JP2023125846A - 成形装置および制御方法 - Google Patents

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哲也 澤口
Tetsuya Sawaguchi
直人 遠藤
Naoto Endo
健太郎 村田
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尚樹 本間
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Abstract

【課題】マイクロ波により発泡性粒子を融着させて成形体を形成するための成形装置を小型化する。
【解決手段】発泡性がある樹脂粒子を融着させた成形体を形成するための成形装置であって、内部が中空であり、表面に移動側型部材を含む移動側ユニットと、内部が中空であり、表面のうち前記移動側型部材と対向する位置に固定側型部材を含む固定側ユニットと、前記固定側型部材と前記移動側型部材との間に形成される充填空間に前記樹脂粒子を充填する充填装置と、前記固定側ユニットの内部空間に設けられ、マイクロ波を前記充填空間内に出射することで、前記樹脂粒子を加熱する発生装置とを具備し、前記発生装置は、前記マイクロ波を発生する発振器と、当該マイクロ波を前記充填空間に伝送する導波管とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、発泡性がある樹脂粒子を融着させた成形体を形成するための成形装置に関する。
発泡性がある樹脂粒子からなる成形体(以下「発泡成形体」という)は、例えば、工業製品や食品等の包装材、または、自動車用内装材や建築用資材等の多様な用途において使用される。ここで、発泡性がある樹脂粒子(以下「発泡性粒子」という)を加熱して相互に融着させることで発泡成形体を成形するための各種の方法が従来から提案されている。
例えば、特許文献1には、発泡性粒子を蒸気加熱により融着させることで発泡成形体を形成する方法(いわゆるビーズ発泡成形)が開示されている。具体的には、相互に対向する2つの金型の間の隙間に発泡性樹脂を充填し、当該空間内に蒸気加熱を供給することで発泡性樹脂同士を融着させる。しかし、発泡性樹脂を蒸気加熱より融着させる特許文献1の技術では、蒸気の過不足により融着不良になることで良好な発泡成形体が得られないという問題がある。
そこで、発泡性樹脂を蒸気加熱以外の方法で癒着させる技術も提案されている。例えば、特許文献2には、マイクロ波を照射することで発泡性粒子を融着させる方法が開示されている。具体的には、マイクロ波を遮断する反応器(収容体)の内部空間に発泡成形体を形成するための2つの型が配置され、当該2つの型の隙間に発泡性粒子を充填する。そして、反応器の外部に設けられたマグネトロンでマイクロ波を発生させ、導波管を介して反応器の内部にマイクロ波を照射する。2つの型を透過したマイクロ波が発泡性粒子に照射されると、発泡性粒子が融着する。
特開2003-080545号公報 特表2014-531352号公報
しかし、特許文献2の技術では、2つの金型を収容するための反応器や、反応器の外部にマグネトロンや導入管を配置するため、発泡性粒子をマイクロ波で融着させるための装置が大型になるという問題がある。以上の事情を考慮して、本発明では、マイクロ波により発泡性粒子を融着させて発泡成形体を形成するための成形装置を小型化することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の成形装置は、発泡性がある樹脂粒子を融着させた成形体を形成するための成形装置であって、内部が中空であり、表面に移動側型部材を含む移動側ユニットと、内部が中空であり、表面のうち前記移動側型部材と対向する位置に固定側型部材を含む固定側ユニットと、前記固定側型部材と前記移動側型部材との間に形成される充填空間に前記樹脂粒子を充填する充填装置と、前記固定側ユニットの内部空間に設けられ、マイクロ波を前記充填空間内に出射することで、前記樹脂粒子を加熱する発生装置とを具備し、前記発生装置は、前記マイクロ波を発生する発振器と、当該マイクロ波を前記充填空間に伝送する導波管とを含む。
本発明の好適な態様に係る成形装置によれば、マイクロ波により発泡性粒子を融着させて発泡成形体を形成するための成形装置を小型化することができる。
第1実施形態に係る成形装置の断面図である。 第1実施形態に係る成形装置の断面図である。 第1実施形態に係る移動側ユニットの平面図である。 第1実施形態に係る固定側ユニットの平面図である。 第1実施形態に係る発泡粒子が充填された状態の成形装置の断面図である。 第1実施形態に係る発生装置の構成図である。 第2実施形態に係る成形装置の断面図である。 第2実施形態に係る撹拌機構を設置する位置を説明するための模式図である。 第2実施形態に係る通過部(構成(1))の平面図である。 第2実施形態に係る通過部(構成(2))の平面図である。 第2実施形態に係る通過部(構成(3))の平面図である。 第2実施形態に係る通過部(構成(4))の平面図である。 第2実施形態に係る通過部(構成(5))の平面図である。 第2実施形態に係る通過部(構成(6))の平面図である。 第2実施形態に係る撹拌機構(構成(A))のの斜視図である。 第2実施形態に係る撹拌機構(構成(B))のの斜視図である。 第2実施形態に係る撹拌機構(構成(C))のの斜視図である。 第2実施形態に係る撹拌機構(構成(D))のの斜視図である。 第2実施形態に係る撹拌機構(構成(E))のの斜視図である。 第2実施形態に係る撹拌機構(構成(F))のの斜視図である。 第2実施形態に係る撹拌機構(構成(G))のの斜視図である。 第2実施形態に係る制御部の機能を表す構成図である。 第2実施形態に係る制御部が実行する処理のフローチャート(方法(a))である。 第2実施形態に係る制御部が実行する処理のフローチャート(方法(b))である。 第2実施形態に係る制御部が実行する処理のフローチャート(方法(b))である。 第3実施形態に係る制御部の機能を表す構成図である。 第4実施形態に係る型部材の模式図である。 第4実施形態に係るスリットの構成を例示する模式図である。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る成形装置100の断面図である。成形装置100は、発泡性がある樹脂粒子(以下「発泡性粒子」という)からなる成形体(以下「発泡成形体」という)を形成するための装置である。発泡成形体は、例えば、自動車用内装材、建築用資材または包装材等の各種の用途に使用される。
概略的には、発泡成形体は、成形型における内部の空間(以下「充填空間」という)に、発泡性粒子を充填した後に、当該発泡性粒子を融着させることで形成される。第1実施形態の成形型は、後述する、相互に対応する移動側型部材211および固定側型部材311で構成される。本発明に係る成形装置100は、成形型を含む装置である。第1実施形態では、箱型の発泡成形体を形成する場合を想定する。
具体的には、成形装置100は、移動側ユニット20(移動側型部材211が設けられる部分)と固定側ユニット30(固定側型部材311が設けられる部分)と充填装置40と発生装置50とを具備する。図1に例示される通り、移動側ユニット20と固定側ユニット30とは相互に対向する位置に設けられる。以下の説明では、移動側ユニット20と固定側ユニット30とが配列する方向をX方向と表記し、X方向に直交する方向をY方向と表記し、X-Y平面に直交する方向をZ方向と表記する。
移動側ユニット20は、固定側ユニット30に近づく方向(X方向の負側)および離れる方向(X方向の正側)に移動可能である。図2は、移動側ユニット20が固定側ユニット30に最も近づいた場合の成形装置100の断面図である。図2に例示される通り、移動側ユニット20が固定側ユニット30に近づくと充填空間Uが移動側型部材211と固定側型部材311とで形成される。
図3は、移動側ユニット20の平面図(X方向の負側からみたときの平面図)である。図4は、固定側ユニット30の平面図(X方向の正側からみたときの平面図)である。なお、図1および図2は、図3の移動側ユニット20のa-a線における断面図、および、図4の固定側ユニット30のb-b線における断面図である。
具体的には、移動側ユニット20は、内部が中空の構造体である。図1および図3に例示される通り、例えば、移動側ユニット20は、移動側型部材211と支持板213とフレーム部215と裏板部217とを具備する。裏板部217は、Y-Z平面内に平行な平板状の部材である。例えば、裏板部217は、X方向からの平面視において長尺状に形成される。
フレーム部215は、裏板部217の周縁に沿ってX方向の負側に(固定側ユニット30に向かって)突出する部材である。裏板部217の周縁における全周にわたりフレーム部215が形成される。すなわち、平面視において環状にフレーム部215が形成される。裏板部217にフレーム部215を接続する方法は任意である。例えば、固着具(例えばボルト)や溶着により裏板部217とフレーム部215とが接続される。
移動側型部材211は、成形型を構成する2つの部材のうちの一方である。第1実施形態では、図3に例示される通り、移動側ユニット20が4個の移動側型部材211を具備する構成を例示する。移動側型部材211は、成形体に対応する形状に形成される。移動側型部材211の平面形状は、典型的には、長方形である。
図1および図3に例示される通り、各移動側型部材211には、表面から窪んだ凹部Gが形成される。具体的には、移動側型部材211の平面形状に応じた環状の凹部Gが形成される。移動側型部材211は、支持板213を介してフレーム部215に支持される。
図1に例示される通り、フレーム部215における裏板部217とは反対側の端部には、突出部N1を含む。なお、突出部N1は、フレーム部215のうち当該フレーム部215により囲われた空間内に向かってY方向に突出する部分である。例えば、フレーム部215の全周にわたり、突出部N1が形成される。
支持板213は、裏板部217に平行な板状の部材であり、フレーム部215に接続される。具体的には、フレーム部215における裏板部217とは反対側において支持板213が接続される。すなわち、フレーム部215におけるX方向の正側に裏板部217が位置し、X方向の負側に支持板213が位置する。支持板213の周縁の全周にわたり、フレーム部215に接続される。具体的には、フレーム部215の突出部N1と支持板213の周縁とが接続される。なお、フレーム部215に支持板213を接続する方法は任意である。例えば、固着具(例えばボルト)や溶着によりフレーム部215と支持板213とが接続される。
支持板213には、図1に例示される通り、各移動側型部材211に対応する貫通孔Hが形成される。貫通孔Hに移動側型部材211の凹部Gが挿入されるような状態で、移動側型部材211の周縁が支持板213に接続される。なお、裏板部217とは離間するように移動側型部材211は設けられる。
移動側ユニット20には、移動側型部材211と支持板213とフレーム部215と裏板部217とで構成される内部空間R1が形成される。以上の説明から理解される通り、移動側ユニット20は、内部が中空であり、表面に移動側型部材211を含む要素である。なお、内部空間R1において移動側型部材211や支持板213を支持するための支持部材K1が裏板部217に設けられる。
移動側ユニット20には、裏板部217とは反対側の表面において複数のスペーサーSが設けられる。図2に例示される通り、スペーサーSは、移動側ユニット20が固定側ユニット30に近づいた際に、固定側ユニット30の表面に当接する部分である。例えば、移動側型部材211の表面(内部空間R1とは反対側の表面)や支持板213の表面(内部空間R1とは反対側の表面)にスペーサーSが設けられる。各移動側型部材211のうち充填空間Uを形成する部分以外の領域や、支持板213のうち移動側型部材211に重ならない領域にスペーサーSが設けられる。ただし、スペーサーSを設ける位置、個数および形状は任意である。
移動側ユニット20は、移動側プレート23により支持される。移動側プレート23は裏板部217おけるフレーム部215とは反対側の表面に接続される。
固定側ユニット30は、内部が中空の構造体である。図1および図4に例示される通り、例えば、固定側ユニット30は、固定側型部材311と支持板313とフレーム部315と裏板部317とを具備する。裏板部317は、Y-Z平面内に平行な平板状の部材である。例えば、裏板部317は、X方向からの平面視において長尺状に形成される。
フレーム部315は、裏板部317の周縁に沿ってX方向の正側に(移動側ユニット20に向かって)突出する部材である。裏板部317の周縁における全周にわたりフレーム部315が形成される。すなわち、平面視において環状にフレーム部315が形成される。裏板部317にフレーム部315を接続する方法は任意である。例えば、固着具(例えばボルト)や溶着により裏板部317とフレーム部315とが接続される。
図1に例示される通り、フレーム部315における裏板部317とは反対側の端部には、突出部N2を含む。なお、突出部N2は、フレーム部315のうち当該フレーム部315により囲われた空間内に向かってY方向に突出する部分である。例えば、フレーム部315の全周にわたり、突出部N2が形成される。
支持板313は、裏板部317に平行な板状の部材であり、フレーム部315に接続される。具体的には、フレーム部315における裏板部317とは反対側において支持板313が接続される。すなわち、フレーム部315におけるX方向の負側に裏板部317が位置し、X方向の正側に支持板313が位置する。支持板313の周縁の全周にわたり、フレーム部315に接続される。具体的には、フレーム部315の突出部N2と支持板313の周縁とが接続される。なお、フレーム部315に支持板313を接続する方法は任意である。例えば、固着具(例えばボルト)や溶着によりフレーム部315と支持板313とが接続される。
固定側型部材311は、成形型のうち移動側型部材211に対応する部材である。移動側型部材211と同様の個数(4個)の固定側型部材311が固定側ユニット30に設けられる。移動側型部材211と固定側型部材311との一対で構成される成形型において、1個の発泡成形体が形成される。すなわち、第1実施形態の成形装置100では、4個の発泡成形体が形成される。なお、成形型の個数は任意である。
具体的には、固定側型部材311は、移動側型部材211に対応する形状に形成される。第1実施形態では、平面視において移動側型部材211の凹部Gの外周の内側の領域に対応する形状に固定側型部材311が形成される。例えば、固定側型部材311は、平面視において長方形状に形成される。各固定側型部材311は、支持板313の表面において移動側型部材211に対向する位置に設けられる。
固定側ユニット30には、固定側型部材311と支持板313とフレーム部315と裏板部317とで構成される内部空間R2が形成される。以上の説明から理解される通り、固定側ユニット30は、内部が中空であり、表面に固定側型部材311を含む要素である。なお、内部空間R2において固定側型部材311や支持板313を支持するための支持部材K2が裏板部317に設けられる。
固定側ユニット30は、固定側プレート33により支持される。裏板部317におけるフレーム部315とは反対側の表面に固定側プレート33が接続される。
図2に例示される通り、移動側ユニット20のスペーサーSが固定側ユニット30の支持板313に当接する位置まで当該移動側ユニット20が固定側ユニット30に近づくと、移動側型部材211と固定側型部材311との間に充填空間Uが形成される。なお、移動側型部材211および固定側型部材311は、例えば、アルミ等の各種の金属で形成される。
充填装置40は、充填空間Uに発泡性粒子を充填するためのインジェクターである。第1実施形態では、固定側ユニット30に充填装置40が設けられる。固定側型部材311(充填空間U)毎に充填装置40が設けられる。裏板部317と支持板313と固定側型部材311とを貫通するように充填装置40が設けられる。充填装置40は、X方向の正側に向かって発泡性粒子を吐出する。
図5は、充填空間Uに発泡性粒子が充填された状態の成形装置100の断面図である。成形装置100により充填空間Uに発泡性粒子が充填される。充填装置40は、いわゆるインジェクターである。充填装置40は発泡性粒子が収容された原料タンク(図示略)に接続される。なお、実施には発泡性粒子を充填空間Uに充填させる際は、充填装置40の充填口(X方向の正側の端部)が固定側ユニット30に向かって移動する。各充填空間Uについて充填装置40の個数や充填装置40を設ける位置は任意である。
発泡性粒子は、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン、ポリアミド系樹脂、または、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂からなる粒子に発泡剤を含浸することで形成される。なお、これらの樹脂を2種類以上混合して発泡性粒子を形成してもよい。また、表面が各種の難燃剤でコーティングされた発泡性粒子を使用してもよい。なお、充填空間Uには、発泡性粒子の他にその他の各種の材料(例えば、独立気泡型発泡体粒子、ポリプロピレンまたはポリエチレン等の共重合体)を充填させてもよい。また、充填空間U内の導電率を向上させる観点から、塩水等を充填させてもよい。
なお、発泡性粒子を充填空間Uに充填させる方法には、公知の任意の方法が採用される。例えば、発泡性粒子を加圧気体で加圧処理して、発泡性粒子に所定の内圧を付与してから充填空間Uに充填する方法(加圧充填法)、発泡性粒子を加圧気体で圧縮した状態で加圧された充填空間Uに充填した後に充填空間U内の圧力を開放する方法(圧縮充填法)、または、移動側型部材211と固定側型部材311との間に若干の隙間を残した状態で発泡性粒子を充填空間U内に充填し、その後に移動側型部材211と固定側型部材311とを完全に閉じることで発泡粒子を機械的に圧縮する方法(クラッキング充填法)等が採用される。
発生装置50は、所定の周波数帯のマイクロ波Eを充填空間U内に出射することで、発泡性粒子を加熱するための装置である。第1実施形態の発生装置50は、固定側ユニット30の内部空間R2に設けられる。本発明の発生装置50は、充填空間U内に充填された発泡性粒子を融着させるために使用される。発生装置50が発生したマイクロ波Eが充填空間Uに充填された発泡性粒子に照射されることで加熱され、表面が軟化した発泡性粒子が相互に融着する。そして、融着後の発泡性粒子を冷却すると発泡成形体が形成される。
なお、第1実施形態に係る成形装置100においては、発泡性粒子の融着を促進させる観点から、一定の温度の液体が流れる銅管を移動側型部材211および固定側型部材311に密着させて、移動側型部材211および固定側型部材311の熱を制御する構成も採用される。
発生装置50が発生するマイクロ波Eの周波数帯は、例えば、J規格:J55011(H27)により定められた「ISM基本周波数として利用するために指定された周波数帯」である2450MHz帯である。ただし、ただし、マイクロ波の周波数帯は、以上の例示に限定されない。例えば、発泡性粒子の材料や発泡成形体の大きさ等に応じて適宜に変更し得る。また、マイクロ波は、例えば、80℃~180℃(ただしこの温度には限定されない)になるように照射される。
図6は、発生装置50の一例を示す構成図(模式図)である。発生装置50は、例えば、発振器51と導波管53とアイソレータ55とパワーモニタ57とチューナ59とを具備する。発振器51(マグネトロン:出力300W~10kW)は、マイクロ波Eを発生する機器である。導波管53は、発振器51に接続され、当該発振器51が発生したマイクロ波Eを充填空間に伝送するための部材である。
導波管53にアイソレータ55とパワーモニタ57とチューナ59とが設けられる。導波管53を介して充填空間Uにマイクロ波Eが照射される。アイソレータ55は、充填空間Uからの反射波を吸収する装置である。パワーモニタ57は、導波管53内を伝播するマイクロ波Eの進行波の電力と反射波の電力とを検出する装置である。なお、パワーモニタ57は、反射波の電力に加えて、反射波の振幅や位相についても検出可能である。チューナ59は、反射波の電力を調整するための装置である。
第1実施形態では、例えば、導波管53のうちチューナ59から先の部分を各固定側型部材311に向けて分岐させる。具体的には、図6に例示される通り、導波管53は、発振器51とは反対側の端部において固定側型部材311の個数と同様の本数の分岐部531を含む。すなわち、第1実施形態では、4個の分岐部531を含む。なお、図1の発生装置50においては、便宜的に、分岐部531の断面のみ図示する。
以下の説明では、1個の固定側型部材311について着目して説明するが、他の3個の固定側型部材311についても同様の構成である。
分岐部531は、固定側型部材311に接続される。図1、図4および図6に例示される通り、各固定側型部材311には、分岐部531を接続するための貫通孔Tが形成される。具体的には、導波管53における発振器51とは反対側の端部(開口部分)は、移動側型部材211とは反対側から貫通孔Tに接続される。第1実施形態では、導波管53における分岐部531の端部が貫通孔Tに接続される。
なお、支持板313にも貫通孔Tに対応する位置に、分岐部531が挿通される挿通孔が形成される。すなわち、導波管53のうち各分岐部531は、支持板313を挿通した状態で貫通孔Tに接続される。固定側型部材311において貫通孔Tが形成される位置は任意である。分岐部531は、先端が固定側型部材311の表面から突出しないように貫通孔Tに接続される。
貫通孔Tにおける移動側型部材211側(充填空間U側)の開口は、蓋部材532で閉塞される。蓋部材532は、マイクロ波Eを透過させる材料で薄板状に形成される。マイクロ波Eを透過させる材料は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテルイミド、または、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂や、アルミナ、ムライト、または、パイロフィライト等のセラミックスで形成される。ただし、マイクロ波を透過させる材料は、以上の例示に限定されない。分岐部531から伝送されたマイクロ波Eは、蓋部材532を透過して、充填空間Uの発泡性粒子に照射される。なお、分岐部531毎にチューナ59を設けてもよい。また、貫通孔Tがマイクロ波を通過可能であり、発泡性粒子が進入しない大きさであれば、蓋部材532は必須ではない。
なお、第1実施形態において、成形装置100の外部にマイクロ波Eが漏洩しないように移動側ユニット20および固定側ユニット30の各要素を形成する構成が好適である。例えば、移動側ユニット20および固定側ユニット30の各要素は、例えば、マイクロ波を遮断する材料で形成される。例えば、アルミ、銅または鉄等の各種の金属で移動側型部材211および固定側型部材311が形成される。ただし、移動側ユニット20および固定側ユニット30の全ての要素をマイクロ波を遮断する材料で形成することは必須ではない。なお、発生装置50の構成は、所定の周波数帯域のマイクロ波を発生可能であれば、図6の例示に限定されない。
なお、充填空間U内でマイクロ波Eによるスパークが発生することを防ぐ観点から、充填空間U内にマイクロ波Eを逃すための安全装置(アース)を設ける構成が好適である。
ここで、加熱蒸気で発泡性樹脂を融着させる比較例1(例えば特許文献1)では、加熱蒸気の過不足により融着不良になることで良好な発泡成形体が得られないという問題がある。それに対して、本発明に係る成形装置100によれば、マイクロ波により発泡性樹脂を融着させるから、比較例1の構成と比較して、融着不良が発生しにくいという利点がある。
また、移動側ユニットと固定側ユニットの全体を収容する収容体に、当該収容体の外部に設けられた発生装置からマイクロ波を供給する比較例2(例えば特許文献2)では、成形装置が大型化するという問題がある。それに対して、固定側ユニット30の内部空間R2に発生装置50を内蔵し、内部空間R2から発泡性樹脂にマイクロ波を照射する第1実施形態の成形装置100によれば、比較例2と比較して、発泡性粒子をマイクロ波で融着させるための成形装置100を小型化することが可能である。
さらに比較例2では、発泡性樹脂にマイクロ波を照射するのには、移動側ユニットと固定側ユニットとの全体の大部分にわたりマイクロ波を透過する材料で形成する必要がある。すなわち、移動側ユニットと固定側ユニットとをマイクロ波を遮断する金属で形成することは困難である。したがって、比較例2では、移動側ユニットおよび固定側ユニットを形成する材料が限定的になり、設計上の自由度が低い。それに対して、第1実施形態では、内部空間R2の内部に設けられる発生装置50の導波管53を介してマイクロ波Eが充填空間Uに伝送されるから、移動側ユニット20および固定側ユニット30の各要素を金属で形成することも可能である。ひいては、比較例2と比較して、移動側ユニット20と固定側ユニット30との設計の自由度が高いという利点がある。
また、比較例2では、移動側ユニットおよび固定側ユニットの外側でマイクロ波が発生されるので、マイクロ波が移動する方向が予測困難である。したがって、充填空間に充填された発泡性粒子に適切にマイクロ波を照射することは困難である。ひいては、融着むら等が発生し、成形体の品質にも誤差が生じるという問題がある。それに対して、第1実施形態によれば、内部空間R2内に設置された発生装置50の導波管53を介して適切に発泡性粒子にマイクロ波Eを照射できるという利点がある。
[第2実施形態]
第2実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図7は、第2実施形態に係る成形装置100の断面図である。第2実施形態に係る成形装置100は、第1実施形態に係る成形装置100に撹拌機構60を設けた構成である。撹拌機構60は、充填空間U内のマイクロ波を攪拌することで、充填空間U内における発泡性粒子の全体にわたりマイクロ波を照射するための機構である。撹拌機構60は、充填空間U毎に設けられる。
図8は、撹拌機構60を設置する位置を説明するための模式図である。図8に例示される通り、固定側型部材311および移動側型部材211の少なくとも一方の表面(充填空間Uとは反対側の表面)に設けられる。なお、図7では、移動側型部材211の表面に撹拌機構60が設けられる場合を例示する。ただし、固定側型部材311の表面や固定側型部材311および移動側型部材211の双方の表面に撹拌機構60が設けられる構成も採用される。
以下の説明では、固定側型部材311および移動側型部材211の表面のうち撹拌機構60が設けられる表面を設置面Fと表記する。また、固定側型部材311と移動側型部材211とを区別する必要がない場合には、単に型部材と表記する。
図8に例示される通り、設置面Fには、充填空間U内のマイクロ波が通過可能な通過部Dが設けられる。撹拌機構60は、充填空間Uから通過部Dを通過したマイクロ波の振幅および位相を変化させて、当該振幅および位相を変化させたマイクロ波を通過部Dから充填空間U内に出射することで、充填空間U内のマイクロ波(電磁界分布)を攪拌する。
具体的には、撹拌機構60は、筐体部601を具備する。筐体部601は、例えば、開口部Oを有する構造体であり、マイクロ波を通過させない金属で形成される。第2実施形態では、四角形の底を有する筒状の筐体部601を例示する。すなわち、筐体部601における底とは反対側が開口部Oである。筐体部601の開口部Oの内側に通過部Dが位置するように、設置面Fに筐体部601が設けられる。通過部Dを覆うように、筐体部601が設置面Fに設けられるとも換言できる。マイクロ波は、充填空間Uから通過部Dを介して筐体部601の内部空間R3に入射する。
なお、筐体部601の内部空間R3と充填空間Uとが通過部Dを介してマイクロ波を相互に通過可能であり、マイクロ波を遮蔽することが可能であれば、筐体部601の形状は任意である。例えば、撹拌機構60が設けられる型部材の表面の全体を覆うように筐体部601を形成してもよい。撹拌機構60における筐体部601以外の具体的な構成については、後述する。
通過部Dは、充填空間U内の発泡性粒子が外部に漏れださずにマイクロ波を通過可能であれば多様な構成が採用される。例えば、以下の構成(1)-(6)が通過部Dとして採用される。図9-14は、図8のW方向(設置面Fに垂直な方向)から見たときの構成(1)-(6)に係る通過部Dの図である。
<構成(1)>
図9に例示される通り、構成(1)の通過部Dは、長尺状のスリットD1(第1スリットの例示)を含む。スリットD1は、設置面Fを貫通する。すなわち、充填空間Uと筐体部601の内部空間R3とはスリットD1を介して連通する。スリットD1が延在する方向は、発生装置50が出射するマイクロ波における電界の振動の方向に対して交差する方向である。図9では、発生装置50が出射するマイクロ波の電界の振動の方向に直交する方向にスリットD1が延在する場合を例示する。
スリットD1の長さLは、マイクロ波を適切に通過させる観点からは、例えば発生装置50が出射するマイクロ波の波長の1/2以上である。スリットD1の幅Wは、充填空間U内の発泡性粒子がスリットD1を介して内部空間R3内に漏出することを防ぐ観点から、例えば発泡性粒子の直径よりも小さく設定する。
<構成(2)>
図10に例示される通り、構成(2)の通過部Dは、相互に間隔Tをあけて配置される2つ以上のスリットD1を含む。間隔Tは、スリットD1間における電磁結合を抑制し、スリットD1における熱損失を低減する観点から、例えばマイクロ波の波長の1/4以上に設定する。構成(2)では、構成(1)と比較して、効率的にマイクロ波を通過させることができる。
<構成(3)>
図11に例示される通り、構成(3)の通過部Dは、スリットD2(第1スリットの例示)である。ただし、構成(3)のスリットD2は、スリットD1とは、スリットD2が延在する方向が異なる。具体的には、構成(3)のスリットD2は、発生装置50が出射するマイクロ波の電界の振動の方向に対して90度以外の角度(例えば約45度)で傾斜する方向に延在する。
構成(3)を採用することで、通過部Dを介して入出射するマイクロ波の磁界の振動の向き(偏波)を変化させることが可能になる。すなわち、構成(3)の通過部D(スリットD2)は、ポラライザとして機能する。したがって、構成(1)と比較して、充填空間U内に複数軸の偏波のマイクロ波を発生することが可能になる。ひいては、充填空間U内の全体にわたりマイクロ波を照射できるという効果が顕著である。なお、スリットD2が傾斜する角度は、ポラライザとして機能することが可能であれば任意である。
<構成(4)>
図12に例示される通り、構成(4)の通過部Dは、相互に間隔Tをあけて配置される2つ以上のスリットD2を含む。間隔Tは、構成(2)の場合と同様に、スリットD2間における電磁結合を抑制し、スリットD2における熱損失を低減する観点から、例えばマイクロ波の波長の1/4以上に設定する。構成(4)では、構成(3)と比較して、効率的にマイクロ波を通過させることができる。
<構成(5)>
図13に例示される通り、構成(5)の通過部Dは、マイクロ波を透過する透過部材D3である。透過部材D3の材料は、任意であるが、例えば、マイクロ波の損失の度合い(低誘電正接)が小さいガラス、石英、セラミックまたはテフロン(登録商標)などが好適である。設置面Fに貫通孔を形成し、当該貫通孔を塞ぐように透過部材を設ける。透過部材D3の大きさは、任意である。
構成(5)では、構成(1)-(4)と比較して、効率的にマイクロ波を通過させることができる。一方で、構成(1)-(4)では、透過部材D3が不要であるから、構成(5)と比較して、通過部Dの構成が簡素化できる。
<構成(6)>
図14に例示される通り、構成(6)の通過部Dは、構成(5)の透過部材D3に加えて、ポラライザBを具備する。ポラライザBは、長尺状の部材であり、マイクロ波を反射する金属で形成される。例えば、透過部材D3の表面(充填空間U側の表面または撹拌機構60側の表面)にポラライザBが設置される。具体的には、ポラライザBは、発生装置50が出射するマイクロ波の電界の振動の方向に対して90度以外の角度(例えば約45度)で傾斜する方向に延在するように形成される。なお、ポラライザBが傾斜する角度は、ポラライザとしての機能が発揮可能であれば任意である。
構成(6)を採用することで、通過部D(透過部材D3)を介して入出射するマイクロ波の電界の振動の向き(偏波)を変化させることが可能になる。したがって、構成(5)と比較して、充填空間U内に複数軸の偏波のマイクロ波を発生することが可能になる。ひいては、充填空間U内の全体にわたりマイクロ波を照射できるという効果が顕著である。
ただし、通過部Dの構成は、筐体部601の内部空間R3と充填空間Uとが通過部Dを介してマイクロ波を相互に通過可能であり、充填空間U内の発泡性粒子が漏出しなければ、構成(1)-(6)には限定されない。
撹拌機構60は、通過部Dを通過したマイクロ波の振幅および位相を変化させることが可能であれば多様な構成が採用される。例えば、以下の構成(A)-(G)が例示される。図15-図21は、構成(A)-(G)の模式的な斜視図である。なお、撹拌機構60によるマイクロ波の攪拌は、後述する制御部により制御される。
<構成(A)>
図15に例示される通り、構成(A)の撹拌機構60は、筐体部601における内部空間R3に、回転軸を中心に回転する複数の羽根部を含むスクリュー部602を有する。回転するスクリュー部602により、マイクロ波の振幅および位相が変化する。スクリュー部602の具体的な構成(例えば羽根部の形状や回転軸の位置等)は、マイクロ波の振幅および位相が変化するように適宜に設定される。
<構成(B)>
図16に例示される通り、構成(B)の撹拌機構60は、筐体部601自体が伸縮可能な構成である。筐体部601を伸縮させる構成は、任意である。例えば、双方の端部が開口する筒状の第1部材611と、一方の端部のみが開口し、底がある筒状の第2部材612とで筐体部601を構成する。第1部材611における一方の開口側を通過部Dが内側に位置するように設置面Fに設置し、当該第1部材611における他方の開口側が第2部材612の内側に挿入される。第2部材612は、内側に第1部材611が挿入された状態で、通過部Dに近づく方向および通過部Dから離れる方向の双方に移動可能である。筐体部601が伸縮することで、マイクロ波の振幅および位相が変化する。
<構成(C)>
図17に例示される通り、構成(C)の撹拌機構60は、筐体部601における内部空間R3を移動可能な金属製の軸部材603を具備する。軸部材603の本数は任意であるが、図17では軸部材603が2本の場合を例示する。一方の軸部材603は、例えば、内部空間R3内において発生装置50から出射されるマイクロ波の電界の振動の向きと同じ方向に沿うように配置され、当該電界の振動の向きと同じ方向に沿って移動可能である。他方の軸部材603は、例えば、内部空間R3内において発生装置50から出射されるマイクロ波の磁界の振動の向きと同じ方向に沿うように配置され、当該磁界の振動の向きと同じ方向に沿って移動可能である。軸部材603が移動することで、マイクロ波の振幅および位相が変化する。ただし、軸部材603の本数および配置される向きは、以上の例示には限定されない。
<構成(D)>
図18に例示される通り、構成(D)の撹拌機構60は、筐体部601が回転可能な構成である。具体的には、筐体部601の開口部Oの中心を通る軸を中心として回転する。筐体部601を回転させるための具体的な構成は任意である。なお、構成(D)の撹拌機構60は、ポラライザとしての機能も有する。筐体部601が回転することで、マイクロ波の振幅および位相が変化する。
<構成(E)>
図19に例示される通り、構成(E)の撹拌機構60は、筐体部601における開口部Oを開閉可能な構成である。撹拌機構60は、例えば開口部Oを開閉するための板状の遮蔽部604を具備する。遮蔽部604は、例えば、金属製であり、筐体部601における開口部O側の端部と設置面Fとの間に位置するように設けられる。例えば、発生装置50から出射されるマイクロ波の磁界の振動の向きと同じ方向に沿って移動可能な2つの遮蔽部604Aと、発生装置50から出射されるマイクロ波の電界の振動の向きと同じ方向に沿って移動可能な2つの遮蔽部604Bとが設置される。2つの遮蔽部604Aは、開口部Oを挟んで相互に反対側に位置し、2つの遮蔽部604Bも同様に、開口部Oを挟んで相互に反対側に位置する。各遮蔽部604Aおよび各遮蔽部604Bは、開口部Oを開く方向と閉じる方向とにそれぞれ移動可能である。なお、遮蔽部604Aおよび遮蔽部604Bの何れか一方のみを設けてもよい。筐体部601の開口部Oが開閉することで、マイクロ波の振幅および位相が変化する。ただし、遮蔽部604の構成は、以上の例示には限定されない。
<構成(F)>
図20に例示される通り、構成(F)の撹拌機構60は、筐体部601の内部空間R3に設置されるプローブ605を具備する。構成(F)では、プローブ605に接続する負荷のインピーダンスを変化させる。プローブ605に接続する負荷のインピーダンスが変化することで、プローブ605の長さが伸縮するように機能する。その結果、マイクロ波の振幅および位相が変化する。
プローブ605に接続する負荷のインピーダンスを変化させる構成は、任意であるが、例えば以下の構成(F1)-(F3)が採用される。
構成(F1)は、相異なるインピーダンスを持つ複数の負荷の何れかを択一的にプローブ605に接続する構成である。負荷の切り替えはスイッチで行われる。
構成(F2)は、位相器(例えばラインストレッチャー)を用いた位相制御によりインピーダンスを変化させる構成である。ラインストレッチャーの伸縮によりラインストレッチャーを伝達するマイクロ波の位相を変化させることで、負荷のインピーダンスを変化させる。なお、位相器は、デジタル式の位相器を用いてもよく、位相の変化の方式は問わない。
構成(F3)は、電圧制御によりインピーダンスが変化する素子を用いる構成である。
具体的には、素子に印加する電圧を変化させることで、プローブ605に接続される負荷のインピーダンスを変化させる。電圧制御によりインピーダンスが変化する素子には、例えば、可変(バリアブル)コンデンサ(キャパシタ)やPINダイオード等が例示される。
<構成(G)>
図21に例示される通り、構成(G)の撹拌機構60は、線状の導体を螺旋状にしたコイル606(ヘリカルアンテナ)を具備する。筐体部601の内部空間R3にコイル606が設置される。コイル606をモータ607で回転することで、コイル606に入出射するマイクロ波の位相を等価的に制御することが可能になる。コイル606が回転することで、マイクロ波の振幅および位相が変化する。
なお、コイル606が円偏波特性(入出射するマイクロ波の振動する向きが時間的に回転する特性)を持つ構成も採用される。例えば、コイル606を「Balanis, Constantine A. Antenna theory: analysis and design. John wiley & sons, 2015.」に記載の設計にすることで、コイル606が円偏波特性を持たせることが可能になる。したがって、コイル606に入出射したマイクロ波が円偏波特性を持つことになる。そうすると、充填空間U内においても複数軸の偏波を持つマイクロ波を励起することが可能になる。以上の通り、構成(G)の撹拌機構60は、ポラライザとしての機能も有する。
構成(F)では、インピーダンスを変化させるにあたり、膨大な回数スイッチを切り換える必要があり、スイッチが摩耗しやすい。したがって、撹拌機構60の短寿命化が想定される。それに対して、構成(G)では、構成(F)と比較して、容易に実装でき、かつ、撹拌機構60の長寿命化も期待できる。
撹拌機構60により振幅および位相が変化されたマイクロ波は、通過部Dを介して充填空間U内に出射される。なお、撹拌機構60の構成は、通過部Dから入射したマイクロ波の振幅および位相を変化させることが可能であれば、構成(A)-(G)には限定されない。撹拌機構60を駆動するための駆動装置(図示略)が成型措置には適宜に搭載される。
第2実施形態の成形装置100は、撹拌機構60を制御するための制御部70を具備する。制御部70は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の単数または複数の処理回路を含むコンピュータシステムであり、撹拌機構60を統括的に制御する。
ここで、充填空間Uにおいて発泡性粒子の加熱が進行して水分が減少した部分では、マイクロ波の損失が減少する。マイクロ波の損失が減少すると、当然に反射波も減少する。言い換えれば、反射波が低減するように、撹拌機構60を制御すれば、充填空間U内の発泡性粒子の全体にわたり適切に加熱が進行していると推定できる。
以上の事情を考慮して、制御部70は、反射が低減するように撹拌機構60を制御する。具体的には、制御部70は、反射が低減(すなわち反射波の電力が低下)するように撹拌機構60が撹拌する状態(以下「撹拌状態」という)を変化させる。撹拌状態とは、マイクロ波の振幅および位相の状態とも換言できる。
図22は、制御部70の機能を説明する構成図である。図22に例示される通り、制御部70は、パワーモニタ57が検出する反射波の情報(以下「反射波情報」という)Pに応じて撹拌機構60を制御する。
なお、構成(A)-(F)の何れを採用するかに応じて撹拌状態を変化させる態様は相違する。例えば、構成(A)の場合にはスクリュー部602の回転速度やスクリュー部602の羽根部の位置を変化させることで、構成(B)の場合には伸縮の度合いや速度を変化させることで、構成(C)の場合には軸部材603の移動速度や軸部材603の位置を変化させることで、構成(D)の場合には角速度や回転角度を変化させることで、構成(E)の場合には開口の度合いや速度を変化させることで、構成(F)の場合には、負荷のインピーダンスを変化させることで、構成(E)の場合にはコイルの角速度や回転角度を変化させることで、それぞれ撹拌状態を変化させることが可能である。
以下、制御部70が撹拌機構60を制御する方法(a)および方法(b)について例示する。
<方法(a)>
方法(a)では、パワーモニタ57が検出する反射波情報Pとして、反射波の電力を例示する。
図23は、方法(a)に係る制御部70が実行する処理の一例を示すフローチャートである。図23の処理は、例えば、発生装置50の稼働開始(加熱開始)を契機として開始される。図23の処理が開始すると、まず、制御部70は、パワーモニタ57から反射波の電力(反射波情報P)を取得する(Sa1)。なお、反射波の電力の取得は所定の間隔で繰り返し取得される。
次に、制御部70は、反射波の電力が低下しているか判定する(Sa2)。例えば、制御部70は、ステップSa1において取得した反射波の電力と、過去に取得した反射波の電力とを比較する。なお、過去に取得した反射波の電力とは、例えば、ステップSa1の直前(1つ前の時点)で取得した反射波の電力や、所定の時間にわたり過去の時点(例えば数秒~数分前の時点)で取得した反射波の電力が想定される。
反射波の電力が低下してない(すなわち反射波の電力が維持または増加している)と判定された場合(Sa2;NO)、加熱が適切に進行していないと推定できる。すなわち、現在の撹拌機構60の撹拌状態が適切でないと推定できる。したがって、制御部70は、撹拌状態を変化させる(Sa4)。そして、撹拌状態を変化させた後に、ステップSa1の処理に戻る。
一方で、反射波の電力が低下していると判定された場合(Sa2;YES)、加熱が適切に進行していると推定できる。すなわち、撹拌機構60の撹拌状態が適切であると推定できる。その場合、制御部70は、加熱開始から所定の時間(例えば充填空間Uの全体にわたり加熱が終了したと推定できる時間)が経過しているか否かを判定する(Sa3)。
加熱開始から所定の時間経過している場合(Sa3;YES)、図23の処理を終了する。一方で、加熱開始から所定の時間経過が経過していない場合(Sa3;NO)、ステップSa1の処理に戻る。
なお、ステップSa2において、例えば、反射波の電力の低下率(変化率)が所定の閾値を上回るか否かを判定することや、反射波の電力の値が所定の閾値を下回っているか否かを判定することで反射波の電力が低下しているか否かを判定してもよい。また、ステップSa3において、充填空間Uの全体にわたり加熱が終了したか否かを判定するための具体的な処理は、以上の例示には限定されない。以上の説明から理解される通り、方法(a)において制御部70が撹拌機構60を制御する方法は、以上の例示には限定されない。方法(a)は、構成(A)-(F)の何れにも採用され得る。
<方法(b)>
方法(b)では、制御部70は、パワーモニタ57から取得する反射波情報Pとして、反射波の電力および位相を利用する。方法(b)は、例えば構成(F)において採用される。
図24は、方法(b)に係る制御部70が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、構成(F)では、負荷について事前に任意のインピーダンスに設定される。図24の処理は、例えば、発生装置50の稼働開始(加熱開始)を契機として開始される。
図24の処理が開始すると、制御部70は、負荷のインピーダンスを設定する(Sb1)。具体的には、制御部70は、負荷のインピーダンスが、反射が低減するインピーダンスになるように設定する。図25は、Sb1の処理の詳細なフローチャートである。
まず、制御部70は、パワーモニタ57から反射波の電力および位相(反射波情報Pの例示)を取得する(Sb11)。なお、ステップSb1においては、反射波の電力に代えて、反射波の振幅を利用してもよい。制御部70は、相異なる複数(例えば3個)のインピーダンスについて反射波の電力および位相を取得するまでステップSb11を繰り返す(Sb12;NO)。
複数のインピーダンスについて反射波の電力および位相の取得が完了すると(Sb12;YES)、制御部70は、複数のインピーダンスについて特定した反射波の電力および位相から、反射レベルと、負荷のインピーダンスとの関係(以下「反射特性」という)を特定する(Sb13)。なお、反射特性の推定には、公知の任意の技術(例えば“Receiver-Feedback-Free Cavity Resonant Wireless Power Transfer Based on In Situ S-Parameter Estimation Using a Parasitic Antenna”, IEEE ANTENNAS AND WIRELESS PROPAGATION LETTERS, VOL. 20, NO. 10, OCTOBER 2021)が採用される。
そして、制御部70は、ステップSb13において特定した反射特性から、負荷のインピーダンスについて反射が低減するインピーダンスを特定する(Sb14)。例えば、反射特性において反射レベルが最小となるインピーダンスが特定される。そして、負荷のインピーダンスが特定されたインピーダンスに設定される。すなわち、撹拌状態が変化する。
ステップSb1の処理が終了すると、方法(a)と同様のステップSa1-Sa3の処理が実行される。ただし、反射波の電力が低下してないと判定された場合(Sa2;NO)には、ステップSb1の処理に戻る。すなわち、再度、負荷のインピーダンスが設定される。
なお、方法(b)は、構成(F)以外においても適用し得る。例えば、構成(G)については、相異なる複数の回転角でコイルを固定した場合において反射波の電力および位相を取得して、反射特性を推定することも可能である。
以上の説明から理解される通り、撹拌機構60およびチューナ59は、反射波情報Pに応じて制御される。反射波情報Pとしては、反射波の電力、振幅および位相のうち少なくとも1つが例示される。ただし、撹拌機構60を制御する方法は、方法(a)および方法(b)には限定されない。
第2実施形態においては、撹拌機構60が反射波情報Pに応じて制御されるから、反射波を低減しつつ、充填空間U内に充填された発泡性粒子に十分にマイクロ波を照射することが可能になる。
[第3実施形態]
図26は、第3実施形態に係る制御部70の機能を表す構成図である。
ここで、反射波は充填空間U内で消費されることなく、アイソレータ55において無駄な熱エネルギーとして損失してしまう。そこで、第3実施形態の制御部70は、撹拌機構60を制御した後に残存する反射波をチューナ59で制御することで、反射波をさらに低減する。すなわち、制御部70は、撹拌機構60の制御に加えて、パワーモニタ57が検出する反射波情報Pに応じてチューナ59も制御する。
具体的には、制御部70は、チューナ59におけるインピーダンスを反射が低減するインピーダンスに設定する。制御部70がインピーダンスを特定する方法は任意である。例えば、パワーモニタ57が検出する反射波の電力(反射波情報Pの例示)に応じて、掃引または確率的手法に基づき反射が低減するインピーダンスを特定(探索)する方法や、パワーモニタ57が検出する反射波の電力および位相(反射波情報Pの例示)に応じて、反射が低減するインピーダンスを一意的に特定(探索)する方法が採用される。そして、特定されたインピーダンスがチューナ59において設定される。
なお、反射が低減するインピーダンスを一意的に特定する方法については、任意の「反射波の電力および位相」に対し、チューナ59が反射を低減できるインピーダンスを実験やシミュレーション等により事前に求めることで、インピーダンスと反射特性との関係を特定しておく。そして、インピーダンスと反射特性と関係においてパワーモニタ57で検出された「反射波の電力および位相」に対応するインピーダンスが、反射が低減するインピーダンスとして一意的に特定される。
第3実施形態では、撹拌機構60に加えてチューナ59も制御されるから、さらに反射波を低減することが可能になる。なお、撹拌機構60の制御を前提とせずに、チューナ59のみを制御する構成も採用される。
[第4実施形態]
第4実施形態の型部材は、スリット(第2スリットの例示)を有する。なお、第4実施形態の構成は、第1実施形態から第3実施形態の何れの成形装置100に設けてもよい。
図27は、第4実施形態に係る型部材(211,311)の模式図である。スリット(貫通孔)は、型部材における任意の角部J(隅角部)に設けられる。角部Jは、型部材(211,311)における相異なる面同士が交差する状態で接続する部分である。
ここで、電磁気学的には、導体における表面には、当該表面に対して垂直な電界しか励起しない。したがって、型部材の角部Jには電界が生じにくいという事情がある。すなわち角部Jにおいてマイクロ波が撹拌されにくいとい問題がある。
そこで、第4実施形態では、角部Jに設けたスリットにおいて電界をトラップする(スリットから外部に漏出させずに当該スリットに近づける)ことで、角部Jに電界を励起させる。ひいては、角部Jにおいてもマイクロ波を十分に撹拌することが可能になる。
スリットには多様な構成が採用される。図28は、スリットの構成を例示する模式図である。図28には、構成(I)-(VI)に係るスリット(白色の長尺状の部分)が示されている。図28では、2つの交差(直行)する面F1,F2が接続された角部Jが示されている。
図28におけるスリットの長さI(長手方向の長さ)は、マイクロ波がスリットから漏出することを防ぐ観点から、例えば、発生装置50が出射するマイクロ波の波長の1/4以下(好ましくは1/8以下)に設定する。スリットの幅(短手方向の長さ)は、発泡性粒子がスリットから漏出することを防ぐ観点から、発泡性粒子の直径よりも小さく設定する。
構成(I)は、角部Jにおける辺(すなわち2つの面が接続する境界線)に沿って設けられるスリット71を含む。
構成(II)は、角部Jにおける辺に直交するように設けられるスリット72を含む。
構成(III)は、相互に直交するように設けられるスリット71とスリット72と含む。
構成(IV)は、角部Jにおける辺に対して所定の角度(90度未満の角度)をなすように設けられるスリット73を含む。例えば、角部Jにおける辺に対して約45度の角度をなすようにスリット73が設けられる。さらに、相互に交差し、かつ、角部Jにおける辺に対して所定の角度をなすように2つのスリット73を設けてもよい。
構成(V)は、スリット71およびスリット72に加えて、スリット74およびスリット75を含む。なお、スリット71およびスリット72はそれぞれ別の位置に設ける(すなわち相互に直交しない位置に設ける)。スリット74は、スリット72の端部において当該スリット72に直交するように設けられる。スリット75は、スリット71の端部において当該スリット71に直交するように設けられる。
構成(IV)は、構成(V)と同様に、スリット71とスリット72とスリット74とスリット75とを含む。ただし、構成(IV)では、スリット71およびスリット72を相互に直交する位置に設けた上で、スリット74とスリット75とを設ける。
なお、構成(I)-(VI)において設けられる各スリットは、図28に例示される通り、面F1および面F2において角部Jにおける辺を中心として対称になるように設ける構成が好適である。特に、角部Jのうち三つの面が交差する角部(例えば図27に図示する角部Jz)においては、図28に例示される通り、角部Jzを中心として各スリットを設ける構成が好適である。ただし、角部に設けるスリットは、構成(I)-(VI)には限定されない。
第4実施形態の構成によれば、角部Jにおいてもマイクロ波を十分に撹拌することが可能になる。
<変形例>
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を適宜に併合することも可能である。
(1)前述の各形態において、移動側ユニット20は、内部空間R1が形成され、表面に移動側型部材211を含めば、具体的な構成は任意である。同様に、固定側ユニット30は、内部空間R2が形成され、表面に移動側型部材211を含めば、具体的な構成は任意である。
(2)前述の各形態では、固定側ユニット30の内部空間R2に発生装置50を配置する構成を例示したが、移動側ユニット20の内部空間R1に発生装置50を配置してもよい。また、移動側ユニット20の内部空間R1と固定側ユニット30の内部空間R2との双方に発生装置50を設けてもよい。
(3)前述の各形態において、移動側型部材211および固定側型部材311の形状は任意である。例えば、固定側ユニット30に向かって突出する凸部が形成された移動側型部材211と、移動側型部材211の凸部に対応する凹部を含む固定側型部材31とを採用してもよい。また、充填装置40は固定側ユニット30に設けてもよい。
(4)前述の各形態では、1個の発生装置50の導波管53を分岐させて各固定側型部材31に接続する構成を採用したが、充填空間U内の発泡性粒子にマイクロ波Eを照射する構成は以上の例示に限定されない。例えば、固定側型部材31毎に発生装置50を設けてもよい。内部空間R2(または内部空間R1)に設けられた発生装置50の導波管53を介して、発泡性粒子にマイクロ波Eを照射することが可能であれば、成形装置100の構成は任意である。
(5)前述の各形態において、充填空間U内に伝送されたマイクロ波Eを乱反射させるために、移動側型部材211および固定側型部材31の双方における充填空間U側の表面に微細な凹凸を形成する(微細加工)する構成が好適である。充填空間U内でマイクロ波Eが乱反射することで、発泡性粒子を効果的に融着させることが可能である。
(6)第2実施形態に係る撹拌機構は、成形装置の具体的な構成に関わらず独立した特徴として観念できる。具体的には、発泡性がある樹脂粒子を融着させた成形体を形成するための成形装置であって、前記樹脂粒子が充填される充填空間を有する型部材(成形型)と、前記充填空間内にマイクロ波を出射することで、前記樹脂粒子を加熱する発生装置と、前記充填空間内のマイクロ波を撹拌するための撹拌機構とを具備し、前記型部材には、前記マイクロ波が通過可能な通過部が形成され、前記撹拌機構は、前記通過部に接続され、前記充填空間から当該通過部を通過したマイクロ波の振幅および位相を変化させ、当該振幅および位相を変化させた後のマイクロ波を前記通過部から前記充填空間に出射する成形装置としても観念できる。以上の成形装置においては、発生装置の位置や型部材の具体的な構成は任意である。
以上の成形装置によれば、充填空間内におけるマイクロ波を撹拌する、という課題を解決できる。したがって、充填空間内の樹脂粒子の全体にわたりマイクロ波を適切に照射することができる。
(7)第2実施形態に係る撹拌装置の制御方法は、成形装置の具体的な構成に関わらず独立した特徴として観念できる。具体的には、制御方法は、発泡性がある樹脂粒子を融着させた成形体を形成するための装置であって、前記樹脂粒子が充填される充填空間を有する型部材と、前記充填空間内にマイクロ波を出射することで、前記樹脂粒子を加熱する発生装置と、前記充填空間内のマイクロ波を撹拌するための撹拌機構とを具備し、前記発生装置が反射波の情報(反射波情報)を検出するパワーモニタを含む成形装置において、前記パワーモニタが検出する反射波の情報に応じて撹拌機構を制御する制御方法としても観念できる。以上の制御方法においては、通過部の有無や撹拌機構の具体的な構成は任意である。
以上の制御方法によれば、反射波の情報に応じて適切に撹拌機構を制御する、という課題が解決できる。ひいては、充填空間内に充填された樹脂粒子の全体にわたりマイクロ波を適切に照射することが可能になる。
(8)第4実施形態に係るスリットを具備する成形装置は、成形装置におけるスリット以外の具体的な構成や撹拌機構の有無に関わらず独立した特徴として観念できる。具体的には、発泡性がある樹脂粒子を融着させた成形体を形成するための装置であって、前記樹脂粒子が充填される充填空間を有する型部材と、前記充填空間内にマイクロ波を出射することで、前記樹脂粒子を加熱する発生装置と、前記型部材の角部に設けられるスリット(第2スリット)とを具備する。
以上の成形装置によれば、型部材における角部においてもマイクロ波を適切に照射できる、という課題を解決できる。
20 :移動側ユニット
23 :移動側プレート
30 :固定側ユニット
31 :固定側型部材
33 :固定側プレート
40 :充填装置
50 :発生装置
51 :発振器
53 :導波管
55 :アイソレータ
57 :パワーモニタ
59 :チューナ
60 :撹拌機構
70 :制御部
71 :スリット
72 :スリット
73 :スリット
74 :スリット
75 :スリット
100 :成形装置
211 :移動側型部材
213 :支持板
215 :フレーム部
217 :裏板部
311 :固定側型部材
313 :支持板
315 :フレーム部
317 :裏板部
531 :分岐部
532 :蓋部材
601 :筐体部
602 :スクリュー部
603 :軸部材
604 :遮蔽部
605 :プローブ
606 :コイル
607 :モータ
611 :第1部材
612 :第2部材
D :通過部
E :マイクロ波
F :設置面
G :凹部
H :貫通孔
J :角部
K1 :支持部材
K2 :支持部材
N1 :突出部
N2 :突出部
P :反射波情報
R1 :内部空間
R2 :内部空間
R3 :内部空間
S :スペーサー
T :貫通孔
U :充填空間

Claims (15)

  1. 発泡性がある樹脂粒子を融着させた成形体を形成するための成形装置であって、
    内部が中空であり、表面に移動側型部材を含む移動側ユニットと、
    内部が中空であり、表面のうち前記移動側型部材と対向する位置に固定側型部材を含む固定側ユニットと、
    前記固定側型部材と前記移動側型部材との間に形成される充填空間に前記樹脂粒子を充填する充填装置と、
    前記固定側ユニットの内部空間に設けられ、マイクロ波を前記充填空間内に出射することで、前記樹脂粒子を加熱する発生装置とを具備し、
    前記発生装置は、前記マイクロ波を発生する発振器と、当該マイクロ波を前記充填空間に伝送する導波管とを含む
    成形装置。
  2. 前記固定側型部材には貫通孔が形成され、
    前記貫通孔における前記移動側型部材側の開口は、前記マイクロ波を透過させる材料で形成された蓋部材により閉塞され、
    前記導波管における前記発振器とは反対側の端部は、前記移動側型部材とは反対側から前記貫通孔に接続される
    請求項1の成形装置。
  3. 前記固定側型部材は、複数の固定側型部材を含み、
    前記移動側型部材は、前記複数の固定側型部材のそれぞれに対向する位置に設けられる複数の移動側型部材を含み、
    前記導波管は、前記各固定側型部材における前記貫通孔に接続するように分岐する
    請求項2の成形装置。
  4. 発泡性がある樹脂粒子を融着させた成形体を形成するための成形装置であって、
    内部が中空であり、表面に移動側型部材を含む移動側ユニットと、
    内部が中空であり、表面のうち前記移動側型部材と対向する位置に固定側型部材を含む固定側ユニットと、
    前記固定側型部材と前記移動側型部材との間に形成される充填空間に前記樹脂粒子を充填する充填装置と、
    前記移動側ユニットの内部空間に設けられ、マイクロ波により前記充填空間内の前記樹脂粒子を加熱する発生装置とを具備し、
    前記発生装置は、前記マイクロ波を発生する発振器と、当該マイクロ波を前記充填空間に伝送する導波管とを含む
    成形装置。
  5. 前記移動側型部材および前記固定側型部材の少なくとも一方に設けられ、前記マイクロ波が通過可能な通過部と、
    前記通過部に接続され、前記充填空間から当該通過部を通過したマイクロ波の振幅および位相を変化させ、当該振幅および位相を変化させた後のマイクロ波を前記通過部から前記充填空間に出射する拌機機構とを具備する
    請求項1から請求項4の何れかの成形装置。
  6. 前記通過部は、1つ以上の第1スリットを含み、
    前記第1スリットの幅は、前記樹脂粒子の直径よりも小さく、
    前記第1スリットが延在する方向は、前記発生装置が出射するマイクロ波における電界の振動の方向に対して交差する方向である
    請求項5の成形装置。
  7. 前記電界の振動の方向に対して交差する方向とは、前記電界の振動の方向に対して90度以外の角度で交差する方向である
    請求項6の成形装置。
  8. 前記通過部は、複数の第1スリットを含み、
    前記複数の第1スリットは、前記発生装置が出射するマイクロ波の波長の1/4以上の間隔を相互にあけて配置される
    請求項6または請求項7の成形装置。
  9. 前記第1スリットの長さは、前記発生装置が出射するマイクロ波の波長の1/2以上である
    請求項6から請求項8の何れかの成形装置。
  10. 前記通過部は、前記マイクロ波を透過する透過部材を含む
    請求項5の成形装置。
  11. 前記撹拌装置を制御する制御部を具備し、
    前記発生装置は、反射波の情報を検出するパワーモニタを含み、
    前記制御部は、前記パワーモニタが検出する反射波の情報に応じて撹拌機構を制御する
    請求項5から請求項10の何れかの成形装置。
  12. 前記反射波の情報は、反射波の電力、反射波の振幅および反射波の位相のうち1つ以上を含む
    請求項11の成形装置。
  13. 前記制御部は、反射波が低減するように前記撹拌装置を制御する
    請求項11または請求項12の成形装置。
  14. 前記移動側型部材および前記固定側型部材の少なくとも一方の角部に設けられる第2スリットを具備し、
    前記第2スリットの幅は、前記樹脂粒子の直径よりも小さく、
    前記第2スリットの長さは、前記発生装置が出射するマイクロ波の波長の1/4以下である
    請求項1から請求項13の成形装置。
  15. 請求項5の成形装置における撹拌機構を制御する方法であって、
    反射波の情報に応じて撹拌機構を制御する
    制御方法。
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