JP2023149060A - スケールファクタ推定装置、スケールファクタ推定方法、及びスケールファクタ推定プログラム - Google Patents

スケールファクタ推定装置、スケールファクタ推定方法、及びスケールファクタ推定プログラム Download PDF

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朗 宮島
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Abstract

【課題】慣性計測装置のスケールファクタを補正する。
【解決手段】車体に搭載されたIMUの出力に基づいて、車体のヨー方向の方位角変化量を算出する方位角変化量算出部46と、車体に所定以上の距離を隔てて設置され、衛星からの測位情報を各々取得可能な第1アンテナ、及び第2アンテナの差分情報から車体のヨー方向の方位角変化量を算出するGNSS方位角変化量算出部42と、方位角変化量算出部46で算出した方位角変化量に対し、GNSS方位角変化量算出部42で算出した方位角変化量を参照することによりIMUのスケールファクタを推定すると共に、推定したスケールファクタに基づいてIMUの出力を補正するスケールファクタ推定部48と、を含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、ジャイロを利用したIMU(Inertial Measurement Unit)等の慣性計測装置のスケールファクタ推定装置、スケールファクタ推定方法、及びスケールファクタ推定プログラムに関する。
慣性計測装置に用いられるジャイロの出力には誤差が含まれるが、主要な誤差として、(1)ゼロ点誤差、又はオフセット誤差とも呼ばれるバイアス誤差 、(2)スケールファクタ誤差、(3)線形性(リニアリティ)、(4)雑音成分等が挙げられる。
図11は、ジャイロの出力に含まれる誤差を示した概略図である。図11には、誤差を含まないジャイロ出力を示す真値120と、バイアス誤差及びスケールファクタ誤差を含んだジャイロ出力122と、バイアス誤差を補正したものの、スケールファクタ誤差を含むバイアス誤差補正後ジャイロ出力124とが各々示されている。
バイアス誤差は、縦軸に対する切片126として示される。かかるバイアス誤差は、慣性計測装置を搭載した車体が静止状態の場合に、ジャイロ出力122が示す角速度が0となる様に補正すればよいため、比較的容易に検出及び補正が可能である。特に、図11の横軸で示した角速度が小さい場合には、バイアス誤差は、ほぼ一定値のオフセット性の誤差となる。そこで、GNSS(Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム)等を用いて取得した方位情報を参照することで、車両が略直進走行中、すなわちヨー方向の角速度であるヨーレートが小さい場合にバイアス誤差を補正することが従来から行われている。
スケールファクタ誤差(以下、「スケールファクタ」と略記)128は、バイアス誤差補正後ジャイロ出力124が示すように、バイアス誤差を補正した後で、真値120に対して傾きがずれる誤差である。
図11に示したように、真値120を示す直線も、スケールファクタ128を含むバイアス誤差補正後ジャイロ出力124を示す直線も、共に原点Oを通るので、スケールファクタ128は、角速度が小さい場合には小さくなり、角速度が大きい場合に顕著になるという性質がある。
従って、スケールファクタ128は、角速度がある閾値以上となる旋回時に、外部の方位角情報、又は方位角速度情報を参照することで、効果的に検出及び補正が可能となる。
特許文献1には、旋回角センサ(ヨーレートジャイロ)による旋回角と、左右の車輪速から求めた旋回角(第1旋回角)又はGNSSを用いて算出した旋回角(第2旋回角)のいずれかを用いてジャイロ出力のスケールファクタを推定し補正する方位検出装置の発明が開示されている。
特許6495609号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、左右の車輪速から旋回角を求める場合、タイヤがスリップすると旋回角の推定に誤差が発生するという問題がある。また、GNSSによって得られる観測量に基づいて、第2旋回角及びその精度を算出することになっているが、どの様に旋回角を算出するかについての詳細な記載がなく、結果的にスケールファクタを的確に推定し補正することが困難であるという問題がある。
本発明は、上記事情を鑑みて成されたものであり、慣性計測装置のスケールファクタを補正できるスケールファクタ推定装置、スケールファクタ推定方法、及びスケールファクタ推定プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係るスケールファクタ推定装置は、車体に搭載された慣性計測装置の出力に基づいて、前記車体のヨー方向の方位角変化量を算出する慣性方位角変化量算出部と、前記車体に所定以上の距離を隔てて設置され、衛星からの測位情報を各々取得可能な第1アンテナ、及び第2アンテナの差分情報から前記車体のヨー方向の方位角変化量を算出する衛星測位方位角変化量算出部と、前記慣性方位角変化量算出部で算出した方位角変化量に対し、前記衛星測位方位角変化量算出部で算出した方位角変化量を参照することにより前記慣性計測装置のスケールファクタを推定すると共に、推定したスケールファクタに基づいて前記慣性計測装置の出力を補正するスケールファクタ推定部と、を含む。
請求項2に係るスケールファクタ推定装置は、前記慣性計測装置が出力したヨー方向の方位角速度が所定の閾値以上の場合に前記車体が旋回中であると判定する旋回状態判定部をさらに含み、前記スケールファクタ推定部は、前記旋回状態判定部が、前記車体が旋回中と判定した際に前記慣性方位角変化量算出部、及び前記衛星測位方位角変化量算出部の各々で算出された前記車体のヨー方向の方位角変化量に基づいて前記慣性計測装置のスケールファクタを推定する。
請求項3に係るスケールファクタ推定装置は、衛星測位方位角変化量算出部は、前記第1アンテナと前記第2アンテナとの間の相対測位の結果から所定の時間間隔で推定した前記車体のヨー方向の方位角に基づいて方位角変化量を算出し、前記慣性方位角変化量算出部は、前記慣性計測装置が出力した前記車体のヨー方向の方位角速度を、前記所定の時間間隔で積分することにより方位角変化量を算出する。
請求項4に係るスケールファクタ推定装置は、衛星測位方位角変化量算出部は、前記第1アンテナと前記第2アンテナとの間の相対速度ベクトルに基づいて前記車体のヨー方向の方位角変化量である方位角速度を算出し、前記慣性方位角変化量算出部は、前記慣性計測装置が出力した前記車体のヨー方向の方位角速度を方位角変化量として出力する。
請求項5に係るスケールファクタ推定装置は、前記スケールファクタ推定部は、前記旋回状態判定部が、前記車体が旋回中と判定した際に、前記衛星測位方位角変化量算出部が算出した方位角変化量に対する前記慣性方位角変化量算出部が算出した方位角変化量の比から前記スケールファクタを推定する。
請求項6に係るスケールファクタ推定装置は、前記スケールファクタ推定部は、前記旋回状態判定部が、前記車体が旋回を開始したと判定した時から、前記慣性方位角変化量算出部、及び前記衛星測位方位角変化量算出部のいずれかによる前記車体のヨー方向の方位角変化量に基づいて得られた前記車体の方位角の変化が所定の方位角変化量閾値を超えた場合に、前記慣性方位角変化量算出部、及び前記衛星測位方位角変化量算出部の各々で算出された前記車体のヨー方向の方位角変化量に基づいて前記慣性計測装置のスケールファクタを推定する。
上記目的を達成するために、請求項7に係るスケールファクタ推定方法は、車体に搭載された慣性計測装置の出力に基づいて、前記車体のヨー方向の方位角変化量を算出する慣性方位角変化量算出工程と、前記車体に所定以上の距離を隔てて設置され、衛星からの測位情報を各々取得可能な第1アンテナ、及び第2アンテナの間の差分情報から前記車体のヨー方向の方位角変化量を算出する衛星測位方位角変化量算出工程と、前記慣性方位角変化量算出工程で算出した方位角変化量に対し、前記衛星測位方位角変化量算出工程で算出した方位角変化量を参照することにより前記慣性計測装置のスケールファクタを推定すると共に、推定したスケールファクタに基づいて前記慣性計測装置の出力を補正するスケールファクタ推定工程と、を含む。
上記目的を達成するために、請求項8に係るスケールファクタ推定プログラムは、コンピュータを、車体に搭載された慣性計測装置の出力に基づいて、前記車体のヨー方向の方位角変化量を算出する慣性方位角変化量算出部、前記車体に所定以上の距離を隔てて設置され、衛星からの測位情報を各々取得可能な第1アンテナ、及び第2アンテナの間の差分情報から前記車体のヨー方向の方位角変化量を算出する衛星測位方位角変化量算出部、及び前記慣性方位角変化量算出部で算出した方位角変化量に対し、前記衛星測位方位角変化量算出部で算出した方位角変化量を参照することにより前記慣性計測装置のスケールファクタを推定すると共に、推定したスケールファクタに基づいて前記慣性計測装置の出力を補正するスケールファクタ推定部として機能させる。
本発明のスケールファクタ推定装置、スケールファクタ推定方法、及びスケールファクタ推定プログラムによれば、慣性計測装置のスケールファクタを補正できる。
本発明の第1実施形態に係るスケールファクタ推定装置の構成の一例を示したブロック図である。 本発明の第1実施形態における第1GNSSアンテナ及び第2GNSSアンテナの配置の一例を示した概略図である。 本発明の第1実施形態に係るスケールファクタ推定装置の演算装置の具体的な構成の一例を示すブロック図である。 (A)は、右旋回中の車体において、第1GNSSアンテナ及び第2GNSSアンテナの各々の位置の移動方向を示した概略図であり、(B)は、車体の例えば重心位置、第1GNSSアンテナ及び第2GNSSアンテナの各々の方位角の変化の一例を示した概略図である。 本発明の第1実施形態に係るスケールファクタ推定装置の処理の流れの概略を示したブロック図である。 本発明の第1実施形態に係るスケールファクタ推定装置の処理の一例を示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るスケールファクタ推定装置の演算装置の具体的な構成の一例を示すブロック図である。 (A)は、右旋回中の車体において、第1GNSSアンテナ及び第2GNSSアンテナの各々の配置と、第1GNSSアンテナ及び第2GNSSアンテナの各々の速度ベクトルの一例を示した概略図であり、(B)は、相対速度ベクトルとアンテナ間基線ベクトルとの関係を示した説明図である。 本発明の第2実施形態に係るスケールファクタ推定装置の処理の流れの概略を示したブロック図である。 本発明の第2実施形態に係るスケールファクタ推定装置の処理の一例を示したフローチャートである。 ジャイロの出力に含まれる誤差を示した概略図である。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るスケールファクタ推定装置10の構成の一例を示したブロック図である。スケールファクタ推定装置10は、演算装置14の演算に必要なデータ及び演算装置14による演算結果を記憶する記憶装置18と、撮像装置22が取得した画像データから道路の白線等の情報を抽出する画像情報処理部20と、画像情報処理部20が抽出した情報、車速センサ24が検出した車体の前後速度、3軸のジャイロと3方向の加速度計によって、3次元の角速度と加速度とが検出可能なIMU26が検出した車体の方位角の角速度及び加速度、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々で衛星から受信したGNSSの情報、並びに地図情報データベース34に格納された地図情報が各々入力される入力装置12と、入力装置12から入力された入力データ及び記憶装置18に記憶されたデータに基づいてIMU26が出力する角速度の誤差を補正する演算を行なうコンピュータ等で構成された演算装置14と、車体200の外界との無線通信が可能なV2X通信部36と、演算装置14による演算結果等を表示可能なCRT又はLCD等で構成された表示装置16と、で構成されている。
本実施形態に係る撮像装置22は車載カメラ等であり、一例として、撮影により取得した車両周辺の画像情報を解析して走路の白線、及び建造物等をエッジとして検出する。IMU26は、走行時の車両の挙動を示す3軸の角速度(ピッチレート、ロールレート、ヨーレート)と3軸の加速度(前後加速度、横加速度、上下加速度)とが検出可能な慣性計測装置である。
図2は、本実施形態における第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の配置の一例を示した概略図である。
図2に示したように、本実施形態では、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の差分情報を取得可能なように、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々を、所定以上の距離を隔てて、車体200の前後方向であるX軸方向に平行して配置している。一般に2つのアンテナ間距離を長く取るほど、方位角の推定精度が向上するので、第1GNSSアンテナ28と第2GNSSアンテナ30との間の所定以上の距離は、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の基線長を可能な限り長くするために、例えば、車体200のルーフの前端から後端までの距離に近い値である。具体的に所定以上の距離は、少なくとも50cm以上あることが好ましい。本実施形態では、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々を車体200の前後方向であるX軸方向に平行して配置することは必須ではない。従って、例えば、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々をルーフの対角線上に配置してもよい。かかる配置であれば、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々を車体200の前後方向であるX軸方向に平行して配置する場合よりも、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の基線長を、より長くすることができる。後述するように、本実施形態では、ある同時刻の第1GNSSアンテナ28と第2GNSSアンテナ30との差分情報を用いることから、車両速度、又は車体200の進行方向に依存せずに、車体200の方位角情報を精度よく取得することが可能となる。第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30で取得した情報に基づく方位角変化量の推定の詳細については後述する。
図3は、演算装置14の具体的な構成の一例を示すブロック図である。演算装置14は、一種のコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)14B、ROM(Read Only Memory)14A、RAM(Random Access Memory)14C、及び入出力ポート14Dを備える。
演算装置14では、CPU14B、ROM14A、RAM14C、及び入出力ポート14Dがアドレスバス、データバス、及び制御バス等の各種バスを介して互いに接続されている。入出力ポート14Dには、各種の入出力機器として、入力装置12、ハードディスク(HDD)等である記憶装置18、表示装置16、及びV2X通信部36等が各々接続されている。
記憶装置18には、スケールファクタの推定のためのスケールファクタ推定プログラムがインストールされている。本実施形態では、CPU14Bがスケールファクタ推定プログラムを実行することにより、スケールファクタ推定を実行する。また、CPU14Bは、スケールファクタ推定プログラムによる処理結果を表示装置16に表示させる。なお、本実施形態のスケールファクタ推定プログラムを演算装置14にインストールするには、幾つかの方法があるが、例えば、スケールファクタ推定プログラムをセットアッププログラムと共にCD-ROMやDVD等に記憶しておき、入出力装置であるディスクドライブ等にディスクをセットし、CPU14Bに対してセットアッププログラムを実行することにより記憶装置18にスケールファクタ推定プログラムをインストールする。または、公衆電話回線又はネットワークを介して演算装置14と接続される他の情報処理機器と通信することで、記憶装置18にスケールファクタ推定プログラムをインストールするようにしてもよい。
次に、演算装置14のCPU14Bがスケールファクタ推定プログラムを実行することで実現される各種機能について説明する。スケールファクタ推定プログラムは、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の相対測位結果から車体200の方位角を推定するGNSS方位角推定機能、推定した方位角の情報を所定の時間間隔で得ることで方位角変化量を算出するGNSS方位角変化量算出機能、IMU26が備えるヨーレートジャイロの出力に基づいて車体200の旋回状態を判定する旋回状態判定機能、ヨーレートジャイロの出力に基づいて車体200の方位角変化量を算出する方位角変化量算出機能、及びGNSSを用いて算出した方位角変化量と、ヨーレートジャイロの出力に基づいて算出した方位角変化量とを比較してスケールファクタを推定するスケールファクタ推定機能として機能させる。CPU14Bは、スケールファクタ推定プログラムを実行することにより、GNSS方位角推定部40、GNSS方位角変化量算出部42、旋回状態判定部44、方位角変化量算出部46及びスケールファクタ推定部48として機能する。
図4(A)は、右旋回中の車体200において、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々の位置の移動方向を示した概略図であり、図4(B)は、車体200の例えば重心位置、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々の方位角の変化の一例を示した概略図である。図4(B)には、車体200の方位角を示す車体方位角110、第1GNSSアンテナ28の方位角を示す第1GNSSアンテナ方位角112、及び第2GNSSアンテナ30の方位角を示す第2GNSSアンテナ方位角114の各々が示されている。
図4(A)に示したように、右旋回における第1GNSSアンテナ28は第1速度ベクトル70で示したような、第2GNSSアンテナ30は第2速度ベクトル72で示したような、各々異なる方向に進行する。その結果、図4(B)において、車体200が右旋回を開始すると、第2GNSSアンテナ方位角114は、車体方位角110、及び第1GNSSアンテナ方位角112に先行して変化し、次いで車体方位角110と、第1GNSSアンテナ方位角112との順で変化する。第2GNSSアンテナ方位角114は、車体200が右旋回を終了する前に変化が止まり、次いで車体方位角110と、第1GNSSアンテナ方位角112との順で変化が止まる。
図4(A)、及び図4(B)に示したように、GNSSによる方位推定では、車体200の旋回中に、車体方位角110に対して第1GNSSアンテナ方位角112及び第2GNSSアンテナ方位角114の各々が示す方位角がずれる現象が生じる。このような方位角のずれの大きさは、車体200の速度や旋回半径の変化に伴って変動する。従って、GNSSのアンテナが1本だけでは、精度よく車体200の方位角変化(旋回角)を推定することが困難となる。
しかしながら、本実施形態のように、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々を用いた相対測位では、図4(A)、及び図4(B)に示したようなアンテナの設置位置に依存して発生するアンテナの進行方向の方位ずれの影響を受けないので、車体200の方位角を精度よく算出することができる。
図5は、本実施形態に係るスケールファクタ推定装置10の処理の流れの概略を示したブロック図である。ブロックB100では、第1GNSSアンテナ28で受信した情報を入力装置12に含まれる第1GNSS受信機で、ブロックB102では、第2GNSSアンテナ30で受信した情報を入力装置12に含まれる第2GNSS受信機で、各々取得する。
ブロックB104では、GNSS方位角推定部40において、第1GNSS受信機と第2GNSS受信機との各々で取得した情報に基づいて車体200の方位角を推定する。
ブロックB104では、ある同時刻における第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の間の差分情報を用いる相対測位により、車体200の方位角を推定する。ブロックB104で相対測位結果を得るには、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々で個別に同時刻の測位結果を求めて差分を取ってもよい。また、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の間の疑似距離情報の差分を用いるD-GNSS(Differential Global Navigation Satellite System)又は搬送波位相情報の差分を用いるMB-RTK(Moving Base Real Time Kinematic)等の技術を用いて、相対測位演算を行い、相対測位結果を求めてもよい。かかる相対測位結果から車体200の方位角情報を取得することができる。
ブロックB106では、ブロックB104において、所定の時間間隔で推定した方位角の情報を得ることで方位角変化量を求める。スケールファクタは、ある程度ヨーレートの値が大きくなる旋回中でなければ精度よく検出できないので、ブロックB106での方位角変化量算出は、後述するブロックB110に示した旋回状態判定部44での判定結果に従って実行する。
ブロックB108では、ヨーレートジャイロの出力が入力される。ブロックB108で入力されるヨーレートジャイロの出力は、バイアス誤差が予め補正されている。
ブロックB110では、旋回状態判定部44において、ヨーレートジャイロが出力したヨーレートが所定の閾値以上であるか否かを判定する。ヨーレートの閾値は、設計段階でのシミュレーション、又は実車を用いた実験を通じて具体的に決定する。ブロックB110での判定結果は、ブロックB106とブロックB112とに出力される。
ブロックB112では、方位角変化量算出部46において、ヨーレートジャイロが出力したヨーレートに基づいて車体200の方位角の変化量を推定する。ヨーレートジャイロの出力が示す瞬時での方位角の変化量はヨーレートそのものであるが、当該ヨーレートを、所定の時間間隔で積分すれば、車体200の方位角の変化量を算出できる。ブロックB112における所定の時間間隔は、ブロックB106における所定の時間間隔と同一である。
ブロックB114では、スケールファクタ推定部48において、ヨーレートジャイロによる方位角変化量とGNSSの相対測位に基づく方位角変化量とを比較して、スケールファクタを補正する。スケールファクタは、ヨーレートの値に係数として係るため、例えば、参照値であるGNSSの相対測位に基づく方位角変化量に対するヨーレートジャイロによる方位角変化量の比を算出することで推定し、推定したスケールファクタでIMU26の出力を補正する。
図6は、本実施形態に係るスケールファクタ推定装置10の処理の一例を示したフローチャートである。ステップS100では、ヨーレートジャイロのバイアス誤差を推定し、推定したバイアス誤差でヨーレートジャイロの出力を補正する。バイアス誤差は、IMU26を搭載した車体200が静止状態の場合に、ヨーレートジャイロが示す角速度が0となる様に補正すればよい。より具体的には、GNSS等を用いて取得した方位情報を参照して車両が略直進走行中であると推定される場合に、IMU26が出力したヨーレートをバイアス誤差として検出し、検出したバイアス誤差でIMU26の出力を補正する。
ステップS102では、車体200が旋回を開始したか否かを判定する。車体200が旋回を開始すると、IMU26のヨーレートジャイロが出力したヨーレートが変化するので、ヨーレートジャイロが出力したヨーレートが所定の閾値以上の場合に、車体200が旋回を開始したと判定する。判定に用いるヨーレートは、GNSS等を用いて取得した車体200の方位角の微分値でもよい。ステップS102で、車体200が旋回を開始したと判定した場合は手順をステップS104に移行し、車体200が旋回を開始していないと判定した場合は車体200が旋回を開始したか否かの判定を継続する。
ステップS104では、ヨーレートジャイロの出力に基づいて、車体200の方位角変化量を推定するヨーレートジャイロ方位角変化量推定を行う。ステップS104では、ヨーレートジャイロが出力したヨーレートを、所定の時間間隔で積分することにより、車体200の方位角の変化量を算出する。
ステップS106では、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々で取得した情報に基づいて車体200の方位角を推定すると共に、当該方位角の変化量を算出する。具体的には、ある同時刻における第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の間の差分情報を用いる相対測位により、車体200の方位角を推定する。相対測位結果は、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々で個別に同時刻の測位結果を求めて差分を取ってもよい。さらには、第1GNSSアンテナ28で取得した情報、及び第2GNSSアンテナ30で取得した情報の差分を取ることで、両者で共通する誤差を相殺することにより高精度な測位を行うD-GNSS、又は第1GNSSアンテナ28と第2GNSSアンテナ30との間における搬送波の位相差から算出した搬送波の行路差に基づいて測位を行うMB-RTK等の技術を用いて、相対測位演算を行い、相対測位結果を求めてもよい。第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の間の距離は変化しないので、当該距離を拘束条件とすることで、方位角の推定精度を向上させることができる。ステップS106では、かかる相対測位結果から車体200の方位角を算出すると共に、所定の時間間隔で推定した方位角の差分から車体200の方位角変化量を求める。
ステップS108では、ヨーレートジャイロによる方位角変化量とGNSSの相対測位に基づく方位角変化量とを比較して、スケールファクタを補正する。前述のように、スケールファクタは、ヨーレートの値に係数として係るため、GNSSの相対測位に基づく方位角変化量とヨーレートジャイロによる方位角変化量との比を算出することで推定できる。そして、推定したスケールファクタでIMU26の出力を補正する。
ステップS110では、車体200が旋回を終了したか否かを判定する。具体的には、ヨーレートジャイロが出力したヨーレートが前述の所定の閾値未満の場合に、車体200が旋回を終了したと判定する。判定に用いるヨーレートは、GNSS等を用いて取得した車体200の方位角の微分値でもよい。ステップS110で、車体200の旋回状態が継続していると判定した場合は、手順をステップS104に移行し、再度、方位角変化量の推定およびスケールファクタの補正を継続する。ステップS110で、車体200の旋回状態が終了したと判定した場合は、スケールファクタ誤差の補正の処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係るスケールファクタ推定装置10によれば、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の2つのGNSSアンテナと、当該アンテナに対応した受信機とを用いることにより、相対測位が可能となり、スケールファクタ補正のために参照する方位角変化量の推定精度が向上する。
GNSSの相対測位による方位角の推定は、急旋回等による車輪のスリップの影響、又は車体200に対する横滑り角の影響を受けない点によっても、方位角の推定精度が高水準で担保される。
本実施形態に係るスケールファクタ推定装置10によれば、スケールファクタ補正のために参照する方位角変化量を高精度で推定できることにより、IMU26が含むヨーレートジャイロのスケールファクタをより精度良く推定し、補正することができ、車体200の方位推定精度を改善することができる。
[第2実施形態]
続いて本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態に係るスケールファクタ推定装置の構成は、第1実施形態のスケールファクタ推定装置10と同様なので、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
前述のように、第1実施形態では、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の2つのGNSSアンテナを用いた相対測位によって推定した方位角変化量でヨーレートジャイロのスケールファクタを補正した。
本実施形態では、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々の相対速度ベクトルに基づいて算出した方位角速度を用いてヨーレートジャイロのスケールファクタを補正する。
図7は、本実施形態における演算装置14の具体的な構成の一例を示すブロック図である。本実施形態では、CPU14Bが第1実施形態と異なるスケールファクタ推定プログラムを実行することにより、第1実施形態と異なる態様でヨーレートジャイロのスケールファクタを補正するので、以下、CPU14Bが本実施形態に係るスケールファクタ推定プログラムを実行することで実現される各種機能について説明する。本実施形態に係るスケールファクタ推定プログラムは、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々相対速度ベクトルに基づいて車体200の方位角速度を推定するGNSS方位角速度推定機能、IMU26が備えるヨーレートジャイロの出力に基づいて車体200の旋回状態を判定する旋回状態判定機能、及びGNSSを用いて算出した方位角速度と、ヨーレートジャイロの出力とを比較してスケールファクタを推定するスケールファクタ推定機能として機能させる。CPU14Bは、スケールファクタ推定プログラムを実行することにより、GNSS方位角速度推定部140、旋回状態判定部142及びスケールファクタ推定部144として機能する。
図8(A)は、右旋回中の車体200において、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々の配置と、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々の速度ベクトルの一例を示した概略図であり、図8(B)は、相対速度ベクトルとアンテナ間基線ベクトルとの関係を示した説明図である。
2つのGNSSアンテナを使用した方位角速度(ヨーレート)の推定では、過去には、GNSSのドップラーシフトを用いてGNSSアンテナの速度ベクトルを求めることが試みられてきた。
本実施形態では、2つのGNSSアンテナ位置における速度ベクトルの差分、又はドップラーシフトの差分から推定した相対速度ベクトルから車体200のヨーレートを推定する。
本実施形態では、簡略化のために、水平面内での旋回運動を考え、以下に示すベクトルが東西南北の座標系で求められるとする。
図8(A)に示すように、車体200が右旋回している場合に、第1GNSSアンテナ28と第2GNSSアンテナ30との間の相対位置である基線ベクトル74、第1GNSSアンテナ28の速度ベクトルである第1速度ベクトル70、第2GNSSアンテナ30の速度ベクトルである第2速度ベクトル72、及び相対速度ベクトル76の各々を下記のように設定する。
ここで、車体200を剛体とすると方位角速度ωの大きさは、下記の式(1)のようになる。
・・・(1)
また、相対速度ベクトル76の向きは、基線ベクトル74、及び回転軸ベクトルと互いに直交する方向となる。本実施形態では、水平面内での旋回を考えているため回転軸ベクトルは、鉛直方向ベクトルとなる。
本実施形態では、上記の式(1)で算出した方位角速度ωを参照して、IMU26が含むヨーレートジャイロのスケールファクタを補正する。
図8(A)では、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々の配置が車体200の長手方向に対して平行な場合を示したが、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30は、車体200の長手方向に対して斜め方向、又は車体200の長手方向に直交する左右方向に各々配置してもよい。かかる態様で第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々を配置しても、アンテナ間の基線ベクトル74の方向が変わるだけで、上述した各々のベクトル、及び方位角速度ωの関係は成立するからである。
本実施形態では、簡略化のため、水平面内での旋回運動を説明したが、路面又は車体200が傾いている場合、旋回中の姿勢変化に対応する傾いた回転軸ベクトルを考慮すれば、上述した各々のベクトル、及び方位角速度ωの関係は同様に成立する。
図9は、本実施形態に係るスケールファクタ推定装置10の処理の流れの概略を示したブロック図である。ブロックB200では、第1GNSSアンテナ28で受信した情報を入力装置12に含まれる第1GNSS受信機で、ブロックB202では、第2GNSSアンテナ30で受信した情報を入力装置12に含まれる第2GNSS受信機で、各々取得する。
ブロックB204では、GNSS方位角速度推定部140において、第1GNSS受信機と第2GNSS受信機との各々で取得した情報に基づいて車体200の方位角速度ωを推定する。前述のように、スケールファクタは、ある程度ヨーレートの値が大きくなる旋回中でなければ精度よく検出できないので、後述する図10のように、ブロックB204での方位角速度ωの推定は、ブロックB208に示した旋回状態判定部142での判定結果に従って実行するようにしてもよい。
ブロックB206では、ヨーレートジャイロの出力が後続するブロックB208とブロックB210とに各々入力される。ブロックB206で入力されるヨーレートジャイロの出力は、バイアス誤差が予め補正されている。
ブロックB208では、旋回状態判定部142において、ヨーレートジャイロが出力したヨーレートが所定の閾値以上であるか否かを判定する。ヨーレートの閾値は、設計段階でのシミュレーション、又は実車を用いた実験を通じて具体的に決定する。ブロックB208での判定結果は、ブロックB210に出力される。
ブロックB210では、スケールファクタ推定部144において、ヨーレートジャイロが出力したヨーレートとGNSSを用いて推定した方位角速度ωの相対測位に基づく方位角変化量とを比較して、スケールファクタを補正する。スケールファクタは、ヨーレートの値に係数として係るため、例えば、参照値であるGNSSを用いて推定した方位角速度ωに対するヨーレートジャイロが出力したヨーレートの比を算出することで推定し、推定したスケールファクタでIMU26の出力を補正する。
図10は、本実施形態に係るスケールファクタ推定装置10の処理の一例を示したフローチャートである。ステップS200では、ヨーレートジャイロのバイアス誤差を推定し、推定したバイアス誤差でヨーレートジャイロの出力を補正する。バイアス誤差は、IMU26を搭載した車体200が静止状態の場合に、第1実施形態で説明したように、ヨーレートジャイロが示す角速度が0となる様に補正すればよい。
ステップS202では、車体200が旋回を開始したか否かを判定する。車体200が旋回を開始すると、IMU26のヨーレートジャイロが出力したヨーレートが変化するので、ヨーレートジャイロが出力したヨーレートが所定の閾値以上の場合に、車体200が旋回を開始したと判定する。判定に用いるヨーレートは、GNSS等を用いて推定した方位角速度ωでもよい。ステップS202で、車体200が旋回を開始したと判定した場合は手順をステップS204に移行し、車体200が旋回を開始していないと判定した場合は車体200が旋回を開始したか否かの判定を継続する。
ステップS204では、ヨーレートジャイロの出力であるヨーレートの情報を取得する。
ステップS206では、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々で取得した情報に基づいて車体200の方位角速度ωを推定する。
ステップS208では、ヨーレートジャイロが出力したヨーレートとGNSSを用いて推定した方位角速度ωとを比較して、スケールファクタを補正する。前述のように、スケールファクタは、ヨーレートの値に係数として係るため、GNSSを用いて推定した方位角速度ωとヨーレートジャイロが出力したヨーレートとの比を算出することで推定できる。そして、推定したスケールファクタでIMU26の出力を補正する。
ステップS210では、車体200が旋回を終了したか否かを判定する。具体的には、ヨーレートジャイロが出力したヨーレートが前述の所定の閾値未満の場合に、車体200が旋回を終了したと判定する。判定に用いるヨーレートは、GNSS等を用いて推定した方位角速度ωでもよい。ステップS210で、車体200の旋回状態が継続していると判定した場合は、手順をステップS204に移行し、再度、方位角速度ωの推定およびスケールファクタの補正を継続する。ステップS210で、車体200の旋回状態が終了したと判定した場合は、スケールファクタ誤差の補正の処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係るスケールファクタ推定装置10によれば、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々の相対速度ベクトルに基づいて算出した方位角速度ωを用いてヨーレートジャイロのスケールファクタを補正することができる。
本実施形態では、ヨーレートジャイロの出力であるヨーレートと直接比較が可能な方位角速度ωを第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の各々の相対速度ベクトルに基づいて推定できるので、第1GNSSアンテナ28及び第2GNSSアンテナ30の2つのGNSSアンテナを用いた相対測位によって推定した車体200の方位角から方位角変化量を算出する第1実施形態よりも処理は簡易であり、より迅速な演算処理が期待できる。
上記各実施形態では、ヨーレートジャイロが出力したヨーレートが所定の閾値以上の場合に、車体200が旋回を開始したと判定した場合に、方位角変化量を算出してスケールファクタの推定を行ったが、これに限定されない。GNSS及びIMU26の出力に基づいて常時、方位角変化量を算出し、車体200が旋回を開始したと判定した場合に算出した方位角変化量に基づいてスケールファクタの推定を行ってもよい。
また、ヨーレートジャイロの出力に対するスケールファクタの影響は、ヨーレートのわずかな誤差となるため、車体200の方位角変化量が小さい場合は、ヨーレートジャイロの出力に含まれる雑音成分に埋没してしまうおそれがある。かかる雑音成分とスケールファクタとを明確に識別すべく、車体200が旋回を開始してから、GNSS又はIMU26の出力に基づいて算出された車体200の方位角の変化が、所定の方位角変化量閾値以上になった場合に、ヨーレートジャイロのスケールファクタを推定してもよい。所定の方位角変化量閾値は、設計段階でのシミュレーション、又は実車を用いての実験を通じて具体的に決定するが、一例として、30度程度である。
なお、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行したスケールファクタ推定処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、スケールファクタ推定処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
また、上記各実施形態では、スケールファクタ推定プログラムがROMまたはストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的(non-transitory)記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
なお、特許請求の範囲に記載の「慣性計測装置」は、発明の詳細な説明に記載の「IMU26に、同「慣性方位角変化量算出部」は、発明の詳細な説明に記載の「方位角変化量算出部46」に、同「衛星測位方位角変化量算出部」は、発明の詳細な説明に記載の「GNSS方位角変化量算出部42、140」に、同「旋回状態判定部」は、発明の詳細な説明に記載の「旋回状態判定部46、142」に、同「スケールファクタ推定部」は、発明の詳細な説明に記載の「スケールファクタ推定部48、144」に、各々該当する。
(付記項1)
メモリと、
前記メモリに接続された少なくとも1つのプロセッサと、
を含み、
前記プロセッサは、
車体に搭載された慣性計測装置の出力に基づいて、前記車体のヨー方向の方位角変化量を算出し、前記車体に所定以上の距離を隔てて設置され、衛星からの測位情報を各々取得可能な第1アンテナ、及び第2アンテナの差分情報から前記車体のヨー方向の方位角変化量を算出し、前記慣性方位角変化量算出部で算出した方位角変化量に対し、前記衛星測位方位角変化量算出部で算出した方位角変化量を参照することにより前記慣性計測装置のスケールファクタを推定すると共に、推定したスケールファクタに基づいて前記慣性計測装置の出力を補正する、
ように構成されているスケールファクタ推定装置。
10 スケールファクタ推定装置
12 入力装置
14 演算装置
14A ROM
14B CPU
14C RAM
14D 入出力ポート
16 表示装置
18 記憶装置
26 IMU
28 第1GNSSアンテナ
30 第2GNSSアンテナ
34 地図情報データベース
40 方位角推定部
42 方位角変化量算出部
44 旋回状態判定部
46 方位角変化量算出部
48 スケールファクタ推定部
70 第1速度ベクトル
72 第2速度ベクトル
74 基線ベクトル
76 相対速度ベクトル
140 方位角速度推定部
142 旋回状態判定部
144 スケールファクタ推定部
200 車体

Claims (8)

  1. 車体に搭載された慣性計測装置の出力に基づいて、前記車体のヨー方向の方位角変化量を算出する慣性方位角変化量算出部と、
    前記車体に所定以上の距離を隔てて設置され、衛星からの測位情報を各々取得可能な第1アンテナ、及び第2アンテナの差分情報から前記車体のヨー方向の方位角変化量を算出する衛星測位方位角変化量算出部と、
    前記慣性方位角変化量算出部で算出した方位角変化量に対し、前記衛星測位方位角変化量算出部で算出した方位角変化量を参照することにより前記慣性計測装置のスケールファクタを推定すると共に、推定したスケールファクタに基づいて前記慣性計測装置の出力を補正するスケールファクタ推定部と、
    を含むスケールファクタ推定装置。
  2. 前記慣性計測装置が出力したヨー方向の方位角速度が所定の閾値以上の場合に前記車体が旋回中であると判定する旋回状態判定部をさらに含み、
    前記スケールファクタ推定部は、前記旋回状態判定部が、前記車体が旋回中と判定した際に前記慣性方位角変化量算出部、及び前記衛星測位方位角変化量算出部の各々で算出された前記車体のヨー方向の方位角変化量に基づいて前記慣性計測装置のスケールファクタを推定する請求項1に記載のスケールファクタ推定装置。
  3. 衛星測位方位角変化量算出部は、前記第1アンテナと前記第2アンテナとの間の相対測位の結果から所定の時間間隔で推定した前記車体のヨー方向の方位角に基づいて方位角変化量を算出し、
    前記慣性方位角変化量算出部は、前記慣性計測装置が出力した前記車体のヨー方向の方位角速度を、前記所定の時間間隔で積分することにより方位角変化量を算出する請求項2に記載のスケールファクタ推定装置。
  4. 衛星測位方位角変化量算出部は、前記第1アンテナと前記第2アンテナとの間の相対速度ベクトルに基づいて前記車体のヨー方向の方位角変化量である方位角速度を算出し、
    前記慣性方位角変化量算出部は、前記慣性計測装置が出力した前記車体のヨー方向の方位角速度を方位角変化量として出力する請求項2に記載のスケールファクタ推定装置。
  5. 前記スケールファクタ推定部は、前記旋回状態判定部が、前記車体が旋回中と判定した際に、前記衛星測位方位角変化量算出部が算出した方位角変化量に対する前記慣性方位角変化量算出部が算出した方位角変化量の比から前記スケールファクタを推定する請求項2~4のいずれか1項に記載のスケールファクタ推定装置。
  6. 前記スケールファクタ推定部は、前記旋回状態判定部が、前記車体が旋回を開始したと判定した時から、前記慣性方位角変化量算出部、及び前記衛星測位方位角変化量算出部のいずれかによる前記車体のヨー方向の方位角変化量に基づいて得られた前記車体の方位角の変化が所定の方位角変化量閾値を超えた場合に、前記慣性方位角変化量算出部、及び前記衛星測位方位角変化量算出部の各々で算出された前記車体のヨー方向の方位角変化量に基づいて前記慣性計測装置のスケールファクタを推定する請求項2~5のいずれか1項に記載のスケールファクタ推定装置。
  7. 車体に搭載された慣性計測装置の出力に基づいて、前記車体のヨー方向の方位角変化量を算出する慣性方位角変化量算出工程と、
    前記車体に所定以上の距離を隔てて設置され、衛星からの測位情報を各々取得可能な第1アンテナ、及び第2アンテナの間の差分情報から前記車体のヨー方向の方位角変化量を算出する衛星測位方位角変化量算出工程と、
    前記慣性方位角変化量算出工程で算出した方位角変化量に対し、前記衛星測位方位角変化量算出工程で算出した方位角変化量を参照することにより前記慣性計測装置のスケールファクタを推定すると共に、推定したスケールファクタに基づいて前記慣性計測装置の出力を補正するスケールファクタ推定工程と、
    を含むスケールファクタ推定方法。
  8. コンピュータを、
    車体に搭載された慣性計測装置の出力に基づいて、前記車体のヨー方向の方位角変化量を算出する慣性方位角変化量算出部、前記車体に所定以上の距離を隔てて設置され、衛星からの測位情報を各々取得可能な第1アンテナ、及び第2アンテナの間の差分情報から前記車体のヨー方向の方位角変化量を算出する衛星測位方位角変化量算出部、及び前記慣性方位角変化量算出部で算出した方位角変化量に対し、前記衛星測位方位角変化量算出部で算出した方位角変化量を参照することにより前記慣性計測装置のスケールファクタを推定すると共に、推定したスケールファクタに基づいて前記慣性計測装置の出力を補正するスケールファクタ推定部として機能させるスケールファクタ推定プログラム。
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