JP2023129826A - 画像処理装置、方法、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】柱状領域に欠損が生じている場合でも、医用画像から柱状領域を高精度に抽出すること。【解決手段】実施形態に係る画像処理装置は、取得部と、位置合わせ部と、抽出部と、集合演算部とを備える。取得部は、被検体から収集した第1の医用画像と第2の医用画像とを取得する。位置合わせ部は、第1の医用画像に対して第2の医用画像の位置を合わせる位置合わせ処理を実行する。抽出部と、第1の医用画像から第1の柱状領域を抽出し、位置合わせ処理後の第2の医用画像から第2の柱状領域を抽出する。集合演算部は、第1の柱状領域と第2の柱状領域との集合演算を実行して、演算済柱状領域を出力する。【選択図】図1

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、画像処理装置、方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
骨転移の骨関連事象リスクを把握するために、腫瘍の脊柱管内浸潤を可視化し、浸潤度合いを計測する技術が必要とされている。このためには、医用画像から正しい脊柱管領域を抽出し、それに基づいて浸潤を可視化し、浸潤度合いを計測する必要がある。
浸潤の経時的変化を可視化する際には、脊柱管領域内において現在画像と過去画像との位置合わせを行い、現在画像の画素値から過去画像の画素値を引き算した差分画像を用いる場合がある。また、浸潤度合いを計測する際には、脊柱管領域内における浸潤領域の占拠率を用いる場合がある。
グレースケールの医用画像(濃淡医用画像)を入力とし、モルフォロジー演算の一種である3次元Opening演算を使うことで柱状領域を抽出する技術が知られている。例えば、腹部X線CT画像を対象として、体軸(Z軸)方向に広がりをもつ楕円体の構造要素を用いて3次元Opening演算を行い、得られた複数の領域のうち最大体積の領域を柱状領域として抽出する技術が知られている。この技術によって、脊柱管のように、管壁の所々に穴や隙間が開いている管の中の柱状領域を抽出することが可能である。
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、柱状領域に欠損が生じている場合でも、医用画像から柱状領域を高精度に抽出することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
実施形態に係る画像処理装置は、取得部と、位置合わせ部と、抽出部と、集合演算部とを備える。取得部は、被検体から収集した第1の医用画像と第2の医用画像とを取得する。位置合わせ部は、前記第1の医用画像に対して前記第2の医用画像の位置を合わせる位置合わせ処理を実行する。抽出部と、前記第1の医用画像から第1の柱状領域を抽出し、前記位置合わせ処理後の前記第2の医用画像から第2の柱状領域を抽出する。集合演算部は、前記第1の柱状領域と前記第2の柱状領域との集合演算を実行して、演算済柱状領域を出力する。
図1は、第1の実施形態に係る画像処理装置の構成の一例を示す図である。 図2は、第1の実施形態に係る画像処理装置の全行程を示すフローチャートである。 図3は、第1の実施形態に係る柱状領域の抽出処理の一例を説明するための図である。 図4Aは、第1の実施形態に係る集合演算の例を示す図である。 図4Bは、第1の実施形態に係る集合演算の例を示す図である。 図4Cは、第1の実施形態に係る集合演算の例を示す図である。 図5は、変形例1に係る画像処理装置の全行程を示すフローチャートである。 図6は、変形例1に係る位置合わせ処理及び抽出処理の一例を説明するための図である。 図7は、第2の実施形態に係る画像処理装置の全行程を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、画像処理装置、方法、プログラム及び記憶媒体の実施形態について詳細に説明する。なお、本願に係る画像処理装置、方法、プログラム及び記憶媒体は、以下に示す実施形態によって限定されるものではない。
(第1の実施形態)
本実施形態では、過去画像を現在画像に合わせて変形位置合わせを行い、変形位置合わせされた過去画像の柱状領域と現在画像の柱状領域との集合演算を行うことで演算済柱状領域を得る。特に、集合演算としてAND演算を用いることで脊柱管本来の形に近い柱状領域を得ることが可能である。また、得られた演算済柱状領域を用いて入力画像の派生画像を得る。特に、対応する画素同士の差分演算を用いることで、脊柱管領域内の現在画像と変形位置合わせ後の過去画像との差分画像を得ることが可能である。
図1は、第1の実施形態に係る画像処理装置10の構成の一例を示す図である。図1に示すように、画像処理装置10は、処理回路11と、通信インターフェース12と、記憶回路13と、ディスプレイ14と、入力インターフェース15と、接続部16とを有している。また、画像処理装置10は、図示しないネットワークを介して、医用画像診断装置(モダリティ)や、医用画像保管装置、各部門システム等に通信可能に接続されている。
医用画像診断装置は、X線CT(Computed Tomography)装置、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置や、X線診断装置などを含む。医用画像保管装置は、PACS(Picture Archiving and Communication System)等によって実現され、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)に準拠した形式で医用画像を保管する。各部門システムは、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)、放射線情報システム(RIS:Radiology Information System)、診断レポートシステム、臨床検査情報システム(LIS:Laboratory Information System)などの種々のシステムが含まれる。
処理回路11は、入力インターフェース15を介してユーザから受け付けた入力操作に応じて、制御機能11aと、位置合わせ機能11bと、抽出機能11cと、集合演算機能11dと、画像生成機能11eとを実行して、画像処理装置10を制御する。ここで、制御機能11aは、取得機能の一例である。また、位置合わせ機能11bは、位置合わせ部の一例である。また、抽出機能11cは、抽出部の一例である。また、集合演算機能11dは、集合演算部の一例である。また、画像生成機能11eは、画像生成部の一例である。
制御機能11aは、入力インターフェース15を介した操作に応じて、種々のGUI(Graphical User Interface)や、種々の表示情報を生成して、ディスプレイ14に表示するように制御する。また、制御機能11aは、通信インターフェース12を介して、図示しないネットワーク上の装置やシステムとの情報の送受信を制御する。具体的には、制御機能11aは、ネットワークに接続されたモダリティや、医用画像保管装置などから、3次元の医用画像(ボリュームデータ)を取得する。また、制御機能11aは、ネットワークに接続された各部門システムから被検体に関する情報を取得する。また、制御機能11aは、ネットワーク上の装置やシステムに処理結果を出力する。
例えば、制御機能11aは、被検体から収集した第1の医用画像と第2の医用画像とを取得する。一例を挙げると、制御機能11aは、第2の医用画像として、第1の医用画像よりも過去に被検体から収集した医用画像を取得する。なお、制御機能11aによる処理については、後に詳述する。
位置合わせ機能11bは、制御機能11aによって取得された3次元の医用画像を対象として、位置合わせ処理を実行する。具体的には、位置合わせ機能11bは、第1の医用画像に対して第2の医用画像の位置を合わせる位置合わせ処理を実行する。なお、位置合わせ機能11bによる処理については、後に詳述する。
抽出機能11cは、制御機能11aによって取得された3次元の医用画像を対象として、柱状領域の抽出処理を実行する。具体的には、抽出機能11cは、第1の医用画像から第1の柱状領域を抽出し、第2の医用画像から第2の柱状領域を抽出する。例えば、抽出機能11cは、第1の医用画像から第1の柱状領域を抽出し、位置合わせ処理後の第2の医用画像から第2の柱状領域を抽出する。なお、抽出機能11cによる処理については、後に詳述する。
集合演算機能11dは、抽出機能11cによって抽出された柱状領域を対象として集合演算を実行して、演算済柱状領域を取得する。具体的には、集合演算機能11dは、第1の柱状領域と第2の柱状領域との集合演算を実行して、演算済柱状領域を出力する。なお、集合演算機能11dによる処理については、後に詳述する。
画像生成機能11eは、演算済柱状領域を用いて派生画像を生成する。具体的には、画像生成機能11eは、演算済柱状領域を用いて、第1の医用画像に基づく派生画像を生成する。例えば、画像生成機能11eは、第1の医用画像と第2の医用画像とから演算済柱状領域を用いた派生画像を生成する。一例を挙げると、画像生成機能11eは、第1の医用画像及び第2の医用画像における演算済柱状領域に対応する領域をそれぞれ特定し、特定した領域について第1の医用画像と第2の医用画像との差分処理を実行することで派生画像を生成する。なお、画像生成機能11eによる処理については、後に詳述する。
上述した処理回路11は、例えば、プロセッサによって実現される。その場合に、上述した各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路13に記憶される。そして、処理回路11は、記憶回路13に記憶された各プログラムを読み出して実行することで、各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、処理回路11は、各プログラムを読み出した状態で、図1に示した各処理機能を有することとなる。
なお、処理回路11は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサがプログラムを実行することによって各処理機能を実現するものとしてもよい。また、処理回路11が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、処理回路11が有する各処理機能は、回路等のハードウェアとソフトウェアとの混合によって実現されても構わない。また、ここでは、各処理機能に対応するプログラムが単一の記憶回路13に記憶される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、各処理機能に対応するプログラムが複数の記憶回路が分散して記憶され、処理回路11が、各記憶回路から各プログラムを読み出して実行する構成としても構わない。
通信インターフェース12は、画像処理装置10と、ネットワークを介して接続された他の装置やシステムとの間で送受信される各種データの伝送及び通信を制御する。具体的には、通信インターフェース12は、処理回路11に接続されており、他の装置やシステムから受信したデータを処理回路11に出力、又は、処理回路11から出力されたデータを他の装置やシステムに送信する。例えば、通信インターフェース12は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
記憶回路13は、各種データ及び各種プログラムを記憶する。具体的には、記憶回路13は、処理回路11に接続されており、処理回路11から入力されたデータを記憶、又は、記憶しているデータを読み出して処理回路11に出力する。例えば、記憶回路13は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
ディスプレイ14は、各種情報及び各種データを表示する。具体的には、ディスプレイ314は、処理回路11に接続されており、処理回路11から出力された各種情報及び各種データを表示する。例えば、ディスプレイ14は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネル等によって実現される。
入力インターフェース15は、ユーザから各種指示及び各種情報の入力操作を受け付ける。具体的には、入力インターフェース15は、処理回路11に接続されており、ユーザから受け取った入力操作を電気信号へ変換して処理回路11に出力する。例えば、入力インターフェース15は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力インターフェース、及び音声入力インターフェース等によって実現される。なお、本明細書において、入力インターフェース15は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース15の例に含まれる。
接続部16は、処理回路11と、通信インターフェース12と、記憶回路13と、ディスプレイ14と、入力インターフェース15とを接続するバス等である。
以上、画像処理装置10の全体構成について説明した。かかる構成のもと、画像処理装置10は、柱状領域に欠損が生じている場合でも、医用画像から柱状領域を高精度に抽出することを可能にする。上述したように、脊柱管のような柱状領域を抽出する技術が知られている。しかしながら、脊柱管領域の抽出においては、溶骨性の骨転移等により脊柱管領域である柱状領域の形状が大きく崩れることがあるため、上記技術のような単一の医用画像に対する画像処理だけでは高精度な柱状領域抽出が出来ない場合がある。そこで、本実施形態に係る画像処理装置10は、例えば、溶骨性の骨転移等により柱状領域の一部に欠損が生じている場合においても医用画像から柱状領域を高精度に抽出するができるように構成されている。以下、画像処理装置10の詳細について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る画像処理装置10の全工程を示すフローチャートである。画像処理装置10は、濃淡医用画像を入力して、抽出対象である高濃度領域に囲まれた低濃度の柱状領域を表す領域画像を出力する。また、画像処理装置10は、得られた柱状領域を用いて入力画像(濃淡医用画像)の派生画像を出力する。ここで、濃淡医用画像と領域画像は、共に3次元のボリュームデータである。また、本実施形態では、濃淡医用画像はX線CT画像であり、高濃度領域は脊柱を構成する椎骨領域であり、低濃度の柱状領域は脊柱管内の脊髄領域を表す場合について説明する。なお、本説明では、脊柱管内の脊髄領域を脊柱管領域と表記する。また、領域画像は、領域内の画素値を1、領域外の画素値を0とする二値画像である。
例えば、図2に示すように、本実施形態では、制御機能11aは、第1の画像である現在画像I1として、ある被検体の直近のX線CT画像を取得する(ステップS101)。次に、制御機能11aは、第2の画像である過去画像I2として、同じ被検体の前回の撮影で収集されたX線CT画像を取得する(ステップS102)。この処理は、例えば、処理回路11が、制御機能11aに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
次に、位置合わせ機能11bは、現在画像I1の各画素と過去画像I2の各画素の位置の対応関係Vを算出(推定)して(ステップS103)、対応関係Vに基づいて過去画像I2における各画素が現在画像I1において対応する画素に合致するように過去画像I2を変形させる(ステップS104)。以下では、この過去画像I2の変形処理結果を過去画像I2’とする。この処理は、例えば、処理回路11が、位置合わせ機能11bに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
次に、抽出機能11cは、変形後の過去画像I2’から、高濃度領域に囲まれた低濃度の柱状領域R2’を抽出する(ステップS105)。同様に、抽出機能11cは、現在画像I1から柱状領域R1を抽出する(ステップS106)。この処理は、例えば、処理回路11が、抽出機能11cに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
次に、集合演算機能11dは、柱状領域R1と柱状領域R2’の間の集合演算を実行して、演算済柱状領域R3を取得して(ステップS107)、演算済柱状領域R3を出力する(ステップS108)。例えば、集合演算機能11dは、演算済柱状領域R3を示す領域画像を記憶回路13や、ネットワーク上の他の装置などに出力する。この処理は、例えば、処理回路11が、集合演算機能11dに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
次に、画像生成機能11eは、演算済柱状領域R3を用いて、現在画像I1と変形位置合わせ後の過去画像I2’との間の演算を行い、派生画像Dを生成して(ステップS109)、派生画像Dを出力する(ステップS110)。例えば、画像生成機能11eは、派生画像Dを記憶回路13や、ネットワーク上の他の装置などに出力する。この処理は、例えば、処理回路11が、画像生成機能11eに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
以下、画像処理装置10によって実行される各処理の詳細について説明する。
(医用画像の取得処理)
図2のステップS101及びS102において説明したように、制御機能11aは、入力インターフェース15を介したボリュームデータの取得操作に応じて、現在画像I1と過去画像I2を取得する。ここで、制御機能11aは、記憶回路13に保存されている画像、或いは、ネットワーク上の他の装置に保存されている画像から、現在画像I1と過去画像I2を取得することができる。
また、制御機能11aは、ステップS102において、前回の撮影で収集された画像以外の画像を過去画像I2として取得することができる。例えば、制御機能11aは、前回の撮影よりも前の撮影で収集された画像を過去画像I2として取得することができる。
また、制御機能11aは、過去画像I2(第2の医用画像)として、骨転移前の時期に被検体から収集した医用画像を取得することができる。かかる場合には、制御機能11aは、HISに含まれる電子カルテから被検体の入院日を特定し、特定した日に近い撮影日のX線CT画像を骨転移の無い時期の画像として、PACS等から取得する。あるいは、制御機能11aは、被検体から収集された各時期のX線CT画像に対して機械学習等による骨転移判定処理を実行することで、骨転移の無いX線CT画像を特定し、特定したX線CT画像を過去画像I2として取得する。
なお、ステップS102において、電子カルテからの情報の検索は、HL7(Health Level 7)を用いたり、直接電子カルテのデータベースに対してSQLを発行したりすることで実現可能である。また、PACSからの画像の取得は、DICOMプロトコルを使うことで実現可能である。
(位置合わせ処理)
図2のステップS103及びS104において説明したように、位置合わせ機能11bは、現在画像I1の各画素と過去画像I2の各画素の位置の対応関係Vに基づいて、過去画像I2における各画素が現在画像I1において対応する画素に合致するように過去画像I2を変形させて、現在画像I1と過去画像I2の位置合わせを行う。ここで、位置合わせ機能11bは、既存の線形位置合わせアルゴリズムや、非線形位置合わせアルゴリズム、或いは、それらを組み合わせた手法を用いて、対応関係Vを算出(推定)することができる。
位置合わせ機能11bは、上記した手法により現在画像I1と過去画像I2との位置の対応関係Vを算出し、算出した対応関係Vを用いて過去画像I2を変形させる。位置合わせ機能11bは、上記した画像間の変形位置合わせにより、現在画像I1に含まれる特徴的な部位を示す特徴点と、過去画像I2に含まれる特徴的な部位を示す特徴点との位置を合わせることができる。
(柱状領域の抽出処理)
図2のステップS105及びS106において説明したように、抽出機能11cは、現在画像I1と、位置合わせ処理後の過去画像I2’とから柱状領域をそれぞれ抽出する。図3は、第1の実施形態に係る柱状領域の抽出処理の一例を説明するための図である。ここで、図3では、柱状領域を抽出する前に実行される位置合わせ処理の例も含む。また、図3では、2次元の断面画像を用いて処理を説明しているが、実際には、抽出機能11cは、ボリュームデータから3次元の柱状領域を抽出する。
例えば、図3に示すように、位置合わせ機能11bが、現在画像I1と過去画像I2との対応関係Vを算出して、算出した対応関係Vに基づいて過去画像I2を過去画像I2’に変形する。抽出機能11cは、図3に示すように、現在画像I1における柱状領域R1を抽出する。また、抽出機能11cは、変形後の過去画像I2’における柱状領域R2’を抽出する。ここで、溶骨性の骨転移等により柱状領域の形状に変化が生じている場合、抽出される柱状領域は、図3に示すように、形状の変化を含むものとなる。
なお、抽出機能11cは、既存の種々の手法を用いて医用画像における柱状領域を抽出することができる。例えば、抽出機能11cは、画像の二値化や、モルフォロジー演算、機械学習等を用いた領域抽出、或いは、それらを組み合わせた手法などを用いて柱状領域を抽出することができる。
(集合演算処理)
図2のステップS107及びS108において説明したように、集合演算機能11dは、現在画像I1から抽出された柱状領域R1と、位置合わせ後の過去画像I2‘から抽出された柱状領域R2’との間の集合演算を実行することで演算済柱状領域R3を取得して、取得した演算済柱状領域R3を出力する。
図4A~図4Cは、第1の実施形態に係る集合演算の例を示す図である。なお、図4A~図4Cでは、2次元の断面画像を用いて処理を説明しているが、実際には、集合演算機能11dは、3次元の柱状領域を対象に集合演算を実行する。例えば、集合演算機能11dは、図4Aに示すように、柱状領域R1と柱状領域R2’とのOR演算(R1∪R2’)を実行することで、演算済柱状領域R3として領域41を取得する。すなわち、集合演算機能11dは、柱状領域R1と柱状領域R2’とを重ね合わせた領域を取得する。この領域41は、過去と現在の骨融解が起きた箇所を全て含んだ柱状領域を表している。
また、例えば、集合演算機能11dは、図4Bに示すように、柱状領域R1と柱状領域R2’とのAND演算(R1∩R2’)を実行することで、演算済柱状領域R3として領域42を取得する。すなわち、集合演算機能11dは、柱状領域R1と柱状領域R2’の両方に含まれる領域を取得する。この領域42は、骨融解部を除いた脊柱管本来の形に近い柱状領域を表している。
また、例えば、集合演算機能11dは、図4Cに示すように、柱状領域R1と柱状領域R2’との特殊な差分演算(R1-R1∩R2’)を実行することで、演算済柱状領域R3として領域43を取得する。すなわち、集合演算機能11dは、柱状領域R1にのみ含まれる領域を取得する。この領域43は、現在画像内の骨融解部の領域を表している。
なお、図4A~図4Cに示す例は、あくまでも一例であり、集合演算機能11dは、これ以外にも柱状領域R1と柱状領域R2’との間の集合演算であれば、どのような演算でも実行することができる。例えば、集合演算機能11dは、特殊な差分演算(R2’-R1∩R2’)を実行して、過去画像内の骨融解部の領域を取得することができる。
図4A~図4Cに示すように、集合演算機能11dは、演算済柱状領域R3(領域41~領域43)を取得すると、取得した演算済柱状領域R3を示す領域画像を、記憶回路13や、ネットワーク上の他の装置などに出力する。すなわち、集合演算機能11dは、現在画像I1又は変形後の過去画像I2’において演算済柱状領域R3に相当する領域内の画素値を1、領域外の画素値を0とした二値画像を生成して、生成した二値画像を出力する。
なお、集合演算機能11dは、DICOMプロトコルを用いることで、PACSへの領域画像の送信を実現することができる。また、制御機能11aは、生成された二値画像をディスプレイ14に表示させることができる。
(派生画像の生成処理)
図2のステップS109及びS110において説明したように、画像生成機能11eは、演算済柱状領域R3を用いて、派生画像Dを生成して、生成した派生画像Dを出力する。例えば、画像生成機能11eは、演算済柱状領域R3の内側で現在画像I1と変形後の過去画像I2’とを差分することで、派生画像Dを生成する。かかる場合には、画像生成機能11eは、例えば、演算済柱状領域R3(領域41、領域42、或いは、領域43)を示す領域画像(二値画像)を取得する。そして、画像生成機能11eは、取得した領域画像に基づいて、現在画像I1及び変形後の過去画像I2’における演算済柱状領域R3の位置を特定し、演算済柱状領域R3の内側に含まれる画素間で画素値の差分処理を実行することで派生画像Dを生成する。
なお、派生画像Dの生成に用いられる演算済柱状領域R3は、取得されたどの演算済柱状領域R3が用いられてもよい。また、1つの派生画像Dを生成する際に、1つの演算済柱状領域R3のみが用いられる場合でもよく、或いは、複数の領域がまとめて用いられる場合でもよい。
このように生成された派生画像Dを用いることで、例えば、腫瘍の脊柱管内浸潤の経時的変化を可視化することができ、浸潤度合いの計測を精度よく行うことを可能にする。
なお、上述した例では、派生画像Dを生成するために差分処理を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、その他の演算が用いられる場合でもよい。また、上述した例では、現在画像I1と変形後の過去画像I2’と演算済柱状領域R3とを用いて派生画像Dを生成する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、変形後の過去画像I2’を用いずに現在画像I1と演算済柱状領域R3のみを用いて派生画像Dを生成する場合でもよい。かかる場合には、例えば、画像生成機能11eは、機械学習等を用いて、現在画像I1の演算済柱状領域R3内に存在する浸潤領域を示す派生画像を生成してもよい。
上述したように、画像生成機能11eは、派生画像Dを生成すると、生成した派生画像Dを、記憶回路13や、ネットワーク上の他の装置などに出力する。なお、画像生成機能11eは、DICOMプロトコルを用いることで、PACSへの派生画像Dの送信を実現することができる。また、制御機能11aは、生成された派生画像Dをディスプレイ14に表示させることができる。
(変形例1)
上述した実施形態では、過去画像I2を過去画像I2’に変形した後に柱状領域R2’を抽出する場合について説明した。変形例1では、過去画像I2から柱状領域R2を抽出した後に、柱状領域R2を柱状領域R2’に変形する場合について説明する。すなわち、変形例1に係る抽出機能11cは、第1の医用画像から第1の柱状領域を抽出し、第2の医用画像から第2の柱状領域を抽出する。変形例1に係る位置合わせ機能11bは、第1の柱状領域に対して第2の柱状領域の位置を合わせる位置合わせ処理を実行する。変形例1に係る集合演算機能11dは、第1の柱状領域と前記位置合わせ処理後の第2の柱状領域との集合演算を実行して、演算済柱状領域を出力する。
図5は、変形例1に係る画像処理装置10の全行程を示すフローチャートである。ここで、図5のステップS200で示した2つの処理(ステップS204及びS205)以外の処理は、図2の対応するステップの処理と同一である。すなわち、図5のステップS201からS203は、図2のステップS101からS103と同じ処理を行う。また、図5のステップS206からS208は、図2のステップS106からS108の処理と同じである。また、図5のステップ209は、図2のステップS104の処理と同じである。さらに、図5のステップS210からS211は、図2のステップS109からS110の処理と同じである。
変形例1に係る画像処理装置10においては、位置合わせ機能11bが現在画像I1の各画素と過去画像I2の各画素の位置の対応関係Vを算出(推定)すると(ステップS203)、抽出機能11cが、過去画像I2から柱状領域R2を抽出する(ステップS204)。この処理は、例えば、処理回路11が、抽出機能11cに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
次に、位置合わせ機能11bは、対応関係Vを用いて、柱状領域R2における各画素が現在画像I1において対応する画素に合致するように柱状領域R2を変形した柱状領域R2’を取得する(ステップS205)。この処理は、例えば、処理回路11が、位置合わせ機能11bに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
(位置合わせ処理及び抽出処理)
図5のステップS204及びS205において説明したように、画像処理装置10は、過去画像I2から柱状領域R2を抽出し、柱状領域R1に対して柱状領域R2の位置を合わせる位置合わせ処理を実行する。図6は、変形例1に係る位置合わせ処理及び抽出処理の一例を説明するための図である。なお、図6では、2次元の断面画像を用いて処理を説明しているが、実際には、位置合わせ機能11b及び抽出機能11cは、3次元の領域を対象に、位置合わせ処理及び抽出処理を実行する。
例えば、図6に示すように、位置合わせ機能11bは、現在画像I1と過去画像I2との対応関係Vを算出する。その後、抽出機能11cは、図6に示すように、過去画像I2における柱状領域R2を抽出する。そして、位置合わせ機能11bは、算出した対応関係Vに基づいて柱状領域R2を柱状領域R2’に変形する。また、抽出機能11cは、図6に示すように、現在画像I1における柱状領域R1を抽出する。
(変形例2)
上述した実施形態では、第2の医用画像として単一の過去画像I2を用いる場合について説明した。変形例2では、第2の医用画像として複数の過去画像I2を用いる場合について説明する。かかる場合、画像処理装置10は、過去画像I2を入れ替えながらステップS102からS107の手順を繰り返し実行する。その際、ステップS107の集合演算が、現在画像の柱状領域と複数個の過去画像の柱状領域との間の集合演算となる。
(医用画像の取得処理)
変形例2に係る制御機能11aは、第1の医用画像と、複数の第2の医用画像とを取得する。具体的には、制御機能11aは、医用画像の収集時の条件が異なる複数の過去画像を、第2の医用画像として取得する。例えば、制御機能11aは、直近のX線CT画像を現在画像I1として取得し、前回の撮影で収集されたX線CT画像を過去画像I2-1として取得し、前々回の撮影で収集されたX線CT画像を過去画像I2-2として取得する。
なお、制御機能11aは、医用画像の収集時の条件として、撮影日時、再構成関数の種類、管電圧・管電流の大きさ、造影剤の有無などを用いる。すなわち、制御機能11aは、上記したような撮影日時が異なる画像だけでなく、その他の条件が異なる複数の医用画像も過去画像として取得することができる。
(位置合わせ処理)
変形例2に係る位置合わせ機能11bは、第1の医用画像と、複数の第2の医用画像との位置合わせ処理をそれぞれ実行する。例えば、位置合わせ機能11bは、現在画像I1と過去画像I2-1の各画素の位置の対応関係V1を算出し、算出した対応関係V1を用いて過去画像I2-1を、過去画像I2’-1に変形させる。同様に、位置合わせ機能11bは、現在画像I1と過去画像I2-2の各画素の位置の対応関係V2を算出し、算出した対応関係V2を用いて過去画像I2-2を、過去画像I2’-2に変形させる。
(柱状領域の抽出処理)
変形例2に係る抽出機能11cは、第1の医用画像と、複数の第2の医用画像とから柱状領域をそれぞれ抽出する。例えば、抽出機能11cは、現在画像I1から柱状領域R1を抽出し、過去画像I2’-1から柱状領域R2’-1を抽出し、過去画像I2’-2から柱状領域R2’-2を抽出する。
(集合演算処理)
変形例2に係る集合演算機能11dは、第1の医用画像に基づく第1の柱状領域と、複数の第2の医用画像に基づく複数の第2の柱状領域との集合演算を実行して、演算済柱状領域を出力する。例えば、集合演算機能11dは、柱状領域R1と、柱状領域R2’-1と、柱状領域R2’-2との集合演算を実行して、演算済柱状領域を取得する。一例を挙げると、集合演算機能11dは、柱状領域R1と、柱状領域R2’-1と、柱状領域R2’-2とのAND演算を実行して、演算済柱状領域R3を取得する。
上述したように、変形例2に係る画像処理装置10は、複数の過去画像を用いて演算済柱状領域を取得する。これにより、画像処理装置10は、脊柱管本来の形により近い柱状領域を得ることができる。なお、画像処理装置10は、変形例2において説明した処理と、変形例1において説明した処理とを合わせて実行することもできる。例えば、画像処理装置10は、過去画像I2-1と過去画像I2-2とから柱状領域R2-1と柱状領域R2-2とをそれぞれ抽出し、抽出した各柱状領域を変形させることで、柱状領域R2’-1と柱状領域R2’-2とを取得する。そして、画像処理装置10は、柱状領域R1と、柱状領域R2’-1と、柱状領域R2’-2との集合演算を実行して、演算済柱状領域R3を取得する。
上述したように、第1の実施形態によれば、制御機能11aは、被検体から収集した第1の医用画像(現在画像)と第2の医用画像(過去画像)とを取得する。位置合わせ機能11bは、第1の医用画像に対して第2の医用画像の位置を合わせる位置合わせ処理を実行する。抽出機能11cは、第1の医用画像から第1の柱状領域を抽出し、位置合わせ処理後の第2の医用画像から第2の柱状領域を抽出する。集合演算機能11dは、第1の柱状領域と第2の柱状領域との集合演算を実行して、演算済柱状領域を出力する。したがって、第1の実施形態に係る画像処理装置10は、正確な形状の柱状領域を抽出することができ、柱状領域に欠損が生じている場合でも、医用画像から柱状領域を高精度に抽出することを可能にする。例えば、画像処理装置10は、溶骨性の骨転移等により欠損が生じた柱状領域から脊柱管本来の形に近い柱状領域を抽出することができる。
また、第1の実施形態によれば、制御機能11aは、第2の医用画像として、第1の医用画像よりも過去に被検体から収集した医用画像を取得する。したがって、第1の実施形態に係る画像処理装置10は、柱状領域の形状の経時的な変化を考慮することができ、柱状領域を高精度に抽出することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御機能11aは、第2の医用画像として、骨転移前の時期に被検体から収集した医用画像を取得する。したがって、第1の実施形態に係る画像処理装置10は、欠損が生じる前の脊柱管本来の形を用いて、医用画像から柱状領域を抽出することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、画像生成機能11eは、演算済柱状領域を用いて、第1の医用画像に基づく派生画像を生成する。したがって、第1の実施形態に係る画像処理装置10は、精度の高い派生画像を生成することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、画像生成機能11eは、第1の医用画像と第2の医用画像とから演算済柱状領域を用いた派生画像を生成する。したがって、第1の実施形態に係る画像処理装置10は、柱状領域における経時的な変化を示す派生画像を生成することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、画像生成機能11eは、第1の医用画像及び第2の医用画像における演算済柱状領域に対応する領域をそれぞれ特定し、特定した領域について第1の医用画像と第2の医用画像との差分処理を実行することで派生画像を生成する。したがって、第1の実施形態に係る画像処理装置10は、柱状領域における経時的な変化を可視化した派生画像を生成することを可能にする。
また、変形例1によれば、制御機能11aは、被検体から収集した第1の医用画像(現在画像)と第2の医用画像(過去画像)とを取得する。抽出機能11cは、第1の医用画像から第1の柱状領域を抽出し、第2の医用画像から第2の柱状領域を抽出する。位置合わせ機能11bは、第1の柱状領域に対して第2の柱状領域の位置を合わせる位置合わせ処理を実行する。集合演算機能11dは、第1の柱状領域と位置合わせ後の第2の柱状領域との集合演算を実行して、演算済柱状領域を出力する。したがって、変形例1に係る画像処理装置10は、正確な形状の柱状領域を抽出することができ、柱状領域に欠損が生じている場合でも、医用画像から柱状領域を高精度に抽出することを可能にする。
また、変形例2によれば、制御機能11aは、第1の医用画像と、複数の前記第2の医用画像とを取得する。集合演算機能11dは、第1の医用画像に基づく第1の柱状領域と、複数の第2の医用画像に基づく複数の第2の柱状領域との集合演算を実行して、演算済柱状領域を出力する。したがって、変形例2に係る画像処理装置10は、医用画像からの柱状領域の抽出をより高精度に実行することができ、脊柱管本来の形により近い柱状領域を得ることを可能にする。
(第2の実施形態)
本願に係る別の実施形態としては、演算済脊柱管領域を算出するのに用いた過去画像とは異なる条件の過去画像を用いて、現在画像との派生画像を生成する実施形態が考えられる。例えば、脊柱管領域を算出するためには、なるべく骨融解を起こしていない入院直後の過去画像を用いるのが相応しいが、脊柱管領域内の経時変化を見るためには、直近の過去画像を用いて現在画像との経時差分画像を算出する必要がある。このような場合に、本実施形態が有用である。また、経時差分画像以外の派生画像生成処理、例えば、現在画像上に経時差分情報を重畳した融合画像生成等においても本実施形態が有用である。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、演算済柱状領域を取得した後の処理が異なる。具体的には、第2の実施形態に係る制御機能11aは、第2の医用画像とは異なる条件で被検体から収集された第3の医用画像を取得する。また、第2の実施形態に係る画像生成機能11eは、第1の医用画像と第3の医用画像とから演算済柱状領域を用いた派生画像を生成する。以下、これらを中心に説明する。
図7は、第2の実施形態に係る画像処理装置10の全行程を示すフローチャートである。ここで、図7のステップS300で示した処理は、図2のステップS101からS108、もしくは、図5のステップS201からS208と同じ処理である。
図7に示すように、演算済柱状領域R3が得られると、制御機能11aが、ステップS102またはS202に相当する処理で取得した第2の医用画像である過去画像I2とは異なる条件で撮影された第3の医用画像である派生用過去画像I3を取得する(ステップS309)。この処理は、例えば、処理回路11が、制御機能11aに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
次に、位置合わせ機能11bは、現在画像I1の各画素と派生用過去画像I3の各画素の位置の対応関係Wを算出(推定)する(ステップS310)。そして、位置合わせ機能11bは、対応関係Wに基づいて派生用過去画像I3における各画素が現在画像I1において対応する画素に合致するように派生用過去画像I3を変形させ、位置合わせした派生用過去画像I3’を取得する(ステップS311)。この処理は、例えば、処理回路11が、位置合わせ機能11bに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
次に、画像生成機能11eは、演算済柱状領域R3を用いて、現在画像I1と変形後の派生用過去画像I3’との間の演算を行い、派生画像Dを生成して(ステップS312)、派生画像Dを出力する(ステップS313)。例えば、画像生成機能11eは、派生画像Dを記憶回路13や、ネットワーク上の他の装置などに出力する。この処理は、例えば、処理回路11が、画像生成機能11eに対応するプログラムを記憶回路13から呼び出して実行することにより実現される。
(医用画像の取得処理)
図7のステップS309において説明したように、制御機能11aは、入力インターフェース15を介したボリュームデータの取得操作に応じて、派生用過去画像I3を取得する。ここで、制御機能11aは、記憶回路13に保存されている画像、或いは、ネットワーク上の他の装置に保存されている画像から、派生用過去画像I3を取得することができる。
(位置合わせ処理)
図7のステップS310及びS311において、現在画像I1と派生用過去画像I3との位置合わせ処理を説明したが、この処理は、ステップS103及びS104と同様であるため、説明を省略する。
(派生画像の生成処理)
図7のステップS312及びS313において説明したように、画像生成機能11eは、演算済柱状領域R3を用いて、派生画像Dを生成して、生成した派生画像Dを出力する。例えば、画像生成機能11eは、演算済柱状領域R3の内側で現在画像I1と変形後の派生用過去画像I3’とを差分することで、派生画像Dを生成する。なお、上述した例では、派生画像Dを生成するために差分処理を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、その他の演算が用いられる場合でもよい。
上述したように、画像生成機能11eは、派生画像Dを生成すると、生成した派生画像Dを、記憶回路13や、ネットワーク上の他の装置などに出力する。また、制御機能11aは、生成された派生画像Dをディスプレイ14に表示させることができる。
なお、第2の実施形態における演算済柱状領域の取得は、第1の実施形態の変形例2において説明した複数の過去画像を用いる処理で行われる場合でもよい。この場合、骨融解の影響がより少ない柱状領域を取得することができることから、より適切な派生画像を得ることができる。
上述したように、第2の実施形態によれば、制御機能11aは、第2の医用画像とは異なる条件で被検体から収集された第3の医用画像を取得する。画像生成機能11eは、第1の医用画像と第3の医用画像とから演算済柱状領域を用いた派生画像を生成する。したがって、第2の実施形態に係る画像処理装置10は、柱状領域抽出に使う過去画像と派生画像算出に使う過去画像とが異なる場合であっても、得られた柱状領域を用いて入力画像の派生画像を効率的に得ることを可能にする。その結果、画像処理装置10は、種々の解析を行うための派生画像を容易に生成することを可能にする。
(その他の実施形態)
上述した実施形態では、抽出対象の柱状領域を脊柱管領域とする場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、高濃度領域に囲まれた低濃度の柱状領域であれば、どのようなものを抽出対象とする場合であってもよい。例えば、四肢の長骨内の髄腔領域を抽出対象の柱状領域としても良い。また、濃淡を反転して、低濃度領域に囲まれた高濃度の柱状領域を抽出対象の柱状領域としても良い。
また、上述した実施形態では、医用画像としてX線CT画像を用いる場合を一例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、濃淡医用画像であればどのようなモダリティで収集された医用画像であってもよい。
また、上述した実施形態では、現在画像に対して過去画像の位置を合わせる位置合わせ処理を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、過去画像に対して現在画像の位置を合わせる位置合わせ処理(現在画像を変形させる処理)を実行する場合でもよい。すなわち、制御機能11aが、第1の医用画像として過去画像を取得し、第2の医用画像として現在画像を取得する場合でもよい。
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記録媒体(記憶媒体)等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インターフェース機器、撮像装置、Webアプリケーション等)から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上述した実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合には、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
ここで、プロセッサによって実行される画像処理プログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、この画像処理プログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、この画像処理プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることによって提供又は配布されてもよい。例えば、この画像処理プログラムは、上述した各処理機能を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体から医用情報処理プログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
また、上述した実施形態において、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散又は統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。更に、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、上述した実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、柱状領域に欠損が生じている場合でも、医用画像から柱状領域を高精度に抽出することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10 画像処理装置
11a 制御機能
11b 位置合わせ機能
11c 抽出機能
11d 集合演算機能
11e 画像生成機能

Claims (15)

  1. 被検体から収集した第1の医用画像と第2の医用画像とを取得する取得部と、
    前記第1の医用画像に対して前記第2の医用画像の位置を合わせる位置合わせ処理を実行する位置合わせ部と、
    前記第1の医用画像から第1の柱状領域を抽出し、前記位置合わせ処理後の前記第2の医用画像から第2の柱状領域を抽出する抽出部と、
    前記第1の柱状領域と前記第2の柱状領域との集合演算を実行して、演算済柱状領域を出力する集合演算部と、
    を備える、画像処理装置。
  2. 被検体から収集した第1の医用画像と第2の医用画像とを取得する取得部と、
    前記第1の医用画像から第1の柱状領域を抽出し、前記第2の医用画像から第2の柱状領域を抽出する抽出部と、
    前記第1の柱状領域に対して前記第2の柱状領域の位置を合わせる位置合わせ処理を実行する位置合わせ部と、
    前記第1の柱状領域と前記位置合わせ処理後の前記第2の柱状領域との集合演算を実行して、演算済柱状領域を出力する集合演算部と、
    を備える、画像処理装置。
  3. 前記取得部は、前記第2の医用画像として、前記第1の医用画像よりも過去に前記被検体から収集した医用画像を取得する、請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記取得部は、前記第1の医用画像と、複数の前記第2の医用画像とを取得し、
    前記集合演算部は、前記第1の医用画像に基づく第1の柱状領域と、複数の前記第2の医用画像に基づく複数の第2の柱状領域との集合演算を実行して、前記演算済柱状領域を出力する、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  5. 前記取得部は、前記第2の医用画像として、骨転移前の時期に前記被検体から収集した医用画像を取得する、請求項3に記載の画像処理装置。
  6. 前記演算済柱状領域を用いて、前記第1の医用画像に基づく派生画像を生成する画像生成部をさらに備える、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  7. 前記画像生成部は、前記第1の医用画像と前記第2の医用画像とから前記演算済柱状領域を用いた前記派生画像を生成する、請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記画像生成部は、前記第1の医用画像及び前記第2の医用画像における前記演算済柱状領域に対応する領域をそれぞれ特定し、特定した領域について前記第1の医用画像と前記第2の医用画像との差分処理を実行することで前記派生画像を生成する、請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記取得部は、前記第2の医用画像とは異なる条件で前記被検体から収集された第3の医用画像を取得し、
    前記画像生成部は、前記第1の医用画像と前記第3の医用画像とから前記演算済柱状領域を用いた前記派生画像を生成する、請求項6に記載の画像処理装置。
  10. 被検体から収集した第1の医用画像と第2の医用画像とを取得し、
    前記第1の医用画像に対して前記第2の医用画像の位置を合わせる位置合わせ処理を実行し、
    前記第1の医用画像から第1の柱状領域を抽出し、前記位置合わせ処理後の前記第2の医用画像から第2の柱状領域を抽出し、
    前記第1の柱状領域と前記第2の柱状領域との集合演算を実行して、演算済柱状領域を出力する、
    ことを含む、画像処理方法。
  11. 請求項10に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させる、画像処理プログラム。
  12. 請求項11に記載の画像処理プログラムを含む、記憶媒体。
  13. 被検体から収集した第1の医用画像と第2の医用画像とを取得し、
    前記第1の医用画像から第1の柱状領域を抽出し、前記第2の医用画像から第2の柱状領域を抽出し、
    前記第1の柱状領域に対して前記第2の柱状領域の位置を合わせる位置合わせ処理を実行し、
    前記第1の柱状領域と前記位置合わせ処理後の前記第2の柱状領域との集合演算を実行して、演算済柱状領域を出力する、
    ことを含む、画像処理方法。
  14. 請求項13に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させる、画像処理プログラム。
  15. 請求項14に記載の画像処理プログラムを含む、記憶媒体。
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