簡単かつ明瞭に示すため、図は構造の一般的な態様を示し、周知の特徴及び技術の説明及び詳細は、ゴルフクラブ及びその製造方法を不必要に不明瞭にするのを防止するため、省略することがある。さらに、図中の部材は、必ずしも縮尺に合わせて描かれてはいない。例えば、図中のいくつかの部材の寸法は、他の部材に対して誇張し、キャビティを有するゴルフクラブ及び関連する方法の実施形態が向上するのを支援する。異なる図における同じ参照番号は、同じ部材を示す。
明細書及び請求の範囲における「第1」、「第2」、「第3」及び「第4」等の用語は、存在する場合には、同様な部材の間を識別するために使用しており、必ずしも特定の順序または経時的順番を記述するものではない。そのように使用される用語は、本明細書に記載のキャビティを有するゴルフクラブ及び関連する方法の実施形態が、例えば、本明細書に説明され、又は。記載された以外の順序で操作可能であるような適切な状況下において互いに交換可能であることが理解される。更に、「contain」、「include」及び「have」の用語及びその変化は、非排他的な包含を含むことを意図しており、部材のリストを含むプロセス、方法、物品、又は、装置は、必ずしもこれらの部材に制限されるものではなく、このようなプロセス、方法、物品または装置に明示的に表示されず、又は、本来の他の部材を包含してもよい。
明細書及び請求の範囲に「左」、「右」、「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「側部」、「下」、「上」等の用語がある場合には、説明目的で使用するものであり、必ずしも永久的な相対位置を説明するものではない。このように使用される用語は、本明細書に記載のゴルフクラブ及び製造方法の実施形態が、例えば、本明細書に説明されまたは記載された以外の向きで操作可能であるような適切な状況下において互いに交換可能であることが理解される。
「機械的な連結」などは、広く理解されるべきであり、すべてのタイプの機械的な連結を含む。
「連結されている」などの語句の近くに「除去可能に」及び「除去可能な」等の語句がないことは、問題の連結などが除去可能であるか又は除去可能でないかということを意味していない。
本明細書では、ゴルフクラブヘッドのキャビティ内に配置されているセントラルチューニングポート(CTP)ウェイトを備えることができるゴルフクラブヘッドが説明されている。多くの実施形態では、CTPウェイトは、第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントを備える。第1及び第2のコンポーネントの組み合わせは、CTPをインサート内に固定するために、表面摩擦、又は、リテンションロック/リテンション圧入を生成する。他の実施形態では、CTPウェイトは、1つのコンポーネントを備える。1つのコンポーネントは、ゴルフクラブヘッドのキャビティ内にCTPウェイトを固定するために、圧入を生成する。CTPウェイトは、ゴルフクラブヘッドのウェイトを増加させ、重心に影響を与え、それによって、ゴルフクラブヘッドの慣性モーメントの特定に影響を与える。
1つの実施形態によれば、ボディを有するゴルフクラブヘッドは、ストライクフェイスと、ストライクフェイスに対向するバックフェイスと、ヒール領域と、ヒール領域に対向するトウ領域と、ソールと、リア部と、を備える。ゴルフクラブヘッドは、さらに、リア部とバックフェイスとの間に配置されているキャビティを備える。キャビティは、幅と、凹部を有するリアサイド壁と、リアサイド壁に対向するフェイスサイド壁と、底部壁と、を備える。キャビティは、インサート(又は、CTPウェイト)を受容するように構成されている。インサートは、キャビティの幅よりもわずかに小さい幅を有する第1のコンポーネント(又は、ボディ)と、キャビティの幅よりも大きい幅を有する第2のコンポーネント(又は、リテイナー)と、を備える。インサートの第1のコンポーネントは、フロント表面及びバック表面を備える。ボディのフロント表面は、第1のコンポーネントのバック表面に向けて延在するスロットを備える。スロットの一部分は、ボディのバック表面の上の第1のコンポーネントの材料の一部分によって、ウィンドウへと分離されている。インサートのリテイナーは、フロント表面の上のスロットを通って、第1のコンポーネントによって受容されるように構成されている。リテイナーは、タブを有する第1のエッジと、第1のエッジの反対側の第2のエッジと、を備え、第2のエッジはアームを有する。アームは、スロットのウィンドウを通して延在することができる。インサートがキャビティ内に配置されているときに、リテイナーのアームはキャビティのリアサイド壁上の凹部内に受容されており、リテイナーのタブはキャビティのフェイスサイド壁に押し付けられている。インサートのリテイナーは、インサートをキャビティ内に固定するために、圧入を生成する。リテイナーは、インサートをさらに固定するために、キャビティの壁部に対してリテンションロックを生成するU字形状の湾曲をさらに形成する。
ゴルフクラブヘッドの別の実施形態によれば、キャビティは、フェイスサイド壁と、フェイスサイド壁に対向するリアサイド壁と、底部サイド壁と、を備える。底部サイド壁は、キャビティの一部分内に延在するポストを備える。キャビティは、第1のコンポーネント(又は、本体部)及び第2のコンポーネント(又は、リテイナー)を有するインサートを受容するように構成されている。第1のコンポーネントは、フロント表面と、バック表面と、頂部表面と、底部表面と、を備えてもよい。インサートがキャビティ内に配置されているときに、フロント表面は、フェイスサイド壁に隣接している。第1のコンポーネントは、インサートキャビティを備えてもよく、インサートキャビティは、リテイナーを受容するためにフロント表面上に配置されており、ポストを受容するために底部表面上に配置されている。リテイナーは、形状がワッシャー状になっている。リテイナーは、頂部と、底部と、ボアと、頂部及び底部に対して平面的なボアから延在するタブと、を備える。リテイナーのボアは、第1のコンポーネントのインサートキャビティ内に配置されているときに、ポストを受容するように構成されている。インサートがキャビティ内に配置されているときに、ポストは、リテイナーのボアを通って受容されており、第1のコンポーネントのインサートキャビティの一部分内へ延在している。さらに、リテイナーのタブは、第1のコンポーネントの頂部表面に向けて上向きの湾曲で延在しており、上向きの力が、ポストに対してタブから生成されるようになっている。上向きの力は、インパクトの間にインサートがキャビティから脱落することを防止する。
ゴルフクラブヘッドの別の実施形態によれば、ゴルフクラブヘッドのキャビティは、分割部を備え、分割部は、キャビティを第1のポケット及び第2のポケットへと分離している。分割部は、アパーチャーを備える。キャビティは、第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントを有するインサートを受容するように構成されている。第1のコンポーネントは、第1のポケット内に配置されており、第2のコンポーネントは、キャビティの第2のポケット内に配置されている。インサートは、さらに、インサートアパーチャーを備える。インサートアパーチャーは、第1及び第2のコンポーネントを延在しており、キャビティの分割部のアパーチャーと同心である。分割部のアパーチャー及びインサートアパーチャーは、締結具を受容するように構成されており、インサートの第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントを分割部とともに圧縮する。圧縮は、分割部によって第1のコンポーネントと第2のコンポーネントとの間に表面摩擦を生成し、それによって、ゴルフクラブヘッドのキャビティ内にインサートを固定する。
ゴルフクラブヘッドの別の実施形態によれば、ゴルフクラブヘッドのキャビティは、インサートを受容するように構成されている。インサートは、表面と、フロント表面に対向するフロント表面と、ヒール領域と、ヒール領域に対向するトウ領域と、頂部表面と、頂部表面に対向する底部表面と、を備える。インサートは、インサートの底部表面の中央に配置されているフレックススロットを備える。フレックススロットは、キャビティ内に配置される前に、インサートが圧縮することを可能にし、インサートがキャビティ内に配置されているときに、そのオリジナル形態へ拡大するようになっている。インサートの拡大は、インサートをキャビティ内に固定するための圧入を生成する。インサートは、さらに、バック表面上に配置されているリブであって、接着剤がキャビティの中へ塗布されるときに、インサートがシフトすることを防止するためのリブを備える。インサートは、さらに、リップを備える。リップは、インサートのバック表面に対して垂直に、及び、インサートのバック表面に隣接して、頂部壁から突出している。インサートは、さらに、アンダーカットを備える。アンダーカットは、インサートのリップの下方に、及び、インサートのリップに隣接して、インサートの一部分へ延在しており、より多くの接着剤がキャビティとインサートとの間に配置されることを可能にする。
A.ロッキング・リテイナー・インサート
1.凹部を備えたインサート
本明細書では、キャビティ116を備えることができるゴルフクラブヘッド100が説明されている。キャビティ116は、インサート140を受容するように構成されてもよい。キャビティ116は、フェイスサイド壁120と、フェイスサイド壁120に対向するリアサイド壁122と、底部壁124と、を備えてもよい。インサートは、第1のコンポーネント242及びリテイナー244を備えてもよい。リテイナー244は、第1のコンポーネント242内に受容されるように構成されており、インサート140は、キャビティ116内に配置されており、リテイナー244は、キャビティ116のフェイスサイド壁120及びリアサイド壁122と接触した状態になる。挿入中におけるリテイナー244と、フェイスサイド壁120及びリアサイド壁122と、の接触は、リテイナー244が曲がり、キャビティ116の中でU字形状を生成させることを結果として生じさせる。U字形状の湾曲へのリテイナー244の曲げは、フェイスサイド壁120及びリアサイド壁122に対して上向きの力を生成させる。上向きの力は、スウィングの間のインパクトからインサート140がキャビティ116から外へ脱落することを防止する。従って、インサート140をキャビティ116内に固定する。
図面を見てみると、図1は、実施形態によるゴルフクラブヘッド100のバックトウサイドの斜視図を図示している。ゴルフクラブヘッド100は、単に例示的なものにすぎず、本明細書で提示されている実施形態に限定されない。ゴルフクラブヘッド100は、具体的には本明細書で示され又は説明されていない多くの異なる実施形態、又は、例の中で用いることができる。
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドであってもよい。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、別のタイプのゴルフクラブヘッド(例えば、ドライバータイプのクラブヘッド、フェアウェイウッドタイプのクラブヘッド、ハイブリッドタイプのクラブヘッド、ウッドタイプのクラブヘッド、ウェッジタイプのクラブヘッド、又は、パタータイプのクラブヘッド)であってもよい。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、ストライクフェイス102と、ストライクフェイス102に対向するバックフェイス104と、ヒール領域106と、ヒール領域106に対向するトウ領域108と、ソール112と、リア部114と、を備えてもよい。ゴルフクラブヘッド100は、さらに、バックフェイス104とリア部114との間に配置されているキャビティ116を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、ホーゼルを備えてもよく、ホーゼルは、他の実施形態では、省略されてもよい。多くの実施形態では、リア部114は、伝統的なマッスルバック・アイアン・ゴルフクラブヘッドと同様に見えるように設計されてもよい。例えば、多くのマッスルバック・アイアンは、ゴルフクラブヘッドのフルバック部又はフルリア部を有している。マッスルバック・アイアンは、非マッスルバック・アイアンとは異なっている。非マッスルバック・アイアンでは、ゴルフクラブヘッドのリア又はバックは、マッスルバック、フルバック、及び/又は、リア部分を少なくとも部分的に除去するためにくりぬかれている。いくつかの実施形態では、リア部分114は、重い外見又は厚い外見をゴルフクラブヘッドに提供するように設計され得る。
図2(断面線2-2における図1のゴルフクラブヘッドの図)に図示されているように、キャビティ116は、バックフェイス104の一部分を備え得るフェイスサイド壁120と、フェイスサイド壁120に対向するリアサイド壁122と、フェイスサイド壁120とリアサイド壁122との間に配置されている底部壁124と、を備えてもよい。キャビティ116は、さらに、凹部126を備えてもよい。凹部126は、フェイスサイド壁120の一部分、リアサイド壁122の一部分、又は、フェイスサイド壁120及びリアサイド壁122の両方の上に配置されている。凹部126は、ゴルフクラブヘッド100のヒール領域106からトウ領域108の近くへ延在し、チャネルを形成してもよい。図2に図示されているような他の実施形態では、リアサイド壁122が、凹部126を備えてもよい。他の実施形態では、フェイスサイド壁120及びリアサイド壁122の両方が、凹部126を備えてもよい。
キャビティ116は、さらに、幅218を備えてもよい。キャビティ116の幅218は、フェイスサイド壁120からリアサイド壁122まで測定される距離である。いくつかの実施形態において、キャビティ116の幅218は、0.10インチ~0.50インチ、0.10インチ~0.25インチ、0.25インチ~0.50インチ、0.20インチ~0.40インチ、0.15インチ~0.35インチ、又は、0.30インチ~0.45インチの範囲であってもよい。他の実施形態では、幅218は、少なくとも0.10インチ、少なくとも0.14インチ、少なくとも0.18インチ、少なくとも0.22インチ、少なくとも0.26インチ、少なくとも0.30インチ、少なくとも0.34インチ、少なくとも0.38インチ、少なくとも0.42インチ、少なくとも0.46インチ、又は、少なくとも0.50インチであってもよい。
図3は、図1の断面線2-2に沿って、ゴルフクラブヘッドを図示している。いくつかの実施形態では、キャビティ116は、少なくとも部分的にキャビティ116内にインサート140を受容するように構成されてもよい。他の実施形態では、インサート140は、ゴルフクラブヘッド100のキャビティ116を補完する。インサート140は、キャビティ116のフェイスサイド壁120、リアサイド壁122、及び、底部壁124に当接する。多くの実施形態では、インサート140は、ストライクフェイス102上でのゴルフボールのインパクトの後に、ゴルフクラブヘッド100上の振動を減衰させることができ、感触を改善し、望まれない音を低減させることができる。インサート140は、ゴルフクラブヘッド100のより高いローンチ及び慣性の増加のために、ゴルフクラブヘッド100の重心をさらに低下させることが可能である。いくつかの実施形態では、インサート140は、振動減衰材料、フィラーインサート、ウェイト部材、及び/又は、カスタム・チューニング・ポート(CTP)ウェイトを備えてもよい。
図4A及び図4Bに図示されているように、インサート140は、第1のコンポーネント又はボディ242、及び、第2のコンポーネント又はリテイナー244を備えてもよい。第1のコンポーネント242は、バック表面202と、バック表面202に対向するフロント表面204と、底部表面206と、底部表面206に対向する頂部表面208と、ヒール領域サイド205と、ヒール領域サイド205に対向するトウ領域サイド207と、を備えてもよい。インサート140がキャビティ116内に配置されているときに、第1のコンポーネント242のバック表面202は、ゴルフクラブヘッド100のリアサイド壁122に隣接するように構成されている。
インサート140の第1のコンポーネント242は、さらに、幅212を備えてもよい。第1のコンポーネント242の幅212は、バック表面202からフロント表面204まで測定される距離である。いくつかの実施例では、第1のコンポーネント242の幅212は、キャビティ116の幅218と略同じか、又は、わずかに小さくてもよい。いくつかの実施形態では、第1のコンポーネント242の幅212は、0.10インチ~0.50インチ、0.10インチ~0.25インチ、0.25インチ~0.50インチ、0.20インチ~0.40インチ、0.15インチ~0.35インチ、又は、0.30インチ~0.45インチの範囲であってもよい。例えば、幅212は、第1のコンポーネント242の幅212は、0.10インチ、0.14インチ、0.18インチ、0.22インチ、0.26インチ、0.30インチ、0.34インチ、0.38インチ、0.42インチ、0.46インチ、又は、0.50インチであってもよい。
いくつかの実施形態では、第1のコンポーネント242は、フロント表面204上に配置されたスロット361を備えてもよく、バック表面202に向かって延在してもよい。スロット361は、ヒール領域サイド205からトウ領域サイド207へ広がってもよい。多くの実施形態では、スロット361は、底部表面206に対して平行に広がることが可能であり、他の実施形態では、スロット361は、底部表面206に対して斜めに広がることが可能である。いくつかの実施形態では、スロット361は、第1のコンポーネント242の任意の材料のボイドであってもよい。他の実施形態では、第1のコンポーネント242のいくつかの材料が、バック表面202からスロット361の一部分の中へ延在してもよく、図4Aに図示されているように、スロット361のウィンドウが形成される。第1のコンポーネント242がキャビティ116内に配置されているときに、スロット361のウィンドウは、キャビティ116のリアサイド壁122に隣接している。いくつかの実施形態では、複数のウィンドウが、バック表面202のスロット361に形成可能であり、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は、8つのウィンドウ等を、スロット361に形成することができる。
インサート140の第1のコンポーネント242は、さらに、レッジ210を備えてもよい。レッジ210は、バック表面202に隣接、及び、バック表面202に対して垂直に、頂部表面208から延在している。第1のコンポーネント242のレッジ210は、ヒール領域サイド205からトウ領域サイド207へ均一に延在し、真っ直ぐなレッジを生成してもよい。他の実施形態では、レッジ210は、第1のコンポーネント242のヒール領域サイド205からトウ領域サイド207へ様々な長さに延在してもよい。例えば、図3に図示されているように、レッジ210の長さは、ヒール領域サイド205からトウ領域サイド207に向かって増加し、次いで減少する。レッジ部210の長さは、第1のコンポーネント242の中間点において最大になっている。図3に図示されているように、インサート140がキャビティ116内に配置されているときに、頂部表面208のレッジ210が、リア部114の頂部表面209に当接する。頂部表面208のレッジ210は、フィッティング又は調節の間に、製造業者がキャビティ116からインサート140を除去することを可能にするレバレッジ・レッジ(leverage ledge)として作用することができる。
インサート140の第1のコンポーネント242は、さらに、マスを備えてもよい。第1のコンポーネント242のマスは、0.02グラム~32グラム、0.02グラム~0.40グラム、0.040グラム~0.80グラム、0.080グラム~3グラム、3グラム~9グラム、9グラム~15グラム、15グラム~21グラム、21グラム~27グラム、27グラム~32グラム、0.02グラム~10グラム、10グラム~20グラム、又は、20グラム~32グラムの範囲であってもよい。例えば、第1のコンポーネント242のマスは、0.02グラム、0.50グラム、1グラム、5グラム、10グラム、15グラム、20グラム、25グラム、30グラム、又は、32グラムであってもよい。
インサート140のリテイナー244は、第1のコンポーネント242のフロント表面204上に配置されているスロット361の中に受容されるように構成されている。インサート140のリテイナー244は、第1のエッジ214と、第1のエッジ214に対向する第2のエッジ216と、頂部表面213と、頂部表面213に対向する底部表面215と、を備えてもよい。いくつかの実施形態では、リテイナー244の第1のエッジ214は、平坦面である。他の実施形態では、第1のエッジ214は、タブ353を備えてもよく、タブ353は、第1のエッジ214の平坦面から延在している。多くの実施形態では、インサート140がキャビティ116内に配置されているときに、リテイナー244のタブ353は、フェイスサイド壁120に隣接しており、フェイスサイド壁120に接触している。他の実施形態では、タブ353は、キャビティ116のフェイスサイド壁120の上の凹部(図示省略)内に受容され、インサート140をキャビティ116の中に固定することを助けることができる。
リテイナー244の第2のエッジ216は、アーム351を備えてもよく、アーム351は、第2のエッジ216から延在している。リテイナー244がボディ242のスロット361内に配置されているときに、リテイナー244のアーム351は、スロット361のウィンドウ内に受容されるように構成されている。インサート140がキャビティ116内に配置されているときに、アーム351は、キャビティ116のリアサイド壁122に隣接しており、キャビティ116のリアサイド壁122に接触している。図3に図示されているようないくつかの実施形態では、アーム351は、キャビティ116のリアサイド壁122の上の凹部126内にさらに受容され、インサート140をキャビティ116の中に固定することを助けることができる。いくつかの実施形態では、アーム351は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つのアーム351を備えてもよい。多くの実施形態では、アーム351の数は、スロット361の中に形成されたウィンドウの数に対応してもよい。図4A及び図4Bに図示されているような多くの実施形態では、リテイナー244は、第1のコンポーネント242のスロット361の中に形成されたウィンドウの数と同じ数のアーム351を備えてもよい。
リテイナー244は、さらに、幅346を備える。リテイナー244の幅346は、第1のエッジ214(又はタブ353)からアーム351のエッジまで測定される距離である。いくつかの実施形態では、リテイナー244の幅346は、0.10インチ~0.60インチ、0.10インチ~0.30インチ、0.30インチ~0.60インチ、0.20インチ~0.44インチ、0.15インチ~0.35インチ、又は、0.35インチ~0.55インチの範囲であってもよい。他の実施形態では、幅346は、0.10インチ、0.12インチ、0.14インチ、0.16インチ、0.18インチ、0.20インチ、0.22インチ、0.24インチ、0.26インチ、0.28インチ、0.30インチ、0.32インチ、0.34インチ、0.36インチ、0.38インチ、0.40インチ、0.42インチ、0.44インチ、0.46インチ、0.48インチ、0.50インチ、0.52インチ、0.54インチ、0.56インチ、0.58インチ、又は、0.60インチであってもよい。第2のコンポーネント246の幅346は、第1のコンポーネント242の幅212以上であってもよい。
リテイナー244は、さらに、リテイナー244の頂部表面213からリテイナー244の底部表面215まで測定される距離である厚さ245を備えてもよい。いくつかの実施形態では、リテイナー244の厚さ245は、0.0002インチ(0.00508mm)~0.400インチ(10.16mm)の範囲であってもよい。他の実施形態では、厚さ245は、0.010インチ(0.254mm)~0.20インチ(5.08mm)の範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、リテイナー244の厚さ245は、約0.001インチ(0.0254mm)、0.002インチ(0.0508mm)、0.003インチ(0.0762mm)、0.004インチ(0.1016mm)、0.005インチ(0.127mm)、0.006インチ(0.1524mm)、0.007インチ(0.1778mm)、0.008インチ(0.2032mm)、0.009インチ(0.2286mm)、0.01インチ(0.254mm)、0.02インチ(0.508mm)、0.03インチ(0.762mm)、0.04インチ(1.016mm)、0.05インチ(1.27mm)、0.06インチ(1.524mm)、0.07インチ(1.778mm)、0.08インチ(2.032mm)、0.09インチ(2.286mm)、0.1インチ(2.54mm)、0.2インチ(5.08mm)、0.3インチ(7.62mm)、0.35インチ(8.89mm)、又は、0.40インチ(10.16mm)であってもよい。
リテイナー244は、さらに、マスを備えてもよい。リテイナー244のマスは、0.02グラム~0.15グラム、0.02グラム~0.07グラム、0.07グラム~0.15グラム、0.02グラム~0.06グラム、0.04グラム~0.08グラム、0.06グラム~0.10グラム、0.07グラム~0.12グラム、又は、0.08グラム~0.015グラムの範囲であってもよい。例えば、リテイナー244のマスは0.02グラム、0.04グラム、0.06グラム、0.08グラム、0.10グラム、0.12グラム、0.14グラム、又は、0.15グラムであってもよい。
第1のコンポーネント242及びリテイナー244を嵌合し、インサート140を形成するために、リテイナー244が、第1のコンポーネント242のフロント表面204を通って、第1のコンポーネント242のスロット361内に配置されてもよく、アーム351は、スロット361のウィンドウ内に受容される。いくつかの実施形態では、アーム351の端部は、第1のコンポーネント242のバック表面202と同一平面上であってもよい。図3に図示されているような他の実施形態では、リテイナー244の幅346は、第1のコンポーネント242の幅212よりも大きくなっており、アーム351が第1のコンポーネント242のバック表面202を越えて延在するようになっている。この実施形態では、インサート140がキャビティ116内に配置されているときに、アーム351は、キャビティ116のリアサイド壁122の凹部126内に受容され、インサート140をキャビティ116の中に固定することを助けることができる。
多くの実施形態では、アーム351は、第2のコンポーネント244の長さにわたって、第2のコンポーネント244の剛性を均一に分配することができる。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のアーム351は、第2のコンポーネント244の長さにわたって、第2のコンポーネント244のウェイトを均一に分配することができる。多くの実施形態では、1つ又は複数のアーム351のそれぞれの最小幅357は、第2のコンポーネント244の厚さ245と略同じであってもよい。他の実施形態では、1つ又は複数のアーム351の最小幅357は、第2のコンポーネント244の厚さ245の約2倍又は3倍であってもよい。
いくつかの実施形態では、インサート140がキャビティ116内に配置されているときに、リテイナー244のアーム351が、キャビティ116のリアサイド壁122の凹部126内に受容され、タブ353が、キャビティ116のフェイスサイド壁120に押し付けられている。フェイスサイド壁120に押し付けられているタブ353、及び、凹部126内へ受容されているアーム351は、図3に図示されているように、U字形状の湾曲へとリテイナーを曲げる。他の実施形態では、キャビティ116は、凹部126のボイドであり、リテイナー244の幅346は、キャビティ116の幅218よりも大きくなっている。この実施形態では、インサート140がキャビティ116内に配置されているときに、タブ353は、フェイスサイド壁120に押し付けてられおり、アーム351は、リアサイド壁122に押し付けられており、リテイナー244が、U字形状の湾曲へと曲がる。U字形状の湾曲は、フェイスサイド壁120及びリアサイド壁122に対して上向きの力を生成し、インパクトの間にインサート140がキャビティ116から外へ脱落することを防止する。
いくつかの実施形態では、インサート140がキャビティ116内に配置されているときに、第2のコンポーネント244は、ゴルフクラブヘッド100のキャビティ116の少なくとも一部分と接触した状態になっていてもよい。いくつかの実施形態では、第2のコンポーネント244は、ゴルフクラブヘッド100のキャビティ116の少なくとも2つの部分と接触した状態になっていてもよい。いくつかの実施形態では、タブ353は、キャビティ116のフェイスサイド壁120と接触した状態になっていてもよく、アーム351は、リアサイド壁122と接触した状態になっていてもよい。多くの実施形態では、リテイナー244がゴルフクラブヘッド100のキャビティ116の一部分と接触した状態になっているときに、接触ポイントは、テンション及び/又は摩擦をさらに提供し、インサート140をキャビティ116内に固定することが可能である。いくつかの実施形態では、接着剤が、インサート140をキャビティ116内に固定することを支援するために使用され得る。いくつかの実施形態では、インサート140をキャビティ116内に固定するために、又は、インサート140をキャビティ116内に固定することを支援するために、接着剤は使用されない。
多くの実施形態では、インサート140を形成する第1のコンポーネント242とリテイナー244との組み合わせは、マスを備えてもよい。インサート140のマスは、0.5グラム~36グラム、0.5グラム~4グラム、4グラム~8グラム、8グラム~12グラム、12グラム~16グラム、16グラム~20グラム、20グラム~24グラム、24グラム~28グラム、28グラム~32グラム、32グラム~36グラム、4グラム~16グラム、16グラム~24グラム、又は、24グラム~32グラムの範囲であってもよい。例えば、インサート140のマスは、0.02グラム、0.50グラム、1グラム、5グラム、10グラム、15グラム、20グラム、25グラム、30グラム、又は36グラムであってもよい。
図3に図示されているように、リテイナー244の幅346がキャビティ116の幅218よりも大きい実施形態では、リテイナー244は、キャビティ116内に配置されているときに、アーチ形の形状(U字形状の湾曲)を形成する。サジッタ距離(sagitta distance)247は、アーチ形の形状の高さである。インサート140がキャビティ内に配置されているときに、アーチ形の形状の高さは、リテイナー244の第1のエッジ214からリテイナー244のアーチ252の中間点へ垂直に測定される。
いくつかの実施形態では、第2のコンポーネント244のサジッタ距離247は、キャビティ116の幅218の約5%~約25%であってもよい。いくつかの実施形態では、サジッタ距離247は、キャビティ116の幅218の5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、又は、25%であってもよい。1つの実施形態によれば、キャビティ116の幅218が約0.20インチ(5.08mm)である場合に、サジッタ距離247は、0.01インチ(0.254mm)~約0.05インチ(1.27mm)の範囲であってもよい。例えば、サジッタ距離247は、0.01インチ(0.254mm)、0.015インチ(0.381mm)、0.02インチ(0.508mm)、0.025インチ(0.635mm)、0.030インチ(0.762mm)、0.035インチ(0.889mm)、0.040インチ(1.016mm)、0.045インチ(1.143mm)、又は、0.05インチ(1.27mm)であってもよい。
多くの実施形態では、インサート140のリテイナー244は、さらに、塑性変形可能な材料を備えてもよい。いくつかの実施形態では、リテイナー244の塑性変形可能な材料は、金属、シム・ストック、スチール、アルミニウム、銅、他の適切な金属、金属合金、プラスチック、又は、複合材料を備えてもよい。他の実施形態では、リテイナー244は、弾性的に変形可能な材料、又は、形状記憶金属もしくは金属合金、例えば、ニッケル・チタンなどを備えてもよい。いくつかの実施形態では、リテイナー244の硬度は、Shore A 55からShore A 70の範囲であってもよい。
多くの実施形態では、インサート140の第1のコンポーネント242は、弾性的に変形可能な材料を備えてもよい。例えば、第1のコンポーネント242の弾性的に変形可能な材料は、ポリマー、ウレタン材料、ウレタン・ベースの材料、エラストマー材料、熱可塑性の材料、複合材、他の適切なタイプの材料、又は、それらの組み合わせを備えてもよい。いくつかの実施形態では、インサート140の第1のコンポーネント242の弾性的に変形可能な材料は、粉末にされた金属と混合された熱可塑性のエラストマー又は熱可塑性のポリウレタンをさらに備えてもよい。多くの実施形態では、粉末にされた金属は、インサート140の重み付け特性を変化させるために使用されてもよい。
いくつかの実施形態では、第1のコンポーネント242の材料、及び、リテイナー244の材料は、互いに異なっていてもよい。他の実施形態では、第1のコンポーネント242の材料、及び、リテイナー244の材料は、同じ材料を備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1のコンポーネント242の材料、及び、リテイナー244の材料は、それぞれ、ゴルフクラブヘッド100の材料よりも密度が高くてもよい。他の実施形態では、第1のコンポーネント242の材料、及び、リテイナー244の材料は、ゴルフクラブヘッド100の材料密度と同じ密度であるか、又は、ゴルフクラブヘッド100の材料密度よりも低い密度であってもよい。
2.ポストを備えたインサート
本明細書では、キャビティ416を備えることができるゴルフクラブヘッド400が説明されている。下記に説明されているように、キャビティ416は、インサート440を受容するように構成されていてもよい。キャビティ416は、フェイスサイド壁420と、フェイスサイド壁420に対向するリアサイド壁422と、底部壁424と、底部壁424から延在するポスト519と、を備えてもよい。インサート440は、第1のコンポーネント542及びリテイナー544を備えてもよい。第1のコンポーネント542は、リテイナー544を受容するように構成されている。リテイナー544は、形状がワッシャー状になっており、ボア568と、ボア568から平面的に延在するタブ648と、を備えてもよい。インサート440がキャビティ416内に配置されているときに、キャビティ416のポスト519は、ボア568内に受容されるように構成されており、リテイナー544のタブ648を押し上げる。タブ648の上向きの配向は、ポスト519に対して上向きの力を生成する。タブ648によってポスト519にかかる上向きの力は、インサート440をキャビティ416内に固定する。キャビティ416の壁に対するインサート440の表面の当接は、圧入を生成し、圧入は、インパクトの間にインサート440が脱落することをさらに防止する。
図5は、ゴルフクラブヘッド400を図示しており、ゴルフクラブヘッド400は、図1のゴルフクラブヘッド100と同様であってもよい。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド400は、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドであってもよい。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド400は、別のタイプのゴルフクラブヘッド(例えば、ドライバータイプのクラブヘッド、フェアウェイウッドタイプのクラブヘッド、ハイブリッドタイプのクラブヘッド、ウッドタイプのクラブヘッド、ウェッジタイプのクラブヘッド、又はパタータイプのクラブヘッド)であってもよい。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド400は、ストライクフェイス402と、ストライクフェイス402に対向するバックフェイス404と、ヒール領域406と、ヒール領域406に対向するトウ領域408と、ソール412と、リア部414と、備えてもよい。ゴルフクラブヘッド400は、さらに、バックフェイス404とリア部414との間に設けられているキャビティ416を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド400は、ホーゼルを備えてもよく、ホーゼルは、他の実施形態では、省略されてもよい。多くの実施形態では、リア部414は、伝統的なマッスルバック・アイアン・ゴルフクラブヘッドと同様に見えるように設計されてもよい。例えば、多くのマッスルバック・アイアンは、ゴルフクラブヘッドのフルバック部又はフルリア部を有している。マッスルバック・アイアンは、非マッスルバック・アイアンとは異なっている。非マッスルバック・アイアンでは、ゴルフクラブヘッドのリア又はバックは、マッスルバック、フルバック、及び/又はリア部分を少なくとも部分的に除去するためにくりぬかれている。いくつかの実施形態では、リア部414は、重い外見又は厚い外見をゴルフクラブヘッドに提供するように設計され得る。
断面線6-6における図5のゴルフクラブヘッドの図が、図6に図示されている。キャビティ416は、バックフェイス404の一部分を備え得るフェイスサイド壁420と、フェイスサイド壁420に対向するリアサイド壁422と、フェイスサイド壁420とリアサイド壁422との間に配置されている底部壁424と、を備えてもよい。
ゴルフクラブヘッド400のキャビティ416は、さらに、幅418を備えてもよい。キャビティ416の幅418は、フェイスサイド壁420からリアサイド壁422まで測定される距離である。いくつかの実施形態では、キャビティ416の幅418は、0.10インチ~0.50インチ、0.10インチ~0.25インチ、0.25インチ~0.50インチ、0.20インチ~0.40インチ、0.15インチ~0.35インチ、又は、0.30インチ~0.45インチの範囲であってもよい。例えば、キャビティ416の幅418は、0.10インチ、0.14インチ、0.18インチ、0.22インチ、0.26インチ、0.30インチ、0.34インチ、0.38インチ、0.42インチ、0.46インチ、又は、0.50インチであってもよい。
ゴルフクラブヘッド400のキャビティ416は、さらに、底部壁424から延在するポスト519を備えてもよいが、任意の形状(例えば、シリンダ、正方形、長方形、ひし形等)であってもよい。また、ポスト519は、ロッドとも称され得る。いくつかの実施形態では、ポスト519は、底部壁424の中心から、フェイスサイド壁420とリアサイド壁422との間、及び、ヒール領域406とトウ領域408との間に延在している。他の実施形態では、ポスト519は、底部壁424からどこかに延在することができる。例えば、ポスト519は、トウ領域408の近くの底部壁424から、ヒール領域406の近くの底部壁424から、フェイスサイド壁420の近くの底部壁424から、リアサイド壁422の近くの底部壁424から、又は、底部壁424の上の任意の他の場所から、延在してもよい。いくつかの実施形態では、キャビティ416は、2つ以上のポスト519を備えてもよい。いくつかの実施形態では、キャビティ416は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は、8つのポスト519を備えてもよい。
他の実施形態では、リア部414の中にボイドが存在しており、ポスト519は、キャビティ416のフェイスサイド壁420から延在してもよい。いくつかの実施形態では、フェイスサイド壁420から延在するポスト519は、ヒール領域406の近く、又は、トウ領域408の近くで、中央に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、キャビティ416は、2つ以上のポスト519を備えてもよい。いくつかの実施形態では、キャビティ416は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は、8つのポスト519を備えてもよい。1つの例において、1つのポスト519は、ヒール領域406の近くのフェイスサイド壁420から延在してもよく、第2のポストは、トウ領域408の近くのフェイスサイド壁430から延在してもよい。
ポスト519は、ポスト高さ543を備えてもよい。ポスト高さ543は、ポスト519が底部壁424からキャビティ416内に延びる距離として測定される。いくつかの実施形態では、ポスト高さ543は、0.12インチ~0.40インチ、0.12インチ~0.15インチ、0.15インチ~0.20インチ、0.20インチ~0.25インチ、0.25インチ~0.30インチ、0.030インチ~0.35インチ、0.35インチ~0.40インチ、0.15インチ~0.25インチ、又は、0.30インチ~40インチの範囲であってもよい。例えば、ポスト高さ543は、0.12インチ、0.13インチ、0.14インチ、0.15インチ、0.16インチ、0.17インチ、0.18インチ、0.19インチ、0.20インチ、0.21インチ、0.22インチ、0.23インチ、0.24インチ、0.25インチ、0.26インチ、0.27インチ、0.28インチ、0.29インチ、0.30インチ、0.31インチ、0.32インチ、0.33インチ、0.34インチ、0.35インチ、0.36インチ、0.37インチ、0.38インチ、0.39インチ、又は、0.40インチであってもよい。
ポスト519は、さらに、直径545を備えてもよい。ポスト519の直径545は、0.050インチ~0.115インチ、0.050インチ~0.065インチ、0.065インチ~0.80インチ、0.080インチ~0.095インチ、0.095インチ~0.110インチ、0.105インチ~0.115インチ、0.065インチ~0.095インチ、又は、0.095インチ~0.115インチの範囲であってもよい。例えば、ポスト519の直径545は、0.050インチ、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.10インチ、又は、0.115インチであってもよい。
多くの実施形態では、キャビティ416は、インサート440を受容するように構成されてもよい。多くの実施形態では、インサート440は、インサート140(図1、図3、図4A及び図4B)と同様であってもよい。インサート440は、第1のコンポーネント又はボディ542、及び、第2のコンポーネント又はリテイナー544を備えてもよい。
図7Aに図示されているように、第1のコンポーネント542は、バック表面550と、バック表面550に対向するフロント表面552と、底部表面554と、底部表面554に対向する頂部表面556と、ヒール領域サイドと、ヒール領域サイドに対向するトウ領域サイドと、備えてもよい。インサート440がキャビティ416内に配置されているときに、第1のコンポーネント542のバック表面550は、キャビティ416のリアサイド壁422に隣接するように構成されている。
インサート440の第1のコンポーネント542は、さらに、幅562を備えてもよい。幅562は、バック表面550からフロント表面552まで測定される距離である。いくつかの実施例において、第1のコンポーネント542の幅562は、キャビティ416の幅418と略同じか、又は、わずかに小さくてもよい。他の実施形態では、第1のコンポーネント542の幅562は、0.10インチ~0.50インチ、0.10インチ~0.25インチ、0.25インチ~0.50インチ、0.20インチ~0.40インチ、0.15インチ~0.35インチ、又は、0.30インチ~0.45インチの範囲であってもよい。他の実施形態では、第1のコンポーネント542の幅562は、少なくとも0.10インチ、少なくとも0.14インチ、少なくとも0.18インチ、少なくとも0.22インチ、少なくとも0.26インチ、少なくとも0.30インチ、少なくとも0.34インチ、少なくとも0.38インチ、少なくとも0.42インチ、少なくとも0.46インチ、又は、少なくとも0.50インチであってもよい。1つの実施形態によれば、第1のコンポーネント542の幅562は0.2インチである。
いくつかの実施形態では、第1のコンポーネント542のフロント表面552は、インサートキャビティ558を備えてもよく、インサートキャビティ558は、インサートのリテイナー544を受容するように構成されている第1のコンポーネント542の一部分の中へ延在している。他の実施形態では、第1のコンポーネント542の底部表面554は、キャビティ416のポスト519を受容するように構成されているインサートキャビティ558を備えてもよい。他の実施形態では、第1のコンポーネント542は、第1のコンポーネント542のフロント表面552及び底部表面554上にインサートキャビティ558を備えてもよく、インサートキャビティ558は、リテイナー544及びポスト519の両方を受容するように構成されている。いくつかの実施形態では、インサートキャビティ558は、キャビティ416のポスト519の断面形状に相補的な断面形状を備えてもよい。他の実施形態では、インサートキャビティ558の断面形状は、ポスト519及びリテイナー544の相補的な断面形状を備えてもよく、インサートキャビティ558は、ポスト519及びリテイナー544の両方を受容するように構成されてもよい。他の実施形態では、インサートキャビティ558の断面形状は、ポスト519及び第2のコンポーネント544の断面形状とは異なっていてもよい。他の実施形態では、第1のコンポーネント542のフロント表面552及び底部表面554は、1つ、2つ、3つ、又は、4つのインサートキャビティ558を備えてもよい。
インサート440の第1のコンポーネント542は、さらに、レッジ560を備えてもよい。第1のコンポーネント542のレッジ560は、バック表面550に隣接し、及び、バック表面550に対して垂直に、頂部表面556から延在している。第1のコンポーネント542のレッジ560は、第1のコンポーネント542のヒール領域サイドからトウ領域サイドへ均一に延在し、真っ直ぐなレッジを生成してもよい。他の実施形態では、レッジ部560は、第1のコンポーネント542のヒール領域サイドからトウ領域サイドへ様々な長さに延在してもよい。インサート440がキャビティ416内に配置されているときに、頂部表面556のレッジ560が、リア部414の頂部表面409に当接する。頂部表面556のレッジ560は、フィッティング又は調節の間に、製造業者がキャビティ416からインサート440を除去することを可能にするレバレッジ・レッジとして作用することができる。
インサートの第1のコンポーネント542は、さらに、マスを備えてもよい。第1のコンポーネント542のマスは、0.02グラム~32グラム、0.02グラム~0.40グラム、0.040グラム~0.80グラム、0.080グラム~3グラム、3グラム~9グラム、9グラム~15グラム、15グラム~21グラム、21グラム~27グラム、27グラム~32グラム、0.02グラム~10グラム、10グラム~20グラム、又は、20グラム~32グラムであってもよい。例えば第1のコンポーネント542のマスは、0.02グラム、0.50グラム、1グラム、5グラム、10グラム、15グラム、20グラム、25グラム、30グラム、又は、32グラムであってもよい。
インサート440のリテイナー544は、第1のコンポーネント542によって受容されるように構成されている。リテイナー544は、第1のコンポーネント542のフロント表面552上に配置されているインサートキャビティ558によって、第1のコンポーネント542内に受容されてもよい。図7Bに図示されているように、リテイナー544は、ワッシャー状の形状を備えてもよく、頂部表面564、底部表面566、及び、ボア568を備えてもよい。
インサート440がキャビティ416内に配置されているときに、リテイナー544のボア568は、キャビティのポスト519を受容するように構成されている。ボア568は、タブ648を備えてもよい。タブ648は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は、8つのタブ648であってもよい。これらの実施形態では、ボアは、さらに、それぞれのタブ648同士の間に配設されているキャビティを備えてもよい。いくつかの実施形態では、タブ648は、互いから等距離に配置されてもよい。他の実施形態では、タブ648は、互いから任意の距離に間隔を離して配置されてもよい。多くの実施形態では、タブ648は、頂部表面564及び底部表面566と同一平面上に又は平面的に配向されてもよい。他の実施形態では、リテイナー544が第1のコンポーネント542内に配置されており、インサート440がキャビティ416内に配置されているときに、リテイナー544のキャビティは、ボア568がポスト519を受容するときに、タブ648が第1のコンポーネント542の頂部表面556に向けて上向きに曲がることを可能にする。タブ648の上向きの曲げは、ポスト519に対して上向きの力及び摩擦を生成し、リテイナー544、ひいては、インサート440を、キャビティ416の中に下向きに押し込む。上向きの力及び摩擦は、インパクトの間のインサート440の脱落を防止するポスト519上のフックのように作用する。
リテイナー544は、さらに、厚さ645を備えてもよい。リテイナー544の厚さ645は、リテイナー544の頂部表面564から底部表面566まで測定される距離である。いくつかの実施形態では、厚さ645は、0.0002インチ~0.400インチの範囲であってもよい。他の実施形態では、厚さ645は、0.010インチ~0.20インチ、0.0002インチ~0.010インチ、0.010インチ~0.080インチ、0.050インチ~0.150インチ、0.120インチ~0.250インチ、0.200インチ~0.350インチ、又は、0.300インチ~0.400インチであってもよい。例えば、厚さ645は、0.001インチ、0.002インチ、0.003インチ、0.004インチ、0.005インチ、0.006インチ、0.007インチ、0.008インチ、0.009インチ、0.01インチ、0.02インチ、0.03インチ、0.04インチ、0.05インチ、0.06インチ、0.07インチ、0.08インチ、0.09インチ、0.1インチ、0.2インチ、0.3インチ、0.35インチ、又は、0.4インチであってもよい。
リテイナー544は、さらに、マスを備えてもよい。リテイナー544のマスは、0.02グラム~0.15グラム、0.02グラム~0.07グラム、0.07グラム~0.15グラム、0.02グラム~0.06グラム、0.04グラム~0.08グラム、0.06グラム~0.10グラム、0.07グラム~0.12グラム、又は、0.08グラム~0.015グラムの範囲であってもよい。例えば、リテイナー544のマスは、0.02グラム、0.04グラム、0.06グラム、0.08グラム、0.10グラム、0.12グラム、0.14グラム、又は、0.15グラムであってもよい。
インサート440を形成するために、リテイナー544は、第1のコンポーネント542のフロント表面552上のインサートキャビティ558内に配置される。インサート440は、ゴルフクラブヘッド400のキャビティ416内に配置してもよく、第1のコンポーネント542の底部表面554上に配置されているインサートキャビティ558が、キャビティ416のポスト519を受容するようになっている。ポスト519は、第1のコンポーネント542のインサートキャビティ558を通って、及び、リテイナー544のボア568を通って延在する。第1のコンポーネント542のフロント表面552は、キャビティ416のフェイスサイド壁420に当接し、第1のコンポーネント542のバック表面550は、キャビティ416のリアサイド壁422に当接する。この当接が、圧入を生成し、インパクトの間に脱落しないように、インサート440をさらに固定する。いくつかの実施形態では、接着剤が、キャビティ416の中にインサート440を固定することを支援するために使用されてもよい。他の実施形態では、インサート440をキャビティ416の中に固定するために、又は、インサート440をキャビティ416の中に固定することを支援するために、接着剤は使用されない。
複数の実施形態では、リテイナー544は、ゴルフクラブヘッド400のキャビティ416の少なくとも一部分と接触する。多くの実施形態では、リテイナー544は、キャビティ416のフェイスサイド壁420と接触しない。むしろ、リテイナー544は、ポスト519と接触していてもよい。
他の実施形態では、インサート440は、第1のコンポーネント542と、リテイナー544と、第3のコンポーネントと、を備えてもよく、第3のコンポーネントは、リテイナー544と同様であってもよい。これらの及び他の実施形態では、第3のコンポーネントは、リテイナー544と同様に、ワッシャー状の形状を備えてもよい。多くの実施形態では、ポスト519の少なくとも一部分は、インサートキャビティ558内の第3のコンポーネント及びリテイナー544と接触していてもよい。いくつかの実施形態では、リテイナー544は、第3のコンポーネントと同じサイズであってもよい。他の実施形態では、リテイナー544は、第3のコンポーネントよりもサイズが大きくてもよいし、又は、第3のコンポーネントよりもサイズが小さくてもよい。他の実施形態では、リテイナー544及び第3のコンポーネントは、互いに異なる形状を備えてもよい。
他の実施形態では、第1のインサートの第1のコンポーネント542は、2つ以上のインサートキャビティ558を備えてもよく、2つ以上のポスト519を備えるキャビティ416内に配置されることとなる。多くの実施形態では、インサートキャビティ558の数及び位置は、キャビティ416のポスト519の数と対応してもよい。他の実施形態では、キャビティ416のポスト519の数は、第1のコンポーネント542のインサートキャビティ558の数よりも少なくてもよい。
多くの実施形態では、インサート440を形成する第1のコンポーネント542とリテイナー544との組み合わせは、マスを備えてもよい。インサート440のマスは、0.5グラム~36グラム、0.5グラム~4グラム、4グラム~8グラム、8グラム~12グラム、12グラム~16グラム、16グラム~20グラム、20グラム~24グラム、24グラム~28グラム、28グラム~32グラム、32グラム~36グラム、4グラム~16グラム、16グラム~24グラム、又は、24グラム~36グラムの範囲であってもよい。例えば、インサート440のマスは、0.02グラム、0.50グラム、1グラム、5グラム、10グラム、15グラム、20グラム、25グラム、30グラム、又は、36グラムであってもよい。
多くの実施形態では、図6のインサート440の第1のコンポーネント542は、さらに、弾性的に変形可能な材料を備えてもよく、インサート140の第1のコンポーネント242(図4A)の材料と同様であってもよい。多くの実施形態では、第1のコンポーネント542の弾性的に変形可能な材料は、ウレタン材料、ウレタン・ベースの材料、エラストマー材料、熱可塑性の材料、複合材、他の適切なタイプの材料、又は、それらの組み合わせを備えてもよい。いくつかの実施形態では、インサート440の第1のコンポーネント542の弾性的に変形可能な材料は、粉末にされた金属と混合された熱可塑性のエラストマー又は熱可塑性のポリウレタンを備えてもよい。多くの実施形態では、粉末にされた金属は、インサート440の重み付け特性を変化させるために使用されてもよい。
多くの実施形態では、インサート440のリテイナー544は、塑性変形可能な材料を備えてもよい。多くの実施形態では、リテイナー544の塑性変形可能な材料は、インサート140のリテイナー244(図4B)の材料と同様であってもよい。いくつかの実施形態では、リテイナー544の塑性変形可能な材料は、金属、シム・ストック、スチール、アルミニウム、銅、他の金属、金属合金、プラスチック、又は、複合材料を備えてもよい。様々な実施形態では、リテイナー544は、弾性的に変形可能な材料、又は、形状記憶金属もしくは金属合金、例えば、ニッケル・チタンなどを備えてもよい。いくつかの実施形態では、リテイナー544の硬度は、Shore A 55からShore A 70の範囲にあってもよい。
いくつかの実施形態では、インサート440の第1のコンポーネント542の材料、及び、リテイナー544の材料は、互いに異なっていてもよい。他の実施形態では、第1のコンポーネント542の材料、及び、リテイナー544の材料は、同じ材料を備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1のコンポーネント542の材料、及び、リテイナー544の材料は、それぞれ、ゴルフクラブヘッド400の材料よりも密度が高くてもよい。他の実施形態では、第1のコンポーネント542の材料、及び、リテイナー544の材料は、ゴルフクラブヘッド400の材料密度と同じ密度であるか、又は、ゴルフクラブヘッド400の材料密度よりも低い密度であってもよい。
B.フレックススロット・インサート
1.単一のフレックススロット
本明細書では、キャビティ716を備えることができるゴルフクラブヘッド700が説明されている。キャビティ716は、インサート740を受容するように構成されていてもよい。下記に説明されているように、キャビティ716は、フェイスサイド壁720と、フェイスサイド壁720に対向するリアサイド壁722と、底部壁724と、を備えてもよい。インサート740は、フロント表面、バック表面754、及び、底部表面760を備えてもよい。インサート740は、さらに、底部表面760上に配置されているフレックススロット880を備えてもよい。フレックススロット880は、インサート740がゴルフクラブヘッド700のキャビティ716内に配置される前に圧縮されてもよい。インサート740がキャビティ716内に配置されているときに、フレックススロット880は、そのオリジナル形状に拡大し、インサート740のフロント表面、バック表面754、及び、底部表面760を、キャビティ716のフェイスサイド壁720、リアサイド壁722、及び、底部壁724に当接させる。インサート740の表面のキャビティ716の壁への当接は、インサートの圧入を生成し、インパクトの間の脱落を防止する。
図8は、ゴルフクラブヘッド700を図示しており、ゴルフクラブヘッド700は、図1のゴルフクラブヘッド100、及び、図4のゴルフクラブヘッド400と同様であってもよい。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド700は、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドであってもよい。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド700は、別のタイプのゴルフクラブヘッド(例えば、ドライバータイプのクラブヘッド、フェアウェイウッドタイプのクラブヘッド、ハイブリッドタイプのクラブヘッド、ウッドタイプのクラブヘッド、ウェッジタイプのクラブヘッド、又はパタータイプのクラブヘッド)であってもよい。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド700は、ストライクフェイス702と、ストライクフェイス702に対向するバックフェイス704と、ヒール領域706と、ヒール領域706に対向するトウ領域708と、ソール712と、リア部714と、を備えてもよい。ゴルフクラブヘッド700は、さらに、バックフェイス704とリア部714との間に配置されているキャビティ716を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド700は、ホーゼルを備えてもよく、ホーゼルは、他の実施形態では、省略されてもよい。多くの実施形態では、リア部714は、伝統的なマッスルバック・アイアン・ゴルフクラブヘッドと同様に見えるように設計されてもよい。例えば、多くのマッスルバック・アイアンは、ゴルフクラブヘッドのフルバック部又はフルリア部分を有している。マッスルバック・アイアンは、非マッスルバック・アイアンとは異なっている。非マッスルバック・アイアンでは、ゴルフクラブヘッドのリア又はバックは、マッスルバック、フルバック、及び/又はリア部分を少なくとも部分的に除去するためにくりぬかれている。いくつかの実施形態では、リア部分714は、重い外見又は厚い外見をゴルフクラブヘッドに提供するように設計され得る。
断面線9-9における図8のゴルフクラブヘッド700の図が、図9に図示されている。図8の線9-9に沿った図9に見られるキャビティ716は、ゴルフクラブヘッド100のキャビティ116(図2及び図3)、及び、ゴルフクラブヘッド400のキャビティ416(図6)と同様であってもよい。フェイスサイド壁720は、バックフェイス704の一部分を構成してもよく、第1のサイド壁720に対向するリアサイド壁722、及び、第1のサイド壁720と第2のサイド壁722との間に配置されている底部壁724は、キャビティ716を形成している。
多くの実施形態では、キャビティ716は、インサート740、940を受容するように構成されていてもよい。多くの実施形態では、インサート740、940は、ストライクフェイス702上でのゴルフボールのインパクトの後に、ゴルフクラブヘッド700の振動を減衰させることができる。いくつかの実施形態では、インサート740、940は、フィラーインサート、ウェイト部材、又は、カスタム・チューニング・ポート(CTP)ウェイトを備えてもよい。
図10は、インサート740を図示している。インサート740は、ゴルフクラブヘッド700のヒール領域706に近接する第1の端部750と、ゴルフクラブヘッド700のトウ領域708に近接する第2の端部752と、バック表面754と、バック表面754に対向するフロント表面と、頂部表面758と、頂部表面758に対向する底部表面760と、を備えてもよい。インサート740がキャビティ716内に配置されているときに、インサート740のバック表面754は、キャビティ716のリアサイド壁722に隣接するように構成されている。
インサート740は、さらに、リップ882を備えてもよい。多くの実施形態では、リップ882は、インサート740の頂部表面758から突出してもよいし、インサート740のバック表面754に対して垂直に、及び、インサート740のバック表面754に隣接して延在してもよい。多くの実施形態では、リップ882は、インサート740の一部分に沿って延在してもよい。例えば、リップ882は、第1の端部750、バック表面754、及び、第2の端部752に沿って延在してもよい。他の実施形態では、リップ882は、第1の端部750、第2の端部752、バック表面754、フロント表面、又は、それらの任意の組み合わせに沿って延在してもよい。インサート740がキャビティ716内に配置されているときに、頂部表面758のリップ部882は、リア部714の頂部表面709に当接している。頂部表面758のリップ882は、フィッティング又は調節の間に、製造業者がキャビティ716からインサート740を除去することを可能にするレバレッジ・レッジとして作用することができる。
いくつかの実施形態では、インサート740は、インサート740上の水平方向の層に積層された、1つ、2つ、3つ、4つ、又は、5つのリップ882を備えてもよい。2つ以上のリップ882を備えるこれらの実施形態では、リップは、頂部表面758と底部表面760との間の任意の場所に配置されてもよい。頂部表面758から延在するリップ882の下方のリップ882は、頂部表面758から延在するリップ882よりも長さが短くなっている。インサート740がキャビティ716内に配置されているときに、頂部表面758から延在するリップ882は、リア部714の頂部表面709に当接し、残りのリップ部882は、キャビティ716の壁に対する圧入を生成する。
インサート740が2つ以上のリップ882を備えることができるいくつかの実施形態では、インサート740は、層になったリップ882同士の間に配置されているアンダーカット(図示せず)を備えてもよい。リップ882と同様に、アンダーカットは、インサート740の一部分の中へ延在してもよい。例えば、1つ又は複数のアンダーカットは、第1の端部750、バック表面754、第2の端部752、フロント表面、又は、それらの任意の組み合わせの中へ延在してもよい。いくつかの実施形態では、インサート740は、1つ、2つ、3つ、4つ、又は、5つのアンダーカットを備えてもよい。アンダーカットは、接着剤を保持するためのポケットとして作用する。インサート740が接着剤によってキャビティ716内に配置されている実施形態では、アンダーカットは、インパクトの間にインサート740が脱落しないようにする安全性の向上のために、インサート740と、キャビティ716のフェイスサイド部720及びリアサイド部722と、の間に、より多くの接着剤が配置されることを可能にする。
図10に図示されているように、インサート740は、インサート740の底部表面760の一部分の中へ延在するフレックススロット880を備えてもよい。いくつかの実施形態では、フレックススロット880は、第1の端部750と第2の端部752との間で、底部表面760上の中央に配置されてもよい。他の実施形態では、フレックススロット880は、第1の端部750の近くに、又は、第2の端部752の近くに配置されてもよい。フレックススロット880は、三角形の形状を備えてもよい。他の実施形態では、フレックススロット880は、正方形、長方形、円形、又は、五角形などのような、任意の形状を備えてもよい。いくつかの実施形態では、インサート740は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は、6つのフレックススロット880を備えてもよい。これらの実施形態では、フレックススロット880は、互いから等距離に間隔を置いて配置可能であり、他の実施形態では、フレックススロット880は、互いから任意の距離に間隔を置いて配置可能である。いくつかの実施形態では、フレックススロット880は、インサート740がキャビティ716の中に挿入される前に曲がることを可能にし、インサート740がキャビティ716内に配置されているときに、インサート740がそのオリジナル形状に戻ることができるようになっている。インサート740がそのオリジナル形状に戻るときに、インサート740をキャビティ716の中に固定するために、キャビティ716のトウ-サイド壁上、及び、キャビティ716のヒール-サイド壁上に、力が働く。
インサート740は、さらに、リブ886を備えてもよい。リブ886は、インサート740のバック表面754上に配置されてもよい。他の実施形態では、リブ886は、インサート740のフロント表面上に配置されるか、又は、バック表面754及びフロント表面の組み合わせの上に配置されてもよい。リブ886は、さらに、第1の端部750の近くに、又は、第2の端部752の近くに配置されてもよい。また、リブ886は、インサート740の頂部表面758に対して垂直に(真っ直ぐ上下に)配向されてもよい。他の実施形態では、リブ886は、頂部表面758に対して異なる角度で配向されてもよい。インサート740は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、又は、10個のリブ部886を備えてもよい。これらの実施形態では、リブ886は、互いから等距離になっているか、又は、互いから任意の距離に間隔を置いて配置されてもよい。いくつかの実施形態では、接着剤が、キャビティ716の中に塗布され、インサート740を固定することを助ける。接着剤を用いる実施形態では、リブ886は、キャビティ716の中での圧入を生成し、それによって、インサート740がキャビティ716の中でシフトすることを防止する。
多くの実施形態では、インサート740は、マスを備えてもよい。インサート740のマスは、0.5グラム~36グラム、0.5グラム~4グラム、4グラム~8グラム、8グラム~12グラム、12グラム~16グラム、16グラム~20グラム、20グラム~24グラム、24グラム~28グラム、28グラム~32グラム、32グラム~36グラム、4グラム~16グラム、16グラム~24グラム、又は、24グラム~32グラムの範囲であってもよい。例えば、インサート740のマスは、0.02グラム、0.50グラム、1グラム、5グラム、10グラム、15グラム、20グラム、25グラム、30グラム、又は、36グラムであってもよい。
いくつかの実施形態では、インサート740は、ゴルフクラブヘッド700のボディの材料よりも密度が高い材料を備えてもよい。他の実施形態では、インサート740の材料は、ゴルフクラブヘッド700のボディの材料と同じ密度であるか、又は、ゴルフクラブヘッド700のボディの材料よりも密度が小さくてもよい。複数の実施形態では、インサート740の材料は、弾性的に変形可能な材料を備えてもよいし、インサート140の第1のコンポーネント242(図4A)、又は、インサート440の第1のコンポーネント542(図7A)と同様であってもよい。多くの実施形態では、インサート740の弾性的に変形可能な材料は、ポリマー、ウレタン材料、ウレタン・ベースの材料、エラストマー材料、熱可塑性の材料、他の適切なタイプの材料、複合材、又は、それらの組み合わせを備えてもよい。いくつかの実施形態では、インサート740の材料は、粉末にされた金属と混合された熱可塑性のエラストマー又は熱可塑性のポリウレタンを備えてもよい。多くの実施形態では、粉末にされた金属は、インサート740の重み付け特性を変化させるために使用されてもよい。
2.複数のフレックススロット
本明細書では、キャビティ716を備えることができるゴルフクラブヘッド700が説明されている。キャビティ716は、インサート940を受容するように構成されていてもよい。上記に説明されているように、キャビティ716は、フェイスサイド壁720と、フェイスサイド壁720に対向するリアサイド壁722と、底部壁724と、を備えてもよい。図11は、インサート940を図示しており、インサート940は、インサート740と同様であってもよい。インサート740は、フロント表面、バック表面954、及び、底部表面960を備えてもよい。インサート940は、さらに、底部表面960上に配置されている2つのフレックススロット980を備えてもよく、1つのフレックススロット980がインサート940の第1の端部950の近くにあり、第2のフレックススロット980がインサート940の第2の端部952の近くにある。フレックススロット980は、インサート940がゴルフクラブヘッド700のキャビティ716内に配置される前に圧縮することが可能である。インサート940がキャビティ716内に配置されているときに、フレックススロット980は、そのオリジナル形状に拡大し、インサート940のフロント表面、バック表面954、及び、底部表面960を、キャビティ716のフェイスサイド壁720、リアサイド壁722、及び、底部壁724に当接させる。インサート940の表面のキャビティ716の壁部への当接は、インサートの圧入を生成し、インパクトの間の脱落を防止する。
インサート940は、ヒール領域706に近接する第1の端部950と、トウ領域708に近接する第2の端部952と、バック表面954と、フロント表面と、頂部表面958と、底部表面960と、を備えてもよい。インサート940がキャビティ716内に配置されているときに、バック表面954は、キャビティ716のリアサイド壁722に隣接するように構成されている。
インサート940は、リップ982を備えてもよい。いくつかの例では、リップ982は、インサート940の頂部表面958から突出してもよいし、インサート940のバック表面954に対して垂直に、及び、インサート940のバック表面954に隣接して延在してもよい。多くの実施形態では、リップ982は、インサート940の一部分に沿って延在してもよい。例えば、リップ982は、第1の端部950、バック表面954、及び、第2の端部952に沿って延在してもよい。他の実施形態では、リップ982は、第1の端部950、第2の端部952、バック表面954、フロント表面、又は、それらの任意の組み合わせに沿って延在してもよい。インサート940がキャビティ716内に配置されているときに、頂部表面958のリップ982は、リア部714の頂部表面709に当接している。頂部表面958のリップ982は、フィッティング又は調節の間に、製造業者がキャビティ716からインサート940を除去することを可能にするレバレッジ・レッジ部として作用することができる。
いくつかの実施形態では、インサート940は、インサート940上の水平方向の層の中に積層された、1つ、2つ、3つ、4つ、又は、5つのリップ982を備えてもよい。2つ以上のリップ982を含むこれらの実施形態では、リップは、頂部表面958と底部表面960との間の任意の場所に配置されてもよい。頂部表面958から延在するリップ982の下方のリップ982は、頂部表面958から延在するリップ982よりも長さが短くなっている。インサート940がキャビティ716内に配置されているときに、頂部表面958から延在するリップ982は、リア部714の頂部表面709に当接し、残りのリップ982は、キャビティ716の壁に対する圧入を生成する。残りのリップ982によって生成される圧入は、ゴルフクラブヘッド700のキャビティ716の中にインサート940を固定することを助ける。
インサート940が複数のリップを備えることができるいくつかの実施形態では、インサートは、さらに、アンダーカット984を備えてもよい。多くの実施形態では、インサート940のアンダーカット984は、頂部表面958から延在する2つのリップ部982の間に配置されてもよい。他の実施形態では、アンダーカット984は、2つのリップ982の間に配置されている。リップ982と同様に、アンダーカット984は、インサート940の一部分に沿って延在してもよい。例えば、アンダーカット984は、第1の端部950、バック表面954、及び、第2の端部952に沿って、延在してもよい。他の実施形態では、アンダーカット984は、第1の端部950、バック表面954、第2の端部952、フロント表面、又は、それらの任意の組み合わせに沿って、延在してもよい。いくつかの実施形態では、インサート940は、1つ、2つ、3つ、4つ、又は、5つのアンダーカット984を備えてもよい。インサート940が接着剤によってキャビティ716内に配置されている実施形態では、アンダーカット984は、ポケットとして作用し、インパクトの間にインサート940が脱落しないようにする安全性の向上のために、インサート940と、キャビティ716のフェイスサイド壁720及びリアサイド壁722と、の間に、より多くの接着剤が配置されることを可能にする。
図11に図示されているように、インサート940は、底部表面960の一部分の中へ延在する2つのフレックススロット980を備えてもよい。2つのフレックススロット980のうちの1つは、第1の端部950の近くの底部表面960上に配置されており、2つのフレックススロット980のうちの第2のフレックススロットは、第2の端部952の近くの底部表面960上に配置されている。他の実施形態では、フレックススロット980は、第1の端部950の近くで、又は、第2の端部952の近くで、底部表面960上の中央に配置されてもよい。さらに図11に図示されているように、フレックススロット980は、三角形の形状を備えてもよい。他の実施形態では、フレックススロット980は、三角形、正方形、長方形、円形、五角形、又は、任意の他の形状などのような、任意の形状を備えてもよい。他の実施形態では、インサート940は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は、6つのフレックススロット980を備えてもよい。これらの実施形態では、フレックススロット980は、互いから等距離に間隔を置いて配置されてもよいし、他の実施形態では、フレックススロット980は、互いから任意の距離に間隔を置いて配置されてもよい。いくつかの実施形態では、フレックススロット980は、インサート940がキャビティ716内に挿入される前に曲がることを可能にし、インサート940がキャビティ716内に配置されているときに、インサート940がそのオリジナル形状に戻ることができるようになっている。インサート940がそのオリジナル形状に戻るときに、インサート940をキャビティ716の中に固定するために、キャビティ716のトウ-サイド壁上に、及び、キャビティ716のヒール-サイド壁上に、力が働く。
図11に図示されているように、インサート940は、さらに、リブ986を備えてもよい。いくつかの実施形態では、リブ986は、インサート940のバック表面954上に配置されてもよい。他の実施形態では、リブ986は、インサートのフロント表面上に配置されてもよいし、又は、バック表面954及びフロント表面の組み合わせの上に配置されてもよい。リブ986は、さらに、第1の端部950の近くに、第2の端部952の近くに、又は、中央に配置されてもよい。また、図11に図示されているように、リブ986は、インサート940の頂部表面958に対して垂直に(真っ直ぐ上下に)配向されている。他の実施形態では、リブ部986は、頂部表面958に対して所定の角度(例えば、30度、45度、60度、75度など)で配向されてもよい。インサート940は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、又は、10個のリブ部986を備えてもよい。これらの実施形態では、リブ部986は、互いから等距離になっているか、又は、互いから任意の距離に間隔を置いて配置されてもよい。接着剤がキャビティ716の中に塗布され、インサート940を固定することを助ける実施形態では、少なくとも1つのリブ986が、圧入を生成し、それによって、インサート940がキャビティ716の中でシフトすることを防止する。
多くの実施形態では、インサート940は、マスを備えてもよい。インサート940のマスは、0.5グラム~36グラム、0.5グラム~4グラム、4グラム~8グラム、8グラム~12グラム、12グラム~16グラム、16グラム~20グラム、20グラム~24グラム、24グラム~28グラム、28グラム~32グラム、32グラム~36グラム、4グラム~16グラム、16グラム~24グラム、又は、24グラム~32グラムの範囲であってもよい。例えば、インサート940のマスは、0.02グラム、0.50グラム、1グラム、5グラム、10グラム、15グラム、20グラム、25グラム、30グラム、又は、36グラムであってもよい。
いくつかの実施形態では、インサート940は、ゴルフクラブヘッド700のボディの材料よりも密度が高い材料を備えてもよい。他の実施形態では、インサート940の材料は、ゴルフクラブヘッド700のボディの材料の密度と同じ密度であるか、又は、ゴルフクラブヘッド700のボディの材料の密度よりも密度が小さくなっていてもよい。複数の実施形態では、インサート940の材料は、弾性的に変形可能な材料を備えてもよく、インサート140の第1のコンポーネント242(図4A)、インサート440の第1のコンポーネント542(図7A)、又は、インサート740と同様であってもよい。多くの実施形態では、インサート940の弾性的に変形可能な材料は、ポリマー、ウレタン材料、ウレタン・ベースの材料、エラストマー材料、熱可塑性の材料、他の適切なタイプの材料、複合材、又は、それらの組み合わせを備えてもよい。いくつかの実施形態では、インサート740の材料は、粉末にされた金属と混合された熱可塑性のエラストマー又は熱可塑性のポリウレタンを備えてもよい。多くの実施形態では、粉末にされた金属は、インサート940の重み付け特性を変化させるために使用されてもよい。
C.摩擦リテンションインサート
1.垂直方向のスリット
本明細書では、キャビティ1216を備えることができるゴルフクラブヘッド1200が説明されている。下記に説明されているように、キャビティ1216は、底部壁1218及びサイド壁1220を備えてもよく、分割部1222が、底部壁1218から延在してもよい。分割部1222は、アパーチャー1228を備えてもよい。キャビティ1216は、インサート1240を受容するように構成されている。インサート1240は、スリット1260によって分離されているバック部分1252、フロント部分1262、及び、インサートアパーチャー1270を備えてもよく、インサートアパーチャー1270は、バック部分1252及びフロント部分1262を同心に貫通している。インサート1240のスリット1260は、分割部1222を受容してもよい。バック部分1252及びフロント部分1262は、分割部1222の両方の側に配置されている。締結具1274は、インサートアパーチャー1270、及び、分割部1222のアパーチャー1228を通って配置され、分割部1222に対してインサート1240を圧縮することが可能であり、インサート1240の表面と分割部1222の表面との間に表面摩擦が生成される。表面摩擦は、インサート1240をキャビティの中に固定することを助け、脱落を防止する。
図12は、ゴルフクラブヘッド1200を図示しており、ゴルフクラブヘッド1200は、ゴルフクラブヘッド100、400、及び、700と同様であってもよい。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1200は、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドであることが可能である。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド1200は、別のタイプのゴルフクラブヘッド(例えば、ドライバータイプのクラブヘッド、フェアウェイウッドタイプのクラブヘッド、ハイブリッドタイプのクラブヘッド、ウッドタイプのクラブヘッド、ウェッジタイプのクラブヘッド、又は、パタータイプのクラブヘッド)であってもよい。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1200は、ストライクフェイス1202と、ストライクフェイス1202に対向するバックフェイス1204と、ヒール領域1206と、ヒール領域1206に対向するトウ領域1208と、ソール1212と、リア部1214と、を備えてもよい。ゴルフクラブヘッド1200は、さらに、バックフェイス1204とリア部1214との間に配置されているキャビティ1216を備えてもよい。
キャビティ1216は、底部壁1218と、サイド壁1220と、を備えてもよい。いくつかの実施形態では、サイド壁1220は、ゴルフクラブヘッド1200のバックフェイス1204からオフセットされている。他の実施形態では、サイド壁1220は、バックフェイス1204の一部分を構成してもよい。多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1200は、さらに、キャビティ1216の底部壁1218から延在する分割部1222を備えてもよい。分割部1222は、ヒール領域1206からトウ領域1208に向けて、キャビティ1216の全体長さにわたって延在してもよい。他の実施形態では、分割部1222は、キャビティ1216の長さの一部分に延在してもよい。分割部1222の高さは、最大でキャビティ1216の高さまで延在してもよい。いくつかの実施形態では、分割部1222は、キャビティ1216のサイド壁1220と平行になっていてもよく、他の実施形態では、分割部1222は、キャビティ1216のサイド壁1220に対して所定の角度で配向されてもよい。分割部1222は、キャビティ1216を、サイド壁1220に隣接する第1のポケット1211と、第1のポケット1211の他方の側の第2のポケット1213と、に分離している。分割部1222がサイド壁1220に対して所定の角度で配向されているいくつかの実施形態では、第1のポケット1211は、トウ端部1208において、幅がより大きくなっている。分割部1222がサイド壁1220に対して所定の角度で配向されている他の実施形態では、第1のポケット1211が、ヒール端部1206において、幅がより大きくなっている。
分割部1222は、さらに、厚さ1224を備えてもよい。分割部1222の厚さ1224は、ヒール端部1206からトウ端部1208に向けて延在する分割部1222の長さを通して、一定のままである。他の実施形態では、分割部1222の厚さ1224は、ゴルフクラブヘッド1200のヒール端部1206からゴルフクラブヘッド1200のトウ端部1208に向けて幅が変化してもよい。分割部1222の厚さ1224は、さらに、底部壁1218からゴルフクラブヘッド1200の上部に向けて一定のままであってもよい。いくつかの実施形態では、分割部1222の厚さ1224は、0.070インチである。他の実施形態では、分割部1222の厚さ1224は、0.050インチ~0.100インチ、0.055インチ~0.075インチ、0.060インチ~0.080インチ、0.065インチ~0.085インチ、0.070インチ~0.090インチ、又は、0.075インチ~0.095インチの範囲であってもよい。例えば、分割部1222の厚さ1224は、0.050インチ、0.055インチ、0.060インチ、0.065インチ、0.070インチ、0.075インチ、0.080インチ、0.085インチ、0.090インチ、0.095インチ、又は0.100インチであってもよい。
また、分割部1222は、アパーチャー1228を備えてもよい。1つの実施形態では、アパーチャー1228は、分割部1222の中心に、又は、分割部1222の中心の近くに配置されている。他の実施形態では、アパーチャー1228は、任意の場所に配置されてもよい。例えば、アパーチャー1228は、ゴルフクラブヘッド1200のヒール領域1206の近くに、又は、トウ領域1208の近くに配置されてもよい。他の実施形態では、分割部1222は、1つ、2つ、3つ、4つ、又は、5つのアパーチャー1228を備えてもよい。これらの実施形態では、アパーチャー1228は、互いから等距離に配置されてもよいし、互いから任意の距離に配置されてもよいし、分割部1222に中心を合わせて配置されてもよいし、ヒール領域1206の近くに配置されてもよいし、トウ領域1208の近くに配置されてもよいし、又は、分割部1222の上の任意の場所に配置されてもよい。例えば、分割部1222は、ヒール領域1206の近くに1つのアパーチャーを備え、トウ領域1208の近くに第2のアパーチャーを備えてもよい。
アパーチャー1228は、幅1230を備えてもよい。一実施形態では、アパーチャー1228の幅1230は、0.25インチである。他の実施形態では、アパーチャー1228の幅1230は、0.100インチ~0.250インチ、0.100インチ~0.130インチ、0.130インチ~0.160インチ、0.160インチ~0.190インチ、0.190インチ~0.230インチ、又は、0.230インチ~0.250インチの範囲であってもよい。例えば、アパーチャー1228の幅1230は、0.100インチ、0.125インチ、0.150インチ、0.175インチ、0.200インチ、0.225インチ、又は、0.250インチであってもよい。
多くの実施形態では、キャビティ1216は、インサート1240を受容するように構成されてもよい。インサート1240は、ゴルフクラブヘッド1200のキャビティ1216に対して、形状及び寸法が相補的になっている。図13及び図14に図示されているように、インサート1240は、頂部1242と、ベース1244と、ヒール領域1206に近接する第1の端部1246と、トウ領域1208に近接する第2の端部1248と、を備えてもよい。インサート1240の頂部1242は、インサート1240がキャビティ1216内に配置されているときに、第1の端部1246から第2の端部1248に向けて延在する水平方向の平面的な表面である。
図14に図示されているように、インサート1240は、さらに、第1のコンポーネント又はバック部分1252、及び、第2のコンポーネント又はフロント部分1262を備えてもよい。バック部分1252及びフロント部分1262は、スリット1260によって分離されている。バック部分1252は、バック外側表面1254と、スリット1260に隣接するバック内側表面1256と、を備えてもよい。フロント部分1262は、フロント外側表面1264と、スリット1260に隣接するフロント内側表面1266と、を備えてもよい。インサート1240がキャビティ1216内に配置されているときに、フロント部分1262は、第1のポケット1211内に配置されており、バック部分1252は、第2のポケット1213内に配置されている。より具体的には、インサート1240がキャビティ1216内に配置されているときに、バック部分1252のバック内側表面1256、及び、フロント部分1262のフロント内側表面1266が、分割部1222に当接する。また、フロント外側表面1264は、キャビティ1216のサイド壁1220に隣接している。
いくつかの実施形態では、スリット1260は、インサート1240のベースからインサート1240の頂部1242に向かって延びてもよい。例えば、スリット1260は、ベース1244からのインサート1240の高さの50%~55%、55%~60%、60%~65%、65%~70%、70%~75%、75%~80%、80%~85%、85%~90%、90%~95%、又は、95%~100%まで延びてもよい。
スリット1260は、フロント部分1262のフロント内側表面1266からバック部分1252のリア内側表面1256へ測定される幅1268を備えてもよい。いくつかの実施形態では、スリット1260の幅1268は、一定のままであってもよく、ベース1244から開始してインサート1240の一部分の中へ延在する。他の実施形態では、スリット1260の幅1268は、変化してもよく、ベース1244から開始してインサート1240の一部分の中へ延在する。例えば、スリット1260の幅1268は、スリット1260が頂部1242に向けて延在するときに減少するか、スリット1260が頂部1242に向けて延在するときに増加するか、又は、スリット1260が頂部1242に向けて延在するときに、それらの任意の変化形であってもよい。いくつかの実施形態では、スリット1260の幅1268は、0.050インチ~0.115インチ、0.055インチ~0.075インチ、0.065インチ~0.085インチ、0.075インチ~0.095インチ、0.085インチ~0.105インチ、又は、0.095インチ~0.115インチの範囲であってもよい。例えば、スリット1260の幅1268は、0.050インチ、0.055インチ、0.060インチ、0.065インチ、0.070インチ、0.075インチ、0.080インチ、0.085インチ0.090インチ、0.095インチ、0.100インチ、0.105インチ、0.110インチ、又は、0.115インチであってもよい。1つの例によれば、スリット1260の幅1268は、0.070インチである。スリット1260がインサート1240の一部分の中へ延在する実施形態では、スリット1260の幅1268は、分割部1222の厚さ1224に等しいか、又は、分割部1222の厚さ1224よりもわずかに大きくなっていてもよい。
いくつかの実施形態では、スリット1260は、フロント部分1262のフロント外側表面1264に対して平行に延在している。他の実施形態では、スリット1260は、フロント部分1262のフロント外側表面1264に対して所定の角度で延在してもよい。例えば、スリット1260がフロント部分1262のフロント外側表面1264に対して所定の角度で延在しているときに、フロント部分1262の頂部1242は、フロント部分1262のベース1244よりも薄くなっているか又は厚くなっていてもよい。スリット1260は、インサート1240のフロント部分1262のフロント外側表面1264に向けて、又は、それから離れるように、最大25度で延在してもよい。例えば、スリットは、フロント部分1262のフロント外側表面1264に向けて、又は、それから離れるように、3度、6度、9度、12度、15度、18度、21度、又は、25度で、角度を付けられてもよい。他の実施形態では、スリット1260は、第1の端部1246に対して所定の角度で延在してもよい。例えば、スリット1260が第1の端部1246に対して所定の角度で延在しているときに、フロント部分1262の第2の端部1248は、フロント部分1262の第1の端部1246よりも薄くなっているか、又は、厚くなっていてもよい。スリット1260は、インサート1240の第1の端部1246に向けて、又は、それから離れるように、最大25度で延在してもよい。例えば、スリットは、インサート1240の第1の端部1246に向けて、又は、それから離れるように、3度、6度、9度、12度、15度、18度、21度、又は25度で、角度を付けられてもよい。
インサート1240は、さらに、インサートアパーチャー1270を備えてもよい。インサートアパーチャー1270は、バック部分1252及びフロント部分1262を通って延在しており、バック部分1252内のインサートアパーチャー1270は、インサート1240のフロント部分1262内のインサートアパーチャー1270と同心になっている。1つの実施形態では、インサートアパーチャー1270は、第1の端部1246と第2の端部1248との間、及び、頂部1242とベース1244との間において、中央に又は中間点に配置されている。他の実施形態では、インサート1240のインサートアパーチャー1270は、第1の端部1246に向けて、第2の端部1248に向けて、頂部1242に向けて、又は、ベース1244に向けて、配置されてもよい。
図13に図示されているように、インサート1240は、1つのインサートアパーチャー1270を備えてもよい。他の実施形態では、インサート1240は、1つ、2つ、3つ、4つ、又は、5つのインサートアパーチャー1270を備えてもよい。多くの実施形態では、インサートアパーチャー1270の数は、分割部1222のアパーチャー1228の数に対応している。インサートアパーチャー1270は、場所に関して、分割部1222のアパーチャー1228の位置に対応しており、インサート1240がキャビティ1216内に配置されているときに、インサートアパーチャー1270は、分割部1222のアパーチャー1228と同心になっている。
インサートアパーチャー1270は、直径1272を備えてもよい。1つの実施形態によれば、インサートアパーチャー1270は、0.150インチの直径を備える。他の実施形態では、インサートアパーチャー1270の直径1272は、0.100インチ~0.250インチ、0.100インチ~0.130インチ、0.130インチ~0.160インチ、0.160インチ~0.190インチ、0.190インチ~0.230インチ、又は、0.230インチ~0.250インチの範囲であってもよい。例えば、インサートアパーチャー1270の直径1272は、0.100インチ、0.125インチ、0.150インチ、0.175インチ、0.200インチ、0.225インチ、又は、0.250インチであってもよい。多くの実施形態ではインサートアパーチャー1270の直径1272は、分割部1222のアパーチャー1228の幅1230と同じである。
インサート1240は、さらに、マスを備えてもよい。インサート1240のマスは、0.02グラム~32グラム、0.02グラム~0.40グラム、0.040グラム~0.80グラム、0.080グラム~3グラム、3グラム~9グラム、9グラム~15グラム、15グラム~21グラム、21グラム~27グラム、27グラム~32グラム、0.02グラム~10グラム、10グラム~20グラム、又は、20グラム~32グラムの範囲であってもよい。例えば、インサート1240のマスは、0.02グラム、0.50グラム、1グラム、5グラム、10グラム、15グラム、20グラム、25グラム、30グラム、又は、36グラムであってもよい。
いくつかの実施形態では、インサート1240のバック部分1252及びフロント部分1262は、同じマスを備えてもよい。他の実施形態では、バック部分1252は、インサート1240のフロント部分1262のマスよりも小さいマスを備えてもよい。例えば、バック部分1252は、0.02グラム~0.80グラム、0.080グラム~4グラム、4グラム~8グラム、8グラム~12グラム、又は、12グラム~15グラム(例えば、0.02グラム、0.50グラム、1グラム、5グラム、10グラム、又は、15グラム)の範囲のマスを備え、フロント部分1262は、7グラム~32グラム、7グラム~15グラム、15グラム~18グラム、18グラム~23グラム、23グラム~28グラム、28グラム~32グラム(例えば、7グラム、15グラム、20グラム、25グラム、30グラム、又は、32グラム)の範囲のマスを備えてもよい。他の実施形態では、バック部分1252は、インサート1240のフロント部分1262のマスよりも大きいマスを備えてもよい。例えば、フロント部分は、0.02グラム~0.80グラム、0.080グラム~4グラム、4グラム~8グラム、8グラム~12グラム、又は、12グラム~15グラム(例えば、0.02グラム、0.50グラム、1グラム、5グラム、10グラム、又は、15グラム)の範囲のマスを備え、バック部分1252は、7グラム~32グラム、7グラム~15グラム、15グラム~18グラム、18グラム~23グラム、23グラム~28グラム、28グラム~32グラム(例えば、7グラム、15グラム、20グラム、25グラム、30グラム、又は、32グラム)を備えてもよい。
インサートアパーチャー1270は、締結具1274を受容してもよい。締結具1274は、自己ネジ切り式スクリュー(self-threaded screw)、一体成形ネジ(co-molded thread)、スクリュー、リベット(ソリッド・ヘッド・リベット又はブラインド・リベット)、又は、任意の他のタイプの締結具を備えてもよい。締結具1274は、1つの締結具1274、2つの締結具1274、3つの締結具1274、4つの締結具1274、又は、5つの締結具1274であってもよい。多くの実施形態では、締結具1274の数は、インサートアパーチャー1270の数に対応している。インサート1240がゴルフクラブヘッド1200のキャビティ1216内に配置されているときに、締結具1274は、インサート1240のバック部分1252上に配置されているインサートアパーチャー1270を通して配置され、分割部1222のアパーチャー1228を通って、及び、インサート1240のフロント部分1262内のインサートアパーチャー1270を通って延在している。
締結具1274がインサートアパーチャー1270内に配置されているときに、分割部1222のアパーチャー1228は、キャビティ1216の分割部1222に対してインサート1240を固定及び圧縮することを助ける。分割部1222に対してインサート1240を圧縮することは、分割部1222に対して、インサート1240のバック部分1252のバック内側表面1256とインサート1240のフロント部分1262のフロント内側表面1266との間に表面摩擦を生成する。締結具1274及び表面摩擦の組み合わせは、インサート1240がキャビティ1216から脱落することを防止し、それによって、インサート1240をキャビティ1216の中に固定する。
多くの実施形態では、インサート1240は、塑性変形可能な材料を備えてもよい。いくつかの実施形態では、インサート1240の塑性変形可能な材料は、金属、タングステン、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、ニッケル、他の金属、シム・ストック、スチール、銅、金属合金、プラスチック、又は、複合材料を備えてもよい。様々な実施形態では、インサート1240は、弾性的に変形可能な材料、又は、形状記憶金属もしくは金属合金、例えば、ニッケル・チタンなどを備えてもよい。
いくつかの実施形態では、インサート1240のフロント部分1262の材料、及び、バック部分1252の材料は、互いに異なっていてもよい。他の実施形態では、フロント部分1262の材料、及び、バック部分1252の材料は、同じ材料を備えてもよい。いくつかの実施形態では、フロント部分1262の材料、及び、バック部分1252の材料は、それぞれ、ゴルフクラブヘッド1200の材料よりも密度が高くてもよい。他の実施形態では、フロント部分1262の材料、及び、バック部分1252の材料は、ゴルフクラブヘッド1200の材料密度と同じ密度であるか、又は、ゴルフクラブヘッド1200の材料密度よりも低い密度であってもよい。
2.水平方向のスリット
本明細書では、キャビティ1516を備えることができるゴルフクラブヘッド1500が説明されている。下記に説明されているように、キャビティ1516は、底部壁1518及びサイド壁1520を備えてもよく、分割部1522が、サイド壁1520から延在してもよい。分割部は、アパーチャー1528を備えてもよい。インサート1540は、スリット1560によって分離されている頂部1552、底部1562、及び、インサートアパーチャー1570を備えてもよく、インサートアパーチャー1570は、頂部1552及び底部1562を同心に貫通している。インサート1540のスリット1560は、分割部1522を受容してもよく、頂部1552及び底部1562は、分割部1522の両方の側に配置されている。締結具1574は、インサートアパーチャー1570、及び、分割部1522のアパーチャー1528を通って配置され、分割部1522に対してインサート1540を圧縮することが可能であり、インサート1540の表面と分割部1522の表面との間に表面摩擦が生成される。表面摩擦は、インサート1540をキャビティの中に固定することを助け、脱落を防止する。
図15は、ゴルフクラブヘッド1500を図示しており、ゴルフクラブヘッド1500は、ゴルフクラブヘッド100、400、700、1200と同様であってもよい。多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1500は、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドであってもよい。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド1500は、別のタイプのゴルフクラブヘッド、例えば、ドライバータイプのクラブヘッド、フェアウェイウッドタイプのクラブヘッド、ハイブリッドタイプのクラブヘッド、ウッドタイプのクラブヘッド、ウェッジタイプのクラブヘッド、又は、パタータイプのクラブヘッドなどであってもよい。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1500は、ストライクフェイス1502と、ストライクフェイス1502に対向するバックフェイス1504と、ヒール領域1506と、ヒール領域1506に対向するトウ領域1508と、ソール1512と、リア部1514と、を備えてもよい。ゴルフクラブヘッド1500はさらに、バックフェイス1504とリア部1514との間に配置されているキャビティ1516を備えてもよい。
キャビティ1516は、底部壁1518と、サイド壁1520と、を備えてもよい。いくつかの実施形態では、底部壁1518は、平坦で平面的な表面であってもよく、他の実施形態では、底部壁1518は、組み合わせ又は複数の平面的な表面であってもよい。いくつかの実施形態では、サイド壁1520は、ゴルフクラブヘッド1500のバックフェイス1504からオフセットされている。他の実施形態では、サイド壁1520は、バックフェイス1504の一部分を構成することが可能である。
キャビティ1516は、さらに、ゴルフクラブヘッド1200の分割部1222と同様の分割部1522を備えてもよい。分割部1522は、キャビティ1516のサイド壁1520から垂直方向に延在してもよい。他の実施形態では、分割部1522は、キャビティ1516のサイド壁1520に対して所定の角度で延在してもよい。分割部1522は、サイド壁1520の上の中央、サイド壁1520の上部の近く、又は、底部壁1518の近くに延在してもよい。分割部1522は、ヒール領域1506からトウ領域1508に向けて、キャビティ1516の全体長さにわたって延在してもよい。いくつかの実施形態では、分割部1522は、キャビティ1516の全体長さにわたって延在してもよい。他の実施形態では、分割部1522は、キャビティ1516の長さの一部分に延在してもよい。分割部1522の高さは、最大でキャビティ1516の幅まで延在してもよい。
分割部1522は、さらに、キャビティ1516のサイド壁1520に対して垂直に配向されてもよい。他の実施形態では、分割部1522は、キャビティ1516のサイド壁1520に対して所定の角度で配向されてもよい。分割部1522は、キャビティ1516を、底部壁1518に隣接する第1のポケット1511と、第1のポケット1211の反対側であり、分割部1522の他方の側の第2のポケット1513と、に分離している。
分割部1522は、厚さ1524を備えてもよい。いくつかの実施形態では、分割部1522の厚さ1524は、ゴルフクラブヘッド1500のヒール端部1506からトウ端部1508に向けて延在する分割部1522の長さの全体を通して、一定のままである。他の実施形態では、厚さ1524は、ヒール端部1506からトウ端部1508に向けて延在する分割部1522の長さの全体を通して、変化してもよい。分割部1522の厚さ1524は、さらに、サイド壁1520から一定のままであってもよく、サイド壁1520から離れるように延在している。いくつかの実施形態では、分割部1522の厚さ1524は、0.070インチである。他の実施形態では、分割部1522の厚さ1524は、0.050インチ~0.100インチ、0.055インチ~0.075インチ、0.060インチ~0.080インチ、0.065インチ~0.085インチ、0.070インチ~0.090インチ、又は、0.075インチ~0.095インチの範囲であってもよい。例えば、分割部1522の厚さ1524は、0.050インチ、0.055インチ、0.060インチ、0.065インチ、0.070インチ、0.075インチ、0.080インチ、0.085インチ、0.090インチ、0.095インチ、又は、0.100インチであってもよい。
分割部1522は、さらに、アパーチャー1528を備えてもよい。1つの実施形態では、アパーチャー1528は、分割部1522の中心、又は、分割部1522の中心の近くに配置されている。他の実施形態では、アパーチャー1528は、任意の場所に配置されてもよい。例えば、アパーチャー1528は、ゴルフクラブヘッド1500のヒール領域1506の近く、又は、トウ領域1508の近くに配置されてもよい。他の実施形態では、分割部1522は、1つ、2つ、3つ、4つ、又は、5つのアパーチャー1528を備えてもよい。これらの実施形態では、アパーチャー1528は、互いから等距離に配置されていてもよいし、互いから任意の距離に配置されていてもよいし、分割部1522に中心を合わせて配置されていてもよいし、ヒール領域1506の近くに配置されていてもよいし、トウ領域1508の近くに配置されていてもよいし、又は、分割部1522の上の任意の場所に配置されていてもよい。例えば、分割部1522は、ヒール領域1506の近くに1つのアパーチャーを備え、トウ領域1508の近くに第2のアパーチャーを備えてもよい。
アパーチャー1528は、さらに、幅1530を備えてもよい。1つの実施形態では、アパーチャー1528の幅1530は、0.25インチである。他の実施形態では、アパーチャー1528の幅1530は、0.100インチ~0.250インチ、0.100インチ~0.130インチ、0.130インチ~0.160インチ、0.160インチ~0.190インチ、0.190インチ~0.230インチ、又は、0.230インチ~0.250インチの範囲であってもよい。例えば、アパーチャー1528の幅1530は、0.100インチ、0.125インチ、0.150インチ、0.175インチ、0.200インチ、0.225インチ、又は、0.250インチであってもよい。
多くの実施形態では、キャビティ1516は、インサート1540を受容するように構成されてもよい。インサート1540は、ゴルフクラブヘッド1500のキャビティ1516に対して、形状及び寸法が相補的になっている。インサート1540は、ゴルフクラブヘッド1200のインサート1240と同様である。図16及び図17に図示されているように、インサート1540は、ヒール領域1506に近接する第1の端部1546と、トウ領域1508に近接する第2の端部1548と、バック表面1544と、フロント表面1542と、頂部1552(又は、第1のコンポーネント)と、底部1562(又は、第2のコンポーネント)と、頂部1552及び底部1562を分離するスリット1560と、を備えてもよい。
インサート1540の背面図(図16)から、頂部1552は形状が概して長方形になっている。インサート1540の頂部1552は、頂部外側表面1554及び頂部内側表面1556を備えてもよい。図16に図示されているように、底部1562は、形状が概して五角形になっている。インサート1540の底部は、底部内側表面1566及び底部外側表面1564を備えてもよい。インサート1540がキャビティ1516内に配置されているときに、底部1562は、第1のポケット1511内に配置されており、頂部1552は、第2のポケット1513内に配置されている。より具体的には、インサート1540がキャビティ1516の中に位置決めされているときに、頂部1552の頂部内側表面1556、及び、底部1562の底部内側表面1566が、分割部1522に当接する。
いくつかの実施形態では、スリット1560は、インサート1540のフロント表面1542からインサート1540のバック表面1544に延在してもよい。例えば、スリット1560は、フロント表面1542からインサート1540内に50%~55%、55%~60%、60%~65%、65%~70%、70%~75%、75%~80%、80%~85%、85%~90%、90%~95%、又は、95%~100%の範囲で延在してもよい。
スリット1560は、頂部1552の頂部内側表面1556から底部1562の底部内側表面1566へ測定される幅1568を備えてもよい。いくつかの実施形態では、スリット1560の幅1568は、一定のままであってもよく、リア表面1542から開始してインサート1540の一部分の中へ延在している。他の実施形態では、スリット1560の幅1568は、変化してもよく、リア表面1542~インサート1540の一部分の中へ延在している。例えば、幅1568は、スリット1560がインサート1540のバック表面1544に向けて延在するときに、減少するか、増加するか、又は、それらの任意の変化形であってもよい。いくつかの実施形態では、スリット1560の幅1568は、少なくとも0.050インチ~0.115インチ、少なくとも0.055インチ~0.075インチ、少なくとも0.065インチ~0.085インチ、少なくとも0.075インチ~0.095インチ、少なくとも0.085インチ~0.105インチ、又は、少なくとも0.095インチ~0.115インチの範囲であってもよい。例えば、スリット1260の幅1268は、0.050インチ、0.055インチ、0.060インチ、0.065インチ、0.070インチ、0.075インチ、0.080インチ、0.085インチ0.090インチ、0.095インチ、0.100インチ、0.105インチ、0.110インチ、又は、0.115インチであってもよい。スリット1560がインサート1540の一部分の中へ延在する多くの実施形態では、スリット1560の幅1568は、分割部1522の厚さ1524に等しいか、又は、分割部1522の厚さ1524よりもわずかに大きくなっている。
いくつかの実施形態では、スリット1560は、インサート1540のリア表面1542に対して垂直に延在している。他の実施形態では、スリット1560は、インサート1540のリア表面1542に対して所定の角度で延在してもよい。例えば、スリット1560は、インサート1540のフロント表面1542に向けて、又は、それから離れるように、最大25度で延在してもよい。例えば、スリットは、インサート1540のフロント表面1542に向けて、又は、それから離れるように、3度、6度、9度、12度、15度、18度、21度、又は、25度で、角度を付けられてもよい。
インサート1540は、さらに、インサートアパーチャー1570を備えてもよい。インサートアパーチャー1570は、頂部1552及び底部1562を通って延在しており、頂部1552内のインサートアパーチャー1570は、底部1562内のインサートアパーチャー1570と同心になっている。1つの実施形態では、インサートアパーチャー1570は、第1の端部1546と第2の端部1548との間、及び、フロント表面1542とバック表面1544との間において、中央に又は中間点に配置されている。他の実施形態では、インサートアパーチャー1570は、第1の端部1546に向けて、第2の端部1548に向けて、フロント表面1542に向けて、又は、バック表面1544に向けて、配置されてもよい。
図16に図示されているように、インサート1540は、1つのインサートアパーチャー1570を備えてもよい。他の実施形態では、インサート1540は、1つ、2つ、3つ、4つ、又は、5つのインサートアパーチャー1570備えてもよい。多くの実施形態では、インサートアパーチャー1570の数は、分割部1522のアパーチャー1528の数に対応している。インサートアパーチャー1570は、場所に関して、分割部1522のアパーチャー1528の位置に対応しており、インサート1540がキャビティ1516内に配置されているときに、インサートアパーチャー1570は、分割部1522のアパーチャー1528と同心になっている。
インサートアパーチャー1570は、直径1572を備えてもよい。1つの実施形態によれば、インサートアパーチャー1570は、0.150インチの直径1572を備えてもよい。他の実施形態では、インサートアパーチャー1570の直径1572は、0.100インチ~0.250インチ、0.100インチ~0.130インチ、0.130インチ~0.160インチ、0.160インチ~0.190インチ、0.190インチ~0.230インチ、又は、0.230インチ~0.250インチの範囲であってもよい。例えば、インサートアパーチャー1570の幅1530は、1570canbe0.100インチ、0.125インチ、0.150インチ、0.175インチ、0.200インチ、0.225インチ、又は、0.250インチであってもよい。多くの実施形態では、インサートアパーチャー1570の直径1572は、分割部1522のインサートアパーチャー1570の幅1530と同じである。
インサート1540は、さらに、マスを備えてもよい。インサート1540のマスは、0.02グラム~32グラム、0.02グラム~0.40グラム、0.040グラム~0.80グラム、0.080グラム~3グラム、3グラム~9グラム、9グラム~15グラム、15グラム~21グラム、21グラム~27グラム、27グラム~32グラム、0.02グラム~10グラム、10グラム~20グラム、又は、20グラム~32グラムの範囲であってもよい。例えば、第1のコンポーネント242のマスは、0.02グラム、0.50グラム、1グラム、5グラム、10グラム、15グラム、20グラム、25グラム、30グラム、又は、32グラムであってもよい。
いくつかの実施形態では、インサート1540の頂部1552及び底部1562は、同じマスを備えてもよい。他の実施形態では、頂部1552は、インサート1540の底部1562のマスよりも小さいマスを備えてもよい。例えば、頂部1552は、0.02グラム~0.80グラム、0.080グラム~4グラム、4グラム~8グラム、8グラム~12グラム、又は、12グラム~15グラム(例えば、0.02グラム、0.50グラム、1グラム、5グラム、10グラム、又は、15グラム)の範囲のマスを備え、底部分1562は、7グラム~32グラム、7グラム~15グラム、15グラム~18グラム、18グラム、~23グラム、23グラム~28グラム、28グラム~32グラム(例えば、7グラム、15グラム、20グラム、25グラム、30グラム、又は、32グラム)のマスを備えてもよい。他の実施形態では、頂部1552は、インサート1540の底部1562のマスよりも大きいマスを備えてもよい。例えば、底部1562は、0.02グラム~0.80グラム、0.080グラム~4グラム、4グラム~8グラム、8グラム~12グラム、又は、12グラム~15グラム(例えば、0.02グラム、0.50グラム、1グラム、5グラム、10グラム、又は、15グラム)の範囲のマスを備え、頂部1552は、7グラム~32グラム、7グラム~15グラム、15グラム~18グラム、18グラム、~23グラム、23グラム~28グラム、28グラム~32グラム(例えば、7グラム、15グラム、20グラム、25グラム、30グラム、又は、32グラム)のマスを備えてもよい。
インサートアパーチャー1570は、締結具1574を受容してもよい。締結具1574は、自己ネジ切り式スクリュー、一体成形ネジ、スクリュー、リベット(ソリッド・ヘッド・リベット又はブラインド・リベット)、又は、任意の他のタイプの締結具を備えてもよい。締結具1574は、1つの締結具1574、2つの締結具1574、3つの締結具1574、4つの締結具1574、又は、5つの締結具1574であってもよい。多くの実施形態では、締結具1574の数は、インサートアパーチャー1570の数に対応している。インサート1540がゴルフクラブヘッド1500のキャビティ1516内に配置されているときに、締結具1574は、インサート1540の頂部1552上に配置されているインサートアパーチャー1570を通して配置され、分割部1522のアパーチャー1528を通って、及び、インサート1540の底部1562内のインサートアパーチャー1570を通って延在している。
締結具1574がインサートアパーチャー1570内に配置されているときに、分割部1522のアパーチャー1528は、キャビティ1516の分割部1522に対してインサート1540を固定及び圧縮することを助ける。分割部1522に対してインサート1540を圧縮することは、分割部1522に対して、インサート1540の頂部1552の頂部内側表面1556とインサート1540の底部1562の底部内側表面1566との間に表面摩擦を生成する。締結具1574及び表面摩擦の組み合わせは、インサート1540がキャビティ1516から脱落することを防止し、それによって、インサート1540をキャビティ1516の中に固定する。
いくつかの実施形態では、締結具1274、1574は、ソリッド・ヘッド・リベットであり、ハンマー又はリベット・ガンが、バック外側表面1254(又は、頂部外側表面1554)及びフロント外側表面1264(又は、底部外側表面1564)に対して、締結具1274/1574のシャフト及びヘッドを変形させるために使用され、それは、分割部1222、1522とともにインサート1240、1540を圧縮する。分割部1222、1522とともにインサート1240、1540を圧縮することは、分割部1222、1522によって、バック内側表面1256(又は、頂部内側表面1556)とフロント内側表面1266(又は、底部内側表面1566)との間の摩擦を生成し、インサート1240、1540をキャビティ1216、1516の中に固定する。
他の実施形態では、締結具1274、1574は、ブラインド・リベット(又は、「ポップ」リベット)である。締結具1274、1574は、中空のリベットボディと、中空のリベットボディ内に配置されているマンドレルと、を備えてもよい。マンドレルの周囲に沿って延在するリップが、マンドレルのベースにある。マンドレルは、インサート1240、1540から離れる方向に引っ張られ、マンドレルのベースのリップは、中空のリベットボディのベースを圧縮及び拡張する。中空のボディリベットの拡張は、締結具1274、1574をインサート1240、1540の中に固定する。このため、インサート1240、1540をキャビティ1216、1516の中に固定する。
多くの実施形態では、インサート1540は、塑性変形可能な材料を備えてもよい。いくつかの実施形態では、インサート1540の塑性変形可能な材料は、金属、タングステン、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、ニッケル、他の金属、シム・ストック、スチール、銅、金属合金、プラスチック、又は複合材料を備えてもよい。様々な実施形態では、インサート1540は、弾性的に変形可能な材料、又は、形状記憶金属もしくは金属合金、例えば、ニッケル・チタンなどを備えてもよい。
いくつかの実施形態では、インサート1540の底部1562の材料、及び、頂部1552の材料は、互いに異なっていてもよい。他の実施形態では、底部1562の材料、及び、頂部1552の材料は、同じ材料を備えてもよい。いくつかの実施形態では、底部1562の材料、及び、頂部1552の材料は、それぞれ、ゴルフクラブヘッド1500の材料よりも密度が高くてもよい。他の実施形態では、底部1562の材料、及び、頂部1552の材料は、ゴルフクラブヘッド1500の材料密度と同じ密度であるか、又は、ゴルフクラブヘッド1500の材料密度よりも低い密度であってもよい。
いくつかの実施形態は、図18に示されているようなゴルフクラブ1000などのような、完全に組み立てられたゴルフクラブを含む。図18は、実施形態によるゴルフクラブ1000の正面図を示している。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブ1000は、シャフト1015を備え、シャフト1015の一方の端部にグリップ1010を備え、シャフト1015の反対側端部においてシャフト1015に接続されているゴルフクラブヘッド1005を備えてもよい。多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1005は、ゴルフクラブヘッド100(図1)、ゴルフクラブヘッド400(図5)、ゴルフクラブヘッド700(図7)、ゴルフクラブヘッド1200(図12)、及び/又は、ゴルフクラブヘッド1500(図15)と同様であってもよい。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブ1000は、アイアンタイプのゴルフクラブである。他の実施形態では、ゴルフクラブ1000は、別のタイプのゴルフクラブヘッド(例えば、ドライバータイプのクラブヘッド、フェアウェイウッドタイプのクラブヘッド、ハイブリッドタイプのクラブヘッド、ウッドタイプのクラブヘッド、ウェッジタイプのクラブヘッド、又は、パタータイプのクラブヘッド)であってもよい。
様々な実施形態は、図19に示されているように、ゴルフクラブヘッドを製造するための方法1100を含む。図19は、実施形態によるゴルフクラブヘッドを製造する方法を示している。いくつかの実施形態では、方法1100は、ゴルフクラブヘッド100(図1)、ゴルフクラブヘッド400(図5)、ゴルフクラブヘッド700(図7)、ゴルフクラブヘッド1200(図12)、ゴルフクラブヘッド1500、及び/又は、ゴルフクラブヘッド1005(図15)と同様のゴルフクラブヘッドを製造するために使用されてもよい。
多くの実施形態では、方法1100は、第1の密度を有する第1の材料からボディを形成するステップ(ブロック1105)を備えてもよい。多くの実施形態では、ボディは、ゴルフクラブヘッドのフロントにおけるストライクフェイスと、ストライクフェイスに対向するバックフェイスと、ヒール領域と、ヒール領域に対向するトウ領域と、ソールと、ゴルフクラブヘッドのリアにおけるリア部と、バックフェイスとリア部分との間に配置されるキャビティと、を備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1の材料からボディを形成するステップは、ボディを鍛造するステップを備えてもよい。他の実施形態では、第1の材料からボディを形成するステップは、ボディを鋳造するステップを備えてもよい。他の実施形態では、第1の材料からボディを形成するステップは、ボディを成形するステップを備えてもよい。いくつかの実施形態では、方法1100は、アイアンタイプクラブヘッド用のゴルフクラブヘッドを製造するステップを備えてもよい。
多くの実施形態では、方法1100は、さらに、インサートを提供するステップ(ブロック1110)と、インサートをキャビティの中に固定するステップ(ブロック1115)と、を備えてもよい。多くの実施形態では、インサートは、インサート140、インサート440、インサート740、インサート1240、及び/又は、インサート1540と同様であってもよい。いくつかの実施形態では、インサートをキャビティ内に固定するステップ(ブロック1115)は、インサートの第2のコンポーネントがキャビティの一部分と接触した状態になっている(例えば、第2の材料244がキャビティ116に対向している)ことによって、インサートを固定するステップを備えてもよい。いくつかの実施形態では、インサートをキャビティ内に固定するステップ(ブロック1115)は、インサートの第2のコンポーネントのエッジを、キャビティの壁の一部分の中のスロットの中に挿入するステップを備えてもよい。複数の実施形態において、インサートをキャビティ内に固定するステップ(ブロック1115)は、インサートの一部分がキャビティ内のポスト(例えば、ポスト519)によって接触した状態になっていることを備えてもよい。多くの実施形態では、インサートとキャビティの一部分との接触ポイントは、インサートをキャビティの中に固定するために、テンション及び/又は摩擦を提供することができる。いくつかの実施形態では、接着剤が、インサートをキャビティの中に固定することを支援するために使用されてもよいが、他の実施形態では、インサートをキャビティの中に固定するために、又は、インサートをキャビティの中に固定することを支援するために、接着剤は使用されない。他の実施形態では、スクリュー又はリベットなどのような締結具の使用は、インサートをキャビティの中に固定することを支援することができる。
いくつかの実施形態では、インサートは、インサートの底部において、1つ又は複数のフレックススロット(例えば、フレックススロット880)を備えてもよい。多くの実施形態では、インサートは、キャビティのトウサイド壁、及び、キャビティのヒールサイド壁に、力を働かせることができる。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のフレックススロットは、キャビティ内に挿入又は設置される前にインサートが曲がることを可能にすることができ、インサートがキャビティ内に配置されているときに、インサートをキャビティの中に固定するために、インサートが、そのオリジナル形状に戻ることができ、また、キャビティのトウサイド壁、及び、キャビティのヒールサイド壁に、力を働かせることができるようになっている。いくつかの実施形態では、キャビティのバックフェイス・サイド壁、及び、キャビティのリア部-サイド壁に対して、インサートが圧力を働かせることができるように、1つ又は複数のフレックススロットが切断され得る。複数の実施形態において、1つ又は複数のフレックススロットは、インサートの長さに対して斜めに切断可能であり、インサートは、キャビティ内への設置の前に捩じることができる。いくつかの実施形態では、接着剤が、インサートをキャビティ内に固定することを支援するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、インサートをキャビティ内に固定するため、又は、インサートをキャビティ内に固定することを支援するために、接着剤は使用されないが、他の実施形態では、接着剤がキャビティ内で硬化した後にキャビティからのインサートの屈曲又は緩みを防止するために、接着剤が1つ又は複数のフレックススロットの一部分に充填されてもよい。
キャビティ及びインサートを備えたゴルフクラブヘッド、及び、本明細書で議論されている関連の方法は、様々な実施形態で実装することができ、これらの実施形態の先述の議論は、必ずしも、すべての可能な実施形態の完全な説明を表してはいない。むしろ、図面の詳細な説明、及び、図面自身は、ゴルフクラブヘッドウェイトをフィッティングするためのシステム及び方法の少なくとも1つの好適な実施形態を開示しており、キャビティを備えたゴルフクラブヘッド及び関連の方法の代替的な実施形態を開示している可能性がある。
1つまたは複数の請求された要素の置換は、再構成を構成し、補綴ではない。さらに、問題に対する利点、他の有利な点及び解決を、特別な実施形態に関連して説明してきた。しかしながら、問題に対する利点、他の有利な点及び解決、並びに、任意の利点、有利な点または解決を発生させまたは明らかとさせる任意の1つまたは複数の要素は、請求の範囲の任意またはすべての要素の重大な、必須の、又は、本質的な特徴若しくは要素を構成するものではない。
ゴルフに対する規則は、時々変更される(例えば、全米ゴルフ協会(USGA)、英国ゴルフ協会(R&A)等のゴルフ標準組織及び/または管理機関によって、新しい規則が適用されることがあり、または、古いルールが撤廃若しくは変更されることがある)ため、本明細書に記載の装置、方法及び製品に関するゴルフ用品は、任意の特定時におけるゴルフのルールに適合しまたは適合しないことがある。したがって、本明細書に記載の装置、方法及び製品に関するゴルフ用品は、適合または非適合ゴルフ用品として、公表され、売り出され、及び/または、売却されることがある。本明細書に記載の装置、方法及び製品は、この点について制限されない。
上記実施例は、ドライバータイプのゴルフクラブとの関連で記載されているが、本明細書に記載の装置、方法及び製品は、フェアウッドタイプのゴルフクラブ、ハイブリッドタイプのゴルフクラブ、アイアンタイプのゴルフクラブ、ウェッジタイプのゴルフクラブ、又は、パタータイプのゴルフクラブ等の他のタイプのゴルフクラブに適用してもよい。一方、本明細書に記載の装置、方法、及び、製品は、ホッケー用スティック、テニスラケット、釣り竿、スキーのストック等の他のタイプのスポーツ用品に適用可能としてもよい。
条項1. ゴルフクラブヘッドであって、ボディと、インサートと、を備え、前記ボディは、前記ゴルフクラブヘッドのフロント側のストライクフェイスと、前記ストライクフェイスに対向するバックフェイスと、ヒール領域と、前記ヒール領域に対向するトウ領域と、ソールと、前記ゴルフクラブヘッドのリア側のリア部と、前記バックフェイスと前記リア部との間に設けられているキャビティと、を備え、前記キャビティは、前記バックフェイスからオフセットされているサイド壁と、底部壁と、前記ヒール領域から前記トウ領域へ前記キャビティの全長にわたって延在し、前記キャビティを第1のポケットと第2のポケットに分離し、アパーチャーを有する分割部と、を備え、前記インサートは、前記キャビティ内に受容され、前記インサートは、1つのアパーチャーを有する第1のコンポーネントと、前記第1のコンポーネントの前記1つのアパーチャーと同心である1つのアパーチャーを有する第2のコンポーネントと、前記第1のコンポーネントと前記第2のコンポーネントを分離するスリットと、を備える、ゴルフクラブヘッド。
条項2. 前記第1のコンポーネントは、前記キャビティの前記第1のポケット内に配置され、前記第2のコンポーネントは、前記キャビティの前記第2のポケット内に配置される、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項3. 前記第1のコンポーネントの前記1つのアパーチャー、及び、前記第2のコンポーネントの前記1つのアパーチャーは、前記キャビティの前記分割部の前記アパーチャーと同心である、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項4. 前記第1のコンポーネントの前記1つのアパーチャー、前記第2のコンポーネントの前記1つのアパーチャー、及び、前記分割部の前記アパーチャーは、締結具を受容する、条項3に記載のゴルフクラブヘッド。
条項5. 前記分割部は、前記キャビティの前記サイド壁に対して平行に、前記キャビティの前記底部壁から延在している、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項6. 前記分割部は、前記キャビティの前記サイド壁に対して所定の角度で、前記キャビティの前記底部壁から延在しており、
前記キャビティの前記第1のポケットは、前記ゴルフクラブヘッドの前記トウ領域よりも前記ヒール領域において、幅が大きくなっている、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項7. 前記分割部は、前記キャビティの前記サイド壁に対して所定の角度で、前記キャビティの前記底部壁から延在しており、
前記キャビティの前記第1のポケットは、前記ゴルフクラブヘッドの前記ヒール領域よりも前記トウ領域において、幅が大きくなっている、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項8. 前記分割部は、前記キャビティの前記サイド壁から垂直に延在している、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項9. 前記第1のコンポーネント及び前記第2のコンポーネントは、タングステン、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、又は、ニッケルを含むことができる、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
条項10. ゴルフクラブヘッドであって、ボディと、インサートと、を備え、前記ボディは、前記ゴルフクラブヘッドのフロント側のストライクフェイスと、前記ストライクフェイスに対向するバックフェイスと、ヒール領域と、前記ヒール領域に対向するトウ領域と、ソールと、前記ゴルフクラブヘッドのリア側のリア部と、前記バックフェイスと前記リア部との間に設けられているキャビティと、を備え、前記キャビティは、前記バックフェイスの一部分を構成するフェイスサイド壁、前記フェイスサイド壁に対向するリアサイド壁と、前記フェイスサイド壁と前記リアサイド壁との間の底部壁と、前記底部壁から前記キャビティの一部分の中へ延在するポストと、前記フェイスサイド壁から前記リアサイド壁へ測定される幅と、を備え、前記インサートは、前記キャビティ内に受容され、前記インサートは、第1のコンポーネントであって、前記ゴルフクラブヘッドの前記リアサイド壁に隣接するように構成されているバック表面と、前記バック表面に対向するフロント表面と、底部表面と、前記底部表面に対向する頂部表面と、トウ領域サイドと、前記トウ領域サイドに対向するヒール領域サイドと、弾性的に変形可能な材料と、を備える前記第1のコンポーネントと、頂部表面、底部表面、及び、塑性変形可能な材料を備え、前記インサートの前記第1のコンポーネント内に受容される構成されているリテイナーと、を備える、ゴルフクラブヘッド。
条項11. 前記インサートの前記第1のコンポーネントは、さらに、前記インサートの前記底部表面から延在するインサートキャビティを備え、前記インサートキャビティは、前記ポスト及びリテイナーを受容するように構成されている、条項10に記載のゴルフクラブヘッド。
条項12. 前記リテイナーは、さらに、前記キャビティの前記ポスト上に配置されるボアを備える、条項11に記載のゴルフクラブヘッド。
条項13. 前記リテイナーの前記ボアは、複数のタブと、前記タブ同士の間に配置されたキャビティと、を備え、前記タブは、前記リテイナーが前記第1のコンポーネント内に配置されているときに、前記インサートの前記第1のコンポーネントの前記頂部表面に向けて上向きに配向されている、条項12に記載のゴルフクラブヘッド。
条項14. 前記インサートは、0.5グラム~36グラムの範囲にあるマスを備える、条項10に記載のゴルフクラブヘッド。
条項15. ゴルフクラブヘッドであって、ボディと、インサートと、を備え、前記ボディは、前記ゴルフクラブヘッドのフロント側のストライクフェイスと、前記ストライクフェイスに対向するバックフェイスと、ヒール領域と、前記ヒール領域に対向するトウ領域と、ソールと、前記ゴルフクラブヘッドのリア側のリア部と、前記バックフェイスと前記リア部との間に設けられているキャビティと、を備え、前記キャビティは、前記バックフェイスの一部分を構成するフェイスサイド壁と、前記ヒール領域から前記トウ領域へ延在する凹部を備える、前記フェイスサイド壁に対向するリアサイド壁と、前記フェイスサイド壁と前記リアサイド壁との間の底部壁と、前記フェイスサイド壁から前記リアサイド壁へ測定される幅と、を備え、前記インサートは、前記キャビティ内に受容され、前記インサートは、第1のコンポーネントであって、前記ゴルフクラブヘッドの前記リアサイド壁に隣接するように構成されているバック表面と、前記バック表面に対向するフロント表面と、底部表面と、前記底部表面に対向する上部表面とトウ領域サイドと、前記トウ領域サイドに対向するヒール領域サイドと、弾性的に変形可能な材料と、を備える前記第1のコンポーネントと、頂部表面、底部表面、及び、塑性変形可能な材料を備え、前記インサートの前記第1のコンポーネント内に受容されるように構成されているリテイナーと、を含む、ゴルフクラブヘッド。
条項16. 前記インサートの前記第1のコンポーネントは、前記第1のコンポーネントの前記バック表面に配置されているスロットを備え、前記インサートの前記リテイナーを受容するに構成されている、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
条項17. 前記スロットの一部は、前記ボディの前記バック表面の前記第1のコンポーネントの材料の一部によって、ウィンドウへと分離されている、条項16に記載のゴルフクラブヘッド。
条項18. 前記リテイナーは、タブを有する第1のエッジと、前記リアサイド壁の前記凹部内に受容されるアームを備え、前記第1のエッジに対向するの第2のエッジと、を備える、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
条項19. 前記インサートの前記リテイナーは、前記キャビティの前記幅、及び、前記インサートの前記第1のコンポーネントの幅よりも大きい幅を備え、前記リテイナーが前記インサートの前記第1のコンポーネント及び前記キャビティ内に受容されているときに、サジッタ距離が形成される、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
条項20. 前記インサートは、0.5グラム~36グラムの範囲にあるマスを備える、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。