JP2023140479A - 箱型浮体 - Google Patents

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Abstract

【課題】水面に停留する際には、波浪による揺動を抑制して安定的に浮遊することができると共に、水面を移動する際には、スムーズに移動することができる箱型浮体を提供する。
【解決手段】浮体本体12と、浮体本体12の側部に設けられた、波浪による揺動を抑制する揺動低減手段14とを備え、揺動低減手段14が、上部に開口22を有する立設した揺動抑制板16と、揺動抑制板16を昇降させる昇降手段18と、を具備し、水面に停留する際には、揺動抑制板16が、上部の開口22が水中に位置するまで下降した状態を保持し、水面を移動する際には、揺動抑制板16が、浮体本体12の底部より上方まで上昇した状態を保持する非自航式の箱型浮体10である。
【選択図】図1

Description

本発明は、非自航式の箱型浮体に関する。
従来より、海洋、湖沼、河川等の水上での作業船として非自航式の箱型浮体(台船)が用いられている。また、浮体の波浪による揺動を抑制する揺動低減手段を備える様々な浮体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
従来の非自航式の箱型浮体は作業限界波高が0.5m程度であり、その多くが港湾区域や沿岸域で使用されるものであるが、作業限界波高を超える波高の発現頻度が高い外洋において使用が困難であるという問題があった。
特開2005-029065号公報
近年、洋上風力発電等の洋上設備の建設作業など外洋での作業の需要が高まっており、作業時(水面停留時)に安定して浮遊する箱型浮体が求められている。一方、箱型浮体を外洋まで移動させる必要があり、遠方の外洋までスムーズに移動できることが求められている。
本発明の課題は、水面に停留する際には、波浪による揺動を抑制して安定的に浮遊することができると共に、水面を移動する際には、スムーズに移動することができる箱型浮体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、浮体本体の側部に、上部に開口を有する立設した揺動抑制板と揺動抑制板を昇降させる昇降手段とを具備する揺動低減手段を設けることにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りのものである。
[1]浮体本体と、該浮体本体の側部に設けられた、波浪による揺動を抑制する揺動低減手段と、を備えた非自航式の箱型浮体であって、
前記揺動低減手段が、
上部に開口を有する立設した揺動抑制板と、該揺動抑制板を昇降させる昇降手段と、を具備し、
水面に停留する際には、前記揺動抑制板が、上部の開口が水中に位置するまで下降した状態を保持し、水面を移動する際には、前記揺動抑制板が、前記浮体本体の底部より上方まで上昇した状態を保持することを特徴とする箱型浮体。
[2]前記上昇した状態の揺動抑制板を収納する箱状揺動抑制板収納部を備えていることを特徴とする上記[1]記載の箱型浮体。
[3]前記揺動低減手段が、前記揺動抑制板及び前記箱状揺動抑制板収納部を具備するユニットが複数連なって構成されていることを特徴とする上記[2]記載の箱型浮体。
[4]前記昇降手段が、各ユニットの揺動抑制板をそれぞれ独立して昇降させることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか記載の箱型浮体。
[5]前記浮体本体が平面視略長方形であって、
前記揺動低減手段が、前記浮体本体の長手方向の両側部に設けられていることを特徴とする上記[1]~[4]のいずれか記載の箱型浮体。
[6]前記ユニットは、
箱状揺動抑制板収納部が、隔壁及び外壁により仕切られた収納室と、該収納室内に上下方向に延設された昇降レールとを具備すると共に、
前記揺動抑制板が、前記収納室に対応した大きさの底板を備えた揺動抑制ボードと、該揺動抑制ボードに取り付けられた、前記昇降レールに案内される上下方向に延びる摺動部材とを具備する
ことを特徴とする上記[3]~[5]のいずれか記載の箱型浮体。
本発明の箱型浮体は、水面に停留する際には、波浪による揺動を抑制して安定的に浮遊することができると共に、水面を移動する際には、スムーズに移動することができる。
本発明の第1の実施形態に係る箱型浮体の概略斜視図であり、水面に停留している様子を示す説明図である。 図1に示す箱型浮体の説明図であり、(a)は断面図を示し、(b)は部分拡大断面図を示す。 図1に示す箱型浮体の揺動低減手段のユニットの拡大平面図であり、箱状揺動抑制板収納部に揺動抑制板が収納された状態を示す。 図1に示す箱型浮体の揺動低減手段の揺動抑制板の斜視図である。 図1に示す箱型浮体の揺動低減手段の昇降手段の説明図であり、(a)は揺動抑制板が下降した状態を示し、(b)は揺動抑制板が上昇した状態を示す。 図1に示す箱型浮体の概略斜視図であり、水面を移動している様子を示す説明図である。 図1に示す箱型浮体の波浪による揺動時の動作についての説明図であり、(a)は横揺れしていない状態を示し、(b)は時計回りに横揺れする状態を示し、(c)は反時計回りに横揺れする状態を示す。 実機を想定した箱型船(箱型浮体)の説明図であり、(a)は平面図であり、(b)は短手側から見た側面図である。 実施例1に係る箱型浮体の揺動抑制板の下降時を示す写真であり、(a)は斜め下方写真を示し、(b)は側面写真を示す。 実施例1に係る箱型浮体の揺動抑制板の収納時を示す写真であり、(a)は斜め上方写真を示し、(b)は斜め後方写真を示す。 実施例で作製した従来型の箱型浮体を示す写真であり、(a)は斜め上方写真を示し、(b)は平面写真を示す。 揺動特性試験の概要を示す説明図である。 実施例で作製した箱型浮体の規則波における揺動特性測定の結果を示す図である。 実施例で作製した箱型浮体の不規則波における揺動特性測定の結果を示す図である。
本発明の箱型浮体は、浮体本体と、浮体本体の側部に設けられた、波浪による揺動を抑制する揺動低減手段と、を備えた非自航式の箱型浮体であって、揺動低減手段が、上部に開口を有する立設した揺動抑制板と、揺動抑制板を昇降させる昇降手段と、を具備し、水面に停留する際には、揺動抑制板が、上部の開口が水中に位置するまで下降した状態を保持し、水面を移動する際には、揺動抑制板が、浮体本体の底部より上方まで上昇した状態を保持することを特徴とする。なお、本発明における「停留」には、2km/h以下の範囲内の微速で移動する場合も含まれる。
本明細書においては、箱型浮体の重心を通る縦軸(長手方向)回りの箱型浮体の運動を縦揺れ(ピッチ方向の揺れ)といい、箱型浮体の重心を通る横軸(短手方向)回りの浮体構造物の運動を横揺れ(ロール方向の揺れ)ということがある(図1参照)。
本発明の箱型浮体は、水面に停留する際には、上部に開口を有する揺動抑制板が、その開口が水中に位置するまで下降した状態を保持する。したがって、波浪によって箱型浮体に揺動が生じた際、揺動の下方となる側の揺動抑制板の上部開口から、揺動抑制板に挟まれた浮体本体下方の流体が流出する。この流出によって、揺動を小さくする方向への減衰力が生じ、箱型浮体の揺動は抑制される。
一方、本発明の箱型浮体は、水面を移動する際(押航又は曳航される際)には、揺動抑制板が浮体本体の底部より上方まで上昇した状態を保持する。したがって、箱型浮体が移動する際、揺動抑制板が抵抗となることなく、スムーズに移動することができる。
本発明の箱型浮体は、自らは航行できない水上に浮遊する箱型の構造体であり、通常、押船による押航や引船による曳航により水面を移動するものである。使用場所としては、海洋、湖沼、河川等の水上を挙げることができ、好ましくは海洋である。海洋としては、例えば、港湾区域、沿岸域、外洋等を挙げることができる。本発明の箱型浮体は、海洋での各種作業に使用される台船・はしけ(バージ)等の作業船として用いることができる。具体的に、海洋作業としては、海底ボーリング調査、浚渫作業、マウンド形成作業、洗堀防止作業、漁礁の設置作業、洋上設備の機器や補修部品の輸送作業、洋上設備の保守・補修作業、海底ケーブルの敷設作業等を挙げることができる。
本発明の箱型浮体は、作業時に水面から持ち上げるジャッキアップ式の箱型浮体であってもよい。このようなジャッキアップ式の箱型浮体は、作業時には揺動しないが、ジャッキアップする前には、箱型浮体は浮遊状態にあり、その際の箱型浮体の揺動を抑制することができる。
本発明の箱型浮体は、一から製造されるものに限らず、既存の浮体本体(台船等)に揺動低減手段を取り付けて製造されるものであってもよい。
本発明の箱型浮体の作業時(水面停留時)には、上記のとおり、箱型浮体が完全に停止しているものだけでなく、2km/h以下の微速で移動するものが含まれる。この際、箱型浮体の移動速度は、1.5km/h以下が好ましい。このような作業を行う箱型浮体としては、例えば、1km/h程度で押航又は曳航されながら、海底へ海底ケーブルの敷設作業を行う海底ケーブル敷設箱型浮体を挙げることができる。
[浮体本体]
本発明の浮体本体は、箱型浮体を構成する主要な部分であり、箱型の構造体である。浮体本体の形状としては、水面に浮くことが可能な箱型形状であれば特に制限されるものではなく、例えば、平面視略正方形又は略長方形のものを挙げることができる。なお、浮体本体の揺動低減手段が設けられていない、いずれかの側部の底部が、カットアップされたものであってもよい。
平面視略長方形の浮体本体の大きさとしては、特に制限されるものではないが、例えば、長手方向の長さが50~100m、短手方向の長さが15~30mのものを挙げることができる。なお、浮体本体の上面には、例えば、起重機、居住区、作業用機械等が搭載される。
[揺動低減手段]
揺動低減手段は、浮体本体の側部に設けられた、波浪による揺動を抑制する手段であり、上部に開口を有する立設した揺動抑制板と、揺動抑制板を昇降させる昇降手段と、を具備している。箱型浮体が水面に停留する際には、揺動抑制板が、上部の開口が水中に位置するまで下降した状態を保持し、箱型浮体が水面を移動する際(押航又は曳航される際)には、揺動抑制板が、浮体本体の底部より上方まで上昇した状態を保持する。
揺動低減手段は、通常、浮体本体の対向する側部にそれぞれ設けられている。また、浮体本体が平面視略長方形の場合、長手方向の側部に設けられていることが好ましい。すなわち、本発明の箱型浮体は、浮体本体が平面視略長方形であって、揺動低減手段が浮体本体の長手方向の両側部に設けられていることが好ましい。これにより、波浪による揺動が、(縦揺れに比べて)大きい横揺れを低減し、抑制することができる。なお、揺動低減手段は、浮体本体のすべての側部に設けられていてもよい。
(揺動抑制板)
揺動抑制板は、上部に開口を有する立設した板状部材である。揺動抑制板は、上部の開口が水中に位置するまで下降した状態において、揺動を抑制することができ、安定して浮かぶことを可能とする。具体的には、揺動抑制板の上部の開口が水中に位置するまで下降した状態において、箱型浮体が、短手方向を手前にして、時計回りに横揺れする場合、揺動抑制板に挟まれた浮体本体下方に滞留する水が、揺動の下方となる側の揺動抑制板の開口から勢いよく流出して、横揺れの減衰力となり、揺動を抑制する(図7(b)参照)。また、箱型浮体が、短手方向を手前にして、反時計回りに横揺れする場合も同様に、揺動抑制板に挟まれた浮体本体下方に滞留する水が、揺動の下方となる側の揺動抑制板の開口から勢いよく流出して、横揺れの減衰力となり、揺動を抑制する(図7(c)参照)。
揺動抑制板は、浮体本体の大きさに合わせて適宜設定することができ、その幅及び高さは設置する浮体本体の側部の幅及び高さに近い長さに形成されていることが好ましい。例えば、幅(長辺)10~200m、高さ(短辺)1~20mであることが好ましく、幅(長辺)20~150m、高さ(短辺)2~15mであることがより好ましく、幅(長辺)30~100m、高さ(短辺)3~10mであることがさらに好ましい。揺動抑制板は、複数の板状部材によって構成される分割体であってもよい。
開口が設けられる位置は、揺動抑制板全体の上側1/3の範囲であることが好ましく、上側1/4の範囲であることがより好ましく、上側1/5の範囲であることがさらに好ましい。開口の形状は、特に制限されるものではなく、円形、楕円形、多角形などの形状を挙げることができる。開口は、連続的又は間欠的に揺動抑制板の幅方向にわたって設けられることが好ましい。開口の高さ(上下方向の長さ)としては、浮体の大きさ等に応じて適宜設定することができるが、例えば、0.01~0.8mが好ましく、0.03~0.6mがより好ましく、0.05~0.4mがさらに好ましい。
(昇降手段)
昇降手段は、揺動抑制板を昇降させる手段である。これにより、揺動抑制板を上部の開口が水中に位置するまで下降させることができ、また、浮体本体の底部より上方まで上昇させることができる。昇降手段の駆動方式としては、特に制限されるものではなく、例えば、ウインチ、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、電動モータ及びギアボックス等を用いた方式を挙げることができる。
(箱状揺動抑制板収納部)
揺動低減手段は、浮体本体の側部に露出した状態で設けられているものであってもよいが、浮体本体の側部に包囲を覆われた状態で設けられていることが好ましい。すなわち、本発明の箱型浮体は、上昇した状態の揺動抑制板を収納する箱状揺動抑制板収納部を備えていることが好ましい。これにより、岸壁や陸地への接岸や他船による押航や曳航時に、揺動低減手段を保護することができる。
なお、箱状揺動抑制板収納部は、その下端が、浮体本体の下面より突出しないよう設けられる。これにより、移動時の抵抗を減少させて、スムーズな移動が可能となる。
(ユニット)
揺動低減手段は、揺動抑制板及び箱状揺動抑制板収納部を具備するユニットが複数連なって構成されていることが好ましい。この構成の場合、昇降手段は、各ユニットの揺動抑制板を同時に昇降させるものであってもよいし、各ユニットの揺動抑制板をそれぞれ独立して昇降させるものであってもよい。これにより、小型の昇降手段であっても確実に昇降させることができる。また、不具合が生じた場合にも、一部のユニットを修理すればよく、揺動低減手段全体が動作不能となることを防止することができる。また、各ユニットの揺動抑制板をそれぞれ独立して昇降させるものの場合、波の進入方向に対応した位置の揺動抑制板を下降させるなど調整可能であることから、より安定して水面に停留することができる。
上記ユニットにおける箱状揺動抑制板収納部及び揺動抑制板の具体的な好ましい態様としては、例えば、箱状揺動抑制板収納部が、隔壁及び外壁により仕切られた収納室と、収納室内に上下方向に延設された昇降レールとを具備すると共に、揺動抑制板が、収納室に対応した大きさの底板を備えた揺動抑制ボードと、揺動抑制ボードに取り付けられた、昇降レールに案内される上下方向に延びる摺動部材とを具備するものを挙げることができる。なお、昇降レールは複数設けられていてもよい。昇降レール及び摺動部材は、ローラやコロなどの転動部材を備えているものであってもよい。揺動抑制板の揺動抑制ボードが、収納室に対応した大きさの底板を備えていることにより、収納室内への海水や異物の流入を防止することができる。また、揺動抑制板の揺動抑制ボードが、収納室に対応した大きさの天井板を備えていることが好ましい。これにより、揺動抑制板を下降させた際、水が箱状揺動抑制板収納部内に流入することが抑制され、多くの水を揺動抑制板(揺動抑制ボード)の開口へ誘導させることができ、揺れに対する減衰力をより大きなものとすることができる。
以下、図面を用いて本発明の箱型浮体の一実施形態を具体的に説明するが、本発明は本実施形態に制限されるものではない。
ここで、図1は、本発明の第1の実施形態に係る箱型浮体の概略斜視図であり、水面に停留している様子を示す説明図である。図2は、図1に示す箱型浮体の説明図であり、(a)は断面図を示し、(b)は部分拡大断面図を示す。図3は、図1に示す箱型浮体の揺動低減手段のユニットの拡大平面図であり、箱状揺動抑制板収納部に揺動抑制板が収納された状態を示す。図4は、図1に示す箱型浮体の揺動低減手段の揺動抑制板の斜視図である。図5は、図1に示す箱型浮体の揺動低減手段の昇降手段の説明図であり、(a)は揺動抑制板が下降した状態を示し、(b)は揺動抑制板が上昇した状態を示す。図6は、図1に示す箱型浮体の概略斜視図であり、水面を移動している様子を示す説明図である。図7は、図1に示す箱型浮体の波浪による揺動時の動作についての説明図であり、(a)は横揺れしていない状態を示し、(b)は時計回りに横揺れする状態を示し、(c)は反時計回りに横揺れする状態を示す。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る箱型浮体10は、浮体本体12と、浮体本体12の長手方向の側部に設けられた揺動低減手段14とを備え、揺動低減手段14は、浮体本体12の側部に立った状態で設けられた揺動抑制板16と、揺動抑制板16を昇降させる昇降手段としての油圧シリンダ18を具備している。
図2に示すように、箱型浮体10は、上昇状態にある揺動抑制板16a,16bを収納する箱状揺動抑制板収納部20を備えている。図2においては、浮体本体12の一方(右側)の揺動抑制板16aが、上部の開口22が水中に位置するまで下降した状態を示し、他方(左側)の揺動抑制板16bが、浮体本体12の底部より上方まで上昇し、箱状揺動抑制板収納部20に収納された状態を示すが、通常は、両方が上昇又は下降した同一の状態にある。
図1に示すように、揺動低減手段14は、揺動抑制板16及び箱状揺動抑制板収納部20を具備するユニット24が5つ連なって構成されている。図3に示すように、箱状揺動抑制板収納部20は、ユニット24ごとに隔壁26及び外壁28により仕切られた収納室30と、収納室30に設けられた昇降レール32とを具備しており、収納室30には、上昇した揺動抑制板16が包囲された状態で収納される。これにより、岸壁や陸地への接岸や他船による押航や曳航時に、揺動低減手段14を保護することができる。
図4に示すように、揺動抑制板16は、幅(左右方向の長さ)9m、高さ(上下方向の長さ)5mの揺動抑制ボード34と、揺動抑制ボード34に取り付けられた上下方向に延設された摺動部材36とを具備している。揺動抑制ボード34は、2つの側板38並びに底板40及び天井板42によって周囲が囲まれて箱型に構成されている。1つのユニット24の箱状揺動抑制板収納部20及び揺動抑制板16は、揺動抑制板16の摺動部材36が箱状揺動抑制板収納部20の収納室30に設けられた昇降レール32を摺動可能に接続されている。
また、揺動抑制板16には、その上部に、幅(左右方向の長さ)1.5m、高さ(上下方向の長さ)0.3mの開口22が幅方向にわたって3つ、所定間隔を空けて間欠的に設けられている。
図5に示すように、ユニット24ごとの揺動抑制板16の揺動抑制ボード34には、油圧シリンダ18が固定され、この油圧シリンダ18の伸縮により揺動抑制板16を上下に昇降させる。油圧シリンダ18は、各ユニット24の揺動抑制板16をそれぞれ独立して昇降させることができる。
図6に示すように、箱型浮体10は、水面を移動する際(押航又は曳航される際)には、揺動抑制板16a,16bが浮体本体12の底部より上方まで上昇し、箱状揺動抑制板収納部20に収納された状態となる。箱状揺動抑制板収納部20は、その下端が、浮体本体12の下面より突出しないよう設けられている。これにより、移動時の突起物や間隙などによる抵抗を減少させて、スムーズな水面移動が可能となる。
続いて、図7を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る箱型浮体10の動作について説明する。図7は、箱型浮体10は、浮体本体12の両方の側部に設けられた揺動抑制板16a,16bが、上部の開口22が水中に位置するまで下降した状態である。
まず、図7(a)に示すように、箱型浮体10が横揺れしていない場合、揺動低減手段14は、揺動抑制板16a,16bが、上部の開口22が水中に位置するまで下降した状態を保持し、水面に停留する。
図7(b)に示すように、箱型浮体10が時計回りに横揺れが生じた際、揺動の下方となる側の揺動抑制板16aの上部開口22から、揺動抑制板16a,bに挟まれた浮体本体12下方の流体が流出する。この流出によって、揺動を小さくする方向への減衰力が生じ、箱型浮体10の揺動は抑制される。
図7(c)に示すように、箱型浮体10が反時計回りに横揺れが生じた際、揺動の下方となる側の揺動抑制板16bの上部開口22から、揺動抑制板16a,bに挟まれた浮体本体12下方の流体が流出する。この流出によって、揺動を小さくする方向への減衰力が生じ、箱型浮体10の揺動は抑制される。
[揺動特性試験]
(実施例1)
本発明の実施例1に係る箱型浮体を用いて揺動特性試験を行った。
図8は、実機を想定した箱型船(箱型浮体)の説明図であり、(a)は平面図であり、(b)は短手側から見た側面図である。図9は、実施例1に係る箱型浮体の揺動抑制板の下降時を示す写真であり、(a)は斜め下方写真を示し、(b)は側面写真を示す。図10は、実施例1に係る箱型浮体の揺動抑制板の収納時を示す写真であり、(a)は斜め上方写真を示し、(b)は斜め後方写真を示す。図11は、実施例で作製した従来型の箱型浮体を示す写真であり、(a)は斜め上方写真を示し、(b)は平面写真を示す。
なお、本試験に用いた箱型浮体(実施例1、比較例1)は、実機の1/50の縮尺模型を想定したものである。
図8に示すように、実機を想定した箱型船は、船長(L)65.0m、幅(B)25.0m、深さ(D)5.0mであり、喫水は3.0m、排水量は4997tonである。また、箱状揺動抑制板収納部は、箱型船の長手方向両側のそれぞれに8つのユニットが連なって構成されており、1つのユニットの長さ(l)は6.3m、幅(w)は1.5m、揺動抑制板の下降時の箱状揺動抑制板収納部(浮体本体)の底部からの長さ(d)は2.5m、揺動抑制板の底板の幅(b)は1.0m、開口の高さ(g)は0.25mである。
実機を想定した箱型船と、使用した模型のスケールを表1に示す。
揺動特性試験は、以下の条件で行った。
図12に示すように、長さ60m、幅4m、深さ2.3mの船舶海洋試験水槽において、本実施例に係る箱型浮体の上部に揺動センサーを取り付け、運動に影響を与えないように係留させた状態で、造波装置により波を発生させ、波周期(sec)における浮体構造体のピッチ振幅/波振幅(deg/m)の測定を行った。測定は、規則波と、不規則波の2パターンで計測を行った。
その結果を図13及び14に示す。
図13及び図14に示すように、実施例1に係る箱型浮体は、揺動低減手段を備えていない比較例1に係る箱型浮体よりも、波浪発現頻度の高い平均周期5~7s付近で、規則波及び不規則波に対する横揺れが、約40~60%に低減できることが確認できた。
したがって、本発明の実施例1に係る箱型浮体は、波浪による揺動を抑制し、安定して浮遊できることが確認できた。
[曳航試験]
本発明の実施例1に係る箱型浮体を用いて曳航試験を行った。
揺動抑制板を収納した状態の実施例1に係る箱型浮体(図10)は、揺動低減手段を備えていない比較例1に係る箱型浮体(図11)と同様にスムーズな曳航が可能であることが確認できた。
本発明の浮体構造体は、海上の非自航式の作業船等に利用できることから、産業上有用である。
10 箱型浮体
12 浮体本体
14 揺動低減手段
16 揺動抑制板
18 油圧シリンダ(昇降手段)
20 箱状揺動抑制板収納部
22 開口
24 ユニット
26 隔壁
28 外壁
30 収納室
32 昇降レール
34 揺動抑制ボード
36 摺動部材
38 側板
40 底板
42 天井板

Claims (6)

  1. 浮体本体と、該浮体本体の側部に設けられた、波浪による揺動を抑制する揺動低減手段と、を備えた非自航式の箱型浮体であって、
    前記揺動低減手段が、
    上部に開口を有する立設した揺動抑制板と、該揺動抑制板を昇降させる昇降手段と、を具備し、
    水面に停留する際には、前記揺動抑制板が、上部の開口が水中に位置するまで下降した状態を保持し、水面を移動する際には、前記揺動抑制板が、前記浮体本体の底部より上方まで上昇した状態を保持することを特徴とする箱型浮体。
  2. 前記上昇した状態の揺動抑制板を収納する箱状揺動抑制板収納部を備えていることを特徴とする請求項1記載の箱型浮体。
  3. 前記揺動低減手段が、前記揺動抑制板及び前記箱状揺動抑制板収納部を具備するユニットが複数連なって構成されていることを特徴とする請求項2記載の箱型浮体。
  4. 前記昇降手段が、各ユニットの揺動抑制板をそれぞれ独立して昇降させることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載の箱型浮体。
  5. 前記浮体本体が平面視略長方形であって、
    前記揺動低減手段が、前記浮体本体の長手方向の両側部に設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載の箱型浮体。
  6. 前記ユニットは、
    箱状揺動抑制板収納部が、隔壁及び外壁により仕切られた収納室と、該収納室内に上下方向に延設された昇降レールとを具備すると共に、
    前記揺動抑制板が、前記収納室に対応した大きさの底板を備えた揺動抑制ボードと、該揺動抑制ボードに取り付けられた、前記昇降レールに案内される上下方向に延びる摺動部材とを具備する
    ことを特徴とする請求項3~5のいずれか記載の箱型浮体。

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