は報知するようにしても良い。また、大当りとな
る確率を高確率と低確率のいずれかで制御可能な遊技機の場合は、特別遊技状態の終了後
の確率を示唆又は報知するようにしても良い。
特別遊技状態の実行中においては、実行回数表示部90にラウンド数を表示するように
しても良いし、獲得遊技球数を表示するようにしても良く、これらの値が所定の値となっ
た場合に示唆表示93を出現させるようにしても良いし、値に関係なく示唆表示93を出
現させるようにしても良い。また、獲得遊技球数を表示する場合には、通常遊技状態ST
1での大当りの導出から、通常遊技状態ST1に戻るまでの期間であるいわゆる連荘期間
で獲得した獲得遊技球数を表示するようにしても良い。また、連荘期間での大当り回数で
ある連荘回数を実行回数表示部90に表示し、この値が所定の値となった場合に遊技に関
する示唆又は報知を行うようにしても良い。
また、上述の例では所定のタイミングとなると宝箱を模した実行回数表示部90が開く
ようにしたが、遊技者による演出ボタン25などの操作に基づき宝箱を模した実行回数表
示部90が開いて示唆又は報知を行うようにしても良い。また、複数の宝箱を模した実行
回数表示部90を表示し、遊技者による演出ボタン25などの操作に基づき開く宝箱を選
択できるようにしても良い。
また、実行回数表示部90に表示する実行回数は第1特別遊技状態ST2の終了からの
特図変動表示ゲームの実行回数としたが、任意のタイミングからの特図変動表示ゲームの
実行回数とし、この値が所定の値となった場合に遊技に関する示唆又は報知を行うように
しても良い。例えば、所定条件の成立に伴い特定の演出モードを発生可能とし、当該演出
モードの開始からの特図変動表示ゲームの実行回数を表示するようにしても良い。
また、特図変動表示ゲームの実行回数ではなく、遊技の演出で獲得したポイント数を実
行回数表示部90に表示し、当該ポイントが所定の値となることに基づき遊技に関する示
唆又は報知を行うようにしても良い。また、任意のタイミングからの経過時間を実行回数
表示部90に表示し、当該経過時間が所定の値となることに基づき遊技に関する示唆又は
報知を行うようにしても良い。
また、任意のタイミングからの特定の結果態様の導出回数を実行回数表示部90に表示
し、当該導出回数が所定の値となることに基づき遊技に関する示唆又は報知を行うように
しても良い。特定の結果態様としては、小当りの導出回数としても良いし、小当りのうち
の特定の種類の小当り(例えば小当りA)としても良い。特に、本実施形態の遊技機では
、特定遊技状態ST4において小当りの種類ごとに終了条件を満たす導出回数が定められ
ており、特定遊技状態ST4の開始からの小当りの種類ごとの導出回数を表示することで
特定遊技状態ST4の終了条件の成立の可能性を遊技者が視認することが可能となる。
また、小当りについては種類によって飾り特図変動表示ゲームの結果態様が異なるよう
にして小当りの種類を判別できるようにしているが、宝箱を模した実行回数表示部90か
ら出現する示唆表示93により導出された小当りの種類を報知するようにしても良い。ま
た、飾り特図変動表示ゲームでの小当りの結果態様を小当りの種類にかかわらず共通の結
果態様とし、宝箱を模した実行回数表示部90から出現する示唆表示93により導出され
た小当りの種類を報知するようにしても良い。
また、特定遊技状態ST4の開始からの特図変動表示ゲームの実行回数を実行回数表示
部90に表示し、特図変動表示ゲームの実行回数による特定遊技状態ST4の終了条件の
成立の可能性を遊技者が視認できるようにしても良い。さらに、この値が所定の値となっ
た場合に遊技に関する示唆又は報知を行うようにしても良い。
またRTC338からの情報に基づき日時や時刻の情報を実行回数表示部90に表示し
、この値が所定の値となった場合に遊技に関する示唆又は報知を行うようにしても良い。
また、上述のように、第1特別遊技状態ST2の終了からの特図変動表示ゲームの実行
回数以外の値を表示する場合には、第1特別遊技状態ST2の終了からの特図変動表示ゲ
ームの実行回数を併せて表示するようにしても良い。また、第1特別遊技状態ST2の終
了からの特図変動表示ゲームの実行回数以外の値を表示している期間では、一時的に第1
特別遊技状態ST2の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数の表示を行わないように
し、第1特別遊技状態ST2の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数以外の値の表示
が終了した後に第1特別遊技状態ST2の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数の表
示を再開するようにしても良い。
図2-33には、天井への到達を示唆する到達示唆演出の別例を示した。
図2-33(a)、(b)に示すように特図変動表示ゲームが実行され、天井に到達するまでの残り実行回数が50ゲームとなっている。これに伴い次の特図変動表示ゲームから天井への到達を示唆する到達示唆演出が開始される。
この到達示唆演出では、まず図2-33(c)に示すように到達示唆演出が開始されることを報知する報知表示95が行われ、図2-33(d)に示すように表示領域の右下部に天井への到達の可能性を示唆する状態表示部96が表示される。
状態表示部96は、図2-33(d)に示すような笑顔の表示と、図2-33(e)に示すようなドクロの表示と、を表示可能である。
天井への到達の条件は大当りが発生せずに規定回数の特図変動表示ゲームを実行するこ
とであり、規定回数の特図変動表示ゲームを実行する前に大当りが発生すると積算された
特図変動表示ゲームの実行回数がリセットされてしまう。状態表示部96は、天井の到達
まであと僅かという期間において天井へ到達できるかを示唆するものであり、実行中の特
図変動表示ゲーム及び始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが大当りとならない場合は、
まもなく天井へ到達する可能性があり遊技者にとって有利であるとして笑顔の表示とする
また、実行中の特図変動表示ゲーム及び始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが大当り
となる場合は、積算された特図変動表示ゲームの実行回数がリセットされてしまい天井へ
の到達が遠くなってしまうので、遊技者にとって不利であるとしてドクロの表示とするよ
うになっている。
さらに、図2-6に示したように、通常遊技状態ST1で大当りとなる場合よりも、特定遊技状態ST4において大当りとなる場合の方が遊技者にとって有利であり、天井への到達まであと僅かという状態では、天井に到達する前に大当りとなってしまうよりも天井に到達してから大当りとなった方が良いため、この期間での大当りの発生が遊技者にとって不利であるとしてドクロの表示としている。
また、図2-33(f)に示すように実行中の特図変動表示ゲーム及び始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが完了することで天井に到達する状況において、実行中の特図変動表示ゲーム及び始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りでないことが事前判定結果により判明して天井への到達が確定した場合には、状態表示部96に「遊」の表示を行うことで天井への到達が確定したことを報知可能となっている。
以上のように状態表示部96で様々な表示を行うことにより、天井への到達を期待する遊技者の興趣を向上するようにしている。
また、状態表示部96を表示する到達示唆演出の実行中においては、遊技者が演出の実行態様を演出ボタン25などの操作によって選択可能となっている。
選択可能な演出の実行態様としては、図2-33(d)に示すような通常の演出の実行態様の他、図2-33(g)に示すように特図変動表示ゲームの変動開始や停止などに関係なく到達示唆演出の全期間にわたり一連の演出映像を表示する実行態様や、図2-33(h)に示すように特図変動表示ゲームの変動開始や停止などに関係なく演出において使用可能なアイテムを収集するサブゲームを表示する実行態様が挙げられる。
図2-33(g)や(h)に示すような演出の実行態様では、飾り特図変動表示ゲームよりも演出表示やサブゲームが主として表示され、特図変動表示ゲームの実行や結果を遊技者に意識させないようにするものとなっている。なお、図2-33(g)や(h)に示したような演出の実行態様でも、第2ゲーム表示部82において飾り特図変動表示ゲームが表示されることや、状態表示部96により天井への到達が示唆されることで、特図変動表示ゲームの実行状況は把握可能である。
通常の遊技においては大当りとなることに対して遊技者は期待を持つので、リーチの発生など大当りの発生を煽る演出は遊技者の期待感を高めて効果的な演出となる。しかし、天井への到達が近い状況では逆に大当りとならないことに対して遊技者は期待を持つので、リーチの発生など大当りの発生を煽る演出は遊技者の不安感を高めるものとなり逆効果となる。このため、図2-33(g)や(h)に示したような演出の実行態様とすることで、リーチの発生などの大当りの発生を煽る演出を行わないようにし、遊技者が不安感を持たないようにすることで遊技の興趣の低下を防止することができる。
なお、状態表示部96では、天井へ到達可能なことを示す笑顔の表示と、天井へ到達で
きないことを示すドクロの表示を行うとしたが、これ以外の表示を行うようにしても良い
。例えば、それぞれが示唆する天井への到達の可能性の高さが異なる3つ以上の複数の表
示のうちからいずれかを表示可能とし、天井への到達の期待度を示唆するようにしても良
い。
また、状態表示部96において天井への到達に関する事項以外の遊技に関する示唆又は
報知を行うようにしても良く、上述した実行回数表示部90で行っていた示唆又は報知を
状態表示部96において行うようにしても良い。
また、状態表示部96で行っていた示唆又は報知を実行回数表示部90から出現する示
唆表示93により行うようにしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行可能な遊技機において、遊技の
演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、遊技の進
行に伴い変化する値が所定の値となることに基づき遊技に関する示唆又は報知を行うこと
が可能であることとなる。
したがって、遊技の進行に伴い遊技に関する示唆又は報知が行われるようになり、遊技
の興趣を向上することができる。
また、遊技の演出を表示する表示手段(表示装置41)を備え、演出制御手段は、ゲー
ムの実行回数が所定の回数となることに基づき遊技に関する示唆又は報知を行うことが可
能であり、ゲームの実行回数を表示手段に表示可能であることとなる。
したがって、演出の実行タイミングを遊技者が把握可能となり、遊技の興趣を向上する
ことができる。
また、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技球の入賞
によりゲームの実行権利を発生であり、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態
とに変換可能な変動入賞装置(普通変動入賞装置37)と、を備え、遊技制御手段は、ゲ
ームの結果が特別結果となることに基づき遊技者に有利な特別遊技状態(第1特別遊技状
態ST2)を発生可能であり、変動入賞装置の動作状態を、第1状態(普電サポート無し
)と、該第1状態よりも遊技球の入賞が容易な第2状態(普電サポート有り)とのいずれ
かで制御するように構成され、特別遊技状態の終了からのゲームの実行回数が予め定めら
れた特定回数となることに基づき、第1状態から第2状態に変更することが可能であり、
演出制御手段は、特別遊技状態の終了からのゲームの実行回数を表示手段に表示可能であ
り、当該ゲームの実行回数が所定の回数となることに基づき遊技に関する示唆又は報知を
行うようにしたこととなる。
したがって、天井への到達を示唆しつつ様々な情報が示唆又は報知されるようになり、
遊技の興趣を向上することができる。
次に、特定遊技状態ST4での遊技の進行について説明する。
図2-34(a)には、特定遊技状態ST4での遊技の進行の一例を示した。この例では特定遊技状態ST4の終了条件がサポートA又はサポートBである場合を示した。
第1特別遊技状態ST2で特別変動入賞装置38の開放が終了すると(t11)、エンディング期間となり(t11~t12)、エンディング期間が終了すると第1特別遊技状態ST2が終了して特定遊技状態ST4となって普電サポート有りの状態となる(t12)。
また、第1特別遊技状態ST2の終了に伴い特図変動表示ゲームが開始され(t12)、識別情報を変動表示する変動時間(t12~t13)を経て結果を停止表示する停止表示時間となる(t13~t14)。停止表示時間が終了すると特図変動表示ゲームが終了する(t14)。
ここでは結果が小当りAであり、停止表示時間の終了に伴い第2特別遊技状態ST3と
なる(t14)。この小当りAの導出は特定遊技状態ST4で1回目の小当りAの導出で
あり、特定遊技状態ST4での1回目の特図変動表示ゲームであるので、特定遊技状態S
T4の終了条件は成立していない。このように終了条件が成立しない小当りの導出に基づ
く第2特別遊技状態ST3では、結果が導出された際の状態である普電サポート有りの状
態が維持される。
第2特別遊技状態ST3では、まずファンファーレ期間となり(t14~t15)、そ
の後に特別変動入賞装置38が開放される開放期間となり(t15~t16)、エンディ
ング期間となって(t16~t17)第2特別遊技状態ST3が終了する。ここでは第2
特別遊技状態ST3において特定領域へ遊技球が流入しておらず、第2特別遊技状態ST
3の終了に伴い次の特図変動表示ゲームが開始される(t17)。
この特図変動表示ゲームにおいても、識別情報を変動表示する変動時間(t17~t1
8)、結果を停止表示する停止表示時間(t18~t19)を経て特図変動表示ゲームが
終了する(t19)。ここでは結果がはずれであり、この特図変動表示ゲームは特定遊技
状態ST4での2回目の特図変動表示ゲームであるので、特定遊技状態ST4の終了条件
は成立しておらず、普電サポートありの状態が維持されたまま次の特図変動表示ゲームが
開始される(t19)。
この特図変動表示ゲームにおいても、識別情報を変動表示する変動時間(t19~t2
0)、結果を停止表示する停止表示時間(t20~t21)を経て特図変動表示ゲームが
終了する(t21)。ここでは結果が小当りAであり、停止表示時間の終了に伴い第2特
別遊技状態ST3となる(t21~t24)。この小当りAの導出は特定遊技状態ST4
で2回目の小当りAの導出であり、特定遊技状態ST4での3回目の特図変動表示ゲーム
であるので、特定遊技状態ST4の終了条件は成立していない。終了条件が成立しない小
当りの導出に基づく第2特別遊技状態ST3では、結果が導出された際の状態である普電
サポート有りの状態が維持される。
ここでは第2特別遊技状態ST3において特定領域へ遊技球が流入しておらず、第2特
別遊技状態ST3の終了に伴い次の特図変動表示ゲームが開始される(t24)。
次の特図変動表示ゲームでも識別情報を変動表示する変動時間(t24~t25)、結
果を停止表示する停止表示時間(t25~t26)を経て特図変動表示ゲームが終了する
(t26)。ここでは結果が小当りAであり、停止表示時間の終了に伴い第2特別遊技状
態ST3となる(t26~t29)。この小当りAの導出は特定遊技状態ST4で3回目
の小当りAの導出であり、これにより特定遊技状態ST4の終了条件が成立している。
特定遊技状態ST4の終了条件が成立する小当りが導出された際には、特図変動表示ゲ
ームの停止表示時間の終了に伴い普電サポートが終了するようになっている(t26)。
これにより、当該小当りに基づく第2特別遊技状態ST3は普電サポート無しの状態で行
われることとなる。ここでは第2特別遊技状態ST3において特定領域へ遊技球が流入し
ており、第2特別遊技状態ST3の終了に伴い第1特別遊技状態ST2となる(t29)
図2-34(b)には、第2特別遊技状態ST3におけるレバーソレノイド38fの動作と、第2特別遊技状態ST3の実行態様について示した。
レバーソレノイド38fは、特定領域への遊技球の流入を制御可能なレバー部材を動作するものであり、レバーソレノイド38fがONの状態ではレバー部材が特定領域を開放して遊技球の流入を許容する状態となり、レバーソレノイド38fがOFFの状態ではレバー部材が特定領域を閉鎖して遊技球の流入を不能とする状態となる。
上段には普電サポート有りの状態で行われる第2特別遊技状態ST3の動作態様である
第1動作態様を示した。この第1動作態様では、特別変動入賞装置38を開放する前のフ
ァンファーレ期間(t41~t44)の間にレバーソレノイド38fがON状態となって
特定領域への遊技球の流入を許容する状態となる(t43~t44)。その後、特別変動
入賞装置38を開放する開放期間では(t44~t46)、レバーソレノイド38fはO
FF状態が維持されて特定領域への遊技球の流入を不能とする状態となる。開放期間の終
了後、特別変動入賞装置38の閉鎖後のエンディング期間(t46~t47)でもレバー
ソレノイド38fはOFF状態が維持されて特定領域への遊技球の流入を不能とする状態
のままとされ、第2特別遊技状態ST3が終了する。
すなわち、第1動作態様では特別変動入賞装置38が開放される前に特定領域への遊技
球の流入を許容する状態が終了しており、特別変動入賞装置38が開放される開放期間で
は特定領域へ遊技球が流入できない状態となる。よって、特別変動入賞装置38の開放に
伴い遊技球が特別変動入賞装置38に流入しても特定領域へは流入できないこととなり、
第1特別遊技状態ST3の発生は困難となる。
これに対して下段に示す普電サポート無しの状態で行われる第2特別遊技状態ST3の
動作態様である第2動作態様では、特別変動入賞装置38を開放する前のファンファーレ
期間(t41~t42)の後の特別変動入賞装置38を開放する開放期間(t42~t4
4)において、レバーソレノイド38fがON状態となって特定領域への遊技球の流入を
許容する状態となる(t43~t44)。その後、エンディング期間となって(t44~
t45)、第2特別遊技状態ST3が終了する。
すなわち、第2動作態様では特別変動入賞装置38が開放されている期間に特定領域へ
の遊技球の流入を許容する状態となるので、特別変動入賞装置38に遊技球が流入すれば
特定領域へ流入する可能性があり、第1特別遊技状態ST3が発生する可能性がある。
図2-34(a)の例では、特定遊技状態ST4の終了条件が成立しない小当りに基づく第2特別遊技状態ST3の場合(t14~t17、t21~t24)は、第2特別遊技状態ST3は普電サポート有りの状態で行われることとなるので図2-34(b)の上段に示す第1動作態様となり、特別変動入賞装置38に遊技球が流入しても特定領域へは流入できず第1特別遊技状態ST2の発生は困難である。
これに対して、特定遊技状態ST4の終了条件が成立する小当りに基づく第2特別遊技状態ST3の場合(t26~t29)は、第2特別遊技状態ST3は普電サポート無しの状態で行われることとなるので図2-34(b)の下段に示す第2動作態様となり、特別変動入賞装置38に遊技球が流入すれば特定領域へ遊技球が流入可能であり第1特別遊技状態ST3が発生する可能性がある。
このように普電サポートの有無により第2特別遊技状態ST3の実行態様を異ならせ、
小当りの導出により特定遊技状態ST4の終了条件が成立した場合にのみ第1特別遊技状
態ST3が発生する可能性があるようにすることで、特定遊技状態ST4で規定回数の小
当りを発生させることを目的とする新たなゲーム性を持たせることができ、遊技の興趣を
向上することができる。
さらに、小当りの種類によりその後に設定される特定遊技状態ST4の終了条件を異な
らせるとともに、特定遊技状態ST4の終了条件において小当りの種類ごとに終了条件が
成立する導出回数を異ならせることで、小当りの種類や終了条件について価値の差を持た
せることができ、遊技の興趣を向上することができる。
図2-6(c)に示したように、小当りの種類によって付与される特定遊技状態ST4の終了条件が異なっており、小当りAはサポートAが付与され、小当りBはサポートBが付与され、小当りCはサポートCが付与される。サポートAからCは遊技者にとっての有利さが異なるものであり、小当りAからCは遊技者にとっての有利さが異なるものとなっている。
図2-6(f)に示した特定遊技状態ST4の終了条件においては、サポートAよりもサポートBの方が遊技者にとって有利な終了条件である。この両条件は特定遊技状態ST4が終了する小当りの導出回数は共通であるが、実行可能なゲーム数が異なる。実行可能なゲーム数が多いほど小当りの導出により特定遊技状態ST4が終了する可能性が高まるので、サポートAよりもサポートBの方が遊技者にとって有利な終了条件である。
また、サポートBよりもサポートCの方が遊技者にとって有利な終了条件である。サポートBは実行可能なゲーム数がそれほど多くないため、実行可能なゲーム数が上限に達することにより特定遊技状態ST4が終了する可能性が高い。しかし、サポートCは実行可能なゲーム数が非常に多く、ほとんどの場合で小当りの導出により特定遊技状態ST4が終了することとなり、第1特別遊技状態ST2に移行する可能性が高い。
よって、サポートAが付与される小当りAの導出により特定遊技状態ST4が終了する
よりも、サポートBが付与される小当りBの導出により特定遊技状態ST4が終了する方
が遊技者にとって有利である。また、サポートBが付与される小当りBの導出により特定
遊技状態ST4が終了するよりもサポートCが付与される小当りCの導出により特定遊技
状態ST4が終了する方が遊技者にとって有利である。なお、実行可能なゲーム数が上限
に達することで特定遊技状態ST4が終了する場合が最も不利な場合となる。
そして、サポートA、サポートBの場合は、小当りAを3回導出、小当りBを1回導出
、小当りCを1回導出のいずれかで終了条件が成立するので、小当りAからCのいずれで
も終了条件が成立する可能性があるようにされている。また、実行可能なゲーム数が少な
いので小当りの導出により終了条件が成立する前にゲーム数が上限に達することで終了条
件が成立することも多い。
これに対してサポートCの場合は、小当りAを500回導出、小当りBを10回導出、
小当りCを1回導出のいずれかで終了条件が成立するようにしているため、小当りAの導
出により終了条件が成立することはほとんどない。また、実行可能なゲーム数が多いので
ゲーム数により終了条件が成立する前に小当りの導出により終了条件が成立することがほ
とんどである。よって、実質的に小当りB又は小当りCの導出により終了条件が成立する
こととなり、特に、小当りCの導出により終了条件が成立する可能性が高い。
つまり、サポートCはサポートAやサポートBよりも遊技者にとって有利な終了条件で
特定遊技状態ST4が終了する可能性が高く、サポートA、サポートBに比べて非常に有
利なものとなっている。
このように、特定遊技状態ST4の終了条件が成立する小当りの導出回数を小当りの種
類により異ならせることで、第1特別遊技状態ST2に移行する可能性の高さや、付与さ
れる特定遊技状態ST4の終了条件に差異を持たせることができる。
また、設定する小当りの導出回数によっては実質的に終了条件が成立する小当りを限定することが可能となり、終了条件が成立する小当りの種類について遊技機で設定されている各小当りの種類の選択確率だけでは実現できない偏りを持たせることができて遊技の興趣を向上することができる。例えば、小当りの種類の選択確率は、図2-6(b)に示したように小当りAが最も高く、小当りB、小当りCの順に低くなっているが、サポートCで終了条件が成立する可能性の高さは、上述の選択確率の順とは逆に小当りAが最も低く、小当りB、小当りCの順に高くなっていて小当り種類の選択確率とは逆転しており、小当りの種類の選択確率自体を変更することなく終了条件が成立する可能性の高さを任意に設定可能である。
なお、特図変動表示ゲームの実行回数が上限に達することで特定遊技状態ST4が終了して残保留消化状態ST5となった場合において、当該残保留消化状態ST5で小当りが導出された場合には、第2特別遊技状態ST2での動作態様を図2-34(b)の上段の第1動作態様とする場合と、下段の第2動作態様とする場合とが考えられる。
残保留消化状態ST5は普電サポートなしの状態となるので、これに従い図2-34(b)の下段に示した第2動作態様とするようにし、残保留消化状態ST5で小当りを導出すれば大当りとなる可能性を持たせるようにしても良い。このようにする場合は、特定遊技状態ST4の終了時に残保留となる第2始動記憶の事前判定結果に基づき小当りとなる可能性があることを示唆又は報知するようにしても良い。
また、特定遊技状態ST4の終了から残保留消化状態ST5の終了までを一連の演出として、残保留消化状態ST5に移行したことを遊技者に意識させないようにしても良い。このようにすることで特定遊技状態ST4において小当りが導出されて大当りとなったかのような印象を持たせることができる。
さらに、特定遊技状態ST4の最後の特図変動表示ゲームと残保留消化状態ST5での特図変動表示ゲームを一連の演出として一の特図変動表示ゲームのように見せることで、特定遊技状態ST4の最後の特図変動表示ゲームでは小当りが導出されて大当りとなりやすいという印象を与えることができ、遊技の興趣を向上することができる。
これに対して残保留消化状態ST5で小当りが導出された場合には、図2-34(b)の上段に示した第1動作態様とするようにし、残保留消化状態ST5で小当りが導出されても大当りとならないようにしても良い。このようにすれば、特定遊技状態ST4が小当りの導出により終了条件が成立して終了した場合にのみ特定領域への遊技球の流入が容易となるようにすることができ、特定遊技状態ST4で小当りを規定回数発生させることに対する価値を持たせることができる。
また、特定遊技状態ST4が実行可能なゲーム数が上限に達することで終了する場合に、特定遊技状態ST4での最後の特図変動表示ゲームの結果が終了条件を満たさない小当りである場合は、第2特別遊技状態ST2での動作態様を図2-34(b)の上段の第1動作態様とする場合と、下段の第2動作態様とする場合とが考えられる。
特定遊技状態ST4が実行可能なゲーム数が上限に達することで終了する場合には、当該最後の特図変動表示ゲームの終了に伴い普電サポートが終了するので、最後の特図変動表示ゲームで小当りが導出されると当該小当りに基づく第2特別遊技状態ST3では普電サポートがない状態となる。これに従い、当該第2特別遊技状態ST3での動作態様を図2-34(b)の下段に示した第2動作態様としても良い。
このようにすることで、最後の特図変動表示ゲームで小当りを導出すれば、小当りの導出回数による終了条件を満たしていなくても大当りとなる可能性を持たせることができ、特定遊技状態ST4の終了により落胆する遊技者を救済するような構成とすることができて遊技の興趣を向上することができる。
また、特定遊技状態ST4の最後の特図変動表示ゲームで小当りを導出させれば大当りとなるというゲーム性を持たせることもできる。
このような構成とした場合は、小当りの導出回数による特定遊技状態ST4の終了条件
を設定せずに、特図変動表示ゲームの実行回数のみを条件とする特定遊技状態ST4の終
了条件を設けても良い。例えば、100回の特図変動表示ゲームを実行することのみを特
定遊技状態ST4の終了条件とすれば、特定遊技状態ST4で100回の特図変動表示ゲ
ームを実行することが可能となる上に、最後の特図変動表示ゲームで小当りを導出すれば
第1特別遊技状態ST2が獲得可能となるというゲーム性を持たせることができて遊技の
興趣を向上することができる。
これに対して、特定遊技状態ST4が実行可能なゲーム数が上限に達することで終了する場合には、当該最後の特図変動表示ゲームで導出された小当りに基づく第2特別遊技状態ST3での動作態様を図2-34(b)の上段に示した第1動作態様としても良い。
このようにすることで、小当りの導出回数が終了条件を満たさない場合には大当りとならないようにすることができ、小当りの導出回数により終了条件を満たすことに対する価値を持たせることができる。
また、特定遊技状態ST4の最後の特図変動表示ゲームの結果が終了条件を満たさない小当りである場合には、最後の特図変動表示ゲームの終了に伴い普電サポートを終了するのではなく、第2特別遊技状態ST3の終了まで普電サポート有りの状態とするようにし、第2特別遊技状態ST3の動作態様が普電サポートの有無に従うものとするようにして図2-34(b)の上段に示した第1動作態様となるようにしても良い。
また、図2-35に示すように、特定遊技状態ST4の終了タイミングを、実行回数が上限に達することで終了条件が成立した場合と、小当りの導出回数により終了条件が成立した場合と、で異ならせるようにしても良い。
実行回数が上限に達することで終了条件が成立した場合は、図2-35(a)に示すように特定遊技状態ST4での最後の特図変動表示ゲーム(t51~t53)で停止表示時間が終了したタイミング(t53)で普電サポートを終了して特定遊技状態ST4を終了する。
また、小当りの導出回数により終了条件が成立した場合は、図2-35(b)に示すように小当りとなる特図変動表示ゲーム(t61~t63)が終了しても普電サポートを維持し、第2特別遊技状態ST2(t63~t66)が終了したタイミング(t66)で普電サポートを終了して特定遊技状態ST4を終了する。
また、第2特別遊技状態ST3での動作態様は、図2-34(b)に示したように第2特別遊技状態ST3の開始時の普電サポート有無により設定されるものとする。
このようにすることで、実行回数が上限に達することで終了条件が成立し、かつ、特定
遊技状態ST4の最後の特図変動表示ゲームで小当りが導出された場合にのみ、大当りと
なる可能性を持たせることができる。すなわち、特定遊技状態ST4を完走して最後に小
当りを導出させれば大当りとなり、特定遊技状態ST4を完走する前に小当りの導出回数
により終了条件が成立してしまうと大当りとはならずに特定遊技状態ST4が終了してし
まうというゲーム性を持たせることができる。
図2-35(c)に示す例は、実行回数が上限に達することで終了条件が成立し、かつ、特定遊技状態ST4の最後の特図変動表示ゲームで小当りが導出される例である。
この例では、特定遊技状態ST4で実行回数が上限に達しない特図変動表示ゲーム(t71~t73)が実行されており、当該特図変動表示ゲームの結果が小当りとなっている。この小当りの導出は終了条件を満たさないものであり、当該小当りに基づく第2特別遊技状態ST3(t73~t76)では普電サポート有りの状態とされ、図2-34(b)の上段の第1動作態様となり、特定領域へ遊技球が流入できず大当りとはならない。
第2特別遊技状態ST3の終了後、次の特図変動表示ゲームが実行されている(t76~t78)。この特図変動表示ゲームは実行回数が上限に達する特図変動表示ゲームであり、この特図変動表示ゲームの終了に伴い普電サポートが終了して特定遊技状態ST4が終了する(t78)。この特図変動表示ゲームは結果が小当りとなるものであり、当該小当りに基づく第2特別遊技状態ST3では普電サポート無しの状態とされる。この第2特別遊技状態ST3では図2-34(b)の下段の第2動作態様となり、特定領域へ遊技球が流入して第1特別遊技状態が開始されている(t81)。
このように、実行回数が上限に達することで終了条件が成立し、かつ、特定遊技状態ST4の最後の特図変動表示ゲームで小当りが導出された場合には、特定領域へ遊技球が流入して大当りとなる可能性がある。
図2-35(d)に示す例は、実行回数が上限に達する前に小当りの導出により終了条件が成立した例である。
この例では、特定遊技状態ST4で実行回数が上限に達しない特図変動表示ゲーム(t91~t93)が実行されており、当該特図変動表示ゲームの結果が小当りとなっている。この小当りの導出は終了条件を満たさないものであり、当該小当りに基づく第2特別遊技状態ST3(t93~t96)では普電サポート有りの状態とされ、図2-34(b)の上段の第1動作態様となり、特定領域へ遊技球が流入できず大当りとはならない。
第2特別遊技状態ST3の終了後、次の特図変動表示ゲームが実行されている(t96~t98)。この特図変動表示ゲームは実行回数が上限に達しない特図変動表示ゲームであり、普電サポート有りの状態が維持される。
この特図変動表示ゲームの終了後、次の特図変動表示ゲームが実行されている(t98~t100)。この特図変動表示ゲームは実行回数が上限に達しない特図変動表示ゲームであるが結果が小当りであり、この小当りの導出により終了条件が成立している。この場合、特図変動表示ゲームの実行回数は上限に達していないので特図変動表示ゲームが終了しても普電サポートありの状態とされ、小当りに基づく第2特別遊技状態ST3(t100~t103)は普電サポート有りの状態で実行される。このため、図2-34(b)の上段の第1動作態様となり、特定領域へ遊技球が流入できず大当りとはならない。そして、第2特別遊技状態ST3の終了に伴い普電サポートが終了して特定遊技状態ST4が終了する(t103)。
このように、実行回数が上限に達する前に小当りの導出により終了条件が成立した場合
は、大当りとならずに特定遊技状態ST4が終了する。このため、遊技者は特定遊技状態
ST4の途中では小当りが導出されないことに対して期待し、特定遊技状態ST4の実行
回数が上限に達する特図変動表示ゲームでは小当りの導出を期待するようになり、小当り
に対する関心を高めることができて遊技の興趣を向上することができる。
このような遊技の構成においても、図2-6(f)に示したように終了条件を異ならせることで終了条件の価値を異ならせることが可能である。例えば、サポートAとサポートBは、小当りの導出による終了条件は同じであるが、サポートAの方が実行回数の上限が少ないので、小当りの導出により終了条件がする前に実行回数が上限に達する可能性が高く、サポートBよりは有利な終了条件となる。また、サポートAやサポートBは実行回数の上限がそれほど多くないので、特定遊技状態ST4において特図変動表示ゲームの結果が大当りとなることはあまり期待できず、実行回数が上限に達することを主に期待する遊技性となる。
また、サポートCは小当りAの導出により終了条件が成立する可能性はほぼないので、
小当りAが導出されれば遊技者は安心するが、小当りBや小当りCの導出に対して警戒す
るようになる。また、実行回数の上限が多いため上限に達する可能性はそれほど高くなく
、小当りBや小当りCの導出により特定遊技状態ST4が終了する可能性が高い。よって
、特定遊技状態ST4が途中で終了するいわゆる転落が発生するような遊技性となり、転
落の発生と特図変動表示ゲームの結果が大当りなることのいずれが先に起こるかについて
関心を持ちつつ遊技を行う遊技性となり、サポートAやサポートBとは異なる遊技性を持
たせることができる。
なお、以上の実施形態では、普電サポートの有無により第2特別遊技状態ST3の実行
態様を異ならせるようにしたが、普電サポートの有無に関係なく異ならせるようにしても
良い。
例えば、小当りの種類により第2特別遊技状態ST3の実行態様を異ならせるようにし
ても良い。小当りAに基づく第2特別遊技状態ST3よりも小当りBに基づく第2特別遊
技状態ST3の方が特定領域への流入の可能性が高いようにし、小当りBに基づく第2特
別遊技状態ST3よりも小当りCに基づく第2特別遊技状態ST3の方が特定領域への流
入の可能性が高いようにしても良い。
また、特定遊技状態ST4での特図変動表示ゲームの実行回数により第2特別遊技状態
ST3の実行態様を異ならせるようにしても良い。
特定遊技状態ST4での特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数よりも少ない場合より
も、特定遊技状態ST4での特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数より多い場合の方
が特定領域への流入の可能性が高いようにしても良い。
また、小当りの導出による終了条件では、全ての種類の小当りについてそれぞれが終了
条件を構成するようにしたが、終了条件を構成しない小当り種類があるようにしても良い
。例えば、小当りAが終了条件を構成しないようにし、小当りAが何回導出されても終了
条件が成立しないようにしても良い。
また、小当りの導出よる終了条件では、単一種類の小当りの導出回数が所定数になるこ
ととしたが、複数種類の小当りの導出回数が所定数になることとしても良い。例えば、小
当りAを3回導出するとともに小当りBを1回導出することで終了条件が成立するように
しても良い。
さらに、特図変動表示ゲームの実行回数と小当りの導出回数を組み合わせて終了条件と
しても良い。例えば、小当りAを3回導出するとともに特図変動表示ゲームを20回実行
することを終了条件としても良い。このようにすることで、少なくとも20回の特図変動
表示ゲームを実行するまでは特定遊技状態ST4となり、大当りが短時間に連続して発生
してしまうことを防止できる。
また、上述の説明では、複数種類の小当りのそれぞれに導出回数を定め、これを満たし
た場合に特定遊技状態ST4を終了するようにしたが、特定遊技状態ST4の終了条件以
外でも同様の条件を用いることができる。
例えば、通常遊技状態ST1において小当りAを3回導出するか、小当りBを1回導出
するか、小当りCを1回導出することで、遊技に関する示唆又は報知として始動記憶につ
いての事前判定結果が示唆又は報知されるようにしても良い。また、通常遊技状態ST1
においてはずれの結果態様として「246」を3回導出するか、「135」を2回導出す
るか、「456」を2回導出することで、遊技で使用可能なアイテムを獲得可能としても
良い。また、複数個ある一般入賞口35についてそれぞれ入賞数を積算し、一般入賞口3
5ごとに定められた入賞数を満たすことにより特定の演出が実行されるようにしても良い
すなわち、小当りや特図変動表示ゲームの結果態様、複数の入賞口への入賞のように発
生する事象の種類が複数あるものについて、一部又は全部の事象について発生回数を積算
し、積算結果が種類ごとに定められた条件を満たすことに基づき対応する処理を行うもの
であればどのようなものであっても良い。
また、遊技機の構成も、上述したようないわゆる1種+2種のタイプに限られず、1種
タイプ、2種タイプの遊技機であっても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行可能な遊技機において、遊技を
制御する制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)を備え、制御手段は、複
数種類の事象の発生回数を事象ごとに積算し、当該積算の結果が事象ごとに定められた所
定条件を満たすことに基づき対応する処理を行うようにしたこととなる。
したがって、単に事象の発生を期待するだけでなく、複数種類の事象のそれぞれについ
て定められた条件を満たすように発生することを期待することとなり、従来にない期待感
を持たせることができて遊技の興趣を向上することができる。
また、制御手段は、特定の遊技状態において導出されるゲームの結果を事象として、ゲ
ームの結果の種類ごとに導出回数を積算し、当該積算の結果がゲームの結果の種類ごとに
定められた所定条件を満たすことに基づき対応する処理として特定の遊技状態を終了する
ようにしたこととなる。
したがって、特図変動表示ゲームの結果が遊技状態の終了にもかかわるようになり、遊
技の興趣を向上することができる。
また、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変換可能な変動入賞装置(
特別変動入賞装置38)を備え、制御手段は、ゲームの結果に複数種類の特定結果(小当
り)を含み、当該特定結果が導出された場合には変動入賞装置を開状態に変換するように
構成され、特定の遊技状態において特定結果が導出された回数を種類ごとに積算し、当該
積算の結果が特定結果の種類ごとに定められた所定条件を満たすことに基づき、特定の遊
技状態(特定遊技状態ST4)を終了するように構成され、特定の遊技状態において、所
定条件を満たさない特定結果の導出に基づく変動入賞装置の動作態様と、所定条件を満た
すこととなる特定結果の導出に基づく変動入賞装置の動作態様と、を異ならせるようにし
たこととなる。
したがって、所定条件を満たすか否かで変動入賞装置の動作態様が異なるので、遊技の
興趣を向上することができる。
また、変動入賞装置は、入賞した遊技球が流入可能な特定領域と、特定領域への遊技球
の流入の可否を制御可能な制御部材と、を備え、制御手段は、ゲームの結果に複数種類の
特定結果を含み、当該特定結果が導出された場合には変動入賞装置を開状態に変換し、特
定領域への遊技球の流入に基づき特別遊技状態を発生可能であり、特定の遊技状態におい
て特定結果が導出された回数を種類ごとに積算し、当該積算の結果が特定結果の種類ごと
に定められた所定条件を満たすことに基づき、特定の遊技状態を終了するように構成され
、特定の遊技状態において、所定条件を満たさない特定結果が導出された場合よりも、所
定条件を満たすこととなる特定結果が導出された場合の方が、特定領域への遊技球の流入
が容易となるようにするようにしたこととなる。
したがって、所定条件を満たすか否かで特定領域への流入の容易さが異なるので、遊技
の興趣を向上することができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった
場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、入賞によりゲームの実
行権利を発生可能であり、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変換可能
な普通変動入賞装置37と、ゲームの結果が特別結果となることに基づき、遊技球が入賞
不可能な閉状態から入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置38と、を備え、特
別結果には、条件装置の作動を伴う大当りと、条件装置の作動を伴わない小当りがあり、
特別遊技状態には、大当りに基づく第1特別遊技状態ST2と、小当りに基づく第2特別
遊技状態ST3とがあり、制御手段(遊技制御装置100)は、普通変動入賞装置37の
動作状態として、第1状態(普電サポート無し)と、第1状態よりも遊技球の入賞が容易
な第2状態(普電サポート有り)のいずれかを設定可能であり、第2特別遊技状態ST3
の実行態様を、第1状態である場合と第2状態である場合とで異ならせるようにしたこと
となる。
したがって、第2特別遊技状態ST3の実行態様に変化が生まれ、遊技の興趣を向上す
ることができる。
また、特別変動入賞装置38は、入賞した遊技球が流入可能な特定領域を備え、制御手
段は、特定領域への遊技球の流入に基づき第1特別遊技状態ST2を発生可能であり、第
1状態である場合と第2状態である場合とで、第2特別遊技状態ST3における特定領域
への入賞の容易さを異ならせるようにしたこととなる。
したがって、第1状態である場合と第2状態である場合とで第1特別遊技状態ST2が
発生する可能性の高さが異なり遊技の興趣を向上することができる。
また、制御手段は、所定回数のゲームを実行することで成立する第1条件と、ゲームの
結果として所定の結果が所定回数導出されることで成立する第2条件と、のいずれかが成
立することに基づき、第2状態から第1状態に移行するように構成され、
第1条件の成立に基づき第2状態から第1状態に移行するタイミングと、第2条件の成
立に基づき第2状態から第1状態に移行するタイミングと、が異なるようにしたこととな
る。
したがって、成立した条件により異なるタイミングで移行するようになり、遊技に変化
が生まれ遊技の興趣を向上することができる。
次に、ホールコンピュータなどの遊技機の外部にある外部装置へ出力する外部情報信号
について説明する。
遊技制御装置100は、特別遊技状態に関する外部情報信号として、大当り1信号、大
当り2信号、大当り3信号、大当り4信号を出力することが可能である。
大当り1信号は、第1特別遊技状態ST2及び第2特別遊技状態ST3においてON状
態となり、それ以外ではOFFとなる。
大当り2信号は、出玉のある大当りに基づく第1特別遊技状態ST2である場合と、特
定遊技状態ST4又は残保留消化状態ST5において発生した出球のない大当りに基づく
第1特別遊技状態ST2である場合と、特定遊技状態ST4又は残保留消化状態ST5で
ある場合にはON、それ以外ではOFFとなる。なお、本実施形態の遊技機ではすべて出
球のある大当りであるため、第1特別遊技状態ST2、特定遊技状態ST4及び残保留消
化状態ST5である場合にONとなり、それ以外ではOFFとなる。なお、残保留消化状
態ST5において発生した出球のない大当りに基づく第1特別遊技状態ST2と、残保留
消化状態ST5である期間についてはOFFとしても良い。
大当り3信号は、出玉のある大当りに基づく第1特別遊技状態ST2である場合にはO
N、出玉のない大当りに基づく第1特別遊技状態ST2である場合にはOFFとなる。な
お、本実施形態の遊技機ではすべて出球のある大当りであるため、第1特別遊技状態ST
2である場合にONとなる。また、サポ当り及び天井への到達に基づく特定遊技状態ST
4の開始時に短時間にわたりONとなる。それ以外ではOFFとなる。
大当り4信号は、第1特別遊技状態ST2においてONとなり、それ以外ではOFFと
なる。
ここで、大当り2信号と大当り3信号の出力態様は、大当りの発生による第1特別遊技
状態ST2を経て特定遊技状態ST4(普電サポートありの状態)になる場合と、天井へ
の到達やサポ当り(時短図柄当り)の導出により第1特別遊技状態ST2を経ずに特定遊
技状態ST4になる場合と、で異なっている。
大当りの発生により第1特別遊技状態ST2を経て特定遊技状態ST4となる場合、大
当り2信号は第1特別遊技状態ST2及び特定遊技状態ST4で継続してON状態とされ
る。また、大当り3信号は第1特別遊技状態ST2ではON状態とされ、第1特別遊技状
態ST2が終了して特定遊技状態ST4が開始することに伴いOFF状態となる。
天井への到達やサポ当りにより第1特別遊技状態ST2を経ずに通常遊技状態ST1から特定遊技状態ST4となる場合は、図2-36(a)に示すように大当り2信号はOFF状態となっている状態から特定遊技状態ST4の開始に伴いON状態となる。また、大当り3信号はOFF状態となっている状態から、特定遊技状態ST4が開始することに伴い短時間(例えば128ms)だけON状態となるパルス信号として出力される。
なお、第1特別遊技状態ST2を経ずに特定遊技状態ST4から新たな特定遊技状態ST4が開始する場合には、大当り2信号のON状態が継続している状態で大当り3信号のパルスが出力されることとなる。
このように構成することで、詳細な情報を外部に報知することができる。すなわち、外
部装置は、大当り2信号とともにパルス信号(大当り3信号のONパルス)を受信したか
否かによって、開始する特定遊技状態ST4が、第1特別遊技状態ST2を経た特定遊技
状態ST4と、第1特別遊技状態ST2を経ない特定遊技状態ST4と、のいずれである
かを判別することが可能となる。
この構成の場合、大当り2信号+パルス信号は、天井への到達に基づく特定遊技状態S
T4又はサポ当りに基づく特定遊技状態ST4が開始することを特定可能な外部情報信号
と言える。
また、この構成は、特図変動表示ゲームの結果にサポ当りがなく天井機能がある遊技機
に適用することも可能であり、その場合には、大当り2信号+パルス信号は、天井への到
達に基づく特定遊技状態ST4が開始することを特定可能な外部情報信号と言える。
また、この構成は、天井機能が搭載されておらずサポ当りがある遊技機に適用すること
も可能であり、その場合には、大当り2信号+パルス信号は、サポ当りに基づく特定遊技
状態ST4が開始することを特定可能な外部情報信号と言える。
さらに、大当り2信号とともに出力するパルス信号(大当り信号のONパルス)を、天井への到達に基づき特定遊技状態ST4になる場合と、サポ当りに基づき特定遊技状態ST4になる場合と、で異ならせても良い。
具体的には、例えば図2-36(b)に示すように、天井への到達に基づく特定遊技状態ST4の開始時には、時短の開始に関する信号として大当り2信号と大当り3信号のONパルスとを出力するとともに、サポ当りに基づく特定遊技状態ST4の開始時には、時短の開始に関する信号として大当り2信号と大当り4信号のONパルスとを出力するように構成しても良い。
このように構成することで、より詳細な情報を外部に報知することができる。すなわち
、外部装置は、大当り2信号とともにパルス信号を受信したか否かによって、開始する特
定遊技状態ST4が、第1特別遊技状態ST2を経たか否かを判別することが可能となり
、さらに、大当り2信号とともに受信したパルス信号の種類(大当り3信号か大当り4信
号)によって、開始する特定遊技状態ST4が、天井への到達に基づく特定遊技状態ST
4と、サポ当りに基づく特定遊技状態ST4と、のいずれであるかを判別することが可能
となる。
なお、天井への到達に基づき特定遊技状態ST4になる場合と、サポ当りに基づき特定
遊技状態ST4になる場合と、で大当り2信号とともに出力するパルス信号の種類を異な
らせるのではなく、大当り2信号とともに出力するパルス信号の出力回数を異ならせるよ
うにしても良い。
具体的には、例えば、天井への到達に基づく特定遊技状態ST4の開始時には、大当り
2信号と1つのパルス信号(大当り3信号のONパルス)を出力するとともに、サポ当り
に基づく特定遊技状態ST4の開始時には、大当り2信号と2つのパルス信号(大当り3
信号のONパルス)を出力するように構成することも可能である。
以上のことから、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、普通変動入賞装置37の状
態を、第1状態(普電サポートなしの状態)と、該第1状態よりも入賞が容易な第2状態
(普電サポートありの状態)と、の何れかの状態で制御するようにし、ゲームの実行回数
が所定回数(天井回数)に到達することに基づいて、第2状態を開始可能であるとともに
、第2状態が発生していることを特定可能な外部情報信号(例えば大当り2信号+パルス
信号(大当り3信号のONパルス))を当該遊技機の外部に出力可能であるように構成す
ることができる。
このように構成することで、ゲームの実行回数が所定回数に到達した場合に第2状態が
発生するので、従来の遊技状態の遷移とは異なる新たな遷移が可能となり、遊技の興趣を
向上することができる。さらに、ゲームの実行回数が所定回数に到達する場合に外部情報
信号が出力され、その外部情報信号は、ゲームの実行回数が所定回数に到達したことに基
づいて第2状態が発動することを特定可能な信号であるので、遊技機の外部に遊技状態を
的確に報知することができる。
さらに、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、ゲームの結果が特別結果とは異なる
特定結果(サポ当り、時短図柄当り)になることに基づいて、第2状態を開始可能である
とともに、第2状態が発生していることを特定可能な外部情報信号(例えば大当り2信号
+パルス信号(大当り3信号又は大当り4信号のONパルス))を当該遊技機の外部に出
力可能であるように構成することができる。
このように構成することで、ゲームの結果が特定結果になった場合に第2状態が発生す
るので、従来の遊技状態の遷移とは異なる新たな遷移が可能となり、遊技の興趣を向上す
ることができる。さらに、ゲームの結果が特定結果になる場合に外部情報信号が出力され
、その外部情報信号は、ゲームの結果が特定結果になったことに基づいて第2状態が発動
することを特定可能な信号であるので、遊技機の外部に遊技状態を的確に報知することが
できる。
〔第1変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、
上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分につ
いては同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊
技機は、普通変動入賞装置37の構成が異なる。
図2-37に示すように本変形例の普通変動入賞装置37は、上方に開口した入賞口を有し、入賞口の上部に板状の可動部材37bが備えられている。板状の可動部材37bは、入賞口を閉鎖した閉状態と、この閉状態から下方向へ回動又は後方へスライドすることで入賞口を開放した開状態とに変換可能となっている。また、閉状態である場合には、可動部材37bの上面を遊技球が転動可能となっており、この上面には左方へ向かって流下する遊技球を前後に蛇行させることで可動部材37b上に遊技球が滞留する時間を長くすることが可能な図示しない障害部材が設けられている。
遊技盤30の右側の領域へ発射された遊技球は、点線の矢印で示すように遊技釘により
右方へ誘導され、普図始動ゲート34を通過して普通変動入賞装置37の右端部へ至る。
そして、普通変動入賞装置37が閉状態である場合は可動部材37bの上を左方へ流下し
、普通変動入賞装置37の右端から下方の特別変動入賞装置38へ向けて流下する。すな
わち、遊技盤30の右側の領域へ発射された全ての遊技球は、普通変動入賞装置37を経
由して特別変動入賞装置38へ向かうようになっている。
普通変動入賞装置37への入賞が容易な普電サポート有りの状態では、遊技球が可動部
材37bの上で滞留する時間よりも短い時間間隔で可動部材37bが開状態に変換される
ので、発射されたほとんどの遊技球が普通変動入賞装置37に入賞するようになっている
。これにより、普電サポート有りの状態では特別変動入賞装置38に遊技球が到達せず、
特別変動入賞装置38が開放されても遊技球が入賞しない状態となる。
また、普通変動入賞装置37への入賞が困難な普電サポート無しの状態では、遊技球が
可動部材37bの上で滞留する時間よりも長い時間間隔で可動部材37bが開状態に変換
されるので、発射されたほとんどの遊技球が普通変動入賞装置37に入賞せず下方へ流下
するようになっている。これにより、普電サポート無しの状態では特別変動入賞装置38
に遊技球が到達可能であり、特別変動入賞装置38が開放されれば遊技球が入賞可能とな
る。
なお、普通変動入賞装置37への入賞が容易な普電サポート有りの状態では、普通変動
入賞装置37への入賞が困難な普電サポート無しの状態よりも短い時間間隔で可動部材3
7bが開状態に変換されれば良い。すなわち、普電サポート有りの状態では、必ずしも遊
技球が可動部材37bの上で滞留する時間よりも短い時間間隔で可動部材37bが開状態
に変換されるものでなくても良い。普電サポート有りの状態では、特別変動入賞装置38
へ流下する遊技球数が普電サポート無しの状態よりも少なければ良く、多少の遊技球が特
別変動入賞装置38へ流下したとしても特別変動入賞装置38へ入賞して特定領域へ流入
する可能性は低いので問題はない。
このような構成とすることで、図2-34(b)のように第2特別遊技状態ST3での動作態様を異ならせずに常に図2-34(b)の下段の第2動作態様とすることで、上述したのと同様に小当りの導出により特定遊技状態ST4の終了条件が成立すれば第1特別遊技状態ST3が発生する可能性があるようにすることができる。
すなわち、図2-34(a)において普電サポート有りの状態で行われる第2特別遊技状態ST3(t14~t17、t21~t24)では、発射された遊技球は普通変動入賞装置37に入賞して特別変動入賞装置38には入賞せず、特定領域へは流入できないこととなるので、第1特別遊技状態ST3の発生を困難とすることができる。
また、図2-34(a)において普電サポート無しの状態で行われる第2特別遊技状態ST3(t26~t29)では、発射された遊技球は普通変動入賞装置37に入賞せずに特別変動入賞装置38に入賞可能となり、特定領域へ流入することが可能となるので、第1特別遊技状態ST3が発生する可能性があるようにすることができる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結
果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、入賞により
ゲームの実行権利を発生可能であり、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態と
に変換可能な普通変動入賞装置37と、ゲームの結果が特別結果となることに基づき、遊
技球が入賞不可能な閉状態から入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置38と、
を備え、普通変動入賞装置37は特別変動入賞装置38の上流側に設けられ、遊技球は普
通変動入賞装置37が設けられた部分を経由して特別変動入賞装置38に至るように構成
されていることとなる。
したがって、普通変動入賞装置37が開状態である場合は特別変動入賞装置38に遊技
球が流下しないようにすることができるという変化を持たせることができ、遊技の興趣を
向上することができる。
また、普通変動入賞装置37は、可動部材37bを動作させることにより開状態と閉状
態とに変換するように構成され、閉状態では可動部材37bの上面を遊技球が転動可能と
するとともに開状態へ変換することにより可動部材37bの上を転動する遊技球が普通変
動入賞装置37に入賞するように構成され、制御手段(遊技制御装置100)は、普通変
動入賞装置37の動作状態として、第1状態(普電サポート無し)と、第1状態よりも遊
技球の入賞が容易な第2状態(普電サポート有り)のいずれかを設定可能であり、第2状
態では、閉状態とする時間を遊技球が可動部材37bの上面に滞留する時間よりも短い時
間とすることが可能であることとなる。
したがって、第2状態では、遊技球が特別変動入賞装置38に至らないようにすること
ができ、遊技の興趣を向上することができる。
<第3実施形態>
図3-1から図3-39を参照して、第3実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第2実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1の実施形態から第2実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用いる。
図3-1は、本実施形態の遊技機10の正面図であり、図3-2は、本実施形態の遊技機10の前面側斜視図である。
図3-1及び図3-2に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図3-3参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明板保持枠)15が取り付けられている。
ガラス枠15には、カバーガラス14の後方となる位置に遊技盤30の前面を覆う表示
板350が設けられている。表示板350は遊技盤30を透視可能であるとともに、所定
の表示を表示可能となっている。本実施形態の遊技機では、側端から光を導入することで
像が浮かび上がる導光板で構成されているが、透明な液晶表示装置やEL表示装置で構成
されていても良い。
表示板350に所定の表示がされていない状態では透明であって後方の遊技盤30の視
認を妨げないようになっている。そして、表示板350に所定の表示がされた場合には、
当該所定の表示の部分では後方の遊技盤30の視認性が低下することとなる。この状態で
は、所定の表示を透して後方の遊技盤30が視認可能であっても良いし、所定の表示によ
り後方の遊技盤30が視認不能であっても良い。
ガラス枠15の上部には、遊技機10の機種名等を表示する機種名等表示部16が設け
られている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異
常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例
えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例え
ば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠
12及びガラス枠15の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また
、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声
で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報
知用のランプを設けるようにしても良い。
また、ガラス枠15の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25a(図3-5参照)を内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25には、当該演出ボタン25を振動させる駆動源も内蔵されている。すなわち、本実施形態の遊技機10は、演出ボタン25を振動させることで所定の報知を行うバイブレーション機能を備えている。なお、演出ボタン25は、通常状態(図3-1や図3-2に示す状態)から突出状態(演出ボタン25の上面(押圧面)が通常状態時よりも上側にある状態)に変換可能に構成されていても良い。
前面枠12の下部には、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する
下皿(受皿)23、打球発射装置のハンドル24等が設けられている。さらに、前面枠1
2の下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入する
ための鍵穴26が設けられている。
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に
操作する貸出ボタン(球貸ボタン)27a、球貸機のカードユニットからプリペイドカー
ドを排出させるために操作する返却ボタン(排出ボタン)27b、プリペイドカードの残
高を表示する残高表示器(残高表示部)27c、上皿21内の遊技球を下皿23へ流下さ
せるために操作する上皿操作レバー27d、遊技者が所有するスマートフォンなどの携帯
端末を置くための携帯端末置き部28等が設けられている。また、演出ボタン25の左方
には、音量調整用ボタン27e、十字キー29等が設けられている。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者がハンドル24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25や十字キー29を操作することによって、表示装置41(図3-3参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図3-3を用いて遊技盤30の一例について説明する。図3-3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
図3-3に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体を備える。遊技盤本体は木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体の前面には、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及び外周壁(ガイドレール)31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、外周壁31で囲まれた遊技領域32内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンター
ケース40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複
数の識別情報を変動表示する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置
されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン
管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表
示領域)には、演出画像として静止画や動画を表示可能であり、例えば、複数の識別情報
(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等
の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として
割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対
応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出
のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画
像等)が表示される。
センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側
に導くためのワープ流路を形成するワープ流路形成部材614と、当該ワープ流路を通過
した遊技球が転動可能なステージ部620とが設けられている。センターケース40のス
テージ部620は、始動入賞口36の上方に配置されているため、ステージ部620上で
転動した遊技球は始動入賞口36に入賞し易くなっている。
また、センターケース40の上部及び下部には、動作することによって遊技の演出を行
う盤演出装置44が備えられている。センターケース40の下部に設けられた下演出装置
44aは、センターケース40の下部の位置と、この位置よりも表示装置41の中央側の
位置である位置との間で動作可能となっている。
センターケース40の上部に設けられた上演出装置44bは、センターケース40の上
部の位置と、この位置よりも表示装置41の中央側の位置である位置との間で動作可能と
なっている。また、この上演出装置44bは、プロペラを模した回転する動作部材44c
を有しており、動作部材44cの動作によっても演出を行うことが可能である。
すなわち、下演出装置44aが動作可能な第1可動部材を有する第1可動役物をなし、
上演出装置44bが動作可能な第2可動部材を有する第2可動役物をなす。
センターケース40の右方及び下方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ34a(図3-4参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には、3つの一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右方の遊技領域32には、1つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ35a(図3-4参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3-4参照)によって検出される。
センターケース40の右方には、特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3-4参照)によって検出される。
普通変動入賞装置37は、可動部材37bを備えており、この可動部材37bは常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定結果となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3-4参照)によって逆「ハ」の字状に動作され、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
なお、普通変動入賞装置37は、可動部材37bが閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としても良い。
センターケース40の右下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が設けられている。特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、開放により上大入賞口を遊技球が流入可能な状態に変換する。特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって、大入賞口を閉じた閉状態から開状態に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。特別変動入賞装置38に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3-4参照)によって検出される。
大入賞口の内部(入賞領域)には、遊技球が流入可能な特定領域が設けられているとともに、当該特定領域への遊技球の流入確率を変化させるようにレバーソレノイド38f(図3-4参照)により動作するレバー部材が設けられている。特定領域には遊技球の流入を検出可能な特定領域スイッチ38d(図3-4参照)が設けられており、当該特定領域スイッチ38dで遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態が発生する(本実施形態では、特別遊技状態が発生する)ようになっている。特定領域に流入した遊技球は特別変動入賞装置38の外部へ排出される。
また、大入賞口の内部には、特定領域に流入せずに特別変動入賞装置38の外部へ排出される遊技球を検出する残存球排出口スイッチ38e(図3-4参照)が設けられている。大入賞口の内部に設けられた大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数(大入賞口に流入した遊技球数)と、特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数(大入賞口から排出される遊技球数)とが一致することにより上大入賞口内の遊技球が全て排出されたことを確認でき、基本的にはこの確認が終了するまでは新たな大入賞口の開放が行われないようになっている。
始動入賞口36の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収す
るアウト口30aが設けられている。また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体80
の右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)
及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、特図1変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)
51及び特図2変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52と、特図1
変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器53及び特図2変動表示ゲームの
始動記憶数報知用の特図2保留表示器54とを備える。
また、一括表示装置50は、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数
)を表示するラウンド表示部55と、遊技機10の遊技状態を表示する遊技状態表示部5
6とを備えている。この遊技状態表示部56には、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊
技者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部56a
、時短状態(変動時間短縮機能作動時)であることを報知する第2遊技状態表示部56b
、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを報知する
第3遊技状態表示部56cが設けられている。なお、本実施形態の遊技機では、特図確率
は常に一定となっているため、第3遊技状態表示部56cは使用しない。
さらに、一括表示装置50は、普図変動表示ゲーム用の普図表示器57、普図変動表示
ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器58を備えている。
図3-4は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御
する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコ
ンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出
力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力
部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CP
U)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み
、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有
する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモ
ータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5
Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC-DC
コンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電
圧を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン1
11の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、
停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や
リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが
、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制
御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及
び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電
源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成
部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成
することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(
特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが
保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、停電が発生し当該遊技
機への電源供給が停止しても遊技に関する情報を記憶保持可能であるとともに、停電復旧
後には記憶保持された情報に基づき遊技を再開可能とする遊技情報記憶保持手段をなす。
制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視して
それが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるととも
に、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点
から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このR
AM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき
遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶され
ている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化
スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行す
るメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割
込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A
、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRA
M(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作
業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM11
1Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ
状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パター
ンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている
変動パターン乱数1~3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテー
ブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるは
ずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテ
ーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の
変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテー
ブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前
半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パター
ン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置
が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特
別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)
となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、
既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をい
う。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示
結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からは
ずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しなが
ら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態
に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示
される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に
決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条
件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表
示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情
報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものであ
る場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同
一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての
変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示
領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、
ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表
示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可
能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペ
シャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3
リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチな
し<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<
プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも
特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動
表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が
導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれること
もある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大
当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装
置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや
表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しない
が、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や
大当りの図柄を決定するための特図図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各
種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定す
るための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生
成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づ
いてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生
成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111B
に記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブ
ルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り
、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(低確
率状態或いは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの
中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111A
は、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パタ
ーンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得
手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフ
ェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従っ
て、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また
、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの
払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電
波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の
始動口2スイッチ37a、一般入賞口35内の入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置
38内の大入賞口スイッチ38a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、特別
変動入賞装置38内に配設される特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38
e、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球(セーフ球及びアウト球)を検
出するアウト球検出スイッチ32aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレ
ベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理
の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I
/F121は、入力の範囲が7V-11Vとされることで、センサや近接スイッチのリー
ド線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線
が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知
信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124又は第4入
力ポート126へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれ
る。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ
37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a及びゲートスイッチ34aの検
出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、特
定領域スイッチ38d、残存球排出口スイッチ38e及びアウト球検出スイッチ32aの
検出信号は第4入力ポート126へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、
盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常
検知信号は第3入力ポート124に入力される。
また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用
の磁気センサ61の検出信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65の検出信号、
遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊
技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号
も入力されるようになっている。
さらに、第3入力ポート124には、設定キー操作部の操作を検出する設定キースイッ
チ152からの信号が入力される。設定キー操作部は、設定キーを差し込む鍵穴を備え、
対応する設定キーを差し込んだ場合にのみ第1位置から第2位置(所定状態)へ当該設定
キーを回すことができるように構成されている。設定キースイッチ152は、第2位置に
回した状態となっていることを検出可能なセンサであり、第2位置に回した状態である場
合にオン状態となり、第2位置に回していない状態である場合にオフ状態となる。
RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、特図変動表示ゲームで特別結果と
なる確率値が割り当てられた確率設定値を複数から選択するための操作部であり、これら
の操作部を操作することで、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられ
た確率設定値を選択することができ、選択された確率設定値に対応する確率値が遊技で使
用されるようになっている。ここでは確率設定値として“設定1”~“設定6”の6つが
用意されている。
確率設定値を選択する際には、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態でR
AM初期化スイッチ112を操作(押下)しながら遊技機の電源を投入することで確率設
定値を変更可能な確率設定値変更モードとなり、確率設定値変更モード中にRAM初期化
スイッチ112を操作(押下)することで確率設定値を変更することができるようになっ
ている。選択されている確率設定値は、算出されたベース値や役物比率を表示するための
性能表示装置153に表示される。具体的には、性能表示装置153には、確率設定値に
関する操作をしている間(確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである間)は確
率設定値の情報が表示され、それ以外では算出されたベース値や役物比率が表示されるよ
うになっている。
また、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態(RAM初期化スイッチ11
2は操作しない)で遊技機の電源を投入することで、現在選択されている確率設定値が性
能表示装置153に表示されるが確率設定値の変更はできない確率設定値確認モードとな
る。なお、RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、前面枠12を開状態とし
なければ操作できないようにされている。
性能表示装置153は7セグメント式のディスプレイであり、確率設定値を1~6の数
字で表示するようになっている。もちろん表示態様はこれに限られず、確率設定値を認識
できる表示態様であれば良い。また、液晶表示装置など他の形式の表示装置でも良いし、
一又は複数のLEDの点灯態様や発光色等により確率設定値を示すものであっても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力及び第4入力ポ
ート126への出力(アウト球検出スイッチ32aの検出信号は除く)は、主基板100
から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さ
らに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37
aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように
構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル
変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動
作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポー
ト123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE
2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポ
ート124や第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設
けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号
(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステー
タス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の
遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以
上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチ
スイッチ信号(ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込
んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が
設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信
号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられてお
り、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。
電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッ
チ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイ
コン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として
扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には
制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、
遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部
130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さず
に直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポ
ート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リ
セット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するように
してもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,
124,126には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン
111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止す
るためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の
各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセ
ットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊
技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ
132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置
200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊
技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試
験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号
などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。この
バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技
制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力され
る始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さず
に中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62や振動センサ65のようにそのままでは試射
試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号
若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラ
ー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置
へ供給される。なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込ん
で試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を
中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用
マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより
選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続された第2出力ポート134が設け
られている。第2出力ポート134は、特別変動入賞装置38を開成させる大入賞口ソレ
ノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、特別変動入賞装置38内のレバー部材を動作さ
せるレバーソレノイド38f及び普通変動入賞装置37を開成させる普電ソレノイド37
cの動作データを出力するとともに、現在選択されている確率設定値を表示する性能表示
装置153の表示データを出力するためのポートである。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード
端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート
135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/
オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板7
1へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフ
ォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部
管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外
部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシ
ュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド
38bやレバーソレノイド38fや普電ソレノイド37cの動作データ信号を受けてソレ
ノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート1
35から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号
を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置5
0の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c
、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端
子板71へ出力する第4ドライバ138d、第2出力ポート134から出力される性能表
示装置153の表示データ信号を受けて駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138e
が設けられている。なお、第2出力ポート134から第5ドライバ138eへは、シリア
ル通信でデータが送信される。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため
、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。第5ドライバ138eに
は、5Vで動作する性能表示装置153を駆動できるようにするため、電源電圧としてD
C5Vが電源装置400から供給される。
また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC1
2Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じた
デジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれ
であってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード
端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よ
りセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択された
LEDに電源電圧が流れて点灯される。
外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号
に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。
なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御
装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるように
してもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラ
ムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ13
9は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送
受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通
常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を
利用して行われるため、入力ポート122,123,124,126のようなポートは設
けられていない。
なお、特に限定されるわけではないが、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、
普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口ス
イッチ38a、ゲートスイッチ34aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が
近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(
以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に
設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠
開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができ
る。
次に、図3-5を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC
)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマン
ドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロ
セッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音
などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314
を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したP
ROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領
域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFe
RAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段を
なすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン
311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン
311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マ
イコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してV
DP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ラ
ンプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理する
ためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映
像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラク
タなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデ
オRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パ
ラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを
送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することがで
きる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や
遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYN
C、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312
から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割
込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの
状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する
映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回
路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力
されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介し
て表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主
制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続
されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INT
が入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた
上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパ
ワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成さ
れた音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力さ
れる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受
信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンド
I/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特
図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御
指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111
はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動
作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられ
ているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制
御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾
装置(例えば表示板350を含む枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回
路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(
例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制
御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドな
どを駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介
して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演
出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置
を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵さ
れている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられた十字キー29、盤演出装
置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)
のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出
制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン
311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300
やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モ
ータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モー
タやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5
Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するよう
に構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2V
のような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3V
やDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられ
る。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マ
イコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン
311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314
、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなど
を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリ
セット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FA
N45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆
動するようにされている。
以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合
は、単に特図変動表示ゲームと称する。また、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変
動表示ゲームを区別しない場合は、単に飾り特図変動表示ゲームと称する。また、大当り
(第1特別結果)と小当り(第2特別結果)を区別しない場合は、単に当り(特別結果)
と称する。また、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態と、小当りに基づ
く特別遊技状態である第2特別遊技状態と、を区別しない場合は、単に特別遊技状態と称
する。
なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果(第1特別結果)であり、小当りは条
件装置の作動を伴わない特別結果(第2特別結果)である。条件装置とは、特図変動表示
ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が
作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38
を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動され
る)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場
合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記の
ようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良い
し、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、
「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチン
コ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様
な意味を有する用語として使用している。
本実施形態の遊技機10では、打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3-4参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球
を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や普図始動ゲート34、当該始動入
賞口36の左方に配設された一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ
遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37
、特別変動入賞装置38、一般入賞口35への入賞を狙うことができるようになっている
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための
非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34aが設けられており、遊技領域32
内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aに
より検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普
図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基
づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1
)してRAM111Cに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一
括表示装置50の普図保留表示器58に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートス
イッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結
果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変
動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状
態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り
判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの
当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値
が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普
図特定結果)が導出されることとなる。
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置
50に設けられた普図表示器57に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パ
ターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じ
た点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
なお、普図表示器57を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、
キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表
示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器57に特別の結果態様となる点
灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装
置37の可動部材を所定時間開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変
換部材(可動部材)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲー
ムの結果がはずれの場合は、普図表示器57にはずれの結果態様となる点灯パターンを表
示する制御を行う。
また、始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内
部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、始動入賞口36への
入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4
個)を限度に記憶するとともに、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図
始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、1個)を限度に記憶する。始動
入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当
り乱数値や特図図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており
、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Cに記憶される
。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留
表示器53や特図2保留表示器54に表示されるとともに、センターケース40の表示装
置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、第1始動記憶に基づいて特図1表示器51(第1変動表示装置
)で特図1変動表示ゲームを行い、第2始動記憶に基づいて特図2表示器52(第2変動
表示装置)で特図2変動表示ゲームを行う。そして、第1始動記憶と第2始動記憶との両
方が記憶されている場合には、特図2変動表示ゲームを特図1変動表示ゲームよりも優先
して実行する。
すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、始動入賞口36(第1始動入賞領
域)への遊技球の入賞に応じて記憶される第1始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム
(第1特図変動表示ゲーム)の実行制御を行うとともに、普通変動入賞装置37(第2始
動入賞領域)への遊技球の入賞に応じて記憶される第2始動記憶に基づいて特図2変動表
示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う実行制御手段をなす。そして、実
行制御手段は、第1始動記憶及び第2始動記憶が記憶されている状態で、第2始動記憶に
基づく特図2変動表示ゲームを第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームよりも優先し
て実行するように構成されている。
特図1表示器51及び特図2表示器52では、変動表示を行った後、所定の結果態様を
停止表示する。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特図1表示器
51若しくは特図2表示器52の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当
り結果態様)となって大当りとなり、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)となる。
また、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図
2表示器52の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態様)とな
って小当りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち、特図1
表示器51が、始動入賞口36への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲーム(特図1変
動表示ゲーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。また、特図2表示器52が、普通
変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム
)を表示可能な第2変動表示手段をなす。
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、大当り遊技状態(第1特別遊技状態)
の終了後、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状況(当り確率が高確率であることや普電
サポートがあること)で遊技を進行可能な遊技状態(特定遊技状態)を発生させる制御を
行うことが可能である。すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100が特定遊技状態
発生手段をなす。
また、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの実行に対応して、表示装置41
にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特
図変動表示ゲームが実行されるようになっている。表示装置41での飾り特図変動表示ゲ
ームには、特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームと、特図2変動表
示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームとがある。そして、対応する特図変動表示
ゲームの変動に伴い変動表示が行われ、対応する特図変動表示ゲームでの結果態様の導出
に伴い結果に対応した表示が行われる。
すなわち、表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)及び第2変
動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動表示する飾り変動
表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段をなす。なお、飾
り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームで別々の表示装置を使用するとして
も良いし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしても良いし、飾り特図1変
動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームとを別々の表示領域に表示しても良いし、飾り
特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームとを同じ表示領域に表示しても良い。
また、遊技機10に特図1表示器51及び特図2表示器52を備えずに、表示装置41の
みで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
図3-6に、本実施形態における振分率の一例を示す。
図3-6(a)は、特図変動表示ゲームの結果の振分率の一例である。特図変動表示ゲームの結果には、例えば図3-6(a)に示すように、大当り、小当り、サポ当り及びはずれの4種類がある。本実施形態において、大当りの振分率は特図1と特図2で共通となっているが、特図1と特図2で異なっていても良い。また、図3-6(a)において、大当りの振分率は、確率設定値が“設定1”である場合と、“設定2”である場合と、“設定3”である場合とで同一となっているが、異なっていても良い。また、図3-6(a)において、大当りの振分率は、確率設定値が“設定4”である場合と、“設定5”である場合と、“設定6”である場合とで同一となっているが、異なっていても良い。
また、図3-6(a)において、小当り及びサポ当りの振分率は、確率設定値にかかわらず同一となっているが、異なっていても良い。すなわち、本実施形態では、確率設定値の変更によって大当りの当選確率のみが変更され、小当り及びサポ当りの確率は変更されないようにされている。
また、サポ当りについては特図1変動表示ゲームにおいて普電サポートの状態が後述するサポートA又はBである第1特定遊技状態の場合でのみ導出可能となっている。サポ当りは大当りと同等の導出確率であるので、当り確率が2倍になったような印象を与えることができる。
また、小当りについては、特図2の方が特図1よりも振分率が高くなっている。これにより、特図2の方が小当りとなる可能性が高くなり、小当りとなった場合は特定領域への流入により第1特別遊技状態(大当り)となる可能性が高いことから、特図2の方が遊技者にとって有利な特図変動表示ゲームとなっている。
図3-6(b)は、大当り種類の振分率の一例である。大当りには、例えば図3-6(b)に示すように、大当り図柄(大当りの結果態様)として3R大当りA図柄が停止表示される3R大当りAと、3R大当りB図柄が停止表示される3R大当りBと、3R大当りC図柄が停止表示される3R大当りCと、10R大当り図柄が停止表示される10R大当りの4種類がある。
3R大当りAは、特別遊技状態のラウンド数が3ラウンドであり、特別遊技状態の終了後にサポートAの普電サポート状態(特定遊技状態)となる。3R大当りBは、特別遊技状態のラウンド数が3ラウンドであり、特別遊技状態の終了後にサポートBの普電サポート状態となる。3R大当りCは、特別遊技状態のラウンド数が3ラウンドであり、特別遊技状態の終了後にサポートCの普電サポート状態となる。10R大当りは、特別遊技状態のラウンド数が10ラウンドであり、特別遊技状態の終了後にサポートCの普電サポート状態となる。
サポートA~Cは普電サポート状態の終了条件が異なるものであり図3-6(e)に示した条件を満たすことにより普電サポート状態が終了するようになっている。
図3-6(b)において、特図1変動表示ゲームの大当り種類の振分率は、特図変動表示ゲームが実行された遊技状態によって異なっており、通常遊技状態の場合は3R大当りA~Cが選択可能である。普電サポートありの状態である特定遊技状態の場合は、3R大当りB、Cが選択可能である。特図2変動表示ゲームについては遊技状態に関わらず10R大当りのみが選択可能である。なお、特図1と特図2でそれぞれ選択率が異なっていても良い。
図3-6(c)には小当り種類の振分率を示した。小当りに基づく第2特別遊技状態で特別変動入賞装置38の特定領域へ遊技球が流入(V入賞)したことにより発生する大当りについては、小当りの種類に基づき大当り種類が選択される。
3R小当りAに基づく第2特別遊技状態で特定領域へ遊技球が流入した場合は2ラウン
ドの第1特別遊技状態の終了後にサポートBの普電サポート状態となる。10R小当りに
基づく第2特別遊技状態で特定領域へ遊技球が流入した場合は9ラウンドの第1特別遊技
状態の終了後にサポートCの普電サポート状態となる。3R小当りBに基づく第2特別遊
技状態で特定領域へ遊技球が流入した場合は2ラウンドの第1特別遊技状態の終了後にサ
ポートCの普電サポート状態となる。3R小当りCに基づく第2特別遊技状態で特定領域
へ遊技球が流入した場合は2ラウンドの第1特別遊技状態の終了後に普電サポートなしの
状態となる。
特図1変動表示ゲームでは3R小当りAのみが選択可能であり、特図2変動表示ゲーム
では10R小当り、3R小当りB、Cが選択可能である。なお、特図1と特図2でそれぞ
れ振分率が異なっていても良い。
また、本実施形態の遊技機では、図3-6(d)に示すようにいわゆる天井機能が搭載されている。すなわち、ゲームの実行回数が天井回数(ここでは600)に達した場合に、特別遊技状態を発生せずにサポートCの普電サポート状態となるようにしている。ゲームの実行回数は、低確率状態時であれば普電サポートの有無にかかわらず常に計数を行い、高確率状態時には計数を中断する。本実施形態の遊技機では、特図確率は常に一定であるので常時計数する。また、ゲームの実行回数は、特図1変動表示ゲームを実行した回数と特図2変動表示ゲームを実行した回数の合計とする。
ゲームの実行回数の計数結果をクリアするタイミングは、天井回数への到達を契機とし
た普電サポート状態となったとき、条件装置が作動したとき(第1特別遊技状態)となっ
ている。なお、ゲームの実行回数の計数結果をクリアするタイミングは、適宜変更可能で
あり、例えば、RAM初期化スイッチ112を操作する際にゲーム実行回数のクリアを選
択したときや、RAMクリア時に替えて電源投入時としても良い。
また、RAMクリア時のうち、設定変更を伴わないRAMクリア時にはゲーム実行回数
の計測をクリアして、設定変更を伴うRAMクリア時にはゲーム実行回数の計測をクリア
しないようにしても良い。設定変更を伴わないRAMクリア時とは、例えば、設定キース
イッチ152はオンせずにRAM初期化スイッチ112をオンしながら電源投入した時な
どである。このように、設定変更を伴うRAMクリア時にはゲーム実行回数の計測をクリ
アしないようにすることで、設定変更が行われたことを判別しにくくすることが可能とな
る。
図3-6(e)には普電サポート状態(特定遊技状態)の終了条件を示した。
サポートAの普電サポート状態では、特図1変動表示ゲームの実行回数が15回となるか、特図2変動表示ゲームの実行回数が15回となるか、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの合計実行回数が15回となるか、特図2変動表示ゲームで小当りが1回導出されるか、のいずれかの条件を満たすことにより普電サポート状態が終了するようになっている。サポートB及びサポートCの普電サポート状態についても同様に、図3-6(e)に示したゲーム数を実行することや特図2変動表示ゲームで小当りが導出されることにより普電サポート状態が終了するようになっている。
また、サポートCでは250回の特図変動表示ゲームの実行を終了条件としているが、この導出回数が達成される前に大当り又は小当りが導出される場合がほとんどであり、実質的に次回大当りまで普電サポートが継続するとも言える。
図3-7には、小当りに基づく第2特別遊技状態における特別変動入賞装置38の動作態様を示した。図3-7(a)には特図2変動表示ゲームで導出された小当りに基づく第2特別遊技状態における特別変動入賞装置38の動作態様を示した。
第2特別遊技状態の開始(t11)に伴い、特別変動入賞装置38が48msにわたり
開放された後(t11~t12)、2960msにわたり閉鎖される(t12~t14)
。その後、48msの開放を424msの閉鎖時間を挟んで19回行い(t14~t16
)、特別変動入賞装置38の開放を終了する。なお、規定個数の入賞があった場合にはそ
の時点で特別変動入賞装置38の開放を終了する。
特別変動入賞装置38の開放が終了すると(t16)、特別変動入賞装置38内に残存
する遊技球を処理するための残存球処理時間となる(t16~t17)。残存球処理時間
は1900msとされているが、この時間を過ぎても残存球がある場合は当該残存球がな
くなるまで残存球処理時間が継続する。
その後、エンディング期間(t17~t18)となって第2特別遊技状態が終了する。
エンディング期間の開始時には遊技制御装置100から演出制御装置300にエンディン
グコマンドが送信される。
特定領域への遊技球の流入確率を変化させるレバー部材を動作するレバーソレノイド3
8fは、第2特別遊技状態の開始(t11)に伴いOFF状態から100msにわたりO
N状態とされてレバー部材が特定領域への流入を許容する状態となる(t11~t13)

そして、2900msにわたりOFF状態とされてレバー部材が特定領域への流入を困
難とする状態となった後に(t13~t15)、再びON状態とされてレバー部材が特定
領域への流入を許容する状態となる(t15)。
その後、残存球処理時間が終了して残存球がない状態となるとOFF状態とされてレバ
ー部材が特定領域への流入を困難とする状態となる(t17)。
特定領域へ流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38dについては、第2特別遊
技状態の開始(t11)に伴い流入した遊技球の検出を有効とする状態となり、残存球処
理時間が終了して残存球がない状態となると流入した遊技球の検出を無効とする状態とな
る(t17)。
この特図2変動表示ゲームで導出された小当りに基づく第2特別遊技状態では、遊技球
の特別変動入賞装置38への流入が容易であり、特別変動入賞装置38へ流入した遊技球
が特定領域へ流入することも容易であって、ほとんどの場合で第1特別遊技状態を発生す
ることが可能である。
図3-7(b)には特図1変動表示ゲームで導出された小当りに基づく第2特別遊技状態における特別変動入賞装置38の動作態様を示した。
第2特別遊技状態の開始(t21)に伴い、特別変動入賞装置38が1000msにわ
たり開放され(t21~t23)、特別変動入賞装置38の開放が終了する。
特別変動入賞装置38の開放が終了すると(t23)、特別変動入賞装置38内に残存
する遊技球を処理するための残存球処理時間となる(t23~t24)。残存球処理時間
は1900msとされているが、この時間を過ぎても残存球がある場合は当該残存球がな
くなるまで残存球処理時間が継続する。
その後、エンディング期間(t24~t25)となって第2特別遊技状態が終了する。
エンディング期間の開始時には遊技制御装置100から演出制御装置300にエンディン
グコマンドが送信される。
特定領域への遊技球の流入確率を変化させるレバー部材を動作するレバーソレノイド3
8fは、第2特別遊技状態の開始(t21)に伴いOFF状態から100msにわたりO
N状態とされてレバー部材が特定領域への流入を許容する状態となり(t21~t22)
、その後OFF状態とされてレバー部材が特定領域への流入を困難とする状態となる(t
22)。
特定領域へ流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38dについては、第2特別遊
技状態の開始(t21)に伴い流入した遊技球の検出を有効とする状態となり、残存球処
理時間が終了して残存球がない状態となると流入した遊技球の検出を無効とする状態とな
る(t24)。
この特図1変動表示ゲームで導出された小当りに基づく第2特別遊技状態では、遊技球
の特別変動入賞装置38への流入が困難であり、特別変動入賞装置38へ流入した遊技球
が特定領域へ流入することも困難であって、ほとんどの場合で第1特別遊技状態を発生す
ることできない。
図3-8には、普図変動表示ゲームについて示した。図3-8(a)に示すように普図変動表示ゲームの当り確率は遊技状態に関わらず一定である。普図変動表示ゲームの変動時間は、普電サポートがない場合は5000msとされ、普電サポートがある場合はこれより変動時間が短縮されて、サポートA、Bである場合は4900ms、サポートCである場合は200msとされている。また、普電最大カウント数は5個とされており、一の当りに基づく普通変動入賞装置37の開放で遊技球が5個入賞すると開放時間の経過前であっても普通変動入賞装置37を閉鎖するようになっている。
図3-8(b)に示すように普図変動表示ゲームの結果態様には、はずれと当り1~3の4種類がある。当り図柄の振分は、65521個の乱数のうち当り1が65321、当り2が100、当り3が100とされ、当り1が選択される確率が高くなっている。また、一括表示装置50の普図表示器57では、3つの発光体D4、D5、D6の点灯又は消灯により結果態様を表示するようになっている。
普図変動表示ゲームが当りとなった場合の普通変動入賞装置37の開放パターンには、
パターンH1~H3の3種類があり、当り結果と遊技状態とによって選択されるようにな
っている。
普電サポートがない遊技状態では、当り1~3のいずれでもパターンH1の開放パター
ンとなる。普電サポートがサポートA、Bの場合は、当り1の場合にパターンH1の開放
パターンとなり、当り2、3の場合にパターンH2の開放パターンとなる。普電サポート
がサポートCの場合は、当り1~3のいずれでもパターンH3の開放パターンとなる。
図3-8(c)~(e)には、各開放パターンを示した。
図3-8(c)に示すようにパターンH1の開放パターンでは、当り状態の開始に伴い普通変動入賞装置37が開放され(t31)、36ms経過することに伴い閉鎖される(t32)。その後、普通変動入賞装置37内に残存する遊技球を処理する残存球処理時間、エンディング期間、復帰時間を合わせた704msが経過することにより当り状態が終了する(t33)。
図3-8(d)に示すようにパターンH2の開放パターンでは、当り状態の開始に伴い普通変動入賞装置37が開放され(t41)、36ms経過することに伴い閉鎖される(t42)。そして、3000msの閉鎖時間となり(t42~t43)、再び普通変動入賞装置37が開放される(t43)。その後、1624msの開放時間が経過すると普通変動入賞装置37が閉鎖され(t44)、残存球処理時間、エンディング期間、復帰時間を合わせた704msが経過することにより当り状態が終了する(t45)。
図3-8(e)に示すようにパターンH3の開放パターンでは、当り状態の開始に伴い普通変動入賞装置37が開放され(t51)、2800ms経過することに伴い閉鎖される(t52)。その後、残存球処理時間、エンディング期間、復帰時間を合わせた704msが経過することにより当り状態が終了する(t53)。
このような開放パターンでは、パターンH3が最も普通変動入賞装置37に入賞しやすく、次にパターンH2が入賞しやすく、パターンH1ではほとんど入賞は望めない。
よって、図3-8(b)に示すような開放パターンの振分とすることで、サポートCの場合が最も普通変動入賞装置37に入賞しやすく、次にサポートA、Bの場合が入賞しやすく、サポートなしの場合ではほとんど入賞は望めない。
なお、普電サポートでない状態(第1状態)よりも普電サポートである状態(第2状態、第3状態)の方が普通変動入賞装置37への入賞が容易となれば良く、確率、変動時間、開放時間又は普電最大カウント数のいずれか一つ又は複数を変化させるものであっても良い。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)〕
次に、遊技制御装置100の遊技制御による遊技状態の遷移(移行)について説明する。図3-9は、本実施形態における遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図(ゲームフロー)を例示する図である。
遊技状態には、通常遊技状態ST1、第1特別結果(大当り)に基づく第1特別遊技状
態ST2、第2特別結果(小当り)に基づく第2特別遊技状態ST3、特定遊技状態ST
4、残保留消化状態ST5がある。
各遊技状態では、演出制御装置300で制御される遊技の演出態様を定める演出モード
、当該遊技状態において主に狙うべき始動領域である主始動領域、主として実行するべき
特図変動表示ゲームの種類である主変動特図、及び遊技球の発射方向が定められている。
本実施形態の遊技機10においては、左打ちにより始動入賞口36への入賞を狙うこと
ができ、右打ちにより普通変動入賞装置37への入賞を狙うことができるようになってい
る。すなわち、遊技者の意思により狙う始動領域を選択可能となっている。また、各遊技
状態では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち、いずれか一方を主とし
て遊技を進行することを想定して設計されており、この設計に従い遊技者が遊技を進行す
るように、設計上で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームを主として遊技を進行し
た方が遊技者にとって有利となるように構成されている。なお、本明細書では、各遊技状
態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームをメイン変動と称し、他方の特図変動表
示ゲームをイレギュラー変動と称することがある。
通常遊技状態ST1は、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させ
て入賞を容易とする普電サポートがなく、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変
動時間を短縮する時短もない状態である。主変動特図は特図1変動表示ゲームであり、主
始動領域は始動入賞口36であって、この始動入賞口36を狙うため発射方向は左打ちと
されている。また、演出態様を規定する演出モードは通常ステージとされる。
第1特別遊技状態ST2は、普電サポートがなく時短もない状態である。また、演出態
様を規定する演出モードは大当りモードとされる。この第1特別遊技状態ST2では、特
別変動入賞装置38が開放されるので発射方向は右打ちとされている。
第2特別遊技状態ST3では、普電サポート、時短については小当り導出時の状況によ
りある場合とない場合がある。基本的には小当り導出時の状態を引き継ぐが、特定遊技状
態ST4の終了条件が成立する小当りの導出時には小当りとなる特図変動表示ゲームの終
了に伴い普電サポート、時短が終了するため、この場合は普電サポート、時短については
ない状態となる。また、演出態様を規定する演出モードは小当りモードとされる。この第
2特別遊技状態ST3では、特別変動入賞装置38が開放されるので発射方向は右打ちと
されているが、右打ちを明確に指示しない場合もある。
特定遊技状態ST4は、第1特別遊技状態ST2の後、サポ当りの後又は天井に到達し
た場合に規定ゲーム数にわたり滞在する状態であり、普通変動入賞装置37の単位時間あ
たりの開放時間を向上させる普電サポートがある状態である。普電サポートがある場合は
特図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もありとなる。
この特定遊技状態ST4には、普電サポートの状態がサポートA又はBの状態である第
1特定遊技状態ST41と、普電サポートの状態がサポートCの状態である第2特定遊技
状態ST42と、がある。
第1特定遊技状態ST41では、主変動特図は特図1変動表示ゲームであり、主始動領域は始動入賞口36であって、この始動入賞口36を狙うため発射方向は左打ちとされている。図3-3に示したように左打ちでも普図始動ゲート34へ遊技球を流入させることが可能であって普図変動表示ゲームを実行可能となっている。
図3-8に示したように普図変動表示ゲームの結果が当り1の場合はパターンH1の開放となるので、普通変動入賞装置37へ入賞させることは困難であり、この場合は表示装置41において右打ちの指示は行わない。ただし、遊技者が認識し難いように表示領域の端に小さく右打ちの指示を行うようにしても良い。
また、普図変動表示ゲームの当りが当り2又は3である場合には、パターンH2の開放パターンとなり図3-8(d)に示したような開放が行われる。このパターンH2の開放では、短時間開放の後に3000msの閉鎖期間を経て長時間の開放が行われるようになっており、3000msの閉鎖期間において表示装置41で右打ちへの変更を促す報知がなされるようになっている。これにより、長時間の開放までに発射方向を右打ちに変更することが可能であって、普通変動入賞装置37へ入賞させることが可能となっている。
すなわち、第1特定遊技状態ST41は、パターンH2の開放パターンがあることから普通変動入賞装置37への入賞が通常遊技状態ST1よりも容易な状態であり、図3-8(a)に示したように普図変動表示ゲームの実行時間も通常遊技状態ST1よりも短縮された状態である。このように普通変動入賞装置37への入賞が容易な状態であるにもかかわらず、普通変動入賞装置37が設けられている領域とは異なる領域に遊技球を発射して遊技を行う遊技状態である。
第2特定遊技状態ST42では、主変動特図は特図2変動表示ゲームであり、主始動領域は普通変動入賞装置37であって、この普通変動入賞装置37を狙うため発射方向は右打ちとされている。第2特定遊技状態ST42は、パターンH3の開放パターンとなることから普通変動入賞装置37への入賞が通常遊技状態ST1や第1特定遊技状態ST41よりも容易な状態であり、図3-8(a)に示したように普図変動表示ゲームの実行時間も通常遊技状態ST1や第1特定遊技状態ST41よりも短縮された状態である。そして、普通変動入賞装置37が設けられている領域に遊技球を発射して遊技を行う遊技状態である。
以上の特定遊技状態ST4は、普電サポートがあることや小当りが高頻度で発生する特
図2変動表示ゲームを実行可能であるので通常遊技状態ST1よりも遊技者にとって有利
な状態であって有利状態をなすものである。
また、第1特定遊技状態ST41よりも第2特定遊技状態ST42の方が普通変動入賞
装置37への入賞が容易であることから、第1特定遊技状態ST41よりも第2特定遊技
状態ST42の方が有利な状態となっている。
つまり、普通変動入賞装置37への入賞の容易さについては、通常遊技状態ST1であ
る第1状態と、通常遊技状態ST1よりも入賞が容易な第1特定遊技状態ST41である
第2状態と、第1特定遊技状態ST41よりも入賞が容易な第2特定遊技状態ST42で
ある第3状態と、の何れかの状態で制御するように構成されていることとなる。
残保留消化状態ST5は、特定遊技状態ST4が終了した際に残存する第2始動記憶に
基づく特図2変動表示ゲームを実行可能な状態である。
この残保留消化状態ST5では、普電サポートはないが特図変動表示ゲームの変動時間
を短縮する時短はありとなる。普電サポートがないため始動入賞口36を狙うように発射
方向は左打ちとされているが、特定遊技状態ST4に連続する短い期間であるので、左打
ちの指示を明確に行わなくても良い。また、残保留消化状態ST5での特図変動表示ゲー
ムの変動時間の平均は、特定遊技状態ST4における特図変動表示ゲームの変動時間の平
均よりも短いものとなっている。
残保留消化状態ST5は、特定遊技状態ST4において主に発生する第2始動記憶に基
づく特図2変動表示ゲームを主として実行するので、通常遊技状態ST1よりも遊技者に
とって有利な状態であって有利状態をなすものである。
遊技状態の移行は、第1特別結果(大当り)の導出、第2特別結果(小当り)の導出、
サポ当りの導出、第1特別遊技状態の終了、第2特別遊技状態の終了、規定ゲーム数の消
化、天井への到達により行われる。
通常遊技状態ST1において大当りとなると第1特別遊技状態ST2に移行する。また
、特定遊技状態ST4や残保留消化状態ST5において大当りとなった場合も第1特別遊
技状態ST2に移行する。
第1特別遊技状態ST2の終了後は、普電サポートがある大当りの場合は図3-6(e)に示した条件が成立するまでの期間にわたり普電サポート及び時短がある状態となり、特定遊技状態ST4に移行する。大当りの種類により移行する特定遊技状態ST4の種類が異なり、サポートA又はBとなる大当り種類の場合は第1特定遊技状態ST41に移行し、サポートCとなる大当り種類の場合は第2特定遊技状態ST42に移行する。
また、普電サポートがない大当りの場合は、残保留である第2始動記憶がある場合は残
保留消化状態ST5に移行し、残保留である第2始動記憶がない場合は通常遊技状態ST
1に移行する。なお、普電サポートがない大当りとは3R小当りCに基づく大当りであり
、これ以外の大当りは普電サポートがある大当りである。すなわち、3R小当りCが導出
された場合は遊技者にとって有利な状態が終了する可能性が高い。
また、天井に到達した場合は、第1特別遊技状態ST2を経ずに特定遊技状態ST4と
なる。
また、第1特定遊技状態ST41ではサポ当りを導出可能であり、サポ当りが導出され
た場合は、第1特別遊技状態ST2を経ずに第2特定遊技状態ST42に移行する。
特定遊技状態ST4では、普電サポートにより普通変動入賞装置37に遊技球が入賞しやすくなることにより第2始動記憶を発生可能であり、特図2変動表示ゲームを実行可能となる。この特定遊技状態ST4において図3-6(e)に示した条件が成立した場合は、普電サポートが終了し、特定遊技状態ST4で発生した第2始動記憶である残保留があれば残保留消化状態ST5となり、残保留がなければ通常遊技状態ST1に移行する。
第2特定遊技状態ST42の場合は、実行可能なゲーム数が多く、普図変動表示ゲームの全ての当り種類でパターンH3の開放となることから普通変動入賞装置37への入賞も容易であり、規定ゲーム数を消化する可能性よりも大当りや小当りが導出される可能性の方が高く、第1特別遊技状態ST2を経てさらに特定遊技状態ST41が継続する可能性が高い。
これに対して第1特定遊技状態ST41の場合は、実行可能なゲーム数が少なく、普通変動入賞装置37への入賞もパターンH2の開放の場合しか望めないので、規定ゲーム数を消化する可能性の方が第1特定遊技状態ST41において大当りや小当りが導出される可能性よりも高く、第1特定遊技状態ST41が終了して通常遊技状態ST1に移行する可能性が高い。
本実施形態の遊技機では、第1始動記憶よりも第2始動記憶を優先して消化するが、特
に通常遊技状態ST1で大当りとなった場合には特定遊技状態ST4の開始直後には残存
している第1始動記憶に基づき特図1変動表示ゲームが実行される可能性が高い。これに
より、第2始動記憶を溜めるための時間を確保することができる。特に、特定遊技状態S
T4における1回目の特図変動表示ゲームの変動時間は、2回目以降の変動時間よりも長
い変動時間(例えば100s)とされ、第2始動記憶を溜めるための時間を確保すること
ができるようにしている。
残保留消化状態ST5には、残保留である第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲーム
が終了するまで滞在可能となっている。この残保留消化状態ST5の終了後は通常遊技状
態ST1に移行する。本実施形態の遊技機では、第2始動記憶の上限数が1であるので残
保留の最大数は1となっている。
残保留消化状態ST5で実行されるのは小当りの導出確率が特図1変動表示ゲームより
も高い特図2変動表示ゲームであり、再び特定遊技状態ST4や第1特別遊技状態ST2
のような遊技者にとって有利な状態に戻ることができる可能性が通常遊技状態ST1より
も高い状態である。
残保留消化状態ST5では、特定遊技状態ST4や第1特別遊技状態ST2のような遊
技者にとって有利な状態が終了した直後であって遊技者が落胆感を持った状態であり、有
利な状態へ戻る可能性が高い1回の特図変動表示ゲームを実行するチャンスが与えられて
いる演出を行うことで遊技者に期待感を持たせることができる。
通常遊技状態ST1、特定遊技状態ST4又は残保留消化状態ST5において、小当りとなった場合は第2特別遊技状態ST3に移行する。
第2特別遊技状態ST3において特定領域に遊技球が流入した場合(V入賞)は、第1特別遊技状態ST2に移行する。特別変動入賞装置38に遊技球が流入した場合は、特定領域へ流入する可能性があり、小当りの発生確率が高い特図2変動表示ゲームを多く実行することは遊技者にとって有利なこととなる。図3-7に示したように特定領域への流入の可能性の高さは、特別変動入賞装置38の内部に設けられ、特定領域への遊技球の流入を制御可能なレバー部材をレバーソレノイド38fにより動作して、特定領域への遊技球の流入を許容する状態と特定領域への遊技球の流入を不能とする状態とを切り替えることで制御するようにしている。
特図1変動表示ゲームでは小当りが導出される確率が低く、第2特定遊技状態ST3に
おいて特別変動入賞装置38への入賞や特定領域への流入が困難な動作態様とされるので
、第1特別遊技状態ST2へ移行する可能性は低い。
特図2変動表示ゲームでは小当りが導出される確率が高く、第2特定遊技状態ST3に
おいて特別変動入賞装置38への入賞や特定領域への流入が容易な動作態様とされるので
、第1特別遊技状態ST2へ移行する可能性が高い。
また、第2特別遊技状態ST3において特定領域に遊技球が流入しなかった場合は、特
定遊技状態ST4、残保留消化状態ST5又は通常遊技状態ST1に移行する。
特定遊技状態ST4の終了条件が成立していない場合は特定遊技状態ST4に移行する
。また、特定遊技状態ST4の終了条件が成立しており、特定遊技状態ST4で発生した
第2始動記憶である残保留が存在する場合は、残保留消化状態ST5に移行する。また、
通常遊技状態ST1での小当りの場合や、特定遊技状態ST4の終了条件が成立しており
残保留も存在しない場合は、通常遊技状態ST1に移行する。
図3-10(a)には、各遊技状態で新たな時短(特定遊技状態ST4)の作動契機が発生した場合の対応について示した。
ここでa時短、b時短及びc時短は、いずれも特定遊技状態ST4であるが、a時短と
は第1特別遊技状態ST2を経て特定遊技状態ST4となったものであり、b時短とは天
井への到達により第1特別遊技状態ST2を経ずに特定遊技状態ST4となったものであ
り、c時短とはサポ当りにより第1特別遊技状態ST2を経ずに特定遊技状態ST4とな
ったものである。
通常遊技状態ST1において大当りとなるか小当りでV入賞することによりa時短の作
動契機が発生した場合はa時短を作動させる。通常遊技状態ST1において天井に到達す
ることによりb時短の作動契機が発生した場合はb時短を作動させる。通常遊技状態ST
1においてはサポ当りが導出されないのでc時短の作動契機が発生することはなく作動不
可とされている。
a時短の特定遊技状態ST4において大当りとなるか小当りでV入賞することによりa
時短の作動契機が発生した場合は新たなa時短を作動させる。a時短の特定遊技状態ST
4において天井に到達することによりb時短の作動契機が発生した場合はb時短に切り替
えて作動させる。a時短の特定遊技状態ST4においてサポ当りが導出されることにより
c時短の作動契機が発生した場合はc時短に切り替えて作動させる。なお、サポ当りはサ
ポートA、Bである場合にのみ導出可能となっている。
b時短の特定遊技状態ST4において大当りとなるか小当りでV入賞することによりa
時短の作動契機が発生した場合は新たなa時短に切り替えて作動させる。b時短の特定遊
技状態ST4において天井に到達することは起こりえないためこの場合のb時短は作動不
可となる。b時短の特定遊技状態ST4においてはサポ当りが導出されないのでc時短の
作動契機が発生することはなく作動不可とされている。
c時短の特定遊技状態ST4において大当りとなるか小当りでV入賞することによりa
時短の作動契機が発生した場合は新たなa時短に切り替えて作動させる。c時短の特定遊
技状態ST4において天井に到達することによりb時短の作動契機が発生した場合はb時
短に切り替えて作動させる。c時短の特定遊技状態ST4においてはサポ当りが導出され
ないのでc時短の作動契機が発生することはなく作動不可とされている。
図3-10(b)には、一括表示装置50に設けられた遊技状態表示部56の表示態様を示した。
上述したように、遊技状態表示部56には、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技者
に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部56aと、
時短状態(変動時間短縮機能作動時)であることを報知する第2遊技状態表示部56bと
がある。第1遊技状態表示部56aは発光体C6、C7の点灯又は消灯により発射方向を
表示するようになっており、第2遊技状態表示部56bは発光体D7の点灯又は消灯によ
り時短の有無を表示するようになっている。
通常遊技状態ST1では、発光体C6、C7を消灯して左打ち状態であることを示し、
発光体D7を消灯して時短状態でないことを示す。
特定遊技状態ST4の第1特定遊技状態ST41であるサポートA、Bでは、発光体C
6、C7を消灯して左打ち状態であることを示し、発光体D7を点灯して時短状態である
ことを示す。
特定遊技状態ST4の第1特定遊技状態ST41であるサポートA、Bで普図の当り状
態である場合では、発光体C6、C7を点灯して右打ち状態であることを示し、発光体D
7を点灯して時短状態であることを示す。ただし、当り結果が当り1でありパターンH1
の開放パターンとなる場合には、入賞の可能性が低いため表示装置41においては右打ち
の指示を明確に行わない。当り結果が当り2又は3であり開放パターンがパターンH2と
なる場合には表示装置41において右打ちの指示を明確に行う。
特定遊技状態ST4の第2特定遊技状態ST42であるサポートCでは、発光体C6、
C7を点灯して右打ち状態であることを示し、発光体D7を点灯して時短状態であること
を示す。
第1特別遊技状態ST2、第2特別遊技状態ST3では、発光体C6、C7を点灯して
右打ち状態であることを示し、発光体D7を消灯して時短状態でないことを示す。なお、
特定遊技状態ST4においてゲームの実行回数が規定回数に到達する前に特図1変動表示
ゲームで小当りが発生した場合は、第2特別遊技状態ST3においても時短状態のままと
なるため、発光体D7を点灯して時短状態であることを示す。
また、通常遊技状態ST1や第1特定遊技状態ST41における特図1変動表示ゲーム
で小当りが導出された場合には、入賞の可能性が低いため表示装置41においては右打ち
の指示を明確に行わない。
図3-11には、遊技機の外部へ出力する信号の出力態様の一例を示した。
図3-11(a)に示すように通常遊技状態ST1では、普図変動表示ゲームが高確率であるかを示す普通図柄1高確率状態信号がOFFとされる。なお、本実施形態の遊技機では、普図変動表示ゲームの確率変動がないため、普通図柄1高確率状態信号は常にOFFとされる。
普通変動入賞装置37の開放時間が延長されている状態であることを示す普通電動役物
1開放延長状態信号はOFFとされ、普通変動入賞装置37の開放時間が延長されていな
いことを示す。また、普図変動表示ゲームの時短状態であることを示す普通図柄1変動時
間短縮状態信号はOFFとされ、普図変動表示ゲームの時短状態でないことを示す。
普電サポートの開始を示す入賞容易状態確定信号はOFFとされ、普電サポートの状態
を示す入賞容易状態信号は不定とされて普電サポートでないことを示す。
通常遊技状態から特定遊技状態ST4の第1特定遊技状態ST41であるサポートA、
Bが開始されると(t61)、普通電動役物1開放延長状態信号はONとされ、普通変動
入賞装置37の開放時間が延長されていることを示し、普通図柄1変動時間短縮状態信号
もONとされ、普図変動表示ゲームの時短状態であることを示す。
また、入賞容易状態確定信号は一定期間(例えば32ms)にわたりONとされ(t6
1~t62)、入賞容易状態が開始されたことを示す。また、入賞容易状態信号は01H
が出力され、サポートA又はBであることを示す。
特定遊技状態ST4が終了して通常遊技状態ST1に戻ると(t63)、普通電動役物
1開放延長状態信号はOFFとされ、普通図柄1変動時間短縮状態信号はOFFとされる
。また、入賞容易状態信号は不定とされる。
入賞容易状態信号は、1~4の4本の信号のオンオフの組み合わせ(16進数)によって値が示される。例えばこの場合は、入賞容易状態信号1がオン、入賞容易状態信号2~4がオフとされることで01Hの信号が出力される。図3-11に示すその他の信号である普通図柄1高確率状態信号、普通電動役物1開放延長状態信号、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び入賞容易状態確定信号は、1本の信号のオンオフにより情報が出力される。
図3-11(b)には、通常遊技状態ST1から特定遊技状態ST4の第2特定遊技状態ST42であるサポートCが開始される場合を示した。基本的には図3-11(a)と同様であるが、入賞容易状態信号で00Hが出力され、サポートCであることが示される点だけが異なる。
すなわち、外部の装置で第1特定遊技状態ST41(サポートA又はB)であるか第2特定遊技状態ST42(サポートC)であるかを判別可能となるようにされている。
図3-12には、遊技機の外部へ出力する信号の出力態様の一例を示した。
図3-12(a)に示すように、普図変動表示ゲームが当りとなって普通変動入賞装置37の開放が行われる当り状態のうち、パターンH1の場合は発射位置指定信号1がONとなり発射位置指定信号2はOFFとされ、外部の装置に対しては左打ちが指定される。パターンH1である場合には、普通変動入賞装置37の開放時間が短く、ほとんど入賞は望めないため、左打ちが指定される。なお、上述したように一括表示装置50の第1遊技状態表示部56aでは、右打ち状態であることを示す。
また、パターンH2の場合は発射位置指定信号1及び2がONとされ、外部の装置に対しては右打ちが指定される。
図3-12(b)に示すように、第2特定遊技状態ST42であるサポートCである場合、第2特別遊技状態ST3である場合、及び、第1特別遊技状態ST2である場合は、発射位置指定信号1及び2がONとされ、外部の装置に対しては右打ちが指定される。
図3-12(c)~(h)には、小当りと普図当りが重なる場合における発射位置指定信号1及び2の出力態様を示した。
図3-12(c)には、パターンH1での当り状態で第2特別遊技状態ST3が開始された場合を示した。当り状態の開始に伴い発射位置指定信号1がONとされるが、発射位置指定信号2はOFFのままとされる(t81)。その後、第2特別遊技状態ST3の開始に伴い発射位置指定信号2がONとされる(t82)。当り状態が終了しても第2特別遊技状態ST3が継続しているため発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t83)。その後、第2特別遊技状態ST3の終了に伴い、発射位置指定信号1及び2がOFFとされる(t84)。
図3-12(d)には、パターンH2での当り状態で第2特別遊技状態ST3が開始された場合を示した。当り状態の開始に伴い発射位置指定信号1及び2がONとされる(t91)。第2特別遊技状態ST3が開始されても発射位置指定信号1及び2はONのまま維持され(t92)、当り状態が終了しても第2特別遊技状態ST3が継続しているため発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t93)。その後、第2特別遊技状態ST3の終了に伴い、発射位置指定信号1及び2がOFFとされる(t94)。
図3-12(e)には、第2特別遊技状態ST3の実行中にパターンH1での当り状態が実行された場合を示した。第2特別遊技状態ST3の開始に伴い発射位置指定信号1及び2がONとされる(t101)。パターンH1の当り状態が開始されても第2特別遊技状態ST3が継続しているため発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t102)。当り状態が終了しても第2特別遊技状態ST3が継続しているため発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t103)。その後、第2特別遊技状態ST3の終了に伴い、発射位置指定信号1及び2がOFFとされる(t104)。
図3-12(f)には、第2特別遊技状態ST3の実行中にパターンH2での当り状態が実行された場合を示した。第2特別遊技状態ST3の開始に伴い発射位置指定信号1及び2がONとされ(t111)、パターンH2の当り状態が開始されても発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t112)。当り状態が終了しても第2特別遊技状態ST3が継続しているため発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t113)。その後、第2特別遊技状態ST3の終了に伴い、発射位置指定信号1及び2がOFFとされる(t114)。
図3-12(g)には、第2特別遊技状態ST3の実行中にパターンH1での当り状態が開始され、第2特別遊技状態ST3の終了後に当り状態が終了した場合を示した。第2特別遊技状態ST3の開始に伴い発射位置指定信号1及び2がONとされ(t121)、パターンH1の当り状態が開始されても第2特別遊技状態ST3が継続しているため発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t122)。第2特別遊技状態ST3が終了するとパターンH1の当り状態が継続していることに基づき、発射位置指定信号1はON状態のまま維持するが発射位置指定信号2はOFFとされる(t123)。その後、当り状態の終了に伴い、発射位置指定信号1がOFFとされる(t124)。
図3-12(h)には、第2特別遊技状態ST3の実行中にパターンH2での当り状態が開始され、第2特別遊技状態ST3の終了後に当り状態が終了した場合を示した。第2特別遊技状態ST3の開始に伴い発射位置指定信号1及び2がONとされ(t131)、パターンH2の当り状態が開始されても発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t132)。第2特別遊技状態ST3が終了してもパターンH2の当り状態が継続しているため、発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t133)。その後、当り状態の終了に伴い、発射位置指定信号1及び2がOFFとされる(t134)。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図3-13及び図3-14に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図3-15に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図3-13及び図3-14に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップX1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップX2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップX3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップX4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップX5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ152の状態を読み込み(ス
テップX6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行う。ステッ
プX7の処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置1
00からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出
制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)
が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって
従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマン
ドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することが
できる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御
装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等
)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の
対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行わ
れる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部
のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防
止することができる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行った後、停電が発生して
いるか判定し(ステップX8)、停電が発生している場合(ステップX8;Y)には、遊
技機の電源が遮断されるのを待つ。
具体的には、ステップX8では、例えば、電源装置400から入力されている停電監視
信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定
し、停電監視信号がオンであるかの判定を行う。そして、停電監視信号がオンである場合
は、設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか判定する。そして
、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合は、停電監視信号がオン
であるかの判定に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場
合には、停電が発生していると判定する。後述するステップX34,X54においても同
様である。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生し
たと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時に
おける不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電
監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせてい
る期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に
適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可さ
れておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの
停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が
発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる
一方、停電が発生していない場合(ステップX8;N)には、電源投入ディレイタイマ
を-1更新し(ステップX9)、タイマの値が0であるか判定する(ステップX10)。
タイマの値が0でない場合(ステップX10;N)、すなわち、待機時間が終了していな
い場合には、停電が発生しているか判定する処理(ステップX8)に戻る。また、タイマ
の値が0である場合(ステップX10;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合には、
RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス
許可をし(ステップX11)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定
)する(ステップX12)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施
形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステッ
プX13)、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び
乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動
する処理(ステップX14)を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のク
ロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの
発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU1
11Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供
給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
次いで、RAM異常フラグをセットする(ステップX15)。ここでは、RAMに異常
があるか否かにかかわらずRAMに異常があることを前提として、一旦、RAM異常フラ
グを所定のレジスタにセットする。
次いで、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例え
ば5Ah)であるか判定し(ステップX16)、正常であれば(ステップX16;Y)、
RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)
であるか判定する(ステップX17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ス
テップX17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処
理(ステップX18)を行い、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致す
るか判定する(ステップX19)。チェックサムが一致する場合(ステップX19;Y)
には、RAMに異常がないためRAM異常フラグをクリアして(ステップX20)、ステ
ップX21へ移行する。
また、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステッ
プX16;NもしくはステップX17;N)、チェックサムが一致しないと判定された場
合(ステップX19;N)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいて設定キースイ
ッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態であるか判定する(ステップ
X21)。そして、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも
一方がオフ状態である場合(ステップX21;N)には、RAM異常フラグがセットされ
ているか判定する(ステップX22)。RAM異常フラグがセットされている場合(ステ
ップX22;Y)には、RAMに異常があるため、遊技制御装置100が異常であること
を報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送
信する(ステップX24)。
一方、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップX22;N)には、確率
設定変更中フラグがセットされているか判定する(ステップX23)。そして、確率設定
変更中フラグがセットされている場合(ステップX23;Y)には、メイン異常エラー報
知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX24)。こ
こでセットされている確率設定中フラグは、停電発生前にセットされた確率設定中フラグ
である。すなわち、確率設定値の変更中に遊技機の電源が遮断して再起動した場合には、
遊技制御装置100の動作が停止するのでステップX24の処理を行う。
次いで、遊技停止時の7セグ表示データを、第2出力ポート134を介して第5ドライ
バ138eに出力する(ステップX25)。その後、セキュリティ信号のオンデータを出
力するとともにセキュリティ信号以外の信号のオフデータを出力して(ステップX26)
、ステップX25に戻る。
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態である
場合(ステップX21;Y)には、RAM異常フラグがセットされているか判定する(ス
テップX27)。そして、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップX27
;N)には、確率設定変更中フラグをセットする(ステップX29)。これにより確率設
定値変更モードに移行する。その後、確率設定変更中のコマンドを演出制御基板(演出制
御装置300)に送信して(ステップX30)、ステップX31へ移行する。演出制御装
置300では、確率設定変更中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41の表示
、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ1
9a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更中である旨を示す報知を行
う。
一方、RAM異常フラグがセットされている場合(ステップX27;Y)には、確率設
定値をクリアする処理(ステップX28)を行う。これにより、RWM内の確率設定値用
の領域に0がセットされて、確率設定値が“設定1”となる。その後、ステップX29,
X30の処理を行って、ステップX31へ移行する。
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフ
状態であり(ステップX21;N)、RAM異常フラグも確率設定変更中フラグもセット
されていない場合(テップX22;N及びステップX23;N)には、ステップX6で読
み込んだ状態に基づいて設定キースイッチ152がオン状態であるか判定する(ステップ
X35)。そして、設定キースイッチ152がオン状態でない場合(ステップX35;N
)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいてRAM初期化スイッチ112がオン状
態であるか判定する(ステップX43)。
RAM初期化スイッチ112がオン状態でないと判定した場合(ステップX43;N)
、すなわち設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオフ状態であ
る場合には、ステップX41へ移行して停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
一方、RAM初期化スイッチ112がオン状態であると判定した場合(ステップX43
;Y)には、ステップX44へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、RAM初期化ス
イッチ112が外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初
期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段
をなす。
また、設定キースイッチ152がオン状態である場合(ステップX35;Y)には、確
率設定確認中フラグをセットする(ステップX36)。これにより確率設定値確認モード
に移行する。その後、確率設定確認中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)
に送信する(ステップX37)。演出制御装置300では、確率設定確認中のコマンドを
受信することに基づき、表示装置41の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLED
の発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、
確率設定値の確認中である旨の報知を行う。
そして、50m秒間以上のセキュリティ信号の出力を保証するために、セキュリティ信
号制御タイマ領域に128m秒に対応する値をセーブする(ステップX31)。セキュリ
ティ信号は、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである場合にはタイマ割込み
処理の確率設定変更/確認処理(ステップX122)で出力され、それ以外の場合はタイ
マ割込み処理の外部情報編集処理(ステップX120)で出力される。したがって、12
8m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認モードが終了する場合には、タイ
マ割込み処理の外部情報編集処理(ステップX120)によってセキュリティ信号が継続
して出力される。すなわち、128m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認
モードが終了する場合であっても、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行
してから128m秒間はセキュリティ信号が出力される。なお、ステップX31において
セキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする値は128m秒に対応する値に限定されな
い。ただし、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行してから少なくとも5
0m秒間はセキュリティ信号を出力する必要があるため、50m秒以上に対応する値をセ
ーブする必要がある。
そして、割込みを許可し(ステップX32)、設定キースイッチ152がオフ状態であるか判定する(ステップX33)。ステップX33では、ステップX6で読み込んだ状態(電源投入時の状態)に基づいて判定するのではなく、タイマ割込み処理(図3-15)の入力処理(ステップX103)で読み込んだ状態(現時点の状態)に基づいて判定する。ステップX33で設定キースイッチ152がオフ状態である判定された場合に、確率設定値が確定される。
設定キースイッチ152がオフ状態でない場合(ステップX33;N)には、停電が発生しているか判定し(ステップX34)、停電が発生していない場合(ステップX34;N)には、ステップX33に戻り、停電が発生している場合(ステップX34;Y)には、ステップX55へ移行する。確率設定変更中フラグがセットされている状態でステップX34にて停電が発生していると判定された場合に、当該停電から復旧した後のメイン処理(図3-13及び図3-14)のステップX23において、確率設定変更中フラグがセットされていると判定される。
一方、設定キースイッチ152がオフ状態である場合(ステップX33;Y)には、割込みを禁止する処理(ステップX38)を行う。割込みを許可する処理(ステップX32)を行ってから割込みを禁止する処理(ステップX38,X55)を行うまでの間は、タイマ割込み処理(図3-15)が所定時間周期(例えば4m秒)で行われる。当該タイマ割込み処理では、確率設定値に関する処理である確率設定変更/確認処理(ステップX122)が行われる。すなわち、確率設定値の変更や確認が終了するまで(あるいは停電が発生するまで)の間、メイン処理は待機していることとなる。
次いで、報知終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX39)。演出制御装置300では、報知終了のコマンドを受信することに基づき、実行中の報知(確率設定値の変更中である旨を示す報知又は確率設定値の確認中である旨の報知)を終了する。
次いで、確率設定変更中フラグがセットされているか判定し(ステップX40)、確率
設定変更中フラグがセットされていない場合(ステップX40;N)、すなわち確率設定
確認中フラグがセットされている場合には、初期化すべき領域(例えば、停電検査領域、
チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域)に停電復旧時の初期値をセーブする処
理等を行う停電復旧処理(ステップX41)を行う。確率設定確認中フラグは、このステ
ップX41でクリアされる。
その後、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制
御装置300)へ送信し(ステップX42)、ステップX47へ移行する。本実施形態の
場合、ステップX42では、機種指定コマンド、確率設定情報コマンド、特図1保留数コ
マンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、演出回数情報コマンド、画面指定の
コマンド等の複数のコマンドを送信する。画面指定のコマンドとしては、特図1及び特図
2について何れも後述する普段処理中である場合、すなわち特図変動表示ゲームの実行中
でもなく特別遊技状態中でもない場合である客待ち中であれば客待ちデモ画面のコマンド
を送信し、それ以外であれば復旧画面のコマンドを送信する。また、機種によっては、こ
れらのコマンドに加えて、高確率回数情報コマンド等も送信する。
一方、確率設定変更中フラグがセットされている場合(ステップX40;Y)には、確
率設定値以外のRAM領域を0クリアする(ステップX44)。ステップX44では、確
率設定値用のRAM領域(ワーク領域(確率設定値の1バイト領域))と性能表示(ベー
ス値や役物比率の表示)用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)はクリアせず、遊
技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)を0クリアする。したがって、確率
設定変更中フラグは、このステップX44でクリアされる。なお、ステップX44では、
スタック領域や未使用領域をクリアしてもしなくても良い。
そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップX45)
。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域であ
る。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信す
る(ステップX46)。本実施形態の場合、ステップX46では、機種指定コマンド、確
率設定情報コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド
、演出回数情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるととも
に、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド
)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、
演出回数情報コマンドや普電サポートありとした特図変動表示ゲームの実行回数の情報で
あるサポート回数情報コマンド等も送信する。
次いで、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップX47)。具体的には、乱
数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させる
ためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成
回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パター
ンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビッ
ト転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転
置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パ
ターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるととも
に、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一
のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても
良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)
の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する
特図図柄乱数、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する普図
図柄乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップ
X48)、割込みを許可する(ステップX49)。本実施形態で使用するCPU111A
内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように
構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソ
フトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得
を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理
(ステップX50)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態において
は、大当り乱数、特図図柄乱数、当り乱数、普図図柄乱数は乱数生成回路において生成さ
れる乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作
クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり
、特図図柄乱数、当り乱数、普図図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処
理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(
CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、特図図柄乱数、当り
乱数、普図図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで
生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前
記各乱数は、+1或いは-1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全
ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハ
ードウェアのみで更新される乱数であり、特図図柄乱数、当り乱数、普図図柄乱数はハー
ドウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
ステップX50の初期値乱数更新処理の後、割込みを禁止する処理(ステップX51)
を行って、性能表示編集処理(ステップX52)を行う。そして、割込みを許可する処理
(ステップX53)を行った後、停電が発生しているか判定し(ステップX54)、停電
が発生していない場合(ステップX54;N)には、初期値乱数更新処理(ステップX5
0)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示
編集処理と停電監視を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップX50)の前に割込
みを許可する(ステップX49)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが
発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新
処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、ステップX50での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処
理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合
には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数
更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、
本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内
のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それ
によってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、停電が発生している場合(ステップX54;Y)には、一旦割込みを禁止する処
理(ステップX55)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップX56)を
行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップX57
)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップX58)。
さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップ
X59)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップX60)を行った後、RW
Mへのアクセスを禁止する処理(ステップX61)を行ってから、遊技機の電源が遮断さ
れるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源
遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報
が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主
制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御
装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該
主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待
機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停
電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電
の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御
装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判
定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、
外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部
が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(
遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み
込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへの
アクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理はクロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。すなわち、所定周期で開始される割込みルーチンである。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図3-15のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップX1
01)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使
っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと
同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位ア
ドレスをセットする(ステップX102)。ステップX102では、メイン処理における
ステップX4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサや
スイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処
理(ステップX103)を行う。
次いで、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされているか判定し
(ステップX104)、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされて
いる場合(ステップX104;Y)には、確率設定変更/確認処理(ステップX122)
を行って、タイマ割込み処理を終了する。
一方、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグの両方がセットされていない場合
(ステップX104;N)には、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイ
ド(大入賞口ソレノイド38b、レバーソレノイド38f、普電ソレノイド37c)等の
アクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップX105)を行う。なお
、メイン処理におけるステップX5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行わ
れることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされ
る。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信
号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状
態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発
射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの
発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に
、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力す
る払出コマンド送信処理(ステップX106)、乱数更新処理1(ステップX107)、
乱数更新処理2(ステップX108)を行う。乱数更新処理1(ステップX107)では
、初期値乱数更新処理の対象となっている特図図柄乱数、当り乱数、普図図柄乱数の初期
値(スタート値)が更新される。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ3
7a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否
かの監視や、賞球の設定、前面枠やガラス枠の開放や、普通変動入賞装置37、特別変動
入賞装置38への不正入賞などのエラーの監視を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ス
テップX109)を行う。
次に、異常排出発生中であるか判定する(ステップX110)。異常排出とは、特別変
動入賞装置38において、特別変動入賞装置38から排出される遊技球数(特定領域スイ
ッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数)が、特別変動入賞装
置38に流入した遊技球数(大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数)を上回るこ
とである。なお、異常排出発生中である場合には異常排出フラグがセットされている。そ
して、異常排出発生中である場合(ステップX110;Y)には、ステップX116へ移
行する。すなわち、遊技が進行しないようにする。
一方、異常排出発生中でない場合(ステップX110;N)には、特図変動表示ゲーム
に関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップX112)、普図変動表示ゲームに関する
処理を行う普図ゲーム処理(ステップX114)を行って、遊技機10に設けられ、特図
変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容
を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップX115)を行う。
次いで、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行
う磁石不正監視処理(ステップX116)、盤電波センサ62からの検出信号をチェック
して異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップX117)、振動セ
ンサ65からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う振動不正監視処
理(ステップX118)、異常排出が発生していないか判定する処理を行う異常排出監視
処理(ステップX119)を行う。さらに、外部の各種装置に出力する信号を出力バッフ
ァにセットする外部情報編集処理(ステップX120)、性能表示装置153の制御に関
する性能表示モニタ制御処理(ステップX121)を行って、タイマ割込み処理を終了す
る。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可す
る処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定
する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお
、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を
復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップX112)の詳細に
ついて説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ3
7aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を
行う。
図3-16に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視
処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検
出を監視する処理を行う。そして、特定領域38hでの遊技球の検出を監視する特定領域
スイッチ監視処理を行う(ステップA3)。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ-1更新する(ステップA4)。なお
、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タ
イマの値が「0」であるかを判定する(ステップA5)。特図ゲーム処理タイマの値が「
0」である場合(ステップA5;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアッ
プしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図
ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA6)、当該テーブルを用
いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA7)。
そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA8)。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動
開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を
行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定
や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA
10)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技
結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当
りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/イン
ターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11
)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定
や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンフ
ァーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウ
ンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディン
グコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行
う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウ
ンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り
終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)
を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために
必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入
賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を
行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA16)を
行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設
定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA
17)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞
口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行う
ために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA18)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うため
に必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA19)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA
20)、特図1表示器51による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステッ
プA21)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備し
た後(ステップA22)、特図2表示器52による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動
制御処理(ステップA23)を行う。その後、レバーソレノイド38fの動作を制御する
レバーソレノイド制御処理(ステップA24)を行って、特図ゲーム処理を終了する。一
方、ステップA5にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA5;
N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA20の処理に移行して、それ
以降の処理を行う。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理において行われる特図始動口スイッチ共通処理の
詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動
口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理で
ある。
図3-17に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口
スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステ
ップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N
)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更
新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA13
6)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の
始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップ
A138)、ハード乱数取得処理にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域
にセーブする(ステップA139)。
次いで、監視対象の始動口スイッチの特図図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA1
40)、RWMの特図図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセ
ーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)を行う。
次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド
を準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、
特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装
置37の始動領域での遊技球の検出に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの
実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動
記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入
賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始
動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、
所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA14
6)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図
変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を
行う先読み処理である。
図3-18に示すように、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA154)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り用特図図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA140にて準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA168の処理に移行する。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、大当り乱数値が小当
り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステッ
プA159)を行う。そして、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)に
は、小当り用特図図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、特図始動口
スイッチ共通処理のステップA140にて準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報
を取得して(ステップA162)、ステップA168の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、大当り乱数値がサポ
当り判定値と一致するか否かによりサポ当りであるか否かを判定するサポ当り判定処理(
ステップA163)を行う。そして、判定結果がサポ当りでない場合(ステップA164
;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA167)、ステップA168の
処理に移行する。
また、判定結果がサポ当りである場合(ステップA164;Y)には、サポ当り用特図
図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA165)、特図始動口スイッチ共通処理
のステップA140にて準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステ
ップA166)、ステップA168の処理に移行する。
なお、サポ当りは遊技状態が第1特定遊技状態ST41である場合にのみ導出可能であ
り、ここでは当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行される遊技状態を考慮して
判定を行う。
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを
準備し(ステップA168)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA169)。次に
、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理
(ステップA170)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設
定処理を行う(ステップA171)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号
及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備
して(ステップA172)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA173)、特図保
留情報判定処理を終了する。なお、ステップA170における特図情報設定処理、ステッ
プA171における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始
時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先
読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報
を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これ
により、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定
結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミング
より前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示され
る飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミン
グより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶と
して記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例え
ば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶
された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく
、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図3-19に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA305)。そして、特図1保留数が「0」である(ステップA305;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA309)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA309;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA310)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA311)、演出コマンド設定処理
(ステップA312)を行う。次いで、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定
して(ステップA313)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステ
ップA314)。そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA315)、大
入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA316
)、特図普段処理を終了する。すなわち、特図変動表示ゲームを開始可能な状態であるが
始動条件が成立しない場合に、待機情報をなす客待ちデモコマンドを演出制御装置300
に送信するようにしていることとなる。
一方、ステップA309にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA309;
Y)は、ステップA310~A312の処理を行わずに、ステップA313の処理へ移行
する。
また、ステップA301にて、特図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;
N)は、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA302
)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA303)を行い、特図2変動開始処理(
ステップA304)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA305にて、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA305;
N)は、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA306
)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA307)を行い、特図1変動開始処理(
ステップA308)を行って、特図普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA308)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図3-20(a)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA321)。次に、大当り乱数を判定して第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する処理や、第1特図変動表示ゲームがサポ当りであるか否かを判別するためのサポ当りフラグにはずれ情報やサポ当り情報を設定する処理を行う大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA
323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定す
る特図情報設定処理(ステップA324)を行う。パラメータとしては遊技状態、保留数
、停止図柄パターン番号及び残りの普電サポート回数などが用いられる。次に、第1特図
変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定さ
れたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325
)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変
動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の
情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)
、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA329)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特図1の変動開始に
関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブ
する(ステップA331)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブ
し(ステップA332)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器5
1の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA33
3)。次いで、特図1変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステ
ップA334)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA304)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図3-20(a)に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図3-20(b)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA341)。次に、大当り乱数を判定して第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する処理や、第2特図変動表示ゲームがサポ当りであるか否かを判別するためのサポ当りフラグにはずれ情報やサポ当り情報を設定する処理を行う大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA
343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定す
る特図情報設定処理(ステップA344)を行う。パラメータとしては遊技状態、保留数
、停止図柄パターン番号及び残りの普電サポート回数などが用いられる。次に、第2特図
変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定さ
れたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345
)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変
動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の
情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA348)
、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA349)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA350)、特図2の変動開始に
関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブ
する(ステップA351)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブ
し(ステップA352)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器5
2の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA35
3)。次いで、特図2変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステ
ップA354)、特図2変動開始処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づき特図変
動表示ゲームを実行する特図変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図変動表示ゲ
ーム実行制御手段は、第1始動記憶に基づき特図変動表示ゲームとして第1特図変動表示
ゲームを実行し、第2始動記憶に基づき特図変動表示ゲームとして第2特図変動表示ゲー
ムを実行することとなる。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図3-21に、本実施形態の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を示す。
この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステッ
プA431)、大当りである場合(ステップA431;Y)は、特図1特図図柄乱数格納
領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする(ステップA432)。次に、特図1
大当り図柄テーブルを設定し(ステップA433)、ロードした特図図柄乱数に対応する
停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA434)。こ
の処理により大当り種類が選択される。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップA435)、停止図柄
番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(ステッ
プA436)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停
止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に
対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステッ
プA437)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して時間短縮判定デー
タ領域にセーブし(ステップA438)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出
モード移行情報をセーブする(ステップA439)。これらの情報は、特別遊技状態の実
行態様、特別遊技状態の終了後の演出モード及び特別遊技状態の終了後の変動選択テーブ
ル群の移行に関する情報である変動パターンシナリオを設定するためのものである。そし
て、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA455)。
一方、大当り1フラグは大当りでない場合(ステップA431;N)は、小当りフラグ
1は小当りであるかを判定し(ステップA440)、小当りである場合(ステップA44
0;Y)は、特図1特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする
(ステップA441)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップA442)
、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域に
セーブする(ステップA443)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停
止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブし(ス
テップA444)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブして(ステ
ップA445)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA
455)。
また、小当りフラグ1は小当りでない場合(ステップA440;N)は、サポ当りフラ
グ1がサポ当りかを判定し(ステップA446)、サポ当りである場合(ステップA44
6;Y)は、特図1特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする
(ステップA447)。次に、特図1サポ当り図柄テーブルを設定し(ステップA448
)、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域
にセーブする(ステップA449)。この処理によりサポ当り種類が選択される。
その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域に
セーブし(ステップA450)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して
時間短縮判定データ領域にセーブし(ステップA451)、停止図柄パターンに対応する
演出モード移行情報をセーブして(ステップA452)、停止図柄パターンに対応する飾
り特図コマンドを準備する(ステップA455)。
また、サポ当りフラグ1はサポ当りでない場合(ステップA446;N)は、はずれ時
の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップA453)、はずれ停止
図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA454)、停止図柄パタ
ーンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA455)。以上の処理により、
特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
なお、サポ当りは遊技状態が第1特定遊技状態ST41である場合にのみ導出可能であ
るので、遊技状態が第1特定遊技状態ST41である場合にのみステップA446~A4
52の処理を行うようにしても良い。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA456)、
演出コマンド設定処理(ステップA457)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出
制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出
力データ領域にセーブして(ステップA458)、特図1特図図柄乱数格納領域(保留数
1用)を0クリアして(ステップA459)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図3-22に、本実施形態の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を示す。なお、特図2停止図柄設定処理は、特図1停止図柄設定処理と同じ処理を、特図2を対象として行うものである。
この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステッ
プA471)、大当りである場合(ステップA471;Y)は、特図2特図図柄乱数格納
領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする(ステップA472)。次に、特図2
大当り図柄テーブルを設定し(ステップA473)、ロードした特図図柄乱数に対応する
停止図柄番号を取得して特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA474)。こ
の処理により大当り種類が選択される。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップA475)、停止図柄
番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(ステッ
プA476)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停
止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に
対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステッ
プA477)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して時間短縮判定デー
タ領域にセーブし(ステップA478)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出
モード移行情報をセーブする(ステップA479)。これらの情報は、特別遊技状態の実
行態様、特別遊技状態の終了後の演出モード及び特別遊技状態の終了後の変動選択テーブ
ル群の移行に関する情報である変動パターンシナリオを設定するためのものである。そし
て、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA495)。
一方、大当りフラグ2は大当りでない場合(ステップA471;N)は、小当りフラグ
2は小当りであるかを判定し(ステップA480)、小当りである場合(ステップA48
0;Y)は、特図2特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする
(ステップA481)。次に、特図2小当り図柄テーブルを設定し(ステップA482)
、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄番号領域に
セーブする(ステップA483)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停
止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブし(ス
テップA484)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブして(ステ
ップA485)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA
495)。
また、小当りフラグ2は小当りでない場合(ステップA480;N)は、はずれ時の停
止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(ステップA493)、はずれ停止図柄
パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA494)、停止図柄パターン
に対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA495)。以上の処理により、特図
変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA496)、
演出コマンド設定処理(ステップA497)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出
制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出
力データ領域にセーブして(ステップA498)、特図2特図図柄乱数格納領域(保留数
1用)を0クリアして(ステップA499)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
このように各結果の停止図柄の設定を行う際に、結果にかかわらず共通の特図図柄乱数
を用いることで必要な乱数の種類を少なくでき、遊技機の仕様やプログラムの簡素化を図
ることができて、制御の負担を軽減することができる。
〔特図変動中処理〕
図3-23に、本実施形態の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA10)を示す。
この特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグに対応する図柄停止コマンドを準
備して(ステップA601)、演出コマンド設定処理(ステップA602)を行う。次い
で、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA603)、設定した表
示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA604)。すなわち、遊技
制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止表示時間を設定する停
止表示時間設定手段をなす。
次に、普電サポート中であるかを判定し(ステップA605)、普電サポート中でない
場合(ステップA605;N)はステップA612に移行する。また、普電サポート中で
ある場合(ステップA605;Y)は、時間短縮変動回数1領域の時間短縮変動回数1を
-1更新し(ステップA609)、時間短縮変動回数1が0になったかを判定する(ステ
ップA610)。
時間短縮変動回数1が0である場合(ステップA610;Y)は、普電サポートを終了
するための時短終了設定処理を行い(ステップA611)、ステップA612に移行する
。また、時間短縮変動回数1が0でない場合(ステップA610;N)は、ステップA6
12に移行する。
すなわち、時間短縮変動回数1が0となった場合に普電サポートを終了するようになっ
ている。なお、特図1変動表示ゲームの実行回数と、特図2変動表示ゲームの実行回数と
、特図1変動表示ゲームと特図1変動表示ゲームを合計した実行回数と、をそれぞれ計数
し、いずれかが規定回数に到達することで普電サポートを終了するようにしても良い。
演出モード情報チェック処理(ステップA612)を行った後、残保留消化状態が終了
したかを判定する(ステップA613)。ここでの残保留消化状態が終了したとは、残保
留消化状態ST5の終了条件が成立した場合の他、特定遊技状態ST4の終了の際に残保
留が存在しなかった場合も含む。
残保留消化状態が終了していない場合(ステップA613;N)は、ステップA616
に移行する。また、残保留消化状態が終了した場合(ステップA613;Y)は、結果が
はずれであるかを判定する(ステップA614)。
結果がはずれでない場合(ステップA614;N)は、ステップA616に移行する。
結果がはずれである場合(ステップA614;Y)は、時短終了に関する信号(例えば、
大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA615)、ス
テップA616に移行する。
ステップA616では、処理番号として特図表示中処理にかかる「2」を設定し(ステ
ップA616)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA61
7)。さらに、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF
)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA618)、特図2の変動終了に関す
る信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし
て(ステップA619)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る
図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば、256m秒)をセーブす
る(ステップA620)。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制
御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フ
ラグ領域にセーブし(ステップA621)、特図2表示器52における特図2変動表示ゲ
ームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変
動制御フラグ領域にセーブして(ステップA622)、特図変動中処理を終了する。
〔時短終了設定処理〕
図3-24に、特図変動中処理における時短終了設定処理(ステップA611)を示す。この時短終了設定処理では、まず、時短の終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF、普通図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、普通電動役物1開放延長状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA632)。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA633)、普
図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&時短なしフラグをセーブして(ステップA63
4)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステッ
プA635)。
そして、時間短縮変動回数1領域をクリアする(ステップA636)。
その後、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1及び2をOFF)を試
験信号出力データ領域にセーブし(ステップA638)、右打ち中の表示LED(例えば
、第1遊技状態表示部56a)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態
中の番号をセーブして(ステップA639)、通常ベース状態判定領域に通常ベース状態
情報をセーブして(ステップA640)、時短終了設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
図3-25及び図3-26に、本実施形態の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)を示す。
この特図表示中処理では、まず、大当りフラグ1設定処理にて設定されたサポ当りフラ
グ1と、大当りフラグ2設定処理にて設定されたサポ当りフラグ2と、をロードして(ス
テップA701)、RWMのサポ当りフラグ1領域及びサポ当りフラグ2領域をクリアす
る(ステップA702)。
次いで、大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグ1と、大当りフラグ2設
定処理にて設定された小当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの
小当りフラグ1領域及び小当りフラグ2領域をクリアする(ステップA704)。
次いで、大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、大当りフラグ2設
定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA705)、RWMの
大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする(ステップA706)。そして
、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA707)、大当りであ
る場合(ステップA707;Y)は、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)
の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中
信号をON、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし
て(ステップA710)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA711)。
一方、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA707;N)は、ロードされた
大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA708)、大当りである場合(ステッ
プA708;Y)は、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する
試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をON、特
別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA
709)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA711)。
次いで、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「1
0」又は「3」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA7
12)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、R
WMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA713)。
次に、RWMの飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ス
テップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。その後、普図変
動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状
態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド
設定処理(ステップA717)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて
設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコ
マンドを準備して(ステップA718)、演出コマンド設定処理(ステップA719)を
行う。このファンファーレコマンドが特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信
される特別遊技状態開始情報をなす。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果
となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステ
ップA720)。本実施形態の場合、ステップA720において、大入賞口開放情報と確
率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それ
ぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号
は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはO
N、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1
)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。
また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである
場合にはOFFとなる。なお、本実施形態の遊技機では、全て出玉のある大当りである。
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結
果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間を設定して(ステップA721
)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステ
ップA722)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図
ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA723)。これにより特別結果が
発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶し
た情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(
ステップA724)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラ
グ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA725)。その後、ファンファ
ーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設
定処理1(ステップA726)を行い、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御
装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別
結果となることに基づき、特別変動入賞装置38を開状態に変換する特別遊技状態を発生
する特別遊技状態発生手段をなす。
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA708;N)は、特図変動表示
ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA727)。本実施形態の
遊技機では、特図確率は常に一定であるので常に高確率状態でないと判定し(ステップA
727;N)、天井到達済みフラグがあるかを判定する(ステップA728)。
天井到達済みフラグがある場合(ステップA728;Y)は、天井に到達することに基
づく普電サポートの開始に関する処理を行わず、ステップA732に移行する。天井到達
済みフラグは、天井に到達することに基づきセットされ、大当りの発生に基づきクリアさ
れるようになっている。これにより、天井に到達することに基づき普電サポートが開始さ
れた場合には、大当りを経過した後でなければ新たな天井への到達に基づく普電サポート
が開始されないようにすることができる。
天井到達済みフラグがない場合(ステップA728;N)は、天井カウンタ領域の値を
+1更新し(ステップA729)、天井に到達したかを判定する(ステップA730)。
天井に到達していない場合(ステップA730;N)は、ステップA732に移行する。
また、天井に到達した場合(ステップA730;Y)は、天井時短発動フラグ及び天井到
達済みフラグをセットし(ステップA731)、ステップA732に移行する。
ステップA732では、ロードされた小当りフラグ2が小当りかを判定して(ステップ
A732)、小当りである場合(ステップA732;Y)は、第2特図変動表示ゲームの
小当り(特図2小当り)の開始に関する試験信号(例えば、特別図柄2小当り信号をON
)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA735)、ステップA7
36に移行する。
また、小当りフラグ2が小当りでない場合(ステップA732;N)は、ロードされた
小当りフラグ1が小当りかを判定して(ステップA733)、小当りである場合(ステッ
プA733;Y)は、第1特図変動表示ゲームの小当り(特図1小当り)の開始に関する
試験信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域に
セーブして(ステップA734)、ステップA736に移行する。
次いで、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA
736)。本実施形態の遊技機では、特図確率は常に一定であるので常に高確率状態でな
いと判定し(ステップA736;N)、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロ
ードし、準備して(ステップA737)、演出コマンド設定処理(ステップA738)を
行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA739)、演出コマ
ンド設定処理(ステップA740)を行って、ステップA741の処理に移行する。この
小当りファンファーレコマンドも特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信され
る特別遊技状態開始情報をなす。
そして、普電サポート中であるかを判定し(ステップA741)、普電サポート中でな
い場合(ステップA741;N)は、小当りファンファーレ中処理に移行するための小当
りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップA746)を行って、特図表示中処理を
終了する。
また、普電サポート中である場合(ステップA741;Y)は、普電サポートの終了条
件が成立したかを判定する(ステップA743)。本実施形態の遊技機では特図2変動表
示ゲームで小当りが導出されることが終了条件となっている。
普電サポートの終了条件が成立していない場合(ステップA743;N)は、ステップ
A746の処理を行って特図表示中処理を終了する。また、普電サポートの終了条件が成
立した場合(ステップA743;Y)は、普電サポートを終了するための時短終了設定処
理を行い(ステップA744)、時短終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセー
ブして(ステップA745)、ステップA746の処理を行って特図表示中処理を終了す
る。
一方、小当りフラグ1が小当りでない場合(ステップA733;N)は、天井時短発動
フラグがあるかを判定する(ステップA751)。天井時短発動フラグがある場合(ステ
ップA751;Y)は、天井時短回数の初期値を時間短縮変動回数領域1にセーブし(ス
テップA752)、サポ作動設定処理(ステップA756)に移行する。
ここでは、時間短縮変動回数領域1に特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの
実行回数の合計に基づく終了条件として250をセーブする。
また、天井時短発動フラグがない場合(ステップA751;N)は、ロードされたサポ
当りフラグ1がサポ当りかを判定する(ステップA754)。サポ当りでない場合(ステ
ップA754;N)は、特図普段処理に移行するための特図普段処理移行設定処理(ステ
ップA757)を行って、特図表示中処理を終了する。
一方、サポ当りフラグ1がサポ当りである場合(ステップA754;Y)は、時間短縮
判定データに対応する初期値を時間短縮変動回数領域1にセーブし(ステップA755)
、サポ作動設定処理(ステップA756)に移行する。
ここでは、時間短縮変動回数領域1に特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの
実行回数の合計に基づく終了条件として250をセーブする。
サポ作動設定処理(ステップA756)を行った後、特図普段処理に移行するための特
図普段処理移行設定処理(ステップA757)を行って、特図表示中処理を終了する。
なお、サポ当りは遊技状態が第1特定遊技状態ST41である場合にのみ導出可能であ
るので、遊技状態が第1特定遊技状態ST41である場合にのみステップA754~A7
56の処理を行うようにしても良い。
また、大当りフラグ1設定処理(ステップA322)において、遊技状態が第1特定遊
技状態ST41である場合にのみサポ当りの判定を行うようにしても良いし、大当りフラ
グ1設定処理(ステップA322)においては遊技状態を考慮せずにサポ当りの判定を行
い、特図表示中処理において遊技状態が第1特定遊技状態ST41である場合にのみサポ
当りに基づく普電サポートの設定処理を行うようにしても良い。
以上の処理では、天井へ到達したか否かの判定は特図変動表示ゲームの終了時に行って
おり(ステップA727~A731)、サポ当りの当選と天井への到達が同一の特図変動
表示ゲームで発生した場合には、天井への到達に基づく特定遊技状態ST4の終了条件を
設定するようにしている(ステップA751~A756)。
天井への到達とサポ当りの当選が同一の特図変動表示ゲームで発生することは稀であり
、特図変動表示ゲームの開始時において常にこれをチェックすることは制御の無駄となる
。そこで、本実施形態のようにすることで、このような無駄な処理が不要となり、特図変
動表示ゲームの開始時における制御を簡単なものとすることができる。
なお、サポ当りや天井への到達に基づいてそれぞれ特定の変動パターンや結果態様を設
定するようにした場合、サポ当りの当選と天井への到達が同一の特図変動表示ゲームで発
生した場合には、当該特図変動表示ゲームでは開始時にサポ当りに基づく変動パターンや
結果態様が選択されるが、特図変動表示ゲームの終了時に付与される特定遊技状態ST4
の終了条件はサポ当りに基づく終了条件ではなく天井への到達に基づく終了条件とされる

変動パターンや結果態様としてはサポ当りに対応したものが選択されるのに対し、付与
される特定遊技状態ST4の終了条件は天井への到達に基づく終了条件となるという矛盾
が生じるが、特定遊技状態ST4に移行することに変わりはないため遊技者が不満に思う
ことはない。
特図変動表示ゲームの開始時における制御に余裕がある場合には、特図変動表示ゲーム
の開始時に天井への到達とサポ当りの当選が同一の特図変動表示ゲームで発生するかを判
定するようにしても良い。天井への到達とサポ当りの当選が同一の特図変動表示ゲームで
発生する場合には、特図変動表示ゲームの変動パターンや結果態様をはずれ結果に対応し
たものや天井への到達に対応したものとすることで矛盾が生じないようにすることができ
る。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
図3-27に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA726)を示す。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA791)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA792)。
次に、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大
当り+小当りで出力)、大当り4信号をON(大当りで出力))を外部情報出力データ領
域にセーブし(ステップA793)、高確率&時短の終了に関する信号(例えば、特別図
柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間
短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状
態信号をOFF、普通図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、普通電動役物1開放延長状
態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA794)。その後
、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステ
ップA795)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(ステップA79
6)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステッ
プA797)。
そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA798)、高確率状態の表示
に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(例えば、第3遊技状態表示部56c)を
消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA799)、特図ゲーム
モードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA800)。次
に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信
コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA801)、時短状態
で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための時間短縮変動回数1領域をクリ
アする(ステップA802)。これにより普電サポート及び時短状態が終了する。さらに
、天井カウンタ領域をクリアし(ステップA804)、天井時短発動フラグ領域をクリア
して(ステップA805)、天井到達済みフラグ領域をクリアする(ステップA806)
その後、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップA807)、
演出残り回転数領域をクリアして(ステップA808)、次モード移行情報領域に更新な
しコードをセーブする(ステップA809)。そして、右打ち指示に関する信号(例えば
、発射位置指定信号1及び2をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA
810)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部56a)を点灯させるた
め、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA811)、
ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。
〔サポ作動処理〕
図3-28に、上述の特図表示中処理におけるサポ作動処理(ステップA756)を示す。
このサポ作動設定処理では、まず、時短の開始に関する信号(例えば、大当り2信号及び大当り3信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA821)。次に時短信号制御タイマ領域にタイマ初期値をセーブする(ステップA822)。ここではタイマ初期値として128msをセーブする。これにより、時短の開始に関する信号のうち、大当り3信号に関しては短い時間だけ出力されるようになる。
次いで、時短の開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、
特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON、普通図柄1
変動時間短縮状態信号をON、普通電動役物1開放延長状態信号をON)を試験信号出力
データ領域にセーブする(ステップA823)。
さらに、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(ステップA824)、普
図ゲートモードフラグ領域に普図高確率&時短ありフラグをセーブして(ステップA82
5)、確率状態フラグを維持して時短ありにするために、特図ゲームモードフラグ領域に
特図時短ありフラグを合成する(ステップA826)。
次いで、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1及び2をON)を試験
信号出力データ領域にセーブし(ステップA827)、右打ち中の表示LED(例えば、
第1遊技状態表示部56a)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中
の番号をセーブする(ステップA828)。そして、演出モード情報アドレステーブルを
設定して(ステップA829)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード
移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA830)。演出モード移
行情報に基づき対応するテーブルのアドレスを取得することで、変動選択テーブル群の移
行に関する情報である変動パターンシナリオも取得される。
次に、遊技制御装置100での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として
、まず、サポ当りとなった特図変動表示ゲームの終了後に設定される演出モードの演出モ
ード番号を取得し、演出モード番号領域にセーブする(ステップA831)。さらに、サ
ポ当りとなった特図変動表示ゲームの終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を
取得し、演出残り回転数領域にセーブして(ステップA832)、サポ当りとなった特図
変動表示ゲームの終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得し、次モード
移行情報領域にセーブする(ステップA833)。ここでセーブされた情報に基づき、サ
ポ当りとなった特図変動表示ゲームの終了後から所定回数の特図変動表示ゲームを実行す
ることに基づき演出モードや変動選択テーブル群が移行するようになる。
その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA834)、
コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA835)、演出コマン
ド設定処理(ステップA836)を行う。次いで、新しく設定された演出残り回転数に対
応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA837)、演出コマンド設定処理(ス
テップA838)を行い、時間短縮変動回数に対応する時間短縮変動回数コマンドを準備
して(ステップA839)、演出コマンド設定処理(ステップA840)を行う。
そして、時間短縮判定データ領域をクリアし(ステップA841)、演出モード移行情
報領域をクリアして(ステップA842)、サポ作動設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
図3-29に、本実施形態の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)を示す。
この大当り終了処理では、まず、時短なし大当りであるかを判定する(ステップA90
0)。時短なし大当りとは第1特別遊技状態ST2の終了後に通常遊技状態ST1に移行
する大当りであり、3R小当りCに基づく大当りが該当する。
時短なし大当りである場合(ステップA900;Y)は、ステップA916に移行する
。また、時短なし大当りでない場合(ステップA900;N)は、時短の開始に関する信
号(例えば、大当り2信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA
901)。時短の開始に関する信号は、大当り中から出力されているので継続する形で外
部情報出力データ領域にセーブされる。次いで、低確率&時短の開始に関する信号(例え
ば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、
普通図柄1高確率状態信号をON、普通図柄1変動時間短縮状態信号をON、普通電動役
物1開放延長状態信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA90
2)。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(ステップA903)、普
図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&時短ありフラグをセーブして(ステップA90
4)、特図ゲームモードフラグ領域に特図時短ありフラグをセーブする(ステップA90
5)。その後、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値をセーブする(ステップ
A906)。ここでは、時間短縮変動回数1領域に終了条件に応じた初期値をセーブする
。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、普電サポート状態及び時短状態となる。ま
た、時短変動回数領域に時短変動回数初期値をセットすることで、所定回数の特図変動表
示ゲームの実行により普電サポート状態及び時短状態が終了するようになる。すなわち、
遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間にわたり、普通
変動入賞装置37を入賞容易な状態とする特定遊技状態(時短状態、普電サポート状態)
を発生可能な特定遊技状態発生制御手段をなす。
その後、確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA9
10)、演出コマンド設定処理(ステップA911)を行う。ここで、確率情報コマンド
として、「時短あり」、「時短なし」の何れかに、更に演出モードの情報が含まれた複数
のコマンドがある。次いで、時間短縮変動回数1に対応する時間短縮変動回数コマンドを
準備して(ステップA914)、演出コマンド設定処理(ステップA915)を行う。
次いで、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA918)、処
理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA917)。
その後、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF、大当り3信号を
OFF、大当り4信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA9
18)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をOFF、役物連続作
動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号をOFF
)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA919)。続いて、確率変動判定
データ領域の情報をクリアし(ステップA920)、大当りのラウンド回数を示すラウン
ドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(ステップA921)、演出モード移行情報
領域の情報をクリアする(ステップA922)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領
域の情報をクリアし(ステップA923)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視
期間中フラグをセーブして(ステップA924)、大当り終了処理を終了する。
〔特定領域スイッチ監視処理〕
図3-30に、特図ゲーム処理における特定領域スイッチ監視処理(ステップA3)を示す。この特定領域スイッチ監視処理では、まず、小当り中であるかを判定する(ステップA41)。ここでの小当り中とは、小当り中処理及び小当り残存球処理を行っている期間である。この小当り中でない場合(ステップA41;N)は、特定領域スイッチ監視処理を終了する。すなわち、特定領域スイッチ38dは、小当り中処理及び小当り残存球処理を行っている期間でのみ有効とされる。また、小当り中である場合(ステップA41;Y)は、条件装置が作動中であるかを判定する(ステップA42)。
条件装置が作動中である場合(ステップA42;Y)は、特定領域スイッチ監視処理を
終了する。また、条件装置が作動中でない場合(ステップA42;N)は、特定領域スイ
ッチに入力があるかを判定する(ステップA43)。そして、特定領域スイッチに入力が
ない場合(ステップA43;N)は、特定領域スイッチ監視処理を終了する。また、特定
領域スイッチに入力がある場合(ステップA43;Y)は、特定領域スイッチでの検出を
有効なものとして扱う検出有効期間であるかを判定する(ステップA44)。検出有効期
間でない場合(ステップA44;N)は、特定領域スイッチ監視処理を終了する。また、
検出有効期間である場合(ステップA44;Y)は、特定領域通過フラグをセットし(ス
テップA45)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。後にこの特定領域通過フラグが
あることに基づき第1特別遊技状態を発生させる処理が行われるようになる。
〔小当り残存球処理〕
図3-31に、特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA18)において図3-31に示す処理を示す。この小当り残存球処理では、まず、残存球エラーの発生中であるかを判定する(ステップA861)。残存球エラーの発生中である場合(ステップA861;Y)は、ステップA863に移行する。また、残存球エラーの発生中でない場合(ステップA861;N)は、残存球カウンタが0であるかを判定する(ステップA862)。残存球カウンタが0でない場合(ステップA862;N)は、小当り残存球処理を終了する。また、残存球カウンタが0である場合(ステップA862;Y)は、ステップA863以降の小当りを終了するための処理を行う。
すなわち、特別変動入賞装置38内の残存球が全て排出されてから小当りを終了するた
めの処理を行うようにしている。ただし、最後に遊技球が特別変動入賞装置38に流入し
てから所定時間以上経っても排出が確認できない状態である残存球エラー中の場合は、排
出に必要な時間が十分経過したものとして小当りを終了するための処理に移行するように
している。もちろん残存球エラー中の場合は小当りを終了するための処理に移行しないよ
うにしても良い。よって、ステップA861の処理は行わないようにしても良い。
小当りを終了するための処理では、まず、特定領域通過があったかを判定する(ステッ
プA863)。特定領域38hに遊技球が流入して通過した場合は、特定領域スイッチ3
8dにより検出されて特定領域通過フラグがセットされる。ここではこの特定領域通過フ
ラグの有無により特定領域通過があったかを判定する。特定領域通過があった場合(ステ
ップA863;Y)は、ステップA870に移行して特別遊技状態を発生させる処理を行
う。また、特定領域通過がない場合(ステップA863;N)は、ステップA864に移
行して第2特別遊技状態を終了して特図変動表示ゲームを実行可能とするための処理を行
う。
ステップA864以降の第2特別遊技状態を終了して特図変動表示ゲームを実行可能と
するための処理では、処理番号として小当り終了処理にかかる10を設定し(ステップA
864)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA865)。次に
、小当りエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA866)
、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(ステップA
867)。そして、大入賞口カウント数領域をクリアし(ステップA868)、小当り中
制御ポインタ領域をクリアして(ステップA869)、小当り残存球処理を終了する。
一方、特定領域通過があり(ステップA863;Y)、ステップA870以降の第1特
別遊技状態を発生させる処理を行う場合は、飾り特図コマンド領域からコマンドをロード
して準備し(ステップA870)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA871)。
次に、V大当りファンファーレコマンドを準備して(ステップA872)、演出コマンド
設定処理を行う(ステップA873)。
その後、大当り(V大当り)の開始に関する信号外部情報出力データ領域にセーブし(
ステップA874)、大当り(V大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作
動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)を試
験信号出力データ領域にセーブする(ステップA875)。
そして、遊技状態表示番号領域に大当り中の番号をセーブし(ステップA876)、ラ
ウンド数上限値テーブルを設定して(ステップA877)、ラウンド数上限値情報に対応
するラウンド数上限値(5又は10)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ス
テップA878)。さらに、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを
取得してラウンドLEDポインタ領域にセーブし(ステップA879)、ラウンド数領域
に初期値(ここでは1)をセーブする(ステップA880)。ラウンド数の上限値として
は5又は10ラウンドが設定されるが、小当り動作が1ラウンド目に相当するので、ラウ
ンド数初期値として1を設定することで特別遊技状態では4ラウンド分又は9ラウンド分
の開放が行われるようにしている。
その後、処理番号としてファンファーレ/インターバル処理にかかる3を設定し(ステ
ップA881)、特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA882)。さらに、
V大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA883
)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA884)を行って、
ステップA868に移行する。
〔小当り終了処理〕
図3-32に、本実施形態の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA19)を示す。
この小当り終了処理では、まず、第2特定遊技状態ST42であるサポートC中である
かを判定する(ステップA930)。サポートC中である場合(ステップA930;Y)
は、ステップA937に移行する。サポートC中でない場合(ステップA930;N)は
、普図当り状態中であるかを判定する(ステップA931)。普図当り状態中でない場合
(ステップA931;N)は、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1及
び2をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA932)、右打ち中の
表示LED(例えば、第1遊技状態表示部56a)を消灯させるため、遊技状態表示番号
2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA933)、ステップA937に移
行する。
一方、普図当り状態中である場合(ステップA931;Y)は、開放パターンがパター
ンH1であるかを判定する(ステップA934)。開放パターンがパターンH1でない場
合(ステップA934;N)は、ステップA937に移行する。また、開放パターンがパ
ターンH1である場合(ステップA934;Y)は、発射位置指定信号2のOFFを試験
信号出力データ領域にセーブし(ステップA935)、ステップA937に移行する。
次に、天井時短発動フラグがあるかを判定する(ステップA937)。天井時短発動フ
ラグがない場合(ステップA937;N)は、ステップA940に移行する。また、天井
時短発動フラグがある場合(ステップA937;Y)は、天井時短回数の初期値を時間短
縮変動回数1領域にセーブする(ステップA938)。ここでは時間短縮変動回数1領域
に時間短縮変動回数1として250を設定する。
そして、サポ作動設定処理を行い(ステップA939)、ステップA940に移行する
その後、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA940)、処
理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA941)。
さらに、小当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF)を外部情報出力
データ領域にセーブして(ステップA942)、小当りの終了に関する信号(例えば、特
別図柄1小当り信号をOFF、特別図柄2小当り信号をOFF)を試験信号出力データ領
域にセーブする(ステップA943)。
続いて、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA944)、演出モード移行情
報領域をクリアして(ステップA945)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視
期間中フラグをセーブして(ステップA946)、小当り終了処理を終了する。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、図3-33に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
〔メイン処理〕
図3-33に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理として
ループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアす
る(ステップC8)。次いで、演出ボタン25や十字キー29の操作に基づく入力信号(
立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う
。演出ボタン25や十字キー29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、こ
の演出ボタン入力処理では演出ボタン25や十字キー29からの入力があった時に、演出
内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLED
や液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う
(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を
更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェッ
ク処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編
集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定
する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を
行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/3
0秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画
像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施
形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/6
0秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイ
ミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り
替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切
り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した
場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステ
ップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)に
は、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する
制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や表示板350を含む
枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置
44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、演出
を制御する盤演出設定処理(ステップC20)を行って、WDTをクリアする処理(ステ
ップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図3-34には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204
)、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コ
マンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。
このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、
受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマン
ド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中
に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)
を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位
でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定し
た場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド
受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、
コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステッ
プC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分の
コマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信
数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、
ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと
判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。こ
のように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信した
コマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存でき
る構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図3-35には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でない
と判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップ
C234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC2
34;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(
ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する
(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドであ
る。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235
;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理
を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定す
る(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファ
ーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作
(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MO
DEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大
当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合
(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定す
る(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の
停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマ
ンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(
ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系
コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄
コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立する
コマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄
停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどが
ある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC24
1;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処
理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判
定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると
判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC2
44)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した
場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否
かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲で
あると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステッ
プC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、
MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)
には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するため
に必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出
ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表
示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンにな
るか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始
動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演
出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド
)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知ら
せるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信さ
れる。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、特図変動表示ゲー
ムの開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
次に、遊技の演出等について説明する。
図3-36には通常遊技状態ST1における演出の一例を示した。なお、他の遊技状態においても基本的には同様の表示内容とされるが、遊技状態によっては一部の表示内容について表示しないようにすることも可能である。また、通常遊技状態ST1であることや他の各遊技状態であることは、表示内容によって遊技者が判別できるようになっている。
図3-36(a)に示すように、表示装置41の表示領域の中央には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第1飾りゲームを表示する第1飾りゲーム表示部81が設けられる。第1飾りゲーム表示部81では、左変動表示領域81a、中変動表示領域81b、右変動表示領域81cの変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。
表示装置41の表示領域の右上部には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第2飾りゲー
ムを表示する第2飾りゲーム表示部82が設けられる。第2飾りゲーム表示部82に表示
される第2飾りゲームは、第1飾りゲーム表示部81に表示される第1飾りゲームと同様
に、左領域、中領域、右領域の各領域で識別情報を変動表示した後に停止して結果を表示
する。第2飾りゲーム表示部82には、第1飾りゲーム表示部81に表示される識別情報
(大図柄)よりも相対的に小さい識別情報(小図柄)が表示されるようになっている。
図3-36(g)に示すように、第1飾りゲーム表示部81及び第2飾りゲーム表示部82で使用する識別情報は1~7の数字であり、それぞれに色彩が対応付けられている。なお、図では説明のために異なる柄を付しているが、柄は同一で色彩のみが異なるようにしても良いし、色彩の他に柄も異なるようにしても良い。識別情報の1と5には斜線で示す色彩(例えば緑色)が対応付けられ、識別情報の2と6には横線で示す色彩(例えば青色)が対応付けられ、識別情報の3と7には網掛けで示す色彩(例えば赤色)が対応付けられ、識別情報の4には縦線で示す色彩(例えば桃色)が対応付けられている。
また、図3-36(a)に示すように、表示装置41の表示領域の右下部には、始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する待機中記憶表示部83が設けられる。
待機中記憶表示部83には、第1始動記憶や第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶
表示が表示される。通常遊技状態ST1では第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを
主として遊技が進行するため、待機中記憶表示部83には第1始動記憶に対応する飾り特
図始動記憶表示が表示される。
待機中記憶表示部83に表示される飾り特図始動記憶表示は、始動記憶と一対一に対応
し、左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された始動記憶に対応する飾り特図始動記
憶表示となるように記憶順に並んで表示され、消化される毎に左へ移行するようになって
いる。なお、待機中記憶表示部83に、特図1変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶
(第1始動記憶)に対応する飾り特図始動記憶表示と、特図2変動表示ゲームの実行権利
となる始動記憶(第2始動記憶)に対応する飾り特図始動記憶表示と、の双方を表示する
ようにしても良い。
さらに、待機中記憶表示部83では、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果や変
動パターンなどの先読み結果を、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示の表示態
様によって示唆することが可能である。
待機中記憶表示部83の左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記
憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。実行中記憶表示部84に
は、特図変動表示ゲームの開始時に待機中記憶表示部83の左端にある飾り特図始動記憶
表示が移行するようになっている。さらに、実行中記憶表示部84では、現在実行中の特
図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを、当該実行中記憶表示部84に表示される
実行中記憶表示の表示態様によって示唆することが可能である。
表示装置41の表示領域の左上部には、第1始動記憶数(特図1保留数)を表示する第
1始動記憶数表示部85aと、第2始動記憶数(特図2保留数)を表示する第2始動記憶
数表示部85bとが設けられる。
また、表示装置41の表示領域の中央上部には、遊技状態を示す遊技状態表示86が表
示され、ここでは通常遊技状態ST1であることが示されている。
新たな特図変動表示ゲームが開始されると、図3-36(b)に示すように待機中記憶表示部83の左端にある飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部84へ移行する演出が実行されるとともに、待機中記憶表示部83の左端以外にある飾り特図始動記憶表示が待機中記憶表示部83内において左へ移行する。さらに、第1始動記憶数表示部85aの数値が変化する。また、第1飾りゲーム表示部81及び第2飾りゲーム表示部82で識別情報の変動表示が開始される。
選択された変動パターンによっては特図変動表示ゲームの進行に伴い図3-36(c)に示すように左変動表示領域81aと右変動表示領域81cで同じ識別情報が仮停止したリーチ状態となることもある。さらに演出が発展してSPリーチとなることもある。
所定の変動時間が終了すると図3-36(d)に示すように結果態様が停止表示される。ここでは結果が大当りとなっており、結果態様として特別結果態様が表示される。結果が小当り、はずれ又はサポ当りであった場合はそれぞれ対応する結果態様が表示される。
結果態様を表示する所定の停止表示時間が経過すると特図変動表示ゲームが終了し、実行中記憶表示部84に表示される実行中記憶表示が消去される。
ここでは結果が大当りであったので、特図変動表示ゲームの終了に伴い第1特別遊技状態ST2が開始されて図3-36(e)に示すようにファンファーレ演出が行われる。このファンファーレ演出では、遊技領域32の右下側に位置する特別変動入賞装置38を狙うように指示する画像として、右打ちを行うことを指示する右打ち指示表示90が表示される。
その後、図3-36(f)に示すようにラウンド演出が行われる。
第1特別遊技状態ST2においては、初回大当り及びこれに続く連荘大当りを対象とし
た大当りの回数である連荘大当り回数を表示する連荘大当り回数表示87を行うとともに
、初回大当り及びこれに続く連荘大当りを対象として特別遊技状態における獲得遊技球数
を通算した獲得遊技球数表示88を行う。ここでは通常遊技状態ST1での大当りであっ
たので初回大当りとなり連荘大当り回数は1回目とされている。また、獲得遊技球数は特
別変動入賞装置38への入賞毎に更新される。なお、小当りを経由して大当りとなった場
合も同様に第1特別遊技状態ST2となり、同様の演出が行われる。
さらに第1特別遊技状態ST2では、複数の第1特別遊技状態ST2にわたり連荘大当
り回数が増えるごとに演出が進行する(物語が進行する)一連の演出を実行可能である。
ここでは連荘大当り回数が1回目であり、第1のキャラクタが登場する第1段階の演出が
行われている。
図3-37には、第1特別遊技状態ST2の終了後に第1特定遊技状態ST41であるサポートA又はBとなる場合を示した。
図3-37(a)に示すように第1特別遊技状態ST2でエンディング演出が行われて第1特別遊技状態ST2が終了し、図3-37(b)に示すように第1特定遊技状態ST41となって変動表示が開始される。
その後、図3-37(c)に示すように第1飾りゲーム表示部81において、全ての識別情報が視認可能となるように識別情報が円に沿って低速で回転するように表示される。この際に、いわゆる全回転リーチであると遊技者が誤認しないように、横一列には同一の図柄同士の他、異なる図柄同士も揃わないように表示される。
一定時間回転するように表示された後、図3-37(d)に示すように、偶数の識別情報にエフェクト表示95がなされるとともに識別情報の1と5にも異なるエフェクト表示96がなされ、図3-37(e)に示すように偶数の識別情報が消去されるとともに識別情報の1と5の色彩が識別情報の3と7の色彩と同じ色彩に変更される。この際、盤演出装置44の動作も行い、識別情報の変化を装飾するようになっている。また、背景画像の変化も行われて識別情報の変化を装飾するようにしても良い。さらに、図3-37(e)の状態で一定時間識別情報を回転させ、識別情報が変化したことを遊技者に認識させるようにしている。
その後、図3-37(f)に示すように第1特定遊技状態ST41での演出の説明として、味方キャラクタと敵キャラクタが戦って味方キャラクタが勝てばRUSHモード(第2特定遊技状態ST42)に移行する旨が表示される。
そして、図3-37(g)に示すように、第1飾りゲーム表示部81、待機中記憶表示部83、実行中記憶表示部84、第1始動記憶数表示部85a、第2始動記憶数表示部85b、遊技状態表示86及び特定遊技状態ST4で実行可能な残りゲーム数を示す残回数表示部91が表示される。
待機中記憶表示部83では、実行中記憶表示部84の左側に第2始動記憶に対応する飾
り特図始動記憶表示を表示する表示部が設けられる。本実施形態の遊技機では、第2始動
記憶の上限数は1個であるので対応する表示部も1つとされている。第1特定遊技状態S
T41では特図1変動表示ゲームを主に実行するが、普通変動入賞装置37への入賞が可
能な場合もあって特図2変動表示ゲームが実行されることもあるので第2始動記憶に対応
する表示部を設けている。
なお、特定遊技状態ST4においては待機中記憶表示部83や実行中記憶表示部84を
表示しないようにしても良い。
図3-37(h)に示すように変動時間が終了すると結果態様が停止表示される。各変動表示領域で識別情報を停止する場合には、識別情報を認識困難な高速変動から識別情報を認識可能な低速変動を経て停止表示するが、低速変動とする期間を識別情報の数が減少していない状態の特図変動表示ゲームよりも長くし、各識別情報を遊技者に見せるようにして識別情報の数が減少していることを認識できるようにしている。
このように、第1飾りゲーム表示部81の識別情報の数が減少して色彩が変化した状態は、第1特定遊技状態ST41が終了するまでは維持される。
また、第2飾りゲーム表示部82の識別情報については、色彩は変更されずに元の色彩
のまま表示される。また、識別情報の数も減少させずに偶数の識別情報も含んだままとさ
れる。なお、第2飾りゲーム表示部82についても、識別情報の1と5の色彩を識別情報
の3と7の色彩と同じ色彩に変更するようにしても良い。また、偶数の識別情報を消去し
ても良く、この場合、奇数の識別情報だけで結果態様を表示するようにしても良いし、結
果態様を表示する場合にのみ偶数の識別情報を表示可能としても良い。
また、遊技状態表示86には、第1特定遊技状態ST41を示す「ダブルチャンスステ
ージ」の表示がなされる。第1特定遊技状態ST41ではサポ当りが導出可能となるが、
サポ当りの確率は大当り確率と同等の確率であるので、当選確率としては実質的に当り確
率が2倍となったような状態と言える。
また、サポ当りとなれば第1特別遊技状態ST2を経ずにサポートCの第2特定遊技状
態ST42に移行するが、この第2特定遊技状態ST42は小当りの導出確率が高い第2
特図変動表示ゲームを主として実行する遊技状態であり、さらに小当りに基づく第2特別
遊技状態ST3では特別変動入賞装置38への入賞及び特定領域への入賞が容易であるこ
とから、第1特別遊技状態ST2への移行がほぼ確実な状態である。すなわち、サポ当り
となることは大当りとなることと同等であるとも言え、このことからも実質的に当り確率
が2倍となったような状態と言える。
このような状態を遊技者にわかりやすく示すために、モードの名称をダブルチャンスと
している。
さらに、識別情報を減少させることで当りやすくなった印象を与えるとともに、識別情
報の色彩を統一することでどの識別情報が揃っても期待が持てるような印象を与えること
ができる。後述するように、第1特定遊技状態ST41において第1飾りゲーム表示部8
1で同じ識別情報が揃うぞろ目の結果態様が導出される場合は、第1特別遊技状態ST2
の終了後にサポートCの第2特定遊技状態ST42となる3R大当りC又は10R大当り
の場合となっており、どの識別情報が揃っても次回の大当りがほぼ確実な状態となる。こ
のことから、識別情報の色彩を統一してどの識別情報が揃っても期待が持てることを示し
ている。
特に、本実施形態の遊技機では、最も付与される遊技価値の高い10R大当りの場合に
は識別情報の7が揃うようにしており、この識別情報と同一の色彩に統一することで期待
感を持たせるようにしている。
なお、上述の例では、第1特定遊技状態ST41である場合に他の遊技状態である場合
とは識別情報の個数や表示態様を異ならせるとしたが、各遊技状態でそれぞれ識別情報の
個数や表示態様を設定するようにしても良い。各遊技状態での識別情報の個数は、通常遊
技状態ST1での識別情報の個数よりも少なくするようにしても良いし、多くするように
しても良い。
図3-38には、第1特定遊技状態ST41において特別結果とは異なる特定結果であるサポ当りが導出される場合の一例を示した。
図3-38(a)に示すように変動表示が行われている状態から図3-38(b)に示すように左変動表示領域81a及び右変動表示領域81cで同じ識別情報が仮停止し、リーチ状態となる。
そして、図3-38(c)に示すように味方キャラクタと敵キャラクタが戦う演出が行われ、図3-38(d)に示すように味方キャラクタが勝った結果が示された後、図3-38(e)に示すようにサポ当りの結果態様が停止表示される。この後、第1特別遊技状態ST2を経ずに第2特定遊技状態ST42が開始される。
第1飾りゲーム表示部81でのサポ当りの結果態様では、変動表示中では表示されない
特定識別情報である「V」の図柄が中変動表示領域81bに停止する。また、第2飾りゲ
ーム表示部82でのサポ当りの結果態様では、変動表示中では表示されない特定識別情報
である「〇」の図柄が中領域に停止する。このように変動表示中では表示されない図柄が
停止することで、サポ当りであることを明確に認識できるようになる。
このような結果態様が表示された後、第2特定遊技状態ST42が開始される。第2特定遊技状態ST42では、遊技状態表示86に第2特定遊技状態ST42であることを示す表示(例えば「チャンスモード」)がなされ、背景表示等も第2特定遊技状態ST42を示す表示となる。また、右打ち指示表示90が表示されて右打ちをすることが明確に示され、識別情報の数や色彩も図3-36(g)に示したような元の態様に戻される。
図3-38(f)~(j)には第1特定遊技状態ST41においてサポ当り以外の結果態様が導出される場合の一例を示した。
特図1変動表示ゲームで結果が大当りとなる場合のうち、第1特別遊技状態ST2の終了後にサポートCの第2特定遊技状態ST42となる3R大当りCが導出される場合は、図3-38(d)に示したように味方キャラクタが勝った結果が示された後、図3-38(f)に示すように3R大当りCに対応する大当りの結果態様が停止表示される。3R大当りCに対応する大当りの結果態様は、奇数のぞろ目である「111」、「333」、「555」であり、第1飾りゲーム表示部81と第2飾りゲーム表示部82で同じ結果態様が示される。
また、特図2変動表示ゲームで10R大当りが導出される場合は、図3-38(f)の表示を経た後に図3-38(g)に示す10R大当りに対応する大当りの結果態様が停止表示される。10R大当りに対応する大当りの結果態様は、「777」であり、第1飾りゲーム表示部81と第2飾りゲーム表示部82で同じ結果態様が示される。なお、図3-38(f)の表示態様を経ずに直接図3-38(g)の結果態様が示されるようにしても良い。
図3-38(f)又は(g)の結果態様が示された後、図3-36(e)、(f)に示したような第1特別遊技状態ST2の演出が行われる。
サポ当り、3R大当りC及び10R大当りは、いずれも第2特定遊技状態ST42であ
るサポートCとなる結果態様であり、次回の大当りも期待できる結果態様であることから
味方キャラクタが勝利する演出が行われ、遊技者にとって有利な状態となることが示され
る。また、3R大当りC及び10R大当りの場合は、第1特別遊技状態ST2を経た後に
第2特定遊技状態ST42となるものであって、遊技者にとってはサポ当りより有利な結
果であるので結果態様がぞろ目とされている。
また、特図1変動表示ゲームで結果が大当りとなる場合のうち、第1特別遊技状態ST2の終了後にサポートBの第1特定遊技状態ST41となる3R大当りBが導出される場合は、図3-38(h)に示すように味方キャラクタが負けた結果が示された後、図3-38(i)に示すように3R大当りBの結果態様が停止表示される。なお、第1特定遊技状態ST41では第1特別遊技状態ST2の終了後にサポートAの第1特定遊技状態ST41となる3R大当りAは導出されない。
3R大当りBに対応する大当りの結果態様は、第1飾りゲーム表示部81と第2飾りゲ
ームとで異なっている。第1飾りゲーム表示部81においては左変動表示領域81aと右
変動表示領域81cが同じ識別情報で中変動表示領域81bがこれとは異なる識別情報と
されるいわゆるリーチはずれの結果態様となっている。また、第2飾りゲーム表示部82
においては偶数のぞろ目である「222」、「444」、「666」となっている。
通常遊技状態ST1においては、この偶数のぞろ目が第1特別遊技状態ST2の終了後
にサポートA又はBの第1特定遊技状態ST41となる3R大当りA又はBに対応する結
果態様である。通常遊技状態ST1においては、3R大当りA又はBの場合に第1飾りゲ
ーム表示部81及び第2飾りゲーム表示部82に偶数のぞろ目が停止表示されるが、第1
特定遊技状態ST41では上記のような結果態様が停止表示される。
すなわち、第1特定遊技状態ST41においては、所定の結果である3R大当りBの場
合に、第1飾りゲーム表示部81においては通常遊技状態ST1とは異なる結果態様が停
止表示されるが、第2飾りゲーム表示部82においては通常遊技状態ST1と同じ結果態
様が停止表示される。
また、3R大当りBに基づく第1特別遊技状態ST2においては、第1特別遊技状態ST2の終了後に再び第1特定遊技状態ST41となるので、図3-36(e)、(f)に示したような第1特別遊技状態ST2の演出は行わずに、図3-38(j)に示すように第1特定遊技状態ST41が継続する旨の演出が行われる。
なお、上述の例ではサポ当りの場合に変動表示中には表示されない特定識別情報である
「V」を中変動表示領域81bに停止表示するようにしたが、他の変動表示領域でも特定
識別情報を停止表示するようにしても良い。例えば、サポ当りの結果態様を特定識別情報
のみで構成される「VVV」としても良い。
また、特定識別情報は「V」のみとしたが、複数の特定識別情報が存在するようにして
も良い。例えば、リーチ状態からいずれかの特定識別情報が中変動表示領域81bに停止
することでサポ当りの結果態様となるようにしても良い。また、サポ当りの場合に移行す
る特定遊技状態としてサポートCだけではなく、サポートAやBに移行する場合も設け、
複数の特定識別情報を各特定遊技状態に対応付けて停止した特定識別情報により移行する
特定遊技状態の種類を示唆又は報知するようにしても良い。
また、特定識別情報の表示色や柄を他の識別情報の表示色や柄と同じものとしたが、他
の識別情報の表示色や柄とは異なるものとしても良い。また、複数の特定識別情報が存在
するようにした場合には、図柄は同じであるが表示色や柄のみが異なる複数の特定識別情
報を設けるようにしても良い。
また、サポ当りの場合だけでなく、他の結果の場合にも特定識別情報を含む結果態様を
表示するようにしても良く、第1特定遊技状態ST41以外の遊技状態でも特定識別情報
を含む結果態様が表示されるようにしても良い。また、小当りの結果態様について特定識
別情報を含む結果態様とし、3R小当りA~Cを特定識別情報の種類のより示唆又は報知
するようにしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づき識別情報を変動表示するゲームを実行し、当
該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技
機において、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技に関
する演出を表示可能な表示手段(表示装置41)と、表示手段の表示を制御する演出制御
手段(演出制御装置300)と、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球が入賞可能な開状
態と、に変換可能であり、入賞によりゲームの実行権利を発生可能な普通変動入賞装置3
7と、を備え、遊技制御手段は、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞の容易さを、第
1状態(普電サポートなし状態)と、該第1状態よりも入賞が容易な第2状態(第1特定
遊技状態ST41)と、該第2状態よりも入賞が容易な第3状態(第2特定遊技状態ST
42)と、の何れかの状態で制御するように構成され、第2状態である場合にゲームの結
果が特定結果(サポ当り)となった場合には、特別遊技状態を経ずに第3状態とすること
が可能であり、演出制御手段は、ゲームに対応した飾りゲームを表示手段に表示可能であ
り、飾りゲームにおいて特定結果に対応する結果態様を表示する際に、変動表示中には表
示されない識別情報である特定識別情報を当該結果態様に含ませることが可能であること
となる。
したがって、大当りとは異なるサポ当りを認識しやすくなり遊技の興趣を向上すること
ができる。
また、演出制御手段は、飾りゲームとして、第1飾りゲームと、第2飾りゲームを表示
可能であり、第1飾りゲームと第2飾りゲームのいずれも、特定結果に対応する結果態様
に特定識別情報を含むこととなる。
したがって、第1飾りゲームと第2飾りゲームのいずれでも大当りとは異なるサポ当り
を認識しやすくなり遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、第1飾りゲームの特定識別情報と、第2飾りゲームの特定識別
情報と、を異なる表示とするようにしたこととなる。
したがって、第1飾りゲームと第2飾りゲームのそれぞれで大当りとは異なるサポ当り
を認識しやすくなり遊技の興趣を向上することができる。
また、遊技制御手段は、普通変動入賞装置37の状態を第2状態とする特定遊技状態と
して、第1特定遊技状態ST41と、当該第1特定遊技状態ST41よりも普通変動入賞
装置37への入賞が容易な第2特定遊技状態ST42と、を発生可能であり、第1特定遊
技状態ST41である場合にのみ特定結果を導出可能とすることとなる。
したがって、遊技状態を多彩なものとすることができて遊技の興趣を向上することがで
きる。
また、演出制御手段は、遊技状態によって識別情報の個数を異ならせることが可能であ
ることとなる。
また、演出制御手段は、第1特定遊技状態ST41である場合には他の遊技状態である
場合よりも識別情報の個数を少なくするようにしたこととなる。
したがって、特定結果を導出可能な分だけ当りやすくなった印象を与えることができ、
遊技の興趣を向上することができる。
また、遊技状態によって飾りゲームの趣が異なるようになり、遊技の興趣を向上するこ
とができる。
また、演出制御手段は、第1特定遊技状態ST41である場合には他の遊技状態である
場合よりも第1飾りゲームの識別情報の個数は少なくするが、第2飾りゲームの識別情報
の個数は他の遊技状態である場合と同じ個数とするようにしたこととなる
したがって、第2飾りゲームでは、他の遊技状態である場合と同じように結果を表示可
能となり、遊技者に分りやすい表示とすることができる。
また、演出制御手段は、遊技状態によって識別情報の表示態様を異ならせることが可能
であることとなる。
また、演出制御手段は、第1特定遊技状態ST41である場合の識別情報の表示態様を
、他の遊技状態である場合の表示態様と異ならせるようにしたこととなる。
また、演出制御手段は、第1特定遊技状態ST41である場合の識別情報の表示態様を
、遊技者に付与される遊技価値が最も高い結果に対応する結果態様を構成する識別情報と
共通の表示態様とするようにしたこととなる。
識別情報の表示態様としては、識別情報の色彩、柄、形状、大きさなどが挙げられる。
また、一の変動表示領域における変動表示において識別情報が表示される順番が異なるよ
うにしても良い。
したがって、特定結果を導出可能な分だけ当りやすくなった印象を与えることができ、
遊技の興趣を向上することができる。
また、遊技状態によって飾りゲームの趣が異なるようになり、遊技の興趣を向上するこ
とができる。
次に、特図変動表示ゲームについての先読み演出について説明する。本実施形態の遊技機では、待機中記憶表示部83に表示された飾り特図始動記憶表示の表示態様により、特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを示唆又は報知することが可能となっている。図3-39には、このような先読み演出の一例として、盤演出装置44の動作を示唆する演出の一例について示した。
図3-39(a)に示すように、待機中記憶表示部83において一番目に消化される始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示の表示態様が、船を模した表示態様に変化している。
本実施形態の遊技機では、このように船を模した表示態様が盤演出装置44の動作を示唆又は報知する表示とされている。
図3-39(b)に示すように実行中の特図変動表示ゲームが終了し、図3-39(c)に示すように当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されると、船を模した表示態様に変化した飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部84に移行し、船から航空機を模した演出表示92が発進する演出が行われる。
複数の演出表示92は表示領域の中央に一旦集合して遊技者に演出表示92が表示されていることを示した後に、図3-39(d)に示すように表示領域内を縦横無尽に飛び回るように表示される。この際、演出表示92を表示するレイヤは最も前側のレイヤとされ、演出表示92が他の表示よりも前側に表示されるようになっている。また、演出表示92は第2飾りゲーム表示部82の前側には重ならないように表示されるようになっており、特図変動表示ゲームの進行状況を確実に視認できるようにされている。
その後、図3-39(e)に示すように演出表示92の一つが図3-39(d)に示した状態よりも拡大されるとともに低速で上方へ向けて飛行する様子が示される。この際、演出表示92以外の表示を暗くすることで演出表示92が強調されるようにしている。
図3-39(f)に示すように上方へ飛行する演出表示92が表示領域の上端に達すると、衝突したように見せるエフェクト表示93がなされ、図3-39(g)に示すように盤演出装置44である上演出装置44bが下方へ動作する。
このように、飾り特図始動記憶表示の表示態様により、盤演出装置44の動作を示唆又は報知することが可能となっている。また、表示装置41に表示される演出表示92の動作により盤演出装置44の動作を示唆又は報知することが可能となっている。さらに、表示装置41に表示される演出表示92の図3-39(e)に示したような動作により盤演出装置44が動作するタイミングを示唆又は報知することが可能となっている。
また、飾り特図始動記憶表示が盤演出装置44に作用することで盤演出装置44が動作
するようにしているとも言える。上述の例では、飾り特図始動記憶表示が演出表示92を
介して盤演出装置44に作用するようにしているが、実行中記憶表示部84に表示された
飾り特図始動記憶表示が直接盤演出装置44の位置する方向へ動作して作用することによ
り盤演出装置44が動作するようにしても良い。
なお、上述の例では、演出表示92が上演出装置44bのある位置へ衝突して上演出装
置44bが動作するようにしたが、演出表示92が衝突する位置と動作する盤演出装置4
4の位置とは関連があっても良いし、関連がなくても良い。すなわち、演出表示92が衝
突した位置にある盤演出装置44が動作するようにしても良いし、例えば、演出表示92
が上方向に衝突して下演出装置44aが動作する場合があっても良い。さらに、一の演出
表示92の衝突により複数の盤演出装置44が動作するようにしても良い。
また、飾り特図始動記憶表示について船を模した表示とし、演出表示92について船か
ら発進した航空機を模した表示として両表示に関連性を持たせているが、両表示に関連性
がなくても良いし、飾り特図始動記憶表示から演出表示92が出現するものではなく、演
出表示92が飾り特図始動記憶表示以外の位置から出現するものであっても良い。また、
飾り特図始動記憶表示と演出表示92は異なる形状の表示としたが同一の形状の表示とし
ても良い。
また、盤演出装置44の動作を示唆又は報知する飾り特図始動記憶表示は船を模した表
示としたがこれ以外の形状でも良く、複数種類の形状があるようにしても良い。例えば、
船を模した表示の第1の表示態様と、潜水艦を模した表示の第2の表示態様があるように
し、いずれも盤演出装置44の動作を示唆又は報知するようにしても良い。また、第1の
表示態様と第2の表示態様は、表示されるタイミングが異なるようにしても良く、例えば
第1の表示態様は入賞時から表示されるようにし、第2の表示態様は入賞時においては異
なる表示態様(図中で白丸で示す通常の表示態様や他の表示態様)としておき、所定のタ
イミングで変化するものとしても良い。
また、演出表示92は航空機を模した表示としたがこれ以外の形状でも良く、複数種類
の形状があるようにしても良い。また、複数種類の形状の演出表示92が混在して表示さ
れるようにしても良く、含まれる演出表示92の種類により盤演出装置44の動作の示唆
又は報知だけでなく、動作する盤演出装置44の種類や動作パターン、動作タイミング、
動作回数などのより詳細な情報に関する示唆又は報知を行うようにしても良い。
また、演出表示92の数、動作、大きさ、色彩、種類などの表示態様や、飾り特図始動
記憶表示の動作、大きさ、色彩、種類などの表示態様と、盤演出装置44の動作に関連が
あっても良い。
例えば、演出表示92の表示態様又は飾り特図始動記憶表示の表示態様と、盤演出装置44の動作回数に関連があっても良いし、関連がなくても良い。例えば、図3-39(d)に示すように3つの演出表示92が表示された場合に、3回の盤演出装置44の動作があることを示唆又は報知するものとしても良いし、動作の各回における動作する盤演出装置44の種類や動作パターンを含めて示唆又は報知するようにしても良い。
また、演出表示92の表示態様又は飾り特図始動記憶表示の表示態様により、盤演出装
置44の動作の可能性の高さを示唆又は報知するようにしても良い。例えば、演出表示9
2が多いほど盤演出装置44が動作する可能性が高くなるようにしても良い。
また、演出表示92の表示態様又は飾り特図始動記憶表示の表示態様により、動作する
盤演出装置44の種類を示唆又は報知するようにしても良い。例えば、演出表示92が多
いほど上演出装置44bが動作する可能性が高くなるようにしても良い。
また、演出表示92の表示態様又は飾り特図始動記憶表示の表示態様により、盤演出装
置44の動作態様を示唆又は報知するようにしても良い。例えば、演出表示92が多いほ
ど上演出装置44bが下降する幅が大きくなる可能性が高くなるようにしても良いし、盤
演出装置44の複数の動作パターンのうちのいずれの動作パターンとなるかを示唆又は報
知するようにしても良い。
また、図3-39(e)の状態から、図3-39(f)の状態にならずに、図3-39(d)の状態に戻るフェイント演出となる場合があっても良い。さらに、演出表示92を表示したが消滅して盤演出装置44の動作が行われない場合があっても良い。
また、実行中記憶表示部84の表示は演出表示92が表示された後に消去するようにしても良い。
また、図3-39(a)における2番目に消化される始動記憶に対応した飾り特図始動記憶表示のように通常の表示態様である飾り特図始動記憶表示と、船を模した表示態様のように通常の表示態様から変化した飾り特図始動記憶表示とで、実行中記憶表示部84に表示されてから消去されるまでの滞在期間が異なるようにしても良い。例えば、通常の表示態様から変化した飾り特図始動記憶表示の方が、通常の表示態様の飾り特図始動記憶表示よりも滞在期間が長くなるようにしても良い。このようにすることで、遊技者に期待感を持たせることができる。もちろん、逆に短くなるようにしても良いし、同じ滞在期間であっても良い。
また、通常の表示態様である飾り特図始動記憶表示と、船を模した表示態様のように通
常の表示態様から変化した飾り特図始動記憶表示とで、実行中記憶表示部84における動
作が異なっていても良い。例えば、通常の表示態様である飾り特図始動記憶表示は実行中
記憶表示部84において動作しないようにし、通常の表示態様から変化した飾り特図始動
記憶表示は実行中記憶表示部84において動作するようにしても良い。
また、図3-39(e)に示した場合には演出表示92の視認性が他の表示の視認性よりも高くなるようにしたが、他の場合においても演出表示92の視認性が他の表示よりも高くなるようにしても良い。
例えば、図3-39(d)に示すように第1飾りゲーム表示部81で識別情報が高速で変動表示している状態では、第1飾りゲーム表示部81の識別情報よりも演出表示92の視認性が高くなるようにしても良い。
また、第1飾りゲーム表示部81でリーチ状態となった場合は、第1飾りゲーム表示部81の識別情報と演出表示92の視認性が同じ程度となるようにしても良い。
また、図3-39(d)に示したように、演出表示92は縦横無尽に移動するようにしたが、一定の方向に移動するようにしても良い。
例えば、直線に沿って移動するようにしても良いし、円に沿って移動するようにしても
良い。また、第1飾りゲーム表示部81の変動表示方向である上下方向と平行に移動する
ようにしても良いし、第1飾りゲーム表示部81の変動表示方向である上下方向と交差す
る方向に移動するようにしても良い。
また、演出表示92を表示するか否かを遊技者が選択できるようにしても良い。この場
合の選択は、特図変動表示ゲームが実行されていない状態においてメニュー画面を呼び出
して選択できるようにしても良いし、演出表示92が表示される特図変動表示ゲームにお
いて遊技者が演出ボタン25等を操作することにより表示するか否かを選択できるように
しても良い。演出表示92は第1飾りゲーム表示部81の表示と重なって表示可能である
ので、演出表示92により視認性が低下する場合があるが、表示しないことを選択するこ
とにより視認性の低下を防止することができる。
また、盤演出装置44の動作を示唆又は報知するだけでなく、他の装置の動作等を示唆
又は報知するようにしても良い。
例えば、枠装飾装置18や盤装飾装置46のような発光部材による演出を示唆又は報知
するようにしても良く、発光色、点滅などの発光態様、発光する発光部材の種類、発光の
タイミングなどを示唆又は報知することが可能である。
また、演出ボタン25が動作するようにした場合は、演出ボタン25の動作やタイミン
グを示唆又は報知するようにしても良い。
また、飾り特図始動記憶表示や演出表示92により実行中の特図変動表示ゲームにおけ
る盤演出装置44の動作を示唆又は報知するようにしたが、実行中の特図変動表示ゲーム
より後に実行される特図変動表示ゲームにおける盤演出装置44の動作を示唆又は報知す
るようにしても良い。
例えば、船を模した表示の飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部84に表示された
際に存在する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで盤演出装置44の動作があることを
示唆又は報知するようにしても良い。
また、特図変動表示ゲームの実行中に演出表示92が表示され、当該演出表示92が表
示されたままの状態で当該特図変動表示ゲームが終了し、次回以降の特図変動表示ゲーム
においても演出表示92が継続して表示されることで、演出表示92の表示が開始された
特図変動表示ゲームより後の特図変動表示ゲームにおいて盤演出装置44の動作があるこ
とを示唆又は報知するようにしても良い。
また、飾り特図始動記憶表示や演出表示92により特図変動表示ゲームにおける盤演出
装置44の動作を示唆又は報知するだけでなく、特別遊技状態中における盤演出装置44
の動作を示唆又は報知するようにしても良い。
例えば、第1特別遊技状態ST2において盤演出装置44の動作を伴って当該第1特別
遊技状態ST2の開始時に報知された特別結果よりも遊技者にとって有利な特別結果であ
ることを示すいわゆる昇格演出を実行可能とし、飾り特図始動記憶表示や演出表示92に
より第1特別遊技状態ST2における盤演出装置44の動作を示唆又は報知することで、
昇格演出が行われることを示唆又は報知するようにしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結
果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技を統括的に制御
する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出
制御装置300)と、遊技の演出に関連して動作可能な可動演出装置(盤演出装置44)
と、遊技の演出に関する表示を行う表示手段(表示装置41)と、始動入賞領域(始動入
賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づきゲームの実行権利となる始
動記憶を所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶
手段に記憶された始動記憶に対応するゲームが実行されるよりも前に始動記憶についての
判定を行う事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、演出制御手段は、始動記憶
に対応した始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)を表示手段に表示可能であり、始動記
憶表示の表示態様により事前判定手段による判定結果を示唆又は報知する先読み演出を実
行することが可能であり、先読み演出において、可動演出装置の動作を示唆又は報知する
ことが可能であることとなる。
したがって、可動演出装置の動作による期待感を遊技者に持たせることができて遊技の
興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、始動記憶表示が可動演出装置に作用する演出を行うことで可動
演出装置が動作するようにしたこととなる。
したがって、可動演出装置の動作があることを視覚的に把握可能となり、遊技の興趣を
向上することができる。
また、演出制御手段は、始動記憶表示が可動演出装置に作用する演出を行うことで可動
演出装置が動作するようにしたこととなる。
したがって、可動演出装置の動作があることを視覚的に把握可能となり、遊技の興趣を
向上することができる。
<第4実施形態>
図4-1から図4-44を参照して、第4実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第3実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1の実施形態から第3実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用いる。
図4-1は、本実施形態の遊技機10の正面図であり、図4-2は、本実施形態の遊技機10の前面側斜視図である。
図4-1及び図4-2に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図4-3参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明板保持枠)15が取り付けられている。
ガラス枠15には、カバーガラス14の後方となる位置に遊技盤30の前面を覆う表示
板350が設けられている。表示板350は遊技盤30を透視可能であるとともに、所定
の表示を表示可能となっている。本実施形態の遊技機では、側端から光を導入することで
像が浮かび上がる導光板で構成されているが、透明な液晶表示装置やEL表示装置で構成
されていても良い。
表示板350に所定の表示がされていない状態では透明であって後方の遊技盤30の視
認を妨げないようになっている。そして、表示板350に所定の表示がされた場合には、
当該所定の表示の部分では後方の遊技盤30の視認性が低下することとなる。この状態で
は、所定の表示を透して後方の遊技盤30が視認可能であっても良いし、所定の表示によ
り後方の遊技盤30が視認不能であっても良い。
ガラス枠15の上部には、遊技機10の機種名等を表示する機種名等表示部16が設け
られている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異
常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例
えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例え
ば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠
12及びガラス枠15の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また
、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声
で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報
知用のランプを設けるようにしても良い。
また、ガラス枠15の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25a(図4-5参照)を内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25には、当該演出ボタン25を振動させる駆動源も内蔵されている。すなわち、本実施形態の遊技機10は、演出ボタン25を振動させることで所定の報知を行うバイブレーション機能を備えている。なお、演出ボタン25は、通常状態(図4-1や図4-2に示す状態)から突出状態(演出ボタン25の上面(押圧面)が通常状態時よりも上側にある状態)に変換可能に構成されていても良い。
前面枠12の下部には、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する
下皿(受皿)23、打球発射装置のハンドル24等が設けられている。さらに、前面枠1
2の下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入する
ための鍵穴26が設けられている。
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に
操作する貸出ボタン(球貸ボタン)27a、球貸機のカードユニットからプリペイドカー
ドを排出させるために操作する返却ボタン(排出ボタン)27b、プリペイドカードの残
高を表示する残高表示器(残高表示部)27c、上皿21内の遊技球を下皿23へ流下さ
せるために操作する上皿操作レバー27d、遊技者が所有するスマートフォンなどの携帯
端末を置くための携帯端末置き部28等が設けられている。また、演出ボタン25の左方
には、音量調整用ボタン27e、十字キー29等が設けられている。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者がハンドル24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25や十字キー29を操作することによって、表示装置41(図4-3参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図4-3を用いて遊技盤30の一例について説明する。図4-3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
図4-3に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体を備える。遊技盤本体は木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体の前面には、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及び外周壁(ガイドレール)31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、外周壁31で囲まれた遊技領域32内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンター
ケース40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複
数の識別情報を変動表示する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置
されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン
管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表
示領域)には、演出画像として静止画や動画を表示可能であり、例えば、複数の識別情報
(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等
の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として
割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対
応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出
のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画
像等)が表示される。
センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側
に導くためのワープ流路を形成するワープ流路形成部材614と、当該ワープ流路を通過
した遊技球が転動可能なステージ部620とが設けられている。センターケース40のス
テージ部620は、始動入賞口36の上方に配置されているため、ステージ部620上で
転動した遊技球は始動入賞口36に入賞し易くなっている。
また、センターケース40の上部及び下部には、動作することによって遊技の演出を行
う盤演出装置44が備えられている。センターケース40の下部に設けられた下演出装置
44aは、センターケース40の下部の位置と、この位置よりも表示装置41の中央側の
位置である位置との間で動作可能となっている。
センターケース40の上部に設けられた上演出装置44bは、センターケース40の上
部の位置と、この位置よりも表示装置41の中央側の位置である位置との間で動作可能と
なっている。また、この上演出装置44bは、プロペラを模した回転する動作部材44c
を有しており、動作部材44cの動作によっても演出を行うことが可能である。
すなわち、下演出装置44aが動作可能な第1可動部材を有する第1可動役物をなし、
上演出装置44bが動作可能な第2可動部材を有する第2可動役物をなす。
センターケース40の右方及び下方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ34a(図4-4参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には、3つの一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右方の遊技領域32には、1つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ35a(図4-4参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図4-4参照)によって検出される。
センターケース40の右方には、特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図4-4参照)によって検出される。
普通変動入賞装置37は、可動部材37bを備えており、この可動部材37bは常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定結果となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図4-4参照)によって逆「ハ」の字状に動作され、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
なお、普通変動入賞装置37は、可動部材37bが閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としても良い。
センターケース40の右下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が設けられている。特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、開放により上大入賞口を遊技球が流入可能な状態に変換する。特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって、大入賞口を閉じた閉状態から開状態に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。特別変動入賞装置38に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図4-4参照)によって検出される。
大入賞口の内部(入賞領域)には、遊技球が流入可能な特定領域が設けられているとともに、当該特定領域への遊技球の流入確率を変化させるようにレバーソレノイド38f(図4-4参照)により動作するレバー部材が設けられている。特定領域には遊技球の流入を検出可能な特定領域スイッチ38d(図4-4参照)が設けられており、当該特定領域スイッチ38dで遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態が発生する(本実施形態では、特別遊技状態が発生する)ようになっている。特定領域に流入した遊技球は特別変動入賞装置38の外部へ排出される。
また、大入賞口の内部には、特定領域に流入せずに特別変動入賞装置38の外部へ排出される遊技球を検出する残存球排出口スイッチ38e(図4-4参照)が設けられている。大入賞口の内部に設けられた大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数(大入賞口に流入した遊技球数)と、特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数(大入賞口から排出される遊技球数)とが一致することにより上大入賞口内の遊技球が全て排出されたことを確認でき、基本的にはこの確認が終了するまでは新たな大入賞口の開放が行われないようになっている。
始動入賞口36の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収す
るアウト口30aが設けられている。また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体80
の右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)
及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、特図1変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)
51及び特図2変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52と、特図1
変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器53及び特図2変動表示ゲームの
始動記憶数報知用の特図2保留表示器54とを備える。
また、一括表示装置50は、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数
)を表示するラウンド表示部55と、遊技機10の遊技状態を表示する遊技状態表示部5
6とを備えている。この遊技状態表示部56には、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊
技者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部56a
、時短状態(変動時間短縮機能作動時)であることを報知する第2遊技状態表示部56b
、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを報知する
第3遊技状態表示部56cが設けられている。なお、本実施形態の遊技機では、特図確率
は常に一定となっているため、第3遊技状態表示部56cは使用しない。
さらに、一括表示装置50は、普図変動表示ゲーム用の普図表示器57、普図変動表示
ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器58を備えている。
図4-4は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CP
U)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み
、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有
する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモ
ータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5
Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC-DC
コンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電
圧を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン1
11の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、
停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や
リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが
、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制
御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及
び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電
源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成
部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成
することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(
特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが
保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、停電が発生し当該遊技
機への電源供給が停止しても遊技に関する情報を記憶保持可能であるとともに、停電復旧
後には記憶保持された情報に基づき遊技を再開可能とする遊技情報記憶保持手段をなす。
制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視して
それが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるととも
に、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点
から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このR
AM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき
遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶され
ている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化
スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行す
るメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割
込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A
、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRA
M(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作
業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM11
1Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ
状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パター
ンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている
変動パターン乱数1~3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテー
ブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるは
ずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテ
ーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の
変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテー
ブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前
半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パター
ン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置
が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特
別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)
となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、
既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をい
う。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示
結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からは
ずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しなが
ら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態
に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示
される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に
決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条
件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表
示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情
報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものであ
る場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同
一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての
変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示
領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、
ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表
示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可
能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペ
シャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3
リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチな
し<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<
プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも
特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動
表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が
導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれること
もある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大
当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装
置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや
表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しない
が、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や
大当りの図柄を決定するための特図図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各
種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定す
るための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生
成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づ
いてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生
成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111B
に記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブ
ルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り
、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(低確
率状態或いは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの
中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111A
は、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パタ
ーンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得
手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフ
ェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従っ
て、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また
、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの
払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電
波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の
始動口2スイッチ37a、一般入賞口35内の入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置
38内の大入賞口スイッチ38a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、特別
変動入賞装置38内に配設される特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38
e、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球(セーフ球及びアウト球)を検
出するアウト球検出スイッチ32aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレ
ベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理
の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I
/F121は、入力の範囲が7V-11Vとされることで、センサや近接スイッチのリー
ド線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線
が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知
信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124又は第4入
力ポート126へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれ
る。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ
37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a及びゲートスイッチ34aの検
出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、特
定領域スイッチ38d、残存球排出口スイッチ38e及びアウト球検出スイッチ32aの
検出信号は第4入力ポート126へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、
盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常
検知信号は第3入力ポート124に入力される。
また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用
の磁気センサ61の検出信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65の検出信号、
遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊
技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号
も入力されるようになっている。
さらに、第3入力ポート124には、設定キー操作部の操作を検出する設定キースイッ
チ152からの信号が入力される。設定キー操作部は、設定キーを差し込む鍵穴を備え、
対応する設定キーを差し込んだ場合にのみ第1位置から第2位置(所定状態)へ当該設定
キーを回すことができるように構成されている。設定キースイッチ152は、第2位置に
回した状態となっていることを検出可能なセンサであり、第2位置に回した状態である場
合にオン状態となり、第2位置に回していない状態である場合にオフ状態となる。
RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、特図変動表示ゲームで特別結果と
なる確率値が割り当てられた確率設定値を複数から選択するための操作部であり、これら
の操作部を操作することで、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられ
た確率設定値を選択することができ、選択された確率設定値に対応する確率値が遊技で使
用されるようになっている。ここでは確率設定値として“設定1”~“設定6”の6つが
用意されている。
確率設定値を選択する際には、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態でR
AM初期化スイッチ112を操作(押下)しながら遊技機の電源を投入することで確率設
定値を変更可能な確率設定値変更モードとなり、確率設定値変更モード中にRAM初期化
スイッチ112を操作(押下)することで確率設定値を変更することができるようになっ
ている。選択されている確率設定値は、算出されたベース値や役物比率を表示するための
性能表示装置153に表示される。具体的には、性能表示装置153には、確率設定値に
関する操作をしている間(確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである間)は確
率設定値の情報が表示され、それ以外では算出されたベース値や役物比率が表示されるよ
うになっている。
また、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態(RAM初期化スイッチ11
2は操作しない)で遊技機の電源を投入することで、現在選択されている確率設定値が性
能表示装置153に表示されるが確率設定値の変更はできない確率設定値確認モードとな
る。なお、RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、前面枠12を開状態とし
なければ操作できないようにされている。
性能表示装置153は7セグメント式のディスプレイであり、確率設定値を1~6の数
字で表示するようになっている。もちろん表示態様はこれに限られず、確率設定値を認識
できる表示態様であれば良い。また、液晶表示装置など他の形式の表示装置でも良いし、
一又は複数のLEDの点灯態様や発光色等により確率設定値を示すものであっても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力及び第4入力ポ
ート126への出力(アウト球検出スイッチ32aの検出信号は除く)は、主基板100
から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さ
らに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37
aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように
構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル
変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動
作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポー
ト123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE
2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポ
ート124や第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設
けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号
(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステー
タス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の
遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以
上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチ
スイッチ信号(ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込
んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が
設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信
号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられてお
り、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。
電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッ
チ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイ
コン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として
扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には
制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、
遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部
130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さず
に直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポ
ート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リ
セット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するように
してもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,
124,126には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン
111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止す
るためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の
各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセ
ットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊
技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ
132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置
200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊
技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試
験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号
などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。この
バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技
制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力され
る始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さず
に中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62や振動センサ65のようにそのままでは試射
試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号
若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラ
ー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置
へ供給される。なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込ん
で試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を
中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用
マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより
選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続された第2出力ポート134が設け
られている。第2出力ポート134は、特別変動入賞装置38を開成させる大入賞口ソレ
ノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、特別変動入賞装置38内のレバー部材を動作さ
せるレバーソレノイド38f及び普通変動入賞装置37を開成させる普電ソレノイド37
cの動作データを出力するとともに、現在選択されている確率設定値を表示する性能表示
装置153の表示データを出力するためのポートである。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード
端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート
135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/
オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板7
1へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフ
ォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部
管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外
部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシ
ュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド
38bやレバーソレノイド38fや普電ソレノイド37cの動作データ信号を受けてソレ
ノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート1
35から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号
を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置5
0の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c
、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端
子板71へ出力する第4ドライバ138d、第2出力ポート134から出力される性能表
示装置153の表示データ信号を受けて駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138e
が設けられている。なお、第2出力ポート134から第5ドライバ138eへは、シリア
ル通信でデータが送信される。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため
、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。第5ドライバ138eに
は、5Vで動作する性能表示装置153を駆動できるようにするため、電源電圧としてD
C5Vが電源装置400から供給される。
また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC1
2Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じた
デジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれ
であってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード
端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よ
りセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択された
LEDに電源電圧が流れて点灯される。
外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号
に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。
なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御
装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるように
してもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラ
ムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ13
9は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送
受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通
常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を
利用して行われるため、入力ポート122,123,124,126のようなポートは設
けられていない。
なお、特に限定されるわけではないが、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、
普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口ス
イッチ38a、ゲートスイッチ34aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が
近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(
以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に
設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠
開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができ
る。
次に、図4-5を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC
)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマン
ドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロ
セッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音
などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314
を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したP
ROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領
域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFe
RAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段を
なすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン
311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン
311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マ
イコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してV
DP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ラ
ンプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理する
ためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映
像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラク
タなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデ
オRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パ
ラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを
送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することがで
きる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や
遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYN
C、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312
から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割
込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの
状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する
映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回
路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力
されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介し
て表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主
制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続
されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INT
が入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた
上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパ
ワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成さ
れた音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力さ
れる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受
信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンド
I/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特
図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御
指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111
はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動
作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられ
ているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制
御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾
装置(例えば表示板350を含む枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回
路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(
例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制
御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドな
どを駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介
して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演
出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置
を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵さ
れている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられた十字キー29、盤演出装
置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)
のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出
制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン
311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300
やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モ
ータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モー
タやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5
Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するよう
に構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2V
のような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3V
やDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられ
る。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マ
イコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン
311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314
、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなど
を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリ
セット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FA
N45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆
動するようにされている。
以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合
は、単に特図変動表示ゲームと称する。また、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変
動表示ゲームを区別しない場合は、単に飾り特図変動表示ゲームと称する。また、大当り
(第1特別結果)と小当り(第2特別結果)を区別しない場合は、単に当り(特別結果)
と称する。また、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態と、小当りに基づ
く特別遊技状態である第2特別遊技状態と、を区別しない場合は、単に特別遊技状態と称
する。
なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果(第1特別結果)であり、小当りは条
件装置の作動を伴わない特別結果(第2特別結果)である。条件装置とは、特図変動表示
ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が
作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38
を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動され
る)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場
合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記の
ようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良い
し、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、
「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチン
コ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様
な意味を有する用語として使用している。
本実施形態の遊技機10では、打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図4-4参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球
を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や普図始動ゲート34、当該始動入
賞口36の左方に配設された一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ
遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37
、特別変動入賞装置38、一般入賞口35への入賞を狙うことができるようになっている
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための
非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34aが設けられており、遊技領域32
内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aに
より検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普
図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基
づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1
)してRAM111Cに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一
括表示装置50の普図保留表示器58に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートス
イッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結
果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変
動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状
態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り
判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの
当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値
が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普
図特定結果)が導出されることとなる。
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置
50に設けられた普図表示器57に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パ
ターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じ
た点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
なお、普図表示器57を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、
キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表
示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器57に特別の結果態様となる点
灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装
置37の可動部材を所定時間開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変
換部材(可動部材)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲー
ムの結果がはずれの場合は、普図表示器57にはずれの結果態様となる点灯パターンを表
示する制御を行う。
また、始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内
部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、始動入賞口36への
入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4
個)を限度に記憶するとともに、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図
始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、1個)を限度に記憶する。始動
入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当
り乱数値や特図図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており
、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Cに記憶される
。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留
表示器53や特図2保留表示器54に表示されるとともに、センターケース40の表示装
置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、第1始動記憶に基づいて特図1表示器51(第1変動表示装置
)で特図1変動表示ゲームを行い、第2始動記憶に基づいて特図2表示器52(第2変動
表示装置)で特図2変動表示ゲームを行う。そして、第1始動記憶と第2始動記憶との両
方が記憶されている場合には、特図2変動表示ゲームを特図1変動表示ゲームよりも優先
して実行する。
すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、始動入賞口36(第1始動入賞領
域)への遊技球の入賞に応じて記憶される第1始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム
(第1特図変動表示ゲーム)の実行制御を行うとともに、普通変動入賞装置37(第2始
動入賞領域)への遊技球の入賞に応じて記憶される第2始動記憶に基づいて特図2変動表
示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う実行制御手段をなす。そして、実
行制御手段は、第1始動記憶及び第2始動記憶が記憶されている状態で、第2始動記憶に
基づく特図2変動表示ゲームを第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームよりも優先し
て実行するように構成されている。
特図1表示器51及び特図2表示器52では、変動表示を行った後、所定の結果態様を
停止表示する。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特図1表示器
51若しくは特図2表示器52の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当
り結果態様)となって大当りとなり、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)となる。
また、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図
2表示器52の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態様)とな
って小当りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち、特図1
表示器51が、始動入賞口36への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲーム(特図1変
動表示ゲーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。また、特図2表示器52が、普通
変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム
)を表示可能な第2変動表示手段をなす。
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、大当り遊技状態(第1特別遊技状態)
の終了後、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状況(当り確率が高確率であることや普電
サポートがあること)で遊技を進行可能な遊技状態(特定遊技状態)を発生させる制御を
行うことが可能である。すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100が特定遊技状態
発生手段をなす。
また、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの実行に対応して、表示装置41
にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特
図変動表示ゲームが実行されるようになっている。表示装置41での飾り特図変動表示ゲ
ームには、特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームと、特図2変動表
示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームとがある。そして、対応する特図変動表示
ゲームの変動に伴い変動表示が行われ、対応する特図変動表示ゲームでの結果態様の導出
に伴い結果に対応した表示が行われる。
すなわち、表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)及び第2変
動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動表示する飾り変動
表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段をなす。なお、飾
り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームで別々の表示装置を使用するとして
も良いし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしても良いし、飾り特図1変
動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームとを別々の表示領域に表示しても良いし、飾り
特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームとを同じ表示領域に表示しても良い。
また、遊技機10に特図1表示器51及び特図2表示器52を備えずに、表示装置41の
みで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
図4-6に、本実施形態における振分率の一例を示す。
図4-6(a)は、特図変動表示ゲームの結果の振分率の一例である。特図変動表示ゲームの結果には、例えば図4-6(a)に示すように、大当り、小当り、サポ当り及びはずれの4種類がある。本実施形態において、大当りの振分率は特図1と特図2で共通となっているが、特図1と特図2で異なっていても良い。また、図4-6(a)において、大当りの振分率は、確率設定値が“設定1”である場合と、“設定2”である場合と、“設定3”である場合とで同一となっているが、異なっていても良い。また、図4-6(a)において、大当りの振分率は、確率設定値が“設定4”である場合と、“設定5”である場合と、“設定6”である場合とで同一となっているが、異なっていても良い。
また、図4-6(a)において、小当り及びサポ当りの振分率は、確率設定値にかかわらず同一となっているが、異なっていても良い。すなわち、本実施形態では、確率設定値の変更によって大当りの当選確率のみが変更され、小当り及びサポ当りの確率は変更されないようにされている。
また、サポ当りについては特図1変動表示ゲームにおいて普電サポートの状態が後述す
るサポートA又はBである第1特定遊技状態の場合でのみ導出可能となっている。サポ当
りは大当りと同等の導出確率であるので、当り確率が2倍になったような印象を与えるこ
とができる。
また、小当りについては、特図2の方が特図1よりも振分率が高くなっている。これに
より、特図2の方が小当りとなる可能性が高くなり、小当りとなった場合は特定領域への
流入により第1特別遊技状態(大当り)となる可能性が高いことから、特図2の方が遊技
者にとって有利な特図変動表示ゲームとなっている。
図4-6(b)は、大当り種類の振分率の一例である。大当りには、例えば図4-6(b)に示すように、大当り図柄(大当りの結果態様)として3R大当りA図柄が停止表示される3R大当りAと、3R大当りB図柄が停止表示される3R大当りBと、3R大当りC図柄が停止表示される3R大当りCと、10R大当り図柄が停止表示される10R大当りの4種類がある。
3R大当りAは、特別遊技状態のラウンド数が3ラウンドであり、特別遊技状態の終了
後にサポートAの普電サポート状態(特定遊技状態)となる。3R大当りBは、特別遊技
状態のラウンド数が3ラウンドであり、特別遊技状態の終了後にサポートBの普電サポー
ト状態となる。3R大当りCは、特別遊技状態のラウンド数が3ラウンドであり、特別遊
技状態の終了後にサポートCの普電サポート状態となる。10R大当りは、特別遊技状態
のラウンド数が10ラウンドであり、特別遊技状態の終了後にサポートCの普電サポート
状態となる。
サポートA~Cは普電サポート状態の終了条件が異なるものであり図4-6(e)に示した条件を満たすことにより普電サポート状態が終了するようになっている。
図4-6(b)において、特図1変動表示ゲームの大当り種類の振分率は、特図変動表示ゲームが実行された遊技状態によって異なっており、通常遊技状態の場合は3R大当りA~Cが選択可能である。普電サポートありの状態である特定遊技状態の場合は、3R大当りB、Cが選択可能である。特図2変動表示ゲームについては遊技状態に関わらず10R大当りのみが選択可能である。なお、特図1と特図2でそれぞれ選択率が異なっていても良い。
図4-6(c)には小当り種類の振分率を示した。小当りに基づく第2特別遊技状態で特別変動入賞装置38の特定領域へ遊技球が流入(V入賞)したことにより発生する大当りについては、小当りの種類に基づき大当り種類が選択される。
3R小当りAに基づく第2特別遊技状態で特定領域へ遊技球が流入した場合は2ラウンドの第1特別遊技状態の終了後にサポートBの普電サポート状態となる。10R小当りに基づく第2特別遊技状態で特定領域へ遊技球が流入した場合は9ラウンドの第1特別遊技状態の終了後にサポートCの普電サポート状態となる。3R小当りBに基づく第2特別遊技状態で特定領域へ遊技球が流入した場合は2ラウンドの第1特別遊技状態の終了後にサポートCの普電サポート状態となる。3R小当りCに基づく第2特別遊技状態で特定領域へ遊技球が流入した場合は2ラウンドの第1特別遊技状態の終了後に普電サポートなしの状態となる。
特図1変動表示ゲームでは3R小当りAのみが選択可能であり、特図2変動表示ゲームでは10R小当り、3R小当りB、Cが選択可能である。なお、特図1と特図2でそれぞれ振分率が異なっていても良い。
また、本実施形態の遊技機では、図4-6(d)に示すようにいわゆる天井機能が搭載されている。すなわち、ゲームの実行回数が天井回数(ここでは600)に達した場合に、特別遊技状態を発生せずにサポートCの普電サポート状態となるようにしている。ゲームの実行回数は、低確率状態時であれば普電サポートの有無にかかわらず常に計数を行い、高確率状態時には計数を中断する。本実施形態の遊技機では、特図確率は常に一定であるので常時計数する。また、ゲームの実行回数は、特図1変動表示ゲームを実行した回数と特図2変動表示ゲームを実行した回数の合計とする。
ゲームの実行回数の計数結果をクリアするタイミングは、天井回数への到達を契機とし
た普電サポート状態となったとき、条件装置が作動したとき(第1特別遊技状態)となっ
ている。なお、ゲームの実行回数の計数結果をクリアするタイミングは、適宜変更可能で
あり、例えば、RAM初期化スイッチ112を操作する際にゲーム実行回数のクリアを選
択したときや、RAMクリア時に替えて電源投入時としても良い。
また、RAMクリア時のうち、設定変更を伴わないRAMクリア時にはゲーム実行回数
の計測をクリアして、設定変更を伴うRAMクリア時にはゲーム実行回数の計測をクリア
しないようにしても良い。設定変更を伴わないRAMクリア時とは、例えば、設定キース
イッチ152はオンせずにRAM初期化スイッチ112をオンしながら電源投入した時な
どである。このように、設定変更を伴うRAMクリア時にはゲーム実行回数の計測をクリ
アしないようにすることで、設定変更が行われたことを判別しにくくすることが可能とな
る。
図4-6(e)には普電サポート状態(特定遊技状態)の終了条件を示した。
サポートAの普電サポート状態では、特図1変動表示ゲームの実行回数が15回となるか、特図2変動表示ゲームの実行回数が15回となるか、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの合計実行回数が15回となるか、特図2変動表示ゲームで小当りが1回導出されるか、のいずれかの条件を満たすことにより普電サポート状態が終了するようになっている。サポートB及びサポートCの普電サポート状態についても同様に、図4-6(e)に示したゲーム数を実行することや特図2変動表示ゲームで小当りが導出されることにより普電サポート状態が終了するようになっている。
また、サポートCでは250回の特図変動表示ゲームの実行を終了条件としているが、この導出回数が達成される前に大当り又は小当りが導出される場合がほとんどであり、実質的に次回大当りまで普電サポートが継続するとも言える。
図4-7には、小当りに基づく第2特別遊技状態における特別変動入賞装置38の動作態様を示した。図4-7(a)には特図2変動表示ゲームで導出された小当りに基づく第2特別遊技状態における特別変動入賞装置38の動作態様を示した。
第2特別遊技状態の開始(t11)に伴い、特別変動入賞装置38が48msにわたり
開放された後(t11~t12)、2960msにわたり閉鎖される(t12~t14)
。その後、48msの開放を424msの閉鎖時間を挟んで19回行い(t14~t16
)、特別変動入賞装置38の開放を終了する。なお、規定個数の入賞があった場合にはそ
の時点で特別変動入賞装置38の開放を終了する。
特別変動入賞装置38の開放が終了すると(t16)、特別変動入賞装置38内に残存
する遊技球を処理するための残存球処理時間となる(t16~t17)。残存球処理時間
は1900msとされているが、この時間を過ぎても残存球がある場合は当該残存球がな
くなるまで残存球処理時間が継続する。
その後、エンディング期間(t17~t18)となって第2特別遊技状態が終了する。
エンディング期間の開始時には遊技制御装置100から演出制御装置300にエンディン
グコマンドが送信される。
特定領域への遊技球の流入確率を変化させるレバー部材を動作するレバーソレノイド3
8fは、第2特別遊技状態の開始(t11)に伴いOFF状態から100msにわたりO
N状態とされてレバー部材が特定領域への流入を許容する状態となる(t11~t13)

そして、2900msにわたりOFF状態とされてレバー部材が特定領域への流入を困
難とする状態となった後に(t13~t15)、再びON状態とされてレバー部材が特定
領域への流入を許容する状態となる(t15)。
その後、残存球処理時間が終了して残存球がない状態となるとOFF状態とされてレバ
ー部材が特定領域への流入を困難とする状態となる(t17)。
特定領域へ流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38dについては、第2特別遊
技状態の開始(t11)に伴い流入した遊技球の検出を有効とする状態となり、残存球処
理時間が終了して残存球がない状態となると流入した遊技球の検出を無効とする状態とな
る(t17)。
この特図2変動表示ゲームで導出された小当りに基づく第2特別遊技状態では、遊技球
の特別変動入賞装置38への流入が容易であり、特別変動入賞装置38へ流入した遊技球
が特定領域へ流入することも容易であって、ほとんどの場合で第1特別遊技状態を発生す
ることが可能である。
図4-7(b)には特図1変動表示ゲームで導出された小当りに基づく第2特別遊技状態における特別変動入賞装置38の動作態様を示した。
第2特別遊技状態の開始(t21)に伴い、特別変動入賞装置38が1000msにわたり開放され(t21~t23)、特別変動入賞装置38の開放が終了する。
特別変動入賞装置38の開放が終了すると(t23)、特別変動入賞装置38内に残存する遊技球を処理するための残存球処理時間となる(t23~t24)。残存球処理時間は1900msとされているが、この時間を過ぎても残存球がある場合は当該残存球がなくなるまで残存球処理時間が継続する。
その後、エンディング期間(t24~t25)となって第2特別遊技状態が終了する。エンディング期間の開始時には遊技制御装置100から演出制御装置300にエンディングコマンドが送信される。
特定領域への遊技球の流入確率を変化させるレバー部材を動作するレバーソレノイド3
8fは、第2特別遊技状態の開始(t21)に伴いOFF状態から100msにわたりO
N状態とされてレバー部材が特定領域への流入を許容する状態となり(t21~t22)
、その後OFF状態とされてレバー部材が特定領域への流入を困難とする状態となる(t
22)。
特定領域へ流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38dについては、第2特別遊
技状態の開始(t21)に伴い流入した遊技球の検出を有効とする状態となり、残存球処
理時間が終了して残存球がない状態となると流入した遊技球の検出を無効とする状態とな
る(t24)。
この特図1変動表示ゲームで導出された小当りに基づく第2特別遊技状態では、遊技球
の特別変動入賞装置38への流入が困難であり、特別変動入賞装置38へ流入した遊技球
が特定領域へ流入することも困難であって、ほとんどの場合で第1特別遊技状態を発生す
ることできない。
図4-8には、普図変動表示ゲームについて示した。図4-8(a)に示すように普図変動表示ゲームの当り確率は遊技状態に関わらず一定である。普図変動表示ゲームの変動時間は、普電サポートがない場合は5000msとされ、普電サポートがある場合はこれより変動時間が短縮されて、サポートA、Bである場合は4900ms、サポートCである場合は200msとされている。また、普電最大カウント数は5個とされており、一の当りに基づく普通変動入賞装置37の開放で遊技球が5個入賞すると開放時間の経過前であっても普通変動入賞装置37を閉鎖するようになっている。
図4-8(b)に示すように普図変動表示ゲームの結果態様には、はずれと当り1~3の4種類がある。当り図柄の振分は、65521個の乱数のうち当り1が65321、当り2が100、当り3が100とされ、当り1が選択される確率が高くなっている。また、一括表示装置50の普図表示器57では、3つの発光体D4、D5、D6の点灯又は消灯により結果態様を表示するようになっている。
普図変動表示ゲームが当りとなった場合の普通変動入賞装置37の開放パターンには、
パターンH1~H3の3種類があり、当り結果と遊技状態とによって選択されるようにな
っている。
普電サポートがない遊技状態では、当り1~3のいずれでもパターンH1の開放パター
ンとなる。普電サポートがサポートA、Bの場合は、当り1の場合にパターンH1の開放
パターンとなり、当り2、3の場合にパターンH2の開放パターンとなる。普電サポート
がサポートCの場合は、当り1~3のいずれでもパターンH3の開放パターンとなる。
図4-8(c)~(e)には、各開放パターンを示した。
図4-8(c)に示すようにパターンH1の開放パターンでは、当り状態の開始に伴い普通変動入賞装置37が開放され(t31)、36ms経過することに伴い閉鎖される(t32)。その後、普通変動入賞装置37内に残存する遊技球を処理する残存球処理時間、エンディング期間、復帰時間を合わせた704msが経過することにより当り状態が終了する(t33)。
図4-8(d)に示すようにパターンH2の開放パターンでは、当り状態の開始に伴い普通変動入賞装置37が開放され(t41)、36ms経過することに伴い閉鎖される(t42)。そして、3000msの閉鎖時間となり(t42~t43)、再び普通変動入賞装置37が開放される(t43)。その後、1624msの開放時間が経過すると普通変動入賞装置37が閉鎖され(t44)、残存球処理時間、エンディング期間、復帰時間を合わせた704msが経過することにより当り状態が終了する(t45)。
図4-8(e)に示すようにパターンH3の開放パターンでは、当り状態の開始に伴い普通変動入賞装置37が開放され(t51)、2800ms経過することに伴い閉鎖される(t52)。その後、残存球処理時間、エンディング期間、復帰時間を合わせた704msが経過することにより当り状態が終了する(t53)。
このような開放パターンでは、パターンH3が最も普通変動入賞装置37に入賞しやすく、次にパターンH2が入賞しやすく、パターンH1ではほとんど入賞は望めない。
よって、図4-8(b)に示すような開放パターンの振分とすることで、サポートCの場合が最も普通変動入賞装置37に入賞しやすく、次にサポートA、Bの場合が入賞しやすく、サポートなしの場合ではほとんど入賞は望めない。
なお、普電サポートでない状態(第1状態)よりも普電サポートである状態(第2状態、第3状態)の方が普通変動入賞装置37への入賞が容易となれば良く、確率、変動時間、開放時間又は普電最大カウント数のいずれか一つ又は複数を変化させるものであっても良い。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)〕
次に、遊技制御装置100の遊技制御による遊技状態の遷移(移行)について説明する。図4-9は、本実施形態における遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図(ゲームフロー)を例示する図である。
遊技状態には、通常遊技状態ST1、第1特別結果(大当り)に基づく第1特別遊技状
態ST2、第2特別結果(小当り)に基づく第2特別遊技状態ST3、特定遊技状態ST
4、残保留消化状態ST5がある。
各遊技状態では、演出制御装置300で制御される遊技の演出態様を定める演出モード
、当該遊技状態において主に狙うべき始動領域である主始動領域、主として実行するべき
特図変動表示ゲームの種類である主変動特図、及び遊技球の発射方向が定められている。
本実施形態の遊技機10においては、左打ちにより始動入賞口36への入賞を狙うこと
ができ、右打ちにより普通変動入賞装置37への入賞を狙うことができるようになってい
る。すなわち、遊技者の意思により狙う始動領域を選択可能となっている。また、各遊技
状態では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち、いずれか一方を主とし
て遊技を進行することを想定して設計されており、この設計に従い遊技者が遊技を進行す
るように、設計上で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームを主として遊技を進行し
た方が遊技者にとって有利となるように構成されている。なお、本明細書では、各遊技状
態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームをメイン変動と称し、他方の特図変動表
示ゲームをイレギュラー変動と称することがある。
通常遊技状態ST1は、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させ
て入賞を容易とする普電サポートがなく、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変
動時間を短縮する時短もない状態である。主変動特図は特図1変動表示ゲームであり、主
始動領域は始動入賞口36であって、この始動入賞口36を狙うため発射方向は左打ちと
されている。また、演出態様を規定する演出モードは通常ステージとされる。
第1特別遊技状態ST2は、普電サポートがなく時短もない状態である。また、演出態
様を規定する演出モードは大当りモードとされる。この第1特別遊技状態ST2では、特
別変動入賞装置38が開放されるので発射方向は右打ちとされている。
第2特別遊技状態ST3では、普電サポート、時短については小当り導出時の状況によ
りある場合とない場合がある。基本的には小当り導出時の状態を引き継ぐが、特定遊技状
態ST4の終了条件が成立する小当りの導出時には小当りとなる特図変動表示ゲームの終
了に伴い普電サポート、時短が終了するため、この場合は普電サポート、時短については
ない状態となる。また、演出態様を規定する演出モードは小当りモードとされる。この第
2特別遊技状態ST3では、特別変動入賞装置38が開放されるので発射方向は右打ちと
されているが、右打ちを明確に指示しない場合もある。
特定遊技状態ST4は、第1特別遊技状態ST2の後、サポ当りの後又は天井に到達し
た場合に規定ゲーム数にわたり滞在する状態であり、普通変動入賞装置37の単位時間あ
たりの開放時間を向上させる普電サポートがある状態である。普電サポートがある場合は
特図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もありとなる。
この特定遊技状態ST4には、普電サポートの状態がサポートA又はBの状態である第1特定遊技状態ST41と、普電サポートの状態がサポートCの状態である第2特定遊技状態ST42と、がある。
第1特定遊技状態ST41では、主変動特図は特図1変動表示ゲームであり、主始動領域は始動入賞口36であって、この始動入賞口36を狙うため発射方向は左打ちとされている。図4-3に示したように左打ちでも普図始動ゲート34へ遊技球を流入させることが可能であって普図変動表示ゲームを実行可能となっている。
図4-8に示したように普図変動表示ゲームの結果が当り1の場合はパターンH1の開放となるので、普通変動入賞装置37へ入賞させることは困難であり、この場合は表示装置41において右打ちの指示は行わない。ただし、遊技者が認識し難いように表示領域の端に小さく右打ちの指示を行うようにしても良い。
また、普図変動表示ゲームの当りが当り2又は3である場合には、パターンH2の開放パターンとなり図4-8(d)に示したような開放が行われる。このパターンH2の開放では、短時間開放の後に3000msの閉鎖期間を経て長時間の開放が行われるようになっており、3000msの閉鎖期間において表示装置41で右打ちへの変更を促す報知がなされるようになっている。これにより、長時間の開放までに発射方向を右打ちに変更することが可能であって、普通変動入賞装置37へ入賞させることが可能となっている。
すなわち、第1特定遊技状態ST41は、パターンH2の開放パターンがあることから普通変動入賞装置37への入賞が通常遊技状態ST1よりも容易な状態であり、図4-8(a)に示したように普図変動表示ゲームの実行時間も通常遊技状態ST1よりも短縮された状態である。このように普通変動入賞装置37への入賞が容易な状態であるにもかかわらず、普通変動入賞装置37が設けられている領域とは異なる領域に遊技球を発射して遊技を行う遊技状態である。
第2特定遊技状態ST42では、主変動特図は特図2変動表示ゲームであり、主始動領域は普通変動入賞装置37であって、この普通変動入賞装置37を狙うため発射方向は右打ちとされている。第2特定遊技状態ST42は、パターンH3の開放パターンとなることから普通変動入賞装置37への入賞が通常遊技状態ST1や第1特定遊技状態ST41よりも容易な状態であり、図4-8(a)に示したように普図変動表示ゲームの実行時間も通常遊技状態ST1や第1特定遊技状態ST41よりも短縮された状態である。そして、普通変動入賞装置37が設けられている領域に遊技球を発射して遊技を行う遊技状態である。
以上の特定遊技状態ST4は、普電サポートがあることや小当りが高頻度で発生する特
図2変動表示ゲームを実行可能であるので通常遊技状態ST1よりも遊技者にとって有利
な状態であって有利状態をなすものである。
また、第1特定遊技状態ST41よりも第2特定遊技状態ST42の方が普通変動入賞
装置37への入賞が容易であることから、第1特定遊技状態ST41よりも第2特定遊技
状態ST42の方が有利な状態となっている。
つまり、普通変動入賞装置37への入賞の容易さについては、通常遊技状態ST1であ
る第1状態と、通常遊技状態ST1よりも入賞が容易な第1特定遊技状態ST41である
第2状態と、第1特定遊技状態ST41よりも入賞が容易な第2特定遊技状態ST42で
ある第3状態と、の何れかの状態で制御するように構成されていることとなる。
残保留消化状態ST5は、特定遊技状態ST4が終了した際に残存する第2始動記憶に
基づく特図2変動表示ゲームを実行可能な状態である。
この残保留消化状態ST5では、普電サポートはないが特図変動表示ゲームの変動時間
を短縮する時短はありとなる。普電サポートがないため始動入賞口36を狙うように発射
方向は左打ちとされているが、特定遊技状態ST4に連続する短い期間であるので、左打
ちの指示を明確に行わなくても良い。また、残保留消化状態ST5での特図変動表示ゲー
ムの変動時間の平均は、特定遊技状態ST4における特図変動表示ゲームの変動時間の平
均よりも短いものとなっている。
残保留消化状態ST5は、特定遊技状態ST4において主に発生する第2始動記憶に基
づく特図2変動表示ゲームを主として実行するので、通常遊技状態ST1よりも遊技者に
とって有利な状態であって有利状態をなすものである。
遊技状態の移行は、第1特別結果(大当り)の導出、第2特別結果(小当り)の導出、
サポ当りの導出、第1特別遊技状態の終了、第2特別遊技状態の終了、規定ゲーム数の消
化、天井への到達により行われる。
通常遊技状態ST1において大当りとなると第1特別遊技状態ST2に移行する。また
、特定遊技状態ST4や残保留消化状態ST5において大当りとなった場合も第1特別遊
技状態ST2に移行する。
第1特別遊技状態ST2の終了後は、普電サポートがある大当りの場合は図4-6(e)に示した条件が成立するまでの期間にわたり普電サポート及び時短がある状態となり、特定遊技状態ST4に移行する。大当りの種類により移行する特定遊技状態ST4の種類が異なり、サポートA又はBとなる大当り種類の場合は第1特定遊技状態ST41に移行し、サポートCとなる大当り種類の場合は第2特定遊技状態ST42に移行する。
また、普電サポートがない大当りの場合は、残保留である第2始動記憶がある場合は残
保留消化状態ST5に移行し、残保留である第2始動記憶がない場合は通常遊技状態ST
1に移行する。なお、普電サポートがない大当りとは3R小当りCに基づく大当りであり
、これ以外の大当りは普電サポートがある大当りである。すなわち、3R小当りCが導出
された場合は遊技者にとって有利な状態が終了する可能性が高い。
また、天井に到達した場合は、第1特別遊技状態ST2を経ずに特定遊技状態ST4と
なる。
特定遊技状態ST4では、普電サポートにより普通変動入賞装置37に遊技球が入賞しやすくなることにより第2始動記憶を発生可能であり、特図2変動表示ゲームを実行可能となる。この特定遊技状態ST4において図4-6(e)に示した条件が成立した場合は、普電サポートが終了し、特定遊技状態ST4で発生した第2始動記憶である残保留があれば残保留消化状態ST5となり、残保留がなければ通常遊技状態ST1に移行する。
第2特定遊技状態ST42の場合は、実行可能なゲーム数が多く、普図変動表示ゲームの全ての当り種類でパターンH3の開放となることから普通変動入賞装置37への入賞も容易であり、規定ゲーム数を消化する可能性よりも大当りや小当りが導出される可能性の方が高く、第1特別遊技状態ST2を経てさらに特定遊技状態ST41が継続する可能性が高い。
これに対して第1特定遊技状態ST41の場合は、実行可能なゲーム数が少なく、普通変動入賞装置37への入賞もパターンH2の開放の場合しか望めないので、規定ゲーム数を消化する可能性の方が第1特定遊技状態ST41において大当りや小当りが導出される可能性よりも高く、第1特定遊技状態ST41が終了して通常遊技状態ST1に移行する可能性が高い。
本実施形態の遊技機では、第1始動記憶よりも第2始動記憶を優先して消化するが、特
に通常遊技状態ST1で大当りとなった場合には特定遊技状態ST4の開始直後には残存
している第1始動記憶に基づき特図1変動表示ゲームが実行される可能性が高い。これに
より、第2始動記憶を溜めるための時間を確保することができる。特に、特定遊技状態S
T4における1回目の特図変動表示ゲームの変動時間は、2回目以降の変動時間よりも長
い変動時間(例えば100s)とされ、第2始動記憶を溜めるための時間を確保すること
ができるようにしている。
また、第1特定遊技状態ST41ではサポ当りを導出可能であり、サポ当りが導出され
た場合は、第1特別遊技状態ST2を経ずに第2特定遊技状態ST42に移行する。
第1特定遊技状態ST4で1は特図1変動表示ゲームが主として実行するべきゲームと
され、第2特定遊技状態ST42では特図2変動表示ゲームが主として実行するべきゲー
ムとされる。すなわち、特定遊技状態ST4である状態において所定条件の成立に伴い主
として実行するべきゲームが変更されるようになっている。これにより、特定遊技状態S
T4での遊技が単調にならず興趣を向上することができる。
主として実行するべきゲームとは、主として実行するべきゲームでないゲームを実行す
るよりも遊技者にとって有利に又は効率的に遊技を進行できるゲームである。遊技者にと
って有利に又は効率的に遊技を進行できるとは、例えば、獲得可能な遊技価値の期待値が
大きいことや、単位時間あたりで実行可能なゲーム数が多いこと、遊技機の設計段階で実
行することが想定されている方のゲームであることなどが挙げられる。
なお、第1特定遊技状態ST41と第2特定遊技状態ST42では、主として実行する
べきゲームが異なれば良く、第1特定遊技状態ST4で1は特図2変動表示ゲームが主と
して実行するべきゲームとされ、第2特定遊技状態ST42では特図1変動表示ゲームが
主として実行するべきゲームとされるとしても良い。
また、第1特定遊技状態ST41と第2特定遊技状態ST42では、主として実行する
べきゲームが異なるのみで普通変動入賞装置37への入賞の容易さは同一であっても良い

また、第2特定遊技状態ST42から第1特定遊技状態ST41に移行する場合がある
ようにしても良く、第1移行条件(例えばサポ当り)に伴い第1特定遊技状態ST41か
ら第2特定遊技状態ST42に移行し、第2移行条件(例えば規定回数のゲームの消化)
により第2特定遊技状態ST42から第1特定遊技状態ST41に移行するようにしても
良い。また、特定遊技状態ST4に普通変動入賞装置37への入賞の容易さや主として実
行するべきゲームが異なる3以上の複数の状態を設け、所定の移行条件の成立により移行
するようにしても良い。
本実施形態の遊技機のサポ当りには、小当りかつサポ当りとなる結果は含まれておらず
、小当りとサポ当りはそれぞれ独立したものとなっており、サポ当りは、はずれかつサポ
当りであるとも言える。
このようにすることで、サポ当りにより第1特定遊技状態ST41から第2特定遊技状
態ST42に移行する際に、第2特別遊技状態ST3を経ることがないので、結果の導出
後に即座に第2特定遊技状態ST42に移行することが可能となりスピーディーな展開で
遊技を進行可能となる。
また、小当りかつサポ当りとした場合には、第2特別遊技状態ST3においてV入賞する可能性がある。この場合は3Rの第1特別遊技状態ST2の後にサポートBとなる(図4-6(c)参照)。これに対してV入賞しなければサポートBよりも遊技者にとって有利なサポートCとなり(図4-6(a)参照)、ほぼ確実に10R大当りが発生する。すなわち、V入賞しない方が有利になるという展開となってしまい、このことを知らない遊技者にとっては不利な方向へ展開してしまう可能性が高い。しかし、はずれかつサポ当りとすることで、このような展開が発生してしまうことを防止でき、どの遊技者にとっても公平な遊技とすることができる。
もちろん、サポ当りを小当りかつサポ当りとすることも可能であり、小当りかつサポ当りとはずれかつサポ当りの両方を含むようにしても良い。
残保留消化状態ST5には、残保留である第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲーム
が終了するまで滞在可能となっている。この残保留消化状態ST5の終了後は通常遊技状
態ST1に移行する。本実施形態の遊技機では、第2始動記憶の上限数が1であるので残
保留の最大数は1となっている。
残保留消化状態ST5で実行されるのは小当りの導出確率が特図1変動表示ゲームより
も高い特図2変動表示ゲームであり、再び特定遊技状態ST4や第1特別遊技状態ST2
のような遊技者にとって有利な状態に戻ることができる可能性が通常遊技状態ST1より
も高い状態である。
残保留消化状態ST5では、特定遊技状態ST4や第1特別遊技状態ST2のような遊
技者にとって有利な状態が終了した直後であって遊技者が落胆感を持った状態であり、有
利な状態へ戻る可能性が高い1回の特図変動表示ゲームを実行するチャンスが与えられて
いる演出を行うことで遊技者に期待感を持たせることができる。
通常遊技状態ST1、特定遊技状態ST4又は残保留消化状態ST5において、小当りとなった場合は第2特別遊技状態ST3に移行する。
第2特別遊技状態ST3において特定領域に遊技球が流入した場合(V入賞)は、第1特別遊技状態ST2に移行する。特別変動入賞装置38に遊技球が流入した場合は、特定領域へ流入する可能性があり、小当りの発生確率が高い特図2変動表示ゲームを多く実行することは遊技者にとって有利なこととなる。図4-7に示したように特定領域への流入の可能性の高さは、特別変動入賞装置38の内部に設けられ、特定領域への遊技球の流入を制御可能なレバー部材をレバーソレノイド38fにより動作して、特定領域への遊技球の流入を許容する状態と特定領域への遊技球の流入を不能とする状態とを切り替えることで制御するようにしている。
特図1変動表示ゲームでは小当りが導出される確率が低く、第2特定遊技状態ST3に
おいて特別変動入賞装置38への入賞や特定領域への流入が困難な動作態様とされるので
、第1特別遊技状態ST2へ移行する可能性は低い。
特図2変動表示ゲームでは小当りが導出される確率が高く、第2特定遊技状態ST3に
おいて特別変動入賞装置38への入賞や特定領域への流入が容易な動作態様とされるので
、第1特別遊技状態ST2へ移行する可能性が高い。
また、第2特別遊技状態ST3において特定領域に遊技球が流入しなかった場合は、特
定遊技状態ST4、残保留消化状態ST5又は通常遊技状態ST1に移行する。
特定遊技状態ST4の終了条件が成立していない場合は特定遊技状態ST4に移行する
。また、特定遊技状態ST4の終了条件が成立しており、特定遊技状態ST4で発生した
第2始動記憶である残保留が存在する場合は、残保留消化状態ST5に移行する。また、
通常遊技状態ST1での小当りの場合や、特定遊技状態ST4の終了条件が成立しており
残保留も存在しない場合は、通常遊技状態ST1に移行する。
以上のことから、所定条件の成立に基づき識別情報を変動表示するゲームを実行し、当
該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技
機において、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、入賞によ
りゲームとして第1ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の実行権利を発生可能な始動入賞口
36と、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球が入賞可能な開状態と、に変換可能であり
、入賞によりゲームとして第2ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の実行権利を発生可能な
普通変動入賞装置37と、を備え、遊技制御手段は、普通変動入賞装置37への遊技球の
入賞の容易さを、第1状態(通常遊技状態ST1)と、該第1状態よりも入賞が容易な第
2状態(第1特定遊技状態ST41)と、該第2状態よりも入賞が容易な第3状態(第2
特定遊技状態ST42)と、の何れかの状態で制御するように構成され、第2状態である
場合にゲームの結果が特定結果(サポ当り)となった場合に、特別遊技状態を経ずに第3
状態とすることが可能であり、第2状態と第3状態とでは、第1ゲームと第2ゲームのう
ち主として実行するべきゲームを異ならせることが可能であることとなる。
したがって、特定結果となるサポ当りの発生に伴い、普通変動入賞装置37への入賞の
容易さの他に、主として実行するべきゲームも変更され、遊技に変化が生まれて遊技の興
趣を向上することができる。
また、所定条件の成立に基づき識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの
結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において
、遊技を統括的に制御する遊技制御手段と、入賞によりゲームとして第1ゲームの実行権
利を発生可能な始動入賞口36と、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球が入賞可能な開
状態と、に変換可能であり、入賞によりゲームとして第2ゲームの実行権利を発生可能な
普通変動入賞装置37と、を備え、遊技制御手段は、普通変動入賞装置37への遊技球の
入賞の容易さを、第1状態と、該第1状態よりも入賞が容易な第2状態と、該第2状態よ
りも入賞が容易な第3状態と、の何れかの状態で制御するように構成され、第1ゲームの
結果が特別結果(大当り)となった場合に、特別遊技状態の終了後に第2状態とすること
が可能であり、第2状態である場合にゲームの結果が特定結果(サポ当り)となった場合
に、特別遊技状態を経ずに第3状態とすることが可能であり、第2状態では第1ゲームを
主として実行すべきゲームとすることが可能であり、第3状態では第2ゲームを主として
実行すべきゲームとすることが可能であることとなる。
したがって、特定結果となるサポ当りの発生に伴い、普通変動入賞装置37への入賞の
容易さの他に、主として実行するべきゲームも変更され、遊技に変化が生まれて遊技の興
趣を向上することができる。
図4-10(a)には、各遊技状態で新たな時短(特定遊技状態ST4)の作動契機が発生した場合の対応について示した。
ここでa時短、b時短及びc時短は、いずれも特定遊技状態ST4であるが、a時短とは第1特別遊技状態ST2を経て特定遊技状態ST4となったものであり、b時短とは天井への到達により第1特別遊技状態ST2を経ずに特定遊技状態ST4となったものであり、c時短とはサポ当りにより第1特別遊技状態ST2を経ずに特定遊技状態ST4となったものである。
通常遊技状態ST1において大当りとなるか小当りでV入賞することによりa時短の作
動契機が発生した場合はa時短を作動させる。通常遊技状態ST1において天井に到達す
ることによりb時短の作動契機が発生した場合はb時短を作動させる。通常遊技状態ST
1においてはサポ当りが導出されないのでc時短の作動契機が発生することはなく作動不
可とされている。
a時短の特定遊技状態ST4において大当りとなるか小当りでV入賞することによりa
時短の作動契機が発生した場合は新たなa時短を作動させる。a時短の特定遊技状態ST
4において天井に到達することによりb時短の作動契機が発生した場合はb時短に切り替
えて作動させる。a時短の特定遊技状態ST4においてサポ当りが導出されることにより
c時短の作動契機が発生した場合はc時短に切り替えて作動させる。なお、サポ当りはサ
ポートA、Bである場合にのみ導出可能となっている。
b時短の特定遊技状態ST4において大当りとなるか小当りでV入賞することによりa
時短の作動契機が発生した場合は新たなa時短に切り替えて作動させる。b時短の特定遊
技状態ST4において天井に到達することは起こりえないためこの場合のb時短は作動不
可となる。b時短の特定遊技状態ST4においてはサポ当りが導出されないのでc時短の
作動契機が発生することはなく作動不可とされている。
c時短の特定遊技状態ST4において大当りとなるか小当りでV入賞することによりa
時短の作動契機が発生した場合は新たなa時短に切り替えて作動させる。c時短の特定遊
技状態ST4において天井に到達することによりb時短の作動契機が発生した場合はb時
短に切り替えて作動させる。c時短の特定遊技状態ST4においてはサポ当りが導出され
ないのでc時短の作動契機が発生することはなく作動不可とされている。
図4-10(b)には、一括表示装置50に設けられた遊技状態表示部56の表示態様を示した。
上述したように、遊技状態表示部56には、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部56aと、時短状態(変動時間短縮機能作動時)であることを報知する第2遊技状態表示部56bとがある。第1遊技状態表示部56aは発光体C6、C7の点灯又は消灯により発射方向を表示するようになっており、第2遊技状態表示部56bは発光体D7の点灯又は消灯により時短の有無を表示するようになっている。
通常遊技状態ST1では、発光体C6、C7を消灯して左打ち状態であることを示し、
発光体D7を消灯して時短状態でないことを示す。
特定遊技状態ST4の第1特定遊技状態ST41であるサポートA、Bでは、発光体C
6、C7を消灯して左打ち状態であることを示し、発光体D7を点灯して時短状態である
ことを示す。
特定遊技状態ST4の第1特定遊技状態ST41であるサポートA、Bで普図の当り状
態である場合では、発光体C6、C7を点灯して右打ち状態であることを示し、発光体D
7を点灯して時短状態であることを示す。ただし、当り結果が当り1でありパターンH1
の開放パターンとなる場合には、入賞の可能性が低いため表示装置41においては右打ち
の指示を明確に行わない。当り結果が当り2又は3であり開放パターンがパターンH2と
なる場合には表示装置41において右打ちの指示を明確に行う。
特定遊技状態ST4の第2特定遊技状態ST42であるサポートCでは、発光体C6、
C7を点灯して右打ち状態であることを示し、発光体D7を点灯して時短状態であること
を示す。
第1特別遊技状態ST2、第2特別遊技状態ST3では、発光体C6、C7を点灯して
右打ち状態であることを示し、発光体D7を消灯して時短状態でないことを示す。なお、
特定遊技状態ST4においてゲームの実行回数が規定回数に到達する前に特図1変動表示
ゲームで小当りが発生した場合は、第2特別遊技状態ST3においても時短状態のままと
なるため、発光体D7を点灯して時短状態であることを示す。
また、通常遊技状態ST1や第1特定遊技状態ST41における特図1変動表示ゲーム
で小当りが導出された場合には、入賞の可能性が低いため表示装置41においては右打ち
の指示を明確に行わない。
図4-11には、遊技機の外部へ出力する信号の出力態様の一例を示した。
図4-11(a)に示すように通常遊技状態ST1では、普図変動表示ゲームが高確率であるかを示す普通図柄1高確率状態信号がOFFとされる。なお、本実施形態の遊技機では、普図変動表示ゲームの確率変動がないため、普通図柄1高確率状態信号は常にOFFとされる。
普通変動入賞装置37の開放時間が延長されている状態であることを示す普通電動役物1開放延長状態信号はOFFとされ、普通変動入賞装置37の開放時間が延長されていないことを示す。また、普図変動表示ゲームの時短状態であることを示す普通図柄1変動時間短縮状態信号はOFFとされ、普図変動表示ゲームの時短状態でないことを示す。
普電サポートの開始を示す入賞容易状態確定信号はOFFとされ、普電サポートの状態を示す入賞容易状態信号は不定とされて普電サポートでないことを示す。
通常遊技状態から特定遊技状態ST4の第1特定遊技状態ST41であるサポートA、
Bが開始されると(t61)、普通電動役物1開放延長状態信号はONとされ、普通変動
入賞装置37の開放時間が延長されていることを示し、普通図柄1変動時間短縮状態信号
もONとされ、普図変動表示ゲームの時短状態であることを示す。
また、入賞容易状態確定信号は一定期間(例えば32ms)にわたりONとされ(t6
1~t62)、入賞容易状態が開始されたことを示す。また、入賞容易状態信号は01H
が出力され、サポートA又はBであることを示す。
特定遊技状態ST4が終了して通常遊技状態ST1に戻ると(t63)、普通電動役物
1開放延長状態信号はOFFとされ、普通図柄1変動時間短縮状態信号はOFFとされる
。また、入賞容易状態信号は不定とされる。
入賞容易状態信号は、1~4の4本の信号のオンオフの組み合わせ(16進数)によって値が示される。例えばこの場合は、入賞容易状態信号1がオン、入賞容易状態信号2~4がオフとされることで01Hの信号が出力される。図4-11に示すその他の信号である普通図柄1高確率状態信号、普通電動役物1開放延長状態信号、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び入賞容易状態確定信号は、1本の信号のオンオフにより情報が出力される。
図4-11(b)には、通常遊技状態ST1から特定遊技状態ST4の第2特定遊技状態ST42であるサポートCが開始される場合を示した。基本的には図4-11(a)と同様であるが、入賞容易状態信号で00Hが出力され、サポートCであることが示される点だけが異なる。
すなわち、外部の装置で第1特定遊技状態ST41(サポートA又はB)であるか第2特定遊技状態ST42(サポートC)であるかを判別可能となるようにされている。
図4-12には、遊技機の外部へ出力する信号の出力態様の一例を示した。
図4-12(a)に示すように、普図変動表示ゲームが当りとなって普通変動入賞装置37の開放が行われる当り状態のうち、パターンH1の場合は発射位置指定信号1がONとなり発射位置指定信号2はOFFとされ、外部の装置に対しては左打ちが指定される。パターンH1である場合には、普通変動入賞装置37の開放時間が短く、ほとんど入賞は望めないため、左打ちが指定される。なお、上述したように一括表示装置50の第1遊技状態表示部56aでは、右打ち状態であることを示す。
また、パターンH2の場合は発射位置指定信号1及び2がONとされ、外部の装置に対しては右打ちが指定される。
図4-12(b)に示すように、第2特定遊技状態ST42であるサポートCである場合、第2特別遊技状態ST3である場合、及び、第1特別遊技状態ST2である場合は、発射位置指定信号1及び2がONとされ、外部の装置に対しては右打ちが指定される。
図4-12(c)~(h)には、小当りと普図当りが重なる場合における発射位置指定信号1及び2の出力態様を示した。
図4-12(c)には、パターンH1での当り状態で第2特別遊技状態ST3が開始された場合を示した。当り状態の開始に伴い発射位置指定信号1がONとされるが、発射位置指定信号2はOFFのままとされる(t81)。その後、第2特別遊技状態ST3の開始に伴い発射位置指定信号2がONとされる(t82)。当り状態が終了しても第2特別遊技状態ST3が継続しているため発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t83)。その後、第2特別遊技状態ST3の終了に伴い、発射位置指定信号1及び2がOFFとされる(t84)。
図4-12(d)には、パターンH2での当り状態で第2特別遊技状態ST3が開始された場合を示した。当り状態の開始に伴い発射位置指定信号1及び2がONとされる(t91)。第2特別遊技状態ST3が開始されても発射位置指定信号1及び2はONのまま維持され(t92)、当り状態が終了しても第2特別遊技状態ST3が継続しているため発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t93)。その後、第2特別遊技状態ST3の終了に伴い、発射位置指定信号1及び2がOFFとされる(t94)。
図4-12(e)には、第2特別遊技状態ST3の実行中にパターンH1での当り状態が実行された場合を示した。第2特別遊技状態ST3の開始に伴い発射位置指定信号1及び2がONとされる(t101)。パターンH1の当り状態が開始されても第2特別遊技状態ST3が継続しているため発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t102)。当り状態が終了しても第2特別遊技状態ST3が継続しているため発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t103)。その後、第2特別遊技状態ST3の終了に伴い、発射位置指定信号1及び2がOFFとされる(t104)。
図4-12(f)には、第2特別遊技状態ST3の実行中にパターンH2での当り状態が実行された場合を示した。第2特別遊技状態ST3の開始に伴い発射位置指定信号1及び2がONとされ(t111)、パターンH2の当り状態が開始されても発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t112)。当り状態が終了しても第2特別遊技状態ST3が継続しているため発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t113)。その後、第2特別遊技状態ST3の終了に伴い、発射位置指定信号1及び2がOFFとされる(t114)。
図4-12(g)には、第2特別遊技状態ST3の実行中にパターンH1での当り状態が開始され、第2特別遊技状態ST3の終了後に当り状態が終了した場合を示した。第2特別遊技状態ST3の開始に伴い発射位置指定信号1及び2がONとされ(t121)、パターンH1の当り状態が開始されても第2特別遊技状態ST3が継続しているため発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t122)。第2特別遊技状態ST3が終了するとパターンH1の当り状態が継続していることに基づき、発射位置指定信号1はON状態のまま維持するが発射位置指定信号2はOFFとされる(t123)。その後、当り状態の終了に伴い、発射位置指定信号1がOFFとされる(t124)。
図4-12(h)には、第2特別遊技状態ST3の実行中にパターンH2での当り状態が開始され、第2特別遊技状態ST3の終了後に当り状態が終了した場合を示した。第2特別遊技状態ST3の開始に伴い発射位置指定信号1及び2がONとされ(t131)、パターンH2の当り状態が開始されても発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t132)。第2特別遊技状態ST3が終了してもパターンH2の当り状態が継続しているため、発射位置指定信号1及び2はONのまま維持される(t133)。その後、当り状態の終了に伴い、発射位置指定信号1及び2がOFFとされる(t134)。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図4-13及び図4-14に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図4-15に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図4-13及び図4-14に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップX1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップX2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップX3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップX4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップX5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ152の状態を読み込み(ス
テップX6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行う。ステッ
プX7の処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置1
00からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出
制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)
が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって
従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマン
ドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することが
できる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御
装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等
)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の
対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行わ
れる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部
のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防
止することができる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行った後、停電が発生して
いるか判定し(ステップX8)、停電が発生している場合(ステップX8;Y)には、遊
技機の電源が遮断されるのを待つ。
具体的には、ステップX8では、例えば、電源装置400から入力されている停電監視
信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定
し、停電監視信号がオンであるかの判定を行う。そして、停電監視信号がオンである場合
は、設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか判定する。そして
、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合は、停電監視信号がオン
であるかの判定に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場
合には、停電が発生していると判定する。後述するステップX34,X54においても同
様である。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生し
たと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時に
おける不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電
監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせてい
る期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に
適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可さ
れておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの
停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が
発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる
一方、停電が発生していない場合(ステップX8;N)には、電源投入ディレイタイマ
を-1更新し(ステップX9)、タイマの値が0であるか判定する(ステップX10)。
タイマの値が0でない場合(ステップX10;N)、すなわち、待機時間が終了していな
い場合には、停電が発生しているか判定する処理(ステップX8)に戻る。また、タイマ
の値が0である場合(ステップX10;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合には、
RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス
許可をし(ステップX11)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定
)する(ステップX12)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施
形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステッ
プX13)、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び
乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動
する処理(ステップX14)を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のク
ロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの
発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU1
11Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供
給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
次いで、RAM異常フラグをセットする(ステップX15)。ここでは、RAMに異常
があるか否かにかかわらずRAMに異常があることを前提として、一旦、RAM異常フラ
グを所定のレジスタにセットする。
次いで、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例え
ば5Ah)であるか判定し(ステップX16)、正常であれば(ステップX16;Y)、
RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)
であるか判定する(ステップX17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ス
テップX17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処
理(ステップX18)を行い、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致す
るか判定する(ステップX19)。チェックサムが一致する場合(ステップX19;Y)
には、RAMに異常がないためRAM異常フラグをクリアして(ステップX20)、ステ
ップX21へ移行する。
また、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステッ
プX16;NもしくはステップX17;N)、チェックサムが一致しないと判定された場
合(ステップX19;N)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいて設定キースイ
ッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態であるか判定する(ステップ
X21)。そして、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも
一方がオフ状態である場合(ステップX21;N)には、RAM異常フラグがセットされ
ているか判定する(ステップX22)。RAM異常フラグがセットされている場合(ステ
ップX22;Y)には、RAMに異常があるため、遊技制御装置100が異常であること
を報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送
信する(ステップX24)。
一方、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップX22;N)には、確率
設定変更中フラグがセットされているか判定する(ステップX23)。そして、確率設定
変更中フラグがセットされている場合(ステップX23;Y)には、メイン異常エラー報
知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX24)。こ
こでセットされている確率設定中フラグは、停電発生前にセットされた確率設定中フラグ
である。すなわち、確率設定値の変更中に遊技機の電源が遮断して再起動した場合には、
遊技制御装置100の動作が停止するのでステップX24の処理を行う。
次いで、遊技停止時の7セグ表示データを、第2出力ポート134を介して第5ドライ
バ138eに出力する(ステップX25)。その後、セキュリティ信号のオンデータを出
力するとともにセキュリティ信号以外の信号のオフデータを出力して(ステップX26)
、ステップX25に戻る。
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態である
場合(ステップX21;Y)には、RAM異常フラグがセットされているか判定する(ス
テップX27)。そして、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップX27
;N)には、確率設定変更中フラグをセットする(ステップX29)。これにより確率設
定値変更モードに移行する。その後、確率設定変更中のコマンドを演出制御基板(演出制
御装置300)に送信して(ステップX30)、ステップX31へ移行する。演出制御装
置300では、確率設定変更中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41の表示
、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ1
9a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更中である旨を示す報知を行
う。
一方、RAM異常フラグがセットされている場合(ステップX27;Y)には、確率設
定値をクリアする処理(ステップX28)を行う。これにより、RWM内の確率設定値用
の領域に0がセットされて、確率設定値が“設定1”となる。その後、ステップX29,
X30の処理を行って、ステップX31へ移行する。
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフ
状態であり(ステップX21;N)、RAM異常フラグも確率設定変更中フラグもセット
されていない場合(テップX22;N及びステップX23;N)には、ステップX6で読
み込んだ状態に基づいて設定キースイッチ152がオン状態であるか判定する(ステップ
X35)。そして、設定キースイッチ152がオン状態でない場合(ステップX35;N
)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいてRAM初期化スイッチ112がオン状
態であるか判定する(ステップX43)。
RAM初期化スイッチ112がオン状態でないと判定した場合(ステップX43;N)
、すなわち設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオフ状態であ
る場合には、ステップX41へ移行して停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
一方、RAM初期化スイッチ112がオン状態であると判定した場合(ステップX43
;Y)には、ステップX44へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、RAM初期化ス
イッチ112が外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初
期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段
をなす。
また、設定キースイッチ152がオン状態である場合(ステップX35;Y)には、確
率設定確認中フラグをセットする(ステップX36)。これにより確率設定値確認モード
に移行する。その後、確率設定確認中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)
に送信する(ステップX37)。演出制御装置300では、確率設定確認中のコマンドを
受信することに基づき、表示装置41の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLED
の発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、
確率設定値の確認中である旨の報知を行う。
そして、50m秒間以上のセキュリティ信号の出力を保証するために、セキュリティ信
号制御タイマ領域に128m秒に対応する値をセーブする(ステップX31)。セキュリ
ティ信号は、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである場合にはタイマ割込み
処理の確率設定変更/確認処理(ステップX122)で出力され、それ以外の場合はタイ
マ割込み処理の外部情報編集処理(ステップX120)で出力される。したがって、12
8m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認モードが終了する場合には、タイ
マ割込み処理の外部情報編集処理(ステップX120)によってセキュリティ信号が継続
して出力される。すなわち、128m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認
モードが終了する場合であっても、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行
してから128m秒間はセキュリティ信号が出力される。なお、ステップX31において
セキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする値は128m秒に対応する値に限定されな
い。ただし、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行してから少なくとも5
0m秒間はセキュリティ信号を出力する必要があるため、50m秒以上に対応する値をセ
ーブする必要がある。
そして、割込みを許可し(ステップX32)、設定キースイッチ152がオフ状態であるか判定する(ステップX33)。ステップX33では、ステップX6で読み込んだ状態(電源投入時の状態)に基づいて判定するのではなく、タイマ割込み処理(図4-15)の入力処理(ステップX103)で読み込んだ状態(現時点の状態)に基づいて判定する。ステップX33で設定キースイッチ152がオフ状態である判定された場合に、確率設定値が確定される。
設定キースイッチ152がオフ状態でない場合(ステップX33;N)には、停電が発生しているか判定し(ステップX34)、停電が発生していない場合(ステップX34;N)には、ステップX33に戻り、停電が発生している場合(ステップX34;Y)には、ステップX55へ移行する。確率設定変更中フラグがセットされている状態でステップX34にて停電が発生していると判定された場合に、当該停電から復旧した後のメイン処理(図4-13及び図4-14)のステップX23において、確率設定変更中フラグがセットされていると判定される。
一方、設定キースイッチ152がオフ状態である場合(ステップX33;Y)には、割込みを禁止する処理(ステップX38)を行う。割込みを許可する処理(ステップX32)を行ってから割込みを禁止する処理(ステップX38,X55)を行うまでの間は、タイマ割込み処理(図4-15)が所定時間周期(例えば4m秒)で行われる。当該タイマ割込み処理では、確率設定値に関する処理である確率設定変更/確認処理(ステップX122)が行われる。すなわち、確率設定値の変更や確認が終了するまで(あるいは停電が発生するまで)の間、メイン処理は待機していることとなる。
次いで、報知終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステ
ップX39)。演出制御装置300では、報知終了のコマンドを受信することに基づき、
実行中の報知(確率設定値の変更中である旨を示す報知又は確率設定値の確認中である旨
の報知)を終了する。
次いで、確率設定変更中フラグがセットされているか判定し(ステップX40)、確率
設定変更中フラグがセットされていない場合(ステップX40;N)、すなわち確率設定
確認中フラグがセットされている場合には、初期化すべき領域(例えば、停電検査領域、
チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域)に停電復旧時の初期値をセーブする処
理等を行う停電復旧処理(ステップX41)を行う。確率設定確認中フラグは、このステ
ップX41でクリアされる。
その後、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制
御装置300)へ送信し(ステップX42)、ステップX47へ移行する。本実施形態の
場合、ステップX42では、機種指定コマンド、確率設定情報コマンド、特図1保留数コ
マンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、演出回数情報コマンド、画面指定の
コマンド等の複数のコマンドを送信する。画面指定のコマンドとしては、特図1及び特図
2について何れも後述する普段処理中である場合、すなわち特図変動表示ゲームの実行中
でもなく特別遊技状態中でもない場合である客待ち中であれば客待ちデモ画面のコマンド
を送信し、それ以外であれば復旧画面のコマンドを送信する。また、機種によっては、こ
れらのコマンドに加えて、高確率回数情報コマンド等も送信する。
一方、確率設定変更中フラグがセットされている場合(ステップX40;Y)には、確
率設定値以外のRAM領域を0クリアする(ステップX44)。ステップX44では、確
率設定値用のRAM領域(ワーク領域(確率設定値の1バイト領域))と性能表示(ベー
ス値や役物比率の表示)用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)はクリアせず、遊
技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)を0クリアする。したがって、確率
設定変更中フラグは、このステップX44でクリアされる。なお、ステップX44では、
スタック領域や未使用領域をクリアしてもしなくても良い。
そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップX45)
。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域であ
る。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信す
る(ステップX46)。本実施形態の場合、ステップX46では、機種指定コマンド、確
率設定情報コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド
、演出回数情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるととも
に、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド
)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、
演出回数情報コマンドや普電サポートありとした特図変動表示ゲームの実行回数の情報で
あるサポート回数情報コマンド等も送信する。
次いで、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップX47)。具体的には、乱
数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させる
ためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成
回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パター
ンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビッ
ト転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転
置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パ
ターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるととも
に、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一
のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても
良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)
の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する
特図図柄乱数、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する普図
図柄乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップ
X48)、割込みを許可する(ステップX49)。本実施形態で使用するCPU111A
内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように
構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソ
フトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得
を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理
(ステップX50)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態において
は、大当り乱数、特図図柄乱数、当り乱数、普図図柄乱数は乱数生成回路において生成さ
れる乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作
クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり
、特図図柄乱数、当り乱数、普図図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処
理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(
CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、特図図柄乱数、当り
乱数、普図図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで
生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前
記各乱数は、+1或いは-1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全
ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハ
ードウェアのみで更新される乱数であり、特図図柄乱数、当り乱数、普図図柄乱数はハー
ドウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
ステップX50の初期値乱数更新処理の後、割込みを禁止する処理(ステップX51)
を行って、性能表示編集処理(ステップX52)を行う。そして、割込みを許可する処理
(ステップX53)を行った後、停電が発生しているか判定し(ステップX54)、停電
が発生していない場合(ステップX54;N)には、初期値乱数更新処理(ステップX5
0)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示
編集処理と停電監視を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップX50)の前に割込
みを許可する(ステップX49)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが
発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新
処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、ステップX50での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処
理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合
には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数
更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、
本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内
のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それ
によってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、停電が発生している場合(ステップX54;Y)には、一旦割込みを禁止する処
理(ステップX55)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップX56)を
行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップX57
)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップX58)。
さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップ
X59)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップX60)を行った後、RW
Mへのアクセスを禁止する処理(ステップX61)を行ってから、遊技機の電源が遮断さ
れるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源
遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報
が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主
制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御
装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該
主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待
機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停
電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電
の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御
装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判
定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、
外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部
が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(
遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み
込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへの
アクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理はクロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。すなわち、所定周期で開始される割込みルーチンである。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図4-15のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップX1
01)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使
っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと
同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位ア
ドレスをセットする(ステップX102)。ステップX102では、メイン処理における
ステップX4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサや
スイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処
理(ステップX103)を行う。
次いで、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされているか判定し
(ステップX104)、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされて
いる場合(ステップX104;Y)には、確率設定変更/確認処理(ステップX122)
を行って、タイマ割込み処理を終了する。
一方、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグの両方がセットされていない場合
(ステップX104;N)には、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイ
ド(大入賞口ソレノイド38b、レバーソレノイド38f、普電ソレノイド37c)等の
アクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップX105)を行う。なお
、メイン処理におけるステップX5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行わ
れることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされ
る。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信
号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状
態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発
射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの
発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に
、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力す
る払出コマンド送信処理(ステップX106)、乱数更新処理1(ステップX107)、
乱数更新処理2(ステップX108)を行う。乱数更新処理1(ステップX107)では
、初期値乱数更新処理の対象となっている特図図柄乱数、当り乱数、普図図柄乱数の初期
値(スタート値)が更新される。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ3
7a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否
かの監視や、賞球の設定、前面枠やガラス枠の開放や、普通変動入賞装置37、特別変動
入賞装置38への不正入賞などのエラーの監視を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ス
テップX109)を行う。
次に、異常排出発生中であるか判定する(ステップX110)。異常排出とは、特別変
動入賞装置38において、特別変動入賞装置38から排出される遊技球数(特定領域スイ
ッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数)が、特別変動入賞装
置38に流入した遊技球数(大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数)を上回るこ
とである。なお、異常排出発生中である場合には異常排出フラグがセットされている。そ
して、異常排出発生中である場合(ステップX110;Y)には、ステップX116へ移
行する。すなわち、遊技が進行しないようにする。
一方、異常排出発生中でない場合(ステップX110;N)には、特図変動表示ゲーム
に関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップX112)、普図変動表示ゲームに関する
処理を行う普図ゲーム処理(ステップX114)を行って、遊技機10に設けられ、特図
変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容
を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップX115)を行う。
次いで、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行
う磁石不正監視処理(ステップX116)、盤電波センサ62からの検出信号をチェック
して異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップX117)、振動セ
ンサ65からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う振動不正監視処
理(ステップX118)、異常排出が発生していないか判定する処理を行う異常排出監視
処理(ステップX119)を行う。さらに、外部の各種装置に出力する信号を出力バッフ
ァにセットする外部情報編集処理(ステップX120)、性能表示装置153の制御に関
する性能表示モニタ制御処理(ステップX121)を行って、タイマ割込み処理を終了す
る。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可す
る処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定
する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお
、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を
復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップX112)の詳細に
ついて説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ3
7aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を
行う。
図4-16に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視
処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検
出を監視する処理を行う。そして、特定領域38hでの遊技球の検出を監視する特定領域
スイッチ監視処理を行う(ステップA3)。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ-1更新する(ステップA4)。なお
、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タ
イマの値が「0」であるかを判定する(ステップA5)。特図ゲーム処理タイマの値が「
0」である場合(ステップA5;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアッ
プしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図
ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA6)、当該テーブルを用
いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA7)。
そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA8)。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動
開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を
行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定
や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA
10)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技
結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当
りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/イン
ターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11
)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定
や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンフ
ァーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウ
ンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディン
グコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行
う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウ
ンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り
終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)
を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために
必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入
賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を
行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA16)を
行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設
定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA
17)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞
口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行う
ために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA18)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うため
に必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA19)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA
20)、特図1表示器51による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステッ
プA21)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備し
た後(ステップA22)、特図2表示器52による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動
制御処理(ステップA23)を行う。その後、レバーソレノイド38fの動作を制御する
レバーソレノイド制御処理(ステップA24)を行って、特図ゲーム処理を終了する。一
方、ステップA5にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA5;
N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA20の処理に移行して、それ
以降の処理を行う。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理において行われる特図始動口スイッチ共通処理の
詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動
口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理で
ある。
図4-17に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口
スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステ
ップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N
)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更
新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA13
6)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の
始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップ
A138)、ハード乱数取得処理にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域
にセーブする(ステップA139)。
次いで、監視対象の始動口スイッチの特図図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA1
40)、RWMの特図図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセ
ーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)を行う。
次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド
を準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、
特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装
置37の始動領域での遊技球の検出に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの
実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動
記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入
賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始
動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、
所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA14
6)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図
変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を
行う先読み処理である。
図4-18に示すように、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA154)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り用特図図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA140にて準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA168の処理に移行する。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、大当り乱数値が小当
り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステッ
プA159)を行う。そして、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)に
は、小当り用特図図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、特図始動口
スイッチ共通処理のステップA140にて準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報
を取得して(ステップA162)、ステップA168の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、大当り乱数値がサポ
当り判定値と一致するか否かによりサポ当りであるか否かを判定するサポ当り判定処理(
ステップA163)を行う。そして、判定結果がサポ当りでない場合(ステップA164
;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA167)、ステップA168の
処理に移行する。
また、判定結果がサポ当りである場合(ステップA164;Y)には、サポ当り用特図
図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA165)、特図始動口スイッチ共通処理
のステップA140にて準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステ
ップA166)、ステップA168の処理に移行する。
なお、サポ当りは遊技状態が第1特定遊技状態ST41である場合にのみ導出可能であ
り、ここでは当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行される遊技状態を考慮して
判定を行う。
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを
準備し(ステップA168)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA169)。次に
、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理
(ステップA170)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設
定処理を行う(ステップA171)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号
及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備
して(ステップA172)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA173)、特図保
留情報判定処理を終了する。なお、ステップA170における特図情報設定処理、ステッ
プA171における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始
時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先
読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報
を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これ
により、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定
結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミング
より前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示され
る飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミン
グより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶と
して記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例え
ば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶
された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく
、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図4-19に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA305)。そして、特図1保留数が「0」である(ステップA305;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA309)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA309;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA310)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA311)、演出コマンド設定処理
(ステップA312)を行う。次いで、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定
して(ステップA313)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステ
ップA314)。そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA315)、大
入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA316
)、特図普段処理を終了する。すなわち、特図変動表示ゲームを開始可能な状態であるが
始動条件が成立しない場合に、待機情報をなす客待ちデモコマンドを演出制御装置300
に送信するようにしていることとなる。
一方、ステップA309にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA309;
Y)は、ステップA310~A312の処理を行わずに、ステップA313の処理へ移行
する。
また、ステップA301にて、特図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;
N)は、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA302
)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA303)を行い、特図2変動開始処理(
ステップA304)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA305にて、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA305;
N)は、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA306
)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA307)を行い、特図1変動開始処理(
ステップA308)を行って、特図普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA308)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図4-20(a)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA321)。次に、大当り乱数を判定して第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する処理や、第1特図変動表示ゲームがサポ当りであるか否かを判別するためのサポ当りフラグにはずれ情報やサポ当り情報を設定する処理を行う大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA
323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定す
る特図情報設定処理(ステップA324)を行う。パラメータとしては遊技状態、保留数
、停止図柄パターン番号及び残りの普電サポート回数などが用いられる。次に、第1特図
変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定さ
れたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325
)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変
動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の
情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)
、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA329)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特図1の変動開始に
関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブ
する(ステップA331)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブ
し(ステップA332)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器5
1の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA33
3)。次いで、特図1変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステ
ップA334)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA304)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図4-20(a)に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図4-20(b)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA341)。次に、大当り乱数を判定して第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する処理や、第2特図変動表示ゲームがサポ当りであるか否かを判別するためのサポ当りフラグにはずれ情報やサポ当り情報を設定する処理を行う大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA
343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定す
る特図情報設定処理(ステップA344)を行う。パラメータとしては遊技状態、保留数
、停止図柄パターン番号及び残りの普電サポート回数などが用いられる。次に、第2特図
変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定さ
れたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345
)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変
動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の
情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA348)
、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA349)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA350)、特図2の変動開始に
関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブ
する(ステップA351)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブ
し(ステップA352)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器5
2の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA35
3)。次いで、特図2変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステ
ップA354)、特図2変動開始処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づき特図変
動表示ゲームを実行する特図変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図変動表示ゲ
ーム実行制御手段は、第1始動記憶に基づき特図変動表示ゲームとして第1特図変動表示
ゲームを実行し、第2始動記憶に基づき特図変動表示ゲームとして第2特図変動表示ゲー
ムを実行することとなる。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図4-21に、本実施形態の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を示す。
この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステップA431)、大当りである場合(ステップA431;Y)は、特図1特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする(ステップA432)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(ステップA433)、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA434)。この処理により大当り種類が選択される。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップA435)、停止図柄
番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(ステッ
プA436)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停
止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に
対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステッ
プA437)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して時間短縮判定デー
タ領域にセーブし(ステップA438)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出
モード移行情報をセーブする(ステップA439)。これらの情報は、特別遊技状態の実
行態様、特別遊技状態の終了後の演出モード及び特別遊技状態の終了後の変動選択テーブ
ル群の移行に関する情報である変動パターンシナリオを設定するためのものである。そし
て、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA455)。
一方、大当り1フラグは大当りでない場合(ステップA431;N)は、小当りフラグ
1は小当りであるかを判定し(ステップA440)、小当りである場合(ステップA44
0;Y)は、特図1特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする
(ステップA441)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップA442)
、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域に
セーブする(ステップA443)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停
止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブし(ス
テップA444)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブして(ステ
ップA445)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA
455)。
また、小当りフラグ1は小当りでない場合(ステップA440;N)は、サポ当りフラ
グ1がサポ当りかを判定し(ステップA446)、サポ当りである場合(ステップA44
6;Y)は、特図1特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする
(ステップA447)。次に、特図1サポ当り図柄テーブルを設定し(ステップA448
)、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域
にセーブする(ステップA449)。この処理によりサポ当り種類が選択される。
その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域に
セーブし(ステップA450)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して
時間短縮判定データ領域にセーブし(ステップA451)、停止図柄パターンに対応する
演出モード移行情報をセーブして(ステップA452)、停止図柄パターンに対応する飾
り特図コマンドを準備する(ステップA455)。
また、サポ当りフラグ1はサポ当りでない場合(ステップA446;N)は、はずれ時
の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップA453)、はずれ停止
図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA454)、停止図柄パタ
ーンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA455)。以上の処理により、
特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
なお、サポ当りは遊技状態が第1特定遊技状態ST41である場合にのみ導出可能であ
るので、遊技状態が第1特定遊技状態ST41である場合にのみステップA446~A4
52の処理を行うようにしても良い。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA456)、
演出コマンド設定処理(ステップA457)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出
制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出
力データ領域にセーブして(ステップA458)、特図1特図図柄乱数格納領域(保留数
1用)を0クリアして(ステップA459)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図4-22に、本実施形態の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を示す。なお、特図2停止図柄設定処理は、特図1停止図柄設定処理と同じ処理を、特図2を対象として行うものである。
この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップA471)、大当りである場合(ステップA471;Y)は、特図2特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする(ステップA472)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定し(ステップA473)、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA474)。この処理により大当り種類が選択される。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップA475)、停止図柄
番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(ステッ
プA476)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停
止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に
対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステッ
プA477)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得して時間短縮判定デー
タ領域にセーブし(ステップA478)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出
モード移行情報をセーブする(ステップA479)。これらの情報は、特別遊技状態の実
行態様、特別遊技状態の終了後の演出モード及び特別遊技状態の終了後の変動選択テーブ
ル群の移行に関する情報である変動パターンシナリオを設定するためのものである。そし
て、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA495)。
一方、大当りフラグ2は大当りでない場合(ステップA471;N)は、小当りフラグ
2は小当りであるかを判定し(ステップA480)、小当りである場合(ステップA48
0;Y)は、特図2特図図柄乱数格納領域(保留数1用)から特図図柄乱数をロードする
(ステップA481)。次に、特図2小当り図柄テーブルを設定し(ステップA482)
、ロードした特図図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄番号領域に
セーブする(ステップA483)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停
止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブし(ス
テップA484)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブして(ステ
ップA485)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA
495)。
また、小当りフラグ2は小当りでない場合(ステップA480;N)は、はずれ時の停
止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(ステップA493)、はずれ停止図柄
パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA494)、停止図柄パターン
に対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA495)。以上の処理により、特図
変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA496)、
演出コマンド設定処理(ステップA497)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出
制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出
力データ領域にセーブして(ステップA498)、特図2特図図柄乱数格納領域(保留数
1用)を0クリアして(ステップA499)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
このように各結果の停止図柄の設定を行う際に、結果にかかわらず共通の特図図柄乱数
を用いることで必要な乱数の種類を少なくでき、遊技機の仕様やプログラムの簡素化を図
ることができて、制御の負担を軽減することができる。
〔特図変動中処理〕
図4-23に、本実施形態の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA10)を示す。
この特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグに対応する図柄停止コマンドを準
備して(ステップA601)、演出コマンド設定処理(ステップA602)を行う。次い
で、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA603)、設定した表
示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA604)。すなわち、遊技
制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止表示時間を設定する停
止表示時間設定手段をなす。
次に、普電サポート中であるかを判定し(ステップA605)、普電サポート中でない
場合(ステップA605;N)はステップA612に移行する。また、普電サポート中で
ある場合(ステップA605;Y)は、時間短縮変動回数1領域の時間短縮変動回数1を
-1更新し(ステップA609)、時間短縮変動回数1が0になったかを判定する(ステ
ップA610)。
時間短縮変動回数1が0である場合(ステップA610;Y)は、普電サポートを終了
するための時短終了設定処理を行い(ステップA611)、ステップA612に移行する
。また、時間短縮変動回数1が0でない場合(ステップA610;N)は、ステップA6
12に移行する。
すなわち、時間短縮変動回数1が0となった場合に普電サポートを終了するようになっ
ている。なお、特図1変動表示ゲームの実行回数と、特図2変動表示ゲームの実行回数と
、特図1変動表示ゲームと特図1変動表示ゲームを合計した実行回数と、をそれぞれ計数
し、いずれかが規定回数に到達することで普電サポートを終了するようにしても良い。
演出モード情報チェック処理(ステップA612)を行った後、残保留消化状態が終了
したかを判定する(ステップA613)。ここでの残保留消化状態が終了したとは、残保
留消化状態ST5の終了条件が成立した場合の他、特定遊技状態ST4の終了の際に残保
留が存在しなかった場合も含む。
残保留消化状態が終了していない場合(ステップA613;N)は、ステップA616
に移行する。また、残保留消化状態が終了した場合(ステップA613;Y)は、結果が
はずれであるかを判定する(ステップA614)。
結果がはずれでない場合(ステップA614;N)は、ステップA616に移行する。
結果がはずれである場合(ステップA614;Y)は、時短終了に関する信号(例えば、
大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA615)、ス
テップA616に移行する。
ステップA616では、処理番号として特図表示中処理にかかる「2」を設定し(ステ
ップA616)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA61
7)。さらに、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF
)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA618)、特図2の変動終了に関す
る信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし
て(ステップA619)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る
図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば、256m秒)をセーブす
る(ステップA620)。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制
御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フ
ラグ領域にセーブし(ステップA621)、特図2表示器52における特図2変動表示ゲ
ームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変
動制御フラグ領域にセーブして(ステップA622)、特図変動中処理を終了する。
〔時短終了設定処理〕
図4-24に、特図変動中処理における時短終了設定処理(ステップA611)を示す。この時短終了設定処理では、まず、時短の終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF、普通図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、普通電動役物1開放延長状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA632)。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA633)、普
図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&時短なしフラグをセーブして(ステップA63
4)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステッ
プA635)。
そして、時間短縮変動回数1領域をクリアする(ステップA636)。
その後、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1及び2をOFF)を試
験信号出力データ領域にセーブし(ステップA638)、右打ち中の表示LED(例えば
、第1遊技状態表示部56a)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態
中の番号をセーブして(ステップA639)、通常ベース状態判定領域に通常ベース状態
情報をセーブして(ステップA640)、時短終了設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
図4-25及び図4-26に、本実施形態の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)を示す。
この特図表示中処理では、まず、大当りフラグ1設定処理にて設定されたサポ当りフラ
グ1と、大当りフラグ2設定処理にて設定されたサポ当りフラグ2と、をロードして(ス
テップA701)、RWMのサポ当りフラグ1領域及びサポ当りフラグ2領域をクリアす
る(ステップA702)。
次いで、大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグ1と、大当りフラグ2設
定処理にて設定された小当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの
小当りフラグ1領域及び小当りフラグ2領域をクリアする(ステップA704)。
次いで、大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、大当りフラグ2設
定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA705)、RWMの
大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする(ステップA706)。そして
、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA707)、大当りであ
る場合(ステップA707;Y)は、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)
の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中
信号をON、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし
て(ステップA710)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA711)。
一方、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA707;N)は、ロードされた
大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA708)、大当りである場合(ステッ
プA708;Y)は、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する
試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をON、特
別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA
709)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA711)。
次いで、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「1
0」又は「3」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA7
12)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、R
WMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA713)。
次に、RWMの飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ス
テップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。その後、普図変
動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状
態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド
設定処理(ステップA717)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて
設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコ
マンドを準備して(ステップA718)、演出コマンド設定処理(ステップA719)を
行う。このファンファーレコマンドが特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信
される特別遊技状態開始情報をなす。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果
となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステ
ップA720)。本実施形態の場合、ステップA720において、大入賞口開放情報と確
率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それ
ぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号
は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはO
N、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1
)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。
また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである
場合にはOFFとなる。なお、本実施形態の遊技機では、全て出玉のある大当りである。
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結
果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間を設定して(ステップA721
)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステ
ップA722)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図
ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA723)。これにより特別結果が
発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶し
た情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(
ステップA724)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラ
グ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA725)。その後、ファンファ
ーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設
定処理1(ステップA726)を行い、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御
装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別
結果となることに基づき、特別変動入賞装置38を開状態に変換する特別遊技状態を発生
する特別遊技状態発生手段をなす。
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA708;N)は、特図変動表示
ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA727)。本実施形態の
遊技機では、特図確率は常に一定であるので常に高確率状態でないと判定し(ステップA
727;N)、天井到達済みフラグがあるかを判定する(ステップA728)。
天井到達済みフラグがある場合(ステップA728;Y)は、天井に到達することに基
づく普電サポートの開始に関する処理を行わず、ステップA732に移行する。天井到達
済みフラグは、天井に到達することに基づきセットされ、大当りの発生に基づきクリアさ
れるようになっている。これにより、天井に到達することに基づき普電サポートが開始さ
れた場合には、大当りを経過した後でなければ新たな天井への到達に基づく普電サポート
が開始されないようにすることができる。
天井到達済みフラグがない場合(ステップA728;N)は、天井カウンタ領域の値を
+1更新し(ステップA729)、天井に到達したかを判定する(ステップA730)。
天井に到達していない場合(ステップA730;N)は、ステップA732に移行する。
また、天井に到達した場合(ステップA730;Y)は、天井時短発動フラグ及び天井到
達済みフラグをセットし(ステップA731)、ステップA732に移行する。
ステップA732では、ロードされた小当りフラグ2が小当りかを判定して(ステップ
A732)、小当りである場合(ステップA732;Y)は、第2特図変動表示ゲームの
小当り(特図2小当り)の開始に関する試験信号(例えば、特別図柄2小当り信号をON
)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA735)、ステップA7
36に移行する。
また、小当りフラグ2が小当りでない場合(ステップA732;N)は、ロードされた
小当りフラグ1が小当りかを判定して(ステップA733)、小当りである場合(ステッ
プA733;Y)は、第1特図変動表示ゲームの小当り(特図1小当り)の開始に関する
試験信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域に
セーブして(ステップA734)、ステップA736に移行する。
次いで、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA
736)。本実施形態の遊技機では、特図確率は常に一定であるので常に高確率状態でな
いと判定し(ステップA736;N)、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロ
ードし、準備して(ステップA737)、演出コマンド設定処理(ステップA738)を
行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA739)、演出コマ
ンド設定処理(ステップA740)を行って、ステップA741の処理に移行する。この
小当りファンファーレコマンドも特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信され
る特別遊技状態開始情報をなす。
そして、普電サポート中であるかを判定し(ステップA741)、普電サポート中でな
い場合(ステップA741;N)は、小当りファンファーレ中処理に移行するための小当
りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップA746)を行って、特図表示中処理を
終了する。
また、普電サポート中である場合(ステップA741;Y)は、普電サポートの終了条
件が成立したかを判定する(ステップA743)。本実施形態の遊技機では特図2変動表
示ゲームで小当りが導出されることが終了条件となっている。
普電サポートの終了条件が成立していない場合(ステップA743;N)は、ステップ
A746の処理を行って特図表示中処理を終了する。また、普電サポートの終了条件が成
立した場合(ステップA743;Y)は、普電サポートを終了するための時短終了設定処
理を行い(ステップA744)、時短終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセー
ブして(ステップA745)、ステップA746の処理を行って特図表示中処理を終了す
る。
一方、小当りフラグ1が小当りでない場合(ステップA733;N)は、天井時短発動
フラグがあるかを判定する(ステップA751)。天井時短発動フラグがある場合(ステ
ップA751;Y)は、天井時短回数の初期値を時間短縮変動回数領域1にセーブし(ス
テップA752)、サポ作動設定処理(ステップA756)に移行する。
ここでは、時間短縮変動回数領域1に特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの
実行回数の合計に基づく終了条件として250をセーブする。
また、天井時短発動フラグがない場合(ステップA751;N)は、ロードされたサポ
当りフラグ1がサポ当りかを判定する(ステップA754)。サポ当りでない場合(ステ
ップA754;N)は、特図普段処理に移行するための特図普段処理移行設定処理(ステ
ップA757)を行って、特図表示中処理を終了する。
一方、サポ当りフラグ1がサポ当りである場合(ステップA754;Y)は、時間短縮
判定データに対応する初期値を時間短縮変動回数領域1にセーブし(ステップA755)
、サポ作動設定処理(ステップA756)に移行する。
ここでは、時間短縮変動回数領域1に特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの
実行回数の合計に基づく終了条件として250をセーブする。
サポ作動設定処理(ステップA756)を行った後、特図普段処理に移行するための特
図普段処理移行設定処理(ステップA757)を行って、特図表示中処理を終了する。
なお、サポ当りは遊技状態が第1特定遊技状態ST41である場合にのみ導出可能であ
るので、遊技状態が第1特定遊技状態ST41である場合にのみステップA754~A7
56の処理を行うようにしても良い。
また、大当りフラグ1設定処理(ステップA322)において、遊技状態が第1特定遊
技状態ST41である場合にのみサポ当りの判定を行うようにしても良いし、大当りフラ
グ1設定処理(ステップA322)においては遊技状態を考慮せずにサポ当りの判定を行
い、特図表示中処理において遊技状態が第1特定遊技状態ST41である場合にのみサポ
当りに基づく普電サポートの設定処理を行うようにしても良い。
以上の処理では、天井へ到達したか否かの判定は特図変動表示ゲームの終了時に行って
おり(ステップA727~A731)、サポ当りの当選と天井への到達が同一の特図変動
表示ゲームで発生した場合には、天井への到達に基づく特定遊技状態ST4の終了条件を
設定するようにしている(ステップA751~A756)。
天井への到達とサポ当りの当選が同一の特図変動表示ゲームで発生することは稀であり
、特図変動表示ゲームの開始時において常にこれをチェックすることは制御の無駄となる
。そこで、本実施形態のようにすることで、このような無駄な処理が不要となり、特図変
動表示ゲームの開始時における制御を簡単なものとすることができる。
なお、サポ当りや天井への到達に基づいてそれぞれ特定の変動パターンや結果態様を設
定するようにした場合、サポ当りの当選と天井への到達が同一の特図変動表示ゲームで発
生した場合には、当該特図変動表示ゲームでは開始時にサポ当りに基づく変動パターンや
結果態様が選択されるが、特図変動表示ゲームの終了時に付与される特定遊技状態ST4
の終了条件はサポ当りに基づく終了条件ではなく天井への到達に基づく終了条件とされる

変動パターンや結果態様としてはサポ当りに対応したものが選択されるのに対し、付与
される特定遊技状態ST4の終了条件は天井への到達に基づく終了条件となるという矛盾
が生じるが、特定遊技状態ST4に移行することに変わりはないため遊技者が不満に思う
ことはない。
特図変動表示ゲームの開始時における制御に余裕がある場合には、特図変動表示ゲーム
の開始時に天井への到達とサポ当りの当選が同一の特図変動表示ゲームで発生するかを判
定するようにしても良い。天井への到達とサポ当りの当選が同一の特図変動表示ゲームで
発生する場合には、特図変動表示ゲームの変動パターンや結果態様をはずれ結果に対応し
たものや天井への到達に対応したものとすることで矛盾が生じないようにすることができ
る。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
図4-27に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA726)を示す。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA791)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA792)。
次に、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大
当り+小当りで出力)、大当り4信号をON(大当りで出力))を外部情報出力データ領
域にセーブし(ステップA793)、高確率&時短の終了に関する信号(例えば、特別図
柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間
短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状
態信号をOFF、普通図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、普通電動役物1開放延長状
態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA794)。その後
、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステ
ップA795)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(ステップA79
6)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステッ
プA797)。
そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA798)、高確率状態の表示
に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(例えば、第3遊技状態表示部56c)を
消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA799)、特図ゲーム
モードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA800)。次
に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信
コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA801)、時短状態
で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための時間短縮変動回数1領域をクリ
アする(ステップA802)。これにより普電サポート及び時短状態が終了する。さらに
、天井カウンタ領域をクリアし(ステップA804)、天井時短発動フラグ領域をクリア
して(ステップA805)、天井到達済みフラグ領域をクリアする(ステップA806)
その後、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップA807)、
演出残り回転数領域をクリアして(ステップA808)、次モード移行情報領域に更新な
しコードをセーブする(ステップA809)。そして、右打ち指示に関する信号(例えば
、発射位置指定信号1及び2をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA
810)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部56a)を点灯させるた
め、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA811)、
ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。
〔サポ作動処理〕
図4-28に、上述の特図表示中処理におけるサポ作動処理(ステップA756)を示す。
このサポ作動設定処理では、まず、時短の開始に関する信号(例えば、大当り2信号及び大当り3信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA821)。次に時短信号制御タイマ領域にタイマ初期値をセーブする(ステップA822)。ここではタイマ初期値として128msをセーブする。これにより、時短の開始に関する信号のうち、大当り3信号に関しては短い時間だけ出力されるようになる。
次いで、時短の開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、
特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON、普通図柄1
変動時間短縮状態信号をON、普通電動役物1開放延長状態信号をON)を試験信号出力
データ領域にセーブする(ステップA823)。
さらに、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(ステップA824)、普
図ゲートモードフラグ領域に普図高確率&時短ありフラグをセーブして(ステップA82
5)、確率状態フラグを維持して時短ありにするために、特図ゲームモードフラグ領域に
特図時短ありフラグを合成する(ステップA826)。
次いで、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1及び2をON)を試験
信号出力データ領域にセーブし(ステップA827)、右打ち中の表示LED(例えば、
第1遊技状態表示部56a)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中
の番号をセーブする(ステップA828)。そして、演出モード情報アドレステーブルを
設定して(ステップA829)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード
移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA830)。演出モード移
行情報に基づき対応するテーブルのアドレスを取得することで、変動選択テーブル群の移
行に関する情報である変動パターンシナリオも取得される。
次に、遊技制御装置100での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として
、まず、サポ当りとなった特図変動表示ゲームの終了後に設定される演出モードの演出モ
ード番号を取得し、演出モード番号領域にセーブする(ステップA831)。さらに、サ
ポ当りとなった特図変動表示ゲームの終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を
取得し、演出残り回転数領域にセーブして(ステップA832)、サポ当りとなった特図
変動表示ゲームの終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得し、次モード
移行情報領域にセーブする(ステップA833)。ここでセーブされた情報に基づき、サ
ポ当りとなった特図変動表示ゲームの終了後から所定回数の特図変動表示ゲームを実行す
ることに基づき演出モードや変動選択テーブル群が移行するようになる。
その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA834)、
コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA835)、演出コマン
ド設定処理(ステップA836)を行う。次いで、新しく設定された演出残り回転数に対
応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA837)、演出コマンド設定処理(ス
テップA838)を行い、時間短縮変動回数に対応する時間短縮変動回数コマンドを準備
して(ステップA839)、演出コマンド設定処理(ステップA840)を行う。
そして、時間短縮判定データ領域をクリアし(ステップA841)、演出モード移行情
報領域をクリアして(ステップA842)、サポ作動設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
図4-29に、本実施形態の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)を示す。
この大当り終了処理では、まず、時短なし大当りであるかを判定する(ステップA90
0)。時短なし大当りとは第1特別遊技状態ST2の終了後に通常遊技状態ST1に移行
する大当りであり、3R小当りCに基づく大当りが該当する。
時短なし大当りである場合(ステップA900;Y)は、ステップA916に移行する
。また、時短なし大当りでない場合(ステップA900;N)は、時短の開始に関する信
号(例えば、大当り2信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA
901)。時短の開始に関する信号は、大当り中から出力されているので継続する形で外
部情報出力データ領域にセーブされる。次いで、低確率&時短の開始に関する信号(例え
ば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、
普通図柄1高確率状態信号をON、普通図柄1変動時間短縮状態信号をON、普通電動役
物1開放延長状態信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA90
2)。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(ステップA903)、普
図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&時短ありフラグをセーブして(ステップA90
4)、特図ゲームモードフラグ領域に特図時短ありフラグをセーブする(ステップA90
5)。その後、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値をセーブする(ステップ
A906)。ここでは、時間短縮変動回数1領域に終了条件に応じた初期値をセーブする
。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、普電サポート状態及び時短状態となる。ま
た、時短変動回数領域に時短変動回数初期値をセットすることで、所定回数の特図変動表
示ゲームの実行により普電サポート状態及び時短状態が終了するようになる。すなわち、
遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間にわたり、普通
変動入賞装置37を入賞容易な状態とする特定遊技状態(時短状態、普電サポート状態)
を発生可能な特定遊技状態発生制御手段をなす。
その後、確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA9
10)、演出コマンド設定処理(ステップA911)を行う。ここで、確率情報コマンド
として、「時短あり」、「時短なし」の何れかに、更に演出モードの情報が含まれた複数
のコマンドがある。次いで、時間短縮変動回数1に対応する時間短縮変動回数コマンドを
準備して(ステップA914)、演出コマンド設定処理(ステップA915)を行う。
次いで、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA918)、処
理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA917)。
その後、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF、大当り3信号を
OFF、大当り4信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA9
18)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をOFF、役物連続作
動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号をOFF
)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA919)。続いて、確率変動判定
データ領域の情報をクリアし(ステップA920)、大当りのラウンド回数を示すラウン
ドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(ステップA921)、演出モード移行情報
領域の情報をクリアする(ステップA922)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領
域の情報をクリアし(ステップA923)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視
期間中フラグをセーブして(ステップA924)、大当り終了処理を終了する。
〔特定領域スイッチ監視処理〕
図4-30に、特図ゲーム処理における特定領域スイッチ監視処理(ステップA3)を示す。この特定領域スイッチ監視処理では、まず、小当り中であるかを判定する(ステップA41)。ここでの小当り中とは、小当り中処理及び小当り残存球処理を行っている期間である。この小当り中でない場合(ステップA41;N)は、特定領域スイッチ監視処理を終了する。すなわち、特定領域スイッチ38dは、小当り中処理及び小当り残存球処理を行っている期間でのみ有効とされる。また、小当り中である場合(ステップA41;Y)は、条件装置が作動中であるかを判定する(ステップA42)。
条件装置が作動中である場合(ステップA42;Y)は、特定領域スイッチ監視処理を
終了する。また、条件装置が作動中でない場合(ステップA42;N)は、特定領域スイ
ッチに入力があるかを判定する(ステップA43)。そして、特定領域スイッチに入力が
ない場合(ステップA43;N)は、特定領域スイッチ監視処理を終了する。また、特定
領域スイッチに入力がある場合(ステップA43;Y)は、特定領域スイッチでの検出を
有効なものとして扱う検出有効期間であるかを判定する(ステップA44)。検出有効期
間でない場合(ステップA44;N)は、特定領域スイッチ監視処理を終了する。また、
検出有効期間である場合(ステップA44;Y)は、特定領域通過フラグをセットし(ス
テップA45)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。後にこの特定領域通過フラグが
あることに基づき第1特別遊技状態を発生させる処理が行われるようになる。
〔小当り残存球処理〕
図4-31に、特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA18)に示す処理を示す。この小当り残存球処理では、まず、残存球エラーの発生中であるかを判定する(ステップA861)。残存球エラーの発生中である場合(ステップA861;Y)は、ステップA863に移行する。また、残存球エラーの発生中でない場合(ステップA861;N)は、残存球カウンタが0であるかを判定する(ステップA862)。残存球カウンタが0でない場合(ステップA862;N)は、小当り残存球処理を終了する。また、残存球カウンタが0である場合(ステップA862;Y)は、ステップA863以降の小当りを終了するための処理を行う。
すなわち、特別変動入賞装置38内の残存球が全て排出されてから小当りを終了するた
めの処理を行うようにしている。ただし、最後に遊技球が特別変動入賞装置38に流入し
てから所定時間以上経っても排出が確認できない状態である残存球エラー中の場合は、排
出に必要な時間が十分経過したものとして小当りを終了するための処理に移行するように
している。もちろん残存球エラー中の場合は小当りを終了するための処理に移行しないよ
うにしても良い。よって、ステップA861の処理は行わないようにしても良い。
小当りを終了するための処理では、まず、特定領域通過があったかを判定する(ステッ
プA863)。特定領域38hに遊技球が流入して通過した場合は、特定領域スイッチ3
8dにより検出されて特定領域通過フラグがセットされる。ここではこの特定領域通過フ
ラグの有無により特定領域通過があったかを判定する。特定領域通過があった場合(ステ
ップA863;Y)は、ステップA870に移行して特別遊技状態を発生させる処理を行
う。また、特定領域通過がない場合(ステップA863;N)は、ステップA864に移
行して第2特別遊技状態を終了して特図変動表示ゲームを実行可能とするための処理を行
う。
ステップA864以降の第2特別遊技状態を終了して特図変動表示ゲームを実行可能と
するための処理では、処理番号として小当り終了処理にかかる10を設定し(ステップA
864)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA865)。次に
、小当りエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA866)
、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(ステップA
867)。そして、大入賞口カウント数領域をクリアし(ステップA868)、小当り中
制御ポインタ領域をクリアして(ステップA869)、小当り残存球処理を終了する。
一方、特定領域通過があり(ステップA863;Y)、ステップA870以降の第1特
別遊技状態を発生させる処理を行う場合は、飾り特図コマンド領域からコマンドをロード
して準備し(ステップA870)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA871)。
次に、V大当りファンファーレコマンドを準備して(ステップA872)、演出コマンド
設定処理を行う(ステップA873)。
その後、大当り(V大当り)の開始に関する信号外部情報出力データ領域にセーブし(
ステップA874)、大当り(V大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作
動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)を試
験信号出力データ領域にセーブする(ステップA875)。
そして、遊技状態表示番号領域に大当り中の番号をセーブし(ステップA876)、ラ
ウンド数上限値テーブルを設定して(ステップA877)、ラウンド数上限値情報に対応
するラウンド数上限値(5又は10)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ス
テップA878)。さらに、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを
取得してラウンドLEDポインタ領域にセーブし(ステップA879)、ラウンド数領域
に初期値(ここでは1)をセーブする(ステップA880)。ラウンド数の上限値として
は5又は10ラウンドが設定されるが、小当り動作が1ラウンド目に相当するので、ラウ
ンド数初期値として1を設定することで特別遊技状態では4ラウンド分又は9ラウンド分
の開放が行われるようにしている。
その後、処理番号としてファンファーレ/インターバル処理にかかる3を設定し(ステ
ップA881)、特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA882)。さらに、
V大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA883
)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA884)を行って、
ステップA868に移行する。
〔小当り終了処理〕
図4-32に、本実施形態の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA19)を示す。
この小当り終了処理では、まず、第2特定遊技状態ST42であるサポートC中である
かを判定する(ステップA930)。サポートC中である場合(ステップA930;Y)
は、ステップA937に移行する。サポートC中でない場合(ステップA930;N)は
、普図当り状態中であるかを判定する(ステップA931)。普図当り状態中でない場合
(ステップA931;N)は、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1及
び2をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA932)、右打ち中の
表示LED(例えば、第1遊技状態表示部56a)を消灯させるため、遊技状態表示番号
2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA933)、ステップA937に移
行する。
一方、普図当り状態中である場合(ステップA931;Y)は、開放パターンがパター
ンH1であるかを判定する(ステップA934)。開放パターンがパターンH1でない場
合(ステップA934;N)は、ステップA937に移行する。また、開放パターンがパ
ターンH1である場合(ステップA934;Y)は、発射位置指定信号2のOFFを試験
信号出力データ領域にセーブし(ステップA935)、ステップA937に移行する。
次に、天井時短発動フラグがあるかを判定する(ステップA937)。天井時短発動フ
ラグがない場合(ステップA937;N)は、ステップA940に移行する。また、天井
時短発動フラグがある場合(ステップA937;Y)は、天井時短回数の初期値を時間短
縮変動回数1領域にセーブする(ステップA938)。ここでは時間短縮変動回数1領域
に時間短縮変動回数1として250を設定する。
そして、サポ作動設定処理を行い(ステップA939)、ステップA940に移行する
その後、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA940)、処
理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA941)。
さらに、小当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF)を外部情報出力
データ領域にセーブして(ステップA942)、小当りの終了に関する信号(例えば、特
別図柄1小当り信号をOFF、特別図柄2小当り信号をOFF)を試験信号出力データ領
域にセーブする(ステップA943)。
続いて、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA944)、演出モード移行情
報領域をクリアして(ステップA945)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視
期間中フラグをセーブして(ステップA946)、小当り終了処理を終了する。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マ
イコン(CPU)311では、図4-33に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
〔メイン処理〕
図4-33に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理として
ループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアす
る(ステップC8)。次いで、演出ボタン25や十字キー29の操作に基づく入力信号(
立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う
。演出ボタン25や十字キー29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、こ
の演出ボタン入力処理では演出ボタン25や十字キー29からの入力があった時に、演出
内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLED
や液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う
(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を
更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェッ
ク処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編
集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定
する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を
行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/3
0秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画
像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施
形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/6
0秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイ
ミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り
替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切
り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した
場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステ
ップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)に
は、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する
制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や表示板350を含む
枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置
44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、演出
を制御する盤演出設定処理(ステップC20)を行って、WDTをクリアする処理(ステ
ップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図4-34には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204
)、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コ
マンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。
このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、
受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマン
ド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中
に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)
を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位
でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定し
た場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド
受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、
コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステッ
プC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分の
コマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信
数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、
ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと
判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。こ
のように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信した
コマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存でき
る構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図4-35には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でない
と判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップ
C234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC2
34;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(
ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する
(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドであ
る。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235
;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理
を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定す
る(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファ
ーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作
(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MO
DEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大
当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合
(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定す
る(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の
停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマ
ンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(
ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系
コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄
コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立する
コマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄
停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどが
ある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC24
1;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処
理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判
定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると
判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC2
44)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した
場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否
かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲で
あると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステッ
プC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、
MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)
には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するため
に必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出
ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表
示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンにな
るか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始
動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演
出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド
)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知ら
せるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信さ
れる。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、特図変動表示ゲー
ムの開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
次に、遊技の演出等について説明する。
図4-36には通常遊技状態ST1における演出の一例を示した。なお、他の遊技状態においても基本的には同様の表示内容とされるが、遊技状態によっては一部の表示内容について表示しないようにすることも可能である。また、通常遊技状態ST1であることや他の各遊技状態であることは、表示内容によって遊技者が判別できるようになっている。
図4-36(a)に示すように、表示装置41の表示領域の中央には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第1飾りゲームを表示する第1飾りゲーム表示部81が設けられる。第1飾りゲーム表示部81では、左変動表示領域81a、中変動表示領域81b、右変動表示領域81cの変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。
表示装置41の表示領域の右上部には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第2飾りゲー
ムを表示する第2飾りゲーム表示部82が設けられる。第2飾りゲーム表示部82に表示
される第2飾りゲームは、第1飾りゲーム表示部81に表示される第1飾りゲームと同様
に、左領域、中領域、右領域の各領域で識別情報を変動表示した後に停止して結果を表示
する。第2飾りゲーム表示部82には、第1飾りゲーム表示部81に表示される識別情報
(大図柄)よりも相対的に小さい識別情報(小図柄)が表示されるようになっている。
また、表示装置41の表示領域の右下部には、始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表
示を表示する待機中記憶表示部83が設けられる。
待機中記憶表示部83には、第1始動記憶や第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶
表示が表示される。通常遊技状態ST1では第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを
主として遊技が進行するため、待機中記憶表示部83には第1始動記憶に対応する飾り特
図始動記憶表示が表示される。
待機中記憶表示部83に表示される飾り特図始動記憶表示は、始動記憶と一対一に対応
し、左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された始動記憶に対応する飾り特図始動記
憶表示となるように記憶順に並んで表示され、消化される毎に左へ移行するようになって
いる。なお、待機中記憶表示部83に、特図1変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶
(第1始動記憶)に対応する飾り特図始動記憶表示と、特図2変動表示ゲームの実行権利
となる始動記憶(第2始動記憶)に対応する飾り特図始動記憶表示と、の双方を表示する
ようにしても良い。
さらに、待機中記憶表示部83では、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果や変
動パターンなどの先読み結果を、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示の表示態
様によって示唆することが可能である。
待機中記憶表示部83の左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記
憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。実行中記憶表示部84に
は、特図変動表示ゲームの開始時に待機中記憶表示部83の左端にある飾り特図始動記憶
表示が移行するようになっている。さらに、実行中記憶表示部84では、現在実行中の特
図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを、当該実行中記憶表示部84に表示される
実行中記憶表示の表示態様によって示唆することが可能である。
表示装置41の表示領域の左上部には、第1始動記憶数(特図1保留数)を表示する第
1始動記憶数表示部85aと、第2始動記憶数(特図2保留数)を表示する第2始動記憶
数表示部85bとが設けられる。
また、表示領域には、現在滞在しているステージに対応した背景画像90が表示される
。各遊技状態には少なくとも一つのステージがあり、複数のステージが含まれる遊技状態
も存在する。各ステージにはそれぞれに背景画像90及びBGMが対応付けられており、
遊技状態の移行に伴うステージの移行や、同一遊技状態におけるステージの移行に伴い対
応する背景画像90及びBGMに変更されるようになっている。ステージは演出態様の一
つをなすものであり、ステージの移行は演出態様が移行前の第1演出態様から移行後の第
2演出態様へ移行することに相当する。
図4-36(a)は、通常遊技状態ST1に複数あるステージのうち夜ステージに滞在している状態を示している。この状態では、背景画像90として通常遊技状態ST1における夜ステージに対応した夜の背景画像が表示されているとともに夜ステージに対応したBGMが出力されている。
この夜の背景画像のうち、月や星の画像は固定されて変化や動作をしない固定画像90aとなっており、飛行機の画像は連続的に動作する動的画像90bとなっており、惑星の画像は所定タイミングで色彩や形状を変化可能な可変画像90cとなっている。
新たな特図変動表示ゲームが開始されると、図4-36(b)に示すように待機中記憶表示部83の左端にある飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部84へ移行する演出が実行されるとともに、待機中記憶表示部83の左端以外にある飾り特図始動記憶表示が待機中記憶表示部83内において左へ移行する。さらに、第1始動記憶数表示部85aの数値が変化する。また、第1飾りゲーム表示部81及び第2飾りゲーム表示部82で識別情報の変動表示が開始される。また、背景画像90の動的表示90bは時間の経過とともに移動するようになっている。
ステージは所定のタイミングで移行することが可能となっており、演出態様の一つであるステージの移行を示唆する示唆演出を実行可能となっている。
図4-36(a)、(b)は、移行前のステージに滞在している状態であり、移行前の演出態様である第1演出態様となっている状態である。ここでは移行前のステージは夜ステージであって、夜ステージに対応した背景画像90が表示されている。この背景画像90は第1演出態様で表示される第1画像に相当する。
この状態から異なるステージである第2演出態様に移行することを示唆する示唆演出が開始されると、まず、図4-36(c)に示すように特定画像91をなすキャラクタが表示される。
ここでは特定画像91が可変画像90cの前側に表示され、可変画像90cの一部が隠
蔽されるようになっている。また、特定画像91は変動表示されている識別情報の後側に
重なるように表示されている。可変画像90cや識別情報は遊技者の注目を集めやすい表
示であり、これらの表示に重なるように特定画像91を表示することで特定画像91への
注目を集めることができる。
ステージの移行がない場合は、図4-36(c)に示すように特定画像91が表示された後、図4-36(d)に示すように特定画像91が徐々に消えて最終的には完全に消去され、示唆演出が終了する。すなわちこの場合はいわゆるガセの示唆演出となる。
また、ステージの移行がある場合は、図4-36(c)に示すように特定画像91が表示された後、図4-36(e)に示すように特定画像91をなすキャラクタが付加画像91aをなす筆を持って走らせる。図4-36(f)に示すように筆を走らせた部分では第1画像をなす夜の背景画像が消え、代替画像92が表示される。また、第1画像をなす背景画像90と代替画像92との境界部分90dはいずれの画像にも属さない画像が表示され、異なる画像であることが解るようにされている。
その後、図4-36(g)に示すように特定画像91が消去される。この際には特定画像91が一瞬で消えるように消去される。なお、特定画像91をなすキャラクタが画面外へ移動することで消去されるようにしても良い。
さらに、代替画像92が表示されていた領域に示唆画像93が表示される。ここでは示唆画像93として、第2演出態様として移行する可能性のあるステージに対応した背景画像90が表示されており、この画像は所定情報をなすものである。これにより、夜の背景画像が対応する夜ステージから昼の背景画像が対応する昼ステージへ移行することが示唆される。
すなわち、この場合が第1画像を表示し、特定画像91を表示し、第2演出態様への移行を示唆する示唆画像93を表示可能な第1示唆演出をなす。また、図4-36(c)から図4-36(d)の状態に移行する場合が第1画像を表示し、特定画像91を表示し、示唆画像93を表示せずに第1演出態様とすることが可能な第2示唆演出をなす。
特定画像91が表示されている状態では代替画像92を表示するようにしたことで、特
定画像91の動作に遊技者が注目するようになり、遊技の興趣を向上することができる。
また、特定画像91が消去された後に移行する可能性のあるステージを示唆する示唆画
像93が表示されるようにしたことで、遊技者が示唆画像92を明確に把握できるように
なり、遊技の興趣を向上することができる。
また、この例では代替画像92や示唆画像93が、変動表示されている識別情報や待機
中記憶表示部83、実行中記憶表示部84の後側に重なるように表示されている。識別情
報や待機中記憶表示部83、実行中記憶表示部84は遊技者の注目を集めやすい表示であ
り、これらの表示に重なるように代替画像92や示唆画像93を表示することで特定画像
91への注目を集めることができる。
そして、図4-36(h)に示すようにステージが移行して第2演出態様となる。ここでは昼ステージに移行しており、第1画像をなす夜ステージに対応した背景画像90に替えて昼ステージに対応した背景画像90である昼の背景画像が表示される。この背景画像90は第2演出態様で表示される第2画像に相当する。また、この例では示唆演出と第2演出態様では共通して昼の背景画像が表示されており、共通の所定情報が表示されていると言える。
図4-36(g)、(h)に示す昼の背景画像においては、雲や山の画像は固定されて変化や動作をしない固定画像90aとなっており、気球の画像は連続的に動作する動的画像90bとなっており、太陽の画像は所定タイミングで色彩や形状を変化可能な可変画像90cとなっている。
図4-37には、特定画像91の表示タイミング及びステージの移行タイミングを示した。
図4-37における上段のタイムチャートはステージの移行がある場合を示し、下段のタイムチャートはステージの移行がない場合を示した。
ステージの移行がある場合の図4-36(f)から(g)における特定画像91の消去開始から消去終了までの時間(t105~t106)は、ステージの移行がない場合の図4-36(c)から(d)における特定画像91の消去開始から消去終了までの時間(t103~t104)よりも短い時間となっている。
また、ステージの移行がある場合の図4-36(c)に示す特定画像91の表示開始から図4-36(g)に示す特定画像91の表示終了までの時間(t102~t106)は、ステージの移行がない場合の図4-36(c)に示す特定画像91の表示開始から図4-36(d)に示す特定画像91の表示終了までの時間(t102~t104)よりも長い時間となっている。
また、ステージの移行がある場合の図4-36(c)に示す特定画像91の表示開始から図4-36(h)に示す第2演出態様での第2画像の表示までの期間である第1期間(t102~t107)よりも、ステージの移行がない場合の図4-36(c)に示す特定画像91の表示開始から図4-36(d)に示すように特定画像91が消去されて図4-36(b)に示す状態に戻るまでの期間である第2期間(t102~t104)の方が短い期間となっている。
これにより、ステージの移行がない場合は示唆演出を早期に終了でき、遊技の興趣の低下を防止することができる。また、ステージの移行がない場合はステージの移行がある場合よりも表示領域における所定のオブジェクトを隠す期間が短くなり、遊技の興趣の低下を防止することができる。
本実施形態の遊技機では、図4-36に示すように所定のオブジェクトとして惑星の画像である可変画像90cが特定画像91により隠蔽されるようになっている。ここでは可変画像90cの一部を隠蔽するようにしたが全部を隠蔽するようにしても良い。可変画像90cは表示態様の変化により演出を行うことが可能であり、ステージの移行がない場合に可変画像90cが隠蔽される期間が短くなるようにすることで、遊技者にとって価値の低いステージ移行の演出よりも遊技者にとって価値の高い可変画像90cによる演出を優先することができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、所定のオブジェクトをなす可変画像90cにより第2演出態様への移行を示唆又
は報知するようにしても良い。
また、所定のオブジェクトは可変画像90cに限られるものではなく、第1飾りゲーム
表示部81の識別情報、第2飾りゲーム表示部の識別情報、待機中記憶表示部83、実行
中記憶表示部84、第1始動記憶数表示部85a、第2始動記憶数表示部85bなどであ
っても良い。
また、図4-36(c)~(g)の期間でも第1画像として表示されている夜ステージの背景画像90においては飛行機を模した動的表示90bの動作は継続して行われる。
さらに、ここでは示唆画像92と、第2演出態様で表示される第2画像をなす背景画像90と、を同じ昼ステージの背景画像90としており、図4-36(f)~(h)の期間において表示される示唆画像及び第2画像として表示されている昼ステージの背景画像90においても気球を模した動的表示90bの動作は継続して行われる。
夜ステージと昼ステージにはそれぞれ対応したBGMが存在している。第1演出態様である図4-36(a)、(b)では第1画像をなす夜ステージに対応した夜の背景画像が表示されており、第1音をなす夜ステージに対応したBGMが出力される。
また、示唆演出の実行中である図4-36(c)~(g)では、第1画像をなす夜ステージに対応した夜の背景画像が表示されているとともに、示唆画像92として第2画像及び所定情報をなす昼ステージに対応した昼の背景画像が表示されているが、第1画像をなす夜の背景画像に対応して第1音をなす夜ステージに対応したBGMが出力される。そして、第2演出態様である図4-36(h)では第2画像及び所定情報をなす昼の背景画像が表示されているので第2音をなす昼ステージに対応したBGMが出力される。
すなわち、示唆演出と第2演出態様では共通の所定情報をなす第2画像が表示されているが、示唆演出の実行中では所定情報や第2画像に対応したBGMは出力されず、第2演出態様では共通の所定情報や第2画像に対応したBGMが出力される。
以上のように、示唆演出において示唆画像92を表示することで、ステージの移行を示
唆可能であるとともに、遊技内容を把握している遊技者にとっては移行する可能性のある
ステージを早期に把握でき、遊技の興趣を向上することができる。
また、示唆演出では、ステージの移行があるか否かにかかわらず特定画像91を表示す
るようにしたので、特定画像91が表示された段階でステージの移行への期待を持たせる
ことができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、図4-38(a)に示すように、特定画像91の表示態様によりステージが移行するか否かを示唆するようにしても良い。ここでは特定画像91の色彩により示唆を行っているが、キャラクタの種類、形状、大きさ、表示位置などにより示唆を行うようにしても良い。例えば、特定画像91を第1飾りゲーム表示部81の左変動表示領域81a、中変動表示領域81b、右変動表示領域81cの全てに重なるような大きさで表示することも可能である。
また、図4-38(b)に示すように、付加画像91aの表示態様によりステージが移行するか否かを示唆するようにしても良い。ここでは付加画像91aとして筆とは異なる刷毛を示すことにより示唆を行っているが、付加画像91aの種類、形状、大きさ、表示位置、キャラクタによる動かし方などにより示唆を行うようにしても良い。
また、図4-38(c)に示すように、境界部分90dの表示態様によりステージが移行するか否かを示唆するようにしても良い。ここでは境界部分90dとして図4-36(g)とは異なる斜線の表示態様としているが、境界部分90dの幅、模様、色彩、模様や色彩等の変化態様などにより示唆を行うようにしても良い。例えば、境界部分90dの表示色を、移行を示唆するステージに対応した色彩とするようにしても良い。また、境界部分90dの表示態様に対応して盤装飾装置46や枠装飾装置18のLEDを発光させるようにしても良く、例えば境界部分90dの色彩と同一の色彩で発光するようにしても良い。
また、境界部分90dの延長線上に盤装飾装置46や枠装飾装置18のLEDが位置するようにし、境界部分90dの表示に応じて発光させるようにし、境界部分90dが表示装置41の領域外まで連続しているかのように見せるようにしても良い。
また、図4-38(d)に示すように、示唆画像93の表示態様によりステージが移行するか否かを示唆するようにしても良い。ここでは示唆画像93の大きさが図4-38(c)よりも小さい場合を示しているが、示唆画像93の形状、大きさ、位置などにより示唆を行うようにしても良い。また、代替画像92の形状、大きさ、位置などにより示唆を行うようにしても良い。
また、図4-38(e)に示すように、示唆画像93として第2画像をなす移行後の背景画像90ではなく、第2画像をなす移行後の背景画像90に関連した画像を表示するようにしても良い。ここでは昼ステージに対応した昼の背景画像に関連する太陽の画像が表示されている。この太陽の画像は、示唆画像93と、昼ステージに移行した場合における第2画像をなす昼の背景画像と、で共通に表示される所定情報をなす。
なお、図4-36(h)に示したように所定情報をなす太陽の画像が表示された状態では昼ステージに対応したBGMが出力されるが、示唆演出の実行中では所定情報の表示に対応した昼ステージのBGMは出力せず、第1画像をなす背景画像90の夜ステージに対応したBGMが優先して出力されるようにする。
また、示唆画像93は第2画像をなす移行後の背景画像90を縮小したものとし、ステ
ージが移行する際に示唆画像93から拡大して背景画像90となるようにしても良い。
また、示唆画像93がさらに別の示唆画像93に変化するようにしても良く、例えば、
第1の示唆画像93を表示した後に第2の示唆画像93に変化するようにしても良い。
また、図4-38(f)に示すように示唆画像93として第2画像には含まれていないが第2画像を連想させる又は第2画像を説明する画像を表示するようにしても良い。ここでは第2画像の昼ステージの背景画像90には含まれないが昼ステージを連想させる又は説明する「ひる」の文字が示唆画像93として表示されている。
また、図4-36(g)や図4-38(e)、(f)のように、示唆画像93により昼ステージへの移行を示唆した後に、図4-38(g)に示すように昼ステージではないステージに移行する場合があっても良い。ここでは雨ステージに移行して背景画像90が雨の背景画像に変化している。
また、図4-38(h)に示すように、昼ステージの背景画像90に関連した太陽の画像と、雨ステージの背景画像90に関連した雨の画像とを表示し、いずれかのステージに移行することを示唆するようにしても良い。
太陽の画像は、示唆画像93と、昼ステージに移行した場合における第2画像をなす昼
の背景画像と、で共通に表示される所定情報をなす。また、雨の画像は、示唆画像93と
、雨ステージに移行した場合における第2画像をなす雨の背景画像と、で共通に表示され
る所定情報をなす。
示唆演出の実行中では、これらの所定情報の表示に対応した昼ステージのBGM又は雨
ステージのBGMは出力されず、第1画像をなす背景画像90の夜ステージに対応したB
GMが優先して出力される。
また、図4-36(f)では特定画像91をなすキャラクタが付加画像91aをなす筆を走らせた部分において第1画像として表示されていた夜の背景画像が消え、代替画像92が表示されるとしたが、図4-39(a)に示すように特定画像91が表示されている期間でも代替画像92を表示せずに示唆画像93を表示するようにしても良い。
また、示唆演出において特定画像91を表示しないようにしても良い。
また、図4-36(f)の状態に移行した場合は必ずステージが移行するとしたが、途中で図4-36(b)の元の状態に戻りステージが移行しない場合があっても良い。
例えば、図4-36(e)~(g)のいずれかの状態から図4-36(b)の状態に戻りステージが移行しない場合があっても良い。この場合、図4-36(c)、(e)~(g)のいずれかの段階まで進行して図4-36(b)に戻ることとなるが、段階が進行しているほど図4-36(b)の状態に戻る可能性を低くし、示唆演出の段階が進行している方が第2演出態様に移行する可能性が高くなるようにしても良い。
また、示唆演出は上述したものに限られず、第1演出態様から第2演出態様となるか否かを示唆するものであれば良い。
また、示唆演出では、ステージが移行するか否かを示唆するとしたが、移行する可能性の高さを示唆するようにしても良い。例えば、第1示唆演出の方が第2示唆演出よりも第2演出態様となる可能性が高いことを示唆するようにしても良い。また、図4-38(a)~(d)のような異なる表示態様を複数種類備え、実行された表示態様によって第1演出態様から第2演出態様となる可能性の高さを示唆するようにしても良い。また、図4-38(e)、(f)、(h)において表示する示唆画像93として、一の演出態様に対応して複数種類の示唆画像93を備えるようにし、表示された示唆画像93によって第1演出態様から第2演出態様となる可能性の高さを示唆するようにしても良い。
また、第1示唆演出では、第1画像を表示した状態で特定画像91を表示した後に示唆
画像93を表示するようにしたが、表示順はこれに限られるものではなく、示唆演出の期
間内で第1画像と、特定画像91と、示唆画像93が表示されるものであれば良い。
また、第2示唆演出では、第1画像を表示した状態で特定画像91を表示するようにし
たが、表示順はこれに限られるものではなく、示唆演出の期間内で第1画像と、特定画像
91が表示されるものであれば良い。
また、図4-36(d)のようにステージの移行を行わない場合に特定画像91が消去される際には、図4-36(c)の状態から図4-39(b)に示すようにキャラクタが悔しがる画像を表示して消去するようにしても良い。また、図4-36(g)のようにステージの移行を行う場合に特定画像91が消去される際には、図4-36(f)の状態から図4-39(c)に示すようにキャラクタが喜ぶ画像を表示してから消去するようにしても良い。また、図4-39(b)、(c)のいずれか一方の消去態様を実行し、他方は図4-36に示した消去態様とするようにしても良い。このような消去態様を用いることでも特定画像91の表示を終了する際の態様を異ならせることができる。
また、ステージの移行がある場合に実行するいわゆるガセの示唆演出については、示唆
するステージの種類によって行う場合と行わない場合があっても良い。例えば、特別結果
となる可能性がより高いステージへの移行を示唆する場合にはガセの示唆演出を実行可能
とし、特別結果となる可能性について示唆しないステージ又は特別結果となる可能性が同
程度のステージへの移行を示唆する場合にはガセの示唆演出を実行しないようにしても良
い。
また、ステージの移行は定期的に行うものであっても良いし、不定期に行うものであっ
ても良い。そして、不定期に移行するステージへの移行を示唆する場合と、定期的に移行
するステージへの移行を示唆する場合と、で一方の場合はガセの示唆演出を実行可能とし
、他方の場合はガセの示唆演出を実行しないようにしても良い。例えば、不定期に移行す
るステージへの移行を示唆する場合にはガセの示唆演出を実行可能とし、定期的に移行す
るステージへの移行を示唆する場合にはガセの示唆演出を実行しないようにしても良い。
また、不定期に移行するステージへの移行を示唆する場合と、定期的に移行するステー
ジへの移行を示唆する場合と、で一方の場合は示唆演出を実行可能とし、他方の場合は示
唆演出を実行しないようにしても良い。例えば、示唆演出は不定期に移行するステージへ
の移行を示唆する場合にのみ実行可能とし、定期的に移行するステージへの移行の際には
実行しないようにしても良い。
また、複数のステージについて、ステージの移行の順序は決まっていても良いし、順序
が決まっていなくても良いし、両方の場合を含むようにしても良い。決まった順序で移行
するステージ移行と、順序が決まっていないステージ移行と、について、一方のステージ
移行では示唆演出を行い、他方のステージ移行では示唆演出を行わないようにしても良い
。例えば、決まった順序で移行するステージ移行については移行先のステージが分ってい
るので示唆演出を行わなくても良い。そして、順序が決まっていないステージ移行につい
ては示唆演出により移行先のステージを示唆するようにしても良い。
また、示唆演出を実行している期間においては待機中記憶表示部83の飾り特図始動記
憶表示や実行中記憶表示部84の実行中記憶表示の表示態様を変化させないようにしても
良い。また、示唆演出を実行している期間においては、待機中記憶表示部83や実行中記
憶表示部84を非表示とするようにしても良い。
また、第1画像と第2画像は、待機中記憶表示部83の飾り特図始動記憶表示や実行中
記憶表示部84の実行中記憶表示と重ならないように表示しても良いし、待機中記憶表示
部83の飾り特図始動記憶表示や実行中記憶表示部84の実行中記憶表示と重なる場合に
は、待機中記憶表示部83の飾り特図始動記憶表示や実行中記憶表示部84の実行中記憶
表示よりも後方に表示されるようにしても良い。
また、第1演出態様の第1画像、第2演出態様の第2画像や所定画像、示唆演出での示
唆画像93や所定画像をステージに対応した背景画像90としたが、これに限られるもの
ではなく、表示領域の一部に表示される画像としても良い。さらに、第1演出態様の第1
画像と特定画像91は前後に重ならないように表示しても良い。
また、第1画像と第2画像はいずれも背景画像90として同じ大きさの画像としたが、
大きさが異なるようにしても良い。例えば、第1画像よりも第2画像の方が大きい画像と
して演出態様の移行を分かりやすくするようにしても良い。
また、第1画像の表示に対応して出力可能な第1音や、第2画像や所定情報の表示に対
応して出力可能な第2音をBGMとしたが、これ以外の音声であっても良い。例えば、B
GMに重ねて出力される特定の音や効果音を第1音又は第2音としても良いし、キャラク
タが発するセリフの音声を第1音又は第2音としても良い。
図4-40、図4-41には、上述のステージの移行を示唆する示唆演出と同様の演出により、リーチ状態の発展を示唆する場合を示した。上述の例では演出態様の一つであるステージの移行を示唆するものとしたが、ここでは演出態様の一つであるリーチ状態の移行を示唆するようにしている。
図4-40(a)に示すように変動表示を行っている状態から、図4-40(b)に示すように左変動表示領域81aと右変動表示領域81cで同じ識別情報が仮停止して第1演出態様をなすノーマルリーチとなっている。ノーマルリーチでは、第1画像として現在のステージに対応した背景画像90が表示されるとともに、現在のステージに対応したBGMが第1音として出力される。もちろんノーマルリーチ用の第1画像や第1音を設定するようにしても良い。
そして、図4-40(c)に示すように示唆演出が開始される。この示唆演出は、演出態様が第1演出態様であるノーマルリーチから第2演出態様であるSPリーチに移行することを示唆するものである。
この示唆演出では、まず図4-40(c)に示すように特定画像91をなすキャラクタが表示される。ここでは特定画像91が可変画像90cの前側に表示され、可変画像90cの一部が隠蔽されるようになっている。
SPリーチに発展しない場合は、図4-40(c)に示すように特定画像91が表示された後、図4-40(d)に示すように特定画像91が徐々に消えて最終的には完全に消去され、示唆演出が終了する。この場合は所定時間後に図4-40(e)に示すように中変動表示領域81bが停止して結果態様が停止表示される。ここでははずれの結果が停止表示されているが大当りの結果が停止表示される場合もある。
また、SPリーチに発展する可能性がある場合は、図4-40(c)に示すように特定画像91が表示された後、図4-40(f)に示すように特定画像91をなすキャラクタが付加画像91aをなす筆を持って走らせる。図4-41(a)に示すように筆を走らせた部分において第1画像として表示されていた夜の背景画像が消え、代替画像92が表示される。
その後、図4-41(b)に示すように特定画像91が消去されるとともに、移行する可能性のあるSPリーチを示唆する示唆画像92が表示される。ここでの示唆画像92は、移行する可能性のあるSPリーチに対応した背景画像90である海の背景画像となっている。これにより、ノーマルリーチからSPリーチへ発展することが示唆されるとともに、発展する可能性のあるSPリーチの種類も示唆される。
示唆演出の実行中も第1演出態様であるノーマルリーチの背景画像90が表示されてい
るので、当該背景画像90に対応した第1音のBGMが出力される。また、図4-4(b)では所定情報をなす示唆画像93において第2演出態様に対応する第2画像をなす背景画像90も表示されているが、ノーマルリーチの背景画像90に対応した第1音のBGMが出力される。
そして、図4-41(c)に示すように示唆画像93が消去されて示唆演出が終了して第1画像のみが表示される状態となり、所定時間後に図4-41(d)に示すように第2演出態様をなすSPリーチに発展する。ここでは第1画像をなすノーマルリーチに対応した背景画像90に替えて第2画像として第2演出態様であるSPリーチに対応する背景画像90をなす海の背景画像が表示されている。また、このSPリーチに対応したBGMが第2音として出力される。
図4-41(d)に示す海の背景画像においては、雲や海の画像は固定されて変化や動作をしない固定画像90aとなっており、船の画像は連続的に動作する動的画像90bとなっており、太陽の画像は所定タイミングで色彩や形状を変化可能な可変画像90cとなっている。
なお、図4-41(c)の状態から図4-40(e)の状態となりノーマルリーチのまま結果態様が表示される場合があっても良い。また、図4-41(b)の状態から図4-41(c)の状態を経ずに図4-41(d)の状態に移行するようにしても良い。
結果が大当りの場合は、図4-41(e)に示すように大当りの結果態様が停止表示され、その後に特別遊技状態に移行する。また、結果がはずれの場合は、図4-41(f)に示すようにはずれの結果態様が停止表示された後、図4-41(g)に示すようにSPリーチに対応した背景画像90から滞在しているステージに対応した背景画像90に戻る。
また、図4-40(a)~(f)、図4-41(a)~(c)、(g)にわたる期間でも第1画像として表示されている夜ステージの背景画像90においては飛行機を模した動的表示90bの動作は継続して行われる。
さらに、ここでは示唆画像92を第2画像の背景画像90と同じものを用いており、図4-41(b)において表示される示唆画像及び図4-41(d)~(f)において第2画像として表示されている海ステージの背景画像90でも船を模した動的表示90bの動作は継続して行われる。よって、図4-41(b)で示された状態から図4-41(c)に示すように一旦表示を終了して図4-41(d)に示すように再び表示される間において、連続的な変化が継続するようになっており、動的表示90bは図4-41(b)に示す位置から図4-41(d)に示す位置に移動した状態となる。
図4-42には、上述のステージの移行を示唆する示唆演出と同様の演出により、リーチ状態の発展を示唆する場合の別例を示した。
図4-42(a)~(e)までは図4-36(c)~(g)と同様であり、図4-42(e)では移行する可能性のあるSPリーチを示唆する示唆画像92が表示される。そして、図4-42(f)に示すように示唆画像93が消去されて示唆演出が終了して第1画像のみが表示される状態となり、所定時間後に図4-42(g)に示すようにノーマルリーチとなる。その後、図4-42(h)に示すように第2画像が表示されるSPリーチに発展する。
この場合、リーチ状態となる前の演出態様が第1演出態様をなし、SPリーチである演
出態様が第2演出態様をなし、示唆演出により第1演出態様から第2演出態様になること
を示唆していると言える。
また、SPリーチになる場合にはノーマルリーチを経るので、リーチ状態となる前の演
出態様が第1演出態様をなし、ノーマルリーチである演出態様が第2演出態様をなすとも
言える。
また、リーチ状態となる前の演出態様は第1演出態様と第2演出態様のいずれでもない
ものであり、ノーマルリーチである演出態様が第1演出態様をなし、SPリーチである演
出態様が第2演出態様をなし、示唆演出は第1演出態様となる前に第1演出態様となるこ
と及び第2演出態様に移行することを示唆しているとも言える。
なお、以上の説明では演出態様としてステージとリーチ状態を挙げたが、これ以外の演
出であってもよく、第1演出態様から第2演出態様に移行するものであればどのようなも
のでも良い。
例えば、通常遊技状態ST1、第1特別遊技状態ST2、第2特別遊技状態ST3、特
定遊技状態ST4、残保留消化状態ST5のうちの一つを第1演出態様とするとともに他
の遊技状態を第2演出態様とし、遊技状態の移行に関する示唆演出を行うようにしても良
い。
また、特図変動表示ゲームの実行中に限られず、遊技機で発生したエラーを報知するエ
ラー報知中や、特図変動表示ゲームが実行されておらず始動記憶もない客待ち状態中への
移行やこれらの状態から他の状態への移行に関する示唆演出を行うようにしても良いし、
エラー報知中や客待ち状態中における第1演出態様から第2演出態様への移行を示唆する
示唆演出を行うようにしても良い。
また、左打ちの遊技状態と右打ちの遊技状態について一方を第1演出態様とし他方を第
2演出態様とし、発射方向の移行に関する示唆演出を行うようにしても良い。
また、第1特別遊技状態ST2や第2特別遊技状態ST3において、当初報知した状態
よりも遊技者にとって有利な状態であること又は有利な状態に移行することを示唆するい
わゆる昇格演出として上記の示唆演出を行うようにしても良い。この場合は第1演出態様
から遊技者にとって有利な第2演出態様に移行することを示唆することとなる。
また、表示領域の一部に第2画像を表示せずに第1画像を表示する状態を第1演出態様
とし、表示領域の一部に第1画像を表示せずに第2画像を表示する状態を第2演出態様と
し、第1画像を表示する状態から第2画像を表示する状態に移行する示唆演出を行うよう
にしても良い。
また、上述の例では同一の特図変動表示ゲームにおける第1演出態様から第2演出態様
への移行を例に挙げたが、複数の特図変動表示ゲームにわたる期間で第1演出態様から第
2演出態様に移行することを示唆するようにしても良い。例えば、第1演出態様から複数
ゲーム実行した後に第2演出態様に移行することを示唆するようにしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結
果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技に関する演出を
表示手段(表示装置41)に表示可能に制御する演出制御手段(演出制御装置300)を
備え、演出制御手段は、表示手段に第1画像を表示する第1演出態様から、表示手段に第
1画像を表示せずに第2画像を表示する第2演出態様となるか否かを示唆する示唆演出を
実行可能であり、示唆演出には、第1画像を表示し、特定画像91を表示し、第2演出態
様への移行を示唆する示唆画像93を表示可能な第1示唆演出と、第1画像を表示し、特
定画像91を表示し、示唆画像93を表示せずに第1演出態様とすることが可能な第2示
唆演出と、があり、第1示唆演出の方が、第2示唆演出よりも第2演出態様に移行する可
能性が高いとともに実行期間が長いことを示唆するようにしたこととなる。
したがって、第2演出態様に移行しない場合も示唆演出が実行されるので、演出のバリ
エーション増えて遊技の興趣を向上することができる。また、示唆画像93を表示するこ
とで、演出態様が移行することだけでなく移行する演出態様の種類についても示唆するこ
とが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。特に、遊技機の演出内容を把握し
ている遊技者は示唆画像93により移行する演出態様を早く把握することができ、遊技の
興趣を向上することができる。また、特定画像91を表示した後に示唆画像93を表示す
るので、遊技者が示唆画像93を見逃すことを防止できる。また、第1示唆演出の方が、
第2示唆演出よりも第2演出態様に移行する可能性が高いとともに実行期間が長くなるよ
うにしたことで、演出態様の移行がない場合には示唆演出を早く終わらせることができ、
意味のない演出が長引かないようにすることで遊技の興趣の低下を防止することができる
また、第1示唆演出の実行に対応した特定画像91の表示から第2演出態様に移行する
までの期間は、第2示唆演出の実行に対応した特定画像91を表示する期間よりも長くし
たこととなる。
したがって、演出態様の移行がない場合には示唆演出を早く終わらせることができ、意
味のない演出が長引かないようにすることで遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった
場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技に関する演出を表示手段(
表示装置41)に表示可能に制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出
制御手段は、表示手段に所定のオブジェクト(可変画像90c)を表示可能であり、表示
手段に第1画像を表示する第1演出態様から、表示手段に第1画像を表示せずに第2画像
を表示する第2演出態様となるか否かを示唆するために、所定のオブジェクトの一部又は
全部の隠蔽を伴う示唆演出を実行可能であり、示唆演出では、第2演出態様へ移行しない
場合と、第2演出態様へ移行する場合と、で所定のオブジェクトを隠蔽する期間が異なる
こととなる。
したがって、第2演出態様に移行するか否かにより所定のオブジェクトを隠蔽する期間
が異なるので、演出のバリエーション増えて遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、示唆演出において、第2演出態様へ移行しない場合の方が、第
2演出態様へ移行する場合よりも所定のオブジェクトを隠蔽する期間を短くするようにし
たこととなる。
したがって、演出態様の移行がない場合には所定のオブジェクトを隠蔽する期間を早く
終わらせることができて所定のオブジェクトによる演出を早期に再開でき、遊技の興趣の
低下を防止することができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった
場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技に関する演出を表示手段(
表示装置41)に表示可能に制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、音声を出
力可能なスピーカ19a、19bと、を備え、演出制御手段は、第1画像の表示に対応し
て第1音を出力可能であり、所定情報の表示に対応して第2音を出力可能であり、所定情
報を表示せずに第1画像を表示する第1演出態様と、第1画像及び所定情報を表示する示
唆演出と、第1画像を表示せずに所定情報を表示する第2演出態様と、へ移行可能であり
、示唆演出では、第2音を出力せずに第1音を出力可能とするようにしたこととなる。
したがって、示唆演出の実行中は第1音の出力により第1演出態様が維持されている印
象を遊技者に与え、示唆演出の終了まで移行に対する期待感を維持することができ、遊技
の興趣を向上することができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった
場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技に関する演出を表示手段(
表示装置41)に表示可能に制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出
制御手段は、表示手段に第1画像を表示する第1演出態様から、表示手段に第1画像を表
示せずに第2画像を表示する第2演出態様となるか否かを示唆するために、特定画像91
の表示を伴う示唆演出を実行可能であり、示唆演出では、第2演出態様へ移行しない場合
と、第2演出態様へ移行する場合と、で特定画像91を表示する期間が異なることとなる

したがって、第2演出態様に移行するか否かにより特定画像91を表示する期間が異な
るので、演出のバリエーション増えて遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、示唆演出において、第2演出態様へ移行しない場合の方が、第
2演出態様へ移行する場合よりも特定画像91を表示する期間を短くするようにしたこと
となる。
したがって、演出態様の移行がない場合には特定画像91を表示する期間を早く終わら
せることができて、意味のない演出が長引かないようにすることで遊技の興趣の低下を防
止することができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった
場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技に関する演出を表示手段(
表示装置41)に表示可能に制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出
制御手段は、表示手段に第1画像を表示する第1演出態様から、表示手段に第1画像を表
示せずに第2画像を表示する第2演出態様となるか否かを示唆するために、特定画像91
の表示を伴う示唆演出を実行可能であり、示唆演出では、第2演出態様へ移行しない場合
と、第2演出態様へ移行する場合と、で特定画像91の表示を終了する際の態様が異なる
ようにしたこととなる。
したがって、第2演出態様に移行するか否かにより特定画像91の表示を終了する際の
態様が異なるので、演出のバリエーション増えて遊技の興趣を向上することができる。
〔第1変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、
上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分につ
いては同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊
技機は、示唆演出の実行態様が異なる。
図4-43(a)に示すように変動表示が行われている状態から、図4-43(b)に示すように特定画像91が表示される。この示唆演出では、ステージの移行があるか否かにかかわらず、図4-43(c)に示すように特定画像91をなすキャラクタが付加画像91aをなす筆を持ち、図4-43(d)に示すように筆を走らせた部分において第1画像として表示されていた夜の背景画像が消え、代替画像92が表示される。
ステージの移行がない場合は、図4-43(e)に示すように特定画像91、代替画像92及び境界部分90dの画像が徐々に消えて最終的には完全に消去される。
一方、ステージの移行がある場合は、図4-43(f)に示すように特定画像91が消去される。この際には特定画像91が一瞬で消えるように消去される。なお、特定画像91をなすキャラクタが画面外へ移動することで消去されるようにしても良い。
さらに、代替画像92が表示されていた領域に示唆画像93が表示され、図4-43(g)に示すようにステージが移行して、第1画像をなす夜ステージに対応した背景画像90に替えて第2画像をなす昼ステージに対応した背景画像90である昼の背景画像が表示される。
図4-44には、特定画像91の表示タイミング及びステージの移行タイミングを示した。
図4-44における上段のタイムチャートはステージの移行がある場合を示し、下段のタイムチャートはステージの移行がない場合を示した。
この示唆演出では、ステージの移行がある場合の図4-43(b)に示す特定画像91の表示開始から図4-43(f)に示す特定画像91の消去終了までの時間(t112~t114)は、ステージの移行がない場合の図4-43(b)に示す特定画像91の表示開始から図4-43(e)に示す特定画像91の消去終了までの時間(t112~t116)よりも短い時間となっている。
このようにステージの移行がある場合の方が特定画像91の表示期間が短くなるように
したことで、特定画像91の表示の後に行われる示唆画像93の表示を早く行うことがで
きて示唆演出の段階を早く進めることができるので、遊技者の期待感が途切れることなく
持続するようになって遊技の興趣を向上することができる。
また、ステージの移行がない場合の方が特定画像91の表示期間が長くなるようにした
ことで、演出に余韻を持たせることができて遊技者の落胆感を和らげることができ、遊技
の興趣の低下を防止することができる。また、ステージの移行がないことを遊技者が確認
する期間を与えることができ、演出の内容を理解しやすくすることができる。
また、ステージの移行がある場合の図4-43(d)、(f)における特定画像91の消去開始から消去終了までの時間(t113~t114)は、ステージの移行がない場合の図4ー43(d)、(e)における特定画像91の消去開始から消去終了までの時間(t115~t116)よりも短い時間となっている。
すなわち、所定のオブジェクトをなす惑星の画像である可変画像90cが特定画像91により隠蔽される時間は、ステージの移行がある場合の方がステージの移行がない場合よりも短い時間とされる。
よって、ステージの移行がある場合には、示唆画像93の表示に加えて可変画像90cの表示も早いタイミングで再開され、複数の演出が複合するようになって演出態様の移行を効果的に演出することができて非常に興趣の高い状態とすることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、ステージの移行がある場合の図4-43(b)に示す特定画像91の表示開始から図4-43(g)に示す第2演出態様での第2画像の表示までの期間である第1期間(t112~t117)よりも、ステージの移行がない場合の図4-43(b)に示す特定画像91の表示開始から図4-43(e)に示すように特定画像91が消去されて図4-43(a)に示す状態に戻るまでの期間である第2期間(t112~t116)の方が短い期間となっている。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結
果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技に関する演出を
表示手段(表示装置41)に表示可能に制御する演出制御手段(演出制御装置300)を
備え、演出制御手段は、表示手段に所定のオブジェクト(可変画像90c)を表示可能で
あり、表示手段に第1画像を表示する第1演出態様から、表示手段に第1画像を表示せず
に第2画像を表示する第2演出態様となるか否かを示唆するために、所定のオブジェクト
の一部又は全部の隠蔽を伴う示唆演出を実行可能であり、示唆演出において、第2演出態
様へ移行する場合の方が、第2演出態様へ移行しない場合よりも所定のオブジェクトを隠
蔽する期間を短くするようにしたこととなる。
したがって、演出態様の移行がある場合には所定のオブジェクトによる演出を早期に再
開できて演出態様の移行を効果的に演出することができ、遊技の興趣を向上することがで
きる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった
場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技に関する演出を表示手段(
表示装置41)に表示可能に制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出
制御手段は、表示手段に第1画像を表示する第1演出態様から、表示手段に第1画像を表
示せずに第2画像を表示する第2演出態様となるか否かを示唆するために、特定画像91
の表示を伴う示唆演出を実行可能であり、示唆演出において、第2演出態様へ移行する場
合の方が、第2演出態様へ移行しない場合よりも特定画像91を表示する期間を短くする
ようにしたこととなる。
したがって、演出態様の移行がある場合は示唆演出の段階を早く進めることができるの
で、遊技者の期待感が途切れることなく持続するようになって遊技の興趣を向上すること
ができる。また、演出態様の移行がない場合には演出の余韻を持たせて遊技者の落胆感を
和らげることができ、遊技の興趣の低下を防止することができる。また、演出態様の移行
がないことを遊技者が確認する期間を与えることができ、演出の内容を理解しやすくする
ことができる。
<第5実施形態>
図5-1から図5-101を参照して、第5実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第4実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1の実施形態から第4実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用いる。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図5-1は、遊技機を説明する図である。
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジ16を介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15(前枠ユニット)によって構成されている。また、開閉枠は、その左端側がヒンジに取り付けられる軸着端側になっており、その右端側が回動によって開放される開放端側になっている。なお、枠11と前面枠12は、外枠ユニット17を構成する。
前面枠12には、遊技盤30(図5-2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図5-2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。なお、カバーガラス14は、透明部材の一例として示すものであり、カバーガラス14の代わりにプラスチック製のカバーを使用してよい。ガラス枠15は、透明部材を保持する透明部材保持枠として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図5-3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されてい
る。
ガラス枠15の上部中央及び右側部と左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a,18b,18cが配設されている。装飾装置18a,18b,18cは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う演出装置である。これら装飾装置18a,18b,18cの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図5-4参照)の一部を構成している。
装飾装置18aは、ガラス枠15(あるいは開閉枠)の上部で、遊技機10の左右方向
に延設されるとともに、斜め上の前方に向かって突出するトップユニットである。装飾装
置18aは、機種名などの種々の表示を有する略平坦な前面部456を有する。装飾装置
18aは、本実施形態では固定され動作しないが、遊技者への圧迫感を低減するように、
引っ込んだ初期位置(通常位置)から必要な場合のみ前方に突出動作したり、上下方向に
移動動作してもよい。
装飾装置18bは、ガラス枠15の右側で上下方向に延設されるとともに、前方に向か
って突出する突出演出ユニット(前枠発光ユニット)である。装飾装置18cは、ガラス
枠15の左側で、上下方向に延設されるとともに、前方に向かって突出する突出演出ユニ
ット(前枠発光ユニット)である。装飾装置18b,18cは、遊技機10の中央側(内
側)へ遊技者に向けて光を照射するとともに、複数の開口から遊技機10の外側に光が漏
れる。
ガラス枠15の右上角部分及び左上角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設され
る。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが
設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の左下角部分及び前面枠12の右下
角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警
報音、報知音等を発するものである。なお、左右の上スピーカ19aは、各々、右側と左
側のスピーカ飾り部材13で覆われている。
ガラス枠15の下部には、遊技球(遊技媒体)を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニ
ット20が取り付けられている。上皿21は、上部で開口した箱状に形成されている。上
皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置に供給される。
上皿ユニット20は、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者から
の入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置2
2と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン25、十字キースイッチ28、及び、音量調整用ボタンス
イッチ27e,27fを含む操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニット
20の上部中央とその左側に設けられている。演出ボタン25は、操作パネル26に包囲
されるように、操作パネル26の開口内に配置される。操作パネル26は、表面への金属
メッキや全体を金属製にすることなどによって光を反射可能であり、例えばシルバー(銀
色)の金属光沢を有する。演出ボタン25が発光すると、周囲の操作パネル26で演出ボ
タン25からの光が反射され、演出ボタン25の発光演出が効果的になる。
演出ボタン25は、内蔵されている演出ボタンスイッチ25aと、表面に設けられてい
るタッチパネル25bを含んでよい。
音量調整用ボタンスイッチ27e,27fは、上皿ユニット20の操作パネル26の上
部左側に設けられ、上スピーカ19aや下スピーカ19bの音量を増減(+-)して調整
する。十字キースイッチ28(十字キーSW)は、上皿ユニット20の操作パネル26の
上部左側で音量調整用ボタンスイッチ27e,27fに隣接して設けられ、例えば、演出
用LEDの輝度を調整する。十字キースイッチ28は、方向キースイッチとも呼ばれてよ
く、前後左右などに配置された複数(例えば4つ)のスイッチからなる一般的なものでよ
い。例えば、客待ち中及び/又は遊技中(ゲーム中)などの所定の状態で、音量調整用ボ
タンスイッチ27e,27fが押下げ操作されてスピーカ19a,19bの音量が調整可
能であってよく、十字キースイッチ28の前又は後のスイッチが押下げ操作されて演出用
LED等の光量(明るさ、輝度)が調整可能であってよい。なお、音量調整用ボタンスイ
ッチ27e,27fを設けずに、十字キースイッチ28の左又は右のスイッチが押下げ操
作されてスピーカ19a,19bの音量が調整可能であってよい。
遊技者が演出操作装置(特に演出ボタン25)を操作することによって、表示装置41(図5-2参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作す
ることによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊
技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別
な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別
結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(
特別遊技状態)、小当り遊技状態(小当り状態)である。このように遊技機10は、特別
結果の発生確率が異なる遊技状態を複数備え、遊技制御装置100(遊技状態選択手段、
設定手段)は、当該複数の遊技状態の中から一の遊技状態を選択(設定)して現在の遊技
状態とすることができる。
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ルー
プタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ
、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等が
ある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが
発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニ
ット20の操作パネル26の上部右側に設けられている。球貸操作装置は、残高表示部2
7cと、球貸ボタン27aと、返却ボタン27bと、を備えている。残高表示部27cは
、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。球貸ボタン27aは遊技球を
借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン27bは遊技機10に隣接する
ように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合
に遊技者が操作するボタンである。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニット20に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図5-4参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット20等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部
には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯
留可能な下皿23等を備える下皿ユニット29とが設けられている。下皿ユニット29と
上皿ユニット20は、形状的に適合しており上下方向に重ねて並べて配置される。上皿ユ
ニット20の上皿操作部27dを操作することによって、上皿21の遊技球は下皿23へ
と流下させることができる。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に
配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は
上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から
発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くな
るように設定されている。すなわち、球発射装置は、遊技領域32に遊技球を発射する勢
(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発
射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側
において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球
を流下させる右打ちが含まれる。
下皿ユニット29の下皿23は、上皿ユニット20に対して所定の間隔をあけて、上皿
ユニット20の下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫
通する球抜き穴と、球抜き穴を開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技
者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴を開くことによって、下皿23に貯留されて
いた遊技球を球抜き穴を通じて外部に排出することができる。
また、前面枠12の裏側には、各種装置に電力を供給する電源装置400、島設備に設
置された補給装置(図示省略)から補給される遊技球を貯留する上部タンク448、上部
タンク448から流下してきた遊技球を上皿21に払い出す払出装置(払出ユニット)な
どが配置される。
〔遊技盤〕
続いて、図5-2を参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図5-2は、遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。
図5-2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンター
ケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部
の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)
としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを
備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能と
なるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず
、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変
動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される
。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エ
ンディング表示等)が表示される。
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40
の内側に導くためのワープ通路40eへの流入口40aと、ワープ通路40eを通過した
遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステー
ジ部40bは、始動入賞口36の上方に配置されているため、ステージ部40b上で転動
した遊技球は始動入賞口36に入賞しやすくなっている。
センターケース40の上部及び右側部には、それぞれ上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dが設けられる。上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dは、盤装飾装置46(図5-4参照)及び盤演出装置44(図5-4参照)の一部を構成している。
センターケース40の右側方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図5-3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32にも一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a~35n(図5-3参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与
する始動入賞口(始動口1、第1始動入賞領域)36が設けられる。センターケース40
の右側の遊技領域32において、普図始動ゲート34の下方には第2始動入賞口(始動口
2、第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37(普通電動役物、普電)が設けら
れる。普通変動入賞装置37は、前方へ回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換
する可動部材(可動片)37bを備える。可動部材37bが閉状態である場合には遊技球
が普通変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が始動入賞口36又は
普通変動入賞装置37に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行さ
れる。なお、始動入賞口36には、左打ち時に遊技球が入賞し易くなり、普通変動入賞装
置37には、右打ち時に遊技球が入賞し易くなる。
可動部材37bは、いわゆるベロ型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図5-3参照)を介して動作して開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。可動部材37bは、開状態(入賞容易状態)でなければ、遊技球が普通変動入賞装置37に流入し難い閉状態(入賞非容易状態、入賞困難状態)となる。なお、本実施形態において、始動入賞口36は、普通変動入賞装置37と異なり、可動部材(開閉部材)を有さず、常時、開放状態(開状態)であるが、可動部材(開閉部材)を有する構成も可能である。
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御
装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確
率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、特別な遊
技を行わない通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長く
したりすることで、前述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させ
る。なお、確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポー
ト状態)が発生する。
始動入賞口36の右方の遊技領域32には、下大入賞口ソレノイド38b(図5-3参照)によって前方から奥側に引っ込むことで大入賞口を開放する下大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉38cを有する第1特別変動入賞装置38(特別電動役物)が設けられている。第1特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な遊技状態)に変換し、下大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(例えば、賞球や大当り終了後の時短回数/確変回数)を付与するようになっている。なお、下大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として下大入賞口スイッチ38a(カウントスイッチ)が配設されている。なお、第1特別変動入賞装置38には、右打ち時に遊技球が入賞し易くなる。
普通変動入賞装置37の上方の遊技領域32には、上大入賞口ソレノイド39b(図5-3参照)によって上端側が右側に倒れる方向に回動することで上大入賞口を開放する開閉扉39cを有する第2特別変動入賞装置39が設けられている。第2特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(例えば、賞球や大当り終了後の時短回数/確変回数)を付与するようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として上大入賞口スイッチ39a(カウントスイッチ)(図5-3参照)が配設されている。なお、第2特別変動入賞装置39には、右打ち時に遊技球が入賞し易くなる。
第2特別変動入賞装置39の内部には、特定領域72(いわゆるV入賞口)が設けられ
ている。小当りによって開閉扉39cが開放された後に特定領域72(V入賞口)に遊技
球が入球した場合に大当りが確定する。特定領域72は、小当り中にのみ、長時間開放さ
れるなどして遊技球が容易に通過できるようにしてよい。なお、遊技制御装置100は、
特定領域72への遊技球の通過(V入賞)をセンサ(後述の特定領域スイッチ72a)等
を介して検知でき、V入賞を検知すると小当り終了後に大当り状態に移行することを確定
するとともに、後述の演出制御装置300にV入賞があったことを示す情報(特定領域通
過コマンド等)を送信する。そして、演出制御装置300は、V入賞を表示装置41など
において報知できる。
すなわち、本実施形態では、遊技機10は、いわゆる1種2種混合機(1+2種機)で
ある。本実施形態では、小当りで第2特別変動入賞装置39が開放されることによって、
第2特別変動入賞装置39内の特定領域72(V入賞口)に遊技球がV入賞して、大当り
が発生する。
一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置38,39の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図5-3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。また、下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。また、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置38,39やその近傍には、遊技球が入賞した場合などに発光可能なLED(後述の盤装飾装置46の一部)が配設されている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲ
ーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行す
る一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、LEDランプ(発光部、発
光部材)から構成されて現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51~60を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表
示ゲーム用の第1特図変動表示部51(特図1表示器、ランプD1)及び第2特図変動表
示部52(特図2表示器、ランプD2)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53(普
図表示器、ランプD8,D10,D18)と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報
知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56
)と、を有している。特図1保留表示器54はランプD11,D12により構成される。
特図2保留表示器55は、ランプD13,D14により構成される。普図保留表示器56
は、ランプD15,D16により構成される。
また、一括表示装置50には、右打ち時(右打ちすべき時)又は左打ち時(通常打ち時
)であることを報知する第1遊技状態表示部57(第1遊技状態表示器、ランプD7)、
時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58(第2遊
技状態表示器、ランプD17)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状
態となっていることを表示する第3遊技状態表示部59(第3遊技状態表示器、確率状態
表示部、ランプD9)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38,39の開閉回数
)を表示するラウンド表示部60(ランプD3~D6)が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52において、変動表示ゲームは、識別情報(例えば
、中央のセグメント)の点灯消灯(点滅)を繰り返す変動表示によって実行される。なお
、特図1表示器51、特図2表示器52は、このようなセグメント型の表示部に限らず、
複数のLEDの集合体により構成されていてもよいし、変動表示を実行する場合に、表示
器として設けられるすべてのLEDにより全点灯全消灯(全LEDの同時点滅)や、循環
点灯(何れか1のLEDから所定時間毎に所定の順序で点灯し、消灯する)、または複数
のLEDのうちの所定数のLEDによる点灯消灯(点滅)や循環点灯によって行ってもよ
い。普図表示器53においても、変動表示ゲームは、ランプD10,D18の点灯消灯を
繰り返す変動表示(点滅)によって実行される。また、普図表示器53も特図1表示器5
1、特図2表示器52と同様に適宜構成することが可能である。
ランプ表示装置75は、図柄(後述の第四特別図柄、第4図柄)として点灯表示と消灯
表示を繰り返す変動表示(点滅)を実行するランプ表示部1,2(LED)と、各特図変
動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用のランプ表示部3~6(LED)を有する。な
お、ランプ表示装置75は、演出制御装置300(後述)で制御される。
ランプ表示部1,2は、変動表示として所定の点滅周期(例えば200msec(ミリ
秒))で点滅する。すなわち、ランプ表示部1,2の消灯と点灯の切り替えは、点滅周期
の2分の1(例えば、100msec)の期間で行われる。一括表示装置50の特図1表
示器51、特図2表示器52、普図表示器53における変動表示の変動時間が遊技制御装
置100で計測されるのに対して、ランプ表示装置75のランプ表示部1,2の変動時間
は演出制御装置300(後述)で計測される。
ランプ表示部3,4(特図1保留LED1、特図1保留LED2)は、消灯状態、点灯
状態、点滅状態の組合せによって、特図1保留数(第1始動記憶数)を表示する。同様に
、ランプ表示部5,6(特図2保留LED1、特図2保留LED2)は、消灯状態、点灯
状態、点滅状態の組合せによって、特図2保留数(第2始動記憶数)を表示する。ランプ
表示部3~6は、大当り発生により保留数の表示を終了するが、大当り状態中以外の場合
(表示装置41で後述のリーチが発生している場合も含む)では、保留数の表示を行う。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの
詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出され
ることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置さ
れた障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲー
ト34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装
置38,39に入賞又は入球するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30b
へ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普
通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置38,39に遊技球が入賞すると、入賞した
入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図5-3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われて
おり当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当り
となって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲ
ート34を通過すると、普図始動記憶数(普図保留数)が上限数未満ならば当該記憶数が
加算(+1)される。
普図始動記憶(普図保留)には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り
判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該
普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるよ
うになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当り
を示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示する
ことで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は
消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄(普図)が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド37c(図5-3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば3秒間×2回)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の始動入賞口36への入賞及び普通変動入賞装置37への入賞は、始動口1スイッチ36a(図5-3参照)及び始動口2スイッチ37a(図5-3参照)によって検出される。始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各
変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記
憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分
)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報
知用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置4
1の表示画面にも表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶(特図1始動記
憶、特図1保留)に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。ま
た、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞若しくは第2始動記憶(特図
2始動記憶、特図2保留)に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行
する。
特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特
図変動表示ゲーム)は、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別
図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。
また、表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例え
ば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行
される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特
別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の
順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止
させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では
、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図
変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、ランプ表示装置75のラン
プ表示部1,2において、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)によって第四特別図柄
(第4図柄)が変動する。ランプ表示部1,2の変動表示は、開始から所定時間後に、は
ずれの場合は「消灯」、大当りもしくは小当りの場合は「点灯」で停止する。
始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなさ
れた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲーム
の結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(
特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例え
ば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、特別変動入賞装置38,39は、大入賞口ソレノイド38b,39b(図5-3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置38,39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなさ
れた場合(入賞検出時の大当り乱数値が小当り値である場合)には、特図変動表示ゲーム
の結果として表示図柄により特定結果態様(小当り結果態様)が導出され、小当り状態と
なる。これに対応して、表示装置41の表示態様は小当り結果態様となる。なお、本実施
形態では、小当りの判定にも大当り乱数値が使用されるが、小当り値(小当り判定値)は
、大当り値(大当り判定値)と異なる。
このとき、特別変動入賞装置38,39は、大入賞口ソレノイド38b,39b(図5-3参照)への通電によって、大入賞口が所定の短時間だけ閉状態から開状態に変換される。なお、大入賞口の全開放時間は、小当り状態(小当り遊技状態)の方が大当り状態(特別遊技状態)よりも短いため、小当り状態では大当り状態よりも遊技者が獲得可能な遊技価値(獲得球数)が少ない。なお、小当り状態と大当り状態では両方とも大入賞口が開放状態となるが、大当り状態を第1特別遊技状態と呼び、小当り状態を第2特別遊技状態と呼んでもよい。なお、簡単のため、本実施形態では、小当り状態で特別変動入賞装置39(上大入賞口)のみが開状態に変換され、大当り状態(小当り中のV入賞による大当り状態も含む)で特別変動入賞装置38(下大入賞口)のみが開状態に変換される構成を説明する。
ここで、大当りと小当りとの違いについて説明する。
大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わな
い特定結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停
止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生
して特別電動役物としての特別変動入賞装置38,39を連続して作動させるための特定
のフラグがセットされることを意味する。また、条件装置が作動するとは、特定領域72
への遊技球の通過(V入賞)があったことを意味してもよい。条件装置が作動しないとは
、例えば単に小当り抽選に当選した場合のように上述の特定のフラグがセットされないこ
とを意味する。ただし、本実施形態で後述するように、小当り状態中にV入賞があった場
合には条件装置が作動することになる。なお、「条件装置」は、上記のようなソフトウェ
ア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオン
オフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、
その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野に
おいては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様の意味を有する用
語として使用している。
具体的には、大当りの場合は、大当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置
が開放されるのに対して、小当りの場合は、小当りフラグが設定されることにより特別変
動入賞装置が開放される。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよい
し同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないよ
うに設定される。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して
実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶
があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが
実行される(特図2保留優先消化、特図2優先変動)。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし
、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲ
ーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されない
ようにしてよい。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しな
い場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36
a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口
スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39aには、磁気検出用のコイルを備え該コ
イルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気
近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラ
ス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設け
られた本体枠開放検出スイッチ64(前面枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有
するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図5-3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100(主基板)を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CP
U)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み
、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有
する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモ
ータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5
Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコ
ンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧
を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン11
1の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停
電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリ
セット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、
バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御
装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び
遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置
400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部43
0を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成
することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(
特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが
保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成
された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停
電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投
入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。RAM
初期化スイッチ112が押下げられてオン操作されると初期化スイッチ信号が生成され、
これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRA
Mに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけでは
ないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン1
11が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット
信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100(主基板)は、設定キースイッチ153を備える。設定キー
スイッチ153は、操作者の回転操作等によってオンすることによって遊技条件(遊技)
に関する設定に応じた確率設定値(設定値)を変更可能な状態にする。なお、RAM初期
化スイッチ112は、操作者の操作に応じて確率設定値を変更可能な設定値変更スイッチ
としても使用可能である。本実施形態では、確率設定値は、大当り確率や小当り確率など
の当選確率を設定するための設定値であるが、確率以外の他の遊技条件(演出など)も確
率設定値に応じて変更可能である。例えば、確率設定値が大きいほど、当選確率を大きく
してよい。設定キースイッチ153とRAM初期化スイッチ112は、遊技条件に関する
設定(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置、設定手段)を構成する。
なお、RAM初期化スイッチ112ではなく、他のスイッチが、設定値変更スイッチを兼
用してもよいし、専用に独自の設定値変更スイッチを設けてもよい。
設定キースイッチ153とRAM初期化スイッチ112は、遊技機10内部の遊技制御
装置100上に設けられることによって、前面枠12(本体枠)が開放されなければ操作
できない位置(アクセスできない位置)に配置される。すなわち、一般の遊技者は、設定
キースイッチ153とRAM初期化スイッチ112にアクセスして操作することができな
い。
後述するように、遊技機10の電源投入(停電復旧、復電)の際に、遊技機10は、設
定キースイッチ153とRAM初期化スイッチ112のオン/オフ状態に応じて、確率設
定値を変更可能(設定可能)な設定可変状態(設定変更状態、設定可能状態、設定変更モ
ード)、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)などの各種状態に、移
行することができる。
本実施形態において、確率設定値は、例えば6段階で規定され、確率設定値1(設定1
)、確率設定値2(設定2)、確率設定値3(設定3)、確率設定値4(設定4)、確率
設定値5(設定5)、確率設定値6(設定6)がある。一般的に、設定1が遊技者に最も
不利な設定であり、設定6が遊技者に最も有利な設定である。設定1、2が低設定であり
、設定3、4が中間の設定(中間設定)であり、設定5、6が高設定である。
確率設定変更処理では、操作者によってRAM初期化スイッチ112が押下操作される
度に、作業用設定値領域の作業用設定値(設定)が、設定値0(設定1、確率設定値1)
→設定値1(設定2、確率設定値2)→設定値2(設定3、確率設定値3)→設定値3(
設定4、確率設定値4)→設定値4(設定5、確率設定値5)→設定値5(設定6、確率
設定値6)→設定値0(設定1)→設定値1(設定2)→・・・のように変更される。こ
のように、RAM初期化スイッチ112は、設定値変更スイッチとしても機能する。なお
、説明の都合上、設定変更状態(設定変更モード)中に、作業用設定値0~5をそれぞれ
確率設定値1~6に対応して設けるが、作業用設定値と確率設定値は同じ数値範囲(すな
わち0~5又は1~6)に揃えて同じものとして取り扱ってもよい(作業用設定値と確率
設定値を同じ数値にする)。
なお、RAM初期化スイッチ112(設定値変更スイッチ)の操作ではなく、設定キー
スイッチ153を所定の位置に回転操作して確率設定値を変更する構成としてもよい。ま
た、確率設定値は6段階に限られない。そして、選択されている0~5の作業用設定値に
対応する表示用確率設定値が、例えば4桁の7セグメント型(ドットDpを含めると8セ
グメント型)の表示器である性能表示装置152等に表示される。また、遊技機の前面(
例えば一括表示装置50)に、表示用確率設定値など設定値に関する情報(例えば確率設
定値1~6を読み取れる表示)を表示してもよい。また、遊技機の前面(例えば一括表示
装置50)に、設定可変状態中や設定確認状態中だけでなく、遊技制御実行中(後述のゲ
ーム処理の実行中)にも、表示用確率設定値など設定値に関する情報を表示してもよい。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a
、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRA
M(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を不揮発的に記憶する。RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの
作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用されるもので、遊技に関する情報(遊
技情報)が記憶され、停電が発生しても記憶された情報の記憶保持が可能な保持記憶手段
となる。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換
え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ
状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パター
ンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている
変動パターン乱数1~3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテー
ブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるは
ずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテ
ーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の
変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテー
ブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前
半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パター
ン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置
が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特
別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)
となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、
既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をい
う。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示
結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からは
ずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しなが
ら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態
に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示
される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に
決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条
件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表
示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情
報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものであ
る場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同
一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示
領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で
特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし
特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変
動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様(大当り態様)が導
出される可能性が異なる(期待度が異なる)リーチ演出の系統(種類)として、ノーマル
リーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP
2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。
なお、大当りの期待度(期待値)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ
<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっ
ている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出され
る場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわ
ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場
合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は
、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
なお、演出(予告)の期待度は、その演出が選択された場合に大当りになる確率を示唆
し、大当りであるときのその演出の選択率及び大当りでないとき(はずれのとき)のその
演出の選択率などに基づいて算出することができる。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装
置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや
表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しない
が、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数
や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、小当りの図柄を決定するための小当り
図柄乱数、後述の時短図柄(サポ当りの停止図柄)を決定するためのサポ当り図柄乱数、
特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動
表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための
乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU1
11aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号や乱数生
成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111b
に記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテー
ブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当
りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確
率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブル
の中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU11
1aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動
パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情
報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフ
ェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従っ
て、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また
、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの
払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電
波センサ62、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞口36内の始
動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37(普通変動入賞装置)内の始動口2スイッチ
37a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38,39の大入賞
口スイッチ38a,39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが1
1Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に
変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
さらに、インタフェースチップ(近接I/F)121は、特定領域スイッチ72a、残
存球排出口スイッチ73、アウト球検出スイッチ74に接続される。特定領域スイッチ7
2aは、特定領域72(V入賞口)への遊技球の通過(V入賞)を検出する。残存球排出
口スイッチ73は、特別変動入賞装置38,39からの遊技球を排出する残存球排出口を
通過した遊技球を検出する。アウト球検出スイッチ74は、遊技領域に発射されて遊技を
終えた全ての遊技球(すなわち、入賞口又はアウト口30bを通過した全ての遊技球)を
検出する。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124、又は、第
4入力ポート126に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込
まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッ
チ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a,
39aの検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイ
ッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される
また、近接I/F121の出力のうち、特定領域スイッチ72a、残存球排出口スイッ
チ73、アウト球検出スイッチ74の検出信号は第4入力ポート126に入力される。
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用
の磁気センサスイッチ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス
枠開放検出スイッチ63、前面枠12(本体枠)等に設けられた本体枠開放検出スイッチ
64(前面枠開放検出スイッチ)からの信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ6
5からの信号が入力される。
また、第2入力ポート123は、設定キースイッチ153からの設定キースイッチ信号
を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する。
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装
置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになって
いる。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッ
チ37aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力される
ように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル
変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動
作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポー
ト124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE
2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポ
ート123、第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビ
ジー信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れ
スイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に
設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号、RAM初期化スイッチ1
12からの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する
第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊
技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される
信号である。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を
検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコ
マンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信
号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられてお
り、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。
電源装置400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバ
ス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチか
らの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部から
の信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技
用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部13
0の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中
継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図
示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成する
ようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123
,124,126には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン1
11によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止する
ためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポー
トから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットに
よって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊
技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ
132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置
200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊
技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試
験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号
などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッ
ファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御
装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始
動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中
継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置
に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは
情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号と
してデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給さ
れる。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装
置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達
するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン11
1から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御され
たポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放さ
せるソレノイド(普電ソレノイド)37c、第1特別変動入賞装置38を開放させる下大
入賞口ソレノイド38b(大入賞口ソレノイド1)、第2特別変動入賞装置39を開放さ
せる上大入賞口ソレノイド39b(大入賞口ソレノイド2)、レバーを動作させ特定領域
72を開放させるレバーソレノイド72bの開閉データを出力するための第2出力ポート
134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード
端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート
135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/
オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、性能表示装置152に表示する内容に応じてLEDのアノー
ド端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第6出力ポー
ト141、性能表示装置152のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオ
ン/オフデータを出力するための第7出力ポート142が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71
に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォト
リレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理
装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装
置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミ
ットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37
cや大入賞口ソレノイド38b,39bなどの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信
号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力
される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第
2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き
込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポ
ート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力
する第4ドライバ138dが設けられている。
さらに、出力部130には、第6出力ポート141から出力される性能表示装置152
の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する性能表示用セグメントドラ
イバ150a、第7出力ポート142から出力される性能表示装置152の電流引き込み
側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する性能表示用デジットドライバ150bが
設けられている。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため
、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50
のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジッ
ト線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜
くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード
端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よ
りデジット線を介して電流を引き抜くことで、一括表示装置50においてダイナミック駆
動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。12Vを出力する性能表
示用セグメントドライバ150aによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電
流を流し込み、接地電位を出力する性能表示用デジットドライバ150bによりカソード
端子よりデジット線を介して電流を引き抜くことで、性能表示装置152においてダイナ
ミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を
外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを
与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、
第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板では
なく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラ
ムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ13
9は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送
受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通
常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を
利用して行われるため、入力ポート122,123,124,126のようなポートは設
けられていない。
本実施形態では、性能表示装置152は、複数(4つ)の7セグメント型(ドットDp
を含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ)からなり、性能表示用ドライバ1
50a,150bはLEDドライバであるが、これに限られるものではない。
性能表示装置152は、遊技制御装置100(主基板)上に設けられるものであるが、
他の場所に設けられてもよい。例えば、性能表示装置152は、表示用確率設定値や役物
比率や出玉率や排出球数を表示可能である。
ここで、排出球数は、遊技領域32から排出された遊技球の数(アウト球数とも呼ぶ)
であり、入賞口を通過した遊技球の数(入賞数)とアウト口30bを通過した遊技球の数
との合計である。排出球数は、アウト球検出スイッチ74の信号などをカウント(計数)
することにより取得できる。本実施形態では、入賞口には、一般入賞口35、始動入賞口
36(第1始動入賞口、始動口1)、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動口2
)、及び、特別変動入賞装置38,39(大入賞口)が含まれる。
出玉率は、排出球数(あるいは遊技領域32に導入された発射球数)に対する賞球数の
合計の比率(割合)であり、(獲得球数÷排出球数)×100(%)で計算される。すな
わち、出玉率は、排出球数100個当りの獲得球数(賞球数の合計)となる。
例えば、役物比率は、所定期間(例えば、遊技機10の電源投入から現在まで)に入賞
口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中に大入賞口
に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(=いわゆる連続役物
比率)である。なお、役物比率は、全賞球数のうち、大入賞口に入賞したことで得られた
賞球数(大当り状態中と小当り状態中)の割合(=大入賞口比率)でもよいし、あるいは
、大入賞口及び普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)に入賞したことで得られた賞球
数の割合(=一般的に使用されるいわゆる役物比率(全役物比率))でもよい。
さらに、遊技制御装置100は、安全装置の機能も有する。安全装置とは、セーフ球数
と排出球数に基づく作動条件(所定条件)の成立によって、遊技として特図変動表示ゲー
ム、普図変動表示ゲーム、及び、ラウンド遊技(大当り中や小当り中での遊技)等が実行
できない遊技停止状態(遊技不可状態、遊技禁止状態)を発生可能な遊技停止手段(打ち
止め手段)である。遊技停止状態では、新たな特図変動表示ゲームと新たな普図変動表示
ゲームは開始できない。安全装置によって、不正によってセーフ球数が異常に多いなどの
場合に適切に不正対策をすることができ、また、遊技者の遊技に対するのめり込みも抑制
できる可能性がある。
本実施形態において、安全装置は、遊技制御装置100でソフトウェア(プログラム)
によって実現される機能であり、コンプリート機能(又はエンディング機能、打ち止め機
能)とも呼ばれる。もちろん、安全装置は、電気回路や回路基板などのハードウェアとし
て設けられてもよい。
また、本実施形態において、安全装置の作動条件は、(1)セーフ球数と排出球数との
差を示す差玉数が差玉基準値(所定値)に達しており、且つ、(2)大当り中でも小当り
中でもないことである。差玉数は、セーフ球数から排出球数を減算したものである(差玉
数=セーフ球数-排出球数)。このように、安全装置の作動条件は、2段階の条件(1)
(2)からなる。作動条件は他のものでもよく、例えば、条件(1)は、セーフ球数が所
定値に達することとする構成も可能である。また、条件(2)は、特別変動入賞装置が作
動していないこと、あるいは、大入賞口が開放状態でないこととする構成も可能である。
本実施形態において、セーフ球数は、所定期間に払い出されることが決定された賞球の
合計数(獲得球数、出玉)である。賞球(遊技球)の払い出しのエラーがあると、払い出
されることが決定された賞球の合計数は、払出装置を介して上皿21に実際に払い出され
た賞球の合計数に等しくならないが、実際に払い出された賞球の合計数を検出スイッチ等
で計測してセーフ球数としてもよい。また、排出球数(アウト球数)は、遊技領域32か
ら排出された遊技球の数で、アウト球検出スイッチ74からの信号をカウントして計数可
能である。
なお、排出球数の代わりに遊技領域32に発射され導入された発射球の数である発射球
数を用いてもよく、差玉数は、セーフ球数-発射球数としてよい。遊技球の発射球数と排
出球数を総称して使用数と呼んでよい(差玉数=セーフ球数-使用数)。発射球数からは
、球発射装置で発射されたが遊技領域32に届かなかったファール球は除かれ、差玉数は
球発射装置で遊技球が1個発射されると-1減算され、ファール球が1個生じると+1加
算されることになる。発射球数を計数するための検出スイッチ(検出センサ)を、遊技領
域32への遊技球の入口、すなわち、遊技盤30における発射された遊技球の案内通路の
上端近傍に設けてもよい。
〔演出制御装置〕
次に、図5-4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図5-4は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC
)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマン
ドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロ
セッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音
などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314
を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したP
ROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領
域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFe
RAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段を
なすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン
311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接
続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析
し、表示内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314
への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理
などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理する
ためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映
像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラク
タなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデ
オRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パ
ラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを
送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することがで
きる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や
遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYN
C、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312
から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割
込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの
状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する
映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回
路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力
されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介し
て表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主
制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続
されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INT
が入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた
上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパ
ワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成さ
れた音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力さ
れる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信す
るインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F3
31を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数
コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号
(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5
Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するた
め、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられ
ているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制
御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾
装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤3
0(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41
における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体
制御回路334が設けられている。なお、盤装飾装置46には、前述のランプ表示装置7
5が含まれてよい。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332~334は
、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお
、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御
回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵さ
れている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネ
ル25b、十字キースイッチ28、音量調整用ボタンスイッチ27e,27f、盤演出装
置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)
のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能を有し、
演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイ
コン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300
やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モ
ータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モー
タやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5
Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するよう
に構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で
動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを
生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-
DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マ
イコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン
311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314
、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなど
を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリ
セット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FA
N45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆
動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置1
00の遊技用マイコン111のCPU111aは、普図始動ゲート34に備えられたゲー
トスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽
出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れ
を判定する。
そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変
動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に
特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装
置37の可動部材37bを所定時間(例えば、3秒間×2回)前述のように開放する制御
を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行
う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表
示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の
入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲーム
の大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図
1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出
信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当
り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動
表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動
表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出
力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示
した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が
、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置3
7)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置
41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出
制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、ス
ピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すな
わち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制
御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの
場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別
遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、
例えば、大入賞口ソレノイド38b,39bにより特別変動入賞装置38,39の開閉扉
38c,39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開
放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの
条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウ
ンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技
)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合
に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲ
ームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様
を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態
の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能である。高確率状態(確変状態)は、
特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である
。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲーム
の結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲ
ームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態
の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能である。時短状態にお
いては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行っ
てよく、特別な遊技を行わない通常遊技状態よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置
37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態となる。なお
、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして普電
サポートを実行する。
なお、時短状態においては、特図変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常よ
り短縮され得るようにし、特図変動表示ゲームの時間短縮変動も実行可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動
入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数
(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態において
は、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率、普図当り確率)を通常動作状
態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普
図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態
変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、特別な遊技
を行わない通常遊技状態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間あ
たりの特図変動表示ゲームの実行回数が当該通常遊技状態よりも増加可能である。また、
変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動
作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。ま
た、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしても
よい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高
確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも
可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
〔電源投入時の移行状態〕
前述のように、電源投入時のRAM初期化スイッチ112及び設定キースイッチ153
のオンオフ状態によって、4つの状態(モード)へ移行する。
電源投入時に、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ153とがオンにされている場合には、確率設定値(設定値)を変更可能(設定可能)な設定可変状態(設定変更状態、設定可能状態、設定変更モード)に移行する(図5-6のステップX30~X39と図5-17参照)。
次に、電源投入時に、設定キースイッチ153がオンにされているがRAM初期化スイッチ112がオフの場合には、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する(図5-6のステップX34~X39と図5-17参照)。
また、電源投入時に、設定キースイッチ153がオフであるがRAM初期化スイッチ112がオンにされている場合には、RAM初期化状態(RAMクリアモード)に移行し、RAM初期化処理(RAMクリア処理)が実行されて、RAM111cが初期化される(図5-6のステップX45~X47参照)。
電源投入時に、設定キースイッチ153とRAM初期化スイッチ112とがオフである
場合には、通常復電状態(通常復電モード)に移行し、単に復電されるだけの状態になる
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5-5、図5-6、図5-7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図5-11に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5-5、図5-6、図5-7は、遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。
図5-5に示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを
禁止する処理を実行する(ステップX1)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退
避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理
を実行する(ステップX2)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(ステップX3)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX4)。例えば、RAMのアドレスが0000h~01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置100は、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設
定する(ステップX5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少
なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、球発射装置か
らの遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、設定
キースイッチ153とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込む(ステップX6)。
すなわち、設定キースイッチ153とRAM初期化スイッチ112からの信号を読み込む
さらに、遊技制御装置100は、電源投入ディレイタイマを設定する(ステップX7)
。電源投入ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技
制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置2
00や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間
(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先
に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上
がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすこと
を回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制
御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出
制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の
対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行わ
れる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部
のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防
止することができる。
なお、待機時間の開始前に設定キースイッチ153とRAM初期化スイッチ112の状
態を読み込むことで、設定キースイッチ153とRAM初期化スイッチ112の操作を確
実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ153とRAM初期化
スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キース
イッチ153とRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過
まで設定キースイッチ153とRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要が
ある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行
わなくても、電源投入時に行った設定キースイッチ153とRAM初期化スイッチ112
の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定すると(ステップX7)、遊技制御装置100は、待機
時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(ステップX
8~X10)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力
されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込むなどして、停電が発生
しているか否か判定する(ステップX8)。停電が発生している場合に(ステップX8;
Y)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
遊技制御装置100は、停電が発生していない場合には(ステップX8;N)、電源投
入ディレイタイマを-1更新し(ステップX9)、タイマの値が0であるか否かを判定す
る(ステップX10)。タイマの値が0でない場合(ステップX10;N)、すなわち、
待機時間が終了していない場合には、ステップX8の処理に戻る。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電
監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせてい
る期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に
適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可さ
れておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの
停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電
が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができ
る。
一方、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(ステップX10;Y)、す
なわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なR
WM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(ステップX11)、全出力ポートにオ
フデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップX12)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載され
ているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に
使用)を設定する(ステップX13)。
次に、遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタ
イマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer C
ircuit)回路を起動する(ステップX14)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン11
1内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路11
3からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいて
CPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成
回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えてい
る。
続いて、遊技制御装置100は、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRA
M異常フラグをセットする(ステップX15)。ここでは、一旦、異常前提のフラグを所
定のレジスタにセットしておく。
次に、遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チ
ェックデータであるか否かを判定する(ステップX16)。そして、正常であれば(ステ
ップX16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ
であるか否かを判定する(ステップX17)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップX17
;Y)、RWM内の所定領域(例えば領域内ワーク領域)のチェックサムを算出するチェ
ックサム算出処理を実行し(ステップX18)、算出されたチェックサムと電源断時のチ
ェックサムが一致するか否かを判定する(ステップX19)。チェックサムが一致する場
合には(ステップX19;Y)、RAMは正常であり、RAMの異常を示すRAM異常フ
ラグをクリアする(ステップX20)。その後、ステップX21の処理に移行する。
また、遊技制御装置100は、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと
判定された場合(ステップX16;NもしくはステップX17;N)、チェックサムが一
致しない場合には(ステップX19;N)、RAM異常フラグをクリアすることなく、ス
テップX21の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、設定キースイッチ153及びRAM初期化スイッチ11
2の両スイッチがオンであるか否かを判定する(ステップX21)。遊技制御装置100
は、両スイッチがオンである場合に(ステップX21;Y)、設定可変状態(設定変更モ
ード)に移行し、ステップX30~X40の確率設定変更中の処理を実行する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ153及びRAM初期化スイッチ112の少
なくとも一方がオフである場合に(ステップX21;N)、RAM(ここではRAM11
1c)の異常を示すRAM異常フラグがセットされているか否か判定する(ステップX2
2)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(ステップX22;N)、確率設定
変更中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップX23)。確率設定変更中
フラグがセットされていない場合に(ステップX23;N)、ステップX34~X40の
確率設定確認中(設定確認状態中、設定確認モード中)の処理、ステップX44~X47
のRAM初期化処理(RAMクリア処理)、又は、ステップX44及びステップX48~
X51の通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を実行する。
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(ステップX
23;Y)、遊技制御装置100(主基板、メイン基板)に異常があったことを報知する
メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップX24)。
メイン異常エラー報知のコマンドを受信した演出制御装置300は、遊技制御装置100
の異常があったことを報知する。
続いて、遊技制御装置100は、遊技停止時の7セグ表示データ(「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152で表示するために性能表示装置152のドライバ150a,150bに出力する(ステップX25)。そして、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)や情報収集端末など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(ステップX26)。なお、ここで、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップX25とステップX26の処理を繰り返して待機し、再度、設定変更の操作(設定キースイッチ153及びRAM初期化スイッチ112の両方のオン操作)をして電源が投入されるのを待つ。なお、ステップX25とステップX26の処理を繰り返して待機している間、割込みは禁止されたままであり(ステップX1)、特図ゲーム処理や普図ゲーム処理を実行可能なタイマ割込み処理(図5-11)が実行できないため、遊技(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム、ラウンド遊技等)は実行できない。
このように、設定変更の操作(設定キースイッチ153及びRAM初期化スイッチ11
2の両方のオン操作)を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされている
場合に異常があったとして、ステップX24~X26の処理を実行する。例えば、確率設
定変更中(設定変更が完了する前)に電源がオフして再起動した場合などに、設定変更の
操作を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされることがある。
一方、遊技制御装置100は、RAM異常フラグがセットされている場合も(ステップ
X22;Y)、遊技制御装置100(メイン基板)に異常があったことを報知するメイン
異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信し(ステップX24)、遊技停止
時の7セグ表示データ(「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152のドライ
バ150a,150bに出力し(ステップX25)、外部装置にRAM異常を知らせるた
めに、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(ステップX26)
。なお、前述と同様に、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大
当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。
その後、停電が発生しているか否かを判定し(ステップX27)、停電が発生していな
い場合に(ステップX27;N)、ステップX25とステップX26の処理を繰り返して
待機する。一方、停電が発生していると判定した際に(ステップX27;Y)、全出力ポ
ートにオフデータを出力し(ステップX28)、RAMやEEPROM等の読出し書込み
可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを禁止する(ステップX29)。その後
、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ153及びRAM初期化スイッチ112の両
スイッチがオンである場合に(ステップX21;Y)、確率設定変更中(設定可変状態中
)の処理を開始して、まず、RAM異常フラグがセットされているか否かを判定する(ス
テップX30)。RAM異常フラグがセットされている場合に(ステップX30;Y)、
確率設定値が正しいものであるか不明であるため、RAM111cの確率設定値領域に記
憶されている確率設定値をクリアし初期値(例えば最低設定値「1」)にしてから(ステ
ップX31)、確率設定変更中であることを示す確率設定変更中フラグをセットする(ス
テップX32)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(ステップX30;N)
、確率設定値をクリアせずに、確率設定変更中フラグをセットする(ステップX32)。
次に、確率設定変更中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(ステ
ップX33)、ステップX37の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受
信した演出制御装置300は、確率設定変更中であることを表示装置41などにおいて報
知する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ153及びRAM初期化スイッチ112の少
なくとも一方がオフであり(ステップX21;N)、RAM異常フラグがセットされてお
らず(ステップX22;N)、且つ、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に
(ステップX23;N)、設定キースイッチ153がオンであるか否かを判定する(ステ
ップX34)。設定キースイッチ153がオンである場合に(ステップX34;Y)、R
AM初期化スイッチ112はオフということになり、確率設定確認中(設定確認状態中)
の処理が開始して、確率設定確認中であることを示す確率設定確認中フラグをセットする
(ステップX35)。そして、確率設定確認中のコマンドを演出制御装置300(演出制
御基板)に送信し(ステップX36)、ステップX37の処理に移行する。なお、確率設
定確認中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることを表示
装置41などにおいて報知する。
ステップX33又はステップX36の後に、遊技制御装置100は、確率設定変更中と
確率設定確認中の共通の処理として、ステップX37~X43の処理を実行する。
遊技制御装置100は、まず、確率設定変更中と確率設定確認中においてセキュリティ信号を出力するために、セキュリティ信号制御タイマ領域に128ms(所定時間)をセーブする(ステップX37)。なお、セキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、後述の確率設定変更/確認処理(図5-17)において実行されるが、確率設定変更又は確率設定確認が早期に終了した場合には、残りのセキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、外部情報編集処理(ステップX119)で実行される。確率設定変更中と確率設定確認中において、少なくとも50msは、セキュリティ信号は出力される。
次に、遊技制御装置100は、割込みを許可する(ステップX38)。これにより、タイマ割込み処理(図5-11)が実行可能となる。そして、設定キースイッチ153がオフであるか否かを判定する(ステップX39)。設定キースイッチ153がオンである場合に(ステップX39;N)、停電が発生しているか否かを判定する(ステップX40)。停電が発生していない場合に(ステップX40;N)、ステップX39の処理に戻る。一方、停電が発生している場合に(ステップX40;Y)、ステップX63~X69の停電発生時の処理を実行する。
このように、設定キースイッチ153がオンであり、停電が発生していない限り、確率
設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、又は、確率設定値
を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)が継続される。
一方、遊技制御装置100は、設定キースイッチ153がオフである場合に(ステップ
X39;Y)、割込みを禁止し(ステップX41)、報知終了のコマンドを演出制御装置
300(演出制御基板)に送信する(ステップX42)。なお、報知終了のコマンドを受
信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることの報知又は確率設定変更中であ
ることの報知を終了する。
次に、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否か、すな
わち、これまで確率設定変更中であったか否かを判定する(ステップX43)。確率設定
変更中フラグがセットされている場合に(ステップX43;Y)、すなわち、これまで確
率設定変更中であった場合に、ステップX45~X47のRAM初期化処理(後述)を実
行する。一方、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(ステップX43;N
)、すなわち、これまで確率設定確認中であった場合に、ステップX48以降の電源投入
時(電源復旧時)の通常の処理を実行する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ153がオフである場合に(ステップX34
;N)、RAM初期化スイッチ112がオンであるか否かを判定する(ステップX44)
。RAM初期化スイッチ112がオンである場合に(ステップX44;Y)、RAM11
1cにおいて、確率設定値を記憶するための確率設定値領域以外のRAM領域を0クリア
する(ステップX45)。すなわち、確率設定値領域で記憶されている確率設定値を除い
て、RAM111cに記憶された遊技情報は0クリアされる。ここで、前述の確率設定変
更中フラグもここでクリアされる。また、所定時間周期内(ここではタイマ割込みの1割
込み内)において獲得した賞球の数(合計)である獲得遊技球数を格納する獲得遊技球数
領域も0クリアされる。そして、安全装置(前述)が作動中であるか否かを示す安全装置
作動中フラグを格納する安全装置作動中フラグ領域も0クリアされ(安全装置作動中フラ
グ=0)、安全装置の作動が解除される。なお、ステップX45において、設定変更を伴
うRAMクリア(ステップX43;Y)と、設定変更を伴わないRAMクリア(ステップ
X44;Y)の何れでも、安全装置作動中フラグ領域を0クリアすることによって安全装
置の作動が解除されるが、片方に限定してもよい。
また、ここでは、確率設定値領域の他に、スタック領域や未使用領域をクリアしない構
成や、性能情報やその表示(性能表示)に関連する性能表示用ワーク領域(領域外ワーク
領域の一部)とスタック領域(領域外スタック領域)をクリアしない構成も可能である。
なお、性能情報は、入賞により得られた賞球数に基づいて導出されるもので、例えば、出
玉率、ベース値(通常遊技状態における出玉率)、役物比率、排出球数などである。
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブす
る(ステップX46)。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300(演出
制御基板)に送信し(ステップX47)、ステップX52の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112がオフである場合に(ステ
ップX44;N)、設定キースイッチ153とRAM初期化スイッチ112が両方ともオ
フであるため、通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を開始し、停電復旧処理として初
期化すべき領域に停電復旧時(復電時)の初期値をセーブする(ステップX48)。また
、前述の確率設定確認中フラグもここでクリアされる。なお、RAM初期化時とは異なり
、通常の電源投入時には、安全装置作動中フラグ領域はクリアされない。また、ここで、
確変状態以外の状態で特図変動表示ゲームが実行された回数を示す天井カウンタ値が格納
される天井カウンタ領域も、遊技者に不利益にならないようにクリアされなくてよい。次
に、後述の特図ゲーム処理等を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応す
る停電復旧時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(ステップX4
9)、ステップX50の処理に移行する。
なお、ステップX47の処理で送信されるRAM初期化時のコマンド及びステップX4
9の処理で送信される停電復旧時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド
、特図1,2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、
確率の状態(高確率状態又は低確率状態)や時短状態の有無を示す確率情報コマンド、所
定の演出モードで特図変動表示ゲームが実行された回数を示す演出回数情報コマンド、電
源投入されたこと示す停電復旧コマンドが含まれる。
さらに、RAM初期化時のコマンド及び停電復旧時のコマンドには、遊技機10の確率
設定値(設定値)の情報である設定値情報(設定情報)を示す設定値情報コマンド(確率
設定値情報コマンド)が含まれる。遊技制御装置100は、電源の復旧(投入)時に、一
度だけ設定値情報コマンドを演出制御装置300に送信するだけでよく、以降、演出制御
装置300は自身が記憶した設定値情報を参照して演出制御を行える。
なお、RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンド(RAMクリアのコマ
ンド)も含まれる。RAM初期化のコマンドを受信した演出制御装置300は、例えば、
表示装置41に客待ちデモを表示し、盤装飾装置46等のLEDとスピーカ19a,19
bの音でRAM初期化(RAMクリア)の報知を30秒間行う。また、停電復旧時のコマ
ンドには、表示装置41の画面の表示内容を指定する画面指定のコマンドが含まれる。な
お、画面指定のコマンドは、特図1,2について共に普段処理中では(変動中でも当り中
でもないとき)、客待ちデモコマンドであり、それ以外なら復旧画面コマンドでよい。
次に、安全装置が作動中であるか否か判定する(ステップX50)。例えば、安全装置
作動中フラグとして、安全装置が作動中であることを示す「1」が、安全装置作動中フラ
グ領域にセーブされている場合に安全装置が作動中であると判定できる(安全装置作動中
フラグ=1)。そして、安全装置が作動中である場合に(ステップX50;Y)、安全装
置が作動中であることを示す安全装置作動中のコマンドを演出制御装置300(演出制御
基板)に送信し(ステップX51)、ステップX52の処理に移行する。安全装置が作動
中でない場合に(ステップX50;N)、そのままステップX52の処理に移行する。
そして、フラグレジスタの情報(値)を領域内スタック領域に退避(PUSH)し(ス
テップX52)、安全装置に関連する安全装置情報(後述の安全装置カウンタ値、安全装
置作動情報、旧作動情報など)を初期化する安全装置情報初期化処理を実行する(ステッ
プX53)。その後、フラグレジスタの情報を復帰(POP)する(ステップX54)。
なお、RAM異常による遊技停止時(ステップX25~X29)を除いて、電源投入する
と無条件に安全装置情報(安全装置カウンタ値など)を初期化(クリア)するようにした
が、カウント継続スイッチを設けて、カウント継続スイッチを押しながら電源投入すると
安全装置情報を初期化(クリア)しなくてよい。
なお、後述のように、安全装置情報初期化処理に移行する際に、スタックポインタを遊
技制御に関連する領域内スタック領域から安全装置情報や性能情報や性能表示(性能情報
の表示)に関連する領域外スタック領域に切り替える。その際、遊技制御用のスタックポ
インタをRAM111cのスタックポインタ保存領域に保存する時にフラグレジスタのフ
ラグ(特にゼロフラグ)が変化する可能性があるため、ステップX52において事前にフ
ラグレジスタの情報を退避しておく。フラグレジスタは、8ビットの各ビットが0又は1
の値をとるフラグになっている。なお、フラグレジスタについては、特開2013-23
3299号公報や特開2018-94101号公報等に開示されたものが使用できる。
次に、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(ステップX55)。具体
的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を
起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また
、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数のビット転置パターンの設定も行
われる。なお、本実施形態において、乱数生成回路は、ハードウェアのみで更新される乱
数として、大当り乱数、当り図柄乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、サポ当り図柄
乱数等)、普図の当り乱数、及び、変動パターン乱数1~3を生成する。これら乱数は、
動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」で
よい。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を
、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として
格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の
規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット
転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパ
ターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても
よい。
次に、遊技制御装置100は、割込みを禁止し(ステップX56)、遊技停止中である
か否かを判定する(ステップX57)。安全装置が作動した場合や、遊技(特図変動表示
ゲームや普図変動表示ゲームやラウンド遊技等)を停止する必要のある強エラー2(後述
)が発生している場合に、遊技停止中であると判定できる。
遊技制御装置100は、遊技停止中でない場合に(ステップX57;N)、フラグレジ
スタの情報(値)を領域内スタック領域に退避(PUSH)して(ステップX58)、ベ
ース値(出玉率)などの性能情報を計算する性能表示編集処理を実行する(ステップX5
9)。ここで、性能情報(役物比率や出玉率など)を計算してよい。また、性能情報やそ
の表示(性能表示)に関連する性能表示用ワーク領域(領域外ワーク領域の一部)に異常
がある場合に、これをクリアしてもよい。その後、フラグレジスタの情報を復帰(POP
)して(ステップX60)、割込みを許可する(ステップX61)。エラーが全く発生し
ていない場合の他に、強エラー2以外のエラーである弱エラー(後述)又は強エラー1(
後述)が発生している場合も、遊技停止中でなく、性能表示編集処理等を含めてステップ
X58~X60の処理が実行される。なお、弱エラー又は強エラー1が発生している場合
に、ステップX58~X60の処理を実行しない構成も可能である。
なお、後述のように、性能表示編集処理に移行する際に、スタックポインタを遊技制御
に関連する領域内スタック領域から安全装置情報や性能情報や性能表示(性能情報の表示
)に関連する領域外スタック領域に切り替える。その際、遊技制御用のスタックポインタ
をRAM111cのスタックポインタ保存領域に保存する時にフラグレジスタのフラグ(
特にゼロフラグ)が変化する可能性があるため、ステップX58において事前にフラグレ
ジスタの情報を退避しておく。
一方、遊技制御装置100は、遊技停止中である場合に(ステップX57;Y)、性能表示編集処理等を実行することなく、割込みを許可する(ステップX61)。すなわち、安全装置が作動した場合や強エラー2が発生している場合に、性能表示編集処理(特に、性能表示編集処理中のベース値算出処理)が実行されないため、ベース値などの性能情報が新たに計算されず変化しない。なお、強エラー2が発生しても、遊技停止とせず、性能表示編集処理等を実行する構成も可能である。また、割込みの許可により、タイマ割込み処理(図5-11)が実行可能となる。
本実施形態において、エラーは、弱エラー、強エラー1、強エラー2の3つに区分けさ
れる。なお、エラー/不正系のコマンドを受信した演出制御装置300は、エラー/不正
設定処理(ステップS156)で、弱エラー、強エラー1、強エラー2に対応した異なる
強さのエラー報知を設定して実行できる。
例えば、演出制御装置300は、スピーカ19a,19bからのエラーの報知音の音量
、又は、エラー報知のために発光するLED(盤装飾装置46又は枠装飾装置18の演出
用LED)の輝度(明るさ)を、弱エラー<強エラー1≦強エラー2の順に大きくしても
よい。なお、強エラー1と強エラー2のスピーカの音量又はLEDの輝度を同じにしても
よい。また、演出制御装置300は、弱エラーの発生した場合に、報知音の音量をホール
・遊技者設定モード処理(ステップS11)で調整した音量(最大の音量以下)にし、強
エラー1と強エラー2の発生した場合に、報知音の音量を最大の音量にしてよい。
弱エラーは、払出前の遊技球の不足に対応してシュート球切れスイッチ信号が発生するようなシュート球切れエラーと、下皿23が満杯になったことに対応してオーバーフロースイッチ信号が発生するようなオーバーフローエラーを含む。弱エラーでは、外部情報信号は外部情報端子71に出力されない(図5-59参照)。また、弱エラーに、スイッチ異常エラーや、払出異常を示すステータス信号が発生する払出異常エラーを含めてもよい。
強エラー1は、枠開放に関する枠開放エラーであり、ガラス枠開放エラーと本体枠開放エラー(前面枠開放エラー)を含む。強エラー1では、外部情報信号として扉・枠開放信号(ステップX505)が外部情報端子71に出力される(図5-59参照)。
強エラー2は、不正に関係する不正系エラーであり遊技停止とすることが好ましく、磁石不正、盤電波不正、枠電波不正、振動不正、異常排出エラー、V通過エラー、大入賞口不正、普電不正を含む。強エラー2では、外部情報信号としてセキュリティ信号(ステップX522)が外部情報端子71に出力される(図5-59参照)。また、強エラー2に残存球エラーを含めてもよい。強エラー2が発生している場合に、遊技(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム、ラウンド遊技等)は停止され、遊技停止中であると判定できる(ステップX57)。また、強エラー2が発生している場合に、安全装置が作動した場合と同じく、遊技として特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム、ラウンド遊技(大当り中や小当り中での遊技)等が実行できない遊技停止状態(遊技不可状態、遊技禁止状態)を発生可能である。
遊技制御装置100は、ステップX61の後に、停電が発生しているか否かを判定する
(ステップX62)。停電が発生していない場合に(ステップX62;N)、ステップX
56の処理に戻る。これにより、停電が発生するまで、ステップX56~X62のループ
処理が繰り返される。そして、停電が発生するまでは、遊技停止にならない限り、すなわ
ち、安全装置が作動したり強エラー2が発生したりしない限り、性能表示編集処理(ステ
ップX59)においてベース値などの性能情報が繰り返し計算できる。
なお、ループ処理の繰り返しの周期は、タイマ割込みの割込み周期(所定時間周期、例
えば4msec)よりもかなり短いため、割込み周期の間に何度も性能表示編集処理が実
行される。したがって、遊技球の入賞や排出球数の変化(アウト口30bに対する遊技球
の入球)等があると、すぐにベース値などの性能情報が変化可能である。
停電が発生した場合に(ステップX62;Y)、遊技制御装置100は、停電発生時の
処理を開始し、一旦割込みを禁止し(ステップX63)、全出力ポートにオフデータを出
力する(ステップX64)。その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1を
セーブし(ステップX65)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブ
する(ステップX66)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェッ
クサム算出処理を実行し(ステップX67)、さらに、算出したチェックサムをセーブす
る(ステップX68)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(ステップ
X69)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェ
ックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバッ
クアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のように、メイン処理について説明したが、例えばステップX56~X62の処理
中に設定キースイッチとRAM初期化スイッチがオンにされた場合に、ステップX21と
同様の判定処理を行って、ステップX32と同様に確率設定変更中フラグをセットするこ
とで、遊技機10が起動している間に何度でも設定可変状態(設定変更モード)に切り替
え可能にしてもよい。
〔RAM領域の構成例〕
図5-8は、遊技用マイコン111のRAM111cの構成を示す図である。図5-8のように、RAM111cの先頭アドレスから領域内ワーク領域、未使用領域、領域内スタック領域、未使用領域、領域外ワーク領域、未使用領域、領域外スタック領域が配置される。領域内ワーク領域と領域内スタック領域(遊技制御用スタック領域、領域内用スタック領域)の間の未使用領域と、領域外ワーク領域と領域外スタック領域(領域外用スタック領域)の間の未使用領域はなくてもよい。
RAMの領域内ワーク領域(遊技制御用ワーク領域)は、領域内プログラムで読み書き
され、領域外プログラムで読まれる遊技制御用の作業領域である。領域内ワーク領域は、
確率設定値領域、試験信号出力データ領域、乱数領域、スイッチ制御領域、セグメント領
域、停電検査領域1、停電検査領域2、チェックサム領域などの他に、安全装置が作動中
であるか否かを示す安全装置作動中フラグ領域や、タイマ割込みの1割込み(例えば4m
sec)内で賞球として獲得した獲得遊技球数を格納する獲得遊技球数領域などを含む。
RAMの領域外ワーク領域は、領域外プログラムで読み書きされ、領域内プログラムで
読まれる領域である。領域外ワーク領域は、差玉数に対応する安全装置カウンタ値(差玉
数+初期値)を格納する安全装置カウンタ領域、安全装置の状態に対応する安全装置作動
情報を格納する安全装置作動情報領域、旧作動情報を格納する旧作動情報領域を含み、安
全装置に関連する安全装置情報を記憶可能である。安全装置カウンタ領域(3バイトサイ
ズ)は、基本的には領域内プログラムでは読まれないが、安全装置カウンタ値又は差玉数
の情報を差玉コマンドで演出制御装置300に送信する場合には、領域内プログラムで読
まれて参照されることもある。本実施形態において、安全装置カウンタ値は、差玉数に比
例して、差玉数に所定の初期値(10万)を加えた値である(安全装置カウンタ値=差玉
数+10万)。しかし、安全装置カウンタ値は、差玉数に対応付けられ差玉数を示唆する
ものであればこれに限られない。
さらに、領域外ワーク領域は、性能情報や性能表示に関連する性能表示用ワーク領域を
含み、性能情報や性能表示に関連する情報などを記憶可能である。その他、領域外ワーク
領域は、試験信号に関連する情報や、エラー監視に関連する情報を記憶してよい。なお、
領域外ワーク領域において、安全装置情報に関連する安全装置関連ワーク領域(安全装置
カウンタ領域、安全装置作動情報領域、旧作動情報領域を含む)と、性能情報や性能表示
に関連する性能表示用ワーク領域を、明確に区分けして配置してもよいし、混在させても
よい。
そして、領域外スタック領域は、性能情報や性能表示に関する処理を行う時と、安全装
置に関する処理を行う時とで共用される。また、領域外スタック領域は、試験信号に関す
る処理、エラー監視に関する処理を行う時にも使用される。
なお、領域内プログラム(領域内処理のプログラム)と領域外プログラム(領域外処理のプログラム)は、ROM111b内で未使用領域を挟んで配置されて区別される。ROMの領域内プログラムは、遊技制御用プログラムや遊技制御用データ等からなり、メイン処理(図5-5~図5-7)に対応するメインプログラムと、後述のタイマ割込み処理に対応する割込み処理プログラムを含む。メインプログラム又は割込み処理プログラムのサブルーチンは、領域外プログラムとなることもある。ROMの領域外プログラムは、安全装置情報初期化処理に対応する安全装置情報初期化プログラム、性能表示編集処理に相当する性能表示編集処理プログラム、後述の領域外統合処理に対応する領域外統合処理プログラムを含む。
〔安全装置情報初期化処理〕
次に、メイン処理における安全装置情報初期化処理(ステップX53)の詳細について説明する。図5-9は、安全装置情報初期化処理の手順を示すフローチャートである。安全装置情報初期化処理では、安全装置カウンタ領域、安全装置作動情報領域、旧作動情報領域を初期化又はクリアし、安全装置カウンタ値、安全装置作動情報、旧作動情報などの安全装置情報を初期値(初期情報)にする。なお、安全装置作動情報は、現在の状態を示す情報であり、旧作動情報は前回(主に1割込み前)の状態を示す。
遊技制御装置100は、まず、スタックポインタを領域外ワーク領域のスタックポイン
タ保存領域にセーブし(ステップX71)、スタックポインタに領域外スタック領域(領
域外用スタック領域)の値として、領域外スタック領域の先頭を示すアドレス値を設定す
る(ステップX72)。これにより、使用するスタックを示すスタックポインタを領域内
スタック領域から領域外スタック領域に切り替える。
次に、遊技制御装置100は、レジスタの情報(値)を領域外スタック領域に退避(P
USH)する(ステップX73)。退避するレジスタは、保護すべきレジスタ(安全装置
情報初期化処理内で使用されるレジスタ)のみでよいし、全ての汎用レジスタを退避して
もよい。全ての汎用レジスタを退避するには、レジスタバンク0とレジスタバンク1の両
方に対して退避(PUSH)する。
続いて、遊技制御装置100は、安全装置カウンタ領域に初期値(10万)をセーブし
、安全装置カウンタ値が初期値となる(ステップX74)。大当りが発生しない場合など
差玉数が0から減少する場合に、安全装置カウンタ値(=差玉数+初期値)は初期値より
小さくなることもあるため、初期値は0より大きく設定されているが10万以外の数値で
もよい。なお、このように、停電復旧時(電源投入時)に、安全装置カウンタ値は遊技者
に不利益にならないように初期化(クリア)されるが、特図変動表示ゲームが確変状態以
外で実行された回数を示す天井カウンタ値は、RAM初期化スイッチ112がオンでない
限り、停電復旧時に初期化(クリア)されなくてよい。そして、安全装置作動情報領域に
安全装置の未作動状態(通常状態)に対応する安全装置未作動情報(値0)を安全装置作
動情報としてセーブする(ステップX75)。さらに、旧作動情報領域に安全装置未作動
情報(値0)を旧作動情報としてセーブする(ステップX76)。
次に、遊技制御装置100は、退避したレジスタを復帰し(ステップX77)、スタッ
クポインタ保存領域からロードしてスタックポインタを設定し(ステップX78)、安全
装置情報初期化処理を終了する。設定したスタックポインタは、領域内スタック領域のア
ドレスを示すことになる。
上記の安全装置情報初期化処理において、レジスタを使用せずRAMに直接情報を書き
込む場合には、レジスタを退避/復帰しない。この場合に、レジスタのRAMへの退避も
行わないのでスタックポインタ関連の処理(ステップX71,X72,X73,X77,
X78)も不要となる。また、安全装置情報初期化処理前後のフラグレジスタの退避/復
帰(ステップX52,X54)も不要になる。
なお、本実施形態において、安全装置カウンタ値が0~189999(安全装置カウン
タ=0~189999)の場合に、安全装置作動情報は、安全装置が未作動(通常)であ
る未作動状態(作動予告状態や作動警告状態や作動状態でない通常状態)に対応する安全
装置未作動情報(値0)となる。安全装置カウンタ値が190000~194999(安
全装置カウンタ=190000~194999)の場合に、安全装置作動情報は、安全装
置の作動を予告する作動予告状態に対応する安全装置作動予告情報(値1)となる。
また、安全装置カウンタ値がカウンタ基準値である195000(安全装置カウンタ=
195000)に到達しても遊技停止できる状態になっていない場合に、安全装置作動情
報は、安全装置の作動を警告する作動警告状態に対応する安全装置作動警告情報(値2)
となる。この場合は、差玉数(=セーフ球数-排出球数)が差玉基準値95000に達し
ても、大当り中又は小当り中であるため、前述の条件(1)は成立したが条件(2)が不
成立で安全装置の作動条件が成立していない場合に相当する。
さらに、安全装置カウンタ値が195000(安全装置カウンタ=195000)に到
達して遊技停止中である場合に、安全装置作動情報は、安全装置が作動中である作動状態
(作動中状態)に対応する安全装置作動中情報(値3)となる。この場合は、差玉数が差
玉基準値95000に達して、且つ、大当り中でも小当り中でもないため前述の条件(1
)(2)の両方が成立することによって、安全装置の作動条件が成立した場合に相当する
〔性能表示編集処理〕
次に、メイン処理における性能表示編集処理(ステップX59)の詳細について説明する。図5-10は、性能表示編集処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、スタックポインタを領域外ワーク領域のスタックポイン
タ保存領域にセーブし(ステップX81)、スタックポインタに領域外スタック領域の値
として、領域外スタック領域(領域外用スタック領域)の先頭を示すアドレス値を設定す
る(ステップX82)。これにより、使用するスタックを示すスタックポインタを領域内
スタック領域から領域外スタック領域に切り替える。
次に、遊技制御装置100は、レジスタバンク0とレジスタバンク1の両方に対してレ
ジスタの情報(値)を領域外スタック領域に退避(PUSH)する(ステップX83)。
ここで、汎用レジスタ全部を退避することが好適である。そして、領域外ワーク領域のう
ち性能表示用ワーク領域の正当性を判定する正当性判定を実行し、正当でなく異常である
場合に、性能表示用ワーク領域の初期化(初期値設定も含む)を実行する(ステップX8
4)。
正当性判定では、性能表示用ワーク領域に格納される値が設計上あり得ない値であった
り設計値から外れる場合(所定範囲外の場合)に、正当でないと判定できる。例えば、性
能表示用ワーク領域の初期化が済んだことを示す性能表示用RAM初期化済みフラグに特
定の値(例えば5Ah)が格納されているか否かを判定し、ベース値算出等に用いる除算
処理の進行を管理する番号が所定範囲内であるかを判定し、スイッチカウンタの値が監視
されるスイッチの数以下の範囲内であるかを判定し、現在の表示期間を示す表示期間管理
番号が期間数の範囲内(0~3)であるかを判定し、現在の集計区間を示す集計区間番号
が区間数の範囲内(0~4)であるかを判定する。このように、正当性判定では、データ
テーブルに対してポインタとして使用する領域の値に対して所定範囲内にあるかの判定を
行うのが好適である。これにより、範囲外の値を取得することによってプログラムが暴走
するのを事前に防ぐことができる。また、性能表示編集処理毎に、正当性判定を行ってい
るので効果的である。
なお、性能表示編集処理が実行される度に正当性判定が実行されるため、性能表示用ワ
ーク領域が正当でない場合に、すぐにその初期化が実行でき、異常な性能表示(異常なベ
ース値等の表示)が極力防止できる。
また、性能表示用ワーク領域の初期化(初期値設定も含む)は、スタックポインタ保存
領域を保護するよう、スタックポインタ保存領域以外を初期化の対象とする。なお、本実
施形態において領域外スタック領域は初期化しないが、初期化するようにしてもよい。領
域外スタック領域を初期化する場合でも、領域外スタック領域に退避したレジスタの値は
保護して初期化しない。性能表示用ワーク領域の初期化は、領域内ワーク領域(遊技制御
用ワーク領域)と領域内スタック領域(遊技制御用スタック領域)の初期化とは区別され
て実行されるため、領域内ワーク領域と領域内スタック領域には影響を与えない。
続いて、遊技制御装置100は、ベース値(出玉率)の計算の元になるデータ(通常ア
ウト球数や通常賞球数など)を集計する集計区間の切替えタイミングであるか否かを判定
する(ステップX85)。電源投入からの総アウト球数(総排出球数、総アウト数)に対
して集計区間が設けられ、総アウト球数が複数の所定個数に達するごとに(例えば600
00増えるごとに)集計区間が切り替えられる。
例えば、集計区間の切替えタイミングは、電源投入からの総アウト球数が所定個数とし
ての300個、60300個、120300個、180300個・・・になるタイミング
である。すなわち、集計区間の幅は最初の第1集計区間を除いて基本的に60000であ
り、第1集計区間=0~300個、第2集計区間=300~60300個、第3集計区間
=60300~120300個、第4集計区間=120300~180300個、第5集
計区間=180300~240300個・・・となる。第1~5集計区間を示す集計区間
番号はそれぞれ0~4であり、第6集計区間以降に対して集計区間番号は4に維持される
。なお、現在の集計区間番号は、性能表示用ワーク領域に記憶される。
遊技制御装置100は、集計区間の切替えタイミングである場合に(ステップX85;
Y)、集計区間の切替え設定をする(ステップX86)。集計区間の切替え設定では、総
アウト球数(総アウト数)をカウントする総アウトカウンタ、各集計区間内におけるアウ
ト球数(排出球数)である通常アウト球数(通常アウト数)をカウントする通常アウトカ
ウンタ、及び、各集計区間内における全賞球数(獲得球数)である通常賞球数をカウント
する通常賞球数カウンタをクリアしたり、各集計区間の最終ベース値(又は最新ベース値
)を隣の集計区間のベース値格納領域にシフト(移動)したりする。
遊技制御装置100は、集計区間の切替えタイミングでない場合に(ステップX85;N)、監視対象の入力ポートにスイッチの入力があるか否かを判定する(ステップX87)。本実施形態において、監視対象の入力ポートは、第3入力ポート124と第4入力ポート126である(図5-3参照)。
ここでは、監視対象の入力ポートごとに性能表示用ワーク領域にコピーしたスイッチ立ち上がりエッジの情報(図5-64のステップX713でコピーされる)をチェックする。監視対象の入力ポートごとに、コピーしたスイッチ立ち上がりエッジの情報を記憶する8ビットの領域がある。全ての監視対象の入力ポートに関してスイッチ立ち上がりエッジの情報が全て0である場合に入力がないと判定でき、それ以外の場合に入力があると判定できる。なお、スイッチ立ち上がりエッジの情報として、コピー時にマスクされない限り、入力処理(ステップX103)において新たな入力(検出)があったスイッチに対応するビットが1に設定され、新たな入力のないスイッチに対応するビットが0に設定されている。
遊技制御装置100は、監視対象の入力ポートにスイッチの入力がある場合に(ステッ
プX87;Y)、スイッチカウンタに対応するスイッチ(対象スイッチ)の入力をチェッ
クして入力情報を取得する(ステップX88)。ここでの対象スイッチは、第1特別変動
入賞装置38の下大入賞口スイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の上大入賞口スイ
ッチ39a、第1始動入賞口36の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37(普通
変動入賞装置)の始動口2スイッチ37a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a(左
入賞口スイッチ、右入賞口スイッチ)、アウト球検出スイッチ74、など、遊技球の検出
によってベース値(又は出玉率)を変化させ得るものである。
続いて、遊技制御装置100は、対象スイッチの有効期間であるか否かを判定する(ス
テップX89)。なお、大入賞口不正や普電不正が発生して、大入賞口や第2始動入賞口
37への入賞が無効な場合、すなわち大入賞口スイッチ38a,39aや始動口2スイッ
チ37aが有効でない場合がある。また、第1始動入賞口36やアウト球検出スイッチ7
4など常時有効なスイッチもある。
遊技制御装置100は、対象スイッチの有効期間である場合に(ステップX89;Y)
、スイッチカウンタに対応する対象スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップX
90)。対象スイッチの有効期間でない場合に(ステップX89;N)又は対象スイッチ
に入力がない場合に(ステップX90;N)、ステップX98の処理に移行する。
遊技制御装置100は、対象スイッチに入力がある場合に(ステップX90;Y)、対
象スイッチに対応するビットの入力情報(1ビット)をクリアし(ステップX91)、通
常ベース状態中であるか否かを判定する(ステップX92)。通常ベース状態(低ベース
状態)は、ベース値を算出且つ更新できる期間であり、本実施形態において通常遊技状態
である。
遊技制御装置100は、通常ベース状態中(通常遊技状態中)である場合に(ステップ
X92;Y)、対象スイッチが賞球の付与されるスイッチであれば、対象スイッチに対応
する賞球数を加算することによって、集計区間内における全賞球数である通常賞球数を更
新する(ステップX93)。続いて、対象スイッチがアウト球検出スイッチ74である場
合に1を加算することによって、集計区間内におけるアウト球数である通常アウト球数(
通常アウト数、通常排出球数)を更新する(ステップX94)。次に、対象スイッチがア
ウト球検出スイッチ74である場合に1を加算することによって、総アウト球数(総アウ
ト数、総排出球数)を更新する(ステップX95)。
なお、本実施形態において、アウト球検出スイッチ74は、遊技領域32から排出され
た全ての遊技球(すなわち、入賞口又はアウト口30bを通過した全ての遊技球)を検出
する。アウト口30bに入球した遊技球だけでなく、入賞口(第1始動入賞口36、第2
始動入賞口37、大入賞口、又は、一般入賞口35)に入球した遊技球は、図示しない通
路等を介してアウト球検出スイッチ74に導かれて検出される。
遊技制御装置100は、通常遊技状態である通常ベース状態中でない場合に(ステップ
X92;N)、通常賞球数も通常アウト球数も更新することなく、総アウト球数だけを更
新する(ステップX95)。したがって、通常ベース状態でない高ベース状態(第2の遊
技状態、時短状態、確変状態又は特別遊技状態)において、通常賞球数も通常アウト球数
も更新されず、通常賞球数と通常アウト球数から算出されるベース値(通常賞球数÷通常
アウト球数)は、更新されず変化がない。なお、ステップX92の通常ベース状態に関す
る判定処理をなくして、ベース値を全ての遊技状態における出玉率として更新可能(変化
可能)とする構成も可能である。
次に、遊技制御装置100は、次回の性能表示編集処理で対象スイッチを次のものに変
更するために、スイッチカウンタを+1更新する(ステップX96)。なお、メイン処理
におけるループ処理によって性能表示編集処理は、タイマ割込みの割込み周期(所定時間
周期、例えば4msec)よりもかなり短い時間間隔で実行される(例えば、数μsec
)。このため、割込み周期の間に、性能表示編集処理は繰り返し実行され、スイッチカウ
ンタ(例えば0から7)は、監視対象の入力ポートごとに全スイッチのビット(例えばビ
ット0からビット7)を網羅する。また、スイッチカウンタは最終の値(例えば7)の後
に0に更新されて、次の監視対象の入力ポートに関してスイッチの入力がチェック開始さ
れる。例えば、最初に第3入力ポート124に関してスイッチの入力がチェックされた後
に、次に第4入力ポート126に関してスイッチの入力がチェックされる。
一方、遊技制御装置100は、全ての監視対象の入力ポートにスイッチの入力がない場
合に(ステップX87;N)、ベース値を算出するためのベース値算出処理(所定処理)
を実行する(ステップX97)。なお、監視対象の入力ポートにスイッチの入力が最初か
らない場合がある。他方、一部又は全ての監視対象の入力ポートにスイッチの入力が最初
にあったとしても、全ての監視対象の入力ポートに関してスイッチの入力がチェックされ
た後は、入力があった対象スイッチの入力情報はクリアされている(ステップX91)の
で、全ての監視対象の入力ポートにスイッチの入力がない状態となる。
ベース値算出処理において、ベース値は、通常アウト球数に対する通常賞球数の比率で
あり、通常賞球数÷通常アウト球数で算出される。したがって、始動入賞口(始動入賞口
36、普通変動入賞装置37)、大入賞口、又は、一般入賞口35に入球があった場合に
、第1段階として、賞球が付与される入賞口のスイッチ35a,36a,37a,38a
,39aの入力(検出)によって通常賞球数が更新され変化してベース値が変化し、且つ
、第2段階としてアウト球検出スイッチ74の入力(検出)によって通常アウト球数が更
新され変化してベース値が変化する。すなわち、入賞口へ1個の遊技球が入球すると、2
段階でベース値が変化することになる(影響を受けることになる)。遊技盤30に開口す
るアウト口30bに入球があった場合に、アウト球検出スイッチ74の入力(検出)によ
って通常アウト球数が更新され変化して、ベース値も変化する。一方で、普図始動ゲート
34に入球があった場合には、通常賞球数も通常アウト球数もその入球自体によっては更
新されず変化しないため、ベース値も変化せずに維持される。普図始動ゲート34に入球
があっても、賞球が付与されないため通常賞球数は更新されない。
ベース値は、変化の有無にかかわらず、出力処理のステップX224~X230の処理
によって、性能表示装置152に性能表示として出力されることになる。ただし、安全装
置が作動して遊技停止中である場合や、強エラー2が発生して遊技停止中である場合に、
性能表示装置152は、オフデータが出力されて消灯する。
なお、特殊な例として、ベース値のリアルタイム値(bL.)を表示するリアルタイム
値表示期間でのみ、ベース値の算出を実行してよく、この特殊な例では、リアルタイム値
表示期間が到来するまで通常賞球数と通常アウト球数は更新されるが、ベース値は算出さ
れず変化しない。
遊技制御装置100は、ステップX96又はステップX97の後、退避したレジスタを
復帰し(ステップX98)、スタックポインタ保存領域からロードしてスタックポインタ
を設定し(ステップX99)、性能表示編集処理を終了する。設定したスタックポインタ
は、領域内スタック領域のアドレスを示すことになる。
なお、図5-10において、ステップX97の処理を、ステップX94の直後に実施して、監視対象の入力ポートの全てのスイッチの入力チェックを待たずに、通常賞球数又は通常アウト球数が更新された直後にベース値算出処理を行うような構成も可能である。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図5-11は、タイマ割込み処理(割込み処理プログラム)の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバ
ンクとしてレジスタバンク1を指定し(ステップX101)、所定のレジスタにRAM先
頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX102)。タイマ割込み処理の開始
時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、
メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が
開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、
すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップX103)。次
に、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグに基づいて、確率設定変更中又は確率
設定確認中であるか否かを判定する(ステップX104)。確率設定変更中又は確率設定
確認中である場合に(ステップX104;Y)、確率設定値を変更又は確認するための確
率設定変更/確認処理を実行する(ステップX105)。
遊技制御装置100は、確率設定変更中でも確率設定確認中でもない場合に(ステップ
X104;N)、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(例えば大入
賞口ソレノイド38b,39b)等のアクチュエータの駆動制御やLEDの駆動制御(発
光制御)などを行うための出力処理を実行する(ステップX106)。なお、メイン処理
におけるステップX5の処理で発射停止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われ
ることで発射許可の信号が出力でき、発射許可信号を許可状態に設定可能である。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンド(払出
コマンドなど)を払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行する(ステ
ップX107)。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口ス
イッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39aから正常な信号の入力があるか否かの監
視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッ
チ/状態監視処理を実行する(ステップX108)。
次に、遊技制御装置100は、遊技停止中であるか否かを判定する(ステップX109
)。安全装置が作動した場合や、遊技を停止する必要のある強エラー2が発生している場
合に、遊技停止中であると判定できる。
遊技制御装置100は、遊技停止中でない場合に(ステップX109;N)、特図ゲー
ム処理(ステップX110)、役物ゲーム処理(ステップX111)、普図ゲーム処理(
ステップX112)、セグメントLED編集処理(ステップX113)を実行する。その
後、ステップX114以降の処理を実行する。なお、エラーが全く発生していない場合の
他に、弱エラーと強エラー1が発生している場合にも、特図ゲーム処理(ステップX11
0)、役物ゲーム処理(ステップX111)、普図ゲーム処理(ステップX112)、セ
グメントLED編集処理(ステップX113)を実行する。
セグメントLED編集処理では、一括表示装置50を構成する複数のセグメントLED
の一部(記憶表示部やラウンド表示部等:LEDランプD3~D7、D11~D17)の
駆動に関する設定等が実行される。なお、一括表示装置50の他の一部(変動表示部:L
EDランプD1,D2,D8,D10,D18)の駆動に関する設定等は、図柄変動制御
処理(ステップA16,A18,C15)で実行される。一括表示装置50の別の他の一
部(確率状態表示部:LEDランプD9)の駆動に関する設定等は、停電復旧処理(ステ
ップX48)などで実行される。
遊技制御装置100は、遊技停止中である場合に(ステップX109;Y)、特図ゲー
ム処理(ステップX110)、役物ゲーム処理(ステップX111)、普図ゲーム処理(
ステップX112)、セグメントLED編集処理(ステップX113)を実行することな
く、ステップX114以降の処理に移行する。このように安全装置が作動した場合や、強
エラー2が発生して遊技停止中である場合に、特図ゲーム処理(ステップX110)と普
図ゲーム処理(ステップX112)が実行されないため、特図保留数(ステップA136
,A532)と普図保留数(ステップC107,C318)は変化しない。一方、弱エラ
ーや強エラー1が発生して場合に、遊技停止中でなく、特図ゲーム処理(ステップX11
0)と普図ゲーム処理(ステップX112)が実行されるため、特図保留数(ステップA
136,A532)と普図保留数(ステップC107,C318)は+1更新(保留発生
時)や-1更新(保留消化時)によって変化可能である。
なお、弱エラーと強エラー1と強エラー2などのエラーの種類に応じて、特図ゲーム処
理(ステップX110)、役物ゲーム処理(ステップX111)、普図ゲーム処理(ステ
ップX112)、セグメントLED編集処理(ステップX113)のうちいずれか一部を
実行してその他を実行しない構成も可能である。例えば、強エラー2が発生した場合に、
セグメントLED編集処理だけは実行するなどしてよい。
さらに、遊技制御装置100は、安全装置の状態に対応する安全装置作動情報を演出コ
マンドとして演出制御装置300に送信したり、安全装置作動中フラグを設定できる安全
装置関連処理を実行する(ステップX114)。そして、磁気センサスイッチ61からの
検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(ステ
ップX115)。さらに、遊技盤の盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常
がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(ステップ
X116)。
その後、遊技制御装置100は、振動センサ65からの入力に基づいて振動による不正
を監視する振動不正監視処理を実行する(ステップX117)。次に、大入賞口からの異
常排出を監視する異常排出監視処理を実行する(ステップX118)。異常排出監視処理
では、特別変動入賞装置38,39における大入賞口スイッチ38a,39a、特定領域
スイッチ72a(V入賞口スイッチ)、残存球排出口スイッチ73からの入力に基づいて
、特別変動入賞装置39の異常排出を監視し、異常排出が発生した場合に異常排出発生中
フラグが設定される。なお、特別変動入賞装置38,39の大入賞口スイッチ38a,3
9aを通過した遊技球は、特定領域スイッチ72a(V入賞口スイッチ)又は残存球排出
口スイッチ73を通過して排出される。
次に、遊技制御装置100は、各種外部装置に出力する信号を出力バッファにセットす
る外部情報編集処理を実行する(ステップX119)。そして、ステップX109等と同
じく、遊技停止中であるか否かを判定する(ステップX120)。
遊技制御装置100は、遊技停止中でない場合に(ステップX120;N)、フラグレ
ジスタを領域内スタック領域に退避し(ステップX121)、安全装置カウンタ値の更新
(差玉数の算出)や性能表示装置152の表示制御などを行う領域外統合処理を実行する
(ステップX122)。その後、フラグレジスタを復帰して(ステップX123)、タイ
マ割込み処理を終了する。安全装置が作動しておらず且つ強エラー2が発生していない場
合に、遊技停止中でなく、領域外統合処理等を含めてステップX121~X123の処理
が実行される。
なお、後述のように、領域外統合処理に移行する際に、スタックポインタを遊技制御に
関連する領域内スタック領域から領域外スタック領域に切り替える。その際、遊技制御用
のスタックポインタをRAM111cのスタックポインタ保存領域に保存する時にフラグ
レジスタのフラグ(特にゼロフラグ)が変化する可能性があるため、ステップX121に
おいて事前にフラグレジスタを退避しておく。
一方、遊技制御装置100は、遊技停止中である場合に(ステップX120;Y)、領
域外統合処理等を実行することなく、タイマ割込み処理を終了する。すなわち、安全装置
が作動した場合や強エラー2が発生している場合に、領域外統合処理が実行されないため
、安全装置カウンタ値は更新されないしベース値などの性能表示の表示内容は更新されな
い。これにより、遊技停止中の不要な制御を省略できる。
なお、上記と異なり、強エラー2が発生しても、遊技停止とせず、特図ゲーム処理(ス
テップX110)、役物ゲーム処理(ステップX111)、普図ゲーム処理(ステップX
112)、セグメントLED編集処理(ステップX113)を実行する構成も可能である
。また、強エラー2が発生しても、領域外統合処理等を実行する構成も可能である。
また、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指
定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集
処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処
理を行ってもよい。
〔出力処理〕
次に、タイマ割込み処理(図5-11)における出力処理(ステップX106)の詳細について説明する。図5-12は、出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力する出力ポート135(セグメント出力ポート)(図5-3参照)にオフデータを出力して出力ポート135をリセットする(ステップX201)。続いて、全ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b,39b、レバーソレノイド72b、普電ソレノイド37c)に対するオフの出力データをセットする(ステップX202)。そして、ステップX109等と同じく、遊技停止中であるか否かを判定する(ステップX203)。安全装置が作動した場合や、遊技を停止する必要のある強エラー2が発生している場合に、遊技停止中であると判定できる。
遊技制御装置100は、遊技停止中でない場合に(ステップX203;N)、大入賞口
ソレノイド38b,39b、レバーソレノイド72b、普電ソレノイド37cのデータを
出力するソレノイド出力ポート134に出力するデータを合成する(ステップX204)
。そして、ソレノイド出力ポート134にデータを出力する(ステップX205)。遊技
停止中である場合に(ステップX203;Y)、何もせず、ステップX205の処理に移
行して、ソレノイド出力ポート134にオフデータ(ステップX202)を出力する。こ
れにより、遊技停止状態である場合に、全ソレノイドの動作が停止し、大入賞口、特定領
域72、普通変動入賞装置37等が閉鎖して閉状態となる。このように遊技停止状態にお
いて大入賞口が閉鎖されてラウンド遊技(大当り中や小当り中での遊技)が実行できない
そして、遊技制御装置100は、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキ
ャンするためのデジットカウンタの値を0~3の範囲で+1更新する(1だけ加算するが
3の次は0に更新される)(ステップX206)。さらに、デジットカウンタの値に対応
するLEDのデジット線へのデジット出力データを取得する(ステップX207)。そし
て、取得したデジット出力データと外部情報データを合成し(ステップX208)、合成
したデータをデジット出力・外部情報出力ポート136に出力する(ステップX209)
次に、遊技制御装置100は、セグメント線へのセグメント出力データとしてオフデー
タをセットする(ステップX210)。そして、発射禁止の出力データをセットする(ス
テップX211)。さらに、ステップX203等と同じく、遊技停止中であるか否かを判
定する(ステップX212)。
遊技制御装置100は、遊技停止中でない場合に(ステップX212;N)、デジット
カウンタの値に対応するRAM111c内のセグメント領域からセグメント線へのセグメ
ント出力データをロードし(ステップX213)、発射許可の出力データをセットし(ス
テップX214)、ロードしたセグメント出力データをセグメント出力用の出力ポート1
35に出力する(ステップX215)。なお、このセグメント領域は、領域内ワーク領域
(遊技制御用ワーク領域)に含まれてよい。
このように、遊技停止中でない場合に、デジットカウンタの値が0~3の範囲で+1更
新される度に、新たなデジット線が選択されて、このデジット線が接続する桁の8本のセ
グメント線にセグメント出力データが出力される。桁0~桁3(デジット0~3)が順次
選択されて、一括表示装置50に対するダイナミック駆動方式(ダイナミック点灯制御)
が実現される。
一方、遊技制御装置100は、遊技停止中である場合に(ステップX212;Y)、ス
テップX213とステップX214の処理をすることなく、オフデータ(ステップX21
0)をセグメント出力用の出力ポート135に出力する(ステップX215)。これによ
り、安全装置が作動した場合や強エラー2が発生している場合の遊技停止状態において、
一括表示装置50は消灯する。これにより、遊技停止状態において特図変動表示ゲームと
普図変動表示ゲームが実行できない。そして、一括表示装置50を見た遊技者は、遊技停
止中であることや、安全装置が作動したこと又は強エラー2(不正系エラー)が発生した
ことを認識できる。
続いて、遊技制御装置100は、外部情報端子71に出力する外部情報データをロード
して合成し(ステップX216)、さらに、合成した外部情報データと発射許可または発
射禁止の出力データを合成し(ステップX217)、最終的に合成したデータを外部情報
・発射許可信号出力ポート137に出力する(ステップX218)。なお、ここで、遊技
停止中でない場合に発射許可の出力データになり(ステップX214)、遊技停止中であ
る場合に発射禁止(発射停止)の出力データになる(ステップX211)。これにより、
安全装置が作動した場合や強エラー2が発生している場合の遊技停止状態において、球発
射装置からの遊技球の発射が禁止されるようになっている一方で、遊技停止状態でなけれ
ば、球発射装置からの遊技球の発射が許可されるようになっている。なお、遊技停止状態
でも、球発射装置からの遊技球の発射を許可して、発射禁止(発射停止)しない構成も可
能である。
次に、遊技制御装置100は、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の
試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子
出力ポート1に合成したデータを出力する(ステップX219)。その後、試射試験装置
への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロー
ドして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2に合成したデータを出力する(ス
テップX220)。
次に、遊技制御装置100は、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の
試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子
出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップX221)。さらに、試射試験装置
の試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロード
して合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4に合成したデータを出力する(ステ
ップX222)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端
子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポ
ート5に合成したデータを出力する(ステップX223)。
次に、遊技制御装置100は、性能表示装置(LED)152のセグメントのデータを
出力する出力ポート141(セグメント出力ポート2)にオフデータを出力して出力ポー
ト141をリセットする(ステップX224)。次に、性能表示装置152のデジット線
を順次スキャンするためのデジットカウンタ2の値を0~3の範囲で+1更新する(1だ
け加算するが3の次は0に更新される)(ステップX225)。さらに、デジットカウン
タ2の値に対応するLEDのデジット線へのデジット出力データを取得する(ステップX
226)。そして、取得したデジット出力データを出力ポート142(デジット出力ポー
ト2)に出力する(ステップX227)。
次に、遊技制御装置100は、ステップX203等と同じく、遊技停止中であるか否か
を判定する(ステップX228)。遊技停止中でない場合に(ステップX228;N)、
デジットカウンタ2の値に対応するRAM111c内の性能表示装置セグメント領域から
セグメント出力データをロードする(ステップX229)。性能表示装置セグメント領域
は、性能情報やその表示(性能表示)に関連する性能表示用ワーク領域に含まれる。そし
て、ロードしたセグメント出力データを性能表示装置152用の出力ポート141(セグ
メント出力ポート2)に出力し(ステップX230)、その後、出力処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、遊技停止中である場合に(ステップX228;Y)、ス
テップX229とステップX230の処理を実行することなく、出力処理を終了する。し
たがって、安全装置が作動して遊技停止中である場合や強エラー2が発生して遊技停止中
である場合に、性能表示装置セグメント領域のセグメント出力データを出力ポート141
に出力できないため、ステップX224のオフデータがそのまま性能表示装置152用の
出力ポート141に出力される。そして、この場合に、デジットカウンタ2の値が0~3
の範囲で一巡すると、性能表示装置152は、全LEDが強制的に消灯して非表示になり
、性能表示装置152を見た遊技場の責任者や係員は、遊技停止中であることや安全装置
が作動したこと又は強エラー2(不正系エラー)が発生したことを認識できる。
また、強エラー2が発生しても、遊技停止とせず、ステップX229とステップX23
0の処理等を実行する構成も可能である。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
次に、タイマ割込み処理(図5-11)における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX108)の詳細について説明する。図5-13は、入賞口スイッチ/状態監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、領域内ワーク領域に含まれる獲得遊技球数領域を0クリ
アする(ステップX301)。これにより、獲得遊技球数領域は、1割込み内(所定時間
周期内)に獲得した賞球の数(合計)である獲得遊技球数を格納する領域となる。なお、
獲得遊技球数は、1割込み内でのセーフ球数の増加に等しい。そして、上大入賞口(特別
変動入賞装置39)内の上大入賞口スイッチ39aに対応する入賞口監視テーブル1を準
備する(ステップX302)。そして、上大入賞口が開いていないにもかかわらず上大入
賞口に不正な入賞がないかを監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理
を実行する(ステップX303)。
その後、遊技制御装置100は、下大入賞口(特別変動入賞装置38)内の下大入賞口
スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル2を準備する(ステップX304)。そし
て、下大入賞口が開いていないにもかかわらず下大入賞口に不正な入賞がないかを監視す
るとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(ステップX305)。
そして、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37aに
対応する入賞口監視テーブルを準備する(ステップX306)。そして、不正入賞を監視
するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(ステップX307)
。続いて、常時入賞可能で不正監視が不要な入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備
する(ステップX308)。常時入賞可能な入賞口スイッチは、始動口1スイッチ36a
や一般入賞口35等である。
次に、遊技制御装置100は、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理を実行する(
ステップX309)。そして、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれ
のスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカ
ウンタを更新する(ステップX310)。状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新
される。
その後、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を
設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップX311)。そして、エ
ラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(ステッ
プX312)。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャ
ンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異
常検知信号に基づく状態(スイッチ異常エラー)の監視が設定され、状態スキャンカウン
タの値が1である場合は払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ信号に基づく
状態(シュート球切れエラー)の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が2であ
る場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態(オーバーフローエラー)の監視が設
定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合は払出異常ステータス信号に基づく状
態(払出異常エラー)の監視が設定される。このように、遊技機状態監視テーブル1では
、弱エラーが監視される。
次に、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設
定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップX313)。そして、エラ
ーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(ステップ
X314)。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャ
ンカウンタの値が0である場合はガラス枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく
状態(ガラス枠開放エラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場
合は本体枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態(本体枠開放エラー、前面
枠開放エラー)の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が2である場合は
枠電波不正信号に基づく状態(枠電波不正)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの
値が3である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値が0であるか否かを判定する
(ステップX315)。そして、エラースキャンカウンタの値が0でない場合には(ステ
ップX315;N)、ステップX317の処理に移行する。
また、遊技制御装置100は、エラースキャンカウンタの値が0である場合には(ステ
ップX315;Y)、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジ
ー信号に基づきビジー信号ステータス(払出ビジー信号フラグ)を設定する払出ビジー信
号チェック処理を実行し(ステップX316)、ステップX317の処理に移行する。
なお、ステップX316の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタ
の値が0の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されること
となる。すなわち、タイマ割込みが4ms毎に行われる場合は、16ms毎にステップX
316の処理が行われることとなる。
次に、遊技制御装置100は、不適切なタイミングで特定領域スイッチ72aを遊技球
が通過したか否かを監視するV通過タイミング監視処理を実行する(ステップX317)
。V通過タイミング監視処理では、不適切なタイミングで特定領域スイッチ72aの検出
信号が発生した場合にV通過エラーとする。
続いて、遊技制御装置100は、特定領域スイッチ72aに遊技球が残っていないかを
監視する残存球監視処理を実行し(ステップX318)、入賞口スイッチ/状態監視処理
を終了する。
なお、入賞口スイッチ/状態監視処理におけるV通過タイミング監視処理と残存球監視
処理は、本実施形態のようないわゆる1種2種混合機(1+2種機)に必要であり、通常
の1種パチンコ機では不要となることもある。
〔不正&入賞監視処理〕
図5-14は、不正&入賞監視処理の手順を示すフローチャートである。不正&入賞監視処理は、図5-13に示した入賞口スイッチ/状態監視処理におけるステップX303,X305,X307にて実行される。
不正&入賞監視処理は、特別変動入賞装置38内の下大入賞口スイッチ38a、特別変
動入賞装置39の上大入賞口スイッチ39a、普通変動入賞装置37内の入賞口スイッチ
(始動口2スイッチ37a)に対して行われる処理である。第2始動入賞口(普通変動入
賞装置37)や大入賞口(特別変動入賞装置38,39)については、無理やり開閉部材
を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行われ易いため、入賞の検出の他に不
正の監視をする。
遊技制御装置100は、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグ
をチェックし(ステップX321)、不正監視期間中であるか否かを判定する(ステップ
X322)。例えば、不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが本来遊技球
を検出しない期間であり、例えば入賞口スイッチが下大入賞口スイッチ38aである場合
に特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態中以外の期間である。
そして、遊技制御装置100は、不正監視期間である場合には(ステップX322;Y
)、対象の入賞口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップX323)。対象の
入賞口スイッチに入力がない場合には(ステップX323;N)、対象の報知タイマ更新
情報をロードする(ステップX332)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合
には(ステップX323;Y)、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップX324)、
加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)以上であるか否かを判
定する(ステップX325)。
判定個数を5個としている理由は、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した
際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球がカウントスイッチの有効期間を過
ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合などを不正と判断しないようにするためで
あり、不正でないにもかかわらず容易にエラーと判定しないようにするためである。
そして、遊技制御装置100は、判定個数以上でない場合には(ステップX325;N
)、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(ステップX330)。また
、判定個数以上の場合には(ステップX325;Y)、不正入賞数を不正発生判定個数に
留め(ステップX326)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば60000
ms)をセーブする(ステップX327)。
次に、遊技制御装置100は、対象の不正発生コマンドを演出コマンドとして準備し(
ステップX328)、さらに、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備する(スステ
ップX329)。そして、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(
ステップX340)。
一方、遊技制御装置100は、不正監視期間でない場合には(ステップX322;N)
、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備し(ステップX330)、賞球の設
定を行う入賞数カウンタ更新処理を実行する(ステップX331)。入賞数カウンタ更新
処理の詳細については、後述する。
そして、遊技制御装置100は、対象の報知タイマ更新情報をロードし(ステップX3
32)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(ステップX333)。報知タイマの更
新が許可されない場合には(ステップX333;N)、不正&入賞監視処理を終了する。
一方、報知タイマの更新が許可される場合には(ステップX333;Y)、対象の報知タ
イマが0でなければ-1更新する(ステップX334)。なお、報知タイマの最小値は0
に設定されている。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが普通変動入賞装置37内の入
賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)である場合は許可される。また、一つの特別変
動入賞装置(大入賞口)内に2つ入賞口スイッチがある場合に、報知タイマの更新は、エ
ラー監視対象の入賞口スイッチが一方である場合は許可され、エラー監視対象の入賞口ス
イッチが他方の場合は許可されない。これにより、一つの特別変動入賞装置についての不
正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば60
000ms)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。
その後、遊技制御装置100は、報知タイマの値が0であるか否かを判定し(ステップ
X335)、値が0でない場合(ステップX335;N)、すなわち、タイムアップして
いない場合には、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの値が0である場合
(ステップX335;Y)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた
場合は、対象の不正解除コマンドを演出コマンドとして準備し(ステップX336)、不
正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップX337)。そして、報知タイ
マの値が0になった瞬間であるか否かを判定する(ステップX338)。
遊技制御装置100は、報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップX33
8;Y)、すなわち、今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合には
、対象の不正入賞数をクリアする(ステップX339)。
また、遊技制御装置100は、ステップX339の処理が終了後、又は、報知タイマの
値が0になった瞬間でない場合(ステップX338;N)、すなわち、前回以前の不正&
入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合には、準備した不正フラグを対象の不正
フラグ領域の値と比較する(ステップX340)。
そして、遊技制御装置100は、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一
致した場合には(ステップX340;Y)、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備
した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合には(ステップX340;
N)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップX341)、演
出コマンド設定処理を実行する(ステップX342)。その後、不正&入賞監視処理を終
了する。
以上の処理により、不正の発生に伴い不正発生コマンドが演出制御装置300に送信さ
れ、不正の解除に伴い不正解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、不正の報知
の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図5-15は、入賞数カウンタ更新処理の手順を示すフローチャートである。入賞数カウンタ更新処理は、図5-13に示した入賞口スイッチ/状態監視処理のステップX309や図14に示した不正&入賞監視処理のステップX331にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、遊技停止中であるか否かを判定する(ステップX351
)。安全装置が作動した場合や、遊技を停止する必要のある強エラー2が発生している場
合に、遊技停止中であると判定できる。
遊技制御装置100は、遊技停止中でない場合に(A2201;N)、入賞口監視テー
ブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(A2202)、対象の入賞口スイッチ
に入力があるか否かを判定する(A2203)。入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブ
ルには、監視する入賞口スイッチ毎に、賞球数、入賞数カウンタ領域1のアドレス、入賞
数カウンタ領域2のアドレスなどが定義されている。入力がない場合には(A2203;
N)、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新し(ステップX365)、全スイ
ッチの監視が終了したか否かを判定する(ステップX366)。
一方、遊技制御装置100は、対象の入賞口スイッチに入力がある場合には(ステップ
X353;Y)、獲得遊技球数領域から獲得遊技球数をロードし(ステップX354)、
対象の入賞口スイッチに対応する賞球数を獲得遊技球数に加算し(ステップX355)、
加算後の値を獲得遊技球数領域にセーブする(ステップX356)。これにより、獲得遊
技球数領域に記憶される獲得遊技球数が入賞口スイッチごとに更新されていき、獲得遊技
球数は、最終的に1割込み内に獲得した賞球の数(合計)になる。
なお、獲得遊技球数領域は、領域内ワーク領域にあり、入賞数カウンタ更新処理のプロ
グラム(領域内プログラムの一部)で書き込まれ、後述の差玉確認処理のプログラム(領
域外プログラムの一部)では読み出すだけとなる。なお、全ての入賞口スイッチに同時に
入力したとしても賞球の合計値は255(1バイト)に満たないため、獲得遊技球数に対
して上限のチェックは行わない。
次に、遊技制御装置100は、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(ステップ
X357)、ロードした値を+1更新する(ステップX358)。さらに、更新された値
によってオーバーフローが発生するか否かを判定する(ステップX359)。入賞数カウ
ンタ領域1は、2バイト(0~65535)のサイズである。
遊技制御装置100は、オーバーフローが発生していない場合には(ステップX359
;N)、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブする(ステップX360)。ステッ
プX360の処理の終了後、又は、オーバーフローが発生した場合には(ステップX35
9;Y)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップX361)。
その後、遊技制御装置100は、ロードした値を+1更新し(ステップX362)、更
新した値によってオーバーフローが発生するか否かを判定する(ステップX363)。オ
ーバーフローが発生しない場合には(ステップX363;N)、更新後の値を入賞数カウ
ンタ領域2にセーブする(ステップX364)。入賞数カウンタ領域2は、1バイト(0
~255)のサイズである。
遊技制御装置100は、ステップX364の処理の終了後、又は、オーバーフローが発
生した場合には(ステップX363;Y)、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに
更新する(ステップX365)。そして、全スイッチの監視が終了したか否かを判定する
(ステップX366)。
遊技制御装置100は、全スイッチの監視が終了していない場合には(ステップX36
6;N)、対象の入賞口スイッチに入力があるか否かを判定するステップX353の処理
に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合には(ステップX366;Y)、入賞数
カウンタ更新処理を終了する。これにより、全スイッチの監視が終了するまで、ステップ
X353~X366の処理が繰り返されて、1割込み内で獲得した賞球の数(合計)であ
る獲得遊技球数が得られるとともに、1割込み内での各入賞口(各入賞領域)への入賞に
基づき入賞数カウンタ領域1及び2が更新されて入賞の情報が記憶されることとなる。
遊技制御装置100は、遊技停止中である場合に(ステップX351;Y)、何もせず
、入賞数カウンタ更新処理を終了する。これにより、遊技停止状態において、入賞口スイ
ッチでの遊技球の検出が無効になり、獲得遊技球数は更新されず、入賞数カウンタ領域1
及び2が更新されないため入賞の情報が記憶されず賞球も得られない(払い出されない)
。なお、遊技停止状態になる前に(すなわち、入賞口スイッチでの遊技球の検出が有効で
あるときに)記憶された入賞の情報に基づく賞球の払い出しは、遊技停止状態でも継続す
る。
なお、入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示す
るための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンド
を未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウ
ンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定
数(ここでは10個)になる毎に外部装置に出力するメイン賞球信号を送信するために用
いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデー
タが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記
憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(例
えば、3個賞球、2個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられ
ており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算され
るようになっている。つまり、入賞口への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可
能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1(2バイト)は入賞数カウンタ領域2(1
バイト)よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにさ
れている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であることに対し
、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあ
り、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
〔遊技機状態チェック処理〕
図5-16は、遊技機状態チェック処理の手順を示すフローチャートである。遊技機状態チェック処理は、図5-13に示した入賞口スイッチ/状態監視処理におけるステップX312,X314などにて実行される。
遊技制御装置100は、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取
得する(ステップX371)。状態スキャンカウンタは遊技状態に対応して0から3の範
囲の値が設定されている。なお、状態監視テーブルと状態スキャンカウンタとの関係につ
いては、入賞口スイッチ/状態監視処理にて説明した通りである。
続いて、遊技制御装置100は、チェック対象の信号がオンであるか否かを判定する(
ステップX372)。チェック対象の信号がオンでない場合(ステップX372;N)、
すなわち、チェック対象の信号がオフの場合には、状態フラグとして状態オフフラグを準
備し(ステップX373)、対象の状態オフコマンドを取得し、準備する(ステップX3
74)。さらに、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得する(ステップX375)。状
態オフフラグは、エラー系の信号に関しては、正常状態を示し、タッチスイッチ信号に関
しては、タッチ無しの状態を示す。
一方、遊技制御装置100は、チェック対象の信号がオンの場合には(ステップX37
2;Y)、状態フラグとして状態オンフラグを準備し(ステップX376)、対象の状態
オンコマンドを取得し、準備する(ステップX377)。さらに、対象の状態オン監視タ
イマ比較値を取得する(ステップX378)。状態オンフラグは、エラー系の信号に関し
ては、異常又は不正状態を示し、タッチスイッチ信号に関しては、タッチ有りの状態を示
す。
ステップX375又はステップX378の処理が終了すると、遊技制御装置100は、
対象の信号制御領域の値が取得された信号の状態と一致するか否かを判定する(ステップ
X379)。一致する場合には(ステップX379;Y)、ステップX382の処理に移
行する。一致していない場合には(ステップX379;N)、対象の信号制御領域に取得
した信号状態をセーブし(ステップX380)、対象の状態監視タイマをクリアする(ス
テップX381)。
続いて、遊技制御装置100は、対象の状態監視タイマを+1更新する(ステップX3
82)。さらに、更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値以上であるか否
かを判定する(ステップX383)。更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比
較値未満の場合には(ステップX383;N)、遊技機状態チェック処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、更新された状態監視タイマの値が対応するタイマ比較値
以上の場合には(ステップX383;Y)、状態監視タイマを-1更新し、タイマ比較値
-1の値に留める(ステップX384)。さらに、準備した状態フラグが対象の状態フラ
グ領域の値と一致するか否かを判定する(ステップX385)。一致している場合には(
ステップX385;Y)、遊技機状態チェック処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、準備した状態フラグが対象の状態フラグ領域の値と一致
していない場合には(ステップX385;N)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ
領域にセーブする(ステップX386)。最後に、演出コマンドを設定する演出コマンド
設定処理を実行し(ステップX387)、遊技機状態チェック処理を終了する。
ここでの演出コマンドは、状態オフコマンドか状態オンコマンドの何れかである。状態
オンコマンドがエラー系のコマンドであれば、演出制御装置300にエラー報知を開始さ
せる。演出制御装置300にエラー報知を開始させる状態オンコマンドとして、シュート
球切れエラーやオーバーフローエラーや払出異常エラーなどの遊技球の払い出しに関する
払い出しエラー(弱エラーに含まれる)に対応するコマンドがあり、また、ガラス枠開放
エラーや本体枠開放エラーなどの枠開放エラー(強エラー1に含まれる)に対応するコマ
ンドや、枠電波不正のエラー(強エラー2に含まれる)に対応するコマンドがある。
〔確率設定変更/確認処理〕
次に、タイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理(ステップX105)の詳細について説明する。図5-17は、確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである。確率設定変更/確認処理では、確率設定値が変更又は確認できる。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値が正常範囲内であるか否かを判定する(ステ
ップX401)。ここでの確率設定値は、RAM111cの領域内ワーク領域に含まれる
確率設定値領域に記憶されている。
遊技制御装置100は、確率設定値が正常範囲内である場合に(ステップX401;Y
)、確率設定値に対応する確率設定値表示データを設定して(ステップX402)、性能
表示装置152にドライバ150a,150bを介して出力する(ステップX404)。
確率設定値が正常範囲内でない場合に(ステップX401;N)、確率設定値表示データ
として消灯データを設定して(ステップX403)、性能表示装置152にドライバ15
0a,150bを介して出力する(ステップX404)。
ここで、確率設定値表示データは、性能表示装置152で表示される表示用確率設定値
のデータであり、確率設定値表示データ領域に記憶されている。なお、遊技場の責任者や
係員などホール関係者等の混乱を防止するため、確率設定値が異なっても同じ大当り確率
(及び小当たり確率)であれば、表示用確率設定値を大当り確率(及び小当たり確率)に
対応付けて同じにしてよい。すなわち、同じ表示用確率設定値は、同じ大当り確率(及び
小当たり確率)を意味してよい。
次に、遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ-1更新す
る(ステップX405)。セキュリティ信号制御タイマは、ステップX37で設定された
128ms(所定時間)である。続いて、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピ
ュータ)など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子7
1に出力する(ステップX406)。なお、ここで、大当り信号など外部情報端子71へ
の他の信号はオフ状態に維持される。
その後、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判
定する(ステップX407)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(ステ
ップX407;N)、すなわち、確率設定確認中である場合に、何もせずに確率設定変更
/確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(ステップX
407;Y)、すなわち、確率設定変更中である場合に、電源投入後の最初のタイマ割込
み処理であるか否かを判定する(ステップX408)。電源投入後の最初のタイマ割込み
処理である場合に(ステップX408;Y)、確率設定変更/確認処理を終了する。これ
は、RAM初期化スイッチ112を押しっぱなしだった場合に、意図せずに確率設定値の
更新がされる事態を防止するためである。
遊技制御装置100は、電源投入後の最初のタイマ割込み処理でない場合に(ステップ
X408;N)、RAM初期化スイッチ112の入力があるか否かを判定する(ステップ
X409)。RAM初期化スイッチの入力がない場合に(ステップX409;N)、確率
設定変更/確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112の入力がある場合に(ステップX
409;Y)、作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)の作業用設定値を取
り得る範囲内で+1更新するとともに、作業用設定値に対応して確率設定値領域の確率設
定値を+1更新する(ステップX410)。これにより、RAM初期化スイッチ112が
操作される度に、確率設定値領域の確率設定値が1ずつ更新される。その後、確率設定変
更/確認処理を終了する。なお、設定変更モードに入ったときに作業用設定値を格納する
作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)に、確率設定値領域から読み出した
確率設定値に対応する値(確率設定値から1減算した値)が格納されてよい。なお、作業
用設定値5(確率設定値6)のときに+1更新される場合は、作業用設定値0(確率設定
値1)に戻ることができる。したがって、確率設定値1~6は、何度も繰り返し+1更新
して切り替えることができる。また、作業用設定値の取り得る範囲は、複数の確率設定値
が存在する多段階設定の場合は例えば0~1や0~5などであるが、一段階設定の場合は
0のみである。多段階設定の場合に、RAM初期化スイッチ112が操作される度に作業
用設定値と確率設定値が異なる値に更新されるが、一段階設定の場合は更新されても同じ
値のままである(同じ値に更新される)。
また、確率設定値が+1更新される毎や、設定可変状態等への遊技状態の切り替えがあ
った場合に、演出制御装置300に設定値を知らせるコマンド(設定値情報コマンド)を
送信してもよい。また、同様に、確率設定値が+1更新される毎や、設定可変状態等への
遊技状態の切り替えがあった場合に、試験信号を外部の試射試験装置に出力可能にしても
よい。なお、これらの送信や出力は、遊技制御装置100にメイン異常等の異常がある場
合には中止することが好ましい。その他、確変状態、時短状態や大当り状態などの遊技状
態の切り替えがあった場合や特図変動表示ゲームの開始時に、演出制御装置300に設定
値を知らせるコマンド(設定値情報コマンド)を送信してもよいし、試験信号を外部の試
射試験装置に出力可能にしてもよい。
なお、上記では、RAM初期化スイッチ112が操作される度に、作業用設定値の更新
に対応して確率設定値領域の確率設定値を直接更新するようにしたが、RAM111cの
作業用設定値領域に設定変更中の確率設定値(作業用設定値)を記憶するようにし、設定
キースイッチ153がオフになり設定変更作業が完了したときに(ステップX39;Y)
、作業用設定値領域の作業用設定値に対応する値をはじめて確率設定値領域に格納するよ
うにしてもよい。このようにすれば、設定変更中に停電が発生した場合(ステップX40
;Y)に、遊技制御や演出制御等に使用される確率設定値(確率設定値領域に記憶される
確率設定値)が意図しない値で変更される事態を防止できる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップX110)の詳細について説明する。図5-18は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの
入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(ステップA1)。始動口スイッチ監
視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球が入
賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲーム
の開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお
、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
続いて、特定領域72(V入賞口)への遊技球の入賞(入球)を監視する特定領域スイ
ッチ監視処理を実行する(ステップA2)。なお、特定領域スイッチ監視処理の詳細につ
いては後述する。
次に、遊技制御装置100は、上大入賞口スイッチ監視処理を実行する(ステップA3
)。上大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントス
イッチ(上大入賞口スイッチ39a)での遊技球の検出を監視する。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(1
だけ減算する)(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマは、-1更新によって、タイマ
割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲー
ム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0であるか
否かを判定する(ステップA5)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(ステップA5
;N)、ステップA15の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(ステップA5;Y)、
すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲーム処理番
号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジ
スタに設定する(ステップA6)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて
特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA7)。続い
て、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に応じ
たゲーム分岐処理を実行する(ステップA8)。
遊技制御装置100は、ステップA8にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変
動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や
、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する(ステ
ップA9)。なお、特図普段処理の詳細については後述する。
遊技制御装置100は、ステップA8にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の
停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動
中処理を実行する(ステップA10)。例えば、特図変動中処理では、特別図柄の停止を
示す図柄停止コマンドや停止図柄パターンに対応する停止表示時間など必要な情報を設定
して、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブす
る。
遊技制御装置100は、ステップA8にてゲーム処理番号が「2」の場合には、大当り
状態又は小当り状態に移行するために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理を実行す
る(ステップA11)。例えば、特図表示中処理では、特図変動表示ゲームの結果が大当
りであれば、条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報を条件装置作動情報領
域に設定して特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセー
ブする。特図変動表示ゲームの結果が小当りであれば、小当りファンファーレコマンドや
小当り開放前時間など必要な情報を設定して、小当り開放前処理に係る処理番号「3」を
設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。特図変動表示ゲームの結果がはずれであれ
ば、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA8にてゲーム処理番号が「3」の場合には、小当り
開放前処理を実行する(ステップA12)。例えば、小当り開放前処理では、小当りによ
る大入賞口の開放時間(小当り開放時間、例えば1.6秒)を特図ゲーム処理タイマ領域
にセーブし、上大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブし、小当り開放
中コマンドを演出コマンドとして設定し、小当り開放中処理に係る処理番号「4」を設定
し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA8にてゲーム処理番号が「4」の場合には、小当り
開放中処理を実行する(ステップA13)。例えば、小当り開放中処理では、小当り残存
球処理時間(例えば3.0秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、小当り残存球処
理に係る処理番号「5」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA8にてゲーム処理番号が「5」の場合には、小当り
残存球処理を実行する(ステップA14)。例えば、小当り残存球処理では、特図普段処
理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器
51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(ステップA15)、
特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(ステップA16)。そして、特図
2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(ステップA
17)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(ステップA18)。次に
、小当り中にレバーソレノイド72bを開放するようにレバーソレノイド72bの開放動
作を制御するレバーソレノイド制御処理(ステップA19)を実行して、特図ゲーム処理
を終了する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図5-19は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、始動入賞口36(始動口1)に対する入賞監視テーブル
を準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理を実行し(ステップA102)、始
動入賞口36への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。始動入賞口36へ
の入賞がない場合(ステップA103;N)には、ステップA109以降の処理を実行す
る。一方、始動入賞口36への入賞がある場合(ステップA103;Y)、右打ちする遊
技状態であるか否かを判定する(ステップA104)。
遊技制御装置100は、右打ちする遊技状態でないと判定した場合(ステップA104
;N)、ステップA107以降の処理を実行する。一方、右打ちする遊技状態である場合
(ステップA104;Y)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(ス
テップA105)、演出コマンド設定処理を実行する(ステップA106)。演出コマン
ド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出
制御装置300に送信されることになる。
すなわち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確
率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド
設定処理を実行する。本実施形態の場合、始動入賞口36へは左打ちの方が入賞し易く、
普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が
普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打
ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に始動入賞口36に入賞があっ
た場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマ
ンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報
知(警告)を右打ち指示表示によって表示装置41等で実行する。
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設定す
るテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する
(ステップA108)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対する入賞
監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理を実行し(ステップA
110)、第2始動入賞口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。第2
始動入賞口への入賞がない場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理
を終了する。
一方、遊技制御装置100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(ステップA111
;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中であるか否か、すなわち、
普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定
する(ステップA112)。普通電動役物が作動中である場合(ステップA112;Y)
、ステップA114の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合(ステップA112;
N)、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。普通変動入賞装置37
への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中であ
ると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態
でのみ遊技球が入賞可能である。したがって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの
異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はそ
の数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不
正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(ステップA113;N)、第2始
動入賞口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(
ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(ステップA115)、始動
口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA113にて、普電不正発生中である(
ステップA113;Y)と判定した場合にも、始動口スイッチ監視処理を終了する。すな
わち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108、ステップA115)の詳細について説明する。図5-20は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの
うち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理
装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、
ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするか否
かを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA
133;N)、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA
134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場
合(ステップA133;Y)、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始
動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして
、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり
、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの
うち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限
値(ここでは4)未満か否かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図保留数が
上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了
する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満(ここでは4)である場合(ステップA
135;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新し
て(ステップA136)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱
数格納領域のアドレスを算出して(ステップA138)、ハード乱数取得処理にて準備し
た大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。次に、
監視対象の始動口スイッチの検出によって開始する特図変動表示ゲームの大当り図柄乱数
を抽出し、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA140)。続いて
、監視対象の始動口スイッチの検出によって開始する特図変動表示ゲームの小当り図柄乱
数を抽出し、小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。また、時短図
柄を決定するためのサポ当り図柄乱数を抽出し、サポ当り図柄乱数をRWMのサポ当り図
柄乱数格納領域にセーブする(ステップA142)。
なお、本実施形態では、前述のように小当り後に確実にV入賞によって大当りが発生す
るため、小当り図柄乱数を使用しなくてもよく、ステップA141はオプションであり実
行されなくてもよい。また、特図1変動表示ゲームに小当り結果はないため、監視対象の
始動口スイッチが始動口1スイッチ36aであれば、小当り図柄乱数を抽出しなくてもよ
い。
なお、小当り図柄乱数、サポ当り図柄乱数、大当り図柄乱数は、後述の特図1停止図柄
設定処理(ステップA323)と特図2停止図柄設定処理(ステップA333)において
、小当り時の停止図柄番号、サポ当り時の停止図柄番号、又は大当り時の停止図柄番号と
、これら停止図柄番号に対応する小当り停止図柄パターン、サポ当り停止図柄パターン、
又は大当り停止図柄パターンを決定するために用いられる。
本実施形態において、混乱を回避するため、小当り図柄乱数、サポ当り図柄乱数、大当
り図柄乱数は、各々、独立に設けられるが、RWMの乱数格納領域を小さくするため、1
つの乱数(共通乱数)を共用して、小当り図柄(小当り時の停止図柄番号、小当り停止図
柄パターン)、サポ当り図柄(サポ当り時の停止図柄番号、サポ当り停止図柄パターン)
、大当り図柄(大当り時の停止図柄番号、大当り停止図柄パターン)の振り分けを行って
よい。すなわち、小当り図柄を決定する場合に、共通乱数の範囲を区分して各小当り図柄
に割り当てたり、サポ当り図柄を決定する場合に、共通乱数の範囲を区分して各サポ当り
図柄に割り当てたり、大当り図柄を決定する場合に、共通乱数の範囲を区分して各大当り
図柄に割り当てたりしてよい。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パタ
ーン乱数格納領域にセーブして(ステップA143)、変動表示ゲームの結果(遊技結果
)を事前に判定可能な特図保留情報判定処理(事前判定処理、先読み処理)を実行する(
ステップA144)。特図保留情報判定処理では、セーブした大当り乱数や当り図柄乱数
(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、サポ当り図柄乱数)などに基づく停止図柄情報(大
当り停止図柄、小当り停止図柄、時短停止図柄、はずれ停止図柄)に対応する先読み停止
図柄コマンドや、セーブした変動パターン乱数1から3に基づく前半変動番号(リーチ前
変動の番号)及び後半変動番号(リーチ後変動の番号)に対応する先読み変動パターンコ
マンドを演出コマンドとして設定する。そして、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留
数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(ステップA145)
、演出コマンド設定処理(ステップA146)を実行して、特図始動口スイッチ共通処理
を終了する。このように、遊技制御装置100は、始動記憶に基づく変動表示ゲームが実
行されるよりも前に当該変動表示ゲームの結果を事前に判定可能な事前判定手段を構成す
る。
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、始動入賞口36や普通変動入賞装
置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲー
ムの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、
始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球
の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第
2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値
を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特定領域スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における特定領域スイッチ監視処理(ステップA2)の詳細について説明する。図5-21は、特定領域スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、小当り中であるか否かを判定する(ステップA201)
。特図ゲーム処理番号が「4」「5」であれば、小当り中であると判定できる。小当り中
である場合に(ステップA201;Y)、条件装置作動中であるか否かを判定する(ステ
ップA202)。条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報が設定されていれ
ば、条件装置作動中であると判定できる。
遊技制御装置100は、条件装置作動中でない場合に(ステップA202;N)、特定
領域スイッチ72aに入力があるか否かを判定する(ステップA203)。特定領域スイ
ッチ72aに入力がある場合に(ステップA203;Y)、すなわち、特定領域72への
入賞(V入賞)があった場合に、条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報を
条件装置作動情報領域にセーブして(ステップA204)、特定領域スイッチ監視処理を
終了する。
小当り中でない場合(ステップA201;N)、条件装置作動中である場合(ステップ
A202;Y)、又は、特定領域スイッチ72aに入力がない場合に(ステップA203
;N)、何もせずに特定領域スイッチ監視処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図5-22は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、後述の役物ゲーム処理の役物普段処理中であり、且つ、
大入賞口の残存球カウンタが0であるか否かを判定する(ステップA301)。役物普段
処理中でないか、又は、大入賞口の残存球カウンタが0でない場合に(ステップA301
;N)、特図変動表示ゲームを開始せずステップA316の処理に移行する。
遊技制御装置100は、役物普段処理中であり、且つ、大入賞口の残存球カウンタが0
である場合に(ステップA301;Y)、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか
否かを判定する(ステップA302)。特図2保留数が0である場合(ステップA302
;Y)、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かを判定する(ステップA30
7)。そして、特図1保留数が0である場合(ステップA307;Y)、客待ちデモが開
始済みであるか否かを判定し(ステップA312)、客待ちデモが開始済みでない場合(
ステップA312;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(
ステップA313)。
続けて、遊技制御装置100は、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備して(
ステップA314)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA315)、ステップA3
16の処理に移行する。一方、ステップA312にて、客待ちデモが開始済みである場合
(ステップA312;Y)、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(ステッ
プA316)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(ステップA317)、
変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA318)。そして、大入賞口不正監視
期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA319)、特図普段処
理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図2保留数が0でない場合(ステップA302;N)
、特図2変動開始処理を実行し(ステップA303)、特図2保留数に対応する飾り特図
保留数コマンド(飾り特図2保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(ステップ
A304)、演出コマンド設定処理を実行する(ステップA305)。そして、特図2の
特図変動中処理移行設定処理を実行し(ステップA306)、特図普段処理を終了する。
特図2の特図変動中処理移行設定処理では、処理番号として「1」を設定し特図ゲーム
処理番号領域に処理番号をセーブし、客待ちデモフラグ領域をクリアし、特図2変動制御
フラグ領域に変動中フラグをセーブする。
また、遊技制御装置100は、特図1保留数が0でない場合(ステップA307;N)
、特図1変動開始処理を実行し(ステップA308)、特図1保留数に対応する飾り特図
保留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(ステップ
A309)、演出コマンド設定処理を実行する(ステップA310)。そして、特図1の
特図変動中処理移行設定処理を実行し(ステップA311)、特図普段処理を終了する。
特図1の特図変動中処理移行設定処理では、処理番号として「1」を設定し特図ゲーム
処理番号領域に処理番号をセーブし、客待ちデモフラグ領域をクリアし、特図1変動制御
フラグ領域に変動中フラグをセーブする。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで
、特図2保留数が0でない場合には特図2変動開始処理(ステップA303)が実行され
ることとなる。すなわち、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームに優先して実行
されることとなる(特図2保留優先消化)。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記
憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づ
く変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先
制御手段をなす。なお、特図1変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームに優先して実行さ
れることとする特図1保留優先消化にする場合には、ステップA302の判定を、特図1
保留数≠0であるか否かを判定すればよい。
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA308)の詳細について説明する。図5-23は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す
特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(ステップA321)。続いて、特図
1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や
大当り情報を設定するなどの処理を行う大当りフラグ1設定処理を実行する(ステップA
322)。大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームに関する特図1停止図柄(図柄情
報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(ステップA323)。特図1停止
図柄設定処理では、はずれ時、サポ当り時、又は大当り時の停止図柄番号と、この停止図
柄番号に対応するはずれ停止図柄パターン、サポ当り停止図柄パターン、又は大当り停止
図柄パターンをセーブする。サポ当り時、又は大当り時の停止図柄番号は、各々、サポ当
り図柄乱数、大当り図柄乱数に対応して決定される。
さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図
情報を設定する特図情報設定処理を実行する(ステップA324)。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する
種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情
報テーブルを準備する(ステップA325)。
その後、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パ
ターン(変動パターン番号)を設定する変動パターン設定処理を実行する(ステップA3
26)。次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定す
る変動開始情報設定処理を実行し(ステップA327)、特図1変動開始処理を終了する
。変動開始情報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値
を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、変動パターン番号に対応す
る変動コマンド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマン
ド設定処理を行う。また、変動開始情報設定処理では、これから開始する特図変動表示ゲ
ームの特図種別(特図1又は特図2)に係る特図保留数を-1更新する(1だけ減少する
)。
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA303)の詳細について説明する。図5-24は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図5-23に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)
を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(ステップA331)。続いて
、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ
情報や大当り情報を設定するなどの処理を行う大当りフラグ2設定処理を実行する(ステ
ップA332)。
次に、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームに関する特図2停止図柄(図柄情
報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(ステップA333)。さらに、変
動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実
行する(ステップA334)。続いて、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関
する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設
定情報テーブルを準備する(ステップA335)。
その後、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動
パターン設定処理を実行する(ステップA336)。最後に、特図2変動表示ゲームの変
動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(ステップA337)、特図2変
動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA322)の詳細について説明する。図5-25は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1領域、サポ当りフラグ1領域にはずれ情
報をセーブする(ステップA341)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留
数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA342)、当該特図1大当り
乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA343)。なお、保留数1用と
は、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱
数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致する
か否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(ステップA3
44)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(ステップA344)の判定結果が大当りであ
る場合(ステップA345;Y)、ステップA341にてはずれ情報をセーブした大当り
フラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA346)、大当りフラグ1
設定処理を終了する。
一方、大当り判定処理(ステップA345)の判定結果が大当りでない場合(ステップ
A345;N)、オプションで、取得した大当り乱数値に基づいて、特図変動表示ゲーム
がサポ当りであるか否かを判定するサポ当り判定処理を実行し(ステップA347)、判
定の結果はサポ当りであるか否か判断する(ステップA348)。なお、本実施形態では
、サポ当りの判定にも大当り乱数値が使用される(別の言い方では、サポ当り判定と大当
り判定に同じ乱数値が使用される)。ここで、特図変動表示ゲームのサポ当り(時短当り
)とは、次回の特図変動表示ゲームから時短状態に突入する時短結果(特定結果)のこと
であり、この時短結果に対応して、演出制御装置300は、飾り特図変動表示ゲームの停
止結果として時短図柄を表示装置41に表示できる。
遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームがサポ当りである場合(ステップA348
;Y)、ステップA341にてはずれ情報をセーブしたサポ当りフラグ1領域にサポ当り
情報を上書きしてセーブし(ステップA349)、大当りフラグ1設定処理を終了する。
一方、特図変動表示ゲームがサポ当りでない場合(ステップA348;N)、サポ当りフ
ラグ1領域にサポ当り情報をセーブすることなく、大当りフラグ1設定処理を終了する。
このように、本実施形態において、特図1変動表示ゲームの結果は、「大当り」、「サ
ポ当り(時短当り)」、及び「はずれ」のうちの何れかとなり、「小当り」はない。なお
、ステップA347~A349は、オプションで設けられるものであり、これらを省略し
て、特図1変動表示ゲームの結果に「サポ当り(時短当り)」を設けなくてもよい。また
、特図1変動表示ゲームの結果に「小当り」を設ける構成も可能である。
なお、大当りフラグ1設定処理において、サポ当りフラグ1領域にサポ当り情報をセー
ブする構成としたが、大当りとサポ当りは重複しないため、大当りフラグ1領域にサポ当
り情報をセーブしてもよい。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA332)の詳細について説明する。図5-26は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図5-25に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2領域、小当りフラグ2領域、サポ当りフ
ラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップA351)。次に、RWMの特図2大当
り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA352
)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA353)
。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記
憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が小
当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を実
行する(ステップA354)。
遊技制御装置100は、小当り判定処理(ステップA354)の判定結果が小当りであ
る場合(ステップA355;Y)、ステップA351にてはずれ情報をセーブした小当り
フラグ2領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップA356)、大当りフラグ2
設定処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームが小当りでない場合(ステップA3
55;N)、取得した大当り乱数値に基づいて、特図変動表示ゲームがサポ当りであるか
否かを判定するサポ当り判定処理を実行し(ステップA357)、判定の結果はサポ当り
であるか否か判断する(ステップA358)。なお、本実施形態では、サポ当りの判定に
も大当り乱数値が使用される(別の言い方では、サポ当り判定と大当り判定に同じ乱数値
が使用される)。ここで、特図変動表示ゲームのサポ当り(時短当り)とは、次回の特図
変動表示ゲームから時短状態に突入する時短結果(特定結果)のことであり、この特定結
果に対応して、演出制御装置300は、飾り特図変動表示ゲームの停止結果として時短図
柄を表示装置41に表示できる。
遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームがサポ当りである場合(ステップA358
;Y)、ステップA351にてはずれ情報をセーブしたサポ当りフラグ2領域にサポ当り
情報を上書きしてセーブし(ステップA359)、大当りフラグ2設定処理を終了する。
一方、サポ当り判定処理(ステップA357)の判定結果がサポ当りでない場合(ステ
ップA358;N)は、オプションで、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致する
か否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行してもよい(ステッ
プA360)。遊技制御装置100は、大当り判定処理(ステップA360)の判定結果
が大当りである場合(ステップA361;Y)、ステップA351にてはずれ情報をセー
ブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA362)、大
当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA360)の判定結
果が大当りでない場合(ステップA361;N)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセ
ーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。
このように、本実施形態では、特図2変動表示ゲームの結果は、「小当り」、「サポ当
り(時短当り)」、及び「はずれ」のうちの何れかとなるが、オプションで、特図2変動
表示ゲームの結果として「大当り」を設ける構成も可能である。
なお、大当りフラグ2設定処理において、小当りフラグ2領域に小当り情報をセーブし
、サポ当りフラグ2領域にサポ当り情報をセーブする構成としたが、大当りとサポ当りと
小当りは重複しないため、大当りフラグ2領域に小当り情報とサポ当り情報をセーブして
もよい。
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(ステップA344,A360)の詳細について説明する。図5-27は、大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値に対応する上限判定値を設定し(ステップA
371)、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA372)、対象の大当り乱数
の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(ステップA373)。なお、大当りであ
るとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の
値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当
り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。上
限判定値は、低確率状態(確変状態以外の通常確率状態)と高確率状態(確変状態)で異
なってよい。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップ
A373;Y)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(ステップA375)、
大当り判定処理を終了する。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定す
る(ステップA374)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA37
4;Y)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(ステップA375)。一方
、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップA374;N)、判定結果
として大当りを設定する(ステップA376)。判定結果を設定すると、大当り判定処理
を終了する。
〔小当り判定処理〕
次に、大当りフラグ2設定処理における小当り判定処理(ステップA354)の詳細について説明する。図5-28は、小当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、小当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における小当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値に対応する小当り上限判定値を設定し(ステ
ップA381)、対象(特図2)の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満であるか否か
を判定する(ステップA382)。なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と
一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判
定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小
当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。小当り上限判定値は、低
確率状態(確変状態以外の通常確率状態)と高確率状態(確変状態)で異なってよい。
当然ながら、同じ特図変動表示ゲームの結果が小当り且つ大当りとなることを避けるべ
く、小当り判定値の範囲(小当り下限判定値と小当り上限判定値の間)は、前述の大当り
判定値の範囲(下限判定値と上限判定値の間)とは重ならない。なお、本実施形態では、
独自に小当り乱数を設けることはせず、小当りの判定にも大当り乱数を利用するが、独自
の小当り乱数を設ける構成も可能である。
遊技制御装置100は、対象(特図2)の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満であ
る場合(ステップA382;Y)、判定結果としてはずれを設定し(ステップA384)
、小当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合には
(ステップA382;N)、対象(特図2)の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大
きいか否かを判定する(ステップA383)。大当り乱数の値が小当り上限判定値より大
きい場合(ステップA383;Y)、判定結果としてはずれを設定する(ステップA38
4)。一方、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップA383
;N)、判定結果として小当りを設定する(ステップA385)。判定結果を設定すると
、小当り判定処理を終了する。なお、本実施形態では、小当り確率が1/8(=12.5
%)になるように、小当り下限判定値と小当り上限判定値が設定されるが、小当り確率は
他の値でもよい。
〔サポ当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等におけるサポ当り判定処理(ステップA347,A357)の詳細について説明する。図5-29は、サポ当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、サポ当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理におけるサポ当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値に対応するサポ当り上限判定値を設定する(
ステップA391)。次に、サポ当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA392)
、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(ステップA393)
。なお、サポ当りであるとは、大当り乱数が、確率設定値と遊技状態に対応するサポ当り
判定値と一致することである。サポ当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が
、サポ当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、サポ当り判定値の上限の値
であるサポ当り上限判定値以下である場合に、サポ当りであると判定される。なお、サポ
当り上限判定値は、低確率状態(確変状態以外の通常確率状態)と高確率状態(確変状態
)で異なってよい。
当然ながら、同じ特図変動表示ゲームの結果がサポ当り且つ大当り、又は、サポ当り且
つ小当りとなることを避けるべく、サポ当り判定値の範囲(サポ当り下限判定値とサポ当
り上限判定値の間)は、前述の大当り判定値及び小当り判定値の範囲とは重ならない。な
お、本実施形態では、独自にサポ当り乱数を設けることはせず、サポ当りの判定にも大当
り乱数を利用するが、独自のサポ当り乱数を設ける構成も可能である。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値がサポ当り下限判定値未満である場合(
ステップA393;Y)、判定結果としてはずれ(サポ当り以外)を設定し(ステップA
395)、サポ当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値がサポ当り下限判定値未満でない場合に
は(ステップA393;N)、対象の大当り乱数の値がサポ当り上限判定値より大きいか
否かを判定する(ステップA394)。大当り乱数の値がサポ当り上限判定値より大きい
場合(ステップA394;Y)、判定結果としてはずれ(サポ当り以外)を設定する(ス
テップA395)。一方、大当り乱数の値がサポ当り上限判定値より大きくない場合(ス
テップA394;N)、判定結果としてサポ当りを設定する(ステップA396)。判定
結果を設定すると、サポ当り判定処理を終了する。
サポ当り判定処理では、大当り乱数値を用いた抽選によって、サポ当り判定(時短判定
)が行われる。抽選としてのサポ当り判定(時短判定)では、大当り乱数値がサポ当り判
定値(時短判定値)に一致すると、判定結果として、サポ当り結果(時短結果、特定結果
)が得られ時短が設定される。サポ当り判定値は、大当り判定値及び小当り判定値とは異
なる。
なお、メリハリを付けるために、確率設定値毎にサポ当りの当選確率(サポ当り判定値
の範囲÷大当り乱数の範囲)を異ならせてもよいし、簡便のために、確率設定値毎にサポ
当りの当選確率を同じにしてもよい。設定1(又は低設定側)がサポ当りに当選し易く、
設定6(又は高設定側)がサポ当りに当選し難くなるようにサポ当りの当選確率を設定し
て、低設定の不利益を緩和してよいし、逆に設定して、高設定側でサポ当りに当選し易い
と期待する遊技者の期待感に合わせてよい。また、設定1から設定6へと、単調にサポ当
りの当選確率を変化させてもよいし、設定の2段階ごとに変化させるなど単調でなくても
よい。偶数設定と奇数設定とでサポ当りの当選確率を異ならせて、確率設定値の推定に関
する遊技者の興趣を向上してよい。
また、大当り確率の低確率中(確変状態中以外)と高確率中(確変状態中)で、サポ当
りの当選確率を異ならせてメリハリを付けてもよいし、簡単化のため同じでもよい。低確
率中(確変状態中以外)に当選し易く高確率中(確変状態中)に当選し難くなるように、
サポ当りの当選確率を設定して、低確率中の不利益を緩和してもよいし、逆に設定して、
高確率中にサポ当りにも当選し易いと期待する遊技者の期待感に合わせてよい。例えば、
低確率中だけサポ当りに当選するようにサポ当りの当選確率を設定して(高確率中はサポ
当りの当選確率はゼロ)、低確率中の不利益を緩和してもよい。
また、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとでサポ当りの当選確率を異なら
せてメリハリを付けてもよいし、簡便のために同じでもよい。例えば、普電サポート状態
(時短状態や確変状態)におけるサポ当りを増やすべく、特図2変動表示ゲームでのサポ
当りの当選確率を特図1変動表示ゲームよりも大きくしてよい。逆に、通常遊技状態で遊
技の興趣を向上させるべく、特図1変動表示ゲームでのサポ当りの当選確率を特図2変動
表示ゲームよりも大きくしてよい。端的には、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲ
ームのうちの一方の特図変動表示ゲームでのサポ当りの当選確率をゼロにして、他方の特
図変動表示ゲームでのみサポ当りが発生するようにしてよい。
特図変動表示ゲームの結果がサポ当り結果(時短結果)の場合に、特図1停止図柄設定
処理(ステップA323)又は特図2停止図柄設定処理(ステップA333)において、
停止図柄(停止図柄番号、停止図柄パターン)として時短図柄(時短図柄番号、時短図柄
パターン)が設定され、次回の特図変動表示ゲームから時短状態に突入する。すなわち、
この場合には、大当りを経由せずに突然に時短状態になる(突然時短)。また、この場合
に、時短図柄に対応する飾り特図コマンドが演出制御装置300に送信され、表示装置4
1において、演出制御装置300によって飾り停止図柄としても時短図柄(飾り時短図柄
)が表示される。
表示装置41に表示される時短図柄としては、例えば、左図柄と中図柄のみが揃った「
1,1,3」などがある。時短図柄は、予め決めておけば制約はないが、数字が順番に並
んだ「1,2,3」や左図柄と右図柄のみが揃った「1,3,1」など規則性があるもの
が、遊技者が覚えやすく好ましい。時短図柄を複数用意しておき、時短状態が継続する特
図変動表示ゲームの回数(時短回数)が時短図柄ごとに定められてもよい。
ランプ表示装置75のランプ表示部1,2は、時短結果(時短図柄)の場合に、大当り
結果又は小当り結果の場合と異なって、第四特別図柄(第4図柄)として特定の態様で発
光する。例えば、ランプ表示部1,2は、大当り結果又は小当り結果の場合に、赤色など
の暖色系の色で発光してよく、時短結果(時短図柄)の場合に、緑色や青色などの中性色
系や寒色系の色(すなわち暖色系以外の色)で発光してよい。また、はずれの場合に消灯
状態となる。したがって、停止図柄として時短図柄が表示される場合に、大当りが発生し
たと遊技者が誤認することが防止できるとともに、時短に当選したことを遊技者は把握し
やすくなる。
なお、大当り状態終了後に実行される特図変動表示ゲームの回数(確変状態での回数を
除く)が所定回数(いわゆる天井回数、時短天井)に到達した場合に、サポ当りに当選し
なくても時短状態(遊タイム)に突入する。このとき、特図変動表示ゲームの結果がはず
れであればランプ表示部1,2は消灯状態とし、小当り又は大当りであれば暖色系の色で
発光する。なお、このとき、小当り又は大当りでなければ、時短状態に突入することを遊
技者が認識しやすくするため、ランプ表示部1,2は寒色系の色で第4図柄として発光し
てもよい。所定回数(天井回数)は、例えば、500回である。この場合に、特図表示器
や表示装置41において停止図柄としてはずれ図柄(時短図柄でもよい)又は小当り図柄
(V入賞のない小当りであれば)が表示され、次回の特図変動表示ゲームから時短状態に
突入する。この場合に、表示装置41に表示される時短図柄としては、例えば、左図柄と
中図柄のみが揃った「3,3,5」(サポ当り結果による時短の場合と同じく「1,1,
3」でもよい)などがある。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA323)の詳細について説明する。図5-30は、特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1は大当りであるか否か、すなわち、大当
りフラグ1領域に大当り情報がセーブされているか判定する(ステップA401)。大当
りフラグ1が大当りである場合(ステップA401;Y)、特図1大当り図柄乱数格納領
域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA402)。次に、特図1
大当り図柄テーブルを設定し(ステップA403)、ロードした大当り図柄乱数に対応す
る停止図柄番号を取得してRWMの特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA4
04)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、遊技制御装置100は、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステッ
プA405)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領
域にセーブする(ステップA406)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特
図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである
。そして、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、RWMの特図1ラウ
ンド数上限値情報領域にセーブし(ステップA407)、停止図柄番号に対応するファン
ファーレ情報を取得し、ファンファーレ情報領域にセーブする(ステップA408)。こ
れらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、
時間短縮判定データ領域にセーブする(ステップA409)。時間短縮判定データは、大
当り終了後の時短状態の有無(時短あり又は時短なし)の情報を含み、後述の特図1大当
り終了処理と特図2大当り終了処理で使用される。続いて、停止図柄パターン(あるいは
停止図柄番号、後述の図柄A)に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA
410)。その後、ステップA420の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA401
;N)、オプションで、サポ当りフラグ1はサポ当りであるか否かを判定する(ステップ
A411)。サポ当りフラグ1はサポ当りである場合に(ステップA411;Y)、特図
1サポ当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし(ステップA412)、
特図1サポ当り図柄テーブルを設定する(ステップA413)。そして、特図1サポ当り
図柄テーブルを参照して、ロードした乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止
図柄番号領域にセーブする(ステップA414)。続いて、停止図柄番号に対応する停止
図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA415)。その
後、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセ
ーブし(ステップA416)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブ
する(ステップA417)。その後、ステップA420の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA401
;N)、且つ、サポ当りフラグ1はサポ当りでない場合に(ステップA411;N)、は
ずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップA418)、はず
れ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA419)。その後
、ステップA420の処理に移行する。なお、大当りフラグ1設定処理でサポ当りに関す
る処理(ステップA347~A349)を実行しない場合には、大当りフラグ1が大当り
でない場合(ステップA401;N)、ステップA411~A417を実行せずに、ステ
ップA418に移行する。
遊技制御装置100は、ステップA410、ステップA417、ステップA419の後
、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備し、演出コマンドとして飾り特
図1コマンドを飾り特図1コマンド領域にセーブする(ステップA420)。以上の処理
により、特図1変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、遊技制御装置100は、演出コマンド設定処理を実行する(ステップA421
)。これにより、飾り特図1コマンドは、演出制御装置300に送信される。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力デー
タ領域にセーブし(ステップA422)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)
を0クリアする(ステップA423)。その後、特図1停止図柄設定処理を終了する。な
お、前述の図柄変動制御処理によって、停止図柄パターンあるいは停止図柄番号に対応し
た停止図柄(大当り図柄、時短図柄、はずれ図柄など)の停止表示が、特図1表示器51
で実行される。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA333)の詳細について説明する。図5-31は、特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、小当りフラグ2は小当りであるか否か、すなわち、小当
りフラグ2領域に小当り情報がセーブされているか判定する(ステップA431)。小当
りフラグ2が小当りである場合(ステップA431;Y)、特図2大当り図柄乱数格納領
域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA432)。次に、特図2
大当り図柄テーブルを設定し(ステップA433)、ロードした大当り図柄乱数に対応す
る停止図柄番号を取得してRWMの特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA4
34)。この処理により特別結果の種類が選択される。
なお、本実施形態では、小当りで第2特別変動入賞装置39が開放されることによって遊技球がV入賞し、小当り後にすぐに大当りが発生するため、特図2変動表示ゲームが小当り(小当りフラグ2が小当り)であっても大当り図柄乱数をロードしている。しかし、小当り図柄乱数(ステップA141)をロードし、小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得する構成も可能である。この構成では、V入賞時(図5-21のステップA203;Yとなった時)に大当り図柄乱数をロードして停止図柄番号を取得してステップA437~A440からの処理を実行してもよい。
その後、遊技制御装置100は、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステッ
プA435)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領
域にセーブする(ステップA436)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特
図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである
。なお、小当りの場合に、特図2大当り停止図柄情報テーブルの代わりに、特図2小当り
停止図柄情報テーブルを使用してもよい。そして、停止図柄番号に対応するラウンド数上
限値情報を取得し、RWMの特図2ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップA4
37)、停止図柄番号に対応するファンファーレ情報を取得し、ファンファーレ情報領域
にセーブする(ステップA438)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定す
るためのものである。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、
時間短縮判定データ領域にセーブする(ステップA439)。時間短縮判定データは、大
当り終了後の時短状態の有無(時短あり又は時短なし)の情報を含み、後述の特図1大当
り終了処理と特図2大当り終了処理で使用される。続いて、停止図柄パターン(あるいは
停止図柄番号、後述の図柄B~G)に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステッ
プA410)。その後、ステップA451の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、小当りフラグ2が小当りでない場合(ステップA431
;N)、大当りフラグ2は大当りであるか否か、すなわち、大当りフラグ2領域に大当り
情報がセーブされているか判定する(ステップA441)。大当りフラグ2は大当りであ
る場合(ステップA441;Y)、ステップA432以降の処理に移行するが、小当りの
場合と異なる特図2大当り図柄テーブルや特図2大当り停止図柄情報テーブルを使用して
よい。
遊技制御装置100は、大当りフラグ2は大当りでない場合(ステップA441;N)
、サポ当りフラグ2はサポ当りであるか否かを判定する(ステップA442)。サポ当り
フラグ2がサポ当りである場合に(ステップA442;Y)、特図2サポ当り図柄乱数格
納領域(保留数1用)から乱数をロードし(ステップA443)、特図2サポ当り図柄テ
ーブルを設定する(ステップA444)。そして、特図2サポ当り図柄テーブルを参照し
て、ロードした乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブ
する(ステップA445)。続いて、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し
、停止図柄パターン領域にセーブし(ステップA446)、停止図柄番号に対応する時間
短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブする(ステップA447)。
その後、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブし(ステップA448
)、ステップA451の処理に移行する。
遊技制御装置100は、小当りフラグ2が小当りでなく(ステップA431;N)、大
当りフラグ2は大当りでなく(ステップA441;N)、且つ、サポ当りフラグ2がサポ
当りでない場合に(ステップA442;N)、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄
番号領域にセーブし(ステップA449)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン
領域にセーブする(ステップA450)。その後、ステップA451の処理に移行する。
なお、本実施形態では、特図2変動表示ゲームの結果として「大当り」を設けないため
、ステップA441の処理はオプションであり実行しなくてもよい。すなわち、大当りフ
ラグ2が小当りでない場合(ステップA431;N)、ステップA441を実行せずに、
ステップA442の処理に移行してよい。
遊技制御装置100は、ステップA440、ステップA448、ステップA450の後
、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備し、演出コマンドとして飾り特
図2コマンドを飾り特図2コマンド領域にセーブする(ステップA451)。以上の処理
により、特図2変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、遊技制御装置100は、演出コマンド設定処理を実行する(ステップA452
)。飾り特図2コマンドは、演出制御装置300に送信される。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力デー
タ領域にセーブし(ステップA453)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)
を0クリアする(ステップA454)。また、小当り図柄乱数(ステップA141)を抽
出した場合には、特図2小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアしてもよい。
その後、特図2停止図柄設定処理を終了する。なお、前述の図柄変動制御処理によって、
停止図柄パターンあるいは停止図柄番号に対応した停止図柄(大当り図柄、時短図柄、は
ずれ図柄など)の停止表示が、特図2表示器52で実行される。
このように、遊技制御装置100が、始動入賞口36での遊技球の検出に基づいて変動
表示ゲームとして特図1変動表示ゲームを実行し、普通変動入賞装置37での遊技球の検
出に基づいて変動表示ゲームとして特図2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行
手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段(遊技制御装置100)による判定
結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
〔特図情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA324,A334)の詳細について説明する。図5-32は、特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態において、確率状態(低確率/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに直接影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。なお、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに基づいて直接的に変動の振り分けを行ってもよい。
遊技制御装置100は、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ス
テップA461)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する
(ステップA462)。次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(
ステップA463)、対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)と停止図柄パ
ターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA464)。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加
算して(ステップA465)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(ステ
ップA466)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演
出モードに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、
前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、
後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留
数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合に
は、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数
の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを
選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ス
テップA467)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する
(ステップA468)。次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(
ステップA469)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータ
を取得する(ステップA470)。
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加
算して(ステップA471)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(ステ
ップA472)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停
止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブさ
れる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り
分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。
ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時に
リーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動
の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップA326,A336)の詳細について説明する。図5-33は、変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様であ
る前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態
様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パ
ターンを設定する。
遊技制御装置100は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップ
A481)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、
準備して(ステップA482)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から
変動パターン乱数1をロードし、準備する(ステップA483)。本実施形態において、
後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、
当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率より
も当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用
は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1
の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より
多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し
(ステップA484)、はずれである場合(ステップA484;Y)、2バイト振り分け
処理(ステップA485)を行って、ステップA487の処理に移行する。また、はずれ
でない場合(ステップA484;N)、振り分け処理(ステップA486)を行って、ス
テップA487の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブル(後
半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(ステップA487)、対
象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準
備する(ステップA488)。そして、振り分け処理を実行し(ステップA489)、振
り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステ
ップA490)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループテーブルを設定し(ステップA491
)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップA
492)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブル(前半変動パター
ン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(ステップA493)、対象の変動パタ
ーン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(ステ
ップA494)。その後、振り分け処理(ステップA495)を行い、振り分けられた結
果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(ステップA496)
、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特
図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置10
0が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定
手段をなす。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップA485)の詳細について説明する。図5-34は、2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
遊技制御装置100は、まず、選択テーブル(ステップA482にて準備した後半変動
グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるか
をチェックする(ステップA501)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくと
も一の後半変動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動
パターンが「リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループ
テーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振
り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に
規定されている。
そして、遊技制御装置100は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭の
データが振り分けなしのコードである場合(ステップA502;Y)は、振り分けた結果
に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA507)、2バイト振り分け処理を
終了する。一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分け
なしのコードでない場合(ステップA502;N)は、選択テーブル(後半変動グループ
テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA503)。
続けて、ステップA483にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステッ
プA503にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップA504
)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA505)
。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA505;N)は、次
の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA506)、ステップA503の処理に
移行して、それ以降の処理を行う。すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル
)に次に規定されている振り分け値を取得し(ステップA503)、その後、前回のステ
ップA505にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出
して(ステップA504)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定す
る(ステップA505)。
上記の処理をステップA505にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(ステッ
プA505;Y)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グループテー
ブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変
動選択テーブルが選択される。そして、ステップA505にて、新たな乱数値が「0」よ
りも小さいと判定すると(ステップA505;Y)、振り分けた結果に対応するデータの
アドレスに更新して(ステップA507)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における振り分け処理(ステップA486,A489,A495)の詳細について説明する。図5-35は、振り分け処理の手順を示すフローチャートである。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
遊技制御装置100は、まず、対象の選択テーブル(ステップA482にて準備した後
半変動グループテーブル、ステップA487にて準備した後半変動選択テーブル、又はス
テップA493にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコ
ード(すなわち「0」)であるかをチェックする(ステップA511)。ここで、後半変
動グループテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも
一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前
半変動番号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選
択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定さ
れている。
そして、遊技制御装置100は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後
半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードで
ある場合(ステップA512;Y)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新
して(ステップA51ステップA517)、振り分け処理を終了する。一方、対象の選択
テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)
の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA512;N)、対象の選
択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル
)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA513)。
続けて、遊技制御装置100は、ステップA483やステップA488やステップA4
94にて準備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数
3の値)からステップA513にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し
(ステップA514)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(
ステップA515)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA
515;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA516)、ステッ
プA513の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや
前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(ステップA513)
、その後、前回のステップA515にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算すること
で新たな乱数値を算出して(ステップA514)、算出した新たな乱数値が「0」よりも
小さいか否かを判定する(ステップA515)。上記の処理をステップA515にて新た
な乱数値が「0」よりも小さいと判定(ステップA515;Y)するまで実行する。これ
により、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半
変動選択テーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パ
ターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変
動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号
)が選択される。
そして、遊技制御装置100は、ステップA515にて、新たな乱数値が「0」よりも
小さいと判定すると(ステップA515;Y)、振り分けた結果に対応するデータのアド
レスに更新して(ステップA517)、振り分け処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA327,A337)の詳細について説明する。図5-36は、変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、開始する変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームである
か否かを判定する(ステップA521)。開始する変動表示ゲームが特図2変動表示ゲー
ムでなく特図1変動表示ゲームである場合に(ステップA521;N)、対象の変動パタ
ーン乱数1~3の乱数格納領域をクリアする(ステップA522)。次に、前半変動時間
値テーブルを設定し(ステップA523)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取
得する(ステップA524)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA5
25)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA526)。
そして、遊技制御装置100は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップ
A527)、加算値(全変動時間値)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステッ
プA528)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ス
テップA529)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を演出コマン
ドとして準備して(ステップA530)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA53
1)。次に、開始する変動の図柄(特図1又は特図2)を示す変動図柄判別フラグに対応
する特図保留数を-1更新して(ステップA532)、変動図柄判別フラグに対応する乱
数格納領域のアドレスを設定する(ステップA533)。次いで、乱数格納領域をシフト
し(ステップA534)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップA535)、変動
開始情報設定処理を終了する。
遊技制御装置100は、まず、開始する変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームである
場合に(ステップA521;Y)、特図2変動表示ゲームの結果が小当り又は大当りであ
るか否かを判定する(ステップA536)。特図2変動表示ゲームの結果が小当り又は大
当りである場合に(ステップA536;Y)、開始する変動表示ゲームが特図1変動表示
ゲームである場合と同様にステップA522以降の処理を実行する。なお、本実施形態と
異なり、特図2変動表示ゲームの結果がサポ当りの場合も、ステップA522以降の処理
を実行する構成でもよい。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果が小当りでもなく大当りでもない
場合(ステップA536;N)、すなわち、特図2変動表示ゲームの結果がはずれ結果の
場合に、大当り終了後の特図2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)に対応する
変動時間値(全変動時間値)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA53
7)。
したがって、特図1変動表示ゲームの変動時間値と、小当り又は大当りの場合の特図2
変動表示ゲームの変動時間値は、振り分け(抽選)で設定され固定されない時間値である
一方、はずれの場合の特図2変動表示ゲームの変動時間値は、大当り終了後の特図2変動
回数ごとに設定される固定時間値となる。すなわち、特図2変動表示ゲームの変動時間値
は、回転数制御がなされる。なお、小当り又は大当りの場合の特図2変動表示ゲームの変
動時間値も固定時間値とする構成も可能である。
その後、遊技制御装置100は、変動時間値に対応した変動コマンド(MODE,AC
TION)を演出コマンドとして準備し(ステップA538)、ステップA531以降の
処理を実行する。
なお、後述の変形例のように普電サポートの態様(内容)に関するサポ状態(サポ態様
、普電開放パターン)が可変である場合に、変動時間値は、大当り終了後の特図2変動回
数だけでなく、サポ状態にも対応して設定してもよい。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、
遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値
の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づ
いて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パ
ターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に
送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基
づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設
定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数
)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コ
マンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドが挙げられ
、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動
コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めること
ができる。
〔特図変動中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図5-37は、特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2変動中(特図2変動表示ゲームが実行中)である
か否かを判定する(ステップA601)。特図2変動中でない場合、すなわち、特図1変
動中(特図1変動表示ゲームが実行中)である場合に(ステップA601;N)、停止図
柄パターンに対応する表示時間を設定する(ステップA602)。
一方、遊技制御装置100は、特図2変動中である場合(ステップA601;Y)、特
図2変動表示ゲームのか結果が小当り又は大当りであるか否かを判定する(ステップA6
03)。特図2変動表示ゲームのか結果が小当り又は大当りである場合に(ステップA6
03;Y)、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定する(ステップA602)。表
示時間(停止表示時間)は、変動表示ゲームの結果である停止図柄(停止表示)の表示時
間である。なお、本実施形態と異なり、特図2変動表示ゲームの結果がサポ当りの場合も
、ステップA602の処理に移行する構成でもよい。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果が小当り又は大当りでない場合、
すなわち、はずれの場合に(ステップA603;N)、大当り終了後の特図2変動回数(
特図2変動表示ゲームの実行回数)に対応する表示時間を設定する(ステップA604)
したがって、特図1変動表示ゲームの表示時間と、小当り又は大当りの場合の特図2変
動表示ゲームの表示時間は、抽選で設定された停止図柄パターンに基づく固定されない時
間である一方、はずれの場合の特図2変動表示ゲームの表示時間は、大当り終了後の特図
2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)ごとに固定的に設定される。なお、小当
り又は大当りの場合の特図2変動表示ゲームの表示時間も固定的に設定する構成も可能で
ある。
なお、後述のように普電サポートの態様(内容)に関するサポ状態(サポ態様、普電開
放パターン)が可変である場合に、表示時間(停止表示時間)は、大当り終了後の特図2
変動回数だけでなく、サポ状態にも対応して設定してもよい。
次に、遊技制御装置100は、ステップA602又はステップA604で設定された表
示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA605)。続いて、遊技制
御装置100は、普電サポート中(時短状態中)であるか否か判定する(ステップA60
6)。普電サポート中でない場合(ステップA606;N)、ステップA613の処理に
移行する。普電サポート中である場合(ステップA606;Y)、特図1変動表示ゲーム
の変動であるか否か判定する(ステップA607)。特図1変動表示ゲームの変動である
場合(ステップA607;Y)、ステップA610の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動である場合(ステップA607;
N)、時間短縮変動回数2を-1更新(1だけ減少)して(ステップA608)、時間短
縮変動回数2が0であるか否か判定する(ステップA609)。時間短縮変動回数2が0
である場合(ステップA609;Y)、時短の終了を設定する時短終了設定処理を実行す
る(ステップA612)。
遊技制御装置100は、時間短縮変動回数2が0でない場合(ステップA609;N)
、時間短縮変動回数1を-1更新(1だけ減少)して(ステップA610)、時間短縮変
動回数1が0であるか否か判定する(ステップA611)。時間短縮変動回数1が0でな
い場合(ステップA611;N)、ステップA613の処理に移行する。一方、時間短縮
変動回数1が0である場合(ステップA611;Y)、時短の終了を設定する時短終了設
定処理を実行する(ステップA612)。その後、後述の演出モード情報チェック処理を
実行する(ステップA613)。
その後、遊技制御装置100は、特図表示中処理移行設定処理を実行する(ステップA
614)。特図表示中処理移行設定処理では、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設
定し特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、特図1表示器51での変動停止に係
る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし、特図2表示器52での変動停止に
係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブする。その後、特図変動中処理を終
了する。
〔時短終了設定処理〕
次に、特図変動中処理における時短終了設定処理(ステップA612)の詳細について説明する。図5-38は、時短終了設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時短終了に関する信号をRWMの外部情報出力データ領
域にセーブする(ステップA621)。ここで、時短終了に関する信号は、大当り2信号
のオフデータである。これにより、時短終了に関する信号が外部情報として外部情報端子
71を介して外部装置(ホールコンピュータなど)に出力される。
なお、通常遊技状態において、普通変動入賞装置37の開放時間が非常に短いか又は普
図変動表示ゲームの当り確率が非常に低いため、普通変動入賞装置37への入賞はなく第
2始動記憶は発生しない。このため、時短終了の時点で第2始動記憶(特図2始動記憶、
特図2保留)が残保留として残っている場合に、大当り2信号のオンデータの出力を継続
し(このようにしても不都合が生じない)、最後の残保留に係る特図変動表示ゲームの変
動表示が停止するときに、大当り2信号のオフデータ(時短終了に関する信号)を外部装
置に出力してもよい。
次に、遊技制御装置100は、時短終了に関する信号をRWMの試験信号出力データ領
域にセーブする(ステップA622)。これにより、時短終了に関する信号が、試験信号
として試射試験装置に出力される。ここでの時短終了に関する信号は、例えば、特別図柄
1変動時間短縮状態信号のオフデータ、特別図柄2変動時間短縮状態信号のオフデータ、
普通図柄1変動時間短縮状態信号のオフデータ、普通電動役物1開放延長状態信号のオフ
データ、普通図柄1高確率状態信号のオフデータである。そして、RWMの遊技状態表示
番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA623)、RWMの普図ゲームモード
フラグ領域に普図低確率&時短なしフラグをセーブし(ステップA624)、RWMの特
図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA62
5)。
続いて、遊技制御装置100は、時間短縮変動回数1が格納されるRWMの時間短縮変
動回数1領域をクリアし(ステップA626)、時間短縮変動回数2が格納されるRWM
の時間短縮変動回数2領域をクリアする(ステップA627)。そして、左打ち指示に関
する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA628)、RWMの
遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップA629)。
その後、RWMの通常ベース状態判定領域に通常ベース状態情報をセーブする(ステッ
プA630)。ここで、通常ベース状態情報は、ベース値(通常遊技状態における出玉率
)を算出する期間である通常遊技状態を示す値である。その後、時短終了設定処理を終了
する。
このように、時短終了設定処理が実行されることで、時短状態(特図低確率且つ普電サ
ポートありの状態)から適切に通常遊技状態(特図低確率且つ普電サポートなしの状態)
へ移行させることができる。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、特図変動中処理における演出モード情報チェック処理(ステップA613)の詳細について説明する。図5-39は、演出モード情報チェック処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるか否かを判定
する(ステップA641)。次モード移行情報が更新なしコードである場合(ステップA
641;Y)は、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変
動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば次回の
大当りまで継続する演出モードが選択されている場合である。
また、遊技制御装置100は、次モード移行情報が更新なしコードでない場合(ステッ
プA641;N)は、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である
演出残り回転数を-1更新し(ステップA642)、演出残り回転数が0となったか否か
を判定する(ステップA643)。ここで、演出残り回転数は、今回実行したのが主とな
る特図変動表示ゲームである場合にのみ、-1更新されるが、主ではない変動表示ゲーム
である場合も-1更新される構成も可能である。
遊技状態等に応じて、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち一方の変動
表示ゲームが、主となる変動表示ゲームとして定められている。例えば、主となる変動表
示ゲーム(主変動表示ゲーム)は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち
頻繁に実行される方であり、主ではない変動表示ゲーム(従変動表示ゲーム)は、特図1
変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち頻繁には実行されない方である。なお、遊
技制御装置100及び/又は演出制御装置300は、遊技状態等に応じて、主となる変動
表示ゲームを示す情報(特図1又は特図2)を記憶してもよい。
演出残り回転数が0となっていない場合(ステップA643;N)には、演出モード情
報チェック処理を終了する。また、演出残り回転数が0となった場合(ステップA643
;Y)、すなわち次の特図変動表示ゲームから演出モードを移行する場合は、演出モード
情報アドレステーブルを設定し(ステップA644)、次モード移行情報に対応するテー
ブルのアドレスを取得する(ステップA645)。
そして、遊技制御装置100は、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RW
M内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA646)、移行する演出モードの演
出残り回転数(初期値)を取得し、RWM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステッ
プA647)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移
行情報領域にセーブする(ステップA648)。
なお、時短状態の終了(時間短縮変動回数1又は2=0)によって演出モードを移行する場合には、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を規定の残保留数(例えば4~9)に設定してよい。残保留数とは、時短状態終了後に消化される特図2保留(残保留)の数であり、時短終了後の特図2変動回数である。残保留は、時短状態中の普図当りによって開放される普通変動入賞装置37への入賞によって生じる。このようにして、残保留(特図2保留、特図2始動記憶)の消化中に対応する演出モードとして残保留消化モード(図5-54)を設定できる。
あるいは、時短状態中の普図当りによって開放される普通変動入賞装置37の開放(後述の後半開放に対応)が終了した際に演出モードを移行する場合には、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)をその時点での特図2保留数に設定してよい。これにより、時短状態中の普図当りによって開放される普通変動入賞装置37の開放が終了した後の特図2保留の消化中に対応する演出モードとして普電開放終了後モード(図5-71A)を設定できる。さらに、この場合に、時短状態の終了(時間短縮変動回数1又は2=0)によって移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を時短回数に応じた所定値(例えば6から時短回数を減算した値)に設定して、普電開放終了前モード(図5-71A)を設定できる。
さらに、時短状態の終了(時間短縮変動回数1又は2=0)によって演出モードを切り替える場合には、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)をその時点での特図2保留数又は特図2保留数以下の所定数に設定してよい。このようにして、時短終了時の特図2保留数又は所定数の残保留(特図2保留、特図2始動記憶)の消化中に対応する演出モードとして時短中発生残保留消化モード(図5-71B)を設定できる。時短中発生残保留消化モードの後に移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を、規定の残保留数(例えば10)から時短中発生残保留消化モードで消化された残保留の数を引いた値(過剰保留数)に設定できる。このようにして、時短中発生残保留消化モード後の演出モードとして過剰保留消化モード(図5-71B)を設定できる。
その後、遊技制御装置100は、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報
コマンド(確率状態の情報と時短の有無の情報と演出モードの情報を含む)を演出コマン
ドとして準備し(ステップA649)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマ
ンド領域の値と一致するか否かを判定する(ステップA650)。準備した確率情報コマ
ンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA650;Y)、すな
わち確率情報コマンドが変化していない場合には、演出モード情報チェック処理を終了す
る。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合
(ステップA650;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領
域にセーブして(ステップA651)、確率情報コマンドを演出コマンドとして設定する
演出コマンド設定処理を実行する(ステップA652)。
次いで、遊技制御装置100は、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出
コマンドとして準備して(ステップA653)、演出コマンド設定処理を実行する(ステ
ップA654)。これにより、演出制御装置300は、演出残り回転数を取得できる。次
に、時間短縮変動回数2に対応する時間短縮変動回数コマンドを演出コマンドとして準備
して(ステップA655)、演出コマンド設定処理(ステップA656)を実行する。こ
れにより、演出制御装置300は、時間短縮変動回数2を取得できる。なお、遊技制御装
置100は、同様に、時間短縮変動回数1も演出コマンドとして準備して、演出コマンド
設定処理を実行してよい。
次いで、遊技制御装置100は、ステップA646で新たな演出モード番号が取得され
た場合に、新たな演出モードは左打ちするモードであるか否かを判定し(ステップA65
7)、左打ちするモードでない場合(ステップA657;N)には、演出モード情報チェ
ック処理を終了する。また、左打ちするモードである場合(ステップA657;Y)には
、左打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備し(ステップA658)、演出コマ
ンド設定処理を実行して(ステップA659)、演出モード情報チェック処理を終了する
なお、上記において、さらに、演出残り回転数が0であるか否かの判定結果(ステップ
A643)によらず、更新された演出残り回転数(ステップA642)に対応する演出回
転数コマンドと更新された時間短縮変動回数1、2(ステップA608、ステップA61
0)に対応する時間短縮変動回数コマンドも演出コマンドとして準備して、演出コマンド
設定処理を実行してもよい。
〔特図表示中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図5-30は、特図表示中処理の手順を示すフローチャートである。図5-40は、特図表示中処理の前半部分を示し、図5-41は、特図表示中処理の後半部分を示す。
遊技制御装置100は、まず、今回実行したのが特図1の変動であるか否かを判定する
(ステップA701)。すなわち、停止図柄の表示(停止表示)が特図1変動表示ゲーム
に関するものであるか否かを判定する。今回実行したのが特図1の変動である場合に(ス
テップA701;Y)、大当りフラグ1をロードし(ステップA702)、大当りフラグ
1領域をクリアし(ステップA703)、ロードした大当りフラグ1は大当りであるか否
かを判定する(ステップA704)。
遊技制御装置100は、ロードした大当りフラグ1は大当りである場合に(ステップA
704;Y)、条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報を条件装置作動情報
領域にセーブし(ステップA705)、ステップA706の処理に移行する。ロードした
大当りフラグ1は大当りでない場合に(ステップA704;N)、ステップA711の処
理に移行する。
そして、遊技制御装置100は、特図普段処理移行設定処理を実行する(ステップA7
06)。特図普段処理移行設定処理では、特図普段処理に係る処理番号として0を設定し
特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、変動図柄判別フラグ領域をクリアする。
その後、特図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、今回実行したのが特図2の変動である場合に(ステップ
A701;N)、大当りフラグ2をロードし(ステップA707)、大当りフラグ2領域
をクリアする(ステップA708)。ロードした大当りフラグ2は大当りであるか否かを
判定する(ステップA709)。大当りフラグ2は大当りである場合に(ステップA70
9;Y)、条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報を条件装置作動情報領域
にセーブし(ステップA700)、ステップA706の処理に移行する。大当りフラグ2
が大当りでない場合に(ステップA709;N)、すなわち、小当り又ははずれの場合に
、ステップA711の処理に移行する。
なお、本実施形態では、特図2変動表示ゲームの結果として「大当り」を設けないため
、ステップA707~A710の処理はオプションであり実行しなくてもよい。すなわち
、ステップA701の後に、ステップA711の処理に移行してよい。
次に、遊技制御装置100は、現在、特図高確率中(確変状態中)であるか否かを判定
する(ステップA711)。特図高確率中でない場合に(ステップA711;N)、特図
変動表示ゲームの実行された回数が天井回数(時短天井)に到達したことを示す天井到達
済みフラグがあるか否か判定する(ステップA712)。
遊技制御装置100は、天井到達済みフラグがない場合に(ステップA712;N)、
RWMの天井カウンタ領域の天井カウンタ値を+1更新(1だけ増加)する(ステップA
7113)。そして、確変状態以外の状態で特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム
と特図2変動表示ゲームを含む)の実行された回数(すなわち天井カウンタ値)が天井回
数に到達したか否かを判定する(ステップA714)。例えば、天井回数は、500回で
ある。天井回数に到達した場合(ステップA714;Y)、天井時短が発生することを示
す天井時短発動フラグと、天井回数に到達したことを示す天井到達済みフラグをセット(
オン)する(ステップA715)。なお、天井時短発動フラグと天井到達済みフラグをま
とめて一つのフラグとする構成も可能である。
なお、天井到達済みフラグは、大当りが発生するとクリアされるが、大当りが発生しな
い限りクリアされない。したがって、一旦天井回数に到達した後、大当りしないまま時短
回数が終了してしまうと、天井到達済みフラグがセット(オン)されたままであるため、
以降、天井時短は発生しないことになるし、天井カウンタ値も更新されない。
一方、遊技制御装置100は、特図高確率中(確変状態中)である場合(ステップA7
111;Y)、天井到達済みフラグがある場合(ステップA712;Y)、天井回数に到
達していない場合(ステップA714;N)、小当りフラグ2が小当りか否かを判定する
(ステップA716)。
次に、遊技制御装置100は、小当りフラグ2は小当りである場合に(ステップA71
6;Y)、小当りファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備し(ステップA71
7)、演出コマンド設定処理を実行する(ステップA718)。そして、飾り特図2コマ
ンド領域から飾り特図2コマンドを演出コマンドとしてロードし、準備し(ステップA7
19)、演出コマンド設定処理を実行する(ステップA720)。その後、小当り開放前
処理移行設定処理を実行して(ステップA721)、特図表示中処理を終了する。
小当り開放前処理移行設定処理では、小当り開放前処理に係る処理番号として3を設定
し、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、小当り開放前時間(例えば300m
s)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。また、小当り遊技の開始に関する信号(
例えば、大当り1信号をオン(大当り、小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセ
ーブする。
一方、遊技制御装置100は、小当りフラグ2は小当りでない場合、すなわち、はずれ
の場合に(ステップA716;N)、天井時短が発生することを示す天井時短発動フラグ
があるか否かを判定する(ステップA722)。天井時短発動フラグがある場合(ステッ
プA722;Y)、天井時短回数(天井時短による時短回数)となる初期値を時間短縮変
動回数1領域と時間短縮変動回数2領域にセーブする(ステップA723)。前述した、
天井時短の場合の時間短縮変動回数1と時間短縮変動回数2の初期値(例えば704回と
700回)は、ここでセーブされることになる。初期値は、抽選で決定してもよい。続い
て、天井時短による時短状態を発生するためにサポ作動設定処理を実行し(ステップA7
27)、特図普段処理移行設定処理を実行し(ステップA728)、特図表示中処理を終
了する。特図普段処理移行設定処理では、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特
図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、天井時短が発生することを示す天井時短発動フラグがない場合
(ステップA722;N)、サポ当りフラグ2はサポ当りであるか否かを判定する(ステ
ップA724)。そして、サポ当りフラグ2はサポ当りでない場合(ステップA724;
N)、サポ当りフラグ1はサポ当りであるか否かを判定する(ステップA725)。
遊技制御装置100は、サポ当りフラグ1とサポ当りフラグ2のいずれかがサポ当りで
ある場合(ステップA724;Y又はステップA725;Y)、時間短縮判定データに対
応する初期値を時間短縮変動回数1領域と時間短縮変動回数2領域にセーブする(ステッ
プA726)。前述した、サポ当り結果(突然時短)の場合の時間短縮変動回数1と時間
短縮変動回数2の初期値(例えば34回と30回、あるいは、104回と100回)は、
ここでセーブされることになる。続いて、時短図柄による時短状態(突然時短)を発生す
るためにサポ作動設定処理を実行し(ステップA727)、特図普段処理移行設定処理を
実行し(ステップA728)、特図表示中処理を終了する。
なお、時間短縮判定データは、特図1停止図柄設定処理(ステップA323)や特図2
停止図柄設定処理(ステップA333)において、停止図柄番号に対応して設定されるた
め、サポ当り結果の場合の初期値(すなわち時短回数)は、サポ当り図柄乱数による抽選
で決定されることになる。
遊技制御装置100は、サポ当りフラグ1とサポ当りフラグ2の両方がサポ当りでない
場合(ステップA724;N及びステップA725;N)、時短を設定するサポ作動設定
処理を実行せずに、特図普段処理移行設定処理を実行し(ステップA728)、特図表示
中処理を終了する。
以上のように、特図表示中処理において、天井時短と突然時短に関して、時短回数(す
なわち、時間短縮変動回数の初期値)の設定など、時短の設定が実行される。なお、大当
りによる時短、すなわち、大当り状態の終了から開始する時短に関しては、大当り終了処
理において、時短回数の設定など、時短の設定が実行される。
なお、特図表示中処理は、停止表示時間(ステップA605)が設定された特図ゲーム
処理タイマが0になったときに実行されるため(ステップA5,A11)、特図変動表示
ゲームの停止結果の表示が終了するとき(又は終了する際:終了する時や終了する直前を
含む)に実行されることになる。したがって、特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終
了するとき(次の特図変動表示ゲームが開始するなら開始するときに略等しい)に、時間
短縮変動回数(ステップA723,A726)が設定され、天井時短と突然時短による時
短状態が開始する。
〔サポ作動設定処理〕
次に、特図表示中処理におけるサポ作動設定処理(ステップA727)の詳細について説明する。図5-42は、サポ作動設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時短開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセー
ブする(ステップA731)。これにより、天井回数到達による天井時短と時短図柄(サ
ポ当り)による突然時短の開始時に、時短開始に関する信号が外部情報として外部情報端
子71ひいては外部装置(ホールコンピュータなど)に出力される。ここで、時短開始に
関する信号は、大当り2信号のオンデータである。そして、時短信号制御タイマ領域にタ
イマ初期値(例えば128msec)をセーブする(ステップA732)。このタイマ初
期値は、後述の外部情報編集処理によって大当り3信号を出力する時間となる。
次に、遊技制御装置100は、時短開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセー
ブする(ステップA733)。これにより、天井時短と突然時短の開始時に、時短開始に
関する信号が試験信号として試射試験装置に出力される。ここでの時短開始に関する信号
は、例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号のオンデータ、特別図柄2変動時間短縮状
態信号のオンデータ、普通図柄1高確率状態信号のオンデータ、普通図柄1変動時間短縮
状態信号のオンデータ、普通電動役物1開放延長状態信号のオンデータである。そして、
遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(ステップA734)、普図ゲームモ
ードフラグ領域に普図高確率&時短ありフラグをセーブし(ステップA735)、特図ゲ
ームモードフラグ領域に特図時短ありフラグを合成する(ステップA736)。続いて、
右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA737)、遊
技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップA738)。
その後、遊技制御装置100は、天井時短又は突然時短に応じた演出モード情報アドレ
ステーブルを設定し(ステップA739)、特図1停止図柄設定処理(ステップA323
)又は特図2停止図柄設定処理(ステップA333)で設定した演出モード移行情報に対
応するテーブルのアドレスを取得し(ステップA740)、演出モードの演出モード番号
(演出モードの番号)をテーブルに基づいて取得してセーブする(ステップA741)。
これにより、天井時短と突然時短の開始時に移行する演出モードが選択できる。
次に、遊技制御装置100は、演出モードの演出残り回転数(初期値)をテーブルに基
づいて取得してセーブする(ステップA742)。例えば、演出残り回転数(初期値)は
、時短回数(時間短縮変動回数1又は時間短縮変動回数2の初期値)である。これにより
、例えば、時短が終了するまで同一の演出モードが継続できる。
続いて、遊技制御装置100は、天井時短中又は突然時短中の演出モードの次のモード
への移行の情報である次モード移行情報をテーブルに基づいて取得してセーブする(ステ
ップA743)。そして、特図ゲームモードフラグと今回新たに設定された演出モード番
号に対応する確率情報コマンドを演出コマンドとして準備し(ステップA744)、準備
した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブし(ステップA745)、
確率情報コマンドを演出コマンドとして設定する演出コマンド設定処理を実行する(ステ
ップA746)。ここで、確率情報コマンドには、確率状態、時短(普電サポート)の有
無、演出モードの情報が含まれる。
次に、遊技制御装置100は、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出コ
マンドとして準備し(ステップA747)、演出コマンド設定処理を実行する(ステップ
A748)。そして、時間短縮変動回数1と時間短縮変動回数2(ここでは初期値である
時短回数)のそれぞれに対応する時間短縮変動回数コマンドを演出コマンドとして準備し
(ステップA749)、演出コマンド設定処理を実行する(ステップA750)。
その後、遊技制御装置100は、時間短縮判定データ領域をクリアし(ステップA75
1)、演出モード移行情報領域をクリアし(ステップA752)、大当り終了処理を終了
する。また、ここで、天井時短が発動したため天井時短発動フラグが格納される天井時短
発動フラグ領域をクリアしてもよい。
〔役物ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における役物ゲーム処理(ステップX111)の詳細について説明する。図5-43は、役物ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。役物ゲーム処理では、大当り状態に関する処理全体の制御を行う。
遊技制御装置100は、まず、下大入賞口スイッチ監視処理を実行する(ステップB1
)。下大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントス
イッチ(下大入賞口スイッチ38a)での遊技球の検出を監視する。
次に、遊技制御装置100は、役物ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(1
だけ減算する)(ステップB2)。役物ゲーム処理タイマは、-1更新によって、タイマ
割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、役物ゲー
ム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、役物ゲーム処理タイマが0であるか
否かを判定する(ステップB3)。役物ゲーム処理タイマが0でない場合(ステップB3
;N)、役物ゲーム処理を終了する。
遊技制御装置100は、役物ゲーム処理タイマが0である場合(ステップB3;Y)、
すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、役物ゲーム処理番
号に対応する処理に分岐させるために参照する役物ゲームシーケンス分岐テーブルをレジ
スタに設定する(ステップB4)。さらに、役物ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて
役物ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップB5)。続い
て、役物ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、役物ゲーム処理番号に応じ
たゲーム分岐処理を実行する(ステップB6)。
遊技制御装置100は、ステップB6にてゲーム処理番号が「0」の場合には、大当り開始の際の設定などを行う役物普段処理を実行する(ステップB7)。例えば、役物普段処理では、所定の場合にファンファーレ中処理に係る処理番号「1」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。なお、役物普段処理の詳細については、図5-44にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップB6にてゲーム処理番号が「1」の場合には、ファン
ファーレ中処理を実行する(ステップB8)。例えば、ファンファーレ中処理では、イン
ターバル中処理に係る処理番号「2」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップB6にてゲーム処理番号が「2」の場合には、インタ
ーバル中処理を実行する(ステップB9)。例えば、インターバル中処理では、ラウンド
数を+1更新して、下大入賞口開放時間を役物ゲーム処理タイマ領域にセーブし、下大入
賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブし、ラウンドコマンドを演出コマン
ドとして設定し、大当り開放中処理に係る処理番号「3」を設定し役物ゲーム処理番号領
域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップB6にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大当り
ラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンド
であればエンディングコマンドを設定する処理や、大当り残存球処理を行うために必要な
情報の設定等を行う大当り開放中処理を実行する(ステップB10)。例えば、大入賞口
開放中処理では、インターバルコマンドやエンディングコマンドなど必要な情報を設定し
て、大当り残存球処理に係る処理番号「4」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブす
る。
遊技制御装置100は、ステップB6にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当り
ラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定
する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り残存球処理を
実行する(ステップB11)。例えば、大当り残存球処理では、最終ラウンドでなければ
インターバル時間を役物ゲーム処理タイマ領域にセーブし、インターバル中処理に係る処
理番号「2」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。最終ラウンドであればエン
ディング時間を役物ゲーム処理タイマ領域にセーブし、大当り終了処理に係る処理番号「
5」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップB6にてゲーム処理番号が「5」の場合には、役物普
段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(ステップ
B12)。例えば、大当り終了処理では、大当り終了後の時短状態の有無(時短あり又は
時短なし)の情報を含む時間短縮判定データに基づいて、大当り状態終了後の普電サポー
ト状態(時短状態)など必要な情報の設定を行い、役物普段処理に係る処理番号「0」を
設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
〔役物普段処理〕
次に、前述の役物ゲーム処理における役物普段処理(ステップB7)の詳細について説明する。図5-44は、役物普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、条件装置が作動中であるか否かを判定する(ステップB
301)。条件装置作動情報が条件装置作動情報領域にセーブされている場合に(ステッ
プA204,A645,A650)、すなわち、大当りフラグ1あるいは大当りフラグ2
に大当り情報があるか、又は、特定領域72(V入賞口)への入賞(特定領域スイッチ7
2aへの入力、V入賞)があった場合に、条件装置が作動中であると判定できる。条件装
置が作動中でない場合に(ステップB301;N)、役物普段処理を終了する。
遊技制御装置100は、条件装置が作動中である場合に(ステップB301;Y)、ラ
ウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値をラウンド数上限値領域にセーブする(
ステップB302)。続いて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLED出力ポイ
ンタをラウンドLED出力ポインタ領域にセーブし(ステップB303)、確率情報コマ
ンド(通常中)を演出コマンドとして準備し(ステップB304)、演出コマンド設定処
理を実行する(ステップB305)。
次に、遊技制御装置100は、ファンファーレ情報に対応するファンファーレコマンド
を演出コマンドとして準備し(ステップB306)、演出コマンド設定処理を実行する(
ステップB307)。そして、今回大当り又は小当りとなった特図の飾り特図コマンド領
域から飾り特図コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)をロードし、演
出コマンドとして準備し(ステップB308)、演出コマンド設定処理を実行する(ステ
ップB309)。
続いて、遊技制御装置100は、条件装置作動情報に対応する信号を外部情報出力デー
タ領域にセーブし(ステップB310)、条件装置作動情報に対応する信号を試験信号出
力データ領域にセーブする(ステップB311)。そして、ラウンド数領域に初期値をセ
ーブする(ステップB312)。初期値は、大当り情報によって条件装置が作動中の場合
には0であり、特定領域72への入賞(V入賞)によって条件装置が作動中の場合には1
である。
次に、遊技制御装置100は、ファンファーレ中処理移行設定処理を実行し(ステップ
B313)、役物普段処理を終了する。例えば、ファンファーレ中処理移行設定処理では
、ファンファーレ中処理に係る処理番号として「1」を設定して役物ゲーム処理番号領域
に処理番号をセーブし、ファンファーレ時間を役物ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
ファンファーレ中処理移行設定処理において、遊技制御装置100は、時間短縮変動回
数1が格納される時間短縮変動回数1領域、時間短縮変動回数2が格納される時間短縮変
動回数2領域、天井カウンタ値が格納される天井カウンタ領域、天井時短発動フラグが格
納される天井時短発動フラグ領域、天井到達済みフラグが格納される天井到達済みフラグ
領域をクリアする。また、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&時短なしフラグを
セーブし、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする。確
変状態以外の状態で特図変動表示ゲームが実行された回数を示す天井カウンタ値が格納さ
れる天井カウンタ領域は、大当り発生の際にここでクリアされることになるが、前述のよ
うに通常の停電復旧時(RAM初期化スイッチ112がオンでない)にはクリアされてい
なくてよい。
さらに、ファンファーレ中処理移行設定処理において、遊技制御装置100は、大当り
(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をオン(大当り、小当りで
出力)、大当り4信号をオン(大当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブする
。そして、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信
号をオフ、特別図柄2高確率状態信号をオフ、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、
特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフ、普通図柄1高確率状態信号をオフ、普通図柄1
変動時間短縮状態信号をオフ、普通電動役物1開放延長状態信号をオフ)を試験信号出力
データ領域にセーブする。
〔大当り終了処理〕
次に、前述の役物ゲーム処理における大当り終了処理(ステップB12)の詳細について説明する。図5-45は、大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時間短縮判定データ(ステップA409,A439)が
、時短ありのデータであるか否かを判定する(ステップB401)。時短ありのデータは
、大当り状態終了後に時短状態(普電サポート状態)になることを示す。時短なしのデー
タは、大当り状態終了後に時短状態(普電サポート状態)にならないことを示す。
遊技制御装置100は、時間短縮判定データが時短なしのデータの場合に、大当り終了
後に通常遊技状態に移行するために大当り終了設定処理1を実行し(ステップB402)
、時間短縮判定データが時短ありのデータの場合に、大当り終了後に時短状態(普電サポ
ート状態)に移行するために大当り終了設定処理2を実行する(ステップB403)。
遊技制御装置100は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(ステップB404
)、停止1図柄設定処理又は停止2図柄設定処理で設定した演出モード移行情報(ステッ
プA410,A440)に対応するテーブルのアドレスを取得し(ステップB405)、
大当り状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号(演出モードの番号)を取
得してセーブする(ステップB406)。これにより、大当り終了後に移行する演出モー
ドが選択できる。
次に、遊技制御装置100は、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残
り回転数(初期値)を取得してセーブする(ステップB407)。例えば、演出残り回転
数(初期値)は、時短回数(時間短縮変動回数初期値)や、時短回数と規定の残保留数の
合計回数(例えば10回)である。これにより、例えば、大当り終了後に、時短が終了す
るまで、又は、残保留に係る特図2変動表示ゲームが全て実行されるまで、同一の演出モ
ードが継続できる。
続いて、遊技制御装置100は、大当り状態終了直後に設定される演出モードの次のモ
ードへの移行の情報である次モード移行情報を取得してセーブする(ステップB409)
。そして、特図ゲームモードフラグと今回新たに設定された演出モード番号に対応する確
率情報コマンドを演出コマンドとして準備し(ステップB409)、準備した確率情報コ
マンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブし(ステップB410)、確率情報コマン
ドを演出コマンドとして設定する演出コマンド設定処理を実行する(ステップB411)
。ここで、確率情報コマンドには、大当り状態の終了後における確率状態、時短(普電サ
ポート)の有無、演出モードの情報が含まれる。
次に、遊技制御装置100は、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出コ
マンドとして準備し(ステップB412)、演出コマンド設定処理を実行する(ステップ
B413)。そして、時間短縮変動回数(ここでは初期値である時短回数、例えば、5回
以下又は99回)に対応する時間短縮変動回数コマンドを演出コマンドとして準備し(ス
テップB414)、演出コマンド設定処理を実行する(ステップB415)。
その後、遊技制御装置100は、演出モード移行情報領域をクリアし(ステップB41
6)、役物普段処理移行設定処理を実行し(ステップB417)、大当り終了処理を終了
する。役物普段処理移行設定処理では、役物普段処理に移行するために、役物普段処理に
係る処理番号「0」を設定し役物ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、条件装置作
動情報領域をクリアし、時間短縮判定データ領域をクリアする。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップB402)の詳細について説明する。図5-46は、大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域に
セーブし(ステップB421)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域に
セーブする(ステップB422)。例えば、外部情報端子71を介して外部装置に出力す
る外部情報として、大当り1信号のオフデータ、大当り2信号のオフデータ、大当り3信
号のオフデータ、大当り4信号のオフデータを、外部情報出力データ領域にセーブする。
大当り終了設定処理1は大当り状態終了後に時短がない場合の処理であるため、大当り2
信号をオフする。一括表示装置50の第2遊技状態表示部58(ランプD17)の表示デ
ータとして遊技状態表示番号2領域に通常中の番号をセーブする(ステップB423)。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲームモードフラグ領域に低確率フラグをセーブし
(ステップB424)、特図ゲームモードフラグ領域に特図時短なしフラグをセーブする
(ステップB425)。そして、時間短縮変動回数領域をクリアし(ステップB426)
、一括表示装置50の第1遊技状態表示部57(ランプD7)の表示データとして遊技状
態表示番号1領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップB427)、大当り終了設
定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップB403)の詳細について説明する。図5-47は、大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域に
セーブし(ステップB431)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域に
セーブする(ステップB432)。例えば、外部情報端子71を介して外部装置に出力す
る外部情報として、大当り1信号のオフデータ、大当り3信号のオフデータ、大当り4信
号のオフデータを、外部情報出力データ領域にセーブする。そして、時短の開始に関する
信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップB433)、時短の開始に関する信
号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB434)。大当り終了設定処理2
は大当り状態終了後に時短状態(普電サポート状態)に突入する場合の処理であるため、
時短の開始に関する信号として、大当り2信号のオンデータを外部情報出力データ領域に
セーブする(本実施形態では大当り状態中から大当り2信号が出力されているため、大当
り2信号のオン状態が継続する形になる)。
次に、遊技制御装置100は、一括表示装置50の第2遊技状態表示部58(ランプD
17)の表示データとして遊技状態表示番号2領域に時短中の番号をセーブし(ステップ
B435)、普図ゲームモードフラグ領域に高確率フラグをセーブし(ステップB436
)、特図ゲームモードフラグ領域に特図時短中フラグをセーブする(ステップB437)
続いて、遊技制御装置100は、時短終了後に特図2変動表示ゲームが大当りになった
か否か、すなわち、残保留に係る特図2変動表示ゲームが大当りになったか否かを判定す
る(ステップB438)。特図1変動表示ゲームが大当りになった場合又は時短状態中に
特図2変動表示ゲームが大当りになった場合に(ステップB438;N)、時間短縮変動
回数領域に停止図柄パターン(あるいは停止図柄番号、後述の図柄A~F)に対応する時
間短縮変動回数初期値(時短回数)をセーブして(ステップB439)、ステップB44
1以降の処理を実行する。ここで、時間短縮変動回数初期値(時短回数)は、時間短縮変
動回数2の初期値(後述の第1所定回数)となる。なお、ステップB439では、時間短
縮変動回数2についての時間短縮変動回数初期値(時短回数)の他に、時間短縮変動回数
1の初期値(後述の第2所定回数)もセーブする。例えば、時間短縮変動回数1の初期値
は、時間短縮変動回数2の初期値に、特図1保留数(第1始動記憶数)の最大値(例えば
4)を加算したものでよい。
遊技制御装置100は、時短終了後に特図2変動表示ゲームが大当りになった場合、す
なわち、残保留に係る特図2変動表示ゲームが大当りになった場合に(ステップB438
;Y)、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(時短回数、ここでは99)を
セーブする(ステップB440)。ここでも、時間短縮変動回数初期値(時短回数)は、
時間短縮変動回数2の初期値(後述の第1所定回数)となる。なお、ステップB440で
は、時間短縮変動回数2についての時間短縮変動回数初期値(時短回数)の他に、時間短
縮変動回数1の初期値(後述の第2所定回数)もセーブする。例えば、時間短縮変動回数
1の初期値は、時間短縮変動回数2の初期値に、特図1保留数(第1始動記憶数)の最大
値(例えば4)を加算したものでよい。
その後、遊技制御装置100は、停止図柄パターン(あるいは停止図柄番号、後述の図
柄A~G)に対応して、普電サポートの状態(態様)であるサポ状態(サポ態様、普電開
放パターン)の種別をサポ状態領域にセーブする(ステップB441)。なお、ステップ
B441の処理は、オプションであり、後述の変形例のように普電サポートの態様(内容
)に関するサポ状態が可変である場合に実行される。
次に、遊技制御装置100は、一括表示装置50の第1遊技状態表示部57(ランプD
7)の表示データとして遊技状態表示番号1領域に右打ち状態中の番号をセーブし(ステ
ップB442)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備し(ステップB44
3)、演出コマンド設定処理を実行し(ステップB444)、大当り終了設定処理2を終
了する。
〔普図ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップX112)の詳細について説明する。図5-48は、普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイ
ッチ監視処理を実行する(ステップC1)。ゲートスイッチ監視処理の詳細については、
後述する。
続いて、遊技制御装置100は、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入
賞スイッチ監視処理を実行する(ステップC2)。普電入賞スイッチ監視処理の詳細につ
いては、後述する。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(1
だけ減算する)(ステップC3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定され
ている。そして、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0となったか否か
を判定する(ステップC4)。
遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップC4;Y
)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図ゲーム
処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブル
をレジスタに設定する(ステップC5)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づ
いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップC6)。
そして、普図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図ゲーム処理番号に
応じたゲーム分岐処理を実行する(ステップC7)。
遊技制御装置100は、ステップC7にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図変
動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や
、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理を実行する(ステ
ップC8)。普図普段処理の詳細については、後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップC7にてゲーム処理番号が「1」の場合には、
普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理を実行する(ステ
ップC9)。例えば、普図変動中処理では、普図表示中処理に移行するために、ゲーム処
理番号として「2」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図表示時間を
普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップC7にてゲーム処理番号が「2」の場合には、
普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行
うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理を実行する(ステップC10)。例え
ば、普図表示中処理では、普図変動表示ゲームの結果が当りの場合に、普図当り中処理に
移行するために、ゲーム処理番号として「3」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセー
ブする一方、はずれの場合に、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「
0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップC7にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普
図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普
図当り中処理を実行する(ステップC11)。例えば、普図当り中処理では、所定回数だ
け普通変動入賞装置37を開放するための設定を行った後、普電残存球処理に移行するた
めに、ゲーム処理番号として「4」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップC7にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普
図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理を実行する(ステ
ップC12)。例えば、普電残存球処理では、普図当り終了処理に移行するために、ゲー
ム処理番号として「5」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図エンデ
ィング時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップC7にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普
図普段処理(ステップC8)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理を
実行する(ステップC13)。例えば、普図当り終了処理では、普図普段処理に移行する
ために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53による普通図柄の変動を制御するため
の普図変動制御テーブルを準備する(ステップC14)。その後、普図表示器53による
普通図柄(普図)の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(ステップC15)、普
図ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップC
4;N)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップC114以降の処理を
実行する。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
図5-49は、ゲートスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。ゲートスイッチ監視処理は、図5-48に示した普図ゲーム処理におけるステップC1にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるか否かを判定する(
ステップC101)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(ステップC10
1;Y)、右打ちする遊技状態であるか否かを判定する(ステップC102)。右打ちす
る遊技状態は、大当り状態、時短状態(普電サポート状態)である。右打ちする遊技状態
である場合(ステップC102;Y)、ステップC105の処理に移行する。右打ちする
遊技状態でない場合(ステップC102;N)、左打ち指示報知コマンド(左打ち指示コ
マンド)を演出コマンドとして準備し(ステップC103)、演出コマンド設定処理を実
行する(ステップC104)。左打ち指示報知コマンドを受信した演出制御装置300は
、左打ちするよう指示する報知(警告)を左打ち指示表示によって表示装置41等で実行
する。
次に、遊技制御装置100は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(本実施
形態では1)未満であるか否かを判定する(ステップC105)。遊技制御装置100は
、普図保留数が上限値未満である場合には(ステップC105;Y)、普図変動表示ゲー
ムの変動中(実行中)又は普図当り状態中であるか否かを判定する(ステップC106)
。普図変動表示ゲームの変動中でも普図当り状態中でもない場合に(ステップC106;
N)、普図保留数を+1更新する(ステップC107)。このように、普図変動表示ゲー
ムの変動中や普図当り状態中でない場合にだけ普図保留数が+1更新され、+1更新され
るとすぐに普図保留は消化されるため、普図保留は実質的に貯まらず普図変動表示ゲーム
が開始する直前のみ瞬間的に1となる(普図保留数は実質的に0となる)。
続いて、遊技制御装置100は、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のア
ドレスを算出する(ステップC108)。そして、当り乱数を抽出してRWMの当り乱数
格納領域にセーブし(ステップC109)、当り図柄乱数を抽出し、当り図柄乱数格納領
域にセーブし(A7710)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、ゲートスイッチ34aに入力がない場合(ステップC1
01;N)、普図保留数が上限値未満でないと判定された場合(ステップC105;N)
、又は、普図変動表示ゲームの変動中又は普図当り状態中である場合には(ステップC1
06;Y)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(ステップC2)の詳細について説明する。図5-50は、普電入賞スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図当り中か否か、すなわち、普図変動表示ゲームが当
り状態となって普通変動入賞装置37が所定回数の開放動作を実行中であるか否かを判定
する(ステップC201)。そして、普図当り中である場合には(ステップC201;Y
)、始動口2スイッチ37aに入力があるか否かを判定する(ステップC202)。始動
口2スイッチ37aに入力がある場合には(ステップC202;Y)、普電カウンタのカ
ウント数を+1更新する(ステップC203)。
次に、遊技制御装置100は、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(例えば、
10)に達したか否かを判定する(ステップC204)。そして、カウント数が上限値に
達した場合には(ステップC204;Y)、RWM内の普図当り終了ポインタ領域から当
り終了ポインタ値(例えば、2)をロードし、RWM内の普図当り中制御ポインタ領域に
セーブする(ステップC205)。
最後に、普図ゲーム処理タイマをクリアし(ステップC206)、普電入賞スイッチ監
視処理を終了する。すなわち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合に
は、その時点で普図当り中処理制御ポインタ領域に当り終了の値をセーブし、普通変動入
賞装置37が閉じられて普図の当り状態が途中で終了するようにする。
一方、遊技制御装置100は、普図当り中でないと判定された場合(ステップC201
;N)、始動口2スイッチ37aに入力がないと判定された場合(ステップC202;N
)、又は、カウント数が上限値に達していないと判定された場合には(ステップC204
;N)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップC8)の詳細について説明する。図5-51は、普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図保留数が0であるか否かを判定する(ステップC3
01)。普図保留数が0でない場合には(ステップC301;N)、RWMの普図当り乱
数格納領域(保留数1用)から当り乱数をロードし、RWMの普図当り図柄乱数格納領域
(保留数1用)から当り図柄乱数をロードし、ロードした後の普図当り乱数格納領域(保留
数1用)と普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップC302)
。さらに、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高い普図高確率中(
高確率状態中)であるか否か、すなわち、時短状態(普電サポート状態)であるか否かを
判定する(ステップC303)。なお、本実施形態において、当り乱数の範囲は0~25
0であり、高確率中の普図当り確率は251/251であり、低確率中での普図当り確率
は0/251である。なお、これに限られず、低確率中での普図当り確率は、0%より大
きい値(例えば、2/251(0.8%))でもよい。
遊技制御装置100は、普図高確率中でない場合(ステップC303;N)、普図低確
率中の下限判定値である低確率下限判定値(ここでは251)を設定し(ステップC30
4)、普図高確率中である場合(ステップC303;Y)、普図高確率中の下限判定値で
ある高確率下限判定値(ここでは0)を設定し(ステップC305)、ステップC306
の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が上限判定値(ここでは251)以上であるか否か判
定する(ステップC306)。なお、ここでの上限判定値は、普図高確率中と普図低確率
中とで共通する。当り乱数が上限判定値以上である場合(ステップC306;Y)、すな
わち、はずれの場合、ステップC308の処理に移行する。当り乱数が上限判定値未満で
ある場合(ステップC306;N)、当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定する
(ステップC307)。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満である場合(ステップC307;Y
)、すなわち、はずれの場合、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(ステップC3
08)。さらに、普図停止図柄番号としてはずれ停止図柄番号を設定し(ステップC30
9)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(ステップC310)、ステッ
プC314の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満でない場合(ステップC307;N
)、すなわち、当りの場合、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップC311)
、ロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(ステップC312)、
当り停止図柄番号に対応する当り停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(ステ
ップC313)、ステップC314の処理に移行する。なお、ここでは、当り停止図柄(
普図当り図柄)は1種類であるが、後述の変形例では数種類存在してよい。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブし(ステップ
C314)、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップC315)、
普図当り乱数格納領域をシフトし(ステップC316)、シフト後の空き領域を0クリア
した後(ステップC317)、普図保留数を-1更新する(ステップC318)。
すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い
、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2~4の順位を1つずつ繰り上げる。
この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用の値がクリアされて0になると
ともに、普図保留数が1デクリメントされ0になる。
その後、遊技制御装置100は、サポ状態(サポ態様、普電開放パターン)の情報をロ
ードする(ステップC319)。なお、ステップC319の処理は、オプションであり、
後述の変形例のように普電サポートの状態(態様)であるサポ状態が可変である場合に実
行される。
次に、遊技制御装置100は、固定の普図変動時間(例えば200msec)を設定し
、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップC320)。なお、後述の変形例の
ように普電サポートの状態(態様)であるサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可
変である場合に、サポ状態に対応する可変の普図変動時間を設定し、普図ゲーム処理タイ
マ領域にセーブする。そして、普図変動中処理移行設定処理を実行し(ステップC321
)、普図普段処理を終了する。なお、普図変動中処理移行設定処理については後述する。
また、遊技制御装置100は、普図保留数が0である場合には(ステップC301;Y
)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(ステップC322)
、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップC323)。その後、普電
不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップC324)、普図
普段処理を終了する。
〔普図変動中処理移行設定処理〕
図5-52は、普図変動中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。普図変動中処理移行設定処理は、普図普段処理におけるステップC321にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、普図変動中処理に移行するための処理番号として「1」
を設定し(ステップC331)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステ
ップC332)。
その後、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの開始に関する信号(普通図柄1
変動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップC333)、普図変
動表示ゲームが変動中であることを示す変動中フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブ
する(ステップC334)。そして、普図表示器の点滅周期のタイマの初期値である点滅
制御タイマ初期値を普図点滅制御タイマ領域にセーブし(ステップC335)、普図変動
図柄番号領域に初期値(ここでは0)をセーブする(ステップC336)。その後、普図
変動中処理移行設定処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップC9)の詳細について説明する。図5-53は、普図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図表示中処理に移行するための設定処理として処理番
号を「2」に設定し(ステップC401)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブ
する(ステップC402)。その後、遊技制御装置100は、普図表示器における普図変
動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(普図停止時間、例えば、48mse
c)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップC403)。
さらに、遊技制御装置100は、普図の変動終了に関する信号(普通図柄1変動中信号
をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC404)。そして、普図変
動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブし
(ステップC405)、普図変動中処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップC10)の詳細について説明する。図5-54は、普図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又は
はずれ情報)をロードし(ステップC501)、RWMの当りフラグ領域をクリアする(
ステップC502)。そして、ロードされた当りフラグに当り情報が設定されているか否
かを判定する(ステップC503)。
遊技制御装置100は、当りフラグに当り情報が設定されている場合には(ステップC
503;Y)、当り中処理設定テーブルを設定し(ステップC504)、普図停止図柄情
報に対応する当り開始ポインタ値(ここでは0)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域
にセーブする(ステップC505)。また、普図停止図柄情報に対応する当り終了ポイン
タ値を取得し、普図当り終了ポインタ領域にセーブする(ステップC506)。次いで、
普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば3000msec)を取得し、普図ゲ
ーム処理タイマ領域にセーブする(ステップC507)。以上の処理により時短状態中で
の普通変動入賞装置37の開放態様が設定され、例えば2回の開放が可能となる。なお、
当りの普図停止図柄(普図当り図柄)は1種類であり、当り開始ポインタ値、当り終了ポ
インタ値、普電開放時間は、固定されているが、後述の変形例のように普電サポートに関
するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応する
当り開始ポインタ値、当り終了ポインタ値、普電開放時間を設定し、普図ゲーム処理タイ
マ領域にセーブしてよい。
続いて、遊技制御装置100は、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3
」を設定し(ステップC508)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ス
テップC509)。その後、普図変動表示ゲームの当りに関する信号(普通図柄1当り中
信号をオン)と、普電作動開始に関する信号(普通電動役物1作動中信号をオン)を試験
信号出力データ領域にセーブする(ステップC510)。さらに、普電ソレノイドを駆動
(オン)する信号を出力するために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブ
する(ステップC511)。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウ
ント数領域の情報をクリアし(ステップC512)、普電不正監視期間における普通変動
入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(ステップC
513)。最後に、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグを普電不正
監視期間フラグ領域にセーブする(ステップC514)。
遊技制御装置100は、当りフラグに当り情報が設定されていない場合には(ステップ
C503;N)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(ステッ
プC515)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップC516)。
その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップC5
17)、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップC11)の詳細について説明する。図5-55は、普図当り中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図当り中制御ポインタをロードして準備し(ステップ
C601)、ロードされた普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値
(当り終了ポインタ値)に達したか否かを判定する(ステップC602)。
そして、遊技制御装置100は、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポイン
タ上限値領域の値(当り終了ポインタ値)に達していない場合には(ステップC602;
N)、普図当り中制御ポインタを+1更新する(ステップC603)。さらに、普電作動
移行設定処理を実行し(ステップC604)、普図当り中処理を終了する。なお、普電作
動移行設定処理の詳細については後述する。
また、遊技制御装置100は、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ
上限値領域の値(当り終了ポインタ値)に達した場合には(ステップC602;Y)、ス
テップC603における普図当り中処理制御ポインタ領域を更新(+1)する処理を実行
せずに、普電作動移行設定処理を実行し(ステップC604)、普図当り中処理を終了す
る。
〔普電作動移行設定処理〕
次に、普図当り中処理における普電作動移行設定処理(ステップC604)の詳細について説明する。図5-56は、普電作動移行設定処理の手順を示すフローチャートである。普電作動移行設定処理は、普通変動入賞装置37を開閉するための普電ソレノイド37cの駆動制御を行う処理であり、制御ポインタの値に応じて処理を分岐するようにしている。
遊技制御装置100は、まず、制御ポインタ(普図当り中制御ポインタ)の値に応じて処理を分岐させる(ステップC611)。なお、ここで、制御ポインタは、ステップC603で更新する前の値を使用する。制御ポインタの例は、後述の図5-73に示される。制御ポインタの値が偶数の値であった場合には、ステップC612の処理に移行して普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間(普電インターバル時間、例えば60000msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップC612)。なお、後述の変形例のように普電サポートに関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応してウェイト時間(普電インターバル時間)を設定してよい。
さらに、遊技制御装置100は、普電ソレノイド37cをオフさせるために普電ソレノ
イド出力データ領域にオフデータを設定し(ステップC613)、普電作動移行設定処理
を終了する。
また、制御ポインタの値が奇数の値であった場合には、遊技制御装置100は、ステッ
プC614の処理に移行して普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタ
に対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ
領域にセーブする(ステップC614)。ここでの普電開放時間は、ステップC507で
設定した値(例えば3000msec)と同じでよい。さらに、普電ソレノイド37cを
オンさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータを設定し(ステップC61
5)、普電作動移行設定処理を終了する。
さらに、制御ポインタの値が当り終了ポインタ値であった場合には、遊技制御装置10
0は、ステップC616に移行して普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存
球処理(ステップC12)を実行するために、処理番号として「4」を設定し(ステップ
C616)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップC617)。
続いて、遊技制御装置100は、普電残存球処理時間(例えば600msec)を普図
ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップC618)。その後、普電ソレノイド37
cをオフに設定するために普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし(ステ
ップC619)、普電作動移行設定処理を終了する。なお、後述の変形例のように普電サ
ポートに関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態
に対応して普電残存球処理時間を設定してよい。
〔普電残存球処理〕
次に、普図ゲーム処理における普電残存球処理(ステップC12)の詳細について説明する。図5-57は、普電残存球処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図当り終了処理に係る処理番号「5」を設定し(ステ
ップC701)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップC702)
。その後、普図エンディング時間(例えば、100msec)を普図ゲーム処理タイマ領
域にセーブする(ステップC703)。なお、後述の変形例のように普電サポートに関す
るサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応して普
図エンディング時間を設定してよい。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の作動終了に関する信号(普通
電動役物1作動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC70
4)。続いて、普通変動入賞装置37への入賞数を計数する普電カウント数領域をクリア
し(ステップC705)、さらに、普図当り中制御ポインタ領域をクリアする(ステップ
C706)。その後、普図当り終了ポインタ領域をクリアし(ステップC707)、普電
残存球処理を終了する。
〔普図当り終了処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図当り終了処理(ステップC13)の詳細について説明する。図5-58は、普図当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図普段処理に係る処理番号「0」を設定し(ステップ
C801)、さらに、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップC80
2)。その後、普図変動ゲームの当り終了に関する信号(普通図柄1当り中信号をオフ)
を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC803)。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の不正監視期間を規定するフラ
グ(不正監視期間中フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブし(ステップC80
4)、その後、普図当り終了処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
次に、タイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップX119)の詳細について説明する。図5-59と図5-60は、外部情報編集処理の手順を示すフローチャートである。図5-59は外部情報編集処理の前半部分を示し、図5-60は外部情報編集処理の後半部分を示す。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップX107)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX108)、磁石不正監視処理(ステップX115)、盤電波不正監視処理(ステップX116)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や、試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ガラス枠開放エラーが発生中であるか否かを判定する(
ステップX501)。ガラス枠開放エラーが発生中でない場合(ステップX501;N)
、本体枠開放エラー(前面枠開放エラー)が発生中であるか否かを判定する(ステップX
502)。本体枠開放エラーが発生中でない場合(ステップX502;N)、扉・枠開放
信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX503)、セキュリ
ティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップX504)。
遊技制御装置100は、ガラス枠開放エラーが発生中である場合(ステップX501;
Y)、又は、本体枠開放エラーが発生中である場合(ステップX502;Y)、扉・枠開
放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX505)、遊技機
エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップX506
)。
遊技制御装置100は、ステップX504、ステップX506の後、セキュリティ信号
制御タイマが0でなければ-1更新し(ステップX507)、セキュリティ信号制御タイ
マが0であるか否か(タイムアップしたか否か)を判定する(ステップX508)。セキ
ュリティ信号制御タイマの初期値は、RAM初期化スイッチ112(設定値変更スイッチ
)の操作等によりRAMに記憶されたデータが初期化されたときなどに、所定時間(例え
ば256msec)が設定される(メイン処理のステップX46)。そして、セキュリテ
ィ信号制御タイマはRAM初期化時から計時されることになる。
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でない場合(ステップX50
8;N)、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステッ
プX509)、ステップX510の処理に移行する。すなわち、RAMに記憶されたデー
タの初期化が行われたことが外部情報として出力される。
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0である場合(ステップX50
8;Y)、磁石不正が発生中であるか否かを判定する(ステップX510)。なお、磁気
センサスイッチ61からの検出信号があった場合に、磁石不正が発生中であると判定でき
る。磁石不正が発生中でない場合(ステップX510;N)、さらに、盤電波不正が発生
中であるか否かを判定する(ステップX511)。なお、盤電波センサ62から検出信号
があった場合に、盤電波不正が発生中であると判定できる。
遊技制御装置100は、盤電波不正が発生中でない場合(ステップX511;N)、さ
らに、枠電波不正が発生中であるか否かを判定する(ステップX512)。枠電波不正信
号があった場合に、枠電波不正が発生中であると判定できる。枠電波不正が発生中でない
場合(ステップX512;N)、さらに、大入賞口不正が発生中であるか否か判定する(
ステップX513)。なお、入賞口スイッチ/状態監視処理によって大入賞口に関しての
不正入賞発生フラグが不正フラグ領域にセーブされている場合、大入賞口不正が発生中で
あると判定できる。大入賞口不正が発生中でない場合(ステップX513;N)、さらに
、普電不正発生中であるか否かを判定する(ステップX514)。なお、入賞口スイッチ
/状態監視処理によって普通変動入賞装置37の第2始動入賞口に関しての不正入賞発生
フラグが不正フラグ領域にセーブされている場合、普電不正が発生中であると判定できる
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(ステップX514;N)、振動不
正が発生中であるか否か判定する(ステップX515)。なお、振動センサ65から検出
信号があった場合に、振動不正が発生中であると判定できる。振動不正が発生中でない場
合(ステップX515;N)、異常排出エラーが発生中であるか否か判定する(ステップ
X516)。なお、異常排出監視処理(ステップX118)によって異常排出発生中フラ
グが設定された場合に、異常排出エラーが発生中であると判定できる。
遊技制御装置100は、異常排出エラーが発生中でない場合(ステップX516;N)
、V通過エラーが発生中であるか否か判定する(ステップX517)。不適切なタイミン
グで特定領域スイッチ72aの検出信号が発生した場合に、V通過エラーが発生中である
と判定できる。V通過エラーが発生中でない場合(ステップX517;N)、残存球に関
するエラーである残存球エラーが発生中であるか否か判定する(ステップX518)。残
存球エラーが発生中でない場合(ステップX518;N)、安全装置作動中フラグに基づ
いて安全装置が作動中であるか否か判定する(ステップX519)。安全装置が作動中で
ない場合(ステップX519;N)、スイッチ異常エラーが発生中であるか否かを判定す
る(ステップX520)。
遊技制御装置100は、スイッチのコネクタ抜けなどのスイッチ異常エラーが発生中で
ない場合(ステップX520;N)、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力
データ領域にセーブする(ステップX521)。スイッチ異常エラーが発生中である場合
(ステップX520;Y)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領
域にセーブする(ステップX523)。
一方、遊技制御装置100は、磁石不正が発生中である場合(ステップX510;Y)
、盤電波不正が発生中である場合(ステップX511;Y)、枠電波不正が発生中である
場合(ステップX512;Y)、大入賞口不正が発生中である場合(ステップX513;
Y)、普電不正発生中である場合(ステップX514;Y)、振動不正が発生中である場
合(ステップX515;Y)、異常排出エラーが発生中である場合(ステップX516;
Y)、V通過エラーが発生中である場合(ステップX517;Y)、残存球エラーが発生
中である場合(ステップX518;Y)、安全装置が作動中である場合(ステップX51
9;Y)、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステッ
プX522)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブす
る(ステップX523)。セキュリティ信号のオンデータの設定によって、セキュリティ
信号が外部情報として外部情報端子71を介して外部装置(ホールコンピュータなど)に
出力される。なお、本実施形態では、安全装置作動中フラグ=1の場合に安全装置が作動
中である。
このように、安全装置が作動中である場合に(ステップX519;Y)、セキュリティ
信号がオン状態になりホールコンピュータなどの外部装置に出力され(ステップX522
)、遊技場の責任者や係員などが安全装置が作動中であることを認識できる。なお、安全
装置が作動中に継続的にセキュリティ信号を外部装置に出力する構成の他に、安全装置が
作動した際に1パルス(例:256ms)だけセキュリティ信号を外部装置に出力する構
成も可能である。また、セキュリティ信号の代わりに又はセキュリティ信号と併用して、
安全装置専用に外部情報を設けて、安全装置が作動中に専用の外部情報を外部装置に出力
してもよい。
また、安全装置が作動中である場合(ステップX519;Y)、遊技機エラー状態信号
のオンデータが試験信号出力データ領域にセーブされ、遊技機エラー状態信号が試験信号
として試射試験装置へ出力される。なお、安全装置が作動中であることに対応する試験信
号(遊技機エラー状態信号)を出力しない構成も可能である。また、遊技機エラー状態信
号とは別の試験信号を試射試験装置へ出力してもよい。
遊技制御装置100は、ステップX521、ステップX523の後、始動口の入賞信号
を編集する始動口信号編集処理を実行する(ステップX524)。続いて、払出予定の賞
球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理を実行し(ステップX525)、特
図変動表示ゲームの停止図柄が確定する際に生成される図柄確定回数信号を外部装置に出
力する図柄確定回数信号編集処理を実行する(ステップX526)。
次に、遊技制御装置100は、時短信号制御タイマが0でなければ-1更新し(ステッ
プX527)、時短信号制御タイマが0であるか否かを判定する(ステップX528)。
時短信号制御タイマが0である場合(ステップX528;Y)、そのまま外部情報編集処
理を終了し、時短信号制御タイマが0でない場合(ステップX528;N)、大当り3信
号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX529)、外部情報
編集処理を終了する。
このようにして、天井回数到達による天井時短と時短図柄(サポ当り)による突然時短
の開始時に、大当り3信号のオンデータが、遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)
などの外部装置に、外部情報端子71を介して出力される。ここで、大当り3信号のオン
データは、前述のサポ作動設定処理のステップA732において時短信号制御タイマ領域
に設定されたタイマ初期値(例えば128msecの固定時間)の間、出力される。従来
の大当り1~4信号は大当り等の期間中に出力していたが、大当り3信号の当該出力は、
大当り等の期間に比べてずっと短い固定時間(例えば128msec)の出力とした。こ
のため、外部装置(ホールコンピュータ等)は、大当りや大当りに続く時短等と混同する
ことなく、天井回数到達による天井時短や時短図柄による突然時短によって時短が発生し
たことを認識できる。
なお、前述のように、大当り2信号は、大当り状態中と大当り状態に続く時短状態(大
当りに起因する時短状態、第1特定遊技状態、第1時短状態)において長時間継続して外
部装置に外部情報として出力される。上記の短い固定時間(例えば128msec)の大
当り3信号は、天井時短又は突然時短による時短状態(第2特定遊技状態、第2時短状態
)の発生を示す外部情報として、大当りに起因する時短状態を示す外部情報(長時間の大
当り2信号)と区別して外部装置に出力され、外部装置で混同されない。
なお、他の構成として、天井時短と突然時短の一方でのみ、時短開始時に、大当り3信
号を固定時間の間出力するようにしてよい。また、天井時短の発生と突然時短の発生とを
区別するために、一方の時短では、時短開始時に固定時間の間、大当り3信号と大当り4
信号の両方を出力し、他方の時短では、大当り3信号のみを出力してよい。例えば、天井
時短について大当り3信号と大当り4信号を出力し、突然時短について大当り3信号だけ
を出力してもよい(逆でもよい)。また、天井時短の発生と突然時短の発生とを区別する
ために、時短開始時に、天井時短について大当り3信号(又は大当り4信号)を出力し、
突然時短について大当り4信号(又は大当り3信号)を出力してもよい。このように、大
当り3信号と大当り4信号を適宜組み合わせて、外部装置が認識できるように天井時短の
発生と突然時短の発生とを区別してもよい。
〔外部情報又は試験信号の送信の様子〕
図5-61は、外部情報又は試験信号の送信の様子を示すタイムチャートである。
図5-61(a)は、先の時短状態における最後の特図変動表示ゲーム(時短回数に達する特図変動表示ゲーム)で、天井回数の到達や時短図柄の停止があり、次の特図変動表示ゲームから後の時短状態(天井時短や突然時短による時短状態)になる場合を示している。
この場合に、本実施形態において、先の時短状態が終了するタイミングは、特図変動中処理内で時短終了設定処理(ステップA612、図5-37)が実行されるタイミング、すなわち、先の特図変動表示ゲームの変動表示が停止するタイミングである。また、後の時短状態(天井時短や突然時短)が開始するタイミングは、特図表示中処理内で時間短縮変動回数(ステップA723,A726)が設定されるタイミング、すなわち、先の特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終了するタイミング(次の特図変動表示ゲームが開始するなら開始するタイミングに略等しい)である。
また、先の特図変動表示ゲームの変動表示が停止するタイミングで、特図変動中処理内
で時短終了設定処理によって、時短終了に関する信号として大当り2信号のオフデータが
、外部情報出力データ領域に設定されて外部装置(ホールコンピュータなど)に出力され
るとともに(ステップA621)、時短終了に関する信号として変動時間短縮状態信号(
特別図柄1変動時間短縮状態信号、特別図柄2変動時間短縮状態信号、普通図柄1変動時
間短縮状態信号)のオフデータなどが、試験信号出力データ領域に設定されて、試射試験
装置に出力される(ステップA622)。したがって、外部情報としての大当り2信号と
試験信号としての変動時間短縮状態信号は、先の特図変動表示ゲームの変動表示が停止す
るタイミングの後(先の時短終了後)にオフ状態になる。
さらに、先の特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終了するタイミングで、サポ作動
設定処理によって、時短開始に関する信号として大当り2信号のオンデータが、外部情報
出力データ領域に設定されて外部装置(ホールコンピュータなど)に出力されるとともに
(ステップA731)、時短開始に関する信号として変動時間短縮状態信号(特別図柄1
変動時間短縮状態信号、特別図柄2変動時間短縮状態信号、普通図柄1変動時間短縮状態
信号)のオンデータなどが、試験信号出力データ領域に設定されて、試射試験装置に出力
される(ステップA733)。したがって、外部情報としての大当り2信号と試験信号と
しての変動時間短縮状態信号は、先の特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終了するタ
イミングの後にオン状態になる。
このようにして、時短が終了となる特図変動表示ゲーム(先の特図変動表示ゲーム)が
、ちょうど天井回数に達した場合や時短図柄で停止した場合に、時短が一旦終了したこと
が明確になる。また、外部情報(大当り2信号)や試験信号(変動時間短縮状態信号など
)の出力が、停止結果(停止図柄)の表示時間(停止表示時間)の分だけオフ状態となる
ことにより、時短が再開した場合に、外部情報や試験信号の出力のオン状態が、明確に識
別できる。
一方、図5-61(b)のように、従来の遊技機では、先の特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終了するタイミングで、特図表示中処理内で時短終了設定処理によって時短が終了する。時短終了設定処理において、時短終了に関する信号として大当り2信号のオフデータが、外部情報出力データ領域に設定されて外部装置(ホールコンピュータなど)に出力されるとともに、時短終了に関する信号として変動時間短縮状態信号のオフデータなどが、試験信号出力データ領域に設定されて、試射試験装置に出力される。
このため、従来の遊技機では、外部情報としての大当り2信号と試験信号としての変動
時間短縮状態信号は、先の特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終了するタイミングの
後にオフ状態になるが、このタイミングでサポ作動設定処理によって、大当り2信号と変
動時間短縮状態信号はすぐにオン状態になるため、実質的にオフ状態になることはない(
オン状態が実質的に継続されたままになる)。したがって、本実施形態と異なり、従来の
遊技機では、時短が一旦終了したことが不明確になるとともに、時短再開の際に外部情報
や試験信号の出力のオン状態が不明確になる。
〔安全装置関連処理〕
次に、タイマ割込み処理(図5-11)における安全装置関連処理(ステップX114)の詳細について説明する。図5-62は、安全装置関連処理の手順を示すフローチャートである。安全装置関連処理は、領域内処理であり前述の領域内プログラムの一部として実行される。
遊技制御装置100は、まず、領域内ワーク領域に含まれる安全装置作動中フラグ領域
の安全装置作動中フラグに基づいて安全装置が作動中であるか否かを判定する(ステップ
X601)。安全装置作動中フラグ=1であれば安全装置が作動中であると判断できる。
安全装置が作動中である場合に(ステップX601;Y)、安全装置関連処理を終了する
遊技制御装置100は、安全装置が作動中でない場合に(ステップX601;N)、領
域外ワーク領域に含まれる安全装置作動情報領域から安全装置作動情報をロードし(ステ
ップX602)、安全装置作動情報が旧作動情報領域の値であるか否かを判定する(ステ
ップX603)。安全装置作動情報が旧作動情報領域の値である場合に(ステップX60
3;Y)、安全装置作動情報に変化がないため、演出コマンドを設定(送信)せずに、ス
テップX609の処理に移行する。
遊技制御装置100は、安全装置作動情報が旧作動情報領域の値でない場合に(ステッ
プX603;N)、安全装置作動情報に変化があるため、演出コマンドを設定(送信)で
きるよう、安全装置作動情報とコマンドを対応付けた安全装置作動関連コマンドテーブル
を設定し(ステップX604)、安全装置作動情報に対応するコマンド(ACTION部
)を取得する(ステップX605)。そして、コマンド定義なしであるか否かを判定する
(ステップX606)。安全装置作動関連コマンドテーブルにおいて、安全装置未作動情
報(値0)に対応するコマンドが定義されていないため(コマンドがないため)、安全装
置作動情報が安全装置未作動情報(値0)である場合に、コマンド定義なしと判定できる
。コマンド定義なしの場合に(ステップX606;Y)、演出コマンドを設定(送信)せ
ずに、ステップX609の処理に移行する。
遊技制御装置100は、コマンド定義ありの場合に(ステップX606;N)、安全装
置作動関連コマンド(MODE部)を演出コマンドとして準備する(ステップX607)
。安全装置作動情報が安全装置作動予告情報(値1)、安全装置作動警告情報(値2)、
安全装置作動中情報(値3)である場合に、コマンド定義ありと判定できる。そして、演
出コマンドを設定(送信)する演出コマンド設定処理を実行する(ステップX608)。
なお、演出コマンドは、MODE部及びACTION部からなる。なお、安全装置作動関
連コマンドテーブルにおいて、安全装置未作動情報(値0)に対応するコマンドを定義し
て、ステップX606の判定を省略し、安全装置未作動情報(値0)に対しても安全装置
作動関連コマンドを設定(送信)できるようにしてよい。
次に、遊技制御装置100は、安全装置作動情報が安全装置作動中情報(値3)である
か否かを判定する(ステップX609)。安全装置作動情報が安全装置作動中情報(値3
)でない場合に(ステップX609;N)、そのまま安全装置関連処理を終了する。一方
、安全装置作動情報が安全装置作動中情報(値3)である場合に(ステップX609;Y
)、安全装置作動中フラグ領域に安全装置が作動中であることを示す「1」を安全装置作
動中フラグとしてセーブし(ステップX610)、その後安全装置関連処理を終了する。
なお、前回のタイマ割込み処理においてステップX744(後述)にて安全装置作動中情
報(値3)がセーブされた場合に、次回のタイマ割込み処理においてステップX609の
結果が「Y」となる。
以上のようにして、安全装置作動情報が変化して安全装置作動予告情報(値1)、安全
装置作動警告情報(値2)、安全装置作動中情報(値3)となった際に、安全装置作動関
連コマンドが安全装置作動情報を一部(ACTION部)に含んだ形で、演出制御装置3
00に送信される。安全装置作動関連コマンドは、ACTION部が安全装置作動予告情
報(値1)、安全装置作動警告情報(値2)、安全装置作動中情報(値3)の場合に、そ
れぞれ、作動予告状態に対応する作動予告コマンド、作動警告状態に対応する作動警告コ
マンド、作動状態に対応する作動中コマンドになる。
演出制御装置300が、作動予告コマンドを受信することによって、安全装置の作動予
告状態で作動予告表示511(例えば「まもなく打ち止めです」の文字)を表示装置41
に表示できる。したがって、遊技者に遊技停止状態になる可能性があることを事前に報知
して、遊技者に遊技を終了させることを促し、遊技者が意図せず不利益を受けることを防
止できる。また、不正を行っている者には驚きを与えて、不正を止めることを促すことが
できる。
演出制御装置300が、作動警告コマンドを受信することによって、安全装置の作動警
告状態で作動警告表示512(例えば「当り終了後に打ち止めとなります」の文字)を表
示装置41に表示できる。したがって、遊技者に小当り又は大当りの終了後に遊技停止状
態になることを事前に報知して、連チャンが止まるなど不利益を受けることを遊技者に警
告することができる。なお、連チャンとは、例えば通常モード(又は通常遊技状態)を経
ないで、大当り状態と特定遊技状態が継続することである。また、作動警告状態によって
、不正を行っている者には驚きを与えて、不正を止めることを促すことができる。
演出制御装置300が、作動中コマンドを受信することによって、安全装置の作動状態
(作動中状態)で、作動中表示513(例えば「打ち止め中」の文字)を表示装置41に
表示できる。したがって、新たな遊技者(客)が遊技機10を使用することを防止でき、
不正を行っている者がいれば不正行為を止めさせることもできる。
なお、安全装置作動情報が変化せず0、1、2、3に維持される場合(0→0、1→1
、2→2、3→3の無変化の場合)に、安全装置作動関連コマンドは演出制御装置300
に送信されない。安全装置カウンタ値が190000~194999になった後に190
000未満となって安全装置作動情報が1から0に変化したとき(1→0の変化時)にも
、安全装置作動関連コマンドはコマンド定義なしで送信されない。なお、安全装置作動情
報が2から1にあるいは3から2に変化すること(2→1、3→2の変化)は、後述の差
玉確認処理や安全装置作動監視処理によって除かれている。
安全装置作動情報が0から1に変化したとき(0→1の変化時)に、安全装置作動関連
コマンドのうち作動予告コマンドが演出制御装置300に送信される。安全装置作動情報
が1から2に変化したとき(1→2の変化時)に、安全装置作動関連コマンドのうち作動
警告コマンドが演出制御装置300に送信される。安全装置作動情報が2から3に変化し
たとき(2→3の変化時)に、安全装置作動関連コマンドのうち作動中コマンドが演出制
御装置300に送信される。なお、安全装置作動情報が2から3に変化した場合は、直後
の1回だけ、ステップX603の結果が「Y」となりステップX604~X610を通り
作動中コマンドが送信され、安全装置作動中フラグ=1となるため安全装置が作動中にな
り(ステップX601;Y)、以降のタイマ割込み処理ではステップX604~X610
を通らず安全装置作動関連コマンドは送信されない。
なお、安全装置作動情報が1から3に直接的に変化すること自体(1→3の変化自体)
は、後述の差玉確認処理や安全装置作動監視処理によって除かれているが、安全装置作動
情報が瞬時に1→2→3と変化することはある(2は瞬間値になり後述のように作動警告
状態は発生しない)。この1→2→3の変化は、大当り中でも小当り中でもない場合に安
全装置カウンタ値が195000に達して作動予告状態から作動状態に移行したことに対
応する。そして、安全装置の作動予告状態から作動状態に移行したことに対応して、作動
中コマンドが安全装置作動関連コマンドとして演出制御装置300に送信される(ステッ
プX605,X607)。
〔領域外統合処理〕
次に、タイマ割込み処理(図5-11)における領域外統合処理(ステップX122)の詳細について説明する。図5-63は、領域外統合処理の手順を示すフローチャートである。領域外統合処理は、領域外処理であり前述の領域外プログラムの一部として実行される。
遊技制御装置100は、まず、スタックポインタを領域外ワーク領域のスタックポイン
タ保存領域にセーブし(ステップX701)、スタックポインタに領域外スタック領域の
値として、領域外スタック領域(領域外用スタック領域)の先頭を示すアドレス値を設定
する(ステップX702)。これにより、使用するスタックを示すスタックポインタを領
域内スタック領域から領域外スタック領域に切り替える。
次に、遊技制御装置100は、レジスタバンク0とレジスタバンク1の両方に対してレ
ジスタの情報(値)を領域外スタック領域に退避(PUSH)する(ステップX703)
。ここで、汎用レジスタ全部を退避することが好適である。そして、性能表示装置152
の表示制御等を行う性能表示装置制御処理を実行する(ステップX704)。続いて、差
玉数(安全装置カウンタ値)を更新して差玉数(安全装置カウンタ値)に対応して安全装
置作動情報を設定する差玉確認処理(ステップX705)を実行する。次に、安全装置の
作動を監視する安全装置作動監視処理を実行する(ステップX706)。
その後、遊技制御装置100は、退避したレジスタを復帰し(ステップX707)、ス
タックポインタ保存領域からロードしてスタックポインタを設定し(ステップX708)
、性能表示編集処理を終了する。設定したスタックポインタは、領域内スタック領域のア
ドレスを示すことになる。
〔性能表示装置制御処理〕
次に、領域外統合処理(図5-63)における性能表示装置制御処理(ステップX704)の詳細について説明する。図5-64は、性能表示装置制御処理の手順を示すフローチャートである。性能表示装置制御処理は、領域外処理であり前述の領域外プログラムの一部として実行される。
遊技制御装置100は、まず、性能表示用ワーク領域の正当性を判定する正当性判定を実行し、正当でなく異常な場合に、性能表示用ワーク領域の初期化(初期値設定も含む)を実行する(ステップX711)。ステップX711の処理は、図5-10のステップX84の処理と同様である。
なお、性能表示装置制御処理が実行される度に正当性判定が実行されるため、性能表示
用ワーク領域が正当でない場合に、すぐにその初期化が実行でき、異常な性能表示(異常
なベース値等の表示)が極力防止できる。
また、性能表示用ワーク領域の初期化(初期値設定も含む)は、スタックポインタ保存
領域を保護するよう、スタックポインタ保存領域以外を初期化の対象とする。なお、本実
施形態において領域外スタック領域は初期化しないが、初期化するようにしてもよい。領
域外スタック領域を初期化する場合でも、領域外スタック領域に退避したレジスタの値は
保護して初期化しない。性能表示用ワーク領域の初期化は、領域内ワーク領域(遊技制御
用ワーク領域)と領域内スタック領域(遊技制御用スタック領域)の初期化とは区別され
て実行されるため、領域内ワーク領域と領域内スタック領域には影響を与えない。
続いて、遊技制御装置100は、初期表示タイマ更新処理を実行する(ステップX71
2)。初期表示タイマ更新処理において、性能表示開始時(電源投入後)に約5秒間だけ
性能表示装置152の各桁の表示器のLEDを全て点滅する全点滅制御(初期表示制御)
するためのタイマの更新を行う。
次に、遊技制御装置100は、ベース値の算出の対象となる入力ポートのスイッチ立ち上がりエッジ情報を性能表示ワーク領域にコピーする(ステップX713)。スイッチ立ち上がりエッジ情報は、入力処理で取得されて領域内ワーク領域(特にスイッチ制御領域)に記憶されている(ステップX103)。前述のとおり、本実施形態において、ベース値算出の対象となる入力ポート(監視対象の入力ポート)は、第3入力ポート124と第4入力ポート126である。コピーしたスイッチ立ち上がりエッジ情報は、性能表示編集処理(図5-10)で使用される。
なお、遊技球を検出しても直接的に通常賞球数又は通常アウト球数を変化させず、ベー
ス値の算出の対象とならないスイッチの立ち上がりエッジ情報(ビット)はクリアした状
態でコピーする(マスクする)。例えば、ゲートスイッチ34aや特定領域スイッチ72
aや残存球排出口スイッチ73などの情報はクリアした状態でコピーする。これにより、
性能表示編集処理において、これらスイッチに関する処理(少なくともステップX91の
クリア処理)が省略できる。
なお、通常アウト球数は、仮に、入賞口のスイッチ35a,36a,37a,38a,
39a、ゲートスイッチ34aや特定領域スイッチ72aや残存球排出口スイッチ73で
の入力(遊技球検出)自体によって更新されてしまうと、遊技領域32から排出された全
ての遊技球を検出するアウト球検出スイッチ74と重複して余分に更新され、ベース値が
誤った値に算出されてしまう。また、通常賞球数は、仮に、入賞口のスイッチと重複して
遊技球が通過可能なゲートスイッチ34aや特定領域スイッチ72aや残存球排出口スイ
ッチ73での入力(遊技球検出)自体によって更新されてしまうと、入賞口のスイッチと
重複して余分に更新され、ベース値が誤った値に算出されてしまう。
次に、遊技制御装置100は、性能表示装置表示処理を実行する(ステップX714)
。性能表示装置表示処理では、表示期間の種類や、その他各種条件に合わせ、性能表示装
置152に表示するベース値に対応するセグメント出力データ(ベース値に関する表示デ
ータや点灯パターンデータ)を設定する。例えば、表示期間として、リアルタイム値表示
期間BL、1回前表示期間B1、2回前表示期間B2、3回前表示期間B3を設けて、そ
れぞれの表示期間において、ベース値の計測中のリアルタイム値、1回前の集計区間、2
回前の集計区間、3回前の集計区間で計測したベース値に対応するセグメント出力データ
を設定してよい。
次に、遊技制御装置100は、表示期間の期間切替えのためのタイマの更新を行うとと
もに、表示期間の切替えタイミングであるか否かを判定する(ステップX715)。表示
期間の切替えタイミングである場合に(ステップX715;Y)、表示期間の切替え設定
を実行し(ステップX716)、性能表示装置制御処理を終了する。遊技制御装置100
は、表示期間の切替えタイミングでない場合に(ステップX715;N)、表示期間の切
替え設定を実行せずに、性能表示装置制御処理を終了する。
表示期間の切替え設定では、BL→B1→B2→B3→BL→・・・のように、表示期
間の情報の切り替え設定を行う。また、期間切替えのためのタイマの初期値(例えば所定
期間5秒に相当する初期値)を設定する。
〔差玉確認処理〕
次に、領域外統合処理(図5-63)における差玉確認処理(ステップX705)の詳細について説明する。図5-65は、差玉確認処理の手順を示すフローチャートである。差玉確認処理は、領域外処理であり前述の領域外プログラムの一部として実行される。差玉確認処理では、差玉数を示唆する安全装置カウンタ値(差玉数+10万)を更新し、安全装置の状態を示唆する安全装置作動情報を更新する。
遊技制御装置100は、まず、領域内ワーク領域に含まれる安全装置作動中フラグ領域
の安全装置作動中フラグに基づいて安全装置が作動中であるか否かを判定する(ステップ
X721)。安全装置が作動中である場合に(ステップX721;Y)、直ちに差玉確認
処理を終了して、安全装置カウンタ値と安全装置作動情報の更新は行われない。なお、本
実施形態では、領域外プログラムに含まれる領域外統合処理プログラム(安全装置に関す
るプログラム)が遊技停止中に実行されない構成を有し、安全装置が作動して遊技停止状
態になっている場合には、差玉確認処理を含む領域外統合処理は実行されないため(ステ
ップX120;Y)、ステップX721の処理は無くてもよい。なお、ステップX721
の処理が無い場合に、安全装置作動中フラグ領域は領域内プログラムで読み書きされ、領
域外プログラムで読まれない領域(アクセスされない領域)となる。
遊技制御装置100は、安全装置が作動中でない場合に(ステップX721;N)、領
域外ワーク領域に含まれる旧作動情報領域の旧作動情報が2以上(旧作動情報領域≧2)
であるか否かを判定する(ステップX722)。旧作動情報が2以上である場合に(ステ
ップX722;Y)、差玉確認処理を終了して、安全装置カウンタ値と安全装置作動情報
の更新は行われない。
遊技制御装置100は、旧作動情報が2未満である場合に(ステップX722;N)、
第4入力ポート126に関するスイッチ制御領域(領域内ワーク領域)のスイッチ立ち上
がりエッジ情報に基づいてアウト球検出スイッチ74に入力があるか否かを判定する(ス
テップX723)。アウト球検出スイッチ74に入力がある場合に(ステップX723;
Y)、安全装置カウンタ値が0であるか否かを判定する(ステップX724)。安全装置
カウンタ値が0でない場合に(ステップX724;N)、安全装置カウンタ領域の値であ
る安全装置カウンタ値を-1更新する(1だけ減少する)(ステップX725)。したが
って、アウト球検出スイッチ74への入力で排出球数が1だけ増加することに対応して、
差玉数(=セーフ球数-排出球数)ひいては安全装置カウンタ値(=差玉数+10万)が
1だけ減少して更新されることになる。次に、領域内ワーク領域に含まれる獲得遊技球数
領域から獲得遊技球数をロードする(ステップX726)。
遊技制御装置100は、アウト球検出スイッチ74に入力がない場合に(ステップX7
23;N)、又は、安全装置カウンタ値が0である場合に(ステップX724;Y)、安
全装置カウンタ値を-1更新することなく維持して、獲得遊技球数をロードする(ステッ
プX726)。
次に、遊技制御装置100は、領域外ワーク領域に含まれる安全装置カウンタ領域の安
全装置カウンタ値をロードし(ステップX727)、安全装置カウンタ値に獲得遊技球数
を加算する(ステップX728)。獲得遊技球数は、1割込み内に獲得した賞球の数(合
計)、すなわち、1割込み内でのセーフ球数の増加であるため、ステップスX728にお
いて、差玉数(=セーフ球数-排出球数)ひいては安全装置カウンタ値(=差玉数+10
万)が獲得遊技球数の分だけ増加して更新されることになる。
続いて、遊技制御装置100は、安全装置カウンタ値がカウンタ基準値(195000
)以上であるか否か(安全装置カウンタ≧195000であるか否か)を判定する(ステ
ップX729)。安全装置カウンタ値がカウンタ基準値(195000)以上である場合
に(ステップX729;Y)、安全装置カウンタ値を上限値(195000のカウンタ基
準値)まで戻すように安全装置カウンタ値に上限値(195000)をセットし(ステッ
プX730)、加算後の値として上限値を安全装置カウンタ領域にセーブする(ステップ
X731)。なお、安全装置カウンタ値はステップX728において上限値を超えて19
5000+αになることもある。ここで、αは、獲得遊技球数(1割込み内で獲得)の最
大値未満であり、例えば、全ての入賞口スイッチに同時に入力があった場合の賞球の合計
値よりも小さい。
一方、安全装置カウンタ値がカウンタ基準値(195000)未満である場合に(ステ
ップX729;N)、上限値に制限する必要がないため、ステップX728の加算処理に
よる加算後の値をそのまま安全装置カウンタ領域にセーブする(ステップX731)。こ
のようにして、安全装置カウンタ領域の安全装置カウンタ値が、加算後の値(上限値に制
限されたものも含む)に更新される。
なお、安全装置カウンタ値を上限値19500に制限することによって、安全装置カウ
ンタ領域の範囲(バイト数又はビット数)が明確になり、遊技制御用プログラムの開発に
都合がよい。
次に、遊技制御装置100は、安全装置カウンタ値に対応する作動情報番号(ここでは
0~2)を設定する(ステップX732)。0~189999の安全装置カウンタ値、1
90000~194999の安全装置カウンタ値、195000の安全装置カウンタ値の
それぞれに対応して、作動情報番号は、安全装置の未作動状態(通常状態)を示す「0」
、作動予告状態を示す「1」、作動警告状態を示す「2」に設定される。なお、作動情報
番号は、安全装置が作動中である作動状態を示す「3」には設定されない。
続いて、遊技制御装置100は、領域外ワーク領域に含まれる安全装置作動情報領域か
ら現在の安全装置作動情報をロードして、旧作動情報領域にセーブする(ステップX73
3)。そして、旧作動情報が2で且つ作動情報番号が1(旧作動情報=2且つ作動情報番
号=1)であるか否かを判定する(ステップX734)。旧作動情報=2且つ作動情報番
号=1である場合(ステップX734;Y)、作動情報番号を安全装置作動情報領域にセ
ーブすることなく安全装置作動情報「2」(ロードした値)を維持して、差玉確認処理を
終了する。これにより、安全装置作動情報が「2」から「1」に変化することが防止され
る(2→1の変化の防止)。そして、次回のタイマ割込み以降の差玉確認処理は、旧作動
情報が2であるため(ステップX722;Y)、すぐに終了して、安全装置カウンタ値と
安全装置作動情報の更新は行われず、安全装置作動情報「2」が維持される。
一方、遊技制御装置100は、旧作動情報が2でないか又は作動情報番号が1でない場
合に(ステップX734;N、旧作動情報≠2又は作動情報番号≠1の場合)、作動情報
番号を安全装置作動情報領域にセーブして、安全装置作動情報領域を更新する(ステップ
X735)。その後、差玉確認処理を終了する。なお、安全装置作動情報領域に作動警告
状態を示す「2」がセーブされても、大当り中でも小当り中でもない場合には、後の安全
装置作動監視処理において瞬時に安全装置の作動状態を示す「3」が安全装置作動情報領
域にセーブされて、作動警告状態は発生しない。
このようにして、差玉確認処理において、0~189999の安全装置カウンタ値、1
90000~194999の安全装置カウンタ値、195000の安全装置カウンタ値の
それぞれに対応して、安全装置作動情報は、安全装置の未作動状態(通常状態)を示す「
0」(安全装置未作動情報)、作動予告状態を示す「1」(安全装置作動予告情報)、作
動警告状態を示す「2」(安全装置作動警告情報)に設定される。
安全装置作動情報の旧情報(ステップX733の旧作動情報)から更新後の新情報(ス
テップX735)への変化パターン(維持パターン含む)は、0→0、0→1、1→0、
1→1、1→2、2→2のいずれかになり、前述のとおり、2→1の変化は防止されてい
る(ステップX734)。
なお、遊技制御装置100は、更新された安全装置カウンタ値(ステップX731)を
示す差玉コマンド、あるいは、更新された差玉数(=安全装置カウンタ値-10万)を示
す差玉コマンドを、演出制御装置300(サブ基板)に送信し、演出制御装置300は表
示装置41等に安全装置カウンタ値あるいは差玉数を表示させてもよい。その場合、差玉
確認処理において、旧作動情報領域の旧作動情報が2(安全装置作動警告情報)でも(ス
テップX722)、安全装置カウンタ値の更新を行うようにするとともに、ステップX7
29とステップX730の処理を省略して、安全装置カウンタ値を上限値19500に制
限しないようにする。ただし、195000以上の安全装置カウンタ値に対応して、安全
装置作動情報は、作動警告状態を示す「2」(安全装置作動警告情報)に設定されるよう
にする。
以上、差玉確認処理について説明したが、差玉確認処理のステップX726は、払い出
された遊技媒体の数又は払い出されることが決定された遊技媒体の数である払出数を計数
可能な第1計数手段を構成する。差玉確認処理のステップX723~X725は、使用さ
れた遊技媒体の数である使用数(例えば発射球数又は排出球数)を計数可能な第2計数手
段を構成する。差玉確認処理のステップX728は、払出数と使用数とに基づいた演算値
(例えば安全装置カウンタ値又は差玉数)を演算可能な演算手段を構成する。
〔安全装置作動監視処理〕
次に、領域外統合処理(図5-63)における安全装置作動監視処理(ステップX706)の詳細について説明する。図5-66は、安全装置作動監視処理の手順を示すフローチャートである。安全装置作動監視処理は、領域外処理であり前述の領域外プログラムの一部として実行される。
遊技制御装置100は、まず、安全装置作動情報が2以上(安全装置作動情報≧2)で
あるか否かを判定する(ステップX741)。安全装置作動情報が2以上である場合に(
ステップX741;Y)、すなわち、安全装置作動警告情報(値2)又は安全装置作動中
情報(値3)が設定されている場合に、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(
ステップX742)。ここで、大当り中又は小当り中であるか否かは、例えば、ゲーム処
理番号(特図ゲーム処理番号、役物ゲーム処理番号)に基づいて判定できる。ゲーム処理
番号は、領域内ワーク領域のゲーム処理番号領域(特図ゲーム処理番号領域、役物ゲーム
処理番号領域)に記憶される。
例えば、大当りファンファーレのゲーム処理番号から大当りエンディングのゲーム処理
番号なら、大当り中と判定できる。本実施形態では、役物ゲーム処理番号が1から5なら
大当り中と判定できる。また、例えば、小当り開始(又は小当りファンファーレ(存在す
る場合のみ))のゲーム処理番号から小当り残存球処理(又は小当りのエンディング(存
在する場合のみ))のゲーム処理番号なら、小当り中と判定できる。本実施形態では、特
図ゲーム処理番号が3から5なら小当り中と判定できる。なお、小当り図柄が導出された
時点から小当り中と判定してもよいし、大当り図柄が導出された時点から大当り中と判定
してもよい。小当り中のV入賞によって大当りが発生する場合では、V入賞があった時点
から大当り中と判定してもよい。
遊技制御装置100は、小当り中でも大当り中でもない場合に(ステップX742;N
)、領域外ワーク領域に含まれる安全装置作動情報領域から現在の安全装置作動情報をロ
ードして、旧作動情報領域にセーブする(ステップX743)。そして、安全装置作動情
報領域に安全装置作動中情報(値3)をセーブして、安全装置作動情報領域を更新する(
ステップX744)。
一方、安全装置作動情報が2より小さい「0」又は「1」の場合に(ステップX741
;N)、あるいは、大当り中又は小当り中である場合に(ステップX742;Y)、安全
装置作動監視処理をすぐに終了して、実質的に安全装置作動監視処理では何もしない。
以上のように、安全装置作動警告情報(値2)が設定されており安全装置の作動を警告
する作動警告状態(条件(1)が成立し、条件(2)は未成立)において、大当り又は小
当りが終了することによって小当り中でも大当り中でもなくなったら(条件(2)が成立
したら)、安全装置作動情報を安全装置作動中情報(値3)に設定する(安全装置作動情
報の2→3の変化)(ステップX744)。これによって、安全装置作動中フラグを「1
」にして(安全装置関連処理のステップX610)、安全装置が作動した作動状態(打ち
止め状態)、すなわち、遊技として特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム、及び、ラ
ウンド遊技等が実行できない遊技停止状態(遊技不可状態、遊技禁止状態)を発生できる
ことになる。
安全装置が作動して遊技ができなくなることによって、差玉数やセーフ球数が大きい場
合などに不正対策を適切に行うことができ、また、差玉数やセーフ球数を抑制することに
よって遊技者の遊技に対するのめり込みも抑制できる可能性がある。
なお、195000の安全装置カウンタ値に達して安全装置作動警告情報(値2)が設
定されていても(差玉確認処理のステップX732,X735)、大当り中でも小当り中
でもない場合には(ステップX742;N)、安全装置作動情報が瞬時に安全装置作動警
告情報(値2)から安全装置作動中情報(値3)に切り替わることになる(ステップX7
44)。すなわち、この場合には、作動警告コマンドが演出制御装置300に送信される
前に、安全装置作動情報領域の安全装置作動警告情報(値2)が安全装置作動中情報(値
3)で上書きされ消去されてしまう。したがって、大当り中でも小当り中でもない場合に
、安全装置カウンタ値が195000に達すると、安全装置の作動を警告する作動警告状
態は発生せず、直後から安全装置が作動して遊技停止状態(遊技不可状態、遊技禁止状態
)が発生する。なお、これは前述のように安全装置作動情報が瞬時に1→2→3と変化す
ることに相当するが(2は瞬間値になり作動警告状態は発生しない)、安全装置の作動を
予告する作動予告状態から安全装置が作動中である作動状態に移行したことに対応して、
作動中コマンドが安全装置作動関連コマンドとして演出制御装置300に送信される(ス
テップX605,X607)。
また、安全装置作動中情報(値3)が設定されており、安全装置が既に作動して遊技停
止状態になっている場合には、領域外統合処理は実行されないため(ステップX120;
Y)、安全装置作動情報を安全装置作動中情報(値3)に維持し、遊技停止状態を継続す
る。
なお、本実施形態では、小当り中においてV入賞の前後のいずれでも、195000の
安全装置カウンタ値に到達して安全装置作動警告情報(値2)が設定されたら、V入賞に
よる大当りの終了後に、ステップX744で安全装置作動中情報(値3)を設定して遊技
停止状態にする(大当りは発生する)。しかし、他の例として、小当り中においてV入賞
の前に安全装置作動警告情報(値2)が設定されたら、小当り終了直後に安全装置作動中
情報(値3)を設定して遊技停止状態にし(大当りは発生せず)、小当り中においてV入
賞の後に安全装置作動警告情報(値2)が設定されたら、V入賞による大当り終了後に安
全装置作動中情報(値3)を設定して遊技停止状態にしてよい(大当りは発生する)。ま
た、さらなる他の例として、小当り中においてV入賞の前後のいずれで安全装置作動警告
情報(値2)が設定されても、小当り終了直後に、安全装置作動中情報(値3)を設定し
て遊技停止状態にしてよい(大当りは発生しない)。
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)に
ついて説明する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図5-67は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイコン311(演出用マイコン)によって実行される。
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(
ステップS1)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(ステップS2
,S3)、割込みを許可する(ステップS4)。割込みが許可されると、遊技制御装置1
00から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し
(ステップS5)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(ステップS6)。そして、
初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS7)。
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(ステ
ップS8)。WDTは、上述したCPU初期設定(ステップS2)で起動され、CPU3
11が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアさ
れない場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
その後、演出制御装置300は、RTC(リアルタイムクロック)338から時刻の情
報を読み込むRTC読込処理を実行する(ステップS9)。
RTC読込処理では、所定の周期(例えば2時間おき)でRTC338から時刻の情報
を読み込む構成としてもよく、ステップS9へ処理が移行する度に時刻の情報を読み込む
必要はない。演出制御装置300への電源投入(すなわち遊技機10への電源投入)の際
に、一度だけ、RTC読込処理を実行する構成としてもよい(RTC読込処理の位置を変
えて、例えばステップS3とステップS4の間で実行してもよい)。演出制御装置300
は、RAM内のタイマ領域に時刻を計時する時刻用タイマ(計時手段)を設定し、所定の
周期でRTC338から時刻の情報を読み込んだ際又は電源投入時に一度だけRTC33
8から時刻の情報を読み込んだ際に、時刻用タイマ(計時手段)をRTC338の時刻に
合わせるよう調整してよい。そして、演出制御装置300は、時刻用タイマを使用して各
種処理を実行してもよい。このようにすれば、RTC338から時刻を読み込む処理の回
数を低減でき、CPU311の負荷が減少する。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンス
イッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出
内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(ステップS10)。続い
て、遊技場(遊技店)の責任者や遊技者等によるLEDや液晶(表示装置41等)の輝度
、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(ステッ
プS11)。ホール・遊技者設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊
技者は演出をカスタマイズすることができる。
次に、演出制御装置300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制
御処理を実行する(ステップS12)。演出ポイント制御処理では、演出ポイントの加算
対象となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、
演出ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時又は遊技停止時(打ち止め時)な
どに、例えば、演出ポイントの情報等を含む情報が2次元コードであるQRコード(登録
商標)として表示装置41に表示される。例えば、演出制御装置300は、ホール・遊技
者設定モード処理や安全装置系処理(作動中コマンド受信時)において、QRコード(登
録商標)を表示装置41に表示できる。
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(ステップS13)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(ステップS14)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図5-68にて後述する。
続いて、演出制御装置300は、表示装置41で表示される客待ちデモの内容を編集し
て制御する客待ちデモ編集処理を実行し(ステップS15)、客待ち中の遊技機10の節
電状態を制御する節電制御処理を実行する(ステップS16)。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等の表示装置(表示手段)に表示する内容
に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバ
ッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(ステップS17)。このとき設定
される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP31
2が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新するこ
とができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備
終了設定を実行する(ステップS18)。
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ス
テップS19)。フレーム切替タイミングでない場合は(ステップS19;N)、フレー
ム切替タイミングになるまでステップS19の処理を繰り返し、フレーム切替タイミング
である場合は(ステップS19;Y)、表示装置41への画面描画を指示する(ステップ
S20)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム
周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り
替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置300は、スピーカ19a,19bから出力される音を制御するサ
ウンド制御処理を実行する(ステップS21)。
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装
置18)を制御する装飾制御処理を実行する(ステップS22)。装飾制御処理では、例
えば、LED等の装飾装置の輝度制御(発光制御)を実行する。
さらに、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演
出装置(盤演出装置44)を制御する可動体制御処理を実行する(ステップS23)。可
動体制御処理では、例えば、モータを駆動する役物動作演出を設定する。
そして、演出制御装置300は、前述のステップS23の処理を終えると、ステップS
8の処理に戻る。以降、ステップS8~S23の処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図5-68を参照して、上述したメイン処理(図5-67)における受信コマンドチェック処理(ステップS14)の詳細について説明する。図5-68は、演出制御装置300によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェック
するためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受
信数としてロードする(ステップS101)。そして、コマンド受信数が0でないか否か
を判定する(ステップS102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御
装置100から受信したコマンドがない場合には(ステップS102;N)、解析するコ
マンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装
置100からコマンドを受信している場合には(ステップS102;Y)、コマンド受信
カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(ステップS10
3)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(ステ
ップS104)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の
内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピ
ー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更
新(1だけ加算)する(ステップS105)。受信コマンドバッファは受信したコマンド
を32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデ
ックス0~31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順
に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用の
コマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックス
に対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置300は、ステップS101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコ
マンドのコピーが完了したか否かを判定し(ステップS106)、コピーが完了していな
い場合は(ステップS106;N)、ステップS104~S106の処理を繰り返す。
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信
コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ
領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分の
コマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマン
ド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーさ
れると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように
、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コ
マンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(ステップS106;Y)、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(ステップS107)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(ステップS108)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、次の図5-69にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(ステップS109)。その後、ステップS101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(ステップS110)、解析が完了していない場合は(ステップS110;N)、ステップS107~S110の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(ステップS110;Y)、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図5-69を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図5-68)における受信コマンド解析処理(ステップS108)の詳細について説明する。図5-69は、演出制御装置300によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイ
トをACTION部(ACT部)として分離する(ステップS121)。遊技制御装置1
00から演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)
及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンド
の種類を示すMODE部から連続して送信される。したがって、受信したコマンドの上位
、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(ステッ
プS122)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコ
マンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正
常範囲である場合には(ステップS122;Y)、同様にACTION部が正常範囲であ
るか否かを判定する(ステップS123)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指
示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられ
た値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(ス
テップS123;Y)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか
否かを判定する(ステップS124)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部に
よって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正し
い組み合せである場合には(ステップS124;Y)、ステップS125以降の処理でコ
マンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定す
る(ステップS125)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンなどを
指令するコマンドであり、例えば変動コマンドがある。そして、MODE部が変動系コマ
ンドを表す場合には(ステップS125;Y)、変動系コマンド処理を実行し(ステップ
S126)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(ステッ
プS125;N)、次に、MODE部が当り系コマンドの範囲か否かを判定する(ステッ
プS127)。なお、当り系コマンドは、大当り中や小当り中の演出に関する動作(ファ
ンファーレ画面やラウンド画面の表示など)などを指令するコマンドであり、例えば、フ
ァンファーレ画面を指令するためのファンファーレコマンド、ラウンド画面を指令するた
めのラウンドコマンド、インターバル画面を指令するためのインターバルコマンド、エン
ディング画面を指令するためのエンディングコマンドなどである。そして、MODE部が
当り系コマンドを表す場合には(ステップS127;Y)、当り系コマンド処理を実行し
(ステップS128)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が当り系コマンドを表していない場合には(ステッ
プS127;N)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(ステッ
プS129)。なお、図柄系コマンドには、例えば、停止図柄パターンに対応する飾り特
図1コマンドと飾り特図2コマンドがある。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す
場合には(ステップS129;Y)、図柄系コマンド処理を実行し(ステップS130)
、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(ステッ
プS129;N)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(ステッ
プS131)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(ステップS131
;Y)、単発系コマンド処理を実行し(ステップS132)、受信コマンド解析処理を終
了する。
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(ステッ
プS131;N)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(
ステップS133)。先読み図柄系コマンドには、例えば、先読み停止図柄コマンドがあ
る。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(ステップS133;Y
)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(ステップS134)、受信コマンド解析処理を
終了する。
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(
ステップS133;N)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを判定
する(ステップS135)。先読み変動系コマンドには、例えば、先読み変動パターンコ
マンドがある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(ステップS
135;Y)、先読み変動系コマンド処理を実行し(ステップS136)、受信コマンド
解析処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合
には(ステップS135;N)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用
するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、
MODE部が正常範囲でない場合(ステップS122;N)、ACTION部が正常範囲
でない場合(ステップS123;N)、もしくは、MODE部に対するACTION部が
正しい組合せでない場合も(ステップS124;N)、受信コマンド解析処理を終了する
〔単発系コマンド処理〕
次に、図5-70を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図5-69)における単発系コマンド処理(ステップS132)の詳細について説明する。図5-70は、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表
すか否かを判定する(ステップS141)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表
す場合には(ステップS141;Y)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(
ステップS142)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(ステ
ップS141;N)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判定す
る(ステップS143)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には
(ステップS143;Y)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行し
(ステップS144)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には
(ステップS143;N)、次に、MODE部が停電復旧系コマンドを表すか否かを判定
する(ステップS145)。例えば、停電復旧系コマンドとして、停電復旧コマンドと復
旧画面コマンドがある。そして、MODE部が停電復旧系コマンドを表す場合には(ステ
ップS145;Y)、停電復旧設定処理を実行し(ステップS146)、単発系コマンド
処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧系コマンドを表していない場合には(ス
テップS145;N)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定する
(ステップS147)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(ステ
ップS147;Y)、客待ちデモ設定処理を実行し(ステップS148)、単発系コマン
ド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(ス
テップS147;N)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表すか否かを判
定する(ステップS149)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場
合には(ステップS149;Y)、特図1保留情報設定処理を実行し(ステップS150
)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合に
は(ステップS149;N)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表すか否
かを判定する(ステップS151)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを
表す場合には(ステップS151;Y)、特図2保留情報設定処理を実行し(ステップS
152)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合に
は(ステップS151;N)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを判定
する(ステップS153)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(ス
テップS153;Y)、確率情報設定処理を実行し(ステップS154)、単発系コマン
ド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(ステ
ップS153;N)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを判定
する(ステップS155)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生
コマンド、不正解除コマンド、状態オフコマンド、状態オンコマンド、磁石不正報知コマ
ンド(磁気エラーコマンド)、盤電波不正報知コマンド(盤電波エラーコマンド)がある
。不正発生コマンドとして、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口
スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39aの信号に基づく不正入賞の発生を示す
コマンドがある。不正解除コマンドは、不正の解除を示すコマンドである。入賞口スイッ
チ/状態監視処理(ステップX108)において、不正入賞の発生と不正の解除が監視さ
れて、不正発生コマンドと不正解除コマンドが送信され得る。状態オンコマンドとして、
シュート球切れスイッチ信号の発生(シュート球切れエラー)や、オーバーフロースイッ
チ信号の発生(オーバーフローエラー)や、払出異常ステータス信号の発生(払出異常エ
ラー)や、ガラス枠開放検出スイッチ63からの信号の発生(ガラス枠開放エラー)や、
本体枠開放検出スイッチ64(前面枠開放検出スイッチ)からの信号の発生(本体枠開放
エラー、前面枠開放エラー)を示すコマンドがある。また、状態オフコマンドは、エラー
の不発生を示す。磁気センサスイッチ61からの検出(磁石不正)があった場合に、磁石
不正監視処理(ステップX115)において磁石不正報知コマンドが送信される。盤電波
センサ62からの検出(電波不正)があった場合に、電波不正監視処理(ステップX11
6)において盤電波不正報知コマンドが送信される。
そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(ステップS155;
Y)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(ステ
ップS156)、単発系コマンド処理を終了する。エラー/不正設定処理では、例えば、
エラーや不正の報知音を発生させたり、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDなど遊
技機10に設けられた演出用LEDを所定態様で発光させたり、表示装置41等でエラー
表示をするよう設定する。
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合に
は(ステップS155;N)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンド(特図表
示中処理等で設定)を表すか否かを判定する(ステップS157)。そして、MODE部
が演出モード切替用のコマンドを表す場合には(ステップS157;Y)、演出モード切
替設定処理を実行し(ステップS158)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合
には(ステップS157;N)、次に、MODE部がアウト球数を示すアウト球数コマン
ドを表すか否かを判定する(ステップS159)。そして、MODE部がアウト球数コマ
ンドを表す場合には(ステップS159;Y)、アウト球数受信時処理を実行し(ステッ
プS160)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がアウト球数コマンドを表していない場合には(ス
テップS159;N)、次に、MODE部がカウントのコマンド(大入賞口カウントコマ
ンド)を表すか否かを判定する(ステップS161)。そして、MODE部が大入賞口ス
イッチのカウントのコマンドを表す場合には(ステップS161;Y)、カウント情報設
定処理を実行し(ステップS162)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がカウントのコマンドを表していない場合には(ステップS161;N)、MODE部が設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)を表すか否かを判定する(ステップS163)。設定値情報コマンドは、図5-6のステップX49の停電復旧時のコマンド及びステップX47の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドに含まれる。そして、MODE部が設定値情報コマンドを表す場合には(ステップS163;Y)、設定値受信時処理を実行し(ステップS164)、単発系コマンド処理を終了する。設定値受信時処理では、設定値(確率設定値)をRAM等の記憶部に記憶するとともに必要な処理を実行する。
演出制御装置300は、MODE部が設定値情報コマンドを表していない場合には(ス
テップS163;N)、MODE部が設定変更系のコマンドを表すか否かを判定する(ス
テップS165)。設定変更系のコマンドとして、例えば、確率設定変更中のコマンド(
ステップX33)がある。そして、MODE部が設定変更系のコマンドを表す場合には(
ステップS165;Y)、設定変更系情報設定処理を実行し(ステップS166)、単発
系コマンド処理を終了する。設定変更系情報設定処理では、設定変更系のコマンドの内容
を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定変更中のコマンドを受
信した場合に、設定変更系情報設定処理では、遊技者に設定変更中であること報知する設
定変更中表示を表示装置41に表示する。
演出制御装置300は、MODE部が設定変更系のコマンドを表していない場合には(
ステップS165;N)、MODE部が設定確認系のコマンドを表すか否かを判定する(
ステップS167)。設定確認系のコマンドとして、例えば、確率設定確認中のコマンド
(ステップX36)がある。そして、MODE部が設定確認系のコマンドを表す場合には
(ステップS167;Y)、設定確認系情報設定処理を実行し(ステップS168)、単
発系コマンド処理を終了する。設定確認系情報設定処理では、設定確認系のコマンドの内
容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定確認中のコマンドを
受信した場合に、設定確認系情報設定処理では、遊技者に設定確認中であること報知する
設定確認中表示を表示装置41に表示する。
演出制御装置300は、MODE部が設定確認系のコマンドを表していない場合には(
ステップS167;N)、MODE部が安全装置関連系のコマンドを表すか否かを判定す
る(ステップS169)。安全装置関連系のコマンドとして、例えば、安全装置作動関連
コマンド(ステップX607)がある。安全装置カウンタ値や差玉数などの差玉情報を含
む差玉コマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される場合には、安
全装置関連系のコマンドにこの差玉コマンドを含めてよい。そして、MODE部が安全装
置関連系のコマンドを表す場合には(ステップS169;Y)、安全装置に関連する安全
装置系処理を実行し(ステップS170)、単発系コマンド処理を終了する。安全装置系
処理では、安全装置関連系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行す
る。
安全装置系処理では、コマンドに対応する処理として、安全装置関連系のコマンドに含
まれる情報を表示装置41に表示できる。例えば、安全装置関連系のコマンドとして安全
装置作動関連コマンドを受信した場合に、安全装置作動関連コマンドのACTION部に
含まれる安全装置作動情報(安全装置作動予告情報(値1)、安全装置作動警告情報(値
2)、安全装置作動中情報(値3))に対応した安全装置関連表示(作動予告表示511
、作動警告表示512、作動中表示513)を表示装置41に表示する。また、例えば、
安全装置関連系のコマンドとして差玉コマンドを受信した場合に、差玉数を表示装置41
に表示する。
差玉数(=安全装置カウンタ値-10万)の表示は、受信した差玉コマンドに対応させ
て全範囲の値(例えば、0~10万または-10万~+10万)を表示装置41に表示す
るようにしてもよいし、所定の範囲の値(例えば、作動予告状態以降の9万~10万)だ
けを表示するようにしてもよい。また、差玉数そのものを表示するようにしてもよいし、
安全装置の作動(打ち止め)までの残りの遊技球数(遊技媒体数)の形で間接的に差玉数
を表示するようにしてもよい。
なお、差玉コマンドは、1の単位で変化する差玉数に対応して通知(送受信)されてよ
い。例えば、差玉コマンドが示す差玉数は、0~10万の間又は-10万~+10万の間
で、実際の差玉数と同じく1つずつに変化可能である。安全装置カウンタ値ひいては差玉
数が更新される度(ステップX731)に、差玉コマンドが送信されてよい。
また、差玉コマンドは、所定の単位で変化する差玉数に対応して通知(送受信)されて
よい。例えば、差玉コマンドが示す差玉数は、1000の単位で変化可能であり、0(=
実際の差玉数0~999)、1000(=実際の差玉数1000~1999)、2000
(=実際の差玉数2000~2999)、・・・、10万(=実際の差玉数10万)であ
ってよい。なお、この場合に、差玉コマンドの送信の機会を減らすために、安全装置カウ
ンタ値ひいては差玉数が1000単位で更新される度(ステップX731)に、差玉コマ
ンドが送信されてもよい。また、差玉コマンドが示す差玉数は、マイナス側の値があって
もよい。
演出制御装置300は、MODE部が安全装置関連系のコマンドを表していない場合に
は(ステップS169;N)、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する
(ステップS171)。なお、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマ
ンド(飾り特図1停止コマンド)と特図2の図柄停止コマンド(飾り特図2停止コマンド
)がある。そして、MODE部が図柄停止のコマンドを表す場合には(ステップS171
;Y)、演出制御装置300は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか
否かを判定する(ステップS172)。
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(ステップS172;Y)、演
出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(ステップS173)、全図柄が
停止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(ステップS174)、単発系コマン
ド処理を終了する。ステップS174の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状
態に設定しているが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変
動中」「大当り中」「小当り中」のフラグが設定される。
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(ステップS171;N)
、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(ステップS172;N)には、演
出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
その他、演出制御装置300は、図5-70には記載されていないコマンドに対する処理を単発系コマンド処理において実行してよい。例えば、演出制御装置300は、時間短縮変動回数コマンド、演出回転数コマンド、打ち方指示報知コマンド(左打ち指示報知コマンド、右打ち指示報知コマンド)などを遊技制御装置100から受信して、当該コマンドに対応する処理を行ってよい。演出制御装置300は、時間短縮変動回数コマンド(時間短縮変動回数)などから時短状態における残りの変動回数を取得でき、演出回転数コマンドなどから各演出モードの演出残り回転数を取得でき、時短状態における残りの変動回数や各演出モードの演出残り回転数などに基づいて演出を設定できる。演出制御装置300は、打ち方指示報知コマンド(左打ち指示報知コマンド又は右打ち指示報知コマンド)に応じて、打ち方を指示(示唆)する打ち方指示表示(左打ち指示表示又は右打ち指示表示)を表示装置41などにおいて表示(報知)できる。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
次に、図5-71を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図5-69)における先読み図柄系コマンド処理(ステップS134)の詳細について説明する。図5-71は、演出制御装置300によって実行される先読み図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、最新保留情報が特図1保留(特図1始動記憶)の情報で
あるか否か、例えば、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図1保留数コマン
ドであるか否かを判定する(ステップS181)。最新保留情報が特図1保留の情報であ
る場合(ステップS181;Y)、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を
特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブする(ステップS182
)。
演出制御装置300は、最新保留情報が特図1保留の情報でない場合(ステップS18
1;N)、すなわち、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図2保留数コマン
ドである場合、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図2保留数に対応
する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブする(ステップS183)。
演出制御装置300は、ステップS182とステップS183の後、先読み変動系コマ
ンドの受信待ちであることを示す先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定する(ステ
ップS184)。これは、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドがセットになっ
ているため、遊技制御装置100から先読み図柄系コマンドに続いて先読み変動系コマン
ドが送信されるためである。その後、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、図5-72を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図5-69)における先読み変動系コマンド処理(ステップS136)の詳細について説明する。図5-72は、演出制御装置300によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、先読み変動系コマンド(先読み変動パターンコマンド)
の受信待ち中であるか否かを判定する(ステップS191)。前述の先読み変動系コマン
ド受信待ちフラグ(ステップS194)が設定されている場合、先読み変動系コマンドの
受信待ち中であると判定できる。先読み変動系コマンドの受信待ち中でない場合(ステッ
プS191;N)、先読み変動系コマンド処理を終了する。先読み変動系コマンドの受信
待ち中である場合(ステップS191;Y)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグをク
リアする(ステップS192)。
次に、演出制御装置300(サブ基板)は、最新保留情報の図柄(特図1又は特図2)
の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定し(ステップS193)、先
読み変動系コマンドのMODE部に対応してサブ内先読み変動コマンドMODE部を取得
する(ステップS194)。次に、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(ステップS
195)、先読み変動系コマンドのACTION部(ACT部)に対応するサブ内先読み
変動コマンドACT部を取得する(ステップS196)。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(すなわち、サブ内先読
み変動コマンドMODE部とACT部)が共に0以外であるか否かを判定する(ステップ
S197)。なお、正常(有効)なコマンドであれば0以外に変換される。変換後のMO
DE部、ACT部が共に0以外である場合(ステップS197;Y)、変換後のMODE
部とACT部から構成される変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み
変動コマンド領域(特図1先読み変動コマンド領域又は特図2先読み変動コマンド領域)
にセーブする(ステップS198)。そして、先読みコマンド整合チェック処理を実行し
て(ステップS199)、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常であるか否か判
定する(ステップS200)。
なお、保留が変動表示ゲームを開始するときの保留数によって、MODE部に対応する
前半変動の時間が変化する。保留が変動表示ゲームを開始するときに、保留が他になけれ
ば長めの前半変動になり、新たに保留が発生して保留数が多ければ短めの前半変動となる
。したがって、前半変動の時間値が遷移しても、演出制御装置300の内部コマンドが同
じに扱えるように、受信した先読み変動系コマンドのMODE部をサブ内先読み変動コマ
ンドMODE部に変換しておく。
また、リーチの種類は保留数に関係ないため、サブ内先読み変動コマンドACT部に対
応する後半変動は保留数に依存しない。しかし、同一系統のリーチにも種類があるため、
仮に先読み変動系コマンドのACT部(後半変動の値)を変換せずに、演出制御装置30
0がそのまま使うと数が多くなりチェックが困難になる。例えば、ノーマルリーチにも、
ノーマルリーチ-1停止はずれ、ノーマルリーチ+1停止はずれなどの種類が存在する。
したがって、同一系統のリーチを示すACT部を、同じサブ内先読み変動コマンドACT
部に変換することで、数を減らし、先読みコマンド整合チェック処理等のチェック処理の
負担を軽減する。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(すなわち、サブ内先読
み変動コマンドMODE部とACT部)の少なくとも一方が0である場合(ステップS1
97;N)、又は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常でない場合(ステップ
S200;N)、変換後のコマンドに異常があるとして、先読み変動系コマンド処理を終
了する。
演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常である場合(ス
テップS200;Y)、先読み対象の保留情報(最新保留の情報)を先読み変動コマンド
領域からロードし(ステップS201)、最新保留の先読み演出に関する先読み抽選処理
を実行する(ステップS202)。先読み演出としては、例えば、連続予告演出(チャン
ス目先読み演出を含む)、先読みゾーン演出、保留変化予告などがある。続いて、最新保
留の先読み演出(保留変化予告等)が発生するか否かを判定する(ステップS203)。
最新保留の先読み演出が発生する場合(ステップS203;Y)、選出された先読み演出
に対応するポイント情報を設定する(ステップS204)。
次に、演出制御装置300は、発生する先読み演出(保留変化予告等)が直ちに開始す
る演出であるか否か判定する(ステップS205)。発生する先読み演出が直ちに開始す
る演出である場合(ステップS205;Y)、選出された先読み演出に対応する表示を設
定する(ステップS206)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出でない場合(ス
テップS205;N)、保留シフトの際(保留表示の移動の際、保留数減少の際)の先読
み演出に対応する表示を設定、保存する(ステップS207)。そして、先読み変動系コ
マンド処理を終了する。なお、先読み演出は、変動表示ゲームの結果(遊技結果)を示唆
する情報を当該変動表示ゲームが停止する前に予告することで大当り期待度(特別結果と
なる期待度)を報知する演出になるが、設定された確率設定値(1~6)を示唆する情報
を報知するようにしてもよい。すなわち、演出制御装置300は、大当り期待度や確率設
定値に基づいて先読み対象の保留表示(アイコン)を変化させるように先読み演出を行う
ことができる。
一方、演出制御装置300は、最新保留の先読み演出が発生しない場合(ステップS2
03;N)、そのまま、先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図5-73を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図5-69)における図柄系コマンド処理(ステップS130)の詳細について説明する。図5-73は、演出制御装置300によって実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2
コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(ステップS211)。特図種別
は、特図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(
ACT部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(ス
テップS212)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MO
DE毎にテーブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、本実施形態において、図柄種
別は、はずれ図柄や、特図1の大当り図柄A、特図2の大当り図柄B~F、残保留(特図
2保留)での大当り図柄G、時短図柄(サポ当り図柄)などに対応する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図5-74を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図5-69)における変動系コマンド処理(ステップS126)の詳細について説明する。図5-74は、演出制御装置300によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1
又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(ステップS221)。特図種別が未確定
である場合(ステップS221;Y)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確
定でない場合(ステップS221;N)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの組
合せをチェックし(ステップS222)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否
かを判定する(ステップS223)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受
信したのに大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾し
てしまうことである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップS223
;Y)、変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップS2
23;N)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(ステップ
S224)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(ステ
ップS225)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、
遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(ステップS226)
、連続演出等の先読み演出回数が0でなければ-1更新する(ステップS227)。
〔変動演出設定処理〕
次に、図5-75を参照して、前述した変動系コマンド処理(図5-74)における変動演出設定処理(ステップS225)の詳細について説明する。図5-75は、演出制御装置300によって実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にな
らない変動)であるか否かを判定する(ステップS231)。変動パターン種別がリーチ
なし変動である場合(ステップS231;Y)、演出ポイントのポイント数、機種コード
、特図種別、演出モード、設定情報(設定値)に対応する前半予告振分グループアドレス
テーブルを設定し(ステップS232)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部
と特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ス
テップS233)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため
、保留数に対応するテーブルのアドレスを取得している。
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップS2
31;N)、すなわち、リーチあり変動である場合、演出ポイントのポイント数、機種コ
ード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定情報(設定値)に対応する前半予告振分グ
ループアドレステーブルを設定し(ステップS234)、変動系コマンド(変動コマンド
)のMODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレス
を取得する(ステップS235)。
演出制御装置300は、ステップS233、ステップS235の後、前半変動中(リー
チ前)に出現する予告の抽選を行う(ステップS236)。続いて、演出ポイントのポイ
ント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定情報(設定値)に対応する
後半予告振分グループアドレステーブルを設定し(ステップS237)、変動系コマンド
のACT部に対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップS2
38)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップS239)。そ
の後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内
容を決定する(ステップS240)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内
容などがわかる。
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決
定する(ステップS241)。その後、リーチ演出等の変動演出や予告演出の内容に応じ
て、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する(ステップS242)。ここで、はず
れ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止図柄を具体的に決定する。
次に、演出制御装置300は、変動演出の表示設定を行い(ステップS243)、予告
演出の表示設定を行う(ステップS244)。続いて、特図種別に対応する保留減少の表
示設定を行い、例えば、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減る表示(保留シフ
トの表示)が設定される(ステップS245)。続いて、スピーカの音声による演出態様
(音出力態様)を定める音声番号、装飾装置の発光による演出態様を定める装飾番号を設
定する(ステップS246)。装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)は、複数の
装飾用発光部(装飾LED等)を有し、装飾番号で定められる発光態様(各LEDの色や
発光タイミング等)で発光する。
なお、音声番号や装飾番号を演出内容だけでなく設定情報(設定値)に基づいて設定す
ることも可能である。このようにすると、遊技者は、装飾装置の発光態様、すなわち、装
飾用発光部(LED)の発光態様から遊技機10の設定情報(設定値)を推測することを
楽しめる。
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(ス
テップS247)、表示装置41で変動する前述の第一から第三の特別図柄以外に第四特
別図柄(第4図柄、識別情報)に関する第4図柄変動の表示設定を行う(ステップS24
8)。なお、第4図柄変動は、表示装置41以外に設けた前述のランプ表示装置75のラ
ンプ表示部1,2(LED)で表示されてもよいし、表示装置41の表示画面上で実行さ
れてもよい。
〔当り系コマンド処理〕
次に、図5-76を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図5-69)における当り系コマンド処理(ステップS128)の詳細について説明する。図5-76は、演出制御装置300によって実行される当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレ
を表すか否かを判定する(ステップS251)。当り系コマンドのMODE部がファンフ
ァーレを表す場合(ステップS251;Y)、すなわち、当り系コマンドが大当りファン
ファーレコマンド又は小当りファンファーレコマンドである場合、ファンファーレ演出を
設定するためのファンファーレ演出設定処理を実行する(ステップS252)。また、大
当りファンファーレコマンド又は小当りファンファーレコマンドに対応して、打ち方指示
(左打ち指示又は右打ち指示)の表示を表示装置41などにおいて表示(報知)してよい
。なお、ファンファーレコマンドには、今回の大当りのラウンド数上限値の情報が含まれ
ている。続いて、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにファ
ンファーレ中を設定し(ステップS253)、当り系コマンド処理を終了する。なお、ラ
ウンド数上限値は、図柄系コマンド(停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド)か
ら判定される図柄種別からも得ることができる。
演出制御装置300は、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表さ
ない場合には(ステップS251の;N)、当り系コマンドのMODE部がラウンドを表
すか否かを判定する(ステップS254)。MODE部がラウンドを表す場合(ステップ
S254;Y)、すなわち、当り系コマンドがラウンドコマンド又は小当り開放中コマン
ドである場合、演出制御装置300は、ラウンド演出設定処理を実行し、現在の遊技機1
0の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにラウンド中を設定し(ステップS25
5,S256)、当り系コマンド処理を終了する。
受信した当り系コマンドのMODE部がラウンドを表さない場合には(ステップS25
4;N)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がインターバルを表すか
否かを判定する(ステップS257)。MODE部がインターバルを表す場合(ステップ
S257;Y)、すなわち、当り系コマンドがインターバルコマンドである場合、演出制
御装置300は、インターバル演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P
機状態)を示す遊技状態フラグにインターバル中を設定し(ステップS258,S259
)、当り系コマンド処理を終了する。
受信した当り系コマンドのMODE部がインターバルを表さない場合には(ステップS
257;N)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がエンディングを表
すか否かを判定する(ステップS260)。MODE部がエンディングを表す場合(ステ
ップS260;Y)、すなわち、当り系コマンドがエンディングコマンドである場合、演
出制御装置300は、エンディング演出を設定するためのエンディング演出設定処理を実
行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにエンディング中
を設定し(ステップS261,S262)、当り系コマンド処理を終了する。
なお、受信した当り系コマンドのMODE部がエンディングを表さない場合には(ステ
ップS260;N)、演出制御装置300は、いずれの処理も実行せずに、当り系コマン
ド処理を終了する。
[安全装置]
以下に、安全装置の状態又は安全装置カウンタ値(差玉数+初期値)に応じた演出系の
装置の態様(表示態様、発光態様、動作態様)等について説明する。演出系の装置は、演
出を実行可能な装置であり、例えば、表示装置41や、演出用LED等からなる装飾装置
(盤装飾装置46、枠装飾装置18等)、動作可能な可動役物(可動体、盤演出装置44
、枠演出装置等)がある。
〔演出系の装置の態様〕
図5-77は、安全装置の状態に応じた演出系の装置の態様等を示すテーブルである。図5-77のように、安全装置の状態又は安全装置カウンタ値(ひいては差玉数)に応じて、演出系の装置の態様が変化する。
安全装置情報初期化処理(図5-9)等において説明したとおり、安全装置カウンタ値が0~189999(差玉数が-100000~89999)の場合には、安全装置の状態は未作動状態(作動予告状態や作動警告状態や作動状態でない通常状態)になる。また、安全装置カウンタ値が190000~194999(差玉数が90000~94999)の場合には、安全装置の状態は安全装置の作動を予告する作動予告状態になる。また、安全装置カウンタ値が195000(差玉数が95000)の場合には、安全装置の状態は安全装置の作動を警告する作動警告状態又は安全装置が作動中である作動状態(作動中状態)になる。
安全装置カウンタ値が195000の場合であって、大当り中又は小当り中である場合
に、安全装置は作動警告状態になり、安全装置カウンタ値が195000の場合であって
、大当り中でも小当り中でもない場合に、安全装置は作動状態になる。したがって、大当
り又は小当りが発生する前に、安全装置が作動状態になると、直後から遊技停止状態(遊
技不可状態、遊技禁止状態)が発生し、作動警告状態は発生しないことになる。
一方、作動警告状態は、大当り中又は小当り中に安全装置カウンタ値が195000に
達すると発生可能である。そして、大当り又は小当りが終了することによって大当り中で
も小当り中でもなくなると、安全装置は作動警告状態から作動状態(作動中状態)に移行
する。
安全装置カウンタ値が0~194999(差玉数が-100000~94999)の場
合、すなわち安全装置の状態が未作動状態又は作動予告状態である場合には、遊技機の状
態(遊技状態)は、遊技中又は客待ち中(客待ち状態)である。また、安全装置カウンタ
値が195000(差玉数が95000)の場合であって、安全装置の状態が作動警告状
態である場合には、遊技機の状態は小当り中又は大当り中であり、安全装置カウンタ値が
195000(差玉数が95000)の場合であって、安全装置の状態が作動状態である
場合には、遊技機の状態は遊技停止状態(遊技不可状態、遊技禁止状態)である。なお、
強エラー2が発生している場合においても、同じ遊技停止状態を発生可能である。
遊技停止状態においては、遊技として、特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム、ラウンド遊技(大当り中や小当り中での遊技)等を実行できない。具体的には、図5-15(入賞数カウンタ更新処理)に示すように、遊技停止状態である場合(ステップX351;Y)には、入賞口スイッチでの遊技球の検出が無効となって入賞口(入賞)は無効になる。また、図5-12(出力処理)に示すように、遊技停止状態である場合(ステップX203;Y)には、全ソレノイドの動作が停止し、大入賞口、特定領域72、普通変動入賞装置37等が閉鎖して閉状態となり、遊技停止状態である場合(ステップX212;Y)には、球発射装置からの遊技球の発射が停止(禁止)されるとともに、一括表示装置50が消灯する。
また、遊技停止状態においては、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームを継続できないだけでなく、新たな特図変動表示ゲームや新たな普図変動表示ゲームを開始することができない。ただし、遊技停止状態において、払出コマンド送信処理(ステップX107)は停止されないので、遊技停止状態となる前に発生した入賞による賞球の払い出しは継続される。
なお、安全装置が作動した場合の遊技停止状態と、強エラー2が発生している場合の遊技停止状態と、の少なくとも一方においては、遊技球の発射を停止しないように構成することも可能である。
また、図5-59(外部情報編集処理)に示すように、安全装置が作動した場合の遊技停止状態である場合(ステップX519;Y)には、ホールコンピュータ等の外部装置へ外部情報信号としてセキュリティ信号が出力され(ステップX522)、試射試験装置へ試験信号として遊技機エラー状態信号が出力される(ステップX523)。なお、安全装置が作動した場合の遊技停止状態と、強エラー2が発生している場合の遊技停止状態と、の少なくとも一方においては、試験信号(遊技機エラー状態信号)を発生しないように構成することも可能である。
安全装置の未作動状態において、表示装置41は、安全装置に関連する安全装置関連表
示を表示しない。なお、例外的に、客待ち中等である場合には、特定機種表示67(例え
ば「コンプリート機能搭載」の文字)等によって、安全装置付きの機種であることを表示
してもよい。これにより、特定機種表示67を見た遊技者は、遊技機10が安全装置(コ
ンプリート機能)を有することを認識できる。
安全装置の作動予告状態において、表示装置41は、安全装置関連表示(又は安全装置作動情報表示)として作動予告表示511(例えば「まもなく打ち止めです」の文字)を表示する。作動予告表示511を効果的に表示するために、作動予告表示511の表示態様を、客待ち中や変動表示中(特図変動表示ゲームの実行中)等の遊技状態に応じて変化させるようにしてもよい。演出制御装置300は、単発系コマンド処理(図5-70)の安全装置系処理(ステップS170)において、作動予告状態の開始時に、安全装置作動関連コマンドとして作動予告状態に対応する作動予告コマンドを受信するので、表示装置41に作動予告表示511を表示することが可能である。
このように、作動予告表示511を表示することで、遊技者に遊技できなくなる可能性
を事前に報知することができるので、遊技者に遊技を終了するよう促すことができ、遊技
者が意図せず不利益を受けることを防止できる。また、作動予告表示511を表示するこ
とで、不正を行っている者に驚きを与えることができるので、不正を止めるよう促すこと
ができる。さらに、作動予告表示511の表示態様を遊技状態(例えば客待ち中、変動表
示中)に応じて異ならせることも可能であり、これにより、効果的な予告表示を行うこと
が可能となる。
安全装置の作動警告状態において、表示装置41は、安全装置関連表示(又は安全装置作動情報表示)として作動警告表示512(例えば「当り終了後に打ち止めとなります」の文字)を表示する。演出制御装置300は、単発系コマンド処理(図5-70)の安全装置系処理(ステップS170)において、作動警告状態の開始時に、安全装置作動関連コマンドとして作動警告状態に対応する作動警告コマンドを受信するので、表示装置41に作動警告表示512を表示することが可能である。
安全装置の作動状態、すなわち遊技停止状態において、表示装置41は、安全装置関連表示(又は安全装置作動情報表示)として作動中表示513(例えば「打止中」の文字)を表示する。演出制御装置300は、単発系コマンド処理(図5-70)の安全装置系処理(ステップS170)において、作動状態の開始時に、安全装置作動関連コマンドとして作動状態に対応する作動中コマンドを受信するので、表示装置41に作動中表示513を表示することが可能である。
なお、演出制御装置300は、安全装置の作動を予告する作動予告表示511、安全装置の作動を警告する作動警告表示512、安全装置の作動中であることを示す作動中表示513を表示装置41等(表示手段)に表示可能な表示制御手段を構成する。
また、表示装置41は、安全装置が作動した場合の遊技停止状態において、エラー表示
を表示可能である。例えば、遊技停止状態でも払い出しは継続されるので、遊技球(遊技
媒体)の払い出しに関する払い出しエラーが発生することがあるが、表示装置41は、エ
ラー表示によって払い出しエラーの発生を報知可能である。なお、強エラー2が発生して
いる場合の遊技停止状態においては、ホール関係者や遊技者に払い出しエラーの発生を認
識させるために表示装置41に払い出しエラーのエラー表示を表示可能としてもよいし、
強エラー2と混同しないように表示装置41に払い出しエラー(弱エラー)のエラー表示
を表示不可としてもよい。
遊技停止状態の場合には、未作動状態や作動予告状態や作動警告状態の場合とは異なり
、一括表示装置50と性能表示装置152の発光部(LED)は全て消灯する(全消灯)
。なお、遊技停止状態において、一括表示装置50と性能表示装置152の発光部(LE
D)は全て点灯してもよい(全点灯)。
また、遊技停止状態において、球貸ボタン27aは有効のままであり、遊技球を借りる
ために遊技者が操作すると、払出装置から上皿21へ遊技球を払い出してもよい。
また、遊技停止状態において、作動中コマンドを受信した演出制御装置300は、装飾装置(枠装飾装置18、盤装飾装置46等)のLED等の遊技機10に設けられた演出用LEDを、全て消灯するか(全消灯)又は全て点灯する(全点灯)。ただし、エラーの発生中は、一部又は全ての演出用LEDが赤色で点灯してもよい。
また、遊技停止状態において、演出制御装置300は、スピーカ19a,19bからの音声出力を停止して無音としてもよいし、メイン処理(図5-71)のホール・遊技者設定モード処理(ステップS11)を実行せず、演出用LEDや液晶(表示装置41等)の輝度やスピーカ19a,19bの音量を調整不可にして既定(デフォルト)の輝度や音量にしてもよい。また、演出制御装置300は、可動役物(可動体、盤演出装置44、枠演出装置等)の動作中に遊技停止状態が開始した場合には、可動役物を初期位置に戻してもよい。
また、他の例として、遊技停止状態において、特図ゲーム処理タイマや役物ゲーム処理
タイマや普図ゲーム処理タイマ等の各種ゲーム処理タイマは停止するが、一括表示装置5
0は消灯せずに、遊技停止状態になったときの表示を継続してもよい。さらに、一括表示
装置50は、遊技停止状態の開始時において変動表示中であれば、この変動表示が終了し
てから消灯してもよい。これにより、一括表示装置50における変動表示が、突然終了す
ることを防止できる。また、遊技停止状態において、性能表示装置152は、表示を継続
してもよい。
なお、遊技機10の電源が遮断(オフ)して再度電源投入(オン)した場合には、安全装置情報初期化処理(図5-9)によって安全装置カウンタ領域や安全装置作動情報領域等が初期化される(ステップX74~X76)。よって、この場合には、安全装置作動予告情報(値1)、安全装置作動警告情報(値2)、安全装置作動中情報(値3)等の安全装置作動情報が消去されるので、表示装置41における安全装置関連表示(作動予告表示511、作動警告表示512、作動中表示513等)は消去されて非表示になってもよい。
また、安全装置の作動中に遊技機10の電源が遮断(オフ)してRAM初期化スイッチ112がオンの状態で再度電源投入(オン)した場合には、メイン処理(図5-6)によって確率設定値以外のRAM領域が0クリアされる(ステップX45)。よって、この場合には、安全装置作動中フラグ領域が0クリアされるので、遊技機10は遊技停止状態から遊技できる状態に復帰する。
〔画面遷移の例1〕
図5-78及び図5-79は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図の一例(例1)である。
電源投入後、遊技機10は客待ち中(客待ち状態)になり、図5-78(a)に示すように、表示装置41は客待ち画面となる。ここでは、機種名表示90(例えば「P虎虎虎」の文字)が表示装置41に表示されている。この時点では遊技が開始していないので、安全装置カウンタ値は初期値(10万)である。その後、操作ハンドル24が回転操作されると、球発射装置から遊技球が発射され、遊技球が始動入賞口36(第1始動入賞口)や普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)へ入賞すると、特図変動表示ゲームが実行される。
その後、図5-78(b)では、安全装置カウンタ値が初期値(10万)から減って99920となっている。大当りが発生するまでは賞球の合計数が大きく増えないので、差玉数(=セーフ球数-排出球数)が排出球数の分減っていく傾向となり、安全装置カウンタ値(差玉数+初期値)も減っていく傾向となる。なお、安全装置カウンタ値又は差玉数を示す差玉コマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される場合には、演出制御装置300は、安全装置カウンタ値又は差玉数(安全装置カウンタ値-初期値)を表示装置41に表示してもよい。
図5-78(b)は、特図1変動表示ゲームの実行中における表示画面である。表示装置41の表示領域の中央部には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第1飾りゲームを表示する第1飾りゲーム表示部81が設けられる。第1飾りゲーム表示部81では、左変動表示領域81a、中変動表示領域81b、右変動表示領域81cの変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。
表示装置41の表示領域の所定箇所(本実施形態の場合は右上部)には、飾り特図変動
表示ゲームのうちの第2飾りゲームを表示する第2飾りゲーム表示部82が設けられる。
第2飾りゲーム表示部82に表示される第2飾りゲームは、第1飾りゲーム表示部81に
表示される第1飾りゲームと同様に、左領域、中領域、右領域の各領域で識別情報を変動
表示した後に停止して結果を表示する。第2飾りゲーム表示部82には、第1飾りゲーム
表示部81に表示される識別情報(大図柄)よりも相対的に小さい識別情報(小図柄)が
表示されるようになっている。
また、表示装置41の表示領域の所定箇所(本実施形態の場合は下部)には、始動記憶
に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する待機中記憶表示部83a,83bと、現在実
行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部
84と、が設けられる。
実行中記憶表示部84の右方に設けられる第1待機中記憶表示部83aには、第1始動
記憶に対応する飾り特図始動記憶表示が表示される。第1待機中記憶表示部83aに表示
される飾り特図始動記憶表示は、第1始動記憶と一対一に対応し、左端の飾り特図始動記
憶表示が最先に記憶された第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示となるように記
憶順に並んで表示され、消化される毎に左へ移行するようになっている。そして、特図1
変動表示ゲームの開始時に第1待機中記憶表示部83aの左端にある飾り特図始動記憶表
示が実行中記憶表示部84へ移行するようになっている。
実行中記憶表示部84の左方に設けられる第2待機中記憶表示部83bには、第2始動
記憶に対応する飾り特図始動記憶表示が表示される。第2待機中記憶表示部83bに表示
される飾り特図始動記憶表示は、第2始動記憶と一対一に対応し、右端の飾り特図始動記
憶表示が最先に記憶された第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示となるように記
憶順に並んで表示され、消化される毎に右へ移行するようになっている。そして、特図2
変動表示ゲームの開始時に第2待機中記憶表示部83bの右端にある飾り特図始動記憶表
示が実行中記憶表示部84へ移行するようになっている。
なお、待機中記憶表示部83a,83bでは、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの
結果や変動パターン等の先読み結果を、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示の
表示態様によって示唆することが可能である。
また、実行中記憶表示部84では、現在実行中の特図変動表示ゲームの結果や変動パタ
ーン等を、当該実行中記憶表示部84に表示される実行中記憶表示の表示態様によって示
唆することが可能である。
表示装置41の表示領域の所定箇所(本実施形態の場合は左上部)には、第1始動記憶
数(特図1保留数)を表示する第1始動記憶数表示部85aと、第2始動記憶数(特図2
保留数)を表示する第2始動記憶数表示部85bと、が設けられる。
また、表示装置41の表示領域の所定箇所(本実施形態の場合は右上部)には、電源投
入後又は大当り終了後の特図変動表示ゲームの実行回数を表示する変動回数表示部86が
設けられる。ここでは、電源投入後の特図変動表示ゲームの実行回数が2回であることを
示す「2G」が表示されている。なお、確変状態を発生可能な機種の場合には、天井回数
に近付いていることを認識しやすくするために、確変状態での回数を除いて、電源投入後
又は大当り終了後の特図変動表示ゲームの実行回数を変動回数表示部86に表示してもよ
い。
また、表示装置41の表示領域の所定箇所(本実施形態の場合は左上部)には、特図1
変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの状態(実行中か停止中か)を表示する状態表
示部87が設けられる。状態表示部87は左右の領域に分かれており、左側の領域に特図
1変動表示ゲームの状態が表示され、右側の領域に特図2変動表示ゲームの状態が表示さ
れる。ここでは、特図1変動表示ゲームが実行中(変動中)であり、特図2変動表示ゲー
ムが停止中であるので、左側の領域に記号「○」が表示されて、右側の領域に記号「×」
が表示されている。なお、記号「○」を点滅表示して、第四特別図柄(第4図柄)として
第4図柄変動を行ってもよい。
また、表示装置41の表示領域の所定箇所に、表示部81~87以外の表示部を設ける
ことも可能である。具体的には、例えば、現在の演出モードを表示するモード表示部を設
けてもよい。
その後、大当りが多数発生して、図5-78(c)では、安全装置カウンタ値が189993(差玉数=89993)となり、安全装置の作動予告状態が開始する予告開始値190000(差玉数=90000)に近付いている。ここでは、大当り終了後や天井回数到達等で特定遊技状態(時短状態)となっており、それに対応して、遊技者に右打ちを行うことを指示する右打ち指示表示91が表示されている。
その後、図5-78(d)では、右打ちによる普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)への入賞によって第2始動記憶が増加して、特図2保留数が「4」(特図1保留数は「0」)となっている。ここでは、普通変動入賞装置37への入賞によって賞球が得られて、安全装置カウンタ値が予告開始値190000よりも大きい190009となっており(安全装置カウンタ値≧190000)、それに対応して、安全装置関連表示として安全装置の作動を予告する作動予告表示511(「まもなく打ち止めです」)が表示されている。
なお、作動予告表示511は「まもなく打ち止めです」以外の表現でもよい。また、作動予告表示511の表示態様は、一度に全て表示する態様に限定されず、一度に表示しない態様(スクロール表示等)でもよい。また、作動予告状態においては、作動予告表示511によって安全装置の作動を予告するだけでなく、スピーカ19a,19bからの音声や演出用LEDの発光等によって安全装置の作動を予告するようにしてもよい。
このように、作動予告表示511等によって安全装置の作動を予告して、遊技者に遊技
停止状態の可能性があることを事前に報知することで、遊技者に遊技を終了するよう促す
ことができるので、遊技者が意図せず不利益を受けることを防止できる。また、作動予告
表示511等によって安全装置の作動を予告することで、不正を行っている者に驚きを与
えることができるので、不正を止めるよう促すことができる。
本実施形態においては、作動予告表示511を、他の表示や他の画像オブジェクトと重
ならないように表示する。これにより、作動予告表示511によって他の表示や他の画像
オブジェクトの視認性が低下することを防止できる。ここで、他の表示や他の画像オブジ
ェクトは、表示部81~87等における表示、右打ち指示表示91、キャラクタ画像(図
示せず)等である。
なお、作動予告表示511は、アニメーション表示(揺動表示、スクロール表示、点滅
表示等)でもよい。これにより、作動予告表示511を他の表示や他の画像オブジェクト
の邪魔にならないよう(重ならないよう)に表示する場合でも、遊技者が作動予告表示5
11に気付く可能性を高めることができる。また、作動予告表示511を目立たせるため
(遊技者が作動予告表示511に気付く可能性を高めるため)に、遊技者が注目しやすい
表示(例えば右打ち指示表示91)の近傍に作動予告表示511を表示してもよい。
また、作動予告表示511を他の表示や他の画像オブジェクトと重なるように表示する
場合には、作動予告表示511を目立たせるため(遊技者が作動予告表示511に気付く
可能性を高めるため)に、他の表示や他の画像オブジェクトよりも手前側のレイヤに作動
予告表示511を表示するようにしてもよい。
その後、遊技者が休憩等のために操作ハンドル24の操作をやめると、遊技球の発射が終わる。そして、第2始動記憶の消化が進むと、図5-78(e)に示すように、特図2保留数が「0」となる。ここでは、安全装置カウンタ値が予告開始値190000よりも大きい190055であるので、作動予告表示511(「まもなく打ち止めです」)の表示が継続している。
その後、図5-78(e)で実行されていた特図2変動表示ゲームが終了すると、図5-78(f)に示すように、飾りゲーム表示部81,82において識別情報が停止表示され、実行中記憶表示部84に表示されていた実行中記憶表示が消えて、状態表示部87における左右の領域が共に「×」となる。ここでは、安全装置カウンタ値が190055のままであるので、作動予告表示511の表示が継続している。
その後、遊技機10は客待ち中(客待ち状態)になり、図5-79(a)に示すように、表示装置41は客待ち画面となる。客待ち中は、安全装置カウンタ値が190055に維持されるので、作動予告表示511(「まもなく打ち止めです」)の表示が継続される。
前述したように、作動予告表示511の表示態様は、客待ち中や変動表示中(特図変動表示ゲームの実行中)等の遊技状態に応じて変化してもよい。例えば、本実施形態では、客待ち中に表示する作動予告表示511の表示サイズを、変動表示中に表示する作動予告表示511の表示サイズよりも大きくしている。これにより、作動予告表示511を適切かつ効果的に表示することが可能となる。すなわち、まもなく安全装置が作動して遊技停止となる可能性が高い作動予告状態において、客待ち中に作動予告表示511を目立つように表示することで、新たな遊技者が当該遊技機10を使用することを効果的に防止できる。
また、本実施形態では、図5-79(a)に示すように、作動予告表示511を、客待ち画面における表示(ここでは機種名表示90(「P虎虎虎」))よりも手前側のレイヤで表示している。これにより、客待ち中に作動予告表示511を大きく表示することで、当該作動予告表示511が、客待ち画面における表示(すなわち他の表示や他の画像オブジェクト)と重なるように表示される場合であっても、当該作動予告表示511の視認性が低下する(他の表示や他の画像オブジェクトに隠れて見えにくくなる)ことを回避できる。
なお、客待ち中における作動予告表示511の表示態様(作動予告表示511を目立たせる表示態様)は、表示サイズを大きくする態様や、他の表示や他の画像オブジェクトよりも手前側のレイヤに表示する態様に限定されず、例えば、アニメーション表示(揺動表示、スクロール表示、点滅表示等)とする態様でもよい。また、本実施形態のようにこれらの態様を複数組み合わせることによって目立つように表示することも可能であるし、これらの態様のうちいずれか一つの態様によって目立つように表示することも可能である。
その後、遊技者が休憩を終えて遊技を再開すると、図5-79(b)に示すように、作動予告表示511の表示態様が、変動表示中の表示態様に戻る。
その後、連チャン等によって通常モードを経ることなく大当りが多数発生して、図5-79(c)では、安全装置カウンタ値が194500(差玉数=94500)となり、安全装置の作動が開始可能となるカウンタ基準値195000に近付いている。
なお、安全装置カウンタ値又は差玉数を示す差玉コマンドが遊技制御装置100から演
出制御装置300に送信される場合には、演出制御装置300は、安全装置カウンタ値が
予告開始値190000よりも大きくカウンタ基準値195000よりも若干小さい所定
値(例えば194500)に達したか否か判断できる。したがって、演出制御装置300
は、安全装置カウンタ値がこの所定値に達した場合に、安全装置の作動開始が近いことを
、作動予告表示511の表示態様を変化させる(例えば点滅させる)ことによって報知し
てもよい。
また、図5-79(c)に示すように、待機中記憶表示部83a,83bに飾り特図始動記憶表示が表示されている場合(未消化の始動記憶がある場合)には、演出制御装置300は、安全装置カウンタ値が所定値(例えば194500)に達した場合に、待機中記憶表示部83a,83bに表示されている飾り特図始動記憶表示の一部又は全部の表示態様を変化させる(例えば点滅させる)ことによって、安全装置の作動による遊技停止により未消化の始動記憶が無駄になることを報知してもよい。
また、安全装置カウンタ値が所定値(例えば194500)以上である場合には、遊技
者に期待させないようにするために、演出制御装置300は、待機中記憶表示部83a,
83bに表示されている飾り特図始動記憶表示の表示態様を小当り結果又は大当り結果と
なる期待度等に応じて変化させる保留変化予告等の先読み演出の実行を禁止してもよい。
その一方で、安全装置カウンタ値が所定値(例えば194500)以上である場合でも、
現在実行中の特図変動表示ゲームに関する予告演出(例えば、実行中記憶表示部84に表
示されている実行中記憶表示の表示態様を変化させて、現在実行中の特図変動表示ゲーム
が小当り結果又は大当り結果となる期待度等を示唆する演出)の実行は禁止しなくてもよ
い。
また、先読み演出(保留変化予告等)の実行を禁止するタイミングは、安全装置カウン
タ値が所定値(例えば194500)に達したタイミングではなく、作動予告状態になっ
たタイミング(すなわち安全装置カウンタ値が予告開始値に達したタイミング)でもよい

なお、安全装置の作動する前に、遊技機10の電源が遮断(オフ)して再度電源投入(オン)する場合には、安全装置情報初期化処理(図5-9)によって安全装置作動情報領域が初期化されて安全装置作動予告情報(値1)が消去されるので、この場合には、作動予告表示511は表示されなくなる。
その後、安全装置カウンタ値がカウンタ基準値195000(差玉数=差玉基準値95000)となり、大当り中でも小当り中でもない場合には、安全装置が作動状態(作動中状態)となって、遊技機10は即時に遊技停止状態となる。そして、安全装置の作動状態が開始すると、表示装置41には、まず、図5-79(d)に示すように、安全装置の作動状態が開始すること(安全装置カウンタ値がカウンタ基準値に達したこと)を報知する作動時ムービー514が表示される。また、安全装置カウンタ値がカウンタ基準値に達したことを報知する実績表示515も表示される。
その後、作動時ムービー514が終了すると、図5-79(e)に示すように、安全装置関連表示として安全装置が作動中であることを報知する作動中表示513(「打止中」)が表示される。ここでは、当該遊技機10のメーカ名を示すメーカ名表示516や、メニュー画面93の表示の仕方を示す説明表示517も表示されており、また、作動時ムービー514が終了しても実績表示515は継続して表示されている。
本実施形態では、作動中表示513の表示サイズを、作動予告表示511(変動表示中に表示する作動予告表示511(図5-79(b),(c)参照))の表示サイズよりも大きくしている。これにより、作動中表示513を適切かつ効果的に表示することができるので、安全装置が作動中(遊技停止状態中)であることを効果的に報知できる。すなわち、作動中表示513を大きく表示することで、遊技者が当該遊技機10を使用することを効果的に防止できる。なお、作動中表示513の表示態様(作動中表示513を目立たせる表示態様)は、表示サイズを大きくする態様に限定されず、例えば、アニメーション表示(揺動表示、スクロール表示、点滅表示等)とする態様でもよい。
このように、作動中表示513によって、遊技(特に新たなゲーム)のできない遊技停
止状態であることを報知することで、遊技者に当該遊技機10を使用しないように促すこ
とができる。また、不正を行っている者がいれば、作動中表示513によって、その不正
を止めるよう促すことができる。
なお、遊技停止状態となったときに、飾りゲーム表示部81,82において飾り特図変
動表示ゲームが実行中(変動表示中)である場合には、当該飾り特図変動表示ゲームを強
制的に終了する。あるいは、当該飾り特図変動表示ゲームの表示レイヤよりも手前側のレ
イヤで作動時ムービー514等を表示して、当該飾り特図変動表示ゲームを視認できない
状態で継続してもよい。
前述したように、表示装置41は、安全装置が作動した遊技停止状態において、エラー表示を表示可能である。例えば図5-79(d)や図5-79(e)では、遊技球の払い出しに関する払い出しエラーを報知する払い出しエラー表示として、払出前の遊技球の不足に対応するシュート球切れエラーを報知する球切れエラー表示92a(例えば「球切れエラー」の文字)と、下皿23が満杯になったことに対応するオーバーフローエラーを報知するオーバーフローエラー表示92b(例えば「オーバーフローエラー」の文字)と、が表示装置41で表示されている。ここでは、遊技停止状態となる前に発生した入賞による賞球の払い出しが遊技停止状態となった際又は後に継続して、この払い出しに関する払い出しエラーが発生しているものとする。そして、球切れエラー表示92aやオーバーフローエラー表示92b等の払い出しエラー表示は、対応する払い出しエラーが解消されると消去されてもよい。
このように、安全装置が作動した遊技停止状態であっても、払い出しエラーの発生を報
知することで、遊技者やホール関係者等に不利益又は不都合が生じることを回避できる。
なお、遊技制御装置100、演出制御装置300、表示装置41等が協働して、エラーを
報知可能な報知手段を構成する。
また、遊技停止状態となった際又は後に払い出しエラー以外のエラーや不正(枠開放エ
ラーや磁石不正等)が発生している場合には、遊技者やホール関係者等に不利益又は不都
合が生じることを回避するために、当該エラーや当該不正を報知するためのエラー表示を
行ってもよい。また、エラー(特に払い出しエラー)や不正が発生した場合でも、安全装
置カウンタ値がカウンタ基準値195000になれば、安全装置が作動して遊技停止状態
を発生可能である。
なお、本実施形態では、払い出しエラー表示を、作動中表示513(「打止中」)と重
ならないように表示するが、これに限定されない。すなわち、払い出しエラー表示を作動
中表示513と重なるように表示してもよく、その場合には、作動中表示513が目立つ
ように、作動中表示513を払い出しエラー表示よりも手前側のレイヤに表示してもよい
し、あるいは、払い出しエラー表示を目立つように、払い出しエラー表示を作動中表示5
13よりも手前側のレイヤに表示してもよい。
また、作動中表示513が目立つように、作動中表示513を払い出しエラー表示より
も大きい表示サイズで表示してもよいし、あるいは、払い出しエラー表示が目立つように
、払い出しエラー表示を作動中表示513よりも大きい表示サイズで表示してもよい。ま
た、払い出しエラー表示が目立つように、払い出しエラーが解消されるまで、対応する払
い出しエラー表示を表示して、作動中表示513を表示しないことも可能である。
また、払い出しエラー表示等のエラー表示は、作動予告状態においても、作動予告表示
511(「まもなく打ち止めです」)とともに表示装置41に表示でき、作動警告状態に
おいても、作動警告表示512(「当り終了後に打ち止めとなります」)とともに表示装
置41に表示できる。その際、エラー表示が目立つように、エラー表示を、作動予告表示
511や作動警告表示512よりも大きい表示サイズで表示したり、作動予告表示511
や作動警告表示512よりも手前側のレイヤに表示してこれに重ねたりしてもよい。
遊技停止状態において、エラー(特に払い出しエラー)が発生した場合には、エラー表
示によって当該エラーの発生を報知することに加えて、スピーカ19a,19bからの音
声や演出用LEDの発光によって当該エラーの発生を報知するようにしてもよい。演出用
LEDの発光による当該エラーの報知は、一部又は全ての演出用LEDが特定発光態様(
例えば赤色)で発光することで行われるものであり、例えば、枠装飾装置18のLED(
枠のLED)のみが特定発光態様で発光してもよいし、盤装飾装置46のLED(遊技盤
30のLED)のみが特定発光態様で発光してもよいし、枠装飾装置18と盤装飾装置4
6の両方のLEDが特定発光態様で発光してもよい。
また、遊技停止状態と、遊技停止状態以外の状態(遊技中又は客待ち中の状態、未作動
状態、作動予告状態、作動警告状態)と、でエラー(特に払い出しエラー)の発生を報知
するエラー報知態様(エラー報知方法)を同じにしてもよいし異ならせてもよい。遊技停
止状態と遊技停止状態以外の状態とでエラー報知態様を同じにすることで、同じエラーで
あることを遊技者が認識しやすくなる。また、遊技停止状態と遊技停止状態以外の状態と
でエラー報知態様を異ならせることで、遊技停止状態であるか否かを遊技者が認識しやす
くなり、さらには、各状態(遊技停止状態、遊技停止状態以外の状態)に適したエラー報
知態様でエラーの発生を報知することが可能となる。なお、払い出しエラー等のエラーや
不正は、表示装置41にエラー表示を表示せずに、スピーカ19a,19bからの音声や
演出用LEDの発光等によって報知してもよい。
遊技停止状態と遊技停止状態以外の状態とでエラー報知態様を異ならせる構成において
、例えば、シュート球切れエラーが発生した場合に、遊技停止状態では、球切れエラー表
示92aとスピーカ19a,19bからの音声とによってエラー報知して、遊技停止状態
以外の状態では、球切れエラー表示92aと演出用LEDの発光とによってエラー報知す
るようにしてもよい。また、この構成において、例えば、オーバーフローエラーが発生し
た場合には、緊急に対処する必要を考慮して、遊技停止状態と遊技停止状態以外の状態と
で、共通にオーバーフローエラー表示92bとスピーカ19a,19bからの音声とによ
ってエラー報知し、スピーカ19a,19bからの音声の出力態様(音量や音の高低)を
遊技停止状態と遊技停止状態以外の状態とで異ならせるようにしてもよい。また、この構
成において、遊技停止状態では、枠装飾装置18及び盤装飾装置46のうち一方の発光に
よってエラー報知して、遊技停止状態以外の状態では、他方の発光によってエラー報知す
るようにしてもよい。
また、安全装置カウンタ値が予告開始値190000(差玉数が90000)に到達し
て安全装置の作動予告状態になった後に、安全装置カウンタ値が減った場合(差玉数が減
った場合)には、作動予告表示511(「まもなく打ち止めです」)を消去して非表示に
してもよい。
具体的には、例えば、安全装置カウンタ値が190000に達した後、189000まで減った場合に、作動予告表示511を非表示にしてもよい。安全装置カウンタ値又は差玉数を示す差玉コマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される場合には、演出制御装置300は、差玉コマンドに基づいて安全装置カウンタ値が189000であると判断した場合に、作動予告表示511を非表示にする。あるいは、安全装置関連処理(図5-69)で送信する安全装置作動関連コマンドとして、作動予告状態に対応する作動予告コマンド、作動警告状態に対応する作動警告コマンド、作動状態に対応する作動中コマンドに加えて、未作動状態に対応する未作動コマンドを設けて、安全装置カウンタ値が189000である場合に遊技制御装置100から演出制御装置300へ未作動コマンドを送信して、演出制御装置300は未作動コマンドを受信した場合に作動予告表示511を非表示にしてもよい。
〔画面遷移の例2〕
図5-80は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図の別の一例(例2)である。図5-78及び図5-79に示す例1では、作動警告状態を経由せずに作動状態となるが、図5-80に示す例2では、作動警告状態を経由して作動状態となる場合について説明する。
図5-79(b)の後、大当りが多数発生して、図5-80(a)では、安全装置カウンタ値が予告開始値190000よりも大きい194278となっているので、作動予告表示511(「まもなく打ち止めです」)の表示が継続している。ここでは、特図1変動表示ゲームが大当り結果となり、飾りゲーム表示部81,82に飾り停止図柄として大当り図柄「333」が表示されている。なお、ここで大当り結果となるのは特図2変動表示ゲームでもよい。また、ここでの結果は大当り結果ではなく小当り結果でもよい。
その後、大当り状態が開始すると、図5-80(b)に示すように、まず、大当りのラウンド遊技(大当り中での遊技)の1ラウンド目が実行される。小当りのラウンド遊技の場合には、ここでV入賞が発生して、次の2ラウンド目からV入賞による大当り状態が開始するものとする。大当り状態では大入賞口が開放されるので、それに対応して右打ち指示表示91が大当りのラウンド演出とともに表示装置41に表示されている。ここでは、大入賞口への入賞によって多数の賞球(獲得球数、セーフ球数)が得られて、安全装置カウンタ値が194318に増加しているが、カウンタ基準値195000には達していないので、作動予告表示511(「まもなく打ち止めです」)の表示が継続している。本実施形態では、作動予告表示511を、邪魔にならないようラウンド演出に重ならないように表示するが、作動予告表示511をラウンド演出に重なるように表示してもよい。
その後、大当り中に安全装置カウンタ値がカウンタ基準値195000に達すると、安全装置はまだ作動せず作動警告状態となり、図5-80(c)に示すように、作動予告表示511が消去されて、作動警告表示512(「当り終了後に打ち止めとなります」)が表示装置41に表示される。本実施形態では、作動警告表示512の表示サイズを、作動予告表示511(変動表示中に表示する作動予告表示511)の表示サイズよりも大きく設定している。これにより、安全装置が作動する可能性(遊技停止状態が発生する可能性)を作動予告表示511よりも効果的に示唆することができる。なお、作動警告表示512の表示態様(作動警告表示512を目立たせる表示態様)は、表示サイズを大きくする態様に限定されず、例えば、アニメーション表示(揺動表示、スクロール表示、点滅表示等)する態様であってもよい。また、本実施形態では、作動警告表示512を、邪魔にならないようラウンド演出に重ならないように表示するが、作動警告表示512をラウンド演出に重なるように表示してもよい。
その後、図5-80(d)に示すように、大当りのエンディング演出が実行される。ここでは、安全装置カウンタ値はカウンタ基準値195000のままであるが、大当り中であるので、作動警告表示512の表示が継続している。本実施形態では、作動警告表示512を、邪魔にならないようエンディング演出に重ならないように表示するが、作動警告表示512をエンディング演出に重なるように表示してもよい。また、作動警告状態でのエンディング演出は、作動警告状態以外の状態(未作動状態、作動予告状態)でのエンディング演出と異なり、安全装置の作動の直前であるので、安全装置の作動(打ち止め)を示唆するような専用のエンディング演出としてもよい。作動警告状態で小当りのエンディング演出が実行される場合も同様である。
このように、作動警告表示512によって、遊技者に小当り又は大当りの終了後に遊技停止状態になることを事前に報知することで、連チャンが止まるなど不利益を受けることを遊技者に警告することができる。また、作動警告表示512によって、不正を行っている者に驚きを与えて、不正を止めることを促すことができる。
その後、エンディング時間が経過して大当りのエンディング演出が終了すると(すなわち大当り状態が終了すると)、安全装置が作動状態(作動中状態)となり、遊技機10が遊技停止状態となる。小当り状態が終了する場合も同様である。
そして、安全装置の作動状態が開始すると、表示装置41には、まず、図5-80(e)に示すように、安全装置の作動状態が開始すること(安全装置カウンタ値がカウンタ基準値に達したこと)を報知する作動時ムービー514が表示される。また、安全装置カウンタ値がカウンタ基準値に達したことを報知する実績表示515も表示される。すなわち、演出制御装置300は、作動中コマンドを受信したことに対応して、また、作動時ムービー514及び実績表示515の表示を開始する。
その後、作動時ムービー514が終了すると、図5-80(f)に示すように、安全装置関連表示として安全装置が作動中であることを報知する作動中表示513(「打止中」)が表示装置41に表示される。ここでは、当該遊技機10のメーカ名を示すメーカ名表示516や、メニュー画面93の表示の仕方を示す説明表示517も表示されており、作動時ムービー514が終了しても実績表示515は継続して表示されている。
本実施形態では、作動中表示513の表示サイズを、作動警告表示512の表示サイズ
よりも大きく設定している。これにより、安全装置の作動中(遊技停止状態中)であるこ
とを効果的に示唆できるので、遊技者が当該遊技機10を使用することを効果的に防止で
きる。なお、作動中表示513の表示態様(作動中表示513を目立たせる表示態様)は
、表示サイズを大きくする態様に限定されず、例えば、アニメーション表示(揺動表示、
スクロール表示、点滅表示等)する態様であってもよい。
以上のように、安全装置関連表示である作動予告表示511(「まもなく打ち止めです
」)と作動警告表示512(「当り終了後に打ち止めとなります」)と作動中表示513
(「打止中」)とは、この順番で表示サイズが大きくなるとともに文字表示する文章自体
も違うので、表示態様が異なる。なお、表示態様に、表示サイズや表示位置や表示色やフ
ォント等に加えて、文字表示する文章自体も含めてもよい。
また、作動予告表示511と作動警告表示512と作動中表示513とは、共通性を有
している。具体的には、「打止(打ち止め)」という文字列が共通である、なお、当該文
字列を同じ色やフォントで表示してもよい。
このように、作動予告表示511と作動警告表示512と作動中表示513とは、全体
的な表示態様が異なるものの、共通する部分を有しているので、安全装置関連表示以外の
表示と容易に区別することが可能となっている。
〔遊技状態に応じて異なる作動予告表示の例〕
図5-81は、客待ち中(客待ち状態)以外の遊技状態に応じて表示される作動予告表示511を例示する図である。
前述したように、作動予告表示511の表示態様は、遊技状態に応じて変化してもよい。図5-78~図5-80に示す例では、遊技状態として、客待ち中(図5-79(a))と、客待ち中以外の遊技状態(変動表示中(図5-78(d),(e)、図5-79(b),(c))、停止表示中(図5-78(f)、図5-80(a))、特別遊技状態(図5-80(b)))と、で作動予告表示511(「まもなく打ち止めです」)の表示態様が異なっているが、これに限定されない。例えば、客待ち中以外の遊技状態には、通常遊技状態、時短状態、確変状態、特別遊技状態等の複数の遊技状態があるが、図5-81に示すように、通常遊技状態と、時短状態と、確変状態と、特別遊技状態と、で作動予告表示511の表示態様を異ならせてもよい。これにより、客待ち中以外(遊技中)において、作動予告表示511を適切かつ効果的に表示することが可能となる。
なお、図5-81(a)~(d)において、安全装置カウンタ値は、予告開始値190000よりも大きくカウンタ基準値195000よりも小さい値(例えば190055)となっている。
図5-81(a)は、通常遊技状態(通常モード)での表示装置41の表示画面である。
通常遊技状態では、入賞による賞球の数(獲得球数、セーフ球数)があまり得られないので、安全装置が作動して遊技停止状態となる可能性が低い。そのため、通常遊技状態の作動予告表示511は、変動表示等の他の表示の邪魔にならない表示態様で表示されている。図5-81(a)に示す例では、作動予告表示511が、他の表示の邪魔にならないように、表示画面の左端に小さく縦書きで表示されている。
なお、通常遊技状態においては、作動予告表示511を目立たせるため(遊技者が作動予告表示511に気付く可能性を高めるため)に、遊技者が注目しやすい表示(例えば遊技者に左打ちを行うことを指示する左打ち指示表示)の近傍に作動予告表示511を表示してもよい。
図5-81(b)は、時短状態(時短モード)での表示装置41の表示画面である。図5-81(b)に示す表示画面は、図5-79(b)に示す表示画面と同じである。
時短状態では、普電サポートによって通常遊技状態よりも賞球が得られやすく、さらに、通常遊技状態よりも大当りとなってセーフ球数が増加する可能性が高いので、通常遊技状態よりも安全装置が作動する可能性が高い。そのため、時短状態の作動予告表示511は、通常遊技状態の作動予告表示511よりも目立つように表示されており、安全装置が作動する可能性(遊技停止状態が発生する可能性)を通常遊技状態の作動予告表示511よりも効果的に示唆できるようになっている。
なお、時短状態においては、作動予告表示511を目立たせるため(遊技者が作動予告表示511に気付く可能性を高めるため)に、遊技者が注目しやすい表示(例えば右打ち指示表示91)の近傍に作動予告表示511を表示してもよい。
図5-81(c)は、確変状態(確変モード)での表示装置41の表示画面である。
確変状態では、時短状態よりも大当りとなってセーフ球数が増加する可能性が高いので、時短状態よりも安全装置が作動する可能性が高い。そのため、確変状態の作動予告表示511は、時短状態の作動予告表示511よりも目立つように表示されており、安全装置が作動する可能性(遊技停止状態が発生する可能性)を時短状態の作動予告表示511よりも効果的に示唆できるようになっている。
なお、確変状態においては、作動予告表示511を目立たせるため(遊技者が作動予告表示511に気付く可能性を高めるため)に、遊技者が注目しやすい表示(例えば右打ち指示表示91)の近傍に作動予告表示511を表示してもよい。
図5-81(d)は、特別遊技状態(大当り中又は小当り中)での表示装置41の表示画面である。
特別遊技状態では、大入賞口の開放によってセーフ球数が増加するので、確変状態よりも安全装置が作動する可能性が高い。そのため、特別遊技状態の作動予告表示511は、確変状態の作動予告表示511よりも目立つように表示されており、安全装置が作動する可能性(遊技停止状態が発生する可能性)を確変状態の作動予告表示511よりも効果的に示唆できるようになっている。
なお、特別遊技状態においては、作動予告表示511を目立たせるため(遊技者が作動予告表示511に気付く可能性を高めるため)に、遊技者が注目しやすい表示(例えば右打ち指示表示91)の近傍に作動予告表示511を表示してもよい。
図5-81(d)では、図5-80(b)と同様に、ラウンド演出が実行されているが、作動予告表示511の表示態様が図5-80(b)と異なっている。具体的には、図5-80(b)に示す特別遊技状態の作動予告表示511は、時短状態の作動予告表示511(図5-81(b))と同じ表示態様で表示されている。一方、図5-81(d)に示す特別遊技状態の作動予告表示511は、時短状態の作動予告表示511と異なる表示態様で表示されている。
すなわち、特別遊技状態の作動予告表示511の表示態様は、時短状態の作動予告表示511の表示態様と同じでもよいし異なってもよい。その他の遊技状態においても同様である。
以上のように、図5-81に示す例では、通常遊技状態<時短状態<確変状態<特別遊技状態の順番で作動予告表示511の表示サイズが大きく、目立ちやすくなっている。なお、通常遊技状態<時短状態<確変状態<特別遊技状態の順番で作動予告表示511が目立つように、表示サイズ以外の表示態様(色やフォント等)が、これらの遊技状態に応じて異なってもよい。
このように、通常遊技状態<時短状態<確変状態<特別遊技状態の順番で作動予告表示511を目立たせることによって、客待ち中以外(遊技中)において効果的に安全装置の作動を予告することが可能となる。
〔リーチ前後での作動予告表示の例〕
図5-82は、変動表示中におけるリーチ前後に表示される作動予告表示511を例示する図である。
図5-82に示すように、リーチ前と、リーチ後と、で作動予告表示511の表示態様を変化させてもよい。これにより、変動表示中において、作動予告表示511を適切かつ効果的に表示することが可能となる。
図5-82(a)は、リーチ状態となる前の表示装置41の表示画面である。図5-82(a)に示す表示画面は、図5-79(b)に示す表示画面と同じであるが、飾り特別図柄がリーチ状態となる前を示している。
図5-82(b)は、Nリーチ状態での表示装置41の表示画面である。
リーチ状態が開始すると、左図柄(左変動表示領域81aに表示されている飾り特別図柄)と右図柄(右変動表示領域81cに表示されている飾り特別図柄)が仮停止(例えば揺れ変動)する。リーチ演出として、文字「リーチ」等が表示装置41に表示されたり、音声「リーチ」等がスピーカ19a,19bから出力されたりしてもよい。
作動予告表示511は、仮停止した左図柄や右図柄の邪魔にならないよう、さらには、この後に実行される可能性があるSPリーチ演出の邪魔にならないように、リーチ前の作動予告表示511(図5-82(a))とは異なる表示態様で表示されている。ここでは、作動予告表示511が、表示画面の左端に移動してリーチ前よりも小さく縦書きで表示されているる。
なお、この段階では、SPリーチ演出(ムービー(動画)の表示や、可動役物の動作等)が実行されていないので、作動予告表示511は、リーチ前の作動予告表示511(図5-82(a))と同じ表示態様でもよい。すなわち、Nリーチ状態の作動予告表示511は、リーチ前の作動予告表示511と同じ表示サイズで同じ表示位置(第1飾りゲーム表示部81と第1と待機中記憶表示部83aとの間)に同じ表示方向(横書き)で表示されてもよい。
図5-82(c)は、SPリーチ状態での表示装置41の表示画面である。
Nリーチの状態からSPリーチに発展すると、SPリーチ演出が実行される。ここでは、左図柄及び右図柄が、縮小されてそれぞれ表示画面の左上隅及び右上隅に移動し、SPリーチ演出として、表示画面の中央ではムービー(動画)が大きく表示されている。また、SPリーチ演出として、可動役物である上部演出ユニット40cが初期位置から下方へ移動して、表示画面の前方の動作位置に配置されている。
なお、図5-82に示す例では、作動予告表示511は、SPリーチ演出の邪魔にならないよう、Nリーチ状態(図5-82(b))の段階で既に、リーチ前(図5-82(a))とは異なる表示態様で表示されているが、これに限定されない。例えば、作動予告表示511は、SPリーチ状態(図5-82(c))の段階で初めて、リーチ前とは異なる表示態様で表示されてもよい。あるいは、作動予告表示511は、SPリーチ演出に合わせて、Nリーチが開始してからSPリーチが開始するまでの間(例えばSPリーチに発展する直前)で、リーチ前とは異なる表示態様で表示されてもよい。
〔客待ち中の作動予告表示の例〕
図5-83は、客待ち画面に応じて表示される作動予告表示511を例示する図である。
演出制御装置300は、客待ちデモ編集処理(ステップS15)やホール・遊技者設定モード処理(ステップS11)等によって、例えば図5-83に示すように、客待ち中に表示装置41に表示される客待ち画面を、(a)停止時画面→(b)遊技者設定画面→(c)客待ちデモムービー画面→(d)機種名表示画面→(e)注意喚起表示画面→(a)停止時画面→(b)遊技者設定画面→(c)客待ちデモムービー画面・・・の順番で循環的に切り替えてもよい。なお、客待ち画面は、これらの画面に限定されるものではなく、客待ち画面として、例えば、遊技や演出の内容を説明する遊技説明画面や、遊技機10のメーカのロゴを表示するメーカ表示画面等を設けることも可能である。そして、図5-83に示すように、客待ち中に作動予告表示511の表示態様を変化させてもよい。これにより、客待ち中において、作動予告表示511を適切かつ効果的に表示することが可能となる。
図5-83(a)の停止時画面は、図5-79(f)に示すように飾り停止図柄「378」が表示されて停止表示時間が経過した段階で最初に表示される客待ち画面である。客待ち画面は、客待ちデモ中フラグがセットされ(ステップA313)、演出制御装置300に客待ちデモコマンドが送信されると(ステップA314、ステップS147)、表示装置41に表示されるが、ここでは図5-79(f)から見かけ上は変化のない停止時画面が表示される。なお、図5-79(f)から変動回数表示部86における表示を消去する等して、見かけ上も変化させてもよい。
図5-83(a)に示す例では、飾りゲーム表示部81,82において飾り停止図柄が表示されており、作動予告表示511は、飾り停止図柄等の邪魔にならないように表示される。
図5-83(b)の遊技者設定画面は、停止時画面が所定期間(例えば20秒)表示された後に表示される客待ち画面である。遊技者設定画面では、音量調整用のメータ画像である音量調整画像88aと、光量調整用(輝度調整用)のメータ画像である光量調整画像88bと、が表示される。ホール・遊技者設定モード処理(ステップS11)によって、音量調整用ボタンスイッチ27e,27fの操作に応じてスピーカ19a,19bの音量が調整されて音量調整画像88a中のメータが上昇又は下降し、十字キースイッチ28の操作に応じて演出用LEDや液晶(表示装置41等)の輝度が調整されて光量調整画像88b中のメータが上昇又は下降する。
図5-83(b)に示す例では、音量調整画像88a及び光量調整画像88bが、停止時画面での表示(表示部81~87における表示等)及び作動予告表示511よりも手前側に当該停止時画面での表示及び作動予告表示511に重ねて表示されている。
図5-83(c)の客待ちデモムービー画面は、遊技者設定画面が所定期間表示された後に表示される客待ち画面である。客待ちデモムービー画面では、客待ちデモムービー89が表示されるようになっており、ここでは、桜柄が動く客待ちデモムービー89が表示されている。また、ここでは、停止時画面や遊技者設定画面での表示(飾り停止図柄等)が消去されて非表示になっており、これらの表示の視認性等を考慮して作動予告表示511を表示する必要がないので、作動予告表示511が、図5-83(a)の停止時画面や図5-83(b)の遊技者設定画面に表示される作動予告表示511よりも拡大されるように表示態様が変化している。
図5-83(b)に示す例では、作動予告表示511が、客待ちデモムービー89よりも手前側に当該客待ちデモムービー89に重ねて表示されている。
図5-83(d)の機種名表示画面は、客待ちデモムービー画面が所定期間表示された後に表示される客待ち画面である。機種名表示画面には、遊技機10の機種名(例えば型式(正式な名称)である「P虎虎虎」)が機種名表示90として表示されている。さらに、機種名表示画面には、当該遊技機10が安全装置付きの機種(コンプリート機能を搭載した機種)であることを遊技者等に報知するために、コンプリート機能搭載表示としての特定機種表示67(例えば「コンプリート機能搭載」の文字)を表示してもよい。
図5-83(d)に示す例では、作動予告表示511が、機種名表示90及び特定機種表示67よりも手前側に当該機種名表示90に重ねて表示されている。なお、図5-83(d)に示す例では、作動予告表示511が特定機種表示67に重なっていないが、作動予告表示511を特定機種表示67に重ねて表示してもよい。また、特定機種表示67は、図5-83(c)の客待ちデモムービー画面でも表示してもよい。
また、図5-83(d)に示す例では、作動予告表示511が、客待ちデモムービー画面(図5-83(c))に表示される作動予告表示511と同じ表示態様(表示サイズや色やフォントや表示位置等)で表示されているが、異なる表示態様で表示されてもよい。
図5-83(e)の注意喚起表示画面は、機種名表示画面が所定期間表示された後に表示される客待ち画面である。そして、注意喚起表示画面が所定期間表示された後に、図5-83(a)の停止時画面が表示される。なお、各客待ち画面の表示時間は、同じでもよいし異なってもよい。
注意喚起表示画面には、遊技者にのめり込みを注意するための注意喚起表示68が表示されている。作動予告表示511は、注意喚起表示68よりも手前側のレイヤに表示されてもよいし、奥側のレイヤに表示されてもよい。
また、図5-83(e)に示す例では、特定機種表示67も表示されている。この特定機種表示67は、注意喚起表示68と同じレイヤに表示されてもよいし、異なるレイヤに表示されてもよい。なお、図5-83(e)に示す例では、作動予告表示511が注意喚起表示68や特定機種表示67と重なっていないが、重なってもよい。
また、図5-83(e)に示す例では、作動予告表示511の表示位置が、機種名表示画面(図5-83(d))に表示される作動予告表示511の表示位置と異なっているが、同じもよい。すなわち、注意喚起表示画面に表示される作動予告表示511は、機種名表示画面に表示される作動予告表示511と同じ表示態様で表示されてもよいし、異なる表示態様で表示されてもよい。
以上のように、客待ち中においては、作動予告表示511の表示態様を、作動予告表示511以外の他の表示や他の画像オブジェクトの表示状態、すなわち循環的に切り替えられる客待ち画面の種類(停止時画面、遊技者設定画面、客待ちデモムービー画面、機種名表示画面、注意喚起表示画面)に応じて異ならせてもよい。さらに、客待ち中に、当該遊技機10が安全装置付きの機種(コンプリート機能を搭載した機種)であることを特定機種表示67によって表示してもよい。
〔設定確認中画面の例〕
図5-84は、設定確認状態(設定確認モード)における表示装置41の表示画面を例示する図である。
図5-84(a)は、設定確認状態になって最初に表示される表示画面である。演出制御装置300は、設定確認状態になったことに対応して、設定確認中であること報知する設定確認中表示545(例えば「設定確認中」の文字)を表示装置41に表示する(ステップS168)。また、演出制御装置300は、設定確認中表示545とともに、「設定履歴一覧」の文字や、操作部(ここでは演出ボタン25)を模した画像であって所定の操作(押下げ操作)を促す操作促進画像546を表示装置41に表示する。操作促進画像546は、遊技者の操作部への操作を促すものであり、十字キースイッチ28を模したものでもよい。
図5-84(b)は、操作部の操作があった場合に図5-84(a)から切り替えて表示される表示画面である。演出制御装置30は、図5-84(a)に示す表示画面の表示中に操作部が操作されたことに対応して、設定履歴一覧548を表示装置41に表示する。設定履歴一覧548には、設定変更や設定確認の有無が過去から現在まで順番に表示されており、設定変更時又は設定確認時の確率設定値と、設定変更された確率設定値の継続時間が表示されている。また、演出制御装置300は、設定履歴一覧548とともに、操作部(演出ボタン25)を模した画像であって図5-84(a)の画面に戻るための操作(押下げ操作)を促す操作促進画像546や、操作部(演出ボタン25)を模した画像であって設定履歴一覧548をスクロールして過去の履歴を見るための操作(スワイプ操作)を促す操作促進画像547を表示装置41に表示する。なお、ここでの操作促進画像546や操作促進画像547は、十字キースイッチ28を模したものでもよい。
さらに、設定履歴一覧548では、安全装置が作動して打ち止めになった場合の確率設定値が認識できるように、この確率設定値と対応付けて同じ行に所定のマーク(ここでは☆)が表示されている。これにより、ホール関係者は、大当り確率や小当り確率等の当選確率が大きくなる高設定の確率設定値(例えば5、6)で、意図したとおりに大量の出玉(大きなセーフ球数)が生じて、安全装置の作動(打ち止め)があったか否かを確認できる。そして、確認の結果を今後の確率設定値の変更に活用することができる。
〔特定機種表示の例1〕
図5-85は、映像以外で表示される特定機種表示67(コンプリート機能搭載表示)の例(例1)を示す図である。図5-85では、印刷、印字、又はペイント(塗装)等によって特定機種表示67が表示されている。なお、図5-83では、特定機種表示67が映像として表示装置41の表示画面に表示されている。
図5-85は、遊技盤30に設けられる一括表示装置50とその周辺を示している。一括表示装置50のLEDランプD1~D18の周囲において、遊技機10のスペック(仕様)に関する仕様表示がされている。仕様表示として、設定1(最低設定)と設定6(最高設定)における低確率時における大当り確率の表示66a「1/300」と「1/200」、賞球数の表示66b「3&2&10&14」、ラウンド数上限値の表示66c「3,6,9」、型式(正式な名称)の表示66d「P虎虎虎」、確変状態が存在する機種の場合には、確変大当りに関するリミットの有無の表示66e(ここでは「リミットなし」)が表示される。
賞球数の表示66bでは、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、
及び特別変動入賞装置39の賞球数が、例えば3、2、10、14と順に認識できるよう
に表示される。
確変大当りに関するリミットとは、連続して発生する確変大当りの回数が所定のリミッ
ト回数に制限されることを意味する(一回の大当りで所定のリミット回数(連荘回数)の
大当りが発生可能になる)。
図5-85において、特定機種表示67は、当該遊技機10が安全装置付きの機種(コンプリート機能を搭載した機種)であることを、例えば「コンプリート機能搭載」と印刷、印字、又はペイント等された文字によって固定的に常に表示される。特定機種表示67は、遊技機10の電源が遮断されても常に表示されており、さらに、図5-83のように特定の画面にて映像で表示されるわけでなく常に表示されている。このため、特定機種表示67は、常に遊技者に認識されやすくなるので、映像で表示された特定機種表示67よりも遊技者にとって利便性に優れる。特定機種表示67は、当該遊技機10が安全装置付きの機種であることを印象付けるために、当該遊技機10の型式(正式な名称)の表示66dの近傍に表示する等、表示66dと関連付けて表示してもよい。
なお、図5-85に示す例では、印刷、印字、又はペイント等による特定機種表示67が、図5-83の映像による特定機種表示67と同じ文字列「コンプリート機能搭載」(同じ表示内容)となっているが、これに限定されず、違う文字列(異なる表示内容)でもよい。例えば、図5-85の特定機種表示67の文字列を「コンプリート機能」等と一部省略して短くすれば、空きスペースの少ない一括表示装置50の周辺を有効に利用できる。
〔特定機種表示の例2〕
図5-86は、映像以外で表示される特定機種表示67(コンプリート機能搭載表示)の例(例2)を示す図である。図5-86でも、印刷、印字、又はペイント(塗装)等によって特定機種表示67が表示されている。
図5-86では、特定機種表示67は、装飾装置18a(トップユニット)における略平坦な前面部456に表示されている。なお、装飾装置18aは、ガラス枠15(あるいは開閉枠)の上部で斜め上の前方に向かって突出する。前面部456では、機種名(ここでは「虎虎虎」)を示す機種名表示456aが、印刷、印字、又はペイント等によって設けられる。機種名表示456aは、映像として表示画面に表示する機種名表示90と表示態様や表示内容が異なってよく、機種名表示456aでは「P」という文字が省略されて型式(正式な名称)でなくてもよい。また、前面部456では、機種名に関連するとともに表示装置41の表示画面にも登場可能なキャラクタ456bが、印刷又はペイント等によって設けられる。
特定機種表示67は、例えば、前面部456の端部付近で、キャラクタ456bの近傍に、印刷、印字、又はペイント(塗装)等によって設けられる。
なお、前面部456は、装飾装置18aに対して常時固定されたものでもよいし、利便性のために装飾装置18aに対して着脱可能であり機種に応じて交換可能であるものでもよい。また、前面部456は、機種名表示456aとキャラクタ456bと特定機種表示67が印刷等で固定的に表示されたシートやフィルムを挿入でき、当該シートやフィルムを前方から透明部材(透明プラスチック等)を介して視認できるものでもよい。シートやフィルムは、機種に応じて交換可能であるため、利便性がよい。
〔その他の構成例〕
演出制御装置300の制御を簡単にするため、図5-81と異なって、通常遊技状態、時短状態、確変状態、特別遊技状態の間で、作動予告表示511(「まもなく打ち止めです」)は同じ表示態様にしてもよい(同じサイズや同じフォント)。また、図5-82と異なって、変動表示中は作動予告表示511を同じ表示態様にしてもよいし、図5-83と異なって、客待ち中は作動予告表示511を同じ表示態様にしてもよい。
また、遊技状態等に応じて、安全装置の作動予告状態が開始する予告開始値(上記では
190000)、すなわち、作動予告表示511を表示開始するタイミングを変化させて
もよい。例えば、大当りが出やすい遊技状態では早めのタイミングで予告できるよう、普
電サポート状態(確変状態、時短状態)では、通常遊技状態よりも小さな予告開始値で作
動予告表示511を表示開始してもよい。
また、ホール関係者の操作で安全装置(コンプリート機能)をオンオフするスイッチを
遊技機10の裏面に設けて、遊技制御装置100に接続する当該スイッチがオンの場合に
のみ、遊技制御装置100は安全装置が働くようにしてもよい。
〔メニュー画面〕
図5-87及び図5-88は、メニュー画面と、メニュー画面で選択された項目に対応する項目画面と、の一例である。
例えば客待ち画面の表示中に演出ボタン25が操作されると、演出制御装置300は、図5-87(a)に示すように、表示装置41にメニュー画面93を表示する。メニュー画面93は、客待ち画面よりも手前側のレイヤ(例えば最前面のレイヤ)に表示される。したがって、図5-87(a)に示す例では、客待ち画面のうちの機種名表示画面において表示される機種名表示90(「P虎虎虎」)に重ねて当該機種名表示90よりも手前側にメニュー画面93が表示されている。
メニュー画面93では「カスタマイズ」と「スマホ連動」と「音量・光量」と「遊技説
明」と「戻る」の5つの項目を選択することができる。そして、当該選択は、演出ボタン
25と、演出ボタン25の上面(タッチパネル25b)と、によって行うようになってい
る。具体的には、タッチパネル25bがカーソルキーとして機能し、演出ボタン25が決
定キーとして機能する。
すなわち、遊技者は、タッチパネル25bを操作(スワイプ操作)してメニュー画面9
3における複数の項目のうちの所望の項目にカーソルを合わせ、所望の項目にカーソルが
合った状態で演出ボタン25を操作(押下げ操作)することによって、所望の項目を選択
できるようになっている。
カーソルが合った状態の項目は、他の項目(カーソルが合っていない状態の項目)よりも大きく表示される。すなわち、図5-87(a)は、「スマホ連動」にカーソルが合った状態を示しており、この状態で演出ボタン25が操作されると、「スマホ連動」が選択されて、演出制御装置300は、「スマホ連動」に対応する処理を開始する。
メニュー画面93には、「スマホ連動」の項目が「スマホ連動 開始」になっている開始時メニュー画面93a(図5-87(a)参照)と、「スマホ連動 終了」になっている終了時メニュー画面93b(図5-87(b)参照)と、がある。
遊技者は、例えば遊技開始時と遊技終了時に、演出ボタン25を操作してメニュー画面93を呼び出す。
遊技開始時(例えば客待ち状態における機種名表示画面の表示中)に、遊技者がメニュー画面93を呼び出すと、図5-87(a)に示すように、開始時メニュー画面93aが表示される。この開始時メニュー画面93aにおいて「スマホ連動 開始」が選択されると、演出制御装置300は、遊技者の遊技履歴情報の蓄積を開始する。本実施形態では、遊技履歴情報として、変動回数や大当り回数等の遊技結果の履歴と、ミッション達成やコンテンツ獲得や演出ポイント獲得等の遊技実績の履歴と、を蓄積するが、蓄積する遊技履歴情報は、遊技結果の履歴、遊技実績の履歴、その他の履歴のうち少なくとも一つであればよい。
遊技終了時(例えば客待ち状態における停止時画面の表示中)に、遊技者が再びメニュー画面93を呼び出すと、図5-87(b)に示すように、終了時メニュー画面93bが表示される。すなわち、開始時メニュー画面93aの「スマホ連動 開始」が選択された状態でメニュー画面93を呼び出すと、表示装置41に終了時メニュー画面93bが表示される。この終了時メニュー画面93bにおいて「スマホ連動 終了」が選択されると、演出制御装置300は、図5-87(c)に示すように、コード画面94を表示する。コード画面94も、メニュー画面93と同様に、他の表示や他の画像オブジェクトよりも手前側のレイヤ(例えば最前面のレイヤ)に表示される。
コード画面94では「連動終了・削除」と「戻る」の2つの項目を選択できるようになっている。コード画面94において遊技者が「連動終了・削除」を選択すると、今回蓄積された遊技履歴情報(例えば「スマホ連動 開始」が選択されてから「スマホ連動 終了」が選択されるまでの間に蓄積された遊技履歴情報)が削除されて、開始時メニュー画面93aが表示されるか、あるいはメニュー画面93及びコード画面94の表示が終了する。コード画面94において遊技者が「戻る」を選択すると、今回蓄積された遊技履歴情報は削除されずに、終了時メニュー画面93bが表示される。
コード画面94では、メニュー画面93と同様に、カーソルが合った状態の項目は、他の項目(カーソルが合っていない状態の項目)よりも大きく表示されるようになっている。すなわち、図5-87(c)は、「連動終了・削除」にカーソルが合った状態を示している。
また、コード画面94には二次元コード(ここではQRコード(登録商標))が表示さ
れている。遊技者がコード画面94に表示されている二次元コードをスマートフォンや携
帯電話等のカメラ付き情報端末のカメラで読み取ると、当該情報端末が遊技場外部のサー
バにアクセスして、今回蓄積された遊技履歴情報が当該サーバに記憶されるようになって
いる。すなわち、本実施形態の遊技機10において、遊技者は、いわゆるスマホ連動サー
ビス(携帯連動サービス)等の連動サービス(連携サービス)を利用することができる。
なお、開始時メニュー画面93aを呼び出すために演出ボタン25を操作するタイミン
グは、遊技開始時に限定されない。また、開始時メニュー画面93aを呼び出すために演
出ボタン25を操作するタイミングは、客待ち中に限定されない。
また、終了時メニュー画面93bを呼び出すために演出ボタン25を操作するタイミン
グは、遊技終了時に限定されない。また、終了時メニュー画面93bを呼び出すために演
出ボタン25を操作するタイミングは、客待ち中に限定されない。
メニュー画面93は、安全装置が作動状態である場合にも表示可能である。
前述したように、安全装置の作動状態が開始すると、表示装置41には、まず、図5-88(a)に示すように、安全装置の作動状態が開始すること(安全装置カウンタ値がカウンタ基準値に達したこと)を報知する作動時ムービー514が表示される。また、安全装置カウンタ値がカウンタ基準値に達したことを報知する実績表示515も表示される。なお、演出制御装置300は、実績表示515を表示する際に、効果音(例えば「ピコーン」という音)をスピーカ19a,19bから出力してもよい。
その後、作動時ムービー514が終了すると、図5-88(b)に示すように、作動中表示513(「打止中」)が表示される。ここでは、メーカ名表示516や説明表示517も表示されており、また、作動時ムービー514が終了しても実績表示515は継続して表示されている。この実績表示515は一定期間が経過すると消去される(非表示となる)。すなわち、実績表示515の表示時間は、作動時ムービー514の表示時間よりも長く設定されている。
その後、演出ボタン25が操作されると、メニュー画面93が表示される。
具体的には、開始時メニュー画面93aの「スマホ連動 開始」が選択されていない状態で作動状態が発生して演出ボタン25が操作された場合には、図5-88(c)に示すように、開始時メニュー画面93aが表示される。この開始時メニュー画面93aにおいて「スマホ連動 開始」が選択されると、遊技履歴情報の蓄積が開始されて安全装置カウンタ値がカウンタ基準値に達したという遊技実績が記憶される。次いで、当該遊技実績を記憶したことに対応して、あるいは演出ボタン25が再度操作されたことに対応して、図5-88(d)に示すように、終了時メニュー画面93bが表示される。この終了時メニュー画面93bにおいて「スマホ連動 終了」が選択されると、図5-88(e)に示すように、コード画面94が表示される。
一方、開始時メニュー画面93aの「スマホ連動 開始」が選択された状態で作動状態が発生して演出ボタン25が操作された場合には、図5-88(d)に示すように、終了時メニュー画面93bが表示される。ここでは、開始時メニュー画面93aの「スマホ連動 開始」が選択された状態で(すなわち遊技履歴情報の蓄積中に)作動状態が発生して、その後に演出ボタン25が操作されているので、安全装置カウンタ値がカウンタ基準値に達したという遊技実績は当該操作の前に既に記憶(蓄積)されている。そして、終了時メニュー画面93bにおいて「スマホ連動 終了」が選択されると、図5-88(e)に示すように、コード画面94が表示される。
その後、コード画面94において「連動終了・削除」が選択されると、今回蓄積された遊技履歴情報が削除されて、図5-88(c)に示すように開始時メニュー画面93aが表示されるか、あるいはメニュー画面93及びコード画面94の表示が終了して、図5-88(b)の画面に戻る。また、コード画面94において「戻る」が選択されると、今回蓄積された遊技履歴情報は削除されずに、図5-88(d)に示すように、終了時メニュー画面93bが表示される。
演出制御装置300は、作動中コマンドを受信したことに対応して、あるいは、作動状
態中に開始時メニュー画面93aの「スマホ連動 開始」が選択されたことに対応して、
安全装置カウンタ値がカウンタ基準値に達したという遊技実績として、例えば演出ポイン
トの加算を行う(ステップS12)。その際、加算するポイント数を、通常の演出によっ
て加算されるポイント数よりも多くしてもよい。これにより、遊技停止となったことによ
り生じる遊技者の不快感を軽減できる。演出ポイントの情報は、符号化(エンコード)さ
れて二次元コードに組み込まれるので、外部のサーバに記憶される。なお、演出ポイント
の情報は、間接的に打ち止めを示す打止情報となるが、打止情報自体が符号化されて二次
元コードに組み込まれてもよい。これにより、遊技者は、いつでも情報端末等で外部のサ
ーバにアクセスして、作動状態の発生に基づく演出ポイントの情報や打止情報を情報端末
に表示できる。したがって、遊技者は、安全装置の作動(打ち止め)によって得られた演
出ポイントの情報や打止情報を他者に示して、自慢することができ、満足感が得られる。
また、作動状態中に開始時メニュー画面93aの「スマホ連動 開始」が選択された場
合も演出ポイントの加算を行うので、例えば、作動状態を発生させた遊技者以外の他の遊
技者にも、作動状態の発生に基づく演出ポイントの情報や打止情報を付与することができ
る。例えば、作動状態の発生時に当該遊技機10で遊技していた遊技者が当該遊技機10
での遊技を終了して当該遊技機10から離れた後に、他の遊技者が、当該遊技機10の演
出ボタン25を操作してメニュー画面93で「スマホ連動 開始」と「スマホ連動 終了
」を選択することによって、作動状態の発生に基づく演出ポイントの情報や打止情報を獲
得できるようになっている。したがって、当該他の遊技者が、ここで獲得した情報を他者
に示して自慢することで、遊技店等を宣伝広告することが可能となる。
なお、作動状態が発生してから所定時間(例えば10分)が経過すると、演出ボタン2
5を操作(メニュー画面93を呼び出すための操作)しても、メニュー画面93が表示さ
れないようにしてもよい。
このように、本実施形態において、演出制御装置300は、複数の項目の中から一つの項目を遊技者に選択させるためのメニュー画面93やコード画面94を表示装置41に表示可能である。そして、作動状態(遊技停止状態)である場合と、作動状態(遊技停止状態)でない場合と、で共通のメニュー画面93を表示するようになっている。また、作動状態(遊技停止状態)である場合と、作動状態(遊技停止状態)でない場合と、で共通のコード画面94を表示するようになっている。
すなわち、メニュー画面93には複数の項目が列挙されており、安全装置が作動状態である場合に表示されるメニュー画面93(図5-88参照)と、安全装置が作動状態でない場合に表示されるメニュー画面93(図5-87参照)と、は当該複数の項目として全て同じ項目が表示された同一の画面である。
また、コード画面94には複数の項目が列挙されており、安全装置が作動状態である場合に表示されるコード画面94(図5-88参照)と、安全装置が作動状態でない場合に表示されるコード画面94(図5-87参照)と、は当該複数の項目として全て同じ項目が表示された同一の画面である。
安全装置が作動状態である場合に表示されるメニュー画面93は、安全装置が作動状態でない場合に表示されるメニュー画面93と同様に、他の表示や他の画像オブジェクトよりも手前側のレイヤ(例えば最前面のレイヤ)に表示される。したがって、図5-88(c),(d)に示す例では、作動中表示513(「打止中」)や実績表示515や払い出しエラー表示92a,92bに重ねてこれらの表示よりも手前側にメニュー画面93が表示されている。また、メニュー画面93の表示態様(表示位置や表示サイズ等)によっては、メーカ名表示516に重ねて当該メーカ名表示516よりも手前側にメニュー画面93が表示されてもよい。
また、安全装置が作動状態である場合に表示されるコード画面94は、安全装置が作動状態でない場合に表示されるコード画面94と同様に、他の表示や他の画像オブジェクトよりも手前側のレイヤ(例えば最前面のレイヤ)に表示される。したがって、図5-88(e)に示す例では、作動中表示513(「打止中」)や実績表示515やメーカ名表示516や払い出しエラー表示92a,92bに重ねてこれらの表示よりも手前側にコード画面94が表示されている。
メニュー画面93において「カスタマイズ」が選択されると、遊技の演出を遊技者がカ
スタマイズするためのカスタマイズ画面95が表示される。このカスタマイズ画面95で
は、例えば、演出態様や、演出中にスピーカ19a,19bから出力されるBGM等をカ
スタマイズできるようになっている。
また、メニュー画面93において「音量・光量」が選択されると、音量や光量(輝度)
を遊技者が調整するための音量・光量調整画面が表示される。この音量・光量調整画面で
は、例えば、スピーカ19a,19bの音量や、演出用LEDや液晶(表示装置41等)
の輝度を調整できるようになっている。
作動状態中(遊技停止状態中)は、遊技の演出は実行されないので、遊技者が遊技の演出をカスタマイズしても無駄である。したがって、図5-88(c),(d)に示すように、作動状態である場合に表示されるメニュー画面93においては、「カスタマイズ」が操作無効態様(例えばグレー表示)で表示されており、タッチパネル25bを操作して「カスタマイズ」にカーソルを合わせることはできる(他の項目よりも大きく表示される)が、「カスタマイズ」にカーソルを合わせた状態で演出ボタン25を操作しても、当該操作が受け付けられない(すなわちカスタマイズ画面95が表示されない)ようになっている。
また、前述したように、遊技停止状態において、演出制御装置300は、メイン処理(図5-71)のホール・遊技者設定モード処理(ステップS11)を実行せず、演出用LEDや液晶(表示装置41等)の輝度やスピーカ19a,19bの音量を調整不可にして既定(デフォルト)の輝度や音量とするように構成してもよく、ここでは、このように構成されているものとする。
したがって、作動状態中(遊技停止状態中)は、遊技者が音量や輝度を調整しても無駄であるので、図5-88(c),(d)に示すように、作動状態である場合に表示されるメニュー画面93においては、「音量・光量」が操作無効態様(例えばグレー表示)で表示されており、タッチパネル25bを操作して「音量・光量」にカーソルを合わせることはできる(他の項目よりも大きく表示される)が、「音量・光量」にカーソルを合わせた状態で演出ボタン25を操作しても、当該操作が受け付けられない(すなわち音量・光量調整画面が表示されない)ようになっている。
図5-89は、表示装置41における表示と、演出ボタン25と、の関係を例示するタイミングチャートである。
前述したように、遊技停止状態において、作動中コマンドを受信した演出制御装置30
0は、演出用LEDを全て消灯するか(全消灯)又は全て点灯する(全点灯)。ただし、
遊技停止状態においては、メニュー画面93を表示させるために演出ボタン25が操作さ
れる可能性がある。したがって、遊技停止状態において演出用LEDを全消灯とする場合
には、例外的に演出ボタン25を点灯(発光)して、演出ボタン25以外の演出用LED
を消灯するようにしてもよい。また、遊技停止状態において演出用LEDを全点灯する場
合には、演出ボタン25の輝度を通常時(例えば遊技中)の輝度と同じに設定して、演出
ボタン25以外の演出用LEDの輝度を通常時の輝度(あるいは節電モード時の輝度)よ
りも低く設定するようにしてもよい。
また、作動時ムービー514の表示中は、演出ボタン25の操作は無効とされる。したがって、図5-89(a)に示すように、作動時ムービー514の表示中は演出ボタン25が消灯して、作動時ムービー514が終了すると演出ボタン25が点灯するようにしてもよい。また、作動時ムービー514の表示中は、演出ボタン25の操作は無効とされるので、メニュー画面93を呼び出すことができない。したがって、図5-88(a)及び図5-89(a)に示すように、作動時ムービー514の表示中は、説明表示517は表示されない。
図5-89(a)に示す例では、作動時ムービー514の終了(作動中表示513の表示開始)と同時に、説明表示517の表示を開始して、演出ボタン25を有効状態に切り替えて、演出ボタン25を点灯状態に切り替えているが、これに限定されない。
例えば図5-89(b)に示すように、作動中表示513の表示開始よりも後に、説明表示517の表示を開始してもよい。
すなわち、作動中表示513の表示を開始するタイミングと、説明表示517の表示の
開始するタイミングと、は同時でもよいし同時でなくてもよい。
また、作動中表示513の表示を開始するタイミングと、演出ボタン25を有効状態に
切り替えるタイミングと、は同時でもよいし同時でなくてもよい。
また、作動中表示513の表示を開始するタイミングと、演出ボタン25を点灯状態に
切り替えるタイミングと、は同時でもよいし同時でなくてもよい。
また、説明表示517の表示を開始するタイミングと、演出ボタン25を有効状態に切
り替えるタイミングと、は同時でもよいし同時でなくてもよい。
また、説明表示517の表示を開始するタイミングと、演出ボタン25を点灯状態に切
り替えるタイミングと、は同時でもよいし同時でなくてもよい。
また、演出ボタン25を有効状態に切り替えるタイミングと、演出ボタン25を点灯状
態に切り替えるタイミングと、は同時でもよいし同時でなくてもよい。
また、作動時ムービー514の表示が終了するタイミングと、作動中表示513の表示
を開始するタイミングと、は同時でもよいし同時でなくてもよい。
図5-90は、作動時ムービー514の表示中に演出ボタン25が有効状態である場合における、表示装置41における表示と、演出ボタン25と、の関係を例示する図である。
図5-89に示す例では、作動時ムービー514の表示中に演出ボタン25の操作が無効とされているが、これに限定されない。すなわち、図5-90に示すように、作動時ムービー514の表示中も、演出ボタン25の操作は有効とされてもよい。
作動時ムービー514の表示中に演出ボタン25が有効状態である場合には、図5-90(a),(b)に示すように、作動時ムービー514の表示中に、説明表示517を表示して、演出ボタン25を点灯状態とする。これにより、作動時ムービー514の表示中に、説明表示517と演出ボタン25の発光とによって、演出ボタン25を操作するよう促すことができる。
あるいは、図5-90(c)に示すように、作動時ムービー514の表示中に、演出ボタン25を点灯状態にして、説明表示517を表示しないようにしてもよい。これにより、作動時ムービー514の表示中に、演出ボタン25の発光によって演出ボタン25を操作するよう促すことができる。
あるいは、図5-90(d)に示すように、作動時ムービー514の表示中は、演出ボタン25が有効状態であっても、演出ボタン25を点灯状態にせず、説明表示517を表示しないようにしてもよい。
なお、図5-90(d)に示す例では、演出ボタン25を点灯状態に切り替えるタイミングを、作動中表示513の表示を開始するタイミングと同時にしているが、同時でなくてもよい。
また、図5-90(c),(d)に示す例では、説明表示517の表示を開始するタイミングを、作動中表示513の表示を開始するタイミングと同時にしているが、同時でなくてもよい。
また、図5-90(b),(c),(d)に示す例では、作動中表示513の表示を開始するタイミングを、作動時ムービー514の表示が終了するタイミングと同時にしているが、同時でなくてもよい。
作動時ムービー514の表示中に演出ボタン25が有効状態である場合であって、作動
時ムービー514の表示中に演出ボタン25が操作された場合には、作動時ムービー51
4の表示中にメニュー画面93を表示してもよいし、作動時ムービー514の終了後にメ
ニュー画面93を表示してもよい。作動時ムービー514の表示中に演出ボタン25が操
作されて、作動時ムービー514の終了後にメニュー画面93を表示する場合は、作動時
ムービー514の表示中における演出ボタン25の操作に対応して、所定の音を出力した
り、所定の表示を行ったりしてもよい。
図5-91は、安全装置の作動と、メニュー画面93と、の関係を例示する図である。
例えば図5-91(a)に示すように、メニュー画面93(開始時メニュー画面93a、終了時メニュー画面93b)の表示中に、安全装置が作動状態になった場合には、演出制御装置300は、作動中コマンドを受信したことに対応してメニュー画面93の表示を終了する。
あるいは、例えば図5-91(b)に示すように、メニュー画面93(開始時メニュー画面93a、終了時メニュー画面93b)の表示中に、安全装置が作動状態になった場合には、演出制御装置300は、作動中コマンドを受信したことに対応してメニュー画面93の表示を中断し、作動時ムービー514の終了(あるいは作動中表示513の表示開始)に対応してメニュー画面93の表示を再開するようにしてもよい。その際、メニュー画面93の表示再開時は作動状態中であるので、作動時ムービー514の終了に対応して表示されるメニュー画面93は、作動状態である場合に表示されるメニュー画面93(例えば「カスタマイズ」や「音量・光量」の表示態様が操作無効態様となっているメニュー画面93)となる。
なお、作動中コマンドを受信したことに対応してメニュー画面93の表示を中断する場
合には、演出ボタン25が操作されたことに対応してメニュー画面93の表示を再開する
ようにしてもよい。
また、作動時ムービー514の表示中もメニュー画面93の表示を継続してもよい。そ
の場合、表示装置41に表示するメニュー画面93を、作動中コマンドを受信したことに
対応して、作動状態でない場合に表示されるメニュー画面93から、作動状態である場合
に表示されるメニュー画面93へと切り替えてもよい。
図5-92~図5-94は、安全装置の作動と、メニュー画面93において選択された項目に対応する項目画面と、の関係を例示する図である。
例えば図5-92(a),(b)及び図5-94(a)に示すように、メニュー画面93において一の項目が選択されて、当該一の項目に対応する項目画面が表示されているときに、安全装置が作動状態になった場合には、演出制御装置300は、作動中コマンドを受信したことに対応して当該項目画面の表示を終了する。
図5-92(a),(b)及び図5-94(a)に示す例では、作動状態中に選択できる項目(作動後も有効な項目。ここでは「スマホ連動」「遊技説明」)が選択された場合も、作動状態中に選択できない項目(作動後は無効な項目。ここでは「カスタマイズ」「音量・光量」)が選択された場合と同様に、作動状態の開始とともに項目画面の表示が終了しているが、これに限定されない。
具体的には、例えば図5-93(a)及び図5-94(b)に示すように、作動状態中に選択できる項目(作動後も有効な項目)が選択されて、当該選択された項目に対応する項目画面が表示されているときに作動状態が発生した場合には、演出制御装置300は、作動中コマンドを受信したことに対応して当該項目画面の表示を中断し、作動時ムービー514の終了(あるいは作動中表示513の表示開始)に対応して当該項目画面の表示を再開してもよい。
あるいは、例えば図5-93(b)及び図5-94(c)に示すように、作動状態中に選択できる項目(作動後も有効な項目)が選択されて、当該選択された項目に対応する項目画面が表示されているときに作動状態が発生した場合には、演出制御装置300は、作動中コマンドを受信しても当該項目画面の表示を継続してもよい。
なお、図5-92(a)では、作動状態の発生前に、作動状態中に選択できない項目(作動後は無効な項目)である「カスタマイズ」が選択されて、項目画面としてカスタマイズ画面95が表示されている場合を例示しているが、「音量・光量」が選択された場合も同様である。
また、図5-92(b)、図5-93(a),(b)では、作動状態の発生前に、作動状態中に選択できる項目(作動後も有効な項目)である「遊技説明」が選択されて、項目画面として遊技説明画面96が表示されている場合を例示しているが、「スマホ連動」が選択された場合も同様である。
図5-95は、作動時ムービー514の表示中に表示するメニュー画面93を例示する図である。
作動中表示513の表示中、すなわち作動時ムービー514の終了後は、スピーカ19a,19bから出力可能な音声はエラー音のみとなる。これに対し、作動時ムービー514の表示中は、作動時ムービー用のBGM、効果音、エラーの発生を報知するエラー音等の各種音声をスピーカ19a,19bから出力可能である。したがって、演出制御装置300は、作動状態(遊技停止状態)であっても作動時ムービー514の表示中は、メイン処理(図5-71)のホール・遊技者設定モード処理(ステップS11)を実行して、演出用LEDや液晶(表示装置41等)の輝度やスピーカ19a,19bの音量を調整可能として、作動状態であっても作動時ムービー514の表示中は、音量・光量調整画面を表示可能としてもよい。また、作動時ムービー514の表示中にメニュー画面93を表示して、そのメニュー画面93において「音量・光量」を選択できるようにしてもよい。
具体的には、例えば、作動時ムービー514の表示中に演出ボタン25が操作された場合には、例えば図5-95(a)に示すように、「音量・光量」の表示態様が操作無効態様でなく通常態様(操作有効態様)である開始時メニュー画面93a(あるいは終了時メニュー画面93b)を表示し、当該「音量・光量」が選択された場合には音量・光量調整画面を表示するようにしてもよい。
また、作動時ムービー514の表示中は、カスタマイズ画面を表示可能として、作動時ムービー514の態様(BGMやキャラクタ等)を遊技者がカスタマイズできるようにしてもよい。具体的には、例えば、作動時ムービー514の表示中に演出ボタン25が操作された場合には、例えば図5-95(b)に示すように、「カスタマイズ」の表示態様が操作無効態様でなく通常態様である開始時メニュー画面93a(あるいは終了時メニュー画面93b)を表示し、当該「カスタマイズ」が選択された場合にはカスタマイズ画面95を表示するようにしてもよい。
また、作動時ムービー514の表示中に演出ボタン25が操作された場合には、例えば図5-95(c)に示すように、全ての項目の表示態様が通常態様である開始時メニュー画面93a(あるいは終了時メニュー画面93b)を表示してもよい。
なお、メニュー画面93やコード画面94において、カーソルが合った状態の項目の表
示態様は、他の項目よりも大きく表示する表示態様に限定されず、適宜変更可能であり、
例えば、他の項目とは異なる色で表示する表示態様でもよい。
また、操作無効態様で表示されている項目は、カーソルを合わせることはできるが、カ
ーソルを合わせた状態で演出ボタン25を操作しても当該操作が受け付けられないものに
限定されない。例えば、操作無効態様で表示されている項目は、カーソルを合わせること
すらできないものでもよい。
また、メニュー画面93を表示させるため(呼び出すため)に操作される操作手段は、
演出ボタン25に限定されず、例えば十字キースイッチ28でもよい。
また、メニュー画面93に表示されている複数の項目の中から一の項目を選択するため
に操作される操作手段は、タッチパネル25b及び演出ボタン25に限定されず、例えば
十字キースイッチ28でもよい。
また、メニュー画面93に設けられる項目は「カスタマイズ」と「スマホ連動」と「音
量・光量」と「遊技説明」と「戻る」に限定されない。例えば、安全装置の作動前も作動
後も選択可能(有効)な項目として「遊技履歴」等が設けられてもよいし、安全装置の作
動前は選択可能(有効)であるが作動後は選択不可(無効)な項目として「BGM」や「
オートボタン」等が設けられてもよい。
また、コード画面94に表示するコードは、QRコード(登録商標)等の二次元コード
に限定されず、例えばバーコード等の一次元コードでもよい。また、コード画面94に設
けられる項目は「連動終了・削除」と「戻る」に限定されない。
また、開始時メニュー画面93aにおける「スマホ連動」(スマホ連動 開始)と、終
了時メニュー画面93bにおける「スマホ連動」(スマホ連動 終了)と、で表示態様を
異ならせてもよい。具体的には、例えば、「スマホ連動 開始」の“開始”の文字色と、
「スマホ連動 終了」の“終了”の文字色と、を異ならせてもよい。これにより、遊技者
に、スマホ連動の開始か終了かを一目で認識させることが可能となる。
また、本実施形態では、メニュー画面93に列挙する項目として、作動状態でない場合
には選択できるが、作動状態である場合に選択できない項目(「カスタマイズ」や「音量
・光量」)を設けたが、逆に、作動状態でない場合には選択できないが、作動状態である
場合には選択できる項目も設けてもよい。
図5-96は、作動状態でない場合には選択できないが、作動状態である場合には選択できる項目が設けられたメニュー画面93を例示する図である。
例えば、安全装置が作動状態となったこと、すなわち安全装置カウンタ値がカウンタ基準値に達したことの記念に、遊技者が、作動中表示513(「打止中」)が表示されている画面(あるいは作動時ムービー514が表示されている画面)を撮影することが考えられる。よって、その撮影用の項目「記念撮影」をメニュー画面93に設けて、当該「記念撮影」が選択されたことに対応して、記念撮影用の画像(例えば遊技店の店名を示す画像、作動状態中専用の背景画像や動画等)を所定時間表示するようにしてもよい。
作動状態の発生前は、遊技者が遊技機10に対し記念撮影用の画像の表示を指示しても無駄になる可能性がある。したがって、作動状態である場合には、例えば図5-96(a)に示すように、メニュー画面93として、「記念撮影」の表示態様が通常態様(操作有効態様)である開始時メニュー画面93a(あるいは終了時メニュー画面93b)を表示する一方で、作動状態でない場合には、例えば図5-96(b)に示すように、メニュー画面93として、「記念撮影」の表示態様が操作無効態様(例えばグレー表示)である開始時メニュー画面93a(あるいは終了時メニュー画面93b)を表示して、当該「記念撮影」を選択できないようにしてもよい。
あるいは、作動状態の発生前であっても、作動警告状態である場合には、遊技者が遊技
機10に対し記念撮影用の画像の表示を指示しても無駄になる可能性が低い。したがって
、作動警告状態である場合には、メニュー画面93として、「記念撮影」の表示態様が通
常態様である開始時メニュー画面93a(あるいは終了時メニュー画面93b)を表示し
て、作動警告状態中に「記念撮影」が選択された場合には、作動状態の発生後に、作動時
ムービー514又は作動中表示513とともに、記念撮影用の画像を表示装置41に表示
するようにしてもよい。
また、作動状態の発生前であっても、作動予告状態である場合には、未作動状態である
場合に比べて、遊技者が遊技機10に対し記念撮影用の画像の表示を指示しても無駄にな
る可能性が低い。したがって、作動予告状態である場合には、メニュー画面93として、
「記念撮影」の表示態様が通常態様である開始時メニュー画面93a(あるいは終了時メ
ニュー画面93b)を表示して、作動予告状態中や作動警告状態中に「記念撮影」が選択
された場合には、作動状態の発生後に、作動時ムービー514又は作動中表示513とと
もに、記念撮影用の画像を表示装置41に表示するようにしてもよい。
なお、「記念撮影」が選択されたことに対応して、記念撮影用の画像を所定時間表示す
ることに加えて(あるいは替えて)、メーカ名表示516や説明表示517等を所定時間
非表示としてもよい。
〔停電復旧と作動中表示〕
図5-97は、停電復旧時に表示する作動中表示513を例示する図である。
前述したように、RAM異常による遊技停止時(ステップX25~X26)を除いて、電源投入すると無条件に安全装置情報(安全装置カウンタ値等)が初期化(クリア)される。
その一方で、RAM初期化時(RAMクリアを伴う電源投入時)には、安全装置作動中
フラグ領域を0クリアすることによって安全装置の作動は解除されるが、通常の電源投入
時(RAMクリアを伴わない電源投入時)には、安全装置作動中フラグ領域はクリアされ
ない。したがって、安全装置の作動中に停電が発生して復旧(通常の電源投入)した場合
には、復旧後も作動状態(遊技停止状態)となる。そのため、この場合には、停電復旧画
面の表示後に(あるいは停電復旧画面の表示中に、あるいは停電復旧画面に替えて)作動
中表示513(「打止中」)が表示される。
具体的には、通常の電源投入時の処理(ステップX44、ステップX48~X51)に
おいて、安全装置が作動中であると判定された場合には(ステップX50;Y)、安全装
置が作動中であることを示す安全装置作動中のコマンドが演出制御装置300へ送信され
る(ステップX51)。
そして、演出制御装置300は、安全装置作動中のコマンドを受信したことに対応して、作動時ムービー514を表示することなく、図5-97(a)に示すように、作動中表示513を表示する。この段階では、安全装置作動中フラグ領域がクリア(安全装置の作動が解除)されておらず、遊技停止状態であり、この遊技停止状態を解除するためには、ステップX44~X47のRAM初期化処理(RAMクリア処理)を行う必要がある。したがって、図5-97(a)に示すように、演出制御装置300は、安全装置作動中のコマンドを受信した場合には、作動中表示513を表示するが、実績表示515や説明表示517を表示しない。また、この場合には、演出ボタン25が操作されてもメニュー画面93を表示しなくてもよい。
このように、演出制御装置300は、作動状態中に停電復旧した時(安全装置作動中の
コマンドを受信した時)には、作動時ムービー514を表示することなく、作動中表示5
13を表示する(実績表示515や説明表示517は表示しない)態様で、作動状態(遊
技停止状態)であることをホール関係者等に報知する。
一方、作動状態の開始時(作動中コマンドを受信した時)には、作動時ムービー514
を表示した後に、作動中表示513や実績表示515や説明表示517を表示する態様で
、作動状態(遊技停止状態)であることをホール関係者等に報知する。
作動状態中に停電復旧した時と、作動状態の開始時と、で受信するコマンドが異なるの
で、演出制御装置300は、作動状態であることを報知する報知態様を、作動状態中に停
電復旧した時と、作動状態の開始時と、で異ならせることができる。そして、作動状態中
に停電復旧した時の報知態様を、作動状態の開始時の報知態様と異ならせることで、安全
装置情報がクリアされているにもかかわらず、安全装置が作動状態であることを示唆する
ことができる。
なお、作動状態中に停電復旧した時の報知態様は、作動状態の開始時の報知態様と異な
る態様であればよい。すなわち、作動状態中に停電復旧した時の報知態様は、作動時ムー
ビー514を表示した後に、作動中表示513を表示する(実績表示515や説明表示5
17は表示しない)態様でもよいし、作動時ムービー514を表示することなく、作動中
表示513や実績表示515や説明表示517を表示する態様でもよい。
また、演出制御装置300は、安全装置作動中のコマンドを受信したことに対応して、図5-97(b)に示すように、作動中表示513とともに、RAM初期化スイッチ112をオンするよう促す促進表示518(例えば「RAMクリアしてください」の文字)を表示してもよい。これにより、RAMクリアして安全装置の作動(遊技停止状態)を解除するようホール関係者等に促すことができる。
また、作動状態中に停電復旧した時に演出制御装置300へ送信されるコマンドと、作
動状態の開始時に演出制御装置300へ送信されるコマンドと、は同一のコマンドでもよ
い。具体的には、例えば、遊技制御装置100は、作動状態の開始時に作動中コマンドを
送信するとともに、作動状態中に停電復旧した時に安全装置作動中のコマンドに加えて(
あるいは替えて)作動中コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、作動状態中に
停電復旧した時の報知態様は、作動状態の開始時の報知態様と同じでもよいし異なっても
よい。
〔安全装置と外部情報〕
図5-98は、安全装置の作動と、セキュリティ信号及び外部情報と、の関係を例示するタイミングチャートである。
図5-59に示すように、安全装置が作動中である場合(ステップX519;Y)には、セキュリティ信号が外部装置へ出力される。
また、前述したように、大当り2信号は、大当り状態中と大当り状態に続く時短状態(大当りに起因する時短状態、第1特定遊技状態、第1時短状態)において長時間継続して外部装置に外部情報として出力される。
したがって、例えば図5-98に示すように、外部情報(大当り2信号等)の出力中に、安全装置の作動が開始した場合には、安全装置の作動中も当該外部情報の出力を継続してもよい。その際、安全装置の作動に基づくセキュリティ信号は、図5-98に示すように、当該外部情報に上乗せして出力してもよい。
なお、図5-98に示す例では、安全装置の作動に基づくセキュリティ信号を所定時間(例えば10秒間)外部装置に出力しているが、これに限定されない。例えば、安全装置が作動した際に1パルス(例:256ms)だけセキュリティ信号を外部装置に出力してもよいし、安全装置が作動中に継続的にセキュリティ信号を外部装置に出力してもよい。
また、外部情報の出力中に停電が発生した場合には、当該外部情報の出力を中断して、停電復旧後に再開してもよい。
〔安全装置と可動体の初期動作〕
演出制御装置300は、可動役物の動作を確認するために、遊技機の電源投入時に可動
役物の初期動作を行う。
前述したように、作動状態中の停電復旧時は遊技停止状態であり、この遊技停止状態を
解除するためには、RAM初期化を行う必要がある。RAM初期化時には可動役物の初期
動作が行われるので、作動状態中の停電復旧時に可動役物の初期動作を行うと、作動状態
中の停電復旧時と、RAM初期化時と、で2回初期動作を行うこととなり、無駄である。
したがって、電源投入時であっても作動状態中に停電復旧した時には、例外的に可動役物
の初期動作を行わないようにしてもよい。
図5-99は、初期動作設定処理を説明するフローチャートである。この初期動作設定処理は、例えば、演出制御装置300のメイン処理(図5-67)の可動体制御処理(ステップS23)において実行される。
初期動作設定処理において、演出制御装置300は、まず、RAM初期化時のコマンドを受信したか否か判定する(ステップS301)。RAM初期化時のコマンドは、メイン処理(図5-6)のステップX47で送信される。RAM初期化時のコマンドを受信した場合(ステップS301;Y)には、初期動作フラグをセーブして(ステップS304)、初期動作設定処理を終了する。
一方、RAM初期化時のコマンドを受信していない場合(ステップS301;N)には、停電復旧時のコマンドを受信したか否か判定する(ステップS302)。停電復旧時のコマンドは、メイン処理(図5-6)のステップX49で送信される。停電復旧時のコマンドを受信していない場合(ステップS302;N)には、初期動作設定処理を終了する。
一方、停電復旧時のコマンドを受信した場合(ステップS302;Y)には、安全装置作動中のコマンドを受信したか否か判定する(ステップS303)。安全装置作動中のコマンドは、メイン処理(図5-6)のステップX51で送信される。安全装置作動中のコマンドを受信した場合(ステップS303;Y)には、初期動作設定処理を終了する。
一方、安全装置作動中のコマンドを受信していない場合(ステップS303;N)には
、初期動作フラグをセーブして(ステップS304)、初期動作設定処理を終了する。
演出制御装置300は、初期動作設定処理の終了後、初期動作処理を実行する。この初
期動作処理では、初期動作フラグがセーブされている場合に、可動役物に初期動作を実行
させるための処理が行われる。したがって、初期動作設定処理において初期動作フラグが
セーブされなかった場合には、可動役物の初期動作が実行されない。
すなわち、RAM初期化時のコマンドを受信した場合(ステップS301;Y)には、
可動役物の初期動作が実行される。
また、停電復旧時のコマンドを受信して、安全装置作動中のコマンドを受信していない
場合(ステップS303;N)、すなわち、安全装置が作動していない状態で停電して復
旧した場合には、可動役物の初期動作が実行される。
一方、停電復旧時のコマンドを受信して、安全装置作動中のコマンドも受信した場合(
ステップS303;Y)、すなわち、安全装置が作動している状態で停電して復旧した場
合には、可動役物の初期動作が実行されない。
〔作動状態と節電状態〕
遊技機10は、遊技が行われていない状態で一定期間が経過した場合に節電状態(節電
モード)へ移行する。また、遊技機10は、作動状態中(遊技停止状態中)には、節電状
態へ移行しないようになっている。
演出制御装置300は、演出装置(表示装置41、スピーカ19a,19b、装飾装置
、可動役物等の演出系の装置)へ供給する電力を減らして、少ない消費電力で駆動するよ
うに制御する節電機能を有している。具体的には、例えば、遊技制御装置100から節電
状態の開始を示す節電開始コマンドを受信すると、節電機能がオンになり、各種演出装置
において消費される電力が減少する。一方、遊技制御装置100から節電状態の終了を示
す節電解除コマンドを受信すると、節電機能がオフになり、各種演出装置への電力の供給
量が通常の供給量に戻る。また、例えば、遊技制御装置100から作動中コマンドを受信
すると、節電機能がオンになり、各種演出装置において消費される電力が減少する。すな
わち、節電状態へ移行する時に節電機能がオンになり、作動状態へ移行する時にも節電機
能がオンになる。
消費電力は、節電状態でも作動状態でもない通常の状態>節電状態>作動状態の順番で
少なくなるように設定されている。すなわち、作動中コマンドを受信したことに対応して
節電機能がオンになった場合(作動状態に対応する節電機能がオンになった場合)におけ
る消費電力は、節電開始コマンドを受信したことに対応して節電機能がオンになった場合
(節電状態に対応する節電機能がオンになった場合)における消費電力よりも少なくなる
ように設定されている。
作動状態中は、遊技制御装置100は、当該遊技制御装置100が制御するLED(一
括表示装置50等)を全消灯する。また、前述したように、作動中コマンドを受信した演
出制御装置300は、当該演出制御装置300が制御するLED(演出用LED)を、全
て消灯するか(全消灯)又は全て点灯する(全点灯)。すなわち、作動状態中は、演出用
LEDが全消灯又は全点灯する。
また、節電状態中は、節電状態でも作動状態でもない通常の状態である場合よりも輝度
を低下させた状態で、演出用LEDの一部又は全てが点灯する。
したがって、作動状態中に演出用LEDが全消灯する場合には、作動状態における消費
電力は、節電状態における消費電力よりも少なくなる。
一方、作動状態中に演出用LEDが全点灯する場合には、作動状態における消費電力が
節電状態における消費電力よりも少なくなるように輝度を低下させた状態で、演出用LE
Dを全点灯させる。
このように、演出装置(特に演出用LED)の態様を、節電状態中と作動状態中とで異
ならせることで、節電状態と作動状態のいずれの状態であるのかを、ホール関係者や遊技
者が認識しやすくなる。また、作動状態(遊技停止状態)の方が、節電状態に比べて消費
電力が少ないので、安全装置が作動している遊技機10を見た者に「暗い」という印象を
与えて、一目で遊技停止状態であると認識させることができ、新たな遊技者(客)が当該
遊技機10を使用することを効果的に防止できる。
なお、節電状態における液晶(表示装置41等)の輝度を、節電状態でも作動状態でも
ない通常の状態における液晶(表示装置41等)よりも低下させてもよい。
また、作動状態における液晶(表示装置41等)の輝度を、節電状態でも作動状態でも
ない通常の状態における液晶(表示装置41等)よりも低下させてもよい。また、作動状
態における液晶(表示装置41等)の輝度を、節電状態における液晶(表示装置41等)
の輝度よりも低下させてもよい。
図5-100は、節電モード処理を説明するフローチャートである。この節電モード処理は、節電状態(節電モード)へ移行するための処理であり、例えば、特図普段処理(図5-22)において、特図2保留数が0であるとともに特図1保留数が0である場合(ステップA307;Y)に実行される。図5-22では、節電モード処理の図示を省略している。
節電モード処理において、遊技制御装置100は、まず、節電状態中フラグがセーブさ
れているか否か判定する(ステップA801)。節電状態中フラグがセーブされていない
場合(ステップA801;N)、すなわち節電状態(節電モード)でない場合には、安全
装置が作動中であるか否か判定する(ステップA802)。例えば、安全装置作動中フラ
グとして、安全装置が作動中であることを示す「1」が、安全装置作動中フラグ領域にセ
ーブされている場合に安全装置が作動中であると判定できる(安全装置作動中フラグ=1
)。安全装置が作動中である場合(ステップA802;Y)には、節電モード処理を終了
する。すなわち、作動状態中は、節電状態(節電モード)が発生しない。
一方、安全装置が作動中でない場合(ステップA802;N)には、普図ゲーム処理番
号をチェックして(ステップA803)、普図普段処理中であるか否か判定する(ステッ
プA804)。普図普段処理中でない場合(ステップA804;N)には、節電モード処
理を終了する。
一方、普図普段処理中である場合(ステップA805;Y)には、普図保留数が0かチ
ェックする(ステップA806)。普図保留数が0でない場合(ステップA806;N)
には、節電モード処理を終了する。
一方、普図保留数が0である場合(ステップA806;Y)には、遊技機10のエラー
状態に係る情報を取得して(ステップA807)、遊技機10がエラー状態でないか否か
判定する(ステップA808)。遊技機10がエラー状態である場合(ステップA808
;N)には、節電モード処理を終了する。
一方、遊技機10がエラー状態でない場合(ステップA808;Y)には、操作ハンド
ル24のタッチ検出信号をチェックして(ステップA809)、タッチの状態に変化があ
るか否か判定する(ステップA810)。操作ハンドル24のタッチの状態に変化がある
場合(ステップA810;Y)には、節電モード処理を終了する。
一方、操作ハンドル24のタッチの状態に変化がない場合(ステップA810;N)に
は、節電開始コマンドを準備して(ステップA811)、演出コマンド設定処理を行う(
ステップA812)。これにより、節電開始コマンドが演出制御装置300へ送信される

次いで、節電状態中フラグをセーブして(ステップA813)、節電モード処理を終了
する。これにより、節電状態でも作動状態でもない通常の状態から、節電状態(節電モー
ド)へ移行する。
なお、ステップA809及びA810の処理を複数回(例えば10分間)繰り返し行う
ようにしてもよい。具体的には、遊技機10がエラー状態でない(ステップA808;Y
)と判定した後にステップA809及びA810の処理を規定回数行って、操作ハンドル
24のタッチの状態に変化がない(ステップA810;N)と判定し続けた場合に、ステ
ップA811の処理に移行し、ステップA809及びA810の処理の実行回数が規定回
数に達する前に操作ハンドル24のタッチの状態に変化があった場合(ステップA810
;Y)には、節電モード処理を終了するようにしてもよい。
また、節電状態中フラグがセーブされている場合(ステップA801;Y)、すなわち
節電状態(節電モード)である場合には、操作ハンドル24のタッチ検出信号をチェック
して(ステップA814)、タッチの状態に変化があるか否か判定する(ステップA81
5)。操作ハンドル24のタッチの状態に変化がない場合(ステップA815;N)には
、節電モード処理を終了する。
一方、操作ハンドル24のタッチの状態に変化がある場合(ステップA815;Y)に
は、節電解除コマンドを準備して(ステップA816)、演出コマンド設定処理を行う(
ステップA817)。これにより、節電解除コマンドが演出制御装置300へ送信される

次いで、節電状態中フラグをクリアして(ステップA818)、節電モード処理を終了
する。これにより、節電状態(節電モード)から、節電状態でも作動状態でもない通常の
状態へ移行する。
図5-101は、節電機能設定処理を説明するフローチャートである。この節電機能設定処理は、演出制御装置300の節電機能をON/OFFするための処理であり、例えば、演出制御装置300のメイン処理(図5-67)の節電制御処理(ステップS16)において実行される。
節電機能設定処理において、演出制御装置300は、まず、節電機能ONフラグがセーブされているか否か判定する(ステップS401)。節電機能ONフラグがセーブされていない場合(ステップS401;N)、すなわち節電機能がオフである場合には、作動中コマンドを受信したか否か判定する(ステップS402)。
作動中コマンドを受信した場合(ステップS402;Y)には、節電機能ONフラグを
セーブし(ステップS403)、作動状態に対応する節電機能をオンして(ステップS4
04)、節電機能設定処理を終了する。これにより、各種演出装置への電力の供給量が、
作動状態時の供給量(<節電状態時の供給量)になる。
一方、作動中コマンドを受信していない場合(ステップS402;N)には、節電開始
コマンドを受信したか否か判定する(ステップS405)。
節電開始コマンドを受信していない場合(ステップS405;N)には、節電機能設定
処理を終了する。
一方、節電開始コマンドを受信した場合(ステップS405;Y)には、節電機能ON
フラグをセーブし(ステップS406)、節電状態に対応する節電機能をオンして(ステ
ップS407)、節電機能設定処理を終了する。これにより、各種演出装置への電力の供
給量が、節電状態時の供給量(<節電状態でも作動状態でもない通常の状態時の供給量)
になる。
また、節電機能ONフラグがセーブされている場合(ステップS401;Y)、すなわ
ち節電機能がオンである場合には、節電解除コマンドを受信したか否か判定する(ステッ
プS408)。
節電解除コマンドを受信していない場合(ステップS408;N)には、節電機能設定
処理を終了する。
一方、節電解除コマンドを受信した場合(ステップS408;Y)には、節電機能ON
フラグをクリアし(ステップS409)、節電機能をオフして(ステップS410)、節
電機能設定処理を終了する。これにより、各種演出装置への電力の供給量が通常の供給量
(節電状態でも作動状態でもない通常の状態時の供給量)に戻る。
図5-100(節電モード処理)に示すように、節電解除コマンドは、節電状態である場合(節電状態中フラグがセーブされている場合)にのみ送信可能であり、作動状態中には送信されない。したがって、節電解除コマンドの受信時は、節電状態に対応する節電機能はオン状態であるが、作動状態に対応する節電機能はオフ状態である。よって、ステップS410では、節電状態に対応する節電機能がオフされる。
なお、本実施形態において、節電状態中フラグや節電機能ONフラグは停電(電源遮断)によってクリアされることとするが、これに限定されない。
また、本実施形態において、演出制御装置300の節電機能は停電(電源遮断)によってオフされることとするが、これに限定されない。
[効果]
本実施形態の遊技機10は、遊技を実行可能な遊技機であって、所定条件の成立によっ
て、遊技を実行できない遊技不可状態(遊技停止状態、作動状態)を発生可能な遊技停止
手段(安全装置(遊技制御装置100))と、複数の項目を含むメニュー画面93を表示
装置41に表示可能な表示制御手段(演出制御装置300)と、を備え、遊技不可状態の
発生前に表示可能なメニュー画面93と、遊技不可状態で表示可能なメニュー画面93と
、は前記複数の項目が同じであり、前記複数の項目のうちいずれかは、遊技不可状態の発
生前に表示可能なメニュー画面93では選択可能であるが、遊技不可状態で表示可能なメ
ニュー画面93では選択不可である。
例えば、遊技不可状態の発生前は選択可能であるが、遊技不可状態では選択不可である
項目がある場合であって、遊技不可状態の発生前は当該項目が表示されているメニュー画
面を表示し、遊技不可状態では当該項目が表示されていないメニュー画面を表示する場合
には、遊技不可状態の発生前用のメニュー画面と、遊技不可状態用のメニュー画面と、を
作成する必要がある。
その一方で、本実施形態では、遊技不可状態の発生前は選択可能であるが、遊技不可状
態では選択不可である項目がある場合に、遊技不可状態の発生前と、遊技不可状態と、で
列挙された項目が同一のメニュー画面93を表示するので、遊技不可状態の発生前用のメ
ニュー画面と、遊技不可状態用のメニュー画面と、を作成する必要がなく、開発コストを
抑えることができる。
また、遊技不可状態で表示可能なメニュー画面93に、遊技不可状態で選択不可な項目
をあえて示すことで、遊技不可状態であることを遊技者に示唆することができる。特に遊
技の演出を設定するための項目(「カスタマイズ」や「音量・光量」等)を表示している
にもかかわらず選択できない状態にすることで、遊技不可状態であること、すなわち遊技
再開不可であることを遊技者に示唆することができる。したがって、メニュー画面93は
、項目を遊技者に提示するといった本来の機能だけでなく、遊技不可状態(遊技再開不可
)であるか否かを遊技者に示唆するといった機能も有する。
このように、本実施形態の遊技機10は、開発コストを抑えつつ、遊技不可状態中に当
該遊技不可状態において表示するのに適した効果的なメニュー画面93を表示することが
できる。
また、本実施形態の遊技機10は、遊技を実行可能な遊技機であって、所定条件の成立
によって、遊技を実行できない遊技不可状態(遊技停止状態、作動状態)を発生可能な遊
技停止手段(安全装置(遊技制御装置100))と、表示装置41を制御可能な表示制御
手段(演出制御装置300)と、を備え、表示制御手段は、遊技不可状態が発生したこと
に対応して、遊技不可状態の発生を報知する第1報知画像(作動時ムービー514)を表
示し、その後に、遊技不可状態の発生を報知する第2報知画像(作動中表示513)を表
示することが可能であるとともに、遊技者によって操作手段(演出ボタン25)が操作さ
れたことに対応して、メニュー画面93を表示することが可能であり、第1報知画像の表
示中は、操作手段の操作が無効となり、第2報知画像の表示中は、操作手段の操作が有効
となる。
したがって、第2報知画像の表示中はメニュー画面93を表示できるが、第1報知画像
の表示中はメニュー画面93を表示できない。したがって、遊技不可状態の発生を報知す
る第1報知画像及び第2報知画像のうち先に表示される第1報知画像の視認性が低下する
こと(メニュー画面93に邪魔されて見えにくくなること)を防止できるので、報知画像
によって遊技不可状態の発生を効果的に報知できる。
なお、第1報知画像は、ムービー(動画)に限定されず、静止画であってもよい。
また、安全装置が作動した場合には、例えば、その次の日に「昨日、安全装置が作動し
た」旨を報知する報知画像を表示装置41等に表示可能としてもよい。
また、本実施形態の遊技機10は、遊技を実行可能な遊技機であって、所定条件の成立
によって、遊技を実行できない遊技不可状態(遊技停止状態、作動状態)を発生可能な遊
技停止手段(安全装置(遊技制御装置100))と、メニュー画面93を表示装置41に
表示可能な表示制御手段(演出制御装置300)と、を備え、表示制御手段は、メニュー
画面93の表示中に遊技不可状態が発生した場合には、メニュー画面93の表示を強制終
了する。
すなわち、メニュー画面93の表示中に遊技不可状態が発生した場合には、メニュー画
面93の表示が強制終了するので、表示中のメニュー画面93を遊技者の意図しないタイ
ミングで非表示とすることができ、これにより、遊技不可状態が発生したことを遊技者に
示唆することができる。
また、例えば遊技不可状態の発生を報知する報知画像を表示する場合には、メニュー画
面93の表示が強制終了することにより、当該報知画像の視認性が低下すること(メニュ
ー画面93に邪魔されて見えにくくなること)を防止できるので、報知画像によって遊技
不可状態の発生を効果的に報知できる。
また、本実施形態の遊技機10において、表示制御手段は、遊技者によって操作手段(
演出ボタン25)が操作されたことに対応してメニュー画面93を表示し、メニュー画面
93の表示を強制終了した後に操作手段が操作された場合には、メニュー画面93を再表
示する。
したがって、遊技者は、遊技停止状態の発生中であっても、メニュー画面93を呼び出
すことができる。そして、例えばメニュー画面93を呼び出すことによってスマホ連動サ
ービスを利用できる場合には、遊技停止状態の発生中もスマホ連動サービスを利用して、
遊技履歴情報(遊技結果の履歴や遊技実績の履歴等)を外部サーバに保存できるので、遊
技の興趣が向上する。
なお、メニュー画面93の表示を強制終了してから所定時間が経過した後に、操作手段
の操作がなくてもメニュー画面93を再表示するようにしてもよい。
また、本実施形態の遊技機10において、遊技不可状態の発生前に表示されるメニュー
画面93と、遊技不可状態の発生後に表示されるメニュー画面93と、は同一の画面であ
るが、表示態様が異なる。
したがって、メニュー画面93の表示態様によって、遊技不可状態の発生前と、遊技不
可状態の発生後と、のいずれであるかを遊技者等に示唆することができる。
また、本実施形態の遊技機10は、遊技を実行可能な遊技機であって、所定条件の成立
によって、遊技を実行できない遊技不可状態(遊技停止状態、作動状態)を発生可能な遊
技停止手段(安全装置(遊技制御装置100))と、遊技不可状態の発生を報知可能な報
知手段(表示装置41)と、を備え、遊技不可状態の発生時と、遊技不可状態の発生中に
停電が発生して復旧した時と、で報知手段の報知態様が異なる。
したがって、報知手段の報知態様によって、遊技不可状態の発生時と、遊技不可状態の
発生中に停電が発生して復旧した時と、のいずれであるかを遊技者等に示唆することがで
きる。
なお、本実施形態では、表示装置41での表示によって、異なる報知態様で遊技不可状
態の発生を報知するようにしたが、これに限定されず、表示装置41以外の他の演出装置
によって、遊技不可状態の発生を報知するようにしてもよい。すなわち、遊技不可状態の
発生を報知可能な報知手段は、表示装置41に限定されず、表示装置41以外の他の演出
装置であってもよい。また、報知手段は、一の演出装置でも、複数の演出装置でもよい。
また、本実施形態の遊技機10は、遊技を実行可能な遊技機であって、所定条件の成立
によって、遊技を実行できない遊技不可状態(遊技停止状態、作動状態)を発生可能な遊
技停止手段(安全装置(遊技制御装置100))と、所定の演出動作を行う可動演出装置
(可動役物(可動体、盤演出装置44、枠演出装置等))と、を備え、可動演出装置は、
電源投入に基づき初期動作を行い、遊技不可状態の発生中に停電が発生して電源投入され
た場合には、例外的に初期動作を行わない。
遊技不可状態の発生中に停電が発生して電源投入(RAMクリアを伴わない電源投入)
された場合は、電源投入後も遊技不可状態であり、当該遊技不可状態を解除するためには
、再度電源投入(RAMクリアを伴う電源投入)を行う必要がある。再度電源投入した際
に可動演出装置の初期動作が行われるので、遊技不可状態の発生中に停電が発生して電源
投入された際に可動演出装置の初期動作を省略しても不都合は生じない。また、遊技不可
状態の発生中に停電が発生して電源投入された際に可動演出装置の初期動作を省略するこ
とで、遊技不可状態を解除するための処理を直ぐに行うことが可能となり、使い勝手が良
い。
また、本実施形態の遊技機10は、遊技を実行可能な遊技機であって、所定条件の成立
によって、遊技を実行できない遊技不可状態(遊技停止状態、作動状態)を発生可能な遊
技停止手段(安全装置(遊技制御装置100))を備え、節電状態(節電モード)を発生
可能であり、遊技不可状態の発生中における消費電力は、節電状態の発生中における消費
電力よりも少ない。
具体的には、演出装置(表示装置41、スピーカ19a,19b、装飾装置、可動役物
等)に供給される電力が減少する節電状態を発生可能であり、遊技不可状態の発生中は、
演出装置に供給される電力が減少し、遊技不可状態における消費電力は、節電状態におけ
る消費電力よりも少ない。
したがって、節電状態の発生中だけでなく、遊技不可状態の発生中も節電することがで
きる。
また、遊技不可状態と節電状態とで消費電力が異なるので、遊技機10全体の態様(例
えば発光態様)が遊技不可状態と節電状態とで異なることとなる。そのため、遊技機10
全体の態様によって、遊技不可状態と節電状態とのいずれであるかを遊技者等に示唆する
ことができる。
また、遊技不可状態の方が節電状態よりも消費電力が低いので、遊技不可状態が発生し
ている遊技機10を見た者に「暗い」という印象を与えて、一目で遊技不可状態であると
認識させることができ、新たな遊技者(客)が当該遊技機10を使用することを効果的に
防止できる。
本実施形態に係る遊技機10は、遊技を実行可能であり、所定条件(作動条件)の成立
によって、遊技を実行できない遊技不可状態(遊技停止状態、遊技禁止状態)を発生可能
な遊技停止手段(例えば安全装置)と、遊技不可状態において、遊技媒体の払い出しに関
するエラーを報知可能な報知手段(例えば、遊技制御装置100、演出制御装置300、
表示装置41等)と、を備える。
このような遊技機10では、差玉数やセーフ球数が大きい場合など所定条件の成立によ
って、遊技をできなくして適切な不正対策を行うことができ、また、差玉数やセーフ球数
を抑制することによって遊技者が遊技にのめり込むことも抑制できる可能性がある。また
、遊技を実行できない遊技不可状態でもエラーを報知可能にして、遊技者やホール関係者
等に不利益又は不都合が生じないようにしつつ、適切な不正対策を行うことができる。
また、本実施形態に係る遊技機10は、遊技を実行可能な遊技機において、所定条件(
作動条件)の成立によって、遊技を実行できない遊技不可状態(遊技停止状態、遊技禁止
状態)を発生可能な遊技停止手段(例えば安全装置)と、遊技不可状態となることを予告
する予告表示(例えば作動予告表示511)を表示手段(例えば表示装置41)に表示可
能な表示制御手段(例えば演出制御装置300)と、を備える。表示制御手段は、予告表
示の表示態様を遊技状態(例えば客待ち中、変動表示中)に応じて異ならせる。
このような遊技機10では、差玉数やセーフ球数が大きい場合など所定条件の成立によ
って、遊技をできなくして適切な不正対策を行うことができ、また、遊技者の遊技に対す
るのめり込みも抑制できる可能性がある。予告表示(例えば作動予告表示511)によっ
て遊技者に遊技をできなく可能性を事前に報知して、遊技者に遊技を終了させることを促
し、遊技者が意図せず不利益を受けることを防止できる。また、予告表示によって不正を
行っている者には驚きを与えて、不正を止めることを促すことができる。そして、予告表
示の表示態様を遊技状態(例えば客待ち中、変動表示中)に応じて異ならせて、効果的に
予告表示を行うことができる。
また、本実施形態に係る遊技機10は、遊技媒体を払い出し可能な払出制御手段(例え
ば払出制御装置200)と、所定期間に払い出された遊技媒体(遊技球)の数又は所定期
間に払い出されることが決定された遊技媒体の数である払出数(例えば所定期間の合計の
賞球数)を計数可能な第1計数手段(例えば遊技制御装置100の差玉確認処理)と、を
備える。また、遊技機10は、所定期間に使用された遊技媒体の数である使用数(例えば
発射球数又は排出球数)を計数可能な第2計数手段(例えば遊技制御装置100の差玉確
認処理やアウト球検出スイッチ74)を備える。さらに、遊技機10は、払出数と使用数
とに基づいた演算値(例えば安全装置カウンタ値又は差玉数)を演算可能な演算手段(例
えば遊技制御装置100の差玉確認処理)と、を備える。演算値が基準値(例えばカウン
タ基準値、差玉基準値)になった場合に、遊技停止手段(例えば安全装置)は所定条件(
作動条件)が成立したとして遊技不可状態を発生可能である。表示制御手段(例えば演出
制御装置300)は遊技不可状態であることを示す所定表示(例えば作動中表示513)
を表示手段に表示可能である。
このような遊技機10では、遊技媒体の払出数と遊技媒体の使用数(例えば発射球数又
は排出球数)とに基づいた演算値に基づいて、遊技不可状態を発生可能であり、遊技不可
状態であることを示す所定表示(例えば作動中表示513)を表示可能であるため、効果
的に不正対策を行うことができ、また、効果的に遊技者の遊技に対するのめり込みも抑制
できる。
また、本実施形態に係る遊技機10では、演算値(例えば安全装置カウンタ値又は差玉
数)が基準値よりも小さな所定値(予告開始値)になった場合に、表示制御手段は予告表
示(例えば作動予告表示511)を表示手段に表示可能である。したがって、効果的に遊
技不可状態となることを事前に予告できる。
また、本実施形態に係る遊技機10では、演算値(例えば安全装置カウンタ値又は差玉
数)が基準値になったが所定条件(作動条件)が成立しない場合に、表示制御手段(例え
ば演出制御装置300)は、所定表示(例えば作動中表示513)及び予告表示(例えば
作動予告表示511)とは異なる表示(例えば作動警告表示512)を表示手段に表示可
能である。したがって、遊技者に所定条件が成立した後(例えば小当り又は大当りの終了
後)に遊技停止状態になることを事前に報知して、不利益を受けることを遊技者に警告す
ることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 遊技機
12 前面枠
30 遊技盤
32 遊技領域
41 表示手段(表示装置)
300 遊技制御装置(遊技制御手段)

Claims (1)

  1. 所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、
    遊技に関する演出を表示手段に表示可能に制御する演出制御手段を備え、
    前記演出制御手段は、
    前記表示手段に第1画像を表示する第1演出態様から、前記表示手段に前記第1画像を表示せずに第2画像を表示する第2演出態様となるか否かを示唆する示唆演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
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