JP2023124292A - エネルギーシステムの運転計画装置および運転計画方法 - Google Patents

エネルギーシステムの運転計画装置および運転計画方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蓄電池の充放電回数を低減して蓄電池の劣化を抑制して運転コストを低減する運転計画装置および運転計画方法を提供する。【解決手段】運転計画装置20は、需要家エネルギーシステム1の運転コストを最小にする最適化計算を行い運転計画を立てる運転計画演算部24と、蓄電池4の放電によりエネルギーシステムの運転コストを増加させるペナルティ情報を設定する設定手段と、を備え、運転計画演算部24は、ペナルティ情報を付加して運転コストを低減する計算を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、エネルギーシステムの運転計画装置および運転計画方法に関する。
近年、電力需給の逼迫や燃料コストの増加、さらに再生可能エネルギー発電促進賦課金の増加により国内の電力料金は上昇しており、ビル、工場、街区などの需要家では、エネルギー効率向上やBCP(Business Continuity Planning:事業継続計画)対応のため、発電機、太陽光発電(PV:Photovoltaic Power Generation)、蓄電池などで構成されるエネルギーシステムの導入が進んでいる。特に最近は、需要家内でのCO排出削減を目的として、PVの導入量が増加している。しかし、PV導入量の増大に伴い、気象条件に起因したPV発電の変動により、契約電力の超過やPV発電抑制の問題が顕在化してきた。
このような問題を解決するため、需要家内の電力・熱需要やPV発電量を予測してエネルギーシステムを最適に運転する運転計画システムが普及してきている。
特許文献1には、蓄電機器情報内の容量維持率情報に基づいて、蓄電機器の劣化進度を推定し、劣化進度および蓄電機器温度予測情報に基づいて制限情報として蓄電機器の最大充放電電流、充電終止電圧、放電終止電圧の少なくとも1つを決定して、該制限情報を用いて充放電電力を決定する運転計画作成手段を備える電力管理装置が記載されている。特許文献1に記載の電力管理装置は、PV発電予測情報、電力需要予測情報および電力料金体系に基づいて、エネルギーシステムで発生する電力料金が最小になるように、蓄電池の充放電電力について最適化計算を用いて計画する。
一般に、需要家エネルギーシステムおいて、蓄電池は以下の3つの機能を実現するために使用される。
1つ目は、「ピークカット」の機能である。需要家の受電電力には契約電力の制限があるため、電力需要が契約電力を超過する場合、事前に蓄電池に充電した電力を放電して受電電力を契約電力未満に抑制する。契約電力料金は、年間に亘り影響するため、ピークカットは最優先の機能となる。
2つ目は、「PV発電余剰電力の充電」の機能である。PV発電量が電力需要を超過する場合、PV発電の余剰分を充電し、他の時間帯で放電し、電気料金を低減する。PV発電の抑制は、エネルギーの無駄になるため、次に優先する機能となる。
3つ目は、「ピークシフト」の機能である。電力会社からの購入電力は、昼間と夜間の時間帯により電力従量料金が異なるため、料金の安い夜間電力で充電し、料金の高い昼間に放電して電気料金を低減する。
特許第6436873号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電力管理装置は、エネルギーシステムの運転コスト最小を目的とした最適化計算により運転計画を立案するため、蓄電池の充放電回数が増加し、蓄電池の劣化が進展する可能性がある。
このような事情に鑑みてなされたものであり、蓄電池の充放電回数を低減して蓄電池の劣化を抑制して運転コストを低減する運転計画装置および運転計画方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の運転計画装置は、購入電力料金情報と電力需要予測に基づいて、蓄電池を備えてなるエネルギーシステムの運転計画を立案する運転計画装置であって、前記運転計画を立てる運転計画演算手段と、前記蓄電池の放電によりエネルギーシステムの運転コストを増加させるペナルティ情報を設定する設定手段と、を備え、前記運転計画演算手段は、前記ペナルティ情報を付加して前記運転コストを低減する計算を行うことを特徴とする。
本発明によれば、蓄電池の充放電回数を低減して蓄電池の劣化を抑制して運転コストを低減することができる運転計画装置および運転計画方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るエネルギー管理装置が適用される需要家エネルギーシステムの構成を示す図である。 上記第1実施形態に係る需要家エネルギーシステムの運転計画装置の構成を示すブロック図である。 上記第1実施形態に係る需要家エネルギーシステムの蓄電池の充放電による電気料金価格差に基づくピークシフトを説明する図である。 上記第1実施形態に係る需要家エネルギーシステムの蓄電池の充放電による電気料金価格差に基づくピークシフトの他の例を説明する図である。 上記第1実施形態に係る需要家エネルギーシステムの放電ペナルティがないケースの運転計画を説明する図である。 上記第1実施形態に係る需要家エネルギーシステムの放電ペナルティがあるケースの運転計画を説明する図である。 上記第1実施形態に係る需要家エネルギーシステムの運転計画装置の運転計画処理1を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る需要家エネルギーシステムの運転計画装置の運転計画処理2を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る需要家エネルギーシステムの運転計画装置の構成を示すブロック図である。 上記第3実施形態に係る需要家エネルギーシステムの運転計画装置の運転計画処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るエネルギー管理装置が適用される需要家エネルギーシステムの構成を示す図である。各図において、参照番号が同一のものは同一の構成要件あるいは類似の機能を備えた構成要件を示している。
[需要家エネルギーシステム]
需要家エネルギーシステム1は、本実施形態に係るエネルギー管理装置が適用されるビル、工場または集合住宅等の需要家である。
需要家エネルギーシステム1は、エネルギー管理装置2、発電機3、蓄電池4、PV5、および熱源機6、電力負荷7、および熱負荷8を備える。
需要家エネルギーシステム1は、少なくとも蓄電池4を備え、後記エネルギー管理装置2の運転計画装置20が、購入電力料金情報と電力需要予測に基づいて需要家エネルギーシステム1の運転計画を立案する。例えば、「ピークシフト」は、時間帯により電力従量料金が異なるため、料金の安い夜間電力で充電し、料金の高い昼間に放電して電気料金を低減する。このため、購入電力料金情報と電力需要予測を用いる。
需要家エネルギーシステム1は、図示しない電力系統に接続されており、需要家エネルギーシステム1で不足する電力を、電力会社等から購入電力(買電)9として購入する。また、需要家エネルギーシステム1は、需要家エネルギーシステムの運転に必要な都市ガス10をガス会社等から購入する。
エネルギー管理装置2は、それぞれのカテゴリーでのエネルギーの消費を監視/制御するシステム(Energy Management System)であり、商用ビル向け(Building)のBEMS、工場向け(Factory)のFEMS、住宅向け(Home)のHEMS、これらを含んだ地域全体向け(Community)のCEMSがある。本実施形態は、エネルギー管理装置2として、BEMS、FEMS、HEMSを例にとる。
エネルギー管理装置(BEMS、FEM、HEMS)2は、需要家内の通信ネットワークを介して需要家エネルギーシステム1の各設備に接続されている。エネルギー管理装置2は、各設備の運転計画の立案および制御を行う。
発電機3は、蒸気・ガスタービン用発電機やガス・ディーゼルエンジン用発電機である。
蓄電池4は、蓄電池(本体)と、蓄電池(本体)の充放電を管理する蓄電池パワーコンディショナー(PCS:Power Conditioning System)とを有する。蓄電池4は、例えばリチウムイオンバッテリである。また、電気自動車等のバッテリを蓄電池4として利用する場合も含まれる。
PV5は、太陽光パネル(PV)と、太陽光パネルから出力される直流電力を交流電力に変換するPVパワーコンディショナー(PCS:Power Conditioning System,PVインバータともいう)とを有する。
熱源機6は、冷凍機、ボイラー等の熱源設備である。
電力負荷7は、空調や照明等の電力消費(または、電力需要)である。電力負荷7は、工場では生産設備の電力消費(または、電力需要)も含まれる。
熱負荷8は、例えば空調等の熱消費である。熱負荷8は、工場では生産設備の熱消費である。なお、熱負荷8は、熱需要と呼称されることもある。
[運転計画装置]
図2は、上記エネルギー管理装置2の一機能である運転計画装置20の構成を示すブロック図である。なお、エネルギー管理装置2は、運転計画装置20の他、データ収集装置(スキャナ;図示省略)や需要予測装置(図示省略)、運転計画装置20の出力(前日の運転計画)をもとに、当日に電力需要を計測しながら各機器を制御する制御装置30を備える。
図2に示すように、運転計画装置20は、処理部21(設定手段)と、入力部22(設定手段)と、運転計画表示部23と、運転計画演算部24(運転計画演算手段)と、運転計画データ記憶部25(設定手段)と、運転計画出力部26と、を備える。運転計画装置20は、専用装置の他、PCを含むサーバにより構成される。
処理部21は、運転計画演算部24と共に、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、運転計画装置20の中で行われる運転計画に関する一連の処理を行う。また、処理部21は、ペナルティ情報(後記式(5)の放電ペナルティPB(t)参照)の充放電ペナルティ係数kcp(初期値)を変える場合、あらかじめ設定された範囲内で充放電ペナルティ係数kcpを更新する。
入力部22は、気象予報、需要予測情報、電力価格、ガス価格等の情報をエネルギー管理装置2から受け取る。また、入力部22は、蓄電池4の放電を抑制するペナルティ情報(後記式(5)の放電ペナルティPB(t)参照)を設定する設定手段としての機能を有する。
運転計画表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)装置およびドライバ等により構成され、運転計画結果を画面に表示する。
運転計画演算部24は、需要家エネルギーシステム1の運転計画を立案するための最適化計算を行う。具体的には、運転計画演算部24は、需要家エネルギーシステム1の運転コストを最小にする最適化計算を行い運転計画を立てるとともに、蓄電池4の放電によりエネルギーシステムの運転コストを増加させるペナルティ情報を付加して運転コストを低減する計算を行う。ここで、運転コストは、需要家エネルギーシステム1で電力負荷や設備が消費する購入電力9の料金と、設備が消費する燃料(図1では、都市ガス10)の料金の合計である。
運転計画は、エネルギーシステムの各設備の起動・停止、運転出力の、例えば、30分間隔24時間の運転スケジュールである。運転計画演算部24で行う需要家エネルギーシステムの最適化計算の概要については後記する。
運転計画演算部24は、ペナルティ情報(後記式(5)の放電ペナルティPB(t)参照)を付加して最適化計算を行う。
上記ペナルティ情報は、時間帯による電力価格差情報に基づいて決定される。すなわち、放電ペナルティPB(t)(ペナルティ情報)は、後記式(6)で示すように、(充放電ペナルティ係数kcp>充放電を抑制したい電力価格差)で与えられる。充放電を抑制したい電力価格差は、充放電によるピークシフトを抑制する電力の価格差の閾値であり、例えば、図3に示す電気料金価格差(電気料金の最大値と最小値の差)である。充放電を抑制したい電力価格差は、ユーザが任意に設定できる。また、小売事業者から卸電力市場の電気料金で電力を購入する場合、変動する電気料金が設定した充放電を抑制したい電力価格差より大きいときは充放電を行い、小さいときは充放電を抑制することができる。さらに別の例として、充放電を抑制したい電力価格差は、電気料金の最大値と、発電機3の発電単価(発電機で単位電力量を発電するために消費する燃料費(\/kWh))の差に設定してもよい。
運転計画データ記憶部25は、HDD(hard disk drive)等の外部記憶装置により構成され、運転計画結果をデータベース化して記憶する。
運転計画出力部26は、運転計画結果を制御目標値としてエネルギー管理装置2の制御装置30に出力する。
[需要家エネルギーシステムの最適化計算の概要]
運転計画演算部24で行う需要家エネルギーシステムの最適化計算の概要について説明する。
需要家エネルギーシステムの最適化計算では、(1)電力の需給バランス、(2)熱エネルギー(例えば、蒸気)の需給バランス、(3)蓄電池の時間方向のエネルギーバランスを算出する。
<電力の需給バランス>
電力の需給バランスを表わす電力需要D(kW)は、式(1)で示される。
Figure 2023124292000002
熱エネルギーの例として、蒸気の需給バランスを表わす蒸気需要D(kW)は、式(2)で示される。蒸気は、熱負荷の一例である。蒸気は、製造工程で例えば蒸気を使って殺菌、加熱するケースがある。また、熱負荷の中には、蒸気の他、温水もある。温水は、空調等に用いられる。
Figure 2023124292000003
蓄電池の時間方向のエネルギーバランスを表わす蓄電池の充電残量であるSBT(kWh)は、式(3)で示される。
Figure 2023124292000004
最適化計算の運転コストは、目的関数Uを用いて、式(4)で示される。
Figure 2023124292000005
最適化計算では,目的関数Uを最小にするように最適化変数の組み合わせを探索する。最適化計算では、最適化計算手法は限定されず、例えば、混合整数線形計画手法を用いる。最適化変数は、発電機3の起動・停止変数(1:起動,0:停止)とその出力、熱源機6の起動・停止変数(1:起動,0:停止)とその出力、蓄電池4の充電出力、および放電出力である。
上述したように、蓄電池4の充放電の運転計画では、「ピークカット」、「PV発電余剰の充電」、および「ピークシフト」の各機能を実行する。ここで、「ピークカット」、「PV発電余剰の充電」、および「ピークシフト」を全て実行できれば、運転コストを最小化できる。具体的には、最適運転計画において、目的関数を、上記式(4)に示すように運転コストに設定し、蓄電池4の運転計画を立案する。
本発明者は、蓄電池の充放電回数の増加により蓄電池4の劣化が進行しライフサイクルコストが増大する可能性があることを見出した。
すなわち、上記式(4)に示すように、最適化計算では、エネルギーコストを最小にするため、電力価格差に対応したピークシフト(以下、電力価格差によるピークシフトという)も行う。このため、蓄電池の充放電回数が増加し、蓄電池の劣化につながる。以下、電力価格差によるピークシフトについて説明する。
<蓄電池の充放電による電力価格差に基づくピークシフト>
電力価格差によるピークシフトは、ある時刻における電力価格(発電単価、電気料金)の発電機器または買電の電力で蓄電池の充電を行い、その後の時刻における発電機または買電の電力価格(発電単価、電気料金)に比べて、蓄電池に安い電力価格で充電されている電力を放電することにより、運転コストを削減する運転である。一例として、蓄電池4の充放電による電気料金価格差に基づくピークシフトを示す。
図3は、蓄電池の充放電による電気料金価格差に基づくピークシフトを説明する図であり、図3上段の図は電気料金を示し、図3下段の図は、蓄電池の充放電出力を示す。
一般に電気料金は、昼間の時間帯が高く、夜間・早朝の時間帯が安い。このため、図3下段の図に示すように、夜間・早朝の時間帯に蓄電池に充電し、昼間の時間帯に放電する。このようにすると、図3上段の図に示すように、電気料金価格差×放電量の分の運転コストが節約できる。
図4は、蓄電池の充放電による電気料金価格差に基づくピークシフトの他の例を説明する図である。
上記の電気料金価格差に基づくピークシフトは、図4中のケースAの場合である。他の例としては、電気料金の安い時間帯に充電して、その後の時間帯で発電単価の高い発電機による電力の代りに蓄電池の放電を行うピークシフト(ケースB)、発電単価がほぼ0のPV発電の電力を充電して、その後の時間帯でPV発電の発電単価より高い電気料金の買電の代りに蓄電池の放電を行うピークシフト(ケースC、D)、発電単価がほぼ0のPV発電の電力を充電して、その後の時間帯でPV発電の発電単価より高い発電単価の発電機の電力の代りに蓄電池の放電を行うピークシフト(ケースE)などがある。
本実施形態では、買電による充電を活用したピークシフト(ケースA、B)を抑制する。また、発電単価がほぼ0のPV発電による充電を活用したピークシフト(ケースC、D、E)は、運転コストの削減効果が大きいため実行する。このときの放電ペナルティPB(t)は、式(5)で示される。
Figure 2023124292000006
式(5)の:充放電ペナルティ係数kcpは、PV発電の発電単価(ほぼ0)と買電または発電の電力価格との差(充放電を行う電力価格差)よりも小さく設定する。
しかしながら、上述したように、運転コスト最小化を目的とした最適化計算では、電気料金価格差が小さい場合でも、ピークシフトを実行することとなり、蓄電池の充放電回数が増加して蓄電池の劣化が進み、結果的にライフサイクルコストが増加する課題があった。
本実施形態では、最適化計算において、想定した電力価格差未満では、ユーザにとって優先度の低いピークシフトのための蓄電池の充放電を抑制するようにペナルティを設ける。
具体的には、電力需要やPV発電の予測結果に基づき、ユーザにとって優先度の低いピークシフトのための蓄電池の充放電を抑制する。このため、最適化計算の運転コストを算出する目的関数Uに、蓄電池の充放電を抑制する放電ペナルティPB(t)(ペナルティ情報)を追加する。放電ペナルティPB(t)を追加した目的関数Uは、式(6)で示され、式(6)中の放電ペナルティPB(t)は、式(5)で示される。運転コストを算出する目的関数Uに、放電ペナルティPB(t)を設けることにより、蓄電池4の放電(放電回数)を減らすことができる。放電を減らすことができるので、放電に対する充電もなくなり、結果的に、蓄電池4の充放電を減らすことができる。
Figure 2023124292000007
式(6)に示す目的関数Uを用いて計算された電気料金の価格差を活用した充放電を行うと、電気料金価格差以上のペナルティのコストが発生するので、電気料金の価格差を活用した充放電は抑制される。想定した電力価格差未満のピークシフトを防止することにより、蓄電池4の充放電回数を抑制して、劣化の進行を防止できる。
一方、ピークカットの放電およびPV余剰電力の充電は、電力需給バランスの制約条件(式(1)の条件)、および、買電の契約電力の制約条件(式(7)の条件)を満たす必要があるため、ペナルティに関わらず実行される。
Figure 2023124292000008
このように、本実施形態は、運転計画装置20が実行する3つの機能、すなわち「ピークカット」、「PV発電余剰電力の充電」および「ピークシフト」のうち、「ピークシフト」を実行しないように「ピークカット」と「PV発電余剰電力の充電」を実行する。このため、「ピークカット」と「PV発電余剰電力の充電」は対象にしている。また、「ピークシフト」について、電力価格差によるピークシフトを実行しないという点に特徴がある。「ピークシフト」を実行しないように「ピークカット」と「PV発電余剰電力の充電」を実行するために、運転コストを算出する目的関数Uに、放電ペナルティPB(t)を設ける(設定する)ことにより、蓄電池4の放電(放電回数)を減らしている。
<放電ペナルティがないケースとあるケースでの運転計画の比較>
以下、放電ペナルティがないケースとあるケースでの運転計画を比較して説明する。
本実施形態の運転計画は、1日毎の運転計画であり、毎日、次の日の運転計画を前日に立案する。すなわち、前日に次の日の気象情報が入るので、PV発電がどれだけ発電されるか、および、電力需要および熱(蒸気)需要がどれだけ発生するか予想をして、次の日の発電機や蓄電池の一日の運転計画を立案する。実際には、気象情報は、数時間ごとに更新されたものが入力される。例えば、契約した気象プロバイダーから、気象予報(気温、湿度、日射量)が運転計画装置20の入力部22(図2)に入力される。
また、電力・熱需要は、時々刻々と変化し、数時間ごとに情報が入力される。運転計画装置20は、これら気象情報や電力・熱需要の更新情報をもとに、前の日に立案した上記一日の運転計画を、例えば30分ごとに予想し直して立て直す。
まず、放電ペナルティがないケースの運転計画について述べる。
図5は、放電ペナルティがないケースの運転計画を説明する図であり、図5上段の図は電力価格を示し、図5下段の図は、各施設における電力を示す。横軸は、運転計画時刻のスロットを示し、1日を24時刻に分けた24スロットを表わす。なお、30分ごとに予想し直して立て直す場合は、48スロットとする。
需要家エネルギーシステム1(図1参照)は、発電機1台(発電出力:300kW)、蓄電池1台(充放電出力:200kW,充電容量:500kWh)を備えるものとする。電力会社からの買電単価は、14\/kWh(8:00~18:00),6\/kWh(0:00~8:00,18:00~24:00)とし、発電機3(図1参照)の発電単価は、10\/kWhとする。
図5の上図と下図を結ぶ破線に示すように、昼間と夜間とで、買電と発電機3による発電で発電コストが逆転する(昼間では、発電機3による発電コストが買電よりも安い)。なお、発電機3による発電コスト(二点鎖線)は、一定とする。ここで、発電コストは発電機3による発電よりもPV発電がさらに安い(PV発電の発電コスト0)。
また、図5に示すように、需要家エネルギーシステム1は、100(kWh)の電力需要をベースとして、最大600(kWh)までの電力需要に対して対応できなければならない。
図5に示すように、需要家エネルギーシステム1は、電力価格差によるピークシフト(図4の符号a参照)を実行する。ピークシフトは、料金の安い夜間電力で蓄電池4に充電し、料金の高い昼間に蓄電池4から放電して電気料金を低減する。ここでは、1~3時台で単価が安い買電で充電(図4の符号b参照)を行うとともに、買電単価が高い8~10時台で、発電単価が安い発電機3による発電(図4の符号c参照)と、単価が安い買電で充電した電力をもとに蓄電池4の放電(図4の符号d参照)を行う。
そして、PV発電余剰の吸収に備えて充電残量を0にしている(図4の符号e参照)。なお、図4において、充電残量を表記したのは、PV発電余剰の吸収に備えて充電残量を0にして、蓄電池の充放電の動きまたは回数を示すためである。
図5に示すように、昼間の8~18時台では、PV5により、発電コストが0のPV発電を行っている。特に、12~14時台では、PV発電が電力需要を上回っている(図5の符号f参照)。
このため、需要家エネルギーシステム1は、12~14時台ではPV発電余剰を吸収するため、蓄電池4に充電を行う(図5の符号g参照)。なお、1~3時台での蓄電池4への充電(図5の符号a参照)は、単価が安い買電を用いての充電であるのに対し、12~14時台での充電(図5の符号g参照)は、PV発電余剰を吸収するための充電であり、充放電の機能は同じであるが、目的が異なる。
15時台以降は、PV発電だけでは電力需要を賄えない。電力需要を賄うため、PV発電に加えて、電気料金より発電単価の安い発電機3による発電(図4の符号h参照)と、PV発電剰余分の充電電力をもとに蓄電池4の放電(図4の符号i参照)を行う。
このように、需要家エネルギーシステム1は、16~18時台では発電コストが0のPV発電余剰分を放電している。また、需要家エネルギーシステム1は、買電単価が安い19~24時台では、単価の安い買電で電力需要を賄っている。図5に示す放電ペナルティがないケースでは、蓄電池4を最大限活用するため、1日の間で充電残量の50%を超える充放電を2回実行する計画を生成している。
次に、放電ペナルティがあるケースの運転計画について述べる。
図6は、放電ペナルティがあるケースの運転計画を説明する図であり、図6上段の図は電力価格を示し、図6下段の図は、各施設における電力を示す。
需要家エネルギーシステム1は、図5の場合と同一条件で運転するものとする。また、電力会社からの買電単価および、発電機3の発電単価は、図5の場合と同一である。
需要家エネルギーシステム1は、図5の1~11時台で行われたピークシフトを抑制するため、上記式(6)に示す電気料金価格差を活用した充放電のペナルティを設定した解析を実行する。
図6に示すように、需要家エネルギーシステム1は、電力価格差によるピークシフト(図6の符号j参照)を抑制する。
電力価格差によるピークシフトを(図6の符号j参照)を抑制するので、前記図5の符号bに示す1~3時台の買電での充電、図5の符号dに示す蓄電池4の放電は、いずれも実行が停止される。また、電力価格差によるピークシフトを抑制しているので、充電残量は0である。
この放電ペナルティがあるケース(電力価格差によるピークシフトを抑制するケース)では、1~7時台では主に買電で電力需要を賄い、8~11時台では、PV発電と電気料金(買電単価)安い発電単価の発電機3で電力需要を賄っている。
12~14時台では、PV発電余剰を吸収するため充電を行い、16~18時台で発電コストが0のPV発電余剰分を放電している。19~24時台では、単価の安い買電で電力需要を賄っている。この放電ペナルティがあるケースでは、電気料金価格差を活用したピークシフトを抑制しているため、1日の充放電回数は、PV発電余剰分の充放電のための1回となっている。
以上、式(6)のペナルティ項PBの充放電ペナルティ係数kcp[\/kWh]を電気料金価格差より大きく設定することにより、電気料金価格差を活用したピークシフト(電力価格差によるピークシフト)のための蓄電池の充放電を抑制することができる。ここで、抑制されるのは、抑制したい電力価格差によるピークシフトであって、PV発電余剰分を放電する蓄電池4の放電は、充放電ペナルティ係数kcpを充放電を行う電力価格差より小さく設定することにより抑制されない。
ちなみに、充放電ペナルティ係数kcp[\/kWh] (ペナルティ情報)を電気料金価格差と等しくした場合、ピークシフトによる電気料金の削減とピークシフトのための蓄電池の充放電のペナルティが等しくなる。この場合について説明する。一般に、蓄電池の充電および放電では、損失が発生する。このため、ピークシフトのための蓄電池の充放電をした方が、運転コストがわずかに増大する。したがって、図6に示す放電ペナルティがあるケースの運転計画になる。
以下、上述のように構成された需要家エネルギーシステムの動作について説明する。
<運転計画処理1>
図7は、需要家エネルギーシステム1の運転計画装置20の運転計画処理1を示すフローチャートである。
ステップS1で運転計画装置20の入力部20(図2参照)は、最適運転計画の入力データとして、電力・熱需要予測結果、電気料金、ガス料金、機器のエネルギー消費特性および充放電ペナルティ係数kcpを入力する。充放電ペナルティ係数kcpは、ユーザがあらかじめ設定した係数である。例えば、入力部20により、ユーザが設定する。
ステップS2で運転計画装置20の運転計画演算部24(図2参照)は、需要家エネルギーシステムの運転計画を立案するための最適化計算を行う。具体的には、運転計画演算部24は、上記入力データに基づき、式(5)の目的関数Uを最小にする最適化計算を行う。
ステップS3で運転計画装置20の運転計画表示部23(図2参照)は、立案した機器(発電機、蓄電池、他)の運転計画結果を、例えば制御装置30(図1参照)に出力して、本フローの処理を終了する。ここで、運転計画結果の出力は、運転計画表示部23への表示、図示しない記録媒体への記録、I/Fを介してプリンタ等による印刷、通信I/Fを経由してのデータ送信等がある。
これにより、電力価格差によるピークシフトのための蓄電の充放電を抑制した計画を立案することができる。
[効果]
以上説明したように、本実施形態に係る運転計画装置20は、需要家エネルギーシステム1の運転コストを最小にする最適化計算を行い運転計画を立てる運転計画演算部24と、蓄電池4の放電によりエネルギーシステムの運転コストを増加させるペナルティ情報を設定する設定手段と、を備え、運転計画演算部24は、ペナルティ情報を付加して運転コストを低減する計算を行う。
この構成により、蓄電池の充放電回数を低減して蓄電池の劣化を抑制して運転コストを低減することができる。
運転計画装置20において、ペナルティ情報は、時間帯による電力価格差情報に基づいて決定される。これにより、想定した電力価格差未満のピークシフトを防止することにより、蓄電池4の充放電回数を抑制して、劣化の進行を防止できる。その結果、蓄電池4の劣化を防止しながら、契約電力超過とPV発電余剰を防止することができる。
運転計画装置20において、運転計画の最適化計算において、運転コストを目的関数とし、目的関数に蓄電池の放電量に比例した仮想的な運転コストとしての放電ペナルティ項を付加し、目的関数を最小化する最適化計算を行う。これにより、想定した電力価格差未満のピークシフトを防止することができ、蓄電池の充放電回数を抑制して、劣化の進行を防止できる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る需要家エネルギーシステムの運転計画装置20の構成は、図2と同一である。本実施形態の運転計画装置20は、図1のエネルギー管理装置2の運転計画装置20に適用される。
本実施形態の運転計画装置20は、放電ペナルティ係数kcpを入力し、運転計画演算部24は、放電ペナルティ係数kcpをもとに、最適化計算を行う。
また、運転計画データ記憶部25は、蓄電池4の放電回数をもとに、蓄電池4の放電を抑制するペナルティ情報を記憶し、このペナルティ情報を読み出すことで、ペナルティ情報を設定する設定手段としての機能を有する。ペナルティ情報は、具体的には、後記式(5)の充放電ペナルティ係数kcp[\/kWh]であり、後記図8のステップS11のように、入力された充放電ペナルティ係数kcp(初期値)を記憶する。また、後記図8のステップS12のように、変更(更新)された充放電ペナルティ係数kcpを記憶する。
<運転計画処理2>
<運転計画処理2>では、電力料金の価格が、多段階で変化する場合を想定しており、例えば、卸電力市場のスポット価格で電力を購入する場合である。このようなケースでは、ユーザが適切な充放電ペナルティ係数kcpを設定することが難しいため、以下のフローで運転計画を立案する。
図8は、第2実施形態に係る需要家エネルギーシステム1の運転計画装置20の運転計画処理2を示すフローチャートである。
ステップS11で運転計画装置20の入力部20(図2参照)は、最適運転計画の入力データとして、電力・熱需要予測結果、電気料金、ガス料金、機器のエネルギー消費特性、充放電ペナルティ係数kcp(初期値)およびユーザが評価した蓄電池劣化コスト(充放電1回当たりの蓄電池の劣化コスト)を入力する。
ステップS12で運転計画装置20の処理部21(図2参照)は、充放電ペナルティ係数kcp(初期値)を変える場合、あらかじめ設定された範囲内で充放電ペナルティ係数kcpを修正(更新)する。
ステップS13で運転計画装置20の運転計画演算部24(図2参照)は、需要家エネルギーシステムの運転計画を立案するための最適化計算を行う。具体的には、運転計画演算部24は、上記入力データに基づき、式(5)の目的関数Uを最小にする最適化計算を行う。
ステップS14で運転計画装置20の処理部21は、運転計画データ記憶部25(図2参照)に記憶された運転計画結果の蓄電池の充電残量の時系列変化に基づいて蓄電池4の充放電回数を計算する。
ステップS15で運転計画装置20の運転計画演算部24は、運転コスト削減が蓄電池劣化コストを上回るか(コスト削減>蓄電池劣化コストか)を判別する。コスト削減>蓄電池劣化コストの場合は、ステップS16に進み、コスト削減≦蓄電池劣化コストの場合は、ステップS12に進む。
ステップS16で運転計画装置20の運転計画表示部23(図2参照)は、立案した機器(発電機、蓄電池、他)の運転計画結果を、例えば制御装置30(図2参照)に出力して、本フローの処理を終了する。
これにより、電力料金の価格が多段階で変化する場合において、電力価格差によるピークシフトの運転コスト削減効果が小さくなる蓄電の充放電を抑制した計画を立案することができる。
このように、第2実施形態に係る運転計画装置20は、需要家エネルギーシステム1の運転コストを最小にする最適化計算を行い運転計画を立てる運転計画演算部24と、蓄電池4の放電回数をもとに、蓄電池4の放電を抑制するペナルティ情報を設定する設定手段と、を備え、運転計画演算部24は、ペナルティ情報を付加して最適化計算を行う。
この構成により、蓄電池の充放電回数を低減して蓄電池の劣化を抑制しながら、契約電力超過とPV発電余剰を防止することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、蓄電池の状態監視により、放電ペナルティ係数kcpではなく、蓄電池劣化コスト(\/回)を高精度に評価する例である。
図9は、本発明の第3実施形態に係る需要家エネルギーシステムの運転計画装置20Aの構成を示すブロック図である。図2と同一構成部分には、同一番号を付して重複箇所の説明を省略する。運転計画装置20Aは、図1のエネルギー管理装置2の運転計画装置20に代えて適用される。
図9に示すように、運転計画装置20Aは、図2の運転計画装置20にさらに、蓄電池状態監視部27と、蓄電池劣化コストのデータベース28と、を備える。
充放電が蓄電池を劣化させる度合は、充電残量や充電電流で異なる。第2実施形態では、蓄電池劣化コスト(\/回)を計算するときに、この要素で補正する。例えば、蓄電池が傷みそうな状況(温度高い、充電残量の満充電付近など)では蓄電池劣化コスト(\/回)を高く設定し、高く設定した充放電ペナルティ係数kcpをもとに運転コストを算出する目的関数Uを算出する。
蓄電池4の劣化は、充電残量、蓄電池温度、使用期間等により劣化状態が変化する。蓄電池状態監視部27は、入力される充電残量、蓄電池温度、使用期間の蓄電池状態監視情報をもとに、蓄電池状態を監視する。
蓄電池劣化コストのデータベース28は、蓄電池状態監視情報(充電残量、蓄電池温度、使用期間)をもとに蓄電池劣化コスト(\/回)をデータベース化して蓄積する。
図10は、需要家エネルギーシステム1の運転計画装置20Aの運転計画処理を示すフローチャートである。
ステップS21で運転計画装置20Aの入力部22(図9)は、最適運転計画の入力データとして、電力・熱需要予測結果、電気料金、ガス料金、機器のエネルギー消費特性および充放電ペナルティ係数kcp(初期値)を入力する。
ステップS22で運転計画装置20Aの蓄電池状態監視部27(図9)は、入力される蓄電池状態監視情報(充電残量、蓄電池温度、使用期間)をもとに、蓄電池状態を監視する。
ステップS23で運転計画装置20Aの処理部21(図9)は、蓄電池状態監視部27が監視する蓄電池状態監視情報(充電残量、蓄電池温度、使用期間)をもとに、蓄電池劣化コストのデータベース28から、運転計画時に適切な蓄電池劣化コスト(\/回)を読み出す。
ステップS24で運転計画装置20Aの処理部21は、蓄電池状態監視情報(充電残量、蓄電池温度、使用期間)をもとに、充放電ペナルティ係数kcpを変更する。充放電ペナルティ係数kcp(初期値)を変える場合、あらかじめ設定された範囲内で充放電ペナルティ係数kcpを修正(更新)する。
ステップS25で運転計画演算部24(図9)は、上記入力データと、蓄電池劣化コストのデータベース28から読み出した蓄電池劣化コスト(\/回)とに基づき、式(6)の目的関数Uを最小にする最適化計算を行う。
ステップS26で運転計画装置20Aの処理部21は、入力される蓄電池状態監視情報(充電残量、蓄電池温度、使用期間)をもとに、蓄電池充放電回数の計算を行う。
ステップS27で運転計画装置20Aの処理部21は、蓄電池充放電回数の計算結果と蓄電池劣化コストのデータベース28から読み出した蓄電池劣化コスト(\/回)とに基づき、コスト削減が蓄電池劣化コスト(\/回)より大きいか否かを判別する。コスト削減が蓄電池劣化コスト(\/回)以下である場合、上記ステップS24に戻る。
コスト削減が蓄電池劣化コスト(\/回)より大きい場合、ステップS28で運転計画装置20Aの運転計画表示部23(図9)は、立案した機器(発電機、蓄電池、他)の運転計画結果を、例えば制御装置30(図1)に出力して、本フローの処理を終了する。
このように、第3実施形態に係る運転計画装置20Aは、蓄電池状態を監視する蓄電池状態監視部27と、蓄電池状態監視情報(充電残量、蓄電池温度、使用期間)をもとに蓄電池劣化コスト(\/回)をデータベース化して蓄積する蓄電池劣化コストのデータベース28とを備え、運転計画装置20Aの処理部21は、蓄電池充放電回数の計算結果と蓄電池劣化コストのデータベース28から読み出した蓄電池劣化コスト(\/回)とに基づき、コスト削減が蓄電池劣化コスト(\/回)より大きい場合、立案した機器(発電機、蓄電池、他)の運転計画結果を出力する。
これにより、電力価格差によるピークシフトのための蓄電の充放電を抑制しながら、蓄電池劣化コスト(\/回)を高精度に評価して、運転コストを最小化する運転計画を立案することができる。
特に、蓄電池4が傷みそうな状況(温度高い、充電残量の満充電付近など)では「放電抑制電力価格差kcp」を高く切り替えことで、蓄電池4の劣化状態を加味した上で、蓄電の充放電を抑制することができ、より一層適切に蓄電池の劣化を抑制しながら、契約電力超過とPV発電余剰を防止することができる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
上記各実施形態は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 需要家エネルギーシステム
2 エネルギー管理装置
3 発電機
4 蓄電池
5 PV
6 熱源機
7 電力負荷
8 熱負荷
20,20A 運転計画装置
21 処理部(設定手段)
22 入力部(設定手段)
23 運転計画表示部
24 運転計画演算部(運転計画演算手段)
25 運転計画データ記憶部(設定手段)
26 運転計画出力部
27 蓄電池状態監視部
28 蓄電池劣化コストのデータベース
PB(t) 放電ペナルティ(ペナルティ情報)
Kcp 充放電ペナルティ係数(ペナルティ情報)
ステップS1,S11,S12 設定ステップ(式(5),(6)のPB(t)を設定する)
ステップS2,S13,S25 運転計画演算ステップ(式(6)の目的関数Uを用いて最適化計算する)

Claims (6)

  1. 購入電力料金情報と電力需要予測に基づいて、蓄電池を備えてなるエネルギーシステムの運転計画を立案する運転計画装置であって、
    前記運転計画を立てる運転計画演算手段と、
    前記蓄電池の放電によりエネルギーシステムの運転コストを増加させるペナルティ情報を設定する設定手段と、を備え、
    前記運転計画演算手段は、前記ペナルティ情報を付加して前記運転コストを低減する計算を行う
    ことを特徴とする運転計画装置。
  2. 前記ペナルティ情報は、時間帯による電力価格差情報に基づいて決定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の運転計画装置。
  3. 前記蓄電池の充放電当たりの劣化コストを入力する入力部を備え、
    前記運転計画演算手段は、前記電力価格差情報と前記劣化コストをもとに、前記最適化計算を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の運転計画装置。
  4. 前記最適化計算の目的関数は、前記エネルギーシステムおよび負荷で消費される購入電力の料金と、前記エネルギーシステムで消費される燃料の料金と、前記ペナルティとの合計であり、前記ペナルティは、充放電を抑制したい電力価格差より大きく、充放電を行う電力価格差より小さい値と放電電力量の積で求められる
    ことを特徴とする請求項3に記載の運転計画装置。
  5. 前記蓄電池の状態をもとにあらかじめ設定された複数の蓄電池の劣化コストを記憶する記憶部を備え、
    前記運転計画演算手段は、運用時の蓄電池の状態に応じて、前記記憶部から蓄電池の劣化コストを読み出して前記最適化計算を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の運転計画装置。
  6. 購入電力料金情報と電力需要予測に基づいて、蓄電池を備えてなるエネルギーシステムの運転計画を立案する運転計画方法であって、
    前記エネルギーシステムの運転コストを低減する計算を行い前記運転計画を立てる運転計画演算ステップと、
    前記蓄電池の放電を抑制するペナルティ情報を設定する設定ステップと、を有し、
    前記運転計画演算ステップでは、ペナルティ情報を付加して前記運転コストを低減する運転計画の計算を行う
    ことを特徴とする運転計画方法。
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