JP2023125202A - 車載装置、通信方法および車載装置プログラム - Google Patents

車載装置、通信方法および車載装置プログラム Download PDF

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Yosuke Segawa
素華 湯
Soka To
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Abstract

【課題】パケット衝突を抑制することのできるサイドリンク通信を行う。【解決手段】車載装置(30A)は、車両(3A)に搭載され、情報取得部(321)と、通信部(322)と、スケジュール生成部(323)とを備える。情報取得部は、車両の位置を測定して車両位置情報を取得する。通信部は、車載装置の第1の通信可能範囲の内側に存在する近接車両(3B、3C)に搭載された近接車両車載装置(30B、30C)への、車両位置情報を含むパケットの送信を、直接的なサイドリンク通信によって行う。スケジュール生成部は、パケットの送信に使用する周波数帯および送信タイミングを組み合わせた無線通信リソースを、パケットの送信のスケジュールとして設定する。スケジュール生成部は、車載装置が使用可能な無線通信リソースのうち、干渉車両の数が最も少なく、かつ、車車間距離が最も長い無線通信リソースを選択してスケジュールとして設定する。【選択図】図2

Description

本発明は車載装置と、通信方法と、車載装置プログラムとに関し、例えば、車両間のサイドリンク通信に好適に利用できるものである。
ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)や自動運転技術などの高度化に資するために、車両と全てのモノが繋がるV2X(Vehicle-to-Everything)通信の研究および開発が進められている。次世代のV2X通信手段として、LTE(Long Term Evolution)や5G(5th Generation)に代表される移動体通信を利用したC-V2X(Cellular V2X)が注目されている。
C-V2Xでは、比較的狭い範囲に存在する車両の間で直接通信が可能なSL(SideLink:サイドリンク)通信と、基地局を経由する広域通信とがサポートされている。特に、SL通信では、単独の車両に搭載された車載センサだけで検知できる範囲より広い範囲にわたる多様な情報の収集への利用が見込まれている。また、SL通信の利用により、安全性の高い事故防止技術の実現が期待されている。
SL通信では、パケット衝突による信頼性の劣化を未然に防ぐために、SPS(Semi-Persistent Scheduling:半永続スケジューリング)方式が採用されている。SPS方式では、複数の車両にそれぞれ搭載された複数の車載装置が、パケット衝突による信頼性の劣化を未然に防ぐために、自律分散制御によって無線通信リソースを選択する。無線通信リソースとは、車載装置が別の車載装置へデータを送信するタイミングと、送信に使用する周波数チャネルとの組み合わせである。
上記に関連して、非特許文献1(T.H.Lee and C.F.Lin、「Reducing Collision Probability in Sensing-Based SPS Algorithm for V2X Sidelink Communications」、IEEE REGION 10 CONFERENCE (TENCON)、2020年11月、pp.303-308)には、SPS方式に係る記載がある。SPS方式では、それぞれの車載装置が近い将来において使用する予定の無線通信リソースを別の車載装置へ事前に通知し、かつ、別の車載装置から通知された無線通信リソースとは別の無線通信リソースを選択してデータを送信することによって、パケット衝突の発生を抑制することができる。
しかし、SPS方式では、隠れ端末によるパケット衝突を考慮することができない。一例として、第1の車載装置と、第1の車載装置がSL通信を行える第2の車載装置と、第1の車載装置とはSL通信を行えないが第2の車載装置とはSL通信を行える第3の車載装置とを含む通信システムにおいて、第3の車載装置は第1の車載装置にとっての隠れ端末である。このとき、第1の車載装置は、第1の車載装置と第2の車載装置とのSL通信におけるパケット衝突を考慮することはできるが、第2の車載装置と第3の車載装置とのSL通信におけるパケット衝突を考慮することができない。
上記に関連して、非特許文献2(瀬川洋介,上野高明,大岸智彦,湯素華,小花貞夫、「Cellular V2X Sidelinkにおける高信頼・低遅延なスケジューリング法の提案と評価」、情報処理学会論文誌、vol.64、no.4、2022年4月)には、SPS-CA(SPS with Collision Avoidance)方式に係る記載がある。SPS-CA方式は、SPS方式を拡張した通信方式であり、隠れ端末によるパケット衝突を抑制することができる。SPS-CA方式では、それぞれの車載装置がSPS方式で送信するパケットに、別の車載装置から通知された無線通信リソースを表す情報を追加する。上記の例では、第2の車載装置が、第3の車載装置から通知された無線通信リソースを表す追加情報を第1の車載装置に伝達することによって、第1の車載装置は、第2の車載装置と第3の車載装置とのSL通信におけるパケット衝突を考慮することができる。その結果、SPS-CA方式では、SPS方式と比較して、パケット衝突の発生を抑制することができる。
しかし、SPS-CA方式では、追加情報に起因するオーバーヘッドが発生する。また、SPS方式に準拠する車載装置は追加情報を利用できないため、SPS-CA方式はSPS方式との後方互換性を担保できない可能性がある。
T.H.Lee and C.F.Lin、「Reducing Collision Probability in Sensing-Based SPS Algorithm for V2X Sidelink Communications」、IEEE REGION 10 CONFERENCE (TENCON)、2020年11月、pp.303-308 瀬川洋介,上野高明,大岸智彦,湯素華,小花貞夫、「Cellular V2X Sidelinkにおける高信頼・低遅延なスケジューリング法の提案と評価」、情報処理学会論文誌、vol.64、no.4、2022年4月
上記状況に鑑み、本開示は、SPS方式との後方互換性を保ちつつ、追加情報を用いずにパケット衝突を抑制することのできるSL通信を行うための車載装置と、通信方法と、車載装置プログラムとを提供することを目的の1つとする。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
以下に、(発明を実施するための形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
一実施の形態によれば、車載装置(30A)は、車両(3A)に搭載されるように構成されている。車載装置(30A)は、情報取得部(321)と、通信部(322)と、スケジュール生成部(323)とを備える。情報取得部(321)は、車両(3A)の位置を測定して車両位置情報を取得する。通信部(322)は、車載装置(30A)の第1の通信可能範囲の内側に存在する近接車両(3B、3C)に搭載された近接車両車載装置(30B、30C)への、車両位置情報を含むパケットの送信を、直接的なサイドリンク通信によって行う。スケジュール生成部(323)は、パケットの送信に使用する周波数帯および送信タイミングを組み合わせた無線通信リソースを、パケットの送信のスケジュールとして設定する。スケジュール生成部(323)は、車載装置が使用可能な無線通信リソースのそれぞれについて、第1の通信可能範囲の内側に存在し、かつ、近接車両車載装置(30B、30C)の第2の通信可能範囲の内側に存在する干渉車両(3D~3I)の数を、干渉車両(3D~3I)に搭載された干渉車両車載装置(30D~30I)から受信した干渉車両パケットに基づいて推測する。スケジュール生成部(323)は、車両位置情報と、干渉車両パケットに含まれる干渉車両(3D~3I)の位置情報とに基づいて、車両(3A)から干渉車両(3D~3I)までの車車間距離を算出する。スケジュール生成部(323)は、車載装置(30A)が使用可能な無線通信リソースのうち、干渉車両(3D~3I)の数が最も少なく、かつ、車車間距離が最も長い無線通信リソースを選択してスケジュールとして設定する。通信部(322)は、スケジュールに設定された無線通信リソースを用いてパケットの送信を行う。
一実施の形態によれば、通信方法は、車載装置(30A)を搭載する車両(3A)の位置を測定した車両位置情報を取得すること(S01)と、車載装置(30A)の第1の通信可能範囲の内側に存在する近接車両(3B、3C)に搭載された近接車両車載装置(30B、30C)への、車両位置情報を含むパケットの送信を、直接的なサイドリンク通信によって行うことと、パケットの送信に使用する周波数帯および送信タイミングを組み合わせた無線通信リソースを、パケットの送信のスケジュールとして設定することとを含む。設定することは、車載装置が使用可能な無線通信リソースのそれぞれについて、第1の通信可能範囲の内側に存在し、かつ、近接車両車載装置(30B、30C)の第2の通信可能範囲の内側に存在する干渉車両(3D~3I)の数を、干渉車両(3D~3I)に搭載された干渉車両車載装置(30D~30I)から受信した干渉車両パケットに基づいて推測すること(S02)と、車両位置情報と、干渉車両パケットに含まれる干渉車両(3D~3I)の位置情報とに基づいて、車両(3A)から干渉車両(3D~3I)までの車車間距離を算出すること(S03)と、使用可能な無線通信リソースのうち、干渉車両(3D~3I)の数が最も少なく、かつ、車車間距離が最も長い無線通信リソースを選択してスケジュールとして設定すること(S12)とを含む。送信を行うことは、スケジュールに設定された無線通信リソースを用いてパケットの前記送信を行うことを含む。
一実施の形態によれば、車載装置プログラムは、車両(3A)に搭載された車載装置(30A)の演算装置(32)が実行することによって所定の処理を実現するように構成されている。この処理は、車両(3A)の位置を測定した車両位置情報を取得すること(S01)と、車載装置(30A)の第1の通信可能範囲の内側に存在する近接車両(3B、3C)に搭載された近接車両車載装置(30B、30C)への、車両位置情報を含むパケットの送信を、直接的なサイドリンク通信によって行うことと、パケットの送信に使用する周波数帯および送信タイミングを組み合わせた無線通信リソースを、パケットの送信のスケジュールとして設定することとを含む。設定することは、車載装置が使用可能な無線通信リソースのそれぞれについて、第1の通信可能範囲の内側に存在し、かつ、近接車両車載装置(30B、30C)の第2の通信可能範囲の内側に存在する干渉車両(3D~3I)の数を、干渉車両(3D~3I)に搭載された干渉車両車載装置(30D~30I)から受信した干渉車両パケットに基づいて推測すること(S02)と、車両位置情報と、干渉車両パケットに含まれる干渉車両(3D~3I)の位置情報とに基づいて、車両(3A)から干渉車両(3D~3I)までの車車間距離を算出すること(S03)と、使用可能な無線通信リソースのうち、干渉車両(3D~3I)の数が最も少なく、かつ、車車間距離が最も長い無線通信リソースを選択してスケジュールとして設定すること(S12)とを含む。送信を行うことは、スケジュールに設定された無線通信リソースを用いてパケットの前記送信を行うことを含む。
一実施の形態によれば、オーバーヘッドの原因となる追加情報を用いずに、SPS方式との後方互換性を保ちつつ、パケット衝突を抑制することのできるSL通信を行うことが出来る。
図1は、一実施の形態による通信システムの一構成例を示す図である。 図2は、一実施の形態による車載装置の一構成例を示すブロック回路図である。 図3は、一実施の形態による無線通信リソースの一構成例を示す図である。 図4は、一実施の形態によるセンシングウィンドウおよび選択ウィンドウについて説明するための図である。 図5は、一実施の形態による自車両、近接車両および干渉車両について説明するための図である。 図6Aは、一実施の形態による通信方法の処理の一例を示すフローチャートの一部である。 図6Bは、一実施の形態による通信方法の処理の一例を示すフローチャートの一部である。 図7Aは、一実施の形態による通信方法の処理の一例を示すフローチャートの一部である。 図7Bは、一実施の形態による通信方法の処理の一例を示すフローチャートの一部である。 図8Aは、一実施の形態による通信方法の処理の一例を示すフローチャートの一部である。 図8Bは、一実施の形態による通信方法の処理の一例を示すフローチャートの一部である。 図8Cは、一実施の形態による通信方法の処理の一例を示すフローチャートの一部である。 図8Dは、一実施の形態による通信方法の処理の一例を示すフローチャートの一部である。 図9は、一実施の形態による最小公倍数周期について説明するための図である。 図10は、一実施の形態によるコンピュータシミュレーションの結果について説明するためのグラフである。 図11は、一実施の形態によるコンピュータシミュレーションの結果について説明するためのグラフである。 図12は、一実施の形態によるコンピュータシミュレーションの結果について説明するためのグラフである。 図13は、一実施の形態によるコンピュータシミュレーションの結果について説明するためのグラフである。
添付図面を参照して、本開示による車載装置、通信方法および車載装置プログラムを実施するための形態を以下に説明する。また、本開示の課題をよりよく理解するために、SPS(Semi-Persistent Scheduling:半永続スケジューリング)方式およびSPS-CA(SPS with Collision Avoidance)方式についても説明する。
(実施の形態)
図1に示すように、一実施の形態による通信システム1は、複数の車両3A、3B、3Cを含む。図1の例では、車両3A、3B、3Cの総数は3であるが、これはあくまでも一例にすぎず、一実施の形態を限定しない。以降、車両3A、3B、3Cを区別しないとき、これらを車両3と総称する場合がある。
車両3Aは、車載装置30Aを搭載する。同様に、車両3Bは車載装置30Bを搭載し、車両3Cは車載装置30Cを搭載する。以降、車載装置30A、30B、30Cを区別しないとき、これらを車載装置30と総称する場合がある。
ある車両3に搭載された車載装置30は、比較的広い範囲に存在する基地局2を経由して、任意の相手との間で広範囲通信を行ってもよい。このとき、車両3から基地局2へ送信する通信をUL(UpLink:アップリンク)通信と呼ぶ。また、車両3が基地局2から受信する通信をDL(DownLink:ダウンリンク)通信と呼ぶ。さらに、ある車両3に搭載された車載装置30は、比較的狭い範囲に存在する別の車両3に搭載された別の車載装置30との間で、基地局2など他の無線装置を経由しない直接的なSL(Side Link:サイドリンク)通信を行ってもよい。
本実施の形態では、車載装置30間のSL通信に注目するが、車載装置30と基地局2とのUL通信およびDL通信は制限されない。
図2に示すように、一実施の形態による車載装置30は、例えば、コンピュータとして構成されてもよい。図2の例において、車載装置30は、バス31と、演算装置32と、記憶装置33と、通信装置34と、車両モニタ装置35と、測位装置36と、入出力装置37とを備える。バス31は、演算装置32、記憶装置33、通信装置34、車両モニタ装置35、測位装置36および入出力装置37を、互いに通信可能に接続するように構成されている。
演算装置32は、情報取得部321と、通信部322と、スケジュール生成部323とを備える。記憶装置33は、車載装置プログラムを格納する車載装置プログラム記憶部331と、スケジュールを格納するスケジュール記憶部332とを備える。演算装置32は、車載装置プログラムを実行することによって、情報取得部321、通信部322およびスケジュール生成部323の処理を実現する。情報取得部321、通信部322およびスケジュール生成部323のそれぞれは、演算装置32と記憶装置33とが協働して処理を実現する仮想的な機能ブロックである。情報取得部321、通信部322およびスケジュール生成部323が実現する処理の詳細については、後述する。
車載装置プログラムは、記録媒体330から読み出されて車載装置プログラムを車載装置プログラム記憶部331に格納されてもよい。記録媒体330は、非一時的で有形の媒体(non-transitory and tangible media)であってもよい。
通信装置34は、他の車載装置30とSL通信を行う。通信装置34は、さらに、基地局2とUL通信およびDL通信を行ってもよい。車載装置プログラムは、通信装置34を介して車載装置30の外部から取得されて車載装置プログラム記憶部331に格納されてもよい。
車両モニタ装置35は、車両3の状態を観測する。より詳細には、車両モニタ装置35は、車両3から種々の信号を受信するなどして、車両3の状況を表す車両情報を取得して出力する。車両情報は、車両3の移動速度を表す車速情報、車両3の状態を表す車両状態情報、車両3の属性を表す車両属性情報などを含む。一例として、車両状態情報は、車両の向きなどを表す。また、車両属性情報は、車両サイズ、使用用途、車幅などを表す。車両モニタ装置35は、情報取得部321の制御下で、車両情報を、所定の周期ごとに取得し続けてもよい。車両モニタ装置35が取得した車両情報は、取得された時刻を表す時刻情報に対応付けられて、記憶装置33に格納される。
測位装置36は、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)などを用いて車両3の位置を測定する。厳密には、測位装置36が測定する位置は、GNSS信号を受信するアンテナの位置であるが、このアンテナが車載装置30に固定されており、かつ、車載装置30が車両3に搭載されているとき、測位装置36は実質的に車両3の位置を測定している。測位装置36は、情報取得部321の制御下で、車両3の位置を表す位置情報を、所定の周期ごとに取得し続けてもよい。測位装置36が取得した位置情報は、取得された時刻を表す時刻情報に対応付けられて、記憶装置33に格納される。
入出力装置37は、使用者に情報を出力し、使用者が入力する操作を受け付ける。一例として、入出力装置37は、画像を出力する表示装置、音声を出力するスピーカー、音声入力を受け付けるマイクロフォン、押下操作を受け付けるボタン、キー入力操作を受け付けるキーボード、タッチ操作を受け付けるとともに画像の出力を行うタッチパネルなどを含む。
図3を参照して、一実施の形態による無線通信リソースの一構成例について説明する。無線通信リソースは、時間フレームを分割した送信タイミングである複数の時間サブフレームのいずれかと、周波数チャネルを分割した周波数帯である複数の周波数サブチャネルのいずれかとの組み合わせである。例えば、時刻Tから時刻Tまでの時間フレームをn個の時間サブフレームに分割したうちの、時刻Ti-1から時刻Tまでの第i時間サブフレームと、周波数Fから周波数Fまでの周波数チャネルをm個の周波数サブチャネルに分割したうちの、周波数Fj-1から周波数Fまでの第j周波数サブチャネルとの組み合わせとして、無線通信リソースRi,jが特定される。ある時間フレームに含まれる複数の時間サブフレームと、ある周波数チャネルに含まれる複数の周波数サブチャネルとを各々組み合わせた複数の無線通信リソースの集合を、便宜上、リソースセット5と呼ぶ。上記の例では、リソースセット5は合計でm×n個の無線通信リソースを含む。以降、無線通信リソースを単にリソースと記す場合がある。
SPS方式では、車載装置30が行うSL通信で使用する周波数チャネルと、この周波数チャネルを分割した複数の周波数サブチャネルとが、SL通信を行う車載装置30によって共有されている。同様に、車載装置30が行うSL通信で使用する時間フレームの長さと、この時間フレームを分割した複数の時間サブフレームとが、SL通信を行う車載装置30によって共有されている。また、これらの車載装置30は、時間フレームおよび時間サブフレームのそれぞれの開始時刻を共有するように同期している。
SPS方式では、車載装置30が、1つの時間フレームの間に、この時間フレームのリソースセット5に含まれるいずれか1つのリソースを使用してパケットの送信を行う。パケットの送信は、受信する車載装置30を指定しないブロードキャスト通信によって行われてもよい。ここで、それぞれの車載装置30は、自律分散制御によってリソースのスケジューリングを行う。このとき、それぞれの車載装置30が、パケットの送信に使用するリソースを、他の車載装置30によって選択されているリソースを避けるように選択することによって、パケット衝突の発生が抑制される。
図4を参照して、一実施の形態によるセンシングウィンドウ61および選択ウィンドウ63について説明する。センシングウィンドウ61は、それぞれの車載装置30が、SL通信で使用されたリソースの状況を監視する、現在時刻より過去における複数のリソースセット5の集合である。選択ウィンドウ63は、それぞれの車載装置30が次のパケットを送信するときに用いるリソースの候補を含むリソースセット5である。
センシングウィンドウ61についてより詳細に説明する。車載装置30は、現在時刻tより過去の所定の期間におけるリソースセット5のそれぞれについて、使用されたリソースを監視する。図4の例では、車載装置30がパケットを送信する送信周期は100ms(ミリ秒)であり、時間フレームの長さは送信周期より短い。ただし、より詳細には、車載装置30は1つの送信周期の間に最大で1回の送信を行い、そのタイミングは選択されたリソースの時間サブフレームに応じて決定される。同一の車載装置30が2つのパケットを連続して送信する時間の間隔は送信周期またはその倍数に必ずしも一致しなくてもよい。なお、時間サブフレームの長さは、例えば、1msである。
SPS方式では、車載装置30は、選択したリソースを、連続する複数の送信周期にわたって使用する。同一の車載装置30が同一のリソースを連続して使用する残り回数は、所定の範囲の中でランダムに決定され、送信周期ごとにデクリメントされるRC(再選択カウンタ)として管理される。残り回数は、例えば5回以上かつ15回以下の範囲に含まれる。図4の例では、残り回数は10回であり、センシングウィンドウ61の最初の、時刻t-1000msに開始するリソースセット5におけるRCは9回であり、次の、時刻t-900msに開始するリソースセット5におけるRCは8回であり、センシングウィンドウ61の最後の、時刻t-100msに開始するリソースセット5におけるRCは0回である。
車載装置30は、RCが0(ゼロ)になったとき、所定の再選択確率に応じて、次のパケットを送信するときに使用するリソースの再選択を行う。このとき、車載装置30は、前回までと同じ前回選択リソース41か、前回までと異なる再選択リソース43かを、再選択確率に応じて決定する。ここで、前回選択リソース41が再選択された場合は、RCを初期化する。また、再選択リソース43は、選択ウィンドウ63に含まれる再選択候補リソース42の中から選択される。図4の例では、複数の再選択候補リソース42を同じ模様で示している。再選択候補リソース42は、選択ウィンドウ63に含まれる、前回選択リソース41以外のリソースの中から、他の車載装置30から送信されるパケットのリソースの分布に基づいて抽出される。
再選択候補リソース42について説明する。車載装置30は、他の車載装置30が送信したパケットを受信し、パケットごとに受信した周波数および時刻を検出し、検出した周波数および時刻の組み合わせに対応するリソースを特定し、特定したリソースをリソースセット5ごとに記録する。このとき、車載装置30は、受信したパケットの受信信号強度を計測し、計測した受信信号強度をそのパケットのリソースと対応付けて記録する。
ここで、車載装置30は、センシングウィンドウ61の期間で、周波数サブチャネルのそれぞれにおける平均RSSI(Received Signal Strength Indicator:受信信号強度インジケータ)62を算出する。ここで、平均RSSI 62は、例えば、以下の「数1」式のように求められる。
Figure 2023125202000002
ここで、「Ef,t」は第f周波数サブチャネルの時刻tにおける平均RSSI 62を表す。「RRI」は送信周期を表す。「SWP」はセンシングウィンドウ61の期間を表す。「RSSIf,t-i・RRI」は第f周波数サブチャネルの時刻t-i・RRIにおけるRSSIを表す。
一例として、センシングウィンドウ61の期間(SWP)が1000msであり、送信周期(RRI)を100msであるとき、車載装置30は1秒間に1つのリソース当たり10個の受信電力状況を常に監視することになる。
車載装置30は、算出した平均RSSI 62に基づいて、選択ウィンドウ63に含まれるリソースのうち、サイドリンク通信で使用可能な全ての候補リソースの集合Sの中から、次にパケットを送信するときに用いるリソースの候補を抽出して集合S’とする。集合S’には、集合Sに含まれるリソースのうち、平均RSSI 62が所定の閾値以上のリソースを除外し、他の車両3に搭載された他の車載装置30がすでに予約しているリソースを除外し、残ったリソースが抽出される。この抽出は、集合S’の要素数が、集合Sの要素数の所定の割合以上となるまで、上記の閾値を少しずつ増加させながら繰り返されてもよい。
このようにして特定された集合S’に含まれるリソースは、他の車載装置30からの干渉が比較的小さい。車載装置30は、集合S’に含まれるリソースを、対応する平均RSSI 62の値が昇順になるように並べ替えて、再選択候補リソース42の集合Sとする。車載装置30は、RCが0(ゼロ)になったとき、集合Sに含まれる再選択候補リソース42からランダムに、次のパケット送信で用いる再選択リソース43を選択する。ただし、車載装置30は、前述のとおり、所定の再選択確率に基づいて、再選択リソース43の代わりに前回選択リソース41を選択してもよい。
このように、SPS方式では、車載装置30が再選択リソース43を選択するときに、他の車載装置30からの干渉がより大きいリソースを除外することで、パケット衝突の発生を抑制することができる。しかし、SPS方式では、車載装置30は、通信可能範囲の外側に存在する他の車載装置30に由来する、通信可能範囲の内側に存在する他の車載装置30に対するパケット衝突を考慮することができない。
SPS方式の上記の課題を解決するために、SPS方式を拡張したSPS-CA方式がある。SPS-CA方式では、車載装置30が送信するパケットに、他の車載装置30が予約しているリソースを表す情報を追加する。こうすることで、SPS-CA方式では、パケット衝突の発生を、SPS方式より抑制することができる。しかし、SPS-CA方式では、追加情報に起因するオーバーヘッドが発生する。また、SPS方式に準拠する車載装置30は追加情報を利用できないため、SPS-CA方式はSPS方式との後方互換性を担保できない可能性がある。
本開示では、これらの課題を鑑みて、IPMI(Interference Prediction and Multi-Interval extension)方式を提案する。IPMI方式では、以下に説明するように、追加情報を用いることなく、SPS方式との後方互換性を保ちつつ、パケット衝突の発生を抑制することができる。また、最小公倍数周期を考慮することによって、送信周期が異なる車載装置30が存在する無線通信環境においてもパケット衝突を抑制することができる。さらに、自車両により近い干渉車両とのパケット衝突を優先的に抑制することができるので、交通事故の発生のより効率的な抑制が期待される。
図5を参照して、自車両3A、近接車両3B、3Cおよび干渉車両3D~3Iについて説明する。自車両3Aが、通信可能範囲の内側に存在する近接車両3Bとの間でサイドリンク通信によってパケットの送受信を行うとき、自車両3Aの通信可能範囲の内側に存在し、かつ、近接車両3Bの通信可能範囲の内側に存在する車両3D、3E、3Fとの間でパケット衝突が発生する可能性がある。同様に、自車両3Aが、通信可能範囲の内側に存在する近接車両3Cとの間でサイドリンク通信によってパケットの送受信を行うとき、自車両3Aの通信可能範囲の内側に存在し、かつ、近接車両3Cの通信可能範囲の内側に存在する車両3F、3G、3H、3Iとの間でパケット衝突が発生する可能性がある。これらの車両3D~3Iを、干渉車両3D~3Iと呼ぶ。
図6Aおよび図6Bのフローチャートを参照して、一実施の形態による、IPMI方式による通信方法の処理について説明する。IPMI方式では、前述したSPS方式とは異なり、近接車両3B、3Cおよび干渉車両3D~3Iから受信するパケットのセンシング情報と、受信したパケットの内容とに基づいて、パケット衝突のリスクが低いリソースを特定する。車載装置30が起動すると、図6AのステップS01が実行される。
ステップS01において、車載装置30の情報取得部321が、自車両3Aの情報を取得する。自車両3Aとは、車載装置30を搭載する車両3である。より詳細には、情報取得部321は、図2の車両モニタ装置35を制御して、自車両3Aの状態を表す車両情報を取得する。情報取得部321は、さらに、図2の測位装置36を制御して、自車両3Aの位置を表す位置情報を取得する。なお、前述のとおり、車両情報および位置情報は、所定の周期ごとに取得され続けてもよい。
ステップS01の後、ステップS02が実行される。ステップS02において、車載装置30の機能ブロックが、車載装置30が使用可能な無線通信リソースのそれぞれについて、干渉車両数を推測する。干渉車両数とは、干渉車両3D~3Iの総数である。
図7Aおよび図7Bのフローチャートを参照して、図6AのステップS02の処理について詳細に説明する。ステップS02の処理が開始すると、図7AのステップS201が実行される。
ステップS201において、車載装置30のスケジュール生成部323が、他の車両3の情報を取得する。より詳細には、スケジュール生成部323は、過去に近接車両3B、3Cおよび干渉車両3D~3Iから受信したパケットに含まれるそれぞれの車両3の位置情報および車速情報に基づいて、それぞれの車両3の現在時刻における位置を予測する。ここで、車載装置30の通信部322が過去に受信したパケットは記憶装置33に格納されており、スケジュール生成部323は記憶装置33からこれらのパケットを読み出す。ここで、他の車両3は、近接車両3B、3Cおよび干渉車両3D~3Iを含む。
ステップS201の後、図7AのステップS202が実行される。ステップS202において、車載装置30のスケジュール生成部323が、干渉車両リストを初期化する。干渉車両リストは、図5の干渉車両3D~3Iとして振る舞う可能性がある車両3のリストを表す情報である。ただし、干渉車両リストは、干渉車両3D~3Iとして振る舞う可能性がある車両3にそれぞれ搭載された車載装置30D~30Iのリストであってもよい。初期化された干渉車両リストは、空集合である。
ステップS202の後、図7AのステップS203が実行される。ステップS203において、車載装置30のスケジュール生成部323が、第1期間中に受信したサイドリンク信号を送信した車両3を、第1群として抽出する。第1群の車両3は、図5の例に示した近接車両3B、3Cを表す。より詳細には、スケジュール生成部323が、ステップS201でサイドリンク通信によって受信したパケットのうち、第1期間中に受信したパケットから、このパケットを送信した車載装置30の識別子を読み出し、読み出した識別子のリストを表す情報を、車載装置30の第1群として生成する。こうすることで、車両3のうち、第1群の車載装置30を搭載する車両3を、第1群として抽出することができる。一例として、第1期間は、現在時刻から1.5秒前から、現在時刻までの期間である。
ステップS203の後、図7AのステップS204が実行される。ステップS204において、車載装置30のスケジュール生成部323が、第1群に含まれる車両3の番号jを初期化する。ここで、番号jは、第1群のリストにおいて車両3に割り振られた番号を表し、図7AのステップS205から図7BのステップS212までの繰り返し処理を管理する変数として使用される。この繰り返し処理は、第1群に含まれる車両3のそれぞれについて行われる処理を含む。初期化された番号jの値は、例えば、1である。
ステップS204の後、図7AのステップS205が実行される。ステップS205において、車載装置30のスケジュール生成部323が、第2期間中に受信したサイドリンク信号を送信した車両3を、第2群として抽出する。第2群の車両3は、図5の例に示した干渉車両3D~3Iを表す。より詳細には、スケジュール生成部323が、ステップS201でサイドリンク通信によって受信したパケットのうち、第2期間中に受信したパケットから、このパケットを送信した車載装置30の識別子を読み出し、読み出した識別子のリストを表す情報を、車載装置30の第2群として生成する。こうすることで、車両3のうち、第2群の車載装置30を搭載する車両3を、第2群として抽出することができる。第2期間の長さは、干渉車両3D~3Iから送信されるパケットにそれぞれ含まれる位置情報の生存時間である。一例として、第2期間は、現在時刻から10秒前から、現在時刻までの期間である。
ステップS205の後、図7AのステップS206が実行される。ステップS206において、車載装置30のスケジュール生成部323が、第2群に含まれる車両3の番号kを初期化する。ここで、番号kは、第2群のリストにおいて車両3に割り振られた番号を表し、図7AのステップS207から図7BのステップS210までの繰り返し処理を管理する変数として使用される。この繰り返し処理は、第2群に含まれる車両3のそれぞれについて行われる処理を含む。初期化された番号kの値は、例えば、1である。
ステップS206の後、図7AのステップS207が実行される。ステップS207において、車載装置30のスケジュール生成部323が、自車両3Aから車両kまでの距離が閾値D未満で、かつ、車両jから車両kまでの距離も閾値D未満か否かを判定する。ここで、車両jとは、第1群の車両3のうち、番号がjのものである。同様に、車両kとは、第2群の車両3のうち、番号がkのものである。また、閾値Dは、自車両3Aと、近接車両3B、3Cとのそれぞれがサイドリンク通信を行える距離である。上記の判定によって、自車両3Aの通信可能範囲と、近接車両3B、3Cの少なくとも1つの通信可能範囲とが重なる領域に存在する干渉車両3D~3Iを特定することができる。車両kが上記の判定を満たすとき(Yes)、処理は図7BのステップS208へ進む。反対に、車両kが上記の判定を満たさないとき(No)、処理は図7BのステップS209へ進む。
図7BのステップS208において、車載装置30のスケジュール生成部323が、車両kを干渉車両リストに追加する。ステップS208の後、図7BのステップS209が実行される。
図7BのステップS209において、車載装置30のスケジュール生成部323が、番号kが第2群の総数に達したか否かを判定する。番号kが第2群の総数に達していない場合(No)は、図7AのステップS207から図7BのステップS210までの繰り返し処理が継続するように、処理は図7AのステップS210へ進む。反対に、番号kが第2群の総数に達している場合は、この繰り返し処理は終了し、処理は図7BのステップS211へ進む。
図7BのステップS210において、車載装置30のスケジュール生成部323が、番号kをインクリメントする。ステップS209の後、処理は図7AのステップS207へ戻る。
図7BのステップS211において、車載装置30のスケジュール生成部323が、番号jが第1群の総数に達したか否かを判定する。番号jが第1群の総数に達していない場合(No)は、図7AのステップS205から図7BのステップS212までの繰り返し処理は継続し、処理は図7AのステップS212へ進む。反対に、番号jが第1群の総数に達している場合(Yes)は、この繰り返し処理は終了し、図7A、図7Bのフローチャートの処理も終了し、図6AのステップS02も終了し、処理は図6AのステップS03へ進む。
図7BのステップS212において、車載装置30のスケジュール生成部323が、番号jをインクリメントする。ステップS212の後、処理は図7AのステップS205へ戻る。
なお、図6AのステップS02が終了した時点で、干渉車両リストは、自車両3Aの通信可能範囲と、近接車両3B、3Cの少なくとも1つの通信可能範囲とが重なる領域に存在する干渉車両3D~3Iを網羅している。
図6AのステップS03において、車載装置30のスケジュール生成部323が、干渉車両数および車車間距離のテーブルを生成する。ここで、干渉車両数テーブルは、近接車両3B、3Cのそれぞれについて、対応する干渉車両3D~3Fの数を表す情報である。また、車車間距離テーブルは、自車両3Aと、近接車両3B、3Cとの車車間距離を表す情報である。
図8A、図8B、図8Cおよび図8Dのフローチャートを参照して、図6AのステップS03の処理について詳細に説明する。ステップS03の処理が開始すると、図8AのステップS301が実行される。
ステップS301において、車載装置30のスケジュール生成部323が、候補リソースを含む検討対象サブフレームの総数を算出する。より詳細には、スケジュール生成部323が、自車両3Aの送信周期と、近接車両3B、3Cのそれぞれの送信周期との最小公倍数である最小公倍数周期を算出する。検討対象サブフレームの総数は、この最小公倍数周期に含まれる時間サブフレームの総数であり、例えば、この最小公倍数と、1つのリソースセット5に含まれる時間サブフレームの総数とを積算することで算出される。
図9を参照して、一実施の形態による最小公倍数周期について説明する。図9の例では、自車両3Aの送信周期は20msであり、近接車両3Bの送信周期は50msであり、近接車両3Cの送信周期は100msである。このとき、最小公倍数周期は、20ms、50msおよび100msの最小公倍数である100msと算出される。SPS方式では、図3のリソースセット5を1つだけ含む図4の選択ウィンドウ63の範囲だけで再選択リソース43を選択するが、一実施の形態によるIPMI方式では、複数の選択ウィンドウ63を含み得る最小公倍数周期の範囲で候補リソース71、72、73、74、75を選択する。このとき、最小公倍数周期にわたって、自車両3Aの候補リソース71~75と、近接車両3Bの使用リソース81、83および近接車両3Cの使用リソース82との間のパケット衝突を抑制するように、候補リソース71~75を選択する。
ステップS301の後、図8AのステップS302が実行される。ステップS302において、車載装置30のスケジュール生成部323が、干渉車両数および車車間距離のテーブルを初期化する。初期化された干渉車両数テーブルにおいて、全ての近接車両3B、3Cに対応する干渉車両3D~3Fは、ゼロである。初期化された車車間距離テーブルにおいて、自車両3Aと、全ての近接車両3B、3Cとの車車間距離は、無限大である。
ステップS302の後、図8AのステップS303が実行される。ステップS303において、車載装置30のスケジュール生成部323が、第1群の車載装置30を搭載する車両3の番号jを初期化する。ここで、番号jは、図7AのステップS204と同様に、第1群のリストにおいて車両3に割り振られた番号を表す。また、番号jは、図8AのステップS304から図8BのステップS312までの繰り返し処理を管理する変数として使用される。この繰り返し処理は、第1群に含まれる車両3のそれぞれについて行われる処理を含む。
ステップS303の後、図8AのステップS304が実行される。ステップS304において、車載装置30のスケジュール生成部323が、番号jの車両3に搭載された車載装置30が検討対象サブフレームの期間中に使用すると推定されるリソースを、推定リソース集合Sに追加する。
ステップS304の後、図8AのステップS305が実行される。ステップS305において、車載装置30のスケジュール生成部323が、推定リソース集合Sに含まれるリソースrの番号mを初期化する。番号mは、図8AのステップS306から図8BのステップS310までの繰り返し処理を管理する変数として使用される。この繰り返し処理は、推定リソース集合Sに含まれるリソースrのそれぞれについて行われる処理を含む。
ステップS305の後、図8AのステップS306が実行される。ステップS306において、車載装置30のスケジュール生成部323が、自車両3Aから車両jまでの距離が、車車間距離テーブルの値未満か否かを判定する。自車両3Aから車両jまでの距離は、車載装置30の情報取得部321が取得した自車両3Aの位置情報と、車両jから受信したパケットに含まれる車両jの位置情報とに基づいて算出される。自車両3Aから車両jまでの距離が、車車間距離テーブルの値より小さい場合(Yes)、処理は図8BのステップS307へ進む。反対に、自車両3Aから車両jまでの距離が、車車間距離テーブルの値以上である場合(No)、処理は図8BのステップS309へ進む。
図8BのステップS307において、車載装置30のスケジュール生成部323が、自車両3Aから車両jまでの距離を、車車間距離テーブルの対応する値として設定する。この処理を、番号mおよび番号jの全ての組み合わせについて繰り返すことによって、最も短い車車間距離を特定することができる。
ステップS307の後、図8BのステップS308が実行される。ステップS308において、車載装置30のスケジュール生成部323が、自車両3Aから車両jへのサイドリンク通信における干渉車両リストの要素数を、干渉車両数テーブルの対応する値として設定する。ステップS308の後、図8BのステップS309が実行される。
図8BのステップS309において、車載装置30のスケジュール生成部323が、番号mが推定リソース集合Sの総数に達したか否かを判定する。番号mが推定リソース集合Sの総数に達していない場合(No)は、図8AのステップS306から図8BのステップS310までの繰り返し処理は継続し、処理は図8AのステップS310へ進む。反対に、番号mが推定リソース集合Sの総数に達している場合(Yes)は、この繰り返し処理は終了し、処理は図8BのステップS311へ進む。
図8BのステップS310において、車載装置30のスケジュール生成部323が、番号mをインクリメントする。ステップS310の後、処理は図8AのステップS306へ戻る。
図8BのステップS311において、車載装置30のスケジュール生成部323が、番号jが第1群の総数に達したか否かを判定する。番号jが第1群の総数に達していない場合(No)は、図8AのステップS304から図8BのステップS312までの繰り返し処理が継続するように、処理は図8AのステップS312へ進む。反対に、番号mが第1群の総数に達している場合(Yes)は、この繰り返し処理は終了し、処理は図8CのステップS313へ進む。
図8BのステップS312において、車載装置30のスケジュール生成部323が、番号jをインクリメントする。ステップS312の後、処理は図8AのステップS304へ戻る。
図8CのステップS313において、車載装置30のスケジュール生成部323が、自車両3Aの選択ウィンドウ63のリソースの集合Sを用意する。この集合Sは、SPS方式における、サイドリンク通信で使用可能な全ての候補リソースの集合Sに対応する。
ステップS313の後、図8CのステップS314が実行される。ステップS314において、車載装置30のスケジュール生成部323が、集合Sのリソースrの番号xを初期化する。ここで、番号xは、図8CのステップS315から図8DのステップS323までの繰り返し処理を管理する変数として使用される。この繰り返し処理は、集合Sに含まれるリソースrのそれぞれについて行われる処理を含む。
ステップS314の後、図8CのステップS315が実行される。ステップS315において、車載装置30のスケジュール生成部323が、自車両3Aの選択ウィンドウ63より後のリソースの集合Sを用意する。集合Sは、最小公倍数周期に含まれるリソースの集合である。
ステップS315の後、図8CのステップS316が実行される。ステップS316において、車載装置30のスケジュール生成部323が、集合Sのリソースrの番号yを初期化する。ここで、番号yは、図8CのステップS317から図8DのステップS321までの繰り返し処理を管理する変数として使用される。この繰り返し処理は、集合Sに含まれるリソースrのそれぞれについて行われる処理を含む。
ステップS316の後、図8CのステップS317が実行される。ステップS317において、車載装置30のスケジュール生成部323が、リソースrの車車間距離が、リソースrの車車間距離より短いか否かを判定する。リソースrの車車間距離がリソースrの車車間距離より短い場合(Yes)、処理はステップ図8CのS318へ進む。反対に、リソースrの車車間距離が、リソースrの車車間距離より短くない場合(No)、処理は図8DのステップS320へ進む。
図8CのステップS318において、車載装置30のスケジュール生成部323が、リソースrの車車間距離を、リソースrの車車間距離として設定する。
ステップS318の後、図8DのステップS319が実行される。ステップS319において、車載装置30のスケジュール生成部323が、リソースrの干渉車両数を、リソースrの干渉車両数として設定する。ステップS319の後、ステップS320が実行される。
図8DのステップS320において、車載装置30のスケジュール生成部323が、番号yが集合Sの総数に達したか否かを判定する。番号yが集合Sの総数に達していない場合(No)は、図8CのステップS317から図8DのステップS321までの繰り返し処理が継続するように、処理はステップS321へ進む。反対に、番号yが集合Sの総数に達している場合(Yes)は、この繰り返し処理は終了し、処理は図8DのステップS322へ進む。
図8DのステップS321において、車載装置30のスケジュール生成部323が、番号yをインクリメントする。ステップS321の後、処理は図8CのステップS317へ戻る。
図8DのステップS322において、車載装置30のスケジュール生成部323が、番号xが集合Sの総数に達したか否かを判定する。番号xが集合Sの総数に達していない場合(No)は、図8CのステップS315から図8DのステップS323までの繰り返し処理が継続するように、処理はステップS323へ進む。反対に、番号xが集合Sの総数に達している場合(Yes)は、この繰り返し処理は終了し、図8A~図8Dのフローチャートの処理も終了し、図6AのステップS03も終了し、処理は図6AのステップS04へ進む。
図8DのステップS323において、車載装置30のスケジュール生成部323が、番号xをインクリメントする。ステップS323の後、処理は図8CのステップS315へ戻る。
なお、図6AのステップS03が終了した時点で、干渉車両数テーブルと、車車間距離テーブルとが生成されている。
図6AのステップS04において、車載装置30のスケジュール生成部323が、リソースを、干渉車両数と車車間距離とに基づいてソートして、候補リソースの集合Sを生成する。この集合Sは、SPS方式における、サイドリンク通信で使用可能な全ての候補リソースの集合Sに対応する。このソートにより、干渉車両数が最も少なく、かつ、車車間距離が最も長いリソースが、集合Sにおける第1のリソースとなる。
ステップS04の後、図6AのステップS05が実行される。ステップS05において、車載装置30のスケジュール生成部323が、最終候補リソース集合Sを初期化する。この最終候補リソース集合Sは、SPS方式における、再選択候補リソース42の集合Sに対応する。初期化された最終候補リソース集合Sは、例えば、空集合である。
ステップS05の後、図6AのステップS06が実行される。ステップS06において、車載装置30のスケジュール生成部323が、候補リソース集合Sの第1候補リソースrを、最終候補リソース集合Sに移動する。このとき、候補リソース集合Sから第1候補リソースrは削除され、最終候補リソース集合Sの要素は第1候補リソースrだけである。
ステップS06の後、図6AのステップS07が実行される。ステップS07において、車載装置30のスケジュール生成部323が、候補リソース集合Sの候補リソースrの番号nを初期化する。番号nは、図6BのステップS08からステップS11までの繰り返し処理を管理する変数として使用される。この繰り返し処理は、集合Sに含まれる候補リソースrのそれぞれについて行われる処理を含む。
ステップS07の後、図6BのステップS08が実行される。ステップS08において、車載装置30のスケジュール生成部323が、第n候補リソースrの干渉車両数および車車間距離が、第1候補リソースrと同じか否かを判定する。第n候補リソースrの干渉車両数および車車間距離が、第1候補リソースrと同じである場合(Yes)、処理は図6BのステップS09へ進む。反対に、第n候補リソースrの干渉車両数および車車間距離が、第1候補リソースrと同じではない場合(No)、繰り返し処理は終了し、処理はステップS12へ進む。
図6BのステップS09において、車載装置30のスケジュール生成部323が、第n候補リソースrを、候補リソース集合Sから最終候補リソース集合Sに移動する。
ステップS09の後、図6BのステップS10が実行される。ステップS10において、車載装置30のスケジュール生成部323が、番号nをインクリメントする。
ステップS10の後、図6BのステップS11が実行される。ステップS11において、車載装置30のスケジュール生成部323が、番号nが候補リソース集合Sの総数に達したか否かを判定する。番号nが集合Sの総数に達していない場合(No)、図6BのステップS08からステップS11までの繰り返し処理は継続し、処理は図6BのステップS08へ戻る。反対に、番号nが集合Sの総数に達している場合(Yes)、この繰り返し処理は終了し、処理は図6BのステップS12へ進む。
図6BのステップS12において、車載装置30のスケジュール生成部323が、最終候補リソース集合Sに含まれる候補リソースから、いずれかのリソースをランダムに選択する。
ステップS12が終了すると、図6A、図6Bのフローチャートの処理は終了する。
一実施の形態による車載装置30は、図6A~図8Dの各フローチャートに示した処理を含むIPMI方式を実現することによって、他の車載装置30に送信するパケットにSPS-CA方式のような情報を追加することなく、SPS方式との後方互換性を保ちつつ、パケット衝突を、SPS方式より抑制することができる。また、最小公倍数周期を考慮することによって、送信周期が異なる車載装置30が存在する無線通信環境においてもパケット衝突を抑制することができる。さらに、自車両3Aにより近い干渉車両3D~3Iとのパケット衝突を優先的に抑制することができるので、交通事故の発生のより効率的な抑制が期待される。
図10、図11、図12および図13のグラフを参照して、一実施の形態による車載装置30、通信方法および車載装置プログラムを用いたIPMI方式の、SPS方式に対する優位性について説明する。
図10は、一実施の形態によるコンピュータシミュレーションの結果について説明するためのグラフである。図10のグラフにおいて、横軸は2台の車両3の間の距離を表し、縦軸はこれら2台の車両3の間で行われたサイドリンク通信におけるパケット受信率を示している。パケット受信率は、車載装置30が物理層で検知したパケットのうち、復号に成功したパケットの割合である。図10のグラフは、合計4本のグラフG11、G12、G13およびG14を含む。
グラフG11およびG12は、各車両3が時速60km(キロメートル)で、比較的低い密度で走行した場合のシミュレーション結果を示している。グラフG13およびG14は、各車両3が時速15kmで、比較的高い密度で走行した場合のシミュレーション結果を示している。ここで、グラフG11およびG12における車両3の密度は、1299m(メートル)×750mの範囲内に設定された複数の道路を、合計147台の車両3が走行する場合のものである。また、グラフG13およびG14における車両3の密度は、同じ範囲内に設定された同じ道路を、合計591台の車両3が走行する場合のものである。
また、グラフG11およびG13は、SPS方式でサイドリンク通信を行った場合のシミュレーション結果を示している。グラフG12およびG14は、一実施の形態によるIPMI方式でサイドリンク通信を行った場合のシミュレーション結果を示している。
図10のグラフから読み取れるように、いずれの条件でも、一実施の形態によるIPMI方式を用いた場合のパケット受信率が、SPS方式を用いた場合のパケット受信率を上回っている。このように、IPMI方式の優勢がコンピュータシミュレーションにより示された。
図11は、一実施の形態によるコンピュータシミュレーションの結果について説明するためのグラフである。図11のグラフにおいて、横軸は2台の車両3の間の距離を表し、縦軸はこれら2台の車両3の間で行われたサイドリンク通信におけるパケット衝突率を示している。パケット衝突率は、車両3が物理層で検知したパケットのうち、パケット衝突が原因で復号に失敗したパケットの割合である。図11のグラフは、合計4本のグラフG21、G22、G23およびG24を含む。
グラフG21およびG22は、図10のグラフG11およびG12の場合と同様に、各車両3が時速60kmで、比較的低い密度で走行した場合のシミュレーション結果を示している。グラフG23およびG24は、図10のグラフG13およびG14の場合と同様に、各車両3が時速15kmで、比較的高い密度で走行した場合のシミュレーション結果を示している。
また、グラフG21およびG23は、SPS方式でサイドリンク通信を行った場合のシミュレーション結果を示している。グラフG22およびG24は、一実施の形態によるIPMI方式でサイドリンク通信を行った場合のシミュレーション結果を示している。
図11のグラフから読み取れるように、いずれの条件でも、一実施の形態によるIPMI方式を用いた場合のパケット衝突率が、SPS方式を用いた場合のパケット衝突率を下回っている。このように、IPMI方式の優勢がコンピュータシミュレーションにより示された。
図12は、一実施の形態によるコンピュータシミュレーションの結果について説明するためのグラフである。図12のグラフにおいて、横軸は2台の車両3の間の距離を表し、縦軸はこれら2台の車両3の間で行われたサイドリンク通信におけるパケット受信率を示している。図12のグラフは、合計8本のグラフG31、G32、G33、G34、G35、G36、G37およびG38を含む。
グラフG31~G38は、いずれも、図10のグラフG11およびG12の場合と同様に、各車両3が時速60kmで、比較的低い密度で走行した場合のシミュレーション結果を示している。
グラフG31、G32、G33およびG34は、車両3のうち、一実施の形態によるIPMI方式でサイドリンク通信を行う車両3の比率がそれぞれ100%、75%、50%および25%である場合の、IPMI方式でサイドリンク通信を行う車両3におけるパケット受信率を示している。
グラフG35、G36、G37およびG38は、車両3のうち、SPS方式でサイドリンク通信を行う車両3の比率がそれぞれ25%、50%、75%および100%である場合の、SPS方式でサイドリンク通信を行う車両3におけるパケット受信率を示している。
図12から読み取れるように、一実施の形態によるIPMI方式と、SPS方式とが混在する無線通信環境においても、両方式の比率によらず、一実施の形態によるIPMI方式を用いた場合のパケット受信率が、SPS方式を用いた場合のパケット受信率を上回っている。このように、IPMI方式の優勢がコンピュータシミュレーションにより示された。
図13は、一実施の形態によるコンピュータシミュレーションの結果について説明するためのグラフである。図13のグラフにおいて、横軸は2台の車両3の間の距離を表し、縦軸はこれら2台の車両3の間で行われたサイドリンク通信におけるパケット受信率を示している。図13のグラフは、合計8本のグラフG41、G42、G43、G44、G45、G46、G47およびG48を含む。
グラフG41~G48は、いずれも、図10のグラフG13およびG14の場合と同様に、各車両3が時速15kmで、比較的高い密度で走行した場合のシミュレーション結果を示している。
グラフG41、G42、G43およびG44は、車両3のうち、一実施の形態によるIPMI方式でサイドリンク通信を行う車両3の比率がそれぞれ100%、75%、50%および25%である場合の、IPMI方式でサイドリンク通信を行う車両3におけるパケット受信率を示している。
グラフG45、G46、G47およびG48は、車両3のうち、SPS方式でサイドリンク通信を行う車両3の比率がそれぞれ25%、50%、75%および100%である場合の、SPS方式でサイドリンク通信を行う車両3におけるパケット受信率を示している。
図13から読み取れるように、一実施の形態によるIPMI方式と、SPS方式とが混在する無線通信環境においても、両方式の比率によらず、一実施の形態によるIPMI方式を用いた場合のパケット受信率が、SPS方式を用いた場合のパケット受信率を上回っている。このように、IPMI方式の優勢がコンピュータシミュレーションにより示された。
上述した実施の形態では、車載装置30が1つの送信周期の間に最大で1回の送信を行う構成について説明した。この構成の変形例として、車載装置30が1つの送信周期の間に最大で2回の送信を行ってもよい。これは、例えば、サイドリンク通信のHARQ(Hybrid ARQ)と呼ばれる自動再送制御であり、最大2回までパケットを送信して、受信機がこれら2つのパケットをソフトウェア合成することによって、復号率を高めることのできる技術である。
以上、発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。また、実施の形態に説明したそれぞれの特徴は、技術的に矛盾しない範囲で自由に組み合わせることが可能である。
1 通信システム
2 基地局
3 車両
3A 車両(自車両)
3B、3C 車両(近接車両)
3D、3E、3F、3G、3H、3I 車両(干渉車両)
30、30A 車載装置
30B、30C 車載装置(近接車両車載装置)
30D、30E、30F、30G、30H、30I 車載装置(干渉車両車載装置)
31 バス
32 演算装置
321 情報取得部
322 通信部
323 スケジュール生成部
33 記憶装置
330 記録媒体
331 車載装置プログラム記憶部
34 通信装置
35 車両モニタ装置
36 測位装置
37 入出力装置
41 前回選択リソース
42 再選択候補リソース
43 再選択リソース
5 リソースセット
61 センシングウィンドウ
62 平均RSSI
63 選択ウィンドウ
71、72、73、74、75 候補リソース
81、82、83 使用リソース
DL ダウンリンク
G11、G12、G13、G14 グラフ
G21、G22、G23、G24 グラフ
G31、G32、G33、G34、G35、G36、G37、G38 グラフ
G41、G42、G43、G44、G45、G46、G47、G48 グラフ
SL サイドリンク
UL アップリンク

Claims (5)

  1. 車両に搭載されるように構成された車載装置であって、
    前記車両の位置を測定して車両位置情報を取得する情報取得部と、
    前記車載装置の第1の通信可能範囲の内側に存在する近接車両に搭載された近接車両車載装置への、前記車両位置情報を含むパケットの送信を、直接的なサイドリンク通信によって行う通信部と、
    前記パケットの前記送信に使用する周波数帯および送信タイミングを組み合わせた無線通信リソースを、前記パケットの前記送信のスケジュールとして設定するスケジュール生成部と
    を備え、
    前記スケジュール生成部は、
    前記車載装置が使用可能な前記無線通信リソースのそれぞれについて、前記第1の通信可能範囲の内側に存在し、かつ、前記近接車両車載装置の第2の通信可能範囲の内側に存在する干渉車両の数を、前記干渉車両に搭載された干渉車両車載装置から受信した干渉車両パケットに基づいて推測し、
    前記車両位置情報と、前記干渉車両パケットに含まれる前記干渉車両の位置情報とに基づいて、前記車両から前記干渉車両までの車車間距離を算出し、
    前記車載装置が使用可能な前記無線通信リソースのうち、前記干渉車両の前記数が最も少なく、かつ、前記車車間距離が最も長い前記無線通信リソースを選択して前記スケジュールとして設定し、
    前記通信部は、前記スケジュールに設定された前記無線通信リソースを用いて前記パケットの前記送信を行う
    車載装置。
  2. 請求項1に記載の車載装置において、
    前記スケジュール生成部は、
    前記車載装置および前記近接車両車載装置のそれぞれの送信周期の最小公倍数周期の間に前記近接車両車載装置のそれぞれが使用する無線通信リソースに基づいて、前記近接車両車載装置および前記干渉車両車載装置との間でパケット衝突を抑制するように、前記車載装置が前記最小公倍数周期の間に用いる前記無線通信リソースを選択する
    車載装置。
  3. 請求項1または2に記載の車載装置において、
    前記パケットは、
    前記車両の移動速度を表す車速情報
    をさらに含み、
    前記車両から前記車速情報を取得する車両モニタ装置と、
    前記車両の前記位置を測定する測位装置と
    をさらに備える
    車載装置。
  4. 車載装置を搭載する車両の位置を測定した車両位置情報を取得することと、
    前記車載装置の第1の通信可能範囲の内側に存在する近接車両に搭載された近接車両車載装置への、前記車両位置情報を含むパケットの送信を、直接的なサイドリンク通信によって行うことと、
    前記パケットの前記送信に使用する周波数帯および送信タイミングを組み合わせた無線通信リソースを、前記パケットの前記送信のスケジュールとして設定することと
    を含み、
    前記設定することは、
    前記車載装置が使用可能な前記無線通信リソースのそれぞれについて、前記第1の通信可能範囲の内側に存在し、かつ、前記近接車両車載装置の第2の通信可能範囲の内側に存在する干渉車両の数を、前記干渉車両に搭載された干渉車両車載装置から受信した干渉車両パケットに基づいて推測することと、
    前記車両位置情報と、前記干渉車両パケットに含まれる前記干渉車両の位置情報とに基づいて、前記車両から前記干渉車両までの車車間距離を算出することと、
    使用可能な前記無線通信リソースのうち、前記干渉車両の前記数が最も少なく、かつ、前記車車間距離が最も長い前記無線通信リソースを選択して前記スケジュールとして設定することと
    を含み、
    前記送信を行うことは、
    前記スケジュールに設定された前記無線通信リソースを用いて前記パケットの前記送信を行うこと
    を含む
    通信方法。
  5. 車両に搭載された車載装置の演算装置が実行することによって所定の処理を実現するための車載装置プログラムであって、
    前記処理は、
    前記車両の位置を測定した車両位置情報を取得することと、
    前記車載装置の第1の通信可能範囲の内側に存在する近接車両に搭載された近接車両車載装置への、前記車両位置情報を含むパケットの送信を、直接的なサイドリンク通信によって行うことと、
    前記パケットの前記送信に使用する周波数帯および送信タイミングを組み合わせた無線通信リソースを、前記パケットの前記送信のスケジュールとして設定することと
    を含み、
    前記設定することは、
    前記車載装置が使用可能な前記無線通信リソースのそれぞれについて、前記第1の通信可能範囲の内側に存在し、かつ、前記近接車両車載装置の第2の通信可能範囲の内側に存在する干渉車両の数を、前記干渉車両に搭載された干渉車両車載装置から受信した干渉車両パケットに基づいて推測することと、
    前記車両位置情報と、前記干渉車両パケットに含まれる前記干渉車両の位置情報とに基づいて、前記車両から前記干渉車両までの車車間距離を算出することと、
    使用可能な前記無線通信リソースのうち、前記干渉車両の前記数が最も少なく、かつ、前記車車間距離が最も長い前記無線通信リソースを選択して前記スケジュールとして設定することと
    を含み、
    前記送信を行うことは、
    前記スケジュールに設定された前記無線通信リソースを用いて前記パケットの前記送信を行うこと
    を含む
    車載装置プログラム。
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