JP2023122611A - 衣類圧縮収納方法および衣類圧縮収納装置 - Google Patents

Abstract

【課題】たくさんの衣類を圧縮し、その嵩を小さくして、収納しまた運搬することが出来る衣類圧縮収納装置を提供する。【解決手段】実施例は蓋部１０を備えたブリキの缶ケース１と、錘板１１と、袋体２との組み合わせに成る。袋体２は開口部に内部を密封するためのファスナーが設けられている。１枚の袋体２に基本的には１枚の衣類を入れて、缶ケース１の中に積み重ねて行き、一番上にケースに嵌まる錘板１１を載せると、錘板１１の重さで自然抜気を行うことが出来る。【選択図】図１

Description

この発明は、より多くの衣類を収納したり運搬したりすることが可能な、衣類圧縮収納方法および衣類圧縮収納装置に関する。この用途は旅行者用であったり、輸出入業者用の衣類運搬用であったりと多岐に亘る。

いかに多くの衣類を上手くスーツケースに詰め込むことが出来るかは、旅人の腕の見せ所である、として当発明者は特開２０１７―０８８２４４の衣類圧縮収納袋を開示した。袋体の形態には平袋やスタンド袋があり、その素材はポリエチレン、ナイロン・ポリプロピレンなどであったり、所要のフィルムを張り合わせた複合素材であったりする。

ファスナーは、一方のストリップに溝が、他方のストリップにリブが形成されており、ファスナーを閉じるとリブの一部分が溝に受け入れられて保持されて、袋体を密封状態にする。なお特開２００５－２２５５１６の「ファスナー付き包装材料および包装体」などが参考になる。またファスナーは１列に成るのものが一般的であるが、気密保持性をより高めるべく２列に並設したものとしても良い。また同様に袋体そのものを２重にする設計もある。ファスナーには、ファスナーの閉じ端部の気密性を確保したスライダー（駒）を有するものがある。スライダーの素材には摺動に好適なポリアセタールなどが用いられるが、ここを摘まんでスライドさせることにより、リブと溝とのかみ合わせに特段の注意を払うことなく容易にリブを溝に受け入れさせることが出来る。

特開２０１７―０８８２４４

特開２０１７―０８８２４４はこれはこれで有用な発明であった。衣類圧縮収納袋５３を内蔵するスーツケース６は、開くと中央から左右の筐体６０、６２に割れるようになっている。右手の筐体６０は空なので底部６１が見られるが、左手の筐体６２には衣類圧縮収納袋６３が納められている。この衣類圧縮収納袋６３はポリエチレン製の角丸方形であり、その上面にファスナー６４が取り付けられて開閉自在であり、且つ閉じた時には衣類圧縮収納袋６３が密閉されるように構成されている。またファスナー６４には空気漏れがないようにしたスライダー６５が取り付けられており、更にスライダー６５の開閉操作が行いやすいように、スライダー６５にリング６６が設けられている。また衣類圧縮収納袋６３の一部には排気口６７が取り付けられている（図５を参照のこと）。

より多くの衣類を何とかこのスーツケース６に詰め合わせたいような状況では衣類圧縮収納袋６３を用いてこの抜気口６７を図示しない抜気ポンプに接続して、電源スイッチをＯＮにすることにより衣類圧縮収納袋６３の空気を抜いて容積を圧縮することが出来る。

しかしながら、抜気口６７に接続する手動の抜気ポンプや電動モータを必要としていたし、電動モータの電源にすべくモバイルバッテリー等を持ち歩かなくてはならなかった。抜気ポンプを持って来ていないような場合では、衣類圧縮収納袋６３内の空気を抜くのに袋体に体重による圧力を掛けるようにして空気を抜かなくてはならず、この作業は大変なものであった。これとは別に、衣類を１枚ずつ納めるタイプの衣類圧縮収納袋では、１枚ずつ空気を抜く作業を繰り返さなくてはならず、この作業は大変なものであり、時間がない場合などではとても面倒なものであった。

また当発明者は、輸出入業者向けの衣類運搬用として、上述した衣類圧縮収納袋が利用出来ないかと言う問題意識を持っていた。これに付いてもスピーディーに作業が行えたり抜気ポンプなどは不要にしたいものと考えていた。仮にこれに成功すればより多くの衣類を運搬することが可能になる。

この発明では上記何れか一の、或いは全ての問題を、簡易な手段でスマートに解決することを課題とする。

当発明者は、開口部に内部を密封するためのファスナーが設けられていると共に、前記開口部ではない部位に逆止弁のある抜気口が設けられている、合成樹脂製の袋体を複数個用意し、袋体に個々に衣類を納めてファスナーにより密閉し、これ等を積み重ねてケースに収納し、最後にケースに蓋をする、衣類を圧縮して収納する方式を提供する。すなわち袋体は気密性を有し、通常は衣類を膨らませている空気を含む袋体内部の空気を、逆止弁のある抜気口から抜き、全体が圧縮されて平らかとなった状態のものを、積み重ねるようにして保管するのである。この抜気にポンプなどは不要であり、一つ一つを手で撫でるような感じで圧力を加えて抜気したり、袋体の積み重ねによる重さで自然に抜気したりすることが出来る。

なお一番上にケースに嵌まる錘板を載せるようにすると、錘板の重さで更なる自然抜気を行い得る。そうしてケースにまだ余裕があるのであれば、一旦錘板を取り外して衣類が入った袋体を更に積み上げるようにすることが出来る。

前記ファスナーには、ファスナーの閉じ端部の気密性を確保したスライダーを有するものを用いても良い。スライダーがあるとファスナーを閉じるのが極めて楽である。従って連続的に複数個の袋体の各々に衣類を納めて行く作業が捗る。なお抜気口の逆止弁に付いて、二枚の相対する弁が圧力で潰されて空気の逆流を防ぐものや、二枚の相対する壁面に迷路のように巡らせた空気流路を以て空気の逆流を防ぐものなど、任意の逆止弁を利用して良い。

なお前記蓋付のケースの底部にキャスターを備えるようにすることが出来る。輸出入業者向けの衣類運搬用としては勿論のこと、旅行者向けの衣類ケースに付いて、持ち運びの移動が楽になる。

この発明では、開口部のファスナーと抜気口の逆止弁とを有する袋体に衣類を納めて、この複数個をケース内に積み重ねて収納するようにしたので、上から加えられる圧力や、錘板の圧力によりたくさんの衣類を圧縮し、その嵩を小さくして、収納しまた運搬することが出来るようになった。

実施例１の缶ケース１を段面視した説明図である。 実施例１の袋体２を表す説明図である。 実施例２の袋体５を表す説明図である。 実施例２の缶スーツケース４を段面視した説明図である。 従来例のスーツケースの説明図である。

図１に表したこの実施例は開閉自在な蓋部１０を備えたブリキの缶ケース１と、注水口１２から水を入れることで重くなる中空の合成樹脂製の錘板１１と、袋体２との組み合わせに成る。図２のように合成樹脂製の袋体２は開口部に内部を密封するためのファスナー２０が設けられており、ファスナー２０はその閉じ端部の気密性が確保されたスライダー２１を有している。また袋体２の上記開口部ではない部位には、逆止弁のある抜気口２２が設けられている。スライダー２１を使ってファスナー２０を締めた後に、袋体２の中の空気を抜くようにすると抜気口２２から空気が出るが、逆止弁があるために抜気口２２から袋体２の中に空気が戻ることはない。なお上記逆止弁には、二枚の相対する弁が圧力で潰されて空気の逆流を防ぐタイプのものを使用している。

この実施例の特徴は、運送業に於ける衣類運搬用の衣類圧縮収納装置であって、１枚の袋体２に基本的には１枚の衣類を入れて缶ケース１の中に納めるようにしたものである。これをどんどん積み重ねて行き、一番上にケースに嵌まる錘板１１を載せるようにする。これにより錘板１１の重さで自然抜気を行うことが出来る。そしてケースに余裕が生じたら、一旦錘板１１を取り外して、衣類が入った袋体２を更に積み上げるようにすることが可能である。最後に錘板１１を外して蓋部１０で密閉する。なお錘板１１は注水口１２から水を抜いておくと良い。またこの形態以外の錘板を用いるようにしても良い。また錘板は重くなくとも、上から人力その他で圧力を加え得るものを錘板として使用しても良い。

図３に表したこの実施例の合成樹脂製の袋体５は、開口部にファスナー５０が設けられており、ファスナー５０はその閉じ端部の気密性が確保されたスライダー５１を有している。また袋体５の上記開口部ではない側の辺には、逆止弁のある抜気口５２が設けられている。この逆止弁は袋体５の二枚の相対する壁面に迷路のように巡らせた空気流路を以て空気の逆流を防ぐタイプのものである。

また図４に表したものは開閉自在な蓋部４０を備えたスーツケースとしてのブリキの缶ケース４と、袋体５との組み合わせに成る。このものは持ち運び用となるように蓋部４０にハンドル４２が、また缶ケース４の底部にキャスター４１が取り付けられている。

この実施例の特徴は旅行者用のスーツケースとしての衣類圧縮収納装置であって、１枚の袋体５に基本的には１枚の衣類３を入れて、掌で押えて空気を抜くようにしたものを、缶ケース４の中に納めるようにしたものである。これをどんどん積み重ねて行くようにするが、袋体２の積み重ねによる重さで自然にも抜気口５２から空気を抜くことが出来る。最後に蓋部４０により密閉する。なお鎖線で表すように、積み重ねた袋体５の一番上に、缶ケース４に嵌まる錘板を載せるようにしても良い。

衣類圧縮収納袋に基本的に１枚の衣類を入れて、ケースの中に積み重ねて行くことで、自然抜気を行うようにしたことには、産業上の利用可能性がある。

１ ：缶ケース
１０：蓋部
１１：錘板
１２：注水口
２ ：袋体
２０：ファスナー
２１：スライダー
２２：抜気口
３ ：衣類
４ ：缶ケース
４０：蓋部
４１：キャスター
４２：ハンドル
５ ：袋体
５０：ファスナー
５１：スライダー
５２：抜気口

Claims (7)

1. 開口部に内部を密封するためのファスナーが設けられていると共に、前記開口部ではない部位に逆止弁のある抜気口が設けられている、合成樹脂製の袋体を複数用意し、袋体の各々に衣類を納めてファスナーによって密閉し、これ等を積み重ねてケースに収納して、最後にケースに蓋をする、衣類圧縮収納方法。
2. 前記ファスナーに、ファスナーの閉じ端部の気密性を確保したスライダーを有するものを用いる、請求項１に記載の衣類圧縮収納方法。
3. 一番上にケースに嵌まる錘板を載せる、請求項１に記載の衣類圧縮収納方法。
4. 複数の、開口部に内部を密封するためのファスナーが設けられていると共に、前記開口部ではない部位に逆止弁のある抜気口が設けられた、合成樹脂製の袋体と、これ等を積み重ねるようにして収納することが出来る蓋付のケースと、前記前記袋体の一番上に置くための錘板とから成る、衣類圧縮収納装置。
5. 前記ファスナーがファスナーの閉じ端部の気密性を確保したスライダーを有する、請求項４に記載の衣類圧縮収納装置。
6. 一番上に載せるための、ケースに嵌まる錘板を備えている、請求項４に記載の衣類圧縮収納装置。
7. 前記蓋付のケースの底部にキャスターを備えている、請求項４に記載の衣類圧縮収納装置。

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