JP2023144961A - 評価方法、及び評価システム - Google Patents
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Abstract
【課題】慣性センサに関するより信頼性の高い評価を実現すること。【解決手段】第1取得ステップでは移動体M1を移動させる過程において慣性センサ3の検出情報を取得する。第2取得ステップではGNSS受信機21を含む基準システム2から基準情報を取得する。第1推定誤差は移動体M1が第1起点から第1所定距離だけ移動した際に生じる誤差である。第2推定誤差は移動体M1が第2起点から第1所定距離だけ移動した際に生じる誤差である。算出ステップでは、第1起点より前の移動体M1の移動に関して取得した基準情報に基づく第1補正情報を求め、第1補正情報に基づいて第1推定誤差を算出する。算出ステップでは、第2起点より前の移動体M1の移動に関して取得した基準情報に基づく第2補正情報を求め、第2補正情報に基づいて第2推定誤差を算出する。【選択図】図1
Description
本開示は、一般に、評価方法、及び評価システムに関する。より詳細には本開示は、慣性センサによる自己位置推定の精度に関する評価方法、及び評価システムに関する。
自動車運転支援システム及び自動運転車両では、高精度な車両の位置情報が求められる。そのため、GNSS(Global Navigation Satellite System)が活用されることが多い。しかし、都市部等の遮蔽物が多い空間では、マルチパスの影響が大きく、GNSS単独測位では数10~100mの測位誤差が発生することもある。そのため、常に高精度な位置推定をすることは困難な問題がある。そこで、GNSSと慣性センサとを統合することで位置精度を向上させる手法が提案されている(非特許文献1、2参照)。
汎用慣性センサとマルチGNSSの統合による都市部測位の高精度化ロボティクス・メカトロニクス講演会講演 2018
都市部環境下で適用可能なGNSS/IMUに関する研究自動車技術会論文集 vol.51,No.4,July 2020.
ところで、慣性センサは、例えば、メーカの違いによって自己位置推定の精度が変わり得る。したがって、高精度な移動体(車両)の位置を推定するためには、慣性センサの精度(スペック)について、より信頼性の高い評価を行い、より良い慣性センサを採用することが望まれる。
本開示は上記事由に鑑みてなされ、慣性センサに関するより信頼性の高い評価を実現できる評価方法、及び評価システムを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る評価方法は、評価対象となる慣性センサによる自己位置推定の精度に関する。前記評価方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、算出ステップと、評価ステップと、を含む。前記第1取得ステップでは、前記慣性センサを取り付けた移動体を始点から終点まで移動させる過程において前記慣性センサから出力される検出情報を取得する。前記第2取得ステップでは、GNSS受信機を含み、前記過程において前記移動体の位置を推定する基準システムから推定結果として基準情報を取得する。前記算出ステップでは、前記基準情報に対する前記検出情報に関する複数の推定誤差を算出する。前記評価ステップでは、前記複数の推定誤差からヒストグラム情報を求め、前記ヒストグラム情報に基づき、前記慣性センサによる自己位置推定の精度を評価する。前記複数の推定誤差の各々は、前記始点から前記終点までの間において前記移動体が第1所定距離だけ移動した際の前記基準情報に基づく前記移動体の位置と、前記移動体の速度情報、及び前記検出情報に基づく前記慣性センサの位置と、の距離の差分に基づく誤差として定義される。前記複数の推定誤差は、少なくとも第1推定誤差と第2推定誤差とを含む。前記第1推定誤差は、前記移動体が、前記始点から前記終点までの間の任意の地点である第1起点から、前記第1所定距離だけ移動した際に生じる誤差である。前記第2推定誤差は、前記移動体が、前記第1起点から前記第1所定距離より短い第2所定距離だけ移動した地点である第2起点から、前記第1所定距離だけ移動した際に生じる誤差である。前記算出ステップでは、前記第1起点より前の前記移動体の移動に関して取得した前記基準情報に基づく第1補正情報を求め、前記第1補正情報に基づいて前記第1推定誤差を算出する。前記算出ステップでは、前記第2起点より前の前記移動体の移動に関して取得した前記基準情報に基づく第2補正情報を求め、前記第2補正情報に基づいて前記第2推定誤差を算出する。
本開示の一態様に係る評価システムは、評価対象となる慣性センサによる自己位置推定の精度に関するシステムである。前記評価システムは、第1取得部と、第2取得部と、算出部と、評価部と、を備える。前記第1取得部は、前記慣性センサを取り付けた移動体を始点から終点まで移動させる過程において前記慣性センサから出力される検出情報を取得する。前記第2取得部は、GNSS受信機を含み、前記過程において前記移動体の位置を推定する基準システムから推定結果として基準情報を取得する。前記算出部は、前記基準情報に対する前記検出情報に関する複数の推定誤差を算出する。前記評価部は、前記複数の推定誤差からヒストグラム情報を求め、前記ヒストグラム情報に基づき、前記慣性センサによる自己位置推定の精度を評価する。前記複数の推定誤差の各々は、前記始点から前記終点までの間において前記移動体が第1所定距離だけ移動した際の前記基準情報に基づく前記移動体の位置と、前記移動体の速度情報、及び前記検出情報に基づく前記慣性センサの位置と、の距離の差分に基づく誤差として定義される。前記複数の推定誤差は、少なくとも第1推定誤差と第2推定誤差とを含む。前記第1推定誤差は、前記移動体が、前記始点から前記終点までの間の任意の地点である第1起点から、前記第1所定距離だけ移動した際に生じる誤差である。前記第2推定誤差は、前記移動体が、前記第1起点から前記第1所定距離より短い第2所定距離だけ移動した地点である第2起点から、前記第1所定距離だけ移動した際に生じる誤差である。前記算出部は、前記第1起点より前の前記移動体の移動に関して取得した前記基準情報に基づく第1補正情報を求め、前記第1補正情報に基づいて前記第1推定誤差を算出する。前記算出部は、前記第2起点より前の前記移動体の移動に関して取得した前記基準情報に基づく第2補正情報を求め、前記第2補正情報に基づいて前記第2推定誤差を算出する。
本開示によれば、慣性センサに関するより信頼性の高い評価を実現できる、という利点がある。
(実施形態)
本実施形態に係る評価方法は、評価対象となる慣性センサによる自己位置推定の精度に関する評価方法である。この評価方法は、コンピュータシステム(評価システム1)上で用いられ得る。よって、評価方法は、プログラムでも具現化可能である。以下、本実施形態に係る評価方法が用いられる評価システム1について図面を用いて説明する。
本実施形態に係る評価方法は、評価対象となる慣性センサによる自己位置推定の精度に関する評価方法である。この評価方法は、コンピュータシステム(評価システム1)上で用いられ得る。よって、評価方法は、プログラムでも具現化可能である。以下、本実施形態に係る評価方法が用いられる評価システム1について図面を用いて説明する。
なお、以下の実施形態において説明する図1~図3は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(1)全体構成
以下、本実施形態に係る評価システム1、及びその周辺構成(基準システム2、慣性センサ3、速度センサ4、及び衛星5等)について、図1を参照しながら詳しく説明する。周辺構成の少なくとも一部が、評価システム1の構成に含まれてもよい。
以下、本実施形態に係る評価システム1、及びその周辺構成(基準システム2、慣性センサ3、速度センサ4、及び衛星5等)について、図1を参照しながら詳しく説明する。周辺構成の少なくとも一部が、評価システム1の構成に含まれてもよい。
評価システム1は、評価対象となる慣性センサ3(図1参照)による自己位置推定の精度に関する評価を行うシステムである。
慣性センサ3は、移動体M1に取り付けられる。評価システム1では、慣性センサ3から出力される角速度に関する情報(検出情報)に基づき、慣性センサ3の自己位置、すなわち、移動体M1の位置が推定され、その位置推定の結果から、慣性センサ3のスペック評価が成される。以下では、慣性センサ3のスペック評価を行うために、移動体M1を走行させて実施されるテストを「評価テスト」と呼ぶことがある。また、評価システム1を利用して、慣性センサ3の評価テストを実施する者を「ユーザ」と呼ぶことがある。検出情報は、評価テスト中において随時評価システム1に入力される。
本実施形態では一例として、移動体M1が自動車(四輪車)であることを想定する。その結果、スペック評価の対象となる慣性センサ3は、移動体M1の垂直軸の周りの角速度を検出するヨーレイトジャイロセンサ(ヨー軸角速度センサ)であることを想定する。慣性センサ3は、ヨー軸周りの角速度を検出するためにMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)により構成された共振子であるジャイロ素子(角速度検出素子)を含む。
しかし、移動体M1は、自動車に限定されず、自動二輪車、建機、又は無人搬送車(Automated guided vehicle)等でもよい。また、慣性センサ3の種類は、ヨーレイトジャイロセンサに限定されない。
例えば評価システム1を利用してメーカの異なる複数の慣性センサ3のスペック評価をそれぞれ行うことで、メーカ別にどの慣性センサ3が最適なセンサかを判断する指標の1つになり得る。最適と評価された慣性センサ3は、自動車運転支援システム、自動運転車両、又はカーナビゲーションシステム等に採用され得る。
慣性センサ3は、評価システム1と通信可能に接続されて、慣性センサ3から出力される検出情報は、評価システム1に入力される。
速度センサ4は、移動体M1の車速を測定するための汎用的なセンサであり、移動体M1に取り付けられる。速度センサ4は、評価システム1と通信可能に接続される。評価テスト中において移動体M1の速度情報が、随時速度センサ4から評価システム1に入力される。
本実施形態では、評価システム1で利用する速度情報が得られれば、速度センサ4の種類は特に限定されない。速度センサ4は、例えば、移動体M1の車輪速パルス、すなわち移動体M1の車輪の回転数に比例してパルス信号を発生させる車輪速センサでもよい。評価システム1は、速度情報を例えば移動体M1のカーナビゲーションシステム等に搭載されている車速センサから取得してもよい。
基準システム2は、一例として、Applanix社製のPOSLVシステムを採用している。基準システム2は、図1に示すように、GNSS受信機21、慣性センサ22、車輪速センサ23、及び処理部24を含む高精度な統合システムである。基準システム2は、都市部においても標準偏差10cmの誤差で車両の位置の推定が可能な位置計測システムである。処理部24の機能は、ノートパソコン等の情報端末T2に搭載されており、情報端末T2は、GNSS受信機21、慣性センサ22、及び車輪速センサ23の各々と、例えば有線で通信可能に接続されている。また、情報端末T2は、評価システム1に各種の情報を有線又は無線で送信可能に評価システム1と接続されている。
情報端末T2は、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上のプログラム(アプリケーション)を実行することで、情報端末T2の処理部24として機能する。プログラムは、ここでは情報端末T2のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
基準システム2は、評価テスト中における移動体M1の位置、及び速度を測定し、その測定結果、及び当該推定結果から推定した移動体M1の軌跡A1(図2参照)に関する情報を、「基準情報」として、評価システム1に出力する。言い換えると、評価システム1は、基準システム2の基準情報を、評価テストの「真値」として信頼し、評価テストの基準に用いて、慣性センサ3のスペック評価を行う。
GNSS受信機21は、移動体M1に取り付けられる。GNSS受信機21は、評価テスト中において、衛星5(例えばGPS衛星)から搬送波W1(図1参照)を随時受信し、処理部24に入力する。処理部24は、搬送波W1の到達時間を測定して、衛星5とGNSS受信機21との間の距離を求め、GNSS受信機21の位置、すなわち移動体M1の位置を推定する。
ところで、評価システム1は、GNSS受信機21で受信した搬送波W1の情報からGNSSドップラを演算する機能を有する。ただし、GNSSドップラの演算機能は、評価システム1の外部、例えば基準システム2に設けられてもよい。また、GNSS受信機21とは別の受信機を用意し、評価システム1は、当該別の受信機で受信した搬送波W1の情報からGNSSドップラを演算してもよい。
GNSSドップラについては、上記の非特許文献1、2に記載されているため、ここでの詳細な説明は省略するが、ドップラ効果によって生じる周波数変化分を測定して得られた情報であり、衛星5とGNSS受信機21(移動体M1)との相対速度である。例えば4個以上の衛星5から受信した搬送波W1に基づくGNSSドップラ(相対速度)から演算式により移動体M1の方位角(進行方向)や移動体M1の速度、すなわち移動体M1の速度ベクトルを推定することができる。
慣性センサ22は、3軸の高精度ジャイロセンサである。慣性センサ22は、移動体M1に取り付けられる。慣性センサ22は、評価テスト中において、移動体M1の角速度に関する検出結果を随時処理部24に入力する。処理部24は、慣性センサ22の検出結果を、移動体M1の位置推定に用いる。
車輪速センサ23は、移動体M1の車速を測定するためのセンサであり、移動体M1に取り付けられる。車輪速センサ23は、評価テスト中において、移動体M1の車輪速パルス、すなわち移動体M1の車輪の回転数に比例してパルス信号を発生させ、処理部24に入力する。処理部24は、車輪速センサ23のパルス信号に基づき、移動体M1の車速を推定する。
本実施形態では、移動体M1の速度情報が速度センサ4から評価システム1に入力されることを説明したが、速度センサ4は、評価システム1にとって必須の構成ではなく、省略されてもよい。この場合、速度情報は、基準システム2から入力されてもよい。つまり、車輪速センサ23のパルス信号に基づき推定された移動体M1の車速を速度情報としてもよい。
このように処理部24は、評価テスト中において、GNSS受信機21、慣性センサ22、及び車輪速センサ23から入力された情報に基づき、移動体M1の位置を、移動体M1の移動中において随時推定し、移動体M1の軌跡情報(軌跡A1)を生成する。
評価システム1は、図1に示すように、第1取得部11、第2取得部12、第3取得部13、算出部14、及び評価部15を備える。また、評価システム1は、操作部6、表示部7、及び記憶部8を更に備える。
本実施形態では一例として、評価システム1の機能が全て、ノートパソコン等の1台の情報端末T1に集約して設けられていることを想定する。したがって、操作部6は、情報端末T1に付設されているキーボードやマウス等に相当し、表示部7は、情報端末T1に付設されている液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等に相当する。表示部7がタッチパネル式のディスプレイである場合、操作部6の機能を兼ねてもよい。記憶部8は、例えば、フラッシュメモリ等の電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリである。ただし、評価システム1の機能は、複数台の端末に分散して設けられてもよい。
情報端末T1は、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上のプログラム(アプリケーション)を実行することで、情報端末T1の第1取得部11、第2取得部12、第3取得部13、算出部14、及び評価部15として機能する。プログラムは、ここでは情報端末T1のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
第1取得部11は、評価テスト、すなわち移動体M1を始点P1から終点P2まで移動させる過程(図2、及び図3参照)において慣性センサ3から出力される検出情報を取得する。言い換えると、本実施形態に係る評価方法は、第1取得ステップを含む。第1取得ステップでは、移動体M1を始点P1から終点P2まで移動させる過程において慣性センサ3から出力される検出情報を取得する。
第2取得部12は、上記過程(評価テスト中)において移動体M1の位置を推定する基準システム2から推定結果として基準情報を取得する。言い換えると、本実施形態に係る評価方法は、第2取得ステップを更に含む。第2取得ステップでは、基準システム2から推定結果として基準情報を取得する。
第3取得部13は、上記過程(評価テスト中)において速度センサ4から、移動体M1の速度情報を取得する。
ここで評価テストについて説明する。評価テストは、移動体M1を始点P1から終点P2までの走行コース上にて走行(移動)させることで実施される。一例として、移動体M1は、平均時速40km程度で走行させることを想定するが、特に限定されない。また始点P1から終点P2までの距離は、図3に示すように、例えば3000mを想定するが、特に限定されない。ユーザは、情報端末T1の操作部6及び表示部7を用いて、始点P1から終点P2までの走行コースを適宜設定可能であってもよい。
評価テストは、慣性センサ3のスペック評価を目的としていることから、特に、後述の通りGNSSドップラの演算を必要とすることから、走行コースは、衛星5からの搬送波W1の受信を阻害するような障害物が存在しないコースを想定する。つまり、都市部のように建造物が周囲に多数存在し得るコースや、トンネル内のコース、地下のコースは、走行コースとして基本的には相応しくない。
走行コースは、始点P1から終点P2まで東方向へ真っ直ぐ延びる水平直線路であるが、特に限定されず、曲線路を含んでもよいし、勾配が存在してもよい。また、走行コースは、始点P1からスタートして1周すると元の始点P1に戻り、それが終点P2となるような、トラック形状のコースでもよい。
基準システム2は、上述の通り、標準偏差10cmの誤差で位置の推定が可能な位置計測システムであるため、基準システム2により推定される軌跡A1は、真値と考える。すなわち、図2、図3に示す移動体M1の軌跡A1は、走行コースを走行する実際の移動体M1の軌跡と略一致する。一方、図2、図3に示す移動体M1の軌跡B1は、評価対象である慣性センサ3の検出情報と速度センサ4の速度情報とに基づいて推定された軌跡であり、真値(軌跡A1)に対して誤差が発生していることが理解できる。なお、以下では、説明の便宜上、分かり易いように、軌跡A1を辿る移動体M1には符号M11を付け、軌跡B1を辿る移動体M1には符号M12を付けて説明することがある。
始点P1は、評価テストを開始する地点である。終点P2は、評価テストを終了する地点である。例えば、移動体M1は、始点P1より手前から走行を開始していて、時速40km程度で走行中のまま始点P1を通過すると、評価テストを開始し、時速40km程度で走行中のまま終点P2を通過すると、評価テストを終了する。しかし、始点P1は、評価テストを開始する地点だけでなく、移動体M1の走行を開始する地点(速度ゼロからスタートする地点)でもあってもよい。また、終点P2は、評価テストを終了する地点だけでなく、移動体M1の走行も終了する地点(速度をゼロにする地点)であってもよい。
算出部14は、算出処理を実行し、基準情報に対する検出情報に関する複数の推定誤差E0(図3参照)を算出する。言い換えると、本実施形態に係る評価方法は、算出ステップを更に含む。算出ステップでは、基準情報に対する検出情報に関する複数の推定誤差E0を算出する。
複数の推定誤差E0の各々は、始点P1から終点P2までの間において移動体M1が第1所定距離L1だけ移動した際の基準情報に基づく移動体M1の位置と、移動体M1の速度情報、及び検出情報に基づく慣性センサ3の位置と、の距離の差分に基づく誤差として定義される。
本実施形態では一例として、第1所定距離L1は1000mである。ユーザは、情報端末T1の操作部6及び表示部7を用いて、第1所定距離L1を適宜設定可能であってもよい。
以下、複数の推定誤差E0のうち、第1推定誤差E1、及び第2推定誤差E2(図3参照)に着目して具体的に説明する。言い換えると、複数の推定誤差E0は、少なくとも第1推定誤差E1と第2推定誤差E2とを含む。
第1推定誤差E1は、移動体M1が、始点P1から終点P2までの間の任意の地点である第1起点Q1から、第1所定距離L1(ここでは1000m)だけ移動した際に生じる誤差である。第1所定距離L1(ここでは1000m)は、移動体M1の移動距離を想定する。
第1起点Q1は、始点P1から任意の距離(ゼロでもよい)だけ離れた地点であればよい。図3の例では、分かり易いように、始点P1から10mの移動体M1の移動距離ごと(後述する第2所定距離L2ごと)に地点(プロットQ0参照)を設定している。第1起点Q1は、始点P1を含む地点から3番目の地点、つまり移動体M1が始点P1から20m移動した地点であることを想定する。
つまり、第1推定誤差E1は、第1起点Q1から移動体M1が1000m移動した際に生じる、移動体M11の位置(真値)に対する移動体M12の位置の誤差である。具体的には、第1推定誤差E1は、第1起点Q1から移動体M1が1000m移動した地点での、移動体M11の位置X11(真値)に対する移動体M12の位置X21の距離差から、第1起点Q1における移動体M11の位置Y11(真値)に対する移動体M12の位置Y21の距離差を差し引いて算出される。
以下、各起点から移動体M1が1000m移動した地点での、移動体M11の位置に対する移動体M12の位置の距離差を「1000m地点差F1」と呼ぶ(図3参照)。また、その起点における移動体M11の位置に対する移動体M12の位置の距離差を「起点差F2」と呼ぶ(図3参照)。つまり、各推定誤差E0は、1000m地点差F1から、対応する起点差F2を差し引いて算出される。
例えば、図3に示すように、移動体M12の位置と、基準システム2により推定される軌跡A1に基づく移動体M11の位置(真値)との距離差が1000m地点差F1となる。1000m地点差F1から起点差F2を差し引くことで、推定誤差E0となる。図3では、図示の便宜上、東方向に延びる軌跡A1と直交する方向(南方向)において、移動体M11の位置と、移動体M12の位置との距離を1000m地点差F1として図示している。
第2推定誤差E2は、移動体M1が、第1起点Q1から第1所定距離L1より短い第2所定距離L2だけ移動した地点である第2起点Q2から、第1所定距離L1だけ移動した際に生じる誤差である。
第2所定距離L2は、GNSSドップラの更新周期、評価システム1や基準システム2の処理部24等のプロセッサのクロック周波数、及び移動体M1の走行速度等に依存して適切な距離が設定され得る。第2所定距離L2は、第1所定距離L1の1%~10%の範囲内であることが好ましく、本実施形態では一例として、第2所定距離L2は、第1所定距離L1の1%、すなわち10mである。ユーザは、情報端末T1の操作部6及び表示部7を用いて、第2所定距離L2を適宜設定可能であってもよい。
図3の例では、第2起点Q2は、始点P1を含む地点から4番目の地点(プロットQ0参照)、つまり移動体M1が始点P1から30m移動した地点であることを想定する。言い換えると、第2起点Q2は、移動体M1が第1起点Q1から10m(第2所定距離L2)だけ移動した地点である。
つまり、第2推定誤差E2は、第2起点Q2から移動体M1が1000m移動した際に生じる、移動体M11の位置(真値)に対する移動体M12の位置の誤差である。具体的には、第2推定誤差E2は、第2起点Q2から移動体M1が1000m移動した地点での、移動体M11の位置X12(真値)に対する移動体M12の位置X22の距離差(1000m地点差F1)から、第2起点Q2における移動体M11の位置Y12(真値)に対する移動体M12の位置Y22の距離差(起点差F2)を差し引いて算出される。
また、第3推定誤差E3は(移動体M1が第2起点Q2から10mだけ移動した)第3起点Q3から移動体M1が1000m移動した際の、移動体M11の位置X13(真値)に対する移動体M12の位置X23の距離差(1000m地点差F1)から、第3起点Q3における移動体M11の位置Y13(真値)に対する移動体M12の位置Y23の距離差(起点差F2)を差し引いて算出される。
本実施形態では、始点P1から始まり、移動距離10m(第2所定距離L2)ごとに起点(プロットQ0)が多数存在する。算出部14は、例えば、第1起点Q1、第2起点Q2、第3起点Q3、・・・第n起点、第n+1起点について、各起点から1000m移動した際に生じる推定誤差E0を都度算出し得る。第n+1起点は、移動体M1が第n起点から10m(第2所定距離L2)だけ移動した地点である。
ところで、慣性センサ3には、静止時であっても出力があり、その出力は時間の経過と共に継続的なずれとして変動する、いわゆる零点誤差が存在する。零点誤差は、慣性センサ3のスペックを評価する妨げとなり得る。そこで、本実施形態の算出部14は、補正情報を求める機能を更に有する。具体的には、評価システム1では、GNSSドップラを演算し、慣性センサ3の零点誤差の補正を実施してスペック評価を行う。なお、速度センサ4についても零点誤差が存在するため、算出部14は、GNSSドップラから推定され得る移動体M1の速度に基づき、速度センサ4の零点誤差の補正を行う機能を有する。
慣性センサ3の零点誤差の補正は、各推定誤差E0を算出する際に、対応する起点(第1起点Q1~第n+1起点のいずれか)ごとに実施される。以下、一例として、第1起点Q1、第2起点Q2に着目して説明する。
算出部14は、第1起点Q1より前の移動体M1の移動に関して取得した基準情報に基づく第1補正情報を求め、第1補正情報に基づいて第1推定誤差E1を算出する。言い換えると、本実施形態に係る評価方法の算出ステップでは、上記の第1補正情報を求め、第1補正情報に基づいて第1推定誤差E1を算出する。
本実施形態では、算出部14は、GNSSドップラを演算し、第1補正情報を求める。算出部14は、例えば、始点P1の時刻tを0とし、第1起点Q1の時刻tがt1の場合、直近のGNSSドップラ、例えば時刻t1より以前の時刻t1-kから時刻t1におけるGNSSドップラから、移動体M1の速度を推定し、更に移動体M1の方位角θgnss(t)を推定する。すなわち、第1補正情報は、時刻t1-kから時刻t1における移動体M1の速度、及び方位角θgnss(t)に関する情報である。算出部14は、GNSSドップラから推定された移動体M1の上記速度を用いて速度センサ4の零点誤差の補正を行う。
上記の「k」は、GNSSドップラの更新周期、評価システム1や基準システム2の処理部24等のプロセッサのクロック周波数、及び移動体M1の走行速度等に依存して適切な時間が設定され得る。例えば、搬送波W1が200msecに1回のタイミングでサンプリングされ、算出部14が、GNSSドップラのデータを、300回分の搬送波W1のサンプリングで1回、つまり60秒に1回更新すると仮定すると、「k」は、60秒以上であることが好ましい。
方位角θgnss(t)は、東方向を基準とする方位角であり、tan(Vsouth(t)/Veast(t))により算出される。Veast(t)は、GNSSドップラから推定される移動体M1の東方向速度であり、Vsouth(t)は、GNSSドップラから推定される移動体M1の南方向速度である。第1補正情報は、情報端末T1の記憶部8に保存される。また、時刻t1-kから時刻t1における慣性センサ3の検出情報(ヨーレイトθgyro(t))も、情報端末T1の記憶部8に保存される。ヨーレイトθgyro(t)も、東方向を基準とする方位角とする。
そして、算出部14は、第1補正情報と、第1起点Q1における検出情報及び速度情報とから、時刻t1の適切な評価方位角θ(t1)を最小二乗法で推定する。ここで、最小二乗法における初期値をθinit(t1)とする。初期値θinit(t1)は、時刻t1におけるGNSSドップラから算出された方位角θgnss(t1)の値を用いる。そして、下記の式(1)により、初期値θinit(t1)から、慣性センサ3の検出情報(ヨーレイトθgyro(t))を用いて計算した、時刻t1-kの予測方位角θ(t1-k)を算出する。
さらに、時刻t1-kから時刻t1の間で予測方位角θ(t)とGNSSドップラから推定した方位角θgnss(t)との差の二乗和(下記の式(2))において、初期値θinit(t1)を変動させることで、式(2)が最小となる時刻t1の適切な評価方位角θ(t1)を探索する。
算出部14は、第1起点Q1における評価方位角θ(t1)と、検出情報及び速度情報とに基づいて、第1起点Q1から、第1所定距離L1(1000m)だけ移動した地点までの軌跡B1(つまり、位置Y21から位置X21までの軌跡B1)を推定する。そして、算出部14は、位置Y11(真値)と位置Y21との起点差F2を求め、位置X11(真値)と位置X21との1000m地点差F1を求め、1000m地点差F1から起点差F2を差し引いて第1推定誤差E1を算出する。
また、算出部14は、第2起点Q2より前の移動体M1の移動に関して取得した基準情報に基づく第2補正情報を求め、第2補正情報に基づいて第2推定誤差E2を算出する。言い換えると、本実施形態に係る評価方法の算出ステップでは、上記の第2補正情報を求め、第2補正情報に基づいて第2推定誤差E2を算出する。
第1補正情報と同様に、算出部14は、GNSSドップラを演算して、第2補正情報を求める。算出部14は、例えば、第2起点Q2の時刻tがt2の場合、直近のGNSSドップラ、例えば時刻t2より以前の時刻t2-kから時刻t2におけるGNSSドップラから、移動体M1の速度を推定し、更に移動体M1の方位角θgnss(t)を推定する。算出部14は、上記の式(1)及び(2)を用いて、時刻t2の適切な評価方位角θ(t2)を探索する。そして、算出部14は、第2起点Q2における評価方位角θ(t2)と、検出情報及び速度情報とに基づいて、第2起点Q2から、第1所定距離L1(1000m)だけ移動した地点までの軌跡B1(つまり、位置Y22から位置X22までの軌跡B1)を推定する。さらに、算出部14は、位置Y12(真値)と位置Y22との起点差F2を求め、位置X12(真値)と位置X22との1000m地点差F1を求め、1000m地点差F1から起点差F2を差し引いて第2推定誤差E2を算出する。
このようにして、算出部14は、以降の第3起点Q3、・・・第n+1起点についても、補正情報を求めて、推定誤差E0を算出する。
軌跡A1、軌跡B1、及び推定誤差E0に関する情報は、情報端末T1の記憶部8に保存され、ユーザは、表示部7を通じて、これらの情報を適宜視認可能である。
評価部15は、評価処理を実行し、複数の推定誤差E0からヒストグラム情報H1を求め、ヒストグラム情報H1に基づき、慣性センサ3による自己位置推定の精度を評価する。言い換えると、本実施形態に係る評価方法は、評価ステップを更に含む。評価ステップでは、複数の推定誤差E0からヒストグラム情報H1を求め、ヒストグラム情報H1に基づき、慣性センサ3による自己位置推定の精度を評価する。
例えば、図4は、評価部15が求めたヒストグラム情報H1(分布)のグラフを示す。ヒストグラム情報H1は、情報端末T1の表示部7から表示されることが好ましい。図4では、縦軸を推定誤差[m]とし、横軸をその誤差が発生した頻度としている。
図4の例では、評価部15は、例えば、第1起点Q1~第n+1起点に対して得られた複数の推定誤差E0から、ヒストグラム情報H1を求めて、50%評価(7.2[m])と95%評価(11.7[m])とを特定している。50%評価は、ヒストグラム情報H1の積算分布の50%に相当する領域の推定誤差の範囲を特定した評価である。95%評価は、ヒストグラム情報H1の積算分布の95%に相当する領域の推定誤差の範囲を特定した評価である。なお、図4の縦軸の推定誤差[m]のマイナスは、図3で言えば、軌跡A1(真値)より北方向にずれた誤差を示している。ただし、説明を分かり易くするために、図3では、便宜上、軌跡A1(真値)より北方向にずれた誤差を示す軌跡B1については図示せずに、軌跡A1(真値)より南方向にずれた誤差についてのみ図示している。
例えば、A社の慣性センサ3に関する95%評価が11.7[m]で、B社の慣性センサ3に関する95%評価が10.1[m]であれば、B社の慣性センサ3の方が、A社の慣性センサ3よりも高いスペック評価と判断され得る。
(2)動作
以下、評価システム1及びその周辺構成における動作の一連の流れについて、図5を参照して説明する。図5に示すフローチャートは、本開示に係る動作のフローの一例に過ぎず、処理の順序が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
以下、評価システム1及びその周辺構成における動作の一連の流れについて、図5を参照して説明する。図5に示すフローチャートは、本開示に係る動作のフローの一例に過ぎず、処理の順序が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
先ず、ユーザは、事前準備として、例えば評価対象のA社の慣性センサ3に関する評価テストを行うために、移動体M1に、評価システム1、基準システム2、及び慣性センサ3を取り付ける。評価対象の慣性センサ3は、同時に2個以上を移動体M1に取り付けて1回の移動体M1の走行で並行して評価テストが行われてもよい。すなわち、A社の慣性センサ3だけでなく、B社、C社、・・の慣性センサ3も移動体M1に取り付けて移動体M1を始点P1から終点P2まで移動させてもよい。
ユーザは、評価テストを行うために、移動体M1を始点P1から終点P2まで移動させる。移動体M1のドライバは、ユーザ自身でもよいし、別の者でもよい。移動体M1には自動車運転支援システムが搭載されていて、移動体M1の始点P1から終点P2まで移動が支援されてもよい。或いは、移動体M1は、自動運転車両であり、無人で始点P1から終点P2まで移動されてもよい。
評価システム1は、始点P1から終点P2までの移動体M1の走行過程において慣性センサ3から検出情報を第1サンプリング周期で取得し(図5:ステップST1)、記憶部8に保存する。
また、評価システム1は、始点P1から終点P2までの移動体M1の走行過程において基準システム2から基準情報を第2サンプリング周期で取得し(図5:ステップST2)、記憶部8に保存する。
さらに、評価システム1は、始点P1から終点P2までの移動体M1の走行過程において速度センサ4から速度情報を第3サンプリング周期で取得し(図5:ステップST3)、記憶部8に保存する。
要するに、評価システム1は、ステップST1~ST3において移動体M1の走行過程において上記の情報を収集し、記憶部8に保存する。第1~第3サンプリング周期は、同じでもよいし、異なってもよい。
次に、評価システム1は、算出処理を実行し、基準情報に対する検出情報に関する複数の推定誤差E0を算出する(図5:ステップST4)。すなわち、評価システム1は、第1起点Q1~第n+1起点について起点ごとに補正情報を求め、各起点から移動体M1が第1所定距離L1(1000m)を移動した際の軌跡B1を推定し、推定誤差E0を算出する。「n+1」は、特に限定されないが、100~200の範囲を想定する。ただし、最後となる起点は、終点P2(始点P1から3000mの地点)から第1所定距離L1(1000m)手前の地点(始点P1から2000mの地点)よりも、始点P1側に位置するように設定される。
そして、評価システム1は、評価処理を実行し、複数の推定誤差E0からヒストグラム情報H1を求め、ヒストグラム情報H1に基づき、慣性センサ3による自己位置推定の精度を評価する(図5:ステップST5)。評価システム1は、評価結果を表示部7からユーザに提示(表示)する(図5:ステップST6)。
このように、本実施形態に係る評価システム1では、慣性センサ3に関するより信頼性の高い評価を実現できる。特に、慣性センサ3には、使用環境に起因する誤差や、温度変化に起因する誤差、デバイスの誤差による零点誤差が存在する。つまり、慣性センサ3が静止時であっても出力があり、その出力は、時間の経過と共に継続的なずれとして変動する。そして、零点誤差は、慣性センサ3のスペック評価の妨げになり得る。評価システム1では、第1起点Q1~第n+1起点について起点ごとにGNSSドップラを用いて補正情報を求め、各起点から移動体M1が第1所定距離L1(1000m)を移動した軌跡B1を推定し、推定誤差E0を算出する。そのため、推定誤差E0に、上記の零点誤差が含まれにくくなり、スペックの差だけが含まれやすくなる。
(変形例)
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上記実施形態に係る評価システム1と同様の機能は、評価方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上記実施形態に係る評価システム1と同様の機能は、評価方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における評価システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における評価システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、評価システム1における複数の機能が、1つのハウジング内に集約されていることは必須の構成ではない。例えば、評価システム1の構成要素は、複数のハウジングに分散して設けられていてもよい。
反対に、評価システム1における複数の機能が、上記実施形態のように、1つのハウジング内に集約されてもよい。さらに、評価システム1の少なくとも一部の機能、例えば、評価システム1の一部の機能が、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
上記実施形態では、慣性センサ3が、1軸、すなわち、移動体M1の垂直軸の周りの角速度を検出するヨーレイトジャイロセンサである。しかし、慣性センサ3は、1軸に限定されず、例えば、移動体M1の前後、左右、上下の3軸の加速度、及び同3軸の角速度の計6軸の慣性力を検出する6軸慣性センサでもよい。
上記実施形態では、第1起点Q1は、始点P1を含む地点から3番目の地点、つまり移動体M1が始点P1から20m移動した地点である。しかし、第1起点Q1は、始点P1と一致してもよい。ただし、第1起点Q1が、始点P1と一致、又は極端に始点P1に近い地点の場合、第1起点Q1より前の移動体M1の移動に基づくGNSSドップラが得られず、第1補正情報を求めることが出来ない可能性がある。したがって、この場合、始点P1より手前から事前に移動体M1を走行させて、GNSSドップラを得ておくことが好ましい。
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
第1の態様に係る評価方法は、評価対象となる慣性センサ(3)による自己位置推定の精度に関する。評価方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、算出ステップと、評価ステップと、を含む。第1取得ステップでは、慣性センサ(3)を取り付けた移動体(M1)を始点(P1)から終点(P2)まで移動させる過程において慣性センサ(3)から出力される検出情報を取得する。第2取得ステップでは、GNSS受信機(21)を含み、上記過程において移動体(M1)の位置を推定する基準システム(2)から推定結果として基準情報を取得する。算出ステップでは、基準情報に対する検出情報に関する複数の推定誤差(E0)を算出する。評価ステップでは、複数の推定誤差(E0)からヒストグラム情報(H1)を求め、ヒストグラム情報(H1)に基づき、慣性センサ(3)による自己位置推定の精度を評価する。複数の推定誤差(E0)の各々は、始点(P1)から終点(P2)までの間において移動体(M1)が第1所定距離(L1)だけ移動した際の基準情報に基づく移動体(M1)の位置と、移動体(M1)の速度情報、及び検出情報に基づく慣性センサ(3)の位置と、の距離の差分に基づく誤差として定義される。複数の推定誤差(E0)は、少なくとも第1推定誤差(E1)と第2推定誤差(E2)とを含む。第1推定誤差(E1)は、移動体(M1)が、始点(P1)から終点(P2)までの間の任意の地点である第1起点(Q1)から、第1所定距離(L1)だけ移動した際に生じる誤差である。第2推定誤差(E2)は、移動体(M1)が、第1起点(Q1)から第1所定距離(L1)より短い第2所定距離(L2)だけ移動した地点である第2起点(Q2)から、第1所定距離(L1)だけ移動した際に生じる誤差である。算出ステップでは、第1起点(Q1)より前の移動体(M1)の移動に関して取得した基準情報に基づく第1補正情報を求め、第1補正情報に基づいて第1推定誤差(E1)を算出する。算出ステップでは、第2起点(Q2)より前の移動体(M1)の移動に関して取得した基準情報に基づく第2補正情報を求め、第2補正情報に基づいて第2推定誤差(E2)を算出する。
上記の態様によれば、慣性センサ(3)に関するより信頼性の高い評価を実現できる、という利点がある。
第2の態様に係る評価システム(1)は、評価対象となる慣性センサ(3)による自己位置推定の精度に関するシステムである。評価システム(1)は、第1取得部(11)と、第2取得部(12)と、算出部(14)と、評価部(15)と、を備える。第1取得部(11)は、慣性センサ(3)を取り付けた移動体(M1)を始点(P1)から終点(P2)まで移動させる過程において慣性センサ(3)から出力される検出情報を取得する。第2取得部(12)は、GNSS受信機(21)を含み、上記過程において移動体(M1)の位置を推定する基準システム(2)から推定結果として基準情報を取得する。算出部(14)は、基準情報に対する検出情報に関する複数の推定誤差(E0)を算出する。評価部(15)は、複数の推定誤差(E0)からヒストグラム情報(H1)を求め、ヒストグラム情報(H1)に基づき、慣性センサ(3)による自己位置推定の精度を評価する。複数の推定誤差(E0)の各々は、始点(P1)から終点(P2)までの間において移動体(M1)が第1所定距離(L1)だけ移動した際の基準情報に基づく移動体(M1)の位置と、移動体(M1)の速度情報、及び検出情報に基づく慣性センサ(3)の位置と、の距離の差分に基づく誤差として定義される。複数の推定誤差(E0)は、少なくとも第1推定誤差(E1)と第2推定誤差(E2)とを含む。第1推定誤差(E1)は、移動体(M1)が、始点(P1)から終点(P2)までの間の任意の地点である第1起点(Q1)から、第1所定距離(L1)だけ移動した際に生じる誤差である。第2推定誤差(E2)は、移動体(M1)が、第1起点(Q1)から第1所定距離(L1)より短い第2所定距離(L2)だけ移動した地点である第2起点(Q2)から、第1所定距離(L1)だけ移動した際に生じる誤差である。算出部(14)は、第1起点(Q1)より前の移動体(M1)の移動に関して取得した基準情報に基づく第1補正情報を求め、第1補正情報に基づいて第1推定誤差(E1)を算出する。算出部(14)は、第2起点(Q2)より前の移動体(M1)の移動に関して取得した基準情報に基づく第2補正情報を求め、第2補正情報に基づいて第2推定誤差(E2)を算出する。
上記の態様によれば、慣性センサ(3)に関するより信頼性の高い評価を実現可能な評価システム(1)を提供できる。
1 評価システム
11 第1取得部
12 第2取得部
14 算出部
15 評価部
2 基準システム
21 GNSS受信機
3 慣性センサ
E0 推定誤差
E1 第1推定誤差
E2 第2推定誤差
H1 ヒストグラム情報
L1 第1所定距離
L2 第2所定距離
M1 移動体
P1 始点
P2 終点
Q1 第1起点
Q2 第2起点
11 第1取得部
12 第2取得部
14 算出部
15 評価部
2 基準システム
21 GNSS受信機
3 慣性センサ
E0 推定誤差
E1 第1推定誤差
E2 第2推定誤差
H1 ヒストグラム情報
L1 第1所定距離
L2 第2所定距離
M1 移動体
P1 始点
P2 終点
Q1 第1起点
Q2 第2起点
Claims (2)
- 評価対象となる慣性センサによる自己位置推定の精度に関する評価方法であって、
前記慣性センサを取り付けた移動体を始点から終点まで移動させる過程において前記慣性センサから出力される検出情報を取得する第1取得ステップと、
GNSS受信機を含み、前記過程において前記移動体の位置を推定する基準システムから推定結果として基準情報を取得する第2取得ステップと、
前記基準情報に対する前記検出情報に関する複数の推定誤差を算出する算出ステップと、
前記複数の推定誤差からヒストグラム情報を求め、前記ヒストグラム情報に基づき、前記慣性センサによる自己位置推定の精度を評価する評価ステップと、
を含み、
前記複数の推定誤差の各々は、前記始点から前記終点までの間において前記移動体が第1所定距離だけ移動した際の前記基準情報に基づく前記移動体の位置と、前記移動体の速度情報、及び前記検出情報に基づく前記慣性センサの位置と、の距離の差分に基づく誤差として定義され、
前記複数の推定誤差は、少なくとも第1推定誤差と第2推定誤差とを含み、
前記第1推定誤差は、前記移動体が、前記始点から前記終点までの間の任意の地点である第1起点から、前記第1所定距離だけ移動した際に生じる誤差であり、
前記第2推定誤差は、前記移動体が、前記第1起点から前記第1所定距離より短い第2所定距離だけ移動した地点である第2起点から、前記第1所定距離だけ移動した際に生じる誤差であり、
前記算出ステップでは、
前記第1起点より前の前記移動体の移動に関して取得した前記基準情報に基づく第1補正情報を求め、前記第1補正情報に基づいて前記第1推定誤差を算出し、
前記第2起点より前の前記移動体の移動に関して取得した前記基準情報に基づく第2補正情報を求め、前記第2補正情報に基づいて前記第2推定誤差を算出する、
評価方法。 - 評価対象となる慣性センサによる自己位置推定の精度に関する評価システムであって、
前記慣性センサを取り付けた移動体を始点から終点まで移動させる過程において前記慣性センサから出力される検出情報を取得する第1取得部と、
GNSS受信機を含み、前記過程において前記移動体の位置を推定する基準システムから推定結果として基準情報を取得する第2取得部と、
前記基準情報に対する前記検出情報に関する複数の推定誤差を算出する算出部と、
前記複数の推定誤差からヒストグラム情報を求め、前記ヒストグラム情報に基づき、前記慣性センサによる自己位置推定の精度を評価する評価部と、
を備え、
前記複数の推定誤差の各々は、前記始点から前記終点までの間において前記移動体が第1所定距離だけ移動した際の前記基準情報に基づく前記移動体の位置と、前記移動体の速度情報、及び前記検出情報に基づく前記慣性センサの位置と、の距離の差分に基づく誤差として定義され、
前記複数の推定誤差は、少なくとも第1推定誤差と第2推定誤差とを含み、
前記第1推定誤差は、前記移動体が、前記始点から前記終点までの間の任意の地点である第1起点から、前記第1所定距離だけ移動した際に生じる誤差であり、
前記第2推定誤差は、前記移動体が、前記第1起点から前記第1所定距離より短い第2所定距離だけ移動した地点である第2起点から、前記第1所定距離だけ移動した際に生じる誤差であり、
前記算出部は、
前記第1起点より前の前記移動体の移動に関して取得した前記基準情報に基づく第1補正情報を求め、前記第1補正情報に基づいて前記第1推定誤差を算出し、
前記第2起点より前の前記移動体の移動に関して取得した前記基準情報に基づく第2補正情報を求め、前記第2補正情報に基づいて前記第2推定誤差を算出する、
評価システム。
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JP (1) | JP2023144961A (ja) |
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2022
- 2022-03-28 JP JP2022052193A patent/JP2023144961A/ja active Pending
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