JP2023137760A - 紙葉類識別装置、紙葉類処理装置及び紙葉類識別方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】貼り合わせ券を高精度に検出することが可能な紙葉類識別装置、紙葉類処理装置及び紙葉類識別方法を提供する。【解決手段】紙葉類を識別する紙葉類識別装置であって、前記紙葉類に励起光を照射して前記紙葉類から発生された蛍光を受光することで前記紙葉類の蛍光画像を取得する画像取得部と、前記画像取得部で取得された前記蛍光画像から当該紙葉類に固有の蛍光レベルを算出し、前記蛍光レベルに基づいて前記蛍光画像において異常領域を抽出し、前記異常領域に基づいて前記紙葉類が貼り合わせ券であるか否かを識別する制御部と、を備える紙葉類識別装置である。【選択図】図2
Description
本開示は、紙葉類識別装置、紙葉類処理装置及び紙葉類識別方法に関する。
従来、紙幣(銀行券)、商品券、小切手、有価証券等を処理する処理装置では、紙葉類を切り貼りされた紙葉類や裂け紙葉類、更には落書き等がされた紙葉類といった異常な紙葉類を検出することが求められてきた。
切り貼りされた紙葉類とは、1枚又は2枚以上の紙葉類からテープや糊、接着剤等を用いて紙片を貼り合わせることによって作成された紙葉類である。以下では、切り貼りされた紙葉類を貼り合わせ券と略称する場合がある。
テープや糊、接着剤を用いて貼り合わせられた貼り合わせ券の検出に関しては、特許文献1に、紫外光、例えば365nmを中心波長とした紫外光を紙葉類に照射することで、メンディングテープ等の光沢テープが可視光で蛍光発光する旨が開示されている。この特徴を用いて蛍光画像を取得し、貼り合わせ券を識別している。
しかしながら、紙幣のような紙葉類であれば、紙幣の蛍光発光量は、流通度合に依存して大きくなる傾向がある。具体的には、市場で流通する過程で人の手垢汚れ等が付着し、手垢汚れ部分が蛍光発光し、手垢によって紙幣全体が蛍光発光するがある。また、貼り合わせ券の接合部に付着しているテープや糊、接着剤等の蛍光発光量は、微小なものもある。そのため、テープや糊、接着剤等による貼り合わせ箇所の異常領域を絶対値を用いた閾値で識別することが困難であるという課題がある。
本開示は、上記現状に鑑みてなされたものであり、貼り合わせ券を高精度に検出することが可能な紙葉類識別装置、紙葉類処理装置及び紙葉類識別方法を提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、(1)本開示の第1の態様に係る紙葉類識別装置は、紙葉類を識別する紙葉類識別装置であって、前記紙葉類に励起光を照射して前記紙葉類から発生された蛍光を受光することで前記紙葉類の蛍光画像を取得する画像取得部と、前記画像取得部で取得された前記蛍光画像から当該紙葉類に固有の蛍光レベルを算出し、前記蛍光レベルに基づいて前記蛍光画像において異常領域を抽出し、前記異常領域に基づいて前記紙葉類が貼り合わせ券であるか否かを識別する制御部と、を備える。
(2)上記(1)に記載の紙葉類識別装置において、前記制御部は、前記蛍光レベルから前記蛍光画像における異常な輝度値に関する閾値を算出してもよく、前記蛍光画像おいて当該閾値を超える画素領域を前記異常領域として抽出してもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の紙葉類識別装置において、前記制御部は、前記蛍光画像を、主走査方向と、副走査方向と、前記主走査方向及び前記副走査方向に対して所定の角度をなす斜め方向とのうちの少なくとも1つの方向にスキャンすることによって前記異常領域を抽出してもよい。
(4)上記(3)に記載の紙葉類識別装置において、前記制御部は、前記蛍光画像を、前記主走査方向、前記副走査方向及び前記斜め方向のそれぞれにスキャンすることによって前記異常領域を抽出してもよい。
(5)また、本開示の第2の態様に係る紙葉類処理装置は、上記(1)~(4)のいずれかに記載の紙葉類識別装置を備える。
(6)また、本開示の第3の態様に係る紙葉類識別方法は、紙葉類を識別する紙葉類識別方法であって、前記紙葉類に励起光を照射して前記紙葉類から発生された蛍光を受光することで前記紙葉類の蛍光画像を取得する画像取得工程と、前記画像取得工程で取得された前記蛍光画像から当該紙葉類に固有の蛍光レベルを算出する蛍光レベル算出工程と、前記蛍光レベルに基づいて前記蛍光画像において異常領域を抽出する異常領域抽出工程と、前記異常領域に基づいて前記紙葉類が貼り合わせ券であるか否かを識別する識別工程と、を備える。
(7)上記(6)に記載の紙葉類識別装置において、前記異常領域抽出工程は、前記蛍光レベルから前記蛍光画像における異常な輝度値に関する閾値を算出してもよく、前記蛍光画像おいて当該閾値を超える画素領域を前記異常領域として抽出してもよい。
(8)上記(6)又は(7)に記載の紙葉類識別装置において、前記異常領域抽出工程は、前記蛍光画像を、主走査方向と、副走査方向と、前記主走査方向及び前記副走査方向に対して所定の角度をなす斜め方向とのうちの少なくとも1つの方向にスキャンすることによって前記異常領域を抽出してもよい。
(9)上記(8)に記載の紙葉類識別装置において、前記異常領域抽出工程は、前記蛍光画像を、前記主走査方向、前記副走査方向及び前記斜め方向のそれぞれにスキャンすることによって前記異常領域を抽出してもよい。
本開示によれば、貼り合わせ券を高精度に検出することが可能な紙葉類識別装置、紙葉類処理装置及び紙葉類識別方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本開示に係る紙葉類識別装置、紙葉類処理装置及び紙葉類識別方法の実施形態を詳細に説明する。本開示の対象となる紙葉類としては、紙幣、小切手、商品券、手形、帳票、有価証券、カード状媒体等の様々な紙葉類が適用可能であるが、以下においては、紙幣を対象とする装置を例として、本開示を説明する。
また、以下の説明において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して適宜用い、その繰り返しの説明は適宜省略する。また、構造を説明する図面には、互いに直交するXYZ座標系を適宜示している。
(実施形態1)
図1を用いて、本実施形態に係る紙葉類識別装置の構成について説明する。図1は、実施形態1に係る紙葉類識別装置の構成の一例を説明する模式図であり、紙幣の搬送路を側方から見た図である。図2は、実施形態1に係る紙葉類識別装置の構成の一例を説明するブロック図である。
図1を用いて、本実施形態に係る紙葉類識別装置の構成について説明する。図1は、実施形態1に係る紙葉類識別装置の構成の一例を説明する模式図であり、紙幣の搬送路を側方から見た図である。図2は、実施形態1に係る紙葉類識別装置の構成の一例を説明するブロック図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る紙葉類識別装置1は、紙葉類としての紙幣BNを識別する、特に貼り合わせ券を検出可能な装置であって、画像取得部10及び制御部20を備えている。
なお、紙葉類識別装置1は、その他、半導体メモリ(RAMやROM)、ハードディスク等の記憶装置から構成される記憶部を備えていてもよい。
画像取得部10は、紙幣BNに励起光(例えば紫外光)を照射して紙幣BNから発生された蛍光を受光することで紙幣BNの蛍光画像(蛍光による画像データ)を取得する。
なお、紙幣BNから発生される蛍光の波長帯域は、特に限定されず、例えば、可視領域や赤外領域であってもよい。
また、画像取得部10は、紙幣BNから発生される蛍光を複数の波長帯域において受光してもよい。具体的には、画像取得部10は、紙幣BNから発生される蛍光を、赤色の波長帯域(概ね600nm~700nm)、緑色の波長帯域(概ね500nm~600nm)、及び青色の波長帯域(概ね400nm~500nm)の少なくとも1つの波長帯域において受光してもよい。この場合、紙幣BNの蛍光画像として、赤色によるR画像、緑色によるG画像及び青色によるB画像の少なくとも1種が取得される。また、画像取得部10は、紙幣BNから発生される蛍光を上記3色の波長帯域においてそれぞれ受光してもよい。この場合、紙幣BNの蛍光画像として、赤色によるR画像、緑色によるG画像及び青色によるB画像の3種が取得される。
図1に示すように、画像取得部10は、紙幣BNに光を照射する光源11と、紙幣BNから発生された蛍光を受光する受光部13と、を有していてもよい。識別対象となる紙幣BNは、XY平面内をX方向に搬送されてもよい。
光源11は、紙幣BNに対して受光部13と同じ側に設けられている。例えば、光源11は、紙幣BNの一方の主面(以下、A面)に励起光を照射し、受光部13は、紙幣BNのA面から発生された蛍光を受光する。
なお、紙幣BNの他方の主面(以下、B面)側にも同様に光源11及び受光部13を設け、紙幣BNのB面から発生された蛍光を受光してもよい。これにより、画像取得部10は、紙幣BNのA面及びB面それぞれの蛍光画像を取得してもよい。
光源11が照射する光は、ピーク波長とその近傍の波長を含む波長帯域の光であってもよい。光源11から照射される励起光の種類(波長)は、特に限定されず、紫外光等が挙げられる。
受光部13は、光源11が励起光を照射する間、紙幣BNから発生された蛍光を受光してもよい。このとき、受光部13は、少なくとも、紙幣BNから発生された蛍光の波長帯域に感度をもつセンサとして機能し得る。受光部13は、受光した光の光量に応じた電気信号を画像データとして出力する。より詳細には、受光部13は、受光素子を備えてもよく、受光素子は、光を受光して入射光量に応じた電気信号に変換し、画像データとして出力してもよい。
受光部13は、紙幣BNから発生された蛍光を複数の波長帯域毎に受光し、複数の波長帯域毎に画像データを出力してもよい。具体的には、上述のように、R画像データ、G画像データ及びB画像データの少なくとも1種を出力してもよい。
図3は、実施形態1に係る紙葉類識別装置の構成の一例を説明する模式図であり、斜め方向から見た図である。
なお、図3では、紙幣BNがその短手方向に搬送される場合が図示されているが、紙幣BNは、その長手方向に搬送されてもよい。
図3に示すように、画像取得部10は、Y方向に延在する光学ラインセンサを構成していてもよい。この場合、Y方向は、光学ラインセンサの主走査方向に対応し、X方向は、光学ラインセンサの副走査方向に対応する。
光源11は、紙幣BNのY方向の長さよりも長く、Y方向に延びる直線状に励起光を紙幣BNのY方向全体に照射してもよい。この場合、光源11は、透明な直線的な棒状の導光体と、導光体の両端面の少なくとも一方に対向する発光素子(例えばLED(Light Emitting Diode))と、を備えていてもよく、導光体を介して紙幣BNに励起光を照射してもよい。
受光部13は、紙幣BNのY方向の長さよりも長く、紙幣BNのY方向全体で発生された蛍光を受光してもよい。また、受光部13は、Y方向に一列に配列された複数の受光素子(受光画素)を備えていてもよく、リニアイメージセンサを構成していてもよい。すなわち、受光部13は、入射光量に応じた電気信号を、複数の受光素子(Y方向の位置)に対応する複数のチャンネル(列)にて出力してもよい。チャンネル(列)は、Y方向に順に受光素子に割り当てられた番号である。このとき、受光部13は、画像データとして、各チャンネルで同時に受光した光に係るデータであるラインデータを出力してもよい。紙幣BNをX方向(副走査方向)に搬送しながら、この光源11による励起光の照射と受光部13による蛍光の受光とを繰り返すことによって、紙幣BN全体の蛍光画像データを出力する。
このように、画像取得部10は、所定のサイクルの撮像を1周期として、これを連続して繰り返し実行することにより、紙幣BN全体の画像を取得してもよい。
画像取得部10によって取得される蛍光画像は、Y方向(主走査方向)及びX方向(副走査方向)にマトリクス状に配列された複数の画素から構成されており、各画素のアドレスは、Y方向の位置に対応する受光部13のチャンネル(列)と、X方向の位置に対応するライン(行)によって特定される。なお、ライン(行)は、受光部13が順次出力するラインデータに順に割り当てられた番号である。
図2に示したように、制御部20は、判定前処理部21及び判定部22を有している。
制御部20は、紙葉類識別装置1の各部を制御するコントローラであり、CPU(Central Processing Unit)、当該CPUによって制御される各種ハードウェア(例えばFPGA(Field Programmable Gate Array))等を備えるコンピュータシステムとして構成される。制御部20は、そのCPUにおいて、所定のソフトウエアプログラムを実行することによって、各種の処理を実現する。
判定前処理部21は、画像取得部10で取得された紙幣BNの蛍光画像から当該紙幣BNに固有の、すなわち特有の蛍光レベルを算出する。ここで、蛍光レベルは、紙幣BNの蛍光画像の平均蛍光レベルである。より詳しくは、紙幣BNの蛍光画像のうち、輝度値が所定の閾値を超える異常な値を示す異常画素と、必要に応じてマスク領域と、を除いた領域の平均輝度値である。以下、この領域を蛍光レベル算出領域と言う場合がある。なお、平均輝度値は、当該領域に含まれる全画素の輝度値の総和をその画素数で除算することによって算出される。
また、判定前処理部21は、算出した蛍光レベルから紙幣BNの蛍光画像における異常な輝度値に関する閾値を算出してもよい。以下、この閾値を固有閾値と言う場合がある。より具体的には、判定前処理部21は、例えば、蛍光レベルの所定の割合(例えば20%)を当該蛍光レベルに加算して固有閾値を算出してもよいし、紙幣BNの蛍光画像全体における輝度値の標準偏差の定数倍(例えば3.8)を蛍光レベルに加算して固有閾値を算出してもよい。
更に、判定前処理部21は、上述のように紙幣BNの蛍光画像にマスク領域を設定してもよい。例えば、識別対象の紙幣の種類毎に、マスク領域の有無や範囲が対応付けられた判定テーブル(テンプレート情報)を予め準備しておき、判定前処理部21は、この判定テーブルに基づいて紙幣BNの蛍光画像にマスク領域を設定してもよい。また、判定前処理部21は、マスク領域の異常判定用閾値として、蛍光レベルに個々のマスク領域特有の閾値を加算してマスク領域用固有閾値を算出してもよい。
なお、画像取得部10によって紙幣BNの蛍光画像として複数の波長帯域の光による複数の画像(例えばRGB画像)が取得される場合は、判定前処理部21及び判定部22による各処理は、複数の画像全てにそれぞれに対して実行されてもよいし、複数の画像のうちの所定の画像のみに対して実行されてもよい。後者の場合は、例えば、判定テーブルにおいて、識別対象の紙幣の種類毎に、判定前処理部21及び判定部22による各処理を実行するか否かを定義しておき、判定前処理部21及び判定部22が判定テーブルに基づいて処理対象となる画像を選択してもよい。
図2に示したように、判定部22は、異常領域抽出部23及び切貼券判定部24を有している。
異常領域抽出部23は、判定前処理部21により算出された蛍光レベルに基づいて紙幣BNの蛍光画像において異常領域を抽出する。
このとき、異常領域抽出部23は、紙幣BNの蛍光画像おいて固有閾値を超える画素領域を異常領域として抽出してもよい。これにより、識別対象の紙幣の蛍光画像においてより適切に異常領域を抽出することが可能である。
図4は、実施形態1において、紙幣の蛍光画像を主走査方向へスキャンすることによって異常領域を抽出する処理を説明するための模式図である。図5は、実施形態1において、紙幣の蛍光画像を副走査方向へスキャンすることによって異常領域を抽出する処理を説明するための模式図である。図6は、実施形態1において、紙幣の蛍光画像を斜め方向(+45°)へスキャンすることによって異常領域を抽出する処理を説明するための模式図である。図7は、実施形態1において、紙幣の蛍光画像を斜め方向(-45°)へスキャンすることによって異常領域を抽出する処理を説明するための模式図である。
異常領域抽出部23は、紙幣の蛍光画像を、主走査方向、副走査方向及び斜め方向(主走査方向及び副走査方向に対して所定の角度をなす方向)のうちの少なくとも1つの方向にスキャンすることによって異常領域を抽出してもよいし、紙幣の蛍光画像を、主走査方向、副走査方向及び斜め方向のそれぞれにスキャンすることによって異常領域を抽出してもよい。これにより、識別対象の紙幣の蛍光画像において更に適切に異常領域を抽出することが可能である。
より具体的には、図4~図7に示すように、異常領域抽出部23は、所定の判定領域(部分領域)40を、主走査方向、副走査方向及び斜め方向のうちの少なくとも1つの方向に、所定数の画素ずつ(例えば1画素ずつ)シフトさせながら、各位置での判定領域40ごとに異常領域を抽出してもよい。判定領域40の形状は適宜設定可能であるが、例えば、矩形であってもよい。その場合、矩形の長手方向の長さは、紙幣BNの蛍光画像IMGの両端を少なくとも包含する大きさであってもよく、矩形の短手方向の幅は、紙幣BNの蛍光画像IMGの短手方向の長さ(札幅)よりも短い所定の長さ(例えば10mm程度)であってもよい。なお、斜め方向に所定数の画素ずつ判定領域40をシフトする場合は、主走査方向Y及び副走査方向Xにそれぞれ所定数の画素ずつ(例えば1画素ずつ)判定領域40をシフトしてもよい。
斜め方向が主走査方向及び副走査方向に対してなす所定の角度は、適宜設定可能であり、例えば、図6及び図7に示すように、45°であってもよい。また、斜め方向は、主走査方向及び副走査方向に対して、正の角度をなす方向(例えば+45°、図6参照)と、負の角度をなす方向(例えば-45°、図7参照)とを含む2つの斜め方向であってもよく、異常領域抽出部23は、それぞれの斜め方向にスキャンしてもよい。
切貼券判定部24は、異常領域抽出部23により抽出された異常領域に基づいて紙幣BNが貼り合わせ券であるか否かを識別(判定)する。
切貼券判定部24は、抽出された異常領域に基づいて評価値を算出し、算出した評価値を所定の閾値と比較することによって紙幣BNが貼り合わせ券であるか否かを判定してもよい。すなわち、切貼券判定部24は、算出した評価値が上記閾値を超える場合、紙幣BNを貼り合わせ券と判定し、算出した評価値が上記閾値を超えない場合、紙幣BNを貼り合わせ券ではないと判定してもよい。評価値としては、例えば、蛍光レベル算出領域全体や所定の判定領域(部分領域)に占める異常領域の画素の割合(異常画素率)、異常領域の各画素の輝度値と固有閾値との差分の平均値(差分総和値の平均値)等が挙げられる。これらの値を組み合わせた値、例えば互いに乗算した値を評価値としてもよい。
また、切貼券判定部24は、所定の判定領域(部分領域)毎に紙幣BNが貼り合わせ券であるか否かを判定してもよい。そして、少なくとも1つの判定領域の判定結果が貼り合わせ券であれば、紙幣BNは貼り合わせ券であると判定してもよい。
次に、図8を用いて、本実施形態に係る紙葉類識別装置1の動作について説明する。図8は、実施形態1に係る紙葉類識別装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
図8に示すように、まず、画像取得部10が、紙幣BNに励起光を照射して紙幣BNから発生された蛍光を受光することで紙幣BNの蛍光画像を取得する(ステップS11)。
次に、判定前処理部21が、画像取得部10で取得された蛍光画像から当該紙幣BNに固有の蛍光レベルを算出する(ステップS12)。
次に、異常領域抽出部23が、判定前処理部21により算出された蛍光レベルに基づいて蛍光画像において異常領域を抽出する(ステップS13)。
その後、切貼券判定部24が、異常領域抽出部23により抽出された異常領域に基づいて紙幣BNが貼り合わせ券であるか否かを識別し(ステップS14)、紙葉類識別装置1の動作が終了する。
本実施形態によれば、紙幣BNに固有の蛍光レベル(個々の紙幣BNの蛍光レベル)に基づいて当該紙幣BNの蛍光画像において異常領域を抽出し、抽出された異常領域に基づいて紙幣BNが貼り合わせ券であるか否かを識別することから、紙幣の蛍光レベルが媒体によってばらついた場合であっても、まさに識別を行う対象となっている紙幣の蛍光画像において適切に異常領域を抽出することが可能であり、その結果、適切に抽出された当該蛍光異常領域に基づいて貼り合わせ券か否かを高精度に判定することができる。
(実施形態2)
図9及び図10を用いて、本実施形態に係る紙葉類処理装置の構成について説明する。図9は、実施形態2に係る紙葉類処理装置の一例の外観を示した斜視模式図である。図10は、実施形態2に係る紙葉類処理装置の構成の一例を説明するブロック図である。
図9及び図10を用いて、本実施形態に係る紙葉類処理装置の構成について説明する。図9は、実施形態2に係る紙葉類処理装置の一例の外観を示した斜視模式図である。図10は、実施形態2に係る紙葉類処理装置の構成の一例を説明するブロック図である。
本実施形態に係る紙葉類処理装置は、例えば、図9に示す構成を有するものであってもよい。図9に示す紙葉類処理装置300は、紙幣の識別処理を行う紙葉類識別装置(図10参照)を内蔵し、処理対象の複数の紙幣が積層状態で載置されるホッパ301と、リジェクト紙幣が排出される2つのリジェクト部302と、オペレータからの指示を入力するための操作部303と、筐体304内で金種、真偽及び正損が識別された紙幣を分類して集積するための4つの集積部306a~306dと、紙幣の識別計数結果や各集積部306a~306dの集積状況等の情報を表示するための表示部305とを備えている。
また、図10に示されるように、紙葉類処理装置300は、搬送部310、本体記憶部330及び本体制御部320を更に備えている。
搬送部310は、紙幣を搬送するための搬送ローラ、当該搬送ローラを駆動する駆動機構(駆動源及び駆動力伝達機構)等を備えて構成される。
本体記憶部330は、半導体メモリ(RAMやROM)、ハードディスク等の記憶装置から構成されており、紙葉類処理装置300を制御するための各種のプログラムや情報(データ)を記憶している。
本体制御部320は、紙葉類処理装置300の各部を制御するコントローラであり、CPU、当該CPUによって制御される各種ハードウェア(例えばFPGA)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。本体制御部320は、そのCPUにおいて、本体記憶部330(本体記憶部330とは別に設けられた記憶部でもよい)に記憶されている所定のソフトウエアプログラムを実行することによって、各種の処理を実現する。
図11は、実施形態2に係る紙葉類識別装置の構成の一例を説明するブロック図である。
図11に示すように、本実施形態に係る紙葉類識別装置200は、検出部210、制御部220及び記憶部230を備えている。
検出部210は、搬送される紙幣の各種特性を検出するものであり、紙幣の搬送路に沿って、上述の画像取得部10に加え、磁気検出部211及び厚み検出部212を備えていてもよい。画像取得部10は、上述のように紙幣の蛍光画像(蛍光による画像データ)を取得して出力する。
記憶部230は、半導体メモリ(RAMやROM)、ハードディスク等の記憶装置から構成されており、紙葉類識別装置200を制御するための各種のプログラムや情報(データ)を記憶している。
制御部220は、紙葉類識別装置200の各部を制御するコントローラであり、CPU、当該CPUによって制御される各種ハードウェア(例えばFPGA)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。制御部220は、そのCPUにおいて、記憶部230に記憶されている所定のソフトウエアプログラムを実行することによって、各種の処理を実現する。
また、制御部220は、検出部210から取得した紙幣に係る各種信号を利用して識別処理を行う。制御部220は、紙幣の金種及び真偽を識別する。更に、制御部220は、紙幣の正損を判定する。より詳細には、制御部220は、紙幣の汚れ、折れ、破れ等を検出するとともに、紙幣の厚みから紙幣に貼り付けられたテープ等を検出することにより、紙幣を、市場で再利用できる正券及び市場流通に適さない損券のいずれとして処理するかを判定する。
このとき、制御部220は、金種、真偽、正損等を識別するために画像取得部10が取得した紙幣の画像(画像データ)を用いる。また、制御部220は、紙幣の真偽及び正損に関する判定処理として、後述する蛍光異常判定処理をおこなう。
次に、図12を用いて、画像取得部10の構成について説明する。図12は、実施形態2に係る紙葉類識別装置が備える画像取得部の構成の一例を説明する断面模式図である。
図12に示すように、画像取得部10は、互いに対向配置されたセンサユニット110及び120を備えている。センサユニット110及び120は、各々、本実施形態に係る紙葉類処理装置の搬送路に対向するコンタクトイメージセンサから構成されており、Z方向において離間したセンサユニット110及び120の間には、紙幣BNがXY平面内をX方向に搬送される隙間が形成されており、この隙間は本実施形態に係る紙葉類処理装置の搬送路の一部を構成する。センサユニット110及び120は、それぞれ、搬送路の上側(+Z方向)及び下側(-Z方向)に位置している。Y方向がセンサユニット110、120の主走査方向に対応し、X方向がセンサユニット110、120の副走査方向に対応している。
図12に示すように、各センサユニット110、120は、2つの反射及び励起用の光源111b、集光レンズ112、受光部113及び基板114を備えている。また、各センサユニット110、120は、これらの構成が収納されるケースと、ケースの搬送路側の開口に嵌め込まれたカバーガラスと、を備えている。
反射及び励起用の光源111bは、例えば、主走査方向に延在する導光体と、導光体の少なくとも一方の端面に対向し、複数波長の光をそれぞれ照射する複数種の発光素子とを備えている。センサユニット110の光源111bと、センサユニット120の光源111bとは、それぞれ、紙幣BNのA面とB面とに、励起光を含む複数波長の光を順次照射する。光源111bは、複数波長の光として、例えばピーク波長が互いに異なる光を照射する。具体的には、光源111bは、赤外光(IR、ピーク波長が互いに異なる複数種の赤外光でもよい)と、赤色光(R)、緑色光(G)及び青色光(B)を含む白色光(W)と、励起光としての紫外光(UV)とを順次照射する。
集光レンズ112は、例えば、主走査方向に複数のロッドレンズが配列されたロッドレンズアレイから構成され、光源111bから出射され、紙幣BNのA面又はB面で反射された光や紙幣BNのA面又はB面からから発生された蛍光を集光する。
受光部113は、例えば、主走査方向に複数の受光素子(受光画素)が配列されたリニアイメージセンサを備えており、各受光素子は、光源111bが照射する複数波長の光の波長帯域と、紙幣BNから発生された蛍光の波長帯域とに感度をもつ。
各受光素子には、例えば、少なくとも可視領域から波長1100nmの赤外領域まで感度をもつ光検出器、例えばシリコン(Si)フォトダイオードを用いることができる。各受光素子は、基板114上に実装されており、集光レンズ112によって集光された光を受光して、入射光量に応じた電気信号に変換して基板114に出力する。各受光素子は、光源111bによる各波長の光の照射タイミングに合わせて当該波長の光や蛍光を受光する。
基板114は、例えば、受光素子を駆動するための駆動回路と、受光素子からの信号を処理して出力するための信号処理回路とを含んでいる。基板114は、受光部113(各受光素子)の出力信号を増幅処理した後、デジタルデータにA/D変換した上で画像データとして出力する。
センサユニット120は、1つの透過用の光源111aを更に備えている。
光源111aは、センサユニット110の集光レンズ112の光軸上に配置されており、光源111aから出射された光の一部は、紙幣BNを透過し、センサユニット110の集光レンズ112に集光されて受光部113で検出される。光源111aは、紙幣BNのB面に、波長帯域が互いに異なる光を順次、又は同時に照射する。光源111aは、複数波長の光として、例えばピーク波長が互いに異なる光を照射する。具体的には、光源111aは、赤外光(IR)及び緑色光(G)を照射する。
なお、「複数波長の光」とは、波長帯域が互いに異なる光であり、互いにピーク波長が異なっていてもよい。複数波長の光は、例えば、可視光については色が互いに異なる光であってもよく、赤外光及び紫外光については、波長帯域の一部のみが互いに重なる光又は波長帯域が互いに重ならない光であってもよい。
各光源111bは、ピーク波長がそれぞれ750nm以上である赤外光(IR)を発光するLED素子と、ピーク波長が600nm以上、750nm未満である赤色光(R)を発光するLED素子と、ピーク波長が500nm以上、600nm未満である緑色光(G)を発光するLED素子と、ピーク波長が400nm以上、500nm未満である青色光(B)を発光するLED素子と、励起光の波長帯域にピーク波長を有するLED素子と、を備えていてもよい。
光源111aは、500nm以上、600nm未満にピーク波長を有する緑色光を発光するLED素子と、750nm以上にピーク波長を有する赤外光を発光するLED素子とを備えていてもよい。
図13は、実施形態2の画像取得部が備える受光部の構成の一例を説明する斜視模式図である。
図13に示すように、各受光部113は、主走査方向に一列に配列された複数の画素131GPを備え、各画素131GPは、第1の受光素子(撮像素子)131Bを1つ、第2の受光素子(撮像素子)131Gを1つ、及び第3の受光素子(撮像素子)131Rを1つ備えており、第1の受光素子131B、第2の受光素子131G及び第3の受光素子131Rは、この順番で主走査方向に一列に配置されている。
第1の受光素子131Bは、光検出器1310と、赤外光及び青色光を透過し、かつ赤色光及び緑色光を吸収する青色のカラーレジスト(カラーフィルタ)1311Bと、を備える青色の受光素子である。第2の受光素子131Gは、光検出器1310と、赤外光及緑色光を透過し、かつ赤色光及び青色光を吸収する緑色のカラーレジスト(カラーフィルタ)1311Gと、を備える緑色の受光素子である。第3の受光素子131Rは、光検出器1310と、赤外光及び赤色光を透過し、かつ緑色光及び青色光を吸収する赤色のカラーレジスト(カラーフィルタ)1311Rと、を備える赤色の受光素子である。
ここで、受光素子(撮像素子)とは、所定の波長帯域の光の強度を検出(電気信号に変換)する素子を意味し、フォトダイオード等の光検出器と、光検出器の受光面上に設けられ、検出すべき所定の波長帯域(例えば青色と赤外の波長帯域)を除く波長帯域(例えば緑色と赤色等)の光の透過を抑えるカラーレジストとを含んで構成されてもよい。
図14は、実施形態2の画像取得部が備える受光部のカラーレジストの波長特性を示す模式図である。
図14に示すように、青色のカラーレジスト(カラーフィルタ)1311Bは主に青色光及び赤外光を透過し(破線参照)、緑色のカラーレジスト(カラーフィルタ)1311Gは主に緑色光及び赤外光を透過し(一点鎖線参照)、赤色のカラーレジスト(カラーフィルタ)1311Rは主に赤色光及び赤外光を透過する(二点鎖線参照)。したがって、第1の受光素子131B、第2の受光素子131G及び第3の受光素子131Rは、それぞれ、青色光(概ね波長400nm~500nm)、緑色光(概ね波長500nm~600nm)及び赤色光(概ね波長600nm~700nm)を選択的に受光可能であり、第1の受光素子131B、第2の受光素子131G及び第3の受光素子131Rはいずれも赤外光(概ね波長800nm~1000nm)を受光可能である。
ただし、各色のカラーレジストは、通常、対応する色以外の色の光もある程度は透過し得るため、第1の受光素子131B、第2の受光素子131G及び第3の受光素子131Rは、対応する色以外の色の光もある程度は受光してもよい。
各センサユニット110、120が、搬送方向に搬送されている紙幣BNに対して撮像を繰り返し行い、画像データを出力することによって、画像取得部10は、紙幣BNの両面全体の画像(2次元画像)を取得する。具体的には、画像取得部10は、センサユニット110の出力信号に基づいて紙幣BNの透過画像、A面の反射画像及び蛍光画像を取得し、センサユニット120の出力信号に基づいて紙幣BNのB面の反射画像及び蛍光画像を取得する。このとき、反射画像として、可視光の照射に応じたカラー画像、すなわちRGB画像が取得される。また、蛍光画像としても、励起光の照射に応じて紙幣BNで発光した蛍光のカラー画像、すなわちRGB画像が取得される。
次に、図11を再び参照しながら、制御部220について更に説明する。
制御部220は、判定前処理部221及び判定部222を有している。
なお、制御部220による以下の処理は、予め記憶部230に保存された判定テーブルに基づき、蛍光によるRGB画像のうちの必要な画像について実行される。ここで、判定テーブルでは、識別対象の紙幣の種類毎に、以下の各処理について、実行するか否かが定義されている。
判定前処理部221は、(1)画像解像度変換、(2)回転補正、(3)マスク領域設定、(4)蛍光レベル算出、(5)固有閾値算出、及び(6)マスク領域用固有閾値算出を行う。
図15は、実施形態2において、判定前処理部による回転補正前の紙幣の蛍光画像の一例を示す模式図である。図16は、実施形態2において、判定前処理部による回転補正後の紙幣の蛍光画像の一例を示す模式図である。
(1)画像解像度変換では、判定前処理部221は、画像取得部10で取得された紙幣BNの蛍光画像の解像度を下げる。具体的には、例えば、200×100dpi又は200×33dpiの元画像を33×33dpi又は16.5×16.5dpiの画像に変換する。このとき、6画素×3画素又は6画素から1画素、12画素×6画素又は12画素×2画素から1画素への変換時に、蛍光異常特徴を残すために変換前領域内の最大値を変換後の画素値にしてもよい。
(2)回転補正では、図15及び図16に示すように、判定前処理部221は、紙幣BNの蛍光画像IMGの傾きを補正する。
(3)マスク領域設定では、図16に示すように、判定前処理部221は、判定テーブルに基づいて紙幣BNの蛍光画像IMGにマスク領域241を設定する。このため、判定テーブルには、識別対象の紙幣の種類毎に、マスク領域の有無(マスク領域の設定が必要な場合はマスク領域の範囲)が指定されている。マスク領域は、紙幣において蛍光反応を示す部分である蛍光反応部、例えばスレッドを包含する領域に設定される。
(4)蛍光レベル算出では、判定前処理部221は、画像取得部10で取得された紙幣BNの蛍光画像から当該紙幣BNに固有の蛍光レベル、すなわち紙幣BNの蛍光画像の平均蛍光レベルを算出する。より詳しくは、実施形態1と同様に、紙幣BNの蛍光画像のうちの蛍光レベル算出領域、すなわち異常画素及びマスク領域241を除く領域の平均輝度値を算出する。
(5)固有閾値算出では、判定前処理部221は、実施形態1と同様に、蛍光レベルから固有閾値を算出する。
(6)マスク領域用固有閾値算出では、判定前処理部221は、実施形態1と同様に、蛍光レベルからマスク領域用固有閾値を算出する。
図11に示したように、判定部222は、蛍光異常判定部225、マスク領域判定部226、異常領域抽出部223及び切貼券判定部224を有している。
図17は、実施形態2において、蛍光異常判定部による紙幣全体の蛍光異常を判定する処理を説明するための模式図である。
蛍光異常判定部225は、図17に示すように、判定前処理部221により算出された蛍光レベル(異常画素(図示せず)及びマスク領域241を除く蛍光レベル算出領域242の平均輝度値)を所定の閾値と比較することによって、紙幣BN全体が蛍光異常であるか否かを判定する。すなわち、蛍光異常判定部225は、蛍光レベルが上記閾値を超える場合、紙幣BN全体の蛍光特徴が異常であると判定し、蛍光レベルが上記閾値を超えない場合、紙幣BN全体の蛍光特徴は正常であると判定する。
図18は、実施形態2において、紙幣全体が蛍光異常であると判定された紙幣の蛍光画像の一例を示す模式図である。
紙幣BN全体の蛍光特徴が異常である場合、図18に示すように、紙幣BNの蛍光画像IMG全体の輝度値が大きくなってしまう。
図19は、実施形態2において、マスク領域判定部によるマスク領域の蛍光異常を判定する処理を説明するための模式図である。
マスク領域判定部226は、図19に示すように、マスク領域241の評価値、具体的には平均輝度値をマスク領域用固有閾値と比較することによってマスク領域241における蛍光異常の有無を判定する。例えば、マスク領域判定部226は、マスク領域241の平均輝度値がマスク領域用固有閾値を超える場合、当該マスク領域241の蛍光反応部は正常であると判定し、マスク領域241の平均輝度値がマスク領域用固有閾値を超えない場合、当該マスク領域241の蛍光反応部は異常であると判定する。また、後者の場合、マスク領域判定部226は、紙幣BNを偽造券であると判定する。
図20は、実施形態2において、マスク領域が蛍光異常であると判定された紙幣の蛍光画像の一例を示す模式図である。
マスク領域241の蛍光反応部が異常である場合としては、例えば、図20に示すように、マスク領域241で蛍光発光が検出されない場合が挙げられる。
図21は、実施形態2において、紙幣の蛍光画像を主走査方向へスキャンすることによって異常領域を抽出する処理を説明するための模式図である。図22は、実施形態2において、紙幣の蛍光画像を副走査方向へスキャンすることによって異常領域を抽出する処理を説明するための模式図である。図23は、実施形態2において、紙幣の蛍光画像を斜め方向(+45°)へスキャンすることによって異常領域を抽出する処理を説明するための模式図である。図24は、実施形態2において、紙幣の蛍光画像を斜め方向(-45°)へスキャンすることによって異常領域を抽出する処理を説明するための模式図である。
異常領域抽出部223は、蛍光レベルから算出された固有閾値に基づいて紙幣BNの蛍光画像において異常領域を抽出する。このとき、異常領域抽出部223は、紙幣BNの蛍光画像おいて固有閾値を超える画素領域を異常領域として抽出する。
より詳細には、図21~図24に示すように、異常領域抽出部223は、矩形の判定領域240を、主走査方向、副走査方向及び斜め方向(+45°及び-45°)のそれぞれの方向に、所定数の画素ずつ(例えば1画素ずつ)シフトさせながら、各位置での判定領域240ごとに異常領域243を抽出する。判定領域240の長手方向の長さは、紙幣BNの蛍光画像IMGの両端を少なくとも包含する大きさであり、判定領域240の短手方向の幅は、例えば10画素(10mm程度)である。なお、斜め方向に所定数の画素ずつ判定領域240をシフトする場合は、主走査方向Y及び副走査方向Xにそれぞれ所定数の画素ずつ(例えば1画素ずつ)判定領域240をシフトする。
切貼券判定部224は、各位置での判定領域240ごとに、異常領域抽出部223により抽出された異常領域243に基づいて評価値を算出し、算出した評価値を所定の閾値と比較することによって当該判定領域240の蛍光特徴が正常であるか否かを判定する。すなわち、切貼券判定部224は、算出した評価値が上記閾値を超える場合、当該判定領域240の蛍光特徴が異常であると判定し、算出した評価値が上記閾値を超えない場合、当該判定領域240の蛍光特徴は正常であると判定する。
ここで、切貼券判定部224は、評価値として、(1)異常画素率A、(2)差分総和値の平均値B、及び(3)異常画素率Aと差分総和値の平均値Bの積Cを用いる。
(1)異常画素率Aは、判定領域240に占める異常領域243の画素の割合である。
(2)差分総和値の平均値Bは、異常領域243の各画素の輝度値と固有閾値との差分の平均値である。
(3)積Cは、異常領域243の各画素の輝度値と固有閾値との差分の判定領域240における平均値である。
また、切貼券判定部224は、上記(1)~(3)の評価値ごとに、所定の閾値(評価値ごとに予め準備されたもの)と比較することによって判定領域240の蛍光特徴が正常であるか否かを判定する。すなわち、切貼券判定部224は、算出した異常画素率Aが所定の閾値を超える場合、当該判定領域240の蛍光特徴が異常であると判定し、算出した異常画素率Aがこの閾値を超えない場合、当該判定領域240の蛍光特徴は正常であると判定する。また、切貼券判定部224は、算出した平均値Bが所定の閾値を超える場合、当該判定領域240の蛍光特徴が異常であると判定し、算出した平均値Bがこの閾値を超えない場合、当該判定領域240の蛍光特徴は正常であると判定する。更に、切貼券判定部224は、算出した積Cが所定の閾値を超える場合、当該判定領域240の蛍光特徴が異常であると判定し、算出した積Cがこの閾値を超えない場合、当該判定領域240の蛍光特徴は正常であると判定する。
そして、切貼券判定部224によって、判定領域240の少なくとも1つにおいて、上記(1)~(3)の少なくとも1つの評価値に基づいて、当該判定領域240の蛍光特徴が異常であると判定された場合、判定部222は、紙幣BNが貼り合わせ券であると判定する。他方、切貼券判定部224によって、判定領域240の全てにおいて、上記(1)~(3)のいずれの評価値に基づいても、当該判定領域240の蛍光特徴が正常であると判定された場合、判定部222は、紙幣BNが貼り合わせ券でないと判定する。
なお、切貼券判定部224は、上述のように上記(1)~(3)の評価値のそれぞれに基づいて当該判定領域240の蛍光特徴が正常か異常かを判定(OR判定)するのではなく、上記(1)~(3)の全ての評価値が対応する閾値を超える場合のみ、当該判定領域240の蛍光特徴が異常であると判定(AND判定)してもよい。
図25は、実施形態2において、主走査方向へのスキャンによって蛍光異常であると判定された紙幣の蛍光画像の一例を示す模式図である。
主走査方向へのスキャンによって、例えば、図25に示すように、紙幣の短手方向に延びる接合部AAに付着した接着剤等の蛍光発光を検出することができる。
図26は、実施形態2において、副走査方向へのスキャンによって蛍光異常であると判定された紙幣の蛍光画像の一例を示す模式図である。
副走査方向へのスキャンによって、例えば、図26に示すように、紙幣の長手方向に延びる接合部AAに付着した接着剤等の蛍光発光を検出することができる。
図27は、実施形態2において、斜め方向(+45°)へのスキャンによって蛍光異常であると判定された紙幣の蛍光画像の一例を示す模式図である。
斜め方向(+45°)へのスキャンによって、例えば、図27に示すように、紙幣の斜め方向(+45°)に延びる接合部AAに付着した接着剤等の蛍光発光を検出することができる。
図28は、実施形態2において、斜め方向(-45°)へのスキャンによって蛍光異常であると判定された紙幣の蛍光画像の一例を示す模式図である。
斜め方向(-45°)へのスキャンによって、例えば、図28に示すように、紙幣の斜め方向(-45°)に延びる接合部AAに付着したテープ等の蛍光発光を検出することができる。
次に、図29及び図30を用いて、本実施形態に係る紙葉類識別装置200の蛍光異常判定に係る動作について説明する。図29は、実施形態2に係る紙葉類識別装置の蛍光異常判定処理の一例を説明するフローチャートの前半部分である。図30は、図29に示すフローチャートの後半部分である。
図29に示すように、まず、画像取得部10が、紙幣BNに励起光を照射して紙幣BNから発生された蛍光を受光することで紙幣BNの両面の蛍光画像(RGB画像)を取得する(ステップS21)。
次に、判定前処理部221が、(1)画像解像度変換、(2)回転補正、(3)マスク領域設定、(4)蛍光レベル算出、(5)固有閾値算出、及び(6)マスク領域用固有閾値算出をこの順に行う(ステップS22)。
なお、ステップS22以降の処理は、予め記憶部230に保存された判定テーブルに基づき、紙幣BNの両面の蛍光画像(RGB画像)のうちの必要な画像について実行される。
次に、蛍光異常判定部225が、判定前処理部221により算出された蛍光レベルを所定の閾値と比較し(ステップS23)、蛍光レベルが上記閾値を超える場合(ステップS23:No)、紙幣BN全体の蛍光特徴が異常であると判定して、紙葉類識別装置200の蛍光異常判定処理が終了する。
蛍光レベルが上記閾値を超えない場合(ステップS23:Yes)、マスク領域判定部226が、マスク領域の評価値(平均輝度値)をマスク領域用固有閾値と比較し(ステップS24)、マスク領域の平均輝度値がマスク領域用固有閾値を超える場合(ステップS24:Yes)、当該マスク領域の蛍光反応部は正常であると判定し、マスク領域の平均輝度値がマスク領域用固有閾値を超えない場合(ステップS24:No)、当該マスク領域の蛍光反応部は異常であると判定する。
ここで、ステップS24は、設定された全てのマスク領域について実行される。
ステップS24の判定結果によらず、続いて、異常領域抽出部223が、矩形の判定領域240を主走査方向に例えば1画素ずつシフトさせながら、各位置での判定領域240ごとに異常領域243を抽出し、切貼券判定部224が、各位置での判定領域240ごとに、異常領域抽出部223により抽出された異常領域243に基づいて上記(1)~(3)の評価値を算出し、算出した評価値ごとに所定の閾値(評価値ごとに予め準備されたもの)と比較する(ステップS25)。そして、切貼券判定部224は、少なくとも1つの評価値が対応する閾値を超える場合、当該判定領域240の蛍光特徴が異常であると判定し(ステップS25:No)、全ての評価値が対応する閾値を超えない場合、当該判定領域240の蛍光特徴は正常であると判定する(ステップS25:Yes)。
ステップS25の判定結果によらず、続いて、図30に示すように、異常領域抽出部223が、矩形の判定領域240を副走査方向に例えば1画素ずつシフトさせながら、各位置での判定領域240ごとに異常領域243を抽出し、切貼券判定部224が、各位置での判定領域240ごとに、異常領域抽出部223により抽出された異常領域243に基づいて上記(1)~(3)の評価値を算出し、算出した評価値ごとに所定の閾値(評価値ごとに予め準備されたもと)と比較し(ステップS26)、少なくとも1つの評価値が対応する閾値を超える場合、当該判定領域240の蛍光特徴が異常であると判定し(ステップS26:No)、全ての評価値が対応する閾値を超えない場合、当該判定領域240の蛍光特徴は正常であると判定する(ステップS26:Yes)。
ステップS26の判定結果によらず、続いて、異常領域抽出部223が、矩形の判定領域240を斜め方向(+45°)に例えば1画素ずつシフトさせながら、各位置での判定領域240ごとに異常領域243を抽出し、切貼券判定部224が、各位置での判定領域240ごとに、異常領域抽出部223により抽出された異常領域243に基づいて上記(1)~(3)の評価値を算出し、算出した評価値ごとに所定の閾値(評価値ごとに予め準備されたもと)と比較し(ステップS27)、少なくとも1つの評価値が対応する閾値を超える場合、当該判定領域240の蛍光特徴が異常であると判定し(ステップS27:No)、全ての評価値が対応する閾値を超えない場合、当該判定領域240の蛍光特徴は正常であると判定する(ステップS27:Yes)。
ステップS27の判定結果によらず、続いて、異常領域抽出部223が、矩形の判定領域240を斜め方向(-45°)に例えば1画素ずつシフトさせながら、各位置での判定領域240ごとに異常領域243を抽出し、切貼券判定部224が、各位置での判定領域240ごとに、異常領域抽出部223により抽出された異常領域243に基づいて上記(1)~(3)の評価値を算出し、算出した評価値ごとに所定の閾値(評価値ごとに予め準備されたもと)と比較し(ステップS28)、少なくとも1つの評価値が対応する閾値を超える場合、当該判定領域240の蛍光特徴が異常であると判定し(ステップS28:No)、全ての評価値が対応する閾値を超えない場合、当該判定領域240の蛍光特徴は正常であると判定する(ステップS28:Yes)。
なお、ステップS25~S28の順序は、特に限定されず、適宜変更可能であってもよい。
そして、判定部222は、ステップS25~S28の少なくとも1つの判定結果において異常であると判定された場合、当該紙幣は蛍光異常券であると判定し、ステップS25~S28の全ての判定結果において正常であると判定された場合、当該紙幣は蛍光正常券であると判定する。また、判定部222は、ステップS25~S28の少なくとも1つの判定結果において異常であると判定された場合、当該紙幣は貼り合わせ券であると判定し、ステップS25~S28の全ての判定結果において正常であると判定された場合、当該紙幣は貼り合わせ券でないと判定する。
本実施形態によれば、実施形態1と同様に、適切に抽出された蛍光異常領域に基づいて貼り合わせ券か否かを高精度に判定することができる。
(実施形態3)
まず、本実施形態に係る紙葉類識別装置の概要について説明する。
まず、本実施形態に係る紙葉類識別装置の概要について説明する。
紙葉類上に付着した透明テープ、メンディングテープ、接着剤等の異物は透明であり、コンタクトイメージセンサ(以下、CISと略記する)により取得された画像からは検出できない。すなわち、これまで、こられの異物を同時に検出できるCISが知られてなかった。
したがって、本実施形態では、これらの異物を1つのセンサで検出するために、化学物質に共通する特徴を利用する。すなわち、透明テープ、メンディングテープ及び接着剤には有機化合物である粘着物質又は接着物質が使用されており、特定の波長の光を照射し励起させると、別の波長に蛍光発光する特徴を持つ。ただし、この励起波長は有機化合物の種類により異なることが判っているが、本発明者らの調査の結果、照射する波長が300~350nmであれば、多くの異物は、波長400~500nmにおいて共通して強く蛍光発光し、この条件において多くの異物を検出することができることが分かった。
また、CISの光源としては、安価、小型、低電力、低発熱等のメリットから、LEDが多く用いられている。しかしながら、LEDの発光波長は半値幅が狭く、1種類のLEDでは300~350nmの波長帯域をカバーしきれない。
そこで、これらの異物を蛍光発光させるために必要な複数波長のLEDを同時点灯し、励起光源フィルタを通して紙葉類に照射する。これにより、これらの異物を同時に蛍光発光させ、受光フィルタを通して受光センサで検出することが可能となる。また、この受光センサを既存の識別用CISにハイブリッドすることで紙葉類識別装置に付加機能を追加することができる。更に、受光センサにRGBのカラーフィルタを使用することで、判定において発光色の違いにより異物と蛍光インクとの分離が容易となる。また、手垢も全体的に弱く蛍光することが知られているが、異物と手垢との分離のためのアルゴリズムとして、青色に蛍光する領域の形状及び強度をチェックし、線状又は局所的な分布であれば異物と判定する。
図31は、実施形態3において、接着剤が付着した紙幣に可視光を照射して得られたカラー画像の一例を示す模式図である。図32は、図31に示した紙幣に特定波長の励起光を照射して得られたカラー画像の模式図である。
図31に示すように接着剤が付着した紙幣に対し、特定波長の複数の光を照射すると、接着剤が青色に蛍光発光するのみならず(図32の白色領域参照)、透明テープ及びメンディングテープもそれぞれ青色に蛍光発光する。これらの発光をコンタクトイメージセンサで読み取ることで異物の画像を採取し、この画像から異物の有無判定が可能となる。更に得られた画像のうち、青色成分だけを抽出して判定を行うことで、青色に蛍光発光する異物と、赤色、黄色及び/又は緑色に発光する蛍光インクとの分離が容易になる。
図33を用いて、本実施形態に係る紙葉類識別装置が備える画像取得用センサユニットの構成について説明する。図33は、実施形態3に係る紙葉類識別装置が備える画像取得用センサユニットの構成の一例を説明する断面模式図である。
図33に示すように、本実施形態に係る紙葉類識別装置が備える画像取得用センサユニット400は、紙葉類処理装置の搬送路に対向するコンタクトイメージセンサから構成されており、Y方向がセンサユニット400の主走査方向に対応し、X方向がセンサユニット400の副走査方向に対応している。
図33に示すように、センサユニット400は、実施形態2で説明した各センサユニット110、120と同様に、2つの反射用光源411b、集光レンズ412、受光部413及び基板414と、これらの構成が収納されるケース415と、ケース415の搬送路側の開口に嵌め込まれたカバーガラス416と、を備えている。ただし、本実施形態では、各光源411bは、励起光を照射せず、センサユニット400は、異物BBが付着した紙幣BNに励起光を照射する励起用光源411cを別途備えている。また、センサユニット400は、光源フィルタ417、受光フィルタ418及び励起光源導光体419を更に備えている。
図34は、実施形態3に係る画像取得用センサユニットが備える基板の構成の一例を説明する平面模式図である。
図34に示すように、励起用光源411cは、基板414上に交互に配置された2種類のLED420a及び420bを有しており、LED420a及び420bを同時点灯させる。また、2種類のLED420a及び420bのピーク波長は、互いに異なるが、いずれも波長300~350nmの範囲にある。これにより、多くの異物を蛍光発光させるのに必要な励起光を得ることができる。
なお、励起用光源411cに使用する波長の種類は、3つ以上であってもよい。また、励起用光源411cは、LED以外のブロードに発光する光源でもよい。また、2種類のLED420a及び420bは、交互配置以外に2列に配置してもよい。また、2種類のLED420a及び420bは、同時点灯以外に、交番点灯し個別に画像採取してもよい。
光源フィルタ417は、励起用光源411c上に配置されており、蛍光を検出するために必要な検出波長帯域の光を遮断する光学特性を持つ。
なお、励起用光源411cから照射される光が検出波長帯域の光を含んでいない、又は検出に影響しない量である場合、光源フィルタ417は無くてもよい。
切り貼りの接着痕は細長い線状に分布しているため、当該接着痕を効果的に検出する観点から、受光部413の解像度は、例えば100dpi以上である。また、青色に発光する異物を、他の色で発光する蛍光インクと区別して判定するする観点から、受光部413は、RGBのカラーフィルタを備えていてもよい(図13参照)。
受光フィルタ418は、集光レンズ412の搬送路側の端面上に配置されており、励起用光源411cが照射する波長帯域の光を遮断する光学特性を持つ。受光部413が、励起用光源411cから光源フィルタ417を通して照射される光に感度が無い、又は検出に影響しない感度である場合、受光フィルタ418は無くてもよい。
カバーガラス416は、異物の励起波長(励起用光源411cが照射する励起光の波長帯域)及び異物の蛍光発光の波長帯域を透過する材料から形成されている。
励起光源導光体419は、光の照射効率を上げる目的で使用される。励起光源導光体419は、励起用光源411cから集光レンズ412の搬送路側の端面に向かってわずかに屈曲した形状をしており、異物の励起波長(励起用光源411cが照射する励起光の波長帯域)を透過する材料から形成されている。
なお、励起光源導光体419を使用せず、励起用光源411cから紙幣BNに励起光を直接照射してもよい。
また、図33では、異物の蛍光検出用センサを、RGB画像及びIR画像を採取するCISと一体化した場合について説明したが、CISと一体化せず、異物の蛍光検出専用のセンサとしてもよい。
以上、図面を参照しながら実施形態を説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。また、各実施形態の構成は、本開示の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。
以上のように、本開示は、貼り合わせ券を高精度に検出するのに有用な技術である。
1、200:紙葉類識別装置
10:画像取得部
11、111a、111b、411b:光源
13、113、413:受光部
110、120:センサユニット
20、220:制御部
21、221:判定前処理部
22、222:判定部
23、223:異常領域抽出部
24、224:切貼券判定部
40、240:判定領域
112、412:集光レンズ
114、414:基板
131B、131G、131R:受光素子
131GP:画素
210:検出部
211:磁気検出部
212:厚み検出部
225:蛍光異常判定部
226:マスク領域判定部
230:記憶部
241:マスク領域
242:蛍光レベル算出領域
243:異常領域
300:紙葉類処理装置
301:ホッパ
302:リジェクト部
303:操作部
304:筐体
305:表示部
306a~306d:集積部
310:搬送部
320:本体制御部
330:本体記憶部
400:センサユニット
411c:励起用光源
415:ケース
416:カバーガラス
417:光源フィルタ
418:受光フィルタ
419:励起光源導光体
420a、420b:LED
1310:光検出器
1311B、1311G、1311R:カラーレジスト
BN:紙幣
IMG:紙幣の蛍光画像
AA:接合部
BB:異物
10:画像取得部
11、111a、111b、411b:光源
13、113、413:受光部
110、120:センサユニット
20、220:制御部
21、221:判定前処理部
22、222:判定部
23、223:異常領域抽出部
24、224:切貼券判定部
40、240:判定領域
112、412:集光レンズ
114、414:基板
131B、131G、131R:受光素子
131GP:画素
210:検出部
211:磁気検出部
212:厚み検出部
225:蛍光異常判定部
226:マスク領域判定部
230:記憶部
241:マスク領域
242:蛍光レベル算出領域
243:異常領域
300:紙葉類処理装置
301:ホッパ
302:リジェクト部
303:操作部
304:筐体
305:表示部
306a~306d:集積部
310:搬送部
320:本体制御部
330:本体記憶部
400:センサユニット
411c:励起用光源
415:ケース
416:カバーガラス
417:光源フィルタ
418:受光フィルタ
419:励起光源導光体
420a、420b:LED
1310:光検出器
1311B、1311G、1311R:カラーレジスト
BN:紙幣
IMG:紙幣の蛍光画像
AA:接合部
BB:異物
Claims (6)
- 紙葉類を識別する紙葉類識別装置であって、
前記紙葉類に励起光を照射して前記紙葉類から発生された蛍光を受光することで前記紙葉類の蛍光画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部で取得された前記蛍光画像から当該紙葉類に固有の蛍光レベルを算出し、前記蛍光レベルに基づいて前記蛍光画像において異常領域を抽出し、前記異常領域に基づいて前記紙葉類が貼り合わせ券であるか否かを識別する制御部と、を備える
ことを特徴とする紙葉類識別装置。 - 前記制御部は、前記蛍光レベルから前記蛍光画像における異常な輝度値に関する閾値を算出し、前記蛍光画像おいて当該閾値を超える画素領域を前記異常領域として抽出する
ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類識別装置。 - 前記制御部は、前記蛍光画像を、主走査方向と、副走査方向と、前記主走査方向及び前記副走査方向に対して所定の角度をなす斜め方向とのうちの少なくとも1つの方向にスキャンすることによって前記異常領域を抽出する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の紙葉類識別装置。 - 前記制御部は、前記蛍光画像を、前記主走査方向、前記副走査方向及び前記斜め方向のそれぞれにスキャンすることによって前記異常領域を抽出する
ことを特徴とする請求項3記載の紙葉類識別装置。 - 請求項1~4のいずれかに記載の紙葉類識別装置を備えることを特徴とする紙葉類処理装置。
- 紙葉類を識別する紙葉類識別方法であって、
前記紙葉類に励起光を照射して前記紙葉類から発生された蛍光を受光することで前記紙葉類の蛍光画像を取得する画像取得工程と、
前記画像取得工程で取得された前記蛍光画像から当該紙葉類に固有の蛍光レベルを算出する蛍光レベル算出工程と、
前記蛍光レベルに基づいて前記蛍光画像において異常領域を抽出する異常領域抽出工程と、
前記異常領域に基づいて前記紙葉類が貼り合わせ券であるか否かを識別する識別工程と、を備える
ことを特徴とする紙葉類識別方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022044117A JP2023137760A (ja) | 2022-03-18 | 2022-03-18 | 紙葉類識別装置、紙葉類処理装置及び紙葉類識別方法 |
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Family Applications (1)
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- 2022-03-18 JP JP2022044117A patent/JP2023137760A/ja active Pending
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