JP2023129911A - ドアロック制御システムおよび携帯端末 - Google Patents

ドアロック制御システムおよび携帯端末 Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザーが、携帯端末のハンズフリー解錠機能を用いずに、自身の物理鍵やIC鍵等を用いてドアのロックを解除して、屋内に入った場合であっても、ユーザーが意図していないタイミングでドアのロックが解除されることを防止可能なドアロック制御システムを提供する。【解決手段】ドアロック制御システム100は、ドア2のロック3を制御するためのドアロック制御装置4と、ドアロック制御装置4と無線通信可能であり、ユーザーによって所持される携帯端末5と、を含む。携帯端末5は、GPSユニット54によって取得された位置測位誤差に基づいて、携帯端末5が、ドア2によって隔てられた屋外および屋内のいずれに存在するかを判別し、携帯端末5が屋外に存在する場合、ドア2のロック3を解除するための解除信号を、ドアロック制御装置4に対して送信するよう構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、一般に、ドアのロックを制御するためのドアロック制御システムおよび該ドアロック制御システムにおいて用いられる携帯端末に関し、より具体的には、ユーザーによって所持される携帯端末が、ドアのロックを制御するドアロック制御装置に接近した際に、ドアのロックを自動的に解除するためのドアロック制御システムおよび該ドアロック制御システムにおいて用いられる携帯端末に関する。
従来、家屋やオフィスのドア等のロックを解除し、屋内に入るために、金属製の鍵等の物理鍵、RFID式のIC鍵(カード、タグ等)、暗証番号等の識別情報、または、指紋等の生体情報等が用いられていた。特に、近年のスマートフォン等の携帯端末の普及に伴い、ユーザーによって所持される携帯端末から発せられた信号に基づいて、ドアのロックを解除するドアロック制御システムが普及している。例えば、特許文献1は、ユーザーによって所持される携帯端末から発せられた信号を用いて、ユーザーの認証を実行することにより、ドアの電子ロックを自動的に解除するドアロック制御システムを開示している。このようなドアロック制御システムは、スマートロックシステムとも称される。
スマートロックシステムでは、ドアのロックのオン/オフを制御するためのドアロック制御装置がドアに取り付けられ、ユーザーは、ドアに取り付けられたドアロック制御装置と携帯端末との相互認証を行い、自身の携帯端末の登録を実行する。また、ユーザーによって所持される携帯端末は、携帯端末のGPS機能によって、ドア(またはドアロック制御装置)を中心とする所定の範囲内に対する携帯端末の出入りを検出することができる。このような、所定の領域内に対する携帯端末の出入りを検出する機能をジオフェンス機能という。
携帯端末のジオフェンス機能によって、ドアを中心とする所定の範囲内に、携帯端末が進入したことが検出され、かつ、携帯端末がドアに取り付けられたドアロック制御装置に一定距離接近すると、携帯端末とドアロック制御装置との間の無線接続(典型的には、ブルートゥース(登録商標)通信のペアリング接続)が確立され、ドアロック制御装置によってドアのロックが自動的に解除される。これにより、携帯端末を操作せずに、ドアのロックを自動的に解除するハンズフリー解錠機能を提供することができる。ユーザーが屋内に進入した後、ユーザー自身の操作によって、または、ドアロック制御装置によって自動的に、ドアが再度ロックされる。
携帯端末のハンズフリー解錠機能によって、ドアのロックが自動的に解除され、ユーザーが屋内に進入した場合、ユーザーによって所持される携帯端末は、ユーザーがドアのロックを解除して屋内に進入したことを特定し、自身のハンズフリー解錠機能を非アクティブ化する。そのため、携帯端末を所持するユーザーが、屋内においてドアに一定距離接近したとしても、ドアロック制御装置は、ドアのロックを自動的に解除しない。屋内に存在するユーザーは、屋内からドアのロックを解除するための所定の操作を、携帯端末を介して、または、ドアロック制御装置に対して手動で実行することにより、ドアのロックを解除し、屋外へ出ることができる。その後、携帯端末のジオフェンス機能によって、ドアを中心とする所定の範囲から携帯端末が出たことが検出されると、携帯端末は、自身のハンズフリー解錠機能をアクティブ化する。このような構成により、ユーザーによって所持される携帯端末が、再度、屋外においてドアに一定距離接近した際に、ドアのロックを自動的に解錠することができる。
しかしながら、携帯端末とドアロック制御装置との間の接続が一時的に確立できない場合等に、ユーザーが携帯端末のハンズフリー解錠機能を用いずに、自身の物理鍵やIC鍵等を用いてドアのロックを解除して、屋内に進入し、その後、ユーザー自身によって、または、自動でドアが再度ロックされる可能性がある。この場合、携帯端末は、ユーザーがドアのロックを解除して屋内に進入したことを特定していないので、ハンズフリー解錠機能が非アクティブ化されない。そのため、屋内において携帯端末を所持するユーザーがドアに一定距離接近した際に、ユーザーが意図していないタイミングで、携帯端末のハンズフリー解錠機能によって、ドアのロックが解除されてしまう可能性があった。従来の技術においては、このような場合、ユーザーに対して、ユーザーが屋内に進入した後に、携帯端末のハンズフリー解錠機能を手動で非アクティブ化することが要求されている。しかしながら、ハンズフリー解錠機能の非アクティブ化は、ユーザーによる携帯端末の操作を要求するので、ハンズフリー解錠機能のユーザビリティを低下させてしまう。
特開2015-218547号公報
本発明は、上記従来の問題点を鑑みたものであり、その目的は、ユーザーが、携帯端末のハンズフリー解錠機能を用いずに、自身の物理鍵やIC鍵等を用いてドアのロックを解除して、屋内に入った場合であっても、ユーザーに対して携帯端末のハンズフリー解錠機能の非アクティブ化を要求することなく、ユーザーが意図していないタイミングでドアのロックが解除されることを防止可能なドアロック制御システムおよび該ドアロック制御システムにおいて用いられる携帯端末を提供することにある。
このような目的は、以下の(1)および(2)によって規定される本発明により達成される。
(1)ドアのロックを制御するためのドアロック制御装置と、
前記ドアロック制御装置と無線通信可能であり、ユーザーによって所持される携帯端末と、を含み、
前記携帯端末は、前記携帯端末の位置情報および位置測位誤差を取得可能なGPSユニットを備えており、
前記携帯端末は、
前記GPSユニットによって取得された前記位置測位誤差に基づいて、前記携帯端末が、前記ドアによって隔てられた屋外および屋内のいずれに存在するかを判別し、
前記携帯端末が前記屋外に存在する場合、前記ドアの前記ロックを解除するための解除信号を、前記ドアロック制御装置に対して送信するよう構成されていることを特徴とするドアロック制御システム。
(2)携帯端末の位置情報および位置測位誤差を取得可能なGPSユニットを備えており、
前記GPSユニットによって取得された前記位置測位誤差に基づいて、前記携帯端末が、ドアによって隔てられた屋外および屋内のいずれに存在するかを判別し、
前記携帯端末が前記屋外に存在する場合、前記ドアのロックを解除するための解除信号を、前記ドアの前記ロックを制御するためのドアロック制御装置に対して送信するよう構成されていることを特徴とする携帯端末。
本発明によれば、ユーザーによって所持される携帯端末とドアロック制御装置の無線接続が確立され、かつ、携帯端末が屋外に存在すると判別されたときにのみ、ドアのロックを自動的に解除することができる。これにより、ユーザーが携帯端末のハンズフリー解錠機能を用いず、物理鍵やIC鍵等を用いてドアのロックを解除して、屋内に進入した場合であっても、ユーザーの意図せぬタイミングでドアのロックが解除されることを防止することができる。
本発明の実施形態に係るドアロック制御システムを概略的に示す図である。 図1に示す携帯端末のブロック図である。 携帯端末を所持するユーザーが屋外から建物のドアに接近し、ドアを開けた後、屋内に進入した場合における、携帯端末の位置測位誤差の典型的な変化を示すグラフである。 図1に示すドアロック制御システムによって実行されるドアロック制御方法のフローチャートである。
以下、図1~図3を参照して、本発明の実施形態に係るドアロック制御システムおよび携帯端末を詳述する。図1は、本発明の実施形態に係るドアロック制御システムを概略的に示す図である。図2は、図1に示す携帯端末のブロック図である。図3は、携帯端末を所持するユーザーが屋外から建物のドアに接近し、ドアを開けた後、屋内に進入した場合における、携帯端末の位置測位誤差の典型的な変化を示すグラフである。
図1に示すドアロック制御システム100は、建物1のドア2と、ドア2用のロック3と、ロック3を制御するためのドアロック制御装置4と、ユーザーによって所持される携帯端末5と、を含む。ドアロック制御システム100においては、ユーザーによって所持される携帯端末5が、屋外からドアロック制御装置4に一定距離接近した際に、携帯端末5からドアロック制御装置4に対して、ドア2のロック3を解除するための解除信号を送信する。これにより、携帯端末5を所持するユーザーが、屋外から建物1のドア2に一定距離接近した際に、ドアロック制御装置4がドア2のロック3を自動的に解除するハンズフリー解錠機能を提供することができる。ユーザーは、最初に、自身の携帯端末5とドアロック制御装置4の相互認証を行い、携帯端末5を登録することにより、ハンズフリー解錠機能を利用することが可能となる。
建物1は、家屋やオフィス等の任意の建物である。ドア2は、建物1の玄関であり、屋外(建物1外の空間)と屋内(建物1内の空間)とを隔てている。ドア2は、図1に示されているように開き戸でもよいし、引き戸でもよい。また、ドア2は、手動によって開閉される手動ドアであってもよいし、図示しないドア駆動装置によって自動的に開閉される自動ドアであってもよい。ロック3は、ドア2の開閉を制限する機能を有している。ロック3がオンとなっている場合には、ドア2を開くことができず、ロック3がオフとなっている場合にのみ、ドア2を開くことが可能となる。ロック3は、ドアロック制御装置4によってオン/オフ制御され、ドア2の開閉を制限することができれば特に限定されず、典型的には、ドアロック制御装置4からの操作によってドア2を施錠可能なサムターンロックや電子錠をロック3として用いることができる。
ドアロック制御装置4は、ドア2のロック3をオン/オフする機能を有している。ドアロック制御装置4は、ドア2に設けられている。典型的には、ドアロック制御装置4は、ドア2の内側面(建物1の内部側の面)上に設けられており、建物1の内部、すなわち、屋内側から手動で操作できるように建物1に設けられている。建物1の内部に存在するユーザーは、ドア2のロック3を解除するための操作を、携帯端末5を介して、または、ドアロック制御装置4に直接実行することにより、ドア2のロック3を解除し、建物1から屋外へ出ることができる。
ドアロック制御装置4は、ユーザーが所持する携帯端末5と無線通信可能に構成されている。ドアロック制御装置4と携帯端末5との間の無線通信の種類は、特に限定されないが、好ましくは、ドアロック制御装置4と携帯端末5との間の無線通信は、BLE(ブルートゥース(登録商標)・ロー・エナジー)規格に従っている。以下、ドアロック制御装置4と携帯端末5との間の無線通信は、BLE規格に従うものであるとする。
図1に示されているように、ドアロック制御装置4は、BLE規格に従う無線通信を実行するためのBLE通信ユニット41と、ドア2のロック3を操作し、ロック3のオン/オフ制御を行うためのロック制御ユニット42と、を含んでいる。
BLE通信ユニット41は、BLE規格に従う無線通信を実行するために用いられるユニットである。BLE通信ユニット41は、アンテナ、送受信回路、変復調回路等のBLE規格に従う無線通信を実行するために必要なコンポーネントを備えており、BLE規格に従うBLE信号を無線発信および無線受信する。BLE通信ユニット41は、BLE規格に従うBLE信号を無線発信および無線受信することができれば特に限定されず、電気通信分野において既知のBLE通信ユニットを用いることができる。ドアロック制御装置4は、BLE通信ユニット41を用いて、携帯端末5と無線接続(ペアリング接続)を確立し、さらに、所定の頻度(例えば、少なくとも毎秒1回)で、携帯端末5に対してBLE信号を送信する。
ロック制御ユニット42は、BLE通信ユニット41を介して携帯端末5から受信した解除信号またはドアロック制御装置4に対するユーザーからの手動操作に応じて、ドア2のロック3を操作し、ロック3をオン/オフする機能を有している。ロック3がサムターンロックの場合、ロック制御ユニット42は、ロック3のツマミを回転させることにより、ロック3をオン/オフするよう構成されている。ロック3が電子錠の場合、ロック制御ユニット42は、ロック3に対して制御信号を送信することにより、ロック3をオン/オフするよう構成されている。
また、ロック制御ユニット42は、屋内に存在するユーザーがドアロック制御装置4に対して所定の操作を実行した際にも、ドア2のロック3を解除する。これにより、屋内に存在するユーザーがドア2のロック3を解除し、建物1から屋外に出ることができる。さらに、ロック制御ユニット42は、ドア2のロック3が、ユーザーによって手動で、または、携帯端末5のハンズフリー解錠機能を用いて解除されてから所定の時間経過した際に、ドア2のロック3を自動的にオンするよう構成されていてもよい。このような構成により、オートロック機能を提供することができる。
携帯端末5は、タブレット型コンピューター、スマートフォン、PDA等のドアロック制御装置4と無線通信を実行可能で、かつ、ユーザーによって持ち運び可能な任意の情報端末である。図2に示されているように、携帯端末5は、携帯端末5の制御を実行するための1つ以上のプロセッサー51と、携帯端末5への入力および携帯端末5からの出力を実行するためのI/O(インプット/アウトプット)インターフェース52と、BLE規格に従う無線通信を実行するためのBLE通信ユニット53と、複数のGPS衛星から信号を受信することにより携帯端末5の位置情報および位置測位誤差を取得するためのGPSユニット54と、携帯端末5の加速度を取得するための加速度センサー55と、携帯端末5の処理を実行するために用いられるデータ57およびモジュール58を保存している1つ以上のメモリー56と、を備えている。
1つ以上のプロセッサー51は、1つ以上のマイクロプロセッサー、マイクロコンピューター、マイクロコントローラー、デジタル信号プロセッサー(DSP)、中央演算処理装置(CPU)、メモリーコントロールユニット(MCU)、画像処理用演算処理装置(GPU)、状態機械、論理回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはこれらの組み合わせ等のコンピューター可読命令に基づいて信号操作等の演算処理を実行する演算ユニットである。特に、プロセッサー51は、メモリー56内に保存されているコンピューター可読命令(例えば、データ、プログラム、モジュール等)をフェッチし、演算、信号操作および制御を実行するよう構成されている。
I/Oインターフェース52は、ウェブインターフェース、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)等の様々なソフトウェアインターフェースおよびハードウェアインターフェースを含む。例えば、I/Oインターフェース52は、キーボード、マウス、タッチパネルディスプレイ、外部メモリー、プリンター、ディスプレイのような周辺デバイスのためのインターフェースである。I/Oインターフェース52は、キーボード、マウス、タッチパネルディスプレイのような入力デバイスを用いた携帯端末5への入力およびディスプレイ、プリンター、外部メモリーへの携帯端末5からの出力を可能とする。また、I/Oインターフェース52は、携帯端末5が、インターネット等のネットワークを介して、外部に設けられたウェブサーバーやデータサーバーのような任意の外部デバイスと通信を行うことを可能としてもよい。
BLE通信ユニット53は、ドアロック制御装置4のBLE通信ユニット41と同様の、BLE規格に従う無線通信を実行するために用いられるユニットである。携帯端末5は、BLE通信ユニット53を用いて、ドアロック制御装置4と無線接続(ペアリング接続)を確立し、さらに、前述の所定の頻度で、ドアロック制御装置4からBLE信号を受信する。
GPSユニット54は、衛星軌道上に存在する3つ以上のGPS衛星からGPS信号を受信し、各GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて3次元測位を実行することにより、携帯端末5の位置情報(緯度および経度)および位置測位誤差を取得することができる。良く知られているように、携帯端末5の位置測位誤差は、携帯端末5のGPSユニット54がGPS信号を受信できたGPS衛星の数に応じており、携帯端末5のGPSユニット54がGPS信号を受信できたGPS衛星の数が多ければ、携帯端末5の位置測位誤差は、少なくなる。
加速度センサー55は、携帯端末5の加速度を検出することができる。加速度センサー55は、典型的には、3軸方向(x軸方向、y軸方向、およびz軸方向)の加速度を検出することができるジャイロセンサーであって、3軸方向の加速度の合成値を出力する。加速度センサー55は、所定の頻度(例えば、少なくとも0.1秒に1回)で、携帯端末5の3軸方向の加速度の合成値を出力する。
メモリー56は、揮発性記憶媒体(例えば、RAM、SRAM、DRAM)、不揮発性記憶媒体(例えば、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリー、ハードディスク、光ディスク、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク)、またはこれらの組み合わせを含むコンピューター可読媒体である。
メモリー56は、プロセッサー51に通信可能に接続され、携帯端末5が処理を実行するために必要なデータ57と、プロセッサー51により実行可能な複数のモジュール58と、を保存している。また、メモリー56は、複数のモジュール58の1つ以上によって受信、処理、生成されたデータや、複数のモジュール58による処理を実行するために必要なデータを一時保存する機能を備えている。
メモリー56内に保存されているデータ57は、携帯端末5が屋内に存在しているか否かを示す屋内フラグ571と、ユーザーによって所持される携帯端末5が、ドア2によって隔てられた屋内(建物1の内部)および屋外(建物1の外部)のいずれに存在するかを判別するために用いられる屋外屋内判別条件572と、携帯端末5の処理を実行するために必要なその他データ573と、を含んでいる。
屋内フラグ571は、携帯端末5が屋内に存在しているか否かを示すためのフラグである。屋内フラグ571が「0」に設定されている場合には、携帯端末5が屋外に存在していることを示す。一方、屋内フラグ571が「1」に設定されている場合には、携帯端末5が屋内に存在していることを示す。
屋外屋内判別条件572は、ユーザーによって所持される携帯端末5が、ドア2によって隔てられた屋内(建物1の内部)および屋外(建物1の外部)のいずれに存在するかを判別するために用いられる。より具体的には、屋外屋内判別条件572は、GPSユニット54によって取得される位置測位誤差に基づいて、携帯端末5が、屋外および屋内のいずれに存在するかを判別するために用いられる。以下、GPSユニット54によって取得される位置測位誤差に基づいて、携帯端末5が、屋外および屋内のいずれに存在するかを判別する方法について詳述する。
携帯端末5のGPSユニット54は、所定の頻度(例えば、毎秒1回)で、衛星軌道上に位置する3つ以上のGPS衛星からGPS信号を受信し、携帯端末5の位置情報(緯度および経度)と位置測位誤差を算出する。図3は、携帯端末5を所持するユーザーが屋外から建物1のドア2に接近し、ドア2を開けた後、建物1内(屋内)に進入した場合における、位置測位誤差の典型的な変化を示すグラフである。図3のグラフにおいて、横軸は時間(秒)であり、縦軸は携帯端末5の位置測位誤差(m)である。なお、図3のグラフにおいて、時間0秒においてユーザーが、屋内に進入するために、ドア2を開けたものとする。
図3のグラフから明らかなように、携帯端末5が屋外に存在している場合の携帯端末5の位置測位誤差は、携帯端末5が屋内において存在している場合の携帯端末5の位置測位誤差よりも小さい。前述のように、携帯端末5の位置測位誤差は、GPSユニット54がGPS信号を受信できたGPS衛星の数に応じており、GPSユニット54がGPS信号を受信できたGPS衛星の数が多ければ、携帯端末5の位置測位誤差は、少なくなる。携帯端末5が屋外に存在している場合には、携帯端末5とGPS衛星との間の障害物の数が少ないため、GPS信号を取得可能なGPS衛星の数が多くなる。一方、携帯端末5が屋内に存在している場合には、携帯端末5とGPS衛星との間の障害物の数が多いため、GPS信号を取得可能なGPS衛星の数が少なくなる。図3に表れている屋内と屋外との間での携帯端末5の位置測位誤差の相違は、このような理由によるものと考えられる。
屋外屋内判別条件572は、携帯端末5が屋外に存在する場合と、携帯端末5が屋内に存在する場合の携帯端末5の位置測位誤差の上述の相違を利用して、ユーザーによって所持される携帯端末5が、屋外および屋内のいずれに存在するかを判別するための条件である。より具体的には、屋外屋内判別条件572は、携帯端末5の位置測位誤差に関するしきい値である。携帯端末5の位置測位誤差に関するしきい値は、携帯端末5のGPSユニット54の性能に応じて適宜設定される。例えば、携帯端末5の位置測位誤差に関するしきい値は、20mである。
携帯端末5の位置測位誤差が所定のしきい値以上である場合、携帯端末5は、携帯端末5が屋内に存在していると判別することができる。携帯端末5が屋内に存在していると判別されると、自身のメモリー56内の屋内フラグ571が「1」に設定される。一方、携帯端末5の位置測位誤差が所定のしきい値未満である場合、携帯端末5は、携帯端末5が屋外に存在していると判別することができる。携帯端末5が屋外に存在していると判別されると、自身のメモリー56内の屋内フラグ571が「0」に設定される。
図2に戻り、メモリー56内に保存されているモジュール58は、ルーティーン、アプリケーション、プログラム、アルゴリズム、ライブラリー、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、またはこれらの組み合わせ等のプロセッサー51により実行可能なコンピューター可読命令である。
モジュール58は、携帯端末5がドア2(またはドアロック制御装置4)を中心とする所定の領域(ジオフェンス)への出入りを検出するためのジオフェンスモジュール581と、ユーザーによって所持される携帯端末5がドア2によって隔てられた屋外および屋内のいずれに存在するかを判別するための屋外屋内判別モジュール582と、携帯端末5が提供する機能を補うための任意の数のその他モジュール583と、を含んでいる。
ジオフェンスモジュール581は、GPSユニット54によって取得された携帯端末5の位置情報に基づいて、携帯端末5がドア2(またはドアロック制御装置4)を中心とする所定の領域(ジオフェンス)への出入りを検出するために用いられる。所定の領域は、I/Oインターフェース52を介した外部からの信号または操作によって、建物1を覆うように適宜設定される。1つの例においては、所定の領域は、ドア2(またはドアロック制御装置4)を中心とする直径100mの範囲である。
ジオフェンスモジュール581は、携帯端末5が所定の領域内に進入したことを判別すると、その判別結果をプロセッサー51に送信し、プロセッサー51は、携帯端末5のハンズフリー解錠機能をアクティブ化する。携帯端末5のハンズフリー解錠機能がアクティブ化されると、プロセッサー51は、BLE通信ユニット53を用いて、ドアロック制御装置4との無線接続(ペアリング接続)を確立するための処理を開始する。一方、ジオフェンスモジュール581は、携帯端末5が所定の領域から出たことを判別すると、携帯端末5のハンズフリー解錠機能を非アクティブ化し、さらに、メモリー56内に保存されている屋内フラグ571を「0」に設定する。
屋外屋内判別モジュール582は、ユーザーによって所持される携帯端末5が、ドア2によって隔てられた屋外および屋内のいずれに存在するかを判別するために用いられる。ジオフェンスモジュール581によって携帯端末5のハンズフリー解錠機能がアクティブ化されると、屋外屋内判別モジュール582は、GPSユニット54から携帯端末5の位置測位誤差を取得する。次に、屋外屋内判別モジュール582は、メモリー56内に保存されている屋外屋内判別条件572および取得した携帯端末5の位置測位誤差に基づいて、携帯端末5が屋外および屋内のいずれに存在しているかを判別する。
より具体的には、屋外屋内判別モジュール582は、GPSユニット54から取得した携帯端末5の位置測位誤差が、所定のしきい値(屋外屋内判別条件572)以上である場合には、携帯端末5が屋内に存在していると判別し、メモリー56内に保存されている屋内フラグ571を「1」に設定する。一方、屋外屋内判別モジュール582は、GPSユニット54から取得した携帯端末5の位置測位誤差が、所定のしきい値(屋外屋内判別条件572)未満である場合には、携帯端末5が屋外に存在していると判別し、メモリー56内に保存されている屋内フラグ571を「0」に設定する。
屋外屋内判別モジュール582は、屋内フラグ571が「0」に設定されている場合、屋外屋内判別モジュール582は、携帯端末5が屋外に存在していると出力する。一方、屋内フラグ571が「1」に設定されている場合、屋外屋内判別モジュール582は、携帯端末5が屋内に存在していると出力する。屋外屋内判別モジュール582による判別結果は、プロセッサー51に出力される。携帯端末5とドアロック制御装置4との無線接続が確立され、さらに、屋外屋内判別モジュール582によって携帯端末5が屋外に存在していると判別された場合、プロセッサー51は、BLE通信ユニット53を用いて、ドアロック制御装置4に対して、ドア2のロック3を解除するよう解除信号を送信する。携帯端末5から解除信号を受信したドアロック制御装置4は、ドア2のロック3を解除する。
次に、図4を参照して、本発明のドアロック制御システムによって実行されるドアロック制御方法を詳述する。図4は、図1に示すドアロック制御システムによって実行されるドアロック制御方法S100のフローチャートである。
工程S110において、携帯端末5のプロセッサー51は、ジオフェンスモジュール581を用いて、GPSユニット54が取得する携帯端末5の位置情報に基づいて、携帯端末5がドア2(またはドアロック制御装置4)を中心とする所定の領域内に進入したか否かを判別する。工程S110において携帯端末5が所定の領域内に進入したと判別された場合、プロセッサー51は、携帯端末5のハンズフリー解錠機能をアクティブ化し、処理は、工程S120および工程S130に移行する。一方、工程S110において携帯端末5が所定の領域内に進入していないと判別された場合、工程S110の処理が繰り返される。なお、工程S110において、携帯端末5のハンズフリー解錠機能がアクティブ化される際には、携帯端末5のメモリー56内に保存されている屋内フラグ571は、「0」に設定されており、さらに、ドア2のロック3はオンにされている。
工程S120において、プロセッサー51は、BLE通信ユニット53を用いて、ドアロック制御装置4との無線接続(ペアリング接続)を確立する。携帯端末5とドアロック制御装置4との無線接続は、携帯端末5がドアロック制御装置4に対して一定距離(例えば、3~5m)接近すると、確立される。携帯端末5とドアロック制御装置4との無線接続が確立されると、携帯端末5は、所定の頻度で、ドアロック制御装置4からBLE信号を受信する。
工程S130において、プロセッサー51は、屋外屋内判別モジュール582を用いて、メモリー56内に保存されている屋外屋内判別条件572および携帯端末5の位置測位誤差に基づいて、携帯端末5を所持するユーザーがドア2を開けて、屋内に進入したかどうかを判別する。工程S130において、屋外屋内判別モジュール582は、GPSユニット54から、携帯端末5の位置測位誤差を取得する。その後、屋外屋内判別モジュール582は、取得した携帯端末5の位置測位誤差が、所定のしきい値(屋外屋内判別条件572)以上である場合には、メモリー56内に保存されている屋内フラグ571を「1」に設定する。一方、屋外屋内判別モジュール582は、取得した携帯端末5の位置測位誤差が、所定のしきい値(屋外屋内判別条件572)未満である場合には、メモリー56内に保存されている屋内フラグ571を「0」に設定する。
さらに、工程S130において、屋外屋内判別モジュール582は、メモリー56内に保存されている屋内フラグ571を参照する。屋内フラグ571が「0」に設定されている場合には、屋外屋内判別モジュール582は、携帯端末5が屋外に存在していると、プロセッサー51に出力する。一方、屋内フラグ571が「1」に設定されている場合には、屋外屋内判別モジュール582は、携帯端末5が屋内に位置していると、プロセッサー51に出力する。
工程S120においてドアロック制御装置4との無線通信(ペアリング接続)が確立され、さらに、工程S130において携帯端末5が屋外および屋内のいずれに存在しているか判別されると、処理は、工程S140に移行する。工程S130において携帯端末5が屋外に存在すると判別されている場合には、処理は、工程S150に移行する。工程S150において、プロセッサー51は、BLE通信ユニット53を用いて、ドアロック制御装置4に対して、ドア2のロック3を解除するよう解除信号を送信する。携帯端末5から解除信号を受信したドアロック制御装置4は、ドア2のロック3を解除する。その後、ドアロック制御方法S100は、終了する。一方、工程S130において携帯端末5が屋内に存在すると判別されている場合には、ドアロック制御方法S100は、終了する。
このように、本発明のドアロック制御システム100を用いることにより、ユーザーによって所持される携帯端末5とドアロック制御装置4との無線通信が確立し、かつ、携帯端末5が屋外に存在していると判別されたときにのみ、ドア2のロック3を自動的に解除することができる。特に、本発明のドアロック制御システム100では、携帯端末5のプロセッサー51が、屋外屋内判別モジュール582によって、ユーザーがドア2を開けて、屋内に進入したことを判別することができる。したがって、ユーザーが、携帯端末5のハンズフリー解錠機能を用いずに、自身の物理鍵やIC鍵等を用いて、ドア2のロック3を解除し、屋内に進入した場合であっても、携帯端末5のメモリー56内に保存されている屋内フラグ571を適切に設定することができる。そのため、屋内において携帯端末5を所持するユーザーがドア2に接近した際に、ユーザーが意図せぬタイミングで、ドア2のロック3が解除されてしまうことを防止できる。したがって、ユーザーが、携帯端末5のハンズフリー解錠機能を用いずに、自身の物理鍵やIC鍵等を用いて、ドア2のロック3を解除し、屋内に進入した場合であっても、ユーザーに対して、ハンズフリー解錠機能を非アクティブ化することを要求する必要がない。これにより、ハンズフリー解錠機能のユーザビリティを向上させることができる。
以上、本発明のドアロック制御システム100および携帯端末5を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明の各コンポーネントの構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、本発明の構成に任意の構成のものを付加することができる。また、ドアロック制御システム100および携帯端末5の各コンポーネントは、ハードウェア的に実現されていてもよいし、ソフトウェア的に実現されていてもよいし、これらの組み合わせによって実現されていてもよい。
また、本発明では、携帯端末5の位置測位誤差に基づいて、携帯端末5が屋外および屋内のいずれに存在しているかどうかが判別されているが、携帯端末5の位置測位誤差と、携帯端末5が取得可能な任意の他の情報と組み合わせて、携帯端末5が屋外および屋内のいずれに存在しているかどうかが、総合的に判別されてもよい。総合的な判別は、利用される情報に基づく判別の多数決や、各判別の自信度(信頼度)に重み付けを行い加算させることによって得られるスコアに応じて実行されてもよい。
本発明の属する分野および技術における当業者であれば、本発明の原理、考え方、および範囲から有意に逸脱することなく、記述された本発明のドアロック制御システムおよび携帯端末の構成の変更を実行可能であろうし、変更された構成を有するドアロック制御システムおよび携帯端末もまた、本発明の範囲内である。
1…建物 2…ドア 3…ロック 4…ドアロック制御装置 41…BLE通信ユニット 42…ロック制御ユニット 5…携帯端末 51…プロセッサー 52…I/Oインターフェース 53…BLE通信ユニット 54…GPSユニット 55…加速度センサー 56…メモリー 57…データ 571…屋内フラグ 572…屋外屋内判別条件 573…その他データ 58…モジュール 581…ジオフェンスモジュール 582…屋外屋内判別モジュール 583…その他モジュール 100…ドアロック制御システム S100…ドアロック制御方法 S110、S120、S130、S140、S150…工程

Claims (6)

  1. ドアのロックを制御するためのドアロック制御装置と、
    前記ドアロック制御装置と無線通信可能であり、ユーザーによって所持される携帯端末と、を含み、
    前記携帯端末は、前記携帯端末の位置情報および位置測位誤差を取得可能なGPSユニットを備えており、
    前記携帯端末は、
    前記GPSユニットによって取得された前記位置測位誤差に基づいて、前記携帯端末が、前記ドアによって隔てられた屋外および屋内のいずれに存在するかを判別し、
    前記携帯端末が前記屋外に存在する場合、前記ドアの前記ロックを解除するための解除信号を、前記ドアロック制御装置に対して送信するよう構成されていることを特徴とするドアロック制御システム。
  2. 前記携帯端末は、前記GPSユニットによって取得された前記位置測位誤差が、所定のしきい値未満である場合に、前記携帯端末が、前記屋外に存在していると判別するよう構成されている請求項1に記載のドアロック制御システム。
  3. 前記携帯端末は、前記携帯端末の前記位置情報に基づいて、前記携帯端末が、前記ドアロック制御装置を中心とする所定の領域内に進入したかどうかを判別し、前記携帯端末が前記所定の領域内に進入したと判別された場合、前記携帯端末が前記ドアによって隔てられた前記屋外および前記屋内のいずれに存在するかを判別するよう構成されている請求項1または2に記載のドアロック制御システム。
  4. 前記ドアロック制御装置は、前記携帯端末に対して信号を所定の頻度で送信するよう構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のドアロック制御システム。
  5. 前記ドアロック制御装置と前記携帯端末との間の前記無線通信は、BLE(ブルートゥース・ロー・エナジー)規格に従っている請求項1ないし4のいずれかに記載のドアロック制御システム。
  6. 携帯端末の位置情報および位置測位誤差を取得可能なGPSユニットを備えており、
    前記GPSユニットによって取得された前記位置測位誤差に基づいて、前記携帯端末が、ドアによって隔てられた屋外および屋内のいずれに存在するかを判別し、
    前記携帯端末が前記屋外に存在する場合、前記ドアのロックを解除するための解除信号を、前記ドアの前記ロックを制御するためのドアロック制御装置に対して送信するよう構成されていることを特徴とする携帯端末。
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