JP2023117806A - アタック角推定方法及びアタック角推定装置 - Google Patents

アタック角推定方法及びアタック角推定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】広範な領域で良好な推定精度が得られるアタック角推定方法等を提供する。【解決手段】アタック角推定方法を、鉄道車両1の左右の車輪31に設けたひずみゲージの出力に基づいて、左右の車輪の横圧Q、前後接線力T、及び、左右の車輪のレールとの接触位置の車軸回りの角度差である接触位相差Δθを観測量としてそれぞれ取得し、車輪が走行する軌道のレール曲率を取得し、鉄道車両の走行速度を取得し、左右の前記車輪のプラントモデル及びオブザーバを用いて、アタック角及び左右の車輪の接触位置を推定する構成とする。【選択図】図2

Description

本発明は、鉄道車両の車輪のレールに対するアタック角を推定するアタック角推定方法及びアタック角推定装置に関する。
鉄道用軌道の曲線部で発生する乗り上がり脱線には、レールの長手方向に対して車輪の進行方向がなす角度であるアタック角を含む輪軸の運動変数が大きく関係しているが、アタック角の実践的な測定手法は長年実現できていなかった。
例えば、非特許文献1には、軸箱下に設置するレーザ変位計を用いたアタック角測定手法が記載されている。
また、非特許文献2には、サーモグラフィカメラの撮像画像を画像処理することで車輪とレールとの接触位置等を測定する手法が記載されている。
しかし、これらの手法は、例えば直射日光の影響を受けるなど照射条件の変化に弱く、実際の鉄道軌道(営業線等)で利用可能である実践的な手法とはいえなかった。
そのため、従来、輪軸の運動変数は、通常の走行試験で測定せず、走行安全性評価における評価対象としていない場合が多かった。
これに対し、特許文献1には、輪重横圧測定装置の出力に基づいて、左右の車輪のレールとの接触位置の車軸回り(車輪の回転中心軸回り)の角度位置のずれを示す接触位相差から、アタック角を推定することが記載されている。
また、非特許文献3,4には、輪軸の運動変数を把握するため、PQ測定により得られる輪重、横圧及び前後接線力の3分力を計測値として、カルマンフィルタ(Kalman Filter)を用いてアタック角を含む輪軸の運動変数を推定する手法が提案されている。
また、非特許文献5には、接触点の前後移動量を角度で表現した接触位相差Δθを、PQ輪軸を用いた輪重横圧測定で得られるひずみ信号を用いて推定する手法が記載されている。
特開2019- 81458号公報
片折暁伸,土井賢一,飯島仁,桃崎秀二,堀岡健司「アタック角連続測定装置の開発と測定結果」,JR EAST Technical Review,No. 35,pp. 50-53,2001. 宮本岳史,池田宏樹,古川敦,土井久代,石田弘明「曲線通過中の輪軸アタック角測定」,鉄道技術シンポジウム(J-RAIL)講演論文集,Vol. 9,pp. 97-100,2002. 國行翔哉,本堂貴敏,鈴木貢「鉄道車両の準静的な一輪軸モデルを用いたカルマンフィルタによる輪軸アタック角推定」,第16 回「運動と振動の制御」シンポジウム(MoViC2019)講演論文集,Vol. 16,講演番号C207,2019. 國行翔哉,本堂貴敏,鈴木貢「クリープ力構成則を用いたカルマンフィルタによる鉄道輪軸アタック角推定性能に対してクリープ力飽和が及ぼす影響検討」,Dynamics and Design Conference 2020 講演論文集,講演番号504,2020. T. Hondo and Y. Noguchi: "Measurement method for longitudinal displacement of wheel/rail contact point using strain gauges put on wheels," Mechanical Engineering Journal, Vol. 7, No. 3, Doi:10.1299/mej.19-00659, 2020.
特許文献1、及び、非特許文献3,4に記載された技術においては、既存のPQ輪軸を用いた輪重横圧測定試験から測定項目を追加することなく、比較的シンプルな枠組みの中で、曲線部におけるアタック角の変化傾向を定性的に捉えることができる。
しかし、特許文献1に記載された技術は、車輪がフランジ部でレールに接触した接触幾何状態であることを推定の前提としており、汎用性が乏しい。
また、非特許文献3,4に記載された技術においても、後述するように、一部の走行条件で、アタック角の推定性能が低下する場合が確認された。また、推定結果の定量的評価や、適用範囲についての検討が不十分であった。
例えば、アタック角の推定に用いる接触幾何が実態と異なる場合や、車輪とレールとの間の接触状態により、推定精度が低下するという問題があった。
特に、クリープ力が摩擦力に飽和するような急曲線を走行する場合、推定則に使用している逆関数が定義できなくなり、推定精度が悪化する問題があった。
さらに、推定則に使用しているルックアップテーブル(LUT)より求められる接触幾何が、想定した状況とは異なる走行状態(例として、スラック、発生アタック角、車輪・レール形状等の変化)を走行する場合にも、推定精度が悪化する問題があった。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、広範な領域で良好な推定精度が得られるアタック角推定方法及びアタック角推定装置を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明の一態様に係るアタック角推定方法は、鉄道車両の左右の車輪に設けたひずみゲージの出力に基づいて、左右の前記車輪の横圧、前後接線力、及び、左右の前記車輪のレールとの接触位置の車軸回りの角度差である接触位相差を観測量としてそれぞれ取得し、前記車輪が走行する軌道のレール曲率を取得し、前記鉄道車両の走行速度を取得し、左右の前記車輪のプラントモデル及びオブザーバを用いて、アタック角及び左右の前記車輪の接触位置を推定することを特徴とする。
本発明によれば、オブザーバを用いて車輪の接触位置をアタック角と同時に推定することにより、例えばルックアップテーブルを用いて接触位置を求める手法のように、ルックアップテーブル化した接触幾何の情報を予め準備する必要がなく、広い適用範囲においてアタック角の推定精度を向上することができる。
また、接触位相差は、既存の輪重横圧測定装置(PQ輪軸)を用いて、車輪に設けられたひずみゲージの出力信号から算出可能であり、一般的な測定機器から追加で測定項目を増やすことなく得られる観測量であるため、装置構成が複雑化することを防止できる。
本発明において、前記車輪と前記レールとの接触幾何状態の変化を、状態空間モデルを用いて接触位置と同時に推定する構成とすることができる。
本発明において、左右の前記車輪を統合したプラントモデルを用いて、左右の前記車輪からそれぞれ観測される前記観測量を用いて前記アタック角及び左右の前記車輪の接触位置を推定する構成とすることができる。
この場合、左右の前記車輪を車軸で結合した輪軸の左右速度を用いることにより、前記車輪の接触位置の時間微分式を近似的に与え、当該時間微分式を用いて前記車輪の接触位置を推定する構成とすることができる。
これらの各発明によれば、単一の輪軸の輪重横圧測定装置から得られる情報を用いて、適切に接触位置を推定することができる。
本発明において、前記車輪と前記レールとの間の横クリープ力が飽和する領域において、前記接触位相差を用いて前記アタック角の推定値を補正する構成とすることができる。
これによれば、アタック角ψに関して、左右車輪の接触角α,αと、接触位相差Δθに関して、
Figure 2023117806000002
が成り立つことから、一般的な輪重横圧測定装置から測定項目を追加することなく、クリープ力が飽和した場合の推定精度悪化を抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、広範な領域で良好な推定精度が得られるアタック角推定方法及びアタック角推定装置を提供することができる。
本発明を適用したアタック角推定方法の実施形態で用いる接触位相差の概念を示す図である。 実施形態のアタック角推定方法における測定系から推定結果取得までの流れを示す図である。 本発明の実施形態及び比較例の妥当性を検証するシミュレーション用として作成した車両モデルにおいて考慮した力要素を示す図であって、車両前後方向から見た図である。 図1のIV-IV部矢視図である。 図1のV-V部矢視図である。 シミュレーション用に作成した試験曲線のレール曲率を示す図である。 実施形態のアタック角推定方法によるアタック角推定結果の例であってR100での推定結果を示す図である。 実施形態のアタック角推定方法によるアタック角推定結果の例であってR400での推定結果を示す図である。 試行した各曲線における円曲線中の平均アタック角の推定結果を示す図である。 実施形態のアタック角推定方法によるR100の曲線における接触点左右変位推定結果を示す図である。 実施形態のアタック角推定方法によるR400の曲線における接触点左右変位推定結果を示す図である。 試行した各曲線における円曲線中の平均外軌側接触点左右変位の推定結果を示す図である。 実施形態の手法において接触位相差を使用しない場合のアタック角推定結果であって、R100の場合を示す図である。 接触位相差の利用有無に対するR100における外軌側横圧の推定結果を示す図である。 接触位相差の利用有無に対するR100における接触位相差の推定結果を示す図である。 接触位相差の利用有無に関するR100における外軌側横クリープ力の推定結果を示す図である。 接触位相差の利用有無に対するR100における外軌側法線力の推定結果を示す図である。 実施形態のアタック角推定方法の原理の概略を示す図である。 本実施形態におけるアタック角の推定手法を示す図である。
以下、本発明を適用したアタック角推定方法及びアタック角推定装置の実施形態について説明する。
本発明では、非特許文献3,4に記載された既存のアタック角推定方法において示された、各車輪に対して成り立つ式1、式2の関係を利用してプラントモデルを作成する。
Figure 2023117806000003
ψは輪軸ヨー角すなわちアタック角であり、
Figure 2023117806000004
はその時間微分である。
Figure 2023117806000005
は輪軸左右変位yの時間微分である。
は車輪/レールの接触位置における車輪径である。
αは車輪/レールの接触位置における接触角である。
xiyiは、クリープ力理論における線形縦クリープ力と線形横クリープ力であり、輪重Pを用いれば、非特許文献3,4に記載された既存のアタック角推定方法と同様の公知技術で計算できる。
下付き添え字のiは左右車輪を示し、i=1が左側を、i=2が右側を示す。
vは走行速度である。
Rはレールの曲率半径である。
κ11,κ22,κ23はそれぞれ縦クリープ係数、横クリープ係数、及び、スピンクリープ係数である。
bは接触点間距離の半分である。
非特許文献3,4に記載された既存のアタック角推定方法では、車輪径rと接触角αを、左右輪軸変位yの関数とみなし、事前に計算した接触幾何をルックアップテーブル(以下、LUTと称する)としたものを用いて逐次求める手法を用いている。
接触幾何は、
Figure 2023117806000006
、車輪とレールの形状及びスラックによって変化するため、非特許文献3,4に記載された既存のアタック角推定方法では、想定した接触幾何と実際の接触幾何が異なる場合に推定精度が低下する課題がある。
このような課題を解決する対策として、通過する曲線毎に適切な接触幾何を考え、LUTを与えることが考えられるが、汎用性が乏しい手法となってしまう。
そこで、本実施形態では、この問題を解決するために、接触幾何を想定せずに推定が行えるよう、プラントモデルの改良を試みた。
また、非特許文献3,4に記載された既存のアタック角推定方法では、クリープ力飽和時に精度が悪化する問題があったが、実施形態では、これに関しても併せて改善を図っている。
接触幾何をLUTにより与えている理由は、接触位置の車輪径rと接触角αを計算するために必要な、接触点左右変位sを解析的に与えることが困難なためである。
そこで本実施形態では、推定変数に接触点左右変位sを新たに加え、車輪径rと接触角αを接触点左右変位sの関数として表すことで、この状況の改善を図る。
この場合、LUTには、車輪形状データが使用され、接触幾何を与えずに車輪径rと、接触角αを計算できる。
接触点左右変位sを状態量に加える場合、対応する微分方程式を与える必要がある。
しかし、sの時間微分
Figure 2023117806000007
を解析的に与えることは困難である。
そこで、一般的なsとyの接触幾何が局所的に線形関係になっていることに着目し、両者の時間微分が比例関係にあると仮定した式3の微分方程式を与える。
Figure 2023117806000008
係数aは局所的には一定であるとみなし、式4で与える。
Figure 2023117806000009
本実施形態では、aも状態変数に組み混んで同時推定する。
本実施形態では、推定対象とする状態変数xを式5で与える。
Figure 2023117806000010
式5には、輪軸左右変位yを含めていない。
この理由は、rとαをyでなくsの関数として計算する場合、状態方程式の右辺にyが表れないことから、可観測性が失われるためである。
そのため、本実施形態では、輪軸左右変位yを推定することはできない。
状態方程式導出のために、各状態変数の時刻更新式を離散時間系で表す。
輪軸ヨー角速度
Figure 2023117806000011
を離散時間で表したヨー角速度ωψは、式1を左右の車輪に適用して得られる輪軸ヨーレートを平均化した式6で与える。
Figure 2023117806000012
kはタイムステップを示す。
式6の右辺は、状態変数x、輪重P、レール曲率半径R、及び、走行速度vの関数であるので式7の形式で表せる。
Figure 2023117806000013
:=[P,R,vは、入力である。
輪軸ヨー角ψの時間更新式は、ヨー角速度を計算周期Δtで離散化した式8により与える。
Figure 2023117806000014
輪軸左右速度
Figure 2023117806000015
を離散時間で表した速度vは、式2を左右の車輪に適用して得られる輪軸左右速度を平均化した式9で与える。
Figure 2023117806000016
式9の右辺は、状態変数x、入力uの関数であるので式10の形式で表せる。
Figure 2023117806000017
接触点左右変位sの時間更新式は、式3を計算周期Δtで離散化した式11で与える。
Figure 2023117806000018
係数aの時間更新式は、式4を計算周期Δtで離散化した式12で与える。
Figure 2023117806000019
以上の結果より、状態方程式は式13で与える。
Figure 2023117806000020
非特許文献3,4に記載された既存のアタック角推定方法においては、接触幾何の他にクリープ力の飽和が精度に悪影響を及ぼしていることが確認されている。
これは、非特許文献3,4に記載された既存のアタック角推定方法において、観測量である前後接戦力Txiと横圧Qを変換して得られるクリープ力が飽和したとき、輪軸の運動変数を求めるために使用する逆関数が定義不可能になることが原因であった。
本実施形態では、この問題も改善し、アタック角ψと接触位置sの推定精度を高めるために、観測方程式に新たな項目を追加する。
近年、非特許文献5のように、接触点に前後移動量を角度で表現した接触位相に関し、図1に示す位相差ΔθをPQ測定で得られるひずみ信号を用いて推定する手法が提案されている。
図1は、実施形態のアタック角推定方法で用いる接触位相差の概念を示す図である。
Δθは、近似的に以下の式14で表される。
Figure 2023117806000021
式14は、ヨー角ψと接触角αの関係を結びつけるものであり、観測量に追加することで精度向上を見込める。
観測量に接触位相差Δθを加えると、観測量は前後接線力Txi,横圧Q及び接触位相差Δθとなり、観測量yについての観測方程式を式15で与える。
Figure 2023117806000022
式15において、前後接線力Txiと横圧Qを与える関数
Figure 2023117806000023
及びhは非特許文献3,4に記載された既存のアタック角推定方法と同様の公知技術で計算できる。
P0は静止輪重であり、前後接線力Txiと横圧QをP0で割ることで無次元化し、観測量間のオーダーを同程度にするために使用する。
これは、観測量間のオーダーに差があると推定精度に悪影響を与えるためである。
図2は、実施形態のアタック角推定方法における測定系から推定結果取得までの流れを示す図である。
実施形態のアタック角推定方法においては、先ず、PQ輪軸を用いた公知の輪重横圧測定装置を用いて、車輪に作用するひずみ信号を測定する。
その後、ひずみゲージからなるブリッジ回路の出力を信号処理することにより、以下に示す必要情報を入手する。
入手する情報には、右側車輪の輪重P、右側車輪の横圧Q、右側車輪の前後接線力T、左側車輪の輪重P、左側車輪の横圧Q、左側車輪の前後接線力Tなどの接触力が含まれる。
また、これらのひずみ信号から、左右車輪のレール接触位置の車軸回りの角度差である接触位相差Δθが求められる。
さらに、例えば車軸に設けたロータリエンコーダや、車両の運転台などから、車両の走行速度vに関する情報を入手し、路線台帳などからレール曲率半径Rに関する情報を入手する。
その後、オブザーバを用いて、輪軸のレールに対するアタック角ψ、及び、左右の車輪のレールへの接触位置s1、s2を同時に推定する。
本発明の推定性能を、数値シミュレーションによって作成した擬似走行試験データを用いて調査した。
これは様々な曲線、走行条件を容易に再現でき、接触位置などの実験では測定困難な情報が容易に得られ、妥当性の検証が容易であることを考慮したためである。
シミュレーションは、Dassault Systems社のSimpack(ver.2019.1)を用いて実施した。
以下の検討では、一例として、日本国内で一般的な狭軌(軌間1067mm)の在来線電車を想定している。
図3乃至図5は、シミュレーション用として作成したモデルにおいて考慮した力要素を示す図である。
図3は、車両を前後方向から見た図である。
図4は、図1のIV-IV部矢視図(車両側面図)である。
図5は、図1のV-V部矢視図(車両平面図)である。
シミュレーションにおいて、車体、台車枠及び輪軸が剛体である1車両モデルを用いて擬似走行試験データを作成した。
表1は、設定した車両諸元のうち推定アルゴリズムに関するものを示す。
Figure 2023117806000024
図3乃至図5に示すように、モデル化された鉄道車両1は、車体10、台車枠20、輪軸30、軸箱支持装置40、2次ばね系50、ヨーダンパ60、上下動ストッパ70、左右動ストッパ80、左右動ダンパ90等を有して構成されている。
車体10は、例えば乗員が収容される車室などの空間部を有する構造体である。
車体10は、床部を構成する台枠の前後縁部、側縁部から、妻構、側構をそれぞれ上方へ立ち上げるとともに、妻構、側構の上部に屋根構を設けて、六面体状に構成されている。
車体10は、床下側から下方へ突出した中心ピン11を有する。
中心ピン11は、台車枠20がボギー角付与可能に取り付けられる基部として機能する。
中心ピン11は、公知の牽引装置を介して、台車枠20との間で前後力などの伝達が可能となっている。
台車枠20、輪軸30、軸箱支持装置40は、協働して2軸ボギー台車を構成する。
台車は、車体10の下部に、前後方向(走行方向)に離間して、例えば一対(2台)が設けられる。
台車枠20は、台車の本体部を構成する構造部材である。
台車枠20は、上方から見た平面視において、例えば矩形状の枠体となっている。
台車枠20の中央部は、牽引装置が有するばね要素、減衰要素(図3乃至図5に記号により図示する)を介して、中心ピン11に対して、上下並進方向、左右並進方向、ピッチング方向、ローリング方向、ヨーイング(ボギー角付与)方向に相対変位可能に連結されている。
輪軸30は、図3等に示すように、左右一対の車輪31を、車軸32の両端部に圧入等により固定して構成されている。
輪軸30の両端部は、図示しない軸箱によって、車軸32の中心軸回りに回転可能に支持されている。軸箱は、車軸32の端部に形成されたジャーナル部を保持する軸受や、その潤滑装置等を有する。
なお、本実施形態において、輪軸30は、車輪31の板部に貼付された複数のひずみゲージからなるブリッジ回路の出力電圧に基づいて、車輪31とレールとの間に作用する輪重P、横圧Q、前後接線力Tを、左右車輪31について独立して、連続測定することが可能な公知のいわゆるPQ輪軸となっている。
輪軸30は、台車一台あたり2組が設けられる。
軸箱支持装置40は、輪軸30が台車枠に対して、上下並進方向、前後並進方向、ローリング方向、ヨーイング(ステア)方向に相対変位可能となるよう、ばね要素及び減衰要素を介して軸箱を台車枠20に連結するものである。
これらのばね要素、減衰要素には、軸箱の台車枠に対する上下変位に応じた反力、上下変位速度に応じた減衰力を発生する、いわゆる1次ばね(軸ばね)系が含まれる。
2次ばね系50は、例えば、車体10の下部と台車枠20の上部に設けられたまくらばねを有する。
まくらばねは、車体10の重量を支える機能を有する例えば空気ばねであり、まくらぎ方向に離間して一対設けられる。
2次ばね系50は、車体10と台車枠20との上下変位に応じたばね反力、上下変位速度に応じた減衰力を発生するばね要素、減衰要素等を有する。
ヨーダンパ60は、台車枠20の側部と車体との間に設けられている。
ヨーダンパ60は、台車枠20の車体10に対するヨー方向の回動に応じたばね反力、減衰力を発生するばね要素、減衰要素を有する。
上下動ストッパ70は、台車枠20の車体10に対する相対上昇(車体10の台車枠20に対する相対下降)を規制するものである。
上下動ストッパ70は、台車枠20が車体10に対して所定量以上上昇した場合に作用し、さらなる台車枠20の上昇量に応じたばね反力を発生するばね要素を有する。
左右動ストッパ80は、車体10と台車枠20とのまくらぎ方向の相対変位を規制するものである。
左右動ストッパ80は、車体10と台車枠20との相対変位が中立位置から所定量以上となった場合に作用し、さらなる相対変位量に応じたばね反力を発生するばね要素を有する。
左右動ダンパ90は、車体10と台車枠20とのまくらぎ方向の相対変位速度に応じた減衰力を発生する減衰要素である。
以下説明する各シミュレーションにおいて、試験曲線は、進行方向に対して右向きの曲線とした。
図6は、シミュレーション用に作成した試験曲線のレール曲率を示す図である。
図6において、横軸は車両の走行距離を示し、縦軸は曲率を示している。
図6に示すように、走行開始位置から100mまでの区間が直線、そこから100mの入口緩和曲線、100mの円曲線、100mの出口緩和曲線となり、最後に100mの直線とした。
上述したシミュレーションを用いて、本発明の推定性能が曲線半径にどの程度依存するか調査を実施した。
そこで、円曲線の曲線半径を、R100乃至R1000間で刻み100mで変化させ、シミュレーションを実施した。
走行速度とカントは10km/hと0mm(カントなし)で固定し、スラックは0mmとした。
シミュレーションで得られた仮想的な走行データは、ノイズを加えた上で、測定データとして使用した。
本実施形態では、測定データのサンプリングタイムは、例えば1msとした。
シミュレーションより作成した仮想的な測定データを用いて、比較例の手法により輪軸の運動変数の状態推定を試みた。
オブザーバは、非線形カルマンフィルタの一種であるUnscented Kalman Filter(UKF)と呼ばれる公知技術で設計した。
以下、実施形態の手法の妥当性を検証する。
検証には、上述したSimpackにて生成したR100乃至R1000を有する擬似試験曲線を走行して得られた走行データを用いて検証する。
測定値には、平均値が0の正規白色ノイズを加える。
また、推定する状態量の初期値は、式16の通りとした。
Figure 2023117806000025
図7は、実施形態のアタック角推定方法によるアタック角推定結果の例であってR100での推定結果を示す図である。
図8は、実施形態のアタック角推定方法によるアタック角推定結果の例であってR400での推定結果を示す図である。
図7では、アタック角推定値を、緩和曲線、円曲線区間によらず、定性的に良く捉えていることが確認できる。
また、図8より、R400においても、アタック角推定値を緩和曲線、円曲線区間によらず定性的に良く捉えていることが確認できる。
さらに、上記2曲線以外の曲線においても、アタック角推定結果は定性的に妥当であることが確認された。
したがって、本実施形態により、接触幾何の変化によらず、定性的に妥当なアタック角推定結果を得られたといえる。
次に、定量的なアタック角推定性能について考察する。
図9は、試行した各曲線における円曲線中の平均アタック角の推定結果を示す図である。
横軸は曲線半径を示し、縦軸はアタック角及びその二乗平均誤差(二乗平均平方根:RMS)を示している。
図9に示すように、アタック角推定結果は、曲線半径R100乃至R1000の範囲で、真値とのRMSが0.04deg以下となったことが確認でき、ほとんど誤差なく推定できたことが分かった。
すなわち、本実施形態では、接触幾何の変化によらず、定量的にも妥当なアタック角推定結果が得られたといえる。
次に、新たに状態量に加えた接触点左右変位の推定性能について考察する。
図10、図11は、実施形態のアタック角推定方法によるR100とR400の曲線における接触点左右変位推定結果を示す図である。
横軸は走行距離を示し、縦軸は接触点左右変位の推定値、真値、及び、曲線の曲率を示している。
図10、図11より、接触点の位置推定に関して、以下の事実を確認できる。
・直線区間では、左右車輪問わず適切に推定できていない。
・曲線半径によらず、曲線区間では、内軌側の推定が適切にできていない。
・曲線半径によらず、円曲線区間では、外軌側の推定が適切に行えている。
上記のうち、直線区間の両車輪、及び、曲線区間の内軌側推定結果で真値と乖離が生じている理由は、踏面領域では、接触点の位置が変化した場合であっても、車輪径と接触角に大きな変化がないためであると考えられる。
換言すると、接触点が踏面領域に存在するという事実さえ識別できていれば、式15に示した事前推定値を用いた観測量の計算に大きな誤差が生まれないといえる。
これにより、分散が収束せず、適切な推定結果が得られなかったと考えられる。
これに対して、フランジ領域では、接触点の存在位置に車輪径と接触角は大きく依存する。
そのため、曲線走行中の外軌側の接触位置は、明確に特定されている必要があり、図10と図11の(b)では、それができていることが確認できる。
これらの理由から、図7と図8に示したように、アタック角を適切に推定できたと考えられる。
図12は、試行した各曲線における円曲線中の平均外軌側接触点左右変位の推定結果を示す図である。
図12は、縦軸に円曲線中の外軌側の接触点左右変位の推定値の区間平均、真値の区間平均、及び、両者のRMSを示し、横軸を曲線半径としてプロットしたものである。
図12より、曲線半径が大きくなるとともに、RMSも増加する傾向にあり、真値とのRMSが、曲線半径R100乃至R800の範囲で1mm以下となるのに対し、続くR900では約2.5mmに増加し、R100に至っては約14.5mmと大幅に増加することが分かった。
また、R1000での接触点左右変位の真値をみると、それまでの曲線半径における結果と比べて大幅に値が減少している。
すなわち、R1000では、フランジ接触が生じていないことも分かった。
この状況は、外軌側においても、直線や内軌側の接触点と同様に踏面領域で接触が生じていることを意味しており、踏面領域で車輪径、接触角の感度が低下し、推定精度が悪化するということを示している。
以上の結果から、改良された提案手法によって、接触幾何の情報を使用せずに、定性的かつ定量的妥当性を有したアタック角推定値を得られることが確認できた。
また、外軌側接触点左右変位についても、フランジ接触が発生する場合には、定量的に妥当な推定が行えることが確認できた。
実施形態では、推定する状態変数が増えたことを考慮し、かつ、クリープ力飽和時の精度向上を見込んで、接触位相差Δθを新たに観測量に加えている。
以下、それにより実際に推定精度が変化するかを、高い飽和状態であると考えられるR100のデータを用いて比較することで検討する。
図13は、実施形態の手法において接触位相差を使用しない場合のアタック角推定結果であって、R100の場合を示す図である。
横軸は走行距離を示し、縦軸はアタック角推定値、真値、及び、曲率を示している。
図13に示すように、アタック角推定値は、定性的には真値と同様の傾向であるが、定量的には異なることが確認できる。
すなわち、接触位相差を観測量に加えない場合、定量的に妥当なアタック角が推定できないことが確認できる。
この原因を観測量の観点から考察する。
図14は、接触位相差の利用有無に対するR100における外軌側横圧の推定結果を示す図である。
図15は、接触位相差の利用有無に対するR100における接触位相差の推定結果を示す図である。
ここで、実際の推定アルゴリズムでは、接触位相差Δθを観測量に含めない場合、接触位相差Δθの推定値を計算しなくても問題ないが、ここでは比較のため計算を行っている。
図14は、事前推定値を用いて横圧を推定した結果である。
図14をみると、曲線通過後までの両者の推定結果は、同一の傾向であり、その値は平気的に見れば真値に近いことが確認できる。
接触位相差Δθを観測量に加えない場合は、アタック角推定値は定量的妥当性が欠如していたが、図14より、推定したアタック角が定量的に妥当であるか否かに関わらず、横圧Qは妥当に推定されることが確認できる。
また、図15に示した接触位相差の推定結果について、観測量として用いた図15(b)の場合は、真値を平均的に再現できているのに対し、観測量として用いない図15(a)の場合は、曲線通過中の真値を平均的に再現できないことが確認できる。
この原因は、図16と図17に示す横クリープ力と法線力の推定結果から説明できる。
図16は、接触位相差の利用有無に関するR100における外軌側横クリープ力の推定結果を示す図である。
図17は、接触位相差の利用有無に対するR100における外軌側法線力の推定結果を示す図である。
理論上、横クリープ力はアタック角の大きさに大きく依存する力であるが、図16をみると、アタック角が妥当な推定値であるにも関わらず、横クリープ力の推定結果も似たものとなっている。
これはアタック角がどちらの場合であっても、急曲線を通過していることからクリープ力が飽和しているためである。
実施形態において、横圧は、横クリープ力と法線力より計算される。
図17の法線力の推定結果を見ると、こちらも両者が平均的にほぼ同一の推定結果となっていることが分かる。
すなわち、この横クリープ力と法線力から計算される横圧は、アタック角がある程度以上の値で、クリープ力が飽和していれば、ほぼ同一の値になる。
アタック角の推定結果が妥当であるかによらず、横圧が同程度の値になってしまうということは、横圧の推定値と測定値を照査した結果が、アタック角の推定値にフィードバックされないことを意味する。
これが、推定したアタック角が定量的に妥当であるかに関わらず、横圧は妥当な推定値になる理由であり、これまでの課題としてクリープ力の飽和時に精度低下が生じていた原因である。
この誤差は、接触位相差Δθの情報によって修正される。
図15に示した接触位相差の推定結果では、観測量に接触位相差を加えた場合は、推定値が真値になっていることが確認できる。
これは、図15(a)のように真値との誤差が生じていた場合、誤差を生み出す要素であるアタック角を、オブザーバのゲインにより修正できることを意味する。
すなわち、接触位相差Δθを観測量に加えることで、クリープ力飽和による精度の低下を回避できることが示された。
以下、接触位相差Δθの測定値を推定システムに組み込むことで、精度低下を改善できることを説明する。
図18は、実施形態のアタック角推定方法の原理の概略を示す図である。
図18において、横軸はアタック角ψを示し、縦軸は横クリープ力を示している。
既存の手法においては、破線で示した横クリープ力(事実上の横圧)と、アタック角との関係を利用し、横クリープ力からアタック角推定値を取得していた。
この手法であると、横クリープ力が摩擦力μNに飽和した領域では、アタック角を一意に決定できないという問題があった。
この場合、アタック角推定値は、横クリープ力が摩擦力に飽和する限界の値付近で停留する。
本実施形態では、この問題を回避するために接触位相差情報を用いている。
接触位相差は、図18に実線で示したように、アタック角と線形関係にある。その比例係数は、車輪/レール間の接触位置sにより決定され、接触位置sが大きいほど図18における傾きは大きくなる。
本実施形態においては、横クリープ力と接触位相差の両方の情報を使用して、アタック角ψを推定する。
図19は、本実施形態におけるアタック角の推定手法を示す図である。
図19(a)は、クリープ力が飽和していない状態を表している。
この場合、2つの線図からそれぞれアタック角が逆関数的に決定できる。
この2つのアタック角とプラントモデルを用いて公知のオブザーバによりアタック角の推定値
Figure 2023117806000026
が決定される。
図19(b)は、クリープ力が摩擦力μNに飽和している状態を表している。
この場合も、非飽和状態と同じようにアタック角推定値が決定されるが、横クリープ力Fから得られるアタック角ψFyの信頼性が低いため、オブザーバによりアタック角推定値
Figure 2023117806000027
は接触位相差Δθから決定されるアタック角ψΔθに近づく。

Figure 2023117806000028
がψFyから増加しても、順方向の横クリープ力の計算値は、μNのまま変わらないので、中間点で停留せずにψΔθへ収束する。)
接触位相差の情報を精確に利用するには、接触位置sの把握が不可欠となる。
本実施形態では、解析上の表現が困難な接書位置sの時間微分式を、輪軸の左右速度を用いて近似的に与えることにより、接触位置sを推定量に組み込んでいる。
比較例の手法では、接触位置sを求める場合、あらかじめ車輪とレールとの間の接触幾何を計算し、その結果をルックアップテーブルにして取得しているが、本実施形態においては、接触位置sの推定値は、接触位置sの時間微分式をもとに、前後接線力T、横圧Q、及び、接触位相差Δθの測定値を用いて、アタック角と同様の方法で決定する。
上述した実施形態のアタック角推定方法は、以下説明する実施形態のアタック角推定装置により実行することが可能である。
実施形態のアタック角推定装置は、鉄道車両の左右の車輪に設けられたひずみゲージの出力に基づいて、左右の前記車輪の輪重、横圧、前後接線力、及び、左右の前記車輪のレールとの接触位置の車軸回りの角度差である接触位相差を取得する観測量取得部と、車輪が走行する軌道のレール曲率を取得するレール曲率取得部と、鉄道車両の走行速度を取得する走行速度取得部と、左右の前記車輪のプラントモデル及びオブザーバを用いて、アタック角及び左右の前記車輪の接触位置を推定する推定演算部とを備える。
観測量取得部として、典型的には、公知のPQ輪軸を用いた輪重横圧測定装置を用いることができる。
例えば、上述した特許文献1には、このような輪重横圧測定装置の一例が記載されており、ここでは特許文献1の全文を参照により援用するものとする。
以上説明したように、本実施形態においては、非特許文献3,4に記載された既存のアタック角推定方法などの既存の手法で行っていた、ルックアップテーブルを用いて接触位置を推定する方法を廃止し、接触幾何条件の変化を状態空間モデルに組み込み、接触位置と併せて同時に推定できるようにした。
また、比較例では左右車輪でそれぞれ構築されていたプラントモデルを統合し、左右車輪の測定値を用いてアタック角等を推定するようにした。
また、本実施形態では、観測量に接触位相差Δθを加えた。
その結果、R100乃至R1000までの10曲線を走行させたシミュレーションデータを用いて、実施形態の有効性を検証した結果、以下の結果を得ることができた。
(1)走行する曲線の曲線半径によらず、アタック角推定値は、定性的かつ定量的に妥当な推定結果が得られた。
(2)円曲線走行中、車輪とレールがフランジ接触している場合、外軌側接触点の左右変位推定値は、真値とのRMSが3mm以内となった。
特にR800以下の曲線では、RMSが1mm以下になっており、アタック角と同様に定量的に妥当な推定結果が得られた。
(3)観測量として接触位相差Δθを加えることにより、クリープ力飽和時のアタック角推定精度を向上できた。
(他の実施形態)
なお、本発明は上述した各実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。
例えば、鉄道車両の構成は、図3乃至図5に図示したモデルの構成に限らず、適宜変更することができる。
例えば、実施形態では軌間1067mmの狭軌の電車(日本のいわゆる在来線相当)について検討しているが、本発明は他の軌間を有する鉄道(例えば、軌間1435mmの標準軌を有する新幹線等)にも適用することができる。
また、各数式の形態や、推定に用いる各種パラメータの値なども適宜変更することが可能である。
1 鉄道車両 10 車体
11 中心ピン 20 台車枠
30 輪軸 31 車輪
32 車軸 40 軸箱支持装置
50 2次ばね系 60 ヨーダンパ
70 上下動ストッパ 80 左右動ストッパ
90 左右動ストッパ

Claims (6)

  1. 鉄道車両の左右の車輪に設けたひずみゲージの出力に基づいて、左右の前記車輪の横圧、前後接線力、及び、左右の前記車輪のレールとの接触位置の車軸回りの角度差である接触位相差を観測量としてそれぞれ取得し、
    前記車輪が走行する軌道のレール曲率を取得し、
    前記鉄道車両の走行速度を取得し、
    左右の前記車輪のプラントモデル及びオブザーバを用いて、アタック角及び左右の前記車輪の接触位置を推定すること
    を特徴とするアタック角推定方法。
  2. 前記車輪と前記レールとの接触幾何状態の変化を、状態空間モデルを用いて接触位置と同時に推定すること
    を特徴とする請求項1に記載のアタック角推定方法。
  3. 左右の前記車輪を統合したプラントモデルを用いて、左右の前記車輪からそれぞれ観測される前記観測量を用いて前記アタック角及び左右の前記車輪の接触位置を推定すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアタック角推定方法。
  4. 左右の前記車輪を車軸で結合した輪軸の左右速度を用いることにより、前記車輪の接触位置の時間微分式を近似的に与え、当該時間微分式を用いて前記車輪の接触位置を推定すること
    を特徴とする請求項3に記載のアタック角推定方法。
  5. 前記車輪と前記レールとの間の横クリープ力が飽和する領域において、前記接触位相差を用いて前記アタック角の推定値を補正すること
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のアタック角推定方法。
  6. 鉄道車両の左右の車輪に設けられたひずみゲージの出力に基づいて、左右の前記車輪の輪重、横圧、前後接線力、及び、左右の前記車輪のレールとの接触位置の車軸回りの角度差である接触位相差を取得する観測量取得部と、
    前記車輪が走行する軌道のレール曲率を取得するレール曲率取得部と、
    前記鉄道車両の走行速度を取得する走行速度取得部と、
    左右の前記車輪のプラントモデル及びオブザーバを用いて、アタック角及び左右の前記車輪の接触位置を推定する推定演算部と
    を備えることを特徴とするアタック角推定装置。
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