JP2023146116A - 基材及び基材の製造方法、並びに原盤及び原盤の製造方法 - Google Patents

基材及び基材の製造方法、並びに原盤及び原盤の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023146116000001
【課題】高精度に微細加工することができる基材及び基材の製造方法、並びに微細パターンを高精度に転写させることができる原盤及び原盤の製造方法を提供する。
【解決手段】
基材11の表面に平坦化剤を塗布し、平坦化層12を形成する層形成工程と、平坦化層12が形成された基材11を基材11と平坦化層12との選択比が略同一となるエッチング条件で平坦化層12の厚み以上の深さまでドライエッチングするエッチング工程とを有する。これにより、基材表面を平坦化させることができ、高精度に微細加工することができる。また、基材表面を平坦化させることにより、微細パターンを高精度に転写させることができる
【選択図】図1

Description

本技術は、微細加工技術に用いられる基材及び基材の製造方法、並びにナノインプリント技術に用いられる原盤及び原盤の製造方法に関する。
近年、微細加工技術の一つとして、表面に微細なパターンが形成された平板形状または円柱形状の原盤を樹脂シート等に押し当てることで、原盤上の微細なパターンを樹脂シート等に転写するナノインプリント技術の開発が進んでいる(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、原盤作製前の基材表面の荒れ、傷等の影響により、例えばレーザー光のフォーカスがずれ、パターン精度が悪化することがあった。
特開2015-120611号公報
本技術は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、高精度に微細加工することができる基材及び基材の製造方法、並びに微細パターンを高精度に転写させることができる原盤及び原盤の製造方法を提供する。
本技術に係る基材は、下記条件(1)を満たすエッチング処理面を有する。条件(1):前記エッチング処理面を紫外線硬化樹脂に転写させた転写面の最大高さ粗さ(Rz)が、3.0nm以下である。
本技術に係る基材の製造方法は、基材の表面に平坦化剤を塗布し、平坦化層を形成する層形成工程と、前記平坦化層が形成された基材を前記基材と前記平坦化層との選択比が略同一となるエッチング条件で前記平坦化層の厚み以上の深さまでドライエッチングするエッチング工程とを有する。
本技術に係る原盤は、前述した基材のエッチング処理面に、凹凸パターンが形成されてなる。
本技術に係る原盤の製造方法は、基材の表面に平坦化剤を塗布し、平坦化層を形成する層形成工程と、前記平坦化層が形成された基材を前記基材と前記平坦化層との選択比が略同一となるエッチング条件で前記平坦化層の厚み以上の深さまでドライエッチングするエッチング工程と、前記基材のエッチング処理面に凹凸パターンを形成するパターン形成工程とを有する。
本技術に係る凹凸構造フィルムの製造方法は、前述した原盤の凹凸パターンを紫外線硬化樹脂に転写する。
本技術によれば、基材表面を平坦化させることができ、高精度に微細加工することができる。また、基材表面を平坦化させることにより、微細パターンを高精度に転写させることができる。
図1は、図1は、基材の製造方法を模式的に示す断面図であり、図1(A)は、基材表面を示し、図1(B)は、基材表面に平坦化層を形成した状態を示し、図1(C)は、平坦化層の厚みの深さまでエッチングした状態を示し、図1(D)は、平坦化層の厚み以上の深さまでエッチングした状態を示す。 図2は、図2は、原盤の製造方法を模式的に示す断面図であり、図2(A)は、基材表面にレジスト層を成膜した状態を示し、図2(B)は、レジスト層を露光した状態を示し、図2(C)は、レジスト層を現像した状態を示し、図2(D)は、レジスト層のパターンをマスクとしてエッチングした状態を示す。 図3は、ロール原盤を作製するための露光装置の構成の一例を示す概略図である。 図4は、ロール原盤を作製するためのエッチング装置の構成の一例を示す概略図である。 図5Aは、円筒基材の概略を示す断面図であり、図5Bは、外周面にレジスト層を成膜した円筒基材の概略を示す断面図であり、図5Cは、レジスト層を露光した円筒基材の概略を示す断面図である。 図6Aは、レジスト層を現像した円筒基材の概略を示す断面図であり、図6Bは、エッチングした円筒基材の概略を示す断面図である。 図7Aは、ロール原盤の構成の一例を示す斜視図であり、図7Bは、図7Aに示すロール原盤の表面の一部を拡大した平面図である。 図8は、転写装置の構成の一例を示す概略図である。 図9は、実施例1の円筒ガラス基材を用いた反転レプリカサンプルの転写面を白色干渉計にて100倍の倍率で観察した画像である。 図10は、実施例1のガラスロールマスタ(原盤)を用いた反転レプリカサンプルの転写面を走査型電子顕微鏡にて5000倍の倍率で観察した画像である。 図11は、実施例2の円筒ガラス基材を用いた反転レプリカサンプルの転写面を白色干渉計にて100倍の倍率で観察した画像である。 図12は、実施例2のガラスロールマスタ(原盤)を用いた反転レプリカサンプルの転写面を走査型電子顕微鏡にて5000倍の倍率で観察した画像である。 図13は、比較例1の円筒ガラス基材を用いた反転レプリカサンプルの転写面を白色干渉計にて100倍の倍率で観察した画像である。 図14は、比較例1のガラスロールマスタ(原盤)を用いた反転レプリカサンプルの転写面を走査型電子顕微鏡にて5000倍の倍率で観察した画像である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら下記順序にて詳細に説明する。
1.基材の製造方法
2.原盤の製造方法
3.凹凸構造フィルムの製造方法
<1.基材の製造方法>
本実施の形態に係る基材の製造方法は、基材の表面に平坦化剤を塗布し、平坦化層を形成する層形成工程と、平坦化層が形成された基材を基材と平坦化層との選択比が略同一となるエッチング条件で平坦化層の厚み以上の深さまでドライエッチングするエッチング工程とを有する。これにより、高精度に微細加工可能な基材を得ることができる。
以下、層形成工程(A)及びエッチング工程(B)について説明する。図1は、基材の製造方法を模式的に示す断面図であり、図1(A)は、基材表面を示し、図1(B)は、基材表面に平坦化層を形成した状態を示し、図1(C)は、平坦化層の厚みの深さまでエッチングした状態を示し、図1(D)は、平坦化層の厚み以上の深さまでエッチングした状態を示す。
[層形成工程(A)]
図1(A)に示すように、例えば精密研磨後であっても、基材11の表面には、荒れ、傷等のナノサイズの凹凸11aがある。層形成工程(A)では、図1(B)に示すように、基材11の表面に平坦化剤を塗布し、平坦化層12を形成する。平坦化剤を塗布することにより、凹凸11aを平坦化剤で埋めることができ、平坦化層12の表面12aを平坦化させることができる。
基材11の形状は、特に限定されるものではなく、円盤、矩形、多角形などの平板であってもよく、円筒又は円柱であってもよい。基材11が平板形状である場合、例えばワイヤーグリッド偏光板などの光学素子の基材として適用することができる。また、基材11が円筒形状である場合、例えばローラー方式でのナノインプリントが可能となり、ロール原盤の基材として適用することができる。
基材11が円筒形状の場合、軸方向の長さの下限は、好ましくは20mm以上、より好ましくは50mm以上、さらに好ましくは80mm以上である。また、基材11が円筒形状の場合、直径φ(外径)の下限は、好ましくは40mm以上、より好ましくは80mm以上、さらに好ましくは120mm以上である。また、基材11が円筒形状の場合、厚みの下限は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上、さらに好ましくは3mm以上であり、厚みの上限は、好ましくは50mm以下、より好ましくは20mm以下、さらに好ましくは10mm以下である。
基材11は、特に限定されるものではなく、例えば、溶融石英ガラス、合成石英ガラスなどのガラス基材、金属基材、ステンレス鋼などの合金基材、SiC基材、シリコンウエハ基材、シリコンウエハ基材上にSiO層を設けたもの、グラファイト、グラッシーカーボン、カーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)などのカーボン系基材が挙げられる。
平坦化剤は、エッチング工程(B)のドライエッチングにおける基材11と平坦化層12との選択比に基づいて適宜選択することができる。平坦化剤としては、微細加工に用いられる、例えばフォトレジスト液等のレジスト材料、SOG(spin on glass)液等の絶縁膜材料などを挙げることができる。平坦化剤の具体例としては、例えば、メチルシロキサン、ポリシラザン、金属アルコキシド、置換ナフトキノンジアジドとノボラック樹脂からなるポジ型レジスト、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルフェノール、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラールなどが挙げられる。
平坦化剤の塗布方法としては、ディップコート、スピンコートなどの公知の方法を用いることができる。基材11が円筒形状の場合は、ディップコートを用いることが好ましく、基材11が円盤の場合は、スピンコートを用いることが好ましい。
平坦化剤の塗布厚みの下限は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは、0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上であり、塗布厚みの上限は、、好ましくは10μm以下、より好ましくは、5μm以下、さらに好ましくは3μm以下である。平坦化剤の塗布厚みは、厚過ぎるとエッチング時間が長時間必要となり、薄過ぎると基材11の表面の凹凸11aを平坦化剤で埋めるのが困難となる。
平坦化層12は、平坦化剤を乾燥させて形成することができる。例えば、オーブンにて温度100~400℃、時間0.5~3hの条件でベークすることにより、基材11上に平坦化層12を成膜することができる。
[エッチング工程(B)]
エッチング工程(B)では、先ず、図1(C)に示すように、平坦化層12をドライエッチングする。ドライエッチングとしては、化学エッチング、物理スパッタリング、反応性イオンエッチングなどの公知の方法を用いることができる。これらの中でも、高いエッチングレートが得られる反応性イオンエッチングを用いることが好ましい。
また、エッチング工程(B)では、基材11と平坦化層12との選択比が略同一となるエッチング条件でドライエッチングする。基材11及び平坦化層12のエッチングレートは、例えば、所定のエッチング条件下のドライエッチング装置に基材11及び平坦化層12が形成された基材11を同梱し、エッチング前後の基材11及び平坦化層12の厚みを段差計にて測定して算出することができる。
平坦化層12のエッチングレートに対する基材11のエッチングレートの比(基材/平坦化層)である選択比は、好ましくは0.90~1.10、より好ましくは0.92~1.08、さらに好ましくは0.95~1.05である。これにより、基材11の凹凸11aの凸部の基材11と凹部の平坦化層12とを略同一の速度でエッチングすることができ、基材11の表面をナノレベルで平坦化させることができる。
また、基材11及び平坦化層12のエッチングレートの下限は、好ましくは2nm/min以上、より好ましくは5nm/min以上、さらに好ましくは8nm/min以上であり、基材11及び平坦化層12のエッチングレートの上限は、好ましくは20nm/min以下、より好ましくは15nm/min以下、さらに好ましくは12nm/min以下である。このようなエッチングレートであれば、基材11の表面をナノレベルで平坦化させることができる。
また、エッチング工程(B)では、図1(D)に示すように、平坦化層12の厚み以上の深さまでドライエッチングする。平坦化層12の厚みを超える基材11のエッチング深さtは、基材11の凹凸11aの凸部の高さ又は凹部の深さに応じて設定すればよく、例えば10nm以下である。これにより、基材11の凹凸11aを除去して基材11の表面をナノレベルで平坦化させることができる。
[平坦化基材]
前述した基材の製造方法によれば、基材の凹凸を除去して基材の表面をナノレベルで平坦化させることができる。すなわち、本実施の形態に係る基材は、条件(1)を満たすエッチング処理面を有する。条件(1):エッチング処理面を紫外線硬化樹脂に転写させた転写面の最大高さ粗さ(Rz)が、3.0nm以下である。また、エッチング処理面を紫外線硬化樹脂に転写させた転写面の最大高さ粗さ(Rz)は、好ましくは2.8nm以下、より好ましくは2.4nm以下、さらに好ましくは2.2nm以下である。これにより、基材を高精度に微細加工することができる。エッチング処理面の最大高さ粗さ(Rz)は、例えば白色干渉計を用いて測定することができる。
紫外線硬化樹脂は、例えば、シリコーン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、及び開始剤を含有するものを用いることができる。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
シリコーン(メタ)アクリレートとしては、1分子中の側鎖、末端、或いはその両方に2個以上のアクリレート系の重合性不飽和基を有するものを用いることができる。アクリレート系の重合性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、及び(メタ)アクリロイルオキシ基のうちの1種以上を用いることができる。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタアクリロイル基を意味する。
シリコーン(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、有機変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。有機変性としては、例えば、ポリエーテル変性、ポリエステル変性、アラキル変性、ポリエーテル/ポリエステル変性などが挙げられる。
ウレタンア(メタ)クリレートとしては、1分子中の側鎖、末端、あるいはその両方に2個以上のアクリレート系の重合性不飽和基を有するもの使用できる。アクリレート系の重合性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、及び(メタ)アクリロイルオキシ基のうちの1種以上を用いることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、脂肪族ウレタンメタクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンメタクリレートなどが挙げられる。
開始剤の具体例としては、例えば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オンなどが挙げられる。
紫外線硬化樹脂の吸収率は、好ましくは4%以下、より好ましくは0.2%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。これにより、転写面の優れた平均透過散乱吸収率を得ることができる。ここで、平均透過散乱吸収率は、可視光波長帯域380nm~780nmにおけて、転写面に入射する光の強度を100%としたとき、100%から正透過率及び正反射率を差し引いた値の平均値を示す。言い換えると、平均透過散乱吸収率は、可視光波長帯域380nm~780nmにおける、拡散透過成分、拡散反射成分、及び媒質の吸収成分の和である。
<2.原盤の製造方法>
本実施の形態に係る原盤の製造方法は、基材の表面に平坦化剤を塗布し、平坦化層を形成する膜形成工程と、平坦化層が形成された基材を基材と平坦化層との選択比が略同一となるエッチング条件で平坦化層の厚み以上の深さまでドライエッチングするエッチング工程と、基材のエッチング処理面に凹凸パターンを形成するパターン形成工程とを有する。これにより、微細パターンを高精度に転写可能な原盤を得ることができる。
以下、層形成工程(A)、エッチング工程(B)、及びパターン形成工程(C)について説明する。なお、層形成工程(A)及びエッチング工程(B)は、それぞれ基材の製造方法の層形成工程(A)及びエッチング工程(B)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
[パターン形成工程(C)]
図2は、原盤の製造方法を模式的に示す断面図であり、図2(A)は、基材表面にレジスト層を成膜した状態を示し、図2(B)は、レジスト層を露光した状態を示し、図2(C)は、レジスト層を現像した状態を示し、図2(D)は、レジスト層のパターンをマスクとしてエッチングした状態を示す。
パターン形成工程(C)は、図2(A)に示すように、基材11の表面にレジスト層13を成膜するレジスト成膜工程と、図2(B)に示すように、レジスト層13に潜像13aを形成する露光工程と、図2(C)に示すように、潜像13aが形成されたレジスト層13を現像する現像工程と、図2(D)に示すように、現像されたレジスト層13のパターンをマスクとしてエッチングし、基材11の表面に凹凸パターンを形成するエッチング工程とを有する。
本実施の形態では、基材の表面が平坦化しているため、レジスト層にレーザー光を照射して潜像を形成する露光工程を好適に用いることができる。また、無機レジストとして、例えば、タングステン、モリブデンなどの1種以上の遷移金属からなる金属酸化物を用い、レジスト層の熱変化を利用した熱リソグラフィーにより潜像を形成する露光工程を好適に用いることができる。これにより、ビーム径の中心部分だけ熱反応させ、レーザー光の解像限界を超えた微細パターンの作製が可能となる。また、高アスペクト比の構造体を得るため、ドライエッチングを用いることが好ましい。
また、基材に直接微細凹凸構造を形成する場合、基材の表面荒れ、傷等の影響によりレーザー光のフォーカスがずれて、パターン精度が悪化してしまうことがあるが、本実施の形態のように表面を平坦化した基材を使用することにより、パターン精度を向上させることができる、
また、基材の表面に平坦化層を設け、平坦化層に微細凹凸形状を形成することも考えられるが、基材と平坦化層の熱膨張等の物性の差により、平坦化層が剥離したり、クラックが入ったりすることがある。一方、本実施の形態のように基材表面の凹凸を平坦化層で埋めた後、ドライエッチングによるエッチバック処理して平坦化層を取り除くことにより、基材と平坦化層の熱膨張等の物性の差による影響をなくし、高精度に微細加工することが可能な基材を得ることができる。
以下では、基材11が円筒形状である円筒基材を用いたロール原盤の製造方法について説明する。円筒基材を用いた場合の露光工程で使用可能な露光装置、及びエッチング工程で使用可能なエッチング装置としては、それぞれ下記構成例の装置が挙げられる。
[露光装置]
図3は、ロール原盤を作製するための露光装置の構成の一例を示す概略図である。この露光装置は、光学ディスク記録装置をベースとして構成されている。
レーザー光源21は、記録媒体としての円筒基材14の表面に成膜されたレジストを露光するための光源であり、例えば波長λ=266nmの記録用のレーザー光20を発振するものである。レーザー光源21から出射されたレーザー光20は、平行ビームのまま直進し、電気光学素子(EOM:Electro Optical Modulator)22へ入射する。電気光学素子22を透過したレーザー光20は、ミラー23で反射され、変調光学系25に導かれる。
ミラー23は、偏光ビームスプリッタで構成されており、一方の偏光成分を反射し他方の偏光成分を透過する機能をもつ。ミラー23を透過した偏光成分はフォトダイオード24で受光され、その受光信号に基づいて電気光学素子22が制御されてレーザー光20の位相変調が行われる。
変調光学系25において、レーザー光20は、集光レンズ26により、ガラス(SiO)などからなる音響光学素子(AOM:Acoust-Optic Modulator)27に集光される。レーザー光20は、音響光学素子27により強度変調され発散した後、コリメータレンズ28によって平行ビーム化される。変調光学系25から出射されたレーザー光20は、ミラー31によって反射され、移動光学テーブル32上に水平かつ平行に導かれる。
移動光学テーブル32は、ビームエキスパンダ33と、対物レンズ34とを備えている。移動光学テーブル32に導かれたレーザー光20は、ビームエキスパンダ33により所望のビーム形状に整形された後、対物レンズ34を介して、円筒基材14上のレジスト層へ照射される。円筒基材14は、スピンドルモータ35に接続されたターンテーブル36の上に載置されている。そして、円筒基材14を回転させるとともに、レーザー光20を円筒基材14の高さ方向に移動させながら、レジスト層へレーザー光20を間欠的に照射することにより、レジスト層の露光工程が行われる。形成された潜像は、例えば、円周方向に長軸を有する略楕円形になる。レーザー光20の移動は、移動光学テーブル32を矢印R方向へ移動することによって行われる。
露光装置は、例えば六方格子、準六方格子などの2次元パターンに対応する潜像をレジスト層に形成するための制御機構37を備えている。制御機構37は、フォーマッタ29とドライバ30とを備える。フォーマッタ29は、極性反転部を備え、この極性反転部が、レジスト層に対するレーザー光15の照射タイミングを制御する。ドライバ30は、極性反転部の出力を受けて、音響光学素子27を制御する。
この露光装置では、2次元パターンが空間的にリンクするように1トラック毎に極性反転フォーマッタ信号と記録装置の回転コントロラーとを同期させ信号を発生し、音響光学素子27により強度変調している。角速度一定(CAV:Constant Angular Velocity)で適切な回転数と適切な変調周波数と適切な送りピッチとでパターニングすることにより、例えば六方格子、準六方格子などの2次元パターンをレジスト層に記録することができる。
[エッチング装置]
図4は、ロール原盤を作製するためのエッチング装置の構成の一例を示す概略図である。エッチング装置は、いわゆるRIE(Reactive Ion Etching)装置であり、図4に示すように、エッチング反応槽41と、カソード(陰極)である円柱電極42と、アノード(陽極)である対向電極43とを備える。円柱電極42は、エッチング反応槽41の中央に配置されている。対向電極43が、エッチング反応槽41の内側に設けられている。円柱電極42は、円筒基材11を着脱可能な構成を有している。円柱電極42は、例えば、円筒基材14の円筒面とほぼ同一または相似の円柱面、具体的には、円筒基材14の内周面よりも多少小さい径を有する円柱面を有する。円柱電極43が、ブロッキングコンデンサ44を介して、例えば13.56MHzの高周波電源(RF)45に対して接続される。対向電極43は、アースに対して接続される。
このエッチング装置では、高周波電源45により対向電極43と円柱電極42との間に高周波電圧が印加されると、対向電極43と円柱電極42との間にプラズマが発生する。対向電極43はアースに接続されているため、電位が変わらないのに対して、円柱電極42は、ブロッキングコンデンサ44により回路が遮断されているため、マイナス電位になり電圧降下が発生する。この電圧降下により、円柱電極42の円柱面に垂直な方向に電界が発生し、プラズマ中のプラスイオンは、円筒基材14の外周面に垂直に入射し、異方性エッチングが行われる。
[ロール原盤の製造方法の各工程]
続いて、図5及び図6を参照して、ロール原盤の製造方法の各工程について説明する。
(レジスト成膜工程)
まず、図5Aに示すように、前述の円筒基材14を準備する。この円筒基材14は、例えば石英ガラスである。次に、図5Bに示すように、円筒基材14の外周面にレジスト層15を成膜する。レジスト層の材料としては、例えば有機系レジスト、又は無機系レジストのいずれを用いてもよい。有機系レジストとしては、例えばノボラック系レジストや化学増幅型レジストを用いることができる。また、無機系レジストとしては、例えば、タングステン、モリブデンなどの1種または2種以上の遷移金属からなる金属酸化物を用いることができる。
(露光工程)
次に、図3に示す露光装置を用いて、円筒基材14を回転させると共に、レーザー光(露光ビーム)20をレジスト層15に照射する。このとき、レーザー光20を円筒基材14の高さ方向(中心軸に平行な方向)に移動させながら、レーザー光20を間欠的に照射することにより、レジスト層15を全面にわたって露光する。これにより、図5Cに示すように、レーザー光20の軌跡に応じた潜像16が、可視光波長と同程度のピッチでレジスト層15の全面にわたって形成される。潜像16は、例えば、円筒基材14の外周表面において、複数列のトラックをなすように配置されるとともに、六方格子パターン又は準六方格子パターンを形成する。潜像16は、例えば、トラックの延在方向に長軸方向を有する楕円形状である。
(現像工程)
次に、レジスト層15上に現像液を滴下して、レジスト層15を現像処理する。レジスト層15をポジ型のレジストにより形成した場合には、レーザー光20で露光した露光部は、非露光部と比較して現像液に対する溶解速度が増すので、図6Aに示すように、潜像16(露光部)に応じたパターンがレジスト層15に形成される。
(エッチング工程)
次に、円筒基材14上に形成されたレジスト層15のパターン(レジストパターン)をマスクとして、円筒基材14の表面をエッチング処理する。これにより、図6Bに示すように、トラックの延在方向に長軸方向を持つ楕円錐形状又は楕円錐台形状の凹部、すなわち構造体17を得ることができる。エッチングの方法としては、ドライエッチング、又はウェットエッチングのいずれを用いてもよいが、例えば図4に示すエッチング装置を用いたドライエッチングが好ましく用いられる。ドライエッチングによれば、レジスト層15の3倍以上の深さ(選択比3以上)のガラスマスターを作製することができ、構造体17の高アスペクト比化を図ることができる。以上により、例えば、深さ200nm程度から350nm程度の凹形状の六方格子パターン又は準六方格子パターンを有する原盤18を得ることができる。
[原盤]
図7Aは、ロール原盤の構成の一例を示す斜視図であり、図7Bは、図7Aに示すロール原盤の表面の一部を拡大した平面図である。この原盤18は、いわゆるロールマスタであり、前述の円筒基材14と、円筒基材14の外周表面に複数配列された凹部又は凸部からなる構造体17とを備える。
構造体17は、光学素子の使用環境下の光の波長以下、例えば可視光の波長と同程度のピッチPで複数列のトラックTをなすように周期的に2次元配列され、また、例えば円筒基材14の表面に同心円状又はスパイラル状上に配置されている。また、構造体17は、例えば四方格子状、六方格子状などの規則的な所定の配置パターンをなすようにしてもよい。また、構造体17の高さが円筒基材14の表面において規則的または不規則的に変化していてもよい。
<3.凹凸構造フィルムの製造方法>
本実施の形態に係る凹凸構造フィルムの製造方法は、前述した原盤の凹凸パターンを紫外線硬化樹脂に転写するものである。これにより、高精度に配列された凹凸構造フィルムを得ることができる。
図8は、転写装置の構成の一例を示す概略図である。この転写装置は、円筒形状の原盤18と、基体供給ロール51と、巻き取りロール52と、ガイドロール53,54と、ニップロール55、剥離ロール56と、塗布装置57と、光源58とを備える。
基体供給ロール51には、シート状などの基体61がロール状に巻かれ、ガイドロール53を介して基体61を連続的に送出できるように配置されている。巻き取りロール52は、この転写装置により凹凸形状が転写された樹脂層62を有する積層体を巻き取りできるように配置されている。ガイドロール53,54は、基体61と樹脂層62との積層体を搬送できるように、この転写置内の搬送路に配置されている。ニップロール55は、基体供給ロール51から送出され、光硬化樹脂組成物が塗布された基体61を、ロール状の原盤18とニップできるように配置されている。原盤18は、樹脂層62を形成するための転写面を有する。剥離ロール56は、光硬化樹脂組成物を硬化することにより得られた樹脂層62を、原盤18の転写面から剥離可能に配置されている。
基体供給ロール51、巻き取りロール52、ガイドロール53,54、ニップロール55、及び剥離ロール56の材質は、特に限定されるものではなく、所望とするロール特性に応じてステンレスなどの金属、ゴム、シリコーンなどを適宜選択して用いることができる。塗布装置57としては、例えば、コーターなどの塗布手段を備える装置を用いることができる。コーターとしては、例えば、塗布する光硬化樹脂組成物の物性などを考慮して、グラビア、ワイヤバー、およびダイなどのコーターを適宜使用することができる。
このような転写装置を用いることにより、原盤18の構造体17が光硬化樹脂に転写された樹脂シートを連続的に複製することができる。
基体61は、透明性を有する透明基体であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの透明性合成樹脂、ガラスなどを主成分とするものなどを用いることができる。また、光硬化樹脂組成物は、前述した紫外線硬化樹脂を用いることができる。
本実施例では、円筒ガラス基材の外周表面を平坦化し、外周表面の表面粗さを評価した。また、平坦化後の円筒ガラス基材の外周表面にモスアイ微細構造を形成し、モスアイ微細構造のパターン配列の乱れ、及び平均透過散乱吸収率を評価した。なお、本技術は、これらの実施例に限定されるものではない。
[表面粗さの評価]
円筒ガラス基材の外周表面について、紫外線硬化樹脂を用いて反転レプリカサンプルを作製し、反転レプリカサンプルの転写面の表面粗さ(Rz)を、白色干渉計(Vertscan、(株)菱化システム)にて測定した。紫外線硬化樹脂は、吸収率が0.1%のものを用いた。最大高さ粗さ(Rz)は、3.0nm以下であることが望ましい。
[モスアイ微細構造のパターン配列乱れの評価]
円筒ガラス基材の表面に形成されたモスアイ微細構造について、紫外線硬化樹脂を用いて反転レプリカサンプルを作製し、反転レプリカサンプルの転写面を、走査型電子顕微鏡(日本電子(株))にて5000倍の倍率で観察し、パターン配列の乱れを評価した。パターン配列の乱れが観察されない場合の評価を「OK」、パターン配列の乱れが観察された場合の評価を「NG」とした。
[モスアイ微細構造の平均透過散乱吸収率の評価]
円筒ガラス基材の表面に形成されたモスアイ微細構造について、紫外線硬化樹脂を用いて反転レプリカサンプルを作製し、反転レプリカサンプルの転写面を、分光高度計(V770、日本分光(株))にて波長400nm~800nmの平均透過散乱吸収率を測定した。平均透過散乱吸収率は、0.8%以下であることが望ましい。
<実施例1>
円筒ガラス基材(厚み4.5mm、直径φ132mm、長さ100mm、石英ガラス)の表面に、引上げ速度1mm/secのディップコートにて有機レジスト液(AZ-P4210、Merck社製)を2μm塗布し、オーブンにて温度250℃、時間2hの条件でベークし、円筒ガラス基材の外周表面に有機レジスト層を成膜した。
次に、下記エッチング条件としたドライエッチング装置を用いて、外周表面の有機レジスト層が完全に除去されるまでエッチング処理し、外周表面が平坦化された円筒ガラス基材を作製した。
[エッチング条件]
エッチングガス:CF-10sccm、CHF-20sccm 混合
チャンバー圧力:1.0Pa
印加RF電圧 :150W
エッチング時間:120min
このエッチング条件において、有機レジスト層のエッチングレートは、10.1nm/minであり、石英ガラスのエッチングレートは、10.7nm/minであり、選択比(石英ガラス/有機レジスト層)は、1.06であった。
有機レジスト層のエッチングレートは、エッチング前後の有機レジスト層を含む円筒ガラス基材の厚みを段差計(ET200、(株)小坂研究所)にて測定して算出した。また、石英ガラスのエッチングレートは、ドライエッチング装置に石英ガラス基板を同梱し、エッチング前後の石英ガラス基板の厚みを段差計(ET200、(株)小坂研究所)にて測定して算出した。
図9は、実施例1の円筒ガラス基材を用いた反転レプリカサンプルの転写面を白色干渉計にて100倍の倍率で観察した画像である。転写面の最大高さ粗さ(Rz)は、2.05nmであり、円筒ガラス基材の外周面は、非常に平坦化されていることが分かった。
次に、スパッタ装置を用いて、円筒ガラス基材の平坦化された外周表面にタングステン酸化物からなるレジスト層を55nm成膜した。次に、露光装置を用いて、円筒ガラス基材の回転数を900rpmとしてレジスト層に波長405nmの半導体レーザー光を照射し、潜像をパターニングした。次に、現像液(TMAH:Tetramethylammonium hydroxide、2.38%、27℃)を用いて900秒間、現像処理を施し、円筒ガラス基材上のレジスト層の露光部分を溶解させ、レジスト層が準六方格子パターンに開口しているレジスト原盤を得た。
次に、下記エッチング条件としたドライエッチング装置を用いて、レジスト原盤をドライエッチングし、円筒ガラス基材の外周表面に対して垂直方向に向かう凹部を形成した。最後に、アッシングによりレジストパターンを完全に除去し、準六方格子パターンのモスアイ微細構造が形成されたガラスロールマスタ(原盤)を作製した。
[エッチング条件]
エッチングガス:CHF-30sccm
チャンバー圧力:0.5Pa
印加RF電圧 :150W
エッチング時間:30min
図10は、実施例1のガラスロールマスタ(原盤)を用いた反転レプリカサンプルの転写面を走査型電子顕微鏡にて5000倍の倍率で観察した画像である。転写面のパターン配列は乱れておらず、平坦化された円筒ガラス基材を用いることにより、微細パターンを高精度に転写させることができるガラスロールマスタを得ることができた。
<実施例2>
円筒ガラス基材(厚み4.5mm、直径φ132mm、長さ100mm、石英ガラス)の表面に、引上げ速度1mm/secのディップコートにてSOG液(ACCUGLASS T-11、Haneywell社製)を1μm塗布し、オーブンにて温度250℃、時間2hの条件でベークし、円筒ガラス基材の外周表面にSOG層を成膜した。
次に、下記エッチング条件としたドライエッチング装置を用いて、外周表面のSOG層が完全に除去されるまでエッチング処理し、外周表面が平坦化された円筒ガラス基材を作製した。
[エッチング条件]
エッチングガス:CF-15sccm、CHF-15sccm 混合
チャンバー圧力:1.0Pa
印加RF電圧 :150W
エッチング時間:60min
このエッチング条件において、SOG層のエッチングレートは、10.3nm/minであり、石英ガラスのエッチングレートは、9.8nm/minであり、選択比(石英ガラス/SOG層)は、0.95であった。
SOG層のエッチングレートは、エッチング前後のSOG層を含む円筒ガラス基材の厚みを段差計(ET200、(株)小坂研究所)にて測定して算出した。また、石英ガラスのエッチングレートは、ドライエッチング装置に石英ガラス基板を同梱し、エッチング前後の石英ガラス基板の厚みを段差計(ET200、(株)小坂研究所)にて測定して算出した。
図11は、実施例2の円筒ガラス基材を用いた反転レプリカサンプルの転写面を白色干渉計にて100倍の倍率で観察した画像である。転写面の最大高さ粗さ(Rz)は、2.12nmであり、円筒ガラス基材の外周面は、非常に平坦化されていることが分かった。
次に、実施例1と同様の手法にて、円筒ガラス基材の外周表面に準六方格子パターンのモスアイ微細構造が形成されたガラスロールマスタ(原盤)を作製した。
図12は、実施例2のガラスロールマスタ(原盤)を用いた反転レプリカサンプルの転写面を走査型電子顕微鏡にて5000倍の倍率で観察した画像である。転写面のパターン配列は乱れておらず、平坦化された円筒ガラス基材を用いることにより、微細パターンを高精度に転写させることができるガラスロールマスタを得ることができた。
<比較例1>
外周表面が精密研磨された円筒ガラス基材(厚み4.5mm、直径φ132mm、長さ100mm、石英ガラス)を準備した。
図13は、比較例1の円筒ガラス基材を用いた反転レプリカサンプルの転写面を白色干渉計にて100倍の倍率で観察した画像である。転写面の最大高さ粗さ(Rz)は、3.22nmであり、円筒ガラス基材の外周面は、実施例1、2に比べて表面が粗いことが分かった。
次に、実施例1と同様の手法にて、円筒ガラス基材の外周表面に準六方格子パターンのモスアイ微細構造が形成されたガラスロールマスタ(原盤)を作製した。
図14は、比較例1のガラスロールマスタ(原盤)を用いた反転レプリカサンプルの転写面を走査型電子顕微鏡にて5000倍の倍率で観察した画像である。転写面のパターン配列に乱れが観察され、表面が粗い円筒ガラス基材では、微細パターンを高精度に転写させることが困難であることが分かった。
表1に、実施例1、実施例2、及び比較例1の円筒ガラス基材の外周表面の表面粗さの評価、ガラスロールマスタを用いた反転レプリカサンプルの転写面のパターン配列乱れの評価、及び平均透過散乱吸収率の評価を示す。
Figure 2023146116000002
実施例1、2では、基材表面にレジスト層又はSOG層からなる平坦化層を形成し、基材を基材と平坦化層との選択比が略同一となるエッチング条件で平坦化層の厚み以上の深さまでドライエッチングする基材表面の平坦化処理を行うことにより、比較例1に比べて、基材表面の表面粗さ(Rz)を低下させることができ、原盤のパターン配列乱れを抑制し、高精度に微細加工することができた。また、実施例1、2では、基材表面の平坦化処理を行うことにより、反転レプリカサンプルの転写面の平均透過散乱吸収率を低下させることができ、微細パターンを高精度に転写することができた。
11 基材、11a 凹凸、12 平坦化層、13 レジスト層、13a 潜像、14 円筒基材、15 レジスト層、 潜像、17 構造体、18 原盤、20 レーザー光、21 レーザー光源、22 電気光学素子、23 ミラー、24 フォトダイオード、25 変調光学系、26 集光レンズ、27 音響光学素子、28 コリメータレンズ、29 フォーマッタ、30 ドライバ、31 ミラー、32 移動光学テーブル、33 ビームエキスパンダ、34 対物レンズ、35 スピンドルモータ、36 ターンテーブル、37 制御機構、41 エッチング反応槽、42 円柱電極、43 対向電極、44 ブロッキングコンデンサ、45 高周波電源、51 基体供給ロール、52 巻き取りロール、53,54 ガイドロール、55 ニップロール、56 剥離ロール、57 塗布装置、58 光源、61 基体、62 樹脂層

Claims (10)

  1. 下記条件(1)を満たすエッチング処理面を有する基材。
    条件(1):前記エッチング処理面を紫外線硬化樹脂に転写させた転写面の最大高さ粗さ(Rz)が、3.0nm以下である。
  2. 前記エッチング処理面が、溶融石英ガラス又は合成石英ガラスからなる請求項1記載の基材。
  3. 前記エッチング処理面が、円筒又は円柱の外周面に形成されてなる請求項1又は2記載の基材。
  4. 基材の表面に平坦化剤を塗布し、平坦化層を形成する層形成工程と、
    前記平坦化層が形成された基材を前記基材と前記平坦化層との選択比が略同一となるエッチング条件で前記平坦化層の厚み以上の深さまでドライエッチングするエッチング工程と
    を有する基材の製造方法。
  5. 前記選択比が、0.90~1.10である請求項4記載の基材の製造方法。
  6. 前記基材が、溶融石英ガラス又は合成石英ガラスからなる請求項4又は5記載の基材の製造方法。
  7. 前記基材が、円筒又は円柱である請求項4乃至6のいずれか1項に記載の基材の製造方法。
  8. 前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基材のエッチング処理面に、凹凸パターンが形成された原盤。
  9. 基材の表面に平坦化剤を塗布し、平坦化層を形成する層形成工程と、
    前記平坦化層が形成された基材を前記基材と前記平坦化層との選択比が略同一となるエッチング条件で前記平坦化層の厚み以上の深さまでドライエッチングするエッチング工程と、
    前記基材のエッチング処理面に凹凸パターンを形成するパターン形成工程と
    を有する原盤の製造方法。
  10. 前記請求項9に記載の原盤の凹凸パターンを紫外線硬化樹脂に転写する凹凸構造フィルムの製造方法。

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