JP2023125328A - 位置姿勢推定システム、及び、位置姿勢推定方法 - Google Patents

位置姿勢推定システム、及び、位置姿勢推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 マーカによる位置姿勢推定における誤検知を排除する。【解決手段】 対象物の外面に設置したマーカを撮像して画像を出力する撮像部と、前記画像から前記マーカの各辺の長さを検出するマーカ特徴量検出部と、前記撮像部と前記マーカの相対位置関係を判定する相対位置関係判定部と、前記相対位置関係から前記マーカの位置姿勢を推定するマーカ位置姿勢推定部と、前記マーカの位置姿勢に基づいて前記対象物の位置姿勢を推定する対象物位置姿勢推定部と、推定した前記対象物の位置姿勢を全体座標系に統合する全体座標系統合部と、を備える位置姿勢推定装置。【選択図】 図2

Description

本発明は、マーカを撮像することで、マーカが設置された対象物の位置と姿勢を推定する、位置姿勢推定システム、及び、位置姿勢推定方法に関する。
人間の立ち入りが困難な高放射線量下などの過酷環境においては、人間に代わって遠隔作業装置が各種の作業を実施する。この種の遠隔作業装置に適切な位置姿勢で作業させるには、オペレータが遠隔操作する場合でも、自律制御される場合でも、遠隔作業装置や作業対象物の現状の位置姿勢を正確に把握する必要がある。
しかしながら、遠隔作業装置や作業対象物の位置姿勢を検出できる一般的なセンサに高い放射線耐性を持たせることは技術的または費用的に困難であるため、遠隔作業装置や作業対象物の外面に設置したマーカを、放射線耐性が比較的高くかつ比較的安価なデジタルカメラで撮像することで、デジタルカメラの位置姿勢に対する遠隔作業装置や作業対象粒の相対的な位置姿勢を推定する技術が提案されている。
例えば、特許文献1の要約書には、課題として「対象物との位置姿勢関係が既知のマーカの撮影画像を解析して、当該マーカと撮影手段との相対的位置姿勢関係を求め当該対象物の位置及び姿勢を求める場合に、広い領域で測定可能な3次元位置姿勢センシング装置を提供する。」と記載されており、解決手段として「本発明は、画像撮影部1で撮影した複数のコードマーカ5のうちの1つのコードマーカ5の画像を解析して、該コードマーカ5と上記画像撮影部1の相対的位置姿勢関係を求め、上記対象物4と上記画像撮影部1との3次元位置姿勢関係を求める3次元位置姿勢センシング装置に関する。」と記載されている。すなわち、特許文献1の3次元位置姿勢センシング装置では、複数のコードマーカ(同文献の図1、2など参照)のうちの1つのコードマーカの画像を解析することで対象物と画像撮像部間の相対的な3次元位置姿勢関係を求めていた(同文献の図7など参照)。
特開2002-90118号公報
ここで、マーカを利用する場合の一般的な問題として、マーカ特徴量の検出時に誤差が生じることがある。例えば、本来マーカ画像の一部であるべき画素がマーカでないと誤って判定されたり、本来マーカ画像でないはずの画素がマーカの一部と誤って判定されたりした結果、検出したマーカ特徴量が本来あるべきマーカ特徴量と異なってしまう場合がある。
そのような誤ったマーカ特徴量が検出された場合には、特許文献1の3次元位置姿勢センシング装置では、正確なマーカ特徴量から求まるはずの適切な3次元位置姿勢関係ではなく、誤ったマーカ特徴量に基づく不適切な3次元位置姿勢関係を、対象物と画像撮像部の相対的な3次元位置姿勢関係と誤解する可能性があった。
しかしながら、特許文献1の3次元位置姿勢センシング装置では、マーカ特徴量の正誤を判定できないため、マーカ特徴量に基づいて求めた3次元位置姿勢関係の適否を判定することもできなかった。このため、特許文献1の技術で求めた3次元位置姿勢関係に依拠して遠隔作業装置を操作すると、遠隔作業装置が不適切な位置姿勢で作業を実施する可能性があった。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、マーカ特徴量の正誤を判定することで、適切なマーカ画像に基づいては対象物の位置姿勢を推定する一方、不適なマーカ画像に基づいては対象物の位置姿勢を推定しない、位置姿勢推定システム、及び、位置姿勢推定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の位置姿勢推定装置は、対象物の外面に設置したマーカを撮像して画像を出力する撮像部と、前記画像から前記マーカの各辺の長さを検出するマーカ特徴量検出部と、前記撮像部と前記マーカの相対位置関係を判定する相対位置関係判定部と、前記相対位置関係から前記マーカの位置姿勢を推定するマーカ位置姿勢推定部と、前記マーカの位置姿勢に基づいて前記対象物の位置姿勢を推定する対象物位置姿勢推定部と、推定した前記対象物の位置姿勢を全体座標系に統合する全体座標系統合部と、を備える位置姿勢推定装置とした。
本発明の位置姿勢推定システム、及び、位置姿勢推定方法によれば、マーカ特徴量の正誤を判定することで、適切なマーカ画像に基づいては対象物の位置姿勢を推定する一方、不適なマーカ画像に基づいては対象物の位置姿勢を推定しないため、対象物の位置姿勢の誤推定を回避することができる。
実施例1の位置姿勢推定システムの概略構成図。 実施例1の位置姿勢推定システムの機能ブロック図。 あるマーカ画像に対応する2種類のマーカ座標を示す概略図。 実施例1の位置姿勢推定方法を説明するフローチャート。 実施例2のマーカと補助マーカの関係を説明する概略図。 実施例2のマーカ位置姿勢の適否判断方法を説明するフローチャート。
以下、図面を参照し、本発明の位置姿勢推定システムの実施例を説明する。
図1は、実施例1の位置姿勢推定システム100と、同システムによって現状の位置姿勢が推定される遠隔作業装置(以下、「移動体1」と称する)の概略構成図である。ここに示すように、本実施例の位置姿勢推定システム100は、撮像装置2と、中継装置3と、演算装置4を有している。以下、各装置の詳細を順次説明する。
移動体1は、例えば、人間の立ち入りが困難な高放射線量下などの過酷環境で使用される遠隔操作可能なロボットであり、その外面の一部にマーカMが設置されている。マーカMは、例えば、正方形のARマーカであるが、上辺と下辺が平行かつ同じ長さであるか、左辺と右辺が平行かつ同じ長さであれば、他形状のARマーカであっても良い。また、マーカMは、移動体1に貼り付けられたステッカーであっても良いし、移動体1に塗装や刻印されたものであっても構わない。また、図1では、1台の移動体1を例示しているが、同じ場所で複数の移動体1を連携動作させても良く、その場合は、それらの移動体1の位置姿勢を個々に推定できるように、各々の移動体1にユニークなマーカMを設置すれば良い。
マーカMには、図示するようなマーカ座標系(X、Y、Z)が設定されている。マーカ座標系の縦軸Xは、マーカMの左辺および右辺と平行な方向(マーカMに対して上向き)に設定されており、横軸Yは、マーカMの上辺および下辺と平行な方向(マーカMに対して左向き)に設定されており、法線軸Zは、縦軸Xおよび横軸Yと直交する方向(マーカMの表面方向)に設定されている。
また、移動体1には、図示するような移動体座標系(X、Y、Z)が設定されている。マーカ座標系と移動体座標系の位置姿勢の関係は固定されているため、マーカ座標系の位置姿勢を特定できれば、移動体座標系の位置姿勢(すなわち、移動体1の位置姿勢)を演算して求めることができる。
撮像装置2は、移動体1を撮像可能な位置に配置したデジタルカメラであり、撮像した画像Pを外部に送信する。なお、撮像装置2には、図示するようなカメラ座標系(X、Y、Z)が設定されており、Zは撮像装置2の光軸方向(撮像方向)を示している。
中継装置3は、撮像装置2から演算装置4への画像Pの送信や、演算装置4から移動体1への動作指令Cの送信などを中継する通信装置である。装置間の通信には無線通信を利用しても良いし、有線通信を利用しても良い。なお、移動体1、撮像装置2、演算装置4の間で直接通信可能な場合は、中継装置3を省略しても良い。
演算装置4は、画像P中のマーカ特徴量を基にして移動体1の現状の位置姿勢を推定するとともに、推定した位置姿勢を基に所望の動作シーケンスを規定する動作指令Cを生成して移動体1に送信する。この演算装置4は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)等のハードウエアを備えた、パソコン等のコンピュータであり、CPUが所定のプログラムを実行することで、後述する、マーカ特徴量検出部41や相対位置関係判定部42等の各機能部を実現する。なお、演算装置4には、液晶ディスプレイ等の表示装置と、マウス、キーボード(図示せず)等の入力装置が接続されており、オペレータは、画面を見ながら演算装置4を操作することができる。
<位置姿勢推定システムの機能ブロック図>
次に、図2の機能ブロック図を用いて、本実施例の位置姿勢推定システム100と移動体1の機能部の詳細を説明する。なお、図2では、装置間の通信を中継するにすぎない中継装置3の図示を省略している。
移動体1は、上記したマーカMに加え、可動部11と通信部12を備えている。可動部11は、動作指令Cに基づいて制御される、作業用のマニピュレータや、移動用の駆動機構などである。通信部12は、中継装置3を介して演算装置4から受信した動作指令Cを可動部11に送信する。
撮像装置2は、撮像部21と通信部22を備えている。撮像部21は、撮像素子と画像処理回路を有しており、移動体1の現状の位置姿勢、および、その動作状態を画像Pとして撮像する。通信部22は、撮像部21が撮像した画像Pを、中継装置3を介して演算装置4に送信する。なお、撮像部21で移動体1を撮像すると、移動体1の外面に設けたマーカMも撮像されるため、移動体1を撮像した画像Pの一部にはマーカ画像が含まれる。
演算装置4は、マーカ特徴量検出部41と、相対位置関係判定部42と、マーカ位置姿勢推定部43と、移動体位置姿勢推定部44と、全体座標系統合部45と、位置姿勢制御部46と、通信部47を備えている。これらの機能部によって、演算装置4は、移動体1の現状の位置姿勢およびその動作状態から、予め定めた目標位置姿勢や動作シーケンスとの差分を算出し、当該差分を低減する動作指令Cを移動体1に送信する。これにより、移動体1を予め定めた位置姿勢の最終状態に推移させることができる。以下、演算装置4の各機能部の動作を順次説明する。
演算装置4では、移動体1を撮像した画像Pからマーカ画像を取得し、一般的に知られているARマーカの位置姿勢推定技術(例えば、http://www.hitl.washington.edu/artoolkit/)を用いることで、マーカMの位置姿勢を認識する。
しかしながら、特許文献1などで利用される従来技術においては、位置姿勢推定時に、マーカ座標系の法線軸Zの方向を特定できない場合がある。例えば、図3の中央に示すようなマーカMを含む画像Pが撮像された場合、仮に撮像装置2aの位置からマーカMを撮像したのであれば、マーカ座標系の法線軸Zは図中のZMa方向であるはずだし、仮に撮像装置2bの位置からマーカMを撮像したのであれば、マーカ座標系の法線軸Zは上記したZMa方向とは異なる方向のZMb方向であるはずである。すなわち、法線軸Zの方向が異なる2つのマーカ座標系は何れも正しい可能性があるが、画像P上に写っているマーカMの形状からだけではどちらのマーカ座標系が正しいのかを判断できない。
ところで、図3に示すマーカMの対向2辺(上辺L1と下辺L2、または、左辺L3と右辺L4)の画像P上での長さは、撮像装置2に近い位置にあるほど、遠近法によって長い辺として撮像される。このため、原理的には、マーカMの対向2辺の画像P上での長さを比較することで、撮像装置2がマーカMに対して上下左右の何れの方向に設置されているかを特定でき、結果として、図3に例示したような2つの選択肢から正しいマーカ座標系を選択することができる。
しかしながら、マーカMの対向2辺の画像P上での長さ(マーカ特徴量の一種)の差分は微小であるため、マーカ特徴量検出部41において、画像P上のマーカMの各頂点をピクセル単位で誤検出した場合、各辺の長さはピクセル単位で長短関係が逆転する場合があり、その場合はマーカ座標系の法線軸Zの検知に誤りが発生することになる。このような場合、画像P上のマーカMの各辺の長さの長短が、撮像装置2とマーカMとの位置関係に対して物理的に正しい長さになっているかを判定し、誤検知である場合はマーカ座標を誤検知したと判断することで、マーカ位置姿勢推定部43での誤推定を排除することができる。
従って、撮像装置2とマーカMとの相対位置関係が既知である場合、例えば、図3のマーカMでいえば、撮像装置2bはマーカMの右下方から撮像しているため、画像P上の上辺L1と下辺L2を比較すると、下辺L2の方が撮像装置2bに近くにあるため下辺L2の方が上辺L1よりも長く写っているはずである。ここで、ARマーカの位置姿勢推定技術を用いてマーカMの四隅の座標を抽出し、上辺L1および下辺L2の長さを算出し、L2>L1であれば当該位置姿勢推定技術で得られたマーカ座標系は物理的に正しいと判断する。それに対して、L1>L2となっていた場合は、物理的に誤った画像認識結果となっているため、マーカ特徴量の誤検知があったと判断し、そこで得られたマーカ座標系は排除してその後の処理に用いないこととする。これにより、ARマーカの位置姿勢推定技術で画像P上のマーカMを誤検知した場合の結果を排除することができる。
<移動体1の相対位置姿勢の推定処理のフローチャート>
図4は、上記したARマーカの位置姿勢推定技術でのマーカMの誤検知を排除する機能を流れ図で表したフローチャートである。
まず、ステップS1では、マーカ特徴量検出部41は、周知のマーカ位置姿勢推定技術を用いてマーカMの四隅の座標を推定し、その値をマーカ特徴量として検出する。
次に、ステップS2では、相対位置関係判定部42は、得られた四隅の座標から各辺の長さ(L1~L4)を算出し、撮像装置2とマーカMとの位置関係からマーカMの各辺同士の長短関係を特定し、得られた各辺の長さがその順列どおりになっているかを比較する。
ステップS3では、マーカ位置姿勢推定部43は、そのマーカ各辺の長さの相関関係が正しいかを判定する。例えば、撮像装置2aの位置(マーカMに対して左上)から撮像していることが既知であれば、L1>L2かつL3>L4であるかを判定する。同様に、撮像装置2bの位置(マーカMに対して右下)から撮像していることが既知であれば、L1<L2かつL3<L4であるかを判定する。そして、正しければ、S4に進み、誤っていれば、S1に戻る。
ステップS4では、移動体位置姿勢推定部44は、画像P上のマーカMから得られたマーカ座標系の位置姿勢情報を基に移動体座標系の位置姿勢情報を演算し、移動体1の位置姿勢を推定する。なお、ここで推定した移動体1の位置姿勢が相対的に正しくなければ、得られているマーカ座標系は誤っていると判断し、別の画像Pに対しステップS1のマーカ特徴量検出処理を実行する。
以上の処理により、マーカMと撮像装置2の既知の相対的位置関係と矛盾しないマーカ特徴量を抽出することができ、移動体1の正しい位置姿勢を推定することができる。
<移動体1の相対位置姿勢の推定後の処理>
全体座標系統合部45は、図4の処理で求めた、移動体1の相対的な位置姿勢を全体座標系に統合する。位置姿勢制御部46は、全体座標系における移動体1の位置姿勢と、他の情報(移動体1の目的地、作業対象物の位置姿勢など)を考慮して、移動体1に対する動作指令Cを生成する。通信部47は、位置姿勢制御部46が生成した動作指令Cを移動体1に送信する。これにより、移動体1は所望の作業を実施することができる。なお、作業対象物の外面にマーカMを設置すれば、上記同様の方法で、作業対象物の位置姿勢を推定することもできる。なお、その場合は、上記した移動体位置姿勢推定部44と略同等の機能を持つ、作業対象物位置姿勢推定部を用意すれば良い。
以上で説明した、本実施例の位置姿勢推定システムによれば、マーカ特徴量の正誤を判定することで、適切なマーカ画像に基づいては対象物(移動体または作業対象物)の位置姿勢を推定する一方、不適なマーカ画像に基づいては対象物の位置姿勢を推定しないため、対象物の位置姿勢の誤推定を回避することができる。
次に、図5,6を用いて、本発明の実施例2を説明する。なお、実施例1との共通点は重複説明を省略する。
実施例1では、撮像装置2と、その撮像対象であるマーカMの大凡の位置関係が既知である場合を想定した。しかしながら、複数の移動体1が連携動作する環境下では、各々の移動体1が広範囲を移動しながら、ある移動体1に搭載した撮像装置2で、他の移動体1のマーカMを撮像することで、移動体1同士の相対的な位置姿勢を推定する場合がある。このような環境下では移動体1同士の相対的な位置関係が流動的であるため、実施例1の図3で述べたように、マーカMを撮像する撮像装置2の相対的な位置姿勢を特定することができず、結果として、マーカMの各辺の長短関係が物理的にどうなっているのが原理的に正しいのかを判断することもできない。そのため、何らかの手段でマーカMの各辺の長さに関する正しい長短関係を把握する必要がある。
そこで、実施例2においては、上述したマーカMの各辺の長さの長短関係を把握するため、図5に示すように、補助マーカMaを追加設置して双方の位置関係を基にしてマーカMの各辺から撮像装置2までの距離関係を把握する。マーカ座標系の法線軸Zの方向については、上述のとおり特定できない場合が存在したが、マーカMの中心位置については画像検知誤差があったとしても、マーカMのマーカサイズに対して画像P上の数ピクセルの誤差であり、位置情報に与える誤差はわずかでありロバストである。そこで、マーカMと同一面内に補助マーカMaを追加し、マーカMおよび補助マーカMaの位置情報を基に撮像装置2からの距離を推定する。
そのため、マーカMおよび補助マーカMaを、マーカMと補助マーカMaの中心同士を結ぶ直線lがマーカMおよび補助マーカMaの対応する辺と並行になる向きに設置する。当該直線lの直線式を算出し、撮像装置2か
ら直線lに垂線の足を下し、直線lとの交点を交点Aとする。交点AからマーカMおよび補助マーカMaの該当する各辺までの長さは直線lに沿った長さであり、図6でいえば交点AからマーカMの上辺までの長さが下辺までの長さよりも長いため、L1>L2となっているはずである。
図6は、マーカMと同一平面上に補助マーカMaを追加設置してマーカMの辺の長さを比較し、マーカMのマーカ座標が正しいか否かを判断するフロー図である。
ステップS11では、マーカMと同一平面内に補助マーカMaを設置する。このときのマーカMおよび補助マーカMaの中心を通る直線lを算出する。
ステップS12では、撮像装置2から直線lまでの垂線の足Aを求める。
ステップS13では、点AからマーカMの上辺L1および下辺L2までの距離を算出する。撮像装置2からの距離が短いほど、マーカMの画像P上の辺の長さは長くなるはずであるため、点Aから各辺までの距離と各辺の長さL1とL2を比較し、点Aからの距離と辺の長さの相対関係が逆相関関係であればマーカMのマーカ座標は正しく認識されていると判断する。逆に正の相関関係が同じであれば、マーカ座標の認識は誤検知であると判断する。
以上で説明した本実施例によれば、撮像装置2とマーカMの位置姿勢の関係が未知であっても、撮像装置2とマーカMの位置姿勢の関係を特定した後に、実施例1と同等の位置姿勢推定を実施することができる。なお、図5では、上側にマーカMを配置し、下側に補助マーカMaを配置したが、マーカMや補助マーカMaの名称は便宜的なものであるため、下側のマーカを基準に判定する場合は、下側をマーカM、上側を補助マーカMaとして扱えば良い。
次に、本発明の実施例3を説明する。なお、上記の実施例との共通点は重複説明を省略する。
実施例2では、マーカMと補助マーカMaを同一平面内に配置したが、実施例3では、両マーカを異なる平面に配置する。この場合も、マーカMと補助マーカMaの位置姿勢の関係が既知であれば、補助マーカMaの三次元中心座標の座標変換式を算出し、撮像装置2による画像Pに写る補助マーカMaの中心座標をマーカMが設置された平面上の点に座標変換することができる。上記座標変換後の点を新たに補助マーカMaの中心座標と置き換えれば、以降は実施例2と同様に直線lを算出でき、撮像装置2から直線lに下した垂線の足Aからの距離と、マーカMの該当する辺の長さの相対関係が逆相関関係であればマーカMのマーカ座標は正しく認識されていると判断できる。
次に、本発明の実施例4を説明する。なお、上記の実施例との共通点は重複説明を省略する。
実施例4においては、撮像装置2とマーカMとの相対位置関係を把握するために、外部に設置した俯瞰カメラ5を追加している。この俯瞰カメラ5が、撮像装置2とマーカMの双方を撮像した画像P’を用いて、両者の相対位置関係を把握し、撮像装置2による画像Pに写っているマーカMの各辺の長さの物理的な長さに関する相対関係を特定する。
以降は図4のフロー図に従ってマーカ特徴量であるマーカ辺の長さを算出し、マーカ辺の長さ比較を行い、物理的に正しいマーカ辺の長さに関する相関関係となっているかを確認し、正しい相関関係であればマーカ位置姿勢を基に移動体の位置姿勢を推定することができる。
100 位置姿勢推定システム
1 移動体
11 可動部
12 通信部
2 撮像装置
21 撮像部
22 通信部
3 中継装置
4 演算装置
41 マーカ特徴量検出部
42 相対位置関係判定部
43 マーカ位置姿勢推定部
44 移動体位置姿勢推定部
45 全体座標系統合部
46 位置姿勢制御部
47 通信部
5 俯瞰カメラ
M マーカ
Ma 補助マーカ

Claims (6)

  1. 対象物の外面に設置したマーカを撮像して画像を出力する撮像部と、
    前記画像から前記マーカの各辺の長さを検出するマーカ特徴量検出部と、
    前記撮像部と前記マーカの相対位置関係を判定する相対位置関係判定部と、
    前記相対位置関係から前記マーカの位置姿勢を推定するマーカ位置姿勢推定部と、
    前記マーカの位置姿勢に基づいて前記対象物の位置姿勢を推定する対象物位置姿勢推定部と、
    推定した前記対象物の位置姿勢を全体座標系に統合する全体座標系統合部と、
    を備えることを特徴とする位置姿勢推定装置。
  2. 請求項1に記載の位置姿勢推定装置において、
    前記対象物と前記撮像部の相対位置関係を基に、前記画像上での前記マーカの各辺の長さの相関関係が物理的な条件を満たすか否かを判定し、
    前記条件を満たす場合は、前記マーカに基づいて前記対象物の位置姿勢を推定し、
    前記条件を満たさない場合は、前記マーカに基づいては前記対象物の位置姿勢を推定しないことを特徴とする位置姿勢推定装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の位置姿勢推定装置において、
    前記対象物には、前記マーカと同一平面上に補助マーカが設置されており、
    前記補助マーカは、前記マーカと前記補助マーカの中心同士を結ぶ線分と前記マーカの辺が平行もしくは直交するように配置されており、
    前記相対位置関係判定部は、前記線分と前記撮像部の相対位置関係を基準に、前記撮像部と前記マーカの相対位置関係を判定することを特徴とする位置姿勢推定装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の位置姿勢推定装置において、
    前記対象物には、前記マーカと異なる平面上に補助マーカが設置されており、
    前記相対位置関係判定部は、前記マーカと前記補助マーカの相対位置関係から、前記補助マーカを前記マーカと同一平面上の補助マーカに座標変換し、前記マーカと座標変換後の前記補助マーカの中心同士を結ぶ線分と前記撮像部の相対位置関係を基準に、前記撮像部と前記マーカの相対位置関係を判定することを特徴とする位置姿勢推定装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の位置姿勢推定装置において、
    前記マーカは正四角形のマーカであり、
    前記対象物は、ロボットまたは該ロボットの作業対象物であることを特徴とする位置推定装置。
  6. 対象物の外面に設置したマーカを撮像部で撮像して画像を出力する撮像ステップと、
    前記画像から前記マーカの各辺の長さを検出するマーカ特徴量検出ステップと、
    前記撮像部と前記マーカの相対位置関係を判定する相対位置関係判定ステップと、
    前記相対位置関係から前記マーカの位置姿勢を推定するマーカ位置姿勢推定ステップと、
    前記マーカの位置姿勢に基づいて前記対象物の位置姿勢を推定する対象物位置姿勢推定ステップと、
    推定した前記対象物の位置姿勢を全体座標系に統合する全体座標系統合ステップと、
    を備えることを特徴とする位置姿勢推定方法。
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