JP2023120890A - クライオポンプおよびクライオポンプの運転方法 - Google Patents

クライオポンプおよびクライオポンプの運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クロスオーバーの際に起こりうるクライオパネル温度のオーバーシュートを緩和することができるクライオポンプを提供する。【解決手段】クライオポンプ10は、真空チャンバにゲートバルブ102を介して取付可能である。クライオポンプ10は、冷凍機14と、ゲートバルブ102が閉じているか否かを検知し、ゲートバルブ102が閉じているときの冷凍機14の冷凍能力をゲートバルブ102が開いているときに比べて増加させるように冷凍機14を制御するように構成されるコントローラ60と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、クライオポンプおよびクライオポンプの運転方法に関する。
クライオポンプは、極低温に冷却されたクライオパネルに気体分子を凝縮または吸着により捕捉して排気する真空ポンプである。クライオポンプは半導体回路製造プロセス等に要求される清浄な真空環境を実現するために一般に利用される。
特開2012-237293号公報
真空プロセス装置の真空チャンバ内で真空プロセスを開始する準備として真空チャンバの真空度を充分に高めるために、真空チャンバはまず粗引きされ、その後クライオポンプによる真空排気に切り替えられる。真空チャンバの粗引き中、真空チャンバとクライオポンプとの間に設けられたゲートバルブは閉鎖されており、クライオポンプによる真空排気を開始するために開かれる。このときクライオポンプ内の到達圧力は既に、真空チャンバの粗引き圧に比べてかなり低くなっている。そのため、真空チャンバからクライオポンプに一時的に多量のガスが流入し、これがクライオポンプを冷却する冷凍機への熱負荷となってクライオパネル温度にオーバーシュートをもたらしうる。このような温度上昇はクロスオーバーとも呼ばれる。クライオパネルの温度上昇は、場合によってはクライオポンプの排気性能に望まれない影響を与えるかもしれない。
また、真空プロセス装置における独自の設定として、クライオパネル温度の許容範囲があらかじめ定められていることがある。上述のオーバーシュートの結果、この許容温度範囲を超えたことが検知されると、アラートの発報やゲートバルブの緊急閉鎖など、安全を確保するための動作が真空プロセス装置によって実行されうる。クライオパネル温度が許容範囲内に戻るまで真空プロセス装置は待機することになり、真空プロセスの開始がその分遅れてしまう。
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、クロスオーバーの際に起こりうるクライオパネル温度のオーバーシュートを緩和することができるクライオポンプを提供することにある。
本発明のある態様によると、真空チャンバにゲートバルブを介して取付可能なクライオポンプが提供される。クライオポンプは、冷凍機と、ゲートバルブが閉じているか否かを検知し、ゲートバルブが閉じているときの冷凍機の冷凍能力をゲートバルブが開いているときに比べて増加させるように冷凍機を制御するように構成されるコントローラと、を備える。
本発明のある態様によると、クライオポンプの運転方法が提供される。クライオポンプは、真空チャンバにゲートバルブを介して取付可能であり、冷凍機を備える。方法は、ゲートバルブが閉じているか否かを検知することと、ゲートバルブが閉じているときの冷凍機の冷凍能力をゲートバルブが開いているときに比べて増加させることと、を備える。
本発明のある態様によると、クライオポンプは、冷凍機と、クライオポンプの再生が完了したか否かを検知し、再生の完了に続いて冷凍機の冷凍能力を一時的に増加させるように冷凍機を制御するコントローラと、を備える。
本発明のある態様によると、クライオポンプの運転方法が提供される。クライオポンプは、冷凍機を備える。方法は、クライオポンプの再生が完了したか否かを検知することと、再生の完了に続いて冷凍機の冷凍能力を一時的に増加させることと、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、クロスオーバーの際に起こりうるクライオパネル温度のオーバーシュートを緩和することができるクライオポンプを提供することができる。
実施の形態に係るクライオポンプを概略的に示す図である。 実施の形態に係るクライオポンプの制御装置の構成を概略的に示すブロック図である。 実施の形態に係るクライオポンプの運転方法の一例を示すフローチャートである。 図4(a)は、比較例に係るクライオポンプの動作を示す図であり、図4(b)は、実施の形態に係るクライオポンプの動作を示す図である。 実施の形態に係るクライオポンプの運転方法の他の一例を示すフローチャートである。 他の実施の形態に係るクライオポンプの制御装置の構成を概略的に示すブロック図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。説明および図面において同一または同等の構成要素、部材、処理には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。図示される各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。実施の形態は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、実施の形態に係るクライオポンプ10を概略的に示す図である。図2は、実施の形態に係るクライオポンプ10の制御装置の構成を概略的に示すブロック図である。
クライオポンプ10は、例えばイオン注入装置、スパッタリング装置、蒸着装置、またはその他の真空プロセス装置の真空チャンバ100にゲートバルブ102を介して取付可能である。図1には、真空チャンバ100およびゲートバルブ102の一部がクライオポンプ10とともに示されている。
クライオポンプ10は、真空チャンバ100にゲートバルブ102を介して取り付けられて、真空チャンバ100内部の真空度を所望の真空プロセスに要求されるレベルまで高めるために使用される。クライオポンプ10は、排気されるべき気体を真空チャンバ100から受け入れるためのクライオポンプ吸気口(以下では単に「吸気口」ともいう)12を有する。真空チャンバ100からゲートバルブ102および吸気口12を通じて気体がクライオポンプ10の内部空間に進入する。
なお以下では、クライオポンプ10の構成要素の位置関係をわかりやすく表すために、「軸方向」、「径方向」との用語を使用することがある。クライオポンプ10の軸方向は吸気口12を通る方向(すなわちクライオポンプ10の中心軸に沿う方向であり、図において上下方向)を表し、径方向は吸気口12に沿う方向(クライオポンプ10の中心軸に垂直な方向であり、図において左右方向)を表す。便宜上、軸方向に関して吸気口12に相対的に近いことを「上」、相対的に遠いことを「下」と呼ぶことがある。つまり、クライオポンプ10の底部から相対的に遠いことを「上」、相対的に近いことを「下」と呼ぶことがある。径方向に関しては、吸気口12の中心に近いことを「内」、吸気口12の周縁に近いことを「外」と呼ぶことがある。なお、こうした表現はクライオポンプ10が真空チャンバ100に取り付けられたときの配置とは関係しない。例えば、クライオポンプ10は鉛直方向に吸気口12を下向きにして真空チャンバ100に取り付けられてもよい。
また、軸方向を囲む方向を「周方向」と呼ぶことがある。周方向は、吸気口12に沿う第2の方向であり、径方向に直交する接線方向である。
クライオポンプ10は、冷凍機14、クライオポンプ容器16、第1段クライオパネル18、及び、クライオパネルユニット20を備える。第1段クライオパネル18は、高温クライオパネル部または100K部などとも称されうる。クライオパネルユニット20は、第2段のクライオパネルであり、低温クライオパネル部または10K部などとも称されうる。
冷凍機14は、例えばギフォード・マクマホン式冷凍機(いわゆるGM冷凍機)などの極低温冷凍機である。冷凍機14は、二段式の冷凍機であり、第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24を備える。冷凍機14は、第1冷却ステージ22を第1冷却温度に冷却し、第2冷却ステージ24を第2冷却温度に冷却するよう構成されている。第2冷却温度は第1冷却温度よりも低温である。例えば、第1冷却ステージ22は60K~120K程度、好ましくは80K~100Kに冷却され、第2冷却ステージ24は10K~20K程度に冷却される。第1冷却ステージ22および第2冷却ステージ24はそれぞれ、高温冷却ステージおよび低温冷却ステージと称してもよい。
また、冷凍機14は、第2冷却ステージ24を第1冷却ステージ22に構造的に支持するとともに第1冷却ステージ22を冷凍機14の室温部26に構造的に支持する冷凍機構造部21を備える。そのため冷凍機構造部21は、径方向に沿って同軸に延在する第1シリンダ23及び第2シリンダ25を備える。第1シリンダ23は、冷凍機14の室温部26を第1冷却ステージ22に接続する。第2シリンダ25は、第1冷却ステージ22を第2冷却ステージ24に接続する。典型的に、第1冷却ステージ22と第2冷却ステージ24は銅(例えば純銅)などの高熱伝導金属材料で形成され、第1シリンダ23と第2シリンダ25は例えばステンレス鋼など他の金属材料で形成される。室温部26、第1シリンダ23、第1冷却ステージ22、第2シリンダ25、及び第2冷却ステージ24は、この順に直線状に一列に並ぶ。
第1シリンダ23及び第2シリンダ25それぞれの内部には第1ディスプレーサ及び第2ディスプレーサ(図示せず)が往復動可能に配設されている。第1ディスプレーサ及び第2ディスプレーサにはそれぞれ第1蓄冷器及び第2蓄冷器(図示せず)が組み込まれている。また、室温部26は、第1ディスプレーサ及び第2ディスプレーサを往復動させるための駆動機構(図示せず)を有する。駆動機構は後述の冷凍機モータ50を含む。また、駆動機構は、冷凍機14の内部への作動気体(例えばヘリウム)の供給と排出を周期的に繰り返すよう作動気体の流路を切り替える流路切替機構を含む。
冷凍機14は、作動気体の圧縮機(図示せず)に接続されている。冷凍機14は、圧縮機により加圧された作動気体を内部で膨張させて第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24を冷却する。膨張した作動気体は圧縮機に回収され再び加圧される。冷凍機14は、作動気体の給排とこれに同期した第1ディスプレーサ及び第2ディスプレーサの往復動とを含む熱サイクルを繰り返すことによって寒冷を発生させる。
図示されるクライオポンプ10は、いわゆる横型のクライオポンプである。横型のクライオポンプとは一般に、冷凍機14がクライオポンプ10の中心軸に交差する(通常は直交する)よう配設されているクライオポンプである。なお、本発明はいわゆる縦型のクライオポンプにも同様に適用することができる。縦型のクライオポンプとは、冷凍機がクライオポンプの軸方向に沿って配設されているクライオポンプである。
クライオポンプ容器16は、冷凍機14、第1段クライオパネル18、及びクライオパネルユニット20を収容するクライオポンプ10の筐体であり、クライオポンプ10の内部空間の気密性を保持するよう構成されている。クライオポンプ容器16は、その前端から全周にわたって径方向外側に延出する吸気口フランジ16aを有する。吸気口フランジ16aによって、その径方向内側に吸気口12が画定される。また、クライオポンプ容器16は、吸気口フランジ16aから軸方向に延びる容器胴部16bと、吸気口12とは反対側で容器胴部16bを閉じる容器底部16cと、吸気口フランジ16aと容器底部16cとの間で側方に延びる冷凍機収容筒16dとを有する。
容器胴部16bとは反対側で冷凍機収容筒16dの端部が冷凍機14の室温部26に取り付けられ、それにより、冷凍機14の低温部(すなわち、第1シリンダ23、第1冷却ステージ22、第2シリンダ25、及び第2冷却ステージ24)がクライオポンプ容器16内でクライオポンプ容器16と非接触に配置される。第1シリンダ23は冷凍機収容筒16d内に配置され、第1冷却ステージ22、第2シリンダ25、及び第2冷却ステージ24は容器胴部16b内に配置される。第1段クライオパネル18とクライオパネルユニット20も容器胴部16b内に配置される。
第1段クライオパネル18は、放射シールド30と入口クライオパネル32とを備え、クライオパネルユニット20を包囲する。第1段クライオパネル18は、クライオポンプ10の外部またはクライオポンプ容器16からの輻射熱からクライオパネルユニット20を保護するための極低温表面を提供する。第1段クライオパネル18は第1冷却ステージ22に熱的に結合され、第1冷却温度に冷却される。第1段クライオパネル18はクライオパネルユニット20との間に隙間を有しており、第1段クライオパネル18はクライオパネルユニット20と接触していない。第1段クライオパネル18はクライオポンプ容器16とも接触していない。
放射シールド30は、クライオポンプ容器16の輻射熱からクライオパネルユニット20を保護するために設けられている。放射シールド30は、吸気口12からクライオポンプ容器16内で容器底部16cに向かって軸方向に筒状(例えば円筒状)に延在する。放射シールド30は、吸気口12側で開口し、容器底部16c側で閉じられている。放射シールド30は、クライオポンプ容器16とクライオパネルユニット20との間にあり、クライオパネルユニット20を囲む。放射シールド30は、クライオポンプ容器16より僅かに小さい直径を有しており、放射シールド30とクライオポンプ容器16との間にシールド外側隙間31が形成される。よって、放射シールド30はクライオポンプ容器16と接触していない。
冷凍機14の第1冷却ステージ22は、放射シールド30の側部外面に直接取り付けられている。こうして、放射シールド30は、第1冷却ステージ22に熱的に結合され、故に第1冷却温度に冷却される。なお放射シールド30は適宜の伝熱部材を介して第1冷却ステージ22に取り付けられてもよい。また、冷凍機14の第2冷却ステージ24及び第2シリンダ25が放射シールド30の側部から放射シールド30内に挿入されている。
入口クライオパネル32は、クライオポンプ10の外部の熱源(例えば、クライオポンプ10が取り付けられる真空チャンバ内の熱源)からの輻射熱からクライオパネルユニット20を保護するために、吸気口12に設けられている。入口クライオパネル32は、放射シールド30を介して第1冷却ステージ22に熱的に結合され、放射シールド30と同様に、第1冷却温度に冷却される。よって、第1冷却温度で凝縮する気体(例えば水分)がその表面に捕捉される。
クライオパネルユニット20は、各々が第2冷却ステージ24に熱的に結合され、第1冷却温度より低い第2冷却温度に冷却される複数のクライオパネルを備える。これらクライオパネルは、図示されるように、吸気口12から容器底部16cに向かって軸方向に配列されていてもよい。クライオパネルの少なくとも一部の表面には、非凝縮性ガス(例えば水素)を吸着により捕捉するために吸着材(例えば活性炭)が設けられてもよい。クライオパネルユニット20は、クライオポンプ容器16内で放射シールド30に囲まれるようにして、入口クライオパネル32の下方に配置されている。クライオパネルユニット20は、放射シールド30及び入口クライオパネル32とは接触していない。なおクライオパネルの配置や形状などクライオパネルユニット20の構成は、種々の公知の構成を適宜採用することができるので、ここでは詳述しない。
ゲートバルブ102は、クライオポンプ10と真空チャンバ100との間に設置されている。ゲートバルブ102は、バルブハウジング104とバルブプレート106とを備える。バルブハウジング104は、真空チャンバ100の開口部をクライオポンプ10の吸気口12に接続する連通路を形成する。この連通路の両側それぞれにバルブハウジング104はフランジ部を有し、片側のフランジ部が真空チャンバ100の開口部を囲む真空チャンバ100のフランジ部に取り付けられ、反対側のフランジ部が吸気口フランジ16aに取り付けられる。
ゲートバルブ102は、真空チャンバ100またはクライオポンプ10のメンテナンスをするときなど、必要に応じて閉鎖される。バルブハウジング104の吸気口フランジ16a側のフランジ部がゲートバルブ102の弁座部としても働き、弁体としてのバルブプレート106がこの弁座部に密着することにより、ゲートバルブ102は閉鎖される。このとき、真空チャンバ100から吸気口12を通じたクライオポンプ10へのガス流れは遮断される。クライオポンプ10は真空チャンバ100から隔離され、クライオポンプ10の内部空間が気密に保持される。
ゲートバルブ102は、クライオポンプ10によって真空チャンバ100の真空排気をするために開放される。バルブハウジング104にはバルブプレート収納部108が設けられており、図1に一点鎖線で示すようにバルブプレート106がバルブハウジング104の弁座部から離れバルブプレート収納部108に収納されるとき、ゲートバルブ102は開く。ゲートバルブ102および吸気口12を通じて真空チャンバ100からクライオポンプ10の内部空間にガスが進入することができる。こうして、真空チャンバ100内で所望の真空プロセスを行うために、クライオポンプ10によって真空チャンバ100を真空排気することができる。
図2に示されるように、クライオポンプ10は、第1冷却ステージ22の温度を測定するための第1温度センサ40と、第2冷却ステージ24の温度を測定するための第2温度センサ42と、を備えてもよい。第1温度センサ40は、第1冷却ステージ22または第1段クライオパネル18に取り付けられ、第2温度センサ42は、第2冷却ステージ24またはクライオパネルユニット20に取り付けられている。よって、第1温度センサ40は、第1段クライオパネル18の温度を測定し、第1段クライオパネル18の測定温度を示す第1測定温度信号T1を出力することができる。第2温度センサ42は、クライオパネルユニット20の温度を測定し、クライオパネルユニット20の測定温度を示す第2測定温度信号T2を出力することができる。
冷凍機14は、冷凍機14を駆動する冷凍機モータ50と、冷凍機14の運転周波数を制御する冷凍機インバータ52と、を備える。冷凍機14の運転周波数(運転速度ともいう)とは、冷凍機モータ50の運転周波数または回転数、冷凍機インバータ52の運転周波数、熱サイクルの周波数、または、これらのいずれかを表す。熱サイクルの周波数とは、冷凍機14において行われる熱サイクルの単位時間あたりの回数である。
また、クライオポンプ10は、クライオポンプ10を制御するコントローラ60を備える。コントローラ60は、クライオポンプ10に一体に設けられていてもよいし、クライオポンプ10とは別体の制御装置として構成されていてもよい。
コントローラ60は、第1温度センサ40からの第1測定温度信号T1を受信するよう第1温度センサ40と接続され、第2温度センサ42からの第2測定温度信号T2を受信するよう第2温度センサ42と接続されていてもよい。上述の冷凍機インバータ52は、コントローラ60に設けられてもよい。
コントローラ60は、クライオポンプ10の真空排気運転中、第1段クライオパネル18の冷却温度に基づいて、またはクライオパネルユニット20の冷却温度に基づいて、冷凍機14を制御するように構成されてもよい。例えば、コントローラ60は、第1冷却ステージ22の目標温度と第1温度センサ40の測定温度との偏差を最小化するようにフィードバック制御により冷凍機14の運転周波数を制御してもよい。
第1冷却ステージ22の目標温度は通常、一定値に設定される。第1冷却ステージ22の目標温度は例えば、クライオポンプ10が取り付けられる真空チャンバ100で行われるプロセスに応じて仕様として定められる。クライオポンプ10の運転中に、目標温度は必要に応じて変更されてもよい。
コントローラ60は、測定温度と目標温度との偏差の関数として(例えばPID制御により)冷凍機モータ50の運転周波数Fを決定してもよい。冷凍機モータ50の運転周波数Fは、予め定められた運転周波数範囲内において決定される。運転周波数範囲は、予め定められた運転周波数の上限及び下限により定義される。コントローラ60は、決定された運転周波数Fを冷凍機インバータ52に出力する。
冷凍機インバータ52は、冷凍機モータ50の可変周波数制御を提供するよう構成されている。冷凍機インバータ52は、入力電力を、コントローラ60から入力された運転周波数Fを有するよう変換する。冷凍機インバータ52への入力電力は、冷凍機電源(図示せず)から供給される。冷凍機電源は商用電源であってもよい。冷凍機インバータ52は、変換された電力を冷凍機モータ50に出力する。こうして冷凍機モータ50は、コントローラ60によって決定され冷凍機インバータ52から出力された運転周波数Fで駆動される。
クライオポンプ10への熱負荷が増加したとき第1冷却ステージ22の温度が高まりうる。第1温度センサ40の測定温度が目標温度よりも高温である場合には、コントローラ60は、冷凍機14の運転周波数を増加させる。その結果、冷凍機14における熱サイクルの周波数も増加され、第1段クライオパネル18および第1冷却ステージ22は目標温度に向けて冷却される。逆に第1温度センサ40の測定温度が目標温度よりも低温である場合には、冷凍機14の運転周波数は減少されて第1冷却ステージ22は目標温度に向けて昇温される。こうして、第1段クライオパネル18の温度を目標温度の近傍の温度範囲に留めることができる。熱負荷に応じて冷凍機14の運転周波数を適切に調整することができるので、こうした制御はクライオポンプ10の消費電力の低減に役立つ。
第1冷却ステージ22の温度を目標温度に従って冷凍機14を制御することを、以下では「1段温度制御」と呼ぶことがある。1段温度制御では、2段冷却温度は直接制御されない。つまり、1段温度制御の結果として、第2冷却ステージ24及びクライオパネルユニット20は、冷凍機14の2段の冷凍能力と、外部から第2冷却ステージ24への熱負荷とによって定まる温度に冷却される。
同様にして、コントローラ60は、第2冷却ステージ24の温度を目標温度に従って冷凍機14を制御する、いわば「2段温度制御」を実行することもできる。この場合、コントローラ60は、第2冷却ステージ24の目標温度と第2温度センサ42の測定温度との偏差を最小化するようにフィードバック制御により冷凍機14の運転周波数を制御してもよい。これにより、クライオパネルユニット20の温度を目標温度に追従させることができる。2段温度制御において1段冷却温度は直接制御されない。2段温度制御において1段冷却温度は、冷凍機14の1段の冷凍能力と、外部から第1冷却ステージ22への熱負荷とによって定まる。
コントローラ60は、クライオポンプ10だけでなく、ゲートバルブ102も制御するように構成されてもよい。コントローラ60は、ゲートバルブ102を開閉する指令信号を生成し、これをゲートバルブ102に送信してもよい。ゲートバルブ102は、この指令信号を受信し、指令信号に応じて開放または閉鎖されてもよい。ゲートバルブ102は、開閉状態を示すゲートバルブ信号Sを生成し、これをコントローラ60に送信してもよい。コントローラ60は、ゲートバルブ信号Sをゲートバルブ102から受信し、ゲートバルブ信号Sに基づいて、ゲートバルブ102が閉じているか否かを検知してもよい。
なお、ゲートバルブ102は、コントローラ60とは別のコントローラ(例えば、真空プロセス装置を制御するコントローラ60よりも上位のコントローラ)によって制御されてもよい。この場合、コントローラ60は、ゲートバルブ102を制御するコントローラからゲートバルブ信号Sを受信してもよい。
コントローラ60の内部構成は、ハードウェア構成としてはコンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や回路で実現され、ソフトウェア構成としてはコンピュータプログラム等によって実現されるが、図では適宜、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
たとえば、コントローラ60は、CPU(Central Processing Unit)、マイコンなどのプロセッサ(ハードウェア)と、プロセッサ(ハードウェア)が実行するソフトウェアプログラムの組み合わせで実装することができる。ソフトウェアプログラムは、クライオポンプ10の運転方法をコントローラ60に実行させるためのコンピュータプログラムであってもよい。
上記の構成のクライオポンプ10の動作を以下に説明する。クライオポンプ10の作動に際しては、まずその作動前に他の適当な粗引きポンプで真空チャンバ100を所定圧力(例えば100Pa程度または10Pa程度)にまで粗引きする。真空チャンバ100の粗引き中、ゲートバルブ102は閉鎖される。その後(または真空チャンバ100の粗引きと並行して)、クライオポンプ10を作動させる。冷凍機14の駆動により第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24がそれぞれ第1冷却温度及び第2冷却温度に冷却される。よって、これらに熱的に結合されている第1クライオパネルユニット及び第2クライオパネルユニットもそれぞれ第1冷却温度及び第2冷却温度に冷却される。ゲートバルブ102が開かれ、クライオポンプ10による真空チャンバ100の真空排気が開始される。
入口クライオパネル32は、真空チャンバからクライオポンプ10に向かって飛来するガスを冷却する。入口クライオパネル32の表面には、第1冷却温度で蒸気圧が充分に低い(例えば10-8Pa以下の)ガスが凝縮する。このガスは、第1種ガスと称されてもよい。第1種ガスは例えば水蒸気である。こうして、入口クライオパネル32は、第1種ガスを排気することができる。第1冷却温度で蒸気圧が充分に低くないガスの一部は、吸気口12からクライオポンプ10内に進入する。あるいは、ガスの他の一部は、入口クライオパネル32で反射され、クライオポンプ10内に進入せず真空チャンバ100に戻る。
クライオポンプ10内に進入したガスは、クライオパネルユニット20によって冷却される。クライオパネルユニット20の表面には、第2冷却温度で蒸気圧が充分に低い(例えば10-8Pa以下の)ガスが凝縮する。このガスは、第2種ガスと称されてもよい。第2種ガスは例えばアルゴンである。こうして、クライオパネルユニット20は、第2種ガスを排気することができる。
第2冷却温度で蒸気圧が充分に低くないガスは、クライオパネルユニット20の吸着材に吸着される。このガスは、第3種ガスと称されてもよい。第3種ガスは例えば水素である。こうして、クライオパネルユニット20は、第3種ガスを排気することができる。したがって、クライオポンプ10は、種々のガスを凝縮または吸着により排気し、真空チャンバの真空度を所望のレベルに到達させることができる。
クライオポンプ10の真空排気運転が継続されることによりクライオポンプ10には気体が蓄積されていく。蓄積した気体を外部に排出するために、クライオポンプ10の再生が行われる。クライオポンプ10の再生は一般に、昇温工程、排出工程、及びクールダウン工程を含む。昇温工程では、クライオポンプ10は真空排気運転のための極低温から再生温度(例えば室温)へと加熱される。クライオポンプ10内に捕捉されたガスが気化される。第2種ガスおよび第3種ガスは昇温工程でクライオポンプ10から容易に排出されうる。排出工程では主に第1種ガスが排出される。排出工程が完了すれば、クールダウン工程が開始される。クールダウン工程においてはクライオポンプ10が真空排気運転のための極低温に再冷却される。こうして再生が完了すれば、クライオポンプ10は再び真空排気運転を始めることができる。
クライオポンプ10の再生中、ゲートバルブ102は閉鎖される。再生完了後にゲートバルブ102は再び開かれる。ただし、ゲートバルブ102は、再生を完了した時点(つまりクールダウン工程の完了時点)で直ちに開かれなくてもよい。再生完了後のクライオポンプ10は、ゲートバルブ102が閉鎖された状態で極低温に冷却されているスタンバイ状態をとることもできる。スタンバイ状態のクライオポンプ10は、ゲートバルブ102が開かれることによって、真空チャンバ100の真空排気を直ちに開始することができる。
上述のように、ゲートバルブ102を開くことで、真空チャンバ100からクライオポンプ10に一時的に多量のガスが流入し、これが冷凍機14への熱負荷となってクライオパネル温度にオーバーシュートをもたらしうる。さまざまな要因により、第1段のクライオパネルに比べて第2段のクライオパネルに温度オーバーシュートが生じやすい場合がある。これは単純には、第2段のほうが温度が低温であり、流入する室温のガスとの温度差が大きいためである。また、たいていの場合、第2段のほうが第1段に比べて熱容量が小さい(第1段には放射シールド30など大型の部品が取り付けられているため、質量ひいては熱容量が大きいことが多い)。流入する主ガスである例えば窒素などの第2種ガスは、第1段に凝縮しないが第2段に凝縮する。ガスの相変化に伴って発生する潜熱が第2段の温度を上昇させうる。クライオパネルの温度上昇は、場合によってはクライオポンプの排気性能に望まれない影響を与えるかもしれない。
既存のクライオポンプ制御では、真空チャンバ100からクライオポンプ10への熱負荷が低減されるゲートバルブ102の閉鎖中、省エネルギーのために冷凍機14の冷凍能力を抑制することがよく行われている。このような制御のもとでは第2段温度を比較的高く維持することが有効である。その結果、クロスオーバーの発生時点での第2段温度が高くなりがちであり、温度オーバーシュートが容易に発生しうることが懸念される。
また、真空プロセス装置における独自の設定として、クライオパネル温度の許容範囲があらかじめ定められていることがある。上述のオーバーシュートの結果、この許容温度範囲を超えたことが検知されると、アラートの発報やゲートバルブ102の緊急閉鎖など、安全を確保するための動作が真空プロセス装置によって実行されうる。クライオパネル温度が許容範囲内に戻るまで真空プロセス装置は待機することになり、真空プロセスの開始がその分遅れてしまう。
そこで、この実施の形態では、クロスオーバーの際に起こりうるクライオパネル温度のオーバーシュートを緩和するために、コントローラ60は、ゲートバルブ102が閉じているか否かを検知し、ゲートバルブ102が閉じているときの冷凍機14の冷凍能力をゲートバルブ102が開いているときに比べて増加させるように冷凍機14を制御するように構成される。
図3は、実施の形態に係るクライオポンプ10の運転方法の一例を示すフローチャートである。コントローラ60は、クライオポンプ10の運転中に本処理を周期的に実行してもよい。
図3に示されるように、本処理が開始されると、まず、ゲートバルブ102が閉じているか否かが判定される(S10)。一例として、コントローラ60は、ゲートバルブ102の開閉状態を示すゲートバルブ信号Sを受信し、ゲートバルブ信号Sに基づいてゲートバルブ102が閉じているか否かを検知するように構成されてもよい。上述のように、コントローラ60は、ゲートバルブ102から、または他のコントローラから、ゲートバルブ信号Sを受信することができる。
別の方法として、コントローラ60は、冷凍機14への熱負荷を取得し、取得された熱負荷に基づいてゲートバルブ102が閉じているか否かを検知するように構成されてもよい。冷凍機14への熱負荷は主に、真空チャンバ100からゲートバルブ102を通じて冷凍機14に入る。よって、ゲートバルブ102が閉じているときの冷凍機14への熱負荷は、ゲートバルブ102が開いているときの冷凍機14への熱負荷に比べて小さくなるものと期待される。そこで、冷凍機14への熱負荷が熱負荷しきい値を下回る場合にはゲートバルブ102が閉じていると検知し、冷凍機14への熱負荷が熱負荷しきい値を上回る場合にはゲートバルブ102が開いていると検知することができる。熱負荷しきい値は、クライオポンプ10の設計者の経験的知見または設計者による実験やシミュレーション等に基づき事前に取得され、コントローラ60に予め記憶されてもよい。
コントローラ60は、冷凍機14への熱負荷と冷凍機14の運転周波数とクライオパネル温度との関係を示すマップを参照し、冷凍機14の現在の運転周波数と測定されるクライオパネル温度とに基づいて冷凍機14への熱負荷を取得するように構成されてもよい。こうしたマップは、ロードマップとも称され、クライオポンプ10の設計者の経験的知見または設計者による実験やシミュレーション等に基づき事前に取得され、コントローラ60に予め記憶されてもよい。
例えば、第1ロードマップは、冷凍機14の第1段と第2段それぞれへの熱負荷と、1段温調制御のもとでの冷凍機14の運転周波数および第2段のクライオパネル温度との関係を表す。コントローラ60は、1段温度制御の実行中に第1ロードマップを参照し、冷凍機14の現在の運転周波数と測定される第2段のクライオパネル温度とに基づいて、冷凍機14の第1段と第2段それぞれへの熱負荷を取得してもよい。第2段のクライオパネル温度は、第2温度センサ42によって測定されてもよい。
あるいは、冷凍機14の第1段と第2段それぞれへの熱負荷と、2段温調制御のもとでの冷凍機14の運転周波数および第1段のクライオパネル温度との関係を表す第2ロードマップが使用されてもよい。コントローラ60は、2段温度制御の実行中に第2ロードマップを参照し、冷凍機14の現在の運転周波数と測定される第1段のクライオパネル温度とに基づいて、冷凍機14の第1段と第2段それぞれへの熱負荷を取得してもよい。第1段のクライオパネル温度は、第1温度センサ40によって測定されてもよい。
なお、コントローラ60は、必要に応じて、1段温度制御と2段温度制御を切り替えて実行するように構成されてもよい。クライオポンプ10が真空排気運転をしているときは通常、1段温度制御が実行される。コントローラ60は、クライオポンプ10のスタンバイ状態で2段温度制御を実行し、クロスオーバーの際に2段温度制御から1段温度制御に切り替え、真空排気運転中に1段温度制御を実行してもよい。あるいは、コントローラ60は、ゲートバルブ102が開いているか否かを検知し、ゲートバルブ102が開いているとき1段温度制御を実行し、ゲートバルブ102が閉じているとき2段温度制御を実行してもよい。
図3に示されるように、ゲートバルブ102が閉じていると検知された場合(S10のY)、コントローラ60は、冷凍機14の冷凍能力をゲートバルブ102が開いているときに比べて増加させるように冷凍機14を制御する(S12)。一方、ゲートバルブ102が開いていると検知された場合(S10のN)、そうした冷凍能力の増加は行われない。
冷凍機14の冷凍能力を増加させる制御の一例として、コントローラ60は、ゲートバルブ102が開いているときには第1下限値以上の運転周波数で冷凍機14を動作させ、ゲートバルブ102が閉じているときには第1下限値よりも大きい第2下限値以上の運転周波数で冷凍機14を動作させるように構成されてもよい。このようにすれば、冷凍機14が第2下限値よりも小さい運転周波数で動作しているときゲートバルブ102が閉じたとすると、冷凍機14の運転周波数がこの第2下限値まで増加される。1段温度制御または2段温度制御によって決定される運転周波数の値が第2下限値より大きければ、冷凍機14の運転周波数はその値へと増加される。このようにして、ゲートバルブ102が閉じているときの冷凍機14の冷凍能力をゲートバルブ102が開いているときに比べて増加させることができる。
なお、運転周波数の第2下限値は、冷凍機14の許容される運転周波数範囲の上限値またはそれより若干小さい既定値(例えば、上限値の80%または90%より大きくてもよい)であってもよい。このようにすれば、ゲートバルブ102が閉じているときの冷凍機14の冷凍能力をゲートバルブ102が開いているときに比べて確実に増加させることができる。
冷凍機14の冷凍能力を増加させる制御の他の一例として、コントローラ60は、ゲートバルブ102が開いているときには温度センサによって測定される冷却温度を第1目標温度に一致させるように冷凍機14の運転周波数を決定し、ゲートバルブ102が閉じているときには温度センサによって測定される冷却温度を第1目標温度より低い第2目標温度に一致させるように冷凍機14の運転周波数を決定し、決定された運転周波数で冷凍機14を動作させるように構成されてもよい。このようにしても、ゲートバルブ102が閉じているときの冷凍機14の運転周波数をゲートバルブ102が開いているときに比べて増加させるように冷凍機14を制御することができる。
例えば、1段温度制御の実行中、コントローラ60は、ゲートバルブ102が開いているときには第1温度センサ40によって測定される冷却温度を第1目標温度に一致させるように冷凍機14の運転周波数を決定し、ゲートバルブ102が閉じているときには第1温度センサ40によって測定される冷却温度を第1目標温度より低い第2目標温度に一致させるように冷凍機14の運転周波数を決定してもよい。この場合、第1目標温度は例えば80Kから120Kの範囲から選択されてもよい。第2目標温度は例えば60K以上の温度から選択されてもよい。
あるいは、2段温度制御の実行中、コントローラ60は、ゲートバルブ102が開いているときには第2温度センサ42によって測定される冷却温度を第1目標温度に一致させるように冷凍機14の運転周波数を決定し、ゲートバルブ102が閉じているときには第2温度センサ42によって測定される冷却温度を第1目標温度より低い第2目標温度に一致させるように冷凍機14の運転周波数を決定してもよい。この場合、第1目標温度は例えば12Kから20Kの範囲から選択されてもよい。第2目標温度は例えば10Kから12Kの範囲から選択されてもよい。
なお、冷凍機14の冷凍能力を増加させる制御の実行中、コントローラ60は、ゲートバルブ102が開いているか否かを検知し、ゲートバルブ102が開いている場合に冷凍機14の冷凍能力の増加を終了してもよい。このようにして、ゲートバルブ102が開いたとき冷凍機14の冷凍能力を元に戻すことができる。
図4(a)は、比較例に係るクライオポンプの動作を示す図である。上述のように、既存のクライオポンプでは多くの場合、ゲートバルブの閉鎖により真空チャンバからクライオポンプの冷凍機への熱負荷が低減されるため、冷凍機の冷凍能力を抑制するように冷凍機が制御される。よって、図4(a)に示されるように、ゲートバルブが閉鎖されている間、冷凍機の運転周波数は低減される。このとき冷凍機への熱負荷も小さくなるから、クライオパネル温度(例えば、第2段のクライオパネル温度)は目標温度Taに維持される。しかし、ゲートバルブが開いたとき状況が変わる。クロスオーバーに伴う冷凍機への熱負荷の増加により、クライオパネル温度が一時的に大きく上昇しうる。つまりクライオパネル温度がオーバーシュートする。こうしてクライオパネル温度が目標温度Taから乖離したことにより、冷凍機の運転周波数が増加され、その後クライオパネル温度は目標温度Taへと徐々に戻っていく。
図4(b)は、実施の形態に係るクライオポンプの動作を示す図である。実施の形態によれば、ゲートバルブ102が閉じているときの冷凍機14の冷凍能力をゲートバルブ102が開いているときに比べて増加させることができる。図4(b)に示されるように、ゲートバルブが閉鎖されている間、冷凍機14の運転周波数が増加される。このとき冷凍機14への熱負荷は小さくなっているから、クライオパネル温度は低下していく。その後ゲートバルブ102が開くことにより冷凍機14への熱負荷が高まりクライオパネル温度は上昇する。しかし、ゲートバルブ102の閉鎖中にクライオパネル温度をあらかじめ充分に低下させているので、クライオパネル温度は目標温度Taを大きく超えることなく目標温度Taに追従するものと期待される。このようにして、実施の形態によれば、クロスオーバーの際に起こりうるクライオパネル温度のオーバーシュートを緩和することができる。
クライオポンプ10の総運転時間のうち大半は真空チャンバ100の真空排気運転であり、この間ゲートバルブ102は開いている。クライオポンプ10の総運転時間のうちゲートバルブ102が閉じている時間が占める割合はごく小さいと考えられる。そのため、実施の形態に係るクライオポンプ10では、ゲートバルブ102の閉鎖中の消費電力がいくらか増加しうるが、そうした時間はごく短いと見込まれるから、大勢に影響は無い。
図5は、実施の形態に係るクライオポンプ10の運転方法の他の一例を示すフローチャートである。ゲートバルブ102の開閉を検知することに代えて、クライオポンプ10の再生が完了したか否かが検知されてもよい。よって、コントローラ60は、クライオポンプ10の再生が完了したか否かを検知し、再生の完了に続いて冷凍機14の冷凍能力を一時的に増加させるように冷凍機14を制御してもよい。このようにしても、上述の実施の形態と同様に、クロスオーバーの際に起こりうるクライオパネル温度のオーバーシュートを緩和することができる。
図5に示されるように、クライオポンプ10の再生が完了したか否かが判定される(S20)。コントローラ60は、再生のクールダウン工程において第1温度センサ40および第2温度センサ42それぞれから測定温度を取得し、第1温度センサ40の測定温度を真空排気運転のための第1段クライオパネル18の目標冷却温度と比較し、第2温度センサ42の測定温度を真空排気運転のための第2段のクライオパネルユニット20の目標冷却温度と比較してもよい。コントローラ60は、第1温度センサ40および第2温度センサ42の測定温度のうちいずれかがまだ目標冷却温度に到達していない場合にはクールダウン工程を継続し、第1温度センサ40および第2温度センサ42の測定温度がそれぞれ目標冷却温度に到達している場合にはクールダウン工程すなわちクライオポンプ10の再生が完了したと判定してもよい。
クライオポンプ10の再生が完了した場合(S20のY)、コントローラ60は、冷凍機14の冷凍能力を増加させるように冷凍機14を制御する(S22)。冷凍機14の冷凍能力増加は、上述の実施の形態と同様に、冷凍機14の運転周波数を増加させることによって、1段温度制御における目標温度を低下させることによって、または2段温度制御における目標温度を低下させることによって、実現されてもよい。一方、クライオポンプ10の再生が完了していないと検知された場合(S20のN)、そうした冷凍能力の増加は行われない。
冷凍機14の冷凍能力を増加させる制御は、ゲートバルブ102が開くまで実行されてもよい。この場合、コントローラ60は、クライオポンプ10がスタンバイ状態にあるとき冷凍機14の冷凍能力を増加させるように冷凍機14を制御してもよい。あるいは、冷凍機14の冷凍能力を増加させる制御は、所定時間にわたり実行されてもよい。
図6は、他の実施の形態に係るクライオポンプ10の制御装置の構成を概略的に示すブロック図である。冷凍機14の冷凍能力を調節するために、冷凍機14が電気ヒータなどの加熱装置62を備えてもよい。加熱装置62は、第1冷却ステージ22に、または第2冷却ステージ24に、または第1冷却ステージ22と第2冷却ステージ24の両方に設けられてもよい。コントローラ60は、加熱装置62のオンオフを切り替え、及び/または、加熱装置62の出力を制御するように構成されてもよい。
コントローラ60は、ゲートバルブ102が開いているときには加熱装置62を第1出力で作動させ、ゲートバルブ102が閉じているときには加熱装置62を第1出力よりより低い第2出力で作動させるか又は作動させないように構成されてもよい。加熱装置62の出力を低下させることによって、ゲートバルブ102が閉じているときの冷凍機14の冷凍能力をゲートバルブ102が開いているときに比べて増加させることができる。
なお、図6の実施の形態においても、図2の実施の形態と同様に、冷凍機14は、冷凍機インバータ52を備え、運転周波数を可変とするように構成されてもよい。この場合、例えば1段温度制御または2段温度制御により冷凍機14の運転周波数を制御するとともに、加熱装置62を用いて冷凍能力が調節されてもよい。あるいは、図6の実施の形態では、冷凍機14は、一定の運転周波数で駆動されてもよく、冷凍機インバータ52を備えなくてもよい。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
10 クライオポンプ、 14 冷凍機、 60 コントローラ、 100 真空チャンバ、 102 ゲートバルブ。

Claims (9)

  1. 真空チャンバにゲートバルブを介して取付可能なクライオポンプであって、
    冷凍機と、
    前記ゲートバルブが閉じているか否かを検知し、前記ゲートバルブが閉じているときの前記冷凍機の冷凍能力を前記ゲートバルブが開いているときに比べて増加させるように前記冷凍機を制御するように構成されるコントローラと、を備えることを特徴とするクライオポンプ。
  2. 前記コントローラは、前記ゲートバルブの開閉状態を示すゲートバルブ信号を受信し、前記ゲートバルブ信号に基づいて前記ゲートバルブが閉じているか否かを検知するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のクライオポンプ。
  3. 前記コントローラは、前記冷凍機への熱負荷を取得し、取得された熱負荷に基づいて前記ゲートバルブが閉じているか否かを検知するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のクライオポンプ。
  4. 前記冷凍機は、運転周波数を可変とするように構成され、
    前記コントローラは、前記ゲートバルブが開いているときには第1下限値以上の運転周波数で前記冷凍機を動作させ、前記ゲートバルブが閉じているときには前記第1下限値よりも大きい第2下限値以上の運転周波数で前記冷凍機を動作させるように構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のクライオポンプ。
  5. 前記冷凍機は、運転周波数を可変とするように構成され、
    前記クライオポンプは、前記冷凍機の冷却温度を測定する温度センサをさらに備え、
    前記コントローラは、前記ゲートバルブが開いているときには前記温度センサによって測定される冷却温度を第1目標温度に一致させるように前記冷凍機の運転周波数を決定し、前記ゲートバルブが閉じているときには前記温度センサによって測定される冷却温度を前記第1目標温度より低い第2目標温度に一致させるように前記冷凍機の運転周波数を決定し、決定された運転周波数で前記冷凍機を動作させるように構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のクライオポンプ。
  6. 前記冷凍機は、加熱装置を備え、
    前記コントローラは、前記ゲートバルブが開いているときには前記加熱装置を第1出力で作動させ、前記ゲートバルブが閉じているときには前記加熱装置を前記第1出力よりより低い第2出力で作動させるか又は作動させないように構成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のクライオポンプ。
  7. クライオポンプの運転方法であって、前記クライオポンプは、真空チャンバにゲートバルブを介して取付可能であり、冷凍機を備えており、前記方法は、
    前記ゲートバルブが閉じているか否かを検知することと、
    前記ゲートバルブが閉じているときの前記冷凍機の冷凍能力を前記ゲートバルブが開いているときに比べて増加させることと、を備えることを特徴とする方法。
  8. 冷凍機と、
    クライオポンプの再生が完了したか否かを検知し、前記再生の完了に続いて前記冷凍機の冷凍能力を一時的に増加させるように前記冷凍機を制御するコントローラと、を備えることを特徴とするクライオポンプ。
  9. クライオポンプの運転方法であって、前記クライオポンプは、冷凍機を備えており、前記方法は、
    前記クライオポンプの再生が完了したか否かを検知することと、
    前記再生の完了に続いて前記冷凍機の冷凍能力を一時的に増加させることと、を備えることを特徴とする方法。
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