本発明にかかる遊技機の実施形態について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。
《1》第1実施形態(主に特徴xA群~特徴xU群に対応):
《2》第2実施形態(主に特徴yA群~特徴yζ群に対応):
《3》第3実施形態(主に特徴zA群~特徴zU群に対応):
《4》第4実施形態(主に特徴aA群~特徴aU群に対応):
《5》第5実施形態(主に特徴bA群~特徴bU群に対応):
《6》第6実施形態(主に特徴cA群に対応):
《7》第7実施形態(主に特徴dA群に対応):
《8》第8実施形態(主に特徴eA群に対応):
《9》第9実施形態(主に特徴fA群に対応):
《10》第10実施形態(主に特徴gA群に対応):
《1》第1実施形態:
《1-1》遊技機の構造:
図1は、本発明の第1実施形態としてのパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。当該パチンコ機は、本発明における回転手段としての回転体を備える。当該回転体としては、裏面側に位置する光源を視認可能に構成された第1回転体と、回転する第1回転体の裏面側に移動可能な第2回転体とがある。図示するように、パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
前扉枠14の正面視右側(以下、単に「右側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
上皿20の周縁部の正面視左側(以下、単に「左側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図2は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53と、電源ユニット58とを備えている。具体的には、これらユニットは、内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。この基板ボックスは、開閉の痕跡が残るように構成されている。例えば、開閉可能な箇所に封印シールが貼付されており、基板ボックスを開放すると「開封」といった文字が現れるように構成されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
電源ユニット58は、電源装置85と、電源スイッチ88とを備えている。電源装置85は、パチンコ機10の動作に必要な電力を供給する。電源装置85には、電源スイッチ88が接続されている。電源スイッチ88のON/OFF操作により、パチンコ機10に電力が供給されている供給状態と、パチンコ機10に電力が供給されていない非供給状態とが切り換えられる。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図3は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、透明な樹脂製であり、本実施形態では、無色透明なポリカーボネート樹脂によって形成されている。ただし、変形例として、遊技盤30は、ABS樹脂、アクリル樹脂等の他の種類の透明な樹脂によって形成されていてもよい。遊技盤30の前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30の裏面側には、ランプやLED等の複数の発光部が設けられており、裏面側から遊技領域PAを照射することによって、パチンコ機10の前面から見て遊技領域PAが光ることで意匠的演出がなされている。
遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車96等の各役物が配設されている。
遊技球は、均一の材質によって構成された球体であり、本実施形態では鋼製(鉄製)である。遊技球の外形は、正面視した場合に当該遊技球の回転の中心を対称の点として点対称であり、真球に近い球体である。遊技球の表面には、遊技ホールの名前やロゴ等の文字や記号が記されている。先に説明したように、遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下し、風車96よりも上方の位置から風車96に向かって流下する。流下中の遊技球は、釘や風車96によって、回転速度や回転時の回転軸の方向が変化し得るものであり、回転方向も反転し得る。パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技球を視認することが可能であり、遊技球が遊技領域PAを流下する様子を見ることができる。なお、遊技球発射機構から連続して遊技球が発射された場合には、遊技領域PAに複数の遊技球が存在し得ることになる。
釘42は、真鍮製であり、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。遊技領域PAを流下する遊技球は、釘42に当たることによって回転しながら、釘42によって制限される落下方向に誘導される。
風車96は、遊技球から力学的エネルギーを受けることによって回転状態と停止状態との間で切り替わり得る構造物であり、その回転方向や回転速度も変化し得る。本実施形態では、風車96は、遊技盤30の左側の固定された位置に設けられており、遊技盤30に立設された釘を挿通するための軸筒96aと、軸筒96aの外周に放射状に配設された3枚の羽根板96bと、軸筒96aおよび羽根板96bの前側(遊技盤30の前方向)に取り付けられた正面円盤96cとを備える。本実施形態では、軸筒96a、羽根板96b、および正面円盤96cは、透明の樹脂材料によって一体的に形成されており、軸筒96aに挿通された釘を中心として回転可能に構成されている。風車96の回転軸として機能する軸筒96a及び軸筒96aに挿通された釘は、遊技盤30の表面に対する垂直方向に沿うように配置されている。正面円盤96cは、透明の樹脂によって形成されているため、遊技盤30の裏面側に位置する光源を視認可能に構成されている。そして、正面円盤96cは、羽根板96bが設けられていないことによって光透過率が高くなっている領域である高光透過領域と、羽根板96bが設けられていることによって光透過率が高光透過領域よりも低くなっている領域である低光透過領域とを有している。
遊技盤30の左側領域には、複数の釘42が植設されることによって、風車96よりも上方の位置から、風車96の正面円盤96cの裏面側の位置まで至ることが可能な経路が複数設けられている。遊技球は、当該複数の経路のうちの一の経路を流下することによって、風車96よりも上方の位置と、風車96の正面円盤96cの裏面側の位置との間で移動可能であり、当該移動の間に、釘42への衝突を繰り返すことによって、その移動速度や回転方向、回転速度が変化し得る。
風車96に到達した遊技球は、当該遊技球が風車96の正面円盤96cの裏面側の位置に移動してきたタイミングにおける当該正面円盤96cの回転態様(回転方向や回転速度、羽根板96bの位置等)に応じて、後述する第1始動口33へ入球し易くなる中央側ルートと、第1始動口33への入球が困難となる外側(左側)ルートとのいずれかのルートに振り分けられる。具体的には、遊技球が風車96の正面円盤96cの裏面側に移動してくる毎に、風車96の回転方向が、左回りの回転方向と、右回りの回転方向とのうちのいずれになるかが決まる。そして、風車96が左回りの回転方向に回転する場合より、右回りの回転方向に回転する場合の方が、遊技球が上述した中央側ルートに振り分けられ易く、遊技者にとっての有利性が高くなり易い。そして、遊技球が上述した中央側ルートに振り分けられた場合には、当該遊技球が第1始動口33に入球する可能性が高まって遊技者にとっての有利性が高い状態となり、一方、遊技球が上述した外側(左側)ルートに振り分けられた場合には、当該遊技球が第1始動口33に入球する可能性が低くなって遊技者にとっての有利性が低い状態となる。
また、本実施形態の風車96によれば、羽根板96bおよび正面円盤96cが透明の樹脂材料によって形成されていることから、遊技球発射機構から遊技球が発射されている状態において、発射された遊技球が風車96よりも上方の位置を流下している状況では、遊技盤30の裏面側に設けられた発光部が風車96の正面円盤96cを通して視認可能となる。このために、審美性を高めることができる。一方、風車96よりも上方の位置から流下してきた遊技球が、風車96の正面円盤96cの裏面側(上述した高光透過領域の裏面側)に移動してきた場合には、当該遊技球が遊技盤30の裏面側に設けられた発光部からの光を遮って、当該遊技球が風車96の正面円盤96cを通して視認可能となる。このために、遊技球が風車96に移動してきたことの視認が容易となり、風車96によって遊技球が遊技盤30の中央側に振り分けられる期待感を高めることができる。なお、風車96よりも上方の位置を流下中の遊技球は、風車96の正面円盤96cを通すことなく視認可能である。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び可変入賞装置36が設けられている。遊技球は、遊技盤30の表面を転がりながら、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び可変入賞装置36のそれぞれに入球する。当該入球した遊技球は、遊技盤30に形成された個別の上記の開口部に誘導される。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40、及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。さらに、遊技盤30には、第1回転体の一例としての演出用メイン回転役物170と、第2回転体の一例としての一対の演出用サブ回転役物180,190とが設けられている。
図示するように、一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71(図2)から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材であり、遊技盤30の右側に設けられている。第2始動口34には、左右一対の可動片よりなる電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態のときには、遊技球は第2始動口34に入球することはできない。一方、電動役物34aが開放状態のときには、遊技球は第2始動口34に入球することができる。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(当たり抽選)の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉36bは、遊技球が入球可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。開閉実行モードとは、第1始動口33又は第2始動口34への入球を契機とした主制御装置60による当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に移行し、開閉扉36bが開放状態と閉鎖状態とを繰り返すモードである。すなわち、第1始動口33への入球に基づく当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入球が可能になる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2始動口34への入球に基づく当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合にも、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入球が可能な開閉実行モードへと移行する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、または可変入賞装置36に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、可変入賞装置36の大入賞口36a、及びアウト口43のそれぞれに入球した遊技球は、遊技盤30に形成された個別の開口部を通って遊技盤30の背面側に誘導され、遊技盤30の背面に設けられた排出通路に最終的に合流するように構成されている。当該排出通路には、遊技球を検知する排出通路検知センサーが設けられている。排出通路検知センサーによって遊技球を検知することによって、遊技盤30に発射された遊技球の個数を把握することが可能となっている。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行わせる。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行わせる。
第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、およびラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置に換えてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入球を契機とした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行う。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図4は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図4(a)は、図柄表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図示するように、図柄表示装置41には、数字の1~8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1~8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図4(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAと、メイン表示領域MAの下方に位置するサブ領域SAとが表示される。メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、図4(a)に示した数字1~8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図4(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入球すると、各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1~Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、「遊技回」とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33及び第2始動口34のいずれか一方への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33及び第2始動口34のいずれかへの遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかへの遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。遊技球は、回転しながら流通する回転体である。1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
メイン表示領域MAの下方に位置するサブ領域SAには、第1始動口保留用領域Ds1と、保留消化領域Dmと、第2始動口保留用領域Ds2とが表示される。保留消化領域Dmは表示面41aの左右方向の中央に表示され、第1始動口保留用領域Ds1は保留消化領域Dmの左側に表示され、第2始動口保留用領域Ds2は保留消化領域Dmの右側に表示される。第1始動口保留用領域Ds1には、第1始動口33への遊技球の入球に基づく保留個数が表示される。第2始動口保留用領域Ds2には、第2始動口34への遊技球の入球に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入球した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。第1始動口保留用領域Ds1、第2始動口保留用領域Ds2、および保留消化領域Dmの動作の詳細については、後ほど詳述する。
図3の説明に戻る。演出用メイン回転役物170は、図柄表示装置41の表示面41aの上側に配置されており、図示した原点位置から下方に移動可能に構成されている。一対の演出用サブ回転役物180,190のそれぞれは、図柄表示装置41の表示面41aの下側に配置されており、図示した原点位置から上側に移動可能に構成されている。各演出用サブ回転役物180,190が原点位置にある状態では、各演出用サブ回転役物180,190の大部分は覆い板199によって隠されており、各演出用サブ回転役物180,190の一部分だけが覆い板199から突出している。演出用メイン回転役物170および演出用サブ回転役物180,190の構成、およびそれらの動作については、後ほど詳述する。
第1始動口33の上方には、一対の釘(いわゆる命釘、ヘソ釘)42(42a,42b)が設けられている。一対の釘42a,42bの間隔によって、第1始動口33への遊技球の入球の確率が変化する。また、風車96によって、遊技球が遊技盤30の中央側と外側(左側)とのいずれに振り分けられるかによっても、第1始動口33への遊技球の入球の確率が変化し、ひいては、遊技者にとっての有利性が変化する。すなわち、風車は、その回転方向によって遊技者にとっての有利性を変化させる回転体である。
《1-2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムを実行するCPU(図示せず)と、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート(図示せず)及び出力ポート(図示せず)がそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力ポートには、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また電源装置85は、コンデンサ(図示せず)を備えており、停電が発生した場合や電源スイッチ88(図2)がOFFにされた場合には、所定期間、各装置への電力供給を継続する。
また、主制御基板61の入力ポートには、各種検知センサ67a~67eが接続されている。具体的には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入球口に設けられた複数の検知センサと接続されている。主制御基板61のMPU62は、各種検知センサ67a~67eからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲート35を通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に基づいて当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入球に基づいて電動役物開放抽選を実行する。
主制御基板61の出力ポートには、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行する。また、開閉実行モードにおいて大当たり種別が決定され開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数が決定した場合には、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
主制御基板61の出力ポートには、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。具体的には、一般入賞口32への入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25と、遊技球発射ボタン26とが接続されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、図柄の組み合わせが停止表示している時間である停止時間は一定である。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図6は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には当たり乱数カウンタC1が用いられる。確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1~C4、CINI、CSは、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
RAM64には、保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。第1保留エリアRaには、第1始動口33に入球した遊技球の保留個数の最大値に対応した4個のエリア、すなわち、第1エリア、第2エリア、第3エリア、および第4エリアが設けられている。第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報(以下、特1保留とも呼ぶ)として、第1~第4エリアのうちの一つのエリアに記憶される。第1~第4エリアのいずれに記憶されるかは、入球の順序によって決定されており、入球のタイミングが早いほど上位のエリア(第1エリアが最も上位のエリア)に記憶される。
また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。第2保留エリアRbには、第2始動口34に入球した遊技球の保留個数の最大値に対応した4個のエリア、すなわち、第1エリア、第2エリア、第3エリア、および第4エリアが設けられている。第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報(以下、特2保留とも呼ぶ)として、第1~第4エリアのうちの一つのエリアに記憶される。第1~第4エリアのいずれに記憶されるかは、入球の順序によって決定されており、入球のタイミングが早いほど上位のエリア(第1エリアが最も上位のエリア)に記憶される。
当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。当たり乱数カウンタC1は、例えば、0~1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~1199)。
当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。具体的には、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを判定処理実行エリア64cに移動させ、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。データのシフトは、第1~第4エリアに格納されているデータを上位エリア側に順にシフトさせるものである。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。
また、第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。具体的には、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを判定処理実行エリア64cに移動させ、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。データのシフトは、第1~第4エリアに格納されているデータを上位エリア側に順にシフトさせるものである。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。
そして、第2保留エリアRbに当たり乱数カウンタC1の値が記憶されている場合には、第1保留エリアRaに当たり乱数カウンタC1の値が記憶されているか否かに関わらず、第2保留エリアRbに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する対象とする。これにより、第1保留エリアRa及び第2保留エリアRbの両方に当たり乱数カウンタC1の値が記憶されている場合には、第2始動口34に対応した第2保留エリアRbに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値が優先される。すなわち、本実施形態では、第1保留エリアRa及び第2保留エリアRbの両方に当たり乱数カウンタC1の値が記憶されている場合には、第2始動口34に対応した第2保留エリアRbに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値が優先され、第2保留エリアRbに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値の中では、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを判定処理実行エリア64cに移動させ、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。第2保留エリアRbに当たり乱数カウンタC1の値が記憶されていない場合には、第1保留エリアRaに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値の中では、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを判定処理実行エリア64cに移動させ、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。
なお、上述した説明では、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値がどういった順序で判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動されるかを説明したが、当たり乱数カウンタC1の値に限るものではなく、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1以外のカウンタ(大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCS)の各値についても、同様の順序で判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行うとともに、当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示面41aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図4(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
リーチは、リーチ演出の内容によって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチの3種類に分類される。ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が大当たり当選の期待度(信頼度)が高いリーチ演出が実行され、スーパーリーチよりもスペシャルリーチの方が大当たり当選の期待度が高いリーチ演出が実行される。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶された変動種別カウンタCSの値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、第1図柄表示部37aにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して使用される。第2保留エリアRbに記憶された変動種別カウンタCSの値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して使用される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。なお、本実施形態のパチンコ機10では、変動パターンの種別に応じてリーチ演出の内容(すなわちリーチの種類)を特定できる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0~465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電役実行エリア64eに移動した後、電役実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選(以下、電動役物開放抽選と呼ぶ)が行われる。具体的には、電役実行エリア64eにおいて、ROM63の役物抽選用テーブル記憶エリア63eに記憶されている当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)と電動役物開放カウンタC4の値とが照合され、電動役物34aを開放状態に制御するか否かが決定される。
なお、取得された当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、変動種別カウンタCS、および電動役物開放カウンタC4の値の内の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、および変動種別カウンタCSの値の内の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、当たり乱数カウンタC1に基づいて当たり抽選を行う際に、当該当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。高確率モード(高確率遊技状態とも呼ぶ)は、確変大当たりに当選することによって開始される遊技状態であって、当たり抽選において大当たりに当選する確率が、低確率モードより相対的に高い遊技状態を言う。
図7は、当否テーブルの内容を示す説明図である。図7(a)は低確率モード用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図7(b)は高確率モード用の当否テーブルを示している。
図7(a)に示すように、低確率モード用の当否テーブルには、大当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、0~4の5個の値が設定されている。そして、0~1199の値のうち、0~4の5個の値以外の値(5~1199)が外れである。一方、図7(b)に示すように、高確率モード用の当否テーブルには、大当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、0~15の16個の値が設定されている。そして、0~1199の値のうち、0~15の16個の値以外の値(16~1199)が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
なお、本実施形態における当否テーブルにおいては採用していないが、当たり抽選の結果として「小当たり」を設けてもよい。
「小当たり」とは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(2)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モード
(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモード
パチンコ機10には、上記の(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が複数回(例えば16回)行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するように設定可能である。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が6個となるまで継続するよう設定可能である。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。上記具体例の場合、低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2secである。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入球が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入球が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入球が発生しない構成としてもよい。
パチンコ機10には、上記の(2)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードの態様として、当否テーブルとして高確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う高確率モードと、当否テーブルとして低確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う低確率モードとを設定することができる。図7を用いて説明したように、高確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う場合の方が、低確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う場合と比較して、大当たりに当選する確率が高い。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されていてもよい。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されてもよい。さらに、電動役物34aの1回の開放時間が長く設定された構成としてもよい。また、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
本実施形態では、当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図8は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図8(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図8(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照される。
図8(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、第1始動口用の振分テーブルには、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当たり抽選の抽選モード(以下、単に「抽選モード」とも呼ぶ)が高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。16R確変大当たりと8R確変大当たりとの相違点は、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が相違し、16R確変大当たりは16回(16ラウンド)であり、8R確変大当たりは8回(8ラウンド)である。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。16R通常大当たりと8R通常大当たりとの相違点は、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が相違し、16R通常大当たりは16回(16ラウンド)であり、8R通常大当たりは8回(8ラウンド)である。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0~99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~39」が16R確変大当たりに対応しており、「40~64」が8R確変大当たりに対応しており、「65~89」が16R通常大当たりに対応しており、「90~99」が8R通常大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
図8(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、第2始動口用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R通常大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0~99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~64」が16R確変大当たりに対応しており、「65~99」が8R通常大当たりに対応している。
このように本実施形態のパチンコ機10では、大当たり当選となった場合の大当たりの種別の振分態様は、第1始動口33への入球に基づいて大当たり当選となった場合と、第2始動口34への入球に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
なお、当たり抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、抽選モード及びサポートモードの変更も発生しない。大当たりの種別の振り分けにおいて、16確変大当たりまたは8R確変大当たりとなった場合には、先に説明したように、開閉実行モードの終了後の抽選モードは高確率モードとなるが、この高確率モードの状態は、次回、当たり抽選において大当たり当選するまで継続される。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行うとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
図9は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図9(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図9(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2~465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図9(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図9(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0~461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462~465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
《1-3》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図10は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85(図5)等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、CPU、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。これらの詳細については後述する。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、主制御装置60と演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46や各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
さらに、本実施形態では、MPU92の出力側には、演出用メイン回転役物170を動作させる演出用メイン回転役物駆動部97と、一対の演出用サブ回転役物180,190を動作させる演出用サブ回転役物駆動部98,99とが接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄、絵図などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄や表示絵図のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《1-4》遊技機による処理の概要と演出動作:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
《1-4-1》保留表示:
本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、図柄表示装置41の表示面41aの下方に位置するサブ領域SAには、第1始動口33への遊技球の入球に基づく保留個数を示す第1始動口保留用領域Ds1と、第2始動口34への遊技球の入球に基づく保留個数を示す第2始動口保留用領域Ds2と、第1始動口保留用領域Ds1と第2始動口保留用領域Ds2の間に位置する保留消化領域Dmとが表示される。
図11は、第1始動口保留用領域Ds1と保留消化領域Dmの変化の一例を示す説明図である。第1始動口保留用領域Ds1には、第1始動口33への遊技球の入球に基づく各保留(最大4つの保留のそれぞれ)に対応した最大4つの保留表示アイコンが左右方向に並んで表示される。本実施形態では、保留表示アイコンは円形であり、図11(a)に示した例では、第1番目の保留と第2番目の保留とにそれぞれ対応した第1保留表示アイコンH1と第2保留表示アイコンH2が示されている。第1始動口保留用領域Ds1において、最も右側の位置に第1保留表示アイコンH1は表示され、右側から左側に向かって2番目の位置に第2保留表示アイコンH2は表示される。すなわち、第1始動口保留用領域Ds1において、第1始動口33に遊技球が入球する毎に、保留表示アイコンは、右側から左側に向かって1個ずつ増大するように表示される。
保留消化領域Dmは、上底が下底よりも長い台形であり、図11(a)に示した例では、保留消化領域Dmの上部に保留表示アイコンH0が載置されている。本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33又は第2始動口34への入球を契機とした当たり抽選が行われ、その当たり抽選の結果を報知するための変動表示が行われるが、この変動表示が開始されるタイミングで、保留消化領域Dmの上部に保留表示アイコンが載置された状態となる。この変動表示は、保留消化領域Dmの上部に載置された保留表示アイコンH0に対応した保留(保留情報)に基づくものである。遊技者は、保留消化領域Dmの上部に保留表示アイコンH0が載置されていることを観察することによって、保留表示アイコンH0に対応した保留が消化されていることを知ることができる。
図11(a)に示した状態において、変動表示が終了して停止表示されると、その後、保留消化領域Dmの上部に載置された保留表示アイコンH0は消える。続いて、図11(b)に示すように、第1始動口保留用領域Ds1において最も右側に位置する第1保留表示アイコンH1が、保留消化領域Dmの上部に移動する。この際に、第1始動口保留用領域Ds1において、右側から2番目に位置する第2保留表示アイコンH2は、最も右側の位置に移動(シフト)する。なお、図11(b)に示した例では、右側から左側に向かって3番目、4番目に位置する保留表示アイコンは存在しないが、仮に存在した場合には、3番目に位置する保留表示アイコンは2番目の位置に移動(シフト)し、4番目に位置する保留表示アイコンは3番目の位置に移動(シフト)する。
図11(b)に示した移動の結果、図11(c)の状態となる。すなわち、保留消化領域Dmの上部に第1保留表示アイコンH1が載置され、第1始動口保留用領域Ds1の最も右側の位置に第2保留表示アイコンH2が表示された状態となる。このとき、第1保留表示アイコンH1に対応した保留(保留情報)に基づいた当たり抽選の結果を報知するための変動表示が実行される。
上記のようにして、一遊技回に相当する変動表示および停止表示が実行される毎に、第1始動口保留用領域Ds1に表示された各保留表示アイコンは、左側から右側に向かってシフトし、最終的に最も右側の位置から保留消化領域Dmの上部に移動する。そして、当該保留表示アイコンに対応した保留情報に基づいた当たり抽選の結果を報知するための変動表示および停止表示が実行されることになる。このようにして、第1始動口保留用領域Ds1に表示されている各保留表示アイコンにおいて、右側から左側に向かう順(すなわち、保留された順)に、各保留表示アイコンに対応した保留情報が当たり抽選の対象となる。
図12は、第2始動口保留用領域Ds2と保留消化領域Dmの変化の一例を示す説明図である。第2始動口保留用領域Ds2には、第2始動口34への遊技球の入球に基づく各保留(最大4つの保留のそれぞれ)に対応した最大4つの保留表示アイコンHが左右方向に並んで表示される。第2始動口保留用領域Ds2の変化の態様は、図11に示した第1始動口保留用領域Ds1の変化の態様と大まかには同一であり、動作の方向が第1始動口保留用領域Ds1の場合と比較して逆方向となっている。すなわち、第2始動口34に遊技球が入球する毎に、保留表示アイコンHは、左側から右側に向かって1個ずつ増大するように表示される。遊技回が実行される毎に、第2始動口保留用領域Ds2において保留表示アイコンHは右側から左側に1個ずつ移動し、最終的に保留消化領域Dmの上部に移動して、当該保留表示アイコンHに対応した保留(保留情報)に基づいた当たり抽選の結果を報知するための変動表示および停止表示が実行されることになる。このようにして、第2始動口保留用領域Ds2に表示されている各保留表示アイコンにおいて、左側から右側に向かう順(すなわち、保留された順)に、各保留表示アイコンに対応した保留情報が当たり抽選の対象となる。
第1始動口保留用領域Ds1および第2始動口保留用領域Ds2に表示された保留表示アイコンは、先に説明したように円形であったが、これに換えて、三角形、四角形、五角形等の他の多角形の形状としてもよい。さらに、保留表示アイコンは、図形の画像に限らず、キャラクター等の画像としてもよい。保留消化領域Dmは、先に説明したように台形であったが、これに換えて、三角形、四角形、円形等の他の形状の画像としてもよい。また、保留消化領域Dmは、図形の画像に限らず、キャラクター等の画像としてもよい。また、本実施形態では、第1始動口保留用領域Ds1または第2始動口保留用領域Ds2から保留消化領域Dmに移動した保留表示アイコンは、保留消化領域Dmの上部に載置される構成であったが、これに換えて、保留消化領域Dmに入って消えるような表示態様としてもよい。
《1-4-2》保留変化予告演出:
本実施形態のパチンコ機10は、各保留表示アイコンに対応した保留情報(すなわち、RAM64の保留情報記憶エリア64bに記憶された保留情報)に対する遊技者の期待感を高めるために、各保留情報に含まれる当たり乱数カウンタC1の値を当たり抽選の対象となるよりも前に確認し、確認した結果をもとに遊技者に期待感を与える演出、いわゆる先読み演出を行っている。本実施形態のパチンコ機10は、先読み演出の一つとして、各保留表示アイコンの表示色をデフォルト色(例えば白色)から他の色に変化させることによって、当該表示色が変化した保留表示アイコンに対応した保留情報に対する大当たり当選の期待度(信頼度)を示唆する保留変化予告演出(以下、単に「保留変化予告」とも呼ぶ)を実行する。
本実施形態のパチンコ機10では、保留表示アイコンの表示色の態様としては、デフォルト色としての白色と、青色と、緑色と、赤色とがあり、この順に、当たり抽選において大当たり当選する事の期待度(信頼度)が低い方から高い方までの4つの段階が対応づけられている。すなわち、対応づけられる大当たり当選の期待度として、表示色としての白色が最も低く、白色より青色が高く、青色より緑色が高く、赤色が最も高くなっている。換言すると、保留変化予告によれば、保留表示アイコンの表示色がデフォルト色の白色のままでは大当たり当選の期待度は低く、表示色が青色に変わった場合に、大当たり当選の期待度は白色の場合より高くなり、表示色が緑色に変わった場合に大当たり当選の期待度は青色の場合より高くなり、表示色が赤色に変わった場合に大当たり当選の期待度は緑色の場合より高くなる。保留変化予告によって、保留表示アイコンHが大当り当選の期待度の高い表示色に変化した場合には、遊技者の大当り当選に対する期待感を向上させ、遊技の興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、当たり抽選において大当たり当選した場合に、大当たり当選に係る遊技回の終了時に、保留情報記憶エリア64bに残された保留情報に含まれる当たり乱数カウンタC1の値を確認し、確認した結果を基に大当たり当選確定であるか否かの判定、すなわち、いわゆる保留連(=保留内連チャン)の有無の判定を行っている。
《1-4-3》演出用メイン回転役物の構成:
先に説明したように、演出用メイン回転役物170は、図柄表示装置41の表示面41aの上側に配置されており、図3に示した原点位置から下方に移動可能に構成されている。
図13は、演出用メイン回転役物170が最も下側の位置(以下、最下点位置と呼ぶ)に移動したときの遊技盤30の正面図である。図示するように、最下点位置では、図柄表示装置41の表示面41aの中央付近に演出用メイン回転役物170は位置する。演出用メイン回転役物170は、図3に示した原点位置から図13に示した最下点位置まで移動可能に構成されている。演出用メイン回転役物170は、所定の演出処理の実行に伴って、原点位置から最下点位置まで移動し、最下点位置から原点位置に復帰する。
図3および図13に示すように、遊技盤30の正面視において、演出用メイン回転役物170は、回転軸部171の周囲に5枚の花びら部172が配置されるように構成されている。各花びら部172は、板状の部材で、正面視(以下、単に「正面視」と呼んだ場合、遊技盤30の正面視を意味する)において、花びらの形状を有する。回転軸部171は、遊技盤30の前後方向(遊技盤30の表面に対して垂直な方向)に延び、当該回転軸部171を中心に回転可能に構成されている。回転軸部171が回転駆動されることで、回転軸部171に連結された各花びら部172は、例えば矢印RLの方向、すなわち、正面視において左回りに回転する。
演出用メイン回転役物170は、図3に示した原点位置に位置する時に、5枚の花びら部172のそれぞれが回転軸部171に集まるように構成されており、正面視において閉じた花のような形状となる。一方、演出用メイン回転役物170は、図13に示した最下点位置に位置する時に、5枚の花びら部172のそれぞれが回転軸部171から離間するように構成されており、正面視において開いた花のような形状となる。
5枚の花びら部172のそれぞれは半透明の色(例えば、桜色)が付いた樹脂材料により成形されており、5枚の花びら部172のうちの1枚については貫通孔が形成され、当該貫通孔に拡大レンズLZが埋め込まれている。かかる構成によって、5枚の花びら部172のうちの4枚については図柄表示装置41の表示面41aから発する光を一部通し、残りの1枚の花びら部172(以下、当該1枚の花びら部172を花びら部172Lとも呼ぶ)については図柄表示装置41の表示面41aから発する光を拡大レンズLZを介して拡大して通す。
まとめると、演出用メイン回転役物170は、次の4つの動作または作用を行う。
・移動動作:図3に示した原点位置から図13に示した最下点位置まで移動し、最下点位置から原点位置に復帰する動作
・回転動作:正面視において例えば左回りに回転する動作
・拡縮動作:原点位置において各花びら部172が回転軸部171に集まり閉じた花のような形状となり、最下点位置において各花びら部172が回転軸部171から離間し開いた花のような形状となる動作
・光透過作用:5枚の花びら部172のうちの1枚の花びら部172Lにおいて、図柄表示装置41の表示面41aから発する光を拡大レンズLZを介して拡大透過する作用
図14は、演出用メイン回転役物170と、演出用メイン回転役物170を動作させる演出用メイン回転役物駆動部97(図10)とを示す右側面概略図である。演出用メイン回転役物170は、先に説明したように、回転軸部171と、5枚の花びら部172とを備える。演出用メイン回転役物駆動部97は、メイン回転役物回転用モーター174と、ラック&ピニオン機構部175と、ピニオン連結用モーター176と、拡大縮小機構部177とを備える。
メイン回転役物回転用モーター174は、演出用メイン回転役物170の上述した回転動作を司るユニットであり、回転軸部171における花びら部172が連結されている側とは反対の側の端部に連結されている。メイン回転役物回転用モーター174の駆動力を受けて、演出用メイン回転役物170は例えば矢印RLの方向、すなわち、正面視において左回りに回転する。本実施形態では、この回転の速度は、演出用メイン回転役物170に備えられる各花びら部172を視認できる程度の速度とし、一定速とした。メイン回転役物回転用モーター174は、例えば、ステッピングモーターによって構成される。
ラック&ピニオン機構部175およびピニオン連結用モーター176は、演出用メイン回転役物170の上述した移動動作を司るユニットである。ラック&ピニオン機構部175は、ラック175aと、ピニオン175bとを備える。ラック175aの片側端部に、メイン回転役物回転用モーター174の取付部174aが連結されている。ピニオン175bの中心軸に、ピニオン連結用モーター176が連結されている。ラック&ピニオン機構部175によって、ピニオン連結用モーター176の回転運動を直線運動に変換することができる。ピニオン連結用モーター176の駆動力を受けて、メイン回転役物回転用モーター174と演出用メイン回転役物170とは、一体的に遊技盤30の上下方向Yに往復移動する。ピニオン連結用モーター176は、例えば、ステッピングモーターによって構成される。
拡大縮小機構部177は、演出用メイン回転役物170の上述した拡縮動作を司るユニットであり、回転軸部171に取り付けられるとともに、各花びら部172と連結されている。拡大縮小機構部177によって、演出用メイン回転役物170を原点位置において各花びら部172が回転軸部171に集まり閉じた花のような形状(以下、花びら閉状態と呼ぶ)とすることができ、演出用メイン回転役物170を最下点位置において各花びら部172が回転軸部171から離間し開いた花のような形状(以下、花びら開状態と呼ぶ)とすることができる。
演出用メイン回転役物駆動部97に備えられたメイン回転役物回転用モーター174、ピニオン連結用モーター176、および拡大縮小機構部177は、音声発光制御装置90のMPU92から制御信号を受信する。これによって、メイン回転役物回転用モーター174、ピニオン連結用モーター176、および拡大縮小機構部177は、音声発光制御装置90によって制御される。当該制御を行う処理として、本実施形態のパチンコ機10では、一発告知演出を行う一発告知演出処理と、ビッグ・オア・スモール演出(=ビッグオアスモール演出)を行うビッグオアスモール演出処理とを実行する。一発告知演出処理について、次に詳しく説明する。
《1-4-4》一発告知演出:
音声発光制御装置90のMPU92は、遊技回における当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった場合に、一発告知演出を実行するか否かを抽選によって決定し、一発告知演出を実行すると決定された場合に、一発告知演出処理を実行する。一発告知演出は、図柄の組み合わせが大当たり当選に対応した所定の組合せとなる前に当たり抽選の当否結果が大当たり当選であることを告知するための演出である。一発告知演出を実行するか否かを決定する上記抽選は、一発告知用乱数を発生させ、当該乱数が予め定められた値と一致するか否かの判定によって行う。
一発告知演出処理が実行開始されると、音声発光制御装置90のMPU92は、当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった遊技回の開始時に、ピニオン連結用モーター176を制御して、演出用メイン回転役物170を、図3に示した原点位置から図13に示した最下点位置まで移動させる。本実施形態では、演出用メイン回転役物170が原点位置にあることを検出可能な原点位置検出センサー(図示せず)と、演出用メイン回転役物170が最下点位置にあることを検出可能な最下点位置検出センサー(図示せず)とが設けられており、演出用メイン回転役物170を原点位置から最下点位置まで移動させる際には、演出用メイン回転役物170が最下点位置検出センサーによって検出されるまでピニオン連結用モーター176を駆動させる。
MPU92は、演出用メイン回転役物170についての上記移動を開始した時から所定時間が経過したタイミング(最下点位置に達する以前のタイミング)で、メイン回転役物回転用モーター174を制御して、演出用メイン回転役物170を正面視左回りRLに回転させると共に、拡大縮小機構部177を制御して、各花びら部172を花びら閉状態から花びら開状態に変化させる。
図15は、一発告知演出処理による演出用メイン回転役物170の動作を示す説明図である。上述したように、上記タイミングでメイン回転役物回転用モーター174を制御し、拡大縮小機構部177を制御した結果、図15(a)に示すように、演出用メイン回転役物170は、原点位置から最下点位置まで移動する途中で(+Y方向に移動する途中で)、花びら閉状態から花びら開状態に変化すると共に、正面視左回りRLに回転する。
その後、MPU92は、演出用メイン回転役物170が最下点位置に達した場合に、その達した時から所定期間が経過するまで、演出用メイン回転役物170が回転し花びら開状態となった状態を継続させる。この結果、図15(b)に示すように、演出用メイン回転役物170は、最下点位置において、所定期間、花びら開状態で正面視左回りRLに回転する。
上記所定期間が経過したときに、MPU92は、メイン回転役物回転用モーター174を制御して、回転している演出用メイン回転役物170を停止させるとともに、拡大縮小機構部177を制御して、各花びら部172を花びら開状態から花びら閉状態に変化させる。その後、MPU92は、ピニオン連結用モーター176を制御して、図13に示した最下点位置から図3に示した原点位置まで復帰させる。演出用メイン回転役物170を最下点位置から原点位置まで復帰させる際には、演出用メイン回転役物170が原点位置検出センサーによって検出されるまでピニオン連結用モーター176を駆動させる。
音声発光制御装置90は、演出用メイン回転役物170が最下点位置にある上記所定期間において、表示制御装置100に対して、図柄表示装置41の表示面41aに所定画像を表示させる処理を行う。図15(b)には、所定画像が表示された表示面41aが示されている。先に説明したように、演出用メイン回転役物170が最下点位置にあるときに、演出用メイン回転役物170は、所定期間、花びら開状態で正面視左回りRLに回転することから、演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZは、正面視において、演出用メイン回転役物170の回転軸部171を中心とする円軌道上を回転する。音声発光制御装置90は、表示制御装置100に対して、正面視において、当該円軌道と重なるように、複数(本実施形態では10個)の円形の高輝度部HBが等間隔を開けて配置(描画)された画像を所定画像として、図柄表示装置41に表示させる。
所定画像に含まれる各高輝度部HBから発する光は、遊技盤30の前側に向かって進むが、途中、回転する各花びら部172を一部通したり、隣り合う花びら部172の隙間から遊技者側に抜けたり、1枚の花びら部172Lに埋め込まれた拡大レンズLZを介して拡大されて遊技者側に送られる。このために、演出用メイン回転役物170が最下点位置にある所定期間において、遊技者は、回転している各花びら部172や、隣り合う花びら部172間の隙間から見えていた高輝度部HBを、花びら部172Lに備えられる拡大レンズLZによって拡大されてピカピカ光るように視認することができる。
上記のように構成された一発告知演出によれば、演出用メイン回転役物170が最下点位置にある所定期間において、回転する花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBがピカピカ光るように視認可能となった場合に、遊技者の大当り当選に対する期待感を向上させ、遊技の興趣向上を図ることができる。特に、本実施形態のパチンコ機10では、拡大レンズLZによって拡大されてピカピカ光る高輝度部HBを遊技者に視認させることができることから、一発告知演出に対するときめき感をいっそう高めることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
《1-4-5》演出用サブ回転役物の構成:
先に説明したように、一対の演出用サブ回転役物180,190のそれぞれは、図柄表示装置41の表示面41aの下側に配置されており、図3に示した原点位置から上側に移動可能に構成されている。各演出用サブ回転役物180,190が原点位置にある状態では、各演出用サブ回転役物180,190の大部分は覆い板199によって隠されており、各演出用サブ回転役物180,190の一部分だけが覆い板199から突出している。
図16は、一対の演出用サブ回転役物180,190を示す正面図である。正面視において右側に配置された演出用サブ回転役物180について先に説明する。演出用サブ回転役物180は、回転軸部181と、回転体182とを備える。
回転体182は、一組の対辺が平行で、他の組の対辺が半円となった外形を有する平板状の部材である。回転体182は、非透明の色(例えば、赤色)が付いた樹脂材料によって成形されている。なお、変形例として、非透明の色に代えて、透明としてもよい。回転体182の中心に回転軸部181が連結されている。回転軸部181は、遊技盤30の前後方向(遊技盤30の表面に対して垂直な方向)Zに延び、当該回転軸部181を中心に回転可能に構成されている。回転軸部181が回転駆動されることで、回転軸部181に連結された回転体182は、例えば矢印RLの方向、すなわち、正面視において左回りに回転する。なお、回転体182の外形は、遊技盤30を正面視した場合に、回転体182の回転の中心を対称の点として点対称である。
回転体182の長尺方向の一方の端部付近に円形の貫通孔が設けられ、当該貫通孔に透明樹脂183が埋め込まれている。当該透明樹脂183には、虹色の文字で「BIG」という文字列183aが描画されている。回転体182の長尺方向の他方の端部付近には円形の貫通孔が設けられ、当該貫通孔には透明樹脂184が埋め込まれいる。当該透明樹脂184には、黒色の文字で「BIG」という文字列184aが描画されている。
演出用サブ回転役物180は、上下方向Yに移動可能に構成されており、原点位置から最も上側の位置(以下、最上点位置)まで移動し、その後、最上点位置から原点位置に復帰する。なお、回転軸部181には、長尺で平板状の連結棒185が連結されている。
図17は、演出用サブ回転役物180と、演出用サブ回転役物180を動作させる演出用サブ回転役物駆動部98とを示す右側面概略図である。演出用サブ回転役物180は、先に説明したように、回転軸部181と、回転体182とを備える。演出用サブ回転役物駆動部98は、サブ回転役物回転用モーター186と、ラック&ピニオン機構部187と、ピニオン連結用モーター188とを備える。
サブ回転役物回転用モーター186は、演出用サブ回転役物180の回転動作を司るユニットであり、回転軸部181における回転体182が連結されている側とは反対の側の端部に連結されている。サブ回転役物回転用モーター186の駆動力を受けて、演出用サブ回転役物180は例えば矢印RLの方向、すなわち、正面視において左回りに回転する。本実施形態では、この回転の速度は、演出用サブ回転役物180に備えられる回転体182を視認できる程度の速度とした。
ラック&ピニオン機構部187およびピニオン連結用モーター188は、演出用サブ回転役物180の移動動作を司るユニットである。ラック&ピニオン機構部187は、ラック187aと、ピニオン187bとを備える。ラック187aの片側端部に、サブ回転役物回転用モーター186の取付部186aが連結されている。ピニオン187bの中心軸に、ピニオン連結用モーター188が連結されている。ラック&ピニオン機構部187によって、ピニオン連結用モーター188の回転運動を直線運動に変換することができる。この結果、ピニオン連結用モーター188の駆動力を受けて、サブ回転役物回転用モーター186と演出用サブ回転役物180とは一体的に、図中の実線で示した原点位置から図中の破線で示した最上点位置まで移動し、その後、最上点位置から原点位置に復帰する。なお、図中においては、図16において示した連結棒185の記載は省略している。連結棒185は、正面視においてラック187aを隠す機能を有し、演出用サブ回転役物180の移動動作を司るものではない。
演出用サブ回転役物180が図中の実線で示した原点位置にあるときには、当該演出用サブ回転役物180は、正面視において、当該回転体182の大部分が覆い板199の後ろ(裏面側)に隠れる位置に位置する。具体的には、遊技盤30の前後方向Zにおいて、演出用サブ回転役物180の回転体182は覆い板199より後ろ側に位置しており、演出用サブ回転役物180が原点位置にあるときには、回転体182の大部分が覆い板199の後ろに隠れる位置に演出用サブ回転役物180は位置する。
演出用サブ回転役物180が図中の破線で示した最上点位置にあるときには、演出用メイン回転役物170が最下点位置に移動した場合に、当該演出用サブ回転役物180は、正面視において、当該演出用メイン回転役物170の花びら部172の後ろ(裏面側)に当該演出用サブ回転役物180の回転体182の一部が隠れるように位置することが可能となる。具体的には、遊技盤30の前後方向Zにおいて、演出用サブ回転役物180の回転体182は上記花びら部172より後ろ側に位置していることから、演出用サブ回転役物180が最上点位置にあるときには、演出用サブ回転役物180の回転体182の一部が花びら部172の後ろに隠れる位置に位置することが可能となる。
図16の説明に戻る。正面視において左側に配置された演出用サブ回転役物(以下、第2演出用サブ回転役物とも呼ぶ)は、正面視において右側に配置された演出用サブ回転役物(以下、第1演出用サブ回転役物とも呼ぶ)180と比較して、ほぼ同一の構成を備える。すなわち、第2演出用サブ回転役物190は、第1演出用サブ回転役物180と同様に、回転軸部191と、回転体192とを備える。回転体192は、第1演出用サブ回転役物180の回転体182と比較して、透明樹脂193,194に描画されている文字列193a,194aが「SML」である点が相違し、その他の点については同一である。すなわち、回転体192には、虹色の「SML」という文字列193aと、黒色の「SML」という文字列194aとが描画されている。SMLは、SMALLの略語である。回転軸部191には、長尺で平板状の連結棒195が連結されている。
第2演出用サブ回転役物190を動作させる演出用サブ回転役物駆動部(以下、第2演出用サブ回転役物駆動部と呼ぶ)99についても、第1演出用サブ回転役物180を動作させる演出用サブ回転役物駆動部98(図17、以下、第1演出用サブ回転役物駆動部と呼ぶ)とほぼ同一の構成を備える。すなわち、第2演出用サブ回転役物駆動部99は、サブ回転役物回転用モーターと、ラック&ピニオン機構部と、ピニオン連結用モーターとを備える。第2演出用サブ回転役物駆動部99は、第1演出用サブ回転役物駆動部98と同様に、第2演出用サブ回転役物190を、正面視において左回りに回転させるとともに、原点位置から最上点位置まで移動させ、その後、最上点位置から原点位置に復帰させる。第2演出用サブ回転役物190が原点位置にあるときには、当該第2演出用サブ回転役物190は、正面視において、回転体192の大部分が覆い板199の後ろに隠れる位置に位置する。第2演出用サブ回転役物190が最上点位置にあるときには、演出用メイン回転役物170が最下点位置に移動した場合に、当該第2演出用サブ回転役物190は、正面視において、当該演出用メイン回転役物170の花びら部172の後ろに当該第2演出用サブ回転役物190の回転体192の一部が隠れるように位置することが可能となる。
《1-4-6》ビッグ・オア・スモール演出:
ビッグオアスモール演出処理について、次に詳しく説明する。ビッグオアスモール演出処理では、演出用メイン回転役物170と、第1演出用サブ回転役物180と、第2演出用サブ回転役物190とが協働して、当たり抽選において大当たり当選した場合に獲得したラウンド遊技の回数と保留連の有無とを予告するためのビッグオアスモール演出を行う。ビッグオアスモール演出処理による演出用メイン回転役物170についての制御を、まず説明する。
音声発光制御装置90のMPU92は、遊技回における当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった場合に、ビッグオアスモール演出を実行するか否かを抽選によって決定し、ビッグオアスモール演出を実行すると決定された場合に、ビッグオアスモール演出処理を実行する。ビッグオアスモール演出を実行するか否かを決定する上記抽選は、ビッグオアスモール演出用乱数を発生させ、当該乱数が予め定められた値と一致するか否かの判定によって行う。
ビッグオアスモール演出処理が実行開始されると、音声発光制御装置90のMPU92は、当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった遊技回の終了後(後述するオープニング期間の開始時)に、ピニオン連結用モーター176(図14参照)を制御して、演出用メイン回転役物170を原点位置から最下点位置まで移動させる。また、MPU92は、演出用メイン回転役物170についての上記移動を開始した時から所定時間が経過したタイミング(最下点位置に達する以前のタイミング)で、メイン回転役物回転用モーター174(図14参照)を制御して、演出用メイン回転役物170を正面視左回りRLに回転させると共に、拡大縮小機構部177(図14参照)を制御して、各花びら部172を花びら閉状態から花びら開状態に変化させる。
図18は、ビッグオアスモール演出処理による演出用メイン回転役物170等の動作を示す説明図である。上記タイミングでメイン回転役物回転用モーター174を制御し、拡大縮小機構部177を制御した結果、図18(a)に示すように、演出用メイン回転役物170は、原点位置から最下点位置まで移動する途中で(+Y方向に移動する途中で)、花びら閉状態から花びら開状態に変化すると共に、正面視左回りRLに回転する。
その後、MPU92は、演出用メイン回転役物170が最下点位置に達した場合に、メイン回転役物回転用モーター174を制御して、回転している演出用メイン回転役物170を所定の回転停止位置で停止させる。図18(b)に示した状態が所定の回転停止位置で停止した状態である。所定の回転停止位置(以下、所定回転停止位置と呼ぶ)については後述する。次いで、MPU92は、その停止させた状態から特定時間(例えば、3秒)が経過した後に、拡大縮小機構部177を制御して、各花びら部172を花びら開状態から花びら閉状態に変化させる。その後、MPU92は、ピニオン連結用モーター176を制御して、演出用メイン回転役物170を最下点位置から原点位置まで復帰させる。
所定回転停止位置について、次に詳しく説明する。本実施形態のパチンコ機10では、演出用メイン回転役物170についての最下点位置における所定回転停止位置として、第1の所定回転停止位置と、第2の所定回転停止位置とが予め用意されている。第1の所定回転停止位置は、第1演出用サブ回転役物180と係わりあうことが可能な位置であり、具体的には、図18(b)に示した演出用メイン回転役物170の位置である。図18(b)に示すように、演出用メイン回転役物170が第1の所定回転停止位置にある場合には、遊技盤30の正面視において、演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZに対して、最上点位置に移動してきた第1演出用サブ回転役物180の回転体182に描画された虹色の文字列183a、または黒色の文字列184aが重なり合うことが可能となる。すなわち、遊技盤30の正面視において、最上点位置に位置する第1演出用サブ回転役物180の回転体182に描画された虹色の文字列183a、または黒色の文字列184aに対して、演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZの中心が重なり合うときの演出用メイン回転役物170の位置が、第1の所定回転停止位置に相当する。本実施形態のパチンコ機10では、演出用メイン回転役物170が原点位置から最下点位置に移動した場合に、遊技盤30の正面視において、最上点位置に移動してきた第1演出用サブ回転役物180の回転体182に描画された虹色の文字列183a、または黒色の文字列184aの位置に対して、演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZの中心が重なり合うことが可能なように、メイン回転役物回転用モーター174を制御して、回転している演出用メイン回転役物170を、第1の所定回転停止位置で停止させうる構成とした。
図19は、演出用メイン回転役物170についての第2の所定回転停止位置を示す説明図である。第2の所定回転停止位置は、第2演出用サブ回転役物190と係わりあうことが可能な位置であり、具体的には、図19に示した演出用メイン回転役物170の位置である。図19に示すように、演出用メイン回転役物170が第2の所定回転停止位置にある場合には、遊技盤30の正面視において、演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZに対して、最上点位置に移動してきた第2演出用サブ回転役物190の回転体192に描画された虹色の文字列193a、または黒色の文字列194aが重なり合うことが可能となる。すなわち、遊技盤30の正面視において、最上点位置に位置する第2演出用サブ回転役物190の回転体192に描画された虹色の文字列193a、または黒色の文字列194aに対して、演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZの中心が重なり合うときの演出用メイン回転役物170の位置が、第2の所定回転停止位置に相当する。本実施形態のパチンコ機10では、演出用メイン回転役物170が原点位置から最下点位置に移動した場合に、遊技盤30の正面視において、最上点位置に移動してきた第2演出用サブ回転役物190の回転体192に描画された虹色の文字列193a、または黒色の文字列194aの位置に対して、演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZの中心が重なり合うことが可能なように、メイン回転役物回転用モーター174を制御して、回転している演出用メイン回転役物170を、第2の所定回転停止位置で停止させうる構成とした。
なお、所定回転停止位置として、第1の所定回転停止位置と、第2の所定回転停止位置とのいずれを採用するかは、ビッグオアスモール演出処理を実行する契機となった大当たり当選時に獲得したラウンド遊技の回数に応じて決定している。具体的には、ビッグオアスモール演出処理を実行する契機となった当たり抽選の際に実行された振分判定の結果が、16R確変大当たり又は16R通常大当たりである場合に、最下点位置においてメイン回転役物回転用モーター174を制御して、演出用メイン回転役物170を第1の所定回転停止位置で停止させる。一方、ビッグオアスモール演出処理を実行する契機となった当たり抽選の際に実行された振分判定の結果が、8R確変大当たり又は8R通常大当たりである場合に、最下点位置においてメイン回転役物回転用モーター174を制御して、演出用メイン回転役物170を第2の所定回転停止位置で停止させる。
ビッグオアスモール演出処理においては、先に説明した演出用メイン回転役物170についての制御を行うと共に、第1演出用サブ回転役物180および第2演出用サブ回転役物190についての制御を行う。第1演出用サブ回転役物180および第2演出用サブ回転役物190についての制御について、次に説明する。なお、本実施形態のパチンコ機10では、第1演出用サブ回転役物180と第2演出用サブ回転役物190とが同一の動きをするように、第1演出用サブ回転役物180および第2演出用サブ回転役物190についての制御がなされている。
ビッグオアスモール演出処理が実行開始されると、音声発光制御装置90のMPU92は、演出用メイン回転役物170を原点位置から最下点位置まで移動させることに同期して、各ピニオン連結用モーター(図17参照)を制御することによって、各演出用サブ回転役物180,190を原点位置から最上点位置まで移動させる。この際の移動速度は一定とした。また、MPU92は、各演出用サブ回転役物180,190についての上記移動を開始した時から所定時間が経過したタイミング(最上点位置に達する以前のタイミング)で、各サブ回転役物回転用モーター186(図17参照)を制御して、各演出用サブ回転役物180,190を正面視左回りRLに回転させる。この際の回転速度は一定とした。この結果、図18(a)に示すように、各演出用サブ回転役物180,190は、原点位置から最上点位置まで移動する途中で(-Y方向に移動する途中で)、正面視左回りRLに回転する。なお、演出用メイン回転役物170および各演出用サブ回転役物180,190が、図18(a)に示す形態となったときには、演出用メイン回転役物170に対して、各演出用サブ回転役物180,190は距離的に離間していることから、各演出用サブ回転役物180,190の回転体182,192は、遊技盤30を正面視した場合に演出用メイン回転役物170の花びら部172を通すことなく視認可能となっている。なお、本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、演出用メイン回転役物170を原点位置から最下点位置まで移動させることに同期して、各演出用サブ回転役物180,190を原点位置から最上点位置まで移動させていたが、両者の移動のタイミングは必ずしも一致させる必要はなく、変形例として、両者の移動のタイミングをずらす構成としてもよい。具体的には、演出用メイン回転役物170を先に最下点位置まで移動させた後に、各演出用サブ回転役物180,190を最上点位置に移動させる構成としてもよいし、各演出用サブ回転役物180,190先に最上点位置まで移動させた後に、演出用メイン回転役物170を最下点位置まで移動させる構成としてもよい。
その後、MPU92は、各演出用サブ回転役物180,190が最上点位置に達した場合に、各サブ回転役物回転用モーター186を制御して、回転している各演出用サブ回転役物180,190を特定の回転停止位置で停止させる。図18(b)に示した状態が特定の回転停止位置で停止した状態である。特定の回転停止位置(以下、特定回転停止位置と呼ぶ)については後述する。各演出用サブ回転役物180,190が特定の回転停止位置で停止するタイミングは、演出用メイン回転役物170が最下点位置において所定回転停止位置で停止するタイミングと同期するように制御されている。なお、両者の回転を停止するタイミングは必ずしも一致させる必要はなく、変形例として両者の回転を停止するタイミングをずらす構成としてもよい。具体的には、回転している演出用メイン回転役物170を先に所定回転停止位置で停止させた後に、回転している各演出用サブ回転役物180,190を特定回転停止位置で停止させる構成としてもよいし、回転している各演出用サブ回転役物180,190を先に特定回転停止位置で停止させた後に、回転している演出用メイン回転役物170を所定回転停止位置で停止させる構成としてもよい。次いで、MPU92は、その停止させた状態から特定時間(例えば、3秒)が経過した後に、各ピニオン連結用モーター188を制御して、各演出用サブ回転役物180,190を最上点位置から原点位置まで復帰させる。
特定回転停止位置について、次に詳しく説明する。本実施形態のパチンコ機10では、各演出用サブ回転役物180,190についての最上点位置における特定回転停止位置として、第1の特定回転停止位置と、第2の特定回転停止位置とが予め用意されている。第1の特定回転停止位置は、図16に示すように、虹色の文字列183a(または193a)が上側となる位置である。第2の特定回転停止位置は、図16の記載とは上下方向が反転した状態、すなわち、黒色の文字列184a(または194a)が上側となる位置である。
図18(b)には、演出用メイン回転役物170が最下点位置に達するのと同期して、各演出用サブ回転役物180,190が最上点位置に達し、その後に、各演出用サブ回転役物180,190が第1の特定回転停止位置で停止された状態が示されている。上述したように、第1の特定回転停止位置では、各演出用サブ回転役物180,190は、虹色の文字列183a(または193a)が上側となった状態となる。一方、図18(b)に示した状態では、演出用メイン回転役物170は、最下点位置において第1の所定回転停止位置に停止することから、遊技盤30の正面視において、演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZに対して、第1演出用サブ回転役物180の回転体182に描画された虹色の「BIG」という文字列183aが重なり合う。すなわち、回転した状態にある演出用メイン回転役物170と、回転した状態にある第1演出用サブ回転役物180とが共に停止して、演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZに対して、第1演出用サブ回転役物180の回転体182に描画された虹色の「BIG」という文字列183aがピッタリと重なり合うことになる。一方、第2演出用サブ回転役物190の回転体192に描画された虹色の「SML」という文字列193aは、拡大レンズLZの位置と重なっていない。
図19についても、演出用メイン回転役物170が最下点位置に達するのと同期して、各演出用サブ回転役物180,190が最上点位置に達し、その後に、各演出用サブ回転役物180,190が第1の特定回転停止位置で停止された状態が示されている。図19に示した状態では、演出用メイン回転役物170は、最下点位置において第2の所定回転停止位置に停止することから、遊技盤30の正面視において、演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZに対して、第2演出用サブ回転役物190の回転体192に描画された虹色の「SML」という文字列193aが重なり合う。すなわち、回転した状態にある演出用メイン回転役物170と、回転した状態にある第2演出用サブ回転役物190とが共に停止して、演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZに対して、第2演出用サブ回転役物190の回転体192に描画された虹色の「SML」という文字列193aがピッタリと重なり合うことになる。一方、第1演出用サブ回転役物180の回転体182に描画された虹色の「BIG」という文字列183aは、拡大レンズLZの位置と重なっていない。
図20は、各演出用サブ回転役物180,190についての第2の特定回転停止位置を示す説明図である。図20には、演出用メイン回転役物170が最下点位置に達するのと同期して、各演出用サブ回転役物180,190が最上点位置に達し、その後に、各演出用サブ回転役物180,190が第2の特定回転停止位置で停止された状態が示されている。上述したように、第2の特定回転停止位置では、各演出用サブ回転役物180,190は、黒色の文字列184a(または194a)が上側となった状態となる。一方、図20に示した状態では、演出用メイン回転役物170は、最下点位置において第1の所定回転停止位置に停止することから、遊技盤30の正面視において、演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZに対して、第1演出用サブ回転役物180の回転体182に描画された黒色の「BIG」という文字列184aが重なり合う。すなわち、回転した状態にある演出用メイン回転役物170と、回転した状態にある第1演出用サブ回転役物180とが共に停止して、演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZに対して、第1演出用サブ回転役物180の回転体182に描画された黒色の「BIG」という文字列184aがピッタリと重なり合うことになる。一方、第2演出用サブ回転役物190の回転体192に描画された黒色の「SML」という文字列194aは、拡大レンズLZの位置と重なっていない。
図21についても、演出用メイン回転役物170が最下点位置に達するのと同期して、各演出用サブ回転役物180,190が最上点位置に達し、その後に、各演出用サブ回転役物180,190が第2の特定回転停止位置で停止された状態が示されている。図21に示した状態では、演出用メイン回転役物170は、最下点位置において第2の所定回転停止位置に停止することから、遊技盤30の正面視において、演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZに対して、第2演出用サブ回転役物190の回転体192に描画された黒色の「SML」という文字列194aが重なり合う。すなわち、回転した状態にある演出用メイン回転役物170と、回転した状態にある第2演出用サブ回転役物190とが共に停止して、演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZに対して、第2演出用サブ回転役物190の回転体192に描画された黒色の「SML」という文字列194aがピッタリと重なり合うことになる。一方、第1演出用サブ回転役物180の回転体182に描画された黒色の「BIG」という文字列184aは、拡大レンズLZの位置と重なっていない。
なお、特定回転停止位置として、第1の特定回転停止位置と、第2の特定回転停止位置とのいずれを採用するかは、保留連の有無に応じて決定している。具体的には、ビッグオアスモール演出処理を実行する契機となった大当たり当選に係る遊技回の終了時に実行される保留連の有無の判定結果が保留連有りである場合に、各演出用サブ回転役物180,190における最上点位置において各サブ回転役物回転用モーター186を制御して、各演出用サブ回転役物180,190を第1の特定回転停止位置で停止させる。一方、ビッグオアスモール演出処理を実行する契機となった大当たり当選に係る遊技回の終了時に実行される保留連の有無の判定結果が保留連無しである場合に、各演出用サブ回転役物180,190における最上点位置において各メイン回転役物回転用モーター174を制御して、各演出用サブ回転役物180,190を第2の特定回転停止位置で停止させる。
音声発光制御装置90は、演出用メイン回転役物170が最下点位置において回転が停止している上記特定時間の期間において、表示制御装置100に対して、図柄表示装置41の表示面41aに所定画像を表示させる処理を行う。所定画像は、一発告知演出の際に表示させた所定画像と同一の画像である。すなわち、図18(b)、図19~図21に示すように、図柄表示装置41の表示面41aに、演出用メイン回転役物170が最下点位置にあるときに拡大レンズLZが移動可能な円軌道と重なるように複数(本実施形態では10個)の円形の高輝度部HBが等間隔を開けて配置された画像を、所定画像として表示させる。
所定画像に含まれる各高輝度部HBから発する光は、遊技盤30の前側に向かって進むが、途中、各花びら部172によって遮断されたり、隣り合う花びら部172の隙間から遊技者側に抜けたり、1枚の花びら部172Lに埋め込まれた拡大レンズLZを介して拡大されて遊技者側に送られる。ビッグオアスモール演出処理によれば、先に説明したように、遊技盤30の正面視において、拡大レンズLZに対して、第1演出用サブ回転役物180または第2演出用サブ回転役物190に備えられた文字列(183a、184a、193a、194aのいずれか)が重なり合うことから、所定画像に含まれる高輝度部HBから発する光によって、当該文字列を拡大して目立たせて表示させることができる。
まとめると、ビッグオアスモール演出処理によれば、演出用メイン回転役物170と、第1演出用サブ回転役物180と、第2演出用サブ回転役物190とが次のように動作することになる。
ビッグオアスモール演出処理が実行開始されると、当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった遊技回の終了後に、演出用メイン回転役物170が図3に示す原点位置から最下点位置まで移動するとともに、第1演出用サブ回転役物180および第2演出用サブ回転役物190が図3に示す原点位置から最上点位置まで移動する。演出用メイン回転役物170は、原点位置から最下点位置まで移動する途中で、花びら閉状態から花びら開状態に変化すると共に、正面視左回りRLに回転する。第1演出用サブ回転役物180および第2演出用サブ回転役物190は、原点位置から最上点位置まで移動する途中で、正面視左回りRLに回転する(図18参照)。なお、本実施形態の変形例として、演出用メイン回転役物170と、第1および第2演出用サブ回転役物180,190とが移動を開始するに際して、「ビッグオアスモール」との音声を出力する構成としてもよい。
演出用メイン回転役物170は、最下点位置に達すると、第1または第2の所定回転停止位置に停止する。第1演出用サブ回転役物180および第2演出用サブ回転役物190は、最上点位置に達すると、第1または第2の特定回転停止位置に停止する。なお、演出用メイン回転役物170が最下点位置において所定回転停止位置で停止するタイミングと、各演出用サブ回転役物180,190が特定回転停止位置で停止するタイミングとは同期するように制御されている。その後、演出用メイン回転役物170、第1演出用サブ回転役物180、および第2演出用サブ回転役物190は、特定時間(例えば、3秒)、停止した状態を保つ。この特定時間の期間においては、演出用メイン回転役物170、第1演出用サブ回転役物180、および第2演出用サブ回転役物190は、図18(b)、図19、図20、または図21に示す形態を取り得る。
図18(b)に示す形態によれば、第1演出用サブ回転役物180の回転体182に描画された虹色の「BIG」という文字列183aが、拡大レンズLZによって拡大されて表示される。図19に示す形態によれば、第2演出用サブ回転役物190の回転体192に描画された虹色の「SML」という文字列193aが、拡大レンズLZによって拡大されて表示される。図20に示す形態によれば、第1演出用サブ回転役物180の回転体182に描画された黒色の「BIG」という文字列184aが、拡大レンズLZによって拡大されて表示される。図21に示す態様によれば、第2演出用サブ回転役物190の回転体192に描画され黒色の「SML」という文字列194aが、拡大レンズLZによって拡大されて表示される。換言すると、演出用メイン回転役物170および各演出用サブ回転役物180,190が、図18(b)、図19、図20、または図21に示す形態となったときに、第1または第2演出用サブ回転役物180,190の回転体182,192に描画された虹色の「BIG」という文字列183a、虹色の「SML」という文字列193a、黒色の「BIG」という文字列184a、または黒色の「SML」という文字列194aが、拡大レンズLZを備えた花びら部172Lを通して視認可能となる。
上記特定時間の期間において、演出用メイン回転役物170、第1演出用サブ回転役物180、および第2演出用サブ回転役物190が、図18(b)、図19、図20、および図21に示す形態のうちのいずれを取り得るかは、先に説明したように、ビッグオアスモール演出処理を実行する契機となった当たり抽選の際に実行された振分判定の結果から特定されるラウンド遊技の回数と、ビッグオアスモール演出処理を実行する契機となった大当たり当選に係る遊技回の終了時に実行される保留連の有無の判定結果とによって決定される。すなわち、ラウンド遊技の回数が16回であり、保留連が有りの場合には、図18(b)に示す形態、すなわち、虹色の「BIG」という文字列183aが拡大レンズLZによって拡大されて表示される形態を取り得る。ラウンド遊技の回数が16回であり、保留連が無しの場合には、図20に示す形態、すなわち、黒色の「BIG」という文字列184aが拡大レンズLZによって拡大されて表示される形態を取り得る。ラウンド遊技の回数が8回であり、保留連が有りの場合には、図19に示す形態、すなわち、虹色の「SML」という文字列193aが拡大レンズLZによって拡大されて表示される形態を取り得る。ラウンド遊技の回数が8回であり、保留連が無しの場合には、図21に示す形態、すなわち、黒色の「SML」という文字列194aが拡大レンズLZによって拡大されて表示される形態を取り得る。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった遊技回の終了後に、演出用メイン回転役物170が回転しながら最下点位置に下りてくるとともに、第1および第2演出用サブ回転役物180,190が回転しながら最上点位置に上がってきて、その後、演出用メイン回転役物170と、第1および第2演出用サブ回転役物180,190とが共に回転を停止し、演出用メイン回転役物170に備えられる拡大レンズLZによって、第1または第2演出用サブ回転役物180,190に描画された文字列183a、184a、193a、194aのいずれかを拡大して表示するというビッグオアスモール演出を実行することによって、ラウンド遊技の回数と保留連の有無とを遊技者に告知することができる。
上記構成のビッグオアスモール演出によれば、演出用メイン回転役物170に備えられる拡大レンズLZに対して、第1または第2演出用サブ回転役物180,190に描画された文字列183a、184a、193a、194aのいずれが一致するか(止まるか)といった緊迫感(ドキドキ感)を、遊技者に対して付与することができる。その上で、ビッグオアスモール演出によれば、演出用メイン回転役物170に備えられる拡大レンズLZによって、第1演出用サブ回転役物180に描画された虹色の「BIG」の文字列183aが拡大して表示された場合に、当たり抽選において大当たり当選した場合の獲得ラウンド遊技の回数が16回となり、保留連が有りである二重の喜びを遊技者に対して付与することができる。また、ビッグオアスモール演出によれば、演出用メイン回転役物170に備えられる拡大レンズLZによって、第1演出用サブ回転役物180に描画された黒色の「BIG」の文字列184aが拡大して表示された場合に、当たり抽選において大当たり当選した場合の獲得ラウンド遊技の回数が16回となる喜びを遊技者に対して付与することができ、一方で、当たり抽選において大当たり当選した場合の保留連が無しであるといった少しの落胆感を遊技者に対して付与することができる。また、ビッグオアスモール演出によれば、演出用メイン回転役物170に備えられる拡大レンズLZによって、第2演出用サブ回転役物190に描画された虹色の「SML」の文字列193aが拡大して表示された場合に、当たり抽選において大当たり当選した場合の保留連が有りである喜びを遊技者に対して付与することができ、一方で、当たり抽選において大当たり当選した場合の獲得ラウンド遊技の回数が8回となることの少しの落胆感を遊技者に対して付与することができる。さらに、ビッグオアスモール演出によれば、演出用メイン回転役物170に備えられる拡大レンズLZによって、第2演出用サブ回転役物190に描画された黒色の「SML」の文字列194aが拡大して表示された場合には、当たり抽選において大当たり当選した場合の獲得ラウンド遊技の回数が8回となり、保留連が無しとなるので、大当たりに当選しないよりは良かったなといった感情(と少しの落胆感)を遊技者に対して付与することができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
図22は、比較例の回転装置の側面概略図である。当該回転装置は、演出用回転役物970と、回転用モーター974と、拡大縮小機構部977と、LED(発光ダイオード)979とを備える。演出用回転役物970は、回転軸部971と、複数の花びら部972とを備える。各花びら部972は、本実施形態のパチンコ機10における花びら部172と同様に、板状の部材で、正面視において、花びらの形状を有する。回転用モーター974は、本実施形態のパチンコ機10におけるメイン回転役物回転用モーター174とほぼ同じ構成である。拡大縮小機構部977は、本実施形態のパチンコ機10における拡大縮小機構部177とほぼ同じ構成である。この比較例の回転装置では、各花びら部972は、半透明の材料によって形成されている。各花びら部972の裏面側には、LED979がそれぞれ取り付けられている。各LED979は、半透明の花びら部972のそれぞれを裏面側から照射する。各LED979の取付位置は、各花びら部972に対してすぐ近くの位置であり、各LED979は、各花びら部972と同期して回転するように構成されている。すなわち、本実施形態のパチンコ機10では、円形の高輝度部HBが描画された画像を図柄表示装置41の表示面41aに表示させることによって、高輝度部HBを花びら部172Lを照射する光源としているのに対して、従来の回転装置では、花びら部972の裏面側のすぐ近くに取り付けられたLED979が、各花びら部972を直接的に照射していた。
上記比較例の回転装置では、各花びら部972と各LED979との間の距離は短いものであった。このため、比較例の回転装置では、各花びら部972と各LED979との間に、板状の部材を差し込むことはあり得なかった。これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、花びら部172Lを照射する光源を、図柄表示装置41の表示面41aに表示させた高輝度部HBによって構成することで、花びら部172Lと花びら部172Lを照射する光源との間の距離を長くして、当該間の空間に演出用サブ回転役物180,190を差し込むことが可能なようにした。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、花びら部172Lを備える第1演出用サブ回転役物180に対して第2演出用サブ回転役物190を協働させることができ、当該協働を含む特定の演出、本実施形態では、当たり抽選において大当たり当選した場合に獲得したラウンド遊技の回数と保留連の有無とを告知するためのビッグオアスモール演出を実装することが可能となった。
また、本実施形態のパチンコ機10では、演出用メイン回転役物170は、回転軸部171を中心として回転可能な複数の花びら部172を備え、複数の花びら部172のうちの一つである花びら部172Lは、拡大レンズLZを備えることによって、図柄表示装置41の表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HBを視認可能に構成され、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。各演出用サブ回転役物180に備えられる各回転体182,192は、回転可能に構成され、遊技盤30を正面視した場合に演出用メイン回転役物170の花びら部172Lを通すことなく視認可能な第1位置(例えば、図18(a)を参照)と、花びら部172Lを通して視認可能な第2位置(例えば、図18(b)、図19、図20、または図21を参照)との間で変位可能である。さらに、本実施形態のパチンコ機10では、一発告知演出において、回転する花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な第1状態となり、ビッグオアスモール演出において、回転する花びら部172Lの裏面側に各演出用サブ回転役物180に備えられる各回転体182,192が移動してくることによって、回転体182または回転体192が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182または回転体192が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能となる第2状態となる。このために、一発告知演出によって、第1状態となった場合に、先に説明したように、図柄の組み合わせが大当たり当選に対応した所定の組合せとなる前に当たり抽選の当否結果が大当たり当選であることを遊技者に告知することができる。また、ビッグオアスモール演出によって、第2状態となった場合に、先に説明したように、獲得したラウンド遊技の回数が16回になるか8回になるか、保留連が有るか無いかといったことを遊技者に告知することができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、一発告知演出によって、図柄の組み合わせが大当たり当選に対応した所定の組合せとなる前に当たり抽選の当否結果が大当たり当選となる喜びを遊技者に対して付与するができると共に、ビッグオアスモール演出によって、当たり抽選において大当たり当選した場合に獲得したラウンド遊技の回数が16回になるか8回になるか、保留連が有るか無いかといった期待感と少しの落胆感とを遊技者に対して付与することができる。これらの結果、本実施形態のパチンコ機10では、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、演出用サブ回転役物180,190に備えられた回転体182,192の外形が、遊技盤30を正面視した場合に、回転体182,192の回転の中心を対称の点として点対称となっていることから、演出用サブ回転役物180,190を回転させたときの回転体182,192の美しさを高めることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、演出用メイン回転役物170が備える花びら部172や、演出用サブ回転役物180,190が備える回転体182,192を樹脂材料によって形成される構成としていることから、これら部品の形成が容易となるため、これら部品の形状の自由度が高い。このため、これら部品を備える演出用メイン回転役物170や、演出用サブ回転役物180,190を用いた演出、すなわち、一発告知演出やビッグオアスモール演出をよりインパクトの高いものとすることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、演出用メイン回転役物170に備えられる回転軸部171は遊技盤30の表面に対する垂直方向に沿うように配置されていることから、遊技盤30の表面に対して高い精度で平行となる平面上で花びら部172を回転させることができる。このため、演出用メイン回転役物170の外径を大きくすることが容易であり、この結果、一発告知演出およびビッグオアスモール演出を華やかにすることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、従来より知られている回転役物は、発光部を備え、当該発光部が発光した状態で回転するだけの演出を実行可能なものであった。これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、第1回転体の一例である演出用メイン回転役物170と、演出用メイン回転役物170の花びら部172Lを裏面側から照射しうる光源として機能する図柄表示装置41とが独立した構成であることから、裏面側の光源が発光した状態で演出用メイン回転役物170が回転するといった一発告知演出と、裏面側の光源が発光しない状態で演出用メイン回転役物170と第2回転体の一例である演出用サブ回転役物180,190とが係わり合う演出であって、演出用メイン回転役物170自体は主に回転するだけといったビッグオアスモール演出との両方が実行可能となった。すなわち、本実施形態のパチンコ機10では、回転役物と光源とを独立させることによって従来より多様な種類の演出を実現することが可能となった。その上、本実施形態のパチンコ機10では、上記光源として機能する図柄表示装置41は、当たり抽選の結果を報知するための変動表示や、キャラクターの表示等の種々の演出表示を行うことができることから、装置のいっそう効率的な使用が可能となっている。
《1-5》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において上述した処理を実行するための具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60のMPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。これらの処理について次に説明する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図23は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップSx0101では、各種検知センサ67a~67eの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサ67a~67eの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSx0102に進む。
ステップSx0102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSx0103に進む。
ステップSx0103では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、電動役物開放カウンタC4、および変動種別カウンタCSの値の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、電動役物開放カウンタC4、および変動種別カウンタCSにそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSx0104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図27)において、その値を更新する。
ステップSx0104では、第1始動口33及び第2始動口34への入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップSx0104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSx0104を実行した後、ステップSx0105に進む。
ステップSx0105では、スルーゲート35への入球に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップSx0105のスルー用の入球処理の詳細については後述する。ステップSx0105を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図23:Sx0104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図24は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSx0201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入球)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップSx0201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(Sx0201:YES)、ステップSx0202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSx0203に進む。
ステップSx0203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップSx0204に進む。
ステップSx0204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSx0209に進む。
ステップSx0201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(Sx0201:NO)、ステップSx0205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップSx0205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(Sx0205:YES)、ステップSx0206に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSx0207に進む。一方、ステップSx0205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(Sx0205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップSx0207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップSx0208に進む。
ステップSx0208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSx0209に進む。
ステップSx0209では、上述したステップSx0204又はステップSx0208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップSx0209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(Sx0209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSx0209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(Sx0209:YES)、ステップSx0210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップSx0211に進み、合計保留個数記憶エリアに格納された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップSx0212に進む。
ステップSx0212では、ステップSx0103(図23)において更新した当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSx0210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに格納する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSx0103にて更新した当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSx0210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに格納する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSx0103にて更新した当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSx0210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに格納する。ステップSx0212を実行した後、ステップSx0213に進む。
ステップSx0213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップSx0213を実行した後、ステップSx0214に進む。
ステップSx0214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図27:ステップSx0503)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1始動口保留用領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1始動口保留用領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主制御装置60のMPU62は、ステップSx0214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入球処理のサブルーチン(図24:Sx0213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図25は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップSx0301では、始動口用の入球処理(図24)における始動口への入球によって記憶エリアに格納された当たり乱数カウンタC1の値を把握する。その後、ステップSx0302に進み、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入球よりも前の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入球による当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無や、転落抽選への当選の有無を把握することによって、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップSx0302において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(Sx0302:YES)、ステップSx0303に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブル(図7(a))を参照する。その後、ステップSx0305に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップSx0302において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(Sx0302:NO)、ステップSx0304に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている高確率モード用の当否テーブル(図7(b))を参照する。その後、ステップSx0305に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップSx0305では、今回把握した当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(Sx0305:YES)、ステップSx0306に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値を把握する。その後、ステップSx0307に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への入球に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入球に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップSx0307を実行した後、ステップSx0308に進む。
ステップSx0308では、振分テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップSx0308において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(Sx0308:YES)、ステップSx0309に進み、先判定処理結果記憶エリア64hに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップSx0308において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(Sx0308:NO)、ステップSx0310に進み、先判定処理結果記憶エリア64hに通常大当たり情報を記憶する。その後、ステップSx0315に進む。
ステップSx0305において、今回把握した当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(Sx0305:NO)、ステップSx0311に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。その後、ステップSx0312に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップSx0313に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回把握したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップSx0313において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(Sx0313:YES)、ステップSx0314に進み、先判定処理結果記憶エリア64hにリーチ発生情報を記憶させる。その後、ステップSx0315に進む。一方、ステップSx0313において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(Sx0313:NO)、ステップSx0315に進む。
ステップSx0315では、始動口用の入球処理(図24)における始動口への入球によって記憶エリアに格納された変動種別カウンタCSの値を把握する。その後、ステップSx0316に進み、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSx0316を実行した後、ステップSx0317に進む。
ステップSx0317では、ステップSx0316によって取得した変動時間情報から変動パターンを特定し、特定した変動パターンの種別を先判定処理結果記憶エリア64hに記憶する。ステップSx0317を実行した後、本先判定処理を終了する。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図23:Sx0105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図26は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSx0401では、遊技球がスルーゲート35に入球したか否かを判定する。ステップSx0401において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(Sx0401:YES)、ステップSx0402に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップSx0401において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(Sx0401:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップSx0402において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(Sx0402:YES)、ステップSx0403に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップSx0404に進む。
ステップSx0404では、ステップSx0103(図23)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64dの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップSx0402において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(Sx0402:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられたこと(以下、「電源投入」とも呼ぶ)に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図27は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSx0501では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップSx0502に進む。
ステップSx0502では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップSx0503に進む。
ステップSx0503では、ステップSx0502において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSx0503を実行した後、ステップSx0504に進む。
ステップSx0504では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSx0505に進む。
ステップSx0505では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップSx0506に進む。ステップSx0506では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップSx0506を実行した後、ステップSx0507に進む。
ステップSx0507では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップSx0508に進む。
ステップSx0508では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップSx0509に進む。
ステップSx0509では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップSx0503のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップSx0509において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(Sx0509:NO)、ステップSx0510及びステップSx0511において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップSx0510において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップSx0511において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。一方、ステップSx0509において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(Sx0509:YES)、ステップSx0503に戻り、ステップSx0503からステップSx0508までの各処理を実行する。
なお、ステップSx0503からステップSx0508の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図27:Sx0506)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図28は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップSx0601では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップSx0601において、開閉実行モード中であると判定した場合には(Sx0601:YES)、ステップSx0602以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップSx0601において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sx0601:NO)、ステップSx0602に進む。
ステップSx0602では、特図ユニット37が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、特図ユニット37に備えられる第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動表示中フラグ記憶エリアの特図変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。特図変動表示中フラグは、第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップSx0602において、特図ユニット37が変動表示中でないと判定した場合には(Sx0602:NO)、ステップSx0603に進む。
ステップSx0603では、特図ユニット37における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。ステップSx0603を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSx0602において、特図ユニット37が変動表示中であると判定した場合には(Sx0602:YES)、ステップSx0604に進む。
ステップSx0604では、特図ユニット37における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を終了させるための変動終了処理を実行する。なお、変動終了処理の詳細は後述する。ステップSx0604を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図28:Sx0603)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図29は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSx0701では、合計保留個数CRNが「0」を上回るか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」以下である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップSx0701において、合計保留個数CRNが「0」以下であると判定した場合には(Sx0701:NO)、本変動開始処理を終了する。一方、ステップSx0701において、合計保留個数CRNが「0」を上回ると判定した場合には(Sx0701:YES)、ステップSx0702に進む。
ステップSx0702では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されている保留情報を変動開始後の状態に設定するための保留情報シフト処理を実行し、ステップSx0703に進む。保留情報シフト処理の詳細は後述する。
ステップSx0703では、当たり抽選において大当たりに当選したときの処理を含む当たり判定処理を行う。当たり判定処理の詳細については後述する。ステップSx0703を実行した後、ステップSx0704に進む。
ステップSx0704では、変動時間設定処理を実行する。変動時間設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無等に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間設定処理の詳細については後述する。ステップSx0704を実行した後、ステップSx0705に進む。
ステップSx0705では、変動用コマンドを設定する。変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであるか、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであるかを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSx0706で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップSx0705を実行した後、ステップSx0706に進む。
ステップSx0706では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、又は、当たり抽選についての外れ結果の情報が含まれている。
ステップSx0705およびステップSx0706にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図27)におけるステップSx0503によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSx0706を実行した後、ステップSx0707に進む。
ステップSx0707では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップSx0707を実行した後、ステップSx0708に進む。
ステップSx0708では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動表示中フラグ記憶エリアに記憶されている特図変動表示中フラグをONする。ステップSx0708を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<保留情報シフト処理>
次に、保留情報シフト処理について説明する。保留情報シフト処理は、変動開始処理のサブルーチン(図29:Sx0702)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図30は、保留情報シフト処理を示すフローチャートである。ステップSx0801では、保留情報シフト処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図6)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図6)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRaに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRbに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップSx0801の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップSx0801において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップSx0801:YES)、ステップSx0802~ステップSx0807の第1保留エリア用の保留情報シフト処理を実行する。一方、ステップSx0801において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップSx0801:NO)、ステップSx0808~ステップSx0813の第2保留エリア用の保留情報シフト処理を実行する。
ステップSx0802では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップSx0803に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップSx0804に進む。ステップSx0804では、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSx0805に進む。
ステップSx0805では、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSx0805を実行した後、ステップSx0806に進む。
ステップSx0806では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップSx0807へ進む。
ステップSx0807では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本保留情報シフト処理を終了する。なお、ステップSx0807において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図27)におけるステップSx0503において、音声発光制御装置90に送信される。
ステップSx0801において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(Sx0801:NO)、ステップSx0808に進む。
ステップSx0808では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップSx0809に進む。ステップSx0809では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップSx0810に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSx0811に進む。
ステップSx0811では、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSx0811を実行した後、ステップSx0812に進む。
ステップSx0812では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップSx0813に進む。
ステップSx0813では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本保留情報シフト処理を終了する。
ステップSx0813において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図27)におけるステップSx0503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<当たり判定処理>
次に、当たり判定処理について説明する。当たり判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図29:Sx0703)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図31は、当たり判定処理を示すフローチャートである。ステップSx0901では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSx0901において、高確率モードであると判定した場合には(Sx0901:YES)、ステップSx0902に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値が、図7(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSx0904に進む。
一方、ステップSx0901において高確率モードではないと判定した場合には(Sx0901:NO)、ステップSx0903に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値が、図7(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSx0904に進む。
ステップSx0904では、ステップSx0902又はステップSx0903における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSx0904において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(Sx0904:YES)、ステップSx0905に進む。
ステップSx0905では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSx0905において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sx0905:NO)、ステップSx0906に進み、第1始動口用の振分テーブル(図8(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップSx0905において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sx0905:YES)、ステップSx0907に進み、第2始動口用の振分テーブル(図8(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップSx0906又はステップSx0907の処理を実行した後、ステップSx0908に進む。
ステップSx0908では、ステップSx0906又はステップSx0907において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たりフラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変大当たりフラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変大当たりフラグをONにし、16R通常大当たりである場合には16R通常大当たりフラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常大当たりフラグをONにする。ステップSx0908を実行した後、ステップSx0909に進む。
ステップSx0909では、大当たり用の停止結果を設定する処理を実行する。具体的には、大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63f(図5)に記憶されている大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップSx0906又はステップSx0907において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSx0909を実行した後、当たり判定処理を終了する。
ステップSx0904において、ステップSx0902又はステップSx0903における当たり抽選の当否結果が大当たり当選でない場合には(Sx0904:NO)、ステップSx0910に進み、リーチ判定用テーブルを参照して、当該遊技回においてリーチが発生するか否かの判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ判定用テーブル記憶エリア63c(図5)に記憶されているリーチ判定用テーブルにおいて、リーチが発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSx0911に進む。
ステップSx0911において、ステップSx0910におけるリーチ判定の結果が当該遊技回においてリーチが発生するというものである場合には(Sx0911:YES)、ステップSx0912に進み、リーチ発生フラグをONする。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのリーチ発生フラグをONする。ステップSx0912を実行した後、ステップSx0913に進む。
一方、ステップSx0911において、ステップSx0910におけるリーチ判定の結果が当該遊技回においてリーチが発生しないというものである場合には(Sx0911:NO)、ステップSx0912を実行することなく、ステップSx0913に進む。
ステップSx0913では、外れ用の停止結果を設定する処理を実行する。具体的には、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fにおける外れ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSx0913を実行した後、当たり判定処理を終了する。
<変動時間設定処理>
次に、変動時間設定処理について説明する。変動時間設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図29:Sx0704)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図32は、変動時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSx1001では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタバッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSx1002に進む。
ステップSx1002では、変動時間テーブルを特定する処理を実行する。変動時間テーブルは、図柄が変動を開始してから停止するまでの時間である変動時間の情報(変動時間情報)と変動種別カウンタCSの値とをデータ要素とする表形式のデータである。ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dには、遊技状態や、大当たりと時短付与の有無、リーチ発生の有無に応じた様々な種類の変動時間テーブルを記憶している。ステップSx1002では、これらの変動時間テーブルから一の変動時間テーブルを特定する。具体的には、高確率モードフラグと高頻度サポートモードフラグとに基づいて、現在の遊技状態が低確低サポ状態、高確高サポ状態、低確高サポ状態、高確低サポ状態のうちのいずれにあるかを判定し、当該判定結果と、今回の遊技回に係る、大当たりや時短付与の有無を判定する当否判定の判定結果と、リーチ発生の有無を判定するリーチ判定の判定結果とに基づいて、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dの中から一の変動時間テーブルの特定を行う。ステップSx1002を実行した後、ステップSx1003に進む。
ステップSx1003では、ステップSx1002で特定した変動時間テーブルを参照することによって、ステップSx1001で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSx1003を実行した後、ステップSx1004に進む。
ステップSx1004では、ステップSx1003で取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間設定処理を終了する。
<変動終了処理>
次に、変動終了処理について説明する。変動終了処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図28:Sx0604)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図33は、変動終了処理を示すフローチャートである。ステップSx1101では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップSx1101では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64f)に格納されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、前述した変動時間設定処理(図32)において設定されたものである。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップSx1101において、変動時間が経過していないと判定した場合には(Sx1101:NO)、本変動終了処理を終了する。
ステップSx1101において、変動時間が経過していると判定した場合には(Sx1101:YES)、ステップSx1102に進み、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部における図柄の変動を終了させる処理を行う。続く、ステップSx1103では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動表示中フラグ記憶エリアに記憶されている特図変動表示中フラグをOFFする。ステップSx1103を実行した後、ステップSx1104に進む。
ステップSx1104では、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグの内のいずれかがONであるか否かを判定する。ステップSx1104において、上記フラグのいずれもがONではない、すなわち、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選でないと判定した場合には(Sx1104:NO)、ステップSx1105に進む。
ステップSx1105では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSx1105において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sx1105:YES)、ステップSx1106に進み、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。ステップSx1106において、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回ると判定した場合には(Sx1106:YES)、ステップSx1107に進み、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。ステップSx1107を実行した後、ステップSx1108に進む。一方、ステップSx1106において、遊技回数カウンタPNCの値が0以下であると判定した場合には(Sx1106:NO)、ステップSx1107を実行することなく、ステップSx1108に進む。
ステップSx1108では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSx1108において、高確率モードフラグがONでないと判定した場合には(Sx1108:NO)、ステップSx1109に進み、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。
ステップSx1109において、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップSx1109:NO)には、ステップSx1110に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップSx1110を実行した後、本変動時間終了処理を終了する。
ステップSx1108において高確率モードフラグがONであると判定した場合(Sx1108:YES)、または、ステップSx1109において遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていると判定した場合(ステップSx1109:YES)には、ステップSx1110を実行することなく、本変動時間終了処理を終了する。また、ステップSx1105において、高頻度サポートモードフラグがONでないと判定した場合(Sx1105:NO)に、ステップSx106~ステップSx1110を実行することなく、本変動時間終了処理を終了する。
一方、ステップSx1104において、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグの内のいずれかのフラグがONである、すなわち、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選であると判定した場合には(Sx1104:YES)、ステップSx1111に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの開閉実行モードフラグをONする。ステップSx1111を実行した後、ステップSx1112に進む。ステップS1112では、保留情報記憶エリア64bに残された保留情報に含まれる当たり乱数カウンタC1の値を確認し、残された保留情報の中に大当たり当選があるか否を判定する。ステップSx1112において、残された保留情報の中に大当たり当選があると判定した場合には(Sx1112:YES)、ステップSx1113に進み、保留連有りコマンドを設定する。保留連有りコマンドは、保留情報記憶エリア64bに残された保留情報の中に大当たり当選があること、すなわち、保留連が有ることをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるためのコマンドである。ステップSx1113を実行した後、本変動時間終了処理を終了する。一方、ステップSx1112において、残された保留情報の中に大当たり当選がないと判定した場合には(Sx1112:NO)、ステップSx1114に進み、保留連無しコマンドを設定する。保留連無しコマンドは、保留情報記憶エリア64bに残された保留情報の中に大当たり当選がないこと、すなわち、保留連が無いことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるためのコマンドである。ステップSx1114を実行した後、本変動時間終了処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図27:Sx0507)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図34は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップSx1201では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、開閉実行モードにおける大入賞口開閉処理期間の終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップSx1201において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sx1201:NO)、ステップSx1202に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。開閉処理期間フラグは、開閉実行モード中においてオープニング期間が終了し、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉動作が実行される期間である大入賞口開閉処理期間が開始されるタイミングでONにされ、当該開閉扉36bの開閉動作が終了するタイミングでOFFにされる。
ステップSx1202において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(Sx1202:NO)、ステップSx1203に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップSx1203において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sx1203:NO)、ステップSx1204に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSx1204において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sx1204:YES)、ステップSx1205に進む。一方、ステップSx1204において、開閉実行モードフラグがOFFであると判定した場合には(Sx1204:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSx1205では、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップSx1206に進む。ステップSx1206では、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップSx1207に進む。
ステップSx1207では、開閉シナリオを設定する開閉シナリオ設定処理を実行する。開閉シナリオは、ラウンド遊技における開閉扉36bの開閉動作のパターンを定めるもので、本実施形態では、開閉扉36bを閉鎖状態から開放状態へ移行する条件(以下、「開放条件」とも呼ぶ)と、開閉扉36bを開放状態から閉鎖状態へ移行する条件(以下、「閉鎖条件」とも呼ぶ)と、が記録されたプログラムである。開閉シナリオは、ROM63の開閉シナリオ記憶エリア63hに記憶されている
開放条件は、例えば下記の通りである。
・パチンコ機10の現在の状態が、開閉実行モードにおける各ラウンド遊技を開始するタイミングであること。
上記1つの項目が成立した場合に、開閉扉36bは閉鎖状態から開放状態に移行する。
閉鎖条件は、例えば下記の通りである。
・各ラウンド遊技を開始してからの経過時間が、予め定められた上限継続時間(例えば15秒)を超えること。
・各ラウンド遊技を開始してから大入賞口36aへ入球した遊技球の個数が、予め定められた上限個数を超えること。
上記2つの項目のうちのいずれか一方が成立した場合に、開閉扉36bは開放状態から閉鎖状態に移行する。
ステップSx1207を実行した後、前述したステップSx1208に進む。
ステップSx1208では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のオープニング期間において同じ一定の長さのオープニング時間を設定する。具体的には、オープニング時間を決定する第3タイマカウンタエリアT3に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第3タイマカウンタエリアT3は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップSx1208を実行した後、ステップSx1209に進む。
ステップSx1209では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図27)におけるステップSx0503にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間および今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および大入賞口開閉処理期間に対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSx1209を実行した後、ステップSx1210に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSx1203において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(Sx1203:YES)、ステップSx1211に進む。
ステップSx1211では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSx1211において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(Sx1211:YES)、ステップSx1212に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSx1213に進む。
ステップSx1213では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップSx1213を実行した後、ステップSx1214に進む。
ステップSx1214では、開閉処理期間フラグをONにする。続くステップSx1215では、開閉処理開始コマンドを設定する。開閉処理開始コマンドは、開閉処理期間が開始されたことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉処理開始コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図27:ステップSx0503)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSx1215を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSx1202において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(Sx1202:YES)、ステップSx1216に進み、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理については後述する。ステップSx1216を実行した後、ステップSx1217に進む。
ステップSx1217では、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定する。具体的には、開閉扉36bが開放された回数をカウントするための第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かによって、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定する。ステップSx1217において、大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(Sx1217:YES)、ステップSx1218に進む。一方、ステップSx1217において、大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(Sx1217:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSx1218では、開閉処理期間フラグをOFFにし、その後、ステップSx1219に進む。
ステップSx1219では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップSx1219を実行した後、ステップSx1220に進む。
ステップSx1220では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のエンディング期間において同じ一定の長さのエンディング時間を設定する。具体的には、エンディング時間を決定する第4タイマカウンタエリアT4に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第4タイマカウンタエリアT4は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップSx1220を実行した後、ステップSx1221に進む。
ステップSx1221では、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図27)におけるステップSx0503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップSx1221を実行した後、ステップSx1222に進む。
ステップSx1222では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSx1201において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(Sx1201:YES)、ステップSx1223に進む。
ステップSx1223では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(Sx1220)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSx1220において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(Sx1223:YES)、ステップSx1224に進む。
ステップSx1224では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSx1225に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップSx1225を実行した後、ステップSx1226に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。ステップSx1226を実行した後、ステップSx1227に進む。
ステップSx1227では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。ステップSx1227において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(Sx1227:YES)、ステップSx1228に進む。
ステップSx1228では、客待ちコマンドを設定する。客待ちコマンドは、図柄の変動(遊技回)が終了した時点において保留情報記憶エリア64bに保留情報が1つも記憶されていないことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この設定された客待ちコマンドは、通常処理(図27)におけるステップSx1228において、音声発光制御装置90に送信される。ステップSx1228を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSx1227において、合計保留個数CRNが「0」ではないと判定した場合には(Sx1227:NO)、そのまま本遊技回制御処理を終了する。また、ステップSx1223において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(Sx1223:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図34:Sx1216)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図35は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップSx1301では、開閉扉36bは開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップSx1301において、開閉扉36bは開放中ではないと判定した場合には(Sx1301:NO)、ステップSx1302に進む。
ステップSx1302では、開閉扉36bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、開閉扉36bの開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSx1302において、開閉扉36bの開放条件が成立したと判定した場合には(Sx1302:YES)、ステップSx1303に進む。
ステップSx1303では、開閉扉36bを開放する。その後、ステップSx1304に進む。
ステップSx1304では、開閉扉開放コマンドを設定する。開閉扉開放コマンドは、開閉扉36bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図27:ステップSx0503)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSx1304を実行した後、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSx1302において、開閉扉36bの開放条件が成立していないと判定した場合には(Sx1302:NO)、ステップSx1303およびステップSx1304を実行することなく、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSx1301において、開閉扉36bは開放中であると判定した場合には(Sx1301:YES)、ステップSx1305に進む。
ステップSx1305では、開閉扉36bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、開閉扉36bの閉鎖のタイミングであるか否かを判定する。ステップSx1305において、開閉扉36bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sx1305:YES)、ステップSx1306に進む。
ステップSx1306では、開閉扉36bを閉鎖する。その後、ステップSx1307に進む。
ステップSx1307では、開閉扉閉鎖コマンドを設定する。開閉扉閉鎖コマンドは、開閉扉36bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図27:ステップSx0503)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSx1307を実行した後、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSx1305において、開閉扉36bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sx1305:NO)、ステップSx1306およびステップSx1307を実行することなく、大入賞口開閉処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図34:Sx1225)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図36は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップSx1401では、大当たりフラグにおいて確変大当たりに対応するフラグがONにされているか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変大当たりフラグ又は8R確変大当たりフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSx1401において、RAM64の16R確変大当たりフラグ又は8R確変大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sx1401:YES)、ステップSx1402に進み、RAM64の16R確変大当たりフラグおよび8R確変大当たりフラグのうちのONとなっているフラグをOFFする。ステップSx1402を実行した後、ステップSx1403に進む。
ステップSx1403では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップSx1404に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。その後、ステップSx1405に進む。
ステップSx1405では、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップSx1406に進む。
ステップSx1406では、抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップSx1411に進む。
一方、ステップSx1401において、RAM64の16R確変大当たりフラグおよび8R確変大当たりフラグがONでないと判定した場合には(Sx1401:NO)、ステップSx1407に進み、RAM64の16R通常大当たりフラグおよび8R通常大当たりフラグをOFFする。その後、ステップSx1408に進む。
ステップSx1408では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップSx1409に進み、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。その後、ステップSx1410に進む。
ステップSx1410では、抽選モードが低確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップSx1411に進む。
ステップSx1411では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図27:Sx0508)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図37は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップSx1501では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップSx1501において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(Sx1501:NO)、ステップSx1502に進む。
ステップSx1502では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップSx1502において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(Sx1502:NO)、ステップSx1503に進む。
ステップSx1503では、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップSx1503において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sx1503:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sx1503:YES)、ステップSx1504に進む。
ステップSx1504では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップSx1504において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(Sx1504:YES)、ステップSx1505に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップSx1504において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(Sx1504:NO)、ステップSx1506に進む。
ステップSx1506では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップSx1506において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(Sx1506:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSx1506において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(Sx1506:YES)、ステップSx1507に進む。
ステップSx1507では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップSx1508に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップSx1507において開閉実行モードではなく(Sx1507:NO)、且つ、ステップSx1508において高頻度サポートモードである場合には(Sx1508:YES)、ステップSx1509に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0~190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップSx1510に進む。
ステップSx1510では、ステップSx1509の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSx1510において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(Sx1510:YES)、ステップSx1511に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、電役サポート用処理を終了する。
一方、ステップSx1510において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(Sx1510:NO)、ステップSx1511の処理を実行することなく、電役サポート用処理を終了する。
ステップSx1507において開閉実行モードであると判定した場合(Sx1507:YES)、又は、ステップSx1508において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(Sx1508:NO)、ステップSx1512に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0~190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップSx1513に進む。
ステップSx1513では、ステップSx1512の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSx1513において、サポート当選でないと判定した場合には(Sx1513:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSx1513において、サポート当選であると判定した場合には(Sx1513:YES)、ステップSx1514に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSx1502において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(Sx1502:YES)、ステップSx1515に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSx1515において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sx1515:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSx1515において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sx1515:YES)、ステップSx1516に進む。
ステップSx1516では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップSx1517に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSx1501において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(Sx1501:YES)、ステップSx1518に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図37:Sx1518)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図38は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップSx1601では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(Sx1601:YES)、ステップSx1602に進む。
ステップSx1602では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSx1602において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sx1602:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSx1602において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sx1602:YES)、ステップSx1603に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップSx1603を実行した後、ステップSx1604に進む。
ステップSx1604では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップSx1605に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSx1605において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(Sx1605:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSx1605において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(Sx1605:YES)、ステップSx1606に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSx1601において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(Sx1601:NO)、ステップSx1607に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSx1607において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(Sx1607:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSx1607において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(Sx1607:YES)、ステップSx1608に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップSx1609に進む。
ステップSx1609では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sx1609:NO)、ステップSx1610に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップSx1610において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(Sx1610:YES)、ステップSx1611に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップSx1609において開閉実行モードであると判定した場合(Sx1609:YES)、又は、ステップSx1610において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(Sx1610:NO)、ステップSx1612に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
《1-6》音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、予告演出や結果告知演出を実行するために、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図39は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSx1701では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップSx1701を実行した後、ステップSx1702に進む。
ステップSx1702では、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理では、ステップSx1701で記憶したコマンドのうちの第1保留コマンドに対応した処理を行う。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップSx1702を実行した後、ステップSx1703に進む。
ステップSx1703では、遊技回演出設定処理を実行する。遊技回演出設定処理では、図柄の変動が開始してから停止するまでの遊技回において実行する演出の設定を行う。遊技回演出設定処理の詳細については後述する。ステップSx1703を実行した後、ステップSx1704に進む。
ステップSx1704では、一発告知演出用処理を実行する。一発告知演出用処理は、「遊技機による処理の概要と演出動作」の欄に含まれる「一発告知演出」の欄で詳述した一発告知演出を実現するための処理である。先に説明したように、一発告知演出は、演出用メイン回転役物170の動作によって、図柄の組み合わせが大当たり当選に対応した所定の組合せとなる前に当たり抽選の当否結果が大当たり当選であることを告知するための演出である。具体的には、一発告知演出は、図15に例示した内容の演出を行う。ステップSx1704を実行した後、ステップSx1705に進む。
ステップSx1705では、開閉実行モード演出用処理を実行する。開閉実行モード演出用処理では、オープニング期間における演出や、大入賞口開閉処理期間における演出、エンディング期間における演出に関する処理を行う。ステップSx1705を実行した後、ステップSx1706に進む。
ステップSx1706では、ビッグオアスモール演出用処理を実行する。ビッグオアスモール演出用処理は、「遊技機による処理の概要と演出動作」の欄に含まれる「ビッグオアスモール演出」の欄で詳述したビッグオアスモール演出を実現するための処理である。先に説明したように、ビッグオアスモール演出は、演出用メイン回転役物170と、第1演出用サブ回転役物180と、第2演出用サブ回転役物190とが協働して、当たり抽選において大当たり当選した場合に獲得したラウンド遊技の回数と保留連の有無とを予告するための演出である。具体的には、ビッグオアスモール演出は、図18~図21に例示した内容の演出を行う。ステップSx1706を実行した後、ステップSx1707に進む。
ステップSx1707では、背景演出用処理を実行する。背景演出用処理では、主側MPU62から受信した遊技状態を示すコマンドに応じて定まる背景動画を図柄表示装置41に表示させる処理を行う。例えば、高頻度サポートモードの継続中であることを示す背景動画や、高頻度サポートモードを終了したことを示す背景動画、高確率モードの継続中であることを示す背景動画を表示させる処理を行う。ステップSx1707を実行した後、ステップSx1708に進む。
ステップSx1708では、その他の処理を実行する。その他の処理は、遊技者によって遊技が行われていない時にデモ画像(動画)を図柄表示装置41に表示させる処理等である。ステップSx1708を実行した後、ステップSx1709に進む。
ステップSx1709では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSx1709を実行した後、ステップSx1710に進む。
ステップSx1710では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記のBGM用処理及び各演出用処理において読み出された音声データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSx1710を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図39:Sx1702)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図40は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップSx1801では、主側MPU62から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSx1801において、主側MPU62から保留コマンドを受信していると判定した場合には(Sx1801:YES)、ステップSx1802に進む。
ステップSx1802では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップSx1802において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には(Sx1802:YES)、ステップSx1803に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSx1803を実行した後、ステップSx1804に進む。
ステップSx1804では、保留変化予告演出用処理を実行する。保留変化予告演出用処理は、「遊技機による処理の概要」の欄に含まれる「保留変化予告演出」の欄で詳述した保留変化予告演出を実現するための処理である。先に説明したように、保留変化予告演出は、各保留表示アイコンH,Zの表示色をデフォルト色から他の色に変化させることによって、当該表示色が変化した保留表示アイコンH,Zに対応した保留情報に対する大当たり当選の期待度(信頼度)を示唆する演出である。ステップSx1804を実行した後、ステップSx1806に進む。
ステップSx1802において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものでないと判定した場合(Sx1802:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップSx1805に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSx1805を実行した後、ステップSx1806に進む。
ステップSx1803及びステップSx1805の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入球に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップSx1806では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップSx1806を実行した後、ステップSx1807に進む。
ステップSx1801において、主側MPU62から保留コマンドを受信していないと判定した場合には(Sx1801:NO)、ステップSx1802~ステップSx1806を実行することなく、ステップSx1807に進む。
ステップSx1807では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップSx1803において特定された第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数に基づいて、第1保留表示部37cの表示態様(点灯させるLEDランプの色や組み合わせ)を制御するとともに、ステップSx1805において特定された第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数に基づいて、第2保留表示部37dの表示態様(点灯させるLEDランプの色や組み合わせ)を制御する。ステップSx1807を実行した後、本保留コマンド対応処理を終了する。
<遊技回演出設定処理>
次に、遊技回演出設定処理について説明する。遊技回演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図39:Sx1703)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図41は、遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSx1901では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSx1901において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(Sx1901:NO)、本遊技回演出設定処理を終了する。一方、ステップSx1901において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していると判定した場合には(Sx1901:YES)、ステップSx1902に進む。
ステップSx1902では、今回受信した変動用コマンドと種別コマンドとを読み出し、これらのコマンドから、大当たりの有無、時短付与の有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、および変動時間の情報をそれぞれ把握する。そして、把握した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップSx1903に進む。
ステップSx1903では、演出パターン設定処理を実行する。演出パターン設定処理は、今回の遊技回において実行する演出のパターン(予告演出、リーチ演出の内容や実行のタイミング)を演出パターンテーブルに基づいて決定し、設定する処理である。演出パターン設定処理の詳細については後述する。ステップSx1903を実行した後、ステップSx1904に進む。
ステップSx1904では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の当否結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、又は8R通常大当たりである場合には、有効ラインL1(図4参照)上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の当たり抽選の当否結果が、16R確変大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の当たり抽選の当否結果が、8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の大当たり抽選の当否結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL1上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL1上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。
ステップSx1905では、今回の遊技回の変動パターンを設定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップSx1904において設定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動パターンを選択する。なお、変動パターンを選択する際には、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動パターンテーブルが参照される。その後、ステップSx1906に進む。
ステップSx1906では、今回の遊技回においてステップSx1903で設定された演出パターン、ステップSx1904で設定された停止図柄、ステップSx1905で設定された変動パターンの情報、ステップSx1906で得られた保留表示の情報を演出コマンドに設定する。その後、ステップSx1907に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップSx1907を実行した後、ステップSx1908に進む。
ステップSx1908では、変動開始時の更新処理を実行する。変動開始時の更新処理は、図柄表示装置41の第1始動口保留用領域Ds1または第2始動口保留用領域Ds2における保留表示を更新するための処理である。変動開始時の更新処理の詳細については後述する。ステップSx1908を実行した後、本遊技回演出設定処理を終了する。
<演出パターン設定処理>
次に、演出パターン設定処理について説明する。演出パターン設定処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図41:Sx1903)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図42は、演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSx2001では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数RNを取得する。その後、ステップSx2002に進む。
ステップSx2002では、演出パターンテーブルを特定する処理を実行する。演出パターンテーブルは、遊技回において実行する演出のパターンと、変動時間と、演出パターン用乱数RNとをデータ要素とする3次元の表形式のデータである。ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93aには、大当たりの有無、時短付与の有無、リーチ発生の有無に応じた様々な種類の演出パターンテーブルを記憶している。ステップSx2002では、これらの演出パターンテーブルから一の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、遊技回演出設定処理(図41)のステップSx1902で把握した、大当たりの有無や、時短付与の有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無に基づいて、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93aの中から一の演出パターンテーブルの特定を行う。ステップSx2002を実行した後、ステップSx2003に進む。
ステップSx2003では、Sx2002で特定した演出パターンテーブルを参照して、遊技回演出設定処理(図41)のステップSx1902で把握した変動時間と、ステップSx2001によって得られた今回の演出パターン用乱数RNの値とに対応した演出パターンを取得する。ステップSx2003を実行した後、ステップSx2004に進む。
ステップSx2004では、ステップSx2003によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSx2004を実行した後、本演出パターン設定処理を終了する。
<変動開始時の更新処理>
次に、変動開始時の更新処理について説明する。変動開始時の更新処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図41:Sx1909)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図43は、変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。ステップSx2101では、今回受信した変動用コマンドが第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであるか否かを判定する。ステップSx2101において、今回受信した変動用コマンドが第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであると判定した場合には(Sx2101:YES)、ステップSx2102に進み、音光側RAM94の第1保留個数カウンタエリアに記憶されている個数が1減算されるように、当該第1保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、ステップSx2104に進む。
一方、ステップSx2101において、今回受信した変動用コマンドが第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものではないと判定した場合には(Sx2101:NO)、ステップSx2103に進み、音光側RAM94の第2保留個数カウンタエリアに記憶されている個数が1減算されるように、当該第2保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、ステップSx2104に進む。
ステップSx2104では、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図44は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSx2201では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSx2202に進む。
ステップSx2202では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図45は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSx2301では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド格納エリアに、その抽出したコマンドデータを格納する。コマンド格納処理によってコマンド格納エリアに格納された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図46は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド格納領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSx2401では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図45)によってコマンド格納エリアに格納されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが格納されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが格納されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(Sx2401)では、その時点でコマンド格納エリアに格納されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド格納エリアに格納されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド格納エリアに格納されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップSx2402では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(Sx2401)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSx2403に進む。
ステップSx2403では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(Sx2402)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップSx2404に進む。
ステップSx2404では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(Sx2403)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップSx2405に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。以上、パチンコ機10において大当たり演出を含めた様々な処理を実行するための具体的な制御の一例を説明した。
《1-7》作用・効果:
以上詳述したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった遊技回の終了後に、演出用メイン回転役物170が回転しながら最下点位置に下りてくるとともに、第1および第2演出用サブ回転役物180,190が回転しながら最上点位置に上がってきて、その後、演出用メイン回転役物170と、第1および第2演出用サブ回転役物180,190とが共に回転を停止し、演出用メイン回転役物170に備えられる拡大レンズLZによって、第1または第2演出用サブ回転役物180,190に描画された文字列183a、184a、193a、194aのいずれかを拡大して表示するというビッグオアスモール演出を実行することによって、ラウンド遊技の回数と保留連の有無とを遊技者に告知することができる。
上記構成のビッグオアスモール演出によれば、演出用メイン回転役物170に備えられる拡大レンズLZに対して、第1または第2演出用サブ回転役物180,190に描画された文字列183a、184a、193a、194aのいずれが一致するか(止まるか)といった緊迫感(ドキドキ感)を、遊技者に対して付与することができる。その上で、ビッグオアスモール演出によれば、演出用メイン回転役物170に備えられる拡大レンズLZによって、第1演出用サブ回転役物180に描画された虹色の「BIG」の文字列183aが拡大して表示された場合に、当たり抽選において大当たり当選した場合の獲得ラウンド遊技の回数が16回となり、保留連が有りである二重の喜びを遊技者に対して付与することができる。また、ビッグオアスモール演出によれば、演出用メイン回転役物170に備えられる拡大レンズLZによって、第1演出用サブ回転役物180に描画された黒色の「BIG」の文字列184aが拡大して表示された場合に、当たり抽選において大当たり当選した場合の獲得ラウンド遊技の回数が16回となる喜びを遊技者に対して付与することができ、一方で、当たり抽選において大当たり当選した場合の保留連が無しであるといった少しの落胆感を遊技者に対して付与することができる。また、ビッグオアスモール演出によれば、演出用メイン回転役物170に備えられる拡大レンズLZによって、第2演出用サブ回転役物190に描画された虹色の「SML」の文字列193aが拡大して表示された場合に、当たり抽選において大当たり当選した場合の保留連が有りである喜びを遊技者に対して付与することができ、一方で、当たり抽選において大当たり当選した場合の獲得ラウンド遊技の回数が8回となることの少しの落胆感を遊技者に対して付与することができる。さらに、ビッグオアスモール演出によれば、演出用メイン回転役物170に備えられる拡大レンズLZによって、第2演出用サブ回転役物190に描画された黒色の「SML」の文字列194aが拡大して表示された場合には、当たり抽選において大当たり当選した場合の獲得ラウンド遊技の回数が8回となり、保留連が無しとなるので、大当たりに当選しないよりは良かったなといった感情(と少しの落胆感)を遊技者に対して付与することができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、演出用メイン回転役物170は、回転軸部171を中心として回転可能な複数の花びら部172を備え、複数の花びら部172のうちの一つである花びら部172Lは、拡大レンズLZを備えることによって、図柄表示装置41の表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HBを視認可能に構成され、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。各演出用サブ回転役物180に備えられる各回転体182,192は、回転可能に構成され、遊技盤30を正面視した場合に演出用メイン回転役物170の花びら部172Lを通すことなく視認可能な第1位置(例えば、図18(a)を参照)と、花びら部172Lを通して視認可能な第2位置(例えば、図18(b)、図19、図20、または図21を参照)との間で変位可能である。さらに、本実施形態のパチンコ機10では、一発告知演出において、回転する花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な第1状態となり、ビッグオアスモール演出において、回転する花びら部172Lの裏面側に各演出用サブ回転役物180に備えられる各回転体182,192が移動してくることによって、回転体182または回転体192が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182または回転体192が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能となる第2状態となる。このために、一発告知演出によって、第1状態となった場合に、先に説明したように、図柄の組み合わせが大当たり当選に対応した所定の組合せとなる前に当たり抽選の当否結果が大当たり当選であることを遊技者に告知することができる。また、ビッグオアスモール演出によって、第2状態となった場合に、先に説明したように、獲得したラウンド遊技の回数が16回になるか8回になるか、保留連が有るか無いかといったことを遊技者に告知することができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、一発告知演出によって、図柄の組み合わせが大当たり当選に対応した所定の組合せとなる前に当たり抽選の当否結果が大当たり当選となる喜びを遊技者に対して付与するができると共に、ビッグオアスモール演出によって、当たり抽選において大当たり当選した場合に獲得したラウンド遊技の回数が16回になるか8回になるか、保留連が有るか無いかといった期待感と少しの落胆感とを遊技者に対して付与することができる。これらの結果、本実施形態のパチンコ機10では、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、演出用サブ回転役物180,190に備えられた回転体182,192の外形が、遊技盤30を正面視した場合に、回転体182,192の回転の中心を対称の点として点対称となっていることから、演出用サブ回転役物180,190を回転させたときの回転体182,192の美しさを高めることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、演出用メイン回転役物170が備える花びら部172や、演出用サブ回転役物180,190が備える回転体182,192を樹脂材料によって形成される構成としていることから、これら部品の形成が容易となるため、これら部品の形状の自由度が高い。このため、これら部品を備える演出用メイン回転役物170や、演出用サブ回転役物180,190を用いた演出、すなわち、一発告知演出やビッグオアスモール演出をよりインパクトの高いものとすることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、演出用メイン回転役物170に備えられる回転軸部171は遊技盤30の表面に対する垂直方向に沿うように配置されていることから、遊技盤30の表面に対して高い精度で平行となる平面上で花びら部172を回転させることができる。このため、演出用メイン回転役物170の外径を大きくすることが容易であり、この結果、一発告知演出およびビッグオアスモール演出を華やかにすることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、従来より知られている回転役物は、発光部を備え、当該発光部が発光した状態で回転するだけの演出を実行可能なものであった。これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、第1回転体の一例である演出用メイン回転役物170と、演出用メイン回転役物170の花びら部172Lを裏面側から照射しうる光源として機能する図柄表示装置41とが独立した構成であることから、裏面側の光源が発光した状態で演出用メイン回転役物170が回転するといった一発告知演出と、裏面側の光源が発光しない状態で演出用メイン回転役物170と第2回転体の一例である演出用サブ回転役物180,190とが係わり合う演出であって、演出用メイン回転役物170自体は主に回転するだけといったビッグオアスモール演出との両方が実行可能となった。すなわち、本実施形態のパチンコ機10では、回転役物と光源とを独立させることによって従来より多様な種類の演出を実現することが可能となった。その上、本実施形態のパチンコ機10では、上記光源として機能する図柄表示装置41は、当たり抽選の結果を報知するための変動表示や、キャラクターの表示等の種々の演出表示を行うことができることから、装置のいっそう効率的な使用が可能となっている。
《1-8》第1実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。第1回転体の一例としての演出用メイン回転役物170および演出用メイン回転役物駆動部97についての種々の変形例を変形例1~変形例12として、まず説明する。
《1-8-1》変形例1:
上記第1実施形態およびその変形例では、第1回転体の一例としての演出用メイン回転役物170は、回転板部としての花びら部172を5枚、備える構成としたが、この代わりに、花びら部の数を、2枚、3枚、4枚、6枚等の他の数の複数枚としてもよいし、1枚としてもよい。すなわち、第1回転体が備える回転板部の数はいずれであってもよく、1枚であってもよい。なお、上記実施形態のパチンコ機10では、第1回転体は、演出用として使用されているが、必ずしも演出用である必要はなく、様々な用途として使用されるものであってもよい。要は、第1回転体と第2回転体とが係わり合うことで本発明の効果を奏することができるものであれば、第1回転体はいずれの用途として使用されるものであってもよい。
《1-8-2》変形例2:
上記第1実施形態およびその変形例では、第1回転体の一例としての演出用メイン回転役物170が備える回転板部の形状として、花びら形状を採用したが、この代わりに、第1回転体の回転板部の形状として、矩形、三角形、楕円形、円形(真円形もしくはゆがみのある円形)等の他の形状を採用してもよい。要は、第1回転体の回転板部は、回転する面を備え、当該面の裏面側(後ろ側)に第2回転体が移動してくることが可能であれば、どのような形状であってもよい。
《1-8-3》変形例3:
上記第1実施形態およびその変形例では、演出用メイン回転役物170に備えられる回転板部としての花びら部172を半透明の材料によって形成していたが、この代わりに、透明の材料によって形成してもよい。材料としては、樹脂材料、ガラス材料等のいずれであってもよい。この場合に、花びら部における透明部分は花びら全体でなくてもよく、花びらの一部分であってもよい。花びら部172を半透明の材料によって形成した上記第1実施形態およびその変形例においても、半透明部分は花びら全体でなくてもよく、花びらの一部分であってもよい。
《1-8-4》変形例4:
上記第1実施形態およびその変形例では、花びら部172を半透明の材料によって形成し、1枚の花びら部172Lに拡大レンズLZを設けた構成としたが、この代わりに、花びら部172を不透明の材料によって形成し、1枚の花びら部172Lに拡大レンズLZを設けた構成としてもよい。要は、複数枚のうちの1枚の花びら部172Lにおいては拡大レンズLZを設けた構成とした場合には、他の花びら部172Lは、透明、半透明、不透明の材料のいずれによって形成してもよい。
《1-8-5》変形例5:
上記第1実施形態およびその変形例では、花びら部172を半透明の材料によって形成し、1枚の花びら部172Lに拡大レンズLZを設けた構成としたが、この代わりに、花びら部172を透明の材料によって形成し、いずれの花びら部172にも拡大レンズを備えない構成としてもよい。材料としては、樹脂材料、ガラス材料等のいずれであってもよい。ここでいう透明とは、第1演出用サブ回転役物180および第2演出用サブ回転役物190に備えられた文字列183a、184a、193a、194aを花びら部172を通して視認可能な程度の透明性を有するものであれば、どの程度の透明性であってもよい。この構成によれば、演出用サブ回転役物180,190に記載された文字列183a、184a、193a、194aを花びら部172を通して明瞭に視認できる。また、花びら部172を透明性を有する樹脂材料によって形成する場合、形成し易いことから、花びら部172の形状の自由度が高まり、この結果、花びら部172を備える演出用メイン回転役物170を使用した演出をよりインパクトの高いものとすることが可能となる。さらに、他の変形例として、回転板部としての花びら部は、光透過率が高い領域と、当該部分より光透過率が低い領域とを有する構成としてもよい。この構成の場合において、各演出用サブ回転役物180,190が特定回転停止位置で停止するタイミングで、花びら部に備えられた前記光透過率が高い領域の裏面側に各演出用サブ回転役物180,190が移動する構成とする。この構成によれば、各演出用サブ回転役物180,190が特定回転停止位置で停止するタイミング以後において、遊技者は、各演出用サブ回転役物180,190を花びら部の光透過率が高い領域を通して明瞭に視認できる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
《1-8-6》変形例6:
上記第1実施形態およびその変形例では、回転板部としての1枚の花びら部172Lに拡大レンズLZを設けた構成としたが、この代わりに、1枚の花びら部172Lに平板状の透明ガラスもしくは平板状の透明プラスチックを設けた構成、貫通孔を設けた構成等としてもよい。要は、回転板部の裏面側に第2回転体が移動してきた場合に、第2回転体が回転板部を通して視認可能となるなら、回転板部の内部をどのような構成としてもよい。
《1-8-7》変形例7:
上記第1実施形態およびその変形例では、各花びら部172を拡縮動作させる拡大縮小機構部177を備える構成としたが、この代わりに、拡大縮小機構部177を無くして各花びら部172を拡縮動作させない構成としてもよい。この構成において、変形例1として記載したように回転板部としての花びら部を1枚としてもよく、また、その1枚の花びら部を変形例2として記載したように円形としてもよい。要は、回転板部は、回転する面を備え、当該面の裏面側(後ろ側)に第2回転体が移動してくることが可能であれば、回転板部の数は1つであっても複数であってもよく、当該回転板部の形状はどのような形であってもよい。
《1-8-8》変形例8:
上記第1実施形態およびその変形例では、ラック&ピニオン機構部175およびピニオン連結用モーター176を用いて演出用メイン回転役物170を上下方向に移動させる構成としたが、この代わりに、ラック&ピニオン機構部175およびピニオン連結用モーター176を無くして、演出用メイン回転役物170を特定位置に固定する構成としてもよい。ここで言う固定とは、上下方向の位置が一定の位置にあることであり、花びら部172は回転する。具体的には、演出用メイン回転役物170に備えられる回転軸部171が特定位置に固定された構成とする。なお、特定位置としては、例えば、上記第1実施形態における演出用メイン回転役物170についての原点位置とすることができる。この構成によれば、回転する演出用メイン回転役物170の裏面側に各演出用サブ回転役物180,190を移動させることが容易となる。したがって、本変形例によれば、制御の簡略化を図ることができる。なお、演出用メイン回転役物170は、上下方向の位置に限らず左右方向においても一定の位置にある構成としてもよい。要は、演出用メイン回転役物170を一例として挙げた第1回転体が備える回転板部の裏面側に第2回転体が移動してくることが可能であれば、第1回転体は、特定の位置に固定される構成、特定の位置まで移動する構成のいずれであってもよい。
《1-8-9》変形例9:
上記第1実施形態およびその変形例では、メイン回転役物回転用モーター174をステッピングモーターによって構成したが、この代わりに、メイン回転役物回転用モーター174をブラシ付きDCモーターまたはブラシ無しDCモーターによって構成してもよい。これらは、直流電源を演出用メイン回転役物170を回転させるための動力源としているが、この代わりに、交流電源、圧電素子を用いて発生された超音波、静電気によるクーロンの印力と斥力、遊技盤30のアウト口43を通って遊技領域PAから排出された遊技球の運動エネルギー、その他の遊技球の運動エネルギー等を演出用メイン回転役物170を回転させるための動力源としてもよい。要は、演出用メイン回転役物170を一例として挙げた第1回転体が回転し得る構成において、その回転を行う装置としてはどのような装置構成であってもよく、また、第1回転体を動かす動力源としてもどのような動力を用いたものであってもよい。
《1-8-10》変形例10:
上記第1実施形態およびその変形例では、メイン回転役物回転用モーター174によって演出用メイン回転役物170を一定の速度で回転させる構成としたが、この代わりに、メイン回転役物回転用モーター174によって演出用メイン回転役物170の回転速度を変化させる構成としてもよい。この構成によれば、演出用メイン回転役物170の回転速度が変化することから、一発告知演出において、回転する花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認される高輝度部HBの視認態様を変化させることが可能となる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、演出用メイン回転役物170の回転速度はランダムに変化してもよく、回転の途中で回転速度は0、すなわち回転を停止する構成としてもよい。また、所定の契機で回転速度が変化する構成としてもよく、この構成の場合においても、その回転速度は0を含めていずれの大きさに変化してもよい。要は、演出用メイン回転役物170を一例として挙げた第1回転体が備える回転板部の裏面側に第2回転体が移動してくることが可能であれば、第1回転体の回転速度の大きさ、当該回転速度の変化の態様については、途中、回転を停止する場合を含めてどのようなものであってもよい。
《1-8-11》変形例11:
上記第1実施形態およびその変形例では、メイン回転役物回転用モーター174によって演出用メイン回転役物170を正面視において左回りに回転させる構成としたが、この代わりに、演出用メイン回転役物170を正面視において右回りに回転させる構成としてもよい。また、演出用メイン回転役物170の回転方向を一定方向とする構成に換えて、演出用メイン回転役物170の回転方向を一方の方向から他方の方向に反転させる構成としてもよい。この構成によれば、演出用メイン回転役物170の回転方向が変化することから、一発告知演出において、回転する花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認される高輝度部HBの視認態様を変化させることが可能となる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。要は、演出用メイン回転役物170を一例として挙げた第1回転体が備える回転板部の裏面側に第2回転体が移動してくることが可能であれば、第1回転体の回転方向はいずれの方向でも、また、途中で回転方向を切り替える構成としてもよい。また、他の変形例として、演出用メイン回転役物170を回転させる契機が成立する毎に、演出用メイン回転役物170の回転方向が、正面視において左回りの回転方向と右回りの回転方向とのうちのいずれにするかが決まる構成として、左回りとすることが決まった場合より右回りとすることが決まった場合の方が、遊技者にとっての有利性が高くなり易くしてもよい。具体的には、ビッグオアスモール演出処理を実行する契機となった当たり抽選の際に実行された振分判定の結果が8R確変大当たり又は8R通常大当たりである場合に、演出用メイン回転役物170を左回りに回転させる。一方、ビッグオアスモール演出処理を実行する契機となった当たり抽選の際に実行された振分判定の結果が16R確変大当たり又は16R通常大当たりである場合に、演出用メイン回転役物170を右回りに回転させる。この構成によって、第1回転体の回転方向が左回りとすることが決まった場合より右回りとすることが決まった場合の方が、遊技者にとっての有利性が高くなる。この構成によれば、遊技者は第1回転体の一例としての演出用メイン回転役物170の回転方向を気にかけるようになることから、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
《1-8-12》変形例12:
上記第1実施形態およびその変形例では、第1回転体の一例としての演出用メイン回転役物170を図柄表示装置41の表示面41aの上側に配置していたが、この代わりに、図柄表示装置41の表示面41a内や、遊技領域PA内、大入賞口36a内等に第1回転体を設ける構成としてもよい。要は、演出用メイン回転役物170を一例として挙げた第1回転体が備える回転板部の裏面側に第2回転体が移動してくることが可能であれば、遊技盤30のいずれの位置に第1回転体を設ける構成としてもよい。
第2回転体の一例としての演出用サブ回転役物180,190および演出用サブ回転役物駆動部98,99についての種々の変形例を変形例13~変形例22として、次に説明する。
《1-8-13》変形例13:
上記第1実施形態およびその変形例では、遊技盤30の上下方向において、第2回転体の一例としての各演出用サブ回転役物180,190は演出用メイン回転役物170に対して下側に配置されていたが、この代わりに、各演出用サブ回転役物180,190は演出用メイン回転役物170に対して上側に配置された構成としてもよい。この場合には、ラック&ピニオン機構部とピニオン連結用モーターとによって、各演出用サブ回転役物180,190を演出用メイン回転役物170より上方から演出用メイン回転役物170に向かって移動させる構成とする。この構成によれば、各演出用サブ回転役物180,190が、上方から演出用メイン回転役物170に向かって降り注ぐような演出が可能となり、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。要は、第1回転体が備える回転板部の裏面側に演出用サブ回転役物180,190を一例として挙げた第2回転体が移動してくることが可能であれば、第2回転体は第1回転体に対して上下のいずれの側に配置されていてもよい。また、他の変形例として、各演出用サブ回転役物180,190を一例として挙げた第2回転体が原点位置から最上点位置まで移動し、その後、最上点位置から原点位置に復帰する構成としたが、この代わりに、第2回転体が原点位置から最上点位置まで移動し、その後、最上点位置より更に上側に抜けて行く構成としてもよい。また、第2回転体を第1回転体に対して上側に配置した構成において、第2回転体が原点位置から第1回転体が備える回転板部の裏面側に移動し、その後、更に下側に移動していく構成としてもよい。要は、第1回転体が備える回転板部の裏面側に演出用サブ回転役物180,190を一例として挙げた第2回転体が移動してくることが可能であれば、第2回転体の上下方向の移動の経路はいずれの方向の経路であってもよい。なお、本実施形態のパチンコ機10では、第2回転体の一例としての演出用サブ回転役物180,190は、演出用として使用されているが、第2回転体は、必ずしも演出用である必要はなく、様々な用途として使用されるものであってもよい。要は、第1回転体と第2回転体とが係わり合うことで本発明の効果を奏することができるものであれば、第2回転体はいずれの用途として使用されるものであってもよい。
《1-8-14》変形例14:
上記第1実施形態およびその変形例では、第2回転体の一例としての演出用サブ回転役物180,190を2つ備える構成としたが、この代わりに、第2回転体としての演出用サブ回転役物を1つ備える構成としてもよい。この場合には、例えば、当たり抽選において大当たり当選した場合に獲得したラウンド遊技の回数が16回の場合に演出用サブ回転役物を動作させ、ラウンド遊技の回数が8回の場合には演出用サブ回転役物を動作させない構成とする。この構成によれば、当たり抽選において大当たり当選した場合に獲得したラウンド遊技の回数が16回となることと保留連の有無とを予告することができる。また、他の変形例として、第2回転体としての演出用サブ回転役物を3つ以上、備える構成としてもよい。また、上記第1実施形態およびその変形例では、各演出用サブ回転役物180,190が原点位置にある状態では、各演出用サブ回転役物180,190の大部分は覆い板199によって隠されており、各演出用サブ回転役物180,190の一部分だけが覆い板199から突出する構成としたが、この代わりに、各演出用サブ回転役物180,190が原点位置にある状態では、各演出用サブ回転役物180,190の全体が覆い板199によって隠された構成としてもよい。また、演出用サブ回転役物180,190はパチンコ機10から取り外し可能としてもよく、取り外した状態であっても、一発告知演出のように演出用メイン回転役物170だけを使用した演出を行うことができる。要は、本実施形態のパチンコ機10において各演出用サブ回転役物180,190によって構成される第2回転体は、パチンコ機の外側を含めたいずれの位置から移動してきてもよく、第1回転体が備える回転板部の裏面側に移動することができればよい。換言すれば、第2回転体は、遊技盤上(遊技領域上)に常に存在する必要はなく、一時的に存在する構成であればよい。また、第2回転体が、第1回転体が備える回転板部の裏面側に移動する構成としては、第2回転体の全体が回転板部の裏面側に移動する構成としてもよいし、第2回転体の一部が回転板部の裏面側に移動する構成としてもよい。
《1-8-15》変形例15:
上記第1実施形態およびその変形例では、右側に配置された第1演出用サブ回転役物180の回転軸部181と左側に配置された第2演出用サブ回転役物190の回転軸部191とが左右方向および上下方向において同一の動きをするように、第1演出用サブ回転役物180および第2演出用サブ回転役物190についての制御がなされていたが、この代わりに、第1演出用サブ回転役物180の回転軸部181と第2演出用サブ回転役物190の回転軸部191とが左右方向および上下方向において異なる動きをするようにしてもよい。この構成によれば、各演出用サブ回転役物180,190が様々な動きによって演出用メイン回転役物170に向かって移動することを、遊技者は楽しむことができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。また、上記第1実施形態およびその変形例では、右側に配置された第1演出用サブ回転役物180に備えられた回転体182と左側に配置された第2演出用サブ回転役物190に備えられた回転体192とが同一の回転態様で回転するように、第1演出用サブ回転役物180および第2演出用サブ回転役物190についての制御がなされていたが、この代わりに、第1演出用サブ回転役物180に備えられた回転体182と第2演出用サブ回転役物190に備えられた回転体192とが異なる回転態様で回転するようにしてもよい。この構成によれば、各演出用サブ回転役物180,190が様々な回転態様によって回転することを、遊技者は楽しむことができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。要は、第1回転体が備える回転板部の裏面側に第1および第2演出用サブ回転役物180,190を一例として挙げた第2回転体が複数、移動してくる構成においては、複数の第2回転体のそれぞれは個別に独立して左右方向および上下方向においてどのような動きをしてもよく、複数の第2回転体のそれぞれの回転態様についてもどのような回転態様としてもよい。
《1-8-16》変形例16:
上記第1実施形態およびその変形例では、各演出用サブ回転役物180,190が原点位置から最上点位置まで1つの経路で移動する構成としたが、この代わりに、複数の経路で移動する構成としてもよい。また、経路としては、直線状の経路に限る必要はなく、曲線状の経路としてもよい。これらの構成によれば、様々な経路によって各演出用サブ回転役物180,190が演出用メイン回転役物170に向かって移動することを遊技者は楽しむことができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。要は、第1回転体が備える回転板部の裏面側に各演出用サブ回転役物180,190を一例として挙げた第2回転体が移動してくることが可能であれば、第2回転体の移動経路は複数あってもよく、その移動経路の形についてもどのような形をとってもよい。
《1-8-17》変形例17:
上記第1実施形態およびその変形例では、各演出用サブ回転役物180,190が原点位置から最上点位置まで移動する速度が一定となるように構成したが、この代わりに、各演出用サブ回転役物180,190が原点位置から最上点位置まで移動する速度が変化し得る構成としてもよい。この構成によれば、移動速度を低下させた場合に、各演出用サブ回転役物180,190が移動している最中に、各演出用サブ回転役物180,190が最上点位置に到達せずにビッグオアスモール演出が実行されないのではないかといったネガティブな感情を遊技者に対して付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。要は、第1回転体が備える回転板部の裏面側に各演出用サブ回転役物180,190を一例として挙げた第2回転体が移動してくることが可能であれば、第2回転体の移動速度は、その大きさおよび変化の態様についてどのようであってもよい。
《1-8-18》変形例18:
上記第1実施形態およびその変形例では、各演出用サブ回転役物180,190の回転速度が一定となるように構成したが、この代わりに、各演出用サブ回転役物180,190の回転速度が変化し得る構成としてもよい。この構成によれば、回転する花びら部172Lの裏面側に各演出用サブ回転役物180,190が移動してくる際の各演出用サブ回転役物180,190の回転の態様を様々に変化させることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。要は、第1回転体が備える回転板部の裏面側に各演出用サブ回転役物180,190を一例として挙げた第2回転体が移動してくることが可能であれば、第2回転体の回転速度は、その大きさおよび変化の態様についてどのようであってもよい。
《1-8-19》変形例19:
上記第1実施形態およびその変形例では、サブ回転役物回転用モーターによって各演出用サブ回転役物180,190を正面視において左回りに回転させる構成としたが、この代わりに、各演出用サブ回転役物180,190を正面視において右回りに回転させる構成としてもよい。また、各演出用サブ回転役物180,190の回転方向を一定方向とする構成に換えて、各演出用サブ回転役物180,190の回転方向を一方の方向から他方の方向に反転させる構成としてもよい。この構成によれば、回転する花びら部172Lの裏面側に各演出用サブ回転役物180,190が移動してくる際の各演出用サブ回転役物180,190の回転の態様を様々に変化させることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。要は、第1回転体が備える回転板部の裏面側に各演出用サブ回転役物180,190を一例として挙げた第2回転体が移動してくることが可能であれば、第2回転体の回転方向はいずれの方向でも、また、途中で回転方向を切り替える構成としてもよい。
《1-8-20》変形例20:
上記第1実施形態およびその変形例では、第2回転体の一例としての各演出用サブ回転役物180,190に備えられる回転体182,192は、回転軸部181,191に軸支される構成としたが、この代わりに、第2回転体は、回転軸部を備えずに回転可能な構成としてもよい。この構成によれば、構成を簡略化することができる。要は、第1回転体が備える回転板部の裏面側に各演出用サブ回転役物180,190を一例として挙げた第2回転体が移動してくることが可能であれば、第2回転体はどのような回転態様であってもよい。
《1-8-21》変形例21:
上記第1実施形態およびその変形例では、各演出用サブ回転役物180,190に備えられる回転体182,192は、樹脂材料によって形成されていたが、この代わりに、鉄やアルミニウム等の金属材料によって形成された構成としてもよい。また、各回転体182(192)は、円形の貫通孔が設けられ、当該貫通孔に透明樹脂183,184(193,194)が埋め込まれ、当該透明樹脂183,184(193,194)に文字列183a,184a(193a,194a)が描画された構成であったが、この代わりに、各回転体を、貫通孔を設けずに均一の材質の材料(例えば、鉄)によって構成し、表面に文字を記した構成としてもよい。この構成によれば、回転体182(192)の構成を簡略化することができ、回転体182(192)の製造が容易である。また、回転体182(192)の回転がガタつきなくスムーズとなるという効果も奏する。要は、第1回転体が備える回転板部の裏面側に各演出用サブ回転役物180,190を一例として挙げた第2回転体が移動してくることによって、第2回転体が光源からの光を遮って、第2回転体が回転板部を通して視認可能となる状態において、文字を視認することが可能であれば、その文字を記す構成についてはどのような構成であってもよい。
《1-8-22》変形例22:
上記第1実施形態およびその変形例では、各演出用サブ回転役物180,190に備えられる回転軸部181,191は、遊技盤30の表面に対する垂直方向(以下、遊技盤30の垂直方向と呼ぶ)に沿うように配置されており、各回転軸部181,191の方向は遊技盤30の垂直方向に固定されていたが、この代わりに、各回転軸部181,191の方向を、遊技盤30の垂直方向から、当該垂直方向から所定の角度(例えば5度)だけ傾いた方向に変化させることが可能な構成としてもよい。この構成によれば、各演出用サブ回転役物180,190の方向をいわゆる首振りのように変化させながら各演出用サブ回転役物180,190を回転させる演出を実現することが可能となる。したがって、遊技の興趣向上を図ることができる。さらに、垂直方向からの傾斜角度は、一つの方向に限らず、様々な方向に変化させる構成としてもよい。要は、第1回転体が備える回転板部の裏面側に各演出用サブ回転役物180,190を一例として挙げた第2回転体が移動してくることが可能であれば、第2回転体はどのような回転態様であってもよい。
《1-8-23》変形例23:
上記第1実施形態およびその変形例では、ビッグオアスモール演出によって、ラウンド遊技の回数が16回であり、保留連が有りの場合に、第1演出用サブ回転役物180の回転体182に描画された虹色の「BIG」という文字列183aが拡大レンズLZによって拡大されて表示され、ラウンド遊技の回数が16回であり、保留連が無しの場合には、回転体182に描画された黒色の「BIG」という文字列184aが拡大レンズLZによって拡大されて表示される形態を取り得る。また、ラウンド遊技の回数が8回であり、保留連が有りの場合に、第2演出用サブ回転役物190の回転体192に描画された虹色の「SML」という文字列193aが拡大レンズLZによって拡大されて表示され、ラウンド遊技の回数が8回であり、保留連が無しの場合には、回転体192に描画された黒色の「SML」という文字列194aが拡大レンズLZによって拡大されて表示される形態を取り得る。これに対して、変形例として、次のような構成としてもよい。
図47は、本変形例における一対の演出用サブ回転役物880,890を示す正面図である。本変形例では、ビッグオアスモール演出によって、保留連が有りであり、ラウンド遊技の回数が16回である場合に、第1演出用サブ回転役物880の回転体882に描画された虹色の「BIG」という文字列883aが拡大レンズLZによって拡大されて表示され、保留連が有りであり、ラウンド遊技の回数が8回である場合には、回転体882に描画された虹色の「SML」という文字列884aが拡大レンズLZによって拡大されて表示される形態を取り得る。また、保留連が無しであり、ラウンド遊技の回数が16回である場合に、第2演出用サブ回転役物890の回転体892に描画された黒色の「BIG」という文字列893aが拡大レンズLZによって拡大されて表示され、保留連が無しであり、ラウンド遊技の回数が8回である場合に、回転体892に描画された黒色の「SML」という文字列894aが拡大レンズLZによって拡大されて表示される形態を取り得る。換言すると、上記第1実施形態では、ラウンド遊技の回数が16回である場合に、図16に示す第1演出用サブ回転役物180の回転体182に描画された虹色または黒色の「BIG」という文字列183a,184aが拡大レンズLZによって拡大されて表示され、ラウンド遊技の回数が8回である場合に、第2演出用サブ回転役物190の回転体192に描画された虹色または黒色の「SML」という文字列193a,194aが拡大レンズLZによって拡大されて表示されるのに対して、本変形例では、保留連が有りの場合に、図47に示す第1演出用サブ回転役物880の回転体882に描画された虹色の「BIG」または「SML」という文字列883a,884aが拡大レンズLZによって拡大されて表示され、保留連が無しの場合に、第2演出用サブ回転役物890の回転体892に描画された黒色の「BIG」または「SML」という文字列893a,894aが拡大レンズLZによって拡大されて表示される構成とした。本変形例によっても、上記第1実施形態と同様に、期待感と落胆感といった相反する感情の起伏を遊技者に付与することによって、遊技の興趣向上を図ることができる。要は、第2演出用サブ回転役物180,190を一例として挙げた第2回転体が、演出用メイン回転役物170を一例として挙げた第1回転体が備える回転板部を通して視認可能となった場合の回転板部の回転態様に応じて、所定期間において当たり抽選において大当たり当選となる頻度が高い第1態様と、所定期間において当たり抽選において大当たり当選となる頻度が第1態様より低い第2態様とのいずれかの態様となり得る構成であれば、第2回転体の構成はどのような構成としてもよい。
《1-8-24》変形例24:
上記第1実施形態およびその変形例では、ビッグオアスモール演出処理によって、演出用メイン回転役物170が最下点位置において回転が停止している特定時間の期間において、10個の円形の高輝度部HBが配置された所定画像を図柄表示装置41の表示面41aに表示する構成としたが、この代わりに、他の数(1つでも複数でも可)の高輝度部HBが配置された画像を図柄表示装置41の表示面41aに表示する構成としてもよい。要は、ビッグオアスモール演出処理によって、演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZに対して、最上点位置に移動してきた各演出用サブ回転役物180,190の回転体182,192に描画された文字列183a、184a、193a、194aが重なり合ったときに、当該文字列が鮮明に認識可能であれば、高輝度部HBの数や、高輝度部HBの配置位置はどのようであってもよい。
《1-8-25》変形例25:
上記第1実施形態およびその変形例では、花びら部172Lに備えられた拡大レンズLZを通して視認可能となる光源を、図柄表示装置41の表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HBによって構成していたが、この代わりに、当該光源を水銀ランプ、LED、レーザ光源等の種々の発光部によって構成してもよい。また、演出用メイン回転役物170に対して演出用サブ回転役物180,190の重なり合う位置を、図柄表示装置41の表示面41aの外側として、その重なり合う位置に対応した遊技盤30の位置の裏面側に上記光源としての発光部が配置される構成としてもよい。この構成によれば、構成を簡略化することができる。なお、遊技盤30の上記重なり合う位置の裏面側に配置される上記光源としての発光部は、演出用メイン回転役物170の照射用として新たに設けるように構成してもよいし、ポリカーボネート樹脂製の遊技盤30の裏面側に意匠的演出のためにもともと設けていた発光部を上記光源として利用してもよい。この構成によれば、構成を簡略化することができる。また、遊技盤30の上記重なり合う位置の裏面側に上記光源が配置される構成としたが、ここで言う裏面側とは、正面視において上記重なり合う位置と必ずしも一致する位置である必要はなく、光源からの光を回転板部を通して視認することができれば、正面視において上記重なり合う位置と一致しない位置であってもよい。要は、光源からの光を回転板部を通して視認することができれば、光源の構成はどのようなものであってもよいし、光源の位置についてもどのようであってもよい。
《1-8-26》変形例26:
上記第1実施形態およびその変形例では、回転する花びら部172Lの裏面側に演出用サブ回転役物180(190)に備えられる回転体182(192)が移動してくることによって、回転体182(192)に記載された文字列183a,184a(193a,194a)が高輝度部HBからの光を遮って、当該文字列183a,184a(193a,194a)が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能となっていた。これに対して、変形例として、高輝度部HBからの光を遮る部分が、回転体182(192)の全体となる構成としてもよい。要は、高輝度部HBからの光を遮る部分は、回転体182(192)の少なくとも一部であればいずれの部分であってもよい。
《1-8-27》変形例27:
上記第1実施形態およびその変形例では、一対の演出用サブ回転役物180,190が最上点位置に移動した場合に、最下点位置に移動してきた演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZに対して、いずれの演出用サブ回転役物180(190)の文字列183a,184a(193a,194a)がピタッと一致するかによって、遊技者に有利な第1態様としての、当たり当選した場合に獲得したラウンド遊技の回数が16回となる態様と、遊技者にとっての有利性が第1態様より低い第2態様としての、大当たり当選した場合に獲得したラウンド遊技の回数が8回となる態様とのいずれかの態様に振り分けられる構成としていた。これに対して変形例として、遊技者に有利な第1態様として、ラウンド遊技の回数が16回となる態様に代えて、当たり抽選の当否結果が大当たり当選確定であることとし、遊技者にとっての有利性が第1態様より低い第2態様として、当たり抽選の当否結果が外れであることととしてもよい。また、遊技者に有利な第1態様としては、変動表示に対する期待度が高まる構成や、実際の利益が高まる構成、有益性の高い事項の報知を行う構成等に代えることもできる。変動表示に対する期待度が高まる構成としては、リーチの種類が大当たり当選の期待度が高い種類に発展するもの、予告演出が大当たり当選の期待度が大きい演出に替わるもの、演出や結果告知までの時間を規定するタイマーが発動するもの等、種々のものが採用可能である。実際の利益としては、電動役物34aの開放状態が複数回発生する構成、時短付与に当選する構成、大当たり抽選において小当たりに当選する構成、第1始動口33に遊技球が入球する頻度が高まる構成等種々のものが採用可能である。「時短付与」とは、サポートモードについて移行契機となるが、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはならない当否結果である。有益性の高い報知事項としては、パチンコ機の設定(大当たり当選の確率を定めた設定)や、通常時の出玉率を示すベース値等、種々のものが採用可能である。遊技者にとっての有利性が第1態様より低い第2態様として、これらの例示に対して遊技者にとっての有利性が低いものとなる。これらの構成によっても、上記第1実施形態およびその変形例と同様に、期待感を向上させ、遊技の興趣向上を図ることができる。要は、一対の演出用サブ回転役物180,190が最上点位置に移動した場合に、最下点位置に移動してきた演出用メイン回転役物170に備えられた拡大レンズLZに対して、いずれの演出用サブ回転役物180(190)の文字列183a,184a(193a,194a)がピタッと一致するかによって、遊技者に有利な第1態様と、遊技者にとっての有利性が第1態様より低い第2態様とのいずれかの態様に振り分けられる構成であれば、第1態様および第2態様のそれぞれはどのようなものであってもよい。
《1-8-28》変形例28:
上記第1実施形態およびその変形例では、演出用メイン回転役物170と各演出用サブ回転役物180,190とを用いたビッグオアスモール演出が、遊技回における当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった場合に実行しうる構成としたが、これに代えて、遊技回における当たり抽選の当否結果が大当たり当選とならない場合に実行しうる構成としてもよい。要は、パチンコ機において遊技が実行されている最中であれば、いずれの期間において、演出用メイン回転役物170と各演出用サブ回転役物180,190とを用いた演出を実行する構成としてもよい。例えば、遊技球発射機構によって遊技盤の前面に対する遊技球の発射が開始されてから、遊技盤30の最下部に設けられたアウト口43から最後の遊技球が排出されるまでの期間において、演出用メイン回転役物170と各演出用サブ回転役物180,190とを用いた演出を実行する構成としてもよい。
《1-8-29》変形例29:
上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える外枠は、木製に限らず、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える内枠は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える前扉枠は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機には、内枠を外枠に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠する機能とを有するシリンダ錠が設けられているが、このシリンダ錠が省略された構成を採用した上で、内枠を外枠に対して開放不能に施錠する機能を有する第1シリンダ錠と、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠する機能を有する第2シリンダ錠とが別々に設けられた構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、内枠を外枠に対して回動させる回動軸が正面視左側に設けられている構成を採用したが、この回動軸が正面視右側に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、前扉枠を内枠に対して回動させる回動軸が正面視左側に設けられている構成を採用したが、この回動軸が正面視右側に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える遊技盤は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える遊技球は、文字が記された刻印球であってもよく、また、文字が記されていない無地球であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機は上皿と下皿とを備える構成を採用したが、下皿が省略され、上皿のみを備える構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、正面視右側に操作ハンドルが設けられている構成を採用したが、正面視左側に操作ハンドルが設けられている構成を採用してもよい。また、操作ハンドルが正面視右側と正面視左側の両方に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、遊技者が操作ハンドルを握っているか否か(遊技者の手が操作ハンドルに接触しているか否か)を検出可能なタッチセンサーが操作ハンドルに設けられている構成を採用したが、このタッチセンサーが省略された構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、遊技球を発射可能な発射手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、バネ等の弾性力を利用して遊技球を発射させる構成や、圧縮気体が噴出する際の風圧を利用して遊技球を発射させる構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、操作ハンドルが右回りに所定量回動操作された状態においては、1分間に100発程度の遊技球が発射されるように構成されているが、1分間に100発未満(例えば60発)の遊技球が発射される構成であってもよく、また、1分間に100発以上(例えば200発)の遊技球が発射される構成であってもよい。また、レバーを弾くことによって遊技球を1発ずつ発射させる構成としてもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、音声を出力可能な手段としてスピーカーを備える構成を採用したが、スピーカーに加えて又はスピーカーに代えてイヤホンジャックを備える構成を採用してもよい。この構成によれば、遊技者は、自身が持参したイヤホンやヘッドホンを当該イヤホンジャックに接続することによって、周囲のパチンコ機の音声に邪魔されずに、自身が遊技中のパチンコ機の音声を存分に楽しむことが可能となる。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種始動口に遊技球が入球したことに基づいて変動表示を開始する特別図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、LEDランプや、LED表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、ハロゲンランプ等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種ゲートを遊技球が通過したことに基づいて変動表示を開始する普通図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、LEDランプや、LED表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、ハロゲンランプ等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種の装飾図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、液晶表示装置や、有機EL表示装置、LED表示装置、ドラム回転式表示装置、導光板、三次元ホログラム表示装置等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、装飾図柄としては、数字に限らず、種々の文字や図形、記号、絵柄等及びこれらの組み合わせを採用することができる。例えば、装飾図柄として、アルファベットや、ギリシャ文字、平仮名、カタカナ、漢字、各種キャラクター等及びこれらの組み合わせを採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、装飾図柄がスクロールする図柄列の数は3つに限らず、例えば、2つ以下であってもよく、4つ以上であってもよい。そして、装飾図柄の図柄列が1つである構成を採用した場合には、例えば、特定の装飾図柄(例えば「7」)が停止した場合に大当たりに当選となる構成としてもよい。また、装飾図柄の列が2つ又は4つ以上である構成を採用した場合には、例えば、特定のラインに同一の装飾図柄が停止した場合に大当たりに当選となる構成としてもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、特別電動役物としては、種々の構成を採用することができ、例えば、板状部材の下方に略水平方向に延びる回動軸が設けられ、当該回動軸を中心として当該板状部材が前方側に回動することによって大入賞口を開放可能な構成や、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材によって大入賞口を開閉する構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、普通電動役物としては、種々の構成を採用することができ、例えば、一対の可動弁が左右に開放可能な所謂チューリップ型普通電動役物や、板状部材の下方に略水平方向に延びる回動軸が設けられ、当該回動軸を中心として当該板状部材が前方側に回動することによって始動口を開放可能な構成、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材によって始動口を開閉する構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各入球口(始動口や一般入賞口、大入賞口等)に設定されている賞球数は例示であり、各入球口に設定される賞球数を適宜変更することによって、スペックの異なる複数種類のパチンコ機を実現することが可能である。
《1-8-30》変形例30:
上記実施形態およびその変形例では、パチンコ機10は、主制御装置60、音声発光制御装置90、表示制御装置100といった3つの制御装置を備える構成としたが、これに換えて、主制御装置と副制御装置といった2つの制御装置を備える構成としても良い。副制御装置では、上記実施形態において音声発光制御装置90と表示制御装置100とにおいて実行される各種処理を実行する構成とすれば良い。また、上記実施形態およびその変形例において、3つの制御装置60,90,100のそれぞれで実行される各種処理は、上記実施形態で説明した区分けに限る必要はなく、3つの制御装置60,90,100の全体として、上記実施形態における各種の処理が実行できれば良い。
《1-9》他の構成への適用:
上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると特別電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態及び上記各変形例においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
《1-10》上記実施形態及び上記各変形例等から抽出される発明群について:
以下、上述した実施形態及び各変形例から抽出される発明群の特徴(特徴群)について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態又は上記各変形例において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴xA群>
特徴xA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xA1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有する
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴xA2]
特徴xA1に記載の遊技機であって、
前記第2回転手段が前記第2位置に移動した場合の前記回転板部の回転態様(花びら部172Lが図18(b)に示す回転停止位置にあるか、花びら部172Lが図19に示す回転停止位置にあるかの態様)に応じて、遊技者に有利な第1態様(ラウンド遊技の回数が16回)と、遊技者にとっての有利性が前記第1態様より低い第2態様(ラウンド遊技の回数が8回)とのいずれかの態様となり得る
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様に応じて、遊技者に有利な第1態様と、遊技者にとっての有利性が第1態様より低い第2態様とのいずれかの態様となり得る。このために、本特徴によれば、遊技者にとって有利な第1態様となり得る、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様となった場合に、遊技者にとって有利な第1態様となる期待感を遊技者に対して付与することができる。また、遊技者にとっての有利性が第1態様より低い第2態様となり得る、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様となった場合に、遊技者にとっての有利性が第1態様より低い第2態様となってしまう落胆感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、期待感と落胆感といった相反する感情の起伏を遊技者に付与することによって、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴xA3]
特徴xA1または特徴xA2に記載の遊技機であって、
前記第1回転手段の回転速度が変化し得る(変形例10の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段の回転速度が変化し得ることから、第1状態において、回転する回転板部を通して視認される光源の視認態様を変化させることが可能となる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xA4]
特徴xA1から特徴xA3までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1回転手段を回転させる契機が成立する毎に、前記第1回転手段の回転方向が、第1回転方向と、前記第1回転方向と回転方向が反転した第2回転方向とのうちのいずれになるかが決まり、
前記第1回転方向に回転する場合より前記第2回転方向に回転する場合の方が、遊技者にとっての有利性が高くなり易い(変形例11の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段の回転方向が第1回転方向と第2回転方向とのうちのいずれに決まるかによって、遊技者にとっての有利性が変化することになる。したがって、遊技者は第1回転手段の回転方向を気にかけるようになることから、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xA5]
特徴xA1から特徴xA4までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記回転板部は、透明性が均一の材料によって形成された構成である(変形例5の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、回転板部は、透明性が均一の材料によって形成された構成であることから、回転板部の色彩をムラのないものとすることができ、第2状態において、遊技者は、第2回転手段を回転板部を通して明瞭に視認できる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xA6]
特徴xA1から特徴xA5までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記回転板部は、所定の光透過率の第1領域と、前記第1領域より光透過率が高い第2領域とを有し、
所定タイミングで、少なくとも前記第2領域の裏面側に前記第2回転手段が移動する(変形例5の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、回転板部は、所定の光透過率の第1領域と、前記第1領域より光透過率が高い第2領域とを有し、所定タイミングで、少なくとも第2領域の裏面側に第2回転手段が移動することから、所定タイミング以後において、遊技者は、第2回転手段を回転板部の光透過率が高い第2領域を通して明瞭に視認できる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xA7]
特徴xA1から特徴xA6までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1回転手段は、特定の位置に固定されている(変形例8の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は特定の位置に固定されていることから、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段を移動させることが容易である。したがって、本特徴によれば、制御の簡略化を図ることができる。
[特徴xA8]
特徴xA1から特徴xA7までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1回転手段に備えられる前記回転軸は、前記遊技盤の表面に対する垂直方向に沿うように配置されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段に備えられる回転軸は遊技盤の表面に対する垂直方向に沿うように配置されていることから、遊技盤の表面に対して高い精度で平行となる平面上で回転板部を回転させることができる。このため、第1回転手段のサイズを大きくすることが容易であり、この結果、第1回転手段を用いた演出を華やかにすることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xA9]
特徴xA1から特徴xA8までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段を、前記第1回転手段より上方から前記第1回転手段に向かって移動させる手段を備える(変形例13の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段が、上方から第1回転手段に向かって降り注ぐような演出が可能となる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xA10]
特徴xA1から特徴xA9までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段が前記第1位置から前記第2位置に変位する経路を複数、備える(変形例16の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段が第1位置から第2位置に変位する経路が複数、備えられることから、様々な経路にて第2状態に移行することを遊技者は楽しむことができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xA11]
特徴xA1から特徴xA10までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段が前記第1位置から前記第2位置に変位する速度が変化し得る(変形例17の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段が第1位置から第2位置に変位する速度が変化し得ることから、例えば変位する速度が低下した場合、第2回転手段が移動している最中に、第2回転手段が第2位置に到達せずに第2状態とならないのではないかといったネガティブな感情を遊技者に対して付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xA12]
特徴xA1から特徴xA11までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段の回転速度が変化し得る(変形例18の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段の回転速度が変化し得ることから、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくる際の第2回転手段の回転の態様を様々に変化させることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xA13]
特徴xA1から特徴xA12までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段の回転方向が反転し得る(変形例19の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段の回転方向が反転し得ることから、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくる際の第2回転手段の回転の態様を様々に変化させることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xA14]
特徴xA1から特徴xA13までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段の外形が、遊技盤を正面視した場合に当該第2回転手段の回転の中心を対称の点として点対称である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段の外形が、遊技盤を正面視した場合に当該第2回転手段の回転の中心を対称の点として点対称であることから、第2回転手段を回転させたときの第2回転手段の美しさを高めることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xA15]
特徴xA1から特徴xA14までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段を複数(回転体182、回転体192)、備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段を複数、備えることから、第2状態となり得る態様を種々、得ることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xA16]
特徴xA1から特徴xA15までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段に文字(虹色の「BIG」という文字列183a等)が記された
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段に文字が記されていることから、第2状態となったときに、第2回転手段に記された文字を回転板部を通して遊技者に視認させることができる。このために、本特徴によれば、視認される文字によって種々の振り分けを告知することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xA17]
特徴xA1から特徴xA16までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段は、均一の材質で構成される(変形例21の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段が均一の材質で構成されることから、第2回転手段の回転がガタつきなくスムーズとなる。
[特徴xA18]
特徴xA1から特徴xA17までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段は、回転時の回転軸の方向が変化し得るように構成される(変形例22の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段は、回転時の回転軸の方向が変化し得るように構成されることから、第2回転手段の回転態様を種々に変化させることが可能となる。したがって、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴xA19]
特徴xA1から特徴xA18までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記光源は、前記遊技盤の裏面側に配置した発光部によって構成される(変形例25の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、光源が遊技盤の裏面側に配置した発光部によって構成されることから、構成を簡略化することができる。
[特徴xA20]
特徴xA1から特徴xA19までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段が前記第2位置に移動した場合の前記回転板部の回転態様(花びら部172Lが図18(b)に示す回転停止位置にあるか、花びら部172Lが図19に示す回転停止位置にあるかの態様)に応じて、所定期間において(大当たり当選に係る遊技回の終了時に保留情報記憶エリア64bに残された保留情報が消化される期間)、前記判定手段によって前記特別情報が所定条件を満たす頻度が高い第1態様(変形例23において保留連が有りとなる)と、前記所定期間において、前記判定手段によって前記特別情報が所定条件を満たす頻度が前記第1態様より低い第2態様(変形例23において保留連が無しとなる)とのいずれかの態様となり得る
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様に応じて、所定期間において判定手段によって特別情報が所定条件を満たす頻度が高い第1態様と、所定期間において判定手段によって特別情報が所定条件を満たす頻度が第1態様より低い第2態様とのいずれかの態様となり得る。このために、本特徴によれば、第1態様となり得る、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様となった場合に、所定期間において判定手段によって特別情報が所定条件を満たす頻度が高い第1態様となる期待感を遊技者に対して付与することができる。また、第2態様となり得る、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様となった場合に、所定期間において判定手段によって特別情報が所定条件を満たす頻度が第1態様より低い第2態様となってしまう落胆感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、期待感と落胆感といった相反する感情の起伏を遊技者に付与することによって、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴xB群>
特徴xB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xB1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記第2回転手段が前記第2位置に移動した場合の前記回転板部の回転態様(花びら部172Lが図18(b)に示す回転停止位置にあるか、花びら部172Lが図19に示す回転停止位置にあるかの態様)に応じて、遊技者に有利な第1態様(ラウンド遊技の回数が16回)と、遊技者にとっての有利性が前記第1態様より低い第2態様(ラウンド遊技の回数が8回)とのいずれかの態様となり得る
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様に応じて、遊技者に有利な第1態様と、遊技者にとっての有利性が第1態様より低い第2態様とのいずれかの態様となり得る。このために、本特徴によれば、遊技者にとって有利な第1態様となり得る、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様となった場合に、遊技者にとって有利な第1態様となる期待感を遊技者に対して付与することができる。また、遊技者にとっての有利性が第1態様より低い第2態様となり得る、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様となった場合に、遊技者にとっての有利性が第1態様より低い第2態様となってしまう落胆感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、期待感と落胆感といった相反する感情の起伏を遊技者に付与することによって、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴xC群>
特徴xC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xC1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記第1回転手段の回転速度が変化し得る(変形例10の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第1回転手段の回転速度が変化し得ることから、第1状態において、回転する回転板部を通して視認される光源の視認態様を変化させることが可能となる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴xD群>
特徴xD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xD1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記第1回転手段を回転させる契機が成立する毎に、前記第1回転手段の回転方向が、第1回転方向と、前記第1回転方向と回転方向が反転した第2回転方向とのうちのいずれになるかが決まり、
前記第1回転方向に回転する場合より前記第2回転方向に回転する場合の方が、遊技者にとっての有利性が高くなり易い(変形例11の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第1回転手段の回転方向が第1回転方向と第2回転方向とのうちのいずれに決まるかによって、遊技者にとっての有利性が変化することになる。したがって、遊技者は第1回転手段の回転方向を気にかけるようになることから、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴xE群>
特徴xE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xE1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記回転板部は、透明性が均一の材料によって形成された構成である(変形例5の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、回転板部は、透明性が均一の材料によって形成された構成であることから、回転板部の色彩をムラのないものとすることができ、第2状態において、遊技者は、第2回転手段を回転板部を通して明瞭に視認できる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴xF群>
特徴xF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xF1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記回転板部は、所定の光透過率の第1領域と、前記第1領域より光透過率が高い第2領域とを有し、
所定タイミングで、少なくとも前記第2領域の裏面側に前記第2回転手段が移動する(変形例5の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、回転板部は、所定の光透過率の第1領域と、前記第1領域より光透過率が高い第2領域とを有し、所定タイミングで、少なくとも第2領域の裏面側に第2回転手段が移動することから、所定タイミング以後において、遊技者は、第2回転手段を回転板部の光透過率が高い第2領域を通して明瞭に視認できる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴xG群>
特徴xG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xG1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記第1回転手段は、特定の位置に固定されている(変形例8の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第1回転手段は特定の位置に固定されていることから、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段を移動させることが容易である。したがって、本特徴によれば、制御の簡略化を図ることができる。
<特徴xH群>
特徴xH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xH1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記第1回転手段に備えられる前記回転軸は、前記遊技盤の表面に対する垂直方向に沿うように配置されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、本特徴によれば、第1回転手段に備えられる回転軸は遊技盤の表面に対する垂直方向に沿うように配置されていることから、遊技盤の表面に対して高い精度で平行となる平面上で回転板部を回転させることができる。このため、第1回転手段のサイズを大きくすることが容易であり、この結果、第1回転手段を用いた演出を華やかにすることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴xI群>
特徴xI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xI1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記第2回転手段を、前記第1回転手段より上方から前記第1回転手段に向かって移動させる手段を備える(変形例13の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第2回転手段が、上方から第1回転手段に向かって降り注ぐような演出が可能となる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴xJ群>
特徴xJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xJ1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記第2回転手段が前記第1位置から前記第2位置に変位する経路を複数、備える(変形例16の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第2回転手段が第1位置から第2位置に変位する経路が複数、備えられることから、様々な経路にて第2状態に移行することを遊技者は楽しむことができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴xK群>
特徴xK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xK1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記第2回転手段が前記第1位置から前記第2位置に変位する速度が変化し得る(変形例17の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第2回転手段が第1位置から第2位置に変位する速度が変化し得ることから、例えば変位する速度が低下した場合、第2回転手段が移動している最中に、第2回転手段が第2位置に到達せずに第2状態とならないのではないかといったネガティブな感情を遊技者に対して付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴xL群>
特徴xL群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xL1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記第2回転手段の回転速度が変化し得る(変形例18の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第2回転手段の回転速度が変化し得ることから、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくる際の第2回転手段の回転の態様を様々に変化させることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴xM群>
特徴xM群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xM1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記第2回転手段の回転方向が反転し得る(変形例19の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第2回転手段の回転方向が反転し得ることから、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくる際の第2回転手段の回転の態様を様々に変化させることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴xN群>
特徴xN群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xN1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記第2回転手段の外形が、遊技盤を正面視した場合に当該第2回転手段の回転の中心を対称の点として点対称である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第2回転手段の外形が、遊技盤を正面視した場合に当該第2回転手段の回転の中心を対称の点として点対称であることから、第2回転手段を回転させたときの第2回転手段の美しさを高めることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴xO群>
特徴xO群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xO1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記第2回転手段を複数(回転体182、回転体192)、備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第2回転手段を複数、備えることから、第2状態となり得る態様を種々、得ることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴xP群>
特徴xP群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xP1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記第2回転手段に文字(虹色の「BIG」という文字列183a等)が記された
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第2回転手段に文字が記されていることから、第2状態となったときに、第2回転手段に記された文字を回転板部を通して遊技者に視認させることができる。このために、本特徴によれば、視認される文字によって種々の振り分けを告知することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴xQ群>
特徴xQ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xQ1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記第2回転手段は、均一の材質で構成される(変形例21の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第2回転手段が均一の材質で構成されることから、第2回転手段の回転がガタつきなくスムーズとなる。
<特徴xR群>
特徴xR群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xR1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記第2回転手段は、回転時の回転軸の方向が変化し得るように構成される(変形例22の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第2回転手段は、回転時の回転軸の方向が変化し得るように構成されることから、第2回転手段の回転態様を種々に変化させることが可能となる。したがって、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴xS群>
特徴xS群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xS1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記光源は、前記遊技盤の裏面側に配置した発光部によって構成される(変形例25の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、光源が遊技盤の裏面側に配置した発光部によって構成されることから、構成を簡略化することができる。
<特徴xT群>
特徴xT群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xT1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
当該遊技機は、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有し、
前記第2回転手段が前記第2位置に移動した場合の前記回転板部の回転態様(花びら部172Lが図18(b)に示す回転停止位置にあるか、花びら部172Lが図19に示す回転停止位置にあるかの態様)に応じて、所定期間において(大当たり当選に係る遊技回の終了時に保留情報記憶エリア64bに残された保留情報が消化される期間)、前記判定手段によって前記特別情報が所定条件を満たす頻度が高い第1態様(変形例23において保留連が有りとなる)と、前記所定期間において、前記判定手段によって前記特別情報が所定条件を満たす頻度が前記第1態様より低い第2態様(変形例23において保留連が無しとなる)とのいずれかの態様となり得る
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様に応じて、所定期間において判定手段によって特別情報が所定条件を満たす頻度が高い第1態様と、所定期間において判定手段によって特別情報が所定条件を満たす頻度が第1態様より低い第2態様とのいずれかの態様となり得る。このために、本特徴によれば、第1態様となり得る、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様となった場合に、所定期間において判定手段によって特別情報が所定条件を満たす頻度が高い第1態様となる期待感を遊技者に対して付与することができる。また、第2態様となり得る、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様となった場合に、所定期間において判定手段によって特別情報が所定条件を満たす頻度が第1態様より低い第2態様となってしまう落胆感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、期待感と落胆感といった相反する感情の起伏を遊技者に付与することによって、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴xU群>
特徴xU群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴xU1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定条件(大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する判定手段と、
第1回転手段と、
第2回転手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1回転手段(演出用メイン回転役物170)は、回転軸(回転軸部171)を中心として回転可能な回転板部(花びら部172L)を備え、
前記回転板部は、裏面側に位置する光源(表示面41aに表示された所定画像に含まれる高輝度部HB)を視認可能に構成され(拡大レンズLZを備えるように構成され)、所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る構成であり、
前記第2回転手段(回転体182)は、回転可能に構成され、遊技盤を正面視した場合に少なくとも前記第1回転手段の前記回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、前記回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能であり、
前記第2回転手段が前記第2位置に移動した場合の前記回転板部の回転態様(花びら部172Lが図18(b)に示す回転停止位置にあるか、花びら部172Lが図19に示す回転停止位置にあるかの態様)に応じて、遊技者に有利な第1態様(ラウンド遊技の回数が16回)と、遊技者にとっての有利性が前記第1態様より低い第2態様(ラウンド遊技の回数が8回)とのいずれかの態様となり得る
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は所定の回転状態と所定の停止状態とに切り替わり得る。第2回転手段は、遊技盤を正面視した場合に少なくとも第1回転手段の回転板部を通すことなく視認可能な第1位置と、回転板部を通して視認可能な第2位置との間で変位可能である。さらに、本特徴によれば、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様に応じて、遊技者に有利な第1態様と、遊技者にとっての有利性が第1態様より低い第2態様とのいずれかの態様となり得る。このために、本特徴によれば、遊技者にとって有利な第1態様となり得る、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様となった場合に、遊技者にとって有利な第1態様となる期待感を遊技者に対して付与することができる。また、遊技者にとっての有利性が第1態様より低い第2態様となり得る、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様となった場合に、遊技者にとっての有利性が第1態様より低い第2態様となってしまう落胆感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、期待感と落胆感といった相反する感情の起伏を遊技者に付与することによって、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴xU2]
特徴xU1に記載の遊技機であって、
所定の遊技状態(当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった状態)において、回転する前記回転板部を通して前記光源を視認可能な第1状態(一発告知演出において花びら部172Lの拡大レンズLZを通して高輝度部HBを視認可能な状態)と、
回転する前記回転板部の裏面側に前記第2回転手段が移動してくることによって、前記第2回転手段が前記光源からの光を遮って、前記第2回転手段が前記回転板部を通して視認可能となる第2状態(ビッグオアスモール演出において回転体182が高輝度部HBからの光を遮って、回転体182が花びら部172Lの拡大レンズLZを通して視認可能な状態、図18(b)、図19等の状態)と、
を有する
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態と、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となる第2状態と、を有する。このために、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態によって構成される演出を実行することができ、また、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくることによって、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が第1回転手段の回転板部を通して視認可能となる第2状態によって構成される演出を実行することができる。第1状態となる演出、第2状態となる演出のそれぞれが遊技者にとって有利な状態となることを示唆し得るものである場合、本特徴によれば、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して光源を視認可能な第1状態となった場合と、第1回転手段において回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動して、第2回転手段が光源からの光を遮って、第2回転手段が回転板部を通して視認可能となった場合とにおいて、遊技者にとって有利な状態となる期待感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴xU3]
特徴xU1または特徴xU2に記載の遊技機であって、
前記第1回転手段の回転速度が変化し得る(変形例10の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段の回転速度が変化し得ることから、所定の遊技状態において、回転する回転板部を通して視認される光源の視認態様を変化させることが可能となる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xU4]
特徴xU1から特徴xU3までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1回転手段を回転させる契機が成立する毎に、前記第1回転手段の回転方向が、第1回転方向と、前記第1回転方向と回転方向が反転した第2回転方向とのうちのいずれになるかが決まり、
前記第1回転方向に回転する場合より前記第2回転方向に回転する場合の方が、遊技者にとっての有利性が高くなり易い(変形例11の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段の回転方向が第1回転方向と第2回転方向とのうちのいずれに決まるかによって、遊技者にとっての有利性が変化することになる。したがって、遊技者は第1回転手段の回転方向を気にかけるようになることから、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xU5]
特徴xU1から特徴xU4までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記回転板部は、透明性が均一の材料によって形成された構成である(変形例5の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、回転板部は、透明性が均一の材料によって形成された構成であることから、回転板部の色彩をムラのないものとすることができ、第2状態において、遊技者は、第2回転手段を回転板部を通して明瞭に視認できる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xU6]
特徴xU1から特徴xU5までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記回転板部は、所定の光透過率の第1領域と、前記第1領域より光透過率が高い第2領域とを有し、
所定タイミングで、少なくとも前記第2領域の裏面側に前記第2回転手段が移動する(変形例5の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、回転板部は、所定の光透過率の第1領域と、前記第1領域より光透過率が高い第2領域とを有し、所定タイミングで、少なくとも第2領域の裏面側に第2回転手段が移動することから、所定タイミング以後において、遊技者は、第2回転手段を回転板部の光透過率が高い第2領域を通して明瞭に視認できる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xU7]
特徴xU1から特徴xU6までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1回転手段は、特定の位置に固定されている(変形例8の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段は特定の位置に固定されていることから、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段を移動させることが容易である。したがって、本特徴によれば、制御の簡略化を図ることができる。
[特徴xU8]
特徴xU1から特徴xU7までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1回転手段に備えられる前記回転軸は、前記遊技盤の表面に対する垂直方向に沿うように配置されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1回転手段に備えられる回転軸は遊技盤の表面に対する垂直方向に沿うように配置されていることから、遊技盤の表面に対して高い精度で平行となる平面上で回転板部を回転させることができる。このため、第1回転手段のサイズを大きくすることが容易であり、この結果、第1回転手段を用いた演出を華やかにすることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xU9]
特徴xU1から特徴xU8までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段を、前記第1回転手段より上方から前記第1回転手段に向かって移動させる手段を備える(変形例13の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段が、上方から第1回転手段に向かって降り注ぐような演出が可能となる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xU10]
特徴xU1から特徴xU9までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段が前記第1位置から前記第2位置に変位する経路を複数、備える(変形例16の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段が第1位置から第2位置に変位する経路が複数、備えられることから、様々な経路にて第2状態に移行することを遊技者は楽しむことができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xU11]
特徴xU1から特徴xU10までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段が前記第1位置から前記第2位置に変位する速度が変化し得る(変形例17の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段が第1位置から第2位置に変位する速度が変化し得ることから、例えば変位する速度が低下した場合、第2回転手段が移動している最中に、第2回転手段が第2位置に到達せずに第2状態とならないのではないかといったネガティブな感情を遊技者に対して付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xU12]
特徴xU1から特徴xU11までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段の回転速度が変化し得る(変形例18の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段の回転速度が変化し得ることから、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくる際の第2回転手段の回転の態様を様々に変化させることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xU13]
特徴xU1から特徴xU12までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段の回転方向が反転し得る(変形例19の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段の回転方向が反転し得ることから、回転する回転板部の裏面側に第2回転手段が移動してくる際の第2回転手段の回転の態様を様々に変化させることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xU14]
特徴xU1から特徴xU13までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段の外形が、遊技盤を正面視した場合に当該第2回転手段の回転の中心を対称の点として点対称である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段の外形が、遊技盤を正面視した場合に当該第2回転手段の回転の中心を対称の点として点対称であることから、第2回転手段を回転させたときの第2回転手段の美しさを高めることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xU15]
特徴xU1から特徴xU14までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段を複数(回転体182、回転体192)、備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段を複数、備えることから、第2状態となり得る態様を種々、得ることができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xU16]
特徴xU1から特徴xU15までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段に文字(虹色の「BIG」という文字列183a等)が記された
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段に文字が記されていることから、第2状態となったときに、第2回転手段に記された文字を回転板部を通して遊技者に視認させることができる。このために、本特徴によれば、視認される文字によって種々の振り分けを告知することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴xU17]
特徴xU1から特徴xU16までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段は、均一の材質で構成される(変形例21の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段が均一の材質で構成されることから、第2回転手段の回転がガタつきなくスムーズとなる。
[特徴xU18]
特徴xU1から特徴xU17までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2回転手段は、回転時の回転軸の方向が変化し得るように構成される(変形例22の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段は、回転時の回転軸の方向が変化し得るように構成されることから、第2回転手段の回転態様を種々に変化させることが可能となる。したがって、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴xU19]
特徴xU1から特徴xU18までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記光源は、前記遊技盤の裏面側に配置した発光部によって構成される(変形例25の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、光源が遊技盤の裏面側に配置した発光部によって構成されることから、構成を簡略化することができる。
[特徴xU20]
特徴xU1から特徴xU19までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1態様が、所定期間において(大当たり当選に係る遊技回の終了時に保留情報記憶エリア64bに残された保留情報が消化される期間)、前記判定手段によって前記特別情報が所定条件を満たす頻度が高い態様(変形例23において保留連が有りとなる)であり、
前記第2態様が、前記所定期間において、前記判定手段によって前記特別情報が所定条件を満たす頻度が前記第1態様より低い態様(変形例23において保留連が無しとなる)である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様に応じて、所定期間において判定手段によって特別情報が所定条件を満たす頻度が高い第1態様と、所定期間において判定手段によって特別情報が所定条件を満たす頻度が第1態様より低い第2態様とのいずれかの態様となり得る。このために、本特徴によれば、第1態様となり得る、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様となった場合に、所定期間において判定手段によって特別情報が所定条件を満たす頻度が高い第1態様となる期待感を遊技者に対して付与することができる。また、第2態様となり得る、第2回転手段が第2位置に移動した場合の回転板部の回転態様となった場合に、所定期間において判定手段によって特別情報が所定条件を満たす頻度が第1態様より低い第2態様となってしまう落胆感を遊技者に対して付与することができる。したがって、本特徴によれば、期待感と落胆感といった相反する感情の起伏を遊技者に付与することによって、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、上記各特徴群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特開2011-172988号公報)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化、遊技の健全性の向上等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
なお、上記各特徴群に含まれる1又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、上記の各特徴群を適用し得る又は各特徴群に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段と、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、前記取得情報記憶手段に記憶された前記特別情報が所定条件を満たす場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示手段と、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示を始動させる始動手段と、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間の経過に起因して前記複数の絵柄の可変表示を停止させる停止手段と、停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。上記の実施形態、変形例、および特徴群に含まれる技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
《2》第2実施形態:
《2-0》はじめに:
従来、大当たり当選以外で出球を増やしたいという要請があり、その要請に応えるために、高確率で小当たり当選すること(すなわち、小当たりラッシュとなること)によって出玉を増やす構成が考えられた。しかしながら、遊技機に関する規則によれば、高サポ状態(後述する高頻度サポートモード中)において遊技者の手持ちの遊技球が増えることは禁じられているため、高サポ状態でない遊技状態、すなわち低サポ状態において、小当たりラッシュとなることによって出玉を増やす構成が考えられた。この構成において、小当たりラッシュとなる遊技状態を通常状態(低確低サポ状態)と区別する一例としては、小当たりラッシュの遊技状態として高確低サポ状態(いわゆる潜伏確変状態)を採用することができる。具体的には、例えば、右打ちによって入球可能となる領域に第2始動口を設け、高確低サポ状態における右打ちで、第2始動口への遊技球の入球を可能とし、第2始動口への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において小当たり当選が可能な構成とする。さらに、第2始動口にチューリップ型普通電動役物(いわゆる電チュー)が設けられた構成を採用する場合には、小当たりラッシュ中である低サポ状態においても頻繁に電チューが開放し、第2始動口へ遊技球を入球させることが可能な構成とする必要がある。ただし、こうした構成では、低サポ状態である通常状態(通常時)においても、遊技者が右打ちをすると、第2始動口へ遊技球を頻繁に入球させることが可能となる。この結果、通常時に頻繁に第2始動口へ遊技球を入球させて当たり抽選の機会を増やそうとする遊技者が出現することになる。そこで、この問題を解決するために、通常時における特2保留の変動時間を例えば10分と極めて長い時間(ロング)に設定する構成が考えられた。しかしながら、この構成を、特2保留を特1保留よりも優先的に変動表示するタイプのパチンコ機(以下、特2優先機と呼ぶ)や、入賞順に変動表示するタイプのパチンコ機に採用した場合には、特2保留が残ったまま通常状態に移行した場合や、通常状態において誤って右打ちした場合に、特2保留のロングに設定された変動時間が終わるまで遊技を行なうことができず、遊技を円滑に継続できないというデメリットがあった。また、悪意のある者が、通常時に第2始動口へ遊技球を複数個、入球させて、当該パチンコ機を放置することで、数十分間にわたって当該遊技機を遊技不能とすることで、ホール内のパチンコ機の稼働率を極端に低下させてしまう虞があるというデメリットもあった。そこで、これらのデメリットを解消するために、後ほど詳細に説明するが、特1図柄と特2図柄が同時に変動可能な同時変動機能を採用することによって、特2図柄の変動中であっても特1図柄で遊技を行なうことが可能となり、上述した小当たりラッシュが実現された。
上記小当たりラッシュ機能を搭載した同時変動機によれば、小当たりラッシュ(高確低サポ状態)や、いわゆる時短状態(低確高サポ状態)が終了して通常状態に戻ったときに、特2保留が2~4個残り、その残った特2保留(以下、特2残保留とも呼ぶ)で当たり抽選の当否結果が大当たり当選している場合に、大当たり当選したことが告知されるのが数十分後ということが起こり得た。一方で、小当たりラッシュや時短状態が終了して通常状態に戻ったときには、遊技者は、有利な状態を脱したとして遊技を終了することが往々にしてあり得た。上述したように、通常状態に戻った後に特2残保留で大当たり当選する可能性があることを遊技者が知っていたとしても、大当たりか外れか判らない状態では、遊技者は、上記数十分を待ちきれずに遊技を終了するのが常である。この場合に、遊技者が居ない空席のパチンコ機で、特2残保留で大当たり当選したことで、大入賞口が突然、開放状態となることがあった。これを防止するために、従来、遊技盤の右側上方に大入賞口作動ゲートを設けて、当該大入賞口作動ゲートを遊技球が通過しない限り大入賞口が開放状態とならない構成のパチンコ機が提案されている。
しかしながら、上記従来のパチンコ機であっても次の課題があった。従来のパチンコ機では、いわゆる右打ちランプを備えるものが知られている。右打ちランプは、推奨される発射態様が右打ちであることを遊技者に報知するためのLED等のランプである。このため、右打ちランプを備える上記従来のパチンコ機では、通常状態における特2保留に係る当たり抽選において大当たり当選して、大入賞口作動ゲートへの遊技球の入球を待っている待機状態となった場合に、推奨される発射態様が右打ちとなって、右打ちランプが点灯した状態となる。そうすると、空席のパチンコ機の中から右打ちランプが点灯しているパチンコ機を見つけ出して、大入賞口作動ゲートへ遊技球を入球させることによって当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
本発明に係る遊技機(以下、本遊技機とも称する)は、上述したハイエナの発生を防止することで、遊技の健全性を向上することを課題としている。以下、詳細に説明する。
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「第1特定入球領域」及び「第2特定入球領域」としての「入球部」を備え、「特典入球手段」としての特典入球部を備え、「報知手段」としての「報知表示器」を備え、「所定待機状態」としての「条件成立待機状態」を備え、「所定制御」としての「切替制御」を備え、「第1状態」、「第2状態」及び「第3状態」としての「規制状態」を備え、「所定処理」としての「開始処理」を備える。
また、本発明の「第1特定入球領域」および「第2特定入球領域」は、遊技領域に発射された遊技球が入球可能なその他の遊技領域に対して区画された領域であれば良く、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、大入賞口作動ゲート、スルーゲート、入賞口、始動口、盤面に穿設された穴(開口)、遊技球が一時的に滞留可能に区画された領域などが挙げられる。
「特典入球手段」は、開放する契機が成立した場合に開放状態となる部材を有し、当該部材が開放状態となったときに遊技球が入球可能な領域であれば良く、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、特別電動役物を備える大入賞口、可動部材を備え遊技球が入球した場合に大当たり当選となるV入賞口、可動部材を備え遊技球が入球した場合に遊技状態が確変状態に移行することになるV確入賞口、普通電動役物を備える始動口などが挙げられる。
「報知手段」は、少なくとも2つの態様に切り替え可能であり、その態様が発射手段による発射態様と対応して制御されるものであれば良く、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、LEDや蛍光ランプ、白熱電球等の発光表示器、液晶表示器、物理的に視認可能な領域が切り替わる表示器などが挙げられる。また、文字情報、数字情報、絵柄、キャラクター、それらの色彩、それらの表示面積、それらの表示濃度を異ならせることで、識別可能としたものなどが挙げられる。
「所定待機状態」は、既に付与することが確定している大当たり等の特典遊技を付与条件が成立するまで遅延させる状態であれば良く、例えば、内部制御においては、特典遊技の付与に対応したフラグ等のデータを保持しつつ、付与条件の成立の発生が検知されたか否かの判定を行なう判定処理を、当該付与条件の成立の発生が検知されるまで繰り返し行なう状態が挙げられる。所定待機状態の間は、当該所定待機状態を示す表示や告知を実行しても良いし、表示や告知を非実行としても良い。「所定待機状態」としては、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜伏確変遊技状態、特別図柄の変動遊技状態、普通図柄の変動遊技状態、大当たり遊技状態、小当たり遊技状態、デモ表示中待機状態などが挙げられる。
「所定制御」は、大当たり等の特典遊技を開始する前に、大当たり等の特典遊技を開始するために遊技状態を切り替える制御であれば良く、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、フラグ等のデータを更新する処理、前の遊技状態に関するデータの消去や初期化を行なう処理などが挙げられる。また、この切り換えの後に大当たり等の特典遊技の開始に対応した表示や告知を実行することを含めて切替制御としても良く、切り替えの前に大当たり等の特典遊技の開始に対応した表示や告知を実行することを含めて切替制御としても良い。
「第1状態」、「第2状態」及び「第3状態」は、各遊技状態において予め定められた条件に従って大当たり等の特典遊技の開始を規制する規制状態であれば良く、遊技機の制御において他の遊技状態と区画して制御可能な遊技状態であれば良い。「第1状態」、「第2状態」及び「第3状態」は、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、特別図柄の変動遊技状態、普通図柄の変動遊技状態、大当たり遊技状態、小当たり遊技状態、デモ表示中待機状態などが挙げられる。
「所定処理」は、少なくとも第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球した場合に予め定められた遊技状態を開始させる処理であれば良く、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、大入賞口の開放の開始、大入賞口の開閉部材の変位の開始、電動役物の開放の開始、電動役物の開閉部材の変位の開始、振り分け部材の変位の開始、特定の表示器に予め定められた情報を表示することの開始、特別図柄の変動遊技の開始、普通図柄の変動遊技の開始などが挙げられる。
本遊技機は、詳細は後述するが、遊技状態が第1の規制状態の場合には、左側の遊技領域に設けられた第1入球部を有効に設定し、右側の遊技領域に設けられた第2入球部を無効に設定するので、第2入球部に遊技球が入球しても、第2入球部への遊技球の検出に対する開始処理は実行されない。そして、遊技状態がこの第1の規制状態の場合には、推奨される発射態様は第1入球部に遊技球を入球させることが可能となる「左打ち」となるので、報知表示機は消灯状態に制御される。詳細は後述するが、この第1の規制状態は、通常状態において特2残保留にて大当たりに当選した条件成立待機状態であるため、既に遊技者が本遊技機から離れた後である場合が多い。仮に、この状態において第2入球部を有効に設定する構成を採用した場合には、報知表示機が点灯状態に制御され、上述したハイエナに本遊技機が見つけ出されてしまう。しかしながら、本遊技機では、上述したように、この第1の規制状態では報知表示機は消灯状態に制御される。したがって、空席の遊技機の中から報知表示機が点灯している遊技機を見つけ出して、入球部へ遊技球を入球させることによって開始処理を実行させて当該遊技機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)の発生を防止することが可能となる。
また、本遊技機は、詳細は後述するが、遊技状態が第2の規制状態の場合には、第2入球部を有効に設定し、第1入球部を無効に設定するので、第1入球部に遊技球が入球しても、第1入球部への遊技球の検出に対する開始処理は実行されない。そして、遊技状態がこの第2の規制状態の場合には、推奨される発射態様は第2入球部に遊技球を入球させることが可能となる「右打ち」となるので、報知表示機は点灯状態に制御される。詳細は後述するが、この第2の規制状態は、いわゆる連荘中における条件成立待機状態であるため、一般的に、遊技者が本遊技機を離れることはない。したがって、報知表示機が点灯状態に制御されていても、上述したハイエナは、本遊技機から不当な利益を得ることはできない。
また、本遊技機では、詳細は後述するが、遊技状態が第3の規制状態の場合には、第1入球部及び第2入球部のいずれもが無効に設定されるので、第1入球部又は第2入球部に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する開始処理は実行されない。そして、遊技状態がこの第3の規制状態の場合には、推奨される発射態様は「右打ち」ではないので、報知表示機は消灯状態に制御される。詳細は後述するが、この第3の規制状態は、通常状態であるため、遊技者は右打ちをする必要はない。
このように、本遊技機は、入球部に遊技球が入球した場合に、遊技状態に応じて入球部の有効/無効、開始処理の実行/非実行を適切に制御し、当該制御に伴って、報知表示機の点灯/消灯を適切に制御するので、ハイエナの発生を防止することができるとともに、遊技球の適切な発射態様を遊技者に適切に報知することが可能となる。
以下、本遊技機のより具体的な構成を下記の第2実施形態として説明する。
《2-1》遊技機の構造:
図48は、第2実施形態のパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。図示するように、パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える発射手段としての遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
前扉枠14の正面視右側(以下、単に「右側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
上皿20の周縁部の正面視左側(以下、単に「左側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。なお、遊技球発射ボタン26を操作することなしに、遊技者が操作ハンドル25の回動操作量を最大とする操作を行なうことによって、右打ちを行なうようにしてもよい。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図49は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53と、電源ユニット58とを備えている。具体的には、これらユニットは、内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。この基板ボックスは、開閉の痕跡が残るように構成されている。例えば、開閉可能な箇所に封印シールが貼付されており、基板ボックスを開放すると「開封」といった文字が現れるように構成されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
電源ユニット58は、電源装置85と、電源スイッチ88とを備えている。電源装置85は、パチンコ機10の動作に必要な電力を供給する。電源装置85には、電源スイッチ88が接続されている。電源スイッチ88のON/OFF操作により、パチンコ機10に電力が供給されている供給状態と、パチンコ機10に電力が供給されていない非供給状態とが切り換えられる。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図50は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、可変入賞装置36、及び小当たり専用可変入賞装置97が設けられている。可変入賞装置36は当たり抽選において大当たり当選した場合に作動する装置であり、小当たり専用可変入賞装置97は当たり抽選において小当たり当選した場合に作動する装置である。すなわち、小当たり当選した場合に作動する装置は小当たり専用可変入賞装置と呼ぶのに対して、大当たり当選した場合に作動する装置は単に「可変入賞装置」と呼ぶ。
一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、可変入賞装置36、及び小当たり専用可変入賞装置97のそれぞれに入球した遊技球は、遊技盤30に形成された個別の上記の開口部に誘導される。また、遊技盤30には、スルーゲート35、及び一対の大入賞口作動ゲート95,96が設けられている。さらに、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39と、右打ち報知ランプ(以下、右打ちランプとも呼ぶ)39aとを有している。
図示するように、一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71(図49)から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。一般に、遊技球を遊技盤30の左側に向けて発射させることを「左打ち」と呼び、遊技球を遊技盤30の右側に向けて発射させることを「右打ち」と呼ぶが、第1始動口33は、左打ちである場合に遊技球が入球可能であり、右打ちである場合に遊技球が入球不能である。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材であり、遊技盤30の右側下方に設けられている。第2始動口34には、左右一対の可動片よりなる電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態のときには、遊技球は第2始動口34に入球することはできない。一方、電動役物34aが開放状態のときには、遊技球は第2始動口34に入球することができる。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。
スルーゲート35は、遊技盤30の右側上方に設けられており、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルータイプのゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下ルートにおいて第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
一対の大入賞口作動ゲート95,96のうちの一方の大入賞口作動ゲート95は、第1入球部であり、遊技盤30の左側上方に設けられている。一対の大入賞口作動ゲート95,96のうちの他方の大入賞口作動ゲート96は、第2入球部であり、遊技盤30の右側上方に設けられている。以下、左側上方に設けられた大入賞口作動ゲート95を左側大入賞口作動ゲート95とも呼び、右側上方に設けられた大入賞口作動ゲート96を右側大入賞口作動ゲート96とも呼ぶ。第1入球部は、左打ちである場合に遊技球が入球可能であり、右打ちである場合に遊技球が入球不能である。但し、左打ちした場合に、第1入球部は必ず(すなわち100%の確率で)入球する必要はなく、第1入球部に入球する遊技球と、第1入球部に入球しない遊技球とが発生しうる。本実施形態では、第1入球部は、左打ちした場合に、高い確率(例えば50%以上)で入球可能となるように、釘42の位置が調整されている。なお、上記高い確率としては、50%以上の値に代えて、50%以下の値としてもよい。左打ちした場合に、第1入球部に入球する遊技球と、第1入球部に入球しない遊技球とが発生しうることから、詳細は後述するが、ホール内の空席のパチンコ機に対して順に遊技球を1発だけ発射させることによって、大当たり遊技の実行が確定している条件成立待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(後述する左一発ハイエナ)の発生を抑制することができる。また、変形例として、左打ちした場合に、第1入球部に必ず(すなわち100%の確率で)遊技球が入球する構成としてもよい。
第2入球部は、右打ちである場合に遊技球が入球可能であり、左打ちである場合に遊技球が入球不能である。但し、右打ちした場合に、第2入球部は必ず(すなわち100%の確率で)入球する必要はなく、第2入球部に入球する遊技球と、第2入球部に入球しない遊技球とが発生しうる。本実施形態では、第2入球部は、右打ちした場合に、高い確率(例えば50%以上)で入球可能となるように、釘42の位置が調整されている。なお、上記高い確率としては、50%以上の値に代えて、50%以下の値としてもよい。また、変形例として、右打ちした場合に、第2入球部に必ず(すなわち100%の確率で)遊技球が入球する構成としてもよい。
各大入賞口作動ゲート95,96は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。各大入賞口作動ゲート95,96は、主制御装置60による内部抽選(当たり抽選)の結果、大当たりに当選した場合に、可変入賞装置36を後述する開閉実行モードに移行させるための契機となり得るスルータイプのゲートである。詳細は後述するが、主制御装置60による所定の遊技回における当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に、当該遊技回の終了後に、遊技状態に応じて有効と設定された左側大入賞口作動ゲート95又は右側大入賞口作動ゲート96を遊技球が通過するのを待って、当該通過が検出された場合に、可変入賞装置36は開閉実行モードに移行する。換言すると、主制御装置60による所定の遊技回における当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に、当該遊技回の終了後に遊技状態に応じて有効と設定された左側大入賞口作動ゲート95又は右側大入賞口作動ゲート96への遊技球の通過が検出されない限り、開閉実行モードへの移行は発生しない。なお、本実施形態では、各大入賞口作動ゲート90,91に遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。各特定入球部は、遊技球が通り抜けることが可能なスルータイプの入球領域であったが、この代わりに、遊技盤30の背面側へと通じる入球口タイプの入球領域としてもよい。また、各特定入球部は、遊技球が通り抜けることが可能なスルータイプの入球領域とし、各特定入球部の下に遊技盤30の背面側へと通じる入球口が設けられた構成としてもよい。
可変入賞装置36は、遊技盤30の右側における遊技球の流下ルートにおいて右側大入賞口作動ゲート96よりも下流側に設けられている。可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる特典入球部としての大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(当たり抽選)の結果、大当たりに当選し、遊技状態に応じて有効と設定された左側大入賞口作動ゲート95又は右側大入賞口作動ゲート96を遊技球が通過し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉36bは、遊技球が入球可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。開閉実行モードとは、第1始動口33又は第2始動口34への入球を契機とした主制御装置60による当たり抽選の結果、大当たりに当選し、遊技状態に応じて有効と設定された左側大入賞口作動ゲート95又は右側大入賞口作動ゲート96を遊技球が通過した場合に移行し、開閉扉36bが開放状態と閉鎖状態とを繰り返すモードである。すなわち、第1始動口33への遊技球の入球に基づく所定の遊技回における当たり抽選の結果、大当たりに当選し、当該遊技回の終了後に、遊技状態に応じて有効と設定された左側大入賞口作動ゲート95又は右側大入賞口作動ゲート96を遊技球が通過した場合には、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入球が可能になる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2始動口34への入球に基づく所定の遊技回における当たり抽選の結果、大当たりに当選し、当該遊技回の終了後に、遊技状態に応じて有効と設定された左側大入賞口作動ゲート95又は右側大入賞口作動ゲート96を通過した場合にも、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入球が可能な大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードへと移行する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
小当たり専用可変入賞装置97は、遊技盤30の右側における遊技球の流下ルートにおいて第2始動口34よりも下流側に設けられている。小当たり専用可変入賞装置97は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口97aを備えるとともに、大入賞口97aを開閉する開閉扉97bを備えている。開閉扉97bは、通常は遊技球が大入賞口97aに入球できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(当たり抽選)の結果、小当たりに当選した場合には、開閉扉97bは、遊技球が入球可能な開放状態となり、その後、閉鎖状態となる。本実施形態では、小当たり専用可変入賞装置97の大入賞口97aに遊技球が入球すると、払出装置71によって10個の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、可変入賞装置36、または小当たり専用可変入賞装置97に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、可変入賞装置36の大入賞口36a、小当たり専用可変入賞装置97の大入賞口97a、及びアウト口43のそれぞれに入球した遊技球は、遊技盤30に形成された個別の開口部を通って遊技盤30の背面側に誘導され、遊技盤30の背面に設けられた排出通路に最終的に合流するように構成されている。当該排出通路には、遊技球を検知する排出通路検知センサーが設けられている。排出通路検知センサーによって遊技球を検知することによって、遊技盤30に発射された遊技球の個数を把握することが可能となっている。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行わせる。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行わせる。
第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
右打ちランプ39aは、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることを遊技者に報知する(推奨する)ための報知表示器であり、1つのLEDによって構成されている。右打ちランプ39aの周辺には、「右打」との文字が記されている。本実施形態では、右打ちランプ39aは、推奨される発射態様が右打ちであるときに点灯し、推奨される発射態様が左打ちであるときに消灯する。推奨される発射態様が右打ちであるときとは、遊技盤30の右側に位置するスルーゲート35、大入賞口36a、第2始動口34、および小当たり専用可変入賞装置97に遊技球を入球させる事が好ましい遊技状態のことであり、具体的には、大当たりの遊技状態(後述する大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード)や、高確率モードの遊技状態、高頻度サポートモードの遊技状態等が該当する。推奨される発射態様が左打ちであるときとは、例えば、通常状態の遊技状態である。なお、報知表示器は、LEDに替えて、蛍光ランプ、白熱電球等のその他の発光表示器としてもよい。また、報知表示器は、発光表示器に替えて、液晶表示器や、物理的に視認可能な領域が切り替わる表示器であっても良い。さらに、報知表示器は、文字情報、数字情報、絵柄、キャラクター、それらの色彩、それらの表示面積、それらの表示濃度を異ならせることで識別可能にする構成としてもよい。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、およびラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置に換えてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入球を契機とした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行う。さらに、図柄表示装置41は、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることを遊技者に報知するための演出(右打ち報知演出)や、遊技球発射機構による発射態様を右打ちから左打ちに戻すことを遊技者に報知するための演出(左打ち報知演出)なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図51は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図51(a)は、図柄表示装置41において変動表示される第1装飾図柄または第2装飾図柄を示す説明図である。第1装飾図柄は、図柄表示装置41に表示される画像であって、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄に対応した図柄である。第2装飾図柄は、図柄表示装置41に表示される画像であって、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した図柄である。
図51(a)に示すように、図柄表示装置41には、数字の1~8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1~8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図51(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAと、サブ表示領域SAとが表示される。メイン表示領域MAには、第1装飾図柄の画像が表示される場合と、第2装飾図柄の画像が表示される場合とがある。同様に、サブ表示領域SAには、メイン表示領域MAと同様に、第1装飾図柄の画像が表示される場合と、第2装飾図柄の画像が表示される場合とがある。メイン表示領域MAに第1装飾図柄の画像が表示される場合には、サブ表示領域SAに第2装飾図柄の画像が表示され、メイン表示領域MAに第2装飾図柄の画像が表示される場合には、サブ表示領域SAに第1装飾図柄の画像が表示される。メイン表示領域MAおよびサブ表示領域SAに、第1装飾図柄および第2装飾図柄のいずれが表示されるかは、遊技の状態によって決定される。
メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、図51(a)に示した第1装飾図柄または第2装飾図柄として数字1~8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図51(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。
具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入球すると、各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1~Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、メイン表示領域MAにおける第1装飾図柄および第2装飾図柄の態様は、上述の態様に限定されることはない。例えば、メイン表示領域MAにおける図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、第1装飾図柄および第2装飾図柄の表示の態様は種々の態様を採用可能である。
サブ表示領域SAには、左、中、右の3つの図柄列Z4、Z5、Z6が表示される。各図柄列Z4~Z6には、図51(a)に示した第1装飾図柄または第2装飾図柄として数字1~8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図51(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL2上に停止した状態で表示される。
具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入球すると、各図柄列Z4~Z6の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z4、図柄列Z6、図柄列Z5の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z4~Z6に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL2上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL2上に形成される。なお、サブ表示領域SAにおける第1装飾図柄および第2装飾図柄の態様は、上述の態様に限定されることはない。例えば、サブ表示領域SAにおける図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、第1装飾図柄および第2装飾図柄の表示の態様は種々の態様を採用可能である。
先に説明した右打ち報知演出としては、図柄表示装置41の表示面41aに、例えば「右を狙え」といった文字が表示される。また、左打ち報知演出としては、図柄表示装置41の表示面41aに、例えば「左に戻せ」といった文字が表示される。右打ち報知演出は、先に説明した右打ちランプ39aが消灯状態から点灯状態に切り替わるときに同期して、実行が開始される。そして、実行が開始されてから所定期間が経過した後に右打ち報知演出が終了される。なお、所定期間が経過後に右打ち報知演出を終了させる構成に換えて、遊技者によって、操作ハンドル25の回動操作量を最大とする右打ちの操作(または遊技球発射ボタン26の操作)がなされたときに、右打ち報知演出が終了される構成としてもよい。左打ち報知演出は、先に説明した右打ちランプ39aが点灯状態から消灯状態に切り替わるときに同期して、実行が開始される。そして、実行が開始されてから所定期間が経過した後に左打ち報知演出が終了される。なお、所定期間が経過後に左打ち報知演出を終了させる構成に換えて、遊技者によって、操作ハンドル25の回動操作量を最大から左打ちに相当する所定量とする左打ちの操作がなされたときに、左打ち報知演出が終了される構成としてもよい。なお、右打ち報知演出および左打ち報知演出の実行開始のタイミングは必ずしも右打ちランプ39aの動作に同期させる必要はなく、右打ちランプ39aの動作と独立したタイミングで実行開始してもよい。
ここで、「遊技回」とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33及び第2始動口34のいずれか一方への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33及び第2始動口34のいずれか一方への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれか一方への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41のメイン表示領域MA又はサブ表示領域SAにおいて、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。なお、本実施形態では、第1図柄表示部37aの変動表示と第2図柄表示部37bの変動表示とは並列的に(同時に)実行可能となっている。また、図柄表示装置41のメイン表示領域MAにおける所定図柄列の変動表示とサブ表示領域SAにおける所定図柄列の変動表示と並列的に(同時に)実行可能となっている。
さらに、図51(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入球に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入球に基づく保留個数が表示される。なお、上述したように、本実施形態では、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
また、図51(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、サブ表示領域SA、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
図50に示すように、第1始動口33の上方には、一対の釘(いわゆる命釘、ヘソ釘)42(42a,42b)が設けられている。一対の釘42a,42bの間隔によって、第1始動口33への遊技球の入球の確率が変化する。
先に説明したように、遊技盤30の右側には、入球口部材としての第2始動口34、可変入賞装置36及び小当たり専用可変入賞装置97と、スルータイプのゲートとしてのスルーゲート35及び右側大入賞口作動ゲート96とが設けられているが、これらは、右打ちによって遊技盤30の右側へ向けて発射された遊技球の流下ルートに沿って、上流側から下流側に向かって、右側大入賞口作動ゲート96、スルーゲート35、可変入賞装置36、第2始動口34、小当たり専用可変入賞装置97の順に配置されている。上記流下ルートは、大まかには一つの系統となるように釘42によって規定されている。なお、第1入球部としての左側大入賞口作動ゲート95は、遊技盤30の左側上方に設ける構成としたが、この代わりに、第1入球部は、左打ちである場合に遊技球が入球可能なルート上の他の位置に設ける構成としてもよい。また、第2入球部としての右側大入賞口作動ゲート96は、遊技盤30の右側上方に設ける構成としたが、この代わりに、第2入球部は、右打ちである場合に遊技球が入球可能なルート上の他の位置に設ける構成としてもよい。
可変入賞装置36の開閉扉36bが閉鎖状態にあり、第2始動口34の電動役物34aが閉鎖状態にあり、小当たり専用可変入賞装置97の開閉扉97bが閉鎖状態にある場合には、右打ちによって遊技盤30の右側へ向けて発射された遊技球は、100%に近い確率で、上記流下ルートを流下し、最後に最下部に設けられたアウト口43を通って遊技領域PAから排出される。例えば、可変入賞装置36の開閉扉36bが開放状態にある場合には、右打ちによって遊技盤30の右側へ向けて発射された遊技球は、100%に近い確率で、右側大入賞口作動ゲート96を通過し、スルーゲート35を通過し、可変入賞装置36の大入賞口36aに入球する。例えば、可変入賞装置36の開閉扉36bが閉鎖状態にあり、第2始動口34の電動役物34aが開放状態にある場合には、右打ちによって遊技盤30の右側へ向けて発射された遊技球は、100%に近い確率で、右側大入賞口作動ゲート96を通過し、スルーゲート35を通過し、可変入賞装置36の開閉扉36b上を通過し、第2始動口34に入球する。例えば、可変入賞装置36の開閉扉36bが閉鎖状態にあり、第2始動口34の電動役物34aが閉鎖状態にあり、小当たり専用可変入賞装置97の開閉扉97bが開放状態にある場合には、右打ちによって遊技盤30の右側へ向けて発射された遊技球は、100%に近い確率で、右側大入賞口作動ゲート96を通過し、スルーゲート35を通過し、可変入賞装置36の開閉扉36b上を通過し、第2始動口34の電動役物34aに接触し、小当たり専用可変入賞装置97の大入賞口97aに入球する。
《2-2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図52は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムを実行するCPU(図示せず)と、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート(図示せず)及び出力ポート(図示せず)がそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力ポートには、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また電源装置85は、コンデンサ(図示せず)を備えており、停電が発生した場合や電源スイッチ88(図49)がOFFにされた場合には、所定期間、各装置への電力供給を継続する。
また、主制御基板61の入力ポートには、各種検知センサー67a~67hが接続されている。具体的には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、大入賞口作動ゲート95,96、可変入賞装置36、小当たり専用可変入賞装置97などの各種の入球口に設けられた複数の検知センサと接続されている。主制御基板61のMPU62は、各種検知センサ67a~67hからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲート35や大入賞口作動ゲート95,96を通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に基づいて当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入球に基づいて電動役物開放抽選を実行する。
主制御基板61の出力ポートには、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行する。また、開閉実行モードにおいて大当たり種別が決定され開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数が決定した場合には、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。また、推奨される遊技球発射機構による発射態様に応じて右打ちランプ39aの点灯/消灯の制御を実行する。
主制御基板61の出力ポートには、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。具体的には、一般入賞口32への入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25と、遊技球発射ボタン26とが接続されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、図柄の組み合わせが停止表示している時間である停止時間は一定である。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図53は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には当たり乱数カウンタC1が用いられる。確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1~C4、CINI、CSは、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
RAM64には、保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。第1保留エリアRaには、第1始動口33に入球した遊技球の保留個数の最大値に対応した4個のエリア、すなわち、第1エリア、第2エリア、第3エリア、および第4エリアが設けられている。第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報(以下、特1保留とも呼ぶ)として、第1~第4エリアのうちの一つのエリアに記憶される。第1~第4エリアのいずれに記憶されるかは、入球の順序によって決定されており、入球のタイミングが早いほど上位のエリア(第1エリアが最も上位のエリア)に記憶される。
また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。第2保留エリアRbには、第2始動口34に入球した遊技球の保留個数の最大値に対応した4個のエリア、すなわち、第1エリア、第2エリア、第3エリア、および第4エリアが設けられている。第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報(以下、特2保留とも呼ぶ)として、第1~第4エリアのうちの一つのエリアに記憶される。第1~第4エリアのいずれに記憶されるかは、入球の順序によって決定されており、入球のタイミングが早いほど上位のエリア(第1エリアが最も上位のエリア)に記憶される。
当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。当たり乱数カウンタC1は、例えば、0~1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~1199)。
当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。具体的には、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを判定処理実行エリア64cに移動させ、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。データのシフトは、第1~第4エリアに格納されているデータを上位エリア側に順にシフトさせるものである。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。
また、第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。具体的には、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを判定処理実行エリア64cに移動させ、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。データのシフトは、第1~第4エリアに格納されているデータを上位エリア側に順にシフトさせるものである。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。
なお、上述した説明では、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値がどのようにシフトされるかを説明したが、当たり乱数カウンタC1の値に限るものではなく、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1以外のカウンタ(大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCS)の各値についても、同様にシフトされる。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1始動口33に遊技球が入球した場合に、第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1の値を、判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに移動して、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合し、大当たりとなるか否かの判定を行う処理と、第2始動口34に遊技球が入球した場合に、第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値を、判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに移動して、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合し、大当たりとなるか否かの判定を行う処理とを、並列的に実行する。第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たりとなるか否かの判定処理と、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たりとなるか否かの判定処理とを並列的に実行するとともに、第1図柄表示部37aの変動表示と第2図柄表示部37bの変動表示とを並列的に(同時に)実行することが可能な本実施形態のパチンコ機10は、いわゆる同時変動機である。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行うとともに、当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示面41aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図51(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
リーチは、リーチ演出の内容によって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチの3種類に分類される。ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が大当たり当選の期待度(信頼度)が高いリーチ演出が実行され、スーパーリーチよりもスペシャルリーチの方が大当たり当選の期待度が高いリーチ演出が実行される。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶された変動種別カウンタCSの値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、第1図柄表示部37aにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して使用される。第2保留エリアRbに記憶された変動種別カウンタCSの値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して使用される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。なお、本実施形態のパチンコ機10では、変動パターンの種別に応じてリーチ演出の内容(すなわちリーチの種類)を特定できる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0~465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電役実行エリア64eに移動した後、電役実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選(以下、電動役物開放抽選と呼ぶ)が行われる。具体的には、電役実行エリア64eにおいて、ROM63の役物抽選用テーブル記憶エリア63eに記憶されている当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)と電動役物開放カウンタC4の値とが照合され、電動役物34aを開放状態に制御するか否かが決定される。
なお、取得された当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、変動種別カウンタCS、および電動役物開放カウンタC4の値の内の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、および変動種別カウンタCSの値の内の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、当たり乱数カウンタC1に基づいて当たり抽選を行う際に、当該当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。高確率モード(高確率遊技状態とも呼ぶ)は、確変大当たりに当選することによって開始される遊技状態であって、当たり抽選において大当たりに当選する確率が、低確率モードより相対的に高い遊技状態を言う。また、本実施形態においては、パチンコ機10は、第1始動口33への遊技球の入球を契機として保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34への遊技球の入球を契機として保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)の4つの当否テーブルを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図54は、第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図54(a)は第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図54(b)は第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図54(a)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、0~19の20個の値が設定されている。そして、0~3979の値のうち、0~19の20個の値以外の値(20~3979)が外れである。
一方、図54(b)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、0~197の198個の値が設定されている。そして、0~3979の値のうち、0~197の198個の値以外の値(198~3979)が外れである。「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
本実施形態では、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)に大当たりとして設定されている当たり乱数カウンタC1の値群は、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)に大当たりとして設定されている当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
図55は、第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図55(a)は第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図55(b)は第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図55(a)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、0~19の20個の値が設定されている。そして、0~3979の値のうち、0~19の20個の値以外の値(20~3979)が外れである。
一方、図55(b)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、0~197の198個の値が設定されている。また、小当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、198~2088の1891個の値が設定されている。そして、0~3979の値のうち、0~2088の値以外の値(2089~3979)である1891個の値が外れである。すなわち、本実施形態では、0~3979の値のうちの大当たりとなる0~197の値以外の値(198~3979)のうちの1/2の数の値が小当たりとなるように設定されている。「小当たり」とは、小当たり専用可変入賞装置97の開閉扉97bの開閉が実行されるモードへの移行契機とはなるが、抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。なお、本実施形態では、開閉扉97bの開閉が実行されるモードにおける開放状態となる回数は1回に限定されている。小当たりの際の小当たり専用可変入賞装置97の1回の開閉扉96bの開放時間は、例えば0.2秒である。なお、変形例として、開閉扉97bの開閉が実行されるモードにおける開放状態となる回数は、1回に換えて、2回以上としてもよい。小当たりの際の小当たり専用可変入賞装置97の1回の開閉扉96bの開放時間は、0.2秒に換えて、0.1秒等の他の時間としてもよい。そして、0~3979の値のうち198個の値が大当たりというように、高確率モードは、低確率モードに比べて、当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
なお、上述したように、本実施形態では、0~3979の値のうちの大当たりとなる値を除いた198~3979値のうちの1/2といった高い確率で小当たりとなるように設定されているが、当該確率は1/2に限る必要はなく、他の値に換えてもよい。例えば、0~3979の値のうちの大当たりとなる値を除いた198~3979値のうちの全て、すなわち、1/1といったより高い確率で小当たりとなるように設定してもよい。
また、本実施形態では、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)に大当たりとして設定されている当たり乱数カウンタC1の値群は、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)に大当たりとして設定されている当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(2)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モード
(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモード
パチンコ機10には、上記の(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が複数回(例えば16回)行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するように設定可能である。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が6個となるまで継続するよう設定可能である。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。上記具体例の場合、低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2secである。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入球が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入球が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入球が発生しない構成としてもよい。
パチンコ機10には、上記の(2)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードの態様として、当否テーブルとして高確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う高確率モードと、当否テーブルとして低確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う低確率モードとを設定することができる。図54および図55を用いて説明したように、高確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う場合の方が、低確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う場合と比較して、大当たりに当選する確率が高い。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されていてもよい。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されてもよい。さらに、電動役物34aの1回の開放時間が長く設定された構成としてもよい。また、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
本実施形態では、当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図56は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図56(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図56(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照される。
図56(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、第1始動口用の振分テーブルには、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、「8R確変大当たり」、「8R通常大当たり」、「16R確変大当たり+小当たりラッシュ」が設定されている。
確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当たり抽選の抽選モード(以下、単に「抽選モード」とも呼ぶ)が高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が8回(8ラウンド)となっている。
通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数は8回(8ラウンド)となっている。
確変大当たり+小当たりラッシュは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当たり抽選の抽選モード(以下、単に「抽選モード」とも呼ぶ)が高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが低頻度サポートモードとなり、さらに、開閉実行モードの終了後の高確率モードかつ低頻度サポートモードとなった遊技状態において小当たりラッシュとなる大当たりである。ここで、小当たりラッシュとは、小当たり専用可変入賞装置97の開閉扉97bが開放状態となる契機である小当たりに繰り返し当選しうるモードである。16R確変大当たり+小当たりラッシュは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が16回(16ラウンド)となっている。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0~99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~19」が16R確変大当たり+小当たりラッシュに対応しており、「20~64」が8R確変大当たりに対応しており、「65~99」が8R通常大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、3種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この3種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たり+小当たりラッシュが最も高く、次に8R確変大当たりが高く、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
図56(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、第2始動口用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり+小当たりラッシュ、8R確変大当たり、8R通常大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0~99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~39」が16R確変大当たり+小当たりラッシュに対応しており、「40~64」が8R確変大当たりに対応しており、「65~99」が8R通常大当たりに対応している。
このように本実施形態のパチンコ機10では、大当たり当選となった場合の大当たりの種別の振分態様は、第1始動口33への入球に基づいて大当たり当選となった場合と、第2始動口34への入球に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。具体的には、本実施形態では、第1始動口33への入球に基づいて大当たり当選となった場合より、第2始動口34への入球に基づいて大当たり当選となった場合の方が、遊技者にとっての有利性が高くなるように定められている。
なお、当たり抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、抽選モード及びサポートモードの変更も発生しない。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行うとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
図57は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図57(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図57(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役短開放に当選したこととなる電動役物開放カウンタC4の値として0~419の420個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として420~465の46個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、210/233の確率で電役短開放に当選したこととなる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役短開放に当選したこととなった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は0.6秒である。
図57(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図56(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役長開放に当選したこととなる電動役物開放カウンタC4の値として0~461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462~465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役長開放に当選したこととなる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役長開放に当選したこととなった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は5.0秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。この結果、高頻度サポートモード時には、第2始動口34に向かって流下した遊技球は、100%の確率に近い確率で第2始動口34に入球することになる。なお、電役短開放に当選した場合、電役長開放に当選した場合の各開放時間は、上記の例に限る必要はなく、他の時間としてもよい。
《2-3》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図57は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85(図52)等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、CPU、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。これらの詳細については後述する。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、主制御装置60と演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46や各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄、絵図などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄や表示絵図のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《2-4》遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
《2-4-1》抽選モードとサポートモードの高低の移行:
本実施形態のパチンコ機10において、当たり抽選によって大当たりに当選し、当選した大当たりの種別が通常大当たりである場合には、開閉実行モードの終了後に、抽選モードが低確率モードに移行し、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。本実施形態のパチンコ機10において、当たり抽選によって大当たりに当選し、当選した大当たりの種別が確変大当たりである場合には、開閉実行モードの終了後に、抽選モードが高確率モードに移行し、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。また、本実施形態のパチンコ機10において、当たり抽選によって大当たりに当選し、当選した大当たりの種別が確変大当たり+小当たりラッシュである場合には、開閉実行モードの終了後に、抽選モードが高確率モードに移行し、サポートモードが低頻度サポートモードに移行する。
当たり抽選によって大当たりに当選し、当選した大当たりの種別が通常大当たりであることに基づいてサポートモードが高頻度サポートモードに移行した後においては、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回の実行回数が予め定めた回数(以下、時短上限回数とも呼ぶ)に達するまで、サポートモードとして高頻度サポートモードが継続される。本実施形態のパチンコ機10では、時短上限回数は例えば50回である。すなわち、パチンコ機10では、高頻度サポートモードに移行した後において、時短上限回数である50回まで高頻度サポートモードは継続される。高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回の実行回数が時短上限回数である50回に達したときに、サポートモードが低頻度サポートモードに移行する。なお、時短上限回数は、上記の50回に限る必要はなく、他の回数としてもよい。当選した大当たりの種別が確変大当たりであることに基づいてサポートモードが高頻度サポートモードに移行した後においては、時短上限回数によって高頻度サポートモードの継続回数が制限されることはない。
サポートモードが高頻度サポートモードである場合、スルーゲート35を通過したことを契機として実行される電動役物開放抽選の結果が電役長開放当選となる確率が231/233と極めて高いことから、電動役物34aが高い頻度で電役長開放状態となる。このため、サポートモードが高頻度サポートモードである場合、遊技球発射機構によって推奨される発射態様は右打ちとなる。遊技者は、右打ちを行い、電動役物34aが備えられた第2始動口34へ遊技球を入球させるように遊技を行う。
抽選モードが高確率モードに移行した後においては、遊技球発射機構によって推奨される発射態様は右打ちとなる。遊技者は、右打ちを行い、電動役物34aが備えられた第2始動口34へ遊技球を入球させるように遊技を行う。
本実施形態のパチンコ機10では、遊技を進行する上で遷移する遊技状態として、抽選モードとサポートモードとの高低の組み合わせによる4種類の状態を少なくとも取り得る。具体的には、i)抽選モードが低確率モードであり、かつ、サポートモードが低頻度サポートモードである低確低サポ状態と、ii)抽選モードが低確率モードであり、かつ、サポートモードが高頻度サポートモードである低確高サポ状態と、iii)抽選モードが高確率モードであり、かつ、サポートモードが高頻度サポートモードである高確高サポ状態と、iv)抽選モードが高確率モードであり、かつ、サポートモードが低頻度サポートモードである高確低サポ状態とを取り得る。
本実施形態のパチンコ機10では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに、抽選モードを特定する高確率モードフラグと、サポートモードを特定する高頻度サポートモードフラグとが記憶される。高確率モードフラグがOFFであるときに抽選モードが低確率モードであると特定され、高確率モードフラグがONであるときに抽選モードが高確率モードであると特定される。高頻度サポートモードフラグがOFFであるときにサポートモードが低頻度サポートモードであると特定され、高頻度サポートモードフラグがONであるときにサポートモードが高頻度サポートモードであると特定される。このため、上述した低確低サポ状態、低確高サポ状態、高確低サポ状態、および高確高サポ状態のそれぞれは、高確率モードフラグと高頻度サポートモードフラグとによって特定されることになる。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、高確率モードフラグと高頻度サポートモードフラグの少なくとも一方が切り替わることによって、上述した4つの状態が切り替わりながら、遊技の流れが進行する。
《2-4-2》小当たりラッシュ:
本実施形態のパチンコ機10において、当たり抽選によって大当たりに当選し、当選した大当たりの種別が16R確変大当たり+小当たりラッシュであると振分判定によって判定された場合には、先に説明したように、開閉実行モードの終了後に、抽選モードが高確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである高確低サポ状態に移行する。この高確低サポ状態においては、遊技者に付与される特典として小当たりラッシュが実行される。
高確低サポ状態においては、推奨される発射態様は右打ちであり、遊技領域PAの右側へ遊技球が流下するように遊技がなされる。本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、サポートモードが低頻度サポートモードである場合に、210/233といった高い確率で電役短開放当選する(図57(a)参照)ことから、高確低サポ状態時においては、右打ちによって遊技領域PAの右側へ流下した遊技球は、スルーゲート35を通過することによって、高い確率で、第2始動口34の電動役物34aを1回開放(開放時間は0.6秒)させる契機となり得る。この結果、高確低サポ状態時においては、サポートモードが低頻度サポートモードであるにもかかわらず、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度を比較的高く定めることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、高確低サポ状態時においては、先に説明したように、右打ちによって遊技領域PAの右側へ流下した遊技球が第2始動口34へ入球したことに起因する当たり抽選において、高い確率で小当たりに当選することが可能となっている(図55(b)参照)。一方、小当たりに当選した場合、小当たり専用可変入賞装置97の開閉扉97bが1回開放(開放時間は0.2秒)することから、小当たり専用可変入賞装置97の大入賞口97aへ遊技球を入球することが可能となる。このために、上記のように小当たりに当選することは高い確率であることから、高確低サポ状態時において、小当たりに頻繁に当選して、遊技球(出球)を増やすことが可能となる。このようにして、小当たりラッシュが実行されることになる。
ここで、小当たり専用可変入賞装置97の大入賞口97aへの遊技球の流れについて説明する。高確低サポ状態時においては、先に説明したように、右打ちによって遊技領域PAの右側へ遊技球は流下するが、当該遊技球は、右側大入賞口作動ゲート96を通過し、スルーゲート35を通過し、可変入賞装置36の開閉扉36b上を通過し(このとき、開閉扉36bは閉鎖状態にある)、第2始動口34へ向かう。このとき、第2始動口34の電動役物34aが開放状態にある場合には、当該遊技球は第2始動口34に入球するが、第2始動口34の電動役物34aが閉鎖状態にある場合には、当該遊技球は第2始動口34に入球せずに、第2始動口34よりも下流側に設けられた小当たり専用可変入賞装置97に向かう。このようにして、小当たり専用可変入賞装置97の開閉扉97bが開放状態にある場合に、小当たり専用可変入賞装置97の大入賞口97aへ遊技球は入球する。
高確低サポ状態時においては、低頻度サポートモード用の電動役物開放抽選用当否テーブルを用いた電動役物開放抽選が行われることから、第2始動口34の電動役物34aの開放状態は短開放となる。電動役物開放抽選において電役短開放に当選した場合、電動役物34aまで流下してきた遊技球は、100%よりも低い確率(例えば、50%)で第2始動口34に入球することになり、電動役物34aまで流下してきた遊技球が複数にわたる場合に、一部の遊技球は、閉鎖状態に移行した電動役物34aに蹴られて小当たり専用可変入賞装置97に向かって流下し、開放状態となった小当たり専用可変入賞装置97の大入賞口97aに入球する。このように、本実施形態のパチンコ機10では、高確低サポ状態時において、サポートモードが低頻度サポートモードでありながら、第2始動口34への遊技球の入球を可能としながら、小当たり専用可変入賞装置97の大入賞口97aへの遊技球の入球を可能としてる。
なお、抽選モードが高確率モードであり、サポートモードが高頻度サポートモードである高確高サポ状態においても、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることで遊技領域PAの右側へ遊技球が流下するように遊技がなされるが、この際にも、遊技領域PAの右側へ流下した遊技球が第2始動口34へ入球したことに起因する当たり抽選において、高い確率で小当たりに当選する(図55(b)参照)。しかしながら、本実施形態では、先に説明したように、サポートモードが高頻度サポートモードである場合に、231/233といった高い確率で電役長開放に当選する(図57(b)を参照)ことから、高確高サポ状態時においては、電動役物34a付近まで流下した遊技球は開放状態となった電動役物34aによって拾われ、当該遊技球は第2始動口34へ100%に近い確率で入球することになる。このために、高確高サポ状態時においては、小当たり専用可変入賞装置97の開閉扉97bに遊技球は入球することがない。したがって、高確高サポ状態時においては、小当たりラッシュが実行されることはない。
また、抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである低確低サポ状態時(通常時)においても、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることで遊技領域PAの右側へ遊技球が流下するように遊技がなされることが考えられる。この場合においては、高確低サポ状態時と同様に、遊技領域PAの右側へ流下した遊技球が第2始動口34へ入球したことに起因する当たり抽選において高い確率で小当たりに当選し、開放状態に移行した小当たり専用可変入賞装置97の大入賞口97aに遊技球が入球し、小当たりラッシュが実行されうる。このため、本実施形態のパチンコ機10では、低確低サポ状態時(通常時)における第2図柄表示部37bの変動時間(以下、特2変動時間とも呼ぶ)を例えば10分と極めて長い時間(ロング)に設定することによって、低確低サポ状態時(通常時)において、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が短期間で繰り返し実行されることを抑制する構成とした。この結果、本実施形態では、遊技者に対して、低確低サポ状態において右打ちを行うことを断念させ、左打ちに専念させることができる。なお、通常時における特2変動時間は、上記10分に代えて、5分以上の他の長さ(例えば、5分、8分、20分、60分等)としてもよい。5分以上の長さがあれば、通常時において、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が短期間で繰り返し実行されることを抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機10は、先に説明したように、第1図柄表示部37aの変動表示と第2図柄表示部37bの変動表示とを並列的に(同時に)実行することが可能な同時変動機とした。上述した小当たりラッシュの機能と、通常時における特2保留の変動時間をロングに設定する構成とを、同時変動の機能を有さずに特2保留を特1保留よりも優先的に変動表示するタイプのパチンコ機(特2優先機)や、入賞順に変動表示するタイプのパチンコ機に採用した場合に、特2保留が残ったまま通常状態に移行した場合や、通常状態において誤って右打ちした場合に、特2保留のロングの変動時間が終わるまで遊技を行なうことができず、遊技を円滑に継続できないというデメリットがあった。また、悪意のある者が、通常時に第2始動口へ遊技球を複数個、入球させて、当該パチンコ機を放置することで、数十分間にわたって当該遊技機を遊技不能とすることで、ホール内のパチンコ機の稼働率を極端に低下させてしまう虞があるというデメリットもあった。これに対して、本実施形態のパチンコ機10は、同時変動の機能を有する構成とすることで、通常時に第2始動口へ遊技球を複数個、入球させられたとしても、特1保留の変動表示を実行することが可能となることから、上述したデメリットを解消することができる。
《2-4-3》各大入賞口作動ゲートの有効/無効:
先に説明したように、各大入賞口作動ゲート95,96は、当たり抽選によって大当たりに当選した場合に、可変入賞装置36を後述する開閉実行モードに移行させるための契機となり得るスルーゲートである。すなわち、主制御装置60による所定の遊技回における当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に、当該遊技回の終了後に、遊技状態に応じて有効と設定された左側大入賞口作動ゲート95又は右側大入賞口作動ゲート96を遊技球が通過するのを待って、当該通過が検出された場合に、可変入賞装置36は開閉実行モードに移行する。
本実施形態では、各大入賞口作動ゲート95,96が開閉実行モードへの移行を発生させる機能は、サポートモードの高低と抽選モードの高低との組合せによって、有効/無効が切り替えられる。具体的には、サポートモードが低頻度サポートモードであり、抽選モードが低確率モードである低確低サポ状態時に大当たりに当選した場合には、左側大入賞口作動ゲート95が有効となり、右側大入賞口作動ゲート96が無効となる。サポートモードが高頻度サポートモードであり、抽選モードが低確率モードである低確高サポ状態時、サポートモードが高頻度サポートモードであり、抽選モードが高確率モードである高確高サポ状態時、または、サポートモードが低頻度サポートモードであり、抽選モードが高確率モードである高確低サポ状態時に大当たりに当選した場合には、右側大入賞口作動ゲート96が有効となり、左側大入賞口作動ゲート95が無効となる。
すなわち、低確低サポ状態時に、主制御装置60による所定の遊技回における当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、当該遊技回の終了後に、有効となっている左側大入賞口作動ゲート95を遊技球が通過するのを待って、当該通過が検出された場合に、可変入賞装置36は開閉実行モードに移行する。当該遊技回の終了後に、無効となっている右側大入賞口作動ゲート96を遊技球がたとえ通過したとしても、可変入賞装置36は開閉実行モードに移行することはない。なお、詳細は後述するが、主制御装置60による所定の遊技回における当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、当該遊技回の終了後に、推奨される発射態様は、有効となっている左側大入賞口作動ゲート95に遊技球を入球することが可能な左打ちとなり、右打ちランプ39aは消灯される。また、右打ちランプ39aの消灯と共に、左側大入賞口作動ゲート95を狙うことを遊技者に報知するための左ゲート狙い報知演出が図柄表示装置41に表示される。
低確高サポ状態時、高確高サポ状態時、または高確低サポ状態時に、主制御装置60による所定の遊技回における当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、当選した大当たりの種別が通常大当たり、確変大当たり、確変大当たり+小当たりラッシュのいずれの場合であっても、当該遊技回の終了後に、有効となっている右側大入賞口作動ゲート96を遊技球が通過するのを待って、当該通過が検出された場合に、可変入賞装置36は開閉実行モードに移行する。当該遊技回の終了後に、無効となっている左側大入賞口作動ゲート95を遊技球がたとえ通過したとしても、可変入賞装置36は開閉実行モードに移行することはない。なお、当たり抽選において大当たり当選した遊技回の終了時から、有効となっている左側大入賞口作動ゲート95または右側大入賞口作動ゲート96への遊技球の通過が検出されて開閉実行モードが開始されるまでの期間を、以下、待機状態と呼ぶ。
《2-4-4》遊技の流れ:
本実施形態のパチンコ機10では、遊技を進行する上で遷移する遊技状態として、上述したように、抽選モードとサポートモードとの高低の組み合わせによって定まる低確低サポ状態、低確高サポ状態、高確高サポ状態、および高確低サポ状態を取り得る。さらに、本実施形態のパチンコ機10では、上述した待機状態と、可変入賞装置36の大入賞口36aへの遊技球の入球が可能になる開閉実行モードとを遊技状態として取り得る。これらの遊技状態の間で状態を遷移しながら遊技が進行される。
図59は、パチンコ機10における遊技の流れを示す説明図である。遊技を開始すると、当初は低確低サポ状態H1である。すなわち、抽選モードは低確率モードであり、サポートモードは低頻度サポートモードである。低確低サポ状態H1では、推奨される発射態様が左打ちであり、遊技者は左打ちを実行することによって遊技領域PAの左側に遊技球を流下させ、第1始動口33に遊技球を入球させる。なお、低確低サポ状態H1では、推奨される発射態様が左打ちであることから、右打ちランプ39aは消灯される。また、低確低サポ状態H1では、左側大入賞口作動ゲート95(図中では、単に「左ゲート」と記載、以下同じ)と右側大入賞口作動ゲート96(図中では、単に「右ゲート」と記載、以下同じ)との両方ともに、可変入賞装置36を開閉実行モードに移行する機能を働かせない(無効)。第1始動口33に遊技球が入球すると、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選がなされ、当該当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知するための遊技回が実行される。
低確低サポ状態H1で実行される遊技回は、第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行されるものであることから、低確低サポ状態H1では特1変動中の状態になりうる。低確低サポ状態H1で実行された遊技回における当たり抽選の抽選結果が外れの場合には、低確低サポ状態H1が継続され、遊技者は第1始動口33に遊技球を入球させ、遊技回を実行させる。
低確低サポ状態H1で実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合には、当選した大当たりの種別が通常大当たり、確変大当たり、確変大当たり+小当たりラッシュのいずれの場合であっても、当該遊技回の終了後に遊技者に付与される特典として開閉実行モードが実行される。ただし、本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、当該遊技回の終了後に、有効となっている左側大入賞口作動ゲート95または右側大入賞口作動ゲート96を遊技球が通過するのを待って、当該通過が検出された場合に、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉させる開閉実行モードに移行する。すなわち、当たり抽選において大当たりに当選した遊技回の終了後から、有効となっている左側大入賞口作動ゲート95または右側大入賞口作動ゲート96を遊技球が通過することに基づいて開閉実行モードが開始するまでの状態を待機状態H2とした場合に、低確低サポ状態H1から、待機状態H2を経て、開閉実行モードH3に移行する。なお、規制状態としての低確低サポ状態H1では、左側大入賞口作動ゲート95または右側大入賞口作動ゲート96に遊技球が入球しても、左側大入賞口作動ゲート95または右側大入賞口作動ゲート96への遊技球の検出に対する開始処理である開閉実行モードH3の開始処理が実行されることがない。
待機状態H2は、既に付与することが確定している大当たり遊技、すなわち大入賞口36aに所定回数のラウンド遊技を行わせる大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードの実行を、遊技状態に応じて有効と設定された左側大入賞口作動ゲート95又は右側大入賞口作動ゲート96に遊技球が通過するといった大当たり開始の条件が成立するまで待機する条件成立待機状態である。条件成立待機状態は、具体的には、内部制御においては、大当たり遊技の付与に対応したフラグ等のデータを保持しつつ、遊技状態に応じて有効と設定された左側大入賞口作動ゲート95又は右側大入賞口作動ゲート96に遊技球が通過することが検知されたか否かの判定を行なう判定処理を、当該遊技球の通過が検知されるまで繰り返し行なう状態である。条件成立待機状態の間は、当該条件成立待機状態を示す表示や告知を実行しても良いし、表示や告知を非実行としても良い。
待機状態H2では、抽選モードとサポートモードとの高低の組み合わせによって、動作が相違する。すなわち、待機状態H2に移行する前の抽選モードとサポートモードとから定まる遊技状態が、低確低サポ状態H1、低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、および高確低サポ状態H6のいずれであるかによって、動作が相違する。
低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2の場合には、左側大入賞口作動ゲート95が有効となり、右側大入賞口作動ゲート96が無効となる。このため、低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2の場合には、推奨される発射態様は、有効となっている左側大入賞口作動ゲート95に遊技球を入球することが可能な左打ちとなり、右打ちランプ39aは消灯される。すなわち、本実施形態のパチンコ機10では、条件成立待機状態である、低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2において、右打ちランプ39aを消灯状態に制御する右打ちランプ消灯制御処理を実行可能である。この右打ちランプ消灯制御処理は、非報知制御処理である。
また、当該待機状態H2では、右打ちランプ39aの消灯と共に、左側大入賞口作動ゲート95を狙うことを遊技者に報知するための左ゲート狙い報知演出を図柄表示装置41に表示する。左ゲート狙い報知演出は、左側大入賞口作動ゲート95に遊技球を入球させることを遊技者に指示するためのもので、推奨される発射態様は左打ちとなる。具体的には、左ゲート狙い報知演出としては、図柄表示装置41の表示面41aに、例えば「左ゲートを狙え」といった文字が表示される。ただし、当該左ゲート狙い報知演出は、待機状態H2に移行する契機となった大当たり当選が第1始動口33への遊技球の入球に起因する特1保留に係る当たり抽選によるものである場合に限り実行され、第2始動口34への遊技球の入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選によるものである場合には実行されない。換言すれば、低確低サポ状態H1において、待機状態H2に移行する契機となった大当たり当選が第2始動口34への遊技球の入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選によるものである場合には、左打ちで遊技球が発射されて左側大入賞口作動ゲート95に遊技球が入球することに基づいて大当たり遊技状態が発生し得ることになる場合であっても、遊技球発射機構による発射態様を左打ちとすることを遊技者に報知するための演出である左ゲート狙い報知演出や左打ち報知演出は実行されず、待機状態H2に移行する契機となった大当たり当選が特1保留に係る当たり抽選によるものである場合に限り、左ゲート狙い報知演出が実行される。
遊技者は、左ゲート狙い報知演出に従って左側大入賞口作動ゲート95を狙う、すなわち左打ちを実行することによって遊技領域PAの左側に遊技球を流下させ、有効となっている左側大入賞口作動ゲート95に遊技球を入球させる。低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2では、有効となっている左側大入賞口作動ゲート95を遊技球が通過するのを待って、当該通過が検出された場合に、開閉実行モードH3に移行する。すなわち、低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2では、有効となっている左側大入賞口作動ゲート95に遊技球が入球することに基づいて大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に、大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードH3を開始する前に、開閉実行モードH3を開始するためにフラグ等のデータを更新する切替制御を実行し、切替制御の実行後に開閉実行モードH3に移行する。具体的には、切替制御として、後述する開閉実行モードフラグをONにする制御を実行する。切替制御は、大当たり等の特典遊技を開始するために遊技状態を切り替える制御(切替制御)であれば良く、フラグ等のデータを更新する処理に替えて、前の遊技状態に関するデータの消去や初期化を行なう処理等であっても良い。また、この切換えの後に大当たり等の特典遊技の開始に対応した表示や告知を実行することを含めて切替制御としても良く、切り替えの前に大当たり等の特典遊技の開始に対応した表示や告知を実行することを含めて切替制御としても良い。なお、遊技状態が、大当たり等の特典遊技の開始を規制する規制状態としての、低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2である場合には、無効となっている右側大入賞口作動ゲート96を遊技球がたとえ通過したとしても、遊技状態が待機状態H2である間は開閉実行モードH3の開始処理は待機(非実行)とされ、開閉実行モードH3に移行することはない。
本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、通常時における特2保留の変動時間がロングに設定されていることから、時短状態(低確高サポ状態H4)が終了して通常時(低確低サポ状態H1)に戻ったときに、特2保留が2~4個残り、その特2残保留で当たり抽選の当否結果が大当たり当選している場合に、大当たり当選したことが告知されるのが数十分後ということが起こり得た。一方で、時短状態(低確高サポ状態H4)が終了して通常時(低確低サポ状態H1)に戻ったときには、遊技者は、有利な状態を脱したとして遊技を終了することが往々にしてあり得た。通常時における特2残保留で大当たり当選する可能性があることを遊技者が知っていたとしても、大当たりか外れか判らない状態では、遊技者は、上記数十分を待ちきれずに遊技を終了するのが常である。この場合に、本実施形態のパチンコ機10では、遊技者が居ない空席のパチンコ機となったとしても、上述したように、通常時から移行した待機状態H2において、右打ちランプ39aが点灯することもない。その上、待機状態H2に移行する契機となった大当たり当選が第2始動口34への遊技球の入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選によるものであることから、左ゲート狙い報知演出や左打ち報知演出が表示されることがない。すなわち、遊技者が居ない空席のパチンコ機において、特2残保留に係る当たり抽選で大当たり当選して待機状態H2に移行した場合に、右打ちランプ39aはもとより、右打ち報知演出や、左打ち報知演出、左ゲート狙い報知演出が実行されない。換言すれば、左打ちで遊技球が発射されて第1入球部に遊技球が入球することに基づいて大当たり遊技が発生し得る場合であっても、推奨される発射態様が左打ちであることを報知する演出を実行しない。このために、後ほど詳細に説明するが、空席のパチンコ機の中から右打ちランプ39aが点灯状態になっているパチンコ機や、左ゲート狙い報知演出、左打ち報知演出、または右打ち報知演出が実行されているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナが発生することを防止することが可能となっている。
開閉実行モードH3では、推奨される発射態様は右打ちとなり、右打ちランプ39aは点灯される。また、開閉実行モードにおけるラウンド遊技に先立ち、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることを遊技者に報知するための右打ち報知演出を図柄表示装置41に表示する。遊技者は、右打ち報知演出に従って右打ちを実行することによって遊技領域PAの右側へ遊技球を流下させ、大入賞口36aに遊技球を入球させて、賞球を得る。このため、本実施形態のパチンコ機10では、大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードH3時において、右打ちランプ39aを点灯状態に制御する右打ちランプ点灯制御処理を実行可能である。この右打ちランプ点灯制御処理は、報知制御処理である。
待機状態H2に移行する契機となった大当たりの種別が通常大当たりである場合に、開閉実行モードH3の終了後に、低確高サポ状態H4に移行する。すなわち、抽選モードは低確率モードであり、サポートモードは高頻度サポートモード(時短上限回数である50回限定)となる。
低確高サポ状態H4では、サポートモードが高頻度サポートモードであることから、第2始動口34へ遊技球を入球させるべく、推奨される発射態様が右打ちとなる。このため、右打ちランプ39aは点灯される。また遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることを遊技者に報知するための右打ち報知演出を図柄表示装置41に表示する。遊技者は、右打ち報知演出に従って右打ちを実行することによって遊技領域PAの右側に遊技球を流下させ、第2始動口34に遊技球を入球させる。
低確高サポ状態H4で実行される遊技回は、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行されるものであることから、低確高サポ状態H4では特2変動中の状態になりうる。低確高サポ状態H4で実行された遊技回における当たり抽選が外れの場合には、低確高サポ状態H4が継続され、遊技者は第2始動口34に遊技球を入球させ、遊技回を実行させる。低確高サポ状態H4において、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回数が時短上限回数である50回に達すると、低確低サポ状態H1に移行する。なお、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回数が時短上限回数に達して低確低サポ状態H1に移行した場合には、右打ちランプ39aが点灯状態から消灯状態に切り替わるときに同期して、遊技球発射機構による発射態様を右打ちから左打ちに戻すことを遊技者に報知するための左打ち報知演出が実行される。
低確高サポ状態H4において、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回数が時短上限回数に達する以前の遊技回(例えば、30回目の遊技回)で、当たり抽選において大当たり(通常大当たりか確変大当たりか確変大当たり+小当たりラッシュかを問わない)に当選した場合、その大当たりに当選した遊技回(例えば、上記30回目の遊技回)の終了後に遊技者に付与される特典として開閉実行モードが実行される。すなわち、低確高サポ状態H4から一旦、待機状態H2に移行し、その後に開閉実行モードH3に移行する。
低確高サポ状態H4から移行した待機状態H2の場合には、右側大入賞口作動ゲート96が有効となり、左側大入賞口作動ゲート95が無効となる。このため、低確高サポ状態H4から移行した待機状態H2の場合には、推奨される発射態様は、有効となっている右側大入賞口作動ゲート96に遊技球を入球することが可能な右打ちとなり、右打ちランプ39aは点灯される。また、当該待機状態H2では、右打ちランプ39aの点灯と共に、右側大入賞口作動ゲート96を狙うことを遊技者に報知するための右ゲート狙い報知演出を図柄表示装置41に表示する。
遊技者は、右ゲート狙い報知演出に従って右側大入賞口作動ゲート96を狙う、すなわち右打ちを実行することによって遊技領域PAの右側に遊技球を流下させ、有効となっている右側大入賞口作動ゲート96に遊技球を入球させる。低確高サポ状態H4から移行した待機状態H2では、有効となっている右側大入賞口作動ゲート96を遊技球が通過するのを待って、当該通過が検出された場合に、開閉実行モードH3に移行する。すなわち、低確高サポ状態H4から移行した待機状態H2では、有効となっている右側大入賞口作動ゲート96に遊技球が入球することに基づいて大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に、開閉実行モードH3を開始するためにフラグ等のデータを更新する切替制御の実行後に開閉実行モードH3に移行する。具体的には、切替制御としては、後述する開閉実行モードフラグをONにする制御を実行する。切替制御は、大当たり等の特典遊技を開始するために遊技状態を切り替える制御(切替制御)であれば良く、フラグ等のデータを更新する処理に替えて、前の遊技状態に関するデータの消去や初期化を行なう処理等であっても良い。また、この切換えの後に大当たり等の特典遊技の開始に対応した表示や告知を実行することを含めて切替制御としても良く、切り替えの前に大当たり等の特典遊技の開始に対応した表示や告知を実行することを含めて切替制御としても良い。なお、遊技状態が、大当たり等の特典遊技の開始を規制する規制状態としての、低確高サポ状態H4から移行した待機状態H2である場合には、無効となっている左側大入賞口作動ゲート95を遊技球がたとえ通過したとしても、遊技状態が待機状態H2である間は開閉実行モードH3の開始処理は待機(非実行)とされ、開閉実行モードH3に移行することはない。
待機状態H2に移行する契機となった大当たりの種別が確変大当たりである場合に、開閉実行モードH3の終了後に、高確高サポ状態H5に移行する。すなわち、抽選モードは高確率モードであり、サポートモードは高頻度サポートモードとなる。
高確高サポ状態H5では、サポートモードが高頻度サポートモードであることから、第2始動口34へ遊技球を入球させるべく、推奨される発射態様が右打ちとなる。このため、右打ちランプ39aは点灯される。また遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることを遊技者に報知するための右打ち報知演出を図柄表示装置41に表示する。遊技者は、右打ち報知演出に従って右打ちを実行することによって遊技領域PAの右側に遊技球を流下させ、第2始動口34に遊技球を入球させる。
高確高サポ状態H5で実行される遊技回は、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行されるものであることから、高確高サポ状態H5では特2変動中の状態になりうる。高確高サポ状態H5で実行された遊技回における当たり抽選が外れの場合には、高確高サポ状態H5が継続され、遊技者は第2始動口34に遊技球を入球させ、遊技回を実行させる。
高確高サポ状態H5において、当たり抽選において大当たり(通常大当たりか確変大当たりか確変大当たり+小当たりラッシュかを問わない)に当選した場合、その大当たりに当選した遊技回の終了後に遊技者に付与される特典として開閉実行モードが実行される。すなわち、高確高サポ状態H5から一旦、待機状態H2に移行し、その後に開閉実行モードH3に移行する。
高確高サポ状態H5から移行した待機状態H2の場合の動作は、低確高サポ状態H4から移行した待機状態H2の場合の動作と同一である。すなわち、高確高サポ状態H5から移行した待機状態H2の場合には、右側大入賞口作動ゲート96が有効となり、左側大入賞口作動ゲート95が無効となる。このため、高確高サポ状態H5から移行した待機状態H2の場合には、推奨される発射態様は、有効となった右側大入賞口作動ゲート96に遊技球を入球することが可能な右打ちとなり、右打ちランプ39aは点灯される。また、当該待機状態H2では、右打ちランプ39aの点灯と共に、右側大入賞口作動ゲート96を狙うことを遊技者に報知するための右ゲート狙い報知演出を図柄表示装置41に表示する。
遊技者は、右ゲート狙い報知演出に従って右側大入賞口作動ゲート96を狙う、すなわち右打ちを実行することによって遊技領域PAの右側に遊技球を流下させ、有効となっている右側大入賞口作動ゲート96に遊技球を入球させる。高確高サポ状態H5から移行した待機状態H2では、有効となっている右側大入賞口作動ゲート96を遊技球が通過するのを待って、当該通過が検出された場合に、開閉実行モードH3に移行する。すなわち、高確高サポ状態H5から移行した待機状態H2では、有効となっている右側大入賞口作動ゲート96に遊技球が入球することに基づいて大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に、開閉実行モードH3を開始するためにフラグ等のデータを更新する切替制御の実行後に開閉実行モードH3に移行する。具体的には、切替制御としては、後述する開閉実行モードフラグをONにする制御を実行する。切替制御は、大当たり等の特典遊技を開始するために遊技状態を切り替える制御(切替制御)であれば良く、フラグ等のデータを更新する処理に替えて、前の遊技状態に関するデータの消去や初期化を行なう処理等であっても良い。また、この切換えの後に大当たり等の特典遊技の開始に対応した表示や告知を実行することを含めて切替制御としても良く、切り替えの前に大当たり等の特典遊技の開始に対応した表示や告知を実行することを含めて切替制御としても良い。なお、遊技状態が、大当たり等の特典遊技の開始を規制する規制状態としての、高確高サポ状態H5から移行した待機状態H2である場合には、無効となっている左側大入賞口作動ゲート95を遊技球がたとえ通過したとしても、遊技状態が待機状態H2である間は開閉実行モードH3の開始処理は待機(非実行)とされ、開閉実行モードH3に移行することはない。
待機状態H2に移行する契機となった大当たりの種別が確変大当たり+小当たりラッシュである場合に、開閉実行モードH3の終了後に、高確低サポ状態H6に移行する。すなわち、抽選モードは高確率モードであり、サポートモードは低頻度サポートモードとなる。
高確低サポ状態H6においては、先に説明したように、小当たりラッシュの特典が付与されることから、小当たり専用可変入賞装置97の大入賞口97aへ遊技球を入球させるべく、推奨される発射態様が右打ちとなる。このため、右打ちランプ39aは点灯される。また遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることを遊技者に報知するための右打ち報知演出を図柄表示装置41に表示する。遊技者は、右打ち報知演出に従って右打ちを実行することによって遊技領域PAの右側に遊技球を流下させ、小当たり専用可変入賞装置97の大入賞口97aに遊技球を入球させる。
高確低サポ状態H6で実行される遊技回は、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行されるものであることから、高確低サポ状態H6では特2変動中の状態になりうる。高確低サポ状態H6で実行された遊技回における当たり抽選が小当たり当選の場合には、高確低サポ状態H6が継続され、遊技者は小当たり専用可変入賞装置97の大入賞口97aに遊技球を入球させて、賞球を得る。高確低サポ状態H6で実行された遊技回における当たり抽選が外れの場合には、高確低サポ状態H6が継続され、遊技者は第2始動口34に遊技球を入球させ、遊技回を実行させる。
高確低サポ状態H6において、当たり抽選において大当たり(通常大当たりか確変大当たりか確変大当たり+小当たりラッシュかを問わない)に当選した場合、その大当たりに当選した遊技回(例えば、上記30回目の遊技回)の終了後に遊技者に付与される特典として開閉実行モードが実行される。すなわち、高確低サポ状態H6から一旦、待機状態H2に移行し、その後に開閉実行モードH3に移行する。
高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2の場合の動作は、低確高サポ状態H4や高確高サポ状態H5から移行した待機状態H2の場合の動作と同一である。すなわち、高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2の場合には、右側大入賞口作動ゲート96が有効となり、左側大入賞口作動ゲート95が無効となる。このため、高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2の場合には、推奨される発射態様は、有効となった右側大入賞口作動ゲート96に遊技球を入球することが可能な右打ちとなり、右打ちランプ39aは点灯される。また、当該待機状態H2では、右打ちランプ39aの点灯と共に、右側大入賞口作動ゲート96を狙うことを遊技者に報知するための右ゲート狙い報知演出を図柄表示装置41に表示する。
遊技者は、右ゲート狙い報知演出に従って右側大入賞口作動ゲート96を狙う、すなわち右打ちを実行することによって遊技領域PAの右側に遊技球を流下させ、有効となっている右側大入賞口作動ゲート96に遊技球を入球させる。高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2では、有効となっている右側大入賞口作動ゲート96を遊技球が通過するのを待って、当該通過が検出された場合に、開閉実行モードH3に移行する。すなわち、高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2では、有効となっている右側大入賞口作動ゲート96に遊技球が入球することに基づいて大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に、開閉実行モードH3を開始するためにフラグ等のデータを更新する切替制御の実行後に開閉実行モードH3に移行する。具体的には、切替制御としては、後述する開閉実行モードフラグをONにする制御を実行する。切替制御は、大当たり等の特典遊技を開始するために遊技状態を切り替える制御(切替制御)であれば良く、フラグ等のデータを更新する処理に替えて、前の遊技状態に関するデータの消去や初期化を行なう処理等であっても良い。また、この切換えの後に大当たり等の特典遊技の開始に対応した表示や告知を実行することを含めて切替制御としても良く、切り替えの前に大当たり等の特典遊技の開始に対応した表示や告知を実行することを含めて切替制御としても良い。なお、遊技状態が、大当たり等の特典遊技の開始を規制する規制状態としての、高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2である場合には、無効となっている左側大入賞口作動ゲート95を遊技球がたとえ通過したとしても、遊技状態が待機状態H2である間は開閉実行モードH3の開始処理は待機(非実行)とされ、開閉実行モードH3に移行することはない。
待機状態H2における動作をまとめると、次の通りとなる。
低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2の場合には、左側大入賞口作動ゲート95が有効となり、右側大入賞口作動ゲート96が無効となる。このため、低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2の場合には、推奨される発射態様は、左打ちとなり、右打ちランプ39aは消灯される。また、左側大入賞口作動ゲート95を狙うことを遊技者に報知するための左ゲート狙い報知演出を図柄表示装置41に表示する。ただし、当該左ゲート狙い報知演出は、待機状態H2に移行する契機となった大当たり当選が第1始動口33への遊技球の入球に起因する特1保留に係る当たり抽選によるものである場合に限る。遊技者は、左ゲート狙い報知演出に従って左側大入賞口作動ゲート95を狙う、すなわち左打ちを実行することによって遊技領域PAの左側に遊技球を流下させ、有効となっている左側大入賞口作動ゲート95に遊技球を入球させる。有効となっている左側大入賞口作動ゲート95への遊技球の通過が検出された場合に、大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードH3に移行する。なお、遊技者が居ない空席のパチンコ機において、第2始動口34への遊技球の入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選で大当たり当選して待機状態H2に移行した場合には、右打ちランプ39aはもとより、右打ち報知演出や、左打ち報知演出、左ゲート狙い報知演出が実行されない。
低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2の場合には、右側大入賞口作動ゲート96が有効となり、左側大入賞口作動ゲート95が無効となる。このため、低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2の場合には、推奨される発射態様は、右打ちとなり、右打ちランプ39aは点灯される。また、右側大入賞口作動ゲート96を狙うことを遊技者に報知するための右ゲート狙い報知演出を図柄表示装置41に表示する。遊技者は、右ゲート狙い報知演出に従って右側大入賞口作動ゲート96を狙う、すなわち右打ちを実行することによって遊技領域PAの右側に遊技球を流下させ、有効となっている右側大入賞口作動ゲート96に遊技球を入球させる。有効となっている右側大入賞口作動ゲート96への遊技球の通過が検出された場合に、大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードH3に移行する。
したがって、本実施形態のパチンコ機10では、(i)遊技状態が、大当たり等の特典遊技の開始を規制する規制状態としての、低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2である場合に、右側大入賞口作動ゲート96に遊技球が入球しても、遊技状態が当該待機状態H2である間は右側大入賞口作動ゲート96への遊技球の検出に対する開始処理である開閉実行モードH3の開始処理を非実行とし、(ii)遊技状態が、大当たり等の特典遊技の開始を規制する規制状態としての、低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2(第2状態)の場合に、左側大入賞口作動ゲート95に遊技球が入球しても、遊技状態が当該待機状態H2である間は左側大入賞口作動ゲート95への遊技球の検出に対する開始処理である開閉実行モードH3の開始処理を非実行とする。
《2-4-5》大当たり時の詳細な動作:
当たり抽選において大当たり当選した場合の動作が遊技状態によってどのように変化するのかを、次に詳述する。ここでは、ケース1~ケース3の3つのケースについて説明する。
図60は、ケース1における大当たり時の動作を示す説明図である。ケース1は、低確低サポ状態時(通常時)に、第1始動口33への遊技球の入球に基づく当たり抽選において大当たり当選した場合である。ケース1の場合、次のように動作が進行する。
低確低サポ状態H1(通常状態)において、第1始動口33へ遊技球が入球した場合に、当該入球に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選が行なわれる。次いで、この当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知するために、第1図柄表示部37aにおいて、セグメント表示器の変動表示を開始した後に、当該抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器の変動を停止する(一遊技回)。また、一遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、第1図柄表示部37aに表示される図柄に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。当該抽選結果が大当たり当選である場合に、当該遊技回の終了後に待機状態H2に移行する。
低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2である場合、推奨される発射態様は、有効となっている左側大入賞口作動ゲート95に遊技球を入球させることが可能な左打ちであることから、待機状態H2の開始時に、右打ちランプ39aが消灯される。また、当該待機状態H2では、待機状態H2に移行する契機となった大当たり当選が第1始動口33への遊技球の入球に起因する特1保留に係る当たり抽選によるものであることから、右打ちランプ39aの消灯と共に、左側大入賞口作動ゲート95を狙うことを遊技者に報知するための左ゲート狙い報知演出が図柄表示装置41に表示される。遊技者は、左ゲート狙い報知演出に従って左側大入賞口作動ゲート95を狙う、すなわち左打ちを実行することによって、有効となっている左側大入賞口作動ゲート95に遊技球を入球させる。当該待機状態H2では、有効となっている左側大入賞口作動ゲート(図中では、左ゲートと記載)95に遊技球が入球するのを待って、当該入球が検知された場合に開閉実行モードフラグをONにする制御の実行後に開閉実行モードH3に移行する。開閉実行モードH3は、ラウンド遊技に先立つオープニングの演出を行なうオープニング期間、大入賞口36aに所定回数のラウンド遊技を行わせる大入賞口開閉処理期間、および、ラウンド遊技の後の演出を行なうエンディング期間を備える。
ケース1の場合は、低確低サポ状態H1時において、推奨される発射態様は左打ちであり、右打ちランプ39aは待機状態H2に移行する前から消灯状態にある。このため、上記「待機状態H2の開始時に、右打ちランプ39aが消灯される」とは、すでに消灯状態にある場合には、消灯状態を継続することを意味する。すなわち、図示の変動開始から変動停止までの期間において、右打ちランプ39aは消灯状態にあり、待機状態H2においても、右打ちランプ39aは消灯状態を継続する。
図61は、ケース2における大当たり時の動作を示す説明図である。ケース2は、高確高サポ状態H5時、低確高サポ状態H4時、または高確低サポ状態H6時に、第1始動口33への遊技球の入球に基づく当たり抽選において大当たり当選した場合である。ケース2の場合、次のように動作が進行する。
高確高サポ状態H5時、低確高サポ状態H4時、または高確低サポ状態H6時において、第2始動口34へ遊技球が入球した場合に、当該入球に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選が行なわれる。次いで、この当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知するために、第2図柄表示部37bにおいて、セグメント表示器の変動表示を開始した後に、当該抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器の変動を停止する(一遊技回)。また、一遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、第2図柄表示部37bに表示される図柄に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。当該抽選結果が大当たり当選である場合に、当該遊技回の終了後に待機状態H2に移行する。
高確高サポ状態H5時、低確高サポ状態H4時、または高確低サポ状態H6時から移行した待機状態H2である場合、推奨される発射態様は右打ちであることから、待機状態H2の開始時に、右打ちランプ39aが点灯されるとともに、右打ち報知演出が図柄表示装置41に表示される。遊技者は、右打ち報知演出に従って右打ちを実行することによって、有効となっている右側大入賞口作動ゲート96に遊技球を入球させる。当該待機状態H2では、有効となっている右側大入賞口作動ゲート(図中では、右ゲートと記載)96に遊技球が入球するのを待って、当該入球が検知された場合に開閉実行モードフラグをONにする制御の実行後に開閉実行モードH3に移行する。開閉実行モードH3は、ラウンド遊技に先立つオープニングの演出を行なうオープニング期間、大入賞口36aに所定回数のラウンド遊技を行わせる大入賞口開閉処理期間、および、ラウンド遊技の後の演出を行なうエンディング期間を備える。
ケース2の場合は、高確高サポ状態H5時、低確高サポ状態H4時、または高確低サポ状態H6時において、推奨される発射態様は右打ちであり、右打ちランプ39aは待機状態H2に移行する前から点灯状態にある。このため、上記「待機状態H2の開始時に、右打ちランプ39aが点灯される」とは、すでに点灯状態にある場合には、点灯状態を継続することを意味する。ケース2の場合には、高確高サポ状態H5時、低確高サポ状態H4時、または高確低サポ状態H6時において右打ちを実行して遊技を楽しんでいる状態から、当たり抽選において大当たり当選し、待機状態H2を経て、開閉実行モードH3を実行するまで、推奨される発射態様は右打ちであることから、遊技者は、遊技球発射機構による発射態様を右打ちにずっと維持したまま、大当たりが連続する、いわゆる連チャンを楽しむことができる。
図62は、ケース3における大当たり時の動作を示す説明図である。ケース3は、低確低サポ状態時(通常時)に、第2始動口34への入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選において大当たり当選した場合である。
低確高サポ状態H4において、当たり抽選において大当たり当選せずに時短上限回数である50回の遊技回が終了したことによって、低確低サポ状態H1(通常時)に移行した場合に、低確高サポ状態H4において第2始動口34へ遊技球が入球したことに起因して記憶された特2保留が2~4個残ることがある。その残った2~4個の特2保留(以下、特2残保留とも呼ぶ)のうちの1個の特2残保留に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選した場合がケース3である。図62に示すように、特2残保留に係る当たり抽選において大当たり当選したことを遊技者に告知するために、第2図柄表示部37bにおいて、セグメント表示器の変動表示を開始した後に、当たり抽選の抽選結果、すなわち大当たり当選に対応した表示となるようにセグメント表示器の変動を停止する。なお、本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、通常時における右打ちを防止する対策として、この変動開始から変動停止までの変動時間、すなわち、通常時における特2保留に係る変動時間は、例えば10分というように極めて長い時間(ロング)に設定されている。その後、この変動に係る当たり抽選の抽選結果が大当たり当選である場合に、当該変動停止後に待機状態H2に移行する。
低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2である場合、推奨される発射態様は左打ちであることから、当該待機状態H2の開始時に、右打ちランプ39aが消灯状態となる。なお、当該待機状態H2では、待機状態H2に移行する契機となった大当たり当選が第2始動口34への遊技球の入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選によるものであることから、左ゲート狙い報知演出が図柄表示装置41に表示されることはない。その後、待機状態H2は、その状態のままで継続される。
本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、小当たりラッシュの機能を搭載する構成とした。この構成では、先に説明したように、低サポ状態である通常時においても右打ちすると、第2始動口34に遊技球を入球させることが可能となる。そこで、この問題を解決するために、本実施形態のパチンコ機10では、通常時における特2保留の変動時間を例えば10分と極めて長い時間(ロング)に設定する構成とした。しかしながら、この構成を、特2保留を特1保留よりも優先的に変動表示するタイプのパチンコ機(特2優先機)や、入賞順に変動表示するタイプのパチンコ機に採用した場合に、特2保留が残ったまま通常状態に移行した場合や、通常状態において誤って右打ちした場合に、特2保留のロングの変動時間が終わるまで遊技を行なうことができず、遊技を円滑に継続できないというデメリットがあった。また、悪意のある者が、通常時に第2始動口へ遊技球を複数個、入球させて、当該パチンコ機を放置することで、数十分間にわたって当該遊技機を遊技不能とすることで、ホール内のパチンコ機の稼働率を極端に低下させてしまう虞があるというデメリットもあった。これらのデメリットを解消するために、本実施形態のパチンコ機10では、同時変動機として、小当たりラッシュの機能を搭載する構成とした。
以上の構成を有する本実施形態のパチンコ機10では、低確高サポ状態H4から低確低サポ状態H1(通常時)に戻ったときに、特2保留が2~4個残り、その残った特2残保留で当たり抽選の当否結果が大当たり当選している場合に、大当たり当選したことが告知されるのが数十分後ということが起こり得た。一方で、低確高サポ状態H4が終了して低確低サポ状態H1(通常時)に戻ったときには、遊技者は、有利な状態を脱したとして遊技を終了することが往々にしてあり得た。通常時における特2残保留で大当たり当選する可能性があることを遊技者が知っていたとしても、大当たりか外れか判らない状態では、遊技者は、上記数十分を待ちきれずに遊技を終了するのが常である。このため、図62に示した動作の途中では、パチンコ機10は、遊技者が居ない空席となることがある。この場合にも、変動表示は変動停止するまで継続され、その後に、待機状態H2に移行する。この待機状態H2では、上述したように、右打ちランプ39aが点灯することもない。その上、待機状態H2に移行する契機となった大当たり当選が第2始動口34への遊技球の入球に起因する特2保留に係る当たり抽選によるものであることから、左ゲート狙い報知演出や左打ち報知演出が表示されることがない。このために、空席のパチンコ機の中から右打ちランプ39aが点灯状態になっているパチンコ機や、左ゲート狙い報知演出、左打ち報知演出、または右打ち報知演出が実行されているパチンコ機を見つけ出して、大当たり遊技の実行が確定している当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナが発生することを防止することができる。
ここで、従来例を具体的に挙げて、本実施形態のパチンコ機10についての効果を更に説明する。この従来例のパチンコ機は、本実施形態のパチンコ機10と比較して、次の(i)、(ii)の構成が相違し、他の構成については同一であるものとする。
(i)左側大入賞口作動ゲート95を備えず、右側大入賞口作動ゲート96を備える構成。
(ii)所定の遊技回における当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に、大当たり当選した時の遊技状態がいずれの遊技状態であっても、当該遊技回の終了後に右側大入賞口作動ゲート96を遊技球が通過するのを待って、当該通過が検出された場合に、可変入賞装置36を開閉実行モードに移行させる点。
すなわち、従来例のパチンコ機は、同時変動機であり、小当たりラッシュの機能を搭載している。この従来例のパチンコ機によれば、低確低サポ状態時(通常時)に、第2始動口34への入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選が実行された場合に、本実施形態のパチンコ機10と同様に、この当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知するための一遊技回に対応した変動時間が極めて長い時間(ロング)となる。このため、従来例のパチンコ機では、本実施形態のパチンコ機10と同様に、通常時に、第2始動口34への遊技球の入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選において大当たり当選する場合にも、遊技者が遊技を終了して空き席となることがある。この場合にも、大当たり当選に対応した図柄を表示する変動停止後に、ラウンド遊技の実行が確定している待機状態に移行する。従来例のパチンコ機では、当該待機状態は、推奨される発射態様は右打ちであることから、当該待機状態の開始時に、右打ちランプ39aが点灯状態となる。この結果、この従来例のパチンコ機によれば、当たり抽選の抽選結果が大当たり当選で、ラウンド遊技が開始されることが確定された状態となった場合に、遊技者が居ない空き席であるにもかかわらず、右打ちランプ39aが点灯状態となる。
ここで、左側大入賞口作動ゲート95も右側大入賞口作動ゲート96も備えないパチンコ機を考えた場合に、所定の遊技回における当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に、当該遊技回の終了後に、直ちに開閉実行モードに移行することになり、遊技者が居ない空き席となった状態で、開閉実行モードが開始されることが起こりえた。この従来例のパチンコ機によれば、右側大入賞口作動ゲート96を備えることで、遊技者が居ない空き席となった状態で、開閉実行モードが開始されることを防ぐことができるが、上述したように、遊技者が居ない空き席のパチンコ機であるにもかかわらず、右打ちランプ39aが点灯状態となる。
このため、従来例のパチンコ機によれば、ホール内において、空席のパチンコ機の中から右打ちランプ39aが点灯状態にあるパチンコ機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、ケース3(図62を参照)にて説明したように、低確低サポ状態時(通常時)に、第2始動口34への入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選において大当たり当選した場合に、変動停止後に移行する待機状態H2の開始時に右打ちランプ39aが消灯状態にあることから、特2残保留に係る当たり抽選の抽選結果が大当たり当選であり、ラウンド遊技が開始されることが確定された状態であっても、この状態を右打ちランプ39aから知ることができない。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、ケース3の場合には、先に説明したように、低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2では、待機状態H2に移行する契機となった大当たり当選が第2始動口34への遊技球の入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選によるものであることから、左ゲート狙い報知演出や左打ち報知演出が図柄表示装置41に表示されることはない。このため、本実施形態のパチンコ機10では、特2残保留に係る当たり抽選の抽選結果が大当たり当選であり、ラウンド遊技が開始されることが確定された状態であることが、左ゲート狙い報知演出や左打ち報知演出からハイエナによって見つけられるようなこともない。
さらに、通常時に、第2始動口34への遊技球の入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選において大当たり当選した場合に、有効となっている左側大入賞口作動ゲート95に遊技球を入球させることによって大当たり遊技を開始させることができるのは、本パチンコ機10が大当たり遊技に移行することが確定していることを知らずに、本パチンコ機10の遊技を開始した者だけに限ることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、遊技の健全性の向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードの実行中において、右打ちランプ39aを点灯状態に制御することから、遊技者は、遊技球発射機構による発射態様を左打ちとして、左側大入賞口作動ゲート95に遊技球を入球させた後に、開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御)が行なわれるに際し、右打ちランプ39aが点灯状態となったことから、遊技球発射機構による発射態様を右打ちに切り替える必要があることを右打ちランプ39aの点灯状態から即座に知ることができる。このため、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者に適切な操作を報知することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、低確低サポ状態H1において推奨される遊技球発射機構による発射態様は左打ちである。そして、低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2では、待機状態H2への移行後においても、遊技球発射機構による発射態様を左打ちとしたままで、開閉実行モードの開始処理の実行が可能な、有効となった左側大入賞口作動ゲート95へ遊技球を入球させることができる。このため、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技球発射機構による発射態様をいちいち切り替えることなく、有効となった左側大入賞口作動ゲート95へ遊技球を入球させることが可能となることから、遊技の操作性を向上することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6において推奨される遊技球発射機構による発射態様は右打ちである。そして、低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2では、待機状態H2への移行後においても、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとしたままで、開閉実行モードの開始処理の実行が可能な、有効となった右側大入賞口作動ゲート96へ遊技球を入球させることができる。このため、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技球発射機構による発射態様をいちいち切り替えることなく、有効となった右側大入賞口作動ゲート96へ遊技球を入球することが可能となることから、遊技の操作性を向上することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、低確低サポ状態H1において推奨される遊技球発射機構による発射態様は左打ちである。そして、低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2では、右打ちランプ39aを消灯状態に制御していることから、右打ちランプ39aの消灯状態に従って遊技球発射機構による発射態様を左打ちとすることを継続したままで、低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2において、開閉実行モードの開始処理の実行が可能な左側大入賞口作動ゲート95へ遊技球を入球させることができる。このため、本実施形態のパチンコ機10によれば、発射手段による発射態様をいちいち切り替えることなく、左側大入賞口作動ゲート95へ遊技球を入球させることが可能となることから、遊技の操作性を向上することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6において推奨される遊技球発射機構による発射態様は右打ちである。そして、低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2では、右打ちランプ39aを点灯状態に制御していることから、右打ちランプ39aの点灯状態に従って発射手段による発射態様を右打ちとすることを継続したままで、低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2において、開閉実行モードの開始処理の実行が可能な右側大入賞口作動ゲート96へ遊技球を入球させることができる。このため、本実施形態のパチンコ機10によれば、発射手段による発射態様をいちいち切り替えることなく、右側大入賞口作動ゲート96へ遊技球を入球させることが可能となることから、遊技の操作性を向上することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、左側大入賞口作動ゲート95は、左打ちである場合に遊技球が入球可能であり、右打ちである場合に遊技球が入球不能であるが、左打ちした場合に、左側大入賞口作動ゲート95は、必ず(すなわち100%の確率で)入球するものではないように構成されている。先に説明したように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり開始の条件成立待機状態において右打ちランプ39aが点灯状態となっていないことから、空席のパチンコ機の中から右打ちランプ39aが点灯状態になっているパチンコ機を探すことによって、大当たり開始の条件成立待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことはできない。しかしながら、本実施形態のパチンコ機10において、仮に左打ちした場合に左側大入賞口作動ゲート95に遊技球が必ず入球する構成とした場合には、空席のパチンコ機を見つけ、当該パチンコ機に着席し、左打ちで遊技球を1個、発射させるだけで、大当たり開始の条件成立待機状態となっているパチンコ機であるか否かを判別することが可能となる。これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、左打ちした場合に、左側大入賞口作動ゲート95は必ず入球するものではないように構成されていることから、空席のパチンコ機を見つけ、当該パチンコ機に着席し、左打ちで遊技球を1個、発射させただけでは、大当たり開始の条件成立待機状態となっているパチンコ機であるか否かを判別することができず、大当たり開始の条件成立待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、この構成によれば、ホール内の空席のパチンコ機に対して順に遊技球を1個だけ発射させることによって、大当たり遊技の実行が確定している条件成立待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を抑制することができる。
《2-5》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において上述した処理を実行するための具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60のMPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。これらの処理について次に説明する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図63は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップSy0101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSy0102に進む。
ステップSy0102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSy0103に進む。
ステップSy0103では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSy0104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図65)において、その値を更新する。
ステップSy0104では第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップSy0104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。その後、ステップSy0105に進む。
ステップSy0105では、スルーゲート35への入球に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップSt0105のスルー用の入球処理の詳細については後述する。その後、ステップSy0106に進む。
ステップSy0106では、左側大入賞口作動ゲート95または右側大入賞口作動ゲート96への入球に伴うゲート用の入球処理を実行する。ステップSt0106のゲート用の入球処理の詳細については後述する。ステップSy0106を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図63:Sy0104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図64は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSy0201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入賞)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサ―の検知状態により判定する。ステップSy0201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(Sy0201:YES)、ステップSy0202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSy0203に進む。
ステップSy0203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップSy0204に進む。
ステップSy0204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSy0209に進む。
ステップSy0201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(Sy0201:NO)、ステップSy0205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサーの検知状態により判定する。
ステップSy0205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(Sy0205:YES)、ステップSy0206に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSy0207に進む。一方、ステップSy0205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(Sy0205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップSy0207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップSy0208に進む。
ステップSy0208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSy0209に進む。
ステップSy0209では、上述したステップSy0204又はステップSy0208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップSy0209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(Sy0209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSy0209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(Sy0209:YES)、ステップSy0210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップSy0211に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップSy0212に進む。なお、始動入賞時に規制状態である場合には、始動保留個数Nの加算は実行されるが、即時に変動が開始されることなく、変動の開始処理は待機(非実行)とされる。始動入賞時に規制状態となる場合としては、第1始動口33に遊技球が入球したときに特1変動中である場合と、第2始動口34に遊技球が入球したときに特2変動中である場合と、大当たり遊技の実行中である場合とが挙げられる。
ステップSy0212では、ステップSy0103(図63)において更新した当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSy0210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSy0103(図63)にて更新した当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSy0210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSy0103(図63)にて更新した当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSy0210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップSy0212を実行した後、ステップSy0213に進む。
ステップSy0213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。ステップSy0213を実行した後、ステップSy0214に進む。
ステップSy0214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果(先判定情報)を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図66:ステップSy0402)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップSy0214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。なお、本実施形態のパチンコ機10は同時変動機であるが、入賞順に変動表示するタイプのパチンコ機でも規制状態は同様である。また、特2優先機の場合は、第1始動口33への遊技球の入球時の特2変動中、および、第2始動口34への遊技球の入球時の特1変動中が規制状態に加わる。特1優先機の場合も、第2始動口34への遊技球の入球時の特1変動中、および、第1始動口33への遊技球の入球時の特2変動中が規制状態に加わる。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図63:Sy0105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図65は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSy0301では、遊技球がスルーゲート35に入球したか否かを判定する。ステップSy0301において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(Sy0301:YES)、ステップSy0302に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップSy0301において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(Sy0301:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップSy0302において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(Sy0302:YES)、ステップSy0303に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップSy0304に進む。
ステップSy0304では、ステップSt0103(図61)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64dの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップSy0302において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(Sy0302:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<ゲート用の入球処理>
次に、ゲート用の入球処理について説明する。ゲート用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図63:Sy0106)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図66は、ゲート用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSy0401では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される待機状態中フラグがONであるか否かを判定する。待機状態中フラグは、後述するように、待機状態に移行後にONにされ、開閉実行モードに移行するタイミングでOFFにされる。ステップSy0401において、待機状態中フラグがONであると判定した場合には(Sy0401:YES)、ステップSy0402に進み、遊技球が左側大入賞口作動ゲート95に入球したか否かを判定する。ステップSy0402において、遊技球が左側大入賞口作動ゲート95に入球したと判定した場合には(Sy0402:YES)、ステップSy0403に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される左ゲート有効フラグがONであるか否かを判定する。左ゲート有効フラグは、左側大入賞口作動ゲート95について開閉実行モードへの移行を発生させる機能が有効であるか無効であるかを判定するためのフラグであり、後述するように、サポートモードが低頻度サポートモードであり、抽選モードが低確率モードである低確低サポ状態時に大当たりに当選した場合にONにされ、サポートモードが高頻度サポートモードであり、抽選モードが低確率モードである低確高サポ状態時、サポートモードが高頻度サポートモードであり、抽選モードが高確率モードである高確高サポ状態時、または、サポートモードが低頻度サポートモードであり、抽選モードが高確率モードである高確低サポ状態時に大当たりに当選した場合にOFFにされる。ステップSy0403において、左ゲート有効フラグがONであると判定した場合には(Sy0403:YES)、ステップSy0406に進む。
ステップSy0402において、遊技球が左側大入賞口作動ゲート95に入球していないと判定した場合には(Sy0402:NO)、ステップSy0404に進み、遊技球が右側大入賞口作動ゲート96に入球したか否かを判定する。ステップSy0404において、遊技球が右側大入賞口作動ゲート96に入球したと判定した場合には(Sy0404:YES)、ステップSy0405に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される右ゲート有効フラグがONであるか否かを判定する。右ゲート有効フラグは、右側大入賞口作動ゲート96について開閉実行モードへの移行を発生させる機能が有効であるか無効であるかを判定するためのフラグであり、後述するように、低確高サポ状態時、高確高サポ状態時、または高確低サポ状態時に大当たりに当選した場合にONにされ、低確低サポ状態時に大当たりに当選した場合にOFFにされる。ステップSy0405において、右ゲート有効フラグがONであると判定した場合には(Sy0405:YES)、ステップSy0406に進む。
ステップSy0406では、切替制御として、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される開閉実行モードフラグをONにする。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされるフラグである。その後、ステップSy0407に進む。
ステップSy0407では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される待機状態中フラグをOFFにする。その後、本スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップSy0401において、待機状態中フラグがONでないと判定した場合には(Sy0401:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。ステップSy0403において、左ゲート有効フラグがONでないと判定した場合には(Sy0403:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。ステップSy0404において、遊技球が右側大入賞口作動ゲート96に入球していないと判定した場合には(Sy0404:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。また、ステップSy0405において、右ゲート有効フラグがONでないと判定した場合には(Sy0405:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図66は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSy0501では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップSy0502に進む。
ステップSy0502では、タイマー割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSy0502を実行した後、ステップSy0503に進む。
ステップSy0503では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSy0504に進む。
ステップSy0504では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップSy0505に進む。ステップSy0505では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップSy0505を実行した後、ステップSy0506に進む。
ステップSy0506では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップSy0507に進む。
ステップSy0507では、右側第1始動口44に設けられた電動役物44aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物44aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップSy0508に進む。
ステップSy0508では、今回の通常処理の開始(2巡目以降では、ステップSy0502のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。
ステップSy0508において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(Sy0508:NO)、ステップSy0509及びステップSy0510において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップSy0509において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップSy0510において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。
一方、ステップSy0508において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(Sy0508:YES)、ステップSy0502に戻り、ステップSy0502からステップSy0507までの各処理を実行する。
なお、ステップSy0502からステップSy0507の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図67:Sy0505)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図68は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップSy0601では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述するように、大当たりに当選した遊技回における図柄の変動が終了し、待機状態を経て、開閉実行モードに移行するタイミングでONにされ、開閉実行モードが終了するタイミングでOFFにされる。ステップSy0601において、開閉実行モード中でないと判定された場合には(Sy0601:NO)、ステップSy0602に進む。ステップSy0602では、待機状態中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの待機状態中フラグがONであるか否かを判定する。ステップSy0601において開閉実行モード中か否かを判定し、ステップSy0602において待機状態中か否かを判定することによって、待機状態中、および、開閉実行モード中においてステップSy0604(またはステップSy0605)を実行しないようにする。この結果、開閉実行モードが実行されている期間、および待機状態の期間に遊技回を開始しないようにすることができる。以下、詳細を説明する。
ステップSy0601において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sy0601:YES)、開閉実行モード中であると判定し、ステップSy0602以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
ステップSy0602において、待機状態中フラグがONであると判定した場合には(Sy0602:YES)、待機状態中であると判定し、ステップSy0603以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、待機状態中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
ステップSy0603では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第1変動中フラグがONであるか否かを判定する。第1変動中フラグは、第1始動口用遊技回が開始されるとONになり、第1図柄表示部37aにおける変動表示が停止し、停止表示になる際にOFFにされるフラグである。ステップSy0603において、第1変動中フラグがONではないと判定した場合には(Sy0603:NO)、ステップSy0604に進む。
ステップSy0604では、第1始動口用の変動開始処理を実行する。第1始動口用の変動開始処理は、第1始動口用遊技回を開始するための処理である。第1始動口用の変動開始処理の詳細は後述する。ステップSy0604を実行した後、ステップSy0606に進む。
一方、ステップSy0603において、第1変動中フラグがONである判定した場合には(Sy0603:YES)、ステップSy0605に進む。
ステップSy0605では、第1変動停止処理を実行する。第1変動停止処理は、開始された第1始動口用遊技回の図柄の変動を停止させるための処理である。第1変動停止処理の詳細は後述する。ステップSy0605を実行した後、ステップSy0606に進む。
ステップSy0606では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2変動中フラグがONであるか否かを判定する。第2変動中フラグは、第2始動口用遊技回が開始される場合にONになり、第2図柄表示部37bにおける変動表示が停止し、停止表示になる際にOFFにされるフラグである。ステップSy0606において、第2変動中フラグがONではないと判定した場合には(Sy0606:NO)、ステップSy0607に進む。
ステップSy0607では、第2始動口用の変動開始処理を実行する。第2始動口用の変動開始処理は、第2始動口用遊技回を開始するための処理である。第2始動口用の変動開始処理の詳細は後述する。ステップSy0607を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSy0606において、第2変動中フラグがONであると判定した場合には(Sy0606:YES)、ステップSy0608に進む。
ステップSy0608では、第2変動停止処理を実行する。第2変動停止処理は、開始された第2始動口用遊技回の図柄の変動を停止させるための処理である。第2変動停止処理の詳細は後述する。ステップSy0608を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
<第1始動口用の変動開始処理>
次に、第1始動口用の変動開始処理について説明する。第1始動口用の変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図68:Sy0604)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図69は、第1始動口用の変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSy0701では、第1始動保留個数RaN=0であるか否かを判定する。ステップSy0701において、第1始動保留個数RaN=0ではないと判定した場合には(Sy0701:NO)、ステップSy0702に進む。一方、ステップSy0701において、第1始動保留個数RaN=0であると判定した場合には(Sy0701:YES)、本第1始動口用の変動開始処理を終了する。
ステップSy0702では、第1始動口用保留情報シフト処理を実行する。第1始動口用保留情報シフト処理では、第1保留エリアRaに記憶された保留情報をシフトさせる。第1始動口用保留情報シフト処理の詳細については後述する。ステップSy0702を実行した後、ステップSy0703に進む。
ステップSy0703では、第1始動口用の判定処理を実行する。第1始動口用の判定処理では、判定処理実行エリア64cに記憶された特別情報に基づいて当たり抽選を実行する。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶された当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、大当たりの有無を判定する当否判定、大当たり種別を振り分ける振分判定、リーチ発生の有無を判定するリーチ判定を行なう。第1始動口用の判定処理の詳細については後述する。ステップSy0703を実行した後、ステップSy0704に進む。
ステップSy0704では、第1始動口用の変動時間の設定処理を実行する。第1始動口用の変動時間の設定処理では、図柄が変動を開始してから停止するまでの時間である変動時間を設定する。第1始動口用の変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップSy0704を実行した後、ステップSy0705に進む。
ステップSy0705では、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及びステップSy0704において設定された変動時間の情報が含まれている。ステップSy0705を実行した後、ステップSy0706に進む。
ステップSy0706では、第1種別コマンドを設定する。第1種別コマンドには、大当たりの有無の情報及び大当たり種別の情報が含まれている。具体的には、第1種別コマンドには、16R確変大当たり+小当たりラッシュの情報、8R確変大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、または外れの情報が含まれる。
ステップSy0705及びステップSy0706において設定された第1変動用コマンド及び第1種別コマンドは、通常処理(図67)におけるステップSy0502によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び第1種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSy0706を実行後、ステップSy0707に進む。
ステップSy0707では、第1図柄表示部37aにおける変動表示を開始させ、その後、ステップSy0708に進み、第1変動中フラグをONにする。第1変動中フラグは、第1始動口用遊技回が開始される場合にONにされ、第1図柄表示部37aにおける変動表示が停止表示となった場合にOFFにされるフラグである。ステップSy0708を実行した後、ステップSy0709に進む。
ステップSy0709では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードが開始された場合に、遊技回数カウンタPNCに値が設定され、遊技回が実行される毎にカウンタ値が1減算される。ステップSy0709を実行した後、本第1始動口用の変動開始処理を終了する。
<第1始動口用保留情報シフト処理>
次に、第1始動口用保留情報シフト処理について説明する。第1始動口用保留情報シフト処理は、第1始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図69:Sy0702)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図70は、第1始動口用保留情報シフト処理を示すフローチャートである。ステップSy0801では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算する。その後、ステップSy0802に進む。
ステップSy0802では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータ(保留情報)を判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに移動させる。その後、ステップSy0803に進む。
ステップSy0803では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSy0803を実行した後、第1始動口用本保留情報シフト処理を終了する。
<第1始動口用の判定処理>
次に、第1始動口用の判定処理について説明する。第1始動口用の判定処理は、第1始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図69:Sy0703)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図71は、第1始動口用の判定処理を示すフローチャートである。ステップSy0901では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、次回の大当たりの当選に係る開閉実行モードの開始に際してOFFにされる。さらに、本実施形態では、始動口ユニット200に備えられる転落口252へ遊技球が入球した場合に、高確率モードフラグはOFFされる。ステップSy0901において、高確率モードであると判定した場合には(Sy0901:YES)、ステップSy0902に進む。
ステップSy0902では、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値が、図54(b)に示す第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSy0904に進む。一方、ステップSy0901において高確率モードではないと判定した場合には(Sy0901:NO)、ステップSy0903に進む。
ステップSy0903では、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値が、図54(a)に示す第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSy0904に進む。
ステップSy0904では、ステップSy0902又はステップSy0903における当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSy0904において、当否判定の結果が大当たりであると判定した場合には(Sy0904:YES)、ステップSy0905に進む。
ステップSy0905では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第1当たりフラグをONにする。第1当たりフラグは、第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行された当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合にONされ、当該第1始動口33への遊技球の入球による第1の図柄の変動表示が停止し、停止表示になる際にOFFにされるフラグである。ステップSy0905を実行した後、ステップSy0906に進む。
ステップSy0906では、第1始動口用の振分テーブル(図56(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、いずれの大当たり種別の数値範囲に含まれているかを判定する。ステップSy0906を実行した後、ステップSy0907に進む。
ステップSy0907では、ステップSy0906における振分判定の結果(大当たり種別)が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップSy0907において、振り分けた大当たり種別が確変大当たりであると判定した場合には(Sy0907:YES)、ステップSy0908に進む。なお、ステップSy0907では、振分判定の結果が「確変大当たり+小当たりラッシュ」である場合は、確変大当たりでないと判定される。
ステップSy0908では、ステップSy0906において振り分けた大当たり種別に対応した確変大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップSy0908を実行した後、ステップSy0909に進む。
ステップSy0909では、確変大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。確変大当たり用の停止図柄設定処理では、確変大当たりとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップSy0906において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSy0909を実行した後、本第1始動口用の判定処理を終了する。
ステップSy0907において、振り分けた大当たり種別が確変大当たりではないと判定した場合には(Sy0907:NO)、ステップSy0910に進む。
ステップSy0910では、ステップSy0906における振分判定の結果(大当たり種別)が確変大当たり+小当たりラッシュであるか否かを判定する。ステップSy0910において、振り分けた大当たり種別が確変大当たり+小当たりラッシュであると判定した場合には(Sy0910:YES)、ステップSy0911に進む。
ステップSy0911では、ステップSy0906において振り分けた大当たり種別に対応した確変大当たり+小当たりラッシュフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップSy0911を実行した後、ステップSy0912に進む。
ステップSy0912では、確変大当たり+小当たりラッシュ用の停止図柄設定処理を実行する。確変大当たり+小当たりラッシュ用の停止図柄設定処理では、確変大当たり+小当たりラッシュとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている確変大当たり+小当たりラッシュ用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップSy0906において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSy0912を実行した後、本第1始動口用の判定処理を終了する。
ステップSy0910において、振り分けた大当たり種別が確変大当たり+小当たりラッシュでないと判定した場合(Sy0910:NO)、すなわち、振り分けた大当たり種別が通常大当たりである場合には、ステップSy0913に進む。
ステップSy0913では、ステップSy0906において振り分けた大当たり種別に対応した通常大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップSy0913を実行した後、ステップSy0914に進む。
ステップSy0914では、通常大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。通常大当たり用の停止図柄設定処理では、通常大当たりとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップSy0906において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSy0914を実行した後、第1入球部である第1始動口用の判定処理を終了する。
ステップSy0904において、ステップSy0902又はステップSy0903における当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(Sy0904:NO)、ステップSy0915に進む。
ステップSy0915では、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照して、リーチが発生するか否かのリーチ判定を行なう。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、参照したリーチ判定用テーブルにおいてリーチ発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。このステップSy0915の処理は、上記ステップSy0904における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たりでない場合、すなわち外れの場合に実行される。すなわち、ステップSy0915においては、当否判定の結果が大当たりでない遊技回のうち、リーチが発生する遊技回であるか否かの判定を行う。ステップSy0915を実行した後、ステップSy0916に進む。
ステップSy0916では、ステップSy0915におけるリーチ判定の結果がリーチ発生であるか否かを判定する。ステップSy0916において、リーチ発生であると判定した場合には(Sy0916:YES)、ステップSy0917に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのリーチ発生フラグをONにする。ステップSy0917を実行した後、ステップSy0918に進む。ステップSy0916において、リーチ発生でないと判定した場合には(Sy0916:NO)、そのままステップSy0918に進む。
ステップSy0918では、外れ用の停止図柄設定処理を実行する。外れ用の停止図柄設定処理では、外れとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fにおける外れ用の停止結果テーブルを参照することによって、判定処理実行エリア64cに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSy0918を実行した後、本第1始動口用の判定処理を終了する。
<第1始動口用の変動時間の設定処理>
次に、第1始動口用の変動時間の設定処理について説明する。第1始動口用の変動時間の設定処理は、第1始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図69:Sy0704)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図72は、第1始動口用の変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップSy1001では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタバッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSy1002に進む。
ステップSy1002では、高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSy1002において、高確率モードフラグがONではないと判定した場合には(Sy1002:NO)、ステップSy1003に進む。
ステップSy1003では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSy1003において、高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合には(Sy1003:NO)、ステップSy1004に進む。
ステップSy1004では、第1始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理を実行する。第1始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理は、抽選モードが低確率モードであり、かつサポートモードが低頻度サポートモードである時に第1始動口用遊技回が実行される場合に、当該第1始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。具体的には、図59における低確低サポ状態(状態H1)のときに、第1始動口用遊技回が実行される場合に、当該第1始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。第1始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理の詳細は後述する。ステップSy1004を実行した後、ステップSy1009に進む。
一方、ステップSy1003において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sy1003:YES)、ステップSy1005に進む。
ステップSy1005では、第1始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理を実行する。第1始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理は、抽選モードが低確率モードであり、かつサポートモードが高頻度サポートモードである時に第1始動口用遊技回が実行される場合に、当該第1始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。具体的には、図59における低確高サポ状態(状態H4)のときに、第1始動口用遊技回が実行される場合に、当該第1始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。第1始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理の詳細は後述する。ステップSy1005を実行した後、ステップSy1009に進む。
一方、ステップSy1002において、高確率モードフラグがONであると判定した場合には(Sy1002:YES)、ステップSy1006に進む。
ステップSy1006では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSy1006において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sy1006:YES)、ステップSy1007に進む。
ステップSy1007では、第1始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理を実行する。第1始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理は、抽選モードが高確率モードであり、かつサポートモードが高頻度サポートモードである時に第1始動口用遊技回が実行される場合に、当該第1始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。具体的には、図59における高確高サポ状態(状態H5)のときに、第1始動口用遊技回が実行される場合に、当該第1始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。第1始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理の詳細は後述する。ステップSy1007を実行した後、ステップSy1009に進む。
一方、ステップSy1006において、高頻度サポートモードフラグがONでないと判定した場合には(Sy1006:NO)、ステップSy1008に進む。
ステップSy1008では、第1始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理を実行する。第1始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理は、抽選モードが高確率モードであり、かつサポートモードが低頻度サポートモードである時に第1始動口用遊技回が実行される場合に、当該第1始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。具体的には、図59における高確低サポ状態(状態H6)のときに、第1始動口用遊技回が実行される場合に、当該第1始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。第1始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理の詳細は後述する。ステップSy1008を実行した後、ステップSy1009に進む。
ステップSy1009では、ステップSy1004、ステップSy1005、ステップSy1007、ステップSy1008の各処理で取得した変動時間情報を、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第1始動口用の変動時間の設定処理を終了する。
<第1始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理>
次に、第1始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理について説明する。第1始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理は、第1始動口用の変動時間の設定処理のサブルーチン(図72:Sy1004)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図73は、第1始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSy1101では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、確変大当たりフラグ、確変大当たり+小当たりラッシュフラグ、又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(Sy1101:YES)、ステップSy1102に進む。
ステップSy1102では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低確低サポ状態時変動時間テーブル群から、大当たり用の変動時間テーブルを特定し、特定した大当たり用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。低確低サポ状態時変動時間テーブル群には、(i)低確低サポ状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用変動時間テーブル、(ii)低確低サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、(iii)低確低サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、が備えられている。ステップSy1102では、まず、(i)~(iii)の中から(i)を特定する。(i)は、例えば、大当たり用通常演出を行うための変動時間テーブルである。次いで、特定した大当たり用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy01001(図72)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy1102を実行した後、第1始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
一方、ステップSy1101において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップSy1101:NO)、ステップSy1103に進む。
ステップSy1103では、今回の遊技回でリーチが発生するか否かを判定する。ステップSy1103において、今回の遊技回でリーチが発生すると判定した場合には(ステップSy1103:YES)、ステップSy1104に進む。
ステップSy1104では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低確低サポ状態時変動時間テーブル群から、リーチ発生用の変動時間テーブルを特定し、特定したリーチ発生用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。具体的には、まず、(i)~(iii)の中から(ii)低確低サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、を特定する。(ii)は、例えば、リーチ発生用通常演出を行うための変動時間テーブルである。次いで、特定したリーチ発生用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1001(図72)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy1104を実行した後、第1始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSy1103において、今回の遊技回でリーチが発生しないと判定した場合には(ステップSy1103:NO)、ステップSy1105に進む。
ステップSy1105では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低確低サポ状態時変動時間テーブル群から、リーチ非発生用の変動時間テーブルを特定し、特定したリーチ非発生用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。具体的には、まず、(i)~(iii)の中から(iii)低確低サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、を特定する。(iii)は、例えば、リーチ非発生用通常演出を行うための変動時間テーブルである。次いで、特定したリーチ非発生用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1001(図72)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy1105を実行した後、第1始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
<第1始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理>
次に、第1始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理について説明する。第1始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理は、第1始動口用の変動時間の設定処理のサブルーチン(図72:Sy1005)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図74は、第1始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSy1201では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、確変大当たりフラグ、確変大当たり+小当たりラッシュフラグ、又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(Sy1201:YES)、ステップSy1202に進む。
ステップSy1202では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低確高サポ状態時変動時間テーブル群から、大当たり用の変動時間テーブルを特定し、特定した大当たり用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。低確高サポ状態時変動時間テーブル群には、(iv)低確高サポ状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用変動時間テーブル、(v)低確高サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、(vi)低確高サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、が備えられている。ステップSy1202では、まず、(iv)~(vi)の中から(iv)を特定する。次いで、特定した大当たり用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1001(図72)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy1202を実行した後、第1始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
一方、ステップSy1201において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップSy1201:NO)、ステップSy1203に進む。
ステップSy1203では、今回の遊技回でリーチが発生するか否かを判定する。ステップSy1203において、今回の遊技回でリーチが発生すると判定した場合には(ステップSy1203:YES)、ステップSy1204に進む。
ステップSy1204では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低確高サポ状態時変動時間テーブル群から、リーチ発生用の変動時間テーブルを特定し、特定したリーチ発生用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。具体的には、まず、(iv)~(vi)の中から(v)低確高サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、を特定する。次いで、特定したリーチ発生用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1001(図72)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy1204を実行した後、第1始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSy1203において、今回の遊技回でリーチが発生しないと判定した場合には(ステップSy1203:NO)、ステップSy1205に進む。
ステップSy1205では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低確高サポ状態時変動時間テーブル群から、リーチ非発生用の変動時間テーブルを特定し、特定したリーチ非発生用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。具体的には、まず、(iv)~(vi)の中から(vi)低確高サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、を特定する。次いで、特定したリーチ非発生用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1001(図72)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy1205を実行した後、第1始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
<第1始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理>
次に、第1始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理について説明する。第1始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理は、第1始動口用の変動時間の設定処理のサブルーチン(図72:Sy1007)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図75は、第1始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSy1301では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、確変大当たりフラグ、確変大当たり+小当たりラッシュフラグ、又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(Sy1301:YES)、ステップSy1302に進む。
ステップSy1302では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確高サポ状態時変動時間テーブル群から、大当たり用の変動時間テーブルを特定し、特定した大当たり用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。この変動時間情報によって特定される時間の間、すなわち、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選することとなる変動中の状態では、メイン表示部45および図柄表示装置41による変動表示が行われる。この変動中は、内部的には、大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードの実行が確定している大当たり開始の条件成立待機状態であり、当該遊技回で開閉実行モードの実行が行われるか否かを各種期待度演出等を表示することで、遊技の興趣向上を図ることができる。高確高サポ状態時変動時間テーブル群には、(vii)高確高サポ状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用変動時間テーブル、(viii)高確高サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、(ix)高確高サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、が備えられている。ステップSy1302では、まず、(vii)~(ix)の中から(vii)を特定する。次いで、特定した大当たり用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1001(図72)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy1302を実行した後、第1始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
一方、ステップSy1301において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップSy1301:NO)、ステップSy1303に進む。
ステップSy1303では、今回の遊技回でリーチが発生するか否かを判定する。ステップSy1303において、今回の遊技回でリーチが発生すると判定した場合には(ステップSy1303:YES)、ステップSy1304に進む。
ステップSy1304では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確高サポ状態時変動時間テーブル群から、リーチ発生用の変動時間テーブルを特定し、特定したリーチ発生用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。具体的には、まず、(vii)~(ix)の中から(viii)高確高サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、を特定する。次いで、特定したリーチ発生用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1001(図72)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy1304を実行した後、第1始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSy1303において、今回の遊技回でリーチが発生しないと判定した場合には(Sy1303:NO)、ステップSy1305に進む。
ステップSy1305では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低確高サポ状態時変動時間テーブル群から、リーチ非発生用の変動時間テーブルを特定し、特定したリーチ非発生用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。具体的には、まず、(vii)~(ix)の中から(ix)高確高サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、を特定する。次いで、特定したリーチ非発生用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1001(図72)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy1305を実行した後、第1始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
<第1始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理>
次に、第1始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理について説明する。第1始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理は、第1始動口用の変動時間の設定処理のサブルーチン(図72:Sy1008)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図76は、第1始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSy1401では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、確変大当たりフラグ、確変大当たり+小当たりラッシュフラグ、又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(Sy1401:YES)、ステップSy1402に進む。
ステップSy1402では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確低サポ状態時変動時間テーブル群から、大当たり用の変動時間テーブルを特定し、特定した大当たり用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。高確低サポ状態時変動時間テーブル群には、(x)高確低サポ状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用変動時間テーブル、(xi)高確低サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、(xii)高確低サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、が備えられている。ステップSy1402では、まず、(x)~(xii)の中から(x)を特定する。次いで、特定した大当たり用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1001(図72)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy1402を実行した後、第1始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
一方、ステップSy1401において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合(すなわち、外れと判定した場合)には(ステップSy1401:NO)、ステップSy1403に進む。
ステップSy1403では、今回の遊技回でリーチが発生するか否かを判定する。ステップSy1403において、今回の遊技回でリーチが発生すると判定した場合には(ステップSy1403:YES)、ステップSy1404に進む。
ステップSy1404では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確低サポ状態時変動時間テーブル群から、リーチ発生用の変動時間テーブルを特定し、特定したリーチ発生用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。具体的には、まず、(x)~(xii)の中から(xi)高確低サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、を特定する。次いで、特定したリーチ発生用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1001(図72)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy1404を実行した後、第1始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSy1403において、今回の遊技回でリーチが発生しないと判定した場合には(Sy1403:NO)、ステップSy1405に進む。
ステップSy1405では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確低サポ状態時変動時間テーブル群から、リーチ非発生用の変動時間テーブルを特定し、特定したリーチ非発生用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。具体的には、まず、(x)~(xii)の中から(xii)高確低サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、を特定する。次いで、特定したリーチ非発生用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1001(図72)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy1405を実行した後、第1始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
<第1変動停止処理>
次に、第1変動停止処理について説明する。第1変動停止処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図68:Sy0605)として主制御装置60の主側MPU62によって実行される。
図77は、第1変動停止処理を示すフローチャートである。ステップSy1501では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2当たりフラグがONであるか否かを判定する。第2当たりフラグは、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行された当たり抽選の抽選結果が「大当たり」である場合にONにされ、当該第2始動口34への遊技球の入球による第2の図柄の変動表示が停止し、停止表示になる際にOFFにされる。ステップSy1501において、第2当たりフラグがONではないと判定した場合には(Sy1501:NO)、ステップSy1502に進む。
ステップSy1502では、第1図柄表示部37aの変動時間が終了したか否かを判定する。具体的には、第1始動口用の変動時間の設定処理(図71)において設定した第1図柄用の変動時間が経過したか否かを判定する。ステップSy1502において、第1図柄表示部37aの変動時間が終了したと判定した場合には(Sy1502:YES)、ステップSy1503に進む。一方、ステップSy1502において、第1図柄表示部37aの変動時間が終了していないと判定した場合には(Sy1502:NO)、ステップSy1512に進む。
ステップSy1503では、第1図柄表示部37aの変動を停止する。すなわち、第1図柄表示部37aの第1の図柄を、変動表示している状態から、停止表示に移行する。停止表示させる図柄(停止図柄)の組み合わせは、第1始動口用の判定処理(図71)のステップSy0909、ステップSy0912、ステップSy0914、またはステップSy0918において設定されている。第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たり当選することになる第1の図柄の変動表示中には、右打ちランプ39aは消灯状態に制御される。ステップSy1503を実行した後、ステップSy1504に進む。
ステップSy1504では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第1変動中フラグをOFFにする。上述のように、第1変動中フラグは、第1始動口33への遊技球の入球を契機として第1図柄表示部37aの第1の図柄が変動を開始する際にONにされ、第1の図柄が変動を停止する際にOFFにされるフラグである。ステップSy1504を実行した後、ステップSy1505に進む。
ステップSy1505では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2変動中フラグがONであるか否かを判定する。上述のように、第2変動中フラグは、第2始動口34への遊技球の入球を契機として第2図柄表示部37bの第2の図柄が変動を開始する際にONにされ、第2の図柄が変動を停止する際にOFFにされるフラグである。ステップSy1505において、第2変動中フラグがONではないと判定した場合には(Sy1505:NO)、ステップSy1506に進む。
ステップSy1506では、第1当たりフラグをOFFにする。その後、ステップSy1512に進む。
一方、ステップSy1505において、第2変動中フラグがONであると判定した場合には(Sy1505:YES)、ステップSy1512に進む。
ステップSy1501において、第2当たりフラグがONであると判定した場合には(Sy1501:YES)、ステップSy1507に進む。
ステップSy1507では、第2図柄表示部37bの変動時間が終了したか否かを判定する。具体的には、後述する第2始動口用の変動時間の設定処理(図81)において設定した第2図柄用の変動時間が経過したか否かを判定する。ステップSy1507において、第2図柄表示部37bの変動時間が終了していないと判定した場合には(Sy1507:NO)、ステップSy1502に進む。一方、ステップSy1507において、第2図柄表示部37bの変動時間が終了したと判定した場合には(Sy1507:YES)、ステップSy1508に進む。
ステップSy1508では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2当たりフラグをOFFにする。ステップSy1508を実行した後、ステップSy1509に進む。
ステップSy1509では、第1図柄表示部37aの変動を停止する。すなわち、第1図柄表示部37aの第1の図柄を、変動表示している状態から、停止表示に移行する。本実施形態では、停止表示させる図柄(停止図柄)は、外れ用の停止図柄が用いられる。さらに、ステップSy1509では、第1始動口用遊技回に係る確変大当たりフラグや、通常大当たりフラグ等の各種のフラグをOFFに移行する処理を行い、第1始動口用遊技回に係る当たり抽選において、たとえ大当たりに当選した場合にも、それら当選を無効にする。ステップSy1509を実行した後、ステップSy1510に進む。
ステップSy1510では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第1変動中フラグをOFFにする。その後、ステップSy1511に進む。
ステップSy1511では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの待機状態移行フラグをONにする。すなわち、大当たりに当選した遊技回における図柄の変動が終了し、待機状態に移行するこのタイミングで、待機状態移行フラグをONにする。その後、ステップSy1512に進む。
ステップSy1512では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSy1512において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sy1512:YES)、ステップSy1513に進み、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSy1513において、高確率モードフラグがONでないと判定した場合には(Sy1513:NO)、ステップSy1514に進み、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が上限である時短上限回数(例えば50回)に達する前(=時短上限回数内)であるか否かを判定する。具体的には、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。遊技回数カウンタPNCは時短上限回数の残りの回数を示すものであることから、PNC>0であるか否かを判定することによって、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が時短上限回数に達する前であるか否かを判定することができる。
ステップSy1514において、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップSy1514:NO)、すなわち、時短上限回数内でないと判定した場合には、ステップSy1515に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップSy1515を実行した後、ステップSy1516に進む。
ステップSy1516では、低頻度サポートモードコマンドを設定する。低頻度サポートモードコマンドは、サポートモードが低頻度サポートモードであることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。低頻度サポートモードコマンドは、通常処理(図67)におけるステップSy0502にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSy1516を実行した後、ステップSy1517に進む。
ステップSy1517では、右打ちランプ39aを消灯する。ステップS1517の実行後、本第1変動停止処理を終了する。
<第2始動口用の変動開始処理>
次に、第2始動口用の変動開始処理について説明する。第2始動口用の変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図68:Sy0607)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図78は、第2始動口用の変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSy1601では、第2始動保留個数RbN=0であるか否かを判定する。ステップSy1601において、第2始動保留個数RbN=0ではないと判定した場合には(Sy1601:NO)、ステップSy1602に進む。一方、ステップSy1601において、第2始動保留個数RbN=0であると判定した場合には(Sy1601:YES)、本第2始動口用の変動開始処理を終了する。
ステップSy1602では、第2始動口用保留情報シフト処理を実行する。第2始動口用保留情報シフト処理では、第2保留エリアRbに記憶された保留情報をシフトさせる。第2始動口用保留情報シフト処理の詳細については後述する。ステップSy1602を実行した後、ステップSy1603に進む。
ステップSy1603では、第2始動口用の判定処理を実行する。第2始動口用の判定処理では、判定処理実行エリア64cに記憶された特別情報に基づいて当たり抽選を実行する。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶された当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、大当たりや小当たりの有無を判定する当否判定、大当たり種別を振り分ける振分判定、リーチ発生の有無を判定するリーチ判定を行なう。第2始動口用の判定処理の詳細については後述する。ステップSy1603を実行した後、ステップSy1604に進む。
ステップSy1604では、第2始動口用の変動時間の設定処理を実行する。第2始動口用の変動時間の設定処理では、図柄が変動を開始してから停止するまでの時間である変動時間を設定する。第2始動口用の変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップSy1604を実行した後、ステップSy1605に進む。
ステップSy1605では、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及びステップSy1604において設定された変動時間の情報が含まれている。ステップSy1605を実行した後、ステップSy1606に進む。
ステップSy1606では、第2種別コマンドを設定する。第2種別コマンドには、大当たりの有無の情報及び大当たり種別の情報が含まれている。具体的には、第2種別コマンドには、16R確変大当たり+小当たりラッシュの情報、8R確変大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、小当たりの情報、または外れの情報が含まれる。
ステップSy1605及びステップSy1606において設定された変動用コマンド及び第2種別コマンドは、通常処理(図67)におけるステップSy0502によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び第2種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSy1606を実行後、ステップSy1607に進む。
ステップSy1607では、第2図柄表示部37bにおける変動表示を開始させ、その後、ステップSy1608に進み、第2変動中フラグをONにする。第2変動中フラグは、第2始動口用遊技回が開始される場合にONにされ、第2図柄表示部37bにおける変動表示が停止表示となった場合にOFFにされるフラグである。ステップSy1608を実行した後、ステップSy1609に進む。
ステップSy1609では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードが開始された場合に、遊技回数カウンタPNCに値が設定され、遊技回が実行される毎にカウンタ値が1減算される。ステップSy1609を実行した後、本第2始動口用の変動開始処理を終了する。
<第2始動口用保留情報シフト処理>
次に、第2始動口用保留情報シフト処理について説明する。第2始動口用保留情報シフト処理は、第2始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図78:Sy1602)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図79は、第2始動口用保留情報シフト処理を示すフローチャートである。ステップSy1701では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップSy1702に進む。
ステップSy1702では、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータ(保留情報)を判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに移動させる。その後、ステップSy1703に進む。
ステップSy1703では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSy1703を実行した後、本第2始動口用保留情報シフト処理を終了する。
<第2始動口用の判定処理>
次に、第2始動口用の判定処理について説明する。第2始動口用の判定処理は、第2始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図78:Sy1603)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図80は、第2始動口用の判定処理を示すフローチャートである。ステップSy1801では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、通常大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してOFFにされる。さらに、本実施形態では、始動口ユニット200に備えられる転落口252へ遊技球が入球した場合に、高確率モードフラグはOFFされる。ステップSy1801において、高確率モードであると判定した場合には(Sy1801:YES)、ステップSy1802に進む。
ステップSy1802では、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値が、図55(b)に示す第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSy1804に進む。一方、ステップSy1801において高確率モードではないと判定した場合には(Sy1801:NO)、ステップSy1803に進む。
ステップSy1803では、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値が、図55(a)に示す第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSy1804に進む。
ステップSy1804では、ステップSy1802又はステップSy1803における当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSy1804において、当否判定の結果が大当たりであると判定した場合には(Sy1804:YES)、ステップSy1805に進む。
ステップSy1805では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2当たりフラグをONにする。第2当たりフラグは、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行された当たり抽選の抽選結果が「大当たり」である場合にONされ、当該第2始動口34への遊技球の入球による第2の図柄の変動表示が停止し、停止表示になる際にOFFにされるフラグである。ステップSy1805を実行した後、ステップSy1806に進む。
ステップSy1806では、第2始動口用の振分テーブル(図56(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、いずれの大当たり種別の数値範囲に含まれているかを判定する。ステップSy1806を実行した後、ステップSy1807に進む。
ステップSy1807では、ステップSy1806における振分判定の結果(大当たり種別)が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップSy1807において、振り分けた大当たり種別が確変大当たりであると判定した場合には(Sy1807:YES)、ステップSy1808に進む。なお、ステップSy1807では、振分判定の結果が「確変大当たり+小当たりラッシュ」である場合は、確変大当たりでないと判定される。
ステップSy1808では、ステップSy1806において振り分けた大当たり種別に対応した確変大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップSy1808を実行した後、ステップSy1809に進む。
ステップSy1809では、確変大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。確変大当たり用の停止図柄設定処理では、確変大当たりとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップSy1806において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSy1809を実行した後、本第2始動口用の判定処理を終了する。
ステップSy1807において、振り分けた大当たり種別が確変大当たりではないと判定した場合には(Sy1807:NO)、すなわち、振り分けた大当たり種別が通常大当たりである場合には、ステップSy1810に進む。
ステップSy1810では、ステップSy1806における振分判定の結果(大当たり種別)が確変大当たり+小当たりラッシュであるか否かを判定する。ステップSy1810において、振り分けた大当たり種別が確変大当たり+小当たりラッシュであると判定した場合には(Sy1810:YES)、ステップSy1811に進む。
ステップSy1811では、ステップSy1806において振り分けた大当たり種別に対応した確変大当たり+小当たりラッシュフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップSy1811を実行した後、ステップSy1812に進む。
ステップSy1812では、確変大当たり+小当たりラッシュ用の停止図柄設定処理を実行する。確変大当たり+小当たりラッシュ用の停止図柄設定処理では、確変大当たり+小当たりラッシュとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている確変大当たり+小当たりラッシュ用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップSy1806において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSy1812を実行した後、本第2始動口用の判定処理を終了する。
ステップSy1810において、振り分けた大当たり種別が確変大当たり+小当たりラッシュでないと判定した場合(Sy1810:NO)、すなわち、振り分けた大当たり種別が通常大当たりである場合には、ステップSy1813に進む。
ステップSy1813では、ステップSy1806において振り分けた大当たり種別に対応した通常大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップSy1813を実行した後、ステップSy1814に進む。
ステップSy1814では、通常大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。通常大当たり用の停止図柄設定処理では、通常大当たりとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップSy1806において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSy1814を実行した後、本第2始動口用の判定処理を終了する。
ステップSy1804において、ステップSy1802又はステップSy1803における当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(Sy1804:NO)、ステップSy1815に進み、ステップSy1802又はステップSy1803における当否判定の結果が小当たりであるか否かを判定する。ステップSy1815において、当否判定の結果が小当たりであると判定した場合には(Sy1815:YES)、ステップSy1816に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの小当たりフラグをONにする。ステップSy1813を実行した後、ステップSy1817に進む。
ステップSy1817では、小当たり用の停止図柄設定処理を実行する。小当たり用の停止図柄設定処理では、小当たりとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている小当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、小当たりに対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSy1817を実行した後、第2入球部である第2始動口用の判定処理を終了する。
ステップSy1815において、当否判定の結果が小当たりではないと判定した場合には(Sy1815:NO)、ステップSy1818に進む。
ステップSy1818では、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照して、リーチが発生するか否かのリーチ判定を行なう。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、参照したリーチ判定用テーブルにおいてリーチ発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。このステップSy1818の処理は、上記ステップSy1804における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たりでも小当たりでもない場合に実行される。すなわち、ステップSy1812においては、当否判定の結果が大当たりでも小当たりでもない遊技回のうち、リーチが発生する遊技回であるか否かの判定を行う。ステップSy1818を実行した後、ステップSy1819に進む。
ステップSy1819では、ステップSy1818におけるリーチ判定の結果がリーチ発生であるか否かを判定する。ステップSy1819において、リーチ発生であると判定した場合には(Sy1819:YES)、ステップSy1820に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのリーチ発生フラグをONにする。ステップSy1820を実行した後、ステップSy1821に進む。ステップSy1819において、リーチ発生でないと判定した場合には(Sy1819:NO)、ステップSy1820を実行することなく、ステップSy1821に進む。
ステップSy1821では、外れ用の停止図柄設定処理を実行する。外れ用の停止図柄設定処理では、外れとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fにおける外れ用の停止結果テーブルを参照することによって、判定処理実行エリア64cに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSy1821を実行した後、本第2始動口用の判定処理を終了する。
<第2始動口用の変動時間の設定処理>
次に、第2始動口用の変動時間の設定処理について説明する。第2始動口用の変動時間の設定処理は、第2始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図78:Sy1604)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図81は、第2始動口用の変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップSy1901では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタバッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSy1902に進む。
ステップSy1902では、高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSy1902において、高確率モードフラグがONではないと判定した場合には(Sy1902:NO)、ステップSy1903に進む。
ステップSy1903では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSy1903において、高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合には(Sy1903:NO)、ステップSy1904に進む。
ステップSy1904では、第2始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理を実行する。第2始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理は、抽選モードが低確率モードであり、かつサポートモードが低頻度サポートモードである時に第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。具体的には、図59における低確低サポ状態(状態H1)のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。第2始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理の詳細は後述する。ステップSy1904を実行した後、ステップSy1909に進む。
一方、ステップSy1903において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sy1903:YES)、ステップSy1905に進む。
ステップSy1905では、第2始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理を実行する。第2始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理は、抽選モードが低確率モードであり、かつサポートモードが高頻度サポートモードである時に第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。具体的には、図59における低確高サポ状態(状態H4)のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。第2始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理の詳細は後述する。ステップSy1905を実行した後、ステップSy1909に進む。
一方、ステップSy1902において、高確率モードフラグがONであると判定した場合には(Sy1902:YES)、ステップSy1906に進む。
ステップSy1906では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSy1906において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sy1906:YES)、ステップSy1907に進む。
ステップSy1907では、第2始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理を実行する。第2始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理は、抽選モードが高確率モードであり、かつサポートモードが高頻度サポートモードである時に第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。具体的には、図59における高確高サポ状態(状態H5)のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。第2始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理の詳細は後述する。ステップSy1907を実行した後、ステップSy1909に進む。
一方、ステップSy1906において、高頻度サポートモードフラグがONでないと判定した場合には(Sy1906:NO)、ステップSy1908に進む。
ステップSy1908では、第2始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理を実行する。第2始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理は、抽選モードが高確率モードであり、かつサポートモードが低頻度サポートモードである時に第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。具体的には、図59における高確低サポ状態(状態H6)のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。第2始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理の詳細は後述する。ステップSy1908を実行した後、ステップSy1909に進む。
ステップSy1909では、ステップSy1904、ステップSy1905、ステップSy1907、ステップSy1908の各処理で取得した変動時間情報を、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第2始動口用の変動時間の設定処理を終了する。
<第2始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理>
次に、第2始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理について説明する。第2始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理は、第2始動口用の変動時間の設定処理のサブルーチン(図81:Sy1904)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図82は、第2始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSy2001では、ロング変動時間情報を取得する。具体的には、10分という極めて長い変動時間(ロング変動時間)を変動時間情報として取得する。ステップSy2001を実行した後、第2始動口用の低確低サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
<第2始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理>
次に、第2始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理について説明する。第2始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理は、第2始動口用の変動時間の設定処理のサブルーチン(図81:Sy1805)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図83は、第2始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSy2101では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、確変大当たりフラグ、確変大当たり+小当たりラッシュフラグ、又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(Sy2101:YES)、ステップSy2102に進む。
ステップSy2102では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低確高サポ状態時変動時間テーブル群から、大当たり用の変動時間テーブルを特定し、特定した大当たり用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。低確高サポ状態時変動時間テーブル群には、(I)低確高サポ状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用変動時間テーブル、(II)低確高サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、(III)低確高サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、が備えられている。ステップSy2102では、まず、(I)~(III)の中から(I)を特定する。次いで、特定した大当たり用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1901(図81)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy2102を実行した後、第2始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
一方、ステップSy2101において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップSy2101:NO)、ステップSy2103に進む。
ステップSy2103では、今回の遊技回でリーチが発生するか否かを判定する。ステップSy2103において、今回の遊技回でリーチが発生すると判定した場合には(ステップSy2103:YES)、ステップSy2104に進む。
ステップSy2104では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低確高サポ状態時変動時間テーブル群から、リーチ発生用の変動時間テーブルを特定し、特定したリーチ発生用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。具体的には、まず、(I)~(III)の中から(II)低確高サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、を特定する。次いで、特定したリーチ発生用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1901(図81)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy2104を実行した後、第2始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSy2103において、今回の遊技回でリーチが発生しないと判定した場合には(ステップSy2103:NO)、ステップSy2105に進む。
ステップSy2105では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低確高サポ状態時変動時間テーブル群から、リーチ非発生用の変動時間テーブルを特定し、特定したリーチ非発生用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。具体的には、まず、(I)~(III)の中から(III)低確高サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、を特定する。次いで、特定したリーチ非発生用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1901(図81)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy2105を実行した後、第2始動口用の低確高サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
<第2始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理>
次に、第2始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理について説明する。第2始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理は、第2始動口用の変動時間の設定処理のサブルーチン(図81:Sy1907)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図83は、第2始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSy2101では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、確変大当たりフラグ、確変大当たり+小当たりラッシュフラグ、又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(Sy2201:YES)、ステップSy2202に進む。
ステップSy2202では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確高サポ状態時変動時間テーブル群から、大当たり用の変動時間テーブルを特定し、特定した大当たり用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。この変動時間情報によって特定される時間の間、すなわち、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選することとなる変動中の状態では、メイン表示部45および図柄表示装置41による変動表示が行われる。この変動中は、内部的には、大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードの実行が確定している大当たり開始の条件成立待機状態であり、当該遊技回で開閉実行モードの実行が行われるか否かを各種期待度演出等を表示することで、遊技の興趣向上を図ることができる。高確高サポ状態時変動時間テーブル群には、(IV)高確高サポ状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用変動時間テーブル、(V)高確高サポ状態で、当たり抽選において小当たりに当選した時に用いられる小当たり用変動時間テーブル、(VI)高確高サポ状態で、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、(VII)高確高サポ状態で、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、が備えられている。ステップSy2202では、まず、(IV)~(VII)の中から(IV)を特定する。次いで、特定した大当たり用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1901(図81)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy2202を実行した後、第2始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
一方、ステップSy2201において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップSy2201:NO)、ステップSy2203に進む。
ステップSy2203では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が小当たりであるか否かを判定する。具体的には、小当たりフラグがONであるか否かを判定し、小当たりフラグがONであると判定した場合には(Sy2203:YES)、ステップSy2204に進む。
ステップSy2204では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確高サポ状態時変動時間テーブル群から、小当たり用の変動時間テーブルを特定し、特定した小当たり用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。具体的には、まず、(IV)~(VII)の中から(V)高確高サポ状態で、当たり抽選において小当たりに当選した時に用いられる小当たり用変動時間テーブル、を特定する。次いで、特定した小当たり用変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1901(図81)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy2202を実行した後、第2始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSy2203において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が小当たりではないと判定した場合には(ステップSy2203:NO)、ステップSy2205に進む。
ステップSy2205では、今回の遊技回でリーチが発生するか否かを判定する。ステップSy2205において、今回の遊技回でリーチが発生すると判定した場合には(ステップSy2205:YES)、ステップSy2206に進む。
ステップSy2206では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確高サポ状態時変動時間テーブル群から、リーチ発生用の変動時間テーブルを特定し、特定したリーチ発生用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。具体的には、まず、(IV)~(VII)の中から(VI)高確高サポ状態で、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、を特定する。次いで、特定したリーチ発生用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1901(図81)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy2206を実行した後、第2始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSy2206において、今回の遊技回でリーチが発生しないと判定した場合には(ステップSy2206:NO)、ステップSy2207に進む。
ステップSy2207では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確高サポ状態時変動時間テーブル群から、リーチ非発生用の変動時間テーブルを特定し、特定したリーチ非発生用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。具体的には、まず、(IV)~(VII)の中から(VII)高確高サポ状態で、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、を特定する。次いで、特定したリーチ非発生用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1901(図81)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy2207を実行した後、第2始動口用の高確高サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
<第2始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理>
次に、第2始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理について説明する。第2始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理は、第2始動口用の変動時間の設定処理のサブルーチン(図81:Sy1908)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図85は、第2始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSy2101では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、確変大当たりフラグ、確変大当たり+小当たりラッシュフラグ、又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(Sy2301:YES)、ステップSy2302に進む。
ステップSy2302では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確低サポ状態時変動時間テーブル群から、大当たり用の変動時間テーブルを特定し、特定した大当たり用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。高確低サポ状態時変動時間テーブル群には、(VIII)高確低サポ状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用変動時間テーブル、(IX)高確低サポ状態で、当たり抽選において小当たりに当選した時に用いられる小当たり用変動時間テーブル、(X)高確低サポ状態で、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、(XI)高確低サポ状態で、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、が備えられている。ステップSy2302では、まず、(VIII)~(XI)の中から(VIII)を特定する。次いで、特定した大当たり用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1901(図81)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy2302を実行した後、第2始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
一方、ステップSy2301において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップSy2301:NO)、ステップSy2303に進む。
ステップSy2303では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が小当たりであるか否かを判定する。具体的には、小当たりフラグがONであるか否かを判定し、小当たりフラグがONであると判定した場合には(Sy2303:YES)、ステップSy2304に進む。
ステップSy2304では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確低サポ状態時変動時間テーブル群から、大当たり用の変動時間テーブルを特定し、特定した大当たり用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。具体的には、まず、(VIII)~(XI)の中から(IX)高確低サポ状態で、当たり抽選において小当たりに当選した時に用いられる小当たり用変動時間テーブル、を特定する。次いで、特定した小当たり用変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1901(図81)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy2302を実行した後、第2始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSy2303において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が小当たりではないと判定した場合には(ステップSy2303:NO)、ステップSy2305に進む。
ステップSy2305では、今回の遊技回でリーチが発生するか否かを判定する。ステップSy2305において、今回の遊技回でリーチが発生すると判定した場合には(ステップSy2305:YES)、ステップSy2306に進む。
ステップSy2306では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確低サポ状態時変動時間テーブル群から、リーチ発生用の変動時間テーブルを特定し、特定したリーチ発生用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。具体的には、まず、(VIII)~(XI)の中から(X)高確低サポ状態で、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、を特定する。次いで、特定したリーチ発生用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1901(図81)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy2306を実行した後、第2始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSy2306において、今回の遊技回でリーチが発生しないと判定した場合には(ステップSy2306:NO)、ステップSy2307に進む。
ステップSy2307では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確低サポ状態時変動時間テーブル群から、リーチ非発生用の変動時間テーブルを特定し、特定したリーチ非発生用の変動時間テーブルを参照することによって、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。具体的には、まず、(VIII)~(XI)の中から(XI)高確低サポ状態で、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、を特定する。次いで、特定したリーチ非発生用の変動時間テーブルを参照することによって、ステップSy1901(図81)で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSy2307を実行した後、第2始動口用の高確低サポ状態時変動時間情報取得処理を終了する。
<第2変動停止処理>
次に、第2変動停止処理について説明する。第2変動停止処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図68:Sy0608)として主制御装置60の主側MPU62によって実行される。
図85は、第2変動停止処理を示すフローチャートである。ステップSy2401では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第1当たりフラグがONであるか否かを判定する。第1当たりフラグは、第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行された当たり抽選の抽選結果が「大当たり」である場合にONにされ、当該第1始動口への遊技球の入球による第1の図柄の変動表示が停止し、停止表示になる際にOFFにされる。ステップSy2401において、第1当たりフラグがONではないと判定した場合には(Sy2401:NO)、ステップSy2402に進む。
ステップSy2402では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの小当たりフラグがONであるか否かを判定する。小当たりフラグは、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行された当たり抽選の抽選結果が「小当たり」である場合にONにされ、当該第2始動口34への遊技球の入球による第2の図柄の変動表示が停止し、停止表示になる際にOFFにされる。ステップSy2402において、小当たりフラグがONではないと判定した場合には(Sy2402:NO)、ステップSy2403に進む。
ステップSy2403では、第2図柄表示部37bの変動時間が終了したか否かを判定する。具体的には、第2始動口用の変動時間の設定処理(図81)において設定した第2図柄用の変動時間が経過したか否かを判定する。ステップSy2403において、第2図柄表示部37bの変動時間が終了したと判定した場合には(Sy2403:YES)、ステップSy2404に進む。一方、ステップSy2403において、第2図柄表示部37bの変動時間が終了していないと判定した場合には(Sy2403:NO)、ステップSy2419に進む。
ステップSy2404では、第2図柄表示部37bの変動を停止する。すなわち、第2図柄表示部37bの第2の図柄を、変動表示している状態から、停止表示に移行する。停止表示させる図柄(停止図柄)の組み合わせは、第2始動口用の判定処理(図80)のステップSy1809、ステップSy1812、ステップSy1814、またはステップSy1821において設定されている。ステップSy2404を実行した後、ステップSy2405に進む。
ステップSy2405では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2変動中フラグをOFFにする。上述のように、第2変動中フラグは、第2始動口34への遊技球の入球を契機として第2図柄表示部37bの第2の図柄が変動を開始する際にONにされ、第2の図柄が変動を停止する際にOFFにされるフラグである。ステップSy2405を実行した後、ステップSy2406に進む。
ステップSy2406では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第1変動中フラグがONであるか否かを判定する。上述のように、第1変動中フラグは、第1始動口33への遊技球の入球を契機として第1図柄表示部37bの第1の図柄が変動を開始する際にONにされ、第1の図柄が変動を停止する際にOFFにされるフラグである。ステップSy2406において、第1変動中フラグがONではないと判定した場合には(Sy2406:NO)、ステップSy2407に進む。
ステップSy2407では、第2当たりフラグをOFFにする。その後、本第2変動停止処理を終了する。
一方、ステップSy2406において、第1変動中フラグがONであると判定した場合には(Sy2406:YES)、ステップSy2419に進む。
ステップSy2401において、第1当たりフラグがONであると判定した場合には(Sy2401:YES)、ステップSy2408に進む。
ステップSy2408では、第1図柄表示部37bの変動時間が終了したか否かを判定する。具体的には、第1始動口用の変動時間の設定処理(図72)において設定した第1図柄用の変動時間が経過したか否かを判定する。ステップSy2408において、第1図柄表示部37bの変動時間が終了していないと判定した場合には(Sy2408:NO)、ステップSy2403に進む。一方、ステップSy2408において、第1図柄表示部37bの変動時間が終了したと判定した場合には(Sy2408:YES)、ステップSy2409に進む。
ステップSy2409では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第1当たりフラグをOFFにする。ステップSy2409を実行した後、ステップSy2410に進む。
ステップSy2410では、第2図柄表示部37bの変動を停止する。すなわち、第2図柄表示部37bの第2の図柄を、変動表示している状態から、停止表示に移行する。本実施形態では、停止表示させる図柄(停止図柄)は、外れ用の停止図柄が用いられる。さらに、ステップSy2410では、第2始動口用遊技回に係る確変大当たりフラグや、通常大当たりフラグ等の各種のフラグをOFFに移行する処理を行い、第2始動口用遊技回に係る当たり抽選において、たとえ大当たりに当選した場合にも、それら当選を無効にする。ステップSy2410を実行した後、ステップSy2411に進む。
ステップSy2411では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2変動中フラグをOFFにする。その後、ステップSy2412に進む。
ステップSy2412では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの待機状態移行フラグをONにする。すなわち、大当たりに当選した遊技回における図柄の変動が終了し、待機状態に移行するこのタイミングで、待機状態移行フラグをONにする。その後、ステップSy2413に進む。
ステップSy2402において、小当たりフラグがONであると判定した場合には(Sy2402:YES)、ステップSy2413に進む。
ステップSy2413では、第2図柄表示部37bの変動時間が終了したか否かを判定する。具体的には、第2始動口用の変動時間の設定処理(図81)において設定した第2図柄用の変動時間が経過したか否かを判定する。ステップSy2403において、第2図柄表示部37bの変動時間が終了したと判定した場合には(Sy2413:YES)、ステップSy2414に進む。一方、ステップSy2413において、第2図柄表示部37bの変動時間が終了していないと判定した場合には(Sy2413:NO)、ステップSy2419に進む。
ステップSy2414では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの小当たりフラグをOFFにする。その後、ステップSy2415に進む。
ステップSy2415では、第2図柄表示部37bの変動を停止する。すなわち、第2図柄表示部37bの第2の図柄を、変動表示している状態から、停止表示に移行する。停止表示させる図柄(停止図柄)の組み合わせは、第2始動口用の判定処理(図80)のステップSy1809、ステップSy1812、ステップSy1814、またはステップSy1821において設定されている。ステップSy2415を実行した後、ステップSy2416に進む。
ステップSy2416では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2変動中フラグをOFFにする。上述のように、第2変動中フラグは、第2始動口34への遊技球の入球を契機として第2図柄表示部37bの第2の図柄が変動を開始する際にONにされ、第2の図柄が変動を停止する際にOFFにされるフラグである。ステップSy2416を実行した後、ステップSy2417に進む。
ステップSy2417では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの小当たり実行モードフラグをOFFにする。小当たり実行モードフラグは、当たり抽選の当否結果が小当たり当選であることを契機として実行された第2図柄表示部37bの第2の図柄が変動を停止する際にONにされるフラグである。ステップSy2417を実行した後、ステップSy2418に進む。
ステップSy418では、小当たりラッシュコマンドを設定する。小当たりラッシュコマンドは、小当たりラッシュの状態であることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。小当たりラッシュコマンドは、通常処理(図67)におけるステップSy0502にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSy2418を実行した後、ステップSy2419に進む。
ステップSy2419では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSy2419において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sy2419:YES)、ステップSy2420に進み、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSy2420において、高確率モードフラグがONでないと判定した場合には(Sy2420:NO)、ステップSy2421に進み、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が時短上限回数(例えば50回)に達する前(=時短上限回数内)であるか否かを判定する。具体的には、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。遊技回数カウンタPNCは時短上限回数の残りの回数を示すものであることから、PNC>0であるか否かを判定することによって、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が時短上限回数に達する前であるか否かを判定することができる。
ステップSy2421において、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップSy2421:NO)、すなわち、時短上限回数内でないと判定した場合には、ステップSy2422に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップSy2422を実行した後、ステップSy2423に進む。
ステップSy2423では、低頻度サポートモードコマンドを設定する。低頻度サポートモードコマンドは、開閉実行モードの終了後のサポートモードが低頻度サポートモードであることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。低頻度サポートモードコマンドは、通常処理(図67)におけるステップSy0502にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本第2変動停止処理を終了する。
ステップSy2419において、高頻度サポートモードフラグがONでないと判定した場合には(Sy2419:NO)、本第2変動停止処理を終了する。ステップSy2420において、高確率モードフラグがONであると判定した場合には(Sy2420:YES)、本第2変動停止処理を終了する。また、ステップSy2421において、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていると判定した場合(ステップSy2421:YES)、本第2変動停止処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図67:Sy0506)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図86は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップSy2501では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、開閉実行モードにおける開閉処理期間の終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップSy2501において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sy2501:NO)、ステップSy2502に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。上述のように、開閉処理期間フラグは、遊技状態を開閉処理期間に移行させる場合にONにされ、開閉処理期間を終了させる場合にOFFにされる。
ステップSy2502において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(Sy2502:NO)、ステップSy2503に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップSy2503において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sy2503:NO)、ステップSy2504に進み、小当たり実行モードフラグがONであるか否かを判定する。小当たり実行モードフラグは、小当たり専用可変入賞装置97の開閉処理の開始時にONにされ、小当たり専用可変入賞装置97の開閉処理の終了時にOFFにされる。
ステップSy2504において、小当たり実行モードフラグがONではないと判定した場合には(Sy2504:NO)、ステップSy2505に進み、待機状態移行フラグがONであるか否かを判定する。待機状態移行フラグは、大当たりに当選した遊技回における図柄の変動が終了し、待機状態に移行するタイミングでONにされ、待機状態に移行後にOFFにされる。
ステップSy2505において、待機状態移行フラグがONではないと判定した場合には(Sy2505:NO)、ステップSy2506に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードが開始される契機となった遊技回が終了する場合にONにされ、開閉実行モードが終了する場合にOFFにされる。
ステップSy2506において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sy2506:YES)、ステップSy2507に進む。一方、ステップSy2506において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(Sy2506:NO)、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
ステップSy2507では、高確率モードフラグをOFFにする。大当たりに当選したことを契機として実行される開閉実行モードの実行中の抽選モードを低確率モードにするため、高確率モードフラグをOFFにする。ステップSy2507を実行した後、ステップSy2508に進む。
ステップSy2508では、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。大当たりに当選したことを契機として実行される開閉実行モードの実行中のサポートモードを低頻度サポートモードにするため、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。ステップSy2508を実行した後、ステップSy2509に進む。
ステップSy2509では、大当たり開閉実行モードコマンドを設定する。大当たり開閉実行モードコマンドは、大当たり当選を契機として開閉実行モードが開始されることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。大当たり開閉実行モードコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図67:ステップSy0502)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSy2509を実行した後、ステップSy2510に進む。
ステップSy2510では、開閉実行モード開始コマンドを設定する。開閉実行モード開始コマンドは、大当たり当選を契機として、または、小当たりを契機として開閉実行モードが開始されることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。すなわち、開閉実行モード開始コマンドは、大当たりまたは小当たりに関係無く開閉実行モードが開始された場合に設定される。開閉実行モード開始コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図67:ステップSy0502)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSy2510を実行した後、ステップSy2511に進む。
ステップSy2511では、開閉シナリオを設定する開閉シナリオ設定処理を実行する。開閉シナリオは、ラウンド遊技における開閉扉36bの開閉動作のパターンを定めるもので、本実施形態では、開閉扉36bを閉鎖状態から開放状態へ移行する条件(以下、「開放条件」とも呼ぶ)と、開閉扉36bを開放状態から閉鎖状態へ移行する条件(以下、「閉鎖条件」とも呼ぶ)と、が記録されたプログラムである。開閉シナリオは、ROM63の開閉シナリオ記憶エリア63hに記憶されている
開放条件は、例えば下記の通りである。
・パチンコ機10の現在の状態が、開閉実行モードにおける各ラウンド遊技を開始するタイミングであること。
上記1つの項目が成立した場合に、開閉扉36bは閉鎖状態から開放状態に移行する。
閉鎖条件は、例えば下記の通りである。
・各ラウンド遊技を開始してからの経過時間が、予め定められた上限継続時間(例えば15秒)を超えること。
・各ラウンド遊技を開始してから大入賞口36aへ入球した遊技球の個数が、予め定められた上限個数を超えること。
上記2つの項目のうちのいずれか一方が成立した場合に、開閉扉36bは開放状態から閉鎖状態に移行する。
ステップSy2511を実行した後、ステップSy2512に進む。ステップSy2512では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、特別遊技状態におけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。オープニング時間設定処理については後述する。ステップSy2512を実行した後、ステップSy2513に進む。
ステップSy2513では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図67)におけるステップSy0502にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間の情報、大当たり種別の情報、および、今回の開閉実行モードが実行される契機となった大当たりまたは小当たりに関する情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSy2513を実行した後、ステップSy2514に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。ステップSy2507からステップSy2514までの処理が開閉実行モードの開始処理である。
ステップSy2505において、待機状態移行フラグがONであると判定した場合には(Sy2505:YES)、ステップSy2515に進み、待機状態移行フラグON時処理を実行する。待機状態移行フラグON時処理の詳細は後述する。ステップSy2515を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSy2503において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(Sy2503:YES)、ステップSy2516に進み、オープニング期間フラグON時処理を実行する。オープニング期間フラグON時処理の詳細は後述する。ステップSy2516を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSy2502において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(Sy2502:YES)、ステップSy2517に進み、開閉処理期間フラグON時処理を実行する。開閉処理期間フラグON時処理の詳細は後述する。ステップSy2517を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSy2501において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(Sy2501:YES)、ステップSy2518に進み、エンディング期間フラグON時処理を実行する。エンディング期間フラグON時処理の詳細は後述する。ステップSy2518を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSy2504において、小当たり実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sy2504:YES)、ステップSy2519に進み、小当たり開閉処理を実行する。小当たり開閉処理の詳細は後述する。ステップSy2519を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
<オープニング時間設定処理>
次に、オープニング時間設定処理について説明する。オープニング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図87:Sy2512)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図88は、オープニング時間設定処理を示すフローチャートである。本実施形態においては、毎回のオープニング期間において同じ一定の長さのオープニング時間を設定する。具体的には、ステップSy2601において、オープニング時間を決定する第3タイマカウンタエリアT3に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第3タイマカウンタエリアT3は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップSy2601を実行した後、本オープニング時間設定処理を終了する。
<待機状態移行フラグON時処理>
次に、待機状態移行フラグON時処理について説明する。待機状態移行フラグON時処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図87:Sy2515)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図89は、待機状態移行フラグON時処理を示すフローチャートである。ステップSy2701では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの待機状態移行フラグをOFFにする。待機状態移行フラグは、大当たりに当選した遊技回における図柄の変動が終了し、待機状態に移行するタイミングでONにされ、待機状態に移行後にOFFにされる。その後、ステップSy2702に進む。
ステップSy2702では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSy2702において、高確率モードフラグがONでないと判定した場合には(Sy2702:NO)、ステップSy2703に進み、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSy2703において、高頻度サポートモードフラグがONでないと判定した場合には(Sy2703:NO)、ステップSy2704に進む。
ステップSy2704では、左ゲート有効フラグをONにする。左ゲート有効フラグは、左側大入賞口作動ゲート95について開閉実行モードへの移行を発生させる機能が有効であるか無効であるかを判定するためのフラグである。その後、ステップSy2705に進み、右ゲート有効フラグをOFFにする。右ゲート有効フラグは、右側大入賞口作動ゲート96について開閉実行モードへの移行を発生させる機能が有効であるか無効であるかを判定するためのフラグである。すなわち、ステップSy2702およびステップSy2703によって、サポートモードが低頻度サポートモードであり、抽選モードが低確率モードである低確低サポ状態時とあると判定された場合には、ステップSy2704およびステップSy2705によって、左ゲート有効フラグをONにし、右ゲート有効フラグをOFFにする。ステップSy2705の実行後、ステップSy2706に進む。
ステップSy2706では、右打ちランプ39aを消灯する。その後、ステップSy2710に進み、待機状態中フラグをONにする。その後、本待機状態移行フラグON時処理を終了する。
ステップSy2702において、高確率モードフラグがONであると判定した場合には(Sy2702:YES)、ステップSy2707に進む。
ステップSy2707では、左ゲート有効フラグをOFFにする。その後、ステップSy2708に進み、右ゲート有効フラグをONにする。すなわち、ステップSy2702およびステップSy2703によって、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態、または抽選モードが高確率モードである遊技状態(すなわち、低確高サポ状態、高確高サポ状態、または高確低サポ状態)である場合には、ステップSy2707およびステップSy2708によって、左ゲート有効フラグをOFFにし、右ゲート有効フラグをONにする。ステップSy2708の実行後、ステップSy2709に進む。
ステップSy2709では、右打ちランプ39aを点灯する。その後、ステップSy2710に進み、待機状態中フラグをONにする。その後、本待機状態移行フラグON時処理を終了する。
<オープニング期間フラグON時処理>
次に、オープニング期間フラグON時処理について説明する。オープニング期間フラグON時処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図87:Sy2516)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図90は、オープニング期間フラグON時処理を示すフローチャートである。ステップSy2801では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、オープニング時間設定処理において設定した第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSy2801において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(Sy2801:YES)、ステップSy2802に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSy2803に進む。
ステップSy2803では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、大当たり種別をラウンド表示部39に表示させる。ステップSy2803を実行した後、ステップSy2804に進む。
ステップSy2804では、開閉処理期間フラグをONにする。ステップSy2804を実行した後、ステップSy2805に進む。
ステップSy2805では、右打ちランプ39aを点灯する。開閉実行モード時において、推奨される発射態様は右打ちであり、右打ちランプ39aは点灯される。その後、本オープニング期間フラグON時処理を終了する。
ステップSy2801において、オープニング期間が終了していないと判定した場合には(Sy2801:NO)、本オープニング期間フラグON時処理を終了する。
<開閉処理期間フラグON時処理>
次に、開閉処理期間フラグON時処理について説明する。開閉処理期間フラグON時処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図87:Sy2517)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図91は、開閉処理期間フラグON時処理を示すフローチャートである。ステップSy2901では、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理については後述する。ステップSy2901を実行した後、ステップSy2902に進む。
ステップSy2902では、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定し、大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(Sy2902:YES)、ステップSy2903に進む。一方、ステップSy2902において、大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(Sy2902:NO)、そのまま本開閉処理期間フラグON時処理を終了する。
ステップSy2903では、開閉処理期間フラグをOFFにし、その後、ステップSy2904に進む。
ステップSy2904では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップSy2404を実行した後、ステップSy2905に進む。
ステップSy2905では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、エンディング時間として第4タイマカウンタエリアT4に所定の値を設定する。ステップSy2905を実行した後、ステップSy2906に進む。
ステップSy2906では、エンディングコマンドを設定する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図67)におけるステップSy0502にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、当該エンディング期間に対応した演出を開始させる。ステップSy2906を実行した後、ステップSy2907に進む。
ステップSy2907では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本開閉処理期間フラグON時処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、開閉処理期間フラグON時処理のサブルーチン(図91:Sy2901)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図92は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップSy3001では、開閉扉36bは開放中であるか否かを判定する。ステップSy3001において、開閉扉36bは開放中ではないと判定した場合には(Sy3001:NO)、ステップSy3002に進む。
ステップSy3002では、開閉扉36bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、開閉扉36bの開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSy3002において、開閉扉36bの開放条件が成立したと判定した場合には(Sy3002:YES)、ステップSy3003に進む。
ステップSy3003では、開閉扉36bを開放する。その後、ステップSy3004に進む。
ステップSy3004では、開閉扉開放コマンドを設定する。開閉扉開放コマンドは、開閉扉36bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図66:Sy0402)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSy3004を実行した後、本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSy3002において、開閉扉36bの開放条件が成立していないと判定した場合には(Sy3002:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSy3001において、開閉扉36bは開放中であると判定した場合には(Sy3001:YES)、ステップSy3005に進む。
ステップSy3005では、開閉扉36bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。開閉扉36bの閉鎖条件は、開閉シナリオに設定された開閉扉36bの継続開放時間が経過したか、または、大入賞口36aに予め設定された数の遊技球が入球したことが検出された場合に成立する。ステップSy3005において、開閉扉36bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sy3005:YES)、ステップSy3006に進む。
ステップSy3006では、開閉扉36bを閉鎖する。その後、ステップSy3007に進む。
ステップSy3007では、開閉扉閉鎖コマンドを設定する。開閉扉閉鎖コマンドは、開閉扉36bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図66:Sy0402)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSy3007を実行した後、本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSy3005において、開閉扉36bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sy3005:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
<エンディング期間フラグON時処理>
次に、エンディング期間フラグON時処理について説明する。エンディング期間フラグON時処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図87:Sy2518)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図93は、エンディング期間フラグON時処理を示すフローチャートである。ステップSy3101では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(Sy2805)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSy2805において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(Sy3101:YES)、ステップSy3102に進む。
ステップSy3102では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSy3103に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップSy3103を実行した後、ステップSy3104に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、ステップSy3105に進み、開閉実行モード終了コマンドを設定する。開閉実行モード終了コマンドは、開閉実行モードが終了したことを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。開閉実行モード終了コマンドは、通常処理(図67)におけるステップSy0502にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本エンディング期間フラグON時処理を終了する。
一方、ステップSy3101において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(Sy3101:NO)、そのまま本エンディング期間フラグON時処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、エンディング期間フラグON時処理のサブルーチン(図93:Sy3103)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図94は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップSy3201では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグのいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定する。
ステップSy3201において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定した場合には(Sy3201:YES)、ステップSy3202に進み、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている確変大当たりフラグがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであると判定する。
ステップSy3202において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであると判定した場合には(Sy3202:YES)、ステップSy3203に進む。一方、ステップSy3202において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりではないと判定した場合には(Sy3202:NO)、ステップSy3208に進む。
ステップSy3203では、対応する確変大当たりフラグをOFFにする。具体的には、16R確変大当たりフラグ、8R確変フラグのうち、ONになっているフラグをOFFにする処理を実行する。ステップSy3203を実行した後、ステップSy3204に進む。
ステップSy3204では、RAM64に記憶されている高確率モードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードに移行する。ステップSy3204を実行した後、ステップSy3205に進む。
ステップSy3205では、高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。高確率モードコマンドは、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。ステップSy3205を実行した後、ステップSy3206に進む。
ステップSy3206では、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップSy3207に進む。
ステップSy3207では、高頻度サポートモードコマンドを設定する。高頻度サポートモードコマンドは、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードであることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。高頻度サポートモードコマンドは、通常処理(図67)におけるステップSy0502にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
ステップSy3202において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりではないと判定した場合には(Sy3202:NO)、ステップSy3208に進み、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たり+小当たりラッシュであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている確変大当たり+小当たりラッシュフラグがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たり+小当たりラッシュであると判定する。
ステップSy3208において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たり+小当たりラッシュであると判定した場合には(Sy3208:YES)、ステップSy3209に進む。一方、ステップSy3208において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たり+小当たりラッシュではないと判定した場合には(Sy3208:NO)、ステップSy3214に進む。
ステップSy3209では、対応する確変大当たりフラグ+小当たりラッシュをOFFにする。ステップSy3209を実行した後、ステップSy3210に進む。
ステップSy3210では、RAM64に記憶されている高確率モードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードに移行する。ステップSy3210を実行した後、ステップSy3211に進む。
ステップSy3211では、高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。高確率モードコマンドは、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。ステップSy3211を実行した後、ステップSy3212に進む。
ステップSy3212では、低頻度サポートモードコマンドを設定する。低頻度サポートモードコマンドは、開閉実行モードの終了後のサポートモードが低頻度サポートモードであることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。低頻度サポートモードコマンドは、通常処理(図67)におけるステップSy0502にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSy3212を実行した後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
ステップSy3208において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たり+小当たりラッシュではないと判定した場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が通常大当たりであるということであることから、ステップS3213では、対応する通常大当たりフラグをOFFにする。ステップSy3213を実行した後、ステップSy3214に進む。なお、右打ちランプ39aが消灯状態に制御されている状態であって、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選することになる変動中の状態(すなわち、開閉実行モードの実行が確定している条件成立待機状態としての特1図柄の変動中の状態)において、さらに第1始動口33に遊技球が入球することに基づいて、大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1を取得した場合に、開閉実行モードを発生させるための切替制御として、大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値を保留記憶する制御や、当該値をシフトする制御、当該値に対する当たり抽選の当否判定などの一連の処理を実行可能である。
ステップSy3214では、低確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。低確率モードコマンドは、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである。ステップSy3214を実行した後、ステップSy3215に進む。
ステップSy3215では、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップSy3216に進み、遊技回数カウンタPNCにカウンタ値として50を設定する。ステップSy3216を実行した後、ステップSy3217に進む。
ステップSy3217では、高頻度サポートモードコマンドを設定する。高頻度サポートモードコマンドは、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードであることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。高頻度サポートモードコマンドは、通常処理(図67)におけるステップSy0502にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
ステップSy3201において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりではないと判定した場合には(Sy3201:NO)、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<小当たり開閉処理>
次に、小当たり開閉処理について説明する。小当たり開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図87:Sy2519)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図95は、小当たり開閉処理を示すフローチャートである。ステップSy3301では、小当たり専用可変入賞装置97の開閉扉97bは開放中であるか否かを判定する。ステップSy3301において、開閉扉97bは開放中ではないと判定した場合には(Sy3301:NO)、ステップSy3302に進む。
ステップSy3302では、開閉扉97bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、開閉扉97bの開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSy3302において、開閉扉97bの開放条件が成立したと判定した場合には(Sy3302:YES)、ステップSy3303に進む。
ステップSy3303では、開閉扉97bを開放する。その後、ステップSy3304に進む。
ステップSy3304では、開閉扉開放コマンドを設定する。開閉扉開放コマンドは、小当たり専用可変入賞装置97の開閉扉97bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図66:Sy0402)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSy3304を実行した後、本小当たり開閉処理を終了する。
ステップSy3302において、開閉扉97bの開放条件が成立していないと判定した場合には(Sy3302:NO)、そのまま本小当たり開閉処理を終了する。
ステップSy3301において、開閉扉97bは開放中であると判定した場合には(Sy3301:YES)、ステップSy3305に進む。
ステップSy3305では、開閉扉97bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。開閉扉97bの閉鎖条件は、開閉シナリオに設定された開閉扉97bの継続開放時間が経過したか、または、大入賞口36aに予め設定された数の遊技球が入球したことが検出された場合に成立する。ステップSy3305において、開閉扉97bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sy3305:YES)、ステップSy3306に進む。
ステップSy3306では、開閉扉97bを閉鎖する。その後、ステップSy3307に進む。
ステップSy3307では、開閉扉閉鎖コマンドを設定する。開閉扉閉鎖コマンドは、小当たり専用可変入賞装置97の開閉扉97bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図66:Sy0402)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSy3307を実行した後、ステップSy3307に進む。
ステップSy3307では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの小当たり実行モードフラグをOFFにする。小当たり実行モードフラグは、上述のように、当たり抽選の当否結果が小当たり当選であることを契機として実行された第2図柄表示部37bの第2の図柄が変動を停止する際にONにされるフラグである。ステップSy3307の実行後、本小当たり開閉処理を終了する。
ステップSy3305において、開閉扉97bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sy3305:NO)、そのまま本小当たり開閉処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図67:Sy0507)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図96は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップSy3401では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、右側第1始動口44の電動役物44aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップSy3401において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(Sy3401:NO)、ステップSy3402に進む。
ステップSy3402では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物44aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップSy3402において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(Sy3402:NO)、ステップSy3403に進む。
ステップSy3403では、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマーカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマーカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマー割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップSy3403において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sy3403:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sy3403:YES)、ステップSy3404に進む。
ステップSy3404では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップSy3404において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(Sy3404:YES)、ステップSy3405に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップSy3404において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(Sy3404:NO)、ステップSy3406に進む。
ステップSy3406では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップSy3406において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(Sy3406:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSy3406において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(Sy3406:YES)、ステップSy3407に進む。
ステップSy3407では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップSy3408に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップSy3407において開閉実行モードではなく(Sy3407:NO)、且つ、ステップSy3408において高頻度サポートモードである場合には(Sy3408:YES)、ステップSy3409に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0~461であった場合に、電役長開放に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマーカウンタエリアT2に「2500」(すなわち5.0sec)をセットする。第2タイマーカウンタエリアT2は、タイマー割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップSy3410に進む。
ステップSy3410では、ステップSy3409の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSy3410において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(Sy3410:YES)、ステップSy3411に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物44aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、本電役サポート用処理を終了する。
一方、ステップSy3410において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(Sy3410:NO)、ステップSy3411の処理を実行することなく、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSy3407において開閉実行モードであると判定した場合(Sy3407:YES)、又は、ステップSy3408において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(Sy3408:NO)、ステップSy3412に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0~419であった場合に、電役短開放に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマーカウンタエリアT2に「300」(すなわち0.6sec)をセットする。その後、ステップSy3413に進む。
ステップSy3413では、ステップSy3412の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSy3413において、サポート当選でないと判定した場合には(Sy3413:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSy3413において、サポート当選であると判定した場合には(Sy3413:YES)、ステップSy3414に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSy3402において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(Sy3402:YES)、ステップSy3415に進み、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマーカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSy3415において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sy3415:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSy3415において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sy3415:YES)、ステップSy3416に進む。
ステップSy3416では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップSy3417に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSy3401において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(Sy3401:YES)、ステップSy3418に進み、電動役物44aを開閉制御するための電役開閉処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉処理>
次に、電役開閉処理について説明する。電役開閉処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図96:Sy3418)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図97は、電役開閉処理を示すフローチャートである。ステップSy3501では、電動役物44aが開放中であるか否かを判定する。電動役物44aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部44bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物44aが開放されていると判定した場合には(Sy3501:YES)、ステップSy3502に進む。
ステップSy3502では、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマーカウンタエリアT2は、電動役物44aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSy3502において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sy3502:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。すなわち、電動役物44aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉処理を終了する。
ステップSy3502において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sy3502:YES)、ステップSy3503に進み、電動役物44aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマーカウンタエリアT2に「5」(すなわち0.01sec)をセットする。すなわち、電動役物44aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマーカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物44aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマーカウンタエリアT2を電動役物44aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマーカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップSy3503を実行した後、ステップSy3504に進む。
ステップSy3504では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップSy3505に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSy3505において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(Sy3505:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップSy3505において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(Sy3505:YES)、ステップSy3506に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉処理を終了する。
ステップSy3501において、電動役物44aが開放中でないと判定した場合には(Sy3501:NO)、ステップSy3507に進み、第2タイマーカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマーカウンタエリアT2は、電動役物44aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSy3507において、第2タイマーカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(Sy3507:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップSy3507において、第2タイマーカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(Sy3507:YES)、ステップSy3508に進み、電動役物44aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップSy3509に進む。
ステップSy3509では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sy3509:NO)、ステップSy3510に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップSy3510において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(Sy3510:YES)、ステップSy3511に進み、第2タイマーカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
一方、ステップSy3509において開閉実行モードであると判定した場合(Sy3509:YES)、又は、ステップSy3510において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(Sy3510:NO)、ステップSy3512に進み、第2タイマーカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
《2-6》音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図98は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSy3601では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップSy3601を実行した後、ステップSy3602に進む。
ステップSy3602では、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理では、ステップSy3601で記憶したコマンドのうちの保留コマンドに対応した処理を行う。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップSy3602を実行した後、ステップSy3603に進む。
ステップSy3603では、遊技回演出設定処理を実行する。遊技回演出設定処理では、図柄の変動が開始してから停止するまでの遊技回において実行する演出の設定を行う。遊技回演出設定処理の詳細については後述する。ステップSy3603を実行した後、ステップSy3604に進む。
ステップSy3604では、開閉実行モード演出用処理を実行する。開閉実行モード演出用処理では、オープニング期間における演出や、大入賞口開閉処理期間における演出、エンディング期間における演出に関する処理を行う。ステップSy3604を実行した後、ステップSy3605に進む。
ステップSy3605では、背景演出用処理を実行する。背景演出用処理では、主側MPU62から受信した遊技状態を示すコマンドに応じて定まる背景動画を図柄表示装置41に表示させる処理を行う。例えば、高頻度サポートモードの継続中であることを示す背景動画や、高頻度サポートモードを終了したことを示す背景動画、高確率モードの継続中であることを示す背景動画を表示させる処理を行う。ステップSy3605を実行した後、ステップSy3606に進む。
ステップSy3606では、報知演出用処理を実行する。報知演出用処理では、主側MPU62から受信した各種のコマンドに応じて定まる演出画像(動画)を図柄表示装置41に表示させる処理を行う。具体的には、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることを遊技者に報知するための右打ち報知演出や、遊技球発射機構による発射態様を右打ちから左打ちに戻すことを遊技者に報知するための左打ち報知演出、左側大入賞口作動ゲート95に遊技球を入球させることを遊技者に指示するための左ゲート狙い報知演出を図柄表示装置41に表示させる処理を行う。ステップSy3606を実行した後、ステップSy3607に進む。
ステップSy3607では、小当たりラッシュ演出用処理を実行する。小当たりラッシュ演出用処理では、主側MPU62から受信した小当たりラッシュコマンドに応じて定まる演出画像(動画)を図柄表示装置41に表示させる処理を行う。図柄表示装置41に表示された、小当たりラッシュに応じて定まる演出画像を視認することによって、遊技者は、小当たりラッシュの状態に移行したことを認めることができる。この結果、遊技の興趣向上をより図ることができる。ステップSy3607を実行した後、ステップSy3608に進む。
ステップSy3608では、その他の処理を実行する。その他の処理は、遊技者によって遊技が行われていない時にデモ画像(動画)を図柄表示装置41に表示させる処理等である。ステップSy3608を実行した後、ステップSy3609に進む。
ステップSy3609では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSy3609を実行した後、ステップSy3610に進む。
ステップSy3610では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記のBGM用処理及び各演出用処理において読み出された音声データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSy3610を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図98:Sy3702)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図99は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップSy3701では、主側MPU62から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSy3701において、主側MPU62から保留コマンドを受信していると判定した場合には(Sy3701:YES)、ステップSy3702に進む。
ステップSy3702では、今回受信した保留コマンドを読み出し、当該保留コマンドから、保留情報を読み出す。保留情報には、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、および変動時間の各情報が含まれる。そして、読み出した保留情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。保留情報は、第1始動口33の保留個数である最大4個分の情報と、第2始動口34の保留個数である最大4個分の情報とが更新されて記憶される。ステップSy3702を実行した後、ステップSy3703に進む。
ステップSy3703では、入球時の更新処理を実行する。入球時の更新処理では、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、これらの保留情報の合計個数とを音光側MPU92において特定可能とするための処理を実行する。ステップSy3703の入球時の更新処理の詳細については後述する。以下では、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第1保留個数」とも呼び、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第2保留個数」とも呼び、第1保留個数と第2保留個数との合計数を「合計保留個数」とも呼ぶ。ステップSy3703を実行した後、ステップSy3704に進む。
ステップSy3704では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップSy3703において特定された第1保留個数と第2保留個数とに対応させて、第1始動口保留用領域Ds1および第2始動口保留用領域Ds2における表示(保留表示アイコンが何個並ぶかといった表示)を変更させるためのコマンドを、表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1始動口保留用領域Ds1および第2始動口保留用領域Ds2における表示を第1保留個数と第2保留個数とに対応させて変更する。具体的には、前記コマンドを受信した表示制御装置100は、第1始動口保留用領域Ds1における保留表示のアイコンの表示位置を規定しており、第1保留個数に対応した数のアイコンを表示位置に表示する。また、表示制御装置100は、第2始動口保留用領域Ds2における保留表示のアイコンの表示位置を規定しており、第2保留個数に対応した数のアイコンを表示位置に表示する。ステップSy3704を実行した後、保留コマンド対応処理を終了する。
<入球時の更新処理>
次に、入球時の更新処理について説明する。入球時の更新処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図99:Sy3703)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図100は、入球時の更新処理を示すフローチャートである。ステップSy3801では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップSy3801において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には(Sy3801:YES)、ステップSy3802に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSy3802を実行した後、ステップSy3804に進む。
ステップSy3801において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものでないと判定した場合(Sy3801:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップSy3803に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSy3803を実行した後、ステップSy3804に進む。
ステップSy3802及びステップSy3803の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入球に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップSy3804では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップSp3704を実行した後、本入球時の更新処理を終了する。
<遊技回演出設定処理>
次に、遊技回演出設定処理について説明する。遊技回演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図98:Sy3603)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図101は、遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSy3901では、主側MPU62から高確率モードコマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップSy3901において、主側MPU62から高確率モードコマンドを受信していると判定した場合には(Sy3901:YES)、ステップSy3902に進み、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aに記憶された音光側高確率モードフラグをONする。
ステップSy3901において、主側MPU62から高確率モードコマンドを受信していないと判定した場合には(Sy3901:NO)、ステップSy3903に進み、主側MPU62から低確率モードコマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップSy3903において、主側MPU62から低確率モードコマンドを受信していると判定した場合には(Sy3903:YES)、ステップSy3904に進み、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aに記憶された音光側高確率モードフラグをOFFする。
ステップSy3903において、主側MPU62から低確率モードコマンドを受信していないと判定した場合には(Sy3903:NO)、そのままステップSy3905に進む。また、ステップSy3902を実行した後、またはステップSy3904を実行した後、ステップSy3905に進む。
ステップSy3905では、主側MPU62から高頻度サポートモードコマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップSy3905において、主側MPU62から高頻度サポートモードコマンドを受信していると判定した場合には(Sy3905:YES)、ステップSy3906に進み、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aに記憶された音光側高頻度サポートモードフラグをONする。
ステップSy3905において、主側MPU62から高頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(Sy3905:NO)、ステップSy3907に進み、主側MPU62から低頻度サポートモードコマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップSy3907において、主側MPU62から低頻度サポートモードコマンドを受信していると判定した場合には(Sy3907:YES)、ステップSy3908に進み、音光側RAM94の各種フラグ記憶エリア94aに記憶された音光側高頻度サポートモードフラグをOFFする。
ステップSy3907において、主側MPU62から低頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(Sy3907:NO)、そのままステップSy3909に進む。また、ステップSy3906を実行した後、またはステップSy3908を実行した後、ステップSy3909に進む。
ステップSy3909では、表示態様切替処理を実行する。表示態様切替処理は、第1始動口用遊技回に対応する第1装飾図柄と第2始動口用遊技回に対応する第2装飾図柄とを表示する領域を切り替える処理である。具体的には、メイン表示領域MAに第1装飾図柄を表示してサブ表示領域SAに第2装飾図柄を表示する場合と、メイン表示領域MAに第2装飾図柄を表示してサブ表示領域SAに第1装飾図柄を表示する場合とを切り替える処理を実行する。表示態様切替処理の詳細については後述する。ステップSy3909を実行した後、ステップSy3910に進む。
ステップSy3910では、特1用遊技回演出用処理を実行する。特1用遊技回演出用処理は、第1始動口用遊技回に対応する演出の設定および実行を行う処理である。特1用遊技回演出用処理の詳細については後述する。ステップSy3910を実行した後、ステップSy3911に進む。
ステップSy3911では、特2用遊技回演出用処理を実行する。特2用遊技回演出用処理は、第2始動口用遊技回に対応する演出の設定および実行を行う処理である。特2用遊技回演出用処理の詳細については後述する。ステップSy3911を実行した後、本遊技回演出設定処理を終了する。
<表示態様切替処理>
次に、表示態様切替処理について説明する。表示態様切替処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図101:Sy3909)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図102は、表示態様切替処理を示すフローチャートである。ステップSy4001では、各種フラグ記憶エリア94aに記憶された音光側高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSy4001において、音光側高確率モードフラグがONでないと判定した場合には(Sy4001:YES)、ステップSy4002に進み、各種フラグ記憶エリア94aに記憶された音光側高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSy4002において、音光側高頻度サポートモードフラグがONでないと判定した場合には(Sy4002:NO)、ステップSy4003に進む。
ステップSy4003では、特1メイン表示コマンドを表示制御装置100に送信する。特1メイン表示コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の表示制御をすることによって、第1始動口用遊技回に対応する第1装飾図柄を図柄表示装置41のメイン表示領域MAに表示するとともに、第2始動口用遊技回に対応する第2装飾図柄を図柄表示装置41のサブ表示領域SAに表示する。すなわち、抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである低確低サポ状態において、図柄表示装置41のメイン表示領域MAに第1装飾図柄を表示するともに、図柄表示装置41のサブ表示領域SAに第2装飾図柄を表示する。
ステップSy4001において、音光側高確率モードフラグがONであると判定した場合には(Sy4001:YES)、ステップSy4004に進む。また、ステップSy4002において、音光側高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sy4002:YES)、ステップSy4004に進む。
ステップSy4004では、特2メイン表示コマンドを表示制御装置100に送信する。特2メイン表示コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の表示制御をすることによって、第2始動口用遊技回に対応する第2装飾図柄を図柄表示装置41のメイン表示領域MAに表示するとともに、第1始動口用遊技回に対応する第1装飾図柄を図柄表示装置41のサブ表示領域SAに表示する。すなわち、抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが高頻度サポートモードである低確高サポ状態、抽選モードが高確率モードであり、サポートモードが高頻度サポートモードである高確高サポ状態、および、抽選モードが高確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである高確低サポ状態のそれぞれにおいて、図柄表示装置41のメイン表示領域MAに第2装飾図柄を表示するともに、図柄表示装置41のサブ表示領域SAに第1装飾図柄を表示する。
ステップSy4003を実行した後、または、ステップSy4004を実行した後、表示態様切替処理を終了する。
<特1用遊技回演出設定処理>
次に、特1用遊技回演出設定処理について説明する。特1用遊技回演出設定処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図101:Sy3910)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図103は、特1用遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSy4101では、主側MPU62から第1変動用コマンド及び第1種別コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSy4101において、第1変動用コマンド及び第1種別コマンドのうちの少なくとも一方を受信していないと判定した場合には(Sy4101:NO)、本特1用遊技回演出設定処理を終了する。一方、ステップSy4101において、第1変動用コマンド及び第1種別コマンドを受信していると判定した場合には(Sy4101:YES)、ステップSy4102に進む。
ステップSy4102では、今回受信した第1変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、特殊小当たりの有無、リーチ発生の有無、および変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップSy4103に進む。
ステップSy4103では、大当たり時や、小当たり時、リーチ時等の遊技回において実行する演出のパターンを設定する第1演出パターン設定処理を実行する。第1演出パターン設定処理の詳細については後述する。ステップSy4103を実行した後、ステップSy4104に進む。
ステップSy4104では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、または8R通常大当たりである場合には、図柄表示装置41の有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R確変大当たりまたは8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップSy4104を実行した後、ステップSy4105に進む。
ステップSy4105では、今回の第1始動口用遊技回の変動表示パターン(以下、第1変動表示パターンと呼ぶ)を設定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している第1変動用コマンドの内容から今回の第1始動口用遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップSy4104において設定した停止図柄の情報の組合せに対応した第1変動表示パターンを選択する。なお、第1変動表示パターンを選択する際には、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93b(図B08)に記憶されている第1変動表示パターンテーブルが参照される。その後、ステップSy4106に進む。
ステップSy4106では、今回の第1始動口用遊技回において設定された第1演出パターン、停止図柄、第1変動表示パターンの情報を演出コマンドに設定する。その後、ステップSy4107に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップSy4107を実行した後、ステップSy4108に進む。
ステップSy4108では、保留情報の更新処理を実行する。保留情報の更新処理では、音光側RAM94の第1保留個数カウンタエリアに記憶されている第1保留個数が1減算されるように、当該第1保留個数カウンタエリアの情報を更新する。ステップSy4108を実行した後、ステップSy4109進む。
ステップSy4109では、保留表示制御処理を実行する。保留表示制御処理は、保留コマンド対応処理(図99)のステップSy3604で実行した保留表示制御処理と同様の処理を行う。具体的には、ステップSy4108において特定された第1保留個数に対応させて、第1始動口保留用領域Ds1における表示(保留表示アイコンが何個並ぶかといった表示)を変更させるためのコマンドを、表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1始動口保留用領域Ds1における表示を第1保留個数に対応させて変更する。ステップSy4109を実行した後、特1用遊技回演出設定処理を終了する。
<第1演出パターン設定処理>
次に、第1演出パターン設定処理について説明する。第1演出パターン設定処理は、特1用遊技回演出設定処理のサブルーチン(図103:Sy4103)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図104は、第1演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSy4101では、音光側高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSy4201において、音光側高確率モードフラグがONではないと判定した場合には(Sy4201:NO)、ステップSy4202に進む。
ステップSy4202では、音光側高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSy4202において、音光側高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合には(Sy4202:NO)、ステップSy4203に進む。
ステップSy4203では、第1始動口用の低確低サポ状態時演出パターン設定処理を実行する。第1始動口用の低確低サポ状態時演出パターン設定処理は、抽選モードが低確率モードであり、かつサポートモードが低頻度サポートモードである時に第1始動口用遊技回が実行される場合に、当該第1始動口用遊技回の演出パターンを設定する処理である。具体的には、図59における低確低サポ状態(状態H1)のときに、第1始動口用遊技回が実行される場合に、当該第1始動口用遊技回の演出パターンを設定する処理である。第1始動口用の低確低サポ状態時演出パターン設定処理の詳細は後述する。ステップSy4203を実行した後、本第1演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSy4202において、音光側高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sy4202:YES)、ステップSy4204に進む。
ステップSy4204では、第1始動口用の低確高サポ状態時演出パターン設定処理を実行する。第1始動口用の低確高サポ状態時演出パターン設定処理は、抽選モードが低確率モードであり、かつサポートモードが高頻度サポートモードである時に第1始動口用遊技回が実行される場合に、当該第1始動口用遊技回の演出パターンを設定する処理である。具体的には、図59における低確高サポ状態(状態H4)のときに、第1始動口用遊技回が実行される場合に、当該第1始動口用遊技回の演出パターンを設定する処理である。第1始動口用の低確高サポ状態時演出パターン設定処理の詳細は後述する。ステップSy4204を実行した後、本第1演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSy4201において、音光側高確率モードフラグがONであると判定した場合には(Sy4201:YES)、ステップSy4205に進む。
ステップSy4205では、音光側高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSy4205において、音光側高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sy4205:YES)、ステップSy4206に進む。
ステップSy4206では、第1始動口用の高確高サポ状態時演出パターン設定処理を実行する。第1始動口用の高確高サポ状態時演出パターン設定処理は、抽選モードが高確率モードであり、かつサポートモードが高頻度サポートモードである時に第1始動口用遊技回が実行される場合に、当該第1始動口用遊技回の演出パターンを設定する処理である。具体的には、図59における高確高サポ状態(状態H5)のときに、第1始動口用遊技回が実行される場合に、当該第1始動口用遊技回の演出パターンを設定する処理である。第1始動口用の高確高サポ状態時演出パターン設定処理の詳細は後述する。ステップSy4206を実行した後、本第1演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSy4205において、音光側高頻度サポートモードフラグがONでないと判定した場合には(Sy4205:NO)、ステップSy4207に進む。
ステップSy4207では、第1始動口用の高確低サポ状態時演出パターン設定処理を実行する。第1始動口用の高確低サポ状態時演出パターン設定処理は、抽選モードが高確率モードであり、かつサポートモードが低頻度サポートモードである時に第1始動口用遊技回が実行される場合に、当該第1始動口用遊技回の演出パターンを設定する処理である。具体的には、図59における高確低サポ状態(状態H6)のときに、第1始動口用遊技回が実行される場合に、当該第1始動口用遊技回の演出パターンを設定する処理である。第1始動口用の高確低サポ状態時演出パターン設定処理の詳細は後述する。ステップSy4207を実行した後、本第1演出パターン設定処理を終了する。
<第1始動口用の低確低サポ状態時演出パターン設定処理>
次に、第1始動口用の低確低サポ状態時演出パターン設定処理について説明する。第1始動口用の低確低サポ状態時演出パターン設定処理は、第1演出パターン設定処理のサブルーチン(図104:Sy4203)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図105は、第1始動口用の低確低サポ状態時演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSy4301では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数を取得する。その後、ステップSy4302に進む。
ステップステップSy4302では、今回の遊技回における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、特1用遊技回演出設定処理(図103)のステップSy4002によって音光側MPU92のレジスタに記憶された大当たりの有無の情報から、当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSy4302において、当否判定の結果が大当たり当選であると判定した場合には(Sy4302:YES)、ステップSy4303に進む。
ステップSy4303では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている低確率低頻度状態用演出パターンテーブル群から、大当たり用の演出パターンテーブルを特定する。低確率低頻度状態用演出パターンテーブル群には、(ア)低確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用演出パターンテーブル、(イ)低確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、(ウ)低確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、が備えられている。ステップSy4303では、(ア)~(ウ)の中から(ア)を特定する。(ア)は、例えば、大当たり用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy4303を実行した後、ステップSy4304に進む。
ステップSy4304では、ステップSy4303で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy1102(図73)によって取得した変動時間と、ステップSy4301によって得られた今回の演出パターン用乱数の値とに対応した演出パターンを取得する。続く、ステップSy4305では、ステップSy4304によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSy4305を実行した後、第1始動口用の低確低サポ状態時演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSy4302において、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Sy4302:NO)、ステップSy4306に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、特1用遊技回演出設定処理(図103)のSy4102によって音光側MPU92のレジスタに記憶されたリーチ発生の有無の情報から、リーチが発生するか否かを判定する。ステップSy4306において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生であると判定した場合には(Sy4306:YES)、ステップSy4307に進む。
ステップSy4307では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている低確低サポ状態用演出パターンテーブル群から、リーチ発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(イ)低確低サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、を特定する。(イ)は、例えば、リーチ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy4307を実行した後、先に説明したステップSy4304に進み、ステップSy4307で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy1104(図73)によって取得した変動時間と、ステップSy4301によって得られた今回の演出パターン用乱数の値とに対応した演出パターンを取得する。
ステップSy4306において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(Sy4306:NO)、ステップSy4308に進む。
ステップSy4308では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている低確低サポ状態用演出パターンテーブル群から、リーチ非発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(ウ)低確低サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、を特定する。(ウ)は、例えば、外れ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy4308を実行した後、先に説明したステップSy4304に進み、ステップSy4308で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy1105(図73)によって取得した変動時間と、ステップSy4301によって得られた今回の演出パターン用乱数の値とに対応した演出パターンを取得する。
<第1始動口用の低確高サポ状態時演出パターン設定処理>
次に、第1始動口用の低確高サポ状態時演出パターン設定処理について説明する。第1始動口用の低確高サポ状態時演出パターン設定処理は、第1演出パターン設定処理のサブルーチン(図104:Sy4204)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図106は、第1始動口用の低確高サポ状態時演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSy4401では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数を取得する。その後、ステップSy4402に進む。
ステップステップSy4402では、今回の遊技回における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、特1用遊技回演出設定処理(図103)のステップSy4102によって音光側MPU92のレジスタに記憶された大当たりの有無の情報から、当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSy4402において、当否判定の結果が大当たり当選であると判定した場合には(Sy4402:YES)、ステップSy4403に進む。
ステップSy4403では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている低確高サポ用演出パターンテーブル群から、大当たり用の演出パターンテーブルを特定する。低確高サポ用演出パターンテーブル群には、(エ)低確高サポで、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用演出パターンテーブル、(オ)低確高サポで、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、(カ)低確高サポで、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、が備えられている。ステップSy4403では、(エ)~(カ)の中から(エ)を特定する。(エ)は、例えば、大当たり用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy4403を実行した後、ステップSy4404に進む。
ステップSy4404では、ステップSy4403で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy1202(図74)によって取得した変動時間と、ステップSy4401によって得られた今回の演出パターン用乱数の値とに対応した演出パターンを取得する。続く、ステップSy4405では、ステップSy4404によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSy4405を実行した後、第1始動口用の低確高サポ状態時演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSy4402において、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Sy4402:NO)、ステップSy4406に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、特1用遊技回演出設定処理(図103)のSy4102によって音光側MPU92のレジスタに記憶されたリーチ発生の有無の情報から、リーチが発生するか否かを判定する。ステップSy4406において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生であると判定した場合には(Sy4406:YES)、ステップSy4407に進む。
ステップSy4407では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている低確高サポ用演出パターンテーブル群から、リーチ発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(オ)低確高サポで、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、を特定する。(オ)は、例えば、リーチ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy4407を実行した後、先に説明したステップSy4404に進み、ステップSy4407で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy1204(図74)によって取得した変動時間と、ステップSy4401によって得られた今回の演出パターン用乱数の値に対応した演出パターンを取得する。
ステップSy4406において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(Sy4406:NO)、ステップSy4408に進む。
ステップSy4408では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている低確高サポ用演出パターンテーブル群から、リーチ非発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(カ)低確高サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、を特定する。(カ)は、例えば、外れ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy4408を実行した後、先に説明したステップSy4404に進み、ステップSy4408で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy1205(図74)によって取得した変動時間と、ステップSy4401によって得られた今回の演出パターン用乱数の値に対応した演出パターンを取得する。
<第1始動口用の高確高サポ状態時演出パターン設定処理>
次に、第1始動口用の高確高サポ状態時演出パターン設定処理について説明する。第1始動口用の高確高サポ状態時演出パターン設定処理は、第1演出パターン設定処理のサブルーチン(図104:Sy4204)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図107は、第1始動口用の高確高サポ状態時演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSy4501では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数を取得する。その後、ステップSy4502に進む。
ステップステップSy4502では、今回の遊技回における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、特1用遊技回演出設定処理(図103)のステップSy4102によって音光側MPU92のレジスタに記憶された大当たりの有無の情報から、当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSy4502において、当否判定の結果が大当たり当選であると判定した場合には(Sy4502:YES)、ステップSy4503に進む。
ステップSy4503では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている高確高サポ用演出パターンテーブル群から、大当たり用の演出パターンテーブルを特定する。高確高サポ用演出パターンテーブル群には、(キ)高確高サポで、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用演出パターンテーブル、(ク)高確高サポで、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、(ケ)高確高サポで、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、が備えられている。ステップSy4503では、(キ)~(ケ)の中から(キ)を特定する。(キ)は、例えば、大当たり用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy4503を実行した後、ステップSy4504に進む。
ステップSy4504では、ステップSy4503で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy1302(図75)によって取得した変動時間と、ステップSy4501によって得られた今回の演出パターン用乱数の値とに対応した演出パターンを取得する。続く、ステップSy4505では、ステップSy4504によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSy4505を実行した後、第1始動口用の高確高サポ状態時演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSy4502において、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Sy4502:NO)、ステップSy4506に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、特1用遊技回演出設定処理(図103)のSy4102によって音光側MPU92のレジスタに記憶されたリーチ発生の有無の情報から、リーチが発生するか否かを判定する。ステップSy4506において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生であると判定した場合には(Sy4506:YES)、ステップSy4507に進む。
ステップSy4507では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている高確高サポ用演出パターンテーブル群から、リーチ発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(ク)高確高サポで、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、を特定する。(ク)は、例えば、リーチ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy4507を実行した後、先に説明したステップSy4504に進み、ステップSy4507で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy1304(図75)によって取得した変動時間と、ステップSy4501によって得られた今回の演出パターン用乱数の値に対応した演出パターンを取得する。
ステップSy4506において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(Sy4506:NO)、ステップSy4508に進む。
ステップSy4508では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている高確高サポ用演出パターンテーブル群から、リーチ非発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(ケ)高確高サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、を特定する。(ケ)は、例えば、外れ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy4508を実行した後、先に説明したステップSy4504に進み、ステップSy4508で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy1305(図75)によって取得した変動時間と、ステップSy4501によって得られた今回の演出パターン用乱数の値に対応した演出パターンを取得する。
<第1始動口用の高確低サポ状態時演出パターン設定処理>
次に、第1始動口用の高確低サポ状態時演出パターン設定処理について説明する。第1始動口用の高確低サポ状態時演出パターン設定処理は、第1演出パターン設定処理のサブルーチン(図104:Sy4204)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図108は、第1始動口用の高確低サポ状態時演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSy4501では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数を取得する。その後、ステップSy4502に進む。
ステップステップSy4502では、今回の遊技回における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、特1用遊技回演出設定処理(図103)のステップSy4102によって音光側MPU92のレジスタに記憶された大当たりの有無の情報から、当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSy4502において、当否判定の結果が大当たり当選であると判定した場合には(Sy4502:YES)、ステップSy4503に進む。
ステップSy4503では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている高確高サポ用演出パターンテーブル群から、大当たり用の演出パターンテーブルを特定する。高確高サポ用演出パターンテーブル群には、(コ)高確高サポで、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用演出パターンテーブル、(サ)高確高サポで、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、(シ)高確高サポで、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、が備えられている。ステップSy4503では、(コ)~(シ)の中から(コ)を特定する。(コ)は、例えば、大当たり用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy4503を実行した後、ステップSy4504に進む。
ステップSy4504では、ステップSy4503で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy1402(図76)によって取得した変動時間と、ステップSy4501によって得られた今回の演出パターン用乱数の値とに対応した演出パターンを取得する。続く、ステップSy4505では、ステップSy4504によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSy4505を実行した後、第1始動口用の高確低サポ状態時演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSy4502において、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Sy4502:NO)、ステップSy4506に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、特1用遊技回演出設定処理(図103)のSy4102によって音光側MPU92のレジスタに記憶されたリーチ発生の有無の情報から、リーチが発生するか否かを判定する。ステップSy4506において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生であると判定した場合には(Sy4506:YES)、ステップSy4507に進む。
ステップSy4507では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている高確高サポ用演出パターンテーブル群から、リーチ発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(サ)高確高サポで、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、を特定する。(ク)は、例えば、リーチ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy4507を実行した後、先に説明したステップSy4504に進み、ステップSy4507で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy1404(図76)によって取得した変動時間と、ステップSy4501によって得られた今回の演出パターン用乱数の値に対応した演出パターンを取得する。
ステップSy4506において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(Sy4506:NO)、ステップSy4508に進む。
ステップSy4508では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている高確高サポ用演出パターンテーブル群から、リーチ非発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(シ)高確低サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、を特定する。(シ)は、例えば、外れ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy4508を実行した後、先に説明したステップSy4504に進み、ステップSy4508で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy1405(図76)によって取得した変動時間と、ステップSy4501によって得られた今回の演出パターン用乱数の値に対応した演出パターンを取得する。
<特2用遊技回演出設定処理>
次に、特2用遊技回演出設定処理について説明する。特2用遊技回演出設定処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図101:Sy3911)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図109は、特2用遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSy4701では、主側MPU62から第2変動用コマンド及び第2種別コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSy4701において、第2変動用コマンド及び第2種別コマンドのうちの少なくとも一方を受信していないと判定した場合には(Sy4701:NO)、本特2用遊技回演出設定処理を終了する。一方、ステップSy4701において、第2変動用コマンド及び第2種別コマンドを受信していると判定した場合には(Sy4701:YES)、ステップSy4702に進む。
ステップSy4702では、今回受信した第2変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、および変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップSy4703に進む。
ステップSy4703では、大当たり時やリーチ時等の遊技回において実行する演出のパターンを設定する第2演出パターン設定処理を実行する。第2演出パターン設定処理の詳細については後述する。ステップSy4703を実行した後、ステップSy4704に進む。
ステップSy4704では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、または8R通常大当たりである場合には、図柄表示装置41の有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R確変大当たりまたは8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップSy4704を実行した後、ステップSy4705に進む。
ステップSy4705では、今回の第2始動口用遊技回の変動表示パターン(以下、第2変動表示パターンと呼ぶ)を設定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している第2変動用コマンドの内容から今回の第2始動口用遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップSy4704において設定した停止図柄の情報の組合せに対応した第2変動表示パターンを選択する。なお、第2変動表示パターンを選択する際には、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93b(図B08)に記憶されている第2変動表示パターンテーブルが参照される。その後、ステップSy4706に進む。
ステップSy4706では、今回の第2始動口用遊技回において設定された第2演出パターン、停止図柄、第2変動表示パターンの情報を演出コマンドに設定する。その後、ステップSy4707に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップSy4707を実行した後、ステップSy4708に進む。
ステップSy4708では、保留情報の更新処理を実行する。保留情報の更新処理では、音光側RAM94の第2保留個数カウンタエリアに記憶されている第2保留個数が1減算されるように、当該第2保留個数カウンタエリアの情報を更新する。ステップSy4708を実行した後、ステップSy4709進む。
ステップSy4709では、保留表示制御処理を実行する。保留表示制御処理は、保留コマンド対応処理(図99)のステップSy3604で実行した保留表示制御処理と同様の処理を行う。具体的には、ステップSy4708において特定された第2保留個数に対応させて、第2始動口保留用領域Ds2における表示(保留表示アイコンが何個並ぶかといった表示)を変更させるためのコマンドを、表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を第2保留個数に対応させて変更する。ステップSy4709を実行した後、特2用遊技回演出設定処理を終了する。
<第2演出パターン設定処理>
次に、第2演出パターン設定処理について説明する。第2演出パターン設定処理は、特2用遊技回演出設定処理のサブルーチン(図109:Sy4703)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図110は、第2演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSy4801では、音光側高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSy4801において、音光側高確率モードフラグがONではないと判定した場合には(Sy4801:NO)、ステップSy4802に進む。
ステップSy4802では、音光側高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSy4802において、音光側高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合には(Sy4802:NO)、ステップSy4803に進む。
ステップSy4803では、第2始動口用の低確低サポ状態時演出パターン設定処理を実行する。第2始動口用の低確低サポ状態時演出パターン設定処理は、抽選モードが低確率モードであり、かつサポートモードが低頻度サポートモードである時に第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の演出パターンを設定する処理である。具体的には、図59における低確低サポ状態(状態H1)のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の演出パターンを設定する処理である。第2始動口用の低確低サポ状態時演出パターン設定処理の詳細は後述する。ステップSy4803を実行した後、本第2演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSy4802において、音光側高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sy4802:YES)、ステップSy4804に進む。
ステップSy4804では、第2始動口用の低確高サポ状態時演出パターン設定処理を実行する。第2始動口用の低確高サポ状態時演出パターン設定処理は、抽選モードが低確率モードであり、かつサポートモードが高頻度サポートモードである時に第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の演出パターンを設定する処理である。具体的には、図59における低確高サポ状態(状態H4)のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の演出パターンを設定する処理である。第2始動口用の低確高サポ状態時演出パターン設定処理の詳細は後述する。ステップSy4804を実行した後、本第2演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSy4801において、音光側高確率モードフラグがONであると判定した場合には(Sy4801:YES)、ステップSy4805に進む。
ステップSy4805では、音光側高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSy4805において、音光側高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sy4805:YES)、ステップSy4806に進む。
ステップSy4806では、第2始動口用の高確高サポ状態時演出パターン設定処理を実行する。第2始動口用の高確高サポ状態時演出パターン設定処理は、抽選モードが高確率モードであり、かつサポートモードが高頻度サポートモードである時に第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の演出パターンを設定する処理である。具体的には、図59における高確高サポ状態(状態H5)のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の演出パターンを設定する処理である。第2始動口用の高確高サポ状態時演出パターン設定処理の詳細は後述する。ステップSy4806を実行した後、本第2演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSy4805において、音光側高頻度サポートモードフラグがONでないと判定した場合には(Sy4805:NO)、ステップSy4807に進む。
ステップSy4807では、第2始動口用の高確低サポ状態時演出パターン設定処理を実行する。第2始動口用の高確低サポ状態時演出パターン設定処理は、抽選モードが高確率モードであり、かつサポートモードが低頻度サポートモードである時に第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の演出パターンを設定する処理である。具体的には、図59における高確低サポ状態(状態H6)のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の演出パターンを設定する処理である。第2始動口用の高確低サポ状態時演出パターン設定処理の詳細は後述する。ステップSy4807を実行した後、本第2演出パターン設定処理を終了する。
<第2始動口用の低確低サポ状態時演出パターン設定処理>
次に、第2始動口用の低確低サポ状態時演出パターン設定処理について説明する。第2始動口用の低確低サポ状態時演出パターン設定処理は、第2演出パターン設定処理のサブルーチン(図110:Sy4803)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図111は、第2始動口用の低確低サポ状態時演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSy4901では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)からロング変動用の演出パターンを特定する。ステップSy4901を実行した後、ステップSy4902に進む。
ステップSy4902では、ステップSy4902で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy1901(図81)によって取得したロング変動時間に対応した演出パターンを取得する。続く、ステップSy4903では、ステップSy4902によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSy4903を実行した後、第2始動口用の低確低サポ状態時演出パターン設定処理を終了する。
<第2始動口用の低確高サポ状態時演出パターン設定処理>
次に、第2始動口用の低確高サポ状態時演出パターン設定処理について説明する。第2始動口用の低確高サポ状態時演出パターン設定処理は、第2演出パターン設定処理のサブルーチン(図110:Sy4804)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図112は、第2始動口用の低確高サポ状態時演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSy5001では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数を取得する。その後、ステップSy5002に進む。
ステップステップSy5002では、今回の遊技回における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、特2用遊技回演出設定処理(図109)のステップSy4702によって音光側MPU92のレジスタに記憶された大当たりの有無の情報から、当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSy5002において、当否判定の結果が大当たり当選であると判定した場合には(Sy5002:YES)、ステップSy5003に進む。
ステップSy5003では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている低確高サポ用演出パターンテーブル群から、大当たり用の演出パターンテーブルを特定する。低確高サポ用演出パターンテーブル群には、(ス)低確高サポで、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用演出パターンテーブル、(セ)低確高サポで、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、(ソ)低確高サポで、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、が備えられている。ステップSy5003では、(ス)~(ソ)の中から(ス)を特定する。(ス)は、例えば、大当たり用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy5003を実行した後、ステップSy5004に進む。
ステップSy5004では、ステップSy5003で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy2102(図83)によって取得した変動時間と、ステップSy5001によって得られた今回の演出パターン用乱数の値とに対応した演出パターンを取得する。続く、ステップSy5005では、ステップSy5004によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSy5005を実行した後、第2始動口用の低確高サポ状態時演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSy5002において、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Sy5002:NO)、ステップSy5006に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、特2用遊技回演出設定処理(図109)のSy4602によって音光側MPU92のレジスタに記憶されたリーチ発生の有無の情報から、リーチが発生するか否かを判定する。ステップSy5006において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生であると判定した場合には(Sy5006:YES)、ステップSy5007に進む。
ステップSy5007では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている低確高サポ用演出パターンテーブル群から、リーチ発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(セ)低確高サポで、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、を特定する。(セ)は、例えば、リーチ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy5007を実行した後、先に説明したステップSy5004に進み、ステップSy5007で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy2104(図83)によって取得した変動時間と今回の演出パターン用乱数の値に対応した演出パターンを取得する。
ステップSy5006において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(Sy5006:NO)、ステップSy5008に進む。
ステップSy5008では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている低確高サポ用演出パターンテーブル群から、リーチ非発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(ソ)低確高サポ状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、を特定する。(ソ)は、例えば、外れ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy5008を実行した後、先に説明したステップSy5004に進み、ステップSy5008で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy2105(図83)によって取得した変動時間と今回の演出パターン用乱数の値に対応した演出パターンを取得する。
<第2始動口用の高確高サポ状態時演出パターン設定処理>
次に、第2始動口用の高確高サポ状態時演出パターン設定処理について説明する。第2始動口用の高確高サポ状態時演出パターン設定処理は、第2演出パターン設定処理のサブルーチン(図110:Sy4806)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図113は、第2始動口用の高確高サポ状態時演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSy5101では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数を取得する。その後、ステップSy5102に進む。
ステップステップSy5102では、今回の遊技回における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、特2用遊技回演出設定処理(図109)のステップSy4702によって音光側MPU92のレジスタに記憶された大当たりの有無の情報から、当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSy5102において、当否判定の結果が大当たり当選であると判定した場合には(Sy5102:YES)、ステップSy5103に進む。
ステップSy5103では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている高確高サポ用演出パターンテーブル群から、大当たり用の演出パターンテーブルを特定する。高確高サポ用演出パターンテーブル群には、(タ)高確高サポで、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用演出パターンテーブル、(チ)高確高サポで、当たり抽選において小当たりに当選した時に用いられる小当たり用演出パターンテーブル、(ツ)高確高サポで、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、(テ)高確高サポで、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、が備えられている。ステップSy5103では、(タ)~(テ)の中から(タ)を特定する。(タ)は、例えば、大当たり用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy5103を実行した後、ステップSy5104に進む。
ステップSy5104では、ステップSy5103で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy2202(図84)によって取得した変動時間と、ステップSy5101によって得られた今回の演出パターン用乱数の値とに対応した演出パターンを取得する。続く、ステップSy5105では、ステップSy5104によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSy5105を実行した後、第2始動口用の高確高サポ状態時演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSy5102において、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Sy5102:NO)、ステップSy5106に進む。
ステップSy5106では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が小当たりであるか否かを判定する。具体的には、小当たりフラグがONであるか否かを判定し、小当たりフラグがONであると判定した場合には(Sy5106:YES)、ステップSy5107に進む。
ステップSy5107では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている高確高サポ用演出パターンテーブル群から、リーチ発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(チ)高確高サポで、当たり抽選において小当たりに当選した時に用いられる小当たり用演出パターンテーブル、を特定する。(チ)は、例えば、小当たり用演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy5107を実行した後、先に説明したステップSy5104に進み、ステップSy5107で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy2204(図84)によって取得した変動時間と、今回の演出パターン用乱数の値に対応した演出パターンを取得する。
一方、ステップSy5106において、今回の遊技回における当否判定の結果が小当たり当選ではないと判定した場合には(Sy5106:NO)、ステップSy5108に進む。
ステップSy5108では、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、特2用遊技回演出設定処理(図109)のSy4602によって音光側MPU92のレジスタに記憶されたリーチ発生の有無の情報から、リーチが発生するか否かを判定する。ステップSy5108において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生であると判定した場合には(Sy5108:YES)、ステップSy5109に進む。
ステップSy5109では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている高確高サポ用演出パターンテーブル群から、リーチ発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(ツ)高確高サポで、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、を特定する。(ツ)は、例えば、リーチ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy5107を実行した後、先に説明したステップSy5104に進み、ステップSy5107で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy2206(図84)によって取得した変動時間と、ステップSy5101によって得られた今回の演出パターン用乱数の値とに対応した演出パターンを取得する。
ステップSy5106において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(Sy5106:NO)、ステップSy5108に進む。
ステップSy5108では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている高確高サポ用演出パターンテーブル群から、リーチ非発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(テ)高確高サポで、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、を特定する。(テ)は、例えば、外れ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy5108を実行した後、先に説明したステップSy5104に進み、ステップSy5108で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy2207(図84)によって取得した変動時間と、ステップSy5101によって得られた今回の演出パターン用乱数の値に対応した演出パターンを取得する。
<第2始動口用の高確低サポ状態時演出パターン設定処理>
次に、第2始動口用の高確低サポ状態時演出パターン設定処理について説明する。第2始動口用の高確低サポ状態時演出パターン設定処理は、第2演出パターン設定処理のサブルーチン(図110:Sy4807)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図114は、第2始動口用の高確低サポ状態時演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSy5101では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数を取得する。その後、ステップSy5102に進む。
ステップステップSy5102では、今回の遊技回における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、特2用遊技回演出設定処理(図109)のステップSy4702によって音光側MPU92のレジスタに記憶された大当たりの有無の情報から、当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSy5102において、当否判定の結果が大当たり当選であると判定した場合には(Sy5102:YES)、ステップSy5103に進む。
ステップSy5103では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている高確低サポ用演出パターンテーブル群から、大当たり用の演出パターンテーブルを特定する。高確低サポ用演出パターンテーブル群には、(ト)高確低サポで、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用演出パターンテーブル、(ナ)高確低サポで、当たり抽選において小当たりに当選した時に用いられる小当たり用演出パターンテーブル、(ニ)高確低サポで、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、(ヌ)高確低サポで、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、が備えられている。ステップSy5103では、(ト)~(ヌ)の中から(ト)を特定する。(タ)は、例えば、大当たり用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy5103を実行した後、ステップSy5104に進む。
ステップSy5104では、ステップSy5103で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy2302(図85)によって取得した変動時間と、ステップSy5101によって得られた今回の演出パターン用乱数の値とに対応した演出パターンを取得する。続く、ステップSy5105では、ステップSy5104によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSy5105を実行した後、第2始動口用の高確低サポ状態時演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSy5102において、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Sy5102:NO)、ステップSy5106に進む。
ステップSy5106では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が小当たりであるか否かを判定する。具体的には、小当たりフラグがONであるか否かを判定し、小当たりフラグがONであると判定した場合には(Sy5106:YES)、ステップSy5107に進む。
ステップSy5107では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている高確低サポ用演出パターンテーブル群から、リーチ発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(ナ)高確低サポで、当たり抽選において小当たりに当選した時に用いられる小当たり用演出パターンテーブル、を特定する。(ナ)は、例えば、小当たり用演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy5107を実行した後、先に説明したステップSy5104に進み、ステップSy5107で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy2304(図85)によって取得した変動時間と、今回の演出パターン用乱数の値に対応した演出パターンを取得する。
一方、ステップSy5106において、今回の遊技回における当否判定の結果が小当たり当選ではないと判定した場合には(Sy5106:NO)、ステップSy5108に進む。
ステップSy5108では、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、特2用遊技回演出設定処理(図109)のSy4602によって音光側MPU92のレジスタに記憶されたリーチ発生の有無の情報から、リーチが発生するか否かを判定する。ステップSy5108において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生であると判定した場合には(Sy5108:YES)、ステップSy5109に進む。
ステップSy5109では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている高確低サポ用演出パターンテーブル群から、リーチ発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(ニ)高確低サポで、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、を特定する。(ニ)は、例えば、リーチ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy5107を実行した後、先に説明したステップSy5104に進み、ステップSy5107で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy2306(図85)によって取得した変動時間と、ステップSy5101によって得られた今回の演出パターン用乱数の値とに対応した演出パターンを取得する。
ステップSy5106において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(Sy5106:NO)、ステップSy5108に進む。
ステップSy5108では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図B08)に記憶されている高確低サポ用演出パターンテーブル群から、リーチ非発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(ヌ)高確低サポで、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、を特定する。(ヌ)は、例えば、外れ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSy5108を実行した後、先に説明したステップSy5104に進み、ステップSy5108で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSy2307(図85)によって取得した変動時間と、ステップSy5101によって得られた今回の演出パターン用乱数の値に対応した演出パターンを取得する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図115は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSy5301では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSy5302に進む。
ステップSy5302では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図116は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSy5401では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド格納エリアに、その抽出したコマンドデータを格納する。コマンド格納処理によってコマンド格納エリアに格納された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図117は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド格納領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSy5501では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(E19)によってコマンド格納エリアに格納されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが格納されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが格納されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(Sy5501)では、その時点でコマンド格納エリアに格納されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド格納エリアに格納されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド格納エリアに格納されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップSy5502では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(Sy5501)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSy5503に進む。
ステップSy5503では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(Sy5502)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップSy5504に進む。
ステップSy5504では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(Sy5503)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップSy5505に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。以上、パチンコ機10において大当たり演出を含めた様々な処理を実行するための具体的な制御の一例を説明した。
《2-7》作用・効果:
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、入球部に遊技球が入球した場合に、遊技状態がどのような規制状態にあるかによって、入球部への遊技球の検出に対する開始処理の実行/非実行を適切に制御し、当該制御に伴って、報知表示機の点灯/消灯を適切に制御するので、遊技者は、報知表示機の点灯/消灯の状態に応じて発射態様を切り替えることで、円滑に遊技を進めることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、低確低サポ状態時(通常時)に、第2始動口34への入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選において大当たり当選する場合があり得る。この場合に、本実施形態のパチンコ機10によれば、次のように動作が進行する。
低確高サポ状態H4において、当たり抽選において大当たり当選せずに時短上限回数である50回の遊技回が終了したことによって、低確低サポ状態H1(通常時)に移行した場合に、低確高サポ状態H4において第2始動口34へ遊技球が入球したことに起因して記憶された特2保留が2~4個残ることがある。その残った2~4個の特2保留(以下、特2残保留とも呼ぶ)のうちの1個の特2残保留に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選した場合がケース3である。図62に示するように、特2残保留に係る当たり抽選において大当たり当選したことを遊技者に告知するために、第2図柄表示部37bにおいて、セグメント表示器の変動表示を開始した後に、当たり抽選の抽選結果、すなわち大当たり当選に対応した表示となるようにセグメント表示器の変動を停止する(一遊技回)。また、一遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、第2図柄表示部37bに表示される図柄に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。なお、本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、通常時における右打ちを防止する対策として、この変動開始から変動停止までの変動時間、すなわち、通常時における特2保留に係る変動時間は、例えば10分というように極めて長い時間(ロング)に設定されている。その後、この変動に係る当たり抽選の抽選結果が大当たり当選である場合に、当該変動停止後に待機状態H2に移行する。
低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2である場合、推奨される発射態様は左打ちであることから、当該待機状態H2の開始時に、右打ちランプ39aが消灯状態となる。なお、当該待機状態H2では、待機状態H2に移行する契機となった大当たり当選が第2始動口34への遊技球の入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選によるものであることから、左ゲート狙い報知演出が図柄表示装置41に表示されることはない。その後、待機状態H2は、その状態のままで継続される。
本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、小当たりラッシュの機能を搭載する構成とした。この構成では、先に説明したように、通常時においても第2始動口34に遊技球を入球させることが可能となる。そこで、この問題を解決するために、本実施形態のパチンコ機10では、通常時における特2保留の変動時間を例えば10分と極めて長い時間(ロング)に設定する構成とした。この構成を、特2保留を特1保留よりも優先的に変動表示するタイプのパチンコ機(特2優先機)や、入賞順に変動表示するタイプのパチンコ機において、通常時における特2保留の変動時間をロングに設定した場合に、通常時に第2始動口へ遊技球を複数個、入球させて、当該パチンコ機を放置するといったことがなされる虞があった。これによれば、ホール内のパチンコ機の稼働率が極端に低下させられてしまう。このため、本実施形態のパチンコ機10では、同時変動機として、小当たりラッシュの機能を搭載する構成とした。
このため、本実施形態のパチンコ機10では、低確高サポ状態H4から低確低サポ状態H1(通常時)に戻ったときに、特2保留が2~4個残り、その残った特2残保留で当たり抽選の当否結果が大当たり当選している場合に、大当たり当選したことが告知されるのが数十分後ということが起こり得た。一方で、低確高サポ状態H4が終了して低確低サポ状態H1(通常時)に戻ったときには、遊技者は、有利な状態を脱したとして遊技を終了することが往々にしてあり得た。通常時における特2残保留で大当たり当選する可能性があることを遊技者が知っていたとしても、大当たりか外れか判らない状態では、遊技者は、上記数十分を待ちきれずに遊技を終了するのが常である。このため、図62に示した動作の途中では、パチンコ機10は、遊技者が居ない空席となることがある。この場合にも、変動表示は変動停止するまで継続され、その後に、待機状態H2に移行する。この待機状態H2では、上述したように、右打ちランプ39aが点灯することもない。その上、待機状態H2に移行する契機となった大当たり当選が第2始動口34への遊技球の入球に起因する特2保留に係る当たり抽選によるものであることから、左ゲート狙い報知演出や左打ち報知演出が表示されることがない。このために、空席のパチンコ機の中から右打ちランプ39aが点灯状態になっているパチンコ機や、左ゲート狙い報知演出、左打ち報知演出、または右打ち報知演出が実行されているパチンコ機を見つけ出して、大当たり遊技の実行が確定している当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナが発生することを防止することができる。
ここで、従来例を具体的に挙げて、本実施形態のパチンコ機10についての効果を更に説明する。この従来例のパチンコ機は、本実施形態のパチンコ機10と比較して、次の(i)、(ii)の構成が相違し、他の構成については同一であるものとする。
(i)左側大入賞口作動ゲート95を備えず、右側大入賞口作動ゲート96を備える構成。
(ii)所定の遊技回における当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に、大当たり当選した時の遊技状態がいずれの遊技状態であっても、当該遊技回の終了後に右側大入賞口作動ゲート96を遊技球が通過するのを待って、当該通過が検出された場合に、可変入賞装置36を開閉実行モードに移行させる点。
すなわち、従来例のパチンコ機は、同時変動機であり、小当たりラッシュの機能を搭載している。この従来例のパチンコ機によれば、低確低サポ状態時(通常時)に、第2始動口34への入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選が実行された場合に、本実施形態のパチンコ機10と同様に、この当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知するための一遊技回に対応した変動時間が極めて長い時間(ロング)となる。このため、従来例のパチンコ機では、本実施形態のパチンコ機10と同様に、通常時に、第2始動口34への遊技球の入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選において大当たり当選する場合にも、遊技者が遊技を終了して空き席となることがある。この場合にも、大当たり当選に対応した図柄を表示する変動停止後に、ラウンド遊技の実行が確定している待機状態に移行する。従来例のパチンコ機では、当該待機状態は、推奨される発射態様は右打ちであることから、当該待機状態の開始時に、右打ちランプ39aが点灯状態となる。この結果、この従来例のパチンコ機によれば、当たり抽選の抽選結果が大当たり当選で、ラウンド遊技が開始されることが確定された状態となった場合に、遊技者が居ない空き席であるにもかかわらず、右打ちランプ39aが点灯状態となる。
ここで、左側大入賞口作動ゲート95も右側大入賞口作動ゲート96も備えないパチンコ機を考えた場合に、所定の遊技回における当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に、当該遊技回の終了後に、直ちに開閉実行モードに移行することになり、遊技者が居ない空き席となった状態で、開閉実行モードが開始されることが起こりえた。この従来例のパチンコ機によれば、右側大入賞口作動ゲート96を備えることで、遊技者が居ない空き席となった状態で、開閉実行モードが開始されることを防ぐことができるが、上述したように、遊技者が居ない空き席のパチンコ機であるにもかかわらず、右打ちランプ39aが点灯状態となる。
このため、従来例のパチンコ機によれば、ホール内において、空席のパチンコ機の中から右打ちランプ39aが点灯状態にあるパチンコ機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、ケース3(図62を参照)にて説明したように、低確低サポ状態時(通常時)に、第2始動口34への入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選において大当たり当選した場合に、変動停止後に移行する待機状態H2の開始時に右打ちランプ39aが消灯状態にあることから、特2残保留に係る当たり抽選の抽選結果が大当たり当選であり、ラウンド遊技が開始されることが確定された状態であっても、この状態を右打ちランプ39aから知ることができない。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、ケース3の場合には、先に説明したように、低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2では、待機状態H2に移行する契機となった大当たり当選が第2始動口34への遊技球の入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選によるものであることから、左ゲート狙い報知演出や左打ち報知演出が図柄表示装置41に表示されることはない。このため、本実施形態のパチンコ機10では、特2残保留に係る当たり抽選の抽選結果が大当たり当選であり、ラウンド遊技が開始されることが確定された状態であることが、左ゲート狙い報知演出や左打ち報知演出からハイエナによって見つけられるようなこともない。
さらに、通常時に、第2始動口34への遊技球の入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選において大当たり当選した場合に、有効となっている左側大入賞口作動ゲート95に遊技球を入球させることによって大当たり遊技を開始させることができるのは、本パチンコ機10が大当たり遊技に移行することが確定していることを知らずに、本パチンコ機10の遊技を開始した者だけに限ることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、遊技の健全性の向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードの実行中において、右打ちランプ39aを点灯状態に制御することから、遊技者は、遊技球発射機構による発射態様を左打ちとして、左側大入賞口作動ゲート95に遊技球を入球させた後に、開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御)が行なわれるに際し、右打ちランプ39aが点灯状態となったことから、遊技球発射機構による発射態様を右打ちに切り替える必要があることを右打ちランプ39aの点灯状態から即座に知ることができる。このため、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者に適切な操作を報知することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、低確低サポ状態H1において推奨される遊技球発射機構による発射態様は左打ちである。そして、低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2では、待機状態H2への移行後においても、遊技球発射機構による発射態様を左打ちとしたままで、開閉実行モードの開始処理の実行が可能な、有効となった左側大入賞口作動ゲート95へ遊技球を入球させることができる。このため、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技球発射機構による発射態様をいちいち切り替えることなく、有効となった左側大入賞口作動ゲート95へ遊技球を入球させることが可能となることから、遊技の操作性を向上することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6において推奨される遊技球発射機構による発射態様は右打ちである。そして、低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2では、待機状態H2への移行後においても、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとしたままで、開閉実行モードの開始処理の実行が可能な、有効となった右側大入賞口作動ゲート96へ遊技球を入球させることができる。このため、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技球発射機構による発射態様をいちいち切り替えることなく、有効となった右側大入賞口作動ゲート96へ遊技球を入球することが可能となることから、遊技の操作性を向上することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、低確低サポ状態H1において推奨される遊技球発射機構による発射態様は左打ちである。そして、低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2では、右打ちランプ39aを消灯状態に制御していることから、右打ちランプ39aの消灯状態に従って遊技球発射機構による発射態様を左打ちとすることを継続したままで、低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2において、開閉実行モードの開始処理の実行が可能な左側大入賞口作動ゲート95へ遊技球を入球させることができる。このため、本実施形態のパチンコ機10によれば、発射手段による発射態様をいちいち切り替えることなく、左側大入賞口作動ゲート95へ遊技球を入球させることが可能となることから、遊技の操作性を向上することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6において推奨される遊技球発射機構による発射態様は右打ちである。そして、低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2では、右打ちランプ39aを点灯状態に制御していることから、右打ちランプ39aの点灯状態に従って発射手段による発射態様を右打ちとすることを継続したままで、低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2において、開閉実行モードの開始処理の実行が可能な右側大入賞口作動ゲート96へ遊技球を入球させることができる。このため、本実施形態のパチンコ機10によれば、発射手段による発射態様をいちいち切り替えることなく、右側大入賞口作動ゲート96へ遊技球を入球させることが可能となることから、遊技の操作性を向上することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、左側大入賞口作動ゲート95は、左打ちである場合に遊技球が入球可能であり、右打ちである場合に遊技球が入球不能であるが、左打ちした場合に、左側大入賞口作動ゲート95は、必ず(すなわち100%の確率で)入球するものではないように構成されている。先に説明したように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり開始の条件成立待機状態において右打ちランプ39aが点灯状態となっていないことから、空席のパチンコ機の中から右打ちランプ39aが点灯状態になっているパチンコ機を探すことによって、大当たり開始の条件成立待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことはできない。しかしながら、本実施形態のパチンコ機10において、仮に左打ちした場合に左側大入賞口作動ゲート95に遊技球が必ず入球する構成とした場合には、空席のパチンコ機を見つけ、当該パチンコ機に着席し、左打ちで遊技球を1個、発射させるだけで、大当たり開始の条件成立待機状態となっているパチンコ機であるか否かを判別することが可能となる。これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、左打ちした場合に、左側大入賞口作動ゲート95は必ず入球するものではないように構成されていることから、空席のパチンコ機を見つけ、当該パチンコ機に着席し、左打ちで遊技球を1個、発射させただけでは、大当たり開始の条件成立待機状態となっているパチンコ機であるか否かを判別することができず、大当たり開始の条件成立待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、この構成によれば、ホール内の空席のパチンコ機に対して順に遊技球を1個だけ発射させることによって、大当たり遊技の実行が確定している条件成立待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を抑制することができる。
《2-8》第2実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《2-8-1》変形例1:
図118は、本変形例としてのパチンコ機が備える遊技盤230の正面図である。遊技盤230は、第2実施形態のパチンコ機10が備える遊技盤30と比較して、右側大入賞口作動ゲート96を備えず、左側大入賞口作動ゲート95に相当する大入賞口作動ゲート295を備える点が相違する。すなわち、大入賞口作動ゲート295は、第2実施形態のパチンコ機10における左側大入賞口作動ゲート95と同一の構成であり、かつ同一の位置に備えられている。なお、第2実施形態のパチンコ機10と同一の構成については、図中において第2実施形態と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
さらに、本変形例のパチンコ機は、所定の遊技回における当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に、大当たり当選した時の遊技状態がいずれの遊技状態であっても、当該遊技回の終了後に大入賞口作動ゲート295を遊技球が通過するのを待って、当該通過が検出された場合に、可変入賞装置36を開閉実行モードに移行させる点が、第2実施形態のパチンコ機10と比較して相違する。本変形例のパチンコ機は、第2実施形態のパチンコ機10と比較して、他の構成については同一である。
本変形例のパチンコ機によれば、第2実施形態のパチンコ機10と同様に、低確高サポ状態H4において、当たり抽選において大当たり当選せずに時短上限回数である50回の遊技回が終了したことによって、低確低サポ状態H1(通常状態)に移行し、この低確低サポ状態H1(通常状態)において、特2残保留に係る当たり抽選が実行され得る。この特2残保留に係る当たり抽選が実行された場合に、第2実施形態のパチンコ機10と同様に、この当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知するための一遊技回に対応した変動時間が極めて長い時間(ロング)となる。このため、当該変動時間の遊技回の途中で、遊技者が遊技を終了して本変形例のパチンコ機の席から離れることが起こりうる。この場合には、遊技者が席を離れたとしても、変動表示は変動停止するまで継続されることになり、この変動に係る当たり抽選の抽選結果が大当たり当選である場合に、当該変動停止後に、大入賞口開閉処理の実行が確定している待機状態H2に移行する。当該待機状態H2時において推奨される発射態様は大入賞口作動ゲート295への遊技球の入球が可能な左打ちであることから、当該待機状態H2の開始時に、右打ちランプ39aが消灯状態となる。この結果、本変形例のパチンコ機によれば、当たり抽選の抽選結果が大当たり当選で、ラウンド遊技が開始されることが確定された状態であっても、この状態を右打ちランプ39aから知ることができない。したがって、本変形例のパチンコ機10によれば、ハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
《2-8-2》変形例2:
図119は、本変形例としてのパチンコ機が備える遊技盤330の正面図である。遊技盤330は、第2実施形態のパチンコ機10が備える遊技盤30と比較して、左側大入賞口作動ゲート95に換えて左側ラウンド回数振分装置340を備え、右側大入賞口作動ゲート96に換えて右側ラウンド回数振分装置350を備える。左側ラウンド回数振分装置340は、第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行される当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった場合に、ラウンド回数を決定する装置であり、第2実施形態のパチンコ機10における第1入球部としての左側大入賞口作動ゲート95に対応した位置に設けられている。すなわち、第1入球部に遊技球が入球したときに、ラウンド回数を決定する構成とした。右側ラウンド回数振分装置350は、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行される当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった場合に、ラウンド回数を決定する装置であり、第2実施形態のパチンコ機10における第2入球部としての右側大入賞口作動ゲート96に対応した位置に設けられている。すなわち、第2入球部に遊技球が入球したときに、ラウンド回数を決定する構成とした。第2実施形態のパチンコ機10では、振分テーブルを用いた振分判定によって、通常大当たり、確変大当たり、および小当たりラッシュのうちのいずれであるかの区別と、ラウンド回数とを決定しているが、本変形例としてのパチンコ機では、振分テーブルを用いた振分判定によって、通常大当たり、確変大当たり、および小当たりラッシュのうちのいずれであるかの区別を決定し、左側ラウンド回数振分装置340または右側ラウンド回数振分装置350によってラウンド回数を決定する構成とした。
図120は、左側ラウンド回数振分装置340を示す説明図である。この図は、遊技盤330の正面から見た図である。左側ラウンド回数振分装置340と右側ラウンド回数振分装置350とは同一の構成であることから、左側ラウンド回数振分装置340を代表して説明する。左側ラウンド回数振分装置340は、入口側通路341と、入口側通路341の途中から分岐し左側下方に伸びる第1分岐通路342と、入口側通路341の途中から分岐し右側下方に伸びる第2分岐通路343と、左側ラウンド回数振分装置340の下端であって第1分岐通路342と第2分岐通路343とが合流した位置に設けられた出口部344と、入口側通路341の下端付近に設けられた遊技球振分装置345と、を備える。
遊技球振分装置345は、往復回転軸345aと、往復回転軸345aに固定された振分片部345bとを備える。往復回転軸345aが往復回転(揺動)することで、振分片部345bは、図中の破線で示した第1位置Q1と図中の実線で示した第2位置Q2との間で、往復動作可能となっている。具体的には、345aは遊技球振分駆動部(図示せず)に連結されており、遊技球振分駆動部によって345aが往復回転されることによって、振分片部340bは第1位置Q1と第2位置Q2との間で往復運動する。
本変形例では、振分片部345bは、第1位置Q1にある状態を6.5秒間だけ保持し、次いで第2位置Q2にある状態を3.5秒間だけ保持する動作を繰り返し行うように、遊技球振分駆動部の駆動制御を実行する。この結果、振分片部345bは、10秒(=6.5秒+3.5秒)ごとに6.5秒だけ第1位置Q1に変位し、残りの3.5秒は第2位置Q2に変位する。この繰り返しの動作は、パチンコ機の電源がオンされた後に、常時、実行される。なお、振分片部345bの繰り返しの動作は、上記の例に限る必要はなく、大当たり当選した場合に実行されているものであれば、いずれのときに行なわれる構成としてもよい。
第1分岐通路342は、遊技盤330を正面視した場合に、左側ラウンド回数振分装置340における左側に位置する。第1分岐通路342の途中には、遊技球の通過を検知する検知センサ(以下、第1分岐通路側検知センサとも呼ぶ)346が設けられており、第1分岐通路側検知センサ346によって第1分岐通路342への遊技球の入球が検知される。第2分岐通路343は、遊技盤330を正面視した場合に、左側ラウンド回数振分装置340における右側に位置する。第2分岐通路343の途中には、遊技球の通過を検知する検知センサ(以下、第2分岐通路側検知センサとも呼ぶ)347が設けられており、第2分岐通路側検知センサ347によって第2分岐通路343への遊技球の入球が検知される。
左側ラウンド回数振分装置340に入球した遊技球は、入口側通路341から遊技球振分装置345に至り、遊技球振分装置345によって第1分岐通路342または第2分岐通路343に分岐される。その後、当該遊技球は、分岐された第1分岐通路342または第2分岐通路343を通って、出口部344に達し、出口部344から左側ラウンド回数振分装置340の外部に出る。なお、本変形例では、入口側通路341、第1分岐通路342、および第2分岐通路343は透明な樹脂材料によって形成されており、遊技者は、左側ラウンド回数振分装置340の内部における遊技球の流れを観察することが可能である。
本変形例のパチンコ機では、第1分岐通路側検知センサ346によって遊技球の通過が検知された場合に、ラウンド回数が16回(16ラウンド)となると決定し、第2分岐通路側検知センサ347によって遊技球の通過が検知された場合に、ラウンド回数が8回(8ラウンド)となると決定する。先に説明したように、振分片部345bは、10秒ごとに6.5秒だけ第1位置Q1に変位し、残りの3.5秒は第2位置Q2に変位することから、第1分岐通路342に遊技球が入球する確率は65/100となり、第2分岐通路343に遊技球が入球する確率は35/100となる。この結果、16ラウンドとなる確率は65/100であり、8ラウンドとなる確率は35/100である。この16ラウンドと8ラウンドとに振り分ける確率は、第2実施形態のパチンコ機10において振分テーブルによって16ラウンドと8ラウンドとに振り分ける確率と同一とした。すなわち、本変形例のパチンコ機では、第2実施形態のパチンコ機10と同様の確率で、16ラウンドと8ラウンドとに振り分ける構成とした。なお、この振分の確率は、上記の例に限る必要はなく、他の値の確率としてもよい。
本変形例のパチンコ機では、第1始動口33または第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行される当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった場合に、当該当たり当選にかかる遊技回の終了後に待機状態H2に移行し、当該待機状態H2時において、第1分岐通路側検知センサ346または第2分岐通路側検知センサ347によって遊技球の通過が検知された場合に、開閉実行モードH3に移行する。すなわち、左側ラウンド回数振分装置340は、第1分岐通路側検知センサ346または第2分岐通路側検知センサ347によって遊技球の通過が検知された場合に、開閉実行モードH3に移行する機能を有する。同様に、右側ラウンド回数振分装置350も、第1分岐通路側検知センサ346または第2分岐通路側検知センサ347によって遊技球の通過が検知された場合に、開閉実行モードH3に移行する機能を有する。
本変形例では、左側ラウンド回数振分装置340および右側ラウンド回数振分装置350のそれぞれがラウンド回数を決定する機能と開閉実行モードへの移行を発生させる機能とは、サポートモードの高低と抽選モードの高低との組合せによって、有効/無効が切り替えられる。具体的には、サポートモードが低頻度サポートモードであり、抽選モードが低確率モードである低確低サポ状態時に大当たりに当選した場合には、左側ラウンド回数振分装置340が有効となり、右側ラウンド回数振分装置350が無効となる。サポートモードが高頻度サポートモードであり、抽選モードが低確率モードである低確高サポ状態時、サポートモードが高頻度サポートモードであり、抽選モードが高確率モードである高確高サポ状態時、または、サポートモードが低頻度サポートモードであり、抽選モードが高確率モードである高確低サポ状態時に大当たりに当選した場合には、右側ラウンド回数振分装置350が有効となり、左側ラウンド回数振分装置340が無効となる。低確低サポ状態時(通常時)である場合には、左側ラウンド回数振分装置340および右側ラウンド回数振分装置350は共に無効となる。すなわち、本変形例における、左側ラウンド回数振分装置340および右側ラウンド回数振分装置350のそれぞれが開閉実行モードへの移行を発生させる機能は、第2実施形態のパチンコ機10において、各大入賞口作動ゲート95,96が開閉実行モードへの移行を発生させる機能と同一の条件で切り替わる。
本変形例において、上述した構成以外の構成については上記第2実施形態のパチンコ機10と同一の構成である。
以上のように構成された本変形例のパチンコ機は、第2実施形態のパチンコ機10と同様の効果を奏する。すなわち、本変形例のパチンコ機は、低確低サポ状態時(通常時)に、第2始動口34への入球に起因する特2残保留に係る当たり抽選において大当たり当選した場合に、変動停止後に移行する待機状態H2の開始時に右打ちランプ39aが消灯状態にあることから、特2残保留に係る当たり抽選の抽選結果が大当たり当選であり、ラウンド遊技が開始されることが確定された状態であっても、この状態を右打ちランプ39aから知ることができない。したがって、本変形例のパチンコ機によれば、ハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
また、本変形例のパチンコ機によれば、当たり抽選の当否結果が大当たり当選となった場合に、有効となった左側ラウンド回数振分装置340または右側ラウンド回数振分装置350において、第1分岐通路側検知センサ346と第2分岐通路側検知センサ347とのうちのいずれで遊技球の通過が検知されるかによって、振り分けられるラウンド回数が切り替わる。すなわち、有効となった左側ラウンド回数振分装置340または右側ラウンド回数振分装置350に遊技球が入球することに基づいて大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に、有効となった左側ラウンド回数振分装置340または右側ラウンド回数振分装置350に備えられる第1分岐通路342または第2分岐通路343への遊技球の入球に基づいて、ラウンド回数が決定される。すなわち、第1入球部または第2入球部に遊技球が入球することに基づいて大入賞口が開放する契機が成立した場合に、当該第1入球部または第2入球部への遊技球の入球に基づいてラウンド回数が決定される。このため、遊技者は、有効となった左側ラウンド回数振分装置340または右側ラウンド回数振分装置350において、遊技球が第1分岐通路342と第2分岐通路343とのうちのいずれに流れるかをドキドキ感を感じながら見ることができ、この結果、遊技者の振り分けられるラウンド回数に対する期待感を向上させ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、先に説明した変形例1において、大入賞口作動ゲート295に換えて左側ラウンド回数振分装置340を備える構成としてもよい。すなわち、大入賞口作動ゲートを左側に1つだけ備えた変形例1の構成において、第2実施形態のパチンコ機10の各変形例で採用した構成については、左側大入賞口作動ゲート95、すなわち第1入球部に関わる部分については適宜、採用するようにして、変形例1の変形例としてもよい。
《2-8-3》変形例3:
上記第2実施形態及び上記各変形例では、遊技盤30の右側における第2入球部としての右側大入賞口作動ゲート96への遊技球の流下ルートは、釘42によって規定されているが、これに代えて、樹脂製の通路によって規定される構成としてもよい。具体的には、入口側通路と、当該入口側通路の途中から分岐し左側下方に伸びる第1分岐通路と、前記入口側通路の途中から分岐し右側下方に伸びる第2分岐通路とを設け、第1分岐通路の下流端に第2入球部を設けた構成とする。この構成によれば、右打ちした場合に、遊技球は入口側通路に入球し、その後、当該遊技球は、第1分岐通路に流れ第2入球部に入球する場合と、第2分岐通路に流れ第2入球部に入球しない場合とに振り分けられる。この結果、右打ちした場合に、50%の確率で、第2入球部に遊技球は入球することが可能となる。さらに、この構成の変形例として、入口側通路から第1分岐通路342と第2分岐通路343とに分岐する直前の位置に、板状の弁体を設け、その弁体の揺動位置を切り替えることによって、第2入球部への遊技球の入球を補助可能な構成としてもよい。すなわち、第2入球部への遊技球の入球を補助可能な入球補助部を備える構成としてもよい。この変形例によれば、第2入球部に遊技球が入球しやすくなるので、第2入球部に遊技球がなかなか入球しないといった遊技者のストレスを低減することができる。
《2-8-4》変形例4:
上記第2実施形態及び上記各変形例では、大当たり開始の条件成立待機状態において、有効となった第1入球部としての左側大入賞口作動ゲート95または第2入球部としての右側大入賞口作動ゲート96に遊技球が入球することに基づいて大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に、一定期間後(制御に要する時間の経過後)に開閉実行モードに移行する構成とした。これに対して変形例として、第1入球部または第2入球部を遊技球が通過したことを契機として所定情報を一時的にメモリに記憶(保留)し、当該所定情報に基づいて、開閉実行モードを開始させるための制御を行なうタイミング(すなわち、第1入球部または第2入球部に遊技球が入球してから開閉実行モードへ移行するまでの時間)を決定する構成としてもよい。開閉実行モードを開始させるための制御を行なうタイミングとしては、例えば、第1入球部または第2入球部に遊技球が入球してから10秒が経過したタイミングや、20秒が経過したタイミング等に決定することができる。この変形例によれば、遊技者に対して、第1入球部または第2入球部を遊技球が通過したにもかかわらず開閉実行モードに移行しないという落胆感を一旦付与した上で、所定時間経過後に突然、開閉実行モードに移行するといった大きな喜びを付与することができる。
なお、本変形例は、右側大入賞口作動ゲート96を備えず、左側大入賞口作動ゲート95に相当する大入賞口作動ゲート295が設けられた遊技盤230を備える変形例1のパチンコ機に対しても同様に適用することができ、上述した同様の効果を奏することができる。
《2-8-5》変形例5:
上記第2実施形態及び上記各変形例では、大当たり開始の条件成立待機状態において、有効となった第1入球部としての左側大入賞口作動ゲート95または第2入球部としての右側大入賞口作動ゲート96に遊技球が入球することに基づいて大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に、必ず開閉実行モードに移行する構成とした。これに対して変形例として、大当たり開始の条件成立待機状態において、有効となった第1入球部または第2入球部への遊技球の入球が検出されたにもかかわらず、開閉実行モードに移行しない場合がある構成としてもよい。具体的には、第1入球部または第2入球部への遊技球の入球が検出された場合に、所定の抽選を行ない、所定の抽選の結果によって、開閉実行モードに移行する場合と、開閉実行モードに移行しない場合とに振り分ける構成としてもよい。この変形例によれば、所定の抽選の結果が、開閉実行モードに移行する結果に早くなって欲しいといった楽しみを遊技者に提供することができる。
さらに、第1入球部への遊技球の入球が検出された場合に、所定の抽選を行ない、所定の抽選の結果によって、開閉実行モードに移行する場合と、開閉実行モードに移行しない場合とに振り分ける構成を採用した場合の他の利点について説明する。第2実施形態のパチンコ機10では、大当たり開始の条件成立待機状態において右打ちランプ39aが点灯状態となっていないことから、空席のパチンコ機の中から右打ちランプ39aが点灯状態になっているパチンコ機を探すことによって、大当たり開始の条件成立待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことはできない。しかしながら、第2実施形態のパチンコ機10では、有効となった第1入球部への遊技球の入球が検出された場合に開閉実行モードに必ず移行する構成であるため、空席のパチンコ機を探して、当該空席のパチンコ機に着席して左打ちで遊技球を1個、第1入球部に入球させるだけで、大当たり開始の条件成立待機状態となっているパチンコ機であるか否かを判別することが可能となる。このために、第2実施形態のパチンコ機10では、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)だけ発射させて1個の遊技球を第1入球部に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している条件成立待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本変形例のパチンコ機では、空席のパチンコ機を探して、当該空席のパチンコ機に着席して、左打ちで遊技球を1個(又は数個)だけ発射させて1個の遊技球を第1入球部に入球させただけでは、開閉実行モードに移行しない場合があり得ることから、大当たり開始の条件成立待機状態となっているパチンコ機であるか否かを即座には判別することができず、大当たり開始の条件成立待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本変形例のパチンコ機によれば、ホール内の空席のパチンコ機に対して順に遊技球を1個(又は数個)だけ発射させて1個の遊技球を第1入球部に入球させることによって、大当たり遊技の実行が確定している条件成立待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。
さらに、本変形例において、第1入球部又は第2入球部に遊技球が入球した後に、開閉実行モードに移行する場合と開閉実行モードに移行しない場合とで異なる演出を実行可能な構成としてもよい。開閉実行モードに移行する場合の演出としては、例えば、キャラクターが対戦するバトルで勝利する演出としてもよく、開閉実行モードに移行しない場合の演出としては、例えば、キャラクターが対戦するバトルで敗北する演出としてもよい。この構成によれば、バトルでキャラクターが勝利して開閉実行モードに移行して欲しいといった期待感を遊技者に抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、本変形例では、開閉実行モードに移行する場合と、開閉実行モードに移行しない場合との振り分けを抽選によって行なう構成としたが、この構成に換えて、遊技球が入球する毎に開閉実行モードに移行する場合と開閉実行モードに移行しない場合とを交互に切り替える構成としてもよい。この構成によっても、左一発ハイエナの発生を抑制することができる。
なお、本変形例は、右側大入賞口作動ゲート96を備えず、左側大入賞口作動ゲート95に相当する大入賞口作動ゲート295が設けられた遊技盤230を備える変形例1のパチンコ機に対しても同様に適用することができ、上述した同様の効果を奏することができる。
《2-8-6》変形例6:
上記第2実施形態及び上記各変形例では、大当たり開始の条件成立待機状態において、有効となった第1入球部としての左側大入賞口作動ゲート95または第2入球部としての右側大入賞口作動ゲート96に遊技球が入球することに基づいて大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に、必ず開閉実行モードに移行する構成とした。これに対して変形例として、第1入球部に遊技球が入球してから第1期間(例えば、30秒の長さ)の経過後に開閉実行モードに移行する第1の場合と、有効となった第1入球部としての左側大入賞口作動ゲート95に遊技球が入球してから第1期間よりも長い第2期間(例えば、1分の長さ)の経過後に開閉実行モードに移行する第2の場合と、開閉実行モードに移行しない第3の場合とに振り分ける構成としてもよい。この第1の場合と第2の場合と第3の場合との振り分けは、抽選によって行なう構成としてもよい。すなわち、第1入球部への遊技球の入球が検出された場合に、所定の抽選を行ない、所定の抽選の結果によって、第1入球部に遊技球が入球してから開閉実行モードに移行するまでの期間が第1期間である第1の場合と、第1入球部に遊技球が入球してから開閉実行モードに移行するまでの期間が第1期間より長い第2期間である第2の場合と、そもそも開閉実行モードへの移行を行わない第3の場合とに振り分ける構成としてもよい。この変形例のパチンコ機によれば、空席のパチンコ機を探して、当該空席のパチンコ機に着席して、左打ちで遊技球を1個(又は数個)だけ発射させて1個の遊技球を第1入球部に入球させただけでは、開閉実行モードに移行しない場合があり得ることから、大当たり開始の条件成立待機状態となっているパチンコ機であるか否かを即座には判別することができず、大当たり開始の条件成立待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、この変形例のパチンコ機によれば、ホール内の空席のパチンコ機に対して順に遊技球を1個(又は数個)だけ発射させて1個の遊技球を第1入球部に入球させることによって、大当たり遊技の実行が確定している条件成立待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。
さらに、本変形例において、第1入球部に遊技球が入球した後に、第1の場合と第2の場合と第3の場合とで異なる演出を実行可能な構成としてもよい。この構成によれば、ハイエナではない通常の遊技者に対しては、特別遊技状態が発生するまでの期間の長さに応じた様々な演出を提供することにより、今回実行されている演出はどの場合に対応した演出であるのだろうかといった期待感を抱かせることができる。
さらに、本変形例において、第1の場合の第1期間において、所定の演出を実行可能な構成とし、第2の場合の第2期間において、所定の演出と同一の演出を実行し、当該演出に引き続き所定の演出とは相違する演出を実行可能な構成とし、第1入球部に遊技球が入球しても開閉実行モードに移行しない第3の場合に、第1入球部への当該遊技球の入球後に所定の演出と同一の演出を実行可能な構成としてもよい。この構成によれば、第1入球部に遊技球が入球してから所定の演出が実行されている期間においては、第1の場合か第2の場合か第3の場合かを遊技者は判別することができず、どのタイミングで開閉実行モードに移行するのか、又は開閉実行モードに移行しないのかといった緊張感を抱かせることができるとともに、開閉実行モードが発生しなかった場合には落胆感を抱かせることができる。
なお、本変形例では、第1の場合と第2の場合と第3の場合との振り分けを抽選によって行なう構成としたが、この構成に替えて、遊技球が入球する毎に第1の場合と第2の場合と第3の場合とを順に切り替える構成としてもよい。この構成によっても、左一発ハイエナの発生を抑制することができる。
なお、本変形例は、右側大入賞口作動ゲート96を備えず、左側大入賞口作動ゲート95に相当する大入賞口作動ゲート295が設けられた遊技盤230を備える変形例1のパチンコ機に対しても同様に適用することができ、上述した同様の効果を奏することができる。
《2-8-7》変形例7:
上記第2実施形態及び上記各変形例では、各入球部としての各大入賞口作動ゲート95,96は、開閉実行モードへの移行を発生させる機能を有するが、この機能は、サポートモードの高低と抽選モードの高低との組合せによって、有効/無効が切り替えられる構成とした。そして、有効である大入賞口作動ゲート95(96)への遊技球の入球が検出されたときには、開閉実行モードの開始処理が実行され、無効である大入賞口作動ゲート95(96)への遊技球の入球が検出されたときには、開始処理としての開閉実行モードの開始処理は実行されることはない(非実行となる)構成とした。これに対して、変形例として、第1入球部または第2入球部への遊技球の検出に対する開始処理を非実行に制御する構成として、開始処理の実行を延期する構成(開始処理を一時的に非実行に制御する構成)としてもよい。さらに、開始処理が一時的に非実行に制御される場合に、第1入球部または第2入球部への遊技球の入球が検出された事を記憶したり、検出の回数を記憶する構成としてもよい。
《2-8-8》変形例8:
上記第2実施形態及び上記各変形例では、開閉実行モードの実行が確定している条件成立待機状態である待機状態H2は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶された所定のフラグ(待機状態移行フラグ、待機状態中フラグ等)を用いた制御によって実現されている。しかしながら、条件成立待機状態は、開閉実行モードの実行が確定している状態が実現されるのであれば、他の種々の制御によって実現されてもよい。例えば、条件成立待機状態は、時間設定やタイマーを用いた制御処理によって、実現されてもよい。当該制御処理としては、例えば、所定のタイミングで待機時間の設定を行って、タイマーを用いて所定のタイミングから当該待機時間が経過したかを否かを判定し、当該待機時間が経過した場合に開閉実行モードが実行される構成としてもよい。
《2-8-9》変形例9:
上記第2実施形態及び上記各変形例では、第1入球部としての左側大入賞口作動ゲート95が有効になっている待機状態H2において、左側大入賞口作動ゲート95への遊技球の入球が検知された場合に、即座に開閉実行モードH3に移行する構成としたが、この構成に換えて、所定のタイムラグを経てから開閉実行モードH3に移行する構成としてもよい。すなわち、第1入球部に遊技球が入球することに基づいて大入賞口が開放する契機が成立した場合に、即座に開閉実行モードに移行する構成としてもよいし、所定のタイムラグを経てから開閉実行モードに移行する構成としてもよい。タイムラグとしては、開閉実行モードに移行するまでに時間がかかるものであってもよいし、開閉実行モードにおいて大入賞口開閉処理が実行されるまでに時間がかかるものであってもよい。さらには、所定の抽選を行ない、抽選結果によって、タイムラグの長さが変化するように構成してもよい。なお、第1入球部に遊技球が入球することに基づいて大入賞口が開放する契機が成立してから開閉実行モードへの間はタイムラグに限る必要もなく、別処理が介在する構成としてもよい。さらに、第1入球部に遊技球が入球することに基づいて大入賞口を開放する契機が成立した場合に、当該大入賞口を開放する契機が成立したときに実行される処理ループの次の処理ループで、大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードを開始させるための制御を行なう構成としてもよい。さらに、次の次の処理ループで、開閉実行モードを開始させるための制御を実行する構成としてもよいし、3回目以後の処理ループで、開閉実行モードを開始させるための制御を実行する構成としてもよい。
同様に、上記第2実施形態及び上記各変形例では、右側大入賞口作動ゲート96が有効になっている待機状態H2において、右側大入賞口作動ゲート96への遊技球の入球が検知された場合に、即座に開閉実行モードH3に移行する構成としてが、この構成に換えて、所定のタイムラグを経てから開閉実行モードH3に移行する構成としてもよい。すなわち、第2入球部に遊技球が入球することに基づいて大入賞口が開放する契機が成立した場合に、即座に開閉実行モードに移行する構成としてもよいし、所定のタイムラグを経てから開閉実行モードに移行する構成としてもよい。タイムラグとしては、開閉実行モードに移行するまでに時間がかかるものであってもよいし、開閉実行モードにおいて大入賞口開閉処理が実行されるまでに時間がかかるものであってもよい。さらには、所定の抽選を行ない、抽選結果によって、タイムラグの長さが変化するように構成してもよい。なお、第2入球部に遊技球が入球することに基づいて大入賞口が開放する契機が成立してから開閉実行モードへの間はタイムラグに限る必要もなく、別処理が介在する構成としてもよい。さらに、第2入球部に遊技球が入球することに基づいて大入賞口を開放する契機が成立した場合に、当該大入賞口を開放する契機が成立したときに実行される処理ループの次の処理ループで、大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードを開始させるための制御を行なう構成としてもよい。さらに、次の次の処理ループで、開閉実行モードを開始させるための制御を実行する構成としてもよいし、3回目以後の処理ループで、開閉実行モードを開始させるための制御を実行する構成としてもよい。
《2-8-10》変形例10:
上記第2実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機10は、第1図柄表示部37aの変動表示と第2図柄表示部37bの変動表示とを同時に実行することが可能な同時変動機であった。これに対して、変形例として、第1図柄表示部37aの変動表示と第2図柄表示部37bの変動表示とを同時に実行することが不可能なパチンコ機としてもよい。具体的には、第1始動口33への遊技球の入球に起因する特1保留と第2始動口34への遊技球の入球に起因する特2保留とが共存する場合に、特2保留を特1保留よりも優先的に変動表示する特2優先機としてもよい。
《2-8-11》変形例11:
上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える外枠は、木製に限らず、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える内枠は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える前扉枠は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機には、内枠を外枠に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠する機能とを有するシリンダ錠が設けられているが、このシリンダ錠が省略された構成を採用した上で、内枠を外枠に対して開放不能に施錠する機能を有する第1シリンダ錠と、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠する機能を有する第2シリンダ錠とが別々に設けられた構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、内枠を外枠に対して回動させる回動軸が正面視左側に設けられている構成を採用したが、この回動軸が正面視右側に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、前扉枠を内枠に対して回動させる回動軸が正面視左側に設けられている構成を採用したが、この回動軸が正面視右側に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える遊技盤は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機は上皿と下皿とを備える構成を採用したが、下皿が省略され、上皿のみを備える構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、正面視右側に操作ハンドルが設けられている構成を採用したが、正面視左側に操作ハンドルが設けられている構成を採用してもよい。また、操作ハンドルが正面視右側と正面視左側の両方に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、遊技者が操作ハンドルを握っているか否か(遊技者の手が操作ハンドルに接触しているか否か)を検出可能なタッチセンサーが操作ハンドルに設けられている構成を採用したが、このタッチセンサーが省略された構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、遊技球を発射可能な発射手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、バネ等の弾性力を利用して遊技球を発射させる構成や、圧縮気体が噴出する際の風圧を利用して遊技球を発射させる構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、操作ハンドルが右回りに所定量回動操作された状態においては、1分間に100発程度の遊技球が発射されるように構成されているが、1分間に100発未満(例えば60発)の遊技球が発射される構成であってもよく、また、1分間に100発以上(例えば200発)の遊技球が発射される構成であってもよい。また、レバーを弾くことによって遊技球を1発ずつ発射させる構成としてもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、音声を出力可能な手段としてスピーカーを備える構成を採用したが、スピーカーに加えて又はスピーカーに代えてイヤホンジャックを備える構成を採用してもよい。この構成によれば、遊技者は、自身が持参したイヤホンやヘッドホンを当該イヤホンジャックに接続することによって、周囲のパチンコ機の音声に邪魔されずに、自身が遊技中のパチンコ機の音声を存分に楽しむことが可能となる。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種始動口に遊技球が入球したことに基づいて変動表示を開始する特別図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、LEDランプや、LED表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、ハロゲンランプ等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種ゲートを遊技球が通過したことに基づいて変動表示を開始する普通図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、LEDランプや、LED表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、ハロゲンランプ等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種の装飾図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、液晶表示装置や、有機EL表示装置、LED表示装置、ドラム回転式表示装置、導光板、三次元ホログラム表示装置等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、装飾図柄としては、数字に限らず、種々の文字や図形、記号、絵柄等及びこれらの組み合わせを採用することができる。例えば、装飾図柄として、アルファベットや、ギリシャ文字、平仮名、カタカナ、漢字、各種キャラクター等及びこれらの組み合わせを採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、装飾図柄がスクロールする図柄列の数は3つに限らず、例えば、2つ以下であってもよく、4つ以上であってもよい。そして、装飾図柄の図柄列が1つである構成を採用した場合には、例えば、特定の装飾図柄(例えば「7」)が停止した場合に大当たりに当選となる構成としてもよい。また、装飾図柄の列が2つ又は4つ以上である構成を採用した場合には、例えば、特定のラインに同一の装飾図柄が停止した場合に大当たりに当選となる構成としてもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、特別電動役物としては、種々の構成を採用することができ、例えば、板状部材の下方に略水平方向に延びる回動軸が設けられ、当該回動軸を中心として当該板状部材が前方側に回動することによって大入賞口を開放可能な構成や、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材によって大入賞口を開閉する構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、普通電動役物としては、種々の構成を採用することができ、例えば、一対の可動弁が左右に開放可能な所謂チューリップ型普通電動役物や、板状部材の下方に略水平方向に延びる回動軸が設けられ、当該回動軸を中心として当該板状部材が前方側に回動することによって始動口を開放可能な構成、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材によって始動口を開閉する構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各入球口(始動口や一般入賞口、大入賞口等)に設定されている賞球数は例示であり、各入球口に設定される賞球数を適宜変更することによって、スペックの異なる複数種類のパチンコ機を実現することが可能である。
《2-8-12》変形例12:
上記実施形態およびその変形例では、パチンコ機10は、主制御装置60、音声発光制御装置90、表示制御装置100といった3つの制御装置を備える構成としたが、これに換えて、主制御装置と副制御装置といった2つの制御装置を備える構成としても良い。副制御装置では、上記実施形態において音声発光制御装置90と表示制御装置100とにおいて実行される各種処理を実行する構成とすれば良い。また、上記実施形態およびその変形例において、3つの制御装置60,90,100のそれぞれで実行される各種処理は、上記実施形態で説明した区分けに限る必要はなく、3つの制御装置60,90,100の全体として、上記実施形態における各種の処理が実行できれば良い。
《2-9》他の構成への適用:
上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると特別電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態及び上記各変形例においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
《2-10》上記実施形態及び上記各変形例等から抽出される発明群について:
以下、上述した実施形態及び各変形例から抽出される発明群の特徴(特徴群)について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態又は上記各変形例において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴yA群>
特徴yA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yA1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
[特徴yA2]
特徴yA1に記載の遊技機であって、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に、前記第1特定入球領域に入球する遊技球と、前記第1特定入球領域に入球しない遊技球とが発生しうる
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に、第1特定入球領域に入球する遊技球と、第1特定入球領域に入球しない遊技球とが発生しうることから、第1の発射態様(左打ち)で遊技球を1個打っただけでは、第1特定入球領域に遊技球が入球せずに、特別遊技状態が発生しない場合があり得る。先に説明した特徴yA1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yA1の遊技機において、仮に、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に、発射された遊技球は第1特定入球領域に必ず入球する構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個、発射させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yA1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個だけ発射させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴の遊技機では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個、発射させただけでは、特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することができず、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個だけ発射させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
[特徴yA3]
特徴yA1または特徴yA2に記載の遊技機であって、
前記第1状態は、前記第1の発射態様によって遊技球が発射されている状態から移行した前記所定待機状態を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1状態は、第1の発射態様によって遊技球が発射されている状態から移行した所定待機状態を含むことから、所定待機状態への移行後においても、発射手段による発射態様を第1の発射態様としたままで、第1特定入球領域への遊技球の入球の検出に対する所定処理の実行が可能な第1特定入球領域へ遊技球を入球させることができる。このため、本特徴によれば、発射手段による発射態様をいちいち切り替えることなく、第1特定入球領域へ遊技球を入球させることが可能となることから、遊技の操作性を向上することができる。
[特徴yA4]
特徴yA1から特徴yA3までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2状態は、前記第2の発射態様によって遊技球が発射されている状態から移行した前記所定待機状態を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2状態は、第2の発射態様によって遊技球が発射されている状態から移行した所定待機状態を含むことから、所定待機状態への移行後においても、発射手段による発射態様を第2の発射態様としたままで、第2特定入球領域への遊技球の入球の検出に対する所定処理の実行が可能な第2特定入球領域へ遊技球を入球させることができる。このため、本特徴によれば、発射手段による発射態様をいちいち切り替えることなく、第2特定入球領域へ遊技球を入球することが可能となることから、遊技の操作性を向上することができる。
[特徴yA5]
特徴yA1から特徴yA4までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1特定入球領域への遊技球の入球を契機として所定情報を記憶する所定情報記憶手段を備え、
前記特別遊技状態発生手段は、
前記所定情報に基づいて、前記所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御)を行なうタイミングを決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1特定入球領域への遊技球の入球を契機として所定情報を記憶する所定情報記憶手段を備え、特別遊技状態発生手段は、所定情報に基づいて、特別遊技状態を発生させるための所定制御を行なうタイミングを決定する手段を備えることから、例えば、遊技者に対して、第1特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず特別遊技状態が発生しないという落胆感を一旦付与した上で、その後に突然、特別遊技状態が発生するといった大きな喜びを付与することができる。このため、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴yA6]
特徴yA1から特徴yA5までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
所定の抽選の抽選結果に基づいて、前記発生させる場合と前記発生させない場合とを振り分ける手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を発生させる場合と、第1特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合とが有り、所定の抽選の抽選結果に基づいて、特別遊技状態を発生させる場合と発生させない場合とを振り分けることから、所定待機状態中に第1特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず、抽選結果によっては特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yA1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yA1の遊技機において、仮に、第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yA1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴の遊技機では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させただけでは、特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを即座に判別することができず、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
[特徴yA7]
特徴yA1から特徴yA6までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球した後に、前記発生させる場合と前記発生させない場合とで異なる演出を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を発生させる場合と、第1特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合とが有ることから、所定待機状態中に第1特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yA1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yA1の遊技機において、仮に、第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yA1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させただけでは、特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを即座に判別することができず、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
また、本特徴によれば、第1特定入球領域に遊技球が入球した後に、特別遊技状態を発生させる場合と発生させない場合とで異なる演出を実行可能な手段を備えることから、ハイエナではない通常の遊技者に対しては、第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に、特別遊技状態を発生させる場合に対応した演出が実行されて特別遊技状態が発生して欲しいといった期待感を抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴yA8]
特徴yA1から特徴yA7までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
前記発生させる場合には、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第1の場合と、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球してから前記第1期間よりも長い第2期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第2の場合と、
が含まれ、
所定の抽選の抽選結果に基づいて、前記第1の場合と前記第2の場合と前記発生させない場合とを振り分ける手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第1の場合と、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間よりも長い第2期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第2の場合と、第1特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、所定の抽選の抽選結果に基づいて、第1の場合と第2の場合と発生させない場合とを振り分けることから、所定待機状態中に第1特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず、第2抽選結果によっては、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yA1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yA1の遊技機において、仮に、第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yA1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させただけでは、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを即座に判定することができず、かつ当該判定まで第2期間の長さ以上の時間を要し、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
[特徴yA9]
特徴yA1から特徴yA8までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
前記発生させる場合には、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第1の場合と、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球してから前記第1期間よりも長い第2期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第2の場合と、
が含まれ、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球した後に、前記第1の場合と前記第2の場合と前記発生させない場合とで異なる演出を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第1の場合と、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間よりも長い第2期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第2の場合と、第1特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合とが有ることから、所定待機状態中に第1特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても、特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yA1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yA1の遊技機において、仮に、第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yA1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させただけでは、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを即座に判定することができず、かつ当該判定まで第2期間の長さ以上の時間を要し、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
また、本特徴によれば、第1特定入球領域に遊技球が入球した後に、第1の場合と第2の場合と特別遊技状態を発生させない場合とで異なる演出を実行可能な手段を備えることから、ハイエナではない通常の遊技者に対しては、特別遊技状態が発生するまでの期間の長さに応じた様々な演出を提供することにより、今回実行されている演出はどの場合に対応した演出であるのだろうかといった期待感を抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴yA10]
特徴yA1から特徴yA9までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
前記発生させる場合には、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第1の場合と、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球してから前記第1期間よりも長い第2期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第2の場合と、
が含まれ、
前記第1の場合の前記第1期間において、所定の演出を実行可能な手段と、
前記第2の場合の前記第2期間において、前記所定の演出と同一の演出を実行し、当該演出に引き続き前記所定の演出とは相違する演出を実行可能な手段と、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合に、前記第1特定入球領域への当該遊技球の入球後に前記所定の演出と同一の演出を実行可能な手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第1の場合と、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間よりも長い第2期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第2の場合と、第1特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合とが有ることから、所定待機状態中に第1特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても、特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yA1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yA1の遊技機において、仮に、第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yA1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させただけでは、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判定することができず、かつ当該判定まで第2期間の長さ以上の時間を要し、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
また、本特徴によれば、第1の場合の第1期間において、所定の演出を実行可能な手段と、第2の場合の第2期間において、所定の演出と同一の演出を実行し、当該演出に引き続き所定の演出とは相違する演出を実行可能な手段と、第1特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合にも、第1特定入球領域への当該遊技球の入球後に所定の演出と同一の演出を実行可能な手段とを備えることから、第1特定入球領域に遊技球が入球してから所定の演出が実行されている期間においては、第1の場合か第2の場合か特別遊技状態が発生しない場合かを遊技者は判別することができず、どのタイミングで特別遊技状態が発生するのか、又は特別遊技状態が発生しないのかといった緊張感を遊技者に抱かせることができるとともに、特別遊技状態が発生しなかった場合には落胆感を抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴yA11]
特徴yA1から特徴yA10までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
演出を実行可能な演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1の発射態様で遊技球が発射されて前記第1特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特別遊技状態が発生し得る場合であっても、推奨される発射態様が前記第1の発射態様(左打ち)であることを報知する演出(左ゲート狙い演出、左打ち報知演出)を実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、演出を実行可能な演出実行手段を備え、演出実行手段は、第1の発射態様で遊技球が発射されて第1特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特別遊技状態が発生し得る場合であっても、推奨される発射態様が前記第1の発射態様であることを報知する演出を実行しない手段を備えることから、特2残保留に基づく当たり抽選において大当たり当選することによって特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行したとしても、推奨される発射態様が第1の発射態様であることを報知する演出が実行されない。このために、空席の遊技機の中から、推奨される発射態様が第1の発射態様であることを報知する演出が実行されている遊技機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナの発生を防止することができる。
[特徴yA12]
特徴yA1から特徴yA11までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、当該第1特定入球領域への遊技球の入球に基づいて前記特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数を決定するラウンド回数決定手段(変形例3における左側ラウンド回数振分装置340)を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、当該第1特定入球領域への遊技球の入球に基づいて特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数を決定するラウンド回数決定手段を備えることから、第1特定入球領域に遊技球が入球して特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数がいずれになるかといった期待感を遊技者に付与することができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴yA13]
特徴yA1から特徴yA12までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、当該第2特定入球領域への遊技球の入球に基づいて前記特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数を決定するラウンド回数決定手段(変形例3における右側ラウンド回数振分装置350)を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、当該第2特定入球領域への遊技球の入球に基づいて特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数を決定するラウンド回数決定手段を備えることから、第2特定入球領域に遊技球が入球して特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数がいずれになるかといった期待感を遊技者に付与することができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴yA14]
特徴yA1から特徴yA13までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に、前記第2特定入球領域に入球する遊技球と、前記第2特定入球領域に入球しない遊技球とが発生しうる
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第2の発射態様である場合に、第2特定入球領域に入球する遊技球と、第2特定入球領域に入球しない遊技球とが発生しうることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において第2特定入球領域に遊技球が早く入球して欲しいといった楽しみを遊技者に提供することができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴yA15]
特徴yA1から特徴yA14までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特別遊技状態発生手段は、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の抽選を行い、前記所定の抽選の結果が所定結果である場合に、前記特典入球手段が開放する契機を成立させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特別遊技状態発生手段は、第1特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の抽選を行い、所定の抽選の結果が所定結果である場合に、特典入球手段が開放する契機を成立させることから、所定の抽選において早く所定結果となって欲しいといった楽しみを遊技者に提供することができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴yA16]
特徴yA1から特徴yA15までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特別遊技状態発生手段は、
前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の抽選を行い、前記所定の抽選の結果が所定結果である場合に、前記特典入球手段が開放する契機を成立させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特別遊技状態発生手段は、第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の抽選を行い、所定の抽選の結果が所定結果である場合に、特典入球手段が開放する契機を成立させることから、所定の抽選において早く所定結果となって欲しいといった楽しみを遊技者に提供することができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴yA17]
特徴yA1から特徴yA16までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行中において、前記報知手段を前記報知態様(点灯態様)に制御する報知制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特別遊技状態の実行中において、報知手段を報知態様に制御する報知制御手段を備えることから、遊技者は、発射手段による発射態様を第1の発射態様として第1特定入球領域に遊技球を入球させた後に所定制御が行なわれるに際し、報知手段が報知態様となったことから、発射手段による発射態様を第2の発射態様に切り替える必要があることを報知手段の報知態様から即座に知ることができる。このため、本特徴によれば、遊技者に適切な操作を報知することができる。
[特徴yA18]
特徴yA1から特徴yA17までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1状態は、前記報知手段を前記非報知態様に制御している遊技状態を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1状態は、報知手段を非報知態様に制御している遊技状態を含むことから、発射手段による発射態様を第1の発射態様とすることを継続したままで、第1状態において、第1特定入球領域への遊技球の入球の検出に対する所定処理の実行が可能な第1特定入球領域へ遊技球を入球させることができる。このため、本特徴によれば、発射手段による発射態様をいちいち切り替えることなく、第1特定入球領域へ遊技球を入球させることが可能となることから、遊技の操作性を向上することができる。
[特徴yA19]
特徴yA1から特徴yA18までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2状態は、前記報知手段を前記報知態様に制御している遊技状態を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2状態は、報知手段を報知態様に制御している遊技状態を含むことから、発射手段による発射態様を第2の発射態様とすることを継続したままで、第2状態において、第2特定入球領域への遊技球の入球の検出に対する所定処理の実行が可能な第2特定入球領域へ遊技球を入球させることができる。このため、本特徴によれば、発射手段による発射態様をいちいち切り替えることなく、第2特定入球領域へ遊技球を入球させることが可能となることから、遊技の操作性を向上することができる。
[特徴yA20]
特徴yA1から特徴yA19までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2特定入球領域への遊技球の入球を契機として所定情報を記憶する所定情報記憶手段を備え、
前記特別遊技状態発生手段は、
前記所定情報に基づいて、前記所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御)を行なうタイミングを決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2特定入球領域への遊技球の入球を契機として所定情報を記憶する所定情報記憶手段を備え、特別遊技状態発生手段は、所定情報に基づいて、特別遊技状態を発生させるための所定制御を行なうタイミングを決定する手段を備えることから、例えば、遊技者に対して、第2特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず特別遊技状態が発生しないという落胆感を一旦付与した上で、その後に突然、特別遊技状態が発生するといった大きな喜びを付与することができる。このため、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴yA21]
特徴yA1から特徴yA20までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2特定入球領域への遊技球の入球を補助可能な入球補助手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2特定入球領域への遊技球の入球を補助可能な入球補助手段を備えることから、第2特定入球領域に遊技球が入球しやすくなるので、第2特定入球領域に遊技球がなかなか入球しないといった遊技者のストレスを低減することができる。
<特徴yB群>
特徴yB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yB1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に、前記第1特定入球領域に入球する遊技球と、前記第1特定入球領域に入球しない遊技球とが発生しうる
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に、第1特定入球領域に入球する遊技球と、第1特定入球領域に入球しない遊技球とが発生しうることから、第1の発射態様(左打ち)で遊技球を1個打っただけでは、第1特定入球領域に遊技球が入球せずに、特別遊技状態が発生しない場合があり得る。先に説明した特徴yA1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yA1の遊技機において、仮に、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に、発射された遊技球は第1特定入球領域に必ず入球する構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個、発射させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yA1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個だけ発射させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴の遊技機では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個、発射させただけでは、特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することができず、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個だけ発射させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
<特徴yC群>
特徴yC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yC1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
前記第1状態は、前記第1の発射態様によって遊技球が発射されている状態から移行した前記所定待機状態を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第1状態は、第1の発射態様によって遊技球が発射されている状態から移行した所定待機状態を含むことから、所定待機状態への移行後においても、発射手段による発射態様を第1の発射態様としたままで、第1特定入球領域への遊技球の入球の検出に対する所定処理の実行が可能な第1特定入球領域へ遊技球を入球させることができる。このため、本特徴によれば、発射手段による発射態様をいちいち切り替えることなく、第1特定入球領域へ遊技球を入球させることが可能となることから、遊技の操作性を向上することができる。
<特徴yD群>
特徴yD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yD1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
前記第2状態は、前記第2の発射態様によって遊技球が発射されている状態から移行した前記所定待機状態を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第2状態は、第2の発射態様によって遊技球が発射されている状態から移行した所定待機状態を含むことから、所定待機状態への移行後においても、発射手段による発射態様を第2の発射態様としたままで、第2特定入球領域への遊技球の入球の検出に対する所定処理の実行が可能な第2特定入球領域へ遊技球を入球させることができる。このため、本特徴によれば、発射手段による発射態様をいちいち切り替えることなく、第2特定入球領域へ遊技球を入球することが可能となることから、遊技の操作性を向上することができる。
<特徴yE群>
特徴yE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yE1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
当該遊技機は、さらに、
前記第1特定入球領域への遊技球の入球を契機として所定情報を記憶する所定情報記憶手段を備え、
前記特別遊技状態発生手段は、
前記所定情報に基づいて、前記所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御)を行なうタイミングを決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第1特定入球領域への遊技球の入球を契機として所定情報を記憶する所定情報記憶手段を備え、特別遊技状態発生手段は、所定情報に基づいて、特別遊技状態を発生させるための所定制御を行なうタイミングを決定する手段を備えることから、例えば、遊技者に対して、第1特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず特別遊技状態が発生しないという落胆感を一旦付与した上で、その後に突然、特別遊技状態が発生するといった大きな喜びを付与することができる。このため、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴yF群>
特徴yF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yF1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
当該遊技機は、さらに、
所定の抽選の抽選結果に基づいて、前記発生させる場合と前記発生させない場合とを振り分ける手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を発生させる場合と、第1特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合とが有り、所定の抽選の抽選結果に基づいて、特別遊技状態を発生させる場合と発生させない場合とを振り分けることから、所定待機状態中に第1特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず、抽選結果によっては特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yA1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yA1の遊技機において、仮に、第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yA1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴の遊技機では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させただけでは、特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを即座に判別することができず、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
<特徴yG群>
特徴yG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yG1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
当該遊技機は、さらに、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球した後に、前記発生させる場合と前記発生させない場合とで異なる演出を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を発生させる場合と、第1特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合とが有ることから、所定待機状態中に第1特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yA1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yA1の遊技機において、仮に、第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yA1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させただけでは、特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを即座に判別することができず、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
また、本特徴によれば、第1特定入球領域に遊技球が入球した後に、特別遊技状態を発生させる場合と発生させない場合とで異なる演出を実行可能な手段を備えることから、ハイエナではない通常の遊技者に対しては、第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に、特別遊技状態を発生させる場合に対応した演出が実行されて特別遊技状態が発生して欲しいといった期待感を抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴yH群>
特徴yH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yH1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
前記発生させる場合には、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第1の場合と、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球してから前記第1期間よりも長い第2期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第2の場合と、
が含まれ、
当該遊技機は、さらに、
所定の抽選の抽選結果に基づいて、前記第1の場合と前記第2の場合と前記発生させない場合とを振り分ける手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第1の場合と、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間よりも長い第2期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第2の場合と、第1特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、所定の抽選の抽選結果に基づいて、第1の場合と第2の場合と発生させない場合とを振り分けることから、所定待機状態中に第1特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず、第2抽選結果によっては、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yA1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yA1の遊技機において、仮に、第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yA1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させただけでは、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを即座に判定することができず、かつ当該判定まで第2期間の長さ以上の時間を要し、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
<特徴yI群>
特徴yI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yI1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
前記発生させる場合には、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第1の場合と、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球してから前記第1期間よりも長い第2期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第2の場合と、
が含まれ、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球した後に、前記第1の場合と前記第2の場合と前記発生させない場合とで異なる演出を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第1の場合と、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間よりも長い第2期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第2の場合と、第1特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合とが有ることから、所定待機状態中に第1特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても、特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yA1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yA1の遊技機において、仮に、第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yA1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させただけでは、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを即座に判定することができず、かつ当該判定まで第2期間の長さ以上の時間を要し、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
また、本特徴によれば、第1特定入球領域に遊技球が入球した後に、第1の場合と第2の場合と特別遊技状態を発生させない場合とで異なる演出を実行可能な手段を備えることから、ハイエナではない通常の遊技者に対しては、特別遊技状態が発生するまでの期間の長さに応じた様々な演出を提供することにより、今回実行されている演出はどの場合に対応した演出であるのだろうかといった期待感を抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴yJ群>
特徴yJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yJ1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
前記発生させる場合には、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第1の場合と、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球してから前記第1期間よりも長い第2期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第2の場合と、
が含まれ、
前記第1の場合の前記第1期間において、所定の演出を実行可能な手段と、
前記第2の場合の前記第2期間において、前記所定の演出と同一の演出を実行し、当該演出に引き続き前記所定の演出とは相違する演出を実行可能な手段と、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合に、前記第1特定入球領域への当該遊技球の入球後に前記所定の演出と同一の演出を実行可能な手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第1の場合と、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間よりも長い第2期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第2の場合と、第1特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合とが有ることから、所定待機状態中に第1特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても、特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yA1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yA1の遊技機において、仮に、第1特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yA1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させただけでは、第1特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判定することができず、かつ当該判定まで第2期間の長さ以上の時間を要し、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を第1特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
また、本特徴によれば、第1の場合の第1期間において、所定の演出を実行可能な手段と、第2の場合の第2期間において、所定の演出と同一の演出を実行し、当該演出に引き続き所定の演出とは相違する演出を実行可能な手段と、第1特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合にも、第1特定入球領域への当該遊技球の入球後に所定の演出と同一の演出を実行可能な手段とを備えることから、第1特定入球領域に遊技球が入球してから所定の演出が実行されている期間においては、第1の場合か第2の場合か特別遊技状態が発生しない場合かを遊技者は判別することができず、どのタイミングで特別遊技状態が発生するのか、又は特別遊技状態が発生しないのかといった緊張感を遊技者に抱かせることができるとともに、特別遊技状態が発生しなかった場合には落胆感を抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴yK群>
特徴yK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yK1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
当該遊技機は、さらに、
演出を実行可能な演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1の発射態様で遊技球が発射されて前記第1特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特別遊技状態が発生し得る場合であっても、推奨される発射態様が前記第1の発射態様(左打ち)であることを報知する演出(左ゲート狙い演出、左打ち報知演出)を実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、演出を実行可能な演出実行手段を備え、演出実行手段は、第1の発射態様で遊技球が発射されて第1特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特別遊技状態が発生し得る場合であっても、推奨される発射態様が前記第1の発射態様であることを報知する演出を実行しない手段を備えることから、特2残保留に基づく当たり抽選において大当たり当選することによって特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行したとしても、推奨される発射態様が第1の発射態様であることを報知する演出が実行されない。このために、空席の遊技機の中から、推奨される発射態様が第1の発射態様であることを報知する演出が実行されている遊技機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナの発生を防止することができる。
<特徴yL群>
特徴yL群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yL1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
当該遊技機は、さらに、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、当該第1特定入球領域への遊技球の入球に基づいて前記特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数を決定するラウンド回数決定手段(変形例3における左側ラウンド回数振分装置340)を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第1特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、当該第1特定入球領域への遊技球の入球に基づいて特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数を決定するラウンド回数決定手段を備えることから、第1特定入球領域に遊技球が入球して特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数がいずれになるかといった期待感を遊技者に付与することができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴yM群>
特徴yM群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yM1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
当該遊技機は、さらに、
前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、当該第2特定入球領域への遊技球の入球に基づいて前記特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数を決定するラウンド回数決定手段(変形例3における右側ラウンド回数振分装置350)を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、当該第2特定入球領域への遊技球の入球に基づいて特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数を決定するラウンド回数決定手段を備えることから、第2特定入球領域に遊技球が入球して特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数がいずれになるかといった期待感を遊技者に付与することができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴yN群>
特徴yN群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yN1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に、前記第2特定入球領域に入球する遊技球と、前記第2特定入球領域に入球しない遊技球とが発生しうる
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、発射手段による発射態様が第2の発射態様である場合に、第2特定入球領域に入球する遊技球と、第2特定入球領域に入球しない遊技球とが発生しうることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において第2特定入球領域に遊技球が早く入球して欲しいといった楽しみを遊技者に提供することができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴yO群>
特徴yO群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yO1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
当該遊技機は、さらに、
前記第1特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の抽選を行い、前記所定の抽選の結果が所定結果である場合に、前記特典入球手段が開放する契機を成立させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、特別遊技状態発生手段は、第1特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の抽選を行い、所定の抽選の結果が所定結果である場合に、特典入球手段が開放する契機を成立させることから、所定の抽選において早く所定結果となって欲しいといった楽しみを遊技者に提供することができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴yP群>
特徴yP群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yP1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
前記特別遊技状態発生手段は、
前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の抽選を行い、前記所定の抽選の結果が所定結果である場合に、前記特典入球手段が開放する契機を成立させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、特別遊技状態発生手段は、第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の抽選を行い、所定の抽選の結果が所定結果である場合に、特典入球手段が開放する契機を成立させることから、所定の抽選において早く所定結果となって欲しいといった楽しみを遊技者に提供することができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴yQ群>
特徴yQ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yQ1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
当該遊技機は、さらに、
前記特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行中において、前記報知手段を前記報知態様(点灯態様)に制御する報知制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、特別遊技状態の実行中において、報知手段を報知態様に制御する報知制御手段を備えることから、遊技者は、発射手段による発射態様を第1の発射態様として第1特定入球領域に遊技球を入球させた後に所定制御が行なわれるに際し、報知手段が報知態様となったことから、発射手段による発射態様を第2の発射態様に切り替える必要があることを報知手段の報知態様から即座に知ることができる。このため、本特徴によれば、遊技者に適切な操作を報知することができる。
<特徴yR群>
特徴yR群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yR1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
前記第1状態は、前記報知手段を前記非報知態様に制御している遊技状態を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第1状態は、報知手段を非報知態様に制御している遊技状態を含むことから、発射手段による発射態様を第1の発射態様とすることを継続したままで、第1状態において、第1特定入球領域への遊技球の入球の検出に対する所定処理の実行が可能な第1特定入球領域へ遊技球を入球させることができる。このため、本特徴によれば、発射手段による発射態様をいちいち切り替えることなく、第1特定入球領域へ遊技球を入球させることが可能となることから、遊技の操作性を向上することができる。
<特徴yS群>
特徴yS群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yS1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
前記第2状態は、前記報知手段を前記報知態様に制御している遊技状態を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第2状態は、報知手段を報知態様に制御している遊技状態を含むことから、発射手段による発射態様を第2の発射態様とすることを継続したままで、第2状態において、第2特定入球領域への遊技球の入球の検出に対する所定処理の実行が可能な第2特定入球領域へ遊技球を入球させることができる。このため、本特徴によれば、発射手段による発射態様をいちいち切り替えることなく、第2特定入球領域へ遊技球を入球させることが可能となることから、遊技の操作性を向上することができる。
<特徴yT群>
特徴yT群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yT1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
当該遊技機は、さらに、
前記第2特定入球領域への遊技球の入球を契機として所定情報を記憶する所定情報記憶手段を備え、
前記特別遊技状態発生手段は、
前記所定情報に基づいて、前記所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御)を行なうタイミングを決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第2特定入球領域への遊技球の入球を契機として所定情報を記憶する所定情報記憶手段を備え、特別遊技状態発生手段は、所定情報に基づいて、特別遊技状態を発生させるための所定制御を行なうタイミングを決定する手段を備えることから、例えば、遊技者に対して、第2特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず特別遊技状態が発生しないという落胆感を一旦付与した上で、その後に突然、特別遊技状態が発生するといった大きな喜びを付与することができる。このため、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴yU群>
特徴yU群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yU1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である第1特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が前記第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である第2特定入球領域(右側大入賞口作動ゲート96)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御(開閉実行モードフラグをONにする制御))の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
遊技状態を判定する手段と、
を備える遊技機であって、さらに、
前記遊技状態が第1状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)の場合に、前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1状態とは相違する第2状態(低確高サポ状態H4、高確高サポ状態H5、または高確低サポ状態H6から移行した待機状態H2)の場合に、前記第1特定入球領域に遊技球が入球しても、前記遊技状態が前記第2状態である間は前記第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とし、
前記遊技状態が前記第1および第2状態とは相違する第3状態(低確低サポ状態H1)の場合に、前記第1特定入球領域または前記第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理(開閉実行モードの開始処理)を非実行とする、入球領域用制御手段
を備え、
当該遊技機は、さらに、
前記第2特定入球領域への遊技球の入球を補助可能な入球補助手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第1特定入球領域と、発射手段による発射態様が第2の発射態様(例えば右打ち)である場合に遊技球が入球可能となる第2特定入球領域とが備えられ、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。さらに、遊技状態が第1状態の場合には、第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態である間は第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、遊技状態が第2状態の場合に、第1特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技状態が第1状態とは相違する第2状態である間は第1特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理は実行されることなく、また、遊技状態が第1および第2状態とは相違する第3状態の場合に、第1特定入球領域または第2特定入球領域に遊技球が入球しても、遊技球の検出に対する所定処理は実行されることがない。
ここで、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる構成を比較例として考えてみる。この比較例の遊技機では、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、第2特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、その上で、遊技状態が第1状態、第2状態、および第3状態のいずれの場合であるかによって、第1特定入球領域または前記第2特定入球領域への遊技球の検出に対する所定処理を非実行とすることによって、所定処理を実行しうる特定入球領域を、遊技状態に応じて、第1特定入球領域と第2特定入球領域との間で適宜、切り替えることが可能となる。このため、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なわない非報知態様のままとすることができる。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第2特定入球領域への遊技球の入球を補助可能な入球補助手段を備えることから、第2特定入球領域に遊技球が入球しやすくなるので、第2特定入球領域に遊技球がなかなか入球しないといった遊技者のストレスを低減することができる。
<特徴yV群>
特徴yV群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yV1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95,変形例1における大入賞口作動ゲート295)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行中において、前記報知手段を前記報知態様(点灯態様)に制御する報知制御手段と、
前記報知手段が前記非報知態様(消灯態様)に制御されている前記所定待機状態において、前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に(左側大入賞口作動ゲート95,大入賞口作動ゲート295に遊技球が入球することに基づいて、大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に)、所定制御(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードH3を開始させるための制御)の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる特定入球領域が備えられ、特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、特別遊技状態の実行中において、報知手段が前記報知を行なう報知態様に制御される。
ここで、特定入球領域が、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球不能である構成(すなわち、特定入球領域が右側の遊技領域に設けられている構成)を比較例として考えてみる。この比較例では、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる。この比較例の遊技機において、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特定入球領域は、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能であるので、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
[特徴yV2]
特徴yV1に記載の遊技機であって、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に、前記特定入球領域に入球する遊技球と、前記特定入球領域に入球しない遊技球とが発生しうる
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に、特定入球領域に入球する遊技球と、特定入球領域に入球しない遊技球とが発生しうることから、第1の発射態様(左打ち)で遊技球を1個打っただけでは、特定入球領域に遊技球が入球せずに、特別遊技状態が発生しない場合があり得る。先に説明した特徴yV1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yV1の遊技機において、仮に、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に、発射された遊技球は第1特定入球領域に必ず入球する構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個、発射させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yV1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個だけ発射させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴の遊技機では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個、発射させただけでは、特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することができず、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個だけ発射させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
[特徴yV3]
特徴yV1または特徴yV2に記載の遊技機であって、
前記特定入球領域への遊技球の入球を契機として所定情報を記憶する所定情報記憶手段を備え、
前記特別遊技状態発生手段は、
前記所定情報に基づいて、前記所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御)の実行後に前記特別遊技状態を発生させるタイミングを決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定入球領域への遊技球の入球を契機として所定情報を記憶する所定情報記憶手段を備え、特別遊技状態発生手段は、所定情報に基づいて、特別遊技状態を発生させるための所定制御を行なうタイミングを決定する手段を備えることから、例えば、遊技者に対して、特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず特別遊技状態が発生しないという落胆感を一旦付与した上で、その後に突然、特別遊技状態が発生するといった大きな喜びを付与することができる。このため、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴yV4]
特徴yV1から特徴yV3までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
所定の抽選の抽選結果に基づいて、前記発生させる場合と前記発生させない場合とを振り分ける手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を発生させる場合と、特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合とが有り、所定の抽選の抽選結果に基づいて、特別遊技状態を発生させる場合と発生させない場合とを振り分けることから、所定待機状態中に特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず、抽選結果によっては特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yV1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yV1の遊技機において、仮に、特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yV1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴の遊技機では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させただけでは、特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを即座に判別することができず、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
[特徴yV5]
特徴yV1から特徴yV4までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
前記特定入球領域に遊技球が入球した後に、前記発生させる場合と前記発生させない場合とで異なる演出を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を発生させる場合と、特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合とが有ることから、所定待機状態中に特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yV1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yV1の遊技機において、仮に、特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yV1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させただけでは、特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを即座に判別することができず、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
また、本特徴によれば、特定入球領域に遊技球が入球した後に、特別遊技状態を発生させる場合と発生させない場合とで異なる演出を実行可能な手段を備えることから、ハイエナではない通常の遊技者に対しては、特定入球領域に遊技球が入球した場合に、特別遊技状態を発生させる場合に対応した演出が実行されて特別遊技状態が発生して欲しいといった期待感を抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴yV6]
特徴yV1から特徴yV5までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
前記発生させる場合には、
前記特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第1の場合と、
前記特定入球領域に遊技球が入球してから前記第1期間よりも長い第2期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第2の場合と、
が含まれ、
所定の抽選の抽選結果に基づいて、前記第1の場合と前記第2の場合と前記発生させない場合とを振り分ける手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第1の場合と、特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間よりも長い第2期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第2の場合と、特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、所定の抽選の抽選結果に基づいて、第1の場合と第2の場合と発生させない場合とを振り分けることから、所定待機状態中に特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず、第2抽選結果によっては、特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yV1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yV1の遊技機において、仮に、特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yV1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させただけでは、特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを即座に判定することができず、かつ当該判定まで第2期間の長さ以上の時間を要し、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
[特徴yV7]
特徴yV1から特徴yV6までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
前記発生させる場合には、
前記特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第1の場合と、
前記特定入球領域に遊技球が入球してから前記第1期間よりも長い第2期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第2の場合と、
が含まれ、
前記特定入球領域に遊技球が入球した後に、前記第1の場合と前記第2の場合と前記発生させない場合とで異なる演出を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第1の場合と、特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間よりも長い第2期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第2の場合と、特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合とが有ることから、所定待機状態中に特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず、特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても、特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yV1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yV1の遊技機において、仮に、特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yV1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させただけでは、特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを即座に判定することができず、かつ当該判定まで第2期間の長さ以上の時間を要し、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
また、本特徴によれば、特定入球領域に遊技球が入球した後に、第1の場合と第2の場合と特別遊技状態を発生させない場合とで異なる演出を実行可能な手段を備えることから、ハイエナではない通常の遊技者に対しては、特別遊技状態が発生するまでの期間の長さに応じた様々な演出を提供することにより、今回実行されている演出はどの場合に対応した演出であるのだろうかといった期待感を抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴yV8]
特徴yV1から特徴yV7までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
前記発生させる場合には、
前記特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第1の場合と、
前記特定入球領域に遊技球が入球してから前記第1期間よりも長い第2期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第2の場合と、
が含まれ、
前記第1の場合の前記第1期間において、所定の演出を実行可能な手段と、
前記第2の場合の前記第2期間において、前記所定の演出と同一の演出を実行し、当該演出に引き続き前記所定の演出とは相違する演出を実行可能な手段と、
前記特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合に、前記特定入球領域への当該遊技球の入球後に前記所定の演出と同一の演出を実行可能な手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第1の場合と、特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間よりも長い第2期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第2の場合と、特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合とが有ることから、所定待機状態中に特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず、特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても、特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yV1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yV1の遊技機において、仮に、特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yV1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させただけでは、特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判定することができず、かつ当該判定まで第2期間の長さ以上の時間を要し、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
また、本特徴によれば、第1の場合の第1期間において、所定の演出を実行可能な手段と、第2の場合の第2期間において、所定の演出と同一の演出を実行し、当該演出に引き続き所定の演出とは相違する演出を実行可能な手段と、特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合にも、特定入球領域への当該遊技球の入球後に所定の演出と同一の演出を実行可能な手段とを備えることから、特定入球領域に遊技球が入球してから所定の演出が実行されている期間においては、第1の場合か第2の場合か特別遊技状態が発生しない場合かを遊技者は判別することができず、どのタイミングで特別遊技状態が発生するのか、又は特別遊技状態が発生しないのかといった緊張感を遊技者に抱かせることができるとともに、特別遊技状態が発生しなかった場合には落胆感を抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴yV9]
特徴yV1から特徴yV8までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
演出を実行可能な演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1の発射態様で遊技球が発射されて前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特別遊技状態が発生し得る場合であっても、推奨される発射態様が前記第1の発射態様(左打ち)であることを報知する演出(左ゲート狙い演出、左打ち報知演出)を実行しない手段
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、演出を実行可能な演出実行手段を備え、演出実行手段は、第1の発射態様で遊技球が発射されて特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特別遊技状態が発生し得る場合であっても、推奨される発射態様が前記第1の発射態様であることを報知する演出を実行しない手段を備えることから、特2残保留に基づく当たり抽選において大当たり当選することによって特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行したとしても、推奨される発射態様が第1の発射態様であることを報知する演出が実行されない。このために、空席の遊技機の中から、推奨される発射態様が第1の発射態様であることを報知する演出が実行されている遊技機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナの発生を防止することができる。
[特徴yV10]
特徴yV1から特徴yV9までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、当該特定入球領域への遊技球の入球に基づいて前記特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数を決定するラウンド回数決定手段(変形例2における左側ラウンド回数振分装置340)を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、当該特定入球領域への遊技球の入球に基づいて特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数を決定するラウンド回数決定手段を備えることから、特定入球領域に遊技球が入球して特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数がいずれになるかといった期待感を遊技者に付与することができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴yV11]
特徴yV1から特徴yV10までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特別遊技状態発生手段は、
前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の抽選を行い、前記所定の抽選の結果が所定結果である場合に、前記特典入球手段が開放する契機を成立させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特別遊技状態発生手段は、特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の抽選を行い、所定の抽選の結果が所定結果である場合に、特典入球手段が開放する契機を成立させる手段を備えることから、所定の抽選において早く所定結果となって欲しいといった楽しみを遊技者に提供することができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴yW群>
特徴yW群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yW1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95,変形例1における大入賞口作動ゲート295)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行中において、前記報知手段を前記報知態様(点灯態様)に制御する報知制御手段と、
前記報知手段が前記非報知態様(消灯態様)に制御されている前記所定待機状態において、前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に(左側大入賞口作動ゲート95,大入賞口作動ゲート295に遊技球が入球することに基づいて、大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に)、所定制御(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードH3を開始させるための制御)の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
を備える遊技機であって、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に、前記特定入球領域に入球する遊技球と、前記特定入球領域に入球しない遊技球とが発生しうる
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる特定入球領域が備えられ、特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、特別遊技状態の実行中において、報知手段が前記報知を行なう報知態様に制御される。
ここで、特定入球領域が、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球不能である構成(すなわち、特定入球領域が右側の遊技領域に設けられている構成)を比較例として考えてみる。この比較例では、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる。この比較例の遊技機において、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特定入球領域は、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能であるので、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に、特定入球領域に入球する遊技球と、特定入球領域に入球しない遊技球とが発生しうることから、第1の発射態様(左打ち)で遊技球を1個打っただけでは、特定入球領域に遊技球が入球せずに、特別遊技状態が発生しない場合があり得る。先に説明した特徴yV1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yV1の遊技機において、仮に、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に、発射された遊技球は第1特定入球領域に必ず入球する構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個、発射させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yV1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個だけ発射させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴の遊技機では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個、発射させただけでは、特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することができず、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個だけ発射させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
<特徴yX群>
特徴yX群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yX1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95,変形例1における大入賞口作動ゲート295)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行中において、前記報知手段を前記報知態様(点灯態様)に制御する報知制御手段と、
前記報知手段が前記非報知態様(消灯態様)に制御されている前記所定待機状態において、前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に(左側大入賞口作動ゲート95,大入賞口作動ゲート295に遊技球が入球することに基づいて、大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に)、所定制御(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードH3を開始させるための制御)の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
を備える遊技機であって、
当該遊技機は、さらに、
前記特定入球領域への遊技球の入球を契機として所定情報を記憶する所定情報記憶手段を備え、
前記特別遊技状態発生手段は、
前記所定情報に基づいて、前記所定制御(開閉実行モードを開始させるための制御)の実行後に前記特別遊技状態を発生させるタイミングを決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる特定入球領域が備えられ、特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、特別遊技状態の実行中において、報知手段が前記報知を行なう報知態様に制御される。
ここで、特定入球領域が、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球不能である構成(すなわち、特定入球領域が右側の遊技領域に設けられている構成)を比較例として考えてみる。この比較例では、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる。この比較例の遊技機において、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特定入球領域は、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能であるので、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、特定入球領域への遊技球の入球を契機として所定情報を記憶する所定情報記憶手段を備え、特別遊技状態発生手段は、所定情報に基づいて、特別遊技状態を発生させるための所定制御を行なうタイミングを決定する手段を備えることから、例えば、遊技者に対して、特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず特別遊技状態が発生しないという落胆感を一旦付与した上で、その後に突然、特別遊技状態が発生するといった大きな喜びを付与することができる。このため、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴yY群>
特徴yY群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yY1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95,変形例1における大入賞口作動ゲート295)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行中において、前記報知手段を前記報知態様(点灯態様)に制御する報知制御手段と、
前記報知手段が前記非報知態様(消灯態様)に制御されている前記所定待機状態において、前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に(左側大入賞口作動ゲート95,大入賞口作動ゲート295に遊技球が入球することに基づいて、大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に)、所定制御(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードH3を開始させるための制御)の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
を備える遊技機であって、
前記特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
当該遊技機は、さらに、
所定の抽選の抽選結果に基づいて、前記発生させる場合と前記発生させない場合とを振り分ける手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる特定入球領域が備えられ、特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、特別遊技状態の実行中において、報知手段が前記報知を行なう報知態様に制御される。
ここで、特定入球領域が、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球不能である構成(すなわち、特定入球領域が右側の遊技領域に設けられている構成)を比較例として考えてみる。この比較例では、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる。この比較例の遊技機において、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特定入球領域は、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能であるので、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を発生させる場合と、特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合とが有り、所定の抽選の抽選結果に基づいて、特別遊技状態を発生させる場合と発生させない場合とを振り分けることから、所定待機状態中に特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず、抽選結果によっては特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yV1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yV1の遊技機において、仮に、特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yV1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴の遊技機では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させただけでは、特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを即座に判別することができず、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
<特徴yZ群>
特徴yZ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yZ1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95,変形例1における大入賞口作動ゲート295)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行中において、前記報知手段を前記報知態様(点灯態様)に制御する報知制御手段と、
前記報知手段が前記非報知態様(消灯態様)に制御されている前記所定待機状態において、前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に(左側大入賞口作動ゲート95,大入賞口作動ゲート295に遊技球が入球することに基づいて、大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に)、所定制御(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードH3を開始させるための制御)の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
を備える遊技機であって、
前記特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
当該遊技機は、さらに、
前記特定入球領域に遊技球が入球した後に、前記発生させる場合と前記発生させない場合とで異なる演出を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる特定入球領域が備えられ、特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、特別遊技状態の実行中において、報知手段が前記報知を行なう報知態様に制御される。
ここで、特定入球領域が、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球不能である構成(すなわち、特定入球領域が右側の遊技領域に設けられている構成)を比較例として考えてみる。この比較例では、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる。この比較例の遊技機において、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特定入球領域は、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能であるので、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を発生させる場合と、特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合とが有ることから、所定待機状態中に特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yV1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yV1の遊技機において、仮に、特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yV1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させただけでは、特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを即座に判別することができず、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
また、本特徴によれば、特定入球領域に遊技球が入球した後に、特別遊技状態を発生させる場合と発生させない場合とで異なる演出を実行可能な手段を備えることから、ハイエナではない通常の遊技者に対しては、特定入球領域に遊技球が入球した場合に、特別遊技状態を発生させる場合に対応した演出が実行されて特別遊技状態が発生して欲しいといった期待感を抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴yα群>
特徴yα群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yα1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95,変形例1における大入賞口作動ゲート295)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行中において、前記報知手段を前記報知態様(点灯態様)に制御する報知制御手段と、
前記報知手段が前記非報知態様(消灯態様)に制御されている前記所定待機状態において、前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に(左側大入賞口作動ゲート95,大入賞口作動ゲート295に遊技球が入球することに基づいて、大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に)、所定制御(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードH3を開始させるための制御)の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
を備える遊技機であって、
前記特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
前記発生させる場合には、
前記特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第1の場合と、
前記特定入球領域に遊技球が入球してから前記第1期間よりも長い第2期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第2の場合と、
が含まれ、
当該遊技機は、さらに、
所定の抽選の抽選結果に基づいて、前記第1の場合と前記第2の場合と前記発生させない場合とを振り分ける手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる特定入球領域が備えられ、特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、特別遊技状態の実行中において、報知手段が前記報知を行なう報知態様に制御される。
ここで、特定入球領域が、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球不能である構成(すなわち、特定入球領域が右側の遊技領域に設けられている構成)を比較例として考えてみる。この比較例では、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる。この比較例の遊技機において、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特定入球領域は、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能であるので、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第1の場合と、特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間よりも長い第2期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第2の場合と、特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、所定の抽選の抽選結果に基づいて、第1の場合と第2の場合と発生させない場合とを振り分けることから、所定待機状態中に特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず、第2抽選結果によっては、特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yV1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yV1の遊技機において、仮に、特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yV1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させただけでは、特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを即座に判定することができず、かつ当該判定まで第2期間の長さ以上の時間を要し、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
<特徴yβ群>
特徴yβ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yβ1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95,変形例1における大入賞口作動ゲート295)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行中において、前記報知手段を前記報知態様(点灯態様)に制御する報知制御手段と、
前記報知手段が前記非報知態様(消灯態様)に制御されている前記所定待機状態において、前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に(左側大入賞口作動ゲート95,大入賞口作動ゲート295に遊技球が入球することに基づいて、大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に)、所定制御(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードH3を開始させるための制御)の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
を備える遊技機であって、
前記特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
前記発生させる場合には、
前記特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第1の場合と、
前記特定入球領域に遊技球が入球してから前記第1期間よりも長い第2期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第2の場合と、
が含まれ、
当該遊技機は、さらに、
前記特定入球領域に遊技球が入球した後に、前記第1の場合と前記第2の場合と前記発生させない場合とで異なる演出を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる特定入球領域が備えられ、特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、特別遊技状態の実行中において、報知手段が前記報知を行なう報知態様に制御される。
ここで、特定入球領域が、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球不能である構成(すなわち、特定入球領域が右側の遊技領域に設けられている構成)を比較例として考えてみる。この比較例では、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる。この比較例の遊技機において、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特定入球領域は、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能であるので、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第1の場合と、特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間よりも長い第2期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第2の場合と、特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合とが有ることから、所定待機状態中に特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず、特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても、特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yV1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yV1の遊技機において、仮に、特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yV1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させただけでは、特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを即座に判定することができず、かつ当該判定まで第2期間の長さ以上の時間を要し、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
また、本特徴によれば、特定入球領域に遊技球が入球した後に、第1の場合と第2の場合と特別遊技状態を発生させない場合とで異なる演出を実行可能な手段を備えることから、ハイエナではない通常の遊技者に対しては、特別遊技状態が発生するまでの期間の長さに応じた様々な演出を提供することにより、今回実行されている演出はどの場合に対応した演出であるのだろうかといった期待感を抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴yγ群>
特徴yγ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yγ1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95,変形例1における大入賞口作動ゲート295)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行中において、前記報知手段を前記報知態様(点灯態様)に制御する報知制御手段と、
前記報知手段が前記非報知態様(消灯態様)に制御されている前記所定待機状態において、前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に(左側大入賞口作動ゲート95,大入賞口作動ゲート295に遊技球が入球することに基づいて、大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に)、所定制御(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードH3を開始させるための制御)の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
を備える遊技機であって、
前記特定入球領域に遊技球が入球した場合に前記特別遊技状態を発生させる場合と、前記特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合とが有り、
前記発生させる場合には、
前記特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第1の場合と、
前記特定入球領域に遊技球が入球してから前記第1期間よりも長い第2期間の経過後に前記特別遊技状態を発生させる第2の場合と、
が含まれ、
当該遊技機は、さらに、
前記第1の場合の前記第1期間において、所定の演出を実行可能な手段と、
前記第2の場合の前記第2期間において、前記所定の演出と同一の演出を実行し、当該演出に引き続き前記所定の演出とは相違する演出を実行可能な手段と、
前記特定入球領域に遊技球が入球しても前記特別遊技状態を発生させない場合に、前記特定入球領域への当該遊技球の入球後に前記所定の演出と同一の演出を実行可能な手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる特定入球領域が備えられ、特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、特別遊技状態の実行中において、報知手段が前記報知を行なう報知態様に制御される。
ここで、特定入球領域が、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球不能である構成(すなわち、特定入球領域が右側の遊技領域に設けられている構成)を比較例として考えてみる。この比較例では、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる。この比較例の遊技機において、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特定入球領域は、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能であるので、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第1の場合と、特定入球領域に遊技球が入球してから第1期間よりも長い第2期間の経過後に特別遊技状態を発生させる第2の場合と、特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合とが有ることから、所定待機状態中に特定入球領域に遊技球が入球したにもかかわらず、特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても、特別遊技状態が発生しないことがあり得る。先に説明した特徴yV1の遊技機では、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が非報知態様となっていることから、空席の遊技機の中から報知手段が報知態様になっている遊技機を探すことによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機を見つけ出すことはできない。しかしながら、特徴yV1の遊技機において、仮に、特定入球領域に遊技球が入球した場合に特別遊技状態を必ず発生させる構成とした場合には、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して左打ちで遊技球を1個1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させるだけで、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判別することが可能となる。このために、特徴yV1の遊技機によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナ(いわば左一発ハイエナ)の発生を許容してしまう。これに対して、本特徴では、空席の遊技機を探して、当該空席の遊技機に着席して、第1の発射態様で遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させただけでは、特定入球領域に遊技球が入球してから第2期間、待っても特別遊技状態が発生しない場合があり得ることから、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっている遊技機であるか否かを判定することができず、かつ当該判定まで第2期間の長さ以上の時間を要し、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出すことが困難である。したがって、本特徴によれば、ホール内の空席の遊技機に対して順に遊技球を1個(又は数個)発射させて1個の遊技球を特定入球領域に入球させることによって、特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態となっているパチンコ機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする左一発ハイエナの発生を抑制することができる。この結果、遊技の健全性の向上をいっそう図ることができる。
また、本特徴によれば、第1の場合の第1期間において、所定の演出を実行可能な手段と、第2の場合の第2期間において、所定の演出と同一の演出を実行し、当該演出に引き続き所定の演出とは相違する演出を実行可能な手段と、特定入球領域に遊技球が入球しても特別遊技状態を発生させない場合にも、特定入球領域への当該遊技球の入球後に所定の演出と同一の演出を実行可能な手段とを備えることから、特定入球領域に遊技球が入球してから所定の演出が実行されている期間においては、第1の場合か第2の場合か特別遊技状態が発生しない場合かを遊技者は判別することができず、どのタイミングで特別遊技状態が発生するのか、又は特別遊技状態が発生しないのかといった緊張感を遊技者に抱かせることができるとともに、特別遊技状態が発生しなかった場合には落胆感を抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴yδ群>
特徴yδ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yδ1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95,変形例1における大入賞口作動ゲート295)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行中において、前記報知手段を前記報知態様(点灯態様)に制御する報知制御手段と、
前記報知手段が前記非報知態様(消灯態様)に制御されている前記所定待機状態において、前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に(左側大入賞口作動ゲート95,大入賞口作動ゲート295に遊技球が入球することに基づいて、大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に)、所定制御(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードH3を開始させるための制御)の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
を備える遊技機であって、
当該遊技機は、さらに、
演出を実行可能な演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1の発射態様で遊技球が発射されて前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特別遊技状態が発生し得る場合であっても、推奨される発射態様が前記第1の発射態様(左打ち)であることを報知する演出(左ゲート狙い演出、左打ち報知演出)を実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる特定入球領域が備えられ、特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、特別遊技状態の実行中において、報知手段が前記報知を行なう報知態様に制御される。
ここで、特定入球領域が、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球不能である構成(すなわち、特定入球領域が右側の遊技領域に設けられている構成)を比較例として考えてみる。この比較例では、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる。この比較例の遊技機において、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特定入球領域は、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能であるので、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、演出を実行可能な演出実行手段を備え、演出実行手段は、第1の発射態様で遊技球が発射されて特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特別遊技状態が発生し得る場合であっても、推奨される発射態様が前記第1の発射態様であることを報知する演出を実行しない手段を備えることから、特2残保留に基づく当たり抽選において大当たり当選することによって特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行したとしても、推奨される発射態様が第1の発射態様であることを報知する演出が実行されない。このために、空席の遊技機の中から、推奨される発射態様が第1の発射態様であることを報知する演出が実行されている遊技機を見つけ出して、当該パチンコ機から不当な利益を得ようとするハイエナの発生を防止することができる。
<特徴yε群>
特徴yε群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yε1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95,変形例1における大入賞口作動ゲート295)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行中において、前記報知手段を前記報知態様(点灯態様)に制御する報知制御手段と、
前記報知手段が前記非報知態様(消灯態様)に制御されている前記所定待機状態において、前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に(左側大入賞口作動ゲート95,大入賞口作動ゲート295に遊技球が入球することに基づいて、大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に)、所定制御(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードH3を開始させるための制御)の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
を備える遊技機であって、
当該遊技機は、さらに、
前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、当該特定入球領域への遊技球の入球に基づいて前記特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数を決定するラウンド回数決定手段(変形例2における左側ラウンド回数振分装置340)を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる特定入球領域が備えられ、特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、特別遊技状態の実行中において、報知手段が前記報知を行なう報知態様に制御される。
ここで、特定入球領域が、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球不能である構成(すなわち、特定入球領域が右側の遊技領域に設けられている構成)を比較例として考えてみる。この比較例では、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる。この比較例の遊技機において、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特定入球領域は、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能であるので、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、当該特定入球領域への遊技球の入球に基づいて特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数を決定するラウンド回数決定手段を備えることから、特定入球領域に遊技球が入球して特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数がいずれになるかといった期待感を遊技者に付与することができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴yζ群>
特徴yζ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴yζ1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である特定入球領域(左側大入賞口作動ゲート95,変形例1における大入賞口作動ゲート295)と、
前記発射手段による発射態様が前記第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能な特典入球手段(大入賞口36a)と、
推奨される前記発射態様が前記第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)になり得る報知手段(右打ちランプ39a)と、
前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行が確定している所定待機状態(低確低サポ状態H1から移行した待機状態H2)において、前記報知手段を前記報知を行なわない非報知態様(消灯態様)に制御する非報知制御手段と、
前記特別遊技状態(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モード、すなわち大当たり遊技)の実行中において、前記報知手段を前記報知態様(点灯態様)に制御する報知制御手段と、
前記報知手段が前記非報知態様(消灯態様)に制御されている前記所定待機状態において、前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて前記特典入球手段が開放する契機が成立した場合に(左側大入賞口作動ゲート95,大入賞口作動ゲート295に遊技球が入球することに基づいて、大入賞口36aが開放する契機が成立した場合に)、所定制御(大入賞口開閉処理を含む開閉実行モードH3を開始させるための制御)の実行後に前記特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
を備える遊技機であって、
前記特別遊技状態発生手段は、
前記特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の抽選を行い、前記所定の抽選の結果が所定結果である場合に、前記特典入球手段が開放する契機を成立させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段による発射態様が第1の発射態様(例えば左打ち)である場合に遊技球が入球可能となる特定入球領域が備えられ、特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて特典入球手段が開放する契機が成立した場合に、所定制御の実行後に特別遊技状態が発生される。また、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様になり得る報知手段が備えられており、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御され、特別遊技状態の実行中において、報知手段が前記報知を行なう報知態様に制御される。
ここで、特定入球領域が、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球不能である構成(すなわち、特定入球領域が右側の遊技領域に設けられている構成)を比較例として考えてみる。この比較例では、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様(点灯態様)となる。この比較例の遊技機において、遊技者が遊技を終了して席を離れた後に、当該遊技機が特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態に移行してしまい、特定入球領域への遊技球の入球が発生せずに、特別遊技状態に移行しない状態が続くことがあり、この場合に、遊技者が席を離れた後の当該遊技機において、報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様を継続する場合があった。この場合に、比較例の遊技機によれば、ホール内において、空席の遊技機の中から報知手段が、推奨される発射態様が第2の発射態様であることの報知を行なう報知態様となっている遊技機を見つけ出して当該パチンコ機から不当な利益を得ようとする者(通称ハイエナ)を発生させるという課題があった。
これに対して、本特徴によれば、特定入球領域は、発射手段による発射態様が第1の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、発射手段による発射態様が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能であるので、特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態の実行が確定している所定待機状態において、報知手段が前記報知を行なわない非報知態様に制御される。したがって、特典入球手段に所定の開放を行わせる特別遊技状態の実行が確定された状態であっても、この状態を報知手段から知ることができない。この結果、本特徴によれば、上述したようなハイエナの発生を防止することができ、遊技の健全性の向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、特別遊技状態発生手段は、特定入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の抽選を行い、所定の抽選の結果が所定結果である場合に、特典入球手段が開放する契機を成立させる手段を備えることから、所定の抽選において早く所定結果となって欲しいといった楽しみを遊技者に提供することができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、上記各特徴群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特開2011-172988号公報)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化、遊技の健全性の向上等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
なお、上記各特徴群に含まれる1又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、上記の各特徴群を適用し得る又は各特徴群に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段と、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、前記取得情報記憶手段に記憶された前記特別情報が所定条件を満たす場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示手段と、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示を始動させる始動手段と、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間の経過に起因して前記複数の絵柄の可変表示を停止させる停止手段と、停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。上記の実施形態、変形例、および特徴群に含まれる技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
《3》第3実施形態:
《3-0》はじめに:
従来、大当たり当選以外で出球を増やしたいという要望があり、その要望に応えるために、高確率で小当たりに当選可能であり、小当たりに当選すればするほど遊技者の手持ちの遊技球が増加する遊技状態(いわゆる小当たりラッシュ)を備えるパチンコ機が開発された。従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機では、小当たりラッシュ中において、第2特図抽選において小当たりに当選し、第2特別図柄の変動表示が小当たりに対応した図柄で停止した場合に、特別電動役物が開放して大入賞口に遊技球が入球可能となる。すなわち、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機では、遊技者は、第2特図抽選において小当たりに当選したことに基づいて特別電動役物が開放した場合に利益を得ることができる。
しかし、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行される第2特図抽選は、大当たりを抽選するものでもあるため、大当たりに当選するか否かの期待度を示唆するリーチ演出が実行される場合があり、当該リーチ演出が実行されている期間(第2特別図柄の変動表示の実行中の期間)は小当たりが発生しないため、遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまい、小当たり当選による特別電動役物の開放によって利益を得たい遊技者にとっては非常に歯痒い時間となってしまうといった課題があった。
また、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機の中には、小当たりラッシュ中は常に遊技球の発射を継続させなければ小当たりによる利益を得ることができないパチンコ機が存在する。具体的には、小当たりに当選することになる第2特別図柄の変動表示の実行中にもリーチ演出が実行され得るパチンコ機であって、遊技者が、利益を得ることのできないリーチ演出の実行中(第2特別図柄の変動表示の実行中)に遊技球の浪費を避けようと止め打ち(遊技球の発射を一時的に止めること)をすると、当該リーチ演出の終盤又は終了時に小当たり当選を確認してから遊技球を発射させても、当該小当たり当選に基づく特別電動役物の開放中に遊技球を当該特別電動役物に到達させることができないパチンコ機である。このようなパチンコ機においては、遊技者は、利益を得ることのできないリーチ演出の実行中(第2特別図柄の変動表示の実行中)であっても、変動表示の停止後に発生し得る小当たりによる利益を得るためには止め打ちをすることができず、遊技球の浪費を余儀なくされ、不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
また、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行されたリーチ演出に係る第2特図抽選の結果が外れになった場合には、遊技者は、リーチ演出の実行中に小当たりによる利益も得られず、さらに当該変動表示の停止後にも小当たりによる利益が得られないので、不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
さらに、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行されたリーチ演出に係る第2特図抽選の結果が小当たりラッシュが終了することになる結果(出玉のない通常大当たり)になり、小当たりラッシュが終了してしまった場合には、遊技者は、リーチ演出の実行中に小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうため、非常に不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
このように、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中の期間(第2特別図柄の変動中の期間)は、遊技者にとって、小当たりによる利益を得ることができない非常に歯痒い期間であり、また、止め打ちもできずに遊技球の浪費を余儀なくされる不愉快な期間であり、さらに、リーチ演出に係る第2特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合には、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題があった。
本発明に係る遊技機(以下、本遊技機とも称する)は、上述した小当たりラッシュの課題を解決することを目的としている。以下、詳細に説明する。
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「第1入球領域」としての「第1入球部」を備え、「第2入球領域」としての「第2入球部」を備え、「第3入球領域」としての「第3入球部」を備え、「所定抽選」としての「内部抽選」を備え、「所定結果」としての「特定結果」を備え、「第1流路」としての「第1通路」を備え、「第2流路」としての「第2通路」を備え、「第3流路」としての「第3通路」を備え、「振分手段」としての「振分部」を備え、「切替手段」としての「切替部」を備え、「移行手段」としての「移行処理」を備え、「変動表示手段」としての「変動表示部」を備え、「設定手段」としての「設定処理」を備え、「転動手段」としての「転動部」を備え、「所定移行条件」としての「移行条件」を備え、「所定の有利結果」としての「特定有利結果」を備える。
「第1入球領域」は、遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口を有する領域であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技球が入球した場合に第2特別図柄の変動表示が実行されることになる第2特図始動口や、遊技球が入球した場合に第1特別図柄の変動表示が実行されることになる第1特図始動口、遊技球が入球した場合に普通図柄の変動表示が実行されることになる普図始動ゲート、遊技球が入球した場合に所定個数の賞球が払い出されることになる一般入賞口、大入賞口、特別入賞口、遊技球が入球した場合に特別電動役物が作動することになる特電始動口、などが挙げられる。
「第2入球領域」は、遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口を有する領域であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技球が入球した場合に所定個数の賞球が払い出されることになる特別入賞口や、一般入賞口、大入賞口、遊技球が入球した場合に第1特別図柄の変動表示が実行されることになる第1特図始動口、遊技球が入球した場合に第2特別図柄の変動表示が実行されることになる第2特図始動口、遊技球が入球した場合に普通図柄の変動表示が実行されることになる普図始動ゲート、遊技球が入球した場合に特別電動役物が作動することになる特電始動口、などが挙げられる。
「第3入球領域」は、遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口を有する領域であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技球が入球した場合に所定個数の賞球が払い出されることになる大入賞口や、特別入賞口や、一般入賞口、遊技球が入球した場合に第1特別図柄の変動表示が実行されることになる第1特図始動口、遊技球が入球した場合に第2特別図柄の変動表示が実行されることになる第2特図始動口、遊技球が入球した場合に普通図柄の変動表示が実行されることになる普図始動ゲート、遊技球が入球した場合に特別電動役物が作動することになる特電始動口、などが挙げられる。
「所定抽選」は、入球領域への遊技球の入球に基づいて乱数が取得され、当該乱数に基づいて結果が判定される抽選であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第2特図始動口への遊技球の入球に基づいて実行される第2特図抽選や、第1特図始動口への遊技球の入球に基づいて実行される第1特図抽選、普図始動ゲートへの遊技球の入球に基づいて実行される普図抽選、などが挙げられる。
「所定結果」は、切替手段を入球可能状態に移行させる契機となる結果であればよく、切替手段が入球可能状態に移行する回数や期間等は限定されず、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、特図小当たりや、特図大当たり(確変、通常、2R、16R等)、普図当たり、などが挙げられる。
「第1流路」、「第2流路」及び「第3流路」は、遊技球が流通可能であって他の領域から区画された通路状の領域であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、釘によって形成された通路や、樹脂によって形成された通路、遊技盤に形成された溝、遊技球が流下可能(落下可能)な空間領域などが挙げられる。
「振分手段」は、遊技球を複数の流路のいずれかに振り分け可能であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、複数の遊技釘の配列パターンによって遊技球を振り分ける構成や、一定の動作を繰り返すことによって遊技球を振り分ける構成、所定条件の成立に基づいて作動して遊技球を振り分ける構成、遊技球が往復運動を繰り返しながら一時的に滞留した後に複数の箇所のいずれかの箇所から流下可能な滞留領域(いわゆるステージ)、遊技球が通過可能な複数の穴が設けられた回転円盤(いわゆるクルーン)、などが挙げられる。
「切替手段」は、入球領域の入球口を入球可能状態と入球不能状態とに切替可能な構成であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、特図抽選において特図小当たりや特図大当たりに当選した場合に閉鎖状態から開放状態に移行する特別電動役物や、普図抽選において普図当たりに当選した場合に閉鎖状態から開放状態に移行する普通電動役物、などが挙げられる。また、特別電動役物や普通電動役物の構成としては、例えば、入球口を閉鎖している板状部材が遊技盤の前後方向にスライドすることによって当該入球口を開放可能な構成(シャッター型)や、入球口を閉鎖している板状部材が遊技盤に平行な回動軸を中心として回動することによって当該入球口を開放可能な構成、入球口を閉鎖している一対の片部材(羽根部材、弁部材)がそれぞれ時計回り又は反時計回りに回動することによって当該入球口を開放可能な構成(いわゆる電動チューリップ型)、入球口を閉鎖している片部材(羽根部材、弁部材)が時計回り又は反時計回りに回動することによって当該入球口を開放可能な構成、など種々の構成を採用することができる。
「変動表示手段」は、所定の図柄、文字、図形、記号、画像等が変動する様子(変化する様子)を所定期間にわたって表示(変動表示)することが可能な構成であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、LEDランプによって構成された第2特別図柄表示部や、第1特別図柄表示部、液晶表示装置によって構成された図柄表示装置、LEDランプによって構成された普通図柄表示部、などが挙げられる。
「転動手段」は、遊技球を所定期間転動させて入球領域に入球させることが可能な構成であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材(遊技盤の前後方向にスライド可能なシャッター)や、遊技盤に平行な回動軸を中心として回動可能な板状部材、時計回り又は反時計回りに回動可能な片部材(羽根部材、弁部材)、などが挙げられる。
「所定移行条件」は、遊技状態を移行させる契機となる条件であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、通常遊技状態において確変大当たりに当選することや、通常遊技状態においてV確入賞口に遊技球が入球すること、確変遊技状態において通常大当たりに当選すること、時短遊技状態において所定上限回数の特図変動が実行されたこと、などが挙げられる。
「所定の有利結果」は、遊技者にとって有利な抽選結果であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、特図大当たり(確変、通常、2R、16R等)や、普図当たり、などが挙げられる。
本遊技機は、詳細は後述するが、内部抽選に係る変動表示の実行中に、当該内部抽選の結果が特定有利結果となるか否かの期待度を示唆する期待度演出を実行可能であり、当該変動表示の実行中は、切替部が第3入球部を入球不能状態に維持するため、第1通路に振り分けられた遊技球は、第3入球部に入球することができず、第2入球部に入球することが可能となる。すなわち、遊技者は、期待度演出が実行されている変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出の実行中は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、内部抽選に係る変動表示の実行中に期待度演出が実行されたにもかかわらず、当該内部抽選において特定有利結果に当選せずに、遊技者に不利な結果に当選して有利な遊技状態が終了してしまったとしても、当該期待度演出が実行されている期間中に遊技者は多くの賞球を獲得することができるので、有利な遊技状態の終了直前に多量の賞球が払い出されるといった爽快感と満足感を遊技者に与えることができるとともに、当該有利な遊技状態が終了してしまったことに対する遊技者の怒りや喪失感を和らげることが可能となる。このように、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出に係る特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合に、当該リーチ演出が実行されている期間が、遊技者にとって、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題を解決することができる。
このように、本遊技機では、内部抽選に係る変動表示の実行中は切替部が入球不能状態を維持するため、第1通路に振り分けられた遊技球は、第3入球部に入球することができないが、第2入球部に入球することは可能となっている。したがって、切替部が入球不能状態である場合には第2入球部に遊技球を入球させるといった興趣を遊技者に提供することが可能となる。すなわち、切替部の各状態に応じて入球可能な入球部を設けることによって、常に遊技の興趣を遊技者に提供することが可能となる。
以下、本遊技機のより具体的な構成を下記の第3実施形態として説明する。
《3-1》遊技機の構造:
図121は、第3実施形態のパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」とも称する)の斜視図である。図示するように、パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる特図抽選時、当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が所定の間隔(本実施形態では0.6秒間隔)で発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。そして、操作ハンドル25の回動操作量が所定未満の場合、すなわち遊技球の発射強度が所定未満の場合には、発射された遊技球は遊技盤の正面視左側の領域を流下する。この場合における遊技球の発射態様を「左打ち」とも呼ぶ。一方、操作ハンドル25の回動操作量が所定以上の場合、すなわち遊技球の発射強度が所定以上の場合には、発射された遊技球は遊技盤の正面視右側の領域を流下する。この場合における遊技球の発射態様を「右打ち」とも呼ぶ。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者は「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによってタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図122は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。本実施形態では、遊技領域PAは、「左打ち」によって発射された遊技球が流通可能な左側遊技領域PALと、左側遊技領域PALを流通してきた遊技球が到達可能な中央下部遊技領域PACと、「右打ち」によって発射された遊技球が流通可能な右側遊技領域PARとによって構成されている。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1特図始動口33、第2特図始動口34、普通電動役物34b、普図始動ゲート35、第1特電入賞装置57、第2特電入賞装置58、特別入賞口32s、アウト口43、右側アウト口43r、第1振分釘群36a、第2振分釘群36b、ステージ36xが設けられている。本実施形態では、「左打ち」によって発射された遊技球が到達可能な中央下部遊技領域PACに第1特図始動口33が設けられており、第1特図始動口33の上方にステージ36xが設けられており、「右打ち」によって発射された遊技球が到達可能な右側遊技領域PARの上流側から順に、第1特電入賞装置57、第1振分釘群36a、普図始動ゲート35、普通電動役物34b、第2特図始動口34、第2振分釘群36b、右側アウト口43r、第2特電入賞装置58及び特別入賞口32sが設けられている。以下、遊技盤30に設けられている各構成について説明する。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口を有する入球部であり、遊技球が入球した場合には、5個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。本実施形態では、一般入賞口32は、遊技盤30上に複数設けられている。
第1特図始動口33は、遊技球が入球可能な入球口を有する入球部であり、遊技球が入球した場合には、3個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出されるとともに、主制御装置60による内部抽選である第1特図抽選が実行される。第1特図抽選の結果、特図大当たりに当選すると、後述する特別電動役物(第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58b)が開閉動作を実行する特電開閉実行モードが開始される。特電開閉実行モードは、特電オープニング期間と、特電開閉期間と、特電エンディング期間とによって構成されている。特電オープニング期間は、特別電動役物の開閉処理が開始されるまでの待機期間であり、特電開閉期間は、実際に特別電動役物の開閉が実行される期間であり、特電エンディング期間は、特別電動役物の開閉処理が終了した後、次の特図抽選が実行可能となるまでの待機期間である。なお、本実施形態では、第1特図抽選の結果、特図大当たりに当選すると、第1特別電動役物57bが開閉動作の対象となる特電開閉実行モードが開始される。このように、第1特図始動口33に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態が移行することになる。なお、本実施形態では、第1特図始動口33に遊技球が入球したことによって払い出される賞球(3個)は、後述する第2特図始動口34に遊技球が入球したことによって払い出される賞球(1個)よりも多い構成を採用している。
第1特電入賞装置57は、遊技球が入球可能な第1大入賞口57aと、当該第1大入賞口57aの入口を開閉する機能を有する第1特別電動役物57bとを備える。また、本実施形態では、第1大入賞口57aの内部には、遊技球が入球可能なV確入賞口57avが設けられている。
第1特別電動役物57bは、通常は遊技球が第1大入賞口57aに入球することが不可能な閉鎖状態となっており、上述した特電開閉実行モードが開始されると、遊技球が第1大入賞口57aに入球可能な開放状態となる。
本実施形態では、第1特別電動役物57bは、横長の矩形の板状部材と、当該板状部材の下辺の両端に設けられ、当該板状部材を前方側(手前側)に回動可能に支持する支持部とを備えている。第1特別電動役物57bは、閉鎖状態では、当該板状部材が遊技盤30と同一平面となるように収納された状態となっており、第1特別電動役物57bの上方から流通してきた遊技球が第1特別電動役物57bの前方側(手前側)を通過可能な状態となっている。一方、開放状態では、第1特別電動役物57bは、当該板状部材が支持部を中心として前方側(手前側)に回動した状態となっており、第1特別電動役物57bの上方から流通してきた遊技球が第1大入賞口57aに入球可能な状態となる。
第1大入賞口57aは、第1特別電動役物57bが開放状態となっている状況において遊技球が入球可能な入球口であり、遊技球が入球した場合には、5個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。上述したように、本実施形態では、第1大入賞口57aの内部には、V確入賞口57avが設けられている。
V確入賞口57avは、第1大入賞口57aに入球した遊技球が入球可能な入球口であり、遊技球が入球した場合には、上述した特電開閉実行モードの終了後における特図抽選の抽選モードが高確率モードとなる。特図抽選の抽選モードの詳細については後述する。
第1振分釘群36aは、遊技球の流通(落下)の方向に変化を与えるための釘群であり、第1特別電動役物57bの下方に設けられている。第1振分釘群36aは、到達した遊技球を、約1:4の割合で、普図始動ゲート35に至るルートと、第2振分釘群36bに至るルートとに振り分ける。
普図始動ゲート35は、遊技球が入球可能な入球口を有する貫通孔型の入球部であり、普図始動ゲート35に入球した遊技球は、遊技領域PAに残って流通可能である。そして、普図始動ゲート35に遊技球が入球した場合には、主制御装置60によって普図抽選が実行される。普図抽選の結果には、後述する普通電動役物34bを入球可能状態に移行させる「普図当たり」と、普通電動役物34bを入球可能状態に移行させない「普図外れ」とが含まれている。普図抽選の結果、普図当たりに当選した場合には、普通電動役物34bを開放状態に移行させる移行処理である普電開閉実行モードが実行される。普電開閉実行モードは、普電オープニング期間と、普電開閉処理期間と、普電エンディング期間とによって構成されている。普電オープニング期間は、普通電動役物34bの開閉処理が開始されるまでの待機期間であり、普電開閉期間は、実際に普通電動役物34bの開閉処理が実行される期間であり、普電エンディング期間は、普通電動役物34bの開閉処理が終了した後、次の普図抽選を実行可能とするまでの待機期間である。なお、普図始動ゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
普図始動ゲート35の下流には、普通電動役物34bを有する第2特図始動口34が配置されており、普図始動ゲート35に入球した遊技球は、普通電動役物34bを備える第2特図始動口34に導かれる。
普通電動役物34bは、第2特図始動口34を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替部であり、遊技球を所定期間転動させて第2特図始動口34に入球させ得る転動部である羽根部材を備えている。普通電動役物34bは、通常は遊技球が第2特図始動口34に入球することが不可能な閉鎖状態となっており、上述した普電開閉実行モードが開始されると、遊技球が第2特図始動口34に入球可能な開放状態となる。
第2特図始動口34は、遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球部であり、本実施形態では、右側遊技領域PARに設けられている。第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、1個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出されるとともに、主制御装置60による内部抽選である第2特図抽選が実行される。第2特図抽選の結果、特図大当たり又は特定結果としての特図小当たりに当選すると、上述した特電開閉実行モードが開始される。なお、本実施形態では、第2特図抽選の結果として、特図外れは設定されておらず、特図大当たり又は特図小当たりのみが設定されている。そして、本実施形態では、第2特図抽選の結果、特図大当たり又は特図小当たりに当選すると、第2特別電動役物58bが開閉動作の対象となる特電開閉実行モードが開始される。このように、第2特図始動口34に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態が移行することになる。なお、本実施形態では、第2特図始動口34が右側遊技領域PARに設けられている構成としたが、第2特図始動口34の位置はこれに限定されず、本発明の主旨を実現可能であれば、他の位置に設けられていてもよい。例えば、第2特図始動口34は、左側遊技領域PALに設けられていてもよく、また、中央下部遊技領域PACにおけるステージ36xより下方側に設けられていてもよい。
第2振分釘群36bは、遊技球の流通(落下)の方向に変化を与えるための釘群であり、第2特図始動口34の下方に設けられている。第2振分釘群36bは、到達した遊技球を、約1:2の割合で、第1通路である第1ルート36b1と第2通路である第2ルート36b2とに振り分ける振分部である。第1ルート36b1に振り分けられた遊技球は、第2特電入賞装置58の右端側に導かれる。一方、第2ルート36b2に振り分けられた遊技球は、右側アウト口43rに導かれて入球し、遊技領域PAから排出される。
第2特電入賞装置58は、遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球部である第2大入賞口58aと、当該第2大入賞口58aを入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替部としての機能を有する第2特別電動役物58bとを備えている。
第2特別電動役物58bは、通常は遊技球が第2大入賞口58aに入球することが不可能な閉鎖状態となっており、上述した特電開閉実行モードが開始されると、遊技球が第2大入賞口58aに入球可能な開放状態となる。
本実施形態では、第2特別電動役物58bは、横長の矩形の板状部材と、当該板状部材を前後方向に移動させることが可能な駆動部とを備えている。第2特別電動役物58bは、閉鎖状態では、当該板状部材が遊技盤30の前方側(手前側)に突出した状態となっており、当該板状部材の上面は遊技球が転動可能な転動部を構成した状態となっている。一方、開放状態では、第2特別電動役物58bは、当該板状部材が遊技盤30の後方側に収納された状態となっており、当該板状部材の上面の転動部を転動していた遊技球や、第2特別電動役物58bの上方から流通(落下)してきた遊技球が、当該板状部材の下方に設けられた第2大入賞口58aに入球可能な状態となる。また、本実施形態では、第2特別電動役物58bの板状部材の上面の転動部に複数の突起部が設けられている。この突起部によって、第2特別電動役物58bの板状部材の上面の転動部を転動する遊技球の速度が低下する。この結果、本実施形態の第2特別電動役物58bの板状部材の上面の転動部の右端から左端まで遊技球が転動するのに要する時間は2.0秒以上となっている。
第2大入賞口58aは、第2特別電動役物58bが開放状態となっている場合に遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球部であり、遊技球が入球すると、2個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。なお、第2大入賞口58aの内部には、上述したV確入賞口は設けられていない。
特別入賞口32sは、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球部であり、遊技球が入球すると、15個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。本実施形態では、特別入賞口32sは、第2特電入賞装置58の左端側かつ下流側に設けられており、閉鎖状態の第2特別電動役物58bの板状部材の上面を左端まで流通した遊技球のみが入球可能となっている。換言すれば、閉鎖状態の第2特別電動役物58bの板状部材の上面を遊技球が流通中に、第2特別電動役物58bが開放状態に移行した場合には、当該遊技球は下方に落下して第2大入賞口58aに入球し、特別入賞口32sまで到達することができず、特別入賞口32sに入球することができない。
アウト口43は、遊技盤30の最下部に設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
なお、「入球」とは、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過することを意味し、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAに残存して流通(流下)を継続する態様も含まれる。また、一般入賞口32、特別入賞口32s、第1特図始動口33、第2特図始動口34、第1大入賞口57a、第2大入賞口58a及びV確入賞口57avへの遊技球の入球を「入賞」と表現する場合もある。
次に、遊技盤30に設けられている各種の表示部について説明する。
遊技盤30には、可変表示ユニット40と、メイン表示部45とが設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
特図ユニット37は、第1特別図柄表示部37aと、第2特別図柄表示部37bと、第1特図保留表示部37cと、第2特図保留表示部37dとを備えている。
第1特別図柄表示部37aは、第1特別図柄の変動表示及び停止表示を実行する表示部である。第1特別図柄とは、第1特図始動口33への遊技球の入球を契機として第1特図抽選が実行された際に変動表示及び停止表示される図柄をいう。第1特図始動口33への遊技球の入球を契機として第1特図抽選が実行されると、第1特別図柄表示部37aは、当該第1特図抽選の抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1特別図柄の変動表示を実行する。その後、第1特別図柄表示部37aは、当該第1特図抽選の抽選結果に対応した表示態様で第1特別図柄の停止表示を実行する。以降の説明では、第1特別図柄表示部37aにおいて第1特別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1特図変動時間とも呼ぶ。
本実施形態では、第1特別図柄表示部37aは、7個のセグメント発光部が8の字型に配列された7セグメント表示器によって構成されている。第1特図始動口33に遊技球が入球すると、第1特別図柄表示部37aを構成する7セグメント表示器は、所定の態様で点滅した後に(変動表示した後に)、第1特図抽選の抽選結果に対応した所定の態様で点灯する(停止表示する)。ただし、第1特別図柄表示部37aは、7セグメント表示器に限らず、他の構成であってもよい。
なお、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄の変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを第1特図遊技回とも呼ぶ。すなわち、第1特図遊技回は、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて実行される第1特図抽選の抽選結果を遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1回の第1特図遊技回毎に、1回の第1特図抽選の抽選結果を遊技者に報知する。また、1回の第1特図遊技回に要する時間を第1特図遊技時間とも呼ぶ。第1特図遊技時間は、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄の変動表示が開始されてから第1特図抽選の結果が停止表示されるまでの時間である第1特図変動時間と、第1特図抽選の結果が停止表示されている時間である第1特図停止時間とによって構成されている。なお、本実施形態では、第1特図停止時間は一定(1.0秒)である。したがって、第1特図変動時間が決定されることによって、第1特図遊技時間は一意に決定される。
第2特別図柄表示部37bは、第2特別図柄の変動表示及び停止表示を実行する変動表示部である。第2特別図柄とは、第2特図始動口34への遊技球の入球を契機として第2特図抽選が実行された際に変動表示及び停止表示される図柄をいう。第2特図始動口34への遊技球の入球を契機として第2特図抽選が実行されると、第2特別図柄表示部37bは、当該第2特図抽選の抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2特別図柄の変動表示を実行する。その後、第2特別図柄表示部37bは、当該第2特図抽選の抽選結果に対応した表示態様で第2特別図柄の停止表示を実行する。以下では、第2特別図柄表示部37bにおいて第2特別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2特図変動時間とも呼ぶ。
本実施形態では、第2特別図柄表示部37bは、7個のセグメント発光部が8の字型に配列された7セグメント表示器によって構成されている。第2特図始動口34に遊技球が入球すると、第2特別図柄表示部37bを構成する7セグメント表示器は所定の態様で点滅した後に(変動表示した後に)、第2特図抽選の抽選結果に対応した所定の態様で点灯する(停止表示する)。ただし、第2特別図柄表示部37bは、7セグメント表示器に限らず、他の構成であってもよい。
なお、第2特別図柄表示部37bにおける第2特別図柄の変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを第2特図遊技回とも呼ぶ。すなわち、第2特図遊技回は、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて実行される第2特図抽選の抽選結果を遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1回の第2特図遊技回毎に、1回の第2特図抽選の抽選結果を遊技者に報知する。また、1回の第2特図遊技回に要する時間を第2特図遊技時間とも呼ぶ。第2特図遊技時間は、第2特別図柄表示部37bにおける第2特別図柄の変動表示が開始されてから第2特図抽選の結果が停止表示されるまでの時間である第2特図変動時間と、第2特図抽選の結果が停止表示されている時間である第2特図停止時間とによって構成されている。なお、本実施形態では、第2特図停止時間は一定である。したがって、第2特図変動時間が決定されることによって、第2特図遊技時間は一意に決定される。
また、本実施形態では、特電開閉実行モードの実行中又は特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示中に遊技球が第1特図始動口33又は第2特図始動口34に入球した場合に、当該遊技球の入球に基づく第1特図抽選又は第2特図抽選の実行を保留する機能(特図保留機能とも呼ぶ)を有しており、保留された第1特図抽選の保留個数に対応した情報を表示する第1特図保留表示部37cと、保留された第2特図抽選の保留個数に対応した情報を表示する第2特図保留表示部37dとを備えている。
第1特図保留表示部37cは、保留された第1特図抽選の保留個数に対応した情報(第1特図始動口33に入球した遊技球の個数に関する情報)を表示する表示部である。本実施形態では、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づく第1特図抽選は、最大4個(4回)まで保留される。なお、本実施形態では、第1特図保留表示部37cは、4個のLEDランプによって構成されており、第1図抽選の保留個数に対応した数のLEDランプが点灯する。
第2特図保留表示部37dは、保留された第2特図抽選の保留個数に対応した情報を表示する表示部である。本実施形態では、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づく第2特図抽選は、最大4個(4回)まで保留される。なお、本実施形態では、第2特図保留表示部37dは、4個のLEDランプによって構成されており、第2図抽選の保留個数に対応した数のLEDランプが点灯する。
また、本実施形態では、第1特図抽選と第2特図抽選の両方が保留されている場合には、第2特図抽選が優先して実行され、第2特図抽選の保留が全て無くなった後に、第1特図抽選が実行されるように構成されている。具体的には、例えば、第1特図抽選が2個(2回)保留されており、第2特図抽選が3個(3回)保留されている場合には、第2特図抽選が3回実行されて保留が無くなった後に、第1特図抽選が2回実行されることになる。ただし、保留されていた最後の第2特図抽選が終了する前に第2特図始動口34に遊技球が入球して第2特図抽選が再び保留された場合には、当該保留された第2特図抽選が終了するまで、第1特図抽選は実行されない。
普図ユニット38は、普通図柄表示部38aと、普図保留表示部38bとを備えている。
普通図柄表示部38aは、普通図柄の変動表示及び停止表示を実行する変動表示部である。普通図柄とは、普図始動ゲート35への遊技球の入球を契機として内部抽選である普図抽選が実行された際に変動表示及び停止表示される図柄をいう。普図始動ゲート35への遊技球の入球を契機として普図抽選が実行されると、普通図柄表示部38aは、当該普図抽選の抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、普通図柄の変動表示を実行する。その後、普通図柄表示部38aは、当該普図抽選の抽選結果に対応した表示態様で普通図柄の停止表示を実行する。以降の説明では、普通図柄表示部38aにおいて普通図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を普図変動時間とも呼ぶ。
本実施形態では、普通図柄表示部38aは、7個のセグメント発光部が8の字型に配列された7セグメント表示器によって構成されている。普図始動ゲート35に遊技球が入球すると、普通図柄表示部38aを構成する7セグメント表示器は、所定の態様で点滅した後に(変動表示した後に)、普図抽選の抽選結果に対応した所定の態様で点灯する(停止表示する)。ただし、普通図柄表示部38aは、7セグメント表示器に限らず、他の構成であってもよい。
なお、普通図柄表示部38aにおける普通図柄の変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを普図遊技回とも呼ぶ。すなわち、普図遊技回は、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づいて実行される普図抽選の抽選結果を遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1回の普図遊技回毎に、1回の普図抽選の抽選結果を遊技者に報知する。また、1回の普図遊技回に要する時間を普図遊技時間とも呼ぶ。普図遊技時間は、普通図柄表示部38aにおける普通図柄の変動表示が開始されてから普図抽選の結果が停止表示されるまでの時間である普図変動時間と、普図抽選の結果が停止表示されている時間である普図停止時間とによって構成されている。なお、本実施形態では、普図停止時間は一定(0.1秒)である。したがって、普図変動時間が決定されることによって、普図遊技時間は一意に決定される。
また、本実施形態では、普電開閉実行モードの実行中又は普通図柄の変動表示中に遊技球が普図始動ゲート35に入球した場合に、当該遊技球の入球に基づく普図抽選の実行を保留する機能(普図保留機能とも呼ぶ)を有しており、保留された普図抽選の保留個数に対応した情報を表示する上述した普図保留表示部38bを備えている。
普図保留表示部38bは、保留された普図抽選の保留個数に対応した情報を表示する表示部である。本実施形態では、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づく普図抽選は、最大4個(4回)まで保留される。なお、本実施形態では、普図保留表示部38bは、4個のLEDランプによって構成されており、普図抽選の保留個数に対応した数のLEDランプが点灯する。
ラウンド表示部39は、特電開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数に対応した情報を表示する表示部である。ラウンド遊技とは、予め定められた所定時間(最大開放時間)が経過すること、又は、予め定められた上限個数(最大入球個数)の遊技球が大入賞口に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、特別電動役物の開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、特電開閉実行モードの移行の契機となった特図当たりの種別に応じて異なる。ラウンド表示部39は、特電開閉実行モードにおける特電開閉期間の開始の際にラウンド遊技の回数に対応した表示を開始し、特電開閉期間の終了の際に当該表示を終了する。本実施形態では、ラウンド表示部39は、7個のセグメント発光部が8の字型に配列された7セグメント表示器を2つ並べることによって構成されている。ただし、ラウンド表示部39は、2つの7セグメント表示器に限らず、他の構成であってもよい。
なお、上述したメイン表示部45を構成する各表示部は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。本実施形態では、図柄表示装置41として、液晶表示装置(液晶ディスプレイ)が採用されている。図柄表示装置41の表示内容は、後述する表示制御装置100によって制御される。なお、図柄表示装置41としては、液晶表示装置(液晶ディスプレイ)に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置や、有機EL表示装置、CRTなど、種々の表示装置が採用されてもよい。
図柄表示装置41は、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄又は第2特別図柄表示部37bにおける第2特別図柄が変動表示及び停止表示をする場合に、それに合わせて装飾図柄の変動表示及び停止表示を行なう。また、図柄表示装置41は、装飾図柄の変動表示及び停止表示に限らず、予告演出や特電開閉実行モード中の演出の表示など、各種の演出の表示も行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図123は、図柄表示装置41において変動表示される装飾図柄及び図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図123(A)は、図柄表示装置41の表示面41aにおいて変動表示される装飾図柄の一例を示す説明図である。
図123(A)に示すように、図柄表示装置41には、装飾図柄として、数字の1~8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される装飾図柄として、数字の1~8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図123(B)は、図柄表示装置41の表示面41aの一例を示す説明図である。図示するように、表示面41aの中央には、メイン表示領域MAが表示される。なお、変形例として、表示面41aの右側上方に、メイン表示領域MAよりも小さい領域であるサブ表示領域SAが表示される構成としてもよい。
メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの装飾図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各装飾図柄列Z1~Z3には、図123(A)に示した数字1~8の装飾図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各装飾図柄列Z1~Z3のそれぞれにおいて装飾図柄が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。そして、図123(B)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各装飾図柄列毎に1個の装飾図柄が、有効ラインL1上に停止した状態で表示される。
本実施形態では、第1特図始動口33又は第2特図始動口34に遊技球が入球し、第1特別図柄表示部37a又は第2特別図柄表示部37bにおいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、各装飾図柄列Z1~Z3の装飾図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各装飾図柄が、装飾図柄列Z1、装飾図柄列Z3、装飾図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わる。その後、第1特別図柄表示部37a又は第2特別図柄表示部37bにおいて第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示となったタイミングと同期して、各装飾図柄列Z1~Z3毎に1個の装飾図柄が停止表示した状態となる。主制御装置60による第1特図抽選又は第2特図抽選の結果が特図大当たりであった場合には、各装飾図柄列における装飾図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる際に、予め定められた所定の装飾図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。例えば、同一の装飾図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。なお、各装飾図柄列の装飾図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、装飾図柄列の数、有効ラインの数、各装飾図柄列における装飾図柄のスクロールの方向、各装飾図柄列の装飾図柄の数など、装飾図柄の変動表示の態様としては種々の態様を採用可能である。
次に、装飾図柄におけるリーチについて説明する。リーチとは、図柄表示装置41の表示面41aに表示される複数の装飾図柄列のうち一部の装飾図柄列において、当たりに対応した装飾図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される可能性がある装飾図柄の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの装飾図柄列において装飾図柄の変動表示が行われている表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において、当たりに対応した装飾図柄の組み合わせとは、同一の装飾図柄の組み合わせのことをいう。具体的には、例えば、図123(B)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に装飾図柄列Z1において装飾図柄「7」が停止表示され、次に装飾図柄列Z3において装飾図柄列Z1と同じ装飾図柄「7」が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状態で、装飾図柄列Z2において装飾図柄がスクロールしている(変動表示している)状態をリーチという。そして、当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している装飾図柄と同一の装飾図柄が装飾図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの装飾図柄列において装飾図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された装飾図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
図123(B)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1特図保留表示領域Ds1と、第2特図保留表示領域Ds2とが表示される。
第1特図保留表示領域Ds1には、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて保留された第1特図抽選の個数(保留第1特図抽選の個数)が表示される。保留第1特図抽選とは、未実行の第1特図抽選であって、当該第1特図抽選の抽選結果を報知するための第1特別図柄の変動表示が開始されていない第1特図抽選を言う。本実施形態では、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて保留可能な第1特図抽選の数は4個である。したがって、図示するように、第1特図保留表示領域Ds1には4個の保留第1特図抽選に対応した保留表示が可能である。
第2特図保留表示領域Ds2には、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて保留された第2特図抽選の個数(保留第2特図抽選の個数)が表示される。保留第2特図抽選とは、未実行の第2特図抽選であって、当該第2特図抽選の抽選結果を報知するための第2特別図柄の変動表示が開始されていない第2特図抽選を言う。本実施形態では、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて保留可能な第2特図抽選の数は4個である。したがって、図示するように、第2特図保留表示領域Ds2には4個の保留第2特図抽選に対応した保留表示が可能である。
また、図123(B)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1特別図柄表示部37aに表示される第1特別図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1特図同期表示部Sync1と、第2特別図柄表示部37bに表示される第2特別図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2特図同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1特別図柄表示部37aにおいて第1特別図柄が変動表示をしている場合には特図同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1特別図柄表示部37aにおいて第1特別図柄が停止表示をしている場合には特図同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2特別図柄表示部37bにおいて第2特別図柄が変動表示をしている場合には特図同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2特別図柄表示部37bにおいて第2特別図柄が停止表示をしている場合には特図同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、図柄表示装置41の表示面41aには、メイン表示領域MA、第1特図保留表示領域Ds1、第2特図保留表示領域Ds2、第1特図同期表示部Sync1、および、第2特図同期表示部Sync2が表示される構成としたが、表示面41aにこれらの表示の一部または全部が表示されない構成を採用してもよい。
図柄表示装置41の下方には、ステージ36xが設けられている。ステージ36xは、転動ステージ36x1と、振分ステージ36x2とによって構成されている。転動ステージ36x1は、遊技球を振分ステージ36x2に向けて転動させて流下させる流下部である。振分ステージ36x2は、遊技球を中央ルートと右側ルートと左側ルートとに少なくとも振り分け可能な振分部であり、結果として振り分けられる遊技球に直接的に作用する部分である。本実施形態では、振分ステージ36x2は、遊技球を振り分ける場合に、中央ルートよりも右側ルート及び左側ルートに多くの遊技球を振り分けるように構成されている。すなわち、中央ルートに振り分けられた遊技球の個数よりも、右側ルートに振り分けられた遊技球と左側ルートに振り分けられた遊技球とを合計した個数の方が多くなるように構成されている。本実施形態では、振分ステージ36x2より下方側に第1特図始動口33が設けられており、中央ルートに振り分けられた遊技球は第1特図始動口33に入球する可能性が高い。このため、中央ルートの方が右側ルート及び左側ルートよりも遊技者にとっての価値が高い。本実施形態では、振分ステージ36x2は、樹脂製であり、作動しない構成が採用されている。また、本実施形態では、振分ステージ36x2によって右側ルート又は左側ルートに振り分けられた遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球しても賞球を払い出さない上述したアウト口43が設けられている。なお、振分ステージ36x2によって中央ルートに振り分けられた遊技球が第1特図始動口33及び第2特図始動口34のいずれにも入球しない場合がある。また、本実施形態では、振分ステージ36x2には、第1通路である中央ルート、第2通路である右側ルート及び第3通路である左側ルートの3つのルートが設けられている構成としたが、この構成に代えて、左側ルート(又は右側ルート)が省略された構成とし、遊技球を振り分ける場合に、中央ルートよりも右側ルート(又は左側ルート)に多くの遊技球を振り分ける構成としてもよい。この構成においても、中央ルートに振り分けられた遊技球は第1特図始動口33に入球する可能性が高いため、中央ルートの方が右側ルート(又は左側ルート)よりも遊技者にとっての価値が高い。
なお、本実施形態では、普通図柄の変動表示の実行中は普通電動役物34bは入球不能状態に設定されるので、遊技球を第2特図始動口34に入球させることはできないが、振分ステージ36x2によって中央ルートに振り分けられた遊技球は、普通電動役物34bや各特別電動役物(第1特別電動役物57b及び第2特別電動役物58b)の状態に関わらず、上面が開口した入球口を有する第1特図始動口33に入球可能である。この構成によれば、例えば、普通図柄の変動表示の実行中で第2特図始動口34に遊技球を入球させることができない場合や、第2特図抽選の保留個数が最大値(4個)まで溜まっていてさらに第2特図始動口34に遊技球を入球させても利益がない場合には、遊技者は、第1特図始動口33を狙って遊技球を発射させることが可能となる。すなわち、この構成によれば、状況に応じて適切に遊技球を打ち分けることによって常に利益を狙うことが可能になるといった興趣を遊技者に提供することが可能となる。
また、本実施形態では、普図始動ゲート35、普通電動役物34b及び第2特図始動口34が振分ステージ36x2の上方側に設けられている構成(換言すれば、振分ステージ36x2が普図始動ゲート35、普通電動役物34b及び第2特図始動口34より下方側に設けられている構成)を採用したが、この構成に代えて、普通電動役物34b及び第2特図始動口34が振分ステージ36x2の下方側に設けられている構成を採用し、振分ステージ36x2によって右側ルートに振り分けられた遊技球が普通電動役物34bに到達する場合がある構成としてもよい。この構成によれば、遊技球が振分ステージ36x2によって右側ルートに振り分けられた場合であっても、普通電動役物34bが開放状態になっていれば当該遊技球が第2特図始動口34に入球する可能性があるので、遊技者にさらなるチャンスを与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
《3-2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図124は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。
主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。
また、主制御基板61の入力側には、上述した各種の入球口のそれぞれに設けられた検知センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検知センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて第1特図抽選を実行し、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて第2特図抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、メイン表示部45と、第1特別電動役物57bを開閉動作させる第1特別電動役物駆動部57cと、第2特別電動役物58bを開閉動作させる第2特別電動役物駆動部58cと、普通電動役物34bを開閉動作させる普通電動役物駆動部34cとが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、第1特図抽選を実行した際には、メイン表示部45における第1特別図柄表示部37aの表示制御を実行し、第2特図抽選を実行した際には、メイン表示部45における第2特別図柄表示部37bの表示制御を実行し、普図抽選を実行した際には、メイン表示部45における普通図柄表示部38aの表示制御を実行し、特電開閉実行モードを実行した際には、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。さらに、MPU62は、特電開閉実行モードにおいては、第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58bが開閉されるように第1特別電動役物駆動部57c又は第2特別電動役物駆動部58cの駆動制御を実行し、普電開閉実行モードにおいては、普通電動役物34bが開閉されるように普通電動役物駆動部34cの駆動制御を実行する。
また、主制御基板61の出力側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。主制御装置60は、払出制御装置70に対して、入球判定結果に基づいて、各入球口毎に設定された賞球数に対応した賞球コマンドを送信する。なお、主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63bを参照する。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63bを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における装飾図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる装飾図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、装飾図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、装飾図柄が停止表示している時間は一定である。従って、装飾図柄の変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図125は、RAM64に設けられている各種カウンタと各種記憶エリアを示す説明図である。図125に示すように、RAM64には、MPU62による内部抽選に用いられる各種のカウンタが設けられている。具体的には、本実施形態では、RAM64には、特図当否判定カウンタCs1と、特図種別判定カウンタCs2と、特図リーチ判定カウンタCs3と、特図変動種別判定カウンタCs4と、普図当否判定カウンタCn1と、普図種別判定カウンタCn2と、乱数初期値カウンタCiniとが設けられている。特図当否判定カウンタCs1及び特図種別判定カウンタCs2は、特図抽選の抽選結果を判定する際に用いられる。特図リーチ判定カウンタCs3は、図柄表示装置41に表示される装飾図柄を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かを判定する特図リーチ判定に用いられる。また、特図変動種別判定カウンタCs4は、第1特別図柄表示部37a又は第2特別図柄表示部37bにおける特別図柄の変動時間を決定する際に用いられる。また、普図当否判定カウンタCn1及び普図種別判定カウンタCn2は、普図抽選に用いられる。乱数初期値カウンタCiniは、特図当否判定カウンタCs1の値が1周した際の初期値を設定する際に用いられる。
各カウンタCs1~Cs4、Ciniは、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には、特図保留エリア64bと、特図判定エリア64cと、普図保留エリア64dと、普図判定エリア64eとが設けられている。本実施形態では、第1特図始動口33に遊技球が入球すると、当該入球のタイミングにおける特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3の各値が特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに時系列的に記憶され、第2特図始動口34に遊技球が入球すると、当該入球のタイミングにおける特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3の各値が特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに時系列的に記憶される。また、普図始動ゲート35に遊技球が入球すると、当該入球のタイミングにおける普図当否判定カウンタCn1、普図種別判定カウンタCn2の各値が普図保留エリア64dに時系列的に記憶される。
次に、特図当否判定カウンタCs1の詳細について説明する。特図当否判定カウンタCs1は、特図当たり(特図大当たり又は特図小当たり)に当選するか否かを判定する際に用いられる。この特図当たりに当選するか否かの判定である特図当否判定は、上述した特図抽選の一部である。特図当否判定カウンタCs1は、0~65535の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後は0に戻るように構成されている。また、特図当否判定カウンタCs1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCiniの値が当該特図当否判定カウンタCs1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCiniは、特図当否判定カウンタCs1と同様のループカウンタである(値=0~65535)。
特図当否判定カウンタCs1の値は定期的に更新され、第1特図始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図当否判定カウンタCs1の値が特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図当否判定カウンタCs1の値が特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。
特図当否判定カウンタCs1の値は、第1特図始動口33に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、特図当否判定カウンタCs1の値は、第2特図始動口34に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。本実施形態では、第2特図保留エリアRbに記憶された特図当否判定カウンタCs1の値は、第1特図保留エリアRaに記憶された特図当否判定カウンタCs1の値よりも優先的に、そして記憶された順に特図判定エリア64cに移動される。そして、特図判定エリア64cに移動した特図当否判定カウンタCs1の値は、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている特図当否判定テーブルと照合され、特図当たりに当選するか否かが判定される。
次に、特図種別判定カウンタCs2の詳細について説明する。特図種別判定カウンタCs2は、特別図柄の種別を判定する際に用いられる。この特別図柄の種別の判定である特図種別判定は、上述した特図抽選の一部である。特図種別判定カウンタCs2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後は0に戻るように構成されている。
特図種別判定カウンタCs2は定期的に更新され、第1特図始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図種別判定カウンタCs2の値が、上述した特図当否判定カウンタCs1の値とともに特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図種別判定カウンタCs2の値が特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。
特図種別判定カウンタCs2の値は、第1特図始動口33に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、特図種別判定カウンタCs2の値は、第2特図始動口34に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。本実施形態では、第2特図保留エリアRbに記憶された特図種別判定カウンタCs2の値は、第1特図保留エリアRaに記憶された特図種別判定カウンタCs2の値よりも優先的に、そして記憶された順に、上述した特図当否判定カウンタCs1とともに特図判定エリア64cに移動される。
MPU62は、上述したように、特図判定エリア64eに記憶されている特図当否判定カウンタCs1の値を用いて特図当否判定を行なう。そして、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている複数の特図種別判定テーブルの中から、特図当否判定の結果に対応した一の特図種別判定テーブルを選択し、特図判定エリア64eに記憶されている特図種別判定カウンタCs2の値を、当該選択した特図種別判定テーブルと照合し、特別図柄の種別を判定する。そして、MPU62は、判定した特別図柄の種別に基づいて、特別図柄表示部38aに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。
次に、特図リーチ判定カウンタCs3の詳細について説明する。特図リーチ判定カウンタCs3は、特図当否判定の結果が特図当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。特図リーチ判定カウンタCs3は、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後は0に戻るように構成されている。
特図リーチ判定カウンタCs3は定期的に更新され、第1特図始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図リーチ判定カウンタCs3の値が、上述した特図当否判定カウンタCs1及び特図種別判定カウンタCs2の値とともに特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図リーチ判定カウンタCs3の値が、上述した特図当否判定カウンタCs1及び特図種別判定カウンタCs2の値とともに特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。
特図リーチ判定カウンタCs3の値は、第1特図始動口33に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、特図リーチ判定カウンタCs3の値は、第2特図始動口34に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。本実施形態では、第2特図保留エリアRbに記憶された特図リーチ判定カウンタCs3の値は、第1特図保留エリアRaに記憶された特図リーチ判定カウンタCs3の値よりも優先的に、そして記憶された順に、上述した特図当否判定カウンタCs1及び特図種別判定カウンタCs2の値とともに特図判定エリア64cに移動される。
MPU62は、特図当否判定において特図当たりではないと判定した場合に、特図判定エリア64cに記憶されている特図リーチ判定カウンタCs3の値を、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている特図リーチ判定テーブルと照合し、リーチが発生するか否かを判定する。なお、特図抽選における特図当否判定の結果が特図大当たりである場合には、MPU62は、特図リーチ判定カウンタCs3の値に関係なくリーチ発生と判定する。
次に、特図変動種別判定カウンタCs4の詳細について説明する。特図変動種別判定カウンタCs4は、特別図柄表示部38aにおける特別図柄の変動時間及び図柄表示装置41における装飾図柄の変動時間を決定する際に用いられる。特図変動種別判定カウンタCs4は、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後は0に戻るように構成されている。
特図変動種別判定カウンタCs4は、定期的に更新され、その更新値は、特別図柄の変動表示の開始直前に取得される。そして、取得された特図変動種別判定カウンタCs4の値は、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている特図変動時間テーブルと照合され、特図変動時間が決定される。
次に、普図当否判定カウンタCn1の詳細について説明する。普図当否判定カウンタCn1は、普図当たりに当選するか否かを判定する際に用いられる。この普図当たりに当選するか否かの判定である普図当否判定は、上述した普図抽選の一部である。普図当否判定カウンタCn1は、0~65535の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、普図当否判定カウンタCn1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCiniの値が当該普図当否判定カウンタCn1の初期値として読み込まれる。
普図当否判定カウンタCn1は定期的に更新され、普図始動ゲート35を遊技球が通過した場合には、その更新値は、当該通過のタイミングで普図保留エリア64dに記憶される。
普図当否判定カウンタCn1の値は、普図始動ゲート35に遊技球が入球する毎に4個まで普図保留エリア64dに記憶され、記憶された順に普図判定エリア64eに移動する。そして、普図判定エリア64eに移動した普図当否判定カウンタCn1の値は、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている普図当否判定テーブルと照合され、普図当たりに当選するか否かが判定される。
次に、普図種別判定カウンタCn2の詳細について説明する。普図種別判定カウンタCn2は、普通図柄の種別を判定する際に用いられる。この普通図柄の種別の判定である普図種別判定は、上述した普図抽選の一部である。普図種別判定カウンタCn2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
普図種別判定カウンタCn2は定期的に更新され、普図始動ゲート35に遊技球が入球した場合には、その更新値は、当該入球のタイミングで、上述した普図当否判定カウンタCn1の値とともに普図保留エリア64dに記憶される。
普図種別判定カウンタCn2の値は、普図始動ゲート35に遊技球が入球する毎に4個まで普図保留エリア64dに記憶され、記憶された順に、上述した普図当否判定カウンタCn1の値とともに普図判定エリア64eに移動する。
MPU62は、上述したように、普図判定エリア64eに記憶されている普図当否判定カウンタCn1の値を用いて普図当否判定を行なう。そして、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている複数の普図種別判定テーブルの中から、普図当否判定の結果に対応した一の普図種別判定テーブルを選択し、普図判定エリア64eに記憶されている普図種別判定カウンタCn2の値を、当該選択した普図種別判定テーブルと照合し、普通図柄の種別を判定する。そして、MPU62は、判定した普通図柄の種別に基づいて、普通図柄表示部38aに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。
次に、特図当否判定テーブルについて説明する。
図126は、特図当否判定テーブルの内容を示す説明図である。
上述したように、第1特図始動口33又は第2特図始動口34に遊技球が入球すると、特図当否判定カウンタCs1における0から65535までの範囲内の値から1つの値が取得される。そして、取得された特図当否判定カウンタCs1の値と特図当否判定テーブルとによって、特図当たり(特図大当たり又は特図小当たり)に当選するか否かの判定である特図当否判定が行なわれる。
本実施形態のパチンコ機10は、特図当否判定(特図抽選)の抽選モードとして、特図大当たりに当選する確率の低い低確率モードと、当該低確率モードよりも特図大当たりに当選する確率の高い高確率モードとを実行可能に構成されており、低確率モード中の特図抽選において利用される低確率モード用の特図当否判定テーブルと、高確率モード中の特図抽選において利用される高確率モード用の特図当否判定テーブルとを備えている。さらに、本実施形態では、第1特図抽選と第2特図抽選とにおいても異なる特図当否判定テーブルを備えている。すなわち、本実施形態では、特図抽選において利用する特図当否判定テーブルとして、以下の4種類の特図当否判定テーブルを備えている。
・第1特図当否判定テーブル(低確率モード用)
・第2特図当否判定テーブル(低確率モード用)
・第1特図当否判定テーブル(高確率モード用)
・第2特図当否判定テーブル(高確率モード用)
低確率モード中の第1特図抽選において利用される第1特図当否判定テーブル(低確率モード用)には、特図当否判定カウンタCs1の0から65535までの65536個の値のうち、0から653までの654個の値が特図大当たりに当選となる値として設定されており、その他の値が特図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、低確率モード中の第1特図抽選(第1特図当否判定)の結果は、約100.2分の1の確率で特図大当たりに当選となる。
低確率モード中の第2特図抽選において利用される第2特図当否判定テーブル(低確率モード用)には、特図当否判定カウンタCs1の0から65535までの65536個の値のうち、0から653までの654個の値が特図大当たりに当選となる値として設定されており、その他の値が特図小当たりに当選となる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、低確率モード中の第2特図抽選(第2特図当否判定)の結果は、約100.2分の1の確率で特図大当たりに当選となり、特図大当たりに当選しなかった場合には特図小当たりに当選することになる。
高確率モード中の第1特図抽選において利用される第1特図当否判定テーブル(高確率モード用)には、特図当否判定カウンタCs1の0から65535までの65536個の値のうち、0から654までの655個の値が特図大当たりに当選となる値として設定されており、その他の値が特図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、高確率モード中の第1特図抽選(第1特図当否判定)の結果は、約100.1分の1の確率で特図大当たりに当選となる。
高確率モード中の第2特図抽選において利用される第2特図当否判定テーブル(高確率モード用)には、特図当否判定カウンタCs1の0から65535までの65536個の値のうち、0から654までの655個の値が特図大当たりに当選となる値として設定されており、その他の値が特図小当たりに当選となる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、高確率モード中の第2特図抽選(第2特図当否判定)の結果は、約100.1分の1の確率で特図大当たりに当選となり、特図大当たりに当選しなかった場合には特図小当たりに当選することになる。
次に、特図種別判定テーブルについて説明する。
図127は、特図種別判定テーブルの内容を示す説明図である。上述したように、第1特図始動口33又は第2特図始動口34に遊技球が入球すると、特図種別判定カウンタCs2における0から99までの範囲内の値から1つの値が取得される。そして、上述した特図当否判定の結果と、取得された特図種別判定カウンタCs2の値とによって、特別図柄の種別(停止図柄の種別)を判定する特図種別判定が行なわれる。
本実施形態のパチンコ機10は、第1特図抽選において利用される第1特図種別判定テーブルと、第2特図抽選において利用される第2特図種別判定テーブルとを備えている。
図127に示すように、本実施形態の第1特図種別判定テーブルによれば、特図当否判定の結果が特図大当たり当選である場合には、取得された特図種別判定カウンタCs2の値に関わらず、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄A(2R確変大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図外れである場合には、取得された特図種別判定カウンタCs2の値に関わらず、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄Z(外れ)と判定される。
また、図127に示すように、本実施形態の第2特図種別判定テーブルによれば、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が0~98までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄B(2R通常大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が99である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄C(16R確変大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図小当たり当選である場合には、取得された特図種別判定カウンタCs2の値に関わらず、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄a(小当たり)と判定される。
特別図柄の種別(停止図柄の種別)のうち、特別図柄A(2R確変大当たり)、特別図柄B(2R通常大当たり)、特別図柄C(16R確変大当たり)及び特別図柄a(小当たり)は、いずれも特電開閉実行モードの実行の契機となる点において共通しているが、特電開閉実行モードが実行される際に選択される特電開閉シナリオの種別が異なっている。
特電開閉シナリオは、特電開閉実行モードにおける第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58bの制御の態様が記憶された制御プログラムであり、選択される特電開閉シナリオの種別によって、特電開閉実行モードにおける第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58bの開閉の態様が異なることになる。
次に、特電開閉シナリオ選択テーブルについて説明する。
図128は、特電開閉シナリオ選択テーブルの内容を示す説明図である。特電開閉シナリオ選択テーブルは、特図大当たり又は特図小当たりに当選した場合に、特別図柄の種別に対応した特電開閉シナリオを選択するためのテーブルである。
図128に示すように、本実施形態の特電開閉シナリオ選択テーブルには、特別図柄Aに対応して特電開閉シナリオAが設定されており、特別図柄Bに対応して特電開閉シナリオBが設定されており、特別図柄Cに対応して特電開閉シナリオCが設定されており、特別図柄aに対応して特電開閉シナリオaが設定されている。すなわち、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定の結果が特別図柄Aとなった場合には、特電開閉実行モードの実行の際に特電開閉シナリオAが選択され、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定の結果が特別図柄Bとなった場合には、特電開閉実行モードの実行の際に特電開閉シナリオBが選択され、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定の結果が特別図柄Cとなった場合には、特電開閉実行モードの実行の際に特電開閉シナリオCが選択され、特図当否判定において特図小当たりに当選し、特図種別判定の結果が特別図柄aとなった場合には、特電開閉実行モードの実行の際に特電開閉シナリオaが選択されることになる。
特電開閉シナリオAに基づいた特電開閉実行モードが開始されると、まず、3.0秒間の特電オープニング期間が開始され、その後、特電開閉期間が開始される。当該特電開閉期間においては、第1特別電動役物57bが開放するラウンド遊技が2回(2ラウンド)実行される。そして、1回のラウンド遊技における第1特別電動役物57bの開放回数は1回であり、1回のラウンド遊技は、第1特別電動役物57bが最大開放時間である29.0秒間開放すること、または最大入球個数である10個の遊技球が第1大入賞口57aに入球することのいずれかの条件が成立することによって終了する。また、ラウンド遊技とラウンド遊技の間のインターバル期間(特電インターバル期間)は、1.0秒に設定されている。特電開閉期間が終了すると、3.0秒間の特電エンディング期間が開始される。なお、本実施形態では、上述したように、第1特別電動役物57bの開放中に遊技球が第1大入賞口57aに入球すると、当該遊技球は第1大入賞口57aの内部に設けられたV確入賞口57avに入球することになる。この場合、特電開閉シナリオAに基づいた特電開閉実行モードの終了後の抽選モードは、高確率モードとなる。
特電開閉シナリオBに基づいた特電開閉実行モードが開始されると、まず、0.1秒間の特電オープニング期間が開始され、その後、特電開閉期間が開始される。当該特電開閉期間においては、第2特別電動役物58bが開放するラウンド遊技が2回(2ラウンド)実行される。そして、1回のラウンド遊技における第2特別電動役物58bの開放回数は1回であり、1回のラウンド遊技は、第2特別電動役物58bが最大開放時間である2.0秒間開放すること、または最大入球個数である10個の遊技球が第2大入賞口58aに入球することのいずれかの条件が成立することによって終了する。また、ラウンド遊技とラウンド遊技の間のインターバル期間(特電インターバル期間)は、0.1秒に設定されている。特電開閉期間が終了すると、0.1秒間の特電エンディング期間が開始される。
特電開閉シナリオCに基づいた特電開閉実行モードが開始されると、まず、3.0秒間の特電オープニング期間が開始され、その後、特電開閉期間が開始される。当該特電開閉期間においては、第1特別電動役物57bが開放するラウンド遊技が16回(16ラウンド)実行される。そして、1回のラウンド遊技における第1特別電動役物57bの開放回数は1回であり、1回のラウンド遊技は、第1特別電動役物57bが最大開放時間である29.0秒間開放すること、または最大入球個数である10個の遊技球が第1大入賞口57aに入球することのいずれかの条件が成立することによって終了する。また、ラウンド遊技とラウンド遊技の間のインターバル期間(特電インターバル期間)は、1.0秒に設定されている。特電開閉期間が終了すると、3.0秒間の特電エンディング期間が開始される。なお、本実施形態では、上述したように、第1特別電動役物57bの開放中に遊技球が第1大入賞口57aに入球すると、当該遊技球は第1大入賞口57aの内部に設けられたV確入賞口57avに入球することになる。この場合、特電開閉シナリオCに基づいた特電開閉実行モードの終了後の抽選モードは、高確率モードとなる。
特電開閉シナリオaに基づいた特電開閉実行モードが開始されると、まず、0.1秒間の特電オープニング期間が開始され、その後、特電開閉期間が開始される。当該特電開閉期間においては、第2特別電動役物58bが開放するラウンド遊技が1回(1ラウンド)実行される。そして、1回のラウンド遊技における第2特別電動役物58bの開放回数は1回であり、1回のラウンド遊技は、第2特別電動役物58bが最大開放時間である1.8秒間開放すること、または最大入球個数である10個の遊技球が第2大入賞口58aに入球することのいずれかの条件が成立することによって終了する。特電開閉期間が終了すると、0.1秒間の特電エンディング期間が開始される。
次に、普図当否判定テーブルについて説明する。
図129は、普図当否判定テーブルの内容を示す説明図である。上述したように、普図始動ゲート35に遊技球が入球すると、普図当否判定カウンタCn1における0~65535の範囲内の値から1つの値が取得される。そして、取得された普図当否判定カウンタCn1の値と普図当否判定テーブルとによって、普図当たりに当選するか否かの判定である普図当否判定が行なわれる。
図129に示すように、本実施形態の普図当否判定テーブルには、普図当否判定カウンタCn1の0~65535の65536個の値のうち、0~65534の65535個の値が普図当たりに当選となる値として設定されており、それ以外の値が普図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、普図当否判定の結果は、1/1.0000153の確率で普図当たりに当選となる。
「普図当たり」とは、普電開閉実行モードの開始の契機となる判定結果である。一方、「普図外れ」とは、普電開閉実行モードの開始の契機とはならない判定結果である。
次に、普図種別判定テーブルについて説明する。
図130は、普図種別判定テーブルの内容を示す説明図である。上述したように、普図始動ゲート35に遊技球が入球すると、普図種別判定カウンタCn2における0~99の範囲内の値から1つの値が取得される。そして、取得された普図種別判定カウンタCn2の値と、上述した普図当否判定の結果と、普図種別判定テーブルとによって、普通図柄の種別(停止図柄の種別)を判定する普図種別判定が行なわれる。
図130に示すように、本実施形態の普図種別判定テーブルによれば、普図当否判定の結果が普図当たり当選である場合には、取得された普図種別判定カウンタCn2の値に関わらず、普通図柄の種別(停止図柄の種別)が普通図柄A(普図当たり)と判定され、普図当否判定の結果が普図外れである場合には、取得された普図種別判定カウンタCn2の値に関わらず、普通図柄の種別(停止図柄の種別)が普通図柄Z(普図外れ)と判定される。
普通図柄の種別(停止図柄の種別)のうち、普通図柄A(普図当たり)は、普電開閉実行モードの実行の契機となり、普電開閉実行モードが実行される際に普電開閉シナリオが読み込まれる。普電開閉シナリオは、普電開閉実行モードにおける普通電動役物34bの制御の態様が記憶された制御プログラムである。
次に、普電開閉シナリオ選択テーブルについて説明する。
図131は、普電開閉シナリオ選択テーブルの内容を示す説明図である。普電開閉シナリオ選択テーブルは、普図当たりに当選した場合に、普通図柄の種別に対応した普電開閉シナリオを選択するためのテーブルである。
図131に示すように、本実施形態の普電開閉シナリオ選択テーブルには、普通図柄Aに対応して普電開閉シナリオAが設定されている。すなわち、普図当否判定において普図当たりに当選し、普図種別判定の結果が普通図柄Aとなった場合には、普電開閉実行モードの実行の際に普電開閉シナリオAが選択されることになる。以下、普電開閉シナリオAの詳細について説明する。
普電開閉シナリオAに基づいた普電開閉実行モードが開始されると、まず、0.01秒間の普電オープニング期間が開始され、その後、普電開閉期間が開始される。当該普電開閉期間においては、普通電動役物34bが1回開放し、1回の開放時間は1.0秒に設定されている。普電開閉期間が終了すると、0.01秒間の普電エンディング期間が開始される。
なお、以下の説明では、例えば、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定において特別図柄A(2R確変大当たり)と判定されたことを、「特図抽選において2R確変大当たりに当選した」とも表現する。また、例えば、普図当否判定において普図当たりに当選し、普図種別判定において普通図柄Aと判定されたことを、「普図抽選において普図当たりに当選した」とも表現する。
《3-3》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図132は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。
音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、音声発光制御装置90の全体の制御を司る演算装置であるMPU92と、音信号を生成するとともに生成した音信号に基づいてスピーカー46を駆動して音を出力する音出力LSI97と、種々の音声データが格納されたメモリである音声データ用ROM98とが搭載されている。音声データ用ROM98は、音出力LSI97に接続され、音出力LSI97は、信号線を介してMPU92と接続されている。
MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
音出力LSI97は、MPU92からの指示に基づいて再生すべき音を生成し、生成した音をスピーカー46から出力するDSP(Digital Signal Processor)である。具体的には、音出力LSI97は、MPU92から再生開始指令を受信すると、その再生開始指令によって指示された再生を開始すべき音を特定し、その特定した音に対応する音声データを音声データ用ROM98から読み出し、再生すべき音を生成する。そして、音出力LSI97は、生成した音をスピーカー46から出力する。また、音出力LSI97は、MPU92から再生終了指令を受信すると、その再生終了指令により指示された再生を終了すべき音を特定し、その特定した音の再生を終了する。
音出力LSI97は、16チャンネル分の音声チャンネルを有しており、最大16の音を同時に生成し、合成(ミキシング)した上で、スピーカー46から出力する。また、音出力LSI97は、MPU92からの指示に従って、音声チャンネル毎に再生中の音の出力を消音(ミュート)に設定し、また、その消音設定を解除することができる。消音に設定された音声チャンネルは、音出力LSI97にて該当する音声データを読み出して再生すべき音を生成するものの、他の音声チャンネルの音とミキシングする場合は、消音設定の対象の音声チャンネルの音のレベルを0にするか、消音設定の対象の音声チャンネルの音をミキシング回路に非入力とすることによって、消音設定の対象の音声チャンネルの音をミキシングしないようにしている。これにより、消音設定の対象の音声チャンネルの音がスピーカー46から出力されない。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60、演出操作ボタン24が接続されており、MPU92は、主制御装置60から各種コマンドを受信するとともに、演出操作ボタン24の操作態様を示す信号を受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《3-4》本実施形態のパチンコ機10の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10の概要について説明する。
図133は、本実施形態のパチンコ機10における遊技の流れを説明する説明図である。以下では、図133及び上述した図122を用いて、本実施形態のパチンコ機10における遊技の流れを説明する。
本実施形態のパチンコ機10の通常状態F1は、抽選モードが低確率モードである遊技状態である。一般的に、遊技者が遊技を開始する際のパチンコ機10の遊技状態は、通常状態F1となっている。抽選モードが低確率モードである通常状態F1において、遊技者は、遊技盤30の中央下部に設けられている第1特図始動口33に遊技球が入球するように発射強度を調整しながら操作ハンドル25を操作して遊技球を発射させる(左打ちをする)。遊技球が第1特図始動口33に入球すると、パチンコ機10の主制御装置60は、上述した第1特図抽選を実行し、第1特別図柄表示部37aにおいて第1特別図柄の変動表示を開始させる。また、パチンコ機10の音声発光制御装置90は、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄の変動表示の開始に伴って、図柄表示装置41の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて装飾図柄の変動表示を開始させる。
その後、設定された第1特図変動時間が経過すると、主制御装置60は、第1特別図柄表示部37aにおいて変動中の第1特別図柄を第1特図抽選の抽選結果に対応した表示態様で停止表示させ、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて変動中の装飾図柄を第1特図抽選の抽選結果に対応した表示態様で停止表示させる。遊技者は、第1特別図柄表示部37aにおいて停止表示された第1特別図柄の表示態様又は図柄表示装置41のメイン表示領域MAにおいて停止表示された装飾図柄の表示態様を確認することによって、第1特図抽選の抽選結果を認識することができる。具体的には、本実施形態では、第1特図抽選の結果が特図大当たりである場合には、メイン表示領域MAにおいて変動中の装飾図柄を、3つの装飾図柄列Z1~Z3の数字が同一である表示態様(例えば「777」)で停止表示させる。一方、第1特図抽選の結果が特図外れである場合には、メイン表示領域MAにおいて変動中の装飾図柄を、3つの装飾図柄列Z1~Z3の数字が同一ではない(揃わない)表示態様(例えば「135」)で停止表示させる。
通常状態F1において、遊技者は、第1特図抽選において特図大当たり(2R確変大当たり)に当選することを期待しながら、繰り返し第1特図始動口33に遊技球を入球させる。
ここで、この通常状態F1において、遊技者が通常の遊技の流れに従わずに右打ちをした場合について以下に説明する。通常状態F1において遊技者が右打ちをする場合としては、例えば、通常状態F1において当該パチンコ機10から何かしらの利益が得られないかと右打ちを試してみた場合(当該パチンコ機10を攻略しようとした場合)や、操作ハンドル25を意図せず誤って大きく右に回してしまい、意図せずして右打ちになってしまった場合などが挙げられる。
通常状態F1において、遊技者が右打ちをすると、右側遊技領域PARに向けて発射された遊技球は、閉鎖状態の第1特電入賞装置57の前面側を通過し、第1振分釘群36aに到達する。第1振分釘群36aに到達した遊技球は、約1:4の割合で、普図始動ゲート35に至るルートと振分部である第2振分釘群36bに至るルートとに振り分けられる。より具体的には、本実施形態では、1分間に100個の遊技球が遊技球発射機構81から発射され、右側遊技領域PARに向けて発射された100個の遊技球のうち、約5分の1である約20個の遊技球が普図始動ゲート35に入球し、約5分の4である約80個の遊技球が振分部である第2振分釘群36bに到達する。そして、本実施形態では、普図抽選において普図当たりに当選する確率は65534/65535に設定されており、普図変動時間は、普図抽選の結果に関わらず0.01秒に設定され、普電開閉実行モードにおける普図オープニング期間は0.01秒に設定され、普図開閉期間における開放時間は1.0秒に設定され、普図エンディング期間は0.01秒に設定される。さらに、本実施形態では、普図始動ゲート35に入球した遊技球が普通電動役物34bに到達するまでに要する時間は0.2秒程度である。したがって、普図始動ゲート35に入球した遊技球が到達するタイミングでほぼ100%の確率で普通電動役物34bが開放状態となり、当該遊技球がそのまま第2特図始動口34に入球することになる。
そして、第2振分釘群36bに到達した遊技球は、約1:2の割合で、第1通路である第1ルート36b1と第2通路である第2ルート36b2とに振り分けられる。第1ルート36b1に振り分けられた遊技球は、第2特電入賞装置58の右端側に導かれる。一方、第2ルート36b2に振り分けられた遊技球は、右側アウト口43rに導かれて入球し、遊技領域PAから排出される。より具体的には、本実施形態では、1分間に第2振分釘群36bに到達した約80個の遊技球のうち、約3分の1である約27個の遊技球が第2特電入賞装置58の右端側に導かれ、約3分の2である約53個の遊技球が右側アウト口43rに導かれて入球し、遊技領域PAから排出される。
まとめると、通常状態F1において、遊技者が右打ちをすると、1分間に発射された100個の遊技球のうち、約20個の遊技球が第2特図始動口34に入球し、約27個の遊技球が第2特電入賞装置58の右端側に到達し、残りの約53個の遊技球が遊技領域PAから排出される。
ここで、本実施形態では、通常状態F1において、第2特別図柄の変動時間である第2特図変動時間を、第2特図抽選の抽選結果に関わらず、極短い時間(本実施形態では0.1秒の短変動時間)に設定する設定処理を実行する。また、本実施形態では、第2特図抽選の結果として「外れ」が設定されておらず、第2特図抽選の結果は、特図大当たり当選以外は全て特定結果である特図小当たりに当選となる。したがって、通常状態F1において遊技者が右打ちをすると、第2特図抽選が短期間で繰り返され、特定結果である特図小当たり当選が頻繁に発生し、当該特図小当たりに基づく特電開閉実行モードが頻繁に実行され、第2特別電動役物58bを開放状態に移行させる移行処理が頻繁に実行されることとなる。
通常状態F1において、第2特電入賞装置58の右端側に到達した遊技球は、閉鎖状態の第2特別電動役物58bの板状部材の上を左端側に向けて転動するが、上述したように、本実施形態では切替部である第2特別電動役物58bが頻繁に開放するため、当該遊技球が左端まで転動し切って特別入賞口32sに到達する前に第2特別電動役物58bが開放することとなり、当該遊技球は、第2大入賞口58aに入球することとなり、特別入賞口32sに入球することはない。換言すれば、通常状態F1では、遊技者が右打ちをしたとしても、切替部である第2特別電動役物58bが頻繁に開放することによって、遊技球が特別入賞口32sに入球することが妨げられることになる。
そして、本実施形態では、第2特図始動口34に遊技球が入球した場合に払い出される賞球数は1個に設定され、第2大入賞口58aに遊技球が入球した場合に払い出される賞球数は2個に設定されている。したがって、1分間に100個の遊技球が右側遊技領域PARに向けて発射されると、100個のうち約20個の遊技球が第2特図始動口34に入球し、約27個の遊技球が第2大入賞口58aに入球することとなり、結果として約74個の遊技球が賞球として払い出されることになる。すなわち、通常状態F1において、遊技者が右打ちをしても、発射された遊技球の個数(=100個)よりも、賞球として払い出された遊技球の個数(=約74個)の方が少なくなり、遊技者にとってのメリットはない。
また、本実施形態では、第2特図抽選に設定されている特図大当たりの種別のうち、振り分けの99%が2R通常大当たりであり、1%のみが16R確変大当たりである。2R通常大当たりに基づく特電開閉実行モードにおいて遊技者が獲得することのできる賞球は10個程度であるので、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づく第2特図抽選において特図大当たりに当選し、99%の確率で2R通常大当たりに基づく特電開閉実行モードが実行されたとしても、遊技者は自身の手持ちの遊技球を増やすことができない。また、第2特図抽選において特図大当たりに当選しても、16R確変大当たりに振り分けられる確率は1%であるため、遊技者が16R確変大当たり当選を期待して通常状態F1において右打ちをしたとしても、16R確変大当たりに当選することによって得られる賞球の期待値(利益)よりも、16R確変大当たりに当選するまでに発射した遊技球の個数の方が多くなる(損失の方が大きくなる)ため、遊技者は自身の手持ちの遊技球を増やすことができない。
以上より、本実施形態のパチンコ機10は、通常状態F1において遊技者が右打ちをしても、手持ちの遊技球を増やすことができず、遊技者にメリットがないように構成されている。
通常状態F1において遊技者が左打ちをした場合についての説明に戻る。
通常状態F1において、遊技者が左打ちをして遊技球が第1特図始動口33に入球し、第1特図抽選が実行されて2R確変大当たりに当選すると、パチンコ機10の遊技状態は、2R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF2に移行する。本実施形態では、2R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF2では、第1特電入賞装置57の第1特別電動役物57bが2回開放する。また、2R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF2が開始されると、音声発光制御装置90は、右打ち報知処理を開始する。右打ち報知処理は、遊技者に右打ちを促すための処理であり、本実施形態では、図柄表示装置41の表示面41aに「右打ち」といった文字列と右向きの矢印とを組み合わせた画像を表示させ、スピーカー46から「右打ち!」といった音声を出力させる処理である。右打ち報知処理によって「右打ち」すべきことを認識した遊技者は、右打ちをすることによって、第1大入賞口57aに遊技球を入球させ、賞球を獲得することが可能となる。
さらに、特電開閉実行モードF2においては、第1特別電動役物57bが開放するため、遊技者は、第1大入賞口57a内のV確入賞口57avに遊技球を入球させることができる。V確入賞口57avに遊技球が入球した場合には、2R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF2の終了後における抽選モードは高確率モードとなり、一方、V確入賞口57avに遊技球が入球しなかった場合には、2R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF2の終了後における抽選モードは低確率モードとなり、再び通常状態F1に移行する。すなわち、通常状態F1において2R確変大当たりに当選してV確入賞口57avに遊技球が入球するといった移行条件が成立した場合に、特電開閉実行モードF2を経由して、高確状態F3に移行することになる。以下では、2R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF2においてV確入賞口57avに遊技球が入球した場合について説明する。
2R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF2が終了すると、パチンコ機10の遊技状態は、抽選モードが高確率モードである高確状態F3に移行する。
高確状態F3は、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態であるため、音声発光制御装置90は、上述した右打ち報知処理を実行する。右打ち報知処理によって「右打ち」すべきことを認識した遊技者が右打ちをすると、上述した通常状態F1の場合と同様に、1分間に発射された100個の遊技球のうち、約20個の遊技球が第2特図始動口34に入球し、約27個の遊技球が第2特電入賞装置58の右端側に到達する。
高確状態F3では、第2特別図柄の変動時間である第2特図変動時間を、通常状態F1と比較して、全体的に長い時間(本実施形態では20秒~180秒の長変動時間)に設定する設定処理を実行する。第2特別図柄の変動中においては、大当たり当選や小当たり当選に基づく特電開閉実行モードが発生することはなく、第2特別電動役物58bは閉鎖状態を維持するため、高確状態F3における第2特別電動役物58bは、通常状態F1と比較して、閉鎖状態を維持する期間が長くなる。そして、第2特電入賞装置58の右端側に到達し、閉鎖状態の第2特別電動役物58bの板状部材の上を左端側に向けて転動する遊技球は、第2特別電動役物58bが開放せずに2秒以上閉鎖状態を維持していた場合には、第2大入賞口58aには入球せず、特別入賞口32sに入球することになる。
すなわち、高確状態F3では、第2特別電動役物58bが閉鎖状態を維持している期間が長いほど、第2特電入賞装置58の右端側に到達した遊技球のうち、特別入賞口32sに入球する遊技球の個数が多くなる。換言すれば、高確状態F3において設定される第2特図変動時間が長いほど、第2特別電動役物58bが閉鎖を維持している期間が長くなるので、特別入賞口32sに入球する遊技球の個数が多くなる。そして、本実施形態では、特別入賞口32sに遊技球が入球した場合に払い出される賞球数は15個に設定されている。したがって、本実施形態では、高確状態F3において設定される第2特図変動時間が長いほど、遊技者は、多くの賞球を獲得することが可能となる。
なお、高確状態F3においても、第2特図変動時間が経過し、第2特図抽選の結果、特定結果である特図小当たりに当選し、当該特図小当たりに基づく特電開閉実行モードが実行された場合には、第2特別電動役物58bを開放状態に移行させる移行処理が実行されるため、閉鎖状態の第2特別電動役物58bの板状部材の上を左端側に向けて転動する遊技球は、第2大入賞口58aに入球することとなり、特別入賞口32sに入球しない。
そして、高確状態F3において、第2特図変動時間が経過し、第2特図抽選の結果、2R通常大当たりに当選すると、高確状態F3は終了し、パチンコ機10の遊技状態は、2R通常大当たりに基づく特電開閉実行モードF4に移行する。
2R通常大当たりに基づく特電開閉実行モードF4においては、第2特別電動役物58bが2回開放するが、第2大入賞口58aに遊技球が入球した場合に払い出される賞球数は2個に設定されているため、遊技者は多くの賞球を獲得することはできない。
特電開閉実行モードF4が終了すると、上述した通常状態F1に移行する。遊技者は、右打ちから左打ちに戻し、第1特図始動口33に遊技球を入球させて、再び大当たりに当選することを目指して遊技を行なう。
一方、高確状態F3において、第2特図変動時間が経過し、第2特図抽選の結果、16R確変大当たりに当選すると、高確状態F3は終了し、パチンコ機10の遊技状態は、16R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF5に移行する。
16R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF5では、第1特電入賞装置57の第1特別電動役物57bが16回開放するので、遊技者は、右打ちをすることによって、第1大入賞口57aに遊技球を入球させ、多くの賞球を獲得することが可能となる。
さらに、16R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF5においては、第1特別電動役物57bが開放するため、遊技者は、第1大入賞口57a内のV確入賞口57avに遊技球を入球させることができる。V確入賞口57avに遊技球が入球した場合には、16R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF5の終了後における抽選モードは高確率モードとなり、再び高確状態F3に移行する。一方、V確入賞口57avに遊技球が入球しなかった場合には、16R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF5の終了後における抽選モードは低確率モードとなり、通常状態F1に移行する。
このように、本実施形態では、高確状態F3において特図大当たりに当選し、2R通常大当たりに振り分けられるということは、多くの賞球を獲得することのできる遊技者にとって有利な状態(高確状態F3)が終了してしまうことを意味する。一方、高確状態F3において特図大当たりに当選し、16R確変大当たりに振り分けられるということは、16R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF5において多くの賞球を獲得することができ、かつ、多くの賞球を獲得することのできる遊技者にとって有利な状態(高確状態F3)がさらに継続するので、最も多くの利益が得られる遊技者にとって最高の結果になることを意味する。しかしながら、本実施形態では、第2特図抽選において特図大当たりに当選した場合のうちの1%しか16R確変大当たりに振り分けられないので、遊技者は、高確状態F3において、積極的に特図大当たりに当選して欲しいとは願わず、特図大当たりに当選せずになるべく長く高確状態F3が継続すること、及び、なるべく長い第2特図変動時間が設定されて第2特図抽選の結果が特図小当たりになること、特図大当たりに当選する場合には2R通常大当たりではなく、16R確変大当たりに振り分けられること、を期待しながら遊技を行なう。
次に、上述した高確状態F3において実行され得る演出や、図柄表示装置41に表示され得る情報や画像について説明する。
本実施形態のパチンコ機10では、高確状態F3において、第2特別図柄の変動表示の実行中に、特定有利結果である16R確変大当たりが発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出であるリーチ演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、図134(A)に示すように、リーチ演出として、遊技者側を意味する女性キャラクターと敵側を意味する海賊キャラクターとが戦闘を行なうバトル演出を実行可能である。なお、リーチ演出としてのバトル演出の実行中においても、上述した右打ち報知処理が実行されており、図柄表示装置41の表示面41aに「右打ち」といった文字列と右向きの矢印とを組み合わせた画像GD1が表示される。以下に説明する高確状態F3において実行される他の演出の実行中においても同様である。
そして、遊技者に有利な16R確変大当たりに当選した場合には、バトル演出の後に、当該戦闘の結果(抽選の結果)を告知するバトル結果演出として、バトルに勝利したことを告知するバトル勝利演出を実行し(図134(B))、遊技者に不利な2R通常大当たりに当選した場合には、バトル結果演出として、バトルに敗北したことを告知するバトル敗北演出を実行し(図134(C))、遊技者に有利でも不利でもない特図小当たりに当選した場合には、バトル結果演出として、バトルが引き分けに終わったことを告知するバトル引き分け演出(図134(D))を実行する。
このように、本実施形態では、第2特別図柄の変動表示の実行中に、特定有利結果である16R確変大当たりが発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出であるリーチ演出を実行可能に構成されているので、16R確変大当たりが発生して第2特別図柄の変動表示の終了後に遊技者に有利な高確状態F3が継続するのか否かといった期待感を遊技者に抱かせることができるとともに、当該リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中は、第2特別電動役物58bが閉鎖状態を維持するため、第1ルート36b1に振り分けられた遊技球は、第2大入賞口58aに入球することができず、特別入賞口32sに入球することが可能となる。すなわち、リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中に遊技者は利益を得ることが可能となる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出の実行中は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態によれば、リーチ演出が実行されたにもかかわらず、遊技者に有利な16R確変大当たりが発生しなかったとしても、当該リーチ演出が実行されている期間中に遊技者は多くの賞球を獲得することができる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出に係る特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合に、当該リーチ演出が実行されている期間が、遊技者にとって、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題を解決することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、高確状態F3において、第2特別図柄の変動表示の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出であるカウントダウン演出を実行可能に構成されている。具体的には、図135に示すように、カウントダウン演出として、第2特別図柄の変動表示が終了するまでの時間を示す画像G1を表示する演出を実行する。このカウントダウン演出を実行することにより、第2特別図柄の変動表示が終了するまでの時間、すなわち、遊技球が特別入賞口32sに到達することができなくなるまでの残り時間を遊技者に示唆することができる。この結果、遊技者は、当該カウントダウン演出において表示される数値情報から、遊技球が特別入賞口32sに到達することができなくなるまでの残り時間を読み取ることによって、遊技球の発射の有無やタイミングを調整し、遊技球の無駄な発射を抑制することが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機とは異なり、遊技者にとって好機な状態が、長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示の実行中である。しかしながら、初めて本パチンコ機10で遊技を行なった遊技者にとっては容易に理解できない場合がある。そこで、本実施形態では、高確状態F3において、長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示の実行中に、遊技者に好機な状態であることを示唆する演出である好機示唆演出を実行可能に構成されている。具体的には、図135に示すように、例えば、好機示唆演出として、女性キャラクター画像G2及び「変動中にたくさん球を入れてね!賞球を獲得できるチャンスタイムだよ!」といった文字列G3を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該文字列に対応した音声をスピーカー46から出力させる演出を実行する。したがって、遊技者に対して、この長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示の実行中こそが遊技者にとって好機な状態であることを明確に認識させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機とは異なり、第2大入賞口58aに入球した遊技球の個数ではなく、特別入賞口32sに入球した遊技球の個数が遊技者にとって重要となる。そこで、本実施形態では、高確状態F3において、特別入賞口32sに入球した遊技球の個数に関する情報を表示可能に構成されている。具体的には、図135に示すように、高確状態F3に移行後に特別入賞口32sに入球した遊技球の個数及び特別入賞口32sに遊技球が入球することによって得られた賞球の個数を示す画像G4を図柄表示装置41に表示させる。したがって、本実施形態のパチンコ機10において重要な特別入賞口32sに入球した遊技球の個数を遊技者に注目させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機10とは異なり、第2特別図柄の変動表示の後の抽選結果だけでなく、第2特別図柄の変動表示の期間がどれだけ長く続くのかということが遊技者にとって重要となる。そこで、本実施形態では、高確状態F3において、第2特別図柄の変動表示の実行中に、ステップアップ演出1を実行し、ステップアップ演出1に連続してステップアップ演出2を実行可能に構成されている。具体的には、図136(A)に示すように、ステップアップ演出1として、女性キャラクター画像G5及び「ステップ1!この変動はいつまで続くかな?」といった文字列G6を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該文字列に対応した音声をスピーカー46から出力させる演出を実行する。そして、図136(B)に示すように、ステップアップ演出2として、クジラのキャラクター画像G7及び「ステップ2!まだまだこの変動は続くよ!」といった文字列G8を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該文字列に対応した音声をスピーカー46から出力させる演出を実行する。したがって、遊技者に対して、ステップアップ演出1が実行された場合に、当該ステップアップ演出1の後に連続してステップアップ演出2が実行されて当該第2特別図柄の変動表示がまだまだ継続して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、第2特図変動時間として短変動時間(0.1秒)が設定され得る通常状態F1と、長変動時間(20秒~180秒)が設定され得る高確状態F3とが存在するが、これらの遊技状態の違いは、第2特図変動時間として設定される期間の長さだけであり、また、本実施形態の普通電動役物34bは遊技状態に応じて異なる挙動も示さないので、遊技者は、現在の遊技状態が通常状態F1であるのか高確状態F3であるのかを容易に判別することはできない。そこで、本実施形態では、第2特図変動時間として短変動時間(0.1秒)が設定され得る通常状態F1においては通常状態F1用背景画像を表示可能であり、第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定され得る高確状態F3においては高確状態F3用背景画像を表示可能に構成されている。具体的には、例えば、通常状態F1用背景画像として、青色の海の中の背景画像を表示可能であり、高確状態F3用背景画像として、赤色の海の中の背景画像を表示可能である。したがって、遊技者は、現在の遊技状態が通常状態F1であるのか高確状態F3であるのかを容易に判別することが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機10とは異なり、第2大入賞口58aが入球可能状態(開放状態)となることは、遊技者に有利なことではなく不利なことである。そこで、本実施形態では、第2特別電動役物58bによって第2大入賞口58aが入球可能状態(開放状態)となる場合であっても、第2大入賞口58aが入球可能状態(開放状態)となることを示唆する演出を実行しないので、遊技者に対して、第2大入賞口58aが入球可能状態(開放状態)となることが遊技者にとって有利なことであると誤解を与えてしまうことを回避することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、各入球部を適切に配置するとともに、変動表示時間として設定される期間の長さを適切に制御するので、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。以下、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機における課題を述べた後、本実施形態のパチンコ機10の利点について具体的に説明する。
従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機では、小当たりラッシュ中において、第2特別図柄の変動表示が停止し、当該変動表示に対応した第2特図抽選において小当たりに当選した場合に、特別電動役物が開放して大入賞口に遊技球が入球可能となる。すなわち、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機では、遊技者は、第2特図抽選において小当たりに当選したことに基づいて特別電動役物が開放した場合に利益を得ることができる。
しかし、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行される第2特図抽選は、大当たりを抽選するものでもあるため、大当たりに当選するか否かの期待度を示唆するリーチ演出が実行される場合があり、当該リーチ演出が実行されている期間(第2特別図柄の変動表示の実行中の期間)は小当たりが発生しないため、遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまい、小当たり当選による特別電動役物の開放によって利益を得たい遊技者にとっては非常に歯痒い時間となってしまうといった課題があった。
また、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機の中には、小当たりラッシュ中は常に遊技球の発射を継続させなければ小当たりによる利益を得ることができないパチンコ機が存在する。具体的には、小当たりに当選することになる第2特別図柄の変動表示の実行中にもリーチ演出が実行され得るパチンコ機であって、遊技者が、利益を得ることのできないリーチ演出の実行中(第2特別図柄の変動表示の実行中)に遊技球の浪費を避けようと止め打ち(遊技球の発射を一時的に止めること)をすると、当該リーチ演出の終盤又は終了時に小当たり当選を確認してから遊技球を発射させても、当該小当たり当選に基づく特別電動役物の開放中に遊技球を当該特別電動役物に到達させることができないパチンコ機である。このようなパチンコ機においては、遊技者は、利益を得ることのできないリーチ演出の実行中(第2特別図柄の変動表示の実行中)であっても、変動表示の停止後に発生し得る小当たりによる利益を得るためには止め打ちをすることができず、遊技球の浪費を余儀なくされ、不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
また、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行されたリーチ演出に係る第2特図抽選の結果が外れになった場合には、遊技者は、リーチ演出の実行中に小当たりによる利益も得られず、さらに当該変動表示の停止後にも小当たりによる利益が得られないので、不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
さらに、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行されたリーチ演出に係る第2特図抽選の結果が小当たりラッシュが終了することになる結果(出玉のない通常大当たり)になり、小当たりラッシュが終了してしまった場合には、遊技者は、リーチ演出の実行中に小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうため、非常に不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
このように、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中の期間(第2特別図柄の変動中の期間)は、遊技者にとって、小当たりによる利益を得ることができない非常に歯痒い期間であり、また、止め打ちもできずに遊技球の浪費を余儀なくされる不愉快な期間であり、さらに、リーチ演出に係る第2特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合には、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題があった。
これに対して、本実施形態では、リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中は、第2特別電動役物58bが閉鎖状態を維持するため、第1ルート36b1に振り分けられた遊技球は、第2大入賞口58aに入球することができず、特別入賞口32sに入球することが可能となる。すなわち、リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中に遊技者は利益を得ることが可能となる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出の実行中は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態によれば、リーチ演出が実行されたにもかかわらず、第2特図抽選において遊技者に有利な特図大当たり(出玉もありラッシュも継続する16R確変大当たり)に当選せずに、遊技者に不利な特図大当たり(出玉がなくラッシュも終了してしまう2R通常大当たり)に当選して高確状態F3が終了してしまったとしても、当該リーチ演出が実行されている期間中に遊技者は多くの賞球を獲得することができるので、高確状態F3の終了直前に多量の賞球が払い出されるといった爽快感と満足感を遊技者に与えることができるとともに、当該高確状態F3が終了してしまったことに対する遊技者の怒りや喪失感を和らげることが可能となる。このように、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出に係る特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合に、当該リーチ演出が実行されている期間が、遊技者にとって、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態では、設定される第2特図変動時間の長さによって遊技者の有利度(遊技者が獲得することのできる賞球の個数)が変化するといった新たな遊技性を提供することができる。具体的には、本実施形態では、第2特図変動時間として設定される変動時間が長いほど、遊技者が獲得することのできる賞球数が多くなる。したがって、第2特図変動時間として長い変動時間が設定されて欲しいといった従来にない新しい期待感を遊技者に提供することができる。
また、本実施形態では、第2特別電動役物58bが閉鎖状態を維持することが遊技者にとって有利な事象となっている。これに対して、従来の一般的なパチンコ機では、小当たりに当選して特別電動役物が開放することが遊技者にとって有利な事象となっている。すなわち、本実施形態によれば、遊技者にとって有利な事象が従来とは逆になっているといった新たな遊技性を提供することができる。
さらに、本実施形態によれば、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能な機能(いわゆる同時変動機能)を有さなくても、遊技者が多くの賞球を獲得することのできる遊技状態(いわゆるラッシュ)を実現することができる。同時変動機能を有するパチンコ機では、制御が複雑化するといった課題や、ラッシュ終了後の残存保留をどのように処理するのかといった課題が生じるが、本実施形態によれば、同時変動機能を有さないため、これらの課題が生じないといった効果を奏することができる。
さらに、本実施形態によれば、高確状態F3において払い出される賞球は、特別入賞口32sに遊技球が入球したことに基づく賞球である。換言すれば、高確状態F3において払い出される賞球は、特別電動役物(第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58b)の作動に基づく賞球ではない。したがって、本実施形態によれば、当該パチンコ機10の役物比率及び連続役物比率の値を低減することができ、当該パチンコ機10に設定可能な賞球数の幅を広げることが可能となる。
さらに、本実施形態では、第2振分釘群36bに到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1ルート36b1よりも低い第2ルート36b2に振り分けられる。一方、第2振分釘群36bに到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2ルート36b2よりも高い第1ルート36b1に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い第2特別電動役物58bに到達する。したがって、第2振分釘群36bに到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い第2特別電動役物58bに到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本実施形態によれば、第2特図抽選の結果が特図小当たりである場合の第2特図変動時間として短変動時間(0.1秒)が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている第2特別電動役物58bの板状部材の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が板状部材の上を転動し切る前に短変動時間(0.1秒)が経過して第2特別電動役物58bが入球可能状態となるので、第2大入賞口58aに入球することになり、特別入賞口32sに到達することができない。上述したように、第2大入賞口58aに設定されている賞球数は2個であるため、遊技球が特別入賞口32sに到達することができずに第2大入賞口58aに入球した場合には、遊技者にはほとんど利益がない。
一方、第2特図抽選の結果が特図小当たりである場合の第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている第2特別電動役物58bの板状部材の上を転動中の遊技球は、長変動時間(20秒~180秒)が経過する前に板状部材の上を転動し切って特別入賞口32sに到達し、当該特別入賞口32sに入球可能となる。上述したように、特別入賞口32sに設定されている賞球数は15個であるため、遊技球が第2特別電動役物58bの板状部材の上を転動し切って特別入賞口32sに入球した場合には、遊技者は多くの利益を得ることができる。
このように、本実施形態によれば、第2特図変動時間として設定される期間の長さに応じて、第1ルート36b1に振り分けられた遊技球が、特別入賞口32sに到達できずに第2大入賞口58aに入球する状況と、特別入賞口32sに到達して当該特別入賞口32sに入球可能な状況とを創出することができる。この結果、第2特図変動時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、後述するように、特別入賞口32sに遊技球が入球する場合の方が、第2大入賞口58aに遊技球が入球する場合よりも遊技者にとって有利である構成を採用することによって、第2特図変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、特別入賞口32sに遊技球が入球したことによって払い出される賞球(15個)は、第2大入賞口58aに遊技球が入球したことによって払い出される賞球(2個)よりも多い構成を採用している。この構成を採用した理由について説明する。
遊技を開始した直後の通常状態F1において遊技者が第2振分釘群36bを狙って右打ちをした場合には、第2特図変動時間として短変動時間(0.1秒)が設定されるので、発射された遊技球は、特別入賞口32sには入球せず、第2大入賞口58aに入球することになる。しかしながら、本実施形態によれば、第2大入賞口58aに遊技球が入球したことによって払い出される賞球(2個)は、特別入賞口32sに遊技球が入球したことによって払い出される賞球(15個)よりも少ないので、遊技者は、手持ちの遊技球を増加させることができず、メリットがない。したがって、遊技を開始した直後の通常状態F1において遊技者が第2振分釘群36bを狙って右打ちをすることを抑制することができる。
一方、第2特図変動時間として長変動時間(20秒~120秒)が設定され得る高確状態F3においては、第1ルート36b1に振り分けられた遊技球が、特別入賞口32sに到達して当該特別入賞口32sに入球可能な状況となる。そして、本実施形態によれば、特別入賞口32sに遊技球が入球する場合の方が、第2大入賞口58aに遊技球が入球する場合よりも払い出される賞球が多く、遊技者に有利となるので、第2特図変動時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、遊技球を第1ルート36b1と第2ルート36b2とに振り分ける振分部は、作動しない非作動物である釘の集合体である第2振分釘群36bとして構成されている。この構成を採用した理由について説明する。仮に、振分部が、作動する作動物である構成を採用した場合には、遊技者が作動物の作動のタイミングを計って遊技球を発射させることによって、価値の高い第1ルート36b1のみに遊技球が振り分けられるようにすることが可能になってしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態によれば、振分部は、作動しない非作動物である第2振分釘群36bによって構成されているので、遊技者は、価値の高い第1ルート36b1のみに遊技球が振り分けられるように作動物の作動のタイミングを計って遊技球を発射させるといったことができなくなる。したがって、本パチンコ機10の設計時に意図された振り分けの割合で遊技球が振り分けられるようにすることができる。
さらに、本実施形態では、第2ルート36b2に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球しても賞球を払い出さない右側アウト口43rが設けられている。したがって、第2ルート36b2に振り分けられた遊技球が、本パチンコ機10の設計当初の想定に反して第2特別電動役物58bに到達してしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、第2特図変動時間として短変動時間(0.1秒)が設定され得る通常状態F1において、確変大当たりに当選してV確入賞口57avに遊技球が入球するといった移行条件が成立した場合に、特電開閉実行モードF2を経由して、第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定され得る高確状態F3に移行する。本実施形態では、第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定された場合の方が、短変動時間(0.1秒)が設定された場合よりも遊技者にとって有利であるので、遊技者に対して、通常状態F1において早く確変大当たりに当選してV確入賞口57avに遊技球が入球するといった移行条件が成立して高確状態F3に移行して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
さらに、本実施形態では、第2特別図柄の変動表示の実行中に、特定有利結果である16R確変大当たりが発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出であるリーチ演出を実行可能に構成されているので、16R確変大当たりが発生して第2特別図柄の変動表示の終了後に遊技者に有利な高確状態F3が継続するのか否かといった期待感を遊技者に抱かせることができるとともに、当該リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中は、第2特別電動役物58bが閉鎖状態を維持するため、第1ルート36b1に振り分けられた遊技球は、第2大入賞口58aに入球することができず、特別入賞口32sに入球することが可能となる。すなわち、リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中に遊技者は利益を得ることが可能となる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出の実行中は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態によれば、リーチ演出が実行されたにもかかわらず、遊技者に有利な16R確変大当たりが発生しなかったとしても、当該リーチ演出が実行されている期間中に遊技者は多くの賞球を獲得することができる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出に係る特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合に、当該リーチ演出が実行されている期間が、遊技者にとって、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態では、第2特別図柄の変動表示の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出であるカウントダウン演出を実行可能であるので、第2特別図柄の変動表示が終了するまでの時間、すなわち、遊技球が特別入賞口32sに到達することができなくなるまでの残り時間を遊技者に示唆することができる。この結果、遊技者は、当該カウントダウン演出において表示される数値情報から、遊技球が特別入賞口32sに到達することができなくなるまでの残り時間を読み取ることによって、遊技球の発射の有無やタイミングを調整し、遊技球の無駄な発射を抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機とは異なり、遊技者にとって好機な状態が、長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示の実行中である。しかしながら、初めて本パチンコ機10で遊技を行なった遊技者にとっては容易に理解できない場合がある。そこで、本実施形態では、長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示の実行中に、遊技者に好機な状態であることを示唆する演出である好機示唆演出を実行可能であるので、遊技者に対して、この長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示の実行中こそが遊技者にとって好機な状態であることを明確に認識させることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機10とは異なり、第2特別図柄の変動表示の後の抽選結果だけでなく、第2特別図柄の変動表示の期間がどれだけ長く続くのかということが遊技者にとって重要となる。そこで、本実施形態では、第2特別図柄の変動表示の実行中に、ステップアップ演出1を実行し、ステップアップ演出1に連続してステップアップ演出2を実行可能であるので、遊技者に対して、ステップアップ演出1が実行された場合に、当該ステップアップ演出1の後に連続してステップアップ演出2が実行されて当該第2特別図柄の変動表示がまだまだ継続して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機とは異なり、第2大入賞口58aに入球した遊技球の個数ではなく、特別入賞口32sに入球した遊技球の個数が遊技者にとって重要となる。そこで、本実施形態では、特別入賞口32sに入球した遊技球の個数に関する情報を表示可能であるので、本実施形態のパチンコ機10において重要な特別入賞口32sに入球した遊技球の個数を遊技者に注目させることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、第2特図変動時間として短変動時間(0.1秒)が設定され得る通常状態F1と、長変動時間(20秒~180秒)が設定され得る高確状態F3とが存在するが、これらの遊技状態の違いは、第2特図変動時間として設定される期間の長さだけであり、また、本実施形態の普通電動役物34bは遊技状態に応じて異なる挙動も示さないので、遊技者は、現在の遊技状態が通常状態F1であるのか高確状態F3であるのかを容易に判別することはできない。そこで、本実施形態では、第2特図変動時間として短変動時間(0.1秒)が設定され得る通常状態F1においては通常状態F1用背景画像を表示可能であり、第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定され得る高確状態F3においては高確状態F3用背景画像を表示可能であるので、遊技者は、現在の遊技状態が通常状態F1であるのか高確状態F3であるのかを容易に判別することが可能となる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機10とは異なり、第2大入賞口58aが入球可能状態(開放状態)となることは、遊技者に有利なことではなく不利なことである。そこで、本実施形態では、第2特別電動役物58bによって第2大入賞口58aが入球可能状態(開放状態)となる場合であっても、第2大入賞口58aが入球可能状態(開放状態)となることを示唆する演出を実行しないので、遊技者に対して、第2大入賞口58aが入球可能状態(開放状態)となることが遊技者にとって有利なことであると誤解を与えてしまうことを回避することができる。
このように、本遊技機では、内部抽選に係る変動表示の実行中は切替部が入球不能状態を維持するため、第1通路に振り分けられた遊技球は、第3入球部に入球することができないが、第2入球部に入球することは可能となっている。したがって、切替部が入球不能状態である場合には第2入球部に遊技球を入球させるといった興趣を遊技者に提供することが可能となる。すなわち、切替部の各状態に応じて入球可能な入球部を設けることによって、常に遊技の興趣を遊技者に提供することが可能となる。
《3-5》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
上述した遊技を進行させるために、主制御装置60の主側MPU62は、通常処理及びタイマ割込み処理を実行する。主側MPU62は、通常処理及びタイマ割込み処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<通常処理>
通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。
図137は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSz0101では、起動初期設定処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップSz0102に進む。
ステップSz0102では、起動コマンドを音声発光制御装置90に対して送信する。起動コマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップSz0103に進む。
ステップSz0103では、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可設定を実行する。その後、無限ループ処理を繰り返して待機するとともに、後述するタイマ割込み処理が定期的に(本実施形態では2ms毎に)実行される。
<タイマ割込み処理>
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(本実施形態では2msec周期)に実行される。
図138は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。ステップSz1101では、各種検知センサーの読み込み処理を実行する。具体的には、主制御装置60に接続されている各種検知センサーの状態を読み込み、当該センサーの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSz0102に進む。
ステップSz1102では、各種カウンタ更新処理を実行する。具体的には、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3、特図変動種別カウンタCs4、普図当否判定カウンタCn1、普図種別判定カウンタCn2、乱数初期値カウンタCiniの値にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタCs1~Cs4、Cn1、Cn2、Ciniの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSz1103に進む。
ステップSz1103では、各入球口用の入球処理を実行する。各入球口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSz1103を実行した後、ステップSz1104に進む。
ステップSz1104では、特図特電制御処理を実行する。特図特電制御処理は、第1特図始動口33又は第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて上述した特図抽選を実行し、第1特別図柄表示部37a、第2特別図柄表示部37b、第1特別電動役物57b及び第2特別電動役物58bを制御する処理である。特図特電制御処理の詳細については後述する。ステップSz1104を実行した後、ステップSz1105に進む。
ステップSz1105では、普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理は、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づいて上述した普図抽選を実行し、普通図柄表示部38a及び普通電動役物34bを制御する処理である。普図普電制御処理の詳細については後述する。ステップSz1105を実行した後、ステップSz1106に進む。
ステップSz1106では、上記各処理において送信対象として設定された各種コマンドや各種出力データを払出制御装置70や音声発光制御装置90等のサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドが設定されてる場合には当該コマンドを払出制御装置70に対して送信する。また、各種の演出に関するコマンドが設定されている場合にはそれらのコマンドを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSz1106を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<各入球口用の入球処理>
次に、各入球口用の入球処理について説明する。各入球口用の入球処理は、上述したタイマ割込み処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図139は、各入球口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSz1201では、一般入賞口用の入球処理を実行する。一般入賞口用の入球処理では、一般入賞口32への遊技球の入球を検知した場合に、当該一般入賞口32に設定された賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。ステップSz1201を実行した後、ステップSz1202に進む。
ステップSz1202では、特別入賞口用の入球処理を実行する。特別入賞口用の入球処理では、特別入賞口32sへの遊技球の入球を検知した場合に、当該特別入賞口32sに設定された賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。ステップSz1202を実行した後、ステップSz1203に進む。
ステップSz1203では、大入賞口用の入球処理を実行する。大入賞口用の入球処理では、第1大入賞口57a又は第2大入賞口58aへの遊技球の入球を検知した場合に、当該第1大入賞口57a又は第2大入賞口58aに設定された賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。ステップSz1203を実行した後、ステップSz1204に進む。
ステップSz1204では、第1特図始動口用の入球処理を実行する。第1特図始動口用の入球処理では、第1特図始動口33への遊技球の入球を検知した場合に、各種の処理を実行する。第1特図始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSz1204を実行した後、ステップSz1205に進む。
ステップSz1205では、第2特図始動口用の入球処理を実行する。第2特図始動口用の入球処理では、第2特図始動口34への遊技球の入球を検知した場合に、各種の処理を実行する。第2特図始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSz1205を実行した後、ステップSz1206に進む。
ステップSz1206では、普図始動ゲート用の入球処理を実行する。普図始動ゲート用の入球処理では、普図始動ゲート35への遊技球の入球を検知した場合に、各種の処理を実行する。普図始動ゲート用の入球処理の詳細については後述する。ステップSz1206実行した後、ステップSz1207に進む。
ステップSz1207では、V確入賞口用の入球処理を実行する。V確入賞口用の入球処理では、V確入賞口57avへの遊技球の入球を検知した場合に、各種の処理を実行する。V確入賞口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSz1207実行した後、本各入球口用の入球処理を終了する。
<第1特図始動口用の入球処理>
次に、第1特図始動口用の入球処理について説明する。第1特図始動口用の入球処理は、上述した各入球口用の入球処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図140は、第1特図始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSz1301では第1特図始動口33に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSz1301において、第1特図始動口33に遊技球が入球したと判定した場合には(ステップSz1301:YES)、ステップSz1302に進み、第1特図始動口33に設定された賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップSz1303に進む。一方、ステップSz1301において、第1特図始動口33に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(ステップSz1301:NO)、本第1特図始動口用の入球処理を終了する。
ステップSz1303では、第1特図保留個数Ns1が上限値未満であるか否かを判定する。なお、第1特図保留個数Ns1は、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて保留されている(実行待ちの)第1特図抽選の数を示す値である。本実施形態では、第1特図保留個数Ns1の上限値(最大値)は4である。
ステップSz1303において、第1特図保留個数Ns1が上限値未満であると判定した場合には(ステップSz1303:YES)、ステップSz1304に進み、第1特図保留個数Ns1に1を加算する。その後、ステップSz1305に進む。
ステップSz1305では、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値をRAM64の特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSz1303において1を加算した第1特図保留個数Ns1に対応する記憶エリアに記憶する。その後、ステップSz1306に進む。
ステップSz1306では、第1特図先判定処理を実行する。第1特図先判定処理は、ステップSz1305において取得された特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値(第1特図保留情報)に基づいて、第1特図抽選の判定結果(特図当否判定の判定結果、特図種別判定の判定結果、特図リーチ発生の有無の判定結果等)を、当該第1特図保留情報が第1特別図柄の変動を伴う第1特図抽選の対象となるよりも前に判定する処理である。ステップSz1306を実行した後、ステップSz1307に進む。
ステップSz1307では、第1特図保留コマンドを設定する。具体的には、上述した第1特図先判定処理の各判定結果を第1特図保留コマンドとして設定する。第1特図保留コマンドは、サブ側の制御装置に対して、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された第1特図保留情報に対する第1特図先判定処理の判定結果を、当該第1特図保留情報が第1特別図柄の変動を伴う第1特図抽選の対象となるよりも前に認識させるためのコマンドである。音声発光制御装置90は、第1特図保留コマンドを受信すると、図柄表示装置41の第1特図保留表示領域Ds1における表示を第1特図保留個数Ns1の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1特図保留表示領域Ds1における表示を第1特図保留個数Ns1の増加に対応させて変更する。ステップSz1307を実行した後、第2入球部である第1特図始動口33用の入球処理を終了する。
一方、ステップSz1303において、第1特図保留個数Ns1が上限値未満ではないと判定した場合(ステップSz1303:NO)、すなわち、第1特図保留個数Ns1が上限値であると判定した場合には、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値を特図保留エリア64bに記憶することなく、本第1特図始動口用の入球処理を終了する。
<第2特図始動口用の入球処理>
次に、第2特図始動口用の入球処理について説明する。第2特図始動口用の入球処理は、上述した各入球口用の入球処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図141は、第2特図始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSz1401では第2特図始動口34に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSz1401において、第2特図始動口34に遊技球が入球したと判定した場合には(ステップSz1401:YES)、ステップSz1402に進み、第2特図始動口34に設定された賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップSz1403に進む。一方、ステップSz1401において、第2特図始動口34に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(ステップSz1401:NO)、本第2特図始動口用の入球処理を終了する。
ステップSz1403では、第2特図保留個数Ns2が上限値未満であるか否かを判定する。なお、第2特図保留個数Ns2は、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて保留されている(実行待ちの)第2特図抽選の数を示す値である。本実施形態では、第2特図保留個数Ns2の上限値(最大値)は4である。
ステップSz1403において、第2特図保留個数Ns2が上限値未満であると判定した場合には(ステップSz1403:YES)、ステップSz1404に進み、第2特図保留個数Ns2に1を加算する。その後、ステップSz1405に進む。
ステップSz1405では、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値をRAM64の特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSz1403において1を加算した第2特図保留個数Ns2に対応する記憶エリアに記憶する。その後、ステップSz1406に進む。
ステップSz1406では、第2特図先判定処理を実行する。第2特図先判定処理は、ステップSz1405において取得された特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値(第2特図保留情報)に基づいて、第2特図抽選の判定結果(特図当否判定の判定結果、特図種別判定の判定結果、特図リーチ発生の有無の判定結果等)を、当該第2特図保留情報が第2特別図柄の変動を伴う第2特図抽選の対象となるよりも前に判定する処理である。ステップSz1406を実行した後、ステップSz1407に進む。
ステップSz1407では、第2特図保留コマンドを設定する。具体的には、上述した第2特図先判定処理の各判定結果を第2特図保留コマンドとして設定する。第2特図保留コマンドは、サブ側の制御装置に対して、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された第2特図保留情報に対する第2特図先判定処理の判定結果を、当該第2特図保留情報が第2特別図柄の変動を伴う第2特図抽選の対象となるよりも前に認識させるためのコマンドである。音声発光制御装置90は、第2特図保留コマンドを受信すると、図柄表示装置41の第2特図保留表示領域Ds2における表示を第2特図保留個数Ns2の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2特図保留表示領域Ds2における表示を第2特図保留個数Ns2の増加に対応させて変更する。ステップSz1407を実行した後、第3入球部である第2特図始動口34用の入球処理を終了する。
一方、ステップSz1403において、第2特図保留個数Ns2が上限値未満ではないと判定した場合(ステップSz1403:NO)、すなわち、第2特図保留個数Ns2が上限値であると判定した場合には、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値を特図保留エリア64bに記憶することなく、本第2特図始動口用の入球処理を終了する。
<普図始動ゲート用の入球処理>
次に、普図始動ゲート用の入球処理について説明する。普図始動ゲート用の入球処理は、上述した各入球口用の入球処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図142は、普図始動ゲート用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSz1501では普図始動ゲート35に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSz1501において、普図始動ゲート35に遊技球が入球したと判定した場合には(ステップSz1501:YES)、ステップSz1502に進む。一方、ステップSz1501において、普図始動ゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(ステップSz1501:NO)、本普図始動ゲート用の入球処理を終了する。
ステップSz1502では、普図保留個数Nn1が上限値未満であるか否かを判定する。なお、普図保留個数Nn1は、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づいて保留されている(実行待ちの)普図抽選の数を示す値である。本実施形態では、普図保留個数Nn1の上限値(最大値)は4である。
ステップSz1502において、普図保留個数Nn1が上限値未満であると判定した場合には(ステップSz1502:YES)、ステップSz1503に進み、普図保留個数Nn1に1を加算する。その後、ステップSz1504に進む。
ステップSz1504では、普図当否判定カウンタCn1及び普図種別判定カウンタCn2の各値をRAM64の普図保留エリア64dの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSz1503において1を加算した普図保留個数Nn1に対応する記憶エリアに記憶する。その後、ステップSz1505に進む。
ステップSz1505では、普図保留コマンドを設定する。普図保留コマンドは、サブ側の制御装置に対して、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づいて普図抽選が保留されたことを認識させるためのコマンドである。ステップSz1505を実行した後、第1入球部である普図始動ゲート35用の入球処理を終了する。
一方、ステップSz1502において、普図保留個数Nn1が上限値未満ではないと判定した場合(ステップSz1502:NO)、すなわち、普図保留個数Nn1が上限値であると判定した場合には、普図当否判定カウンタCn1及び普図種別判定カウンタCn2の各値を普図保留エリア64dに記憶することなく、本普図始動ゲート用の入球処理を終了する。
<V確入賞口用の入球処理>
次に、V確入賞口用の入球処理について説明する。V確入賞口用の入球処理は、上述した各入球口用の入球処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図143は、V確入賞口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSz1601では、V確入賞口57avに遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSz1601において、V確入賞口57avに遊技球が入球したと判定した場合には(ステップSz1601:YES)、ステップSz1602に進み、主側RAM64に記憶されているV確入賞フラグがONであるか否かを判定する。V確入賞フラグは、V確入賞口57avに遊技球が入球した場合にONとなり、特電開閉実行モードの終了後に高確率モードフラグがONとなった際にOFFとなるフラグである。ステップSz1602では、既にV確入賞フラグがONとなっているか否かを判定することによって、複数個の遊技球がV確入賞口57avに入球した場合であっても後述するステップSz1603からステップSz1605の処理が重複して実行されない構成を採用している。
ステップSz1602において、V確入賞フラグがONではないと判定した場合には(ステップSz1602:NO)、ステップSz1603に進み、V確入賞フラグをONにする。その後、ステップSz1604に進み、V確入賞コマンドを設定する。V確入賞コマンドは、V確入賞口57avに遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。音声発光制御装置90は、V確入賞コマンドを受信すると、遊技球がV確入賞口57avに入球したことを示唆する演出であるV確入賞演出を実行する。ステップSz1604を実行した後、本V確入賞口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSz1601においてV確入賞口57avに遊技球が入球していないと判定した場合(ステップSz1601:NO)及びステップSz1602においてV確入賞フラグがONであると判定した場合(ステップSz1602:YES)には、上述したステップSz1603及びステップSz1604の処理を実行することなく、本V確入賞口用の入球処理を終了する。
<特図特電制御処理>
次に、特図特電制御処理について説明する。特図特電制御処理は、上述したタイマ割込み処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図144は、特図特電制御処理を示すフローチャートである。ステップSz2101では、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄又は第2特別図柄表示部37bにおける第2特別図柄の変動を開始させるための処理である特別図柄変動開始処理を実行する。特別図柄変動開始処理の詳細については後述する。ステップSz2101を実行した後、ステップSz2102に進む。
ステップSz2102では、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄又は第2特別図柄表示部37bにおける第2特別図柄の変動を停止させるための処理である特別図柄変動停止処理を実行する。特別図柄変動停止処理の詳細については後述する。ステップSz2102を実行した後、ステップSz2103に進む。
ステップSz2103では、特別図柄の変動を停止させた後の処理である特別図柄変動停止後処理を実行する。特別図柄変動停止後処理の詳細については後述する。ステップSz2103を実行した後、ステップSz2104に進む。
ステップSz2104では、特電開閉実行モード開始処理を実行する。特電開閉実行モード開始処理は、特電開閉実行モードを開始させる条件が成立した場合に、特電開閉実行モードを開始させる処理である。特電開閉実行モード開始処理の詳細については後述する。ステップSz2104を実行した後、ステップSz2105に進む。
ステップSz2105では、特電オープニング期間中処理を実行する。特電オープニング期間中処理は、特電オープニング期間中に実行する処理である。特電オープニング期間中処理の詳細については後述する。ステップSz2105を実行した後、ステップSz2106に進む。
ステップSz2106では、特電開閉期間中処理を実行する。特電開閉期間中処理は、特電開閉期間中に実行する処理である。特電開閉期間中処理の詳細については後述する。ステップSz2106を実行した後、ステップSz2107に進む。
ステップSz2107では、特電エンディング期間中処理を実行する。特電エンディング期間中処理は、特電エンディング期間中に実行する処理である。特電エンディング期間中処理の詳細については後述する。ステップSz2107を実行した後、本特図特電制御処理を終了する。
<特別図柄変動開始処理>
次に、特別図柄変動開始処理について説明する。特別図柄変動開始処理は、上述した特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図145は、特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSz2201では、主側RAM64に記憶されている特図特電制御値が「01」であるか否かを判定する。特図特電制御値は、特別図柄及び特別電動役物の制御の進行状況がどの段階であるのかを示す値であり、本実施形態では、特図特電制御値が「01」であることは、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれもが変動していない状態であり、かつ、特電開閉実行モードも実行されていない状態であること示している。換言すれば、特図特電制御値が「01」であることは、第1特図保留個数Ns1又は第2特図保留個数Ns2が1以上となっている場合に第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始することが可能な状態であることを示している。本実施形態では、特図特電制御値は、上述した起動初期設定処理において最初に「01」に設定される。
ステップSz2201において、特図特電制御値が「01」ではないと判定した場合には(ステップSz2201:NO)、後述するステップSz2202以降の処理のいずれも実行することなく、本特別図柄変動開始処理を終了する。すなわち、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかが変動している状態や、特電開閉実行モードの実行中には、特別図柄の変動は開始されない。一方、ステップSz2201において、特図特電制御値が「01」であると判定した場合には(ステップSz2201:NO)、ステップSz2202に進む。
ステップSz2202では、第2特図保留個数Ns2が「1」以上であるか否かを判定する。ステップSz2202において、第2特図保留個数Ns2が「1」以上であると判定した場合には(ステップSz2202:YES)、ステップSz2203に進み、第2特図保留個数Ns2から1を減算する。その後、ステップSz2204に進む。
ステップSz2204では、特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbの各エリアに記憶されている第2特図保留情報をシフトさせる処理である第2特図保留情報シフト処理を実行する。具体的には、第2特図保留情報シフト処理では、第2特図保留エリアRbの第1エリアに記憶されている第2特図保留情報を特図判定エリア64cに移動させた後、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった順に各エリア内の第2特図保留情報をシフトさせる。ステップSz2204を実行した後、後述するステップSz2208に進む。
ステップSz2202において、第2特図保留個数Ns2が「1」以上ではないと判定した場合には(ステップSz2202:NO)、ステップSz2205に進み、第1特図保留個数Ns1が「1」以上であるか否かを判定する。ステップSz2205において、第1特図保留個数Ns1が「1」以上ではないと判定した場合には(ステップSz2205:NO)、本特別図柄変動開始処理を終了する。一方、ステップSz2205において、第1特図保留個数Ns1が「1」以上であると判定した場合には(ステップSz2205:YES)、ステップSz2206に進み、第1特図保留個数Ns1から1を減算する。その後、ステップSz2207に進む。
ステップSz2207では、特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaの各エリアに記憶されている第1特図保留情報をシフトさせる処理である第1特図保留情報シフト処理を実行する。具体的には、第1特図保留情報シフト処理では、第1特図保留エリアRaの第1エリアに記憶されている第1特図保留情報を特図判定エリア64cに移動させた後、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった順に各エリア内の第1特図保留情報をシフトさせる。ステップSz2207を実行した後、ステップSz2208に進む。
ステップSz2208では、特図当たり(特図大当たり又は特図小当たり)に当選するか否かを判定する処理である特図当否判定処理を実行する。具体的には、特図当否判定処理では、抽選モード及び保留の種別に基づいて上述した特図当否判定テーブルを選択し、選択した特図当否判定テーブルと、特図判定エリア64cに記憶された特図当否判定カウンタCs1の値とに基づいて、特図当たりに当選するか否かを判定する。ステップSz2208を実行した後、ステップSz2209に進む。
ステップSz2209では、特別図柄の種別(停止図柄の種別)を判定する処理である特図種別判定処理を実行する。具体的には、特図種別判定処理では、特図当否判定の結果と、特図判定エリア64cに記憶された特図種別判定カウンタCs2の値と、特図種別判定テーブルとに基づいて、特別図柄の種別を判定する。ステップSz2209を実行した後、ステップSz2210に進む。
ステップSz2210では、特図種別判定処理において判定した特別図柄の種別に対応した特図種別フラグをONにする。具体的には、例えば、特図種別判定処理において特別図柄Aであると判定した場合には、特図種別フラグとして特別図柄AフラグをONにし、特別図柄Bであると判定した場合には、特図種別フラグとして特別図柄BフラグをONにする。ステップSz2210を実行した後、ステップSz2211に進む。
ステップSz2211では、特図変動時間設定処理を実行する。特図変動時間設定処理は、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄の変動時間(第1特図変動時間)及び第2特別図柄表示部37bにおける第2特別図柄の変動時間(第2特図変動時間)を設定する処理である。具体的には、特図変動時間設定処理では、抽選モードと、保留の種別と、特図当否判定の結果と、特図判定エリア64cに記憶された特図リーチ判定カウンタCs3の値と、特図変動種別カウンタCs4の値と、特図変動時間テーブルとに基づいて特図変動時間を決定し、決定した特図変動時間に対応した値を特図変動時間タイマカウンタに設定する。ステップSz2211を実行した後、ステップSz2212に進む。
ステップSz2212では、特図変動用コマンドを設定する。特図変動用コマンドには、今回の特別図柄の変動が第1特図始動口33又は第2特図始動口34のいずれの特図始動口への遊技球の入球に基づくものであるのかを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及び設定された特図変動時間の情報が含まれている。ステップSz2212を実行した後、ステップSz2213に進む。
ステップSz2213では、特図種別コマンドを設定する。特図種別コマンドには、特図当否判定の結果(特図当たりの有無)及び特図種別判定の結果(特別図柄の種別)の情報が含まれる。
ステップSz2212及びステップSz2213にて設定された特図変動用コマンド及び特図種別コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した特図変動用コマンド及び特図種別コマンドに基づいて演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSz2213を実行後、ステップSz2214に進む。
ステップSz2214では、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄又は第2特別図柄表示部37bにおける第2特別図柄の変動を開始させる。その後、ステップSz2215に進み、特図特電制御値に「02」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「02」であることは、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中の状態であることを示している。その後、本特別図柄変動開始処理を終了する。
<特別図柄変動停止処理>
次に、特別図柄変動停止処理について説明する。特別図柄変動停止処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図146は、特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。ステップSz2301では、特図特電制御値が「02」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「02」であることは、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中の状態であることを示している。ステップSz2301において、特図特電制御値が「02」ではないと判定した場合には(ステップSz2301:NO)、本特別図柄変動停止処理を終了する。一方、ステップSz2301において、特図特電制御値が「02」であると判定した場合には(ステップSz2301:YES)、ステップSz2302に進む。
ステップSz2302では、上述した特図変動時間設定処理において設定された特図変動時間が経過したか否かを判定する。具体的には、主側RAM64における特図変動時間タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となっている場合には、特図変動時間が経過したと判定する。ステップSz2302において、特図変動時間が経過していないと判定した場合には(ステップSz2302:NO)、本特別図柄変動停止処理を終了する。一方、ステップSz2302において、特図変動時間が経過したと判定した場合には(ステップSz2302:YES)、ステップSz2303に進む。
ステップSz2303では、第1特別図柄表示部37a又は第2特別図柄表示部37bにおいて変動中の第1特別図柄又は第2特別図柄を、ONとなっている特図種別フラグに対応した表示態様で停止表示させる。これにより、第1特別図柄表示部37a又は第2特別図柄表示部37bには、第1特図抽選又は第2特図抽選の結果に対応した表示態様の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示される。ステップSz2303を実行した後、ステップSz2304に進む。
ステップSz2304では、特図停止表示時間設定処理を実行する。特図停止表示時間設定処理は、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄の停止表示時間(第1特図停止表示時間)及び第2特別図柄表示部37bにおける第2特別図柄の停止表示時間(第2特図停止表示時間)を設定する処理である。具体的には、特図停止表示時間設定処理では、所定の時間(本実施形態では1.0秒)に対応した値を特図停止表示時間タイマカウンタに設定する。ステップSz2304を実行した後、ステップSz2305に進み、特図特電制御値に「03」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「03」であることは、第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示中の状態であることを示している。その後、本特別図柄停止処理を終了する。
<特別図柄変動停止後処理>
次に、特別図柄変動停止後処理について説明する。特別図柄変動停止後処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図147は、特別図柄変動停止後処理を示すフローチャートである。ステップSz2401では、特図特電制御値が「03」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「03」であることは、第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示中の状態であることを示している。ステップSz2401において、特図特電制御値が「03」ではないと判定した場合には(ステップSz2401:NO)、本特別図柄変動停止後処理を終了する。一方、ステップSz2401において、特図特電制御値が「03」であると判定した場合には(ステップSz2401:YES)、ステップSz2402に進む。
ステップSz2402では、上述した特図停止表示時間設定処理において設定された特図停止表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、主側RAM64における特図停止表示時間タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となっている場合には、特図停止表示時間が経過したと判定する。ステップSz2402において、特図停止表示時間が経過していないと判定した場合には(ステップSz2402:NO)、本特別図柄変動停止後処理を終了する。一方、ステップSz2402において、特図停止表示時間が経過したと判定した場合には(ステップSz2402:YES)、ステップSz2403に進む。
ステップSz2403では、特図当たりに対応する特図種別フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、今回の特別図柄の変動に係る特図当否判定の結果が特図当たり(特図大当たり又は特図小当たり)であるか否かを判定する。ステップSz2403において、特図当たりに対応する特図種別フラグがONではないと判定した場合(ステップSz2403:NO)、すなわち、今回の特別図柄の変動に係る特図当否判定の結果が特図外れである場合には、ステップSz2404に進み、ONとなっている特図種別フラグ(この場合は特別図柄Zフラグ)をOFFにする。その後、ステップSz2405に進み、特図特電制御値に「01」を設定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「01」であることは、第1特図保留個数Ns1又は第2特図保留個数Ns2が1以上となっている場合に第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始することが可能な状態を示している。その後、本特別図柄変動停止後処理を終了する。
一方、ステップSz2403において、特図当たりに対応する特図種別フラグがONであると判定した場合(ステップSz2403:YES)、すなわち、今回の特別図柄の変動に係る特図当否判定の結果が特図当たりである場合には、ステップSz2406に進み、特図特電制御値に「04」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「04」であることは、特電開閉実行モードを開始すべき条件が成立した状態であることを示している。その後、本特別図柄変動停止後処理を終了する。これにより、今回の特別図柄の変動に係る特図当否判定の結果が特図当たりである場合には、特電開閉実行モードが開始されることになる。
<特電開閉実行モード開始処理>
次に、特電開閉実行モード開始処理について説明する。特電開閉実行モード開始処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図148は、特電開閉実行モード開始処理を示すフローチャートである。ステップSz3101では、特図特電制御値が「04」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「04」であることは、特電開閉実行モードを開始すべき条件が成立した状態を示している。ステップSz3101において、特図特電制御値が「04」ではないと判定した場合には(ステップSz3101:NO)、本特電開閉実行モード開始処理を終了する。一方、ステップSz3101において、特図特電制御値が「04」であると判定した場合には(ステップSz3101:YES)、ステップSz3102に進む。
ステップSz3102では、特図小当たりに対応した特図種別フラグがONであるか否かを判定する。ステップSz3102において、特図小当たりに対応した特図種別フラグがONではないと判定した場合(ステップSz3102:NO)、すなわち、特図大当たりに対応した特図種別フラグがONである場合には、ステップSz3103に進み、遊技状態リセット処理を実行する。遊技状態リセット処理は、高確率モードフラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、当該フラグがOFFである場合にはそのままOFFの状態を維持する処理である。その後、後述するステップSz3104に進む。
一方、ステップSz3102において、特図小当たりに対応した特図種別フラグがONであると判定した場合には(ステップSz3102:YES)、ステップSz3103の遊技状態リセット処理を実行することなく、ステップSz3104に進む。
ステップSz3104では、特電開閉シナリオ選択処理を実行する。特電開閉シナリオ選択処理は、特図種別フラグと上述した特電開閉シナリオ選択テーブルとに基づいて、特電開閉実行モードにおいて参照する特電開閉シナリオの種別を選択する処理である。ステップSz3104を実行した後、ステップSz3105に進む。
ステップSz3105では、特電オープニング時間設定処理を実行する。特電オープニング時間設定処理は、特電オープニング期間の時間的長さ(以下、特電オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、本実施形態では、上述した特電開閉シナリオ選択処理によって選択された特電開閉シナリオから特電オープニング時間情報を取得し、取得した特電オープニング時間情報をRAM64に設けられた特電オープニング時間タイマカウンタにセットする。この特電オープニング時間タイマカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される度に1減算される。ステップSz3105を実行した後、ステップSz3106に進む。
ステップSz3106では、特電オープニングコマンドを設定する。設定された特電オープニングコマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。特電オープニングコマンドを受信した音声発光制御装置90は、特電オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように各種演出用装置(各種ランプ47や表示制御装置100、図柄表示装置41)を制御する。ステップSz3106を実行した後、ステップSz3107に進み、特図特電制御値に「05」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「05」であることは、特電オープニング期間が開始された状態であることを示している。その後、本特電開閉実行モード開始処理を終了する。
<特電オープニング期間中処理>
次に、特電オープニング期間中処理について説明する。特電オープニング期間中処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図149は、特電オープニング期間中処理を示すフローチャートである。ステップSz3201では、特図特電制御値が「05」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「05」であることは、特電オープニング期間が開始された状態であることを示している。ステップSz3201において、特図特電制御値が「05」ではないと判定した場合には(ステップSz3201:NO)、本特電オープニング期間中処理を終了する。一方、ステップSz3201において、特図特電制御値が「05」であると判定した場合には(ステップSz3201:YES)、ステップSz3202に進む。
ステップSz3202では、特電オープニング期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した特電オープニング時間設定処理において特電オープニング時間として設定した特電オープニング時間タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSz3202において、特電オープニング期間が終了するタイミングではないと判定した場合には(ステップSz3202:NO)、本特電オープニング期間中処理を終了する。一方、ステップSz3202において、特電オープニング期間が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップSz3202:YES)、ステップSz3203に進み、特電開閉期間コマンドを設定する。設定された特電開閉期間コマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。この特電開閉期間コマンドには、今回の特電開閉期間における第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58bの開放回数の情報が含まれる。特電開閉期間コマンドを受信した音声発光制御装置90は、受信した特電開閉期間コマンドに基づいて、第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58bの開放回数に対応した内容の演出を実行するように各種演出用装置を制御する。ステップSz3203を実行した後、ステップSz3204に進み、特図特電制御値に「06」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「06」であることは、特電オープニング期間が終了し、特電開閉期間が開始された状態であることを示している。その後、本特電オープニング期間中処理を終了する。
<特電開閉期間中処理>
次に、特電開閉期間中処理について説明する。特電開閉期間中処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図150は、特電開閉期間中処理を示すフローチャートである。ステップSz3301では、特図特電制御値が「06」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「06」であることは、特電開閉期間が開始された状態であることを示している。ステップSz3301において、特図特電制御値が「06」ではないと判定した場合には(ステップSz3301:NO)、本特電開閉期間中処理を終了する。一方、ステップSz3301において、特図特電制御値が「06」であると判定した場合には(ステップSz3301:YES)、ステップSz3302に進む。
ステップSz3302では、特電開閉期間の終了条件が成立したか否かを判定する。具体的には、特電開閉シナリオ選択処理によって選択された特電開閉シナリオを読み込み、当該特電開閉シナリオに設定されている特電開閉期間の終了条件が成立したか否かを判定する。ステップSz3302において、特電開閉期間の終了条件が成立していないと判定した場合には(ステップSz3302:NO)、ステップSz3303に進む。
ステップSz3303では、第1特別電動役物57bが開放中であるか否かを判定する。ステップSz3303において、第1特別電動役物57bが開放中ではないと判定した場合には(ステップSz3303:NO)、ステップSz3304に進む。
ステップSz3304では、第1特別電動役物57bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、特電開閉シナリオ選択処理によって選択された特電開閉シナリオを読み込み、当該特電開閉シナリオに設定されている第1特別電動役物57bの開放条件が成立したか否かを判定する。ステップSz3304において、第1特別電動役物57bの開放条件が成立したと判定した場合には(ステップSz3304:YES)、ステップSz3305に進む。
ステップSz3305では、第1特別電動役物57bを開放する。その後、ステップSz3306に進む。
ステップSz3306では、第1特電開放コマンドを設定する。第1特電開放コマンドは、第1特別電動役物57bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1特電開放コマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSz3306を実行した後、後述するステップSz3310に進む。
ステップSz3304において、第1特別電動役物57bの開放条件が成立していないと判定した場合には(ステップSz3304:NO)、後述するステップSz3310に進む。
ステップSz3303において、第1特別電動役物57bが開放中であると判定した場合には(ステップSz3303:YES)、ステップSz3307に進む。
ステップSz3307では、第1特別電動役物57bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、特電開閉シナリオ選択処理によって選択された特電開閉シナリオを読み込み、当該特電開閉シナリオに設定されている第1特別電動役物57bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。ステップSz3307において、第1特別電動役物57bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(ステップSz3307:YES)、ステップSz3308に進む。
ステップSz3308では、第1特別電動役物57bを閉鎖する。その後、ステップSz3309に進む。
ステップSz3309では、第1特電閉鎖コマンドを設定する。第1特電閉鎖コマンドは、第1特別電動役物57bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1特電閉鎖コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSz3309を実行した後、後述するステップSz3310に進む。
ステップSz3307において、第1特別電動役物57bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(ステップSz3307:NO)、後述するステップSz3310に進む。
ステップSz3310では、第2特別電動役物58bが開放中であるか否かを判定する。ステップSz3310において、第2特別電動役物58bが開放中ではないと判定した場合には(ステップSz3310:NO)、ステップSz3311に進む。
ステップSz3311では、第2特別電動役物58bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、特電開閉シナリオ選択処理によって選択された特電開閉シナリオを読み込み、当該特電開閉シナリオに設定されている第2特別電動役物58bのの開放条件が成立したか否かを判定する。ステップSz3311において、第2特別電動役物58bの開放条件が成立したと判定した場合には(ステップSz3311:YES)、ステップSz3312に進む。
ステップSz3312では、第2特別電動役物58bを開放する。その後、ステップSz3313に進む。
ステップSz3313では、第2特電開放コマンドを設定する。第2特電開放コマンドは、第2特別電動役物58bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2特電開放コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSz3313を実行した後、本特電開閉期間中処理を終了する。
ステップSz3311において、第2特別電動役物58bの開放条件が成立していないと判定した場合には(ステップSz3311:NO)、そのまま本特電開閉期間中処理を終了する。
ステップSz3310において、第2特別電動役物58bが開放中であると判定した場合には(ステップSz3310:YES)、ステップSz3314に進む。
ステップSz3314では、第2特別電動役物58bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、特電開閉シナリオ選択処理によって選択された特電開閉シナリオを読み込み、当該特電開閉シナリオに設定されている第2特別電動役物58bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。ステップSz3314において、第2特別電動役物58bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(ステップSz3314:YES)、ステップSz3315に進む。
ステップSz3315では、第2特別電動役物58bを閉鎖する。その後、ステップSz3316に進む。
ステップSz3316では、第2特電閉鎖コマンドを設定する。第2特電閉鎖コマンドは、第2特別電動役物58bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2特電閉鎖コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSz3316を実行した後、本特電開閉期間中処理を終了する。
ステップSz3314において、第2特別電動役物58bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(ステップSz3314:NO)、そのまま本特電開閉期間中処理を終了する。
ステップSz3302において、特電開閉期間の終了条件が成立していると判定した場合には(ステップSz3302:YES)、ステップSz3317に進む。
ステップSz3317では、特電エンディング時間設定処理を実行する。特電エンディング時間設定処理は、特電エンディング期間の時間的長さ(以下、特電エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、本実施形態では、上述した特電開閉シナリオ選択処理によって選択された特電開閉シナリオから特電エンディング時間情報を取得し、取得した特電エンディング時間情報をRAM64に設けられた特電エンディング時間タイマカウンタにセットする。この特電エンディング時間タイマカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される度に1減算される。ステップSz3317を実行した後、ステップSz3318に進む。
ステップSz3318では、特電エンディングコマンドを設定する。設定された特電エンディングコマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。特電エンディングコマンドを受信した音声発光制御装置90は、特電エンディング演出を実行するように各種演出用装置を制御する。ステップSz3318を実行した後、ステップSz3319に進み、特図特電制御値に「07」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「07」であることは、特電エンディング期間が開始された状態であることを示している。その後、本特電開閉期間中処理を終了する。
<特電エンディング期間中処理>
次に、特電エンディング期間中処理について説明する。特電エンディング期間中処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図151は、特電エンディング期間中処理を示すフローチャートである。ステップSz3401では、特図特電制御値が「07」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「07」であることは、特電エンディング期間が開始された状態であることを示している。ステップSz3401において、特図特電制御値が「07」ではないと判定した場合には(ステップSz3401:NO)、本特電エンディング期間中処理を終了する。一方、ステップSz3401において、特図特電制御値が「07」であると判定した場合には(ステップSz3401:YES)、ステップSz3402に進む。
ステップSz3402では、特電エンディング期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した特電エンディング時間設定処理において特電エンディング時間として設定した特電エンディング時間タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSz3402において、特電エンディング期間が終了するタイミングではないと判定した場合には(ステップSz3402:NO)、本特電エンディング期間中処理を終了する。一方、ステップSz3402において、特電エンディング期間が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップSz3402:YES)、ステップSz3403に進む。
ステップSz3403では、V確入賞フラグがONであるか否かを判定する。ステップSz3403において、V確入賞フラグがONであると判定した場合には(ステップSz3403:YES)、ステップSz3404に進み、高確率モードフラグをONにする。その後、ステップSz3405に進み、V確入賞フラグをOFFにする。その後、ステップSz3406に進む。一方、ステップSz3403において、V確入賞フラグがONではないと判定した場合には(ステップSz3403:NO)、上述したステップSz3404及びステップSz3405の処理を実行することなくステップSz3406に進む。
ステップSz3406では、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態コマンドを設定する。設定された遊技状態コマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。遊技状態コマンドを受信した音声発光制御装置90は、当該コマンドに含まれる遊技状態を示す情報に基づいて、当該遊技状態に対応した演出を実行可能となるように各種演出用装置を制御する。ステップSz3406を実行した後、ステップSz3407に進み、特図種別フラグをOFFにする。その後、ステップSz3408に進む。
ステップSz3408では、特電開閉実行モード終了コマンドを設定する。設定された特電開閉実行モード終了コマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。特電開閉実行モード終了コマンドを受信した音声発光制御装置90は、特電開閉実行モードが終了したことに対応する演出を実行するように各種演出用装置を制御する。その後、ステップSz3409に進む。
ステップSz3409では、特図特電制御値に「01」を設定する。上述したように、本実施形態では、第1特図保留個数Ns1又は第2特図保留個数Ns2が1以上となっている場合に第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始することが可能な状態を示している。その後、本特電エンディング期間中処理を終了する。
<普図普電制御処理>
次に、普図普電制御処理について説明する。普図普電制御処理は、上述したタイマ割込み処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図152は、普図普電制御処理を示すフローチャートである。ステップSz4101では、普通図柄表示部38aにおける普通図柄の変動を開始させるための処理である普通図柄変動開始処理を実行する。普通図柄変動開始処理の詳細については後述する。ステップSz4101を実行した後、ステップSz4102に進む。
ステップSz4102では、普通図柄表示部38aにおける普通図柄の変動を停止させるための処理である普通図柄変動停止処理を実行する。普通図柄変動停止処理の詳細については後述する。ステップSz4102を実行した後、ステップSz4103に進む。
ステップSz4103では、普通図柄の変動を停止させた後の処理である普通図柄変動停止後処理を実行する。普通図柄変動停止後処理の詳細については後述する。ステップSz4103を実行した後、ステップSz4104に進む。
ステップSz4104では、普電開閉実行モード開始処理を実行する。普電開閉実行モード開始処理は、普電開閉実行モードを開始させる条件が成立した場合に、普電開閉実行モードを開始させる処理である。普電開閉実行モード開始処理の詳細については後述する。ステップSz4104を実行した後、ステップSz4105に進む。
ステップSz4105では、普電オープニング期間中処理を実行する。普電オープニング期間中処理は、普電オープニング期間中に実行する処理である。普電オープニング期間中処理の詳細については後述する。ステップSz4105を実行した後、ステップSz4106に進む。
ステップSz4106では、普電開閉期間中処理を実行する。普電開閉期間中処理は、普電開閉期間中に実行する処理である。普電開閉期間中処理の詳細については後述する。ステップSz4106を実行した後、ステップSz4107に進む。
ステップSz4107では、普電エンディング期間中処理を実行する。普電エンディング期間中処理は、普電エンディング期間中に実行する処理である。普電エンディング期間中処理の詳細については後述する。ステップSz4107を実行した後、本普図普電制御処理を終了する。
<普通図柄変動開始処理>
次に、普通図柄変動開始処理について説明する。普通図柄変動開始処理は、上述した普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図153は、普通図柄変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSz4201では、主側RAM64に記憶されている普図普電制御値が「01」であるか否かを判定する。普図普電制御値は、普通図柄及び普通電動役物の制御の進行状況がどの段階であるのかを示す値であり、本実施形態では、普図普電制御値が「01」であることは、普通図柄が変動していない状態であり、かつ、普電開閉実行モードも実行されていない状態であること示している。換言すれば、普図普電制御値が「01」であることは、普図保留個数Nnが1以上となっている場合に普通図柄の変動を開始することが可能な状態であることを示している。本実施形態では、普図普電制御値は、上述した起動初期設定処理において最初に「01」に設定される。
ステップSz4201において、普図普電制御値が「01」ではないと判定した場合には(ステップSz4201:NO)、後述するステップSz4202以降の処理のいずれも実行することなく、本普通図柄変動開始処理を終了する。すなわち、普通図柄が変動している状態や、普電開閉実行モードの実行中には、普通図柄の変動は開始されない。一方、ステップSz4201において、普図普電制御値が「01」であると判定した場合には(ステップSz4201:NO)、ステップSz4202に進む。
ステップSz4202では、普図保留個数Nnが「1」以上であるか否かを判定する。ステップSz4202において、普図保留個数Nnが「1」以上であると判定した場合には(ステップSz4202:YES)、ステップSz4203に進み、普図保留個数Nnから1を減算する。その後、ステップSz4204に進む。
ステップSz4204では、普図保留エリア64dの各エリアに記憶されている普図保留情報をシフトさせる処理である普図保留情報シフト処理を実行する。具体的には、普図保留情報シフト処理では、普図保留エリア64dの第1エリアに記憶されている普図保留情報を普図判定エリア64eに移動させた後、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった順に各エリア内の普図保留情報をシフトさせる。ステップSz4204を実行した後、ステップSz4205に進む。
ステップSz4205では、普図当たりに当選するか否かを判定する処理である普図当否判定処理を実行する。具体的には、普図当否判定処理では、遊技状態に基づいて選択した普図当否判定テーブルと、普図判定エリア64eに記憶された普図当否判定カウンタCn1の値とに基づいて、普図当たりに当選するか否かを判定する。ステップSz4205を実行した後、ステップSz4206に進む。
ステップSz4206では、普通図柄の種別(停止図柄の種別)を判定する処理である普図種別判定処理を実行する。具体的には、普図種別判定処理では、普図当否判定の結果と、普図判定エリア64eに記憶された普図種別判定カウンタCn2の値と、普図種別判定テーブルとに基づいて、普通図柄の種別を判定する。ステップSz4206を実行した後、ステップSz4207に進む。
ステップSz4207では、普図種別判定処理において判定した普通図柄の種別に対応した普図種別フラグをONにする。具体的には、例えば、普図種別判定処理において普通図柄Aであると判定した場合には、普図種別フラグとして普通図柄AフラグをONにする。ステップSz4207を実行した後、ステップSz4208に進む。
ステップSz4208では、普図変動時間設定処理を実行する。普図変動時間設定処理は、普通図柄表示部38aにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を設定する処理である。具体的には、普図変動時間設定処理では、遊技状態と、普図当否判定の結果と、普図変動時間テーブルとに基づいて普図変動時間を決定し、決定した普図変動時間に対応した値を普図変動時間タイマカウンタに設定する。ステップSz4208を実行した後、ステップSz4209に進む。
ステップSz4209では、普図変動用コマンドを設定する。普図変動用コマンドには、設定された普図変動時間の情報が含まれている。ステップSz4209を実行した後、ステップSz4210に進む。
ステップSz4210では、普図種別コマンドを設定する。普図種別コマンドには、普図当否判定の結果(普図当たりの有無)及び普図種別判定の結果(普通図柄の種別)の情報が含まれる。
ステップSz4209及びステップSz4210にて設定された普図変動用コマンド及び普図種別コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した普図変動用コマンド及び普図種別コマンドに基づいて演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSz4210を実行後、ステップSz4211に進む。
ステップSz4211では、普通図柄表示部38aにおける普通図柄の変動を開始させる。その後、ステップSz4212に進み、普図普電制御値に「02」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「02」であることは、普通図柄が変動中の状態であることを示している。その後、本普通図柄変動開始処理を終了する。
<普通図柄変動停止処理>
次に、普通図柄変動停止処理について説明する。普通図柄変動停止処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図154は、普通図柄変動停止処理を示すフローチャートである。ステップSz4301では、普図普電制御値が「02」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「02」であることは、普通図柄が変動中の状態であることを示している。ステップSz4301において、普図普電制御値が「02」ではないと判定した場合には(ステップSz4301:NO)、本普通図柄変動停止処理を終了する。一方、ステップSz4301において、普図普電制御値が「02」であると判定した場合には(ステップSz4301:YES)、ステップSz4302に進む。
ステップSz4302では、上述した普図変動時間設定処理において設定された普図変動時間が経過したか否かを判定する。具体的には、主側RAM64における普図変動時間タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となっている場合には、普図変動時間が経過したと判定する。ステップSz4302において、普図変動時間が経過していないと判定した場合には(ステップSz4302:NO)、本普通図柄変動停止処理を終了する。一方、ステップSz4302において、普図変動時間が経過したと判定した場合には(ステップSz4302:YES)、ステップSz4303に進む。
ステップSz4303では、普通図柄表示部38aにおいて変動中の普通図柄を、ONとなっている普図種別フラグに対応した表示態様で停止表示させる。これにより、普通図柄表示部38aには、普図抽選の結果に対応した表示態様の普通図柄が停止表示される。ステップSz4303を実行した後、ステップSz4304に進む。
ステップSz4304では、普図停止表示時間設定処理を実行する。普図停止表示時間設定処理は、普通図柄表示部38aにおける普通図柄の停止表示時間(普図停止表示時間)を設定する処理である。具体的には、普図停止表示時間設定処理では、所定の時間(本実施形態では0.1秒)に対応した値を普図停止表示時間タイマカウンタに設定する。ステップSz4304を実行した後、ステップSz4305に進み、普図普電制御値に「03」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「03」であることは、普通図柄が停止表示中の状態であることを示している。その後、本普通図柄停止処理を終了する。
<普通図柄変動停止後処理>
次に、普通図柄変動停止後処理について説明する。普通図柄変動停止後処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図155は、普通図柄変動停止後処理を示すフローチャートである。ステップSz4401では、普図普電制御値が「03」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「03」であることは、普通図柄が停止表示中の状態であることを示している。ステップSz4401において、普図普電制御値が「03」ではないと判定した場合には(ステップSz4401:NO)、本普通図柄変動停止後処理を終了する。一方、ステップSz4401において、普図普電制御値が「03」であると判定した場合には(ステップSz4401:YES)、ステップSz4402に進む。
ステップSz4402では、上述した普図停止表示時間設定処理において設定された普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、主側RAM64における普図停止表示時間タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となっている場合には、普図停止表示時間が経過したと判定する。ステップSz4402において、普図停止表示時間が経過していないと判定した場合には(ステップSz4402:NO)、本普通図柄変動停止後処理を終了する。一方、ステップSz4402において、普図停止表示時間が経過したと判定した場合には(ステップSz4402:YES)、ステップSz4403に進む。
ステップSz4403では、普図当たりに対応する普図種別フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、今回の普通図柄の変動に係る普図当否判定の結果が特定結果である普図当たりであるか否かを判定する。ステップSz4403において、普図当たりに対応する普図種別フラグがONではないと判定した場合(ステップSz4403:NO)、すなわち、今回の普通図柄の変動に係る普図当否判定の結果が普図外れである場合には、ステップSz4404に進み、ONとなっている普図種別フラグ(この場合は普通図柄Zフラグ)をOFFにする。その後、ステップSz4405に進み、普図普電制御値に「01」を設定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「01」であることは、普図保留個数Nnが1以上となっている場合に普通図柄の変動を開始することが可能な状態を示している。その後、本普通図柄変動停止後処理を終了する。
一方、ステップSz4403において、普図当たりに対応する普図種別フラグがONであると判定した場合(ステップSz4403:YES)、すなわち、今回の普通図柄の変動に係る普図当否判定の結果が普図当たりである場合には、ステップSz4406に進み、普図普電制御値に「04」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「04」であることは、普電開閉実行モードを開始すべき条件が成立した状態であることを示している。その後、本普通図柄変動停止後処理を終了する。これにより、今回の普通図柄の変動に係る普図当否判定の結果が普図当たりである場合には、普電開閉実行モードが開始されることになる。
<普電開閉実行モード開始処理>
次に、普電開閉実行モード開始処理について説明する。普電開閉実行モード開始処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図156は、普電開閉実行モード開始処理を示すフローチャートである。ステップSz5101では、普図普電制御値が「04」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「04」であることは、普電開閉実行モードを開始すべき条件が成立した状態を示している。ステップSz5101において、普図普電制御値が「04」ではないと判定した場合には(ステップSz5101:NO)、本普電開閉実行モード開始処理を終了する。一方、ステップSz5101において、普図普電制御値が「04」であると判定した場合には(ステップSz5101:YES)、ステップSz5102に進む。
ステップSz5102では、普電開閉シナリオ選択処理を実行する。普電開閉シナリオ選択処理は、普図種別フラグと上述した普電開閉シナリオ選択テーブルとに基づいて、普電開閉実行モードにおいて参照する普電開閉シナリオの種別を選択する処理である。ステップSz5102を実行した後、ステップSz5103に進む。
ステップSz5103では、普電オープニング時間設定処理を実行する。普電オープニング時間設定処理は、普電オープニング期間の時間的長さ(以下、普電オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、本実施形態では、上述した普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオから普電オープニング時間情報を取得し、取得した普電オープニング時間情報をRAM64に設けられた普電オープニング時間タイマカウンタにセットする。この普電オープニング時間タイマカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される度に1減算される。ステップSz5103を実行した後、ステップSz5104に進む。
ステップSz5104では、普電オープニングコマンドを設定する。設定された普電オープニングコマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSz5104を実行した後、ステップSz5105に進み、普図普電制御値に「05」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「05」であることは、普電オープニング期間が開始された状態であることを示している。その後、本普電開閉実行モード開始処理を終了する。
<普電オープニング期間中処理>
次に、普電オープニング期間中処理について説明する。普電オープニング期間中処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図157は、普電オープニング期間中処理を示すフローチャートである。ステップSz5201では、普図普電制御値が「05」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「05」であることは、普電オープニング期間が開始された状態であることを示している。ステップSz5201において、普図普電制御値が「05」ではないと判定した場合には(ステップSz5201:NO)、本普電オープニング期間中処理を終了する。一方、ステップSz5201において、普図普電制御値が「05」であると判定した場合には(ステップSz5201:YES)、ステップSz5202に進む。
ステップSz5202では、普電オープニング期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した普電オープニング時間設定処理において普電オープニング時間として設定した普電オープニング時間タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSz5202において、普電オープニング期間が終了するタイミングではないと判定した場合には(ステップSz5202:NO)、本普電オープニング期間中処理を終了する。一方、ステップSz5202において、普電オープニング期間が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップSz5202:YES)、ステップSz5203に進み、普電開閉期間コマンドを設定する。設定された普電開閉期間コマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。この普電開閉期間コマンドには、今回の普電開閉期間における普通電動役物34bの開放回数の情報が含まれる。普電開閉期間コマンドを受信した音声発光制御装置90は、受信した普電開閉期間コマンドに基づいて、普通電動役物34bの開放回数に対応した内容の演出を実行するように各種演出用装置を制御する。ステップSz5203を実行した後、ステップSz5204に進み、普図普電制御値に「06」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「06」であることは、普電オープニング期間が終了し、普電開閉期間が開始された状態であることを示している。その後、本普電オープニング期間中処理を終了する。
<普電開閉期間中処理>
次に、普電開閉期間中処理について説明する。普電開閉期間中処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図158は、普電開閉期間中処理を示すフローチャートである。ステップSz5301では、普図普電制御値が「06」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「06」であることは、普電開閉期間が開始された状態であることを示している。ステップSz5301において、普図普電制御値が「06」ではないと判定した場合には(ステップSz5301:NO)、本普電開閉期間中処理を終了する。一方、ステップSz5301において、普図普電制御値が「06」であると判定した場合には(ステップSz5301:YES)、ステップSz5302に進む。
ステップSz5302では、普電開閉期間の終了条件が成立したか否かを判定する。具体的には、普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオを読み込み、当該普電開閉シナリオに設定されている普電開閉期間の終了条件が成立したか否かを判定する。ステップSz5302において、普電開閉期間の終了条件が成立していないと判定した場合には(ステップSz5302:NO)、ステップSz5303に進む。
ステップSz5303では、普通電動役物34bが開放中であるか否かを判定する。ステップSz5303において、普通電動役物34bが開放中ではないと判定した場合には(ステップSz5303:NO)、ステップSz5304に進む。
ステップSz5304では、普通電動役物34bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオを読み込み、当該普電開閉シナリオに設定されている普通電動役物34bの開放条件が成立したか否かを判定する。ステップSz5304において、普通電動役物34bの開放条件が成立したと判定した場合には(ステップSz5304:YES)、ステップSz5305に進む。
ステップSz5305では、普通電動役物34bを開放する。その後、ステップSz5306に進む。
ステップSz5306では、普電開放コマンドを設定する。普電開放コマンドは、普通電動役物34bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。普電開放コマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSz5306を実行した後、本普電開閉期間中処理を終了する。
ステップSz5304において、普通電動役物34bの開放条件が成立していないと判定した場合には(ステップSz5304:NO)、本普電開閉期間中処理を終了する。
ステップSz5303において、普通電動役物34bが開放中であると判定した場合には(ステップSz5303:YES)、ステップSz5307に進む。
ステップSz5307では、普通電動役物34bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオを読み込み、当該普電開閉シナリオに設定されている普通電動役物34bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。ステップSz5307において、普通電動役物34bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(ステップSz5307:YES)、ステップSz5308に進む。
ステップSz5308では、普通電動役物34bを閉鎖する。その後、ステップSz5309に進む。
ステップSz5309では、普電閉鎖コマンドを設定する。普電閉鎖コマンドは、普通電動役物34bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。普電閉鎖コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSz5309を実行した後、本普電開閉期間中処理を終了する。
ステップSz5307において、普通電動役物34bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(ステップSz5307:NO)、本普電開閉期間中処理を終了する。
ステップSz5302において、普電開閉期間の終了条件が成立していると判定した場合には(ステップSz5302:YES)、ステップSz5310に進む。
ステップSz5310では、普電エンディング時間設定処理を実行する。普電エンディング時間設定処理は、普電エンディング期間の時間的長さ(以下、普電エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、本実施形態では、上述した普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオから普電エンディング時間情報を取得し、取得した普電エンディング時間情報をRAM64に設けられた普電エンディング時間タイマカウンタにセットする。この普電エンディング時間タイマカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される度に1減算される。ステップSz5310を実行した後、ステップSz5311に進む。
ステップSz5311では、普電エンディングコマンドを設定する。設定された普電エンディングコマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSz5318を実行した後、ステップSz5319に進み、普図普電制御値に「07」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「07」であることは、普電エンディング期間が開始された状態であることを示している。その後、本普電開閉期間中処理を終了する。
<普電エンディング期間中処理>
次に、普電エンディング期間中処理について説明する。普電エンディング期間中処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図159は、普電エンディング期間中処理を示すフローチャートである。ステップSz5401では、普図普電制御値が「07」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「07」であることは、普電エンディング期間が開始された状態であることを示している。ステップSz5401において、普図普電制御値が「07」ではないと判定した場合には(ステップSz5401:NO)、本普電エンディング期間中処理を終了する。一方、ステップSz5401において、普図普電制御値が「07」であると判定した場合には(ステップSz5401:YES)、ステップSz5402に進む。
ステップSz5402では、普電エンディング期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した普電エンディング時間設定処理において普電エンディング時間として設定した普電エンディング時間タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSz5402において、普電エンディング期間が終了するタイミングではないと判定した場合には(ステップSz5402:NO)、本普電エンディング期間中処理を終了する。一方、ステップSz5402において、普電エンディング期間が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップSz5402:YES)、ステップSz5403に進む。
ステップSz5403では、普図種別フラグをOFFにする。その後、ステップSz5404に進む。
ステップSz5404では、普電開閉実行モード終了コマンドを設定する。設定された普電開閉実行モード終了コマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、ステップSz5405に進む。
ステップSz5405では、普図普電制御値に「01」を設定する。上述したように、本実施形態では、普図保留個数Nnが1以上となっている場合に普通図柄の変動を開始することが可能な状態を示している。その後、本普電エンディング期間中処理を終了する。
《3-6》音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図160は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSz6101では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップSz6101を実行した後、ステップSz6102に進む。
ステップSz6102では、特図遊技回演出用処理を実行する。特図遊技回演出用処理では、特図遊技回の実行中における演出に関する処理を実行する。具体的には、例えば、特図変動用コマンド及び特図種別コマンドを受信した場合には、当該特図変動用コマンドに含まれる特図変動時間や特図種別コマンドに含まれる特別図柄の種別、現在の遊技状態に基づいて、図柄表示装置41の表示面41aにおける装飾図柄の変動表示及び停止表示に関する処理や、各種演出を実行するための処理を実行する。具体的には、例えば、上述したカウントダウン演出や、有利状態示唆演出、ステップアップ演出等を実行するための処理を実行する。ステップSz6102を実行した後、ステップSz6103に進む。
なお、上記各種演出は、普通図柄が変動中か否かに関わらず実行可能な構成とすればよい。換言すれば、例えば、普通図柄の変動表示(短変動時間又は長変動時間)の実行中に、特定有利結果(16R確変大当たり)が発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出(リーチ演出)を実行可能な構成としてもよく、数値情報を減算しながら表示する演出(例えばカウントダウン演出)を実行可能な構成としてもよく、遊技者に好機な状態であることを示唆する好機示唆演出を実行可能な構成としてもよく、ステップアップ演出を実行可能な構成としてもよい。また、普通電動役物によって第2特図始動口34が入球可能状態(開放状態)となる場合であっても、第2特図始動口34が入球可能状態(開放状態)となることを示唆する演出を実行しない構成としてもよい。
ステップSz6103では、特電開閉実行モード演出用処理を実行する。特電開閉実行モード演出用処理では、特電開閉実行モードの実行中における演出に関する処理を実行する。具体的には、例えば、特電オープニングコマンドを受信した場合には、特電開閉シナリオの種別に対応した特電オープニング演出及び右打ち報知処理を実行するように設定する。また、特電開閉期間コマンドを受信した場合には、特電開閉シナリオの種別に対応した特電開閉期間用演出を実行するように設定する。また、特電開放コマンドを受信した場合には、特電開閉シナリオの種別及び特別電動役物の開放回数に対応した特電開放中演出を実行する。また、特電閉鎖コマンドを受信した場合には、特電開閉シナリオの種別及び特別電動役物の閉鎖回数に対応した特電インターバル期間用演出を実行する。また、特電エンディングコマンドを受信した場合には、特電開閉シナリオの種別に対応した特電エンディング演出を実行する。ステップSz6103を実行した後、ステップSz6104に進む。
ステップSz6104では、V確入賞演出用処理を実行する。V確入賞演出用処理では、V確入賞コマンドを受信した場合に、V確入賞したことを示唆する演出を実行するように設定する。ステップSz6104を実行した後、ステップSz6105に進む。
ステップSz6105では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSz6105を実行した後、ステップSz6106に進む。
ステップSz6106では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された音声データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSz6106を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図161は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSz8101では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSz8102に進む。
ステップSz8102では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図162は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSz8201では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図163は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSz8301では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、上述したコマンド割込み処理によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。例えば、予告演出に対応した動画表示開始コマンドが記憶されていた場合には、当該予告演出に対応した動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。また、リーチ演出に対応した動画表示開始コマンドが記憶されていた場合には、当該リーチ演出に対応した動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
なお、コマンド対応処理(ステップSz8301)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。コマンド対応処理の詳細については後述する。
ステップSz8302では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(ステップSz8301)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSz8303に進む。
ステップSz8303では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(ステップSz8302)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップSz8304に進む。
ステップSz8304では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(ステップSz8303)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップSz8305に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
《3-7》作用・効果:
以上説明したように、本実施形態によれば、各入球部を適切に配置するとともに、変動表示時間として設定される期間の長さを適切に制御するので、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。以下、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機における課題を述べた後、本実施形態のパチンコ機10の利点について具体的に説明する。
従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機では、小当たりラッシュ中において、第2特別図柄の変動表示が停止し、当該変動表示に対応した第2特図抽選において小当たりに当選した場合に、特別電動役物が開放して大入賞口に遊技球が入球可能となる。すなわち、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機では、遊技者は、第2特図抽選において小当たりに当選したことに基づいて特別電動役物が開放した場合に利益を得ることができる。
しかし、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行される第2特図抽選は、大当たりを抽選するものでもあるため、大当たりに当選するか否かの期待度を示唆するリーチ演出が実行される場合があり、当該リーチ演出が実行されている期間(第2特別図柄の変動表示の実行中の期間)は小当たりが発生しないため、遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまい、小当たり当選による特別電動役物の開放によって利益を得たい遊技者にとっては非常に歯痒い時間となってしまうといった課題があった。
また、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機の中には、小当たりラッシュ中は常に遊技球の発射を継続させなければ小当たりによる利益を得ることができないパチンコ機が存在する。具体的には、小当たりに当選することになる第2特別図柄の変動表示の実行中にもリーチ演出が実行され得るパチンコ機であって、遊技者が、利益を得ることのできないリーチ演出の実行中(第2特別図柄の変動表示の実行中)に遊技球の浪費を避けようと止め打ち(遊技球の発射を一時的に止めること)をすると、当該リーチ演出の終盤又は終了時に小当たり当選を確認してから遊技球を発射させても、当該小当たり当選に基づく特別電動役物の開放中に遊技球を当該特別電動役物に到達させることができないパチンコ機である。このようなパチンコ機においては、遊技者は、利益を得ることのできないリーチ演出の実行中(第2特別図柄の変動表示の実行中)であっても、変動表示の停止後に発生し得る小当たりによる利益を得るためには止め打ちをすることができず、遊技球の浪費を余儀なくされ、不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
また、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行されたリーチ演出に係る第2特図抽選の結果が外れになった場合には、遊技者は、リーチ演出の実行中に小当たりによる利益も得られず、さらに当該変動表示の停止後にも小当たりによる利益が得られないので、不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
さらに、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行されたリーチ演出に係る第2特図抽選の結果が小当たりラッシュが終了することになる結果(出玉のない通常大当たり)になり、小当たりラッシュが終了してしまった場合には、遊技者は、リーチ演出の実行中に小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうため、非常に不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
このように、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中の期間(第2特別図柄の変動中の期間)は、遊技者にとって、小当たりによる利益を得ることができない非常に歯痒い期間であり、また、止め打ちもできずに遊技球の浪費を余儀なくされる不愉快な期間であり、さらに、リーチ演出に係る第2特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合には、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題があった。
これに対して、本実施形態では、リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中は、第2特別電動役物58bが閉鎖状態を維持するため、第1ルート36b1に振り分けられた遊技球は、第2大入賞口58aに入球することができず、特別入賞口32sに入球することが可能となる。すなわち、リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中に遊技者は利益を得ることが可能となる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出の実行中は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態によれば、リーチ演出が実行されたにもかかわらず、第2特図抽選において遊技者に有利な特図大当たり(出玉もありラッシュも継続する16R確変大当たり)に当選せずに、遊技者に不利な特図大当たり(出玉がなくラッシュも終了してしまう2R通常大当たり)に当選して高確状態F3が終了してしまったとしても、当該リーチ演出が実行されている期間中に遊技者は多くの賞球を獲得することができるので、高確状態F3の終了直前に多量の賞球が払い出されるといった爽快感と満足感を遊技者に与えることができるとともに、当該高確状態F3が終了してしまったことに対する遊技者の怒りや喪失感を和らげることが可能となる。このように、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出に係る特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合に、当該リーチ演出が実行されている期間が、遊技者にとって、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態では、設定される第2特図変動時間の長さによって遊技者の有利度(遊技者が獲得することのできる賞球の個数)が変化するといった新たな遊技性を提供することができる。具体的には、本実施形態では、第2特図変動時間として設定される変動時間が長いほど、遊技者が獲得することのできる賞球数が多くなる。したがって、第2特図変動時間として長い変動時間が設定されて欲しいといった従来にない新しい期待感を遊技者に提供することができる。
また、本実施形態では、第2特別電動役物58bが閉鎖状態を維持することが遊技者にとって有利な事象となっている。これに対して、従来の一般的なパチンコ機では、小当たりに当選して特別電動役物が開放することが遊技者にとって有利な事象となっている。すなわち、本実施形態によれば、遊技者にとって有利な事象が従来とは逆になっているといった新たな遊技性を提供することができる。
さらに、本実施形態によれば、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能な機能(いわゆる同時変動機能)を有さなくても、遊技者が多くの賞球を獲得することのできる遊技状態(いわゆるラッシュ)を実現することができる。同時変動機能を有するパチンコ機では、制御が複雑化するといった課題や、ラッシュ終了後の残存保留をどのように処理するのかといった課題が生じるが、本実施形態によれば、同時変動機能を有さないため、これらの課題が生じないといった効果を奏することができる。
さらに、本実施形態によれば、高確状態F3において払い出される賞球は、特別入賞口32sに遊技球が入球したことに基づく賞球である。換言すれば、高確状態F3において払い出される賞球は、特別電動役物(第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58b)の作動に基づく賞球ではない。したがって、本実施形態によれば、当該パチンコ機10の役物比率及び連続役物比率の値を低減することができ、当該パチンコ機10に設定可能な賞球数の幅を広げることが可能となる。
さらに、本実施形態では、第2振分釘群36bに到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1ルート36b1よりも低い第2ルート36b2に振り分けられる。一方、第2振分釘群36bに到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2ルート36b2よりも高い第1ルート36b1に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い第2特別電動役物58bに到達する。したがって、第2振分釘群36bに到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い第2特別電動役物58bに到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本実施形態によれば、第2特図抽選の結果が特図小当たりである場合の第2特図変動時間として短変動時間(0.1秒)が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている第2特別電動役物58bの板状部材の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が板状部材の上を転動し切る前に短変動時間(0.1秒)が経過して第2特別電動役物58bが入球可能状態となるので、第2大入賞口58aに入球することになり、特別入賞口32sに到達することができない。上述したように、第2大入賞口58aに設定されている賞球数は2個であるため、遊技球が特別入賞口32sに到達することができずに第2大入賞口58aに入球した場合には、遊技者にはほとんど利益がない。
一方、第2特図抽選の結果が特図小当たりである場合の第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている第2特別電動役物58bの板状部材の上を転動中の遊技球は、長変動時間(20秒~180秒)が経過する前に板状部材の上を転動し切って特別入賞口32sに到達し、当該特別入賞口32sに入球可能となる。上述したように、特別入賞口32sに設定されている賞球数は15個であるため、遊技球が第2特別電動役物58bの板状部材の上を転動し切って特別入賞口32sに入球した場合には、遊技者は多くの利益を得ることができる。
このように、本実施形態によれば、第2特図変動時間として設定される期間の長さに応じて、第1ルート36b1に振り分けられた遊技球が、特別入賞口32sに到達できずに第2大入賞口58aに入球する状況と、特別入賞口32sに到達して当該特別入賞口32sに入球可能な状況とを創出することができる。この結果、第2特図変動時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、後述するように、特別入賞口32sに遊技球が入球する場合の方が、第2大入賞口58aに遊技球が入球する場合よりも遊技者にとって有利である構成を採用することによって、第2特図変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、特別入賞口32sに遊技球が入球したことによって払い出される賞球(15個)は、第2大入賞口58aに遊技球が入球したことによって払い出される賞球(2個)よりも多い構成を採用している。この構成を採用した理由について説明する。
遊技を開始した直後の通常状態F1において遊技者が第2振分釘群36bを狙って右打ちをした場合には、第2特図変動時間として短変動時間(0.1秒)が設定されるので、発射された遊技球は、特別入賞口32sには入球せず、第2大入賞口58aに入球することになる。しかしながら、本実施形態によれば、第2大入賞口58aに遊技球が入球したことによって払い出される賞球(2個)は、特別入賞口32sに遊技球が入球したことによって払い出される賞球(15個)よりも少ないので、遊技者は、手持ちの遊技球を増加させることができず、メリットがない。したがって、遊技を開始した直後の通常状態F1において遊技者が第2振分釘群36bを狙って右打ちをすることを抑制することができる。
一方、第2特図変動時間として長変動時間(20秒~120秒)が設定され得る高確状態F3においては、第1ルート36b1に振り分けられた遊技球が、特別入賞口32sに到達して当該特別入賞口32sに入球可能な状況となる。そして、本実施形態によれば、特別入賞口32sに遊技球が入球する場合の方が、第2大入賞口58aに遊技球が入球する場合よりも払い出される賞球が多く、遊技者に有利となるので、第2特図変動時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、遊技球を第1ルート36b1と第2ルート36b2とに振り分ける振分部は、作動しない非作動物である釘の集合体である第2振分釘群36bとして構成されている。この構成を採用した理由について説明する。仮に、振分部が、作動する作動物である構成を採用した場合には、遊技者が作動物の作動のタイミングを計って遊技球を発射させることによって、価値の高い第1ルート36b1のみに遊技球が振り分けられるようにすることが可能になってしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態によれば、振分部は、作動しない非作動物である第2振分釘群36bによって構成されているので、遊技者は、価値の高い第1ルート36b1のみに遊技球が振り分けられるように作動物の作動のタイミングを計って遊技球を発射させるといったことができなくなる。したがって、本パチンコ機10の設計時に意図された振り分けの割合で遊技球が振り分けられるようにすることができる。
さらに、本実施形態では、第2ルート36b2に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球しても賞球を払い出さない右側アウト口43rが設けられている。したがって、第2ルート36b2に振り分けられた遊技球が、本パチンコ機10の設計当初の想定に反して第2特別電動役物58bに到達してしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、第2特図変動時間として短変動時間(0.1秒)が設定され得る通常状態F1において、確変大当たりに当選してV確入賞口57avに遊技球が入球するといった移行条件が成立した場合に、特電開閉実行モードF2を経由して、第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定され得る高確状態F3に移行する。本実施形態では、第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定された場合の方が、短変動時間(0.1秒)が設定された場合よりも遊技者にとって有利であるので、遊技者に対して、通常状態F1において早く確変大当たりに当選してV確入賞口57avに遊技球が入球するといった移行条件が成立して高確状態F3に移行して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
さらに、本実施形態では、第2特別図柄の変動表示の実行中に、特定有利結果である16R確変大当たりが発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出であるリーチ演出を実行可能に構成されているので、16R確変大当たりが発生して第2特別図柄の変動表示の終了後に遊技者に有利な高確状態F3が継続するのか否かといった期待感を遊技者に抱かせることができるとともに、当該リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中は、第2特別電動役物58bが閉鎖状態を維持するため、第1ルート36b1に振り分けられた遊技球は、第2大入賞口58aに入球することができず、特別入賞口32sに入球することが可能となる。すなわち、リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中に遊技者は利益を得ることが可能となる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出の実行中は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態によれば、リーチ演出が実行されたにもかかわらず、遊技者に有利な16R確変大当たりが発生しなかったとしても、当該リーチ演出が実行されている期間中に遊技者は多くの賞球を獲得することができる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出に係る特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合に、当該リーチ演出が実行されている期間が、遊技者にとって、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態では、第2特別図柄の変動表示の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出であるカウントダウン演出を実行可能であるので、第2特別図柄の変動表示が終了するまでの時間、すなわち、遊技球が特別入賞口32sに到達することができなくなるまでの残り時間を遊技者に示唆することができる。この結果、遊技者は、当該カウントダウン演出において表示される数値情報から、遊技球が特別入賞口32sに到達することができなくなるまでの残り時間を読み取ることによって、遊技球の発射の有無やタイミングを調整し、遊技球の無駄な発射を抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機とは異なり、遊技者にとって好機な状態が、長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示の実行中である。しかしながら、初めて本パチンコ機10で遊技を行なった遊技者にとっては容易に理解できない場合がある。そこで、本実施形態では、長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示の実行中に、遊技者に好機な状態であることを示唆する演出である好機示唆演出を実行可能であるので、遊技者に対して、この長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示の実行中こそが遊技者にとって好機な状態であることを明確に認識させることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機10とは異なり、第2特別図柄の変動表示の後の抽選結果だけでなく、第2特別図柄の変動表示の期間がどれだけ長く続くのかということが遊技者にとって重要となる。そこで、本実施形態では、第2特別図柄の変動表示の実行中に、ステップアップ演出1を実行し、ステップアップ演出1に連続してステップアップ演出2を実行可能であるので、遊技者に対して、ステップアップ演出1が実行された場合に、当該ステップアップ演出1の後に連続してステップアップ演出2が実行されて当該第2特別図柄の変動表示がまだまだ継続して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機とは異なり、第2大入賞口58aに入球した遊技球の個数ではなく、特別入賞口32sに入球した遊技球の個数が遊技者にとって重要となる。そこで、本実施形態では、特別入賞口32sに入球した遊技球の個数に関する情報を表示可能であるので、本実施形態のパチンコ機10において重要な特別入賞口32sに入球した遊技球の個数を遊技者に注目させることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、第2特図変動時間として短変動時間(0.1秒)が設定され得る通常状態F1と、長変動時間(20秒~180秒)が設定され得る高確状態F3とが存在するが、これらの遊技状態の違いは、第2特図変動時間として設定される期間の長さだけであり、また、本実施形態の普通電動役物34bは遊技状態に応じて異なる挙動も示さないので、遊技者は、現在の遊技状態が通常状態F1であるのか高確状態F3であるのかを容易に判別することはできない。そこで、本実施形態では、第2特図変動時間として短変動時間(0.1秒)が設定され得る通常状態F1においては通常状態F1用背景画像を表示可能であり、第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定され得る高確状態F3においては高確状態F3用背景画像を表示可能であるので、遊技者は、現在の遊技状態が通常状態F1であるのか高確状態F3であるのかを容易に判別することが可能となる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機10とは異なり、第2大入賞口58aが入球可能状態(開放状態)となることは、遊技者に有利なことではなく不利なことである。そこで、本実施形態では、第2特別電動役物58bによって第2大入賞口58aが入球可能状態(開放状態)となる場合であっても、第2大入賞口58aが入球可能状態(開放状態)となることを示唆する演出を実行しないので、遊技者に対して、第2大入賞口58aが入球可能状態(開放状態)となることが遊技者にとって有利なことであると誤解を与えてしまうことを回避することができる。
このように、本遊技機では、内部抽選に係る変動表示の実行中は切替部が入球不能状態を維持するため、第1通路に振り分けられた遊技球は、第3入球部に入球することができないが、第2入球部に入球することは可能となっている。したがって、切替部が入球不能状態である場合には第2入球部に遊技球を入球させるといった興趣を遊技者に提供することが可能となる。すなわち、切替部の各状態に応じて入球可能な入球部を設けることによって、常に遊技の興趣を遊技者に提供することが可能となる。
《3-8》第3実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《3-8-1》変形例1:
上記実施形態において、内部抽選の結果に、切替部を入球可能状態に移行させない「外れ」が含まれており、内部抽選の結果が「外れ」である場合には、当該変動表示が終了しても、切替部は入球可能状態に移行しない構成としてもよい。具体的には、例えば、第2特図抽選の結果に、第2特別電動役物58bを入球可能状態に移行させない「外れ」が含まれており、第2特図抽選の結果が「外れ」である場合には、当該変動表示が終了しても、第2特別電動役物58bは入球可能状態に移行しない構成としてもよい。この構成を採用した場合において、第2特図抽選の結果が「外れ」である場合には、第2特別電動役物58bの板状部材の上を転動中の遊技球は、当該変動表示の終了後も特別入賞口32sに到達し、当該特別入賞口32sに入球することが可能となる。したがって、本変形例によれば、一般的なパチンコ機においては遊技者に最も不利な結果である「外れ」が、遊技者にとって最も有利な結果になるといった、従来にない新しい遊技を遊技者に提供することができる。
《3-8-2》変形例2:
上記実施形態及び上記各変形例において、第1入球部は、入球した遊技球が遊技領域に残って流通する場合があるように構成されていてもよい。具体的には、例えば、第2特図始動口34は、入球した遊技球が右側遊技領域PARに残って流通する場合があるように構成されていてもよい。より具体的には、例えば、第2特図始動口34に入球した遊技球が遊技盤30の裏から再び右側遊技領域PARに戻る通路と、右側遊技領域PARには戻らない通路と、第2特図始動口34に入球した遊技球をこれらの2つの通路のいずれかに遊技球を振り分ける振分機構とが設けられている構成としてもよい。この構成を採用した場合には、第2特図始動口34に入球した遊技球がその後に右側遊技領域PARに戻って第2振分釘群36bに到達する場合がある。特に、本パチンコ機10では、第2振分釘群36bに到達する遊技球が増えるほど遊技者にとって有利になる。したがって、本変形例によれば、第2特図始動口34に入球した遊技球が右側遊技領域PARに残る(戻ってくる)のか否かといった楽しみや、残った場合にその後どのように右側遊技領域PARを流通するのかといった楽しみを遊技者に提供することができる。
《3-8-3》変形例3:
上記実施形態及び上記各変形例において、第1入球部は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されていてもよい。具体的には、例えば、第2特図始動口34は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されていてもよい。この構成を採用する利点について説明する。本パチンコ機10では、遊技を開始した直後の通常状態F1において、遊技者が第2特図始動口34を狙って右打ちをした場合には、第2特図始動口34に遊技球が入球する場合がある。しかしながら、本変形例によれば、第2特図始動口34は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されているので、遊技者は、第2特図始動口34を狙って遊技球を発射させても、手持ちの遊技球を増加させることができず、メリットがない。したがって、遊技を開始した直後の通常状態F1において遊技者が第2特図始動口34を狙って右打ちをすることを抑制することができる。
《3-8-4》変形例4:
上記実施形態及び上記各変形例において、第2入球部に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる構成としてもよい。具体的には、例えば、特別入賞口32sに遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる構成としてもよい。この構成によれば、遊技者に対して、遊技球が価値の高い特別入賞口32sに入球したことによる喜びに加えて、現在の有利な高確状態F3が終了してしまわないかといった緊張感を与えることができる。
《3-8-5》変形例5:
上記実施形態及び上記各変形例において、第3入球部に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる構成としてもよい。具体的には、例えば、第2大入賞口58aに遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる構成としてもよい。この構成によれば、遊技者に対して、遊技球が第2大入賞口58aに入球する毎に、現在の有利な高確状態F3が終了してしまうのではないかといった緊迫感を抱かせることができるとともに、第2特別電動役物58bが入球可能状態となっているタイミングで遊技球が当該第2特別電動役物58bに到達しないように遊技球の発射のタイミングを調整するといった新たな遊技を遊技者に提供することができる。
《3-8-6》変形例6:
上記実施形態では、遊技球を第1通路である第1ルート36b1と第2通路である第2ルート36b2とに振り分ける振分部(第2振分釘群36b)は、複数の鉄製の釘によって構成されているが、この構成に代えて、振分部は、樹脂製の複数の突起部によって構成されていてもよい。この構成を採用する利点について説明する。上記実施形態のように、振分部が鉄製(釘)である構成を採用した場合には、遊技球が振分部に繰り返し衝突することによって当該振分部が塑性変形し、本パチンコ機10の設計当初の想定とは異なる割合で遊技球が振り分けられてしまう虞がある。本パチンコ機10では、振分部による遊技球の振り分け割合が変化してしまうと、設計の大前提が崩れてしまい、遊技が成立しなくなってしまう。しかしながら、本変形例によれば、振分部は樹脂によって形成されているため、遊技球が繰り返し衝突しても塑性変形しにくい(瞬間的に弾性変形するのみ)。したがって、本パチンコ機10が長期間にわたって遊技ホールに設置され、振分部に遊技球が繰り返し衝突したとしても、本パチンコ機10の設計当初の想定通りの割合で遊技球を振り分けることが可能となる。
《3-8-7》変形例7:
上記実施形態では、第1通路である第1ルート36b1に振り分けられた遊技球は、第2入球部である特別入賞口32s又は第3入球部である第2大入賞口58aのいずれかには必ず入球するように構成されているが、この構成に代えて、第1通路に振り分けられた遊技球が第2入球部及び第3入球部のいずれにも入球しない場合がある構成としてもよい。具体的には、例えば、第1ルート36b1に振り分けられた遊技球が特別入賞口32s及び第2大入賞口58aのいずれにも入球しない場合がある構成としてもよい。より具体的な構成としては、例えば、第2特別電動役物58bと特別入賞口32sとの間に遊技球の挙動に変化を与える釘が設けられており、第2特別電動役物58bの板状部材の上を左側に向けて渡り切った遊技球が特別入賞口32sを飛び越えてしまう場合がある構成としてもよい。この変形例によれば、遊技球が第1ルート36b1に振り分けられた場合であっても、当該遊技球の流通先が特別入賞口32s及び第2大入賞口58aに絞られないので、遊技結果のさらなる多様化を図ることができる。
《3-8-8》変形例8:
上記実施形態及び上記各変形例において、第1通路及び第2通路とは異なる第3通路がさらに設けられており、当該第3通路に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球しても賞球を払い出さないアウト口が設けられている構成としてもよい。具体的には、例えば、第1ルート36b1及び第2ルート36b2とは異なる第3ルートがさらに設けられており、当該第3ルートに振り分けられた遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球しても賞球を払い出さないアウト口が設けられている構成としてもよい。この構成において、第2振分釘群36bは、第1ルート36b1よりも第2ルート36b2及び第3ルートに多くの遊技球を振り分けるように構成されていてもよい。この構成によれば、遊技球が第1ルート36b1に振り分けられることの価値を一層高めることができる。したがって、遊技球が第1ルート36b1に振り分けられたときの喜びをより一層大きくすることができる。
《3-8-9》変形例9:
上記実施形態では、第2通路である第2ルート36b2に振り分けられた遊技球は、右側アウト口43rに必ず入球し、切替部である第2特別電動役物58bに到達することがないように構成されているが、この構成に代えて、第2通路に振り分けられた遊技球が切替部に到達する場合がある構成としてもよい。具体的には、例えば、第2ルート36b2に振り分けられた遊技球が第2特別電動役物58bに到達する場合がある構成としてもよい。より具体的な構成としては、例えば、第2ルート36b2の先に分岐点を設け、右側アウト口43rに到達可能なルートと、第2特別電動役物58bに到達可能なルートとを設ける構成としてもよい。この構成によれば、遊技者は、第2ルート36b2に振り分けられた遊技球に対しても、第2特別電動役物58bに到達し、その後当該第2特別電動役物58bの板状部材を渡り切って特別入賞口32sに入球して欲しいといった期待感を抱くことになる。したがって、さらなる遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
《3-8-10》変形例10:
上記実施形態では、第2ルート36b2に振り分けられた遊技球は、右側アウト口43rに導かれて入球し、遊技領域PAから排出されるように構成されているが、この構成に代えて、第2ルート36b2に振り分けられた遊技球が導かれる先に、右側アウト口43rに代えて、振分入球口が設けられている構成としてもよい。振分入球口は、遊技球が入球可能な入球口を有し、入球した遊技球を、賞球が払い出される領域(賞球口)と、賞球が払い出されない領域(アウト口)とに振り分け可能な入球部である。具体的には、振分入球口の内部には、第1内部通路と、第2内部通路と、振分入球口に入球した遊技球を第1内部通路と第2内部通路とのいずれかに振り分ける振分弁と、が設けられている。当該振分弁は、振分入球口に入球した遊技球を第1内部通路に振り分ける第1振分状態と、振分入球口に入球した遊技球を第2内部通路に振り分ける第2振分状態と、を交互に繰り返す動作をしており、本変形例では、振分入球口に入球した遊技球を1:1の割合で第1内部通路と、第2内部通路とに振り分けるように動作している。第1内部通路の先には入賞口が設けられており、当該入賞口に遊技球が入球した場合には1個の遊技球が賞球として払い出される。一方、第2内部通路の先にはアウト口が設けられており、当該アウト口に遊技球が入球した場合には賞球は払い出されない。この構成によれば、第2ルート36b2に振り分けられた遊技球は、振分入球口に入球した後、2分の1の確率で第1内部通路に振り分けられて入賞口に入球し、1個の賞球が払い出されることになる。この構成によれば、通常状態F1において遊技者が右打ちをした場合であっても、発射された遊技球の個数(=100個)と、賞球として払い出される遊技球の個数(=約100個)とがほぼ同じになるので、通常状態F1において右打ちをしても遊技者に利益がないようにしつつも、上記実施形態と比較して、高確状態F3において払い出される賞球の個数を底上げすることが可能となる。
《3-8-11》変形例11:
上記実施形態及び上記各変形例において、普図抽選における普図当たりの当選確率、普通図柄の変動時間及び普通電動役物の動作モードを規定するサポートモードとして、低頻度サポートモード(低サポ状態)と、同条件において低頻度サポートモードよりも普通電動役物が高頻度に動作する高頻度サポートモード(高サポ状態)とを備える構成としてもよい。そして、例えば、高サポ状態中に実行される普図抽選において普図当たりに当選する確率を、低サポ状態中に実行される普図抽選において普図当たりに当選する確率よりも高く設定する構成としてもよい。また、例えば、高サポ状態中には、普図抽選の結果が普図当たりである場合の普通図柄の変動表示時間として、短変動時間(例えば0.5秒)を設定し、低サポ状態中には、短変動時間よりも長い長変動時間(例えば60秒)を設定する設定処理を実行する構成としてもよい。また、例えば、高サポ状態において所定上限回数の特図抽選が実行されたという移行条件が成立した場合に、低サポ状態に移行する構成としてもよい。また、遊技者が現在のサポートモードの状態を容易に判別できるようにするために、高サポ状態において高サポ状態用背景画像を図柄表示装置41に表示可能な構成とし、低サポ状態において低サポ状態用背景画像を図柄表示装置41に表示可能な構成としてもよい。このように、複数種類のサポートモードを備える構成とすることによって、さらなる遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
《3-8-12》変形例12:
上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える外枠は、木製に限らず、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える内枠は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える前扉枠は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機には、内枠を外枠に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠する機能とを有するシリンダ錠が設けられているが、このシリンダ錠が省略された構成を採用した上で、内枠を外枠に対して開放不能に施錠する機能を有する第1シリンダ錠と、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠する機能を有する第2シリンダ錠とが別々に設けられた構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、内枠を外枠に対して回動させる回動軸が正面視左側に設けられている構成を採用したが、この回動軸が正面視右側に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、前扉枠を内枠に対して回動させる回動軸が正面視左側に設けられている構成を採用したが、この回動軸が正面視右側に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える遊技盤は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機は上皿と下皿とを備える構成を採用したが、下皿が省略され、上皿のみを備える構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、正面視右側に操作ハンドルが設けられている構成を採用したが、正面視左側に操作ハンドルが設けられている構成を採用してもよい。また、操作ハンドルが正面視右側と正面視左側の両方に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、遊技者が操作ハンドルを握っているか否か(遊技者の手が操作ハンドルに接触しているか否か)を検出可能なタッチセンサーが操作ハンドルに設けられている構成を採用したが、このタッチセンサーが省略された構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、遊技球を発射可能な発射手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、バネ等の弾性力を利用して遊技球を発射させる構成や、圧縮気体が噴出する際の風圧を利用して遊技球を発射させる構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、操作ハンドルが右回りに所定量回動操作された状態においては、1分間に100発程度の遊技球が発射されるように構成されているが、1分間に100発未満(例えば60発)の遊技球が発射される構成であってもよく、また、1分間に100発以上(例えば200発)の遊技球が発射される構成であってもよい。また、レバーを弾くことによって遊技球を1発ずつ発射させる構成としてもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、音声を出力可能な手段としてスピーカーを備える構成を採用したが、スピーカーに加えて又はスピーカーに代えてイヤホンジャックを備える構成を採用してもよい。この構成によれば、遊技者は、自身が持参したイヤホンやヘッドホンを当該イヤホンジャックに接続することによって、周囲のパチンコ機の音声に邪魔されずに、自身が遊技中のパチンコ機の音声を存分に楽しむことが可能となる。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種始動口に遊技球が入球したことに基づいて変動表示を開始する特別図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、LEDランプや、LED表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、ハロゲンランプ等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種ゲートを遊技球が通過したことに基づいて変動表示を開始する普通図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、LEDランプや、LED表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、ハロゲンランプ等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種の装飾図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、液晶表示装置や、有機EL表示装置、LED表示装置、ドラム回転式表示装置、導光板、三次元ホログラム表示装置等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、装飾図柄としては、数字に限らず、種々の文字や図形、記号、絵柄等及びこれらの組み合わせを採用することができる。例えば、装飾図柄として、アルファベットや、ギリシャ文字、平仮名、カタカナ、漢字、各種キャラクター等及びこれらの組み合わせを採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、装飾図柄がスクロールする図柄列の数は3つに限らず、例えば、2つ以下であってもよく、4つ以上であってもよい。そして、装飾図柄の図柄列が1つである構成を採用した場合には、例えば、特定の装飾図柄(例えば「7」)が停止した場合に大当たりに当選となる構成としてもよい。また、装飾図柄の列が2つ又は4つ以上である構成を採用した場合には、例えば、特定のラインに同一の装飾図柄が停止した場合に大当たりに当選となる構成としてもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、特別電動役物としては、種々の構成を採用することができ、例えば、板状部材の下方に略水平方向に延びる回動軸が設けられ、当該回動軸を中心として当該板状部材が前方側に回動することによって大入賞口を開放可能な構成や、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材によって大入賞口を開閉する構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、普通電動役物としては、種々の構成を採用することができ、例えば、一対の可動弁が左右に開放可能な所謂チューリップ型普通電動役物や、板状部材の下方に略水平方向に延びる回動軸が設けられ、当該回動軸を中心として当該板状部材が前方側に回動することによって始動口を開放可能な構成、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材によって始動口を開閉する構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各入球口(始動口や一般入賞口、大入賞口等)に設定されている賞球数は例示であり、各入球口に設定される賞球数を適宜変更することによって、スペックの異なる複数種類のパチンコ機を実現することが可能である。
《3-8-13》変形例13:
上記実施形態およびその変形例では、パチンコ機10は、主制御装置60、音声発光制御装置90、表示制御装置100といった3つの制御装置を備える構成としたが、これに換えて、主制御装置と副制御装置といった2つの制御装置を備える構成としても良い。副制御装置では、上記実施形態において音声発光制御装置90と表示制御装置100とにおいて実行される各種処理を実行する構成とすれば良い。また、上記実施形態およびその変形例において、3つの制御装置60,90,100のそれぞれで実行される各種処理は、上記実施形態で説明した区分けに限る必要はなく、3つの制御装置60,90,100の全体として、上記実施形態における各種の処理が実行できれば良い。
《3-9》他の構成への適用:
上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると特別電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態及び上記各変形例においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
《3-10》上記実施形態及び上記各変形例等から抽出される発明群について:
以下、上述した実施形態及び各変形例から抽出される発明群の特徴(特徴群)について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態又は上記各変形例において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴zA群>
特徴zA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zA1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴zA2]
特徴zA1に記載の遊技機であって、
前記第2入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球したことによって払い出される賞球(15個)は、前記第3入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球したことによって払い出される賞球(2個)よりも多い
ことを特徴とする遊技機。
本特徴では、第2入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球したことによって払い出される賞球(15個)は、第3入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球したことによって払い出される賞球(2個)よりも多い構成を採用している。この構成を採用した理由について説明する。
遊技を開始した直後の通常の遊技状態(通常状態F1)において遊技者が振分手段(第2振分釘群36b)を狙って遊技球を発射させた(右打ちをした)場合には、変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されるので、発射された遊技球は、第2入球領域(特別入賞口32s)には入球せず、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになる。しかしながら、本特徴によれば、第3入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球したことによって払い出される賞球は、第2入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球したことによって払い出される賞球よりも少ないので、遊技者は、手持ちの遊技球を増加させることができず、メリットがない。したがって、遊技を開始した直後の通常の遊技状態(通常状態F1)において遊技者が振分手段(第2振分釘群36b)を狙って遊技球を発射させること(右打ちをすること)を抑制することができる。
一方、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~120秒))が設定され得る遊技状態(高確状態F3)においては、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況となる。そして、本特徴によれば、第2入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球する場合の方が、第3入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球する場合よりも払い出される賞球が多く、遊技者に有利となるので、変動表示時間(第2特図変動時間)としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴zA3]
特徴zA1または特徴zA2に記載の遊技機であって、
前記振分手段(第2振分釘群36b)は、作動しない非作動物(釘)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)は、作動しない非作動物(釘)によって構成されている。この構成を採用した理由について説明する。仮に、振分手段(第2振分釘群36b)が作動する作動物である構成を採用した場合には、遊技者が作動物の作動のタイミングを計って遊技球を発射させることによって、価値の高い第1流路(第1ルート36b1)のみに遊技球が振り分けられるようにすることが可能になってしまうおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)は、作動しない非作動物(釘)によって構成されているので、遊技者は、価値の高い第1流路(第1ルート36b1)のみに遊技球が振り分けられるように作動物の作動のタイミングを計って遊技球を発射させるといったことができなくなる。したがって、本遊技機の設計当初の想定どおりの割合で遊技球が振り分けられるようにすることができる。
[特徴zA4]
特徴zA1から特徴zA3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球しても賞球を払い出さない入球領域(右側アウト口43r)を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2流路に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球しても賞球を払い出さない入球領域を備えるので、第2流路に振り分けられた遊技球が、本遊技機の設計当初の想定に反して切替手段に到達してしまうことを抑制することができる。
[特徴zA5]
特徴zA1から特徴zA4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定抽選(第2特図抽選)の結果には、前記切替手段を前記入球可能状態に移行させない「外れ」が含まれている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定抽選の結果には、切替手段を入球可能状態に移行させない「外れ」が含まれており、所定抽選の結果が「外れ」になった場合には、当該変動表示が終了しても、切替手段は入球可能状態に移行しない。この場合、切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該変動表示の終了後も第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)入球することが可能となる。したがって、本特徴によれば、一般的な遊技機においては遊技者に最も不利な結果である「外れ」が、遊技者にとって最も有利な結果になるといった、従来にない新しい遊技を遊技者に提供することができる。
[特徴zA6]
特徴zA1から特徴zA5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1入球領域(第2特図始動口34)は、入球した遊技球が遊技領域に残って流通する場合があるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1入球領域(第2特図始動口34)は、入球した遊技球が遊技領域に残って流通する場合があるように構成されているので、例えば、第1入球領域(第2特図始動口34)に入球した遊技球がその後に振分手段(第2振分釘群36b)に到達する場合がある。特に、本特徴では、振分手段(第2振分釘群36b)に到達する遊技球が増えるほど遊技者にとって有利になる。したがって、第1入球領域(第2特図始動口34)に入球した遊技球が遊技領域に残るのか否かといった楽しみや、残った場合にその後どのように遊技領域を流通するのかといった楽しみを遊技者に提供することができる。
[特徴zA7]
特徴zA1から特徴zA6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1入球領域(第2特図始動口34)は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1入球領域(第2特図始動口34)は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されている。この構成を採用した理由について説明する。本遊技機では、遊技を開始した直後の通常の遊技状態(通常状態F1)において、遊技者が第1入球領域(第2特図始動口34)を狙って遊技球を発射させた場合(右打ちをした場合)には、第1入球領域(第2特図始動口34)に遊技球が入球する場合がある。しかしながら、本特徴によれば、第1入球領域(第2特図始動口34)は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されているので、遊技者は、第1入球領域(第2特図始動口34)を狙って遊技球を発射させても、手持ちの遊技球を増加させることができず、メリットがない。したがって、遊技を開始した直後の通常の遊技状態(通常状態F1)において遊技者が第1入球領域(第2特図始動口34)を狙って遊技球を発射させること(右打ちをすること)を抑制することができる。
[特徴zA8]
特徴zA1から特徴zA7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる手段を備えるので、遊技者に対して、遊技球が価値の高い第2入球領域(特別入賞口32s)に入球したことによる喜びに加えて、現在の有利な遊技状態が終了してしまわないかといった緊張感を与えることができる。
[特徴zA9]
特徴zA1から特徴zA8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第3入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第3入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる手段を備えるので、遊技者に対して、遊技球が第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する毎に、現在の有利な遊技状態(高確状態F3)が終了してしまうのではないかといった緊迫感を抱かせることができるとともに、切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となっているタイミングで遊技球が当該切替手段(第2特別電動役物58b)に到達しないように遊技球の発射のタイミングを調整するといった新たな遊技を遊技者に提供することができる。
[特徴zA10]
特徴zA1から特徴zA9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記振分手段(第2振分釘群36b)は、樹脂によって形成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段は、樹脂によって形成されている。この構成を採用した理由について説明する。仮に、本特徴とは異なり、振分手段が鉄製である構成を採用した場合には、遊技球が振分手段に繰り返し衝突することによって当該振分手段が塑性変形し、本遊技機の設計当初の想定とは異なる割合で遊技球が振り分けられてしまう虞がある。本遊技機では、振分手段による遊技球の振り分け割合が変化してしまうと、設計の大前提が崩れてしまい、遊技が成立しなくなってしまう。しかしながら、本特徴によれば、振分手段は樹脂によって形成されているため、遊技球が繰り返し衝突しても塑性変形しにくい(瞬間的に弾性変形するのみ)。したがって、本遊技機が長期間にわたって遊技ホールに設置され、振分手段に遊技球が繰り返し衝突したとしても、本遊技機の設計当初の想定通りの割合で遊技球を振り分けることが可能となる。
[特徴zA11]
特徴zA1から特徴zA10のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が前記第2入球領域(特別入賞口32s)及び前記第3入球領域(第2大入賞口58a)のいずれにも入球しない場合がある
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が前記第2入球領域(特別入賞口32s)及び前記第3入球領域(第2大入賞口58a)のいずれにも入球しない場合があるので、遊技球が第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた場合であっても、当該遊技球の流通先が第2入球領域(特別入賞口32s)及び第3入球領域(第2大入賞口58a)に絞られないので、遊技結果のさらなる多様化を図ることができる。
[特徴zA12]
特徴zA1から特徴zA11のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1流路(第1ルート36b1)及び前記第2流路(第2ルート36b2)とは異なる第3流路(第3ルート)と、
前記第3流路(第3ルート)に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球しても賞球を払い出さない入球領域(アウト口)と、
を備え、
前記振分手段(第2振分釘群36b)は、前記第1流路よりも前記第2流路及び前記第3流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1流路及び第2流路とは異なる第3流路と、第3流路に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球しても賞球を払い出さない入球領域と、を備え、振分手段は、第1流路よりも第2流路及び第3流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されているので、遊技球が第1流路に振り分けられることの価値を一層高めることができる。したがって、遊技球が第1流路に振り分けられたときの喜びをより一層大きくすることができる。
[特徴zA13]
特徴zA1から特徴zA12のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられた遊技球が前記切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する場合があるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられた遊技球が切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する場合があるように構成されているので、遊技者は、第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられた遊技球に対しても、切替手段(第2特別電動役物58b)に到達し、その後当該切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)を渡り切って第2入球領域(特別入賞口32s)に入球して欲しいといった期待感を抱くことになる。したがって、さらなる遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
[特徴zA14]
特徴zA1から特徴zA13のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として前記第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定され得る第1遊技状態(通常状態F1)において所定移行条件が成立した場合に(確変大当たりに当選してV確入賞口57avに遊技球が入球した場合に)、前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として前記第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る第2遊技状態(高確状態F3)に移行させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定され得る第1遊技状態(通常状態F1)において所定移行条件が成立した場合に(確変大当たりに当選してV確入賞口57avに遊技球が入球した場合に)、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る第2遊技状態(高確状態F3)に移行させる手段を備える。本特徴では、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定された場合の方が、第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定された場合よりも遊技者にとって有利であるので、遊技者に対して、第1遊技状態(通常状態F1)において早く所定移行条件が成立して(確変大当たりに当選してV確入賞口57avに遊技球が入球して)第2遊技状態(高確状態F3)に移行して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
[特徴zA15]
特徴zA1から特徴zA14のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、所定の有利結果(16R確変大当たり)が発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出(リーチ演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、所定の有利結果(16R確変大当たり)が発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出(リーチ演出)を実行可能な手段を備えるので、所定の有利結果(16R確変大当たり)が発生して変動表示(第2特別図柄の変動表示)の終了後に有利な状態が継続するのか否かといった期待感を遊技者に抱かせることができるとともに、当該期待度演出(リーチ演出)が実行されている変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中は、切替手段(第2特別電動役物58b)が入球不能状態(閉鎖状態)を維持するため、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球は、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することができず、第2入球領域(特別入賞口32s)に入球することが可能となる。すなわち、期待度演出(リーチ演出)が実行されている変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に遊技者は利益を得ることが可能となる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出の実行中は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本特徴によれば、期待度演出(リーチ演出)が実行されたにもかかわらず、遊技者に有利な所定の有利結果(16R確変大当たり)が発生しなかったとしても、当該期待度演出(リーチ演出)が実行されている期間中に遊技者は多くの賞球を獲得することができる。したがって、本特徴によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出に係る特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合に、当該リーチ演出が実行されている期間が、遊技者にとって、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題を解決することができる。
[特徴zA16]
特徴zA1から特徴zA15のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出(カウントダウン演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出(カウントダウン演出)を実行可能な手段を備えるので、変動表示(第2特別図柄の変動表示)が終了するまでの時間、すなわち、遊技球が第2入球領域(特別入賞口32s)に入球することができなくなるまでの残り時間を遊技者に示唆することができる。この結果、遊技者は、当該演出において表示される数値情報から、遊技球が第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができなくなるまでの残り時間を読み取ることによって、遊技球の発射の有無やタイミングを調整し、遊技球の無駄な発射を抑制することが可能となる。
[特徴zA17]
特徴zA1から特徴zA16のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記変動表示時間として前記第2期間が設定された前記変動表示(長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示)の実行中に、遊技者に好機な状態であることを示唆する演出(好機示唆演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、遊技者にとって好機な状態が、第2期間が設定された変動表示(長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示)の実行中である。しかしながら、初めて本遊技機で遊技を行なった遊技者にとっては容易に理解できない場合がある。
本特徴によれば、変動表示時間として第2期間が設定された変動表示(長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示)の実行中に、遊技者に好機であることを示唆する演出(好機示唆演出)を実行可能な手段を備えるので、遊技者に対して、この第2期間が設定された変動表示(長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示)の実行中こそが遊技者にとって好機な状態であることを明確に認識させることができる。
[特徴zA18]
特徴zA1から特徴zA17のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、第1の演出(ステップアップ演出1)を実行し、前記第1の演出に連続して前記第1の演出とは異なる第2の演出(ステップアップ演出2)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の後の抽選結果だけでなく、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の期間がどれだけ長く続くのかということが遊技者にとって重要となる。
本特徴によれば、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、第1の演出(ステップアップ演出1)を実行し、第1の演出(ステップアップ演出1)に連続して第1の演出(ステップアップ演出1)とは異なる第2の演出(ステップアップ演出2)を実行可能な手段を備えるので、遊技者に対して、第1の演出(ステップアップ演出1)が実行された場合に、当該第1の演出(ステップアップ演出1)の後に連続して第2の演出(ステップアップ演出2)が実行されて当該変動表示(第2特別図柄の変動表示)がまだまだ継続して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
[特徴zA19]
特徴zA1から特徴zA18のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2入球領域(特別入賞口32s)に入球した遊技球の個数に関する情報(入球個数示唆演出)を表示可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球した遊技球の個数ではなく、第2入球領域(特別入賞口32s)に入球した遊技球の個数が遊技者にとって重要となる。
本特徴によれば、第2入球領域(特別入賞口32s)に入球した遊技球の個数に関する情報を表示可能な手段を備えるので、本遊技機において重要な第2入球領域(特別入賞口32s)に入球した遊技球の個数を遊技者に注目させることができる。
[特徴zA20]
特徴zA1から特徴zA19のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として前記第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定され得る第1遊技状態(通常状態F1)において第1の背景画像(通常状態F1用背景画像)を表示可能であり、前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として前記第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る第2遊技状態(高確状態F3)において前記第1の背景画像とは異なる第2の背景画像(高確状態F3用背景画像)を表示可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
一般的な遊技機では、遊技状態が異なると、例えば普通電動役物の挙動が異なるため、遊技者は、現在の遊技状態がどの遊技状態であるのかを容易に判別することができる。
しかしながら、本遊技機では、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定され得る第1遊技状態(通常状態F1)と、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る第2遊技状態(高確状態F3)とが存在するが、これらの遊技状態の違いは、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さだけであるため、遊技者は、現在の遊技状態が第1遊技状態(通常状態F1)であるのか第2遊技状態(高確状態F3)であるのかを容易に判別することはできない。
本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定され得る第1遊技状態(通常状態F1)において第1の背景画像(通常状態F1用背景画像)を表示可能であり、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る第2遊技状態(高確状態F3)において第1の背景画像(通常状態F1用背景画像)とは異なる第2の背景画像(高確状態F3用背景画像)を表示可能な手段を備えるので、遊技者は、現在の遊技状態が第1遊技状態(通常状態F1)であるのか第2遊技状態(高確状態F3)であるのかを容易に判別することが可能となる。
[特徴zA21]
特徴zA1から特徴zA20のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記切替手段(第2特別電動役物58b)によって前記第3入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となる場合であっても、前記第3入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となることを示唆する演出を実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、第3入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となることは、遊技者に有利なことではなく不利なことである。
本特徴によれば、切替手段(第2特別電動役物58b)によって第3入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となる場合であっても、第3入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となることを示唆する演出を実行しない手段を備えるので、遊技者に対して、第3入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となることが遊技者にとって有利なことであると誤解を与えてしまうことを回避することができる。
<特徴zB群>
特徴zB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zB1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
前記第2入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球したことによって払い出される賞球(15個)は、前記第3入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球したことによって払い出される賞球(2個)よりも多い
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴では、第2入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球したことによって払い出される賞球(15個)は、第3入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球したことによって払い出される賞球(2個)よりも多い構成を採用している。この構成を採用した理由について説明する。
遊技を開始した直後の通常の遊技状態(通常状態F1)において遊技者が振分手段(第2振分釘群36b)を狙って遊技球を発射させた(右打ちをした)場合には、変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されるので、発射された遊技球は、第2入球領域(特別入賞口32s)には入球せず、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになる。しかしながら、本特徴によれば、第3入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球したことによって払い出される賞球は、第2入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球したことによって払い出される賞球よりも少ないので、遊技者は、手持ちの遊技球を増加させることができず、メリットがない。したがって、遊技を開始した直後の通常の遊技状態(通常状態F1)において遊技者が振分手段(第2振分釘群36b)を狙って遊技球を発射させること(右打ちをすること)を抑制することができる。
一方、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~120秒))が設定され得る遊技状態(高確状態F3)においては、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況となる。そして、本特徴によれば、第2入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球する場合の方が、第3入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球する場合よりも払い出される賞球が多く、遊技者に有利となるので、変動表示時間(第2特図変動時間)としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴zC群>
特徴zC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zC1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
前記振分手段(第2振分釘群36b)は、作動しない非作動物(釘)によって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)は、作動しない非作動物(釘)によって構成されている。この構成を採用した理由について説明する。仮に、振分手段(第2振分釘群36b)が作動する作動物である構成を採用した場合には、遊技者が作動物の作動のタイミングを計って遊技球を発射させることによって、価値の高い第1流路(第1ルート36b1)のみに遊技球が振り分けられるようにすることが可能になってしまうおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)は、作動しない非作動物(釘)によって構成されているので、遊技者は、価値の高い第1流路(第1ルート36b1)のみに遊技球が振り分けられるように作動物の作動のタイミングを計って遊技球を発射させるといったことができなくなる。したがって、本遊技機の設計当初の想定どおりの割合で遊技球が振り分けられるようにすることができる。
<特徴zD群>
特徴zD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zD1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球しても賞球を払い出さない入球領域(右側アウト口43r)を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第2流路に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球しても賞球を払い出さない入球領域を備えるので、第2流路に振り分けられた遊技球が、本遊技機の設計当初の想定に反して切替手段に到達してしまうことを抑制することができる。
<特徴zE群>
特徴zE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zE1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
前記所定抽選(第2特図抽選)の結果には、前記切替手段を前記入球可能状態に移行させない「外れ」が含まれている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、所定抽選の結果には、切替手段を入球可能状態に移行させない「外れ」が含まれており、所定抽選の結果が「外れ」になった場合には、当該変動表示が終了しても、切替手段は入球可能状態に移行しない。この場合、切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該変動表示の終了後も第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)入球することが可能となる。したがって、本特徴によれば、一般的な遊技機においては遊技者に最も不利な結果である「外れ」が、遊技者にとって最も有利な結果になるといった、従来にない新しい遊技を遊技者に提供することができる。
<特徴zF群>
特徴zF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zF1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
前記第1入球領域(第2特図始動口34)は、入球した遊技球が遊技領域に残って流通する場合があるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第1入球領域(第2特図始動口34)は、入球した遊技球が遊技領域に残って流通する場合があるように構成されているので、例えば、第1入球領域(第2特図始動口34)に入球した遊技球がその後に振分手段(第2振分釘群36b)に到達する場合がある。特に、本特徴では、振分手段(第2振分釘群36b)に到達する遊技球が増えるほど遊技者にとって有利になる。したがって、第1入球領域(第2特図始動口34)に入球した遊技球が遊技領域に残るのか否かといった楽しみや、残った場合にその後どのように遊技領域を流通するのかといった楽しみを遊技者に提供することができる。
<特徴zG群>
特徴zG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zG1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
前記第1入球領域(第2特図始動口34)は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第1入球領域(第2特図始動口34)は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されている。この構成を採用した理由について説明する。本遊技機では、遊技を開始した直後の通常の遊技状態(通常状態F1)において、遊技者が第1入球領域(第2特図始動口34)を狙って遊技球を発射させた場合(右打ちをした場合)には、第1入球領域(第2特図始動口34)に遊技球が入球する場合がある。しかしながら、本特徴によれば、第1入球領域(第2特図始動口34)は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されているので、遊技者は、第1入球領域(第2特図始動口34)を狙って遊技球を発射させても、手持ちの遊技球を増加させることができず、メリットがない。したがって、遊技を開始した直後の通常の遊技状態(通常状態F1)において遊技者が第1入球領域(第2特図始動口34)を狙って遊技球を発射させること(右打ちをすること)を抑制することができる。
<特徴zH群>
特徴zH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zH1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記第2入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第2入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる手段を備えるので、遊技者に対して、遊技球が価値の高い第2入球領域(特別入賞口32s)に入球したことによる喜びに加えて、現在の有利な遊技状態が終了してしまわないかといった緊張感を与えることができる。
<特徴zI>
特徴zI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zI1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記第3入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第3入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる手段を備えるので、遊技者に対して、遊技球が第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する毎に、現在の有利な遊技状態(高確状態F3)が終了してしまうのではないかといった緊迫感を抱かせることができるとともに、切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となっているタイミングで遊技球が当該切替手段(第2特別電動役物58b)に到達しないように遊技球の発射のタイミングを調整するといった新たな遊技を遊技者に提供することができる。
<特徴zJ群>
特徴zJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zJ1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
前記振分手段(第2振分釘群36b)は、樹脂によって形成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、振分手段は、樹脂によって形成されている。この構成を採用した理由について説明する。仮に、本特徴とは異なり、振分手段が鉄製である構成を採用した場合には、遊技球が振分手段に繰り返し衝突することによって当該振分手段が塑性変形し、本遊技機の設計当初の想定とは異なる割合で遊技球が振り分けられてしまう虞がある。本遊技機では、振分手段による遊技球の振り分け割合が変化してしまうと、設計の大前提が崩れてしまい、遊技が成立しなくなってしまう。しかしながら、本特徴によれば、振分手段は樹脂によって形成されているため、遊技球が繰り返し衝突しても塑性変形しにくい(瞬間的に弾性変形するのみ)。したがって、本遊技機が長期間にわたって遊技ホールに設置され、振分手段に遊技球が繰り返し衝突したとしても、本遊技機の設計当初の想定通りの割合で遊技球を振り分けることが可能となる。
<特徴zK群>
特徴zK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zK1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
前記第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が前記第2入球領域(特別入賞口32s)及び前記第3入球領域(第2大入賞口58a)のいずれにも入球しない場合がある
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が前記第2入球領域(特別入賞口32s)及び前記第3入球領域(第2大入賞口58a)のいずれにも入球しない場合があるので、遊技球が第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた場合であっても、当該遊技球の流通先が第2入球領域(特別入賞口32s)及び第3入球領域(第2大入賞口58a)に絞られないので、遊技結果のさらなる多様化を図ることができる。
<特徴zL群>
特徴zL群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zL1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記第1流路(第1ルート36b1)及び前記第2流路(第2ルート36b2)とは異なる第3流路(第3ルート)と、
前記第3流路(第3ルート)に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球しても賞球を払い出さない入球領域(アウト口)と、
を備え、
前記振分手段(第2振分釘群36b)は、前記第1流路よりも前記第2流路及び前記第3流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第1流路及び第2流路とは異なる第3流路と、第3流路に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球しても賞球を払い出さない入球領域と、を備え、振分手段は、第1流路よりも第2流路及び第3流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されているので、遊技球が第1流路に振り分けられることの価値を一層高めることができる。したがって、遊技球が第1流路に振り分けられたときの喜びをより一層大きくすることができる。
<特徴zM群>
特徴zM群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zM1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
前記第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられた遊技球が前記切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する場合があるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられた遊技球が切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する場合があるように構成されているので、遊技者は、第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられた遊技球に対しても、切替手段(第2特別電動役物58b)に到達し、その後当該切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)を渡り切って第2入球領域(特別入賞口32s)に入球して欲しいといった期待感を抱くことになる。したがって、さらなる遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
<特徴zN群>
特徴zN群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zN1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として前記第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定され得る第1遊技状態(通常状態F1)において所定移行条件が成立した場合に(確変大当たりに当選してV確入賞口57avに遊技球が入球した場合に)、前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として前記第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る第2遊技状態(高確状態F3)に移行させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定され得る第1遊技状態(通常状態F1)において所定移行条件が成立した場合に(確変大当たりに当選してV確入賞口57avに遊技球が入球した場合に)、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る第2遊技状態(高確状態F3)に移行させる手段を備える。本特徴では、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定された場合の方が、第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定された場合よりも遊技者にとって有利であるので、遊技者に対して、第1遊技状態(通常状態F1)において早く所定移行条件が成立して(確変大当たりに当選してV確入賞口57avに遊技球が入球して)第2遊技状態(高確状態F3)に移行して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
<特徴zO群>
特徴zO群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zO1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、所定の有利結果(16R確変大当たり)が発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出(リーチ演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、所定の有利結果(16R確変大当たり)が発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出(リーチ演出)を実行可能な手段を備えるので、所定の有利結果(16R確変大当たり)が発生して変動表示(第2特別図柄の変動表示)の終了後に有利な状態が継続するのか否かといった期待感を遊技者に抱かせることができるとともに、当該期待度演出(リーチ演出)が実行されている変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中は、切替手段(第2特別電動役物58b)が入球不能状態(閉鎖状態)を維持するため、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球は、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することができず、第2入球領域(特別入賞口32s)に入球することが可能となる。すなわち、期待度演出(リーチ演出)が実行されている変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に遊技者は利益を得ることが可能となる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出の実行中は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本特徴によれば、期待度演出(リーチ演出)が実行されたにもかかわらず、遊技者に有利な所定の有利結果(16R確変大当たり)が発生しなかったとしても、当該期待度演出(リーチ演出)が実行されている期間中に遊技者は多くの賞球を獲得することができる。したがって、本特徴によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出に係る特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合に、当該リーチ演出が実行されている期間が、遊技者にとって、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題を解決することができる。
<特徴zP群>
特徴zP群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zP1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出(カウントダウン演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出(カウントダウン演出)を実行可能な手段を備えるので、変動表示(第2特別図柄の変動表示)が終了するまでの時間、すなわち、遊技球が第2入球領域(特別入賞口32s)に入球することができなくなるまでの残り時間を遊技者に示唆することができる。この結果、遊技者は、当該演出において表示される数値情報から、遊技球が第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができなくなるまでの残り時間を読み取ることによって、遊技球の発射の有無やタイミングを調整し、遊技球の無駄な発射を抑制することが可能となる。
<特徴zQ群>
特徴zQ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zQ1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記変動表示時間として前記第2期間が設定された前記変動表示(長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示)の実行中に、遊技者に好機な状態であることを示唆する演出(好機示唆演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、遊技者にとって好機な状態が、第2期間が設定された変動表示(長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示)の実行中である。しかしながら、初めて本遊技機で遊技を行なった遊技者にとっては容易に理解できない場合がある。
本特徴によれば、変動表示時間として第2期間が設定された変動表示(長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示)の実行中に、遊技者に好機であることを示唆する演出(好機示唆演出)を実行可能な手段を備えるので、遊技者に対して、この第2期間が設定された変動表示(長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示)の実行中こそが遊技者にとって好機な状態であることを明確に認識させることができる。
<特徴zR群>
特徴zR群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zR1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、第1の演出(ステップアップ演出1)を実行し、前記第1の演出に連続して前記第1の演出とは異なる第2の演出(ステップアップ演出2)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の後の抽選結果だけでなく、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の期間がどれだけ長く続くのかということが遊技者にとって重要となる。
本特徴によれば、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、第1の演出(ステップアップ演出1)を実行し、第1の演出(ステップアップ演出1)に連続して第1の演出(ステップアップ演出1)とは異なる第2の演出(ステップアップ演出2)を実行可能な手段を備えるので、遊技者に対して、第1の演出(ステップアップ演出1)が実行された場合に、当該第1の演出(ステップアップ演出1)の後に連続して第2の演出(ステップアップ演出2)が実行されて当該変動表示(第2特別図柄の変動表示)がまだまだ継続して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
<特徴zS群>
特徴zS群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zS1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記第2入球領域(特別入賞口32s)に入球した遊技球の個数に関する情報(入球個数示唆演出)を表示可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球した遊技球の個数ではなく、第2入球領域(特別入賞口32s)に入球した遊技球の個数が遊技者にとって重要となる。
本特徴によれば、第2入球領域(特別入賞口32s)に入球した遊技球の個数に関する情報を表示可能な手段を備えるので、本遊技機において重要な第2入球領域(特別入賞口32s)に入球した遊技球の個数を遊技者に注目させることができる。
<特徴zT群>
特徴zT群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zT1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として前記第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定され得る第1遊技状態(通常状態F1)において第1の背景画像(通常状態F1用背景画像)を表示可能であり、前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として前記第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る第2遊技状態(高確状態F3)において前記第1の背景画像とは異なる第2の背景画像(高確状態F3用背景画像)を表示可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、一般的な遊技機では、遊技状態が異なると、例えば普通電動役物の挙動が異なるため、遊技者は、現在の遊技状態がどの遊技状態であるのかを容易に判別することができる。
しかしながら、本遊技機では、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定され得る第1遊技状態(通常状態F1)と、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る第2遊技状態(高確状態F3)とが存在するが、これらの遊技状態の違いは、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さだけであるため、遊技者は、現在の遊技状態が第1遊技状態(通常状態F1)であるのか第2遊技状態(高確状態F3)であるのかを容易に判別することはできない。
本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定され得る第1遊技状態(通常状態F1)において第1の背景画像(通常状態F1用背景画像)を表示可能であり、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る第2遊技状態(高確状態F3)において第1の背景画像(通常状態F1用背景画像)とは異なる第2の背景画像(高確状態F3用背景画像)を表示可能な手段を備えるので、遊技者は、現在の遊技状態が第1遊技状態(通常状態F1)であるのか第2遊技状態(高確状態F3)であるのかを容易に判別することが可能となる。
<特徴zU群>
特徴zU群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴zU1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球領域(第2特図始動口34)と、
前記第1入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第1入球領域より下方側に設けられ、遊技球を第1流路(第2特別電動役物58bへの第1ルート36b1)と第2流路(右側アウト口43rへの第2ルート36b2)とに少なくとも振り分け可能な振分手段(第2振分釘群36b)と、
前記振分手段より下方側に設けられ、遊技球が入球可能な入球口を有する第2入球領域(特別入賞口32s)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第3入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路の方が前記第2流路よりも高く、
前記振分手段は、遊技球を振り分ける場合に、前記第1流路よりも前記第2流路に多くの遊技球を振り分けるように構成されており、
当該遊技機は、さらに、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを所定の条件に応じて設定する設定手段と、
を備え、
前記切替手段は、遊技球を所定期間転動させて前記第3入球領域に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記振分手段によって前記第1流路に振り分けられた遊技球は前記第2入球領域に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記切替手段(第2特別電動役物58b)によって前記第3入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となる場合であっても、前記第3入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となることを示唆する演出を実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球は、遊技者にとっての価値が第1流路(第1ルート36b1)よりも低い第2流路(第2ルート36b2)に振り分けられる。一方、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した残りの少ない遊技球が、遊技者にとっての価値が第2流路(第2ルート36b2)よりも高い第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられ、遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達する。したがって、振分手段(第2振分釘群36b)に到達した多くの遊技球が遊技者にとっての価値が高い切替手段(第2特別電動役物58b)に到達してしまって遊技者にとって過度に有利な状況となってしまうことを抑制することができる。
そして、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(通常状態F1にて設定される短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第2入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(第1ルート36b1)に振り分けられた遊技球が、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第3入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第2入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第2入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定される状況においては、遊技者は、遊技球を振分手段(第2振分釘群36b)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、第3入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となることは、遊技者に有利なことではなく不利なことである。
本特徴によれば、切替手段(第2特別電動役物58b)によって第3入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となる場合であっても、第3入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となることを示唆する演出を実行しない手段を備えるので、遊技者に対して、第3入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となることが遊技者にとって有利なことであると誤解を与えてしまうことを回避することができる。
なお、上記各特徴群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特開2011-172988号公報)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化、遊技の健全性の向上等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
なお、上記各特徴群に含まれる1又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、上記の各特徴群を適用し得る又は各特徴群に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段と、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、前記取得情報記憶手段に記憶された前記特別情報が所定条件を満たす場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示手段と、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示を始動させる始動手段と、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間の経過に起因して前記複数の絵柄の可変表示を停止させる停止手段と、停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。上記の実施形態、変形例、および特徴群に含まれる技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
《4》第4実施形態:
《4-0》はじめに:
従来、大当たり当選以外で出球を増やしたいという要望があり、その要望に応えるために、高確率で小当たりに当選可能であり、小当たりに当選すればするほど遊技者の手持ちの遊技球が増加する遊技状態(いわゆる小当たりラッシュ)を備えるパチンコ機が開発された。従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機では、小当たりラッシュ中において、第2特図抽選において小当たりに当選し、第2特別図柄の変動表示が小当たりに対応した図柄で停止した場合に、特別電動役物が開放して大入賞口に遊技球が入球可能となる。すなわち、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機では、遊技者は、第2特図抽選において小当たりに当選したことに基づいて特別電動役物が開放した場合に利益を得ることができる。
しかし、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行される第2特図抽選は、大当たりを抽選するものでもあるため、大当たりに当選するか否かの期待度を示唆するリーチ演出が実行される場合があり、当該リーチ演出が実行されている期間(第2特別図柄の変動表示の実行中の期間)は小当たりが発生しないため、遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまい、小当たり当選による特別電動役物の開放によって利益を得たい遊技者にとっては非常に歯痒い時間となってしまうといった課題があった。
また、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機の中には、小当たりラッシュ中は常に遊技球の発射を継続させなければ小当たりによる利益を得ることができないパチンコ機が存在する。具体的には、小当たりに当選することになる第2特別図柄の変動表示の実行中にもリーチ演出が実行され得るパチンコ機であって、遊技者が、利益を得ることのできないリーチ演出の実行中(第2特別図柄の変動表示の実行中)に遊技球の浪費を避けようと止め打ち(遊技球の発射を一時的に止めること)をすると、当該リーチ演出の終盤又は終了時に小当たり当選を確認してから遊技球を発射させても、当該小当たり当選に基づく特別電動役物の開放中に遊技球を当該特別電動役物に到達させることができないパチンコ機である。このようなパチンコ機においては、遊技者は、利益を得ることのできないリーチ演出の実行中(第2特別図柄の変動表示の実行中)であっても、変動表示の停止後に発生し得る小当たりによる利益を得るためには止め打ちをすることができず、遊技球の浪費を余儀なくされ、不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
また、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行されたリーチ演出に係る第2特図抽選の結果が外れになった場合には、遊技者は、リーチ演出の実行中に小当たりによる利益も得られず、さらに当該変動表示の停止後にも小当たりによる利益が得られないので、不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
さらに、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行されたリーチ演出に係る第2特図抽選の結果が小当たりラッシュが終了することになる結果(出玉のない通常大当たり)になり、小当たりラッシュが終了してしまった場合には、遊技者は、リーチ演出の実行中に小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうため、非常に不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
このように、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中の期間(第2特別図柄の変動中の期間)は、遊技者にとって、小当たりによる利益を得ることができない非常に歯痒い期間であり、また、止め打ちもできずに遊技球の浪費を余儀なくされる不愉快な期間であり、さらに、リーチ演出に係る第2特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合には、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題があった。
また、近年では、演出の迫力を増すために遊技盤の中央に配置される液晶ディスプレイの大型化が進んでおり、遊技球が流通可能な遊技領域が狭くなりつつある。このため、上述した従来の小当たりラッシュの課題を解決するための新規の遊技性を実現するための構成を採用するためには、遊技球を効率よく流下させて新規な遊技仕様に応じた領域へ導くための新規な機構を遊技盤に効率良く配置する必要があるといった課題があった。
本発明に係る遊技機(以下、本遊技機とも称する)は、上述した小当たりラッシュの課題を解決すること及び狭い遊技領域においても新規な遊技性を実現することを目的としている。以下、詳細に説明する。
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「第1利益」としての「第1特典」を備え、「第1入球領域」としての「第1入球部」を備え、「第1流路」としての「第1通路」を備え、「第2利益」としての「第2特典」を備え、「第2入球領域」としての「第2入球部」を備え、「第2流路」としての「第2通路」を備え、「第3入球領域」としての「第3入球部」を備え、「第3流路」としての「第3通路」を備え、「作動手段」としての「作動部材」を備え、「作用領域」としての「作用部」を備え、「整流領域」としての「整流部」を備え、「第4入球領域」としての「第4入球部」を備え、「第5入球領域」としての「第5入球部」を備え、「所定抽選」としての「内部抽選」を備え、「所定結果」としての「特定結果」を備え、「切替手段」としての「切替部」を備え、「移行手段」としての「移行処理」を備え、「変動表示手段」としての「変動表示部」を備え、「設定手段」としての「設定処理」を備え、「転動手段」としての「転動部」を備え、「所定の有利結果」としての「特定有利結果」を備える。
「第1利益」は、遊技者にとって利益になるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、所定個数(例えば15個)の賞球や、多数の賞球を獲得しやすい遊技状態(特電開閉実行モード)への移行、特図抽選において特図大当たりに当選する確率の高い遊技状態(高確率モード)への移行、普図抽選において普図当たりに当選する確率の高い遊技状態(高頻度サポートモード)への移行、特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)への移行、などが挙げられる。
「第1入球領域」は、遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口を有する領域であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技球が入球した場合に所定個数の賞球が払い出されることになる特別入賞口や、一般入賞口、大入賞口、大入賞口内の賞球付与領域、遊技球が入球した場合に第1特別図柄の変動表示が実行されることになる第1特図始動口、遊技球が入球した場合に第2特別図柄の変動表示が実行されることになる第2特図始動口、遊技球が入球した場合に普通図柄の変動表示が実行されることになる普図始動ゲート、遊技球が入球した場合に遊技状態が高確率モードに移行するV確領域、遊技球が入球した場合に特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)に移行するV領域、遊技盤の最下部に設けられたアウト口、遊技球が入球した場合に特別電動役物が作動することになる特電始動口、などが挙げられる。
「第1流路」は、遊技球が流通可能であって他の領域から区画された通路状の領域であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、釘によって形成された通路や、樹脂によって形成された通路、遊技盤に形成された溝、遊技盤の裏面側に形成された通路、遊技球が流下可能(落下可能)な空間領域、などが挙げられる。
「第2利益」は、遊技者にとって利益になるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、所定個数(例えば1個)の賞球や、多数の賞球を獲得しやすい遊技状態(特電開閉実行モード)への移行、特図抽選において特図大当たりに当選する確率の高い遊技状態(高確率モード)への移行、普図抽選において普図当たりに当選する確率の高い遊技状態(高頻度サポートモード)への移行、特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)への移行、などが挙げられる。
「第2入球領域」は、遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口を有する領域であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技球が入球した場合に所定個数の賞球が払い出されることになる入球口である一般入賞口、特別入賞口、大入賞口、大入賞口内の賞球付与領域、遊技球が入球した場合に第1特別図柄の変動表示が実行されることになる第1特図始動口、遊技球が入球した場合に第2特別図柄の変動表示が実行されることになる第2特図始動口、遊技球が入球した場合に普通図柄の変動表示が実行されることになる普図始動ゲート、遊技球が入球した場合に遊技状態が高確率モードに移行するV確領域、遊技球が入球した場合に特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)に移行するV領域、遊技盤の最下部に設けられたアウト口、遊技球が入球した場合に特別電動役物が作動することになる特電始動口、などが挙げられる。
「第2流路」は、遊技球が流通可能であって他の領域から区画された通路状の領域であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、釘によって形成された通路や、樹脂によって形成された通路、遊技盤に形成された溝、遊技盤の裏面側に形成された通路、遊技球が流下可能(落下可能)な空間領域、などが挙げられる。
「第3入球領域」は、遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口を有する領域であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技球が入球した場合に2分の1の確率で1個の賞球が払い出されることになる入球口や、遊技球が入球した場合に所定個数の賞球が払い出されることになる特別入賞口、一般入賞口、大入賞口、大入賞口内の賞球付与領域、遊技球が入球した場合に第1特別図柄の変動表示が実行されることになる第1特図始動口、遊技球が入球した場合に第2特別図柄の変動表示が実行されることになる第2特図始動口、遊技球が入球した場合に普通図柄の変動表示が実行されることになる普図始動ゲート、遊技球が入球した場合に遊技状態が高確率モードに移行するV確領域、遊技球が入球した場合に特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)に移行するV領域、遊技盤の最下部に設けられたアウト口、遊技球が入球した場合に特別電動役物が作動することになる特電始動口、などが挙げられる。
「第3流路」は、遊技球が流通可能であって他の領域から区画された通路状の領域であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技盤の裏面側に形成された通路や、釘によって形成された通路、樹脂によって形成された通路、遊技盤に形成された溝、遊技盤の表面側に形成された通路、遊技球が流下可能(落下可能)な空間領域、などが挙げられる。
「作動手段」は、非作動状態(静止状態)と作動状態とになり得る構成であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、回転可能に支持されたV字型の形状を有する電動振分装置や、静止状態と所定の回転状態とになり得る回転装置、閉鎖状態と開閉動作を実行中の状態とになり得る特別電動役物、普通電動役物、などが挙げられる。
「第4入球領域」は、遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口を有する領域であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技球が入球した場合に第2特別図柄の変動表示が実行されることになる第2特図始動口や、遊技球が入球した場合に第1特別図柄の変動表示が実行されることになる第1特図始動口、遊技球が入球した場合に普通図柄の変動表示が実行されることになる普図始動ゲート、遊技球が入球した場合に所定個数の賞球が払い出されることになる一般入賞口、大入賞口、特別入賞口、遊技球が入球した場合に遊技状態が高確率モードに移行するV確領域、遊技球が入球した場合に特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)に移行するV領域、遊技盤の最下部に設けられたアウト口、遊技球が入球した場合に特別電動役物が作動することになる特電始動口、などが挙げられる。
「第5入球領域」は、遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口を有する領域であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技球が入球した場合に所定個数の賞球が払い出されることになる大入賞口や、特別入賞口や、一般入賞口、遊技球が入球した場合に第1特別図柄の変動表示が実行されることになる第1特図始動口、遊技球が入球した場合に第2特別図柄の変動表示が実行されることになる第2特図始動口、遊技球が入球した場合に普通図柄の変動表示が実行されることになる普図始動ゲート、遊技球が入球した場合に遊技状態が高確率モードに移行するV確領域、遊技球が入球した場合に特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)に移行するV領域、遊技盤の最下部に設けられたアウト口、遊技球が入球した場合に特別電動役物が作動することになる特電始動口、などが挙げられる。
「所定抽選」は、入球領域への遊技球の入球に基づいて乱数が取得され、当該乱数に基づいて結果が判定される抽選であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第2特図始動口への遊技球の入球に基づいて実行される第2特図抽選や、第1特図始動口への遊技球の入球に基づいて実行される第1特図抽選、普図始動ゲートへの遊技球の入球に基づいて実行される普図抽選、などが挙げられる。
「所定結果」は、切替手段を入球可能状態に移行させる契機となる結果であればよく、切替手段が入球可能状態に移行する回数や期間等は限定されず、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、特図小当たりや、特図大当たり(確変、通常、2R、16R等)、普図当たり、などが挙げられる。
「切替手段」は、入球領域の入球口を入球可能状態と入球不能状態とに切替可能な構成であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、特図抽選において特図小当たりや特図大当たりに当選した場合に閉鎖状態から開放状態に移行する特別電動役物や、普図抽選において普図当たりに当選した場合に閉鎖状態から開放状態に移行する普通電動役物、などが挙げられる。また、特別電動役物や普通電動役物の構成としては、例えば、入球口を閉鎖している板状部材が遊技盤の前後方向にスライドすることによって当該入球口を開放可能な構成(シャッター型)や、入球口を閉鎖している板状部材が遊技盤に平行な回動軸を中心として回動することによって当該入球口を開放可能な構成、入球口を閉鎖している一対の片部材(羽根部材、弁部材)がそれぞれ時計回り又は反時計回りに回動することによって当該入球口を開放可能な構成(いわゆる電動チューリップ型)、入球口を閉鎖している片部材(羽根部材、弁部材)が時計回り又は反時計回りに回動することによって当該入球口を開放可能な構成、など種々の構成を採用することができる。
「変動表示手段」は、所定の図柄、文字、図形、記号、画像等が変動する様子(変化する様子)を所定期間にわたって表示(変動表示)することが可能な構成であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、LEDランプによって構成された第2特別図柄表示部や、第1特別図柄表示部、液晶表示装置によって構成された図柄表示装置、LEDランプによって構成された普通図柄表示部、などが挙げられる。
「転動手段」は、遊技球を所定期間転動させて入球領域に入球させることが可能な構成であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材(遊技盤の前後方向にスライド可能なシャッター)や、遊技盤に平行な回動軸を中心として回動可能な板状部材、時計回り又は反時計回りに回動可能な片部材(羽根部材、弁部材)、などが挙げられる。
「所定の有利結果」は、遊技者にとって有利な抽選結果であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、特図大当たり(確変、通常、2R、16R等)や、普図当たり、などが挙げられる。
本遊技機は、詳細は後述するが、内部抽選に係る変動表示の実行中に、当該内部抽選の結果が特定有利結果となるか否かの期待度を示唆する期待度演出を実行可能であり、当該変動表示の実行中は、切替部が第5入球部を入球不能状態に維持するため、第1通路に振り分けられた遊技球は、第5入球部に入球することができず、第1入球部に入球することが可能となる。すなわち、遊技者は、期待度演出が実行されている変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出の実行中は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、内部抽選に係る変動表示の実行中に期待度演出が実行されたにもかかわらず、当該内部抽選において特定有利結果に当選せずに、遊技者に不利な結果に当選して有利な遊技状態が終了してしまったとしても、当該期待度演出が実行されている期間中に遊技者は多くの賞球を獲得することができるので、有利な遊技状態の終了直前に多量の賞球が払い出されるといった爽快感と満足感を遊技者に与えることができるとともに、当該有利な遊技状態が終了してしまったことに対する遊技者の怒りや喪失感を和らげることが可能となる。このように、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出に係る特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合に、当該リーチ演出が実行されている期間が、遊技者にとって、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題を解決することができる。
このように、本遊技機では、内部抽選に係る変動表示の実行中は切替部が入球不能状態を維持するため、第1通路に振り分けられた遊技球は、第5入球部に入球することができないが、第1入球部に入球することは可能となっている。したがって、切替部が入球不能状態である場合には第1入球部に遊技球を入球させるといった興趣を遊技者に提供することが可能となる。すなわち、切替部の各状態に応じて入球可能な入球部を設けることによって、常に遊技の興趣を遊技者に提供することが可能となる。
さらに、本遊技機によれば、作動部材が非作動状態である通常の遊技状態においては、作動部材に到達した遊技球は第3通路を流下するため切替部に到達することができない。一方、上述した従来の小当たりラッシュの課題を解決した新規なラッシュ状態では作動部材が作動状態となり、当該新規なラッシュ状態において作動部材に到達した遊技球は第1通路又は第2通路を流下し、第1通路に振り分けられた遊技球は切替部に導かれることになる。
したがって、本遊技機によれば、通常の遊技状態においては、遊技者は作動部材を狙って遊技球を発射させても利益を得ることができず、一方、上述した従来の小当たりラッシュの課題を解決した新規なラッシュ状態(作動部材が作動状態である遊技状態)においては、遊技者は作動部材を狙って遊技球を発射させることによって遊技球を効率良く切替部に到達させることができるといった新規な遊技性を実現することができる。
そして、本遊技機によれば、作動状態の作動部材に到達した遊技球が流下する第1通路及び第2通路と、非作動状態の作動部材に到達した遊技球が流下する第3通路とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域に遊技球を所定の領域に導く3つの通路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動部材に到達した遊技球が流下する通路(第1通路及び第2通路)と、非作動状態の作動部材に到達した遊技球が流下する通路(第3通路)とを明確に区別して認識させることができる。
このように、本遊技機によれば、作動部材によって振り分けられる通路の価値を適切に設定することによって遊技者に期待感を抱かせることができるとともに、複数の通路を遊技盤に効率よく設けることが可能となる。
以下、本遊技機のより具体的な構成を下記の第4実施形態として説明する。
《4-1》遊技機の構造:
図164は、第4実施形態のパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」とも称する)の斜視図である。図示するように、パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる特図抽選時、当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が所定の間隔(本実施形態では0.6秒間隔)で発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。そして、操作ハンドル25の回動操作量が所定未満の場合、すなわち遊技球の発射強度が所定未満の場合には、発射された遊技球は遊技盤の正面視左側の領域を流下する。この場合における遊技球の発射態様を「左打ち」とも呼ぶ。一方、操作ハンドル25の回動操作量が所定以上の場合、すなわち遊技球の発射強度が所定以上の場合には、発射された遊技球は遊技盤の正面視右側の領域を流下する。この場合における遊技球の発射態様を「右打ち」とも呼ぶ。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者は「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによってタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図165は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。本実施形態では、遊技領域PAは、「左打ち」によって発射された遊技球が流通可能な左側遊技領域PALと、左側遊技領域PALを流通してきた遊技球が到達可能な中央下部遊技領域PACと、「右打ち」によって発射された遊技球が流通可能な右側遊技領域PARとによって構成されている。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1特図始動口33、第2特図始動口34、普通電動役物34b、普図始動ゲート35、第1特電入賞装置57、第2特電入賞装置58、特別入賞口32s、右側入賞口36i、下部入球口36h、アウト口43、振分釘群36a、作用釘領域36c、整流釘領域36d、電動振分装置36e、ステージ36xが設けられている。本実施形態では、「左打ち」によって発射された遊技球が到達可能な中央下部遊技領域PACに第1特図始動口33が設けられており、第1特図始動口33の上方にステージ36xが設けられており、「右打ち」によって発射された遊技球が到達可能な右側遊技領域PARの上流側から順に、第1特電入賞装置57、振分釘群36a、普図始動ゲート35、普通電動役物34b、第2特図始動口34、作用釘領域36c、整流釘領域36d、電動振分装置36e、右側入賞口36i、第2特電入賞装置58、特別入賞口32s及び下部入球口36hが設けられている。以下、遊技盤30に設けられている各構成について説明する。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口を有する入球部であり、遊技球が入球した場合には、5個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。本実施形態では、一般入賞口32は、遊技盤30上に複数設けられている。
第1特図始動口33は、遊技球が入球可能な入球口を有する入球部であり、遊技球が入球した場合には、3個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出されるとともに、主制御装置60による内部抽選である第1特図抽選が実行される。第1特図抽選の結果、特図大当たりに当選すると、後述する特別電動役物(第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58b)が開閉動作を実行する特電開閉実行モードが開始される。特電開閉実行モードは、特電オープニング期間と、特電開閉期間と、特電エンディング期間とによって構成されている。特電オープニング期間は、特別電動役物の開閉処理が開始されるまでの待機期間であり、特電開閉期間は、実際に特別電動役物の開閉が実行される期間であり、特電エンディング期間は、特別電動役物の開閉処理が終了した後、次の特図抽選が実行可能となるまでの待機期間である。なお、本実施形態では、第1特図抽選の結果、特図大当たりに当選すると、第1特別電動役物57bが開閉動作の対象となる特電開閉実行モードが開始される。このように、第1特図始動口33に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態が移行することになる。
第1特電入賞装置57は、遊技球が入球可能な第1大入賞口57aと、当該第1大入賞口57aの入口を開閉する機能を有する第1特別電動役物57bとを備える。また、本実施形態では、第1大入賞口57aの内部には、遊技球が入球可能なV確入賞口57avが設けられている。
第1特別電動役物57bは、通常は遊技球が第1大入賞口57aに入球することが不可能な閉鎖状態となっており、上述した特電開閉実行モードが開始されると、遊技球が第1大入賞口57aに入球可能な開放状態となる。
本実施形態では、第1特別電動役物57bは、横長の矩形の板状部材と、当該板状部材の下辺の両端に設けられ、当該板状部材を前方側(手前側)に回動可能に支持する支持部とを備えている。第1特別電動役物57bは、閉鎖状態では、当該板状部材が遊技盤30と同一平面となるように収納された状態となっており、第1特別電動役物57bの上方から流通してきた遊技球が第1特別電動役物57bの前方側(手前側)を通過可能な状態となっている。一方、開放状態では、第1特別電動役物57bは、当該板状部材が支持部を中心として前方側(手前側)に回動した状態となっており、第1特別電動役物57bの上方から流通してきた遊技球が第1大入賞口57aに入球可能な状態となる。
第1大入賞口57aは、第1特別電動役物57bが開放状態となっている状況において遊技球が入球可能な入球口であり、遊技球が入球した場合には、5個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。上述したように、本実施形態では、第1大入賞口57aの内部には、V確入賞口57avが設けられている。
V確入賞口57avは、第1大入賞口57aに入球した遊技球が入球可能な入球口であり、遊技球が入球した場合には、上述した特電開閉実行モードの終了後における特図抽選の抽選モードが高確率モードとなる。特図抽選の抽選モードの詳細については後述する。
振分釘群36aは、遊技球の流通(落下)の方向に変化を与えるための釘群であり、第1特別電動役物57bの下方に設けられている。振分釘群36aは、到達した遊技球を、約1:4の割合で、普図始動ゲート35に至るルートと、作用釘領域36cに至るルートとに振り分ける。
普図始動ゲート35は、遊技球が入球可能な入球口を有する貫通孔型の入球部であり、普図始動ゲート35に入球した遊技球は、遊技領域PAに残って流通可能である。そして、普図始動ゲート35に遊技球が入球した場合には、主制御装置60によって普図抽選が実行される。普図抽選の結果には、後述する普通電動役物34bを入球可能状態に移行させる「普図当たり」と、普通電動役物34bを入球可能状態に移行させない「普図外れ」とが含まれている。普図抽選の結果、普図当たりに当選した場合には、普通電動役物34bを開放状態に移行させる移行処理を含む普電開閉実行モードが実行される。普電開閉実行モードは、普電オープニング期間と、普電開閉処理期間と、普電エンディング期間とによって構成されている。普電オープニング期間は、普通電動役物34bの開閉処理が開始されるまでの待機期間であり、普電開閉期間は、実際に普通電動役物34bの開閉処理が実行される期間であり、普電エンディング期間は、普通電動役物34bの開閉処理が終了した後、次の普図抽選を実行可能とするまでの待機期間である。なお、普図始動ゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
普図始動ゲート35の下流には、普通電動役物34bを有する第2特図始動口34が配置されており、普図始動ゲート35に入球した遊技球は、普通電動役物34bを備える第2特図始動口34に導かれる。
普通電動役物34bは、通常は遊技球が第2特図始動口34に入球することが不可能な閉鎖状態となっており、上述した普電開閉実行モードが開始されると、遊技球が第2特図始動口34に入球可能な開放状態となる。
第2特図始動口34は、遊技球が入球可能な入球口を有する第4入球部であり、本実施形態では、右側遊技領域PARに設けられている。第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、1個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出されるとともに、主制御装置60による内部抽選である第2特図抽選が実行される。第2特図抽選の結果、特図大当たり又は特定結果としての特図小当たりに当選すると、後述する特別電動役物(第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58b)を開放状態に移行させる移行処理を含む特電開閉実行モードが開始される。なお、本実施形態では、第2特図抽選の結果として、特図外れは設定されておらず、特図大当たり又は特図小当たりのみが設定されている。そして、本実施形態では、第2特図抽選の結果、特図大当たり又は特図小当たりに当選すると、第2特別電動役物58bが開閉動作の対象となる特電開閉実行モードが開始される。このように、第2特図始動口34に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態が移行することになる。なお、本実施形態では、第2特図始動口34が右側遊技領域PARに設けられている構成としたが、第2特図始動口34の位置はこれに限定されず、本発明の主旨を実現可能であれば、他の位置に設けられていてもよい。例えば、第2特図始動口34は、左側遊技領域PALに設けられていてもよく、また、中央下部遊技領域PACにおけるステージ36xより下方側に設けられていてもよい。
作用釘領域36cは、複数の遊技釘が設けられた領域であり、当該遊技釘によってランダムに遊技球の流下に作用する作用部として機能する領域である。作用釘領域36cの下方には整流釘領域36dが設けられている。
整流釘領域36dは、到達した遊技球を1球ずつ流下可能に整流する整流部として機能する領域である。本実施形態では、整流釘領域36dには、隣接した2本ずつの釘が左右対称に設けられており、当該2本ずつの釘の隙間から遊技球が1球ずつ下方に流下可能となっている。整流釘領域36dの下方には電動振分装置36eが設けられている。
電動振分装置36eは、回転可能に支持されたV字型の形状を有する作動部材であり、遊技状態に応じて非作動状態(静止状態)と作動状態とになり得るように構成されている。具体的には、本実施形態では、後述する通常の遊技状態(通常状態F1)においては、V字の角部が下方を向いた非作動状態(図165(A)参照)となっており、非作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球は、電動振分装置36eのV字の2つの片の間に一時的に保持された後、電動振分装置36eの背面側の遊技盤30に設けられた入球口である裏面連通入球口36fに誘導されて入球する。裏面連通入球口36fに入球した遊技球は、遊技盤30の裏面側に導かれ、遊技盤30の裏面側に設けられた第3通路である中央ルートUを流通する。中央ルートUの終点には、裏面連通排球口36gが設けられており、裏面連通入球口36fに入球した遊技球は、中央ルートUを流通した後、裏面連通排球口36gから再び遊技盤30の表面側に導かれる。裏面連通排球口36gの下方には、遊技球が入球可能な第3入球部である下部入球口36hが設けられている。
一方、後述する高確高サポ状態(高確高サポ状態F3)では、電動振分装置36eは、到達した遊技球を第1通路である左側ルートLに振り分ける左側振分状態(図165(B)に示すV字の角部が右側上方を向いた状態)と、到達した遊技球を第2通路である右側ルートRに振り分ける右側振分状態(図165(C)に示すV字の角部が左側上方を向いた状態)と、を交互に繰り返す作動状態となる。この作動状態では、電動振分装置36eの背面側にある裏面連通入球口36fがV字の角部によって封じられているため、作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球は、裏面連通入球口36fに入球することが不可能となり、左側ルートL又は右側ルートRに振り分けられることになる。本実施形態では、電動振分装置36eは、作動状態では、左側振分状態を0.3秒間維持した後、0.05秒間をかけて右側振分状態に移行し、右側振分状態を0.6秒間維持した後、再び0.05秒間をかけて左側振分状態に移行し、左側振分状態を0.3秒間維持するといった動作を繰り返す。この結果、作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球は、1:2の割合で左側ルートLと、右側ルートRとに振り分けられる。左側ルートLに振り分けられた遊技球は、第2特電入賞装置58の右端側に導かれる。一方、右側ルートRに振り分けられた遊技球は、第2入球部である右側入賞口36iに導かれて入球し、第2特典としての1個の賞球が払い出される。
第2特電入賞装置58は、遊技球が入球可能な入球口を有する第5入球部である第2大入賞口58aと、当該第2大入賞口58aを入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替部としての機能を有する第2特別電動役物58bとを備えている。
第2特別電動役物58bは、通常は遊技球が第2大入賞口58aに入球することが不可能な閉鎖状態となっており、上述した特電開閉実行モードが開始されると、遊技球が第2大入賞口58aに入球可能な開放状態となる。
本実施形態では、第2特別電動役物58bは、横長の矩形の板状部材と、当該板状部材を前後方向に移動させることが可能な駆動部とを備えている。第2特別電動役物58bは、閉鎖状態では、当該板状部材が遊技盤30の前方側(手前側)に突出した状態となっており、当該板状部材の上面は遊技球が転動可能な転動部を構成した状態となっている。一方、開放状態では、第2特別電動役物58bは、当該板状部材が遊技盤30の後方側に収納された状態となっており、当該板状部材の上面の転動部を転動していた遊技球や、第2特別電動役物58bの上方から流通(落下)してきた遊技球が、当該板状部材の下方に設けられた第2大入賞口58aに入球可能な状態となる。また、本実施形態では、第2特別電動役物58bの板状部材の上面の転動部に複数の突起部が設けられている。この突起部によって、第2特別電動役物58bの板状部材の上面の転動部を転動する遊技球の速度が低下する。この結果、本実施形態の第2特別電動役物58bの板状部材の上面の転動部の右端から左端まで遊技球が転動するのに要する時間は2.0秒以上となっている。
第2大入賞口58aは、第2特別電動役物58bが開放状態となっている場合に遊技球が入球可能な入球口を有する第5入球部であり、遊技球が入球すると、2個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。なお、第2大入賞口58aの内部には、上述したV確入賞口は設けられていない。
特別入賞口32sは、遊技球が入球可能な入球口を有する第1入球部であり、遊技球が入球すると、第1特典としての15個の賞球が払出装置71から払い出される。本実施形態では、特別入賞口32sは、第2特電入賞装置58の左端側かつ下流側に設けられており、閉鎖状態の第2特別電動役物58bの板状部材の上面を左端まで流通した遊技球のみが入球可能となっている。換言すれば、閉鎖状態の第2特別電動役物58bの板状部材の上面を遊技球が流通中に、第2特別電動役物58bが開放状態に移行した場合には、当該遊技球は下方に落下して第2大入賞口58aに入球し、特別入賞口32sまで到達することができず、特別入賞口32sに入球することができない。
下部入球口36hは、遊技球が入球可能な入球口を有する第3入球部であり、裏面連通排球口36gの下方に設けられている。裏面連通排球口36gから遊技盤30の表面側に排出された遊技球は、下部入球口36hに入球可能となっている。
下部入球口36hの内部には、第1内部通路36h1と、第2内部通路36h2と、下部入球口36hに入球した遊技球を第1内部通路36h1と第2内部通路36h2とのいずれかに振り分ける振分弁36h3と、が設けられている。振分弁36h3は、下部入球口36hに入球した遊技球を第1内部通路36h1に振り分ける第1振分状態と、下部入球口36hに入球した遊技球を第2内部通路36h2に振り分ける第2振分状態と、を交互に繰り返す動作をしており、本実施形態では、下部入球口36hに入球した遊技球を1:1の割合で第1内部通路36h1と、第2内部通路36h2とに振り分けるように動作している。
第1内部通路36h1の先には入賞口36h1aが設けられており、入賞口36h1aに遊技球が入球した場合には1個の遊技球が賞球として払い出される。一方、第2内部通路36h2の先にはアウト口36h2aが設けられており、アウト口36h2aに遊技球が入球した場合には賞球は払い出されない。すなわち、下部入球口36hに1個の遊技球が入球したことによって払い出される賞球は1個以下となる。
アウト口43は、遊技盤30の最下部に設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
なお、「入球」とは、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過することを意味し、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAに残存して流通(流下)を継続する態様も含まれる。また、一般入賞口32、特別入賞口32s、第1特図始動口33、第2特図始動口34、第1大入賞口57a、第2大入賞口58a及びV確入賞口57avへの遊技球の入球を「入賞」と表現する場合もある。
次に、遊技盤30に設けられている各種の表示部について説明する。
遊技盤30には、可変表示ユニット40と、メイン表示部45とが設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
特図ユニット37は、第1特別図柄表示部37aと、第2特別図柄表示部37bと、第1特図保留表示部37cと、第2特図保留表示部37dとを備えている。
第1特別図柄表示部37aは、第1特別図柄の変動表示及び停止表示を実行する表示部である。第1特別図柄とは、第1特図始動口33への遊技球の入球を契機として第1特図抽選が実行された際に変動表示及び停止表示される図柄をいう。第1特図始動口33への遊技球の入球を契機として第1特図抽選が実行されると、第1特別図柄表示部37aは、当該第1特図抽選の抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1特別図柄の変動表示を実行する。その後、第1特別図柄表示部37aは、当該第1特図抽選の抽選結果に対応した表示態様で第1特別図柄の停止表示を実行する。以降の説明では、第1特別図柄表示部37aにおいて第1特別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1特図変動時間とも呼ぶ。
本実施形態では、第1特別図柄表示部37aは、7個のセグメント発光部が8の字型に配列された7セグメント表示器によって構成されている。第1特図始動口33に遊技球が入球すると、第1特別図柄表示部37aを構成する7セグメント表示器は、所定の態様で点滅した後に(変動表示した後に)、第1特図抽選の抽選結果に対応した所定の態様で点灯する(停止表示する)。ただし、第1特別図柄表示部37aは、7セグメント表示器に限らず、他の構成であってもよい。
なお、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄の変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを第1特図遊技回とも呼ぶ。すなわち、第1特図遊技回は、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて実行される第1特図抽選の抽選結果を遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1回の第1特図遊技回毎に、1回の第1特図抽選の抽選結果を遊技者に報知する。また、1回の第1特図遊技回に要する時間を第1特図遊技時間とも呼ぶ。第1特図遊技時間は、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄の変動表示が開始されてから第1特図抽選の結果が停止表示されるまでの時間である第1特図変動時間と、第1特図抽選の結果が停止表示されている時間である第1特図停止時間とによって構成されている。なお、本実施形態では、第1特図停止時間は一定(1.0秒)である。したがって、第1特図変動時間が決定されることによって、第1特図遊技時間は一意に決定される。
第2特別図柄表示部37bは、第2特別図柄の変動表示及び停止表示を実行する変動表示部である。第2特別図柄とは、第2特図始動口34への遊技球の入球を契機として第2特図抽選が実行された際に変動表示及び停止表示される図柄をいう。第2特図始動口34への遊技球の入球を契機として第2特図抽選が実行されると、第2特別図柄表示部37bは、当該第2特図抽選の抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2特別図柄の変動表示を実行する。その後、第2特別図柄表示部37bは、当該第2特図抽選の抽選結果に対応した表示態様で第2特別図柄の停止表示を実行する。以下では、第2特別図柄表示部37bにおいて第2特別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2特図変動時間とも呼ぶ。
本実施形態では、第2特別図柄表示部37bは、7個のセグメント発光部が8の字型に配列された7セグメント表示器によって構成されている。第2特図始動口34に遊技球が入球すると、第2特別図柄表示部37bを構成する7セグメント表示器は所定の態様で点滅した後に(変動表示した後に)、第2特図抽選の抽選結果に対応した所定の態様で点灯する(停止表示する)。ただし、第2特別図柄表示部37bは、7セグメント表示器に限らず、他の構成であってもよい。
なお、第2特別図柄表示部37bにおける第2特別図柄の変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを第2特図遊技回とも呼ぶ。すなわち、第2特図遊技回は、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて実行される第2特図抽選の抽選結果を遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1回の第2特図遊技回毎に、1回の第2特図抽選の抽選結果を遊技者に報知する。また、1回の第2特図遊技回に要する時間を第2特図遊技時間とも呼ぶ。第2特図遊技時間は、第2特別図柄表示部37bにおける第2特別図柄の変動表示が開始されてから第2特図抽選の結果が停止表示されるまでの時間である第2特図変動時間と、第2特図抽選の結果が停止表示されている時間である第2特図停止時間とによって構成されている。なお、本実施形態では、第2特図停止時間は一定である。したがって、第2特図変動時間が決定されることによって、第2特図遊技時間は一意に決定される。
また、本実施形態では、特電開閉実行モードの実行中又は特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示中に遊技球が第1特図始動口33又は第2特図始動口34に入球した場合に、当該遊技球の入球に基づく第1特図抽選又は第2特図抽選の実行を保留する機能(特図保留機能とも呼ぶ)を有しており、保留された第1特図抽選の保留個数に対応した情報を表示する第1特図保留表示部37cと、保留された第2特図抽選の保留個数に対応した情報を表示する第2特図保留表示部37dとを備えている。
第1特図保留表示部37cは、保留された第1特図抽選の保留個数に対応した情報(第1特図始動口33に入球した遊技球の個数に関する情報)を表示する表示部である。本実施形態では、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づく第1特図抽選は、最大4個(4回)まで保留される。なお、本実施形態では、第1特図保留表示部37cは、4個のLEDランプによって構成されており、第1図抽選の保留個数に対応した数のLEDランプが点灯する。
第2特図保留表示部37dは、保留された第2特図抽選の保留個数に対応した情報を表示する表示部である。本実施形態では、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づく第2特図抽選は、最大4個(4回)まで保留される。なお、本実施形態では、第2特図保留表示部37dは、4個のLEDランプによって構成されており、第2図抽選の保留個数に対応した数のLEDランプが点灯する。
また、本実施形態では、第1特図抽選と第2特図抽選の両方が保留されている場合には、第2特図抽選が優先して実行され、第2特図抽選の保留が全て無くなった後に、第1特図抽選が実行されるように構成されている(いわゆる特2優先機)。具体的には、例えば、第1特図抽選が2個(2回)保留されており、第2特図抽選が3個(3回)保留されている場合には、第2特図抽選が3回実行されて保留が無くなった後に、第1特図抽選が2回実行されることになる。ただし、保留されていた最後の第2特図抽選が終了する前に第2特図始動口34に遊技球が入球して第2特図抽選が再び保留された場合には、当該保留された第2特図抽選が終了するまで、第1特図抽選は実行されない。
普図ユニット38は、普通図柄表示部38aと、普図保留表示部38bとを備えている。
普通図柄表示部38aは、普通図柄の変動表示及び停止表示を実行する変動表示部である。普通図柄とは、普図始動ゲート35への遊技球の入球を契機として内部抽選である普図抽選が実行された際に変動表示及び停止表示される図柄をいう。普図始動ゲート35への遊技球の入球を契機として普図抽選が実行されると、普通図柄表示部38aは、当該普図抽選の抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、普通図柄の変動表示を実行する。その後、普通図柄表示部38aは、当該普図抽選の抽選結果に対応した表示態様で普通図柄の停止表示を実行する。以降の説明では、普通図柄表示部38aにおいて普通図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を普図変動時間とも呼ぶ。
本実施形態では、普通図柄表示部38aは、7個のセグメント発光部が8の字型に配列された7セグメント表示器によって構成されている。普図始動ゲート35に遊技球が入球すると、普通図柄表示部38aを構成する7セグメント表示器は、所定の態様で点滅した後に(変動表示した後に)、普図抽選の抽選結果に対応した所定の態様で点灯する(停止表示する)。ただし、普通図柄表示部38aは、7セグメント表示器に限らず、他の構成であってもよい。
なお、普通図柄表示部38aにおける普通図柄の変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを普図遊技回とも呼ぶ。すなわち、普図遊技回は、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づいて実行される普図抽選の抽選結果を遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1回の普図遊技回毎に、1回の普図抽選の抽選結果を遊技者に報知する。また、1回の普図遊技回に要する時間を普図遊技時間とも呼ぶ。普図遊技時間は、普通図柄表示部38aにおける普通図柄の変動表示が開始されてから普図抽選の結果が停止表示されるまでの時間である普図変動時間と、普図抽選の結果が停止表示されている時間である普図停止時間とによって構成されている。なお、本実施形態では、普図停止時間は一定(0.1秒)である。したがって、普図変動時間が決定されることによって、普図遊技時間は一意に決定される。
また、本実施形態では、普電開閉実行モードの実行中又は普通図柄の変動表示中に遊技球が普図始動ゲート35に入球した場合に、当該遊技球の入球に基づく普図抽選の実行を保留する機能(普図保留機能とも呼ぶ)を有しており、保留された普図抽選の保留個数に対応した情報を表示する上述した普図保留表示部38bを備えている。
普図保留表示部38bは、保留された普図抽選の保留個数に対応した情報を表示する表示部である。本実施形態では、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づく普図抽選は、最大4個(4回)まで保留される。なお、本実施形態では、普図保留表示部38bは、4個のLEDランプによって構成されており、普図抽選の保留個数に対応した数のLEDランプが点灯する。
ラウンド表示部39は、特電開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数に対応した情報を表示する表示部である。ラウンド遊技とは、予め定められた所定時間(最大開放時間)が経過すること、又は、予め定められた上限個数(最大入球個数)の遊技球が大入賞口に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、特別電動役物の開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、特電開閉実行モードの移行の契機となった特図当たりの種別に応じて異なる。ラウンド表示部39は、特電開閉実行モードにおける特電開閉期間の開始の際にラウンド遊技の回数に対応した表示を開始し、特電開閉期間の終了の際に当該表示を終了する。本実施形態では、ラウンド表示部39は、7個のセグメント発光部が8の字型に配列された7セグメント表示器を2つ並べることによって構成されている。ただし、ラウンド表示部39は、2つの7セグメント表示器に限らず、他の構成であってもよい。
なお、上述したメイン表示部45を構成する各表示部は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。本実施形態では、図柄表示装置41として、液晶表示装置(液晶ディスプレイ)が採用されている。図柄表示装置41の表示内容は、後述する表示制御装置100によって制御される。なお、図柄表示装置41としては、液晶表示装置(液晶ディスプレイ)に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置や、有機EL表示装置、CRTなど、種々の表示装置が採用されてもよい。
図柄表示装置41は、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄又は第2特別図柄表示部37bにおける第2特別図柄が変動表示及び停止表示をする場合に、それに合わせて装飾図柄の変動表示及び停止表示を行なう。また、図柄表示装置41は、装飾図柄の変動表示及び停止表示に限らず、予告演出や特電開閉実行モード中の演出の表示など、各種の演出の表示も行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図166は、図柄表示装置41において変動表示される装飾図柄及び図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図166(A)は、図柄表示装置41の表示面41aにおいて変動表示される装飾図柄の一例を示す説明図である。
図166(A)に示すように、図柄表示装置41には、装飾図柄として、数字の1~8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される装飾図柄として、数字の1~8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図166(B)は、図柄表示装置41の表示面41aの一例を示す説明図である。図示するように、表示面41aの中央には、メイン表示領域MAが表示される。なお、変形例として、表示面41aの右側上方に、メイン表示領域MAよりも小さい領域であるサブ表示領域SAが表示される構成としてもよい。
メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの装飾図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各装飾図柄列Z1~Z3には、図166(A)に示した数字1~8の装飾図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各装飾図柄列Z1~Z3のそれぞれにおいて装飾図柄が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。そして、図166(B)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各装飾図柄列毎に1個の装飾図柄が、有効ラインL1上に停止した状態で表示される。
本実施形態では、第1特図始動口33又は第2特図始動口34に遊技球が入球し、第1特別図柄表示部37a又は第2特別図柄表示部37bにおいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、各装飾図柄列Z1~Z3の装飾図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各装飾図柄が、装飾図柄列Z1、装飾図柄列Z3、装飾図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わる。その後、第1特別図柄表示部37a又は第2特別図柄表示部37bにおいて第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示となったタイミングと同期して、各装飾図柄列Z1~Z3毎に1個の装飾図柄が停止表示した状態となる。主制御装置60による第1特図抽選又は第2特図抽選の結果が特図大当たりであった場合には、各装飾図柄列における装飾図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる際に、予め定められた所定の装飾図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。例えば、同一の装飾図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。なお、各装飾図柄列の装飾図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、装飾図柄列の数、有効ラインの数、各装飾図柄列における装飾図柄のスクロールの方向、各装飾図柄列の装飾図柄の数など、装飾図柄の変動表示の態様としては種々の態様を採用可能である。
次に、装飾図柄におけるリーチについて説明する。リーチとは、図柄表示装置41の表示面41aに表示される複数の装飾図柄列のうち一部の装飾図柄列において、当たりに対応した装飾図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される可能性がある装飾図柄の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの装飾図柄列において装飾図柄の変動表示が行われている表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において、当たりに対応した装飾図柄の組み合わせとは、同一の装飾図柄の組み合わせのことをいう。具体的には、例えば、図166(B)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に装飾図柄列Z1において装飾図柄「7」が停止表示され、次に装飾図柄列Z3において装飾図柄列Z1と同じ装飾図柄「7」が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状態で、装飾図柄列Z2において装飾図柄がスクロールしている(変動表示している)状態をリーチという。そして、当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している装飾図柄と同一の装飾図柄が装飾図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの装飾図柄列において装飾図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された装飾図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
図166(B)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1特図保留表示領域Ds1と、第2特図保留表示領域Ds2とが表示される。
第1特図保留表示領域Ds1には、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて保留された第1特図抽選の個数(保留第1特図抽選の個数)が表示される。保留第1特図抽選とは、未実行の第1特図抽選であって、当該第1特図抽選の抽選結果を報知するための第1特別図柄の変動表示が開始されていない第1特図抽選を言う。本実施形態では、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて保留可能な第1特図抽選の数は4個である。したがって、図示するように、第1特図保留表示領域Ds1には4個の保留第1特図抽選に対応した保留表示が可能である。
第2特図保留表示領域Ds2には、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて保留された第2特図抽選の個数(保留第2特図抽選の個数)が表示される。保留第2特図抽選とは、未実行の第2特図抽選であって、当該第2特図抽選の抽選結果を報知するための第2特別図柄の変動表示が開始されていない第2特図抽選を言う。本実施形態では、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて保留可能な第2特図抽選の数は4個である。したがって、図示するように、第2特図保留表示領域Ds2には4個の保留第2特図抽選に対応した保留表示が可能である。
また、図166(B)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1特別図柄表示部37aに表示される第1特別図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1特図同期表示部Sync1と、第2特別図柄表示部37bに表示される第2特別図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2特図同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1特別図柄表示部37aにおいて第1特別図柄が変動表示をしている場合には特図同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1特別図柄表示部37aにおいて第1特別図柄が停止表示をしている場合には特図同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2特別図柄表示部37bにおいて第2特別図柄が変動表示をしている場合には特図同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2特別図柄表示部37bにおいて第2特別図柄が停止表示をしている場合には特図同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、図柄表示装置41の表示面41aには、メイン表示領域MA、第1特図保留表示領域Ds1、第2特図保留表示領域Ds2、第1特図同期表示部Sync1、および、第2特図同期表示部Sync2が表示される構成としたが、表示面41aにこれらの表示の一部または全部が表示されない構成を採用してもよい。
図柄表示装置41の下方には、ステージ36xが設けられている。ステージ36xは、転動ステージ36x1と、振分ステージ36x2とによって構成されている。転動ステージ36x1は、遊技球を振分ステージ36x2に向けて転動させて流下させる流下部である。振分ステージ36x2は、遊技球を中央ルートと右側ルートと左側ルートとに少なくとも振り分け可能であり、結果として振り分けられる遊技球に直接的に作用する部分である。本実施形態では、振分ステージ36x2は、遊技球を振り分ける場合に、中央ルートよりも右側ルート及び左側ルートに多くの遊技球を振り分けるように構成されている。すなわち、中央ルートに振り分けられた遊技球の個数よりも、右側ルートに振り分けられた遊技球と左側ルートに振り分けられた遊技球とを合計した個数の方が多くなるように構成されている。本実施形態では、振分ステージ36x2より下方側に第1特図始動口33が設けられており、中央ルートに振り分けられた遊技球は第1特図始動口33に入球する可能性が高い。このため、中央ルートの方が右側ルート及び左側ルートよりも遊技者にとっての価値が高い。本実施形態では、振分ステージ36x2は、樹脂製であり、作動しない構成が採用されている。また、本実施形態では、振分ステージ36x2によって右側ルート又は左側ルートに振り分けられた遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球しても賞球を払い出さない第3入球部であるアウト口43が設けられている。なお、振分ステージ36x2によって中央ルートに振り分けられた遊技球が第1特図始動口33及び第2特図始動口34のいずれにも入球しない場合がある。また、本実施形態では、振分ステージ36x2には、中央ルート、右側ルート及び左側ルートの3つのルートが設けられている構成としたが、この構成に代えて、左側ルート(又は右側ルート)が省略された構成とし、遊技球を振り分ける場合に、中央ルートよりも右側ルート(又は左側ルート)に多くの遊技球を振り分ける構成としてもよい。この構成においても、中央ルートに振り分けられた遊技球は第1特図始動口33に入球する可能性が高いため、中央ルートの方が右側ルート(又は左側ルート)よりも遊技者にとっての価値が高い。
なお、本実施形態では、普通図柄の変動表示の実行中は普通電動役物34bは入球不能状態に設定されるので、遊技球を第2特図始動口34に入球させることはできないが、振分ステージ36x2によって中央ルートに振り分けられた遊技球は、普通電動役物34bや各特別電動役物(第1特別電動役物57b及び第2特別電動役物58b)の状態に関わらず、上面が開口した入球口を有する第1特図始動口33に入球可能である。この構成によれば、例えば、普通図柄の変動表示の実行中で第2特図始動口34に遊技球を入球させることができない場合や、第2特図抽選の保留個数が最大値(4個)まで溜まっていてさらに第2特図始動口34に遊技球を入球させても利益がない場合には、遊技者は、第1特図始動口33を狙って遊技球を発射させることが可能となる。すなわち、この構成によれば、状況に応じて適切に遊技球を打ち分けることによって常に利益を狙うことが可能になるといった興趣を遊技者に提供することが可能となる。
また、本実施形態では、普図始動ゲート35、普通電動役物34b及び第2特図始動口34が振分ステージ36x2の上方側に設けられている構成(換言すれば、振分ステージ36x2が普図始動ゲート35、普通電動役物34b及び第2特図始動口34より下方側に設けられている構成)を採用したが、この構成に代えて、普通電動役物34b及び第2特図始動口34が振分ステージ36x2の下方側に設けられている構成を採用し、振分ステージ36x2によって右側ルートに振り分けられた遊技球が普通電動役物34bに到達する場合がある構成としてもよい。この構成によれば、遊技球が振分ステージ36x2によって右側ルートに振り分けられた場合であっても、普通電動役物34bが開放状態になっていれば当該遊技球が第2特図始動口34に入球する可能性があるので、遊技者にさらなるチャンスを与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
《4-2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図167は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。
主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。
また、主制御基板61の入力側には、上述した各種の入球口のそれぞれに設けられた検知センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検知センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて第1特図抽選を実行し、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて第2特図抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、メイン表示部45と、第1特別電動役物57bを開閉動作させる第1特別電動役物駆動部57cと、第2特別電動役物58bを開閉動作させる第2特別電動役物駆動部58cと、普通電動役物34bを開閉動作させる普通電動役物駆動部34cと、電動振分装置36eを作動させる電動振分装置駆動部36ezとが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、第1特図抽選を実行した際には、メイン表示部45における第1特別図柄表示部37aの表示制御を実行し、第2特図抽選を実行した際には、メイン表示部45における第2特別図柄表示部37bの表示制御を実行し、普図抽選を実行した際には、メイン表示部45における普通図柄表示部38aの表示制御を実行し、特電開閉実行モードを実行した際には、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。さらに、MPU62は、特電開閉実行モードにおいては、第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58bが開閉されるように第1特別電動役物駆動部57c又は第2特別電動役物駆動部58cの駆動制御を実行し、普電開閉実行モードにおいては、普通電動役物34bが開閉されるように普通電動役物駆動部34cの駆動制御を実行する。
また、主制御基板61の出力側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。主制御装置60は、払出制御装置70に対して、入球判定結果に基づいて、各入球口毎に設定された賞球数に対応した賞球コマンドを送信する。なお、主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63bを参照する。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63bを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する。
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における装飾図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる装飾図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、装飾図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、装飾図柄が停止表示している時間は一定である。従って、装飾図柄の変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図168は、RAM64に設けられている各種カウンタと各種記憶エリアを示す説明図である。図168に示すように、RAM64には、MPU62による内部抽選に用いられる各種のカウンタが設けられている。具体的には、本実施形態では、RAM64には、特図当否判定カウンタCs1と、特図種別判定カウンタCs2と、特図リーチ判定カウンタCs3と、特図変動種別判定カウンタCs4と、普図当否判定カウンタCn1と、普図種別判定カウンタCn2と、乱数初期値カウンタCiniとが設けられている。特図当否判定カウンタCs1及び特図種別判定カウンタCs2は、特図抽選の抽選結果を判定する際に用いられる。特図リーチ判定カウンタCs3は、図柄表示装置41に表示される装飾図柄を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かを判定する特図リーチ判定に用いられる。また、特図変動種別判定カウンタCs4は、第1特別図柄表示部37a又は第2特別図柄表示部37bにおける特別図柄の変動時間を決定する際に用いられる。また、普図当否判定カウンタCn1及び普図種別判定カウンタCn2は、普図抽選に用いられる。乱数初期値カウンタCiniは、特図当否判定カウンタCs1の値が1周した際の初期値を設定する際に用いられる。
各カウンタCs1~Cs4、Cn1、Cn2、Ciniは、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には、特図保留エリア64bと、特図判定エリア64cと、普図保留エリア64dと、普図判定エリア64eとが設けられている。本実施形態では、第1特図始動口33に遊技球が入球すると、当該入球のタイミングにおける特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3の各値が特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに時系列的に記憶され、第2特図始動口34に遊技球が入球すると、当該入球のタイミングにおける特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3の各値が特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに時系列的に記憶される。また、普図始動ゲート35に遊技球が入球すると、当該入球のタイミングにおける普図当否判定カウンタCn1、普図種別判定カウンタCn2の各値が普図保留エリア64dに時系列的に記憶される。
次に、特図当否判定カウンタCs1の詳細について説明する。特図当否判定カウンタCs1は、特図当たり(特図大当たり又は特図小当たり)に当選するか否かを判定する際に用いられる。この特図当たりに当選するか否かの判定である特図当否判定は、上述した特図抽選の一部である。特図当否判定カウンタCs1は、0~65535の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後は0に戻るように構成されている。また、特図当否判定カウンタCs1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCiniの値が当該特図当否判定カウンタCs1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCiniは、特図当否判定カウンタCs1と同様のループカウンタである(値=0~65535)。
特図当否判定カウンタCs1の値は定期的に更新され、第1特図始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図当否判定カウンタCs1の値が特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図当否判定カウンタCs1の値が特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。
特図当否判定カウンタCs1の値は、第1特図始動口33に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、特図当否判定カウンタCs1の値は、第2特図始動口34に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。本実施形態では、第2特図保留エリアRbに記憶された特図当否判定カウンタCs1の値は、第1特図保留エリアRaに記憶された特図当否判定カウンタCs1の値よりも優先的に、そして記憶された順に特図判定エリア64cに移動される。そして、特図判定エリア64cに移動した特図当否判定カウンタCs1の値は、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている特図当否判定テーブルと照合され、特図当たりに当選するか否かが判定される。
次に、特図種別判定カウンタCs2の詳細について説明する。特図種別判定カウンタCs2は、特別図柄の種別を判定する際に用いられる。この特別図柄の種別の判定である特図種別判定は、上述した特図抽選の一部である。特図種別判定カウンタCs2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後は0に戻るように構成されている。
特図種別判定カウンタCs2は定期的に更新され、第1特図始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図種別判定カウンタCs2の値が、上述した特図当否判定カウンタCs1の値とともに特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図種別判定カウンタCs2の値が特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。
特図種別判定カウンタCs2の値は、第1特図始動口33に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、特図種別判定カウンタCs2の値は、第2特図始動口34に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。本実施形態では、第2特図保留エリアRbに記憶された特図種別判定カウンタCs2の値は、第1特図保留エリアRaに記憶された特図種別判定カウンタCs2の値よりも優先的に、そして記憶された順に、上述した特図当否判定カウンタCs1とともに特図判定エリア64cに移動される。
MPU62は、上述したように、特図判定エリア64eに記憶されている特図当否判定カウンタCs1の値を用いて特図当否判定を行なう。そして、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている複数の特図種別判定テーブルの中から、特図当否判定の結果に対応した一の特図種別判定テーブルを選択し、特図判定エリア64eに記憶されている特図種別判定カウンタCs2の値を、当該選択した特図種別判定テーブルと照合し、特別図柄の種別を判定する。そして、MPU62は、判定した特別図柄の種別に基づいて、特別図柄表示部38aに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。
次に、特図リーチ判定カウンタCs3の詳細について説明する。特図リーチ判定カウンタCs3は、特図当否判定の結果が特図当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。特図リーチ判定カウンタCs3は、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後は0に戻るように構成されている。
特図リーチ判定カウンタCs3は定期的に更新され、第1特図始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図リーチ判定カウンタCs3の値が、上述した特図当否判定カウンタCs1及び特図種別判定カウンタCs2の値とともに特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図リーチ判定カウンタCs3の値が、上述した特図当否判定カウンタCs1及び特図種別判定カウンタCs2の値とともに特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。
特図リーチ判定カウンタCs3の値は、第1特図始動口33に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、特図リーチ判定カウンタCs3の値は、第2特図始動口34に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。本実施形態では、第2特図保留エリアRbに記憶された特図リーチ判定カウンタCs3の値は、第1特図保留エリアRaに記憶された特図リーチ判定カウンタCs3の値よりも優先的に、そして記憶された順に、上述した特図当否判定カウンタCs1及び特図種別判定カウンタCs2の値とともに特図判定エリア64cに移動される。
MPU62は、特図当否判定において特図当たりではないと判定した場合に、特図判定エリア64cに記憶されている特図リーチ判定カウンタCs3の値を、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている特図リーチ判定テーブルと照合し、リーチが発生するか否かを判定する。なお、特図抽選における特図当否判定の結果が特図大当たりである場合には、MPU62は、特図リーチ判定カウンタCs3の値に関係なくリーチ発生と判定する。
次に、特図変動種別判定カウンタCs4の詳細について説明する。特図変動種別判定カウンタCs4は、特別図柄表示部38aにおける特別図柄の変動時間及び図柄表示装置41における装飾図柄の変動時間を決定する際に用いられる。特図変動種別判定カウンタCs4は、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後は0に戻るように構成されている。
特図変動種別判定カウンタCs4は、定期的に更新され、その更新値は、特別図柄の変動表示の開始直前に取得される。そして、取得された特図変動種別判定カウンタCs4の値は、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている特図変動時間テーブルと照合され、特図変動時間が決定される。
次に、普図当否判定カウンタCn1の詳細について説明する。普図当否判定カウンタCn1は、普図当たりに当選するか否かを判定する際に用いられる。この普図当たりに当選するか否かの判定である普図当否判定は、上述した普図抽選の一部である。普図当否判定カウンタCn1は、0~65535の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、普図当否判定カウンタCn1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCiniの値が当該普図当否判定カウンタCn1の初期値として読み込まれる。
普図当否判定カウンタCn1は定期的に更新され、普図始動ゲート35を遊技球が通過した場合には、その更新値は、当該通過のタイミングで普図保留エリア64dに記憶される。
普図当否判定カウンタCn1の値は、普図始動ゲート35に遊技球が入球する毎に4個まで普図保留エリア64dに記憶され、記憶された順に普図判定エリア64eに移動する。そして、普図判定エリア64eに移動した普図当否判定カウンタCn1の値は、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている普図当否判定テーブルと照合され、普図当たりに当選するか否かが判定される。
次に、普図種別判定カウンタCn2の詳細について説明する。普図種別判定カウンタCn2は、普通図柄の種別を判定する際に用いられる。この普通図柄の種別の判定である普図種別判定は、上述した普図抽選の一部である。普図種別判定カウンタCn2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
普図種別判定カウンタCn2は定期的に更新され、普図始動ゲート35に遊技球が入球した場合には、その更新値は、当該入球のタイミングで、上述した普図当否判定カウンタCn1の値とともに普図保留エリア64dに記憶される。
普図種別判定カウンタCn2の値は、普図始動ゲート35に遊技球が入球する毎に4個まで普図保留エリア64dに記憶され、記憶された順に、上述した普図当否判定カウンタCn1の値とともに普図判定エリア64eに移動する。
MPU62は、上述したように、普図判定エリア64eに記憶されている普図当否判定カウンタCn1の値を用いて普図当否判定を行なう。そして、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている複数の普図種別判定テーブルの中から、普図当否判定の結果に対応した一の普図種別判定テーブルを選択し、普図判定エリア64eに記憶されている普図種別判定カウンタCn2の値を、当該選択した普図種別判定テーブルと照合し、普通図柄の種別を判定する。そして、MPU62は、判定した普通図柄の種別に基づいて、普通図柄表示部38aに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。
次に、特図当否判定テーブルについて説明する。
図169は、特図当否判定テーブルの内容を示す説明図である。
上述したように、第1特図始動口33又は第2特図始動口34に遊技球が入球すると、特図当否判定カウンタCs1における0から65535までの範囲内の値から1つの値が取得される。そして、取得された特図当否判定カウンタCs1の値と特図当否判定テーブルとによって、特図当たり(特図大当たり又は特図小当たり)に当選するか否かの判定である特図当否判定が行なわれる。
本実施形態のパチンコ機10は、特図当否判定(特図抽選)の抽選モードとして、特図大当たりに当選する確率の低い低確率モードと、当該低確率モードよりも特図大当たりに当選する確率の高い高確率モードとを実行可能に構成されており、低確率モード中の特図抽選において利用される低確率モード用の特図当否判定テーブルと、高確率モード中の特図抽選において利用される高確率モード用の特図当否判定テーブルとを備えている。さらに、本実施形態では、第1特図抽選と第2特図抽選とにおいても異なる特図当否判定テーブルを備えている。すなわち、本実施形態では、特図抽選において利用する特図当否判定テーブルとして、以下の4種類の特図当否判定テーブルを備えている。
・第1特図当否判定テーブル(低確率モード用)
・第2特図当否判定テーブル(低確率モード用)
・第1特図当否判定テーブル(高確率モード用)
・第2特図当否判定テーブル(高確率モード用)
図169(A)に示すように、低確率モード中の第1特図抽選において利用される第1特図当否判定テーブル(低確率モード用)には、特図当否判定カウンタCs1の0から65535までの65536個の値のうち、0から653までの654個の値が特図大当たりに当選となる値として設定されており、その他の値が特図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、低確率モード中の第1特図抽選(第1特図当否判定)の結果は、約100.2分の1の確率で特図大当たりに当選となる。
図169(B)に示すように、低確率モード中の第2特図抽選において利用される第2特図当否判定テーブル(低確率モード用)には、特図当否判定カウンタCs1の0から65535までの65536個の値のうち、0から653までの654個の値が特図大当たりに当選となる値として設定されており、その他の値が特図小当たりに当選となる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、低確率モード中の第2特図抽選(第2特図当否判定)の結果は、約100.2分の1の確率で特図大当たりに当選となり、特図大当たりに当選しなかった場合には特図小当たりに当選することになる。
図169(C)に示すように、高確率モード中の第1特図抽選において利用される第1特図当否判定テーブル(高確率モード用)には、特図当否判定カウンタCs1の0から65535までの65536個の値のうち、0から654までの655個の値が特図大当たりに当選となる値として設定されており、その他の値が特図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、高確率モード中の第1特図抽選(第1特図当否判定)の結果は、約100.1分の1の確率で特図大当たりに当選となる。
図169(D)に示すように、高確率モード中の第2特図抽選において利用される第2特図当否判定テーブル(高確率モード用)には、特図当否判定カウンタCs1の0から65535までの65536個の値のうち、0から654までの655個の値が特図大当たりに当選となる値として設定されており、その他の値が特図小当たりに当選となる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、高確率モード中の第2特図抽選(第2特図当否判定)の結果は、約100.1分の1の確率で特図大当たりに当選となり、特図大当たりに当選しなかった場合には特図小当たりに当選することになる。
次に、特図種別判定テーブルについて説明する。
図170は、特図種別判定テーブルの内容を示す説明図である。上述したように、第1特図始動口33又は第2特図始動口34に遊技球が入球すると、特図種別判定カウンタCs2における0から99までの範囲内の値から1つの値が取得される。そして、上述した特図当否判定の結果と、取得された特図種別判定カウンタCs2の値とによって、特別図柄の種別(停止図柄の種別)を判定する特図種別判定が行なわれる。
本実施形態のパチンコ機10は、第1特図抽選において利用される第1特図種別判定テーブルと、第2特図抽選において利用される第2特図種別判定テーブルとを備えている。
図170(A)に示すように、本実施形態の第1特図種別判定テーブルによれば、特図当否判定の結果が特図大当たり当選である場合には、取得された特図種別判定カウンタCs2の値に関わらず、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄A(2R確変大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図外れである場合には、取得された特図種別判定カウンタCs2の値に関わらず、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄Z(外れ)と判定される。
図170(B)に示すように、本実施形態の第2特図種別判定テーブルによれば、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が0~49までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄B(2R通常大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が50~99までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄C(16R確変大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図小当たり当選である場合には、取得された特図種別判定カウンタCs2の値に関わらず、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄a(小当たり)と判定される。
特別図柄の種別(停止図柄の種別)のうち、特別図柄A(2R確変大当たり)、特別図柄B(2R通常大当たり)、特別図柄C(16R確変大当たり)及び特別図柄a(小当たり)は、いずれも特電開閉実行モードの実行の契機となる点において共通しているが、特電開閉実行モードが実行される際に選択される特電開閉シナリオの種別が異なっている。
特電開閉シナリオは、特電開閉実行モードにおける第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58bの制御の態様が記憶された制御プログラムであり、選択される特電開閉シナリオの種別によって、特電開閉実行モードにおける第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58bの開閉の態様が異なることになる。
次に、特電開閉シナリオ選択テーブルについて説明する。
図171は、特電開閉シナリオ選択テーブルの内容を示す説明図である。特電開閉シナリオ選択テーブルは、特図大当たり又は特図小当たりに当選した場合に、特別図柄の種別に対応した特電開閉シナリオを選択するためのテーブルである。
図171に示すように、本実施形態の特電開閉シナリオ選択テーブルには、特別図柄Aに対応して特電開閉シナリオAが設定されており、特別図柄Bに対応して特電開閉シナリオBが設定されており、特別図柄Cに対応して特電開閉シナリオCが設定されており、特別図柄aに対応して特電開閉シナリオaが設定されている。すなわち、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定の結果が特別図柄Aとなった場合には、特電開閉実行モードの実行の際に特電開閉シナリオAが選択され、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定の結果が特別図柄Bとなった場合には、特電開閉実行モードの実行の際に特電開閉シナリオBが選択され、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定の結果が特別図柄Cとなった場合には、特電開閉実行モードの実行の際に特電開閉シナリオCが選択され、特図当否判定において特図小当たりに当選し、特図種別判定の結果が特別図柄aとなった場合には、特電開閉実行モードの実行の際に特電開閉シナリオaが選択されることになる。
特電開閉シナリオAに基づいた特電開閉実行モードが開始されると、まず、3.0秒間の特電オープニング期間が開始され、その後、特電開閉期間が開始される。当該特電開閉期間においては、第1特別電動役物57bが開放するラウンド遊技が2回(2ラウンド)実行される。そして、1回のラウンド遊技における第1特別電動役物57bの開放回数は1回であり、1回のラウンド遊技は、第1特別電動役物57bが最大開放時間である29.0秒間開放すること、または最大入球個数である10個の遊技球が第1大入賞口57aに入球することのいずれかの条件が成立することによって終了する。また、ラウンド遊技とラウンド遊技の間のインターバル期間(特電インターバル期間)は、1.0秒に設定されている。特電開閉期間が終了すると、3.0秒間の特電エンディング期間が開始される。なお、本実施形態では、上述したように、第1特別電動役物57bの開放中に遊技球が第1大入賞口57aに入球すると、当該遊技球は第1大入賞口57aの内部に設けられたV確入賞口57avに入球することになる。この場合、特電開閉シナリオAに基づいた特電開閉実行モードの終了後の抽選モードは、高確率モードとなり、後述するサポートモードは、高頻度サポートモードとなる。
特電開閉シナリオBに基づいた特電開閉実行モードが開始されると、まず、0.1秒間の特電オープニング期間が開始され、その後、特電開閉期間が開始される。当該特電開閉期間においては、第2特別電動役物58bが開放するラウンド遊技が2回(2ラウンド)実行される。そして、1回のラウンド遊技における第2特別電動役物58bの開放回数は1回であり、1回のラウンド遊技は、第2特別電動役物58bが最大開放時間である2.0秒間開放すること、または最大入球個数である10個の遊技球が第2大入賞口58aに入球することのいずれかの条件が成立することによって終了する。また、ラウンド遊技とラウンド遊技の間のインターバル期間(特電インターバル期間)は、0.1秒に設定されている。特電開閉期間が終了すると、0.1秒間の特電エンディング期間が開始される。
特電開閉シナリオCに基づいた特電開閉実行モードが開始されると、まず、3.0秒間の特電オープニング期間が開始され、その後、特電開閉期間が開始される。当該特電開閉期間においては、第1特別電動役物57bが開放するラウンド遊技が16回(16ラウンド)実行される。そして、1回のラウンド遊技における第1特別電動役物57bの開放回数は1回であり、1回のラウンド遊技は、第1特別電動役物57bが最大開放時間である29.0秒間開放すること、または最大入球個数である10個の遊技球が第1大入賞口57aに入球することのいずれかの条件が成立することによって終了する。また、ラウンド遊技とラウンド遊技の間のインターバル期間(特電インターバル期間)は、1.0秒に設定されている。特電開閉期間が終了すると、3.0秒間の特電エンディング期間が開始される。なお、本実施形態では、上述したように、第1特別電動役物57bの開放中に遊技球が第1大入賞口57aに入球すると、当該遊技球は第1大入賞口57aの内部に設けられたV確入賞口57avに入球することになる。この場合、特電開閉シナリオCに基づいた特電開閉実行モードの終了後の抽選モードは、高確率モードとなり、後述するサポートモードは、高頻度サポートモードとなる。
特電開閉シナリオaに基づいた特電開閉実行モードが開始されると、まず、0.1秒間の特電オープニング期間が開始され、その後、特電開閉期間が開始される。当該特電開閉期間においては、第2特別電動役物58bが開放するラウンド遊技が1回(1ラウンド)実行される。そして、1回のラウンド遊技における第2特別電動役物58bの開放回数は1回であり、1回のラウンド遊技は、第2特別電動役物58bが最大開放時間である1.8秒間開放すること、または最大入球個数である10個の遊技球が第2大入賞口58aに入球することのいずれかの条件が成立することによって終了する。特電開閉期間が終了すると、0.1秒間の特電エンディング期間が開始される。
次に、普図当否判定テーブルについて説明する。
図172は、普図当否判定テーブルの内容を示す説明図である。
上述したように、普図始動ゲート35に遊技球が入球すると、普図当否判定カウンタCn1における0~65535の範囲内の値から1つの値が取得される。そして、取得された普図当否判定カウンタCn1の値と普図当否判定テーブルとによって、普図当たりに当選するか否かの判定である普図当否判定が行なわれる。
本実施形態のパチンコ機10は、普図抽選における普図当たりの当選確率、普通図柄の変動時間及び普通電動役物の動作モードを規定するサポートモードとして、低頻度サポートモード(低サポ状態)と、同条件において低頻度サポートモードよりも普通電動役物が高頻度に動作する高頻度サポートモード(高サポ状態)とを実行可能に構成されており、低頻度サポートモード中の普図抽選において利用される低頻度サポートモード用の普図当否判定テーブルと、高頻度サポートモード中の普図抽選において利用される高頻度サポートモード用の普図当否判定テーブルとを備えている。すなわち、本実施形態では、普図抽選において利用される普図当否判定テーブルとして、以下の2種類の普図当否判定テーブルを備えている。
・普図当否判定テーブル(低頻度サポートモード用)
・普図当否判定テーブル(高頻度サポートモード用)
図172(A)に示すように、低頻度サポートモード中の普図抽選において利用される普図当否判定テーブル(低頻度サポートモード用)には、普図当否判定カウンタCn1の0~65535の65536個の値のうち、0~2の3個の値が普図当たりに当選となる値として設定されており、それ以外の値が普図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、低頻度サポートモード中の普図当否判定の結果は、1/21845.66の確率で普図当たりに当選となる。
「普図当たり」とは、普電開閉実行モードの開始の契機となる判定結果である。一方、「普図外れ」とは、普電開閉実行モードの開始の契機とはならない判定結果である。
図172(B)に示すように、高頻度サポートモード中の普図抽選において利用される普図当否判定テーブル(高頻度サポートモード用)には、普図当否判定カウンタCn1の0~65535の65536個の値のうち、0~65534の65535個の値が普図当たりに当選となる値として設定されており、それ以外の値が普図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、高頻度サポートモード中の普図当否判定の結果は、1/1.0000153の確率で普図当たりに当選となる。
次に、普図種別判定テーブルについて説明する。
図173は、普図種別判定テーブルの内容を示す説明図である。上述したように、普図始動ゲート35に遊技球が入球すると、普図種別判定カウンタCn2における0~99の範囲内の値から1つの値が取得される。そして、取得された普図種別判定カウンタCn2の値と、上述した普図当否判定の結果と、普図種別判定テーブルとによって、普通図柄の種別(停止図柄の種別)を判定する普図種別判定が行なわれる。
図173に示すように、本実施形態の普図種別判定テーブルによれば、普図当否判定の結果が普図当たり当選である場合には、取得された普図種別判定カウンタCn2の値に関わらず、普通図柄の種別(停止図柄の種別)が普通図柄A(普図当たり)と判定され、普図当否判定の結果が普図外れである場合には、取得された普図種別判定カウンタCn2の値に関わらず、普通図柄の種別(停止図柄の種別)が普通図柄Z(普図外れ)と判定される。
普通図柄の種別(停止図柄の種別)のうち、普通図柄A(普図当たり)は、普電開閉実行モードの実行の契機となり、普電開閉実行モードが実行される際に普電開閉シナリオが読み込まれる。普電開閉シナリオは、普電開閉実行モードにおける普通電動役物34bの制御の態様が記憶された制御プログラムである。
次に、普電開閉シナリオ選択テーブルについて説明する。
図174は、普電開閉シナリオ選択テーブルの内容を示す説明図である。普電開閉シナリオ選択テーブルは、普図当たりに当選した場合に、普通図柄の種別に対応した普電開閉シナリオを選択するためのテーブルである。
図174に示すように、本実施形態の普電開閉シナリオ選択テーブルには、普通図柄Aに対応して普電開閉シナリオAが設定されている。すなわち、普図当否判定において普図当たりに当選し、普図種別判定の結果が普通図柄Aとなった場合には、普電開閉実行モードの実行の際に普電開閉シナリオAが選択されることになる。以下、普電開閉シナリオAの詳細について説明する。
普電開閉シナリオAに基づいた普電開閉実行モードが開始されると、まず、0.01秒間の普電オープニング期間が開始され、その後、普電開閉期間が開始される。当該普電開閉期間においては、普通電動役物34bが1回開放し、1回の開放時間は1.0秒に設定されている。普電開閉期間が終了すると、0.01秒間の普電エンディング期間が開始される。
なお、以下の説明では、例えば、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定において特別図柄A(2R確変大当たり)と判定されたことを、「特図抽選において2R確変大当たりに当選した」とも表現する。また、例えば、普図当否判定において普図当たりに当選し、普図種別判定において普通図柄Aと判定されたことを、「普図抽選において普図当たりに当選した」とも表現する。
また、上述した特図抽選の抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態を「低確低サポ状態」又は「通常状態」とも称し、特図抽選の抽選モードが高確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態を「高確低サポ状態」又は「潜伏確変状態(潜確状態)」とも称し、特図抽選の抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態を「低確高サポ状態」又は「時短状態」とも称し、特図抽選の抽選モードが高確率モードであり、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態を「高確高サポ状態」又は「確変状態」とも称する。
《4-3》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図175は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。
音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、音声発光制御装置90の全体の制御を司る演算装置であるMPU92と、音信号を生成するとともに生成した音信号に基づいてスピーカー46を駆動して音を出力する音出力LSI97と、種々の音声データが格納されたメモリである音声データ用ROM98とが搭載されている。音声データ用ROM98は、音出力LSI97に接続され、音出力LSI97は、信号線を介してMPU92と接続されている。
MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
音出力LSI97は、MPU92からの指示に基づいて再生すべき音を生成し、生成した音をスピーカー46から出力するDSP(Digital Signal Processor)である。具体的には、音出力LSI97は、MPU92から再生開始指令を受信すると、その再生開始指令によって指示された再生を開始すべき音を特定し、その特定した音に対応する音声データを音声データ用ROM98から読み出し、再生すべき音を生成する。そして、音出力LSI97は、生成した音をスピーカー46から出力する。また、音出力LSI97は、MPU92から再生終了指令を受信すると、その再生終了指令により指示された再生を終了すべき音を特定し、その特定した音の再生を終了する。
音出力LSI97は、16チャンネル分の音声チャンネルを有しており、最大16の音を同時に生成し、合成(ミキシング)した上で、スピーカー46から出力する。また、音出力LSI97は、MPU92からの指示に従って、音声チャンネル毎に再生中の音の出力を消音(ミュート)に設定し、また、その消音設定を解除することができる。消音に設定された音声チャンネルは、音出力LSI97にて該当する音声データを読み出して再生すべき音を生成するものの、他の音声チャンネルの音とミキシングする場合は、消音設定の対象の音声チャンネルの音のレベルを0にするか、消音設定の対象の音声チャンネルの音をミキシング回路に非入力とすることによって、消音設定の対象の音声チャンネルの音をミキシングしないようにしている。これにより、消音設定の対象の音声チャンネルの音がスピーカー46から出力されない。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60、演出操作ボタン24が接続されており、MPU92は、主制御装置60から各種コマンドを受信するとともに、演出操作ボタン24の操作態様を示す信号を受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《4-4》本実施形態のパチンコ機10の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10の概要について説明する。
図176は、本実施形態のパチンコ機10における遊技の流れを説明する説明図である。以下では、図176及び上述した図165を用いて、本実施形態のパチンコ機10における遊技の流れを説明する。
本実施形態のパチンコ機10の通常状態F1は、抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態である。一般的に、遊技者が遊技を開始する際のパチンコ機10の遊技状態は、通常状態F1となっている。通常状態F1において、遊技者は、遊技盤30の中央下部に設けられている第1特図始動口33に遊技球が入球するように発射強度を調整しながら操作ハンドル25を操作して遊技球を発射させる(左打ちをする)。遊技球が第1特図始動口33に入球すると、パチンコ機10の主制御装置60は、上述した第1特図抽選を実行し、第1特別図柄表示部37aにおいて第1特別図柄の変動表示を開始させる。また、パチンコ機10の音声発光制御装置90は、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄の変動表示の開始に伴って、図柄表示装置41の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて装飾図柄の変動表示を開始させる。
その後、設定された第1特図変動時間が経過すると、主制御装置60は、第1特別図柄表示部37aにおいて変動中の第1特別図柄を第1特図抽選の抽選結果に対応した表示態様で停止表示させ、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて変動中の装飾図柄を第1特図抽選の抽選結果に対応した表示態様で停止表示させる。遊技者は、第1特別図柄表示部37aにおいて停止表示された第1特別図柄の表示態様又は図柄表示装置41のメイン表示領域MAにおいて停止表示された装飾図柄の表示態様を確認することによって、第1特図抽選の抽選結果を認識することができる。具体的には、本実施形態では、第1特図抽選の結果が特図大当たりである場合には、メイン表示領域MAにおいて変動中の装飾図柄を、3つの装飾図柄列Z1~Z3の数字が同一である表示態様(例えば「777」)で停止表示させる。一方、第1特図抽選の結果が特図外れである場合には、メイン表示領域MAにおいて変動中の装飾図柄を、3つの装飾図柄列Z1~Z3の数字が同一ではない(揃わない)表示態様(例えば「135」)で停止表示させる。
通常状態F1において、遊技者は、第1特図抽選において特図大当たり(2R確変大当たり)に当選することを期待しながら、繰り返し第1特図始動口33に遊技球を入球させる。
ここで、この通常状態F1において、遊技者が通常の遊技の流れに従わずに右打ちをした場合について説明する。通常状態F1において遊技者が右打ちをする場合としては、例えば、通常状態F1において当該パチンコ機10から何かしらの利益が得られないかと右打ちを試してみた場合(当該パチンコ機10を攻略しようとした場合)や、操作ハンドル25を意図せず誤って大きく右に回してしまい、意図せずして右打ちになってしまった場合などが挙げられる。
通常状態F1において、遊技者が右打ちをすると、右側遊技領域PARに向けて発射された遊技球は、閉鎖状態の第1特電入賞装置57の前面側を通過し、振分釘群36aに到達する。振分釘群36aに到達した遊技球は、約1:4の割合で、普図始動ゲート35に至るルートと作用釘領域36cに至るルートとに振り分けられる。より具体的には、本実施形態では、1分間に100個の遊技球が遊技球発射機構81から発射され、右側遊技領域PARに向けて発射された100個の遊技球のうち、約5分の1である約20個の遊技球が普図始動ゲート35に入球し、約5分の4である約80個の遊技球が作用釘領域36cに到達する。そして、本実施形態では、低頻度サポートモードにおける普図抽選において普図当たりに当選する確率は3/65535に設定されているため、実質的に普図抽選において普図当たりに当選することはなく、普通電動役物34bは開放状態に移行しないため、普図始動ゲート35に入球した約20個の遊技球は、第2特図始動口34に入球せずにそのまま作用釘領域36cに至ることになる。すなわち、結果的に、右側遊技領域PARに向けて発射された100個の遊技球の全てが作用釘領域36cに到達することになる。
作用釘領域36cは、複数の遊技釘が設けられた領域であり、当該遊技釘によってランダムに遊技球の流下に作用する作用部として機能する領域である。作用釘領域36cに到達した遊技球は、当該遊技釘から作用を受けてランダムなタイミングで下方に流下していく。作用釘領域36cの下方には、整流釘領域36dが設けられている。
整流釘領域36dは、到達した遊技球を1球ずつ下方に流下するように整流する整流部として機能する領域である。本実施形態では、整流釘領域36dには、隣接した2本ずつの釘が左右対称に設けられており、当該2本ずつの釘の隙間から遊技球が1球ずつ下方に流下可能となっている。整流釘領域36dから1球ずつ流下した遊技球は、電動振分装置36eに到達する。
電動振分装置36eは、回転可能に支持されたV字型の形状を有する作動部材であり、遊技状態に応じて非作動状態(静止状態)と作動状態とになり得るように構成されている。具体的には、本実施形態では、通常状態F1においては、V字の角部が下方を向いた非作動状態(図165(A)参照)となっており、非作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球は、電動振分装置36eのV字の2つの片の間に一時的に保持された後、電動振分装置36eの背面側の遊技盤30に設けられた入球口である裏面連通入球口36fに誘導されて入球する。
裏面連通入球口36fに入球した遊技球は、遊技盤30の裏面側に導かれ、遊技盤30の裏面側に設けられた第3通路である中央ルートUを流通する。中央ルートUの終点には、裏面連通排球口36gが設けられており、裏面連通入球口36fに入球した遊技球は、中央ルートUを流通した後、裏面連通排球口36gから再び遊技盤30の表面側に導かれる。裏面連通排球口36gの下方には、遊技球が入球可能な第3入球部である下部入球口36hが設けられており、裏面連通排球口36gから遊技盤30の表面側に排出された遊技球は、下部入球口36hに入球可能となっている。
下部入球口36hの内部には、第1内部通路36h1と、第2内部通路36h2と、下部入球口36hに入球した遊技球を第1内部通路36h1と第2内部通路36h2とのいずれかに振り分ける振分弁36h3と、が設けられている。振分弁36h3は、下部入球口36hに入球した遊技球を第1内部通路36h1に振り分ける第1振分状態と、下部入球口36hに入球した遊技球を第2内部通路36h2に振り分ける第2振分状態と、を交互に繰り返す動作をしており、本実施形態では、下部入球口36hに入球した遊技球を1:1の割合で第1内部通路36h1と、第2内部通路36h2とに振り分けるように動作している。
第1内部通路36h1の先には入賞口36h1aが設けられており、入賞口36h1aに遊技球が入球した場合には1個の遊技球が賞球として払い出される。一方、第2内部通路36h2の先にはアウト口36h2aが設けられており、アウト口36h2aに遊技球が入球した場合には賞球は払い出されない。すなわち、下部入球口36hに1個の遊技球が入球したことによって払い出される賞球は1個以下となる。
上述したように、通常状態F1において、遊技者が右打ちをした場合には、右側遊技領域PARに向けて1分間に発射された100個の遊技球の全てが作用釘領域36c及び整流釘領域36dに到達して裏面連通入球口36fに入球する。そして、裏面連通入球口36fに入球した100個の遊技球のうち、約50個の遊技球が最終的に入賞口36h1aに入球し、約50個の遊技球が最終的にアウト口36h2aに入球する。すなわち、通常状態F1において、遊技者が右打ちをしても、発射された遊技球の個数(=100個)よりも、賞球として払い出された遊技球の個数(=約50個)の方が少なくなるため、遊技者は利益を得ることができず、メリットはない。したがって、本実施形態の構成によれば、通常状態F1において遊技者が右打ちをして利益を得ようとすることを断念させることができる。この結果、遊技者は、通常状態F1においては、右打ちをせず、左打ちをして遊技球を第1特図始動口33に入球させ、第1特図抽選において特図大当たり(2R確変大当たり)に当選することを目指して遊技を行なうことになる。
通常状態F1において遊技者が左打ちをした場合についての説明に戻る。
通常状態F1において、遊技者が左打ちをして遊技球が第1特図始動口33に入球し、第1特図抽選が実行されて2R確変大当たりに当選すると、パチンコ機10の遊技状態は、2R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF2に移行する。本実施形態では、2R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF2では、第1特電入賞装置57の第1特別電動役物57bが2回開放する。また、2R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF2が開始されると、音声発光制御装置90は、第1特別電動役物狙い右打ち報知演出を開始する。第1特別電動役物狙い右打ち報知演出は、第1特別電動役物57bに遊技球が到達可能な発射態様である右打ちを促す演出であり、本実施形態では、第1特別電動役物狙い右打ち報知演出として、図柄表示装置41の表示面41aに「右打ち」といった文字列と右向きの矢印とを組み合わせた画像を表示させ、スピーカー46から「右打ちして右上にある第1特別電動役物を狙ってね!」といった音声を出力させる演出を実行する。第1特別電動役物狙い右打ち報知処理によって「右打ち」すべきことを認識した遊技者は、右打ちをすることによって、第1大入賞口57aに遊技球を入球させ、賞球を獲得することが可能となる。
さらに、特電開閉実行モードF2においては、第1特別電動役物57bが開放するため、遊技者は、第1大入賞口57a内のV確入賞口57avに遊技球を入球させることができる。本実施形態では、第1大入賞口57aに入球した遊技球はそのままV確入賞口57avに入球するように構成されている。V確入賞口57avに遊技球が入球した場合には、音声発光制御装置90は、遊技者に高確率モードといった利益が付与されることを示唆する演出であるV入賞演出を実行する。そして、2R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF2の終了後における抽選モードは高確率モードとなり、サポートモードは高頻度サポートモードとなる。すなわち、V確入賞口57avに遊技球が入球すると、遊技状態が通常状態(低確低サポ状態)から高確高サポ状態に移行する。一方、V確入賞口57avに遊技球が入球しなかった場合(すなわち、第1大入賞口57aに遊技球が入球しなかった場合)には、2R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF2の終了後における抽選モードは低確率モードとなり、サポートモードは低頻度サポートモードとなり、再び通常状態F1に移行する。以下では、2R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF2においてV確入賞口57avに遊技球が入球した場合について説明する。
2R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF2が終了すると、パチンコ機10の遊技状態は、抽選モードが高確率モードであり、サポートモードが高頻度サポートモードである高確高サポ状態F3に移行する。
高確高サポ状態F3に移行すると、電動振分装置36eは、到達した遊技球を第1通路である左側ルートLに振り分ける左側振分状態(図165(B)に示すV字の角部が右側上方を向いた状態)と、到達した遊技球を第2通路である右側ルートRに振り分ける右側振分状態(図165(C)に示すV字の角部が左側上方を向いた状態)と、を交互に繰り返す作動状態となる。
本実施形態のパチンコ機10では、後述するように、遊技者は、作動状態となっている作動部材としての電動振分装置36eに遊技球を到達させることによって大きな利益を得ることが可能となる。そこで、本実施形態では、作動部材が作動状態となっている状況において、作動部材に遊技球が到達可能な発射態様で遊技球を発射させることを促す演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、電動振分装置36eが作動状態となっている高確高サポ状態F3において、電動振分装置36eに遊技球が到達可能な発射態様で遊技球を発射させること(右打ちをすること)を促す演出として電動振分装置狙い右打ち報知演出を実行可能に構成されている。より具体的には、本実施形態では、図177に示すように、電動振分装置狙い右打ち報知演出として、図柄表示装置41の表示面41aに「右打ち」といった文字列と右向きの矢印とを組み合わせた画像GD1、女性キャラクター画像GA及び「右打ちして右側にある電動振分装置を狙ってね!」といった文字列GBを表示させるとともに、当該文字列に対応した音声をスピーカー46から出力させる演出を実行する。したがって、遊技者に対して、作動状態となっている電動振分装置36eに遊技球を到達させるべき状況であることを明確に認識させることができる。
高確高サポ状態F3において、電動振分装置狙い右打ち報知演出によって「右打ち」すべきことを認識した遊技者が右打ちをすると、通常状態F1の場合と同様に、右側遊技領域PARに向けて発射された遊技球は、閉鎖状態の第1特電入賞装置57の前面側を通過し、振分釘群36aに到達する。振分釘群36aに到達した遊技球は、約1:4の割合で、普図始動ゲート35に至るルートと作用釘領域36cに至るルートとに振り分けられる。より具体的には、本実施形態では、1分間に100個の遊技球が遊技球発射機構81から発射され、右側遊技領域PARに向けて発射された100個の遊技球のうち、約5分の1である約20個の遊技球が普図始動ゲート35に入球し、約5分の4である約80個の遊技球が作用釘領域36cに到達する。しかしながら、高確高サポ状態F3では、普図抽選において普図当たりに当選する確率は65534/65535に設定されており、普図変動時間は、普図抽選の結果に関わらず0.01秒に設定され、普電開閉実行モードにおける普図オープニング期間は0.01秒に設定され、普図開閉期間における開放時間は1.0秒に設定され、普図エンディング期間は0.01秒に設定される。さらに、本実施形態では、普図始動ゲート35に入球した遊技球が普通電動役物34bに到達するまでに要する時間は0.2秒程度である。したがって、高確高サポ状態F3では、普図始動ゲート35に入球した遊技球が到達するタイミングでほぼ100%の確率で普通電動役物34bが開放状態となり、当該遊技球がそのまま第2特図始動口34に入球することになる。
この結果、高確高サポ状態F3では、右側遊技領域PARに向けて発射された100個の遊技球のうち、約5分の1である約20個の遊技球が第2特図始動口34に入球し、約5分の4である約80個の遊技球が作動状態の電動振分装置36eに到達する。
電動振分装置36eの作動状態では、電動振分装置36eの背面側にある裏面連通入球口36fがV字の角部によって封じられているため、作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球は、裏面連通入球口36fに入球することが不可能となり、左側ルートL又は右側ルートRに振り分けられることになる。本実施形態では、電動振分装置36eは、作動状態では、左側振分状態を0.3秒間維持した後、0.05秒間をかけて右側振分状態に移行し、右側振分状態を0.6秒間維持した後、再び0.05秒間をかけて左側振分状態に移行し、左側振分状態を0.3秒間維持するといった動作を繰り返す。この結果、作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球は、1:2の割合で左側ルートLと、右側ルートRとに振り分けられる。すなわち、作動状態の電動振分装置36eに到達した約80個の遊技球のうち、約27個の遊技球が左側ルートLに振り分けられ、約53個の遊技球が右側ルートRに振り分けられることになる。左側ルートLに振り分けられた遊技球は、第2特電入賞装置58の右端側に導かれる。一方、右側ルートRに振り分けられた遊技球は、第2入球部である右側入賞口36iに導かれて入球し、第2特典である1個の賞球が払い出される。
第2特電入賞装置58の右端側に到達した遊技球は、閉鎖状態の第2特別電動役物58bの板状部材の上を左端側に向けて転動するが、左端まで転動し切って特別入賞口32sに到達する前に第2特別電動役物58bが開放した場合には、当該遊技球は、第2大入賞口58aに入球することとなり、特別入賞口32sに入球することはない。一方、第2特別電動役物58bが開放せずに2秒以上閉鎖状態を維持していた場合には、第2大入賞口58aには入球せず、特別入賞口32sに入球することになる。
ここで、高確高サポ状態F3では、上述したように、右側遊技領域PARに向けて発射された100個の遊技球のうち、約5分の1である約20個の遊技球が第2特図始動口34に入球するため、第2特図抽選が実行されることになる。そして、本実施形態では、第2特別図柄の変動時間である第2特図変動時間を、短変動時間(0.1秒)と、20秒~180秒の長変動時間とに設定可能に構成されている。また、本実施形態では、第2特図抽選の結果として「外れ」が設定されておらず、第2特図抽選の結果は、特図大当たり当選以外は全て特定結果である特図小当たりに当選となる。
第2特別図柄の変動中においては、特図大当たり当選や特図小当たり当選に基づく特電開閉実行モードが発生することはなく、第2特別電動役物58bは閉鎖状態を維持する。そして、第2特電入賞装置58の右端側に到達し、閉鎖状態の第2特別電動役物58bの板状部材の上を左端側に向けて転動する遊技球は、第2特別電動役物58bが開放せずに2秒以上閉鎖状態を維持していた場合には、第2大入賞口58aには入球せず、特別入賞口32sに入球することになる。一方、閉鎖状態の第2特別電動役物58bの板状部材の上を左端側に向けて転動する遊技球は、左端まで転動し切って特別入賞口32sに到達する前に第2特別電動役物58bが開放した場合には、当該遊技球は、第2大入賞口58aに入球することとなり、特別入賞口32sに入球することはない。
具体的には、例えば、第2特図変動時間として長変動時間(20秒)が設定され、当該第2特図抽選において特図小当たりに当選した場合には、閉鎖状態の第2特別電動役物58bの板状部材の上を左端側に向けて転動する遊技球は、第2特別電動役物58bが開放せずに閉鎖状態を20秒間維持するため、第2大入賞口58aには入球せず、特別入賞口32sに入球することになる。一方、第2特図変動時間として短変動時間(0.1秒)が設定され、当該第2特図抽選において特図小当たりに当選した場合には、閉鎖状態の第2特別電動役物58bの板状部材の上を左端側に向けて転動する遊技球は、左端まで転動し切って特別入賞口32sに到達する前に当該特図小当たりに基づく特電開閉実行モードが実行されて第2特別電動役物58bが開放して第2大入賞口58aに入球することになる。
すなわち、高確高サポ状態F3では、第2特別電動役物58bが閉鎖状態を維持している期間が長いほど、第2特電入賞装置58の右端側に到達した遊技球のうち、特別入賞口32sに入球する遊技球の個数が多くなる。換言すれば、高確高サポ状態F3において設定される第2特図変動時間が長いほど、第2特別電動役物58bが閉鎖を維持している期間が長くなるので、特別入賞口32sに入球する遊技球の個数が多くなる。そして、本実施形態では、特別入賞口32sに遊技球が入球した場合に払い出される賞球数は15個に設定されている。したがって、本実施形態では、高確高サポ状態F3において設定される第2特図変動時間が長いほど、遊技者は、多くの賞球を獲得することが可能となる。
そして、高確高サポ状態F3において、第2特図抽選における第2特図変動時間が経過し、当該第2特図抽選の結果、2R通常大当たりに当選すると、高確高サポ状態F3は終了し、パチンコ機10の遊技状態は、2R通常大当たりに基づく特電開閉実行モードF4に移行する。
2R通常大当たりに基づく特電開閉実行モードF4においては、第2特別電動役物58bが2回開放するが、第2大入賞口58aに遊技球が入球した場合に払い出される賞球数は2個に設定されているため、遊技者は多くの賞球を獲得することはできない。
特電開閉実行モードF4が終了すると、上述した通常状態F1に移行する。遊技者は、右打ちから左打ちに戻し、第1特図始動口33に遊技球を入球させて、再び第1特図抽選において特図大当たりに当選することを目指して遊技を行なう。
一方、高確高サポ状態F3において、第2特図抽選における第2特図変動時間が経過し、当該第2特図抽選の結果、16R確変大当たりに当選すると、高確高サポ状態F3は終了し、パチンコ機10の遊技状態は、16R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF5に移行する。
16R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF5では、第1特電入賞装置57の第1特別電動役物57bが16回開放するので、遊技者は、右打ちをすることによって、第1大入賞口57aに遊技球を入球させ、多くの賞球を獲得することが可能となる。
さらに、16R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF5においては、第1特別電動役物57bが開放するため、遊技者は、第1大入賞口57a内のV確入賞口57avに遊技球を入球させることができる。V確入賞口57avに遊技球が入球した場合には、16R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF5の終了後における抽選モードは高確率モードとなり、サポートモードは高頻度サポートモードとなり、再び高確高サポ状態F3に移行する。一方、V確入賞口57avに遊技球が入球しなかった場合には、16R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF5の終了後における抽選モードは低確率モードとなり、サポートモードは低頻度サポートモードとなり、通常状態F1に移行する。
このように、本実施形態では、高確高サポ状態F3において特図大当たりに当選し、2R通常大当たりに振り分けられるということは、多くの賞球を獲得することのできる遊技者にとって有利な状態(高確高サポ状態F3)が終了してしまうことを意味する。一方、高確高サポ状態F3において特図大当たりに当選し、16R確変大当たりに振り分けられるということは、16R確変大当たりに基づく特電開閉実行モードF5において多くの賞球を獲得することができ、かつ、多くの賞球を獲得することのできる遊技者にとって有利な状態(高確高サポ状態F3)がさらに継続するので、最も多くの利益が得られる遊技者にとって最高の結果になることを意味する。しかしながら、本実施形態では、第2特図抽選において特図大当たりに当選した場合において16R確変大当たりに振り分けられる割合が50%である。したがって、遊技者は、高確高サポ状態F3において、積極的に特図大当たりに当選して欲しいとは願わず、特図大当たりに当選せずになるべく長く高確高サポ状態F3が継続すること、及び、なるべく長い第2特図変動時間が設定されて第2特図抽選の結果が特図小当たりになること、特図大当たりに当選する場合には2R通常大当たりではなく、16R確変大当たりに振り分けられること、を期待しながら遊技を行なう。
次に、上述した高確高サポ状態F3において実行され得る演出や、図柄表示装置41に表示され得る情報や画像について説明する。
本実施形態のパチンコ機10では、内部抽選に係る変動表示の実行中に、特定有利結果が発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、高確高サポ状態F3において、第2特別図柄の変動表示の実行中に、16R確変大当たりが発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出であるリーチ演出を実行可能に構成されている。より具体的には、本実施形態では、図178(A)に示すように、リーチ演出として、遊技者側を意味する女性キャラクターと敵側を意味する海賊キャラクターとが戦闘を行なうバトル演出を実行可能である。なお、リーチ演出としてのバトル演出の実行中においても、上述した電動振分装置狙い右打ち報知演出の一部が実行されており、図柄表示装置41の表示面41aに「右打ち」といった文字列と右向きの矢印とを組み合わせた画像GD1が表示される。以下に説明する高確高サポ状態F3において実行される他の演出の実行中においても同様である。
そして、遊技者に有利な16R確変大当たりに当選した場合には、バトル演出の後に、当該戦闘の結果(抽選の結果)を告知するバトル結果演出として、バトルに勝利したことを告知するバトル勝利演出を実行し(図178(B))、遊技者に不利な2R通常大当たりに当選した場合には、バトル結果演出として、バトルに敗北したことを告知するバトル敗北演出を実行し(図178(C))、遊技者に有利でも不利でもない特図小当たりに当選した場合には、バトル結果演出として、バトルが引き分けに終わったことを告知するバトル引き分け演出(図178(D))を実行する。
このように、本実施形態では、第2特別図柄の変動表示の実行中に、特定有利結果である16R確変大当たりが発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出であるリーチ演出を実行可能に構成されているので、16R確変大当たりが発生して第2特別図柄の変動表示の終了後に遊技者に有利な高確高サポ状態F3が継続するのか否かといった期待感を遊技者に抱かせることができるとともに、当該リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中は、第2特別電動役物58bが閉鎖状態を維持するため、左側ルートLに振り分けられた遊技球は、第2大入賞口58aに入球せずに、特別入賞口32sに入球することが可能となる。すなわち、リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中に遊技者は利益を得ることが可能となる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出の実行中は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態によれば、リーチ演出が実行されたにもかかわらず、遊技者に有利な16R確変大当たりが発生しなかったとしても、当該リーチ演出が実行されている期間中に遊技者は多くの賞球を獲得することができる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出に係る特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合に、当該リーチ演出が実行されている期間が、遊技者にとって、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題を解決することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、内部抽選に係る変動表示の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、高確高サポ状態F3において、第2特別図柄の変動表示の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出であるカウントダウン演出を実行可能に構成されている。より具体的には、本実施形態では、図179に示すように、カウントダウン演出として、第2特別図柄の変動表示が終了するまでの時間を示す画像G1を表示する演出を実行する。このカウントダウン演出を実行することにより、第2特別図柄の変動表示が終了するまでの時間、すなわち、遊技球が特別入賞口32sに到達することができなくなるまでの残り時間を遊技者に示唆することができる。この結果、遊技者は、当該カウントダウン演出において表示される数値情報から、遊技球が特別入賞口32sに到達することができなくなるまでの残り時間を読み取ることによって、遊技球の発射の有無やタイミングを調整し、遊技球の無駄な発射を抑制することが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機とは異なり、遊技者にとって好機な状態が、長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示の実行中である。しかしながら、初めて本パチンコ機10で遊技を行なった遊技者にとっては容易に理解できない場合がある。そこで、本実施形態では、内部抽選に係る変動表示の実行中に、遊技者に好機な状態であることを示唆する演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、高確高サポ状態F3において、長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示の実行中に、遊技者に好機な状態であることを示唆する演出である好機示唆演出を実行可能に構成されている。より具体的には、本実施形態では、図179に示すように、好機示唆演出として、女性キャラクター画像G2及び「変動中にたくさん球を入れてね!賞球を獲得できるチャンスタイムだよ!」といった文字列G3を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該文字列に対応した音声をスピーカー46から出力させる演出を実行する。したがって、遊技者に対して、この長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示の実行中こそが遊技者にとって好機な状態であることを明確に認識させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機とは異なり、第2大入賞口58aに入球した遊技球の個数ではなく、特別入賞口32sに入球した遊技球の個数が遊技者にとって重要となる。そこで、本実施形態では、高確高サポ状態F3において、特別入賞口32sに入球した遊技球の個数に関する情報を表示可能に構成されている。具体的には、図179に示すように、高確高サポ状態F3に移行後に特別入賞口32sに入球した遊技球の個数及び特別入賞口32sに遊技球が入球することによって得られた賞球の個数を示す画像G4を図柄表示装置41に表示させる。したがって、本実施形態のパチンコ機10において重要な特別入賞口32sに入球した遊技球の個数を遊技者に注目させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機とは異なり、遊技者が獲得を目指す利益は、第5入球部としての第2大入賞口58aに遊技球が入球することによって払い出される賞球ではなく、第1入球部としての特別入賞口32sに遊技球が入球することによって払い出される賞球である。そこで、本実施形態では、第1入球部に遊技球が入球した場合に、遊技者に利益が付与されることを示唆する演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、特別入賞口32sに遊技球が入球した場合に、遊技者に利益が付与されることを示唆する演出として特別入賞口入球演出を実行可能に構成されている。より具体的には、本実施形態では、図179に示すように、特別入賞口入球演出として、図柄表示装置41の表示面41aに、遊技球が特別入賞口32sに入球したタイミングで「そこに入球するといっぱい賞球が出るよ!」といった文字列GCを表示させるとともに、スピーカー46に、遊技球が特別入賞口32sに入球したタイミングで「ピコン!」といった大きな効果音を出力させ、その後「ドドドド!」といった大量の賞球が払い出されているような効果音を出力させる演出を実行する。したがって、遊技者に対して、自身が獲得を目指す利益は、第2大入賞口58aに遊技球が入球することによって払い出される賞球ではなく、特別入賞口32sに遊技球が入球することによって払い出される賞球であることを明確に認識させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機10とは異なり、第2特別図柄の変動表示の後の抽選結果だけでなく、第2特別図柄の変動表示の期間がどれだけ長く続くのかということが遊技者にとって重要となる。そこで、本実施形態では、内部抽選に係る変動表示の実行中に、第1の演出を実行し、当該第1の演出に連続して当該第1の演出とは異なる第2の演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、高確高サポ状態F3において、第2特別図柄の変動表示の実行中に、ステップアップ演出1を実行し、ステップアップ演出1に連続してステップアップ演出2を実行可能に構成されている。より具体的には、図180(A)に示すように、ステップアップ演出1として、女性キャラクター画像G5及び「ステップ1!この変動はいつまで続くかな?」といった文字列G6を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該文字列に対応した音声をスピーカー46から出力させる演出を実行する。そして、図180(B)に示すように、ステップアップ演出2として、クジラのキャラクター画像G7及び「ステップ2!まだまだこの変動は続くよ!」といった文字列G8を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該文字列に対応した音声をスピーカー46から出力させる演出を実行する。したがって、遊技者に対して、ステップアップ演出1が実行された場合に、当該ステップアップ演出1の後に連続してステップアップ演出2が実行されて当該第2特別図柄の変動表示がまだまだ継続して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
また、本実施形態パチンコ機10では、電動振分装置36eが非作動状態と作動状態とになり得るが、初めて本実施形態のパチンコ機10で遊技を行なった遊技者は、この電動振分装置36eの状態の違いが遊技状態の違いに起因していることを知らないため、電動振分装置36eが非作動状態である通常状態F1から、電動振分装置36eが作動状態である高確高サポ状態F3に移行した場合であっても、遊技者は遊技状態が移行したことに気付かないおそれがある。そこで、本実施形態では、作動部材が非作動状態である第1遊技状態において第1の背景画像を表示可能であり、作動部材が作動状態である第2遊技状態において第1の背景画像とは異なる第2の背景画像を表示可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、電動振分装置36eが非作動状態である通常状態F1において通常状態F1用背景画像を表示可能であり、電動振分装置36eが作動状態である高確高サポ状態F3において高確高サポ状態F3用背景画像を表示可能に構成されている。より具体的には、本実施形態では、通常状態F1用背景画像として、青色の海の中の背景画像を表示可能であり、高確高サポ状態F3用背景画像として、赤色の海の中の背景画像を表示可能である。したがって、遊技者は、遊技状態が移行したことに容易に気づくことが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、一般的なパチンコ機10とは異なり、第5入球部としての第2大入賞口58aが入球可能状態(開放状態)となることは、遊技者に有利なことではなく不利なことである。そこで、本実施形態では、切替部によって第5入球部の入球口が入球可能状態となる場合であっても、第5入球部の入球口が入球可能状態となることを示唆する演出を実行しないように構成されている。具体的には、本実施形態では、第2特別電動役物58bによって第2大入賞口58aが開放状態となる場合であっても、第2大入賞口58aが開放状態となることを示唆する演出を実行しないように構成されている。したがって、遊技者に対して、第2大入賞口58aが入球可能状態(開放状態)となることが遊技者にとって有利なことであると誤解を与えてしまうことを回避することができる。
以下、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機における課題を述べた後、本実施形態のパチンコ機10の利点について具体的に説明する。
従来、大当たり当選以外で出球を増やしたいという要望があり、その要望に応えるために、高確率で小当たりに当選可能であり、小当たりに当選すればするほど遊技者の手持ちの遊技球が増加する遊技状態(いわゆる小当たりラッシュ)を備えるパチンコ機が開発された。従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機では、小当たりラッシュ中において、第2特図抽選において小当たりに当選し、第2特別図柄の変動表示が小当たりに対応した図柄で停止した場合に、特別電動役物が開放して大入賞口に遊技球が入球可能となる。すなわち、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機では、遊技者は、第2特図抽選において小当たりに当選したことに基づいて特別電動役物が開放した場合に利益を得ることができる。
しかし、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行される第2特図抽選は、大当たりを抽選するものでもあるため、大当たりに当選するか否かの期待度を示唆するリーチ演出が実行される場合があり、当該リーチ演出が実行されている期間(第2特別図柄の変動表示の実行中の期間)は小当たりが発生しないため、遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまい、小当たり当選による特別電動役物の開放によって利益を得たい遊技者にとっては非常に歯痒い時間となってしまうといった課題があった。
また、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機の中には、小当たりラッシュ中は常に遊技球の発射を継続させなければ小当たりによる利益を得ることができないパチンコ機が存在する。具体的には、小当たりに当選することになる第2特別図柄の変動表示の実行中にもリーチ演出が実行され得るパチンコ機であって、遊技者が、利益を得ることのできないリーチ演出の実行中(第2特別図柄の変動表示の実行中)に遊技球の浪費を避けようと止め打ち(遊技球の発射を一時的に止めること)をすると、当該リーチ演出の終盤又は終了時に小当たり当選を確認してから遊技球を発射させても、当該小当たり当選に基づく特別電動役物の開放中に遊技球を当該特別電動役物に到達させることができないパチンコ機である。このようなパチンコ機においては、遊技者は、利益を得ることのできないリーチ演出の実行中(第2特別図柄の変動表示の実行中)であっても、変動表示の停止後に発生し得る小当たりによる利益を得るためには止め打ちをすることができず、遊技球の浪費を余儀なくされ、不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
また、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行されたリーチ演出に係る第2特図抽選の結果が外れになった場合には、遊技者は、リーチ演出の実行中に小当たりによる利益も得られず、さらに当該変動表示の停止後にも小当たりによる利益が得られないので、不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
さらに、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行されたリーチ演出に係る第2特図抽選の結果が小当たりラッシュが終了することになる結果(出玉のない通常大当たり)になり、小当たりラッシュが終了してしまった場合には、遊技者は、リーチ演出の実行中に小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうため、非常に不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
このように、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中の期間(第2特別図柄の変動中の期間)は、遊技者にとって、小当たりによる利益を得ることができない非常に歯痒い期間であり、また、止め打ちもできずに遊技球の浪費を余儀なくされる不愉快な期間であり、さらに、リーチ演出に係る第2特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合には、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題があった。
また、近年では、演出の迫力を増すために遊技盤の中央に配置される液晶ディスプレイの大型化が進んでおり、遊技球が流通可能な遊技領域が狭くなりつつある。このため、上述した従来の小当たりラッシュの課題を解決するための新規の遊技性を実現するための構成を採用するためには、遊技球を効率よく流下させて新規な遊技仕様に応じた領域へ導くための新規な機構を遊技盤に効率良く配置する必要があるといった課題があった。
以上の課題に対して、本実施形態では、リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中は、第2特別電動役物58bが閉鎖状態を維持するため、左側ルートLに振り分けられた遊技球は、第2大入賞口58aに入球せずに、特別入賞口32sに入球することが可能となる。すなわち、リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中に遊技者は利益を得ることが可能となる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出の実行中は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態によれば、リーチ演出が実行されたにもかかわらず、第2特図抽選において遊技者に有利な特図大当たり(出玉もありラッシュも継続する16R確変大当たり)に当選せずに、遊技者に不利な特図大当たり(出玉がなくラッシュも終了してしまう2R通常大当たり)に当選して高確高サポ状態F3が終了してしまったとしても、当該リーチ演出が実行されている期間中に遊技者は多くの賞球を獲得することができるので、高確高サポ状態F3の終了直前に多量の賞球が払い出されるといった爽快感と満足感を遊技者に与えることができるとともに、当該高確高サポ状態F3が終了してしまったことに対する遊技者の怒りや喪失感を和らげることが可能となる。このように、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出に係る特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合に、当該リーチ演出が実行されている期間が、遊技者にとって、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態によれば、電動振分装置36eが非作動状態である通常状態F1においては、電動振分装置36eに到達した遊技球は中央ルートUを流下するため第2特別電動役物58bに到達することができない。一方、上述した従来の小当たりラッシュの課題を解決した新規なラッシュ状態である高確高サポ状態F3では電動振分装置36eが作動状態となり、当該新規なラッシュ状態において電動振分装置36eに到達した遊技球は左側ルートL又は右側ルートRを流下し、左側ルートLに振り分けられた遊技球は第2特別電動役物58bに導かれることになる。したがって、本実施形態によれば、通常状態F1においては、遊技者は電動振分装置36eを狙って遊技球を発射させても利益を得ることができず、一方、上述した従来の小当たりラッシュの課題を解決した新規なラッシュ状態である高確高サポ状態F3(作動部材が作動状態である遊技状態)においては、遊技者は電動振分装置36eを狙って遊技球を発射させることによって遊技球を効率良く電動振分装置36eに到達させることができるといった新規な遊技性を実現することができる。
さらに、本実施形態では、設定される第2特図変動時間の長さによって遊技者の有利度(遊技者が獲得することのできる賞球の個数)が変化するといった新たな遊技性を提供することができる。具体的には、本実施形態では、第2特図変動時間として設定される変動時間が長いほど、遊技者が獲得することのできる賞球数が多くなる。したがって、第2特図変動時間として長い変動時間が設定されて欲しいといった従来にない新しい期待感を遊技者に提供することができる。
また、本実施形態では、第2特別電動役物58bが閉鎖状態を維持することが遊技者にとって有利な事象となっている。これに対して、従来の一般的なパチンコ機では、小当たりに当選して特別電動役物が開放することが遊技者にとって有利な事象となっている。すなわち、本実施形態によれば、遊技者にとって有利な事象が従来とは逆になっているといった新たな遊技性を提供することができる。
さらに、本実施形態によれば、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能な機能(いわゆる同時変動機能)を有さなくても、遊技者が多くの賞球を獲得することのできる遊技状態(いわゆるラッシュ)を実現することができる。同時変動機能を有するパチンコ機では、制御が複雑化するといった課題や、ラッシュ終了後の残存保留をどのように処理するのかといった課題が生じるが、本実施形態によれば、同時変動機能を有さないため、これらの課題が生じないといった効果を奏することができる。
さらに、本実施形態によれば、高確高サポ状態F3において払い出される賞球は、特別入賞口32sに遊技球が入球したことに基づく賞球である。換言すれば、高確高サポ状態F3において払い出される賞球は、特別電動役物(第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58b)の作動に基づく賞球ではない。したがって、本実施形態によれば、当該パチンコ機10の役物比率及び連続役物比率の値を低減することができ、当該パチンコ機10に設定可能な賞球数の幅を広げることが可能となる。
また、本実施形態によれば、内部抽選の結果が特定結果である場合の変動表示の変動表示時間として、短変動時間と、短変動時間よりも長い長変動時間とを設定可能であり、切替部は、遊技球を所定期間転動させて第5入球部に入球させ得る転動部を備え、変動表示時間として長変動時間が設定されている場合に切替部は入球不能状態に設定され、作動状態の作動部材に到達して第1通路に振り分けられた遊技球は第1入球部に入球可能である。具体的には、本実施形態では、第2特図抽選の結果が特図小当たりである場合の第2特図変動時間として、短変動時間(0.1秒)と、長変動時間(20秒~180秒)とを設定可能であり、第2特別電動役物58bは、遊技球を所定期間転動させて第2大入賞口58aに入球させ得る板状部材を備え、第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定されている場合に第2特別電動役物58bは閉鎖状態に設定され、作動状態の電動振分装置36eに到達して左側ルートLに振り分けられた遊技球は特別入賞口32sに入球可能である。
したがって、本実施形態によれば、第2特図抽選の結果が特図小当たりである場合の第2特図変動時間として短変動時間(0.1秒)が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている第2特別電動役物58bの板状部材の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が板状部材の上を転動し切る前に短変動時間(0.1秒)が経過して第2特別電動役物58bが入球可能状態となるので、第2大入賞口58aに入球することになり、特別入賞口32sに到達することができない。上述したように、第2大入賞口58aに設定されている賞球数は2個であるため、遊技球が特別入賞口32sに到達することができずに第2大入賞口58aに入球した場合には、遊技者にはほとんど利益がない。
一方、第2特図抽選の結果が特図小当たりである場合の第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている第2特別電動役物58bの板状部材の上を転動中の遊技球は、長変動時間(20秒~180秒)が経過する前に板状部材の上を転動し切って特別入賞口32sに到達し、当該特別入賞口32sに入球可能となる。上述したように、特別入賞口32sに設定されている賞球数は15個であるため、遊技球が第2特別電動役物58bの板状部材の上を転動し切って特別入賞口32sに入球した場合には、遊技者は多くの利益を得ることができる。
このように、本実施形態によれば、第2特図変動時間として設定される期間の長さに応じて、左側ルートLに振り分けられた遊技球が、特別入賞口32sに到達できずに第2大入賞口58aに入球する状況(すなわち、遊技者が利益を得ることができない状況)と、特別入賞口32sに到達して当該特別入賞口32sに入球可能な状況(すなわち、遊技者が利益を得ることができる状況)とを創出することができる。
この結果、第2特図抽選の結果が特図小当たりである場合の第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定され得る状況において、遊技者は、遊技球を作動状態の電動振分装置36eに到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、第1入球部への遊技球の入球によって付与される価値は、第5入球部への遊技球の入球によって付与される価値よりも高い構成を採用している。具体的には、特別入賞口32sへの遊技球の入球によって付与される賞球(15個)は、第2大入賞口58aへの遊技球の入球によって付与される賞球(2個)よりも多い構成を採用している。この構成を採用した理由について説明する。本実施形態では、第2特図抽選の結果が特図小当たりである場合の第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定されている場合には、閉鎖状態に設定されている第2特別電動役物58bの板状部材の上を転動中の遊技球は、長変動時間(20秒~180秒)が経過する前に板状部材の上を転動し切って特別入賞口32sに到達し、当該特別入賞口32sに入球可能となる。そして、本実施形態によれば、特別入賞口32sへの遊技球の入球によって付与される賞球(15個)は、第2大入賞口58aへの遊技球の入球によって付与される賞球(2個)よりも多いので、第2特図変動時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、第1特典を付与する第1入球部に遊技球が入球可能な第1通路と、第2特典を付与する第2入球部に遊技球が入球可能な第2通路と、第3入球部に遊技球が入球可能な第3通路とを備える。さらに、所定の作動条件の成立に基づいて遊技球を第1通路又は第2通路に流下させ得る作動状態となり、非作動状態では遊技球を第3通路に流下させる作動部材を備える。そして、遊技者にとっての価値は、第1通路は第2通路よりも高く、第2通路は第3通路よりも高い。具体的には、15個の賞球を付与する特別入賞口32sに遊技球が入球可能な左側ルートLと、1個の賞球を付与する右側入賞口36iに遊技球が入球可能な右側ルートRと、下部入球口36hに遊技球が入球可能な中央ルートUとを備える。さらに、高確高サポ状態F3へ移行したことに基づいて遊技球を左側ルートL又は右側ルートRに流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を中央ルートUに流下させる電動振分装置36eを備え、遊技者にとっての価値は、左側ルートLは右側ルートRよりも高く、右側ルートRは中央ルートUよりも高い。
したがって、本実施形態によれば、作動部材が作動している作動状態を、作動部材が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して作動部材が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動部材に到達した遊技球が第1通路を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。具体的には、電動振分装置36eが左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態を、電動振分装置36eが作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、高確高サポ状態F3へ移行して電動振分装置36eが作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球が左側ルートLを流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本実施形態によれば、作動状態の作動部材に到達した遊技球が流下する第1通路及び第2通路と、非作動状態の作動部材に到達した遊技球が流下する第3通路とは、遊技盤30の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備える。具体的には、作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球が流下する左側ルートL及び右側ルートRと、非作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球が流下する中央ルートUとは、遊技盤30の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備える。
したがって、本実施形態によれば、遊技盤30の狭い領域に3つの通路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動部材に到達した遊技球が流下する通路(第1通路及び第2通路)と、非作動状態の作動部材に到達した遊技球が流下する通路(第3通路)とを明確に区別して認識させることができる。具体的には、遊技盤30の狭い右側遊技領域PARに遊技球を所定の領域に導く3つのルートを効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球が流下するルート(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球が流下するルート(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本実施形態によれば、第3入球部に1個の遊技球が入球したことによって払い出される賞球は1個以下である。具体的には、下部入球口36hに1個の遊技球が入球したことによって払い出される賞球は1個以下である。この構成を採用した理由について説明する。非作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球は、中央ルートUを通って下部入球口36hに入球することになるが、下部入球口36hに1個の遊技球が入球したことによって払い出される賞球は1個以下である。したがって、本実施形態によれば、非作動状態の電動振分装置36eを狙って右打ちをしても、遊技者は、手持ちの遊技球を増加させることができず、メリットがない。この結果、本実施形態によれば、通常状態F1においては左打ちをすることが本来の遊技の流れである本パチンコ機10において、遊技者が非作動状態の電動振分装置36eを狙って右打ちをすることを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、作動部材は、所定の作動状態において、遊技球が必ず第1通路又は第2通路に流下するように構成されており、遊技球が流下する割合は、第2通路の方が第1通路よりも多くなるように構成されている。具体的には、電動振分装置36eは、左側振分状態又は右側作動状態において、遊技球が必ず左側ルートL又は右側ルートRに流下するように構成されており、遊技球が流下する割合は、右側ルートRの方が左側ルートLよりも多くなるように構成されている。より具体的には、本実施形態では、電動振分装置36eは、作動状態では、左側振分状態を0.3秒間維持した後、0.05秒間をかけて右側振分状態に移行し、右側振分状態を0.6秒間維持した後、再び0.05秒間をかけて左側振分状態に移行し、左側振分状態を0.3秒間維持するといった動作を繰り返す。この結果、作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球は、1:2の割合で左側ルートLと、右側ルートRとに振り分けられる。この構成を採用した理由について説明する。この構成によれば、高確高サポ状態F3において、遊技者が、価値の高い左側ルートLのみに遊技球が流下するように電動振分装置36eの作動のタイミングを計って遊技球を発射させても、遊技球が流下する割合は、右側ルートRの方が左側ルートLよりも多くなるので、遊技者に、価値の高い左側ルートLのみに遊技球が流下するように電動振分装置36eの作動のタイミングを計って遊技球を発射させることを断念させることができる。
さらに、本実施形態によれば、第3通路は、所定遊技状態において、第3入球部にしか遊技球が入球しないように構成されている。具体的には、中央ルートUは、通常状態F1において、下部入球口36hにしか遊技球が入球しないように構成されている。したがって、通常状態F1において、遊技者が中央ルートUを遊技球が流通するように狙っても、最も価値の低い下部入球口36hにしか遊技球が入球しないので、遊技者にとってメリットがない。したがって、本実施形態によれば、通常状態F1において遊技者が中央ルートUを狙って右打ちをすることを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、作動部材に至るまでの流路に、遊技釘によってランダムに遊技球の流下に作用する作用部と、遊技球を1球ずつ流下可能に整流する整流部とを備える。具体的には、電動振分装置36eに至るまでの流路に、遊技釘によってランダムに遊技球の流下に作用する作用釘領域36cと、遊技球を1球ずつ流下可能に整流する整流釘領域36dとを備える。この構成によれば、遊技球が電動振分装置36eに至るタイミングをランダムにすることができるとともに、電動振分装置36eに至る遊技球を1球ずつにすることができる。したがって、本実施形態によれば、遊技球が電動振分装置36eに至るタイミングがランダムになるので、遊技者に、価値の高い左側ルートLのみに遊技球が流下するように電動振分装置36eの作動のタイミングを計って遊技球を発射させることを断念させることができるとともに、作動状態の電動振分装置36eによって遊技球を必ず1球ずつ左側ルートL又は右側ルートRに振り分けることができるので、1球ずつ振り分けられた遊技球に遊技者を注目させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、内部抽選に係る変動表示の実行中に、特定有利結果が発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、高確高サポ状態F3において、第2特別図柄の変動表示の実行中に、16R確変大当たりが発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出であるリーチ演出を実行可能に構成されている。したがって、本実施形態によれば、16R確変大当たりが発生して第2特別図柄の変動表示の終了後に遊技者に有利な高確高サポ状態F3が継続するのか否かといった期待感を遊技者に抱かせることができるとともに、当該リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中は、第2特別電動役物58bが閉鎖状態を維持するため、左側ルートLに振り分けられた遊技球は、第2大入賞口58aに入球せずに、特別入賞口32sに入球することが可能となる。すなわち、リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中に遊技者は利益を得ることが可能となる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出の実行中は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態によれば、リーチ演出が実行されたにもかかわらず、遊技者に有利な16R確変大当たりが発生しなかったとしても、当該リーチ演出が実行されている期間中に遊技者は多くの賞球を獲得することができる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出に係る特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合に、当該リーチ演出が実行されている期間が、遊技者にとって、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題を解決することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、内部抽選に係る変動表示の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、高確高サポ状態F3において、第2特別図柄の変動表示の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出であるカウントダウン演出を実行可能に構成されている。したがって、本実施形態によれば、第2特別図柄の変動表示が終了するまでの時間、すなわち、遊技球が特別入賞口32sに到達することができなくなるまでの残り時間を遊技者に示唆することができる。この結果、遊技者は、当該カウントダウン演出において表示される数値情報から、遊技球が特別入賞口32sに到達することができなくなるまでの残り時間を読み取ることによって、遊技球の発射の有無やタイミングを調整し、遊技球の無駄な発射を抑制することが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、内部抽選に係る変動表示の実行中に、遊技者に好機な状態であることを示唆する演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、高確高サポ状態F3において、長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示の実行中に、遊技者に好機な状態であることを示唆する演出である好機示唆演出を実行可能に構成されている。したがって、本実施形態によれば、遊技者に対して、この長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示の実行中こそが遊技者にとって好機な状態であることを明確に認識させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、高確高サポ状態F3において、特別入賞口32sに入球した遊技球の個数に関する情報を表示可能に構成されている。したがって、本実施形態のパチンコ機10において重要な特別入賞口32sに入球した遊技球の個数を遊技者に注目させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、第1入球部に遊技球が入球した場合に、遊技者に利益が付与されることを示唆する演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、特別入賞口32sに遊技球が入球した場合に、遊技者に利益が付与されることを示唆する演出として特別入賞口入球演出を実行可能に構成されている。したがって、遊技者に対して、自身が獲得を目指す利益は、第2大入賞口58aに遊技球が入球することによって払い出される賞球ではなく、特別入賞口32sに遊技球が入球することによって払い出される賞球であることを明確に認識させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、内部抽選に係る変動表示の実行中に、第1の演出を実行し、当該第1の演出に連続して当該第1の演出とは異なる第2の演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、高確高サポ状態F3において、第2特別図柄の変動表示の実行中に、ステップアップ演出1を実行し、ステップアップ演出1に連続してステップアップ演出2を実行可能に構成されている。したがって、遊技者に対して、ステップアップ演出1が実行された場合に、当該ステップアップ演出1の後に連続してステップアップ演出2が実行されて当該第2特別図柄の変動表示がまだまだ継続して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
また、本実施形態パチンコ機10では、作動部材が非作動状態である第1遊技状態において第1の背景画像を表示可能であり、作動部材が作動状態である第2遊技状態において第1の背景画像とは異なる第2の背景画像を表示可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、電動振分装置36eが非作動状態である通常状態F1において通常状態F1用背景画像を表示可能であり、電動振分装置36eが作動状態である高確高サポ状態F3において高確高サポ状態F3用背景画像を表示可能に構成されている。したがって、遊技者は、遊技状態が移行したことに容易に気づくことが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、切替部によって第5入球部の入球口が入球可能状態となる場合であっても、第5入球部の入球口が入球可能状態となることを示唆する演出を実行しないように構成されている。具体的には、本実施形態では、第2特別電動役物58bによって第2大入賞口58aが開放状態となる場合であっても、第2大入賞口58aが開放状態となることを示唆する演出を実行しないように構成されている。したがって、遊技者に対して、第2大入賞口58aが入球可能状態(開放状態)となることが遊技者にとって有利なことであると誤解を与えてしまうことを回避することができる。
このように、本遊技機では、内部抽選に係る変動表示の実行中は切替部が入球不能状態を維持するため、第1通路に振り分けられた遊技球は、第5入球部に入球することができないが、第1入球部に入球することは可能となっている。したがって、切替部が入球不能状態である場合には第1入球部に遊技球を入球させるといった興趣を遊技者に提供することが可能となる。すなわち、切替部の各状態に応じて入球可能な入球部を設けることによって、常に遊技の興趣を遊技者に提供することが可能となる。
さらに、本遊技機によれば、作動部材によって振り分けられる通路の価値を適切に設定することによって遊技者に新たな期待感を抱かせることができるとともに、複数の通路を遊技盤に効率よく設けることが可能となる。
《4-5》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
上述した遊技を進行させるために、主制御装置60の主側MPU62は、通常処理及びタイマ割込み処理を実行する。主側MPU62は、通常処理及びタイマ割込み処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<通常処理>
通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。
図181は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSa0101では、起動初期設定処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップSa0102に進む。
ステップSa0102では、起動コマンドを音声発光制御装置90に対して送信する。起動コマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップSa0103に進む。
ステップSa0103では、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可設定を実行する。その後、無限ループ処理を繰り返して待機するとともに、後述するタイマ割込み処理が定期的に(本実施形態では2ms毎に)実行される。
<タイマ割込み処理>
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(本実施形態では2msec周期)に実行される。
図182は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。ステップSa1101では、各種検知センサーの読み込み処理を実行する。具体的には、主制御装置60に接続されている各種検知センサーの状態を読み込み、当該センサーの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSa0102に進む。
ステップSa1102では、各種カウンタ更新処理を実行する。具体的には、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3、特図変動種別カウンタCs4、普図当否判定カウンタCn1、普図種別判定カウンタCn2、乱数初期値カウンタCiniの値にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタCs1~Cs4、Cn1、Cn2、Ciniの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSa1103に進む。
ステップSa1103では、各入球口用の入球処理を実行する。各入球口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSa1103を実行した後、ステップSa1104に進む。
ステップSa1104では、特図特電制御処理を実行する。特図特電制御処理は、第1特図始動口33又は第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて上述した特図抽選を実行し、第1特別図柄表示部37a、第2特別図柄表示部37b、第1特別電動役物57b及び第2特別電動役物58bを制御する処理である。特図特電制御処理の詳細については後述する。ステップSa1104を実行した後、ステップSa1105に進む。
ステップSa1105では、普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理は、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づいて上述した普図抽選を実行し、普通図柄表示部38a及び普通電動役物34bを制御する処理である。普図普電制御処理の詳細については後述する。ステップSa1105を実行した後、ステップSa1106に進む。
ステップSa1106では、電動振分装置駆動処理を実行する。電動振分装置駆動処理では、通常状態F1においては電動振分装置36eを上述した非作動状態となるように制御し、高確高サポ状態F3においては電動振分装置36eを上述した作動状態となるように制御する。ステップSa1106を実行した後、ステップSa1107に進む。
ステップSa1107では、上記各処理において送信対象として設定された各種コマンドや各種出力データを払出制御装置70や音声発光制御装置90等のサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドが設定されてる場合には当該コマンドを払出制御装置70に対して送信する。また、各種の演出に関するコマンドが設定されている場合にはそれらのコマンドを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSa1107を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<各入球口用の入球処理>
次に、各入球口用の入球処理について説明する。各入球口用の入球処理は、上述したタイマ割込み処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図183は、各入球口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSa1201では、一般入賞口用の入球処理を実行する。一般入賞口用の入球処理では、一般入賞口32への遊技球の入球を検知した場合に、当該一般入賞口32に設定された賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。ステップSa1201を実行した後、ステップSa1202に進む。
ステップSa1202では、特別入賞口用の入球処理を実行する。特別入賞口用の入球処理では、特別入賞口32sへの遊技球の入球を検知した場合に、当該特別入賞口32sに設定された賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。ステップSa1202を実行した後、ステップSa1203に進む。
ステップSa1203では、大入賞口用の入球処理を実行する。大入賞口用の入球処理では、第1大入賞口57a又は第2大入賞口58aへの遊技球の入球を検知した場合に、当該第1大入賞口57a又は第2大入賞口58aに設定された賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。ステップSa1203を実行した後、ステップSa1204に進む。
ステップSa1204では、第1特図始動口用の入球処理を実行する。第1特図始動口用の入球処理では、第1特図始動口33への遊技球の入球を検知した場合に、各種の処理を実行する。第1特図始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSa1204を実行した後、ステップSa1205に進む。
ステップSa1205では、第2特図始動口用の入球処理を実行する。第2特図始動口用の入球処理では、第2特図始動口34への遊技球の入球を検知した場合に、各種の処理を実行する。第2特図始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSa1205を実行した後、ステップSa1206に進む。
ステップSa1206では、普図始動ゲート用の入球処理を実行する。普図始動ゲート用の入球処理では、普図始動ゲート35への遊技球の入球を検知した場合に、各種の処理を実行する。普図始動ゲート用の入球処理の詳細については後述する。ステップSa1206実行した後、ステップSa1207に進む。
ステップSa1207では、V確入賞口用の入球処理を実行する。V確入賞口用の入球処理では、V確入賞口57avへの遊技球の入球を検知した場合に、各種の処理を実行する。V確入賞口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSa1207実行した後、本各入球口用の入球処理を終了する。
<第1特図始動口用の入球処理>
次に、第1特図始動口用の入球処理について説明する。第1特図始動口用の入球処理は、上述した各入球口用の入球処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図184は、第1特図始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSa1301では第1特図始動口33に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSa1301において、第1特図始動口33に遊技球が入球したと判定した場合には(ステップSa1301:YES)、ステップSa1302に進み、第1特図始動口33に設定された賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップSa1303に進む。一方、ステップSa1301において、第1特図始動口33に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(ステップSa1301:NO)、本第1特図始動口用の入球処理を終了する。
ステップSa1303では、第1特図保留個数Ns1が上限値未満であるか否かを判定する。なお、第1特図保留個数Ns1は、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて保留されている(実行待ちの)第1特図抽選の数を示す値である。本実施形態では、第1特図保留個数Ns1の上限値(最大値)は4である。
ステップSa1303において、第1特図保留個数Ns1が上限値未満であると判定した場合には(ステップSa1303:YES)、ステップSa1304に進み、第1特図保留個数Ns1に1を加算する。その後、ステップSa1305に進む。
ステップSa1305では、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値をRAM64の特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSa1303において1を加算した第1特図保留個数Ns1に対応する記憶エリアに記憶する。その後、ステップSa1306に進む。
ステップSa1306では、第1特図先判定処理を実行する。第1特図先判定処理は、ステップSa1305において取得された特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値(第1特図保留情報)に基づいて、第1特図抽選の判定結果(特図当否判定の判定結果、特図種別判定の判定結果、特図リーチ発生の有無の判定結果等)を、当該第1特図保留情報が第1特別図柄の変動を伴う第1特図抽選の対象となるよりも前に判定する処理である。ステップSa1306を実行した後、ステップSa1307に進む。
ステップSa1307では、第1特図保留コマンドを設定する。具体的には、上述した第1特図先判定処理の各判定結果を第1特図保留コマンドとして設定する。第1特図保留コマンドは、サブ側の制御装置に対して、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された第1特図保留情報に対する第1特図先判定処理の判定結果を、当該第1特図保留情報が第1特別図柄の変動を伴う第1特図抽選の対象となるよりも前に認識させるためのコマンドである。音声発光制御装置90は、第1特図保留コマンドを受信すると、図柄表示装置41の第1特図保留表示領域Ds1における表示を第1特図保留個数Ns1の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1特図保留表示領域Ds1における表示を第1特図保留個数Ns1の増加に対応させて変更する。ステップSa1307を実行した後、第1特図始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSa1303において、第1特図保留個数Ns1が上限値未満ではないと判定した場合(ステップSa1303:NO)、すなわち、第1特図保留個数Ns1が上限値であると判定した場合には、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値を特図保留エリア64bに記憶することなく、本第1特図始動口用の入球処理を終了する。
<第2特図始動口用の入球処理>
次に、第2特図始動口用の入球処理について説明する。第2特図始動口用の入球処理は、上述した各入球口用の入球処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図185は、第2特図始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSa1401では第2特図始動口34に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSa1401において、第2特図始動口34に遊技球が入球したと判定した場合には(ステップSa1401:YES)、ステップSa1402に進み、第2特図始動口34に設定された賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップSa1403に進む。一方、ステップSa1401において、第2特図始動口34に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(ステップSa1401:NO)、本第2特図始動口用の入球処理を終了する。
ステップSa1403では、第2特図保留個数Ns2が上限値未満であるか否かを判定する。なお、第2特図保留個数Ns2は、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて保留されている(実行待ちの)第2特図抽選の数を示す値である。本実施形態では、第2特図保留個数Ns2の上限値(最大値)は4である。
ステップSa1403において、第2特図保留個数Ns2が上限値未満であると判定した場合には(ステップSa1403:YES)、ステップSa1404に進み、第2特図保留個数Ns2に1を加算する。その後、ステップSa1405に進む。
ステップSa1405では、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値をRAM64の特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSa1403において1を加算した第2特図保留個数Ns2に対応する記憶エリアに記憶する。その後、ステップSa1406に進む。
ステップSa1406では、第2特図先判定処理を実行する。第2特図先判定処理は、ステップSa1405において取得された特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値(第2特図保留情報)に基づいて、第2特図抽選の判定結果(特図当否判定の判定結果、特図種別判定の判定結果、特図リーチ発生の有無の判定結果等)を、当該第2特図保留情報が第2特別図柄の変動を伴う第2特図抽選の対象となるよりも前に判定する処理である。ステップSa1406を実行した後、ステップSa1407に進む。
ステップSa1407では、第2特図保留コマンドを設定する。具体的には、上述した第2特図先判定処理の各判定結果を第2特図保留コマンドとして設定する。第2特図保留コマンドは、サブ側の制御装置に対して、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された第2特図保留情報に対する第2特図先判定処理の判定結果を、当該第2特図保留情報が第2特別図柄の変動を伴う第2特図抽選の対象となるよりも前に認識させるためのコマンドである。音声発光制御装置90は、第2特図保留コマンドを受信すると、図柄表示装置41の第2特図保留表示領域Ds2における表示を第2特図保留個数Ns2の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2特図保留表示領域Ds2における表示を第2特図保留個数Ns2の増加に対応させて変更する。ステップSa1407を実行した後、第5入球部である第2特図始動口34用の入球処理を終了する。
一方、ステップSa1403において、第2特図保留個数Ns2が上限値未満ではないと判定した場合(ステップSa1403:NO)、すなわち、第2特図保留個数Ns2が上限値であると判定した場合には、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値を特図保留エリア64bに記憶することなく、本第2特図始動口用の入球処理を終了する。
<普図始動ゲート用の入球処理>
次に、普図始動ゲート用の入球処理について説明する。普図始動ゲート用の入球処理は、上述した各入球口用の入球処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図186は、普図始動ゲート用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSa1501では普図始動ゲート35に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSa1501において、普図始動ゲート35に遊技球が入球したと判定した場合には(ステップSa1501:YES)、ステップSa1502に進む。一方、ステップSa1501において、普図始動ゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(ステップSa1501:NO)、本普図始動ゲート用の入球処理を終了する。
ステップSa1502では、普図保留個数Nn1が上限値未満であるか否かを判定する。なお、普図保留個数Nn1は、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づいて保留されている(実行待ちの)普図抽選の数を示す値である。本実施形態では、普図保留個数Nn1の上限値(最大値)は4である。
ステップSa1502において、普図保留個数Nn1が上限値未満であると判定した場合には(ステップSa1502:YES)、ステップSa1503に進み、普図保留個数Nn1に1を加算する。その後、ステップSa1504に進む。
ステップSa1504では、普図当否判定カウンタCn1及び普図種別判定カウンタCn2の各値をRAM64の普図保留エリア64dの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSa1503において1を加算した普図保留個数Nn1に対応する記憶エリアに記憶する。その後、ステップSa1505に進む。
ステップSa1505では、普図保留コマンドを設定する。普図保留コマンドは、サブ側の制御装置に対して、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づいて普図抽選が保留されたことを認識させるためのコマンドである。ステップSa1505を実行した後、第4入球部である普図始動ゲート35用の入球処理を終了する。
一方、ステップSa1502において、普図保留個数Nn1が上限値未満ではないと判定した場合(ステップSa1502:NO)、すなわち、普図保留個数Nn1が上限値であると判定した場合には、普図当否判定カウンタCn1及び普図種別判定カウンタCn2の各値を普図保留エリア64dに記憶することなく、本普図始動ゲート用の入球処理を終了する。
<V確入賞口用の入球処理>
次に、V確入賞口用の入球処理について説明する。V確入賞口用の入球処理は、上述した各入球口用の入球処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図187は、V確入賞口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSa1601では、V確入賞口57avに遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSa1601において、V確入賞口57avに遊技球が入球したと判定した場合には(ステップSa1601:YES)、ステップSa1602に進み、主側RAM64に記憶されているV確入賞フラグがONであるか否かを判定する。V確入賞フラグは、V確入賞口57avに遊技球が入球した場合にONとなり、特電開閉実行モードの終了後に高確率モードフラグがONとなった際にOFFとなるフラグである。ステップSa1602では、既にV確入賞フラグがONとなっているか否かを判定することによって、複数個の遊技球がV確入賞口57avに入球した場合であっても後述するステップSa1603からステップSa1605の処理が重複して実行されない構成を採用している。
ステップSa1602において、V確入賞フラグがONではないと判定した場合には(ステップSa1602:NO)、ステップSa1603に進み、V確入賞フラグをONにする。その後、ステップSa1604に進み、V確入賞コマンドを設定する。V確入賞コマンドは、V確入賞口57avに遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。音声発光制御装置90は、V確入賞コマンドを受信すると、遊技球がV確入賞口57avに入球したことを示唆する演出であるV確入賞演出を実行する。ステップSa1604を実行した後、第1入球部であるV確入賞口57av用の入球処理を終了する。
一方、ステップSa1601においてV確入賞口57avに遊技球が入球していないと判定した場合(ステップSa1601:NO)及びステップSa1602においてV確入賞フラグがONであると判定した場合(ステップSa1602:YES)には、上述したステップSa1603及びステップSa1604の処理を実行することなく、本V確入賞口用の入球処理を終了する。
なお、本実施形態では、第1特別電動役物57bの内部の第1大入賞口57aの下流側にV確入賞口57avが設けられており、第1大入賞口57aに入球した遊技球は必ずV確入賞口57avに入球する構成としたが、この構成に代えて、第1特別電動役物57bの内部であって遊技盤30の裏面側に、高確率モードを付与するV確入賞口57avに遊技球が入球可能なVルートと、第2特典である賞球は付与するが高確率モードは付与しない第2入球部である賞球付与入球口に遊技球が入球可能な非Vルートと、第1大入賞口57aに入球した遊技球をVルート又は非Vルートのいずれかのルートに振り分ける振分弁とが設けられており、第1大入賞口57aに入球した遊技球はVルート又は非Vルートのいずれかのルートを流下する変形構成としてもよい。そして、この構成において、遊技球が流下する割合は、非Vルートの方がVルートLよりも多くなるように構成されていてもよい。
<特図特電制御処理>
次に、特図特電制御処理について説明する。特図特電制御処理は、上述したタイマ割込み処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図188は、特図特電制御処理を示すフローチャートである。ステップSa2101では、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄又は第2特別図柄表示部37bにおける第2特別図柄の変動を開始させるための処理である特別図柄変動開始処理を実行する。特別図柄変動開始処理の詳細については後述する。ステップSa2101を実行した後、ステップSa2102に進む。
ステップSa2102では、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄又は第2特別図柄表示部37bにおける第2特別図柄の変動を停止させるための処理である特別図柄変動停止処理を実行する。特別図柄変動停止処理の詳細については後述する。ステップSa2102を実行した後、ステップSa2103に進む。
ステップSa2103では、特別図柄の変動を停止させた後の処理である特別図柄変動停止後処理を実行する。特別図柄変動停止後処理の詳細については後述する。ステップSa2103を実行した後、ステップSa2104に進む。
ステップSa2104では、特電開閉実行モード開始処理を実行する。特電開閉実行モード開始処理は、特電開閉実行モードを開始させる条件が成立した場合に、特電開閉実行モードを開始させる処理である。特電開閉実行モード開始処理の詳細については後述する。ステップSa2104を実行した後、ステップSa2105に進む。
ステップSa2105では、特電オープニング期間中処理を実行する。特電オープニング期間中処理は、特電オープニング期間中に実行する処理である。特電オープニング期間中処理の詳細については後述する。ステップSa2105を実行した後、ステップSa2106に進む。
ステップSa2106では、特電開閉期間中処理を実行する。特電開閉期間中処理は、特電開閉期間中に実行する処理である。特電開閉期間中処理の詳細については後述する。ステップSa2106を実行した後、ステップSa2107に進む。
ステップSa2107では、特電エンディング期間中処理を実行する。特電エンディング期間中処理は、特電エンディング期間中に実行する処理である。特電エンディング期間中処理の詳細については後述する。ステップSa2107を実行した後、本特図特電制御処理を終了する。
<特別図柄変動開始処理>
次に、特別図柄変動開始処理について説明する。特別図柄変動開始処理は、上述した特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図189は、特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSa2201では、主側RAM64に記憶されている特図特電制御値が「01」であるか否かを判定する。特図特電制御値は、特別図柄及び特別電動役物の制御の進行状況がどの段階であるのかを示す値であり、本実施形態では、特図特電制御値が「01」であることは、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれもが変動していない状態であり、かつ、特電開閉実行モードも実行されていない状態であること示している。換言すれば、特図特電制御値が「01」であることは、第1特図保留個数Ns1又は第2特図保留個数Ns2が1以上となっている場合に第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始することが可能な状態であることを示している。本実施形態では、特図特電制御値は、上述した起動初期設定処理において最初に「01」に設定される。
ステップSa2201において、特図特電制御値が「01」ではないと判定した場合には(ステップSa2201:NO)、後述するステップSa2202以降の処理のいずれも実行することなく、本特別図柄変動開始処理を終了する。すなわち、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかが変動している状態や、特電開閉実行モードの実行中には、特別図柄の変動は開始されない。一方、ステップSa2201において、特図特電制御値が「01」であると判定した場合には(ステップSa2201:NO)、ステップSa2202に進む。
ステップSa2202では、第2特図保留個数Ns2が「1」以上であるか否かを判定する。ステップSa2202において、第2特図保留個数Ns2が「1」以上であると判定した場合には(ステップSa2202:YES)、ステップSa2203に進み、第2特図保留個数Ns2から1を減算する。その後、ステップSa2204に進む。
ステップSa2204では、特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbの各エリアに記憶されている第2特図保留情報をシフトさせる処理である第2特図保留情報シフト処理を実行する。具体的には、第2特図保留情報シフト処理では、第2特図保留エリアRbの第1エリアに記憶されている第2特図保留情報を特図判定エリア64cに移動させた後、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった順に各エリア内の第2特図保留情報をシフトさせる。ステップSa2204を実行した後、後述するステップSa2208に進む。
ステップSa2202において、第2特図保留個数Ns2が「1」以上ではないと判定した場合には(ステップSa2202:NO)、ステップSa2205に進み、第1特図保留個数Ns1が「1」以上であるか否かを判定する。ステップSa2205において、第1特図保留個数Ns1が「1」以上ではないと判定した場合には(ステップSa2205:NO)、本特別図柄変動開始処理を終了する。一方、ステップSa2205において、第1特図保留個数Ns1が「1」以上であると判定した場合には(ステップSa2205:YES)、ステップSa2206に進み、第1特図保留個数Ns1から1を減算する。その後、ステップSa2207に進む。
ステップSa2207では、特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaの各エリアに記憶されている第1特図保留情報をシフトさせる処理である第1特図保留情報シフト処理を実行する。具体的には、第1特図保留情報シフト処理では、第1特図保留エリアRaの第1エリアに記憶されている第1特図保留情報を特図判定エリア64cに移動させた後、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった順に各エリア内の第1特図保留情報をシフトさせる。ステップSa2207を実行した後、ステップSa2208に進む。
ステップSa2208では、特図当たり(特図大当たり又は特図小当たり)に当選するか否かを判定する処理である特図当否判定処理を実行する。具体的には、特図当否判定処理では、抽選モード及び保留の種別に基づいて上述した特図当否判定テーブルを選択し、選択した特図当否判定テーブルと、特図判定エリア64cに記憶された特図当否判定カウンタCs1の値とに基づいて、特図当たりに当選するか否かを判定する。ステップSa2208を実行した後、ステップSa2209に進む。
ステップSa2209では、特別図柄の種別(停止図柄の種別)を判定する処理である特図種別判定処理を実行する。具体的には、特図種別判定処理では、特図当否判定の結果と、特図判定エリア64cに記憶された特図種別判定カウンタCs2の値と、特図種別判定テーブルとに基づいて、特別図柄の種別を判定する。ステップSa2209を実行した後、ステップSa2210に進む。
ステップSa2210では、特図種別判定処理において判定した特別図柄の種別に対応した特図種別フラグをONにする。具体的には、例えば、特図種別判定処理において特別図柄Aであると判定した場合には、特図種別フラグとして特別図柄AフラグをONにし、特別図柄Bであると判定した場合には、特図種別フラグとして特別図柄BフラグをONにする。ステップSa2210を実行した後、ステップSa2211に進む。
ステップSa2211では、特図変動時間設定処理を実行する。特図変動時間設定処理は、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄の変動時間(第1特図変動時間)及び第2特別図柄表示部37bにおける第2特別図柄の変動時間(第2特図変動時間)を設定する処理である。具体的には、特図変動時間設定処理では、抽選モードと、保留の種別と、特図当否判定の結果と、特図判定エリア64cに記憶された特図リーチ判定カウンタCs3の値と、特図変動種別カウンタCs4の値と、特図変動時間テーブルとに基づいて特図変動時間を決定し、決定した特図変動時間に対応した値を特図変動時間タイマカウンタに設定する。ステップSa2211を実行した後、ステップSa2212に進む。
ステップSa2212では、特図変動用コマンドを設定する。特図変動用コマンドには、今回の特別図柄の変動が第1特図始動口33又は第2特図始動口34のいずれの特図始動口への遊技球の入球に基づくものであるのかを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及び設定された特図変動時間の情報が含まれている。ステップSa2212を実行した後、ステップSa2213に進む。
ステップSa2213では、特図種別コマンドを設定する。特図種別コマンドには、特図当否判定の結果(特図当たりの有無)及び特図種別判定の結果(特別図柄の種別)の情報が含まれる。
ステップSa2212及びステップSa2213にて設定された特図変動用コマンド及び特図種別コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した特図変動用コマンド及び特図種別コマンドに基づいて演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSa2213を実行後、ステップSa2214に進む。
ステップSa2214では、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄又は第2特別図柄表示部37bにおける第2特別図柄の変動を開始させる。その後、ステップSa2215に進み、特図特電制御値に「02」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「02」であることは、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中の状態であることを示している。その後、本特別図柄変動開始処理を終了する。
<特別図柄変動停止処理>
次に、特別図柄変動停止処理について説明する。特別図柄変動停止処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図190は、特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。ステップSa2301では、特図特電制御値が「02」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「02」であることは、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中の状態であることを示している。ステップSa2301において、特図特電制御値が「02」ではないと判定した場合には(ステップSa2301:NO)、本特別図柄変動停止処理を終了する。一方、ステップSa2301において、特図特電制御値が「02」であると判定した場合には(ステップSa2301:YES)、ステップSa2302に進む。
ステップSa2302では、上述した特図変動時間設定処理において設定された特図変動時間が経過したか否かを判定する。具体的には、主側RAM64における特図変動時間タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となっている場合には、特図変動時間が経過したと判定する。ステップSa2302において、特図変動時間が経過していないと判定した場合には(ステップSa2302:NO)、本特別図柄変動停止処理を終了する。一方、ステップSa2302において、特図変動時間が経過したと判定した場合には(ステップSa2302:YES)、ステップSa2303に進む。
ステップSa2303では、第1特別図柄表示部37a又は第2特別図柄表示部37bにおいて変動中の第1特別図柄又は第2特別図柄を、ONとなっている特図種別フラグに対応した表示態様で停止表示させる。これにより、第1特別図柄表示部37a又は第2特別図柄表示部37bには、第1特図抽選又は第2特図抽選の結果に対応した表示態様の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示される。ステップSa2303を実行した後、ステップSa2304に進む。
ステップSa2304では、特図停止表示時間設定処理を実行する。特図停止表示時間設定処理は、第1特別図柄表示部37aにおける第1特別図柄の停止表示時間(第1特図停止表示時間)及び第2特別図柄表示部37bにおける第2特別図柄の停止表示時間(第2特図停止表示時間)を設定する処理である。具体的には、特図停止表示時間設定処理では、所定の時間(本実施形態では1.0秒)に対応した値を特図停止表示時間タイマカウンタに設定する。ステップSa2304を実行した後、ステップSa2305に進み、特図特電制御値に「03」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「03」であることは、第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示中の状態であることを示している。その後、本特別図柄停止処理を終了する。
<特別図柄変動停止後処理>
次に、特別図柄変動停止後処理について説明する。特別図柄変動停止後処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図191は、特別図柄変動停止後処理を示すフローチャートである。ステップSa2401では、特図特電制御値が「03」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「03」であることは、第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示中の状態であることを示している。ステップSa2401において、特図特電制御値が「03」ではないと判定した場合には(ステップSa2401:NO)、本特別図柄変動停止後処理を終了する。一方、ステップSa2401において、特図特電制御値が「03」であると判定した場合には(ステップSa2401:YES)、ステップSa2402に進む。
ステップSa2402では、上述した特図停止表示時間設定処理において設定された特図停止表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、主側RAM64における特図停止表示時間タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となっている場合には、特図停止表示時間が経過したと判定する。ステップSa2402において、特図停止表示時間が経過していないと判定した場合には(ステップSa2402:NO)、本特別図柄変動停止後処理を終了する。一方、ステップSa2402において、特図停止表示時間が経過したと判定した場合には(ステップSa2402:YES)、ステップSa2403に進む。
ステップSa2403では、特図当たりに対応する特図種別フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、今回の特別図柄の変動に係る特図当否判定の結果が特図当たり(特図大当たり又は特図小当たり)であるか否かを判定する。ステップSa2403において、特図当たりに対応する特図種別フラグがONではないと判定した場合(ステップSa2403:NO)、すなわち、今回の特別図柄の変動に係る特図当否判定の結果が特図外れである場合には、ステップSa2404に進み、ONとなっている特図種別フラグ(この場合は特別図柄Zフラグ)をOFFにする。その後、ステップSa2405に進み、特図特電制御値に「01」を設定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「01」であることは、第1特図保留個数Ns1又は第2特図保留個数Ns2が1以上となっている場合に第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始することが可能な状態を示している。その後、本特別図柄変動停止後処理を終了する。
一方、ステップSa2403において、特図当たりに対応する特図種別フラグがONであると判定した場合(ステップSa2403:YES)、すなわち、今回の特別図柄の変動に係る特図当否判定の結果が特図当たりである場合には、ステップSa2406に進み、特図特電制御値に「04」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「04」であることは、特電開閉実行モードを開始すべき条件が成立した状態であることを示している。その後、本特別図柄変動停止後処理を終了する。これにより、今回の特別図柄の変動に係る特図当否判定の結果が特図当たりである場合には、特電開閉実行モードが開始されることになる。
<特電開閉実行モード開始処理>
次に、特電開閉実行モード開始処理について説明する。特電開閉実行モード開始処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図192は、特電開閉実行モード開始処理を示すフローチャートである。ステップSa3101では、特図特電制御値が「04」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「04」であることは、特電開閉実行モードを開始すべき条件が成立した状態を示している。ステップSa3101において、特図特電制御値が「04」ではないと判定した場合には(ステップSa3101:NO)、本特電開閉実行モード開始処理を終了する。一方、ステップSa3101において、特図特電制御値が「04」であると判定した場合には(ステップSa3101:YES)、ステップSa3102に進む。
ステップSa3102では、特図小当たりに対応した特図種別フラグがONであるか否かを判定する。ステップSa3102において、特図小当たりに対応した特図種別フラグがONではないと判定した場合(ステップSa3102:NO)、すなわち、特図大当たりに対応した特図種別フラグがONである場合には、ステップSa3103に進み、遊技状態リセット処理を実行する。遊技状態リセット処理は、高確率モードフラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、当該フラグがOFFである場合にはそのままOFFの状態を維持する処理である。その後、後述するステップSa3104に進む。
一方、ステップSa3102において、特図小当たりに対応した特図種別フラグがONであると判定した場合には(ステップSa3102:YES)、ステップSa3103の遊技状態リセット処理を実行することなく、ステップSa3104に進む。
ステップSa3104では、特電開閉シナリオ選択処理を実行する。特電開閉シナリオ選択処理は、特図種別フラグと上述した特電開閉シナリオ選択テーブルとに基づいて、特電開閉実行モードにおいて参照する特電開閉シナリオの種別を選択する処理である。ステップSa3104を実行した後、ステップSa3105に進む。
ステップSa3105では、特電オープニング時間設定処理を実行する。特電オープニング時間設定処理は、特電オープニング期間の時間的長さ(以下、特電オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、本実施形態では、上述した特電開閉シナリオ選択処理によって選択された特電開閉シナリオから特電オープニング時間情報を取得し、取得した特電オープニング時間情報をRAM64に設けられた特電オープニング時間タイマカウンタにセットする。この特電オープニング時間タイマカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される度に1減算される。ステップSa3105を実行した後、ステップSa3106に進む。
ステップSa3106では、特電オープニングコマンドを設定する。設定された特電オープニングコマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。特電オープニングコマンドを受信した音声発光制御装置90は、特電オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように各種演出用装置(各種ランプ47や表示制御装置100、図柄表示装置41)を制御する。ステップSa3106を実行した後、ステップSa3107に進み、特図特電制御値に「05」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「05」であることは、特電オープニング期間が開始された状態であることを示している。その後、本特電開閉実行モード開始処理を終了する。
<特電オープニング期間中処理>
次に、特電オープニング期間中処理について説明する。特電オープニング期間中処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図193は、特電オープニング期間中処理を示すフローチャートである。ステップSa3201では、特図特電制御値が「05」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「05」であることは、特電オープニング期間が開始された状態であることを示している。ステップSa3201において、特図特電制御値が「05」ではないと判定した場合には(ステップSa3201:NO)、本特電オープニング期間中処理を終了する。一方、ステップSa3201において、特図特電制御値が「05」であると判定した場合には(ステップSa3201:YES)、ステップSa3202に進む。
ステップSa3202では、特電オープニング期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した特電オープニング時間設定処理において特電オープニング時間として設定した特電オープニング時間タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSa3202において、特電オープニング期間が終了するタイミングではないと判定した場合には(ステップSa3202:NO)、本特電オープニング期間中処理を終了する。一方、ステップSa3202において、特電オープニング期間が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップSa3202:YES)、ステップSa3203に進み、特電開閉期間コマンドを設定する。設定された特電開閉期間コマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。この特電開閉期間コマンドには、今回の特電開閉期間における第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58bの開放回数の情報が含まれる。特電開閉期間コマンドを受信した音声発光制御装置90は、受信した特電開閉期間コマンドに基づいて、第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58bの開放回数に対応した内容の演出を実行するように各種演出用装置を制御する。ステップSa3203を実行した後、ステップSa3204に進み、特図特電制御値に「06」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「06」であることは、特電オープニング期間が終了し、特電開閉期間が開始された状態であることを示している。その後、本特電オープニング期間中処理を終了する。
<特電開閉期間中処理>
次に、特電開閉期間中処理について説明する。特電開閉期間中処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図194は、特電開閉期間中処理を示すフローチャートである。ステップSa3301では、特図特電制御値が「06」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「06」であることは、特電開閉期間が開始された状態であることを示している。ステップSa3301において、特図特電制御値が「06」ではないと判定した場合には(ステップSa3301:NO)、本特電開閉期間中処理を終了する。一方、ステップSa3301において、特図特電制御値が「06」であると判定した場合には(ステップSa3301:YES)、ステップSa3302に進む。
ステップSa3302では、特電開閉期間の終了条件が成立したか否かを判定する。具体的には、特電開閉シナリオ選択処理によって選択された特電開閉シナリオを読み込み、当該特電開閉シナリオに設定されている特電開閉期間の終了条件が成立したか否かを判定する。ステップSa3302において、特電開閉期間の終了条件が成立していないと判定した場合には(ステップSa3302:NO)、ステップSa3303に進む。
ステップSa3303では、第1特別電動役物57bが開放中であるか否かを判定する。ステップSa3303において、第1特別電動役物57bが開放中ではないと判定した場合には(ステップSa3303:NO)、ステップSa3304に進む。なお、上記変形構成において、当該第1特別電動役物57bの外部であって遊技盤30の表面側に、第1特別電動役物57bが開放中ではない状況において当該第1特別電動役物57bに到達した遊技球がアウト口43に入球可能な外ルートが設けられている構成としてもよい。すなわち、上記変形構成におけるVルート及び非Vルートと、外ルートとは、遊技盤30の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備える構成としてもよい。この構成によれば、遊技盤30の狭い領域に3つのルート(第1通路であるVルート、第2通路である非Vルート及び第3通路である外ルート)を効率よく設けることが可能となる。
ステップSa3304では、第1特別電動役物57bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、特電開閉シナリオ選択処理によって選択された特電開閉シナリオを読み込み、当該特電開閉シナリオに設定されている第1特別電動役物57bの開放条件が成立したか否かを判定する。ステップSa3304において、第1特別電動役物57bの開放条件が成立したと判定した場合には(ステップSa3304:YES)、ステップSa3305に進む。
ステップSa3305では、第1特別電動役物57bを開放する。その後、ステップSa3306に進む。
ステップSa3306では、第1特電開放コマンドを設定する。第1特電開放コマンドは、第1特別電動役物57bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1特電開放コマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSa3306を実行した後、後述するステップSa3310に進む。
ステップSa3304において、第1特別電動役物57bの開放条件が成立していないと判定した場合には(ステップSa3304:NO)、後述するステップSa3310に進む。
ステップSa3303において、第1特別電動役物57bが開放中であると判定した場合には(ステップSa3303:YES)、ステップSa3307に進む。
ステップSa3307では、第1特別電動役物57bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、特電開閉シナリオ選択処理によって選択された特電開閉シナリオを読み込み、当該特電開閉シナリオに設定されている第1特別電動役物57bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。ステップSa3307において、作動部材である第1特別電動役物57bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(ステップSa3307:YES)、ステップSa3308に進む。
ステップSa3308では、第1特別電動役物57bを閉鎖する。その後、ステップSa3309に進む。
ステップSa3309では、第1特電閉鎖コマンドを設定する。第1特電閉鎖コマンドは、第1特別電動役物57bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1特電閉鎖コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSa3309を実行した後、後述するステップSa3310に進む。
ステップSa3307において、第1特別電動役物57bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(ステップSa3307:NO)、後述するステップSa3310に進む。
なお、上記変形構成において、第1特別電動役物57bは、特図大当たりに当選したことに基づいて、遊技球をVルート又は非Vルートに流下させ得る開閉動作を実行している作動状態(特電開閉実行モードを実行中の状態)となり、開閉動作を非実行の閉鎖状態では、遊技球を外ルートに流下させる構成としてもよい。なお、高確率モードが付与されるV確入賞口57avに遊技球が入球可能なVルートは、賞球は付与するが高確率モードは付与しない賞球付与入球口に遊技球が入球可能な非Vルートよりも、遊技者にとっての価値が高い。また、非Vルートは、賞球は付与されるため、賞球すら付与されない外ルートよりも、遊技者にとっての価値は高い。したがって、この構成によれば、第1特別電動役物57bが開閉動作を実行している作動状態(特電開閉実行モードを実行中の状態)を、第1特別電動役物57bが開閉動作を実行していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、特図大当たりに当選して特電開閉実行モードに移行して第1特別電動役物57bが作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の第1特別電動役物57bに到達した遊技球がVルートを流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
ステップSa3310では、第2特別電動役物58bが開放中であるか否かを判定する。ステップSa3310において、第2特別電動役物58bが開放中ではないと判定した場合には(ステップSa3310:NO)、ステップSa3311に進む。
ステップSa3311では、第2特別電動役物58bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、特電開閉シナリオ選択処理によって選択された特電開閉シナリオを読み込み、当該特電開閉シナリオに設定されている第2特別電動役物58bのの開放条件が成立したか否かを判定する。ステップSa3311において、第2特別電動役物58bの開放条件が成立したと判定した場合には(ステップSa3311:YES)、ステップSa3312に進む。
ステップSa3312では、第2特別電動役物58bを開放する。その後、ステップSa3313に進む。
ステップSa3313では、第2特電開放コマンドを設定する。第2特電開放コマンドは、第2特別電動役物58bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2特電開放コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSa3313を実行した後、本特電開閉期間中処理を終了する。
ステップSa3311において、第2特別電動役物58bの開放条件が成立していないと判定した場合には(ステップSa3311:NO)、そのまま本特電開閉期間中処理を終了する。
ステップSa3310において、第2特別電動役物58bが開放中であると判定した場合には(ステップSa3310:YES)、ステップSa3314に進む。
ステップSa3314では、第2特別電動役物58bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、特電開閉シナリオ選択処理によって選択された特電開閉シナリオを読み込み、当該特電開閉シナリオに設定されている第2特別電動役物58bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。ステップSa3314において、第2特別電動役物58bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(ステップSa3314:YES)、ステップSa3315に進む。
ステップSa3315では、第2特別電動役物58bを閉鎖する。その後、ステップSa3316に進む。
ステップSa3316では、第2特電閉鎖コマンドを設定する。第2特電閉鎖コマンドは、第2特別電動役物58bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2特電閉鎖コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSa3316を実行した後、本特電開閉期間中処理を終了する。
ステップSa3314において、第2特別電動役物58bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(ステップSa3314:NO)、そのまま本特電開閉期間中処理を終了する。
ステップSa3302において、特電開閉期間の終了条件が成立していると判定した場合には(ステップSa3302:YES)、ステップSa3317に進む。
ステップSa3317では、特電エンディング時間設定処理を実行する。特電エンディング時間設定処理は、特電エンディング期間の時間的長さ(以下、特電エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、本実施形態では、上述した特電開閉シナリオ選択処理によって選択された特電開閉シナリオから特電エンディング時間情報を取得し、取得した特電エンディング時間情報をRAM64に設けられた特電エンディング時間タイマカウンタにセットする。この特電エンディング時間タイマカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される度に1減算される。ステップSa3317を実行した後、ステップSa3318に進む。
ステップSa3318では、特電エンディングコマンドを設定する。設定された特電エンディングコマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。特電エンディングコマンドを受信した音声発光制御装置90は、特電エンディング演出を実行するように各種演出用装置を制御する。ステップSa3318を実行した後、ステップSa3319に進み、特図特電制御値に「07」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「07」であることは、特電エンディング期間が開始された状態であることを示している。その後、本特電開閉期間中処理を終了する。
<特電エンディング期間中処理>
次に、特電エンディング期間中処理について説明する。特電エンディング期間中処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図195は、特電エンディング期間中処理を示すフローチャートである。ステップSa3401では、特図特電制御値が「07」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「07」であることは、特電エンディング期間が開始された状態であることを示している。ステップSa3401において、特図特電制御値が「07」ではないと判定した場合には(ステップSa3401:NO)、本特電エンディング期間中処理を終了する。一方、ステップSa3401において、特図特電制御値が「07」であると判定した場合には(ステップSa3401:YES)、ステップSa3402に進む。
ステップSa3402では、特電エンディング期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した特電エンディング時間設定処理において特電エンディング時間として設定した特電エンディング時間タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSa3402において、特電エンディング期間が終了するタイミングではないと判定した場合には(ステップSa3402:NO)、本特電エンディング期間中処理を終了する。一方、ステップSa3402において、特電エンディング期間が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップSa3402:YES)、ステップSa3403に進む。
ステップSa3403では、V確入賞フラグがONであるか否かを判定する。ステップSa3403において、V確入賞フラグがONであると判定した場合には(ステップSa3403:YES)、ステップSa3404に進み、高確率モードフラグ及び高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップSa3405に進み、V確入賞フラグをOFFにする。その後、ステップSa3406に進む。一方、ステップSa3403において、V確入賞フラグがONではないと判定した場合には(ステップSa3403:NO)、上述したステップSa3404及びステップSa3405の処理を実行することなくステップSa3406に進む。すなわち、V確入賞口57avに遊技球が入球しなかった場合には第1特典である高確率モードが付与されないことになる。
ステップSa3406では、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態コマンドを設定する。設定された遊技状態コマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。遊技状態コマンドを受信した音声発光制御装置90は、当該コマンドに含まれる遊技状態を示す情報に基づいて、当該遊技状態に対応した演出を実行可能となるように各種演出用装置を制御する。ステップSa3406を実行した後、ステップSa3407に進み、特図種別フラグをOFFにする。その後、ステップSa3408に進む。
ステップSa3408では、特電開閉実行モード終了コマンドを設定する。設定された特電開閉実行モード終了コマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。特電開閉実行モード終了コマンドを受信した音声発光制御装置90は、特電開閉実行モードが終了したことに対応する演出を実行するように各種演出用装置を制御する。その後、ステップSa3409に進む。
ステップSa3409では、特図特電制御値に「01」を設定する。上述したように、本実施形態では、第1特図保留個数Ns1又は第2特図保留個数Ns2が1以上となっている場合に第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始することが可能な状態を示している。その後、本特電エンディング期間中処理を終了する。
<普図普電制御処理>
次に、普図普電制御処理について説明する。普図普電制御処理は、上述したタイマ割込み処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図196は、普図普電制御処理を示すフローチャートである。ステップSa4101では、普通図柄表示部38aにおける普通図柄の変動を開始させるための処理である普通図柄変動開始処理を実行する。普通図柄変動開始処理の詳細については後述する。ステップSa4101を実行した後、ステップSa4102に進む。
ステップSa4102では、普通図柄表示部38aにおける普通図柄の変動を停止させるための処理である普通図柄変動停止処理を実行する。普通図柄変動停止処理の詳細については後述する。ステップSa4102を実行した後、ステップSa4103に進む。
ステップSa4103では、普通図柄の変動を停止させた後の処理である普通図柄変動停止後処理を実行する。普通図柄変動停止後処理の詳細については後述する。ステップSa4103を実行した後、ステップSa4104に進む。
ステップSa4104では、普電開閉実行モード開始処理を実行する。普電開閉実行モード開始処理は、普電開閉実行モードを開始させる条件が成立した場合に、普電開閉実行モードを開始させる処理である。普電開閉実行モード開始処理の詳細については後述する。ステップSa4104を実行した後、ステップSa4105に進む。
ステップSa4105では、普電オープニング期間中処理を実行する。普電オープニング期間中処理は、普電オープニング期間中に実行する処理である。普電オープニング期間中処理の詳細については後述する。ステップSa4105を実行した後、ステップSa4106に進む。
ステップSa4106では、普電開閉期間中処理を実行する。普電開閉期間中処理は、普電開閉期間中に実行する処理である。普電開閉期間中処理の詳細については後述する。ステップSa4106を実行した後、ステップSa4107に進む。
ステップSa4107では、普電エンディング期間中処理を実行する。普電エンディング期間中処理は、普電エンディング期間中に実行する処理である。普電エンディング期間中処理の詳細については後述する。ステップSa4107を実行した後、本普図普電制御処理を終了する。
<普通図柄変動開始処理>
次に、普通図柄変動開始処理について説明する。普通図柄変動開始処理は、上述した普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図197は、普通図柄変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSa4201では、主側RAM64に記憶されている普図普電制御値が「01」であるか否かを判定する。普図普電制御値は、普通図柄及び普通電動役物の制御の進行状況がどの段階であるのかを示す値であり、本実施形態では、普図普電制御値が「01」であることは、普通図柄が変動していない状態であり、かつ、普電開閉実行モードも実行されていない状態であること示している。換言すれば、普図普電制御値が「01」であることは、普図保留個数Nnが1以上となっている場合に普通図柄の変動を開始することが可能な状態であることを示している。本実施形態では、普図普電制御値は、上述した起動初期設定処理において最初に「01」に設定される。
ステップSa4201において、普図普電制御値が「01」ではないと判定した場合には(ステップSa4201:NO)、後述するステップSa4202以降の処理のいずれも実行することなく、本普通図柄変動開始処理を終了する。すなわち、普通図柄が変動している状態や、普電開閉実行モードの実行中には、普通図柄の変動は開始されない。一方、ステップSa4201において、普図普電制御値が「01」であると判定した場合には(ステップSa4201:NO)、ステップSa4202に進む。
ステップSa4202では、普図保留個数Nnが「1」以上であるか否かを判定する。ステップSa4202において、普図保留個数Nnが「1」以上であると判定した場合には(ステップSa4202:YES)、ステップSa4203に進み、普図保留個数Nnから1を減算する。その後、ステップSa4204に進む。
ステップSa4204では、普図保留エリア64dの各エリアに記憶されている普図保留情報をシフトさせる処理である普図保留情報シフト処理を実行する。具体的には、普図保留情報シフト処理では、普図保留エリア64dの第1エリアに記憶されている普図保留情報を普図判定エリア64eに移動させた後、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった順に各エリア内の普図保留情報をシフトさせる。ステップSa4204を実行した後、ステップSa4205に進む。
ステップSa4205では、普図当たりに当選するか否かを判定する処理である普図当否判定処理を実行する。具体的には、普図当否判定処理では、遊技状態に基づいて選択した普図当否判定テーブルと、普図判定エリア64eに記憶された普図当否判定カウンタCn1の値とに基づいて、普図当たりに当選するか否かを判定する。ステップSa4205を実行した後、ステップSa4206に進む。
ステップSa4206では、普通図柄の種別(停止図柄の種別)を判定する処理である普図種別判定処理を実行する。具体的には、普図種別判定処理では、普図当否判定の結果と、普図判定エリア64eに記憶された普図種別判定カウンタCn2の値と、普図種別判定テーブルとに基づいて、普通図柄の種別を判定する。ステップSa4206を実行した後、ステップSa4207に進む。
ステップSa4207では、普図種別判定処理において判定した普通図柄の種別に対応した普図種別フラグをONにする。具体的には、例えば、普図種別判定処理において普通図柄Aであると判定した場合には、普図種別フラグとして普通図柄AフラグをONにする。ステップSa4207を実行した後、ステップSa4208に進む。
ステップSa4208では、普図変動時間設定処理を実行する。普図変動時間設定処理は、普通図柄表示部38aにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を設定する処理である。具体的には、普図変動時間設定処理では、遊技状態と、普図当否判定の結果と、普図変動時間テーブルとに基づいて普図変動時間を決定し、決定した普図変動時間に対応した値を普図変動時間タイマカウンタに設定する。本実施形態では、高頻度サポートモード(高サポ状態)中には、普通図柄の変動表示時間として短変動時間(0.01秒)を設定し、低頻度サポートモード(低サポ状態)中には、短変動時間よりも長い長変動時間(30.0秒)を設定する設定処理を実行する。ステップSa4208を実行した後、ステップSa4209に進む。
ステップSa4209では、普図変動用コマンドを設定する。普図変動用コマンドには、設定された普図変動時間の情報が含まれている。ステップSa4209を実行した後、ステップSa4210に進む。
ステップSa4210では、普図種別コマンドを設定する。普図種別コマンドには、普図当否判定の結果(普図当たりの有無)及び普図種別判定の結果(普通図柄の種別)の情報が含まれる。
ステップSa4209及びステップSa4210にて設定された普図変動用コマンド及び普図種別コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した普図変動用コマンド及び普図種別コマンドに基づいて演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSa4210を実行後、ステップSa4211に進む。
ステップSa4211では、普通図柄表示部38aにおける普通図柄の変動を開始させる。その後、ステップSa4212に進み、普図普電制御値に「02」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「02」であることは、普通図柄が変動中の状態であることを示している。その後、本普通図柄変動開始処理を終了する。
<普通図柄変動停止処理>
次に、普通図柄変動停止処理について説明する。普通図柄変動停止処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図198は、普通図柄変動停止処理を示すフローチャートである。ステップSa4301では、普図普電制御値が「02」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「02」であることは、普通図柄が変動中の状態であることを示している。ステップSa4301において、普図普電制御値が「02」ではないと判定した場合には(ステップSa4301:NO)、本普通図柄変動停止処理を終了する。一方、ステップSa4301において、普図普電制御値が「02」であると判定した場合には(ステップSa4301:YES)、ステップSa4302に進む。
ステップSa4302では、上述した普図変動時間設定処理において設定された普図変動時間が経過したか否かを判定する。具体的には、主側RAM64における普図変動時間タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となっている場合には、普図変動時間が経過したと判定する。ステップSa4302において、普図変動時間が経過していないと判定した場合には(ステップSa4302:NO)、本普通図柄変動停止処理を終了する。一方、ステップSa4302において、普図変動時間が経過したと判定した場合には(ステップSa4302:YES)、ステップSa4303に進む。
ステップSa4303では、普通図柄表示部38aにおいて変動中の普通図柄を、ONとなっている普図種別フラグに対応した表示態様で停止表示させる。これにより、普通図柄表示部38aには、普図抽選の結果に対応した表示態様の普通図柄が停止表示される。ステップSa4303を実行した後、ステップSa4304に進む。
ステップSa4304では、普図停止表示時間設定処理を実行する。普図停止表示時間設定処理は、普通図柄表示部38aにおける普通図柄の停止表示時間(普図停止表示時間)を設定する処理である。具体的には、普図停止表示時間設定処理では、所定の時間(本実施形態では0.1秒)に対応した値を普図停止表示時間タイマカウンタに設定する。ステップSa4304を実行した後、ステップSa4305に進み、普図普電制御値に「03」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「03」であることは、普通図柄が停止表示中の状態であることを示している。その後、本普通図柄停止処理を終了する。
なお、上記変形構成において、普通図柄の変動表示の実行中は普通電動役物34bは入球不能状態に設定されるので、遊技球を第2特図始動口34に入球させることはできないが、開閉動作を実行している作動状態(特電開閉実行モードを実行中の状態)の第1特別電動役物57bに到達して当該第1特別電動役物57bの内部のVルートに振り分けられた遊技球は、普通電動役物34bの状態に関わらず、V確入賞口57avに入球可能である。したがって、この構成によれば、例えば、普通図柄の変動表示の実行中で第2特図始動口34に遊技球を入球させることができない場合や、第2特図抽選の保留個数が最大値(4個)まで溜まっていてさらに第2特図始動口34に遊技球を入球させても利益がない場合であっても、第1特別電動役物57bが開閉動作を実行中の状態(特電開閉実行モードを実行中の状態)であれば、遊技者は、当該特別電動役物を狙って遊技球を発射させることが可能となる。すなわち、この構成によれば、電動役物(普通電動役物や特別電動役物)の状態に応じて適切に遊技球を打ち分けることによって常に利益を狙うことが可能になるといった興趣を遊技者に提供することが可能となる。
<普通図柄変動停止後処理>
次に、普通図柄変動停止後処理について説明する。普通図柄変動停止後処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図199は、普通図柄変動停止後処理を示すフローチャートである。ステップSa4401では、普図普電制御値が「03」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「03」であることは、普通図柄が停止表示中の状態であることを示している。ステップSa4401において、普図普電制御値が「03」ではないと判定した場合には(ステップSa4401:NO)、本普通図柄変動停止後処理を終了する。一方、ステップSa4401において、普図普電制御値が「03」であると判定した場合には(ステップSa4401:YES)、ステップSa4402に進む。
ステップSa4402では、上述した普図停止表示時間設定処理において設定された普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、主側RAM64における普図停止表示時間タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となっている場合には、普図停止表示時間が経過したと判定する。ステップSa4402において、普図停止表示時間が経過していないと判定した場合には(ステップSa4402:NO)、本普通図柄変動停止後処理を終了する。一方、ステップSa4402において、普図停止表示時間が経過したと判定した場合には(ステップSa4402:YES)、ステップSa4403に進む。
ステップSa4403では、普図当たりに対応する普図種別フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、今回の普通図柄の変動に係る普図当否判定の結果が特定結果である普図当たりであるか否かを判定する。ステップSa4403において、普図当たりに対応する普図種別フラグがONではないと判定した場合(ステップSa4403:NO)、すなわち、今回の普通図柄の変動に係る普図当否判定の結果が普図外れである場合には、ステップSa4404に進み、ONとなっている普図種別フラグ(この場合は普通図柄Zフラグ)をOFFにする。その後、ステップSa4405に進み、普図普電制御値に「01」を設定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「01」であることは、普図保留個数Nnが1以上となっている場合に普通図柄の変動を開始することが可能な状態を示している。その後、本普通図柄変動停止後処理を終了する。
一方、ステップSa4403において、普図当たりに対応する普図種別フラグがONであると判定した場合(ステップSa4403:YES)、すなわち、今回の普通図柄の変動に係る普図当否判定の結果が普図当たりである場合には、ステップSa4406に進み、普図普電制御値に「04」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「04」であることは、普電開閉実行モードを開始すべき条件が成立した状態であることを示している。その後、本普通図柄変動停止後処理を終了する。これにより、今回の普通図柄の変動に係る普図当否判定の結果が普図当たりである場合には、普電開閉実行モードが開始されることになる。
<普電開閉実行モード開始処理>
次に、普電開閉実行モード開始処理について説明する。普電開閉実行モード開始処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図200は、普電開閉実行モード開始処理を示すフローチャートである。ステップSa5101では、普図普電制御値が「04」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「04」であることは、普電開閉実行モードを開始すべき条件が成立した状態を示している。ステップSa5101において、普図普電制御値が「04」ではないと判定した場合には(ステップSa5101:NO)、本普電開閉実行モード開始処理を終了する。一方、ステップSa5101において、普図普電制御値が「04」であると判定した場合には(ステップSa5101:YES)、ステップSa5102に進む。
ステップSa5102では、普電開閉シナリオ選択処理を実行する。普電開閉シナリオ選択処理は、普図種別フラグと上述した普電開閉シナリオ選択テーブルとに基づいて、普電開閉実行モードにおいて参照する普電開閉シナリオの種別を選択する処理である。ステップSa5102を実行した後、ステップSa5103に進む。
ステップSa5103では、普電オープニング時間設定処理を実行する。普電オープニング時間設定処理は、普電オープニング期間の時間的長さ(以下、普電オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、本実施形態では、上述した普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオから普電オープニング時間情報を取得し、取得した普電オープニング時間情報をRAM64に設けられた普電オープニング時間タイマカウンタにセットする。この普電オープニング時間タイマカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される度に1減算される。ステップSa5103を実行した後、ステップSa5104に進む。
ステップSa5104では、普電オープニングコマンドを設定する。設定された普電オープニングコマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSa5104を実行した後、ステップSa5105に進み、普図普電制御値に「05」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「05」であることは、普電オープニング期間が開始された状態であることを示している。その後、本普電開閉実行モード開始処理を終了する。
<普電オープニング期間中処理>
次に、普電オープニング期間中処理について説明する。普電オープニング期間中処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図201は、普電オープニング期間中処理を示すフローチャートである。ステップSa5201では、普図普電制御値が「05」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「05」であることは、普電オープニング期間が開始された状態であることを示している。ステップSa5201において、普図普電制御値が「05」ではないと判定した場合には(ステップSa5201:NO)、本普電オープニング期間中処理を終了する。一方、ステップSa5201において、普図普電制御値が「05」であると判定した場合には(ステップSa5201:YES)、ステップSa5202に進む。
ステップSa5202では、普電オープニング期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した普電オープニング時間設定処理において普電オープニング時間として設定した普電オープニング時間タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSa5202において、普電オープニング期間が終了するタイミングではないと判定した場合には(ステップSa5202:NO)、本普電オープニング期間中処理を終了する。一方、ステップSa5202において、普電オープニング期間が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップSa5202:YES)、ステップSa5203に進み、普電開閉期間コマンドを設定する。設定された普電開閉期間コマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。この普電開閉期間コマンドには、今回の普電開閉期間における普通電動役物34bの開放回数の情報が含まれる。普電開閉期間コマンドを受信した音声発光制御装置90は、受信した普電開閉期間コマンドに基づいて、普通電動役物34bの開放回数に対応した内容の演出を実行するように各種演出用装置を制御する。ステップSa5203を実行した後、ステップSa5204に進み、普図普電制御値に「06」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「06」であることは、普電オープニング期間が終了し、普電開閉期間が開始された状態であることを示している。その後、本普電オープニング期間中処理を終了する。
<普電開閉期間中処理>
次に、普電開閉期間中処理について説明する。普電開閉期間中処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図202は、普電開閉期間中処理を示すフローチャートである。ステップSa5301では、普図普電制御値が「06」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「06」であることは、普電開閉期間が開始された状態であることを示している。ステップSa5301において、普図普電制御値が「06」ではないと判定した場合には(ステップSa5301:NO)、本普電開閉期間中処理を終了する。一方、ステップSa5301において、普図普電制御値が「06」であると判定した場合には(ステップSa5301:YES)、ステップSa5302に進む。
ステップSa5302では、普電開閉期間の終了条件が成立したか否かを判定する。具体的には、普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオを読み込み、当該普電開閉シナリオに設定されている普電開閉期間の終了条件が成立したか否かを判定する。ステップSa5302において、普電開閉期間の終了条件が成立していないと判定した場合には(ステップSa5302:NO)、ステップSa5303に進む。
ステップSa5303では、第2特図始動口34を開放状態と閉鎖状態とに切替可能な切替部である普通電動役物34bが開放中であるか否かを判定する。ステップSa5303において、普通電動役物34bが開放中ではないと判定した場合には(ステップSa5303:NO)、ステップSa5304に進む。
ステップSa5304では、普通電動役物34bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオを読み込み、当該普電開閉シナリオに設定されている普通電動役物34bの開放条件が成立したか否かを判定する。ステップSa5304において、普通電動役物34bの開放条件が成立したと判定した場合には(ステップSa5304:YES)、ステップSa5305に進む。
ステップSa5305では、普通電動役物34bを開放する。その後、ステップSa5306に進む。
ステップSa5306では、普電開放コマンドを設定する。普電開放コマンドは、普通電動役物34bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。普電開放コマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSa5306を実行した後、本普電開閉期間中処理を終了する。
ステップSa5304において、普通電動役物34bの開放条件が成立していないと判定した場合には(ステップSa5304:NO)、本普電開閉期間中処理を終了する。
ステップSa5303において、普通電動役物34bが開放中であると判定した場合には(ステップSa5303:YES)、ステップSa5307に進む。
ステップSa5307では、普通電動役物34bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオを読み込み、当該普電開閉シナリオに設定されている普通電動役物34bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。ステップSa5307において、普通電動役物34bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(ステップSa5307:YES)、ステップSa5308に進む。
ステップSa5308では、普通電動役物34bを閉鎖する。具体的には、遊技球を所定期間転動させて第2特図始動口34に入球させ得る転動部である羽根部材を閉鎖する。その後、ステップSa5309に進む。
ステップSa5309では、普電閉鎖コマンドを設定する。普電閉鎖コマンドは、普通電動役物34bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。普電閉鎖コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSa5309を実行した後、本普電開閉期間中処理を終了する。
ステップSa5307において、普通電動役物34bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(ステップSa5307:NO)、本普電開閉期間中処理を終了する。
ステップSa5302において、普電開閉期間の終了条件が成立していると判定した場合には(ステップSa5302:YES)、ステップSa5310に進む。
ステップSa5310では、普電エンディング時間設定処理を実行する。普電エンディング時間設定処理は、普電エンディング期間の時間的長さ(以下、普電エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、本実施形態では、上述した普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオから普電エンディング時間情報を取得し、取得した普電エンディング時間情報をRAM64に設けられた普電エンディング時間タイマカウンタにセットする。この普電エンディング時間タイマカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される度に1減算される。ステップSa5310を実行した後、ステップSa5311に進む。
ステップSa5311では、普電エンディングコマンドを設定する。設定された普電エンディングコマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSa5318を実行した後、ステップSa5319に進み、普図普電制御値に「07」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「07」であることは、普電エンディング期間が開始された状態であることを示している。その後、本普電開閉期間中処理を終了する。
<普電エンディング期間中処理>
次に、普電エンディング期間中処理について説明する。普電エンディング期間中処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図203は、普電エンディング期間中処理を示すフローチャートである。ステップSa5401では、普図普電制御値が「07」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「07」であることは、普電エンディング期間が開始された状態であることを示している。ステップSa5401において、普図普電制御値が「07」ではないと判定した場合には(ステップSa5401:NO)、本普電エンディング期間中処理を終了する。一方、ステップSa5401において、普図普電制御値が「07」であると判定した場合には(ステップSa5401:YES)、ステップSa5402に進む。
ステップSa5402では、普電エンディング期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した普電エンディング時間設定処理において普電エンディング時間として設定した普電エンディング時間タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSa5402において、普電エンディング期間が終了するタイミングではないと判定した場合には(ステップSa5402:NO)、本普電エンディング期間中処理を終了する。一方、ステップSa5402において、普電エンディング期間が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップSa5402:YES)、ステップSa5403に進む。
ステップSa5403では、普図種別フラグをOFFにする。その後、ステップSa5404に進む。
ステップSa5404では、普電開閉実行モード終了コマンドを設定する。設定された普電開閉実行モード終了コマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、ステップSa5405に進む。
ステップSa5405では、普図普電制御値に「01」を設定する。上述したように、本実施形態では、普図保留個数Nnが1以上となっている場合に普通図柄の変動を開始することが可能な状態を示している。その後、本普電エンディング期間中処理を終了する。
《4-6》音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図204は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSa6101では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップSa6101を実行した後、ステップSa6102に進む。
ステップSa6102では、特図遊技回演出用処理を実行する。特図遊技回演出用処理では、特図遊技回の実行中における演出に関する処理を実行する。具体的には、例えば、特図変動用コマンド及び特図種別コマンドを受信した場合には、当該特図変動用コマンドに含まれる特図変動時間や特図種別コマンドに含まれる特別図柄の種別、現在の遊技状態に基づいて、図柄表示装置41の表示面41aにおける装飾図柄の変動表示及び停止表示に関する処理や、各種演出を実行するための処理を実行する。具体的には、例えば、本実施形態では、高確高サポ状態F3における第2特別図柄の変動中に、上述した特定有利結果(16R確変大当たり)が発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出(リーチ演出)や、数値情報を減算しながら表示する演出(例えばカウントダウン演出)、遊技者に好機な状態であることを示唆する好機示唆演出、ステップアップ演出等を実行するための処理を実行する。なお、本実施形態では、高確高サポ状態F3において、第2特図始動口34に遊技球が入球することは遊技者にとって重要ではないため(ほぼ100%の確率で普通電動役物34bが開放して第2特図始動口34に遊技球が入球するため)、普通電動役物34bが開放して第2特図始動口34が入球可能状態(開放状態)となる場合であっても、第2特図始動口34が入球可能状態(開放状態)となることを示唆する演出を実行しない構成としている。
なお、上記各種演出(期待度演出、カウントダウン演出、好機示唆演出、ステップアップ演出等)は、高確高サポ状態F3における第2特別図柄の変動中に実行され得るが、本実施形態では、第2特図抽選を第1特図抽選より優先して実行する特2優先機として構成されているため、保留されていた第2特図抽選の実行が全て終了したタイミングにおいて第1特図抽選が保留されている場合には当該第1特図抽選に係る第1特別図柄の変動が実行されることになるが、この第1特別図柄の変動中には上記各種演出が実行されないように構成されている。なお、特別図柄と普通図柄は独立して変動可能であるため、上記特別図柄の変動に対する各種演出は、普通図柄が変動中か否かに関わらず実行可能な構成とすればよい。換言すれば、普通図柄の変動中に、上記特別図柄の変動に対する各種演出(期待度演出、カウントダウン演出、好機示唆演出、ステップアップ演出等)を実行可能な構成とすればよい。ステップSa6102を実行した後、ステップSa6103に進む。
なお、第1特別電動役物57bの内部に、V確入賞口57avの代わりに、遊技球が入球した場合にV入賞大当たり当選となって特電開閉実行モードが開始されることになるV入賞口(V入賞領域)が設けられている構成としてもよく、この構成を採用した場合において、遊技球がV入賞口に入球した場合には、遊技者にV入賞大当たり当選といった利益が付与されることを示唆する演出であるV入賞大当たり当選演出を実行する構成としてもよい。
ステップSa6103では、特電開閉実行モード演出用処理を実行する。特電開閉実行モード演出用処理では、特電開閉実行モードの実行中における演出に関する処理を実行する。具体的には、例えば、特電オープニングコマンドを受信した場合には、特電開閉シナリオの種別に対応した特電オープニング演出及び右打ち報知処理を実行するように設定するとともに、特電開閉実行モード用背景画像を図柄表示装置41の表示面41aに表示させるための処理を実行する。また、特電開閉期間コマンドを受信した場合には、特電開閉シナリオの種別に対応した特電開閉期間用演出を実行するように設定する。また、特電開放コマンドを受信した場合には、特電開閉シナリオの種別及び特別電動役物の開放回数に対応した特電開放中演出を実行する。また、特電閉鎖コマンドを受信した場合には、特電開閉シナリオの種別及び特別電動役物の閉鎖回数に対応した特電インターバル期間用演出を実行する。また、特電エンディングコマンドを受信した場合には、特電開閉シナリオの種別に対応した特電エンディング演出や、当該特電開閉実行モードの終了後における遊技状態に対応した背景画像(通常状態用背景画像や高確高サポ状態用背景画像)を図柄表示装置41の表示面41aに表示させるための処理を実行する。ステップSa6103を実行した後、ステップSa6104に進む。
ステップSa6104では、V確入賞演出用処理を実行する。V確入賞演出用処理では、V確入賞コマンドを受信した場合に、V確入賞したことを示唆する演出を実行するように設定する。ステップSa6104を実行した後、ステップSa6105に進む。
ステップSa6105では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSa6105を実行した後、ステップSa6106に進む。
ステップSa6106では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された音声データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSa6106を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図205は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSa8101では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSa8102に進む。
ステップSa8102では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図206は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSa8201では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図207は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSa8301では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、上述したコマンド割込み処理によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。例えば、予告演出に対応した動画表示開始コマンドが記憶されていた場合には、当該予告演出に対応した動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。また、リーチ演出に対応した動画表示開始コマンドが記憶されていた場合には、当該リーチ演出に対応した動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
なお、コマンド対応処理(ステップSa8301)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。コマンド対応処理の詳細については後述する。
ステップSa8302では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(ステップSa8301)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSa8303に進む。
ステップSa8303では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(ステップSa8302)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップSa8304に進む。
ステップSa8304では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(ステップSa8303)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップSa8305に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以下、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機における課題を述べた後、本実施形態のパチンコ機10の利点について具体的に説明する。
従来、大当たり当選以外で出球を増やしたいという要望があり、その要望に応えるために、高確率で小当たりに当選可能であり、小当たりに当選すればするほど遊技者の手持ちの遊技球が増加する遊技状態(いわゆる小当たりラッシュ)を備えるパチンコ機が開発された。従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機では、小当たりラッシュ中において、第2特図抽選において小当たりに当選し、第2特別図柄の変動表示が小当たりに対応した図柄で停止した場合に、特別電動役物が開放して大入賞口に遊技球が入球可能となる。すなわち、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機では、遊技者は、第2特図抽選において小当たりに当選したことに基づいて特別電動役物が開放した場合に利益を得ることができる。
しかし、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行される第2特図抽選は、大当たりを抽選するものでもあるため、大当たりに当選するか否かの期待度を示唆するリーチ演出が実行される場合があり、当該リーチ演出が実行されている期間(第2特別図柄の変動表示の実行中の期間)は小当たりが発生しないため、遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまい、小当たり当選による特別電動役物の開放によって利益を得たい遊技者にとっては非常に歯痒い時間となってしまうといった課題があった。
また、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機の中には、小当たりラッシュ中は常に遊技球の発射を継続させなければ小当たりによる利益を得ることができないパチンコ機が存在する。具体的には、小当たりに当選することになる第2特別図柄の変動表示の実行中にもリーチ演出が実行され得るパチンコ機であって、遊技者が、利益を得ることのできないリーチ演出の実行中(第2特別図柄の変動表示の実行中)に遊技球の浪費を避けようと止め打ち(遊技球の発射を一時的に止めること)をすると、当該リーチ演出の終盤又は終了時に小当たり当選を確認してから遊技球を発射させても、当該小当たり当選に基づく特別電動役物の開放中に遊技球を当該特別電動役物に到達させることができないパチンコ機である。このようなパチンコ機においては、遊技者は、利益を得ることのできないリーチ演出の実行中(第2特別図柄の変動表示の実行中)であっても、変動表示の停止後に発生し得る小当たりによる利益を得るためには止め打ちをすることができず、遊技球の浪費を余儀なくされ、不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
また、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行されたリーチ演出に係る第2特図抽選の結果が外れになった場合には、遊技者は、リーチ演出の実行中に小当たりによる利益も得られず、さらに当該変動表示の停止後にも小当たりによる利益が得られないので、不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
さらに、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中に実行されたリーチ演出に係る第2特図抽選の結果が小当たりラッシュが終了することになる結果(出玉のない通常大当たり)になり、小当たりラッシュが終了してしまった場合には、遊技者は、リーチ演出の実行中に小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうため、非常に不愉快な感情を抱いてしまうといった課題があった。
このように、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中の期間(第2特別図柄の変動中の期間)は、遊技者にとって、小当たりによる利益を得ることができない非常に歯痒い期間であり、また、止め打ちもできずに遊技球の浪費を余儀なくされる不愉快な期間であり、さらに、リーチ演出に係る第2特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合には、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題があった。
また、近年では、演出の迫力を増すために遊技盤の中央に配置される液晶ディスプレイの大型化が進んでおり、遊技球が流通可能な遊技領域が狭くなりつつある。このため、上述した従来の小当たりラッシュの課題を解決するための新規の遊技性を実現するための構成を採用するためには、遊技球を効率よく流下させて新規な遊技仕様に応じた領域へ導くための新規な機構を遊技盤に効率良く配置する必要があるといった課題があった。
以上の課題に対して、本実施形態では、リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中は、第2特別電動役物58bが閉鎖状態を維持するため、左側ルートLに振り分けられた遊技球は、第2大入賞口58aに入球せずに、特別入賞口32sに入球することが可能となる。すなわち、リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中に遊技者は利益を得ることが可能となる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出の実行中は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態によれば、リーチ演出が実行されたにもかかわらず、第2特図抽選において遊技者に有利な特図大当たり(出玉もありラッシュも継続する16R確変大当たり)に当選せずに、遊技者に不利な特図大当たり(出玉がなくラッシュも終了してしまう2R通常大当たり)に当選して高確高サポ状態F3が終了してしまったとしても、当該リーチ演出が実行されている期間中に遊技者は多くの賞球を獲得することができるので、高確高サポ状態F3の終了直前に多量の賞球が払い出されるといった爽快感と満足感を遊技者に与えることができるとともに、当該高確高サポ状態F3が終了してしまったことに対する遊技者の怒りや喪失感を和らげることが可能となる。このように、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出に係る特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合に、当該リーチ演出が実行されている期間が、遊技者にとって、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態によれば、電動振分装置36eが非作動状態である通常状態F1においては、電動振分装置36eに到達した遊技球は中央ルートUを流下するため第2特別電動役物58bに到達することができない。一方、上述した従来の小当たりラッシュの課題を解決した新規なラッシュ状態である高確高サポ状態F3では電動振分装置36eが作動状態となり、当該新規なラッシュ状態において電動振分装置36eに到達した遊技球は左側ルートL又は右側ルートRを流下し、左側ルートLに振り分けられた遊技球は第2特別電動役物58bに導かれることになる。したがって、本実施形態によれば、通常状態F1においては、遊技者は電動振分装置36eを狙って遊技球を発射させても利益を得ることができず、一方、上述した従来の小当たりラッシュの課題を解決した新規なラッシュ状態である高確高サポ状態F3(作動部材が作動状態である遊技状態)においては、遊技者は電動振分装置36eを狙って遊技球を発射させることによって遊技球を効率良く電動振分装置36eに到達させることができるといった新規な遊技性を実現することができる。
さらに、本実施形態では、設定される第2特図変動時間の長さによって遊技者の有利度(遊技者が獲得することのできる賞球の個数)が変化するといった新たな遊技性を提供することができる。具体的には、本実施形態では、第2特図変動時間として設定される変動時間が長いほど、遊技者が獲得することのできる賞球数が多くなる。したがって、第2特図変動時間として長い変動時間が設定されて欲しいといった従来にない新しい期待感を遊技者に提供することができる。
また、本実施形態では、第2特別電動役物58bが閉鎖状態を維持することが遊技者にとって有利な事象となっている。これに対して、従来の一般的なパチンコ機では、小当たりに当選して特別電動役物が開放することが遊技者にとって有利な事象となっている。すなわち、本実施形態によれば、遊技者にとって有利な事象が従来とは逆になっているといった新たな遊技性を提供することができる。
さらに、本実施形態によれば、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能な機能(いわゆる同時変動機能)を有さなくても、遊技者が多くの賞球を獲得することのできる遊技状態(いわゆるラッシュ)を実現することができる。同時変動機能を有するパチンコ機では、制御が複雑化するといった課題や、ラッシュ終了後の残存保留をどのように処理するのかといった課題が生じるが、本実施形態によれば、同時変動機能を有さないため、これらの課題が生じないといった効果を奏することができる。
さらに、本実施形態によれば、高確高サポ状態F3において払い出される賞球は、特別入賞口32sに遊技球が入球したことに基づく賞球である。換言すれば、高確高サポ状態F3において払い出される賞球は、特別電動役物(第1特別電動役物57b又は第2特別電動役物58b)の作動に基づく賞球ではない。したがって、本実施形態によれば、当該パチンコ機10の役物比率及び連続役物比率の値を低減することができ、当該パチンコ機10に設定可能な賞球数の幅を広げることが可能となる。
また、本実施形態によれば、内部抽選の結果が特定結果である場合の変動表示の変動表示時間として、短変動時間と、短変動時間よりも長い長変動時間とを設定可能であり、切替部は、遊技球を所定期間転動させて第5入球部に入球させ得る転動部を備え、変動表示時間として長変動時間が設定されている場合に切替部は入球不能状態に設定され、作動状態の作動部材に到達して第1通路に振り分けられた遊技球は第1入球部に入球可能である。具体的には、本実施形態では、第2特図抽選の結果が特図小当たりである場合の第2特図変動時間として、短変動時間(0.1秒)と、長変動時間(20秒~180秒)とを設定可能であり、第2特別電動役物58bは、遊技球を所定期間転動させて第2大入賞口58aに入球させ得る板状部材を備え、第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定されている場合に第2特別電動役物58bは閉鎖状態に設定され、作動状態の電動振分装置36eに到達して左側ルートLに振り分けられた遊技球は特別入賞口32sに入球可能である。
したがって、本実施形態によれば、第2特図抽選の結果が特図小当たりである場合の第2特図変動時間として短変動時間(0.1秒)が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている第2特別電動役物58bの板状部材の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が板状部材の上を転動し切る前に短変動時間(0.1秒)が経過して第2特別電動役物58bが入球可能状態となるので、第2大入賞口58aに入球することになり、特別入賞口32sに到達することができない。上述したように、第2大入賞口58aに設定されている賞球数は2個であるため、遊技球が特別入賞口32sに到達することができずに第2大入賞口58aに入球した場合には、遊技者にはほとんど利益がない。
一方、第2特図抽選の結果が特図小当たりである場合の第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている第2特別電動役物58bの板状部材の上を転動中の遊技球は、長変動時間(20秒~180秒)が経過する前に板状部材の上を転動し切って特別入賞口32sに到達し、当該特別入賞口32sに入球可能となる。上述したように、特別入賞口32sに設定されている賞球数は15個であるため、遊技球が第2特別電動役物58bの板状部材の上を転動し切って特別入賞口32sに入球した場合には、遊技者は多くの利益を得ることができる。
このように、本実施形態によれば、第2特図変動時間として設定される期間の長さに応じて、左側ルートLに振り分けられた遊技球が、特別入賞口32sに到達できずに第2大入賞口58aに入球する状況(すなわち、遊技者が利益を得ることができない状況)と、特別入賞口32sに到達して当該特別入賞口32sに入球可能な状況(すなわち、遊技者が利益を得ることができる状況)とを創出することができる。
この結果、第2特図抽選の結果が特図小当たりである場合の第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定され得る状況において、遊技者は、遊技球を作動状態の電動振分装置36eに到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、第1入球部への遊技球の入球によって付与される価値は、第5入球部への遊技球の入球によって付与される価値よりも高い構成を採用している。具体的には、特別入賞口32sへの遊技球の入球によって付与される賞球(15個)は、第2大入賞口58aへの遊技球の入球によって付与される賞球(2個)よりも多い構成を採用している。この構成を採用した理由について説明する。本実施形態では、第2特図抽選の結果が特図小当たりである場合の第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定されている場合には、閉鎖状態に設定されている第2特別電動役物58bの板状部材の上を転動中の遊技球は、長変動時間(20秒~180秒)が経過する前に板状部材の上を転動し切って特別入賞口32sに到達し、当該特別入賞口32sに入球可能となる。そして、本実施形態によれば、特別入賞口32sへの遊技球の入球によって付与される賞球(15個)は、第2大入賞口58aへの遊技球の入球によって付与される賞球(2個)よりも多いので、第2特図変動時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、第1特典を付与する第1入球部に遊技球が入球可能な第1通路と、第2特典を付与する第2入球部に遊技球が入球可能な第2通路と、第3入球部に遊技球が入球可能な第3通路とを備える。さらに、所定の作動条件の成立に基づいて遊技球を第1通路又は第2通路に流下させ得る作動状態となり、非作動状態では遊技球を第3通路に流下させる作動部材を備える。そして、遊技者にとっての価値は、第1通路は第2通路よりも高く、第2通路は第3通路よりも高い。具体的には、15個の賞球を付与する特別入賞口32sに遊技球が入球可能な左側ルートLと、1個の賞球を付与する右側入賞口36iに遊技球が入球可能な右側ルートRと、下部入球口36hに遊技球が入球可能な中央ルートUとを備える。さらに、高確高サポ状態F3へ移行したことに基づいて遊技球を左側ルートL又は右側ルートRに流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を中央ルートUに流下させる電動振分装置36eを備え、遊技者にとっての価値は、左側ルートLは右側ルートRよりも高く、右側ルートRは中央ルートUよりも高い。
したがって、本実施形態によれば、作動部材が作動している作動状態を、作動部材が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して作動部材が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動部材に到達した遊技球が第1通路を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。具体的には、電動振分装置36eが左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態を、電動振分装置36eが作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、高確高サポ状態F3へ移行して電動振分装置36eが作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球が左側ルートLを流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本実施形態によれば、作動状態の作動部材に到達した遊技球が流下する第1通路及び第2通路と、非作動状態の作動部材に到達した遊技球が流下する第3通路とは、遊技盤30の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備える。具体的には、作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球が流下する左側ルートL及び右側ルートRと、非作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球が流下する中央ルートUとは、遊技盤30の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備える。
したがって、本実施形態によれば、遊技盤30の狭い領域に3つの通路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動部材に到達した遊技球が流下する通路(第1通路及び第2通路)と、非作動状態の作動部材に到達した遊技球が流下する通路(第3通路)とを明確に区別して認識させることができる。具体的には、遊技盤30の狭い右側遊技領域PARに遊技球を所定の領域に導く3つのルートを効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球が流下するルート(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球が流下するルート(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本実施形態によれば、第3入球部に1個の遊技球が入球したことによって払い出される賞球は1個以下である。具体的には、下部入球口36hに1個の遊技球が入球したことによって払い出される賞球は1個以下である。この構成を採用した理由について説明する。非作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球は、中央ルートUを通って下部入球口36hに入球することになるが、下部入球口36hに1個の遊技球が入球したことによって払い出される賞球は1個以下である。したがって、本実施形態によれば、非作動状態の電動振分装置36eを狙って右打ちをしても、遊技者は、手持ちの遊技球を増加させることができず、メリットがない。この結果、本実施形態によれば、通常状態F1においては左打ちをすることが本来の遊技の流れである本パチンコ機10において、遊技者が非作動状態の電動振分装置36eを狙って右打ちをすることを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、作動部材は、所定の作動状態において、遊技球が必ず第1通路又は第2通路に流下するように構成されており、遊技球が流下する割合は、第2通路の方が第1通路よりも多くなるように構成されている。具体的には、電動振分装置36eは、左側振分状態又は右側作動状態において、遊技球が必ず左側ルートL又は右側ルートRに流下するように構成されており、遊技球が流下する割合は、右側ルートRの方が左側ルートLよりも多くなるように構成されている。より具体的には、本実施形態では、電動振分装置36eは、作動状態では、左側振分状態を0.3秒間維持した後、0.05秒間をかけて右側振分状態に移行し、右側振分状態を0.6秒間維持した後、再び0.05秒間をかけて左側振分状態に移行し、左側振分状態を0.3秒間維持するといった動作を繰り返す。この結果、作動状態の電動振分装置36eに到達した遊技球は、1:2の割合で左側ルートLと、右側ルートRとに振り分けられる。この構成を採用した理由について説明する。この構成によれば、高確高サポ状態F3において、遊技者が、価値の高い左側ルートLのみに遊技球が流下するように電動振分装置36eの作動のタイミングを計って遊技球を発射させても、遊技球が流下する割合は、右側ルートRの方が左側ルートLよりも多くなるので、遊技者に、価値の高い左側ルートLのみに遊技球が流下するように電動振分装置36eの作動のタイミングを計って遊技球を発射させることを断念させることができる。
さらに、本実施形態によれば、第3通路は、所定遊技状態において、第3入球部にしか遊技球が入球しないように構成されている。具体的には、中央ルートUは、通常状態F1において、下部入球口36hにしか遊技球が入球しないように構成されている。したがって、通常状態F1において、遊技者が中央ルートUを遊技球が流通するように狙っても、最も価値の低い下部入球口36hにしか遊技球が入球しないので、遊技者にとってメリットがない。したがって、本実施形態によれば、通常状態F1において遊技者が中央ルートUを狙って右打ちをすることを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、作動部材に至るまでの流路に、遊技釘によってランダムに遊技球の流下に作用する作用部と、遊技球を1球ずつ流下可能に整流する整流部とを備える。具体的には、電動振分装置36eに至るまでの流路に、遊技釘によってランダムに遊技球の流下に作用する作用釘領域36cと、遊技球を1球ずつ流下可能に整流する整流釘領域36dとを備える。この構成によれば、遊技球が電動振分装置36eに至るタイミングをランダムにすることができるとともに、電動振分装置36eに至る遊技球を1球ずつにすることができる。したがって、本実施形態によれば、遊技球が電動振分装置36eに至るタイミングがランダムになるので、遊技者に、価値の高い左側ルートLのみに遊技球が流下するように電動振分装置36eの作動のタイミングを計って遊技球を発射させることを断念させることができるとともに、作動状態の電動振分装置36eによって遊技球を必ず1球ずつ左側ルートL又は右側ルートRに振り分けることができるので、1球ずつ振り分けられた遊技球に遊技者を注目させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、内部抽選に係る変動表示の実行中に、特定有利結果が発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、高確高サポ状態F3において、第2特別図柄の変動表示の実行中に、16R確変大当たりが発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出であるリーチ演出を実行可能に構成されている。したがって、本実施形態によれば、16R確変大当たりが発生して第2特別図柄の変動表示の終了後に遊技者に有利な高確高サポ状態F3が継続するのか否かといった期待感を遊技者に抱かせることができるとともに、当該リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中は、第2特別電動役物58bが閉鎖状態を維持するため、左側ルートLに振り分けられた遊技球は、第2大入賞口58aに入球せずに、特別入賞口32sに入球することが可能となる。すなわち、リーチ演出が実行されている第2特別図柄の変動中に遊技者は利益を得ることが可能となる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出の実行中は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本実施形態によれば、リーチ演出が実行されたにもかかわらず、遊技者に有利な16R確変大当たりが発生しなかったとしても、当該リーチ演出が実行されている期間中に遊技者は多くの賞球を獲得することができる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出に係る特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合に、当該リーチ演出が実行されている期間が、遊技者にとって、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題を解決することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、内部抽選に係る変動表示の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、高確高サポ状態F3において、第2特別図柄の変動表示の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出であるカウントダウン演出を実行可能に構成されている。したがって、本実施形態によれば、第2特別図柄の変動表示が終了するまでの時間、すなわち、遊技球が特別入賞口32sに到達することができなくなるまでの残り時間を遊技者に示唆することができる。この結果、遊技者は、当該カウントダウン演出において表示される数値情報から、遊技球が特別入賞口32sに到達することができなくなるまでの残り時間を読み取ることによって、遊技球の発射の有無やタイミングを調整し、遊技球の無駄な発射を抑制することが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、内部抽選に係る変動表示の実行中に、遊技者に好機な状態であることを示唆する演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、高確高サポ状態F3において、長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示の実行中に、遊技者に好機な状態であることを示唆する演出である好機示唆演出を実行可能に構成されている。したがって、本実施形態によれば、遊技者に対して、この長変動時間が設定された第2特別図柄の変動表示の実行中こそが遊技者にとって好機な状態であることを明確に認識させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、高確高サポ状態F3において、特別入賞口32sに入球した遊技球の個数に関する情報を表示可能に構成されている。したがって、本実施形態のパチンコ機10において重要な特別入賞口32sに入球した遊技球の個数を遊技者に注目させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、第1入球部に遊技球が入球した場合に、遊技者に利益が付与されることを示唆する演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、特別入賞口32sに遊技球が入球した場合に、遊技者に利益が付与されることを示唆する演出として特別入賞口入球演出を実行可能に構成されている。したがって、遊技者に対して、自身が獲得を目指す利益は、第2大入賞口58aに遊技球が入球することによって払い出される賞球ではなく、特別入賞口32sに遊技球が入球することによって払い出される賞球であることを明確に認識させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、内部抽選に係る変動表示の実行中に、第1の演出を実行し、当該第1の演出に連続して当該第1の演出とは異なる第2の演出を実行可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、高確高サポ状態F3において、第2特別図柄の変動表示の実行中に、ステップアップ演出1を実行し、ステップアップ演出1に連続してステップアップ演出2を実行可能に構成されている。したがって、遊技者に対して、ステップアップ演出1が実行された場合に、当該ステップアップ演出1の後に連続してステップアップ演出2が実行されて当該第2特別図柄の変動表示がまだまだ継続して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
また、本実施形態パチンコ機10では、作動部材が非作動状態である第1遊技状態において第1の背景画像を表示可能であり、作動部材が作動状態である第2遊技状態において第1の背景画像とは異なる第2の背景画像を表示可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、電動振分装置36eが非作動状態である通常状態F1において通常状態F1用背景画像を表示可能であり、電動振分装置36eが作動状態である高確高サポ状態F3において高確高サポ状態F3用背景画像を表示可能に構成されている。したがって、遊技者は、遊技状態が移行したことに容易に気づくことが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、切替部によって第5入球部の入球口が入球可能状態となる場合であっても、第5入球部の入球口が入球可能状態となることを示唆する演出を実行しないように構成されている。具体的には、本実施形態では、第2特別電動役物58bによって第2大入賞口58aが開放状態となる場合であっても、第2大入賞口58aが開放状態となることを示唆する演出を実行しないように構成されている。したがって、遊技者に対して、第2大入賞口58aが入球可能状態(開放状態)となることが遊技者にとって有利なことであると誤解を与えてしまうことを回避することができる。
このように、本遊技機では、内部抽選に係る変動表示の実行中は切替部が入球不能状態を維持するため、第1通路に振り分けられた遊技球は、第5入球部に入球することができないが、第1入球部に入球することは可能となっている。したがって、切替部が入球不能状態である場合には第1入球部に遊技球を入球させるといった興趣を遊技者に提供することが可能となる。すなわち、切替部の各状態に応じて入球可能な入球部を設けることによって、常に遊技の興趣を遊技者に提供することが可能となる。
さらに、本遊技機によれば、作動部材によって振り分けられる通路の価値を適切に設定することによって遊技者に新たな期待感を抱かせることができるとともに、複数の通路を遊技盤に効率よく設けることが可能となる。
《4-7》作用・効果:
以上説明したように、本実施形態によれば、各入球部を適切に配置するとともに、変動表示時間として設定される期間の長さを適切に制御するので、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。以下、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機における課題を述べた後、本実施形態のパチンコ機10の利点について具体的に説明する。
《4-8》第4実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《4-8-1》変形例1:
上記実施形態及び上記各変形例においては、第1通路としての左側ルートL又は第2通路としての右側ルートRのいずれの流路に遊技球が振り分けられるのかが遊技者にとって重要となる。そこで、変形例として、第1通路及び第2通路が遊技盤30の裏面側に設けられており、第3通路が遊技盤30の表面側に設けられている構成としてもよい。具体的には、例えば、左側ルートL及び右側ルートRが遊技盤30の裏面側に設けられており、中央ルートUが遊技盤30の表面側に設けられている構成としてもよい。そして、左側ルートL及び右側ルートRが遊技盤30の正面側から視認可能となるように遊技盤30を透明(又は半透明)の部材によって構成するとともに、遊技盤30の裏面側に、左側ルートL及び右側ルートRを照らすことが可能な光源(例えばLED)を設ける構成としてもよい。この構成によれば、左側ルートL及び右側ルートRを流通する遊技球を目立たせることができ、左側ルートL又は右側ルートRのいずれの流路に遊技球が振り分けられるのかについての注目度を向上させることができる。
《4-8-2》変形例2:
上記実施形態及び上記各変形例において、第1入球部に遊技球が入球した場合に、遊技状態を移行させ得る構成としてもよい。具体的には、例えば、特別入賞口32sに遊技球が入球した場合に、遊技状態を移行させる場合がある構成としてもよい。この構成によれば、遊技者に対して、遊技球が価値の高い特別入賞口32sに入球したことによる喜びに加えて、現在の有利な遊技状態が終了してしまわないかといった緊張感を与えることができる。
《4-8-3》変形例3:
上記実施形態及び上記各変形例において、内部抽選の結果に、切替部を入球可能状態に移行させない「外れ」が含まれており、内部抽選の結果が「外れ」である場合には、当該変動表示が終了しても、切替部は入球可能状態に移行しない構成としてもよい。具体的には、例えば、第2特図抽選の結果に、第2特別電動役物58bを入球可能状態に移行させない「外れ」が含まれており、第2特図抽選の結果が「外れ」である場合には、当該変動表示が終了しても、第2特別電動役物58bは入球可能状態に移行しない構成としてもよい。この構成を採用した場合において、第2特図抽選の結果が「外れ」である場合には、第2特別電動役物58bの板状部材の上を転動中の遊技球は、当該変動表示の終了後も特別入賞口32sに到達し、当該特別入賞口32sに入球することが可能となる。したがって、本変形例によれば、一般的なパチンコ機においては遊技者に最も不利な結果である「外れ」が、遊技者にとって有利な結果になるといった、従来にない新しい遊技を遊技者に提供することができる。
《4-8-4》変形例4:
上記実施形態及び上記各変形例において、第4入球部は、入球した遊技球が遊技領域に残って流通する場合があるように構成されていてもよい。具体的には、例えば、第2特図始動口34は、入球した遊技球が右側遊技領域PARに残って流通する場合があるように構成されていてもよい。より具体的には、例えば、第2特図始動口34に入球した遊技球が遊技盤30の裏から再び右側遊技領域PARに戻る通路と、右側遊技領域PARには戻らない通路と、第2特図始動口34に入球した遊技球をこれらの2つの通路のいずれかに遊技球を振り分ける振分機構とが設けられている構成としてもよい。この構成を採用した場合には、第2特図始動口34に入球した遊技球がその後に右側遊技領域PARに戻って電動振分装置36eに到達する場合がある。特に、本パチンコ機10では、電動振分装置36eに到達する遊技球が増えるほど遊技者にとって有利になる。したがって、本変形例によれば、第2特図始動口34に入球した遊技球が右側遊技領域PARに残る(戻ってくる)のか否かといった楽しみや、残った場合にその後どのように右側遊技領域PARを流通するのかといった楽しみを遊技者に提供することができる。
《4-8-5》変形例5:
上記実施形態及び上記各変形例において、第4入球部は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されていてもよい。具体的には、例えば、第2特図始動口34は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されていてもよい。この構成を採用する利点について説明する。本パチンコ機10において遊技者が獲得を目指す利益は、第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定されることによって遊技球が特別入賞口32sに入球し、その結果として払い出される賞球である。しかしながら、第2特図始動口34に遊技球が入球した場合に賞球が払い出される構成を採用すると、第2特図始動口34に遊技球が入球さえすれば第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定されるか否かに関わらず遊技者は一定の賞球を獲得することが可能となってしまい、第2特図変動時間として設定される期間の長さの重要度が低下してしまう。これに対して、本変形例のように、第2特図始動口34は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されていれば、第2特図変動時間として長変動時間(20秒~180秒)が設定されるか否かに関わらず払い出されていた上記一定の賞球を遊技者は獲得することができないので、第2特図変動時間として設定される期間の長さの重要度をより一層高めることが可能となる。
《4-8-6》変形例6:
上記実施形態及び上記各変形例において、第5入球部に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる構成としてもよい。具体的には、例えば、第2大入賞口58aに遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる構成としてもよい。この構成によれば、遊技者に対して、遊技球が第2大入賞口58aに入球する毎に、現在の有利な高確高サポ状態F3が終了してしまうのではないかといった緊迫感を抱かせることができるとともに、第2特別電動役物58bが入球可能状態となっているタイミングで遊技球が当該第2特別電動役物58bに到達して欲しくないといった感情を遊技者に抱かせることができる。
《4-8-7》変形例7:
上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える外枠は、木製に限らず、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える内枠は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える前扉枠は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機には、内枠を外枠に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠する機能とを有するシリンダ錠が設けられているが、このシリンダ錠が省略された構成を採用した上で、内枠を外枠に対して開放不能に施錠する機能を有する第1シリンダ錠と、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠する機能を有する第2シリンダ錠とが別々に設けられた構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、内枠を外枠に対して回動させる回動軸が正面視左側に設けられている構成を採用したが、この回動軸が正面視右側に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、前扉枠を内枠に対して回動させる回動軸が正面視左側に設けられている構成を採用したが、この回動軸が正面視右側に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える遊技盤は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機は上皿と下皿とを備える構成を採用したが、下皿が省略され、上皿のみを備える構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、正面視右側に操作ハンドルが設けられている構成を採用したが、正面視左側に操作ハンドルが設けられている構成を採用してもよい。また、操作ハンドルが正面視右側と正面視左側の両方に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、遊技者が操作ハンドルを握っているか否か(遊技者の手が操作ハンドルに接触しているか否か)を検出可能なタッチセンサーが操作ハンドルに設けられている構成を採用したが、このタッチセンサーが省略された構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、遊技球を発射可能な発射手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、バネ等の弾性力を利用して遊技球を発射させる構成や、圧縮気体が噴出する際の風圧を利用して遊技球を発射させる構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、操作ハンドルが右回りに所定量回動操作された状態においては、1分間に100発程度の遊技球が発射されるように構成されているが、1分間に100発未満(例えば60発)の遊技球が発射される構成であってもよく、また、1分間に100発以上(例えば200発)の遊技球が発射される構成であってもよい。また、レバーを弾くことによって遊技球を1発ずつ発射させる構成としてもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、音声を出力可能な手段としてスピーカーを備える構成を採用したが、スピーカーに加えて又はスピーカーに代えてイヤホンジャックを備える構成を採用してもよい。この構成によれば、遊技者は、自身が持参したイヤホンやヘッドホンを当該イヤホンジャックに接続することによって、周囲のパチンコ機の音声に邪魔されずに、自身が遊技中のパチンコ機の音声を存分に楽しむことが可能となる。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種始動口に遊技球が入球したことに基づいて変動表示を開始する特別図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、LEDランプや、LED表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、ハロゲンランプ等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種ゲートを遊技球が通過したことに基づいて変動表示を開始する普通図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、LEDランプや、LED表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、ハロゲンランプ等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種の装飾図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、液晶表示装置や、有機EL表示装置、LED表示装置、ドラム回転式表示装置、導光板、三次元ホログラム表示装置等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、装飾図柄としては、数字に限らず、種々の文字や図形、記号、絵柄等及びこれらの組み合わせを採用することができる。例えば、装飾図柄として、アルファベットや、ギリシャ文字、平仮名、カタカナ、漢字、各種キャラクター等及びこれらの組み合わせを採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、装飾図柄がスクロールする図柄列の数は3つに限らず、例えば、2つ以下であってもよく、4つ以上であってもよい。そして、装飾図柄の図柄列が1つである構成を採用した場合には、例えば、特定の装飾図柄(例えば「7」)が停止した場合に大当たりに当選となる構成としてもよい。また、装飾図柄の列が2つ又は4つ以上である構成を採用した場合には、例えば、特定のラインに同一の装飾図柄が停止した場合に大当たりに当選となる構成としてもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、特別電動役物としては、種々の構成を採用することができ、例えば、板状部材の下方に略水平方向に延びる回動軸が設けられ、当該回動軸を中心として当該板状部材が前方側に回動することによって大入賞口を開放可能な構成や、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材によって大入賞口を開閉する構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、普通電動役物としては、種々の構成を採用することができ、例えば、一対の可動弁が左右に開放可能な所謂チューリップ型普通電動役物や、板状部材の下方に略水平方向に延びる回動軸が設けられ、当該回動軸を中心として当該板状部材が前方側に回動することによって始動口を開放可能な構成、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材によって始動口を開閉する構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各入球口(始動口や一般入賞口、大入賞口等)に設定されている賞球数は例示であり、各入球口に設定される賞球数を適宜変更することによって、スペックの異なる複数種類のパチンコ機を実現することが可能である。
《4-8-8》変形例8:
上記実施形態およびその変形例では、パチンコ機10は、主制御装置60、音声発光制御装置90、表示制御装置100といった3つの制御装置を備える構成としたが、これに換えて、主制御装置と副制御装置といった2つの制御装置を備える構成としても良い。副制御装置では、上記実施形態において音声発光制御装置90と表示制御装置100とにおいて実行される各種処理を実行する構成とすれば良い。また、上記実施形態およびその変形例において、3つの制御装置60,90,100のそれぞれで実行される各種処理は、上記実施形態で説明した区分けに限る必要はなく、3つの制御装置60,90,100の全体として、上記実施形態における各種の処理が実行できれば良い。
《4-9》他の構成への適用:
上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると特別電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態及び上記各変形例においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
《4-10》上記実施形態及び上記各変形例等から抽出される発明群について:
以下、上述した実施形態及び各変形例から抽出される発明群の特徴(特徴群)について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態又は上記各変形例において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴aA群>
特徴aA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aA1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
[特徴aA2]
特徴aA1に記載の遊技機であって、
前記第3入球領域(下部入球口36h)に1個の遊技球が入球したことによって払い出される賞球は1個以下である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球は、第3流路(中央ルートU)を通って第3入球領域(下部入球口36h)に入球することになるが、第3入球領域(下部入球口36h)に1個の遊技球が入球したことによって払い出される賞球は1個以下である。したがって、本特徴によれば、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)を狙って遊技球を発射させても(右打ちをしても)、遊技者は、手持ちの遊技球を増加させることができず、メリットがない。この結果、本特徴によれば、遊技者が非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)を狙って遊技球を発射させること(右打ちをすること)を抑制することができる。
[特徴aA3]
特徴aA1または特徴aA2に記載の遊技機であって、
前記作動手段(電動振分装置36e)は、所定の作動状態(左側振分状態又は右側作動状態)において、遊技球が必ず前記第1流路(左側ルートL)又は前記第2流路(右側ルートR)に流下するように構成されており、遊技球が流下する割合は、前記第2流路(右側ルートR)の方が前記第1流路(左側ルートL)よりも多くなるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)は、所定の作動状態(左側振分状態又は右側作動状態)において、遊技球が必ず第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下するように構成されており、遊技球が流下する割合は、第2流路(右側ルートR)の方が第1流路(左側ルートL)よりも多くなるように構成されているので、遊技者が、価値の高い第1流路(左側ルートL)のみに遊技球が流下するように作動手段(電動振分装置36e)の作動のタイミングを計って遊技球を発射させても、遊技球が流下する割合は、第2流路(右側ルートR)の方が第1流路(左側ルートL)よりも多くなるので、遊技者に、価値の高い第1流路(左側ルートL)のみに遊技球が流下するように作動手段(電動振分装置36e)の作動のタイミングを計って遊技球を発射させることを断念させることができる。
[特徴aA4]
特徴aA1から特徴aA3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第3流路(中央ルートU)は、所定遊技状態(通常状態F1)において、前記第3入球領域(下部入球口36h)にしか遊技球が入球しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第3流路(中央ルートU)は、所定遊技状態(通常状態F1)において、第3入球領域(下部入球口36h)にしか遊技球が入球しないように構成されているので、所定遊技状態(通常状態F1)において、遊技者が第3流路(中央ルートU)を遊技球が流通するように狙っても、最も価値の低い第3入球領域(下部入球口36h)にしか遊技球が入球しないので、遊技者にとってメリットがない。したがって、本特徴によれば、所定遊技状態(通常状態F1)において遊技者が第3流路(中央ルートU)を狙って遊技球を発射させること(右打ちをすること)を抑制することができる。
[特徴aA5]
特徴aA1から特徴aA4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記作動手段(電動振分装置36e)に至るまでの流路に、遊技釘によってランダムに遊技球の流下に作用する作用領域(作用釘領域36c)と、遊技球を1球ずつ流下可能に整流する整流領域(整流釘領域36d)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)に至るまでの流路に、遊技釘によってランダムに遊技球の流下に作用する作用領域(作用釘領域36c)と、遊技球を1球ずつ流下可能に整流する整流領域(整流釘領域36d)とを備えるので、遊技球が作動手段(電動振分装置36e)に至るタイミングをランダムにすることができるとともに、作動手段(電動振分装置36e)に至る遊技球を1球ずつにすることができる。したがって、本特徴によれば、遊技球が作動手段(電動振分装置36e)に至るタイミングがランダムになるので、遊技者に、価値の高い第1流路(左側ルートL)のみに遊技球が流下するように作動手段(電動振分装置36e)の作動のタイミングを計って遊技球を発射させることを断念させることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)によって遊技球を必ず1球ずつ第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に振り分けることができるので、1球ずつ振り分けられた遊技球に遊技者を注目させることができる。
[特徴aA6]
特徴aA1から特徴aA5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1流路(左側ルートL)及び前記第2流路(右側ルートR)は、前記遊技盤(遊技盤30)の裏面側に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
本遊技機では、第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)のいずれの流路に遊技球が振り分けられるのかが遊技者にとって重要となる。
本特徴によれば、第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)は、遊技盤(遊技盤30)の裏面側に設けられているので、例えば、第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)が遊技盤(遊技盤30)の正面側から視認可能となるように遊技盤(遊技盤30)を透明(又は半透明)に構成するとともに、遊技盤(遊技盤30)の裏面側に、第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)を照らすことが可能な光源(例えばLED)を設けることによって、第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)を流通する遊技球を目立たせることができる。この結果、本特徴によれば、第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)のいずれの流路に遊技球が振り分けられるのかについての注目度を向上させることができる。
なお、本願において、「遊技盤の裏面側」とは、遊技盤の表面(おもてめん)よりも遊技盤正面視で奥側(パチンコ機10の正面に座った遊技者から遠ざかる側)であればよい。
[特徴aA7]
特徴aA1から特徴aA6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球した場合に、遊技状態を移行させ得る手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球した場合に、遊技状態を移行させ得る手段を備えるので、遊技者に対して、遊技球が価値の高い第1入球領域(特別入賞口32s)に入球したことによる喜びに加えて、現在の有利な遊技状態が終了してしまわないかといった緊張感を与えることができる。
[特徴aA8]
特徴aA1から特徴aA7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記作動手段(電動振分装置36e)が前記作動状態(作動状態)である状況において、前記作動手段(電動振分装置36e)に遊技球が到達可能な発射態様で遊技球を発射させること(右打ちをすること)を促す演出(電動振分装置狙い右打ち報知演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、遊技者は、作動状態である作動手段(電動振分装置36e)に遊技球を到達させることによって大きな利益を得ることが可能となる。
本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動状態である状況において、作動手段(電動振分装置36e)に遊技球が到達可能な発射態様で遊技球を発射させること(右打ちをすること)を促す演出(電動振分装置狙い右打ち報知演出)を実行可能な手段を備えるので、遊技者に対して、作動状態である作動手段(電動振分装置36e)に遊技球を到達させるべき状況であることを明確に認識させることができる。
[特徴aA9]
特徴aA1から特徴aA8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球した場合に、遊技者に利益が付与されることを示唆する演出(特別入賞口入球演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、遊技者が獲得を目指す利益は、後述する第5入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球することによって払い出される賞球ではなく、第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球することによって払い出される賞球である。
本特徴によれば、第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球した場合に、遊技者に利益が付与されることを示唆する演出(特別入賞口入球演出)を実行可能な手段を備えるので、遊技者に対して、自身が獲得を目指す利益は、第5入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球することによって払い出される賞球ではなく、第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球することによって払い出される賞球であることを明確に認識させることができる。
[特徴aA10]
特徴aA1から特徴aA9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記作動手段(電動振分装置36e)が前記非作動状態(非作動状態)である第1遊技状態(通常状態F1)において第1の背景画像(通常状態F1用背景画像)を表示可能であり、前記作動手段(電動振分装置36e)が前記作動状態(作動状態)である第2遊技状態(高確高サポ状態F3)において前記第1の背景画像とは異なる第2の背景画像(高確高サポ状態F3用背景画像)を表示可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が非作動状態である第1遊技状態(通常状態F1)において第1の背景画像(通常状態F1用背景画像)を表示可能であり、作動手段(電動振分装置36e)が作動状態(作動状態)である第2遊技状態(高確高サポ状態F3)において第1の背景画像とは異なる第2の背景画像(高確高サポ状態F3用背景画像)を表示可能な手段を備える。この構成を採用する利点について説明する。本遊技機では、作動手段(電動振分装置36e)が非作動状態と作動状態とになり得るが、初めて本遊技機で遊技を行なった遊技者は、この作動手段の状態の違いが遊技状態の違いに起因していることを知らないため、作動手段(電動振分装置36e)が非作動状態である第1遊技状態(通常状態F1)から、作動手段(電動振分装置36e)が作動状態である第2遊技状態(高確高サポ状態F3)に移行した場合であっても、遊技者は遊技状態が移行したことに気付かないおそれがある。そこで、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が非作動状態である第1遊技状態(通常状態F1)において第1の背景画像(通常状態F1用背景画像)を表示可能であり、作動手段(電動振分装置36e)が作動状態である第2遊技状態(高確高サポ状態F3)において第1の背景画像とは異なる第2の背景画像(高確高サポ状態F3用背景画像)を表示可能な手段を備えるので、遊技者は、遊技状態が移行したことに容易に気づくことが可能となる。
[特徴aA11]
特徴aA1から特徴aA10のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球口を有する第4入球領域(第2特図始動口34)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第5入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第4入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第5入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示(第2特図変動表示)を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能な設定手段と、
を備え、
前記切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて前記第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記作動状態の前記作動手段(電動振分装置36e)に到達して前記第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は前記第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能であり、切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(板状部材)を備え、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に切替手段(第2特別電動役物58b)は入球不能状態(閉鎖状態)に設定され、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達して第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能である。
したがって、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第1入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球が、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る状況において、遊技者は、遊技球を作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴aA12]
特徴aA11に記載の遊技機であって、
前記第1入球領域(特別入賞口32s)への遊技球の入球によって付与される価値(15個の賞球)は、前記第5入球領域(第2大入賞口58a)への遊技球の入球によって付与される価値(2個の賞球)よりも高い
ことを特徴とする遊技機。
本特徴では、第1入球領域(特別入賞口32s)への遊技球の入球によって付与される価値(15個の賞球)は、第5入球領域(第2大入賞口58a)への遊技球の入球によって付与される価値(2個の賞球)よりも高い構成を採用している。この構成を採用した理由について説明する。
本遊技機では、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第1入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。そして、本特徴によれば、第1入球領域(特別入賞口32s)への遊技球の入球によって付与される価値(15個の賞球)は、第5入球領域(第2大入賞口58a)への遊技球の入球によって付与される価値(2個の賞球)よりも高いので、変動表示時間(第2特図変動時間)としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴aA13]
特徴aA11または特徴aA12に記載の遊技機であって、
前記所定抽選(第2特図抽選)の結果には、前記切替手段(第2特別電動役物58b)を前記入球可能状態(開放状態)に移行させない「外れ」が含まれている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果には、切替手段(第2特別電動役物58b)を入球可能状態(開放状態)に移行させない「外れ」が含まれており、所定抽選(第2特図抽選)の結果が「外れ」になった場合には、当該変動表示が終了しても、切替手段(第2特別電動役物58b)は入球可能状態(開放状態)に移行しない。この場合、切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該変動表示の終了後も第1入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第1入球領域(特別入賞口32s)入球することが可能となる。したがって、本特徴によれば、一般的な遊技機においては遊技者に最も不利な結果である「外れ」が、遊技者にとって有利な結果になるといった、従来にない新しい遊技を遊技者に提供することができる。
[特徴aA14]
特徴aA11から特徴aA13のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第4入球領域(第2特図始動口34)は、入球した遊技球が遊技領域に残って流通する場合があるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第4入球領域(第2特図始動口34)は、入球した遊技球が遊技領域に残って流通する場合があるように構成されているので、例えば、第4入球領域(第2特図始動口34)に入球した遊技球がその後に作動手段(電動振分装置36e)に到達する場合がある。特に、本特徴では、作動手段(電動振分装置36e)に到達する遊技球が増えるほど遊技者にとって有利になる。したがって、第4入球領域(第2特図始動口34)に入球した遊技球が遊技領域に残るのか否かといった楽しみや、残った場合にその後どのように遊技領域を流通するのかといった楽しみを遊技者に提供することができる。
[特徴aA15]
特徴aA11から特徴aA14のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第4入球領域(第2特図始動口34)は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第4入球領域(第2特図始動口34)は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されている。この構成を採用すり利点について説明する。本遊技機において遊技者が獲得を目指す利益は、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されることによって遊技球が第1入球領域(特別入賞口32s)に入球し、その結果として払い出される賞球である。しかしながら、第4入球領域(第2特図始動口34)に遊技球が入球した場合に賞球が払い出される構成を採用すると、第4入球領域(第2特図始動口34)に遊技球が入球さえすれば変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されるか否かに関わらず遊技者は一定の賞球を獲得することが可能となってしまい、変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さの重要度が低下してしまう。これに対して、本特徴のように、第4入球領域(第2特図始動口34)は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されていれば、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されるか否かに関わらず払い出されていた上記一定の賞球を遊技者は獲得することができないので、変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さの重要度をより一層高めることが可能となる。
[特徴aA16]
特徴aA11から特徴aA15のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第5入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第5入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる手段を備えるので、遊技者に対して、遊技球が第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球する毎に、現在の有利な遊技状態(高確高サポ状態F3)が終了してしまうのではないかといった緊迫感を抱かせることができるとともに、切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となっているタイミングで遊技球が当該切替手段(第2特別電動役物58b)に到達して欲しくないといった感情を遊技者に抱かせることができる。
[特徴aA17]
特徴aA11から特徴aA16のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、所定の有利結果(16R確変大当たり)が発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出(リーチ演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、所定の有利結果(16R確変大当たり)が発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出(リーチ演出)を実行可能な手段を備えるので、所定の有利結果(16R確変大当たり)が発生して変動表示(第2特別図柄の変動表示)の終了後に有利な状態が継続するのか否かといった期待感を遊技者に抱かせることができるとともに、当該期待度演出(リーチ演出)が実行されている変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中は、切替手段(第2特別電動役物58b)が入球不能状態(閉鎖状態)を維持するため、第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は、第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球することができず、第1入球領域(特別入賞口32s)に入球することが可能となる。すなわち、期待度演出(リーチ演出)が実行されている変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に遊技者は利益を得ることが可能となる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出の実行中は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本特徴によれば、期待度演出(リーチ演出)が実行されたにもかかわらず、遊技者に有利な所定の有利結果(16R確変大当たり)が発生しなかったとしても、当該期待度演出(リーチ演出)が実行されている期間中に遊技者は多くの賞球を獲得することができる。したがって、本特徴によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出に係る特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合に、当該リーチ演出が実行されている期間が、遊技者にとって、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題を解決することができる。
[特徴aA18]
特徴aA11から特徴aA17のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出(カウントダウン演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出(カウントダウン演出)を実行可能な手段を備えるので、変動表示(第2特別図柄の変動表示)が終了するまでの時間、すなわち、遊技球が第1入球領域(特別入賞口32s)に到達することができなくなるまでの残り時間を遊技者に示唆することができる。この結果、遊技者は、当該演出において表示される数値情報から、遊技球が第1入球領域(特別入賞口32s)に到達することができなくなるまでの残り時間を読み取ることによって、遊技球の発射の有無やタイミングを調整し、遊技球の無駄な発射を抑制することが可能となる。
[特徴aA19]
特徴aA11から特徴aA18のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、遊技者に好機な状態であることを示唆する演出(好機状態示唆演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、遊技者にとって好機な状態が、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中である。しかしながら、初めて本遊技機で遊技を行なった遊技者にとっては容易に理解できない場合がある。
本特徴によれば、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、遊技者に好機な状態であることを示唆する演出(好機示唆演出)を実行可能な手段を備えるので、遊技者に対して、この変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中こそが遊技者にとって好機な状態であることを明確に認識させることができる。
[特徴aA20]
特徴aA11から特徴aA19のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、第1の演出(ステップアップ演出1)を実行し、前記第1の演出に連続して前記第1の演出とは異なる第2の演出(ステップアップ演出2)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の後の抽選結果だけでなく、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の期間がどれだけ長く続くのかということが遊技者にとって重要となる。
本特徴によれば、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、第1の演出(ステップアップ演出1)を実行し、第1の演出(ステップアップ演出1)に連続して第1の演出(ステップアップ演出1)とは異なる第2の演出(ステップアップ演出2)を実行可能な手段を備えるので、遊技者に対して、第1の演出(ステップアップ演出1)が実行された場合に、当該第1の演出(ステップアップ演出1)の後に連続して第2の演出(ステップアップ演出2)が実行されて当該変動表示(第2特別図柄の変動表示)がまだまだ継続して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
[特徴aA21]
特徴aA11から特徴aA20のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記切替手段(第2特別電動役物58b)によって前記第5入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となる場合であっても、前記第5入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となることを示唆する演出を実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、第5入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となることは、遊技者に有利なことではなく不利なことである。
本特徴によれば、切替手段(第2特別電動役物58b)によって第5入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となる場合であっても、第5入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となることを示唆する演出を実行しない手段を備えるので、遊技者に対して、第5入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となることが遊技者にとって有利なことであると誤解を与えてしまうことを回避することができる。
<特徴aB群>
特徴aB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aB1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
前記第3入球領域(下部入球口36h)に1個の遊技球が入球したことによって払い出される賞球は1個以下である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球は、第3流路(中央ルートU)を通って第3入球領域(下部入球口36h)に入球することになるが、第3入球領域(下部入球口36h)に1個の遊技球が入球したことによって払い出される賞球は1個以下である。したがって、本特徴によれば、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)を狙って遊技球を発射させても(右打ちをしても)、遊技者は、手持ちの遊技球を増加させることができず、メリットがない。この結果、本特徴によれば、遊技者が非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)を狙って遊技球を発射させること(右打ちをすること)を抑制することができる。
<特徴aC群>
特徴aC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aC1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
前記作動手段(電動振分装置36e)は、所定の作動状態(左側振分状態又は右側作動状態)において、遊技球が必ず前記第1流路(左側ルートL)又は前記第2流路(右側ルートR)に流下するように構成されており、遊技球が流下する割合は、前記第2流路(右側ルートR)の方が前記第1流路(左側ルートL)よりも多くなるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)は、所定の作動状態(左側振分状態又は右側作動状態)において、遊技球が必ず第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下するように構成されており、遊技球が流下する割合は、第2流路(右側ルートR)の方が第1流路(左側ルートL)よりも多くなるように構成されているので、遊技者が、価値の高い第1流路(左側ルートL)のみに遊技球が流下するように作動手段(電動振分装置36e)の作動のタイミングを計って遊技球を発射させても、遊技球が流下する割合は、第2流路(右側ルートR)の方が第1流路(左側ルートL)よりも多くなるので、遊技者に、価値の高い第1流路(左側ルートL)のみに遊技球が流下するように作動手段(電動振分装置36e)の作動のタイミングを計って遊技球を発射させることを断念させることができる。
<特徴aD群>
特徴aD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aD1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
前記第3流路(中央ルートU)は、所定遊技状態(通常状態F1)において、前記第3入球領域(下部入球口36h)にしか遊技球が入球しないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、第3流路(中央ルートU)は、所定遊技状態(通常状態F1)において、第3入球領域(下部入球口36h)にしか遊技球が入球しないように構成されているので、所定遊技状態(通常状態F1)において、遊技者が第3流路(中央ルートU)を遊技球が流通するように狙っても、最も価値の低い第3入球領域(下部入球口36h)にしか遊技球が入球しないので、遊技者にとってメリットがない。したがって、本特徴によれば、所定遊技状態(通常状態F1)において遊技者が第3流路(中央ルートU)を狙って遊技球を発射させること(右打ちをすること)を抑制することができる。
<特徴aE群>
特徴aE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aE1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
当該遊技機は、さらに、
前記作動手段(電動振分装置36e)に至るまでの流路に、遊技釘によってランダムに遊技球の流下に作用する作用領域(作用釘領域36c)と、遊技球を1球ずつ流下可能に整流する整流領域(整流釘領域36d)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)に至るまでの流路に、遊技釘によってランダムに遊技球の流下に作用する作用領域(作用釘領域36c)と、遊技球を1球ずつ流下可能に整流する整流領域(整流釘領域36d)とを備えるので、遊技球が作動手段(電動振分装置36e)に至るタイミングをランダムにすることができるとともに、作動手段(電動振分装置36e)に至る遊技球を1球ずつにすることができる。したがって、本特徴によれば、遊技球が作動手段(電動振分装置36e)に至るタイミングがランダムになるので、遊技者に、価値の高い第1流路(左側ルートL)のみに遊技球が流下するように作動手段(電動振分装置36e)の作動のタイミングを計って遊技球を発射させることを断念させることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)によって遊技球を必ず1球ずつ第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に振り分けることができるので、1球ずつ振り分けられた遊技球に遊技者を注目させることができる。
<特徴aF群>
特徴aF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aF1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
前記第1流路(左側ルートL)及び前記第2流路(右側ルートR)は、前記遊技盤(遊技盤30)の裏面側に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
また、本遊技機では、第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)のいずれの流路に遊技球が振り分けられるのかが遊技者にとって重要となる。
本特徴によれば、第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)は、遊技盤(遊技盤30)の裏面側に設けられているので、例えば、第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)が遊技盤(遊技盤30)の正面側から視認可能となるように遊技盤(遊技盤30)を透明(又は半透明)に構成するとともに、遊技盤(遊技盤30)の裏面側に、第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)を照らすことが可能な光源(例えばLED)を設けることによって、第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)を流通する遊技球を目立たせることができる。この結果、本特徴によれば、第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)のいずれの流路に遊技球が振り分けられるのかについての注目度を向上させることができる。
なお、本願において、「遊技盤の裏面側」とは、遊技盤の表面(おもてめん)よりも遊技盤正面視で奥側(パチンコ機10の正面に座った遊技者から遠ざかる側)であればよい。
<特徴aG群>
特徴aG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aG1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
当該遊技機は、さらに、
前記第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球した場合に、遊技状態を移行させ得る手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球した場合に、遊技状態を移行させ得る手段を備えるので、遊技者に対して、遊技球が価値の高い第1入球領域(特別入賞口32s)に入球したことによる喜びに加えて、現在の有利な遊技状態が終了してしまわないかといった緊張感を与えることができる。
<特徴aH群>
特徴aH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aH1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
当該遊技機は、さらに、
前記作動手段(電動振分装置36e)が前記作動状態(作動状態)である状況において、前記作動手段(電動振分装置36e)に遊技球が到達可能な発射態様で遊技球を発射させること(右打ちをすること)を促す演出(電動振分装置狙い右打ち報知演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
また、本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、遊技者は、作動状態である作動手段(電動振分装置36e)に遊技球を到達させることによって大きな利益を得ることが可能となる。
本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動状態である状況において、作動手段(電動振分装置36e)に遊技球が到達可能な発射態様で遊技球を発射させること(右打ちをすること)を促す演出(電動振分装置狙い右打ち報知演出)を実行可能な手段を備えるので、遊技者に対して、作動状態である作動手段(電動振分装置36e)に遊技球を到達させるべき状況であることを明確に認識させることができる。
<特徴aI群>
特徴aI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aI1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
当該遊技機は、さらに、
前記第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球した場合に、遊技者に利益が付与されることを示唆する演出(特別入賞口入球演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
また、本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、遊技者が獲得を目指す利益は、後述する第5入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球することによって払い出される賞球ではなく、第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球することによって払い出される賞球である。
本特徴によれば、第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球した場合に、遊技者に利益が付与されることを示唆する演出(特別入賞口入球演出)を実行可能な手段を備えるので、遊技者に対して、自身が獲得を目指す利益は、第5入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球することによって払い出される賞球ではなく、第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球することによって払い出される賞球であることを明確に認識させることができる。
<特徴aJ群>
特徴aJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aJ1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
当該遊技機は、さらに、
前記作動手段(電動振分装置36e)が前記非作動状態(非作動状態)である第1遊技状態(通常状態F1)において第1の背景画像(通常状態F1用背景画像)を表示可能であり、前記作動手段(電動振分装置36e)が前記作動状態(作動状態)である第2遊技状態(高確高サポ状態F3)において前記第1の背景画像とは異なる第2の背景画像(高確高サポ状態F3用背景画像)を表示可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が非作動状態である第1遊技状態(通常状態F1)において第1の背景画像(通常状態F1用背景画像)を表示可能であり、作動手段(電動振分装置36e)が作動状態(作動状態)である第2遊技状態(高確高サポ状態F3)において第1の背景画像とは異なる第2の背景画像(高確高サポ状態F3用背景画像)を表示可能な手段を備える。この構成を採用する利点について説明する。本遊技機では、作動手段(電動振分装置36e)が非作動状態と作動状態とになり得るが、初めて本遊技機で遊技を行なった遊技者は、この作動手段の状態の違いが遊技状態の違いに起因していることを知らないため、作動手段(電動振分装置36e)が非作動状態である第1遊技状態(通常状態F1)から、作動手段(電動振分装置36e)が作動状態である第2遊技状態(高確高サポ状態F3)に移行した場合であっても、遊技者は遊技状態が移行したことに気付かないおそれがある。そこで、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が非作動状態である第1遊技状態(通常状態F1)において第1の背景画像(通常状態F1用背景画像)を表示可能であり、作動手段(電動振分装置36e)が作動状態である第2遊技状態(高確高サポ状態F3)において第1の背景画像とは異なる第2の背景画像(高確高サポ状態F3用背景画像)を表示可能な手段を備えるので、遊技者は、遊技状態が移行したことに容易に気づくことが可能となる。
<特徴aK群>
特徴aK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aK1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
当該遊技機は、さらに、
遊技球が入球可能な入球口を有する第4入球領域(第2特図始動口34)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第5入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第4入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第5入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示(第2特図変動表示)を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能な設定手段と、
を備え、
前記切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて前記第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記作動状態の前記作動手段(電動振分装置36e)に到達して前記第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は前記第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能であり、切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(板状部材)を備え、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に切替手段(第2特別電動役物58b)は入球不能状態(閉鎖状態)に設定され、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達して第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能である。
したがって、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第1入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球が、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る状況において、遊技者は、遊技球を作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴aL群>
特徴aL群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aL1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
当該遊技機は、さらに、
遊技球が入球可能な入球口を有する第4入球領域(第2特図始動口34)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第5入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第4入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第5入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示(第2特図変動表示)を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能な設定手段と、
を備え、
前記切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて前記第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記作動状態の前記作動手段(電動振分装置36e)に到達して前記第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は前記第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能であり、
前記第1入球領域(特別入賞口32s)への遊技球の入球によって付与される価値(15個の賞球)は、前記第5入球領域(第2大入賞口58a)への遊技球の入球によって付与される価値(2個の賞球)よりも高い
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能であり、切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(板状部材)を備え、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に切替手段(第2特別電動役物58b)は入球不能状態(閉鎖状態)に設定され、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達して第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能である。
したがって、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第1入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球が、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る状況において、遊技者は、遊技球を作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴では、第1入球領域(特別入賞口32s)への遊技球の入球によって付与される価値(15個の賞球)は、第5入球領域(第2大入賞口58a)への遊技球の入球によって付与される価値(2個の賞球)よりも高い構成を採用している。この構成を採用した理由について説明する。
本遊技機では、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第1入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。そして、本特徴によれば、第1入球領域(特別入賞口32s)への遊技球の入球によって付与される価値(15個の賞球)は、第5入球領域(第2大入賞口58a)への遊技球の入球によって付与される価値(2個の賞球)よりも高いので、変動表示時間(第2特図変動時間)としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴aM群>
特徴aM群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aM1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
当該遊技機は、さらに、
遊技球が入球可能な入球口を有する第4入球領域(第2特図始動口34)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第5入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第4入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第5入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示(第2特図変動表示)を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能な設定手段と、
を備え、
前記切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて前記第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記作動状態の前記作動手段(電動振分装置36e)に到達して前記第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は前記第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能であり、
前記所定抽選(第2特図抽選)の結果には、前記切替手段(第2特別電動役物58b)を前記入球可能状態(開放状態)に移行させない「外れ」が含まれている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能であり、切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(板状部材)を備え、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に切替手段(第2特別電動役物58b)は入球不能状態(閉鎖状態)に設定され、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達して第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能である。
したがって、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第1入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球が、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る状況において、遊技者は、遊技球を作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果には、切替手段(第2特別電動役物58b)を入球可能状態(開放状態)に移行させない「外れ」が含まれており、所定抽選(第2特図抽選)の結果が「外れ」になった場合には、当該変動表示が終了しても、切替手段(第2特別電動役物58b)は入球可能状態(開放状態)に移行しない。この場合、切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該変動表示の終了後も第1入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第1入球領域(特別入賞口32s)入球することが可能となる。したがって、本特徴によれば、一般的な遊技機においては遊技者に最も不利な結果である「外れ」が、遊技者にとって有利な結果になるといった、従来にない新しい遊技を遊技者に提供することができる。
<特徴aN群>
特徴aN群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aN1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
当該遊技機は、さらに、
遊技球が入球可能な入球口を有する第4入球領域(第2特図始動口34)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第5入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第4入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第5入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示(第2特図変動表示)を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能な設定手段と、
を備え、
前記切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて前記第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記作動状態の前記作動手段(電動振分装置36e)に到達して前記第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は前記第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能であり、
前記第4入球領域(第2特図始動口34)は、入球した遊技球が遊技領域に残って流通する場合があるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能であり、切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(板状部材)を備え、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に切替手段(第2特別電動役物58b)は入球不能状態(閉鎖状態)に設定され、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達して第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能である。
したがって、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第1入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球が、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る状況において、遊技者は、遊技球を作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第4入球領域(第2特図始動口34)は、入球した遊技球が遊技領域に残って流通する場合があるように構成されているので、例えば、第4入球領域(第2特図始動口34)に入球した遊技球がその後に作動手段(電動振分装置36e)に到達する場合がある。特に、本特徴では、作動手段(電動振分装置36e)に到達する遊技球が増えるほど遊技者にとって有利になる。したがって、第4入球領域(第2特図始動口34)に入球した遊技球が遊技領域に残るのか否かといった楽しみや、残った場合にその後どのように遊技領域を流通するのかといった楽しみを遊技者に提供することができる。
<特徴aO群>
特徴aO群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aO1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
当該遊技機は、さらに、
遊技球が入球可能な入球口を有する第4入球領域(第2特図始動口34)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第5入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第4入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第5入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示(第2特図変動表示)を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能な設定手段と、
を備え、
前記切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて前記第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記作動状態の前記作動手段(電動振分装置36e)に到達して前記第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は前記第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能であり、
前記第4入球領域(第2特図始動口34)は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能であり、切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(板状部材)を備え、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に切替手段(第2特別電動役物58b)は入球不能状態(閉鎖状態)に設定され、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達して第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能である。
したがって、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第1入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球が、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る状況において、遊技者は、遊技球を作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第4入球領域(第2特図始動口34)は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されている。この構成を採用すり利点について説明する。本遊技機において遊技者が獲得を目指す利益は、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されることによって遊技球が第1入球領域(特別入賞口32s)に入球し、その結果として払い出される賞球である。しかしながら、第4入球領域(第2特図始動口34)に遊技球が入球した場合に賞球が払い出される構成を採用すると、第4入球領域(第2特図始動口34)に遊技球が入球さえすれば変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されるか否かに関わらず遊技者は一定の賞球を獲得することが可能となってしまい、変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さの重要度が低下してしまう。これに対して、本特徴のように、第4入球領域(第2特図始動口34)は、遊技球が入球しても賞球を払い出さないように構成されていれば、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されるか否かに関わらず払い出されていた上記一定の賞球を遊技者は獲得することができないので、変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さの重要度をより一層高めることが可能となる。
<特徴aP群>
特徴aP群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aP1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
当該遊技機は、さらに、
遊技球が入球可能な入球口を有する第4入球領域(第2特図始動口34)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第5入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第4入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第5入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示(第2特図変動表示)を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能な設定手段と、
を備え、
前記切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて前記第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記作動状態の前記作動手段(電動振分装置36e)に到達して前記第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は前記第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記第5入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能であり、切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(板状部材)を備え、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に切替手段(第2特別電動役物58b)は入球不能状態(閉鎖状態)に設定され、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達して第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能である。
したがって、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第1入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球が、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る状況において、遊技者は、遊技球を作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、第5入球領域(第2大入賞口58a)に遊技球が入球した場合に、所定の確率で遊技状態を移行させる手段を備えるので、遊技者に対して、遊技球が第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球する毎に、現在の有利な遊技状態(高確高サポ状態F3)が終了してしまうのではないかといった緊迫感を抱かせることができるとともに、切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となっているタイミングで遊技球が当該切替手段(第2特別電動役物58b)に到達して欲しくないといった感情を遊技者に抱かせることができる。
<特徴aQ群>
特徴aQ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aQ1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
当該遊技機は、さらに、
遊技球が入球可能な入球口を有する第4入球領域(第2特図始動口34)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第5入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第4入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第5入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示(第2特図変動表示)を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能な設定手段と、
を備え、
前記切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて前記第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記作動状態の前記作動手段(電動振分装置36e)に到達して前記第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は前記第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、所定の有利結果(16R確変大当たり)が発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出(リーチ演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能であり、切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(板状部材)を備え、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に切替手段(第2特別電動役物58b)は入球不能状態(閉鎖状態)に設定され、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達して第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能である。
したがって、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第1入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球が、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る状況において、遊技者は、遊技球を作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、所定の有利結果(16R確変大当たり)が発生するか否かの期待度を示唆する期待度演出(リーチ演出)を実行可能な手段を備えるので、所定の有利結果(16R確変大当たり)が発生して変動表示(第2特別図柄の変動表示)の終了後に有利な状態が継続するのか否かといった期待感を遊技者に抱かせることができるとともに、当該期待度演出(リーチ演出)が実行されている変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中は、切替手段(第2特別電動役物58b)が入球不能状態(閉鎖状態)を維持するため、第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は、第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球することができず、第1入球領域(特別入賞口32s)に入球することが可能となる。すなわち、期待度演出(リーチ演出)が実行されている変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に遊技者は利益を得ることが可能となる。したがって、本実施形態によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出の実行中は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本特徴によれば、期待度演出(リーチ演出)が実行されたにもかかわらず、遊技者に有利な所定の有利結果(16R確変大当たり)が発生しなかったとしても、当該期待度演出(リーチ演出)が実行されている期間中に遊技者は多くの賞球を獲得することができる。したがって、本特徴によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、リーチ演出に係る特図抽選の結果、小当たりラッシュが終了してしまった場合に、当該リーチ演出が実行されている期間が、遊技者にとって、小当たりによる利益も得られずにそのまま小当たりラッシュが終了してしまうといった非常に不愉快な期間になってしまうといった課題を解決することができる。
<特徴aR群>
特徴aR群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aR1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
当該遊技機は、さらに、
遊技球が入球可能な入球口を有する第4入球領域(第2特図始動口34)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第5入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第4入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第5入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示(第2特図変動表示)を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能な設定手段と、
を備え、
前記切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて前記第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記作動状態の前記作動手段(電動振分装置36e)に到達して前記第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は前記第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出(カウントダウン演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能であり、切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(板状部材)を備え、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に切替手段(第2特別電動役物58b)は入球不能状態(閉鎖状態)に設定され、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達して第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能である。
したがって、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第1入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球が、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る状況において、遊技者は、遊技球を作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、数値情報を減算しながら表示する演出(カウントダウン演出)を実行可能な手段を備えるので、変動表示(第2特別図柄の変動表示)が終了するまでの時間、すなわち、遊技球が第1入球領域(特別入賞口32s)に到達することができなくなるまでの残り時間を遊技者に示唆することができる。この結果、遊技者は、当該演出において表示される数値情報から、遊技球が第1入球領域(特別入賞口32s)に到達することができなくなるまでの残り時間を読み取ることによって、遊技球の発射の有無やタイミングを調整し、遊技球の無駄な発射を抑制することが可能となる。
<特徴aS群>
特徴aS群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aS1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
当該遊技機は、さらに、
遊技球が入球可能な入球口を有する第4入球領域(第2特図始動口34)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第5入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第4入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第5入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示(第2特図変動表示)を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能な設定手段と、
を備え、
前記切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて前記第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記作動状態の前記作動手段(電動振分装置36e)に到達して前記第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は前記第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、遊技者に好機な状態であることを示唆する演出(好機状態示唆演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能であり、切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(板状部材)を備え、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に切替手段(第2特別電動役物58b)は入球不能状態(閉鎖状態)に設定され、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達して第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能である。
したがって、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第1入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球が、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る状況において、遊技者は、遊技球を作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、遊技者にとって好機な状態が、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中である。しかしながら、初めて本遊技機で遊技を行なった遊技者にとっては容易に理解できない場合がある。
本特徴によれば、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、遊技者に好機な状態であることを示唆する演出(好機示唆演出)を実行可能な手段を備えるので、遊技者に対して、この変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中こそが遊技者にとって好機な状態であることを明確に認識させることができる。
<特徴aT群>
特徴aT群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aT1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
当該遊技機は、さらに、
遊技球が入球可能な入球口を有する第4入球領域(第2特図始動口34)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第5入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第4入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第5入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示(第2特図変動表示)を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能な設定手段と、
を備え、
前記切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて前記第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記作動状態の前記作動手段(電動振分装置36e)に到達して前記第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は前記第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、第1の演出(ステップアップ演出1)を実行し、前記第1の演出に連続して前記第1の演出とは異なる第2の演出(ステップアップ演出2)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能であり、切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(板状部材)を備え、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に切替手段(第2特別電動役物58b)は入球不能状態(閉鎖状態)に設定され、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達して第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能である。
したがって、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第1入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球が、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る状況において、遊技者は、遊技球を作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の後の抽選結果だけでなく、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の期間がどれだけ長く続くのかということが遊技者にとって重要となる。
本特徴によれば、変動表示(第2特別図柄の変動表示)の実行中に、第1の演出(ステップアップ演出1)を実行し、第1の演出(ステップアップ演出1)に連続して第1の演出(ステップアップ演出1)とは異なる第2の演出(ステップアップ演出2)を実行可能な手段を備えるので、遊技者に対して、第1の演出(ステップアップ演出1)が実行された場合に、当該第1の演出(ステップアップ演出1)の後に連続して第2の演出(ステップアップ演出2)が実行されて当該変動表示(第2特別図柄の変動表示)がまだまだ継続して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
<特徴aU群>
特徴aU群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴aU1]
第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、
第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、
第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとっての価値は、前記第1流路は前記第2流路よりも高く、前記第2流路は前記第3流路よりも高く、
当該遊技機は、さらに、
所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を前記第1流路又は前記第2流路に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を前記第3流路に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、
前記第1流路及び前記第2流路と、前記第3流路とは、遊技盤(遊技盤30)の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備え、
当該遊技機は、さらに、
遊技球が入球可能な入球口を有する第4入球領域(第2特図始動口34)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第5入球領域(第2大入賞口58a)と、
前記第4入球領域への遊技球の入球に基づいて所定抽選(第2特図抽選)を実行可能な抽選実行手段と、
前記第5入球領域の入球口を入球可能状態(開放状態)と入球不能状態(閉鎖状態)とに切替可能な切替手段(第2特別電動役物58b)と、
前記所定抽選の結果が所定結果(特図小当たり)である場合に前記切替手段を前記入球可能状態に移行させる移行手段と、
前記所定抽選の結果が前記所定結果である場合に所定期間の変動表示(第2特図変動表示)を実行可能な変動表示手段(第2特別図柄表示部37b)と、
前記変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能な設定手段と、
を備え、
前記切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて前記第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(第2特別電動役物58bの板状部材)を備え、
前記設定手段によって前記変動表示時間として前記第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に前記切替手段は前記入球不能状態に設定され、前記作動状態の前記作動手段(電動振分装置36e)に到達して前記第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は前記第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能であり、
当該遊技機は、さらに、
前記切替手段(第2特別電動役物58b)によって前記第5入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となる場合であっても、前記第5入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となることを示唆する演出を実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1利益(15個の賞球)を付与する第1入球領域(特別入賞口32s)に遊技球が入球可能な第1流路(左側ルートL)と、第2利益(1個の賞球)を付与する第2入球領域(右側入賞口36i)に遊技球が入球可能な第2流路(右側ルートR)と、第3入球領域(下部入球口36h)に遊技球が入球可能な第3流路(中央ルートU)とを備える。さらに、所定の作動条件の成立(高確高サポ状態F3へ移行したこと)に基づいて遊技球を第1流路(左側ルートL)又は第2流路(右側ルートR)に流下させ得る作動状態(左側振分状態と右側作動状態とを交互に繰り返す作動状態)となり、非作動状態では遊技球を第3流路(中央ルートU)に流下させる作動手段(電動振分装置36e)を備え、遊技者にとっての価値は、第1流路(左側ルートL)は第2流路(右側ルートR)よりも高く、第2流路(右側ルートR)は第3流路(中央ルートU)よりも高い。
したがって、本特徴によれば、作動手段(電動振分装置36e)が作動している作動状態を、作動手段(電動振分装置36e)が作動していない非作動状態よりも遊技者にとって価値の高い遊技状態とすることができるので、遊技者に、所定の作動条件が成立して(高確高サポ状態F3へ移行して)作動手段(電動振分装置36e)が作動状態になって欲しいといった期待感を抱かせることができるとともに、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が第1流路(左側ルートL)を流下して欲しいといった期待感を抱かせることができる。
そして、本特徴によれば、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第1流路(左側ルートL)及び第2流路(右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する第3流路(中央ルートU)とは、遊技盤の表裏方向における流路の形成される面が異なる部位を備えるので、遊技盤の狭い領域(右側遊技領域PAR)に遊技球を所定の領域に導く3つの流路を効率よく設けることが可能となるとともに、遊技者に、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(左側ルートL及び右側ルートR)と、非作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達した遊技球が流下する流路(中央ルートU)とを明確に区別して認識させることができる。
さらに、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として、第1期間(短変動時間(0.1秒))と、前記第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))とを設定可能であり、切替手段(第2特別電動役物58b)は、遊技球を所定期間転動させて第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球させ得る転動手段(板状部材)を備え、変動表示時間(第2特図変動時間)として第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合に切替手段(第2特別電動役物58b)は入球不能状態(閉鎖状態)に設定され、作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達して第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球は第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能である。
したがって、本特徴によれば、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間(短変動時間(0.1秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、当該遊技球が転動手段(板状部材)の上を転動し切る前に第1期間(短変動時間(0.1秒))が経過して切替手段(第2特別電動役物58b)が入球可能状態となるので、第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球することになり、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達することができない。
一方、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定されている場合には、入球不能状態(閉鎖状態)に設定されている切替手段(第2特別電動役物58b)の転動手段(板状部材)の上を転動中の遊技球は、第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が経過する前に転動手段(板状部材)の上を転動し切って第1入球領域(特別入賞口32s)に到達し、当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能となる。
このように、本特徴によれば、変動表示の変動表示時間(第2特図変動時間)として設定される期間の長さに応じて、第1流路(左側ルートL)に振り分けられた遊技球が、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達できずに第5入球領域(第2大入賞口58a)に入球する状況と、第1入球領域(特別入賞口32s)に到達して当該第1入球領域(特別入賞口32s)に入球可能な状況とを創出することができる。
この結果、所定抽選(第2特図抽選)の結果が所定結果(特図小当たり)である場合の変動表示時間(第2特図変動時間)として第1期間よりも長い第2期間(長変動時間(20秒~180秒))が設定され得る状況において、遊技者は、遊技球を作動状態の作動手段(電動振分装置36e)に到達させるように発射させることによって、当該変動表示の実行中に利益を得ることが可能となる。したがって、本遊技機によれば、従来の小当たりラッシュを搭載したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、小当たりラッシュ中におけるリーチ演出の実行中(変動表示の実行中)は遊技者が利益を得ることができず遊技のテンポが悪くなってしまうといった課題や、リーチ演出の実行中に遊技者が止め打ちもできずに遊技球を浪費させられてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、変動表示時間として設定される期間の長さに対する遊技者の関心を高めることができるとともに、変動表示時間としてより長い期間が設定されて欲しいといった新たな感情を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本遊技機では、一般的な遊技機とは異なり、第5入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となることは、遊技者に有利なことではなく不利なことである。
本特徴によれば、切替手段(第2特別電動役物58b)によって第5入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となる場合であっても、第5入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となることを示唆する演出を実行しない手段を備えるので、遊技者に対して、第5入球領域(第2大入賞口58a)の入球口が入球可能状態(開放状態)となることが遊技者にとって有利なことであると誤解を与えてしまうことを回避することができる。
なお、上記各特徴群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特開2011-172988号公報)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化、遊技の健全性の向上等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
なお、上記各特徴群に含まれる1又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、上記の各特徴群を適用し得る又は各特徴群に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段と、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、前記取得情報記憶手段に記憶された前記特別情報が所定条件を満たす場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示手段と、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示を始動させる始動手段と、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間の経過に起因して前記複数の絵柄の可変表示を停止させる停止手段と、停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。上記の実施形態、変形例、および特徴群に含まれる技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
《5》第5実施形態:
《5-0》はじめに:
参考例のパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)として、1種2種混合タイプのスペックを採用し、約80%という高い継続率を実現する遊技機が考えられる。
具体的には、当該参考例のパチンコ機では、確変状態や電サポ状態でもない通常状態時(通常時とも呼ぶ)に当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、V入賞口が内部に設けられている第1特別電動役物を開閉動作する開閉実行モード(以下、「小当たりに基づく開閉実行モード」とも呼ぶ)が実行される。そして、小当たりに基づく開閉実行モードの作動により開放された大入賞口に遊技球が入球して大入賞口の内部に設けられたV入賞口に遊技球が入球すると、V入賞大当たりに当選となり、大入賞口に係る第2特別電動役物を開閉動作する開閉実行モード(以下、「V入賞大当たりに基づく開閉実行モード」とも呼ぶ)が実行される。上記小当たりに基づく開閉実行モードの作動により開放された大入賞口に遊技球が入球したことによって賞球を得ることができる。また、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの作動により開放された大入賞口に遊技球が入球することによって賞球を得ることができる。そして、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの終了後に、第1の遊技ステージに移行する。
第1の遊技ステージにおいては、特図2変動が1回転するまで高サポ状態となり、当該特図2変動中において、特図2の保留が例えば最大4個、貯えられる。この結果、第1の遊技ステージに移行した場合には、最初の1回転分の特図2変動と、特図2変動中において貯えられた最大4個分の特図2変動とで、最大5回の特図2変動が実行されることになる。1回当たりの小当たり当選する確率を例えば1/7.7とした場合、最大で5回の特図2変動において小当たり当選する確率(以下、ラッシュ突入率と呼ぶ)P1は、下記の計算式(1)に従って約50%となり得る。
ラッシュ突入率P1=1-{(77-10)/77}^5...(1)
ただし、^は、べき乗を表す。
最大で5回の特図2変動において当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、小当たりに基づく開閉実行モードが実行され、小当たりに基づく開閉実行モードの作動により開放された大入賞口に遊技球が入球してV入賞口に遊技球が入球すると、V入賞大当たりに当選となり、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードが実行される。上記小当たりに基づく開閉実行モードの作動により開放された大入賞口に遊技球が入球したことによって賞球を得ることができる。また、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの作動により開放された大入賞口に遊技球が入球することによって、賞球を得ることができる。そして、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの終了後に、第2の遊技ステージに移行する。
第2の遊技ステージにおいては、特図2変動が7回転するまで高サポ状態となり、当該特図2変動中において、特図2の保留が例えば、最大4個、貯えられる。この結果、第2の遊技ステージに移行した場合には、最初の7回転分の特図2変動と、特図2変動中において貯えられた最大4個分の特図2変動とで、最大11回の特図2変動が実行されることになる。1回当たりの小当たり当選する確率は第1の遊技ステージ時と同じ1/7.7となることから、最大で11回の特図2変動において小当たり当選する確率(以下、ラッシュ継続率と呼ぶ)P2は、下記の計算式(2)に従って約78%となり得る。
ラッシュ継続率P2=1-{(77-10)/77}^11...(2)
ただし、^は、べき乗を表す。
最大で11回の特図2変動において当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、小当たりに基づく開閉実行モードが実行され、小当たりに基づく開閉実行モードの作動により開放された大入賞口に遊技球が入球してV入賞口に遊技球が入球すると、V入賞大当たりに当選となり、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードが実行される。上記小当たりに基づく開閉実行モードの作動により開放された大入賞口に遊技球が入球したことによって賞球を得ることができる。また、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの作動により開放された大入賞口に遊技球が入球することによって、賞球を得ることができる。そして、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの終了後に、再度、第2の遊技ステージに移行する。すなわち、第2の遊技ステージに移行した後においては、約78%といった高い確率で、第2の遊技ステージへの移行を繰り返すことになる。換言すれば、約50%というラッシュ突入率の確率で小当たり当選することができれば、約78%という高い継続率を実現したラッシュ状態に移行することができる。
一般に、パチンコ機では、液晶ディスプレイを備える図柄表示装置に様々な報知演出を表示することで、遊技者にとって有利となる遊技方法を遊技者に提供している。この種の報知演出としては遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることを遊技者に報知するための右打ち報知演出や、遊技球発射機構による発射態様を右打ちから左打ちに戻すことを遊技者に報知するための左打ち報知演出、V入賞口に遊技球を入球させることを遊技者に促すための例えば「Vを狙え!」といったV狙い報知演出等が該当する。参考例のパチンコ機も、これらの報知演出を実行するように構成されている。具体的には、上述した小当たりに基づく開閉実行モードにおいて、V狙い報知演出を表示するように構成されている。参考例のパチンコ機において、通常時から第1の遊技ステージまでにどのような報知演出が表示されるか、また、当該報知演出に従って遊技者の遊技方法がどのように切り替えられるかについて、次に詳しく説明する。
参考例のパチンコ機では、通常時(低サポ状態時)において、遊技者は、遊技球発射機構による遊技球の発射態様を左打ちとして遊技を行なう(以下、単に「左打ちで遊技を行なう」とも呼ぶ)ことによって、特図1変動において小当たりまたは大当たりに当選することを目指す。通常時において、左打ちで遊技を行っていると、図柄表示装置には、遊技方法についての報知演出はなんらなされない。
参考例のパチンコ機では、左打ちルート上に設けられた第1始動口よりも右打ちルート上に設けられた第2始動口の方が有利性が高い(例えば、振り分けられるラウンド遊技の回数が多い)ものとなっている。このために、参考例のパチンコ機では、右打ちルート上に第2始動口を設け、第2始動口に普通電動役物を設けることによって、サポートモードが低頻度サポートモードである通常時において、右打ちしても第2始動口に遊技球が入球しない構成とすることで、通常時において右打ちで遊技が行なわれないように通常時右打ち対策がなされている。そこで、参考例のパチンコ機では、通常時に左打ちで遊技を行わないと遊技者は利益を得られないので、通常時に右打ちで遊技が行われていることを検出すると、遊技球発射機構による発射態様を右打ちから左打ちに戻すことを遊技者に報知するための左打ち報知演出を図柄表示装置に表示させる。
通常時に左打ちで遊技を行い、特図1が変動して小当たりに当選した場合には、遊技者は、遊技球発射機構による遊技球の発射態様を右打ちとして遊技を行なう(以下、単に「右打ちで遊技を行なう」と呼ぶ)ことによって、右打ちルート上のV入賞口に遊技球を入球させて、V入賞大当たりに当選することを目指すことになる。小当たり当選後、所定期間(例えば6秒)の間に、V入賞口に遊技球が入球しなかった場合には、V入賞大当たりに当選せずに、小当たりに基づく開閉実行モードが終了してしまう。このため、参考例のパチンコ機では、通常時に特図1が変動して小当たりとなった場合に、小当たりに基づく開閉実行モードH2のオープニング期間を利用して、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとしてV入賞口に遊技球を入球させることを遊技者に促すためのV狙い報知演出を図柄表示装置に表示させる。遊技者は、V狙い報知演出に従って右打ちで遊技を行なうことになる。
そして、右打ちルート上に設けられたV入賞口に遊技球が入球してV入賞大当たりに当選した場合、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードが実行され、遊技者は、右打ちで遊技を行なうことによって、大入賞口に遊技球を入球させて、賞球を得る。V入賞大当たりに基づく開閉実行モードが終了すると、第1の遊技ステージに移行する。第1の遊技ステージにおいては、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることを遊技者に報知するための右打ち報知演出を図柄表示装置に表示させる。遊技者は、右打ち報知演出に従って右打ちで遊技を行ない、チューリップ型普通電動役物(いわゆる電チュー)が設けられた第2始動口に遊技球を入球させて、特図2変動を1回転させ、当該特図2変動中において、さらに第2始動口に遊技球を入球させて、特図2の保留を最大4個となるまで貯える。
上記構成の参考例のパチンコ機は、さらに、通常状態(低サポ状態)中の遊技回の実行回数が規定回数(例えば、1000回)に達した場合に、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する天井時短(いわゆる遊タイム)機能を備えるものとする。具体的には、初期化条件成立時に予め定められた規定回数を天井回数カウンタにセットし、遊技回が実行される毎に天井回数カウンタの値を1だけデクリメントする。初期化条件成立時とは、パチンコ機が初期化されたとき(RAMがクリアされたとき)、または大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む)したときが該当する。すなわち、天井回数カウンタは、パチンコ機が初期化されたときに規定回数に設定され、その後、遊技回が実行される毎に1だけデクリメントされ、大当たり当選する毎に規定回数に設定し直される。
そして、天井回数カウンタの値が0に達した場合に、所定回数の時短付与を行なう。ここで言う所定回数の時短付与とは、サポートモードを高頻度サポートモードに移行し、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回の実行回数が予め定めた回数(以下、時短付与回数とも呼ぶ)に達するまで、サポートモードとして高頻度サポートモードを継続することである。参考例のパチンコ機では、時短付与回数は例えば100回と大きな回数であり、当該時短付与回数以内の遊技回で100%に近い高確率で小当たりに当選可能な回数である。参考例のパチンコ機では、時短付与がなされている最中、すなわちサポートモードが高頻度サポートモードであるときの小当たり当選確率は、第1の遊技ステージ時および第2の遊技ステージ時と同じ1/7.7となっていることから、例えば100回といった大きな回数の時短付与があれば、100%に近い高確率で小当たりに当選する。
特に参考例のパチンコ機では、通常状態(低サポ状態)中の遊技回の実行回数が規定回数に達したことによって移行した高頻度サポートモード中に小当たり当選した場合には、継続率が約78%と高い第2の遊技ステージに移行する構成としている。このため、通常状態(低サポ状態)中の遊技回の実行回数が規定回数(例えば、1000回)に達することができれば、約78%という高い継続率を実現したラッシュ状態に確実に移行することができる。
参考例のパチンコ機では、遊技者は、前回の大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)からの遊技回の実行回数が一定以上経過しているにもかかわらず、大当たりを引けない状態(いわゆるハマった状態)が続き、イライラする気持ちになってきたところに、天井時短機能が搭載されていることを思い出して、パチンコ機の上部に設置されたデータカウンターに表示される現在の回転数等を見て、そろそろ天井に近づいて来たかなと、遊技回の実行回数が規定回数に達することを心待ちにしながら、遊技を楽しむことができる。このために、遊技の興趣向上を図ることができる。
しかしながら、上記参考例のパチンコ機であっても次の課題があった。
参考例のパチンコ機では、遊技回における当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合には、先に説明したように、例えば「Vを狙え!」といったV狙い報知演出が図柄表示装置に表示される。この表示は、通常状態中の遊技回の実行回数が規定回数間近となる遊技回であっても必ず表示される。翻ってみて、先に説明したように、通常時において当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、小当たりに基づく開閉実行モードおよびV入賞大当たりに基づく開閉実行モードを介して移行する遊技状態は、第1の遊技ステージであることから、この第1の遊技ステージにおけるラッシュ突入率は約50%であり、100%に近い確率でラッシュ状態に突入する訳ではない。このために、通常状態中の遊技回の実行回数が規定回数間近となる遊技回(例えば990回目の遊技回)であれば、もう少し待てば天井時短が発動され、約100%の確率でラッシュ状態に突入するところを、上記V狙い報知演出に従ってV入賞口に遊技球を入球させて第1の遊技ステージに移行したがために、第1の遊技ステージにおいて当たり抽選で外れてラッシュ状態に移行することが叶わないことが50%の確率で有り得た。すなわち、遊技回における当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、V狙い報知演出を表示することで、遊技者にとって有利となる遊技方法を遊技者に提供しているにも拘わらずに、実際のところは、上述したように遊技者にとって不都合な結果を招く虞があるという課題があった。
本発明に係る遊技機(以下、本遊技機とも称する)は、遊技回における当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、遊技者に不都合を与えることを防止することで、遊技者の期待感を高めて遊技の興趣向上を図ることを課題としている。以下、詳細に説明する。
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「更新条件」としての「特定条件」を備え、「特定情報」としての「所定情報」を備え、「更新手段」としての「更新処理」を備え、「特定の遊技状態」としての「所定遊技状態」を備え、「所定の更新状態」としての「更新終了状態」を備え、「所定の利益状態」としての「所定有利状態」を備え、「第1報知態様」としての「第1表示態様」を備え、「第2報知態様」としての「第2表示態様」を備え、「特定判定結果」としての「所定の当たり当選」を備え、「所定の遊技条件」としての「利益付与条件」を備え、「特定の利益」としての「付与価値」を備える。
「更新条件」は、特定情報を更新する契機となる条件であり、本発明の趣旨を実現可能であればどのようなものであってもよく、例えば、遊技回における変動表示の停止時であること、当該変動表示の開始時であること、遊技回における停止表示の確定時間の終了時であること、遊技回における所定タイミングにあること、遊技回におけるV割込み信号の発生時であることなどが挙げられる。
「特定情報」は、遊技機において更新条件が成立した場合に情報の内容が新たな内容に更新されるものであり、本発明の趣旨を実現可能であればどのようなものであってもよく、例えば、RAMに設けられるカウンタの値や、RAMの所定アドレスに記憶される情報、各バッファの値、フラグ、予め定められた一連のデータ群、およびデータ群における現在の実行位置を把握するためのポインタなどが挙げられる。
「更新手段」は、特定情報の内容を新たな内容に更新し得るものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、ソフトウェアによる更新制御、上書き制御、書き込み制御、ロード、などが挙げられる。また、ハードウェア回路による更新制御が挙げられる。
「特定の遊技状態」は、特定情報が更新手段によって更新されて所定の更新状態になった場合に、所定の利益状態を発生可能な遊技状態であればよく、更新条件が成立した場合であっても特定情報が更新されない遊技状態や、更新手段が作動しない遊技状態を除くものである。特定の遊技状態としては、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、通常状態や、特別電動役物が開閉動作する大当たり遊技状態、確率変動遊技状態(高確状態とも呼ぶ)、時短遊技状態(高サポ状態とも呼ぶ)、初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)するまでの状態、初期化条件成立時から小当たりに基づく開閉実行モードが開始するまでの状態、初期化条件成立時から小当たりに基づく開閉実行モードが終了するまでの状態、電源投入時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)するまでの状態、電源投入時から小当たりに基づく開閉実行モードが開始するまでの状態、電源投入時から小当たりに基づく開閉実行モードが終了するまでの状態、大当たり当選に係る変動が開始されてから停止表示が終了されるまでの状態、などが挙げられる。
「所定の更新状態」は、更新手段による特定情報の更新の結果が所定の結果となったことが把握できる状態であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、所定回数の更新によってカウンタの値がゼロになることと、所定のフラグが無くなること、所定の時間が経過すること、予め定められた一連のデータ群の全てを実行すること、などが挙げられる。
「所定の利益状態」は、遊技者になんらかの利益を付与可能なものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、所定回数または少なくとも大当たり遊技が発生するまでの確率変動遊技状態、所定回数または少なくとも大当たり遊技が発生するまでの時短遊技状態、大当たり遊技状態そのもの(後述する第2特別電動役物の開閉)、小当たり遊技状態そのもの(後述する第1特別電動役物の開閉)、賞球の付与、特定の画像の表示、特定の音声の出力、特定の発光手段の発光制御、などが挙げられる。
「報知態様」は少なくとも2種類の事象を遊技者が識別可能であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、文字情報、数字情報、図柄、装飾図柄、絵柄、キャラクター、それらの色彩、それらの表示面積、それらの表示濃度を異ならせることで識別可能にすること、などが挙げられる。
「特定判定結果」は、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定の利益を発生させることのできる判定結果であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、小当たり当選、V入賞大当たり当選、通常大当たり当選、確変大当たり当選、V確変機において遊技球がV確領域に入球可能となる大当たり当選等の有利大当たり当選、などが挙げられる。
「所定の遊技条件」は、遊技者が所定の遊技操作を行った場合に成立する条件であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技球発射機構によって遊技球を発射すること、発射された遊技球が所定の領域に入球すること、所定の領域に入球した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、遊技者が演出操作ボタンを操作すること、遊技者が演出操作ボタンを操作した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、などが挙げられる。
「特定の利益」は、所定の遊技条件が成立することに基づいて付与される利益であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、所定回数または少なくとも大当たり遊技が発生するまでの確率変動遊技状態、所定回数または少なくとも大当たり遊技が発生するまでの時短遊技状態、大当たり遊技状態そのもの(後述する第2特別電動役物の開閉)、小当たり遊技状態そのもの(後述する第1特別電動役物の開閉)、賞球の付与、特定の画像の表示、特定の音声の出力、特定の発光手段の発光制御、などが挙げられる。
本遊技機は、詳細は後述するが、更新処理によって、変動表示における予め定められた特定条件が成立した場合に、所定情報を更新し、所定遊技状態において、所定情報が更新終了状態となった後の予め定められたタイミングで所定有利状態を発生させる。また、第1表示態様または第1表示態様とは異なる第2表示態様で所定の報知を行なう。さらに、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行し、当該判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて利益付与条件が成立した場合に付与価値を発生させる。さらに、上記判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、所定情報が更新終了状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは第1表示態様で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては表示態様を第2表示態様に切り替える。したがって、本遊技機によれば、上記判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、所定情報が更新終了状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは第1表示態様で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては表示態様を第2表示態様に切り替えることから、遊技者は、第1表示態様で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて利益付与条件を成立させることによって、付与価値を発生させることができ、一方、第2表示態様に所定の報知が切り替えられるのを見て、所定情報が更新終了状態となり、所定有利状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本遊技機によれば、判定手段によって所定の当たり当選となった場合に、所定の報知についての表示態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めて遊技の興趣向上を図ることができる。このように、本遊技機によれば、参考例の1種2種混合タイプのスペックを採用したパチンコ機において生じていた課題、すなわち、判定手段によって所定の当たり当選となった場合に、所定の報知についての表示態様によって遊技者に不都合を与えてしまうといった課題を解決することができる。
さらに、本遊技機によれば、特典を付与する特典付与状態への移行率が第1の値である第1状態と、特典付与状態への移行率が第1の値より高い第2の値である第2状態と、を有し、第1表示態様は第1状態に移行しうることを示唆する態様であり、第2表示態様は第2状態に移行しうることを示唆する態様である。したがって、本遊技機によれば、第2表示態様で所定の報知がなされた場合に、特典付与状態への移行率が高くなると遊技者に推測させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。
本発明の課題をまとめると、次の通りである。従来より、予め定められた期間が経過して所定の条件が成立した場合に所定の利益を遊技者に付与する遊技機が知られている。この種の遊技機では、予め定められた期間における所定の利益の付与の示唆は、遊技者に好適に行われる事が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、上記示唆を好適に行なうことで遊技者の興趣を損なうことなく新たな遊技性を提供することを目的とする。
以下、本遊技機のより具体的な構成を下記の第5実施形態として説明する。なお、第5実施形態のパチンコ機は、上述した参考例のパチンコ機と比較して、小当たり当選した場合の報知演出の内容が相違するだけであり、その他の構成については同一である。
《5-1》遊技機の構造:
図208は、第5実施形態のパチンコ機10の斜視図である。図示するように、パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる特図当たり抽選時、当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、付与価値としての演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える発射手段としての遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された付与価値としての遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
前扉枠14の正面視右側(以下、単に「右側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が所定の間隔(本実施形態では0.6秒間隔)で発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。そして、操作ハンドル25の回動操作量が所定未満の場合、すなわち遊技球の発射強度が所定未満の場合には、発射された遊技球は遊技盤の正面視左側の領域を流下する。この場合における遊技球の発射態様を「左打ち」とも呼ぶ。一方、操作ハンドル25の回動操作量が所定以上の場合、すなわち遊技球の発射強度が所定以上の場合には、発射された遊技球は遊技盤の正面視右側の領域を流下する。この場合における遊技球の発射態様を「右打ち」とも呼ぶ。
上皿20の周縁部の正面視左側(以下、単に「左側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。なお、遊技球発射ボタン26を操作することなしに、遊技者が操作ハンドル25の回動操作量を所定以上とする操作を行なうことによって、右打ちを行なうようにしてもよい。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図209は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53と、電源ユニット58とを備えている。具体的には、これらユニットは、内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。この基板ボックスは、開閉の痕跡が残るように構成されている。例えば、開閉可能な箇所に封印シールが貼付されており、基板ボックスを開放すると「開封」といった文字が現れるように構成されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
電源ユニット58は、電源装置85と、電源スイッチ88とを備えている。電源装置85は、パチンコ機10の動作に必要な電力を供給する。電源装置85には、電源スイッチ88が接続されている。電源スイッチ88のON/OFF操作により、パチンコ機10に電力が供給されている供給状態と、パチンコ機10に電力が供給されていない非供給状態とが切り換えられる。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図210は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、可変入賞装置36、及び小当たり専用可変入賞装置57が設けられている。可変入賞装置36は当たり抽選において大当たり当選(後述するV入賞大当たり当選も含む)した場合に作動する装置であり、小当たり専用可変入賞装置57は当たり抽選において小当たり当選した場合に作動する装置である。すなわち、小当たり当選した場合に作動する装置は小当たり専用可変入賞装置と呼ぶのに対して、大当たり当選した場合に作動する装置は単に「可変入賞装置」と呼ぶ。
一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、及び可変入賞装置36、及び小当たり専用可変入賞装置57のそれぞれに入球した遊技球は、遊技盤30に形成された個別の上記の開口部に誘導される。また、遊技盤30には、スルーゲート35が設けられている。さらに、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
図示するように、一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、1個の遊技球が賞球として払出装置71(図209)から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。第1始動口33は、左打ちで遊技された場合に遊技球が入球可能であり、右打ちで遊技された場合に遊技球が入球不能である。本実施形態では、利益付与条件として第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、特図1当たり抽選が実行される。特図1当たり抽選の結果、小当たり又は大当たりに当選すると、特別電動役物(第1特別電動役物又は第2特別電動役物)が開閉動作を実行する開閉実行モードが開始される。開閉実行モードは、オープニング期間と、開閉処理期間と、エンディング期間とによって構成されている。オープニング期間は、特別電動役物の開閉処理が開始されるまでの待機期間であり、開閉処理期間は、実際に特別電役物の開閉処理が実行される期間であり、エンディング期間は、特別電動役物の開閉処理が終了した後、次の特図当たり抽選(特図1当たり抽選又は特図2当たり抽選)を実行可能とするまでの待機期間である。なお、本実施形態では、特図1当たり抽選の結果として、大当たりは設定されておらず、小当たりと外れのみが設定されている。そして、本実施形態では、特図1当たり抽選の結果、小当たりに当選すると、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bが開閉動作を実行する特電開閉実行モードが開始される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材であり、遊技盤30の右側の上下方向における中央に設けられている。第2始動口34は、右打ちで遊技された場合に遊技球が入球可能であり、左打ちで遊技された場合に遊技球が入球不能である。第2始動口34には、左右一対の可動片よりなる普通電動役物34aが設けられている。普通電動役物34aが閉鎖状態のときには、遊技球は第2始動口34に入球することはできない。一方、普通電動役物34aが開放状態のときには、遊技球は第2始動口34に入球することができる。本実施形態では、利益付与条件として第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、特図2当たり抽選が実行される。特図2当たり抽選の結果、小当たり又は大当たりに当選すると、後述する特別電動役物(第1特別電動役物又は第2特別電動役物)が開閉動作を実行する開閉実行モードが開始される。開閉実行モードは、先に説明したように、オープニング期間と、開閉処理期間と、エンディング期間とによって構成されている。なお、本実施形態では、特図2当たり抽選の結果として、大当たりは設定されておらず、小当たりと外れのみが設定されている。そして、本実施形態では、特図2当たり抽選の結果、小当たりに当選すると、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bが開閉動作を実行する特電開閉実行モードが開始される。
スルーゲート35は、遊技盤30の右側上方に設けられており、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、普通電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルータイプのゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、普通電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下ルートにおいて第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
小当たり専用可変入賞装置57は、遊技盤30の右側における遊技球の流下ルートにおいて第2始動口34よりも下流側に設けられている。小当たり専用可変入賞装置57は、第1特別電動役物であり、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口57aを備えるとともに、大入賞口57aを開閉する開閉扉57bを備える。開閉扉57bは、通常は遊技球が大入賞口57aに入球できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(当たり抽選)の結果、利益付与条件として小当たりに当選した場合には、第1特別電動役物についての開閉実行モード(以下、「小当たりに基づく開閉実行モード」とも呼ぶ)が開始され、小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bは、遊技球が入球可能な開放状態となり、その後、閉鎖状態となる。本実施形態では、小当たり専用可変入賞装置57の大入賞口57aに遊技球が入球すると、所定有利状態として、予め定められた賞球数である10個の遊技球が賞球として払出装置71によって払い出される。小当たり専用可変入賞装置57は、右打ちで遊技された場合に遊技球が入球可能であり、左打ちで遊技された場合に遊技球が入球不能である。
大入賞口57aの内部には、V入賞口59が設けられている。V入賞口59は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技球が入球すると、所定の当たり当選であるV入賞大当たり当選となり、所定有利状態として、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードが開始される。上述したように、本実施形態では、大入賞口57aの内部にV入賞口59が設けられており、大入賞口57aに入球した遊技球がその後に確実にV入賞口59に入球するように構成されている。そして、利益付与条件としてV入賞口59に遊技球が入球するという条件が成立した場合に、V入賞大当たりに当選となり、付与価値として、第2特別電動役物が開閉動作を実行するV入賞大当たりに基づく開閉実行モードが開始される。
可変入賞装置36は、遊技盤30の右側における遊技球の流下ルートにおいて小当たり専用可変入賞装置57よりも下流側に設けられている。可変入賞装置36は、第2特別電動役物であり、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備える。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態になっている。V入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した場合には、第2特別電動役物についての開閉実行モード(以下、「V入賞大当たりに基づく開閉実行モード」とも呼ぶ)が開始され、可変入賞装置36の開閉扉36bは、遊技球が入球可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。本実施形態では、利益付与条件として可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、予め定められた賞球数である15個の遊技球が賞球として払出装置71によって払い出される。可変入賞装置36は、右打ちで遊技された場合に遊技球が入球可能であり、左打ちで遊技された場合に遊技球が入球不能である。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、可変入賞装置36、または小当たり専用可変入賞装置57に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、可変入賞装置36の大入賞口36a、V入賞口59、及びアウト口43のそれぞれに入球した遊技球は、遊技盤30に形成された個別の開口部を通って遊技盤30の背面側に誘導され、遊技盤30の背面に設けられた排出通路に最終的に合流するように構成されている。当該排出通路には、遊技球を検知する排出通路検知センサーが設けられている。排出通路検知センサーによって遊技球を検知することによって、遊技盤30に発射された遊技球の個数を把握することが可能となっている。
なお、「入球」とは遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過することを意味し、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行わせる。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行わせる。
第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。換言すれば、当たり抽選で大当たり当選し、確変大当たり図柄が表示された場合に、ラウンド遊技の最中に遊技者が可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球を入球させなかった場合に賞球の付与を受けることなく開閉実行モードが終了し、新たな遊技回の変動表示が実行可能となる。すなわち、当たり抽選で大当たり当選したからといって、遊技者は、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球を入球させない限り、賞球を得ることが出来ない。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、およびラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置に換えてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入球を契機とした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行う。さらに、図柄表示装置41は、第1表示態様としての遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることを遊技者に報知するための演出(右打ち報知演出)や、第2表示態様としての遊技球発射機構による発射態様を右打ちから左打ちに戻すことを遊技者に報知するための演出(左打ち報知演出)、第3表示態様としての遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることによってV入賞口59に遊技球を入球させることを遊技者に報知するためのV狙い報知演出なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図211は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図211(a)は、図柄表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図211(a)に示すように、図柄表示装置41には、装飾図柄として、数字の1~8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される装飾図柄として、数字の1~8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図211(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、図211(a)に示した数字1~8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図211(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL1上に停止した状態で表示される。
具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入球すると、各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1~Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が所定の当たり当選である小当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。なお、図柄表示装置41における装飾図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、装飾図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、「遊技回」とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が停止して停止表示となり、当該停止表示が終了するまで(言い換えれば、当該停止表示の確定時間が終了するまで)を言い、第1始動口33及び第2始動口34のいずれかの入球に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33及び第2始動口34のいずれかの入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させ、当該停止表示を所定期間(確定時間とも呼ぶ)継続する。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33及び第2始動口34のいずれかの入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させ、当該停止表示を確定時間、継続する。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である確定時間とによって構成されている。
さらに、図211(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1が表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33に入球した遊技球の保留個数は、最大4つまでである。
また、図211(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した第1表示態様としての点滅表示および第2表示態様としての点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、第1保留表示領域Ds1、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
《5-2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図212は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムを実行するCPU(図示せず)と、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート(図示せず)及び出力ポート(図示せず)がそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力ポートには、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また電源装置85は、コンデンサ(図示せず)を備えており、停電が発生した場合や電源スイッチ88(図209)がOFFにされた場合には、所定期間、各装置への電力供給を継続する。
また、主制御基板61の入力ポートには、各種検知センサー67a~67fが接続されている。具体的には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36、V入賞口59などの各種の入球口に設けられた複数の検知センサと接続されている。主制御基板61のMPU62は、各種検知センサ67a~67fからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲート35を通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特図当たり抽選(特図1当たり抽選又は特図2当たり抽選)を実行するとともに、スルーゲート35への入球に基づいて普通電動役物開放抽選を実行する。
主制御基板61の出力ポートには、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bを開閉動作させる第1特別電動役物駆動部57cと、第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる第2特別電動役物駆動部36cと、普通電動役物34aを開閉動作させる普通電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、小当たりに基づく開閉実行モードにおいては、小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bが開閉されるように第1特別電動役物駆動部57cの駆動制御を実行し、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードにおいては、可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉されるように第2特別電動役物駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、普通電動役物34aが開放されるように普通電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行する。また、小当たりに基づく開閉実行モードおよびV入賞大当たりに基づく開閉実行モードにおいては、当該開閉実行モードにおいて当たり種別が決定され当該開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数が決定した場合には、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
主制御基板61の出力ポートには、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。具体的には、一般入賞口32への入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、小当たり専用可変入賞装置57の大入賞口57a又は可変入賞装置36の大入賞口36aへの遊技球の入球を特定した場合には予め定められた賞球数の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して付与価値としての賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、利益付与条件として所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25と、遊技球発射ボタン26とが接続されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、利益付与条件として所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、付与価値としてのリーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、付与価値としての各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、図柄の組み合わせが停止表示している時間である停止時間(確定時間)は一定である。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図213は、特図当たり抽選や普通電動役物開放抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、特図当たり抽選(特図1当たり抽選又は特図2当たり抽選)には当たり乱数カウンタC1が用いられる。小当たり当選した時またはV入賞大当たり当選した時において発生するラウンド遊技の回数等を定める当たり種別を振り分ける際には当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の普通電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
所定情報としての各カウンタC1~C4、CINI、CSは、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、更新終了状態である最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
RAM64には、保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。第1保留エリアRaには、第1始動口33に入球した遊技球の保留個数の最大値に対応した4個のエリア、すなわち、第1エリア、第2エリア、第3エリア、および第4エリアが設けられている。第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報(以下、特図1保留とも呼ぶ)として、第1~第4エリアのうちの一つのエリアに記憶される。第1~第4エリアのいずれに記憶されるかは、入球の順序によって決定されており、入球のタイミングが早いほど上位のエリア(第1エリアが最も上位のエリア)に記憶される。
また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。第2保留エリアRbには、第2始動口34に入球した遊技球の保留個数の最大値に対応した4個のエリア、すなわち、第1エリア、第2エリア、第3エリア、および第4エリアが設けられている。第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報(以下、特図2保留とも呼ぶ)として、第1~第4エリアのうちの一つのエリアに記憶される。第1~第4エリアのいずれに記憶されるかは、入球の順序によって決定されており、入球のタイミングが早いほど上位のエリア(第1エリアが最も上位のエリア)に記憶される。
当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。当たり乱数カウンタC1は、例えば、0~1199の範囲内で順に1ずつ加算され、更新終了状態である最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~1199)。
当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、実行中の遊技回が終了する毎に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、小当たり当選となるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、小当たり当選となるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。具体的には、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されている所定情報としてのデータを判定処理実行エリア64cに移動させ、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。データのシフトは、第1~第4エリアに格納されているデータを上位エリア側に順にシフトさせるものである。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。
また、第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。具体的には、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されている所定情報としてのデータを判定処理実行エリア64cに移動させ、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。データのシフトは、第1~第4エリアに格納されているデータを上位エリア側に順にシフトさせるものである。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。
なお、上述した説明では、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値がどのようにシフトされるかを説明したが、当たり乱数カウンタC1の値に限るものではなく、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1以外のカウンタ(当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCS)の各値についても、同様にシフトされる。
次に、当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。当たり種別カウンタC2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、更新終了状態である最大値に達した後0に戻るように構成されている。
当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行うとともに、当たり抽選の結果が小当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている当たり種別カウンタC2の値を用いて当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、更新終了状態である最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、当たり抽選の結果が小当たり当選となり、小当たりに基づく開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示面41aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図211(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、小当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
リーチは、リーチ演出の内容によって、第1表示態様としてのノーマルリーチ、第2表示態様としてのスーパーリーチ、第3表示態様としてのスペシャルリーチの3種類に分類される。ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が大当たり当選の期待度(信頼度)が高いリーチ演出が実行され、スーパーリーチよりもスペシャルリーチの方が大当たり当選の期待度が高いリーチ演出が実行される。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、更新終了状態である最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶された変動種別カウンタCSの値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、第1図柄表示部37aにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して使用される。第2保留エリアRbに記憶された変動種別カウンタCSの値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して使用される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。なお、本実施形態のパチンコ機10では、変動パターンの種別に応じてリーチ演出の内容(すなわちリーチの種類)を特定できる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0~465の範囲内で順に1ずつ加算され、更新終了状態である最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電役実行エリア64eに移動した後、電役実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて普通電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選(以下、電動役物開放抽選と呼ぶ)が行われる。具体的には、電役実行エリア64eにおいて、ROM63の役物抽選用テーブル記憶エリア63eに記憶されている当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)と電動役物開放カウンタC4の値とが照合され、普通電動役物34aを開放状態に制御するか否かが決定される。
なお、取得された当たり乱数カウンタC1の値、当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、変動種別カウンタCS、および電動役物開放カウンタC4の値の内の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値、当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、および変動種別カウンタCSの値の内の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、当たり乱数カウンタC1に基づいて当たり抽選を行う際に、当該当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。本実施形態においては、パチンコ機10は、第1始動口33への遊技球の入球を契機として保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34への遊技球の入球を契機として保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、前者の当否テーブル、すなわち特図1当たり抽選用の当否テーブルと、後者の当否テーブル、すなわち特図2当たり抽選用の当否テーブルとを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図214は、特図当たり抽選用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図214(a)は特図1当たり抽選用の当否テーブルを示し、図214(b)は特図2当たり抽選用の当否テーブルを示している。
図214(a)に示すように、特図1当たり抽選用の当否テーブルには、小当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、0~19の20個の値が設定されている。そして、0~3849の3850個の値のうち、0~19の20個の値以外の値(20~3849)が外れである。すなわち、特図1当たり抽選用の当否テーブルによれば、3850個のうちの20個が出現する確率、すなわち1/192.5となるように、小当たりの当選確率が設定されている。なお、本実施形態では、特図1当たり抽選の結果として、大当たりは設定されておらず、小当たりと外れのみが設定されている。ただし、本実施形態の変形例として、小当たりに加えて大当たりも設定された構成としてもよい。
「小当たり」とは、小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bの開閉が実行される小当たりに基づく開閉実行モードへの移行契機とはなるが、サポートモードについては移行契機とならない当否結果である。本実施形態では、小当たりに基づく開閉実行モードにおける開放状態となる回数(ラウンド回数)は1回に限定されており、その1回の開閉扉57bの開放時間は、例えば1.8秒である。なお、変形例として、開閉扉57bの開閉が実行されるモードにおける開放状態となる回数は、1回に換えて、2回以上としてもよい。小当たりの際の小当たり専用可変入賞装置57の1回の開閉扉57bの開放時間は、0.2秒に換えて、0.1秒等の他の時間としてもよい。
「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、サポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
一方、図214(b)に示すように、特図2当たり抽選用の当否テーブルには、小当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、0~499の500個の値が設定されている。そして、0~3849の3850個の値のうち、0~499の500個の値以外の値(500~3849)が外れである。すなわち、特図2当たり抽選用の当否テーブルによれば、3850個のうちの500個が出現する確率、すなわち、1/7.7となるように、小当たりの当選確率が設定されている。なお、本実施形態では、特図2当たり抽選の結果として、大当たりは設定されておらず、小当たりと外れのみが設定されている。
図214によれば、図214(b)の特図2当たり抽選用の当否テーブルにおいて設定される小当たりの当選確率は、図214(a)の特図1当たり抽選用の当否テーブルにおいて設定される小当たりの当選確率よりも高い値となってる。これによって、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選よりも、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選の方が遊技者にとっての有利性が高いものとなっている。なお、特図1当たり抽選用の当否テーブルにおいて設定される小当たりの当選確率は、1/192.5に限る必要はなく、他の値としてもよい。また、特図2当たり抽選用の当否テーブルにおいて設定される小当たりの当選確率は、1/7.7に限る必要はなく、他の値としてもよい。
本実施形態では、特図1当たり抽選用の当否テーブルに小当たりとして設定されている当たり乱数カウンタC1の値群は、特図2当たり抽選用の当否テーブルに小当たりとして設定されている当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、小当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
次に、当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の2つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(2)開閉実行モード終了後の第2始動口34の普通電動役物34aのサポートモード
パチンコ機10には、上記の(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が1又は複数回(例えば16回)行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するように設定可能である。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が6個となるまで継続するよう設定可能である。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。上記具体例の場合、低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2secである。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入球が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入球が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入球が発生しない構成としてもよい。
パチンコ機10には、上記の(2)開閉実行モード終了後の第2始動口34の普通電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の普通電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に普通電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されていてもよい。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に普通電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されてもよい。さらに、普通電動役物34aの1回の開放時間が長く設定された構成としてもよい。また、高頻度サポートモードで電役開放当選となり普通電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。なお、本実施形態のパチンコ機10では、いわゆる一種二種混合機を改良したものであり、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードを、当たり抽選における当選確率を高くする高確率モードに移行させる構成は採用していない。
本実施形態では、当たり抽選の結果、小当たりとなった場合には、当たり種別カウンタC2を用いて、当たり種別を振り分ける。当たり種別カウンタC2の値に対応する当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図215は、小当たり用の振分テーブルの内容を示す説明図である。図215(a)は特図1小当たり用の振分テーブルを示し、図215(b)は特図2小当たり用の振分テーブルを示している。特図1小当たり用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で小当たりに当選した際に参照され、特図2小当たり用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で小当たりに当選した際に参照される。
図215(a)に示すように、特図1小当たり用の振分テーブルには、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で小当たりに当選した際の当たり種別として、「1R小当たり」が設定されている。具体的には、「0~99」の当たり種別カウンタC2の値のうちの全てが1R小当たりに対応している。
小当たりは、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードにおける小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bの開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードについては移行契機とならない当否結果である。1R小当たりは、小当たりに基づく開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が1回(1ラウンド)となっている。なお、小当たりに基づく開閉実行モードの開閉制御の対象は、第1特別電動役物である。変形例として、小当たりに基づく開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数は、1回(1ラウンド)に換えて、2回以上としてもよい。
図215(b)に示すように、特図2小当たり用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で小当たりに当選した際の当たり種別として、「1R小当たり」が設定されている。具体的には、「0~99」の当たり種別カウンタC2の値のうちの全てが1R小当たりに対応している。すなわち、特図2小当たり用の振分テーブルは、特図1小当たり用の振分テーブルと同一の内容を備える。なお、変形例として、特図1小当たり用の振分テーブルと特図2小当たり用の振分テーブルとが相違する構成としてもよい。
このように本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で小当たりに当選した際と、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で小当たりに当選した際との両方共に、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bを1ラウンドだけ開放するように、特図1小当たり用の振分テーブルと特図2小当たり用の振分テーブルとによって定められている。
本実施形態では、V入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した場合にも、小当たりに当選した際に取得された当たり種別カウンタC2を用いて、当たり種別を振り分ける。当たり種別カウンタC2の値に対応する当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図216は、V入賞大当たり用の振分テーブルの内容を示す説明図である。図216(a)は特図1V入賞大当たり用の振分テーブルを示し、図216(b)は特図2V入賞大当たり用の振分テーブルを示している。特図1V入賞大当たり用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した際に参照され、特図2小当たり用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した際に参照される。
図216(a)に示すように、特図1V入賞大当たり用の振分テーブルには、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した際の当たり種別として、「4R大当たり」が設定されている。具体的には、「0~99」の当たり種別カウンタC2の値のうちの全てが4R大当たりに対応している。
大当たりは、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、当該開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる当否結果である。4R大当たりは、当該開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が4回(4ラウンド)となっている。なお、当該開閉実行モードの開閉制御の対象は、第2特別電動役物である。当該開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードとなることによって移行する高サポ状態が継続する遊技回の実行回数は1回までに制限されている。
図216(b)に示すように、特図2V入賞大当たり用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した際の当たり種別として、「4R大当たり」と「15R大当たり」が設定されている。具体的には、「0~99」の当たり種別カウンタC2の値のうち、0~49の50個の値が「4R大当たり」であり、0~49の50個の値以外の値(50~99)が「15R大当たり」である。
15R大当たりは、当該開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が15回(15ラウンド)となっている。なお、図216(b)における当該開閉実行モードの開閉制御の対象は、第2特別電動役物である。また、当該開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードとなることによって移行する高サポ状態が継続する遊技回の実行回数は7回までに制限されている。すなわち、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で小当たりに当選してV入賞大当たりした際の高サポ状態が継続する遊技回の実行回数は1回であるのに対して、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で小当たりに当選してV入賞大当たりした際の高サポ状態が継続する遊技回の実行回数は7回と大きな数となっている。これによって、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で小当たりに当選してV入賞大当たりした際の方が、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で小当たりに当選してV入賞大当たりした際よりも高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が多くなり、遊技者にとっての有利性が高いものとなっている。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、V入賞大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいてV入賞大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいてV入賞大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
なお、本実施形態では、図216(b)の特図2V入賞大当たり用の振分テーブルにおいて、上述したように、大当たりの種別として、4R大当たり、15R大当たりの2種類が設定されているが、2種類に限る必要はなく、例えば8R大当たりを含む3種類としてもよいし、4種類や、5種類以上の数としてもよい。さらに、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数は、4R、15Rに限る必要はなく、例えば、8R、16R等の他の回数としてもよい。また、図216(a)の特図1V入賞大当たり用の振分テーブルにおいても、同様に、振り分ける種類の数を変形してもよく、また、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数について4Rに換えて、他の回数としてもよい。要は、特図2当たり抽選で小当たりに当選してV入賞大当たりした際の方が、特図1当たり抽選で小当たりに当選してV入賞大当たりした際よりも遊技者にとっての有利性が高いものであり、かつ、天井時短が発動される際の方が特図1当たり抽選で小当たりに当選してV入賞大当たりした際よりも遊技者にとっての有利性が高いものであれば、特図1V入賞大当たり用の振分テーブルおよび特図2V入賞大当たり用の振分テーブルにおける振り分ける種類の数や、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数はいずれであってもよい。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行うとともに、実行エリアAEに記憶されている当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
図217は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図217(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図217(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役短開放に当選したこととなる電動役物開放カウンタC4の値として0~1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2~465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役短開放に当選したこととなる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役短開放に当選したこととなった場合には、普通電動役物34aが1回開放し、その開放時間は0.6秒である。
図217(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図216(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役長開放に当選したこととなる電動役物開放カウンタC4の値として0~461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462~465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役長開放に当選したこととなる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役長開放に当選したこととなった場合には、普通電動役物34aが1回開放し、その開放時間は5.0秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。この結果、高頻度サポートモード時には、第2始動口34に向かって流下した遊技球は、100%の確率に近い確率で第2始動口34に入球することになる。なお、電役短開放に当選した場合、電役長開放に当選した場合の各開放時間は、上記の例に限る必要はなく、他の時間としてもよい。
《5-3》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図218は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85(図212)等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、CPU、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。これらの詳細については後述する。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、主制御装置60と演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46や各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄、絵図などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄や表示絵図のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
音声発光制御装置90のMPU92が、遊技の進行に対応させて、表示制御装置100に向けてコマンド(演出コマンド)を送信する。表示制御装置100のMPU102は、音声発光制御装置90からの演出コマンドを受信すると、当該演出コマンドに規定されている演出内容に応じて、使用する表示データテーブルをワークRAM104から選定して、選定した表示データテーブルをワークRAM104内の表示データテーブルバッファに格納する共に、表示データテーブルにおける現在の実行位置を把握するためのポインタを初期位置を示す「0」に設定する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタを1加算することで更新して、表示データテーブルにおいてポインタが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像データの種類や、画像データの表示位置、画像データの拡大縮小率等(描画リスト)を更新して、その更新した描画リストをVDP105に対して送信する。上記表示データテーブルにおけるポインタの加算は、表示制御装置100によって実行されるソフトウェアによる更新処理によって行なわれる。
VDP105は、描画リストを受信すると、受信した描画リストに基づいてキャラクタROM106から画像データを読み出し、その読み出した画像データを描画リストに基づく位置や表示方法で1フレーム分の画像を描画して、ビデオRAM107内の第1フレームバッファ107aおよび第2フレームバッファ107bのいずれか一方のフレームバッファに上記描画した画像を展開するとともに、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像を図柄表示装置41へ出力することによって、図柄表示装置41に画像を表示させる。VDP105は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、図柄表示装置41における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、約20ミリ秒。以下、「20ミリ秒」と表現する)の中で並列処理する。
VDP105は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、表示制御装置100のMPU102に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と呼ぶ)を送信する。MPU102は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理を実行し、VDP105に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、VDP105は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を図柄表示装置41に表示させる表示処理を実行する。
このように、表示制御装置100のMPU102は、VDP105からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、VDP105に対して描画指示を行うので、VDP105は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU102より受け取ることができる。よって、VDP105では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファ107a,107bに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
上記のようにして、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から各種演出に対応するコマンド(演出コマンド)を受信した後、音声発光制御装置90とは独立して、演出コマンドに対応する画像の表示を実行することが可能となる。
上記演出の一つである図柄変動演出を例に挙げて、演出コマンドに対応する画像の表示をさらに詳しく説明する。
図211を用いて先に説明したように、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入球すると、各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始され、そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1~Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。本実施形態のパチンコ機10では、主制御装置60による当たり抽選の結果が小当たり当選であり、振分テーブルによる振り分け結果が15R大当たりである場合には、停止表示された図柄の並び(停止図柄)は「7」図柄の組合せ、すなわち、777となる。主制御装置60による当たり抽選の結果が小当たり当選であり、振分テーブルによる振り分け結果が4R大当たりである場合には、停止図柄は7以外の同一図柄の組合せ、すなわち、111、222、333、444、555、666、または888となる。
音声発光制御装置90のMPU92は、図柄変動演出を規定する演出コマンドとして、変動表示が開始されてから停止図柄に至るまでの変動表示を示す変動表示パターンを指定する変動表示パターン指定コマンドと、停止図柄を指定する停止図柄指定コマンドとを、表示制御装置100に向けて送信する。
音声発光制御装置90のMPU92は、主制御装置60による当たり抽選の結果が小当たり当選であり、振分テーブルによる振り分け結果が4R大当たりである場合(以下、単に「4R大当たりに当選した場合」とも呼ぶ)に、変動表示パターン指定コマンドによって指定する変動表示パターンとして、各図柄列Z1~Z3の図柄が変動表示を開始し、最後の1フレームが停止図柄と同じ7以外の同一図柄の組合せとなる内容を設定する。この場合に、停止図柄指定コマンドによって指定する停止図柄の情報として、変動表示パターンの最後の1フレームと同じ7以外の同一図柄の組合せを確定時間だけ継続表示する内容を設定する。
また、音声発光制御装置90のMPU92は、主制御装置60による当たり抽選の結果が小当たり当選であり、振分テーブルによる振り分け結果が15R大当たりである場合(以下、単に「15R大当たりに当選した場合」とも呼ぶ)に、変動表示パターン指定コマンドによって指定する変動表示パターンとして、各図柄列Z1~Z3の図柄が変動表示を開始し、最後の1フレームが777となる内容を設定する。この場合に、停止図柄指定コマンドによって指定する停止図柄の情報として、777を確定時間だけ継続表示する内容を設定する。また、この場合に、停止図柄指定コマンドによって指定する停止図柄の情報として、停止図柄である777を一定時間だけ継続表示する内容に換えて、一旦、4R大当たりに振り分けられたように7以外の同一図柄の組合せを表示し、その後、各図柄列Z1~Z3の図柄が変動表示を再開し、その後、777に変化(昇格)し、777を確定時間だけ継続表示する内容としてもよい。
音声発光制御装置90のMPU92は、図柄変動演出の中で、変動表示パターン指定コマンドを表示制御装置100に向けて送信し、その後、停止図柄指定コマンドを表示制御装置100に向けて送信する。これらコマンドを受信した表示制御装置100では、表示制御装置100のMPU102とVDP105とが協働して、変動表示パターン指定コマンドによって指定された変動表示パターンと停止図柄指定コマンドに指定された停止図柄とを含む図柄変動演出を、図柄表示装置41に表示させる。この結果、所定の当たり当選である4R大当たりに当選した場合に、各図柄列Z1~Z3の図柄が変動表示を開始し、最終的に7以外の同一の図柄の組合せで停止し、その停止した図柄の並びを確定時間だけ継続表示する。また、所定の当たり当選である15R大当たりに当選した場合に、各図柄列Z1~Z3の図柄が変動表示を開始し、最終的に777で停止し、その停止した777の並びを確定時間だけ継続表示する。あるいは、15R大当たりに当選した場合に、各図柄列Z1~Z3の図柄が変動表示を開始し、一旦、4R大当たりに振り分けられたように7以外の同一図柄の組合せを表示し、その後、各図柄列Z1~Z3の図柄が変動表示を再開し、その後、777に変化(昇格)し、777を確定時間だけ継続表示する。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《5-4》遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について、主に図219を用いて説明する。
《5-4-1》決戦ステージとラッシュステージの構成:
本実施形態のパチンコ機10では、当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した際に、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの終了後に、サポートモードが高頻度サポートモードである所定遊技状態としての高サポ状態となる。本実施形態のパチンコ機10では、この高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が、上記当たり抽選が第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選である場合と、上記当たり抽選が第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選である場合とで異なる構成とすることで、2種類の遊技ステージを作り出している。
図216(a)の特図1V入賞大当たり用の振分テーブルに示すように、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で小当たりに当選した際には、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの終了後の高サポ状態は、遊技回の実行回数が1回までに制限されている。所定有利状態でもある高サポ状態においては、スルーゲート35を通過したことを契機として実行される電動役物開放抽選の結果が電役長開放当選となる確率が231/233と極めて高いことから、普通電動役物34aが高い頻度で電役長開放状態となる。このため、サポートモードが高頻度サポートモードである場合、遊技球発射機構によって推奨される発射態様は右打ちとなる。遊技者は、右打ちを行い、普通電動役物34aが備えられた第2始動口34へ遊技球を入球させるように遊技を行う。このようにして、高サポ状態における1回の遊技回の実行中、すなわち、特図2変動中において、遊技者は、特図2の保留が最大4個、貯えられるように遊技を行なう。この結果、最初の1回転分の特図2変動と、特図2変動中において貯えられた最大4個分の特図2変動とで、最大5回の特図2変動が実行されることになる。この最大5回の特図2変動が行われる期間が、2種類の遊技ステージのうちの第1の遊技ステージである。以下、当該第1の遊技ステージを「決戦ステージ」と呼ぶ。
決戦ステージにおいては、上記のように最大5回の特図2変動が実行されるが、この特図2変動に係る特図2当たり抽選において小当たりする当選確率は、図214(b)の特図2当たり抽選用の当否テーブルに示すように1/7.7であることから、決戦ステージ中に小当たり当選する確率(以下、ラッシュ突入率と呼ぶ)P1は、下記の計算式(3)に従って約50%となる。
ラッシュ突入率P1=1-{(77-10)/77}^5...(3)
ただし、^は、べき乗を表す。
図216(b)の特図2V入賞大当たり用の振分テーブルに示すように、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で小当たりに当選した際には、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの終了後の高サポ状態は、遊技回の実行回数が7回までに制限されている。遊技者は、右打ちすることによって、この遊技回の実行中、すなわち、特図2変動中において、特図2の保留が最大4個、貯えられるように遊技を行なう。この結果、最初の7回転分の特図2変動と、特図2変動中において貯えられた最大4個分の特図2変動とで、最大11回の特図2変動が実行されることになる。この最大11回の特図2変動が行われる期間が、2種類の遊技ステージのうちの第2の遊技ステージである。以下、当該第2の遊技ステージを「ラッシュステージ」と呼ぶ。
ラッシュステージにおいては、上記のように最大11回の特図2変動が実行されるが、この特図2変動に係る特図2当たり抽選において小当たりする当選確率は、図214(b)の特図2当たり抽選用の当否テーブルに示すように1/7.7であることから、ラッシュステージ中に小当たり当選する確率(以下、ラッシュ継続率と呼ぶ)P2は、下記の計算式(4)に従って約78%となる。
ラッシュ継続率P2=1-{(77-10)/77}^11...(4)
ただし、^は、べき乗を表す。
本実施形態のパチンコ機10では、遊技者は、通常状態H1において小当たり当選することによって、ラッシュ突入率が約50%である決戦ステージH4に移行し、当該決戦ステージH4において小当たり当選することによって、ラッシュ継続率が約78という高い継続率を実現するラッシュステージH7に移行するように遊技を進める。こうした遊技の流れについては、後ほど詳述する。
《5-4-2》天井時短機能の構成:
次に、本実施形態のパチンコ機10が備える天井時短(いわゆる遊タイム)機能について説明する。
天井時短機能は、通常状態(低サポ状態)中の遊技回の実行回数が規定回数(本実施形態では、例えば1000回)に達した場合に、サポートモードを高頻度サポートモードに移行する機能である。主制御装置60のMPU62は、初期化条件成立時に予め定められた規定回数を天井回数カウンタにセットし、通常状態において遊技回が実行される毎に所定情報としての天井回数カウンタの値を1だけデクリメント(減算)する。天井回数カウンタは、RAM64の各種カウンタエリア64fに記憶される。初期化条件成立時とは、パチンコ機が初期化されたとき(RAMがクリアされたとき)、または大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)したときが該当する。大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)したときは、付与価値が発生することが確約された状態であることから、天井回数カウンタは、初期状態である規定回数が設定される。このために、大当たり当選した場合に、遊技者は、ラッシュ状態に移行しなかった場合にはラウンド遊技の終了後に、ラッシュ状態に移行した場合には当該ラッシュ状態を抜けた後に、新たな気持ちで天井回数カウンタの値が規定回数から更新されることを楽しむことができる。また、変形例として、初期化条件成立時は、パチンコ機10の電源投入時も含む構成としてもよい。上記天井回数カウンタの値のデクリメントは、主制御装置60によって実行されるソフトウェアによる更新処理によって行なわれる。
すなわち、天井回数カウンタは、パチンコ機が初期化されたときに規定回数に設定され、その後、通常状態において遊技回が実行される毎に1だけデクリメントされ、大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む、以下同じ)する毎に規定回数に設定し直される。換言すれば、天井回数カウンタは、初期化条件成立時から大当たり当選するまでの所定遊技状態において、遊技回が実行される毎に1だけデクリメントされることになる。ここで、遊技回が実行される毎に天井回数カウンタの値を1だけデクリメントするとは、具体的には、遊技回における停止表示の終了時(確定時間の終了時)を特定条件が成立した場合として、当該特定条件が成立した場合に天井回数カウンタの値を1だけデクリメントする構成とした。なお、特定条件を、遊技回における停止表示の終了時に換えて、遊技回における変動表示の開始時、遊技回における変動表示の終了時、などとしてもよい。
そして、MPU62は、天井回数カウンタの値が0に達した場合、すなわち所定情報が更新終了状態となった場合に、天井条件成立フラグをONするとともに、カウンタ更新終了フラグをONする。天井条件成立フラグおよびカウンタ更新終了フラグは、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている。天井条件成立フラグは、初期化条件成立時からの通常状態中の遊技回の実行回数が規定回数に達したか否かを特定するフラグである。カウンタ更新終了フラグは、天井回数カウンタの更新を終了した状態にあるか否かを特定するフラグである。天井条件成立フラグおよびカウンタ更新終了フラグのそれぞれは、上述した初期化条件成立時にOFFされ、天井回数カウンタの値が0に達した場合にONされる。なお、天井条件成立フラグおよびカウンタ更新終了フラグが同じタイミングでON/OFFされるのにもかかわらず、両フラグを用意した理由については後述する。
さらに、MPU62は、天井条件成立フラグがONであるか否かを判定する天井条件判定処理を、サポートモードが低頻度サポートモードである通常時に遊技回が実行される毎に行なう。そして、天井条件判定処理において、天井条件成立フラグがONであると判定された場合に、所定回数の時短付与を実行する。また、天井条件判定処理において、天井条件成立フラグがONであると判定された場合に、例えば「チャンスタイム」といった文字が出現する天井到達報知演出を付与価値として図柄表示装置41に表示させる。なお、変形例として、天井条件成立フラグを用意することなく、天井回数カウンタの値を直接見て、天井回数カウンタの値が0となった場合に、所定回数の時短付与を実行する構成としてもよい。
「所定回数の時短付与」は、サポートモードを高頻度サポートモードに移行し、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回の実行回数が予め定めた回数(以下、時短付与回数とも呼ぶ)に達するまで、サポートモードとして高頻度サポートモードを継続することである。本実施形態のパチンコ機10では、時短付与回数は例えば100回と大きな回数に定められており、当該時短付与回数以内の遊技回で100%に近い高確率で小当たりに当選可能なように定められている。本実施形態のパチンコ機10では、時短付与がなされている最中、すなわちサポートモードが高頻度サポートモードであるときの小当たり当選確率は、図214(b)の特図2当たり抽選用の当否テーブルから1/7.7となっていることから、例えば100回といった大きな回数の時短付与であれば、100%に近い高確率で小当たりに当選することができる。以下、時短付与によって高頻度サポートモードが継続されている期間を「天井到達ステージ」と呼ぶ。天井到達ステージにおいては、約100%の高確率で小当たりに当選することができ、ラッシュ突入率は約100%となる。まとめると、所定情報が更新終了状態となった後、具体的には天井回数カウンタが規定回数に到達した後の予め定められたタイミングで、所定有利状態としての所定回数の時短付与が実行される。
なお、時短付与回数は、100回に限る必要はなく、当該時短付与回数以内の遊技回で高確率で小当たりに当選することが可能であれば、例えば50回、80回、110回等の他の回数としてもよい。また、規定回数についても、1000回に限る必要はなく、例えば500回、800回、1100回等の他の回数としてもよい。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、上記時短付与を開始するタイミングは、天井回数カウンタの値が0に達した遊技回における停止表示の終了時(確定時間の終了時)とした。なお、当該停止表示の終了時(確定時間の終了時)に換えて、天井回数カウンタの値が0に達した遊技回における変動表示の開始時、天井回数カウンタの値が0に達した遊技回における変動表示の停止時、などに時短付与を開始する構成としてもよい。また、上記時短付与を行なうタイミングとして、天井回数カウンタの値が0に達した遊技回の次の遊技回における変動表示の開始時、当該次の遊技回における変動表示の停止時、または、当該次の遊技回における停止表示の終了時(確定時間の終了時)、などを採用する構成としてもよい。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、上述した天井回数カウンタの更新は、第1始動口33への遊技球の入球に基づく特図1の遊技回、第2始動口34への遊技球の入球に基づく特図2の遊技回のいずれの場合にも行なわれる構成とした。これに対して、変形例として、第1始動口33への遊技球の入球に基づく特図1の遊技回が実行されるときに限り、天井回数カウンタが更新される構成としてもよい。天井時短を発生させるための遊技回の実行回数は通常状態中の遊技回に限ることから、天井回数カウンタの更新を特図1の遊技回に限る構成としても問題はないためである。この変形例によれば、制御を簡易化することができる。
天井到達ステージにおいて小当たりに当選した場合、小当たりに基づく開閉実行モードが実行され、当該開閉実行モードの終了後にV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選し、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードが実行される。そして、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの終了後に、付与価値としてサポートモードが高頻度サポートモードである高サポ状態を維持する。天井到達ステージにおける小当たり当選は、特図2当たり抽選での小当たり当選であることから、図216(b)の特図2V入賞大当たり用の振分テーブルによれば、当該高サポ状態が継続する遊技回の実行回数は7回までに制限される。この結果、先に説明したラッシュステージに遊技状態が移行することになる。
上記天井時短機能によれば、天井回数カウンタを規定回数からデクリメントし、天井回数カウンタの値が0に達した場合に、天井条件成立フラグをONする構成としていたが、これに換えて、天井回数カウンタを0からインクリメントし、天井回数カウンタの値が規定回数に達した場合に、天井条件成立フラグをONする構成としてもよい。また、インクリメントやデクリメントに換えて他の演算によって、天井回数カウンタを更新する構成としてもよい。
先に説明したように、天井条件成立フラグおよびカウンタ更新終了フラグのそれぞれは、初期化条件成立時にOFFされ、天井回数カウンタの値が0に達した場合にONされる。天井条件成立フラグは、天井時短用処理においてサポートモードを高頻度サポートモードに移行する処理が実行される条件として機能するフラグである。これに対して、カウンタ更新終了フラグは、当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となった場合に、後述するV狙い報知演出とV狙い非推奨報知演出とのいずれを行なうかを判定する処理が実行される条件として機能するフラグである。このように両フラグは用途が相違することから、本実施形態では天井条件成立フラグとカウンタ更新終了フラグとの両方を用意する構成とした。しかしながら、天井条件成立フラグおよびカウンタ更新終了フラグのそれぞれは、上述したようにON/OFFされるタイミングが同一であることから、本実施形態の変形例として一方のフラグで他方のフラグを代用する構成としてもよい。具体的には、本実施形態の変形例として、カウンタ更新終了フラグを無くして、当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となった場合に、V狙い報知演出とV狙い非推奨報知演出とのいずれを行なうかを判定する処理が実行される条件として天井条件成立フラグを用いる構成としてもよい。
《5-4-3》遊技の流れ:
本実施形態のパチンコ機10では、遊技を進行する上で遷移する遊技状態として、上述したように、通常状態、小当たりに基づく開閉実行モード、V入賞大当たりに基づく開閉実行モード、決戦ステージ、ラッシュステージ、天井到達ステージ等を取り得る。これらの遊技状態の間で状態を遷移しながら遊技が進行される。
図219は、パチンコ機10における遊技の流れを示す説明図である。遊技を開始すると、当初は所定遊技状態としての通常状態H1である。通常状態H1は、サポートモードが低頻度サポートモードである低サポ状態である。低サポ状態では、推奨される発射態様が左打ちであり、遊技者は左打ちで遊技を行なうことによって遊技領域PAの左側に遊技球を流下させ、第1始動口33に遊技球を入球させる。第1始動口33に遊技球が入球すると、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選(特図1当たり抽選)がなされ、当該当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知するための遊技回が実行される。
通常状態H1で実行される遊技回は、第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行されるものである。通常状態H1で実行された遊技回における特図1当たり抽選の抽選結果が外れの場合には、通常状態H1が継続され、遊技者は第1始動口33に遊技球を入球させ、遊技回を実行させる。なお、通常状態H1において左打ちで遊技を行っていると、図柄表示装置41には、遊技球発射機構による発射態様を遊技者に報知するための報知演出(例えば左打ち報知演出)はなんら表示されない。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、第1始動口33へ遊技球を入球させた場合より、第2始動口34へ遊技球を入球させた場合の方が遊技者にとっての有利性が高いものとなっている。このために、本実施形態のパチンコ機10では、右打ちルート上に第2始動口34を設け、第2始動口34に普通電動役物34aを設けることによって、サポートモードが低頻度サポートモードである通常状態H1において、右打ちしても第2始動口34に遊技球が入球しない構成とすることで、通常状態H1において右打ちで遊技が行なわれないように通常時右打ち対策がなされている。そこで、本実施形態のパチンコ機10では、通常状態H1において左打ちで遊技を行わないと遊技者は利益を得られないので、通常状態H1において右打ちで遊技が行われていることを検出すると、遊技球発射機構による発射態様を右打ちから左打ちに戻すことを遊技者に報知するための左打ち報知演出を図柄表示装置41に表示させる。
また、通常状態H1では、天井条件判定処理を実行する。天井条件判定処理によれば、天井時短を付与する条件が成立したか否かを特定する天井条件成立フラグがONであるか否かの判定がなされる。
通常状態H1で実行された遊技回における当たり抽選において所定の当たり当選である小当たりに当選した場合には、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の大入賞口57aを開閉動作する開閉実行モード(小当たりに基づく開閉実行モード)H2に移行する。
通常状態H1から移行した所定有利状態としての小当たりに基づく開閉実行モードH2では、遊技球発射機構によって遊技球を発射させる遊技方法として、右打ちで遊技を行うことによってV入賞口59に遊技球を入球させることが、原則、推奨される。ここで、「原則」としたのは、当該小当たりした遊技回における通常状態中の遊技回の実行回数(以下、通常時実行回数と呼ぶ)が規定回数(以下、天井到達回数と呼ぶ)に近い場合は、V入賞口59に遊技球を入球させることが遊技者にとって必ずしも有利とは言えないためであり、この通常時実行回数が天井到達回数に近い場合を別として、V入賞口59に遊技球を入球させることを狙うことが推奨される。具体的には、主制御装置60のMPU62は、通常状態H1から移行した小当たりに基づく開閉実行モードH2では、遊技方法の報知演出として、右打ちで遊技を行うことによってV入賞口59に遊技球を入球させることを推奨するV狙い報知演出と、左打ちで遊技を行うことによってV入賞口59に遊技球を入球させないことを推奨するV狙い非推奨報知演出との2種類を用意して、上記原則に当てはまる場合にはV狙い報知演出を図柄表示装置41に表示させ、上記原則に当てはまらない場合にはV狙い非推奨報知演出を図柄表示装置41に表示させる。なお、V狙い報知演出またはV狙い非推奨報知演出は、小当たりに基づく開閉実行モードH2のオープニング期間を利用して表示させる。V狙い報知演出は第1表示態様であり、V狙い非推奨報知演出は第2表示態様である。
上記原則に当てはまるか否かの条件や、V狙い報知演出、V狙い非推奨報知演出については後ほど詳しく説明する。ここでは、原則に当てはまりV狙い報知演出が図柄表示装置41に表示され、当該V狙い報知演出に則って右打ちで遊技がなされるものとして、次の説明を行なう。
小当たりに基づく開閉実行モードH2において、右打ちで遊技がなされることで、小当たりに基づく開閉実行モードH2の作動により開放された大入賞口57aに遊技球が入球して大入賞口57aの内部に設けられたV入賞口59に遊技球が入球した場合、V入賞大当たりに当選となり、第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作する開閉実行モード(以下、「V入賞大当たりに基づく開閉実行モード」とも呼ぶ)H3に移行する。なお、小当たりに基づく開閉実行モードH2の作動により開放された大入賞口57aに遊技球が入球することによって、予め定められた賞球数の遊技球を賞球として得ることができる。通常状態H1で実行された遊技回における当たり抽選において小当たりに当選した場合に、遊技者は、遊技球発射機構によって遊技球を発射させる遊技方法を左打ちから右打ちに切り替えることによってV入賞口59に遊技球を入球させることで、利益付与条件が成立したとして付与価値としてのV入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3への移行が可能となる。このために、遊技者は発射操作を左打ちから右打ちに切り替えるという積極的な操作によって、利益付与条件を成立させることを図ることができる。
一方、小当たりに基づく開閉実行モードH2において、小当たり当選後、所定期間(例えば6秒)の間に、V入賞口59に遊技球が入球しなかった場合には、V入賞大当たりに当選せずに、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3が実行されない。この結果、V入賞口59に遊技球が入球しなかった場合には、通常状態H1に戻る。
所定有利状態としてのV入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3では、推奨される発射態様が右打ちであり、遊技者は右打ちで遊技を行なうことによって遊技領域PAの右側に遊技球を流下させ、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの作動により開放された可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球を入球させる。なお、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3に移行した際には、遊技球発射機構を動作させる発射操作を右打ちとすることを遊技者に報知するための右打ち報知演出が図柄表示装置41に表示される構成としてもよい。その場合、既に遊技者が右打ちにて遊技を行っている場合には、右打ち報知演出を行わない構成としてもよい。V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3は、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選に基づいて小当たり当選してV入賞口59に遊技球が入球することによりV入賞大当たり当選したことによって移行した状態であり、図216(a)の特図1V入賞大当たり用の振分テーブルによれば、ラウンド遊技の回数、すなわち、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数は4回(4ラウンド)となっている。V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの作動により開放された大入賞口に遊技球が1個入球する毎に予め定められた賞球数の遊技球を賞球として得ることができる。そして、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの終了後に、所定遊技状態としての決戦ステージH4に移行する。
決戦ステージH4は、サポートモードが高頻度サポートモードに移行したことによって遷移する高サポ状態である。図216(a)の特図1V入賞大当たり用の振分テーブルにて説明したように、当該高サポ状態が継続する遊技回の実行回数は1回までに制限されている。この1回までの遊技回に制限された高サポ状態では、第2始動口34へ遊技球を入球させるべく、推奨される発射態様が右打ちとなる。この右打ち中の状態H4aにおいて、第2始動口34へ最初の遊技球が入球され、当該最初の遊技球の入球を契機とした特図2変動が1回転するまで実行される。遊技者は、当該特図2変動中において、右打ちにて遊技を行うことによって、特図2の保留を最大4個、貯える。
右打ち中の状態H4aにおける最初の1回転分の特図2変動に係る当たり抽選において外れた場合に、特図2保留消化中の状態H4bに移行する。
特図2保留消化中の状態H4bでは、右打ち中の状態H4aにおいて貯えられた特図2の保留数(最大4個)に対応した回数の遊技回が実行される。なお、特図2保留消化中の状態H4bでは、サポートモードは低頻度サポートモードとなっている。
右打ち中の状態H4aにおける最初の1回転分の特図2変動に係る当たり抽選において小当たりに当選した場合に、決戦ステージH4を抜けて、小当たりに基づく開閉実行モードH5に移行する。
また、特図2保留消化中の状態H4bにて実行される遊技回における特図2変動に係る当たり抽選において小当たりに当選した場合にも、決戦ステージH4を抜けて、小当たりに基づく開閉実行モードH5に移行する。一方、特図2保留消化中の状態H4bにて実行される遊技回における特図2変動に係る当たり抽選の全てにおいて外れた場合には、通常状態H1に戻る。
決戦ステージH4では、右打ち中の状態H4aにおける最初の1回転分の特図2変動と、特図2変動中において貯えられた最大4個分の特図2変動とで、最大5回の特図2変動が実行されることになる。この特図2変動に係る特図2当たり抽選において小当たりする当選確率は、図214(b)の特図2当たり抽選用の当否テーブルに示すように1/7.7であることから、決戦ステージH4中に小当たり当選する確率(ラッシュ突入率)P1は先に説明したように約50%である。すなわち、決戦ステージH4から約50%の確率で、小当たりに基づく開閉実行モードH5に移行することができる。
なお、決戦ステージH4においては、決戦ステージH4に移行したことを遊技者に対して報知するために、決戦ステージH4固有の特別演出を図柄表示装置41に表示する構成とした。特別演出としては、例えば、決戦ステージH4に移行したことを示唆するとともに、特図2保留を4個貯えることを示唆する画像を表示する。この特別演出によって、ラッシュ突入率が約50%という遊技者にとっての有利性が高い決戦ステージH4に移行したことを遊技者は知ることができることから、ラッシュに突入する期待感を遊技者に抱かせることができる。
決戦ステージH4から移行した所定有利状態としての小当たりに基づく開閉実行モードH5では、推奨される発射態様が右打ちであり、右打ちで遊技を行うことによってV入賞口59に遊技球を入球させることを推奨するV狙い報知演出を図柄表示装置41に表示させる。V狙い報知演出は、小当たりに基づく開閉実行モードH5のオープニング期間を利用して表示させる。V狙い報知演出に則って右打ちで遊技がなされることで、小当たりに基づく開閉実行モードH5の作動により開放された大入賞口57aに遊技球が入球して大入賞口57aの内部に設けられたV入賞口59に遊技球が入球した場合、V入賞大当たりに当選となり、第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作する開閉実行モードH6(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH6)に移行する。なお、小当たりに基づく開閉実行モードH5の作動により開放された大入賞口57aに遊技球が入球することによって、予め定められた賞球数の遊技球を賞球として得ることができる。
一方、小当たりに基づく開閉実行モードH5において、小当たり当選後、所定期間(例えば6秒)の間に、V入賞口59に遊技球が入球しなかった場合には、V入賞大当たりに当選せずに、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH6が実行されない。この結果、V入賞口59に遊技球が入球しなかった場合には、通常状態H1に戻る。
所定有利状態としてのV入賞大当たりに基づく開閉実行モードH6では、推奨される発射態様が右打ちであり、遊技者は右打ちで遊技を行なうことによって遊技領域PAの右側に遊技球を流下させ、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの作動により開放された可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球を入球させる。なお、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH6に移行した際には、遊技球発射機構を動作させる発射操作を右打ちとすることを遊技者に報知するための右打ち報知演出が図柄表示装置41に表示される構成としてもよい。その場合、既に遊技者が右打ちにて遊技を行っている場合には、右打ち報知演出を行わない構成としてもよい。V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH6は、決戦ステージにおける第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて小当たり当選してV入賞口59に遊技球が入球することによりV入賞大当たり当選したことによって移行した状態であり、図216(b)の特図2V入賞大当たり用の振分テーブルによれば、所定遊技状態としてのラウンド遊技の回数、すなわち、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数は4回(4ラウンド)または15回(15ランド)となっている。V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH6の作動により開放された大入賞口に遊技球が1個入球する毎に予め定められた賞球数の遊技球を賞球として得ることができる。そして、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの終了後に、所定遊技状態としてのラッシュステージH7に移行する。
ラッシュステージH7は、サポートモードが高頻度サポートモードである高サポ状態である。図216(b)の特図2V入賞大当たり用の振分テーブルにて説明したように、当該高サポ状態が継続する遊技回の実行回数は7回までに制限されている。この7回までの遊技回に制限された高サポ状態では、第2始動口34へ遊技球を入球させるべく、推奨される発射態様が右打ちとなる。この右打ち中の状態H7aにおいて、7回転分の特図2変動が実行される。遊技者は、当該7回転分の特図2変動中において、右打ちにて遊技を行うことによって、特図2の保留を最大4個、貯える。
右打ち中の状態H7aにおける最初の7回転分の特図2変動に係る当たり抽選の全てにおいて外れた場合に、特図2保留消化中の状態H7bに移行する。
特図2保留消化中の状態H7bでは、右打ち中の状態H7aにおいて貯えられた特図2の保留数(最大4個)に対応した回数の遊技回が実行される。なお、特図2保留消化中の状態H7bでは、サポートモードは低頻度サポートモードとなっている。
右打ち中の状態H7aにおける最初の7回転分の特図2変動に係る当たり抽選において所定の当たり当選である小当たりに当選した場合に、ラッシュステージH7を抜けて、小当たりに基づく開閉実行モードH5に移行する。小当たりに基づく開閉実行モードH5に移行した後には、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH6を経て、再度、ラッシュステージH7に移行することが可能となる。
また、特図2保留消化中の状態H7bにて実行される遊技回における特図2変動に係る当たり抽選において所定の当たり当選である小当たりに当選した場合にも、ラッシュステージH7を抜けて、小当たりに基づく開閉実行モードH5に移行する。小当たりに基づく開閉実行モードH5に移行した後には、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH6を経て、再度、ラッシュステージH7に移行することが可能となる。
一方、特図2保留消化中の状態H7bにて実行される遊技回における特図2変動に係る当たり抽選の全てにおいて外れた場合には、通常状態H1に戻る。
所定有利状態としてのラッシュステージH7では、右打ち中の状態H7aにおける最初の7回転分の特図2変動と、特図2変動中において貯えられた最大4個分の特図2変動とで、最大11回の特図2変動が実行されることになる。この特図2変動に係る特図2当たり抽選において小当たりする当選確率は、図214(b)の特図2当たり抽選用の当否テーブルに示すように1/7.7であることから、ラッシュステージH7中に小当たり当選する確率(ラッシュ継続率)P2は先に説明したように約78%である。すなわち、決戦ステージH4から約50%の確率でラッシュステージH7に移行することができ、ラッシュステージH7に移行した後においては、約78%といった高い確率でラッシュステージH7を繰り返すことができる。
なお、ラッシュステージH7においては、ラッシュステージH7に移行したことを遊技者に対して報知するために、ラッシュステージH7固有の特別演出を図柄表示装置41に表示する構成とした。付与価値である特別演出としては、例えば、ラッシュステージH7に移行したことを示唆するとともに、特図2保留を4個貯えることを示唆する画像を表示する。この特別演出によって、ラッシュ突入率が約78%という遊技者にとっての有利性が高いラッシュステージH7に移行したことを遊技者は知ることができることから、ラッシュに突入する期待感を遊技者に抱かせることができる。
先に説明したように、通常状態H1では、天井条件成立フラグがONであるか否かを判定する天井条件判定処理が実行される。天井条件判定処理によって、天井条件成立フラグがONであると判定された場合、すなわち、通常状態H1中において、初期化条件成立時からの遊技回の実行回数が規定回数に達した場合(すなわち、天井到達した場合)に、所定回数の時短付与がなされる。この結果、通常状態H1から所定遊技状態としての天井到達ステージH8に移行する。また、天井条件判定処理において、天井条件成立フラグがONであると判定された場合に、付与価値として例えば「チャンスタイム」といった文字が出現する天井到達報知演出を図柄表示装置41に表示させる。この天井到達報知演出によって、ラッシュ突入を遊技者に予感させることができる。
天井到達ステージH8では、サポートモードが高頻度サポートモードに移行され、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回の実行回数が時短付与回数(例えば100回)に達するまでサポートモードとして高頻度サポートモードが継続される。サポートモードが高頻度サポートモードである場合、遊技球発射機構によって推奨される発射態様は右打ちとなる。なお、天井到達ステージH8に移行した際には、遊技球発射機構を動作させる発射操作を右打ちとすることを遊技者に報知するための右打ち報知演出が図柄表示装置41に表示される。天井到達ステージH8において小当たりに当選する確率は、先に説明したように、100%に近い高確率となっている。その上、当該小当たりに当選した後は、小当たりに基づく開閉実行モードH5に移行することによって、決戦ステージH4を介さずにラッシュステージH7に移行し得る構成となっている。したがって、通常状態H1において、天井条件判定処理によって天井到達した場合には、天井到達ステージH8に移行し、天井到達ステージH8から約100%のラッシュ突入率で、ラッシュステージH7に移行することができる。
《5-4-4》遊技方法の報知演出:
先に説明したように、本実施形態のパチンコ機10では、通常状態H1から移行した小当たりに基づく開閉実行モードH2、すなわち特図1当たり抽選で小当たり当選したことに基づく開閉実行モードH2では、遊技球発射機構によって遊技を発射させる遊技方法の報知演出として、右打ちで遊技を行うことによってV入賞口59に遊技球を入球させることを推奨するV狙い報知演出を原則、表示し、原則に当てはまらない場合に、左打ちで遊技を行うことによってV入賞口59に遊技球を入球させないことを推奨するV狙い非推奨報知演出を表示する構成した。ここで、「原則」としたのは、当該小当たりした遊技回における通常状態中の遊技回の実行回数(以下、通常時実行回数と呼ぶ)が規定回数(以下、天井到達回数と呼ぶ)に近い場合は、V入賞口59に遊技球を入球させることが遊技者にとって必ずしも有利とは言えないためである。必ずしも有利とは言えない理由は次の通りである。小当たりに基づく開閉実行モードH2においてV入賞口59に遊技球が入球してV入賞大当たりに当選した場合に移行するのは、先に説明した決戦ステージH4(図219参照)であり、決戦ステージH4におけるラッシュ突入率は約50%である。これに対して、通常時実行回数が天井到達回数に到達した場合に移行するのは、先に説明した天井到達ステージH8(図219参照)であり、天井到達ステージH8におけるラッシュ突入率は約100%である。このため、通常時実行回数が天井到達回数に近い場合には、特図1当たり抽選で小当たり当選したことに基づく開閉実行モードH2においてV入賞口59に遊技球を入球させることを取り止めて、通常時実行回数が天井到達回数に到達するのを待った方が遊技者にとっての有利性が高いと言える。
通常時実行回数が天井到達回数に対してどの程度、近いかによって、V入賞口59に遊技球が入球してV入賞大当たりに当選した方が遊技者にとっての有利性が高い場合と、V入賞口59に遊技球を入球させることを取り止めて通常時実行回数が天井到達回数に到達するのを待った方が有利性が高い場合とに振り分けられる。前者と後者とに振り分けられる境界の回数を損益分岐回数と呼ぶとすると、通常時実行回数が損益分岐回数に到達するまでは、V入賞口59に遊技球が入球してV入賞大当たりに当選した方が遊技者にとっての有利性が高いのに対して、通常時実行回数が損益分岐回数を超えると、V入賞口59に遊技球を入球させることを取り止めて通常時実行回数が天井到達回数に到達するのを待った方が遊技者にとっての有利性が高い。
ここで、損益分岐回数は、
a)特図1当たり抽選において小当たり当選したことによって得られる、小当たりに基づく開閉実行モードH2とV入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3とによる平均出球数と、
b)ラッシュステージH7への突入によって得られる、小当たりに基づく開閉実行モードH5とV入賞大当たりに基づく開閉実行モードH6との繰り返しによる総平均出球数と、
c)遊技球を100発打ち出した時に第1始動口33に入球する平均特図1始動入賞数と、
等によって、計算上求めることができる。
具体的には次のように求める。まず、天井回数カウンタの値が規定回数(1000)から0までの範囲内において、損益分岐回数を含むと予想される所定範囲を設定する。この所定範囲はある程度広い範囲とすることで損益分岐回数を必ず含ませることが出来る。そして、当該所定範囲内に含まれる天井回数カウンタの値の各遊技回において、小当たりに基づく開閉実行モードH2においてV入賞口59に遊技球が入球してV入賞大当たりに当選した場合に小当たりに基づく開閉実行モードH2からラッシュステージH7までによって得られる遊技球の増加量Aと、小当たりに基づく開閉実行モードH2においてV入賞口59に遊技球が入球しなかった場合に移行する通常状態H1から天井到達ステージH8を経て小当たりに基づく開閉実行モードH5からラッシュステージH7までによって得られる遊技球の増加量Bとをそれぞれ計算によって求める。そして、増加量Aと増加量Bとを比較して、当該比較結果が「増加量A≧増加量B」から「増加量A<増加量B」に切り替わる天井回数カウンタの値に対応する回数を損益分岐回数と設定する。
増加量Aは、次のように求めることができる。
小当たりに基づく開閉実行モードH2における遊技球の増加量(以下、増加量A1と呼ぶ)は、小当たり専用可変入賞装置57の大入賞口57aに遊技球が入球して得られる賞球数である10個から、大入賞口57aに遊技球が入球させた分の1個を差し引くことによって、9個となる。
V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3における1回のラウンド遊技で得られる賞球数は、大入賞口36aに遊技球が入球して得られる賞球数が15個であり、各ラウンド遊技の上限個数が9個であることから、15×9=135個となる。ここでは、上限個数まで遊技球が入球されるものとして計算した。大入賞口36aに遊技球を入球させた分である9個を135個から差し引くことによって、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3における1回のラウンド遊技における遊技球の増加量は126個となる。V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3において実行されるラウンド遊技の回数は4回であることから、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3における遊技球の増加量(以下、増加量A2と呼ぶ)は、126×4=504個となる。
決戦ステージH4では、第2始動口34へ遊技球を入球させる個数は、高頻度サポートモード中の1個と、特2保留を貯溜させる4個と、を加えた5個となる。このため、決戦ステージH4における増加量A3は、-5個となる。
小当たりに基づく開閉実行モードH5からラッシュステージH7までによって得られる遊技球の増加量は、実験やシミュレーションによって求める。ここでは、当該遊技球の増加量は、仮に8000個であったとする。なお、決戦ステージH4における突入率は約50%であることから、小当たりに基づく開閉実行モードH2においてV入賞口59に遊技球が入球してV入賞大当たりに当選した場合に移行する、小当たりに基づく開閉実行モードH2からラッシュステージH7までによって得られる遊技球の増加量の期待値(以下、増加量A4と呼ぶ)は、8000×50%=4000個となる。
したがって、増加量Aは、増加量A1~A4までの総和である、9+504-5+4000=4508個となる。
増加量Bは、次のように求めることができる。
まず、遊技球を100発打ち出した時に第1始動口33に入球する平均特図1始動入賞数を、実験やシミュレーションによって求める。そうすると、平均特図1始動入賞数を用いて、通常状態H1における上記所定範囲内に含まれる天井回数カウンタの値の各遊技回において、天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応する値(=0)に到達するまでに必要となる遊技球の打ち出し量B1を求めることができる。
天井到達ステージH8において小当たりに当選するまでに要する遊技球の打ち出し量B2を、実験やシミュレーションによって求める。また、天井到達ステージH8において小当たりに当選した場合に移行する小当たりに基づく開閉実行モードH2からラッシュステージH7までによって得られる遊技球の増加量は、先に説明したように8000個である。
したがって、小当たりに基づく開閉実行モードH2においてV入賞口59に遊技球が入球しなかった場合に移行する通常状態H1から天井到達ステージH8を経て小当たりに基づく開閉実行モードH5からラッシュステージH7までによって得られる遊技球の増加量Bは、8000-B1-B2となる。
上述した方法によって、増加量Aと、天井回数カウンタの値の遊技回毎に対応した増加量Bとを求め、天井回数カウンタの値の遊技回毎に増加量Aと増加量Bとを比較して、当該比較結果が「増加量A≧増加量B」から「増加量A<増加量B」に切り替わるポイントを求め、当該ポイントとなる天井回数カウンタの値に対応する回数を損益分岐回数と定める。
本実施形態のパチンコ機10は、上記損益分岐回数を、主制御装置60のROM63に予め記憶する構成とした。主制御装置60のMPU62は、先に説明したカウンタ更新終了フラグがOFFであり、かつ、特図1当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となった場合に、通常時実行回数を表す天井回数カウンタの値と損益分岐回数から求まる閾値とを比較する比較処理を実行する。当該閾値は、損益分岐回数を天井回数カウンタの値に換算した数値であり、具体的には、上記規定回数(1000回)から損益分岐回数を減算した数値である。なお、損益分岐回数は、必ずしも計算によって求めたものである必要はなく、本実施形態の効果を損ねない回数であればいずれの大きさの回数であってもよい。
主制御装置60のMPU62は、比較処理によって、天井回数カウンタの値が閾値(損益分岐回数から求まる閾値)以上であると判定された場合に、V入賞口59に遊技球が入球してV入賞大当たりに当選した方が遊技者にとっての有利性が高いことから、V狙い報知演出を図柄表示装置41に表示させる。一方、上記比較処理によって、天井回数カウンタの値が閾値を下回ると判定された場合に、V入賞口59に遊技球を入球させることを取り止めて通常時実行回数が天井到達回数に到達するのを待った方が遊技者にとっての有利性が高いことから、V狙い非推奨報知演出を図柄表示装置41に表示させる。
図220は、天井回数カウンタの値によって遊技方法の報知演出がどのように切り替わるかを示す説明図である。図中において、横軸に天井回数カウンタの値と通常時実行回数とが示されている。ここでは、損益分岐回数は、例えば、天井到達回数である1000回よりも100回前である900回であるとして説明する。天井回数カウンタの値が1000から100までの間の遊技回、すなわち、通常時実行回数が1回から900回(損益分岐回数)までの遊技回では、第1始動口33に遊技球が入球することに基づいて実行される特図1当たり抽選によって小当たり当選となった場合に、V狙い報知演出を図柄表示装置41に表示させる。天井回数カウンタの値が100を下回る99から0までの間の遊技回、すなわち、通常時実行回数が900回(損益分岐回数)を上回る901回から1000回までの遊技回では、特図1当たり抽選によって小当たり当選となった場合に、V狙い非推奨報知演出を図柄表示装置41に表示させる。すなわち、第1始動口33に遊技球が入球することに基づいて実行される特図1当たり抽選によって小当たり当選となった場合に、天井回数カウンタの値が、例えば、天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達する所定タイミングまではV狙い報知演出で遊技方法の報知演出を行ない、前記損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達する所定タイミングよりも後の特定タイミング(99となるタイミング)においては遊技方法の報知演出をV狙い非推奨報知演出に切り替える。
なお、前記遊技方法の報知演出がV狙い非推奨報知演出に切り替わった後には、少なくともV入賞大当たり当選が発生するまで、前記遊技方法の報知演出がV狙い報知演出に切り替わることがない。仮に、V狙い非推奨報知演出に切り替わった後にV狙い報知演出に切り替わったとしたら、当該V狙い非推奨報知演出は誤った報知演出であったことになり、当該V狙い非推奨報知演出に従って小当たり当選時にV入賞口59に遊技球を入球させなかった場合に、小当たり当選時にV入賞口59に遊技球を入球させたことによって得られた利益を失ってしまう実損を遊技者に与えてしまう。したがって、遊技方法の報知演出がV狙い非推奨報知演出に切り替わった後には、少なくともV入賞大当たり当選が発生するまで、遊技方法の報知演出がV狙い報知演出に切り替わることがない構成とすることで、V狙い非推奨報知演出に対する信頼性を高めることができる。
図221は、遊技方法の報知演出の一例を示す説明図である。図221(a)は遊技方法の報知演出としてのV狙い報知演出を示し、図221(b)は遊技方法の報知演出としてのV狙い非推奨報知演出を示す。
図221(a)に示したV狙い報知演出は、女性キャラクターが登場し、女性キャラクターが「右打ちでVを狙うんだ!その方がお得だからだ!」と叫ぶ動画像を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該動画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。ただし、この態様は一例であり、他の態様であってもよい。例えば、上記のように叫ぶ動画像に加えて、V入賞口59までの遊技球の弾道をイメージさせる矢印を表示させる構成としてもよい。
図221(a)に示したV狙い報知演出によって、遊技者は、「小当たりに当選したんだ、右打ちでV入賞口を狙えば大当たりとなりお得なんだ」と感じることができ、歓び感を抱くことができる。
図221(b)に示したV狙い非推奨報知演出は、女性キャラクターが登場し、女性キャラクターが「右打ちでVを狙うのがお得か考えろ!もう少し待てば、天井電サポ状態になるぞ!」と叫ぶ動画像を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該動画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる第1表示態様である。ただし、この態様は一例であり、他の態様であってもよい。例えば、上記のように叫ぶ動画像に加えて、V入賞口59までの遊技球の弾道をイメージさせる矢印に×を付した画像を表示させる第2表示態様としてもよい。なお、矢印に×を付す構成に換えて、V狙い報知演出においては例えば赤色の矢印を付し、V狙い非推奨報知演出においては例えば青色の矢印を付すというように色を変える構成としてもよい。
図221(b)に示したV狙い非推奨報知演出によって、遊技者は、「もう少し待てば必ずラッシュに入る天井時短になるんだから、何もいまV入賞させて50%の確率に賭ける必要はないな、右打ちすることは止めよう」と考えることができ、天井に到達する期待感を改めて抱くことができる。このように考えた遊技者は、通常状態H1から移行した小当たりに基づく開閉実行モードH2(図219参照)において、右打ちを不実行として左打ちで遊技を行なうことによって、V入賞口59への遊技球の入球を取り止め、天井に到達することをワクワクしながら、第1始動口33へ遊技球を入球させることによって特図1の遊技回の実行を消化する。
図222は、本実施形態のパチンコ機10において特図1当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となった場合の演出態様を示す説明図である。図222(a)は遊技方法の報知演出としてV狙い報知演出が表示される場合を示し、図222(b)は遊技方法の報知演出としてV狙い非推奨報知演出が表示される場合を示す。
図222(a)に示すように、遊技回終了時の天井回数カウンタの値が100以上の値(図示の例では100)である遊技回、すなわち、通常時実行回数が損益分岐回数である900回以前の遊技回(図示の例では900回目の遊技回)に係る特図1当たり抽選の抽選結果が小当たり当選である場合に、当該900回目の遊技回において、装飾図柄の変動表示(変動表示が開始されてから変動表示が停止されるまでの表示)と停止表示(変動表示が停止されてから停止表示が終了するまでの表示)とがこの順に図柄表示装置41に表示される。当該停止表示の終了後、小当たりに基づく開閉実行モードが実行開始されるが、当該開閉実行モードのオープニング期間を利用してV狙い報知演出が表示される。
図222(b)に示すように、遊技回終了時の天井回数カウンタの値が100を下回る値(図示の例では99)である遊技回、すなわち、通常時実行回数が損益分岐回数である900回を超える遊技回(図示の例では901回目の遊技回)に係る特図1当たり抽選の抽選結果が小当たり当選である場合に、当該901回目の遊技回において、装飾図柄の変動表示(変動表示が開始されてから変動表示が停止されるまでの表示)と停止表示(変動表示が停止されてから停止表示が終了するまでの表示)とがこの順に図柄表示装置41に表示される。当該停止表示の終了後、小当たりに基づく開閉実行モードが実行開始されるが、当該開閉実行モードのオープニング期間を利用してV狙い非推奨報知演出が表示される。
以上のように構成された本実施形態のパチンコ機10では、通常状態(低サポ状態)中の遊技回の実行回数が天井到達回数(本実施形態では、例えば1000回)に達した場合に、サポートモードを高頻度サポートモードに移行し、その後にラッシュ状態に確実に突入する天井時短機能を備えることから、遊技者は、前回の大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)からの遊技回の実行回数が一定以上経過しているにもかかわらず、大当たりを引けない状態(いわゆるハマった状態)が続き、イライラする気持ちになってきたところに、天井時短機能が搭載されていることを思い出して、パチンコ機の上部に設置されたデータカウンターに表示される現在の回転数等を見て、そろそろ天井に近づいて来たかなと、遊技回の実行回数が天井到達回数に達することを心待ちにしながら、遊技を楽しむことができる。このために、遊技の興趣向上を図ることができる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10から天井回数カウンタの値が閾値を下回ると判定された場合にV狙い報知演出に換えてV狙い非推奨報知演出を表示する機能を取り除いたパチンコ機、すなわち、「はじめに」の項に記載した参考例のパチンコ機を考えて見る。この参考例のパチンコ機では、遊技回における当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合には、天井回数カウンタの値に拘わらずV狙い報知演出が図柄表示装置に表示される。この表示は、通常状態中の遊技回の実行回数が天井到達回数間近となる遊技回であっても必ず表示される。翻ってみて、先に説明したように、通常時において当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、小当たりに基づく開閉実行モードH2およびV入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3を介して移行する遊技状態は、決戦ステージH4であることから、この決戦ステージH4におけるラッシュ突入率は約50%であり、100%に近い確率でラッシュ状態に突入する訳ではない。このために、通常状態中の遊技回の実行回数が規定回数間近となる遊技回(例えば990回目の遊技回)であれば、もう少し待てば天井時短が発動され、約100%の確率でラッシュ状態に突入するところを、V狙い報知演出に従ってV入賞口に遊技球を入球させて決戦ステージH4に移行したがために、決戦ステージH4において当たり抽選で外れてラッシュ状態に移行することが叶わないことが約50%の確率で有り得た。すなわち、V狙い報知演出を表示することで、遊技者にとって有利となる遊技方法を遊技者に提供しているにも拘わらずに、実際のところは、上述したように遊技者にとって不利な結果を招く虞があるという課題があった。
これに対して本実施形態のパチンコ機10では、通常状態中の遊技回の実行回数が損益分岐回数(例えば900回)を上回る回数の遊技回では、特図1当たり抽選によって小当たり当選となった場合に、V狙い非推奨報知演出を図柄表示装置41に表示させることから、V狙い非推奨報知演出によって、遊技者は、「もう少し待てば必ずラッシュに入る天井時短になるんだから、何もいまV入賞させて50%の確率に賭ける必要はないな、右打ちすることは止めよう」と考えることができる。このため、遊技者は、特図1当たり抽選によって小当たり当選となった場合に、V入賞口59に遊技球を入球させることを止めるという最も有利となる遊技方法を選択することができる。小当たり当選となり、V狙い非推奨報知演出が図柄表示装置41に表示された場合に、V入賞口59に遊技球が入球しなかった場合にV入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3を発生させることなく、通常状態H1における新たな変動表示が実行可能となる。このために、天井回数カウンタを更新する状態に戻ることができ、ひいては、通常時実行回数が天井到達回数に到達し、所定有利状態としての所定回数の時短付与を受けることが可能となる。したがって、本実施形態のパチンコ機10は、V狙い報知演出によって遊技者に不都合を与えることを防止することで、遊技の興趣向上を図ることができる。
すなわち、本実施形態のパチンコ機10では、更新処理によって、変動表示における予め定められた特定条件が成立した場合に、所定情報を更新し、所定遊技状態において、所定情報が更新終了状態となった後の予め定められたタイミングで所定有利状態を発生させる。また、第1表示態様または第1表示態様とは異なる第2表示態様で所定の報知を行なう。さらに、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行し、当該判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて利益付与条件が成立した場合に付与価値を発生させる。さらに、上記判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、所定情報が更新終了状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは第1表示態様で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては表示態様を第2表示態様に切り替える。具体的には、遊技回が実行される毎に天井回数カウンタを更新し、初期化条件成立時から大当たり当選する(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態において、天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値に到達した後の予め定められたタイミングで所定回数の時短付与を発生させる。また、V狙い報知演出またはV狙い非推奨報知演出で、小当たり当選時の遊技球を発射させる遊技方法の報知を行なう。さらに、第1始動口33に遊技球が入球することに基づいて当たり抽選を実行し、当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合にV入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3に移行する。さらに、当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、天井回数カウンタの値が天井到達回数(1000回)となるよりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達する所定タイミングまではV狙い報知演出で遊技方法の報知演出を行ない、上記損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達する所定タイミングよりも後の特定タイミング(99となるタイミング)においては遊技方法の報知演出をV狙い非推奨報知演出に切り替える。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、上記判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、所定情報が更新終了状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは第1表示態様で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては表示態様を第2表示態様に切り替えることから、遊技者は、第1表示態様で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて利益付与条件を成立させることによって、付与価値を発生させることができ、一方、第2表示態様に所定の報知が切り替えられるのを見て、所定情報が更新終了状態となり、所定有利状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本実施形態によれば、上記判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、所定の報知についての表示態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。具体的には、当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、天井回数カウンタの値が天井到達回数(1000回)となるよりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達する所定タイミングまではV狙い報知演出で遊技方法の報知演出を行ない、上記損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達する所定タイミングよりも後の特定タイミング(99となるタイミング)においては遊技方法の報知演出をV狙い非推奨報知演出に切り替えることから、遊技者は、V狙い報知演出で所定の報知がなされるのを見て、右打ちで遊技を行うことによってV入賞口59に遊技球を入球させることによって、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3に遊技状態を移行させることができ、一方、V狙い非推奨報知演出に所定の報知が切り替えられるのを見て、天井回数カウンタの値が天井到達回数(1000回)に対応した値(0)に到達し、所定回数の高サポ状態に移行することを期待感を抱いて待つことができる。このため、当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、報知演出についての表示態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、特典を付与する特典付与状態への移行率が第1の値である第1状態と、特典付与状態への移行率が第1の値より高い第2の値である第2状態と、を有し、第1表示態様は第1状態に移行しうることを示唆する態様であり、第2表示態様は第2状態に移行しうることを示唆する態様である。具体的には、ラッシュ突入率が約50%である決戦ステージH4と、ラッシュ突入率が約100%である天井到達ステージH8と、を有し、V狙い報知演出は決戦ステージH4に移行しうることを示唆する態様であり、V狙い非推奨報知演出は天井到達ステージH8に移行しうることを示唆する態様である。
したがって、本実施形態によれば、第2表示態様で所定の報知がなされた場合に、特典付与状態への移行率が高くなると遊技者に推測させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、V狙い非推奨報知演出で遊技方法の報知がなされた場合に、ラッシュ状態への突入率が高くなると遊技者に推測させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。
さらに、本実施形態によれば、所定有利状態は、遊技球発射機構を動作させる発射操作が第2の発射態様である場合に所定の利益の付与が可能であり、発射操作が第1の発射態様である場合に所定の利益の付与が不可能である状態であり、遊技機は、所定情報が更新終了状態となった後に、発射手段を動作させる発射操作を第2の発射態様とすることを遊技者に報知するための第2発射態様報知演出を行なう手段を備える。具体的には、天井到達ステージH8における所定回数の時短付与は、遊技球発射機構を動作させる発射操作が右打ちである場合に第2始動口34に入球させて小当たり当選することが可能であり、発射操作が左打ちである場合に第2始動口34に入球させることが困難となり小当たり当選が不可能である状態であり、パチンコ機10は、天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後に、遊技球発射機構を動作させる発射操作を右打ちとすることを遊技者に報知するための右打ち報知演出を行なう手段を備える。したがって、本実施形態によれば、遊技者は、第2発射態様報知演出に従って第2の発射態様にて遊技を行なうことで、所定の利益を受けることができる。具体的には、遊技者は、右打ち報知演出に従って右打ちにて遊技を行なうことで、小当たり当選が可能となる。
また、本実施形態によれば、遊技球発射機構を動作させる発射操作が第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、発射操作が第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である所定入球領域を備え、利益付与条件は、所定入球領域に遊技球が入球することである。具体的には、右打ちである場合に遊技球が入球可能であり、左打ちである場合に遊技球が入球不能であるV入賞口59を備え、V入賞大当たり当選となる条件は、V入賞口59に遊技球が入球することである。
したがって、本実施形態によれば、発射操作が第1の発射態様である遊技状態で上記判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、遊技者は、発射操作を第1の発射態様から第2の発射態様に切り替えることによって所定入球領域に遊技球を入球させることで、利益付与条件を成立させることが可能となる。ここで、所定入球領域が、発射手段を動作させる発射操作が第1の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、発射操作が第2の発射態様である場合に遊技球が入球不能である構成を考えてみる。この構成では、発射操作が第1の発射態様である遊技状態で上記判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、既に第1の発射態様で所定入球領域に向けて遊技球が発射されてしまっているため、高い確率で遊技球は所定入球領域に入球してしまう。このため、遊技者が、第2表示態様を見て利益付与条件が成立することを回避させたいと判断した場合に、既に第1の発射態様で遊技球が発射されてしまっているため、所定入球領域へ遊技球が入球することを取り止めることが困難であった。この結果、利益付与条件を成立させるか成立させないかの選択を遊技者が行なうことができなかった。これに対して、本実施形態によれば、発射操作を第1の発射態様から第2の発射態様に切り替えないと所定入球領域へ遊技球を入球させることができないことから、遊技者は、利益付与条件を成立させるには、発射操作を第1の発射態様から第2発射態様に切り替える必要がある。したがって、本実施形態によれば、発射操作が第1の発射態様である遊技状態で上記判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、遊技者は、発射操作を第1の発射態様から第2の発射態様に切り替えるか否かによって、利益付与条件を成立させるか成立させないかの選択を行なうことができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、本実施形態によれば、左打ちである通常状態で当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、遊技者は、左打ちから右打ちに切り替えることによってV入賞口59に遊技球を入球させることで、V入賞大当たり当選となる条件を成立させることが可能となる。このため、遊技球発射機構を動作させる発射操作を左打ちから右打ちに切り替えないとV入賞口59へ遊技球を入球させることができないことから、遊技者は、V入賞大当たり当選となる条件を成立させるには、左打ちから右打ちに切り替える必要がある。したがって、本実施形態によれば、左打ちである通常状態で当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、遊技者は、発射操作を右打ちから左打ちに切り替えるか否かによって、V入賞大当たり当選となる条件を成立させるか成立させないかの選択を行なうことができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、利益付与条件は、所定入球領域に所定期間内に遊技球が入球することであり、所定期間内に所定入球領域に遊技球が入球しなかった場合に、利益付与条件は不成立となる。具体的には、V入賞大当たり当選となる条件は、V入賞口59に遊技球が入球することであり、所定期間内にV入賞口59に遊技球が入球しなかった場合に、V入賞大当たり当選となる条件は不成立となる。したがって、本実施形態によれば、遊技者は、利益付与条件を成立させるか成立させないかの判断を少なくとも所定期間内で行なう必要がある。このため、本実施形態によれば、遊技者に早期の判断を迫ることになり、遊技のスピーディー化を図ることができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、遊技者は、V入賞大当たり当選を成立させるか成立させないかの判断を少なくとも所定期間内で行なう必要がある。このため、本実施形態によれば、遊技者に早期の判断を迫ることになり、遊技のスピーディー化を図ることができる。
《5-5》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において上述した処理を実行するための具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60のMPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。これらの処理について次に説明する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図223は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップSb0101では、各種検知センサ67a~67fの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサ67a~67fの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSb0102に進む。
ステップSb0102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSb0103に進む。
ステップSb0103では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、電動役物開放カウンタC4、および変動種別カウンタCSの値の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、電動役物開放カウンタC4、および変動種別カウンタCSにそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSb0104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図228)において、その値を更新する。
ステップSb0104では、第1始動口33及び第2始動口34への入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップSb0104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSb0104を実行した後、ステップSb0105に進む。
ステップSb0105では、スルーゲート35への入球に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップSb0105のスルー用の入球処理の詳細については後述する。ステップSb0105を実行した後、ステップSb0106に進む。
ステップSb0106では、小当たり専用可変入賞装置57の大入賞口57aまたは可変入賞装置36の大入賞口36aへの入球に伴う大入賞口用の入球処理を実行する。ステップSb0106の大入賞口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSb0106を実行した後、ステップSb0107に進む。
ステップSb0107では、V入賞口59への入球に伴うV入賞口用の入球処理を実行する。ステップSb0107のV入賞口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSb0107を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図223:Sb0104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図224は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSb0201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入球)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップSb0201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(Sb0201:YES)、ステップSb0202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSb0203に進む。
ステップSb0203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップSb0204に進む。
ステップSb0204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSb0209に進む。
ステップSb0201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(Sb0201:NO)、ステップSb0205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップSb0205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(Sb0205:YES)、ステップSb0206に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSb0207に進む。一方、ステップSb0205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(Sb0205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップSb0207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップSb0208に進む。
ステップSb0208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSb0209に進む。
ステップSb0209では、上述したステップSb0204又はステップSb0208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップSb0209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(Sb0209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSb0209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(Sb0209:YES)、ステップSb0210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップSb0211に進み、合計保留個数記憶エリアに格納された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップSb0212に進む。
ステップSb0212では、ステップSb0103(図223)において更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSb0210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに格納する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSb0103にて更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSb0210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに格納する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSb0103にて更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSb0210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに格納する。ステップSb0212を実行した後、ステップSb0213に進む。
ステップSb0213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合の大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。ステップSb0213を実行した後、ステップSb0214に進む。
ステップSb0214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図228:ステップSb0603)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1始動口保留用領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1始動口保留用領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主制御装置60のMPU62は、ステップSb0214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図223:Sb0105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図225は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSb0301では、遊技球がスルーゲート35に入球したか否かを判定する。ステップSb0301において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(Sb0301:YES)、ステップSb0302に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップSb0301において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(Sb0301:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップSb0302において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(Sb0302:YES)、ステップSb0303に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップSb0304に進む。
ステップSb0304では、ステップSb0103(図223)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64dの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップSb0302において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(Sb0302:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<大入賞口用の入球処理>
次に、大入賞口用の入球処理について説明する。大入賞口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図223:ステップSb0107)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図226は、大入賞口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSb0401では、小当たり専用可変入賞装置57に備えられた大入賞口(以下、小当たり用の大入賞口とも呼ぶ)57aに遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSb0401において、小当たり用の大入賞口57aに遊技球が入球したと判定した場合には(Sb0401:YES)、ステップSb0402に進む。一方、ステップSb0401において、小当たり用の大入賞口57aに遊技球が入球したと判定しなかった場合には(Sb0401:NO)、ステップSb0404に進む。
ステップSb0402では、小当たり用の大入賞口57aに入球したことに基づいて払い出される賞球の数を設定する。本実施形態においては、小当たり用の大入賞口57aに1個の遊技球が入球した場合には、付与価値として10個の遊技球が賞球として払い出される。ステップSb0402を実行した後、ステップSb0403に進む。
ステップSb0403では、第1大入賞口入球コマンドを設定する。第1大入賞口入球コマンドは、小当たり用の大入賞口57aに遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1大入賞口入球コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図228:ステップSb0603)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSb0403を実行した後、ステップSb0404に進む。
ステップSb0404では、可変入賞装置36に備えられた大入賞口(以下、大当たり用の大入賞口とも呼ぶ)36aに遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSb0404において、大当たり用の大入賞口36aに遊技球が入球したと判定した場合には(Sb0404:YES)、ステップSb0405に進む。一方、ステップSb0404において、大当たり用の大入賞口36aに遊技球が入球したと判定しなかった場合には(Sb0404:NO)、そのまま大入賞口用の入球処理を終了する。
ステップSb0405では、大当たり用の大入賞口36aに入球したことに基づいて払い出される賞球の数を設定する。本実施形態においては、大当たり用の大入賞口36aに1個の遊技球が入球した場合には、付与価値として15個の遊技球が賞球として払い出される。ステップSb0405を実行した後、ステップSb0406に進む。
ステップSb0406では、第2大入賞口入球コマンドを設定する。第2大入賞口入球コマンドは、大当たり用の大入賞口36aに遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2大入賞口入球コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図228:ステップSb0603)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSb0406を実行した後、大入賞口用の入球処理を終了する。
<V入賞口用の入球処理>
次に、V入賞口用の入球処理について説明する。V入賞口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図223:ステップSb0107)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図227は、V入賞口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSb0501では、V入賞口59に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSb0501において、V入賞口59に遊技球が入球したと判定した場合には(Sb0502:YES)、ステップSb0502に進む。
ステップSb0502では、V入賞フラグがONであるか否かを判定する。所定情報としてのV入賞フラグは、V入賞口59に遊技球が入球した場合にONとなり、当該V入賞フラグがONとなったことを契機としてV入賞大当たりに基づく開閉実行モードが開始され、当該V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの終了の際にOFFとなるフラグである。V入賞フラグは、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される。ステップSb0502では、既にV入賞フラグがONとなっているか否かを判定することによって、複数個の遊技球がV入賞口59に入球した場合であっても後述するステップSb0503およびステップSb0504の処理が重複して実行されない構成を採用している。
ステップSb0502において、V入賞フラグがONではないと判定した場合には(ステップSb0502:NO)、ステップSb0503に進み、V入賞フラグをONにする。その後、ステップSb0504に進み、V入賞コマンドを設定する。V入賞コマンドは、V入賞口59に遊技球が入球してV入賞大当たりに当選したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。V入賞コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図228:ステップSb0603)において音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、V入賞コマンドを受信すると、遊技球がV入賞口59に入球してV入賞大当たりに当選したこと、当該V入賞に基づいて特電開閉実行モードが開始されることを示唆する演出であるV入賞演出を実行する。
ステップSm0506を実行した後、本V入賞口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSb0501においてV入賞口59に遊技球が入球していないと判定した場合(ステップSb0501:NO)、およびステップSb0502においてV入賞フラグがONであると判定した場合(ステップSb0502:YES)には、上述したステップSb05およびステップSb0504を実行することなく、本V入賞口用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられたこと(以下、「電源投入」とも呼ぶ)に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図228は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSb0601では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定や必要に応じて初期化設定などが実行される。その後、ステップSb0602に進む。
ステップSb0602では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップSb0603に進む。
ステップSb0603では、ステップSb0602において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSb0603を実行した後、ステップSb0604に進む。
ステップSb0604では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSb0605に進む。
ステップSb0605では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップSb0606に進む。ステップSb0606では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップSb0606を実行した後、ステップSb0607に進む。
ステップSb0607では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、サポートモードが高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップSb0608に進む。
ステップSb0608では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップSb0609に進む。
ステップSb0609では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップSb0603のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、更新終了状態である次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップSb0609において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(Sb0609:NO)、ステップSb0610及びステップSb0611において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップSb0610において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップSb0611において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。一方、ステップSb0609において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(Sb0609:YES)、ステップSb0603に戻り、ステップSb0603からステップSb0608までの各処理を実行する。
なお、ステップSb0603からステップSb0608の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図228:Sb0606)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図229は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップSb0701では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。所定情報としての開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を小当たりに基づく開閉実行モードまたはV入賞大当たりに基づく開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において当該開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップSb0701において、開閉実行モード中であると判定した場合には(Sb0701:YES)、ステップSb0702以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップSb0701において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sb0701:NO)、ステップSb0702に進む。
ステップSb0702では、特図ユニット37が遊技回の実行中であるか否かを判定する。具体的には、特図ユニット37に備えられる第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方が遊技回の実行中であるか否かを判定する。ここで、遊技回の実行中とは、変動表示中または停止表示中に該当することである。ステップSb0702の判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動表示中フラグ記憶エリアの特図変動表示中フラグ、および各種フラグ記憶エリア64gにおける特図停止表示中フラグ記憶エリアに記憶されている特図停止表示中フラグのいずれか一方がONであるか否かを判定することにより行われる。
ステップSb0702において、特図ユニット37が遊技回の実行中でないと判定した場合には(Sb0702:NO)、ステップSb0703に進む。
ステップSb0703では、特図ユニット37における変動及び図柄表示装置41における変動を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。ステップSb0703を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSb0702において、特図ユニット37が遊技回の実行中であると判定した場合には(Sb0702:YES)、ステップSb0704に進む。
ステップSb0704では、特図ユニット37における変動及び図柄表示装置41における変動を停止させるための変動停止処理を実行する。なお、変動停止処理の詳細は後述する。ステップSb0704を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図229:Sb0703)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図230は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSb0801では、合計保留個数CRNが「0」を上回るか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」以下である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップSb0801において、合計保留個数CRNが「0」以下であると判定した場合には(Sb0801:NO)、本変動開始処理を終了する。一方、ステップSb0801において、合計保留個数CRNが「0」を上回ると判定した場合には(Sb0801:YES)、ステップSb0802に進む。
ステップSb0802では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されている保留情報を変動開始後の状態に設定するための保留情報シフト処理を実行し、ステップSb0803に進む。保留情報シフト処理の詳細は後述する。
ステップSb0803では、当たり抽選において小当たりに当選したときの処理を含む当たり判定処理を行う。当たり判定処理の詳細については後述する。ステップSb0803を実行した後、ステップSb0804に進む。
ステップSb0804では、変動時間設定処理を実行する。変動時間設定処理とは、小当たりの有無やリーチの発生の有無等に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間設定処理の詳細については後述する。ステップSb0804を実行した後、ステップSb0805に進む。
ステップSb0805では、変動用コマンドを設定する。変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであるか、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであるかを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSb0806で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップSb0805を実行した後、ステップSb0806に進む。
ステップSb0806では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、小当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、当たり抽選の当否結果が小当たり当選と外れ結果とのいずれであるかを特定する情報と、振分け判定の結果が4R大当たりと15R大当たりのいずれであるかを特定する情報とが含まれている。
ステップSb0805およびステップSb0806にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図228)におけるステップSb0603によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSb0806を実行した後、ステップSb0807に進む。
ステップSb0807では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップSb0807を実行した後、ステップSb0808に進む。変動表示の開始時は特定条件となり得る。
ステップSb0808では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動表示中フラグ記憶エリアに記憶されている特図変動表示中フラグをONする。ステップSb0808を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<保留情報シフト処理>
次に、保留情報シフト処理について説明する。保留情報シフト処理は、変動開始処理のサブルーチン(図230:Sb0802)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図231は、保留情報シフト処理を示すフローチャートである。ステップSb0901では、保留情報シフト処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図213)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図213)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRaに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRbに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップSb0901の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップSb0901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップSb0901:YES)、ステップSb0902~ステップSb0907の第1保留エリア用の保留情報シフト処理を実行する。一方、ステップSb0901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップSb0901:NO)、ステップSb0908~ステップSb0913の第2保留エリア用の保留情報シフト処理を実行する。
ステップSb0902では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップSb0903に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップSb0904に進む。ステップSb0904では、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSb0905に進む。
ステップSb0905では、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSb0905を実行した後、ステップSb0906に進む。
ステップSb0906では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。所定情報としての第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップSb0907へ進む。
ステップSb0907では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本保留情報シフト処理を終了する。なお、ステップSb0907において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図228)におけるステップSb0603において、音声発光制御装置90に送信される。
ステップSb0901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(Sb0901:NO)、ステップSb0908に進む。
ステップSb0908では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップSb0909に進む。ステップSb0909では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップSb0910に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSb0911に進む。
ステップSb0911では、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSb0911を実行した後、ステップSb0912に進む。
ステップSb0912では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップSb0913に進む。
ステップSb0913では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本保留情報シフト処理を終了する。
ステップSb0913において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図228)におけるステップSb0603において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<当たり判定処理>
次に、当たり判定処理について説明する。当たり判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図230:Sb0803)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図232は、当たり判定処理を示すフローチャートである。ステップSb1001では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb1001において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sb1001:NO)、ステップSb1002に進み、特図1当たり抽選用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値が、図214(a)に示す特図1当たり抽選用の当否テーブルにおいて小当たり当選として設定されている数値範囲と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSb1004に進む。
一方、ステップSb1004において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sb1002:YES)、ステップSb1003に進み、特図2当たり抽選用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値が、図214(b)に示す特図2当たり抽選用の当否テーブルにおいて小当たり当選として設定されている数値範囲と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSb1004に進む。
ステップSb1004では、ステップSb1002又はステップSb1003における当否判定(当たり抽選)の結果が小当たり当選であるか否かを判定する。ステップSb1004において、当否判定の結果が小当たり当選である場合には(Sb1004:YES)、ステップSb1005に進む。
ステップSb1005では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb1005において、第2図柄表示部フラグがONでないと判定した場合には(Sb1005:NO)、ステップSb1006に進み、特図1小当たり用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり種別カウンタC2の値が、図215(a)に示す特図1小当たり用の振分テーブルに設定されている数値範囲のいずれに含まれているかによって振分判定の結果を特定する。ステップSb1006を実行した後、ステップSb1007に進む。
ステップSb1007では、特図1V入賞大当たり用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり種別カウンタC2の値が、図216(a)に示す特図1V入賞大当たり用の振分テーブルに設定されている数値範囲のいずれに含まれているかによって振分判定の結果を特定する。ステップSb1007を実行した後、ステップSb1010に進む。
一方、ステップSb1005において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sb1005:YES)、ステップSb1008に進み、特図2小当たり用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり種別カウンタC2の値が、図215(b)に示す特図2小当たり用の振分テーブルに設定されている数値範囲のいずれに含まれているかによって振分判定の結果を特定する。ステップSb1008を実行した後、ステップSb1009に進む。
ステップSb1009では、特図2V入賞大当たり用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり種別カウンタC2の値が、図216(b)に示す特図2V入賞大当たり用の振分テーブルに設定されている数値範囲のいずれに含まれているかによって振分判定の結果を特定する。ステップSb1009を実行した後、ステップSb1010に進む。
ステップSb1010では、ステップSb1006とステップSb1007、又はステップSb1008とステップSb1009によって得られた振分判定の結果から当たりの種別に対応したフラグ(当たりフラグ)をONにする。本実施形態のパチンコ機10では、図215および図216から判るように、当たりの種別として、1R小当たり、4R大当たり、15R大当たりの3種類が用意されていることから、当たりフラグとしては、1R小当たりフラグ、4R大当たりフラグ、15R大当たりフラグの3種類のフラグが用意されている。ステップSb1006の振分判定の結果が1R小当たりであり、ステップSb1007の振分判定の結果が4R大当たりである場合には、1R小当たりフラグをONにし、4R大当たりフラグをONにする。当たりフラグはRAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される。ステップSb1008の振分判定の結果が1R小当たりであり、ステップSb1009の振分判定の結果が4R大当たりである場合には、1R小当たりフラグをONにし、4R大当たりフラグをONにする。一方、ステップSb1008の振分判定の結果が1R小当たりであり、ステップSb1009の振分判定の結果が15R大当たりである場合には、1R小当たりフラグをONにし、15R大当たりフラグをONにする。
当たりフラグにおける1R小当たりフラグのON/OFFによって、当たり抽選の当否結果、すなわち小当たりの有無を特定することができる。当たりフラグにおける4R大当たりフラグのON/OFFと15R大当たりフラグのON/OFFとによって、振分判定の結果を特定することができる。ステップSb1010を実行した後、ステップSb1011に進む。
ステップSb1011では、当たり用の停止結果を設定する処理を実行する。具体的には、小当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63f(図212)に記憶されている小当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップSb1006とステップSb1007、又はステップSb1008とステップSb1009において振り分けた当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSb1011を実行した後、当たり判定処理を終了する。
ステップSb1004において、ステップSb1002又はステップSb1003における当たり抽選の当否結果が小当たり当選でない場合には(Sb1004:NO)、ステップSb1012に進み、リーチ判定用テーブルを参照して、当該遊技回においてリーチが発生するか否かの判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ判定用テーブル記憶エリア63c(図212)に記憶されているリーチ判定用テーブルにおいて、リーチが発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSb1013に進む。
ステップSb1013において、ステップSb1010におけるリーチ判定の結果が当該遊技回においてリーチが発生するというものである場合には(Sb1013:YES)、ステップSb1014に進み、所定情報としてのリーチ発生フラグをONする。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのリーチ発生フラグをONする。ステップSb1014を実行した後、ステップSb1015に進む。
一方、ステップSb1013において、ステップSb1012におけるリーチ判定の結果が当該遊技回においてリーチが発生しないというものである場合には(Sb1013:NO)、ステップSb1014を実行することなく、ステップSb1015に進む。
ステップSb1015では、外れ用の停止結果を設定する処理を実行する。具体的には、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fにおける外れ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSb1015を実行した後、当たり判定処理を終了する。
<変動時間設定処理>
次に、変動時間設定処理について説明する。変動時間設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図230:Sb0804)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図233は、変動時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSb1101では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタバッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSb1102に進む。
ステップSb1102では、変動時間テーブルを特定する処理を実行する。変動時間テーブルは、図柄が変動を開始してから停止するまでの時間である変動時間の情報(変動時間情報)と変動種別カウンタCSの値とをデータ要素とする表形式のデータである。ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dには、遊技状態や、小当たりの有無、V入賞大当たりの有無、時短付与の有無、リーチ発生の有無等に応じた様々な種類の変動時間テーブルを記憶している。ステップSb1102では、これらの変動時間テーブルから一の変動時間テーブルを特定する。具体的には、所定情報としての当たりフラグから特定される今回の遊技回に係る当否判定の判定結果と振分判定の判定結果や、所定情報としてのリーチ発生フラグから特定されるリーチ判定の判定結果等に基づいて、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dの中から一の変動時間テーブルの特定を行う。ステップSb1102を実行した後、ステップSb1103に進む。
ステップSb1103では、ステップSb1102で特定した変動時間テーブルを参照することによって、ステップSb1101で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSb1103を実行した後、ステップSb1104に進む。
ステップSb1104では、ステップSb1103で取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間設定処理を終了する。
<変動停止処理>
次に、変動停止処理について説明する。変動停止処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図229:Sb0704)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図234は、変動停止処理を示すフローチャートである。ステップSb1201では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動表示中フラグ記憶エリアの特図変動表示中フラグがONであるか否かを判定する。所定情報としての特図変動表示中フラグは、上述したように、第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。このため、ステップSb1201の処理によれば、特図ユニット37に備えられる第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かの判定が行なわれる。
ステップSb1201において、特図変動表示中フラグがONであると判定した場合には(Sb1201:YES)、ステップSb1202に進む。
ステップSb1202では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップSb1202では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64f)に格納されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、前述した変動時間設定処理(図233)において設定されたものである。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップSb1202において、変動時間が経過していると判定した場合には(Sb1202:YES)、ステップSb1203に進み、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部における図柄の変動を終了させる処理を行う。ステップSb1203を実行した後、ステップSb1204に進む。
ステップSb1204では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動表示中フラグ記憶エリアに記憶されている特図変動表示中フラグをOFFする。ステップSb1204を実行した後、ステップSb1205に進む。
ステップSb1205では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図停止表示中フラグ記憶エリアに記憶されている特図停止表示中フラグをONする。所定情報としての特図停止表示中フラグは、第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方について停止表示を開始させる場合にONにされ、その停止表示が終了する場合にOFFにされる。ステップSb1205を実行した後、ステップSb1206に進む。変動表示の停止時は特定条件となり得る。
一方、ステップSb1202において、変動時間が経過していないと判定した場合には(Sb1202:NO)、ステップSb1203~ステップSb1205を実行することなく、ステップSb1206に進む。また、ステップSb1201において、特図変動表示中フラグがONでないと判定した場合には(Sb1201:NO)、ステップSb1202~ステップSb1205を実行することなく、ステップSb1206に進む。
ステップSb1206では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図停止表示中フラグ記憶エリアに記憶されている特図停止表示中フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb1206の処理によれば、特図ユニット37に備えられる第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方が停止表示中であるか否かの判定が行なわれる。
ステップSb1206において、特図停止表示中フラグがONであると判定した場合には(Sb1206:YES)、ステップSb1207に進む。
ステップSb1207では、今回の遊技回の停止表示の確定時間(停止表示時間とも呼ぶ)が経過したか否かを判定する。具体的には、ステップSb1207では、予め定められた確定時間(例えば、1秒)が初期値として設定された確定時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該確定時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップSb1207において、停止表示時間が経過していると判定した場合には(Sb1207:YES)、ステップSb1208に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図停止表示中フラグ記憶エリアに記憶されている特図停止表示中フラグをOFFする。ステップSb1208を実行した後、ステップSb1209に進む。
一方、ステップSb1207において、停止表示時間が経過していないと判定した場合には(Sb1207:NO)、ステップSb1208~ステップSb1217を実行することなく、本変動時間終了処理を終了する。また、ステップSb1206において、特図停止表示中フラグがONでないと判定した場合には(Sb1206:NO)、ステップSb1207~ステップSb1217を実行することなく、本変動時間終了処理を終了する。
ステップSb1209では、天井時短機能の作動に必要となる天井時短用処理を実行する。天井時短用処理の詳細は後述する。ステップSb1209を実行した後、ステップSb1210に進む。
ステップSb1210では、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が小当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の1R小当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSb1210において、1R小当たりフラグがONではない、すなわち、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が小当たり当選でないと判定した場合には(Sb1210:NO)、ステップSb1211に進む。
ステップSb1211では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSb1211において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sb1211:YES)、ステップSb1202に進み、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードが開始された場合に、遊技回数カウンタPNCに値が設定され、高頻度サポートモード時において遊技回が実行される毎にカウンタ値が1だけデクリメントされるフラグである。遊技回数カウンタPNCは、RAM64の各種カウンタエリア64fに記憶される。
ステップSb1212において、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回ると判定した場合には(Sb1212:YES)、ステップSb1213に進み、遊技回数カウンタPNCの値を1だけデクリメントする。ステップSb1213を実行した後、ステップSb1214に進む。一方、ステップSb1212において、遊技回数カウンタPNCの値が0以下であると判定した場合には(Sb1215:NO)、ステップSb1213を実行することなく、ステップSb1214に進む。
ステップSb1214において、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップSb12014:NO)には、ステップSb1215に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップSb1215を実行した後、本変動時間終了処理を終了する。
ステップSb1214において、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていると判定した場合(ステップSb1214:YES)には、ステップSb1215を実行することなく、本変動時間終了処理を終了する。また、ステップSb1211において、高頻度サポートモードフラグがONでないと判定した場合(Sb1211:NO)に、ステップSb1212~ステップSb1215を実行することなく、本変動時間終了処理を終了する。
一方、ステップSb1210において、1R小当たりフラグがONである、すなわち、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が小当たり当選であると判定した場合には(Sb1210:YES)、ステップSb1216に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの開閉実行モードフラグをONする。ステップSb1216を実行した後、ステップSb1217に進む。
ステップSb1217では、V入賞口59に遊技球が入球してV入賞大当たりに当選した方が遊技者にとっての有利性が高いか否かを判定するためのV狙い損益判定処理を実行する。V狙い損益判定処理の詳細は後述する。ステップSb1217を実行した後、本変動時間終了処理を終了する。
<天井時短用処理>
次に、天井時短用処理について説明する。天井時短用処理は、変動停止処理のサブルーチン(図234:Sb1209)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図235は、天井時短用処理を示すフローチャートである。ステップSb1301では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSb1301において、高頻度サポートモードフラグがONでないと判定した場合には(Sb1301:NO)、ステップSb1302に進み、カウンタ更新終了フラグがONであるか否かを判定する。カウンタ更新終了フラグは、天井回数カウンタの更新を終了した状態にあるか否かを特定するフラグであり、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている。
ステップSb1302において、カウンタ更新終了フラグがONでないと判定した場合には(Sb1302:NO)、ステップSb1303に進み、天井回数カウンタTNCの値を1だけデクリメントする。天井回数カウンタTNCは、初期化条件成立時に値が設定され、サポートモードが低頻度サポートモード中において遊技回が実行される毎に1だけデクリメントされるフラグである。初期化条件成立時とは、パチンコ機が初期化されたとき(RAMがクリアされたとき)、またはV入賞大当たり遊技が終了したときが該当する。天井回数カウンタTNCは、RAM64の各種カウンタエリア64fに記憶される。ステップSb1303を実行した後、ステップSb1304に進む。
ステップSb1304では、天井回数カウンタTNCの値が0を上回るか否かを判定する。ステップSb1304において、天井回数カウンタTNCの値が0以下であると判定した場合には(Sb1304:NO)、ステップSb1305に進む。
ステップSb1305では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている天井条件成立フラグをONする。天井条件成立フラグは、初期化条件成立時からの通常状態中の遊技回の実行回数が規定回数に達したか否かを特定するフラグである。その後、ステップSb1306に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されているカウンタ更新終了フラグをONする。カウンタ更新終了フラグは、天井回数カウンタの更新を終了した状態にあるか否かを特定するフラグである。天井条件成立フラグおよびカウンタ更新終了フラグのそれぞれは、上述した初期化条件成立時にOFFされ、天井回数カウンタの値が0に達した場合にONされる。ステップSb1306を実行した後、ステップSb1307に進む。
一方、ステップSb1304において、天井回数カウンタTNCの値が0を上回ると判定した場合には(Sb1304:YES)、ステップSb1305およびステップSb1306を実行することなく、ステップSb1307に進む。
ステップSb1307では、天井条件成立フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb1307において、天井条件成立フラグがONであると判定された場合には(Sb1307:YES)、ステップSb1308に進む。
ステップSb1308では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグをONする。その後、ステップSb1309に進み、遊技回数カウンタPCに100を設定する。100の値は、天井時短機能によって付与される高サポ状態の遊技回の回数である。ステップSb1309を実行した後、ステップSb1310に進む。
ステップSb1310では、天井到達コマンドを設定する。天井到達コマンドは、通常状態中の遊技回の実行回数が天井である規定回数に到達したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。天井到達コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図228:ステップSb0603)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSb1310を実行した後、本天井時短用処理を終了する。
一方、ステップSb1307において、天井条件成立フラグがONでないと判定した場合(ステップSb1307:NO)には、ステップSb1308~ステップSb1310を実行することなく、本天井時短用処理を終了する。
また、ステップSb1301において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sb1301:YES)、ステップSb1302~ステップSb1310を実行することなく、本天井時短用処理を終了する。
ステップSb1302において、カウンタ更新終了フラグがONであると判定した場合には(Sb1302:YES)、ステップSb1303~ステップSb1310を実行することなく、本天井時短用処理を終了する。
<V狙い損益判定処理>
次に、V狙い損益判定処理について説明する。V狙い損益判定処理は、変動停止処理のサブルーチン(図234:Sb1217)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図236は、V狙い損益判定処理を示すフローチャートである。ステップSb1401では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSb1401において、第2図柄表示部フラグがONでないと判定した場合には(Sb1401:NO)、ステップSb1402に進む。ステップSb1402では、カウンタ更新終了フラグがONであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのカウンタ更新終了フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSb1402において、カウンタ更新終了フラグがONでないと判定した場合には(Sb1402:NO)、ステップSb1403に進む。
ステップSb1403では、天井回数カウンタTNCの値が1000から損益分岐回数を引いた差より小さいか否かを判定する。損益分岐回数は、本実施形態では900であることから、上記差は100となる。ステップSb1403において、天井回数カウンタTNCの値が1000から損益分岐回数を引いた差、すなわち100以上であると判定された場合には(Sb1403:NO)、ステップSb1404に進み、第1報知用コマンドを設定する。第1報知用コマンドは、音声発光制御装置90に対してV狙い報知演出を表示させるためのコマンドである。ステップSb1404を実行した後、本V狙い損益判定処理を終了する。
一方、ステップSb1403において、天井回数カウンタTNCの値が1000から損益分岐回数を引いた差、すなわち100より小さいと判定された場合には(Sb1403:NO)、ステップSb1405に進み、第2報知用コマンドを設定する。第2報知用コマンドは、第1報知用コマンドとは相違するコマンドであり、音声発光制御装置90に対してV狙い非推奨報知演出を表示させるためのコマンドである。ステップSb1405を実行した後、本V狙い損益判定処理を終了する。
ステップSb1402において、カウンタ更新終了フラグがONであると判定した場合には(Sb1402:YES)、本V狙い損益判定処理を終了する。
ステップSb1401において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sb1401:YES)、ステップSb1406に進む。ステップSb1406では、第1報知用コマンドを設定する。ステップSb1406の処理は、ステップSb1404の処理と同一である。ステップSb1406を実行した後、本V狙い損益判定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、ステップSb1406の処理をステップSb1404の処理と同一としたが、これに換えて、ステップSb1406において、第1報知用コマンドとは相違する第3報知コマンドを設定する構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図228:Sb0607)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図237は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップSb1501では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、開閉実行モードにおける大入賞口開閉処理期間の終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされるフラグである。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。ここで、開閉実行モードとは、小当たりに基づく開閉実行モードおよびV入賞大当たりに基づく開閉実行モードのいずれも該当する。
ステップSb1501において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sb1501:NO)、ステップSb1502に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。開閉処理期間フラグは、開閉実行モード中においてオープニング期間が終了し、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉動作が実行される期間である大入賞口開閉処理期間が開始されるタイミングでONにされ、当該開閉扉36bの開閉動作が終了するタイミングでOFFにされるフラグである。
ステップSb1502において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(Sb1502:NO)、ステップSb1503に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされるフラグである。
ステップSb1503において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sb1503:NO)、ステップSb1504に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSb1504において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sb1504:YES)、後述するステップSb1508以降の開閉実行モードを開始させるための処理群に進む。
一方、ステップSb1504において、開閉実行モードフラグがOFFであると判定した場合には(Sb1504:NO)、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(Sb1504:NO)、ステップSb1505に進み、V入賞フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSb1505において、V入賞フラグがONであると判定した場合には(ステップSb1505:YES)、ステップSb1506に進み、開閉実行モードフラグをONにし、その後、ステップSb1507に進み、実行契機判定フラグをONする。実行契機判定フラグは、今回の開閉実行モードの実行の契機がV入賞大当たり当選によるものであるか否かを判別するためのフラグである。ステップSb1507を実行した後、後述するステップSb1508以降の開閉実行モードを開始させるための処理群に進む。
一方、ステップSb1505において、V入賞フラグがONではないと判定した場合には(ステップSb1505:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。すなわち、本実施形態では、当たり抽選において小当たりに当選した場合(開閉実行モードフラグがONになった場合)だけでなく、V入賞口59に遊技球が入球してV入賞大当たりに当選した場合(V入賞フラグがONになった場合)にも、開閉実行モードが開始されることになる。そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSb1508では、開閉シナリオを設定する開閉シナリオ設定処理を実行する。開閉シナリオは、ラウンド遊技における小当たり専用可変入賞装置57に備えられた開閉扉57bまたは可変入賞装置36に備えられた開閉扉36bの開閉動作のパターンを定めるもので、本実施形態では、開閉扉57b,36bを閉鎖状態から開放状態へ移行する条件(以下、「開放条件」とも呼ぶ)と、開閉扉57b,36bを開放状態から閉鎖状態へ移行する条件(以下、「閉鎖条件」とも呼ぶ)と、が記録されたプログラムである。
開放条件は、例えば下記の通りである。
・パチンコ機10の現在の状態が、開閉実行モードにおける各ラウンド遊技を開始するタイミングであること。
上記1つの項目が成立した場合に開閉扉57b,36bは閉鎖状態から開放状態に移行する。
閉鎖条件は、例えば下記の通りである。
・各ラウンド遊技を開始してからの経過時間が、予め定められた上限継続時間(例えば15秒)を超えること。
・各ラウンド遊技を開始してから大入賞口57a,36aへ入球した遊技球の個数が、予め定められた上限個数を超えること。
上記2つの項目のうちのいずれか一方が成立した場合に、開閉扉57b,36bは開放状態から閉鎖状態に移行する。
開閉シナリオは、ROM63の開閉シナリオ記憶エリア63hに予め記憶されている。ステップSb1508の開閉シナリオ設定処理は、当たりの種別に対応したフラグ(当たりフラグ)と、実行契機判定フラグと等に基づいて、開閉シナリオ記憶エリア63hの中から開閉シナリオを選択することによって設定する。ステップSb1508を実行した後、ステップSb1509に進む。
ステップSb1509では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のオープニング期間において同じ一定の長さのオープニング時間を設定する。具体的には、オープニング時間を決定するオープニング期間タイマカウンタエリアに「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、オープニング期間タイマカウンタエリアは、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップSb1509を実行した後、ステップSb1510に進む。
ステップSb1510では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図228)におけるステップSb0603にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間および今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および大入賞口開閉処理期間に対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSb1510を実行した後、ステップSb1511に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSb1503において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(Sb1503:YES)、ステップSb1512に進む。
ステップSb1512では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、オープニング期間タイマカウンタエリアの値が「0」であるか否かを判定する。ステップSb1512において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(Sb1512:YES)、ステップSb1513に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSb1514に進む。
ステップSb1514では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップSb1514を実行した後、ステップSb1515に進む。
ステップSb1515では、開閉処理期間フラグをONにする。続くステップSb1516では、開閉処理開始コマンドを設定する。開閉処理開始コマンドは、開閉処理期間が開始されたことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉処理開始コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図228:ステップSb0603)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSb1516を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSb1502において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(Sb1502:YES)、ステップSb1517に進み、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理については後述する。ステップSb1517を実行した後、ステップSb1518に進む。
ステップSb1518では、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定する。具体的には、開閉扉57b,36bが開放された回数をカウントするための第1ラウンドカウンタエリアの値が「0」であるか否かによって、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定する。ステップSb1518において、大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(Sb1518:YES)、ステップSb1519に進む。一方、ステップSb1518において、大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(Sb1518:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSb1519では、開閉処理期間フラグをOFFにし、その後、ステップSb1520に進む。
ステップSb1520では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップSb1520を実行した後、ステップSb1521に進む。
ステップSb1521では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のエンディング期間において同じ一定の長さのエンディング時間を設定する。具体的には、エンディング時間を決定するエンディング期間タイマカウンタエリアに「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、エンディング期間タイマカウンタエリアは、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップSb1521を実行した後、ステップSb1522に進む。
ステップSb1522では、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図228)におけるステップSb0603において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップSb1522を実行した後、ステップSb1523に進む。
ステップSb1523では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSb1501において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(Sb1501:YES)、ステップSb1524に進む。
ステップSb1524では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(Sb1521)において、エンディング時間として設定したエンディング期間タイマカウンタエリアの値が「0」であるか否かを判定する。ステップSb1524において、エンディング時間として設定したエンディング期間タイマカウンタエリアの値が「0」であると判定した場合には(Sb1524:YES)、ステップSb1525に進む。
ステップSb1525では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSb1526に進み、実行契機判定フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSb1526において、実行契機判定フラグがONでないと判定された場合には(Sb1526:NO)、今回の開閉実行モードの実行の契機がV入賞大当たり当選によるものではないことから、ステップSb1530に進む。
一方、ステップSb1526において、実行契機判定フラグがONであると判定された場合には(Sb1526:YES)、今回の開閉実行モードの実行の契機がV入賞大当たり当選によるものであることから、ステップSb1527に進み、V入賞大当たり遊技終了時の移行処理を実行する。V入賞大当たり遊技終了時の移行処理は、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードにおけるエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。V入賞大当たり遊技終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップSb1527を実行した後、ステップSb1528に進む。
ステップSb1528では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのV入賞フラグをOFFする。ステップSb1528を実行した後、ステップSb1529に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの開閉実行モードフラグをOFFにする。ステップSb1529を実行した後、ステップSb1530に進む。
ステップSb1530では、開閉実行モード終了コマンドを設定する。設定された開閉実行モード終了コマンドは、通常処理(図228)におけるコマンド出力処理(ステップSb0603)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、開閉実行モード終了コマンドを受信したことに基づいて、エンディング演出を終了するように設定する。ステップSb1530を実行した後、ステップSb1631に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、本特別電動役物制御処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図237:Sb1517)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図238は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップSb1601では、小当たり専用可変入賞装置57に備えられた開閉扉(以下、小当たり用の開閉扉とも呼ぶ)57bは開放中であるか否かを判定する。具体的には、第1特別電動役物駆動部57cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップSb1601において、開閉扉36bは開放中ではないと判定した場合には(Sb1601:NO)、ステップSb1602に進む。
ステップSb1602では、小当たり用の開閉扉57bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、小当たり用の開閉扉57bの開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSb1602において、小当たり用の開閉扉57bの開放条件が成立したと判定した場合には(Sb1602:YES)、ステップSb1603に進む。
ステップSb1603では、小当たり用の開閉扉57bを開放する。その後、ステップSb1604に進む。
ステップSb1604では、第1開閉扉開放コマンドを設定する。第1開閉扉開放コマンドは、小当たり用の開閉扉57bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図228:ステップSb0603)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSb1604を実行した後、ステップSb1608に進む。
ステップSb1602において、小当たり用の開閉扉57bの開放条件が成立していないと判定した場合には(Sb1602:NO)、ステップSb1603およびステップSb1604を実行することなく、ステップSb1608に進む。
ステップSb1601において、小当たり用の開閉扉57bは開放中であると判定した場合には(Sb1601:YES)、ステップSb1605に進む。
ステップSb1605では、小当たり用の開閉扉57bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、小当たり用の開閉扉57bの閉鎖のタイミングであるか否かを判定する。ステップSb1605において、小当たり用の開閉扉57bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sb1605:YES)、ステップSb1606に進む。
ステップSb1606では、小当たり用の開閉扉57bを閉鎖する。その後、ステップSb1607に進む。
ステップSb1607では、第1開閉扉閉鎖コマンドを設定する。第1開閉扉閉鎖コマンドは、小当たり用の開閉扉57bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図228:ステップSb0603)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSb1607を実行した後、ステップSb1608に進む。
ステップSb1605において、小当たり用の開閉扉57bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sb1605:NO)、ステップSb1606およびステップSb1607を実行することなく、ステップSb1608に進む。
ステップSb1608では、可変入賞装置36に備えられた開閉扉(以下、大当たり用の開閉扉とも呼ぶ)36bは開放中であるか否かを判定する。具体的には、第2特別電動役物駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップSb1608において、大当たり用の開閉扉36bは開放中ではないと判定した場合には(Sb1608:NO)、ステップSb1609に進む。
ステップSb1609では、大当たり用の開閉扉36bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、大当たり用の開閉扉36bの開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSb1602において、大当たり用の開閉扉36bの開放条件が成立したと判定した場合には(Sb1609:YES)、ステップSb1610に進む。
ステップSb1610では、大当たり用の開閉扉36bを開放する。その後、ステップSb1611に進む。
ステップSb1611では、第2開閉扉開放コマンドを設定する。第2開閉扉開放コマンドは、大当たり用の開閉扉36bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図228:ステップSb0603)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSb1611を実行した後、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSb1609において、大当たり用の開閉扉36bの開放条件が成立していないと判定した場合には(Sb1609:NO)、ステップSb1610およびステップSb1611を実行することなく、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSb1608において、大当たり用の開閉扉36bは開放中であると判定した場合には(Sb1608:YES)、ステップSb1612に進む。
ステップSb1612では、大当たり用の開閉扉36bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、大当たり用の開閉扉36bの閉鎖のタイミングであるか否かを判定する。ステップSb1612において、大当たり用の開閉扉36bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sb1612:YES)、ステップSb1613に進む。
ステップSb1613では、大当たり用の開閉扉36bを閉鎖する。その後、ステップSb1614に進む。
ステップSb1614では、第2開閉扉閉鎖コマンドを設定する。第2開閉扉閉鎖コマンドは、大当たり用の開閉扉36bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図228:ステップSb0603)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSb1614を実行した後、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSb1612において、大当たり用の開閉扉36bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sb1612:NO)、ステップSb1613およびステップSb1614を実行することなく、大入賞口開閉処理を終了する。
<V入賞大当たり遊技終了時の移行処理>
次に、V入賞大当たり遊技終了時の移行処理について説明する。V入賞大当たり遊技終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図237:Sb1527)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図239は、V入賞大当たり遊技終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップSb1701では、RAM64の各種カウンタエリア64fに記憶されている天井回数カウンタTNCに1000をセットする。1000の値は、天井到達回数に相当する。これによって、天井回数カウンタTNCに天井到達回数がセットされる。ステップSb1701を実行した後、ステップSb1702に進む。
ステップSb1702では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている天井条件成立フラグをOFFにし、その後、ステップSb1703に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されているカウンタ更新終了フラグをOFFにする。その後、ステップSb1704に進む。
ステップSb1704では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb1704において、第2図柄表示部フラグがONでないと判定した場合には(Sb1705:NO)、ステップSb1705に進む。
ステップSb1705では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている当たりフラグ(1R小当たりフラグ、4R大当たりフラグ、および15R大当たりフラグ)をOFFする。その後、ステップSb1706に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これによって、遊技状態は高サポ状態に移行される。その後、ステップSb1707に進み、遊技回数カウンタPNCに1がセットされる。これによって、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数は1回に設定される。ステップSb1707を実行した後、ステップSb1711に進む。
ステップSb1704において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sb1705:YES)、ステップSb1708に進む。
ステップSb1708では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている当たりフラグ(1R小当たりフラグ、4R大当たりフラグ、および15R大当たりフラグ)をOFFする。その後、ステップSb1709に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これによって、遊技状態は高サポ状態に移行される。その後、ステップSb1710に進み、遊技回数カウンタPNCに1がセットされる。これによって、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数は7回に設定される。ステップSb1710を実行した後、ステップSb1711に進む。
ステップSb1711では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、V入賞大当たり遊技終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図228:Sb0608)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図240は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップSb1801では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップSb1801において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(Sb1801:NO)、ステップSb1802に進む。
ステップSb1802では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップSb1802において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(Sb1802:NO)、ステップSb1803に進む。
ステップSb1803では、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップSb1803において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sb1803:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sb1803:YES)、ステップSb1804に進む。
ステップSb1804では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップSb1804において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(Sb1804:YES)、ステップSb1805に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップSb1804において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(Sb1804:NO)、ステップSb1806に進む。
ステップSb1806では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップSb1806において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(Sb1806:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSb1806において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(Sb1806:YES)、ステップSb1807に進む。
ステップSb1807では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップSb1808に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップSb1807において開閉実行モードではなく(Sb1807:NO)、且つ、ステップSb1808において高頻度サポートモードである場合には(Sb1808:YES)、ステップSb1809に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0~190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップSb1810に進む。
ステップSb1810では、ステップSb1809の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSb1810において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(Sb1810:YES)、ステップSb1811に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、電役サポート用処理を終了する。
一方、ステップSb1810において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(Sb1810:NO)、ステップSb1811の処理を実行することなく、電役サポート用処理を終了する。
ステップSb1807において開閉実行モードであると判定した場合(Sb1807:YES)、又は、ステップSb1808において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(Sb1808:NO)、ステップSb1812に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0~190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップSb1813に進む。
ステップSb1813では、ステップSb1812の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSb1813において、サポート当選でないと判定した場合には(Sb1813:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSb1813において、サポート当選であると判定した場合には(Sb1813:YES)、ステップSb1814に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSb1802において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(Sb1802:YES)、ステップSb1815に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSb1815において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sb1815:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSb1815において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sb1815:YES)、ステップSb1816に進む。
ステップSb1816では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップSb1817に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSb1801において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(Sb1801:YES)、ステップSb1818に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図240:Sb1818)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図241は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップSb1901では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(Sb1901:YES)、ステップSb1902に進む。
ステップSb1902では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSb1902において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sb1902:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSb1902において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sb1902:YES)、ステップSb1903に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップSb1903を実行した後、ステップSb1904に進む。
ステップSb1904では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップSb1905に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSb1905において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(Sb1905:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSb1905において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(Sb1905:YES)、ステップSb1906に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSb1901において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(Sb1901:NO)、ステップSb1907に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSb1907において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(Sb1907:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSb1907において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(Sb1907:YES)、ステップSb1908に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップSb1909に進む。
ステップSb1909では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sb1909:NO)、ステップSb1910に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップSb1910において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(Sb1910:YES)、ステップSb1911に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップSb1909において開閉実行モードであると判定した場合(Sb1909:YES)、又は、ステップSb1910において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(Sb1910:NO)、ステップSb1912に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
《5-6》音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、予告演出や結果告知演出を実行するために、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図242は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSb2001では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップSb2001を実行した後、ステップSb2002に進む。
ステップSb2002では、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理では、ステップSb2001で記憶したコマンドのうちの第1保留コマンドに対応した処理を行う。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップSb2002を実行した後、ステップSb2003に進む。
ステップSb2003では、遊技回演出設定処理を実行する。遊技回演出設定処理では、図柄の変動が開始してから停止するまでの遊技回において実行する演出の設定を行う。遊技回演出設定処理の詳細については後述する。ステップSb2003を実行した後、ステップSb2004に進む。
ステップSb2004では、開閉実行モード演出用処理を実行する。開閉実行モード演出用処理では、オープニング期間における演出や、大入賞口開閉処理期間における演出、エンディング期間における演出に関する処理を行う。ステップSb2004を実行した後、ステップSb2005に進む。
ステップSb2005では、報知演出用処理を実行する。報知演出用処理は、様々な報知演出を実現するための処理である。報知演出の一つとして、「遊技機による処理の概要」の欄に含まれる「遊技方法の報知演出」の欄で詳述したV狙い報知演出およびV狙い非推奨報知演出を実現する。具体的には、報知演出用処理では、主側MPU62から第1報知用コマンドを受信した場合にV狙い報知演出を図柄表示装置41に表示させ、主側MPU62から第2報知用コマンドを受信した場合にV狙い非推奨報知演出を図柄表示装置41に表示させる処理を行う。また、報知演出の一つとして、「遊技機による処理の概要」の欄に含まれる「天井時短機能の構成」の欄で詳述した天井到達報知演出を実現する。具体的には、報知演出用処理では、主側MPU62から天井到達コマンドを受信した場合に天井到達報知演出を図柄表示装置41に表示させる処理を行う。ステップSb2005を実行した後、ステップSb2006に進む。
ステップSb2006では、背景演出用処理を実行する。背景演出用処理では、主側MPU62から受信した遊技状態を示すコマンドに応じて定まる背景動画を図柄表示装置41に表示させる処理を行う。例えば、高頻度サポートモードの継続中であることを示す背景動画や、高頻度サポートモードを終了したことを示す背景動画を表示させる処理を行う。ステップSb2006を実行した後、ステップSb2007に進む。
ステップSb2007では、その他の処理を実行する。その他の処理は、遊技者によって遊技が行われていない時にデモ画像(動画)を図柄表示装置41に表示させる処理等である。ステップSb2007を実行した後、ステップSb2008に進む。
ステップSb2008では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSb2008を実行した後、ステップSb2009に進む。
ステップSb2009では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記のBGM用処理及び各演出用処理において読み出された音声データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSb2009を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図242:Sb2002)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図243は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップSb2101では、主側MPU62から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSb2101において、主側MPU62から保留コマンドを受信していると判定した場合には(Sb2101:YES)、ステップSb2102に進む。
ステップSb2102では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップSb2102において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には(Sb2102:YES)、ステップSb2103に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSb2103を実行した後、ステップSb2105に進む。
ステップSb2102において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものでないと判定した場合(Sb2102:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップSb2104に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSb2104を実行した後、ステップSb2105に進む。
ステップSb2103及びステップSb2104の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入球に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップSb2105では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップSb2105を実行した後、ステップSb2106に進む。
ステップSb2101において、主側MPU62から保留コマンドを受信していないと判定した場合には(Sb2101:NO)、ステップSb2102~ステップSb2105を実行することなく、ステップSb2106に進む。
ステップSb2106では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップSb2103において特定された第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数に基づいて、第1保留表示部37cの表示態様(点灯させるLEDランプの色や組み合わせ)を制御するとともに、ステップSb2104において特定された第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数に基づいて、第2保留表示部37dの表示態様(点灯させるLEDランプの色や組み合わせ)を制御する。ステップSb2106を実行した後、本保留コマンド対応処理を終了する。
<遊技回演出設定処理>
次に、遊技回演出設定処理について説明する。遊技回演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図242:Sb2003)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図244は、遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSb2201では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSb2201において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(Sb2201:NO)、本遊技回演出設定処理を終了する。一方、ステップSb2201において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していると判定した場合には(Sb2201:YES)、ステップSb2202に進む。
ステップSb2202では、今回受信した変動用コマンドと種別コマンドとを読み出し、これらのコマンドから、小当たりの有無、時短付与の有無、当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合の大当たりの種別、リーチ発生の有無、および変動時間の情報をそれぞれ把握する。そして、把握した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップSb2203に進む。
ステップSb2203では、演出パターン設定処理を実行する。演出パターン設定処理は、今回の遊技回において実行する演出のパターン(予告演出、リーチ演出の内容や実行のタイミング)を演出パターンテーブルに基づいて決定し、設定する処理である。演出パターン設定処理の詳細については後述する。ステップSb2203を実行した後、ステップSb2204に進む。
ステップSb2204では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の振分判定の結果が、4R大当たり又は15R大当たりである場合には、有効ラインL1(図2682参照)上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の当たり抽選の当否結果が4R大当たりである場合には、7以外の同一の図柄の組合せ、すなわち、111、222、333、444、555、666、または888が選択され得る。今回の遊技回の当たり抽選の当否結果が15R大当たりである場合には、「7」図柄の組合せ、すなわち、777が選択され得る。なお、これは一例であり、例えば、今回の遊技回の当たり抽選の当否結果が4R大当たりである場合には同一の図柄の組合せとして同一の奇数図柄の組合せが選択され、今回の遊技回の当たり抽選の当否結果が15R大当たりである場合には同一の偶数図柄の組合せが選択され得る構成等、他の同一図柄の組合せとしてもよい。さらに、同一図柄の組み合わせに換えて、他の特定の規則(例えば、連番)に則った図柄の組み合わせとしてもよい。
今回の遊技回の大当たり抽選の当否結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL1上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL1上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。
ステップSb2205では、今回の遊技回の変動パターンを設定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップSb2204において設定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動パターンを選択する。なお、変動パターンを選択する際には、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動パターンテーブルが参照される。その後、ステップSb2206に進む。
ステップSb2206では、今回の遊技回においてステップSb2203で設定された演出パターン、ステップSb2204で設定された停止図柄、ステップSb2205で設定された変動パターンの情報を演出コマンドに設定する。その後、ステップSb2207に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップSb2207を実行した後、ステップSb2208に進む。
ステップSb2208では、変動開始時の更新処理を実行する。変動開始時の更新処理は、図柄表示装置41の第1始動口保留用領域Ds1または第2始動口保留用領域Ds2における保留表示を更新するための処理である。変動開始時の更新処理の詳細については後述する。ステップSb2208を実行した後、本遊技回演出設定処理を終了する。
<演出パターン設定処理>
次に、演出パターン設定処理について説明する。演出パターン設定処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図244:Sb2203)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図245は、演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSb2301では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数RNを取得する。その後、ステップSb2302に進む。
ステップSb2302では、演出パターンテーブルを特定する処理を実行する。演出パターンテーブルは、遊技回において実行する演出のパターンと、変動時間と、演出パターン用乱数RNとをデータ要素とする3次元の表形式のデータである。ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93aには、小当たりの有無、時短付与の有無、当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合の大当たりの種別、リーチ発生の有無に応じた様々な種類の演出パターンテーブルを記憶している。ステップSb2302では、これらの演出パターンテーブルから一の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、遊技回演出設定処理(図244)のステップSb2202で把握した、小当たりの有無、時短付与の有無、当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合の大当たりの種別、リーチ発生の有無に基づいて、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93aの中から一の演出パターンテーブルの特定を行う。ステップSb2302を実行した後、ステップSb2303に進む。
ステップSb2303では、Sb2302で特定した演出パターンテーブルを参照して、遊技回演出設定処理(図2449)のステップSb2202で把握した変動時間と、ステップSb2301によって得られた今回の演出パターン用乱数RNの値とに対応した演出パターンを取得する。ステップSb2303を実行した後、ステップSb2304に進む。
ステップSb2304では、ステップSb2303によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSb2304を実行した後、本演出パターン設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、主制御装置60による当たり抽選の結果が小当たり当選であり、振分テーブルによる振分結果が15R大当たりである場合に、図柄変動演出を行なう際に停止図柄指定コマンドによって指定する停止図柄演出の内容として、停止図柄である777を一定時間だけ継続表示する内容を設定する場合と、一旦、4R大当たりに振り分けられたように、最初の連続する所定数(例えば、100枚、画像表示換算で2秒分)のフレームに7以外の同一図柄の組合せを表示し、その後、各図柄列Z1~Z3の図柄が変動表示を再開し、その後、停止図柄である777に変化(昇格)し、777を確定時間だけ継続表示する内容を設定する場合とがある。前者の停止図柄についてのパターンと後者の停止図柄についてのパターン(以下、昇格パターンと呼ぶ)とは、遊技回演出設定処理(図244)におけるステップSb2204において、図245の演出パターン設定処理と同様に、乱数を用いた抽選によって振り分けられる。
停止図柄指定コマンドによって昇格パターンが指定される場合には、変動表示パターン指定コマンドによって指定する変動表示パターンとして、各図柄列Z1~Z3の図柄が変動表示を開始し、少なくとも最後の1フレームが停止図柄の最初の連続する所定数のフレームと同一の7以外の同一図柄の組合せとなる内容を設定する。すなわち、当該変動表示パターンは、4R大当たりに当選した場合に設定する変動表示パターンと同一のものとなる。このため、昇格演出によって15R大当たりに当選したことを遊技者に告知する場合には、15R大当たりに当選した場合、4R大当たりに当選した場合共に、4R大当たりに当選した場合に実行される変動表示パターンで変動表示を行う。そして、その後に行なう停止表示の内容として、4R大当たりに当選した場合には、4R大当たりに当選した場合に実行される停止図柄(7以外の同一図柄の組合せ)を続けて表示し、15R大当たりに当選した場合には、4R大当たりに当選した場合に実行される停止図柄(7以外の同一図柄の組合せ)から変動表示を再開し、その後、15R大当たりに当選した場合に実行される停止図柄(777)に表示図柄を切り替える。換言すれば、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であり、振分テーブルによる振り分け結果が15R大当たりである場合に、停止図柄用の1フレーム分毎の描画リストが最後まで描画されるよりも所定期間前の所定タイミングまでは4R大当たり用の変動表示パターンで変動表示を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては15R大当たり用の停止表示の内容に切り替える。
この構成によれば、当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知するために行なわれる図柄変動演出において、一旦、4R大当たりに当選したように演出表示し、その後に再変動して15R大当たりに変化(昇格)したように演出表示するもので、遊技者に対して落胆感とその後の大きな歓び感とを付与することができる。このために、遊技の興趣向上を図ることができる。
<変動開始時の更新処理>
次に、変動開始時の更新処理について説明する。変動開始時の更新処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図244:Sb2208)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図246は、変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。ステップSb2401では、今回受信した変動用コマンドが第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであるか否かを判定する。ステップSb2401において、今回受信した変動用コマンドが第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであると判定した場合には(Sb2401:YES)、ステップSb2402に進み、音光側RAM94の第1保留個数カウンタエリアに記憶されている個数が1減算されるように、当該第1保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、ステップSb2404に進む。
一方、ステップSb2401において、今回受信した変動用コマンドが第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものではないと判定した場合には(Sb2401:NO)、ステップSb2403に進み、音光側RAM94の第2保留個数カウンタエリアに記憶されている個数が1減算されるように、当該第2保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、ステップSb2404に進む。
ステップSb2404では、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
上記昇格を行なう図柄変動演出の構成は、4R大当たりから15R大当たりに昇格演出するものであるが、この構成を確変状態を有するタイプのパチンコ機に適用しても良い。具体的には、この確変状態を有するタイプのパチンコ機において、所定の当たり当選として確変大当たり当選した場合の図柄変動演出として、通常大当たり図柄で当たったように演出表示し、その後に再変動して(すなわち、再抽選表示して)確変大当たり図柄に変化(昇格)するように構成する。すなわち、当たり抽選の当否結果が大当たり当選であり、振り分けテーブルによって確変大当たりに振り分けられた場合に、停止図柄用の表示データテーブルにおいてポインタが最後の位置まで到達して大当たり当選の停止表示が終了するよりも所定期間前の所定タイミングまでは第1表示態様としての通常大当たり図柄となるように変動表示を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては図柄表示を第2表示態様としての確変大当たり図柄に切り替える構成とする。所定タイミングと特定タイミングとの間においては、再抽選表示中の図柄を第3表示態様として表示する。なお、昇格演出の際の確変大当たり図柄の表示時間は通常大当たり図柄の表示時間よりも長い。上記停止図柄用の表示データテーブルは、変動時間が異なる複数の候補の中から一つを特定することで決定される。停止し確定した図柄が通常大当たり図柄である場合に、ラウンド遊技の終了後の遊技状態は低確低サポ状態に維持される(あるいは低確高サポ状態に移行する)のに対して、停止し確定した図柄が確変大当たり図柄である場合に、ラウンド遊技の終了後の遊技状態は高確高サポ状態に移行する。
通常大当たり図柄は、例えば7以外の同一図柄の組合せ、すなわち111、222、333、444、555、666、または888であり、確変大当たり図柄は、例えば7の同一図柄の組合せ、すなわち777である。なお、これに換えて、通常大当たり図柄は、例えば3および7以外の同一図柄の組合せ、すなわち111、222、444、555、666、または888とし、確変大当たり図柄は、例えば3または7の同一図柄の組合せ、すなわち333または777としてもよい。この場合には、振分テーブルによる振り分け結果が5R大当たりとなった場合に確変大当たり図柄は333となり、振分テーブルによる振り分け結果が15R大当たりとなった場合に確変大当たり図柄は777となるように、図柄の表示態様に対応した利益で当たり抽選結果の報知が行われる構成としてもよい。また、通常大当たり図柄と確変大当たり図柄についての各色調については同一であってもよいし、相違していてもよい。具体的には、確変大当たり図柄は、赤色または金色とし、通常大当たり図柄は、赤色および金色以外の色調、例えば青色としてもよい。
したがって、この変形構成によれば、遊技者は、変動表示が通常大当たり図柄で停止するのを見て、大入賞口36aに遊技球を入球させることによって賞球の付与を受けることができるだろうと期待し、一方、変動表示が確変大当たり図柄に切り替えられるのを見て、確変大当たり当選の停止表示が終了した後に大入賞口36aが開閉する開閉実行モードに移行し、その後に高確状態に移行することができるようになり、いっそう大きな期待感を抱くことができる。このため、この構成によれば、確変大当たり当選となった場合に、変動表示の表示態様を適切に切り替えることによって、遊技者の期待感を高めて一層の遊技の興趣向上を図ることができる。
上記再抽選表示する構成は、昇格演出を行なう場合に限る必要はなく、例えば、当たり抽選の当否結果が大当たり当選であり、振り分けテーブルによって通常大当たりに振り分けられた場合に、通常大当たり図柄を一旦表示した後、再抽選表示し、その後、そのまま通常大当たり図柄で確定する構成とすることもできる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図247は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSb2501では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ107a,107bに、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSb2502に進む。
ステップSb2502では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
上記変形構成において、通常大当たり図柄から確変大当たり図柄に変化(昇格)する際の再変動中、すなわちあたかも再抽選を行っているかの再抽選表示中においては、図柄表示装置41の表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。この再抽選表示中において、例えば667,677というように、様々な図柄並びを経て回転する。再抽選表示中において、通常大当たり図柄と確変大当たり図柄とを繰り返し表示する構成としてもよい。具体的には、例えば、666と777とを図柄表示装置41の表示面41aに繰り返し表示する。さらには、再抽選表示中において、通常大当たり図柄と確変大当たり図柄とを同時に表示するように構成してもよい。具体的には、例えば、666と777とを図柄表示装置41の表示面41aに同時に表示する。これらの構成によれば、通常大当たり図柄と確変大当たり図柄とのどちらに確定するのかといったドキドキ感を遊技者に抱かせることができることから、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、上記変形構成において、再抽選表示後に確変大当たり図柄になった後には、少なくとも大当たりして賞球が発生するまでは、通常大当たり図柄に切り替わることはない。このために、上記変形構成によれば、確変大当たり図柄に一旦確定したのに、通常大当たり図柄に降格して失望するようなことがなくなり、確変大当たり図柄に対する信頼性を向上させることができる。このために、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。また、再抽選表示中において、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促すための特定の報知を行なう構成としてもよい。すなわち、再抽選表示中において、特定の報知として、例えば、「押しボタンを押せ」といった文字を記した文字画像を表示し、演出操作ボタン24が押下されたタイミングで通常大当たりまたは確変大当たりが確定する構成としてもよい。この構成によれば、確変大当たり図柄昇格への期待感を遊技者に付与することができる。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図248は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSb2601では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド格納エリアに、その抽出したコマンドデータを格納する。コマンド格納処理によってコマンド格納エリアに格納された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図249は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、特定条件としてのVDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド格納領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。V割り込み処理が実行される毎に、ワークRAM104内の表示データテーブルバッファに記憶されている表示データテーブルの実行位置を示す所定情報としてのポインタを1加算して更新することによって、図柄表示装置41に表示させる画像の特定を行なう。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファ107a,107bに、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSb2701では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図248)によってコマンド格納エリアに格納されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが格納されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが格納されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(Sb2701)では、その時点でコマンド格納エリアに格納されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド格納エリアに格納されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド格納エリアに格納されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や、停止図柄、変動表示パターン等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップSb2702では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(Sb2701)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSb2703に進む。
ステップSb2703では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(Sb2702)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターは描画リストの形でワークRAM104に格納される。その後、ステップSb2704に進む。
ステップSb2704では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(Sb2703)によって生成された描画リストを、VDP105に対して送信する。VDP105は、描画リストに基づいて1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した1フレーム分の画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップSb2705に進み、その他の処理を実行した後、本V割込み処理を終了する。例えば、大当たり当選に係る遊技回を例に挙げると、所定遊技状態としての当該遊技回では、所定情報が初期状態から更新終了状態となるまで、すなわち、同一図柄の組み合わせとなる停止図柄用の表示データテーブルにおいてポインタが初期位置に設定されてから最後まで到達するまで、本V割込み処理が実行されることになる。この結果、大当たり当選に係る変動表示が開始されてから停止表示の確定時間が終了するまでの描画が完了する。この描画完了後の予め定められたタイミングで所定有利状態としての開閉実行モードが実行され、賞球が遊技者に付与される。
以上、パチンコ機10において大当たり演出を含めた様々な処理を実行するための具体的な制御の一例を説明した。
《5-7》作用・効果:
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10では、更新処理によって、変動表示における予め定められた特定条件が成立した場合に、所定情報を更新し、所定遊技状態において、所定情報が更新終了状態となった後の予め定められたタイミングで所定有利状態を発生させる。また、第1表示態様または第1表示態様とは異なる第2表示態様で所定の報知を行なう。さらに、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行し、当該判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて利益付与条件が成立した場合に付与価値を発生させる。さらに、上記判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、所定情報が更新終了状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは第1表示態様で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては表示態様を第2表示態様に切り替える。具体的には、遊技回が実行される毎に天井回数カウンタを更新し、初期化条件成立時から大当たり当選する(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態において、天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値に到達した後の予め定められたタイミングで所定回数の時短付与を発生させる。また、V狙い報知演出またはV狙い非推奨報知演出で、小当たり当選時の遊技球を発射させる遊技方法の報知を行なう。さらに、第1始動口33に遊技球が入球することに基づいて当たり抽選を実行し、当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合にV入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3に移行する。さらに、当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、天井回数カウンタの値が天井到達回数(1000回)となるよりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達する所定タイミングまではV狙い報知演出で遊技方法の報知演出を行ない、上記損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達する所定タイミングよりも後の特定タイミング(99となるタイミング)においては遊技方法の報知演出をV狙い非推奨報知演出に切り替える。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、上記判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、所定情報が更新終了状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは第1表示態様で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては表示態様を第2表示態様に切り替えることから、遊技者は、第1表示態様で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて利益付与条件を成立させることによって、付与価値を発生させることができ、一方、第2表示態様に所定の報知が切り替えられるのを見て、所定情報が更新終了状態となり、所定有利状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本実施形態によれば、上記判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、所定の報知についての表示態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。具体的には、当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、天井回数カウンタの値が天井到達回数(1000回)となるよりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達する所定タイミングまではV狙い報知演出で遊技方法の報知演出を行ない、上記損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達する所定タイミングよりも後の特定タイミング(99となるタイミング)においては遊技方法の報知演出をV狙い非推奨報知演出に切り替えることから、遊技者は、V狙い報知演出で所定の報知がなされるのを見て、右打ちで遊技を行うことによってV入賞口59に遊技球を入球させることによって、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3に遊技状態を移行させることができ、一方、V狙い非推奨報知演出に所定の報知が切り替えられるのを見て、天井回数カウンタの値が天井到達回数(1000回)に対応した値(0)に到達し、所定回数の高サポ状態に移行することを期待感を抱いて待つことができる。このため、当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、報知演出についての表示態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、特典を付与する特典付与状態への移行率が第1の値である第1状態と、特典付与状態への移行率が第1の値より高い第2の値である第2状態と、を有し、第1表示態様は第1状態に移行しうることを示唆する態様であり、第2表示態様は第2状態に移行しうることを示唆する態様である。具体的には、ラッシュ突入率が約50%である決戦ステージH4と、ラッシュ突入率が約100%である天井到達ステージH8と、を有し、V狙い報知演出は決戦ステージH4に移行しうることを示唆する態様であり、V狙い非推奨報知演出は天井到達ステージH8に移行しうることを示唆する態様である。
したがって、本実施形態によれば、第2表示態様で所定の報知がなされた場合に、特典付与状態への移行率が高くなると遊技者に推測させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、V狙い非推奨報知演出で遊技方法の報知がなされた場合に、ラッシュ状態への突入率が高くなると遊技者に推測させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。
さらに、本実施形態によれば、所定有利状態は、遊技球発射機構を動作させる発射操作が第2の発射態様である場合に所定の利益の付与が可能であり、発射操作が第1の発射態様である場合に所定の利益の付与が不可能である状態であり、遊技機は、所定情報が更新終了状態となった後に、発射手段を動作させる発射操作を第2の発射態様とすることを遊技者に報知するための第2発射態様報知演出を行なう手段を備える。具体的には、天井到達ステージH8における所定回数の時短付与は、遊技球発射機構を動作させる発射操作が右打ちである場合に第2始動口34に入球させて小当たり当選することが可能であり、発射操作が左打ちである場合に第2始動口34に入球させることが困難となり小当たり当選が不可能である状態であり、パチンコ機10は、天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後に、遊技球発射機構を動作させる発射操作を右打ちとすることを遊技者に報知するための右打ち報知演出を行なう手段を備える。したがって、本実施形態によれば、遊技者は、第2発射態様報知演出に従って第2の発射態様にて遊技を行なうことで、所定の利益を受けることができる。具体的には、遊技者は、右打ち報知演出に従って右打ちにて遊技を行なうことで、小当たり当選が可能となる。
また、本実施形態によれば、遊技球発射機構を動作させる発射操作が第2の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、発射操作が第1の発射態様である場合に遊技球が入球不能である所定入球領域を備え、利益付与条件は、所定入球領域に遊技球が入球することである。具体的には、右打ちである場合に遊技球が入球可能であり、左打ちである場合に遊技球が入球不能であるV入賞口59を備え、V入賞大当たり当選となる条件は、V入賞口59に遊技球が入球することである。
したがって、本実施形態によれば、発射操作が第1の発射態様である遊技状態で上記判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、遊技者は、発射操作を第1の発射態様から第2の発射態様に切り替えることによって所定入球領域に遊技球を入球させることで、利益付与条件を成立させることが可能となる。ここで、所定入球領域が、発射手段を動作させる発射操作が第1の発射態様である場合に遊技球が入球可能であり、発射操作が第2の発射態様である場合に遊技球が入球不能である構成を考えてみる。この構成では、発射操作が第1の発射態様である遊技状態で上記判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、既に第1の発射態様で所定入球領域に向けて遊技球が発射されてしまっているため、高い確率で遊技球は所定入球領域に入球してしまう。このため、遊技者が、第2表示態様を見て利益付与条件が成立することを回避させたいと判断した場合に、既に第1の発射態様で遊技球が発射されてしまっているため、所定入球領域へ遊技球が入球することを取り止めることが困難であった。この結果、利益付与条件を成立させるか成立させないかの選択を遊技者が行なうことができなかった。これに対して、本実施形態によれば、発射操作を第1の発射態様から第2の発射態様に切り替えないと所定入球領域へ遊技球を入球させることができないことから、遊技者は、利益付与条件を成立させるには、発射操作を第1の発射態様から第2発射態様に切り替える必要がある。したがって、本実施形態によれば、発射操作が第1の発射態様である遊技状態で上記判定の結果が所定の当たり当選となった場合に、遊技者は、発射操作を第1の発射態様から第2の発射態様に切り替えるか否かによって、利益付与条件を成立させるか成立させないかの選択を行なうことができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、本実施形態によれば、左打ちである通常状態で当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、遊技者は、左打ちから右打ちに切り替えることによってV入賞口59に遊技球を入球させることで、V入賞大当たり当選となる条件を成立させることが可能となる。このため、遊技球発射機構を動作させる発射操作を左打ちから右打ちに切り替えないとV入賞口59へ遊技球を入球させることができないことから、遊技者は、V入賞大当たり当選となる条件を成立させるには、左打ちから右打ちに切り替える必要がある。したがって、本実施形態によれば、左打ちである通常状態で当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、遊技者は、発射操作を右打ちから左打ちに切り替えるか否かによって、V入賞大当たり当選となる条件を成立させるか成立させないかの選択を行なうことができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、利益付与条件は、所定入球領域に所定期間内に遊技球が入球することであり、所定期間内に所定入球領域に遊技球が入球しなかった場合に、利益付与条件は不成立となる。具体的には、V入賞大当たり当選となる条件は、V入賞口59に遊技球が入球することであり、所定期間内にV入賞口59に遊技球が入球しなかった場合に、V入賞大当たり当選となる条件は不成立となる。したがって、本実施形態によれば、遊技者は、利益付与条件を成立させるか成立させないかの判断を少なくとも所定期間内で行なう必要がある。このため、本実施形態によれば、遊技者に早期の判断を迫ることになり、遊技のスピーディー化を図ることができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、遊技者は、V入賞大当たり当選を成立させるか成立させないかの判断を少なくとも所定期間内で行なう必要がある。このため、本実施形態によれば、遊技者に早期の判断を迫ることになり、遊技のスピーディー化を図ることができる。
このように、本遊技機によれば、所定の当たり当選となった場合に、所定の報知についての表示態様を適切に切り替えることによって、遊技者の期待感を高めて一層の遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
《5-8》第5実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《5-8-1》変形例1:
上記第5実施形態及び各変形例では、第1始動口33に遊技球が入球することに基づいて実行される特図1当たり抽選によって小当たり当選となった場合に表示されるV狙い報知演出をV狙い非推奨報知演出に切り替える条件を、通常状態中の遊技回の実行回数(以下、通常時実行回数と呼ぶ)が損益分岐回数(例えば900回)を超えることとした。これに対して、変形例として、損益分岐回数を含む所定の期間を損益不明区間として、当該損益不明区間においては、V狙い報知演出、V狙い非推奨報知演出とは相違する損得検討推奨報知演出を表示し、通常時実行回数が損益不明区間を超えた場合に、V狙い非推奨報知演出を表示するようにしても良い。すなわち、V狙い報知演出を表示する区間とV狙い非推奨報知演出を表示する区間との間に、V狙い報知演出とV狙い非推奨報知演出とのいずれを表示した方が遊技者にとってお得であるかが明確でない損益不明区間を設けるようにしても良い。
損益分岐回数は、1つの数値として導き出されるが、実際には、釘調整による始動口(第1始動口33、第2始動口34とも)への入賞率、残り遊技可能時間(遊技者による制限、遊技場による制限とも)、大入賞口(可変入賞装置36の大入賞口36a、小当たり専用可変入賞装置57の大入賞口57a共)への入賞率等によって変化するものであり、数々の数値を取りうる。このため、本変形例では、この取りうる数値の範囲を損益不明区間と定めた。詳細には、第1始動口33に遊技球が入球することに基づいて実行される特図1当たり抽選によって小当たり当選となった場合に表示される遊技方法の報知演出は、天井回数カウンタの値によって次のように切り替わる。
図250は、本変形例において天井回数カウンタの値によって遊技方法の報知演出がどのように切り替わるかを示す説明図である。図中において、横軸に天井回数カウンタの値と通常時実行回数とが示されている。ここでは、損益分岐回数は、例えば、天井到達回数である1000回よりも100回前である900回(天井回数カウンタによれば100)であるとして説明する。本変形例では、損益分岐回数を中心として天井到達回数の側に20回、天井到達回数とは反対の側に20回をとった範囲、すなわち、天井回数カウンタの値が120から80までの区間を損益不明区間として、当該損益不明区間において、損得検討推奨報知演出を表示する構成とした。
具体的には、本変形例では次のように処理を行なう。天井回数カウンタの値が1000から120(損益不明区間の下限)までの間の遊技回、すなわち、通常時実行回数が1回から880回(所定タイミングに該当)までの遊技回では、第1始動口33に遊技球が入球することに基づいて実行される特図1当たり抽選によって小当たり当選となった場合に、第1表示態様としてのV狙い報知演出を図柄表示装置41に表示させる。天井回数カウンタの値が120を下回る119から80までの間(損益不明区間)の遊技回、すなわち、通常時実行回数が880回を上回る881回から920回までの遊技回では、特図1当たり抽選によって小当たり当選となった場合に、第3表示態様としての損得検討推奨報知演出を図柄表示装置41に表示させる。天井回数カウンタの値が80(損益不明区間の上限)を下回る79から0までの間の遊技回、すなわち、通常時実行回数が920回を上回る921回(特定タイミングに該当)から1000回までの遊技回では、特図1当たり抽選によって小当たり当選となった場合に、第2表示態様としてのV狙い非推奨報知演出を図柄表示装置41に表示させる。
図251は、本変形例における上記報知演出の切り替えを実現するV狙い損益判定処理を示すフローチャートである。本変形例において主制御装置60で実行される処理は、第5実施形態のパチンコ機10において主制御装置60で実行される処理と比べて、図251に示すV狙い損益判定処理が相違するだけであり、その他の処理は同一である。
ステップSb2801では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSb2801において、第2図柄表示部フラグがONでないと判定した場合には(Sb2801:NO)、ステップSb2802に進む。ステップSb2802では、カウンタ更新終了フラグがONであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのカウンタ更新終了フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSb2802において、カウンタ更新終了フラグがONでないと判定した場合には(Sb2802:NO)、ステップSb2803に進む。
ステップSb2803では、天井回数カウンタTNCの値が1000から損益分岐回数と20とを引いた差(すなわち、1000-損益分岐回数-20)より小さいか否かを判定する。損益分岐回数は900であることから、上記差は80となる。ステップSb2803において、天井回数カウンタTNCの値が1000から損益分岐回数と20とを引いた差、すなわち80以上であると判定された場合には(Sb2803:NO)、ステップSb2804に進む。
ステップSb2804では、天井回数カウンタTNCの値が1000から損益分岐回数を引いて20を足した答(すなわち、1000-損益分岐回数+20)より小さいか否かを判定する。損益分岐回数は900であることから、上記答は120となる。ステップSb2803において、天井回数カウンタTNCの値が1000から損益分岐回数を引いて20を足した答、すなわち120以上であると判定された場合には(Sb2804:NO)、ステップSb2805に進み、第1報知用コマンドを設定する。第1報知用コマンドは、音声発光制御装置90に対してV狙い報知演出を表示させるためのコマンドである。ステップSb2805を実行した後、本V狙い損益判定処理を終了する。
一方、ステップSb2804において、天井回数カウンタTNCの値が1000から損益分岐回数を引いて20を足した答、すなわち120より小さいと判定された場合には(Sb2804:YES)、ステップSb2806に進み、第3報知用コマンドを設定する。このステップSb2803で否定判定され、且つステップSb2804で肯定判定される天井回数カウンタTNCの範囲、すなわち、天井回数カウンタTNCの値が80以上であり、かつ120より小さい範囲が損益不明区間に該当するとして、当該範囲において第3報知用コマンドを設定する。第3報知用コマンドは、第1報知用コマンドと第2報知用コマンドとの双方に対して相違するコマンドであり、音声発光制御装置90に対して損得検討推奨報知演出を表示させるためのコマンドである。ステップSb2806を実行した後、本V狙い損益判定処理を終了する。
ステップSb2803において、天井回数カウンタTNCの値が1000から損益分岐回数と20とを引いた差、すなわち80より小さいと判定された場合には(Sb2803:YES)、ステップSb2807に進み、第2報知用コマンドを設定する。第2報知用コマンドは、音声発光制御装置90に対してV狙い報知演出を表示させるためのコマンドである。ステップSb2807を実行した後、本V狙い損益判定処理を終了する。
ステップSb2802において、カウンタ更新終了フラグがONであると判定した場合には(Sb2802:YES)、本V狙い損益判定処理を終了する。
ステップSb2801において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sb2801:YES)、ステップSb2808に進む。ステップSb2808では、第1報知用コマンドを設定する。ステップSb2808の処理は、ステップSb2805の処理と同一である。ステップSb2808を実行した後、本V狙い損益判定処理を終了する。
図252は、損得検討推奨報知演出の一例を示す説明図である。図示するように、損得検討推奨報知演出は、女性キャラクターが登場し、女性キャラクターが「右打ちでVを狙うのが得か損か判断がつかないわ!おまえが決めるんだ!」と叫ぶ動画像を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該動画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。
損益分岐回数は、1つの数値として導き出されるが、実際には、釘調整による始動口(第1始動口33、第2始動口34とも)への入賞率、残り遊技可能時間(遊技者による制限、遊技場による制限とも)、大入賞口(可変入賞装置36の大入賞口36a、小当たり専用可変入賞装置57の大入賞口57a共)への入賞率等によって変化するものであり、数々の数値を取りうる。さらに、遊技者によっては、その日の自身のラッシュ突入率や、その日の当該遊技している遊技台のラッシュ突入率等を鑑みて損益分岐回数を捉えることも考えられる。本変形例では、これらの損益分岐回数が取りうる数値を実験やシミュレーションによって求め、これらの数値が取りうる範囲から、損益分岐回数を中心として天井到達回数の側に20回、天井到達回数とは反対の側に20回をとった範囲を損益不明区間と定めた。
上記第5実施形態のパチンコ機10では、1点である損益分岐回数を境としてV狙い報知演出とV狙い非推奨報知演出とを振り分ける構成であることから、実際の損益分岐回数が違った値をとり、V狙い報知演出を図柄表示装置41に表示しているにもかかわらず実際はV入賞口59に遊技球を入球させない方が遊技者にとって有利な場合があり、また逆に、V狙い非推奨報知演出を図柄表示装置41に表示しているにもかかわらず実際はV入賞口59に遊技球を入球させる方が遊技者にとって有利な場合があった。これに対して、本変形例のパチンコ機では、V狙い報知演出とV狙い非推奨報知演出とのいずれにも振り分けることのできない損益不明区間を設定し、当該損益不明区間よりも通常時実行回数が少ない側にV狙い報知演出を振り分け、損益不明区間よりも通常時実行回数が多い側にV狙い非推奨報知演出を振り分ける構成としたことで、V狙い報知演出を図柄表示装置41に表示している場合にV入賞口59に遊技球を入球させる方が遊技者にとって確実に有利となるように、また、V狙い非推奨報知演出を図柄表示装置41に表示している場合にV入賞口59に遊技球を入球させない方が遊技者にとって確実に有利となるように、遊技方法の報知演出を行なうことができる。したがって、本変形例のパチンコ機によれば、パチンコ機に対する信頼性を向上することができる。
また、図252に例示した損得検討推奨報知演出によって、遊技者は、「パチンコ機では右打ちでVを狙うのが得か損か判断がつかなかったんだ。残り遊技可能時間(遊技者による制限、遊技場による制限とも)や、その日の自身のラッシュ突入率や、その日の当該遊技している遊技台のラッシュ突入率等に鑑みて、自分で決めるしかないんだ。」と感じることができる。したがって、本変形例によれば、遊技者の遊技に対する積極性を喚起することができる。
換言すれば、本変形例は、上記第5実施形態のパチンコ機10に対して次の特徴を有すると言える。本変形例によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間に、第3表示態様で所定の報知を行なう期間を備える。具体的には、第1表示態様としてのV狙い報知演出の上限である通常時実行回数が880回に到達する所定タイミングと、第2表示態様としてのV狙い非推奨報知演出の下限である通常時実行回数が920回を上回る921回に到達する特定タイミングとの間に、第3表示態様としての損得検討推奨報知演出で遊技方法の報知を行なう損益不明区間を備える。
したがって、本変形例によれば、第1表示態様から第2表示態様への過渡期を表す表示態様を第3表示態様として、当該第3表示態様で所定の報知を行なうことが可能となる。このために、第3表示態様によって、今後、第2表示態様が出現するのではといった期待感を遊技者に抱かせることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、V狙い報知演出からV狙い非推奨報知演出への過渡期を表す表示態様を損得検討推奨報知演出として、当該損得検討推奨報知演出で遊技方法の報知を行なうことが可能となる。このために、損得検討推奨報知演出によって、今後、V狙い非推奨報知演出が出現するのではといった期待感を遊技者に抱かせることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
図252に示した第3表示態様としての損得検討推奨報知演出の態様は一例であり、他の態様であってもよい。例えば、第3表示態様は、第1表示態様と第2表示態様とを繰り返す態様としてもよい。具体的には、第1表示態様としてのV狙い報知演出と第2表示態様としてのV狙い非推奨報知演出とを繰り返す態様としてもよい。この構成によれば、第3表示態様によって、第1表示態様と第2表示態様とのどちらに確定するのかといったドキドキ感を遊技者に抱かせることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、V狙い報知演出とV狙い非推奨報知演出とのどちらに確定するのかといったドキドキ感を遊技者に抱かせることができることから、遊技の興趣向上を図ることができる。また、この構成によれば、損得検討推奨報知演出に特有の第3の演出データを新たに用意する必要がないことから、メモリ容量を節約できる。
さらに、損得検討推奨報知演出の他の態様として、第3表示態様は、第1表示態様と第2表示態様とを同時に示す態様としてもよい。具体的には、図柄表示装置41の表示面41aを例えば左右に2分割し、分割した2面のうちの一方にV狙い報知演出を表示し、他方にV狙い非推奨報知演出を表示することによって第1表示態様としてのV狙い報知演出と第2表示態様としてのV狙い非推奨報知演出とを同時に表示するように構成してもよい。この構成によれば、第3表示態様によって、第1表示態様と第2表示態様とのどちらに確定するのかといったドキドキ感を遊技者に抱かせることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。また、本特徴によれば、第3表示態様の報知を行なうための処理を簡素化することができる。具体的には、V狙い報知演出とV狙い非推奨報知演出とのどちらに確定するのかといったドキドキ感を遊技者に抱かせることができることから、遊技の興趣向上を図ることができる。また、この構成によれば、損得検討推奨報知演出を行なうための処理を簡素化することができる。
さらに、損得検討推奨報知演出の他の態様として、第3表示態様は、第1表示態様の一部と第2表示態様の一部とからなる合成画像を表示する態様としてもよい。具体的には、第1表示態様としてのV狙い報知演出の一部と第2表示態様としてのV狙い非推奨報知演出の一部とからなる合成画像を表示するように構成しても良い。詳しくは、図221(a)に示すV狙い報知演出の画像の内の女性キャラクターと吹き出しとを含む部分と、図221(b)に示すV狙い非推奨報知演出の画像の内の吹き出しの部分とからなる合成画像を表示する構成としてもよい。この構成によれば、第3表示態様が第1表示態様と第2表示態様と同種の報知を行なうものであることを遊技者に想起させることができる。このために、第3表示態様によって、第1表示態様と第2表示態様とのどちらに確定するのかといったドキドキ感を遊技者に抱かせることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。また、本特徴によれば、第3表示態様の報知を行なうための処理を簡素化することができる。具体的には、当該損得検討推奨報知演出がV狙い報知演出とV狙い非推奨報知演出と同種の報知を行なうものであることを遊技者に想起させることができる。このために、当該損得検討推奨報知演出によって、V狙い報知演出とV狙い非推奨報知演出とのどちらに確定するのかといったドキドキ感を遊技者に抱かせることができることから、遊技の興趣向上を図ることができる。また、この構成によれば、損得検討推奨報知演出を行なうための処理を簡素化することができる。
この変形例1や、変形例1において損得検討推奨報知演出の態様を変化させた変形例では、特図1当たり抽選を実行して、特図1当たり抽選の当否結果が小当たり当選となった場合に、損益不明区間の遊技回に該当するか否かを判定して、損益不明区間に該当すると判定された場合に、第3表示態様としての損得検討推奨報知演出を実行する構成とした。これに対して、変形例として、所定タイミングと特定タイミングとの間において、当たり抽選の当否結果が所定の当たり当選ではない場合であっても、第3表示態様で所定の報知を行なう構成としてもよい。具体的には、所定タイミングと特定タイミングとの間において、特図1当たり抽選の当否結果が小当たり当選ではない場合であっても、損益不明区間の遊技回に該当するか否かを判定して、損益不明区間に該当すると判定された場合に、損得検討推奨報知演出を実行する構成としてもよい。したがって、この変形構成によれば、通常状態の変動中においても、所定タイミングと特定タイミングとの間に該当する場合に第3表示態様が表示されることから、遊技者は、当たり抽選によって所定の当たり当選となる前から第3表示態様を見て、当たり抽選によって所定の当たり当選となった場合に所定の遊技操作を行って利益付与条件を成立させることによって付与価値を得るか、所定の遊技操作を行わないことで利益付与条件が成立することを回避させることによって所定有利状態を発生させるかを時間を掛けて検討することができる。したがって、本特徴によれば、急な判断をせずに上記検討をじっくり行うことができ、遊技の興趣向上を図ることができる。具体的には、通常状態の変動中において、損益不明区間に該当する場合に、常に損得検討推奨報知演出が表示されることから、遊技者は、特図1当たり抽選によって小当たり当選となる前から損得検討推奨報知演出を見て、小当たり当選した場合にV入賞口59に遊技球を入球させないで天井に到達するのを待つか、V入賞口59に遊技球を入球させて決戦ステージH4における約50%のラッシュ突入率に賭けるかを時間を掛けて検討することができる。したがって、この変形例によれば、急な判断をせずに上記検討をじっくり行うことができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、所定タイミングと特定タイミングとの間に備えられる所定の期間において、遊技球発射機構を動作させる発射操作とは異なる特定の遊技操作を行なうことを遊技者に促すための特定の報知を行なう構成としてもよい。具体的には、損益不明区間において、演出操作ボタン24(図208)を操作することを遊技者に促すための特定の報知を行なう構成としてもよい。すなわち、損益不明区間において、特定の報知として、例えば、「押しボタンを押せ」といった文字を記した文字画像を表示する構成としてもよい。この変形構成によれば、遊技者は、特定の報知を受けた場合に、特定の報知に従って特定の遊技操作を行えば、次の表示態様である第2表示態様が出現するのではと考え、第2表示態様の出現に関わる所定情報が更新終了状態となって所定有利状態が発生することへの期待感を遊技者に付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、遊技者は、「押しボタンを押せ」といった文字画像を見た場合に、特定の報知に従って演出操作ボタン24を押下すれば、次の表示態様であるV狙い非推奨報知演出が出現するのではと考えるようになり、通常時実行回数が天井到達回数に近いのではないかといった期待感を遊技者に付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
なお、この変形例1や、変形例1において損得検討推奨報知演出の態様を変化させた変形例では、所定タイミングと特定タイミングとの間の期間(損益不明区間)において、所定の報知とは異なる特別演出を実行しうる構成となっている。具体的には、損益不明区間において、例えば、背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することにより特別演出を行なう。したがって、この変形構成によれば、特別演出によって、遊技者にとって有利性が高い状態に突入し得る状態であるかの期待感を遊技者に抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、背景画面に所定のキャラクターが出現することによって、天井到達回数までそれほど遠くないことを遊技者は知ることができ、天井時短付与がなされることへの期待感を遊技者に抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
《5-8-2》変形例2:
上記実施形態及び各変形例において、所定情報としての天井到達回数は1000回であり、一定の回数であった。これに対して、変形例として、所定情報が更新終了状態となるまでに要する更新回数の候補となり得る複数の候補更新回数を記憶し、所定の抽選を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて、複数の候補更新回数の中から一の候補更新回数を特定し、当該特定した候補更新回数を更新回数として設定する構成としてもよい。具体的には、天井到達回数の候補となりうる複数の候補天井到達回数を予めメモリに記憶し、前述した初期化条件成立時に、所定の抽選を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて、前記記憶した複数の候補天井到達回数の中から一の候補天井到達回数を特定し、当該特定した候補天井到達回数を天井到達回数として設定する構成としてもよい。
第5実施形態のパチンコ機10では、天井到達回数は一定の回数であることから、パチンコ機10の上部に設置されたデータカウンターに表示される現在の回転数等を見ることによって、天井到達回数の数値が予測できる。その上で、本来天井到達回数に到達することのない早い時期に天井到達したような場合に、ホールにおいてラムクリアが行われずに前日のメモリの内容が据え置かれていたことが、遊技者に簡単に露見してしまうという問題が発生した。これに対して、本変形例の構成によれば、所定の抽選によって更新回数が決められることから、遊技者は、所定情報が更新終了状態となるまでに要する更新回数を予測することが困難となる。このために、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、抽選によって天井到達回数が決められることから、遊技者は天井到達回数を予測することは困難であり、このために、上述したような、ラムクリアを行わずに前日のメモリの内容が据え置かれていたことが遊技者に簡単に露見してしまう問題を解決することができる。
《5-8-3》変形例3:
上記実施形態及び各変形例において、第1表示態様としてのV狙い報知演出は一種類であったが、これに換えて、V狙い報知演出を複数種類、用意する構成としてもよい。すなわち、第1表示態様(V狙い報知演出)となり得る複数の候補第1表示態様を記憶し、所定の抽選を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて、複数の候補第1表示態様の中から一の候補第1表示態様を特定し、当該特定した候補第1表示態様を第1表示態様として設定する構成としてもよい。具体的には、V狙い報知演出となり得る候補V狙い報知演出データを複数、メモリに予め記憶しておく。複数の候補V狙い報知演出データのそれぞれは、第5実施形態の場合と同様に、右打ちで遊技を行うことによってV入賞口59に遊技球を入球させることを推奨するためのものであるが、画像デザインが互いに相違するものとなっている。その上で、所定の抽選を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて、メモリに記憶した複数の候補V狙い報知演出データの中から一の候補V狙い報知演出データを特定し、当該特定した候補V狙い報知演出データをV狙い報知演出として設定する構成とする。したがって、本変形例によれば、遊技者に第1表示態様として種々の態様でもって所定の報知を行なうことができることから、種々の態様を取りうる第1表示態様によって、遊技者に期待感を付与することができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、遊技者にV狙い報知演出として種々の態様でもって所定の報知を行なうことができることから、種々の態様を取りうるV狙い報知演出によって、遊技者に期待感を付与することができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
《5-8-4》変形例4:
上記実施形態及び各変形例において、第2表示態様としてのV狙い非推奨報知演出は一種類であったが、これに換えて、V狙い非推奨報知演出を複数種類、用意する構成としてもよい。すなわち、第2表示態様(V狙い非推奨報知演出)となり得る複数の候補第2表示態様を記憶し、所定の抽選を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて、複数の候補第2表示態様の中から一の候補第2表示態様を特定し、当該特定した候補第2表示態様を第2表示態様として設定し、さらに、前記設定された第2表示態様に対応した利益で、所定有利状態を発生させる構成としてよい。具体的には、V狙い非推奨報知演出となり得る候補V狙い非推奨報知演出データを複数、メモリに予め記憶しておく。複数の候補V狙い非推奨報知演出データのそれぞれは、第5実施形態の場合と同様に、左打ちで遊技を行うことによってV入賞口59に遊技球を入球させないことを推奨するためのものであるが、画像デザインが互いに相違するものとなっている。その上で、所定の抽選を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて、メモリに記憶した複数の候補V狙い非推奨報知演出データの中から一の候補V狙い非推奨報知演出を特定し、当該特定した候補V狙い非推奨報知演出をV狙い非推奨報知演出として設定する構成とする。さらに、前記設定された第2表示態様に対応した利益で、所定有利状態としての天井時短機能における時短付与の回数を決定する構成とする。したがって、本変形例によれば、遊技者に第2表示態様として種々の態様でもって所定の報知を行なうことができ、その上、設定された第2表示態様と所定有利状態で付与する有利性の程度との間に相関を持たせることができる。このために、本特徴によれば、第2表示態様がいずれの態様になるかによって、所定有利状態で付与される有利性の程度を遊技者に推測させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、遊技者にV狙い非推奨報知演出として種々の態様でもって所定の報知を行なうことができ、その上、設定された第V狙い非推奨報知演出と天井時短機能における時短付与の回数との間に相関を持たせることができる。このために、本特徴によれば、V狙い非推奨報知演出がいずれの態様になるかによって、天井時短機能における時短付与の回数を遊技者に推測させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
《5-8-5》変形例5:
上記実施形態及び各変形例において、第1表示態様としてのV狙い報知演出および第2表示態様としてのV狙い非推奨報知演出についての各色調については、特に言及しなかったが、例えば、青色の色調の画像を表示する構成とした。これに対して、変形例として、第2表示態様は、赤色または金色の色調の画像を表示する態様であり、第1表示態様は、赤色および金色以外の色調の画像を表示する態様としてもよい。具体的には、V狙い報知演出は青色の色調の画像を表示する構成とし、V狙い非推奨報知演出は赤色の色調の画像を表示する構成としてもよい。したがって、本変形例によれば、第2表示態様で所定の報知がなされた場合に、遊技者に赤色から熱いといったイメージを持たせることができ、遊技者に期待感を付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、V狙い非推奨報知演出で遊技方法の報知演出がなされた場合に、遊技者に赤色から熱いといったイメージを持たせることができ、遊技者にいっそうの期待感を付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。また、他の変形例として、V狙い報知演出は青色の色調の画像を表示する構成とし、V狙い非推奨報知演出は金色の色調の画像を表示する構成としてもよい。したがって、この他の変形例によれば、第2表示態様で所定の報知がなされた場合に、遊技者に金色からお得といったイメージを持たせることができ、遊技者に期待感を付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、V狙い非推奨報知演出で遊技方法の報知演出がなされた場合に、遊技者に金色からお得といったイメージを持たせることができ、遊技者にいっそうの期待感を付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。なお、上記2つの変形例において、V狙い報知演出は青色の色調の画像を表示する構成としたが、青色の色調に限る必要はなく、赤色および金色以外の色調の画像であれば他の色の色調の画像であってもよい。
《5-8-6》変形例6:
上記実施形態及び各変形例において、第1表示態様としてのV狙い報知演出を表示する表示時間と、第2表示態様としてのV狙い非推奨報知演出を表示する表示時間とについては、特に言及しなかったが、両方の表示時間は同じ長さである構成とした。これに対して、変形例として、第2表示態様を表示する表示時間は、第1表示態様を表示する表示時間よりも長い構成としてもよい。具体的には、V狙い非推奨報知演出を表示する表示時間は、V狙い報知演出を表示する表示時間よりも長い構成としてもよい。したがって、本変形例によれば、第2表示態様で所定の報知がなされた場合に、第1表示態様で所定の報知がなされた場合よりも強く所定の報知を遊技者に知らせることができる。このために、遊技者に期待感をいっそう付与することができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、V狙い非推奨報知演出で遊技方法の報知演出がなされた場合に、V狙い報知演出で遊技方法の報知演出がなされた場合よりも強く遊技方法の報知を遊技者に知らせることができる。このために、遊技者に期待感をいっそう付与することができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
《5-8-7》変形例7:
上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える外枠は、木製に限らず、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える内枠は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える前扉枠は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機には、内枠を外枠に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠する機能とを有するシリンダ錠が設けられているが、このシリンダ錠が省略された構成を採用した上で、内枠を外枠に対して開放不能に施錠する機能を有する第1シリンダ錠と、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠する機能を有する第2シリンダ錠とが別々に設けられた構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、内枠を外枠に対して回動させる回動軸が正面視左側に設けられている構成を採用したが、この回動軸が正面視右側に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、前扉枠を内枠に対して回動させる回動軸が正面視左側に設けられている構成を採用したが、この回動軸が正面視右側に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える遊技盤は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機は上皿と下皿とを備える構成を採用したが、下皿が省略され、上皿のみを備える構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、正面視右側に操作ハンドルが設けられている構成を採用したが、正面視左側に操作ハンドルが設けられている構成を採用してもよい。また、操作ハンドルが正面視右側と正面視左側の両方に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、遊技者が操作ハンドルを握っているか否か(遊技者の手が操作ハンドルに接触しているか否か)を検出可能なタッチセンサーが操作ハンドルに設けられている構成を採用したが、このタッチセンサーが省略された構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、遊技球を発射可能な発射手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、バネ等の弾性力を利用して遊技球を発射させる構成や、圧縮気体が噴出する際の風圧を利用して遊技球を発射させる構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、操作ハンドルが右回りに所定量回動操作された状態においては、1分間に100発程度の遊技球が発射されるように構成されているが、1分間に100発未満(例えば60発)の遊技球が発射される構成であってもよく、また、1分間に100発以上(例えば200発)の遊技球が発射される構成であってもよい。また、レバーを弾くことによって遊技球を1発ずつ発射させる構成としてもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、音声を出力可能な手段としてスピーカーを備える構成を採用したが、スピーカーに加えて又はスピーカーに代えてイヤホンジャックを備える構成を採用してもよい。この構成によれば、遊技者は、自身が持参したイヤホンやヘッドホンを当該イヤホンジャックに接続することによって、周囲のパチンコ機の音声に邪魔されずに、自身が遊技中のパチンコ機の音声を存分に楽しむことが可能となる。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種始動口に遊技球が入球したことに基づいて変動表示を開始する特別図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、LEDランプや、LED表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、ハロゲンランプ等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種ゲートを遊技球が通過したことに基づいて変動表示を開始する普通図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、LEDランプや、LED表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、ハロゲンランプ等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種の装飾図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、液晶表示装置や、有機EL表示装置、LED表示装置、ドラム回転式表示装置、導光板、三次元ホログラム表示装置等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、装飾図柄としては、数字に限らず、種々の文字や図形、記号、絵柄等及びこれらの組み合わせを採用することができる。例えば、装飾図柄として、アルファベットや、ギリシャ文字、平仮名、カタカナ、漢字、各種キャラクター等及びこれらの組み合わせを採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、装飾図柄がスクロールする図柄列の数は3つに限らず、例えば、2つ以下であってもよく、4つ以上であってもよい。そして、装飾図柄の図柄列が1つである構成を採用した場合には、例えば、特定の装飾図柄(例えば「7」)が停止した場合に大当たりに当選となる構成としてもよい。また、装飾図柄の列が2つ又は4つ以上である構成を採用した場合には、例えば、特定のラインに同一の装飾図柄が停止した場合に大当たりに当選となる構成としてもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、特別電動役物としては、種々の構成を採用することができ、例えば、板状部材の下方に略水平方向に延びる回動軸が設けられ、当該回動軸を中心として当該板状部材が前方側に回動することによって大入賞口を開放可能な構成や、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材によって大入賞口を開閉する構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、普通電動役物としては、種々の構成を採用することができ、例えば、一対の可動弁が左右に開放可能な所謂チューリップ型普通電動役物や、板状部材の下方に略水平方向に延びる回動軸が設けられ、当該回動軸を中心として当該板状部材が前方側に回動することによって始動口を開放可能な構成、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材によって始動口を開閉する構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各入球口(始動口や一般入賞口、大入賞口等)に設定されている賞球数は例示であり、各入球口に設定される賞球数を適宜変更することによって、スペックの異なる複数種類のパチンコ機を実現することが可能である。
《5-8-8》変形例8:
上記実施形態およびその変形例では、パチンコ機10は、主制御装置60、音声発光制御装置90、表示制御装置100といった3つの制御装置を備える構成としたが、これに換えて、主制御装置と副制御装置といった2つの制御装置を備える構成としても良い。副制御装置では、上記実施形態において音声発光制御装置90と表示制御装置100とにおいて実行される各種処理を実行する構成とすれば良い。また、上記実施形態およびその変形例において、3つの制御装置60,90,100のそれぞれで実行される各種処理は、上記実施形態で説明した区分けに限る必要はなく、3つの制御装置60,90,100の全体として、上記実施形態における各種の処理が実行できれば良い。
《5-9》他の構成への適用:
上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると特別電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態及び上記各変形例においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
《5-10》上記実施形態及び上記各変形例等から抽出される発明群について:
以下、上述した実施形態及び各変形例から抽出される発明群の特徴(特徴群)について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態又は上記各変形例において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴bA群>
特徴bA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bA1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴bA2]
特徴bA1に記載の遊技機であって、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に、第3報知態様(変形例1における損益検討推奨報知演出)で前記所定の報知を行なう期間(変形例1における損益不明区間)を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間に、第3報知態様(損益検討推奨報知演出)で所定の報知を行なう期間(損益不明区間)を備えることから、第1報知態様から第2報知態様への過渡期を表す報知態様を第3報知態様として、当該第3報知態様で所定の報知を行なうことが可能となる。このために、第3報知態様によって、今後、第2報知態様が出現するのではといった期待感を遊技者に抱かせることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴bA3]
特徴bA1または特徴bA2に記載の遊技機であって、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に、第3報知態様(変形例1における損益検討推奨報知演出)で前記所定の報知を行なう期間(変形例1における損益不明区間)を備え、
前記第3報知態様は、前記第1報知態様(V狙い報知演出)と前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)とを表示する態様を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間に、第3報知態様(損益検討推奨報知演出)で所定の報知を行なう期間(損益不明区間)を備え、第3報知態様(損益検討推奨報知演出)は、第1報知態様(V狙い報知演出)と第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)とを表示する態様を含むことから、第3報知態様によって、第1報知態様と第2報知態様とのどちらに確定するのかといったドキドキ感を遊技者に抱かせることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴bA4]
特徴bA1から特徴bA3までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に、第3報知態様(変形例1における損益検討推奨報知演出)で前記所定の報知を行なう期間(変形例1における損益不明区間)を備え、
前記第3報知態様は、前記第1報知態様(V狙い報知演出)と前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)とを繰り返す態様を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間に、第3報知態様(損益検討推奨報知演出)で所定の報知を行なう期間(損益不明区間)を備え、第3報知態様(損益検討推奨報知演出)は、第1報知態様(V狙い報知演出)と第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)とを繰り返す態様を含むことから、第3報知態様によって、第1報知態様と第2報知態様とのどちらに確定するのかといったドキドキ感を遊技者に抱かせることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴bA5]
特徴bA1から特徴bA3までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に、第3報知態様(変形例1における損益検討推奨報知演出)で前記所定の報知を行なう期間(変形例1における損益不明区間)を備え、
前記第3報知態様は、前記第1報知態様(V狙い報知演出)と前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)とを同時に表示する態様を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間に、第3報知態様(損益検討推奨報知演出)で所定の報知を行なう期間(損益不明区間)を備え、第3報知態様は、第1報知態様(V狙い報知演出)と第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)とを同時に表示する態様を含むことから、第3報知態様によって、第1報知態様と第2報知態様とのどちらに確定するのかといったドキドキ感を遊技者に抱かせることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。また、本特徴によれば、第3報知態様の報知を行なうための処理を簡素化することができる。
[特徴bA6]
特徴bA1から特徴bA5までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となり、前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で前記所定の報知を行なった場合に、前記所定の遊技条件が成立しなかった場合に前記特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させることなく、前記表示手段による新たな変動表示が実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となり、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知を行なった場合に、所定の遊技条件が成立しなかった場合に特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させることなく、表示手段による新たな変動表示が実行可能であることから、遊技者は所定の遊技操作を行わないことで所定の遊技条件が成立することを回避することができ、これによって特定の利益を発生させることなく新たな変動表示を実行可能となる。このために、更新条件が成立し、特定情報の更新が可能となることから、当該特定情報が所定の更新状態となって、所定の利益状態を発生させることができる。したがって、遊技者は、特定の利益と所定の利益状態のいずれを取るかを、所定の遊技操作を行なうか否かで決めることができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴bA7]
特徴bA1から特徴bA6までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間の期間(変形例1における損益不明区間)において、前記所定の報知とは異なる特別演出(決戦ステージH4における特別演出、ラッシュステージH7における特別演出)を実行しうる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間の期間(損益不明区間)において、所定の報知とは異なる特別演出(決戦ステージH4における特別演出、ラッシュステージH7における特別演出)を実行しうる手段を備えることから、この特別演出によって、遊技者にとって有利性が高い状態に突入し得るであろうとの期待感を遊技者に抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴bA8]
特徴bA1から特徴bA7までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定タイミングにおいて前記報知態様が前記第2報知態様に切り替わった後には、少なくとも前記利益発生手段によって前記特定の利益が発生するまで、前記報知態様が前記第1報知態様に切り替わることがない
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定タイミングにおいて報知態様が第2報知態様に切り替わった後には、利益発生手段によって特定の利益が発生するまで、報知態様が第1報知態様に切り替わることがないことから、第2報知態様に対する信頼性を向上させることができる。このために、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴bA9]
特徴bA1から特徴bA8までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定情報が前記所定の更新状態となるまでに要する更新回数の候補となり得る複数の候補更新回数(変形例2における候補天井到達回数)を記憶する手段と、
所定の抽選を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて、前記複数の候補更新回数の中から一の候補更新回数を特定し、当該特定した候補更新回数を前記更新回数として設定する手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定情報が所定の更新状態となるまでに要する更新回数の候補となり得る複数の候補更新回数を記憶する手段と、所定の抽選を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて、複数の候補更新回数の中から一の候補更新回数を特定し、当該特定した候補更新回数を更新回数として設定する手段とを備えることから、所定の抽選によって更新回数が決められることから、遊技者は、特定情報が所定の更新状態となるまでに要する更新回数を予測することが困難となる。このために、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴bA10]
特徴bA1から特徴bA9までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に、第3報知態様(損益検討推奨報知演出)で前記所定の報知を行なう期間(損益不明区間)を備え、
前記第3報知態様は、前記第1報知態様(V狙い報知演出)の一部と前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)の一部とからなる合成画像(損益検討推奨報知演出)を表示する態様を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間に、第3報知態様で所定の報知を行なう期間(損益不明区間)を備え、第3報知態様(損益検討推奨報知演出)は、第1報知態様(V狙い報知演出)の一部と第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)の一部とからなる合成画像を表示する態様を含むことから、第3報知態様が第1報知態様と第2報知態様と同種の報知を行なうものであることを遊技者に想起させることができる。このために、第3報知態様によって、第1報知態様と第2報知態様とのどちらに確定するのかといったドキドキ感を遊技者に抱かせることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。また、本特徴によれば、第3報知態様の報知を行なうための処理を簡素化することができる。
[特徴bA11]
特徴bA1から特徴bA10までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1報知態様(変形例3におけるV狙い報知演出)となり得る複数の候補第1報知態様を記憶する手段と、
所定の抽選(変形例3における所定の抽選)を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて前記複数の候補第1報知態様の中から一の候補第1報知態様を特定し、当該特定した候補第1報知態様を前記第1報知態様として設定する手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1報知態様(V狙い報知演出)となり得る複数の候補第1報知態様を記憶する手段と、所定の抽選を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて、複数の候補第1報知態様の中から一の候補第1報知態様を特定し、当該特定した候補第1報知態様を第1報知態様として設定する手段と、を備えることから、遊技者に第1報知態様として種々の態様でもって所定の報知を行なうことができる。このために、本特徴によれば、種々の態様を取りうる第1報知態様によって、遊技者に期待感を付与することができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴bA12]
特徴bA1から特徴bA11までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2報知態様(変形例4におけるV狙い非推奨報知演出)となり得る複数の候補第2報知態様を記憶する手段と、
所定の抽選(変形例4における所定の抽選)を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて、前記複数の候補第2報知態様の中から一の候補第2報知態様を特定し、当該特定した候補第2報知態様を前記第2報知態様として設定する手段と、
を備え、
前記利益状態発生手段は、前記設定された第2報知態様に対応した利益で、前記所定の利益状態を発生させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)となり得る複数の候補第2報知態様を記憶する手段と、所定の抽選を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて、複数の候補第2報知態様の中から一の候補第2報知態様を特定し、当該特定した候補第2報知態様を第2報知態様として設定する手段と、を備え、利益状態発生手段は、設定された第2報知態様に対応した利益で、所定の利益状態を発生させる手段を備えることから、遊技者に第2報知態様として種々の態様でもって所定の報知を行なうことができ、その上、設定された第2報知態様と所定の利益状態で付与する利益の程度との間に相関を持たせることができる。このために、本特徴によれば、第2報知態様がいずれの態様になるかによって、所定の利益状態で付与する利益の程度を遊技者に推測させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴bA13]
特徴bA1から特徴bA12までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2報知態様(変形例5におけるV狙い非推奨報知演出)は、赤色または金色の色調の画像を表示する態様であり、
前記第1報知態様(変形例5におけるV狙い報知演出)は、赤色および金色以外の色調の画像を表示する態様である、
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)は、赤色または金色の色調の画像を表示する態様であり、第1報知態様(V狙い報知演出)は、赤色および金色以外の色調の画像を表示する態様であることから、第2報知態様で所定の報知がなされた場合に、遊技者に熱い(赤色の場合)とかお得(金色の場合)とかといったイメージを持たせることができ、遊技者に期待感を付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴bA14]
特徴bA1から特徴bA13までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
特典を付与する特典付与状態(ラッシュステージH7)への移行率が第1の値(突入率が約50%)である第1状態(決戦ステージH4)と、
前記特典付与状態への移行率が前記第1の値より高い第2の値(突入率が約100%)である第2状態(天井到達ステージH8)と、
を有し、
前記第1報知態様(V狙い報知演出)は前記第1状態に移行しうることを示唆する態様であり、
前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)は前記第2状態に移行しうることを示唆する態様である、
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特典を付与する特典付与状態(ラッシュステージH7)への移行率が第1の値(突入率が約50%)である第1状態(決戦ステージH4)と、特典付与状態への移行率が第1の値より高い第2の値(突入率が約100%)である第2状態(天井到達ステージH8)と、を有し、第1報知態様(V狙い報知演出)は第1状態に移行しうることを示唆する態様であり、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)は第2状態に移行しうることを示唆する態様であることから、第2報知態様で所定の報知がなされた場合に、特典付与状態への移行率が高くなると遊技者に推測させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴bA15]
特徴bA1から特徴bA14までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に所定の期間を備え、
前記所定の期間において、前記発射手段を動作させる発射操作とは異なる特定の操作を行なうことを遊技者に促すための特定の報知を行なう手段(「押しボタンを押せ」の画像を表示する手段)
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間に所定の期間を備え、所定の期間において、発射手段を動作させる発射操作とは異なる特定の操作を行なうことを遊技者に促すための特定の報知を行なう手段を備えることから、遊技者は、特定の報知を受けた場合に、特定の報知に従って特定の遊技操作を行えば、次の報知態様である第2報知態様が出現するのではと考え、第2報知態様の出現に関わる特定情報が所定の更新状態となって所定の利益状態が発生することへの期待感を遊技者に付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴bA16]
特徴bA1から特徴bA15までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定の利益状態は、前記発射手段を動作させる発射操作が第2の発射態様(右打ち)である場合に所定の利益の付与が可能であり、前記発射操作が第1の発射態様(左打ち)である場合に前記所定の利益の付与が不可能である状態であり、
前記遊技機は、
前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)に、前記発射手段を動作させる発射操作を第2の発射態様とすることを遊技者に報知するための第2発射態様報知演出(右打ち報知演出)を行なう手段
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定の利益状態は、発射手段を動作させる発射操作が第2の発射態様(右打ち)である場合に所定の利益の付与が可能であり、発射操作が第1の発射態様(左打ち)である場合に所定の利益の付与が不可能である状態であり、遊技機は、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)に、発射手段を動作させる発射操作を第2の発射態様とすることを遊技者に報知するための第2発射態様報知演出(右打ち報知演出)を行なう手段を備えることから、遊技者は、第2発射態様報知演出に従って第1の発射態様にて遊技を行なうことで、所定の利益を受けることができる。
[特徴bA17]
特徴bA1から特徴bA16までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間において、前記判定手段による判定結果が前記特定判定結果(小当たり当選)ではない場合であっても、第3報知態様(変形例1における損益検討推奨報知演出)で前記所定の報知を行ない得る手段(変形例1における損益不明区間)
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間において、判定手段による判定結果が特定判定結果ではない場合であっても、第3報知態様(変形例1における損益検討推奨報知演出)で所定の報知を行ない得る手段(変形例1における損益不明区間)を備えることから、判定手段による判定結果が特定判定結果ではない場合(小当たり当選)であっても、所定タイミングと特定タイミングとの間に該当する場合に第3報知態様が表示されることになる。このため、遊技者は、判定手段によって特定判定結果となる前から第3報知態様を見て、判定手段によって特定判定結果となった場合に所定の遊技操作を行って所定の遊技条件を成立させることによって特定の利益を得るか、所定の遊技操作を行わないことで所定の遊技条件が成立することを回避させることによって所定の利益状態を発生させるかを時間を掛けて検討することができる。したがって、本特徴によれば、急な判断をせずに上記検討をじっくり行うことができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴bA18]
特徴bA1から特徴bA17までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2報知態様(変形例6におけるV狙い非推奨報知演出)を報知する報知時間は、前記第1報知態様(変形例6におけるV狙い報知演出)を報知する報知時間よりも長い、
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)を報知する報知時間は、第1報知態様(V狙い報知演出)を報知する報知時間よりも長いことから、第2報知態様で所定の報知がなされた場合に、第1報知態様で所定の報知がなされた場合よりも強く所定の報知を遊技者に知らせることができる。このために、遊技者に期待感をいっそう付与することができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴bA19]
特徴bA1から特徴bA18までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定情報(天井回数カウンタ)は、前記利益発生手段によって前記特定の利益が発生可能な場合(大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む))に、所定の初期状態(天井到達回数に対応した1000の値)に設定される
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定情報(天井回数カウンタ)は、利益発生手段によって特定の利益が発生可能な場合(大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む))に、所定の初期状態(天井到達回数に対応した1000の値)に設定されることから、特定の利益が発生される毎に特定情報は所定の初期状態に設定し直される。このために、利益発生手段によって特定の利益が発生されることが確約された場合に、遊技者は、特定の利益を受けた後に、新たな気持ちで特定情報が所定の初期状態から更新されることを楽しむことができる。このために、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴bA20]
特徴bA1から特徴bA19までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記発射手段を動作させる発射操作が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射操作が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球不能である所定入球領域(V入賞口)を備え、
前記所定の遊技条件は、前記所定入球領域に遊技球が入球することである
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、発射手段を動作させる発射操作が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、発射操作が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球不能である所定入球領域(V入賞口)を備え、所定の遊技条件は、所定入球領域に遊技球が入球することであることから、発射操作が第1の発射態様(左打ち)である遊技状態で判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者は、発射操作を第1の発射態様から第2の発射態様に切り替えることによって所定入球領域に遊技球を入球させることで、所定の遊技条件を成立させることが可能となる。ここで、所定入球領域が、発射手段を動作させる発射操作が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、発射操作が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である構成を考えてみる。この構成では、発射操作が第1の発射態様(左打ち)である遊技状態で判定手段によって特定判定結果となった場合に、既に第1の発射態様で所定入球領域に向けて遊技球が発射されてしまっているため、高い確率で遊技球は所定入球領域に入球してしまう。このため、遊技者が、第2報知態様を見て所定の遊技条件が成立することを回避させたいと判断した場合に、既に第1の発射態様で遊技球が発射されてしまっているため、所定入球領域へ遊技球が入球することを取り止めることが困難であった。この結果、所定の遊技条件を成立させるか成立させないかの選択を遊技者が行なうことができなかった。これに対して、本特徴によれば、発射操作を第1の発射態様から第2の発射態様に切り替えないと所定入球領域へ遊技球を入球させることができないことから、遊技者は、所定の遊技条件を成立させるには、発射操作を第1の発射態様から第2発射態様に切り替える必要がある。したがって、本特徴によれば、発射操作が第1の発射態様(左打ち)である遊技状態で判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者は、発射操作を第1の発射態様から第2の発射態様に切り替えるか否かによって、所定の遊技条件を成立させるか成立させないかの選択を行なうことができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴bA21]
特徴bA1から特徴bA20までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定の遊技条件は、所定入球領域に所定期間(6秒間)内に遊技球が入球することであり、
前記所定期間内に前記所定入球領域に遊技球が入球しなかった場合に、前記所定の遊技条件は不成立となる
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定の遊技条件は、所定入球領域に所定期間内に遊技球が入球することであり、所定期間内に所定入球領域に遊技球が入球しなかった場合に、所定の遊技条件は不成立となることから、遊技者は、所定の遊技条件を成立させるか成立させないかの判断を少なくとも所定期間内で行なう必要がある。このため、本特徴によれば、遊技者に早期の判断を迫ることになり、遊技のスピーディー化を図ることができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bB群>
特徴bB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bB1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に、第3報知態様(変形例1における損益検討推奨報知演出)で前記所定の報知を行なう期間(変形例1における損益不明区間)を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間に、第3報知態様(損益検討推奨報知演出)で所定の報知を行なう期間(損益不明区間)を備えることから、第1報知態様から第2報知態様への過渡期を表す報知態様を第3報知態様として、当該第3報知態様で所定の報知を行なうことが可能となる。このために、第3報知態様によって、今後、第2報知態様が出現するのではといった期待感を遊技者に抱かせることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bC群>
特徴bC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bC1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に、第3報知態様(変形例1における損益検討推奨報知演出)で前記所定の報知を行なう期間(変形例1における損益不明区間)を備え、
前記第3報知態様は、前記第1報知態様(V狙い報知演出)と前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)とを表示する態様を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間に、第3報知態様(損益検討推奨報知演出)で所定の報知を行なう期間(損益不明区間)を備え、第3報知態様(損益検討推奨報知演出)は、第1報知態様(V狙い報知演出)と第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)とを表示する態様を含むことから、第3報知態様によって、第1報知態様と第2報知態様とのどちらに確定するのかといったドキドキ感を遊技者に抱かせることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bD群>
特徴bD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bD1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に、第3報知態様(変形例1における損益検討推奨報知演出)で前記所定の報知を行なう期間(変形例1における損益不明区間)を備え、
前記第3報知態様は、前記第1報知態様(V狙い報知演出)と前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)とを繰り返す態様を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間に、第3報知態様(損益検討推奨報知演出)で所定の報知を行なう期間(損益不明区間)を備え、第3報知態様(損益検討推奨報知演出)は、第1報知態様(V狙い報知演出)と第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)とを繰り返す態様を含むことから、第3報知態様によって、第1報知態様と第2報知態様とのどちらに確定するのかといったドキドキ感を遊技者に抱かせることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bE群>
特徴bE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bE1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に、第3報知態様(変形例1における損益検討推奨報知演出)で前記所定の報知を行なう期間(変形例1における損益不明区間)を備え、
前記第3報知態様は、前記第1報知態様(V狙い報知演出)と前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)とを同時に表示する態様を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間に、第3報知態様(損益検討推奨報知演出)で所定の報知を行なう期間(損益不明区間)を備え、第3報知態様は、第1報知態様(V狙い報知演出)と第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)とを同時に表示する態様を含むことから、第3報知態様によって、第1報知態様と第2報知態様とのどちらに確定するのかといったドキドキ感を遊技者に抱かせることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。また、本特徴によれば、第3報知態様の報知を行なうための処理を簡素化することができる。
<特徴bF群>
特徴bF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bF1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となり、前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で前記所定の報知を行なった場合に、前記所定の遊技条件が成立しなかった場合に前記特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させることなく、前記表示手段による新たな変動表示が実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となり、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知を行なった場合に、所定の遊技条件が成立しなかった場合に特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させることなく、表示手段による新たな変動表示が実行可能であることから、遊技者は所定の遊技操作を行わないことで所定の遊技条件が成立することを回避することができ、これによって特定の利益を発生させることなく新たな変動表示を実行可能となる。このために、更新条件が成立し、特定情報の更新が可能となることから、当該特定情報が所定の更新状態となって、所定の利益状態を発生させることができる。したがって、遊技者は、特定の利益と所定の利益状態のいずれを取るかを、所定の遊技操作を行なうか否かで決めることができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bG群>
特徴bG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bG1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記遊技機は、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間の期間(変形例1における損益不明区間)において、前記所定の報知とは異なる特別演出(決戦ステージH4における特別演出、ラッシュステージH7における特別演出)を実行しうる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間の期間(損益不明区間)において、所定の報知とは異なる特別演出(決戦ステージH4における特別演出、ラッシュステージH7における特別演出)を実行しうる手段を備えることから、この特別演出によって、遊技者にとって有利性が高い状態に突入し得るであろうとの期待感を遊技者に抱かせることができる。このために、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bH群>
特徴bH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bH1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記特定タイミングにおいて前記報知態様が前記第2報知態様に切り替わった後には、少なくとも前記利益発生手段によって前記特定の利益が発生するまで、前記報知態様が前記第1報知態様に切り替わることがない
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、特定タイミングにおいて報知態様が第2報知態様に切り替わった後には、利益発生手段によって特定の利益が発生するまで、報知態様が第1報知態様に切り替わることがないことから、第2報知態様に対する信頼性を向上させることができる。このために、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bI群>
特徴bI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bI1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記遊技機は、
前記特定情報が前記所定の更新状態となるまでに要する更新回数の候補となり得る複数の候補更新回数(変形例2における候補天井到達回数)を記憶する手段と、
所定の抽選を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて、前記複数の候補更新回数の中から一の候補更新回数を特定し、当該特定した候補更新回数を前記更新回数として設定する手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、特定情報が所定の更新状態となるまでに要する更新回数の候補となり得る複数の候補更新回数を記憶する手段と、所定の抽選を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて、複数の候補更新回数の中から一の候補更新回数を特定し、当該特定した候補更新回数を更新回数として設定する手段とを備えることから、所定の抽選によって更新回数が決められることから、遊技者は、特定情報が所定の更新状態となるまでに要する更新回数を予測することが困難となる。このために、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bJ群>
特徴bJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bJ1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に、第3報知態様(損益検討推奨報知演出)で前記所定の報知を行なう期間(損益不明区間)を備え、
前記第3報知態様は、前記第1報知態様(V狙い報知演出)の一部と前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)の一部とからなる合成画像(損益検討推奨報知演出)を表示する態様を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間に、第3報知態様で所定の報知を行なう期間(損益不明区間)を備え、第3報知態様(損益検討推奨報知演出)は、第1報知態様(V狙い報知演出)の一部と第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)の一部とからなる合成画像を表示する態様を含むことから、第3報知態様が第1報知態様と第2報知態様と同種の報知を行なうものであることを遊技者に想起させることができる。このために、第3報知態様によって、第1報知態様と第2報知態様とのどちらに確定するのかといったドキドキ感を遊技者に抱かせることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。また、本特徴によれば、第3報知態様の報知を行なうための処理を簡素化することができる。
<特徴bK群>
特徴bK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bK1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記遊技機は、
前記第1報知態様(変形例3におけるV狙い報知演出)となり得る複数の候補第1報知態様を記憶する手段と、
所定の抽選(変形例3における所定の抽選)を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて前記複数の候補第1報知態様の中から一の候補第1報知態様を特定し、当該特定した候補第1報知態様を前記第1報知態様として設定する手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第1報知態様(V狙い報知演出)となり得る複数の候補第1報知態様を記憶する手段と、所定の抽選を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて、複数の候補第1報知態様の中から一の候補第1報知態様を特定し、当該特定した候補第1報知態様を第1報知態様として設定する手段と、を備えることから、遊技者に第1報知態様として種々の態様でもって所定の報知を行なうことができる。このために、本特徴によれば、種々の態様を取りうる第1報知態様によって、遊技者に期待感を付与することができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bL群>
特徴bL群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bL1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記遊技機は、
前記第2報知態様(変形例4におけるV狙い非推奨報知演出)となり得る複数の候補第2報知態様を記憶する手段と、
所定の抽選(変形例4における所定の抽選)を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて、前記複数の候補第2報知態様の中から一の候補第2報知態様を特定し、当該特定した候補第2報知態様を前記第2報知態様として設定する手段と、
を備え、
前記利益状態発生手段は、前記設定された第2報知態様に対応した利益で、前記所定の利益状態を発生させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)となり得る複数の候補第2報知態様を記憶する手段と、所定の抽選を行ない、当該所定の抽選の抽選結果に基づいて、複数の候補第2報知態様の中から一の候補第2報知態様を特定し、当該特定した候補第2報知態様を第2報知態様として設定する手段と、を備え、利益状態発生手段は、設定された第2報知態様に対応した利益で、所定の利益状態を発生させる手段を備えることから、遊技者に第2報知態様として種々の態様でもって所定の報知を行なうことができ、その上、設定された第2報知態様と所定の利益状態で付与する利益の程度との間に相関を持たせることができる。このために、本特徴によれば、第2報知態様がいずれの態様になるかによって、所定の利益状態で付与する利益の程度を遊技者に推測させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bM群>
特徴bM群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bM1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記第2報知態様(変形例5におけるV狙い非推奨報知演出)は、赤色または金色の色調の画像を表示する態様であり、
前記第1報知態様(変形例5におけるV狙い報知演出)は、赤色および金色以外の色調の画像を表示する態様である、
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)は、赤色または金色の色調の画像を表示する態様であり、第1報知態様(V狙い報知演出)は、赤色および金色以外の色調の画像を表示する態様であることから、第2報知態様で所定の報知がなされた場合に、遊技者に熱い(赤色の場合)とかお得(金色の場合)とかといったイメージを持たせることができ、遊技者に期待感を付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bN群>
特徴bN群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bN1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
特典を付与する特典付与状態(ラッシュステージH7)への移行率が第1の値(突入率が約50%)である第1状態(決戦ステージH4)と、
前記特典付与状態への移行率が前記第1の値より高い第2の値(突入率が約100%)である第2状態(天井到達ステージH8)と、
を有し、
前記第1報知態様(V狙い報知演出)は前記第1状態に移行しうることを示唆する態様であり、
前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)は前記第2状態に移行しうることを示唆する態様である、
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、特典を付与する特典付与状態(ラッシュステージH7)への移行率が第1の値(突入率が約50%)である第1状態(決戦ステージH4)と、特典付与状態への移行率が第1の値より高い第2の値(突入率が約100%)である第2状態(天井到達ステージH8)と、を有し、第1報知態様(V狙い報知演出)は第1状態に移行しうることを示唆する態様であり、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)は第2状態に移行しうることを示唆する態様であることから、第2報知態様で所定の報知がなされた場合に、特典付与状態への移行率が高くなると遊技者に推測させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bO群>
特徴bO群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bO1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に所定の期間を備え、
前記遊技機は、
前記所定の期間において、前記発射手段を動作させる発射操作とは異なる特定の操作を行なうことを遊技者に促すための特定の報知を行なう手段(「押しボタンを押せ」の画像を表示する手段)
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間に所定の期間を備え、所定の期間において、発射手段を動作させる発射操作とは異なる特定の操作を行なうことを遊技者に促すための特定の報知を行なう手段を備えることから、遊技者は、特定の報知を受けた場合に、特定の報知に従って特定の遊技操作を行えば、次の報知態様である第2報知態様が出現するのではと考え、第2報知態様の出現に関わる特定情報が所定の更新状態となって所定の利益状態が発生することへの期待感を遊技者に付与することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bP群>
特徴bP群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bP1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記所定の利益状態は、前記発射手段を動作させる発射操作が第2の発射態様(右打ち)である場合に所定の利益の付与が可能であり、前記発射操作が第1の発射態様(左打ち)である場合に前記所定の利益の付与が不可能である状態であり、
前記遊技機は、
前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)に、前記発射手段を動作させる発射操作を第2の発射態様とすることを遊技者に報知するための第2発射態様報知演出(右打ち報知演出)を行なう手段
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、所定の利益状態は、発射手段を動作させる発射操作が第2の発射態様(右打ち)である場合に所定の利益の付与が可能であり、発射操作が第1の発射態様(左打ち)である場合に所定の利益の付与が不可能である状態であり、遊技機は、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)に、発射手段を動作させる発射操作を第2の発射態様とすることを遊技者に報知するための第2発射態様報知演出(右打ち報知演出)を行なう手段を備えることから、遊技者は、第2発射態様報知演出に従って第1の発射態様にて遊技を行なうことで、所定の利益を受けることができる。
<特徴bQ群>
特徴bQ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bQ1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記遊技機は、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間において、前記判定手段による判定結果が前記特定判定結果(小当たり当選)ではない場合であっても、第3報知態様(変形例1における損益検討推奨報知演出)で前記所定の報知を行ない得る手段(変形例1における損益不明区間)
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、所定タイミングと特定タイミングとの間において、判定手段による判定結果が特定判定結果ではない場合であっても、第3報知態様(変形例1における損益検討推奨報知演出)で所定の報知を行ない得る手段(変形例1における損益不明区間)を備えることから、判定手段による判定結果が特定判定結果ではない場合(小当たり当選)であっても、所定タイミングと特定タイミングとの間に該当する場合に第3報知態様が表示されることになる。このため、遊技者は、判定手段によって特定判定結果となる前から第3報知態様を見て、判定手段によって特定判定結果となった場合に所定の遊技操作を行って所定の遊技条件を成立させることによって特定の利益を得るか、所定の遊技操作を行わないことで所定の遊技条件が成立することを回避させることによって所定の利益状態を発生させるかを時間を掛けて検討することができる。したがって、本特徴によれば、急な判断をせずに上記検討をじっくり行うことができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bR群>
特徴bR群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bR1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記第2報知態様(変形例6におけるV狙い非推奨報知演出)を報知する報知時間は、前記第1報知態様(変形例6におけるV狙い報知演出)を報知する報知時間よりも長い、
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)を報知する報知時間は、第1報知態様(V狙い報知演出)を報知する報知時間よりも長いことから、第2報知態様で所定の報知がなされた場合に、第1報知態様で所定の報知がなされた場合よりも強く所定の報知を遊技者に知らせることができる。このために、遊技者に期待感をいっそう付与することができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bS群>
特徴bS群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bS1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記特定情報(天井回数カウンタ)は、前記利益発生手段によって前記特定の利益が発生可能な場合(大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む))に、所定の初期状態(天井到達回数に対応した1000の値)に設定される
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、特定情報(天井回数カウンタ)は、利益発生手段によって特定の利益が発生可能な場合(大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む))に、所定の初期状態(天井到達回数に対応した1000の値)に設定されることから、特定の利益が発生される毎に特定情報は所定の初期状態に設定し直される。このために、利益発生手段によって特定の利益が発生されることが確約された場合に、遊技者は、特定の利益を受けた後に、新たな気持ちで特定情報が所定の初期状態から更新されることを楽しむことができる。このために、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bT群>
特徴bT群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bT1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記発射手段を動作させる発射操作が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、前記発射操作が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球不能である所定入球領域(V入賞口)を備え、
前記所定の遊技条件は、前記所定入球領域に遊技球が入球することである
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、発射手段を動作させる発射操作が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、発射操作が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球不能である所定入球領域(V入賞口)を備え、所定の遊技条件は、所定入球領域に遊技球が入球することであることから、発射操作が第1の発射態様(左打ち)である遊技状態で判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者は、発射操作を第1の発射態様から第2の発射態様に切り替えることによって所定入球領域に遊技球を入球させることで、所定の遊技条件を成立させることが可能となる。ここで、所定入球領域が、発射手段を動作させる発射操作が第1の発射態様(左打ち)である場合に遊技球が入球可能であり、発射操作が第2の発射態様(右打ち)である場合に遊技球が入球不能である構成を考えてみる。この構成では、発射操作が第1の発射態様(左打ち)である遊技状態で判定手段によって特定判定結果となった場合に、既に第1の発射態様で所定入球領域に向けて遊技球が発射されてしまっているため、高い確率で遊技球は所定入球領域に入球してしまう。このため、遊技者が、第2報知態様を見て所定の遊技条件が成立することを回避させたいと判断した場合に、既に第1の発射態様で遊技球が発射されてしまっているため、所定入球領域へ遊技球が入球することを取り止めることが困難であった。この結果、所定の遊技条件を成立させるか成立させないかの選択を遊技者が行なうことができなかった。これに対して、本特徴によれば、発射操作を第1の発射態様から第2の発射態様に切り替えないと所定入球領域へ遊技球を入球させることができないことから、遊技者は、所定の遊技条件を成立させるには、発射操作を第1の発射態様から第2発射態様に切り替える必要がある。したがって、本特徴によれば、発射操作が第1の発射態様(左打ち)である遊技状態で判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者は、発射操作を第1の発射態様から第2の発射態様に切り替えるか否かによって、所定の遊技条件を成立させるか成立させないかの選択を行なうことができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
<特徴bU群>
特徴bU群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴bU1]
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技流域に設けられ、遊技球が入球可能な入球領域と、
前記入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において前記特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタの値が天井到達回数に対応した値(0)に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(V狙い報知演出)または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう報知制御手段と、
前記入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行する判定手段と、
前記判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる利益発生手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは前記第1報知態様(V狙い報知演出)で前記所定の報知を行ない、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を前記第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える切替手段を備え、
前記所定の遊技条件は、所定入球領域に所定期間(6秒間)内に遊技球が入球することであり、
前記所定期間内に前記所定入球領域に遊技球が入球しなかった場合に、前記所定の遊技条件は不成立となる
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、更新手段によって、変動表示における予め定められた更新条件が成立した場合に(変動表示の確定時間の終了時である場合に)、特定情報(天井回数カウンタ)を更新し、利益状態発生手段によって、特定の遊技状態(初期化条件成立時から大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)までの遊技状態)において、特定情報が所定の更新状態となった後(天井回数カウンタが規定回数に到達した後)の予め定められたタイミングで所定の利益状態(所定回数の時短付与)を発生させる。また、報知制御手段によって、第1報知態様(V狙い報知演出)または第1報知態様とは異なる第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)で所定の報知(小当たり当選報知)を行なう。さらに、判定手段によって、入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定(当たり抽選)を実行し、利益発生手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に(遊技者による発射操作によって遊技球がV入賞口に入球した場合に)特定の利益(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH3)を発生させる。さらに、報知制御手段に備えられる切替手段によって、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタの値が天井到達回数である1000回よりも100回前である損益分岐回数に対応した閾値(100)に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替える。
したがって、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果(小当たり当選)となった場合に、特定情報が所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミング(天井回数カウンタが天井到達値となるよりも所定期間前である損益分岐回数に到達するタイミング)までは第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知を行ない、所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいては報知態様を第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に切り替えることから、遊技者は、第1報知態様(V狙い報知演出)で所定の報知がなされるのを見て、所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件を成立させることによって、特定の利益を発生させることができ、一方、第2報知態様(V狙い非推奨報知演出)に所定の報知が切り替えられるのを見て、特定情報が所定の更新状態となり、所定の利益状態を発生させることができるようになることを期待感を抱いて待つことができる。このため、本特徴によれば、判定手段によって特定判定結果となった場合に、所定の報知についての報知態様によって遊技者に不都合を与えることなく、遊技者の期待感を高めることができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、所定の遊技条件は、所定入球領域に所定期間内に遊技球が入球することであり、所定期間内に所定入球領域に遊技球が入球しなかった場合に、所定の遊技条件は不成立となることから、遊技者は、所定の遊技条件を成立させるか成立させないかの判断を少なくとも所定期間内で行なう必要がある。このため、本特徴によれば、遊技者に早期の判断を迫ることになり、遊技のスピーディー化を図ることができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
なお、上記各特徴群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特開2011-172988号公報)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化、遊技の健全性の向上等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
なお、上記各特徴群に含まれる1又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、上記の各特徴群を適用し得る又は各特徴群に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段と、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、前記取得情報記憶手段に記憶された前記特別情報が所定条件を満たす場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示手段と、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示を始動させる始動手段と、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間の経過に起因して前記複数の絵柄の可変表示を停止させる停止手段と、停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。上記の実施形態、変形例、および特徴群に含まれる技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
《6》第6実施形態:
《6-0》はじめに:
従来の遊技機において、遊技性の向上を目的として、所定の始動口への入賞確率を変化可能な補助部材を備えたものが知られている。補助部材は、遊技における所定の条件の成立に基づいて所定の始動口への入賞確率が高くなるように制御されることで、所定の始動口への入賞が容易となる入賞容易制御モードに移行する。入賞容易制御モードへの移行後、所定の始動口への遊技球の入賞に基づく変動が所定回数行われた場合等の終了条件の成立時に、入賞容易制御モードを終了する。
入賞容易制御モードの期間中はホールコンピュータ等に対して、当該期間に該当する状態を識別するための信号を出力することで、ホール設備による演出やデータの表示を行っている。
しかしながら、従来の遊技機においては、入賞容易制御モードの期間の終了時点における補助部材に基づく始動保留に対しては何らの対策も取られておらず、各種遊技状態の識別性能に対して、より好適な機能が求められている。
本遊技機は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、遊技状態に対する識別性能を向上させることで、遊技の興趣向上を図ること目的としている。具体的には、本遊技機は、次の通りの課題を解決する。
従来の遊技機において、外部端子板を備え、外部端子板からデータ表示器や遊技ホール側の管理制御装置に対して各種の信号を出力する構成が知られている。各種の信号の中には、大当たり信号1と呼ばれるものと、大当たり信号2と呼ばれるものとが含まれる。大当たり信号1は、大当たり遊技状態中であることを示す信号である。大当たり信号2は、大当たり遊技状態中、または時短遊技状態(高サポ状態とも呼ぶ)中であることを示す信号である。データ表示器は、遊技機から出力される各種の信号に基づいて当該遊技機の遊技に関する各種の情報を表示可能であり、例えば、大当たり信号1と大当たり信号2とに基づいて、初当たりから連続して大当たり当選した回数である連荘数をカウントし、当該連荘数の表示を行なうことが可能である。
また、従来の遊技機においては、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達し、高サポ状態から低サポ状態に移行した直後において、特2残保留が残る場合がある。この場合に、規定回数に到達した遊技回の変動停止時に大当たり信号2の出力が停止してしまうことから、データ表示器において連荘数のカウントが停止してしまう。このために、高サポ状態から低サポ状態に移行した直後において、特2残保留が残り、当該特2残保留による当たり抽選において大当たり当選した場合に、当該大当たり当選は、データ表示器において、直前の高サポ状態における連荘数にカウントされることなく、初回の大当たり当選であると認定されることになる。この結果、従来の遊技機では、データ表示器において連荘数の表示を適切に行なうことができずに、遊技者に不快感を与えてしまうという課題があった。
本発明に係る遊技機(以下、本遊技機とも称する)は、遊技に関する情報を適切に表示することで、遊技の興趣向上を図ることを課題としている。具体的には、例えば、表示器において連荘数の表示を適切に行なうことができずに遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することで、遊技の興趣向上を図ることを課題としている。以下、詳細に説明する。
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「第1の入球領域」としての「第1入球部」を備え、「第2の入球領域」としての「第2入球部」を備え、「特別情報」としての「特別乱数情報」を備え、「取得情報記憶手段」としての「取得情報記憶部」を備え、「所定条件」としての「特定条件」を備え、「制御モード切替手段」としての「制御モード切替処理」を備え、「当該期間に該当する状態を識別するための情報」としての「識別情報」を備え、「第1出力手段」としての「識別情報出力処理」を備え、「出力停止手段」としての「出力停止処理」を備え、「記憶手段」としての「記憶部」を備え、「所定の変動表示」としての「特定変動表示」を備え、「所定情報」としての「特定情報」を備え、「第2出力手段」としての「特定情報出力処理」を備え、「所定数の変動表示のうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に所定期間が経過するまで、所定情報を継続して出力する手段」としての「継続出力処理」を備え、「所定情報を情報とは異なる態様で出力する手段」としての「特別態様出力処理」を備える。また、本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「所定他条件」としての「特定他条件」を備え、「特別遊技状態情報」としての「特別遊技情報」を備え、「第3出力手段」としての「特別遊技情報出力処理」を備える構成としてもよい。
「第1の入球領域」は、遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口を有する領域であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技球が入球した場合に第1特別図柄の変動表示が実行されることになる第1始動口や、遊技球が入球した場合に第2特別図柄の変動表示が実行されることになる第2始動口、遊技球が入球した場合に普通図柄の変動表示が実行されることになる普図始動ゲート、遊技球が入球した場合に所定個数の賞球が払い出されることになる一般入賞口、大入賞口、特別入賞口、遊技球が入球した場合に特別電動役物が作動することになる特電始動口、などが挙げられる。
「第2の入球領域」は、遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口を有する領域であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技球が入球した場合に第2特別図柄の変動表示が実行されることになる第2始動口や、遊技球が入球した場合に第1特別図柄の変動表示が実行されることになる第1始動口、遊技球が入球した場合に普通図柄の変動表示が実行されることになる普図始動ゲート、遊技球が入球した場合に所定個数の賞球が払い出されることになる一般入賞口、大入賞口、特別入賞口、遊技球が入球した場合に特別電動役物が作動することになる特電始動口、などが挙げられる。
「特別情報」は、第1の入球領域または第2の入球領域への遊技球の入球を契機として取得される情報であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、特図当たり抽選に用いられる当たり乱数カウンタの値や、当たり種別カウンタの値、リーチ乱数カウンタの値、変動種別カウンタの値、電動役物開放カウンタの値、などが挙げられる。
「取得情報記憶手段」は、第1の入球領域に遊技球が入球したことによって取得された第1の特別情報と、第2の入球領域に遊技球が入球したことによって取得された第2の特別情報とを、それぞれ記憶する手段であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、RAM内の所定エリアや、RAMに設けられるカウンタエリア、RAMに設けられるフラグエリア、RAM内のバッファ、などが挙げられる。
「所定条件」は、取得情報記憶手段に記憶された特別情報を判定するための条件あればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、当たり抽選の抽選結果が大当たり当選となる値と一致することや、当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となる値と一致すること、などが挙げられる。
「制御モード切替手段」は、特別遊技状態の終了後に、制御モードを特定期間、第2制御モードに維持し、特定期間の終了時に制御モードを第2制御モードから第1制御モードに切り替える手段であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、当たり抽選で大当たり当選したことに基づく開閉実行モードの終了後にサポートモードを高頻度サポートモードに規定回数だけ維持し、規定回数の終了時に制御モードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える処理や、当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選したことに基づく開閉実行モードの終了後にサポートモードを高頻度サポートモードに規定回数だけ維持し、規定回数の終了時に制御モードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える処理、当たり抽選で大当たり当選し、振り分けられた当たり種別が特定の種別であることに基づく開閉実行モードの終了後にサポートモードを高頻度サポートモードに規定回数だけ維持し、規定回数の終了時に制御モードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える処理、当たり抽選で小当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が特定の種別である場合に、その後にV入賞口に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選したことに基づく開閉実行モードの終了後にサポートモードを高頻度サポートモードに規定回数だけ維持し、規定回数の終了時に制御モードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える処理、などが挙げられる。
「当該期間に該当する状態を識別するための情報」は、特別遊技状態である期間、または特定期間に該当する状態を識別するための情報であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、大当たり遊技状態中または高サポ状態中を示す通常出力態様の大当たり信号2や、大当たり遊技状態中を示す大当たり信号1、変動表示されていた特別図柄(特図1または特図2)が停止表示されたことを示す図柄確定信号、第1の入球領域に遊技球が入球したことを示す第1始動口入球信号、第2の入球領域に遊技球が入球したことを示す第2始動口入球信号、枠開放中であることを示す信号、扉開放中であることを示す信号、確変状態中の特有の信号、高サポ状態中の特有の信号、などが挙げられる。ここで言う「信号」とは、色・音・光・形などの一定の符号を使って表現した情報であり、当該情報としては、図表や、文字、音声、光、画像、映像、これらの組合せなどが挙げられる。
「第1出力手段」は、特別遊技状態である期間、または特定期間において、情報を継続して出力する手段であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、大当たり遊技状態中または高サポ状態中において大当たり信号2等の情報を継続して出力する処理や、大当たり遊技状態中において情報を継続して出力する処理、高サポ状態中において情報を継続して出力する処理、確変状態中において情報を継続して出力する処理などが挙げられる。情報の出力元は、外部端子板や、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置、などが挙げられる。
「出力停止手段」は、特定期間の終了時に、情報の出力を停止する手段であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、高サポ状態の終了時に特2残保留が無い場合に大当たり信号2等の情報の出力を停止する処理や、確変状態の終了時に情報の出力を停止する処理、大当たり遊技状態の終了時に情報の出力を停止する処理、高サポ状態の終了時に情報の出力を停止する処理、などが挙げられる。
「記憶手段」は、特定期間の終了時に取得情報記憶手段に記憶されている第2の特別情報の数を記憶可能な手段であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、遊技の主たる制御を司る主制御装置側のRAM内の特2残保留個数記憶エリアや、主制御装置側のRAM内の保留個数記憶エリア、主制御装置側のRAMに設けられるカウンタエリア、主制御装置側のRAMに設けられるフラグエリア、主制御装置側のRAM内のバッファ、音声発光制御装置側の保留個数カウンタエリア、などが挙げられる。
「所定の変動表示」は、判定手段による判定の結果を報知するための変動表示が所定のものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、特図2当たり抽選に基づく変動表示や、特図1当たり抽選に基づく変動表示、普通電動役物開放抽選に基づく変動表示、高サポ状態時の特図2当たり抽選に基づく変動表示、高サポ状態から低サポ状態に移行した後の特2残保留による特図2当たり抽選に基づく変動表示、などが挙げられる。
「所定情報」は、所定の変動表示が実行され得る状態を識別可能な情報であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、通常出力態様とは別の特別出力態様の大当たり信号2や、大当たり信号1、通常出力態様の大当たり信号2、変動表示されていた特別図柄(特図1または特図2)が停止表示されたことを示す図柄確定信号、第1の入球領域に遊技球が入球したことを示す第1始動口入球信号、第2の入球領域に遊技球が入球したことを示す第2始動口入球信号、確変状態中の特有の信号、高サポ状態中の特有の信号、などが挙げられる。
「第2出力手段」は、特定期間の終了後に、少なくとも記憶手段に記憶されている第2の特別情報の数が1以上である場合に、当該第2の特別情報の数に対応する所定数の変動表示が終了するまで、所定情報を継続して出力する手段であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、高サポ状態の終了時に記憶されている特2残保留の数が1以上である場合に、当該特2残保留の数に対応する所定数の変動表示が終了するまで、大当たり信号2等の所定情報を継続的に出力する処理や、高確高サポ状態の終了時に記憶されている特2残保留の数が1以上である場合に、当該特2残保留の数に対応する所定数の変動表示が終了するまで、所定情報を継続的に出力する処理、などが挙げられる。なお、第2出力手段は、上述した構成に加えて、特定期間の終了後に、記憶手段に記憶されている第2の特別情報の数が0である場合にも、所定情報を継続して出力する構成としてもよい。
「所定数の変動表示のうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に所定期間が経過するまで、所定情報を継続して出力する手段」は、本発明の主旨を実現可能であれば、様々な構成が挙げられる。具体的には、例えば、「所定期間」は所定条件が成立するまでの期間とし、当該所定条件としては、例えば、停止表示が終了することや、停止表示となってからの経過時間が所定時間に達すること、停止表示となってからの遊技球の発射数が所定数に達すること、特定の抽選の抽選結果が特定結果となること、これらの組合せ、などが挙げられる。
「所定情報を情報とは異なる態様で出力する手段」は、所定情報を特別遊技状態である期間または特定期間に該当する状態を識別するための情報とは異なる態様で出力する手段であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、様々な構成が挙げられる。具体的には、「異なる態様」としては、例えば、信号の形が相違することや、信号の種類そのものが相違すること、信号の出力元が相違すること、信号の出力先が相違すること、信号が表現する情報が相違すること、これらの組合せ、などが挙げられる。
「所定他条件」は、取得情報記憶手段に記憶された特別情報を判定するための条件あればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、当たり抽選の抽選結果が大当たり当選となる値と一致することや、当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となる値と一致すること、などが挙げられる。
「特別遊技状態情報」は、特別遊技状態である期間に該当する状態を識別するための情報であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、大当たり遊技状態中であることを示す大当たり信号1、通常出力態様の大当たり信号2や、特別出力態様の大当たり信号2、変動表示されていた特別図柄(特図1または特図2)が停止表示されたことを示す図柄確定信号、第1の入球領域に遊技球が入球したことを示す第1始動口入球信号、第2の入球領域に遊技球が入球したことを示す第2始動口入球信号、確変状態中の特有の信号、高サポ状態中の特有の信号、などが挙げられる。
「第3出力手段」は、特別遊技状態である期間に該当する状態を識別するための特別遊技状態情報を出力する手段であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、大当たり信号1を出力する処理や、大当たり信号2を出力する処理、図柄確定信号を出力する処理、第1始動口入球信号を出力する処理、第2始動口入球信号を出力する処理、確変状態中の特有の信号を出力する処理、高サポ状態中の特有の信号を出力する処理、大当たり遊技状態中の特有の信号を出力する処理、などが挙げられる。
本遊技機は、詳細は後述するが、制御モード切替処理によって、特別遊技状態の終了後に制御モードを特定期間、第2制御モードに維持し、特定期間の終了時に制御モードを第2制御モードから第1制御モードに切り替える。また、識別情報出力処理によって、特別遊技状態である期間、または特定期間において、識別情報を継続して出力し、出力停止処理によって、特定期間の終了時に識別情報の出力を停止する。さらに、記憶部によって、特定期間の終了時に取得情報記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数を記憶する。特定情報出力処理によって、特定期間の終了後に、少なくとも記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数が1以上である場合に、当該第2の特別乱数情報の数に対応する所定数の変動表示が終了するまで、特定変動表示が実行され得る状態を識別可能な特定情報を継続して出力することが可能となっている。さらに、特定情報出力処理は、所定数の変動表示のうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に所定期間が経過するまで、特定情報を継続して出力するが、当該特定情報を識別情報とは異なる態様で出力する。したがって、本特徴によれば、特定期間の終了時に識別情報の出力が一旦停止されても、特定期間の終了後に、記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数に対応する所定数の変動表示が終了するまで、特定変動表示が実行され得る状態を識別可能な特定情報が継続して出力されることから、特定期間の終了後において、取得情報記憶部に第2の特別乱数情報が残り、当該第2の特別乱数情報が特定条件を満たした場合、具体的には、例えば、第2の特別乱数情報が予め定めた値と一致する場合、より具体的には、例えば大当たり当選となる値と一致する場合に、識別情報および特定情報を受け取るデータ表示器等の表示装置において、直前の特定期間に関係して取得された第2の特別乱数情報が特定条件を満たしたものであるとして連荘数をカウントすることが可能となる。この結果、本特徴では、表示装置において例えば連荘数の表示を適切に行なうことができずに遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本遊技機によれば、特定情報を識別情報とは異なる態様で出力することから、特定情報を受け取るデータ表示器等の表示装置において、特定情報を受け取った場合に特有の表示を行なうことが可能となる。このために、表示装置において、例えば、特定期間の終了後に残った第2の特別乱数情報についての変動表示中である旨の表示を行なうことができる。したがって、本遊技機では、特定情報や識別情報を受け取るデータ表示器等の表示装置に多様な表示を実行させることができ、この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
このように、本遊技機は、特定期間の終了後において取得情報記憶部に第2の特別乱数情報が残った場合に、表示装置における表示を適切に行なうので、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
以下、本遊技機のより具体的な構成を下記の第6実施形態として説明する。
《6-1》遊技機の構造:
図253は、遊技ホールに設置される島設備3の一部を示す説明図である。遊技ホールには複数の島設備3が設けられている。遊技ホールのフロアは、島設備3により複数の領域に区画されることによって、来場者及び従業員が歩行でき、遊技者が遊技を行なうのに十分な空間が確保されている。
島設備3には、複数のパチンコ機10が、正面を向くように横一列に整列した状態で設置されている。具体的には、島設備3には遊技機設置棚5が設けられている。遊技機設置棚5は、パチンコ機10が隙間なく組み込まれる大きさを有している。パチンコ機10を遊技機設置棚5に組み込むと、ほぼ前面のみが露呈される。こうして、パチンコ機10は、正面を向くように設置される。
島設備3には、遊技機設置棚5の少なくとも左右いずれかに隣接して遊技球貸出機7が設置されている。遊技球貸出機7は、遊技に使用する遊技球(パチンコ球)を貨幣などの価値媒体と引き換えに貸し出すものである。また、遊技機設置棚5の各パチンコ機10の上方には、当該パチンコ機10の遊技履歴を集計して表示するデータ表示器9が設置されている。データ表示器9は、詳しくは後述するが、パチンコ機10と信号線(図示省略)で接続されており、パチンコ機10から出力される各種の信号をこの信号線を介して受信する。データ表示器9は、これらの信号に基づいて、パチンコ機10の動作状況に関する表示や、セキュリティに関する表示等を行なう。
図254は、第6実施形態のパチンコ機10の斜視図である。図示するように、パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が島設備3の遊技機設置棚5に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
前扉枠14の正面視右側(以下、単に「右側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が所定の間隔(本実施形態では0.6秒間隔)で発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。そして、操作ハンドル25の回動操作量が所定未満の場合、すなわち遊技球の発射強度が所定未満の場合には、発射された遊技球は遊技盤の正面視左側の領域を流下する。この場合における遊技球の発射態様を「左打ち」とも呼ぶ。一方、操作ハンドル25の回動操作量が所定以上の場合、すなわち遊技球の発射強度が所定以上の場合には、発射された遊技球は遊技盤の正面視右側の領域を流下する。この場合における遊技球の発射態様を「右打ち」とも呼ぶ。
上皿20の周縁部の正面視左側(以下、単に「左側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。なお、遊技球発射ボタン26を操作することなしに、遊技者が操作ハンドル25の回動操作量を所定以上とする操作を行なうことによって、右打ちを行なうようにしてもよい。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図255は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53と、電源ユニット58とを備えている。具体的には、これらユニットは、内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。この基板ボックスは、開閉の痕跡が残るように構成されている。例えば、開閉可能な箇所に封印シールが貼付されており、基板ボックスを開放すると「開封」といった文字が現れるように構成されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備3から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
電源ユニット58は、電源装置85と、電源スイッチ88とを備えている。電源装置85は、パチンコ機10の動作に必要な電力を供給する。電源装置85には、電源スイッチ88が接続されている。電源スイッチ88のON/OFF操作により、パチンコ機10に電力が供給されている供給状態と、パチンコ機10に電力が供給されていない非供給状態とが切り換えられる。
また、パチンコ機10の背面からみて右上部に外部端子板95が設けられている。外部端子板95は、複数の出力側コネクタを備えており、これらの出力側コネクタからデータ表示器9や遊技ホール側の管理制御装置(図示せず)に対して各種信号を出力する。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図256は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、可変入賞装置36、及び小当たり専用可変入賞装置57が設けられている。可変入賞装置36は当たり抽選において大当たり当選(後述するV入賞大当たり当選も含む)した場合に作動する装置であり、小当たり専用可変入賞装置57は当たり抽選において小当たり当選した場合に作動する装置である。すなわち、小当たり当選した場合に作動する装置は小当たり専用可変入賞装置と呼ぶのに対して、大当たり当選した場合に作動する装置は単に「可変入賞装置」と呼ぶ。
一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、及び可変入賞装置36、及び小当たり専用可変入賞装置57のそれぞれに入球した遊技球は、遊技盤30に形成された個別の上記の開口部に誘導される。また、遊技盤30には、スルーゲート35が設けられている。さらに、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
図示するように、一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、1個の遊技球が賞球として払出装置71(図255)から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材であり、第1入球部として機能する。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。第1始動口33は、左打ちで遊技された場合に遊技球が入球可能であり、右打ちで遊技された場合に遊技球が入球不能である。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、特図1当たり抽選が実行される。特図1当たり抽選の結果、大当たりに当選すると、第2特別電動役物が開閉動作を実行する開閉実行モードが開始される。開閉実行モードは、オープニング期間と、開閉処理期間と、エンディング期間とによって構成されている。オープニング期間は、特別電動役物の開閉処理が開始されるまでの待機期間であり、開閉処理期間は、実際に特別電役物の開閉処理が実行される期間であり、エンディング期間は、特別電動役物の開閉処理が終了した後、次の特図当たり抽選(特図1当たり抽選又は特図2当たり抽選)を実行可能とするまでの待機期間である。そして、本実施形態では、特図1当たり抽選の結果、大当たりに当選すると、第2特別電動役物として可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉動作を実行する開閉実行モード(以下、単に「開閉実行モード」と呼んだり、「大当たりに基づく開閉実行モード」と呼んだりする)が開始される。なお、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりに基づく開閉実行モードが開始されてから当該開閉実行モードが終了するまでを大当たり遊技状態中であるとして各種の処理を行なう構成とした。なお、変形例として、開閉実行モードのうちの開閉処理期間を大当たり遊技状態中として各種の処理を行なう構成としてもよい。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材であり、第2入球部として機能する。第2始動口34は、遊技盤30の右側の上下方向における中央に設けられている。第2始動口34は、右打ちで遊技された場合に遊技球が入球可能であり、左打ちで遊技された場合に遊技球が入球不能である。第2始動口34には、左右一対の可動片よりなる普通電動役物34aが設けられている。普通電動役物34aが閉鎖状態のときには、遊技球は第2始動口34に入球することはできない。一方、普通電動役物34aが開放状態のときには、遊技球は第2始動口34に入球することができる。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、特図2当たり抽選が実行される。特図2当たり抽選の結果、小当たり又は大当たりに当選すると、後述する特別電動役物(第1特別電動役物又は第2特別電動役物)が開閉動作を実行する開閉実行モードが開始される。開閉実行モードは、先に説明したように、オープニング期間と、開閉処理期間と、エンディング期間とによって構成されている。そして、本実施形態では、特図2当たり抽選の結果、大当たりに当選すると、第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉動作を実行する開閉実行モードが開始される。一方、特図2当たり抽選の結果、小当たりに当選すると、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bが開閉動作を実行する開閉実行モード(以下、「小当たりに基づく開閉実行モード」とも呼ぶ)が開始される。
第1入球部または第2入球部として機能するスルーゲート35は、遊技盤30の右側上方に設けられており、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、普通電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルータイプのゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、普通電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下ルートにおいて第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
第1入球部または第2入球部として機能する小当たり専用可変入賞装置57は、遊技盤30の右側における遊技球の流下ルートにおいて第2始動口34よりも下流側に設けられている。小当たり専用可変入賞装置57は、第1特別電動役物であり、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口57aを備えるとともに、大入賞口57aを開閉する開閉扉57bを備える。開閉扉57bは、通常は遊技球が大入賞口57aに入球できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(当たり抽選)の結果、小当たりに当選した場合には、第1特別電動役物についての開閉実行モード(小当たりに基づく開閉実行モード)が開始され、小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bは、遊技球が入球可能な開放状態となり、その後、閉鎖状態となる。本実施形態では、小当たり専用可変入賞装置57の大入賞口57aに遊技球が入球すると、予め定められた賞球数である10個の遊技球が賞球として払出装置71によって払い出される。小当たり専用可変入賞装置57は、右打ちで遊技された場合に遊技球が入球可能であり、左打ちで遊技された場合に遊技球が入球不能である。
大入賞口57aの内部には、V入賞口59が設けられている。V入賞口59は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技球が入球すると、V入賞大当たりに当選(単に「V入賞大当たり当選」とも呼ぶ)となり、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードが開始される。上述したように、本実施形態では、大入賞口57aの内部にV入賞口59が設けられており、大入賞口57aに入球した遊技球がその後に確実にV入賞口59に入球するように構成されている。そして、V入賞口59に遊技球が入球するという条件が成立した場合に、V入賞大当たりに当選となり、第2特別電動役物が開閉動作を実行するV入賞大当たりに基づく開閉実行モードが開始される。
第1入球部または第2入球部として機能する可変入賞装置36は、遊技盤30の右側における遊技球の流下ルートにおいて小当たり専用可変入賞装置57よりも下流側に設けられている。可変入賞装置36は、第2特別電動役物であり、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備える。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態になっている。V入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した場合には、第2特別電動役物についての開閉実行モード(以下、「V入賞大当たりに基づく開閉実行モード」とも呼ぶ)が開始され、可変入賞装置36の開閉扉36bは、遊技球が入球可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、予め定められた賞球数である15個の遊技球が賞球として払出装置71によって払い出される。可変入賞装置36は、右打ちで遊技された場合に遊技球が入球可能であり、左打ちで遊技された場合に遊技球が入球不能である。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、可変入賞装置36、または小当たり専用可変入賞装置57に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、可変入賞装置36の大入賞口36a、V入賞口59、及びアウト口43のそれぞれに入球した遊技球は、遊技盤30に形成された個別の開口部を通って遊技盤30の背面側に誘導され、遊技盤30の背面に設けられた排出通路に最終的に合流するように構成されている。当該排出通路には、遊技球を検知する排出通路検知センサーが設けられている。排出通路検知センサーによって遊技球を検知することによって、遊技盤30に発射された遊技球の個数を把握することが可能となっている。
なお、「入球」とは遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過することを意味し、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される特別図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの表示態様として、特定変動表示としての第1の図柄の変動表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行わせる。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される特別図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、特定変動表示としての第2の図柄の変動表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行わせる。
第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、およびラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置に換えてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄(装飾図柄)の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入球を契機とした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行う。さらに、図柄表示装置41は、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることを遊技者に報知するための演出(右打ち報知演出)や、遊技球発射機構による発射態様を右打ちから左打ちに戻すことを遊技者に報知するための演出(左打ち報知演出)、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることによってV入賞口59に遊技球を入球させることを遊技者に報知するためのV狙い報知演出なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図257は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図257(a)は、図柄表示装置41において変動表示される図柄(装飾図柄)を示す説明図である。図257(a)に示すように、図柄表示装置41には、装飾図柄として、数字の1~8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される装飾図柄として、数字の1~8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図257(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、図257(a)に示した数字1~8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図257(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL1上に停止した状態で表示される。
具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入球すると、各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1~Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。なお、図柄表示装置41における装飾図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、装飾図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、「遊技回」とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が停止して停止表示となり、当該停止表示が終了するまで(言い換えれば、当該停止表示の確定時間が終了するまで)を言い、第1始動口33及び第2始動口34のいずれかの入球に基づいて取得された特別乱数情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別乱数情報についての1つの当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33及び第2始動口34のいずれかの入球に基づいて特別乱数情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別乱数情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させ、当該停止表示を所定期間(確定時間とも呼ぶ)継続する。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33及び第2始動口34のいずれかの入球に基づいて特別乱数情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別乱数情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させ、当該停止表示を確定時間、継続する。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である確定時間とによって構成されている。
さらに、図257(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1が表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33に入球した遊技球の保留個数は、最大4つまでである。
また、図257(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、第1保留表示領域Ds1、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
《6-2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図258は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムを実行するCPU(図示せず)と、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート(図示せず)及び出力ポート(図示せず)がそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力ポートには、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また電源装置85は、コンデンサ(図示せず)を備えており、停電が発生した場合や電源スイッチ88(図255)がOFFにされた場合には、所定期間、各装置への電力供給を継続する。
また、主制御基板61の入力ポートには、各種検知センサー67a~67fが接続されている。具体的には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36、V入賞口59などの各種の入球口に設けられた複数の検知センサと接続されている。主制御基板61のMPU62は、各種検知センサ67a~67fからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲート35を通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特図当たり抽選(特図1当たり抽選又は特図2当たり抽選)を実行するとともに、スルーゲート35への入球に基づいて普通電動役物開放抽選を実行する。
主制御基板61の出力ポートには、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bを開閉動作させる第1特別電動役物駆動部57cと、第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる第2特別電動役物駆動部36cと、普通電動役物34aを開閉動作させる普通電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、小当たりに基づく開閉実行モードにおいては、小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bが開閉されるように第1特別電動役物駆動部57cの駆動制御を実行し、大当たりに基づく開閉実行モードにおいては、可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉されるように第2特別電動役物駆動部36cの駆動制御を実行する。ここで言う「大当たりに基づく開閉実行モード」は、当たり抽選において大当たり当選した場合に実行する開閉実行モードと、当たり抽選において小当たり当選してV入賞大当たりした場合に実行するV入賞大当たりに基づく開閉実行モードとの双方が該当する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、普通電動役物34aが開放されるように普通電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行する。また、小当たりに基づく開閉実行モードおよび大当たり(V入賞大当たりも含む)に基づく開閉実行モードにおいては、当該開閉実行モードにおいて当たり種別が決定され当該開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数が決定した場合には、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
主制御基板61の出力ポートには、払出制御装置70と、音声発光制御装置90と、外部端子板95とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて識別情報としての賞球コマンドが送信される。主制御装置60が識別情報としての賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。具体的には、一般入賞口32への入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、小当たり専用可変入賞装置57の大入賞口57a又は可変入賞装置36の大入賞口36aへの遊技球の入球を特定した場合には予め定められた賞球数の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。この識別情報としての賞球コマンドを送信する処理が識別情報出力処理として実行される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25と、遊技球発射ボタン26とが接続されている。
外部端子板95には、一の入力側コネクタと複数の出力側コネクタが設けられている。外部端子板95は、入力側コネクタを介して主制御装置60から入力信号を受信し、受信した入力信号に基づいて、各種の信号を各出力側コネクタからデータ表示器9や遊技ホール側の管理制御装置(図示せず)に対して出力する。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、図柄の組み合わせが停止表示している時間である停止時間(確定時間)は一定である。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図259は、特図当たり抽選や普通電動役物開放抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、特図当たり抽選(特図1当たり抽選又は特図2当たり抽選)には当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり当選、または小当たり当選してV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たり当選した時において発生するラウンド遊技の回数等を定める当たり種別を振り分ける際には当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の普通電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1~C4、CINI、CSは、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
RAM64には、保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。第1保留エリアRaには、第1始動口33に入球した遊技球の保留個数の最大値に対応した4個のエリア、すなわち、第1エリア、第2エリア、第3エリア、および第4エリアが設けられている。第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報(以下、特図1保留とも呼ぶ)として、第1~第4エリアのうちの一つのエリアに記憶される。第1~第4エリアのいずれに記憶されるかは、入球の順序によって決定されており、入球のタイミングが早いほど上位のエリア(第1エリアが最も上位のエリア)に記憶される。
また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。第2保留エリアRbには、第2始動口34に入球した遊技球の保留個数の最大値に対応した4個のエリア、すなわち、第1エリア、第2エリア、第3エリア、および第4エリアが設けられている。第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報(以下、特図2保留とも呼ぶ)として、第1~第4エリアのうちの一つのエリアに記憶される。第1~第4エリアのいずれに記憶されるかは、入球の順序によって決定されており、入球のタイミングが早いほど上位のエリア(第1エリアが最も上位のエリア)に記憶される。
当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。当たり乱数カウンタC1は、例えば、0~1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~1199)。
当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、実行中の遊技回が終了する毎に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たり当選または小当たり当選となるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たり当選または小当たり当選となるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。具体的には、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを判定処理実行エリア64cに移動させ、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。データのシフトは、第1~第4エリアに格納されているデータを上位エリア側に順にシフトさせるものである。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。
また、第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。具体的には、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを判定処理実行エリア64cに移動させ、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。データのシフトは、第1~第4エリアに格納されているデータを上位エリア側に順にシフトさせるものである。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。
そして、第2保留エリアRbに当たり乱数カウンタC1の値が記憶されている場合には、第1保留エリアRaに当たり乱数カウンタC1の値が記憶されているか否かにかかわらず、第2保留エリアRbに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する対象とする。これにより、第1保留エリアRa及び第2保留エリアRbの両方に当たり乱数カウンタC1の値が記憶されている場合には、第2始動口34に対応した第2保留エリアRbに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値が優先される。すなわち、本実施形態では、第1保留エリアRa及び第2保留エリアRbの両方に当たり乱数カウンタC1の値が記憶されている場合には、第2始動口34に対応した第2保留エリアRbに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値が優先され、第2保留エリアRbに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値の中では、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを判定処理実行エリア64cに移動させ、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。第2保留エリアRbに当たり乱数カウンタC1の値が記憶されていない場合には、第1保留エリアRaに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値の中では、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを判定処理実行エリア64cに移動させ、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。
なお、上述した説明では、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値がどういった順序で判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動されるかを説明したが、当たり乱数カウンタC1の値に限るものではなく、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1以外のカウンタ(当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCS)の各値についても、同様の順序で判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動される。
なお、第1保留エリアRaには保留個数記憶エリアが設けられいる。第1始動口33に遊技球が入球する毎に第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値が値1だけ加算され、上記第1保留エリアRaについてのデータをシフトさせる処理が行われる毎に第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値が値1だけ減算される。なお、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値は最大値である値4を超えることのないように制限されている。この結果、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアには、第1保留エリアRaに記憶された保留情報の最新の個数が記憶される。また、同様に、第2保留エリアRbには保留個数記憶エリアが設けられいる。第2始動口34に遊技球が入球する毎に第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値が値1だけ加算され、上記第2保留エリアRbについてのデータをシフトさせる処理が行われる毎に第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値が値1だけ減算される。なお、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値は最大値である値4を超えることのないように制限されている。この結果、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアには、第2保留エリアRbに記憶された保留情報の最新の個数が記憶される。
次に、当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。当たり種別カウンタC2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで取得情報記憶部としての保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで取得情報記憶部としての保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行うとともに、当たり抽選の結果が大当たり又は小当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている当たり種別カウンタC2の値を用いて当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、当たり抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選となり、大当たりに基づく開閉実行モードまたは小当たりに基づく開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示面41aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図257(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、小当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
リーチは、リーチ演出の内容によって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチの3種類に分類される。ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が大当たり当選の期待度(信頼度)が高いリーチ演出が実行され、スーパーリーチよりもスペシャルリーチの方が大当たり当選の期待度が高いリーチ演出が実行される。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶された変動種別カウンタCSの値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、第1図柄表示部37aにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して使用される。第2保留エリアRbに記憶された変動種別カウンタCSの値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して使用される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。なお、本実施形態のパチンコ機10では、変動パターンの種別に応じてリーチ演出の内容(すなわちリーチの種類)を特定できる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0~465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電役実行エリア64eに移動した後、電役実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて普通電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選(以下、電動役物開放抽選と呼ぶ)が行われる。具体的には、電役実行エリア64eにおいて、ROM63の役物抽選用テーブル記憶エリア63eに記憶されている当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)と電動役物開放カウンタC4の値とが照合され、普通電動役物34aを開放状態に制御するか否かが決定される。
なお、取得された当たり乱数カウンタC1の値、当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、変動種別カウンタCS、および電動役物開放カウンタC4の値の内の少なくとも一つが本発明における特別乱数情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値、当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、および変動種別カウンタCSの値の内の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、当たり乱数カウンタC1に基づいて当たり抽選を行う際に、当該当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。本実施形態においては、パチンコ機10は、第1始動口33への遊技球の入球を契機として保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34への遊技球の入球を契機として保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、前者の当否テーブル、すなわち特図1当たり抽選用の当否テーブルと、後者の当否テーブル、すなわち特図2当たり抽選用の当否テーブルとを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図260は、特図当たり抽選用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図260(a)は特図1当たり抽選用の当否テーブルを示し、図260(b)は特図2当たり抽選用の当否テーブルを示している。
図260(a)に示すように、特図1当たり抽選用の当否テーブルには、大当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、0~19の20個の値が設定されている。そして、0~3979の3980個の値のうち、0~19の20個の値以外の値(20~3979)が外れである。すなわち、特図1当たり抽選用の当否テーブルによれば、3980個のうちの20個が出現する確率、すなわち1/199となるように、大当たりの当選確率が設定されている。「大当たり」とは、第2特別電動役物である可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機となる当否結果である。
図260(b)に示すように、特図2当たり抽選用の当否テーブルには、大当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、0~19の20個の値が設定されている。また、特図2当たり抽選用の当否テーブルには、小当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、20~309の290個の値が設定されている。そして、0~3979の3980個の値のうち、0~309の310個の値以外の値(310~3979)が外れである。すなわち、特図2当たり抽選用の当否テーブルによれば、3980個のうちの20個が出現する確率、すなわち、1/199となるように大当たりの当選確率が設定され、3980個のうちの290個が出現する確率、すなわち、29/398となるように小当たりの当選確率が設定されている。
「小当たり」とは、第1特別電動役物である小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bの開閉が実行される小当たりに基づく開閉実行モードへの移行契機となる当否結果である。本実施形態では、小当たりに基づく開閉実行モードにおける開放状態となる回数(ラウンド回数)は1回に限定されており、その1回の開閉扉57bの開放時間は、例えば1.8秒である。なお、変形例として、開閉扉57bの開閉が実行されるモードにおける開放状態となる回数は、1回に換えて、2回以上としてもよい。小当たりの際の小当たり専用可変入賞装置57の1回の開閉扉57bの開放時間は、1.8秒に換えて2.2秒等の他の時間としてもよい。
「外れ」は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機、および小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bの開閉が実行される小当たりに基づく開閉実行モードへの移行契機のいずれにもならない当否結果である。
図260(a)の特図1当たり抽選用の当否テーブルと図260(b)の特図2当たり抽選用の当否テーブルとを比較すると、図260(b)の特図2当たり抽選用の当否テーブルの方が、小当たりに当選する確率がある分だけ、図260(a)の特図1当たり抽選用の当否テーブルよりも遊技者にとっての有利性が高いものとなっている。なお、特図2当たり抽選用の当否テーブルにおいて設定される小当たりの当選確率は、29/398に限る必要はなく、他の値としてもよい。取得された特別乱数情報としての当たり乱数カウンタC1の値が図260の特図当たり抽選用の当否テーブルにおいて設定されている大当たり当選となる値と一致することが、特定条件を満たすことに相当する。取得された特別乱数情報としての当たり乱数カウンタC1の値が図260(b)に示す特図2当たり抽選用の当否テーブルにおいて小当たり当選として設定されている数値範囲と一致することが、特別乱数情報が特定他条件を満たすことに該当する
次に、当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の2つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(2)開閉実行モード終了後の第2始動口34の普通電動役物34aのサポートモード
パチンコ機10には、上記の(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が1又は複数回(例えば16回)行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するように設定可能である。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が6個となるまで継続するよう設定可能である。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。上記具体例の場合、低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2secである。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入球が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入球が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入球が発生しない構成としてもよい。
パチンコ機10には、上記の(2)開閉実行モード終了後の第2始動口34の普通電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の普通電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に普通電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されていてもよい。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に普通電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されてもよい。さらに、普通電動役物34aの1回の開放時間が長く設定された構成としてもよい。また、高頻度サポートモードで電役開放当選となり普通電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別乱数情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。なお、本実施形態のパチンコ機10は、いわゆる一種二種混合機であり、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードを、当たり抽選における当選確率を高くする高確率モードに移行させる構成を採用していない。
本実施形態では、当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりとなった場合には、当たり種別カウンタC2を用いて、当たり種別を振り分ける。当たり種別カウンタC2の値に対応する当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図261は、特図2小当たり用の振分テーブルの内容を示す説明図である。特図2小当たり用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で小当たりに当選した際に参照される。なお、本実施形態では、特図1当たり抽選の抽選結果には小当たりが存在しないことから、特図1小当たり用の振分テーブルは用意されていない。
図261に示すように、特図2小当たり用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で小当たりに当選した際の当たり種別として、「1R小当たり」が設定されている。具体的には、「0~99」の当たり種別カウンタC2の値のうちの全てが1R小当たりに対応している。
小当たりは、小当たりに基づく開閉実行モードにおける小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bの開閉制御の態様が高頻度入賞モードとなる当否結果である。1R小当たりは、小当たりに基づく開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が1回(1ラウンド)となっている。なお、小当たりに基づく開閉実行モードの開閉制御の対象は、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bである。変形例として、小当たりに基づく開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数は、1回(1ラウンド)に換えて、2回以上としてもよい。
本実施形態では、特図2当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した場合にも、小当たりに当選した際に取得された当たり種別カウンタC2を用いて、当たり種別を振り分ける。当たり種別カウンタC2の値に対応する当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図262は、大当たり用の振分テーブルの内容を示す説明図である。図262(a)は特図1大当たり用の振分テーブルを示し、図262(b)は特図2大当たり用の振分テーブルを示している。特図1大当たり用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で大当たりに当選した際に参照される。特図2大当たり用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で大当たりに当選した際、または、当該特図2当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した際に参照される。
図262(a)に示すように、特図1大当たり用の振分テーブルには、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で大当たりに当選した際の当たり種別として、「8R大当たりA」と「8R大当たりB」とが設定されている。具体的には、「0~99」の当たり種別カウンタC2の値のうち、0~49の50個の値が「8R大当たりA」であり、0~49の50個の値以外の値(50~99)が「8R大当たりB」である。これによって、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選において大当たりに当選した場合のうち、1/2の確率で8R大当たりAに当選し、残りの1/2の確率で8R大当たりBに当選する。
「大当たり」は、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、当該開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなり得る当否結果である。「8R大当たり」は、当該開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が8回(8ラウンド)となっている。「8R大当たり」に続く「A」は、当該開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードとなることによって高サポ状態に遊技状態が移行することを示す。なお、この場合の高サポ状態が継続する遊技回の実行回数は規定回数である20回までに制限されている。「8R大当たり」に続く「B」は、当該開閉実行モード終了後にサポートモードは高頻度サポートモードに移行せずに低サポ状態に遊技状態が維持されることを示す。当該開閉実行モードの開閉制御の対象は、第2特別電動役物である。
図262(b)に示すように、特図2大当たり用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で大当たりに当選した際、または、当該特図2当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した際の当たり種別として、「15R大当たりA」が設定されている。具体的には、「0~99」の当たり種別カウンタC2の値のうちの全てが「15R大当たりA」である。これによって、2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で大当たりに当選した際、または、当該特図2当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した際には、100%の確率で、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、その開閉扉36bの開放回数が15回(15ラウンド)となり、当該開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードとなることによって高サポ状態に遊技状態が移行する。なお、この場合の高サポ状態が継続する遊技回の実行回数は規定回数である20回までに制限されている。当該開閉実行モードの開閉制御の対象は、第2特別電動役物である。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合(小当たりしてV入賞大当たりとなった場合も含む)とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。すなわち、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合(小当たりしてV入賞大当たりとなった場合も含む)の方が、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合よりも、高サポ状態への移行が可能となる大当たりAとなる確率が高く、かつラウンド数が多くなり、遊技者にとっての有利性が高いものとなっている。
なお、本実施形態では、図262(a)の特図1大当たり用の振分テーブルにおいて、上述したように、大当たりの種別として、8R大当たりA、8R大当たりBの2種類が設定されているが、2種類に限る必要はなく、例えば4R大当たりAを含む3種類としてもよいし、4種類や、5種類以上の数としてもよい。さらに、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数は、8Rに限る必要はなく、他の回数としてもよい。また、図262(b)の特図2大当たり用の振分テーブルにおいても、同様に、振り分ける種類の数を変形してもよく、また、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数について15Rに換えて、他の回数としてもよい。要は、特図2当たり抽選で大当たりに当選した際または小当たりに当選してV入賞大当たりに当選した際の方が、特図1当たり抽選で大当たりに当選した際よりも遊技者にとっての有利性が高いものであれば、特図1大当たり用の振分テーブルおよび特図2大当たり用の振分テーブルにおける振り分ける種類の数や、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数、開閉実行モード終了後の遊技状態はいずれであってもよい。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行うとともに、実行エリアAEに記憶されている当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
図263は、普通電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(普通電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図263(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる普通電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図263(a)に示すように、普通電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役短開放に当選したこととなる電動役物開放カウンタC4の値として0~1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2~465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し普通電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役短開放に当選したこととなる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役短開放に当選したこととなった場合には、普通電動役物34aが1回開放し、その開放時間は0.6秒である。
図263(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる普通電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図263(b)に示すように、普通電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役長開放に当選したこととなる電動役物開放カウンタC4の値として0~461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462~465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し普通電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役長開放に当選したこととなる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役長開放に当選したこととなった場合には、普通電動役物34aが1回開放し、その開放時間は5.0秒である。
このように、普通電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。この結果、高頻度サポートモード時には、第2始動口34に向かって流下した遊技球は、100%の確率に近い確率で第2始動口34に入球することになる。なお、電役短開放に当選した場合、電役長開放に当選した場合の各開放時間は、上記の例に限る必要はなく、他の時間としてもよい。
《6-3》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図264は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85(図258)等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、CPU、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。これらの詳細については後述する。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、記憶部として機能する各種フラグ記憶エリア94a、記憶部として機能する各種カウンタエリア94b、記憶部として機能する抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、主制御装置60と演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46や各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄、絵図などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄や表示絵図のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
音声発光制御装置90のMPU92が、遊技の進行に対応させて、表示制御装置100に向けて識別情報としてのコマンド(演出コマンド)を送信する。この識別情報としての演出コマンドを送信する処理が識別情報出力処理として実行される。表示制御装置100のMPU102は、音声発光制御装置90からの演出コマンドを受信すると、当該演出コマンドに規定されている演出内容に応じて、使用する表示データテーブルをワークRAM104から選定して、選定した表示データテーブルをワークRAM104内の表示データテーブルバッファに格納する共に、表示データテーブルにおける現在の実行位置を把握するためのポインタを初期位置を示す「0」に設定する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタを1加算することで更新して、表示データテーブルにおいてポインタが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像データの種類や、画像データの表示位置、画像データの拡大縮小率等(描画リスト)を更新して、その更新した描画リストをVDP105に対して送信する。
VDP105は、描画リストを受信すると、受信した描画リストに基づいてキャラクタROM106から画像データを読み出し、その読み出した画像データを描画リストに基づく位置や表示方法で1フレーム分の画像を描画して、ビデオRAM107内の第1フレームバッファ107aおよび第2フレームバッファ107bのいずれか一方のフレームバッファに上記描画した画像を展開するとともに、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像を図柄表示装置41へ出力することによって、図柄表示装置41に画像を表示させる。VDP105は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、図柄表示装置41における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、約20ミリ秒。以下、「20ミリ秒」と表現する)の中で並列処理する。
VDP105は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、表示制御装置100のMPU102に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と呼ぶ)を送信する。MPU102は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理を実行し、VDP105に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、VDP105は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を図柄表示装置41に表示させる表示処理を実行する。
このように、表示制御装置100のMPU102は、VDP105からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、VDP105に対して描画指示を行うので、VDP105は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU102より受け取ることができる。よって、VDP105では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファ107a,107bに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
上記のようにして、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から各種演出に対応するコマンド(演出コマンド)を受信した後、音声発光制御装置90とは独立して、演出コマンドに対応する識別情報としての画像を図柄表示装置41に表示することが可能となる。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
本実施形態のパチンコ機10では、音声発光制御装置90から各種演出に対応するコマンド(演出コマンド)を受信した表示制御装置100が、図柄表示装置41の表示面41aに、変動・停止する図柄列Z1~Z3と、スーパーリーチまたはスペシャルリーチが発生した際の画面演出と、図柄列Z1~Z3の背面側(後ろ側)にあらわれる背景画像とをそれぞれ必要に応じて表示する処理を行っている。
図柄列Z1~Z3は、図257を用いて先に説明したものである。具体的には、図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。例えば、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が8R大当たりAである場合には、7を除いた奇数図柄並び(111、333、または555)が有効ラインL1上に形成される。例えば、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が8R大当たりBである場合には、8を除いた偶数図柄並び(222、444、666)が有効ラインL1上に形成される。第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で大当たりまたは小当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が15R大当たりAである場合には、7図柄並び(777)が有効ラインL1上に形成される。第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で小当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が15R大当たりAである場合には、8図柄並び(888)が有効ラインL1上に形成される。なお、これは一例であり、他の同一図柄の並び(組み合せ)としてもよい。さらに、同一図柄の並びに換えて、他の特定の規則(例えば、連番)に則った図柄の組み合わせとしてもよい。
次に、スーパーリーチまたはスペシャルリーチが発生した際の画面演出について説明する。本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、リーチの種別として、ノーマルリーチと、スーパーリーチと、スペシャルリーチとが用意されている。
本実施形態では、ノーマルリーチは、図柄表示装置41に表示される画面演出の切り替えを伴わないリーチである。3つの図柄列Z1~Z3のうちの2つが同じ図柄で停止した状態でリーチが発生し、3つ目の図柄がそれまでよりもスピードを落として変動し、3つ目の図柄が停止する直前ではさらにスピードが落ちる。この結果、そのまま停止して大当たりになるのではないかという期待感を遊技者に対して抱かせることができる。ノーマルリーチの演出中にスーパーリーチやスペシャルリーチに変化したり、図柄が揃わない外れの状態でいったん停止した後に再始動し、リーチに再度、突入することもある。
スーパーリーチまたはスペシャルリーチは、図柄表示装置41に表示される画面演出の切り替えを伴うリーチである。スーパーリーチまたはスペシャルリーチの際には、ノーマルリーチと同様に、3つの図柄列Z1~Z3のうちの2つが同じ図柄で停止した状態でリーチが発生してから、画面演出が変わる。このときの画面演出は、予め用意された戦士キャラクターを主人公とした動画像によって構成される。詳しくは、上記主人公としての戦士キャラクターと敵キャラクターとが対決する戦闘演出(以下、バトル演出とも呼ぶ)と、戦士キャラクターが勝利したか敗北したかを告知する結果告知演出とによって、画面演出は構成される。戦士キャラクターとは、戦闘を行うことのできるキャラクターである。キャラクターとは、小説、漫画、ゲームなどの作品に登場する人物や動物などのことである。なお、キャラクターは、生物のみならず無機物(ロボットや、自動車、戦艦等)までも含むものとしてもよい。さらに、キャラクターは、主体的思考に基づいて行動していると判断されればよく、擬人化を用いることにより概念的なもの(国家、都道府県、地域、領土、藩)なども含むものとしてもよい。
バトル演出は、遊技者に有利な結果(例えば、当たり抽選において大当たりに当選)と不利な結果(例えば、当たり抽選において外れ)のうちのいずれの結果となるかを遊技者に対して告知する前の演出であり、有利、不利のいずれの結果となるかを遊技者に対して示唆する演出(示唆演出)である。結果告知演出は、遊技者に有利な結果と不利な結果のうちのいずれの結果となったかを、戦士キャラクターが勝利したか敗北したかによって告知する演出である。結果告知演出の終了後に、各図柄列Z1~Z3が停止した図柄の並びが表示される。
上記スペシャルリーチまたはスーパーリーチの際に実行される画面演出は、先に説明した動画像を表示するものであるが、当該動画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させるように構成してもよい。
背景画像について、次に説明する。背景画像は、図柄列Z1~Z3の特定の変動表示中(例えばスーパーリーチ演出やスペシャルリーチ演出等に係る変動表示中)にあらわれ得る変動背景と、図柄列Z1~Z3の変動表示中だけでなく変動停止後にもあらわれ得る状態背景とに分類される。
変動背景は、具体的には、例えば、2つが同じ図柄で停止したリーチ状態から切り替わった上記スーパーリーチ演出やスペシャルリーチ演出等の全画面動画演出として図柄列Z1~Z3の背面側(かつ上記状態背景よりも前面のレイヤー)にあらわれ得る特有の背景演出である。
状態背景は、遊技状態に対応した特有の背景演出であり、変動表示中及び変動停止後の図柄列Z1~Z3の背面側(後ろ側)にあらわれる。本実施形態のパチンコ機10では、複数の演出モードが用意されており、各演出モードに対応した状態背景として、先に説明した戦士キャラクターが登場するストーリー性のある動画像が用意されている。本実施形態のパチンコ機10は、遊技状態が遷移するに伴って、演出モードが切り替わるように構成されている。具体的には、サポートモードが低頻度サポートモードである低サポ状態(通常状態とも呼ぶ)では、通常時演出モードが設定され、例えば、先に説明した戦士キャラクターとしての美少女キャラクターがゆっくりと歩く様子が示される状態背景が図柄表示装置41に表示される。サポートモードが低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに移行して遊技状態が高サポ状態に切り替わった場合には、ラッシュ時演出モードが設定され、例えば、美少女キャラクターが全速力で走る様子が示される状態背景が図柄表示装置41に表示される。なお、通常時演出モードで表示される状態背景は、特図1当たり抽選に基づく変動表示が実行され得る状態を識別可能な背景画像である。ラッシュ時演出モードにおいて表示される状態背景は、特図2当たり抽選に基づく変動表示が実行され得る状態を識別可能な識別情報として機能する高サポ状態中の状態背景である。
また、高サポ状態の終了時には、ラッシュ時演出モードによる状態背景の表示が停止され、引き続き、ラッシュ時演出モードによる状態背景とは相違する状態背景が表示される。当該状態背景としては、先に説明した通常状態時の状態背景、具体的には、例えば、戦士キャラクターとしての美少女キャラクターがゆっくりと歩く様子が示される状態背景であってもよいし、当該通常状態時の状態背景とは異なる固有の状態背景であってもよい。当該固有の状態背景としては、例えば、戦士キャラクターとしての美少女キャラクターが膝をついて落胆した状態から立ち上がる復活の様子が示される動画像であってもよい。当該固有の状態背景は、高サポ状態の終了時に特2残保留がある場合に選択され得る構成としてもよいし、保留の有無にかかわらず選択されてもよい。なお、本実施形態のパチンコ機10では、当該固有の状態背景は、当該特2残保留に係る変動表示が終了するまで継続して表示される構成とした。このため、高サポ状態の終了時に特2残保留がある場合に実行される特2残保留に基づく変動表示は、高サポ状態の終了時に表示された固有の状態背景の下で表示されることになる。
上記の各種背景画像は、最初から最後まで途切れることなく継続して表示される構成としてもよいし、途中で表示が一時的に中断し、その後に表示が復帰する構成としてもよい。例えば、当たり抽選の当否結果が大当たり当選となる変動において、変動表示中の図柄列Z1~Z3の背面側(後ろ側)に状態背景が表示される場合を考えて見る。この場合には、大当たり当選に係る遊技回において、状態背景を変動開始時から変動停止時まで途中で中断することなく継続して表示する構成であってもよいし、変動開始時から変動停止時までの途中で、例えばスーパーリーチまたはスペシャルリーチが発生した際の変動背景等が差し込まれることにより、状態背景の表示が一時的に中断し、その後に状態背景の表示が復帰する構成としてもよい。当たり抽選の当否結果が外れである場合にも、同様に、変動開始時から変動停止時までの途中で、例えばスーパーリーチまたはスペシャルリーチが発生した際の変動背景等が差し込まれることにより、状態背景の表示が一時的に中断し、その後に状態背景の表示が復帰する構成としてもよい。要は、変動停止後に状態背景の表示が復帰する構成であれば、変動開始時から変動停止時までの間で表示が途切れる構成であってもよい。
上記の各種背景画像は、先に説明した動画像を表示するものであるが、当該動画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させるように構成してもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10では、表示制御装置100が、図柄表示装置41の表示面41aに、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の画面演出と、当該画面演出の背面側(後ろ側)にあらわれる、当該画面演出に対応した大当たり遊技中の背景画像と、をそれぞれ必要に応じて表示する処理を行っている。
《6-4》外部端子板の構成:
図265は、外部端子板95及びデータ表示器9を示すブロック図である。外部端子板95には、一の入力側コネクタ95aと複数の出力側コネクタ95bが設けられている。外部端子板95は、主制御装置60が出力する信号(外端出力用信号)を入力側コネクタ95aを介して受信し、受信した信号に基づいて、各種の信号を各出力側コネクタ95bからデータ表示器9や遊技ホール側の管理制御装置(図示せず)に対して出力する。
外部端子板95には、外部出力用の複数のチャネル(CN)が設けられている。各チャネル(CN)に対応する各出力側コネクタ95bと、データ表示器9が備える各入力側コネクタ9aとはケーブル96によって接続されている。そして、各出力側コネクタ95bからはそれぞれ一つの信号が外部に出力されるようになっている。
外部端子板95では、CN1に対応する出力側コネクタ95bから大当たり信号1が出力され、CN2に対応する出力側コネクタ95bから大当たり信号2が出力され、CN3に対応する出力側コネクタ95bから図柄確定信号が出力され、CN4に対応する出力側コネクタ95bから第1始動口入球信号が出力され、CN5に対応する出力側コネクタ95bから第2始動口入球信号が出力される。
大当たり信号1は、識別情報として機能する信号であり、大当たり遊技状態中であることを示す。外部端子板95は、大当たりに基づく開閉実行モードの開始時に大当たり信号1の出力(一定電圧の出力)を開始し、当該開閉実行モードの終了時に大当たり信号1の出力を停止する。
大当たり信号2は、識別情報として機能する信号であり、大当たり遊技状態中、または時短遊技状態(高サポ状態とも呼ぶ)中であることを示す。
具体的には、外部端子板95は、大当たり遊技状態中であることを示す信号として、大当たりに基づく開閉実行モードの開始時に大当たり信号2の出力(一定電圧の出力)を開始し、当該開閉実行モードの終了時に大当たり信号2の出力を停止する。
また、外部端子板95は、時短遊技状態(高サポ状態)中であることを示す信号として、サポートモードが低頻度サポートモードから高頻度サポートモードへ移行した時に大当たり信号2の出力(一定電圧の出力)を開始し、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行した時に大当たり信号2の出力を停止する。サポートモードが低頻度サポートモードから高頻度サポートモードへ移行する時としては、当たり抽選で大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が8R大当たりAまたは15R大当たりAである場合に実行される大当たりに基づく開閉実行モードの終了時が該当する。サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行する時としては、i)高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数(本実施形態では20回)に到達した遊技回の変動停止時(すなわち停止表示の開始時)、または、ii)大当たりに基づく開閉実行モードの開始時または小当たりに基づく開閉実行モードの開始時が該当する。
図柄確定信号は、識別情報として機能する信号であり、変動表示されていた特別図柄(特図1または特図2)が停止表示されたことを示す。本実施形態では、変動表示が終了して停止表示となったときに出力が開始され、所定時間(例えば、0.1秒間)経過後に、出力を停止する。
第1始動口入球信号は、識別情報として機能する信号であり、第1始動口33に遊技球が入球したことを示す。外部端子板95は、第1始動口33への遊技球の入球を契機として第1始動口入球信号を出力する。
第2始動口入球信号は、識別情報として機能する信号であり、第2始動口34に遊技球が入球したことを示す。外部端子板95は、第2始動口34への遊技球の入球を契機として第2始動口入球信号を出力する。
また、外部端子板95は、これらの信号の他にも、識別情報として機能する、例えば、所定数(例えば10球)の賞球が払い出されたことを示す賞球信号や、普通電動役物や特別電動役物の未作動時にこれらの電動役物に係る入球口に入球があったことを示すセキュリティ信号等を、各チャネルから出力できるようになっている。
なお、外部端子板95に対して主制御装置60が出力する信号(外端出力用信号)は、複数ビットの情報量をもつシリアルデータである。このシリアルデータが、図示しないS/P変換回路(シリアル/パラレル変換回路)によってパラレルデータに変換されて、外部端子板95の入力側コネクタ95aに入力される。シリアルデータは、例えば1ビット目が大当たり信号1に対応しており(1ビット目が「1」であれば大当たり信号1を出力し、「0」であれば大当たり信号1を出力しない)、2ビット目が大当たり信号2に対応している(2ビット目が「1」であれば大当たり信号2を出力し、「0」であれば大当たり信号2を出力しない)といった形態のデータである。よって、このようなシリアルデータがパラレルデータに変換されて外部端子板95に入力されると、各CNに対応して設けられているフォトリレー等の信号伝達素子は、それぞれの入力信号に応じて導通/非導通を切り変える。その結果、フォトリレーが導通状態となったチャネルからは通常のレベル信号の形態で各種の信号が出力されることとなる。
《6-5》データ表示器の構成:
図265に示すように、データ表示器9は、外部端子板95が出力する各種の信号を受信する。データ表示器9は、データ表示制御装置97と、データ表示装置98とを備え、接続されているパチンコ機10の動作状況に関する表示や、セキュリティに関する表示等を行う。データ表示装置98は、液晶ディスプレイを備えている。データ表示装置98は、データ表示制御装置97によって表示内容が制御される。なお、データ表示装置98は、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置に換えてもよい。
図266は、データ表示器9が備えるデータ表示装置98の表示面99を示す説明図である。図示するように、表示面99には、スタート回数表示部99a、大当たり回数表示部99b、大当たり履歴表示部99c等を備える。
スタート回数表示部99aには、前回の大当たり遊技状態の終了後に図柄の変動がスタートして当該図柄の変動が停止して確定した回数(以下、スタート回数とも呼ぶ)が表示される。具体的には、データ表示制御装置97は、朝一番の電源立ち上げ時、または大当たり信号1の受信から非受信への切り変わり(OFFエッジ)を起点として、図柄確定信号の非受信から受信への切り変わり(ONエッジ)に基づいて図柄変動の回数をカウントし、そのカウント値をデータ表示装置98が備える表示面99のスタート回数表示部99aに表示する。また、データ表示制御装置97は、大当たり信号1の受信から非受信への切り変わり(OFFエッジ)を起点として、図柄確定信号の非受信から受信への切り変わり(ONエッジ)に基づいて図柄変動の回数をカウントし、そのカウント値をデータ表示装置98が備える表示面99のスタート回数表示部99aに表示する。
大当たり回数表示部99bには、本日の大当たり当選の回数が表示される。具体的には、データ表示制御装置97は、大当たり信号1の非受信から受信への切り変わり(ONエッジ)に基づいて大当たり回数をカウントし、そのカウント値をデータ表示装置98が備える表示面99の大当たり回数表示部99bに表示する。
大当たり履歴表示部99cには、初当たりまでに要したスタート回数が棒グラフによって表示される。また、棒グラフの下方には連荘(連チャン)数が表示される。棒グラフの一目盛りは100回である。連荘数は、初当たりからの連続して大当たり当選する回数である。ここで、「大当たり当選」とは、当たり抽選において大当たり当選する場合はもとより、当たり抽選において小当たりに当選して、その後にV入賞大当たりに当選する場合も含む。「連続して大当たり当選」とは、高頻度サポートモードが開始されてから低頻度サポートモードに移行するまでの間(以下、ラッシュ中とも呼ぶ)の遊技回に係る当たり抽選において大当たり当選することである。「初当たり」とは、高サポ状態ではない通常状態での大当たり当選(小当たり当選して、その後にV入賞大当たりに当選する場合も含む)のことである。棒グラフは、右側から左側に進むにつれて新しくなっている。
図266に例示した大当たり履歴表示部99cの内容によれば、最も右側の5回前の初当たりについての棒グラフは6目盛りであることから、5回前の初当たりには500~599回の図柄変動を要したことがわかる。そして、当該棒グラフの下の数字は6であることから、5回前の初当たりから6連荘したことがわかる。また、4回前の初当たりについての棒グラフは2目盛りであることから、4回前の初当たりには100~199回の図柄変動を要したことがわかる。そして、当該棒グラフの下の数字は1であることから、4回前の初当たりは連荘せずに単発であったことがわかる。3回前の初当たりについての棒グラフは3目盛りであることから、3回前の初当たりには200~299回の図柄変動を要したことがわかる。そして、当該棒グラフの下の数字は4であることから、3回前の初当たりから4連荘したことがわかる。2回前の初当たりについての棒グラフは5目盛りであることから、2回前の初当たりには400~499回の図柄変動を要したことがわかる。そして、当該棒グラフの下の数字は3であることから、2回前の初当たりから3連荘したことがわかる。最も左側の1回前の初当たりについての棒グラフは5目盛りであることから、1回前の初当たりには400~499回の図柄変動を要したことがわかる。そして、当該棒グラフの下の数字は1であることから、1回前の初当たりは連荘せずに単発であったことがわかる。
具体的には、データ表示制御装置97は、大当たり信号2が非受信の状態から最初に大当たり信号1が受信状態となった場合に、当該大当たり信号1の受信から非受信への切り変わり(OFFエッジ)を起点として、図柄確定信号の非受信から受信への切り変わり(ONエッジ)に基づいて図柄変動の回数をカウントし、そのカウント値に基づいて棒グラフをデータ表示装置98が備える表示面99の大当たり履歴表示部99cに表示する。大当たり信号1の非受信から受信への切り変わり(ONエッジ)を終点とし、棒グラフを完成する。
また、データ表示制御装置97は、大当たり信号2の非受信から受信への切り変わり(ONエッジ)を起点として、大当たり信号1の非受信から受信への切り変わり(ONエッジ)に基づいて大当たり回数をカウントし、大当たり信号2の受信から非受信への切り変わり(OFFエッジ)である終点までのそのカウント値に値1を加算した値を連荘数として、データ表示装置98が備える表示面99の大当たり履歴表示部99cに表示する。カウント値に値1を加算したのは、大当たり信号2の出力が開始された契機となった大当たり当選を連荘の1回目と数えるためである。
データ表示器9は、特定情報として機能する図柄確定信号や、特定情報として機能する大当たり信号1、大当たり信号2以外にも、特定情報として機能する第1始動口入球信号、第2始動口入球信号、賞球信号灯を受信して、接続されているパチンコ機10の動作状況に関する表示を行い、また、セキュリティ信号を受信して、セキュリティに関する表示等を行う。
《6-6》遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について、図262、図267~図274を用いて説明する。
《6-6-1》サポートモードの高低の移行:
サポートモードの高低が移行する場合について、まず説明する。本実施形態のパチンコ機10において、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が8R大当たりAである場合には、開閉実行モードの終了後にサポートモードが高頻度サポートモードに移行する(図262(a)参照)。一方、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が8R大当たりBである場合には、サポートモードは低頻度サポートモードを継続し、サポートモードが高頻度サポートモードに移行することがない(図262(a)参照)。
また、本実施形態のパチンコ機10において、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で大当たりに当選した場合、または、当該特図2当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した場合には、開閉実行モードの終了後にサポートモードが高頻度サポートモードに移行する(図262(b)参照)。なお、本実施形態では、特図2当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球しなかった場合には、サポートモードは低頻度サポートモードを継続し、サポートモードが高頻度サポートモードに移行することがない。
サポートモードが高頻度サポートモードに移行した後においては、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回の実行回数が規定回数に達するまで、サポートモードとして高頻度サポートモードが継続される。本実施形態のパチンコ機10では、規定回数は例えば20回である。すなわち、パチンコ機10では、高頻度サポートモードに移行した後において、規定回数である20回まで高頻度サポートモードは継続される。高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回の実行回数が規定回数である20回に達した場合に、当該遊技回の変動停止時(すなわち、変動表示が開始されてから当該変動表示が終了して停止表示に切り替わった時)に、サポートモードが低頻度サポートモードに移行する。なお、規定回数は、上記の20回に限る必要はなく、他の回数としてもよい。
サポートモードが高頻度サポートモードである場合、スルーゲート35を通過したことを契機として実行される電動役物開放抽選の結果が電役開放当選となる確率が231/233と極めて高いことから、普通電動役物34aが高い頻度で電役開放状態となる。このため、遊技者は、サポートモードが高頻度サポートモードである場合に、右打ちを行い、普通電動役物34aが備えられた第2始動口34へ遊技球を入球させるように遊技を行なう。
《6-6-2》遊技の流れ:
本実施形態のパチンコ機10では、遊技を進行する上で遷移する遊技状態として、サポートモードの高低による高サポ状態と低サポ状態を取り得る。さらに、本実施形態のパチンコ機10では、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bが開閉動作を実行する開閉実行モード(以下、「小当たりに基づく開閉実行モード」とも呼ぶ)と、第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作する開閉実行モード(以下、「大当たりに基づく開閉実行モード」とも呼ぶ)とを遊技状態として取り得る。これらの遊技状態の間で状態を遷移しながら遊技が進行される。なお、大当たりに基づく開閉実行モードとしては、当たり抽選で大当たり当選したことに基づく開閉実行モードと、当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選したことに基づく開閉実行モード(V入賞大当たりに基づく開閉実行モード)との双方が該当する。
本実施形態のパチンコ機10では、RAM64の記憶部として機能する各種フラグ記憶エリア64gに、サポートモードを特定する高頻度サポートモードフラグが記憶される。高頻度サポートモードフラグがOFFであるときにサポートモードが低頻度サポートモードであると特定され、高頻度サポートモードフラグがONであるときにサポートモードが高頻度サポートモードであると特定される。このため、上述した低サポ状態および高サポ状態のそれぞれは、高頻度サポートモードフラグによって特定されることになる。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、高頻度サポートモードフラグが切り替わることによって、低サポ状態(以下、通常状態とも呼ぶ)と高サポ状態が切り替わりながら、遊技の流れが進行する。
図267は、パチンコ機10における遊技の流れを示す説明図である。遊技を開始すると、当初は、サポートモードが低頻度サポートモードである低サポ状態(通常状態とも呼ぶ)H1である。低サポ状態H1では、推奨される発射態様が左打ちであり、遊技者は左打ちで遊技を行なうことによって遊技領域PAの左側に遊技球を流下させ、第1入球部としての第1始動口33に遊技球を入球させる。第1始動口33に遊技球が入球すると、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された特別乱数情報についての当たり抽選(特図1当たり抽選)がなされ、当該当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知するための遊技回が実行される。図中の「左打ち中」と記した破線の矩形H1a内に記載した内容が、ここまでの左打ちによる遊技の態様に該当する。図中の「特2残保留消化中」と記した破線の矩形H1b内に記載した内容については後述する。
低サポ状態H1で実行される遊技回は、第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行されるものである。低サポ状態H1で実行された遊技回における特図1当たり抽選の抽選結果が外れの場合には、低サポ状態H1が継続され、遊技者は第1始動口33に遊技球を入球させ、遊技回を実行させる。
低サポ状態H1における左打ち中の態様H1aで実行された遊技回における特図1当たり抽選において大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が8R大当たりBである場合には、遊技回の終了後に遊技者に付与される特典として大当たりに基づく開閉実行モードが実行される。すなわち、低サポ状態H1から大当たりに基づく開閉実行モードH2に移行する。
パチンコ機10は、大当たりに基づく開閉実行モードH2において発生するラウンド遊技に先立ち、遊技者に対して右打ちを促す示唆演出を実行する。遊技者は当該示唆演出に従って右打ちを実行し、遊技領域PAの右側へ遊技球を流下させ、大入賞口36aに遊技球を入球させて、賞球を得る。大当たりに基づく開閉実行モードH2において発生するラウンド遊技の回数は8ラウンドである。
大当たりに基づく開閉実行モードH2が終了すると、低サポ状態H1に移行する。すなわち、サポートモードとして低頻度サポートモードを継続する。なお、低サポ状態H1から移行した大当たりに基づく開閉実行モードH2では、サポートモードが低頻度サポートモードであることから第2始動口34へ遊技球が入球することがほとんどないことから、大当たりに基づく開閉実行モードH2が終了すると、低サポ状態H1における特2残保留消化中の態様H1bには移行せずに、低サポ状態H1における左打ち中の態様H1aに移行する。
一方、低サポ状態H1において、遊技回における当たり抽選において大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が8R大当たりAである場合にも、遊技回の終了後に遊技者に付与される特典として大当たりに基づく開閉実行モードが実行される。すなわち、低サポ状態H1から大当たりに基づく開閉実行モードH3に移行する。
パチンコ機10は、大当たりに基づく開閉実行モードH3において発生するラウンド遊技に先立ち、遊技者に対して、右打ちを促す示唆演出を実行する。遊技者は、これらの示唆演出に従って右打ちを実行し、遊技領域PAの右側へ遊技球を流下させ、大入賞口36aに遊技球を入球させて賞球を得る。8R大当たりAに当選したことを契機として大当たりに基づく開閉実行モードH3に移行した場合において発生するラウンド遊技の回数は8回(8ラウンド)である。
大当たりに基づく開閉実行モードH3が終了すると、高サポ状態H4に移行する。すなわち、サポートモードは高頻度サポートモード(規定回数である20回限定)となる。
高サポ状態H4では、パチンコ機10は、遊技者に対して右打ちを促す示唆演出を実行する。高サポ状態H4では、遊技者は、当該示唆演出に従って右打ちを実行することによって、遊技領域PAの右側へ遊技球を流下させ、第2入球部としての第2始動口34へ遊技球を入球させる。高サポ状態H4ではサポートモードが高頻度サポートモードであることから、スルーゲート35を通過したことを契機として実行される電動役物開放抽選の結果が電役開放当選となる可能性が231/233と極めて高いことから、第2始動口34の電動役物34aが高い頻度で電役開放状態となる。このため、高サポ状態H4では、第2始動口34に遊技球は容易に入球する。第2始動口34に遊技球が入球すると、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された特別乱数情報についての当たり抽選(特図2当たり抽選)がなされ、当該当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知するための遊技回が実行される。すなわち、高サポ状態H4では、第2始動口34の電動役物34aが高い頻度で電役開放状態となり、第2始動口34に遊技球が容易に入球することで、遊技者にとって持ち球が減りにくい状態で、当たり抽選を受けることができる。
高サポ状態H4で第2始動口34への遊技球の入球に基づいて実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合には、振り分けられた当たり種別が15R大当たりAに限られる(図262(b)の特図2大当たり用の振分テーブルを参照)ことから、高サポ状態H4から大当たりに基づく開閉実行モードH3に移行される。15R大当たりAに当選したことを契機として大当たりに基づく開閉実行モードH3に移行した場合において発生するラウンド遊技の回数は15回(15ラウンド)である。
高サポ状態H4で実行された遊技回における当たり抽選において小当たりに当選した場合には、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の大入賞口57aを開閉動作する開閉実行モード(小当たりに基づく開閉実行モード)H5に移行する。
小当たりに基づく開閉実行モードH5では、パチンコ機10は、遊技者に対して右打ちで遊技を行うことによってV入賞口59に遊技球を入球させることを推奨するV狙い報知演出を実行する。小当たりに基づく開閉実行モードH5では、遊技者は、当該V狙い報知演出に従って右打ちを実行することによって、遊技領域PAの右側へ遊技球を流下させ、V入賞口59へ遊技球を入球させる。なお、小当たりに基づく開閉実行モードH5において小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bが開放状態となる回数は1回(1ラウンド)である。
小当たりに基づく開閉実行モードH5において、右打ちで遊技がなされることで、小当たりに基づく開閉実行モードH5の作動により開放された大入賞口57aに遊技球が入球して大入賞口57aの内部に設けられたV入賞口59に遊技球が入球した場合、V入賞大当たりに当選となり、第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作する大当たりに基づく開閉実行モードH3に移行する。なお、小当たりに基づく開閉実行モードH5の作動により開放された大入賞口57aに遊技球が入球することによって、予め定められた賞球数の遊技球を賞球として得ることができる。
一方、小当たりに基づく開閉実行モードH5において、小当たり当選後、所定期間(例えば6秒)の間に、V入賞口59に遊技球が入球しなかった場合には、V入賞大当たりに当選せずに、大当たりに基づく開閉実行モードH3が実行されない。この結果、V入賞口59に遊技球が入球しなかった場合には、高サポ状態H4に戻る。
高サポ状態H4で実行された遊技回における当たり抽選の抽選結果が外れの場合には、高サポ状態H4が継続され、遊技者は第2始動口34に遊技球を入球させ、遊技回を実行させる。先に説明したように、サポートモードが高頻度サポートモードの遊技状態は、規定回数である20回の遊技回まで継続する。
高サポ状態H4において、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずに、高頻度サポートモードにおいて実行される遊技回の実行回数が規定回数である20回に達した場合に、当該遊技回の変動停止時に、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。すなわち、高サポ状態H4から低サポ状態H1に移行する。
本実施形態では、上述したように、8R大当たりAまたは15R大当たりAに基づく開閉実行モードの終了後にサポートモードを高頻度サポートモードに規定回数だけ維持し、規定回数の終了時に制御モードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える処理を実行するが、この一連の処理が制御モード切替処理として機能する。
本実施形態では、先に説明したように、第1始動口33及び第2始動口34に入球した遊技球は、それぞれ最大4個まで保留され、その上で、取得情報記憶部としての保留情報記憶エリア64b(図259)の第1保留エリアRa及び第2保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2始動口34に対応した第2保留エリアRbに記憶されている保留情報についての当たり抽選が優先的に実行される構成とした。このために、低サポ状態H1では、高サポ状態H4から低サポ状態H1に移行した直後において、第2保留エリアRbに保留情報が残っている場合に、この残った保留情報(以下、特2残保留と呼ぶ)による当たり抽選が優先的になされ、当該当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知するための遊技回が実行される。図中の「特2残保留消化中」と記した破線の矩形H1b内に記載した内容が、当該特2残保留による遊技の態様に該当する。すなわち、高サポ状態H4から低サポ状態H1に移行した直後において、特2残保留がある場合に、特2残保留消化中の態様H1bに移行することになる。なお、高サポ状態H4から低サポ状態H1に移行した直後において、特2残保留がない場合には、左打ち中の態様H1aに移行する。
低サポ状態H1における特2残保留消化中の態様H1bでは、特2残保留による当たり抽選がなされ、当該当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知するための遊技回が実行される。なお、特2残保留による当たり抽選は、図260(b)に示す特図2当たり抽選用の当否テーブルが用いられることから、大当たりはもとより小当たりに当選することもある。
特2残保留消化中の態様H6aは、特2残保留の個数に対応した回数(最大4回)の遊技回まで継続するが、この回数に達する以前の遊技回における当たり抽選において小当たりに当選した場合には、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の大入賞口57aを開閉動作する開閉実行モード(小当たりに基づく開閉実行モード)H5に移行する。
《6-6-3》継続率について:
以上のような遊技の流れを持つ本実施形態のパチンコ機10において、低サポ状態H1で当たり抽選において大当たり当選し、8R大当たりAに振り分けられたことによって高サポ状態H4に移行した場合に、次回も大当たり当選(小当たり当選して、その後にV入賞大当たりに当選する場合も含む)する確率(以下、「継続率」と呼ぶ)について、次に説明する。
上記継続率は、次の手順によって求めることができる。まず、高サポ状態H4において実行される特図2当たり抽選において、大当たりにも小当たりにも当選しない確率Aを、図260(b)に示した特図2当たり抽選用の当否テーブルから求める。当該確率Aは、(3980-310)/3980と求まる。
次いで、確率Aから規定回数(20回)内の遊技回の全てにおいて特図2当たり抽選で大当たりにも小当たりにも当選しない確率Bを求める。具体的には、次式(1)に従って確率Bを計算する。
B={(3980-310)/3980}^20 ...(1)
ただし、「^」はべき算をあらわす演算子である。
次いで、確率Bを1から減算することによって継続率を計算する。まとめると、次式(2)に従って継続率を計算することができる。
継続率=1-{(3980-310)/3980}^20 ...(2)
式(2)を計算すると、継続率は、約80%となる。
なお、式(2)に従って求められた継続率は、高サポ状態H4の終了時において特2残保留がない場合のものである。実際には、高サポ状態H4の終了時に特2残保留がある場合が多く、この場合には、式(2)に従って求められた値よりも継続率は高いものとなる。特2残保留の個数が最大の4個であるとした場合には、継続率は次式(3)に従って計算することができる。
継続率=1-{(3980-310)/3980}^24 ...(3)
式(3)を計算すると、継続率は、約86%となる。このように、本実施形態のパチンコ機10は、約80%~約86%という高い継続率を実現することができる。
ここで、従来の遊技機における課題について説明し、本実施形態のパチンコ機10が当該課題をどのように解決したかについて詳細に説明する。
従来の遊技機において、遊技性の向上を目的として、所定の始動口への入賞確率を変化可能な補助部材を備えたものが知られている。補助部材は、遊技における所定の条件の成立に基づいて所定の始動口への入賞確率が高くなるように制御されることで、所定の始動口への入賞が容易となる入賞容易制御モードに移行する。入賞容易制御モードへの移行後、所定の始動口への遊技球の入賞に基づく変動が所定回数行われた場合等の終了条件の成立時に、入賞容易制御モードを終了する。
入賞容易制御モードの期間中はホールコンピュータ等に対して、当該期間に該当する状態を識別するための信号を出力することで、ホール設備による演出やデータの表示を行っている。
しかしながら、従来の遊技機においては、入賞容易制御モードの期間の終了時点における補助部材に基づく始動保留に対しては何らの対策も取られておらず、各種遊技状態の識別性能に対して、より好適な機能が求められている。
本遊技機は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、遊技状態に対する識別性能を向上させることで、遊技の興趣向上を図ること目的としている。具体的には、本遊技機は、次の通りの課題を解決する。
本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、データ表示装置98が備える表示面99の大当たり履歴表示部99cに連荘数が表示されている。本実施形態のパチンコ機10では、上述したように、約80%~約86%という高い継続率を実現していることから、連荘が比較的容易に続き、連荘数が大きくなることが期待できる。遊技者にとって、連荘が途切れることなく大当たり当選が続き連荘数が大きくなることは大きな喜びであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
しかしながら、従来のパチンコ機の構成では、大当たり当選して開閉実行モードの終了後に移行した高サポ状態H4において取得した特別乱数情報についての当たり抽選において大当たり当選したにもかかわらず、データ表示器9において当該高サポ状態H4に係る連荘として当該大当たり当選が数えられない虞があった。具体的には、次の通りである。
高サポ状態H4が継続する遊技回の実行回数が規定回数(本実施形態では20回)に到達し、高サポ状態H4から低サポ状態H1に移行した直後において、特2残保留がある場合を考えて見る。この場合に、規定回数に到達した遊技回の変動停止時に大当たり信号2の出力が停止してしまうことから、データ表示器9において連荘数のカウントが停止してしまう。このために、高サポ状態H4から低サポ状態H1に移行した直後において、特2残保留が残り、当該特2残保留による当たり抽選において大当たり当選(小当たりに当選してV入賞大当たりに当選した場合も含む)した場合に、当該大当たり当選は、データ表示器9において、直前の高サポ状態H4における連荘数にカウントされることなく、初回の大当たり当選であると認定されることになる。この結果、従来のパチンコ機の構成では、時短遊技に基づく特2変動による大当たり当選であるにもかかわらずデータ表示器9において連荘数の表示を適切に行なうことができずに、遊技者に不快感を与えてしまうという課題があった。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、特別な構成を有することで、大当たり当選して開閉実行モードの終了後に移行した高サポ状態H4において取得した特2残保留についての当たり抽選において大当たり当選した場合に、当該高サポ状態H4に係る連荘として当該大当たり当選をカウントできる構成とすることによって、データ表示器9において連荘数の表示を適切に行なうことを可能とし、遊技者に不快感を与えてしまうことを防止できるようにした。以下、本実施形態の構成について詳細に説明する。
《6-6-4》タイムチャート:
図268は、本実施形態のパチンコ機10において高サポ状態時に大当たり当選した場合の処理の一例を説明するためのタイムチャートである。図中には、上段から下段に向かって、図柄変動の表示態様、サポートモード、大当たり信号1、大当たり信号2が時間経過とともにどのように変化するかを示した。
図柄変動の表示態様は、以下の(i)~(iii)の表示態様を取り得る。
(i)遊技回における変動中:第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから当該変動表示が停止して停止表示となるまでの表示態様
(ii)遊技回における確定中:第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの停止表示が開始されてから当該停止表示が終了するまでの表示態様
(iii)非遊技回:第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの停止表示が終了してから次の変動表示が開始されるまでの表示態様
サポートモードは、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとを取り得る。大当たり信号1は出力と停止とを取り得る。大当たり信号2は出力と停止とを取り得る。
低サポ状態H1において、遊技回における当たり抽選において大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が8R大当たりAである場合に、第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉動作を実行する開閉実行モード(大当たりに基づく開閉実行モード)の終了時に、サポートモードを低頻度サポートモードから高頻度サポートモード(規定回数である20回限定)に移行する(時刻t1)。なお、図中の[ ]内に示した数字(例えば[1]、[12])は、高頻度サポートモードが開始されてから(高サポ状態が開始されてから)の遊技回の実行回数を示す。
大当たり信号1は、時刻t1(開閉実行モードの終了時)まで出力されて、時刻t1で停止する。特別遊技情報としての大当たり信号1を出力する処理が、特別遊技情報出力処理として機能する。
一方、時刻t1において、大当たり信号2の出力を開始する。すなわち、高サポ状態が開始された時刻t1において、識別情報としての大当たり信号2の出力を開始する。識別情報としての大当たり信号2を継続して出力する処理が、識別情報出力処理として機能する。
図268には、高頻度サポートモードが開始されてから規定回数以内の遊技回(図示の例は12回目の遊技回)で当たり抽選において大当たり当選した場合を示している。大当たり当選した12回目に実行される遊技回における確定中が終了した(確定時間が経過した)タイミングで、可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉動作を実行する開閉実行モード(大当たりに基づく開閉実行モード)を開始すると共に、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行する(時刻t2)。
また、時刻t2において、大当たり信号1の出力を開始する。すなわち、大当たりに基づく開閉実行モードの開始時である時刻t2において、大当たり信号1の出力を開始する。
一方、時刻t2において、大当たり信号2の出力を停止する。すなわち、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行した時刻t2において、識別情報としての大当たり信号2の出力を停止する。ただし、時刻t2において、高頻度サポートモードが開始されてから12回目に実行される遊技回で当たり抽選において大当たり当選したことによって実行される開閉実行モードが開始されることから、識別情報としての大当たり信号2の出力を再び開始する。このために、時刻t2において、識別情報としての大当たり信号2の出力は途切れることがない。
サポートモードが高頻度サポートモードである時刻t1から時刻t2までの期間において、識別情報としての大当たり信号2を継続して出力する処理が、識別情報出力処理として機能する。サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行した時に大当たり信号2の出力を停止する処理が、出力停止処理として機能する。
以上詳述したように、本実施形態のパチンコ機10では、図268に例示するように、高頻度サポートモードが開始されてから規定回数以内の遊技回(すなわち、高サポ状態時の遊技回)で当たり抽選において大当たり当選した場合に、大当たり信号2の出力が途切れることがない。このために、データ表示器9において、当該大当たり当選を高サポ状態中(ラッシュ中)の連荘数としてカウントすることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、高サポ状態時の遊技回で当たり抽選において大当たり当選した場合に、連荘が途切れることなく大当たり当選が続くとデータ表示器9に認識させ表示させることができる。この結果、連荘が途切れることなく大当たり当選が続き連荘数が大きくなることは遊技者にとって大きな喜びであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図269は、本実施形態のパチンコ機10において高サポ状態時に小当たり当選してV入賞大当たりに当選した場合の処理の一例を説明するためのタイムチャートである。図中には、上段から下段に向かって、図柄変動の表示態様、サポートモード、大当たり信号1、大当たり信号2、比較例の大当たり信号2が時間経過とともにどのように変化するかを示した。
図269には、高頻度サポートモードが開始されてから規定回数以内の遊技回(図示の例は12回目の遊技回)で当たり抽選において小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによりV入賞大当たり当選した場合を示している。小当たり当選した12回目に実行される遊技回における確定中が終了した(確定時間が経過した)タイミングで、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bが開閉動作を実行する開閉実行モード(小当たりに基づく開閉実行モード)を開始すると共に、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行する(時刻t12)。
時刻t12において、大当たり信号2の出力を停止する。すなわち、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行した時刻t12において、大当たり信号2の出力を停止する。図269の最下段に比較例の大当たり信号2を示したが、この比較例も時刻t12において大当たり信号2の出力を停止する構成とした。この比較例の構成によれば、時刻t12からV入賞口59に遊技球が入球してV入賞大当たり当選する時(時刻t13)まで大当たり信号2の出力を停止し、V入賞大当たり当選した時刻t13において、大当たり信号2の出力を開始することになる。このために、比較例の構成によれば、時刻t12から時刻t13までの間で大当たり信号2の出力が途切れることとなり、データ表示器9において、当該V入賞大当たり当選を高サポ状態中(ラッシュ中)の連荘数としてカウントすることができなかった。この結果、比較例によれば、遊技者に不快感を与えてしまい、遊技者の遊技に対する興趣を低下させてしまう虞があった。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、さらに、
a)高サポ状態時において小当たり当選した場合に、小当たりに基づく開閉実行モードの開始時(時刻t12)に大当たり信号2の出力を開始し、
b)その後に、V入賞口59に遊技球が入球することによりV入賞大当たり当選した場合に、開閉実行モード(V入賞大当たりに基づく開閉実行モード)の開始時(時刻t13)に、大当たり信号1の出力を開始するとともに、大当たり信号2の出力を開始する
構成とした。
なお、b)の時刻t13における大当たり信号2の出力の開始は、時刻t12で既に大当たり信号2の出力が開始されていることから、大当たり信号2の出力を再び開始するものである。したがって、時刻t12から時刻t13までの期間において、大当たり信号2の出力は途切れることがない。
以上詳述したように、本実施形態のパチンコ機10では、図269に例示するように、高頻度サポートモードが開始されてから規定回数以内の遊技回(すなわち、高サポ状態時の遊技回)で当たり抽選において小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによりV入賞大当たり当選した場合に、小当たりに基づく開閉実行モードの開始時(時刻t12)からV入賞大当たりに基づく開閉実行モードの開始時(時刻t13)までの期間において大当たり信号2の出力が途切れることがない。このために、データ表示器9において、当該大当たり当選を高サポ状態中(ラッシュ中)の連荘数としてカウントすることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、高サポ状態時の遊技回で当たり抽選において小当たりしV入賞大当たり当選となった場合に、連荘が途切れることなく大当たり当選が続くとデータ表示器9に認識させ表示させることができる。この結果、連荘が途切れることなく大当たり当選が続き連荘数が大きくなることは遊技者にとって大きな喜びであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図270は、本実施形態のパチンコ機10において高サポ状態時に小当たり当選してV入賞大当たりに当選しなかった場合の処理の一例を説明するためのタイムチャートである。図中には、上段から下段に向かって、図柄変動の表示態様、サポートモード、大当たり信号1、大当たり信号2が時間経過とともにどのように変化するかを示した。
図270には、高頻度サポートモードが開始されてから規定回数以内の遊技回(図示の例は12回目の遊技回)で当たり抽選において小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球せずにV入賞大当たり当選しなかった場合を示している。図269で示した場合と同様に、小当たり当選した12回目に実行される遊技回における確定中が終了した(確定時間が経過した)タイミングで、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bが開閉動作を実行する開閉実行モード(小当たりに基づく開閉実行モード)を開始すると共に、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行する(時刻t12)。
時刻t12において、大当たり信号2の出力を停止する。すなわち、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行した時刻t12において、大当たり信号2の出力を停止する。本実施形態のパチンコ機10では、さらに、図269で示した場合と同様に、高サポ状態時において小当たり当選した場合に、小当たりに基づく開閉実行モードの開始時(時刻t12)に大当たり信号2の出力を開始する。
図270の場合、その後に、小当たりに基づく開閉実行モードH5において小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bが開放状態となる1ラウンドの間に、V入賞口59に遊技球が入球せずにV入賞大当たり当選しないため、小当たりに基づく開閉実行モードH5の終了時である時刻t23において、大当たり信号2の出力を停止する。なお、時刻t23においては、第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作する開閉実行モード(V入賞大当たりに基づく開閉実行モード)が実行されないことから、サポートモードは高頻度サポートモードに復帰する。
また、時刻t23において、高頻度サポートモードへの復帰に伴い、大当たり信号2の出力を再び開始する。したがって、時刻t12から時刻t23までの期間において、大当たり信号2の出力は途切れることがない。
以上詳述したように、本実施形態のパチンコ機10では、図270に例示するように、高頻度サポートモードが開始されてから規定回数以内(図示の例は12回目の遊技回)の遊技回で当たり抽選において小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球せずにV入賞大当たり当選しなかった場合に、小当たりに基づく開閉実行モードの期間(時刻t12~時刻t23)において大当たり信号2の出力が途切れることがない。このために、12回目の遊技回で当選した小当たりはV入賞大当たり当選しなかったので、高サポ状態中(ラッシュ中)の連荘数としてカウントされないが、その後の規定回数以内の遊技回で当たり抽選において大当たり当選した場合(当該当たり抽選において小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む)に、当該大当たり当選を高サポ状態中(ラッシュ中)の連荘数としてカウントすることが可能となる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、高サポ状態時の遊技回で当たり抽選において小当たりに当選せずにV入賞大当たり当選とならずに、その後の規定回数以内の遊技回で大当たり当選した場合に、連荘が途切れることなく大当たり当選が続くとデータ表示器9に認識させ表示させることができる。この結果、連荘が途切れることなく大当たり当選が続き連荘数が大きくなることは遊技者にとって大きな喜びであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図271は、本実施形態のパチンコ機10において高サポ状態時の全ての遊技回で外れた場合(特2残保留なし)の処理の一例を説明するためのタイムチャートである。図中には、上段から下段に向かって、図柄変動の表示態様、サポートモード、大当たり信号1、大当たり信号2延長フラグ、大当たり信号2が時間経過とともにどのように変化するかを示した。大当たり信号2延長フラグは、高サポ状態H4の終了時に特2残保留がある場合に、大当たり信号2の出力期間を延長するためのフラグである。大当たり信号2延長フラグは、RAM64の各種フラグ記憶エリア64g(図258)に記憶される。
高サポ状態が継続する規定回数(本実施形態では20回)以内の遊技回の全てで当たり抽選の当否結果が外れとなった場合に、規定回数に到達した遊技回(20回目の遊技回)の変動表示が停止して停止表示となった時(すなわち、変動停止時)に、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行する(時刻t32)。
また、時刻t32において、大当たり信号2の出力を停止する。すなわち、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行した時刻t32において、大当たり信号2の出力を停止する。サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行した時刻t32、すなわち、高サポ状態の終了時に識別情報としての大当たり信号2の出力を停止する処理が、出力停止処理として機能する。
高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数(本実施形態では20回)に到達して高サポ状態H4から低サポ状態H1に移行した直後において、特2残保留がない場合には、大当たり信号2延長フラグは、OFFからONに切り替わることはない。このために、大当たり信号2の出力は時刻t32から延長されることはない。
時刻t32の経過後、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達した遊技回(20回目の遊技回)の確定中を経て当該遊技回を終了し、次いで、非遊技回の期間を経て、低サポ状態H1の左打ち中の態様H1a(図267)において左打ちにて遊技が再開される。この結果、時刻t33より、特図1の遊技回が始まる。
以上詳述したように、本実施形態のパチンコ機10では、図271に例示するように、高サポ状態時の全ての遊技回で外れた場合(特2残保留なし)に、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数(本実施形態では20回)に到達した遊技回の変動停止時である、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行した時刻t32において、大当たり信号2の出力を停止する。このために、時刻t32以降の特図1の遊技回の当たり抽選において大当たり当選したとしても、当該大当たり当選を高サポ状態中(ラッシュ中)の連荘数としてカウントすることはない。当該ラッシュの状態は時刻t32において終了していることから、当該大当たり当選を当該ラッシュ中の連荘数とカウントしないことは正しいことである。このために、時刻t32以降の特図1の遊技回の当たり抽選において大当たり当選してラッシュ中の連荘数とカウントされなかったとしても、遊技者の遊技に対する興趣を低下させることもない。
図272は、本実施形態のパチンコ機10において高サポ状態終了時の特2残保留で大当たり当選した場合の処理の一例を説明するためのタイムチャートである。図中には、上段から下段に向かって、図柄変動の表示態様、サポートモード、大当たり信号1、大当たり信号2延長フラグ、大当たり信号2、比較例の大当たり信号2が時間経過とともにどのように変化するかを示した。図示の例は、高サポ状態終了時の特2残保留は3つあり、3つ目の特2残保留で大当たり当選した場合のものである。高サポ状態終了時の特2残保留の数は、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおける第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値(第2始動保留個数RbN)から判定できる。上段に示した図柄変動の表示態様は、特図2当たり抽選に基づく変動表示であり、特定変動表示として機能する。
高サポ状態が継続する規定回数(本実施形態では20回)以内の遊技回の全てで当たり抽選の当否結果が外れとなった場合に、規定回数に到達した遊技回(20回目の遊技回)の変動表示が停止して停止表示となった時(すなわち、変動停止時)に、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行する(時刻t42)。
高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数(本実施形態では20回)に到達して高サポ状態H4から低サポ状態H1に移行した直後において、特2残保留がある場合には、大当たり信号2延長フラグをOFFからONに切り替える(時刻t42)。
大当たり信号2延長フラグは、先に説明したように、高サポ状態H4の終了時に特2残保留がある場合に、大当たり信号2の出力期間を延長するためのフラグである。具体的には、大当たり信号2延長フラグは、a)高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数(本実施形態では20回)に到達して高サポ状態H4から低サポ状態H1に移行した直後において特2残保留がある場合に、当該規定回数(本実施形態では20回)に到達した遊技回の変動停止時にONに切り替わり、b)特2残保留の最後の1つに基づく遊技回の終了時(確定時間の終了時)、または、特2残保留で大当たり当選した場合または小当たりしてV入賞大当たり当選した場合に移行する第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉動作を実行する開閉実行モードの開始時にOFFに切り替わる。なお、本実施形態では、詳しくは後述するが、高サポ状態H4の終了時に特2残保留がある場合に、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値(第2始動保留個数RbN)を特2残保留個数記憶エリアに特2残保留個数XRbNとしてセットし、特2残保留個数XRbNの値を変動表示が実行開始される毎に1だけ減算し、特2残保留個数XRbNの値が1以上である場合に、大当たり信号2は継続して出力される構成とした。
ここで、大当たり信号2延長フラグを備えない構成を比較例として考えてみる。比較例の構成によれば、時刻t42において、大当たり信号2の出力を停止することになる。すなわち、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数(本実施形態では20回)に到達した遊技回の変動停止時である、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行した時刻t42において、大当たり信号2の出力を停止する。大当たり信号2の出力停止の状態は、特2残保留で大当たり当選するまで継続する。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり信号2延長フラグを備え、大当たり信号2延長フラグがOFFからONに切り替わった場合に、特2残保留に対する変動の実行期間中は大当たり信号2の出力を延長する機能を備える構成とする。このために、本実施形態のパチンコ機10では、時刻t42において大当たり信号2延長フラグがOFFからONに切り替わることから、特2残保留がある場合、すなわち、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおける特2残保留の数をセットした特2残保留個数XRbNが1以上である場合に、時刻t42以降も大当たり信号2の出力が延長されることになる。
時刻t42を経過後、特2残保留に基づく当たり抽選の当否結果が大当たり当選した場合に、大当たり当選した3つ目の特2残保留に基づく遊技回における確定中が終了した(確定時間が経過した)タイミングで、可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉動作を実行する開閉実行モードを開始すると共に、大当たり信号1の出力を開始する(時刻t43)。
さらに、時刻t43において、大当たり信号2延長フラグをOFFする。大当たり信号2延長フラグがOFFにされたことに基づいて、時刻t43において、大当たり信号2の出力を停止する。ただし、時刻t43において、開閉実行モードが開始されることから、大当たり信号2の出力を再び開始する。
すなわち、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数(本実施形態では20回)に到達した遊技回の変動停止時(時刻t42)から、特2残保留に係る遊技回で当たり抽選において大当たり当選したことによって実行される開閉実行モードの開始時(時刻t43)までの期間において、大当たり信号2は途切れることなく継続的に出力されることになる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、上記時刻t42から時刻t43までの期間における大当たり信号2の出力の態様は、時刻t42までの大当たり信号2の出力の態様とは異なった態様となっている。具体的には、時刻t42までの大当たり信号2の出力の態様は一定電圧を継続して出力する通常のレベル信号の態様(以下、「通常出力態様」と呼ぶ)であったのに対して、時刻t42から時刻t43までの期間における大当たり信号2の出力の態様は短期間で繰り返し一定電圧の出力と出力停止とを切り替えて出力するパルス信号の態様(以下、「特別出力態様」と呼ぶ)とした。特別出力態様の大当たり信号2は、高サポ状態終了時の特2残保留に基づく変動表示が実行され得る状態を識別可能な特定情報として機能する。
データ表示器9は、受信した大当たり信号2について、通常出力態様と特別出力態様との両方を、大当たり信号2の出力があると判定でき、かつ、両方がいずれの態様であるかを区別できる場合は、2つを異なる状態として判別することができる。具体的には、データ表示器9は、大当たり信号2の受信から非受信への切り変わり(OFFエッジ)を検出してから、大当たり信号2の非受信から受信への切り変わり(ONエッジ)を検出するまでの期間が所定時間以下である場合に、大当たり信号2の出力が継続しているとみなし、かつ、当該期間が所定回数以上、繰り返される場合に、大当たり信号2の出力が特別出力態様であると判定する。この構成とした場合に、データ表示器9は、時刻t42から時刻t43までの期間において、大当たり信号2が通常出力態様から特別出力態様に変化して出力が継続していると判定することができる。また、データ表示器9は、大当たり信号2が特別出力態様で出力されている期間において、特別な演出を実行することも可能である。特別な演出としては、大当たり信号2の出力が通常出力態様から特別出力態様に切り替わったと判定した場合に(時刻t42の後に)、例えば、女性キャラクターが登場し、女性キャラクターが「まだまだ特2残保留によるチャンスが有るよ!」と叫ぶ画像(動画像)をデータ表示装置98に表示させる構成としてもよい。さらに、当該動画像に伴った音声をデータ表示器9が備えるスピーカーから出力させるように構成してもよい。
なお、データ表示器9は、受信した大当たり信号2について、通常出力態様と特別出力態様との両方を、大当たり信号2の出力があると判定できるが、両方がいずれの態様であるかを区別できない仕様である場合には、上述した特別な演出を行なうことはできないが、大当たり信号2の出力が延長されることによって、時刻t42から時刻t43までの期間において、大当たり信号2の出力が継続していると判定することができる。このために、この場合にも、特2残保留による当たり抽選において大当たり当選した場合に、当該大当たり当選は、直前の高サポ状態H4における連荘数にカウントされるべきものであると、データ表示器9に認識させ、表示させることができる。
また、データ表示器9は、大当たり信号1と大当たり信号2との出力態様に基づいて、高サポ状態終了時の特2残保留に基づいて実行される当たり抽選において大当たり当選したと判定した場合(小当たり当選して、その後にV入賞大当たり当選した場合を含む)に、特別な演出を実行することも可能である。この場合の特別な演出としては、大当たり信号2が特別出力態様で出力されている最中に、大当たり信号1の非受信から受信への切り変わり(ONエッジ)が検出された場合に(時刻t43の後に)、特定画像、例えば、女性キャラクターが登場し、女性キャラクターが「ぎりぎり連荘だよ、良かったね!」と叫ぶ画像(動画像)をデータ表示装置98に表示させる構成としてもよい。さらに、当該動画像に伴った音声をデータ表示器9が備えるスピーカーに出力させるように構成してもよい。なお、上記構成に換えて、パチンコ機10が、高サポ状態終了時の特2残保留に基づいて実行される当たり抽選において大当たり当選したと判定した場合(小当たり当選して、その後にV入賞大当たり当選した場合を含む)、すなわち、大当たり信号2の出力を特別出力態様から通常出力態様に移行するとともに、大当たり信号1を停止状態から出力を開始したタイミングで(時刻t43)、特定画像、例えば、女性キャラクターが登場し、女性キャラクターが「ぎりぎり連荘だよ、良かったね!」と叫ぶ画像(動画像)を表示させるための信号(特定画像表示指示信号)を、外部端子板95からデータ表示器9に出力する構成としてもよい。さらに、当該動画像に伴った特定音声をデータ表示器9が備えるスピーカーから出力させる信号を、外部端子板95からデータ表示器9に出力する構成としてもよい。これらの構成によれば、データ表示器9に多様な表示や多様な音声の出力を実行させることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
以上詳述したように、比較例の構成では、図272の最下段に例示するように、高サポ状態終了時の特2残保留で大当たり当選した場合に、高サポ状態の終了時にサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行した時(時刻t42)から、特2残保留に係る遊技回で当たり抽選において大当たり当選して開閉実行モードが開始される時(時刻t43)までの期間において、大当たり信号2の出力が停止する。データ表示制御装置97は、先に説明したように、大当たり信号2の出力が継続している期間における、大当たり信号1の非受信から受信への切り変わり(ONエッジ)に基づいてカウントされる大当たり回数に基づいて連荘数を計算している。このために、比較例の構成では、高サポ状態H4から低サポ状態H1に移行した直後において特2残保留が残り、当該特2残保留による当たり抽選において大当たり当選した場合に、当該大当たり当選は、一旦、大当たり信号2の出力が停止した後のものであることから、データ表示器9において、直前の高サポ状態H4における連荘数にカウントされることなく、初回の大当たり当選であると認定されることになる。この結果、比較例の構成では、データ表示器9において連荘数の表示を適切に行なうことができずに、遊技者に不快感を与えてしまうという課題があった。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、図272に例示するように、高サポ状態終了時の特2残保留で大当たり当選した場合に、高サポ状態の終了時にサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行したとき(時刻t42)から、特2残保留に係る遊技回で当たり抽選において大当たり当選して開閉実行モードが開始される時(時刻t43)までの期間において、大当たり信号2が前述した特別出力態様で出力されることから、データ表示器9は、時刻t42までの期間に続いて時刻t42から時刻t43までの期間においても、大当たり信号2の出力が継続していると判定することができる。このために、本実施形態のパチンコ機10では、特2残保留による当たり抽選において大当たり当選した場合に、当該大当たり当選は、直前の高サポ状態H4における連荘数にカウントされるべきものであると、データ表示器9に認識させ、表示させることができる。この結果、連荘が途切れることなく大当たり当選が続き連荘数が大きくなることは遊技者にとって大きな喜びであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、時刻t42から時刻t43までの期間において、大当たり信号2が特別出力態様で出力される構成としたことから、データ表示器9に対して、当該期間において先に説明したような特別な演出、すなわち、女性キャラクターが「まだまだ特2残保留によるチャンスが有るよ!」と叫ぶ動画像や、女性キャラクターが「ぎりぎり連荘だよ、良かったね!」と叫ぶ動画像をデータ表示装置98に表示させることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
図273は、本実施形態のパチンコ機10において高サポ状態終了時の特2残保留で小当たり当選した場合の処理の一例を説明するためのタイムチャートである。図中には、上段から下段に向かって、図柄変動の表示態様、サポートモード、大当たり信号1、大当たり信号2延長フラグ、大当たり信号2、比較例の大当たり信号2が時間経過とともにどのように変化するかを示した。図示の例は、高サポ状態終了時の特2残保留は3つあり、3つ目の特2残保留で小当たり当選した場合のものである。高サポ状態終了時の特2残保留の数は、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおける第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値(第2始動保留個数RbN)をセットした特2残保留個数XRbNから判定できる。なお、変形例として、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおける第2始動保留個数RbNから、高サポ状態終了時の特2残保留の数を判定する構成としてもよい。
時刻t42の前後における図柄変動の表示態様、サポートモード、大当たり信号1、大当たり信号2延長フラグ、大当たり信号2、比較例の大当たり信号2の各変化は、図272に示した特2残保留で大当たり当選した場合と同一である。
時刻t42を経過後、時刻t53で特2残保留に基づく当たり抽選の当否結果が小当たり当選した場合に、小当たり当選した3つ目の特2残保留に係る遊技回における確定中が終了した(確定時間が経過した)タイミングで、第1特別電動役物である小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bが開閉動作を実行する小当たりに基づく開閉実行モードを開始する(時刻t53)。
時刻t53を経過後、V入賞口59に遊技球が入球することによりV入賞大当たり当選した場合に、第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉動作を実行する開閉実行モード(V入賞大当たりに基づく開閉実行モード)を開始する(時刻t54)。
さらに、時刻t54において、大当たり信号1の出力を開始するとともに、大当たり信号2延長フラグをOFFする。大当たり信号2延長フラグがOFFにされたことに基づいて、時刻t54において、大当たり信号2の出力を停止する。ただし、時刻t54において、開閉実行モードが開始されることから、大当たり信号2の出力を再び開始する。
すなわち、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数(本実施形態では20回)に到達した遊技回の変動停止時(時刻t42)から、特2残保留に係る遊技回で当たり抽選において小当たり当選してV入賞大当たり当選したことによって実行される開閉実行モードの開始時(時刻t54)までの期間において、大当たり信号2は継続して出力されることになる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、上記時刻t42から時刻t54までの期間における大当たり信号2の出力の態様は、特2残保留で大当たり当選した場合(図272)と同様に、時刻t42までの大当たり信号2の出力の態様とは異なった態様となっている。具体的には、時刻t42までの大当たり信号2の出力の態様は一定電圧を継続して出力する通常出力態様となっているのに対して、時刻t42から時刻t54までの期間における大当たり信号2の出力の態様は短期間で繰り返し一定電圧の出力と出力停止とを切り替えて出力する上述した特別出力態様となっている。
データ表示器9は、先に説明したように、受信した大当たり信号2について、通常出力態様と特別出力態様との両方を、大当たり信号2の出力があると判定でき、かつ、両方がいずれの態様であるかを区別できる構成である。この構成によって、データ表示器9は、時刻t42から時刻t54までの期間において、大当たり信号2が通常出力態様から特別出力態様に変化して出力が継続していると判定することができる。また、データ表示器9は、大当たり信号2が特別出力態様で出力されている期間において、特別な演出を実行することも可能である。特別な演出の例も、先に説明したとおりである。
以上詳述したように、本実施形態のパチンコ機10では、図273に例示するように、高サポ状態終了時の特2残保留で小当たり当選した場合に、高サポ状態の終了時にサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行したとき(時刻t42)から、特2残保留に係る遊技回で当たり抽選において小当たり当選してV入賞大当たり当選することによってV入賞大当たりに基づく開閉実行モードが開始される時(時刻t54)までの期間において、特定情報としての大当たり信号2が前述した特別出力態様で出力されることから、データ表示器9は、時刻t42までの期間に続いて時刻t42から時刻t54までの期間においても、大当たり信号2が継続して出力していると判定することができる。このために、本実施形態のパチンコ機10では、特2残保留による当たり抽選において小当たり当選してV入賞大当たりに当選した場合に、当該大当たり当選(V入賞大当たり当選)は、直前の高サポ状態H4における連荘数にカウントされるべきものであると、データ表示器9に認識させ、表示させることができる。この結果、時短遊技に基づく特2変動による大当たり当選であるにもかかわらず連荘が途切れるということもなく大当たり当選が続き連荘数が大きくなることは遊技者にとって大きな喜びであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、時刻t42から時刻t54までの期間において、大当たり信号2が特別出力態様で出力される構成としたことから、データ表示器9に対して、当該期間において先に説明したような特別な演出、すなわち、女性キャラクターが「まだまだ特2残保留によるチャンスが有るよ!」と叫ぶ動画像や、女性キャラクターが「ぎりぎり連荘だよ、良かったね!」と叫ぶ動画像をデータ表示装置98に表示させることができる。さらに、当該動画像に伴った音声をデータ表示器9が備えるスピーカーに出力させるように構成してもよい。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
図274は、本実施形態のパチンコ機10において高サポ状態終了時の特2残保留に基づく全ての遊技回で外れた場合の処理の一例を説明するためのタイムチャートである。図中には、上段から下段に向かって、図柄変動の表示態様、サポートモード、大当たり信号1、大当たり信号2延長フラグ、大当たり信号2、比較例の大当たり信号2が時間経過とともにどのように変化するかを示した。図示の例は、高サポ状態終了時の特2残保留は3つあり、3つの特2残保留に基づく全ての遊技回で外れた場合のものである。高サポ状態終了時の特2残保留の数は、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおける第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値(第2始動保留個数RbN)から判定できる。
時刻t42の前後における図柄変動の表示態様、サポートモード、大当たり信号1、大当たり信号2延長フラグ、大当たり信号2、比較例の大当たり信号2の各変化は、図272に示した特2残保留で大当たり当選した場合と同一です。
時刻t42を経過後、特2残保留に基づく当たり抽選の当否結果が全て外れであった場合に、最後の1つである3つ目の特2残保留に基づく遊技回の終了時(確定時間の終了時)に、大当たり信号2延長フラグをOFFからONに切り替える(時刻t63)。
大当たり信号2延長フラグがOFFにされたことに基づいて、時刻t63において、大当たり信号2の出力を停止する。すなわち、大当たり信号2は、高サポ状態H4の終了時に残った特2残保留の数の変動表示のうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に確定中が終了するまで(確定時間が終了するまで)継続して出力し、当該確定中が経過した時刻t63において、出力を停止する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、上記時刻t42から時刻t63までの期間における大当たり信号2の出力の態様は、特2残保留で大当たり当選した場合(図272)と同様に、時刻t42までの大当たり信号2の出力の態様とは異なった態様となっている。具体的には、時刻t42までの大当たり信号2の出力の態様は一定電圧を継続して出力する態様(以下、「通常出力態様」と呼ぶ)となっているのに対して、時刻t42から時刻t63までの期間における大当たり信号2の出力の態様は短期間で繰り返し一定電圧の出力と出力停止とを切り替えて出力する態様(以下、「特別出力態様」と呼ぶ)となっている。
データ表示器9は、先に説明したように、受信した大当たり信号2について、通常出力態様と特別出力態様との両方を、大当たり信号2の出力があると判定でき、かつ、両方がいずれの態様であるかを区別できる構成である。この構成によって、データ表示器9は、大当たり信号2が通常出力態様に続いて特別出力態様となった場合に、大当たり信号2が途切れることなく連続していると判定することができる。また、データ表示器9は、時刻t42から時刻t63までの期間において、大当たり信号2が通常出力態様から特別出力態様に変化して出力が継続していると判定することができる。大当たり信号2が特別出力態様で出力されている期間において、特別な演出を実行することも可能である。例えば、女性キャラクターが登場し、女性キャラクターが「まだまだ特2残保留によるチャンスが有るよ!」と叫ぶ動画像をデータ表示装置98に表示させる構成としてもよい。
時刻t63の経過後、非遊技回の期間を経て、低サポ状態H1の左打ち中の態様H1a(図267)において左打ちにて遊技が再開される。この結果、時刻t64より、特図1の遊技回が始まる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、特別出力態様の大当たり信号2は、高サポ状態終了時である時刻t42から、高サポ状態の終了時に残った特2残保留の数の変動表示のうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に確定中が終了する時刻t63まで、途切れることなく継続して出力される構成としたが、この構成に換えて、時刻t42から時刻t63までの間の途中で出力が一時的に停止され、その後に出力が復帰される構成としてもよい。要は、高サポ状態終了時の特2残保留に基づく各遊技回における確定表示の終了時において、大当たり信号2が出力されている構成であれば、各遊技回における当該確定表示の終了時以外の期間の全部または一部で、大当たり信号2の出力が停止する構成であってもよい。具体的には、例えば、高サポ状態終了時の特2残保留に基づく各遊技回における変動表示中に大当たり信号2の出力を停止し、特2残保留に基づく各遊技回における確定表示中に大当たり信号2を出力する構成としてもよい。
同様に、図272に例示した高サポ状態終了時の特2残保留で大当たり当選した場合、および、図273に例示した高サポ状態終了時の特2残保留で小当たり当選した場合においても、特別出力態様の大当たり信号2は、必ずしも最初(時刻t42)から最後(図272の時刻t43、図273の時刻t54)まで途切れることなく継続して出力される必要はなく、最初から最後までの間の途中で出力が一時的に停止され、その後に出力が復帰される構成としてもよい。要は、高サポ状態終了時の特2残保留に基づく各遊技回における確定表示の終了時において、大当たり信号2が出力されている構成であれば、各遊技回における当該確定表示の終了時以外の期間の全部または一部で、大当たり信号2の出力が停止する構成であってもよい。具体的には、例えば、高サポ状態終了時の特2残保留に基づく各遊技回における変動表示中に大当たり信号2の出力を停止し、特2残保留に基づく各遊技回における確定表示中に大当たり信号2を出力する構成としてもよい。
まとめると、大当たり信号2を継続して出力する態様としては、出力が一時的に停止され、その後に出力が復帰される態様を含むように構成してもよい。出力が一時的に停止され、その後に出力が復帰される態様は、所定の継続態様に含まれる一態様でもある。なお、ここで言う「大当たり信号2」は、特定情報としての特別出力態様の大当たり信号2に限らず、識別情報としての通常出力態様の大当たり信号2についても同様のことが言える。すなわち、識別情報または特定情報を継続して出力する態様としては、出力が一時的に停止され、その後に出力が復帰される態様を含むように構成してもよい。
これらの変形例では、データ表示器9を、連続する複数の遊技回において、変動表示中に大当たり信号2の出力が停止され、確定表示中に大当たり信号2が出力されている場合に、当該複数の遊技回に亘って大当たり信号2は継続して出力されるものと判定する仕様とすることで、例えば、変動表示中にノイズ等によって大当たり信号2の出力が途切れてしまい、データ表示器9による識別性能が低下してしまうことを抑制することができる。
以上詳述したように、本実施形態のパチンコ機10では、図274に例示するように、高サポ状態終了時の特2残保留に基づく全ての遊技回で外れた場合に、最後の1つの特2残保留に基づく遊技回の終了時(確定時間の終了時)において、大当たり信号2の出力を停止する。このために、時刻t63以降の特図1の遊技回の当たり抽選において大当たり当選したとしても、当該大当たり当選を高サポ状態中(ラッシュ中)の連荘数としてカウントすることはない。当該ラッシュの状態は時刻t42において終了していることから、当該大当たり当選を当該ラッシュ中の連荘数とカウントしないことは正しいことである。このために、遊技者の遊技に対する興趣を低下させることもない。
すなわち、本実施形態のパチンコ機10では、制御モード切替処理によって、特別遊技状態の終了後に制御モードを特定期間、第2制御モードに維持し、特定期間の終了時に制御モードを第2制御モードから第1制御モードに切り替える。また、識別情報出力処理によって、特別遊技状態である期間、または特定期間において、識別情報を継続して出力し、出力停止処理によって、特定期間の終了時に識別情報の出力を停止する。さらに、記憶部によって、特定期間の終了時に取得情報記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数を記憶する。特定情報出力処理によって、特定期間の終了後に、少なくとも記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数が1以上である場合に、当該第2の特別乱数情報の数に対応する所定数の変動表示が終了するまで、特定変動表示が実行され得る状態を識別可能な特定情報を継続して出力することが可能となっている。さらに、特定情報出力処理は、所定数の変動表示のうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に所定期間が経過するまで、特定情報を継続して出力するが、当該特定情報を識別情報とは異なる態様で出力する。具体的には、例えば、遊技回における当たり抽選において大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が8R大当たりAである場合に、大当たりに基づく開閉実行モードの終了後にサポートモードを規定回数、高頻度サポートモードに維持し、規定回数の終了時にサポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える。このサポートモードが高頻度サポートモードに維持される高サポ状態中に、大当たり信号2を継続して出力し、高サポ状態の終了時に大当たり信号2の出力を停止する。さらに、高サポ状態の終了時に第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値(第2始動保留個数RbN)を特2残保留個数記憶エリアに特2残保留個数XRbNとしてセットする。高サポ状態の終了後に、少なくとも当該特2残保留個数XRbNの値が1以上である場合に、当該特2残保留個数XRbNの値と一致する所定数の変動表示が終了するまで、大当たり信号2を継続して出力することが可能となる。さらに、特2残保留個数XRbNのうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に所定期間が経過するまで、大当たり信号2を継続して出力する。
したがって、本実施形態のパチンコ機10では、特定期間の終了時に識別情報の出力が一旦停止されても、特定期間の終了後に、記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数に対応する所定数の変動表示が終了するまで、特定変動表示が実行され得る状態を識別可能な特定情報が継続して出力されることから、特定期間の終了後において、取得情報記憶部に第2の特別乱数情報が残り、当該第2の特別乱数情報が特定条件を満たした場合、具体的には、例えば、第2の特別乱数情報が予め定めた値と一致する場合、例えば大当たり当選した場合に、識別情報および特定情報を受け取る表示装置において、直前の特定期間に関係して取得された第2の特別乱数情報が特定条件を満たしたものであるとして適切な表示を行なうことが可能となる。具体的には、例えば、高サポ状態の終了時に大当たり信号2の出力が一旦停止されても、高サポ状態の終了後に、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおいて保留個数記憶エリアに記憶された値(第2始動保留個数RbN)をセットした特2残保留個数XRbNの値と一致する所定数の変動表示が終了するまで、大当たり信号2が継続して出力されることから、高サポ状態の終了後において、第2始動保留個数RbNの特2残保留があり、当該特2残保留の内の一つに基づいて大当たり当選した場合に、データ表示器9において、直前の高サポ状態に関係して取得された特2残保留に基ついて大当たり当選したものであるとして連荘数をカウントすることが可能となる。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、データ表示器9において例えば連荘数の表示を適切に行なうことができずに遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、特定情報を識別情報とは異なる態様で出力する。具体的には、例えば、特2残保留に基づく変動中において継続して出力する大当たり信号2を、高サポ状態中に出力する通常出力態様の大当たり信号2とは異なる態様(特別出力態様)で出力する。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、特定情報を受け取る表示装置において、特定情報を受け取った場合に特有の表示を行なうことが可能となる。このために、表示装置において、例えば、特定期間の終了後に残った第2の特別乱数情報についての変動表示中である旨の表示を行なうことができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、特定情報や識別情報を受け取る表示装置に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。具体的には、例えば、特2残保留に基づく変動中において、大当たり信号2を高サポ状態中に出力される通常出力態様とは異なる特別出力態様で出力することから、データ表示器9において、特別出力態様の大当たり信号2を受け取った場合に、特有の演出、例えば、女性キャラクターが「まだまだ特2残保留によるチャンスが有るよ!」と叫ぶ動画像をデータ表示装置98に表示させることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、データ表示器9に多様な表示を実行させることができ、この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、特定期間の終了時に記憶されている第2の特別乱数情報の数に対応する所定数の変動表示のうちの最後の変動表示の停止表示が終了した後まで継続して特定情報を出力する。具体的には、例えば、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおける第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値(第2始動保留個数RbN)をセットした特2残保留個数XRbNの値と一致する所定数の変動表示のうちの最後の変動表示の停止表示が終了した後まで継続して大当たり信号2を出力する。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、最後の変動表示が終了して停止表示となった後から当該停止表示が終了するまでの期間においても、特定情報の出力が継続する。このために、特定情報を継続して出力する期間を、特定期間の終了後に取得情報記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報に基づく遊技回の実行中の期間に、高い精度で一致させることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、特定情報や識別情報を受け取る表示装置において、例えば特2残保留消化中である旨を表示する場合に、当該表示の精度を向上することができる。具体的には、例えば、最後の変動表示が終了して停止表示となった後から当該停止表示が終了するまでの期間においても、大当たり信号2の出力が継続する。このために、大当たり信号2を継続して出力する期間を、特定期間の終了後に取得情報記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報に基づく遊技回の実行中の期間に、高い精度で一致させることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり信号2を受け取るデータ表示器9において、例えば特2残保留消化中である旨を表示する場合に、当該表示の精度を向上することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、識別情報と特定情報とは、同一の出力用端子から出力される同一種類の情報である。具体的には、例えば、高サポ状態中に出力される識別情報と特2残保留消化中に出力される特定情報とは、同一の出力用端子から出力される同一種類の情報としての大当たり信号2である。なお、別態様として、識別情報と特定情報とは、異なる出力用端子から出力される異なる種類の情報としてもよいし、同一の出力用端子から出力される異なる種類の情報としてもよい。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、特別遊技状態である期間または特定期間に該当する状態を識別するための識別情報を、特定期間の終了後に、記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数に対応する所定数の変動表示のうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に所定期間が経過するまで継続して、同一の出力用端子から出力される同一種類の情報として出力することができる。この結果、簡単な構造によって、当該識別情報を適切な期間、表示装置に出力することができる。具体的には、例えば、大当たり遊技である期間または高サポ状態である期間に該当する状態を識別するための大当たり信号2を、高サポ状態の終了後に、高サポ状態の終了時に第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値(第2始動保留個数RbN)をセットした特2残保留個数XRbNの値と一致する所定数の変動表示のうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に所定期間が経過するまで継続して、同一の出力用端子から出力される同一種類の情報として出力することができる。この結果、簡単な構造によって、大当たり信号2を適切な期間、データ表示器等の表示装置に出力することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、特定期間の終了後に記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数に対応する所定数の変動表示が終了するまで実行される特定変動表示は、第2入球部への遊技球の入球を契機として取得された第2の特別乱数情報についての判定に対応した変動表示である。具体的には、例えば、高サポ状態の終了時に特2残保留個数XRbNの値と一致する所定数の変動表示が終了するまで実行される特定変動表示は、第2始動口34への遊技球の入球を契機として取得された特2保留情報についての判定に対応した変動表示である。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、特定期間の終了時に取得情報記憶部に記憶されていた第2の特別乱数情報についての変動表示であることを、特別乱数情報から識別することができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、特定情報を受け取る表示装置に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、例えば、高サポ状態の終了時に第2保留エリアRbに格納されていた特2残保留についての変動表示であることを、大当たり信号2から識別することができる。この結果、データ表示器9に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、特定情報は、データの出力を所定周期で繰り返し行なう態様である。具体的には、例えば、特別出力態様の大当たり信号2は、データの出力を所定周期で繰り返し行なう態様である。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、簡単な構成によって、特定情報を識別情報出力処理によって出力される識別情報と異なった態様とすることができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10によれば、構造の簡素化を図ることができる。具体的には、例えば、簡単な構成によって、特別出力態様の大当たり信号2を通常出力態様の大当たり信号2と異なった態様とすることができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10によれば、構造の簡素化を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、特定情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特定条件を満たすと判定された場合に、特別遊技状態が発生するまで、特定情報を所定の継続態様で出力する。具体的には、例えば、特別出力態様の大当たり信号2の出力中に実行されている遊技回に係る特2残保留で大当たり当選となると判定された場合に、大当たり遊技状態が発生するまで、特別出力態様の大当たり信号2を所定の継続態様で出力する。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、特定情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特別条件を満たすと判定された場合に、特定情報を所定の継続態様で出力する期間を、第2の特別乱数情報が特定条件を満たすと判定された遊技回の実行を終えた後まで確実に確保することができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、特定情報を受け取る表示装置において、例えば特2残保留消化中である旨を表示する場合に、特2残保留消化が終了する前に当該表示が終わってしまうことを抑制することができる。具体的には、例えば、特別出力態様の大当たり信号2の出力中に実行されている遊技回に係る特2残保留が大当たり当選となる条件を満たすと判定された場合に、特別出力態様の大当たり信号2を所定の継続態様で出力する期間を、特2残保留が大当たり当選となる条件を満たすと判定された遊技回の実行を終えた後まで確実に確保することができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり信号2を受け取るデータ表示器9において、例えば特2残保留消化中である旨を表示する場合に、特2残保留消化が終了する前に当該表示が終わってしまうことを抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、特別乱数情報が特定条件とは相違する特定他条件を満たし、当該満たした後に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に、特別遊技状態発生条件が成立したと判定し、特定情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された場合に、特別遊技状態が発生するまで、特定情報を所定の継続態様で出力する。具体的には、例えば、保留情報に基づく当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となる値と一致することを満たし、当該満たした後に、V入賞口に遊技球が入球することが成立した場合に、大当たり遊技状態発生条件が成立したと判定し、特別出力態様の大当たり信号2の出力中に実行されている遊技回に係る特2残保留に基づく当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となる値と一致すると判定された場合に、大当たり遊技状態が発生するまで、特別出力態様の大当たり信号2を所定の継続態様で出力する。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、特定情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された場合に、特定情報を所定の継続態様で出力する期間を、第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された遊技回の実行を終えた後まで確実に確保することができる。このために、本実施形態のパチンコ機10では、特定情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された場合にも、特定情報や識別情報を受け取る表示装置において、直前の特定期間に関係して取得された第2の特別乱数情報が特定他条件を満たしたものであるとして適切な表示を行なうことが可能となる。具体的には、例えば、特別出力態様の大当たり信号2の出力中に実行されている遊技回に係る特2残保留が小当たり当選する値と一致すると判定された場合に、特別出力態様の大当たり信号2を所定の継続態様で出力する期間を、特2残保留が小当たり当選する値と一致すると判定された遊技回の実行を終えた後まで確実に確保することができる。このために、本実施形態のパチンコ機10では、特別出力態様の大当たり信号2の出力中に実行されている遊技回に係る特2残保留が小当たり当選する値と一致すると判定された場合にも、データ表示器9において、直前の高サポ状態に関係して取得された特2残保留が小当たり当選したものであるとして連荘数をカウントすることが可能となる。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、特2残保留が小当たり当選した場合に、表示装置において連荘数の表示を適切に行なうことができずに遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、特別乱数情報が特定条件とは相違する特定他条件を満たし、当該満たした後に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に、特別遊技状態発生条件が成立したと判定し、識別情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された場合に、特別遊技状態が発生するまで、識別情報を継続して出力する。具体的には、例えば、保留情報に基づく当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となる値と一致することを満たし、当該満たした後に、V入賞口に遊技球が入球することが成立した場合に、大当たり遊技状態発生条件が成立したと判定し、通常出力態様の大当たり信号2の出力中に実行されている遊技回に係る特2保留情報に基づく当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となる値と一致すると判定された場合に、大当たり遊技状態が発生するまで、通常出力態様の大当たり信号2を継続して出力する。
ここで、「識別情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された場合に、特別遊技状態が発生するまで、識別情報を継続して出力する」構成を備えない比較例を考えてみる。比較例によれば、識別情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された場合に、当該遊技回の変動表示が終了してから、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立するまでの間、識別情報の出力が停止されてしまう。このために、制御モードが第2制御モードに維持された特定期間において、第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定され、その後に遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合であっても、識別情報の出力が途切れることとなり、データ表示器等の表示装置において、直前の特定期間に関係して取得された第2の特別乱数情報が特定他条件を満たしたものであるとして連荘数をカウントすることができなかった。この結果、比較例によれば、遊技者に不快感を与えてしまい、遊技者の遊技に対する興趣を低下させてしまう虞があった。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10によれば、識別情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された場合に、特別遊技状態が発生するまで、識別情報を継続して出力することから、第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された遊技回の変動表示が終了してから、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立するまでの間に、識別情報の出力が途切れることがない。このために、制御モードが第2制御モードである特定期間の終了後において、第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定され、その後に遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に、特定情報や識別情報を受け取る表示装置において、直前の特定期間に関係して取得された第2の特別乱数情報が特定他条件を満たしたものであり、当該満たした後に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立したことによって特別遊技状態発生条件が成立したものとして適切な表示を行なうことが可能となる。具体的には、例えば、通常出力態様の大当たり信号2の出力中に実行されている遊技回に係る特2残保留が小当たり当選する値と一致すると判定された場合に、大当たり遊技状態が発生するまで通常出力態様の大当たり信号2を継続して出力することから、特2保留情報が小当たり当選する値と一致すると判定された遊技回の変動表示が終了してから、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立するまでの間に、通常出力態様の大当たり信号2の出力が途切れることがない。このために、制御モードが第2制御モードである特定期間の終了後において、特2保留情報が小当たり当選する値と一致すると判定され、その後に遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に、連荘が途切れることなく大当たり当選が続くとデータ表示器9に認識させ表示させることができる。この結果、連荘が途切れることなく大当たり当選が続き連荘数が大きくなることは遊技者にとって大きな喜びであり、遊技者の遊技に対する興趣をいっそう向上させることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、特別遊技状態である期間に該当する状態を識別するための特別遊技情報を出力する特別遊技情報出力処理を備え、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および特別遊技情報出力処理の各出力先は、同一の表示装置である。具体的には、例えば、大当たり遊技状態である期間に該当する状態を識別するための大当たり信号1を出力する特別遊技情報出力処理を備え、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および特別遊技情報出力処理の各出力先は、同一のデータ表示器9である。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、識別情報および特定情報によって、特別遊技状態である期間または特定期間に該当する状態であることを識別でき、特別遊技情報によって、特別遊技状態である期間に該当する状態であることを識別できることから、両方の識別を重ね合わせることによって、特定期間が連続する場合に、その連続する特定期間の間で何回特別遊技状態が発生したかを出力先の表示装置が把握することが可能となる。このために、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および特別遊技情報出力処理の各出力先に該当する表示装置において、遊技の状況を適切に表示することができる。具体的には、例えば、大当たり信号2によって、大当たり遊技状態である期間または高サポ状態である期間に該当する状態であることを識別でき、大当たり信号1によって、大当たり遊技状態である期間に該当する状態であることを識別できることから、両方の識別を重ね合わせることによって、高サポ状態である期間が連続する場合に、その連続する高サポ状態である期間の間で何回大当たり遊技状態が発生したかをデータ表示器9が把握することが可能となる。このために、データ表示器9において、いわゆる連荘数を表示することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、特別遊技状態である期間に該当する状態を識別するための特別遊技情報を出力する特別遊技情報出力処理を備え、特別遊技情報は、特定情報とは異なる態様である。具体的には、例えば、大当たり遊技状態である期間に該当する状態を識別するための大当たり信号1を出力する特別遊技情報出力処理を備え、大当たり信号1は、特別出力態様の大当たり信号2とは異なる態様である。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、識別情報および特定情報によって、特別遊技状態である期間または特定期間に該当する状態であることを識別でき、特別遊技情報によって、特別遊技状態である期間に該当する状態であることを識別できることから、両方の識別を重ね合わせることによって、特定期間が連続する場合に、その連続する特定期間の間で何回特別遊技状態が発生したかを出力先の表示装置が把握することが可能となる。このために、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および特別遊技情報出力処理から情報を受け取る表示装置において、遊技の状況を適切に表示することが可能となる。さらに、特別遊技情報は特定情報とは異なる態様であることから、特定情報を受け取る表示装置において、特定情報を受け取った場合に特有の表示を行なうことが可能となる。このために、表示装置において、例えば、特定期間の終了後に第2の特別乱数情報についての変動表示中である旨の表示を行なうことができる。したがって、本実施形態では、特定情報や識別報報を受け取る表示装置に多様な表示を実行させることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、例えば、大当たり信号2によって、大当たり遊技状態である期間または高サポ状態である期間に該当する状態であることを識別でき、大当たり信号1によって、大当たり遊技状態である期間に該当する状態であることを識別できることから、両方の識別を重ね合わせることによって、高サポ状態である期間が連続する場合に、その連続する高サポ状態である期間の間で何回大当たり遊技状態が発生したかをデータ表示器9が把握することが可能となる。このために、データ表示器9において、いわゆる連荘数を表示することができる。さらに、大当たり信号1は特別出力態様の大当たり信号2とは異なる態様であることから、データ表示器9において、特別出力態様の大当たり信号2を受け取った場合に特有の表示を行なうことが可能となる。このために、表示装置において、例えば、高サポ状態の終了後に特2残保留に基づく変動表示中である旨の表示を行なうことができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、データ表示器9に多様な表示を実行させることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、特別遊技状態である期間に該当する状態を識別するための特別遊技情報を出力する特別遊技情報出力処理を備え、特別遊技情報は、識別情報とは異なる態様である。具体的には、例えば、大当たり遊技状態である期間に該当する状態を識別するための大当たり信号1を出力する特別遊技情報出力処理を備え、大当たり信号1は、通常出力態様の大当たり信号2とは異なる態様である。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、識別情報および特定情報によって、特別遊技状態である期間または特定期間に該当する状態であることを識別でき、特別遊技情報によって、特別遊技状態である期間に該当する状態であることを識別できることから、両方の識別を重ね合わせることによって、特定期間が連続する場合に、その連続する特定期間の間で何回特別遊技状態が発生したかを出力先の表示装置が把握することが可能となる。このために、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および特別遊技情報出力処理から情報を受け取る表示装置において、遊技の状況を適切に表示することが可能となる。さらに、特別遊技情報は識別情報出力処理によって出力される識別情報とは異なる態様であることから、表示装置における情報の把握が容易となる。このために、表示装置において、遊技の状況の表示を確実に行なうことが可能となる。具体的には、例えば、大当たり信号2によって、大当たり遊技状態である期間または高サポ状態である期間に該当する状態であることを識別でき、大当たり信号1によって、大当たり遊技状態である期間に該当する状態であることを識別できることから、両方の識別を重ね合わせることによって、高サポ状態である期間が連続する場合に、その連続する高サポ状態である期間の間で何回大当たり遊技状態が発生したかをデータ表示器9が把握することが可能となる。このために、データ表示器9において、いわゆる連荘数を表示することができる。さらに大当たり信号1は通常出力態様の大当たり信号2とは異なる態様であることから、データ表示器9における情報の把握が容易となる。このために、データ表示器9において、例えば連荘数の表示を確実に行なうことが可能となる。
本実施形態のパチンコ機10では、第1入球部への遊技球の入球を契機として第1入球情報を出力する第1入球情報出力部を備え、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および第1入球情報出力部のそれぞれの情報の出力先は、同一の表示装置である。具体的には、例えば、第1始動口33への遊技球の入球を契機として第1始動口入球信号を出力する第1入球情報出力部を備え、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および第1入球情報出力部のそれぞれの情報の出力先は、同一のデータ表示器9である。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、表示装置において、例えば遊技の状況の表示と共に、第1入球部への遊技球の入球に基づく表示を行なうことができる。この結果、表示装置に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、例えば、データ表示器9において、例えば連荘数の表示と共に、第1始動口33への遊技球の入球に基づく表示を行なうことができる。この結果、データ表示器9に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、第2入球部への遊技球の入球を契機として第2入球情報を出力する第2入球情報出力部を備え、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および第2入球情報出力部のそれぞれの情報の出力先は、同一の表示装置である。具体的には、例えば、第2始動口34への遊技球の入球を契機として第2始動口入球信号を出力する第2入球情報出力部を備え、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および第2入球情報出力部のそれぞれの情報の出力先は、同一のデータ表示器9である。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、表示装置において、例えば遊技の状況の表示と共に、第2入球部への遊技球の入球に基づく表示を行なうことができる。この結果、データ表示器等の表示装置に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、例えば、データ表示器9において、例えば連荘数の表示と共に、第2始動口34への遊技球の入球に基づく表示を行なうことができる。この結果、データ表示器9に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、変動表示が終了して停止表示となったこと示す停止表示情報を出力する停止表示情報出力部を備え、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および停止表示情報出力部のそれぞれの情報の出力先は、同一の表示装置である。具体的には、例えば、変動表示されていた特別図柄が停止表示となったことを示す図柄確定信号を出力する図柄確定信号出力部を備え、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および図柄確定信号出力部のそれぞれの情報の出力先は、同一の表示装置である。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、表示装置において、例えば遊技の状況の表示と共に、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達して高サポ状態から低サポ状態に移行した直後において、特2残保留がある場合に、特2残保留の変動が終了して停止表示となった旨の表示を行なうことができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10にでは、表示装置に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、例えば、データ表示器9において、例えば連荘数の表示と共に、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達して高サポ状態から低サポ状態に移行した直後において、特2残保留がある場合に、特2残保留の変動が終了して停止表示となり特2図柄が確定した旨の表示を行なうことができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10にでは、データ表示器9に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
《6-7》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において上述した処理を実行するための具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60のMPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。これらの処理について次に説明する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図275は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップSc0101では、各種検知センサ67a~67fの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサ67a~67fの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して識別情報としての検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSc0102に進む。
ステップSc0102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSc0103に進む。
ステップSc0103では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、電動役物開放カウンタC4、および変動種別カウンタCSの値の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、電動役物開放カウンタC4、および変動種別カウンタCSにそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSc0104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図280)において、その値を更新する。
ステップSc0104では、第1始動口33及び第2始動口34への入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップSc0104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSc0104を実行した後、ステップSc0105に進む。
ステップSc0105では、スルーゲート35への入球に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップSc0105のスルー用の入球処理の詳細については後述する。ステップSc0105を実行した後、ステップSc0106に進む。
ステップSc0106では、小当たり専用可変入賞装置57の大入賞口57aまたは可変入賞装置36の大入賞口36aへの入球に伴う大入賞口用の入球処理を実行する。ステップSc0106の大入賞口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSc0106を実行した後、ステップSc0107に進む。
ステップSc0107では、V入賞口59への入球に伴うV入賞口用の入球処理を実行する。ステップSc0107のV入賞口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSc0107を実行した後、ステップSc0108に進む。
ステップSc0108では、主制御装置60から外部端子板95に対して出力する信号(外端出力用信号)を管理する外端出力用信号管理処理を実行する。ステップSc0108の外端出力用信号管理処理の詳細については後述する。ステップSc0108を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図275:Sc0104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図276は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSc0201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入球)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップSc0201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(Sc0201:YES)、ステップSc0202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための識別情報としての賞球コマンドをセットする。その後、ステップSc0203に進む。
ステップSc0203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップSc0204に進む。
ステップSc0204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSc0209に進む。
ステップSc0201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(Sc0201:NO)、ステップSc0205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップSc0205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(Sc0205:YES)、ステップSc0206に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための識別情報としての賞球コマンドをセットする。その後、ステップSc0207に進む。一方、ステップSc0205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(Sc0205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップSc0207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップSc0208に進む。
ステップSc0208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSc0209に進む。
ステップSc0209では、上述したステップSc0204又はステップSc0208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップSc0209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(Sc0209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSc0209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(Sc0209:YES)、ステップSc0210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップSc0211に進み、合計保留個数記憶エリアに格納された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップSc0212に進む。
ステップSc0212では、ステップSc0103(図275)において更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSc0210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに格納する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSc0103にて更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSc0210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに格納する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSc0103にて更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSc0210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに格納する。ステップSc0212を実行した後、ステップSc0213に進む。
ステップSc0213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、当たり抽選で大当たり当選する場合または小当たりしてV入賞大当たり当選する場合の大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。ステップSc0213を実行した後、ステップSc0214に進む。
ステップSc0214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図281:ステップSc0703)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1始動口保留用領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1始動口保留用領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主制御装置60のMPU62は、ステップSc0214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図275:Sc0105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図277は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSc0301では、遊技球がスルーゲート35に入球したか否かを判定する。ステップSc0301において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(Sc0301:YES)、ステップSc0302に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、普通電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップSc0301において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(Sc0301:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップSc0302において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(Sc0302:YES)、ステップSc0303に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップSc0304に進む。
ステップSc0304では、ステップSc0103(図275)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64dの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップSc0302において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(Sc0302:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<大入賞口用の入球処理>
次に、大入賞口用の入球処理について説明する。大入賞口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図275:ステップSc0106)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図278は、大入賞口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSc0401では、小当たり専用可変入賞装置57に備えられた大入賞口(以下、小当たり用の大入賞口とも呼ぶ)57aに遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSc0401において、小当たり用の大入賞口57aに遊技球が入球したと判定した場合には(Sc0401:YES)、ステップSc0402に進む。一方、ステップSc0401において、小当たり用の大入賞口57aに遊技球が入球したと判定しなかった場合には(Sc0401:NO)、ステップSc0404に進む。
ステップSc0402では、小当たり用の大入賞口57aに入球したことに基づいて払い出される賞球の数を設定する。本実施形態においては、小当たり用の大入賞口57aに1個の遊技球が入球した場合には、10個の遊技球が賞球として払い出される。ステップSc0402を実行した後、ステップSc0403に進む。
ステップSc0403では、第1大入賞口入球コマンドを設定する。第1大入賞口入球コマンドは、小当たり用の大入賞口57aに遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1大入賞口入球コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図281:ステップSc0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSc0403を実行した後、ステップSc0404に進む。
ステップSc0404では、可変入賞装置36に備えられた大入賞口(以下、大当たり用の大入賞口とも呼ぶ)36aに遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSc0404において、大当たり用の大入賞口36aに遊技球が入球したと判定した場合には(Sc0404:YES)、ステップSc0405に進む。一方、ステップSc0404において、大当たり用の大入賞口36aに遊技球が入球したと判定しなかった場合には(Sc0404:NO)、そのまま大入賞口用の入球処理を終了する。
ステップSc0405では、大当たり用の大入賞口36aに入球したことに基づいて払い出される賞球の数を設定する。本実施形態においては、大当たり用の大入賞口36aに1個の遊技球が入球した場合には、15個の遊技球が賞球として払い出される。ステップSc0405を実行した後、ステップSc0406に進む。
ステップSc0406では、第2大入賞口入球コマンドを設定する。第2大入賞口入球コマンドは、大当たり用の大入賞口36aに遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2大入賞口入球コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図281:ステップSc0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSc0406を実行した後、大入賞口用の入球処理を終了する。
<V入賞口用の入球処理>
次に、V入賞口用の入球処理について説明する。V入賞口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図275:ステップSc0107)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図279は、V入賞口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSc0501では、V入賞口59に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSc0501において、V入賞口59に遊技球が入球したと判定した場合には(Sc0502:YES)、ステップSc0502に進む。
ステップSc0502では、V入賞フラグがONであるか否かを判定する。V入賞フラグは、V入賞口59に遊技球が入球した場合にONとなり、当該V入賞フラグがONとなったことを契機としてV入賞大当たりに基づく開閉実行モードが開始され、当該V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの終了の際にOFFとなるフラグである。V入賞フラグは、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される。ステップSc0502では、既にV入賞フラグがONとなっているか否かを判定することによって、複数個の遊技球がV入賞口59に入球した場合であっても後述するステップSc0503およびステップSc0504の処理が重複して実行されない構成を採用している。
ステップSc0502において、V入賞フラグがONではないと判定した場合には(Sc0502:NO)、ステップSc0503に進み、V入賞フラグをONにする。その後、ステップSc0504に進み、V入賞コマンドを設定する。V入賞コマンドは、V入賞口59に遊技球が入球してV入賞大当たりに当選したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。V入賞コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図281:ステップSc0703)において音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、V入賞コマンドを受信すると、遊技球がV入賞口59に入球してV入賞大当たりに当選したこと、当該V入賞に基づいて特電開閉実行モードが開始されることを示唆する演出であるV入賞演出を実行する。
ステップSc0504を実行した後、本V入賞口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSc0501においてV入賞口59に遊技球が入球していないと判定した場合(Sc0501:NO)、およびステップSc0502においてV入賞フラグがONであると判定した場合(Sc0502:YES)には、上述したステップSc0503およびステップSc0504を実行することなく、本V入賞口用の入球処理を終了する。
<外端出力用信号管理処理>
次に、外端出力用信号管理処理について説明する。外端出力用信号管理処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図275:ステップSc0108)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図280は、外端出力用信号管理処理を示すフローチャートである。ステップSc0601では、大当たりに基づく開閉実行モード中であるか否かを判定する。ここで言う「大当たりに基づく開閉実行モード」は、当たり抽選において大当たり当選した場合に実行する開閉実行モードと、当たり抽選において小当たり当選してV入賞大当たりした場合に実行するV入賞大当たりに基づく開閉実行モードとの双方が該当する。ステップSc0601では、具体的に、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶された大当たり開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。大当たり開閉実行モードフラグは、後述する確定時間経過処理および遊技状態移行処理において遊技状態を大当たりに基づく開閉実行モードまたはV入賞大当たりに基づく開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、遊技状態移行処理において当該開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップSc0601において、大当たりに基づく開閉実行モード中であると判定した場合には(Sc0601:YES)、ステップSc0602に進み、通常のレベル信号の形態の大当たり信号1の出力を行なう大当たり信号1出力処理を実行する。大当たり信号1は、先に説明したように、外部端子板95が出力する複数種類の信号のうちの一つであって、大当たり遊技状態中であることを示す。ステップSc0602では、具体的に、大当たり信号1が出力状態となるように、大当たり信号1が出力状態となる情報を持つ外端出力用信号を外部端子板95に対して送信する。ステップSc0602を実行した後、ステップSc0603に進む。ステップSc0602の特別遊技情報としての大当たり信号1の出力を継続して行なう処理が、特別遊技情報出力処理として機能する。
ステップSc0603では、識別情報としての通常出力態様の大当たり信号2の出力を行なう大当たり信号2出力処理を実行する。大当たり信号2は、先に説明したように、外部端子板95が出力する複数種類の信号のうちの一つであって、大当たり遊技状態中、または時短遊技状態(高サポ状態とも呼ぶ)中であることを示す。ステップSc0603では、具体的に、大当たり信号2が通常出力態様の出力状態となるように、大当たり信号2が当該出力状態となる情報を持つ外端出力用信号を外部端子板95に対して送信する。ステップSc0603を実行した後、本外端出力用信号管理処理を終了する。ステップSc0603の通常出力態様の大当たり信号2の出力を継続して行なう処理が、識別情報出力処理として機能する。
一方、ステップSc0601において大当たりに基づく開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sc0601:NO)、ステップSc0604に進み、大当たり信号1出力停止処理を実行する。具体的には、ステップSc0602によって出力を開始した特別遊技情報としての大当たり信号1の出力を停止する。大当たり信号1の出力を継続して行なう処理は、特定情報出力処理として機能する。ステップSc0604を実行した後、ステップSc0605に進む。
む。
ステップSc0605では、大当たり信号2延長フラグがONであるか否かを判定する。大当たり信号2延長フラグは、先に説明したように、高サポ状態H4の終了時に特2残保留がある場合、すなわち、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおける特2残保留の数をセットした特2残保留個数XRbNが1以上である場合に、大当たり信号2の出力期間を延長するためのフラグで、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される。大当たり信号2延長フラグは、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数(本実施形態では20回)に到達して高サポ状態から低サポ状態に移行した直後において特2残保留がある場合に、当該規定回数に到達した遊技回の変動停止時にONに切り替わる。そして、大当たり信号2延長フラグは、特2残保留の最後の1つに基づく遊技回の終了時(確定時間の終了時)、または、特2残保留で大当たり当選した場合または小当たりしてV入賞大当たり当選した場合に移行する第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉動作を実行する開閉実行モード(大当たりに基づく開閉実行モード)の開始時にOFFに切り替わる。
ステップSc0605において、大当たり信号2延長フラグがONであると判定した場合には(Sc0605:YES)、ステップSc0606に進み、特定情報としての特別出力態様(パルス信号の態様)の大当たり信号2の出力を行なう大当たり信号2出力処理を実行する。具体的には、大当たり信号2が特別出力態様の出力状態となるように、大当たり信号2が当該出力状態となる情報を持つ外端出力用信号を外部端子板95に対して送信する。ステップSc0606の特別出力態様の大当たり信号2の出力を継続して行なう処理が、特定情報出力処理として機能する。ステップSc0606を実行した後、本外端出力用信号管理処理を終了する。
一方、ステップSc0605において、大当たり信号2延長フラグがONでないと判定した場合には(Sc0605:NO)、ステップSc0607に進み、小当たりに基づく開閉実行モード中であるか否かを判定する。小当たりに基づく開閉実行モードとは、当たり抽選において小当たり当選した場合に、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bが開閉動作を実行する開閉実行モードである。ステップSc0607では、具体的に、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶された小当たり開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。小当たり開閉実行モードフラグは、後述する確定時間経過処理において遊技状態を小当たりに基づく開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、後述する遊技状態移行処理において当該開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップSc0607において、小当たり開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sc0607:YES)、先に説明したステップSc0603に進み、通常出力態様の大当たり信号2の出力を行なう大当たり信号2出力処理を実行する。
一方、ステップSc0607において、小当たり開閉実行モードフラグがONでないと判定した場合には(Sc0607:NO)、ステップSc0608に進み、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。高頻度サポートモードフラグは特定情報としても機能する。
ステップSc0608において、サポートモードが高頻度サポートモードであると判定した場合には(Sc0608:YES)、先に説明したステップSc0603に進み、通常出力態様の大当たり信号2の出力を行なう大当たり信号2出力処理を実行する。
一方、ステップSc0608において、サポートモードが高頻度サポートモードでないと判定した場合には(Sc0608:NO)、ステップSc0609に進み、大当たり信号2出力停止処理を実行する。具体的には、ステップSc0603またはステップSc0606によって出力を開始した大当たり信号2の出力を停止する。ステップSc0609の大当たり信号2の出力を停止する処理が、出力停止処理として機能する。ステップSc0609を実行した後、本外端出力用信号管理処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられたこと(以下、「電源投入」とも呼ぶ)に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図281は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSc0701では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定や必要に応じて初期化設定などが実行される。その後、ステップSc0702に進む。
ステップSc0702では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップSc0703に進む。
ステップSc0703では、ステップSc0702において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSc0703を実行した後、ステップSc0704に進む。
ステップSc0704では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSc0705に進む。
ステップSc0705では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップSc0706に進む。ステップSc0706では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップSc0706を実行した後、ステップSc0707に進む。
ステップSc0707では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、サポートモードが高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップSc0708に進む。
ステップSc0708では、第2始動口34に設けられた普通電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、普通電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップSc0709に進む。
ステップSc0709では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップSc0703のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップSc0709において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(Sc0609:NO)、ステップSc0710及びステップSc0711において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップSc0710において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップSc0711において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。一方、ステップSc0709において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(Sc0609:YES)、ステップSc0703に戻り、ステップSc0703からステップSc0708までの各処理を実行する。
なお、ステップSc0703からステップSc0708の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図281:Sc0706)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図282は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップSc0801では、大当たりに基づく開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの大当たり開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSc0801において、大当たりに基づく開閉実行モード中であると判定した場合には(Sc0801:YES)、ステップSc0802以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、大当たりに基づく開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップSc0801において、大当たりに基づく開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sc0801:NO)、ステップSc0802に進む。
ステップSc0802では、小当たりに基づく開閉実行モード中であると判定した場合には(Sc0802:YES)、ステップSc0803以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、小当たりに基づく開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップSc0802において、小当たりに基づく開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sc0802:NO)、ステップSc0803に進む。
ステップSc0803では、特図ユニット37が遊技回の実行中であるか否かを判定する。具体的には、特図ユニット37に備えられる第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方が遊技回の実行中であるか否かを判定する。ここで、遊技回の実行中とは、変動中または確定中に該当することである。ステップSc0803の判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動中フラグ記憶エリアの特図変動中フラグ、および各種フラグ記憶エリア64gにおける特図確定中フラグ記憶エリアに記憶されている特図確定中フラグのいずれか一方がONであるか否かを判定することにより行われる。
ステップSc0803において、特図ユニット37が遊技回の実行中でないと判定した場合には(Sc0803:NO)、ステップSc0804に進む。
ステップSc0804では、特図ユニット37における変動及び図柄表示装置41における変動を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。ステップSc0804を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSc0803において、特図ユニット37が遊技回の実行中であると判定した場合には(Sc0803:YES)、ステップSc0805に進む。
ステップSc0805では、特図ユニット37における変動及び図柄表示装置41における変動を停止させるための変動停止処理を実行する。なお、変動停止処理の詳細は後述する。ステップSc0805を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図282:Sc0804)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図283は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSc0901では、合計保留個数CRNが「0」を上回るか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」以下である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップSc0901において、合計保留個数CRNが「0」以下であると判定した場合には(Sc0901:NO)、本変動開始処理を終了する。一方、ステップSc0901において、合計保留個数CRNが「0」を上回ると判定した場合には(Sc0901:YES)、ステップSc0902に進む。
ステップSc0902では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されている保留情報を変動開始後の状態に設定するための保留情報シフト処理を実行し、ステップSc0903に進む。保留情報シフト処理の詳細は後述する。
ステップSc0903では、当たり抽選において大当たり又は小当たりに当選したときの処理を含む当たり判定処理を行う。当たり判定処理の詳細については後述する。ステップSc0903を実行した後、ステップSc0904に進む。
ステップSc0904では、変動時間設定処理を実行する。変動時間設定処理とは、大当たりの有無や、小当たりの有無、リーチの発生の有無等に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間設定処理の詳細については後述する。ステップSc0904を実行した後、ステップSc0905に進む。
ステップSc0905では、変動用コマンドを設定する。変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであるか、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであるかを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSc0906で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップSc0905を実行した後、ステップSc0906に進む。
ステップSc0906では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、振分け判定の結果が8R大当たりAと8R大当たりBと15R大当たりAと1R小当たりとのいずれであるかを特定する情報とが含まれている。
ステップSc0905およびステップSc0906にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図281)におけるステップSc0703によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSc0906を実行した後、ステップSc0907に進む。
ステップSc0907では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して特定変動表示としての変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して特定変動表示としての変動表示を開始させる。ステップSc0907を実行した後、ステップSc0908に進む。
ステップSc0908では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動中フラグ記憶エリアに記憶されている特図変動中フラグをONする。ステップSc0908を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<保留情報シフト処理>
次に、保留情報シフト処理について説明する。保留情報シフト処理は、変動開始処理のサブルーチン(図283:Sc0902)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図284は、保留情報シフト処理を示すフローチャートである。ステップSc1001では、保留情報シフト処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図259)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図259)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRaに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRbに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップSc1001の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップSc1001において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(Sc1001:YES)、ステップSc1002~ステップSc1007の第1保留エリア用の保留情報シフト処理を実行する。一方、ステップSc1001において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(Sc1001:NO)、ステップSc1008~ステップSc1015の第2保留エリア用の保留情報シフト処理を実行する。
ステップSc1002では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップSc1003に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップSc1004に進む。ステップSc1004では、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSc1005に進む。
ステップSc1005では、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSc1005を実行した後、ステップSc1006に進む。
ステップSc1006では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップSc1007へ進む。
ステップSc1007では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本保留情報シフト処理を終了する。なお、ステップSc1007において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図281)におけるステップSc0703において、音声発光制御装置90に送信される。
ステップSc1001において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(Sc1001:NO)、ステップSc1008に進む。
ステップSc1008では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップSc1009に進む。ステップSc1009では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップSc1010に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSc1011に進む。
ステップSc1011では、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSc1011を実行した後、ステップSc1012に進む。
ステップSc1012では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップSc1013に進む。
ステップSc1013では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。
ステップSc1013において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図281)におけるステップSc0703において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。ステップSc1013を実行した後、ステップSc1014に進む。
ステップSc1014では、大当たり信号2延長フラグがONであるか否かを判定する。ステップSc1014において、大当たり信号2延長フラグがONであると判定した場合には(Sc1014:YES)、ステップSc1015に進み、特2残保留個数XRbNを1減算する。特2残保留個数XRbNは、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおける第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値(第2始動保留個数RbN)と一致する値であり、記憶部として機能する主側RAM64の特2残保留個数記憶エリア(図示せず)に格納される。
本実施形態において、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおける第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値(第2始動保留個数RbN)を特2残保留個数記憶エリアに特2残保留個数XRbNとして記憶しているのは、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値(第2始動保留個数RbN)を用いて大当たり信号2が継続して出力される期間(以下、継続出力期間と呼ぶ)を決定する構成では、次のような不具合が発生するためである。
高サポ状態から移行した低サポ状態でも、スルーゲート35に遊技球が入球し、スルーゲート35を通過したことを契機として実行される電動役物開放抽選の結果が電役開放当選し、普通電動役物34aが開放されることはあり得る。このときに、開放された普通電動役物34aに遊技球が拾われて第2始動口34に遊技球が入球した場合に、保留情報記憶エリア64b(図259)の第2保留エリアRbに第2の保留情報が記憶されてしまうことになる。このために、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値(第2始動保留個数RbN)を用いて大当たり信号2の継続出力期間を決定する構成では、上述したような、高サポ状態から低サポ状態へ移行した直後における電役開放当選に起因して第2始動口34に遊技球が入球して記憶された第2の保留情報を、高サポ状態終了時の特2残保留と誤判定してしまうことになり、この結果、正確な特2残保留の変動期間で、大当たり信号2を継続出力することができないという不具合が発生し得る。これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおける第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値(第2始動保留個数RbN)を特2残保留個数XRbNとして記憶していることから、高サポ状態終了時の特2残保留数を正確に把握することができ、特2残保留個数XRbNを用いて大当たり信号2の継続出力期間を正確に決定することができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、時短遊技に基づく特2変動による大当たり当選である場合に、データ表示器9等の表示装置において表示を適切に行なうことが可能となる。
本実施形態のパチンコ機10では、図263(a)に示すように、低頻度サポートモード時に用いられる普通電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)において、電役短開放に当選したこととなる電動役物開放カウンタC4の値と、外れとなる電動役物開放カウンタC4の値とが設定されていた。これに対して、変形例として、低頻度サポートモード時に用いられる普通電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)において、電役短開放に当選したこととなる電動役物開放カウンタC4の値と、電役長開放に当選したこととなる電動役物開放カウンタC4の値と、外れとなる電動役物開放カウンタC4の値とが設定される構成としてもよい。この構成を採用することで、通常状態において、特図2当たり抽選を行なうことが可能となる。本実施形態では、当たり抽選において小当たり当選する確率は、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選の方が、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選より高いことから、特図2当たり抽選の方が特図1当たり抽選よりも遊技者にとっての有利性が高い。このため、本変形例では、通常状態時に、普通電動役物開放抽選において長開放に当選した場合に、有利な状態となったことを遊技者に示唆するための特殊演出を行なう構成としてもよい。
ここで、上述した変形例の構成において、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値(第2始動保留個数RbN)を用いて大当たり信号2の継続出力期間を決定する構成を採用した場合を考えてみる。この構成では、先に説明したように、高サポ状態から低サポ状態へ移行した直後における電役開放当選に起因して第2始動口34に遊技球が入球して記憶された第2の保留情報を、高サポ状態終了時の特2残保留と誤判定してしまうことになる。この結果、先に説明したように、正確な特2残保留の変動期間で、大当たり信号2を継続出力することができないという不具合が発生し得たが、さらに、上記誤判定から、高サポ状態終了時の特2残保留に基づいて上記特殊演出を行ってしまう虞があることから、通常状態時に、普通電動役物開放抽選において長開放に当選した場合の上述した特殊演出を行なう構成を採用することができなくなってしまう。これに対して、本変形例でも、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおける第2始動保留個数RbNを特2残保留個数記憶エリアに特2残保留個数XRbNとして記憶し、特2残保留個数XRbNを用いて大当たり信号2の継続出力期間を決定する構成を採用することで、通常状態時に、普通電動役物開放抽選において長開放に当選した場合の上述した特殊演出を行なうことも可能となる。
さらに、本変形例における本発明に係る構成を、図柄揃いで大当たりが発生するいわゆる一種タイプのパチンコ機に採用することによって、確変状態や時短状態ではない通常状態において、電役開放当選に起因して第2始動口34に遊技球が入球した場合に、上記特殊演出を行なう構成とすることも可能となる。
ステップSc1015を実行した後、本保留情報シフト処理を終了する。
ステップSc1014において、大当たり信号2延長フラグがONでないと判定した場合には(Sc1014:NO)、ステップSc1015を実行することなく、本保留情報シフト処理を終了する。
<当たり判定処理>
次に、当たり判定処理について説明する。当たり判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図282:Sc0804)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図285は、当たり判定処理を示すフローチャートである。ステップSc1101では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSc1101において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sc1101:NO)、ステップSc1102に進み、特図1当たり抽選用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値が、図260(a)に示す特図1当たり抽選用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている数値範囲と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSc1104に進む。
一方、ステップSc1101において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sc1101:YES)、ステップSc1103に進み、特図2当たり抽選用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値が、図260(b)に示す特図2当たり抽選用の当否テーブルにおいて大当たり当選または小当たり当選として設定されている数値範囲と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSc1104に進む。
ステップSc1104では、ステップSc1102又はステップSc1103における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSc1104において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(Sc1104:YES)、ステップSc1105に進む。
ステップSc1105では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSc1105において、第2図柄表示部フラグがONでないと判定した場合には(Sc1105:NO)、ステップSc1106に進み、特図1小当たり用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり種別カウンタC2の値が、図261(a)に示す特図1小当たり用の振分テーブルに設定されている数値範囲のいずれに含まれているかによって振分判定の結果を特定する。ステップSc1106を実行した後、ステップSc1107に進む。
ステップSc1105では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSc1105において、第2図柄表示部フラグがONでないと判定した場合には(Sc1105:NO)、ステップSc1106に進み、特図1大当たり用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり種別カウンタC2の値が、図262(a)に示す特図1大当たり用の振分テーブルに設定されている数値範囲のいずれに含まれているかによって振分判定の結果を特定する。ステップSc1106を実行した後、ステップSc1110に進む。
一方、ステップSc1105において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sc1105:YES)、ステップSc1107に進み、特図2大当たり用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり種別カウンタC2の値が、図262(b)に示す特図2大当たり用の振分テーブルに設定されている数値範囲のいずれに含まれているかによって振分判定の結果を特定する。ステップSc1107を実行した後、ステップSc1110に進む。
一方、ステップSc1104において、当否判定の結果が大当たり当選でない場合には(Sc1104:NO)、ステップSc1108に進む。
ステップSc1108では、ステップSc1102又はステップSc1103における当否判定(当たり抽選)の結果が小当たり当選であるか否かを判定する。ステップSc1108において、当否判定の結果が小当たり当選である場合には(Sc1108:YES)、ステップSc1109に進み、特図2小当たり用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり種別カウンタC2の値が、図261に示す特図2小当たり用の振分テーブルに設定されている数値範囲のいずれに含まれているかによって振分判定の結果を特定する。ステップSc1109を実行した後、先に説明したステップSc1107に進む。
ステップSc1110では、ステップSc1106又はステップSc1107と、ステップSc1109とによって得られた振分判定の結果から当たりの種別に対応したフラグ(当たりフラグ)をONにする。本実施形態のパチンコ機10では、図261および図262から判るように、当たりの種別として、1R小当たり、8R大当たりA、8R大当たりB、15R大当たりAの4種類が用意されていることから、当たりフラグとしては、1R小当たりフラグ、8R大当たりAフラグ、8R大当たりBフラグ、15R大当たりAフラグの4種類のフラグが用意されている。ステップSc1106の振分判定の結果が8R大当たりAである場合には、8R大当たりAフラグをONにする。当たりフラグはRAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される。ステップSc1106の振分判定の結果が8R大当たりBである場合には、8R大当たりBフラグをONにする。ステップSc1107の振分判定の結果が15R大当たりAである場合には、15R大当たりAフラグをONにする。一方、ステップSc1109の振分判定の結果が1R小当たりであり、ステップSc1107の振分判定の結果が15R大当たりAである場合には、1R小当たりフラグをONにし、15R大当たりAフラグをONにする。
当たりフラグにおける1R小当たりフラグのON/OFFによって、当たり抽選における小当たり当選の有無を特定することができる。当たりフラグにおける8R大当たりAフラグのON/OFFと8R大当たりAフラグのON/OFFと15R大当たりAフラグのON/OFFとによって、当たり抽選における大当たり当選の有無と振分判定の結果とを特定することができる。ステップSc1110を実行した後、ステップSc1111に進む。
ステップSc1111では、当たり用の停止結果を設定する処理を実行する。具体的には、大当たり又は小当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63f(図258)に記憶されている当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップSc1106又はステップSc1107と、ステップSc1109とにおいて振り分けた当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSc1111を実行した後、当たり判定処理を終了する。
ステップSc1108において、ステップSc1102又はステップSc1103における当たり抽選の当否結果が小当たり当選でない場合には(Sc1108:NO)、ステップSc1112に進み、リーチ判定用テーブルを参照して、当該遊技回においてリーチが発生するか否かの判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ判定用テーブル記憶エリア63c(図258)に記憶されているリーチ判定用テーブルにおいて、リーチが発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSc1113に進む。
ステップSc1113において、ステップSc1110におけるリーチ判定の結果が当該遊技回においてリーチが発生するというものである場合には(Sc1113:YES)、ステップSc1114に進み、リーチ発生フラグをONする。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのリーチ発生フラグをONする。ステップSc1114を実行した後、ステップSc1115に進む。
一方、ステップSc1113において、ステップSc1112におけるリーチ判定の結果が当該遊技回においてリーチが発生しないというものである場合には(Sc1113:NO)、ステップSc1114を実行することなく、ステップSc1115に進む。
ステップSc1115では、外れ用の停止結果を設定する処理を実行する。具体的には、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63f(図258)における外れ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSc1115を実行した後、当たり判定処理を終了する。
<変動時間設定処理>
次に、変動時間設定処理について説明する。変動時間設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図283:Sc0904)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図286は、変動時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSc1201では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタバッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSc1202に進む。
ステップSc1202では、変動時間テーブルを特定する処理を実行する。変動時間テーブルは、図柄が変動を開始してから停止するまでの時間である変動時間の情報(変動時間情報)と変動種別カウンタCSの値とをデータ要素とする表形式のデータである。ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dには、遊技状態や、小当たりの有無、大当たりの有無、時短付与の有無、リーチ発生の有無等に応じた様々な種類の変動時間テーブルを記憶している。ステップSc1202では、これらの変動時間テーブルから一の変動時間テーブルを特定する。具体的には、当たりフラグから特定される今回の遊技回に係る当否判定の判定結果と振分判定の判定結果や、リーチ発生フラグから特定されるリーチ判定の判定結果等に基づいて、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dの中から一の変動時間テーブルの特定を行う。ステップSc1202を実行した後、ステップSc1203に進む。
ステップSc1203では、ステップSc1202で特定した変動時間テーブルを参照することによって、ステップSc1201で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSc1203を実行した後、ステップSc1204に進む。
ステップSc1204では、ステップSc1203で取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間設定処理を終了する。
<変動停止処理>
次に、変動停止処理について説明する。変動停止処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図282:Sc0804)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図287は、変動停止処理を示すフローチャートである。ステップSc1301では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動中フラグ記憶エリアの特図変動中フラグがONであるか否かを判定する。特図変動中フラグは、上述したように、第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。このため、ステップSc1301の処理によれば、特図ユニット37に備えられる第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かの判定が行なわれる。
ステップSc1301において、特図変動中フラグがONであると判定した場合には(Sc1301:YES)、ステップSc1302に進む。
ステップSc1302では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップSc1302では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64f)に格納されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、前述した変動時間設定処理(図286)において設定されたものである。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップSc1302において、変動時間が経過していると判定した場合には(Sc1302:YES)、ステップSc1303に進む。ステップSc1303~ステップSc1314は、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの停止表示が開始される場合に実行される。
ステップSc1302において、変動時間が経過していないと判定した場合には(Sc1302:NO)、ステップSc1303~ステップSc1314を実行することなく、ステップSc1315に進む。また、ステップSc1301において、特図変動中フラグがONでないと判定した場合には(Sc1301:NO)、ステップSc1302~ステップSc1314を実行することなく、ステップSc1315に進む。
ステップSc1303では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部における図柄の変動を終了させる処理を行う。ステップSc1303を実行した後、ステップSc1304に進む。
ステップSc1304では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動中フラグ記憶エリアに記憶されている特図変動中フラグをOFFする。ステップSc1304を実行した後、ステップSc1305に進む。
ステップSc1305では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図確定中フラグ記憶エリアに記憶されている特図確定中フラグをONする。特図確定中フラグは、第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方について停止表示を開始させる場合にONにされ、その停止表示が終了する場合にOFFにされる。ステップSc1305を実行した後、ステップSc1306に進む。
ステップSc1306では、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が外れであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の1R小当たりフラグ、8R大当たりAフラグ、8R大当たりBフラグ、および15R大当たりAフラグの全てがOFFであるか否かを判定する。ステップSc1306において、全てがOFFである、すなわち、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が外れであると判定した場合には(Sc1306:YES)、ステップSc1307に進む。
ステップSc1307では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSc1307において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sc1307:YES)、ステップSc1308に進み、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードが開始された場合に、遊技回数カウンタPNCに値が設定され、高頻度サポートモード時において遊技回が実行される毎にカウンタ値が1だけデクリメントされるカウンタである。遊技回数カウンタPNCは、RAM64の各種カウンタエリア64fに記憶される。
ステップSc1308において、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回ると判定した場合には(Sc1308:YES)、ステップSc1309に進み、遊技回数カウンタPNCの値を1だけデクリメントする。ステップSc1309を実行した後、ステップSc1310に進む。一方、ステップSc1308において、遊技回数カウンタPNCの値が0以下であると判定した場合には(Sc1308:NO)、ステップSc1309を実行することなく、ステップSc1310に進む。
ステップSc1310では、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。ステップSc1310において、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合には(Sc1310:NO)、ステップSc1311に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップSc1311を実行した後、ステップSc1312に進む。
ステップSc1312では、第2始動保留個数RbNの値が0を上回るか否かを判定する。具体的には、RAM64の保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶された第2始動保留個数RbNの値が0を上回るか否かを判定する。これによって、第2保留エリアRbに記憶されている第2の保留情報(特2残保留)が有るか否かを判定することができる。ステップSc1312において、第2始動保留個数RbNの値が0を上回っていると判定した場合には(Sc1312:YES)、ステップSc1313に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される大当たり信号2延長フラグをONする。ステップSc1313を実行した後、ステップSc1314に進む。
ステップSc1314では、主側RAM64の特2残保留個数記憶エリアに記憶された値である特2残保留個数XRbNに第2始動保留個数RbNの値をセットする。特2残保留個数記憶エリアは、記憶部として機能する。ステップSc1314を実行した後、ステップSc1315に進む。
ステップSc1312において、第2始動保留個数RbNの値が0であると判定した場合には(Sc1312:NO)、ステップSc1313およびステップSc1314を実行することなく、ステップSc1315に進む。ステップSc1310において、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていると判定した場合には(Sc1310:YES)、ステップSc1311~ステップSc1314を実行することなく、ステップSc1315に進む。ステップSc1307において、高頻度サポートモードフラグがONでないと判定した場合には(Sc1307:NO)、ステップSc1308~ステップSc1314を実行することなく、ステップSc1315に進む。また、ステップSc1306において、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が外れでないと判定した場合には(Sc1306:NO)、ステップSc1307~ステップSc1314を実行することなく、ステップSc1315に進む。
ステップSc1315では、確定時間経過時の処理である確定時間経過時処理を実行する。確定時間経過時処理の詳細については後述する。ステップSc1315を実行した後、本変動停止処理を終了する。
<確定時間経過時処理>
次に、確定時間経過時処理について説明する。確定時間経過時処理は、変動停止処理のサブルーチン(図287:Sc1315)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図288は、確定時間経過時処理を示すフローチャートである。ステップSc1401では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図確定中フラグ記憶エリアの特図確定中フラグがONであるか否かを判定する。特図確定中フラグは、上述したように、第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方について停止表示を開始させる場合にONにされ、その停止表示が終了する場合にOFFにされる。このため、ステップSc1401の処理によれば、特図ユニット37に備えられる第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方が確定中であるか否かの判定が行なわれる。
ステップSc1401において、特図確定中フラグがONであると判定した場合には(Sc1401:YES)、ステップSc1402に進む。
ステップSc1402では、今回の遊技回の確定時間が経過したか否かを判定する。具体的には、ステップSc1402では、予め定められた確定時間(例えば、1秒)が初期値として設定された確定時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該確定時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップSc1402において、確定時間が経過していると判定した場合には(Sc1402:YES)、ステップSc1403に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図確定中フラグ記憶エリアに記憶されている特図確定中フラグをOFFする。ステップSc1403を実行した後、ステップSc1404に進む。
ステップSc1404では、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の8R大当たりAフラグ、8R大当たりBフラグ、および15R大当たりAフラグのうちのいずれかがONであるか否かを判定する。ステップSc1404において、8R大当たりAフラグ、8R大当たりBフラグ、および15R大当たりAフラグのうちのいずれかがONである、すなわち、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選であると判定した場合には(Sc1404:YES)、ステップSc1405に進む。
ステップSc1405では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶された大当たり開閉実行モードフラグをONする。ステップSc1405の実行後、本確定時間経過時処理を終了する。
一方、ステップSc1404において、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選でないと判定した場合には(Sc1404:NO)、ステップSc1406に進み、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が小当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の1R小当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSc1406において、1R小当たりフラグがONである、すなわち、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が小当たり当選であると判定した場合には(Sc1406:YES)、ステップSc1407に進む。
ステップSc1407では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶された小当たり開閉実行モードフラグをONする。ステップSc1407の実行後、本確定時間経過時処理を終了する。
一方、ステップSc1406において、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が小当たり当選でないと判定した場合には(Sc1406:NO)、ステップSc1408に進む。
ステップSc1408では、特2残保留個数XRbNの値が0であるか否かを判定する。すなわち、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおいて第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値と一致する値である特2残保留個数XRbNの値が、その後、変動が実行される毎に減算されて0となったか否かを判定する。ステップSc1408において、特2残保留個数XRbNの値が0であると判定した場合には(Sc1408:YES)、ステップSc1409に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される大当たり信号2延長フラグがONであるか否かを判定する。ステップSc1409において、大当たり信号2延長フラグがONであると判定した場合には(Sc1409:YES)、ステップSc1410に進み、大当たり信号2延長フラグをOFFする。ステップSc1410を実行した後、本確定時間経過時処理を終了する。
ステップSc1409において、大当たり信号2延長フラグがONでない場合には(Sc1409:NO)、ステップSc1410を実行することなく、本確定時間経過時処理を終了する。ステップSc1408において、特2残保留個数XRbNの値が0ではないと判定した場合には(Sc1408:NO)、ステップSc1409およびステップSc1410を実行することなく、本確定時間経過時処理を終了する。
また、ステップSc1401において、特図確定中フラグがONでないと判定した場合には(Sc1401:NO)、ステップSc1402~ステップSc1410を実行することなく、本確定時間経過時処理を終了する。ステップSc1402において、確定時間が経過していないと判定した場合には(Sc1402:NO)、ステップSc1403~ステップSc1410を実行することなく、本確定時間経過時処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図281:Sc0707)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図289は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップSc1501では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、開閉実行モードにおける大入賞口開閉処理期間の終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされるフラグである。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。ここで、開閉実行モードとは、小当たりに基づく開閉実行モードおよび大当たり(小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む)に基づく開閉実行モードのいずれも該当する。
ステップSc1501において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sc1501:NO)、ステップSc1502に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。開閉処理期間フラグは、開閉実行モード中においてオープニング期間が終了し、小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bまたは可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉動作が実行される期間である大入賞口開閉処理期間が開始されるタイミングでONにされ、当該開閉動作が終了するタイミングでOFFにされるフラグである。
ステップSc1502において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(Sc1502:NO)、ステップSc1503に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされるフラグである。
ステップSc1503において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sc1503:NO)、ステップSc1504に進み、大当たり開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSc1504において、大当たり開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sc1504:YES)、ステップSc1505以降の大当たりに基づく開閉実行モードを開始させるための処理群に進む。
ステップSc1505では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される大当たり信号2延長フラグをOFFする。ステップSc1505を実行した後、ステップSc1506に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップSc1506を実行した後、ステップSc1507に進む。
ステップSc1507では、開閉シナリオを設定する開閉シナリオ設定処理を実行する。開閉シナリオは、ラウンド遊技における小当たり専用可変入賞装置57に備えられた開閉扉57bまたは可変入賞装置36に備えられた開閉扉36bの開閉動作のパターンを定めるもので、本実施形態では、開閉扉57b,36bを閉鎖状態から開放状態へ移行する条件(以下、「開放条件」とも呼ぶ)と、開閉扉57b,36bを開放状態から閉鎖状態へ移行する条件(以下、「閉鎖条件」とも呼ぶ)と、が記録されたプログラムである。
開放条件は、例えば下記の通りである。
・パチンコ機10の現在の状態が、開閉実行モードにおける各ラウンド遊技を開始するタイミングであること。
上記1つの項目が成立した場合に開閉扉57b,36bは閉鎖状態から開放状態に移行する。
閉鎖条件は、例えば下記の通りである。
・各ラウンド遊技を開始してからの経過時間が、予め定められた上限継続時間(例えば15秒)を超えること。
・各ラウンド遊技を開始してから大入賞口57a,36aへ入球した遊技球の個数が、予め定められた上限個数を超えること。
上記2つの項目のうちのいずれか一方が成立した場合に、開閉扉57b,36bは開放状態から閉鎖状態に移行する。
開閉シナリオは、ROM63の開閉シナリオ記憶エリア63hに予め記憶されている。ステップSc1508の開閉シナリオ設定処理は、当たりの種別に対応したフラグ(当たりフラグ)と、実行契機判定フラグと等に基づいて、開閉シナリオ記憶エリア63hの中から開閉シナリオを選択することによって設定する。ステップSc1507を実行した後、ステップSc1508に進む。
ステップSc1508では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のオープニング期間において同じ一定の長さのオープニング時間を設定する。具体的には、オープニング時間を決定するオープニング期間タイマカウンタエリアに「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、オープニング期間タイマカウンタエリアは、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップSc1508を実行した後、ステップSc1509に進む。
ステップSc1509では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図281)におけるステップSc0703にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間および今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および大入賞口開閉処理期間に対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSc1509を実行した後、ステップSc1510に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップSc1504において、大当たり開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(Sc1504:NO)、ステップSc1511に進み、小当たり開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSc1511において、小当たり開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sc1511:YES)、ステップSc1505を実行することなく、ステップSc1506に進み、ステップSc1506~ステップSc1510の処理を行なう。
ステップSc1511において、小当たり開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(Sc1511:NO)、ステップSc1512に進み、V入賞フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSc1512において、V入賞フラグがONであると判定した場合には(ステップSc1512:YES)、ステップSc1513に進み、大当たり開閉実行モードフラグをONにし、その後、ステップSc1514に進み、実行契機判定フラグをONする。実行契機判定フラグは、今回の大当たり開閉実行モードの実行の契機がV入賞大当たり当選によるものであるか否かを判別するためのフラグである。ステップSc1514を実行した後、ステップSc1505に進み、ステップSc1505~ステップSc1510の処理を行なう。
一方、ステップSc1512において、V入賞フラグがONではないと判定した場合には(ステップSc1512:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。すなわち、本実施形態では、当たり抽選において大当たりに当選した場合(大当たり開閉実行モードフラグがONになった場合)だけでなく、V入賞口59に遊技球が入球してV入賞大当たりに当選した場合(V入賞フラグがONになった場合)にも、大当たり開閉実行モードが開始されることになる。
ステップSc1503において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(Sc1503:YES)、ステップSc1515に進む。
ステップSc1515では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、オープニング期間タイマカウンタエリアの値が「0」であるか否かを判定する。ステップSc1515において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(Sc1515:YES)、ステップSc1516に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSc1517に進む。
ステップSc1517では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップSc1517を実行した後、ステップSc1518に進む。
ステップSc1518では、開閉処理期間フラグをONにする。続くステップSc1519では、開閉処理開始コマンドを設定する。開閉処理開始コマンドは、開閉処理期間が開始されたことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉処理開始コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図281:ステップSc0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSc1519を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSc1502において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(Sc1502:YES)、ステップSc1520に進み、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理については後述する。ステップSc1520を実行した後、ステップSc1521に進む。
ステップSc1521では、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定する。具体的には、開閉扉57b,36bが開放された回数をカウントするための第1ラウンドカウンタエリアの値が「0」であるか否かによって、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定する。ステップSc1521において、大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(Sc1521:YES)、ステップSc1522に進む。一方、ステップSc1521において、大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(Sc1521:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSc1522では、開閉処理期間フラグをOFFにし、その後、ステップSc1523に進む。
ステップSc1523では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップSc1523を実行した後、ステップSc1524に進む。
ステップSc1524では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のエンディング期間において同じ一定の長さのエンディング時間を設定する。具体的には、エンディング時間を決定するエンディング期間タイマカウンタエリアに「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、エンディング期間タイマカウンタエリアは、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップSc1524を実行した後、ステップSc1525に進む。
ステップSc1525では、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図281)におけるステップSc0703において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップSc1525を実行した後、ステップSc1526に進む。
ステップSc1526では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSc1501において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(Sc1501:YES)、ステップSc1527に進む。
ステップSc1527では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(Sc1524)において、エンディング時間として設定したエンディング期間タイマカウンタエリアの値が「0」であるか否かを判定する。ステップSc1524において、エンディング時間として設定したエンディング期間タイマカウンタエリアの値が「0」であると判定した場合には(Sc1527:YES)、ステップSc1528に進む。
ステップSc1528では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSc1529に進み、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の8R大当たりAフラグ、8R大当たりBフラグ、および15R大当たりAフラグのうちのいずれかがONであるか否かを判定する。ステップSc1529において、8R大当たりAフラグ、8R大当たりBフラグ、および15R大当たりAフラグのいずれもOFFである、すなわち、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選でないと判定した場合には(Sc1529:NO)、ステップSc1530に進み、実行契機判定フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSc1530において、実行契機判定フラグがONであると判定された場合には(Sc1530:YES)、今回の開閉実行モードの実行の契機がV入賞大当たり当選によるものであることから、ステップSc1531に進む。
ステップSc1531では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのV入賞フラグをOFFする。ステップSc1531を実行した後、ステップSc1532に進み、実行契機判定フラグをOFFにする。ステップSc1532を実行した後、ステップSc1533に進む。
一方、ステップSc1529において、8R大当たりAフラグ、8R大当たりBフラグ、および15R大当たりAフラグのうちのいずれかがONである、すなわち、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選であると判定した場合には(Sc1529:YES)、ステップSc1530~ステップSc1532を実行することなく、ステップSc1533に進む。
ステップSc1533では、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、大当たり又は小当たりに基づく開閉実行モードにおけるエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップSc1533を実行した後、ステップSc1534に進む。
一方、ステップSc1530において、実行契機判定フラグがONでないと判定された場合には(Sc1530:NO)、今回の開閉実行モードの実行の契機がV入賞大当たり当選によるものではないことから、ステップSc1537に進み、延長フラグOFF用処理を実行し、その後、ステップSc1534に進む。延長フラグOFF用処理の詳細については後述する。
ステップSc1534では、開閉実行モード終了コマンドを設定する。設定された開閉実行モード終了コマンドは、通常処理(図281)におけるコマンド出力処理(ステップSc0703)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、開閉実行モード終了コマンドを受信したことに基づいて、エンディング演出を終了するように設定する。ステップSc1534を実行した後、ステップSc1535に進む。
ステップSc1535では、小当たり開閉実行モード用終了処理を実行する。小当たり開閉実行モード用終了処理では、小当たり開閉実行モードフラグがONであった場合には当該フラグをOFFにし、小当たりに基づく開閉実行モードの開始時に高頻度サポートモードフラグがONであった場合には当該高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップSc1536に進み、大当たり開閉実行モードフラグをOFFする。ステップSc1536を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSc1527において、エンディング期間が終了していないと判定された場合には、ステップSc1528~ステップSc1536を実行することなく、本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図289:Sc1520)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図290は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップSc1601では、小当たり専用可変入賞装置57に備えられた開閉扉(以下、小当たり用の開閉扉とも呼ぶ)57bは開放中であるか否かを判定する。具体的には、第1特別電動役物駆動部57cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップSc1601において、開閉扉36bは開放中ではないと判定した場合には(Sc1601:NO)、ステップSc1602に進む。
ステップSc1602では、小当たり用の開閉扉57bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、小当たり用の開閉扉57bの開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSc1602において、小当たり用の開閉扉57bの開放条件が成立したと判定した場合には(Sc1602:YES)、ステップSc1603に進む。
ステップSc1603では、小当たり用の開閉扉57bを開放する。その後、ステップSc1604に進む。
ステップSc1604では、第1開閉扉開放コマンドを設定する。第1開閉扉開放コマンドは、小当たり用の開閉扉57bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図281:ステップSc0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSc1604を実行した後、ステップSc1608に進む。
ステップSc1602において、小当たり用の開閉扉57bの開放条件が成立していないと判定した場合には(Sc1602:NO)、ステップSc1603およびステップSc1604を実行することなく、ステップSc1608に進む。
ステップSc1601において、小当たり用の開閉扉57bは開放中であると判定した場合には(Sc1601:YES)、ステップSc1605に進む。
ステップSc1605では、小当たり用の開閉扉57bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、小当たり用の開閉扉57bの閉鎖のタイミングであるか否かを判定する。ステップSc1605において、小当たり用の開閉扉57bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sc1605:YES)、ステップSc1606に進む。
ステップSc1606では、小当たり用の開閉扉57bを閉鎖する。その後、ステップSc1607に進む。
ステップSc1607では、第1開閉扉閉鎖コマンドを設定する。第1開閉扉閉鎖コマンドは、小当たり用の開閉扉57bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図281:ステップSc0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSc1607を実行した後、ステップSc1608に進む。
ステップSc1605において、小当たり用の開閉扉57bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sc1605:NO)、ステップSc1606およびステップSc1607を実行することなく、ステップSc1608に進む。
ステップSc1608では、可変入賞装置36に備えられた開閉扉(以下、大当たり用の開閉扉とも呼ぶ)36bは開放中であるか否かを判定する。具体的には、第2特別電動役物駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップSc1608において、大当たり用の開閉扉36bは開放中ではないと判定した場合には(Sc1608:NO)、ステップSc1609に進む。
ステップSc1609では、大当たり用の開閉扉36bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、大当たり用の開閉扉36bの開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSc1602において、大当たり用の開閉扉36bの開放条件が成立したと判定した場合には(Sc1609:YES)、ステップSc1610に進む。
ステップSc1610では、大当たり用の開閉扉36bを開放する。その後、ステップSc1611に進む。
ステップSc1611では、第2開閉扉開放コマンドを設定する。第2開閉扉開放コマンドは、大当たり用の開閉扉36bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図281:ステップSc0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSc1611を実行した後、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSc1609において、大当たり用の開閉扉36bの開放条件が成立していないと判定した場合には(Sc1609:NO)、ステップSc1610およびステップSc1611を実行することなく、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSc1608において、大当たり用の開閉扉36bは開放中であると判定した場合には(Sc1608:YES)、ステップSc1612に進む。
ステップSc1612では、大当たり用の開閉扉36bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、大当たり用の開閉扉36bの閉鎖のタイミングであるか否かを判定する。ステップSc1612において、大当たり用の開閉扉36bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sc1612:YES)、ステップSc1613に進む。
ステップSc1613では、大当たり用の開閉扉36bを閉鎖する。その後、ステップSc1614に進む。
ステップSc1614では、第2開閉扉閉鎖コマンドを設定する。第2開閉扉閉鎖コマンドは、大当たり用の開閉扉36bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図281:ステップSc0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSc1614を実行した後、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSc1612において、大当たり用の開閉扉36bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sc1612:NO)、ステップSc1613およびステップSc1614を実行することなく、大入賞口開閉処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図289:Sc1533)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図291は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップSc1701では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている8R大当たりAフラグがONであるか否かを判定する。ステップSc1701において、8R大当たりAフラグがONでないと判定した場合には(Sc1701:NO)、ステップSc1702に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている15R大当たりAフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSc1701において8R大当たりAフラグがONであると判定した場合(Sc1701:YES)、またはステップSc1702において15R大当たりAフラグがONであると判定した場合(Sc1702:YES)には、ステップSc1703に進む。
ステップSc1703では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている当たりフラグ(1R小当たりフラグ、8R大当たりAフラグ、8R大当たりBフラグ、および15R大当たりAフラグ)をOFFする。その後、ステップSc1704に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これによって、遊技状態は高サポ状態に移行される。その後、ステップSc1705に進み、遊技回数カウンタPNCに20がセットされる。これによって、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数は20回に設定される。その後、ステップSc1706に進み、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。ステップSc1706を実行した後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。高頻度サポートモードコマンドの出力を継続して行なう処理は、特定情報出力処理として機能する。
一方、ステップSc1702において、15R大当たりAフラグがONでないと判定した場合には(Sc1702:NO)、ステップSc1707に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている当たりフラグ(1R小当たりフラグ、8R大当たりAフラグ、8R大当たりBフラグ、および15R大当たりAフラグ)をOFFする。その後、ステップSc1708に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。その後、ステップSc1709に進み、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。ステップSc1709を実行した後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<延長フラグOFF用処理>
次に、延長フラグOFF用処理について説明する。延長フラグOFF用処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図289:Sc1537)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図292は、延長フラグOFF用処理を示すフローチャートである。ステップSc1801では、特2残保留個数XRbNの値が0であるか否かを判定する。すなわち、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおいて第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値と一致する値である特2残保留個数XRbNの値が、その後、変動が実行される毎に減算されて0となったか否かを判定する。ステップSc1801において、特2残保留個数XRbNの値が0であると判定した場合には(Sc1801:YES)、ステップSc1802に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される大当たり信号2延長フラグがONであるか否かを判定する。ステップSc1802において、大当たり信号2延長フラグがONであると判定した場合には(Sc1802:YES)、ステップSc1803に進み、大当たり信号2延長フラグをOFFする。ステップSc1803を実行した後、本延長フラグOFF用処理を終了する。
一方、ステップSc1802において、大当たり信号2延長フラグがONでない場合には(Sc1802:NO)、ステップSc1803を実行することなく、本延長フラグOFF用処理を終了する。また、ステップSc1801において、特2残保留個数XRbNの値が0でないと判定した場合には(Sc1801:NO)、ステップSc1802およびステップSc1803を実行することなく、本延長フラグOFF用処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図281:Sc0708)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図293は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップSc1901では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の普通電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップSc1901において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(Sc1901:NO)、ステップSc1902に進む。
ステップSc1902では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、普通電動役物34aを開放状態とするか否かの普通電動役物開放抽選において開放当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップSc1902において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(Sc1902:NO)、ステップSc1903に進む。
ステップSc1903では、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップSc1903において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sc1903:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sc1903:YES)、ステップSc1904に進む。
ステップSc1904では、普図ユニット38における特定変動表示としての図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップSc1904において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(Sc1904:YES)、ステップSc1905に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップSc1904において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(Sc1904:NO)、ステップSc1906に進む。
ステップSc1906では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップSc1906において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(Sc1906:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSc1906において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(Sc1906:YES)、ステップSc1907に進む。
ステップSc1907では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップSc1908に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップSc1907において開閉実行モードではなく(Sc1907:NO)、且つ、ステップSc1908において高頻度サポートモードである場合には(Sc1908:YES)、ステップSc1909に進み、普通電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0~190であった場合に、普通電動役物開放抽選に当選となる。また、普通電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップSc1910に進む。
ステップSc1910では、ステップSc1909の普通電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSc1910において、普通電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(Sc1910:YES)、ステップSc1911に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、普通電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、電役サポート用処理を終了する。
一方、ステップSc1910において、普通電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(Sc1910:NO)、ステップSc1911の処理を実行することなく、電役サポート用処理を終了する。
ステップSc1907において開閉実行モードであると判定した場合(Sc1907:YES)、又は、ステップSc1908において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(Sc1908:NO)、ステップSc1912に進み、普通電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0~190であった場合に、普通電動役物開放抽選に当選となる。また、普通電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップSc1913に進む。
ステップSc1913では、ステップSc1912の普通電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSc1913において、サポート当選でないと判定した場合には(Sc1913:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSc1913において、サポート当選であると判定した場合には(Sc1913:YES)、ステップSc1914に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSc1902において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(Sc1902:YES)、ステップSc1915に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSc1915において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sc1915:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSc1915において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sc1915:YES)、ステップSc1916に進む。
ステップSc1916では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップSc1917に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSc1901において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(Sc1901:YES)、ステップSc1918に進み、普通電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図293:Sc1918)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図294は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップSc2001では、普通電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。普通電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。普通電動役物34aが開放されていると判定した場合には(Sc2001:YES)、ステップSc2002に進む。
ステップSc2002では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普通電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSc2002において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sc2002:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、普通電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSc2002において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sc2002:YES)、ステップSc2003に進み、普通電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、普通電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、普通電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を普通電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップSc2003を実行した後、ステップSc2004に進む。
ステップSc2004では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップSc2005に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSc2005において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(Sc2005:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSc2005において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(Sc2005:YES)、ステップSc2006に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSc2001において、普通電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(Sc2001:NO)、ステップSc2007に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普通電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSc2007において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(Sc2007:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSc2007において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(Sc2007:YES)、ステップSc2008に進み、普通電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップSc2009に進む。
ステップSc2009では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sc2009:NO)、ステップSc2010に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップSc2010において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(Sc2010:YES)、ステップSc2011に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップSc2009において開閉実行モードであると判定した場合(Sc2009:YES)、又は、ステップSc2010において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(Sc2010:NO)、ステップSc2012に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
《6-8》音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、予告演出や結果告知演出を実行するために、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図295は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSc2101では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップSc2101を実行した後、ステップSc2102に進む。
ステップSc2102では、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理では、ステップSc2101で記憶したコマンドのうちの第1保留コマンドに対応した処理を行う。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップSc2102を実行した後、ステップSc2103に進む。
ステップSc2103では、遊技回演出設定処理を実行する。遊技回演出設定処理では、図柄の変動が開始してから停止するまでの遊技回において実行する演出の設定を行う。遊技回演出設定処理の詳細については後述する。ステップSc2103を実行した後、ステップSc2104に進む。
ステップSc2104では、開閉実行モード演出用処理を実行する。開閉実行モード演出用処理では、オープニング期間における演出や、大入賞口開閉処理期間における演出、エンディング期間における演出に関する処理を行う。ステップSc2104を実行した後、ステップSc2105に進む。
ステップSc2105では、報知演出用処理を実行する。報知演出用処理は、様々な報知演出を実現するための処理である。報知演出としては、例えば、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることを遊技者に報知するための右打ち報知演出や、遊技球発射機構による発射態様を右打ちから左打ちに戻すことを遊技者に報知するための左打ち報知演出、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることによってV入賞口59に遊技球を入球させることを遊技者に報知するためのV狙い報知演出などを実現する。また、ステップSc2105を実行した後、ステップSc2106に進む。
ステップSc2106では、背景演出用処理を実行する。背景演出用処理では、主側MPU62から受信した遊技状態を示すコマンドに応じて定まる背景画像(背景動画)を図柄表示装置41に表示させる処理を行う。例えば、低サポ状態時の通常時演出モードに対応した背景画像や、高サポ状態時のラッシュ時演出モードに対応した背景画像等を表示させる処理を行う。さらに、高サポ状態から低サポ状態への移行時に特2残保留がある場合に、ラッシュ時演出モードに対応した背景画像や低サポ状態時の通常時演出モードに対応した背景画像とは相違する特有の背景画像を表示させる特定情報出力処理も行う。当該特有の背景画像が、特2残保留消化時演出モードに対応した特定情報としての背景画像となり得る。また、高サポ状態から低サポ状態への移行時に、特2残保留の有無にかかわらず、ラッシュ時演出モードに対応した背景画像や低サポ状態時の通常時演出モードに対応した背景画像とは相違する特定情報としての特有の背景画像を表示させる特定情報出力処理を行う構成としてもよい。この構成を採用する場合、当該特有の背景画像は、例えば、高サポ状態から低サポ状態へ移行後に10回の変動が実行されるまで継続する構成としてもよい。この場合において、高サポ状態から低サポ状態への移行時に特2残保留が存在する場合には、当該特2残保留に基づく特2変動は、当該特有の背景画像が表示されている期間において実行されることになる。ステップSc2106を実行した後、ステップSc2107に進む。
ステップSc2107では、その他の処理を実行する。その他の処理は、遊技者によって遊技が行われていない時にデモ画像(動画)を図柄表示装置41に表示させる処理等である。さらに、本実施形態では、特別遊技情報としての大当たり遊技状態中の大当たり遊技演出モードに対応した背景画像を表示させる特別遊技情報出力処理を行ったりもする。ステップSc2107を実行した後、ステップSc2108に進む。
ステップSc2108では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSc2108を実行した後、ステップSc2109に進む。
ステップSc2109では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記のBGM用処理及び各演出用処理において読み出された音声データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSc2109を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図295:Sc2102)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図296は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップSc2201では、主側MPU62から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSc2201において、主側MPU62から保留コマンドを受信していると判定した場合には(Sc2201:YES)、ステップSc2202に進む。
ステップSc2202では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップSc2202において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には(Sc2202:YES)、ステップSc2203に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSc2203を実行した後、ステップSc2205に進む。
ステップSc2202において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものでないと判定した場合(Sc2202:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップSc2204に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアであり、記憶部として機能する。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSc2204を実行した後、ステップSc2205に進む。
ステップSc2203及びステップSc2204の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入球に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップSc2205では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップSc2205を実行した後、ステップSc2206に進む。
ステップSc2201において、主側MPU62から保留コマンドを受信していないと判定した場合には(Sc2201:NO)、ステップSc2202~ステップSc2205を実行することなく、ステップSc2206に進む。
ステップSc2206では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップSc2203において特定された第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数に基づいて、第1保留表示部37cの表示態様(点灯させるLEDランプの色や組み合わせ)を制御するとともに、ステップSc2204において特定された第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数に基づいて、第2保留表示部37dの表示態様(点灯させるLEDランプの色や組み合わせ)を制御する。ステップSc2206を実行した後、本保留コマンド対応処理を終了する。
<遊技回演出設定処理>
次に、遊技回演出設定処理について説明する。遊技回演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図295:Sc2103)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図297は、遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSc2301では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSc2301において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(Sc2301:NO)、本遊技回演出設定処理を終了する。一方、ステップSc2301において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していると判定した場合には(Sc2301:YES)、ステップSc2302に進む。
ステップSc2302では、今回受信した変動用コマンドと種別コマンドとを読み出し、これらのコマンドから、大当たりの有無、小当たりの有無、大当たり当選する場合(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)の大当たりの種別、リーチ発生の有無、および変動時間の情報をそれぞれ把握する。そして、把握した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップSc2303に進む。
ステップSc2303では、演出パターン設定処理を実行する。演出パターン設定処理は、今回の遊技回において実行する演出のパターン(予告演出、リーチ演出の内容や実行のタイミング)を演出パターンテーブルに基づいて決定し、設定する処理である。演出パターン設定処理の詳細については後述する。ステップSc2303を実行した後、ステップSc2304に進む。
ステップSc2304では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選であった場合には、有効ラインL1(図257(b)参照)上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の当たり抽選で大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が8R大当たりAである場合には、7を除いた同一の奇数図柄の組合せ、すなわち、111、333、または555が選択され得る。今回の遊技回の当たり抽選で大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が8R大当たりBである場合には、8を除いた同一の偶数図柄の組合せ、すなわち、222、444、または666が選択され得る。今回の遊技回の当たり抽選で大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が15R大当たりAである場合には、「7」図柄の組合せ、すなわち、777が選択され得る。今回の遊技回の当たり抽選で小当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が15R大当たりAである場合には、「8」図柄の組合せ、すなわち、777が選択され得る。なお、これは一例であり、他の同一図柄の組合せとしてもよい。さらに、同一図柄の組み合わせに換えて、他の特定の規則(例えば、連番)に則った図柄の組み合わせとしてもよい。
ステップSc2304では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の振分判定の結果が、8R大当たりA、8R大当たりB、15R大当たりAである場合には、有効ラインL1(図257(b)参照)上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の当たり抽選の当否結果が8R大当たりAである場合には、7を除いた同一の奇数図柄の組合せ、すなわち、111、333、または555が選択され得る。今回の遊技回の当たり抽選の当否結果が8R大当たりBである場合には、8を除いた同一の偶数図柄の組合せ、すなわち、222、444、または666が選択され得る。今回の遊技回の当たり抽選の当否結果が15R大当たりAである場合には、「7」図柄の組合せ、すなわち、777が選択され得る。なお、これは一例であり、例えば、今回の遊技回の当たり抽選の当否結果が8R大当たりAである場合には同一の図柄の組合せとして666または888が選択され、今回の遊技回の当たり抽選の当否結果が8R大当たりBである場合には同一の図柄の組合せとして222または444が選択され、今回の遊技回の当たり抽選の当否結果が15R大当たりAである場合には同一の図柄の組合せとして同一の奇数図柄の組合せが選択され得る構成等、他の同一図柄の組合せとしてもよい。さらに、同一図柄の組み合わせに換えて、他の特定の規則(例えば、連番)に則った図柄の組み合わせとしてもよい。
今回の遊技回の大当たり抽選の当否結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL1上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL1上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。
ステップSc2305では、今回の遊技回の変動パターンを設定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップSc2304において設定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動パターンを選択する。なお、変動パターンを選択する際には、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動パターンテーブルが参照される。その後、ステップSc2306に進む。
ステップSc2306では、今回の遊技回においてステップSc2303で設定された演出パターン、ステップSc2304で設定された停止図柄、ステップSc2305で設定された変動パターンの情報、保留表示の情報等を演出コマンドに設定する。その後、ステップSc2307に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップSc2307を実行した後、ステップSc2308に進む。
ステップSc2308では、変動開始時の更新処理を実行する。変動開始時の更新処理は、図柄表示装置41の第1始動口保留用領域Ds1または第2始動口保留用領域Ds2における保留表示を更新するための処理である。変動開始時の更新処理の詳細については後述する。ステップSc2308を実行した後、本遊技回演出設定処理を終了する。
<演出パターン設定処理>
次に、演出パターン設定処理について説明する。演出パターン設定処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図297:Sc2303)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図298は、演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSc2401では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数RNを取得する。その後、ステップSc2402に進む。
ステップSc2402では、演出パターンテーブルを特定する処理を実行する。演出パターンテーブルは、遊技回において実行する演出のパターンと、変動時間と、演出パターン用乱数RNとをデータ要素とする3次元の表形式のデータである。ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93aには、小当たりの有無、時短付与の有無、当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合の大当たりの種別、リーチ発生の有無に応じた様々な種類の演出パターンテーブルを記憶している。ステップSc2402では、これらの演出パターンテーブルから一の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、遊技回演出設定処理(図297)のステップSc2302で把握した、小当たりの有無、時短付与の有無、当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合の大当たりの種別、リーチ発生の有無に基づいて、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93aの中から一の演出パターンテーブルの特定を行う。ステップSc2402を実行した後、ステップSc2403に進む。
ステップSc2403では、Sc2402で特定した演出パターンテーブルを参照して、遊技回演出設定処理(図297)のステップSc2302で把握した変動時間と、ステップSc2401によって得られた今回の演出パターン用乱数RNの値とに対応した演出パターンを取得する。ステップSc2403を実行した後、ステップSc2404に進む。
ステップSc2404では、ステップSc2403によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSc2404を実行した後、本演出パターン設定処理を終了する。
<変動開始時の更新処理>
次に、変動開始時の更新処理について説明する。変動開始時の更新処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図297:Sc2308)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図299は、変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。ステップSc2501では、今回受信した変動用コマンドが第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであるか否かを判定する。ステップSc2501において、今回受信した変動用コマンドが第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであると判定した場合には(Sc2501:YES)、ステップSc2502に進み、音光側RAM94の第1保留個数カウンタエリアに記憶されている個数が1減算されるように、当該第1保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、ステップSc2504に進む。
一方、ステップSc2501において、今回受信した変動用コマンドが第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものではないと判定した場合には(Sc2501:NO)、ステップSc2503に進み、音光側RAM94の第2保留個数カウンタエリアに記憶されている個数が1減算されるように、当該第2保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、ステップSc2504に進む。
ステップSc2504では、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図300は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSc2601では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ107a,107bに、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSc2602に進む。
ステップSc2602では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図301は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSc2701では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド格納エリアに、その抽出したコマンドデータを格納する。コマンド格納処理によってコマンド格納エリアに格納された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図302は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド格納領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。V割り込み処理が実行される毎に、ワークRAM104内の表示データテーブルバッファに記憶されている表示データテーブルの実行位置を示すポインタを1加算して更新することによって、図柄表示装置41に表示させる画像の特定を行なう。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファ107a,107bに、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSc2801では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図301)によってコマンド格納エリアに格納されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。例えば、演出コマンドが格納されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。具体的には、例えば、低サポ状態時の通常時演出モードに対応した背景画像を示す演出コマンドがコマンド格納エリアに格納されていた場合に、その演出コマンドによって指定された背景画像が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。高サポ状態時のラッシュ時演出モードに対応した背景画像を示す演出コマンドがコマンド格納エリアに格納されていた場合に、その演出コマンドによって指定された背景画像が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。また、高サポ状態から低サポ状態に移行した後の背景画像を示す演出コマンドがコマンド格納エリアに格納されていた場合に、その演出コマンドによって指定された背景画像が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。さらに、大当たり遊技状態中に大当たり遊技演出モードに対応した背景画像を示す演出コマンドがコマンド格納エリアに格納されていた場合に、その演出コマンドによって指定された背景画像が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが格納されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(Sc2801)では、その時点でコマンド格納エリアに格納されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド格納エリアに格納されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド格納エリアに格納されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や、停止図柄、変動表示パターン、演出モードに対応した背景画像等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。このように、本実施形態では、高サポ状態中にラッシュ時演出モードに対応した背景画像を表示する識別情報出力処理を実行し、高サポ状態の終了時にラッシュ時演出モードに対応した背景画像の表示を停止する出力停止処理を実行する。
ステップSc2802では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(Sc2801)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。例えば、演出モードに対応した背景画像を例に挙げると、高サポ状態中にラッシュ時演出モードに対応した背景画像を継続して表示し、高サポ状態の終了時に特2残保留がある場合に第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値(第2始動保留個数RbN)をセットした特2残保留個数XRbNが1以上である場合には、特2残保留消化時演出モードに対応し得る背景画像を表示する。なお、当該背景画像は、特2残保留による変動表示が全て終了した後に通常時演出モードにモードチェンジされるまで表示され得る。この結果、高サポ状態の終了時に特2残保留がある場合に、図柄表示装置41における演出モードに対応した背景画像の表示を適切に行なうことができ、遊技の興趣向上を図ることができる。特に、各演出モードに対応した背景画像は特有のものであることから、図柄表示装置41に多様な背景画像の表示を実行させることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。その後、ステップSc2803に進む。
ステップSc2803では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(Sc2802)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターは描画リストの形でワークRAM104に格納される。その後、ステップSc2804に進む。
ステップSc2804では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(Sc2803)によって生成された描画リストを、VDP105に対して送信する。VDP105は、描画リストに基づいて1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した1フレーム分の画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップSc2805に進み、その他の処理を実行した後、本V割込み処理を終了する。上記特2残保留消化時演出モードに対応した背景画像は、特2残保留による変動表示が全て終了した後に通常時演出モードにモードチェンジされるまで表示される構成に換えて、最後の変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまで継続して表示する継続出力処理を実行する構成としてもよい。また、最後の変動表示の停止表示が終了して次の変動が開始するまで継続して表示する構成としてもよい。例えば、上述した特2残保留消化時演出モードに対応した背景画像の表示中においては、特2残保留に基づいて大当たり当選した遊技回を例に挙げると、女性キャラクターが「まだまだ特2残保留によるチャンスが有るよ!」と叫ぶ動画像や、女性キャラクターが「ぎりぎり連荘だよ、良かったね!」と叫ぶ動画像を図柄表示装置41に表示させることができる。さらに、当該動画像に伴った音声をデータ表示器9が備えるスピーカー46に出力させるように構成してもよい。例えば、大当たり当選に係る遊技回を例に挙げると、当該遊技回では、初期状態から更新終了状態となるまで、すなわち、同一図柄の組み合わせとなる停止図柄用の表示データテーブルにおいてポインタが初期位置に設定されてから最後まで到達するまで、本V割込み処理が実行されることになる。この結果、大当たり当選に係る変動表示が開始されてから停止表示の確定時間が終了するまでの描画が完了する。この描画完了後の予め定められたタイミングで開閉実行モードが実行され、賞球が遊技者に付与される。
以上、パチンコ機10において大当たり演出を含めた様々な処理を実行するための具体的な制御の一例を説明した。
《6-9》作用・効果:
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10では、制御モード切替処理によって、特別遊技状態の終了後に制御モードを特定期間、第2制御モードに維持し、特定期間の終了時に制御モードを第2制御モードから第1制御モードに切り替える。また、識別情報出力処理によって、特別遊技状態である期間、または特定期間において、識別情報を継続して出力し、出力停止処理によって、特定期間の終了時に識別情報の出力を停止する。さらに、記憶部によって、特定期間の終了時に取得情報記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数を記憶する。特定情報出力処理によって、特定期間の終了後に、少なくとも記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数が1以上である場合に、当該第2の特別乱数情報の数に対応する所定数の変動表示が終了するまで、特定変動表示が実行され得る状態を識別可能な特定情報を継続して出力することが可能となっている。さらに、特定情報出力処理は、所定数の変動表示のうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に所定期間が経過するまで、特定情報を継続して出力するが、当該特定情報を識別情報とは異なる態様で出力する。具体的には、例えば、遊技回における当たり抽選において大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が8R大当たりAである場合に、大当たりに基づく開閉実行モードの終了後にサポートモードを規定回数、高頻度サポートモードに維持し、規定回数の終了時にサポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える。このサポートモードが高頻度サポートモードに維持される高サポ状態中に、大当たり信号2を継続して出力し、高サポ状態の終了時に大当たり信号2の出力を停止する。さらに、高サポ状態の終了時に第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値(第2始動保留個数RbN)を特2残保留個数記憶エリアに特2残保留個数XRbNとしてセットする。高サポ状態の終了後に、少なくとも当該特2残保留個数XRbNの値が1以上である場合に、当該特2残保留個数XRbNの値と一致する所定数の変動表示が終了するまで、大当たり信号2を継続して出力することが可能となる。さらに、特2残保留個数XRbNのうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に所定期間が経過するまで、大当たり信号2を継続して出力する。
したがって、本実施形態のパチンコ機10では、特定期間の終了時に識別情報の出力が一旦停止されても、特定期間の終了後に、記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数に対応する所定数の変動表示が終了するまで、特定変動表示が実行され得る状態を識別可能な特定情報が継続して出力されることから、特定期間の終了後において、取得情報記憶部に第2の特別乱数情報が残り、当該第2の特別乱数情報が特定条件を満たした場合、具体的には、例えば、第2の特別乱数情報が予め定めた値と一致する場合、例えば大当たり当選した場合に、識別情報および特定情報を受け取る表示装置において、直前の特定期間に関係して取得された第2の特別乱数情報が特定条件を満たしたものであるとして適切な表示を行なうことが可能となる。具体的には、例えば、高サポ状態の終了時に大当たり信号2の出力が一旦停止されても、高サポ状態の終了後に、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおいて保留個数記憶エリアに記憶された値(第2始動保留個数RbN)をセットした特2残保留個数XRbNの値と一致する所定数の変動表示が終了するまで、大当たり信号2が継続して出力されることから、高サポ状態の終了後において、第2始動保留個数RbNの特2残保留があり、当該特2残保留の内の一つに基づいて大当たり当選した場合に、データ表示器9において、直前の高サポ状態に関係して取得された特2残保留に基ついて大当たり当選したものであるとして連荘数をカウントすることが可能となる。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、データ表示器9において例えば連荘数の表示を適切に行なうことができずに遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、特定情報を識別情報とは異なる態様で出力する。具体的には、例えば、特2残保留に基づく変動中において継続して出力する大当たり信号2を、高サポ状態中に出力する通常出力態様の大当たり信号2とは異なる態様(特別出力態様)で出力する。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、特定情報を受け取る表示装置において、特定情報を受け取った場合に特有の表示を行なうことが可能となる。このために、表示装置において、例えば、特定期間の終了後に残った第2の特別乱数情報についての変動表示中である旨の表示を行なうことができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、特定情報や識別情報を受け取る表示装置に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。具体的には、例えば、特2残保留に基づく変動中において、大当たり信号2を高サポ状態中に出力される通常出力態様とは異なる特別出力態様で出力することから、データ表示器9において、特別出力態様の大当たり信号2を受け取った場合に、特有の演出、例えば、女性キャラクターが「まだまだ特2残保留によるチャンスが有るよ!」と叫ぶ動画像をデータ表示装置98に表示させることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、データ表示器9に多様な表示を実行させることができ、この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、特定期間の終了時に記憶されている第2の特別乱数情報の数に対応する所定数の変動表示のうちの最後の変動表示の停止表示が終了した後まで継続して特定情報を出力する。具体的には、例えば、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおける第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値(第2始動保留個数RbN)をセットした特2残保留個数XRbNの値と一致する所定数の変動表示のうちの最後の変動表示の停止表示が終了した後まで継続して大当たり信号2を出力する。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、最後の変動表示が終了して停止表示となった後から当該停止表示が終了するまでの期間においても、特定情報の出力が継続する。このために、特定情報を継続して出力する期間を、特定期間の終了後に取得情報記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報に基づく遊技回の実行中の期間に、高い精度で一致させることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、特定情報や識別情報を受け取る表示装置において、例えば特2残保留消化中である旨を表示する場合に、当該表示の精度を向上することができる。具体的には、例えば、最後の変動表示が終了して停止表示となった後から当該停止表示が終了するまでの期間においても、大当たり信号2の出力が継続する。このために、大当たり信号2を継続して出力する期間を、特定期間の終了後に取得情報記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報に基づく遊技回の実行中の期間に、高い精度で一致させることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり信号2を受け取るデータ表示器9において、例えば特2残保留消化中である旨を表示する場合に、当該表示の精度を向上することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、識別情報と特定情報とは、同一の出力用端子から出力される同一種類の情報である。具体的には、例えば、高サポ状態中に出力される識別情報と特2残保留消化中に出力される特定情報とは、同一の出力用端子から出力される同一種類の情報としての大当たり信号2である。なお、別態様として、識別情報と特定情報とは、異なる出力用端子から出力される異なる種類の情報としてもよいし、同一の出力用端子から出力される異なる種類の情報としてもよい。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、特別遊技状態である期間または特定期間に該当する状態を識別するための識別情報を、特定期間の終了後に、少なくとも記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数が1以上である場合に、当該第2の特別乱数情報の数に対応する所定数の変動表示のうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に所定期間が経過するまで継続して、同一の出力用端子から出力される同一種類の情報として出力することができる。この結果、簡単な構造によって、当該識別情報を適切な期間、表示装置に出力することができる。具体的には、例えば、大当たり遊技である期間または高サポ状態である期間に該当する状態を識別するための大当たり信号2を、高サポ状態の終了後に、高サポ状態の終了時に第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値(第2始動保留個数RbN)をセットした特2残保留個数XRbNの値が1以上である場合に、当該特2残保留個数XRbNの値と一致する所定数の変動表示のうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に所定期間が経過するまで継続して、同一の出力用端子から出力される同一種類の情報として出力することができる。この結果、簡単な構造によって、大当たり信号2を適切な期間、データ表示器等の表示装置に出力することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、特定期間の終了後に、記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数に対応する所定数の変動表示が終了するまで実行される特定変動表示は、第2入球部への遊技球の入球を契機として取得された第2の特別乱数情報についての判定に対応した変動表示である。具体的には、例えば、高サポ状態の終了時に特2残保留個数XRbNの値と一致する所定数の変動表示が終了するまで実行される特定変動表示は、第2始動口34への遊技球の入球を契機として取得された特2保留情報についての判定に対応した変動表示である。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、特定期間の終了時に取得情報記憶部に記憶されていた第2の特別乱数情報についての変動表示であることを、特別乱数情報から識別することができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、特定情報を受け取る表示装置に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、例えば、高サポ状態の終了時に第2保留エリアRbに格納されていた特2残保留についての変動表示であることを、大当たり信号2から識別することができる。この結果、データ表示器9に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、特定情報は、データの出力を所定周期で繰り返し行なう態様である。具体的には、例えば、特別出力態様の大当たり信号2は、データの出力を所定周期で繰り返し行なう態様である。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、簡単な構成によって、特定情報を識別情報出力処理によって出力される識別情報と異なった態様とすることができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10によれば、構造の簡素化を図ることができる。具体的には、例えば、簡単な構成によって、特別出力態様の大当たり信号2を通常出力態様の大当たり信号2と異なった態様とすることができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10によれば、構造の簡素化を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、特定情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特定条件を満たすと判定された場合に、特別遊技状態が発生するまで、特定情報を所定の継続態様で出力する。具体的には、例えば、特別出力態様の大当たり信号2の出力中に実行されている遊技回に係る特2残保留で大当たり当選となると判定された場合に、大当たり遊技状態が発生するまで、特別出力態様の大当たり信号2を所定の継続態様で出力する。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、特定情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特別条件を満たすと判定された場合に、特定情報を所定の継続態様で出力する期間を、第2の特別乱数情報が特定条件を満たすと判定された遊技回の実行を終えた後まで確実に確保することができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、特定情報を受け取る表示装置において、例えば特2残保留消化中である旨を表示する場合に、特2残保留消化が終了する前に当該表示が終わってしまうことを抑制することができる。具体的には、例えば、特別出力態様の大当たり信号2の出力中に実行されている遊技回に係る特2残保留が大当たり当選となる条件を満たすと判定された場合に、特別出力態様の大当たり信号2を所定の継続態様で出力する期間を、特2残保留が大当たり当選となる条件を満たすと判定された遊技回の実行を終えた後まで確実に確保することができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり信号2を受け取るデータ表示器9において、例えば特2残保留消化中である旨を表示する場合に、特2残保留消化が終了する前に当該表示が終わってしまうことを抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、特別乱数情報が特定条件とは相違する特定他条件を満たし、当該満たした後に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に、特別遊技状態発生条件が成立したと判定し、特定情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された場合に、特別遊技状態が発生するまで、特定情報を所定の継続態様で出力する。具体的には、例えば、保留情報に基づく当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となる値と一致することを満たし、当該満たした後に、V入賞口に遊技球が入球することが成立した場合に、大当たり遊技状態発生条件が成立したと判定し、特別出力態様の大当たり信号2の出力中に実行されている遊技回に係る特2残保留に基づく当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となる値と一致すると判定された場合に、大当たり遊技状態が発生するまで、特別出力態様の大当たり信号2を所定の継続態様で出力する。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、特定情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された場合に、特定情報を所定の継続態様で出力する期間を、第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された遊技回の実行を終えた後まで確実に確保することができる。このために、本実施形態のパチンコ機10では、特定情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された場合にも、特定情報や識別情報を受け取る表示装置において、直前の特定期間に関係して取得された第2の特別乱数情報が特定他条件を満たしたものであるとして適切な表示を行なうことが可能となる。具体的には、例えば、特別出力態様の大当たり信号2の出力中に実行されている遊技回に係る特2残保留が小当たり当選する値と一致すると判定された場合に、特別出力態様の大当たり信号2を所定の継続態様で出力する期間を、特2残保留が小当たり当選する値と一致すると判定された遊技回の実行を終えた後まで確実に確保することができる。このために、本実施形態のパチンコ機10では、特別出力態様の大当たり信号2の出力中に実行されている遊技回に係る特2残保留が小当たり当選する値と一致すると判定された場合にも、データ表示器9において、直前の高サポ状態に関係して取得された特2残保留が小当たり当選したものであるとして連荘数をカウントすることが可能となる。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、特2残保留が小当たり当選した場合に、表示装置において連荘数の表示を適切に行なうことができずに遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、特別乱数情報が特定条件とは相違する特定他条件を満たし、当該満たした後に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に、特別遊技状態発生条件が成立したと判定し、識別情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された場合に、特別遊技状態が発生するまで、識別情報を継続して出力する。具体的には、例えば、保留情報に基づく当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となる値と一致することを満たし、当該満たした後に、V入賞口に遊技球が入球することが成立した場合に、大当たり遊技状態発生条件が成立したと判定し、通常出力態様の大当たり信号2の出力中に実行されている遊技回に係る特2保留情報に基づく当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となる値と一致すると判定された場合に、大当たり遊技状態が発生するまで、通常出力態様の大当たり信号2を継続して出力する。
ここで、「識別情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された場合に、特別遊技状態が発生するまで、識別情報を継続して出力する」構成を備えない比較例を考えてみる。比較例によれば、識別情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された場合に、当該遊技回の変動表示が終了してから、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立するまでの間、識別情報の出力が停止されてしまう。このために、制御モードが第2制御モードに維持された特定期間において、第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定され、その後に遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合であっても、識別情報の出力が途切れることとなり、データ表示器等の表示装置において、直前の特定期間に関係して取得された第2の特別乱数情報が特定他条件を満たしたものであるとして連荘数をカウントすることができなかった。この結果、比較例によれば、遊技者に不快感を与えてしまい、遊技者の遊技に対する興趣を低下させてしまう虞があった。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10によれば、識別情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された場合に、特別遊技状態が発生するまで、識別情報を継続して出力することから、第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定された遊技回の変動表示が終了してから、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立するまでの間に、識別情報の出力が途切れることがない。このために、制御モードが第2制御モードである特定期間の終了後において、第2の特別乱数情報が特定他条件を満たすと判定され、その後に遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に、特定情報や識別情報を受け取る表示装置において、直前の特定期間に関係して取得された第2の特別乱数情報が特定他条件を満たしたものであり、当該満たした後に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立したことによって特別遊技状態発生条件が成立したものとして適切な表示を行なうことが可能となる。具体的には、例えば、通常出力態様の大当たり信号2の出力中に実行されている遊技回に係る特2残保留が小当たり当選する値と一致すると判定された場合に、大当たり遊技状態が発生するまで通常出力態様の大当たり信号2を継続して出力することから、特2保留情報が小当たり当選する値と一致すると判定された遊技回の変動表示が終了してから、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立するまでの間に、通常出力態様の大当たり信号2の出力が途切れることがない。このために、制御モードが第2制御モードである特定期間の終了後において、特2保留情報が小当たり当選する値と一致すると判定され、その後に遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に、連荘が途切れることなく大当たり当選が続くとデータ表示器9に認識させ表示させることができる。この結果、連荘が途切れることなく大当たり当選が続き連荘数が大きくなることは遊技者にとって大きな喜びであり、遊技者の遊技に対する興趣をいっそう向上させることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、特別遊技状態である期間に該当する状態を識別するための特別遊技情報を出力する特別遊技情報出力処理を備え、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および特別遊技情報出力処理の各出力先は、同一の表示装置である。具体的には、例えば、大当たり遊技状態である期間に該当する状態を識別するための大当たり信号1を出力する特別遊技情報出力処理を備え、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および特別遊技情報出力処理の各出力先は、同一のデータ表示器9である。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、識別情報および特定情報によって、特別遊技状態である期間または特定期間に該当する状態であることを識別でき、特別遊技情報によって、特別遊技状態である期間に該当する状態であることを識別できることから、両方の識別を重ね合わせることによって、特定期間が連続する場合に、その連続する特定期間の間で何回特別遊技状態が発生したかを出力先の表示装置が把握することが可能となる。このために、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および特別遊技情報出力処理の各出力先に該当する表示装置において、遊技の状況を適切に表示することができる。具体的には、例えば、大当たり信号2によって、大当たり遊技状態である期間または高サポ状態である期間に該当する状態であることを識別でき、大当たり信号1によって、大当たり遊技状態である期間に該当する状態であることを識別できることから、両方の識別を重ね合わせることによって、高サポ状態である期間が連続する場合に、その連続する高サポ状態である期間の間で何回大当たり遊技状態が発生したかをデータ表示器9が把握することが可能となる。このために、データ表示器9において、いわゆる連荘数を表示することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、特別遊技状態である期間に該当する状態を識別するための特別遊技情報を出力する特別遊技情報出力処理を備え、特別遊技情報は、特定情報とは異なる態様である。具体的には、例えば、大当たり遊技状態である期間に該当する状態を識別するための大当たり信号1を出力する特別遊技情報出力処理を備え、大当たり信号1は、特別出力態様の大当たり信号2とは異なる態様である。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、識別情報および特定情報によって、特別遊技状態である期間または特定期間に該当する状態であることを識別でき、特別遊技情報によって、特別遊技状態である期間に該当する状態であることを識別できることから、両方の識別を重ね合わせることによって、特定期間が連続する場合に、その連続する特定期間の間で何回特別遊技状態が発生したかを出力先の表示装置が把握することが可能となる。このために、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および特別遊技情報出力処理から情報を受け取る表示装置において、遊技の状況を適切に表示することが可能となる。さらに、特別遊技情報は特定情報とは異なる態様であることから、特定情報を受け取る表示装置において、特定情報を受け取った場合に特有の表示を行なうことが可能となる。このために、表示装置において、例えば、特定期間の終了後に第2の特別乱数情報についての変動表示中である旨の表示を行なうことができる。したがって、本実施形態では、特定情報や識別報報を受け取る表示装置に多様な表示を実行させることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、例えば、大当たり信号2によって、大当たり遊技状態である期間または高サポ状態である期間に該当する状態であることを識別でき、大当たり信号1によって、大当たり遊技状態である期間に該当する状態であることを識別できることから、両方の識別を重ね合わせることによって、高サポ状態である期間が連続する場合に、その連続する高サポ状態である期間の間で何回大当たり遊技状態が発生したかをデータ表示器9が把握することが可能となる。このために、データ表示器9において、いわゆる連荘数を表示することができる。さらに、大当たり信号1は特別出力態様の大当たり信号2とは異なる態様であることから、データ表示器9において、特別出力態様の大当たり信号2を受け取った場合に特有の表示を行なうことが可能となる。このために、表示装置において、例えば、高サポ状態の終了後に特2残保留に基づく変動表示中である旨の表示を行なうことができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、データ表示器9に多様な表示を実行させることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、特別遊技状態である期間に該当する状態を識別するための特別遊技情報を出力する特別遊技情報出力処理を備え、特別遊技情報は、識別情報とは異なる態様である。具体的には、例えば、大当たり遊技状態である期間に該当する状態を識別するための大当たり信号1を出力する特別遊技情報出力処理を備え、大当たり信号1は、特別出力態様の大当たり信号2とは異なる態様である。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、識別情報および特定情報によって、特別遊技状態である期間または特定期間に該当する状態であることを識別でき、特別遊技情報によって、特別遊技状態である期間に該当する状態であることを識別できることから、両方の識別を重ね合わせることによって、特定期間が連続する場合に、その連続する特定期間の間で何回特別遊技状態が発生したかを出力先の表示装置が把握することが可能となる。このために、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および特別遊技情報出力処理から情報を受け取る表示装置において、遊技の状況を適切に表示することが可能となる。さらに、特別遊技情報は識別情報出力処理によって出力される識別情報とは異なる態様であることから、表示装置における情報の把握が容易となる。このために、表示装置において、遊技の状況の表示を確実に行なうことが可能となる。具体的には、例えば、大当たり信号2によって、大当たり遊技状態である期間または高サポ状態である期間に該当する状態であることを識別でき、大当たり信号1によって、大当たり遊技状態である期間に該当する状態であることを識別できることから、両方の識別を重ね合わせることによって、高サポ状態である期間が連続する場合に、その連続する高サポ状態である期間の間で何回大当たり遊技状態が発生したかをデータ表示器9が把握することが可能となる。このために、データ表示器9において、いわゆる連荘数を表示することができる。さらに大当たり信号1は通常出力態様の大当たり信号2とは異なる態様であることから、データ表示器9における情報の把握が容易となる。このために、データ表示器9において、例えば連荘数の表示を確実に行なうことが可能となる。
本実施形態のパチンコ機10では、第1入球部への遊技球の入球を契機として第1入球情報を出力する第1入球情報出力部を備え、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および第1入球情報出力部のそれぞれの情報の出力先は、同一の表示装置である。具体的には、例えば、第1始動口33への遊技球の入球を契機として第1始動口入球信号を出力する第1入球情報出力部を備え、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および第1入球情報出力部のそれぞれの情報の出力先は、同一のデータ表示器9である。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、表示装置において、例えば遊技の状況の表示と共に、第1入球部への遊技球の入球に基づく表示を行なうことができる。この結果、表示装置に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、例えば、データ表示器9において、例えば連荘数の表示と共に、第1始動口33への遊技球の入球に基づく表示を行なうことができる。この結果、データ表示器9に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、第2入球部への遊技球の入球を契機として第2入球情報を出力する第2入球情報出力部を備え、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および第2入球情報出力部のそれぞれの情報の出力先は、同一の表示装置である。具体的には、例えば、第2始動口34への遊技球の入球を契機として第2始動口入球信号を出力する第2入球情報出力部を備え、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および第2入球情報出力部のそれぞれの情報の出力先は、同一のデータ表示器9である。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、表示装置において、例えば遊技の状況の表示と共に、第2入球部への遊技球の入球に基づく表示を行なうことができる。この結果、データ表示器等の表示装置に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、例えば、データ表示器9において、例えば連荘数の表示と共に、第2始動口34への遊技球の入球に基づく表示を行なうことができる。この結果、データ表示器9に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、変動表示が終了して停止表示となったこと示す停止表示情報を出力する停止表示情報出力部を備え、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および停止表示情報出力部のそれぞれの情報の出力先は、同一の表示装置である。具体的には、例えば、変動表示されていた特別図柄が停止表示となったことを示す図柄確定信号を出力する図柄確定信号出力部を備え、識別情報出力処理、特定情報出力処理、および図柄確定信号出力部のそれぞれの情報の出力先は、同一の表示装置である。
したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、表示装置において、例えば遊技の状況の表示と共に、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達して高サポ状態から低サポ状態に移行した直後において、特2残保留がある場合に、特2残保留の変動が終了して停止表示となった旨の表示を行なうことができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10にでは、表示装置に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、例えば、データ表示器9において、例えば連荘数の表示と共に、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達して高サポ状態から低サポ状態に移行した直後において、特2残保留がある場合に、特2残保留の変動が終了して停止表示となり特2図柄が確定した旨の表示を行なうことができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10にでは、データ表示器9に多様な表示を実行させることができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
このように、本遊技機によれば、特定期間の終了後において取得情報記憶部に第2の特別乱数情報が残った場合に、表示装置における表示を適切に行なうので、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
《6-10》第6実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《6-10-1》変形例1:
上記第6実施形態及び各変形例では、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達して高サポ状態から低サポ状態に移行した直後(図274の時刻t42)において、特2残保留がある場合に、特2残保留の最後の1つに基づく変動表示が終了して停止表示となった後に確定時間が終了するまで(時刻t63)、大当たり信号2を継続して出力するが、時刻t42から時刻t63までの期間における大当たり信号2の出力の態様は、時刻t42までの大当たり信号2の出力の態様である一定電圧を継続して出力する通常出力態様とは異なった特別出力態様であった。具体的には、特別出力態様は、短期間で繰り返し一定電圧の出力と出力停止とを切り替えて行なう態様となっていた。これに対して、変形例として、特別出力態様を、信号の電圧値が通常出力態様の際の一定電圧(第1電圧と呼ぶ)よりも低い一定電圧(第2電圧と呼ぶ)であり、第1電圧はもとより第2電圧も、大当たり信号2の出力/停止を判定するための基準値よりも高い信号(ハイレベル信号)である構成としても良い。要は、特別出力態様の大当たり信号2は、通常出力態様の大当たり信号2と異なった態様でありながら、大当たり信号2の受け手であるデータ表示器9において大当たり信号2がON状態にあると判断することができれば、いずれの形態の信号であっても良い。
《6-10-2》変形例2:
上記第6実施形態及び各変形例では、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達して高サポ状態から低サポ状態に移行した直後(図274の時刻t42)において、特2残保留がある場合に、特2残保留の最後の1つに基づく変動表示が終了して停止表示となった後に確定時間が終了するまで(時刻t63)、大当たり信号2を特別出力態様で出力する構成とした。これに対して、変形例として、時刻t42から時刻t63までの期間において、特別出力態様としての大当たり信号2を出力する構成に換えて、大当たり信号2が出力される出力側コネクタ95b(図265参照)とは異なる出力側コネクタ95bから特有な信号(特2残保留消化中信号)を出力する構成としてもよい。すなわち、時刻t42から時刻t63までの期間において、大当たり信号2の出力を停止し、大当たり信号2とは相違する特2残保留消化中信号を、大当たり信号2が出力される出力側コネクタ95b(図265参照)とは異なる出力側コネクタ95bから出力する。この特2残保留消化中信号も大当たり信号1および大当たり信号2と同様にデータ表示器9に送信される。大当たり信号2の受け手であるデータ表示器9は、特2残保留消化中信号を受信したときに、特別出力態様である大当たり信号2と同様に、高サポ状態終了時の特2残保留に基づく遊技回の実行中、すなわち、特2残保留消化中であると判断する。こうした構成によれば、第6実施形態と同様に、データ表示器9において、例えば連荘数の表示を適切に行なうことが可能となる。したがって、本変形例では、データ表示器9において例えば連荘数の表示を適切に行なうことができずに遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
《6-10-3》変形例3:
上記第6実施形態及び各変形例では、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達して高サポ状態から低サポ状態に移行した直後(図272の時刻t42)において、特2残保留がある場合に、特2残保留の最後の1つに基づく変動表示が終了して停止表示となった後に確定時間が終了するまで(時刻t63)、大当たり信号2を継続して出力する構成とした。これに対して、変形例として、特2残保留がある場合に、特2残保留の最後の1つに基づく変動表示が終了して停止表示となった後に確定時間が終了し(時刻t63)、当該終了時から、予め定められた最短の変動時間以内の時間が経過するまでの間、大当たり信号2を継続して出力する構成としてもよい。「最短の変動時間」は、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dの変動時間テーブルに記録された変動時間情報のうちの最も短い変動時間である。「最短の変動時間以内の時間」は、最短の変動時間を含んで、それよりも前であればいずれの時間であってもよい。
この変形例によれば、特2残保留の最後の変動表示の停止表示が終了して、パチンコ機10において予め定められた最短の変動時間以内の時間が経過するまで、大当たり信号2の出力が継続する。このために、大当たり信号2を継続して出力する期間を、高サポ状態の終了後に特2残保留に基づく遊技回が終了して、次の特1保留情報に基づく変動表示が終了する以前まで延長させることができる。したがって、この変形例によれば、大当たり信号2を継続して出力する期間を、高サポ状態の終了後に特2残保留に基づく遊技回の実行を終えた後まで確実に確保することができる。この結果、この変形例では、データ表示器9において、例えば特2残保留消化中である旨を表示する場合に、特2残保留消化が終了する前に当該表示が終わってしまうことを抑制することができる。なお、確定時間の終了時からの延長の期間を最短の変動時間よりも長くすると、大当たり信号2の出力中に、特2残保留でない特別乱数情報(特1保留情報)に基づく次の変動が停止して確定時間が経過してしまい、当該変動で大当たりした場合に、この大当たりが直前の高サポ状態における連荘数にカウントされてしまう虞があった。この結果、データ表示器9において連荘数の表示を適切に行なうことができなくなってしまう。これを防止するために、この変形例では、確定時間の終了時からの大当たり信号2の延長の期間を、最短の変動時間以内の時間を加えた期間とした。さらに他の変形例として、確定時間の終了時からの大当たり信号2の延長の期間を、最短の変動時間を上回る時間を加えた期間としてもよい。
《6-10-4》変形例4:
上記第6実施形態及び各変形例では、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達して高サポ状態から低サポ状態に移行した直後(図272の時刻t42)において、特2残保留がある場合に、特2残保留の最後の1つに基づく変動表示が終了して停止表示となった後に確定時間が終了するまで(時刻t63)、大当たり信号2を継続して出力する構成とした。これに対して、変形例として、特2残保留がある場合に、特2残保留の最後の1つに基づく変動表示が終了して停止表示となった後に確定時間が終了し(時刻t63)、当該終了時から次の変動表示が開始されるまで(時刻t64)、大当たり信号2を継続して出力する構成としてもよい。
この変形例によれば、特2残保留の最後の変動表示の停止表示(確定表示)が終了して次の変動が開始されるまで、大当たり信号2の出力が継続する。このために、大当たり信号2を継続して出力する期間を、高サポ状態の終了後に特2残保留に基づく遊技回が終了して、特2残保留でない特別乱数情報(特1保留情報)に基づく次の変動表示が開始されるまで延長させることができる。したがって、この変形例によれば、大当たり信号2を継続して出力する期間を、高サポ状態の終了後に特2残保留に基づく遊技回の実行を終えた後まで確実に確保することができる。この結果、この変形例では、データ表示器9において、例えば特2残保留消化中である旨を表示する場合に、特2残保留消化が終了する前に当該表示が終わってしまうことを抑制することができる。なお、確定時間の終了時からの延長の期間を特1保留情報に基づく次の変動が終了する時間よりも長くすると、大当たり信号2の出力中に、特2残保留でない特別乱数情報(特1保留情報)に基づく次の変動が停止して確定時間が経過してしまい、当該変動で大当たりした場合に、この大当たりが直前の高サポ状態における連荘数にカウントされてしまう虞があった。この結果、データ表示器9において連荘数の表示を適切に行なうことができなくなってしまう。これを防止するために、この変形例では、特2残保留でない特別乱数情報(特1保留情報)に基づく次の変動表示が開始されるまで大当たり信号2を延長させることとした。
《6-10-5》変形例5:
上記第6実施形態及び各変形例では、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達したことによる高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミング(図272の時刻t42)において、特2残保留がある場合、すなわち、保留情報記憶エリア64b(図259)の第2保留エリアRbに記憶されている第2の保留情報(特2残保留)がある場合に、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおける特2残保留の数をセットした特2残保留個数XRbNの値と一致する所定数の変動表示が終了するまで、大当たり信号2が出力される構成とした。一般に、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達して高サポ状態から低サポ状態に移行した直後のタイミングで、閉じかけた普通電動役物34aに拾われて第2始動口34に遊技球が入球する場合があり得る。この場合のような特定の条件下では、第2保留エリアRbから実行エリアAEに第2の特別乱数情報を取り出すタイミングによっては、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおいて第2保留エリアRbに記憶されている第2の特別乱数情報の数(最大で4個)よりも多い数(1または多くても2程度多い数)の変動表示が高サポ状態の終了後に実行されることがある。このために、上記所定数を、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおいて第2保留エリアRbに記憶されている第2の特別乱数情報の数をセットした特2残保留個数XRbNの値と一致する値とした上記第6実施形態では、上述した、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおいて第2保留エリアRbに記憶されている第2の特別乱数情報の数よりも多い分(所定数を決定した後に第2始動口34に入球した分)の変動表示を実行する際に、大当たり信号2の出力が停止してしまう虞があった。
これに対して、変形例として、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達して高サポ状態から低サポ状態に移行した後の所定期間内(例えば1秒以内)のタイミングで第2始動口34への遊技球の入球が検出された場合に、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおいて第2保留エリアRbに記憶されていた第2の特別乱数情報の数をセットした特2残保留個数XRbNに1を加算した値を所定数と定め、当該所定数の変動表示が終了するまで、大当たり信号2が出力される構成としてもよい。この構成によれば、上述した、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおいて第2保留エリアRbに記憶されていた第2の特別乱数情報の数よりも多い分の変動表示のうちの1つの変動表示を実行する際に大当たり信号2の出力が停止してしまうことを抑制することができる。このために、本変形例によれば、大当たり信号2を継続して出力する期間を、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達して高サポ状態から低サポ状態に移行した後の所定期間内のタイミングで第2始動口34に遊技球が入球したことによって取得された第2の特別乱数情報についての変動表示を終えるまで、可能な限り確保することができる。したがって、本変形例では、大当たり信号2を受け取るデータ表示器9において、例えば特2残保留消化中である旨を表示する場合に、特2残保留消化が終了する前に当該表示が終わってしまうことを抑制することができる。
《6-10-6》変形例6:
上記第6実施形態及び各変形例では、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達したことによる高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミング(図272の時刻t42)において、保留情報記憶エリア64b(図259)の第2保留エリアRbに記憶されている第2の保留情報(特2残保留)がある場合に、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおける第2始動保留個数RbNの数を特2残保留個数XRbNにセットし、特2残保留個数XRbNの値を変動表示が実行開始される毎に1だけ減算し、変動表示の終了後の確定時間の経過時点における特2残保留個数XRbNの値が0となるまで、大当たり信号2が出力される構成とした。これに対して変形例として、特2残保留個数XRbNといった変数を用いることなく、第2始動保留個数RbNの数をそのまま用いて、変動表示の終了後の確定時間の経過時点における第2始動保留個数RbNの数が0となるまで、大当たり信号2が出力される構成としてもよい。具体的には、図284においてステップSc1014およびステップSc1015の各処理を削除し、図287においてステップSc1314の処理を削除し、図288においてステップSc1408の処理を第2始動保留個数RbNの数が0であるか否かを判定する処理に換え、図292においてステップSc1801の処理を第2始動保留個数RbNの数が0であるか否かを判定する処理に換える構成としてもよい。この構成によれば、通常時における普通電動役物開放抽選において開放当選し普通電動役物34aが開放したことによる第2始動口34への遊技球の入球との区別ができない事による問題は有るが、上記第6実施形態と同様に、高サポ状態の終了後において特2残保留が残った場合に、特2残保留に基づく変動表示に対する識別性能を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
《6-10-7》変形例7:
上記第6実施形態及び各変形例では、高サポ状態の終了時において、RAM64の保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶された第2始動保留個数RbNの数が0を上回る場合(すなわち、1以上である場合)に、大当たり信号2延長フラグをONするとともに、RAM64の保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶されている第2始動保留個数RbNの値を特2残保留個数XRbNにセットする構成とした(図287を参照)。これに対して、変形例として、高サポ状態の終了時において、第2保留エリアRbに記憶されている第2始動保留個数RbNの値を特2残保留個数XRbNにセットし、特2残保留個数XRbNの値が0を上回る場合(すなわち、1以上である場合)に、大当たり信号2延長フラグをONする構成としてもよい。この構成によっても、上記第6実施形態と同一のタイミングで大当たり信号2を立ち上げることができ、上記第6実施形態と同様の態様で、大当たり信号2を延長することができる。
《6-10-8》変形例8:
上記第6実施形態及び各変形例では、高サポ状態の終了時において、RAM64の保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶された第2始動保留個数RbNの数が0を上回る場合(すなわち、1以上である場合)に、第2始動保留個数RbNの値を特2残保留個数XRbNにセットし、特2残保留個数XRbNの値を変動表示が実行開始される毎に1だけ減算し、特2残保留個数XRbNの値が0となるまで、特定情報としての大当たり信号2を継続して出力する構成とした。これに対して変形例として、高サポ状態の終了時において、特定情報としての大当たり信号2を継続して出力し、高サポ状態の終了時に第2保留エリアRbに記憶された第2始動保留個数RbNの数が0を上回る場合(すなわち、1以上である場合)に、第2始動保留個数RbNの数を特2残保留個数XRbNにセットし、特2残保留個数XRbNの値を変動表示が実行開始される毎に1だけ減算し、特2残保留個数XRbNの値が0となった場合に、特定情報の出力を停止する構成としてもよい。この構成によっても、上記第6実施形態と同様に、高サポ状態の終了後において特2残保留が残った場合に、特2残保留に基づく変動表示に対する識別性能を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
《6-10-9》変形例9:
上記第6実施形態及び各変形例(特に変形例7)では、高サポ状態の終了時において、第2保留エリアRbに記憶されている第2始動保留個数RbNの値を特2残保留個数記憶エリア内の特2残保留個数XRbNにセットし、特2残保留個数XRbNの値が0を上回る場合(すなわち、1以上である場合)に、特定情報としての大当たり信号2を継続して出力し、特2残保留個数XRbNの値が0となった場合に、大当たり信号2の出力を停止する構成とした。これに対して変形例として、高サポ状態の終了時において、特定情報としての大当たり信号2を継続して出力するともに、第2保留エリアRbに記憶されている第2始動保留個数RbNの値を特2残保留個数記憶エリア内の特2残保留個数XRbNにセットし、特2残保留個数XRbNの値が0を上回る場合(すなわち、1以上である場合)に、特2残保留個数XRbNの値を変動表示が実行開始される毎に1だけ減算し、特2残保留個数XRbNの値が0となった場合に、特定情報の出力を停止する構成としてもよい。この構成によっても、上記第6実施形態と同様に、高サポ状態の終了後において特2残保留が残った場合に、特2残保留に基づく変動表示に対する識別性能を向上させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
本変形例では、特定期間の終了時に記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数が0である場合でも、特定情報を出力する出力処理が実行され得る。具体的には、例えば、上述したように、高サポ状態から低サポ状態への移行のタイミングにおける第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値(第2始動保留個数RbN)をセットした特2残保留個数XRbNの値が0である場合でも、大当たり信号2を出力する出力処理が実行され得る。
したがって、本変形例によれば、特定期間の終了時に記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数が0である場合でも、特定情報を出力する出力処理が実行され得ることから、特定期間の終了時に記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数が0であるか1以上の数であるかにかかわらず、特定情報が出力される。このために、特定期間の終了時における特定情報の継続的な出力を確実に担保することができることから、例えば、特定期間の終了時から記憶部に記憶されている第2の特別乱数情報の数が1以上であるか否かの判定がなされるまでの間でノイズ等によって特定情報の出力が途切れてしまい、データ表示器等の表示装置による識別性能が低下してしまうことを抑制することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。具体的には、例えば、高サポ状態の終了時に第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値(第2始動保留個数RbN)をセットした特2残保留個数記憶エリア内の特2残保留個数XRbNの値が0である場合でも、大当たり信号2を出力する出力処理が実行され得ることから、高サポ状態の終了時に特2残保留個数記憶エリアに記憶されている特2残保留個数XRbNの値が0であるか1以上の数であるかにかかわらず、大当たり信号2が出力される。このために、高サポ状態終了時における大当たり信号2の継続的な出力を確実に担保することができることから、例えば、高サポ状態の終了時から特2残保留個数記憶エリアに記憶されている特2残保留個数XRbNの数が1以上であるか否かの判定がなされるまでの間でノイズ等によって特定情報の出力が途切れてしまい、データ表示器等の表示装置による識別性能が低下してしまうことを抑制することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
さらに、上記第6実施形態の構成、すなわち、高サポ状態の終了時において、大当たり信号2を継続して出力する前に、第2保留エリアRbに記憶されている第2始動保留個数RbNの値を特2残保留個数記憶エリア内の特2残保留個数XRbNにセットし、特2残保留個数XRbNの値が0を上回る場合に大当たり信号2を継続して出力し、一方、特2残保留個数XRbNの値が0である場合に大当たり信号2の出力を取り止める構成では、上記特2残保留個数XRbNの値の判定で0であると判定される場合に、高サポ状態を終えて、特2残保留個数XRbNの値が0であると判定されて大当たり信号2の出力を取り止めるまでの流れの途中で、閉動作中の普通電動役物34aに遊技球が拾われて第2始動口34へ遊技球が入球することがあり得る。当該第2始動口34への遊技球の入球に基づく当たり抽選において大当たり当選した場合、当該大当たり当選は、直前の高サポ状態における連荘数にカウントされなくなる虞があった。これに対して、この変形例では、直前の高サポ状態における連荘数にカウントできる範囲を広げることができ、当該大当たり当選も直前の高サポ状態における連荘数にカウントすることができる可能性がある。
《6-10-10》変形例10:
上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える外枠は、木製に限らず、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える内枠は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える前扉枠は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機には、内枠を外枠に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠する機能とを有するシリンダ錠が設けられているが、このシリンダ錠が省略された構成を採用した上で、内枠を外枠に対して開放不能に施錠する機能を有する第1シリンダ錠と、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠する機能を有する第2シリンダ錠とが別々に設けられた構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、内枠を外枠に対して回動させる回動軸が正面視左側に設けられている構成を採用したが、この回動軸が正面視右側に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、前扉枠を内枠に対して回動させる回動軸が正面視左側に設けられている構成を採用したが、この回動軸が正面視右側に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える遊技盤は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機は上皿と下皿とを備える構成を採用したが、下皿が省略され、上皿のみを備える構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、正面視右側に操作ハンドルが設けられている構成を採用したが、正面視左側に操作ハンドルが設けられている構成を採用してもよい。また、操作ハンドルが正面視右側と正面視左側の両方に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、遊技者が操作ハンドルを握っているか否か(遊技者の手が操作ハンドルに接触しているか否か)を検出可能なタッチセンサーが操作ハンドルに設けられている構成を採用したが、このタッチセンサーが省略された構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、遊技球を発射可能な発射手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、バネ等の弾性力を利用して遊技球を発射させる構成や、圧縮気体が噴出する際の風圧を利用して遊技球を発射させる構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、操作ハンドルが右回りに所定量回動操作された状態においては、1分間に100発程度の遊技球が発射されるように構成されているが、1分間に100発未満(例えば60発)の遊技球が発射される構成であってもよく、また、1分間に100発以上(例えば200発)の遊技球が発射される構成であってもよい。また、レバーを弾くことによって遊技球を1発ずつ発射させる構成としてもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、音声を出力可能な手段としてスピーカーを備える構成を採用したが、スピーカーに加えて又はスピーカーに代えてイヤホンジャックを備える構成を採用してもよい。この構成によれば、遊技者は、自身が持参したイヤホンやヘッドホンを当該イヤホンジャックに接続することによって、周囲のパチンコ機の音声に邪魔されずに、自身が遊技中のパチンコ機の音声を存分に楽しむことが可能となる。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種始動口に遊技球が入球したことに基づいて変動表示を開始する特別図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、LEDランプや、LED表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、ハロゲンランプ等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種ゲートを遊技球が通過したことに基づいて変動表示を開始する普通図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、LEDランプや、LED表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、ハロゲンランプ等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種の装飾図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、液晶表示装置や、有機EL表示装置、LED表示装置、ドラム回転式表示装置、導光板、三次元ホログラム表示装置等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、装飾図柄としては、数字に限らず、種々の文字や図形、記号、絵柄等及びこれらの組み合わせを採用することができる。例えば、装飾図柄として、アルファベットや、ギリシャ文字、平仮名、カタカナ、漢字、各種キャラクター等及びこれらの組み合わせを採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、装飾図柄がスクロールする図柄列の数は3つに限らず、例えば、2つ以下であってもよく、4つ以上であってもよい。そして、装飾図柄の図柄列が1つである構成を採用した場合には、例えば、特定の装飾図柄(例えば「7」)が停止した場合に大当たりに当選となる構成としてもよい。また、装飾図柄の列が2つ又は4つ以上である構成を採用した場合には、例えば、特定のラインに同一の装飾図柄が停止した場合に大当たりに当選となる構成としてもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、特別電動役物としては、種々の構成を採用することができ、例えば、板状部材の下方に略水平方向に延びる回動軸が設けられ、当該回動軸を中心として当該板状部材が前方側に回動することによって大入賞口を開放可能な構成や、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材によって大入賞口を開閉する構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、普通電動役物としては、種々の構成を採用することができ、例えば、一対の可動弁が左右に開放可能な所謂チューリップ型普通電動役物や、板状部材の下方に略水平方向に延びる回動軸が設けられ、当該回動軸を中心として当該板状部材が前方側に回動することによって始動口を開放可能な構成、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材によって始動口を開閉する構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各入球口(始動口や一般入賞口、大入賞口等)に設定されている賞球数は例示であり、各入球口に設定される賞球数を適宜変更することによって、スペックの異なる複数種類のパチンコ機を実現することが可能である。
《6-10-11》変形例11:
上記実施形態およびその変形例では、パチンコ機10は、主制御装置60、音声発光制御装置90、表示制御装置100といった3つの制御装置を備える構成としたが、これに換えて、主制御装置と副制御装置といった2つの制御装置を備える構成としても良い。副制御装置では、上記実施形態において音声発光制御装置90と表示制御装置100とにおいて実行される各種処理を実行する構成とすれば良い。また、上記実施形態およびその変形例において、3つの制御装置60,90,100のそれぞれで実行される各種処理は、上記実施形態で説明した区分けに限る必要はなく、3つの制御装置60,90,100の全体として、上記実施形態における各種の処理が実行できれば良い。
《6-11》他の構成への適用:
上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると特別電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態及び上記各変形例においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
《6-12》上記実施形態及び上記各変形例等から抽出される発明群について:
以下、上述した実施形態及び各変形例から抽出される発明群の特徴(特徴群)について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態又は上記各変形例において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴cA群>
特徴cA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴cA1]
遊技球が入球可能な入球口を有する第1の入球領域(第1入球部、第1始動口33)と、
遊技球が入球可能な入球口を有する第2の入球領域(第2入球部、第2始動口34)と、
前記第1の入球領域または前記第2の入球領域への遊技球の入球を契機として特別情報(特別乱数情報、当たり乱数カウンタC1の値)を取得する情報取得手段と、
前記第1の入球領域に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報と、前記第2の入球領域に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報とを、それぞれ記憶する取得情報記憶手段(取得情報記憶部、保留情報記憶エリア64b内の第1保留エリアRaと第2保留エリアRb)と、
前記取得情報記憶手段に記憶された前記特別情報が所定条件(特定条件、当たり抽選の抽選結果が大当たり当選となる値と一致すること)を満たすか否か判定する手段であって、前記第2の特別情報についての前記判定を前記第1の特別情報についての前記判定よりも優先的に行う判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知するための変動表示が開始されてから当該変動表示が終了して停止表示となり当該停止表示が終了するまでを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記第2の入球領域への遊技球の入球を補助する補助手段(電動役物34a)と、
前記補助手段の状態を、前記第2の入球領域への遊技球の入球を不可能又は困難にする状態である第1の状態と、前記第2の入球領域への遊技球の入球を可能又は容易にする状態である第2の状態との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして、第1制御モード(低頻度サポートモード)と、前記第1制御モードよりも前記第2の入球領域への遊技球の入球が容易である第2制御モード(高頻度サポートモード)と、を少なくとも有する制御手段と、
遊技球が入球した場合に特典として賞球を付与する特典入球手段(大入賞口36a)と、
前記判定手段によって前記特別情報が前記所定条件を満たすことを少なくとも含む特別遊技状態発生条件が成立した場合に、前記特典入球手段に所定の開放を行なわせる特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記特別遊技状態の終了後に、前記制御モードを特定期間、前記第2制御モードに維持し、前記特定期間の終了時に前記制御モードを前記第2制御モードから前記第1制御モードに切り替える制御モード切替手段(制御モード切替処理、大当たりに基づく開閉実行モード(V入賞大当たりに基づく開閉実行モードも含む)の終了後にサポートモードを高頻度サポートモードに規定回数だけ維持し、規定回数の終了時に制御モードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える処理)を備え、
当該遊技機は、
前記特別遊技状態である期間、または前記特定期間において、当該期間に該当する状態を識別するための情報(識別情報、通常出力態様の大当たり信号2)を継続して出力する第1出力手段(識別情報出力処理、外部端子板から大当たり信号2を出力する処理)と、
前記特定期間の終了時に、前記情報の出力を停止する出力停止手段(出力停止処理、高サポ状態の終了時に特2残保留が無い場合に大当たり信号2の出力を停止する処理)と、
前記特定期間の終了時に前記取得情報記憶手段に記憶されている前記第2の特別情報の数を記憶する記憶手段(記憶部、特2残保留個数XRbNを記憶する主側RAM64の特2残保留個数記憶エリア)と、
前記特定期間の終了後に、少なくとも前記記憶手段に記憶されている前記第2の特別情報の数が1以上である場合に、当該第2の特別情報の数に対応する所定数の前記変動表示が終了するまで、所定の変動表示(特定変動表示、特図2当たり抽選に基づく変動表示)が実行され得る状態を識別可能な所定情報(特定情報、通常出力態様とは別の特別出力態様の大当たり信号2)を継続して出力可能な第2出力手段(特定情報出力処理、高サポ状態の終了時に記憶されている特2残保留の数に対応する所定数の変動表示が終了するまで大当たり信号2を継続的に出力する出力処理)と、
を備え、
前記第2出力手段は、
前記所定数の前記変動表示のうちの最後の前記変動表示が終了して停止表示となった後に所定期間が経過するまで、前記所定情報を継続して出力する手段(継続出力処理、所定数の変動表示のうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に停止表示が終了するまで(確定時間が経過するまで)大当たり2信号を継続的に出力する出力処理)と、
前記所定情報を前記情報とは異なる態様で出力する手段(特別態様出力処理、特2残保留消化中の大当たり信号2を大当たり遊技状態中または高サポ状態中の大当たり信号2とは異なる特別出力態様で出力する処理)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、制御モード切替手段によって、特別遊技状態の終了後に制御モードを特定期間、第2制御モード(高頻度サポートモード)に維持し、特定期間の終了時に制御モードを第2制御モードから第1制御モード(低頻度サポートモード)に切り替える。また、第1出力手段によって、特別遊技状態である期間、または特定期間において、当該期間に該当する状態を識別するための情報(通常出力態様の大当たり信号2)を継続して出力し、出力停止手段によって、特定期間の終了時に情報の出力を停止する。さらに、記憶手段によって、特定期間の終了時に取得情報記憶手段(保留情報記憶エリア64b内の第1保留エリアRaと第2保留エリアRb)に記憶されている第2の特別情報の数を記憶する。第2出力手段によって、特定期間の終了後に、少なくとも記憶手段(保留情報記憶エリア64b内の第1保留エリアRaと第2保留エリアRb)に記憶されている第2の特別情報の数が1以上である場合に、当該第2の特別情報の数に対応する所定数の変動表示が終了するまで、所定の変動表示(特図2当たり抽選に基づく変動表示)が実行され得る状態を識別可能な所定情報(通常出力態様とは別の特別出力態様の大当たり信号2)を継続して出力することが可能となる。さらに、第2出力手段は、所定数の変動表示のうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に所定期間が経過するまで、所定情報を継続して出力する(所定数の変動表示のうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に停止表示が終了するまで(確定時間が経過するまで)大当たり2信号を継続的に出力する出力処理)が、当該所定情報を情報(特別遊技状態である期間または特定期間に該当する状態を識別するための情報)とは異なる態様で出力する。
したがって、本特徴によれば、特定期間の終了時に情報の出力が一旦停止されても、特定期間の終了後に、記憶手段に記憶されている第2の特別情報の数に対応する所定数の変動表示が終了するまで、所定の変動表示が実行され得る状態を識別可能な所定情報が継続して出力されることになることから、特定期間の終了後において、取得情報記憶手段に第2の特別情報が残り、当該第2の特別情報が所定条件を満たした場合、具体的には、例えば大当たり当選した場合に、情報を受け取るデータ表示器等の表示装置において、直前の特定期間に関係して取得された第2の特別情報が所定条件を満たしたものであるとして連荘数をカウントすることが可能となる。この結果、本特徴では、表示装置において例えば連荘数の表示を適切に行なうことができずに遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、所定情報を第1出力手段によって出力される情報とは異なる態様で出力することから、所定情報を受け取るデータ表示器等の表示装置において、所定情報を受け取った場合に特有の表示を行なうことが可能となる。このために、表示装置において、例えば、特定期間の終了後に取得情報記憶手段に記憶されていた第2の特別情報についての変動表示中である旨の表示を行なうことができる。したがって、本特徴では、所定情報や情報を受け取るデータ表示器等の表示装置に多様な表示を実行させることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴cA2]
特徴cA1に記載の遊技機であって、
前記特定期間の終了時に前記記憶手段に記憶されている前記第2の特別情報の数が0である場合でも、前記所定情報を出力する出力処理(変形例9における、高サポ状態の終了時において大当たり信号2を継続して出力する処理)が実行され得る
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定期間の終了時に記憶手段に記憶されている第2の特別情報の数が0である場合でも、所定情報を出力する出力処理が実行され得ることから、特定期間の終了時に、記憶手段に記憶されている第2の特別情報の数が0であるか1以上の数であるかにかかわらず、所定情報が出力される。このために、特定期間の終了時における所定情報の継続的な出力を確実に担保することができることから、例えば、特定期間の終了時から記憶手段に記憶されている第2の特別情報の数が1以上であるか否かの判定がなされるまでの間でノイズ等によって所定情報の出力が途切れてしまい、データ表示器等の表示装置による識別性能が低下してしまうことを抑制することができる。この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴cA3]
特徴cA1または特徴cA2に記載の遊技機であって、
前記第2出力手段は、前記最後の変動表示の前記停止表示が終了した後まで継続して前記所定情報を出力する
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2出力手段は、所定数の変動表示のうちの最後の変動表示の停止表示が終了した後まで継続して所定情報を出力することから、最後の変動表示が終了して停止表示となった後から当該停止表示が終了するまでの期間においても、所定情報の出力が継続する。このために、所定情報を継続して出力する期間を、特定期間の終了後に取得情報記憶手段に記憶されている第2の特別情報に基づく遊技回の実行中の期間に、高い精度で一致させることができる。したがって、本特徴では、所定情報や情報を受け取るデータ表示器等の表示装置において、例えば特2残保留消化中である旨を表示する場合に、当該表示の精度を向上することができる。
[特徴cA4]
特徴cA1から特徴cA3までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記情報と前記所定情報とは、同一の出力用端子(出力側コネクタ95b)から出力される同一種類の情報(大当たり信号2)である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特別遊技状態である期間または特定期間に該当する状態を識別するための情報を、特定期間の終了後に、記憶手段に記憶されている第2の特別情報の数に対応する所定数の変動表示のうちの最後の変動表示が終了して停止表示となった後に所定期間が経過するまで継続して、同一の出力用端子から出力される同一種類の情報として出力することができる。したがって、簡単な構造によって、当該情報を適切な期間、データ表示器等の表示装置に出力することができる。
[特徴cA5]
特徴cA1から特徴cA4までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定の変動表示は、前記第2の入球領域への遊技球の入球を契機として取得された前記第2の特別情報についての前記判定に対応した前記変動表示である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定期間の終了時に取得情報記憶手段に記憶されていた第2の特別情報についての変動表示であることを、所定情報から識別することができる。したがって、本特徴では、所定情報を受け取るデータ表示器等の表示装置に多様な表示を実行させることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴cA6]
特徴cA1から特徴cA5までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定情報は、データの出力を所定周期で繰り返し行なう態様(大当たり信号2の特別出力態様)である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定情報はデータの出力を所定周期で繰り返し行なう態様であることから、簡単な構成によって、所定情報を第1出力手段によって出力される情報と異なった態様とすることができる。したがって、本特徴によれば、構造の簡素化を図ることができる。
[特徴cA7]
特徴cA1から特徴cA6までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定情報の出力中に実行されている遊技回に係る前記特別情報が前記所定条件を満たすと判定された場合に、特定画像(女性キャラクターが「ぎりぎり連荘だよ、良かったね!」と叫ぶ画像)を表示させるための信号(特定画像表示指示信号)を出力する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定情報の出力中に実行されている遊技回に係る特別情報が所定条件を満たすと判定された場合に、特定画像を表示させるための信号を出力する手段を備えることから、当該信号を受信した表示装置において、例えば連荘数の表示と共に特2残保留で大当たり当選した旨の表示を行なうことができる。したがって、本特徴では、データ表示器等の表示装置に多様な表示を実行させることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴cA8]
特徴cA1から特徴cA7までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定情報の出力中に実行されている遊技回に係る前記特別情報が前記所定条件を満たすと判定された場合に、特定音声を出力させるための信号を出力する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定情報の出力中に実行されている遊技回に係る特別情報が所定条件を満たすと判定された場合に、特定音声を出力させるための信号を出力する手段を備えることから、当該信号を受信した装置において、例えば連荘数の表示と共に、特2残保留で大当たり当選した旨の音声を出力することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴cA9]
特徴cA1から特徴cA8までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定情報の出力中に実行されている遊技回に係る前記第2の特別情報が前記所定条件を満たすと判定された場合に、前記第2出力手段は、前記特別遊技状態発生手段によって前記特別遊技状態が発生するまで、前記所定情報を所定の継続態様で出力する
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別情報が所定条件を満たすと判定された場合に、第2出力手段は、特別遊技状態発生手段によって特別遊技状態が発生するまで、前記所定情報を所定の継続態様で出力する。このために、所定情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別情報が所定条件を満たすと判定された場合に、所定情報を所定の継続態様で出力する期間を、第2の特別情報が所定条件を満たすと判定された遊技回の実行を終えた後まで確実に確保することができる。この結果、本特徴では、所定情報や情報を受け取るデータ表示器等の表示装置において、例えば特2残保留消化中である旨を表示する場合に、特2残保留消化が終了する前に当該表示が終わってしまうことを抑制することができる。
[特徴cA10]
特徴cA1から特徴cA9までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特別遊技状態発生手段は、前記判定手段によって前記特別情報が前記所定条件とは相違する所定他条件(当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となる値と一致すること)を満たし、当該満たした後に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件(V入賞口59に遊技球が入球すること)が成立した場合に、前記特別遊技状態発生条件が成立したと判定し、
前記所定情報の出力中に実行されている遊技回に係る前記第2の特別情報が前記所定他条件を満たすと判定された場合に、前記第2出力手段は、前記特別遊技状態発生手段によって前記特別遊技状態が発生するまで、前記所定情報を所定の継続態様で出力する
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特別遊技状態発生手段は、判定手段によって特別情報が所定条件とは相違する所定他条件を満たし、当該満たした後に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に、特別遊技状態発生条件が成立したと判定し、所定情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別情報が所定他条件を満たすと判定された場合に、第2出力手段は、特別遊技状態発生手段によって特別遊技状態が発生するまで、所定情報を所定の継続態様で出力する。このために、所定情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別情報が所定他条件を満たすと判定された場合に、具体的には、例えば小当たり当選した場合に、所定情報を所定の継続態様で出力する期間を、第2の特別情報が所定他条件を満たすと判定された遊技回の実行を終えた後まで確実に確保することができる。この結果、本特徴では、小当たり当選した場合にも、所定情報や情報を受け取るデータ表示器等の表示装置において、直前の特定期間に関係して取得された第2の特別情報が所定他条件を満たしたものであるとして連荘数をカウントすることが可能となる。この結果、本特徴では、例えば小当たり当選した場合に、表示装置において連荘数の表示を適切に行なうことができずに遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
[特徴cA11]
特徴cA1から特徴cA10までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特別遊技状態発生手段は、前記判定手段によって前記特別情報が前記所定条件とは相違する所定他条件(特定他条件、当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となる値と一致すること)を満たし、当該満たした後に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件(V入賞口59に遊技球が入球すること)が成立した場合に、前記特別遊技状態発生条件が成立したと判定し、
前記情報の出力中に実行されている遊技回に係る前記第2の特別情報が前記所定他条件を満たすと判定された場合に、前記第1出力手段は、前記特別遊技状態発生手段によって前記特別遊技状態が発生するまで、前記情報を継続して出力する
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特別遊技状態発生手段は、判定手段によって特別情報が所定条件とは相違する所定他条件を満たし、当該満たした後に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に、特別遊技状態発生条件が成立したと判定し、情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別情報が所定他条件を満たすと判定された場合に、第1出力手段は、特別遊技状態発生手段によって特別遊技状態が発生するまで、情報を継続して出力する。ここで、「情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別情報が所定他条件を満たすと判定された場合に、第1出力手段は、特別遊技状態発生手段によって特別遊技状態が発生するまで、情報を継続して出力する」構成を備えない比較例を考えてみる。比較例によれば、情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別情報が所定他条件を満たすと判定された場合に、当該遊技回の変動表示が終了してから、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立するまでの間、第1出力手段において情報の出力が停止されてしまう。このために、情報を受け取るデータ表示器等の表示装置において、制御モードが第2制御モードに維持された特定期間において、第2の特別情報が所定他条件を満たすと判定され、その後に遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に、第1出力手段による情報の出力が途切れることとなり、データ表示器等の表示装置において、直前の特定期間に関係して取得された第2の特別情報が所定他条件を満たしたものであるとして連荘数をカウントすることがことができなかった。この結果、比較例によれば、遊技者に不快感を与えてしまい、遊技者の遊技に対する興趣を低下させてしまう虞があった。
これに対して、本変形例によれば、情報の出力中に実行されている遊技回に係る第2の特別情報が所定他条件を満たすと判定された場合に、第1出力手段は、特別遊技状態発生手段によって特別遊技状態が発生するまで、情報を継続して出力することから、第2の特別情報が所定他条件を満たすと判定された遊技回の変動表示が終了してから、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立するまでの間に、第1出力手段による情報の出力が途切れることがない。このために、制御モードが第2制御モードである特定期間の終了後において、第2の特別情報が所定他条件を満たすと判定され、その後に遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に、連荘が途切れることなく大当たり当選が続くとデータ表示器等の表示装置に認識させ表示させることができる。この結果、連荘が途切れることなく大当たり当選が続き連荘数が大きくなることは遊技者にとって大きな喜びであり、遊技者の遊技に対する興趣をいっそう向上させることができる。
[特徴cA12]
特徴cA1から特徴cA11までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
特定の条件下で(高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達して高サポ状態から低サポ状態に移行した後の所定期間内のタイミングで第2始動口34への遊技球の入球が検出された場合)前記第2の入球領域への遊技球の入球が検出された場合における前記所定数は、前記特定期間の終了時に前記記憶手段に記憶されている前記第2の特別情報の数に1を加算した値となる(変形例5の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定の条件下で第2の入球領域への遊技球の入球が検出された場合における所定数は、特定期間の終了時に記憶手段に記憶されている第2の特別情報の数に1を加算した値となる。一般に、特別遊技状態の終了後に制御モードが第2制御モードに維持される特定期間が終了するちょうどのタイミングで、第2の入球領域に遊技球が入球する場合があり得る。この場合のような特定の条件下では、取得情報記憶手段から第2の特別情報を取り出すタイミングによっては、特定期間の終了時に制御モードを第2制御モードから第1制御モードに切り替えた後に、取得情報に記憶されている第2の特別情報の数よりも多い数(1または多くても2程度多い数)の変動表示が実行されることがある。このために、上記所定数を、特定期間の終了時に記憶手段に記憶されている第2の特別情報の数と一致する値とした比較例では、上述した、取得情報に記憶されている第2の特別情報の数よりも多い分の変動表示を実行する際に、所定情報の出力が停止してしまう虞があった。
これに対して、本特徴によれば、特定の条件下で第2の入球領域への遊技球の入球が検出された場合における所定数は、特定期間の終了時に記憶手段に記憶されている第2の特別情報の数に1を加算した値となることから、上述した、取得情報に記憶されている第2の特別情報の数よりも多い分の変動表示のうちの1つの変動表示を実行する際に所定情報の出力が停止してしまうことを抑制することができる。したがって、本特徴によれば、所定情報を継続して出力する期間を、特定期間が終了するタイミングで遊技球が入球したことによって取得された第2の特別情報についての変動表示を終えるまで、可能な限り確保することができる。この結果、本特徴では、所定情報や情報を受け取るデータ表示器等の表示装置において、例えば特2残保留消化中である旨を表示する場合に、特2残保留消化が終了する前に当該表示が終わってしまうことを抑制することができる。
[特徴cA13]
特徴cA1から特徴cA12までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特別遊技状態である期間に該当する状態を識別するための特別遊技状態情報(特別遊技情報、大当たり信号1)を出力する第3出力手段(特別遊技情報出力処理、大当たり信号1を出力する処理)を備え、
前記第1出力手段、前記第2出力手段、および前記第3出力手段の各出力先は、同一の表示装置(データ表示器)である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1出力手段と第2出力手段とから出力される情報および所定情報によって、特別遊技状態である期間または特定期間に該当する状態であることを識別でき、第3出力手段から出力される特別遊技状態情報によって、特別遊技状態である期間に該当する状態であることを識別できることから、両方の識別を重ね合わせることによって、特定期間が連続する場合に、その連続する特定期間の間で何回特別遊技状態が発生したかを出力先の表示装置が把握することが可能となる。このために、第1出力手段、第2出力手段、および第3出力手段の各出力先に該当する表示装置において、いわゆる連荘数を表示することができる。
[特徴cA14]
特徴cA1から特徴cA13までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特別遊技状態である期間に該当する状態を識別するための特別遊技状態情報(特別遊技情報、大当たり信号1)を出力する第3出力手段(特別遊技情報出力処理、大当たり信号1を出力する処理)を備え、
前記特別遊技状態情報は、前記所定情報とは異なる態様である(大当たり信号1は、特別出力態様の大当たり信号2とは異なる態様)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1出力手段と第2出力手段とから出力される情報および所定情報によって、特別遊技状態である期間または特定期間に該当する状態であることを識別でき、第3出力手段から出力される特別遊技状態情報によって、特別遊技状態である期間に該当する状態であることを識別できることから、両方の識別を重ね合わせることによって、特定期間が連続する場合に、その連続する特定期間の間で何回特別遊技状態が発生したかを出力先の表示装置が把握することが可能となる。このために、第1出力手段、第2出力手段、および第3出力手段から情報を受け取るデータ表示器等の表示装置において、連荘数をカウントすることが可能となる。さらに、特別遊技状態情報は所定情報とは異なる態様であることから、所定情報を受け取るデータ表示器等の表示装置において、所定情報を受け取った場合に特有の表示を行なうことが可能となる。このために、表示装置において、例えば、特定期間の終了後に取得情報記憶手段に記憶されていた第2の特別情報に基づく変動表示中である旨の表示を行なうことができる。したがって、本特徴では、所定情報や情報を受け取るデータ表示器等の表示装置に多様な表示を実行させることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴cA15]
特徴cA1から特徴cA14までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特別遊技状態である期間に該当する状態を識別するための特別遊技状態情報(特別遊技情報、大当たり信号1)を出力する第3出力手段(特別遊技情報出力処理、大当たり信号1を出力する処理)を備え、
前記特別遊技状態情報は、前記情報とは異なる態様(大当たり信号1は、通常出力態様の大当たり信号2とは異なる態様)である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1出力手段と第2出力手段とから出力される情報および所定情報によって、特別遊技状態である期間または特定期間に該当する状態であることを識別でき、第3出力手段から出力される特別遊技状態情報によって、特別遊技状態である期間に該当する状態であることを識別できることから、両方の識別を重ね合わせることによって、特定期間が連続する場合に、その連続する特定期間の間で何回特別遊技状態が発生したかを出力先の表示装置が把握することが可能となる。このために、第1出力手段、第2出力手段、および第3出力手段から情報を受け取るデータ表示器等の表示装置において、連荘数をカウントすることが可能となる。さらに、特別遊技状態情報は第1出力手段によって出力される情報とは異なる態様であることから、表示装置における情報の把握が容易となる。このために、表示装置において、例えば連荘数の表示を確実に行なうことが可能となる。
[特徴cA16]
特徴cA1から特徴cA15までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の入球領域(第1入球部、第1始動口33)への遊技球の入球を契機として第1入球情報(第1始動口入球信号)を出力する第1入球情報出力手段を備え、
前記第1出力手段、前記第2出力手段、および前記第1入球情報出力手段のそれぞれの情報の出力先は、同一の表示装置(データ表示器)である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1の入球領域への遊技球の入球を契機として第1入球情報を出力し、この出力先、第1出力手段による情報の出力先、および第2出力手段による所定情報の出力先は同一の表示装置であることから、当該表示装置において、例えば連荘数の表示と共に、第1の入球領域への遊技球の入球に基づく表示を行なうことができる。したがって、本特徴では、データ表示器等の表示装置に多様な表示を実行させることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴cA17]
特徴cA1から特徴cA16までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の入球領域(第2入球部、第2始動口34)への遊技球の入球を契機として第2入球情報(第2始動口入球信号)を出力する第2入球情報出力手段を備え、
前記第1出力手段、前記第2出力手段、および前記第2入球情報出力手段のそれぞれの情報の出力先は、同一の表示装置(データ表示器)である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2の入球領域への遊技球の入球を契機として第2入球情報を出力し、この出力先は、第1出力手段による情報の出力先と第2出力手段による所定情報の出力先との双方に対して同一の表示装置であることから、当該表示装置において、例えば連荘数の表示と共に、第2の入球領域への遊技球の入球に基づく表示を行なうことができる。したがって、本特徴では、データ表示器等の表示装置に多様な表示を実行させることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴cA18]
特徴cA1から特徴cA17までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記変動表示が終了して停止表示となったこと示す停止表示情報(図柄確定信号)を出力する停止表示情報出力手段を備え、
前記第1出力手段、前記第2出力手段、および前記停止表示情報出力手段のそれぞれの情報の出力先は、同一の表示装置(データ表示器)である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、変動表示が終了して停止表示となったこと示す停止表示情報を出力する停止表示情報出力手段を備え、第1出力手段、第2出力手段、および停止表示情報出力手段のそれぞれの情報の出力先は、同一の表示装置であることから、当該表示装置において、例えば連荘数の表示と共に、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数が規定回数に到達して高サポ状態から低サポ状態に移行した直後において、特2残保留がある場合に、特2残保留の変動が終了して停止表示となったことを示す表示を行なうことができる。したがって、本特徴では、データ表示器等の表示装置に多様な表示を実行させることができ、この結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴cA19]
特徴cA1から特徴cA18までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定期間は、前記最後の変動表示が終了して停止表示となった後から当該停止表示が終了するまでの期間に、当該遊技機において予め定められた最短の変動時間以内の時間を加えた期間である(変形例3の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定期間は、前記最後の変動表示が終了して停止表示となった後から当該停止表示が終了するまでの期間に、当該遊技機において予め定められた最短の変動時間以内の時間を加えた期間であることから、所定数の変動表示のうちの最後の変動表示の停止表示が終了して、予め定められた最短の変動時間以内の時間が経過するまで、所定情報の出力が継続する。このために、所定情報を継続して出力する期間を、特定期間の終了後に記憶手段に記憶されている第2の特別情報に基づく遊技回が終了して、次の第1の特別情報に基づく変動表示が終了する以前まで延長させることができる。したがって、本特徴によれば、所定情報を継続して出力する期間を、特定期間の終了後に取得情報記憶手段に記憶されている第2の特別情報に基づく遊技回の実行を終えた後まで確実に確保することができる。この結果、本特徴では、所定情報や情報を受け取るデータ表示器等の表示装置において、例えば特2残保留消化中である旨を表示する場合に、特2残保留消化が終了する前に当該表示が終わってしまうこと抑制することができる。なお、停止表示の終了時からの延長の時間を最短の変動時間よりも長くすると、所定情報の出力中に、特2残保留でない第1の特別情報に基づく次の変動が停止し停止表示が終了してしまい、当該変動で大当たりした場合に、この大当たりが直前の特定期間における連荘数にカウントされてしまう虞があった。この結果、所定情報を受信した表示装置において、例えば連荘数の表示を適切に行なうことができなくなってしまう。これを防止するために、本特徴では、所定情報の延長の期間を、最短の変動時間以内の時間を加えた期間とした。
[特徴cA20]
特徴cA1から特徴cA19までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2出力手段は、少なくとも前記最後の変動表示の前記停止表示が終了して次の変動が開始するまで継続して前記所定情報を出力する(変形例4の構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定数の変動表示のうちの少なくとも最後の変動表示の停止表示が終了して次の変動が開始するまで、所定情報を継続して出力することから、所定情報を継続して出力する期間を、特定期間の終了後に取得情報記憶手段に記憶されている第2の特別情報に基づく遊技回が終了して、次の第1の特別情報に基づく変動が開始するまで延長させることができる。したがって、本特徴によれば、所定情報を継続して出力する期間を、特定期間の終了後に取得情報記憶手段に記憶されている第2の特別情報に基づく遊技回の実行を終えた後まで確実に確保することができる。この結果、本特徴では、所定情報や情報を受け取るデータ表示器等の表示装置において、例えば特2残保留消化中である旨を表示する場合に、特2残保留消化が終了する前に当該表示が終わってしまうことを抑制することができる。なお、停止表示の終了時からの延長の期間を次の変動が終了する時間よりも長くすると、所定信号の出力中に、特2残保留でない第1の特別情報に基づく次の変動が停止し停止表示が終了してしまい、当該変動で大当たりした場合に、この大当たりが直前の特定期間における連荘数にカウントされてしまう虞があった。この結果、所定情報を受信した表示装置において、例えば連荘数の表示を適切に行なうことができなくなってしまう。これを防止するために、この変形例では、最後の変動表示の停止表示が終了して次の変動が開始するまで継続して所定情報を出力する構成とした。
[特徴cA21]
特徴cA1から特徴cA20までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記継続して出力する態様は、出力が一時的に停止され、その後に出力が復帰される態様を含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、継続して出力する態様は、出力が一時的に停止され、その後に出力が復帰される態様を含むことから、当該出力を受け付けるデータ表示器等の表示装置を、例えば、連続する複数の遊技回において、変動表示中に出力が停止され、確定表示中に出力されている場合に、当該複数の遊技回に亘って継続して出力されるものと判定する仕様とすることで、例えば変動表示中等においてノイズ等によって出力が途切れてしまい、データ表示器等の表示装置において識別性能が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、上記各特徴群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特開2011-172988号公報)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化、遊技の健全性の向上等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
なお、上記各特徴群に含まれる1又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、上記の各特徴群を適用し得る又は各特徴群に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段と、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、前記取得情報記憶手段に記憶された前記特別情報が所定条件を満たす場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示手段と、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示を始動させる始動手段と、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間の経過に起因して前記複数の絵柄の可変表示を停止させる停止手段と、停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。上記の実施形態、変形例、および特徴群に含まれる技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
《7》第7実施形態:
《7-0》はじめに:
従来、遊技の演出を盛り上げるために、液晶表示装置において表示演出を実行するとともに、当該表示演出の実行中に動作する各種の可動役物を備えるパチンコ機が知られている。近年では、各種の可動役物の装飾を豪華なものとしたり、各種の可動役物に多様な動作を実行させることによって遊技の演出の多様化や興趣の向上が図られている。
しかしながら、各種の可動役物に実行させる動作が多種多様なものになると、当該多種多様な動作を各種の可動役物に実行させるための駆動プログラムが膨大なものとなり、ROMの使用容量が増大してしまうといった課題が生じた。
そこで、各種の可動役物の一連の動作が規定されたプログラムである駆動シナリオをROMに記憶させ、当該一連の動作を実行する際に、当該駆動シナリオをROMから読み出してRAMに格納し、当該RAMに格納された駆動シナリオに基づいて各種の可動役物に一連の動作を実行させるパチンコ機が開発された。このような駆動シナリオを搭載したパチンコ機によれば、一連の動作が規定された駆動シナリオを複数の演出において利用したり(使い回したり)、一の演出の実行中に同一の駆動シナリオを複数回利用する構成を採用することによって、ROMに記憶すべきプログラムを少なくし、ROMの使用容量を低減することが可能となった。
また、一連の動作が規定された駆動シナリオをROMから読み出して一度RAMに格納し、当該RAMに格納された駆動シナリオを実行することによって一連の動作を各種の可動役物に実行させるといった構成や、一度RAMに格納した駆動シナリオを繰り返し実行することによって各種の可動役物に当該一連の動作を繰り返し実行させる構成を採用することによって、従来のように各種の可動役物に一の単一の動作を実行させる毎に当該一の単一の動作が規定された駆動プログラムを毎回ROMから読み出してRAMに格納するといった膨大な数の処理を実行する必要がなくなり、この結果、ROMからのデータの読み出し回数を大幅に低減することが可能となり、パチンコ機の処理負荷の低減が図られた。
しかしながら、従来の駆動シナリオでは、一度RAMに駆動シナリオが格納され、当該駆動シナリオに基づいて各種の可動役物の制御が開始された場合には、当該駆動シナリオに規定された一連の動作の全てが終了するまで、当該駆動シナリオに基づいた制御を終了させることができなかった。このため、従来の駆動シナリオは、一連の動作を各種の可動役物に最後まで実行させることを前提とした演出に利用されていた。このような演出としては、例えば、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展するか否かの期待感を遊技者に抱かせる発展演出が挙げられる。
発展演出では、例えば、ノーマルリーチが実行されている所定期間、一連の動作(例えば上下に複数回移動する動作)を各種の可動役物に繰り返し実行させ、当該所定期間の経過時に当該一連の動作を終了させ、スーパーリーチに発展する場合には、当該スーパーリーチに対応する動作を各種の可動役物に実行させ、一方、スーパーリーチに発展しない場合には、スーパーリーチに発展しない場合に対応した動作を各種の可動役物に実行させる。この構成の場合、駆動シナリオは、一連の動作が当該所定期間の経過時に終了するように設定され、また、当該終了時の各種の可動役物の位置や状態も予め設定されている。このため、一連の動作の終了後に、スーパーリーチに対応する動作も、スーパーリーチに発展しない場合に対応した動作も、各種の可動役物にスムーズに実行させることが可能となる。
このように、従来の駆動シナリオを、一連の動作を各種の可動役物に最後まで実行させることを前提とした演出に利用する場合には問題は生じないが、例えば、従来の駆動シナリオを、一連の動作を終了させるタイミングが不定となる演出(例えばボタン演出)に利用する場合には、次の課題が生じ得る。
例えば、一連の動作を終了させるタイミングが不定となるボタン演出としては、演出操作ボタンが押下されたタイミングで当該変動に係る抽選結果を告知するボタン告知演出が挙げられる。ボタン告知演出では、例えば、図柄の変動中に一連の動作(例えば上下に複数回移動する動作)を各種の可動役物に繰り返し実行させ、当該一連の動作の実行中に、ボタン受付有効期間を開始し、当該ボタン受付有効期間中に演出操作ボタンが押下された場合には、当該演出操作ボタンが押されたタイミングで当該一連の動作を終了させ、当該変動に係る抽選結果が大当たり当選である場合には、当該大当たり当選に対応した動作(例えば落下して回転する動作)を各種の可動役物に実行させ、一方、当該変動に係る抽選結果がはずれである場合には、当該はずれに対応した動作(例えばその場で待機する動作)を各種の可動役物に実行させる。
しかしながら、従来の駆動シナリオを上述したボタン告知演出に利用する場合には、ボタン受付有効期間中に演出操作ボタンが押下された場合であっても、駆動シナリオに規定された一連の動作の全てが終了するまで、当該駆動シナリオに基づいた制御を終了させることができないため、演出操作ボタンが押下されてから、一連の動作の全てが終了して抽選結果に対応した動作が開始されるまでにタイムラグが生じてしまい、この結果、遊技者に違和感や不快感を与えてしまうとともに、ボタン演出の爽快感を損ねてしまうといった課題が生じ得る。
さらに、ボタン受付有効期間中に演出操作ボタンが押下された場合には、演出操作ボタンが押下されたタイミングから遅延することなく即座に、液晶表示装置には当該変動に係る抽選結果に対応した画像が表示され、スピーカーからは当該画像に対応した音声が遅延することなく出力されることになる。したがって、各種の可動役物の動作のタイムラグが目立ってしまい、遊技者により一層の違和感や不快感を与えてしまうといった課題が生じ得る。
本発明に係る遊技機(以下、本遊技機とも称する)は、制御プログラムや制御データを有効に活用しつつ、可動役物の一連の動作を適切な制御で終了させることを目的としている。以下、詳細に説明する。
本遊技機は、
遊技領域に設けられた入球手段と、
前記入球手段に遊技球が入球した場合に当否抽選を行なう当否抽選手段と、
前記当否抽選手段の前記当否抽選の抽選結果に応じて表示手段で実行する一の特定演出を複数の演出表示態様の中から決定して実行する表示制御手段と、
前記遊技領域に設けられ、前記表示手段における前記特定演出の表示中に動作する可動手段の一の動作態様を複数の中から決定して実行する可動制御手段と、
を備え、
前記可動制御手段は、所定の作動条件の成立に基づいて、前記複数の中から決定された一の前記動作態様に対応して設定された特定情報に基づいて前記可動手段に一連の特定動作を行なわせるものであり、
前記可動手段は、前記一連の特定動作において初期位置側である第1位置と、最も駆動された位置である第2位置との間で駆動制御され、
前記一連の特定動作は、前記可動手段を前記第1位置または前記第1位置の近傍に位置させる所定動作を複数回実行するように構成され、
前記可動制御手段は、
前記所定動作を実行した場合に、当該一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段に基づいて前記終了条件が成立していると判定された場合に、前記第1位置または前記第1位置の近傍に位置する前記可動手段を停止させて前記一連の特定動作を終了する終了手段と、
を備える
ことによって、上記目的を達成している。
「入球手段」は、遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口を有する領域であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技球が入球した場合に第1特別図柄の変動表示が実行されることになる第1特図始動口や、遊技球が入球した場合に第2特別図柄の変動表示が実行されることになる第2特図始動口、遊技球が入球した場合に普通図柄の変動表示が実行されることになる普図始動ゲート、遊技球が入球した場合に遊技状態が高確率モードに移行するV確領域、遊技球が入球した場合に特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)に移行するV領域、遊技球が入球した場合に所定個数の賞球が払い出されることになる一般入賞口、大入賞口、大入賞口内の賞球付与領域、遊技盤の最下部に設けられたアウト口、遊技球が入球した場合に特別電動役物が作動することになる特電始動口、などが挙げられる。
「当否抽選」は、入球手段に遊技球が入球した場合に実行される抽選であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第1特図始動口に遊技球が入球した場合に実行される第1特図抽選や、第2特図始動口に遊技球が入球した場合に実行される第2特図抽選、普図始動ゲートに遊技球が入球した場合に実行される普図抽選、特別図柄の変動中に実行する演出や特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)中に実行する演出の種別を決定するための演出決定抽選、などが挙げられる。
「当否抽選手段」は、入球手段に遊技球が入球した場合に当否抽選を行なうものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第1特図始動口に遊技球が入球したことに基づいて乱数情報を取得し、取得した乱数情報を所定のテーブルと照合することによって特図抽選の結果を判定する抽選処理や、第2特図始動口に遊技球が入球したことに基づいて乱数情報を取得し、取得した乱数情報を所定のテーブルと照合することによって特図抽選の結果を判定する抽選処理、普図始動ゲートを遊技球が通過したことに基づいて乱数情報を取得し、取得した乱数情報を所定のテーブルと照合することによって普図抽選の結果を判定する抽選処理、などが挙げられる。
「表示手段」は、当否抽選手段の当否抽選の抽選結果に応じた演出を表示可能なものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、図柄表示装置を構成する液晶ディスプレイや、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、ブラウン管(CRT)、ビデオプロジェクタ、などが挙げられる。
「特定演出」は、当否抽選手段の当否抽選の抽選結果に応じて表示手段で実行可能な演出であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第1特図始動口への遊技球の入球に基づいて実行される特図変動演出を構成する表示演出や、第2特図始動口への遊技球の入球に基づいて実行される特図変動演出を構成する表示演出、普図始動ゲートへの遊技球の入球に基づいて実行される普図変動演出を構成する表示演出、普電オープニング期間中に実行される表示演出、普電開閉期間中に実行される表示演出、普電エンディング期間中に実行される表示演出、特電オープニング期間中に実行される表示演出、特電開閉期間中に実行される表示演出、特電エンディング期間中に実行される表示演出、デモ状態中に実行される表示演出、などが挙げられる。また、これらの表示演出の内容としては、例えば、予告演出や、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出、スペシャルリーチ演出、バトル演出、一発告知演出、などが挙げられる。
「表示制御手段」は、表示手段で実行する一の特定演出を複数の演出表示態様の中から決定して実行するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、や、図柄表示装置で実行する一の特図変動演出を複数の演出パターンの中から決定して実行する処理や、表示手段で実行する一の特定演出の内容を複数の演出内容の中から決定して実行する処理、などが挙げられる。
「可動手段」は、表示手段における特定演出の表示中に動作可能なものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技盤の中央に位置する図柄表示装置の上部に設けられ、上下移動動作、拡大動作、回転動作及び縮小動作が可能な演出用可動役物や、図柄表示装置の下部に設けられ、上昇動作及び下降動作が可能な可動役物、演出操作ボタンの内部に設けられ、板状部材を回転可能な可動役物、遊技球の流下経路上に設けられる板状部材を回動可能な可動役物、板状部材をスライド移動可能な可動役物、などが挙げられる。
「動作態様」は、可動手段の動作の態様として特定可能なものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、移動動作における移動方向、移動速度、移動量、回転動作における回転方向、回転速度、回転量、回動動作における回動方向、回動速度、回動量、スライド動作におけるスライド方向、スライド速度、スライド量、これら動作の実行順序、実行タイミング、実行間隔、実行回数などを規定する動作パターン、が挙げられる。
「特定情報」は、所定の作動条件の成立に基づいて、複数の中から決定された一の動作態様に対応して1回の設定処理によって設定される情報であって、当該1回の設定処理によって設定された情報に基づいて可動手段に一連の特定動作を行なわせるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、演出用可動役物に一連の上下移動動作を実行させるための情報が規定された駆動シナリオや、所定の動作の内容や実行タイミングが予め規定されたスケジュールデータ、実行すべき処理内容や実行すべきタイミング、回数、終了すべきタイミング等を規定するための各種カウンタ、各種カウンタ値と比較するために格納された値、制御の進行に伴って更新される各種ポインタ、などが挙げられる。
「一連の特定動作」は、可動手段が実行可能な一連の動作であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、一連の上下移動動作や、一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作、一連の落下・回転・上昇動作、一連の右移動・左移動・回転動作、一連の回動動作、一連のスライド動作、一連の左移動・回転動作・右移動、一連の右移動・回転動作・左移動、などが挙げられる。
「可動制御手段」は、所定の作動条件の成立に基づいて、複数の中から決定された一の動作態様に対応して設定された特定情報に基づいて可動手段に一連の特定動作を行なわせるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、複数の中から決定された一の役物動作パターンに対応して設定された駆動シナリオに基づいて演出用可動役物に一連の上下移動動作を行なわせる処理や、複数の中から決定された一の役物動作パターンに対応して設定された駆動シナリオに基づいて演出用可動役物に一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作を行なわせる処理、複数の中から決定された一の動作態様に対応して設定されたスケジュールデータに基づいて可動手段に一連の特定動作を行なわせる処理、複数の中から決定された一の動作態様に対応して設定された各種カウンタ値に基づいて可動手段に一連の特定動作を行なわせる処理、複数の中から決定された一の動作態様に対応して設定された所定の値に基づいて可動手段に一連の特定動作を行なわせる処理、複数の中から決定された一の動作態様に対応して設定された各種ポインタに基づいて可動手段に一連の特定動作を行なわせる処理、などが挙げられる。
「初期位置」は、可動手段が駆動されていない状況における初期の位置や状態であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、可動役物が駆動されていない状況において位置している原点位置や、可動役物が駆動されていない状況における初期状態、などが挙げられる。
「第1位置」は、可動手段が一連の特定動作において初期位置側に戻った位置であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、可動役物が一連の動作において最も戻った位置でもある原点位置や、可動役物が一連の動作において最も戻った位置であるW位置(後述する変形例)、可動役物が一連の動作において最も戻った状態、可動役物が一連の動作において最も戻った状態でもある初期状態、などが挙げられる。
「第2位置」は、可動手段が一連の特定動作において最も駆動された位置であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、可動役物が一連の動作において最も駆動された位置である最下点位置や、可動役物が一連の動作において最も駆動された状態、などが挙げられる。
「所定動作」は、可動手段を初期位置側である第1位置または第1位置の近傍に位置させる動作であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、演出用可動役物を後述するA位置から初期位置に移動させる上昇動作や、演出用可動役物を後述するB位置から初期位置に移動させる上昇動作、演出用可動役物を後述するA位置からW位置に移動させる上昇動作、演出用可動役物を後述するB位置からW位置に移動させる上昇動作、可動役物を変位した位置から変位前の位置に戻す動作、可動役物を最も駆動された状態から駆動されていない状態に戻す動作、可動役物を最も駆動された状態から初期状態に戻す動作、などが挙げられる。
「判定手段」は、所定動作を実行した場合に、一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、上昇動作を実行して演出用可動役物が初期位置に位置した場合に上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定する処理や、上昇動作を実行して演出用可動役物がW位置に位置した場合に上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定する処理、可動役物を駆動されていない状態に戻す動作を実行して当該可動役物が駆動されていない状態となった場合に一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定する処理、可動役物を初期状態に戻す動作を実行して当該可動役物が初期状態となった場合に一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定する処理、などが挙げられる。
「終了手段」は、判定手段に基づいて終了条件が成立していると判定された場合に、第1位置または第1位置の近傍に位置する可動手段を停止させて一連の特定動作を終了するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、初期位置に位置する可動手段を停止させて一連の特定動作を終了させる処理や、W位置に位置する可動手段を停止させて一連の特定動作を終了させる処理、駆動されていない状態となった可動役物を停止させて一連の特定動作を終了させる処理、初期状態となった可動役物を停止させて一連の特定動作を終了させる処理、などが挙げられる。
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「入球手段」としての「入球部」を備え、「当否抽選」としての「内部抽選」を備え、「当否抽選手段」としての「抽選処理」を備え、「表示手段」としての「表示部」を備え、「特定演出」としての「所定演出」を備え、「表示制御手段」としての「表示制御処理」を備え、「可動手段」としての「可動役物」を備え、「動作態様」としての「動作パターン」を備え、「可動制御手段」としての「可動制御処理」を備え、「所定の作動条件」としての「所定の開始条件」を備え、「特定情報」としての「設定情報」を備え、「一連の特定動作」としての「一連の動作」を備え、「初期位置」としての「非駆動時初期位置」を備え、「第1位置」としての「駆動時最戻り位置」を備え、「第2位置」としての「駆動時最大変位位置」を備え、「所定動作」としての「戻り動作」を備え、「終了条件」としての「動作終了条件」を備え、「判定手段」としての「判定処理」を備え、「終了手段」としての「終了処理」を備える。また、本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「第1の期間」としての「短動作期間」を備え、「第2の期間」としての「長動作期間」を備え、「第1の制御期間」としての「短制御期間」を備え、「第2の制御期間」としての「長制御期間」を備え、「第1の制御」としての「第1制御」を備え、「第2の制御」としての「第2制御」を備え、「所定の遊技操作」としての「遊技用操作」を備え、「待機期間」としての「動作待機期間」を備え、「非駆動期間」としての「開始前非駆動期間」を備え、「音出力手段」としての「音声出力部」を備え、「発光手段」としての「発光部」を備え、「所定期間」としての「所定のインターバル期間」を備えてもよい。
本遊技機によれば、詳細は後述するが、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に内部抽選を行なう抽選処理を実行可能であり、内部抽選の抽選結果に応じて表示部で実行する一の所定演出を複数の演出表示態様の中から決定して実行する表示制御処理を実行可能であり、遊技領域に設けられ、表示部における所定演出の表示中に動作する可動役物の一の動作パターンを複数の中から決定して実行する可動制御処理を実行可能である。そして、本遊技機によれば、所定の開始条件の成立に基づいて、複数の中から決定された一の動作パターンに対応して設定された設定情報に基づいて可動役物に一連の動作を行なわせることが可能である。
そして、本遊技機によれば、可動役物は、一連の動作において非駆動時初期位置側である駆動時最戻り位置と、最も駆動された位置である駆動時最大変位位置との間で駆動制御され、一連の動作は、可動役物を駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置させる戻り動作を複数回実行するように構成されており、戻り動作を実行した場合に、一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定し、動作終了条件が成立していると判定された場合に、駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置する可動役物を停止させて一連の動作を終了する終了処理を実行可能である。
したがって、本遊技機によれば、当該一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、可動役物が駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置した状態で当該一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
ここで、仮に、本遊技機とは異なり、一連の動作の動作終了条件の成立を任意のタイミングで判定し、動作終了条件が成立したと判定された任意のタイミングで一連の動作を強制的に終了させる構成を採用した場合には、可動役物が駆動時最戻り位置と駆動時最大変位位置との間で毎回異なる位置で停止することになる。この結果、例えば、一連の動作の終了後に次の制御を開始する場合に、当該次の制御の開始のタイミングにおける可動役物の位置が毎回異なることになる。したがって、一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
これに対して、本遊技機によれば、上述したように、戻り動作を実行した場合に、一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定し、動作終了条件が成立していると判定された場合に、駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置する可動役物を停止させて一連の動作を終了する。この結果、一連の動作の終了時には、可動役物は駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置することになる。したがって、一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
さらに、本遊技機によれば、表示部に表示される画像と可動役物の動作とのタイムラグを短くすることができるので、遊技者に与える違和感や不快感を低減することが可能となる。
このように、本遊技機によれば、制御プログラムや制御データを有効に活用しつつ、可動役物の一連の動作を適切な制御で終了させることができるとともに、当該一連の動作の終了後に、可動役物が所定の状態となっていることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
以下、本遊技機のより具体的な構成を下記の第7実施形態として説明する。
《7-1》遊技機の構造:
図303は、第7実施形態のパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」とも称する)の斜視図である。図示するように、パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる特図抽選時、当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行なわれる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が遊技のための操作である遊技球の発射操作をするための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が所定の間隔(本実施形態では0.6秒間隔)で発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。そして、操作ハンドル25の回動操作量が所定未満の場合、すなわち遊技球の発射強度が所定未満の場合には、発射された遊技球は遊技盤の正面視左側の領域を流下する。この場合における遊技球の発射態様を「左打ち」とも呼ぶ。一方、操作ハンドル25の回動操作量が所定以上の場合、すなわち遊技球の発射強度が所定以上の場合には、発射された遊技球は遊技盤の正面視右側の領域を流下する。この場合における遊技球の発射態様を「右打ち」とも呼ぶ。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者は「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによってタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図304は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53と、電源ユニット58とを備えている。具体的には、これらユニットは、内枠13の背面側に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御である第1制御を司る機能を有する主制御基板を有しており、主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。この基板ボックスは、開閉の痕跡が残るように構成されている。具体的には、本実施形態では、開閉可能な箇所に封印シールが貼付されており、基板ボックスを開放すると「開封」といった文字が現れるように構成されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する第2制御を実行する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面側には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け、払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
電源ユニット58は、電源装置85と、電源スイッチ88とを備えている。電源装置85は、外部の商用電源から供給された電力を、パチンコ機10の動作に必要な電力に変換して供給する。電源装置85には、電源スイッチ88が接続されている。電源スイッチ88のON/OFF操作により、パチンコ機10に電力が供給されている供給状態と、パチンコ機10に電力が供給されていない非供給状態とが切り換えられる。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図305は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車96が配設されている。これら釘42や風車96は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向に変化を与える。本実施形態では、遊技領域PAは、「左打ち」によって発射された遊技球が流通可能な左側遊技領域PALと、左側遊技領域PALを流通してきた遊技球が到達可能な中央下部遊技領域PACと、「右打ち」によって発射された遊技球が流通可能な右側遊技領域PARとによって構成されている。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1特図始動口33、第2特図始動口34、普通電動役物34b、普図始動ゲート35、特電入賞装置57、アウト口43が設けられている。本実施形態では、「左打ち」によって発射された遊技球が到達可能な中央下部遊技領域PACに第1特図始動口33が設けられており、「右打ち」によって発射された遊技球が到達可能な右側遊技領域PARの上流側から順に、普図始動ゲート35、第2特図始動口34及び普通電動役物34b、特電入賞装置57が設けられている。そして、遊技盤30の最下部にアウト口43が設けられている。遊技盤30の中央の開口部には、遊技を盛り上げる演出を実行する装置として、可変表示ユニット40と、演出用可動役物170とが設けられている。以下、遊技盤30に設けられている各構成について説明する。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口を有する入球部であり、遊技球が入球した場合には、5個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。本実施形態では、一般入賞口32は、遊技盤30上に複数設けられている。
第1特図始動口33は、遊技球が入球可能な入球口を有する入球部であり、遊技球が入球した場合には、3個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出されるとともに、主制御装置60による内部抽選である第1特図抽選が実行される。第1特図始動口33への遊技球の入球に基づく抽選処理が実行され、第1特図抽選の結果、特図大当たりに当選すると、後述する特別電動役物(特別電動役物57b)が開閉動作を実行する特電開閉実行モードが開始される。特電開閉実行モードは、特電オープニング期間と、特電開閉期間と、特電エンディング期間とによって構成されている。特電オープニング期間は、特別電動役物の開閉処理が開始されるまでの待機期間であり、特電開閉期間は、実際に特別電動役物の開閉が実行される期間であり、特電エンディング期間は、特別電動役物の開閉処理が終了した後、次の特図抽選が実行可能となるまでの待機期間である。
特電入賞装置57は、遊技球が入球可能な大入賞口57aと、当該大入賞口57aの入口を開閉する機能を有する特別電動役物57bとを備える。
特別電動役物57bは、通常は遊技球が大入賞口57aに入球することが不可能な閉鎖状態となっており、上述した特電開閉実行モードが開始されると、遊技球が大入賞口57aに入球可能な開放状態となる可動役物である。
本実施形態では、特別電動役物57bは、右側遊技領域PARにおける遊技球が到達し得る(接し得る)位置に配置されており、横長の矩形の板状部材と、当該板状部材の下辺の両端に設けられ、当該板状部材を前方側(手前側)に回動可能に支持する支持部とを備えている。特別電動役物57bは、閉鎖状態では、当該板状部材が遊技盤30と同一平面となるように収納された状態となっており、特別電動役物57bの上方から流通してきた遊技球が特別電動役物57bの前方側(手前側)を通過可能な状態となっている。一方、開放状態では、特別電動役物57bは、当該板状部材が支持部を中心として前方側(手前側)に回動した状態となっており、特別電動役物57bの上方から流通してきた遊技球が大入賞口57aに入球可能な状態となる。なお、本実施形態では、特別電動役物57bは、透明または半透明の部材を含んで構成されているため、板状部材の裏側を流通する遊技球を遊技者が当該板状部材を通して視認可能な構成となっている。
大入賞口57aは、特別電動役物57bが開放状態となっている状況において遊技球が入球可能な入球口であり、遊技球が入球した場合には、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
普図始動ゲート35は、遊技球が入球可能な入球口を有する貫通孔型の入球部であり、普図始動ゲート35に入球した遊技球は、遊技領域PAに残って流通可能である。そして、普図始動ゲート35に遊技球が入球した場合には、主制御装置60によって普図抽選が実行される。普図抽選の結果には、後述する普通電動役物34bを入球可能状態に移行させる「普図当たり」と、普通電動役物34bを入球可能状態に移行させない「普図外れ」とが含まれている。普図抽選の結果、普図当たりに当選した場合には、普通電動役物34bを開放状態に移行させる可動制御処理を含む普電開閉実行モードが実行される。普電開閉実行モードは、普電オープニング期間と、普電開閉処理期間と、普電エンディング期間とによって構成されている。普電オープニング期間は、普通電動役物34bの開閉処理が開始されるまでの待機期間であり、普電開閉期間は、実際に普通電動役物34bの開閉処理が実行される期間であり、普電エンディング期間は、普通電動役物34bの開閉処理が終了した後、次の普図抽選を実行可能とするまでの待機期間である。なお、普図始動ゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
普図始動ゲート35の下流には、普通電動役物34bを有する第2特図始動口34が配置されており、普図始動ゲート35に入球した遊技球は、普通電動役物34bを備える第2特図始動口34に導かれる。
普通電動役物34bは、通常は遊技球が第2特図始動口34に入球することが不可能な閉鎖状態となっており、上述した普電開閉実行モードが開始されると、遊技球が第2特図始動口34に入球可能な開放状態となる。
第2特図始動口34は、遊技球が入球可能な入球口を有する入球部であり、本実施形態では、右側遊技領域PARに設けられている。第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、1個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出されるとともに、主制御装置60による内部抽選である第2特図抽選が実行される。本実施形態では、第2特図抽選の結果として、「特図大当たり」と、「特図外れ」とが設定情報として設定されている。第2特図始動口34への遊技球の入球に基づく抽選処理が実行され、第2特図抽選の結果、特図大当たりに当選すると、後述する特別電動役物(特別電動役物57b)を開放状態に移行させる処理を含む特電開閉実行モードが開始される。なお、本実施形態では、第2特図始動口34が右側遊技領域PARに設けられている構成としたが、第2特図始動口34の位置はこれに限定されず、本発明の主旨を実現可能であれば、他の位置に設けられていてもよい。例えば、第2特図始動口34は、左側遊技領域PALに設けられていてもよい。
アウト口43は、遊技盤30の最下部に設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
第1特図始動口33の上方には、ステージ36xが設けられている。ステージ36xは、到達した遊技球を振り分ける場合に、中央ルートよりも右側ルート及び左側ルートに多くの遊技球を振り分けるように構成されている。すなわち、中央ルートに振り分けられた遊技球の個数よりも、右側ルートに振り分けられた遊技球と左側ルートに振り分けられた遊技球とを合計した個数の方が多くなるように構成されている。本実施形態では、ステージ36xの下方に第1特図始動口33が設けられており、中央ルートに振り分けられた遊技球は第1特図始動口33に入球する可能性が高い。このため、中央ルートの方が右側ルート及び左側ルートよりも遊技者にとっての価値が高い。なお、本実施形態では、振分ステージ36x2は、樹脂製である。
なお、「入球」とは、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過することを意味し、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAに残存して流通(流下)を継続する態様も含まれる。また、一般入賞口32、第1特図始動口33、第2特図始動口34及び大入賞口57aへの遊技球の入球を「入賞」と表現する場合もある。
次に、遊技盤30に設けられている各種の表示部について説明する。
遊技盤30には、可変表示ユニット40と、メイン表示器45とが設けられている。メイン表示器45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示器39とを有している。
特図ユニット37は、第1特別図柄表示器37aと、第2特別図柄表示器37bと、第1特図保留表示器37cと、第2特図保留表示器37dとを備えている。
第1特別図柄表示器37aは、第1特別図柄の変動表示及び停止表示を実行する表示部である。第1特別図柄とは、第1特図始動口33への遊技球の入球を契機として第1特図抽選が実行された際に変動表示及び停止表示される図柄をいう。第1特図始動口33への遊技球の入球を契機として第1特図抽選が実行されると、第1特別図柄表示器37aは、当該第1特図抽選の抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1特別図柄の変動表示を実行する。その後、第1特別図柄表示器37aは、当該第1特図抽選の抽選結果に対応した表示態様で第1特別図柄の停止表示を実行する。以降の説明では、第1特別図柄表示器37aにおいて第1特別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1特図変動時間とも呼ぶ。
本実施形態では、第1特別図柄表示器37aは、7個のセグメント発光部が8の字型に配列された7セグメント表示器によって構成されている。第1特図始動口33に遊技球が入球すると、第1特別図柄表示器37aを構成する7セグメント表示器は、所定の態様で点滅した後に(変動表示した後に)、第1特図抽選の抽選結果に対応した所定の態様で点灯する(停止表示する)。ただし、第1特別図柄表示器37aは、7セグメント表示器に限らず、他の構成であってもよい。
なお、第1特別図柄表示器37aにおける第1特別図柄の変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを第1特図遊技回とも呼ぶ。すなわち、第1特図遊技回は、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて実行される第1特図抽選の抽選結果を遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1回の第1特図遊技回毎に、1回の第1特図抽選の抽選結果を遊技者に報知する。また、1回の第1特図遊技回に要する時間を第1特図遊技時間とも呼ぶ。第1特図遊技時間は、第1特別図柄表示器37aにおける第1特別図柄の変動表示が開始されてから第1特図抽選の結果が停止表示されるまでの時間である第1特図変動時間と、第1特図抽選の結果が停止表示されている時間である第1特図停止時間とによって構成されている。なお、本実施形態では、第1特図停止時間は一定(1.0秒)である。したがって、第1特図変動時間が決定されることによって、第1特図遊技時間は一意に決定される。
第2特別図柄表示器37bは、第2特別図柄の変動表示及び停止表示を実行する表示部である。第2特別図柄とは、第2特図始動口34への遊技球の入球を契機として第2特図抽選が実行された際に変動表示及び停止表示される図柄をいう。第2特図始動口34への遊技球の入球を契機として第2特図抽選が実行されると、第2特別図柄表示器37bは、当該第2特図抽選の抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2特別図柄の変動表示を実行する。その後、第2特別図柄表示器37bは、当該第2特図抽選の抽選結果に対応した表示態様で第2特別図柄の停止表示を実行する。以下では、第2特別図柄表示器37bにおいて第2特別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2特図変動時間とも呼ぶ。
本実施形態では、第2特別図柄表示器37bは、7個のセグメント発光部が8の字型に配列された7セグメント表示器によって構成されている。第2特図始動口34に遊技球が入球すると、第2特別図柄表示器37bを構成する7セグメント表示器は所定の態様で点滅した後に(変動表示した後に)、第2特図抽選の抽選結果に対応した所定の態様で点灯する(停止表示する)。ただし、第2特別図柄表示器37bは、7セグメント表示器に限らず、他の構成であってもよい。
なお、第2特別図柄表示器37bにおける第2特別図柄の変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを第2特図遊技回とも呼ぶ。すなわち、第2特図遊技回は、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて実行される第2特図抽選の抽選結果を遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1回の第2特図遊技回毎に、1回の第2特図抽選の抽選結果を遊技者に報知する。また、1回の第2特図遊技回に要する時間を第2特図遊技時間とも呼ぶ。第2特図遊技時間は、第2特別図柄表示器37bにおける第2特別図柄の変動表示が開始されてから第2特図抽選の結果が停止表示されるまでの時間である第2特図変動時間と、第2特図抽選の結果が停止表示されている時間である第2特図停止時間とによって構成されている。なお、本実施形態では、第2特図停止時間は一定である。したがって、第2特図変動時間が決定されることによって、第2特図遊技時間は一意に決定される。
また、本実施形態では、特電開閉実行モードの実行中又は特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示中に遊技球が第1特図始動口33又は第2特図始動口34に入球した場合に、当該遊技球の入球に基づく第1特図抽選又は第2特図抽選の実行を保留する機能(特図保留機能とも呼ぶ)を有しており、保留された第1特図抽選の保留個数に対応した情報を表示する第1特図保留表示器37cと、保留された第2特図抽選の保留個数に対応した情報を表示する第2特図保留表示器37dとを備えている。
第1特図保留表示器37cは、保留された第1特図抽選の保留個数に対応した情報(第1特図始動口33に入球した遊技球の個数に関する情報)を表示する表示部である。本実施形態では、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づく第1特図抽選は、最大4個(4回)まで保留される。なお、本実施形態では、第1特図保留表示器37cは、4個のLEDランプによって構成されており、第1図抽選の保留個数に対応した数のLEDランプが点灯する。
第2特図保留表示器37dは、保留された第2特図抽選の保留個数に対応した情報を表示する表示部である。本実施形態では、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づく第2特図抽選は、最大4個(4回)まで保留される。なお、本実施形態では、第2特図保留表示器37dは、4個のLEDランプによって構成されており、第2図抽選の保留個数に対応した数のLEDランプが点灯する。
また、本実施形態では、第1特図抽選と第2特図抽選の両方が保留されている場合には、第2特図抽選が優先して実行され、第2特図抽選の保留が全て無くなった後に、第1特図抽選が実行されるように構成されている(いわゆる特2優先機)。具体的には、例えば、第1特図抽選が2個(2回)保留されており、第2特図抽選が3個(3回)保留されている場合には、第2特図抽選が3回実行されて保留が無くなった後に、第1特図抽選が2回実行されることになる。ただし、保留されていた最後の第2特図抽選が終了する前に第2特図始動口34に遊技球が入球して第2特図抽選が再び保留された場合には、当該保留された第2特図抽選が終了するまで、第1特図抽選は実行されない。
普図ユニット38は、普通図柄表示器38aと、普図保留表示器38bとを備えている。
普通図柄表示器38aは、普通図柄の変動表示及び停止表示を実行する表示部である。普通図柄とは、普図始動ゲート35への遊技球の入球を契機として内部抽選である普図抽選が実行された際に変動表示及び停止表示される図柄をいう。普図始動ゲート35への遊技球の入球を契機として普図抽選が実行されると、普通図柄表示器38aは、当該普図抽選の抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、普通図柄の変動表示を実行する。その後、普通図柄表示器38aは、当該普図抽選の抽選結果に対応した表示態様で普通図柄の停止表示を実行する。以降の説明では、普通図柄表示器38aにおいて普通図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を普図変動時間とも呼ぶ。
本実施形態では、普通図柄表示器38aは、7個のセグメント発光部が8の字型に配列された7セグメント表示器によって構成されている。普図始動ゲート35に遊技球が入球すると、普通図柄表示器38aを構成する7セグメント表示器は、所定の態様で点滅した後に(変動表示した後に)、普図抽選の抽選結果に対応した所定の態様で点灯する(停止表示する)。ただし、普通図柄表示器38aは、7セグメント表示器に限らず、他の構成であってもよい。
なお、普通図柄表示器38aにおける普通図柄の変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを普図遊技回とも呼ぶ。すなわち、普図遊技回は、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づいて実行される普図抽選の抽選結果を遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1回の普図遊技回毎に、1回の普図抽選の抽選結果を遊技者に報知する。また、1回の普図遊技回に要する時間を普図遊技時間とも呼ぶ。普図遊技時間は、普通図柄表示器38aにおける普通図柄の変動表示が開始されてから普図抽選の結果が停止表示されるまでの時間である普図変動時間と、普図抽選の結果が停止表示されている時間である普図停止時間とによって構成されている。なお、本実施形態では、普図停止時間は一定(0.1秒)である。したがって、普図変動時間が決定されることによって、普図遊技時間は一意に決定される。
また、本実施形態では、普電開閉実行モードの実行中又は普通図柄の変動表示中に遊技球が普図始動ゲート35に入球した場合に、当該遊技球の入球に基づく普図抽選の実行を保留する機能(普図保留機能とも呼ぶ)を有しており、保留された普図抽選の保留個数に対応した情報を表示する上述した普図保留表示器38bを備えている。
普図保留表示器38bは、保留された普図抽選の保留個数に対応した情報を表示する表示部である。本実施形態では、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づく普図抽選は、最大4個(4回)まで保留される。なお、本実施形態では、普図保留表示器38bは、4個のLEDランプによって構成されており、普図抽選の保留個数に対応した数のLEDランプが点灯する。
ラウンド表示器39は、特電開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数に対応した情報を表示する表示部である。ラウンド遊技とは、予め定められた所定時間(最大開放時間)が経過すること、又は、予め定められた上限個数(最大入球個数)の遊技球が大入賞口に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、特別電動役物の開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、特電開閉実行モードの移行の契機となった特図当たりの種別に応じて異なる。ラウンド表示器39は、特電開閉実行モードにおける特電開閉期間の開始の際にラウンド遊技の回数に対応した表示を開始し、特電開閉期間の終了の際に当該表示を終了する。本実施形態では、ラウンド表示器39は、7個のセグメント発光部が8の字型に配列された7セグメント表示器を2つ並べることによって構成されている。ただし、ラウンド表示器39は、2つの7セグメント表示器に限らず、他の構成であってもよい。
なお、上述したメイン表示器45を構成する各表示部は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。本実施形態では、図柄表示装置41として、液晶表示装置(液晶ディスプレイ)が採用されている。図柄表示装置41の表示内容は、後述する表示制御装置100によって制御される。なお、図柄表示装置41としては、液晶表示装置(液晶ディスプレイ)に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置や、有機EL表示装置、CRTなど、種々の表示装置が採用されてもよい。
図柄表示装置41は、第1特別図柄表示器37aにおける第1特別図柄又は第2特別図柄表示器37bにおける第2特別図柄が変動表示及び停止表示をする場合に、それに合わせて装飾図柄の変動表示及び停止表示を行なう表示部である。また、図柄表示装置41は、装飾図柄の変動表示及び停止表示に限らず、予告演出や特電開閉実行モード中の演出の表示など、各種の演出の表示も行なう表示部である。図柄表示装置41の上方には、演出用可動役物170が設けられている。
演出用可動役物170は、図柄表示装置41の表示面41aの手前(前方)上側に配置された可能役物であり、遊技盤30の正面視(以下、単に「正面視」と呼んだ場合、遊技盤30の正面視を意味する)において、回転軸部171の周囲に5枚の花びら部172が配置されるように構成されている。各花びら部172は、板状の透明または半透明の樹脂製部材であり、正面視において、花びらの形状を有している。回転軸部171は、遊技盤30の前後方向(遊技盤30の表面に対して垂直な方向)に延在した棒状部材に連結されており、当該棒状部材を中心に回転可能に構成されている。回転軸部171に連結された各花びら部172は、回転軸部171の回転運動に伴って回転可能に構成されている。さらに、演出用可動役物170は、図示した原点位置から下方に移動可能に構成されている。演出用可動役物170の構成及び動作の詳細については後述する。
図306は、図柄表示装置41において変動表示される装飾図柄及び図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図306(A)は、図柄表示装置41の表示面41aにおいて変動表示される装飾図柄の一例を示す説明図である。
図306(A)に示すように、図柄表示装置41には、装飾図柄として、数字の1~8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される装飾図柄として、数字の1~8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図306(B)は、図柄表示装置41の表示面41aの一例を示す説明図である。図示するように、表示面41aの中央には、メイン表示領域MAが表示される。なお、変形例として、表示面41aの右側上方に、メイン表示領域MAよりも小さい領域であるサブ表示領域SAが表示される構成としてもよい。
メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの装飾図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各装飾図柄列Z1~Z3には、図306(A)に示した数字1~8の装飾図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各装飾図柄列Z1~Z3のそれぞれにおいて装飾図柄が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。そして、図306(B)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各装飾図柄列毎に1個の装飾図柄が、有効ラインL1上に停止した状態で表示される。
本実施形態では、第1特図始動口33又は第2特図始動口34に遊技球が入球し、第1特別図柄表示器37a又は第2特別図柄表示器37bにおいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、各装飾図柄列Z1~Z3の装飾図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各装飾図柄が、装飾図柄列Z1、装飾図柄列Z3、装飾図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わる。その後、第1特別図柄表示器37a又は第2特別図柄表示器37bにおいて第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示となったタイミングと同期して、各装飾図柄列Z1~Z3毎に1個の装飾図柄が停止表示した状態となる。主制御装置60による第1特図抽選又は第2特図抽選の結果が特図大当たりであった場合には、各装飾図柄列における装飾図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる際に、予め定められた所定の装飾図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。例えば、同一の装飾図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。なお、各装飾図柄列の装飾図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、装飾図柄列の数、有効ラインの数、各装飾図柄列における装飾図柄のスクロールの方向、各装飾図柄列の装飾図柄の数など、装飾図柄の変動表示の態様としては種々の態様を採用可能である。
次に、装飾図柄におけるリーチについて説明する。リーチとは、図柄表示装置41の表示面41aに表示される複数の装飾図柄列のうち一部の装飾図柄列において、当たりに対応した装飾図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される可能性がある装飾図柄の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの装飾図柄列において装飾図柄の変動表示が行われている表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において、当たりに対応した装飾図柄の組み合わせとは、同一の装飾図柄の組み合わせのことをいう。具体的には、例えば、図306(B)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に装飾図柄列Z1において装飾図柄「7」が停止表示され、次に装飾図柄列Z3において装飾図柄列Z1と同じ装飾図柄「7」が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状態で、装飾図柄列Z2において装飾図柄がスクロールしている(変動表示している)状態をリーチという。そして、当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している装飾図柄と同一の装飾図柄が装飾図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの装飾図柄列において装飾図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することにより所定演出であるリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された装飾図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
図306(B)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1特図保留表示領域Ds1と、第2特図保留表示領域Ds2とが表示される。
第1特図保留表示領域Ds1には、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて保留された第1特図抽選の個数(保留第1特図抽選の個数)が表示される。保留第1特図抽選とは、未実行の第1特図抽選であって、当該第1特図抽選の抽選結果を報知するための第1特別図柄の変動表示が開始されていない第1特図抽選を言う。本実施形態では、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて保留可能な第1特図抽選の数は4個である。したがって、図示するように、第1特図保留表示領域Ds1には4個の保留第1特図抽選に対応した保留表示が可能である。
第2特図保留表示領域Ds2には、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて保留された第2特図抽選の個数(保留第2特図抽選の個数)が表示される。保留第2特図抽選とは、未実行の第2特図抽選であって、当該第2特図抽選の抽選結果を報知するための第2特別図柄の変動表示が開始されていない第2特図抽選を言う。本実施形態では、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて保留可能な第2特図抽選の数は4個である。したがって、図示するように、第2特図保留表示領域Ds2には4個の保留第2特図抽選に対応した保留表示が可能である。
また、図306(B)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1特別図柄表示器37aに表示される第1特別図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1特図同期表示部Sync1と、第2特別図柄表示器37bに表示される第2特別図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2特図同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1特別図柄表示器37aにおいて第1特別図柄が変動表示をしている場合には特図同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1特別図柄表示器37aにおいて第1特別図柄が停止表示をしている場合には特図同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2特別図柄表示器37bにおいて第2特別図柄が変動表示をしている場合には特図同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2特別図柄表示器37bにおいて第2特別図柄が停止表示をしている場合には特図同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、図柄表示装置41の表示面41aには、メイン表示領域MA、第1特図保留表示領域Ds1、第2特図保留表示領域Ds2、第1特図同期表示部Sync1、および、第2特図同期表示部Sync2が表示される構成としたが、表示面41aにこれらの表示の一部または全部が表示されない構成を採用してもよい。
《7-2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図307は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。
主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。
また、主制御基板61の入力側には、上述した各種の入球口のそれぞれに設けられた検知センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検知センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて第1特図抽選を実行し、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて第2特図抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、メイン表示器45と、特別電動役物57bを開閉動作させる特別電動役物駆動部57cと、普通電動役物34bを開閉動作させる普通電動役物駆動部34cとが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、第1特図抽選を実行した際には、メイン表示器45における第1特別図柄表示器37aの表示制御を実行し、第2特図抽選を実行した際には、メイン表示器45における第2特別図柄表示器37bの表示制御を実行し、普図抽選を実行した際には、メイン表示器45における普通図柄表示器38aの表示制御を実行し、特電開閉実行モードを実行した際には、メイン表示器45におけるラウンド表示器39の表示制御を実行する。さらに、MPU62は、特電開閉実行モードにおいては、特別電動役物57bが開閉されるように特別電動役物駆動部57cの駆動制御を実行し、普電開閉実行モードにおいては、普通電動役物34bが開閉されるように普通電動役物駆動部34cの駆動制御を実行する。
また、主制御基板61の出力側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。主制御装置60は、払出制御装置70に対して、入球判定結果に基づいて、各入球口毎に設定された設定情報である賞球数に対応した賞球コマンドを送信する。なお、主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63bを参照する。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63bを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する。
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光部である各種ランプ47の駆動制御や、音声出力部であるスピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した所定演出である遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における装飾図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる装飾図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、装飾図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、装飾図柄が停止表示している時間は一定である。従って、装飾図柄の変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図308は、RAM64に設けられている各種カウンタと各種記憶エリアを示す説明図である。図308に示すように、RAM64には、MPU62による内部抽選に用いられる各種のカウンタが設けられている。具体的には、本実施形態では、RAM64には、特図当否判定カウンタCs1と、特図種別判定カウンタCs2と、特図リーチ判定カウンタCs3と、特図変動種別判定カウンタCs4と、普図当否判定カウンタCn1と、普図種別判定カウンタCn2と、乱数初期値カウンタCiniとが設けられている。特図当否判定カウンタCs1及び特図種別判定カウンタCs2は、特図抽選の抽選結果を判定する際に用いられる。特図リーチ判定カウンタCs3は、図柄表示装置41に表示される装飾図柄を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かを判定する特図リーチ判定に用いられる。また、特図変動種別判定カウンタCs4は、第1特別図柄表示器37a又は第2特別図柄表示器37bにおける特別図柄の変動時間を決定する際に用いられる。また、普図当否判定カウンタCn1及び普図種別判定カウンタCn2は、普図抽選に用いられる。乱数初期値カウンタCiniは、特図当否判定カウンタCs1の値が1周した際の初期値を設定情報として設定する際に用いられる。
各カウンタCs1~Cs4、Cn1、Cn2、Ciniは、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には、特図保留エリア64bと、特図判定エリア64cと、普図保留エリア64dと、普図判定エリア64eとが設けられている。本実施形態では、第1特図始動口33に遊技球が入球すると、当該入球のタイミングにおける特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3の各値が特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに時系列的に記憶され、第2特図始動口34に遊技球が入球すると、当該入球のタイミングにおける特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3の各値が特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに時系列的に記憶される。また、普図始動ゲート35に遊技球が入球すると、当該入球のタイミングにおける普図当否判定カウンタCn1、普図種別判定カウンタCn2の各値が普図保留エリア64dに時系列的に記憶される。
次に、特図当否判定カウンタCs1の詳細について説明する。特図当否判定カウンタCs1は、特図当たり(特図大当たり又は特図小当たり)に当選するか否かを判定する際に用いられる。この特図当たりに当選するか否かの判定である特図当否判定は、上述した特図抽選の一部である。特図当否判定カウンタCs1は、0~65535の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後は0に戻るように構成されている。また、特図当否判定カウンタCs1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCiniの値が当該特図当否判定カウンタCs1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCiniは、特図当否判定カウンタCs1と同様のループカウンタである(値=0~65535)。
特図当否判定カウンタCs1の値は定期的に更新され、第1特図始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図当否判定カウンタCs1の値が特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図当否判定カウンタCs1の値が特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。
特図当否判定カウンタCs1の値は、第1特図始動口33に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、特図当否判定カウンタCs1の値は、第2特図始動口34に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。本実施形態では、第2特図保留エリアRbに記憶された特図当否判定カウンタCs1の値は、第1特図保留エリアRaに記憶された特図当否判定カウンタCs1の値よりも優先的に、そして記憶された順に特図判定エリア64cに移動される。そして、特図判定エリア64cに移動した特図当否判定カウンタCs1の値は、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている特図当否判定テーブルと照合され、特図当たりに当選するか否かが判定される。
次に、特図種別判定カウンタCs2の詳細について説明する。特図種別判定カウンタCs2は、特別図柄の種別を判定する際に用いられる。この特別図柄の種別の判定である特図種別判定は、上述した特図抽選の一部である。特図種別判定カウンタCs2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後は0に戻るように構成されている。
特図種別判定カウンタCs2は定期的に更新され、第1特図始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図種別判定カウンタCs2の値が、上述した特図当否判定カウンタCs1の値とともに特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図種別判定カウンタCs2の値が特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。
特図種別判定カウンタCs2の値は、第1特図始動口33に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、特図種別判定カウンタCs2の値は、第2特図始動口34に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。本実施形態では、第2特図保留エリアRbに記憶された特図種別判定カウンタCs2の値は、第1特図保留エリアRaに記憶された特図種別判定カウンタCs2の値よりも優先的に、そして記憶された順に、上述した特図当否判定カウンタCs1とともに特図判定エリア64cに移動される。
MPU62は、上述したように、特図判定エリア64eに記憶されている特図当否判定カウンタCs1の値を用いて特図当否判定を行なう。そして、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている複数の特図種別判定テーブルの中から、特図当否判定の結果に対応した一の特図種別判定テーブルを選択し、特図判定エリア64eに記憶されている特図種別判定カウンタCs2の値を、当該選択した特図種別判定テーブルと照合し、特別図柄の種別を判定する。そして、MPU62は、判定した特別図柄の種別に基づいて、特別図柄表示部38aに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。
次に、特図リーチ判定カウンタCs3の詳細について説明する。特図リーチ判定カウンタCs3は、特図当否判定の結果が特図当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。特図リーチ判定カウンタCs3は、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後は0に戻るように構成されている。
特図リーチ判定カウンタCs3は定期的に更新され、第1特図始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図リーチ判定カウンタCs3の値が、上述した特図当否判定カウンタCs1及び特図種別判定カウンタCs2の値とともに特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図リーチ判定カウンタCs3の値が、上述した特図当否判定カウンタCs1及び特図種別判定カウンタCs2の値とともに特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。
特図リーチ判定カウンタCs3の値は、第1特図始動口33に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、特図リーチ判定カウンタCs3の値は、第2特図始動口34に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。本実施形態では、第2特図保留エリアRbに記憶された特図リーチ判定カウンタCs3の値は、第1特図保留エリアRaに記憶された特図リーチ判定カウンタCs3の値よりも優先的に、そして記憶された順に、上述した特図当否判定カウンタCs1及び特図種別判定カウンタCs2の値とともに特図判定エリア64cに移動される。
MPU62は、特図当否判定において特図当たりではないと判定した場合に、特図判定エリア64cに記憶されている特図リーチ判定カウンタCs3の値を、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている特図リーチ判定テーブルと照合し、リーチが発生するか否かを判定する。なお、特図抽選における特図当否判定の結果が特図大当たりである場合には、MPU62は、特図リーチ判定カウンタCs3の値に関係なくリーチ発生と判定する。
次に、特図変動種別判定カウンタCs4の詳細について説明する。特図変動種別判定カウンタCs4は、特別図柄表示部38aにおける特別図柄の変動時間及び図柄表示装置41における装飾図柄の変動時間を決定する際に用いられる。特図変動種別判定カウンタCs4は、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後は0に戻るように構成されている。
特図変動種別判定カウンタCs4は、定期的に更新され、その更新値は、特別図柄の変動表示の開始直前に取得される。そして、取得された特図変動種別判定カウンタCs4の値は、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている特図変動時間テーブルと照合され、特図変動時間が決定される。
次に、普図当否判定カウンタCn1の詳細について説明する。普図当否判定カウンタCn1は、普図当たりに当選するか否かを判定する際に用いられる。この普図当たりに当選するか否かの判定である普図当否判定は、上述した普図抽選の一部である。普図当否判定カウンタCn1は、0~65535の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、普図当否判定カウンタCn1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCiniの値が当該普図当否判定カウンタCn1の初期値として読み込まれる。
普図当否判定カウンタCn1は定期的に更新され、普図始動ゲート35を遊技球が通過した場合には、その更新値は、当該通過のタイミングで普図保留エリア64dに記憶される。
普図当否判定カウンタCn1の値は、普図始動ゲート35に遊技球が入球する毎に4個まで普図保留エリア64dに記憶され、記憶された順に普図判定エリア64eに移動する。そして、普図判定エリア64eに移動した普図当否判定カウンタCn1の値は、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている普図当否判定テーブルと照合され、普図当たりに当選するか否かが判定される。
次に、普図種別判定カウンタCn2の詳細について説明する。普図種別判定カウンタCn2は、普通図柄の種別を判定する際に用いられる。この普通図柄の種別の判定である普図種別判定は、上述した普図抽選の一部である。普図種別判定カウンタCn2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
普図種別判定カウンタCn2は定期的に更新され、普図始動ゲート35に遊技球が入球した場合には、その更新値は、当該入球のタイミングで、上述した普図当否判定カウンタCn1の値とともに普図保留エリア64dに記憶される。
普図種別判定カウンタCn2の値は、普図始動ゲート35に遊技球が入球する毎に4個まで普図保留エリア64dに記憶され、記憶された順に、上述した普図当否判定カウンタCn1の値とともに普図判定エリア64eに移動する。
MPU62は、上述したように、普図判定エリア64eに記憶されている普図当否判定カウンタCn1の値を用いて普図当否判定を行なう。そして、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている複数の普図種別判定テーブルの中から、普図当否判定の結果に対応した一の普図種別判定テーブルを選択し、普図判定エリア64eに記憶されている普図種別判定カウンタCn2の値を、当該選択した普図種別判定テーブルと照合し、普通図柄の種別を判定する。そして、MPU62は、判定した普通図柄の種別に基づいて、普通図柄表示器38aに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。
次に、特図当否判定テーブルについて説明する。
図309は、特図当否判定テーブルの内容を示す説明図である。
上述したように、第1特図始動口33又は第2特図始動口34に遊技球が入球すると、特図当否判定カウンタCs1における0から65535までの範囲内の値から1つの値が取得される。そして、取得された特図当否判定カウンタCs1の値と特図当否判定テーブルとによって、特図当たり(特図大当たり又は特図小当たり)に当選するか否かの判定である特図当否判定が行なわれる。ただし、本実施形態では、特図当たりの一種別として特図小当たりは設定情報として設定されていない。
本実施形態のパチンコ機10は、特図当否判定(特図抽選)の抽選モードとして、特図大当たりに当選する確率の低い低確率モードと、当該低確率モードよりも特図大当たりに当選する確率の高い高確率モードとを実行可能に構成されており、低確率モード中の特図抽選において利用される低確率モード用の特図当否判定テーブルと、高確率モード中の特図抽選において利用される高確率モード用の特図当否判定テーブルとを備えている。さらに、本実施形態では、第1特図抽選と第2特図抽選とにおいても異なる特図当否判定テーブルを備えている。すなわち、本実施形態では、特図抽選において利用する特図当否判定テーブルとして、以下の4種類の特図当否判定テーブルを備えている。
・第1特図当否判定テーブル(低確率モード用)
・第2特図当否判定テーブル(低確率モード用)
・第1特図当否判定テーブル(高確率モード用)
・第2特図当否判定テーブル(高確率モード用)
図309(A)に示すように、低確率モード中の第1特図抽選において利用される第1特図当否判定テーブル(低確率モード用)には、特図当否判定カウンタCs1の0から65535までの65536個の値のうち、0から204までの205個の値が特図大当たりに当選となる値として設定されており、その他の値が特図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、低確率モード中の第1特図抽選(第1特図当否判定)の結果は、約319.7分の1の確率で特図大当たりに当選となる。
図309(B)に示すように、低確率モード中の第2特図抽選において利用される第2特図当否判定テーブル(低確率モード用)には、特図当否判定カウンタCs1の0から65535までの65536個の値のうち、0から204までの205個の値が特図大当たりに当選となる値として設定されており、その他の値が特図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、低確率モード中の第2特図抽選(第2特図当否判定)の結果は、約319.7分の1の確率で特図大当たりに当選となる。
図309(C)に示すように、高確率モード中の第1特図抽選において利用される第1特図当否判定テーブル(高確率モード用)には、特図当否判定カウンタCs1の0から65535までの65536個の値のうち、0から1728までの1729個の値が特図大当たりに当選となる値として設定されており、その他の値が特図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、高確率モード中の第1特図抽選(第1特図当否判定)の結果は、約37.9分の1の確率で特図大当たりに当選となる。
図309(D)に示すように、高確率モード中の第2特図抽選において利用される第2特図当否判定テーブル(高確率モード用)には、特図当否判定カウンタCs1の0から65535までの65536個の値のうち、0から1728までの1729個の値が特図大当たりに当選となる値として設定されており、その他の値が特図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、高確率モード中の第2特図抽選(第2特図当否判定)の結果は、約37.9分の1の確率で特図大当たりに当選となる。
次に、特図種別判定テーブルについて説明する。
図310は、特図種別判定テーブルの内容を示す説明図である。上述したように、第1特図始動口33又は第2特図始動口34に遊技球が入球すると、特図種別判定カウンタCs2における0から99までの範囲内の値から1つの値が取得される。そして、上述した特図当否判定の結果と、取得された特図種別判定カウンタCs2の値とによって、特別図柄の種別(停止図柄の種別)を判定する特図種別判定が行なわれる。
本実施形態のパチンコ機10は、第1特図抽選において利用される第1特図種別判定テーブルと、第2特図抽選において利用される第2特図種別判定テーブルとを備えている。
図310(A)に示すように、本実施形態の第1特図種別判定テーブルによれば、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が0~19までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄A(16R確変大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が20~39までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄B(8R確変大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が40~59までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄C(4R確変大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が60~99までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄D(8R通常大当たり)と判定される。一方、特図当否判定の結果が特図外れである場合には、取得された特図種別判定カウンタCs2の値に関わらず、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄Z(外れ)と判定される。
図310(B)に示すように、本実施形態の第2特図種別判定テーブルによれば、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が0~51までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄A(16R確変大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が52~55までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄B(8R確変大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が56~59までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄C(4R確変大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が60~99までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄D(8R通常大当たり)と判定される。一方、特図当否判定の結果が特図外れである場合には、取得された特図種別判定カウンタCs2の値に関わらず、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄Z(外れ)と判定される。
特別図柄の種別(停止図柄の種別)のうち、特別図柄A(16R確変大当たり)、特別図柄B(8R確変大当たり)、特別図柄C(4R確変大当たり)及び特別図柄D(8R通常大当たり)は、いずれも特電開閉実行モードの実行の契機となる点において共通しているが、特電開閉実行モードが実行される際に選択される特電開閉シナリオの種別が異なっている。
特電開閉シナリオは、特電開閉実行モードにおける特別電動役物57bの制御の態様が記憶された制御プログラムであり、選択される特電開閉シナリオの種別によって、特電開閉実行モードにおける特別電動役物57bの開閉の態様が異なることになる。
次に、特電開閉パターン選択テーブルについて説明する。
図311は、特電開閉パターン選択テーブルの内容を示す説明図である。特電開閉パターン選択テーブルは、特図大当たりに当選した場合に、特別図柄の種別に対応した特電開閉パターン及び当該特電開閉パターンを実現するための特電開閉シナリオを選択するためのテーブルである。特電開閉パターンは、特別電動役物57bに一連の動作、具体的には一連の開閉動作を実行させるための動作パターンである。特別電動役物57bは、一連の開閉動作が実行されていない非駆動時には、非駆動時初期位置である初期閉鎖状態となっており、一連の開閉動作が実行されると、駆動時最戻り位置である駆動時閉鎖状態と、最も駆動された駆動時最大変位位置である開放状態との間で駆動制御される。そして、一連の開閉動作は、特別電動役物57bを駆動時閉鎖状態に移行させる閉鎖動作を複数回実行するように構成されている。なお、本実施形態では、一連の開閉動作に含まれる閉鎖動作によって特別電動役物57bを閉鎖した際の駆動時閉鎖状態は、初期閉鎖状態と同じ状態であるが、駆動時閉鎖状態は、初期閉鎖状態と完全に同じ状態でなくてもよい。すなわち、閉鎖動作によって特別電動役物57bが初期閉鎖状態までは完全に戻っていない場合があってもよい。換言すれば、閉鎖動作は、特別電動役物57bが初期閉鎖状態側に近づく動作であればよく、初期閉鎖状態及び駆動時閉鎖状態のいずれも、遊技球が大入賞口57aに入球することが不可能な状態であればよい。以下、本実施形態では、初期閉鎖状態と駆動時閉鎖状態とを区別しない場合には、単に閉鎖状態と呼ぶ。
図311に示すように、特電開閉パターン選択テーブルには、特別図柄の種別(停止図柄の種別)に対応した特電開閉パターンがそれぞれ設定されており、当該特電開閉パターンを実現するための制御プログラムである特電開閉シナリオが特電開閉パターン毎にそれぞれ設定されている。具体的には、本実施形態では、特別図柄Aに対応して特電開閉パターンA(特電開閉シナリオA)が設定されており、特別図柄Bに対応して特電開閉パターンB(特電開閉シナリオB)が設定されており、特別図柄Cに対応して特電開閉パターンC(特電開閉シナリオC)が設定されており、特別図柄Dに対応して特電開閉パターンD(特電開閉シナリオD)が設定されている。すなわち、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定の結果が特別図柄Aとなった場合には、特電開閉実行モードの実行の際に特電開閉パターンA(特電開閉シナリオA)が選択され、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定の結果が特別図柄Bとなった場合には、特電開閉実行モードの実行の際に特電開閉パターンB(特電開閉シナリオB)が選択され、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定の結果が特別図柄Cとなった場合には、特電開閉実行モードの実行の際に特電開閉パターンC(特電開閉シナリオC)が選択され、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定の結果が特別図柄Dとなった場合には、特電開閉実行モードの実行の際に特電開閉パターンD(特電開閉シナリオD)が選択されることになる。
特電開閉シナリオAに基づいた特電開閉実行モードが開始されると、まず、3.0秒間の特電オープニング期間が開始される。すなわち、本実施形態では、特電開閉実行モードの開始条件の成立後、一連の開閉動作(特電開閉期間)の開始前に、特別電動役物57bが初期閉鎖状態から駆動されない特電オープニング期間が存在する。3.0秒間の特電オープニング期間が終了すると、特電開閉期間が開始される。当該特電開閉期間においては、特別電動役物57bが開放するラウンド遊技が16回(16ラウンド)実行される。そして、1回のラウンド遊技における特別電動役物57bの開放回数は1回であり、1回のラウンド遊技は、特別電動役物57bが最大開放時間である29.0秒間開放すること、または最大入球個数である10個の遊技球が大入賞口57aに入球することのいずれかの条件が成立することによって終了する。また、ラウンド遊技とラウンド遊技の間のインターバル期間(特電インターバル期間)は、2.0秒に設定されている。すなわち、本実施形態では、一連の開閉動作には、特別電動役物57bが駆動時閉鎖状態で待機する特電インターバル期間が含まれている。特電開閉期間が終了すると、3.0秒間の特電エンディング期間が開始される。特電開閉シナリオAに基づいた特電開閉実行モードの終了後の遊技状態については、抽選モードは、高確率モードとなり、後述するサポートモードは、高頻度サポートモードとなる。そして、本実施形態では、高確率モード及び高頻度サポートモードは、特図抽選において次に特図大当たりに当選するまで継続する。
特電開閉シナリオBに基づいた特電開閉実行モード及び特電開閉シナリオCに基づいた特電開閉実行モードは、上述した特電開閉シナリオAに基づいた特電開閉実行モードと比較して、ラウンド遊技の実行回数が異なる(特電開閉シナリオBでは8R、特電開閉シナリオCでは4R)のみで、その他の制御態様については同じである。すなわち、本実施形態では、一連の開閉動作を実行する期間として、短い動作期間となる4Rや8Rの特電開閉期間と、4Rや8Rの特電開閉期間よりも長い動作期間となる16Rの特電開閉期間と、を備える。
特電開閉シナリオDに基づいた特電開閉実行モードが開始されると、まず、3.0秒間の特電オープニング期間が開始され、その後、特電開閉期間が開始される。当該特電開閉期間においては、特別電動役物57bが開放するラウンド遊技が8回(8ラウンド)実行される。そして、1回のラウンド遊技における特別電動役物57bの開放回数は1回であり、1回のラウンド遊技は、特別電動役物57bが最大開放時間である29.0秒間開放すること、または最大入球個数である10個の遊技球が大入賞口57aに入球することのいずれかの条件が成立することによって終了する。また、ラウンド遊技とラウンド遊技の間の特電インターバル期間は、2.0秒に設定されている。特電開閉期間が終了すると、3.0秒間の特電エンディング期間が開始される。特電開閉シナリオDに基づいた特電開閉実行モードの終了後の遊技状態については、抽選モードは、低確率モードとなり、後述するサポートモードは、高頻度サポートモードとなる。そして、本実施形態では、低確率モード及び高頻度サポートモードは、特図抽選において特図大当たりに当選した場合、または特図抽選において特図大当たりに当選せずに100回の特図変動が終了した場合に終了する。
次に、普図当否判定テーブルについて説明する。
図312は、普図当否判定テーブルの内容を示す説明図である。
上述したように、普図始動ゲート35に遊技球が入球すると、普図当否判定カウンタCn1における0~65535の範囲内の値から1つの値が取得される。そして、取得された普図当否判定カウンタCn1の値と普図当否判定テーブルとによって、普図当たりに当選するか否かの判定である普図当否判定が行なわれる。
本実施形態のパチンコ機10は、普図抽選における普図当たりの当選確率、普通図柄の変動時間及び普通電動役物の動作モードを規定するサポートモードとして、低頻度サポートモード(低サポ状態)と、同条件において低頻度サポートモードよりも普通電動役物が高頻度に動作する高頻度サポートモード(高サポ状態)とを実行可能に構成されており、低頻度サポートモード中の普図抽選において利用される低頻度サポートモード用の普図当否判定テーブルと、高頻度サポートモード中の普図抽選において利用される高頻度サポートモード用の普図当否判定テーブルとを備えている。すなわち、本実施形態では、普図抽選において利用される普図当否判定テーブルとして、以下の2種類の普図当否判定テーブルを備えている。
・普図当否判定テーブル(低頻度サポートモード用)
・普図当否判定テーブル(高頻度サポートモード用)
図312(A)に示すように、低頻度サポートモード中の普図抽選において利用される普図当否判定テーブル(低頻度サポートモード用)には、普図当否判定カウンタCn1の0~65535の65536個の値のうち、0~2の3個の値が普図当たりに当選となる値として設定されており、それ以外の値が普図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、低頻度サポートモード中の普図当否判定の結果は、1/21845.66の確率で普図当たりに当選となる。
「普図当たり」とは、普電開閉実行モードの開始の契機となる判定結果である。一方、「普図外れ」とは、普電開閉実行モードの開始の契機とはならない判定結果である。
図312(B)に示すように、高頻度サポートモード中の普図抽選において利用される普図当否判定テーブル(高頻度サポートモード用)には、普図当否判定カウンタCn1の0~65535の65536個の値のうち、0~65534の65535個の値が普図当たりに当選となる値として設定されており、それ以外の値が普図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、高頻度サポートモード中の普図当否判定の結果は、1/1.0000153の確率で普図当たりに当選となる。
次に、普図種別判定テーブルについて説明する。
図313は、普図種別判定テーブルの内容を示す説明図である。上述したように、普図始動ゲート35に遊技球が入球すると、普図種別判定カウンタCn2における0~99の範囲内の値から1つの値が取得される。そして、取得された普図種別判定カウンタCn2の値と、上述した普図当否判定の結果と、普図種別判定テーブルとによって、普通図柄の種別(停止図柄の種別)を判定する普図種別判定が行なわれる。
図313に示すように、本実施形態の普図種別判定テーブルによれば、普図当否判定の結果が普図当たり当選であり、取得された普図種別判定カウンタCn2の値が0~49までの値である場合には、普通図柄の種別(停止図柄の種別)が普通図柄A(普図当たりA)と判定され、普図当否判定の結果が普図当たり当選であり、取得された普図種別判定カウンタCn2の値が50~99までの値である場合には、普通図柄の種別(停止図柄の種別)が普通図柄B(普図当たりB)と判定される。一方、普図当否判定の結果が普図外れである場合には、取得された普図種別判定カウンタCn2の値に関わらず、普通図柄の種別(停止図柄の種別)が普通図柄Z(普図外れ)と判定される。
普通図柄の種別(停止図柄の種別)のうち、普通図柄A(普図当たりA)及び普通図柄B(普図当たりB)は、普電開閉実行モードの実行の契機となり、普電開閉実行モードが実行される際に普電開閉シナリオが読み込まれる。普電開閉シナリオは、普電開閉実行モードにおける普通電動役物34bの制御の態様が記憶された制御プログラムである。
次に、普電開閉シナリオ選択テーブルについて説明する。
図314は、普電開閉シナリオ選択テーブルの内容を示す説明図である。普電開閉シナリオ選択テーブルは、普図当たりに当選した場合に、普通図柄の種別に対応した普電開閉シナリオを選択するためのテーブルである。
図314に示すように、普電開閉シナリオ選択テーブルには、普通図柄の種別(停止図柄の種別)に対応した普電開閉シナリオがそれぞれ設定されている。具体的には、本実施形態では、普通図柄Aに対応して普電開閉シナリオAが設定されており、普通図柄Bに対応して普電開閉シナリオBが設定されている。すなわち、普図当否判定において普図当たりに当選し、普図種別判定の結果が普通図柄Aとなった場合には、普電開閉実行モードの実行の際に普電開閉シナリオAが選択され、普図当否判定において普図当たりに当選し、普図種別判定の結果が普通図柄Bとなった場合には、普電開閉実行モードの実行の際に普電開閉シナリオBが選択されることになる。
普電開閉シナリオAに基づいた普電開閉実行モードが開始されると、まず、2.0秒間の普電オープニング期間が開始され、その後、普電開閉期間が開始される。当該普電開閉期間においては、普通電動役物34bが1回開放し、1回の開放時間は0.8秒に設定されている。普電開閉期間が終了すると、2.0秒間の普電エンディング期間が開始される。
普電開閉シナリオBに基づいた普電開閉実行モードが開始されると、まず、2.0秒間の普電オープニング期間が開始され、その後、普電開閉期間が開始される。当該普電開閉期間においては、普通電動役物34bが2回開放し、1回の開放時間は0.8秒に設定されている。また、開放と開放の間に閉鎖しているインターバル期間(普電インターバル期間)は、1.0秒に設定されている。普電開閉期間が終了すると、2.0秒間の普電エンディング期間が開始される。
なお、以下の説明では、例えば、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定において特別図柄A(16R確変大当たり)と判定されたことを、「特図抽選において16R確変大当たりに当選した」とも表現する。また、例えば、普図当否判定において普図当たりに当選し、普図種別判定において普通図柄Aと判定されたことを、「普図抽選において普図当たりAに当選した」とも表現する。
また、上述した特図抽選の抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態を「低確低サポ状態」又は「通常状態」とも称し、特図抽選の抽選モードが高確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態を「高確低サポ状態」又は「潜伏確変状態(潜確状態)」とも称し、特図抽選の抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態を「低確高サポ状態」又は「時短状態」とも称し、特図抽選の抽選モードが高確率モードであり、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態を「高確高サポ状態」又は「確変状態」とも称する。
《7-3》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図315は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。
音声発光制御装置90は、音声発光制御基板91を備えている。音声発光制御基板91には、音声発光制御装置90の全体の制御を司る演算装置であるMPU92と、音信号を生成するとともに生成した音信号に基づいてスピーカー46を駆動して音を出力する音出力LSI98と、種々の音声データが格納されたメモリである音声データ用ROM98aとが搭載されている。
MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93には、演出パターンテーブル93aや、役物動作パターンテーブル93b、後述する駆動シナリオ93c等が記憶されている。RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c、駆動シナリオ格納エリア94d、駆動シナリオ用カウンタエリア94e等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートが設けられている。
MPU92の入力側には、主制御装置60、演出操作ボタン24等が接続されており、MPU92は、主制御装置60から送信される各種コマンドや、演出操作ボタン24の操作態様を示す信号等を受信可能に構成されている。
MPU92の出力側には、各種ランプ47、演出用可動役物駆動機構97、音出力LSI98、表示制御装置100が接続されている。
演出用可動役物駆動機構97は、上述した演出用可動役物170を駆動するための機構であり、上下移動用モーター174と、回転用モーター176と、拡大縮小機構177とを備えている。上下移動用モーター174は、演出用可動役物170を上下に移動させるためのモーターであり、回転用モーター176は、演出用可動役物170の回転軸部171を回転させるためのモーターであり、拡大縮小機構177は、演出用可動役物170の各花びら部172を回転軸部171から離間させる(拡大させる)ための機構である。上述した駆動シナリオ93cは、上下移動用モーター174、回転用モーター176、拡大縮小機構177の動作パターン(後述する役物動作パターンの一部)が規定されたプログラムである。演出用可動役物170、演出用可動役物駆動機構97、及び、駆動シナリオ93cの詳細については後述する。
音出力LSI98は、MPU92からの指示に基づいて再生すべき音を生成し、生成した音をスピーカー46から出力するDSP(Digital Signal Processor)である。具体的には、音出力LSI98は、MPU92から再生開始指令を受信すると、その再生開始指令によって指示された再生を開始すべき音を特定し、その特定した音に対応する音声データを音声データ用ROM98aから読み出し、再生すべき音を生成する。そして、音出力LSI98は、生成した音をスピーカー46から出力する。また、音出力LSI98は、MPU92から再生終了指令を受信すると、その再生終了指令により指示された再生を終了すべき音を特定し、その特定した音の再生を終了させる終了処理を実行する
音出力LSI98は、16チャンネル分の音声チャンネルを有しており、最大16の音を同時に生成し、合成(ミキシング)した上で、スピーカー46から出力する。また、音出力LSI98は、MPU92からの指示に従って、音声チャンネル毎に再生中の音の出力を消音(ミュート)に設定し、また、その消音設定を解除することができる。消音に設定された音声チャンネルは、音出力LSI98にて該当する音声データを読み出して再生すべき音を生成するものの、他の音声チャンネルの音とミキシングする場合は、消音設定の対象の音声チャンネルの音のレベルを0にするか、消音設定の対象の音声チャンネルの音をミキシング回路に非入力とすることによって、消音設定の対象の音声チャンネルの音をミキシングしないようにしている。これにより、消音設定の対象の音声チャンネルの音がスピーカー46から出力されない。
表示制御装置100は、表示制御基板101を備えている。表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から送信された各種コマンドを受信して解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《7-4》本実施形態のパチンコ機10の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10の概要について説明する。
《7-4-1》演出用可動役物の構成及び動作:
演出用可動役物170は、図305に示したように、図柄表示装置41の表示面41aの手前(前方)上側に配置されており、図305に示した原点位置から下方に移動可能に構成されているとともに、各花びら部172が回転軸部171から離間して拡大可能に構成されており、さらに、正面視において回転軸部171を中心として回転可能に構成されている。
図316は、演出用可動役物170が最も下方の位置(以下、最下点位置と呼ぶ)まで移動し、各花びら部172が回転軸部171から離間(拡大)し、最下点位置において矢印RLの方向、すなわち、正面視において左回り(反時計回り)に回転している様子を示す説明図である。図示するように、演出用可動役物170は、駆動時最大変位位置である最下点位置まで移動すると、図柄表示装置41の表示面41aの中央より少し下側に位置することになる。
演出用可動役物170は、図305に示したように、後述する拡大動作が実行されていない状態では、5枚の花びら部172のそれぞれが回転軸部171に集まるように構成されており、正面視において閉じた花のような形状となる。一方、演出用可動役物170は、図316に示すように拡大動作が実行されると、5枚の花びら部172のそれぞれが回転軸部171から離間し、正面視において開いた花のような形状となる。
まとめると、演出用可動役物170は、下記の動作を実行可能に構成されている。
・上下移動動作:図305に示した原点位置と図316に示した最下点位置との間において上下に移動する動作
・拡大動作:各花びら部172が回転軸部171から離間して拡大する動作
・縮小動作:回転軸部171から離間した状態の各花びら部172が元の位置に戻って縮小する動作
・回転動作:回転軸部171を中心として各花びら部172が回転する動作
本実施形態では、演出用可動役物170は、各種演出の実行に伴って、上下移動動作、拡大動作、縮小動作及び回転動作を実行可能に構成されている。
図317は、演出用可動役物170と、当該演出用可動役物170を駆動する演出用可動役物駆動機構97とを示す右側面概略図である。演出用可動役物170は、先に説明したように、回転軸部171と、5枚の花びら部172とを備える。演出用可動役物駆動機構97は、上下移動用モーター174と、ラック&ピニオン機構175と、回転用モーター176と、拡大縮小機構177とを備える。
上下移動用モーター174及びラック&ピニオン機構175は、演出用可動役物170の上述した上下移動動作を司るユニットである。ラック&ピニオン機構175は、上下移動用モーター174の回転運動を直線運動に変換する機構であり、ラック175aと、ピニオン175bとを備えている。図317に示すように、ピニオン175bの中心軸には上下移動用モーター174が連結されており、ラック175aの片側端部には回転用モーター176の取付部174aが連結されている。回転用モーター176及び演出用可動役物170は、一体となって、上下移動用モーター174の駆動力によって、遊技盤30の上下方向Yに沿って上下移動が可能に構成されている。本実施形態では、上下移動用モーター174は、ステッピングモーターによって構成される。
回転用モーター176は、演出用可動役物170の回転動作を司るユニットであり、本実施形態では、ステッピングモーターによって構成される。回転用モーター176は、回転軸部171における花びら部172が連結されている側とは反対側の端部に連結されており、回転軸部171及び5枚の花びら部172は、回転用モーター176の駆動力によって、矢印RLの方向、すなわち、正面視において左回りに回転可能に構成されている。
拡大縮小機構177は、演出用可動役物170の上述した拡大動作及び縮小動作を司るユニットであり、回転軸部171に取り付けられるとともに、各花びら部172と連結されている。拡大縮小機構177は、ソレノイドを有しており、当該ソレノイドが通電していない状態では、各花びら部172が回転軸部171に集まり閉じた花のような形状(以下、花びら閉状態と呼ぶ)となり、一方、当該ソレノイドが通電している状態では、各花びら部172が回転軸部171から離間し開いた花のような形状(以下、花びら開状態と呼ぶ)となるように構成されている。
演出用可動役物駆動機構97が備える上述した上下移動用モーター174、回転用モーター176、および拡大縮小機構177は、音声発光制御装置90のMPU92から制御信号を受信可能であり、これによって、回転用モーター176、上下移動用モーター174、および拡大縮小機構177は、音声発光制御装置90によって制御される。
《7-4-2》演出用可動役物の動作を伴う役物連動演出
本実施形態のパチンコ機10は、特図抽選の結果に対する遊技者の期待感を高めるために、特別図柄の変動中の期間(特図遊技回の実行中)において各種の演出を実行可能に構成されており、特に、本実施形態では、遊技者の期待感を大きく高める演出として、上述した演出用可動役物170の動作が伴う役物連動演出を実行可能に構成されている。
役物連動演出は、図柄表示装置41の表示面41aの表示による表示演出や、当該表示演出に対応した演出用可動役物170の動作による役物演出、その他スピーカー46による音声演出や各種ランプ47による発光演出等が連携して実行されることによって構成される。
本実施形態では、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に内部抽選を行なう抽選処理を実行可能であり、内部抽選の抽選結果に応じて表示部で実行する一の所定演出を複数の演出表示態様の中から決定して実行する表示制御処理を実行可能であり、遊技領域に設けられ、表示部における所定演出の表示中に動作する可動役物の一の動作パターンを複数の中から決定して実行する可動制御処理を実行可能である。
具体的には、例えば、本実施形態では、遊技領域PAに設けられた第1特図始動口33又は第2特図始動口34に遊技球が入球した場合に特図抽選を行なう抽選処理を実行可能であり、特図抽選の抽選結果に応じて図柄表示装置41で実行する一の特図変動演出を構成する所定演出である表示演出を複数の演出表示態様(演出パターン)の中から決定して実行する表示制御処理を実行可能である。そして、図柄表示装置41における特図変動演出を構成する表示演出の表示中に動作する演出用可動役物170の一の役物動作パターンを複数の中から決定して実行する可動制御処理を実行可能である。
より具体的には、例えば、本実施形態では、パチンコ機10の主制御装置60は、第1特図始動口33又は第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて各種の乱数情報(各種の抽選用のカウンタの値)を取得し、当該取得した各種の乱数情報に基づいて特図抽選の抽選結果を決定する。そして、主制御装置60は、当該特図抽選の抽選結果及び取得した各種のカウンタの値に基づいて、一の特図変動パターンを決定し、当該決定した一の特図変動パターンに対応した特図変動パターンコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
音声発光制御装置90は、受信した特図変動パターンコマンドに基づいて、一の特図変動演出を構成する表示演出を複数の演出パターンの中から決定し、当該決定した一の演出パターンに対応した一の音声発光パターン及び一の役物動作パターンをそれぞれ複数の中から決定するとともに、当該決定した一の音声発光パターンに基づいて音声発光制御を実行し、当該決定した一の役物動作パターンに基づいて演出用可動役物170の動作制御を実行する。また、音声発光制御装置90は、決定した一の演出パターンに対応した表示用演出パターンコマンドを表示制御装置100に送信する。
表示制御装置100は、受信した表示用演出パターンコマンドから一の演出パターンを特定し、当該特定した一の演出パターンに基づいて図柄表示装置41の表示制御を実行する。
このように、演出パターンに基づいて実行される表示演出と、役物動作パターンに基づいて実行される役物演出と、音声発光パターンに基づいて実行される音声演出及び発光演出とが連携して組み合わされて実行されることによって、上述した役物連動演出が実現されることになる。なお、演出用可動役物170が連動しない演出が実行される場合には、役物動作パターンは決定されない。
役物動作パターンには、使用する駆動シナリオ93cの種別や、駆動シナリオ93cの実行タイミングが規定されている。駆動シナリオ93cは、演出用可動役物170の一連の動作が規定された制御プログラムであり、本実施形態では音光側ROM93に記憶されている。
役物動作パターンに規定された駆動シナリオ93cの実行タイミングが到来すると、音声発光制御装置90の音光側MPU92は、音光側ROM93に記憶されている駆動シナリオ93cの中から、役物動作パターンに規定されている一の駆動シナリオを読み出して音光側RAM94の駆動シナリオ格納エリア94dに格納し、駆動シナリオ用カウンタエリア94eに格納されている駆動シナリオ用カウンタの値に対応した処理を順次実行する。このようにして、演出用可動役物170は、駆動シナリオ93cに規定された一連の動作を実行可能となる。
《7-4-3》役物連動演出の一例:
次に、本実施形態のパチンコ機10で実行可能な役物連動演出の一例について説明する。
図318及び図319は、本実施形態のパチンコ機10で実行可能な役物連動演出の一例である役物連動バトル演出を示す説明図である。本実施形態では、役物連動バトル演出は、図柄表示装置41の表示面41aにおいて装飾図柄によるリーチが成立し、所定の開始条件である役物連動バトル演出の開始条件が成立した場合に、開始される演出である。
図318及び図319には、演出用可動役物170の上下の移動範囲に含まれる位置として、非駆動時初期位置であり、駆動時最戻り位置でもある原点位置と、原点位置より下方のA位置と、A位置より下方のB位置と、B位置より下方で駆動時最大変位位置である最下点位置とが示されている。なお、これらの位置は、演出用可動役物170の回転軸部171の中心を基準としている。ここで、非駆動時初期位置とは、演出用可動役物170が駆動していない状態における初期位置であり、駆動時最戻り位置とは、演出用可動役物170が駆動している期間(後述する一連の上下移動動作を実行している期間)において、最も初期位置側に戻った場合の位置である。駆動時最大変位位置とは、演出用可動役物170が駆動している期間(後述する一連の上下移動動作を実行している期間)において、最も駆動して初期位置から最も離れた位置である。本実施形態では、後述するように、演出用可動役物170は、一連の上下移動動作において、最も初期位置側に戻る場合には原点位置まで戻るように制御される。したがって、本実施形態では、駆動時最戻り位置は、非駆動時初期位置と同じ原点位置となっている。
図318(A)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aにおいて装飾図柄によるリーチが成立すると、図318(B)に示すように、装飾図柄が非表示となり、図柄表示装置41の表示面41aにおいて遊技者側のキャラクター(本実施形態では女性キャラクター)と敵側のキャラクター(本実施形態では男性キャラクター)とがバトルをする動画像(以下、バトル動画像とも呼ぶ)の表示が開始される。そして、演出用可動役物170は、バトル動画像の表示の開始に伴って、原点位置とA位置との間を2往復した後、原点位置とB位置との間を2往復するといった一連の動作である一連の上下移動動作を開始するとともに、当該一連の上下移動動作を繰り返し実行する。本実施形態では、この一連の上下移動動作の1回の実行が完了するまでに要する時間は3.0秒であり、当該1回の一連の上下移動動作には、演出用可動役物170がA位置またはB位置から原点位置に復帰する戻り動作である上昇動作が4回含まれている。
本実施形態では、この一連の上下移動動作が規定された駆動シナリオ93c1が音光側ROM93に記憶されており、この一連の上下移動動作が開始される際に、当該駆動シナリオ93c1が音光側ROM93から読み出されて駆動シナリオ格納エリア94dに格納され(設定され)、当該設定された設定情報である駆動シナリオ93c1に沿った制御が音声発光制御装置90によって繰り返し実行されることになる。設定情報である駆動シナリオ93c1の詳細については後述する。
そして、バトル動画像が30.0秒間表示されると、換言すれば、一連の上下移動動作が開始されてから30.0秒が経過してこの一連の上下移動動作が10回実行されると、図318(C)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aに「ボタンを押せ!」といった文字列及び演出操作ボタン24の押下を受け付ける有効期間であるボタン受付有効期間の残時間を示すゲージが表示される。本実施形態では、ボタン受付有効期間は6.0秒に設定されている。なお、このボタン受付有効期間の6.0秒間においても上述した一連の上下移動動作が継続して実行されている。
このボタン受付有効期間中に遊技用操作である演出操作ボタン24の押下操作がされると、本演出に係る特図抽選の抽選結果が大当たり当選である場合には、図319(A)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、演出操作ボタン24が押下されたタイミングからタイムラグなく、「勝利!!」といった文字列が表示されることになる。
一方、演出用可動役物170については、ボタン受付有効期間中に演出操作ボタン24が押下されると、本演出に係る特図抽選の結果が大当たり当選である場合には、図319(A)に示すように、演出用可動役物170を原点位置から最下点位置まで高速で移動させ、最下点位置において各花びら部171を拡大させ、回転軸部171を中心として各花びら部171を5.0秒間、矢印RLの方向に回転させ、その後、各花びら部171を縮小させた後、演出用可動役物170を最下点位置から原点位置まで移動させるといった一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作が実行されることになる。
本実施形態では、この一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作が規定された駆動シナリオ93c2が音光側ROM93に記憶されており、この一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作が開始される際に、当該駆動シナリオ93c2が音光側ROM93から読み出されて駆動シナリオ格納エリア94dに格納され、音声発光制御装置90によって当該駆動シナリオ93c2に沿った制御が実行されることになる。駆動シナリオ93c2の詳細については後述する。
ここで、ボタン受付有効期間中において、演出用可動役物170については、駆動シナリオ93c1に規定された一連の上下移動動作が実行されていることから、演出用可動役物170は、原点位置とA位置との間で移動中、又は原点位置とB位置との間で移動中であり、当該移動中に、演出操作ボタン24が押下されることになる。
しかしながら、一般的な駆動シナリオでは、一連の動作が規定された駆動シナリオが一度実行されると、当該駆動シナリオに規定された一連の動作の途中で当該駆動シナリオを終了させる条件が成立したとしても、当該駆動シナリオに規定された一連の動作が最後まで完了するまで当該駆動シナリオを終了させることができず、当該駆動シナリオを終了させる条件が成立してから、次の駆動シナリオの実行を開始させるまでにタイムラグが生じてしまうといった課題が生じ得る。
本演出の例では、ボタン受付有効期間中において、演出用可動役物170の一連の上下移動動作の途中で演出操作ボタン24が押下されたとしても、駆動シナリオに規定された一連の上下移動動作が最後まで完了するまで当該駆動シナリオを終了させることができず、演出操作ボタン24が押下されてから、次の駆動シナリオに規定されている一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作を開始させるまでにタイムラグが生じてしまうといった課題が生じ得る。
さらに、本演出の例では、ボタン受付有効期間中に演出操作ボタン24が押下されると、図柄表示装置41の表示面41aには「勝利!!」といった文字列が演出操作ボタン24が押下されてから遅滞なく表示されるため、より一層、一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作の開始の遅れが際立ってしまい、演出操作ボタン24を押下することの爽快感を損ねてしまうといった課題が生じ得る。
そこで、本実施形態の駆動シナリオ93c1では、演出用可動役物170が原点位置に復帰する戻り動作である上昇動作を実行する毎に、当該駆動シナリオ93c1を終了させる動作終了条件である上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定する判定処理を実行し、当該上下移動動作終了条件が成立していると判定した場合には、当該駆動シナリオ93c1に規定されているその後の動作を実行することなく、当該駆動シナリオ93c1を終了し、次の駆動シナリオ93c2を実行する構成を採用した。具体的には、ボタン受付有効期間中に演出操作ボタン24が押下された場合には上下移動動作終了条件成立フラグをONにし、演出用可動役物170が原点位置に復帰する毎に、上下移動動作終了条件成立フラグがONであるか否かを判定し、ONであると判定した場合には、原点位置に位置する演出用可動役物170を停止させ、駆動シナリオ93c1を終了させることによって当該一連の上下移動動作を終了させる終了処理を実行する構成を採用した。
したがって、本実施形態によれば、ボタン受付有効期間中において、演出用可動役物170の一連の上下移動動作の途中で演出操作ボタン24が押下された場合には、演出操作ボタン24が押下された後に演出用可動役物170が最初に原点位置に移動したタイミングで上下移動動作終了条件が成立したと判定し、当該駆動シナリオ93c1に規定されているその後の動作を実行することなく、当該駆動シナリオ93c1を終了し、次の駆動シナリオ93c2に規定されている一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作を開始させることが可能となる。この結果、図柄表示装置41の表示面41aに「勝利!!」といった文字列が表示されてから、次の駆動シナリオ93c2に規定されている一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作を開始させるまでのタイムラグを短くすることが可能となり、演出操作ボタン24を押下することの爽快感を向上させることが可能となる。
なお、図319(A)では、ボタン受付有効期間中に演出操作ボタン24が押下された場合について説明したが、本実施形態では、ボタン受付有効期間中に演出操作ボタン24が押下されなかった場合には、ボタン受付有効期間(本実施形態では6.0秒)の終了を契機として上下移動動作終了条件成立フラグをONにする構成が採用されているので、ボタン受付有効期間の終了後、演出用可動役物170が原点位置に復帰すると、上下移動動作終了条件成立フラグがONであると判定し、駆動シナリオ93c1を終了させ、次の駆動シナリオ93c2に規定されている一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作を開始することになる。
次に、本演出に係る特図抽選の結果がはずれであった場合について説明する。
図318(C)に示すボタン受付有効期間中に演出操作ボタン24が押下されると、本演出に係る特図抽選の結果がはずれである場合には、図319(B)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、演出操作ボタン24が押下されたタイミングからタイムラグなく、「敗北...」といった文字列が表示されることになる。
一方、演出用可動役物170については、ボタン受付有効期間中に演出操作ボタン24が押下されると、本演出に係る特図抽選の結果がはずれである場合には、図319(B)に示すように、演出用可動役物170を原点位置で5.0秒間待機させる待機動作が実行されることになる。
本実施形態では、この待機動作が規定された駆動シナリオ93c3が音光側ROM93に記憶されており、この待機動作が開始される際に、当該駆動シナリオ93c3が音光側ROM93から読み出されて駆動シナリオ格納エリア94dに格納され、音声発光制御装置90によって当該駆動シナリオ93c3に沿った制御が実行されることになる。駆動シナリオ93c3の詳細については後述する。
ここで、本演出に係る特図抽選の結果がはずれであった場合も、上述した大当たり当選であった場合と同様に、ボタン受付有効期間中において、演出用可動役物170については、駆動シナリオ93c1に規定された一連の上下移動動作が実行されていることから、演出用可動役物170は、原点位置とA位置との間で移動中、又は原点位置とB位置との間で移動中であり、当該移動中に、演出操作ボタン24が押下されることになる。
仮に、上述した一般的な駆動シナリオが採用されていた場合には、ボタン受付有効期間中において、演出用可動役物170の一連の上下移動動作の途中で演出操作ボタン24が押下されたとしても、駆動シナリオに規定された一連の上下移動動作が最後まで完了するまで当該駆動シナリオを終了させることができず、演出操作ボタン24が押下されてから、次の駆動シナリオに規定されている待機動作を開始させるまでにタイムラグが生じてしまうといった課題が生じ得る。
さらに、本演出の例では、ボタン受付有効期間中に演出操作ボタン24が押下されると、図柄表示装置41の表示面41aには「敗北...」といった文字列が演出操作ボタン24が押下されてから遅滞なく表示されるにもかかわらず、演出用可動役物170の一連の上下移動動作が「敗北...」といった文字列が表示された後にもしばらく継続してしまうため、遊技者は、当該特図抽選のはずれといった好ましくない結果を知った後にも演出用可動役物170の一連の上下移動動作が継続していることに不快感を抱いてしまうといった課題が生じ得る。
そこで、本実施形態の駆動シナリオ93c1では、上述したように、演出用可動役物170が原点位置に復帰する毎に、当該駆動シナリオ93c1を終了させる上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定し、当該上下移動動作終了条件が成立していると判定した場合には、当該駆動シナリオ93c1に規定されているその後の動作を実行することなく、当該駆動シナリオ93c1を終了し、次の駆動シナリオ93c3を実行する構成を採用した。
したがって、本実施形態によれば、ボタン受付有効期間中において、演出用可動役物170の一連の上下移動動作の途中で演出操作ボタン24が押下された場合には、演出操作ボタン24が押下された後に演出用可動役物170が最初に原点位置に移動したタイミングで上下移動動作終了条件が成立したと判定し、当該駆動シナリオ93c1に規定されているその後の動作を実行することなく、当該駆動シナリオ93c1を終了し、次の駆動シナリオ93c3に規定されている待機動作を開始させることが可能となる。この結果、図柄表示装置41の表示面41aに「敗北...」といった文字列が表示された後にも演出用可動役物170の一連の上下移動動作が長期に亘って継続してしまうといった事態の発生を抑制することができるので、遊技者に不快感を抱かせてしまうといったことを回避することが可能となる。
なお、図319(B)では、ボタン受付有効期間中に演出操作ボタン24が押下された場合について説明したが、本実施形態では、ボタン受付有効期間中に演出操作ボタン24が押下されなかった場合には、ボタン受付有効期間(本実施形態では6.0秒)の終了を契機として上下移動動作終了条件成立フラグをONにする構成が採用されているので、ボタン受付有効期間の終了後、演出用可動役物170が原点位置に復帰すると、上下移動動作終了条件成立フラグがONであると判定し、駆動シナリオ93c1を終了させ、次の駆動シナリオ93c3に規定されている待機動作を開始することになる。
このように、駆動シナリオ93c1に基づく一連の上下移動動作の実行期間は、演出操作ボタン24が押下された場合には短い短動作期間となり、演出操作ボタン24が押下されなかった場合には短動作期間よりも長い長動作期間となる。換言すれば、一連の上下移動動作が、演出操作ボタン24が押下された場合の短動作期間の長さで終了する場合と、演出操作ボタン24が押下されなかった場合の長動作期間の長さで終了する場合とがある。
次に、上述した各駆動シナリオ93c1、93c2、93c3の詳細について説明する。
図320は、各駆動シナリオ93c1、93c2、93c3の構成を模式的に示す説明図である。図320(A)に示す駆動シナリオ93c1は、上述した一連の上下移動動作を演出用可動役物170に実行させるための情報が規定されたプログラムである。図320(B)に示す駆動シナリオ93c2は、上述した一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作を演出用可動役物170に実行させるための情報が規定されたプログラムである。図320(C)に示す駆動シナリオ93c3は、上述した待機動作を演出用可動役物170に実行させるための情報が規定されたプログラムである。
各駆動シナリオ93c1、93c2、93c3のそれぞれには、駆動シナリオ用カウンタエリア94eに格納されている駆動シナリオ用カウンタの値に対応して、駆動対象(上下移動用モーター174、回転用モーター176、拡大縮小機構177)及び当該駆動対象に対して設定する動作内容、又は実行すべき処理内容が規定されている。
具体的には、駆動対象としてモーター(上下移動用モーター174、回転用モーター176)が規定されている場合には、それぞれのモーターを制御するモータドライバに設定する動作内容として、励磁時間(ms)、ステップ数、および動作方向が規定されている。また、駆動対象としてソレノイド(拡大縮小機構177のソレノイド)が規定されている場合には、当該ソレノイドに対する通電を開始するか、または当該ソレノイドに対する通電を終了するかといった内容が規定されている。
図320(A)に示す駆動シナリオ93c1について説明する。上述したように、駆動シナリオ93c1は、上述した一連の上下移動動作を演出用可動役物170に実行させるための情報が規定されたプログラムである。
図320(A)に示す駆動シナリオ93c1では、駆動シナリオ用カウンタの値「1」に対応して、演出用可動役物170を原点位置からA位置まで移動(変位)させるための動作に関わる情報が格納されている。具体的には、制御対象として上下移動用モーター174が規定され、励磁時間として250msが規定され、ステップ数として100が規定され、動作方向として正方向が規定されている。この動作内容が上下移動用モーター174のモータドライバに対して出力(設定)される。なお、本実施形態において、100ステップは、演出用可動役物170が原点位置からA位置まで移動するために必要な上下移動用モーター174のステップ数となっている。また、250msの励磁時間とは、250msの間に100パルス(ステップ)を出力することを意味している。したがって、本実施形態では、上下移動用モーター174が100ステップ動作して演出用可動役物170が原点位置からA位置まで移動するために要する時間が250msということになる。
ここで、駆動シナリオ用カウンタは、駆動シナリオに規定されている動作内容又は処理内容が完了する毎に1加算されるカウンタである。したがって、駆動シナリオ用カウンタの値「1」に対応した動作内容又は処理内容が完了すると、具体的には、上下移動用モーター174が100ステップ動作して(250msが経過して)演出用可動役物170が原点位置からA位置まで移動すると、駆動シナリオ用カウンタの値「1」に1が加算されて「2」となる。
駆動シナリオ93c1では、駆動シナリオ用カウンタの値「2」に対応して、演出用可動役物170をA位置から原点位置まで移動(変位)させるための動作に関わる情報が格納されている。具体的には、制御対象として上下移動用モーター174が規定され、励磁時間として250msが規定され、ステップ数として100が規定され、動作方向として負方向が規定されている。この動作内容が上下移動用モーター174のモータドライバに対して出力(設定)される。なお、本実施形態において、100ステップは、演出用可動役物170がA位置から原点位置まで移動するために必要な上下移動用モーター174のステップ数となっている。また、250msの励磁時間とは、250msの間に100パルス(ステップ)を出力することを意味している。したがって、本実施形態では、上下移動用モーター174が100ステップ動作して演出用可動役物170がA位置から原点位置まで移動するために要する時間が250msということになる。
上下移動用モーター174が100ステップ動作して(250msが経過して)演出用可動役物170がA位置から原点位置まで移動すると、駆動シナリオ用カウンタの値「2」に1が加算されて「3」となる。
駆動シナリオ93c1では、駆動シナリオ用カウンタの値「3」に対応して、当該駆動シナリオの実行を終了させる上下移動動作終了条件が成立したか否かを判定する終了条件判定処理の実行が規定されている。
本実施形態では、上下移動動作終了条件は、設定されている演出パターンに規定されているボタン押下有効期間内に演出操作ボタン24の押下が検出されて上下移動動作終了条件成立フラグがONとなっていること、または、設定されている演出パターンに規定されているボタン押下有効期間内に演出操作ボタン24の押下が検出されずに当該ボタン押下有効期間が経過することによって上下移動動作終了条件成立フラグがONとなっていることである。
終了条件判定処理によって上下移動動作終了条件が成立していないと判定した場合には、そのまま駆動シナリオ用カウンタの値「3」に1が加算されて「4」となる。
一方、終了条件判定処理によって上下移動動作終了条件が成立したと判定した場合には、その後に規定されている動作内容又は処理内容を実行することなく、駆動シナリオ格納エリア94dに格納されている駆動シナリオ93c1の内容がクリアされ、設定されている役物動作パターンに次に実行すべき駆動シナリオが規定されていれば、当該次の駆動シナリオが駆動シナリオ格納エリア94dに格納され、当該次の駆動シナリオが実行されることになる。
駆動シナリオ93c1の駆動シナリオ用カウンタの値「4」、「5」、「6」に対応して規定されている内容は、駆動シナリオ93c1の駆動シナリオ用カウンタの値「1」、「2」、「3」に対応して規定されている内容とそれぞれ同一であるため、説明を省略する。
駆動シナリオ93c1では、駆動シナリオ用カウンタの値「7」に対応して、演出用可動役物170を原点位置からB位置まで移動(変位)させるための動作に関わる情報が格納されている。具体的には、制御対象として上下移動用モーター174が規定され、励磁時間として500msが規定され、ステップ数として200が規定され、動作方向として正方向が規定されている。この動作内容が上下移動用モーター174のモータドライバに対して出力(設定)される。なお、本実施形態において、200ステップは、演出用可動役物170が原点位置からB位置まで移動するために必要な上下移動用モーター174のステップ数となっている。また、500msの励磁時間とは、500msの間に200パルス(ステップ)を出力することを意味している。したがって、本実施形態では、上下移動用モーター174が200ステップ動作して演出用可動役物170が原点位置からB位置まで移動するために要する時間が500msということになり、駆動シナリオ用カウンタの値「7」に対応した演出用可動役物170の移動速度は、駆動シナリオ用カウンタの値「1」に対応した演出用可動役物170の移動速度と同じになる。
上下移動用モーター174が200ステップ動作して(500msが経過して)演出用可動役物170が原点位置からB位置まで移動すると、駆動シナリオ用カウンタの値「7」に1が加算されて「8」となる。
駆動シナリオ93c1では、駆動シナリオ用カウンタの値「8」に対応して、演出用可動役物170をB位置から原点位置まで移動(変位)させるための動作に関わる情報が格納されている。具体的には、制御対象として上下移動用モーター174が規定され、励磁時間として500msが規定され、ステップ数として200が規定され、動作方向として負方向が規定されている。この動作内容が上下移動用モーター174のモータドライバに対して出力(設定)される。なお、本実施形態において、200ステップは、演出用可動役物170がB位置から原点位置まで移動するために必要な上下移動用モーター174のステップ数となっている。また、500msの励磁時間とは、500msの間に200パルス(ステップ)を出力することを意味している。したがって、本実施形態では、上下移動用モーター174が200ステップ動作して演出用可動役物170がB位置から原点位置まで移動するために要する時間が500msということになり、駆動シナリオ用カウンタの値「8」に対応した演出用可動役物170の移動速度は、駆動シナリオ用カウンタの値「2」に対応した演出用可動役物170の移動速度と同じになる。
上下移動用モーター174が200ステップ動作して(500msが経過して)演出用可動役物170がB位置から原点位置まで移動すると、駆動シナリオ用カウンタの値「8」に1が加算されて「9」となる。
駆動シナリオ93c1では、駆動シナリオ用カウンタの値「9」に対応して、上述した終了条件判定処理の実行が規定されている。
駆動シナリオ93c1の駆動シナリオ用カウンタの値「10」、「11」、「12」に対応して規定されている内容は、駆動シナリオ93c1の駆動シナリオ用カウンタの値「7」、「8」、「9」に対応して規定されている内容とそれぞれ同一であるため、説明を省略する。
そして、駆動シナリオ93c1の駆動シナリオ用カウンタの値「13」に対応して、当該駆動シナリオ用カウンタの値を「0」に設定する繰り返し用処理の実行が規定されている。この繰り返し用処理が完了すると、駆動シナリオ用カウンタの値「0」に1が加算されて「1」となり、再び上述した駆動シナリオ用カウンタの値「1」に対応した内容が実行される。すなわち、上述した上下移動動作終了条件が成立するまで、駆動シナリオ93c1に規定されている内容が繰り返し実行されることになる。
このように、駆動シナリオ93c1には、演出用可動役物170が原点位置からA位置まで移動し、A位置から原点位置まで移動する上下移動動作を2回実行し、その後、演出用可動役物170が原点位置からB位置まで移動し、B位置から原点位置まで移動する上下移動動作を2回実行する動作が規定されている。そして、この一連の上下移動動作が完了すると、駆動シナリオ用カウンタの値を「0」に設定する処理が実行され、当該処理の完了後に駆動シナリオ用カウンタの値「0」に1が加算されて「1」となり、駆動シナリオ93c1に規定されている内容が繰り返し実行されることになる。
ただし、原点位置に戻ったタイミングで上下移動動作終了条件が成立していた場合には、その後に規定されている動作内容又は処理内容を実行することなく、駆動シナリオ格納エリア94dに格納されている駆動シナリオ93c1の内容がクリアされ、役物動作パターンに新たな駆動シナリオの実行が規定されていれば、当該新たな駆動シナリオが駆動シナリオ格納エリア94dに格納されて実行されることになる。
なお、以上説明した駆動シナリオ93c1によれば、演出用可動役物170が最下点位置側に制御されている期間(演出用可動役物170が原点位置を離れてから原点位置に戻るまでの制御期間)として、原点位置とA位置との間を往復させる短制御期間(500ms)と、原点位置とB位置との間を往復させる長制御期間(1000ms)と、を備えることになる。すなわち、本実施形態では、演出用可動役物170が原点位置に戻るまでに短制御期間を要する場合と、短制御期間よりも長い長制御期間を要する場合とがあることになる。
次に、図320(B)に示す駆動シナリオ93c2の詳細について説明する。上述したように、駆動シナリオ93c2は、上述した一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作を演出用可動役物170に実行させるための情報が規定されたプログラムである。そして、演出用可動役物170に一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作を実行させる制御は、上述した一連の上下移動動作を終了した後に実行され得る第1制御の一例である。
図320(B)に示す駆動シナリオ93c2では、駆動シナリオ用カウンタの値「1」に対応して、演出用可動役物170を原点位置から最下点位置まで移動(変位)させるための動作に関わる情報が格納されている。具体的には、制御対象として上下移動用モーター174が規定され、励磁時間として200msが規定され、ステップ数として400が規定され、動作方向として正方向が規定されている。この動作内容が上下移動用モーター174のモータドライバに対して出力(設定)される。なお、本実施形態において、400ステップは、演出用可動役物170が原点位置から最下点位置まで移動するために必要な上下移動用モーター174のステップ数となっている。また、200msの励磁時間とは、200msの間に400パルス(ステップ)を出力することを意味している。したがって、本実施形態では、上下移動用モーター174が400ステップ動作して演出用可動役物170が原点位置から最下点位置まで移動するために要する時間が200msということになり、駆動シナリオ93c2の駆動シナリオ用カウンタの値「1」に対応した演出用可動役物170の移動速度は、駆動シナリオ93c1の駆動シナリオ用カウンタの値「1」に対応した演出用可動役物170の移動速度の5倍となる。
上下移動用モーター174が400ステップ動作して(200msが経過して)演出用可動役物170が原点位置から最下点位置まで移動すると、駆動シナリオ用カウンタの値「1」に1が加算されて「2」となる。
駆動シナリオ93c2では、駆動シナリオ用カウンタの値「2」に対応して、演出用可動役物170の花びら部172を拡大させるための動作に関わる情報が格納されている。具体的には、制御対象として拡大縮小機構177が規定され、拡大縮小機構177のソレノイドに対して通電を開始することが規定されている。
拡大縮小機構177のソレノイドへの通電が開始されて演出用可動役物170の花びら部172が拡大すると、駆動シナリオ用カウンタの値「2」に1が加算されて「3」となる。
駆動シナリオ93c2では、駆動シナリオ用カウンタの値「3」に対応して、演出用可動役物170の花びら部172を回転軸部171を中心として回転させるための動作に関わる情報が格納されている。具体的には、制御対象として回転用モーター176が規定され、励磁時間として5000msが規定され、ステップ数として1800が規定され、動作方向として正方向が規定されている。この動作内容が回転用モーター176のモータドライバに対して出力(設定)される。なお、本実施形態において、1800ステップは、演出用可動役物170の回転軸部171が5回転するために必要な回転用モーター176のステップ数となっている。また、5000msの励磁時間とは、5000msの間に1800パルス(ステップ)を出力することを意味している。したがって、本実施形態では、回転用モーター176が1800ステップ動作して演出用可動役物170の回転軸部171が5回転するために要する時間が5000msということになる。
回転用モーター176が1800ステップ動作して(5000msが経過して)演出用可動役物170の花びら部172が回転軸部171を中心として5回転すると、駆動シナリオ用カウンタの値「3」に1が加算されて「4」となる。
駆動シナリオ93c2では、駆動シナリオ用カウンタの値「4」に対応して、演出用可動役物170の花びら部172を縮小させるための動作に関わる情報が格納されている。具体的には、制御対象として拡大縮小機構177が規定され、拡大縮小機構177のソレノイドに対して通電を終了することが規定されている。
拡大縮小機構177のソレノイドへの通電を終了して演出用可動役物170の花びら部172が縮小すると、駆動シナリオ用カウンタの値「4」に1が加算されて「5」となる。
駆動シナリオ93c2では、駆動シナリオ用カウンタの値「5」に対応して、演出用可動役物170を最下点位置から原点位置まで移動(変位)させるための動作に関わる情報が格納されている。具体的には、制御対象として上下移動用モーター174が規定され、励磁時間として3000msが規定され、ステップ数として400が規定され、動作方向として負方向が規定されている。この動作内容が上下移動用モーター174のモータドライバに対して出力(設定)される。なお、本実施形態において、400ステップは、演出用可動役物170が最下点位置から原点位置まで移動するために必要な上下移動用モーター174のステップ数となっている。また、3000msの励磁時間とは、3000msの間に400パルス(ステップ)を出力することを意味している。したがって、本実施形態では、上下移動用モーター174が400ステップ動作して演出用可動役物170が最下点位置から原点位置まで移動するために要する時間が3000msということになる。すなわち、演出用可動役物170は、3秒間かけてゆっくりと、最下点位置から原点位置まで移動することになる。
上下移動用モーター174が400ステップ動作して(3000msが経過して)演出用可動役物170が最下点位置から原点位置まで移動すると、駆動シナリオ用カウンタの値「5」に1が加算されて「6」となる。
そして、駆動シナリオ93c2の駆動シナリオ用カウンタの値「6」に対応して、当該駆動シナリオの終了を示す「終了(END)」の情報が格納されている。この「END」データが読み出されることにより、当該駆動シナリオ93c2に規定された全ての動作が完了したと判別される。
このように、駆動シナリオ93c2には、演出用可動役物170が原点位置から最下点位置まで高速で(200msで)移動し、最下点位置において花びら部172が拡大し、5秒間かけて花びら部172が5回転した後、花びら部172が縮小し、3秒間かけて演出用可動役物170が最下点位置から原点位置に移動する動作(一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作)が規定されている。なお、この駆動シナリオ93c2には、各動作間に上述した終了条件判定処理は設定されていない。この理由は、一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作については、一度実行が開始されると途中で終了させることがないからである。
次に、図320(C)に示す駆動シナリオ93c3の詳細について説明する。上述したように、駆動シナリオ93c3は、上述した待機動作を演出用可動役物170に実行させるための情報が規定されたプログラムである。そして、演出用可動役物170に待機動作を実行させる制御は、上述した一連の上下移動動作を終了した後に実行され得る第2制御の一例である。
図320(C)に示す駆動シナリオ93c3では、駆動シナリオ用カウンタの値「1」に対応して、演出用可動役物170を5秒間そのまま待機させるための情報が格納されている。具体的には、5000msの待機処理を実行することが規定されている。したがって、この待機処理が実行されると、演出用可動役物170は5秒間そのままの位置で待機することになる。
5000msの待機処理の実行が完了すると、駆動シナリオ用カウンタの値「1」に1が加算されて「2」となる。
そして、駆動シナリオ93c3の駆動シナリオ用カウンタの値「2」に対応して、当該駆動シナリオの終了を示す「終了(END)」の情報が格納されている。この「END」データが読み出されることにより、当該駆動シナリオ93c3に規定された全ての動作が完了したと判別される。
このように、駆動シナリオ93c3には、演出用可動役物170が5秒間、そのままの位置で待機する待機動作が規定されている。
次に、従来のパチンコ機における課題を述べた後、本実施形態のパチンコ機10の利点について具体的に説明する。
従来、遊技の演出を盛り上げるために、液晶表示装置において表示演出を実行するとともに、当該表示演出の実行中に動作する各種の可動役物を備えるパチンコ機が知られている。近年では、各種の可動役物の装飾を豪華なものとしたり、各種の可動役物に多様な動作を実行させることによって遊技の演出の多様化や興趣の向上が図られている。
しかしながら、各種の可動役物に実行させる動作が多種多様なものになると、当該多種多様な動作を各種の可動役物に実行させるための駆動プログラムが膨大なものとなり、ROMの使用容量が増大してしまうといった課題が生じた。
そこで、各種の可動役物の一連の動作が規定されたプログラムである駆動シナリオをROMに記憶させ、当該一連の動作を実行する際に、当該駆動シナリオをROMから読み出してRAMに格納し、当該RAMに格納された駆動シナリオに基づいて各種の可動役物に一連の動作を実行させるパチンコ機が開発された。このような駆動シナリオを搭載したパチンコ機によれば、一連の動作が規定された駆動シナリオを複数の演出において利用したり(使い回したり)、一の演出の実行中に同一の駆動シナリオを複数回利用する構成を採用することによって、ROMに記憶すべきプログラムを少なくし、ROMの使用容量を低減することが可能となった。
また、一連の動作が規定された駆動シナリオをROMから読み出して一度RAMに格納し、当該RAMに格納された駆動シナリオを実行することによって一連の動作を各種の可動役物に実行させるといった構成や、一度RAMに格納した駆動シナリオを繰り返し実行することによって各種の可動役物に当該一連の動作を繰り返し実行させる構成を採用することによって、従来のように各種の可動役物に一の単一の動作を実行させる毎に当該一の単一の動作が規定された駆動プログラムを毎回ROMから読み出してRAMに格納するといった膨大な数の処理を実行する必要がなくなり、この結果、ROMからのデータの読み出し回数を大幅に低減することが可能となり、パチンコ機の処理負荷の低減が図られた。
しかしながら、従来の駆動シナリオでは、一度RAMに駆動シナリオが格納され、当該駆動シナリオに基づいて各種の可動役物の制御が開始された場合には、当該駆動シナリオに規定された一連の動作の全てが終了するまで、当該駆動シナリオに基づいた制御を終了させることができなかった。このため、従来の駆動シナリオは、一連の動作を各種の可動役物に最後まで実行させることを前提とした演出に利用されていた。このような演出としては、例えば、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展するか否かの期待感を遊技者に抱かせる発展演出が挙げられる。
発展演出では、例えば、ノーマルリーチが実行されている所定期間、一連の動作(例えば上下に複数回移動する動作)を各種の可動役物に繰り返し実行させ、当該所定期間の経過時に当該一連の動作を終了させ、スーパーリーチに発展する場合には、当該スーパーリーチに対応する動作を各種の可動役物に実行させ、一方、スーパーリーチに発展しない場合には、スーパーリーチに発展しない場合に対応した動作を各種の可動役物に実行させる。この構成の場合、駆動シナリオは、一連の動作が当該所定期間の経過時に終了するように設定され、また、当該終了時の各種の可動役物の位置や状態も予め設定されている。このため、一連の動作の終了後に、スーパーリーチに対応する動作も、スーパーリーチに発展しない場合に対応した動作も、各種の可動役物にスムーズに実行させることが可能となる。
このように、従来の駆動シナリオを、一連の動作を各種の可動役物に最後まで実行させることを前提とした演出に利用する場合には問題は生じないが、例えば、従来の駆動シナリオを、一連の動作を終了させるタイミングが不定となる演出(例えばボタン演出)に利用する場合には、次の課題が生じ得る。
例えば、一連の動作を終了させるタイミングが不定となるボタン演出としては、演出操作ボタンが押下されたタイミングで当該変動に係る抽選結果を告知するボタン告知演出が挙げられる。ボタン告知演出では、例えば、図柄の変動中に一連の動作(例えば上下に複数回移動する動作)を各種の可動役物に繰り返し実行させ、当該一連の動作の実行中に、ボタン受付有効期間を開始し、当該ボタン受付有効期間中に演出操作ボタンが押下された場合には、当該演出操作ボタンが押されたタイミングで当該一連の動作を終了させ、当該変動に係る抽選結果が大当たり当選である場合には、当該大当たり当選に対応した動作(例えば落下して回転する動作)を各種の可動役物に実行させ、一方、当該変動に係る抽選結果がはずれである場合には、当該はずれに対応した動作(例えばその場で待機する動作)を各種の可動役物に実行させる。
しかしながら、従来の駆動シナリオを上述したボタン告知演出に利用する場合には、ボタン受付有効期間中に演出操作ボタンが押下された場合であっても、駆動シナリオに規定された一連の動作の全てが終了するまで、当該駆動シナリオに基づいた制御を終了させることができないため、演出操作ボタンが押下されてから、一連の動作の全てが終了して抽選結果に対応した動作が開始されるまでにタイムラグが生じてしまい、この結果、遊技者に違和感や不快感を与えてしまうとともに、ボタン演出の爽快感を損ねてしまうといった課題が生じ得る。
さらに、ボタン受付有効期間中に演出操作ボタンが押下された場合には、演出操作ボタンが押下されたタイミングから遅延することなく即座に、液晶表示装置には当該変動に係る抽選結果に対応した画像が表示され、スピーカーからは当該画像に対応した音声が遅延することなく出力されることになる。したがって、各種の可動役物の動作のタイムラグが目立ってしまい、遊技者により一層の違和感や不快感を与えてしまうといった課題が生じ得る。
以上の課題に対して本実施形態のパチンコ機10が採用した構成について以下に具体的に説明する。
本実施形態によれば、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に内部抽選を行なう抽選処理を実行可能であり、内部抽選の抽選結果に応じて表示部で実行する一の所定演出を複数の演出表示態様の中から決定して実行する表示制御処理を実行可能であり、遊技領域に設けられ、表示部における所定演出の表示中に動作する可動役物の一の動作パターンを複数の中から決定して実行する可動制御処理を実行可能である。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、遊技領域PAに設けられた第1特図始動口33又は第2特図始動口34に遊技球が入球した場合に特図抽選を行なう抽選処理を実行可能であり、特図抽選の抽選結果に応じて図柄表示装置41で実行する役物連動演出を構成する表示演出を複数の表示演出パターンの中から決定して実行する表示制御処理を実行可能である。そして、遊技領域PAに設けられ、図柄表示装置41における役物連動演出を構成する表示演出の表示中に動作する演出用可動役物170の一の役物動作パターンを複数の中から決定して実行する可動制御処理を実行可能である。
そして、本実施形態によれば、所定の開始条件の成立に基づいて、複数の中から決定された一の動作パターンに対応して設定された設定情報に基づいて可動役物に一連の動作を行なわせることが可能である。したがって、本実施形態によれば、一連の動作が規定された設定情報を、一度、所定の記憶部から読み出して実行用の領域に格納すれば、当該一連の動作が実行されるので、可動役物に一の単一動作を実行させる毎に当該一の単一動作に対応した動作情報を所定の記憶部から読み出して実行用の領域に格納するといった膨大な数の処理を省略することができるので、遊技機の処理負荷を低減することができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、役物連動演出の一種である役物連動バトル演出の開始条件の成立に基づいて、複数の中から決定された一の役物動作パターンに対応して設定された駆動シナリオ93c1に基づいて演出用可動役物170に一連の上下移動動作を行なわせることが可能である。したがって、本実施形態によれば、一連の上下移動動作が規定された駆動シナリオ93c1を、一度、音光側ROM93から読み出して実行用の領域である音光側RAM94の駆動シナリオ格納エリア94dに格納すれば、当該一連の上下移動動作が実行されるので、演出用可動役物170に一の単一動作を実行させる毎に当該一の単一動作に対応した動作情報を所定の記憶部から読み出して実行用の領域に格納するといった膨大な数の処理を省略することができるので、遊技機の処理負荷を低減することができる。
さらに、本実施形態によれば、可動役物は、一連の動作において非駆動時初期位置側である駆動時最戻り位置と、最も駆動された位置である駆動時最大変位位置との間で駆動制御され、一連の動作は、可動役物を駆動時最戻り位置に位置させる戻り動作を複数回実行するように構成されており、戻り動作を実行した場合に、一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定し、動作終了条件が成立していると判定された場合に、駆動時最戻り位置に位置する可動役物を停止させて一連の動作を終了する終了処理を実行可能である。したがって、本実施形態によれば、当該一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、可動役物が駆動時最戻り位置に位置した状態で当該一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
ここで、仮に、本実施形態とは異なり、一連の動作の動作終了条件の成立を任意のタイミングで判定し、動作終了条件が成立したと判定された任意のタイミングで一連の動作を強制的に終了させる構成を採用した場合には、可動役物が駆動時最戻り位置と駆動時最大変位位置との間で毎回異なる位置で停止することになる。この結果、例えば、一連の動作の終了後に次の制御を開始する場合に、当該次の制御の開始のタイミングにおける可動役物の位置が毎回異なることになる。したがって、一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
これに対して、本実施形態によれば、上述したように、戻り動作を実行した場合に、一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定し、動作終了条件が成立していると判定された場合に、駆動時最戻り位置に位置する可動役物を停止させて一連の動作を終了する。この結果、一連の動作の終了時には、可動役物は駆動時最戻り位置に位置することになる。したがって、一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
このように、本実施形態によれば、遊技機の処理負荷を低減しつつ、一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、可動役物を駆動時最戻り位置に位置させた状態で当該一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、演出用可動役物170は、一連の上下移動動作において非駆動時初期位置であり駆動時最戻り位置でもある原点位置と、最も駆動された位置である最下点位置との間で駆動制御され、一連の上下移動動作は、演出用可動役物170を原点位置に位置させる上昇動作を複数回実行するように構成されており、上昇動作を実行した場合に、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定し、上下移動動作終了条件が成立していると判定された場合に、原点位置に位置する演出用可動役物170を停止させて一連の上下移動動作を終了する終了処理を実行可能である。したがって、本実施形態によれば、当該一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、演出用可動役物170が原点位置に位置した状態で当該一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170が原点位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
ここで、仮に、本実施形態とは異なり、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件の成立を任意のタイミングで判定し、上下移動動作終了条件が成立したと判定された任意のタイミングで一連の上下移動動作を強制的に終了させる構成を採用した場合には、演出用可動役物170が原点位置と最下点位置との間で毎回異なる位置で停止することになる。この結果、例えば、一連の上下移動動作の終了後に次の制御を開始する場合に、当該次の制御の開始のタイミングにおける演出用可動役物170の位置が毎回異なることになる。したがって、一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170が原点位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
これに対して、本実施形態によれば、上述したように、上昇動作を実行した場合に、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定し、上下移動動作終了条件が成立していると判定された場合に、原点位置に位置する演出用可動役物170を停止させて一連の上下移動動作を終了する。この結果、一連の上下移動動作の終了時には、演出用可動役物170は原点位置に位置することになる。したがって、一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170が原点位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
このように、本実施形態によれば、遊技機の処理負荷を低減しつつ、一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、演出用可動役物170を原点位置に位置させた状態で当該一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170が原点位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、一連の動作を実行する期間として、短動作期間と、短動作期間よりも長い長動作期間と、を備える。すなわち、一連の動作が短動作期間の長さで終了する場合と、長動作期間の長さで終了する場合とがあり、換言すれば、本実施形態によれば、一連の動作を終了させるタイミングが複数存在するので、一連の動作を終了させるタイミングが複数存在しない構成と比較して、本実施形態の効果をより一層発揮させることができる。以下、具体的に説明する。
ここで、仮に、一連の動作を終了させるタイミングが複数存在しない構成を採用した場合、例えば、一連の動作を終了させるタイミングが当該一連の動作の開始から所定期間の経過時に固定されている場合には、一連の動作の実行中に動作終了条件が成立しているか否かを頻繁に判定する必要はなく、当該所定期間の経過時に一連の動作を終了させればよい。さらに、当該所定期間の経過時に可動役物が所定の位置に存在しているように一連の動作を規定する設定情報の内容をあらかじめ調整して設定しておけば、一連の動作の終了時における可動役物の位置が不定となってしまうといったこともない。
しかしながら、本実施形態によれば、一連の動作を終了させるタイミングが複数存在する、すなわち、当該タイミングが不定であるので、上述したように、一連の動作の開始から所定期間の経過時に可動役物が所定の位置に存在しているように一連の動作を規定する設定情報の内容をあらかじめ調整して設定しておくといった対策をしても有効ではなく、さらに、一連の動作を終了させるタイミングが不定であるので、一連の動作の終了時における可動役物の位置が不定となってしまい、当該一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
そこで、本実施形態によれば、可動役物を駆動時最戻り位置に位置させる戻り動作を実行した場合に、一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定し、動作終了条件が成立していると判定された場合に、駆動時最戻り位置に位置する可動役物を停止させて一連の動作を終了する。したがって、本実施形態によれば、一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、可動役物を駆動時最戻り位置に位置させた状態で当該一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作を実行する期間は、演出操作ボタン24が押下された場合には短動作期間となり、演出操作ボタン24が押下されなかった場合には短動作期間よりも長い長動作期間となる。すなわち、一連の上下移動動作が演出操作ボタン24が押下された場合の短動作期間の長さで終了する場合と、演出操作ボタン24が押下されなかった場合の長動作期間の長さで終了する場合とがあり、換言すれば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作を終了させるタイミングが複数存在するので、一連の上下移動動作を終了させるタイミングが複数存在しない構成と比較して、本実施形態の効果をより一層発揮させることができる。以下、具体的に説明する。
ここで、仮に、一連の上下移動動作を終了させるタイミングが複数存在しない構成を採用した場合、例えば、一連の上下移動動作を終了させるタイミングが当該一連の上下移動動作の開始から所定期間の経過時に固定されている場合には、一連の上下移動動作の実行中に上下移動動作終了条件が成立しているか否かを頻繁に判定する必要はなく、当該所定期間の経過時に一連の上下移動動作を終了させればよい。さらに、当該所定期間の経過時に演出用可動役物170が所定の位置に存在しているように一連の上下移動動作を規定する駆動シナリオの内容をあらかじめ調整して設定しておけば、一連の上下移動動作の終了時における演出用可動役物170の位置が不定となってしまうといったこともない。
しかしながら、本実施形態によれば、一連の上下移動動作を終了させるタイミングが複数存在する、すなわち、当該タイミングが不定であるので、上述したように、一連の上下移動動作の開始から所定期間の経過時に演出用可動役物170が所定の位置に存在しているように一連の上下移動動作を規定する駆動シナリオの内容をあらかじめ調整して設定しておくといった対策をしても有効ではなく、さらに、一連の上下移動動作を終了させるタイミングが不定であるので、一連の上下移動動作の終了時における演出用可動役物170の位置が不定となってしまい、当該一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170が原点位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
そこで、実施形態によれば、演出用可動役物170を原点位置に位置させる上昇動作を実行した場合に、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定し、上下移動動作終了条件が成立していると判定された場合に、原点位置に位置する演出用可動役物170を停止させて一連の上下移動動作を終了する。したがって、本実施形態によれば、一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、演出用可動役物170を原点位置に位置させた状態で当該一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170が原点位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、可動役物が駆動時最大変位位置側に制御されている期間として、短制御期間と、短制御期間よりも長い長制御期間と、を備えるので、可動役物が駆動時最戻り位置に戻るまでに短制御期間を要する場合と、当該短制御期間よりも長い長制御期間を要する場合とがある。本実施形態によれば、可動役物が駆動時最大変位位置側に制御されている期間として、短制御期間よりも長い長制御期間を要した場合であっても、その後に必ず当該一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定するので、動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、演出用可動役物170が最下点位置側に制御されている期間(演出用可動役物170が原点位置を離れてから原点位置に戻るまでの制御期間)として、原点位置とA位置との間を往復させる短制御期間と、当該短制御期間よりも長い制御期間であって原点位置とB位置との間を往復させる長制御期間と、を備えるので、演出用可動役物170が原点位置に戻るまでに短制御期間を要する場合と、短制御期間よりも長い長制御期間を要する場合とがある。本実施形態によれば、演出用可動役物170が最下点位置側に制御されている期間として、短制御期間よりも長い長制御期間を要した場合であっても、その後に必ず当該一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定するので、上下移動動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、一連の動作を終了した後に実行される制御として、第1制御と、第1制御とは異なる第2制御と、を実行可能であり、一連の動作を終了した後に実行される制御が第1制御と第2制御とのいずれの場合であっても、可動役物を駆動時最戻り位置に位置させた状態で実行される。そして、本実施形態では、可動役物は、動作終了条件が成立したことによって一連の動作を終了した場合には、当該一連の動作を終了した時点において、駆動時最戻り位置に位置している。したがって、一連の動作を終了した後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置しておらずに第1制御または第2制御といった次の制御を実行することができないといった不具合の発生を回避することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作を終了した後に実行される制御として、演出用可動役物170に一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作を実行させる制御と、演出用可動役物170に待機動作を実行させる制御と、を実行可能であり、一連の上下移動動作を終了した後に実行される制御が演出用可動役物170に一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作を実行させる制御と演出用可動役物170に待機動作を実行させる制御とのいずれの場合であっても、演出用可動役物170を原点位置に位置させた状態で実行される。そして、本実施形態では、演出用可動役物170は、上下移動動作終了条件が成立したことによって一連の上下移動動作を終了した場合には、当該一連の上下移動動作を終了した時点において、原点位置に位置している。したがって、一連の上下移動動作を終了した後に、演出用可動役物170が原点位置に位置しておらずに演出用可動役物170に一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作を実行させる制御または演出用可動役物170に待機動作を実行させる制御といった次の制御を実行することができないといった不具合の発生を回避することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、一連の動作の動作終了条件の成立タイミングは、遊技者の遊技用操作に基づいて変化し得るので、一連の動作の動作終了条件の成立タイミングが変化しない構成と比較して、本実施形態の効果をより一層発揮させることができる。以下、具体的に説明する。
ここで、仮に、一連の動作の動作終了条件の成立タイミングが変化しない構成を採用した場合、例えば、一連の動作を終了させるタイミングが当該一連の動作の開始から所定期間の経過時に固定されている場合には、一連の動作の実行中に動作終了条件が成立しているか否かを頻繁に判定する必要はなく、当該所定期間の経過時に一連の動作を終了させればよい。さらに、当該所定期間の経過時に可動役物が所定の位置に存在しているように一連の動作を規定する設定情報の内容をあらかじめ調整して設定しておけば、一連の動作の終了時における可動役物の位置が不定となってしまうといったこともない。
しかしながら、本実施形態によれば、一連の動作の動作終了条件の成立タイミングが遊技者の遊技用操作に基づいて変化し得るので、上述したように、一連の動作の開始から所定期間の経過時に可動役物が所定の位置に存在しているように一連の動作を規定する設定情報の内容をあらかじめ調整して設定しておくといった対策をしても有効ではなく、さらに、一連の動作の動作終了条件の成立タイミングが遊技者の遊技用操作に基づいて変化し得るので、一連の動作の終了時における可動役物の位置が不定となってしまい、当該一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
そこで、本実施形態によれば、可動役物を駆動時最戻り位置に位置させる戻り動作を実行した場合に、一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定し、動作終了条件が成立していると判定された場合に、駆動時最戻り位置に位置する可動役物を停止させて一連の動作を終了する。したがって、本実施形態によれば、一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、可動役物を駆動時最戻り位置に位置させた状態で当該一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件の成立タイミングは、遊技者の演出操作ボタン24の押下操作に基づいて変化し得るので、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件の成立タイミングが変化しない構成と比較して、本実施形態の効果をより一層発揮させることができる。以下、具体的に説明する。
ここで、仮に、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件の成立タイミングが変化しない構成を採用した場合、例えば、一連の上下移動動作を終了させるタイミングが当該一連の上下移動動作の開始から所定期間の経過時に固定されている場合には、一連の上下移動動作の実行中に上下移動動作終了条件が成立しているか否かを頻繁に判定する必要はなく、当該所定期間の経過時に一連の上下移動動作を終了させればよい。さらに、当該所定期間の経過時に演出用可動役物170が所定の位置に存在しているように一連の上下移動動作を規定する駆動シナリオの内容をあらかじめ調整して設定しておけば、一連の上下移動動作の終了時における演出用可動役物170の位置が不定となってしまうといったこともない。
しかしながら、本実施形態によれば、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件の成立タイミングが遊技者の演出操作ボタン24の押下操作に基づいて変化し得るので、上述したように、一連の上下移動動作の開始から所定期間の経過時に演出用可動役物170が所定の位置に存在しているように一連の上下移動動作を規定する駆動シナリオの内容をあらかじめ調整して設定しておくといった対策をしても有効ではなく、さらに、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件の成立タイミングが遊技者の演出操作ボタン24の押下操作に基づいて変化し得るので、一連の上下移動動作の終了時における演出用可動役物170の位置が不定となってしまい、当該一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170が原点位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
そこで、本実施形態によれば、演出用可動役物170を原点位置に位置させる上昇動作を実行した場合に、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定し、上下移動動作終了条件が成立していると判定された場合に、原点位置に位置する演出用可動役物170を停止させて一連の上下移動動作を終了する。したがって、本実施形態によれば、一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、演出用可動役物170を原点位置に位置させた状態で当該一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170が原点位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、一連の動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、可動役物とは異なる制御対象が含まれるので、一連の動作を終了した後に可動役物に対して実行される制御と、当該異なる制御対象によって実行される制御とのタイムラグを低減することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、演出用可動役物170とは異なる制御対象として図柄表示装置41が含まれるので、一連の上下移動動作を終了した後に演出用可動役物170に対して実行される制御(一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作または待機動作)と、図柄表示装置41によって実行される制御(「勝利!」といった文字列を表示させる制御または「敗北...」といった文字列を表示させる制御)とのタイムラグを低減することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、可動制御処理は、可動役物を駆動時最大変位位置側に駆動させる制御を実行した場合には、一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定しないので、可動役物が駆動時最戻り位置に位置することを前提とした次の制御を、一連の動作の動作終了条件が成立した後に最速で実行可能になるという利点を維持しつつ、制御を簡易化して遊技機の処理負荷を低減することができる。以下、具体的に説明する。
仮に、可動役物を駆動時最大変位位置側に駆動させる制御を実行した場合に動作終了条件が成立しているか否かを判定する構成を採用し、可動役物が駆動時最大変位位置側に駆動している状態で動作終了条件が成立したと判定したとしても、可動役物が駆動時最大変位位置側に位置している状態では、可動役物が駆動時最戻り位置に位置することを前提とした次の制御を実行することができないので、当該次の制御の開始を可動役物が駆動時最戻り位置に戻るまで待つことになる。したがって、可動役物を駆動時最大変位位置側に駆動させる制御を実行した場合に動作終了条件が成立ているか否かを判定した利点がないにもかかわらず、制御が複雑になり、遊技機の処理負荷が増大することになる。また、仮に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置することを前提とした次の制御を、可動役物が駆動時最大変位位置側に駆動している途中で当該駆動を停止させて実行した場合には、可動役物の動作が不自然になり、遊技者に違和感や不快感を抱かせてしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態によれば、可動役物を駆動時最大変位位置側に駆動させる制御を実行した場合には、一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定しないので、可動役物が駆動時最戻り位置に位置することを前提とした次の制御を、一連の動作の動作終了条件が成立した後に最速で実行可能になるという利点を維持しつつ、制御を簡易化して遊技機の処理負荷を低減することができる。さらに、本実施形態によれば、可動役物の動作が不自然になり、遊技者に違和感や不快感を抱かせてしまうといった事態の発生を回避することができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、演出用可動役物170を最下点位置側に駆動させる制御を実行した場合には、上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定しないので、演出用可動役物170が原点位置に位置することを前提とした次の制御を、上下移動動作終了条件が成立した後に最速で実行可能になるという利点を維持しつつ、制御を簡易化して遊技機の処理負荷を低減することができる。以下、具体的に説明する。
仮に、演出用可動役物170を最下点位置側に駆動させる制御を実行した場合に上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定する構成を採用し、演出用可動役物170が最下点位置側に駆動している状態で上下移動動作終了条件が成立したと判定したとしても、演出用可動役物170が最下点位置側に位置している状態では、演出用可動役物170が原点位置に位置することを前提とした次の制御を実行することができないので、当該次の制御の開始を演出用可動役物170が原点位置に戻るまで待つことになる。したがって、演出用可動役物170を最下点位置側に駆動させる制御を実行した場合に上下移動動作終了条件が成立ているか否かを判定した利点がないにもかかわらず、制御が複雑になり、遊技機の処理負荷が増大することになる。また、仮に、演出用可動役物170が原点位置に位置することを前提とした次の制御を、演出用可動役物170が最下点位置側に駆動している途中で当該駆動を停止させて実行した場合には、演出用可動役物170の動作が不自然になり、遊技者に違和感や不快感を抱かせてしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態によれば、演出用可動役物170を最下点位置側に駆動させる制御を実行した場合には、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定しないので、演出用可動役物170が原点位置に位置することを前提とした次の制御を、上下移動動作終了条件が成立した後に最速で実行可能になるという利点を維持しつつ、制御を簡易化して遊技機の処理負荷を低減することができる。さらに、本実施形態によれば、演出用可動役物170の動作が不自然になり、遊技者に違和感や不快感を抱かせてしまうといった事態の発生を回避することができる。
さらに、本実施形態によれば、一連の動作において可動役物を非駆動時初期位置側に戻した位置は、非駆動時初期位置と同じ位置であるので、可動役物は、一連の動作において、非駆動時初期位置側に戻る場合には、非駆動時初期位置に戻ることになる。そして、一連の動作において可動役物が非駆動時初期位置に戻る毎に、当該一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定し、動作終了条件が成立していると判定された場合に、非駆動時初期位置に位置する可動役物を停止させて一連の動作を終了する。したがって、本実施形態によれば、一連の動作の終了後に実行する次の制御の内容を、可動役物が非駆動時初期位置に位置することを前提とした内容に統一することが可能となる。この結果、当該次の制御の内容として、可動役物が非駆動時初期位置以外に位置することを前提とした制御を用意する必要がなくなるので、制御の簡易化を図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作において演出用可動役物170を非駆動時初期位置である原点位置側に戻した位置は、非駆動時初期位置である原点位置と同じ位置であるので、演出用可動役物170は、一連の上下移動動作において、原点位置側に戻る場合には、原点位置に戻ることになる。そして、一連の上下移動動作において演出用可動役物170が原点位置に戻る毎に、当該一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定し、上下移動動作終了条件が成立していると判定された場合に、原点位置に位置する演出用可動役物170を停止させて一連の上下移動動作を終了する。したがって、本実施形態によれば、一連の上下移動動作の終了後に実行する次の制御の内容を、演出用可動役物170が非駆動時初期位置である原点位置に位置することを前提とした内容に統一することが可能となる。この結果、当該次の制御の内容として、演出用可動役物170が非駆動時初期位置である原点位置以外に位置することを前提とした制御を用意する必要がなくなるので、制御の簡易化を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、可動役物は、透明または半透明の部材を含んで構成されているので、遊技者は、可動役物の裏側に位置する表示部に表示される画像を可動役物を通して視認することが可能となる。この効果の詳細について説明する。表示部は、動作終了条件が成立したことに対応する画像を、動作終了条件の成立に基づいて遅滞なく表示することができる。そして、上述したように、本実施形態によれば、動作終了条件が成立した場合には、可動役物の一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、表示部に表示される画像と可動役物の動作とのタイムラグを短くすることによって、可動役物の動作と連携した画像であって、当該可動役物を通して遊技者に視認させる画像を表示部に表示させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、演出用可動役物170は、透明または半透明の部材を含んで構成されているので、遊技者は、演出用可動役物170の裏側に位置する図柄表示装置41に表示される画像を演出用可動役物170を通して視認することが可能となる。この効果の詳細について説明する。図柄表示装置41は、上下移動動作終了条件が成立したことに対応する画像を、上下移動動作終了条件の成立に基づいて遅滞なく表示することができる。そして、上述したように、本実施形態によれば、上下移動動作終了条件が成立した場合には、演出用可動役物170の一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の上下移動動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、上下移動動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、図柄表示装置41に表示される画像と演出用可動役物170の動作とのタイムラグを短くすることによって、演出用可動役物170の動作と連携した画像であって、当該演出用可動役物170を通して遊技者に視認させる画像を図柄表示装置41に表示させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、一連の動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、画像を表示可能な表示部が含まれる。この構成の効果について説明する。表示部は、動作終了条件が成立したことに対応する画像を、動作終了条件の成立に基づいて遅滞なく表示することができる。そして、上述したように、本実施形態によれば、動作終了条件が成立した場合には、可動役物の一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、表示部に表示される画像と可動役物の動作とのタイムラグを短くすることができるので、可動役物の動作と連携した画像を表示部に表示させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、画像を表示可能な図柄表示装置41が含まれる。この構成の効果について説明する。図柄表示装置41は、上下移動動作終了条件が成立したことに対応する画像を、上下移動動作終了条件の成立に基づいて遅滞なく表示することができる。そして、上述したように、本実施形態によれば、上下移動動作終了条件が成立した場合には、演出用可動役物170の一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の上下移動動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、上下移動動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、図柄表示装置41に表示される画像と演出用可動役物170の動作とのタイムラグを短くすることができるので、演出用可動役物170の動作と連携した画像を図柄表示装置41に表示させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、一連の動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、音を出力可能な音声出力部が含まれる。この構成の効果について説明する。音声出力部は、動作終了条件が成立したことに対応する音を、動作終了条件の成立に基づいて遅滞なく出力することができる。そして、上述したように、本実施形態によれば、動作終了条件が成立した場合には、可動役物の一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、音声出力部によって出力される音と可動役物の動作とのタイムラグを短くすることができるので、可動役物の動作と連携した音を音声出力部に出力させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、音を出力可能なスピーカー46が含まれる。この構成の効果について説明する。スピーカー46は、上下移動動作終了条件が成立したことに対応する音声を、上下移動動作終了条件の成立に基づいて遅滞なく出力することができる。そして、上述したように、本実施形態によれば、上下移動動作終了条件が成立した場合には、演出用可動役物170の一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の上下移動動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、上下移動動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、スピーカー46によって出力される音声と演出用可動役物170の動作とのタイムラグを短くすることができるので、演出用可動役物170の動作と連携した音声をスピーカー46に出力させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、一連の動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、発光可能な発光部が含まれる。この構成の効果について説明する。発光部は、動作終了条件の成立に基づいて遅滞なく、動作終了条件が成立したことに対応する発光パターンで発光することができる。そして、上述したように、本実施形態によれば、動作終了条件が成立した場合には、可動役物の一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、発光部による発光と可動役物の動作とのタイムラグを短くすることができるので、可動役物の動作と連携した発光パターンで発光部に発光させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、発光可能な各種ランプ47が含まれる。この構成の効果について説明する。各種ランプ47は、上下移動動作終了条件の成立に基づいて遅滞なく、上下移動動作終了条件が成立したことに対応する発光パターンで発光することができる。そして、上述したように、本実施形態によれば、上下移動動作終了条件が成立した場合には、演出用可動役物170の一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の上下移動動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、上下移動動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、各種ランプ47による発光と演出用可動役物170の動作とのタイムラグを短くすることができるので、演出用可動役物170の動作と連携した発光パターンで各種ランプ47に発光させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
このように、本遊技機によれば、制御プログラムや制御データを有効に活用しつつ、可動役物を適切な制御で終了させることができるとともに、当該一連の動作の終了後に、可動役物が所定の状態となっていることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
《7-5》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
上述した遊技を進行させるために、主制御装置60の主側MPU62は、通常処理及びタイマ割込み処理を実行する。主側MPU62は、通常処理及びタイマ割込み処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<通常処理>
通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。
図321は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSd0101では、起動初期設定処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップSd0102に進む。
ステップSd0102では、起動コマンドを音声発光制御装置90に対して送信する。起動コマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップSd0103に進む。
ステップSd0103では、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可設定を実行する。その後、無限ループ処理を繰り返して待機するとともに、後述するタイマ割込み処理が定期的に(本実施形態では2ms毎に)実行される。
<タイマ割込み処理>
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(本実施形態では2msec周期)に実行される。
図322は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。ステップSd1101では、各種検知センサーの読み込み処理を実行する。具体的には、主制御装置60に接続されている各種検知センサーの状態を読み込み、当該センサーの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSd0102に進む。
ステップSd1102では、各種カウンタ更新処理を実行する。具体的には、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3、特図変動種別カウンタCs4、普図当否判定カウンタCn1、普図種別判定カウンタCn2、乱数初期値カウンタCiniの値にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタCs1~Cs4、Cn1、Cn2、Ciniの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSd1103に進む。
ステップSd1103では、各入球口用の入球処理を実行する。各入球口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSd1103を実行した後、ステップSd1104に進む。
ステップSd1104では、特図特電制御処理を実行する。特図特電制御処理は、第1特図始動口33又は第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて上述した特図抽選を実行し、第1特別図柄表示器37a、第2特別図柄表示器37b及び特別電動役物57bを制御する第1制御処理である。特図特電制御処理の詳細については後述する。ステップSd1104を実行した後、ステップSd1105に進む。
ステップSd1105では、普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理は、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づいて上述した普図抽選を実行し、普通図柄表示器38a及び普通電動役物34bを制御する第2制御処理である。普図普電制御処理の詳細については後述する。ステップSd1105を実行した後、ステップSd1106に進む。
ステップSd1106では、上述した又は後述する各処理において送信対象として設定された各種コマンドや各種出力データを払出制御装置70や音声発光制御装置90等のサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、例えば、賞球コマンドが設定されてる場合には当該コマンドを払出制御装置70に対して送信する。また、各種の演出に関するコマンドが設定されている場合にはそれらのコマンドを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSd1107を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<各入球口用の入球処理>
次に、各入球口用の入球処理について説明する。各入球口用の入球処理は、上述したタイマ割込み処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図323は、各入球口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSd1201では、一般入賞口用の入球処理を実行する。一般入賞口用の入球処理では、一般入賞口32への遊技球の入球を検知した場合に、当該一般入賞口32に設定された設定情報である賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。ステップSd1201を実行した後、ステップSd1202に進む。
ステップSd1202では、大入賞口用の入球処理を実行する。大入賞口用の入球処理では、大入賞口57aへの遊技球の入球を検知した場合に、当該大入賞口57aに設定された設定情報である賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。ステップSd1202を実行した後、ステップSd1203に進む。
ステップSd1203では、第1特図始動口用の入球処理を実行する。第1特図始動口用の入球処理では、第1特図始動口33への遊技球の入球を検知した場合に、各種の処理を実行する。第1特図始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSd1203を実行した後、ステップSd1204に進む。
ステップSd1204では、第2特図始動口用の入球処理を実行する。第2特図始動口用の入球処理では、第2特図始動口34への遊技球の入球を検知した場合に、各種の処理を実行する。第2特図始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSd1204を実行した後、ステップSd1205に進む。
ステップSd1205では、普図始動ゲート用の入球処理を実行する。普図始動ゲート用の入球処理では、普図始動ゲート35への遊技球の入球を検知した場合に、各種の処理を実行する。普図始動ゲート用の入球処理の詳細については後述する。ステップSd1205実行した後、本各入球口用の入球処理を終了する。
<第1特図始動口用の入球処理>
次に、第1特図始動口用の入球処理について説明する。第1特図始動口用の入球処理は、上述した各入球口用の入球処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図324は、第1特図始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSd1301では第1特図始動口33に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSd1301において、第1特図始動口33に遊技球が入球したと判定した場合には(ステップSd1301:YES)、ステップSd1302に進み、第1特図始動口33に設定された設定情報である賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップSd1303に進む。一方、ステップSd1301において、第1特図始動口33に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(ステップSd1301:NO)、本第1特図始動口用の入球処理を終了する。
ステップSd1303では、第1特図保留個数Ns1が上限値未満であるか否かを判定する。なお、第1特図保留個数Ns1は、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて保留されている(実行待ちの)第1特図抽選の数を示す値である。本実施形態では、第1特図保留個数Ns1の上限値(最大値)は4である。
ステップSd1303において、第1特図保留個数Ns1が上限値未満であると判定した場合には(ステップSd1303:YES)、ステップSd1304に進み、第1特図保留個数Ns1に1を加算する。その後、ステップSd1305に進む。
ステップSd1305では、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値をRAM64の特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSd1303において1を加算した第1特図保留個数Ns1に対応する記憶エリアに記憶する。その後、ステップSd1306に進む。
ステップSd1306では、第1特図先判定処理を実行する。第1特図先判定処理は、ステップSd1305において取得された特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値(第1特図保留情報)に基づいて、第1特図抽選の判定結果(特図当否判定の判定結果、特図種別判定の判定結果、特図リーチ発生の有無の判定結果等)を、当該第1特図保留情報が第1特別図柄の変動を伴う第1特図抽選の対象となるよりも前に判定する処理である。ステップSd1306を実行した後、ステップSd1307に進む。
ステップSd1307では、第1特図保留コマンドを設定する。具体的には、上述した第1特図先判定処理の各判定結果を第1特図保留コマンドとして設定する。第1特図保留コマンドは、サブ側の制御装置に対して、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された第1特図保留情報に対する第1特図先判定処理の判定結果を、当該第1特図保留情報が第1特別図柄の変動を伴う第1特図抽選の対象となるよりも前に認識させるためのコマンドである。音声発光制御装置90は、第1特図保留コマンドを受信すると、図柄表示装置41の第1特図保留表示領域Ds1における表示を第1特図保留個数Ns1の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1特図保留表示領域Ds1における表示を第1特図保留個数Ns1の増加に対応させて変更する。ステップSd1307を実行した後、第1特図始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSd1303において、第1特図保留個数Ns1が上限値未満ではないと判定した場合(ステップSd1303:NO)、すなわち、第1特図保留個数Ns1が上限値であると判定した場合には、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値を特図保留エリア64bに記憶することなく、本第1特図始動口用の入球処理を終了する。
<第2特図始動口用の入球処理>
次に、第2特図始動口用の入球処理について説明する。第2特図始動口用の入球処理は、上述した各入球口用の入球処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図325は、第2特図始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSd1401では第2特図始動口34に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSd1401において、第2特図始動口34に遊技球が入球したと判定した場合には(ステップSd1401:YES)、ステップSd1402に進み、第2特図始動口34に設定された設定情報である賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップSd1403に進む。一方、ステップSd1401において、第2特図始動口34に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(ステップSd1401:NO)、本第2特図始動口用の入球処理を終了する。
ステップSd1403では、第2特図保留個数Ns2が上限値未満であるか否かを判定する。なお、第2特図保留個数Ns2は、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて保留されている(実行待ちの)第2特図抽選の数を示す値である。本実施形態では、第2特図保留個数Ns2の上限値(最大値)は4である。
ステップSd1403において、第2特図保留個数Ns2が上限値未満であると判定した場合には(ステップSd1403:YES)、ステップSd1404に進み、第2特図保留個数Ns2に1を加算する。その後、ステップSd1405に進む。
ステップSd1405では、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値をRAM64の特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSd1403において1を加算した第2特図保留個数Ns2に対応する記憶エリアに記憶する。その後、ステップSd1406に進む。
ステップSd1406では、第2特図先判定処理を実行する。第2特図先判定処理は、ステップSd1405において取得された特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値(第2特図保留情報)に基づいて、第2特図抽選の判定結果(特図当否判定の判定結果、特図種別判定の判定結果、特図リーチ発生の有無の判定結果等)を、当該第2特図保留情報が第2特別図柄の変動を伴う第2特図抽選の対象となるよりも前に判定する処理である。ステップSd1406を実行した後、ステップSd1407に進む。
ステップSd1407では、第2特図保留コマンドを設定する。具体的には、上述した第2特図先判定処理の各判定結果を第2特図保留コマンドとして設定する。第2特図保留コマンドは、サブ側の制御装置に対して、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された第2特図保留情報に対する第2特図先判定処理の判定結果を、当該第2特図保留情報が第2特別図柄の変動を伴う第2特図抽選の対象となるよりも前に認識させるためのコマンドである。音声発光制御装置90は、第2特図保留コマンドを受信すると、図柄表示装置41の第2特図保留表示領域Ds2における表示を第2特図保留個数Ns2の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2特図保留表示領域Ds2における表示を第2特図保留個数Ns2の増加に対応させて変更する。ステップSd1407を実行した後、第2特図始動口34用の入球処理を終了する。
一方、ステップSd1403において、第2特図保留個数Ns2が上限値未満ではないと判定した場合(ステップSd1403:NO)、すなわち、第2特図保留個数Ns2が上限値であると判定した場合には、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値を特図保留エリア64bに記憶することなく、本第2特図始動口用の入球処理を終了する。
<普図始動ゲート用の入球処理>
次に、普図始動ゲート用の入球処理について説明する。普図始動ゲート用の入球処理は、上述した各入球口用の入球処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図326は、普図始動ゲート用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSd1501では普図始動ゲート35に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSd1501において、普図始動ゲート35に遊技球が入球したと判定した場合には(ステップSd1501:YES)、ステップSd1502に進む。一方、ステップSd1501において、普図始動ゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(ステップSd1501:NO)、本普図始動ゲート用の入球処理を終了する。
ステップSd1502では、普図保留個数Nn1が上限値未満であるか否かを判定する。なお、普図保留個数Nn1は、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づいて保留されている(実行待ちの)普図抽選の数を示す値である。本実施形態では、普図保留個数Nn1の上限値(最大値)は4である。
ステップSd1502において、普図保留個数Nn1が上限値未満であると判定した場合には(ステップSd1502:YES)、ステップSd1503に進み、普図保留個数Nn1に1を加算する。その後、ステップSd1504に進む。
ステップSd1504では、普図当否判定カウンタCn1及び普図種別判定カウンタCn2の各値をRAM64の普図保留エリア64dの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSd1503において1を加算した普図保留個数Nn1に対応する記憶エリアに記憶する。その後、ステップSd1505に進む。
ステップSd1505では、普図保留コマンドを設定する。普図保留コマンドは、サブ側の制御装置に対して、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づいて普図抽選が保留されたことを認識させるためのコマンドである。ステップSd1505を実行した後、普図始動ゲート35用の入球処理を終了する。
一方、ステップSd1502において、普図保留個数Nn1が上限値未満ではないと判定した場合(ステップSd1502:NO)、すなわち、普図保留個数Nn1が上限値であると判定した場合には、普図当否判定カウンタCn1及び普図種別判定カウンタCn2の各値を普図保留エリア64dに記憶することなく、本普図始動ゲート用の入球処理を終了する。
<特図特電制御処理>
次に、特図特電制御処理について説明する。特図特電制御処理は、上述したタイマ割込み処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図327は、特図特電制御処理を示すフローチャートである。ステップSd2101では、第1特別図柄表示器37aにおける第1特別図柄又は第2特別図柄表示器37bにおける第2特別図柄の変動を開始させるための処理である特別図柄変動開始処理を実行する。特別図柄変動開始処理の詳細については後述する。ステップSd2101を実行した後、ステップSd2102に進む。
ステップSd2102では、第1特別図柄表示器37aにおける第1特別図柄又は第2特別図柄表示器37bにおける第2特別図柄の変動を停止させるための処理である特別図柄変動停止処理を実行する。特別図柄変動停止処理の詳細については後述する。ステップSd2102を実行した後、ステップSd2103に進む。
ステップSd2103では、特別図柄の変動を停止させた後の処理である特別図柄変動停止後処理を実行する。特別図柄変動停止後処理の詳細については後述する。ステップSd2103を実行した後、ステップSd2104に進む。
ステップSd2104では、特電開閉実行モード開始処理を実行する。特電開閉実行モード開始処理は、特電開閉実行モードを開始させる条件が成立した場合に、特電開閉実行モードを開始させる処理である。特電開閉実行モード開始処理の詳細については後述する。ステップSd2104を実行した後、ステップSd2105に進む。
ステップSd2105では、特電オープニング期間中処理を実行する。特電オープニング期間中処理は、特電オープニング期間中に実行する処理である。特電オープニング期間中処理の詳細については後述する。ステップSd2105を実行した後、ステップSd2106に進む。
ステップSd2106では、特電開閉期間中処理を実行する。特電開閉期間中処理は、特電開閉期間中に実行する処理である。特電開閉期間中処理の詳細については後述する。ステップSd2106を実行した後、ステップSd2107に進む。
ステップSd2107では、特電エンディング期間中処理を実行する。特電エンディング期間中処理は、特電エンディング期間中に実行する処理である。特電エンディング期間中処理の詳細については後述する。ステップSd2107を実行した後、本特図特電制御処理を終了する。
<特別図柄変動開始処理>
次に、特別図柄変動開始処理について説明する。特別図柄変動開始処理は、上述した特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図328は、特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSd2201では、主側RAM64に記憶されている特図特電制御値が「01」であるか否かを判定する。特図特電制御値は、特別図柄及び特別電動役物の制御の進行状況がどの段階であるのかを示す値であり、本実施形態では、特図特電制御値が「01」であることは、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれもが変動していない状態であり、かつ、特電開閉実行モードも実行されていない状態であること示している。換言すれば、特図特電制御値が「01」であることは、第1特図保留個数Ns1又は第2特図保留個数Ns2が1以上となっている場合に第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始することが可能な状態であることを示している。本実施形態では、特図特電制御値は、上述した起動初期設定処理において最初に「01」に設定される。
ステップSd2201において、特図特電制御値が「01」ではないと判定した場合には(ステップSd2201:NO)、後述するステップSd2202以降の処理のいずれも実行することなく、本特別図柄変動開始処理を終了する。すなわち、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかが変動している状態や、特電開閉実行モードの実行中には、特別図柄の変動は開始されない。一方、ステップSd2201において、特図特電制御値が「01」であると判定した場合には(ステップSd2201:NO)、ステップSd2202に進む。
ステップSd2202では、第2特図保留個数Ns2が「1」以上であるか否かを判定する。ステップSd2202において、第2特図保留個数Ns2が「1」以上であると判定した場合には(ステップSd2202:YES)、ステップSd2203に進み、第2特図保留個数Ns2から1を減算する。その後、ステップSd2204に進む。
ステップSd2204では、特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbの各エリアに記憶されている第2特図保留情報をシフトさせる処理である第2特図保留情報シフト処理を実行する。具体的には、第2特図保留情報シフト処理では、第2特図保留エリアRbの第1エリアに記憶されている第2特図保留情報を特図判定エリア64cに移動させた後、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった順に各エリア内の第2特図保留情報をシフトさせる。ステップSd2204を実行した後、後述するステップSd2208に進む。
ステップSd2202において、第2特図保留個数Ns2が「1」以上ではないと判定した場合には(ステップSd2202:NO)、ステップSd2205に進み、第1特図保留個数Ns1が「1」以上であるか否かを判定する。ステップSd2205において、第1特図保留個数Ns1が「1」以上ではないと判定した場合には(ステップSd2205:NO)、本特別図柄変動開始処理を終了する。一方、ステップSd2205において、第1特図保留個数Ns1が「1」以上であると判定した場合には(ステップSd2205:YES)、ステップSd2206に進み、第1特図保留個数Ns1から1を減算する。その後、ステップSd2207に進む。
ステップSd2207では、特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaの各エリアに記憶されている第1特図保留情報をシフトさせる処理である第1特図保留情報シフト処理を実行する。具体的には、第1特図保留情報シフト処理では、第1特図保留エリアRaの第1エリアに記憶されている第1特図保留情報を特図判定エリア64cに移動させた後、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった順に各エリア内の第1特図保留情報をシフトさせる。ステップSd2207を実行した後、ステップSd2208に進む。
ステップSd2208では、特図当たり(特図大当たり又は特図小当たり)に当選するか否かを判定する処理である特図当否判定処理を実行する。具体的には、特図当否判定処理では、抽選モード及び保留の種別に基づいて上述した特図当否判定テーブルを選択し、選択した特図当否判定テーブルと、特図判定エリア64cに記憶された特図当否判定カウンタCs1の値とに基づいて、特図当たりに当選するか否かを判定する。ステップSd2208を実行した後、ステップSd2209に進む。
ステップSd2209では、特別図柄の種別(停止図柄の種別)を判定する処理である特図種別判定処理を実行する。具体的には、特図種別判定処理では、特図当否判定の結果と、特図判定エリア64cに記憶された特図種別判定カウンタCs2の値と、特図種別判定テーブルとに基づいて、特別図柄の種別を判定する。ステップSd2209を実行した後、ステップSd2210に進む。
ステップSd2210では、特図種別判定処理において判定した特別図柄の種別に対応した特図種別フラグをONにする。具体的には、例えば、特図種別判定処理において特別図柄Aであると判定した場合には、特図種別フラグとして特別図柄AフラグをONにし、特別図柄Bであると判定した場合には、特図種別フラグとして特別図柄BフラグをONにする。ステップSd2210を実行した後、ステップSd2211に進む。
ステップSd2211では、特図変動パターン決定処理を実行する。特図変動パターン決定処理は、第1特別図柄表示器37aにおける第1特別図柄の変動時間(第1特図変動時間)又は第2特別図柄表示器37bにおける第2特別図柄の変動時間(第2特図変動時間)を決定する処理である。具体的には、特図変動時間設定処理では、抽選モードと、保留の種別と、特図当否判定の結果と、特図判定エリア64cに記憶された特図リーチ判定カウンタCs3の値と、特図変動種別カウンタCs4の値と、特図変動時間テーブルとに基づいて特図変動時間を決定する。
ステップSd2212では、特図変動パターン決定処理において決定した特図変動時間に対応した値を特図変動時間タイマカウンタに設定する。ステップSd2212を実行した後、ステップSd2213に進む。
ステップSd2213では、特図変動パターンコマンドを設定する。特図変動パターンコマンドには、今回の特別図柄の変動が第1特図始動口33又は第2特図始動口34のいずれの特図始動口への遊技球の入球に基づくものであるのかを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及び設定された特図変動時間の情報が含まれている。ステップSd2213を実行した後、ステップSd2214に進む。
ステップSd2214では、特図種別コマンドを設定する。特図種別コマンドには、特図当否判定の結果(特図大当たりの有無)及び特図種別判定の結果(特別図柄の種別)の情報が含まれる。
ステップSd2213及びステップSd2214にて設定された設定情報である特図変動パターンコマンド及び特図種別コマンドは、タイマ割込み処理の各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した特図変動パターンコマンド及び特図種別コマンドに基づいて演出の内容(演出パターン)を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSd2214を実行後、ステップSd2215に進む。
ステップSd2215では、第1特別図柄表示器37aにおける第1特別図柄又は第2特別図柄表示器37bにおける第2特別図柄の変動を開始させる。その後、ステップSd2216に進み、特図特電制御値に「02」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「02」であることは、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中の状態であることを示している。その後、本特別図柄変動開始処理を終了する。
<特別図柄変動停止処理>
次に、特別図柄変動停止処理について説明する。特別図柄変動停止処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図329は、特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。ステップSd2301では、特図特電制御値が「02」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「02」であることは、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中の状態であることを示している。ステップSd2301において、特図特電制御値が「02」ではないと判定した場合には(ステップSd2301:NO)、本特別図柄変動停止処理を終了する。一方、ステップSd2301において、特図特電制御値が「02」であると判定した場合には(ステップSd2301:YES)、ステップSd2302に進む。
ステップSd2302では、上述した特図変動時間設定処理において設定された特図変動時間が経過したか否かを判定する。具体的には、主側RAM64における特図変動時間タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となっている場合には、特図変動時間が経過したと判定する。ステップSd2302において、特図変動時間が経過していないと判定した場合には(ステップSd2302:NO)、本特別図柄変動停止処理を終了する。一方、ステップSd2302において、特図変動時間が経過したと判定した場合には(ステップSd2302:YES)、ステップSd2303に進む。
ステップSd2303では、第1特別図柄表示器37a又は第2特別図柄表示器37bにおいて変動中の第1特別図柄又は第2特別図柄を、ONとなっている特図種別フラグに対応した表示態様で停止表示させる。これにより、第1特別図柄表示器37a又は第2特別図柄表示器37bには、第1特図抽選又は第2特図抽選の結果に対応した表示態様の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示される。ステップSd2303を実行した後、ステップSd2304に進む。
ステップSd2304では、特図停止表示時間設定処理を実行する。特図停止表示時間設定処理は、第1特別図柄表示器37aにおける第1特別図柄の停止表示時間(第1特図停止表示時間)及び第2特別図柄表示器37bにおける第2特別図柄の停止表示時間(第2特図停止表示時間)を設定する処理である。具体的には、特図停止表示時間設定処理では、所定の時間(本実施形態では1.0秒)に対応した値を特図停止表示時間タイマカウンタに設定する。ステップSd2304を実行した後、ステップSd2305に進み、特図特電制御値に「03」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「03」であることは、第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示中の状態であることを示している。その後、本特別図柄停止処理を終了する。
<特別図柄変動停止後処理>
次に、特別図柄変動停止後処理について説明する。特別図柄変動停止後処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図330は、特別図柄変動停止後処理を示すフローチャートである。ステップSd2401では、特図特電制御値が「03」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「03」であることは、第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示中の状態であることを示している。ステップSd2401において、特図特電制御値が「03」ではないと判定した場合には(ステップSd2401:NO)、本特別図柄変動停止後処理を終了する。一方、ステップSd2401において、特図特電制御値が「03」であると判定した場合には(ステップSd2401:YES)、ステップSd2402に進む。
ステップSd2402では、上述した特図停止表示時間設定処理において設定された特図停止表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、主側RAM64における特図停止表示時間タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となっている場合には、特図停止表示時間が経過したと判定する。ステップSd2402において、特図停止表示時間が経過していないと判定した場合には(ステップSd2402:NO)、本特別図柄変動停止後処理を終了する。一方、ステップSd2402において、特図停止表示時間が経過したと判定した場合には(ステップSd2402:YES)、ステップSd2403に進む。
ステップSd2403では、特図当たりに対応する特図種別フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、今回の特別図柄の変動に係る特図当否判定の結果が特図当たり(特図大当たり)であるか否かを判定する。ステップSd2403において、特図当たりに対応する特図種別フラグがONではないと判定した場合(ステップSd2403:NO)、すなわち、今回の特別図柄の変動に係る特図当否判定の結果が特図外れである場合には、ステップSd2404に進み、ONとなっている特図種別フラグ(この場合は特別図柄Zフラグ)をOFFにする。その後、ステップSd2405に進む。
次に説明するステップSd2405からステップSd2410までの処理は、低確高サポ状態(いわゆる時短状態)において規定回数の特図変動が実行されたか否かを判定し、規定回数の特図変動が実行された場合には高頻度サポートモードフラグをOFFにして低確低サポ状態(いわゆる通常状態)に移行させるための処理である。以下、各ステップの処理を具体的に説明する。
ステップSd2405では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSd2405において、高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合には、後述するステップSd2411に進む。一方、ステップSd2405において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(ステップSd2405:YES)、ステップSd2406に進み、高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSd2406において、高確率モードフラグがONであると判定した場合には(ステップSd2406:YES)、後述するステップSd2411に進む。一方、ステップSd2406において、高確率モードフラグがONではないと判定した場合には(ステップSd2406:NO)、ステップSd2407に進む。すなわち、高頻度サポートモードフラグがONであり、かつ、高確率モードフラグがOFFである場合に(遊技状態が低確高サポ状態、いわゆる時短状態である場合に)、ステップSd2407に進む。
ステップSd2407では、高サポ残回数カウンタNspの値から1を減算する。その後、ステップSd2408に進み、高サポ残回数カウンタNspの値が0であるか否かを判定する。すなわち、高頻度サポートモードにおいて規定回数の特図変動が実行されたか否かを判定する。ステップSd2408において、高サポ残回数カウンタNspの値が0ではないと判定した場合には(ステップSd2408:NO)、後述するステップSd2411に進む。一方、ステップSd2408において、高サポ残回数カウンタNspの値が0であると判定した場合には(ステップSd2408:YES)、ステップSd2409に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップSd2410に進み、遊技状態が、高確率モードフラグがOFFであり高頻度サポートモードフラグもOFFである低確低サポ状態(通常状態)となったことを示す遊技状態コマンドを設定する。その後、ステップSd2411に進む。
ステップSd2411では、特図特電制御値に「01」を設定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「01」であることは、第1特図保留個数Ns1又は第2特図保留個数Ns2が1以上となっている場合に第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始することが可能な状態を示している。その後、本特別図柄変動停止後処理を終了する。
一方、ステップSd2403において、特図当たりに対応する特図種別フラグがONであると判定した場合(ステップSd2403:YES)、すなわち、今回の特別図柄の変動に係る特図当否判定の結果が特図当たりである場合には、ステップSd2412に進み、特図特電制御値に「04」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「04」であることは、特電開閉実行モードを開始すべき条件が成立した状態であることを示している。その後、本特別図柄変動停止後処理を終了する。これにより、今回の特別図柄の変動に係る特図当否判定の結果が特図当たりである場合には、特電開閉実行モードが開始されることになる。
<特電開閉実行モード開始処理>
次に、特電開閉実行モード開始処理について説明する。特電開閉実行モード開始処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図331は、特電開閉実行モード開始処理を示すフローチャートである。ステップSd3101では、特図特電制御値が「04」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「04」であることは、所定の開始条件である特電開閉実行モードの開始条件が成立した状態を示している。ステップSd3101において、特図特電制御値が「04」ではないと判定した場合には(ステップSd3101:NO)、本特電開閉実行モード開始処理を終了する。一方、ステップSd3101において、特図特電制御値が「04」であると判定した場合には(ステップSd3101:YES)、ステップSd3102に進む。
ステップSd3102では、特電開閉パターン決定処理を実行する。特電開閉パターン決定処理は、特図種別フラグと上述した特電開閉パターン選択テーブルとに基づいて、特電開閉実行モードにおける一の特電開閉パターンを複数の中から決定するとともに、特電開閉実行モードにおいて参照する特電開閉シナリオの種別を決定する処理である。そして、当該決定した特電開閉パターン(特電開閉シナリオ)に基づいて特別電動役物57bを制御する可動制御処理が実行される。なお、後述するように、決定した特電開閉パターンに基づく特別電動役物57bの一連の開閉動作の実行中には、図柄表示装置41において、特電開閉期間演出を構成する所定演出である表示演出が実行される。ステップSd3102を実行した後、ステップSd3103に進む。
ステップSd3103では、決定した特電開閉パターンに対応した特電開閉シナリオを主側ROM63から読み出して主側RAM64に格納する。その後、ステップSd3104に進む。
ステップSd3104では、決定した特電開閉パターンに対応した特電開閉シナリオからラウンド数情報を取得し、取得したラウンド数情報を主側RAM64に設けられた残ラウンド数カウンタRCにセットする。この残ラウンド数カウンタRCの値は、ラウンド遊技が1回終了する毎に1減算される。すなわち、複数の中から決定された一の特電開閉パターンに対応して設定された設定情報である残ラウンド数カウンタRCに設定された値に基づいて、特別電動役物57bに一連の開閉動作を行なわせることが可能となる。その後、ステップSd3105に進む。
ステップSd3105では、特電オープニング時間設定処理を実行する。特電オープニング時間設定処理は、特別電動役物57bの駆動を開始する前の期間である特電オープニング期間の時間的長さ(以下、特電オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、本実施形態では、上述した特電開閉パターン決定処理によって決定された特電開閉シナリオから特電オープニング時間情報を取得し、取得した特電オープニング時間情報をRAM64に設けられた特電オープニング時間タイマカウンタにセットする。この特電オープニング時間タイマカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される度に1減算される。ステップSd3105を実行した後、ステップSd3106に進む。
ステップSd3106では、特電開閉パターンの種別を特定可能な情報を含む特電オープニングコマンドを設定する。設定された特電オープニングコマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。特電オープニングコマンドを受信した音声発光制御装置90は、特電オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように各種演出用装置(各種ランプ47や表示制御装置100、図柄表示装置41)を制御する。ステップSd3106を実行した後、ステップSd3107に進み、特図特電制御値に「05」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「05」であることは、特電オープニング期間が開始された状態であることを示している。その後、本特電開閉実行モード開始処理を終了する。
<特電オープニング期間中処理>
次に、特電オープニング期間中処理について説明する。特電オープニング期間中処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図332は、特電オープニング期間中処理を示すフローチャートである。ステップSd3201では、特図特電制御値が「05」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「05」であることは、所定の開始条件が成立したことによって特電オープニング期間が開始された状態であることを示している。ステップSd3201において、特図特電制御値が「05」ではないと判定した場合には(ステップSd3201:NO)、本特電オープニング期間中処理を終了する。一方、ステップSd3201において、特図特電制御値が「05」であると判定した場合には(ステップSd3201:YES)、ステップSd3202に進む。
ステップSd3202では、特電オープニング期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した特電オープニング時間設定処理において特電オープニング時間として設定した特電オープニング時間タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSd3202において、特電オープニング期間が終了するタイミングではないと判定した場合には(ステップSd3202:NO)、本特電オープニング期間中処理を終了する。一方、ステップSd3202において、特電オープニング期間が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップSd3202:YES)、ステップSd3203に進み、特電開閉期間コマンドを設定する。設定された特電開閉期間コマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。この特電開閉期間コマンドには、今回の特電開閉期間における特別電動役物57b又は第2特別電動役物58bの開放回数の情報が含まれる。特電開閉期間コマンドを受信した音声発光制御装置90は、受信した特電開閉期間コマンドに基づいて、特別電動役物57b又は第2特別電動役物58bの開放回数に対応した内容の演出を実行するように各種演出用装置を制御する。ステップSd3203を実行した後、ステップSd3204に進み、特図特電制御値に「06」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「06」であることは、特電オープニング期間が終了し、特電開閉期間が開始された状態であることを示している。その後、本特電オープニング期間中処理を終了する。
<特電開閉期間中処理>
次に、特電開閉期間中処理について説明する。特電開閉期間中処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図333は、特電開閉期間中処理を示すフローチャートである。ステップSd3301では、特図特電制御値が「06」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「06」であることは、所定の開始条件が成立したことによって特電開閉期間が開始された状態であることを示している。ステップSd3301において、特図特電制御値が「06」ではないと判定した場合には(ステップSd3301:NO)、本特電開閉期間中処理を終了する。一方、ステップSd3301において、特図特電制御値が「06」であると判定した場合には(ステップSd3301:YES)、ステップSd3302に進む。
ステップSd3302では、特別電動役物57bが開放中であるか否かを判定する。ステップSd3302において、特別電動役物57bが開放中ではないと判定した場合には(ステップSd3302:NO)、ステップSd3303に進む。
ステップSd3303では、特別電動役物57bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、特電開閉パターン決定処理によって決定された特電開閉シナリオに設定されている特別電動役物57bの開放条件が成立したか否かを判定する。ステップSd3303において、特別電動役物57bの開放条件が成立したと判定した場合には(ステップSd3303:YES)、ステップSd3304に進む。
ステップSd3304では、特別電動役物57bに開放動作を実行させる。なお、本実施形態では、特別電動役物57bを開放状態側に駆動させる制御を実行した場合には、一連の開閉動作を終了させる動作終了条件である開閉動作終了条件が成立しているか否かを判定しない。ステップSd3304を実行した後、ステップSd3305に進む。
ステップSd3305では、特電開放コマンドを設定する。特電開放コマンドは、特別電動役物57bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。特電開放コマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSd3305を実行した後、本特電開閉期間中処理を終了する。
ステップSd3303において、特別電動役物57bの開放条件が成立していないと判定した場合には(ステップSd3303:NO)、本特電開閉期間中処理を終了する。
ステップSd3302において、特別電動役物57bが開放中であると判定した場合には(ステップSd3302:YES)、ステップSd3306に進む。
ステップSd3306では、特別電動役物57bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、特電開閉パターン決定処理によって決定された特電開閉シナリオに設定されている特別電動役物57bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。より具体的には、最大開放時間が経過したこと、又は最大入球個数の遊技球が大入賞口57aに入球したことの少なくとも一方の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する。ステップSd3306において、特別電動役物57bの閉鎖条件が成立したと判定した場合、すなわち、上述した少なくとも一方の閉鎖条件が成立していると判定した場合には(ステップSd3306:YES)、ステップSd3307に進み、特別電動役物57bに戻り動作である閉鎖動作を実行させる。このため、特別電動役物57bが開放状態側に制御されている期間は、最大開放時間が経過する前に大入賞口57aへの遊技球の入球個数が最大入球個数に達して特別電動役物57bが早期に閉鎖した場合には、最大開放時間より短い開放期間となり、一方、最大開放時間が経過するまでに大入賞口57aへの遊技球の入球個数が最大入球個数に達しなかった場合には、特別電動役物57bは最大開放時間が経過するまで閉鎖せずに、最大開放期間となる。その後、ステップSd3308に進む。
ステップSd3308では、特電閉鎖コマンドを設定する。特電閉鎖コマンドは、特別電動役物57bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。特電閉鎖コマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSd3308を実行した後、ステップSd3309に進む。
ステップSd3309では、残ラウンド数カウンタRCの値から1を減算する。その後、ステップSd3310に進み、残ラウンド数カウンタRCの値が0であるか否かを判定する。すなわち、閉鎖動作を実行した場合に、一連の開閉動作を終了させる開閉動作終了条件が成立しているか否かを判定する判定処理を実行する。ステップSd3310において、残ラウンド数カウンタRCの値が0ではないと判定した場合には(ステップSd3310:NO)、本特電開閉期間中処理を終了する。一方、ステップSd3310において、残ラウンド数カウンタRCの値が0であると判定した場合には(ステップSd3310:NO)、特電開閉期間を終了させて特電エンディング期間に移行するための前段階の処理であるステップSd3311に進む。すなわち、残ラウンド数カウンタRCの値が0であるといった開閉動作終了条件が成立していると判定された場合に、閉鎖状態の特別電動役物57bを停止させて一連の開閉動作を終了する終了処理を実行する。この結果、一連の開閉動作の終了時には、特別電動役物57bは閉鎖状態となっている。したがって、一連の開閉動作の終了後に、特別電動役物57bが閉鎖状態となっていることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。なお、上述したように、特別電動役物57bの開放中において、最大開放時間が経過する前に大入賞口57aへの遊技球の入球個数が最大入球個数に達して特別電動役物57bが早期に閉鎖する場合と、最大開放時間が経過するまでに大入賞口57aへの遊技球の入球個数が最大入球個数に達せずに、特別電動役物57bが最大開放時間が経過するまで閉鎖しない場合とがある。この結果、一連の開閉動作を終了させる開閉動作終了条件の成立タイミングは、遊技者の遊技球の発射操作に基づいて変化し得ることになる。
なお、本実施形態では、複数の中から決定された一の特電開閉パターンに対応して設定された残ラウンド数カウンタRCの値が0になった場合に、一連の開閉動作を終了させる開閉動作終了条件が成立していると判定する構成を採用したが、変形例として、複数の中から決定された一の特電開閉パターンに対応して最大ラウンド数を設定情報として設定するとともに、実行したラウンド遊技の回数を示す実行済みラウンド数カウンタを用意し、当該実行済みラウンド数カウンタをラウンド遊技が1回終了する毎に1加算し、当該実行済みラウンド数カウンタの値が設定された最大ラウンド数に達した場合に、一連の開閉動作を終了させる開閉動作終了条件が成立していると判定する構成を採用してもよい。
なお、本実施形態では、特別電動役物を1つ備える構成を採用したが、変形例として、特別電動役物を2つ以上備える構成としてもよい。この構成を採用した場合には、特電開閉パターン(特電開閉シナリオ)に基づいて設定された一の残ラウンド数カウンタに設定された値に基づいて複数の特別電動役物に一連の開閉動作を行なわせる構成としてもよい。なお、特別電動役物を2つ以上備える構成を採用した場合には、複数の特別電動役物のそれぞれに対して閉鎖動作を実行させた場合に、開閉動作終了条件が成立しているか否かを判定する構成とし、複数の特別電動役物のそれぞれに対して開放動作を実行させた場合には、開閉動作終了条件が成立しているか否かを判定しない構成としてもよい。また、複数の特別電動役物のうちの一の特別電動役物を開放状態に制御している期間は、複数の特別電動役物のうちの他の特別電動役物を閉鎖状態に制御する構成としてもよい。また、複数の特別電動役物のうちの一の特別電動役物が開放状態から閉鎖状態に戻った後は、複数の特別電動役物のうちの他の特別電動役物を即座に閉鎖状態から開放状態に制御するのではなく、特電インターバル期間の経過後に、他の特別電動役物を閉鎖状態から開放状態に制御する構成としてもよい。
ステップSd3311では、特電エンディング時間設定処理を実行する。特電エンディング時間設定処理は、特電エンディング期間の時間的長さ(以下、特電エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、本実施形態では、上述した特電開閉パターン決定処理によって決定された特電開閉シナリオから特電エンディング時間情報を取得し、取得した特電エンディング時間情報をRAM64に設けられた特電エンディング時間タイマカウンタにセットする。この特電エンディング時間タイマカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される度に1減算される。ステップSd3311を実行した後、ステップSd3312に進む。
ステップSd3312では、特電エンディングコマンドを設定する。設定された特電エンディングコマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。特電エンディングコマンドを受信した音声発光制御装置90は、特電エンディング演出の内容を決定するとともに、決定した特電エンディング演出を実行するように各種演出用装置を制御する。本実施形態では、一連の開閉動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、特別電動役物57bとは異なる制御対象として、画像を表示可能な図柄表示装置41、音を出力可能なスピーカー46、発光可能な各種ランプ47が含まれる。ステップSd3312を実行した後、ステップSd3313に進み、特図特電制御値に「07」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「07」であることは、特電エンディング期間が開始された状態であることを示している。その後、本特電開閉期間中処理を終了する。
<特電エンディング期間中処理>
次に、特電エンディング期間中処理について説明する。特電エンディング期間中処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図334は、特電エンディング期間中処理を示すフローチャートである。ステップSd3401では、特図特電制御値が「07」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「07」であることは、所定の開始条件が成立したことによって特電エンディング期間が開始された状態であることを示している。ステップSd3401において、特図特電制御値が「07」ではないと判定した場合には(ステップSd3401:NO)、本特電エンディング期間中処理を終了する。一方、ステップSd3401において、特図特電制御値が「07」であると判定した場合には(ステップSd3401:YES)、ステップSd3402に進む。
ステップSd3402では、特電エンディング期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した特電エンディング時間設定処理において特電エンディング時間として設定した特電エンディング時間タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSd3402において、特電エンディング期間が終了するタイミングではないと判定した場合には(ステップSd3402:NO)、本特電エンディング期間中処理を終了する。一方、ステップSd3402において、特電エンディング期間が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップSd3402:YES)、ステップSd3403に進む。
ステップSd3403では、ONとなっている特図種別フラグが確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップSd3403において、ONとなっている特図種別フラグが確変大当たりに対応していると判定した場合には(ステップSd3403:YES)、ステップSd3404に進み、高確率モードフラグをONにする。その後、ステップSd3405に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。すなわち、ONとなっている特図種別フラグが確変大当たりに対応している場合には、高確率モードフラグ及び高頻度サポートモードフラグがONとなり、遊技状態は、次回に大当たりに当選するまで継続し得る高確高サポ状態に移行することになる。その後、後述するステップSd3408に進む。
一方、ステップSd3403において、ONとなっている特図種別フラグが確変大当たりに対応していないと判定した場合には(ステップSd3403:NO)、ステップSd3406に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップSd3407に進み、高サポ残回数カウンタNspに規定数としての100をセットする。上述したように、この高サポ残回数カウンタNspは、特図変動が終了する毎に1減算されるカウンタであり、高サポ残回数カウンタNspの値が0となった場合に高頻度サポートモードフラグがOFFにされる。すなわち、ONとなっている特図種別フラグが確変大当たりに対応していない場合には、高頻度サポートモードフラグのみがONとなり、遊技状態は、特図変動が100回実行されるまで継続し得る低確高サポ状態に移行することになる。その後、ステップSd3408に進む。
ステップSd3408では、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態コマンドを設定する。設定された遊技状態コマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。遊技状態コマンドを受信した音声発光制御装置90は、当該コマンドに含まれる遊技状態を示す情報に基づいて、当該遊技状態に対応した所定演出を実行可能となるように各種演出用装置を制御する。ステップSd3408を実行した後、ステップSd3409に進み、特図種別フラグをOFFにする。その後、ステップSd3410に進む。
ステップSd3410では、特電開閉実行モード終了コマンドを設定する。設定された特電開閉実行モード終了コマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。特電開閉実行モード終了コマンドを受信した音声発光制御装置90は、特電開閉実行モードが終了したことに対応する演出を実行するように各種演出用装置を制御する。その後、ステップSd3411に進む。
ステップSd3411では、特図特電制御値に「01」を設定する。上述したように、本実施形態では、第1特図保留個数Ns1又は第2特図保留個数Ns2が1以上となっている場合に第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始することが可能な状態を示している。その後、本特電エンディング期間中処理を終了する。
<普図普電制御処理>
次に、普図普電制御処理について説明する。普図普電制御処理は、上述したタイマ割込み処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図335は、普図普電制御処理を示すフローチャートである。ステップSd4101では、普通図柄表示器38aにおける普通図柄の変動を開始させるための処理である普通図柄変動開始処理を実行する。普通図柄変動開始処理の詳細については後述する。ステップSd4101を実行した後、ステップSd4102に進む。
ステップSd4102では、普通図柄表示器38aにおける普通図柄の変動を停止させるための処理である普通図柄変動停止処理を実行する。普通図柄変動停止処理の詳細については後述する。ステップSd4102を実行した後、ステップSd4103に進む。
ステップSd4103では、普通図柄の変動を停止させた後の処理である普通図柄変動停止後処理を実行する。普通図柄変動停止後処理の詳細については後述する。ステップSd4103を実行した後、ステップSd4104に進む。
ステップSd4104では、普電開閉実行モード開始処理を実行する。普電開閉実行モード開始処理は、普電開閉実行モードを開始させる条件が成立した場合に、普電開閉実行モードを開始させる処理である。普電開閉実行モード開始処理の詳細については後述する。ステップSd4104を実行した後、ステップSd4105に進む。
ステップSd4105では、普電オープニング期間中処理を実行する。普電オープニング期間中処理は、普電オープニング期間中に実行する処理である。普電オープニング期間中処理の詳細については後述する。ステップSd4105を実行した後、ステップSd4106に進む。
ステップSd4106では、普電開閉期間中処理を実行する。普電開閉期間中処理は、普電開閉期間中に実行する処理である。普電開閉期間中処理の詳細については後述する。ステップSd4106を実行した後、ステップSd4107に進む。
ステップSd4107では、普電エンディング期間中処理を実行する。普電エンディング期間中処理は、普電エンディング期間中に実行する処理である。普電エンディング期間中処理の詳細については後述する。ステップSd4107を実行した後、本普図普電制御処理を終了する。
<普通図柄変動開始処理>
次に、普通図柄変動開始処理について説明する。普通図柄変動開始処理は、上述した普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図336は、普通図柄変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSd4201では、主側RAM64に記憶されている普図普電制御値が「01」であるか否かを判定する。普図普電制御値は、普通図柄及び普通電動役物の制御の進行状況がどの段階であるのかを示す値であり、本実施形態では、普図普電制御値が「01」であることは、普通図柄が変動していない状態であり、かつ、普電開閉実行モードも実行されていない状態であること示している。換言すれば、普図普電制御値が「01」であることは、普図保留個数Nnが1以上となっている場合に普通図柄の変動を開始することが可能な状態であることを示している。本実施形態では、普図普電制御値は、上述した起動初期設定処理において最初に「01」に設定される。
ステップSd4201において、普図普電制御値が「01」ではないと判定した場合には(ステップSd4201:NO)、後述するステップSd4202以降の処理のいずれも実行することなく、本普通図柄変動開始処理を終了する。すなわち、普通図柄が変動している状態や、普電開閉実行モードの実行中には、普通図柄の変動は開始されない。一方、ステップSd4201において、普図普電制御値が「01」であると判定した場合には(ステップSd4201:NO)、ステップSd4202に進む。
ステップSd4202では、普図保留個数Nnが「1」以上であるか否かを判定する。ステップSd4202において、普図保留個数Nnが「1」以上であると判定した場合には(ステップSd4202:YES)、ステップSd4203に進み、普図保留個数Nnから1を減算する。その後、ステップSd4204に進む。
ステップSd4204では、普図保留エリア64dの各エリアに記憶されている普図保留情報をシフトさせる処理である普図保留情報シフト処理を実行する。具体的には、普図保留情報シフト処理では、普図保留エリア64dの第1エリアに記憶されている普図保留情報を普図判定エリア64eに移動させた後、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった順に各エリア内の普図保留情報をシフトさせる。ステップSd4204を実行した後、ステップSd4205に進む。
ステップSd4205では、普図当たりに当選するか否かを判定する処理である普図当否判定処理を実行する。具体的には、普図当否判定処理では、遊技状態に基づいて選択した普図当否判定テーブルと、普図判定エリア64eに記憶された普図当否判定カウンタCn1の値とに基づいて、普図当たりに当選するか否かを判定する。ステップSd4205を実行した後、ステップSd4206に進む。
ステップSd4206では、普通図柄の種別(停止図柄の種別)を判定する処理である普図種別判定処理を実行する。具体的には、普図種別判定処理では、普図当否判定の結果と、普図判定エリア64eに記憶された普図種別判定カウンタCn2の値と、普図種別判定テーブルとに基づいて、普通図柄の種別を判定する。ステップSd4206を実行した後、ステップSd4207に進む。
ステップSd4207では、普図種別判定処理において判定した普通図柄の種別に対応した普図種別フラグをONにする。具体的には、例えば、普図種別判定処理において普通図柄Aであると判定した場合には、普図種別フラグとして普通図柄AフラグをONにする。ステップSd4207を実行した後、ステップSd4208に進む。
ステップSd4208では、普図変動時間設定処理を実行する。普図変動時間設定処理は、普通図柄表示器38aにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を設定する処理である。具体的には、普図変動時間設定処理では、遊技状態と、普図当否判定の結果と、普図変動時間テーブルとに基づいて普図変動時間を決定し、決定した普図変動時間に対応した値を普図変動時間タイマカウンタに設定する。ステップSd4208を実行した後、ステップSd4209に進む。
ステップSd4209では、普図変動用コマンドを設定する。普図変動用コマンドには、設定された普図変動時間の情報が含まれている。ステップSd4209を実行した後、ステップSd4210に進む。
ステップSd4210では、普図種別コマンドを設定する。普図種別コマンドには、普図当否判定の結果(普図当たりの有無)及び普図種別判定の結果(普通図柄の種別)の情報が含まれる。
ステップSd4209及びステップSd4210にて設定された普図変動用コマンド及び普図種別コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した普図変動用コマンド及び普図種別コマンドに基づいて演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSd4210を実行後、ステップSd4211に進む。
ステップSd4211では、普通図柄表示器38aにおける普通図柄の変動を開始させる。その後、ステップSd4212に進み、普図普電制御値に「02」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「02」であることは、所定の開始条件が成立したことによって普通図柄が変動中の状態であることを示している。その後、本普通図柄変動開始処理を終了する。
<普通図柄変動停止処理>
次に、普通図柄変動停止処理について説明する。普通図柄変動停止処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図337は、普通図柄変動停止処理を示すフローチャートである。ステップSd4301では、普図普電制御値が「02」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「02」であることは、普通図柄が変動中の状態であることを示している。ステップSd4301において、普図普電制御値が「02」ではないと判定した場合には(ステップSd4301:NO)、本普通図柄変動停止処理を終了する。一方、ステップSd4301において、普図普電制御値が「02」であると判定した場合には(ステップSd4301:YES)、ステップSd4302に進む。
ステップSd4302では、上述した普図変動時間設定処理において設定された普図変動時間が経過したか否かを判定する。具体的には、主側RAM64における普図変動時間タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となっている場合には、普図変動時間が経過したと判定する。ステップSd4302において、普図変動時間が経過していないと判定した場合には(ステップSd4302:NO)、本普通図柄変動停止処理を終了する。一方、ステップSd4302において、普図変動時間が経過したと判定した場合には(ステップSd4302:YES)、ステップSd4303に進む。
ステップSd4303では、普通図柄表示器38aにおいて変動中の普通図柄を、ONとなっている普図種別フラグに対応した表示態様で停止表示させる。これにより、普通図柄表示器38aには、普図抽選の結果に対応した表示態様の普通図柄が停止表示される。ステップSd4303を実行した後、ステップSd4304に進む。
ステップSd4304では、普図停止表示時間設定処理を実行する。普図停止表示時間設定処理は、普通図柄表示器38aにおける普通図柄の停止表示時間(普図停止表示時間)を設定する処理である。具体的には、普図停止表示時間設定処理では、所定の時間(本実施形態では0.1秒)に対応した値を普図停止表示時間タイマカウンタに設定する。ステップSd4304を実行した後、ステップSd4305に進み、普図普電制御値に「03」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「03」であることは、普通図柄が停止表示中の状態であることを示している。その後、本普通図柄停止処理を終了する。
<普通図柄変動停止後処理>
次に、普通図柄変動停止後処理について説明する。普通図柄変動停止後処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図338は、普通図柄変動停止後処理を示すフローチャートである。ステップSd4401では、普図普電制御値が「03」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「03」であることは、普通図柄が停止表示中の状態であることを示している。ステップSd4401において、普図普電制御値が「03」ではないと判定した場合には(ステップSd4401:NO)、本普通図柄変動停止後処理を終了する。一方、ステップSd4401において、普図普電制御値が「03」であると判定した場合には(ステップSd4401:YES)、ステップSd4402に進む。
ステップSd4402では、上述した普図停止表示時間設定処理において設定された普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、主側RAM64における普図停止表示時間タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となっている場合には、普図停止表示時間が経過したと判定する。ステップSd4402において、普図停止表示時間が経過していないと判定した場合には(ステップSd4402:NO)、本普通図柄変動停止後処理を終了する。一方、ステップSd4402において、普図停止表示時間が経過したと判定した場合には(ステップSd4402:YES)、ステップSd4403に進む。
ステップSd4403では、普図当たりに対応する普図種別フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、今回の普通図柄の変動に係る普図当否判定の結果が普図当たりであるか否かを判定する。ステップSd4403において、普図当たりに対応する普図種別フラグがONではないと判定した場合(ステップSd4403:NO)、すなわち、今回の普通図柄の変動に係る普図当否判定の結果が普図外れである場合には、ステップSd4404に進み、ONとなっている普図種別フラグ(この場合は普通図柄Zフラグ)をOFFにする。その後、ステップSd4405に進み、普図普電制御値に「01」を設定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「01」であることは、普図保留個数Nnが1以上となっている場合に普通図柄の変動を開始することが可能な状態を示している。その後、本普通図柄変動停止後処理を終了する。
一方、ステップSd4403において、普図当たりに対応する普図種別フラグがONであると判定した場合(ステップSd4403:YES)、すなわち、今回の普通図柄の変動に係る普図当否判定の結果が普図当たりである場合には、ステップSd4406に進み、普図普電制御値に「04」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「04」であることは、普電開閉実行モードを開始すべき条件が成立した状態であることを示している。その後、本普通図柄変動停止後処理を終了する。これにより、今回の普通図柄の変動に係る普図当否判定の結果が普図当たりである場合には、普電開閉実行モードが開始されることになる。
<普電開閉実行モード開始処理>
次に、普電開閉実行モード開始処理について説明する。普電開閉実行モード開始処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図339は、普電開閉実行モード開始処理を示すフローチャートである。ステップSd5101では、普図普電制御値が「04」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「04」であることは、普電開閉実行モードを開始すべき条件が成立した状態を示している。ステップSd5101において、普図普電制御値が「04」ではないと判定した場合には(ステップSd5101:NO)、本普電開閉実行モード開始処理を終了する。一方、ステップSd5101において、普図普電制御値が「04」であると判定した場合には(ステップSd5101:YES)、ステップSd5102に進む。
ステップSd5102では、普電開閉シナリオ選択処理を実行する。普電開閉シナリオ選択処理は、普図種別フラグと上述した普電開閉シナリオ選択テーブルとに基づいて、普電開閉実行モードにおいて参照する普電開閉シナリオの種別を選択する処理である。ステップSd5102を実行した後、ステップSd5103に進む。
ステップSd5103では、普電オープニング時間設定処理を実行する。普電オープニング時間設定処理は、普電オープニング期間の時間的長さ(以下、普電オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、本実施形態では、上述した普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオから普電オープニング時間情報を取得し、取得した普電オープニング時間情報をRAM64に設けられた普電オープニング時間タイマカウンタにセットする。この普電オープニング時間タイマカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される度に1減算される。ステップSd5103を実行した後、ステップSd5104に進む。
ステップSd5104では、普電オープニングコマンドを設定する。設定された普電オープニングコマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSd5104を実行した後、ステップSd5105に進み、普図普電制御値に「05」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「05」であることは、普電オープニング期間が開始された状態であることを示している。その後、本普電開閉実行モード開始処理を終了する。
<普電オープニング期間中処理>
次に、普電オープニング期間中処理について説明する。普電オープニング期間中処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図340は、普電オープニング期間中処理を示すフローチャートである。ステップSd5201では、普図普電制御値が「05」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「05」であることは、所定の開始条件が成立したことによって普電オープニング期間が開始された状態であることを示している。ステップSd5201において、普図普電制御値が「05」ではないと判定した場合には(ステップSd5201:NO)、本普電オープニング期間中処理を終了する。一方、ステップSd5201において、普図普電制御値が「05」であると判定した場合には(ステップSd5201:YES)、ステップSd5202に進む。
ステップSd5202では、普電オープニング期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した普電オープニング時間設定処理において普電オープニング時間として設定した普電オープニング時間タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSd5202において、普電オープニング期間が終了するタイミングではないと判定した場合には(ステップSd5202:NO)、本普電オープニング期間中処理を終了する。一方、ステップSd5202において、普電オープニング期間が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップSd5202:YES)、ステップSd5203に進み、普電開閉期間コマンドを設定する。設定された普電開閉期間コマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。この普電開閉期間コマンドには、今回の普電開閉期間における普通電動役物34bの開放回数の情報が含まれる。普電開閉期間コマンドを受信した音声発光制御装置90は、受信した普電開閉期間コマンドに基づいて、普通電動役物34bの開放回数に対応した内容の所定演出を実行するように各種演出用装置を制御する。ステップSd5203を実行した後、ステップSd5204に進み、普図普電制御値に「06」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「06」であることは、普電オープニング期間が終了し、普電開閉期間が開始された状態であることを示している。その後、本普電オープニング期間中処理を終了する。
<普電開閉期間中処理>
次に、普電開閉期間中処理について説明する。普電開閉期間中処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図341は、普電開閉期間中処理を示すフローチャートである。ステップSd5301では、普図普電制御値が「06」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「06」であることは、所定の開始条件が成立したことによって普電開閉期間が開始された状態であることを示している。ステップSd5301において、普図普電制御値が「06」ではないと判定した場合には(ステップSd5301:NO)、本普電開閉期間中処理を終了する。一方、ステップSd5301において、普図普電制御値が「06」であると判定した場合には(ステップSd5301:YES)、ステップSd5302に進む。
ステップSd5302では、普電開閉期間の終了条件が成立したか否かを判定する。具体的には、普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオを読み込み、当該普電開閉シナリオに設定されている普電開閉期間の終了条件が成立したか否かを判定する。ステップSd5302において、普電開閉期間の終了条件が成立していないと判定した場合には(ステップSd5302:NO)、ステップSd5303に進む。
ステップSd5303では、普通電動役物34bが開放中であるか否かを判定する。ステップSd5303において、普通電動役物34bが開放中ではないと判定した場合には(ステップSd5303:NO)、ステップSd5304に進む。
ステップSd5304では、普通電動役物34bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオを読み込み、当該普電開閉シナリオに設定されている普通電動役物34bの開放条件が成立したか否かを判定する。ステップSd5304において、普通電動役物34bの開放条件が成立したと判定した場合には(ステップSd5304:YES)、ステップSd5305に進む。
ステップSd5305では、普通電動役物34bを開放する。その後、ステップSd5306に進む。
ステップSd5306では、普電開放コマンドを設定する。普電開放コマンドは、普通電動役物34bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。普電開放コマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSd5306を実行した後、本普電開閉期間中処理を終了する。
ステップSd5304において、普通電動役物34bの開放条件が成立していないと判定した場合には(ステップSd5304:NO)、本普電開閉期間中処理を終了する。
ステップSd5303において、普通電動役物34bが開放中であると判定した場合には(ステップSd5303:YES)、ステップSd5307に進む。
ステップSd5307では、普通電動役物34bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオを読み込み、当該普電開閉シナリオに設定されている普通電動役物34bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。ステップSd5307において、普通電動役物34bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(ステップSd5307:YES)、ステップSd5308に進む。
ステップSd5308では、普通電動役物34bを閉鎖する。その後、ステップSd5309に進む。
ステップSd5309では、普電閉鎖コマンドを設定する。普電閉鎖コマンドは、普通電動役物34bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。普電閉鎖コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSd5309を実行した後、本普電開閉期間中処理を終了する。
ステップSd5307において、普通電動役物34bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(ステップSd5307:NO)、本普電開閉期間中処理を終了する。
ステップSd5302において、普電開閉期間の終了条件が成立していると判定した場合には(ステップSd5302:YES)、ステップSd5310に進む。
ステップSd5310では、普電エンディング時間設定処理を実行する。普電エンディング時間設定処理は、普電エンディング期間の時間的長さ(以下、普電エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、本実施形態では、上述した普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオから普電エンディング時間情報を取得し、取得した普電エンディング時間情報をRAM64に設けられた普電エンディング時間タイマカウンタにセットする。この普電エンディング時間タイマカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される度に1減算される。ステップSd5310を実行した後、ステップSd5311に進む。
ステップSd5311では、普電エンディングコマンドを設定する。設定された普電エンディングコマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSd5318を実行した後、ステップSd5319に進み、普図普電制御値に「07」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「07」であることは、普電エンディング期間が開始された状態であることを示している。その後、本普電開閉期間中処理を終了する。
<普電エンディング期間中処理>
次に、普電エンディング期間中処理について説明する。普電エンディング期間中処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図342は、普電エンディング期間中処理を示すフローチャートである。ステップSd5401では、普図普電制御値が「07」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「07」であることは、所定の開始条件が成立したことによって普電エンディング期間が開始された状態であることを示している。ステップSd5401において、普図普電制御値が「07」ではないと判定した場合には(ステップSd5401:NO)、本普電エンディング期間中処理を終了する。一方、ステップSd5401において、普図普電制御値が「07」であると判定した場合には(ステップSd5401:YES)、ステップSd5402に進む。
ステップSd5402では、普電エンディング期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した普電エンディング時間設定処理において普電エンディング時間として設定した普電エンディング時間タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSd5402において、普電エンディング期間が終了するタイミングではないと判定した場合には(ステップSd5402:NO)、本普電エンディング期間中処理を終了する。一方、ステップSd5402において、普電エンディング期間が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップSd5402:YES)、ステップSd5403に進む。
ステップSd5403では、普図種別フラグをOFFにする。その後、ステップSd5404に進む。
ステップSd5404では、普電開閉実行モード終了コマンドを設定する。設定された普電開閉実行モード終了コマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、ステップSd5405に進む。
ステップSd5405では、普図普電制御値に「01」を設定する。上述したように、本実施形態では、普図保留個数Nnが1以上となっている場合に普通図柄の変動を開始することが可能な状態を示している。その後、本普電エンディング期間中処理を終了する。
《7-6》音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図343は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(本実施形態では1msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSd6101では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップSd6101を実行した後、ステップSd6102に進む。
ステップSd6102では、特図変動演出設定処理を実行する。特図変動演出設定処理は、主側MPU62から特図変動パターンコマンド及び特図種別コマンドを受信した場合に実行される処理であり、特図遊技回が開始される際に、当該特図遊技回において実行する特図変動演出の演出パターンを設定する処理である。特図変動演出設定処理の詳細については後述する。ステップSd6102を実行した後、ステップSd6103に進む。
ステップSd6103では、特電開閉実行モード中演出設定処理を実行する。特電開閉実行モード中演出設定処理は、特電開閉実行モード中に実行する各種の演出の内容を決定し、当該決定した演出を実行するように設定する処理である。特電開閉実行モード中演出設定処理の詳細については後述する。ステップSd6103を実行した後、ステップSd6104に進む。
ステップSd6104では、演出操作ボタン用処理を実行する。演出操作ボタン用処理は、演出操作ボタン24がボタン受付有効期間中に押下されたか否かや、演出操作ボタン24の押下がないままボタン受付有効期間が経過したか否かを判定する処理である。演出操作ボタン用処理の詳細については後述する。ステップSd6104を実行した後、ステップSd6105に進む。
ステップSd6105では、演出用可動役物駆動処理を実行する。演出用可動役物駆動処理は、役物動作パターンに設定されている駆動シナリオに基づいて演出用可動役物170を駆動制御する処理である。演出用可動役物駆動処理の詳細については後述する。ステップSd1605を実行した後、ステップSd1606に進む。
ステップSd6106では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSd6106を実行した後、ステップSd6107に進む。
ステップSd6107では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された音声データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSd6107を実行した後、ステップSd6108に進む。
ステップSd6108では、上述したまたは後述する各処理において送信対象として設定された各種コマンドや各種出力データを表示制御装置100や演出用可動役物170等に送信する。ステップSd6108を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<特図変動演出設定処理>
次に、特図変動演出設定処理について説明する。特図変動演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチンとして音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図344は、特図変動演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSd6201では、特図変動パターンコマンド及び特図種別コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSd6201において、特図変動パターンコマンド及び特図種別コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa6201:NO)、本特図変動演出設定処理を終了する。一方、ステップSd6201において、特図変動パターンコマンド及び特図種別コマンドを受信していると判定した場合には(Sa6201:YES)、ステップSd6202に進む。
ステップSd6202では、演出パターン設定処理を実行する。演出パターン設定処理は、今回の特図遊技回において実行する演出パターン(予告演出、リーチ演出の内容や実行のタイミング、停止図柄の態様)を演出パターンテーブルに基づいて決定し、設定する処理である。具体的には、本実施形態では、今回受信した特図変動パターンコマンド及び特図種別コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を読み出すとともに、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから演出パターン用乱数情報を取得する。そして、これらの情報及び現在の遊技状態に基づいて演出パターンテーブルを参照することによって、演出パターンを決定し、設定する。その後、ステップSd6203に進む。
ステップSd6203では、設定した演出パターンに対応した音声発光パターン及び役物動作パターンを決定し、設定する。その後、ステップSd6204に進む。
ステップSd6204では、設定された演出パターンに関する情報を含む表示用演出パターンコマンドを設定する。設定された表示用演出パターンコマンドは、タイマ割込み処理の各種出力処理にて表示制御装置100に送信される。ステップSd6204を実行した後、ステップSd6205に進む。
ステップSd6205では、変動開始時の更新処理を実行する。変動開始時の更新処理は、図柄表示装置41の第1特図保留表示領域Ds1または第2特図保留表示領域Ds2における保留表示の更新を表示制御装置100に実行させるための処理である。ステップSd6205を実行した後、本特図変動演出設定処理を終了する。
<特電開閉実行モード中演出設定処理>
次に、特電開閉実行モード中演出設定処理について説明する。特電開閉実行モード中演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチンとして音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。この特電開閉実行モード中演出設定処理により、特電開放に対応した演出(例えば、特電開閉パターンの種別に対応した演出)が実行され、この演出の実行中に、特別電動役物57bが開放、閉鎖することになる。
図345は、特電開閉実行モード中演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSd6301では、特電オープニングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップSd6301において、特電オープニングコマンドを受信したと判定した場合には(Sa6301:YES)、ステップSd6302に進む。
ステップSd6302では、今回の特電開閉実行モードに係る特電開閉パターンの種別に応じて特電オープニング演出の内容を決定し、設定する。その後、ステップSd6303に進む。
ステップSd6303では、決定した特電オープニング演出の内容に対応した音声発光パターンを決定し、設定する。その後、ステップSd6304に進む。
ステップSd6304では、決定した特電オープニング演出の内容を特定可能な情報を含む表示用特電オープニングコマンドを設定する。その後、ステップSd6305に進む。
一方、ステップSd6301において、特電オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(Sa6301:NO)、上述したステップSd6302からステップSd6304までの処理を実行することなく、ステップSd6305に進む。
ステップSd6305では、特電開閉期間コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSd6305において、特電開閉期間コマンドを受信したと判定した場合には(Sa6305:YES)、ステップSd6306に進む。
ステップSd6306では、今回の特電開閉実行モードに係る特電開閉パターンの種別に応じて特電開閉期間演出の内容を決定し、設定する。その後、ステップSd6307に進む。
ステップSd6307では、決定した特電開閉期間演出の内容に対応した音声発光パターンを決定し、設定する。その後、ステップSd6308に進む。
ステップSd6308では、決定した特電開閉期間演出の内容を特定可能な情報を含む表示用特電開閉期間コマンドを設定する。その後、ステップSd6309に進む。
一方、ステップSd6305において、特電開閉期間コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa6305:NO)、上述したステップSd6306からステップSd6308までの処理を実行することなく、ステップSd6309に進む。
ステップSd6309では、特電エンディングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップSd6309において、特電エンディングコマンドを受信したと判定した場合には(Sa6309:YES)、ステップSd6310に進む。
ステップSd6310では、今回の特電開閉実行モードに係る特電開閉パターンの種別に応じて特電エンディング演出の内容を決定し、設定する。具体的には、例えば、本実施形態では、一連の開閉動作を終了した後に実行される制御として、エンディング演出Aを実行する制御と、当該制御とは異なるエンディング演出Bを実行する制御と、を実行可能である。なお、エンディング演出Aを実行する制御とエンディング演出Bを実行する制御とのいずれの場合であっても、特別電動役物57bが閉鎖された状態で実行される。その後、ステップSd6311に進む。
ステップSd6311では、決定した特電エンディング演出の内容に対応した音声発光パターンを決定し、設定する。その後、ステップSd6312に進む。
ステップSd6312では、決定した特電エンディング演出の内容を特定可能な情報を含む表示用特電エンディングコマンドを設定する。その後、本特電開閉実行モード中演出設定処理を終了する。
一方、ステップSd6309において、特電開閉期間コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa6309:NO)、上述したステップSd6310からステップSd6312までの処理を実行することなく、本特電開閉実行モード中演出設定処理を終了する。
<演出操作ボタン用処理>
次に、演出操作ボタン用処理について説明する。演出操作ボタン用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチンとして音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図346は、演出操作ボタン用処理を示すフローチャートである。演出操作ボタン用処理は、演出パターンに設定されているボタン受付有効期間中に演出操作ボタン24の押下があった場合には上下移動動作終了条件成立フラグをONにし、一方、ボタン受付有効期間中に演出操作ボタン24の押下がなかった場合であっても、当該ボタン受付有効期間の終了タイミングが到来した場合には上下移動動作終了条件成立フラグをONにする処理である。以下、各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSd6401では、演出パターンに設定されている演出操作ボタン24のボタン受付有効期間中か否かを判定する。ステップSd6401において、演出操作ボタン24のボタン受付有効期間中ではないと判定した場合には(ステップSd6401:NO)、そのまま本演出操作ボタン用処理を終了する。一方、ステップSd6401において、演出操作ボタン24のボタン受付有効期間中であると判定した場合には(ステップSd6401:YES)、ステップSd6402に進む。
ステップSd6402では、演出操作ボタン24の押下があったか否かを判定する。ステップSd6402において、演出操作ボタン24の押下があったと判定した場合には(ステップSd6402:YES)、ステップSd6403に進み、上下移動動作終了条件成立フラグをONにする。その後、ステップSd6404に進み、上下移動動作終了条件が成立したことを表示制御装置100に通知するための表示用上下移動動作終了条件成立コマンドを設定する。設定された表示用上下移動動作終了条件成立コマンドは、タイマ割込み処理の各種出力処理にて表示制御装置100に送信される。ステップSd6404を実行した後、本演出操作ボタン用処理を終了する。
一方、ステップSd6402において、演出操作ボタン24の押下がなかったと判定した場合には(ステップSd6402:NO)、ステップSd6405に進み、演出操作ボタン24のボタン受付有効期間の終了タイミングか否かを判定する。ステップSd6405において、ボタン受付有効期間の終了タイミングであると判定した場合には(ステップSd6405:YES)、上述したステップSd6403に進み、上下移動動作終了条件成立フラグをONにする。その後、ステップSd6404に進み、上下移動動作終了条件が成立したことを表示制御装置100に通知するための表示用上下移動動作終了条件成立コマンドを設定する。設定された表示用上下移動動作終了条件成立コマンドは、タイマ割込み処理の各種出力処理にて表示制御装置100に送信される。ステップSd6404を実行した後、本演出操作ボタン用処理を終了する。
一方、ステップSd6405において、ボタン受付有効期間の終了タイミングではないと判定した場合には(ステップSd6405:NO)、上述したステップSd6403及びステップSd6404の処理を実行することなく、本演出操作ボタン用処理を終了する。
<演出用可動役物駆動処理>
次に、演出用可動役物駆動処理について説明する。演出用可動役物駆動処理は、タイマ割込み処理のサブルーチンとして音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図347は、演出用可動役物駆動処理を示すフローチャートである。演出用可動役物駆動処理は、役物動作パターンに規定されている駆動シナリオに基づいて演出用可動役物170を駆動制御する処理である。以下、各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSd6501では、設定されている役物動作パターンを参照し、駆動シナリオを格納するタイミングであるか否かを判定する。ステップSd6501において、駆動シナリオを格納するタイミングであると判定した場合には(ステップSd6501:YES)、ステップSd6502に進み、役物動作パターンに規定されている一の駆動シナリオを音光側ROM93から読み出して音光側RAM94の駆動シナリオ格納エリア94dに格納する。その後、ステップSd6503に進み、駆動シナリオ用カウンタに「1」をセットする。その後、ステップSd6504に進む。
一方、ステップSd6501において、駆動シナリオを格納するタイミングではないと判定した場合には(ステップSd6501:NO)、ステップSd6502及びステップSd6503の処理を実行することなく、ステップSd6504に進む。
ステップSd6504では、音光側RAM94の駆動シナリオ格納エリア94dに駆動シナリオが格納されているか否かを判定する。ステップSd6504において、駆動シナリオが格納されていないと判定した場合には(ステップSd6504:NO)、そのまま本演出用可動役物駆動処理を終了する。一方、ステップSd6504において、駆動シナリオが格納されていると判定した場合には(ステップSd6504:YES)、ステップSd6505に進む。
ステップSd6505では、駆動シナリオ格納エリア94dに格納されている駆動シナリオに規定されている各処理のうち、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が「終了」であるか否かを判定する。ステップSd6505において、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が「終了」ではないと判定した場合には(ステップSd6505:NO)、ステップSd6506に進む。
ステップSd6506では、駆動シナリオ格納エリア94dに格納されている駆動シナリオに規定されている各処理のうち、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が「終了条件判定処理」であるか否かを判定する。ステップSd6506において、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が「終了条件判定処理」ではないと判定した場合には(ステップSd6506:NO)、ステップSd6507に進む。
ステップSd6507では、駆動シナリオ格納エリア94dに格納されている駆動シナリオに規定されている各処理のうち、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理を実行する。具体的には、駆動シナリオ用カウンタの値に対応して規定されている制御対象(モーターやソレノイド)を制御するための処理を実行する。その後、ステップSd6508に進む。
ステップSd6508では、駆動シナリオ格納エリア94dに格納されている駆動シナリオに規定されている各処理のうち、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が完了したか否かを判定する。ステップSd6508において、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が完了していないと判定した場合には(ステップSd6508:NO)、そのまま本演出用可動役物駆動処理を終了する。これにより、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が完了するまで、ステップSd6507の処理がタイマ割込み処理が実行される毎に繰り返し実行されることになる。そして、ステップSd6508において、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が完了したと判定した場合には(ステップSd6508:YES)、ステップSd6509に進み、駆動シナリオ用カウンタの値に1を加算する。その後、本演出用可動役物駆動処理を終了する。
上述したステップSd6505において、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が「終了」であると判定した場合には(ステップSd6505:YES)、ステップSd6512に進み、駆動シナリオ格納エリア94dに格納されている駆動シナリオをクリアする。その後、ステップSd6513に進み、役物動作パターンに次に実行すべき駆動シナリオが規定されているか否かを判定する。ステップSd6513において、役物動作パターンに次に実行すべき駆動シナリオが規定されていると判定した場合には(ステップSd6513:YES)、ステップSd6514に進み、役物動作パターンに規定されている次の駆動シナリオを駆動シナリオ格納エリア94dに格納する。その後、ステップSd6515に進み、駆動シナリオ用カウンタに「1」をセットする。その後、本演出用可動役物駆動処理を終了する。一方、ステップSd6513において、役物動作パターンに次に実行すべき駆動シナリオが規定されていないと判定した場合には(ステップSd6513:NO)、上述したステップSd6514及びステップSd6515の処理を実行することなく、本演出用可動役物駆動処理を終了する。
上述したステップSd6506において、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が「終了条件判定処理」であると判定した場合には(ステップSd6506:YES)、ステップSd6510に進み、上下移動動作終了条件成立フラグがONであるか否かを判定する。ステップSd6510において、上下移動動作終了条件成立フラグがONではないと判定した場合には(ステップSd6510:NO)、上述したステップSd6509に進み、駆動シナリオ用カウンタの値に1を加算する。その後、本演出用可動役物駆動処理を終了する。一方、ステップSd6510において、上下移動動作終了条件成立フラグがONであると判定した場合には(ステップSd6510:YES)、ステップSd6511に進み、上下移動動作終了条件成立フラグをOFFにした後、上述したステップSd6512に進み、駆動シナリオ格納エリア94dに格納されている駆動シナリオをクリアする。その後、ステップSd6513に進み、役物動作パターンに次に実行すべき駆動シナリオが規定されているか否かを判定する。ステップSd6513において、役物動作パターンに次に実行すべき駆動シナリオが規定されていると判定した場合には(ステップSd6513:YES)、ステップSd6514に進み、役物動作パターンに規定されている次の駆動シナリオを駆動シナリオ格納エリア94dに格納する。その後、ステップSd6515に進み、駆動シナリオ用カウンタに「1」をセットする。その後、本演出用可動役物駆動処理を終了する。一方、ステップSd6513において、役物動作パターンに次に実行すべき駆動シナリオが規定されていないと判定した場合には(ステップSd6513:NO)、上述したステップSd6514及びステップSd6515の処理を実行することなく、本演出用可動役物駆動処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図348は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSd8101では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSd8102に進む。
ステップSd8102では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図349は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSd8201では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図350は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSd8301では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、上述したコマンド割込み処理によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。例えば、表示用演出パターンコマンドが記憶されていた場合には、当該コマンドによって指定された演出パターンに対応した動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
なお、コマンド対応処理(ステップSd8301)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。コマンド対応処理の詳細については後述する。
ステップSd8302では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(ステップSd8301)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSd8303に進む。
ステップSd8303では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(ステップSd8302)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップSd8304に進む。
ステップSd8304では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(ステップSd8303)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップSd8305に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、V割込み処理のサブルーチンとして表示制御装置100のMPU102によって実行される。
図351は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップSd8401では、表示用演出パターンコマンドがあるか否かを判定する。ステップSd8401において、表示用演出パターンコマンドがあると判定した場合には(ステップSd8401:YES)、ステップSd8402に進み、表示用演出パターンコマンドを解析し、当該コマンドによって指定された演出パターンに対応する動画(表示演出)が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示を制御する表示制御処理を開始する。その後、ステップSd8403に進む。一方、ステップSd8401において、表示用演出パターンコマンドがないと判定した場合には(ステップSd8401:NO)、ステップSd8402を実行することなく、ステップSd8403に進む。
ステップSd8403では、表示用上下移動動作終了条件成立コマンドがあるか否かを判定する。ステップSd8403において、表示用上下移動動作終了条件成立コマンドがあると判定した場合には(ステップSd8403:YES)、ステップSd8404に進み、上下移動動作終了条件が成立したことに対応した動画(表示演出)が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示を制御する表示制御処理を開始する。その後、ステップSd8405に進む。一方、ステップSd8403において、表示用上下移動動作終了条件成立パターンコマンドがないと判定した場合には(ステップSd8403:NO)、ステップSd8404を実行することなく、ステップSd8405に進む。
ステップSd8405では、表示用特電オープニングコマンドがあるか否かを判定する。ステップSd8405において、表示用特電オープニングコマンドがあると判定した場合には(ステップSd8405:YES)、ステップSd8406に進み、表示用特電オープニングコマンドを解析し、当該コマンドによって指定された内容の特電オープニング演出に対応する動画(表示演出)が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示を制御する表示制御処理を開始する。その後、ステップSd8407に進む。一方、ステップSd8405において、表示用特電オープニングコマンドがないと判定した場合には(ステップSd8405:NO)、ステップSd8406を実行することなく、ステップSd8407に進む。
ステップSd8407では、表示用特電開閉期間コマンドがあるか否かを判定する。ステップSd8407において、表示用特電開閉期間コマンドがあると判定した場合には(ステップSd8407:YES)、ステップSd8408に進み、表示用特電開閉期間コマンドを解析し、当該コマンドによって指定された内容の特電開閉期間演出に対応する動画(表示演出)が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示を制御する表示制御処理を開始する。具体的には、特図抽選の抽選結果に応じて図柄表示装置41で実行する一の特電開閉期間演出を構成する表示演出を複数の演出表示態様の中から決定して実行する表示制御処理を実行する。その後、ステップSd8409に進む。一方、ステップSd8407において、表示用特電開閉期間コマンドがないと判定した場合には(ステップSd8407:NO)、ステップSd8408を実行することなく、ステップSd8409に進む。
ステップSd8409では、表示用特電エンディングコマンドがあるか否かを判定する。ステップSd8409において、表示用特電エンディングコマンドがあると判定した場合には(ステップSd8409:YES)、ステップSd8410に進み、表示用特電エンディングコマンドを解析し、当該コマンドによって指定された内容の特電エンディング演出に対応する動画(表示演出)が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示を制御する表示制御処理を開始する。その後、ステップSd8411に進む。一方、ステップSd8409において、表示用特電エンディングコマンドがないと判定した場合には(ステップSd8409:NO)、ステップSd8410を実行することなく、ステップSd8411に進む。
ステップSd8411では、その他のコマンドに対応する処理を実行する。具体的には、例えば、表示用遊技状態コマンドがある場合には、当該コマンドに指定されている遊技状態に対応した背景動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示を制御する表示制御処理を開始する。そして、全てのコマンドに対応する処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
《7-7》作用・効果:
以下、従来のパチンコ機における課題を述べた後、本実施形態のパチンコ機10の利点について具体的に説明する。
従来、遊技の演出を盛り上げるために、液晶表示装置において表示演出を実行するとともに、当該表示演出の実行中に動作する各種の可動役物を備えるパチンコ機が知られている。近年では、各種の可動役物の装飾を豪華なものとしたり、各種の可動役物に多様な動作を実行させることによって遊技の演出の多様化や興趣の向上が図られている。
しかしながら、各種の可動役物に実行させる動作が多種多様なものになると、当該多種多様な動作を各種の可動役物に実行させるための駆動プログラムが膨大なものとなり、ROMの使用容量が増大してしまうといった課題が生じた。
そこで、各種の可動役物の一連の動作が規定されたプログラムである駆動シナリオをROMに記憶させ、当該一連の動作を実行する際に、当該駆動シナリオをROMから読み出してRAMに格納し、当該RAMに格納された駆動シナリオに基づいて各種の可動役物に一連の動作を実行させるパチンコ機が開発された。このような駆動シナリオを搭載したパチンコ機によれば、一連の動作が規定された駆動シナリオを複数の演出において利用したり(使い回したり)、一の演出の実行中に同一の駆動シナリオを複数回利用する構成を採用することによって、ROMに記憶すべきプログラムを少なくし、ROMの使用容量を低減することが可能となった。
また、一連の動作が規定された駆動シナリオをROMから読み出して一度RAMに格納し、当該RAMに格納された駆動シナリオを実行することによって一連の動作を各種の可動役物に実行させるといった構成や、一度RAMに格納した駆動シナリオを繰り返し実行することによって各種の可動役物に当該一連の動作を繰り返し実行させる構成を採用することによって、従来のように各種の可動役物に一の単一の動作を実行させる毎に当該一の単一の動作が規定された駆動プログラムを毎回ROMから読み出してRAMに格納するといった膨大な数の処理を実行する必要がなくなり、この結果、ROMからのデータの読み出し回数を大幅に低減することが可能となり、パチンコ機の処理負荷の低減が図られた。
しかしながら、従来の駆動シナリオでは、一度RAMに駆動シナリオが格納され、当該駆動シナリオに基づいて各種の可動役物の制御が開始された場合には、当該駆動シナリオに規定された一連の動作の全てが終了するまで、当該駆動シナリオに基づいた制御を終了させることができなかった。このため、従来の駆動シナリオは、一連の動作を各種の可動役物に最後まで実行させることを前提とした演出に利用されていた。このような演出としては、例えば、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展するか否かの期待感を遊技者に抱かせる発展演出が挙げられる。
発展演出では、例えば、ノーマルリーチが実行されている所定期間、一連の動作(例えば上下に複数回移動する動作)を各種の可動役物に繰り返し実行させ、当該所定期間の経過時に当該一連の動作を終了させ、スーパーリーチに発展する場合には、当該スーパーリーチに対応する動作を各種の可動役物に実行させ、一方、スーパーリーチに発展しない場合には、スーパーリーチに発展しない場合に対応した動作を各種の可動役物に実行させる。この構成の場合、駆動シナリオは、一連の動作が当該所定期間の経過時に終了するように設定され、また、当該終了時の各種の可動役物の位置や状態も予め設定されている。このため、一連の動作の終了後に、スーパーリーチに対応する動作も、スーパーリーチに発展しない場合に対応した動作も、各種の可動役物にスムーズに実行させることが可能となる。
このように、従来の駆動シナリオを、一連の動作を各種の可動役物に最後まで実行させることを前提とした演出に利用する場合には問題は生じないが、例えば、従来の駆動シナリオを、一連の動作を終了させるタイミングが不定となる演出(例えばボタン演出)に利用する場合には、次の課題が生じ得る。
例えば、一連の動作を終了させるタイミングが不定となるボタン演出としては、演出操作ボタンが押下されたタイミングで当該変動に係る抽選結果を告知するボタン告知演出が挙げられる。ボタン告知演出では、例えば、図柄の変動中に一連の動作(例えば上下に複数回移動する動作)を各種の可動役物に繰り返し実行させ、当該一連の動作の実行中に、ボタン受付有効期間を開始し、当該ボタン受付有効期間中に演出操作ボタンが押下された場合には、当該演出操作ボタンが押されたタイミングで当該一連の動作を終了させ、当該変動に係る抽選結果が大当たり当選である場合には、当該大当たり当選に対応した動作(例えば落下して回転する動作)を各種の可動役物に実行させ、一方、当該変動に係る抽選結果がはずれである場合には、当該はずれに対応した動作(例えばその場で待機する動作)を各種の可動役物に実行させる。
しかしながら、従来の駆動シナリオを上述したボタン告知演出に利用する場合には、ボタン受付有効期間中に演出操作ボタンが押下された場合であっても、駆動シナリオに規定された一連の動作の全てが終了するまで、当該駆動シナリオに基づいた制御を終了させることができないため、演出操作ボタンが押下されてから、一連の動作の全てが終了して抽選結果に対応した動作が開始されるまでにタイムラグが生じてしまい、この結果、遊技者に違和感や不快感を与えてしまうとともに、ボタン演出の爽快感を損ねてしまうといった課題が生じ得る。
さらに、ボタン受付有効期間中に演出操作ボタンが押下された場合には、演出操作ボタンが押下されたタイミングから遅延することなく即座に、液晶表示装置には当該変動に係る抽選結果に対応した画像が表示され、スピーカーからは当該画像に対応した音声が遅延することなく出力されることになる。したがって、各種の可動役物の動作のタイムラグが目立ってしまい、遊技者により一層の違和感や不快感を与えてしまうといった課題が生じ得る。
以上の課題に対して本実施形態のパチンコ機10が採用した構成について以下に具体的に説明する。
本実施形態によれば、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に内部抽選を行なう抽選処理を実行可能であり、内部抽選の抽選結果に応じて表示部で実行する一の所定演出を複数の演出表示態様の中から決定して実行する表示制御処理を実行可能であり、遊技領域に設けられ、表示部における所定演出の表示中に動作する可動役物の一の動作パターンを複数の中から決定して実行する可動制御処理を実行可能である。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、遊技領域PAに設けられた第1特図始動口33又は第2特図始動口34に遊技球が入球した場合に特図抽選を行なう抽選処理を実行可能であり、特図抽選の抽選結果に応じて図柄表示装置41で実行する役物連動演出を構成する表示演出を複数の表示演出パターンの中から決定して実行する表示制御処理を実行可能である。そして、遊技領域PAに設けられ、図柄表示装置41における役物連動演出を構成する表示演出の表示中に動作する演出用可動役物170の一の役物動作パターンを複数の中から決定して実行する可動制御処理を実行可能である。
そして、本実施形態によれば、所定の開始条件の成立に基づいて、複数の中から決定された一の動作パターンに対応して設定された設定情報に基づいて可動役物に一連の動作を行なわせることが可能である。したがって、本実施形態によれば、一連の動作が規定された設定情報を、一度、所定の記憶部から読み出して実行用の領域に格納すれば、当該一連の動作が実行されるので、可動役物に一の単一動作を実行させる毎に当該一の単一動作に対応した動作情報を所定の記憶部から読み出して実行用の領域に格納するといった膨大な数の処理を省略することができるので、遊技機の処理負荷を低減することができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、役物連動演出の一種である役物連動バトル演出の開始条件の成立に基づいて、複数の中から決定された一の役物動作パターンに対応して設定された駆動シナリオ93c1に基づいて演出用可動役物170に一連の上下移動動作を行なわせることが可能である。したがって、本実施形態によれば、一連の上下移動動作が規定された駆動シナリオ93c1を、一度、音光側ROM93から読み出して実行用の領域である音光側RAM94の駆動シナリオ格納エリア94dに格納すれば、当該一連の上下移動動作が実行されるので、演出用可動役物170に一の単一動作を実行させる毎に当該一の単一動作に対応した動作情報を所定の記憶部から読み出して実行用の領域に格納するといった膨大な数の処理を省略することができるので、遊技機の処理負荷を低減することができる。
さらに、本実施形態によれば、可動役物は、一連の動作において非駆動時初期位置側である駆動時最戻り位置と、最も駆動された位置である駆動時最大変位位置との間で駆動制御され、一連の動作は、可動役物を駆動時最戻り位置に位置させる戻り動作を複数回実行するように構成されており、戻り動作を実行した場合に、一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定し、動作終了条件が成立していると判定された場合に、駆動時最戻り位置に位置する可動役物を停止させて一連の動作を終了する終了処理を実行可能である。したがって、本実施形態によれば、当該一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、可動役物が駆動時最戻り位置に位置した状態で当該一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
ここで、仮に、本実施形態とは異なり、一連の動作の動作終了条件の成立を任意のタイミングで判定し、動作終了条件が成立したと判定された任意のタイミングで一連の動作を強制的に終了させる構成を採用した場合には、可動役物が駆動時最戻り位置と駆動時最大変位位置との間で毎回異なる位置で停止することになる。この結果、例えば、一連の動作の終了後に次の制御を開始する場合に、当該次の制御の開始のタイミングにおける可動役物の位置が毎回異なることになる。したがって、一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
これに対して、本実施形態によれば、上述したように、戻り動作を実行した場合に、一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定し、動作終了条件が成立していると判定された場合に、駆動時最戻り位置に位置する可動役物を停止させて一連の動作を終了する。この結果、一連の動作の終了時には、可動役物は駆動時最戻り位置に位置することになる。したがって、一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
このように、本実施形態によれば、遊技機の処理負荷を低減しつつ、一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、可動役物を駆動時最戻り位置に位置させた状態で当該一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、演出用可動役物170は、一連の上下移動動作において非駆動時初期位置であり駆動時最戻り位置でもある原点位置と、最も駆動された位置である最下点位置との間で駆動制御され、一連の上下移動動作は、演出用可動役物170を原点位置に位置させる上昇動作を複数回実行するように構成されており、上昇動作を実行した場合に、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定し、上下移動動作終了条件が成立していると判定された場合に、原点位置に位置する演出用可動役物170を停止させて一連の上下移動動作を終了する終了処理を実行可能である。したがって、本実施形態によれば、当該一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、演出用可動役物170が原点位置に位置した状態で当該一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170が原点位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
ここで、仮に、本実施形態とは異なり、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件の成立を任意のタイミングで判定し、上下移動動作終了条件が成立したと判定された任意のタイミングで一連の上下移動動作を強制的に終了させる構成を採用した場合には、演出用可動役物170が原点位置と最下点位置との間で毎回異なる位置で停止することになる。この結果、例えば、一連の上下移動動作の終了後に次の制御を開始する場合に、当該次の制御の開始のタイミングにおける演出用可動役物170の位置が毎回異なることになる。したがって、一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170が原点位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
これに対して、本実施形態によれば、上述したように、上昇動作を実行した場合に、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定し、上下移動動作終了条件が成立していると判定された場合に、原点位置に位置する演出用可動役物170を停止させて一連の上下移動動作を終了する。この結果、一連の上下移動動作の終了時には、演出用可動役物170は原点位置に位置することになる。したがって、一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170が原点位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
このように、本実施形態によれば、遊技機の処理負荷を低減しつつ、一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、演出用可動役物170を原点位置に位置させた状態で当該一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170が原点位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、一連の動作を実行する期間として、短動作期間と、短動作期間よりも長い長動作期間と、を備える。すなわち、一連の動作が短動作期間の長さで終了する場合と、長動作期間の長さで終了する場合とがあり、換言すれば、本実施形態によれば、一連の動作を終了させるタイミングが複数存在するので、一連の動作を終了させるタイミングが複数存在しない構成と比較して、本実施形態の効果をより一層発揮させることができる。以下、具体的に説明する。
ここで、仮に、一連の動作を終了させるタイミングが複数存在しない構成を採用した場合、例えば、一連の動作を終了させるタイミングが当該一連の動作の開始から所定期間の経過時に固定されている場合には、一連の動作の実行中に動作終了条件が成立しているか否かを頻繁に判定する必要はなく、当該所定期間の経過時に一連の動作を終了させればよい。さらに、当該所定期間の経過時に可動役物が所定の位置に存在しているように一連の動作を規定する設定情報の内容をあらかじめ調整して設定しておけば、一連の動作の終了時における可動役物の位置が不定となってしまうといったこともない。
しかしながら、本実施形態によれば、一連の動作を終了させるタイミングが複数存在する、すなわち、当該タイミングが不定であるので、上述したように、一連の動作の開始から所定期間の経過時に可動役物が所定の位置に存在しているように一連の動作を規定する設定情報の内容をあらかじめ調整して設定しておくといった対策をしても有効ではなく、さらに、一連の動作を終了させるタイミングが不定であるので、一連の動作の終了時における可動役物の位置が不定となってしまい、当該一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
そこで、本実施形態によれば、可動役物を駆動時最戻り位置に位置させる戻り動作を実行した場合に、一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定し、動作終了条件が成立していると判定された場合に、駆動時最戻り位置に位置する可動役物を停止させて一連の動作を終了する。したがって、本実施形態によれば、一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、可動役物を駆動時最戻り位置に位置させた状態で当該一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作を実行する期間は、演出操作ボタン24が押下された場合には短動作期間となり、演出操作ボタン24が押下されなかった場合には短動作期間よりも長い長動作期間となる。すなわち、一連の上下移動動作が演出操作ボタン24が押下された場合の短動作期間の長さで終了する場合と、演出操作ボタン24が押下されなかった場合の長動作期間の長さで終了する場合とがあり、換言すれば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作を終了させるタイミングが複数存在するので、一連の上下移動動作を終了させるタイミングが複数存在しない構成と比較して、本実施形態の効果をより一層発揮させることができる。以下、具体的に説明する。
ここで、仮に、一連の上下移動動作を終了させるタイミングが複数存在しない構成を採用した場合、例えば、一連の上下移動動作を終了させるタイミングが当該一連の上下移動動作の開始から所定期間の経過時に固定されている場合には、一連の上下移動動作の実行中に上下移動動作終了条件が成立しているか否かを頻繁に判定する必要はなく、当該所定期間の経過時に一連の上下移動動作を終了させればよい。さらに、当該所定期間の経過時に演出用可動役物170が所定の位置に存在しているように一連の上下移動動作を規定する駆動シナリオの内容をあらかじめ調整して設定しておけば、一連の上下移動動作の終了時における演出用可動役物170の位置が不定となってしまうといったこともない。
しかしながら、本実施形態によれば、一連の上下移動動作を終了させるタイミングが複数存在する、すなわち、当該タイミングが不定であるので、上述したように、一連の上下移動動作の開始から所定期間の経過時に演出用可動役物170が所定の位置に存在しているように一連の上下移動動作を規定する駆動シナリオの内容をあらかじめ調整して設定しておくといった対策をしても有効ではなく、さらに、一連の上下移動動作を終了させるタイミングが不定であるので、一連の上下移動動作の終了時における演出用可動役物170の位置が不定となってしまい、当該一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170が原点位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
そこで、実施形態によれば、演出用可動役物170を原点位置に位置させる上昇動作を実行した場合に、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定し、上下移動動作終了条件が成立していると判定された場合に、原点位置に位置する演出用可動役物170を停止させて一連の上下移動動作を終了する。したがって、本実施形態によれば、一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、演出用可動役物170を原点位置に位置させた状態で当該一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170が原点位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、可動役物が駆動時最大変位位置側に制御されている期間として、短制御期間と、短制御期間よりも長い長制御期間と、を備えるので、可動役物が駆動時最戻り位置に戻るまでに短制御期間を要する場合と、当該短制御期間よりも長い長制御期間を要する場合とがある。本実施形態によれば、可動役物が駆動時最大変位位置側に制御されている期間として、短制御期間よりも長い長制御期間を要した場合であっても、その後に必ず当該一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定するので、動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、演出用可動役物170が最下点位置側に制御されている期間(演出用可動役物170が原点位置を離れてから原点位置に戻るまでの制御期間)として、原点位置とA位置との間を往復させる短制御期間と、当該短制御期間よりも長い制御期間であって原点位置とB位置との間を往復させる長制御期間と、を備えるので、演出用可動役物170が原点位置に戻るまでに短制御期間を要する場合と、短制御期間よりも長い長制御期間を要する場合とがある。本実施形態によれば、演出用可動役物170が最下点位置側に制御されている期間として、短制御期間よりも長い長制御期間を要した場合であっても、その後に必ず当該一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定するので、上下移動動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、一連の動作を終了した後に実行される制御として、第1制御と、第1制御とは異なる第2制御と、を実行可能であり、一連の動作を終了した後に実行される制御が第1制御と第2制御とのいずれの場合であっても、可動役物を駆動時最戻り位置に位置させた状態で実行される。そして、本実施形態では、可動役物は、動作終了条件が成立したことによって一連の動作を終了した場合には、当該一連の動作を終了した時点において、駆動時最戻り位置に位置している。したがって、一連の動作を終了した後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置しておらずに第1制御または第2制御といった次の制御を実行することができないといった不具合の発生を回避することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作を終了した後に実行される制御として、演出用可動役物170に一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作を実行させる制御と、演出用可動役物170に待機動作を実行させる制御と、を実行可能であり、一連の上下移動動作を終了した後に実行される制御が演出用可動役物170に一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作を実行させる制御と演出用可動役物170に待機動作を実行させる制御とのいずれの場合であっても、演出用可動役物170を原点位置に位置させた状態で実行される。そして、本実施形態では、演出用可動役物170は、上下移動動作終了条件が成立したことによって一連の上下移動動作を終了した場合には、当該一連の上下移動動作を終了した時点において、原点位置に位置している。したがって、一連の上下移動動作を終了した後に、演出用可動役物170が原点位置に位置しておらずに演出用可動役物170に一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作を実行させる制御または演出用可動役物170に待機動作を実行させる制御といった次の制御を実行することができないといった不具合の発生を回避することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、一連の動作の動作終了条件の成立タイミングは、遊技者の遊技用操作に基づいて変化し得るので、一連の動作の動作終了条件の成立タイミングが変化しない構成と比較して、本実施形態の効果をより一層発揮させることができる。以下、具体的に説明する。
ここで、仮に、一連の動作の動作終了条件の成立タイミングが変化しない構成を採用した場合、例えば、一連の動作を終了させるタイミングが当該一連の動作の開始から所定期間の経過時に固定されている場合には、一連の動作の実行中に動作終了条件が成立しているか否かを頻繁に判定する必要はなく、当該所定期間の経過時に一連の動作を終了させればよい。さらに、当該所定期間の経過時に可動役物が所定の位置に存在しているように一連の動作を規定する設定情報の内容をあらかじめ調整して設定しておけば、一連の動作の終了時における可動役物の位置が不定となってしまうといったこともない。
しかしながら、本実施形態によれば、一連の動作の動作終了条件の成立タイミングが遊技者の遊技用操作に基づいて変化し得るので、上述したように、一連の動作の開始から所定期間の経過時に可動役物が所定の位置に存在しているように一連の動作を規定する設定情報の内容をあらかじめ調整して設定しておくといった対策をしても有効ではなく、さらに、一連の動作の動作終了条件の成立タイミングが遊技者の遊技用操作に基づいて変化し得るので、一連の動作の終了時における可動役物の位置が不定となってしまい、当該一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
そこで、本実施形態によれば、可動役物を駆動時最戻り位置に位置させる戻り動作を実行した場合に、一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定し、動作終了条件が成立していると判定された場合に、駆動時最戻り位置に位置する可動役物を停止させて一連の動作を終了する。したがって、本実施形態によれば、一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、可動役物を駆動時最戻り位置に位置させた状態で当該一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件の成立タイミングは、遊技者の演出操作ボタン24の押下操作に基づいて変化し得るので、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件の成立タイミングが変化しない構成と比較して、本実施形態の効果をより一層発揮させることができる。以下、具体的に説明する。
ここで、仮に、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件の成立タイミングが変化しない構成を採用した場合、例えば、一連の上下移動動作を終了させるタイミングが当該一連の上下移動動作の開始から所定期間の経過時に固定されている場合には、一連の上下移動動作の実行中に上下移動動作終了条件が成立しているか否かを頻繁に判定する必要はなく、当該所定期間の経過時に一連の上下移動動作を終了させればよい。さらに、当該所定期間の経過時に演出用可動役物170が所定の位置に存在しているように一連の上下移動動作を規定する駆動シナリオの内容をあらかじめ調整して設定しておけば、一連の上下移動動作の終了時における演出用可動役物170の位置が不定となってしまうといったこともない。
しかしながら、本実施形態によれば、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件の成立タイミングが遊技者の演出操作ボタン24の押下操作に基づいて変化し得るので、上述したように、一連の上下移動動作の開始から所定期間の経過時に演出用可動役物170が所定の位置に存在しているように一連の上下移動動作を規定する駆動シナリオの内容をあらかじめ調整して設定しておくといった対策をしても有効ではなく、さらに、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件の成立タイミングが遊技者の演出操作ボタン24の押下操作に基づいて変化し得るので、一連の上下移動動作の終了時における演出用可動役物170の位置が不定となってしまい、当該一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170が原点位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
そこで、本実施形態によれば、演出用可動役物170を原点位置に位置させる上昇動作を実行した場合に、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定し、上下移動動作終了条件が成立していると判定された場合に、原点位置に位置する演出用可動役物170を停止させて一連の上下移動動作を終了する。したがって、本実施形態によれば、一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、演出用可動役物170を原点位置に位置させた状態で当該一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170が原点位置に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、一連の動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、可動役物とは異なる制御対象が含まれるので、一連の動作を終了した後に可動役物に対して実行される制御と、当該異なる制御対象によって実行される制御とのタイムラグを低減することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、演出用可動役物170とは異なる制御対象として図柄表示装置41が含まれるので、一連の上下移動動作を終了した後に演出用可動役物170に対して実行される制御(一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作または待機動作)と、図柄表示装置41によって実行される制御(「勝利!」といった文字列を表示させる制御または「敗北...」といった文字列を表示させる制御)とのタイムラグを低減することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、可動制御処理は、可動役物を駆動時最大変位位置側に駆動させる制御を実行した場合には、一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定しないので、可動役物が駆動時最戻り位置に位置することを前提とした次の制御を、一連の動作の動作終了条件が成立した後に最速で実行可能になるという利点を維持しつつ、制御を簡易化して遊技機の処理負荷を低減することができる。以下、具体的に説明する。
仮に、可動役物を駆動時最大変位位置側に駆動させる制御を実行した場合に動作終了条件が成立しているか否かを判定する構成を採用し、可動役物が駆動時最大変位位置側に駆動している状態で動作終了条件が成立したと判定したとしても、可動役物が駆動時最大変位位置側に位置している状態では、可動役物が駆動時最戻り位置に位置することを前提とした次の制御を実行することができないので、当該次の制御の開始を可動役物が駆動時最戻り位置に戻るまで待つことになる。したがって、可動役物を駆動時最大変位位置側に駆動させる制御を実行した場合に動作終了条件が成立ているか否かを判定した利点がないにもかかわらず、制御が複雑になり、遊技機の処理負荷が増大することになる。また、仮に、可動役物が駆動時最戻り位置に位置することを前提とした次の制御を、可動役物が駆動時最大変位位置側に駆動している途中で当該駆動を停止させて実行した場合には、可動役物の動作が不自然になり、遊技者に違和感や不快感を抱かせてしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態によれば、可動役物を駆動時最大変位位置側に駆動させる制御を実行した場合には、一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定しないので、可動役物が駆動時最戻り位置に位置することを前提とした次の制御を、一連の動作の動作終了条件が成立した後に最速で実行可能になるという利点を維持しつつ、制御を簡易化して遊技機の処理負荷を低減することができる。さらに、本実施形態によれば、可動役物の動作が不自然になり、遊技者に違和感や不快感を抱かせてしまうといった事態の発生を回避することができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、演出用可動役物170を最下点位置側に駆動させる制御を実行した場合には、上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定しないので、演出用可動役物170が原点位置に位置することを前提とした次の制御を、上下移動動作終了条件が成立した後に最速で実行可能になるという利点を維持しつつ、制御を簡易化して遊技機の処理負荷を低減することができる。以下、具体的に説明する。
仮に、演出用可動役物170を最下点位置側に駆動させる制御を実行した場合に上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定する構成を採用し、演出用可動役物170が最下点位置側に駆動している状態で上下移動動作終了条件が成立したと判定したとしても、演出用可動役物170が最下点位置側に位置している状態では、演出用可動役物170が原点位置に位置することを前提とした次の制御を実行することができないので、当該次の制御の開始を演出用可動役物170が原点位置に戻るまで待つことになる。したがって、演出用可動役物170を最下点位置側に駆動させる制御を実行した場合に上下移動動作終了条件が成立ているか否かを判定した利点がないにもかかわらず、制御が複雑になり、遊技機の処理負荷が増大することになる。また、仮に、演出用可動役物170が原点位置に位置することを前提とした次の制御を、演出用可動役物170が最下点位置側に駆動している途中で当該駆動を停止させて実行した場合には、演出用可動役物170の動作が不自然になり、遊技者に違和感や不快感を抱かせてしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態によれば、演出用可動役物170を最下点位置側に駆動させる制御を実行した場合には、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定しないので、演出用可動役物170が原点位置に位置することを前提とした次の制御を、上下移動動作終了条件が成立した後に最速で実行可能になるという利点を維持しつつ、制御を簡易化して遊技機の処理負荷を低減することができる。さらに、本実施形態によれば、演出用可動役物170の動作が不自然になり、遊技者に違和感や不快感を抱かせてしまうといった事態の発生を回避することができる。
さらに、本実施形態によれば、一連の動作において可動役物を非駆動時初期位置側に戻した位置は、非駆動時初期位置と同じ位置であるので、可動役物は、一連の動作において、非駆動時初期位置側に戻る場合には、非駆動時初期位置に戻ることになる。そして、一連の動作において可動役物が非駆動時初期位置に戻る毎に、当該一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定し、動作終了条件が成立していると判定された場合に、非駆動時初期位置に位置する可動役物を停止させて一連の動作を終了する。したがって、本実施形態によれば、一連の動作の終了後に実行する次の制御の内容を、可動役物が非駆動時初期位置に位置することを前提とした内容に統一することが可能となる。この結果、当該次の制御の内容として、可動役物が非駆動時初期位置以外に位置することを前提とした制御を用意する必要がなくなるので、制御の簡易化を図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作において演出用可動役物170を非駆動時初期位置である原点位置側に戻した位置は、非駆動時初期位置である原点位置と同じ位置であるので、演出用可動役物170は、一連の上下移動動作において、原点位置側に戻る場合には、原点位置に戻ることになる。そして、一連の上下移動動作において演出用可動役物170が原点位置に戻る毎に、当該一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定し、上下移動動作終了条件が成立していると判定された場合に、原点位置に位置する演出用可動役物170を停止させて一連の上下移動動作を終了する。したがって、本実施形態によれば、一連の上下移動動作の終了後に実行する次の制御の内容を、演出用可動役物170が非駆動時初期位置である原点位置に位置することを前提とした内容に統一することが可能となる。この結果、当該次の制御の内容として、演出用可動役物170が非駆動時初期位置である原点位置以外に位置することを前提とした制御を用意する必要がなくなるので、制御の簡易化を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、可動役物は、透明または半透明の部材を含んで構成されているので、遊技者は、可動役物の裏側に位置する表示部に表示される画像を可動役物を通して視認することが可能となる。この効果の詳細について説明する。表示部は、動作終了条件が成立したことに対応する画像を、動作終了条件の成立に基づいて遅滞なく表示することができる。そして、上述したように、本実施形態によれば、動作終了条件が成立した場合には、可動役物の一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、表示部に表示される画像と可動役物の動作とのタイムラグを短くすることによって、可動役物の動作と連携した画像であって、当該可動役物を通して遊技者に視認させる画像を表示部に表示させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、演出用可動役物170は、透明または半透明の部材を含んで構成されているので、遊技者は、演出用可動役物170の裏側に位置する図柄表示装置41に表示される画像を演出用可動役物170を通して視認することが可能となる。この効果の詳細について説明する。図柄表示装置41は、上下移動動作終了条件が成立したことに対応する画像を、上下移動動作終了条件の成立に基づいて遅滞なく表示することができる。そして、上述したように、本実施形態によれば、上下移動動作終了条件が成立した場合には、演出用可動役物170の一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の上下移動動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、上下移動動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、図柄表示装置41に表示される画像と演出用可動役物170の動作とのタイムラグを短くすることによって、演出用可動役物170の動作と連携した画像であって、当該演出用可動役物170を通して遊技者に視認させる画像を図柄表示装置41に表示させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、一連の動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、画像を表示可能な表示部が含まれる。この構成の効果について説明する。表示部は、動作終了条件が成立したことに対応する画像を、動作終了条件の成立に基づいて遅滞なく表示することができる。そして、上述したように、本実施形態によれば、動作終了条件が成立した場合には、可動役物の一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、表示部に表示される画像と可動役物の動作とのタイムラグを短くすることができるので、可動役物の動作と連携した画像を表示部に表示させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、画像を表示可能な図柄表示装置41が含まれる。この構成の効果について説明する。図柄表示装置41は、上下移動動作終了条件が成立したことに対応する画像を、上下移動動作終了条件の成立に基づいて遅滞なく表示することができる。そして、上述したように、本実施形態によれば、上下移動動作終了条件が成立した場合には、演出用可動役物170の一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の上下移動動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、上下移動動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、図柄表示装置41に表示される画像と演出用可動役物170の動作とのタイムラグを短くすることができるので、演出用可動役物170の動作と連携した画像を図柄表示装置41に表示させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、一連の動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、音を出力可能な音声出力部が含まれる。この構成の効果について説明する。音声出力部は、動作終了条件が成立したことに対応する音を、動作終了条件の成立に基づいて遅滞なく出力することができる。そして、上述したように、本実施形態によれば、動作終了条件が成立した場合には、可動役物の一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、音声出力部によって出力される音と可動役物の動作とのタイムラグを短くすることができるので、可動役物の動作と連携した音を音声出力部に出力させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、音を出力可能なスピーカー46が含まれる。この構成の効果について説明する。スピーカー46は、上下移動動作終了条件が成立したことに対応する音声を、上下移動動作終了条件の成立に基づいて遅滞なく出力することができる。そして、上述したように、本実施形態によれば、上下移動動作終了条件が成立した場合には、演出用可動役物170の一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の上下移動動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、上下移動動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、スピーカー46によって出力される音声と演出用可動役物170の動作とのタイムラグを短くすることができるので、演出用可動役物170の動作と連携した音声をスピーカー46に出力させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、一連の動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、発光可能な発光部が含まれる。この構成の効果について説明する。発光部は、動作終了条件の成立に基づいて遅滞なく、動作終了条件が成立したことに対応する発光パターンで発光することができる。そして、上述したように、本実施形態によれば、動作終了条件が成立した場合には、可動役物の一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、発光部による発光と可動役物の動作とのタイムラグを短くすることができるので、可動役物の動作と連携した発光パターンで発光部に発光させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、一連の上下移動動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、発光可能な各種ランプ47が含まれる。この構成の効果について説明する。各種ランプ47は、上下移動動作終了条件の成立に基づいて遅滞なく、上下移動動作終了条件が成立したことに対応する発光パターンで発光することができる。そして、上述したように、本実施形態によれば、上下移動動作終了条件が成立した場合には、演出用可動役物170の一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の上下移動動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、上下移動動作終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、各種ランプ47による発光と演出用可動役物170の動作とのタイムラグを短くすることができるので、演出用可動役物170の動作と連携した発光パターンで各種ランプ47に発光させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
このように、本遊技機によれば、制御プログラムや制御データを有効に活用しつつ、可動役物を適切な制御で終了させることができるとともに、当該一連の動作の終了後に、可動役物が所定の状態となっていることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
《7-8》第7実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《7-8-1》変形例1:
上記実施形態では、図318(B)、図318(C)及び図320(A)に示すように、駆動シナリオ93c1に規定された一連の上下移動動作において、演出用可動役物170をA位置又はB位置から原点位置側に移動させる場合の移動先(駆動時最戻り位置)は、非駆動時初期位置である原点位置と同じ位置である構成としたが、この構成に代えて、演出用可動役物170をA位置又はB位置から原点位置側に移動させる場合の移動先(駆動時最戻り位置)は、非駆動時初期位置である原点位置とA位置との間の位置(以下、W位置とも呼ぶ)である構成としてもよい。以下、本変形例の構成を具体的に説明する。
図352、図353及び図354は、本変形例のパチンコ機10で実行可能な役物連動演出の一例である役物連動バトル演出を示す説明図である。これらの図において、図352は、上記実施形態の図318に対応しており、図353は、上記実施形態の図319と同じであり、図354は、本変形例で追加された図である。
本変形例では、図352(B)及び図352(C)に示すように、一連の上下移動動作において、演出用可動役物170をA位置又はB位置から原点位置側に移動させる場合の移動先(駆動時最戻り位置)は、当該一連の上下移動動作の最後に原点位置まで移動させる場合を除き、非駆動時初期位置である原点位置とA位置との間のW位置になっている。すなわち、本変形例の一連の上下移動動作を規定する駆動シナリオ93c1wの内容は、上記実施形態の一連の上下移動動作を規定する駆動シナリオ93c1の内容と異なっている。
そして、本変形例では、一連の上下移動動作において、演出用可動役物170をW位置まで移動させる毎に、及び、当該一連の上下移動動作の最後に原点位置まで移動させた場合に、上述した上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定し、当該上下移動動作終了条件が成立していると判定した場合には、当該一連の上下移動動作を終了させるように構成されている。
上述した上下移動動作終了条件が成立していると判定した際の演出用可動役物170の位置が原点位置であり、当該演出に係る特図抽選の結果が大当たり当選である場合には、図353(A)に示すように、駆動シナリオ93c2に規定された一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作が実行される。この動作は、図319(A)に示す上記実施形態と同じである。
同様に、上述した上下移動動作終了条件が成立していると判定した際の演出用可動役物170の位置が原点位置であり、当該演出に係る特図抽選の結果がはずれである場合には、図353(B)に示すように、駆動シナリオ93c3に規定された待機動作が実行される。この動作は、図319(B)に示す上記実施形態と同じである。
ここで、図353(A)に示した駆動シナリオ93c2に規定された一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作、及び、図353(B)に示した駆動シナリオ93c3に規定された待機動作は、いずれも、演出用可動役物170が原点位置に位置している状態から実行を開始することを前提とした動作である。したがって、上述した上下移動動作終了条件が成立していると判定した際の演出用可動役物170の位置がW位置である場合には、駆動シナリオ93c2及び駆動シナリオ93c3に規定されたこれらの動作の実行を開始することができなかったり、動作の実行を開始できたとしても、移動先の位置が想定した位置と異なってしまったりといった不具合が生じてしまう。
そこで、本変形例では、上述した上下移動動作終了条件が成立していると判定した際の演出用可動役物170の位置がW位置である場合に実行可能な一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作を規定した駆動シナリオ93c2wと、一連の上昇・待機動作を規定した駆動シナリオ93c3wとをさらに備える構成を採用している。
図354(A)に示すように、上述した上下移動動作終了条件が成立していると判定した際の演出用可動役物170の位置がW位置であり、当該演出に係る特図抽選の結果が大当たり当選である場合には、駆動シナリオ93c2wに規定された一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作が実行される。この駆動シナリオ93c2wに規定された一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作では、W位置から最下点位置に向けての移動(落下)から動作が開始される。
同様に、図354(B)に示すように、上述した上下移動動作終了条件が成立していると判定した際の演出用可動役物170の位置がW位置であり、当該演出に係る特図抽選の結果がはずれである場合には、駆動シナリオ93c3wに規定された一連の上昇・待機動作が実行される。この駆動シナリオ93c3wに規定された一連の上昇・待機動作では、W位置から原点位置に向けての移動(上昇)から動作が開始される。
図355は、本変形例のパチンコ機10が備える各駆動シナリオ93c1w、93c2、93c3、93c2w、93c3wの構成を模式的に示す説明図である。図320に示した上記実施形態との違いは、図355(A)に示す本変形例の駆動シナリオ93c1wの内容が、図320(A)に示す上記実施形態の駆動シナリオ93c1の内容と異なっている点と、駆動シナリオ93c2w及び駆動シナリオ93c3wが図355(D)及び図355(E)に追加されている点である。そして、図355(B)に示す駆動シナリオ93c2及び図355(C)に示す駆動シナリオ93c3は、原点位置停止時用の駆動シナリオであり、図355(D)に示す駆動シナリオ93c2w及び図355(E)に示す駆動シナリオ93c3wは、本変形例で追加されたW位置停止時用の駆動シナリオである。
図355(A)に示すように、本変形例の駆動シナリオ93c1wでは、一連の上下移動動作において、駆動シナリオ用カウンタの値「11」に規定されたB位置から原点位置までの移動動作を除き、A位置又はB位置から原点位置側に移動させる場合の移動先(駆動時最戻り位置)は、原点位置ではなくW位置となっている。その他の点は上記実施形態の駆動シナリオ93c1と同じである。なお、原点位置からW位置までの距離及びW位置からA位置までの距離は、ステップ数で50に相当する。
図355(B)に示す駆動シナリオ93c2及び図355(C)に示す駆動シナリオ93c3は、上記実施形態と同じであるため説明を省略する。
図355(D)に示すように、本変形例の駆動シナリオ93c2wでは、一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作において、駆動シナリオ用カウンタの値「1」に規定された動作内容が、W位置から最下点位置まで移動(落下)させる動作内容となっている。その他の点は上記実施形態の駆動シナリオ93c2と同じである。
図355(E)に示すように、本変形例の駆動シナリオ93c3wでは、W位置から原点位置まで移動(上昇)させる動作が駆動シナリオ用カウンタの値「1」に規定された動作内容として追加されている。その他の点は上記実施形態の駆動シナリオ93c3と同じである。
以上説明したように、本変形例の構成によっても、上記実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。以下、具体的に説明する。
本変形例によれば、可動役物は、一連の動作において非駆動時初期位置側である駆動時最戻り位置と、最も駆動された位置である駆動時最大変位位置との間で駆動制御され、一連の動作は、可動役物を駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置させる戻り動作を複数回実行するように構成されており、戻り動作を実行した場合に、一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定し、動作終了条件が成立していると判定された場合に、駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置する可動役物を停止させて一連の動作を終了する終了処理を実行可能である。したがって、本変形例によれば、当該一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、可動役物が駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置した状態で当該一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
ここで、仮に、本変形例とは異なり、一連の動作の動作終了条件の成立を任意のタイミングで判定し、動作終了条件が成立したと判定された任意のタイミングで一連の動作を強制的に終了させる構成を採用した場合には、可動役物が駆動時最戻り位置と駆動時最大変位位置との間で毎回異なる位置で停止することになる。この結果、例えば、一連の動作の終了後に次の制御を開始する場合に、当該次の制御の開始のタイミングにおける可動役物の位置が毎回異なることになる。したがって、一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
これに対して、本変形例によれば、上述したように、戻り動作を実行した場合に、一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定し、動作終了条件が成立していると判定された場合に、駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置する可動役物を停止させて一連の動作を終了する。この結果、一連の動作の終了時には、可動役物は駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置することになる。したがって、一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
このように、本変形例によれば、遊技機の処理負荷を低減しつつ、一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、可動役物を駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置させた状態で当該一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の動作の終了後に、可動役物が駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
具体的には、例えば、本変形例によれば、演出用可動役物170は、一連の上下移動動作において原点位置側の駆動時最戻り位置であるW位置と、最も駆動された位置である最下点位置との間で駆動制御され、一連の上下移動動作は、演出用可動役物170をW位置またはW位置の近傍に位置させる上昇動作を複数回実行するように構成されており、上昇動作を実行した場合に、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定し、上下移動動作終了条件が成立していると判定された場合に、W位置またはW位置の近傍(例えば原点位置)に位置する演出用可動役物170を停止させて一連の上下移動動作を終了する終了処理を実行可能である。したがって、本変形例によれば、当該一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、演出用可動役物170がW位置またはW位置の近傍に位置した状態で当該一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170がW位置またはW位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
ここで、仮に、本変形例とは異なり、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件の成立を任意のタイミングで判定し、上下移動動作終了条件が成立したと判定された任意のタイミングで一連の上下移動動作を強制的に終了させる構成を採用した場合には、演出用可動役物170が原点位置と最下点位置との間で毎回異なる位置で停止することになる。この結果、例えば、一連の上下移動動作の終了後に次の制御を開始する場合に、当該次の制御の開始のタイミングにおける演出用可動役物170の位置が毎回異なることになる。したがって、一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170がW位置またはW位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
これに対して、本変形例によれば、上述したように、上昇動作を実行した場合に、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定し、上下移動動作終了条件が成立していると判定された場合に、W位置またはW位置の近傍に位置する演出用可動役物170を停止させて一連の上下移動動作を終了する。この結果、一連の上下移動動作の終了時には、演出用可動役物170はW位置またはW位置の近傍に位置することになる。したがって、一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170がW位置またはW位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
このように、本変形例によれば、遊技機の処理負荷を低減しつつ、一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、演出用可動役物170をW位置またはW位置の近傍に位置させた状態で当該一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の上下移動動作の終了後に、演出用可動役物170がW位置またはW位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
以上説明したように、本変形例の構成によっても、上記実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。ただし、上記実施形態の構成の方が、本変形例よりも、下記の点において優れている。
上記実施形態では、演出用可動役物170は、一連の上下移動動作において、原点位置側に戻る場合には、変形例に示したW位置ではなく、原点位置に戻るように制御されるとともに、上下移動動作終了条件を判定する際の演出用可動役物170の位置が原点位置に統一されている。したがって、上下移動動作終了条件の成立後に実行すべき駆動シナリオとして、本変形例のように原点位置以外で停止した場合の駆動シナリオ(本変形例におけるW位置停止時用の駆動シナリオ)を用意する必要がなく、データ量の削減及び処理の簡易化を実現することができる。
すなわち、上記実施形態によれば、一連の動作において可動役物を非駆動時初期位置側に戻した位置は、非駆動時初期位置と同じ位置であるので、可動役物は、一連の動作において、非駆動時初期位置側に戻る場合には、非駆動時初期位置に戻ることになる。そして、一連の動作において可動役物が非駆動時初期位置に戻る毎に、当該一連の動作の動作終了条件が成立しているか否かを判定し、動作終了条件が成立していると判定された場合に、非駆動時初期位置に位置する可動役物を停止させて一連の動作を終了する。したがって、上記実施形態によれば、一連の動作の終了後に実行する次の制御の内容を、可動役物が非駆動時初期位置に位置することを前提とした内容に統一することが可能となる。この結果、当該次の制御の内容として、可動役物が非駆動時初期位置以外に位置することを前提とした制御を用意する必要がなくなるので、制御の簡易化を図ることができる。
具体的には、例えば、上記実施形態によれば、一連の上下移動動作において演出用可動役物170を非駆動時初期位置である原点位置側に戻した位置は、非駆動時初期位置である原点位置と同じ位置であるので、演出用可動役物170は、一連の上下移動動作において、原点位置側に戻る場合には、変形例に示したW位置ではなく、原点位置に戻ることになる。そして、一連の上下移動動作において演出用可動役物170が原点位置に戻る毎に、当該一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定し、上下移動動作終了条件が成立していると判定された場合に、原点位置に位置する演出用可動役物170を停止させて一連の上下移動動作を終了する。したがって、上記実施形態によれば、一連の上下移動動作の終了後に実行する次の制御の内容を、演出用可動役物170が非駆動時初期位置である原点位置に位置することを前提とした内容に統一することが可能となる。この結果、当該次の制御の内容として、演出用可動役物170が非駆動時初期位置である原点位置以外(例えば変形例におけるW位置)に位置することを前提とした制御を用意する必要がなくなるので、制御の簡易化を図ることができる。
《7-8-2》変形例2:
上記実施形態及び上記各変形例において、所定の開始条件の成立後、一連の動作の開始前に、可動役物が非駆動時初期位置から駆動されない開始前非駆動期間が存在する構成としてもよい。この構成の効果について説明する。
ここで、仮に、本変形例とは異なり、一連の動作の開始前に可動役物が非駆動時初期位置から駆動されない開始前非駆動期間が存在しない構成を採用した場合について説明する。一般に、ボタン受付有効期間が開始された直後に演出操作ボタン24を押下する遊技者が一定数存在する。このような遊技者が、ボタン受付有効期間が開始された直後、すなわち、一連の動作が開始された直後に演出操作ボタン24を押下し、動作終了条件を成立させた場合には、既に可動役物が駆動を開始した直後であるため、可動役物が再び駆動時最戻り位置に戻るまでに時間を要することになってしまい、次の制御を開始するまでのタイムラグが大きくなってしまう。このため、ボタン受付有効期間が開始された直後に演出操作ボタン24を押下する遊技者は、演出操作ボタン24を押下する爽快感を感じることができなくなってしまうといった課題が生じ得る。
そこで、本変形例のように、一連の動作の開始前に、可動役物が非駆動時初期位置から駆動されない開始前非駆動期間が存在する構成とするとともに、当該開始前非駆動期間の開始時からボタン受付有効期間を開始する構成とすることにより、ボタン受付有効期間が開始された直後に遊技者が演出操作ボタン24を押下した場合に、可動役物が駆動して非駆動時初期位置から移動する前に、可動役物が非駆動時初期位置に位置していることを前提とした次の制御を速やかに実行することが可能となる。したがって、本変形例によれば、遊技者がボタン受付有効期間が開始された直後に演出操作ボタン24を押下した場合に、次の制御を開始するまでのタイムラグが大きくなってしまうことを回避することができるので、ボタン受付有効期間が開始された直後に演出操作ボタン24を押下する遊技者に対して、演出操作ボタン24を押下する爽快感を提供することが可能となる。
具体的には、例えば、上記実施形態及び上記各変形例において、役物連動バトル演出の開始条件の成立後、一連の上下移動動作の開始前に、演出用可動役物170が非駆動時初期位置である原点位置から駆動されない開始前非駆動期間が存在する構成としてもよい。この構成の効果について説明する。
ここで、仮に、本変形例とは異なり、一連の上下移動動作の開始前に演出用可動役物170が非駆動時初期位置である原点位置から駆動されない開始前非駆動期間が存在しない構成を採用した場合について説明する。一般に、ボタン受付有効期間が開始された直後に演出操作ボタン24を押下する遊技者が一定数存在する。このような遊技者が、ボタン受付有効期間が開始された直後、すなわち、一連の上下移動動作が開始された直後に演出操作ボタン24を押下し、上下移動動作終了条件を成立させた場合には、既に演出用可動役物170が駆動を開始した直後であるため、演出用可動役物170が再び駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)に戻るまでに時間を要することになってしまい、次の制御を開始するまでのタイムラグが大きくなってしまう。このため、ボタン受付有効期間が開始された直後に演出操作ボタン24を押下する遊技者は、演出操作ボタン24を押下する爽快感を感じることができなくなってしまうといった課題が生じ得る。
そこで、本変形例のように、一連の上下移動動作の開始前に、演出用可動役物170が非駆動時初期位置である原点位置から駆動されない開始前非駆動期間が存在する構成とするとともに、当該開始前非駆動期間の開始時からボタン受付有効期間を開始する構成とすることにより、ボタン受付有効期間が開始された直後に遊技者が演出操作ボタン24を押下した場合に、演出用可動役物170が駆動して非駆動時初期位置である原点位置から移動する前に、演出用可動役物170が非駆動時初期位置である原点位置に位置していることを前提とした次の制御を速やかに実行することが可能となる。したがって、本変形例によれば、遊技者がボタン受付有効期間が開始された直後に演出操作ボタン24を押下した場合に、次の制御を開始するまでのタイムラグが大きくなってしまうことを回避することができるので、ボタン受付有効期間が開始された直後に演出操作ボタン24を押下する遊技者に対して、演出操作ボタン24を押下する爽快感を提供することが可能となる。
《7-8-3》変形例3:
上記実施形態及び上記各変形例において、一連の動作には、可動役物が駆動時最戻り位置で待機する動作待機期間が含まれる構成としてもよい。この構成の効果について説明する。一連の動作に可動役物が駆動時最戻り位置で待機する動作待機期間が含まれる構成とし、当該動作待機期間において動作終了条件が成立したか否かを繰り返し判定する構成とすれば、当該動作待機期間において動作終了条件が成立した場合には、可動役物が駆動時最戻り位置以外の位置から駆動時最戻り位置に戻るまでのタイムラグを生じさせることなく、一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、可動役物が駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を即座に実行することが可能となる。すなわち、本変形例によれば、一連の動作を実行している期間の中に、タイムラグを生じさせることなく当該一連の動作を終了させることのできる期間を含めることが可能となる。
具体的には、例えば、上記実施形態及び上記各変形例において、一連の上下移動動作には、演出用可動役物170が駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)で待機する動作待機期間が含まれる構成としてもよい。この構成の効果について説明する。一連の上下移動動作に演出用可動役物170が駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)で待機する動作待機期間が含まれる構成とし、当該動作待機期間において上下移動動作終了条件が成立したか否かを繰り返し判定する構成とすれば、当該動作待機期間において上下移動動作終了条件が成立した場合には、演出用可動役物170が駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)以外の位置から駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)に戻るまでのタイムラグを生じさせることなく、一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、演出用可動役物170が駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)に位置していることを前提とした次の制御を即座に実行することが可能となる。すなわち、本変形例によれば、一連の上下移動動作を実行している期間の中に、タイムラグを生じさせることなく当該一連の上下移動動作を終了させることのできる期間を含めることが可能となる。
《7-8-4》変形例4:
上記実施形態及び上記各変形例において、可動役物は、遊技球に接し得る位置に配置されている構成としてもよい。この構成によれば、可動役物は、遊技球の挙動に変化を与え得ることになる。そして、本変形例では、上記実施形態と同様に、動作終了条件が成立した場合には、一連の動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、動作終了条件を成立させてから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、遊技者は、動作終了条件を成立させて可動役物の次の制御を開始させるタイミングを、遊技領域を流通する遊技球の位置や速度に応じて決定し、遊技者が意図した挙動の変化を遊技球に与えることが可能となる。このように、本変形例によれば、動作終了条件を成立させるタイミングを図り、可動役物の動作によって遊技球の挙動に変化を与えるといった、斬新な遊技を実現することが可能となる。
具体的には、例えば、上記実施形態及び上記各変形例において、演出用可動役物170は、遊技球に接し得る位置に配置されている構成としてもよい。この構成によれば、演出用可動役物170は、遊技球の挙動に変化を与え得ることになる。そして、本変形例では、上記実施形態と同様に、上下移動動作終了条件が成立した場合には、一連の上下移動動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の上下移動動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、上下移動動作終了条件を成立させてから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、遊技者は、上下移動動作終了条件を成立させて演出用可動役物170の次の制御を開始させるタイミングを、遊技領域PAを流通する遊技球の位置や速度に応じて決定し、遊技者が意図した挙動の変化を遊技球に与えることが可能となる。このように、本変形例によれば、上下移動動作終了条件を成立させるタイミングを図り、演出用可動役物170の動作によって遊技球の挙動に変化を与えるといった、斬新な遊技を実現することが可能となる。
《7-8-5》変形例5:
上記実施形態及び上記各変形例において、可動役物を複数備える構成とし、設定された一の設定情報に基づいて複数の可動役物に一連の動作を行なわせる構成としてもよい。この構成によれば、一連の動作が規定された設定情報を、一度、所定の記憶部から読み出して実行用の領域に格納すれば、複数の可動役物に当該一連の動作を実行させることができるので、複数の可動役物のそれぞれに一の単一動作を実行させる毎に当該一の単一動作に対応した動作情報を所定の記憶部から読み出して実行用の領域に格納するといった膨大な数の処理を省略することができる。この結果、本変形例によれば、遊技機の処理負荷を低減することができるとともに、複数の可動役物を用いた様々な演出を実現することが可能となる。
具体的には、例えば、上記実施形態及び上記各変形例において、演出用可動役物170を複数備える構成とし、設定された一の駆動シナリオ93c1に基づいて複数の演出用可動役物170に一連の上下移動動作を行なわせる構成としてもよい。この構成によれば、一連の上下移動動作が規定された駆動シナリオ93c1を、一度、所定の記憶部から読み出して実行用の領域に格納すれば、複数の演出用可動役物170に当該一連の上下移動動作を実行させることができるので、複数の演出用可動役物170のそれぞれに一の単一動作を実行させる毎に当該一の単一動作に対応した動作情報を所定の記憶部から読み出して実行用の領域に格納するといった膨大な数の処理を省略することができる。この結果、本変形例によれば、遊技機の処理負荷を低減することができるとともに、複数の演出用可動役物170を用いた様々な演出を実現することが可能となる。
《7-8-6》変形例6:
上記実施形態及び上記各変形例において、可動役物を複数備える構成とし、複数の可動役物のそれぞれに対して戻り動作を実行させた場合に、動作終了条件が成立しているか否かを判定する構成としてもよい。この構成によれば、動作終了条件が成立していると判定したタイミングにおいては、少なくとも、当該動作終了条件が成立していると判定した一の可動役物は、駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置した状態となる。したがって、当該一の可動役物以外の他の可動役物がそれぞれの駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置していれば、当該一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の動作の終了後に、複数の可動役物のそれぞれが駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
具体的には、例えば、上記実施形態及び上記各変形例において、演出用可動役物170を複数備える構成とし、複数の演出用可動役物170のそれぞれに対して上昇動作を実行させた場合に、上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定する構成としてもよい。この構成によれば、上下移動動作終了条件が成立していると判定したタイミングにおいては、少なくとも、当該上下移動動作終了条件が成立していると判定した一の演出用可動役物170は、駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)またはその近傍に位置した状態となる。したがって、当該一の演出用可動役物170以外の他の演出用可動役物170がそれぞれの駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)またはその近傍に位置していれば、当該一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の上下移動動作の終了後に、複数の演出用可動役物170のそれぞれが駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)またはその近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
《7-8-7》変形例7:
上記実施形態及び上記各変形例において、可動役物を複数備える構成とし、複数の可動役物のそれぞれに対して駆動時最大変位位置側に駆動させる制御を実行した場合には、動作終了条件が成立しているか否かを判定しない構成としてもよい。この構成によれば、複数の可動役物のそれぞれが駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置することを前提とした次の制御を、一連の動作の動作終了条件が成立した後に最速で実行可能になるという利点を維持しつつ、制御を簡易化して遊技機の処理負荷を低減することができる。以下、具体的に説明する。
仮に、複数の可動役物のそれぞれに対して駆動時最大変位位置側に駆動させる制御を実行した場合に動作終了条件が成立しているか否かを判定する構成を採用し、複数の可動役物のそれぞれが駆動時最大変位位置側に駆動している状態で動作終了条件が成立したと判定したとしても、当該動作終了条件が成立したと判定した一の可動役物が駆動時最大変位位置側に位置している状態では、当該一の可動役物が駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置することを前提とした次の制御を実行することができないので、当該次の制御の開始を当該一の可動役物が駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に戻るまで待つことになる。したがって、複数の可動役物のそれぞれに対して駆動時最大変位位置側に駆動させる制御を実行した場合に動作終了条件が成立ているか否かを判定した利点がないにもかかわらず、制御が複雑になり、遊技機の処理負荷が増大することになる。また、仮に、当該一の可動役物が駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置することを前提とした次の制御を、当該一の可動役物が駆動時最大変位位置側に駆動している途中で当該駆動を停止させて実行した場合には、当該一の可動役物の動作が不自然になり、遊技者に違和感や不快感を抱かせてしまうおそれがある。
これに対して、本変形例によれば、複数の可動役物のそれぞれに対して駆動時最大変位位置側に駆動させる制御を実行した場合には、動作終了条件が成立しているか否かを判定しないので、複数の可動役物のそれぞれが駆動時最戻り位置または駆動時最戻り位置の近傍に位置することを前提とした次の制御を、一連の動作の動作終了条件が成立した後に最速で実行可能になるという利点を維持しつつ、制御を簡易化して遊技機の処理負荷を低減することができる。さらに、本変形例によれば、動作終了条件が成立したと判定した一の可動役物の動作が不自然になり、遊技者に違和感や不快感を抱かせてしまうといった事態の発生を回避することができる。
具体的には、例えば、上記実施形態及び上記各変形例において、演出用可動役物170を複数備える構成とし、複数の演出用可動役物170のそれぞれに対して最下点位置側に駆動させる制御を実行した場合には、上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定しない構成としてもよい。この構成によれば、複数の演出用可動役物170のそれぞれが駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)またはその近傍に位置することを前提とした次の制御を、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立した後に最速で実行可能になるという利点を維持しつつ、制御を簡易化して遊技機の処理負荷を低減することができる。以下、具体的に説明する。
仮に、複数の演出用可動役物170のそれぞれに対して最下点位置側に駆動させる制御を実行した場合に上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定する構成を採用し、複数の演出用可動役物170のそれぞれが最下点位置側に駆動している状態で上下移動動作終了条件が成立したと判定したとしても、当該上下移動動作終了条件が成立したと判定した一の演出用可動役物170が最下点位置側に位置している状態では、当該一の演出用可動役物170が駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)またはその近傍に位置することを前提とした次の制御を実行することができないので、当該次の制御の開始を当該一の演出用可動役物170が駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)またはその近傍に戻るまで待つことになる。したがって、複数の演出用可動役物170のそれぞれに対して最下点位置側に駆動させる制御を実行した場合に上下移動動作終了条件が成立ているか否かを判定した利点がないにもかかわらず、制御が複雑になり、遊技機の処理負荷が増大することになる。また、仮に、当該一の演出用可動役物170が駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)またはその近傍に位置することを前提とした次の制御を、当該一の演出用可動役物170が最下点位置側に駆動している途中で当該駆動を停止させて実行した場合には、当該一の演出用可動役物170の動作が不自然になり、遊技者に違和感や不快感を抱かせてしまうおそれがある。
これに対して、本変形例によれば、複数の演出用可動役物170のそれぞれに対して最下点位置側に駆動させる制御を実行した場合には、上下移動動作終了条件が成立しているか否かを判定しないので、複数の演出用可動役物170のそれぞれが駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)またはその近傍に位置することを前提とした次の制御を、一連の上下移動動作の上下移動動作終了条件が成立した後に最速で実行可能になるという利点を維持しつつ、制御を簡易化して遊技機の処理負荷を低減することができる。さらに、本変形例によれば、上下移動動作終了条件が成立したと判定した一の演出用可動役物170の動作が不自然になり、遊技者に違和感や不快感を抱かせてしまうといった事態の発生を回避することができる。
《7-8-8》変形例8:
上記実施形態及び上記各変形例において、可動役物を複数備える構成とし、複数の可動役物のうちの一の可動役物が駆動時最大変位位置側に制御されている期間は、複数の可動役物のうちの他の可動役物が駆動時最戻り位置に位置するように制御する構成としてもよい。この構成によれば、複数の可動役物のうちの一の可動役物と他の可動役物のいずれもが駆動時最大変位位置側に制御されているといった状況が発生しない。したがって、一の可動役物が駆動時最大変位位置側から駆動時最戻り位置に戻った際に動作終了条件が成立したと判定した状況であるにもかかわらず、他の可動役物が駆動時最大変位位置側に制御されており、当該他の可動役物が駆動時最戻り位置に戻るまで一連の動作を終了させることができないといったことを回避することが可能となる。
具体的には、例えば、上記実施形態及び上記各変形例において、演出用可動役物170を複数備える構成とし、複数の演出用可動役物170のうちの一の演出用可動役物170が最下点位置側に制御されている期間は、複数の演出用可動役物170のうちの他の演出用可動役物170が駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)に位置するように制御する構成としてもよい。この構成によれば、複数の演出用可動役物170のうちの一の演出用可動役物170と他の演出用可動役物170のいずれもが最下点位置側に制御されているといった状況が発生しない。したがって、一の演出用可動役物170が最下点位置側から駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)に戻った際に上下移動動作終了条件が成立したと判定した状況であるにもかかわらず、他の演出用可動役物170が最下点位置側に制御されており、当該他の演出用可動役物170が駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)に戻るまで一連の上下移動動作を終了させることができないといったことを回避することが可能となる。
《7-8-9》変形例9:
上記実施形態及び上記各変形例において、可動役物を複数備える構成とし、複数の可動役物のうちの一の可動役物が駆動時最大変位位置側から駆動時最戻り位置に戻った後、所定のインターバル期間の経過後に、複数の可動役物のうちの他の可動役物を駆動時最戻り位置から駆動時最大変位位置側に制御する構成としてもよい。この構成によれば、一の可動役物が駆動時最戻り位置に戻った後の所定のインターバル期間においては、複数の可動役物の全てが駆動時最戻り位置に位置することになる。この構成の効果について説明する。当該所定のインターバル期間において動作終了条件が成立したか否かを繰り返し判定する構成とすれば、当該所定のインターバル期間において動作終了条件が成立した場合には、複数の可動役物の全てが駆動時最戻り位置に位置しているため、いくつかの可動役物が駆動時最戻り位置以外の位置から駆動時最戻り位置に戻るまでのタイムラグを生じさせることなく、一連の動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、複数の可動役物の全てが駆動時最戻り位置に位置していることを前提とした次の制御を即座に実行することが可能となる。すなわち、本変形例によれば、一連の動作を実行している期間の中に、タイムラグを生じさせることなく当該一連の動作を終了させることのできる期間を含めることが可能となる。
具体的には、例えば、上記実施形態及び上記各変形例において、演出用可動役物170を複数備える構成とし、複数の演出用可動役物170のうちの一の演出用可動役物170が最下点位置側から駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)に戻った後、所定のインターバル期間の経過後に、複数の演出用可動役物170のうちの他の演出用可動役物170を駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)から最下点位置側に制御する構成としてもよい。この構成によれば、一の演出用可動役物170が駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)に戻った後の所定のインターバル期間においては、複数の演出用可動役物170の全てが駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)に位置することになる。この構成の効果について説明する。当該所定のインターバル期間において上下移動動作終了条件が成立したか否かを繰り返し判定する構成とすれば、当該所定のインターバル期間において上下移動動作終了条件が成立した場合には、複数の演出用可動役物170の全てが駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)に位置しているため、いくつかの演出用可動役物170が駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)以外の位置から駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)に戻るまでのタイムラグを生じさせることなく、一連の上下移動動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、複数の演出用可動役物170の全てが駆動時最戻り位置でもある原点位置(またはW位置)に位置していることを前提とした次の制御を即座に実行することが可能となる。すなわち、本変形例によれば、一連の上下移動動作を実行している期間の中に、タイムラグを生じさせることなく当該一連の上下移動動作を終了させることのできる期間を含めることが可能となる。
《7-8-10》変形例10:
上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える外枠は、木製に限らず、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える内枠は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える前扉枠は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機には、内枠を外枠に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠する機能とを有するシリンダ錠が設けられているが、このシリンダ錠が省略された構成を採用した上で、内枠を外枠に対して開放不能に施錠する機能を有する第1シリンダ錠と、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠する機能を有する第2シリンダ錠とが別々に設けられた構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、内枠を外枠に対して回動させる回動軸が正面視左側に設けられている構成を採用したが、この回動軸が正面視右側に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、前扉枠を内枠に対して回動させる回動軸が正面視左側に設けられている構成を採用したが、この回動軸が正面視右側に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える遊技盤は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機は上皿と下皿とを備える構成を採用したが、下皿が省略され、上皿のみを備える構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、正面視右側に操作ハンドルが設けられている構成を採用したが、正面視左側に操作ハンドルが設けられている構成を採用してもよい。また、操作ハンドルが正面視右側と正面視左側の両方に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、遊技者が操作ハンドルを握っているか否か(遊技者の手が操作ハンドルに接触しているか否か)を検出可能なタッチセンサーが操作ハンドルに設けられている構成を採用したが、このタッチセンサーが省略された構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、遊技球を発射可能な発射手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、バネ等の弾性力を利用して遊技球を発射させる構成や、圧縮気体が噴出する際の風圧を利用して遊技球を発射させる構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、操作ハンドルが右回りに所定量回動操作された状態においては、1分間に100発程度の遊技球が発射されるように構成されているが、1分間に100発未満(例えば60発)の遊技球が発射される構成であってもよく、また、1分間に100発以上(例えば200発)の遊技球が発射される構成であってもよい。また、レバーを弾くことによって遊技球を1発ずつ発射させる構成としてもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、音声を出力可能な手段としてスピーカーを備える構成を採用したが、スピーカーに加えて又はスピーカーに代えてイヤホンジャックを備える構成を採用してもよい。この構成によれば、遊技者は、自身が持参したイヤホンやヘッドホンを当該イヤホンジャックに接続することによって、周囲のパチンコ機の音声に邪魔されずに、自身が遊技中のパチンコ機の音声を存分に楽しむことが可能となる。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種始動口に遊技球が入球したことに基づいて変動表示を開始する特別図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、LEDランプや、LED表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、ハロゲンランプ等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種ゲートを遊技球が通過したことに基づいて変動表示を開始する普通図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、LEDランプや、LED表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、ハロゲンランプ等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種の装飾図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、液晶表示装置や、有機EL表示装置、LED表示装置、ドラム回転式表示装置、導光板、三次元ホログラム表示装置等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、装飾図柄としては、数字に限らず、種々の文字や図形、記号、絵柄等及びこれらの組み合わせを採用することができる。例えば、装飾図柄として、アルファベットや、ギリシャ文字、平仮名、カタカナ、漢字、各種キャラクター等及びこれらの組み合わせを採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、装飾図柄がスクロールする図柄列の数は3つに限らず、例えば、2つ以下であってもよく、4つ以上であってもよい。そして、装飾図柄の図柄列が1つである構成を採用した場合には、例えば、特定の装飾図柄(例えば「7」)が停止した場合に大当たりに当選となる構成としてもよい。また、装飾図柄の列が2つ又は4つ以上である構成を採用した場合には、例えば、特定のラインに同一の装飾図柄が停止した場合に大当たりに当選となる構成としてもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、特別電動役物としては、種々の構成を採用することができ、例えば、板状部材の下方に略水平方向に延びる回動軸が設けられ、当該回動軸を中心として当該板状部材が前方側に回動することによって大入賞口を開放可能な構成や、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材によって大入賞口を開閉する構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、普通電動役物としては、種々の構成を採用することができ、例えば、一対の可動弁が左右に開放可能な所謂チューリップ型普通電動役物や、板状部材の下方に略水平方向に延びる回動軸が設けられ、当該回動軸を中心として当該板状部材が前方側に回動することによって始動口を開放可能な構成、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材によって始動口を開閉する構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各入球口(始動口や一般入賞口、大入賞口等)に設定されている賞球数は例示であり、各入球口に設定される賞球数を適宜変更することによって、スペックの異なる複数種類のパチンコ機を実現することが可能である。
《7-8-11》変形例11:
上記実施形態およびその変形例では、パチンコ機10は、主制御装置60、音声発光制御装置90、表示制御装置100といった3つの制御装置を備える構成としたが、これに換えて、主制御装置と副制御装置といった2つの制御装置を備える構成としても良い。副制御装置では、上記実施形態において音声発光制御装置90と表示制御装置100とにおいて実行される各種処理を実行する構成とすれば良い。また、上記実施形態およびその変形例において、3つの制御装置60,90,100のそれぞれで実行される各種処理は、上記実施形態で説明した区分けに限る必要はなく、3つの制御装置60,90,100の全体として、上記実施形態における各種の処理が実行できれば良い。
《7-9》他の構成への適用:
上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると特別電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態及び上記各変形例においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
《7-10》上記実施形態及び上記各変形例等から抽出される発明群について:
以下、上述した実施形態及び各変形例から抽出される発明群の特徴(特徴群)について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態又は上記各変形例において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴dA群>
特徴dA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴dA1]
遊技領域(遊技領域PA)に設けられた入球手段(入球部/第1特図始動口33、第2特図始動口34)と、
前記入球手段に遊技球が入球した場合に当否抽選(内部抽選/第1特図抽選、第2特図抽選)を行なう当否抽選手段(抽選処理/特図抽選を実行する処理)と、
前記当否抽選手段の前記当否抽選の抽選結果に応じて表示手段(表示部/図柄表示装置41)で実行する一の特定演出(所定演出/特図変動演出を構成する表示演出)を複数の演出表示態様の中から決定して実行する表示制御手段(表示制御処理/表示演出パターンを決定して実行する処理)と、
前記遊技領域に設けられ、前記表示手段における前記特定演出の表示中に動作する可動手段(可動役物/演出用可動役物170)の一の動作態様(動作パターン/役物動作パターン)を複数の中から決定して実行する可動制御手段(可動制御処理/役物動作パターンを決定して実行する処理)と、
を備える遊技機であって、
前記可動制御手段は、所定の作動条件(所定の開始条件/役物連動バトル演出の開始条件)の成立に基づいて、前記複数の中から決定された一の前記動作態様(動作パターン/役物動作パターン)に対応して設定された特定情報(設定情報/駆動シナリオ93c1)に基づいて前記可動手段に一連の特定動作(一連の動作/一連の上下移動動作)を行なわせるものであり、
前記可動手段は、前記一連の特定動作において初期位置(非駆動時初期位置/原点位置)側である第1位置(駆動時最戻り位置/原点位置(実施形態)、W位置(変形例))と、最も駆動された位置である第2位置(駆動時最大変位位置/最下点位置)との間で駆動制御され、
前記一連の特定動作は、前記可動手段を前記第1位置または前記第1位置の近傍に位置させる所定動作(戻り動作/上昇動作)を複数回実行するように構成され、
前記可動制御手段は、
前記所定動作を実行した場合に、当該一連の特定動作の終了条件(動作終了条件/上下移動動作終了条件)が成立しているか否かを判定する判定手段(判定処理/上下移動動作終了条件を判定する処理)と、
前記判定手段に基づいて前記終了条件が成立していると判定された場合に、前記第1位置または前記第1位置の近傍に位置する前記可動手段を停止させて前記一連の特定動作を終了する終了手段(終了処理/上下移動動作を終了する処理)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、遊技領域に設けられた入球手段に遊技球が入球した場合に当否抽選を実行し、当否抽選の抽選結果に応じて表示手段で実行する一の特定演出を複数の演出表示態様の中から決定して実行可能であり、遊技領域に設けられ、表示手段における特定演出の表示中に動作する可動手段の一の動作態様を複数の中から決定して実行可能である。
そして、本特徴によれば、所定の作動条件の成立に基づいて、複数の中から決定された一の動作態様に対応して設定された特定情報に基づいて可動手段に一連の特定動作を行なわせる。したがって、本特徴によれば、一連の特定動作が規定された特定情報を、一度、所定の記憶部から読み出して実行用の領域に格納すれば、当該一連の特定動作が実行されるので、可動手段に一の単一動作を実行させる毎に当該一の単一動作に対応した動作情報を所定の記憶部から読み出して実行用の領域に格納するといった膨大な数の処理を省略することができるので、遊技機の処理負荷を低減することができる。
さらに、本特徴によれば、可動手段は、一連の特定動作において初期位置側である第1位置と、最も駆動された位置である第2位置との間で駆動制御され、一連の特定動作は、可動手段を第1位置または第1位置の近傍に位置させる所定動作を複数回実行するように構成されており、所定動作を実行した場合に、一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定し、終了条件が成立していると判定された場合に、第1位置または第1位置の近傍に位置する可動手段を停止させて一連の特定動作を終了する。したがって、本特徴によれば、当該一連の特定動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、可動手段が第1位置または第1位置の近傍に位置した状態で当該一連の特定動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の特定動作の終了後に、可動手段が第1位置または第1位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
ここで、仮に、本特徴とは異なり、一連の特定動作の終了条件の成立を任意のタイミングで判定し、終了条件が成立したと判定された任意のタイミングで一連の特定動作を強制的に終了させる構成を採用した場合には、可動手段が第1位置と第2位置との間で毎回異なる位置で停止することになる。この結果、例えば、一連の特定動作の終了後に次の制御を開始する場合に、当該次の制御の開始のタイミングにおける可動手段の位置が毎回異なることになる。したがって、一連の特定動作の終了後に、可動手段が第1位置または第1位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
これに対して、本特徴によれば、上述したように、所定動作を実行した場合に、一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定し、終了条件が成立していると判定された場合に、第1位置または第1位置の近傍に位置する可動手段を停止させて一連の特定動作を終了する。この結果、一連の特定動作の終了時には、可動手段は第1位置または第1位置の近傍に位置することになる。したがって、一連の特定動作の終了後に、可動手段が第1位置または第1位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
このように、本特徴によれば、遊技機の処理負荷を低減しつつ、一連の特定動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、可動手段を第1位置または第1位置の近傍に位置させた状態で当該一連の特定動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の特定動作の終了後に、可動手段が第1位置または第1位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
[特徴dA2]
特徴dA1に記載の遊技機であって、
前記一連の特定動作を実行する期間として、第1の期間(短動作期間/演出操作ボタン24が押下された場合の実行期間)と、前記第1の期間よりも長い第2の期間(長動作期間/演出操作ボタン24が押下されなかった場合の実行期間)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、一連の特定動作を実行する期間として、第1の期間と、第1の期間よりも長い第2の期間と、を備える。すなわち、一連の特定動作が第1の期間の長さで終了する場合と、第2の期間の長さで終了する場合とがあり、換言すれば、本特徴によれば、一連の特定動作を終了させるタイミングが複数存在するので、一連の特定動作を終了させるタイミングが複数存在しない構成と比較して、上記特徴dA1の効果をより一層発揮させることができる。以下、具体的に説明する。
ここで、仮に、一連の特定動作を終了させるタイミングが複数存在しない構成を採用した場合、例えば、一連の特定動作を終了させるタイミングが当該一連の特定動作の開始から所定期間の経過時に固定されている場合には、一連の特定動作の実行中に終了条件が成立しているか否かを頻繁に判定する必要はなく、当該所定期間の経過時に一連の特定動作を終了させればよい。さらに、当該所定期間の経過時に可動手段が所定の位置に存在しているように一連の特定動作を規定する特定情報の内容をあらかじめ調整して設定しておけば、一連の特定動作の終了時における可動手段の位置が不定となってしまうといったこともない。
しかしながら、本特徴によれば、一連の特定動作を終了させるタイミングが複数存在する、すなわち、当該タイミングが不定であるので、上述したように、一連の特定動作の開始から所定期間の経過時に可動手段が所定の位置に存在しているように一連の特定動作を規定する特定情報の内容をあらかじめ調整して設定しておくといった対策をしても有効ではなく、さらに、一連の特定動作を終了させるタイミングが不定であるので、一連の特定動作の終了時における可動手段の位置が不定となってしまい、当該一連の特定動作の終了後に、可動手段が第1位置または第1位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
そこで、上記特徴dA1に従属する本特徴によれば、可動手段を第1位置または第1位置の近傍に位置させる所定動作を実行した場合に、一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定し、終了条件が成立していると判定された場合に、第1位置または第1位置の近傍に位置する可動手段を停止させて一連の特定動作を終了する。したがって、本特徴によれば、一連の特定動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、可動手段を第1位置または第1位置の近傍に位置させた状態で当該一連の特定動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の特定動作の終了後に、可動手段が第1位置または第1位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
[特徴dA3]
特徴dA1または特徴dA2に記載の遊技機であって、
前記可動手段が前記第2位置側に制御されている期間として、第1の制御期間(短制御期間/初期位置とA位置との間を往復する期間)と、前記第1の制御期間よりも長い第2の制御期間(長制御期間/初期位置とB位置との間を往復する期間)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、可動手段が第2位置側に制御されている期間として、第1の制御期間と、第1の制御期間よりも長い第2の制御期間と、を備えるので、可動手段が第1位置に戻るまでに第1の制御期間を要する場合と、第1の制御期間よりも長い第2の制御期間を要する場合とがある。本特徴によれば、可動手段が第2位置側に制御されている期間として、第1の制御期間よりも長い第2の制御期間を要した場合であっても、その後に必ず当該一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定するので、終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることが可能となる。
[特徴dA4]
特徴dA1から特徴dA3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記一連の特定動作を終了した後に実行される制御として、第1の制御(第1制御/演出用可動役物170に一連の落下・拡大・回転・縮小・上昇動作を実行させる制御)と、前記第1の制御とは異なる第2の制御(第2制御/演出用可動役物170に待機動作を実行させる制御)と、を実行可能であり、前記一連の特定動作を終了した後に実行される制御が前記第1の制御と前記第2の制御とのいずれの場合であっても、前記可動手段を前記第1位置または前記第1位置の近傍に位置させた状態で実行される
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、一連の特定動作を終了した後に実行される制御として、第1の制御と、第1の制御とは異なる第2の制御と、を実行可能であり、一連の特定動作を終了した後に実行される制御が第1の制御と第2の制御とのいずれの場合であっても、可動手段を第1位置または第1位置の近傍に位置させた状態で実行される。そして、上記特徴dA1に従属する本特徴では、可動手段は、終了条件が成立したことによって一連の特定動作を終了した場合には、当該一連の特定動作を終了した時点において、第1位置または第1位置の近傍に位置している。したがって、一連の特定動作を終了した後に、可動手段が第1位置または第1位置の近傍に位置しておらずに第1の制御または第2の制御といった次の制御を実行することができないといった不具合の発生を回避することが可能となる。
[特徴dA5]
特徴dA1から特徴dA4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記一連の特定動作の前記終了条件の成立タイミングは、遊技者の所定の遊技操作(遊技用操作/演出操作ボタン24の押下操作)に基づいて変化し得る
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、一連の特定動作の終了条件の成立タイミングは、遊技者の所定の遊技操作に基づいて変化し得るので、一連の特定動作の終了条件の成立タイミングが変化しない構成と比較して、上記特徴dA1の効果をより一層発揮させることができる。以下、具体的に説明する。
ここで、仮に、一連の特定動作の終了条件の成立タイミングが変化しない構成を採用した場合、例えば、一連の特定動作を終了させるタイミングが当該一連の特定動作の開始から所定期間の経過時に固定されている場合には、一連の特定動作の実行中に終了条件が成立しているか否かを頻繁に判定する必要はなく、当該所定期間の経過時に一連の特定動作を終了させればよい。さらに、当該所定期間の経過時に可動手段が所定の位置に存在しているように一連の特定動作を規定する特定情報の内容をあらかじめ調整して設定しておけば、一連の特定動作の終了時における可動手段の位置が不定となってしまうといったこともない。
しかしながら、本特徴によれば、一連の特定動作の終了条件の成立タイミングが遊技者の所定の遊技操作に基づいて変化し得るので、上述したように、一連の特定動作の開始から所定期間の経過時に可動手段が所定の位置に存在しているように一連の特定動作を規定する特定情報の内容をあらかじめ調整して設定しておくといった対策をしても有効ではなく、さらに、一連の特定動作の終了条件の成立タイミングが遊技者の所定の遊技操作に基づいて変化し得るので、一連の特定動作の終了時における可動手段の位置が不定となってしまい、当該一連の特定動作の終了後に、可動手段が第1位置または第1位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することができないといった課題が生じ得る。
そこで、上記特徴dA1に従属する本特徴によれば、可動手段を第1位置または第1位置の近傍に位置させる所定動作を実行した場合に、一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定し、終了条件が成立していると判定された場合に、第1位置または第1位置の近傍に位置する可動手段を停止させて一連の特定動作を終了する。したがって、本特徴によれば、一連の特定動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、可動手段を第1位置または第1位置の近傍に位置させた状態で当該一連の特定動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の特定動作の終了後に、可動手段が第1位置または第1位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
[特徴dA6]
特徴dA1から特徴dA5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記一連の特定動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、前記可動手段とは異なる制御対象(表示部/図柄表示装置41)が含まれる
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、一連の特定動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、可動手段とは異なる制御対象が含まれるので、一連の特定動作を終了した後に可動手段に対して実行される制御と、当該異なる制御対象によって実行される制御とのタイムラグを低減することが可能となる。
[特徴dA7]
特徴dA1から特徴dA6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記可動制御手段は、前記可動手段を前記第2位置側に駆動させる制御を実行した場合には、前記終了条件が成立しているか否かを判定しない
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、可動制御手段は、可動手段を第2位置側に駆動させる制御を実行した場合には、一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定しないので、可動手段が第1位置または第1位置の近傍に位置することを前提とした次の制御を、一連の特定動作の終了条件が成立した後に最速で実行可能になるという利点を維持しつつ、制御を簡易化して遊技機の処理負荷を低減することができる。以下、具体的に説明する。
仮に、可動手段を第2位置側に駆動させる制御を実行した場合に一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定する構成を採用し、可動手段が第2位置側に駆動している状態で終了条件が成立したと判定したとしても、可動手段が第2位置側に位置している状態では、可動手段が第1位置または第1位置の近傍に位置することを前提とした次の制御を実行することができないので、当該次の制御の開始を可動手段が第1位置または第1位置の近傍に戻るまで待つことになる。したがって、可動手段を第2位置側に駆動させる制御を実行した場合に終了条件が成立ているか否かを判定した利点がないにもかかわらず、制御が複雑になり、遊技機の処理負荷が増大することになる。また、仮に、可動手段が第1位置または第1位置の近傍に位置することを前提とした次の制御を、可動手段が第2位置側に駆動している途中で当該駆動を停止させて実行した場合には、可動手段の動作が不自然になり、遊技者に違和感や不快感を抱かせてしまうおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、可動制御手段は、可動手段を第2位置側に駆動させる制御を実行した場合には、一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定しないので、可動手段が第1位置または第1位置の近傍に位置することを前提とした次の制御を、一連の特定動作の終了条件が成立した後に最速で実行可能になるという利点を維持しつつ、制御を簡易化して遊技機の処理負荷を低減することができる。さらに、本特徴によれば、可動手段の動作が不自然になり、遊技者に違和感や不快感を抱かせてしまうといった事態の発生を回避することができる。
[特徴dA8]
特徴dA1から特徴dA7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記一連の特定動作において前記可動手段を前記初期位置側に戻した位置は、前記初期位置と同じ位置である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、一連の特定動作において可動手段を初期位置側に戻した位置は、初期位置と同じ位置であるので、可動手段は、一連の特定動作において、初期位置側に戻る場合には、初期位置に戻ることになる。そして、一連の特定動作において可動手段が初期位置に戻る毎に、当該一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定し、終了条件が成立していると判定された場合に、初期位置に位置する可動手段を停止させて一連の特定動作を終了する。したがって、本特徴によれば、一連の特定動作の終了後に実行する次の制御の内容を、可動手段が初期位置に位置することを前提とした内容に統一することが可能となる。この結果、当該次の制御の内容として、可動手段が初期位置以外に位置することを前提とした制御を用意する必要がなくなるので、制御の簡易化を図ることができる。
[特徴dA9]
特徴dA1から特徴dA8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定の作動条件の成立後、前記一連の特定動作の開始前に、前記可動手段が前記初期位置から駆動されない非駆動期間(開始前非駆動期間)が存在する
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定の作動条件の成立後、一連の特定動作の開始前に、可動手段が初期位置から駆動されない非駆動期間が存在する。この構成の効果について説明する。
ここで、仮に、本特徴とは異なり、一連の特定動作の開始前に可動手段が初期位置から駆動されない非駆動期間が存在しない構成を採用した場合について説明する。一般に、ボタン受付有効期間が開始された直後に演出操作ボタンを押下する遊技者が一定数存在する。このような遊技者が、ボタン受付有効期間が開始された直後、すなわち、一連の特定動作が開始された直後に演出操作ボタンを押下し、終了条件を成立させた場合には、既に可動手段が駆動を開始した直後であるため、可動手段が再び第1位置に戻るまでに時間を要することになってしまい、次の制御を開始するまでのタイムラグが大きくなってしまう。このため、ボタン受付有効期間が開始された直後に演出操作ボタンを押下する遊技者は、演出操作ボタンを押下する爽快感を感じることができなくなってしまうといった課題が生じ得る。
そこで、本特徴のように、一連の特定動作の開始前に、可動手段が初期位置から駆動されない非駆動期間が存在する構成とするとともに、当該非駆動期間の開始時からボタン受付有効期間を開始する構成とすることにより、ボタン受付有効期間が開始された直後に遊技者が演出操作ボタンを押下した場合に、可動手段が駆動して初期位置から移動する前に、可動手段が初期位置に位置していることを前提とした次の制御を速やかに実行することが可能となる。したがって、本特徴によれば、遊技者がボタン受付有効期間が開始された直後に演出操作ボタンを押下した場合に、次の制御を開始するまでのタイムラグが大きくなってしまうことを回避することができるので、ボタン受付有効期間が開始された直後に演出操作ボタンを押下する遊技者に対して、演出操作ボタンを押下する爽快感を提供することが可能となる。
[特徴dA10]
特徴dA1から特徴dA9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記一連の特定動作には、前記可動手段が前記第1位置で待機する待機期間(動作待機期間)が含まれる
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、一連の特定動作には、可動手段が第1位置で待機する待機期間が含まれる。この構成の効果について説明する。一連の特定動作に可動手段が第1位置で待機する待機期間が含まれる構成とし、当該待機期間において終了条件が成立したか否かを繰り返し判定する構成とすれば、当該待機期間において終了条件が成立した場合には、可動手段が第1位置以外の位置から第1位置に戻るまでのタイムラグを生じさせることなく、一連の特定動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、可動手段が第1位置に位置していることを前提とした次の制御を即座に実行することが可能となる。すなわち、本特徴によれば、一連の特定動作を実行している期間の中に、タイムラグを生じさせることなく当該一連の特定動作を終了させることのできる期間を含めることが可能となる。
[特徴dA11]
特徴dA1から特徴dA10のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記可動手段は、遊技球に接し得る位置に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、可動手段は、遊技球に接し得る位置に配置されているので、可動手段は、遊技球の挙動に変化を与え得ることになる。そして、上記特徴dA1に従属する本特徴では、終了条件が成立した場合には、一連の特定動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の特定動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の特定動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、終了条件を成立させてから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、遊技者は、終了条件を成立させて可動手段の次の制御を開始させるタイミングを、遊技領域を流通する遊技球の位置や速度に応じて決定し、遊技者が意図した挙動の変化を遊技球に与えることが可能となる。このように、本特徴によれば、終了条件を成立させるタイミングを図り、可動手段の動作によって遊技球の挙動に変化を与えるといった、斬新な遊技を実現することが可能となる。
[特徴dA12]
特徴dA1から特徴dA11のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記可動手段は、透明または半透明の部材を含んで構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、可動手段は、透明または半透明の部材を含んで構成されているので、遊技者は、可動手段の裏側に位置する表示手段に表示される画像を可動手段を通して視認することが可能となる。この効果の詳細について説明する。表示手段は、終了条件が成立したことに対応する画像を、終了条件の成立に基づいて遅滞なく表示することができる。そして、上記特徴dA1に従属する本特徴によれば、終了条件が成立した場合には、可動手段の一連の特定動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の特定動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の特定動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本特徴によれば、表示手段に表示される画像と可動手段の動作とのタイムラグを短くすることによって、可動手段の動作と連携した画像であって、当該可動手段を通して遊技者に視認させる画像を表示手段に表示させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
[特徴dA13]
特徴dA1から特徴dA12のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記一連の特定動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、画像を表示可能な前記表示手段(表示部/図柄表示装置41)が含まれる
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、一連の特定動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、画像を表示可能な表示手段が含まれる。この構成の効果について説明する。表示手段は、終了条件が成立したことに対応する画像を、終了条件の成立に基づいて遅滞なく表示することができる。そして、上記特徴dA1に従属する本特徴によれば、終了条件が成立した場合には、可動手段の一連の特定動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の特定動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の特定動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本特徴によれば、表示手段に表示される画像と可動手段の動作とのタイムラグを短くすることができるので、可動手段の動作と連携した画像を表示手段に表示させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
[特徴dA14]
特徴dA1から特徴dA13のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記一連の特定動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、音を出力可能な音出力手段(音声出力部/スピーカー46)が含まれる
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、一連の特定動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、音を出力可能な音出力手段が含まれる。この構成の効果について説明する。音出力手段は、終了条件が成立したことに対応する音を、終了条件の成立に基づいて遅滞なく出力することができる。そして、上記特徴dA1に従属する本特徴によれば、終了条件が成立した場合には、可動手段の一連の特定動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の特定動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の特定動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本特徴によれば、音出力手段によって出力される音と可動手段の動作とのタイムラグを短くすることができるので、可動手段の動作と連携した音を音出力手段に出力させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
[特徴dA15]
特徴dA1から特徴dA14のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記一連の特定動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、発光可能な発光手段(発光部/各種ランプ47)が含まれる
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、一連の特定動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、発光可能な発光手段が含まれる。この構成の効果について説明する。発光手段は、終了条件の成立に基づいて遅滞なく、終了条件が成立したことに対応する発光パターンで発光することができる。そして、上記特徴dA1に従属する本特徴によれば、終了条件が成立した場合には、可動手段の一連の特定動作に含まれる全ての動作が完了するのを待つことなく、一連の特定動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、一連の特定動作を終了した後に、次の制御を速やかに実行させることができるので、終了条件が成立してから次の制御を開始するまでのタイムラグを短くすることができる。したがって、本特徴によれば、発光手段による発光と可動手段の動作とのタイムラグを短くすることができるので、可動手段の動作と連携した発光パターンで発光手段に発光させるといった効果的な演出を実現することが可能となる。
[特徴dA16]
特徴dA1から特徴dA15のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記可動手段を複数備え、
前記可動制御手段は、前記設定された一の前記特定情報(設定情報/駆動シナリオ93c1)に基づいて前記複数の可動手段に前記一連の特定動作(一連の動作/一連の上下移動動作)を行なわせるものである
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、可動手段を複数備え、可動制御手段は、設定された一の特定情報に基づいて複数の可動手段に一連の特定動作を行なわせるものである。したがって、一連の特定動作が規定された特定情報を、一度、所定の記憶部から読み出して実行用の領域に格納すれば、複数の可動手段に当該一連の特定動作を実行させることができるので、複数の可動手段のそれぞれに一の単一動作を実行させる毎に当該一の単一動作に対応した動作情報を所定の記憶部から読み出して実行用の領域に格納するといった膨大な数の処理を省略することができる。この結果、本特徴によれば、遊技機の処理負荷を低減することができるとともに、複数の可動手段を用いた様々な演出を実現することが可能となる。
[特徴dA17]
特徴dA1から特徴dA16のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記可動手段を複数備え、
前記可動制御手段は、
前記複数の可動手段のそれぞれに対して前記所定動作を実行させた場合に、前記終了条件(動作終了条件/上下移動動作終了条件)が成立しているか否かを判定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、可動手段を複数備え、複数の可動手段のそれぞれに対して所定動作を実行させた場合に、終了条件が成立しているか否かを判定する手段を備える。したがって、本特徴によれば、終了条件が成立していると判定したタイミングにおいては、少なくとも、当該終了条件が成立していると判定した一の可動手段は、第1位置または第1位置の近傍に位置した状態となる。したがって、当該一の可動手段以外の他の可動手段がそれぞれの第1位置または第1位置の近傍に位置していれば、当該一連の特定動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、当該一連の特定動作の終了後に、複数の可動手段のそれぞれが第1位置または第1位置の近傍に位置していることを前提とした次の制御を実行することが可能となる。
[特徴dA18]
特徴dA1から特徴dA17のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記可動手段を複数備え、
前記可動制御手段は、前記複数の可動手段のそれぞれに対して前記第2位置側に駆動させる制御を実行した場合には、前記終了条件が成立しているか否かを判定しない
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、可動手段を複数備え、可動制御手段は、複数の可動手段のそれぞれに対して第2位置側に駆動させる制御を実行した場合には、終了条件が成立しているか否かを判定しないので、複数の可動手段のそれぞれが第1位置または第1位置の近傍に位置することを前提とした次の制御を、一連の特定動作の終了条件が成立した後に最速で実行可能になるという利点を維持しつつ、制御を簡易化して遊技機の処理負荷を低減することができる。以下、具体的に説明する。
仮に、複数の可動手段のそれぞれに対して第2位置側に駆動させる制御を実行した場合に終了条件が成立しているか否かを判定する構成を採用し、複数の可動手段のそれぞれが第2位置側に駆動している状態で終了条件が成立したと判定したとしても、当該終了条件が成立したと判定した一の可動手段が第2位置側に位置している状態では、当該一の可動手段が第1位置または第1位置の近傍に位置することを前提とした次の制御を実行することができないので、当該次の制御の開始を当該一の可動手段が第1位置または第1位置の近傍に戻るまで待つことになる。したがって、複数の可動手段のそれぞれに対して第2位置側に駆動させる制御を実行した場合に終了条件が成立ているか否かを判定した利点がないにもかかわらず、制御が複雑になり、遊技機の処理負荷が増大することになる。また、仮に、当該一の可動手段が第1位置または第1位置の近傍に位置することを前提とした次の制御を、当該一の可動手段が第2位置側に駆動している途中で当該駆動を停止させて実行した場合には、当該一の可動手段の動作が不自然になり、遊技者に違和感や不快感を抱かせてしまうおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、可動制御手段は、複数の可動手段のそれぞれに対して第2位置側に駆動させる制御を実行した場合には、終了条件が成立しているか否かを判定しないので、複数の可動手段のそれぞれが第1位置または第1位置の近傍に位置することを前提とした次の制御を、一連の特定動作の終了条件が成立した後に最速で実行可能になるという利点を維持しつつ、制御を簡易化して遊技機の処理負荷を低減することができる。さらに、本特徴によれば、終了条件が成立したと判定した一の可動手段の動作が不自然になり、遊技者に違和感や不快感を抱かせてしまうといった事態の発生を回避することができる。
[特徴dA19]
特徴dA1から特徴dA18のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記可動手段を複数備え、
前記可動制御手段は、前記複数の可動手段のうちの一の可動手段が前記第2位置側に制御されている期間は、前記複数の可動手段のうちの他の可動手段が前記第1位置に位置するように制御する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、可動手段を複数備え、可動制御手段は、複数の可動手段のうちの一の可動手段が第2位置側に制御されている期間は、複数の可動手段のうちの他の可動手段が第1位置に位置するように制御するので、複数の可動手段のうちの一の可動手段と他の可動手段のいずれもが第2位置側に制御されているといった状況が発生しない。したがって、一の可動手段が第2位置側から第1位置に戻った際に終了条件が成立したと判定した状況であるにもかかわらず、他の可動手段が第2位置側に制御されており、当該他の可動手段が第1位置に戻るまで一連の特定動作を終了させることができないといったことを回避することが可能となる。
[特徴dA20]
特徴dA1から特徴dA19のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記可動手段を複数備え、
前記可動制御手段は、前記複数の可動手段のうちの一の可動手段が前記第2位置側から前記第1位置に戻った後、所定期間(所定のインターバル期間)の経過後に、前記複数の可動手段のうちの他の可動手段を前記第1位置から前記第2位置側に制御する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、可動手段を複数備え、可動制御手段は、複数の可動手段のうちの一の可動手段が第2位置側から第1位置に戻った後、所定期間の経過後に、複数の可動手段のうちの他の可動手段を第1位置から第2位置側に制御するので、一の可動手段が第1位置に戻った後の所定期間においては、複数の可動手段の全てが第1位置に位置することになる。この構成の効果について説明する。当該所定期間において終了条件が成立したか否かを繰り返し判定する構成とすれば、当該所定期間において終了条件が成立した場合には、複数の可動手段の全てが第1位置に位置しているため、いくつかの可動手段が第1位置以外の位置から第1位置に戻るまでのタイムラグを生じさせることなく、一連の特定動作を最も早いタイミングで速やかに終了させることができるとともに、複数の可動手段の全てが第1位置に位置していることを前提とした次の制御を即座に実行することが可能となる。すなわち、本特徴によれば、一連の特定動作を実行している期間の中に、タイムラグを生じさせることなく当該一連の特定動作を終了させることのできる期間を含めることが可能となる。
なお、上記各特徴群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特開2011-172988号公報)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化、遊技の健全性の向上等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
なお、上記各特徴群に含まれる1又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、上記の各特徴群を適用し得る又は各特徴群に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段と、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、前記取得情報記憶手段に記憶された前記特別情報が所定条件を満たす場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示手段と、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示を始動させる始動手段と、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間の経過に起因して前記複数の絵柄の可変表示を停止させる停止手段と、停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。上記の実施形態、変形例、および特徴群に含まれる技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
《8》第8実施形態:
パチンコ機10とスマートフォン200との接続方法、通信方法および切断方法
《8-0》はじめに:
従来、遊技機と遊技者との間において各種の情報の入力及び出力を行うことが望まれているが、その方法は利便性が低く、遊技機に対する情報の入力及び遊技機による情報の出力においては更なる利便性の向上が求められている。
具体的には、例えば遊技者のスマートフォン等の携帯端末を使用して遊技機との間で情報のやり取りを行う場合には、遊技機側が出力しようとする情報を識別可能な2次元コードを作成して表示し、遊技者がその2次元コードを携帯端末を使用して読み取り、その携帯端末によってインターネットと接続して読み取った2次元コードを情報として識別することが可能であった。そのため、より簡便に遊技機に対する情報の入力及び遊技機からの情報の出力を行いたいという要望がある。
ここで、遊技機に対する情報の入力及び遊技機からの情報の出力を遊技機側にBluetoothやWiFiのモジュールを設けることによって遊技者の携帯端末と通信をして行う場合には、次のような問題点が生じる。すなわち、遊技者が自身の携帯端末を開いて遊技ホールの任意の遊技台と通信を試みる場合に、その任意の遊技台を検索し、安全な通信状態を確立するためには非常に煩雑な作業が求められることになる。
本発明は上記した問題点の1又は複数を解決するためのものであり、
所定の抽選条件が成立したか否かを判断する判断手段により、前記所定の抽選条件が成立したと判断されることに基づいて、当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の結果に基づいて、所定期間の変動表示を実行する変動表示手段と、
前記当否抽選の結果が特定結果であった場合に実行される特定の表示結果を表示する特定の変動表示の終了後に特定遊技状態を実行する特定遊技実行手段と、
前記所定期間の変動表示中に複数の演出要素を用いて変動演出を行なう演出実行手段と、
前記演出実行手段に対して遊技者による所定の入力が可能な入力手段と、
を備えた遊技機であって、
前記入力手段は、
所定の待機状態において、所定の検出対象が所定の検出部に対して所定の距離まで近接又は当接した場合に所定の検出状態となる検出手段を備え、
本遊技機は、
前記検出手段が前記所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に、所定の記憶部に記憶された情報であって前記演出実行手段に関連した複数の情報を出力する出力手段を備え、
前記出力された前記複数の情報に対応した所定の情報の入力を検出した第2の入力状態が発生した場合に、前記演出実行手段における所定の設定可能情報に関する情報の入力および出力が可能となるように構成された
ことを特徴とする。
これにより、遊技機に対する情報の入力および遊技機からの情報の出力を好適に行うことが可能となるという特段の効果を得ることができる。
「入力手段」は、演出実行手段に対して遊技者による所定の入力が可能なものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、NFC(Near Field Communication)を介した情報・信号の入力に対する処理や、Bluetooth(「Bluetooth」は登録商標)を介した情報・信号の入力や、演出操作ボタンを介した情報・信号の入力に対する処理や、演出操作ボタンを介したカスタム設定選択や、十字キーを介した情報・信号の入力に対する処理や、操作ハンドルを介した情報・信号の入力に対する処理などが挙げられる。
「判断手段」は、所定の抽選条件が成立したか否かを判断するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第1特図抽選を実行するための条件が成立したか否かを判断する処理や、第2特図抽選を実行するための条件が成立したか否かを判断する処理や、普図抽選を実行するための条件が成立したか否かを判断する処理や、特別図柄の変動中に実行する演出や特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)中に実行する演出の種別を決定するための演出決定抽選を実行するための条件が成立したか否かを判断する処理、などが挙げられる。
「当否抽選」は、判断手段により所定の抽選条件が成立したと判断されることに基づいて実行される抽選であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第1特図始動口に遊技球が入球した場合に実行される第1特図抽選や、第2特図始動口に遊技球が入球した場合に実行される第2特図抽選、普図始動ゲートに遊技球が入球した場合に実行される普図抽選、特別図柄の変動中に実行する演出や特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)中に実行する演出の種別を決定するための演出決定抽選、などが挙げられる。
「所定の検出状態」は、所定の検出対象が所定の検出部に対して所定の距離まで近接又は当接した場合に移行する状態であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、NFCモジュールのNFC用アンテナに対して他のNFCモジュールが所定の距離まで近接又は当接したことが検出された状態や、演出操作ボタンが操作されたことを検出する検出スイッチに検出対象が所定の距離まで近接又は当接したことが検出された状態や、十字キーが操作されたことを検出する検出スイッチに検出対象が所定の距離まで近接又は当接したことが検出された状態や、BluetoothモジュールのBluetooth用アンテナに対して他のBluetoothモジュールが所定の距離まで近接又は当接したことが検出された状態や、遊技機のガラスユニットに検出対象が接近したことを検出する赤外線センサー等の光学センサーに検出対象が検出された状態や、操作ハンドルが操作されたことを検出する検出部によって、操作ハンドルが操作されたことが検出された状態などが挙げられる。
「当否抽選手段」は、当否抽選を行なうものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第1特図始動口に遊技球が入球したことに基づいて乱数情報を取得し、取得した乱数情報を所定のテーブルと照合することによって特図抽選の結果を判定する抽選処理や、第2特図始動口に遊技球が入球したことに基づいて乱数情報を取得し、取得した乱数情報を所定のテーブルと照合することによって特図抽選の結果を判定する抽選処理、普図始動ゲートを遊技球が通過したことに基づいて乱数情報を取得し、取得した乱数情報を所定のテーブルと照合することによって普図抽選の結果を判定する抽選処理、などが挙げられる。
「第1の入力状態」は、検出手段が所定の検出状態となった状態であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、NFCモジュールのNFC用アンテナに対して他のNFCモジュールが所定の距離まで近接又は当接したことが検出された状態や、BluetoothモジュールのBluetooth用アンテナに対して他のBluetoothモジュールが所定の距離まで近接又は当接したことが検出された状態や、遊技機のガラスユニットに検出対象が接近したことを検出する赤外線センサー等の光学センサーに検出対象が検出された状態や、演出操作ボタンが操作されたことを検出する検出スイッチに検出対象が所定の距離まで近接又は当接したことが検出された状態や、十字キーが操作されたことを検出する検出スイッチに検出対象が所定の距離まで近接又は当接したことが検出された状態や、操作ハンドルが操作されたことを検出する検出部によって、操作ハンドルが操作されたことが検出された状態などが挙げられる。
「特定遊技実行手段」は、特定遊技状態を実行するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、特別電動役物が複数回開閉する遊技状態である特電開閉実行モードを実行する処理や、普通電動役物が高頻度に動作する高頻度サポートモードを実行する処理や、普通電動役物が低頻度に動作する低頻度サポートモードを実行する処理などが挙げられる。
「複数の情報」は、所定の記憶部に記憶された情報であって演出実行手段に関連した情報であればよく、するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、NFCモジュールが備えるROMに記憶されているBluetoothの接続情報(例えば、Bluetoothの機器名、Bluetoothのアドレス、Bluetoothのパスワード)や、演出操作ボタンの操作検出ユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に遊技者に対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の設定画面の情報や音の情報や、Bluetoothモジュールが備えるROMに記憶されているBluetoothの接続情報や遊技の履歴情報や演出のカスタム設定に関する情報やそれらに関する表示をするための画面の情報や、遊技機のガラスユニットに検出対象が接近したことを検出する赤外線センサー等の光学センサーを備えるセンサユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に遊技者に対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の情報や音の情報や、操作ハンドルの操作検出ユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に遊技者に対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の情報および音の情報や、十字キーの操作検出ユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に遊技者に対して対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の設定画面の情報などが挙げられる。
「待機状態」は、所定の処理の実行や所定の情報・信号の入力がされるのを待機する状態であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、NFC(Near Field Communication)を介した情報・信号の入力を待機するNFC監視状態や、Bluetooth(「Bluetooth」は登録商標)を介した情報・信号の入力を待機するBluetooth監視状態や、操作ハンドルを介した情報・信号の入力を待機する状態や、演出操作ボタンを介した情報・信号の入力を待機する状態や、十字キーを介した情報・信号の入力を待機する状態や、変動表示が終了して次の変動表示が開始されるまでの非変動状態などが挙げられる。
「演出要素」は、実行される演出や、演出を構成するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、変動表示中に実行される演出や、開閉実行モード中に実行される演出、サポートモード中に実行される演出や、変動表示の終了から次の変動表示が開始されるまでの期間に実行される演出や、これらの演出を構成する音や光などが挙げられる。
「変動演出」は、変動表示中に実行される複数の演出要素を用いて行われるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第1特図抽選の結果を示唆する演出や、第2特図抽選の結果を示唆する演出や、リーチ演出や、一発告知演出などが挙げられる。
「演出実行手段」は、変動表示中に複数の演出要素を用いて変動演出を行なう処理であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示中に実行する変動演出を設定する処理である特図変動演出設定処理や、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示中に実行する変動演出における演出用可動役物の駆動を制御する処理である演出用可動役物駆動処理や、それらの処理を実行する音光制御装置および表示制御装置や、それらの制御装置をまとめたサブ制御装置などが挙げられる。
本発明における「所定の抽選条件」は、所定の抽選を実行するための条件であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第1特図抽選を実行するための条件や、第2特図抽選を実行するための条件や、普図抽選を実行するための条件や、特別図柄の変動中に実行する演出や特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)中に実行する演出の種別を決定するための演出決定抽選を実行するための条件、などが挙げられる。
「入力」は、外部から遊技機に対して行われる処理や動作であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、NFC(Near Field Communication)を介した情報・信号の入力や、Bluetooth(「Bluetooth」は登録商標)を介した情報・信号の入力や、操作ハンドルを介した情報・信号の入力や、演出操作ボタンを介した情報・信号の入力や、十字キーを介した情報・信号の入力や、その他、通信による情報の入力、画像表示による情報の入力、音声による情報の入力などが挙げられる。
「検出対象」は、検出される対象となり得るものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、NFCによって検出され得る対象や、Bluetoothによって検出さ得る対象や、操作ハンドルが操作されたことによって検出され得る対象や、演出操作ボタンが操作されたことによって検出され得る対象としての遊技者の手指や、十字キーが操作されたことによって検出され得る対象としての遊技者の手指や、遊技機のガラスユニットに接近したことよって検出され得る対象や、操作ハンドルが操作されたことによって検出され得る対象などが挙げられる。より具体的には、携帯端末としてのスマートフォンやタブレットなどが挙げられる。
「所定の情報」は、出力された複数の情報に対応した情報であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、NFCモジュールが備えるROMに記憶されているBluetoothの接続情報(例えば、Bluetoothの機器名、Bluetoothのアドレス、Bluetoothのパスワード)に対応する情報である接続要求や、Bluetoothモジュールが備えるROMに記憶されているBluetoothの接続情報や遊技の履歴情報や演出のカスタム設定に関する情報やそれらに関する表示をするための画面の情報に対応する情報や、遊技機のガラスユニットに検出対象が接近したことを検出する赤外線センサー等の光学センサーを備えるセンサユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に遊技者に対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の情報や音の情報に対応する情報や、操作ハンドルの操作検出ユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に遊技者に対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の情報および音の情報に対応する情報や、演出操作ボタンの操作検出ユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に遊技者に対して対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の設定画面の情報の画像表示に対応して遊技者によって選択入力される情報や、十字キーの操作検出ユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に遊技者に対して対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の設定画面の情報の画像表示に対応して遊技者によって選択入力される情報などが挙げられる。
「変動表示」は、当否抽選の結果に基づいて、所定期間の変動を表示するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第1特別図柄の変動の表示、第2特別図柄の変動表示、普通図柄の変動の表示などが挙げられる。
「検出部」は、所定の検出対象を検出し得るものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、NFCモジュールのNFC用アンテナや、BluetoothモジュールのBluetooth用アンテナや、遊技機のガラスユニットに検出対象が接近したことを検出する赤外線センサー等の光学センサーや、操作ハンドルが操作されたことを検出する検出部や、演出操作ボタンが操作されたことを検出する検出スイッチや、十字キーが操作されたことを検出する検出する検出スイッチなどが挙げられる。
「特定遊技状態」は、当否抽選の結果が特定結果であった場合に実行される特定の表示結果を表示する特定の変動表示の終了後に実行されるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)、普通電動役物が高頻度に動作する高頻度サポートモード、普通電動役物が低頻度に動作する低頻度サポートモードなどが挙げられる。
「所定の距離」は、所定の検出部が所定の検出対象が近接又は当接したことを検出可能な距離であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、NFCモジュールのNFC用アンテナが他のNFCモジュールを検出可能な距離や、BluetoothモジュールのBluetooth用アンテナが他のBluetoothモジュールを検出可能な距離や、遊技機のガラスユニットに検出対象が接近したことを検出する赤外線センサー等の光学センサーがガラスユニットに検出対象が近接又は当接したことを検出可能な距離や、演出操作ボタンが操作されたことを検出する検出スイッチが検出対象が近接又は当接したことを検出可能な距離や、十字キーが操作されたことを検出する検出スイッチが検出対象が近接又は当接したことを検出可能な距離や、操作ハンドルが操作されたことを検出する検出部が検出対象が近接又は当接したことを検出可能な距離などが挙げられる。
「検出手段」は、所定の待機状態において、所定の検出対象が所定の検出部に対して所定の距離まで近接又は当接した場合に所定の検出状態となるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、所定の待機状態において検出対象(例えば他のNFCモジュール)がNFC用アンテナに対して所定の距離まで近接又は当接した場合に所定の検出状態となるNFCモジュールや、所定の待機状態において検出対象(例えば他のBluetoothモジュール)がBluetooth用アンテナに対して所定の距離まで近接又は当接した場合に所定の検出状態となるBluetoothモジュールや、所定の待機状態において遊技機のガラスユニットに検出対象が接近したことを検出する赤外線センサー等の光学センサーに当該検出対象が所定の距離まで近接又は当接した場合に所定の検出状態となるセンサユニットや、所定の待機状態において検出対象が操作ハンドルが操作されたことを検出する検出部に対して所定の距離まで近接又は当接した場合に所定の検出状態となる操作検出ユニットや、所定の待機状態において検出対象が演出操作ボタンが操作されたことを検出する検出スイッチに対して所定の距離まで近接又は当接した場合に所定の検出状態となる操作検出ユニットや、所定の待機状態において検出対象が十字キーが操作されたことを検出する検出スイッチに対して所定の距離まで近接又は当接した場合に所定の検出状態となる操作検出ユニットなどが挙げられる。
「記憶部」は、検出手段が所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に出力する情報であって演出実行手段に関連した複数の情報を記憶するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、NFCモジュールが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に出力する情報であって演出実行手段に関連した複数の情報を記憶する記憶部としてのNFCモジュールが備えるRAMや、Bluetoothモジュールが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に出力する情報であって演出実行手段に関連した複数の情報を記憶する記憶部や、遊技機のガラスユニットに検出対象が接近したことを検出する赤外線センサー等の光学センサーを備えるセンサユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に出力する情報であって演出実行手段に関連した複数の情報を記憶する記憶部や、演出操作ボタンの操作検出ユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に出力する情報であって演出実行手段に関連した複数の情報を記憶する記憶部としての表示制御装置のプログラムROM、キャラクタROM、ビデオRAMや、十字キーの操作検出ユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に出力する情報であって演出実行手段に関連した複数の情報を記憶する記憶部としての表示制御装置のプログラムROM、キャラクタROM、ビデオRAMや、操作ハンドルの操作検出ユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に出力する情報であって演出実行手段に関連した複数の情報を記憶する記憶部などが挙げられる。より具体的には、NFCモジュールが備えるROMや、Bluetoothモジュールが備えるROMや、音声発光制御装置が備えるROMや、表示制御装置が備えるプログラムROM、キャラクタROMなどが挙げられる。
「設定可能情報に関する情報」は、出力された複数の情報に対応した所定の情報の入力を検出した第2の入力状態が発生した場合に、入力および出力が可能となる演出実行手段における所定の設定可能情報に関する情報であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、入力され得る情報であってカスタム設定可能な演出の情報(カスタム設定情報)に関する情報や、入力され得る情報であって選択された演出のカスタム情報に対して設定入力され得る情報およびそれらの情報に関する情報や、出力され得る情報である演出のカスタム設定情報の設定確認情報およびそれらの情報に関する情報や、出力され得る情報であってカスタム設定された遊技機で遊技がされた場合の遊技履歴情報およびそれらの関する情報などが挙げられる。
「出力」は、遊技機から外部に対して行われる処理や動作であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、NFCモジュールが備えるROMに記憶されているBluetoothの接続情報の出力や、Bluetoothモジュールが備えるROMに記憶されているBluetoothの接続情報や遊技の履歴情報や演出のカスタム設定に関する情報やそれらに関する表示をするための画面の情報の出力や、遊技機のガラスユニットに検出対象が接近したことを検出する赤外線センサー等の光学センサーを備えるセンサユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に遊技者に対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の情報や音の情報の出力や、操作ハンドルの操作検出ユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に遊技者に対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の情報および音の情報の出力や、十字キーの操作検出ユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に遊技者に対して対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の設定画面の情報の画像表示や音の情報の出力や、演出操作ボタンの操作検出ユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に遊技者に対して対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の設定画面の情報の画像表示や音の情報の出力や、その他、通信による情報の出力、画像表示による情報の出力、音声による情報の出力や、遊技履歴情報などの遊技機が外部出力可能な情報などが挙げられる。
「出力手段」は、遊技機から外部に対してい行われる処理や動作を行う手段や構成であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、NFCモジュールが備えるROMに記憶されているBluetoothの接続情報(例えば、Bluetoothの機器名、Bluetoothのアドレス、Bluetoothのパスワード)を出力する処理やその制御処理や、Bluetoothモジュールが備えるROMに記憶されているBluetoothの接続情報や遊技の履歴情報や演出のカスタム設定に関する情報やそれらに関する表示をするための画面の情報の出力制御や、遊技機のガラスユニットに検出対象が接近したことを検出する赤外線センサー等の光学センサーを備えるセンサユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に遊技者に対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の情報や音の情報の出力制御や、演出操作ボタンの操作検出ユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に遊技者に対して対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の設定画面の情報の画像表示を行う画像表示制御や音の情報の出力制御や表示部や、操作ハンドルの操作検出ユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に遊技者に対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の情報および音の情報の出力制御や、十字キーの操作検出ユニットが所定の検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に遊技者に対して対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の設定画面の情報の画像表示を行う画像表示制御や音の情報の出力制御などが挙げられる。
「第2の入力状態」は、出力された複数の情報に対応した所定の情報の入力を検出した状態であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態や、Bluetoothモジュールが備えるROMに記憶されているBluetoothの接続情報や遊技の履歴情報や演出のカスタム設定に関する情報やそれらに関する表示をするための画面の情報に対応する情報の入力を検出した状態や、遊技機のガラスユニットに検出対象が接近したことを検出する赤外線センサー等の光学センサーを備えるセンサユニットが所定の検出状態となった場合に遊技者に対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の情報や音の情報に対応する情報を検出した状態や、操作ハンドルの操作検出ユニットが所定の検出状態となった場合に遊技者に対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の情報および音の情報に対応する情報を検出した状態や、十字キーの操作検出ユニットが所定の検出状態となった場合に遊技者に対して対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の設定画面の情報の画像表示に対応して遊技者によって選択入力される情報を検出した状態や、演出操作ボタンの操作検出ユニットが所定の検出状態となった場合に遊技者に対して表示・報知する音声発光制御装置のROMや表示制御装置のプログラムROMに記憶されている各種演出の設定画面の情報の画像表示に対応して遊技者によって選択入力される情報を検出した状態などが挙げられる。
「設定可能情報」は、演出実行手段において設定が可能な情報であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、カスタム設定可能な演出の情報や、選択された演出のカスタム情報や、カスタム設定された遊技機における遊技履歴情報や、演出のカスタム設定情報の設定確認情報や、音量の設定情報や、光量の設定情報などが挙げられる。
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「当否抽選」としての「内部抽選」を備え、「当否抽選手段」としての「抽選処理」を備え、「変動表示手段」としての「変動表示部」を備え、「特定の変動表示」としての「当選遊技回変動」を備え、「特定遊技実行手段」としての「特定遊技実行部」を備え、「演出要素」としての「出力要素」を備え、「演出実行手段」としての「演出実行処理」を備えてもよい。
また、本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「入力」としての「外部入力」を備え、「入力手段」としての「外部入力手段」を備え、「待機状態」としての「待機期間」を備え、「検出対象」としての「対象物」を備え、「検出部」としての「検出実行部」を備え、「所定の距離」としての「所定距離」を備え、「所定の検出状態」としての「検出完了状態」を備え、「検出手段」としての「検出ユニット」を備え、「第1の入力状態」としての「検出完了状態」を備え、「所定の記憶部」としての「所定の記憶手段」を備え、複数の情報としての「複数の情報」としての「複数の関連情報」を備え、「出力」としての「外部出力」を備え、「出力手段」としての「外部出力手段」を備え、「所定の情報の入力」としての「情報入力」を備え、「第2の入力状態」としての「対応情報入力状態」を備え、「設定可能情報」としての「設定可能な情報」を備え、「設定可能情報に関する情報」としての「設定可能な情報に対応する情報」を備えてもよい。
「抑制手段」としての「抑制処理」を備え、「特定の入力」としての「特定の要素の入力」を備え、「終了入力手段」としての「終了処理」を備え、「所定の条件」としての「所定の発生条件」を備え、「制限手段」としての「制限処理」を備え、「特定情報」としての「特定出力用情報」を備えてもよい。
以下、本遊技機のより具体的な構成を下記の第8実施形態として説明する。
《8-1》遊技機の構造:
図356は、第8実施形態のパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」とも称する)の斜視図である。図示するように、本実施形態におけるパチンコ機10は携帯端末としてのスマートフォン200と通信を行うことが可能である。スマートフォン200は画像を表示可能なタッチパネル202を備える。パチンコ機10とスマートフォン200とは、Bluetooth(「Bluetooth」は登録商標)によって通信を行う。また、パチンコ機10とスマートフォン200とがBluetoothを用いて最初に接続を行う際に行うペアリングにはNFC(Near Field Communication)を用いる。NFCを用いたBluetoothのペアリング、Bluetoothによる通信方法、および通信の切断方法については後述する。
以下、パチンコ機10の構成について説明をする。
図示するように、パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる特図抽選時、当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出や演出のカスタム設定や音量・光量の調整に対して、遊技者による外部入力が可能な外部入力手段としての操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行なわれる。
演出操作ボタン24は、当該演出操作ボタン24が操作されたことを検出する検出ユニットとしての操作検出ユニット(図示省略)を備える。操作検出ユニットは、遊技者が当該演出操作ボタン24を操作した際に動く可動部であるボタン本体と、ボタン本体が操作されたことを検出する検出実行部としての検出スイッチを備える。ボタン本体において遊技者の手指等が接触する接触面から所定距離のところには検出スイッチに検出され得る被検出部が設けられている。検出され得る対象物である遊技者の手指等がボタン本体を所定量押下(移動)すると、それに追随して被検出部が移動し、被検出部が検出スイッチと接触することによって、操作検出ユニットは検出完了状態であるON状態となる。音光側MPU92は操作検出ユニットのON状態を検知し演出操作ボタン24が操作されたことに対応した処理を実行する。
また、前扉枠14を正面視した状態において演出操作ボタン24の右側には、十字キー27が設けられている。十字キー27は、遊技者が変更可能な演出モードの設定、所定の演出の出現頻度や期待度の設定、後述する表示面41aとしての液晶ディスプレイの光量の設定、スピーカー46から出力される音声の音量の設定などに対して、遊技者による外部入力が可能な外部入力手段としての操作部である。
前扉枠14を正面視した状態において十字キー27の上側には、NFCモジュール110が設けられている。NFCモジュール110は、上述したように、パチンコ機10がスマートフォン200とBluetoothによって接続をする際に行うペアリングに用いられる。ペアリングの際にパチンコ機10とスマートフォン200との間で行われる処理の詳細については後述する。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が遊技球の発射操作をするための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が所定の間隔(本実施形態では0.6秒間隔)で発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。そして、操作ハンドル25の回動操作量が所定未満の場合、すなわち遊技球の発射強度が所定未満の場合には、発射された遊技球は遊技盤の正面視左側の領域を流下する。この場合における遊技球の発射態様を「左打ち」とも呼ぶ。一方、操作ハンドル25の回動操作量が所定以上の場合、すなわち遊技球の発射強度が所定以上の場合には、発射された遊技球は遊技盤の正面視右側の領域を流下する。この場合における遊技球の発射態様を「右打ち」とも呼ぶ。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者は「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによってタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図357は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53と、電源ユニット58とを備えている。具体的には、これらユニットは、内枠13の背面側に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御基板を有しており、主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。この基板ボックスは、開閉の痕跡が残るように構成されている。具体的には、本実施形態では、開閉可能な箇所に封印シールが貼付されており、基板ボックスを開放すると「開封」といった文字が現れるように構成されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面側には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け、払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
電源ユニット58は、電源装置85と、電源スイッチ88とを備えている。電源装置85は、外部の商用電源から供給された電力を、パチンコ機10の動作に必要な電力に変換して供給する。電源装置85には、電源スイッチ88が接続されている。電源スイッチ88のON/OFF操作により、パチンコ機10に電力が供給されている供給状態と、パチンコ機10に電力が供給されていない非供給状態とが切り換えられる。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図358は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車96が配設されている。これら釘42や風車96は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向に変化を与える。本実施形態では、遊技領域PAは、「左打ち」によって発射された遊技球が流通可能な左側遊技領域PALと、左側遊技領域PALを流通してきた遊技球が到達可能な中央下部遊技領域PACと、「右打ち」によって発射された遊技球が流通可能な右側遊技領域PARとによって構成されている。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1特図始動口33、第2特図始動口34、普通電動役物34b、普図始動ゲート35、特電入賞装置57、アウト口43が設けられている。本実施形態では、「左打ち」によって発射された遊技球が到達可能な中央下部遊技領域PACに第1特図始動口33が設けられており、「右打ち」によって発射された遊技球が到達可能な右側遊技領域PARの上流側から順に、普図始動ゲート35、第2特図始動口34及び普通電動役物34b、特電入賞装置57が設けられている。そして、遊技盤30の最下部にアウト口43が設けられている。遊技盤30の中央の開口部には、遊技を盛り上げる演出を実行する装置として、可変表示ユニット40と、演出用可動役物170とが設けられている。以下、遊技盤30に設けられている各構成について説明する。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口を有する入球部であり、遊技球が入球した場合には、5個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。本実施形態では、一般入賞口32は、遊技盤30上に複数設けられている。
第1特図始動口33は、遊技球が入球可能な入球口を有する入球部であり、遊技球が入球した場合には、3個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出されるとともに、主制御装置60による内部抽選である第1特図抽選が実行される。第1特図始動口33への遊技球の入球に基づく抽選処理が実行され、第1特図抽選の結果、特図大当たりに当選すると、後述する特別電動役物(特別電動役物57b)が開閉動作を実行する特電開閉実行モードが開始される。特電開閉実行モードは、特電オープニング期間と、特電開閉期間と、特電エンディング期間とによって構成されている。特電オープニング期間は、特別電動役物の開閉処理が開始されるまでの待機期間であり、特電開閉期間は、実際に特別電動役物の開閉が実行される期間であり、特電エンディング期間は、特別電動役物の開閉処理が終了した後、次の特図抽選が実行可能となるまでの待機期間である。
特電入賞装置57は、遊技球が入球可能な大入賞口57aと、当該大入賞口57aの入口を開閉する機能を有する特別電動役物57bとを備える。
特別電動役物57bは、通常は遊技球が大入賞口57aに入球することが不可能な閉鎖状態となっており、上述した特電開閉実行モードが開始されると、遊技球が大入賞口57aに入球可能な開放状態となる可動役物である。
本実施形態では、特別電動役物57bは、右側遊技領域PARにおける遊技球が到達し得る(接し得る)位置に配置されており、横長の矩形の板状部材と、当該板状部材の下辺の両端に設けられ、当該板状部材を前方側(手前側)に回動可能に支持する支持部とを備えている。特別電動役物57bは、閉鎖状態では、当該板状部材が遊技盤30と同一平面となるように収納された状態となっており、特別電動役物57bの上方から流通してきた遊技球が特別電動役物57bの前方側(手前側)を通過可能な状態となっている。一方、開放状態では、特別電動役物57bは、当該板状部材が支持部を中心として前方側(手前側)に回動した状態となっており、特別電動役物57bの上方から流通してきた遊技球が大入賞口57aに入球可能な状態となる。
大入賞口57aは、特別電動役物57bが開放状態となっている状況において遊技球が入球可能な入球口であり、遊技球が入球した場合には、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
普図始動ゲート35は、遊技球が入球可能な入球口を有する貫通孔型の入球部であり、普図始動ゲート35に入球した遊技球は、遊技領域PAに残って流通可能である。そして、普図始動ゲート35に遊技球が入球した場合には、主制御装置60によって普図抽選が実行される。普図抽選の結果には、後述する普通電動役物34bを入球可能状態に移行させる「普図当たり」と、普通電動役物34bを入球可能状態に移行させない「普図外れ」とが含まれている。普図抽選の結果、普図当たりに当選した場合には、普通電動役物34bを開放状態に移行させる可動制御処理を含む普電開閉実行モードが実行される。普電開閉実行モードは、普電オープニング期間と、普電開閉処理期間と、普電エンディング期間とによって構成されている。普電オープニング期間は、普通電動役物34bの開閉処理が開始されるまでの動作待機期間である開始前非駆動期間であり、普電開閉期間は、実際に普通電動役物34bの開閉処理が実行される期間であり、普電エンディング期間は、普通電動役物34bの開閉処理が終了した後、次の普図抽選を実行可能とするまでの動作待機期間である。なお、普電開閉期間において普通電動役物34bが複数回開放する場合には、複数の開放期間の合間に、普通電動役物34bが閉鎖状態を維持する所定のインターバル期間が含まれる。また、普図始動ゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
普図始動ゲート35の下流には、普通電動役物34bを有する第2特図始動口34が配置されており、普図始動ゲート35に入球した遊技球は、普通電動役物34bを備える第2特図始動口34に導かれる。
普通電動役物34bは、通常は遊技球が第2特図始動口34に入球することが不可能な閉鎖状態となっており、上述した普電開閉実行モードが開始されると、遊技球が第2特図始動口34に入球可能な開放状態となる。
第2特図始動口34は、遊技球が入球可能な入球口を有する入球部であり、本実施形態では、右側遊技領域PARに設けられている。第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、1個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出されるとともに、主制御装置60による内部抽選である第2特図抽選が実行される。本実施形態では、第2特図抽選の結果として、「特図大当たり」と、「特図外れ」とが設定情報として設定されている。第2特図始動口34への遊技球の入球に基づく抽選処理が実行され、第2特図抽選の結果、特図大当たりに当選すると、後述する特別電動役物(特別電動役物57b)を開放状態に移行させる処理を含む特電開閉実行モードが開始される。なお、本実施形態では、第2特図始動口34が右側遊技領域PARに設けられている構成としたが、第2特図始動口34の位置はこれに限定されず、本発明の主旨を実現可能であれば、他の位置に設けられていてもよい。例えば、第2特図始動口34は、左側遊技領域PALに設けられていてもよい。
アウト口43は、遊技盤30の最下部に設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
第1特図始動口33の上方には、ステージ36xが設けられている。ステージ36xは、到達した遊技球を振り分ける場合に、中央ルートよりも右側ルート及び左側ルートに多くの遊技球を振り分けるように構成されている。すなわち、中央ルートに振り分けられた遊技球の個数よりも、右側ルートに振り分けられた遊技球と左側ルートに振り分けられた遊技球とを合計した個数の方が多くなるように構成されている。本実施形態では、ステージ36xの下方に第1特図始動口33が設けられており、中央ルートに振り分けられた遊技球は第1特図始動口33に入球する可能性が高い。このため、中央ルートの方が右側ルート及び左側ルートよりも遊技者にとっての価値が高い。なお、本実施形態では、ステージ36xは、樹脂製である。
なお、「入球」とは、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過することを意味し、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAに残存して流通(流下)を継続する態様も含まれる。また、一般入賞口32、第1特図始動口33、第2特図始動口34及び大入賞口57aへの遊技球の入球を「入賞」と表現する場合もある。
次に、遊技盤30に設けられている各種の表示部について説明する。
遊技盤30には、可変表示ユニット40と、メイン表示器45とが設けられている。メイン表示器45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示器39とを有している。
特図ユニット37は、第1特別図柄表示器37aと、第2特別図柄表示器37bと、第1特図保留表示器37cと、第2特図保留表示器37dとを備えている。
第1特別図柄表示器37aは、第1特別図柄の変動表示及び停止表示を実行する表示部である。第1特別図柄とは、第1特図始動口33への遊技球の入球を契機として第1特図抽選が実行された際に変動表示及び停止表示される図柄をいう。第1特図始動口33への遊技球の入球を契機として第1特図抽選が実行されると、第1特別図柄表示器37aは、当該第1特図抽選の抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1特別図柄の変動表示を実行する。その後、第1特別図柄表示器37aは、当該第1特図抽選の抽選結果に対応した表示態様で第1特別図柄の停止表示を実行する。以降の説明では、第1特別図柄表示器37aにおいて第1特別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1特図変動時間とも呼ぶ。
本実施形態では、第1特別図柄表示器37aは、7個のセグメント発光部が8の字型に配列された7セグメント表示器によって構成されている。第1特図始動口33に遊技球が入球すると、第1特別図柄表示器37aを構成する7セグメント表示器は、所定の態様で点滅した後に(変動表示した後に)、第1特図抽選の抽選結果に対応した所定の態様で点灯する(停止表示する)。ただし、第1特別図柄表示器37aは、7セグメント表示器に限らず、他の構成であってもよい。
なお、第1特別図柄表示器37aにおける第1特別図柄の変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを第1特図遊技回とも呼ぶ。すなわち、第1特図遊技回は、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて実行される第1特図抽選の抽選結果を遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1回の第1特図遊技回毎に、1回の第1特図抽選の抽選結果を遊技者に報知する。また、1回の第1特図遊技回に要する時間を第1特図遊技時間とも呼ぶ。第1特図遊技時間は、第1特別図柄表示器37aにおける第1特別図柄の変動表示が開始されてから第1特図抽選の結果が停止表示されるまでの時間である第1特図変動時間と、第1特図抽選の結果が停止表示されている時間である第1特図停止時間とによって構成されている。なお、本実施形態では、第1特図停止時間は一定(1.0秒)である。したがって、第1特図変動時間が決定されることによって、第1特図遊技時間は一意に決定される。
第2特別図柄表示器37bは、第2特別図柄の変動表示及び停止表示を実行する表示部である。第2特別図柄とは、第2特図始動口34への遊技球の入球を契機として第2特図抽選が実行された際に変動表示及び停止表示される図柄をいう。第2特図始動口34への遊技球の入球を契機として第2特図抽選が実行されると、第2特別図柄表示器37bは、当該第2特図抽選の抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2特別図柄の変動表示を実行する。その後、第2特別図柄表示器37bは、当該第2特図抽選の抽選結果に対応した表示態様で第2特別図柄の停止表示を実行する。以下では、第2特別図柄表示器37bにおいて第2特別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2特図変動時間とも呼ぶ。
本実施形態では、第2特別図柄表示器37bは、7個のセグメント発光部が8の字型に配列された7セグメント表示器によって構成されている。第2特図始動口34に遊技球が入球すると、第2特別図柄表示器37bを構成する7セグメント表示器は所定の態様で点滅した後に(変動表示した後に)、第2特図抽選の抽選結果に対応した所定の態様で点灯する(停止表示する)。ただし、第2特別図柄表示器37bは、7セグメント表示器に限らず、他の構成であってもよい。
なお、第2特別図柄表示器37bにおける第2特別図柄の変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを第2特図遊技回とも呼ぶ。すなわち、第2特図遊技回は、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて実行される第2特図抽選の抽選結果を遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1回の第2特図遊技回毎に、1回の第2特図抽選の抽選結果を遊技者に報知する。また、1回の第2特図遊技回に要する時間を第2特図遊技時間とも呼ぶ。第2特図遊技時間は、第2特別図柄表示器37bにおける第2特別図柄の変動表示が開始されてから第2特図抽選の結果が停止表示されるまでの時間である第2特図変動時間と、第2特図抽選の結果が停止表示されている時間である第2特図停止時間とによって構成されている。なお、本実施形態では、第2特図停止時間は一定である。したがって、第2特図変動時間が決定されることによって、第2特図遊技時間は一意に決定される。
また、本実施形態では、特電開閉実行モードの実行中又は特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示中に遊技球が第1特図始動口33又は第2特図始動口34に入球した場合に、当該遊技球の入球に基づく第1特図抽選又は第2特図抽選の実行を保留する機能(特図保留機能とも呼ぶ)を有しており、保留された第1特図抽選の保留個数に対応した情報を表示する第1特図保留表示器37cと、保留された第2特図抽選の保留個数に対応した情報を表示する第2特図保留表示器37dとを備えている。
第1特図保留表示器37cは、保留された第1特図抽選の保留個数に対応した情報(第1特図始動口33に入球した遊技球の個数に関する情報)を表示する表示部である。本実施形態では、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づく第1特図抽選は、最大4個(4回)まで保留される。なお、本実施形態では、第1特図保留表示器37cは、4個のLEDランプによって構成されており、第1図抽選の保留個数に対応した数のLEDランプが点灯する。
第2特図保留表示器37dは、保留された第2特図抽選の保留個数に対応した情報を表示する表示部である。本実施形態では、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づく第2特図抽選は、最大4個(4回)まで保留される。なお、本実施形態では、第2特図保留表示器37dは、4個のLEDランプによって構成されており、第2図抽選の保留個数に対応した数のLEDランプが点灯する。
また、本実施形態では、第1特図抽選と第2特図抽選の両方が保留されている場合には、第2特図抽選が優先して実行され、第2特図抽選の保留が全て無くなった後に、第1特図抽選が実行されるように構成されている(いわゆる特2優先機)。具体的には、例えば、第1特図抽選が2個(2回)保留されており、第2特図抽選が3個(3回)保留されている場合には、第2特図抽選が3回実行されて保留が無くなった後に、第1特図抽選が2回実行されることになる。ただし、保留されていた最後の第2特図抽選が終了する前に第2特図始動口34に遊技球が入球して第2特図抽選が再び保留された場合には、当該保留された第2特図抽選が終了するまで、第1特図抽選は実行されない。
普図ユニット38は、普通図柄表示器38aと、普図保留表示器38bとを備えている。
普通図柄表示器38aは、普通図柄の変動表示及び停止表示を実行する表示部である。普通図柄とは、普図始動ゲート35への遊技球の入球を契機として内部抽選である普図抽選が実行された際に変動表示及び停止表示される図柄をいう。普図始動ゲート35への遊技球の入球を契機として普図抽選が実行されると、普通図柄表示器38aは、当該普図抽選の抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、普通図柄の変動表示を実行する。その後、普通図柄表示器38aは、当該普図抽選の抽選結果に対応した表示態様で普通図柄の停止表示を実行する。以降の説明では、普通図柄表示器38aにおいて普通図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を普図変動時間とも呼ぶ。
本実施形態では、普通図柄表示器38aは、7個のセグメント発光部が8の字型に配列された7セグメント表示器によって構成されている。普図始動ゲート35に遊技球が入球すると、普通図柄表示器38aを構成する7セグメント表示器は、所定の態様で点滅した後に(変動表示した後に)、普図抽選の抽選結果に対応した所定の態様で点灯する(停止表示する)。ただし、普通図柄表示器38aは、7セグメント表示器に限らず、他の構成であってもよい。
なお、普通図柄表示器38aにおける普通図柄の変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを普図遊技回とも呼ぶ。すなわち、普図遊技回は、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づいて実行される普図抽選の抽選結果を遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1回の普図遊技回毎に、1回の普図抽選の抽選結果を遊技者に報知する。また、1回の普図遊技回に要する時間を普図遊技時間とも呼ぶ。普図遊技時間は、普通図柄表示器38aにおける普通図柄の変動表示が開始されてから普図抽選の結果が停止表示されるまでの時間である普図変動時間と、普図抽選の結果が停止表示されている時間である普図停止時間とによって構成されている。なお、本実施形態では、普図停止時間は一定(0.1秒)である。したがって、普図変動時間が決定されることによって、普図遊技時間は一意に決定される。
また、本実施形態では、普電開閉実行モードの実行中又は普通図柄の変動表示中に遊技球が普図始動ゲート35に入球した場合に、当該遊技球の入球に基づく普図抽選の実行を保留する機能(普図保留機能とも呼ぶ)を有しており、保留された普図抽選の保留個数に対応した情報を表示する上述した普図保留表示器38bを備えている。
普図保留表示器38bは、保留された普図抽選の保留個数に対応した情報を表示する表示部である。本実施形態では、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づく普図抽選は、最大4個(4回)まで保留される。なお、本実施形態では、普図保留表示器38bは、4個のLEDランプによって構成されており、普図抽選の保留個数に対応した数のLEDランプが点灯する。
ラウンド表示器39は、特電開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数に対応した情報を表示する表示部である。ラウンド遊技とは、予め定められた所定時間(最大開放時間)が経過すること、又は、予め定められた上限個数(最大入球個数)の遊技球が大入賞口に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、特別電動役物の開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、特電開閉実行モードの移行の契機となった特図当たりの種別に応じて異なる。ラウンド表示器39は、特電開閉実行モードにおける特電開閉期間の開始の際にラウンド遊技の回数に対応した表示を開始し、特電開閉期間の終了の際に当該表示を終了する。本実施形態では、ラウンド表示器39は、7個のセグメント発光部が8の字型に配列された7セグメント表示器を2つ並べることによって構成されている。ただし、ラウンド表示器39は、2つの7セグメント表示器に限らず、他の構成であってもよい。
なお、上述したメイン表示器45を構成する各表示部は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、外部出力としての外部出力手段としての図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は外部出力としての画像表示を行う。本実施形態では、図柄表示装置41として、液晶表示装置(液晶ディスプレイ)が採用されている。図柄表示装置41の表示内容は、後述する表示制御装置100によって制御される。なお、図柄表示装置41としては、液晶表示装置(液晶ディスプレイ)に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置や、有機EL表示装置、CRTなど、種々の表示装置が採用されてもよい。
図柄表示装置41は、第1特別図柄表示器37aにおける第1特別図柄又は第2特別図柄表示器37bにおける第2特別図柄が変動表示及び停止表示をする場合に、それに合わせて装飾図柄の変動表示及び停止表示を行なう表示部である。また、図柄表示装置41は、装飾図柄の変動表示及び停止表示に限らず、変動演出としての予告演出や特電開閉実行モード中の演出の表示など、各種の演出の表示も行なう表示部である。図柄表示装置41の上方には、演出用可動役物170が設けられている。
演出用可動役物170は、図柄表示装置41の表示面41aの手前(前方)上側に配置された可能役物であり、遊技盤30の正面視(以下、単に「正面視」と呼んだ場合、遊技盤30の正面視を意味する)において、回転軸部171の周囲に5枚の花びら部172が配置されるように構成されている。各花びら部172は、板状の透明または半透明の樹脂製部材であり、正面視において、花びらの形状を有している。回転軸部171は、遊技盤30の前後方向(遊技盤30の表面に対して垂直な方向)に延在した棒状部材に連結されており、当該棒状部材を中心に回転可能に構成されている。回転軸部171に連結された各花びら部172は、回転軸部171の回転運動に伴って回転可能に構成されている。さらに、演出用可動役物170は、図示した原点位置から下方に移動可能に構成されている。
図359は、図柄表示装置41において変動表示される装飾図柄及び図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図359(A)は、図柄表示装置41の表示面41aにおいて変動表示される装飾図柄の一例を示す説明図である。
図359(A)に示すように、図柄表示装置41には、装飾図柄として、数字の1~8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される装飾図柄として、数字の1~8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図359(B)は、図柄表示装置41の表示面41aの一例を示す説明図である。図示するように、表示面41aの中央には、メイン表示領域MAが表示される。
メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの装飾図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各装飾図柄列Z1~Z3には、図359(A)に示した数字1~8の装飾図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各装飾図柄列Z1~Z3のそれぞれにおいて装飾図柄が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。そして、図359(B)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各装飾図柄列毎に1個の装飾図柄が、有効ラインL1上に停止した状態で表示される。
本実施形態では、第1特図始動口33又は第2特図始動口34に遊技球が入球し、第1特別図柄表示器37a又は第2特別図柄表示器37bにおいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、各装飾図柄列Z1~Z3の装飾図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各装飾図柄が、装飾図柄列Z1、装飾図柄列Z3、装飾図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わる。その後、第1特別図柄表示器37a又は第2特別図柄表示器37bにおいて第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示となったタイミングと同期して、各装飾図柄列Z1~Z3毎に1個の装飾図柄が停止表示した状態となる。主制御装置60による第1特図抽選又は第2特図抽選の結果が特図大当たりであった場合には、各装飾図柄列における装飾図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる際に、予め定められた所定の装飾図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。例えば、同一の装飾図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。なお、各装飾図柄列の装飾図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、装飾図柄列の数、有効ラインの数、各装飾図柄列における装飾図柄のスクロールの方向、各装飾図柄列の装飾図柄の数など、装飾図柄の変動表示の態様としては種々の態様を採用可能である。
次に、装飾図柄におけるリーチについて説明する。リーチとは、図柄表示装置41の表示面41aに表示される複数の装飾図柄列のうち一部の装飾図柄列において、当たりに対応した装飾図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される可能性がある装飾図柄の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの装飾図柄列において装飾図柄の変動表示が行われている表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において、当たりに対応した装飾図柄の組み合わせとは、同一の装飾図柄の組み合わせのことをいう。具体的には、例えば、図359(B)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に装飾図柄列Z1において装飾図柄「7」が停止表示され、次に装飾図柄列Z3において装飾図柄列Z1と同じ装飾図柄「7」が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状態で、装飾図柄列Z2において装飾図柄がスクロールしている(変動表示している)状態をリーチという。そして、当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している装飾図柄と同一の装飾図柄が装飾図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの装飾図柄列において装飾図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された装飾図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
図359(B)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1特図保留表示領域Ds1と、第2特図保留表示領域Ds2とが表示される。
第1特図保留表示領域Ds1には、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて保留された第1特図抽選の個数(保留第1特図抽選の個数)が表示される。保留第1特図抽選とは、未実行の第1特図抽選であって、当該第1特図抽選の抽選結果を報知するための第1特別図柄の変動表示が開始されていない第1特図抽選を言う。本実施形態では、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて保留可能な第1特図抽選の数は4個である。したがって、図示するように、第1特図保留表示領域Ds1には4個の保留第1特図抽選に対応した保留表示が可能である。
第2特図保留表示領域Ds2には、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて保留された第2特図抽選の個数(保留第2特図抽選の個数)が表示される。保留第2特図抽選とは、未実行の第2特図抽選であって、当該第2特図抽選の抽選結果を報知するための第2特別図柄の変動表示が開始されていない第2特図抽選を言う。本実施形態では、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて保留可能な第2特図抽選の数は4個である。したがって、図示するように、第2特図保留表示領域Ds2には4個の保留第2特図抽選に対応した保留表示が可能である。
また、図359(B)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1特別図柄表示器37aに表示される第1特別図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1特図同期表示部Sync1と、第2特別図柄表示器37bに表示される第2特別図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2特図同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1特別図柄表示器37aにおいて第1特別図柄が変動表示をしている場合には特図同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1特別図柄表示器37aにおいて第1特別図柄が停止表示をしている場合には特図同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2特別図柄表示器37bにおいて第2特別図柄が変動表示をしている場合には特図同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2特別図柄表示器37bにおいて第2特別図柄が停止表示をしている場合には特図同期表示部Sync2は点灯表示をする。
また、表示面41aには、音量と光量を調整するための画像(以下、音量光量調整画像SLAとも呼ぶ)を表示することができる。
図360は、音量光量調整画像を説明する説明図である。上述したように、パチンコ機10で実行される演出(変動演出、ラウンド遊技が実行される特電開閉実行モードにおいて実行される演出、普電開閉実行モードにおいて実行される演出)においてスピーカー46から出力される音声の大きさ(音量)や、演出において発光(出力)する各種ランプ47の光量を調整することができるように、表示面41aには音量光量調整画像SLAを表示することができる。
図360(a)に示すように、音量光量調整画像SLAには、音量調整画像STと、光量調整画像LTが含まれる。本実施形態のパチンコ機10では、出力値としての音量の値はレベル1~レベル5の5段階で調整可能である。出力値としての光量の値もレベル1~レベル5の5段階で調整可能である。遊技の待機状態(遊技回が実行されていない状態)において、遊技者が演出操作ボタン24または十字キー27を1回押すと音量光量調整画像SLA(音量調整画像ST、光量調整画像LTを含む)が表示面41aに表示される。
音量調整画像STには、設定される音量の値を表示するために5段階の目盛り表示がされている。黒色に塗りつぶされている目盛りの数が現在設定されている音量の値を示している。音量光量調整画像SLAが表示されている状態で遊技者が十字キー27の左右ボタンを操作することで音量のレベル1~レベル5の値の中から一つの値を選択して入力することができる。遊技者は十字キー27の左ボタンを操作することで音量レベルをレベル1を下限として下げることができる。また、遊技者が十字キー27の右ボタンを操作することで音量レベルをレベル5を上限として上げることができる。そして、遊技者が決定した一つの音量のレベルの値の入力が完了すると、その値が音光側MPU92内の記憶領域に記憶され、その入力された値に対応した音量のレベルが音量調整画像STとして表示面41aに所定期間表示がされる。
一方、光量調整画像LTには、設定される光量の値を表示するために5段階の目盛り表示がされている。黒色に塗りつぶされている目盛りの数が現在設定されている光量の値を示している。音量光量調整画像SLAが表示されている状態で遊技者が十字キー27の上下ボタンを操作することで光量のレベル1~レベル5の値の中から一つの値を選択して入力することができる。遊技者は十字キー27の下ボタンを操作することで光量レベルを、レベル1を下限として下げることができる。また、遊技者が十字キー27の上ボタンを操作することで光量レベルをレベル5を上限として上げることができる。そして、遊技者が決定した一つの光量のレベルの値の入力が完了すると、その値が音光側MPU92内の記憶領域に記憶され、その入力された値に対応した光量のレベルが光量調整画像LTとして表示面41aに所定期間表示がされる。
また、図360(b)に示すように、遊技回が実行されている期間(特別図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの全ての期間)に遊技者は音量および光量のレベルの値を入力することが可能である。遊技回が実行されている期間に、遊技者が演出操作ボタン24または十字キー27を1回押すと入力内容表示画像としての音量光量調整画像SLA(音量調整画像ST、光量調整画像LTを含む)が表示面41aの左下の領域に表示される。その後の操作は上記説明と同じであるので省略する。また、遊技回が実行されている期間に音量および光量のレベルの値が遊技者によって入力された場合、当該入力された値に対応した表示の音量調整画像STと光量調整画像LTが表示面41aに所定期間表示される。また、パチンコ機10は、遊技回が実行されている期間に音量および光量のレベルの値が遊技者によって入力された場合には、その入力の直後から当該入力されたレベルで音および光を出力する。
なお、遊技者が入力した音量および光量のレベルの値に対応した音および光の出力は、遊技が継続している場合には維持される。したがって、遊技回の実行中に遊技者が入力(設定)した音量および光量のレベルの値に対応した音および光の出力は、例えば、その後に実行される特電開閉実行モードや普電開閉実行モードにおいても維持される。
また、表示面41aには、演出のカスタム設定や遊技履歴の閲覧を遊技者が選択して行うことを可能にするオプション画像が表示される。
図361はオプション画像を説明する説明図である。遊技の待機状態(遊技回が実行されていない待機期間としての非変動状態)において、遊技者が演出操作ボタン24を1回押下して演出操作ボタン24に対して入力操作を行うと、ボタン操作検出スイッチがON状態になり、表示面41aには複数の関連情報が表示されたオプション画像OPGが表示される。オプション画像OPGは、予め表示制御装置100の記憶部に記憶されている画像データが出力されて表示面41aに画像表示される。
図361(a)に示すように、オプション画像OPGには、演出のカスタム設定を遊技者が選択可能なカスタム設定選択用画像CTGと、遊技履歴を表示するための遊技履歴選択用画像HSGと、演出における音声や文字表示における言語を設定するための言語設定選択用画像LNGが表示されている。
遊技者が演出操作ボタン24および十字キー27を用いて、表示面41aに出力表示されたこれら複数の画像に対応したいずれかの選択用画像を選択して情報入力すると、選択された画像に対する設定画像が表示される。具体的には、遊技者がカスタム設定選択用画像CTGを選択して入力して対応情報入力状態にするとカスタム設定選択状態となり、サブ制御装置(音声発光制御装置90、表示制御装置100)は当該入力を検出して、図361(b)に示すような演出カスタム設定用画像PSGを表示面41aに出力表示する。演出カスタム設定用画像PSGには、設定可能な情報として、パチンコ機10において実行される演出の出現頻度や期待度の設定を可能にするための画像が表示される。具体的には、演出カスタム設定用画像PSGには、一発告知演出の出現頻度を設定可能にする画像である一発告知演出頻度設定用画像CT1と、パチンコ機10において実行可能な演出の一つである魚群演出の期待度を設定可能にする魚群演出期待度設定用画像CT2と、パチンコ機10において実行可能な演出の一つである泡演出の期待度を設定可能にする泡演出期待度設定用画像CT3とが表示される。
一発告知演出頻度設定用画像CT1は、遊技者が十字キー27で操作入力することにより設定可能な情報に対応する情報の入力として一発告知演出の出現頻度の設定が可能である。一発告知演出の出現頻度については後述する。遊技者が十字キー27で操作入力すると、操作入力に対応してカーソルが動く画像が表示され、一発告知演出の出現頻度の設定が可能となる。
魚群演出期待度設定用画像CT2は、遊技者が十字キー27で操作入力することにより設定可能な情報に対応する情報の入力として魚群演出の期待度の設定が可能である。魚群演出の期待度については後述する。遊技者が十字キー27で操作入力すると、操作入力に対応してカーソルが動く画像が表示され、魚群演出の期待度の設定が可能となる。
泡演出期待度設定用画像CT3は、遊技者が十字キー27で操作入力することにより泡演出の期待度の設定が可能である。泡演出の期待度については後述する。遊技者が十字キー27で操作入力すると、操作入力に対応してカーソルが動く画像が表示され、泡演出の期待度の設定が可能となる。
また、表示面41aにオプション画像OPGが表示されている状態において、遊技者が演出操作ボタン24と十字キー27とを操作して遊技履歴選択用画像HSGを選択入力した場合には、遊技履歴情報が表示される。
図362は、表示面41aに表示された遊技履歴情報を説明する説明図である。パチンコ機10は過去に実行された遊技回において特図大当たりをした遊技回における変動表示に関する情報を所定の記憶部に記憶しており、当該情報に基づいて遊技履歴選択用画像HSGを表示する。遊技履歴選択用画像HSGには、遊技履歴情報として、遊技者による一連の遊技における確変大当たりの回数、通常大当たりの回数、獲得賞球数、過去の所定回数の大当たりとなった遊技回において実行された演出の種類、各大当たり遊技回における大当たり種別を出力表示する。遊技履歴情報には、カスタム設定された状態で実行された遊技に対する遊技履歴が出力されるので、カスタム設定可能な情報に対応する情報として遊技履歴情報を認識して、カスタム設定による効果等についても遊技者は楽しむことができる。
このように表示面41aには、種々の画像を表示することができる。表示面41aに表示されるこれらの画像は、サブ制御装置の所定の記憶手段としてのプログラムROM103やキャラクタROM106やビデオRAM107に記憶された情報であり、表示側MPU102によって読み出されることによって表示面41aに出力(画像表示)される。
なお、本実施形態においては、図柄表示装置41の表示面41aには、メイン表示領域MA、第1特図保留表示領域Ds1、第2特図保留表示領域Ds2、第1特図同期表示部Sync1、および、第2特図同期表示部Sync2が表示される構成としたが、表示面41aにこれらの表示の一部または全部が表示されない構成を採用してもよい。
《8-2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図363は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
なお、主制御装置60を「メイン制御装置」と定義し、音声発光制御装置90と表示制御装置100とを合わせて「サブ制御装置」と定義する。すなわち、パチンコ機10の制御は、メイン制御装置とサブ制御装置によって行われている。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。
主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。
また、主制御基板61の入力側には、上述した各種の入球口のそれぞれに設けられた検知センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検知センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて第1特図抽選を実行し、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて第2特図抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、メイン表示器45と、特別電動役物57bを開閉動作させる特別電動役物駆動部57cと、普通電動役物34bを開閉動作させる普通電動役物駆動部34cとが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、第1特図抽選を実行した際には、メイン表示器45における第1特別図柄表示器37aの表示制御を実行し、第2特図抽選を実行した際には、メイン表示器45における第2特別図柄表示器37bの表示制御を実行し、普図抽選を実行した際には、メイン表示器45における普通図柄表示器38aの表示制御を実行し、特電開閉実行モードを実行した際には、メイン表示器45におけるラウンド表示器39の表示制御を実行する。さらに、MPU62は、特電開閉実行モードにおいては、特別電動役物57bが開閉されるように特別電動役物駆動部57cの駆動制御を実行し、普電開閉実行モードにおいては、普通電動役物34bが開閉されるように普通電動役物駆動部34cの駆動制御を実行する。
また、主制御基板61の出力側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。主制御装置60は、払出制御装置70に対して、入球判定結果に基づいて、各入球口毎に設定された賞球数に対応した賞球コマンドを送信する。なお、主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63bを参照する。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63bを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する。
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光部である各種ランプ47の駆動制御や、音声出力部であるスピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。さらに、音声発光制御装置90には、十字キー27が設けられており、上述したように、遊技者が変更可能な演出モードの設定、所定の演出の出現頻度の設定、表示面41aとしての液晶ディスプレイの光量の設定、スピーカー46から出力される音声の音量の設定など各種設定が遊技者によって行われる際に用いられる。
また、音声発光制御装置90には、NFCモジュール110と、Bluetoothモジュール111(以下、BTモジュール111とも呼ぶ)とが設けられている。NFCモジュール110の状態は音光側MPU92によって常時監視されている。NFCモジュール110は音光側MPU92の制御によって、NFCモジュールを備えたスマートフォン200が所定距離としてのNFC検出可能距離まで接近した際に、パチンコ機10とスマートフォン200とがBluetooth接続される際のペアリングに必要な接続情報をNFC用の所定の周波数の電波で発信する。
本実施形態においては、NFC用の所定の周波数の電波で発信する接続情報は、パチンコ機10が備えるBluetoothモジュール111におけるBluetoothの機器名、Bluetoothのアドレス、Bluetoothのパスワードである。Bluetoothモジュール111は、スマートフォン200とBluetoothによる通信を行うために用いられる。NFCモジュール110およびBluetoothモジュール111における処理については後述する。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における装飾図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる装飾図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、装飾図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、装飾図柄が停止表示している時間は一定である。従って、装飾図柄の変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図364は、RAM64に設けられている各種カウンタと各種記憶エリアを示す説明図である。図364に示すように、RAM64には、MPU62による内部抽選に用いられる各種のカウンタが設けられている。具体的には、本実施形態では、RAM64には、特図当否判定カウンタCs1と、特図種別判定カウンタCs2と、特図リーチ判定カウンタCs3と、特図変動種別判定カウンタCs4と、普図当否判定カウンタCn1と、普図種別判定カウンタCn2と、乱数初期値カウンタCiniとが設けられている。特図当否判定カウンタCs1及び特図種別判定カウンタCs2は、特図抽選の抽選結果を判定する際に用いられる。特図リーチ判定カウンタCs3は、図柄表示装置41に表示される装飾図柄を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かを判定する特図リーチ判定に用いられる。また、特図変動種別判定カウンタCs4は、第1特別図柄表示器37a又は第2特別図柄表示器37bにおける特別図柄の変動時間を決定する際に用いられる。また、普図当否判定カウンタCn1及び普図種別判定カウンタCn2は、普図抽選に用いられる。乱数初期値カウンタCiniは、特図当否判定カウンタCs1の値が1周した際の初期値を設定情報として設定する際に用いられる。
各カウンタCs1~Cs4、Cn1、Cn2、Ciniは、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には、特図保留エリア64bと、特図判定エリア64cと、普図保留エリア64dと、普図判定エリア64eとが設けられている。本実施形態では、第1特図始動口33に遊技球が入球すると、当該入球のタイミングにおける特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3の各値が特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに時系列的に記憶され、第2特図始動口34に遊技球が入球すると、当該入球のタイミングにおける特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3の各値が特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに時系列的に記憶される。また、普図始動ゲート35に遊技球が入球すると、当該入球のタイミングにおける普図当否判定カウンタCn1、普図種別判定カウンタCn2の各値が普図保留エリア64dに時系列的に記憶される。
次に、特図当否判定カウンタCs1の詳細について説明する。特図当否判定カウンタCs1は、特図当たり(特図大当たり又は特図小当たり)に当選するか否かを判定する際に用いられる。この特図当たりに当選するか否かの判定である特図当否判定は、上述した特図抽選の一部である。特図当否判定カウンタCs1は、0~65535の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後は0に戻るように構成されている。また、特図当否判定カウンタCs1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCiniの値が当該特図当否判定カウンタCs1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCiniは、特図当否判定カウンタCs1と同様のループカウンタである(値=0~65535)。
特図当否判定カウンタCs1の値は定期的に更新され、第1特図始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図当否判定カウンタCs1の値が特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図当否判定カウンタCs1の値が特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。
特図当否判定カウンタCs1の値は、第1特図始動口33に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、特図当否判定カウンタCs1の値は、第2特図始動口34に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。本実施形態では、第2特図保留エリアRbに記憶された特図当否判定カウンタCs1の値は、第1特図保留エリアRaに記憶された特図当否判定カウンタCs1の値よりも優先的に、そして記憶された順に特図判定エリア64cに移動される。そして、特図判定エリア64cに移動した特図当否判定カウンタCs1の値は、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている特図当否判定テーブルと照合され、特図当たりに当選するか否かが判定される。
次に、特図種別判定カウンタCs2の詳細について説明する。特図種別判定カウンタCs2は、特別図柄の種別を判定する際に用いられる。この特別図柄の種別の判定である特図種別判定は、上述した特図抽選の一部である。特図種別判定カウンタCs2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後は0に戻るように構成されている。
特図種別判定カウンタCs2は定期的に更新され、第1特図始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図種別判定カウンタCs2の値が、上述した特図当否判定カウンタCs1の値とともに特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図種別判定カウンタCs2の値が特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。
特図種別判定カウンタCs2の値は、第1特図始動口33に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、特図種別判定カウンタCs2の値は、第2特図始動口34に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。本実施形態では、第2特図保留エリアRbに記憶された特図種別判定カウンタCs2の値は、第1特図保留エリアRaに記憶された特図種別判定カウンタCs2の値よりも優先的に、そして記憶された順に、上述した特図当否判定カウンタCs1とともに特図判定エリア64cに移動される。
MPU62は、上述したように、特図判定エリア64eに記憶されている特図当否判定カウンタCs1の値を用いて特図当否判定を行なう。そして、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている複数の特図種別判定テーブルの中から、特図当否判定の結果に対応した一の特図種別判定テーブルを選択し、特図判定エリア64eに記憶されている特図種別判定カウンタCs2の値を、当該選択した特図種別判定テーブルと照合し、特別図柄の種別を判定する。そして、MPU62は、判定した特別図柄の種別に基づいて、特別図柄表示部38aに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。
次に、特図リーチ判定カウンタCs3の詳細について説明する。特図リーチ判定カウンタCs3は、特図当否判定の結果が特図当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。特図リーチ判定カウンタCs3は、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後は0に戻るように構成されている。
特図リーチ判定カウンタCs3は定期的に更新され、第1特図始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図リーチ判定カウンタCs3の値が、上述した特図当否判定カウンタCs1及び特図種別判定カウンタCs2の値とともに特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングにおける特図リーチ判定カウンタCs3の値が、上述した特図当否判定カウンタCs1及び特図種別判定カウンタCs2の値とともに特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。
特図リーチ判定カウンタCs3の値は、第1特図始動口33に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaに記憶される。同様に、特図リーチ判定カウンタCs3の値は、第2特図始動口34に遊技球が入球する毎に4個まで特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbに記憶される。本実施形態では、第2特図保留エリアRbに記憶された特図リーチ判定カウンタCs3の値は、第1特図保留エリアRaに記憶された特図リーチ判定カウンタCs3の値よりも優先的に、そして記憶された順に、上述した特図当否判定カウンタCs1及び特図種別判定カウンタCs2の値とともに特図判定エリア64cに移動される。
MPU62は、特図当否判定において特図当たりではないと判定した場合に、特図判定エリア64cに記憶されている特図リーチ判定カウンタCs3の値を、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている特図リーチ判定テーブルと照合し、リーチが発生するか否かを判定する。なお、特図抽選における特図当否判定の結果が特図大当たりである場合には、MPU62は、特図リーチ判定カウンタCs3の値に関係なくリーチ発生と判定する。
次に、特図変動種別判定カウンタCs4の詳細について説明する。特図変動種別判定カウンタCs4は、特別図柄表示部38aにおける特別図柄の変動時間及び図柄表示装置41における装飾図柄の変動時間を決定する際に用いられる。特図変動種別判定カウンタCs4は、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後は0に戻るように構成されている。
特図変動種別判定カウンタCs4は、定期的に更新され、その更新値は、特別図柄の変動表示の開始直前に取得される。そして、取得された特図変動種別判定カウンタCs4の値は、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている特図変動時間テーブルと照合され、特図変動時間が決定される。
次に、普図当否判定カウンタCn1の詳細について説明する。普図当否判定カウンタCn1は、普図当たりに当選するか否かを判定する際に用いられる。この普図当たりに当選するか否かの判定である普図当否判定は、上述した普図抽選の一部である。普図当否判定カウンタCn1は、0~65535の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、普図当否判定カウンタCn1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCiniの値が当該普図当否判定カウンタCn1の初期値として読み込まれる。
普図当否判定カウンタCn1は定期的に更新され、普図始動ゲート35を遊技球が通過した場合には、その更新値は、当該通過のタイミングで普図保留エリア64dに記憶される。
普図当否判定カウンタCn1の値は、普図始動ゲート35に遊技球が入球する毎に4個まで普図保留エリア64dに記憶され、記憶された順に普図判定エリア64eに移動する。そして、普図判定エリア64eに移動した普図当否判定カウンタCn1の値は、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている普図当否判定テーブルと照合され、普図当たりに当選するか否かが判定される。
次に、普図種別判定カウンタCn2の詳細について説明する。普図種別判定カウンタCn2は、普通図柄の種別を判定する際に用いられる。この普通図柄の種別の判定である普図種別判定は、上述した普図抽選の一部である。普図種別判定カウンタCn2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
普図種別判定カウンタCn2は定期的に更新され、普図始動ゲート35に遊技球が入球した場合には、その更新値は、当該入球のタイミングで、上述した普図当否判定カウンタCn1の値とともに普図保留エリア64dに記憶される。
普図種別判定カウンタCn2の値は、普図始動ゲート35に遊技球が入球する毎に4個まで普図保留エリア64dに記憶され、記憶された順に、上述した普図当否判定カウンタCn1の値とともに普図判定エリア64eに移動する。
MPU62は、上述したように、普図判定エリア64eに記憶されている普図当否判定カウンタCn1の値を用いて普図当否判定を行なう。そして、ROM63の各種テーブル記憶エリア63aに記憶されている複数の普図種別判定テーブルの中から、普図当否判定の結果に対応した一の普図種別判定テーブルを選択し、普図判定エリア64eに記憶されている普図種別判定カウンタCn2の値を、当該選択した普図種別判定テーブルと照合し、普通図柄の種別を判定する。そして、MPU62は、判定した普通図柄の種別に基づいて、普通図柄表示器38aに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。
次に、特図当否判定テーブルについて説明する。
図365は、特図当否判定テーブルの内容を示す説明図である。
上述したように、第1特図始動口33又は第2特図始動口34に遊技球が入球すると、特図当否判定カウンタCs1における0から65535までの範囲内の値から1つの値が取得される。そして、取得された特図当否判定カウンタCs1の値と特図当否判定テーブルとによって、特図当たり(特図大当たり又は特図小当たり)に当選するか否かの判定である特図当否判定が行なわれる。
本実施形態のパチンコ機10は、特図当否判定(特図抽選)の抽選モードとして、特図大当たりに当選する確率の低い低確率モードと、当該低確率モードよりも特図大当たりに当選する確率の高い高確率モードとを実行可能に構成されており、低確率モード中の特図抽選において利用される低確率モード用の特図当否判定テーブルと、高確率モード中の特図抽選において利用される高確率モード用の特図当否判定テーブルとを備えている。さらに、本実施形態では、第1特図抽選と第2特図抽選とにおいても異なる特図当否判定テーブルを備えている。すなわち、本実施形態では、特図抽選において利用する特図当否判定テーブルとして、以下の4種類の特図当否判定テーブルを備えている。
・第1特図当否判定テーブル(低確率モード用)
・第2特図当否判定テーブル(低確率モード用)
・第1特図当否判定テーブル(高確率モード用)
・第2特図当否判定テーブル(高確率モード用)
図365(A)に示すように、低確率モード中の第1特図抽選において利用される第1特図当否判定テーブル(低確率モード用)には、特図当否判定カウンタCs1の0から65535までの65536個の値のうち、0から204までの205個の値が特図大当たりに当選となる値として設定されており、その他の値が特図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、低確率モード中の第1特図抽選(第1特図当否判定)の結果は、約319.7分の1の確率で特図大当たりに当選となる。
図365(B)に示すように、低確率モード中の第2特図抽選において利用される第2特図当否判定テーブル(低確率モード用)には、特図当否判定カウンタCs1の0から65535までの65536個の値のうち、0から204までの205個の値が特図大当たりに当選となる値として設定されており、その他の値が特図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、低確率モード中の第2特図抽選(第2特図当否判定)の結果は、約319.7分の1の確率で特図大当たりに当選となる。
図365(C)に示すように、高確率モード中の第1特図抽選において利用される第1特図当否判定テーブル(高確率モード用)には、特図当否判定カウンタCs1の0から65535までの65536個の値のうち、0から1728までの1729個の値が特図大当たりに当選となる値として設定されており、その他の値が特図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、高確率モード中の第1特図抽選(第1特図当否判定)の結果は、約37.9分の1の確率で特図大当たりに当選となる。
図365(D)に示すように、高確率モード中の第2特図抽選において利用される第2特図当否判定テーブル(高確率モード用)には、特図当否判定カウンタCs1の0から65535までの65536個の値のうち、0から1728までの1729個の値が特図大当たりに当選となる値として設定されており、その他の値が特図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、高確率モード中の第2特図抽選(第2特図当否判定)の結果は、約37.9分の1の確率で特図大当たりに当選となる。
次に、特図種別判定テーブルについて説明する。
図366は、特図種別判定テーブルの内容を示す説明図である。上述したように、第1特図始動口33又は第2特図始動口34に遊技球が入球すると、特図種別判定カウンタCs2における0から99までの範囲内の値から1つの値が取得される。そして、上述した特図当否判定の結果と、取得された特図種別判定カウンタCs2の値とによって、特別図柄の種別(停止図柄の種別)を判定する特図種別判定が行なわれる。
本実施形態のパチンコ機10は、第1特図抽選において利用される第1特図種別判定テーブルと、第2特図抽選において利用される第2特図種別判定テーブルとを備えている。
図366(A)に示すように、本実施形態の第1特図種別判定テーブルによれば、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が0~19までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄A(16R確変大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が20~39までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄B(8R確変大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が40~59までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄C(4R確変大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が60~99までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄D(8R通常大当たり)と判定される。一方、特図当否判定の結果が特図外れである場合には、取得された特図種別判定カウンタCs2の値に関わらず、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄Z(外れ)と判定される。
図366(B)に示すように、本実施形態の第2特図種別判定テーブルによれば、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が0~51までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄A(16R確変大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が52~55までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄B(8R確変大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が56~59までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄C(4R確変大当たり)と判定され、特図当否判定の結果が特図大当たり当選であり、取得された特図種別判定カウンタCs2の値が60~99までの値である場合には、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄D(8R通常大当たり)と判定される。一方、特図当否判定の結果が特図外れである場合には、取得された特図種別判定カウンタCs2の値に関わらず、特別図柄の種別(停止図柄の種別)が特別図柄Z(外れ)と判定される。
特別図柄の種別(停止図柄の種別)のうち、特別図柄A(16R確変大当たり)、特別図柄B(8R確変大当たり)、特別図柄C(4R確変大当たり)及び特別図柄D(8R通常大当たり)は、いずれも特電開閉実行モードの実行の契機となる点において共通しているが、特電開閉実行モードが実行される際に選択される特電開閉シナリオの種別が異なっている。
特電開閉シナリオは、特電開閉実行モードにおける特別電動役物57bの制御の態様が記憶された制御プログラムであり、選択される特電開閉シナリオの種別によって、特電開閉実行モードにおける特別電動役物57bの開閉の態様が異なることになる。
次に、特電開閉パターン選択テーブルについて説明する。
図367は、特電開閉パターン選択テーブルの内容を示す説明図である。特電開閉パターン選択テーブルは、特図大当たりに当選した場合に、特別図柄の種別に対応した特電開閉パターン及び当該特電開閉パターンを実現するための特電開閉シナリオを選択するためのテーブルである。特電開閉パターンは、特別電動役物57bに一連の動作、具体的には一連の開閉動作を実行させるための動作パターンである。特別電動役物57bは、一連の開閉動作が実行されていない非駆動時には、非駆動時初期位置である初期閉鎖状態となっており、一連の開閉動作が実行されると、駆動時最戻り位置である駆動時閉鎖状態と、最も駆動された駆動時最大変位位置である開放状態との間で駆動制御される。そして、一連の開閉動作は、特別電動役物57bを駆動時閉鎖状態に移行させる閉鎖動作を複数回実行するように構成されている。なお、本実施形態では、一連の開閉動作に含まれる閉鎖動作によって特別電動役物57bを閉鎖した際の駆動時閉鎖状態は、初期閉鎖状態と同じ状態であるが、駆動時閉鎖状態は、初期閉鎖状態と完全に同じ状態でなくてもよい。すなわち、閉鎖動作によって特別電動役物57bが初期閉鎖状態までは完全に戻っていない場合があってもよい。換言すれば、閉鎖動作は、特別電動役物57bが初期閉鎖状態側に近づく動作であればよく、初期閉鎖状態及び駆動時閉鎖状態のいずれも、遊技球が大入賞口57aに入球することが不可能な状態であればよい。以下、本実施形態では、初期閉鎖状態と駆動時閉鎖状態とを区別しない場合には、単に閉鎖状態と呼ぶ。
図367に示すように、特電開閉パターン選択テーブルには、特別図柄の種別(停止図柄の種別)に対応した特電開閉パターンがそれぞれ設定されており、当該特電開閉パターンを実現するための制御プログラムである特電開閉シナリオが特電開閉パターン毎にそれぞれ設定されている。具体的には、本実施形態では、特別図柄Aに対応して特電開閉パターンA(特電開閉シナリオA)が設定されており、特別図柄Bに対応して特電開閉パターンB(特電開閉シナリオB)が設定されており、特別図柄Cに対応して特電開閉パターンC(特電開閉シナリオC)が設定されており、特別図柄Dに対応して特電開閉パターンD(特電開閉シナリオD)が設定されている。すなわち、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定の結果が特別図柄Aとなった場合には、特電開閉実行モードの実行の際に特電開閉パターンA(特電開閉シナリオA)が選択され、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定の結果が特別図柄Bとなった場合には、特電開閉実行モードの実行の際に特電開閉パターンB(特電開閉シナリオB)が選択され、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定の結果が特別図柄Cとなった場合には、特電開閉実行モードの実行の際に特電開閉パターンC(特電開閉シナリオC)が選択され、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定の結果が特別図柄Dとなった場合には、特電開閉実行モードの実行の際に特電開閉パターンD(特電開閉シナリオD)が選択されることになる。
特電開閉シナリオAに基づいた特電開閉実行モードが開始されると、まず、3.0秒間の特電オープニング期間が開始される。すなわち、本実施形態では、特電開閉実行モードの開始条件の成立後、一連の開閉動作(特電開閉期間)の開始前に、特別電動役物57bが初期閉鎖状態から駆動されない特電オープニング期間が存在する。3.0秒間の特電オープニング期間が終了すると、特電開閉期間が開始される。当該特電開閉期間においては、特別電動役物57bが開放するラウンド遊技が16回(16ラウンド)実行される。そして、1回のラウンド遊技における特別電動役物57bの開放回数は1回であり、1回のラウンド遊技は、特別電動役物57bが最大開放時間である29.0秒間開放すること、または最大入球個数である10個の遊技球が大入賞口57aに入球することのいずれかの条件が成立することによって終了する。また、ラウンド遊技とラウンド遊技の間のインターバル期間(特電インターバル期間)は、2.0秒に設定されている。すなわち、本実施形態では、一連の開閉動作には、特別電動役物57bが駆動時閉鎖状態で待機する特電インターバル期間が含まれている。特電開閉期間が終了すると、3.0秒間の特電エンディング期間が開始される。特電開閉シナリオAに基づいた特電開閉実行モードの終了後の遊技状態については、抽選モードは、高確率モードとなり、後述するサポートモードは、高頻度サポートモードとなる。そして、本実施形態では、高確率モード及び高頻度サポートモードは、特図抽選において次に特図大当たりに当選するまで継続する。
特電開閉シナリオBに基づいた特電開閉実行モード及び特電開閉シナリオCに基づいた特電開閉実行モードは、上述した特電開閉シナリオAに基づいた特電開閉実行モードと比較して、ラウンド遊技の実行回数が異なる(特電開閉シナリオBでは8R、特電開閉シナリオCでは4R)のみで、その他の制御態様については同じである。すなわち、本実施形態では、一連の開閉動作を実行する期間として、短動作期間となる4Rや8Rの特電開閉期間と、4Rや8Rの特電開閉期間よりも長い長動作期間となる16Rの特電開閉期間と、を備える。
特電開閉シナリオDに基づいた特電開閉実行モードが開始されると、まず、3.0秒間の特電オープニング期間が開始され、その後、特電開閉期間が開始される。当該特電開閉期間においては、特別電動役物57bが開放するラウンド遊技が8回(8ラウンド)実行される。そして、1回のラウンド遊技における特別電動役物57bの開放回数は1回であり、1回のラウンド遊技は、特別電動役物57bが最大開放時間である29.0秒間開放すること、または最大入球個数である10個の遊技球が大入賞口57aに入球することのいずれかの条件が成立することによって終了する。また、ラウンド遊技とラウンド遊技の間の所定のインターバル期間である特電インターバル期間は、2.0秒に設定されている。特電開閉期間が終了すると、3.0秒間の特電エンディング期間が開始される。特電開閉シナリオDに基づいた特電開閉実行モードの終了後の遊技状態については、抽選モードは、低確率モードとなり、後述するサポートモードは、高頻度サポートモードとなる。そして、本実施形態では、低確率モード及び高頻度サポートモードは、特図抽選において特図大当たりに当選した場合、または特図抽選において特図大当たりに当選せずに100回の特図変動が終了した場合に終了する。
次に、普図当否判定テーブルについて説明する。
図368は、普図当否判定テーブルの内容を示す説明図である。
上述したように、普図始動ゲート35に遊技球が入球すると、普図当否判定カウンタCn1における0~65535の範囲内の値から1つの値が取得される。そして、取得された普図当否判定カウンタCn1の値と普図当否判定テーブルとによって、普図当たりに当選するか否かの判定である普図当否判定が行なわれる。
本実施形態のパチンコ機10は、普図抽選における普図当たりの当選確率、普通図柄の変動時間及び普通電動役物の動作モードを規定するサポートモードとして、低頻度サポートモード(低サポ状態)と、同条件において低頻度サポートモードよりも普通電動役物が高頻度に動作する高頻度サポートモード(高サポ状態)とを実行可能に構成されており、低頻度サポートモード中の普図抽選において利用される低頻度サポートモード用の普図当否判定テーブルと、高頻度サポートモード中の普図抽選において利用される高頻度サポートモード用の普図当否判定テーブルとを備えている。すなわち、本実施形態では、普図抽選において利用される普図当否判定テーブルとして、以下の2種類の普図当否判定テーブルを備えている。
・普図当否判定テーブル(低頻度サポートモード用)
・普図当否判定テーブル(高頻度サポートモード用)
図368(A)に示すように、低頻度サポートモード中の普図抽選において利用される普図当否判定テーブル(低頻度サポートモード用)には、普図当否判定カウンタCn1の0~65535の65536個の値のうち、0~2の3個の値が普図当たりに当選となる値として設定されており、それ以外の値が普図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、低頻度サポートモード中の普図当否判定の結果は、1/21845.66の確率で普図当たりに当選となる。
「普図当たり」とは、普電開閉実行モードの開始の契機となる判定結果である。一方、「普図外れ」とは、普電開閉実行モードの開始の契機とはならない判定結果である。
図368(B)に示すように、高頻度サポートモード中の普図抽選において利用される普図当否判定テーブル(高頻度サポートモード用)には、普図当否判定カウンタCn1の0~65535の65536個の値のうち、0~65534の65535個の値が普図当たりに当選となる値として設定されており、それ以外の値が普図外れとなる値として設定されている。すなわち、本実施形態では、高頻度サポートモード中の普図当否判定の結果は、1/1.0000153の確率で普図当たりに当選となる。
次に、普図種別判定テーブルについて説明する。
図369は、普図種別判定テーブルの内容を示す説明図である。上述したように、普図始動ゲート35に遊技球が入球すると、普図種別判定カウンタCn2における0~99の範囲内の値から1つの値が取得される。そして、取得された普図種別判定カウンタCn2の値と、上述した普図当否判定の結果と、普図種別判定テーブルとによって、普通図柄の種別(停止図柄の種別)を判定する普図種別判定が行なわれる。
図369に示すように、本実施形態の普図種別判定テーブルによれば、普図当否判定の結果が普図当たり当選であり、取得された普図種別判定カウンタCn2の値が0~49までの値である場合には、普通図柄の種別(停止図柄の種別)が普通図柄A(普図当たりA)と判定され、普図当否判定の結果が普図当たり当選であり、取得された普図種別判定カウンタCn2の値が50~99までの値である場合には、普通図柄の種別(停止図柄の種別)が普通図柄B(普図当たりB)と判定される。一方、普図当否判定の結果が普図外れである場合には、取得された普図種別判定カウンタCn2の値に関わらず、普通図柄の種別(停止図柄の種別)が普通図柄Z(普図外れ)と判定される。
普通図柄の種別(停止図柄の種別)のうち、普通図柄A(普図当たりA)及び普通図柄B(普図当たりB)は、普電開閉実行モードの実行の契機となり、普電開閉実行モードが実行される際に普電開閉シナリオが読み込まれる。普電開閉シナリオは、普電開閉実行モードにおける普通電動役物34bの制御の態様が記憶された制御プログラムである。
次に、普電開閉シナリオ選択テーブルについて説明する。
図370は、普電開閉シナリオ選択テーブルの内容を示す説明図である。普電開閉シナリオ選択テーブルは、普図当たりに当選した場合に、普通図柄の種別に対応した普電開閉シナリオを選択するためのテーブルである。
図370に示すように、普電開閉シナリオ選択テーブルには、普通図柄の種別(停止図柄の種別)に対応した普電開閉シナリオがそれぞれ設定されている。具体的には、本実施形態では、普通図柄Aに対応して普電開閉シナリオAが設定されており、普通図柄Bに対応して普電開閉シナリオBが設定されている。すなわち、普図当否判定において普図当たりに当選し、普図種別判定の結果が普通図柄Aとなった場合には、普電開閉実行モードの実行の際に普電開閉シナリオAが選択され、普図当否判定において普図当たりに当選し、普図種別判定の結果が普通図柄Bとなった場合には、普電開閉実行モードの実行の際に普電開閉シナリオBが選択されることになる。
普電開閉シナリオAに基づいた普電開閉実行モードが開始されると、まず、2.0秒間の普電オープニング期間が開始され、その後、普電開閉期間が開始される。当該普電開閉期間においては、普通電動役物34bが1回開放し、1回の開放時間は0.8秒に設定されている。普電開閉期間が終了すると、2.0秒間の普電エンディング期間が開始される。
普電開閉シナリオBに基づいた普電開閉実行モードが開始されると、まず、2.0秒間の普電オープニング期間が開始され、その後、普電開閉期間が開始される。当該普電開閉期間においては、普通電動役物34bが2回開放し、1回の開放時間は0.8秒に設定されている。また、開放と開放の間に閉鎖しているインターバル期間(普電インターバル期間)は、1.0秒に設定されている。普電開閉期間が終了すると、2.0秒間の普電エンディング期間が開始される。
すなわち、本実施形態では、普電開閉期間は、選択された普電開閉シナリオの種別に応じて、普通電動役物34bが1回開放する短動作期間となる場合と、普通電動役物34bが2回開放する長動作期間となる場合とがある。また、本実施形態では、普通電動役物34bの1回の開放時間は、選択された普電開閉シナリオの種別に関わらず0.8秒に設定されるが、変形例として、普通電動役物34bが開放状態に制御される期間は、選択された普電開閉シナリオの種別に応じて、例えば、0.4秒といった短い短制御期間に設定される場合と、0.8秒といった長い長制御期間に設定される場合がある構成としてもよい。
なお、以下の説明では、例えば、特図当否判定において特図大当たりに当選し、特図種別判定において特別図柄A(16R確変大当たり)と判定されたことを、「特図抽選において16R確変大当たりに当選した」とも表現する。また、例えば、普図当否判定において普図当たりに当選し、普図種別判定において普通図柄Aと判定されたことを、「普図抽選において普図当たりAに当選した」とも表現する。
また、上述した特図抽選の抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態を「低確低サポ状態」又は「通常状態」とも称し、特図抽選の抽選モードが高確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態を「高確低サポ状態」又は「潜伏確変状態(潜確状態)」とも称し、特図抽選の抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態を「低確高サポ状態」又は「時短状態」とも称し、特図抽選の抽選モードが高確率モードであり、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態を「高確高サポ状態」又は「確変状態」とも称する。
《8-3》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図371は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。
音声発光制御装置90は、音声発光制御基板91を備えている。音声発光制御基板91には、音声発光制御装置90の全体の制御を司る演算装置であるMPU92と、音信号を生成するとともに生成した音信号に基づいてスピーカー46を駆動して音を出力する音出力LSI98と、種々の音声データが格納されたメモリである音声データ用ROM98aとが搭載されている。
MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93には、演出パターンテーブル93aや、役物動作パターンテーブル93b、駆動シナリオ93c等が記憶されている。RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c、駆動シナリオ格納エリア94d、駆動シナリオ用カウンタエリア94e等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートが設けられている。
MPU92の入力側には、主制御装置60、演出操作ボタン24、十字キー27等が接続されており、MPU92は、主制御装置60から送信される各種コマンドや、演出操作ボタン24の操作態様を示す信号等を受信可能に構成されている。
MPU92の出力側には、各種ランプ47、演出用可動役物駆動機構97、音出力LSI98、表示制御装置100が接続されている。
また音光側MPU92の入出力ポートには、NFCモジュール110とBTモジュール111とが接続されている。NFCモジュール110は、通信相手側のNFCモジュールを検知するための検出部としてのNFCアンテナを備える。NFCアンテナから所定距離であるNFC検出可能距離まで、検出される対象物である通信相手側のNFCモジュールが近接又は当接すると検出完了状態(NFC検出状態)となる。さらに、NFCモジュール110は、通信相手側のNFCモジュールを検知した場合に出力するデータを格納する所定の記憶手段としてのRAM110aを備える。RAM110aに格納されるデータは音光側MPU92によって書き換え可能である。
演出用可動役物駆動機構97は、上述した演出用可動役物170を駆動するための機構であり、上下移動用モーター174と、回転用モーター176と、拡大縮小機構177とを備えている。上下移動用モーター174は、演出用可動役物170を上下に移動させるためのモーターであり、回転用モーター176は、演出用可動役物170の回転軸部171を回転させるためのモーターであり、拡大縮小機構177は、演出用可動役物170の各花びら部172を回転軸部171から離間させる(拡大させる)ための機構である。上述した駆動シナリオ93cは、上下移動用モーター174、回転用モーター176、拡大縮小機構177の動作パターンが規定されたプログラムである。
音出力LSI98は、MPU92からの指示に基づいて再生すべき音を生成し、生成した音をスピーカー46から出力するDSP(Digital Signal Processor)である。具体的には、音出力LSI98は、MPU92から再生開始指令を受信すると、その再生開始指令によって指示された再生を開始すべき音を特定し、その特定した音に対応する音声データを音声データ用ROM98aから読み出し、再生すべき音を生成する。そして、音出力LSI98は、生成した音をスピーカー46から出力する。また、音出力LSI98は、MPU92から再生終了指令を受信すると、その再生終了指令により指示された再生を終了すべき音を特定し、その特定した音の再生を終了させる終了処理を実行する
音出力LSI98は、16チャンネル分の音声チャンネルを有しており、最大16の音を同時に生成し、合成(ミキシング)した上で、スピーカー46から出力する。また、音出力LSI98は、MPU92からの指示に従って、音声チャンネル毎に再生中の音の出力を消音(ミュート)に設定し、また、その消音設定を解除することができる。消音に設定された音声チャンネルは、音出力LSI98にて該当する音声データを読み出して再生すべき音を生成するものの、他の音声チャンネルの音とミキシングする場合は、消音設定の対象の音声チャンネルの音のレベルを0にするか、消音設定の対象の音声チャンネルの音をミキシング回路に非入力とすることによって、消音設定の対象の音声チャンネルの音をミキシングしないようにしている。これにより、消音設定の対象の音声チャンネルの音がスピーカー46から出力されない。
表示制御装置100は、表示制御基板101を備えている。表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から送信された各種コマンドを受信して解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《8-4》本実施形態のパチンコ機10の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10の処理の概要について説明する。上述したように、本実施形態におけるパチンコ機10はスマートフォン200やタブレット端末などの携帯端末とBluetoothによる接続および通信が可能である。パチンコ機10は携帯端末と接続されることにより、携帯端末から所定の情報の入力、および、携帯端末への所定の情報を出力をする。例えば、パチンコ機10の演出をカスタム設定するための情報(以下、カスタム設定情報とも呼ぶ)をスマートフォン200から入力したり、パチンコ機10の遊技履歴情報をスマートフォン200に出力したりすることができる。以下、パチンコ機10とスマートフォン200との接続方法(ペアリング処理)、通信方法(通信中処理)および切断方法(切断処理)について説明をする。なお、以下に説明する接続方法(ペアリング処理)、通信方法(通信中処理)および切断方法(切断処理)は、スマートフォン200上にインストールされた専用のアプリケーションAPPを用いて実行する。
パチンコ機10とスマートフォン200との接続方法(ペアリング処理)、通信方法(通信中処理)、切断方法(切断処理)については、スマートフォン200側で実行可能な処理として複数の処理方法が考えられる。同様に、パチンコ機10側で実行可能な処理として複数の処理方法が考えられる。また、スマートフォン200側での処理とパチンコ機10側での処理の組み合わせ方も複数種類が考えられる。
よって、以下の説明では、ペアリング処理については、スマートフォン200側で採用可能なペアリング処理について複数種類を順に説明した後に、パチンコ機10側で採用可能なペアリング処理について複数種類を順に説明する。また、各処理の説明において、相手側(スマートフォン200から見たパチンコ機10、パチンコ機10から見たスマートフォン200)のいずれの処理と組み合わせ可能であるのかも併せて説明する。
通信中処理については、パチンコ機10側で採用可能な通信中処理について複数種類を順に説明する。
切断処理については、スマートフォン200側で採用可能な切断処理について複数種類を順に説明した後に、パチンコ機10側で採用可能な切断処理について複数種類を順に説明する。また、各処理の説明において、相手側(スマートフォン200から見たパチンコ機10、パチンコ機10から見たスマートフォン200)のいずれの処理と組み合わせ可能であるのかも併せて説明する。
また、以下に説明する処理では、処理パターンとして説明する。例えば、ペアリング処理のスマートフォン側の処理にはPSと符号を付けた処理パターンとして説明する。ペアリング処理の遊技機側の処理にはPYと符号を付けた処理パターンとして説明する。そして、処理パターンPSの1種類目なら処理パターンPS1と呼ぶ。処理パターンPSの2種類目は処理パターンPS2と呼ぶ。同様に、処理パターンPYの1種類目なら処理パターンPY1と呼ぶ。処理パターンPY2の2種類目は処理パターンPS2と呼ぶ。
同様に、通信中処理の遊技機側の処理にはCYと符号付ける。
切断処理のスマートフォン側の処理にはDSと符号付ける。切断処理の遊技機側の処理にはDYと符号付ける。
<ペアリング処理>
[処理パターンPS1](スマートフォン200側処理)
図372は、ペアリング処理(スマートフォン側)における処理パターンPS1を示すフローチャートである。上述したように、スマートフォン200のアプリケーションAPPによって本処理は開始される。
処理の概要:
先に処理の概要を説明する。本処理はNFCを用いたBluetoothのペアリング処理である。パチンコ機10の検出ユニットとしてのNFCモジュール110に備えられている所定の記憶手段としてのRAM110aには、複数の関連情報が格納されている。具体的には、パチンコ機10が備えるBTモジュール111とBluetoothにおけるペアリングをするために必要なBluetoothの接続情報が格納されている。より具体的には、パチンコ機10のBTモジュール111の機器名、Bluetoothのアドレス、Bluetoothのパスワードの3つの情報(接続情報)が少なくともRAM110aに格納されている。所定の待期期間としてのNFC監視状態において、所定の検知され得る対象物であるスマートフォン200が、パチンコ機10のNFCモジュール110が備える所定の検出実行部としてのNFCアンテナに対して、所定距離であるNFC検出可能距離まで近接又は当接した場合に、NFCモジュール110は検出完了状態としてのNFC検出状態となる。NFCモジュール110がNFC検出状態となった場合に、RAM110aに記憶された情報である接続情報を外部出力する外部出力手段として、NFCによる接続情報を出力する処理を実行する。スマートフォン200が備えるNFCモジュールはNFCを介してパチンコ機10のBTモジュール111の接続情報を受信する。そして、スマートフォン200は、当該受信した接続情報に対応した所定の情報である接続要求をスマートフォン200が備えるBluetoothモジュールからBluetoothの電波を介して所定期間内にパチンコ機10に出力する。パチンコ機10は、NFCモジュール110から出力されたBluetoothの接続情報に対応した所定の情報の入力である接続要求の入力を検出した状態が発生した場合に、演出の実行における所定の設定可能な情報に関する情報としてのカスタム設定可能な演出の情報(カスタム設定情報)に関する情報の入力および出力(例えば遊技履歴情報の出力)が可能となる。より具体的には、パチンコ機10のBTモジュール111は、スマートフォン200から送られた接続要求に含まれる接続情報が、パチンコ機10のBTモジュール111の接続情報と一致しているかを判断し、一致している場合にはスマートフォン200とのBluetoothによる通信を開始する。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe7001では、スマートフォン200のアプリケーションAPP上で接続開始操作がされたか否かを判定する。具体的には、アプリケーションAPPの機能としてスマートフォン200のタッチパネル202に表示される「接続ボタン」が操作されたか否かを判定する。ステップSe7001において、接続ボタンが操作されたと判定した場合には(ステップSe7001:YES)、ステップSe7002に進み、スマートフォン200が備えるNFCモジュールを起動する。その後、ステップSe7003に進む。一方、ステップSe7001において接続ボタンが操作されていないと判定した場合には(ステップSe7001:NO)、本処理を終了する。
ステップSe7003では、NFCの電波を介してパチンコ機10のNFCモジュール110から接続情報を取得したか否かを判定する。ステップSe7003において、接続情報を取得したと判定した場合には(ステップSe7003:YES)、ステップSe7004に進む。ステップSe7004では、取得した接続情報が含まれる接続要求を、スマートフォン200が備えるBluetoothモジュールからBluetoothの電波を介してパチンコ機10のBTモジュール111に送信する。その後、ステップSe7005に進む。
一方、ステップSe7003において、接続情報を取得していないと判定した場合には(ステップSe7003:NO)、本処理を終了する。
ステップSe7005では、パチンコ機10に向けて送信した接続要求に対して、パチンコ機10のBTモジュール111から接続応答を受信したか否かを判定する。ステップS7005において、接続応答を受信したと判定した場合には(ステップSe7005:YES)、パチンコ機10とのペアリングに成功し、ステップSe7006として、パチンコ機10のBTモジュール111とBluetoothによる通信を開始する。
一方、ステップS7005において、パチンコ機10のBTモジュール111から接続応答を受信しなかった場合には(ステップSe7005:NO)、ステップSe7007に進み、接続失敗として本処理を終了する。
本処理によれば、NFC監視状態において、スマートフォン200がパチンコ機10のNFCアンテナに対してNFC検出可能距離まで近接又は当接した場合にパチンコ機10のNFCモジュール110がNFC検出状態となり、NFCモジュール110がNFC検出状態となった状態が発生した場合にNFCモジュール110のRAM110aに記憶されたBluetoothの接続情報をパチンコ機10から出力する。そして、パチンコ機10は、出力したBluetoothの接続情報に対応した接続要求を200から入力したことを検出した状態が発生した場合に、スマートフォン200から所定の設定可能情報に関する情報の入力(例えば、カスタム設定可能な演出の情報に関する情報)の入力や、スマートフォン200に向けて所定の設定可能情報に関する情報の出力(例えば、遊技履歴情報に関する情報の出力)が可能となるので、パチンコ機10に対する情報の入力およびパチンコ機10からの情報の出力を好適に行うことが可能となるという特段の効果を得ることができる。
より具体的な効果としては、スマートフォン200がNFCを介してパチンコ機10とのBluetooth接続(ペアリングを含む)に必要な接続情報を取得できるので、スマートフォン200上で接続相手を選択したり、パスワードを入力したりする必要がなく、接続したい遊技機にスマートフォン200を近接又は当接させるだけで自動的にペアリングを行いBluetooth接続をすることができる。この処理は、スマートフォン200とBluetooth接続可能な機器(パチンコ機10)が複数存在しランダムに接続されてしまうおそれのある環境において非常に有効である。また、パチンコ機10との接続においては、パチンコ機10に触れることを必要としないので非常に衛生的である。例えば感染症への感染を抑制することができる。
[処理パターンPS2](スマートフォン200側処理)
図373は、ペアリング処理(スマートフォン側)における処理パターンPS2を示すフローチャートである。上述したように、スマートフォン200のアプリケーションAPPにおいて接続ボタンが操作されることによって、本処理は開始される。
処理の概要:
処理パターンPS2と処理パターンPS1との異なる点は、本処理においてはパチンコ機10から接続応答がなかった場合にタイマをセットし、パチンコ機10に接続要求の送信を所定の期間行う点である。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe7101~ステップSe7106の処理は、処理パターンPS1にも同じ処理があり既に説明をしているので本処理での説明は省略する。
ステップS7105においてパチンコ機10からの接続要求が無いと判定すると(ステップS7105:NO)、ステップSe7107に進み、タイマをセットしタイマ値を加算する。その後、ステップS7108に進み、タイマ値が所定時間(本実施形態では5秒)以上か否かを判定する。ステップS7108において、タイマ値が所定時間以上であると判定した場合には(ステップS7108:YES)、ステップSe7109に進み、接続失敗として本処理を終了する。一方、ステップS7108において、タイマ値が所定時間以上ではないと判定した場合には(ステップS7108:NO)、ステップS7104に進み処理を行う。
本処理によれば、接続要求を受信できない場合に所定期間接続要求を行うので、なんらかの一時的な原因により接続要求の送信または接続応答の受信ができなかった場合であっても、その後の接続要求によって通信を開始することができる。スマートフォン200がパチンコ機10と一定時間近接又は当接させることが困難な状況(例えば混雑した状況)や、通信障害が生じやすい状況においては、複数回の接続要求を実行できるので非常に有効である。
[処理パターンPS3](スマートフォン200側処理)
図374は、ペアリング処理(スマートフォン側)における処理パターンPS3を示すフローチャートである。上述したように、スマートフォン200のアプリケーションAPPにおいて接続ボタンが操作されることによって、本処理は開始される。
処理の概要:
処理パターンPS3と処理パターンPS1との異なる点は、本処理においてはパチンコ機10から接続応答がなかった場合には、接続要求をリトライし、リトライ回数が所定回以上になってもパチンコ機10から接続応答がなかった場合には、接続失敗して処理を終了する点である。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe7201~ステップSe7206の処理は、処理パターンPS1にも同じ処理があり既に説明をしているので本処理での説明は省略する。
ステップS7205においてパチンコ機10からの接続要求が無いと判定すると(ステップS7205:NO)、ステップSe7207に進み、リトライ回数を加算する。すなわち、リトライ回数用のカウンタをセットしリトライ回数をカウントする。その後、ステップS7208に進み、リトライ回数がトライ最大値(本実施形態では例えば5回)以上か否かを判定する。なお、トライ最大値は予め設定された値である。ステップS7208において、リトライ回数がトライ最大値(本実施形態では例えば5回)以上であると判定した場合には(ステップS7208:YES)、ステップSe7209に進み、接続失敗として本処理を終了する。一方、ステップS7208において、タイマ値が所定時間以上ではないと判定した場合には(ステップS7208:NO)、ステップS7204に進み処理を繰り返す。
本処理によれば、接続要求を受信できない場合に所定回数の接続要求を行うので、なんらかの一時的な原因により接続要求の送信または接続応答の受信ができなかった場合であっても、その後の接続要求によって通信を開始することができる。スマートフォン200がパチンコ機10と一定時間近接又は当接させることが困難な状況(例えば混雑した状況)や、通信障害が生じやすい状況においては、複数回の接続要求を実行できるので非常に有効である。
[処理パターンPY1] (パチンコ機10側処理)
図375は、ペアリング処理(パチンコ機10側)における処理パターンPY1を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理はペアリング処理におけるパチンコ機10側の処理である。上述したように、パチンコ機10側の処理は、音声発光制御装置90で実行されるタイマ割込み処理(音声発光制御)に含まれる一処理として実行される。なお、タイマ割込み処理(音声発光制御)については後述する。本処理は上述したように、NFCを用いたBluetoothのペアリング処理である。パチンコ機10の検出ユニットとしてのNFCモジュール110に備えられている所定の記憶手段としてのRAM110aには、複数の関連情報が格納されている。具体的には、パチンコ機10が備えるBTモジュール111とBluetoothにおけるペアリングをするために必要なBluetoothの接続情報が格納されている。より具体的には、パチンコ機10のBTモジュール111の機器名、Bluetoothのアドレス、Bluetoothのパスワードの3つの情報(接続情報)が少なくともRAM110aに格納されている。所定の待期期間としてのNFC監視状態において、所定の検知され得る対象物であるスマートフォン200が、パチンコ機10のNFCモジュール110が備える所定の検出実行部としてのNFCアンテナに対して、所定距離であるNFC検出可能距離まで近接又は当接した場合に、NFCモジュール110は検出完了状態としてのNFC検出状態となる。NFCモジュール110がNFC検出状態となった場合に、RAM110aに記憶された情報である接続情報を外部出力する外部出力手段として、NFCによる接続情報を出力する処理を実行する。スマートフォン200が備えるNFCモジュールはNFCを介してパチンコ機10のBTモジュール111の接続情報を受信する。そして、スマートフォン200は、当該受信した接続情報に対応した所定の情報である接続要求をスマートフォン200が備えるBluetoothモジュールからBluetoothの電波を介して所定期間内にパチンコ機10に出力する。パチンコ機10は、NFCモジュール110から出力されたBluetoothの接続情報に対応した所定の情報の入力である接続要求の入力を検出した状態が発生した場合に、演出の実行における所定の設定可能な情報に関する情報としてのカスタム設定可能な演出の情報(カスタム設定情報)に関する情報の入力および出力(例えば遊技履歴情報の出力)が可能となる。より具体的には、パチンコ機10のBTモジュール111は、スマートフォン200から送られた接続要求に含まれる接続情報が、パチンコ機10のBTモジュール111の接続情報と一致しているかを判断し、一致している場合にはスマートフォン200とのBluetoothによる通信を開始する。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe7301では、スマートフォン200側のNFCモジュールが接近しているか否かを判定する。すなわち、パチンコ機10のNFCモジュール110によって、スマートフォン200側のNFCモジュールが近接又は当接しているか否かを監視する。ステップSe7301において、スマートフォン200側のNFCモジュールが所定距離であるNFC検出可能距離まで接近していると判定した場合には(ステップSe7301:YES)、ステップSe7302において、NFCを介してNFCモジュール110のRAM110aに格納されているBluetooth接続のための接続情報を出力(送信)する。その後、ステップSe7303に進む。
一方、ステップSe7301において、スマートフォン200側のNFCモジュールが接近していないと判定した場合には(ステップSe7301:NO)、本処理を終了する。
ステップSe7303では、スマートフォン200からBluetoothを介して接続要求を所定期間内(例えば5秒以内)に受信したか否かを判定する。ステップSe7303において、スマートフォン200からBluetoothを介して接続要求を所定期間内に受信したと判定した場合には(ステップSe7303:YES)、ステップSe7304に進む。
一方、ステップSe7303において、スマートフォン200からBluetoothを介して接続要求を所定期間内に受信していないと判定した場合には(ステップSe7303:NO)、本処理を終了する。
ステップSe7304では、スマートフォン200から受信した接続要求に含まれる接続情報が、ステップS7302においてパチンコ機10が送信した接続情報と一致しているか否かを判定する。ステップSe7304において、スマートフォン200から受信した接続要求に含まれる接続情報が、パチンコ機10が送信した接続情報と一致していると判定した場合には(ステップSe7304:YES)、ステップSe7305に進み、スマートフォン200に接続応答を送信する。その後、ステップSe7306に進み、スマートフォン200との通信を開始する。
一方、ステップSe7304において、スマートフォン200から受信した接続要求に含まれる接続情報が、パチンコ機10が送信した接続情報と一致していないと判定した場合には(ステップSe7304:NO)、本処理を終了する。
本処理によれば、NFC監視状態において、スマートフォン200がパチンコ機10のNFCアンテナに対してNFC検出可能距離まで近接又は当接した場合にパチンコ機10のNFCモジュール110がNFC検出状態(第1の入力状態)となり、NFCモジュール110がNFC検出状態となった状態が発生した場合にNFCモジュール110のRAM110aに記憶されたBluetoothの接続情報をパチンコ機10から出力する。そして、パチンコ機10は、出力したBluetoothの接続情報に対応した接続要求をスマートフォン200から入力したことを検出した状態(第2の入力状態)が発生した場合に、スマートフォン200から所定の設定可能情報に関する情報(例えば、カスタム設定可能な演出の情報に関する情報)の入力や、スマートフォン200に向けて所定の設定可能情報に関する情報の出力(例えば、遊技履歴情報に関する情報の出力)が可能となるので、パチンコ機10に対する情報の入力およびパチンコ機10からの情報の出力を好適に行うことが可能となるという特段の効果を得ることができる。
また、NFC検出状態が発生してから所定期間が経過するまで接続要求が受信が検出されなかった場合に、接続要求をスマートフォン200から入力したことを検出した状態を発生させるには再度NFC検出状態を発生させることが必要な状態を発生させる。すなわち、ステップSe7303において所定期間内にBluetoothを介して接続要求がない(受信しない)場合には(ステップSe7303:NO)、本処理を終了する。パチンコ機10が、出力したBluetoothの接続情報に対応した接続要求をスマートフォン200から入力したことを検出した状態(第2の入力状態)を発生させるには、改めて、所定の検知され得る対象物であるスマートフォン200を、パチンコ機10のNFCモジュール110が備える所定の検出実行部としてのNFCアンテナに対して、所定距離であるNFC検出可能距離まで近接又は当接させて、NFCモジュール110の検出完了状態(第1の入力状態)を発生させることが必要な状態となるように構成されている。よって、NFC検出状態(第1の入力状態)が発生した後にパチンコ機10からスマートフォン200が離れてしまって所定期間が経過した場合には、当該ペアリング処理を終了させ、異なる携帯端末との間でのペアリング処理を行うことを可能にすることができる。
ここで、検出完了状態(第1の入力状態)が発生してから所定期間が経過したにもかかわらず所定の情報の入力としての接続要求の入力の検出がされないといった状態は、遊技者の意に反して検出完了状態(第1の入力状態)が発生した可能性や、遊技者が既に遊技を終了して遊技機から退席している場合などが考えられる。本処理によれば、そのような場合には接続要求の入力を検出した状態である第2の入力状態を発生させるためには再度検出完了状態(第1の入力状態)を発生させることが必要な状態を発生させることで、検出完了状態を発生させた遊技者と、その状態から接続要求の入力を検出した状態である第2の入力状態を発生させた遊技者とが異なるといった事象を回避することができる。
より具体的には、意図せず短期間にスマートフォン200をパチンコ機10に近接又は当接させてしまった場合の不要なBluetooth接続を回避することができる。さらに、本処理によれば、パチンコ機10とのBluetooth接続(ペアリング)に必要な接続情報を表示面41aなどに表示して遊技者に示す必要がなく、ペアリングのために遊技者が行わなければならない行為を非常に簡易化することができる。
なお、本処理のステップSe7303において、スマートフォン200からBluetoothを介して受信する接続要求を、時間制限(所定期間内とする時間制限)を設けずに受信する構成としてもよい。すなわち、本処理のステップSe7303における処理を「Bluetoothを介して接続要求あり?」としてもよい。
また、検出完了状態(第1の入力状態)が発生してから所定期間が経過したにもかかわらず所定の情報の入力としての接続要求の入力の検出がされない場合に、パチンコ機10の表示面41aに、再度スマートフォン200をパチンコ機10に近接または当接させるように遊技者に促す文字や画像を表示する構成を採用してもよい。具体的には「もう一度タッチして」などの文字(画像)を表示面41aに表示する構成を採用してもよい。
さらに、パチンコ機10がスマートフォン200と接続されていない状態において、表示面41aに、通信をするためにはスマートフォン200をパチンコ機10に近接または当接させることが必要である旨を示唆する表示をしてもよい。例えば、「通信をするならタッチして」といった表示をしてもよい。そして、スマートフォン200がパチンコ機10に近接または当接した場合において、検出完了状態(第1の入力状態)が発生してから所定期間が経過したにもかかわらず所定の情報の入力としての接続要求の入力の検出がされない場合に、パチンコ機10の表示面41aに、再度スマートフォン200をパチンコ機10に近接または当接させるように遊技者に促す文字や画像を表示する構成を採用してもよい。
[処理パターンPY2] (パチンコ機10側処理)
図376は、ペアリング処理(パチンコ機10側)における処理パターンPY2を示すフローチャートである。
処理の概要:
処理パターンPY2と処理パターンPY1との異なる点は、一台のスマートフォン200に対して接続応答をした場合に、その後にパチンコ機10に接近してきたスマートフォンに対してはNFCを介して無効な接続情報を送信する点である。すなわち、スマートフォン200からBluetoothを介して接続要求を受信し当該スマートフォン200に対して接続応答を送信した後に、NFCモジュール110のRAM110aに格納されている接続情報を無効なものに書き換える。具体的には、Bluetoothの接続情報としてのBluetoothの機器名、Bluetoothのアドレス、Bluetoothのパスワードの3つの情報のうち、Bluetoothの機器名だけを無効なものに書き換えてもよいし、Bluetoothのアドレスだけを無効なものに書き換えてもよいし、Bluetoothのパスワードだけを無効なものに書き換えてもよい。また、これら3つの情報のうち2つの情報を無効なものに書き換えてもよい。すなわち、Bluetoothの機器名とBluetoothのアドレスとを無効なものに書き換えてもよいし、Bluetoothの機器名とBluetoothのパスワードとを無効なものに書き換えてもよいし、BluetoothのアドレスとBluetoothのパスワードとを無効なものに書き換えてもよい。また、これら3つの情報の全てを無効なものに書き換えてもよい。
このような構成にすることで、NFC監視状態においてNFC検出状態が発生した場合に出力した接続情報が出力されることを抑制する処理を実行する。具体的には、NFCを介してパチンコ機10からスマートフォン200に対してBluetoothの機器名、Bluetoothのアドレス、Bluetoothのパスワードの3つの情報のうち少なくとも1つが無効となっている接続情報が送信される。その後、スマートフォン200からパチンコ機10に対して接続要求が送信され、パチンコ機10においてその接続要求に含まれるBluetoothの機器名、Bluetoothのアドレス、Bluetoothのパスワードの3つの情報の全てが一致しているか判定をする。すなわち、Bluetoothの機器名、Bluetoothのアドレス、Bluetoothのパスワードの3つの情報のうち一つでも無効なものであれば、スマートフォン200はパチンコ10とBluetooth接続することがきない。このようにすることで、パチンコ機10はNFC監視状態においてNFC検出状態が発生した場合に出力した接続情報が出力されることを抑制することができる。また、一台のスマートフォン200とBluetooth接続が確立した状態(第2の入力状態)が発生した場合に、正常な切断が行われるまで他のスマートフォンとの接続を回避することができる。すなわち、携帯端末(スマートフォン等)との多重接続を回避することができる。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe7401~ステップSe7205の処理は、処理パターンPY1にも同じ処理があり既に説明をしているので本処理での説明は省略する。
ステップSe7406では、NFCモジュール110のRAM110aに格納されている接続情報を無効なものに書き換える。このようにすることで、上述したように、一台のスマートフォン200とBluetooth接続が確立した場合に、正常な切断まで他のスマートフォンとの接続を回避することができる。ステップSe7406を実行した後、ステップSe7407に進み、スマートフォン200との通信を開始し処理を終了する。ステップSe7406が、スマートフォン200からBluetoothを介して接続要求を入力(受信)した状態が発生した場合に、NFC監視状態においてNFC検出状態が発生した場合に出力した接続情報が出力されることを抑制する処理に対応する。
本処理によれば、接続情報を含む接続要求を受信(入力)した第2の入力状態としてのBluetooth接続状態が発生している状態において、新たに検知される対象物としてのスマートフォン200が検出実行部としてのNFCアンテナに対して所定距離であるNFC検出可能距離まで近接又は当接した場合に複数の情報としての接続情報(有効な接続情報)が出力されることを抑制することができる。より具体的には、例えばスマートフォン200がNFCアンテナに近接又は当接したことによって検出完了状態としてのNFC検出状態を経て接続要求が入力されBluetooth接続状態となっている場合に、他の携帯端末がNFCアンテナに対してNFC検出可能距離まで近接又は当接したとしてもNFC検出状態が発生した場合に出力した複数の関連情報としてのBluetooth接続情報が出力されるのを抑制するので、当該他の携帯端末の近接又は当接に対してBluetooth接続状態となることを抑制することができる。すなわち、複数の携帯端末と第2の入力状態としてのBluetooth接続状態となることを抑制することができる。
すなわち、本処理によれば、上述したように、不意に近接又は当接したスマートフォンに対して意図せずBluetooth接続がされてしまうことを回避することができる。また、一台のスマートフォン200とBluetooth接続が確立した状態(第2の入力状態)が発生した場合に、正常な切断が行われるまで他のスマートフォンとの接続を回避することができる。すなわち、携帯端末(スマートフォン等)との多重接続を回避することができる。
なお、上述したように、接続情報を無効なものに書き換える場合に、Bluetoothの接続情報としてのBluetoothの機器名、Bluetoothのアドレス、Bluetoothのパスワードの3つの情報のうち、Bluetoothの機器名だけを無効なものに書き換えてもよいし、Bluetoothのアドレスだけを無効なものに書き換えてもよいし、Bluetoothのパスワードだけを無効なものに書き換えてもよい。また、これら3つの情報のうち2つの情報を無効なものに書き換えてもよい。すなわち、Bluetoothの機器名とBluetoothのアドレスとを無効なものに書き換えてもよいし、Bluetoothの機器名とBluetoothのパスワードとを無効なものに書き換えてもよいし、BluetoothのアドレスとBluetoothのパスワードとを無効なものに書き換えてもよい。また、これら3つの情報の全てを無効なものに書き換えてもよい。このように、接続情報を無効なものに書き換える態様として種々の態様を採用することができるが、Bluetoothの接続情報としてのBluetoothの機器名、Bluetoothのアドレス、Bluetoothのパスワードの3つの情報のうち、いずれか一つの情報を無効なものに書き換えることによって携帯端末(スマートフォン等)との多重接続を回避することができる。
[処理パターンPY3] (パチンコ機10側処理)
図377は、ペアリング処理(パチンコ機10側)における処理パターンPY3を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理では、処理パターンPY2と処理パターンPY1との異なる点は、一台のスマートフォン200に対して接続応答をした場合に、パチンコ機10のNFCモジュール110から接続情報を出力(送信)できないようにして、その後にパチンコ機10に接近してきたスマートフォンに対してBluetooth接続ができないようにする構成である。すなわち当該処理も処理パターンPY2と同様に、スマートフォン200からBluetoothを介して接続要求を入力(受信)した状態が発生した場合に、NFC監視状態においてNFC検出状態が発生した場合に出力した接続情報が出力されることを抑制する処理を実行する。
本処理においては具体的には、一台のスマートフォン200に対して接続応答をした後、NFCモジュール110に繋がるピンにオン信号を出力しNFCモジュール110内のアンテナ部分が受ける電力をグランド(GND)に落とす回路にすることで、NFCモジュール110から接続情報を出力(送信)できないようにする。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe7501~ステップSe7505の処理は、処理パターンPY1にも同じ処理があり既に説明をしているので本処理での説明は省略する。
ステップSe7506では、NFCモジュール110に繋がるピンにオン信号を出力する。ステップSe7506を実行した後、ステップSe7507に進み、スマートフォン200との通信を開始し処理を終了する。ステップSe7506が、スマートフォン200からBluetoothを介して接続要求を入力(受信)した状態が発生した場合に、NFC監視状態においてNFC検出状態が発生した場合に出力した接続情報が出力されることを抑制する処理に対応する。
本処理によれば、上述したように、一台のスマートフォン200に対して接続応答をした場合に、その後にパチンコ機10に接近してきたスマートフォンに対してBluetooth接続ができないようにすることができる。すなわち、携帯端末(スマートフォン等)との多重接続を回避することができる。
[処理パターンPY4] (パチンコ機10側処理)
図378は、ペアリング処理(パチンコ機10側)における処理パターンPY4を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、まだ1台の携帯端末ともBluetooth接続が確立していない場合のみ、パチンコ機10に接近した携帯端末とのペアリングを行う処理である。なわち、携帯端末(スマートフォン等)との多重接続を回避することができる。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe7601では、すでにパチンコ機10が携帯端末とBluetooth接続されているか否かを判定する。ステップSe7601において、すでにパチンコ機10が携帯端末とBluetooth接続されていると判定した場合には(ステップSe7601:NO)、本処理を終了する。
ステップSe7601において、パチンコ機10が1台の携帯端末ともBluetooth接続されていないと判定した場合には(ステップSe7601:YES)、ステップSe7602に進む。
ステップSe7602~ステップSe7607の処理は、処理パターンPY1におけるステップSe7301~ステップSe7306と同じであるので説明を省略する。
本処理によれば、非常に簡易な処理によって携帯端末(スマートフォン等)との多重接続を回避することができる。
[処理パターンPY5] (パチンコ機10側処理)
図379は、ペアリング処理(パチンコ機10側)における処理パターンPY5を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、携帯端末とのBluetoothによる多重接続を許容することを前提に、接続台数に制限を設ける構成である。具体的には、接続可能な携帯端末の上限数(接続上限値)を予め設定しておき、接続された携帯端末の数が接続上限値に達した以降は、ペアリングを実行しない構成である。例えば、パチンコ機10に記憶されている遊技履歴を複数人で供給した場合には、複数台の携帯端末を同時にパチンコ機10に接続して遊技履歴を受信することができ、利便性を向上させることができる。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe7701では、スマートフォン200側のNFCモジュールが接近しているか否かを判定する。すなわち、パチンコ機10のNFCモジュール110によって、スマートフォン200側のNFCモジュールが近接又は当接しているか否かを監視する。ステップSe7701において、スマートフォン200側のNFCモジュールが接近又は当接していると判定した場合には(ステップSe7701:YES)、ステップSe7702に進む。一方、ステップSe7701において、スマートフォン200側のNFCモジュールが接近していないと判定した場合には(ステップSe7701:NO)、本処理を終了する。
ステップSe7702では、現在Bluetooth接続されている携帯端末の数が接続上限値に達しているか否かを判定する。ステップSe7702において、現在Bluetooth接続されている携帯端末の数が接続上限値に達していると判定した場合には(ステップSe7702:NO)、本処理を終了する。
一方、ステップSe7702において、現在Bluetooth接続されている携帯端末の数が接続上限値に達していないと判定した場合には(ステップSe7702:YES)、ステップSe7703に進む。
本処理におけるステップSe7703~ステップSe7707は、処理パターンPY1におけるステップSe7302~ステップSe7306と同じであるので説明を省略する。
本処理によれば、携帯端末とのBluetoothによる多重接続を許容することを前提に、接続台数に制限を設けることができる。例えば、パチンコ機10に記憶されている遊技履歴を複数人で供給した場合には、複数台の携帯端末を同時にパチンコ機10に接続して遊技履歴を受信することができ、利便性を向上させることができる。
[処理パターンPY6] (パチンコ機10側処理)
図380は、ペアリング処理(パチンコ機10側)における処理パターンPY6を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、既に携帯端末とBluetooth接続されている場合に、新たな携帯端末がパチンコ機10のNFCモジュール110に接近した場合に、現在Bluetooth接続されている携帯端末との接続を切断し、新たに接近してきた携帯端末とのBluetooth接続を行う構成である。例えば、パチンコ機10で誰も遊技をしていないのに、パチンコ機10が所有者がどこにいるか分からない携帯端末(所在不明の携帯端末)とBluetooth接続されている場合に、パチンコ機10で遊技をしようとしている遊技者の携帯端末を接近させることで、所在不明の携帯端末とのBluetooth接続を切断し、パチンコ機10で遊技を行う遊技者の正当な携帯端末と新たにBluetooth接続をすることができる。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe7801では、スマートフォン200側のNFCモジュールが接近しているか否かを判定する。すなわち、パチンコ機10のNFCモジュール110によって、スマートフォン200側のNFCモジュールが近接又は当接しているか否かを監視する。ステップSe7801において、スマートフォン200側のNFCモジュールが接近していると判定した場合には(ステップSe7801:YES)、ステップSe7802に進む。一方、ステップSe7801において、スマートフォン200側のNFCモジュールが接近していないと判定した場合には(ステップSe7801:NO)、本処理を終了する。
ステップSe7802では、既に携帯端末とBluetooth接続されているか否かを判定する。ステップSe7802において、既に携帯端末とBluetooth接続されていると判定した場合には(ステップS7802:YES)、ステップSe7803に進み、既にBluetooth接続されてい携帯端末との当該接続を切断する。その後、ステップSe7804に進む。
一方、ステップSe7802において、携帯端末とBluetooth接続されていないと判定した場合には(ステップS7802:NO)、そのままステップSe7804に進む。
ステップSe7804では、新たに接近したスマートフォン200側のNFCモジュールに対して、NFCを介して接続情報を出力(送信)する。その後、ステップSe7805に進む。
ステップS7805~ステップSe7808の処理は、処理パターンPY1におけるステップSe7303~ステップSe7306の処理と同じであるので、説明を省略する。
本処理によれば、既に携帯端末とBluetooth接続されている場合に、新たな携帯端末がパチンコ機10のNFCモジュール110に接近した場合に、現在Bluetooth接続されている携帯端末との接続を切断し、新たに接近してきた携帯端末とのBluetooth接続を行うことができる。例えば、パチンコ機10で誰も遊技をしていないのに、パチンコ機10が所有者がどこにいるか分からない携帯端末(所在不明の携帯端末)とBluetooth接続されている場合に、パチンコ機10で遊技をしようとしている遊技者の携帯端末を接近させることで、所在不明の携帯端末とのBluetooth接続を切断し、パチンコ機10で遊技を行う遊技者の正当な携帯端末と新たにBluetooth接続をすることができる。
[処理パターンPY7] (パチンコ機10側処理)
図381は、ペアリング処理(パチンコ機10側)における処理パターンPY7を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、既に携帯端末とBluetooth接続されている場合に、新たな携帯端末がパチンコ機10のNFCモジュール110に接近した場合に、現在Bluetooth接続されている携帯端末に対して切断応答を送信し、その後、現在Bluetooth接続されている携帯端末との接続を切断し、新たに接近してきた携帯端末とのBluetooth接続を行う構成である。例えば、パチンコ機10で誰も遊技をしていないのに、パチンコ機10が所有者がどこにいるか分からない携帯端末(所在不明の携帯端末)とBluetooth接続されている場合に、当該所定不明の携帯端末に対して切断を確認することができる。そして、パチンコ機10で遊技をしようとしている遊技者の携帯端末を接近させることで、所在不明の携帯端末とのBluetooth接続を切断し、パチンコ機10で遊技を行う遊技者の正当な携帯端末と新たにBluetooth接続をすることができる。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe7901では、スマートフォン200側のNFCモジュールが接近しているか否かを判定する。すなわち、パチンコ機10のNFCモジュール110によって、スマートフォン200側のNFCモジュールが近接又は当接しているか否かを監視する。ステップSe7801において、スマートフォン200側のNFCモジュールが接近していると判定した場合には(ステップSe7901:YES)、ステップSe7902に進む。一方、ステップSe7901において、スマートフォン200側のNFCモジュールが接近していないと判定した場合には(ステップSe7901:NO)、本処理を終了する。
ステップSe7902では、既に携帯端末とBluetooth接続されているか否かを判定する。ステップSe7902において、既に携帯端末とBluetooth接続されていると判定した場合には(ステップS7902:YES)、ステップSe7908に進む。一方、ステップSe7902において、携帯端末とBluetooth接続されていないと判定した場合には(ステップS7902:NO)、ステップSe7903に進む。
ステップSe7908では、既に接続されている携帯端末に対して切断応答を送信する。このとき、切断の対象となっている携帯端末がBluetoothの通信範囲内に存在していることを前提にして、Bluetooth通信を切断する旨を遊技者に確認する表示を携帯端末に表示させる信号を当該携帯端末に向けてBluetoothを介して送信する。例えば「さっきのパチンコ機との接続を終了してもよい?」といった確認表示を携帯端末に表示させる信号を当該携帯端末に向けてBluetoothを介して送信する。さらに、後述するように通信中に常時データの送受信を行わない通信中処理(処理パターンCY4~処理パターンCY8)を採用している場合には、携帯端末に当該確認表示をさせる処理を実行することを契機として、当該携帯端末とのデータの送受信を行う構成を採用してもよい。このような構成を採用することによって、遊技者が認識しない間に遊技機との通信が切断されることを回避し、さらに、通信が切断される前に遊技機との間でデータの送受信を行うことができ、遊技者に不快感を与えてしまうことを回避することができる。ステップSe7908を実行した後、ステップSe7909において、切断用のタイマを設定し、ステップSe7910に進む。
ステップSe7910では、切断用タイマに設定した時間を経過したか否かを判定する。ステップSe7910において、切断用タイマが設定時間を経過していないと判定した場合には(ステップSe7910:NO)、ステップSe7911に進み、切断用タイマを更新する。その後、切断用タイマの設定時間が経過するまでステップSe7910とステップSe7911の処理を繰り返す。
ステップSe7910において、切断用タイマが設定時間を経過したと判定した場合には(ステップSe7910:YES)、ステップS7912に進み、既にBluetooth接続されてい携帯端末との当該接続を切断する。その後、ステップSe7903に進む。
ステップSe7903~ステップS7907の処理は、処理パターンPY6におけるステップSe7804~ステップSe7808と同じであるので説明を省略する。
本処理によれば、パチンコ機10で誰も遊技をしていないのに、パチンコ機10が所有者がどこにいるか分からない携帯端末(所在不明の携帯端末)とBluetooth接続されている場合に、当該所定不明の携帯端末に対して切断を確認することができる。そして、パチンコ機10で遊技をしようとしている遊技者の携帯端末を接近させることで、所在不明の携帯端末とのBluetooth接続を切断し、パチンコ機10で遊技を行う遊技者の正当な携帯端末と新たにBluetooth接続をすることができる。
<通信中処理>
次に通信中処理について説明する。以下の説明においては、パチンコ機10がスマートフォン200からカスタム設定情報を受信する処理パターンに加え、パチンコ機10からスマートフォン200にデータを出力する処理パターンについても説明をする。なお、通信中処理については、パチンコ機10における処理のみ説明する。スマートフォン200はパチンコ機10とのBluetooth接続が確立しているので、パチンコ機10からのデータ送信については常時受信をする。
[処理パターンCY1] (パチンコ機10側処理)
図382は、通信中処理(パチンコ機10側処理)における処理パターンCY1を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、スマートフォン200からデータを受信した場合の処理である。パチンコ機10がスマートフォン200から受信するデータとしては例えばカスタム設定情報が挙げられる。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe8001では、スマートフォン200とBluetooth接続中であるか否かを判定する。ステップSe8001において、スマートフォン200とBluetooth接続中であると判定した場合には(ステップSe8001:YES)、ステップSe8002に進む。一方、ステップSe8001において、スマートフォン200とBluetooth接続されていないと判定した場合には(ステップSe8001:NO)、本処理を終了する。
ステップSe8002では、スマートフォン200から入力されたデータ(カスタム設定情報)があるか否かを判定する。ステップSe8002において、スマートフォン200から入力されたデータ(カスタム設定情報)があると判定した場合には(ステップSe8002:YES)、ステップS8003に進み、入力されたデータに基づいて当該データを表示面41aに表示する。また、当該受信したカスタム設定情報に基づいて演出に関する値の設定を行う。その後、ステップSe8004において、スマートフォン200に向けカスタム設定が完了したことを示す設定完了データを送信する。その後、本処理を終了する。一方、ステップSe8002において、スマートフォン200から入力されたデータが無いと判定した場合には(ステップSe8002:NO)、本処理を終了する。
本処理によれば、パチンコ機10がスマートフォン200とBluetooth接続されている場合に入力されたデータを表示面41aに表示することができる。
[処理パターンCY2] (パチンコ機10側処理)
図383は、通信中処理(パチンコ機10側処理)における処理パターンCY2を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、スマートフォン200からデータを受信した場合の処理である。スマートフォン200が接近している場合であってBluetooth接続されている場合にのみデータ入力をする構成である。パチンコ機10がスマートフォン200から受信するデータとしては例えばカスタム設定情報が挙げられる。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe8101では、パチンコ機10のNFCモジュールが、スマートフォン200のNFCモジュールを検出中であるか否かを判定する。すなわち、パチンコ機10にスマートフォン200が接近しているかを検出する。ステップSe8101において、パチンコ機10のNFCモジュールが、スマートフォン200のNFCモジュールを検出中であると判定した場合には(ステップSe8101:YES)、ステップSe8102に進む。一方、ステップSe8101において、パチンコ機10のNFCモジュールが、スマートフォン200のNFCモジュールを検出していないと判定した場合には(ステップSe8101:NO)、本処理を終了する。
ステップSe8102~ステップSe8105の処理は、処理パターンCY1におけるステップSe8001~ステップSe8004と同じであるので説明を省略する。
本処理によれば、スマートフォン200が接近している場合であってBluetooth接続されている場合にのみデータ入力をするので、意図せず他の携帯端末からのデータ入力を回避することができる。
[処理パターンCY3] (パチンコ機10側処理)
図384は、通信中処理(パチンコ機10側処理)における処理パターンCY3を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、パチンコ機10のデータをスマートフォン200に送信する処理である。パチンコ機10とスマートフォン200とのBluetooth接続が確立している期間は、出力データがあれば常にデータを送信する構成である。送信するデータとしては、遊技履歴情報に関するデータや、パチンコ機10の演出に関する音声データ、その他アプリケーションAPP上での特典データ等を採用することができる。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe8201では、スマートフォン200とBluetooth接続中であるか否かを判定する。ステップSe8201において、スマートフォン200とBluetooth接続中であると判定した場合には(ステップSe8201:YES)、ステップSe8202に進む。一方、ステップSe8201において、スマートフォン200とBluetooth接続されていないと判定した場合には(ステップSe8201:NO)、本処理を終了する。
ステップSe8202では、出力するデータがあるか否かを判定する。テップSe8202において、出力するデータがあると判定した場合には(ステップSe8202:YES)、ステップSe8203においてスマートフォン200にデータを送信する。
一方、テップSe8202において、出力するデータが無いと判定した場合には(ステップSe8202:NO)、本処理を終了する。
本処理によれば、パチンコ機10とスマートフォン200とのBluetooth接続が確立している期間は、出力データがあれば常にデータを送信することができる。
[処理パターンCY4] (パチンコ機10側処理)
図385は、通信中処理(パチンコ機10側処理)における処理パターンCY4を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、パチンコ機10からスマートフォン200にデータを送信する場合の処理である。スマートフォン200が接近している場合であってBluetooth接続されている場合にのみデータを送信する構成である。すなわち、Bluetooth接続がされている第2の入力状態において、NFC検出状態である第1の入力状態が発生した場合に、特定情報としてのデータを送信(出力)する処理を実行する。送信するデータとしては、遊技履歴情報に関するデータや、パチンコ機10の演出に関する音声データ、その他アプリケーションAPP上での特典データ等を採用することができる。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe8301では、パチンコ機10のNFCモジュールが、スマートフォン200のNFCモジュールを検出中であるか否かを判定する。すなわち、パチンコ機10にスマートフォン200が接近しているかを検出する。ステップSe8301において、パチンコ機10のNFCモジュールが、スマートフォン200のNFCモジュールを検出中であると判定した場合には(ステップSe8301:YES)、ステップSe8302に進む。一方、ステップSe8301において、パチンコ機10のNFCモジュールが、スマートフォン200のNFCモジュールを検出していないと判定した場合には(ステップSe8301:NO)、本処理を終了する。
ステップSe8302~ステップSe8304の処理は、処理パターンCY3における8201~ステップSe8203と同じであるので説明を省略する。
本処理によれば、Buetooth接続がされている第2の入力状態において、NFC検出状態である第1の入力状態が発生した場合に、特定情報としてのデータを送信(出力)する処理を実行するので、遊技者がパチンコ機10からスマートフォン200にデータ(例えば、遊技履歴情報)を送信して欲しい時だけ、スマートフォン200をパチンコ機10に接近させて、スマートフォン200にデータを受信することができる。
[処理パターンCY5] (パチンコ機10側処理)
図386は、通信中処理(パチンコ機10側処理)における処理パターンCY5を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、パチンコ機10からスマートフォン200に出力可能なデータがある場合に、一旦バッファにデータを格納し、格納したデータの容量が所定容量に達した場合にスマートフォン200に送信する構成である。例えば、遊技履歴情報のデータをバッファに格納しておき、所定容量に達したらスマートフォン200に送信することができる。パチンコ機10からスマートフォン200への送信回数を削減することができ、データ送信する際の処理の負荷を軽減することができる。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe8401では、スマートフォン200とBluetooth接続中であるか否かを判定する。ステップSe8401において、スマートフォン200とBluetooth接続中であると判定した場合には(ステップSe8401:YES)、ステップSe8402に進む。一方、ステップSe8401において、スマートフォン200とBluetooth接続されていないと判定した場合には(ステップSe8401:NO)、本処理を終了する。
ステップSe8402では、出力するデータがあるか否かを判定する。テップSe8402において、出力するデータがあると判定した場合には(ステップSe8402:YES)、ステップSe8403において、当該データを送信用のバッファに格納する。その後、ステップSe8404に進む。
ステップSe8404では、バッファに格納したデータの容量が所定量に達しているか否かを判定する。ステップSe8404において、バッファに格納したデータの容量が所定量に達していると判定した場合には、ステップSe8405に進み、バッファに格納していたデータをスマートフォン200に送信する。その後、本処理を終了する。一方、ステップSe8404において、バッファに格納したデータの容量が所定量に達していないと判定した場合には、本処理を終了する。
本処理によれば、出力するデータを一旦バッファにデータを格納し、格納したデータの容量が所定容量に達した場合にスマートフォン200に送信するので、パチンコ機10からスマートフォン200への送信回数を削減することができ、データ送信する際の処理の負荷を軽減することができる。遊技履歴情報など、リアルタイムにパチンコ機10からスマートフォン200に送信する必要のないデータを送信する場合に最適な処理である。
[処理パターンCY6] (パチンコ機10側処理)
図387は、通信中処理(パチンコ機10側処理)における処理パターンCY6を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、パチンコ機10にスマートフォン200が接近している場合であってBluetooth接続されている場合にのみデータを送信する構成である。すなわち、Bluetooth接続がされている第2の入力状態において、NFC検出状態である第1の入力状態が発生した場合に、特定情報としてのデータを送信(出力)する処理を実行する。送信するデータとしては、遊技履歴情報に関するデータや、パチンコ機10の演出に関する音声データ、その他アプリケーションAPP上での特典データ等を採用することができる。さらに、パチンコ機10からスマートフォン200に出力可能なデータがある場合に、一旦バッファにデータを格納し、格納したデータの容量が所定容量に達した場合にスマートフォン200に送信する構成である。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe8501では、パチンコ機10のNFCモジュールが、スマートフォン200のNFCモジュールを検出中であるか否かを判定する。すなわち、パチンコ機10にスマートフォン200が接近しているかを検出する。ステップSe8501において、パチンコ機10のNFCモジュールが、スマートフォン200のNFCモジュールを検出中であると判定した場合には(ステップSe8501:YES)、ステップSe8502に進む。一方、ステップSe8501において、パチンコ機10のNFCモジュールが、スマートフォン200のNFCモジュールを検出していないと判定した場合には(ステップSe8501:NO)、本処理を終了する。
ステップSe8502~ステップSe8506の処理は、処理パターンCY5におけるステップSe8401~ステップSe8405の処理と同じであるので説明を省略する。
本処理によれば、Buetooth接続がされている第2の入力状態において、NFC検出状態である第1の入力状態が発生した場合に、特定情報としてのデータを送信(出力)する処理を実行するので、遊技者がパチンコ機10からスマートフォン200にデータ(例えば、遊技履歴情報)を送信して欲しい時だけ、スマートフォン200をパチンコ機10に接近させて、スマートフォン200にデータを受信することができる。また、出力するデータを一旦バッファにデータを格納し、格納したデータの容量が所定容量に達した場合にスマートフォン200に送信するので、パチンコ機10からスマートフォン200への送信回数を削減することができ、データ送信する際の処理の負荷を軽減することができる。遊技履歴情報など、リアルタイムにパチンコ機10からスマートフォン200に送信する必要のないデータを送信する場合に最適な処理である。
[処理パターンCY7] (パチンコ機10側処理)
図388は、通信中処理(パチンコ機10側処理)における処理パターンCY7を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、パチンコ機10から送信可能なデータを一旦バッファに格納し、スマートフォン200からデータの送信要求を受信した場合に、データをスマートフォン200に送信する構成である。
ステップSe8601では、スマートフォン200とBluetooth接続中であるか否かを判定する。ステップSe8601において、スマートフォン200とBluetooth接続中であると判定した場合には(ステップSe8601:YES)、ステップSe8602に進む。一方、ステップSe8601において、スマートフォン200とBluetooth接続されていないと判定した場合には(ステップSe8601:NO)、本処理を終了する。
ステップSe8602では、出力するデータがあるか否かを判定する。テップSe8602において、出力するデータがあると判定した場合には(ステップSe8602:YES)、ステップSe8603に進み、当該データをバッファに格納する。その後、ステップSe8604に進む。
一方、テップSe8602において、出力するデータが無いと判定した場合には(ステップSe8202:NO)、本処理を終了する。
ステップSe8604では、スマートフォン200からデータの送信要求を受信したか否かを判定する。ステップSe8604において、スマートフォン200からデータの送信要求を受信したと判定した場合には(ステップSe8604:YES)、バッファに格納したデータをスマートフォン200に送信する。
一方、ステップSe8604において、スマートフォン200からデータの送信要求を受信していないと判定した場合には(ステップSe8604:NO)、本処理を終了する。
本処理によれば、例えばスマートフォン200のアプリケーションAPP上で遊技者が操作アイコン286(「遊技履歴情報受信」)を操作して遊技履歴の受信要求をする場合に適用することができる。すなわち、遊技者による情報取得要求のトリガーを受けてからデータを送信することができる。遊技者が不要なデータの受信を回避することができる。
[処理パターンCY8] (パチンコ機10側処理)
図389は、通信中処理(パチンコ機10側処理)における処理パターンCY8を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、パチンコ機10にスマートフォン200が接近している場合であってBluetooth接続されている場合にのみデータを送信する構成である。すなわち、Bluetooth接続がされている第2の入力状態において、NFC検出状態である第1の入力状態が発生した場合に、特定情報としてのデータを送信(出力)する処理を実行する。送信するデータとしては、遊技履歴情報に関するデータや、パチンコ機10の演出に関する音声データ、その他アプリケーションAPP上での特典データ等を採用することができる。さらに、パチンコ機10から送信可能なデータを一旦バッファに格納し、スマートフォン200からデータの送信要求を受信した場合に、データをスマートフォン200に送信する構成である。
ステップSe8701では、パチンコ機10のNFCモジュールが、スマートフォン200のNFCモジュールを検出中であるか否かを判定する。すなわち、パチンコ機10にスマートフォン200が接近しているかを検出する。ステップSe8701において、パチンコ機10のNFCモジュールが、スマートフォン200のNFCモジュールを検出中であると判定した場合には(ステップSe8701:YES)、ステップSe8702に進む。一方、ステップSe8701において、パチンコ機10のNFCモジュールが、スマートフォン200のNFCモジュールを検出していないと判定した場合には(ステップSe8701:NO)、本処理を終了する。
ステップSe8702~ステップSe8706の処理は、処理パターンCY7におけるステップSe8601~ステップSe8605の処理と同じであるので説明を省略する。
本処理によれば、Buetooth接続がされている第2の入力状態において、NFC検出状態である第1の入力状態が発生した場合に、特定情報としてのデータを送信(出力)する処理を実行するので、遊技者がパチンコ機10からスマートフォン200にデータ(例えば、遊技履歴情報)を送信して欲しい時だけ、スマートフォン200をパチンコ機10に接近させて、スマートフォン200にデータを受信することができる。さらに、例えばスマートフォン200のアプリケーションAPP上で遊技者が遊技履歴情報受信ボタンを操作して遊技履歴の受信要求をする場合に適用することができる。すなわち、遊技者による情報取得要求のトリガーを受けてからデータを送信することができる。遊技者が不要なデータの受信を回避することができる。
上記の通信中処理を適宜組み合わせることによって、例えば、表示面41aに表示された画像のキャプチャ画像データをスマートフォン200に送信したり、遊技履歴情報をスマートフォン200に送信したり、遊技結果に応じた特典(例えばアプリケーションAPP上の特典等)に関するデータをスマートフォン200に送信したり、パチンコ機10の音声データをスマートフォン200に送信して、スマートフォン200と接続されたイヤホンで聞くことを可能にしたりすることができる。その他、パチンコ機10での大当たりの告知やその他演出上の遊技者への報知データをスマートフォン200に送信し、当該データに基づいてスマートフォン200を挙動させる(例えば、タッチパネル202への表示、バイブレイション、音声出力)ことができる。また、スマートフォン200の操作をデータとしてパチンコ機10に送信できるので、スマートフォン200を演出操作ボタン24の代わりとして用いることを可能にする。その他、上述したように、スマートフォン200で設定したカスタム設定情報をパチンコ機10に送信することができる。
<切断処理>
次に切断処理について説明する。
[処理パターンDS1] (スマートフォン200側処理)
図390は、切断処理(スマートフォン側)における処理パターンDS1を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、遊技者がスマートフォン200のアプリケーションAPP上で遊技の終了時に遊技機とのBluetooth接続を解除する際に操作する遊技終了ボタンを操作した場合にパチンコ機10とのBluetooth接続を解除する構成である。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe8801では、パチンコ機10に向けてBluetoothの切断要求を送信する。その後、ステップSe8802に進み、パチンコ機10との通信を切断する。なお、後述するように、遊技機側もスマートフォン200からの切断要求を受信すると通信を切断する処理を行う(処理パターンDY1,DY2,DY5,DY8)。
本処理によれば、Bluetoothの接続を簡易な処理によって切断することができる。
[処理パターンDS2] (スマートフォン200側処理)
図391は、切断処理(スマートフォン側)における処理パターンDS2を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、Bluetooth接続の切断前にパチンコ機10からデータを受信し、その後に切断する構成である。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe8901では、パチンコ機10に向けてBluetoothの切断要求を送信する。その後、ステップSe8902に進み、パチンコ機10から受信するデータがあるか否かを判定する。具体的には、切断要求を送信した相手側であるパチンコ機10から送信するデータがあることを示す信号を受信することで判定する。ステップSe8902において、パチンコ機10から受信するデータがあると判定した場合には(ステップSe8902:YES)、ステップSe8903に進みパチンコ機10からデータを受信する。なお、パチンコ機10に格納されている全てのデータを受信するまでステップSe8902とステップSe8903の処理は繰り返される。
ステップSe8902において、パチンコ機10から受信するデータが無いと判定した場合には(ステップSe8902:NO)、ステップSe8904に進み通信を切断し、本処理を終了する。
本処理によれば、パチンコ機10からスマートフォン200に送信すべきデータを全て受信してから通信を切断することができる。
[処理パターンDY1] (パチンコ機10側処理)
図392は、切断処理(パチンコ機10側)における処理パターンDY1を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、スマートフォン200からパチンコ機10に切断要求があった場合に通信を切断する処理である。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe9001では、スマートフォン200から切断要求を受信したか否かを判定する。ステップSe9001において、スマートフォン200から切断要求を受信したと判定した場合には(ステップSe9001:YES)、ステップSe9002に進み、スマートフォン200との通信を切断する。その後、本処理を終了する。
一方、ステップSe9001において、スマートフォン200から切断要求を受信していないと判定した場合には(ステップSe9001:NO)、そのまま本処理を終了する。
本処理によれば、簡易な処理によってスマートフォン200との通信を切断することができる。
[処理パターンDY2] (パチンコ機10側処理)
図393は、切断処理(パチンコ機10側)における処理パターンDY2を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、スマートフォン200とのペアリング処理を実行した際に他の携帯端末との多重接続を回避するために、NFCモジュール110内のRAM110aに格納されていた接続情報を無効なものに書き換えていた場合に、通信を切断する際に当該接続情報を有効なものに書き換える構成である。具体的には、本処理は、ペアリング処理として処理パターンPY2(図376参照)が採用されていた場合に、切断処理として適用される処理である。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe9101では、スマートフォン200から切断要求を受信したか否かを判定する。ステップSe9101において、スマートフォン200から切断要求を受信したと判定した場合には(ステップSe9101:YES)、ステップSe9102に進み、スマートフォン200との通信を切断する。その後、ステップSe9103に進む。
ステップSe9103では、NFCモジュール110内のRAM110aに格納されていた接続情報を無効なものから有効なものに書き換える。その後、本処理を終了する。
一方、ステップSe9101において、スマートフォン200から切断要求を受信していないと判定した場合には(ステップSe9101:NO)、そのまま本処理を終了する。
本処理によれば、携帯端末との多重接続を回避するためにNFCモジュール内のRAM110aに格納されていた接続情報を無効なものに書き換えていたが、通信の切断時に有効なものに書き換えるので、新たな携帯端末と通信をすることができる。
[処理パターンDY3] (パチンコ機10側処理)
図394は、切断処理(パチンコ機10側)における処理パターンDY3を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、通信中処理として、スマートフォン200がパチンコ機10に近接又は当接している場合にのみ通信を行う構成となっていた処理パターン(CY2/CY4/CY6/CY8)が採用されていた場合に、切断処理として採用される処理である。すなわち、パチンコ機10のNFCモジュール110がスマートフォン200のNFCモジュールを検出できなくなった場合に通信を切断する処理である。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe9201では、NFCモジュール110がスマートフォン200のNFCを検出していないか否かを判定する。ステップSe9201において、NFCモジュール110がスマートフォン200のNFCを検出していないと判定した場合には(ステップSe9201:YES)、ステップSe9202に進み、通信を切断する。
一方、ステップSe9201において、NFCモジュール110がスマートフォン200のNFCを検出していると判定した場合には(ステップSe9201:NO)、本処理を終了する。
本処理によれば、スマートフォン200が接近している場合にのみ通信をすることができ、例えば、遊技者がパチンコ機10の席を離れた際には通信を切断することができる。従って、新たな遊技者の携帯端末との接続をスムーズに開始することができる。
[処理パターンDY4] (パチンコ機10側処理)
図395は、切断処理(パチンコ機10側)における処理パターンDY4を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、パチンコ機10の電源がオフになった場合に通信を切断する構成である。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe9301では、パチンコ機10の電源がオフにされたか否かを判定する。ステップSe9301において、パチンコ機10の電源がオフにされたと判定した場合には(ステップSe9301:YES)、ステップSe9302に進み、通信を切断する。
一方、ステップSe9301において、パチンコ機10の電源がオフにされていないと判定した場合には(ステップSe9301:NO)、本処理を終了する。
本処理によれば、パチンコ機10の電源がオフになった場合に通信を切断することができる。
また、その他採用可能な構成として、スマートフォン200の電源がオフとなった場合に、パチンコ機10側で通信を切断できる構成を採用してもよい。その場合、ステップSe9301において、スマートフォン200の電源がオフであるか否かを判定する構成を採用すればよい。
[処理パターンDY5] (パチンコ機10側処理)
図396は、切断処理(パチンコ機10側)における処理パターンDY5を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、Bluetooth接続の切断前にスマートフォン200に送信可能なデータを送信してから通信を切断する構成である。スマートフォン200側の処理パターンDS2に対応する処理である。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe9401では、スマートフォン200からBluetoothの切断要求を受信したか否かを判定する。ステップSe9401において、スマートフォン200からBluetoothの切断要求を受信したと判定した場合には(ステップSe9401:YES)、ステップSe9402に進む。
一方、ステップSe9401において、スマートフォン200からBluetoothの切断要求を受信していないと判定した場合には(ステップSe9401:NO)、本処理を終了する。
ステップSe9402では、スマートフォン200に送信するデータがあるか否かを判定する。ステップSe9402において、スマートフォン200に送信するデータがあると判定した場合には(ステップSe9402:YES)、ステップSe9403に進み、スマートフォン200に対してデータの送信をする。なお、パチンコ機10に格納されている全てのデータを送信するまでステップSe9402とステップSe9403の処理は繰り返される。
ステップSe9402において、送信するデータが無いと判定した場合には(ステップSe9402:NO)、ステップSe9404に進み、通信を切断し、本処理を終了する。
本処理によれば、パチンコ機10からスマートフォン200に送信すべきデータを全て受信してから通信を切断することができる。
[処理パターンDY6] (パチンコ機10側処理)
図397は、切断処理(パチンコ機10側)における処理パターンDY6を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、パチンコ機10が、NFCモジュール110とは別に、もう一つNFCモジュール(以下、切断用NFCとも呼ぶ)を備える構成を前提として処理である。切断用NFCは、内枠13を開いたパチンコ機10の内部に設置されている。すなわち、遊技ホールのスタッフがシリンダ錠17を用いて内枠13を開かないと切断用NFCに接することはできない。この切断用NFCは、遊技ホールのスタッフが強制的に通信の切断を行なうために設けられる。すなわち当該処理は、第2の入力状態としてのBluetooth接続状態が発生した場合に、特定の入力としての切断用NFCによる信号の入力を行うことで強制的に第2の入力状態としてのBluetooth接続状態を終了させる処理である。従って、当該切断用NFCは、遊技ホールのスタッフしか所持していない専用のNFC端末を接近させた場合にしかON状態にはならない。切断用NFCは、音声発光制御装置90に接続されており、音光側MPU92によって制御される。本処理は、切断用NFCを用いて通信を切断する処理である。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe9501では、音光側MPU92が切断用NFCを監視する。その後、ステップSe9502に進み、切断用NFCがON状態であるか否かを判定する。すなわち、専用のNFC端末が接近したか否かを判定する。
ステップSe9502において、切断用NFCがON状態であると判定した場合には(ステップSe9502:YES)、ステップSe9504に進み、通信を切断する。その後、ステップSe9505に進み、NFCモジュール110内のRAM110aに格納されている接続情報を無効なものから有効なものに書き換える。その後、本処理を終了する。
一方、ステップSe9502において、切断用NFCがON状態ではないと判定した場合には(ステップSe9502:NO)、ステップSe9503に進む。
ステップSe9503では、スマートフォン200から切断要求を受信したか否かを判定する。ステップSe9503において、スマートフォン200から切断要求を受信していないと判定した場合には(ステップSe9503:NO)、本処理を終了する。
一方、ステップSe9503において、スマートフォン200から切断要求を受信したと判定した場合には(ステップSe9503:YES)、上記説明したステップSe9504およびステップSe9505を実行し、本処理を終了する。
本処理によれば、強制的に第2の入力状態としてのBluetooth接続状態を終了させることができる。すなわち、強制的に通信の切断を行なうことができる。例えば、所在不明の携帯端末と通信が確立されている場合に、ホールスタッフが強制的に通信を切断することができる。
また、変形例として、強制的に第2の入力状態としてのBluetooth接続状態において切断用NFCによる入力(ON状態)を行うことで、切断用NFCによる入力がされるよりも前に入力されたBluetoothによる入力データ(例えば、カスタム設定情報)を無効にする手段を備える構成を採用してもよい。このような構成を採用することによって、切断用NFCによる入力以前に入力されたカスタム設定情報の内容に影響を受けずに切断用NFCによる入力後に入力された新たなカスタム設定情報の内容を反映させることができる。より具体的には、例えば、所在不明の携帯端末と通信が確立されている場合に、ホールスタッフが切断用NFCを用いて強制的に通信を切断した際に、それまでに所在不明の携帯端末によって入力されたカスタム設定情報を無効にすることができ、切断用NFCによる入力後に新たな遊技者によって携帯端末から入力された新たなカスタム設定情報の内容を反映させることができる。
なお、本処理においては通信を強制的に切断するために切断用NFCを採用したが、そのような構成に限定されず、特定の入力として他の構成を採用してもよい。例えば、前扉枠14に強制的に通信を切断可能なスイッチを設けてもよい。切断用NFCを前扉枠14に設置してもよい。窓部18に手などが接近したことを検出可能なセンサーを設け、窓部18に手を接近させたことによって通信を強制的に切断する構成を採用してもよい。
[処理パターンDY7] (パチンコ機10側処理)
図398は、切断処理(パチンコ機10側)における処理パターンDY7を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、携帯端末との一回の接続に有効時間を設ける構成である。具体的には、接続時間をカウントするタイマ(接続タイマ)を設け、実際の接続時間(接続タイマ値)が、予め設定された接続有効時間に達した場合に通信を切断する構成である。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe9601では、接続タイマ値が予め設定された接続有効時間に達したか否かを判定する。ステップSe9601において、接続タイマ値が予め設定された接続有効時間に達したと判定した場合には(ステップSe9601:YES)、ステップSe9602に進み、通信を切断する。
一方、ステップSe9601において、接続タイマ値が予め設定された接続有効時間に達していないと判定した場合には(ステップSe9601:NO)、本処理を終了する。
本処理によれば、一回の通信時間に制限を設けることができる。
[処理パターンDY8] (パチンコ機10側処理)
図399は、切断処理(パチンコ機10側)における処理パターンDY8を示すフローチャートである。
処理の概要:
本処理は、過去に接続(通信)と切断がされた携帯端末内にパチンコ機10のBluetoothの接続情報が記憶されている場合に、再び当該携帯端末がパチンコ機10に接近したときに意図せずに自動的にパチンコ機10に接続されないようにするために、接続されている携帯端末との通信を切断する際に、BTモジュール111の接続情報自体を新たな接続情報に変更し、それに合わせてNFTモジュール110内のRAM110aに格納されている接続情報も当該新たな接続情報に変更する構成である。当該携帯端末が再びパチンコ機10と接続されるためには、再度、パチンコ機10に接近してペアリング処理を行ってから接続されるようにすることができる。すなわち第2の入力状態としてのBluetooth接続状態を終了する場合に、所定の条件として、再度パチンコ機10に接近してペアリング処理を行ってから接続するという条件を満たしていない場合には、第2の入力状態としてのBluetooth接続状態を発生させないように制限する処理を実行する。この処理において、通信を切断する場合に、BTモジュール111自体のパスワードとNFTモジュール110内のRAM110aに格納されているパスワードを毎回変更することになるが、新たに設定するパスワードを乱数によって更新する構成を採用してもよい。
以下、フローチャートによって説明する。
ステップSe9701では、スマートフォン200から切断要求を受信したか否かを判定する。ステップSe9701において、スマートフォン200から切断要求を受信したと判定した場合には(ステップSe9701:YES)、ステップSe9702に進み、スマートフォン200との通信を切断する。その後、ステップSe9703に進む。
一方、ステップSe9701において、スマートフォン200から切断要求を受信していないと判定した場合には(ステップSe9701:NO)、ステップSe9703に進む。
ステップSe9703では、パチンコ機10のBTモジュール111自体の接続情報のうちパスワードを新たなパスワードに変更する。その後、ステップSe9704に進む。
ステップSe9704では、NFTモジュール110内のRAM110aに格納されている接続情報のうちパスワードを、当該新たなパスワードに変更する。すなわち、BTモジュール111自体のパスワードとNFTモジュール110内のRAM110aに格納されているパスワードを、いずれも変更し、かつ、どちらも同じパスワードに設定する。その後、本処理を終了する。
本処理によれば、第2の入力状態としてのBluetooth接続状態を終了する場合に、改めて第2の入力状態を発生させるために所定の発生条件として、再度パチンコ機10に接近してペアリング処理を行ってから接続するという条件を設けることで、一度第2の入力状態を発生させたからということをもって、次回から無条件に第2の入力状態に移行させることで発生する遊技上または処理上の問題を回避することができる。例えば、過去に所定の遊技機と間で通信状態を確立したスマートフォン200が、次回からパチンコ機10と無条件に通信の確立が可能になると、遊技者の意に反してパチンコ機10とスマートフォン200とが通信を確立してしまう虞がある。本処理によれば、過去にパチンコ機10と間で第2の入力状態としてのBluetooth接続状態を確立したスマートフォン200であっても次回に第2の入力状態としてのBluetooth接続状態を確立するために所定の発生条件を設けることで、遊技者の意に反してパチンコ機10とスマートフォン200とが第2の入力状態としてのBluetooth接続状態を確立してしまうといった問題を回避することができる。
より具体的には、過去にパチンコ機10と接続されたことがある携帯端末が自動的に接続されてしまうことを防止することができる。すなわち、スマートフォン200が再びパチンコ機10と接続されるためには、再度、パチンコ機10に近接又は当接してペアリング処理を行ってから接続されるようにすることができる。この処理において、通信を切断する場合に、BTモジュール111自体のパスワードとNFTモジュール110内のRAM110aに格納されているパスワードを毎回変更することになるが、新たに設定するパスワードを乱数によって更新する構成を採用してもよい。
ここで本処理の効果についてより詳細に説明する。従来より、NFCを利用した製品およびBluetoothを利用した製品は種々存在する。NFCによってBluetoothの接続情報をワンタッチで取得しスマートフォン側でその情報を基にBluetooth接続をすることは、他の機器でも適用可能である。例えば、Bluetooth接続可能なイヤホンが考えられる。当該イヤホンをスマートフォンとBluetooth接続をする場合には、ペアリングを行う必要がある。その際に、NFCによってイヤホン側のBluetoothの接続情報をワンタッチで取得しスマートフォン側でその情報を基にイヤホンとペアリングを行うBluetooth接続をすることも可能である。しかしながら、通常であれば初めて接続をする際にペアリングを行い、それ以後は自動で接続されることがBluetoothの有意な点であり、毎回NFCを利用して接続情報を取得してペアリングを行って接続をすることは、むしろ処理の増大や、利用者の手間の増大、NFC機能を搭載するためのコストなど、不利益となる部分が大きい。すなわち、通常のBluetoothを利用した機器にNFCを搭載することによる効果は比較的小さく不利益となる部分が大きい。しかしながら、NFCによってBluetoothの接続情報をワンタッチで取得しスマートフォン側でその情報を基に相手側と接続するという思想は、接続対象となり得る相手側機器(遊技機)が多数存在するパチンコ店における遊技者のスマートフォンと遊技者が任意に選択した遊技機とをペアリングする場合には非常に有効である。パチンコ店には多数社の多種の遊技機が設置されているのが一般的である。遊技者は遊技を行う場合に、その中から任意で一台を選択し遊技を行う。しかし、遊技者は毎日同じ遊技機で遊技をするわけではなく、その日のうちに何度も遊技をする遊技機を変更する。それにとどまらず、遊技をするホールを日ごとに変更する遊技者も存在する。このような場合、一度ペアリングをした遊技機と切断後に自動的に接続されてしまうことは遊技者、遊技機、パチンコホールにとって好ましいことではなく、遊技者のスマートフォンと遊技機が自動で通信可能であることが不利益となってしまう。本処理は当該課題を解決可能である。具体的には、上述したように、第2の入力状態としてのBluetooth接続状態を終了する場合に、改めて第2の入力状態を発生させるために所定の発生条件として、再度パチンコ機10に接近してペアリング処理を行ってから接続するという条件を設けることで、一度第2の入力状態を発生させたからということをもって、次回から無条件に第2の入力状態に移行させることで発生する遊技上または処理上の問題を回避することができる。すなわち、NFCによってBluetoothの接続情報をワンタッチで取得しスマートフォン側でその情報を基にBluetooth接続を行う処理は、一般的な機器に適用しても効果は小さく不利益が大きいが、その一方、遊技機に適用した場合には非常に効果が大きいものとなる。
以上、遊技機側における切断処理を説明したが、Bluetooth通信状態となっているスマートフォン200とパチンコ機10との間での通信状態が切断状態となるケースは、以下の3つが挙げられる。
(ケース1)スマートフォン200からの切断要求を受信した場合(DY1,DY2,DY5,DY8)
(ケース2)遊技機側の切断による場合(DY3,DY4,DY6,DY7)
(ケース3)スマートフォン200がBluetooth通信可能範囲外となった場合
上記ケース3のように、遊技者がBluetooth接続した遊技機から移動し、Bluetooth通信可能範囲外に出てしてしまうとBluetooth通信状態が維持できなくなり、実質的に切断状態となる。この場合はスマートフォン200側からの切断要求は無く、仮にパチンコ機10から切断確認を送信したとしても返信はない。この場合は切断状態となった事実をもって切断処理を行う。その際は、ケース1に該当する各処理(DY1,DY2,DY5,DY8)における「切断要求あり?」の判断で要求があったものとして処理を行う。
以上、パチンコ機10とスマートフォン200との接続方法、通信方法および切断方法について説明をした。
次に、従来のパチンコ機における課題を述べた後、本実施形態のパチンコ機10の利点について述べる。
従来、遊技機と遊技者との間において各種の情報の入力及び出力を行うことが望まれているが、その方法は利便性が低く、遊技機に対する情報の入力及び遊技機による情報の出力においては更なる利便性の向上が求められている。
具体的には、例えば遊技者のスマートフォン等の携帯端末を使用して遊技機との間で情報のやり取りを行う場合には、遊技機側が出力しようとする情報を識別可能な2次元コードを作成して表示し、遊技者がその2次元コードを携帯端末を使用して読み取り、その携帯端末によってインターネットと接続して読み取った2次元コードを情報として識別することが可能であった。そのため、より簡便に遊技機に対する情報の入力及び遊技機からの情報の出力を行いたいという要望がある。
ここで、遊技機に対する情報の入力及び遊技機からの情報の出力を遊技機側にBluetoothやWiFiのモジュールを設けることによって遊技者の携帯端末と通信をして行う場合には、次のような問題点が生じる。すなわち、遊技者が自身の携帯端末を開いて遊技ホールの任意の遊技台と通信を試みる場合に、その任意の遊技台を検索し、安全な通信状態を確立するためには非常に煩雑な作業が求められることになる。
以上の課題に対して本実施形態のパチンコ10が採用した構成について以下に具体的に説明する。
本実実施形態によれば、構成として、所定の抽選条件が成立したか否かを判断する判断手段により、前記所定の抽選条件が成立したと判断されることに基づいて、内部抽選を実行する抽選処理と、内部抽選の結果に基づいて、所定期間の変動表示を実行する変動表示部と、内部抽選の結果が特定結果であった場合に実行される特定の表示結果を表示する当選遊技回変動の終了後に特定遊技状態を実行する特定遊技実行部と、前記所定期間の変動表示中に複数の演出を用いて変動演出を行なう演出実行処理と、演出実行処理に対して遊技者による外部入力が可能な外部入力手段とを備えている。そして、本実施形態によれば、外部入力手段は、所定の待機期間において、所定の検出され得る対象物が検出実行部に対して所定距離まで近接又は当接した場合に検出完了状態となる検出ユニットを備え、本遊技機は、検出ユニットが検出完了状態となった第1の入力状態が発生した場合に、所定の記憶手段に記憶された情報であって演出実行処理に関連した複数の関連情報を外部出力する外部出力手段を備え、外部出力された複数の関連情報に対応した所定の情報入力を検出した対応情報入力状態が発生した場合に、演出実行処理における所定の設定可能な要素に対応する情報の外部入力および外部出力が可能である。
したがって、本実施形態によれば、効果として、遊技機に対する情報の入力および遊技機からの情報の出力を好適に行うことが可能となる。よって、演出実行処理に対して設定可能な要素に対応する情報を外部から遊技機に入力することができ、さらに、遊技機から外部に出力をすることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。遊技機に記憶されている演出実行処理に対して設定可能な要素に関する情報を遊技機の外部に出力することができるので、遊技機の外部において演出実行処理に対して設定可能な要素に関する情報を利用することができ、さらなる遊技の興趣向上を図ることができる。
また、遊技機の状態として、検出完了状態を経てさらに複数の演出実行関連情報に対応した情報の入力を検出した状態が発生することで演出の実行における設定可能な要素に関する情報の入力および出力が可能となるように構成されているので、なんらの条件や状態の遷移無しに不意に意図せず演出の実行における設定可能な要素に関する情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。
また、所定の検出される対象物が検出実行部に対して所定距離まで近接又は当接した場合に検出完了状態になるので、単に検出実行部の周囲に不特定の検知される対象物が存在することだけで、演出の実行における設定可能な要素に関する情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。より具体的には、検出完了状態になるために、所定の検出される対象物が検出実行部に対して所定距離まで近接又は当接させることを条件とすることで、遊技者の意思を確認することができ、遊技者の意思と反して演出の実行における設定可能な情報に対応する情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、第1特図抽選を実行するための条件や、第2特図抽選を実行するための条件が成立したか否かを判断し、それらの条件が成立したと判断されることに基づいて特図抽選を実行可能であり、特図抽選の結果に基づいて、所定期間の特別図柄の変動表示を実行し、特図抽選の結果が特図大当たりであった場合に実行される特定の表示結果を表示する当選遊技回変動の終了後に特電開閉実行モードを実行し、所定期間の変動表示中に変動演出を実行し、変動演出を実行に対して遊技者によるカスタム設定情報の入力を可能とするためのBluetoothによる入力手段を備える。そして、Bluetootによる入力手段は、NFC監視状態において、スマートフォンがNFCアンテナに対してNFC検出可能距離まで近接又は当接した場合にNFC検出状態となるNFCモジュールと、NFCモジュールがNFC検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に、NFCのRAM110aに記憶されたBluetoothの接続情報をNFCによって出力する手段とを備え、NFCによって出力する手段されたBluetoothの接続情報に対応した接続要求の入力を検出した第2の入力状態が発生した場合に、演出の実行における演出のカスタム設定情報のBluetoothを介した入力および遊技履歴情報のBluetoothを介した出力が可能である。
よって、具体的な効果として、例えば、本実施形態によれば、パチンコ機10における演出の実行に対してカスタム設定可能な演出の情報や遊技履歴情報のBluetoothを介した入力および出力を好適に行うことが可能となる。よって、演出の実行に対してカスタム設定可能な演出の情報や遊技履歴情報を外部からパチンコ機10に入力することができ、さらに、パチンコ機10から外部に出力をすることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。パチンコ機10に記憶されている演出の実行に対してカスタム設定可能な演出の情報や遊技履歴情報をパチンコ機10の外部に出力することができ、パチンコ機10の外部において演出の実行に対してカスタム設定可能な演出の情報や遊技履歴情報を利用することができ、さらなる遊技の興趣向上を図ることができる。
より具体的な効果として、例えば、遊技機の演出に関するカスタム設定情報を予め用意しておき、遊技をする際に当該カスタム設定情報を外部(例えば携帯端末)から遊技機に入力することができる。このような構成とすることで、遊技機が備える演出操作ボタンや、十字キーを遊技者が操作することによって演出のカスタム設定を行うのではなく、例えば遊技者が携帯端末上で予め設定したカスタム設定情報を遊技機に入力することが可能になる。よって、遊技者が遊技機でカスタム設定をするために費やす時間を削減することができる。結果として、遊技機で早く遊技をしたいと所望する遊技者や、せっかく遊技ホールに来たのだから少しの時間でも遊技を楽しみたいと思う遊技者にも演出のカスタム設定を利用してもらいやすい構成にすることができる。
さらに、このような構成とすることで、スマートフォン200で演出にカスタム設定をすることができるので、遊技の開始前に演出操作ボタンや、十字キーを用いて手作業で入力することを回避することができる。遊技者は、携帯端末(例えばスマートフォン)上で、操作性に優れたタッチパネル等を用いて快適に演出のカスタム設定を行なうことができる。よって、演出に関する詳細なカスタム設定を遊技者が行なうことを容易にし、より一層遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、パチンコ機10の状態として、NFC検出状態を経てさらBluetoothの接続情報に対応した情報である接続要求の入力を検出した状態が発生することで演出の実行に対してカスタム設定可能な演出の情報や遊技履歴情報の入力および出力が可能となるように構成されているので、なんらの条件や状態の遷移無しに不意に意図せず演出の実行に対してカスタム設定可能な演出の情報や遊技履歴情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。
また、スマートフォン200がNFCアンテナに対してNFC検出可能距離まで近接又は当接した場合にNFC検出状態になるので、単にNFCアンテナの周囲に不特定のスマートフォンなどの携帯端末が存在することだけで、演出の実行に対してカスタム設定可能な演出の情報や遊技履歴情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。より具体的には、NFC検出状態になるために、スマートフォン200がNFCアンテナに対してNFC検出可能距離まで近接又は当接させることを条件とすることで、遊技者の意思を確認することができ、遊技者の意思と反して演出の実行に対してカスタム設定可能な演出の情報や遊技履歴情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、対応情報入力状態が発生した場合に、所定の待機期間において検出完了状態が発生した場合に出力した複数の関連情報が出力されることを抑制する抑制処理を行うことができる。
よって、本実施形態によれば、効果として、対応情報入力状態が発生している状態において、新たな検出され得る対象物が検出実行部に対して所定距離まで近接又は当接した場合に複数の関連情報が出力されることを抑制することができる。例えば検出され得る対象物が検出実行部に近接又は当接したことによって検出完了状態を経て、対応情報入力状態なっている場合に、他の検出され得る対象物が検出実行部に対して所定距離まで近接又は当接したとしても検出完了状態が発生した場合に出力した複数の関連情報が出力されるのを抑制するので、当該検出され得る対象物の近接又は当接に対して、対応情報入力状態となることを抑制することができる。すなわち、複数の検出され得る対象物と、対応情報入力状態となることを抑制することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態が発生した場合に、所定の待機期間において検出完了状態が発生した場合に出力した複数の関連情報が出力されることを抑制する抑制処理を行うことができる。
よって、具体的な効果として、例えば、本実施形態によれば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態が発生している状態において、新たな携帯端末がNFCアンテナに対してNFC検出可能距離まで近接又は当接した場合にBluetoothの接続情報が出力されることを抑制することができる。例えば携帯端末がNFCアンテナに近接又は当接したことによってNFC検出状態を経て、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態になっている場合に、他の携帯端末がNFCアンテナに対してNFC検出可能距離まで近接又は当接したとしてもNFC検出状態が発生した場合に出力したBluetoothの接続情報が出力されるのを抑制するので、当該他の携帯端末の近接又は当接に対して、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態となることを抑制することができる。すなわち、複数の検出され得る他の携帯端末と、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態となることを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、検出完了状態が発生してから所定期間が経過するまで複数の関連情報の入力が検出されなかった場合に、対応情報入力状態を発生させるには再度検出完了状態を発生させることが必要な状態を発生させる。
よって、本実施形態によれば、効果として、検出完了状態が発生してから所定期間が経過したにもかかわらず複数の関連情報の入力の検出がされないといった状態は、遊技者の意に反して検出完了状態が発生した可能性や、遊技者が既に遊技を終了して遊技機から退席している場合などが考えられる。本実施形態によれば、そのような場合には対応情報入力状態を発生させるためには再度検出完了状態を発生させることが必要な状態を発生させることで、検出完了状態を発生させた遊技者と、その状態から対応情報入力状態を発生させた遊技者とが異なるといった事象を回避することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、NFC検出状態が発生してから所定期間が経過するまで接続要求の入力の入力が検出されなかった場合に、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を発生させるには再度NFC検出状態を発生させることが必要な状態を発生させる。
よって、具体的な効果として、例えば、本実施形態によれば、NFC検出状態が発生してから所定期間が経過したにもかかわらず接続要求の入力の検出がされないといった状態は、遊技者の意に反してNFC検出状態が発生した可能性や、遊技者が既に遊技を終了して遊技機から退席している場合などが考えられる。本実施形態によれば、そのような場合には接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を発生させるためには再度NFC検出状態を発生させることが必要な状態を発生させることで、NFC検出状態を発生させた遊技者と、その状態から接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を発生させた遊技者とが異なるといった事象を回避することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、対応情報入力状態が発生した場合に、特定の要素の入力を行うことで強制的に対応情報入力状態を終了させる終了処理を行う。
よって、本実施形態によれば、効果として、対応情報入力状態が発生した場合に、特定の要素の入力を行うことで強制的に対応情報入力状態を終了させる終了処理を行うことで、対応情報入力状態を維持しておくことで遊技上または処理上の不都合や、遊技上または処理上の問題が生じる場合に、強制的に対応情報入力状態を終了させることで、当該不都合や問題を回避または解消することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態が発生した場合に、切断用NFCによる入力を行うことで強制的に接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を終了させる終了処理を行う。
よって、具体的な効果として、例えば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態が発生した場合に、切断用NFCによる入力を行うことで強制的に接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を終了させる終了処理を行うことで、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を維持しておくことで遊技上または処理上の不都合や、遊技上または処理上の問題が生じる場合に、強制的に接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を終了させることで、当該不都合や問題を回避または解消することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、対応情報入力状態が発生した場合に、特定の要素の入力を行うことで、特定の要素の入力がされるよりも前に入力された外部入力を無効にする無効処理を行う。
よって、本実施形態によれば、効果として、対応情報入力状態が発生した場合に、特定の要素の入力を行うことで当該特定の要素の入力がされるよりも前に入力された外部入力を無効にするので、特定の要素の入力以前に入力された外部入力の内容に影響を受けずに特定の要素の入力後に入力された新たな外部入力の内容を反映させることができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態が発生した場合に、切断用NFCによる入力を行うことで、切断用NFCの入力がされるよりも前に入力されたBluetoothによる入力を無効にする。
よって、具体的な効果として、切断用NFCによる入力以前に入力されたカスタム設定情報の内容に影響を受けずに切断用NFCによる入力後に入力された新たなカスタム設定情報の内容を反映させることができる。より具体的には、例えば、所在不明の携帯端末と通信が確立されている場合に、ホールスタッフが切断用NFCを用いて強制的に通信を切断した際に、それまでに所在不明の携帯端末によって入力されたカスタム設定情報を無効にすることができ、切断用NFCによる入力後に新たな遊技者によって携帯端末から入力された新たなカスタム設定情報の内容を反映させることができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、対応情報入力状態を終了する場合に所定の発生条件を満たしていない場合には対応情報入力状態を発生させないように制限する制限処理を行う。
よって、本実施形態によれば、効果として、対応情報入力状態を終了する場合に、改めて対応情報入力状態を発生させるために所定の発生条件を設けることで、一度対応情報入力状態を発生させたからということをもって、次回から無条件に対応情報入力状態に移行させることで発生する遊技上または処理上の問題を回避することができる。例えば、過去に所定の遊技機と間で通信状態を確立した携帯端末が、次回から当該遊技機と無条件に通信の確立が可能になると、遊技者の意に反して当該遊技機と携帯端末とが通信を確立してしまう虞がある。本実施形態によれば、過去に所定の遊技機と間で通信状態を確立した携帯端末であっても次回に通信を確立するために所定の条件を設けることで、遊技者の意に反して当該遊技機と携帯端末とが通信を確立してしまうといった問題を回避することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を終了する場合に再度のNFC検出状態を経由するという条件を満たしていない場合には接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を発生させないように制限する。
よって、具体的な効果として、例えば、本実施形態によれば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を終了する場合に、改めて接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を発生させるために再度のNFC検出状態を経由するという条件を設けることで、一度接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を発生させたからということをもって、次回から無条件に接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態に移行させることで発生する遊技上または処理上の問題を回避することができる。例えば、過去に所定のパチンコ機10と間で通信状態を確立したスマートフォン200が、次回からパチンコ機10と無条件に通信の確立が可能になると、遊技者の意に反して当該パチンコ機10とスマートフォン200とが通信を確立してしまう虞がある。本実施形態によれば、過去にパチンコ機10と間で通信状態を確立したスマートフォン200であっても次回に通信を確立するために再度のNFC検出状態を経由するという条件を設けることで、遊技者の意に反してパチンコ機10とスマートフォン200とが通信を確立してしまうといった問題を回避することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、対応情報入力状態において、検出完了状態が発生した場合に特定出力用情報を出力する。
よって、本実施形態によれば、効果として、対応情報入力状態において、検出完了状態が発生した場合に特定出力用情報を出力する。すなわち、遊技者が検出され得る対象物を検出実行部に対して所定距離まで近接又は当接させて検出完了状態になることで特定出力用情報を出力する。したがって、遊技者の意に反して特定出力用情報を出力することを回避し、遊技者の意思を確認した上で特定出力用情報を出力することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態において、NFC検出状態が発生した場合に遊技履歴情報を出力する。
よって、具体的な効果として、例えば、本実施形態によれば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態において、NFC検出状態が発生した場合に遊技履歴情報を出力する。すなわち、遊技者がスマートフォン200をNFCアンテナに対してNFC検出可能距離まで近接又は当接させてNFC検出状態になることで遊技履歴情報を出力する。したがって、遊技者の意に反して遊技履歴情報を出力することを回避し、遊技者の意思を確認した上で遊技履歴情報を出力することができる。
その他の具体的な構成として、パチンコ機10とスマートフォン200とがBluetoothの通信状態(対応情報入力状態)である場合において、他のNFC搭載携帯端末がパチンコ機10のNFCに近接または当接されNFCの検出完了状態となった場合に、先にBluetoothの通信状態であるスマートフォン200に対して、切断を行う旨の切断確認用データ(確認用画像など)を送信(出力)する構成を採用してもよい。より具体的には「切断しますか」という確認用画像のデータをスマートフォン200に向けて送信する構成を採用してもよい。このようにすることで、先にBluetoothの通信状態であったスマートフォン200が、その所持者である遊技者の認識が無いまま切断されてしまうことを回避することができる。
《8-5》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
上述した遊技を進行させるために、主制御装置60の主側MPU62は、通常処理及びタイマ割込み処理を実行する。主側MPU62は、通常処理及びタイマ割込み処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<通常処理>
通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。
図400は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSe0101では、起動初期設定処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップSe0102に進む。
ステップSe0102では、起動コマンドを音声発光制御装置90に対して送信する。起動コマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップSe0103に進む。
ステップSe0103では、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可設定を実行する。その後、無限ループ処理を繰り返して待機するとともに、後述するタイマ割込み処理が定期的に(本実施形態では2ms毎に)実行される。
<タイマ割込み処理>
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(本実施形態では2msec周期)に実行される。
図401は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。ステップSe1101では、各種検知センサーの読み込み処理を実行する。具体的には、主制御装置60に接続されている各種検知センサーの状態を読み込み、当該センサーの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSe0102に進む。
ステップSe1102では、各種カウンタ更新処理を実行する。具体的には、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3、特図変動種別カウンタCs4、普図当否判定カウンタCn1、普図種別判定カウンタCn2、乱数初期値カウンタCiniの値にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタCs1~Cs4、Cn1、Cn2、Ciniの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSe1103に進む。
ステップSe1103では、各入球口用の入球処理を実行する。各入球口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSe1103を実行した後、ステップSe1104に進む。
ステップSe1104では、特図特電制御処理を実行する。特図特電制御処理は、第1特図始動口33又は第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて上述した特図抽選を実行し、第1特別図柄表示器37a、第2特別図柄表示器37b及び特別電動役物57bを制御する第1制御処理である。特図特電制御処理の詳細については後述する。ステップSe1104を実行した後、ステップSe1105に進む。
ステップSe1105では、普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理は、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づいて上述した普図抽選を実行し、普通図柄表示器38a及び普通電動役物34bを制御する第2制御処理である。普図普電制御処理の詳細については後述する。ステップSe1105を実行した後、ステップSe1106に進む。
ステップSe1106では、上述した又は後述する各処理において送信対象として設定された各種コマンドや各種出力データを払出制御装置70や音声発光制御装置90等のサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、例えば、賞球コマンドが設定されてる場合には当該コマンドを払出制御装置70に対して送信する。また、各種の演出に関するコマンドが設定されている場合にはそれらのコマンドを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSe1107を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<各入球口用の入球処理>
次に、各入球口用の入球処理について説明する。各入球口用の入球処理は、上述したタイマ割込み処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図402は、各入球口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSe1201では、一般入賞口用の入球処理を実行する。一般入賞口用の入球処理では、一般入賞口32への遊技球の入球を検知した場合に、当該一般入賞口32に設定された設定情報である賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。ステップSe1201を実行した後、ステップSe1202に進む。
ステップSe1202では、大入賞口用の入球処理を実行する。大入賞口用の入球処理では、大入賞口57aへの遊技球の入球を検知した場合に、当該大入賞口57aに設定された設定情報である賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。ステップSe1202を実行した後、ステップSe1203に進む。
ステップSe1203では、第1特図始動口用の入球処理を実行する。第1特図始動口用の入球処理では、第1特図始動口33への遊技球の入球を検知した場合に、各種の処理を実行する。第1特図始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSe1203を実行した後、ステップSe1204に進む。
ステップSe1204では、第2特図始動口用の入球処理を実行する。第2特図始動口用の入球処理では、第2特図始動口34への遊技球の入球を検知した場合に、各種の処理を実行する。第2特図始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSe1204を実行した後、ステップSe1205に進む。
ステップSe1205では、普図始動ゲート用の入球処理を実行する。普図始動ゲート用の入球処理では、普図始動ゲート35への遊技球の入球を検知した場合に、各種の処理を実行する。普図始動ゲート用の入球処理の詳細については後述する。ステップSe1205実行した後、本各入球口用の入球処理を終了する。
<第1特図始動口用の入球処理>
次に、第1特図始動口用の入球処理について説明する。第1特図始動口用の入球処理は、上述した各入球口用の入球処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図403は、第1特図始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSe1301では第1特図始動口33に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSe1301において、第1特図始動口33に遊技球が入球したと判定した場合には(ステップSe1301:YES)、ステップSe1302に進み、第1特図始動口33に設定された設定情報である賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップSe1303に進む。一方、ステップSe1301において、第1特図始動口33に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(ステップSe1301:NO)、本第1特図始動口用の入球処理を終了する。
ステップSe1303では、第1特図保留個数Ns1が上限値未満であるか否かを判定する。なお、第1特図保留個数Ns1は、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて保留されている(実行待ちの)第1特図抽選の数を示す値である。本実施形態では、第1特図保留個数Ns1の上限値(最大値)は4である。
ステップSe1303において、第1特図保留個数Ns1が上限値未満であると判定した場合には(ステップSe1303:YES)、ステップSe1304に進み、第1特図保留個数Ns1に1を加算する。その後、ステップSe1305に進む。
ステップSe1305では、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値をRAM64の特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSe1303において1を加算した第1特図保留個数Ns1に対応する記憶エリアに記憶する。その後、ステップSe1306に進む。
ステップSe1306では、第1特図先判定処理を実行する。第1特図先判定処理は、ステップSe1305において取得された特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値(第1特図保留情報)に基づいて、第1特図抽選の判定結果(特図当否判定の判定結果、特図種別判定の判定結果、特図リーチ発生の有無の判定結果等)を、当該第1特図保留情報が第1特別図柄の変動を伴う第1特図抽選の対象となるよりも前に判定する処理である。ステップSe1306を実行した後、ステップSe1307に進む。
ステップSe1307では、第1特図保留コマンドを設定する。具体的には、上述した第1特図先判定処理の各判定結果を第1特図保留コマンドとして設定する。第1特図保留コマンドは、サブ側の制御装置に対して、第1特図始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された第1特図保留情報に対する第1特図先判定処理の判定結果を、当該第1特図保留情報が第1特別図柄の変動を伴う第1特図抽選の対象となるよりも前に認識させるためのコマンドである。音声発光制御装置90は、第1特図保留コマンドを受信すると、図柄表示装置41の第1特図保留表示領域Ds1における表示を第1特図保留個数Ns1の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1特図保留表示領域Ds1における表示を第1特図保留個数Ns1の増加に対応させて変更する。ステップSe1307を実行した後、第1特図始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSe1303において、第1特図保留個数Ns1が上限値未満ではないと判定した場合(ステップSe1303:NO)、すなわち、第1特図保留個数Ns1が上限値であると判定した場合には、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値を特図保留エリア64bに記憶することなく、本第1特図始動口用の入球処理を終了する。
<第2特図始動口用の入球処理>
次に、第2特図始動口用の入球処理について説明する。第2特図始動口用の入球処理は、上述した各入球口用の入球処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図404は、第2特図始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSe1401では第2特図始動口34に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSe1401において、第2特図始動口34に遊技球が入球したと判定した場合には(ステップSe1401:YES)、ステップSe1402に進み、第2特図始動口34に設定された設定情報である賞球数に対応した賞球コマンドを送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップSe1403に進む。一方、ステップSe1401において、第2特図始動口34に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(ステップSe1401:NO)、本第2特図始動口用の入球処理を終了する。
ステップSe1403では、第2特図保留個数Ns2が上限値未満であるか否かを判定する。なお、第2特図保留個数Ns2は、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて保留されている(実行待ちの)第2特図抽選の数を示す値である。本実施形態では、第2特図保留個数Ns2の上限値(最大値)は4である。
ステップSe1403において、第2特図保留個数Ns2が上限値未満であると判定した場合には(ステップSe1403:YES)、ステップSe1404に進み、第2特図保留個数Ns2に1を加算する。その後、ステップSe1405に進む。
ステップSe1405では、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値をRAM64の特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSe1403において1を加算した第2特図保留個数Ns2に対応する記憶エリアに記憶する。その後、ステップSe1406に進む。
ステップSe1406では、第2特図先判定処理を実行する。第2特図先判定処理は、ステップSe1405において取得された特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値(第2特図保留情報)に基づいて、第2特図抽選の判定結果(特図当否判定の判定結果、特図種別判定の判定結果、特図リーチ発生の有無の判定結果等)を、当該第2特図保留情報が第2特別図柄の変動を伴う第2特図抽選の対象となるよりも前に判定する処理である。ステップSe1406を実行した後、ステップSe1407に進む。
ステップSe1407では、第2特図保留コマンドを設定する。具体的には、上述した第2特図先判定処理の各判定結果を第2特図保留コマンドとして設定する。第2特図保留コマンドは、サブ側の制御装置に対して、第2特図始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された第2特図保留情報に対する第2特図先判定処理の判定結果を、当該第2特図保留情報が第2特別図柄の変動を伴う第2特図抽選の対象となるよりも前に認識させるためのコマンドである。音声発光制御装置90は、第2特図保留コマンドを受信すると、図柄表示装置41の第2特図保留表示領域Ds2における表示を第2特図保留個数Ns2の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2特図保留表示領域Ds2における表示を第2特図保留個数Ns2の増加に対応させて変更する。ステップSe1407を実行した後、第2特図始動口34用の入球処理を終了する。
一方、ステップSe1403において、第2特図保留個数Ns2が上限値未満ではないと判定した場合(ステップSe1403:NO)、すなわち、第2特図保留個数Ns2が上限値であると判定した場合には、特図当否判定カウンタCs1、特図種別判定カウンタCs2、特図リーチ判定カウンタCs3及び特図変動種別カウンタCs4の各値を特図保留エリア64bに記憶することなく、本第2特図始動口用の入球処理を終了する。
<普図始動ゲート用の入球処理>
次に、普図始動ゲート用の入球処理について説明する。普図始動ゲート用の入球処理は、上述した各入球口用の入球処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図405は、普図始動ゲート用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSe1501では普図始動ゲート35に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSe1501において、普図始動ゲート35に遊技球が入球したと判定した場合には(ステップSe1501:YES)、ステップSe1502に進む。一方、ステップSe1501において、普図始動ゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(ステップSe1501:NO)、本普図始動ゲート用の入球処理を終了する。
ステップSe1502では、普図保留個数Nn1が上限値未満であるか否かを判定する。なお、普図保留個数Nn1は、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づいて保留されている(実行待ちの)普図抽選の数を示す値である。本実施形態では、普図保留個数Nn1の上限値(最大値)は4である。
ステップSe1502において、普図保留個数Nn1が上限値未満であると判定した場合には(ステップSe1502:YES)、ステップSe1503に進み、普図保留個数Nn1に1を加算する。その後、ステップSe1504に進む。
ステップSe1504では、普図当否判定カウンタCn1及び普図種別判定カウンタCn2の各値をRAM64の普図保留エリア64dの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSe1503において1を加算した普図保留個数Nn1に対応する記憶エリアに記憶する。その後、ステップSe1505に進む。
ステップSe1505では、普図保留コマンドを設定する。普図保留コマンドは、サブ側の制御装置に対して、普図始動ゲート35への遊技球の入球に基づいて普図抽選が保留されたことを認識させるためのコマンドである。ステップSe1505を実行した後、普図始動ゲート35用の入球処理を終了する。
一方、ステップSe1502において、普図保留個数Nn1が上限値未満ではないと判定した場合(ステップSe1502:NO)、すなわち、普図保留個数Nn1が上限値であると判定した場合には、普図当否判定カウンタCn1及び普図種別判定カウンタCn2の各値を普図保留エリア64dに記憶することなく、本普図始動ゲート用の入球処理を終了する。
<特図特電制御処理>
次に、特図特電制御処理について説明する。特図特電制御処理は、上述したタイマ割込み処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図406は、特図特電制御処理を示すフローチャートである。ステップSe2101では、第1特別図柄表示器37aにおける第1特別図柄又は第2特別図柄表示器37bにおける第2特別図柄の変動を開始させるための処理である特別図柄変動開始処理を実行する。特別図柄変動開始処理の詳細については後述する。ステップSe2101を実行した後、ステップSe2102に進む。
ステップSe2102では、第1特別図柄表示器37aにおける第1特別図柄又は第2特別図柄表示器37bにおける第2特別図柄の変動を停止させるための処理である特別図柄変動停止処理を実行する。特別図柄変動停止処理の詳細については後述する。ステップSe2102を実行した後、ステップSe2103に進む。
ステップSe2103では、特別図柄の変動を停止させた後の処理である特別図柄変動停止後処理を実行する。特別図柄変動停止後処理の詳細については後述する。ステップSe2103を実行した後、ステップSe2104に進む。
ステップSe2104では、特電開閉実行モード開始処理を実行する。特電開閉実行モード開始処理は、特電開閉実行モードを開始させる条件が成立した場合に、特電開閉実行モードを開始させる処理である。特電開閉実行モード開始処理の詳細については後述する。ステップSe2104を実行した後、ステップSe2105に進む。
ステップSe2105では、特電オープニング期間中処理を実行する。特電オープニング期間中処理は、特電オープニング期間中に実行する処理である。特電オープニング期間中処理の詳細については後述する。ステップSe2105を実行した後、ステップSe2106に進む。
ステップSe2106では、特電開閉期間中処理を実行する。特電開閉期間中処理は、特電開閉期間中に実行する処理である。特電開閉期間中処理の詳細については後述する。ステップSe2106を実行した後、ステップSe2107に進む。
ステップSe2107では、特電エンディング期間中処理を実行する。特電エンディング期間中処理は、特電エンディング期間中に実行する処理である。特電エンディング期間中処理の詳細については後述する。ステップSe2107を実行した後、本特図特電制御処理を終了する。
<特別図柄変動開始処理>
次に、特別図柄変動開始処理について説明する。特別図柄変動開始処理は、上述した特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図407は、特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSe2201では、主側RAM64に記憶されている特図特電制御値が「01」であるか否かを判定する。特図特電制御値は、特別図柄及び特別電動役物の制御の進行状況がどの段階であるのかを示す値であり、本実施形態では、特図特電制御値が「01」であることは、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれもが変動していない状態であり、かつ、特電開閉実行モードも実行されていない状態であること示している。換言すれば、特図特電制御値が「01」であることは、第1特図保留個数Ns1又は第2特図保留個数Ns2が1以上となっている場合に第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始することが可能な状態であることを示している。本実施形態では、特図特電制御値は、上述した起動初期設定処理において最初に「01」に設定される。
ステップSe2201において、特図特電制御値が「01」ではないと判定した場合には(ステップSe2201:NO)、後述するステップSe2202以降の処理のいずれも実行することなく、本特別図柄変動開始処理を終了する。すなわち、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかが変動している状態や、特電開閉実行モードの実行中には、特別図柄の変動は開始されない。一方、ステップSe2201において、特図特電制御値が「01」であると判定した場合には(ステップSe2201:NO)、ステップSe2202に進む。
ステップSe2202では、第2特図保留個数Ns2が「1」以上であるか否かを判定する。ステップSe2202において、第2特図保留個数Ns2が「1」以上であると判定した場合には(ステップSe2202:YES)、ステップSe2203に進み、第2特図保留個数Ns2から1を減算する。その後、ステップSe2204に進む。
ステップSe2204では、特図保留エリア64bの第2特図保留エリアRbの各エリアに記憶されている第2特図保留情報をシフトさせる処理である第2特図保留情報シフト処理を実行する。具体的には、第2特図保留情報シフト処理では、第2特図保留エリアRbの第1エリアに記憶されている第2特図保留情報を特図判定エリア64cに移動させた後、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった順に各エリア内の第2特図保留情報をシフトさせる。ステップSe2204を実行した後、後述するステップSe2208に進む。
ステップSe2202において、第2特図保留個数Ns2が「1」以上ではないと判定した場合には(ステップSe2202:NO)、ステップSe2205に進み、第1特図保留個数Ns1が「1」以上であるか否かを判定する。ステップSe2205において、第1特図保留個数Ns1が「1」以上ではないと判定した場合には(ステップSe2205:NO)、本特別図柄変動開始処理を終了する。一方、ステップSe2205において、第1特図保留個数Ns1が「1」以上であると判定した場合には(ステップSe2205:YES)、ステップSe2206に進み、第1特図保留個数Ns1から1を減算する。その後、ステップSe2207に進む。
ステップSe2207では、特図保留エリア64bの第1特図保留エリアRaの各エリアに記憶されている第1特図保留情報をシフトさせる処理である第1特図保留情報シフト処理を実行する。具体的には、第1特図保留情報シフト処理では、第1特図保留エリアRaの第1エリアに記憶されている第1特図保留情報を特図判定エリア64cに移動させた後、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった順に各エリア内の第1特図保留情報をシフトさせる。ステップSe2207を実行した後、ステップSe2208に進む。
ステップSe2208では、特図当たり(特図大当たり又は特図小当たり)に当選するか否かを判定する処理である特図当否判定処理を実行する。具体的には、特図当否判定処理では、抽選モード及び保留の種別に基づいて上述した特図当否判定テーブルを選択し、選択した特図当否判定テーブルと、特図判定エリア64cに記憶された特図当否判定カウンタCs1の値とに基づいて、特図当たりに当選するか否かを判定する。ステップSe2208を実行した後、ステップSe2209に進む。
ステップSe2209では、特別図柄の種別(停止図柄の種別)を判定する処理である特図種別判定処理を実行する。具体的には、特図種別判定処理では、特図当否判定の結果と、特図判定エリア64cに記憶された特図種別判定カウンタCs2の値と、特図種別判定テーブルとに基づいて、特別図柄の種別を判定する。ステップSe2209を実行した後、ステップSe2210に進む。
ステップSe2210では、特図種別判定処理において判定した特別図柄の種別に対応した特図種別フラグをONにする。具体的には、例えば、特図種別判定処理において特別図柄Aであると判定した場合には、特図種別フラグとして特別図柄AフラグをONにし、特別図柄Bであると判定した場合には、特図種別フラグとして特別図柄BフラグをONにする。ステップSe2210を実行した後、ステップSe2211に進む。
ステップSe2211では、特図変動パターン決定処理を実行する。特図変動パターン決定処理は、第1特別図柄表示器37aにおける第1特別図柄の変動時間(第1特図変動時間)又は第2特別図柄表示器37bにおける第2特別図柄の変動時間(第2特図変動時間)を決定する処理である。具体的には、特図変動時間設定処理では、抽選モードと、保留の種別と、特図当否判定の結果と、特図判定エリア64cに記憶された特図リーチ判定カウンタCs3の値と、特図変動種別カウンタCs4の値と、特図変動時間テーブルとに基づいて特図変動時間を決定する。
ステップSe2212では、特図変動パターン決定処理において決定した特図変動時間に対応した値を特図変動時間タイマカウンタに設定する。ステップSe2212を実行した後、ステップSe2213に進む。
ステップSe2213では、特図変動パターンコマンドを設定する。特図変動パターンコマンドには、今回の特別図柄の変動が第1特図始動口33又は第2特図始動口34のいずれの特図始動口への遊技球の入球に基づくものであるのかを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及び設定された特図変動時間の情報が含まれている。ステップSe2213を実行した後、ステップSe2214に進む。
ステップSe2214では、特図種別コマンドを設定する。特図種別コマンドには、特図当否判定の結果(特図大当たりの有無)及び特図種別判定の結果(特別図柄の種別)の情報が含まれる。
ステップSe2213及びステップSe2214にて設定された設定情報である特図変動パターンコマンド及び特図種別コマンドは、タイマ割込み処理の各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した特図変動パターンコマンド及び特図種別コマンドに基づいて演出の内容(演出パターン)を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSe2214を実行後、ステップSe2215に進む。
ステップSe2215では、第1特別図柄表示器37aにおける第1特別図柄又は第2特別図柄表示器37bにおける第2特別図柄の変動を開始させる。その後、ステップSe2216に進み、特図特電制御値に「02」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「02」であることは、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中の状態であることを示している。その後、本特別図柄変動開始処理を終了する。
<特別図柄変動停止処理>
次に、特別図柄変動停止処理について説明する。特別図柄変動停止処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図408は、特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。ステップSe2301では、特図特電制御値が「02」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「02」であることは、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中の状態であることを示している。ステップSe2301において、特図特電制御値が「02」ではないと判定した場合には(ステップSe2301:NO)、本特別図柄変動停止処理を終了する。一方、ステップSe2301において、特図特電制御値が「02」であると判定した場合には(ステップSe2301:YES)、ステップSe2302に進む。
ステップSe2302では、上述した特図変動時間設定処理において設定された特図変動時間が経過したか否かを判定する。具体的には、主側RAM64における特図変動時間タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となっている場合には、特図変動時間が経過したと判定する。ステップSe2302において、特図変動時間が経過していないと判定した場合には(ステップSe2302:NO)、本特別図柄変動停止処理を終了する。一方、ステップSe2302において、特図変動時間が経過したと判定した場合には(ステップSe2302:YES)、ステップSe2303に進む。
ステップSe2303では、第1特別図柄表示器37a又は第2特別図柄表示器37bにおいて変動中の第1特別図柄又は第2特別図柄を、ONとなっている特図種別フラグに対応した表示態様で停止表示させる。これにより、第1特別図柄表示器37a又は第2特別図柄表示器37bには、第1特図抽選又は第2特図抽選の結果に対応した表示態様の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示される。ステップSe2303を実行した後、ステップSe2304に進む。
ステップSe2304では、特図停止表示時間設定処理を実行する。特図停止表示時間設定処理は、第1特別図柄表示器37aにおける第1特別図柄の停止表示時間(第1特図停止表示時間)及び第2特別図柄表示器37bにおける第2特別図柄の停止表示時間(第2特図停止表示時間)を設定する処理である。具体的には、特図停止表示時間設定処理では、所定の時間(本実施形態では1.0秒)に対応した値を特図停止表示時間タイマカウンタに設定する。ステップSe2304を実行した後、ステップSe2305に進み、特図特電制御値に「03」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「03」であることは、第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示中の状態であることを示している。その後、本特別図柄停止処理を終了する。
<特別図柄変動停止後処理>
次に、特別図柄変動停止後処理について説明する。特別図柄変動停止後処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図409は、特別図柄変動停止後処理を示すフローチャートである。ステップSe2401では、特図特電制御値が「03」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「03」であることは、第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示中の状態であることを示している。ステップSe2401において、特図特電制御値が「03」ではないと判定した場合には(ステップSe2401:NO)、本特別図柄変動停止後処理を終了する。一方、ステップSe2401において、特図特電制御値が「03」であると判定した場合には(ステップSe2401:YES)、ステップSe2402に進む。
ステップSe2402では、上述した特図停止表示時間設定処理において設定された特図停止表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、主側RAM64における特図停止表示時間タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となっている場合には、特図停止表示時間が経過したと判定する。ステップSe2402において、特図停止表示時間が経過していないと判定した場合には(ステップSe2402:NO)、本特別図柄変動停止後処理を終了する。一方、ステップSe2402において、特図停止表示時間が経過したと判定した場合には(ステップSe2402:YES)、ステップSe2403に進む。
ステップSe2403では、特図当たりに対応する特図種別フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、今回の特別図柄の変動に係る特図当否判定の結果が特図当たり(特図大当たり)であるか否かを判定する。ステップSe2403において、特図当たりに対応する特図種別フラグがONではないと判定した場合(ステップSe2403:NO)、すなわち、今回の特別図柄の変動に係る特図当否判定の結果が特図外れである場合には、ステップSe2404に進み、ONとなっている特図種別フラグ(この場合は特別図柄Zフラグ)をOFFにする。その後、ステップSe2405に進む。
次に説明するステップSe2405からステップSe2410までの処理は、低確高サポ状態(いわゆる時短状態)において規定回数の特図変動が実行されたか否かを判定し、規定回数の特図変動が実行された場合には高頻度サポートモードフラグをOFFにして低確低サポ状態(いわゆる通常状態)に移行させるための処理である。以下、各ステップの処理を具体的に説明する。
ステップSe2405では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSe2405において、高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合には、後述するステップSe2413に進む。一方、ステップSe2405において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(ステップSe2405:YES)、ステップSe2406に進み、高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSe2406において、高確率モードフラグがONであると判定した場合には(ステップSe2406:YES)、後述するステップSe2413に進む。一方、ステップSe2406において、高確率モードフラグがONではないと判定した場合には(ステップSe2406:NO)、ステップSe2407に進む。すなわち、高頻度サポートモードフラグがONであり、かつ、高確率モードフラグがOFFである場合に(遊技状態が低確高サポ状態、いわゆる時短状態である場合に)、ステップSe2407に進む。
ステップSe2407では、高サポ残回数カウンタNspの値から1を減算する。その後、ステップSe2408に進み、高サポ残回数カウンタNspの値が0であるか否かを判定する。すなわち、高頻度サポートモードにおいて規定回数の特図変動が実行されたか否かを判定する。ステップSe2408において、高サポ残回数カウンタNspの値が0ではないと判定した場合には(ステップSe2408:NO)、後述するステップSe2413に進む。一方、ステップSe2408において、高サポ残回数カウンタNspの値が0であると判定した場合には(ステップSe2408:YES)、ステップSe2409に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップSe2410に進み、遊技状態が、高確率モードフラグがOFFであり高頻度サポートモードフラグもOFFである低確低サポ状態(通常状態)となったことを示す遊技状態コマンドを設定する。その後、ステップSe2411に進む。
ステップSe2411では、保留が有るか否かを判定する。具体的には、第1特図保留個数Ns1および第2特図保留個数Ns2の少なくともいずれかが0以上である場合には、保留が有りと判定し、第1特図保留個数Ns1および第2特図保留個数Ns2のいずれもが0である場合には、保留無しと判定する。ステップSe2411において、保留が有ると判定した場合には(ステップSe2411:YES)、ステップSe2413に進む。一方、ステップSe2411において、保留無しと判定した場合には(ステップSe2411:NO)、ステップSe2412に進む。
ステップSe2412では、デモコマンドを設定する。デモコマンドは、変動表示が停止しており保留が無い場合に設定されるコマンドである。その後、ステップSe2413に進む。
ステップSe2413では、特図特電制御値に「01」を設定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「01」であることは、第1特図保留個数Ns1又は第2特図保留個数Ns2が1以上となっている場合に第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始することが可能な状態を示している。その後、本特別図柄変動停止後処理を終了する。
一方、ステップSe2403において、特図当たりに対応する特図種別フラグがONであると判定した場合(ステップSe2403:YES)、すなわち、今回の特別図柄の変動に係る特図当否判定の結果が特図当たりである場合には、ステップSe2414に進み、特図特電制御値に「04」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「04」であることは、特電開閉実行モードを開始すべき条件が成立した状態であることを示している。その後、本特別図柄変動停止後処理を終了する。これにより、今回の特別図柄の変動に係る特図当否判定の結果が特図当たりである場合には、特電開閉実行モードが開始されることになる。
<特電開閉実行モード開始処理>
次に、特電開閉実行モード開始処理について説明する。特電開閉実行モード開始処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図410は、特電開閉実行モード開始処理を示すフローチャートである。ステップSe3101では、特図特電制御値が「04」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「04」であることは、所定の開始条件である特電開閉実行モードの開始条件が成立した状態を示している。ステップSe3101において、特図特電制御値が「04」ではないと判定した場合には(ステップSe3101:NO)、本特電開閉実行モード開始処理を終了する。一方、ステップSe3101において、特図特電制御値が「04」であると判定した場合には(ステップSe3101:YES)、ステップSe3102に進む。
ステップSe3102では、特電開閉パターン決定処理を実行する。特電開閉パターン決定処理は、特図種別フラグと上述した特電開閉パターン選択テーブルとに基づいて、特電開閉実行モードにおける一の特電開閉パターンを複数の中から決定するとともに、特電開閉実行モードにおいて参照する特電開閉シナリオの種別を決定する処理である。そして、当該決定した特電開閉パターン(特電開閉シナリオ)に基づいて特別電動役物57bを制御する可動制御処理が実行される。なお、後述するように、決定した特電開閉パターンに基づく特別電動役物57bの一連の開閉動作の実行中には、図柄表示装置41において、特電開閉期間演出を構成する所定演出である表示演出が実行される。ステップSe3102を実行した後、ステップSe3103に進む。
ステップSe3103では、決定した特電開閉パターンに対応した特電開閉シナリオを主側ROM63から読み出して主側RAM64に格納する。その後、ステップSe3104に進む。
ステップSe3104では、決定した特電開閉パターンに対応した特電開閉シナリオからラウンド数情報を取得し、取得したラウンド数情報を主側RAM64に設けられた残ラウンド数カウンタRCにセットする。この残ラウンド数カウンタRCの値は、ラウンド遊技が1回終了する毎に1減算される。すなわち、複数の中から決定された一の特電開閉パターンに対応して設定された設定情報である残ラウンド数カウンタRCに設定された値に基づいて、特別電動役物57bに一連の開閉動作を行なわせることが可能となる。その後、ステップSe3105に進む。
ステップSe3105では、特電オープニング時間設定処理を実行する。特電オープニング時間設定処理は、特別電動役物57bの駆動を開始する前の開始前非駆動期間である特電オープニング期間の時間的長さ(以下、特電オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、本実施形態では、上述した特電開閉パターン決定処理によって決定された特電開閉シナリオから特電オープニング時間情報を取得し、取得した特電オープニング時間情報をRAM64に設けられた特電オープニング時間タイマカウンタにセットする。この特電オープニング時間タイマカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される度に1減算される。ステップSe3105を実行した後、ステップSe3106に進む。
ステップSe3106では、特電開閉パターンの種別を特定可能な情報を含む特電オープニングコマンドを設定する。設定された特電オープニングコマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。特電オープニングコマンドを受信した音声発光制御装置90は、特電オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように各種演出用装置(各種ランプ47や表示制御装置100、図柄表示装置41)を制御する。ステップSe3106を実行した後、ステップSe3107に進み、特図特電制御値に「05」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「05」であることは、特電オープニング期間が開始された状態であることを示している。その後、本特電開閉実行モード開始処理を終了する。
<特電オープニング期間中処理>
次に、特電オープニング期間中処理について説明する。特電オープニング期間中処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図411は、特電オープニング期間中処理を示すフローチャートである。ステップSe3201では、特図特電制御値が「05」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「05」であることは、所定の開始条件が成立したことによって特電オープニング期間が開始された状態であることを示している。ステップSe3201において、特図特電制御値が「05」ではないと判定した場合には(ステップSe3201:NO)、本特電オープニング期間中処理を終了する。一方、ステップSe3201において、特図特電制御値が「05」であると判定した場合には(ステップSe3201:YES)、ステップSe3202に進む。
ステップSe3202では、特電オープニング期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した特電オープニング時間設定処理において特電オープニング時間として設定した特電オープニング時間タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSe3202において、特電オープニング期間が終了するタイミングではないと判定した場合には(ステップSe3202:NO)、本特電オープニング期間中処理を終了する。一方、ステップSe3202において、特電オープニング期間が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップSe3202:YES)、ステップSe3203に進み、特電開閉期間コマンドを設定する。設定された特電開閉期間コマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。この特電開閉期間コマンドには、今回の特電開閉期間における特別電動役物57b又は第2特別電動役物58bの開放回数の情報が含まれる。特電開閉期間コマンドを受信した音声発光制御装置90は、受信した特電開閉期間コマンドに基づいて、特別電動役物57b又は第2特別電動役物58bの開放回数に対応した内容の演出を実行するように各種演出用装置を制御する。ステップSe3203を実行した後、ステップSe3204に進み、特図特電制御値に「06」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「06」であることは、特電オープニング期間が終了し、特電開閉期間が開始された状態であることを示している。その後、本特電オープニング期間中処理を終了する。
<特電開閉期間中処理>
次に、特電開閉期間中処理について説明する。特電開閉期間中処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図412は、特電開閉期間中処理を示すフローチャートである。ステップSe3301では、特図特電制御値が「06」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「06」であることは、所定の開始条件が成立したことによって特電開閉期間が開始された状態であることを示している。ステップSe3301において、特図特電制御値が「06」ではないと判定した場合には(ステップSe3301:NO)、本特電開閉期間中処理を終了する。一方、ステップSe3301において、特図特電制御値が「06」であると判定した場合には(ステップSe3301:YES)、ステップSe3302に進む。
ステップSe3302では、特別電動役物57bが開放中であるか否かを判定する。ステップSe3302において、特別電動役物57bが開放中ではないと判定した場合には(ステップSe3302:NO)、ステップSe3303に進む。
ステップSe3303では、特別電動役物57bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、特電開閉パターン決定処理によって決定された特電開閉シナリオに設定されている特別電動役物57bの開放条件が成立したか否かを判定する。ステップSe3303において、特別電動役物57bの開放条件が成立したと判定した場合には(ステップSe3303:YES)、ステップSe3304に進む。
ステップSe3304では、特別電動役物57bに開放動作を実行させる。なお、本実施形態では、特別電動役物57bを開放状態側に駆動させる制御を実行した場合には、一連の開閉動作を終了させる動作終了条件である開閉動作終了条件が成立しているか否かを判定しない。ステップSe3304を実行した後、ステップSe3305に進む。
ステップSe3305では、特電開放コマンドを設定する。特電開放コマンドは、特別電動役物57bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。特電開放コマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSe3305を実行した後、本特電開閉期間中処理を終了する。
ステップSe3303において、特別電動役物57bの開放条件が成立していないと判定した場合には(ステップSe3303:NO)、本特電開閉期間中処理を終了する。
ステップSe3302において、特別電動役物57bが開放中であると判定した場合には(ステップSe3302:YES)、ステップSe3306に進む。
ステップSe3306では、特別電動役物57bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、特電開閉パターン決定処理によって決定された特電開閉シナリオに設定されている特別電動役物57bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。より具体的には、最大開放時間が経過したこと、又は最大入球個数の遊技球が大入賞口57aに入球したことの少なくとも一方の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する。ステップSe3306において、特別電動役物57bの閉鎖条件が成立したと判定した場合、すなわち、上述した少なくとも一方の閉鎖条件が成立していると判定した場合には(ステップSe3306:YES)、ステップSe3307に進み、特別電動役物57bに戻り動作である閉鎖動作を実行させる。このため、特別電動役物57bが開放状態側に制御されている期間(開放制御期間)は、最大開放時間が経過する前に大入賞口57aへの遊技球の入球個数が最大入球個数に達して特別電動役物57bが早期に閉鎖した場合には、短制御期間の短い開放期間となり、一方、最大開放時間が経過するまでに大入賞口57aへの遊技球の入球個数が最大入球個数に達しなかった場合には、特別電動役物57bは最大開放時間が経過するまで閉鎖せずに、長制御期間の最大開放期間となる。その後、ステップSe3308に進む。
ステップSe3308では、特電閉鎖コマンドを設定する。特電閉鎖コマンドは、特別電動役物57bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。特電閉鎖コマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSe3308を実行した後、ステップSe3309に進む。
ステップSe3309では、残ラウンド数カウンタRCの値から1を減算する。その後、ステップSe3310に進み、残ラウンド数カウンタRCの値が0であるか否かを判定する。ステップSe3310において、残ラウンド数カウンタRCの値が0ではないと判定した場合には(ステップSe3310:NO)、本特電開閉期間中処理を終了する。一方、ステップSe3310において、残ラウンド数カウンタRCの値が0であると判定した場合には(ステップSe3310:NO)、特電開閉期間を終了させて特電エンディング期間に移行するための前段階の処理であるステップSe3311に進む。
ステップSe3311では、特電エンディング時間設定処理を実行する。特電エンディング時間設定処理は、特電エンディング期間の時間的長さ(以下、特電エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、本実施形態では、上述した特電開閉パターン決定処理によって決定された特電開閉シナリオから特電エンディング時間情報を取得し、取得した特電エンディング時間情報をRAM64に設けられた特電エンディング時間タイマカウンタにセットする。この特電エンディング時間タイマカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される度に1減算される。ステップSe3311を実行した後、ステップSe3312に進む。
ステップSe3312では、特電エンディングコマンドを設定する。設定された特電エンディングコマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。特電エンディングコマンドを受信した音声発光制御装置90は、特電エンディング演出の内容を決定するとともに、決定した特電エンディング演出を実行するように各種演出用装置を制御する。本実施形態では、一連の開閉動作を終了した後に実行される制御の制御対象には、特別電動役物57bとは異なる制御対象として、画像を表示可能な図柄表示装置41、音を出力可能なスピーカー46、発光可能な各種ランプ47が含まれる。ステップSe3312を実行した後、ステップSe3313に進み、特図特電制御値に「07」を設定する。本実施形態では、特図特電制御値が「07」であることは、特電エンディング期間が開始された状態であることを示している。その後、本特電開閉期間中処理を終了する。
<特電エンディング期間中処理>
次に、特電エンディング期間中処理について説明する。特電エンディング期間中処理は、特図特電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図413は、特電エンディング期間中処理を示すフローチャートである。ステップSe3401では、特図特電制御値が「07」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、特図特電制御値が「07」であることは、所定の開始条件が成立したことによって特電エンディング期間が開始された状態であることを示している。ステップSe3401において、特図特電制御値が「07」ではないと判定した場合には(ステップSe3401:NO)、本特電エンディング期間中処理を終了する。一方、ステップSe3401において、特図特電制御値が「07」であると判定した場合には(ステップSe3401:YES)、ステップSe3402に進む。
ステップSe3402では、特電エンディング期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した特電エンディング時間設定処理において特電エンディング時間として設定した特電エンディング時間タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSe3402において、特電エンディング期間が終了するタイミングではないと判定した場合には(ステップSe3402:NO)、本特電エンディング期間中処理を終了する。一方、ステップSe3402において、特電エンディング期間が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップSe3402:YES)、ステップSe3403に進む。
ステップSe3403では、ONとなっている特図種別フラグが確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップSe3403において、ONとなっている特図種別フラグが確変大当たりに対応していると判定した場合には(ステップSe3403:YES)、ステップSe3404に進み、高確率モードフラグをONにする。その後、ステップSe3405に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。すなわち、ONとなっている特図種別フラグが確変大当たりに対応している場合には、高確率モードフラグ及び高頻度サポートモードフラグがONとなり、遊技状態は、次回に大当たりに当選するまで継続し得る高確高サポ状態に移行することになる。その後、後述するステップSe3408に進む。
一方、ステップSe3403において、ONとなっている特図種別フラグが確変大当たりに対応していないと判定した場合には(ステップSe3403:NO)、ステップSe3406に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップSe3407に進み、高サポ残回数カウンタNspに規定数としての100をセットする。上述したように、この高サポ残回数カウンタNspは、特図変動が終了する毎に1減算されるカウンタであり、高サポ残回数カウンタNspの値が0となった場合に高頻度サポートモードフラグがOFFにされる。すなわち、ONとなっている特図種別フラグが確変大当たりに対応していない場合には、高頻度サポートモードフラグのみがONとなり、遊技状態は、特図変動が100回実行されるまで継続し得る低確高サポ状態に移行することになる。その後、ステップSe3408に進む。
ステップSe3408では、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態コマンドを設定する。設定された遊技状態コマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。遊技状態コマンドを受信した音声発光制御装置90は、当該コマンドに含まれる遊技状態を示す情報に基づいて、当該遊技状態に対応した所定演出を実行可能となるように各種演出用装置を制御する。ステップSe3408を実行した後、ステップSe3409に進み、特図種別フラグをOFFにする。その後、ステップSe3410に進む。
ステップSe3410では、特電開閉実行モード終了コマンドを設定する。設定された特電開閉実行モード終了コマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。特電開閉実行モード終了コマンドを受信した音声発光制御装置90は、特電開閉実行モードが終了したことに対応する演出を実行するように各種演出用装置を制御する。その後、ステップSe3411に進む。
ステップSe3411では、特図特電制御値に「01」を設定する。上述したように、本実施形態では、第1特図保留個数Ns1又は第2特図保留個数Ns2が1以上となっている場合に第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始することが可能な状態を示している。その後、本特電エンディング期間中処理を終了する。
<普図普電制御処理>
次に、普図普電制御処理について説明する。普図普電制御処理は、上述したタイマ割込み処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図414は、普図普電制御処理を示すフローチャートである。ステップSe4101では、普通図柄表示器38aにおける普通図柄の変動を開始させるための処理である普通図柄変動開始処理を実行する。普通図柄変動開始処理の詳細については後述する。ステップSe4101を実行した後、ステップSe4102に進む。
ステップSe4102では、普通図柄表示器38aにおける普通図柄の変動を停止させるための処理である普通図柄変動停止処理を実行する。普通図柄変動停止処理の詳細については後述する。ステップSe4102を実行した後、ステップSe4103に進む。
ステップSe4103では、普通図柄の変動を停止させた後の処理である普通図柄変動停止後処理を実行する。普通図柄変動停止後処理の詳細については後述する。ステップSe4103を実行した後、ステップSe4104に進む。
ステップSe4104では、普電開閉実行モード開始処理を実行する。普電開閉実行モード開始処理は、普電開閉実行モードを開始させる条件が成立した場合に、普電開閉実行モードを開始させる処理である。普電開閉実行モード開始処理の詳細については後述する。ステップSe4104を実行した後、ステップSe4105に進む。
ステップSe4105では、普電オープニング期間中処理を実行する。普電オープニング期間中処理は、普電オープニング期間中に実行する処理である。普電オープニング期間中処理の詳細については後述する。ステップSe4105を実行した後、ステップSe4106に進む。
ステップSe4106では、普電開閉期間中処理を実行する。普電開閉期間中処理は、普電開閉期間中に実行する処理である。普電開閉期間中処理の詳細については後述する。ステップSe4106を実行した後、ステップSe4107に進む。
ステップSe4107では、普電エンディング期間中処理を実行する。普電エンディング期間中処理は、普電エンディング期間中に実行する処理である。普電エンディング期間中処理の詳細については後述する。ステップSe4107を実行した後、本普図普電制御処理を終了する。
<普通図柄変動開始処理>
次に、普通図柄変動開始処理について説明する。普通図柄変動開始処理は、上述した普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図415は、普通図柄変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSe4201では、主側RAM64に記憶されている普図普電制御値が「01」であるか否かを判定する。普図普電制御値は、普通図柄及び普通電動役物の制御の進行状況がどの段階であるのかを示す値であり、本実施形態では、普図普電制御値が「01」であることは、普通図柄が変動していない状態であり、かつ、普電開閉実行モードも実行されていない状態であること示している。換言すれば、普図普電制御値が「01」であることは、普図保留個数Nnが1以上となっている場合に普通図柄の変動を開始することが可能な状態であることを示している。本実施形態では、普図普電制御値は、上述した起動初期設定処理において最初に「01」に設定される。
ステップSe4201において、普図普電制御値が「01」ではないと判定した場合には(ステップSe4201:NO)、後述するステップSe4202以降の処理のいずれも実行することなく、本普通図柄変動開始処理を終了する。すなわち、普通図柄が変動している状態や、普電開閉実行モードの実行中には、普通図柄の変動は開始されない。一方、ステップSe4201において、普図普電制御値が「01」であると判定した場合には(ステップSe4201:NO)、ステップSe4202に進む。
ステップSe4202では、普図保留個数Nnが「1」以上であるか否かを判定する。ステップSe4202において、普図保留個数Nnが「1」以上であると判定した場合には(ステップSe4202:YES)、ステップSe4203に進み、普図保留個数Nnから1を減算する。その後、ステップSe4204に進む。
ステップSe4204では、普図保留エリア64dの各エリアに記憶されている普図保留情報をシフトさせる処理である普図保留情報シフト処理を実行する。具体的には、普図保留情報シフト処理では、普図保留エリア64dの第1エリアに記憶されている普図保留情報を普図判定エリア64eに移動させた後、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった順に各エリア内の普図保留情報をシフトさせる。ステップSe4204を実行した後、ステップSe4205に進む。
ステップSe4205では、普図当たりに当選するか否かを判定する処理である普図当否判定処理を実行する。具体的には、普図当否判定処理では、遊技状態に基づいて選択した普図当否判定テーブルと、普図判定エリア64eに記憶された普図当否判定カウンタCn1の値とに基づいて、普図当たりに当選するか否かを判定する。ステップSe4205を実行した後、ステップSe4206に進む。
ステップSe4206では、普通図柄の種別(停止図柄の種別)を判定する処理である普図種別判定処理を実行する。具体的には、普図種別判定処理では、普図当否判定の結果と、普図判定エリア64eに記憶された普図種別判定カウンタCn2の値と、普図種別判定テーブルとに基づいて、普通図柄の種別を判定する。ステップSe4206を実行した後、ステップSe4207に進む。
ステップSe4207では、普図種別判定処理において判定した普通図柄の種別に対応した普図種別フラグをONにする。具体的には、例えば、普図種別判定処理において普通図柄Aであると判定した場合には、普図種別フラグとして普通図柄AフラグをONにする。ステップSe4207を実行した後、ステップSe4208に進む。
ステップSe4208では、普図変動時間設定処理を実行する。普図変動時間設定処理は、普通図柄表示器38aにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を設定する処理である。具体的には、普図変動時間設定処理では、遊技状態と、普図当否判定の結果と、普図変動時間テーブルとに基づいて普図変動時間を決定し、決定した普図変動時間に対応した値を普図変動時間タイマカウンタに設定する。ステップSe4208を実行した後、ステップSe4209に進む。
ステップSe4209では、普図変動用コマンドを設定する。普図変動用コマンドには、設定された普図変動時間の情報が含まれている。ステップSe4209を実行した後、ステップSe4210に進む。
ステップSe4210では、普図種別コマンドを設定する。普図種別コマンドには、普図当否判定の結果(普図当たりの有無)及び普図種別判定の結果(普通図柄の種別)の情報が含まれる。
ステップSe4209及びステップSe4210にて設定された普図変動用コマンド及び普図種別コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した普図変動用コマンド及び普図種別コマンドに基づいて演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSe4210を実行後、ステップSe4211に進む。
ステップSe4211では、普通図柄表示器38aにおける普通図柄の変動を開始させる。その後、ステップSe4212に進み、普図普電制御値に「02」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「02」であることは、所定の開始条件が成立したことによって普通図柄が変動中の状態であることを示している。その後、本普通図柄変動開始処理を終了する。
<普通図柄変動停止処理>
次に、普通図柄変動停止処理について説明する。普通図柄変動停止処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図416は、普通図柄変動停止処理を示すフローチャートである。ステップSe4301では、普図普電制御値が「02」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「02」であることは、普通図柄が変動中の状態であることを示している。ステップSe4301において、普図普電制御値が「02」ではないと判定した場合には(ステップSe4301:NO)、本普通図柄変動停止処理を終了する。一方、ステップSe4301において、普図普電制御値が「02」であると判定した場合には(ステップSe4301:YES)、ステップSe4302に進む。
ステップSe4302では、上述した普図変動時間設定処理において設定された普図変動時間が経過したか否かを判定する。具体的には、主側RAM64における普図変動時間タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となっている場合には、普図変動時間が経過したと判定する。ステップSe4302において、普図変動時間が経過していないと判定した場合には(ステップSe4302:NO)、本普通図柄変動停止処理を終了する。一方、ステップSe4302において、普図変動時間が経過したと判定した場合には(ステップSe4302:YES)、ステップSe4303に進む。
ステップSe4303では、普通図柄表示器38aにおいて変動中の普通図柄を、ONとなっている普図種別フラグに対応した表示態様で停止表示させる。これにより、普通図柄表示器38aには、普図抽選の結果に対応した表示態様の普通図柄が停止表示される。ステップSe4303を実行した後、ステップSe4304に進む。
ステップSe4304では、普図停止表示時間設定処理を実行する。普図停止表示時間設定処理は、普通図柄表示器38aにおける普通図柄の停止表示時間(普図停止表示時間)を設定する処理である。具体的には、普図停止表示時間設定処理では、所定の時間(本実施形態では0.1秒)に対応した値を普図停止表示時間タイマカウンタに設定する。ステップSe4304を実行した後、ステップSe4305に進み、普図普電制御値に「03」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「03」であることは、普通図柄が停止表示中の状態であることを示している。その後、本普通図柄停止処理を終了する。
<普通図柄変動停止後処理>
次に、普通図柄変動停止後処理について説明する。普通図柄変動停止後処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図417は、普通図柄変動停止後処理を示すフローチャートである。ステップSe4401では、普図普電制御値が「03」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「03」であることは、普通図柄が停止表示中の状態であることを示している。ステップSe4401において、普図普電制御値が「03」ではないと判定した場合には(ステップSe4401:NO)、本普通図柄変動停止後処理を終了する。一方、ステップSe4401において、普図普電制御値が「03」であると判定した場合には(ステップSe4401:YES)、ステップSe4402に進む。
ステップSe4402では、上述した普図停止表示時間設定処理において設定された普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、主側RAM64における普図停止表示時間タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となっている場合には、普図停止表示時間が経過したと判定する。ステップSe4402において、普図停止表示時間が経過していないと判定した場合には(ステップSe4402:NO)、本普通図柄変動停止後処理を終了する。一方、ステップSe4402において、普図停止表示時間が経過したと判定した場合には(ステップSe4402:YES)、ステップSe4403に進む。
ステップSe4403では、普図当たりに対応する普図種別フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、今回の普通図柄の変動に係る普図当否判定の結果が普図当たりであるか否かを判定する。ステップSe4403において、普図当たりに対応する普図種別フラグがONではないと判定した場合(ステップSe4403:NO)、すなわち、今回の普通図柄の変動に係る普図当否判定の結果が普図外れである場合には、ステップSe4404に進み、ONとなっている普図種別フラグ(この場合は普通図柄Zフラグ)をOFFにする。その後、ステップSe4405に進み、普図普電制御値に「01」を設定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「01」であることは、普図保留個数Nnが1以上となっている場合に普通図柄の変動を開始することが可能な状態を示している。その後、本普通図柄変動停止後処理を終了する。
一方、ステップSe4403において、普図当たりに対応する普図種別フラグがONであると判定した場合(ステップSe4403:YES)、すなわち、今回の普通図柄の変動に係る普図当否判定の結果が普図当たりである場合には、ステップSe4406に進み、普図普電制御値に「04」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「04」であることは、普電開閉実行モードを開始すべき条件が成立した状態であることを示している。その後、本普通図柄変動停止後処理を終了する。これにより、今回の普通図柄の変動に係る普図当否判定の結果が普図当たりである場合には、普電開閉実行モードが開始されることになる。
<普電開閉実行モード開始処理>
次に、普電開閉実行モード開始処理について説明する。普電開閉実行モード開始処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図418は、普電開閉実行モード開始処理を示すフローチャートである。ステップSe5101では、普図普電制御値が「04」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「04」であることは、普電開閉実行モードを開始すべき条件が成立した状態を示している。ステップSe5101において、普図普電制御値が「04」ではないと判定した場合には(ステップSe5101:NO)、本普電開閉実行モード開始処理を終了する。一方、ステップSe5101において、普図普電制御値が「04」であると判定した場合には(ステップSe5101:YES)、ステップSe5102に進む。
ステップSe5102では、普電開閉シナリオ選択処理を実行する。普電開閉シナリオ選択処理は、普図種別フラグと上述した普電開閉シナリオ選択テーブルとに基づいて、普電開閉実行モードにおいて参照する普電開閉シナリオの種別を選択する処理である。ステップSe5102を実行した後、ステップSe5103に進む。
ステップSe5103では、普電オープニング時間設定処理を実行する。普電オープニング時間設定処理は、普電オープニング期間の時間的長さ(以下、普電オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、本実施形態では、上述した普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオから普電オープニング時間情報を取得し、取得した普電オープニング時間情報をRAM64に設けられた普電オープニング時間タイマカウンタにセットする。この普電オープニング時間タイマカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される度に1減算される。ステップSe5103を実行した後、ステップSe5104に進む。
ステップSe5104では、普電オープニングコマンドを設定する。設定された普電オープニングコマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSe5104を実行した後、ステップSe5105に進み、普図普電制御値に「05」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「05」であることは、普電オープニング期間が開始された状態であることを示している。その後、本普電開閉実行モード開始処理を終了する。
<普電オープニング期間中処理>
次に、普電オープニング期間中処理について説明する。普電オープニング期間中処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図419は、普電オープニング期間中処理を示すフローチャートである。ステップSe5201では、普図普電制御値が「05」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「05」であることは、所定の開始条件が成立したことによって普電オープニング期間が開始された状態であることを示している。ステップSe5201において、普図普電制御値が「05」ではないと判定した場合には(ステップSe5201:NO)、本普電オープニング期間中処理を終了する。一方、ステップSe5201において、普図普電制御値が「05」であると判定した場合には(ステップSe5201:YES)、ステップSe5202に進む。
ステップSe5202では、普電オープニング期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した普電オープニング時間設定処理において普電オープニング時間として設定した普電オープニング時間タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSe5202において、普電オープニング期間が終了するタイミングではないと判定した場合には(ステップSe5202:NO)、本普電オープニング期間中処理を終了する。一方、ステップSe5202において、普電オープニング期間が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップSe5202:YES)、ステップSe5203に進み、普電開閉期間コマンドを設定する。設定された普電開閉期間コマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。この普電開閉期間コマンドには、今回の普電開閉期間における普通電動役物34bの開放回数の情報が含まれる。普電開閉期間コマンドを受信した音声発光制御装置90は、受信した普電開閉期間コマンドに基づいて、普通電動役物34bの開放回数に対応した内容の所定演出を実行するように各種演出用装置を制御する。ステップSe5203を実行した後、ステップSe5204に進み、普図普電制御値に「06」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「06」であることは、普電オープニング期間が終了し、普電開閉期間が開始された状態であることを示している。その後、本普電オープニング期間中処理を終了する。
<普電開閉期間中処理>
次に、普電開閉期間中処理について説明する。普電開閉期間中処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図420は、普電開閉期間中処理を示すフローチャートである。ステップSe5301では、普図普電制御値が「06」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「06」であることは、所定の開始条件が成立したことによって普電開閉期間が開始された状態であることを示している。ステップSe5301において、普図普電制御値が「06」ではないと判定した場合には(ステップSe5301:NO)、本普電開閉期間中処理を終了する。一方、ステップSe5301において、普図普電制御値が「06」であると判定した場合には(ステップSe5301:YES)、ステップSe5302に進む。
ステップSe5302では、普電開閉期間の終了条件が成立したか否かを判定する。具体的には、普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオを読み込み、当該普電開閉シナリオに設定されている普電開閉期間の終了条件が成立したか否かを判定する。ステップSe5302において、普電開閉期間の終了条件が成立していないと判定した場合には(ステップSe5302:NO)、ステップSe5303に進む。
ステップSe5303では、普通電動役物34bが開放中であるか否かを判定する。ステップSe5303において、普通電動役物34bが開放中ではないと判定した場合には(ステップSe5303:NO)、ステップSe5304に進む。
ステップSe5304では、普通電動役物34bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオを読み込み、当該普電開閉シナリオに設定されている普通電動役物34bの開放条件が成立したか否かを判定する。ステップSe5304において、普通電動役物34bの開放条件が成立したと判定した場合には(ステップSe5304:YES)、ステップSe5305に進む。
ステップSe5305では、普通電動役物34bを開放する。その後、ステップSe5306に進む。
ステップSe5306では、普電開放コマンドを設定する。普電開放コマンドは、普通電動役物34bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。普電開放コマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSe5306を実行した後、本普電開閉期間中処理を終了する。
ステップSe5304において、普通電動役物34bの開放条件が成立していないと判定した場合には(ステップSe5304:NO)、本普電開閉期間中処理を終了する。
ステップSe5303において、普通電動役物34bが開放中であると判定した場合には(ステップSe5303:YES)、ステップSe5307に進む。
ステップSe5307では、普通電動役物34bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオを読み込み、当該普電開閉シナリオに設定されている普通電動役物34bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。ステップSe5307において、普通電動役物34bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(ステップSe5307:YES)、ステップSe5308に進む。
ステップSe5308では、普通電動役物34bを閉鎖する。その後、ステップSe5309に進む。
ステップSe5309では、普電閉鎖コマンドを設定する。普電閉鎖コマンドは、普通電動役物34bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。普電閉鎖コマンドは、タイマ割込み処理のコマンド出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSe5309を実行した後、本普電開閉期間中処理を終了する。
ステップSe5307において、普通電動役物34bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(ステップSe5307:NO)、本普電開閉期間中処理を終了する。
ステップSe5302において、普電開閉期間の終了条件が成立していると判定した場合には(ステップSe5302:YES)、ステップSe5310に進む。
ステップSe5310では、普電エンディング時間設定処理を実行する。普電エンディング時間設定処理は、普電エンディング期間の時間的長さ(以下、普電エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、本実施形態では、上述した普電開閉シナリオ選択処理によって選択された普電開閉シナリオから普電エンディング時間情報を取得し、取得した普電エンディング時間情報をRAM64に設けられた普電エンディング時間タイマカウンタにセットする。この普電エンディング時間タイマカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される度に1減算される。ステップSe5310を実行した後、ステップSe5311に進む。
ステップSe5311では、普電エンディングコマンドを設定する。設定された普電エンディングコマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSe5318を実行した後、ステップSe5319に進み、普図普電制御値に「07」を設定する。本実施形態では、普図普電制御値が「07」であることは、普電エンディング期間が開始された状態であることを示している。その後、本普電開閉期間中処理を終了する。
<普電エンディング期間中処理>
次に、普電エンディング期間中処理について説明する。普電エンディング期間中処理は、普図普電制御処理のサブルーチンとして主制御装置60のMPU62によって実行される。
図421は、普電エンディング期間中処理を示すフローチャートである。ステップSe5401では、普図普電制御値が「07」であるか否かを判定する。上述したように、本実施形態では、普図普電制御値が「07」であることは、所定の開始条件が成立したことによって普電エンディング期間が開始された状態であることを示している。ステップSe5401において、普図普電制御値が「07」ではないと判定した場合には(ステップSe5401:NO)、本普電エンディング期間中処理を終了する。一方、ステップSe5401において、普図普電制御値が「07」であると判定した場合には(ステップSe5401:YES)、ステップSe5402に進む。
ステップSe5402では、普電エンディング期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した普電エンディング時間設定処理において普電エンディング時間として設定した普電エンディング時間タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSe5402において、普電エンディング期間が終了するタイミングではないと判定した場合には(ステップSe5402:NO)、本普電エンディング期間中処理を終了する。一方、ステップSe5402において、普電エンディング期間が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップSe5402:YES)、ステップSe5403に進む。
ステップSe5403では、普図種別フラグをOFFにする。その後、ステップSe5404に進む。
ステップSe5404では、普電開閉実行モード終了コマンドを設定する。設定された普電開閉実行モード終了コマンドは、タイマ割込み処理における各種出力処理にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、ステップSe5405に進む。
ステップSe5405では、普図普電制御値に「01」を設定する。上述したように、本実施形態では、普図保留個数Nnが1以上となっている場合に普通図柄の変動を開始することが可能な状態を示している。その後、本普電エンディング期間中処理を終了する。
《8-6》音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図422は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(本実施形態では1msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSe6101では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップSe6101を実行した後、ステップSe6102に進む。
ステップSe6102では、携帯端末通信対応処理を実行する。携帯端末通信対応処理は、上述したように携帯端末とNFCを用いたBluetooth接続および通信、切断に関する処理、および、カスタム設定情報の受信、遊技履歴情報の送信を実行する処理である。ステップSe6102を実行した後、ステップSe6103に進む。
ステップSe6103では、カスタム設定処理を行う。カスタム設定処理は、携帯端末から受信したカスタム設定情報に基づいて各種演出に関するパラメータの設定、テーブルデータの設定を行う。ステップSe6103を実行した後、ステップSe6104に進む。
ステップSe6104では、特図変動演出設定処理を実行する。特図変動演出設定処理は、主側MPU62から特図変動パターンコマンド及び特図種別コマンドを受信した場合に実行される処理であり、特図遊技回が開始される際に、当該特図遊技回において実行する特図変動演出の演出パターンを設定する処理である。特図変動演出設定処理の詳細については後述する。ステップSe6104を実行した後、ステップSe6105に進む。
ステップSe6105では、特電開閉実行モード中演出設定処理を実行する。特電開閉実行モード中演出設定処理は、特電開閉実行モード中に実行する各種の演出の内容を決定し、当該決定した演出を実行するように設定する処理である。特電開閉実行モード中演出設定処理の詳細については後述する。ステップSe6105を実行した後、ステップSe6106に進む。
ステップSe6106では、ボタン操作対応処理を実行する。ボタン操作対応処理は、演出操作ボタン24がボタン受付有効期間中に押下されたか否かや、演出操作ボタン24の押下がないままボタン受付有効期間が経過したか否かを判定する処理である。ボタン操作対応処理の詳細については後述する。ステップSe6106を実行した後、ステップSe6107に進む。
ステップSe6107では、演出用可動役物駆動処理を実行する。演出用可動役物駆動処理は、役物動作パターンに設定されている駆動シナリオに基づいて演出用可動役物170を駆動制御する処理である。演出用可動役物駆動処理の詳細については後述する。ステップSe1605を実行した後、ステップSe1606に進む。
ステップSe6108では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSe6108を実行した後、ステップSe6109に進む。
ステップSe6109では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された音声データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSe6109を実行した後、ステップSe6110に進む。
ステップSe6110では、上述したまたは後述する各処理において送信対象として設定された各種コマンドや各種出力データを表示制御装置100や演出用可動役物170等に送信する。ステップSe6110を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<特図変動演出設定処理>
次に、特図変動演出設定処理について説明する。特図変動演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチンとして音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図423は、特図変動演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSe6201では、特図変動パターンコマンド及び特図種別コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSe6201において、特図変動パターンコマンド及び特図種別コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa6201:NO)、本特図変動演出設定処理を終了する。一方、ステップSe6201において、特図変動パターンコマンド及び特図種別コマンドを受信していると判定した場合には(Sa6201:YES)、ステップSe6202に進む。
ステップSe6202では、演出パターン設定処理を実行する。演出パターン設定処理は、今回の特図遊技回において実行する演出パターン(予告演出、リーチ演出の内容や実行のタイミング、停止図柄の態様)を演出パターンテーブルに基づいて決定し、設定する処理である。具体的には、本実施形態では、今回受信した特図変動パターンコマンド及び特図種別コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を読み出すとともに、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから演出パターン用乱数情報を取得する。そしてこれらの情報と、携帯端末通信処理(ステップSe6102)において携帯端末から受信したカスタム設定情報に基づいて、カスタム設定処理(ステップSe6103)において設定された演出パターンテーブルを参照して、今回の特図遊技回において実行する演出パターンを決定し、設定する。その後、ステップSe6203に進む。
ステップSe6203では、設定した演出パターンに対応した音声発光パターン及び役物動作パターンを決定し、設定する。その後、ステップSe6204に進む。
ステップSe6204では、設定された演出パターンに関する情報を含む表示用演出パターンコマンドを設定する。設定された表示用演出パターンコマンドは、タイマ割込み処理の各種出力処理にて表示制御装置100に送信される。ステップSe6204を実行した後、ステップSe6205に進む。
ステップSe6205では、変動開始時の更新処理を実行する。変動開始時の更新処理は、図柄表示装置41の第1特図保留表示領域Ds1または第2特図保留表示領域Ds2における保留表示の更新を表示制御装置100に実行させるための処理である。ステップSe6205を実行した後、本特図変動演出設定処理を終了する。
<特電開閉実行モード中演出設定処理>
次に、特電開閉実行モード中演出設定処理について説明する。特電開閉実行モード中演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチンとして音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図424は、特電開閉実行モード中演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSe6301では、特電オープニングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップSe6301において、特電オープニングコマンドを受信したと判定した場合には(Sa6301:YES)、ステップSe6302に進む。
ステップSe6302では、今回の特電開閉実行モードに係る特電開閉パターンの種別に応じて特電オープニング演出の内容を決定し、設定する。その後、ステップSe6303に進む。
ステップSe6303では、決定した特電オープニング演出の内容に対応した音声発光パターンを決定し、設定する。その後、ステップSe6304に進む。
ステップSe6304では、決定した特電オープニング演出の内容を特定可能な情報を含む表示用特電オープニングコマンドを設定する。その後、ステップSe6305に進む。
一方、ステップSe6301において、特電オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(Sa6301:NO)、上述したステップSe6302からステップSe6304までの処理を実行することなく、ステップSe6305に進む。
ステップSe6305では、特電開閉期間コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSe6305において、特電開閉期間コマンドを受信したと判定した場合には(Sa6305:YES)、ステップSe6306に進む。
ステップSe6306では、今回の特電開閉実行モードに係る特電開閉パターンの種別に応じて特電開閉期間演出の内容を決定し、設定する。その後、ステップSe6307に進む。
ステップSe6307では、決定した特電開閉期間演出の内容に対応した音声発光パターンを決定し、設定する。その後、ステップSe6308に進む。
ステップSe6308では、決定した特電開閉期間演出の内容を特定可能な情報を含む表示用特電開閉期間コマンドを設定する。その後、ステップSe6309に進む。
一方、ステップSe6305において、特電開閉期間コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa6305:NO)、上述したステップSe6306からステップSe6308までの処理を実行することなく、ステップSe6309に進む。
ステップSe6309では、特電エンディングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップSe6309において、特電エンディングコマンドを受信したと判定した場合には(Sa6309:YES)、ステップSe6310に進む。
ステップSe6310では、今回の特電開閉実行モードに係る特電開閉パターンの種別に応じて特電エンディング演出の内容を決定し、設定する。具体的には、例えば、本実施形態では、一連の開閉動作を終了した後に実行される制御として、エンディング演出Aを実行する第1制御と、当該制御とは異なるエンディング演出Bを実行する第2制御と、を実行可能である。なお、エンディング演出Aを実行する制御とエンディング演出Bを実行する制御とのいずれの場合であっても、特別電動役物57bが閉鎖された状態で実行される。その後、ステップSe6311に進む。
ステップSe6311では、決定した特電エンディング演出の内容に対応した音声発光パターンを決定し、設定する。その後、ステップSe6312に進む。
ステップSe6312では、決定した特電エンディング演出の内容を特定可能な情報を含む表示用特電エンディングコマンドを設定する。その後、本特電開閉実行モード中演出設定処理を終了する。
一方、ステップSe6309において、特電開閉期間コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa6309:NO)、上述したステップSe6310からステップSe6312までの処理を実行することなく、本特電開閉実行モード中演出設定処理を終了する。
<ボタン操作対応処理>
次に、ボタン操作対応処理について説明する。ボタン操作対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチンとして音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図425は、ボタン操作対応処理を示すフローチャートである。ボタン操作対応処理は、遊技者によって演出操作ボタン24または十字キー27が操作された場合の対応処理である。
ステップSe6401では、演出操作ボタン24または十字キー27が操作されたか否かを判定する。ステップSe6401において、演出操作ボタン24または十字キー27が操作されたと判定した場合には(Se6401:YES)、ステップSe6402に進む。一方、ステップSe6401において、演出操作ボタン24および十字キー27のいずれも操作されていないと判定した場合には(Se6401:NO)、本ボタン操作対応処理を終了する。
ステップSe6402では、遊技状態に応じて、遊技者による演出操作ボタン24または十字キー27の操作に対応した処理を実行する。
例えば、図5(a)において説明したように、遊技の待機状態(遊技回が実行されていない状態)において、遊技者が演出操作ボタン24または十字キー27を1回押すと音量光量調整画像SLA(音量調整画像ST、光量調整画像LTを含む)が表示面41aに表示される。
音量調整画像STには、設定される音量の値を表示するために5段階の目盛り表示がされている。音量光量調整画像SLAが表示されている状態で遊技者が十字キー27の左右ボタンを操作することで音量のレベル1~レベル5の値の中から一つの値を選択して入力することができる。遊技者は十字キー27の左ボタンを操作することで音量レベルをレベル1を下限として下げることができる。また、遊技者が十字キー27の右ボタンを操作することで音量レベルをレベル5を上限として上げることができる。そして、遊技者が決定した一つの音量のレベルの値の入力が完了すると、その値が音光側MPU92内の記憶領域(RAM94)に記憶され、その入力された値に対応した音量のレベルが音量調整画像STとして表示面41aに所定期間表示がされる。
一方、光量調整画像LTには、設定される光量の値を表示するために5段階の目盛り表示がされている。音量光量調整画像SLAが表示されている状態で遊技者が十字キー27の上下ボタンを操作することで光量のレベル1~レベル5の値の中から一つの値を選択して入力することができる。遊技者は十字キー27の下ボタンを操作することで光量レベルを、レベル1を下限として下げることができる。また、遊技者が十字キー27の上ボタンを操作することで光量レベルをレベル5を上限として上げることができる。そして、遊技者が決定した一つの光量のレベルの値の入力が完了すると、その値が音光側MPU92内の記憶領域(RAM94)に記憶され、その入力された値に対応した光量のレベルが光量調整画像LTとして表示面41aに所定期間表示がされる。
また、図5(b)において説明したように、遊技回が実行されている期間(特別図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの全ての期間)に遊技者は音量および光量のレベルの値を入力することが可能である。遊技回が実行されている期間に、遊技者が演出操作ボタン24または十字キー27を1回押すと音量光量調整画像SLA(音量調整画像ST、光量調整画像LTを含む)が表示面41aの左下の領域に表示される。また、遊技回が実行されている期間に音量および光量のレベルの値が遊技者によって入力された場合、当該入力された値に対応した表示の音量調整画像STと光量調整画像LTが表示面41aに所定期間表示される。また、パチンコ機10は、遊技回が実行されている期間に音量および光量のレベルの値が遊技者によって入力された場合には、その入力の直後から当該入力されたレベルで音および光を出力する。
その他、例えば、待機期間としての遊技の待機状態(遊技回が実行されていない非変動状態)において、遊技者が演出操作ボタン24を1回押下して演出操作ボタン24に対して入力操作を行うと、操作検出ユニットにおける演出操作ボタン24の検出スイッチが検出状態であるON状態になり、表示面41aにオプション画像OPG(図6参照)が表示される。オプション画像OPGは、予め表示制御装置100の記憶部に記憶されている画像データが出力されることによって、表示面41aに画像表示される。図6で説明したように、オプション画像OPGには、演出のカスタム設定を遊技者が選択可能なカスタム設定選択用画像CTGと、遊技履歴を表示するための遊技履歴選択用画像HSGと、演出における音声や文字表示における言語を設定するための言語設定選択用画像LNGが表示されている。遊技者が演出操作ボタン24および十字キー27を用いて、表示面41aに出力表示されたこれら複数の画像に対応したいずれかの選択用画像を選択操作すると、対応情報入力状態としてのカスタム設定選択状態となり、選択された画像に対する設定画像が表示される。具体的には、遊技者がカスタム設定選択用画像CTGを選択して入力すると、サブ制御装置(音声発光制御装置90、表示制御装置100)は当該入力を検出して、図361(b)に示すような演出カスタム設定用画像PSGを表示面41aに出力表示する。演出カスタム設定用画像PSGには、設定可能な要素としてのカスタム設定可能な演出に関する情報が表示される。具体的には、パチンコ機10において実行される演出の出現頻度や期待度の設定を可能にするための画像が表示される。より具体的には、演出カスタム設定用画像PSGには、一発告知演出の出現頻度を設定可能にする画像である一発告知演出頻度設定用画像CT1と、魚群演出の期待度を設定可能にする魚群演出期待度設定用画像CT2と、泡演出の期待度を設定可能にする泡演出期待度設定用画像CT3とが表示される。
一発告知演出頻度設定用画像CT1は、遊技者が十字キー27で外部入力としての操作入力をすることにより一発告知演出の出現頻度の設定が可能である。遊技者が十字キー27で操作入力すると、操作入力に対応してカーソルが動く画像が出力され、一発告知演出の出現頻度の設定が可能となる。
魚群演出期待度設定用画像CT2は、遊技者が十字キー27で外部入力としての操作入力することにより魚群演出の期待度の設定が可能である。遊技者が十字キー27で操作入力すると、操作入力に対応してカーソルが動く画像が表示され、魚群演出期待度の出現頻度の設定が可能となる。
泡演出期待度設定用画像CT3は、遊技者が十字キー27で外部入力としての操作入力することにより泡演出の期待度の設定が可能である。遊技者が十字キー27で操作入力すると、操作入力に対応してカーソルが動く画像が表示され、泡演出の期待度の設定が可能となる。
遊技者が演出カスタム設定用画像PSG(図6参照)が表示されている状態で、各種演出のカスタム設定を行った後、演出操作ボタン24を操作入力してボタン操作検出スイッチをON状態にすると、表示面41aの演出カスタム設定用画像PSGが表示された状態は終了し、表示面41aには特定出力用情報として設定が完了した旨の画像情報(設定完了報知画像/図示省略)が出力表示され、その後、表示面41aには待機状態画像が表示される。演出カスタム設定用画像PSG(図6参照)が表示されている場合において、オプション画像OPGが表示されることはない。
なお、表示面41aにオプション画像OPGが表示されている状態で所定期間が経過するまでに十字キー27および演出操作ボタン24の操作によってカスタム設定選択用画像CTG、遊技履歴選択用画像HSG、言語設定選択用画像LNGのどれかの選択入力がされなかった場合には、表示面41aは待機状態画面に戻る。遊技者が再度の演出のカスタム設定をするためには、演出操作ボタン24を1回押下することによって、表示面41aにオプション画像OPGを表示させた状態に移行させ、その後、十字キー27および演出操作ボタン24の操作によってカスタム設定選択用画像CTGを選択して表示面41aに演出カスタム設定用画像PSGを表示させた状態に移行させることによって、演出のカスタム設定を行う。
なお、演出カスタム設定用画像PSGを表示させた状態において、仮に特定の要素の入力として第1特図始動口33または第2特図始動口34に遊技球が入球した場合には、表示面41aにおける演出カスタム設定用画像PSGが表示された状態は強制的に終了する終了処理を実行する。そして、表示面41aには装飾図柄および変動演出の表示が開始される。この場合、変動表示が開始されるよりも前に演出操作ボタン24および十字キー27の操作によって設定された演出のカスタム設定は有効となり、以後の遊技において演出を決定する際に当該設定は適用される。変形例として、演出カスタム設定用画像PSGを表示さて演出のカスタム設定をしている状態において、第1特図始動口33または第2特図始動口34に遊技球が入球した場合に、第1特図始動口33または第2特図始動口34に遊技球が入球する前に演出操作ボタン24および十字キー27の操作によって入力されたカスタム設定の内容を無効にする構成を採用してもよい。第1特図始動口33または第2特図始動口34に遊技球が入球する以前に演出操作ボタン24および十字キー27の操作によって入力された内容に影響を受けずに、第1特図始動口33または第2特図始動口34に遊技球が入球した後に演出操作ボタン24および十字キー27の操作によって入力されたカスタム設定の内容が反映される。
また、演出カスタム設定用画像PSGを表示させた状態において演出操作ボタン24を操作することによって演出カスタム設定用画像PSGを表示させた状態を終了した後、遊技回が開始され変動表示が開始されると演出カスタム設定用画像PSGを表示させた状態には移行することができない。すなわち、所定の発生条件として変動表示が終了していることという条件を満たしていない場合には、制限処理として表示面41aに演出カスタム設定用画像PSGを表示させた状態には移行することができない。再度演出カスタム設定用画像PSGを表示させるためには、変動表示が終了しており、再度、演出操作ボタン24を1回押下することによって、表示面41aにオプション画像OPGを表示させた状態に移行させ、その後、十字キー27および演出操作ボタン24の操作によってカスタム設定選択用画像CTGを選択して、表示面41aに演出カスタム設定用画像PSGを表示させる。
<演出用可動役物駆動処理>
次に、演出用可動役物駆動処理について説明する。演出用可動役物駆動処理は、タイマ割込み処理のサブルーチンとして音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図426は、演出用可動役物駆動処理を示すフローチャートである。演出用可動役物駆動処理は、役物動作パターンに規定されている駆動シナリオに基づいて演出用可動役物170を駆動制御する処理である。以下、各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSe6501では、設定されている役物動作パターンを参照し、駆動シナリオを格納するタイミングであるか否かを判定する。ステップSe6501において、駆動シナリオを格納するタイミングであると判定した場合には(ステップSe6501:YES)、ステップSe6502に進み、役物動作パターンに規定されている一の駆動シナリオを音光側ROM93から読み出して音光側RAM94の駆動シナリオ格納エリア94dに格納する。その後、ステップSe6503に進み、駆動シナリオ用カウンタに「1」をセットする。その後、ステップSe6504に進む。
一方、ステップSe6501において、駆動シナリオを格納するタイミングではないと判定した場合には(ステップSe6501:NO)、ステップSe6502及びステップSe6503の処理を実行することなく、ステップSe6504に進む。
ステップSe6504では、音光側RAM94の駆動シナリオ格納エリア94dに駆動シナリオが格納されているか否かを判定する。ステップSe6504において、駆動シナリオが格納されていないと判定した場合には(ステップSe6504:NO)、そのまま本演出用可動役物駆動処理を終了する。一方、ステップSe6504において、駆動シナリオが格納されていると判定した場合には(ステップSe6504:YES)、ステップSe6505に進む。
ステップSe6505では、駆動シナリオ格納エリア94dに格納されている駆動シナリオに規定されている各処理のうち、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が「終了」であるか否かを判定する。ステップSe6505において、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が「終了」ではないと判定した場合には(ステップSe6505:NO)、ステップSe6506に進む。
ステップSe6506では、駆動シナリオ格納エリア94dに格納されている駆動シナリオに規定されている各処理のうち、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が「終了条件判定処理」であるか否かを判定する。ステップSe6506において、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が「終了条件判定処理」ではないと判定した場合には(ステップSe6506:NO)、ステップSe6507に進む。
ステップSe6507では、駆動シナリオ格納エリア94dに格納されている駆動シナリオに規定されている各処理のうち、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理を実行する。具体的には、駆動シナリオ用カウンタの値に対応して規定されている制御対象(モーターやソレノイド)を制御するための処理を実行する。その後、ステップSe6508に進む。
ステップSe6508では、駆動シナリオ格納エリア94dに格納されている駆動シナリオに規定されている各処理のうち、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が完了したか否かを判定する。ステップSe6508において、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が完了していないと判定した場合には(ステップSe6508:NO)、そのまま本演出用可動役物駆動処理を終了する。これにより、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が完了するまで、ステップSe6507の処理がタイマ割込み処理が実行される毎に繰り返し実行されることになる。そして、ステップSe6508において、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が完了したと判定した場合には(ステップSe6508:YES)、ステップSe6509に進み、駆動シナリオ用カウンタの値に1を加算する。その後、本演出用可動役物駆動処理を終了する。
上述したステップSe6505において、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が「終了」であると判定した場合には(ステップSe6505:YES)、ステップSe6512に進み、駆動シナリオ格納エリア94dに格納されている駆動シナリオをクリアする。その後、ステップSe6513に進み、役物動作パターンに次に実行すべき駆動シナリオが規定されているか否かを判定する。ステップSe6513において、役物動作パターンに次に実行すべき駆動シナリオが規定されていると判定した場合には(ステップSe6513:YES)、ステップSe6514に進み、役物動作パターンに規定されている次の駆動シナリオを駆動シナリオ格納エリア94dに格納する。その後、ステップSe6515に進み、駆動シナリオ用カウンタに「1」をセットする。その後、本演出用可動役物駆動処理を終了する。一方、ステップSe6513において、役物動作パターンに次に実行すべき駆動シナリオが規定されていないと判定した場合には(ステップSe6513:NO)、上述したステップSe6514及びステップSe6515の処理を実行することなく、本演出用可動役物駆動処理を終了する。
上述したステップSe6506において、駆動シナリオ用カウンタの値に対応する処理が「終了条件判定処理」であると判定した場合には(ステップSe6506:YES)、ステップSe6510に進み、上下移動動作終了条件成立フラグがONであるか否かを判定する。ステップSe6510において、上下移動動作終了条件成立フラグがONではないと判定した場合には(ステップSe6510:NO)、上述したステップSe6509に進み、駆動シナリオ用カウンタの値に1を加算する。その後、本演出用可動役物駆動処理を終了する。一方、ステップSe6510において、上下移動動作終了条件成立フラグがONであると判定した場合には(ステップSe6510:YES)、ステップSe6511に進み、上下移動動作終了条件成立フラグをOFFにした後、上述したステップSe6512に進み、駆動シナリオ格納エリア94dに格納されている駆動シナリオをクリアする。その後、ステップSe6513に進み、役物動作パターンに次に実行すべき駆動シナリオが規定されているか否かを判定する。ステップSe6513において、役物動作パターンに次に実行すべき駆動シナリオが規定されていると判定した場合には(ステップSe6513:YES)、ステップSe6514に進み、役物動作パターンに規定されている次の駆動シナリオを駆動シナリオ格納エリア94dに格納する。その後、ステップSe6515に進み、駆動シナリオ用カウンタに「1」をセットする。その後、本演出用可動役物駆動処理を終了する。一方、ステップSe6513において、役物動作パターンに次に実行すべき駆動シナリオが規定されていないと判定した場合には(ステップSe6513:NO)、上述したステップSe6514及びステップSe6515の処理を実行することなく、本演出用可動役物駆動処理を終了する。
<待ち受け処理>
次に、待ち受け処理について説明する。待ち受け処理は、タイマ割込み処理のサブルーチンとして音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図427は、待ち受け処理を示すフローチャートである。待ち受け処理は、変動表示が停止している期間に実行される処理である。以下、各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSe6601では、待ち受けタイマフラグがONであるか否かを判定する。待ち受けタイマフラグは、後述する待ち受けタイマをセットした場合にONにするフラグである。ステップSe6601において、待ち受けタイマフラグがONではないと判定した場合には(ステップSe6601:NO)、ステップSe6602に進む。
ステップSe6602では、デモコマンドを受信したか否かを判定する。ステップSe6602において、デモコマンドを受信したと判定した場合には(ステップSe6602:YES)、ステップSe6603に進む。
ステップSe6603では、待ち受けタイマをセットする。待ち受けタイマは、変動表示が停止している時間をカウントするタイマである。本実施形態においては、待ち受けタイマの時間は1分にセットする。その後、ステップSe6604に進む。
ステップSe6604では、待ち受けフラグをONにし、その後、ステップSe6605に進む。一方、ステップSe6601において、待ち受けタイマフラグがONであると判定した場合も(ステップSe6601:YES)、ステップSe6605に進む。
ステップSe6605では、待ち受けタイマの残時間が0であるか否かを判定する。ステップSe6605において、待ち受けタイマの残時間が0であると判定した場合には(ステップSe6605:YES)、ステップSe6606に進む。
ステップSe6606では、表示面41aに待ち受け画像を表示する。具体的には、遊技の待機状態であることを示す映像を表示する。その後、ステップSe6607に進む。
ステップSe6607では、デフォルト処理を実行する。具体的には、当該待ち受け状態(待機状態)となる直前に遊技を実行していた遊技者によって設定された演出のカスタム設定の設定内容や出力要素である音量や光量の出力状態に対する出力値を、予めパチンコ機10に記憶させているデフォルトの設定内容やデフォルト値に設定の変更をする。
具体的には、待機期間としての遊技の待機状態において、遊技者が出力値としての音量と光量の値(レベル)を設定をしたにもかかわらず、所定期間(例えば1分間)遊技が実行されなかった場合には、音量と光量の値(レベル)を、パチンコ機10のROM93に予め記憶されている特定設定値としてのデフォルト値に設定する処理が行われる。デフォルト値は予めパチンコ機10のROM93に記憶されている。パチンコ機10においては、音量および光量の値(レベル)のデフォルト値として、レベル3の値が予めROM93に記憶されている。従って、例えば遊技の待機状態において遊技者が音量のレベルを一の所定の入力値としてレベル1を入力していた場合であっても入力値としてレベル5を入力していた場合であっても、その後に所定期間遊技がされない場合には音量の出力値のレベルとしてレベル3の値が設定される。光量についても、待機期間としての遊技の待機状態において遊技者が出力値としての光量の値(レベル)を一の所定の入力値としてレベル1を入力していた場合であっても入力値としてレベル5を入力していた場合であっても、その後に所定期間遊技がされない場合には光量の出力値のレベルとしてレベル3の値が設定される。なお、例えば遊技の待機状態において遊技者が音量、光量のレベルとして入力した値とデフォルト値とが同じ場合には、その後に所定期間遊技がされない場合には遊技者によって入力された値と同じ値としてのデフォルト値が、音量および光量のレベルとして設定される。
なお、音量および光量のレベルの値についてのデフォルト値は本実施形態においてはレベル3の値を採用したが、他の構成を採用してもよい。例えば音量のデフォルト値がレベル1でもよい。この場合には、例えば遊技の待機状態において遊技者が音量のレベルとしてレベル2を入力していた場合であってもレベル5を入力していた場合であっても、その後に所定期間遊技がされない場合には音量レベルとしてレベル1の値が入力設定される。その他、例えば音量のデフォルト値がレベル5でもよい。この場合には、例えば遊技の待機状態において遊技者が音量のレベルとしてレベル2を入力していた場合であってもレベル4を入力していた場合であっても、その後に所定期間遊技がされない場合には音量レベルとしてレベル5の値が入力設定される。
また、例えば光量のデフォルト値がレベル2でもよい。この場合には、例えば遊技の待機状態において遊技者が光量のレベルとしてレベル3を入力していた場合であってもレベル5を入力していた場合であっても、その後に所定期間遊技がされない場合には光量のレベルとしてレベル2の値が入力設定される。また、例えば、光量のデフォルト値がレベル4でもよい。この場合には、例えば遊技の待機状態において遊技者が光量のレベルとしてレベル2を入力していた場合であってもレベル3を入力していた場合であっても、その後に所定期間遊技がされない場合には光量のレベルとしてレベル4の値が入力設定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、デフォルト値は音量も光量もいずれも同じ値であるレベル3を採用したが、音量のデフォルト値と光量のデフォルト値が異なる構成を採用してもよい。例えば、音量のデフォルト値が4であり、光量のデフォルト値が2である構成を採用してもよい。音量のデフォルト値と光量のデフォルト値はレベル1~レベル5の間で別個独立に異なる値を採用することができる。
なお、遊技者が入力した音量および光量のレベルの値に対応した音および光の出力は、遊技が継続している場合には維持される。したがって、遊技回の実行中に遊技者が入力(設定)した音量および光量のレベルの値に対応した音および光の出力は、例えば、その後に実行される特電開閉実行モードや普電開閉実行モードにおいても維持される。
ステップSe6607においてデフォルト処理を実行した後、ステップSe6608に進む。一方、ステップSe66605において、待ち受けタイマの残時間が0ではないと判定した場合にも(ステップSe6605:NO)、ステップSe6608に進む。ステップSe6608では、特図保留コマンドを受信したか否かを判定する。すなわち、第1特図始動口33または第2特図始動口34に遊技球が入球し、保留が発生したか否かを判定する。ステップSe6608において、特図保留コマンドを受信したと判定した場合には(ステップSe6608:YES)、ステップSe6609に進み、待ち受けタイマフラグをOFFにする。その後、ステップSe6610に進み、待ち受けタイマをリセットし、本待ち受け処理を終了する。
一方、ステップSe6608において、特図保留コマンドを受信していないと判定した場合には(ステップSe6608:NO)、そのまま本待ち受け処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図428は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSe6701では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSe6702に進む。
ステップSe6702では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図429は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSe6801では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図430は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSe6901では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、上述したコマンド割込み処理によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。例えば、表示用演出パターンコマンドが記憶されていた場合には、当該コマンドによって指定された演出パターンに対応した動画が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
なお、コマンド対応処理(ステップSe6901)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップSe6902では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(ステップSe6901)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSe6903に進む。
ステップSe6903では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(ステップSe6902)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップSe6904に進む。
ステップSe6904では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(ステップSe6903)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップSe6905に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
《8-7》第8実施形態における課題・効果:
以下、従来のパチンコ機における課題を述べた後、本実施形態のパチンコ機10の利点について具体的に説明する。
従来、遊技機と遊技者との間において各種の情報の入力及び出力を行うことが望まれているが、その方法は利便性が低く、遊技機に対する情報の入力及び遊技機による情報の出力においては更なる利便性の向上が求められている。
具体的には、例えば遊技者のスマートフォン等の携帯端末を使用して遊技機との間で情報のやり取りを行う場合には、遊技機側が出力しようとする情報を識別可能な2次元コードを作成して表示し、遊技者がその2次元コードを携帯端末を使用して読み取り、その携帯端末によってインターネットと接続して読み取った2次元コードを情報として識別することが可能であった。そのため、より簡便に遊技機に対する情報の入力及び遊技機からの情報の出力を行いたいという要望がある。
ここで、遊技機に対する情報の入力及び遊技機からの情報の出力を遊技機側にBluetoothやWiFiのモジュールを設けることによって遊技者の携帯端末と通信をして行う場合には、次のような問題点が生じる。すなわち、遊技者が自身の携帯端末を開いて遊技ホールの任意の遊技台と通信を試みる場合に、その任意の遊技台を検索し、安全な通信状態を確立するためには非常に煩雑な作業が求められることになる。
以上の課題に対して本実施形態のパチンコ機10(遊技機)が採用した構成について以下に具体的に説明する。
本実実施形態によれば、遊技機の構成として、所定の抽選条件が成立したか否かを判断する判断手段により、所定の抽選条件が成立したと判断されることに基づいて、内部抽選を実行する抽選処理と、内部抽選の結果に基づいて、所定期間の変動表示を実行する変動表示部と、内部抽選の結果が特定結果であった場合に実行される特定の表示結果を表示する当選遊技回変動の終了後に特定遊技状態を実行する特定遊技実行部と、前記所定期間の変動表示中に複数の演出を用いて変動演出を行なう演出実行処理と、演出実行処理に対して遊技者による外部入力が可能な外部入力手段とを備えている。そして、本実施形態によれば、外部入力手段は、所定の待機期間において、所定の検出され得る対象物が検出実行部に対して所定距離まで近接又は当接した場合に検出完了状態となる検出ユニットを備える。さらに本遊技機は、検出ユニットが検出完了状態となった第1の入力状態が発生した場合に、所定の記憶手段に記憶された情報であって演出実行処理に関連した複数の関連情報を外部出力する外部出力手段を備える。そして、外部出力された複数の関連情報に対応した所定の情報入力を検出した対応情報入力状態が発生した場合に、演出実行処理における所定の設定可能な要素に対応する情報の外部入力および外部出力が可能である。
したがって、本実施形態によれば、効果として、遊技機に対する情報の入力および遊技機からの情報の出力を好適に行うことが可能となる。よって、演出実行処理に対して設定可能な要素に対応する情報を外部から遊技機に入力することができ、さらに、遊技機から外部に出力をすることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。遊技機に記憶されている演出実行処理に対して設定可能な要素に関する情報を遊技機の外部に出力することができるので、遊技機の外部において演出実行処理に対して設定可能な要素に関する情報を利用することができ、さらなる遊技の興趣向上を図ることができる。
また、遊技機の状態として、検出完了状態を経てさらに複数の演出実行関連情報に対応した情報の入力を検出した状態が発生することで演出の実行における設定可能な要素に関する情報の入力および出力が可能となるように構成されているので、なんらの条件や状態の遷移無しに不意に意図せず演出の実行における設定可能な要素に関する情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。
また、所定の検出される対象物が検出実行部に対して所定距離まで近接又は当接した場合に検出完了状態になるので、単に検出実行部の周囲に不特定の検知される対象物が存在することだけで、演出の実行における設定可能な要素に関する情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。より具体的には、検出完了状態になるために、所定の検出される対象物が検出実行部に対して所定距離まで近接又は当接させることを条件とすることで、遊技者の意思を確認することができ、遊技者の意思と反して演出の実行における設定可能な情報に対応する情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、第1特図抽選を実行するための条件や、第2特図抽選を実行するための条件が成立したか否かを判断し、それらの条件が成立したと判断されることに基づいて特図抽選を実行可能であり、特図抽選の結果に基づいて、所定期間の特別図柄の変動表示を実行し、特図抽選の結果が特図大当たりであった場合に実行される特定の表示結果を表示する当選遊技回変動の終了後に特電開閉実行モードを実行し、所定期間の変動表示中に変動演出を実行し、変動演出を実行に対して遊技者によるカスタム設定情報の入力を可能とするためのBluetootによる入力手段を備える。そして、Bluetootによる入力手段は、NFC監視状態において、スマートフォンがNFCアンテナに対してNFC検出可能距離まで近接又は当接した場合にNFC検出状態となるNFCモジュールと、NFCモジュールがNFC検出状態となった第1の入力状態が発生した場合に、NFCのRAM110aに記憶されたBluetoothの接続情報をNFCによって出力する手段とを備え、NFCによって出力する手段されたBluetoothの接続情報に対応した接続要求の入力を検出した第2の入力状態が発生した場合に、演出の実行における演出のカスタム設定情報のBluetoothを介した入力および遊技履歴情報のBluetoothを介した出力が可能である。
よって、具体的な効果として、例えば、本実施形態によれば、パチンコ機10における演出の実行に対してカスタム設定可能な演出の情報や遊技履歴情報のBluetoothを介した入力および出力を好適に行うことが可能となる。よって、演出の実行に対してカスタム設定可能な演出の情報や遊技履歴情報を外部からパチンコ機10に入力することができ、さらに、パチンコ機10から外部に出力をすることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。パチンコ機10に記憶されている演出の実行に対してカスタム設定可能な演出の情報や遊技履歴情報をパチンコ機10の外部に出力することができ、パチンコ機10の外部において演出の実行に対してカスタム設定可能な演出の情報や遊技履歴情報を利用することができ、さらなる遊技の興趣向上を図ることができる。
より具体的な効果として、例えば、遊技機の演出に関するカスタム設定情報を予め用意しておき、遊技をする際に当該カスタム設定情報を外部(例えば携帯端末)から遊技機に入力することができる。このような構成とすることで、遊技機が備える演出操作ボタンや、十字キーを遊技者が操作することによって演出のカスタム設定を行うのではなく、例えば遊技者が携帯端末上で予め設定したカスタム設定情報を遊技機に入力することが可能になる。よって、遊技者が遊技機でカスタム設定をするために費やす時間を削減することができる。結果として、遊技機で早く遊技をしたいと所望する遊技者や、せっかく遊技ホールに来たのだから少しの時間でも遊技を楽しみたいと思う遊技者にも演出のカスタム設定を利用してもらいやすい構成にすることができる。
さらに、このような構成とすることで、スマートフォン200で演出にカスタム設定をすることができるので、遊技の開始前に演出操作ボタンや、十字キーを用いて手作業で入力することを回避することができる。遊技者は、携帯端末(例えばスマートフォン)上で、操作性に優れたタッチパネル等を用いて快適に演出のカスタム設定を行なうことができる。よって、演出に関する詳細なカスタム設定を遊技者が行なうことを容易にし、より一層遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、パチンコ機10の状態として、NFC検出状態を経てさらBluetoothの接続情報に対応した情報である接続要求の入力を検出した状態が発生することで演出の実行に対してカスタム設定可能な演出の情報や遊技履歴情報の入力および出力が可能となるように構成されているので、なんらの条件や状態の遷移無しに不意に意図せず演出の実行に対してカスタム設定可能な演出の情報や遊技履歴情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。
また、スマートフォン200がNFCアンテナに対してNFC検出可能距離まで近接又は当接した場合にNFC検出状態になるので、単にNFCアンテナの周囲に不特定のスマートフォンなどの携帯端末が存在することだけで、演出の実行に対してカスタム設定可能な演出の情報や遊技履歴情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。より具体的には、NFC検出状態になるために、スマートフォン200がNFCアンテナに対してNFC検出可能距離まで近接又は当接させることを条件とすることで、遊技者の意思を確認することができ、遊技者の意思と反して演出の実行に対してカスタム設定可能な演出の情報や遊技履歴情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、対応情報入力状態が発生した場合に、所定の待機期間において検出完了状態が発生した場合に出力した複数の関連情報が出力されることを抑制する抑制処理を行うことができる。
よって、本実施形態によれば、効果として、対応情報入力状態が発生している状態において、新たな検出され得る対象物が検出実行部に対して所定距離まで近接又は当接した場合に複数の関連情報が出力されることを抑制することができる。例えば検出され得る対象物が検出実行部に近接又は当接したことによって検出完了状態を経て、対応情報入力状態なっている場合に、他の検出され得る対象物が検出実行部に対して所定距離まで近接又は当接したとしても検出完了状態が発生した場合に出力した複数の関連情報が出力されるのを抑制するので、当該検出され得る対象物の近接又は当接に対して、対応情報入力状態となることを抑制することができる。すなわち、複数の検出され得る対象物と、対応情報入力状態となることを抑制することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態が発生した場合に、所定の待機期間において検出完了状態が発生した場合に出力した複数の関連情報が出力されることを抑制する抑制処理を行うことができる。
よって、具体的な効果として、例えば、本実施形態によれば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態が発生している状態において、新たな携帯端末がNFCアンテナに対してNFC検出可能距離まで近接又は当接した場合にBluetoothの接続情報が出力されることを抑制することができる。例えば携帯端末がNFCアンテナに近接又は当接したことによってNFC検出状態を経て、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態になっている場合に、他の携帯端末がNFCアンテナに対してNFC検出可能距離まで近接又は当接したとしてもNFC検出状態が発生した場合に出力したBluetoothの接続情報が出力されるのを抑制するので、当該他の携帯端末の近接又は当接に対して、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態となることを抑制することができる。すなわち、複数の検出され得る他の携帯端末と、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態となることを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、検出完了状態が発生してから所定期間が経過するまで複数の関連情報の入力が検出されなかった場合に、対応情報入力状態を発生させるには再度検出完了状態を発生させることが必要な状態を発生させる。
よって、本実施形態によれば、効果として、検出完了状態が発生してから所定期間が経過したにもかかわらず複数の関連情報の入力の検出がされないといった状態は、遊技者の意に反して検出完了状態が発生した可能性や、遊技者が既に遊技を終了して遊技機から退席している場合などが考えられる。本実施形態によれば、そのような場合には対応情報入力状態を発生させるためには再度検出完了状態を発生させることが必要な状態を発生させることで、検出完了状態を発生させた遊技者と、その状態から対応情報入力状態を発生させた遊技者とが異なるといった事象を回避することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、NFC検出状態が発生してから所定期間が経過するまで接続要求の入力の入力が検出されなかった場合に、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を発生させるには再度NFC検出状態を発生させることが必要な状態を発生させる。
よって、具体的な効果として、例えば、本実施形態によれば、NFC検出状態が発生してから所定期間が経過したにもかかわらず接続要求の入力の検出がされないといった状態は、遊技者の意に反してNFC検出状態が発生した可能性や、遊技者が既に遊技を終了して遊技機から退席している場合などが考えられる。本実施形態によれば、そのような場合には接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を発生させるためには再度NFC検出状態を発生させることが必要な状態を発生させることで、NFC検出状態を発生させた遊技者と、その状態から接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を発生させた遊技者とが異なるといった事象を回避することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、対応情報入力状態が発生した場合に、特定の要素の入力を行うことで強制的に対応情報入力状態を終了させる終了処理を行う。
よって、本実施形態によれば、効果として、対応情報入力状態が発生した場合に、特定の要素の入力を行うことで強制的に対応情報入力状態を終了させる終了処理を行うことで、対応情報入力状態を維持しておくことで遊技上または処理上の不都合や、遊技上または処理上の問題が生じる場合に、強制的に対応情報入力状態を終了させることで、当該不都合や問題を回避または解消することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態が発生した場合に、切断用NFCによる入力を行うことで強制的に接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を終了させる終了処理を行う。
よって、具体的な効果として、例えば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態が発生した場合に、切断用NFCによる入力を行うことで強制的に接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を終了させる終了処理を行うことで、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を維持しておくことで遊技上または処理上の不都合や、遊技上または処理上の問題が生じる場合に、強制的に接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を終了させることで、当該不都合や問題を回避または解消することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、対応情報入力状態を終了する場合に所定の発生条件を満たしていない場合には対応情報入力状態を発生させないように制限する制限処理を行う。
よって、本実施形態によれば、効果として、対応情報入力状態を終了する場合に、改めて対応情報入力状態を発生させるために所定の発生条件を設けることで、一度対応情報入力状態を発生させたからということをもって、次回から無条件に対応情報入力状態に移行させることで発生する遊技上または処理上の問題を回避することができる。例えば、過去に所定の遊技機と間で通信状態を確立した携帯端末が、次回から当該遊技機と無条件に通信の確立が可能になると、遊技者の意に反して当該遊技機と携帯端末とが通信を確立してしまう虞がある。本実施形態によれば、過去に所定の遊技機と間で通信状態を確立した携帯端末であっても次回に通信を確立するために所定の条件を設けることで、遊技者の意に反して当該遊技機と携帯端末とが通信を確立してしまうといった問題を回避することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を終了する場合に再度のNFC検出状態を経由するという条件を満たしていない場合には接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を発生させないように制限する。
よって、具体的な効果として、例えば、本実施形態によれば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を終了する場合に、改めて接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を発生させるために再度のNFC検出状態を経由するという条件を設けることで、一度接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態を発生させたからということをもって、次回から無条件に接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態に移行させることで発生する遊技上または処理上の問題を回避することができる。例えば、過去に所定のパチンコ機10と間で通信状態を確立したスマートフォン200が、次回からパチンコ機10と無条件に通信の確立が可能になると、遊技者の意に反して当該パチンコ機10とスマートフォン200とが通信を確立してしまう虞がある。本実施形態によれば、過去にパチンコ機10と間で通信状態を確立したスマートフォン200であっても次回に通信を確立するために再度のNFC検出状態を経由するという条件を設けることで、遊技者の意に反してパチンコ機10とスマートフォン200とが通信を確立してしまうといった問題を回避することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、対応情報入力状態において、検出完了状態が発生した場合に特定出力用情報を出力する。
よって、本実施形態によれば、効果として、対応情報入力状態において、検出完了状態が発生した場合に特定出力用情報を出力する。すなわち、遊技者が検出され得る対象物を検出実行部に対して所定距離まで近接又は当接させて検出完了状態になることで特定出力用情報を出力する。したがって、遊技者の意に反して特定出力用情報を出力することを回避し、遊技者の意思を確認した上で特定出力用情報を出力することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態において、NFC検出状態が発生した場合に遊技履歴情報を出力する。
よって、具体的な効果として、例えば、本実施形態によれば、接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態において、NFC検出状態が発生した場合に遊技履歴情報を出力する。すなわち、遊技者がスマートフォン200をNFCアンテナに対してNFC検出可能距離まで近接又は当接させてNFC検出状態になることで遊技履歴情報を出力する。したがって、遊技者の意に反して遊技履歴情報を出力することを回避し、遊技者の意思を確認した上で遊技履歴情報を出力することができる。
以下に、本実施形態に沿ったより具体的な効果について説明する。遊技機の状態として、第1の入力状態(スマートフォン200のNFCを検出した状態)を経てさらに第2の入力状態(スマートフォン200からの接続情報を含む接続要求の入力によって通信開始状態)が発生することで設定可能情報(演出のカスタムや遊技履歴)に関する情報の入力および出力が可能となるように構成されているので、なんらの条件や状態の遷移無しに不意に意図せず設定可能情報(演出のカスタムや遊技履歴)に関する情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。
また、所定の検出対象(スマートフォン200のNFC)が所定の検出部(パチンコ機10のNFCモジュール110)に対して所定の距離まで近接又は当接した場合に第1の入力状態になるので、単に検出部(パチンコ機10のNFCモジュール)の周囲に不特定の検出対象(スマートフォン200のNFC)が存在することだけで設定可能情報(演出のカスタムや遊技履歴)に関する情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。より具体的には、第1の入力状態および第2の入力状態になるために、所定の検出対象(スマートフォン200のNFC)が所定の検出部(パチンコ機10のNFCモジュール)に対して所定の距離まで近接又は当接させることを条件とすることで、遊技者の意思を確認することができ、遊技者の意図と反して設定可能情報(演出のカスタムや遊技履歴)に関する情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。
また、パチンコ機10は、第2の入力状態が発生している状態において、新たな所定の検出対象(携帯端末)が所定の検出部(パチンコ機10のNFCモジュール110)に対して所定の距離まで近接又は当接した場合に複数の情報(接続情報)が出力されることを抑制することができる。すなわち、携帯端末が所定の検出部に近接又は当接したことによって第1の入力状態を経て第2の入力状態なっている場合に、他の携帯端末が所定の検出部に対して所定の距離まで近接又は当接したとしても第1の入力状態が発生した場合に出力した複数の情報が出力されるのを抑制するので、当該他の携帯端末の近接又は当接に対して第2の入力状態となることを抑制することができる。すなわち、複数の携帯端末との第2の入力状態となることを抑制することができる。より具体的には、処理パターンPY2や処理パターンPY3のように、スマートフォン200との通信が開始されるときにNFCモジュール110のRAM110aの接続情報を無効なものに書き換えたり、接続情報の出力ができない状態にすることができる。
また、パチンコ機10は、第1の入力状態(スマートフォン200のNFCを検出した状態)が発生してから所定期間が経過するまで所定の情報の入力(接続情報の入力)が検出されなかった場合に、第2の入力状態を発生させるには再度第1の入力状態を発生させることが必要な状態を発生させる。
第1の入力状態(スマートフォン200のNFCを検出した状態)が発生してから所定期間が経過したにもかかわらず所定の入力(接続情報の入力)の検出がされないといった状態は、遊技者の意に反して第1の入力状態が発生した可能性や、遊技者が既に遊技を終了して遊技機から退席している場合などが考えられる。本特徴によれば、そのような場合には第2の入力状態を発生させるためには再度第1の入力状態を発生させることが必要な状態を発生させることで、第1の入力状態を発生させた遊技者と、その状態から第2の入力状態を発生させた遊技者とが異なるといった事象を回避することができる。
具体的には、処理パターンPY1に対応する。処理パターンPY1によれば、スマートフォン200からBluetoothを介して接続要求を所定期間内に受信した接続要求に対してのみ接続要求を受信したと判定する構成を採用した。このようにすることで、意図せず短期間にスマートフォン200をパチンコ機10に近接又は当接させてしまった場合の不要なBluetooth接続を回避することができる。
また、パチンコ機10は、第2の入力状態が発生した場合に、特定の入力(切断用NFCによる入力)を行うことで強制的に第2の入力状態を終了させる。
すなわち、第2の入力状態が発生した場合に、特定の入力を行うことで強制的に第2の入力状態を終了させることで、第2の入力状態を維持しておくことで遊技上または処理上の不都合や、遊技上または処理上の問題が生じる場合に、強制的に第2の入力状態を終了させることで、当該不都合や問題を回避または解消することができる。
具体的には、処理パターンDY6に対応する。処理パターンDY6によれば、強制的に通信の切断を行なうことができる。例えば、所在不明の携帯端末と通信が確立されている場合に、ホールスタッフが強制的に通信を切断することができる。
またパチンコ機10は、第2の入力状態を終了する場合に、所定の条件(再度の第1の入力状態を経由するという条件)を満たしていない場合には第2の入力状態を発生させないように制限する。
この構成によれば、第2の入力状態を終了する場合に、改めて第2の入力状態を発生させるために所定の条件を設けることで、一度第2の入力状態を発生させたからということをもって、次回から無条件に第2の入力状態に移行させることで発生する遊技上または処理上の問題を回避することができる。例えば、過去に所定の遊技機と間で通信状態を確立した携帯端末が、次回から当該遊技機と無条件に通信の確立が可能になると、遊技者の意に反して当該遊技機と携帯端末とが通信を確立してしまう虞がある。本構成によれば、過去に所定の遊技機と間で通信状態を確立した携帯端末であっても次回に通信を確立するために所定の条件を設けることで、遊技者の意に反して当該遊技機と携帯端末とが通信を確立してしまうといった問題を回避することができる。
具体的には、処理パターンDY8に対応する。過去に接続(通信)と切断がされた携帯端末内にパチンコ機10のBluetoothの接続情報をが記憶されている場合に、再び当該携帯端末がパチンコ機10に接近したときに意図せずに自動的にパチンコ機10に接続されないようにするために、接続されている携帯端末との通信を切断する際に、BTモジュール111の接続情報自体を新たな接続情報に変更し、それに合わせてNFTモジュール110内のRAM110aに格納されている接続情報も当該新たな接続情報に変更する構成である。
本処理によれば、過去にパチンコ機10と接続されたことがある携帯端末が自動的に接続されてしまうことを防止することができる。すなわち、当該携帯端末が再びパチンコ機10と接続されるためには、再度、パチンコ機10に接近してペアリング処理を行ってから接続されるようにすることができる。この処理において、通信を切断する場合に、BTモジュール111自体のパスワードとNFTモジュール110内のRAM110aに格納されているパスワードを毎回変更することになるが、新たに設定するパスワードを乱数によって更新する構成を採用してもよい。
また、パチンコ機10は、第2の入力状態(スマートフォン200からの接続情報を含む接続要求の入力によって通信開始状態)において、第1の入力状態(スマートフォン200のNFCを検出した状態)が発生した場合に特定情報(履歴情報等)を出力する出力手段を備える。
なわち、遊技者が所定の検出対象(スマートフォン200のNFCモジュール)を所定の検出部(パチンコ機10のNFCモジュール110)に対して所定の距離まで近接又は当接させて検出状態になることで(第1の入力状態となることで)特定情報(履歴情報等)を出力する。したがって、遊技者の意に反して特定情報を出力することを回避し、遊技者の意思を確認した上で特定情報を出力することができる。
具体的には、処理パターンCY4、処理パターンCY6に対応する。本処理は、スマートフォン200が接近している場合であってBluetooth接続されている場合にのみデータを送信する構成である。送信するデータとしては、遊技履歴情報に関するデータや、パチンコ機10の演出に関する音声データ、その他アプリケーションAPP上での特典データ等を採用することができる。
遊技者がパチンコ機10からスマートフォン200にデータ(例えば、遊技履歴情報)を送信して欲しい時だけ、スマートフォン200をパチンコ機10に接近させて、スマートフォン200にデータを受信することができる。
《8-8》第8実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《8-8-1》変形例1:
上記実施形態においては、携帯端末としてスマートフォン200を例に説明をしたが、無線通信可能な携帯端末であればよく、スマートフォンに制限されない。携帯端末として、例えば、無線通信可能なタブレット端末でもよいし、無線通信可能なパーソナルコンピューターでもよいし、その他、パチンコ機10との無線通信専用の携帯端末でもよい。このような構成を採用しても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
《8-8-2》変形例2:
上記実施形態においては、NFCモジュールを備えた携帯端末をパチンコ機10に近接させてNFCによる通信を行ったが、NFCモジュールを備えた携帯端末をパチンコ機10に当接(接触)させることでNFCによる通信を行う構成としてもよい。このような構成を採用しても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
《8-8-3》変形例3:
上記実施形態においては、近距離無線通信の一種としてNFCを採用したが、NFCに代えて他の近距離無線通信を利用する構成を採用してもよい。例えば、赤外線通信やWi-Fiを採用してもよい。また、Bluetoothに代えて赤外線通信やWi-Fiを採用してもよい。このような構成を採用しても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、NFCを採用しない構成として、パチンコ機10のガラスユニット19にタッチセンサを設け、ガラスユニット19にスマートフォン200を接触させると、表示面41aにパチンコ機10との接続情報が含まれる2次元コードを表示し、当該2次元コードをスマートフォン200のカメラで読み取り、当該読み取った接続情報を基にしてパチンコ機10にBluetoothの接続要求を送信してBluetooth接続する構成を採用してもよい。このような構成を採用することで、NFCを用いずに接続情報を取得しBluetooth接続をすることが可能である。このような構成を採用しても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
《8-8-4》変形例4:
携帯端末とパチンコ機10との間での無線通信によってやり取りする情報は、カスタム設定情報や遊技履歴情報に限定されず、例えば、パチンコ機10から携帯端末に向けて、実行中の遊技回に対する抽選結果を示唆する情報や、パチンコ機10において実行されている演出の映像情報や音声情報などを送信するとしてもよい。また、携帯端末からパチンコ機10に向けて、パチンコ機10の遊技者の性別や名前など一部の個人情報や、アプリケーションAPP上でカスタムした演出上のキャラクタの情報などを送信するとしてもよい。このような構成を採用することで、携帯端末とパチンコ機10との間での無線通信の様々な利用可能性を創出することができ、より一層の興趣向上を図ることができる。
《8-9》他の構成への適用:
上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると特別電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態及び上記各変形例においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
《8-10》上記実施形態及び上記各変形例等から抽出される発明群について:
以下、上述した実施形態及び各変形例から抽出される発明群の特徴(特徴群)について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態又は上記各変形例において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴eA群>
特徴eA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴eA1]
所定の抽選条件が成立したか否かを判断する判断手段により、前記所定の抽選条件が成立したと判断されることに基づいて、当否抽選(内部抽選)を実行する当否抽選手段(抽選処理)と、
前記当否抽選の結果に基づいて、所定期間の変動表示を実行する変動表示手段(変動表示部)と、
前記当否抽選の結果が特定結果であった場合に実行される特定の表示結果を表示する特定の変動表示(当選遊技回変動)の終了後に特定遊技状態を実行する特定遊技実行手段(特定遊技実行部)と、
前記所定期間の変動表示中に複数の演出要素(演出/変動中の演出)を用いて変動演出を行なう演出実行手段(演出実行処理/演出の実行)と、
前記演出実行手段に対して遊技者による所定の入力(外部入力/カスタム設定情報の入力)が可能な入力手段(外部入力手段/Bluetootによる入力手段)と、
を備えた遊技機であって、
前記入力手段は、
所定の待機状態(待機期間/NFC監視状態)において、所定の検出対象(対象物/スマートフォン)が所定の検出部(検出実行部/NFCアンテナ)に対して所定の距離(所定距離/NFC検出可能距離)まで近接又は当接した場合に所定の検出状態(検出完了状態/NFC検出状態)となる検出手段(検出ユニット/NFCモジュール)を備え、
本遊技機は、
前記検出手段が前記所定の検出状態となった第1の入力状態(検出完了状態/NFC検出状態)が発生した場合に、所定の記憶部(所定の記憶手段/NFCのRAM110a)に記憶された情報であって前記演出実行手段に関連した複数の情報(複数の関連情報/Bluetoothの接続情報)を出力(外部出力/情報の出力)する出力手段(外部出力手段/NFCによる接続情報を出力する処理)を備え、
前記出力された前記複数の情報に対応した所定の情報の入力(情報入力/接続要求の入力)を検出した第2の入力状態(対応情報入力状態/接続要求の入力が完了したBluetoothの通信状態)が発生した場合に、前記演出実行手段における所定の設定可能情報(設定可能な情報/カスタム設定可能な演出の情報)に関する情報(設定可能な情報に対応する情報/演出のカスタム設定情報)の入力(外部入力/Bluetoothを介した入力)および出力(外部出力/画像の出力)が可能となるように構成された
ことを特徴とする。
本特徴によれば、遊技機に対する情報の入力および遊技機からの情報の出力を好適に行うことが可能となる。また、演出実行手段に対して設定可能情報に関する情報の入力および出力が可能となるように構成されている。すなわち、設定可能情報に関する情報を外部から遊技機に入力することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。例えば、遊技機の演出に関するカスタム設定情報を予め用意しておき、遊技をする際に当該カスタム設定情報を外部(例えば携帯端末)から遊技機に入力することができる。このような構成とすることで、遊技機が備える演出操作ボタンや、十字キーを遊技者が操作することによって演出のカスタム設定を行うのではなく、例えば遊技者が携帯端末上で予め設定したカスタム設定情報を遊技機に入力することが可能になる。よって、遊技者が遊技機でカスタム設定をするために費やす時間を削減することができる。結果として、遊技機で早く遊技をしたいと所望する遊技者や、せっかく遊技ホールに来たのだから少しの時間でも遊技を楽しみたいと思う遊技者にも演出のカスタム設定を利用してもらいやすい構成にすることができる。
さらに、このような構成とすることで、携帯端末上で演出にカスタム設定をすることができるので、遊技の開始前に演出操作ボタンや、十字キーを用いて手作業で入力することを回避することができる。遊技者は、携帯端末(例えばスマートフォン)上で、操作性に優れたタッチパネル等を用いて快適に演出のカスタム設定を行なうことができる。よって、演出に関する詳細なカスタム設定を遊技者が行なうことを容易にし、より一層遊技の興趣向上を図ることができる。
また、遊技機に記憶されている設定可能情報に関する情報を遊技機の外部に出力することができ、遊技機の外部において当該設定可能情報に関する情報を利用することができ、さらなる遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、遊技機の状態として、第1の入力状態を経てさらに第2の入力状態が発生することで設定可能情報に関する情報の入力および出力が可能となるように構成されているので、なんらの条件や状態の遷移無しに不意に意図せず設定可能情報に関する情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。
また、所定の検出対象が所定の検出部に対して所定の距離まで近接又は当接した場合に第1の入力状態になるので、単に検出部の周囲に不特定の検出対象が存在することだけで設定可能情報に関する情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。より具体的には、第1の入力状態になるために、所定の検出対象が所定の検出部に対して所定の距離まで近接又は当接させることを条件とすることで、遊技者の意思を確認することができ、遊技者の意図と反して設定可能情報に関する情報の入力および出力がされてしまうことを回避することができる。
[特徴eA2]
特徴eA1に記載の遊技機であって、
前記第2の入力状態(対応情報入力状態/接続情報の入力完了およびBluetooth通信状態)が発生した場合に、前記所定の待機状態(NFC監視状態)において前記第1の入力状態(検出完了状態/ NFC検出完了状態)が発生した場合に出力した前記複数の情報(Bluetoothの接続情報)が出力されることを抑制する抑制手段(抑制処理/ Bluetoothの接続情報の出力を抑制)を備えた
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2の入力状態が発生している状態において、新たな所定の検出対象が所定の検出部に対して所定の距離まで近接又は当接した場合に複数の情報が出力されることを抑制することができる。より具体的には、例えば携帯端末が所定の検出部に近接又は当接したことによって第1の入力状態を経て第2の入力状態なっている場合に、他の携帯端末が所定の検出部に対して所定の距離まで近接又は当接したとしても第1の入力状態が発生した場合に出力した複数の情報が出力されるのを抑制するので、当該他の携帯端末の近接又は当接に対して第2の入力状態となることを抑制することができる。すなわち、複数の携帯端末との第2の入力状態となることを抑制することができる。
なお、上記実施形態において、複数の携帯端末との第2の入力状態となることを抑制する方法としては、Bluetoothの接続情報としてのBluetoothの機器名、Bluetoothのアドレス、Bluetoothのパスワードの3つの情報のうち、Bluetoothの機器名だけを無効なものに書き換えてもよいし、Bluetoothのアドレスだけを無効なものに書き換えてもよいし、Bluetoothのパスワードだけを無効なものに書き換えてもよい。また、これら3つの情報のうち2つの情報を無効なものに書き換えてもよい。すなわち、Bluetoothの機器名とBluetoothのアドレスとを無効なものに書き換えてもよいし、Bluetoothの機器名とBluetoothのパスワードとを無効なものに書き換えてもよいし、BluetoothのアドレスとBluetoothのパスワードとを無効なものに書き換えてもよい。また、これら3つの情報の全てを無効なものに書き換えてもよい。
[特徴eA3]
特徴eA1または特徴eA2に記載の遊技機であって、
前記第1の入力状態(検出完了状態/ NFC検出完了状態)が発生してから所定期間が経過するまで前記所定の情報の入力(接続情報の入力)が検出されなかった場合に、前記第2の入力状態(接続情報の入力)を発生させるには再度前記第1の入力状態(NFC検出状態)を発生させることが必要な状態を発生させる手段を備えた
ことを特徴とする遊技機。
第1の入力状態が発生してから所定期間が経過したにもかかわらず所定の情報の入力の検出がされないといった状態は、遊技者の意に反して第1の入力状態が発生した可能性や、遊技者が既に遊技を終了して遊技機から退席している場合などが考えられる。本特徴によれば、そのような場合には第2の入力状態を発生させるためには再度第1の入力状態を発生させることが必要な状態を発生させることで、第1の入力状態を発生させた遊技者と、その状態から第2の入力状態を発生させた遊技者とが異なるといった事象を回避することができる。
[特徴eA4]
特徴eA1から特徴eA3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の入力状態(対応情報入力状態/接続情報の入力、ペアリング成立状態)が発生した場合に、特定の入力(特定の要素の入力/切断用NFC)を行うことで強制的に前記第2の入力状態を終了させる終了入力手段(終了処理/ Bluetooth通信状態の終了)を備えた
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2の入力状態が発生した場合に、特定の入力を行うことで強制的に第2の入力状態を終了させる終了入力手段を備えることで、第2の入力状態を維持しておくことで遊技上または処理上の不都合や、遊技上または処理上の問題が生じる場合に、強制的に第2の入力状態を終了させることで、当該不都合や問題を回避または解消することができる。
[特徴eA5]
特徴eA1から特徴eA4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の入力状態(対応情報入力状態/Bluetooth通信状態)が発生した場合に、特定の入力(特定の要素の入力/切断用NFC)を行うことで、前記特定の入力がされるよりも前に入力された前記所定の入力を無効にする無効手段(無効処理)を備えた
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2の入力状態が発生した場合に、特定の入力を行うことで当該特定の入力がされるよりも前に入力された所定の入力を無効にするので、特定の入力以前に入力された所定の入力の内容に影響を受けずに特定の入力後に入力された新たな所定の入力の内容を反映させることができる。
[特徴eA6]
特徴eA1から特徴eA5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の入力状態(対応情報入力状態/Bluetooth通信状態)を終了する場合に、所定の条件(所定の発生条件/再度のNFC検出状態を経由するという条件)を満たしていない場合には前記第2の入力状態を発生させない(制限処理/NFCおよびBluetoothのパスワード書き換え)ように制限する制限手段(制限処理)を備えた
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2の入力状態を終了する場合に、改めて第2の入力状態を発生させるために所定の条件を設けることで、一度第2の入力状態を発生させたからということをもって、次回から無条件に第2の入力状態に移行させることで発生する遊技上または処理上の問題を回避することができる。例えば、過去に所定の遊技機と間で通信状態を確立した携帯端末が、次回から当該遊技機と無条件に通信の確立が可能になると、遊技者の意に反して当該遊技機と携帯端末とが通信を確立してしまう虞がある。本特徴によれば、過去に所定の遊技機と間で通信状態を確立した携帯端末であっても次回に通信を確立するために所定の条件を設けることで、遊技者の意に反して当該遊技機と携帯端末とが通信を確立してしまうといった問題を回避することができる。
[特徴eA7]
特徴eA1から特徴eA6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の入力状態において、前記第1の入力状態が発生した場合に特定情報(特定出力用情報/遊技履歴情報、切断確認用データ)を出力する出力手段を備えた
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第2の入力状態において、第1の入力状態が発生した場合に特定情報を出力する。すなわち、遊技者が所定の検出対象を所定の検出部に対して所定の距離まで近接又は当接させて検出状態になることで(第1の入力状態となることで)特定情報を出力する。したがって、遊技者の意に反して特定情報を出力することを回避し、遊技者の意思を確認した上で特定情報を出力することができる。
なお、上記各特徴群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特開2011-172988号公報)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化、遊技の健全性の向上等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
なお、上記各特徴群に含まれる1又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、上記の各特徴群を適用し得る又は各特徴群に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段と、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、前記取得情報記憶手段に記憶された前記特別情報が所定条件を満たす場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示手段と、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示を始動させる始動手段と、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間の経過に起因して前記複数の絵柄の可変表示を停止させる停止手段と、停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。上記の実施形態、変形例、および特徴群に含まれる技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
《9》第9実施形態:
演出のカスタム設定方法
《9-0》はじめに:
従来の遊技機は遊技者からの情報の入力を遊技演出に反映することで遊技の快適性興趣を向上させている。これにより多様な遊技者の要望に応えることができるが、情報の入力は遊技機のデータ保持や制御に負担をかけることもあり得る。そのため遊技者の情報の入力の多様性を低下させることなく遊技機のデータ保持や制御を好適に行うことが求められている。具体的には例えば変動遊技に用いられる演出要素の出力態様を遊技者が決定して入力可能とした場合には、複数の候補を表示し、遊技者が任意の候補を決定して、その選択情報を入力することで遊技機は入力された情報を基に演出要素の出力態様を決定していた。しかし、遊技機が演出要素の出力態様を設定する所定のタイミングにおいて、設定し得る対象が多ければ多いほど、対応したデータは増大し、処理も複雑になってしまう。しかし遊技者の入力を不能にすればデータや処理の増大は防ぐことができるが、遊技の快適性や興趣は低下することとなる。
本発明は、遊技者による多様な入力を可能としながらも、所定の出力態様設定タイミングにおける遊技機の負担を軽減することを目的としている。
本発明は上記した問題点の1又は複数を解決するためのものであり、
所定の抽選条件が成立したか否かを判断する判断手段により、前記所定の抽選条件が成立したと判断されることに基づいて、当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の結果に基づいて、所定期間の変動表示を実行する変動表示手段と、
前記当否抽選の結果が特定結果であった場合に実行される特定の表示結果を表示する特定の変動表示の終了後に特定遊技機状態を実行する特定遊技実行手段と、
前記所定期間の変動表示中に複数の演出要素を用いて変動演出を行う演出実行手段と、
前記複数の演出要素のうち遊技者が選択した特定の演出要素に関して、前記特定の演出要素の出力態様に対する値を遊技者が決定して入力可能な入力手段と、を備えた遊技機であって、
前記出力態様に対する値は、複数の値の中から遊技者が一の所定の値を選択して入力し得るものであり、
本遊技機は、
遊技者が決定した前記一の所定の値の入力が完了した場合に、対応した特定表示を実行する特定表示手段と、
前記特定表示を実行した後に実行され得る所定の出力値設定手段と、を備え、
前記所定の出力値設定手段によって、前記演出実行手段が前記変動演出を実行する場合に使用する前記特定の演出要素の出力態様に対する値を設定し得るものであり、
前記所定の出力値設定手段は、遊技者によって前記出力態様に対する値として第1の値が入力されていた場合であっても、前記第1の値とは異なる第2の値が入力されていた場合であっても、前記出力態様の値として、前記第1の値及び前記第2の値とは異なる値であって予め記憶手段に記憶された特定の値を設定し得るよう構成された
ことを特徴とする。
これにより、遊技機に対する遊技者による遊技演出の演出要素への選択に幅を持たせつつ、遊技演出の演出要素に対する出力態様を設定する所定のタイミングにおける遊技機の負担を軽減することが可能となる。
本発明における「所定の抽選条件」は、所定の抽選を実行するための条件であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第1特図抽選を実行するための条件や、第2特図抽選を実行するための条件や、普図抽選を実行するための条件や、特別図柄の変動中に実行する演出や特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)中に実行する演出の種別を決定するための演出決定抽選を実行するための条件、などが挙げられる。
「入力手段」は、演出実行手段に対して遊技者による所定の入力が可能なものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、NFC(Near Field Communication)を介した情報・信号の入力に対する処理や、Bluetooth(「Bluetooth」は登録商標)を介した情報・信号の入力や、演出操作ボタンを介した情報・信号の入力に対する処理や、演出操作ボタンを介したカスタム設定選択や、十字キーを介した情報・信号の入力に対する処理や、操作ハンドルを介した情報・信号の入力に対する処理などが挙げられる。
「特定の演出要素」は、複数の演出要素のうち遊技者が選択したものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、変動表示中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出や、開閉実行モード中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出や、サポートモード中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出や、変動表示の終了から次の変動表示が開始されるまでの期間に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出や、これらの演出や部分的な演出を構成する音や光や画像や映像などのうちの特定のものなどが挙げられる。
「当否抽選手段」は、当否抽選を行なうものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第1特図始動口に遊技球が入球したことに基づいて乱数情報を取得し、取得した乱数情報を所定のテーブルと照合することによって特図抽選の結果を判定する抽選処理や、第2特図始動口に遊技球が入球したことに基づいて乱数情報を取得し、取得した乱数情報を所定のテーブルと照合することによって特図抽選の結果を判定する抽選処理、普図始動ゲートを遊技球が通過したことに基づいて乱数情報を取得し、取得した乱数情報を所定のテーブルと照合することによって普図抽選の結果を判定する抽選処理、などが挙げられる。
「変動表示」は、当否抽選の結果に基づいて、所定期間の変動を表示するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第1特別図柄の変動の表示、第2特別図柄の変動表示、普通図柄の変動の表示などが挙げられる。
「特定遊技状態」は、当否抽選の結果が特定結果であった場合に実行される特定の表示結果を表示する特定の変動表示の終了後に実行されるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)、普通電動役物が高頻度に動作する高頻度サポートモード、普通電動役物が低頻度に動作する低頻度サポートモードなどが挙げられる。
「特定遊技実行手段」は、特定遊技状態を実行するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、特別電動役物が複数回開閉する遊技状態である特電開閉実行モードを実行する処理や、普通電動役物が高頻度に動作する高頻度サポートモードを実行する処理や、普通電動役物が低頻度に動作する低頻度サポートモードを実行する処理などが挙げられる。
「特定表示」は、遊技者が決定した一の所定の値の入力が完了した場合にそれに対応し表示されるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、変動表示中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度に対する値として複数の値の中から遊技者が選択して入力が完了した場合のそれに対応した表示(例えば、カスタム設定を受け付けた旨の表示や、遊技者によって入力された値の表示や、入力を受け付けた旨を示す表示や、設定完了を示す表示や、入力完了を示す表示など)や、開閉実行モード中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度に対する値として複数の値の中から遊技者が選択して入力が完了した場合のそれに対応した表示(例えば、カスタム設定を受け付けた旨の表示や、遊技者によって入力された値の表示や、入力を受け付けた旨を示す表示や、設定完了を示す表示や、入力完了を示す表示など)や、サポートモード中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度に対する値として複数の値の中から遊技者が選択して入力が完了した場合のそれに対応した表示(例えば、カスタム設定を受け付けた旨の表示や、遊技者によって入力された値の表示や、入力を受け付けた旨を示す表示や、設定完了を示す表示や、入力完了を示す表示など)や、変動表示の終了から次の変動表示が開始されるまでの期間に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度に対する値として複数の値の中から遊技者が選択して入力が完了した場合のそれに対応した表示(例えば、カスタム設定を受け付けた旨の表示や、遊技者によって入力された値の表示や、入力を受け付けた旨を示す表示や、設定完了を示す表示や、入力完了を示す表示など)や、演出や部分的な演出を構成する音の音量や光の光量や画像の明度や彩度や色彩や映像の明度や彩度や色彩に対する値として複数の値の中から遊技者が選択して入力が完了した場合のそれに対応した表示(例えば、カスタム設定を受け付けた旨の表示や、遊技者によって入力された値の表示や、入力を受け付けた旨を示す表示や、設定完了を示す表示や、入力完了を示す表示など)などが挙げられる。
「判断手段」は、所定の抽選条件が成立したか否かを判断するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第1特図抽選を実行するための条件が成立したか否かを判断する処理や、第2特図抽選を実行するための条件が成立したか否かを判断する処理や、普図抽選を実行するための条件が成立したか否かを判断する処理や、特別図柄の変動中に実行する演出や特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)中に実行する演出の種別を決定するための演出決定抽選を実行するための条件が成立したか否かを判断する処理、などが挙げられる。
「演出要素」は、実行される演出や、演出を構成するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、変動表示中に実行される演出や当該演出を構成する部分的な演出や、開閉実行モード中に実行される演出や当該演出を構成する部分的な演出や、サポートモード中に実行される演出や当該演出を構成する部分的な演出や、変動表示の終了から次の変動表示が開始されるまでの期間に実行される演出や当該演出を構成する部分的な演出や、これらの演出や部分的な演出を構成する音や光などが挙げられる。
「演出実行手段」は、変動表示中に複数の演出要素を用いて変動演出を行なう処理であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示中に実行する変動演出を設定する処理である特図変動演出設定処理や、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示中に実行する変動演出における演出用可動役物の駆動を制御する処理である演出用可動役物駆動処理や、それらの処理を実行する音光制御装置および表示制御装置や、それらの制御装置をまとめたサブ制御装置などが挙げられる。
「出力態様」は、演出要素を出力する態様であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、変動表示中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度や種類や、開閉実行モード中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度や種類や、サポートモード中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度や種類や、変動表示の終了から次の変動表示が開始されるまでの期間に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度や種類や、これらの演出や部分的な演出を構成する音の音量や光の光量や画像の明度や彩度や色彩や映像の明度や彩度や色彩などが挙げられる。
「出力態様に対する値」は、演出要素を出力する態様に対する値であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、変動表示中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度に対する値や、開閉実行モード中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度に対する値や、サポートモード中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度に対する値や、変動表示の終了から次の変動表示が開始されるまでの期間に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度に対する値や、これらの演出や部分的な演出を構成する音の音量や光の光量や画像の明度や彩度や色彩や映像の明度や彩度や色彩に対する値などが挙げられる。
「当否抽選」は、判断手段により所定の抽選条件が成立したと判断されることに基づいて実行される抽選であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第1特図始動口に遊技球が入球した場合に実行される第1特図抽選や、第2特図始動口に遊技球が入球した場合に実行される第2特図抽選、普図始動ゲートに遊技球が入球した場合に実行される普図抽選、特別図柄の変動中に実行する演出や特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)中に実行する演出の種別を決定するための演出決定抽選、などが挙げられる。
「一の所定の値」は、出力態様に対する値として複数の値の中から遊技者が選択して入力し得る値であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、変動表示中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度に対する値として複数の値の中から遊技者が選択して入力し得る値や、開閉実行モード中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度に対する値として複数の値の中から遊技者が選択して入力し得る値や、演出や部分的な演出を構成する音の音量や光の光量や画像の明度や彩度や色彩や映像の明度や彩度や色彩に対する値として複数の値の中から遊技者が選択して入力し得る値や、サポートモード中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度に対する値として複数の値の中から遊技者が選択して入力し得る値や、変動表示の終了から次の変動表示が開始されるまでの期間に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度に対する値として複数の値の中から遊技者が選択して入力し得る値などが挙げられる。
「特定表示手段」は、特定表示を実行する手段であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、表示制御装置や、図柄表示装置41や、表示面41aや、これらに特定表示をさせる制御処理などが挙げられる。
「特定の値」は、出力態様の値として、第1の値及び第2の値とは異なる値であって予め記憶手段に記憶された値であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、変動表示中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度の値として遊技者によって入力された値とは異なる値や、開閉実行モード中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度の値として遊技者によって入力された値とは異なる値や、サポートモード中に実行される演出や当該演出を構成する部分的な演出のうちの特定の演出の出現頻度や期待度の値として遊技者によって入力された値とは異なる値や、変動表示の終了から次の変動表示が開始されるまでの期間に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度に対する値として遊技者によって入力された値とは異なる値や、演出や部分的な演出を構成する音の音量や光の光量や画像の明度や彩度や色彩や映像の明度や彩度や色彩に対する値として遊技者によって入力された値とは異なる値(例えばデフォルト値)などが挙げられる。
「出力値設定手段」は、特定表示を実行した後に実行され得る手段であって出力値を設定する手段であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、変動表示中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度の値(出力値)を設定する手段や、演出や部分的な演出を構成する音の音量や光の光量や画像の明度や彩度や色彩や映像の明度や彩度や色彩に対する値(出力値)を設定する手段や、開閉実行モード中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度の値(出力値)を設定する手段や、サポートモード中に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度の値(出力値)を設定する手段や、変動表示の終了から次の変動表示が開始されるまでの期間に実行される演出のうちの特定の演出や当該演出を構成する部分的な演出の出現頻度や期待度に対する値(出力値)を設定する手段などが挙げられる。
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「当否抽選」としての「内部抽選」を備え、「当否抽選手段」としての「抽選処理」を備え、「変動表示手段」としての「変動表示部」を備え、「特定の変動表示」としての「当選遊技回変動」を備え、「特定遊技実行手段」としての「特定遊技実行部」を備え、「演出要素」としての「出力要素」を備え、「演出実行手段」としての「演出実行処理」を備えてもよい。
さらに、本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「演出要素」としての「出力要素」を備え、「特定の演出要素」としての「特定の出力要素」を備え、「出力態様」としての「出力状態」を備え、「入力手段」としての「外部入力手段」を備え、「出力態様に対する値」としての「設定値」を備え、「一の所定の値」としての「一の所定の入力可能値」を備え、「特定表示」としての「特定画像表示」を備え、「特定表示手段」としての「特定画像表示部」を備え、「出力値設定手段」としての「出力値設定処理」を備え、「出力態様に対する値」としての「出力値」を備え、「第1の値」としての「第1の入力値」を備え、「第2の値」としての「第2の入力値」を備え、「特定の値」としての「特定設定値」を備え、「記憶手段」としての「記憶部」を備え、「第1入力手段」としての「第1入力処理」を備え、「第2入力手段」としての「第2入力処理」を備え、「入力値記憶領域」としての「入力値記憶部」を備え、「一の所定の値が入力されたことを示す画像」としての「入力内容表示画像」を備え、「画像表示手段」としての「画像表示部」を備え、「実行履歴情報」としての「遊技履歴情報」を備え、「履歴情報記憶領域」としての「履歴情報記憶部」を備え、「履歴情報出力手段」としての「履歴情報出力処理」を備えてもよい。
以下、本遊技機のより具体的な構成を下記の第9実施形態として説明する。なお、本実施形態におけるパチンコ機10の構成と、上記実施形態におけるパチンコ機10の構成との異なる部分について以下に説明する。本実施形態におけるパチンコ機10は、以下の説明において上記実施形態のパチンコ機10と異なる構成以外の部分は、上記実施形態におけるパチンコ機10の構成が採用される。
本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技者が演出のカスタム設定を行う場合に、出力要素としての演出の出現頻度や期待度を遊技者が1%単位で入力可能である。また、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技者が演出のカスタム設定をパチンコ機10に外部入力する手段として、パチンコ機10の演出操作ボタン24と十字キー27を用いて入力する手段と、スマートフォン200などの携帯端末を用いて外部入力する手段とを備える。さらに、本実施形態におけるパチンコ機10は、カスタム設定情報として遊技者によって1%単位で変更可能に外部入力された出現頻度や期待度の値に対する処理の方法にも特徴を備える。本説明においては、演出操作ボタン24と十字キー27とを用いた演出のカスタム設定について説明をした後、スマートフォンを用いた演出のカスタム設定について説明をして、その後、外部入力されたカスタム設定情報に対する処理の方法について説明をする。
なお、本実施形態のカスタム設定はスマートフォン200で行われたカスタム設定を通信でパチンコ機10に入力することを前提として構成されているが、遊技者の中にはスマートフォンを持っていない人がいることも考えられる。そのような遊技者に不平等が無いように、本実施形態は、非常に手間と時間はかかるが手動入力によるスマートフォンと同等のカスタム設定を行うことが可能な構成となっている。
《9-1》演出操作ボタン24と十字キー27とを用いた演出のカスタム設定:
図431は、第9実施形態における演出カスタム設定用画像PSGaを説明する説明する説明図である。図431(a)に示すように、演出カスタム設定用画像PSGaには、パチンコ機10において実行される演出の出現頻度や期待度の設定を可能にするための画像が表示される。具体的には、演出カスタム設定用画像PSGaには、一発告知演出の出現頻度を設定可能にする画像である一発告知演出頻度設定用画像CT1aと、パチンコ機10において実行可能な演出の一つである魚群演出の期待度を設定可能にする魚群演出期待度設定用画像CT2aと、パチンコ機10において実行可能な演出の一つである泡演出の期待度を設定可能にする泡演出期待度設定用画像CT3aとが表示される。
一発告知演出頻度設定用画像CT1aは、遊技者が十字キー27で操作入力することにより一発告知演出の出現頻度の設定が可能である。図示するように、一発告知演出頻度設定用画像CT1aにはスライダーが表示されており、スライダーに含まれる矢印のカーソルをユーザーが十字キー27の左右ボタンで操作することによって一発告知演出の出現頻度を設定することが可能である。本実施形態においては、一発告知演出の出現頻度を0%~100%の間で1%単位で設定することが可能である。また一発告知演出頻度設定用画像CT1aには、スライダーによって設定されている出現頻度の値がリアルタイムに表示される。
なお、本実施形態において一発告知演出の出現頻度とは、特図抽選の抽選結果が大当たりである遊技回の数を全体とした場合における、全体に対する一発告知演出が実行された遊技回の数の割合(%)である。すなわち、出現頻度を100%に設定すると特図抽選において大当りに当選する遊技回の全てにおいて一発告知演出が実行され、出現頻度を0%に設定すると特図抽選において大当りに当選する遊技回の全てにおいて一発告知演出は実行されない。
魚群演出期待度設定用画像CT2aは、遊技者が十字キー27で操作入力することにより魚群演出の期待度の設定が可能である。図示するように、魚群演出期待度設定用画像CT2aにはスライダーが表示されており、スライダーに含まれる矢印のカーソルをユーザーが十字キー27の左右ボタンで操作することによって魚群演出の期待度を設定することが可能である。本実施形態においては、魚群演出の期待度を10%~90%の間で1%単位で設定することが可能である。また魚群演出期待度設定用画像CT2aには、スライダーによって設定されている期待度の値がリアルタイムに表示される。
なお、本実施形態において演出の期待度(信頼度)とは、当該演出が実行された複数の遊技回の総数を全体とした場合、すなわち、当該演出が実行された特図抽選において大当たりに当選した遊技回と外れとなった遊技回との総数を全体とした場合における、全体に対して当該演出が実行されて大当たりに当選した遊技回の回数が占める割合として算出される。例えば、魚群演出が実行された遊技回が1000回あった場合に、魚群演出が実行されて大当たりに当選した遊技回が600回あり、魚群演出が実行されて外れとなった遊技回が400回あった場合には、魚群演出の期待度は60%(600/1000)として算出される。
泡演出期待度設定用画像CT3aは、遊技者が十字キー27で操作入力することにより泡演出の期待度の設定が可能である。図示するように、泡演出期待度設定用画像CT3aにはスライダーが表示されており、スライダーに含まれる矢印のカーソルをユーザーが十字キー27の左右ボタンで操作することによって魚群演出の期待度を設定することが可能である。本実施形態においては、泡演出の期待度を10%~50%の間で1%単位で設定することが可能である。また泡演出期待度設定用画像CT3aには、スライダーによって設定されている期待度の値がリアルタイムに表示される。
これらの演出の出現頻度や期待度の値を遊技者が入力した後、演出操作ボタン24を操作することにより、表示面41aにおける演出カスタム設定用画像PSGaの表示は終了し、図431(b)に示すように、特定画像表示として表示面41aには「以下の内容でカスタム設定を受け付けました」という画像FG1が表示される。また、表示面41aには、各演出の出現頻度や期待度に対して遊技者が設定した値が入力されたことを示す画像FG2が表示される。
なお、これらの演出の出現頻度や期待度の値は、遊技者が各演出の出現頻度を期待度を設定するためのスライダーの矢印のカーソルを移動させ停止させた時点で、その値がパチンコ機10に入力される。従って、例えば、遊技者が一発告知演出頻度設定用画像CT1において矢印のカーソルを35%の位置に移動させ停止させた時に、第1特図始動口33に遊技球が入球し当該演出カスタム設定用画像PSGaの表示が終了した場合であっても、遊技者が入力した一発告知演出頻度の値として35%という値はパチンコ機10に入力される。
以上、演出操作ボタン24と十字キー27とを用いた演出のカスタム設定について説明をした。
《9-2》スマートフォンを用いた演出のカスタム設定:
本実施形態においては、スマートフォン200にインストールされた遊技機専用アプリケーション(以下、アプリケーションAPPとも呼ぶ)を用いて、パチンコ機10が実行する演出に関する各種の設定をスマートフォン200のユーザーが予め行うことが可能である。すなわち、パチンコ機10で行われる演出のカスタム設定をスマートフォン200のユーザーがアプリケーションAPPで行うことができる。具体的には、所定の演出が実行された場合における大当たりの期待度(信頼度)や、大当たりの確定を示唆する一発告知演出の出現頻度、ラウンド遊技中に再生する楽曲ムービーの再生順など、演出に関する各種設定をスマートフォン200にインストールされているアプリケーションAPP上で設定することができる。ユーザーはパチンコ機10で遊技をするよりも前に(例えば、ユーザーの自宅で)、アプリケーションAPPを用いてパチンコ機10の演出のカスタム設定をすることが可能である。なお、以下の説明においてはスマートフォン200のユーザーおよびパチンコ機10の遊技者を、単にユーザーや遊技者と呼ぶことがある。
そして、遊技者がパチンコ機10で遊技をするときに、遊技者によってアプリケーションAPPを用いて設定された演出のカスタム設定に関する情報(以下、カスタム設定情報)を、スマートフォン200からパチンコ機10にBluetoothを介した通信によって送信することができる。なお、上述したように、本実施形態においても、上記第8実施形態と同様に、Bluetoothによる接続の際に行われるパチンコ機10とスマートフォン200とのペアリングにはNFCを用いる。
パチンコ機10は、スマートフォン200からBluetooth通信によって受信したカスタム設定情報に基づいて、実行する演出処理に関する設定値を決定し、当該設定値に従って演出を実行する。以下、具体的に説明をする。
図432は、スマートフォン200においてアプリケーションAPPを起動させたときのタッチパネル202に表示される操作画像(以下、初期操作画像とも呼ぶ)を説明する説明図である。図示するように、初期操作画像には、操作アイコン204と、操作アイコン205と、操作アイコン206と、操作アイコン207とが表示される。操作アイコン204には「カスタム設定」の表示がされており、操作アイコン204をユーザーが操作すると、演出に関するカスタム設定が可能な操作画像にタッチパネル202の表示が切り替わる。
操作アイコン205には「遊技機と接続」の表示がされており、操作アイコン205をユーザーが操作すると、パチンコ機10とスマートフォン200との間でNFCを用いたBluetooth接続をするための操作アイコンが表示された操作画像(以下、接続操作用画像とも呼ぶ)にタッチパネル202の表示が切り替わる。接続操作用画像については後述する。
操作アイコン206には「遊技終了(遊技機接続解除)」の表示がされている。パチンコ機10とスマートフォン200がBluetoothで接続中である場合に、操作アイコン206をユーザーが操作すると、パチンコ機10とスマートフォン200との間のBluetooth接続が解除される。なお、パチンコ機10とスマートフォン200がBluetoothで接続されていない場合に、操作アイコン206をユーザーが操作すると、「遊技機と接続されていません」と表示され(図示省略)、タッチパネル202は初期操作画像の表示に戻る。
また、操作アイコン207には「終了」の表示がされており、操作アイコン207をユーザーが操作すると、スマートフォン200において起動しているアプリケーションAPPが終了する。
図433は操作アイコン204(「カスタム設定」)がユーザーによって操作された場合にタッチパネル202に表示される操作画像(機種選択用画像)の一例を示した説明図である。図433(a)に示すように、ユーザーによって操作アイコン204(図432参照)が操作されると、タッチパネル202には、ユーザーが演出のカスタム設定を所望する遊技機の機種を選択するための操作画像(以下、機種選択用画像とも呼ぶ)が表示される。機種選択用画像には、遊技機の機種を選択するための複数の操作アイコン208が表示される。具体的には、「機種A」、「機種B」、「機種C」、「機種D」といったように、複数の種類の遊技機の中から1つをユーザーが選択可能な操作アイコン208の画像が表示される。
例えば、操作アイコン208の中からユーザーが「機種A」と表示されている操作アイコンを操作した場合には、図433(b)に示すように、機種Aにおける各種演出の設定を具体的に行うための画像(以下、演出設定用画像とも呼ぶ)が表示される。なお、本実施形態におけるパチンコ機10の機種は、機種Aである。
また、図433(b)に示すように、機種選択用画像に表示されている操作アイコン209には「戻る」の表示がされている。ユーザーによる操作アイコン209の操作によって、タッチパネル202に表示される画像は初期操作画像(図432参照)に戻る。操作アイコン209は、ユーザーが機種を選択せずに初期操作画像に戻りたい場合や、初期操作画像においてユーザーが誤って操作アイコン204を操作して機種選択用画像に移動してしまった場合などに用いられる。
図433(b)に示すように演出設定用画像には、機種Aで実行される演出においてカスタム設定可能な項目が、ユーザーが選択可能な複数の操作アイコン210~操作アイコン219として表示されている。操作アイコン210には「一発告知演出頻度設定」の表示がされており、ユーザーが操作アイコン210を操作すると、大当たりの確定を示唆する一発告知演出の実行頻度をユーザーが設定可能な画像(以下、一発告知演出頻度設定用画像とも呼ぶ)がタッチパネル202に表示される。一発告知演出頻度設定用画像の詳細は後で説明する。
操作アイコン212には「魚群演出期待度設定」の表示がされており、ユーザーが操作アイコン212を操作すると、大当たり当選の可能性を示唆する演出である魚群演出の期待度をユーザーが設定可能な画像(以下、魚群演出期待度設定用画像とも呼ぶ)がタッチパネル202に表示される。魚群演出期待度設定用画像の詳細は後で説明する。
操作アイコン214には「泡演出期待度設定」の表示がされており、ユーザーが操作アイコン214を操作すると、大当たり当選の可能性を示唆する演出である泡演出の期待度をユーザーが設定可能な画像(以下、泡演出期待度設定画像とも呼ぶ)がタッチパネル202に表示される。泡演出期待度設定用画像の詳細は後で説明する。
操作アイコン216には「カットイン演出設定」の表示がされており、ユーザーが操作アイコン216を操作すると、パチンコ機10が実行する演出のひとつであるカットイン演出に関する各種設定が可能な画像(以下、カットイン演出設定用画像とも呼ぶ)がタッチパネル202に表示される。カットイン演出設定用画像の詳細は後で説明する。
操作アイコン218には「ラウンド楽曲設定」の表示がされており、ユーザーが操作アイコン218を操作すると、パチンコ機10のラウンド遊技中に再生される楽曲に関する設定が可能な画像(以下、ラウンド楽曲設定用画像とも呼ぶ)がタッチパネル202に表示される。ラウンド楽曲設定用画像の詳細は後で説明する。
操作アイコン219には「カスタム設定完了」の表示がされており、ユーザーが操作アイコン219を操作すると、ユーザーがカスタム設定をした情報(カスタム設定情報)がスマートフォン200が備えるメモリに記憶される。また、ユーザーが操作アイコン219を操作することによって、タッチパネル202に表示される画像は初期操作画像(図432参照)に戻る。
次に、一発告知演出頻度設定用画像について説明をする。
図434は一発告知演出頻度設定用画像を説明する説明図である。また、図435は、パチンコ機10において実行される一発告知演出(ハイビスカスフラッシュ演出)を説明する説明図である。上述したように、ユーザーが操作アイコン210(図433(b)参照)を操作すると、図434に示すように、大当たりの確定を示唆する一発告知演出の実行頻度をユーザーが設定可能な一発告知演出頻度設定用画像がタッチパネル202に表示される。
ここで、先に一発告知演出であるハイビスカスフラッシュ演出について説明をする。図435に示したように、パチンコ機10が実行する一発告知演出は、演出用可動役物170が動作する演出(ハイビスカスフラッシュ演出)である。具体的には、演出用可動役物170が下方に移動し、かつ、回転軸部171の回動運動によって各花びら部172が回転する。その際、各花びら部172が回転軸部171から遠ざかる方向に移動することによって花が開花したような演出効果が生みだされる。回転軸部171を構成する部材にはLEDが設けられており、一発告知演出の実行時には点滅する。また、スピーカー46からは、一発告知用の効果音が出力される。
説明を図434に示した一発告知演出頻度設定用画像に戻す。タッチパネル202に表示された一発告知演出頻度設定用画像には、スライダー220が表示されており、スライダー220に含まれる矢印222をユーザーが左右に操作することによって一発告知演出の出現頻度を設定することが可能である。本実施形態においては、一発告知演出の出現頻度を0%~100%の間で1%単位で設定することが可能である。また表示部224には、スライダー220によって設定されている出現頻度の値がリアルタイムに表示される。
また、図示するように、一発告知演出頻度設定用画像には操作アイコン226が表示されている。操作アイコン226には「設定完了」の表示がされており、ユーザーが操作アイコン226を操作すると、ユーザーが設定をした一発告知の出現頻度の情報がスマートフォン200が備えるメモリに記憶される。ユーザーによる操作アイコン226の操作によって、タッチパネル202に表示される画像は演出設定用画像(図433(b)参照)に戻る。
次に、魚群演出期待度設定用画像について説明をする。
図436は、魚群演出期待度設定用画像について説明をする説明図である。上述したように、ユーザーが操作アイコン212(図433参照)を操作すると、図436(a)に示すような魚群演出期待度設定用画像がタッチパネル202に表示される。
ここで、先に魚群演出について説明をする。図436(b)に示したように、パチンコ機10が実行する魚群演出は、遊技回の実行中に表示面41aに複数の魚を表示することによって、当該遊技回の特図抽選の抽選結果が大当たりとなる可能性を示唆する演出である。
説明を図436(a)に示した魚群演出期待度設定用画像に戻す。タッチパネル202に表示された魚群演出期待度設定用画像には、スライダー228が表示されており、スライダー228に含まれる矢印230をユーザーが左右に操作することによって魚群演出期待度を設定することが可能である。本実施形態においては、魚群演出の期待度を10%~90%の間で1%単位で設定することが可能である。また、表示部232には、スライダー220によって設定されている期待度の値がリアルタイムに表示される。本実施形態では、魚群演出の期待度については、上述した一発告知演出の出現頻度と異なり、0%や100%の設定ができないように構成されている。その理由については、後述する「遊技機におけるカスタム設定情報に基づく処理」において説明する。
また、図436(a)に示すように、魚群演出期待度設定用画像には操作アイコン234が表示されている。操作アイコン234には「設定完了」の表示がされており、ユーザーが操作アイコン234を操作すると、ユーザーが設定をした魚群演出の期待度の情報がスマートフォン200が備えるメモリに記憶される。ユーザーによる操作アイコン234の操作によって、タッチパネル202に表示される画像は演出設定用画像(図433(b)参照)に戻る。
次に、泡演出期待度設定用画像について説明をする。
図437は、泡演出期待度設定用画像について説明をする説明図である。上述したように、ユーザーが操作アイコン214(図433参照)を操作すると、図437(a)に示すような魚群演出期待度設定用画像がタッチパネル202に表示される。
ここで、先に泡演出について説明をする。図437(b)に示したように、パチンコ機10が実行する泡演出は、遊技回の実行中に表示面41aに複数の泡を表示することによって、当該遊技回の特図抽選の抽選結果が大当たりとなる可能性を示唆する演出である。
説明を図437(a)に示した泡演出期待度設定用画像に戻す。タッチパネル202に表示された泡演出期待度設定用画像には、スライダー236が表示されており、スライダー236に含まれる矢印238をユーザーが左右に操作することによって魚群演出期待度を設定することが可能である。本実施形態においては、泡演出の期待度を10%~50%の間で1%単位で設定することが可能である。また、表示部240には、スライダー2236によって設定されている期待度の値がリアルタイムに表示される。また本実施形態では、泡演出の期待度については、上記説明した魚群演出と同様に、上述した一発告知演出の出現頻度と異なり、0%や100%の設定ができないように構成されている。その理由については、後述する「遊技機でのカスタム設定に対する処理」において説明する。
さらに、本実施形態においては、ユーザーがカスタム設定をしない場合の標準的な演出の設定においては、泡演出は上記説明した魚群演出よりも比較的期待度が低い演出として設定されている。そのため、カスタム設定においても、泡演出の期待度として設定可能な最大値を、上記魚群演出の期待度として設定可能な最大値(90%)よりも低い値(50%)に設定している。
図437(a)に示すように、泡演出期待度設定用画像には操作アイコン242が表示されている。操作アイコン242には「設定完了」の表示がされており、ユーザーが操作アイコン242を操作すると、ユーザーが設定をした泡演出の期待度の情報がスマートフォン200が備えるメモリに記憶される。ユーザーによる操作アイコン242の操作によって、タッチパネル202に表示される画像は演出設定用画像(図433(b)参照)に戻る。
次に、カットイン演出設定用画像について説明をする。
図438はカットイン演出設定用画像について説明をする説明図である。上述したように、ユーザーが操作アイコン216(図433参照)を操作すると、図438(a)に示すようなカットイン演出設定用画像がタッチパネル202に表示される。
カットイン演出とは、遊技回の実行中において、一連の演出が表示面41aに表示されているときに、所定のキャラクタが表示面41aに挿入表示(カットイン)される演出である。
タッチパネル202に表示されたカットイン演出設定用画像には、カットイン演出として挿入表示が可能な3種類のキャラクタの名前が表示された3つの操作アイコン244~248が選択可能に表示されている。ユーザーはそれら3つの操作アイコンから1つの操作アイコンを選択して操作(タッチ)することによって、カットイン演出として挿入表示されるキャラクタを選択することができる。
また、カットイン演出設定用画像に表示されている操作アイコン250には「戻る」の表示がされている。ユーザーによる操作アイコン250の操作によって、タッチパネル202に表示される画像は演出設定用画像(図433(b)参照)に戻る。操作アイコン250は、ユーザーがカットイン演出について設定をせずに演出設定用画像に戻りたい場合や、演出設定用画像においてユーザーが誤って操作アイコン216を操作してカットイン演出設定用画像に移動してしまった場合などに用いられる。なお、カスタム設定においてカットイン演出の設定を行わなかった場合には、パチンコ機10においては予め標準として設定されたキャラクタによってカットイン演出が実行される。
図438(b)は一例として、カットイン演出設定用画像において、「マリンちゃん」の表示がされた操作アイコン244をユーザーが操作した場合に表示される画像(以下。選択キャラクタ設定用画像)を示した説明図である。図示するように、選択キャラクタ設定用画像には、選択されたキャラクタ(マリンちゃん)の服装を選択可能な操作アイコン252~操作アイコン256と、カットイン演出時の当該キャラクタのポーズを選択可能な操作アイコン258~操作アイコン262が表示されている。
例えば、ユーザーが「浴衣」と表示された操作アイコン254と、「照れ笑い」と表示された操作アイコン260とを操作した場合には、当該カスタム設定がパチンコ機10において繁栄され、浴衣を着用したマリンちゃんのキャラクタが照れ笑いをする画像がカットイン演出として実行される。
また、図示するように、カットイン演出設定用画像には操作アイコン264が表示されている。操作アイコン264には「設定完了」の表示がされており、ユーザーが操作アイコン264を操作すると、ユーザーが設定をしたカットイン演出の設定情報がスマートフォン200が備えるメモリに記憶される。ユーザーによる操作アイコン264の操作によって、タッチパネル202に表示される画像は演出設定用画像(図433(b)参照)に戻る。
次に、ラウンド楽曲設定用画像について説明をする。
図439は、ラウンド楽曲設定用画像の説明をする説明図である。上述したように、ユーザーが操作アイコン218(図433参照)を操作すると、図439に示すようなラウンド楽曲設定用画像がタッチパネル202に表示される。なお、上述したようにラウンド楽曲とは、ラウンド遊技中に再生される楽曲(映像と楽曲)である。
図示するように、タッチパネル202に表示されたラウンド楽曲設定用画像には、表示領域266に、4種類の楽曲(楽曲A~楽曲D)が操作アイコン268~操作アイコン274として表示されている。ユーザーは表示領域266に表示された操作アイコン268~操作アイコン274を表示領域276にスライドさせることよって、ラウンド遊技中に再生をさせたい楽曲および楽曲の再生順を設定可能である。
例えば、図439に示すように、ユーザーが表示領域266に表示されている操作アイコン268~操作アイコン274をスライドさせて、表示領域276に上から「楽曲C」、「楽曲A」、「楽曲B」の順に配置した場合には、パチンコ機10におけるラウンド遊技中に「楽曲C」→「楽曲A」→「楽曲B」の順にリピート再生される。
他の例として、ユーザーが表示領域266に表示されている操作アイコン268~操作アイコン274をスライドさせて、表示領域276に「楽曲C」だけを配置した場合には、パチンコ機10におけるラウンド遊技中に「楽曲C」のみがリピート再生される。
さらに他の例として、ユーザーが表示領域266に表示されている操作アイコン268~操作アイコン274をスライドさせて、表示領域276の上から「楽曲C」、「楽曲A」、「楽曲B」、「楽曲A」の順といったように同じ楽曲(本例では「楽曲A」)を複数回配置することも可能である。この場合には、パチンコ機10におけるラウンド遊技中に「楽曲C」→「楽曲A」→「楽曲B」→「楽曲A」の順にリピート再生される。
図439に示すように、ラウンド楽曲設定用画像には操作アイコン278が表示されている。操作アイコン278には「設定完了」の表示がされており、ユーザーが操作アイコン278を操作すると、ユーザーが設定をしたラウンド楽曲の設定情報がスマートフォン200が備えるメモリに記憶される。ユーザーによる操作アイコン278の操作によって、タッチパネル202に表示される画像は演出設定用画像(図433(b)参照)に戻る。
このように、パチンコ機10の演出操作ボタン24や十字キー27による入力によってカスタム設定可能な項目よりも、スマートフォン200によってカスタム設定可能な項目の方が多い。演出操作ボタン24は十字キー27では操作性に乏しく遊技者が演出に対して細かな設定をすることを想定した場合、遊技者の負担が大きくなるため、パチンコ機10の演出操作ボタン24や十字キー27による入力によってカスタム設定可能な項目は、遊技者が演出操作ボタン24や十字キー27によって簡易に入力可能な項目に制限している。一方、スマートフォン200は、タッチパネル202を備えており操作性に優れるため、演出に対する細かな設定を可能な構成としている。なお、パチンコ機10の演出操作ボタン24や十字キー27による入力によってカスタム設定可能な項目を、スマートフォン200によってカスタム設定可能な項目と同様に細かな設定が可能な構成としてもよい。しかしそのような構成を採用した場合、演出のカスタム設定をする際に、遊技者が演出操作ボタン24や十字キー27を操作する負担が大きくなる。
上述したように、一発告知演出頻度設定用画像、魚群演出期待度設定用画像、泡演出期待度設定用画像、カットイン演出設定用画像、およびラウンド楽曲設定用画像において設定されたカスタム設定情報は、図370(b)の演出設定用画像に表示されている操作アイコン219(「カスタム設定完了」)が操作されることによって、最終的なカスタム設定の情報としてスマートフォン200のメモリに記憶される。
次に、初期操作画像(図432参照)において、操作アイコン205(「遊技機と接続」)が操作された場合について説明をする。上述したように、操作アイコン205をユーザーが操作すると、タッチパネル202に接続操作用画像が表示される。
図440は、接続操作用画像を説明する説明図である。図440(a)に示すように、接続操作用画像には操作アイコン280が表示される。操作アイコン280には「接続」の表示がされている。ユーザーが操作アイコン280を操作すると、スマートフォン200とパチンコ機10との接続処理が開始される。また、タッチパネル202には図440(b)に示した接続中画像が表示される。スマートフォン200とパチンコ機10との間で行われる接続処理には、NFCを利用したペアリング、およびペアリング後に開始されるBluetoothによる通信が含まれる。接続処理については後述する。なお、接続操作用画像に表示されている操作アイコン282には「戻る」の表示がされている。ユーザーによる操作アイコン282の操作によって、タッチパネル202に表示される画像は初期操作用画像(図432参照)に戻る。
接続処理が開始された後、スマートフォン200とパチンコ機10とがBluetoothによる通信を開始すると、タッチパネル202にはスマートフォン200とパチンコ機10とが接続された旨の画像(以下、接続完了画像とも呼ぶ)が表示される。
図441は、接続完了画像を説明する説明図である。図441(a)に示すように、接続完了画像には、タッチパネル202にはスマートフォン200とパチンコ機10とが接続された旨の表示がされる。また、図示するように、接続完了画像には操作アイコン284と操作アイコン286とが表示される。操作アイコン284には「カスタム設定情報送信」の表示がされており、スマートフォン200において設定されたカスタム設定情報がパチンコ機10に送信される。なお、このような構成に限らず、スマートフォン200とパチンコ機10とがBluetoothによる通信を開始すると、スマートフォン200が自動的にカスタム設定情報をパチンコ機10に送信する構成を採用してもよい。
スマートフォン200からパチンコ機10にカスタム設定情報の送信が完了すると、タッチパネル202には図441(b)に示すように、カスタム設定情報送信完了画像が表示される。カスタム設定情報送信完了画像にはカスタム設定情報の送信が完了した旨の表示がされる。また、カスタム設定情報送信完了画像に表示されている操作アイコン290には「終了」の表示がされている。ユーザーによる操作アイコン290の操作によって、タッチパネル202に表示される画像は初期操作用画像(図432参照)に戻る。
また、接続完了画像(図441(a)参照)において、遊技者によって操作アイコン286が操作された場合には、パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報の受信を行う。スマートフォン200が遊技履歴情報を受信した場合には、タッチパネル202に遊技履歴情報受信画像が表示される。
図442は遊技履歴情報受信画像を説明する説明図である。図示するように遊技履歴情報受信画像には、遊技履歴情報として、遊技者による一連の遊技における確変大当たりの回数、通常大当たりの回数、獲得賞球数、過去の所定回数の大当たりとなった遊技回において実行された演出の種類、各大当たり遊技回における大当たり種別が表示される。また、遊技履歴情報受信画像に表示されている操作アイコン292には「終了」の表示がされている。遊技者による操作アイコン292の操作によって、タッチパネル202に表示される画像は初期操作用画像(図432参照)に戻る。
一方、パチンコ機10は、スマートフォン200からカスタム設定情報を受信すると、パチンコ機10の表示面41aにユーザーがカスタム設定として設定した内容を示す画像(以下、カスタム設定情報受信完了画像とも呼ぶ)を表示する。
図443は、入力内容表示画像としてのカスタム設定情報受信完了画像を説明する説明図である。図示するように、パチンコ機10はスマートフォン200からカスタム設定情報を受信すると、カスタム設定情報受信完了画像として、ユーザーがスマートフォン200を用いてカスタム設定した内容を表示面41aに表示する。図示するように、特定画像表示として表示面41aには「以下の内容でカスタム設定を受け付けました」という画像FG1aが表示される。また、表示面41aには、各演出の出現頻度や期待度に対して遊技者が設定した値が入力されたことを示す画像FG2aが表示される。なお、カスタム設定情報受信完了画像は遊技者による遊技を妨げるものではなく、パチンコ機10において遊技回が開始された場合には速やかにカスタム設定情報受信完了画像を終了する。変形例として、例えば遊技回が開始され所定期間の経過後(例えば3秒経過後)にカスタム設定情報受信完了画像を終了するとしてもよい。このようにすることで、遊技者に対してカスタム設定した内容を確認しやすくすることができる。その他、遊技回が実行されている期間において、カスタム設定情報受信完了画像を表示面41aに小さく表示し続ける構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者はカスタム設定した内容を常時確認することができる。また他の構成として、遊技回が実行されている期間、または、待機状態の期間において、遊技者が演出操作ボタン24または十字キー27を操作することによって、カスタム設定情報受信完了画像を表示面41aに表示する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者は所望のタイミングでカスタム設定した内容を確認することができる。
なお、スマートフォン200からパチンコ機10へのカスタム設定情報の送信は、パチンコ機10において遊技回の実行中または全ての期間に送信することが可能な構成としてもよい。その場合、パチンコ機10は、スマートフォン200から送信されたカスタム設定情報を遊技回における演出に反映させるタイミングは、カスタム設定情報を受信した時点の直後に実行される遊技回の開始時点からとしてもよいし、カスタム設定情報を受信した時点よりも後の時点に第1特図始動口33または第2特図始動口34に遊技球が入球したことに起因する遊技回の開始時点からとしてもよい。そして、カスタム設定情報受信完了画像を、表示面41aの表示領域のうち、変動する装飾図柄と重畳しない領域に表示する構成としてもよい。例えば、カスタム設定情報受信完了画像を、表示面41aの右下の領域であって変動する装飾図柄と重畳しない領域に表示する構成としてもよい。
また、パチンコ機10はスマートフォン200からカスタム設定情報を受信すると、表示面41aにカスタム設定情報受信完了画像を表示させることに加えて、カスタム設定情報に基づいた内部処理を実行する。以下、パチンコ機10がカスタム設定情報を受信した際に行う内部処理について説明をする。
《9-3》外部入力されたカスタム設定情報に対する処理:
次に、外部入力されたカスタム設定情報に対するパチンコ機10による処理について説明をする。
<一発告知演出頻度に関する処理>
図444は、演出操作ボタン24および十字キー27を用いて、または、スマートフォン200(アプリケーションAPP)を用いてユーザーが設定した一発告知演出頻度の値に対して、パチンコ機10において設定する一発告知演出頻度の値について説明する説明図である。以下の説明では、演出操作ボタン24および十字キー27を用いてパチンコ機10にカスタム設定情報を外部入力する外部入力手段と、スマートフォン200を用いてパチンコ機10にカスタム設定情報を外部入力する外部入力手段とをまとめて単に「外部入力手段」と呼ぶときがある。
図444に示すように、遊技者が外部入力手段によって一発告知演出頻度の値として0%の値を入力した場合には、パチンコ機10側でも一発告知演出頻度の値が0%となるように演出に用いるテーブルデータを設定する。すなわち、一発告知演出が実行されないように設定する。
また、遊技者が外部入力手段によって一発告知演出頻度の値として1~99%の範囲の値を入力した場合には、パチンコ機10側で一発告知演出頻度の値が50%となるように遊技回中の演出の決定に用いるテーブルデータ(以下、演出パターン決定用テーブル(大当たり用)とも呼ぶ)を設定する。具体的には、特図抽選において大当たりに当選した際に実行する演出を決定するために用いる乱数と当該乱数に対応した演出パターン決定用テーブル(大当たり用)において、実行する演出が一発告知演出となる割合と一発告知以外の演出となる割合が5:5となるような演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を参照する。
そして、遊技者が外部入力手段によって一発告知演出頻度の値として100%の値を入力した場合には、パチンコ機10側でも一発告知演出頻度の値が100%となるように演出に用いる演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を設定する。すなわち、一発告知演出が必ず実行されるように設定する。
パチンコ機10をこのような構成とすることで、一発告知演出頻度をユーザーが0%~100%の範囲で1%単位でカスタム設定可能な場合であっても、3種類(0%、50%、100%)の演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を用意することで対応することができる。仮に、ユーザー(遊技者)が外部入力手段によって一発告知演出頻度を0%~100%の範囲で1%単位で設定可能である場合において、一発告知演出頻度の1%毎にそれに対応した演出パターン決定用テーブル(大当たり用)をパチンコ機10で用意するとした場合には101種類の演出パターン決定用テーブル(大当たり用)をパチンコ機10(ROM93)において記憶しておく必要があり、パチンコ機10の記憶容量に大きな負荷がかかる。一方、本実施形態のように、遊技者が外部入力手段によってカスタム設定可能な一発告知演出頻度の値を複数の範囲に区切り、各範囲毎に特定設定値としての代表値を定め、当該定めた代表値をパチンコ機10における一発告知演出頻度に設定することで、パチンコ機10における演出パターンテーブルの設定に関する処理の簡易化および演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を記憶するための記憶容量の軽減を実現することができる。
さらに本実施形態においては、遊技者が外部入力手段によってカスタム設定可能な一発告知演出頻度の値を複数の範囲に区切り、各範囲毎に代表値を定め、当該定めた代表値をパチンコ機10における一発告知演出頻度に設定するため、ユーザーが一発告知演出頻度を1%~99%の範囲のいずれかの値にカスタム設定した場合には、実際にユーザーがカスタム設定した頻度(値)どおりにパチンコ機10において一発告知演出が実行されない場合があるが、大当たりに当選した回数における一発告知演出が実行された回数を統計学的な規模でカウントしない限り、ユーザーがカスタム設定した一発告知演出頻度の値と実際にパチンコ機10に設定されている一発告知演出頻度の値との間にずれがあることには気付きにくい。
さらに本実施形態においては、実際にユーザーが外部入力手段によってカスタム設定した一発告知演出頻度の値が0%の場合と、100%の場合には、パチンコ機10においても、一発告知演出頻度が0%または100%となるような演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を設定する。なぜならば、一発告知演出頻度の値が0%というのは一発告知演出がされないことであり、外部入力手段によって一発告知演出頻度の値を0%に設定したにも関わらずパチンコ機10において一発告知演出が1回でも実行されてしまうと、ユーザーがカスタム設定した一発告知演出頻度の値と実際にパチンコ機10に設定されている一発告知演出頻度の値との間にずれがあることが容易に気付かれてしまうからである。
同様に、一発告知演出頻度の値が100%というのは大当たりとなる遊技回における演出は毎回一発告知演出がされることであり、外部入力手段によって一発告知演出頻度の値を100%に設定したにも関わらずパチンコ機10において一発告知演出が実行されない大当たり遊技回が1回でも実行されてしまうと、ユーザーがカスタム設定した一発告知演出頻度の値と実際にパチンコ機10に設定されている一発告知演出頻度の値との間にずれがあることが容易に気付かれてしまうからである。
本実施形態においては、上述したように、実際にユーザー(遊技者)が外部入力手段によってカスタム設定した一発告知演出頻度の値が0%の場合と100%の場合には、パチンコ機10においても、一発告知演出頻度が0%または100%となるような演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を設定するので、上記の問題を解決することができ、カスタム設定した一発告知演出頻度の値と実際にパチンコ機10に設定されている一発告知演出頻度の値との間にずれがあることをユーザーがより一層気付きにくくすることができる。
すなわち、本実施形態におけるパチンコ機10は、当該パチンコ機10における演出パターンテーブルの設定に関する処理の簡易化および演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を記憶するための記憶容量の軽減を実現することができることに加え、カスタム設定した一発告知演出頻度の値と実際にパチンコ機10に設定されている一発告知演出頻度の値との間にずれがあることをユーザーがより一層気付きにくくすることができる。
<魚群演出期待度に関する処理>
図445は、演出操作ボタン24および十字キー27を用いて、または、スマートフォン200(アプリケーションAPP)を用いてユーザーが設定した魚群演出期待度の値に対して、パチンコ機10において設定する魚群演出期待度の値について説明する説明図である。
図445に示すように、遊技者が外部入力手段によって魚群演出期待度の値として10~90%の範囲の値を入力した場合には、パチンコ機10側で魚群演出の値が50%となるように、特図抽選の結果が大当たり当選となる遊技回における演出の決定に用いるテーブルデータである演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と、特図抽選の結果が外れ(リーチからの外れを含む)となる遊技回における演出の決定に用いる演出パターン決定用テーブル(外れ用)とを設定する。
具体的には、特図抽選における大当たり確率を考慮しながら、演出パターン決定用テーブル(大当たり用)において魚群演出を出現させる出現頻度と、演出パターン決定用テーブル(外れ用)において魚群演出を出現させる出現頻度とを調整することによって、魚群演出が実行された遊技回の回数を全体とした場合における魚群演出が実行された大当たり遊技回の数の割合が期待度の値となるようにする。このようにすることで、魚群演出期待度が50%となるようにすることが可能である。
パチンコ機10をこのような構成とすることで、魚群演出期待度をユーザーが10%~90%の範囲で1%単位でカスタム設定可能な場合であっても、1種類(50%)の演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)のセットを用意することで対応することができる。仮に、ユーザー(遊技者)が外部入力手段によって魚群演出期待度を10%~90%の範囲で1%単位で設定可能である場合において、魚群演出期待度の1%毎にそれに対応した演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)のセットをパチンコ機10で用意するとした場合には81種類の演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)のセットをパチンコ機10(ROM93)において記憶しておく必要があり、パチンコ機10の記憶容量に大きな負担がかかる。一方、本実施形態のように、遊技者が外部入力手段によってカスタム設定可能な魚群演出期待度の値を複数の範囲に区切り、各範囲毎に特定設定値としての代表値を定め、当該定めた代表値をパチンコ機10における魚群演出期待度に設定することで、パチンコ機10における演出パターンテーブルの設定に関する処理の簡易化および演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)とを記憶するための記憶容量の軽減を実現することができる。
<泡演出期待度に関する処理>
図446は、演出操作ボタン24および十字キー27を用いて、または、スマートフォン200(アプリケーションAPP)を用いてユーザーが設定した泡演出期待度の値に対して、パチンコ機10において設定するた泡演出期待度の値について説明する説明図である。
図446に示すように、遊技者が外部入力手段によって泡演出期待度の値として10~50%の範囲の値を入力した場合には、パチンコ機10側で泡演出の値が30%となるように、特図抽選の結果が大当たり当選となる遊技回における演出の決定に用いるテーブルデータである演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と、特図抽選の結果が外れ(リーチからの外れを含む)となる遊技回における演出の決定に用いる演出パターン決定用テーブル(外れ用)とを設定する。
具体的には、特図抽選における大当たり確率を考慮しながら、演出パターン決定用テーブル(大当たり用)において泡演出を出現させる出現頻度と、演出パターン決定用テーブル(外れ用)において泡演出を出現させる出現頻度とを調整することによって、泡演出が実行された遊技回の回数を全体とした場合における泡演出が実行された大当たり遊技回の数の割合が期待度の値となるようにする。このようにすることで、泡演出期待度が30%となるようにすることが可能である。
パチンコ機10をこのような構成とすることで、上記説明した魚群演出期待度と同様に、泡演出期待度をユーザーが10%~50%の範囲で1%単位でカスタム設定可能な場合であっても、1種類(30%)の演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)のセットを用意することで対応することができる。仮に、ユーザー(遊技者)が外部入力手段によって泡演出期待度を10%~50%の範囲で1%単位で設定可能である場合において、泡演出期待度の1%毎にそれに対応した演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)のセットをパチンコ機10で用意するとした場合には41種類の演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)のセットをパチンコ機10(ROM93)において記憶しておく必要があり、パチンコ機10の記憶容量に大きな負荷がかかる。一方、本実施形態のように、遊技者が外部入力手段によってカスタム設定可能な泡演出期待度の値を複数の範囲に区切り、各範囲毎に特定設定値としての代表値を定め、当該定めた代表値をパチンコ機10における泡演出期待度に設定することで、パチンコ機10における演出パターンテーブルの設定に関する処理の簡易化および演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)とを記憶するための記憶容量の軽減を実現することができる。
なお上述したが、本実施形態においては、ユーザーがカスタム設定をしない場合の標準的な演出の設定においては、泡演出は上記説明した魚群演出よりも比較的期待度が低い演出として設定されている。そのため、カスタム設定においても、泡演出の期待度として設定可能な最大値を、上記魚群演出の期待度として設定可能な最大値(90%)よりも低い値(50%)に設定している。
また、遊技者が外部入力手段によって入力したカスタム設定情報に対してパチンコ機10において上記説明した処理を実行するが、一発告知演出、魚群演出、泡演出のうち2つまたは3つの演出が同じ遊技回において実行されることを妨げない。例えば、同じ遊技回において泡演出を実行した後に魚群演出を実行することも可能である。
<カットイン演出、ラウンド楽曲に関する処理>
上記説明したように、本実施形態においては、一発告知演出頻度、魚群演出期待度、泡演出期待度に関しては、スマートフォン200(アプリケーションAPP)を用いてユーザーが設定した値に対して、パチンコ機10において設定する値が異なる場合があるが、カットイン演出およびラウンド楽曲に関する設定については、スマートフォン200(アプリケーションAPP)を用いてユーザーが設定した内容とパチンコ機10において設定する内容が一致するように構成されている。カットイン演出に関する設定およびラウンド楽曲に関する設定は、スマートフォン200(アプリケーションAPP)で設定した内容と同じ内容をパチンコ機10に設定しても、パチンコ機10による処理の負荷および記憶容量に大きな変化はないからである。また、ユーザーが設定した内容とパチンコ機10において設定する内容が一致するものも採用することによって、パチンコ機10がユーザーが行ったカスタム通りに挙動しているものと思わせることができ、一発告知演出頻度、魚群演出期待度、泡演出期待度においてユーザーが設定した内容とパチンコ機10において設定する内容が不一致であることを気付きにくくすることができる。また、カットイン演出、ラウンド楽曲においてユーザーのカスタム通りに挙動をすることで、ユーザーがカスタムの良さを認識することができる。
以上、遊技機によるカスタム設定情報に基づく処理について説明をした。
《9-4》主制御装置、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
主制御装置、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理については、音声発光制御装置におけるカスタム設定処理(ステップSe6103)が上記第8実施形態と異なり、その他の処理の内容は同じであるので説明を省略する。なお、本実施形態におけるカスタム設定処理(ステップSe6103)は、上述の「《9-3》外部入力されたカスタム設定情報に対する処理」で説明した処理内容となる。
《9-5》第9実施形態における課題・効果:
以下、従来のパチンコ機における課題を述べた後、本実施形態のパチンコ機10の利点について述べる。
従来の遊技機は遊技者からの情報の入力を遊技演出に反映することで遊技の快適性や興趣を向上させている。これにより多様な遊技者の要望に応えることができるが、情報の入力は遊技機のデータ保持や制御に負担をかけることもあり得る。そのため遊技者の情報の入力の多様性を低下させることなく遊技機のデータ保持や制御を好適に行うことが求められている。具体的には例えば変動遊技に用いられる演出要素の出力態様を遊技者が決定して入力可能とした場合には、複数の候補を表示し、遊技者が任意の候補を決定して、その選択情報を入力することで遊技機は入力された情報を基に演出要素の出力態様を決定していた。しかし、遊技機が演出要素の出力態様を設定する所定のタイミングにおいて、設定し得る対象が多ければ多いほど、対応したデータは増大し、処理も複雑になってしまう。しかし遊技者の入力を不能にすればデータや処理の増大は防ぐことができるが、遊技の快適性や興趣は低下することとなる。本発明は、遊技者による多様な入力を可能としながらも、所定の出力態様設定タイミングにおける遊技機の負担を軽減することを目的としている。
以上の課題に対して本実施形態のパチンコ機10が採用した構成について以下に具体的に説明する。
本実実施形態によれば、構成として、所定の抽選条件が成立したか否かを判断する判断手段により、前記所定の抽選条件が成立したと判断されることに基づいて、内部抽選を実行する抽選処理を行い、内部抽選の結果に基づいて、所定期間の変動表示を実行する変動表示部と、内部抽選の結果が特定結果であった場合に実行される特定の表示結果を表示する当選遊技回変動の終了後に特定遊技機状態を実行する特定遊技実行部を備え、所定期間の変動表示中に複数の出力要素を用いて変動演出を行う演出実行処理と、複数の出力要素のうち遊技者が選択した特定の出力要素に関して、特定の出力要素の出力状態に対する値を遊技者が決定して入力可能な外部入力手段とを備える。出力状態に対する値は、複数の値の中から遊技者が一の所定の入力値を選択して入力し得るものであり、本遊技機は、遊技者が決定した一の所定の入力値の入力が完了した場合に、対応した特定画像表示を実行する特定画像表示部と、特定画像表示を実行した後に実行され得る所定の出力値設定処理部とを備え、所定の出力値設定手段によって、前記演出実行手段が前記変動演出を実行する場合に使用する前記特定の出力要素の出力状態に対する出力値を設定し得るものであり、所定の出力値設定処理部は、遊技者によって出力状態に対する値として第1の入力値が入力されていた場合であっても、第1の入力値とは異なる第2の入力値が入力されていた場合であっても、出力状態の値として、第1の入力値及び第2の入力値とは異なる値であって予め記憶手段に記憶された特定設定値を設定し得るよう構成されている。
したがって、本実施形態によれば、効果として、遊技機に対する遊技者による遊技演出の出力要素の選択の幅を持たせつつ、遊技演出の出力要素に対する出力状態を設定する所定のタイミングにおける遊技機の負担を軽減することが可能となる。すなわち、出力状態に対する値を複数の値の中から遊技者が一の所定の値として第1の入力値及び第2の入力値を選択して入力しても、予め記憶手段に記憶された特定設定値が設定される。このようにすることで、出力状態に対する値として遊技者が選択し得る複数の値の一つ一つに対応した演出に関するデータ(例えば、演出パターンテーブル)を用意したり、複数の値の一つ一つに対応した処理を実行しなくてよい構成となる。その結果、処理の簡易化を実現することができる。さらに、演出を実行するために必要な記憶容量の削減を実現することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、第1特図抽選を実行するための条件や、第2特図抽選を実行するための条件が成立したか否かを判断し、それらの条件が成立したと判断されることに基づいて特図抽選を実行可能であり、特図抽選の結果に基づいて、所定期間の特別図柄の変動表示を実行し、特図抽選の結果が特図大当たりであった場合に実行される特定の表示結果を表示する当選遊技回変動の終了後に特電開閉実行モードを実行し、所定期間の変動表示中に複数の演出を用いて変動演出を行い、複数の演出のうち遊技者が選択した特定の演出に関して、特定の演出の出現頻度や期待度や楽曲に対する値を遊技者が決定して入力可能なカスタム設定を入力する手段を備える。出現頻度や期待度に対する値は、複数の値の中から遊技者が一の所定の入力値を選択して入力し得るものであり、パチンコ機10は、遊技者が決定した一の所定の入力値の入力が完了した場合に、対応したカスタム設定情報受信完了画像の表示を実行する図柄表示装置41(表示面41a)と、カスタム設定情報受信完了画像の表示を実行した後に実行され得るカスタム設定処理を行い、カスタム設定処理によって、変動演出を実行する場合に使用する特定の演出の出現頻度や期待度に対する値を設定し得るものであり、出現頻度や期待度の値の設定処理は、遊技者によって出現頻度や期待度に対する値として第1の設定値が入力されていた場合であっても、第1の設定値とは異なる第2の設定値が入力されていた場合であっても、出現頻度や期待度の値として、第1の設定値及び第2の設定値とは異なる値であって予めROM93に記憶された代表値を設定し得るよう構成されている。
よって、具体的な効果として、例えば、本実施形態によれば、パチンコ機10に対する遊技者による演出の選択の幅を持たせつつ、演出に対する出現頻度や期待度を設定する所定のタイミングにおけるパチンコ機10の負担を軽減することが可能となる。すなわち、出現頻度や期待度に対する値を複数の値の中から遊技者が一の所定の設定値として第1の設定値及び第2の設定値を選択して入力しても、予めROM93に記憶された代表値が設定される。このようにすることで、出現頻度や期待度に対する値として遊技者が選択し得る複数の値の一つ一つに対応した演出に関するデータ(例えば、演出パターンテーブル)を用意したり、複数の値の一つ一つに対応した処理を実行しなくてよい構成となる。その結果、処理の簡易化を実現することができる。さらに、演出を実行するために必要な記憶容量の削減を実現することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、特定の出力要素の出力は、少なくとも画像の出力、または音声の出力、または光の出力または可動役物の動作出力のいずれか1つを含む。
よって、本実施形態によれば、効果として、画像の出力、または音声の出力、または光の出力または可動役物の動作出力のいずれかの出力状態に対する値として、複数の値の中から遊技者が一の所定の入力値として第1の入力値及び第2の入力値を選択して入力しても、予め記憶手段に記憶された特定設定値が設定される。従って、画像の出力、または音声の出力、または光の出力または可動役物の動作出力のいずれかの出力要素に関して、処理の簡易化、および当該出力要素に関するデータ容量の削減を実現することができる。具体的には。画像の出力、または音声の出力、または光の出力または可動役物の動作出力のいずれかの出力状態に対する値として遊技者が選択し得る複数の値の一つ一つに対応した演出に関するデータ(例えば、演出パターンテーブル)を用意したり、複数の値の一つ一つに対応した処理を実行しなくてよい構成となる。その結果、処理の簡易化を実現することができる。さらに、演出を実行するために必要な記憶容量の削減を実現することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、特定の演出の出力は、少なくとも画像の出力、または音声の出力、または光の出力または可動役物の動作出力のいずれか1つを含む。
よって、具体的な効果として、例えば、本実施形態によれば、画像の出力、または音声の出力、または光の出力または可動役物の動作出力のいずれかの出現頻度や期待度に対する値として、複数の値の中から遊技者が一の所定の設定値として第1の設定値及び第2の設定値を選択して入力しても、予めROM93に記憶された代表値が設定される。従って、画像の出力、または音声の出力、または光の出力または可動役物の動作出力のいずれかの演出に関して、処理の簡易化、および当該演出に関するデータ容量の削減を実現することができる。具体的には。画像の出力、または音声の出力、または光の出力または可動役物の動作出力のいずれかの出現頻度や期待度に対する値として遊技者が選択し得る複数の値の一つ一つに対応した演出に関するデータ(例えば、演出パターンテーブル)を用意したり、複数の値の一つ一つに対応した処理を実行しなくてよい構成となる。その結果、処理の簡易化を実現することができる。さらに、演出を実行するために必要な記憶容量の削減を実現することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、少なくとも第1の出力要素の出力状態に対応した値を入力可能な第1外部入力手段と、第1の出力要素とは異なる第2の出力要素の出力状態に対応した値を入力可能な第2外部入力手段とを備え、外部入力手段は、第1の出力要素と第2の出力要素に対応して異なる値を入力可能に構成されている。
よって、本実施形態によれば、効果として、複数の出力要素に対してそれぞれの出力状態に対応した値を遊技者は設定することが可能となるので、複数の出力要素に対する出力状態の組み合わせとして遊技者の好みに合わせたオリジナルの組み合わせで演出の設定をすることができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、少なくとも第1の演出(例えば、魚群演出)の出現頻度・期待度に対応した値を入力可能であり、第1の演出とは異なる第2の演出(例えば、泡演出)の出現頻度や期待度に対応した値を入力可能であり、出現頻度や期待度の入力は、第1の演出と第2の演出に対応して異なる値を入力可能である。
よって、具体的な効果として、例えば、本実施形態によれば、複数の演出に対してそれぞれの出現頻度や期待度に対応した値を遊技者は設定することが可能となるので、複数の演出に対する出現頻度や期待度の組み合わせとして遊技者の好みに合わせたオリジナルの組み合わせで演出の設定をすることができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、所定の出力値設定処理部は、遊技者によって特定設定値と同じ値が入力されていた場合は、遊技者によって入力された特定設定値を設定する。
よって、本実施形態によれば、効果として、所定の出力値設定処理部は、遊技者によって特定設定値と同じ値が入力されていた場合は、遊技者によって入力された特定設定値を設定するので、出力要素の出力状態に対応した値として遊技者が入力した値と常に異なる値に設定するわけではなく、出力要素の出力状態に対応した値として遊技者が入力した値と予め記憶手段に記憶された特定設定値とが一致している場合には、出力要素の出力状態として遊技者の入力した値を正確に反映した出力状態で出力要素を出力することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、カスタム設定処理は、遊技者によって代表値と同じ値が入力されていた場合は、遊技者によって入力された代表値の値を設定する。
よって、具体的な効果として、例えば、本実施形態によれば、カスタム設定処理は、遊技者によって代表値と同じ値が入力されていた場合は、遊技者によって入力された代表値を設定するので、演出の出現頻度や期待度に対応した値として遊技者が入力した値と常に異なる値に設定するわけではなく、演出の出現頻度や期待度に対応した値として遊技者が入力した値と予め記憶手段に記憶された代表値とが一致している場合には、演出の出現頻度や期待度として遊技者の入力した値を正確に反映した出現頻度や期待度で演出を実行することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、遊技者によって一の所定の入力値が入力された場合に、一の所定の入力値が入力されたことを記憶する入力値記憶部と、変動演出において、特定の出力要素の出力状態に対して一の所定の入力値が入力されたことを示す入力内容表示画像を表示する画像表示手段とを備える。
よって、本実施形態によれば、効果として、遊技者によって一の所定の入力値が入力された場合に、一の所定の入力値が入力されたことを記憶して、変動演出において、特定の出力要素の出力状態に対して一の所定の入力値が入力されたことを示す入力内容表示画像を表示する。よって、遊技者は、特定の出力要素の出力状態に対して遊技者自身が入力した値を確認することができる。そして、遊技者自身が入力した値に対応した出力状態で出力要素が出力されると思わせることができる。さらに、そのような状態において実際には出力状態の値として、第1の入力値及び第2の入力値とは異なる値であって予め記憶手段に記憶された特定設定値が設定され特定設定値に対応した出力状態で出力要素が出力されるので、遊技者に対して驚きや納得をさせることができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、遊技者によって出現頻度や期待度や楽曲の値として一の所定の入力値が入力された場合に、当該一の所定の入力値が入力されたことを記憶するRAM94と、変動演出において、特定の演出の出現頻度や期待度や楽曲に対して一の所定の入力値が入力されたことを示すカスタム設定情報受信完了画像を表示する図柄表示装置41(表示面41a)を備える。
よって、具体的な効果として、例えば、遊技者によって一の所定の入力値が入力された場合に、一の所定の入力値が入力されたことを記憶して、変動演出において、特定の演出の出現頻度や期待度や楽曲に対して一の所定の入力値が入力されたことを示すカスタム設定情報受信完了画像を表示する。よって、遊技者は、特定の演出の出現頻度や期待度や楽曲に対して遊技者自身が入力した値を確認することができる。そして、遊技者自身が入力した値に対応した出現頻度や期待度や楽曲で演出が出力されると思わせることができる。さらに、そのような状態において実際には出現頻度や期待度や楽曲の値として、第1の設定値及び第2の設定値とは異なる値であって予めROM93にに記憶された代表値が設定され代表値に対応した出現頻度や期待度や楽曲で演出が実行されるので、遊技者に対して驚きや納得をさせることができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、外部入力手段は、所定期間の変動表示が開始されてから終了するまでの全ての期間において特定の出力要素の出力状態に対応した値を入力可能である。
よって、本実施形態によれば、効果として、所定期間の変動表示が開始されてから終了するまでの全ての期間において特定の出力要素の出力状態に対応した値を入力可能であるので、遊技者は所望のタイミングで特定の出力要素の出力状態に対応した値を入力することができ、利便性および興趣を向上させることができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、カスタム設定を入力する手段は、所定期間の変動表示が開始されてから終了するまでの全ての期間において特定の演出の出現頻度や期待度や楽曲に対応した値を入力可能である。
よって、具体的な効果として、例えば、本実施形態によれば、所定期間の変動表示が開始されてから終了するまでの全ての期間において特定の演出の出現頻度や期待度や楽曲に対応した値を入力可能であるので、遊技者は所望のタイミングで特定の演出の出現頻度や期待度や楽曲に対応した値を入力することができ、利便性および興趣を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、外部入力手段は、特定遊技状態において出力される出力要素に対して特定遊技状態の発生前に所定の入力が可能であり、特定遊技状態の発生前に所定の入力がされた場合に、所定の入力に基づく出力状態で特定遊技状態において出力される出力要素を出力する手段を備えている。
よって、本実施形態によれば、効果として、特定遊技状態において出力される出力要素に対して特定遊技状態の発生前に所定の入力が可能であるので、従来の遊技機のように特定遊技状態の開始直前や開始後に、遊技者が短時間で特定遊技状態において出力される出力要素に対する設定をしなくてもよい構成とすることができる。よって、遊技者は余裕をもって特定遊技状態における出力要素の出力状態について設定をすることができる。
さらに、本実施形態によれば、効果として、特定遊技状態の発生前に所定の入力がされた場合に、所定の入力に基づく出力状態で特定遊技状態において出力される出力要素を出力する。上述のように、本実施形態の遊技機における所定の出力値設定処理部は、遊技者によって出力状態に対する値として第1の入力値が入力されていた場合であっても、第1の入力値とは異なる第2の入力値が入力されていた場合であっても、出力状態の値として、第1の入力値及び第2の入力値とは異なる値であって予め記憶手段に記憶された特定設定値を設定し得るよう構成されている。しかしながら、本実施形態として、特定遊技状態の発生前に所定の入力がされた場合には、当該特定遊技状態における出力状態は、遊技者による所の入力に基づいた出力状態で出力要素を出力することができる。特定遊技状態(ラウンド遊技中)の出力要素の設定(例えば、開閉実行モード中の楽曲の曲順)は、変動表示中の演出のように出現頻度の値や期待度の値に対応して多くの演出パターンテーブルを備える必要がなく各値毎に多くのデータ容量を必要としない。従って、当該特定遊技状態における出力状態は遊技者による所の入力に基づいた出力状態で出力要素を出力することで、遊技者の好みの設定を反映した出力要素を出力することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、カスタム設定を入力する手段は、特定遊技状態において出力される演出に対して特定遊技状態の発生前に所定の入力が可能であり、特定遊技状態の発生前に所定の入力がされた場合に、その入力に基づく出現頻度や期待度で特定遊技状態において出力される演出を実行する手段を備えている。
よって、具体的な効果として、例えば、開閉実行モードにおいて実行される演出に対して開閉実行モードの発生前に所定の入力が可能であるので、従来の遊技機のように開閉実行モードの開始直前や開始後に、遊技者が短時間で開閉実行モードにおいて実行される演出に対する設定をしなくてもよい構成とすることができる。よって、遊技者は余裕をもって開閉実行モードにおける演出の出現頻度や期待度や楽曲について設定をすることができる。
さらに、具体的な効果として、例えば、開閉実行モードの発生前に所定の入力がされた場合に、所定の入力に基づく出現頻度や期待度で特定遊技状態において出力される演出を実行する。上述のように、本実施形態のパチンコ機10におけるカスタム設定処理は、遊技者によって出現頻度や期待度に対する値として第1の設定値が入力されていた場合であっても、第1の設定値とは異なる第2の設定値が入力されていた場合であっても、出現頻度や期待度の値として、第1の設定値及び第2の設定値とは異なる値であって予め記憶手段に記憶された特定設定値を設定し得るよう構成されている。しかしながら、本実施形態として、開閉実行モードの発生前に所定の入力がされた場合には、開閉実行モードにおける楽曲や曲順は、遊技者による所の入力に基づいた楽曲や曲順で演出を実行することができる。開閉実行モード中の演出の設定(例えば、開閉実行モード中の楽曲の曲順)は、変動表示中の演出のように出現頻度の値や期待度の値に対応して多くの演出パターンテーブルを備える必要がなく各値毎に多くのデータ容量を必要としない。従って、開閉実行モードにおける楽曲や曲順は遊技者による所の入力に基づいた楽曲や曲順で演出を実行することで、遊技者の好みの設定を反映した演出を実行することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、第1の入力値は特定設定値よりも大きな値であり、第2の入力値は特定設定値よりも小さな値である。
よって、本実施形態によれば、効果として、第1の入力値が特定設定値よりも大きな値であっても、第2の入力値が特定設定値よりも小さな値であっても、出力状態の値として予め記憶手段に記憶された特定設定値を設定し得るので、簡便な内部制御をしつつ遊技者には出力状態の値を設定している感覚を付与することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、第1の設定値は代表値よりも大きな値であり、第2の設定値は代表値よりも小さな値である。
よって、具体的な効果として、例えば、第1の設定値が代表値よりも大きな値であっても、第2の設定値が代表値よりも小さな値であっても、出現頻度や期待度の値として予め記憶手段に記憶された代表値を設定し得るので、簡便な内部制御をしつつ遊技者には出現頻度や期待度の値を設定している感覚を付与することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、第1の入力値および第2の入力値は特定設定値よりも大きな値である。
よって、本実施形態によれば、効果として、第1の入力値および第2の入力値が特定設定値よりも大きな値であっても、出力状態の値として予め記憶手段に記憶された特定設定値を設定し得るので、簡便な内部制御をしつつ遊技者には出力状態の値を設定している感覚を付与することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、第1の設定値および第2の設定値は代表値よりも大きな値である。
よって、具体的な効果として、例えば、第1の設定値および第2の設定値が代表値よりも大きな値であっても、出現頻度や期待度の値として予め記憶手段に記憶された代表値を設定し得るので、簡便な内部制御をしつつ遊技者には出現頻度や期待度の値を設定している感覚を付与することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、第1の入力値および第2の入力値は特定設定値よりも小さな値である。
よって、本実施形態によれば、効果として、第1の入力値および第2の入力値が特定設定値よりも小さな値であっても、出力状態の値として予め記憶手段に記憶された特定設定値を設定し得るので、簡便な内部制御をしつつ遊技者には出力状態の値を設定している感覚を付与することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、第1の設定値および第2の設定値は代表値よりも小さな値である。
よって、具体的な効果として、例えば、第1の設定値および第2の設定値が代表値よりも小さな値であっても、出現頻度や期待度の値として予め記憶手段に記憶された代表値を設定し得るので、簡便な内部制御をしつつ遊技者には出力状態の値を設定している感覚を付与することができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、遊技者によって一の所定の入力値が入力された場合に、当該一の所定の入力値が入力されたことを記憶する入力値記憶部と、遊技者によって一の所定の入力値が入力された状態において、実行された特定の変動表示に関する実行履歴情報を記憶する履歴情報記憶領域と、履歴情報記憶領域に記憶された実行履歴情報を出力する履歴情報出力手段とを備える。
よって、本実施形態によれば、効果として、遊技者によって一の所定の入力値が入力された場合に、当該一の所定の入力値を記憶し、当該一の所定の入力値が入力された状態の変動演出が変動表示において実行され、その変動表示に関する実行履歴情報を出力するので、遊技者が入力した一の所定の入力値が入力され出力制御された結果を遊技者が確認することによって、その差異に対して遊技者を驚かせたり喜ばせたりすることができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、遊技者によって一の所定の設定値が入力された場合に、当該一の所定の設定値が入力されたことを記憶するRAMと、遊技者によって一の所定の設定値が入力された状態において、実行された特定の変動表示に関する遊技履歴情報を記憶する記憶領域と、記憶領域に記憶された遊技履歴情報を出力する。
よって、具体的な効果として、例えば、遊技者によって一の所定の設定値が入力された場合に、当該一の所定の設定値を記憶し、当該一の所定の設定値があたかも繁栄されたかのような変動演出が変動表示において実行され、その変動表示に関する遊技履歴情報を出力するので、遊技者が入力した一の所定の設定値とは異なる値で出力制御された結果を遊技者が確認することによって、その差異に対して遊技者を驚かせたり喜ばせたりすることができる。
さらに、本実施形態によれば、構成として、遊技者が入力し得る複数の値は、所定期間の変動表示で特定の出力要素が出力された場合において、出力状態に対する値として複数の値の中からいずれの値が入力されていたとしても所定期間の変動表示の結果として特定の表示結果以外の表示結果が表示され得るように構成されている。
よって、本実施形態によれば、効果として、複数の値の構成については、所定期間の変動表示で特定の出力要素が出力された場合において、出力状態に対する値として複数の値の中からいずれの値が入力されていたとしても所定期間の変動表示の結果として特定の表示結果以外の表示結果が表示され得るように構成されている。換言すれば、遊技者が出力状態に対する値として選択し得る複数の値の中に、特定の出力要素が出力された場合には特定の表示結果が必ず表示されるといったことを示す値は含まれないように構成されている。このような構成とすることで、特定の出力要素の出力状態の値として、遊技者が入力した値とは異なる値であって予め記憶手段に記憶された特定設定値が設定されることを遊技者に気付かれにくくすることができる。結果として、遊技者が変動演出の出力状態に対する値を設定することに対する意欲の減退を抑制することができる。
具体的な構成として、例えば、本実施形態によれば、遊技者が出現頻度や期待度として入力し得る複数の値は、所定期間の変動表示で特定の演出が出力された場合において、出現頻度や期待度に対する値として複数の値の中からいずれの値が入力されていたとしても所定期間の変動表示の結果として特定の表示結果以外の表示結果(例えば、大当たり以外の表示結果)が表示され得るように構成されている。
よって、具体的な効果として、例えば、複数の値の構成については、所定期間の変動表示で特定の演出が出力された場合において、期待度に対する値として複数の値の中からいずれの値が入力されていたとしても所定期間の変動表示の結果として特定の表示結果以外の表示結果(例えば、大当たり以外の表示結果)が表示され得るように構成されている。換言すれば、遊技者が期待度に対する値として選択し得る複数の値の中に、特定の演出が実行された場合には特定の表示結果(大当たり表示)が必ず表示されるといったことを示す値(例えば、期待度100%)は含まれないように構成されている。このような構成とすることで、特定の演出の期待度の値として、遊技者が入力した値とは異なる値であって予め記憶手段に記憶された代表値が設定されることを遊技者に気付かれにくくすることができる。結果として、遊技者が変動演出の期待度に対する値を設定することに対する意欲の減退を抑制することができる。
<第9実施形態に第8実施形態を適用した場合の効果>
本実施形態(第9実施形態)に第8実施形態を適用した場合には、以下のような特別な効果を奏する。すなわち、スマートフォン200で演出のカスタム設定をすることができるので、遊技の開始前に演出操作ボタンや、十字キーを用いて手作業で入力することを回避することができる。遊技者は、スマートフォン200上で、操作性に優れたタッチパネル等を用いて快適に演出のカスタム設定を行なうことができる。よって、演出に関する詳細なカスタム設定を遊技者が行なうことを容易にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
そして、スマートフォン200のアプリケーションAPPを用いてパチンコ機10の演出に関するカスタム設定情報を予め設定・用意しておき、遊技をする際に当該カスタム設定情報をスマートフォン200からパチンコ機10に入力することができる。このような構成とすることで、パチンコ機10が備える演出操作ボタン24や、十字キー27を遊技者が操作することによって演出のカスタム設定を行うのではなく、遊技者がスマートフォン200で予め設定したカスタム設定情報をパチンコ機10に入力することが可能になる。よって、遊技者がパチンコ機10でカスタム設定をするために費やす時間を削減することができる。結果として、パチンコ機10で早く遊技をしたいと所望する遊技者や、せっかく遊技ホールに来たのだから少しの時間でも遊技を楽しみたいと思う遊技者にも演出のカスタム設定を利用してもらいやすい構成にすることができる。
すなわち、演出に関する詳細なカスタム設定であっても、遊技者が時間のあるときにスマートフォン200を用いて予め設定をしておくことが可能であり、遊技機で遊技をする際に設定をすることを回避することができる。また、遊技をする遊技機を変更する場合であっても、新たに遊技をする遊技機にスマートフォン200からカスタム設定情報を送信するのみでカスタムが可能なので、新たに遊技をする遊技機に対して簡単にカスタム設定をすることが可能となる。
《9-6》第9実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《9-6-1》変形例1:
<一発告知演出頻度に関する処理の変形例>
図447は、一発告知演出頻度に関する処理の変形例として、演出操作ボタン24および十字キー27を用いて、または、スマートフォン200(アプリケーションAPP)を用いてユーザーが設定した一発告知演出頻度の値に対して、パチンコ機10において設定する一発告知演出頻度の値について説明する説明図である。
図447に示すように、遊技者が外部入力手段によって一発告知演出頻度の値として0%の値を入力した場合には、パチンコ機10側でも一発告知演出頻度の値が0%となるように演出に用いるテーブルデータを設定する。すなわち、一発告知演出が実行されないように設定する。
また、遊技者が外部入力手段によって一発告知演出頻度の値として1~20%の範囲の値を入力した場合には、パチンコ機10側で一発告知演出頻度の値が10%となるように遊技回中の演出の決定に用いるテーブルデータ(以下、演出パターン決定用テーブル(大当たり用)とも呼ぶ)を設定する。具体的には、特図抽選において大当たりに当選した際に実行する演出を決定するために用いる乱数と当該乱数に対応した演出パターン決定用テーブル(大当たり用)において、実行する演出が一発告知演出となる割合と一発告知以外の演出となる割合が1:9となるような演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を参照する。
さらに、遊技者が外部入力手段によって一発告知演出頻度の値として21~40%の範囲の値を入力した場合には、パチンコ機10側で一発告知演出頻度の値が30%となるように演出に用いる演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を設定する。遊技者が外部入力手段によって一発告知演出頻度の値として41~60%の範囲の値を入力した場合には、パチンコ機10側で一発告知演出頻度の値が50%となるように演出に用いる演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を設定する。遊技者が外部入力手段によって一発告知演出頻度の値として61~80%の範囲の値を入力した場合には、パチンコ機10側で一発告知演出頻度の値が70%となるように演出に用いる演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を設定する。遊技者が外部入力手段によって一発告知演出頻度の値として81~99%の範囲の値を入力した場合には、パチンコ機10側で一発告知演出頻度の値が90%となるように演出に用いる演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を設定する。
そして、遊技者が外部入力手段によって一発告知演出頻度の値として100%の値を入力した場合には、パチンコ機10側でも一発告知演出頻度の値が100%となるように演出に用いる演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を設定する。すなわち、一発告知演出が必ず実行されるように設定する。
パチンコ機10をこのような構成とすることで、一発告知演出頻度をユーザーが0%~100%の範囲で1%単位でカスタム設定可能な場合であっても、7種類(0%、10%、30%、50%、70%、90%、100%)の演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を用意することで対応することができる。仮に、ユーザー(遊技者)が外部入力手段によって一発告知演出頻度を0%~100%の範囲で1%単位で設定可能である場合において、一発告知演出頻度の1%毎にそれに対応した演出パターン決定用テーブル(大当たり用)をパチンコ機10で用意するとした場合には101種類の演出パターン決定用テーブル(大当たり用)をパチンコ機10(ROM93)において記憶しておく必要があり、パチンコ機10の記憶容量に大きな負荷がかかる。一方、本変形例のように、遊技者が外部入力手段によってカスタム設定可能な一発告知演出頻度の値を複数の範囲に区切り、各範囲毎に特定設定値としての代表値を定め、当該定めた代表値をパチンコ機10における一発告知演出頻度に設定することで、パチンコ機10における演出パターンテーブルの設定に関する処理の簡易化および演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を記憶するための記憶容量の軽減を実現することができる。
さらに本変形例においては、遊技者が外部入力手段によってカスタム設定可能な一発告知演出頻度の値を複数の範囲に区切り、各範囲毎に代表値を定め、当該定めた代表値をパチンコ機10における一発告知演出頻度に設定するため、ユーザーが一発告知演出頻度を1%~99%の範囲のいずれかの値にカスタム設定した場合には、実際にユーザーがカスタム設定した頻度(値)どおりにパチンコ機10において一発告知演出が実行されない場合があるが、大当たりに当選した回数における一発告知演出が実行された回数を統計学的な規模でカウントしない限り、ユーザーがカスタム設定した一発告知演出頻度の値と実際にパチンコ機10に設定されている一発告知演出頻度の値との間にずれがあることには気付きにくい。
また、上記実施形態と比較すると、本変形例においては、パチンコ機10(ROM93)に記憶しておくべき演出パターン決定用テーブル(大当たり用)の数が増え記憶容量も増加するが、上記実施形態よりもカスタム設定可能な一発告知演出頻度の値を細かく複数の範囲に区切り、各範囲毎に代表値を定めているので、ユーザーがカスタム設定した一発告知演出頻度の値と実際にパチンコ機10に設定されている一発告知演出頻度の値との間のずれが小さくなり、より一層、遊技者がそのずれに気付きにくくなるとともに、遊技者が違和感を感じにくくすることができる。
さらに本変形例においては、実際にユーザーが外部入力手段によってカスタム設定した一発告知演出頻度の値が0%の場合と、100%の場合には、パチンコ機10においても、一発告知演出頻度が0%または100%となるような演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を設定する。なぜならば、一発告知演出頻度の値が0%というのは一発告知演出がされないことであり、外部入力手段によって一発告知演出頻度の値を0%に設定したにも関わらずパチンコ機10において一発告知演出が1回でも実行されてしまうと、ユーザーがカスタム設定した一発告知演出頻度の値と実際にパチンコ機10に設定されている一発告知演出頻度の値との間にずれがあることが容易に気付かれてしまうからである。
同様に、一発告知演出頻度の値が100%というのは大当たりとなる遊技回における演出は毎回一発告知演出がされることであり、外部入力手段によって一発告知演出頻度の値を100%に設定したにも関わらずパチンコ機10において一発告知演出が実行されない大当たり遊技回が1回でも実行されてしまうと、ユーザーがカスタム設定した一発告知演出頻度の値と実際にパチンコ機10に設定されている一発告知演出頻度の値との間にずれがあることが容易に気付かれてしまうからである。
本変形例においても、上記実施形態と同様に、実際にユーザー(遊技者)が外部入力手段によってカスタム設定した一発告知演出頻度の値が0%の場合と100%の場合には、パチンコ機10においても、一発告知演出頻度が0%または100%となるような演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を設定するので、上記の問題を解決することができ、カスタム設定した一発告知演出頻度の値と実際にパチンコ機10に設定されている一発告知演出頻度の値との間にずれがあることをユーザーがより一層気付きにくくすることができる。
すなわち、本変形例におけるパチンコ機10は、当該パチンコ機10における演出パターンテーブルの設定に関する処理の簡易化および演出パターン決定用テーブル(大当たり用)を記憶するための記憶容量の軽減を実現することができることに加え、カスタム設定した一発告知演出頻度の値と実際にパチンコ機10に設定されている一発告知演出頻度の値との間にずれがあることをユーザーがより一層気付きにくくすることができる。
《9-6-2》変形例2:
<魚群演出期待度に関する処理の変形例>
図448は、魚群演出期待度に関する処理の変形例として、演出操作ボタン24および十字キー27を用いて、または、スマートフォン200(アプリケーションAPP)を用いてユーザーが設定した魚群演出期待度の値に対して、パチンコ機10において設定する魚群演出期待度の値について説明する説明図である。
図448に示すように、遊技者が外部入力手段によって魚群演出期待度の値として10~30%の範囲の値を入力した場合には、パチンコ機10側で魚群演出の値が20%となるように、特図抽選の結果が大当たり当選となる遊技回における演出の決定に用いるテーブルデータである演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と、特図抽選の結果が外れ(リーチからの外れを含む)となる遊技回における演出の決定に用いる演出パターン決定用テーブル(外れ用)とを設定する。
具体的には、特図抽選における大当たり確率を考慮しながら、演出パターン決定用テーブル(大当たり用)において魚群演出を出現させる出現頻度と、演出パターン決定用テーブル(外れ用)において魚群演出を出現させる出現頻度とを調整することによって、魚群演出が実行された遊技回の回数を全体とした場合における魚群演出が実行された大当たり遊技回の数の割合が期待度の値となるようにする。このようにすることで、魚群演出期待度が20%となるようにすることが可能である。
さらに、遊技者が外部入力手段によって魚群演出期待度の値として31~50%の範囲の値を入力した場合には、パチンコ機10側で魚群演出期待度の値が40%となるように演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)とを設定する。遊技者が外部入力手段によって魚群演出期待度の値として51~70%の範囲の値を入力した場合には、パチンコ機10側で魚群演出期待度の値が60%となるように演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)とを設定する。同様に、遊技者が外部入力手段によって魚群演出期待度の値として71~90%の範囲の値を入力した場合には、パチンコ機10側で魚群演出期待度の値が80%となるように演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)とを設定する。
パチンコ機10をこのような構成とすることで、魚群演出期待度をユーザーが10%~90%の範囲で1%単位でカスタム設定可能な場合であっても、4種類(20%、40%、60%、80%)の演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)のセットを用意することで対応することができる。仮に、ユーザー(遊技者)が外部入力手段によって魚群演出期待度を10%~90%の範囲で1%単位で設定可能である場合において、魚群演出期待度の1%毎にそれに対応した演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)のセットをパチンコ機10で用意するとした場合には81種類の演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)のセットをパチンコ機10(ROM93)において記憶しておく必要があり、パチンコ機10の記憶容量に大きな負担がかかる。一方、本変形例のように、遊技者が外部入力手段によってカスタム設定可能な魚群演出期待度の値を複数の範囲に区切り、各範囲毎に特定設定値としての代表値を定め、当該定めた代表値をパチンコ機10における魚群演出期待度に設定することで、パチンコ機10における演出パターンテーブルの設定に関する処理の簡易化および演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)とを記憶するための記憶容量の軽減を実現することができる。
また、上記実施形態と比較すると、本変形例においては、パチンコ機10(ROM93)に記憶しておくべき演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)のセットの数が増え記憶容量も増加するが、上記実施形態よりもカスタム設定可能な魚群演出期待度の値を細かく複数の範囲に区切り、各範囲毎に代表値を定めているので、ユーザーがカスタム設定した魚群演出期待度の値と実際にパチンコ機10に設定されている魚群演出期待度の値との間のずれが小さくなり、より一層、遊技者がそのずれに気付きにくくなるとともに、遊技者が違和感を感じにくくすることができる。
《9-6-3》変形例3:
<泡演出期待度に関する処理の変形例>
図449は、泡演出期待度に関する処理の変形例として、演出操作ボタン24および十字キー27を用いて、または、スマートフォン200(アプリケーションAPP)を用いてユーザーが設定した泡演出期待度の値に対して、パチンコ機10において設定する一発告知演出頻度の値について説明する説明図である。
図449に示すように、遊技者が外部入力手段によって泡演出期待度の値として10~30%の範囲の値を入力した場合には、パチンコ機10側で泡演出の値が20%となるように、特図抽選の結果が大当たり当選となる遊技回における演出の決定に用いるテーブルデータである演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と、特図抽選の結果が外れ(リーチからの外れを含む)となる遊技回における演出の決定に用いる演出パターン決定用テーブル(外れ用)とを設定する。
具体的には、特図抽選における大当たり確率を考慮しながら、演出パターン決定用テーブル(大当たり用)において泡演出を出現させる出現頻度と、演出パターン決定用テーブル(外れ用)において泡演出を出現させる出現頻度とを調整することによって、泡演出が実行された遊技回の回数を全体とした場合における泡演出が実行された大当たり遊技回の数の割合が期待度の値となるようにする。このようにすることで、泡演出期待度が20%となるようにすることが可能である。
さらに、遊技者が外部入力手段によって泡演出期待度の値として31~50%の範囲の値を入力した場合には、パチンコ機10側で泡演出期待度の値が40%となるように演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)とを設定する。
パチンコ機10をこのような構成とすることで、上記説明した魚群演出期待度と同様に、泡演出期待度をユーザーが10%~50%の範囲で1%単位でカスタム設定可能な場合であっても、2種類(20%、40%)の演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)のセットを用意することで対応することができる。仮に、ユーザー(遊技者)が外部入力手段によって泡演出期待度を10%~50%の範囲で1%単位で設定可能である場合において、泡演出期待度の1%毎にそれに対応した演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)のセットをパチンコ機10で用意するとした場合には41種類の演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)のセットをパチンコ機10(ROM93)において記憶しておく必要があり、パチンコ機10の記憶容量に大きな負荷がかかる。一方、本変形例のように、遊技者が外部入力手段によってカスタム設定可能な泡演出期待度の値を複数の範囲に区切り、各範囲毎に特定設定値としての代表値を定め、当該定めた代表値をパチンコ機10における泡演出期待度に設定することで、パチンコ機10における演出パターンテーブルの設定に関する処理の簡易化および演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)とを記憶するための記憶容量の軽減を実現することができる。
また、上記実施形態と比較すると、本変形例においては、パチンコ機10(ROM93)に記憶しておくべき演出パターン決定用テーブル(大当たり用)と演出パターン決定用テーブル(外れ用)のセットの数が増え記憶容量も増加するが、上記実施形態よりもカスタム設定可能な泡演出期待度の値を細かく複数の範囲に区切り、各範囲毎に代表値を定めているので、ユーザーがカスタム設定した泡演出期待度の値と実際にパチンコ機10に設定されている泡演出期待度の値との間のずれが小さくなり、より一層、遊技者がそのずれに気付きにくくなるとともに、遊技者が違和感を感じにくくすることができる。
《9-7》他の構成への適用:
上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると特別電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
《9-8》上記実施形態及び上記各変形例等から抽出される発明群について:
以下、上述した実施形態及び各変形例から抽出される発明群の特徴(特徴群)について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態又は上記各変形例において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴fA群>
特徴fA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態及びその変形例から抽出される。
[特徴fA1]
所定の抽選条件が成立したか否かを判断する判断手段により、前記所定の抽選条件が成立したと判断されることに基づいて、当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の結果に基づいて、所定期間の変動表示を実行する変動表示手段と、
前記当否抽選の結果が特定結果(大当たり)であった場合に実行される特定の表示結果(大当たり結果)を表示する特定の変動表示の終了後に特定遊技機状態(ラウンド遊技)を実行する特定遊技実行手段と、
前記所定期間の変動表示中に複数の演出要素(出力要素/演出上のキャラクタ・役物動作)を用いて変動演出を行う演出実行手段と、
前記複数の演出要素のうち遊技者が選択した特定の演出要素(特定の出力要素/特定の演出)に関して、前記特定の演出要素の出力態様(出力状態/出現頻度・期待度・種類)に対する値を遊技者が決定して入力可能な入力手段(外部入力手段/カスタム設定を入力する手段)と、を備えた遊技機であって、
前記出力態様に対する値(出力状態に対する値)は、複数の値の中から遊技者が一の所定の値(一の所定の入力値)を選択して入力し得るものであり、
本遊技機は、
遊技者が決定した前記一の所定の値の入力が完了した場合に、対応した特定表示(特定画像表示)を実行する特定表示手段(特定画像表示部)と、
前記特定表示を実行した後に実行され得る所定の出力値設定手段(出力値設定処理部/カスタム設定処理)と、を備え、
前記所定の出力値設定手段によって、前記演出実行手段が前記変動演出を実行する場合に使用する前記特定の演出要素の出力態様に対する値(出力値/演出の実行時に参照する値)を設定し得るものであり、
前記所定の出力値設定手段は、遊技者によって前記出力態様に対する値として第1の値(第1の入力値/第1の設定値)が入力されていた場合であっても、前記第1の値とは異なる第2の値(第2の入力値/第2の設定値)が入力されていた場合であっても、前記出力態様の値として、前記第1の値及び前記第2の値とは異なる値であって予め記憶手段に記憶された特定の値(特定設定値/代表値)を設定し得るよう構成されたことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定の出力値設定手段は、遊技者によって出力態様に対する値として第1の値が入力されていた場合であっても、第1の値とは異なる第2の値が入力されていた場合であっても、出力態様の値として、第1の値及び第2の値とは異なる値であって予め記憶手段に記憶された特定の値を設定し得るよう構成されている。よって、遊技機に対する遊技者による遊技演出の演出要素への選択の幅を持たせつつ、遊技演出の演出要素に対する出力態様を設定する所定のタイミングにおける遊技機の負担を軽減することが可能となる。すなわち、出力態様に対する値を複数の値の中から遊技者が一の所定の値として第1の値及び第2の値を選択して入力しても、予め記憶手段に記憶された特定の値が設定される。このようにすることで、出力態様に対する値として遊技者が選択し得る複数の値の一つ一つに対応した演出に関するデータ(例えば、演出パターンテーブル)を用意したり、複数の値の一つ一つに対応した処理を実行しなくてよい構成となる。その結果、処理の簡易化を実現することができる。さらに、演出を実行するために必要な記憶容量の削減を実現することができる。
[特徴fA2]
特徴fA1に記載の遊技機であって、
前記特定の演出要素の出力は、少なくとも画像の出力、または音声の出力、または光の出力または可動役物の動作出力のいずれか1つを含む
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、画像の出力、または音声の出力、または光の出力または可動役物の動作出力のいずれかの出力態様に対する値として、複数の値の中から遊技者が一の所定の値として第1の値及び第2の値を選択して入力しても、予め記憶手段に記憶された特定の値が設定される。従って、画像の出力、または音声の出力、または光の出力または可動役物の動作出力のいずれかの演出要素に関して、処理の簡易化、および当該演出要素に関するデータ容量の削減を実現することができる。具体的には。画像の出力、または音声の出力、または光の出力または可動役物の動作出力のいずれかの出力態様に対する値として遊技者が選択し得る複数の値の一つ一つに対応した演出に関するデータ(例えば、演出パターンテーブル)を用意したり、複数の値の一つ一つに対応した処理を実行しなくてよい構成となる。その結果、処理の簡易化を実現することができる。さらに、演出を実行するために必要な記憶容量の削減を実現することができる。
[特徴fA3]
特徴fA1または特徴fA2に記載の遊技機であって、
少なくとも第1の演出要素の前記出力態様に対応した値を入力可能な第1入力手段(第1外部入力手段/一発告知頻度)と、前記第1の演出要素とは異なる第2の演出要素の前記出力態様に対応した値を入力可能な第2入力手段(第2外部入力手段/魚群演出期待度)と、を備え、
前記入力手段(外部入力手段)は、前記第1の演出要素と前記第2の演出要素に対して異なる値を入力可能に構成された
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、複数の演出要素に対してそれぞれの出力態様に対応した値を遊技者は設定することが可能となるので、複数の演出要素に対する出力態様の組み合わせとして遊技者の好みに合わせたオリジナルの組み合わせで演出の設定をすることができる。
[特徴fA4]
特徴fA1から特徴fA3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定の出力値設定手段は、遊技者によって前記特定の値と同じ値が入力されていた場合は、遊技者によって入力された前記特定の値を設定する
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定の出力値設定手段は、遊技者によって特定の値と同じ値が入力されていた場合は、遊技者によって入力された特定の値を設定するので、演出要素の出力態様に対応した値として遊技者が入力した値と常に異なる値に設定するわけではなく、演出要素の出力態様に対応した値として遊技者が入力した値と予め記憶手段に記憶された特定の値とが一致している場合には、演出要素の出力態様として遊技者の入力した値を正確に反映した出力態様で当該演出要素を出力することができる。
[特徴fA5]
特徴fA1から特徴fA4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者によって前記一の所定の値が入力された場合に、当該一の所定の値が入力されたことを記憶する入力値記憶領域(入力値記憶部/RAM94)と、
前記変動演出において、前記特定の演出要素の出力態様に対して前記一の所定の値が入力されたことを示す画像(入力内容表示画像/カスタム設定情報受信完了画像)を表示する画像表示手段と、を備えた、
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、遊技者によって一の所定の値が入力された場合に、当該一の所定の値が入力されたことを記憶して、変動演出において、特定の演出要素の出力態様に対して一の所定の値が入力されたことを示す画像を表示する。よって、遊技者は、特定の演出要素の出力態様に対して遊技者自身が入力した値を確認することができる。そして、遊技者自身が入力した値に対応した出力態様で演出要素が出力されると思わせることができる。さらに、そのような状態において実際には出力態様の値として、第1の値及び第2の値とは異なる値であって予め記憶手段に記憶された特定の値が設定され当該特定の値に対応した出力態様で演出要素が出力されるので、遊技者に対して驚きや納得をさせることができる。
[特徴fA6]
特徴fA1から特徴fA5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記入力手段は、前記所定期間の前記変動表示が開始されてから終了するまでの全ての期間において前記特定の演出要素の出力態様に対応した値を入力可能である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、所定期間の前記変動表示が開始されてから終了するまでの全ての期間において前記特定の演出要素の出力態様に対応した値を入力可能であるので、遊技者は所望のタイミングで特定の演出要素の出力態様に対応した値を入力することができ、利便性および興趣を向上させることができる。
[特徴fA7]
特徴fA1から特徴fA6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記入力手段は、前記特定遊技状態(ラウンド遊技)において出力される演出要素(出力要素/楽曲)に対して前記特定遊技状態の発生前に所定の入力が可能であり、
前記特定遊技状態の発生前に前記所定の入力がされた場合に、当該所定の入力に基づく出力態様で前記特定遊技状態において出力される演出要素を出力する手段を備えた
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定遊技状態において出力される演出要素に対して特定遊技状態の発生前に所定の入力が可能であるので、従来の遊技機のように特定遊技状態の開始直前や開始後に、遊技者が短時間で特定遊技状態において出力される演出要素に対する設定をしなくてもよい構成とすることができる。よって、遊技者は余裕をもって特定遊技状態における演出要素の出力態様ついて設定をすることができる。
また、特定遊技状態の発生前に所定の入力がされた場合に、所定の入力に基づく出力態様で特定遊技状態において出力される演出要素を出力する。上述のように、本特徴群の遊技機における所定の出力値設定手段は、遊技者によって出力態様に対する値として第1の値が入力されていた場合であっても、第1の値とは異なる第2の値が入力されていた場合であっても、出力態様の値として、第1の値及び第2の値とは異なる値であって予め記憶手段に記憶された特定の値を設定し得るよう構成されている。しかしながら、本特徴として、特定遊技状態の発生前に所定の入力がされた場合には、当該特定遊技状態における出力態様は、遊技者による所の入力に基づいた出力態様で演出要を出力することができる。特定遊技状態(ラウンド遊技中)の演出要素の設定(例えば、ラウンド中の楽曲の曲順)は、変動表示中の演出のように出現頻度の値や期待度の値に対応して多くの演出パターンテーブルを備える必要がなく各値毎に多くのデータ容量を必要としない。従って、当該特定遊技状態における出力態様は遊技者による所の入力に基づいた出力態様で演出要素を出力することで、遊技者の好みの設定を反映した演出要素を出力することができる。
[特徴fA8]
特徴fA1から特徴fA7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の値は前記特定の値よりも大きな値であり、前記第2の値は前記特定の値よりも小さな値である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1の値が特定の値よりも大きな値であっても、第2の値が特定の値よりも小さな値であっても、出力態様の値として予め記憶手段に記憶された特定の値を設定し得るので、簡便な内部制御をしつつ遊技者には出力態様の値を設定している感覚を付与することができる。
[特徴fA9]
特徴fA1から特徴fA7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の値および前記第2の値は前記特定の値よりも大きな値である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1の値および第2の値が特定の値よりも大きな値であっても、出力態様の値として予め記憶手段に記憶された特定の値を設定し得るので、簡便な内部制御をしつつ遊技者には出力態様の値を設定している感覚を付与することができる。
[特徴fA10]
特徴fA1から特徴fA7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の値および前記第2の値は前記特定の値よりも小さな値である
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、第1の値および第2の値が特定の値よりも小さな値であっても、出力態様の値として予め記憶手段に記憶された特定の値を設定し得るので、簡便な内部制御をしつつ遊技者には出力態様の値を設定している感覚を付与することができる。
[特徴fA11]
特徴fA1から特徴fA10のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者によって前記一の所定の値が入力された場合に、当該一の所定の値(カスタム設定値)が入力されたことを記憶する入力値記憶領域と、
遊技者によって前記一の所定の値が入力された状態において、実行された前記特定の変動表示に関する実行履歴情報を記憶する履歴情報記憶領域と、
前記履歴情報記憶領域に記憶された前記実行履歴情報を出力する履歴情報出力手段と、を備えた
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、遊技者によって一の所定の値が入力された場合に、当該一の所定の値を記憶し、当該一の所定の値があたかも繁栄されたかのような変動演出が変動表示において実行され、その変動表示に関する実行履歴情報を出力するので、遊技者が入力した一の所定の値とは異なる値で出力制御された結果を遊技者が確認することによって、その差異に対して遊技者を驚かせたり喜ばせたりすることができる。
[特徴fA12]
特徴fA1から特徴fA11のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記複数の値は、
前記所定期間の変動表示で前記特定の演出要素(特定の出力要素/魚群演出)が出力された場合において、前記出力態様に対する値として前記複数の値の中からいずれの値が入力されていたとしても前記所定期間の変動表示の結果として前記特定の表示結果以外の表示結果(外れ)が表示され得るように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、複数の値の構成については、所定期間の変動表示で特定の演出要素が出力された場合において、出力態様に対する値として複数の値の中からいずれの値が入力されていたとしても所定期間の変動表示の結果として特定の表示結果以外の表示結果(外れ)が表示され得るように構成されている。換言すれば、遊技者が出力態様に対する値として選択し得る複数の値の中に、特定の演出要素が出力された場合には特定の表示結果が必ず表示されるといったことを示す値(例えば演出の期待度として100%という値)は含まれないように構成されている。このような構成とすることで、特定の演出要素の出力態様の値として、遊技者が入力した値とは異なる値であって予め記憶手段に記憶された特定の値が設定されることを遊技者に気付かれにくくすることができる。結果として、遊技者が変動演出の出力態様に対する値を設定することに対する意欲の減退を抑制することができる。
[特徴fA13]
特徴fA1から特徴fA12のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記複数の値は、
前記所定期間の変動表示で前記特定の演出要素(特定の出力要素/魚群演出)が出力された場合において、前記出力態様に対する値として前記複数の値の中からいずれの値が入力されていたとしても前記所定期間の変動表示の結果として前記特定の表示結果(大当たり当選)が表示され得るように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、複数の値の構成については、所定期間の変動表示で特定の演出要素が出力された場合において、出力態様に対する値として複数の値の中からいずれの値が入力されていたとしても所定期間の変動表示の結果として特定の表示結果(大当たり当選)が表示され得るように構成されている。換言すれば、遊技者が出力態様に対する値として選択し得る複数の値の中に、特定の演出要素が出力された場合には特定の表示結果以外が必ず表示されるといったことを示す値(例えば演出の期待度として0%という値)は含まれないように構成されている。このような構成とすることで、特定の演出要素の出力態様の値として、遊技者が入力した値とは異なる値であって予め記憶手段に記憶された特定の値が設定されることを遊技者に気付かれにくくすることができる。結果として、遊技者が変動演出の出力態様に対する値を設定することに対する意欲の減退を抑制することができる。
なお、上記各特徴群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特開2011-172988号公報)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡略化、遊技の健全性の向上等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
なお、上記各特徴群に含まれる1又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、上記の各特徴群を適用し得る又は各特徴群に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段と、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、前記取得情報記憶手段に記憶された前記特別情報が所定条件を満たす場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示手段と、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示を始動させる始動手段と、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間の経過に起因して前記複数の絵柄の可変表示を停止させる停止手段と、停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。上記の実施形態、変形例、および特徴群に含まれる技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。また、上記の複数の実施形態を適宜組み合わせることや、一の実施形態に含まれる一部の構成と、他の実施形態に含まれる一部の構成とを組み合わせることによって実現される構成を採用することもできる。
《10》第10実施形態:
《10-0》はじめに:
従来のパチンコ機等の遊技機では、遊技球が始動口に入球した(以下、「入賞した」とも呼ぶ)ことを契機に、図柄表示装置(例えば、液晶表示装置)に特別図柄を変動表示する。そして、変動表示後に停止表示した特別図柄の態様によって、その入賞に対して行われた当たり抽選の結果が大当たり当選であるか否かを遊技者に報知する。例えば、抽選結果が大当たり当選である場合には、同じ種類の特別図柄が3つ揃った「777」等の大当たり図柄配列を表示して遊技者に大当たり当選を報知している。大当たり当選が報知されると、遊技者にはその後に大当たり遊技(大入賞口を一定時間開く等)が付与される。
近年、特別図柄の変動表示に要する時間(以下、変動表示時間と呼ぶ)を短縮させる、いわゆる「時短機能」を備えたパチンコ機が多数登場している。時短機能の動作中である時短遊技状態においては、始動口(例えば、右打ちルート上に設けられた第2始動口)に設けられた普通電動役物が高頻度サポートモードにて始動口への入賞を補助することから、遊技者は、始動口への多数の入賞を短時間で発生させることが可能となる。
この種の遊技機では、普通電動役物に対応した始動口の方が、普通電動役物に対応しない始動口よりも、当該始動口に遊技球が入賞した場合に遊技者に付与される利益が高くなるように設計されているのが一般的である。このため、時短遊技状態中は通常時より遊技者にとっていっそう有利な遊技状態となり、遊技性が向上する。
しかし、上記遊技機では、時短遊技状態の終了制御が好適に行われないと、時短遊技状態中の変動回数が不定な回数となってしまう。具体的には、例えば、従来の遊技機では、特別図柄の変動回数や普通電動役物の開放回数が所定回数に達した場合に時短遊技状態を終了させるように構成されている。普通電動役物の開放回数が所定回数に達した場合に時短遊技状態を終了させる構成とした場合に、普通電動役物の開放時に始動口に遊技球が入球するか否かによって、実行され得る変動回数が大きく変化してしまう。そのために、特別図柄の変動回数が所定回数に達した場合に時短遊技状態を終了させる構成が選択され易いが、この構成の場合、時短遊技状態の終了制御を好適に行うことが難しく、終了制御が好適に行われない場合に、時短遊技状態中の特別図柄の変動回数が所定回数より多い回数となってしまう虞があった。
したがって、遊技機において、時短遊技状態の終了制御を好適に行って、安定した変動回数の時短遊技を実行させることのできる技術が望まれていた(課題1)。
従来の遊技機では、さらに次の課題も生じ得た。
従来の遊技機では、遊技性を向上させるために、特別図柄の変動表示中に始動口に遊技球が入賞した場合でも、その入賞により取得された特別情報を無効とせずに、保留情報として所定数まで記憶させる。記憶させた保留情報の数(保留数)は、複数のLED等で構成される保留ランプの点灯・消灯状態によって遊技者に認識可能とされており、特別図柄の変動表示が終了する毎に保留情報が1つずつ当たり抽選の対象となり、それに伴って保留ランプも1つずつ消灯される。なお、記憶させる保留数を複数としたパチンコ機では、複数の保留情報を先読みして保留を跨いだ連続演出を行うことが可能となり、大当たりに対してより大きな期待感を遊技者に対して抱かせることができる。
しかし、上記複数の保留情報を記憶可能なパチンコ機において上述した時短機能を採用した場合では、時短遊技状態の終了条件として設定されている所定回数目の変動表示中に保留情報が上限数以下の個数だけ記憶されることがあり得て、時短遊技の発生に基づいて実行される変動表示の回数にバラツキが生じてしまう。先に説明したように、普通電動役物に対応した始動口の方が、普通電動役物に対応しない始動口よりも、当該始動口に遊技球が入賞した場合に遊技者に付与される利益が高くなるように設計されていることから、時短遊技の発生に基づいて実行される変動表示の回数にバラツキが生じる事は遊技機の出球性能に大きな変化をもたらす。
したがって、遊技機において、保留情報の記憶状況によって、時短遊技の発生に基づいて実行され得る変動回数にバラツキが生じないように、時短遊技状態の終了制御を好適に行いたいという課題が生じた(課題2)。
従来の遊技機では、さらに次の課題も生じ得た。
従来の遊技機としてのパチンコ機では、例えば、1種2種混合タイプのスペックを採用し、普通電動役物に対応した第2始動口への遊技球の入賞を契機として実行される当たり抽選における大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む)の確率を極めて大きくし、少ない変動表示の回数で極めて高い継続率を実現する構成を備えているものが知られている。具体的には、大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む)の確率を約1/2とし、変動表示の回数を最大4回として、約94%の継続率を実現するパチンコ機が提案されている。かかるパチンコ機では、最大4回とした変動表示の回数は厳格に制限される必要があり、何かのタイミングで5回目の変動表示が行われてしまうと、継続率が100%に近い値となってしまい、パチンコ機の出球性能に大きな変化が起きてしまうという課題が発生してしまう。
このために、従来、高頻度サポートモードの遊技状態(時短遊技状態)が継続する変動表示の実行回数を3回とし、第2始動口に対応した保留情報の上限数を1個とすることによって、3変動+保留1回の4変動で継続して当たり抽選を行うことで、5回転目の変動表示が発生しないように構成したパチンコ機が提案されている。
しかしながら、この構成では、記憶可能な保留数の上限が1個であるために、上述した保留を跨いだ連続演出を行うことができないことから、大当たりに対してより大きな期待感を遊技者に対して抱かせることが困難であった。このため、記憶可能な保留数の上限を複数(例えば2個)とする必要があるが、そうすると、時短遊技状態の終了条件として設定されている所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中に複数の保留情報を記憶させることが可能となってしまう。具体的には、遊技者は、時短遊技状態の終了条件として設定されている所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中に遊技球を打ち続けることで、当該所定回数目の変動表示中において複数の保留情報を記憶させることが可能となってしまう。換言すれば、所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中において、時短遊技状態となってから5球目の遊技球の始動口への入賞が発生してしまう。このために、当該所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中に複数(例えば2個)の保留情報が記憶された場合に、第2始動口への入賞に基づく変動表示の回数が規定した回数(上記例では4変動)を上回ってしまい、上述した課題、すなわち、継続率が100%に近い値となってしまい、出球性能に大きな変化が起きてしまうという課題を解決することができなくなってしまう。
なお、当該課題を解決する遊技機として、上述した所定回数目の変動表示中に記憶可能となる複数の保留情報の分を見越して、上記所定回数目よりも手前で時短状態を終了する構成(上記保留数を2個とした例では、2回目の変動表示の停止時に時短状態を終了する構成)を考えることができるが、この構成の場合、不慣れで単発打ちになってしまった遊技者や、発射不良によって単発打ちとなってしまった遊技者が、所定回数目の変動表示中に複数の保留情報を記憶させることできずに、結果として1回少ない回数で第2始動口への入賞に基づく変動表示を行うこととなってしまうことがあり得た。この結果、遊技者間で著しく不公平となってしまう新たな課題が発生してしまう。
このように、遊技機において、第2始動口に対応した保留情報の上限数を複数とすることで、保留を跨いだ連続演出を行うことを可能として、大当たりに対してより大きな期待感を遊技者に対して抱かせることができることと、時短遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動回数のバラツキによって出球性能に大きな変化が起きてしまうことを抑制することとを両立できる技術が望まれていた(課題3)。
上述した課題1~課題3からわかるように、本発明に係る遊技機(以下、本遊技機とも称する)は、時短遊技状態の終了制御を好適に行って、安定した変動回数の時短遊技を実行させることを目的としている。以下、詳細に説明する。
本遊技機は、
遊技領域の所定領域に向けて遊技球を発射可能な発射手段と、
前記所定領域に向けて発射された遊技球が流下可能な所定流路に設けられ、開閉動作可能な開閉手段と、所定の始動口と、を備えた開閉動作手段と、
遊技球が前記所定の始動口に入賞することに基づいて所定の抽選を行い、前記所定の抽選に基づいて所定期間の所定の変動表示を実行する実行手段と、
前記所定期間に前記遊技球が所定の始動入賞した場合に、所定の複数の上限数までの変動表示を行う権利の保留処理と、前記権利の保留に対応した保留対応処理とを含む所定制御処理を実行する制御手段と、
前記所定の抽選が所定抽選結果である場合に、前記所定期間が終了することに基づいて前記所定の変動表示を前記所定抽選結果に対応した所定表示結果で停止表示させる停止表示手段と、
前記所定表示結果の停止表示後に特別遊技状態を発生させる発生手段と、
を備えた遊技機であって、
特定条件の成立に基づいて特定期間の前記開閉動作手段の特定遊技状態を実行する特定遊技実行手段と、
特定終了条件の成立に基づいて前記特定遊技状態を終了させる特定遊技終了手段と、
を備え、
前記特定遊技終了手段は、
前記実行手段による前記所定の変動表示が特定回数N(Nは2以上の整数)回行われ、前記制御手段による前記所定制御処理の実行が行われなかった場合、
前記実行手段による前記所定の変動表示がN-1回行われ、前記制御手段による前記所定制御処理の実行が1回行われた場合、または、
前記実行手段による前記所定の変動表示がN-2回行われ、前記制御手段による前記所定制御処理の実行が2回行われた場合に、少なくとも前記特定遊技状態を終了させる
ことによって、上記目的を達成している。
「発射手段」は、遊技領域の所定領域に向けて遊技球を発射可能な構成であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技球発射機構と操作ハンドルと遊技球発射ボタンとを備える装置や、遊技球発射機構と操作ハンドルとを備える装置、遊技球発射機構と遊技球発射ボタンを備える装置、などが挙げられる。
「開閉手段」は、所定の始動口へ向かう流路を開放状態と閉鎖状態とに切替可能な構成であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、普通電動役物開放抽選において普図当たりに当選した場合に閉鎖状態から開放状態に移行する普通電動役物や、特図抽選において特図小当たりや特図大当たりに当選した場合に閉鎖状態から開放状態に移行する特別電動役物、などが挙げられる。また、普通電動役物や特別電動役物の構成としては、例えば、始動口へ向かう流路を閉鎖している板状部材(弁部材)が時計回り又は反時計回りに回動することによって当該流路を開放可能な構成、始動口へ向かう流路を閉鎖している板状部材が遊技盤の前後方向にスライドすることによって当該流路を開放可能な構成(シャッター型)や、始動口へ向かう流路を閉鎖している板状部材が遊技盤に平行な回動軸を中心として回動することによって当該流路を開放可能な構成、始動口へ向かう流路を閉鎖している一対の片部材(羽根部材、弁部材)がそれぞれ時計回り又は反時計回りに回動することによって当該流路を開放可能な構成(いわゆる電動チューリップ型)、などが挙げられる。
「第1の演出制御」は、実行手段による所定の変動表示として表示手段で実行可能な演出であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第2特図始動口への遊技球の入球に基づいて実行される特図変動演出を構成する特2の変動表示、第1特図始動口への遊技球の入球に基づいて実行される特図変動演出を構成する特1の変動表示や、普図始動ゲートへの遊技球の入球に基づいて実行される普図変動演出を構成する表示演出、普電オープニング期間中に実行される表示演出、普電開閉期間中に実行される表示演出、普電エンディング期間中に実行される表示演出、特電オープニング期間中に実行される表示演出、特電開閉期間中に実行される表示演出、特電エンディング期間中に実行される表示演出、デモ状態中に実行される表示演出、などが挙げられる。
「所定流路」は、遊技球が流通可能であって他の領域から区別可能な通路状の領域であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技盤の右側における通路や、遊技盤の左側における通路、釘によって形成された通路や、樹脂によって形成された通路、遊技盤に形成された溝、遊技球が流下可能(落下可能)な空間領域、などが挙げられる。
「所定の抽選」は、遊技球が所定の始動口に入球することに基づいて実行される抽選であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第2特図始動口に遊技球が入球した場合に実行される特図2当たり抽選や、第1特図始動口に遊技球が入球した場合に実行される特図1当たり抽選、普図始動ゲートに遊技球が入球した場合に実行される普通電動役物開放抽選、特別図柄の変動中に実行する演出や特別電動役物が複数回開閉する遊技状態(特電開閉実行モード)中に実行する演出の種別を決定するための演出決定抽選、などが挙げられる。
「権利の保留処理」は、所定の変動表示が実行される所定期間に遊技球が所定の始動入賞した場合に制御される、所定の複数の上限数までの変動表示を行う権利の保留処理であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、特2始動入賞することに基づいて取得した特別情報(各種の乱数情報)が予め定められた正常範囲内であるか否かを判定し、正常範囲内であると判定された場合に限り、当該特別情報を特2保留情報として所定の複数の上限数まで記憶する処理や、特1始動入賞することに基づいて取得した特別情報が予め定められた正常範囲内であるか否かを判定し、正常範囲内であると判定された場合に限り、当該特別情報を特1保留情報として所定の複数の上限数まで記憶する処理、特2始動入賞することに基づいて取得した特別情報を特2保留情報として所定の複数の上限数まで記憶する処理、特1始動入賞することに基づいて取得した特別情報を特1保留情報として所定の複数の上限数まで記憶する処理、遊技球が普図始動ゲートに入球することに基づいて取得した情報を複数の上限数まで記憶する処理、などが挙げられる。
「所定制御処理」は、所定期間に遊技球が所定の始動入賞した場合に、所定の複数の上限数までの変動表示を行う権利の保留処理と、前記権利の保留に対応した保留対応処理とを含む処理であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、前述した「権利の保留処理」についての各例と、前述した「権利の保留に対応した保留対応処理」についての各例とを含む処理、などが挙げられる。
「第2の演出制御」は、制御手段による所定制御処理の実行に対する演出として表示手段で実行可能な演出であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第2特図始動口への遊技球の入球に基づいて実行される特2保留格納演出、第1特図始動口への遊技球の入球に基づいて実行される特1の保留格納演出や、第2特図始動口への遊技球の入球に基づいて実行される特2始動保留処理の実行後の保留格納時減算演出、第2特図始動口への遊技球の入球に基づいて実行される特図変動演出を構成する特2の変動表示、第1特図始動口への遊技球の入球に基づいて実行される特図変動演出を構成する特1の変動表示、などが挙げられる。
「開閉動作手段」は、所定領域に向けて発射された遊技球が流下可能な所定流路に設けられ、開閉手段と所定の始動口とを少なくとも備えた構成であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、開閉手段と所定の始動口と導入通路と案内板とを備えた構成や、開閉手段と所定の始動口と導入通路とを備えた構成、開閉手段と所定の始動口と案内板とを備えた構成、開閉手段と所定の始動口とを備えた構成、などが挙げられる。
「遊技球が所定の始動入賞すること」は、遊技球が入球した場合に図柄の変動表示が実行されることになる始動口に遊技球が入球する構成であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第2特図始動口に遊技球が入球すること(すなわち、特2始動入賞すること)や、第1特図始動口に遊技球が入球すること(すなわち、特1始動入賞すること)、遊技球が普図始動ゲートに入球すること、遊技球が特電始動口に入球すること、などが挙げられる。
「特定遊技状態」は、特定条件が成立した場合に、開閉動作手段のうちの開閉手段を特定の状態に切り替え可能な遊技状態であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、時短遊技状態(高サポ状態とも呼ぶ)や、確率変動遊技状態(高確状態)、特別電動役物が開閉動作する大当たり遊技状態、通常状態や、大当たり当選に係る変動が開始されてから停止表示が終了されるまでの状態、などが挙げられる。
「所定の始動口」は、遊技領域の所定領域に向けて発射された遊技球が入球可能であり、遊技球が入球した場合に図柄の変動表示(以下、単に「変動」とも呼ぶ)が実行されることになる入球口であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、遊技球が入球した場合に第2特別図柄の変動表示が実行されることになる第2特図始動口や、遊技球が入球した場合に第1特別図柄の変動表示が実行されることになる第1特図始動口、遊技球が入球した場合に普通図柄の変動表示が実行されることになる普図始動ゲート、遊技球が入球した場合に特別電動役物が作動することになる特電始動口、などが挙げられる。
「計数手段」は、実行手段による所定の変動表示または制御手段による所定制御処理の実行を計数しうるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、高頻度サポートモード時において第1の所定条件下で変動表示が実行される毎、もしくは第2の所定条件下で特2始動保留処理と保留コマンドを設定する処理とが実行される毎にカウンタ値が1だけ減算されるカウンタや、高頻度サポートモード時において第1の所定条件下で変動表示が実行される毎、もしくは第2の所定条件下で特2始動保留処理と保留コマンドを設定する処理とが実行される毎にカウンタ値が1だけ加算されるカウンタ、第2保留エリアについてのデータをシフトさせる処理が行われる毎(すなわち、特2の変動表示が行われる毎)に値が1だけ減算される第2保留エリアの保留個数記憶エリア、第1保留エリアRaについてのデータまたは第2保留エリアRbについてのデータをシフトさせる処理が行われる毎(すなわち、特1の変動表示または特2の変動表示が行われる毎)に値が1だけ減算される合計保留個数記憶エリア、などが挙げられる。
「権利の保留に対応した保留対応処理」は、遊技球が所定の始動入賞することに基づいて変動表示の権利が保留された場合に、権利が保留されることを契機として行われる処理であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、特2始動入賞することに基づいて記憶した特2保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)をサブ側の制御装置に認識させるための保留コマンドを設定する処理や、特2始動入賞することに基づいて取得した特別情報を特2保留情報として記憶する保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置に認識させるためのシフト時コマンドを設定する処理、特2始動入賞に基づいて取得した特別情報を特2保留情報として保留エリアに記憶したことによって変化した保留数をサブ側の制御装置に認識させるための保留コマンドを設定する処理、特2始動入賞することに基づいて記憶した特2保留情報の数に対応した保留アイコン(保留ランプ)を点灯する処理、特2始動入賞することに基づいて記憶した特2保留情報の数(保留数)を判定する処理、特2始動入賞することに基づいて記憶した特2保留情報に対する表示装置における演出、報知または変動の処理、特2始動入賞することに基づいて記憶した特2保留情報の数(保留数)に基づく処理、特1始動入賞することに基づいて記憶した特1保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)をサブ側の制御装置に認識させるための保留コマンドを設定する処理や、特1始動入賞することに基づいて取得した特別情報を特1保留情報として記憶する保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置に認識させるためのシフト時コマンドを設定する処理、特1始動入賞に基づいて取得した特別情報を特1保留情報として保留エリアに記憶したことによって変化した保留数をサブ側の制御装置に認識させるための保留コマンドを設定する処理、特1始動入賞することに基づいて記憶した特1保留情報の数に対応した保留アイコン(保留ランプ)を点灯する処理、特1始動入賞することに基づいて記憶した特1保留情報の数(保留数)を判定する処理、特1始動入賞することに基づいて記憶した特1保留情報に対する表示装置における演出、報知または変動の処理、特1始動入賞することに基づいて記憶した特1保留情報の数(保留数)に基づく処理、などが挙げられる。
「所定の複数の上限数」は、変動表示を行う権利の保留処理の上限数であり、2以上の数であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、2、3、4、5、6、7、8、10、12などが挙げられる。
「遊技球が前記所定の始動口に入賞すること」は、遊技球が入球した場合に図柄の変動表示が実行されることになる始動口に遊技球が入球する構成であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、第2特図始動口に遊技球が入球すること(すなわち、特2始動入賞すること)や、第1特図始動口に遊技球が入球すること(すなわち、特1始動入賞すること)、遊技球が普図始動ゲートに入球すること、遊技球が特電始動口に入球すること、などが挙げられる。
「所定の変動表示」は、判定手段による判定の結果を報知するための変動表示が所定のものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、特図2当たり抽選に基づく変動表示や、特図1当たり抽選に基づく変動表示、普通電動役物開放抽選に基づく変動表示、高サポ状態時の特図1当たり抽選に基づく変動表示、高サポ状態から低サポ状態に移行した後の特2残保留による特図2当たり抽選に基づく変動表示、などが挙げられる。
「特定条件」は、特定期間の開閉動作手段の特定遊技状態を実行するための条件であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、当たり抽選の抽選結果が大当たり当選または小当たり当選となり当たり種別の振分結果が特定の種別となることや、当たり抽選の抽選結果が大当たり当選となり当たり種別の振分結果が特定の種別となること、当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となり当たり種別の振分結果が特定の種別となること、当たり抽選の抽選結果が大当たり当選となること、当たり抽選の抽選結果が小当たり当選となること、当たり抽選の抽選結果が大当たり当選または小当たり当選となること、などが挙げられる。
「制御手段」は、所定期間に遊技球が所定の始動入賞した場合に、所定の複数の上限数までの変動表示を行う権利の保留処理と、前記権利の保留に対応した保留対応処理とを含む所定制御処理を実行する構成であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置、などが挙げられる。
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「発射手段」としての「発射部」を備え、「所定流路」としての「特定流路」を備え、「開閉手段」としての「開閉部」を備え、「所定の始動口」としての「特定始動口」を備え、「開閉動作手段」としての「開閉動作部」を備え、「遊技球が前記所定の始動口に入賞すること」としての「特定始動口入賞」を備え、「所定の抽選」としての「特定抽選」を備え、「所定の変動表示」としての「特定変動表示」を備え、「遊技球が所定の始動入賞すること」としての「特定始動入賞」を備え、「所定の複数の上限数」としての「特定上限数」を備え、「権利の保留処理」としての「保留制御処理」を備え、「権利の保留に対応した保留対応処理」としての「対応制御処理」を備え、「所定制御処理」としての「特定制御処理」を備え、「制御手段」としての「制御処理部」を備え、「特定条件」としての「特定開始条件」を備え、「特定遊技状態」としての「所定遊技状態」を備える。
また、本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「計数手段」としての「計数部」を備え、「第1の演出制御」としての「特定演出処理」を備え、「第2の演出制御」としての「所定演出処理」を備える構成としてもよい。
本遊技機によれば、詳細は後述するが、特定始動口入賞に基づいて特定抽選が行われ、特定抽選に基づいて所定期間の特定変動表示が実行され、制御処理部によって所定期間に特定始動入賞した場合に特定上限数までの保留制御処理と対応制御処理とを含む特定制御処理が実行され、特定抽選が所定抽選結果である場合に、所定期間が終了することに基づいて特定変動表示が所定抽選結果に対応した所定表示結果で停止表示させられ、所定表示結果の停止表示後に特別遊技状態が発生させられる。また、本特徴によれば、特定開始条件の成立に基づいて特定期間の所定遊技状態が実行され、特定終了条件の成立に基づいて所定遊技状態が終了させられる。さらに、特定変動表示が特定回数N(Nは2以上の整数)回行われ、制御処理部による特定制御処理の実行が行われなかった場合、特定変動表示がN-1回行われ、制御処理部による特定制御処理の実行が1回行われた場合、または、特定変動表示がN-2回行われ、制御処理部による特定制御処理の実行が2回行われた場合に、少なくとも所定遊技状態が終了させられる。
このために、本遊技機によれば、特定変動表示の回数と特定制御処理の回数との合計値が特定回数Nに達した場合に、少なくとも所定遊技状態が終了させられることになる。上記合計値が特定回数Nに達した場合(すなわち、特定変動表示が特定回数N回行われ、特定制御処理の実行が行われなかった場合、特定変動表示がN-1回行われ、特定制御処理の実行が1回行われた場合、および、特定変動表示がN-2回行われ、特定制御処理の実行が2回行われた場合の各ケース)には、特定回数N回分の変動表示の実行が既に確保されたことになり、この場合に、所定遊技状態を終了させることで、遊技球が特定始動口へ入賞することを極めて困難とし、所定遊技状態を実行開始してから特定回数N回を上回る回数の変動表示が実行されてしまうことを抑制することができる。
したがって、本遊技機によれば、特定制御処理による変動表示を行う権利の保留状況によって、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数にバラツキが発生することを抑制することができる。
このように、本遊技機によれば、所定遊技状態の終了制御を好適に行って、安定した変動回数の所定遊技状態を実行させることが可能となる。
以下、本遊技機のより具体的な構成を下記の第10実施形態として説明する。
《10-1》遊技機の構造:
図450は、第10実施形態のパチンコ機10の斜視図である。図示するように、パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
前扉枠14の正面視右側(以下、単に「右側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が所定の間隔(本実施形態では0.6秒間隔)で発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。そして、操作ハンドル25の回動操作量が所定未満の場合、すなわち遊技球の発射強度が所定未満の場合には、発射された遊技球は遊技盤の正面視左側の領域を流下する。この場合における遊技球の発射態様を「左打ち」とも呼ぶ。一方、操作ハンドル25の回動操作量が所定以上の場合、すなわち遊技球の発射強度が所定以上の場合には、発射された遊技球は遊技盤の正面視右側の領域を流下する。この場合における遊技球の発射態様を「右打ち」とも呼ぶ。
上皿20の周縁部の正面視左側(以下、単に「左側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者は「右打ち」をすることができる。本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。なお、遊技球発射ボタン26を操作することなしに、遊技者が操作ハンドル25の回動操作量を所定以上とする操作を行うことによって、右打ちを行うようにしてもよい。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図451は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53と、電源ユニット58とを備えている。具体的には、これらユニットは、内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、制御処理部である主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。この基板ボックスは、開閉の痕跡が残るように構成されている。例えば、開閉可能な箇所に封印シールが貼付されており、基板ボックスを開放すると「開封」といった文字が現れるように構成されている。
第2制御ユニット52は、制御処理部である音声発光制御装置90と、制御処理部である表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備3から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
電源ユニット58は、電源装置85と、電源スイッチ88とを備えている。電源装置85は、パチンコ機10の動作に必要な電力を供給する。電源装置85には、電源スイッチ88が接続されている。電源スイッチ88のON/OFF操作により、パチンコ機10に電力が供給されている供給状態と、パチンコ機10に電力が供給されていない非供給状態とが切り換えられる。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図452は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、可変入賞装置36、及び小当たり専用可変入賞装置57が設けられている。可変入賞装置36は当たり抽選において大当たり当選(後述するV入賞大当たり当選も含む)した場合に作動する装置であり、小当たり専用可変入賞装置57は当たり抽選において小当たり当選した場合に作動する装置である。すなわち、小当たり当選した場合に作動する装置は小当たり専用可変入賞装置と呼ぶのに対して、大当たり当選した場合に作動する装置は単に「可変入賞装置」と呼ぶ。
一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、及び可変入賞装置36、及び小当たり専用可変入賞装置57のそれぞれに入球した遊技球は、遊技盤30に形成された個別の上記の開口部に誘導される。また、遊技盤30には、スルーゲート35が設けられている。さらに、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
図示するように、一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、1個の遊技球が賞球として払出装置71(図451)から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材である。特定始動口である第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。第1始動口33は、左打ちで遊技された場合に遊技球が入球可能であり、右打ちで遊技された場合に遊技球が入球不能である。
本実施形態では、特定始動口入賞として第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、特図1当たり抽選が実行される。特図1当たり抽選の結果、大当たりに当選すると、第2特別電動役物が開閉動作を実行する開閉実行モードが開始される。開閉実行モードは、オープニング期間と、開閉処理期間と、エンディング期間とによって構成されている。オープニング期間は、特別電動役物の開閉処理が開始されるまでの待機期間であり、開閉処理期間は、実際に特別電役物の開閉処理が実行される期間であり、エンディング期間は、特別電動役物の開閉処理が終了した後、次の特図当たり抽選(特図1当たり抽選又は特図2当たり抽選)を実行可能とするまでの待機期間である。そして、本実施形態では、特図1当たり抽選の結果、大当たりに当選すると、開閉部である第2特別電動役物として可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉動作を実行する開閉実行モード(以下、単に「開閉実行モード」と呼んだり、「大当たりに基づく開閉実行モード」と呼んだりする)が開始される。なお、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりに基づく開閉実行モードが開始されてから当該開閉実行モードが終了するまでを所定遊技状態である大当たり遊技状態中であるとして各種の処理を行う構成とした。なお、変形例として、開閉実行モードのうちの開閉処理期間を大当たり遊技状態中として各種の処理を行う構成としてもよい。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材であり、特定始動口として機能する。第2始動口34は、遊技盤30の右側の下方に設けられており、右打ちで遊技された場合に遊技球が入球可能であり、左打ちで遊技された場合に遊技球が入球不能である。第2始動口34は、開閉動作部である始動口ユニット200を構成する一要素である。始動口ユニット200には、可動片よりなる普通電動役物34aが設けられている。後ほど詳しく説明するが、開閉部である普通電動役物34aが第1の状態のときには、遊技球は第2始動口34に入球することはできない。一方、普通電動役物34aが第2の状態のときには、遊技球は第2始動口34に入球することができる。ここで、2つの可動片が開閉するチューリップ型の普通電動役物を考えてみる。チューリップ型の普通電動役物では、開放状態のときに遊技球は第2始動口に入球することができ、閉鎖状態のときに遊技球は第2始動口に入球することができない。このため、普通電動役物34aにおいて、第2始動口34に遊技球が入球可能な第2の状態を以下、便宜的に「開放状態」と呼び、第2始動口34に遊技球が入球不可能な第1の状態を以下、便宜的に「閉鎖状態」と呼ぶ。なお、始動口ユニット200の詳細な構成については後述する。
本実施形態では、特定始動口入賞として第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、特定抽選である特図2当たり抽選が実行される。特図2当たり抽選の結果、小当たり又は大当たりに当選すると、後述する特別電動役物(第1特別電動役物又は第2特別電動役物)が開閉動作を実行する開閉実行モードが開始される。開閉実行モードは、先に説明したように、オープニング期間と、開閉処理期間と、エンディング期間とによって構成されている。そして、本実施形態では、特図2当たり抽選の結果、大当たりに当選すると、第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉動作を実行する開閉実行モードが開始される。一方、特図2当たり抽選の結果、小当たりに当選すると、開閉部である第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bが開閉動作を実行する開閉実行モード(以下、「小当たりに基づく開閉実行モード」とも呼ぶ)が開始される。
特定始動口であるスルーゲート35は、遊技盤30の右側上方に設けられており、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、普通電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルータイプのゲートであり、普図始動ゲートである。具体的には、特定始動入賞として遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、普通電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下ルートにおいて第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。電動役物開放抽選の抽選結果は、変動表示によって報知され得る。
小当たり専用可変入賞装置57は、遊技盤30の右側における遊技球の流下ルートにおいて第2始動口34よりも上流側に設けられている。小当たり専用可変入賞装置57は、第1特別電動役物であり、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口57aを備えるとともに、大入賞口57aを開閉する開閉扉57bを備える。開閉扉57bは、通常は遊技球が大入賞口57aに入球できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(当たり抽選)の結果、小当たりに当選した場合には、第1特別電動役物についての開閉実行モード(小当たりに基づく開閉実行モード)が開始され、小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bは、遊技球が入球可能な開放状態となり、その後、閉鎖状態となる。本実施形態では、小当たり専用可変入賞装置57の大入賞口57aに遊技球が入球すると、予め定められた賞球数である10個の遊技球が賞球として払出装置71によって払い出される。小当たり専用可変入賞装置57は、右打ちで遊技された場合に遊技球が入球可能であり、左打ちで遊技された場合に遊技球が入球不能である。
大入賞口57aの内部には、V入賞口59が設けられている。V入賞口59は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技球が入球すると、V入賞大当たりに当選(単に「V入賞大当たり当選」とも呼ぶ)となり、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードが開始される。上述したように、本実施形態では、大入賞口57aの内部にV入賞口59が設けられており、大入賞口57aに入球した遊技球がその後に確実にV入賞口59に入球するように構成されている。そして、V入賞口59に遊技球が入球するという条件が成立した場合に、V入賞大当たりに当選となり、第2特別電動役物が開閉動作を実行するV入賞大当たりに基づく開閉実行モードが開始される。
可変入賞装置36は、遊技盤30の右側における遊技球の流下ルートにおいて小当たり専用可変入賞装置57よりも上流側に設けられている。可変入賞装置36は、第2特別電動役物であり、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備える。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(当たり抽選)の結果、大当たりに当選した場合には、第2特別電動役物についての開閉実行モード(以下、「大当たりに基づく開閉実行モード」とも呼ぶ)が開始され、可変入賞装置36の開閉扉36bは、遊技球が入球可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。また、V入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した場合にも、第2特別電動役物についての開閉実行モード(以下、「V入賞大当たりに基づく開閉実行モード」とも呼ぶ)が開始され、可変入賞装置36の開閉扉36bは、遊技球が入球可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、予め定められた賞球数である15個の遊技球が賞球として払出装置71によって払い出される。可変入賞装置36は、右打ちで遊技された場合に遊技球が入球可能であり、左打ちで遊技された場合に遊技球が入球不能である。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、可変入賞装置36、または小当たり専用可変入賞装置57に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、可変入賞装置36の大入賞口36a、V入賞口59、及びアウト口43のそれぞれに入球した遊技球は、遊技盤30に形成された個別の開口部を通って遊技盤30の背面側に誘導され、遊技盤30の背面に設けられた排出通路に最終的に合流するように構成されている。当該排出通路には、遊技球を検知する排出通路検知センサーが設けられている。排出通路検知センサーによって遊技球を検知することによって、遊技盤30に発射された遊技球の個数を把握することが可能となっている。
なお、「入球」とは遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過することを意味し、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、遊技球が所定の開口部又は所定の領域を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される特別図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの表示態様として、特定変動表示である第1の図柄の変動表示を行わせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行わせる。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される特別図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの表示態様として、特定変動表示である第2の図柄の変動表示を行わせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行わせる。当該変動表示は、特定演出処理に該当する。
第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、特定始動口である第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、特定始動口である第2始動口34に入球した遊技球は、特定上限数である最大2個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした特定抽選である電動役物開放抽選(以下、普通電動役物開放抽選とも呼ぶ)が行われると、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの発光表示器の表示態様として、点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。このようにして、スルーゲート35に遊技球が入球したことに基づいて記憶された情報についての普通電動役物開放抽選の結果を報知するための特定変動制御である変動表示が実行されることになる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、およびラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置に換えてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて所定演出処理である図柄(装飾図柄)の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて所定演出処理である図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入球を契機とした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行う。さらに、図柄表示装置41は、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることを遊技者に報知するための演出(右打ち報知演出)や、遊技球発射機構による発射態様を右打ちから左打ちに戻すことを遊技者に報知するための演出(左打ち報知演出)、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることによってV入賞口59に遊技球を入球させることを遊技者に報知するためのV狙い報知演出なども行う。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図453は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図453(a)は、図柄表示装置41において変動表示される図柄(装飾図柄)を示す説明図である。図453(a)に示すように、図柄表示装置41には、装飾図柄として、数字の1~8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される装飾図柄として、数字の1~8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図453(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、図453(a)に示した数字1~8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図453(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL1上に停止した状態で表示される。
具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入球すると、各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1~Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。なお、図柄表示装置41における装飾図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、装飾図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、「遊技回」とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が停止して停止表示となり、当該停止表示が終了するまで(言い換えれば、当該停止表示の確定時間が終了するまで)を言い、第1始動口33及び第2始動口34のいずれかの入球に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33及び第2始動口34のいずれかの入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させ、当該停止表示を所定期間(確定時間とも呼ぶ)継続する。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33及び第2始動口34のいずれかの入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させ、当該停止表示を確定時間、継続する。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である確定時間とによって構成されている。
さらに、図453(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aの下方には、第1保留表示領域Ds1と、保留消化領域Dmと、第2保留表示領域Ds2とが表示される。保留消化領域Dmは表示面41aの左右方向の中央に表示され、第1始動口保留用領域Ds1は保留消化領域Dmの左側に表示され、第2始動口保留用領域Ds2は保留消化領域Dmの右側に表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入球に基づく保留個数に対応した数のアイコン(以下、保留アイコンとも呼ぶ)が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入球に基づく保留個数に対応した数のアイコン(以下、保留アイコンとも呼ぶ)が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33に入球した遊技球の保留個数は特定上限数である最大4個までであり、第2始動口34に入球した遊技球の保留個数は最大2個までである。
第1始動口保留用領域Ds1において、変動中に第1始動口33に遊技球が入球する毎に、保留表示アイコンは、右側から左側に向かって1個ずつ増大するように表示される。第1始動口33への遊技球の入球を契機として一遊技回に相当する変動表示および停止表示が実行される毎に、第1始動口保留用領域Ds1に表示された各保留表示アイコンは、左側から右側に向かってシフトし、最終的に最も右側の位置から保留消化領域Dmの内部に移動する。そして、当該保留表示アイコンに対応した特1保留に基づいた当たり抽選の結果を報知するための特定変動制御である変動表示と停止表示が実行されることになる。このようにして、第1始動口保留用領域Ds1に表示されている各保留表示アイコンにおいて、右側から左側に向かう順(すなわち、保留された順)に、各保留表示アイコンに対応した保留情報が当たり抽選の対象となる。
また、第2始動口保留用領域Ds2において、変動中に第2始動口34に遊技球が入球する毎に、保留表示アイコンは、左側から右側に向かって1個ずつ増大するように表示される。第2始動口34への遊技球の入球を契機として一遊技回に相当する変動表示および停止表示が実行される毎に、第2始動口保留用領域Ds2に表示された各保留表示アイコンは、右側から左側に向かってシフトし、最終的に最も左側の位置から保留消化領域Dmの内部に移動する。そして、当該保留表示アイコンに対応した特2保留に基づいた当たり抽選の結果を報知するための特定変動制御である変動表示および停止表示が実行されることになる。このようにして、第2始動口保留用領域Ds2に表示されている各保留表示アイコンにおいて、左側から右側に向かう順(すなわち、保留された順)に、各保留表示アイコンに対応した保留情報が当たり抽選の対象となる。
なお、第1始動口保留用領域Ds1と第2始動口保留用領域Ds2の両方に保留アイコンが有る場合には、第2始動口保留用領域Ds2に表示されている各保留表示アイコンに対応した保留情報が、第1始動口保留用領域Ds1に表示されている各保留表示アイコンに対応した保留情報に対して優先的に当たり抽選の対象となる。
また、第1始動口保留用領域Ds1と第2始動口保留用領域Ds2とにおいて、保留アイコンを追加する際には、特有の演出(以下、保留格納演出と称する)を併せて行う構成としてもよい。特有の演出としては、例えば特有の画像部品を出現(表示)させたり、保留アイコンの表示態様を通常表示とは異なる態様で保留アイコンを出現させたり、特有の音声を出力したり等、種々の態様とすることができる。
さらに、図453(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、第1保留表示領域Ds1、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
図454は、始動口ユニット200を示す説明図である。図454(a)は普通電動役物34aが第1の状態にあるときの遊技球の流れを示し、図454(b)は普通電動役物34aが第2の状態にあるときの遊技球の流れを示し、図454(c)は第2の状態から第1の状態へ移行したときの遊技球の流れを示している。
始動口ユニット200は、遊技盤30の右側における遊技球の流下ルート上に設けられており、第2始動口34と、導入通路202と、普通電動役物34aと、案内板204とを備える。案内板204、普通電動役物34a、第2始動口34、および導入通路202は、この順に、遊技球の流下ルートの上流側から下流側に向けて配置されている。当該流下ルートが特定流路に相当する。
案内板204は、略直方体形状の部材であり、遊技盤30(図452)の正面視右側の領域に設けられている。案内板204は、右上から左下に向けて傾斜して配置され、遊技盤30の正面視右側の領域を流下してきた遊技球を、遊技盤30の正面視右側から中央側に向けて案内する。
普通電動役物34aは、案内板204の左側に設けられており、回転軸206と、回転軸206に固定された可動片208とを備える。可動片208は板状の部材である。回転軸206は遊技領域PA(図452)に垂直な方向に埋設されており、回転軸206の軸心周りに回動可能に可動片208は支持されている。回転軸206が時計回り又は反時計回りに回転(回動)することで、可動片208は、図454(a)に示した縦方向に向いた位置と、図454(b)に示した案内板204の表面方向と一致する方向に向いた位置との間で切り替わる。
図454(a)に示すように、可動片208が縦方向に向いた位置にある場合には、案内板204の左端204aと可動片208との間に遊技球が落下可能な空間が開く。この結果、案内板204の左端204aまで流れてきた遊技球PBは、左端204aと可動片208との間の空間を通って落下する。このため、可動片208が縦方向に向いた位置にある場合に、遊技球PBは第2始動口34へ入球することができない。
図454(b)に示すように、可動片208が案内板204の表面方向と一致する方向に向いた位置にある場合には、案内板204の左端204aまで流れてきた遊技球PBは、可動片208の上側面に沿って進み、第2始動口34に入球する。
なお、可動片208の回転軸206から離れた側の端部には、凸部208aが設けられている。凸部208aは、案内板204の左端204aから可動片208に移ろうとする遊技球PBに対して、当該遊技球PBの移動速度を低下させるように作用する。
導入通路202は、第2始動口34と連結し、第2始動口34に入球した遊技球を遊技盤30の背面側へ導くための通路である。可動片208によって導入通路202に向かって流れてきた遊技球PBは、第2始動口34に入球し、導入通路202を通って図示しない開口部から遊技盤30の背面側に誘導される。なお、第2始動口34の開口サイズは、1個の遊技球だけが流れるのに適した大きさを有する。具体的には、1個の遊技球分に比較的小さい余裕を持たせた開口サイズとなっており、2個以上の遊技球が同時に入球することが不可能な大きさとなっている。
まとめると、図454(b)に示すように、可動片208が案内板204の表面方向と一致する方向に向いた位置にある場合には、案内板204の左端204aまで流れてきた遊技球PBは、可動片208によって第2始動口34に入球し、その後、導入通路202を通って遊技盤30の背面側へ送られる。この第2始動口34に遊技球が入球可能な状態が、先に説明した普通電動役物34aの第2の状態であり、本明細書では、便宜的に「開放状態」とも呼ぶ。一方、図454(a)に示すように、可動片208が縦方向に向いた位置にある場合には、遊技球PBは、案内板204の左端204から落下し、当該遊技球PBは第2始動口34に入球することができない。この第2始動口34に遊技球が入球不可能な状態が、先に説明した普通電動役物34aの第1の状態であり、本明細書では、便宜的に「閉鎖状態」とも呼ぶ。
先に説明したように、特定始動入賞として遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行い、内部抽選の結果、電役開放に当選すると、普通電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。本実施形態では、所定の態様として、電役開放に当選した場合に、普通電動役物34aの開放状態が1回だけ発生する構成とした。さらに、本実施形態のパチンコ機10では、当該1回の開放状態中に1球ずつしか第2始動口34への遊技球の入球が発生しないように特別な構成を備えている。
特別な構成の一つは、前述したように、第2始動口34の開口サイズが、1個の遊技球だけが流れるのに適した大きさであることである。このために、2個以上の遊技球が第2始動口34に同時に入球することがなく、普通電動役物34aの1回の開放状態中に2以上の個数の遊技球が第2始動口34へ入球することを抑制することができる。
特別な構成の他の一つは、主制御装置60は、普通電動役物34aの開放状態中に、第2始動口34に遊技球が入球した場合に、普通電動役物34aを開放状態から閉鎖状態に移行するように制御する構成である。すなわち、図454(c)に示すように、開放状態中に、第2始動口34に遊技球PB1が入球した場合に、普通電動役物34aを破線に示す開放状態(図中のQ1)から実線に示す閉鎖状態(図中のQ2)に移動するように制御する。この結果、第2始動口34に入球した遊技球PB1に続いて、案内板204に沿って次の遊技球PB2が流下してきた場合に、当該遊技球PB2は案内板204の左端204aと回転軸206との間を通って落下する。かかる構成によっても、普通電動役物34aの1回の開放状態中に2以上の個数の遊技球が第2始動口34へ入球することを抑制することができる。
特に、本構成によれば、普通電動役物34aが開放状態(図中のQ1)から閉鎖状態(図中のQ2)に移行する途中の状態にある場合(例えば図中のQ3)に、普通電動役物34aの凸部208aとは反対側の端部208bが1個の遊技球だけが流れる開口サイズしか有しない第2始動口34を塞ぐように作用することから、普通電動役物34aがこの途中の位置にある場合(例えば図中のQ3)にも、遊技球PBが第2始動口34に入球することを確実に抑制することができる。したがって、普通電動役物34aの1回の開放状態中に2以上の個数の遊技球が第2始動口34へ入球することを、いっそう確実に防止することができる。
《10-2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図455は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムを実行するCPU(図示せず)と、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート(図示せず)及び出力ポート(図示せず)がそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力ポートには、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また電源装置85は、コンデンサ(図示せず)を備えており、停電が発生した場合や電源スイッチ88(図451)がOFFにされた場合には、所定期間、各装置への電力供給を継続する。
また、主制御基板61の入力ポートには、各種検知センサー67a~67fが接続されている。具体的には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36、V入賞口59などの各種の入球口に設けられた複数の検知センサと接続されている。主制御基板61のMPU62は、各種検知センサ67a~67fからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲート35を通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特図当たり抽選(特図1当たり抽選又は特図2当たり抽選)を実行するとともに、スルーゲート35への入球に基づいて普通電動役物開放抽選を実行する。
主制御基板61の出力ポートには、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bを開閉動作させる第1特別電動役物駆動部57cと、第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる第2特別電動役物駆動部36cと、普通電動役物34aを開閉動作させる普通電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、小当たりに基づく開閉実行モードにおいては、小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bが開閉されるように第1特別電動役物駆動部57cの駆動制御を実行し、大当たりに基づく開閉実行モードにおいては、可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉されるように第2特別電動役物駆動部36cの駆動制御を実行する。ここで言う「大当たりに基づく開閉実行モード」は、当たり抽選において大当たり当選した場合に実行する開閉実行モードと、当たり抽選において小当たり当選してV入賞大当たりした場合に実行するV入賞大当たりに基づく開閉実行モードとの双方が該当する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、普通電動役物34aが開放されるように普通電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行する。また、小当たりに基づく開閉実行モードおよび大当たり(V入賞大当たりも含む)に基づく開閉実行モードにおいては、当該開閉実行モードにおいて当たり種別が決定され当該開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数が決定した場合には、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
主制御基板61の出力ポートには、払出制御装置70と、音声発光制御装置90と、外部端子板95とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。具体的には、一般入賞口32への入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、小当たり専用可変入賞装置57の大入賞口57a又は可変入賞装置36の大入賞口36aへの遊技球の入球を特定した場合には予め定められた賞球数の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25と、遊技球発射ボタン26とが接続されている。遊技球発射機構81と操作ハンドル25と遊技球発射ボタン26とによって発射部が構成される。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、図柄の組み合わせが停止表示している時間である停止時間(確定時間)は一定である。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図456は、特図当たり抽選や普通電動役物開放抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、特図当たり抽選(特図1当たり抽選又は特図2当たり抽選)には当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり当選、または小当たり当選してV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たり当選した時において発生するラウンド遊技の回数等を定める当たり種別を振り分ける際には当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の普通電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1~C4、CINI、CSは、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
RAM64には、保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。
第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。第1保留エリアRaには、第1始動口33に入球した遊技球の保留個数の最大値に対応した4個のエリア、すなわち、第1エリア、第2エリア、第3エリア、および第4エリアが設けられている。第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報(以下、特図1保留とも呼ぶ)として、第1~第4エリアのうちの一つのエリアに記憶される。第1~第4エリアのいずれに記憶されるかは、入球の順序によって決定されており、入球のタイミングが早いほど上位のエリア(第1エリアが最も上位のエリア)に記憶される。
また、特定始動入賞として第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。第2保留エリアRbには、第2始動口34に入球した遊技球の保留個数の最大値に対応した2個のエリア、すなわち、第1エリアおよび第2エリアが設けられている。第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が保留情報(以下、特2保留とも呼ぶ)として、第1および第2エリアのうちの一つのエリアに記憶される。第1および第2エリアのうちのいずれに記憶されるかは、入球の順序によって決定されており、入球のタイミングが早いほど上位のエリア(第1エリアが上位のエリア)に記憶される。
本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングにおいて取得した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を第2保留エリアRbに格納するに際し、保留制御処理である特2始動保留処理を実行する構成とした。保留制御処理である特2始動保留処理は、各値が予め定められた正常範囲内であるか否かを判定し、全ての値が正常範囲内であると判定された場合に限り、各値を特2保留として第2保留エリアRbに格納する処理である。特2始動保留処理において、各値のうちのいずれか一つでも正常範囲外であると判定された場合には、各値が特2保留として記憶されることはない。当該特2始動保留処理によって、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングにおいて取得した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値について、変動表示を行う権利が得られたことになる。この構成によって、各値のうちの少なくとも一つがノイズ等によって破損した場合に、当該各値が特2保留として記憶されることがないことから、異常値が遊技に反映されて遊技性が損なわれることを防止することができる。特にラッシュステージH3において取得される特2保留は遊技者にとっての有利性が高く重要である。ここで、本実施形態とは異なり、特2保留が異常値であっても記憶され得る構成とした場合には、抽選機会の少ない貴重な特2当たり抽選が異常値のまま無駄に実行されてしまう可能性があり、遊技者にとっての損失が大き過ぎるものとなってしまう。これに対して、本実施形態では、上述したように、異常値が遊技に反映されることを抑制することができることから、遊技者が多大な損失を被ってしまうことを回避することができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10の変形例として、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングにおいて取得した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を第2保留エリアRbに格納するに際し、各値が予め定められた正常範囲内であるか否かの判定を行うことなく、各値を特2保留として第2保留エリアRbに記憶する構成としてもよい。この場合には、各値を記憶する処理が保留制御処理として機能する。
主制御装置60は、上述した保留制御処理の実行後に対応制御処理を制御する。本実施形態のパチンコ機10では、対応制御処理として、具体的には、例えば、第2始動口34に遊技球が入球したことに基づいて記憶した特2保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)をサブ側の制御装置に認識させるための保留コマンドを設定する処理(以下、特2保留コマンド設定処理とも呼ぶ)を実行する。そして、保留制御処理である特2始動保留処理と対応制御処理である特2保留コマンド設定処理とを含む処理(以下、特2保留プラス処理とも呼ぶ)が1回実行される毎に、計数部である時短回数カウンタの値を1だけ減算する構成とした。保留制御処理と対応制御処理とを含む処理(例えば、特2保留プラス処理)が、特定制御処理として機能する。
当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。当たり乱数カウンタC1は、例えば、0~1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~1199)。
当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、実行中の遊技回が終了する毎に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たり当選または小当たり当選となるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たり当選または小当たり当選となるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。具体的には、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを判定処理実行エリア64cに移動させ、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。データのシフトは、第1~第4エリアに格納されているデータを上位エリア側に順にシフトさせるものである。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。
また、第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、特定始動入賞として第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。具体的には、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを判定処理実行エリア64cに移動させ、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2保留エリアRbの第2エリアに格納されているデータを第1エリアにシフトさせる処理を実行する。
そして、第2保留エリアRbに当たり乱数カウンタC1の値が記憶されている場合には、第1保留エリアRaに当たり乱数カウンタC1の値が記憶されているか否かにかかわらず、第2保留エリアRbに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する対象とする。これにより、第1保留エリアRa及び第2保留エリアRbの両方に当たり乱数カウンタC1の値が記憶されている場合には、第2始動口34に対応した第2保留エリアRbに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値が優先される。すなわち、本実施形態では、第1保留エリアRa及び第2保留エリアRbの両方に当たり乱数カウンタC1の値が記憶されている場合には、第2始動口34に対応した第2保留エリアRbに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値が優先され、第2保留エリアRbに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値の中では、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを判定処理実行エリア64cに移動させ、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。第2保留エリアRbに当たり乱数カウンタC1の値が記憶されていない場合には、第1保留エリアRaに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値の中では、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを判定処理実行エリア64cに移動させ、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。
なお、上述した説明では、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値がどういった順序で判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動されるかを説明したが、当たり乱数カウンタC1の値に限るものではなく、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1以外のカウンタ(当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCS)の各値についても、同様の順序で判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動される。
なお、第1保留エリアRaには保留個数記憶エリアが設けられいる。第1始動口33に遊技球が入球する毎に第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値が値1だけ加算され、上記第1保留エリアRaについてのデータをシフトさせる処理が行われる毎に第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値が値1だけ減算される。なお、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値は特1側の上限値である値4を超えることのないように制限されている。この結果、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアには、第1保留エリアRaに記憶された保留情報の最新の個数が記憶される。また、同様に、第2保留エリアRbには保留個数記憶エリアが設けられいる。第2始動口34に遊技球が入球する毎に第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値が値1だけ加算され、上記第2保留エリアRbについてのデータをシフトさせる処理が行われる毎に第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値が値1だけ減算される。なお、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値は特2側の上限値である値2を超えることのないように制限されている。この結果、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアには、第2保留エリアRbに記憶された保留情報の最新の個数が記憶される。保留情報記憶エリア64bには合計保留個数記憶エリアが設けられている。合計保留個数記憶エリアに格納される値は、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値と、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値との合計値を示す。
次に、当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。当たり種別カウンタC2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行うとともに、当たり抽選の結果が大当たり又は小当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている当たり種別カウンタC2の値を用いて当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、当たり抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選となり、大当たりに基づく開閉実行モードまたは小当たりに基づく開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示面41aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図453(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、小当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
リーチは、リーチ演出の内容によって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチの3種類に分類される。ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が大当たり当選の期待度(信頼度)が高いリーチ演出が実行され、スーパーリーチよりもスペシャルリーチの方が大当たり当選の期待度が高いリーチ演出が実行される。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶された変動種別カウンタCSの値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、第1図柄表示部37aにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して使用される。第2保留エリアRbに記憶された変動種別カウンタCSの値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して使用される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。なお、本実施形態のパチンコ機10では、変動パターンの種別に応じてリーチ演出の内容(すなわちリーチの種類)を特定できる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0~465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、保留制御処理として、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電役実行エリア64eに移動した後、電役実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて普通電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選(以下、電動役物開放抽選と呼ぶ)が行われる。具体的には、電役実行エリア64eにおいて、ROM63の役物抽選用テーブル記憶エリア63eに記憶されている当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)と電動役物開放カウンタC4の値とが照合され、普通電動役物34aを開放状態に制御するか否かが決定される。
なお、取得された当たり乱数カウンタC1の値、当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、変動種別カウンタCS、および電動役物開放カウンタC4の値の内の少なくとも一つが特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値、当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、および変動種別カウンタCSの値の内の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、当たり乱数カウンタC1に基づいて当たり抽選を行う際に、当該当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。本実施形態においては、パチンコ機10は、第1始動口33への遊技球の入球を契機として保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34への遊技球の入球を契機として保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、前者の当否テーブル、すなわち特図1当たり抽選用の当否テーブルと、後者の当否テーブル、すなわち特図2当たり抽選用の当否テーブルとを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図457は、特図当たり抽選用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図457(a)は特図1当たり抽選用の当否テーブルを示し、図457(b)は特図2当たり抽選用の当否テーブルを示している。
図457(a)に示すように、特図1当たり抽選用の当否テーブルには、大当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、0~11の12個の値が設定されている。そして、0~3849の3850個の値のうち、0~11の12個の値以外の値(12~3849)が外れである。すなわち、特図1当たり抽選用の当否テーブルによれば、3850個のうちの12個が出現する確率、すなわち約1/320.8となるように、大当たりの当選確率が設定されている。「大当たり」とは、第2特別電動役物である可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機となる当否結果である。
図457(b)に示すように、特図2当たり抽選用の当否テーブルには、大当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、0~11の12個の値が設定されている。また、特図2当たり抽選用の当否テーブルには、小当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、12~1936の1925個の値が設定されている。そして、0~3849の3850個の値のうち、0~1936の1937個の値以外の値(1937~3849)が外れである。すなわち、特図2当たり抽選用の当否テーブルによれば、3850個のうちの12個が出現する確率、すなわち、約1/320.8となるように大当たりの当選確率が設定され、3850個のうちの1925個が出現する確率、すなわち、1/2となるように小当たりの当選確率が設定されている。
「小当たり」とは、第1特別電動役物である小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bの開閉が実行される小当たりに基づく開閉実行モードへの移行契機となる当否結果である。本実施形態では、小当たりに基づく開閉実行モードにおける開放状態となる回数(ラウンド回数)は1回に限定されており、その1回の開閉扉57bの開放時間は、例えば1.8秒である。なお、変形例として、開閉扉57bの開閉が実行されるモードにおける開放状態となる回数は、1回に換えて、2回以上としてもよい。小当たりの際の小当たり専用可変入賞装置57の1回の開閉扉57bの開放時間は、1.8秒に換えて、2.2秒等の他の時間としてもよい。
「外れ」は、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機、および小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bの開閉が実行される小当たりに基づく開閉実行モードへの移行契機のいずれにもならない当否結果である。
図457(a)の特図1当たり抽選用の当否テーブルと図457(b)の特図2当たり抽選用の当否テーブルとを比較すると、図457(b)の特図2当たり抽選用の当否テーブルの方が、小当たりに当選する確率がある分だけ、図457(a)の特図1当たり抽選用の当否テーブルよりも遊技者にとっての有利性が高いものとなっている。なお、特図2当たり抽選用の当否テーブルにおいて設定される小当たりの当選確率は、1/2に限る必要はなく、他の値としてもよい。
次に、当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の2つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(2)開閉実行モード終了後の第2始動口34の普通電動役物34aのサポートモード
パチンコ機10には、上記の(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が1又は複数回(例えば16回)行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するように設定可能である。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が6個となるまで継続するよう設定可能である。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。上記具体例の場合、低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2secである。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入球が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入球が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入球が発生しない構成としてもよい。
パチンコ機10には、上記の(2)開閉実行モード終了後の第2始動口34の普通電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の普通電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に普通電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されていてもよい。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に普通電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されてもよい。さらに、普通電動役物34aの1回の開放時間が長く設定された構成としてもよい。また、高頻度サポートモードで電役開放当選となり普通電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、乱数情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。なお、本実施形態のパチンコ機10は、いわゆる一種二種混合機であり、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードを、当たり抽選における当選確率を高くする高確率モードに移行させる構成を採用していない。
本実施形態では、当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりとなった場合には、当たり種別カウンタC2を用いて、当たり種別を振り分ける。当たり種別カウンタC2の値に対応する当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図458は、大当たり用の振分テーブルの内容を示す説明図である。図458(a)は特図1大当たり用の振分テーブルを示し、図458(b)は特図2大当たり用の振分テーブルを示している。特図1大当たり用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で大当たりに当選した際に参照される。特図2大当たり用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で大当たりに当選した際、または、当該特図2当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した際に参照される。
図458(a)に示すように、特図1大当たり用の振分テーブルには、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で大当たりに当選した際の当たり種別として、「3R大当たりA」と「3R大当たりB」とが設定されている。具体的には、「0~99」の当たり種別カウンタC2の値のうち、0~49の50個の値が「3R大当たりA」であり、0~49の50個の値以外の値(50~99)が「3R大当たりB」である。これによって、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選において大当たりに当選した場合のうち、1/2の確率で3R大当たりAに当選し、残りの1/2の確率で3R大当たりBに当選する。
「大当たり」は、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、当該開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなり得る当否結果である。「3R大当たり」は、当該開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が3回(3ラウンド)となっている。「3R大当たり」に続く「A」は、当該開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードとなることによって高サポ状態に遊技状態が移行することを示す。なお、この場合の高サポ状態は特定期間、継続する。特定期間の終了条件については後ほど詳述する。「3R大当たり」に続く「B」は、当該開閉実行モード終了後にサポートモードは高頻度サポートモードに移行せずに低サポ状態に遊技状態が維持されることを示す。当該開閉実行モードの開閉制御の対象は、第2特別電動役物である。
図458(b)に示すように、特図2大当たり用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で大当たりに当選した際、または、当該特図2当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した際の当たり種別として、「3R大当たりA」と「9R大当たりA」が設定されている。具体的には、「0~99」の100個の当たり種別カウンタC2の値のうち、0~89の90個の値が「3R大当たりA」であり、0~89の90個の値以外の値(90~99)が「9R大当たりA」である。これによって、2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選において大当たりに当選した場合のうち、9/10の確率で3R大当たりAに当選し、残りの1/10の確率で9R大当たりAに当選する。これによって、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で大当たりに当選した際、または、当該特図2当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した際には、100%の確率で、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、当該開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードとなることによって高サポ状態に遊技状態が移行する。なお、高サポ状態は特定期間、継続する。特定期間の終了条件については後ほど詳述する。開閉制御の開閉扉36bの開放回数は、9/10の確率で3回(3ラウンド)となり、1/10の確率で9回(9ラウンド)となる。当該開閉実行モードの開閉制御の対象は、第2特別電動役物である。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合(小当たりしてV入賞大当たりとなった場合も含む)とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。すなわち、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合(小当たりしてV入賞大当たりとなった場合も含む)の方が、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合よりも、高サポ状態への移行が可能となる大当たりAとなる確率が高く、かつラウンド数が多くなり、遊技者にとっての有利性が高いものとなっている。
なお、本実施形態では、図458(a)の特図1大当たり用の振分テーブルにおいて、上述したように、大当たりの種別として、3R大当たりA、3R大当たりBの2種類が設定されているが、2種類に限る必要はなく、例えば4R大当たりAを含む3種類としてもよいし、4種類や、5種類以上の数としてもよい。さらに、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数は、3Rに限る必要はなく、他の回数としてもよい。また、図458(b)の特図2大当たり用の振分テーブルにおいても、同様に、振り分ける種類の数を変形してもよく、また、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数について3R,9Rに換えて、他の回数としてもよい。要は、特図2当たり抽選で大当たりに当選した際または小当たりに当選してV入賞大当たりに当選した際の方が、特図1当たり抽選で大当たりに当選した際よりも遊技者にとっての有利性が高いものであれば、特図1大当たり用の振分テーブルおよび特図2大当たり用の振分テーブルにおける振り分ける種類の数や、可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数、開閉実行モード終了後の遊技状態はいずれであってもよい。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行うとともに、実行エリアAEに記憶されている当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
図459は、特図2小当たり用の振分テーブルの内容を示す説明図である。特図2小当たり用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で小当たりに当選した際に参照される。なお、本実施形態では、特図1当たり抽選の抽選結果には小当たりが存在しないことから、特図1小当たり用の振分テーブルは用意されていない。
図459に示すように、特図2小当たり用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で小当たりに当選した際の当たり種別として、「1R小当たり」が設定されている。具体的には、「0~99」の当たり種別カウンタC2の値のうちの全てが1R小当たりに対応している。
小当たりは、小当たりに基づく開閉実行モードにおける小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bの開閉制御の態様が高頻度入賞モードとなる当否結果である。1R小当たりは、小当たりに基づく開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が1回(1ラウンド)となっている。なお、小当たりに基づく開閉実行モードの開閉制御の対象は、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bである。変形例として、小当たりに基づく開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数は、1回(1ラウンド)に換えて、2回以上としてもよい。
本実施形態では、特図2当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した場合にも、小当たりに当選した際に取得された当たり種別カウンタC2を用いて、当たり種別を振り分ける。当たり種別カウンタC2の値に対応する当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図460は、普通電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(普通電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図460(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる普通電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図460(a)に示すように、普通電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役短開放に当選したこととなる電動役物開放カウンタC4の値として0~1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2~465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し普通電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役短開放に当選したこととなる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役短開放に当選したこととなった場合には、普通電動役物34aが1回開放し、その開放時間は0.6秒である。
図460(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる普通電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図460(b)に示すように、普通電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役長開放に当選したこととなる電動役物開放カウンタC4の値として0~461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462~465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し普通電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役長開放に当選したこととなる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役長開放に当選したこととなった場合には、普通電動役物34aが1回開放し、その開放時間は5.0秒である。
このように、普通電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。この結果、高頻度サポートモード時には、第2始動口34に向かって流下した遊技球は、100%の確率に近い確率で第2始動口34に入球することになる。なお、電役短開放に当選した場合、電役長開放に当選した場合の各開放時間は、上記の例に限る必要はなく、他の時間としてもよい。
《10-3》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図461は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85(図455)等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、CPU、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。これらの詳細については後述する。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、主制御装置60と演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46や各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄、絵図などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄や表示絵図のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
音声発光制御装置90のMPU92が、遊技の進行に対応させて、表示制御装置100に向けてコマンド(演出コマンド)を送信する。表示制御装置100のMPU102は、音声発光制御装置90からの演出コマンドを受信すると、当該演出コマンドに規定されている演出内容に応じて、使用する表示データテーブルをワークRAM104から選定して、選定した表示データテーブルをワークRAM104内の表示データテーブルバッファに格納する共に、表示データテーブルにおける現在の実行位置を把握するためのポインタを初期位置を示す「0」に設定する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタを1加算することで更新して、表示データテーブルにおいてポインタが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像データの種類や、画像データの表示位置、画像データの拡大縮小率等(描画リスト)を更新して、その更新した描画リストをVDP105に対して送信する。
VDP105は、描画リストを受信すると、受信した描画リストに基づいてキャラクタROM106から画像データを読み出し、その読み出した画像データを描画リストに基づく位置や表示方法で1フレーム分の画像を描画して、ビデオRAM107内の第1フレームバッファ107aおよび第2フレームバッファ107bのいずれか一方のフレームバッファに上記描画した画像を展開するとともに、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像を図柄表示装置41へ出力することによって、図柄表示装置41に画像を表示させる。VDP105は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、図柄表示装置41における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、約20ミリ秒。以下、「20ミリ秒」と表現する)の中で並列処理する。
VDP105は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、表示制御装置100のMPU102に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と呼ぶ)を送信する。MPU102は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理を実行し、VDP105に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、VDP105は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を図柄表示装置41に表示させる表示処理を実行する。
このように、表示制御装置100のMPU102は、VDP105からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、VDP105に対して描画指示を行うので、VDP105は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU102より受け取ることができる。よって、VDP105では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファ107a,107bに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
上記のようにして、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から各種演出に対応するコマンド(演出コマンド)を受信した後、音声発光制御装置90とは独立して、演出コマンドに対応する演出画像を図柄表示装置41に表示することが可能となる。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
本実施形態のパチンコ機10では、音声発光制御装置90から各種演出に対応するコマンド(演出コマンド)を受信した表示制御装置100が、図柄表示装置41の表示面41aに、変動・停止する図柄列Z1~Z3と、スーパーリーチまたはスペシャルリーチが発生した際の画面演出と、図柄列Z1~Z3の背面側(後ろ側)にあらわれる背景画像とをそれぞれ必要に応じて表示する処理を行っている。
図柄列Z1~Z3は、図453を用いて先に説明したものである。具体的には、図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。例えば、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が3R大当たりAである場合には、7を除いた奇数図柄並び(111、333、または555)が有効ラインL1上に形成される。例えば、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が3R大当たりBである場合には、8を除いた偶数図柄並び(222、444、666)が有効ラインL1上に形成される。第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で大当たりまたは小当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が9R大当たりAである場合には、7図柄並び(777)が有効ラインL1上に形成される。第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で小当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が9R大当たりAである場合には、8図柄並び(888)が有効ラインL1上に形成される。なお、これは一例であり、他の同一図柄の並び(組み合せ)としてもよい。さらに、同一図柄の並びに換えて、他の特定の規則(例えば、連番)に則った図柄の組み合わせとしてもよい。
次に、スーパーリーチまたはスペシャルリーチが発生した際の画面演出について説明する。本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、リーチの種別として、ノーマルリーチと、スーパーリーチと、スペシャルリーチとが用意されている。
本実施形態では、ノーマルリーチは、図柄表示装置41に表示される画面演出の切り替えを伴わないリーチである。3つの図柄列Z1~Z3のうちの2つが同じ図柄で停止した状態でリーチが発生し、3つ目の図柄がそれまでよりもスピードを落として変動し、3つ目の図柄が停止する直前ではさらにスピードが落ちる。この結果、そのまま停止して大当たりになるのではないかという期待感を遊技者に対して抱かせることができる。ノーマルリーチの演出中にスーパーリーチやスペシャルリーチに変化したり、図柄が揃わない外れの状態でいったん停止した後に再始動し、リーチに再度、突入することもある。
スーパーリーチまたはスペシャルリーチは、図柄表示装置41に表示される画面演出の切り替えを伴うリーチである。スーパーリーチまたはスペシャルリーチの際には、ノーマルリーチと同様に、3つの図柄列Z1~Z3のうちの2つが同じ図柄で停止した状態でリーチが発生してから、画面演出が変わる。このときの画面演出は、予め用意された戦士キャラクターを主人公とした動画像によって構成される。詳しくは、上記主人公としての戦士キャラクターと敵キャラクターとが対決する戦闘演出(以下、バトル演出とも呼ぶ)と、戦士キャラクターが勝利したか敗北したかを告知する結果告知演出とによって、画面演出は構成される。戦士キャラクターとは、戦闘を行うことのできるキャラクターである。キャラクターとは、小説、漫画、ゲームなどの作品に登場する人物や動物などのことである。なお、キャラクターは、生物のみならず無機物(ロボットや、自動車、戦艦等)までも含むものとしてもよい。さらに、キャラクターは、主体的思考に基づいて行動していると判断されればよく、擬人化を用いることにより概念的なもの(国家、都道府県、地域、領土、藩)なども含むものとしてもよい。
バトル演出は、遊技者に有利な結果(例えば、当たり抽選において大当たりに当選)と不利な結果(例えば、当たり抽選において外れ)のうちのいずれの結果となるかを遊技者に対して告知する前の演出であり、有利、不利のいずれの結果となるかを遊技者に対して示唆する演出(示唆演出)である。結果告知演出は、遊技者に有利な結果と不利な結果のうちのいずれの結果となったかを、戦士キャラクターが勝利したか敗北したかによって告知する演出である。結果告知演出の終了後に、各図柄列Z1~Z3が停止した図柄の並びが表示される。
上記スペシャルリーチまたはスーパーリーチの際に実行される画面演出は、先に説明した動画像を表示するものであるが、当該動画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させるように構成してもよい。
背景画像について、次に説明する。背景画像は、図柄列Z1~Z3の特定の変動表示中(例えばスーパーリーチ演出やスペシャルリーチ演出等に係る変動表示中)にあらわれ得る変動背景と、図柄列Z1~Z3の変動表示中だけでなく変動停止後にもあらわれ得る状態背景とに分類される。
変動背景は、具体的には、例えば、2つが同じ図柄で停止したリーチ状態から切り替わった上記スーパーリーチ演出やスペシャルリーチ演出等の全画面動画演出として図柄列Z1~Z3の背面側(かつ上記状態背景よりも前面のレイヤー)にあらわれ得る特有の背景演出である。
状態背景は、遊技状態に対応した特有の背景演出であり、変動表示中及び変動停止後の図柄列Z1~Z3の背面側(後ろ側)にあらわれる。本実施形態のパチンコ機10では、複数の演出モードが用意されており、各演出モードに対応した状態背景として、先に説明した戦士キャラクターが登場するストーリー性のある動画像が用意されている。本実施形態のパチンコ機10は、遊技状態が遷移するに伴って、演出モードが切り替わるように構成されている。具体的には、サポートモードが低頻度サポートモードである低サポ状態(通常状態とも呼ぶ)では、通常時演出モードが設定され、例えば、先に説明した戦士キャラクターがゆっくりと歩く様子が示される状態背景が図柄表示装置41に表示される。サポートモードが低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに移行して遊技状態が高サポ状態に切り替わった場合には、後述するラッシュステージのラッシュ時演出モードが設定され、例えば、戦士キャラクターが全速力で走る様子が示される状態背景が図柄表示装置41に表示される。特に本実施形態のパチンコ機10では、ラッシュステージにおける最終の遊技回における変動表示中には、最終前までの遊技回における変動表示中にあらわれる状態背景とは相違する内容の状態背景が表示される構成とした。具体的には、例えば、ラッシュステージにおける最終前までの遊技回における変動表示中には戦士キャラクターが全速力で走る様子が示される状態背景が図柄表示装置41に表示され、最終の遊技回における変動表示中には戦士キャラクターが敵キャラクターと対決する戦闘演出(以下、バトル演出とも呼ぶ)と、戦士キャラクターが勝利したか敗北したかを告知する結果告知演出とによって構成される状態背景が図柄表示装置41に表示される。なお、通常時演出モードで表示される状態背景は、特図1当たり抽選に基づく変動表示が実行され得る状態を識別可能な背景画像である。ラッシュ時演出モードにおいて表示される状態背景は、特図2当たり抽選に基づく変動表示が実行され得る状態を識別可能な背景背景である。
また、高サポ状態の終了時には、ラッシュ時演出モードによる状態背景の表示が停止され、引き続き、ラッシュ時演出モードによる状態背景とは相違する状態背景が表示される。当該状態背景としては、先に説明した通常状態時の状態背景、具体的には、例えば、戦士キャラクターがゆっくりと歩く様子が示される状態背景であってもよいし、当該通常状態時の状態背景とは異なる固有の状態背景であってもよい。当該固有の状態背景としては、例えば、戦士キャラクターが膝をついて落胆した状態から立ち上がる復活の様子が示される動画像であってもよい。当該固有の状態背景は、高サポ状態の終了時に特2残保留がある場合に選択され得る構成としてもよいし、保留の有無にかかわらず選択されてもよい。なお、本実施形態のパチンコ機10では、当該固有の状態背景は、当該特2残保留に係る変動表示が終了するまで継続して表示される構成とした。このため、高サポ状態の終了時に特2残保留がある場合に実行される特2残保留に基づく変動表示は、高サポ状態の終了時に表示された固有の状態背景の下で表示されることになる。
上記の各種背景画像は、最初から最後まで途切れることなく継続して表示される構成としてもよいし、途中で表示が一時的に中断し、その後に表示が復帰する構成としてもよい。例えば、当たり抽選の当否結果が大当たり当選となる変動において、変動表示中の図柄列Z1~Z3の背面側(後ろ側)に状態背景が表示される場合を考えてみる。この場合には、大当たり当選に係る遊技回において、状態背景を変動開始時から変動停止時まで途中で中断することなく継続して表示する構成であってもよいし、変動開始時から変動停止時までの途中で、例えばスーパーリーチまたはスペシャルリーチが発生した際の変動背景等が差し込まれることにより、状態背景の表示が一時的に中断し、その後に状態背景の表示が復帰する構成としてもよい。当たり抽選の当否結果が外れである場合にも、同様に、変動開始時から変動停止時までの途中で、例えばスーパーリーチまたはスペシャルリーチが発生した際の変動背景等が差し込まれることにより、状態背景の表示が一時的に中断し、その後に状態背景の表示が復帰する構成としてもよい。要は、変動停止後に状態背景の表示が復帰する構成であれば、変動開始時から変動停止時までの間で表示が途切れる構成であってもよい。
上記の各種背景画像は、先に説明した動画像を表示するものであるが、当該動画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させるように構成してもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10では、表示制御装置100が、図柄表示装置41の表示面41aに、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の画面演出と、当該画面演出の背面側(後ろ側)にあらわれる、当該画面演出に対応した大当たり遊技中の背景画像と、をそれぞれ必要に応じて表示する処理を行っている。
《10-4》遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について、図457、図458、図462~図472を用いて説明する。
《10-4-1》サポートモードの高低の移行:
サポートモードの高低が移行する場合について、まず説明する。本実施形態のパチンコ機10において、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が3R大当たりAである場合には、特定開始条件が成立したとして、開閉実行モードの終了後にサポートモードが高頻度サポートモードに移行する(図458(a)参照)。一方、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選で大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が3R大当たりBである場合には、特定開始条件が成立していないとして、サポートモードは低頻度サポートモードを継続し、サポートモードが高頻度サポートモードに移行することがない(図458(a)参照)。
また、本実施形態のパチンコ機10において、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選で大当たりに当選した場合、または、当該特図2当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選した場合には、振り分けられた当たり種別が3R大当たりA、9R大当たりAのいずれであるかにかかわらず、開開閉実行モードの終了後にサポートモードが高頻度サポートモードに移行する(図458(b)参照)。なお、本実施形態では、特図2当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球しなかった場合には、サポートモードが高頻度サポートモードに移行することがない。
サポートモードが高頻度サポートモードに移行した後においては、特定期間、サポートモードとして高頻度サポートモードが継続される。そして、特定期間の終了条件(以下、特定終了条件とも呼ぶ)の成立に基づいて、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。本実施形態のパチンコ機10では、特定終了条件は、高頻度サポートモードが開始されてからの変動表示の実行回数と、先に説明した特2始動保留処理の実行回数とに基づいて決定される。具体的には、高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数と、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数との合計値が規定回数に達した場合に、特定終了条件が成立したとして、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。規定回数は、本発明の特定回数N回に相当し、例えば本実施形態では4回である。なお、規定回数は4回に限る必要はなく、他の回数であってもよい。上記第1の所定条件下および第2の所定条件下については、後ほど詳しく説明する。
サポートモードが高頻度サポートモードである場合、特定始動入賞として遊技球がスルーゲート35を通過したことを契機として実行される電動役物開放抽選の結果が電役開放当選となる確率が231/233と極めて高いことから、普通電動役物34aが高い頻度で電役開放状態となる。このため、遊技者は、サポートモードが高頻度サポートモードである場合に、右打ちを行い、普通電動役物34aが備えられた第2始動口34へ遊技球を入球させるように遊技を行う。
《10-4-2》遊技の流れ:
本実施形態のパチンコ機10では、遊技を進行する上で遷移する遊技状態として、サポートモードの高低による高サポ状態と低サポ状態を取り得る。さらに、本実施形態のパチンコ機10では、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bが開閉動作を実行する開閉実行モード(以下、「小当たりに基づく開閉実行モード」とも呼ぶ)と、第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作する開閉実行モード(以下、「大当たりに基づく開閉実行モード」とも呼ぶ)とを遊技状態として取り得る。これらの遊技状態の間で状態を遷移しながら遊技が進行される。なお、大当たりに基づく開閉実行モードとしては、当たり抽選で大当たり当選したことに基づく開閉実行モードと、当たり抽選で小当たりに当選し、その後にV入賞口59に遊技球が入球することによってV入賞大当たりに当選したことに基づく開閉実行モード(V入賞大当たりに基づく開閉実行モード)との双方が該当する。
本実施形態のパチンコ機10では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに、サポートモードを特定する高頻度サポートモードフラグが記憶される。高頻度サポートモードフラグがOFFであるときにサポートモードが低頻度サポートモードであると特定され、高頻度サポートモードフラグがONであるときにサポートモードが高頻度サポートモードであると特定される。このため、上述した低サポ状態および高サポ状態のそれぞれは、高頻度サポートモードフラグによって特定されることになる。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、高頻度サポートモードフラグが切り替わることによって、低サポ状態(以下、通常状態とも呼ぶ)と所定遊技状態である高サポ状態とが切り替わりながら、遊技の流れが進行する。
図462は、パチンコ機10における遊技の流れを示す説明図である。遊技を開始すると、当初は、サポートモードが低頻度サポートモードである低サポ状態(通常状態)H1である。低サポ状態H1では、推奨される発射態様が左打ちであり、遊技者は左打ちで遊技を行うことによって遊技領域PAの左側に遊技球を流下させ、特定始動口である第1始動口33に遊技球を入球させる。特定始動入賞として第1始動口33に遊技球が入球すると、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された乱数情報についての特定抽選である当たり抽選(特図1当たり抽選)がなされ、当該当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知するための遊技回が実行される。
低サポ状態H1で実行される遊技回は、第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行されるものである。低サポ状態H1で実行された遊技回における特図1当たり抽選の抽選結果が外れの場合には、低サポ状態H1が継続され、遊技者は第1始動口33に遊技球を入球させ、遊技回を実行させる。
低サポ状態H1で実行された遊技回における特図1当たり抽選において大当たりに当選した場合には、遊技回の終了後に遊技者に付与される特典として大当たりに基づく開閉実行モードが実行される。すなわち、低サポ状態H1から大当たりに基づく開閉実行モードH2に移行する。
パチンコ機10は、大当たりに基づく開閉実行モードH2において発生するラウンド遊技に先立ち、遊技者に対して右打ちを促す示唆演出を実行する。遊技者は当該示唆演出に従って右打ちを実行し、遊技領域PAの右側へ遊技球を流下させ、大入賞口36aに遊技球を入球させて、賞球を得る。大当たりに基づく開閉実行モードH2において発生するラウンド遊技の回数は、3回(3ラウンド)である。低サポ状態H1で実行された遊技回における特図1当たり抽選において大当たりに当選した場合に振り分けられる当たり種別は、3R大当たりAと3R大当たりBとに限るためである(図458(a)参照)。
低サポ状態H1で実行された遊技回における特図1当たり抽選において大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が3R大当たりBである場合に、大当たりに基づく開閉実行モードH2が終了すると、低サポ状態H1に移行する。すなわち、サポートモードとして低頻度サポートモードを継続する。
一方、低サポ状態H1で実行された遊技回における特図1当たり抽選において大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が3R大当たりAである場合に、大当たりに基づく開閉実行モードH2が終了すると、サポートモードが高頻度サポートモードである所定遊技状態としての高サポ状態H3aに移行する。本実施形態のパチンコ機10では、当該高サポ状態H3aは、下記に説明するように、ラッシュステージH3の右打ち中の状態として実現される。以下、高サポ状態H3aを右打ち中の状態H3aとも呼ぶ。
高サポ状態H3aでは、パチンコ機10は、遊技者に対して右打ちを促す示唆演出を実行する。高サポ状態H3aでは、遊技者は、当該示唆演出に従って右打ちを実行することによって、遊技領域PAの右側へ遊技球を流下させ、特定始動口である第2始動口34へ遊技球を入球させる。高サポ状態H3aではサポートモードが高頻度サポートモードであることから、スルーゲート35を通過したことを契機として実行される電動役物開放抽選の結果が電役開放当選となる可能性が231/233と極めて高いことから、第2始動口34の電動役物34aが高い頻度で電役開放状態となる。このため、高サポ状態H3aでは、第2始動口34に遊技球は容易に入球する。特定始動入賞として第2始動口34に遊技球が入球すると、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された乱数情報についての特定抽選である当たり抽選(特図2当たり抽選)がなされ、当該当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知するための遊技回が実行される。すなわち、高サポ状態H3aでは、第2始動口34の電動役物34aが高い頻度で電役開放状態となり、第2始動口34に遊技球が容易に入球することで、遊技者にとって持ち球が減りにくい状態で、当たり抽選を受けることができる。
さらに、高サポ状態H3aでは、遊技者は、特図2当たり抽選の抽選結果を告知する特図2の遊技回中において、右打ちにて遊技を行うことによって、特図2の保留を最大2個、貯えることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、図柄表示装置41の表示制御として、第1始動口33または第2始動口34への入球を契機として変動・停止する図柄列Z1~Z3(図453(b)参照)の表示に加えて、第1始動口33または第2始動口34への入球を契機として第1保留表示領域Ds1または第2保留表示領域Ds2内に保留アイコンを表示することを実行している。すなわち、高サポ状態H3aでは、対応制御処理として、第2始動口34への入球を契機として第2保留表示領域Ds2内に保留アイコンを表示することが行われる。さらに、高サポ状態H3aでは、対応制御処理として、特図2の保留の格納時に実行される保留格納時減算演出が実行され、その他にも、変動停止時減算演出、特1保留連続演出、特2保留連続演出等が実行される。これらの演出の内容については、後ほど詳述する。
先に説明したように、高サポ状態H3aは、特定期間、継続される。そして、特定期間の終了条件(特定終了条件)の成立に基づいて、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。具体的には、高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数と、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数との合計値が規定回数(例えば、4回)に達した場合に、特定終了条件が成立したとして、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。この結果、高サポ状態H3aが終了するが、この終了時に特図2の保留(以下、特2残保留とも呼ぶ)が残っている場合に、特2保留消化中の状態H3bに移行する。
特2保留消化中の状態H3bにおけるサポートモードは低頻度サポートモードであり、特2保留消化中の状態H3bにおける特図の変動表示の実行回数は特2残保留数に対応した回数となる。
本実施形態のパチンコ機10では、高サポ状態である右打ち中の状態H3aと、特2保留消化中の状態H3bとによって、ラッシュステージH3が構成される。このため、ラッシュステージH3において実行される遊技回の回数は、高サポ状態である右打ち中の状態H3aにおいて実行される遊技回の回数と、特2保留消化中の状態H3bにおいて実行される遊技回の回数とを足し合わせた合計回数となる。先に説明したように、高サポ状態である右打ち中の状態H3aが継続される特定期間の終了条件(特定終了条件)を、高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数と、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数との合計値が規定回数(例えば、4回)に達することとした場合に、特2保留消化中の状態H3bにおいて実行される遊技回の回数は、特2始動保留処理の実行回数として高サポ状態である右打ち中の状態H3aにおいてカウントされることになる。したがって、高サポ状態状態H3aの特定期間の終了条件を上述したように定めることによって、ラッシュステージH3において実行される遊技回の回数を規定回数(4回)に制限することができる。
ラッシュステージH3で実行された遊技回における特図2当たり抽選において小当たりに当選した場合には、第1特別電動役物としての小当たり専用可変入賞装置57の大入賞口57aを開閉動作する開閉実行モード(小当たりに基づく開閉実行モード)H4に移行する。
小当たりに基づく開閉実行モードH4では、パチンコ機10は、遊技者に対して右打ちで遊技を行うことによってV入賞口59に遊技球を入球させることを推奨するV狙い報知演出を実行する。小当たりに基づく開閉実行モードH4では、遊技者は、当該V狙い報知演出に従って右打ちを実行することによって、遊技領域PAの右側へ遊技球を流下させ、V入賞口59へ遊技球を入球させる。なお、小当たりに基づく開閉実行モードH4において小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bが開放状態となる回数は1回(1ラウンド)である。
小当たりに基づく開閉実行モードH4において、右打ちで遊技がなされることで、小当たりに基づく開閉実行モードH4の作動により開放された大入賞口57aに遊技球が入球して大入賞口57aの内部に設けられたV入賞口59に遊技球が入球した場合、V入賞大当たりに当選となり、第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作するV入賞大当たりに基づく開閉実行モードH5に移行する。なお、小当たりに基づく開閉実行モードH4の作動により開放された大入賞口57aに遊技球が入球することによって、予め定められた賞球数の遊技球を賞球として得ることができる。
一方、小当たりに基づく開閉実行モードH4において、小当たり当選後、所定期間(例えば6秒)の間に、V入賞口59に遊技球が入球しなかった場合には、V入賞大当たりに当選せずに、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH5が実行されない。この結果、V入賞口59に遊技球が入球しなかった場合には、元の状態であるラッシュステージH3、もしくは通常状態H1に移行する。具体的には、ラッシュステージH3において規定回数までの実行回数に余裕がある状態で小当たりしてV入賞口59に遊技球が入球しなかった場合には、ラッシュステージH3に移行する。すなわち、ラッシュステージH3を継続する。ラッシュステージH3において実行された遊技回の回数が規定回数に達している状態で小当たりしてV入賞口59に遊技球が入球しなかった場合には、通常状態H1に移行する。
パチンコ機10は、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH5において発生するラウンド遊技に先立ち、遊技者に対して右打ちを促す示唆演出を実行する。遊技者は当該示唆演出に従って右打ちを実行し、遊技領域PAの右側へ遊技球を流下させ、大入賞口36aに遊技球を入球させて、賞球を得る。V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH5において発生するラウンド遊技の回数は、3回(3ラウンド)または9回(9ラウンド)である。ラッシュステージH3で実行された遊技回における特図2当たり抽選において大当たりに当選した場合に振り分けられる当たり種別は、3R大当たりAと9R大当たりAとに限るためである(図458(b)参照)。V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH5が終了すると、ラッシュステージH3に移行する。すなわち、ラッシュステージH3を継続する。
ラッシュステージH3で実行された遊技回における特図2当たり抽選において大当たりに当選した場合には、遊技回の終了後に遊技者に付与される特典として大当たりに基づく開閉実行モードが実行される。すなわち、ラッシュステージH3から大当たりに基づく開閉実行モードH6に移行する。
大当たりに基づく開閉実行モードH6の内容は、V入賞大当たりに基づく開閉実行モードH6の内容と同一である。すなわち、パチンコ機10は、大当たりに基づく開閉実行モードH6において発生するラウンド遊技に先立ち、遊技者に対して右打ちを促す示唆演出を実行する。遊技者は当該示唆演出に従って右打ちを実行し、遊技領域PAの右側へ遊技球を流下させ、大入賞口36aに遊技球を入球させて、賞球を得る。大当たりに基づく開閉実行モードH6において発生するラウンド遊技の回数は、3回(3ラウンド)または9回(9ラウンド)である。ラッシュステージH3で実行された遊技回における特図2当たり抽選において大当たりに当選した場合に振り分けられる当たり種別は、3R大当たりAと9R大当たりAとに限るためである(図458(b)参照)。大当たりに基づく開閉実行モードH6が終了すると、ラッシュステージH3に移行する。すなわち、ラッシュステージH3を継続する。
ラッシュステージH3で実行された遊技回における当たり抽選の抽選結果が外れの場合には、ラッシュステージH3が継続され、遊技者は第2始動口34に遊技球を入球させ、遊技回を実行させる。先に説明したように、ラッシュステージH3は、規定回数である4回の遊技回が終了するまで継続する。
ラッシュステージH3において、当たり抽選において大当たりにも小当たりにも当選せずに、ラッシュステージH3において実行される遊技回の実行回数が規定回数である4回に達した場合に、当該遊技回の変動停止時に、ラッシュステージH3から通常状態H1に移行する。
《10-4-3》継続率について:
以上のような遊技の流れを持つ本実施形態のパチンコ機10において、低サポ状態H1で当たり抽選において大当たり当選し、3R大当たりAに振り分けられたことによって高サポ状態H3aに移行した場合に、次回も大当たり当選(小当たり当選して、その後にV入賞大当たりに当選する場合も含む)する確率(以下、「継続率」と呼ぶ)について、次に説明する。
上記継続率は、次の手順によって求めることができる。まず、ラッシュステージH3において実行される特図2当たり抽選において、大当たりにも小当たりにも当選しない確率Aを、図457(b)に示した特図2当たり抽選用の当否テーブルから求める。当該確率Aは、(3850-1937)/3980と求まる。
次いで、確率Aから規定回数(4回)内の遊技回の全てにおいて特図2当たり抽選で大当たりにも小当たりにも当選しない確率Bを求める。具体的には、次式(1)に従って確率Bを計算する。
B={(3850-1937)/3980}^4 ...(1)
ただし、「^」はべき算をあらわす演算子である。
次いで、確率Bを1から減算することによって継続率を計算する。まとめると、次式(2)に従って継続率を計算することができる。
継続率=1-{(3850-1937)/3980}^4 ...(2)
式(2)を計算すると、継続率は、約95%となる。このように、本実施形態のパチンコ機10は、ラッシュステージH3における変動表示の回数を4回という少ない回数で、約95%という極めて高い継続率を実現している。
《10-4-4》時短回数カウンタについて:
本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、サポートモードが低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに移行した場合に、高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数と、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数との合計値が規定回数(例えば、4回)に達した場合に、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行させる構成とすることによって、ラッシュステージH3における変動表示の回数を最大4回に制限している。
上記「特2始動保留処理の実行回数」は、先に説明した特2保留プラス処理の実行回数と等価である。特定制御処理である特2保留プラス処理は、保留制御処理である特2始動保留処理と、保留制御処理に伴って実行される対応制御処理である特2保留コマンド設定処理とを含む処理であるために、特2始動保留処理の実行回数は、特2保留プラス処理の実行回数と実質的に同じ値となる。したがって、本実施形態のパチンコ機10では、特定終了条件は、高頻度サポートモードが開始されてからの変動表示の実行回数と、特2保留プラス処理の実行回数とに基づいて決定される構成でもある。かかる構成は、本実施形態のパチンコ機10では、主制御装置60のRAM64に、規定回数に達するまでの残り回数を計数するための計数部であるカウンタ(時短回数カウンタ)を設け、主制御装置60のMPU62によって、当該時短回数カウンタの値を変動表示の実行回数と、特2保留プラス処理の実行回数との両方で更新(減算)し、当該時短回数カウンタの値が0に達したか否かを判定することによって実現する。MPU62による時短回数カウンタについての制御処理は、詳細には次の(a)~(d)に従う内容となっている。
(a)低サポ状態H1で実行された遊技回における特図1当たり抽選において大当たりに当選したことを契機に実行された大当たりに基づく開閉実行モードH2の終了時に、高頻度サポートモードフラグをONにするとともに、時短回数カウンタに規定回数である値4を設定する。
(b)第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて変動表示が実行された場合に、当該変動表示が停止して停止表示となったタイミング(すなわち、変動停止時)で、時短回数カウンタの値を1だけ減算する(変動停止時減算処理)。
(c)第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理が実行され、その後、特2保留コマンド設定処理が実行された場合に、当該特2保留コマンド設定処理を終了したタイミングで、時短回数カウンタの値を1だけ減算する(保留格納時減算処理)。
(d)時短回数カウンタの値が0に達したときに、高頻度サポートモードフラグをONからOFFに移行する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、上記(c)の保留格納時減算処理の実行は、高サポ状態が開始されてからの遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合に限るものとし、高サポ状態が開始されてからの非遊技回中においては第2始動口34への遊技球の入球が発生して特2始動保留処理と特2保留コマンド設定処理とが実行されたとしても、保留格納時減算処理は実行しない構成とした。遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合が、上述した「第2の所定条件下」に該当する。一方、上記(b)の変動停止時減算処理の実行は、高サポ状態が開始されてからの非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合に限るものとし、高サポ状態が開始されてからの遊技回中においては第2始動口34への遊技球の入球が発生し、当該入球に係る変動表示が停止したとしても、変動停止時減算処理は実行しない構成とした。非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合が、上述した「第1の所定条件下」に該当する。これらの構成によって、第2始動口34への遊技球の入球の契機が1回である場合に、上記(b)の変動停止時減算処理と上記(c)の保留格納時減算処理とが重複して実行されて、時短回数カウンタの値が1個の遊技球の入球で2減算されることを防止することができる。
なお、先に説明したように、特2始動保留処理の実行回数は、特2始動保留処理と特2保留コマンド設定処理とを含む特2保留プラス処理の実行回数と等価であることから、本明細書では、「特2始動保留処理と特2保留コマンド設定処理とを含む特2保留プラス処理の実行回数」と説明すべきところを、便宜的に「特2始動保留処理の実行回数」と説明したりもしている。すなわち、本明細書における「特2始動保留処理の実行回数」との記載部分は、「特2始動保留処理と特2保留コマンド設定処理とを含む特2保留プラス処理の実行回数」と読み替えることができる。また、同様の理由で、本明細書における「特2始動保留処理の実行」との記載部分は、適宜、「特2始動保留処理と特2保留コマンド設定処理とを含む特2保留プラス処理の実行」、または「特2保留プラス処理の実行」と読み替えることができる。
《10-4-5》タイムチャート:
図463は、ラッシュステージH3における処理の一例をケース1として説明するためのタイムチャートである。図中には、上段から下段に向かって、図柄変動の表示態様、特2始動保留処理、停止時減算フラグ、時短回数カウンタ、特2保留連続演出、保留格納時減算演出、変動停止時減算演出、およびサポートモードが、時間経過とともにどのように変化するかを示した。これらの変化は、主制御装置60と音声発光制御装置90とによって実行される各種の制御処理によって発生する。
図柄変動の表示態様は、以下の(i)~(iii)の表示態様を取り得る。
(i)遊技回における変動中:第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから当該変動表示が停止して停止表示となるまでの表示態様
(ii)遊技回における確定中:第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの停止表示が開始されてから当該停止表示が終了するまでの表示態様
(iii)非遊技回:第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの停止表示が終了してから次の変動表示が開始されるまでの表示態様
特2始動保留処理は、先に説明したように、第2始動口34への遊技球の入球を契機として取得した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を第2保留エリアRbに格納するに際し、各値が予め定められた正常範囲内であるか否かを判定し、各値が正常範囲内であると判定された場合に、各値を特2保留として第2保留エリアRbに格納する処理である。図中には、特2始動保留処理として、特2始動保留処理が実行されている状態と、特2始動保留処理が実行されていない状態とが示されている。先に説明したように、特2始動保留処理において、各値のうちのいずれか一つでも正常範囲外であると判定された場合には、各値が特2保留として記憶されることはない。当該特2始動保留処理によって、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングにおいて取得した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値について、変動表示を行う権利が得られたことになる。特2始動保留処理によって、各値のうちの少なくとも一つがノイズ等によって破損した場合に、当該各値が特2保留として記憶されることがないことから、異常値が遊技に反映されて遊技性が損なわれることを防止することができる。特にラッシュステージH3において取得される特2保留は遊技者にとっての有利性が高く重要である。ここで、本実施形態とは異なり、特2保留が異常値であっても記憶され得る構成とした場合には、抽選機会の少ない貴重な特2当たり抽選が異常値のまま無駄に実行されてしまう可能性があり、遊技者にとっての損失が大き過ぎるものとなってしまう。これに対して、本実施形態では、上述したように、異常値が遊技に反映されることを抑制することができることから、遊技者が多大な損失を被ってしまうことを回避することができる。
なお、第2始動口34への遊技球の入球を契機として取得した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が正常範囲内である場合には、保留制御処理である特2始動保留処理の直後に対応制御処理である特2保留コマンド設定処理が必ず実行される。その上、特2保留コマンド設定処理は、保留コマンドを設定するだけの主制御装置60のMPU62による1ステップに過ぎず、その実行時間は極めて短い時間である。そのため、図463のタイムチャートにおいて、本来、特2保留プラス処理(特2始動保留処理と特2保留コマンド設定処理とを含む処理)とすべきところを、単に特2始動保留処理と記載し、当該タイムチャートについての説明においても、特2保留コマンド設定処理についての言及は省いて、特2保留プラス処理を単に特2始動保留処理として説明する。また、後述する図470~図472のタイムチャートおよびその説明においても同様とする。
停止時減算フラグは、高サポ状態H3aの非遊技回中において第2始動口34へ遊技球が入球したことを契機として特図2当たり抽選に基づく変動表示が実行される場合に、時短回数カウンタの値を1だけ減算するタイミングを、当該変動表示が停止して停止表示となったタイミング(すなわち、変動停止時)に遅延するためのフラグであり、ON状態とOFF状態とを取り得る。停止時減算フラグは、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される。
計数部である時短回数カウンタは、高頻度サポートモードが開始された場合に値が設定され、高頻度サポートモード時において第1の所定条件下で変動表示が実行される毎、もしくは第2の所定条件下で特2始動保留処理が実行される毎にカウンタ値が1だけ減算されるカウンタである。時短回数カウンタは、RAM64の各種カウンタエリア64fに記憶される。
特2保留連続演出、保留格納時減算演出、および変動停止時減算演出の内容については後述する。図中には、各演出が実行されている状態と実行されていない状態とが示されている。
サポートモードは、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとを取り得る。
先に説明したように、低サポ状態H1において、遊技回における当たり抽選において大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が3R大当たりAである場合に、第2特別電動役物としての可変入賞装置36の開閉扉36bが開閉動作を実行する開閉実行モード(大当たりに基づく開閉実行モード)H2が実行されるが、当該大当たりに基づく開閉実行モードの終了時に、サポートモードを低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに移行すると共に、時短回数カウンタに値4を設定する(時刻t0)。なお、図中の[ ]内に示した数字(例えば[1]~[4])は、高頻度サポートモードが開始されてから(高サポ状態が開始されてから)の遊技回の実行回数を示す。
高サポ状態となった時刻t0以後の非遊技回中において、第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合に、当該遊技球の入球を契機として保留制御処理である特2始動保留処理を実行する(時刻t1)。特2始動保留処理は、先に説明したように、第2始動口34への遊技球の入球を契機として取得した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が正常範囲内であるか否かを判定し、各値が正常範囲内であると判定された場合に、各値を特2保留として第2保留エリアRbに格納する処理である。なお、このケース1では、高サポ状態に移行した時刻t0では、特2保留の数は0であるものとする。このため、時刻t1で保留された特2保留は、第2保留エリアRbの第1エリアに格納される(図456参照)。なお、この特2保留を第2保留エリアRbの第1エリアに格納するに際し、所定演出処理である保留格納演出を実行する構成としてもよい。当該保留格納演出としては、例えば特有の画像部品を出現(表示)させたり、保留アイコンの表示態様を通常表示とは異なる態様で保留アイコンを出現させたり、特有の音声を出力したり等、種々の態様とすることができる。
本実施形態のパチンコ機では、特2始動保留処理において、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を特2保留として第2保留エリアRbに格納するに際し、上記各値に加えて減算済フラグを特2保留の一要素として第2保留エリアRbに格納する。なお、先に説明したように、高サポ状態における非遊技回中においては第2始動口34への遊技球の入球が発生して特2始動保留処理が実行されたとしても、上記(c)の処理、すなわち、当該特2始動保留処理が終了したタイミングで時短回数カウンタの値を1だけ減算する処理(保留格納時減算処理)を行わないことから、上記第2保留エリアRbへ特2保留の一要素として格納した減算済フラグは初期状態であるOFF状態に維持される。
その後、第2保留エリアRbの第1エリアに格納された特2保留を実行エリアAEに移動する保留情報シフト処理を実行し、当該特2保留についての当たり抽選を実行し、当該当たり抽選の抽選結果を示す遊技回(図中[1]と示される高サポ状態中の1回目の遊技回)の変動表示を開始する(時刻t2)。なお、非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生して特2始動保留処理が実行された場合には、当該特2始動保留処理の終了後に直ちに変動表示が開始されることから、当該特2始動保留処理の終了後から時刻t2までの期間は一瞬であり極めて短い。当該期間では、遊技者が第2保留表示領域Ds2内に保留アイコンを視認することもできない。
また、時刻t2において、実行エリアAEに格納されている特2保留に含まれる減算済フラグがONであるか否かを判定し、ONでないと判定された場合に、停止時減算フラグをONする。すなわち、時刻t1で第2始動口34への遊技球の入球が発生して特2始動保留処理が実行されたにもかかわらず、時短回数カウンタの減算を行わなかった代わりに、変動表示の停止時に時短回数カウンタの減算を行うべく、時刻t2のタイミングで停止時減算フラグをOFFからONに切り替える。なお、減算済フラグがONであると判定された場合には、停止時減算フラグをONに切り替えることは行われない。
時刻t2の後に、このケース1では、高サポ状態中の1回目の遊技回中に、第2始動口34への遊技球の入球が2回発生したものとする。2回のうちの最初の第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合に、当該遊技球の入球を契機として保留制御処理である特2始動保留処理を実行(正確には、保留制御処理である特2始動保留処理と対応制御処理である特2保留コマンド設定処理とを含む特2保留プラス処理を実行、以下同じ)し、当該特2始動保留処理の終了時(正確には、特2保留プラス処理の終了時、以下、同じ)に、時短回数カウンタの値を1だけ減算する処理を行う(時刻t3)。具体的には、第2始動口34への遊技球の入球を契機として特2始動保留処理を実行し、当該特2始動保留処理の終了時において、特図遊技回中フラグ(=遊技回が開始される場合にONにされ、その遊技回が終了する場合にOFFにされるフラグ)がONである場合に、時短回数カウンタの値を1だけ減算するとともに、当該特2始動保留処理によって格納された保留情報に付加された減算済フラグをONする処理を行う。その結果、時短回数カウンタの値は4から3に切り替わる。なお、特2始動保留処理の終了時において、特図遊技回中フラグがONでない場合には、時短回数カウンタの値を減算する処理を行わない。
その後、2番目の第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合に、1番目の第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合と同様に、当該遊技球の入球を契機として保留制御処理である特2始動保留処理を実行し、当該特2始動保留処理の終了時に、時短回数カウンタの値を1だけ減算する処理を行う(時刻t4)。具体的には、第2始動口34への遊技球の入球を契機として特2始動保留処理を実行し、当該特2始動保留処理の終了時において、特図遊技回中フラグがONである場合に、時短回数カウンタの値を1だけ減算するとともに、当該特2始動保留処理によって格納された保留情報に付加された減算済フラグをONする処理を行う。その結果、時短回数カウンタの値は3から2に切り替わる。なお、第2始動口34に入球した遊技球の最大保留数は2個であることから、高サポ状態中の1回目の遊技回中に第2始動口34への遊技球の入球が更にあったとしても、当該遊技回中に保留の数が更に増加することはない。特2始動保留処理の終了時において、特図遊技回中フラグがONでない場合には、時短回数カウンタの値を減算する処理を行わない。
高サポ状態中の1回目の遊技回における変動表示が停止して停止表示となったタイミング(変動停止時)で、停止時減算フラグがONである場合に、停止時減算フラグをONからOFFに切り替えるとともに時短回数カウンタの値を1だけ減算する処理を行う(時刻t5)。停止時減算フラグがONであるということは、変動表示の停止時に時短回数カウンタの減算を行う必要があるということであり、そのために、変動停止のタイミングである時刻t5において、時短回数カウンタの値を減算する処理を行う。その結果、時短回数カウンタの値は2から1に切り替わる。なお、停止時減算フラグがONでない場合には、時短回数カウンタの値を減算する処理を行わない。
高サポ状態中の1回目の遊技回の当否結果が外れとなった場合、1回目の遊技回における確定中が終了したタイミングで、当該1回目の遊技回中に最初に保留された特2保留を実行エリアAEに移動する保留情報シフト処理を実行し、当該特2保留についての当たり抽選を実行し、当該当たり抽選の抽選結果を示す特定変動制御である遊技回(図中[2]と示される2回目の遊技回)の変動表示を開始する(時刻t6)。
このケース1では、高サポ状態中の2回目の遊技回中に、第2始動口34への遊技球の入球が発生したものとする。当該遊技球の入球が発生した場合に、当該遊技球の入球を契機として保留制御処理である特2始動保留処理を実行し、当該特2始動保留処理の終了時に、時短回数カウンタの値を1だけ減算する処理を行う(時刻t7)。具体的には、第2始動口34への遊技球の入球を契機として特2始動保留処理を実行し、当該特2始動保留処理の終了時において、特図遊技回中フラグがONである場合に、時短回数カウンタの値を1だけ減算するとともに、当該特2始動保留処理によって格納された保留情報に付加された減算済フラグをONする処理を行う。その結果、時短回数カウンタの値は1から0に切り替わる。そして、時短回数カウンタの値が0となったことを契機として、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。なお、特2始動保留処理の終了時において、特図遊技回中フラグがONでない場合には、時短回数カウンタの値を減算する処理を行わない。
高サポ状態中の2回目の遊技回の当否結果が外れとなった場合、2回目の遊技回における確定中が終了したタイミングで、第2保留エリアRbの第1エリアに保留された特2保留(すなわち、1回目の遊技回において2回目に保留された特2保留)を実行エリアAEに移動する保留情報シフト処理を実行し、当該特2保留についての当たり抽選を実行し、当該当たり抽選の抽選結果を示す特定変動制御である遊技回(図中[3]と示される3回目の遊技回)の変動表示を開始する(時刻t8)。
高サポ状態中の3回目の遊技回の当否結果が外れとなった場合、3回目の遊技回における確定中が終了したタイミングで、第2保留エリアRbの第1エリアに保留された特2保留(すなわち、2回目の遊技回において保留された特2保留)を実行エリアAEに移動する保留情報シフト処理を実行し、当該特2保留についての当たり抽選を実行し、当該当たり抽選の抽選結果を示す特定変動制御である遊技回(図中[4]と示される4回目の遊技回)の変動表示を開始する(時刻t9)。その後、当該変動表示が停止して確定中となり(時刻t10)、当該確定中が終了して非遊技回となる(時刻t11)。
本実施形態のパチンコ機10では、高サポ状態中(時刻t0~時刻t8)において、時短回数カウンタの値を図柄表示装置41に表示する演出を行う。時短回数カウンタの値はラッシュステージH3で実行可能な残りの遊技回の回数を示すことから、時短回数カウンタの値を図柄表示装置41に表示することによって、遊技者に対してラッシュステージH3の残りの遊技回の回数を示唆することができる。
図464は、高サポ状態への移行直後の図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、メイン表示領域MAと特2の保留アイコンを表示する第2保留表示領域Ds2との間に、時短回数カウンタの値を表示する時短回数表示領域RCが設けられている。時短回数表示領域RCにおいて、時短回数カウンタの値の前に「あと」という文字列を、時短回数カウンタの値に「回」という文字列をそれぞれ表示することによって、「あと○○回」という形態で時短回数カウンタの値の表示を行う。図464は時刻t0から時刻t1の間の表示面41aを示すものであり、時短回数表示領域RCには「あと4回」との表示がなされている。なお、この時短回数カウンタの値を表示する演出を、以下、時短回数演出とも呼ぶ。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、時短回数表示領域RCに表示された回数が切り替わる毎に、保留格納時減算演出または変動停止時減算演出を図柄表示装置41に表示する演出を行う。具体的には、高サポ状態における遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生して特2始動保留処理が実行された場合に、当該特2始動保留処理の終了時(時刻t3、t4、t7)に保留格納時減算演出を実行し、高サポ状態における非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生して当該入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて変動表示が実行された場合に、当該変動表示が停止して停止表示となる時(すなわち、変動停止時:時刻t5)に変動停止時減算演出を実行する。
図465および図466は、図柄表示装置41に表示される保留格納時減算演出の一例を示す説明図である。図465(a)は、保留格納時減算演出の前に実行される保留アイコン追加演出を示している。高サポ状態における遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生して特2始動保留処理が実行された場合に、当該特2始動保留処理の終了時に(時刻t3)、保留アイコン追加演出として、図柄表示装置41の表示面41aにおける第2保留表示領域Ds2に保留アイコンICを追加する画像表示がなされる。例えば、図示するように、保留アイコンICが第2保留表示領域Ds2内にパッと出現するように画像表示がなされる。なお、保留アイコンICを追加する際には、保留格納演出を併せて行う構成としてもよい。保留格納演出としては、例えば特有の画像部品を出現(表示)させたり、保留アイコンICの表示態様を通常表示とは異なる態様で保留アイコンICを出現させたり、特有の音声を出力したり等、種々の態様とすることができる。
第2保留表示領域Ds2内に保留アイコンICが出現した際の時短回数表示領域RCに表示される回数は、4となっている。
図465(b)は、保留格納時減算演出の1番目の工程を示す説明図である。保留アイコン追加演出の終了後に、保留格納時減算演出の1番目の工程として、第2保留表示領域Ds2において追加された保留アイコンICから、時短回数表示領域RCに向かってロケットRTが発射され、当該ロケットRTが時短回数表示領域RCで爆発する画像表示がなされる。なお、ロケットRTは、例えば、レーザビーム、エネルギー波、銃弾など、保留アイコンICから第2保留表示領域Ds2に向かって進行することが可能な種々の画像部品に換えてもよい。
図466は、保留格納時減算演出の2番目の工程を示す説明図である。保留格納時減算演出の1番目の工程の終了後に、保留格納時減算演出の2番目の工程として、ロケットRTが消えるとともに、時短回数表示領域RCに表示される回数が4から3に切り替わる画像表示がなされる。
上述した構成の保留アイコン追加演出によれば、第2保留表示領域Ds2内に保留アイコンICが出現したことを遊技者に認識させることによって、遊技者に特2保留を得られたことの喜びを付与することができる。また、保留格納時減算演出によれば、保留アイコンICから発射し時短回数表示領域RCで爆発するロケットRTと、ロケットRTが爆発した特2保留表示領域Ds2に表示される回数とを遊技者に認識させることによって、特2保留が得られたことによってラッシュステージH3において残された遊技回の回数が何回になるかを認識させることができ、遊技者に当たり当選することへの期待感とドキドキ感とを付与することができる。
なお、高サポ状態における1回目の遊技回中において2個目の第2始動口34への遊技球の入球が発生して特2始動保留処理が実行された場合(時刻t4)にも、図示はしないが同様に、上述した構成の保留格納時減算演出が実行される。当該保留格納時減算演出の結果、時短回数表示領域RCに表示される回数は3から2に切り替わる。
図467および図468は、図柄表示装置41に表示される変動停止時減算演出の一例を示す説明図である。図467(a)は、高サポ状態における1回目の遊技回における変動停止直前の図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。1回目の遊技回における変動停止前(時刻t4~時刻t5)において、図柄表示装置41の表示面41aのメイン表示領域MAに、装飾図柄が所定の向きにスクロールする変動中の表示がなされる。時短回数表示領域RCには、「あと2回」との表示がなされる。
図467(b)は、変動停止時減算演出の1番目の工程を示す説明図である。変動停止時減算演出の1番目の工程として、高サポ状態における1回目の遊技回における変動表示が停止して停止表示となる時(すなわち、変動停止時:時刻t5)に、保留消化領域Dmに表示された保留アイコンICが時短回数表示領域RCに移動し爆発する画像表示がなされる。図中においてメイン表示領域MAに表示される変動表示は、保留消化領域Dmに表示されていた保留アイコンに対応した特2保留に基づいた当たり抽選の結果を報知するためのもので、ここでは、1回目の遊技回についてのものである。当該保留アイコンICは、「あと2回」と表示された時短回数表示領域RCに移動し爆発する。
図468は、変動停止時減算演出の2番目の工程を示す説明図である。変動停止時減算演出の1番目の工程の終了後に、変動停止時減算演出の2番目の工程として、爆発した保留アイコンICが消えるとともに、時短回数表示領域RCに表示される回数が値2から値1に切り替わる画像表示がなされる。
上述した構成の変動停止時減算演出によれば、保留消化領域Dmに表示された保留アイコンICが時短回数表示領域RCに移動し爆発することを遊技者に認識させることによって、特図2当たり抽選に基づいて変動表示が実行されたことによって残された遊技回の回数が何回になるかを認識させることができ、遊技者に当たり当選することへの期待感とドキドキ感とを付与することができる。
図463に示したケース1では、上述した保留格納時減算演出は、高サポ状態における2回目の遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生して特2始動保留処理が実行された場合(時刻t7)にも実行される。当該保留格納時減算演出の結果、時短回数表示領域RCに表示される回数は値1から値0に切り替わる。当該表示される回数が値1から値0に切り替わったときには、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行することから、時短回数表示領域RC内の表示そのものが消される。なお、変形例として、時短回数表示領域RCに表示される回数を値1から値0に切り替える表示の切り替えは行わずに、当該切り替えのタイミングで直ちに時短回数表示領域RC内の表示そのものを消す構成としてもよい。
ケース1の場合、高サポ状態における1回目の遊技回において特2保留が複数、記憶されることから、複数の特2保留を先読みして複数の遊技回を跨いだ連続演出(特2保留連続演出)を実行することが可能となっている。すなわち、ケース1の場合、1回目の遊技回において記憶された複数の特2保留の中に、リーチ演出などの大当たり当選の期待度が高いリーチ演出を実行する(実行予定の)保留情報が存在する場合に、当該保留情報以前(当該保留情報を含む当該保留情報よりも前)に記憶された各保留情報についての変動表示中に、特殊な演出である特2保留連続演出を実行することが可能となっている。詳細には、1回目の遊技回において2番目の第2始動口34への遊技球の入球を契機として記憶された特2保留が、リーチ演出などの大当たり当選の期待度が高いリーチ演出を実行する(実行予定の)保留情報であると先読みにて判定された場合に、1回目の遊技回において1番目の第2始動口34への遊技球の入球を契機として記憶された特2保留に基づく当たり抽選の抽選結果を告知する2番目の遊技回と、1回目の遊技回において2番目の第2始動口34への遊技球の入球を契機として記憶された特2保留に基づく当たり抽選の抽選結果を告知する3番目の遊技回とにおける、各遊技回の変動表示中(例えば、変動開始時から所定期間)において、特殊な演出として泡を出現させる特2保留連続演出を実行する。
図469は、特2保留連続演出の一例を示す説明図である。ケース1における3回目の遊技回の変動中(例えば、変動開始時から所定期間)において、特2保留連続演出として、泡BLが出現する演出が実行される。泡BLが出現する演出としては、表示面41aのメイン表示領域MAを含む広い範囲に泡BLが表示されるとともに、泡音を示す音声がスピーカー46から発せられる。なお、泡BLは、例えば、魚群、鳥の群れ、流星、花びら等の顕著性に優れた種々の画像部品に換えてもよい。また、必ずしも顕著性に優れていない画像部品に換えることもできる。
以上のように動作するケース1によれば、サポートモードが低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに移行した後に、高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数と、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数との合計値が規定回数である4回に達した場合に、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。具体的には、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が1回行われ、遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理が3回行われた場合に、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
なお、ケース1では、図463を見る限り、高サポ状態が開始されてから4回目の遊技回である最終の遊技回における変動表示中の時間(変動時間:t9~t10)が1回目の遊技回における変動表示中の時間(変動時間:t2~t5)よりも短くなっているが、これは図示の都合によってそのようになっているだけであり、実際は、最終の遊技回における変動時間を、1回目から3回目までのいずれの遊技回における変動時間よりも長くなるように設定している。
また、最終の遊技回における変動表示中にあらわれる状態背景を、1回目から3回目までの遊技回における変動表示中にあらわれるいずれの状態背景とも相違する内容に設定している。具体的には、例えば、1回目から3回目までの遊技回における変動表示中にあらわれる状態背景を、主人公としての戦士キャラクターが全速力で走る様子が示される内容に設定しているのに対して、最終の遊技回における変動表示中にあらわれる状態背景を、主人公としての戦士キャラクターが敵キャラクターと対決する戦闘演出(以下、バトル演出とも呼ぶ)と、戦士キャラクターが勝利したか敗北したかを告知する結果告知演出とを含む内容に設定している。
遊技者は、最終の遊技回における長くなった変動時間や、バトル演出がなされる状態背景によって、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とが増すことになる。
なお、最終の遊技回における変動表示中にあらわれる状態背景を、1回目から3回目までの遊技回における変動表示中にあらわれる状態背景と異なった内容とする他の態様として、1回目から3回目までの遊技回における変動表示中にあらわれる状態背景を主人公ではない戦士キャラクターが登場する演出とし、最終の遊技回における変動表示中にあらわれる状態背景を主人公である戦士キャラクターが登場する演出としてもよい。また、1回目から3回目までの遊技回における変動表示中には演出操作ボタン24(図450参照)を操作することを遊技者に対して促す示唆演出を行わずに、最終の遊技回における変動表示中に演出操作ボタン24を操作することを遊技者に対して促す示唆演出を行う構成としてもよい。遊技者が当該示唆演出に従って演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
最終の遊技回における長くなった変動時間や、上述した各種の状態背景、上述した示唆演出については、後述するケース2からケース4においても同様である。
図470は、ラッシュステージH3における処理の一例をケース2として説明するためのタイムチャートである。図中には、ケース1を示す図463と同様に、上段から下段に向かって、図柄変動の表示態様、特2始動保留処理、停止時減算フラグ、時短回数カウンタ、特2保留連続演出、保留格納時減算演出、変動停止時減算演出、およびサポートモードが、時間経過とともにどのように変化するかを示した。
このケース2では、高サポ状態において、まず、非遊技回中に第2始動口34への遊技球の入球が発生して(時刻t21)、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する1回目の遊技回が実行される(時刻t22~t24)。1回目の遊技回中には第2始動口34への遊技球の入球は無く、1回目の遊技回が終了した後の非遊技中に第2始動口34への遊技球の入球が発生して(時刻t25)、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する2回目の遊技回が実行される(時刻t26~t29)。2回目の遊技回中に第2始動口34への遊技球の入球が発生して、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する3回目の遊技回が実行される(時刻t29~t31)。3回目の遊技回中に第2始動口34への遊技球の入球が発生して、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する4回目の遊技回が実行される(時刻t31~t32)。
高サポ状態における非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合(時刻t21,t25)、ケース1の場合と同様に、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する遊技回の開始時に停止時減算フラグをONとし(時刻t22,t26)、当該遊技回における変動停止時に、停止時減算フラグがONである場合に。停止時減算フラグをONからOFFに切り替えるとともに時短回数カウンタの値を1だけ減算する(時刻t23,t28)。その結果、時刻t23において時短回数カウンタの値は4から3に切り替わり、時刻t28において時短回数カウンタの値は2から1に切り替わる。なお、この時短回数カウンタの値が減算される際に、先に説明した変動停止時減算演出が実行される。
高サポ状態における遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合、ケース1の場合と同様に、当該遊技球の入球を契機として特2始動保留処理を実行し、当該特2始動保留処理の終了時に、時短回数カウンタの値を1だけ減算する(時刻t27,t30)。その結果、時刻t27において時短回数カウンタの値は3から2に切り替わり、時刻t30において時短回数カウンタの値は1から0に切り替わる。なお、この時短回数カウンタの値が減算される際に、先に説明した保留格納時減算演出が実行される。ケース2の場合には、高サポ状態に移行してから特2保留が2個貯えられることがないことから、特2保留連続演出については実行されることがない。
時短回数カウンタの値が1から0に切り替わったことを契機として、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する(時刻t30)。
以上のように動作するケース2によれば、サポートモードが低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに移行した後に、高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数と、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数との合計値が規定回数である4回に達した場合に、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。具体的には、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が2回行われ、遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理が2回行われた場合に、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
図471は、ラッシュステージH3における処理の一例をケース3として説明するためのタイムチャートである。図中には、ケース1を示す図463と同様に、上段から下段に向かって、図柄変動の表示態様、特2始動保留処理、停止時減算フラグ、時短回数カウンタ、特2保留連続演出、保留格納時減算演出、変動停止時減算演出、およびサポートモードが、時間経過とともにどのように変化するかを示した。
このケース3では、高サポ状態において、まず、非遊技回中に第2始動口34への遊技球の入球が発生して(時刻t41)、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する1回目の遊技回が実行される(時刻t42~t44)。1回目の遊技回中には第2始動口34への遊技球の入球は無く、1回目の遊技回が終了した後の非遊技中に第2始動口34への遊技球の入球が発生して(時刻t45)、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する2回目の遊技回が実行される(時刻t46~t48)。2回目の遊技回中には第2始動口34への遊技球の入球は無く、2回目の遊技回が終了した後の非遊技中に第2始動口34への遊技球の入球が発生して(時刻t49)、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する3回目の遊技回が実行される(時刻t50~t53)。3回目の遊技回中に第2始動口34への遊技球の入球が発生して、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する4回目の遊技回が実行される(時刻t53~t54)。
高サポ状態における非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合(時刻t41,t45,t49)、ケース1の場合と同様に、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する遊技回の開始時に停止時減算フラグをONとし(時刻t42,t46,t50)、当該遊技回における変動停止時に、停止時減算フラグがONである場合に、停止時減算フラグをONからOFFに切り替えるとともに時短回数カウンタの値を1だけ減算する(時刻t43,t47)。その結果、時刻t43において時短回数カウンタの値は4から3に切り替わり、時刻t47において時短回数カウンタの値は3から2に切り替わる。なお、この時短回数カウンタの値が減算される際に、先に説明した変動停止時減算演出が実行される。ケース3の場合、非遊技回中において第2始動口34へ遊技球が入球したことを契機として実行された3回目の遊技回の変動停止時(時刻t52)も、時短回数カウンタの値を1だけ減算する処理の対象となるが、実際は、時刻t52よりも前に時短回数カウンタの値が0に達してサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行しているために、時刻t52においては時短回数カウンタの値を1だけ減算する処理は行われない。
高サポ状態における遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合、ケース1の場合と同様に、当該遊技球の入球を契機として特2始動保留処理を実行し、当該特2始動保留処理の終了時に、時短回数カウンタの値を減算する(時刻t51)。ただし、当該減算において、ケース1では減数(引く数)が値1であったのに対して、このケース2では減数が値2となっており、その結果、時刻t51において、時短回数カウンタの値は2から0に切り替わる。ここで、時刻t51において、ケース1の場合と同様に減数を1とし、時短回数カウンタの値が2から1に切り替わる構成とした場合を考えてみる。この場合には、当該遊技回中(図示の例では、3番目の遊技回中)において第2始動口34へ2球目の遊技球が入球することを許容してしまい、高サポ状態H3a中においてトータルで5球の遊技球が第2始動口34へ入球してしまうことになる。その結果、ラッシュステージH3における変動表示の回数が規定回数である4回を超過してしまう虞があった。これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、時刻t51において、時短回数カウンタの値が2から0に切り替わる構成とすることで、ラッシュステージH3における変動表示の回数が4回を超過してしまうことを防いでいる。具体的には、次に示す時短回数超過回避処理(以下、第1の時短回数超過回避処理とも呼ぶ)を実行することによって、時刻t51において時短回数カウンタの値が2から0に切り替わるように制御する。
本実施形態のパチンコ機10では、高サポ状態における遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合に、まず、当該遊技球の入球を契機として特2始動保留処理を実行し、当該特2始動保留処理の終了時に、時短回数カウンタの値を1だけ減算する。次いで、第1の時短回数超過回避処理として、当該特2始動保留処理が1個目の保留についてのものであるか否かの判定と、時短回数カウンタの値が1であるか否かの判定と、停止時減算フラグがONであるか否かの判定とを行い、当該3つの判定結果が全て肯定判定の場合に、時短回数カウンタの値をさらに1だけ減算する処理を行うとともに、停止時減算フラグをOFFする処理を行う。この結果、時刻t51において、時短回数カウンタの値を2から0に切り替えることが可能となる。なお、この時短回数カウンタの値が減算される際に、先に説明した保留格納時減算演出が実行される。時短回数カウンタの値が2から0に切り替わると、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する(時刻t51)。なお、上記3つの判定結果の内の少なくとも1つが否定判定の場合には、時短回数カウンタの値の2回目の減算と、停止時減算フラグのOFFへの切り替えとを行わない。
以上のように動作するケース3によれば、サポートモードが低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに移行した後に、高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数と、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数との合計値が規定回数である4回に達した場合に、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。具体的には、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が3回行われ、遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理が1回行われた場合に、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
図472は、ラッシュステージH3における処理の一例をケース4として説明するためのタイムチャートである。図中には、ケース1を示す図463と同様に、上段から下段に向かって、図柄変動の表示態様、特2始動保留処理、停止時減算フラグ、時短回数カウンタ、特2保留連続演出、変動停止時減算演出、およびサポートモードが、時間経過とともにどのように変化するかを示した。なお、ケース1を示す図463では、保留格納時減算演出をさらに示したが、このケース4では、保留格納時減算演出に換えて変動開始時減算演出を示した。
このケース4では、高サポ状態において、まず、非遊技回中に第2始動口34への遊技球の入球が発生して(時刻t61)、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する1回目の遊技回が実行される(時刻t62~t64)。1回目の遊技回中には第2始動口34への遊技球の入球は無く、1回目の遊技回が終了した後の非遊技中に第2始動口34への遊技球の入球が発生して(時刻t65)、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する2回目の遊技回が実行される(時刻t66~t68)。2回目の遊技回中には第2始動口34への遊技球の入球は無く、2回目の遊技回が終了した後の非遊技中に第2始動口34への遊技球の入球が発生して(時刻t69)、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する3回目の遊技回が実行される(時刻t70~t72)。3回目の遊技回中には第2始動口34への遊技球の入球は無く、3回目の遊技回が終了した後の非遊技中に第2始動口34への遊技球の入球が発生して(時刻t73)、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する4回目の遊技回が実行される(時刻t74~t76)。
高サポ状態における非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合(時刻t61,t65、t69)、ケース1の場合と同様に、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する遊技回の開始時に停止時減算フラグをONとし(時刻t62,t66,t70)、当該遊技回における変動停止時に、停止時減算フラグがONである場合に、停止時減算フラグをONからOFFに切り替えるとともに時短回数カウンタの値を1だけ減算する(時刻t63,t67,t71)。この結果、時刻t63において時短回数カウンタの値は4から3に切り替わり、時刻t67において時短回数カウンタの値は3から2に切り替わり、時刻t71において時短回数カウンタの値は2から1に切り替わる。なお、この時短回数カウンタの値が減算される際に、先に説明した変動停止時減算演出が実行される。ケース4の場合、3回目の遊技回が終了した後の非遊技回中において第2始動口34へ遊技球が入球したことを契機として実行された4回目の遊技回の変動停止時(時刻t76)も、時短回数カウンタの値を1だけ減算する処理の対象となるが、実際は、当該4回目の遊技回の変動停止時(時刻t76)に減算することを行わず、当該変動停止時(時刻t76)よりも前のタイミングである当該4回目の遊技回の開始時(=遊技回の変動開始時:時刻74)に減算を行う構成とした。
ここで、3回目の遊技回が終了した後の非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球があった場合に、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する4回目の遊技回の変動停止時に、時短回数カウンタの値を1だけ減算する構成を考えてみる。この場合には、当該遊技回中(図示の例では、4番目の遊技回中)において第2始動口34へ遊技球が1個または2個、入球することを許容してしまい、高サポ状態H3a中においてトータルで5個または6個の遊技球が第2始動口34へ入球してしまうことになる。その結果、ラッシュステージH3における変動表示の回数が規定回数である4回を超過してしまう虞があった。これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、4回目の遊技回の開始時に時短回数カウンタの値を1だけ減算する構成とすることで、ラッシュステージH3における変動表示の回数が4回を超過してしまうことを防いでいる。具体的には、次に示す時短回数超過回避処理(以下、第2の時短回数超過回避処理とも呼ぶ)を実行することによって、4回目の遊技回の開始時に時短回数カウンタの値を1だけ減算するように制御する。
本実施形態のパチンコ機10では、第2の時短回数超過回避処理として、高サポ状態における非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球があった場合に、当該入球を契機とする当たり抽選(特図2当たり抽選)の抽選結果を告知する遊技回の変動開始時に、実行エリアの保留情報(すなわち、当該変動が開始された遊技回に係る保留情報)に付した減算済フラグがONでなく、かつ、時短回数カウンタの値が値1であるか否かを判定し、当該判定の結果が肯定判定となったときに、時短回数カウンタの値を1だけ減算する処理を行う。これによって、ケース4の場合には、4回目の遊技回の変動開始時(時刻t74)に時短回数カウンタの値の減算が行われ、その結果、時短回数カウンタの値が1から0に切り替わり、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。このために、4回目の遊技回中に、第2始動口34へ遊技球が入球することを抑制することができ、ラッシュステージH3における変動表示の回数が規定回数である4回を超過してしまうことを防ぐことができる。なお、この時短回数カウンタの値が減算される変動開始時(時刻t74)において、変動開始時減算演出が実行される。
変動開始時減算演出は、変動開始時に、図柄表示装置41の表示面41aにおける保留消化領域Dm(例えば図467(a)参照)に表示された保留アイコンから、時短回数表示領域RC(例えば図467(a)参照)に向かってロケットを発射し、当該ロケットを時短回数表示領域RCで爆発させ、その後、時短回数表示領域RCに表示される回数を1だけ減らす処理である。なお、ロケットRTは、例えば、レーザビーム、エネルギー波、銃弾など、保留アイコンICから第2保留表示領域Ds2に向かって進行することが可能な種々の画像部品に換えてもよい。なお、当該変動開始時減算演出を、先に説明した変動停止時減算演出のように、保留アイコンICが時短回数表示領域RCに移動し爆発する演出内容としなかったのは、変動開始時減算演出の後に、保留消化領域Dmから保留アイコンICが移動し消えてしまうのは、当該変動開始された変動表示中において、保留消化領域Dm内に保留アイコンICが存在しないことになり、演出上、不都合となるためであり、当該変動開始時減算演出では、保留消化領域Dm内の保留アイコンからロケットが発射する構成とすることで、変動開始時減算演出の後に保留消化領域Dm内に保留アイコンICが残る構成とした。
以上のように動作するケース4によれば、サポートモードが低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに移行した後に、高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数と、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数との合計値が規定回数である4回に達した場合に、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。具体的には、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が4回行われ、遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理が行われなかった場合に、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。なお、サポートモードが低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに移行した後において、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される4回の変動表示のうちの少なくとも1回の変動表示が、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした特図1当たり抽選に基づいて実行される変動表示に換わった場合にも、特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示の実行回数と特図1当たり抽選に基づいて実行される変動表示の実行回数との合計値が規定回数である4回に達した場合には、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
以上詳述したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技球が第2始動口34に入賞することに基づいて当たり抽選(特図2当たり抽選)が行われ、特図2当たり抽選に基づいて所定期間の特2図柄の変動表示が実行され、当該特2図柄変動を含む遊技回中に遊技球が第2始動口34に入賞することに基づいて2個までの変動表示を行なう特2始動保留処理と特2保留コマンド設定処理とを含む処理(特2保留プラス処理)が行なわれ、特図2当たり抽選の抽選結果が大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む)である場合に、変動表示が大当たり当選結果に対応した同一図柄の組み合わせで停止表示させられ、その後に遊技者に付与される特典として大当たりに基づく開閉実行モードが実行される。また、本実施形態のパチンコ機10によれば、当たり抽選で大当たり当選または小当たり当選し、3R大当たりAまたは9R大当たりAに振り分けられることに基づいて高サポ状態に移行し、特定終了条件の成立に基づいて高サポ状態が終了させられる。特定終了条件としては、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が4回行われ、遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理が行われなかった場合(例えば、図472のケース4の場合)、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が3回行われ、遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理が1回行われた場合(例えば、図471のケース3の場合)、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が2回行われ、遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理が2回行われた場合(例えば、図470のケース2の場合)、または、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が1回行われ、遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理が3回行われた場合(例えば、図463のケース1の場合)に、高サポ状態が終了させられる。
次に、従来のパチンコ機における課題を述べた後、本実施形態のパチンコ機10の利点について具体的に説明する。
従来のパチンコ機等の遊技機では、遊技球が始動口に入球した(以下、「入賞した」とも呼ぶ)ことを契機に、図柄表示装置(例えば、液晶表示装置)に特別図柄を変動表示する。そして、変動表示後に停止表示した特別図柄の態様によって、その入賞に対して行われた当たり抽選の結果が大当たり当選であるか否かを遊技者に報知する。例えば、抽選結果が大当たり当選である場合には、同じ種類の特別図柄が3つ揃った「777」等の大当たり図柄配列を表示して遊技者に大当たり当選を報知している。大当たり当選が報知されると、遊技者にはその後に大当たり遊技(大入賞口を一定時間開く等)が付与される。
近年、特別図柄の変動表示に要する時間(以下、変動表示時間と呼ぶ)を短縮させる、いわゆる「時短機能」を備えたパチンコ機が多数登場している。時短機能の動作中である時短遊技状態においては、始動口(例えば、右打ちルート上に設けられた第2始動口)に設けられた普通電動役物が高頻度サポートモードにて始動口への入賞を補助することから、遊技者は、始動口への多数の入賞を短時間で発生させることが可能となる。
この種の遊技機では、普通電動役物に対応した始動口の方が、普通電動役物に対応しない始動口よりも、当該始動口に遊技球が入賞した場合に遊技者に付与される利益が高くなるように設計されているのが一般的である。このため、時短遊技状態中は通常時より遊技者にとっていっそう有利な遊技状態となり、遊技性が向上する。
しかし、上記遊技機では、時短遊技状態の終了制御が好適に行われないと、時短遊技状態中の変動回数が不定な回数となってしまう。具体的には、従来の遊技機では、特別図柄の変動回数や普通電動役物の開放回数が所定回数に達した場合に時短遊技状態を終了させるように構成されている。普通電動役物の開放回数が所定回数に達した場合に時短遊技状態を終了させる構成とした場合に、普通電動役物の開放時に始動口に遊技球が入球するか否かによって、実行され得る変動回数が大きく変化してしまう。そのために、特別図柄の変動回数が所定回数に達した場合に時短遊技状態を終了させる構成が選択され易いが、この構成の場合、時短遊技状態の終了制御を好適に行うことが難しく、終了制御が好適に行われない場合に、時短遊技状態中の特別図柄の変動回数が所定回数より多い回数となってしまう虞があった。
したがって、遊技機において、時短遊技状態の終了制御を好適に行って、安定した変動回数の時短遊技を実行させることのできる技術が望まれていた(課題1)。
従来の遊技機では、さらに次の課題も生じ得た。
従来の遊技機では、遊技性を向上させるために、特別図柄の変動表示中に始動口に遊技球が入賞した場合でも、その入賞により取得された特別情報を無効とせずに、保留情報として所定数まで記憶させる。記憶させた保留情報の数(保留数)は、複数のLED等で構成される保留ランプの点灯・消灯状態によって遊技者に認識可能とされており、特別図柄の変動表示が終了する毎に保留情報が1つずつ当たり抽選の対象となり、それに伴って保留ランプも1つずつ消灯される。なお、記憶させる保留数を複数としたパチンコ機では、複数の保留情報を先読みして保留を跨いだ連続演出を行うことが可能となり、大当たりに対してより大きな期待感を遊技者に対して抱かせることができる。
しかし、上記複数の保留情報を記憶可能なパチンコ機において上述した時短機能を採用した場合では、時短遊技状態の終了条件として設定されている所定回数目の変動表示中に保留情報が上限数以下の個数だけ記憶されることがあり得て、時短遊技の発生に基づいて実行される変動表示の回数にバラツキが生じてしまう。先に説明したように、普通電動役物に対応した始動口の方が、普通電動役物に対応しない始動口よりも、当該始動口に遊技球が入賞した場合に遊技者に付与される利益が高くなるように設計されていることから、時短遊技の発生に基づいて実行される変動表示の回数にバラツキが生じる事は遊技機の出球性能に大きな変化をもたらす。
したがって、遊技機において、保留情報の記憶状況によって、時短遊技の発生に基づいて実行され得る変動回数にバラツキが生じないように、時短遊技状態の終了制御を好適に行いたいという課題が生じた(課題2)。
従来の遊技機では、さらに次の課題も生じ得た。
従来の遊技機としてのパチンコ機では、例えば、1種2種混合タイプのスペックを採用し、普通電動役物に対応した第2始動口への遊技球の入賞を契機として実行される当たり抽選における大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む)の確率を極めて大きくし、少ない変動表示の回数で極めて高い継続率を実現する構成を備えているものが知られている。具体的には、大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む)の確率を約1/2とし、変動表示の回数を最大4回として、約94%の継続率を実現するパチンコ機が提案されている。かかるパチンコ機では、最大4回とした変動表示の回数は厳格に制限される必要があり、何かのタイミングで5回目の変動表示が行われてしまうと、継続率が100%に近い値となってしまい、パチンコ機の出球性能に大きな変化が起きてしまうという課題が発生してしまう。
このために、従来、高頻度サポートモードの遊技状態(時短遊技状態)が継続する変動表示の実行回数を3回とし、第2始動口に対応した保留情報の上限数を1個とすることによって、3変動+保留1回の4変動で継続して当たり抽選を行うことで、5回転目の変動表示が発生しないように構成したパチンコ機が提案されている。
しかしながら、この構成では、記憶可能な保留数の上限が1個であるために、上述した保留を跨いだ連続演出を行うことができないことから、大当たりに対してより大きな期待感を遊技者に対して抱かせることが困難であった。このため、記憶可能な保留数の上限を複数(例えば2個)とする必要があるが、そうすると、時短遊技状態の終了条件として設定されている所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中に複数の保留情報を記憶させることが可能となってしまう。具体的には、遊技者は、時短遊技状態の終了条件として設定されている所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中に遊技球を打ち続けることで、当該所定回数目の変動表示中において複数の保留情報を記憶させることが可能となってしまう。換言すれば、所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中において、時短遊技状態となってから5球目の遊技球の始動口への入賞が発生してしまう。このために、当該所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中に複数(例えば2個)の保留情報が記憶された場合に、第2始動口への入賞に基づく変動表示の回数が規定した回数(上記例では4変動)を上回ってしまい、上述した課題、すなわち、継続率が100%に近い値となってしまい、出球性能に大きな変化が起きてしまうという課題を解決することができなくなってしまう。
なお、当該課題を解決する遊技機として、上述した所定回数目の変動表示中に記憶可能となる複数の保留情報の分を見越して、上記所定回数目よりも手前で時短状態を終了する構成(上記保留数を2個とした例では、2回目の変動表示の停止時に時短状態を終了する構成)を考えることができるが、この構成の場合、不慣れで単発打ちになってしまった遊技者や、発射不良によって単発打ちとなってしまった遊技者が、所定回数目の変動表示中に複数の保留情報を記憶させることできずに、結果として1回少ない回数で第2始動口への入賞に基づく変動表示を行うこととなってしまうことがあり得た。この結果、遊技者間で著しく不公平となってしまう新たな課題が発生してしまう。
このように、遊技機において、第2始動口に対応した保留情報の上限数を複数とすることで、保留を跨いだ連続演出を行うことを可能として、大当たりに対してより大きな期待感を遊技者に対して抱かせることができることと、時短遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動回数のバラツキによって出球性能に大きな変化が起きてしまうことを抑制することとを両立できる技術が望まれていた(課題3)。
上述した課題1~課題3からわかるように、本実施形態のパチンコ機10は、時短遊技状態の終了制御を好適に行って、安定した変動回数の時短遊技を実行させることを目的としている。
前述してきた本実施形態のパチンコ機10は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、具体的には、以下の形態を採用することが可能である。
本実施形態によれば、特定始動口入賞に基づいて特定抽選が行われ、特定抽選に基づいて所定期間の特定変動表示が実行され、制御処理部によって所定期間に特定始動入賞した場合に特定上限数までの保留制御処理と対応制御処理とを含む特定制御処理が実行され、特定抽選が所定抽選結果である場合に、所定期間が終了することに基づいて特定変動表示が所定抽選結果に対応した所定表示結果で停止表示させられ、所定表示結果の停止表示後に特別遊技状態が発生させられる。また、本実施形態によれば、特定開始条件の成立に基づいて特定期間の所定遊技状態が実行され、特定終了条件の成立に基づいて所定遊技状態が終了させられる。さらに、特定変動表示が特定回数N(Nは2以上の整数)回行われ、制御処理部による特定制御処理の実行が行われなかった場合、特定変動表示がN-1回行われ、制御処理部による特定制御処理の実行が1回行われた場合、または、特定変動表示がN-2回行われ、制御処理部による特定制御処理の実行が2回行われた場合に、少なくとも所定遊技状態が終了させられる。
このために、本実施形態によれば、特定変動表示の回数と特定制御処理の回数との合計値が特定回数Nに達した場合に、少なくとも所定遊技状態が終了させられることになる。上記合計値が特定回数Nに達した場合(すなわち、特定変動表示が特定回数N回行われ、特定制御処理の実行が行われなかった場合、特定変動表示がN-1回行われ、特定制御処理の実行が1回行われた場合、および、特定変動表示がN-2回行われ、特定制御処理の実行が2回行われた場合の各ケース)には、特定回数N回分の変動表示の実行が既に確保されたことになり、この場合に、所定遊技状態を終了させることで、遊技球が特定始動口へ入賞することを極めて困難とし、所定遊技状態を実行開始してから特定回数N回を上回る回数の変動表示が実行されてしまうことを抑制することができる。
したがって、本実施形態によれば、特定制御処理による変動表示を行う権利の保留状況によって、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数にバラツキが発生することを抑制することができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、遊技球が第2始動口34に入賞することに基づいて特定抽選である当たり抽選(特図2当たり抽選)が行われ、特図2当たり抽選に基づいて所定期間の特定変動表示である特2図柄の変動表示が実行され、当該特2図柄変動を含む遊技回中に遊技球が第2始動口34に入賞することに基づいて2個までの保留制御処理である変動表示を行なう特2始動保留処理と対応制御処理である特2保留コマンド設定処理とを含む処理(特2保留プラス処理)が行なわれ、特図2当たり抽選の抽選結果が大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む)である場合に、変動表示が大当たり当選結果に対応した同一図柄の組み合わせで停止表示させられ、その後に遊技者に付与される特典として大当たりに基づく開閉実行モードが実行される。また、本実施形態のパチンコ機10によれば、特定開始条件である当たり抽選で大当たり当選または小当たり当選し、3R大当たりAまたは9R大当たりAに振り分けられることが成立したことに基づいて所定遊技状態である高サポ状態に移行し、特定終了条件の成立に基づいて高サポ状態が終了させられる。特定終了条件としては、特定変動表示である、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が4回行われ、特定制御処理である、遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2保留プラス処理(=特2始動保留処理と特2保留コマンド設定処理とを含む処理)の実行が行われなかった場合(例えば、図472のケース4の場合)、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が3回行われ、遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2保留プラス処理が1回行われた場合(例えば、図471のケース3の場合)、または、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が2回行われ、遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2保留プラス処理が2回行われた場合(例えば、図470のケース2の場合)に、高サポ状態が終了させられる。また、本実施形態によれば、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が1回行われ、遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2保留プラス処理が3回行われた場合(例えば、図463のケース1の場合)に、高サポ状態が終了させられる。
このために、本実施形態によれば、高サポ状態が開始されてからの非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示の回数と、高サポ状態が開始されてからの遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2保留プラス処理の実行回数との合計値が規定回数である4回に達した場合に、高サポ状態が終了させられることになる。上記合計値が規定回数である4回に達した場合(すなわち、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が4回行われ、遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2保留プラス処理の実行が行われなかった場合、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が3回行われ、遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2保留プラス処理が1回行われた場合、および、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が2回行われ、遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2保留プラス処理が2回行われた場合等の各ケース)には、規定回数である4回分の変動表示の実行が既に確保されたことになり、この場合に、高サポ状態を終了させることで、遊技球が第2始動口34へ入賞することを極めて困難とし、高サポ状態を実行開始してから規定回数である4回を上回る回数の変動表示が実行されてしまうことを抑制することができる。
したがって、本実施形態によれば、特2始動保留処理による変動表示を行う権利の保留状況によって、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数にバラツキが発生することを抑制することができる。
本実施形態によれば、上述したように、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示の回数と、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理の実行回数とに基づいて、高サポ状態の終了タイミングを決定している。ここで、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理の実行回数だけに基づいて、高サポ状態の終了タイミングを決定する構成を考えてみる。この構成によれば、高サポ状態が開始されてからの非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合に、当該第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理の実行時に時短回数カウンタの減算が行われることになるが、当該特2始動保留処理の終了後から、当該特2始動保留処理によって格納された保留情報に従う変動表示が実行開始されるまでの期間は人間の識別が不能なほどの極めて短い期間であり、保留アイコンが点灯する事も視認できないし、この一瞬の期間に減算演出を行うこともできない。このために、遊技者からみたとき、知らないうちに高サポ状態の残り回数の表示が減っていくことになり、遊技の興趣の低下を招く虞がある。これに対して、本実施形態によれば、非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合には、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理の実行回数としてカウントするのではなく、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示の回数としてカウントするべく、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示の停止時に時短回数カウンタを減算する構成とした。これによって、当該変動表示の停止時に減算演出を行うことを可能としている。この結果、変動停止時減算演出によって、非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合にも高サポ状態の残り回数の表示が減っていることを遊技者に告知することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、先に説明したように、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合(小当たりしてV入賞大当たりとなった場合も含む)の方が、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合よりも遊技者にとっての有利性が高いものとなっている(図458参照)ことから、先に説明したように、時短遊技の発生に基づいて実行され得る変動回数のバラツキを抑制することで、パチンコ機10の出球性能に大きな変化が起きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態は、先に説明したように、ラッシュステージH3における変動表示の回数を4回という少ない回数で、約95%という高い継続率を実現している。このために、最大4回とした変動表示の回数は厳格に制限される必要があり、何かのタイミングで5回目の変動表示が行われてしまうと、継続率が100%に近い値となってしまい、パチンコ機の出球性能に大きな変化が起きてしまう。これに対して、本実施形態では、上述したように、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を規定回数以下に確実に抑えることができることができることから、パチンコ機の出球性能に大きな変化が起きてしまうことをいっそう確実に抑制することができるという効果を奏する。
ここで、従来例として、高サポ状態が継続する変動表示の実行回数を3回とし、第2始動口に対応した保留情報の上限数を1個とすることによって、3変動+保留1回の4変動で当たり抽選を継続することで、5回転目の変動表示が発生しないように構成したパチンコ機を考えてみる。この従来例のパチンコ機では、記憶可能な特2保留数が1個であるために、複数の特2保留を先読みして複数の遊技回を跨いだ連続演出を行うことができないことから、大当たりに対してより大きな期待感を遊技者に対して抱かせることが困難であった。このため、記憶可能な保留数の上限を複数(例えば2個)とする必要があるが、そうすると、従来例のパチンコ機では、高サポ状態の終了条件として設定されている所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中に複数の保留情報を記憶させることが可能となってしまう。具体的には、遊技者は、高サポ状態の終了条件として設定されている所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中に遊技球を打ち続けることで、当該所定回数目の変動表示中において複数の保留情報を記憶させることが可能となってしまう。換言すれば、所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中において、高サポ状態となってから5球目の遊技球の始動口への入賞が発生してしまう。このために、当該所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中に複数(例えば2個)の保留情報が記憶された場合に、第2始動口への入賞に基づく変動表示の回数が規定回数(上記例では4変動)を上回ってしまい、パチンコ機の出球性能に大きな変化が起きてしまう。
なお、この問題を解決する遊技機として、上述した所定回数目の変動表示中に記憶可能となる複数の保留情報の分を見越して、上記所定回数目よりも手前で時短状態を終了する構成(上記保留数を2個とした例では、2回目の変動表示の停止時に時短状態を終了する構成)を考えることができるが、この構成の場合、不慣れで単発打ちになってしまった遊技者や、発射不良によって単発打ちとなってしまった遊技者が、所定回数目の変動表示中に複数の保留情報を記憶させることできずに、結果として1回少ない回数で第2始動口への入賞に基づく変動表示を行うこととなってしまうことがあり得た。この結果、遊技者間で著しく不公平となってしまう新たな問題が発生してしまう。
この従来例に対して、本実施形態は、保留を跨いだ連続演出を行うことが可能であり、大当たりに対してより大きな期待感を遊技者に対して抱かせることができ、その上、上述したように、時短遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動回数のバラツキを抑制し、出球性能に大きな変化が起きてしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、開閉動作部は、1回の開放動作中に1球ずつしか特定始動口への遊技球の入賞が発生しないように構成されていることから、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった数にいっそう安定させることができる。例えば、開閉動作部が、1回の開放動作中に遊技球が2球、同時に入球し得る構成であった場合、特定変動表示の回数と特定制御処理の回数との合計値があと1回で特定回数Nに達するタイミングで、開閉動作部の1回の開放動作中に遊技球が2球、同時に入球することで、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が特定回数Nを上回ってしまうことがあった。しかしながら、本実施形態によれば、1回の開放動作中に1球ずつしか特定始動口への遊技球の入賞が発生しないことから、特定変動表示の回数と特定制御処理の回数との合計値があと1回で特定回数Nに達するタイミングであっても、特定始動口に遊技球が同時に入球して、上記合計値が特定回数Nを上回ってしまうことがない。その結果、開閉部の所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった特定回数Nにいっそう安定させることができ、遊技機の出球性能に大きな変化が起きてしまうことをいっそう抑制することができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、特定始動口である第2始動口34を備える始動口ユニット200の構成およびその制御によって、開閉動作部である普通電動役物34aの1回の開放状態中に1球ずつしか特定始動口である第2始動口34への遊技球の入賞が発生しないように構成されている。このために、時短遊技の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数をいっそう安定させることができる。例えば、普通電動役物が、1回の開放動作中に遊技球が2球、同時に入球し得る構成であった場合、所定遊技状態である高サポ状態が開始されてからの特定変動表示である、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示の回数と、高サポ状態が開始されてからの特定制御処理である、遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理の実行回数との合計値があと1回で規定回数である4回に達するタイミングで、普通電動役物の1回の開放動作中に遊技球が2球、同時に入球することで、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が規定回数(4回)を上回ってしまうことがあった。しかしながら、本実施形態によれば、1回の開放動作中に1球ずつしか第2始動口34への遊技球の入賞が発生しないことから、上記合計値があと1回で規定回数(4回)に達するタイミングであっても、第2始動口34に遊技球が同時に入球して、上記合計値が規定回数(4回)を上回ってしまうことがない。その結果、時短遊技の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数をいっそう安定させることができ、パチンコ機の出球性能に大きな変化が起きてしまうことをいっそう抑制することができる。
また、本実施形態によれば、特定制御処理の実行が行われることによって所定遊技状態を終了させる場合に、特定制御処理が正常に完了した後に、少なくとも所定遊技状態を終了させ得ることから、特定制御処理が正常に完了しなかった場合に所定遊技状態は終了せずに、特定制御処理が正常に完了した場合に限り所定遊技状態が終了する。例えば、特定制御処理の実行が行われることによって所定遊技状態を終了させる場合に、特定制御処理が正常に完了しなかった場合にも所定遊技状態が終了する構成であった場合、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった数に安定させることが出来なかった。しかしながら、本実施形態によれば、特定制御処理の実行が行われることによって所定遊技状態を終了させる場合に、特定制御処理が正常に完了しなかった場合に所定遊技状態は終了せずに、特定制御処理が正常に完了した場合に限り所定遊技状態が終了することから、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった特定回数Nに正確に安定させることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、特定制御処理である第2の所定条件下(遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生すること)での特2保留プラス処理の実行が行われることによって所定遊技状態である高サポ状態を終了させる場合に、特2保留プラス処理が正常に完了した後に、高サポ状態を終了させ得ることから、ノイズ等を原因として、特2保留プラス処理に含まれる特2始動保留処理において、保留情報としての当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSのうちの少なくとも一つでも正常範囲外であると判定された場合に、当該保留情報は無視して、保留情報としての全ての値が正常範囲内であると判定されて特2保留プラス処理が正常に完了した場合に限り高サポ状態が終了する。例えば、特2保留プラス処理の実行が行われることによって高サポ状態を終了させる場合に、上述したように保留情報の少なくとも一つでも正常範囲外であると判定されて特2保留プラス処理が正常に完了しなかった場合にも高サポ状態が終了する構成であった場合、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった数に正確に安定させることが出来なかった。しかしながら、本実施形態によれば、特2保留プラス処理の実行が行われることによって高サポ状態を終了させる場合に、特2保留プラス処理が正常に完了しなかった場合に高サポ状態は終了せずに、特2保留プラス処理が正常に完了した場合に限り高サポ状態が終了することから、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった数である4回に正確に安定させることができる。
また、本実施形態によれば、特定変動表示と、対応制御処理の実行とを、同一の計数部によって計数することから、本来まったく異なる2つの事象を1つの計数部によって計数ができ、制御の簡易化を図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下(非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生すること)での変動表示の実行回数と、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下(遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生すること)での特2始動保留処理(あるいは特2保留コマンド設定処理)の実行回数とを、時短回数カウンタという1つの計数部によって計数することから、本来まったく異なる2つの事象を1つの計数部によって計数ができ、制御の簡易化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、特定期間の所定遊技状態を実行する場合に、所定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、表示手段は、特定変動表示の実行と、特定制御処理の実行とに基づいて残り回数を減算することから、表示手段によって表示する残り回数を、特定変動表示と特定制御処理の実行とに基づいて適正に減算することができる。このために、遊技者は特定期間における残り回数を正確に知ることができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態を実行する場合に、図柄表示装置41の表示面41aに、高サポ状態を実行する残り回数を表示する時短回数表示領域RCを設け、図柄表示装置41は、高サポ状態が開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数と、高サポ状態が開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数とに基づいて、時短回数表示領域RCに表示される残り回数を減らす構成であることから、図柄表示装置41によって表示する高サポ状態の残り回数を、第1の所定条件下での変動表示の実行と、第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行とに基づいて適正に減らすことができる。このために、遊技者はラッシュステージH3における残り回数を正確に知ることができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、特定期間の所定遊技状態を実行する場合に、所定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、表示手段は、特定変動表示として特定演出処理を実行し、特定制御処理の実行に対する演出として特定演出処理とは異なる所定演出処理を実行することから、特定期間の所定遊技状態を実行する場合に、表示手段によって、特定期間において実行される変動表示の残り回数が表示されるとともに、特定演出処理と、特定演出処理とは異なる所定演出処理とが実行され得る。このために、遊技者は表示手段による表示から残り回数、第1の演出、および第2の演出を容易に把握することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。さらに、遊技者は特定演出処理を認識することによって、特定変動表示の実行に基づいて残り回数が減算されたと認識することができ、所定演出処理を認識することによって、特定制御処理の実行に基づいて残り回数が減算されたと認識することができることから、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態を実行する場合に、図柄表示装置41の表示面41aに、高サポ状態を実行する残り回数を表示する時短回数表示領域RCを設け、図柄表示装置41は、特定変動表示としての特2図柄変動演出を表示し、特2図柄変動演出とは異なる所定演出処理としての保留格納演出を行う構成であることから、高サポ状態を実行する場合に、図柄表示装置41によって、高サポ状態において実行される変動表示の残り回数が表示されるとともに、特2図柄変動演出と、特2図柄変動演出とは異なる保留格納演出とが実行され得る。このために、遊技者は、図柄表示装置41の表示面41aの表示から、変動表示の残り回数、特2の変動表示としての図柄変動、および保留格納演出を容易に把握することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。さらに、遊技者は特2の変動表示としての図柄変動を認識することによって、特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示の実行に基づいて残り回数が減算されたと認識することができ、保留格納演出を認識することによって、特2始動保留処理の実行に基づいて残り回数が減算されたと認識することができることから、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、所定遊技状態の実行中における特定始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される特定変動表示が所定遊技状態が開始されてから特定回数N回目である場合に、所定遊技状態が開始されてから当該特定回数N回目より前に実行された特定変動表示の時間より長い時間に、当該N回目の特定変動表示の時間を設定可能であることから、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示の時間が、最終前に実行された変動表示の時間よりも長くなり得る。このために、最終の変動表示の際に、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とを、最終前の変動表示よりも長い間、遊技者に付与することができることから、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、高サポ状態が開始されてから4回目の遊技回である最終の遊技回における変動時間が1回目から3回目までのいずれの遊技回における変動時間よりも長くなるように設定されている。このために、本実施形態によれば、最終の変動表示の際に、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とを、最終前の変動表示よりも長い間、遊技者に付与することができる。その結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、所定遊技状態の実行中における特定始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される特定変動表示が所定遊技状態が開始されてから特定回数N回目である場合に、所定遊技状態が開始されてから当該特定回数N回目より前に実行された特定変動表示に伴う第1演出と比べて相違する第2演出を、当該N回目の特定変動表示中に実行可能であることから、遊技者は、所定遊技状態が開始された後の特定変動表示の実行中において、当該特定変動表示よりも前に実行された所定の変動中に見た第1演出とは相違する第2演出を見た場合に、当該特定変動表示が所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができる。このために、本実施形態によれば、当該変動表示中が最終の変動表示中であるとして、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とを遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、高サポ状態が開始されてから特定回数N回目(4回目)の遊技回である最終の遊技回における変動表示中にあらわれる状態背景(第2演出)がバトル演出と結果告知演出とによって構成され、当該状態背景は1回目から3回目までの遊技回における変動表示中にあらわれるいずれの状態背景(第1演出)とも相違する内容となっている。このために、遊技者は、高サポ状態が開始された後の変動表示中においてバトル演出を見た場合に、当該変動表示が高サポ状態の発生に基づいて実行され得る4回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができる。したがって、本実施形態によれば、当該変動表示中が最終の変動表示中であるとして、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とを遊技者に付与することができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、特定変動表示の実行中に、特定制御処理の実行が行われ得ることから、特定変動表示の実行中に特定制御処理の実行が行われ得ない構成に比べて、所定遊技状態の発生に基づいて実行される変動表示の回数を特定回数N回まで早急に達成することが可能となる。この結果、遊技をスピーディに行うことができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、特2の変動表示の実行中に、第2始動口34の遊技球の入賞があった場合に特2始動保留処理が行われる得ることから、特2の変動表示の実行中に、第2始動口34の遊技球の入賞があった場合に特2始動保留処理が行われ得ない構成に比べて、所定遊技状態である高サポ状態の発生に基づいて実行される変動表示の回数を特定回数N回まで早急に達成することが可能となる。この結果、遊技をスピーディに行うことができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、特定期間の所定遊技状態を実行する場合に、所定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、表示手段は、特定制御処理の実行が行われることによって表示手段による残り回数を更新させる場合に、特定制御処理が正常に完了した後に、残り回数の更新をさせ得ることから、特定制御処理が正常に完了しなかった場合に残り回数は更新されずに、特定制御処理が正常に完了した場合に限り残り回数は更新される。例えば、特定制御処理が正常に完了する前に表示手段による残り回数を更新させる構成であった場合、変動表示を行う保留制御処理が正常に完了する前に残り回数が更新されることになる。このため、当該保留処理によって変動表示を行う権利が正常に記憶されなかった場合であっても、残り回数が更新されることになり、遊技者にとって酷すぎる状況となってしまう。しかしながら、本実施形態によれば、特定制御処理が正常に完了する前に表示手段による残り回数が更新されることがないことから、当該保留処理によって変動表示を行う権利が正常に記憶されなかった場合には、残り回数が更新されることがない。このために、本実施形態によれば、遊技者にとって酷すぎる状況となってしまうことを回避することができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態を実行する場合に、図柄表示装置41の表示面41aに、高サポ状態を実行する残り回数を表示する時短回数表示領域RCを設け、図柄表示装置41は、特定制御処理である第2の所定条件下での特2保留プラス処理の実行が行われることによって残り回数を更新させる場合に、特2保留プラス処理が正常に完了した後に残り回数の更新をさせ得ることから、特2保留プラス処理が正常に完了しなかった場合に残り回数は更新されずに、特2保留プラス処理が正常に完了した場合に限り残り回数は更新される。例えば、特2保留プラス処理が正常に完了する前に残り回数を更新させる構成であった場合、変動表示を行う特2始動保留処理が正常に完了する前に残り回数が更新されることになる。このため、当該保留処理によって変動表示を行う権利が正常に記憶されなかった場合であっても、残り回数が更新されることになり、遊技者にとって酷すぎる状況となってしまう。しかしながら、本実施形態によれば、特2保留プラス処理が正常に完了する前に残り回数が更新されることがないことから、特2保留プラス処理に含まれる特2始動保留処理によって変動表示を行う権利が正常に記憶されなかった場合には、残り回数が更新されることがない。このために、本実施形態によれば、遊技者にとって酷すぎる状況となってしまうことを回避することができる。
また、本実施形態によれば、特定期間の所定遊技状態を実行する場合に、所定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、表示手段は、特定遊技終了手段において特定制御処理の実行が行われることによって所定遊技状態を終了させる場合に、特定制御処理が正常に完了した後に、少なくとも残り回数の表示を終了することから、特定制御処理が正常に完了して所定遊技状態が終了した後に、表示手段によって残り回数が継続して表示されることがない。例えば、特定制御処理が正常に完了して所定遊技状態が終了した後に、表示手段によって残り回数が継続して表示される構成であった場合、所定遊技状態から通常状態に移行したにも関わらず残り回数の表示が継続していることになり、所定遊技状態が継続しているのではと遊技者に違和感を与えてしまう。しかしながら、本実施形態によれば、特定制御処理が正常に完了して所定遊技状態が終了した後に、表示手段によって残り回数が継続して表示されることがないことから、実際に所定遊技状態が終了しているにもかかわらず所定遊技状態が継続しているのではと遊技者に違和感を与えてしまうことを防止することができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態を実行する場合に、図柄表示装置41の表示面41aに、高サポ状態を実行する残り回数を表示する時短回数表示領域RCを設け、図柄表示装置41は、特定制御処理である第2の所定条件下での特2保留プラス処理の実行が行われることによって高サポ状態を終了させる場合に、特2保留プラス処理が正常に完了した後に、少なくとも残り回数の表示を終了することから、特2保留プラス処理が正常に完了して高サポ状態が終了した後に、図柄表示装置41によって残り回数が継続して表示されることがない。例えば、特2保留プラス処理が正常に完了して高サポ状態が終了した後に、図柄表示装置によって残り回数が継続して表示される構成であった場合、高サポ状態から通常状態に移行したにも関わらず残り回数の表示が継続していることになり、高サポ状態が継続しているのではと遊技者に違和感を与えてしまう。しかしながら、本実施形態によれば、特2保留プラス処理が正常に完了して高サポ状態が終了した後に、表示手段によって残り回数が継続して表示されることがないことから、実際に高サポ状態が終了しているにもかかわらず高サポ状態が継続しているのではと遊技者に違和感を与えてしまうことを防止することができる。
また、本実施形態によれば、所定遊技状態を実行中において、特定抽選が特定抽選結果である場合に、所定遊技状態を終了させることから、遊技者は、特定抽選が特定抽選結果となることで、発生手段によって特別遊技状態の発生の提供を受けることができるとともに、一旦、所定遊技状態を終えた後に、例えば、特定抽選が特定抽選結果を得ることによって所定遊技状態の実行条件である特定開始条件が成立する場合に、所定遊技状態を再度実行させることができる。この結果、遊技機の出球を効率的に増大することができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態を実行中において、特定抽選である当たり抽選が大当たり当選または小当たり当選である場合に、高サポ状態を終了させることから、遊技者は、当たり抽選が大当たり当選または小当たり当選となることで、ラウンド遊技の発生の提供を受けることができるとともに、一旦、高サポ状態を終えた後に、例えば、当たり抽選が大当たり当選または小当たり当選し、3R大当たりAまたは9R大当たりAに振り分けられることによって高サポ状態の実行条件が成立する場合に、高サポ状態を再度実行させることができる。この結果、遊技機の出球を効率的に増大することができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、所定遊技状態の実行中における特定始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される特定変動表示が所定遊技状態が開始されてから特定回数N回目である場合に、当該特定変動表示中に所定のキャラクターが出現する演出を行うことから、遊技者は、所定遊技状態が開始された後の特定変動表示の実行中において、所定のキャラクターを見た場合に、当該特定変動表示は、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができることから、当該変動表示中において、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態が開始されてから4回目の遊技回である最終の遊技回において、当該遊技回の変動表示中に所定のキャラクターが出現する演出を行うことから、遊技者は、高サポ状態が開始された後の変動表示の実行中において、所定のキャラクターを見た場合に、当該変動表示は、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができることから、当該変動表示中において、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、所定遊技状態の実行中における特定始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される特定変動表示が所定遊技状態が開始されてから特定回数N回目である場合に、当該特定変動表示中に勝敗を決する演出を行うことから、遊技者は、所定遊技状態が開始された後の特定変動表示の実行中において、勝敗を決する演出を見た場合に、当該特定変動表示は、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができることから、当該変動表示中において、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態が開始されてから4回目の遊技回である最終の遊技回において、当該遊技回の変動表示中に勝敗を決するバトル演出を行うことから、遊技者は、高サポ状態が開始された後の変動表示の実行中において、バトル演出を見た場合に、当該変動表示は、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができることから、当該変動表示中において、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、遊技者による発射部への操作とは別の特定操作を受け付ける手段を備え、所定遊技状態の実行中における特定始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される特定変動表示が所定遊技状態が開始されてから特定回数N回目である場合に、当該特定変動表示中に、特定操作を行うことを遊技者に促す演出を実行し得ることから、遊技者は、所定遊技状態が開始された後の特定変動表示の実行中において、特定操作を行うことを促す演出を見た場合に、当該特定変動表示は、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができることから、当該変動表示中において、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、遊技者による操作ハンドル25の操作とは別の操作を受け付ける演出操作ボタン24を備え、所定遊技状態である高サポ状態が開始されてから4回目の遊技回である最終の遊技回において、当該遊技回の変動表示中に、演出操作ボタン24の操作を行うことを遊技者に促す演出を実行し得ることから、遊技者は、高サポ状態が開始された後の変動表示の実行中において、演出操作ボタン24の操作を行うことを促す演出を見た場合に、当該変動表示は、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができることから、当該変動表示中において、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、所定遊技状態の終了後に、所定遊技状態中に実行した特定制御処理に対応した演出を実行しうることから、遊技者は、所定遊技状態が終了した後に当該演出の付与を受けることが可能となる。例えば、所定遊技状態中に実行した特定制御処理に対応した演出を所定遊技状態の終了後に遊技者が受けることができない構成であった場合、所定遊技状態中に特定制御処理が完了したことを遊技者が知り得ないことがあった。しかしながら、本実施形態によれば、所定遊技状態中に実行した特定制御処理に対応した演出を所定遊技状態の終了後に遊技者が受けることができることから、所定遊技状態中に特定制御処理が完了したことを遊技者が確実に知ることができる。したがって、本実施形態によれば、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態の終了後に、高サポ状態中に実行した特定制御処理である第2の所定条件下での特2始動保留処理に対応した特2図柄変動演出を実行しうることから、遊技者は、高サポ状態が終了した後に当該特2図柄変動演出の付与を受けることが可能となる。例えば、高サポ状態中に実行した特2始動保留処理に対応した特2図柄変動演出を高サポ状態の終了後に遊技者が受けることができない構成であった場合、高サポ状態中に特2始動保留処理が完了したことを遊技者が知り得ないことがあった。しかしながら、本実施形態によれば、高サポ状態中に実行した第2の所定条件下での特2始動保留処理に対応した特2図柄変動演出を高サポ状態の終了後に遊技者が受けることができることから、高サポ状態中に特2始動保留処理が完了したことを確実に知ることができる。したがって、本実施形態によれば、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、特定期間の所定遊技状態を実行する場合に、所定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、表示手段は、特定変動表示または特定制御処理の実行が行われることによって表示手段による残り回数を更新させる場合に、当該表示を特定期間だけ行うことから、表示手段によって表示される残り回数が更新される(切り替わる)毎に、当該残り回数の表示がついたり消えたりすることになる。例えば、表示手段によって、所定遊技状態が開始されてから残り回数が常時表示される構成であった場合、表示手段による表示の自由度が残り回数の表示によって制限されることあり得た。しかしながら、本実施形態によれば、表示手段によって表示される残り回数が更新される毎に、当該残り回数の表示が特定期間だけ行われることから、表示手段による表示の自由度が残り回数の表示によって制限されることを抑制することができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態を実行する場合に、図柄表示装置41の表示面41aに、高サポ状態を実行する残り回数を表示する時短回数表示領域RCを設け、図柄表示装置41は、第1の所定条件下での変動表示、または第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行が行われることによって図柄表示装置41による残り回数を更新させる場合に、当該表示を特定期間だけ行うことから、図柄表示装置41よって表示される残り回数が更新される(切り替わる)毎に、当該残り回数の表示がついたり消えたりすることになる。例えば、図柄表示装置によって、高サポ状態が開始されてから残り回数が常時表示される構成であった場合、図柄表示装置による表示の自由度が残り回数の表示によって制限されることあり得た。しかしながら、本実施形態によれば、図柄表示装置41によって表示される残り回数が更新される毎に、当該残り回数の表示が特定期間だけ行われることから、図柄表示装置41による表示の自由度が残り回数の表示によって制限されることを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、特定回数N回目の特定変動表示の開始時、または特定回数N回目に対応する特定制御処理の完了時に、少なくとも所定遊技状態を終了させ得ることから、特定変動表示が行われることによって特定回数N回目となって所定遊技状態を終了させる場合、当該特定変動表示の開始時に所定遊技状態が終了する。例えば、特定回数N回目の特定変動表示の終了時に所定遊技状態を終了させる構成であった場合、当該特定変動表示中において保留制御処理が行われることが可能となる。このため、当該保留制御処理に基づいて実行される変動表示が、特定回数N回目の特定変動表示が行われた後に実行されることになり、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が特定回数Nを上回ってしまうことがあった。しかしながら、本実施形態によれば、特定回数N回目の特定変動表示の開始時に所定遊技状態が終了することから、当該特定変動表示中において保留制御処理が行われることが極めて困難となることから、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が特定回数Nを上回ってしまうことがない。一方、本実施形態によれば、特定制御処理の実行が行われることによって特定回数N回目となって所定遊技状態を終了させる場合、当該特定制御処理の完了時に所定遊技状態が終了する。このため、特定回数N回目に対応する特定制御処理が完了した場合、当該特定制御処理の完了時に直ちに所定遊技状態が終了され、その後は、変動表示を行う保留制御処理が更に行われることが極めて困難となることから、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が特定回数Nを上回ってしまうことがない。これらの結果、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった数にいっそう安定させることができ、遊技機の出球性能に大きな変化が起きてしまうことをいっそう抑制することができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、高サポ状態が開始されてから規定回数である4回目の特定変動表示である特2の図柄変動の開始時、または4回目に対応する特定制御処理である特2始動保留処理の完了時に、少なくとも所定遊技状態である高サポ状態を終了させ得ることから、特2の図柄変動が行われることによって4回目目となって高サポ状態を終了させる場合、当該特2図柄変動の開始時に高サポ状態が終了する。例えば、規定回数である4回目の特2図柄変動の終了時に高サポ状態を終了させる構成であった場合、当該特2図柄変動中において変動表示を行う特2始動保留処理が行われることが可能となる。このため、当該保留処理に基づいて実行される変動表示が、4回目の特2図柄変動が行われた後に実行されることになり、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が規定回数である4回を上回ってしまうことがあった。しかしながら、本実施形態によれば、規定回数である4回目の特2図柄変動の開始時に高サポ状態が終了することから、当該4回目の特2図柄変動中において保留処理が行われることが極めて困難となることから、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が4回を上回ってしまうことがない。一方、本実施形態によれば、特定制御処理である特2始動保留処理の実行が行われることによって規定回数である4回目となって高サポ状態を終了させる場合、当該特2始動保留処理の完了時に高サポ状態が終了する。このため、4回目に対応する特2始動保留処理が完了した場合、当該特2始動保留処理の完了時に直ちに高サポ状態が終了され、その後は、変動表示を行う特2始動保留処理が更に行われることが極めて困難となることから、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が規定回数である4回を上回ってしまうことがない。これらの結果、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった数にいっそう安定させることができ、遊技機の出球性能に大きな変化が起きてしまうことをいっそう抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、所定遊技状態の終了制御を好適に行って、安定した変動回数の所定遊技状態を実行させることが可能となる。
《10-5》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において上述した処理を実行するための具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60のMPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。これらの処理について次に説明する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図473は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップSg0101では、各種検知センサ67a~67fの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサ67a~67fの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSg0102に進む。
ステップSg0102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSg0103に進む。
ステップSg0103では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、電動役物開放カウンタC4、および変動種別カウンタCSの値の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、電動役物開放カウンタC4、および変動種別カウンタCSにそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSg0104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図479)において、その値を更新する。
ステップSg0104では、第1始動口33及び第2始動口34への入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップSg0104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSg0104を実行した後、ステップSg0105に進む。
ステップSg0105では、スルーゲート35への入球に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップSg0105のスルー用の入球処理の詳細については後述する。ステップSg0105を実行した後、ステップSg0106に進む。
ステップSg0106では、小当たり専用可変入賞装置57の大入賞口57aまたは可変入賞装置36の大入賞口36aへの入球に伴う大入賞口用の入球処理を実行する。ステップSg0106の大入賞口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSg0106を実行した後、ステップSg0107に進む。
ステップSg0107では、V入賞口59への入球に伴うV入賞口用の入球処理を実行する。ステップSg0107のV入賞口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSg0107を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図473:Sg0104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図474は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSg0201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入球)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップSg0201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(Sg0201:YES)、ステップSg0202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSg0203に進む。
ステップSg0203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップSg0204に進む。
ステップSg0204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値(以下、第1始動保留個数RaNと呼ぶ)が特1側の上限値未満であるか否かを判定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入球に基づく保留個数を示す。特1側の上限値は4である。ステップSg0204において、第1始動保留個数RaNが特1側の上限値未満でない場合には(Sg0204:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSg0204において、第1始動保留個数RaNが特1側の上限値未満である場合には(Sg0204:YES)、ステップSg0205に進み、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された第1始動保留個数RaNに1を加算した後、ステップSg0206に進み、合計保留個数記憶エリアに格納された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップSg0207に進む。
ステップSg0207では、ステップSg0103(図473)において更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSg0205において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに格納する保留制御処理を実行する。ステップSg0207を実行した後、ステップSg0208に進む。
ステップSg0208では、先判定処理を実行する。先判定処理は、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、当たり抽選で大当たり当選する場合または小当たりしてV入賞大当たり当選する場合の大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。ステップSg0208を実行した後、ステップSg0209に進む。
ステップSg0209では、特1の保留コマンドを設定する処理(以下、特1保留コマンド設定処理と呼ぶ)を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいてステップSg0208によって実行された先判定処理の判定結果を、特1の保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図479:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入球に基づいて送信された保留コマンド(特1の保留コマンド)を受信した場合には、図柄表示装置41の第1始動口保留用領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1始動口保留用領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンド(特2の保留コマンド)を受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主制御装置60のMPU62は、ステップSg0209を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップSg0201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(Sg0201:NO)、ステップSg0210に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップSg0210において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(Sg0210:YES)、ステップSg0211に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSg0212に進む。一方、ステップSg0210において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(Sg0210:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップSg0212では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップSg0213に進む。
ステップSg0213では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値(以下、第2始動保留個数RbNと呼ぶ)が特2側の上限値未満であるか否かを判定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入球に基づく保留個数を示す。特2側の上限値は2である。ステップSg0213において、第2始動保留個数RbNが特2側の上限値未満でない場合には(Sg0213:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSg0213において、第2始動保留個数RbNが特2側の上限値未満である場合には(Sg0213:YES)、ステップSg0214に進む。
ステップSg0214では、ステップSg0103(図473)において更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が予め定められた正常範囲内であるか否かを判定する判定処理を実行する。次いで、当該判定処理の判定結果が、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値が予め定められた正常範囲内であると判定された場合には(Sg0215:YES)、ステップSg0216に進み、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された第2始動保留個数RbNに1を加算した後、ステップSg0217に進み、合計保留個数記憶エリアに格納された合計保留個数CRNに1を加算する。その後、ステップSg0218に進む。
ステップSg0218では、ステップSg0214において正常範囲内であると判定された当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値と、減算済フラグとを、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSg0217において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに格納する。減算済フラグは、ステップSg0218における格納時にはOFF状態であり、高サポ状態における特図遊技回中に時短回数カウンタの減算を行った際にOFFからONに切り替えられるフラグである。ステップSg0213~ステップSg0218の処理が保留制御処理に該当する。ステップSg0218を実行した後、ステップSg0219に進む。
ステップSg0219では、先判定処理を実行する。先判定処理は、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、当たり抽選で大当たり当選する場合または小当たりしてV入賞大当たり当選する場合の大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。ステップSg0219を実行した後、ステップSg0220に進む。
ステップSg0220では、特2の保留コマンドを設定する処理(以下、特2保留コマンド設定処理と呼ぶ)を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいてステップSg0219によって実行された先判定処理の判定結果を、特2の保留コマンドとして設定する。ステップSg0219~ステップSg0220の処理が対応制御処理に該当する。ステップSg0220を実行した後、ステップSg0221に進む。
ステップSg0221では、時短回数減算処理を実行する。本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、主制御装置60のMPU62によって、時短回数カウンタPNCの値を変動表示の実行回数と特2保留プラス処理(=特2始動保留処理と特2保留コマンド設定処理とを含む処理)の実行回数との両方で更新(減算)し、当該時短回数カウンタの値が0に達した場合に、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行させる構成としたが、ステップSg0220の時短回数減算処理は、特2保留プラス処理(=特2始動保留処理と特2保留コマンド設定処理とを含む処理)の実行回数で時短回数カウンタPNCの値を更新するための処理である。ステップSg0221の時短回数減算処理の詳細については後述する。ステップSg0221を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<時短回数減算処理>
次に、時短回数減算処理について説明する。時短回数減算処理は、始動口用の入球処理のサブルーチン(図474:Sg0221)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図475は、時短回数減算処理を示すフローチャートである。ステップSg0301では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSg0301において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sg0301:YES)、ステップSg0302に進む。
ステップSg0302では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図遊技回中フラグ記憶エリアの特図遊技回中フラグがONであるか否かを判定する。特図遊技回中フラグは、第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が停止して停止表示となり、当該停止表示が終了する場合にOFFにされるフラグである。このため、ステップSg0302の処理によれば、特図ユニット37に備えられる第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方が遊技回中であるか否かの判定が行われる。ステップSg0302において、特図遊技回中フラグがONであると判定した場合には(Sg0302:YES)、ステップSg0303に進む。
ステップSg0303では、時短回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。時短回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードが開始された場合に、時短回数カウンタPNCに値が設定され、高頻度サポートモード時において変動表示または特2始動保留処理が実行される毎にカウンタ値がデクリメントされる(1だけ減らされる)カウンタである。時短回数カウンタPNCは、RAM64の各種カウンタエリア64fに記憶される。
ステップSg0303において、時短回数カウンタPNCの値が0を上回ると判定した場合には(Sg0303:YES)、ステップSg0304に進み、時短回数カウンタPNCの値をデクリメントする(1だけ減らす)。ステップSg0304を実行した後、ステップSg0305に進む。
なお、ステップSg0301において高頻度サポートモードフラグがONでないと判定した場合(Sg0301:NO)、ステップSg0302において特図遊技回中フラグがONでないと判定した場合(Sg0302:NO)、または、ステップSg0303において時短回数カウンタPNCの値が0以下であると判定した場合には(Sg0303:NO)、本時短回数減算処理を終了する。
ステップSg0305では、対応する保留情報の減算済フラグ、すなわち、ステップSg0218(図474)で記憶エリアに格納した減算済フラグをOFFからONに切り替える。ステップSg0305を実行した後、ステップSg0306に進む。
ステップSg0306では、保留格納時減算演出コマンドを設定する。保留格納時減算演出コマンドは、保留格納時減算演出を実行することをサブ側の制御装置に認識させる情報を含むコマンドである。保留格納時減算演出コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図479:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSg0306を実行した後、ステップSg0307に進む。
ステップSg0307では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された第2始動保留個数RbNが1であるか否かを判定する。ステップSg0307において、第2始動保留個数RbNが1であると判定された場合には(Sg0307:YES)、ステップSg0308に進む。
ステップSg0308では、時短回数カウンタPNCの値が1であるか否かを判定する。時短回数カウンタPNCは、上述したように、RAM64の各種カウンタエリア64fに記憶される。ステップSg0308において、時短回数カウンタPNCの値が1であると判定された場合には(Sg0308:YES)、ステップSg0309に進む。
ステップSg0309では、停止時減算フラグがONであるか否かを判定する。停止時減算フラグは、高サポ状態H3aの非遊技回中において第2始動口34へ遊技球が入球したことを契機として特図2当たり抽選に基づく変動表示が実行される場合に、時短回数カウンタの値を1だけ減算するタイミングを、当該変動表示が停止して停止表示となったタイミング(すなわち、変動停止時)に遅延するためのフラグである。停止時減算フラグは、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される。ステップSg0309において、停止時減算フラグがONであると判定された場合には(Sg0309:YES)、ステップSg0310に進む。
ステップSg0310では、時短回数カウンタPNCの値をデクリメントする(1だけ減らす)。ステップSg0310を実行した後、ステップSg0311に進み、停止時減算フラグをOFFする。ステップSg0311を実行した後、ステップSg0312に進む。
なお、ステップSg0307において第2始動保留個数RbNが1でないと判定された場合(Sg0307:NO)、ステップSg0308において時短回数カウンタPNCの値が1でないと判定された場合(Sg0308:NO)、または、ステップSg0309において停止時減算フラグがONでないと判定された場合には(Sg0309:NO)、ステップSg0312に進む。
ステップSg0312では、時短回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。ステップSg0312において、時短回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合には(Sg0312:NO)、ステップSg0313に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップSg0313を実行した後、本時短回数減算処理を終了する。
ステップSg0312において、時短回数カウンタPNCの値が0を上回っていると判定した場合には(Sg0312:YES)、ステップSg0313を実行することなく、本時短回数減算処理を終了する。
ステップSg0307からステップSg0313までの処理が、先に説明した第1の時短回数超過回避処理に該当し、例えば、先に説明したケース3(図471)における時刻t51の各信号の変化を実現する。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図473:Sg0105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図476は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSg0401では、遊技球がスルーゲート35に入球したか否かを判定する。ステップSg0401において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(Sg0401:YES)、ステップSg0402に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、普通電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップSg0401において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(Sg0401:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップSg0402において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(Sg0402:YES)、ステップSg0403に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップSg0404に進む。
ステップSg0404では、ステップSg0103(図473)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64dの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップSg0402において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(Sg0402:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<大入賞口用の入球処理>
次に、大入賞口用の入球処理について説明する。大入賞口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図473:ステップSg0106)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図477は、大入賞口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSg0501では、小当たり専用可変入賞装置57に備えられた大入賞口(以下、小当たり用の大入賞口とも呼ぶ)57aに遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSg0501において、小当たり用の大入賞口57aに遊技球が入球したと判定した場合には(Sg0501:YES)、ステップSg0502に進む。一方、ステップSg0501において、小当たり用の大入賞口57aに遊技球が入球したと判定しなかった場合には(Sg0501:NO)、ステップSg0504に進む。
ステップSg0502では、小当たり用の大入賞口57aに入球したことに基づいて払い出される賞球の数を設定する。本実施形態においては、小当たり用の大入賞口57aに1個の遊技球が入球した場合には、10個の遊技球が賞球として払い出される。ステップSg0502を実行した後、ステップSg0503に進む。
ステップSg0503では、第1大入賞口入球コマンドを設定する。第1大入賞口入球コマンドは、小当たり用の大入賞口57aに遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1大入賞口入球コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図479:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSg0503を実行した後、ステップSg0504に進む。
ステップSg0504では、可変入賞装置36に備えられた大入賞口(以下、大当たり用の大入賞口とも呼ぶ)36aに遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSg0504において、大当たり用の大入賞口36aに遊技球が入球したと判定した場合には(Sg0504:YES)、ステップSg0505に進む。一方、ステップSg0504において、大当たり用の大入賞口36aに遊技球が入球したと判定しなかった場合には(Sg0504:NO)、そのまま大入賞口用の入球処理を終了する。
ステップSg0505では、大当たり用の大入賞口36aに入球したことに基づいて払い出される賞球の数を設定する。本実施形態においては、大当たり用の大入賞口36aに1個の遊技球が入球した場合には、15個の遊技球が賞球として払い出される。ステップSg0505を実行した後、ステップSg0506に進む。
ステップSg0506では、第2大入賞口入球コマンドを設定する。第2大入賞口入球コマンドは、大当たり用の大入賞口36aに遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2大入賞口入球コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図479:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSg0506を実行した後、大入賞口用の入球処理を終了する。
<V入賞口用の入球処理>
次に、V入賞口用の入球処理について説明する。V入賞口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図473:ステップSg0107)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図478は、V入賞口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSg0601では、V入賞口59に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSg0601において、V入賞口59に遊技球が入球したと判定した場合には(Sg0602:YES)、ステップSg0602に進む。
ステップSg0602では、V入賞フラグがONであるか否かを判定する。V入賞フラグは、V入賞口59に遊技球が入球した場合にONとなり、当該V入賞フラグがONとなったことを契機としてV入賞大当たりに基づく開閉実行モードが開始され、当該V入賞大当たりに基づく開閉実行モードの終了の際にOFFとなるフラグである。V入賞フラグは、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される。ステップSg0602では、既にV入賞フラグがONとなっているか否かを判定することによって、複数個の遊技球がV入賞口59に入球した場合であっても後述するステップSg0603およびステップSg0604の処理が重複して実行されない構成を採用している。
ステップSg0602において、V入賞フラグがONではないと判定した場合には(Sg0602:NO)、ステップSg0603に進み、V入賞フラグをONにする。その後、ステップSg0604に進み、V入賞コマンドを設定する。V入賞コマンドは、V入賞口59に遊技球が入球してV入賞大当たりに当選したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。V入賞コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図479:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、V入賞コマンドを受信すると、遊技球がV入賞口59に入球してV入賞大当たりに当選したこと、当該V入賞に基づいて特電開閉実行モードが開始されることを示唆する演出であるV入賞演出を実行する。
ステップSg0604を実行した後、本V入賞口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSg0601においてV入賞口59に遊技球が入球していないと判定した場合(Sg0601:NO)、およびステップSg0602においてV入賞フラグがONであると判定した場合(Sg0602:YES)には、上述したステップSg0603およびステップSg0604を実行することなく、本V入賞口用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられたこと(以下、「電源投入」とも呼ぶ)に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図479は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSg0701では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定や必要に応じて初期化設定などが実行される。その後、ステップSg0702に進む。
ステップSg0702では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップSg0703に進む。
ステップSg0703では、ステップSg0702において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSg0703を実行した後、ステップSg0704に進む。
ステップSg0704では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSg0705に進む。
ステップSg0705では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップSg0706に進む。ステップSg0706では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップSg0706を実行した後、ステップSg0707に進む。
ステップSg0707では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、サポートモードが高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップSg0708に進む。
ステップSg0708では、第2始動口34に設けられた普通電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、普通電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップSg0709に進む。
ステップSg0709では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップSg0703のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップSg0709において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(Sg0709:NO)、ステップSg0710及びステップSg0711において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップSg0710において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップSg0711において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。一方、ステップSg0709において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(Sg0609:YES)、ステップSg0703に戻り、ステップSg0703からステップSg0708までの各処理を実行する。
なお、ステップSg0703からステップSg0708の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図479:Sg0706)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図480は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップSg0801では、大当たりに基づく開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの大当たり開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSg0801において、大当たりに基づく開閉実行モード中であると判定した場合には(Sg0801:YES)、ステップSg0802以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、大当たりに基づく開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップSg0801において、大当たりに基づく開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sg0801:NO)、ステップSg0802に進む。
ステップSg0802では、小当たりに基づく開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの小当たり開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSg0802において、小当たりに基づく開閉実行モード中であると判定した場合には(Sg0802:YES)、ステップSg0803以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、小当たりに基づく開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップSg0802において、小当たりに基づく開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sg0802:NO)、ステップSg0803に進む。
ステップSg0803では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図遊技回中フラグ記憶エリアの特図遊技回中フラグがONであるか否かを判定する。特図遊技回中フラグは、特図ユニット37に備えられる第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方について遊技回を開始させる場合にONにされ、その遊技回が終了する場合にOFFにされる。このため、ステップSg0803の処理によれば、特図ユニット37に備えられる第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方が遊技回中であるか否かの判定が行われる。
ステップSg0803において、特図遊技回中フラグがONでないと判定した場合には(Sg0803:NO)、ステップSg0804に進む。
ステップSg0804では、特図ユニット37における変動及び図柄表示装置41における変動を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。ステップSg0804を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSg0803において、特図遊技回中フラグがONであると判定した場合には(Sg0803:YES)、ステップSg0805に進む。
ステップSg0805では、特図ユニット37における変動及び図柄表示装置41における変動を停止させるための変動停止処理を実行する。なお、変動停止処理の詳細は後述する。ステップSg0805を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図480:Sg0804)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図481は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSg0901では、合計保留個数記憶エリアに格納された合計保留個数CRNが「0」を上回るか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」以下である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップSg0901において、合計保留個数CRNが「0」以下であると判定した場合には(Sg0901:NO)、本変動開始処理を終了する。一方、ステップSg0901において、合計保留個数CRNが「0」を上回ると判定した場合には(Sg0901:YES)、ステップSg0902に進む。
ステップSg0902では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されている保留情報を変動開始後の状態に設定するための保留情報シフト処理を実行し、ステップSg0903に進む。保留情報シフト処理の詳細は後述する。
ステップSg0903では、当たり抽選において大当たり又は小当たりに当選したときの処理を含む当たり判定処理を行う。当たり判定処理の詳細については後述する。ステップSg0903を実行した後、ステップSg0904に進む。
ステップSg0904では、変動時間設定処理を実行する。変動時間設定処理とは、大当たりの有無や、小当たりの有無、リーチの発生の有無等に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間設定処理の詳細については後述する。ステップSg0904を実行した後、ステップSg0905に進む。
ステップSg0905では、変動用コマンドを設定する。変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであるか、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであるかを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSg0906で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップSg0905を実行した後、ステップSg0906に進む。
ステップSg0906では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、振分け判定の結果が8R大当たりAと8R大当たりBと15R大当たりAと1R小当たりとのいずれであるかを特定する情報とが含まれている。
ステップSg0905およびステップSg0906にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図479)におけるステップSg0703によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSg0906を実行した後、ステップSg0907に進む。
ステップSg0907では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して特定変動表示としての変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して特定変動表示としての変動表示を開始させる。ステップSg0907を実行した後、ステップSg0908に進む。
ステップSg0908では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動中フラグ記憶エリアに記憶されている特図変動中フラグをONする。ステップSg0908を実行した後、ステップSg0909に進む。
ステップSg0909では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図遊技回中フラグ記憶エリアに記憶されている特図遊技回中フラグをONする。ステップSg0909を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<保留情報シフト処理>
次に、保留情報シフト処理について説明する。保留情報シフト処理は、変動開始処理のサブルーチン(図481:Sg0902)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図482は、保留情報シフト処理を示すフローチャートである。ステップSg1001では、保留情報シフト処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された第2始動保留個数RbNが0であるか否かを判定することによって、処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。すなわち、第2始動保留個数RbNが0である場合に処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであると判定し、第2始動保留個数RbNが0でない場合に処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaでないと判定する。
ステップSg1001において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(Sg1001:YES)、ステップSg1002~ステップSg1007の第1保留エリア用の保留情報シフト処理を実行する。一方、ステップSg1001において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(Sg1001:NO)、ステップSg1008~ステップSg1015の第2保留エリア用の保留情報シフト処理を実行する。この結果、第2始動口34に対応した第2保留エリアRbに保留情報が記憶されている場合には、ステップSg1008~ステップSg1015の第2保留エリア用の保留情報シフト処理が優先的に実行されることになる。
ステップSg1002では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップSg1003に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップSg1004に進む。ステップSg1004では、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSg1005に進む。これにより、対応制御処理である第1保留エリアRaに格納されていた保留情報に対する変動制御を主制御装置で実行が可能となる。
ステップSg1005では、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSg1005を実行した後、ステップSg1006に進む。
ステップSg1006では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップSg1007へ進む。
ステップSg1007では、対応制御処理であるシフト時コマンドを設定する処理を実行する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本保留情報シフト処理を終了する。なお、ステップSg1007において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図479)におけるステップSg0703において、音声発光制御装置90に送信される。
ステップSg1001において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(Sg1001:NO)、ステップSg1008に進む。
ステップSg1008では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップSg1009に進む。ステップSg1009では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップSg1010に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSg1011に進む。
ステップSg1011では、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSg1011を実行した後、ステップSg1012に進む。
ステップSg1012では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップSg1013に進む。
ステップSg1013では、対応制御処理であるシフト時コマンドを設定する処理を実行する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。
ステップSg1013において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図479)におけるステップSg0703において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2始動口保留用領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。ステップSg1013を実行した後、ステップSg1014に進む。
ステップSg1014では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSg1014において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sg1014:YES)、ステップSg1015に進み、実行エリアAEに格納されている減算済フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSg1015において、実行エリアAEに格納されている減算済フラグがONでないと判定した場合には(Sg1015:NO)、ステップSg1016に進み、時短回数カウンタPNCの値が1を上回るか否かを判定する。
ステップSg1016において、時短回数カウンタPNCの値が1以下であると判定した場合には(Sg1016:NO)、ステップSg1017に進み、時短回数カウンタPNCの値をデクリメントする。ステップSg1017を実行した後、ステップSg1018に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップSg1018を実行した後、本保留情報シフト処理を終了する。
一方、ステップSg1016において、時短回数カウンタPNCの値が1を上回ると判定した場合には(Sg1016:YES)、ステップSg1019に進み、停止時減算フラグをONする。ステップSg1019を実行した後、本保留情報シフト処理を終了する。
ステップSg1014において高頻度サポートモードフラグがONでないと判定した場合(Sg1014:NO)、または、ステップSg1015において実行エリアAEに格納されている減算済フラグがONであると判定した場合には(Sg1015:YES)、本保留情報シフト処理を終了する。
ステップSg1014からステップSg1017までの処理が、先に説明した第2の時短回数超過回避処理に該当し、例えば、先に説明したケース4(図472)における時刻t74の各信号の変化を実現する。
ここで、特2の遊技回が終了した後に、特2の保留が存在する場合について説明する。本実施形態のパチンコ機10では、特2保留が優先的に処理されることから、この場合には、ステップSg1001で処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定され(Sg1001:NO)、ステップSg1008に処理が移行することによって、特2保留を実行エリアAEに移動するシフト処理が行なわれ(ステップSg1011)、実行エリアAEに移動した特2保留に対する変動制御が開始される。
一方、特2の遊技回が終了した後に、特2の保留が存在せず、特1の保留が存在する場合には、ステップSg1001で処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定され(Sg1001:YES)、ステップSg1002に処理が移行することによって、特1保留を実行エリアAEに移動するシフト処理が行なわれ(ステップSg1005)、実行エリアAEに移動した特1保留に対する変動制御が開始される。
なお、特2の遊技回が終了した後に、特2の保留も特1の保留も存在しない場合には、変動開始処理(図481)のステップSg0901で合計保留個数CRNが0以下であると判定され(Sg0901:NO)、新たな変動が開始されることがない。この場合には、例えば、デモ画像(動画)を図柄表示装置41に表示させる処理が行われる。当該特2の保留も特1の保留も存在しない状態から、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングで取得した各乱数の値を特1保留として記憶する処理が行なわれ、その後、直ちに、当該記憶した特1保留に対する変動表示が行われる。
本実施形態のパチンコ機10では、前述したように、特1保留よりも特2保留を優先的に処理する構成としたが、これに対して、変形例として、特1保留、特2保留にかわらず第1始動口33または第2始動口34への遊技球の入賞のタイミングが早いほど優先的に処理する構成としてもよい。この変形例において、特2の遊技回が終了した後に、特1の保留または特2の保留が存在する場合には、特2の遊技回が終了した後に、入賞のタイミングが早い保留情報に対する変動制御が開始されることになる。
<当たり判定処理>
次に、当たり判定処理について説明する。当たり判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図481:Sg0903)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図483は、当たり判定処理を示すフローチャートである。ステップSg1101では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSg1101において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sg1101:NO)、ステップSg1102に進み、特図1当たり抽選用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値が、図457(a)に示す特図1当たり抽選用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている数値範囲と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSg1104に進む。
一方、ステップSg1101において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sg1101:YES)、ステップSg1103に進み、特図2当たり抽選用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値が、図457(b)に示す特図2当たり抽選用の当否テーブルにおいて大当たり当選または小当たり当選として設定されている数値範囲と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSg1104に進む。
ステップSg1104では、ステップSg1102又はステップSg1103における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSg1104において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(Sg1104:YES)、ステップSg1105に進む。
ステップSg1105では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSg1105において、第2図柄表示部フラグがONでないと判定した場合には(Sg1105:NO)、ステップSg1106に進み、特図1大当たり用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり種別カウンタC2の値が、図458(a)に示す特図1大当たり用の振分テーブルに設定されている数値範囲のいずれに含まれているかによって振分判定の結果を特定する。ステップSg1106を実行した後、ステップSg1110に進む。
一方、ステップSg1105において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sg1105:YES)、ステップSg1107に進み、特図2大当たり用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり種別カウンタC2の値が、図458(b)に示す特図2大当たり用の振分テーブルに設定されている数値範囲のいずれに含まれているかによって振分判定の結果を特定する。ステップSg1107を実行した後、ステップSg1110に進む。
一方、ステップSg1104において、当否判定の結果が大当たり当選でない場合には(Sg1104:NO)、ステップSg1108に進む。
ステップSg1108では、ステップSg1102又はステップSg1103における当否判定(当たり抽選)の結果が小当たり当選であるか否かを判定する。ステップSg1108において、当否判定の結果が小当たり当選である場合には(Sg1108:YES)、ステップSg1109に進み、特図2小当たり用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり種別カウンタC2の値が、図459に示す特図2小当たり用の振分テーブルに設定されている数値範囲のいずれに含まれているかによって振分判定の結果を特定する。ステップSg1109を実行した後、先に説明したステップSg1107に進む。
ステップSg1110では、ステップSg1106又はステップSg1107と、ステップSg1109とによって得られた振分判定の結果から当たりの種別に対応したフラグ(当たりフラグ)をONにする。本実施形態のパチンコ機10では、図458および図459から判るように、当たりの種別として、3R大当たりA、3R大当たりB、9R大当たりA、1R小当たりの4種類が用意されていることから、当たりフラグとしては、3R大当たりAフラグ、3R大当たりBフラグ、9R大当たりAフラグ、1R小当たりフラグ、の4種類のフラグが用意されている。ステップSg1106の振分判定の結果が3R大当たりAである場合には、3R大当たりAフラグをONにする。当たりフラグはRAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶される。ステップSg1106の振分判定の結果が3R大当たりBである場合には、3R大当たりBフラグをONにする。ステップSg1107の振分判定の結果が3R大当たりAである場合には、3R大当たりAフラグをONにする。ステップSg1107の振分判定の結果が9R大当たりAである場合には、9R大当たりAフラグをONにする。一方、ステップSg1109の振分判定の結果が1R小当たりであり、ステップSg1107の振分判定の結果が3R大当たりAである場合には、1R小当たりフラグをONにし、3R大当たりAフラグをONにする。ステップSg1109の振分判定の結果が1R小当たりであり、ステップSg1107の振分判定の結果が9R大当たりAである場合には、1R小当たりフラグをONにし、9R大当たりAフラグをONにする。
当たりフラグにおける1R小当たりフラグのON/OFFによって、当たり抽選における小当たり当選の有無を特定することができる。当たりフラグにおける8R大当たりAフラグのON/OFFと8R大当たりAフラグのON/OFFと15R大当たりAフラグのON/OFFとによって、当たり抽選における大当たり当選の有無と振分判定の結果とを特定することができる。ステップSg1110を実行した後、ステップSg1111に進む。
ステップSg1111では、当たり用の停止結果を設定する処理を実行する。具体的には、大当たり又は小当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63f(図455)に記憶されている当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップSg1106又はステップSg1107と、ステップSg1109とにおいて振り分けた当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSg1111を実行した後、当たり判定処理を終了する。
ステップSg1108において、ステップSg1102又はステップSg1103における当たり抽選の当否結果が小当たり当選でない場合には(Sg1108:NO)、ステップSg1112に進み、リーチ判定用テーブルを参照して、当該遊技回においてリーチが発生するか否かの判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ判定用テーブル記憶エリア63c(図455)に記憶されているリーチ判定用テーブルにおいて、リーチが発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSg1113に進む。
ステップSg1113において、ステップSg1110におけるリーチ判定の結果が当該遊技回においてリーチが発生するというものである場合には(Sg1113:YES)、ステップSg1114に進み、リーチ発生フラグをONする。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのリーチ発生フラグをONする。ステップSg1114を実行した後、ステップSg1115に進む。
一方、ステップSg1113において、ステップSg1112におけるリーチ判定の結果が当該遊技回においてリーチが発生しないというものである場合には(Sg1113:NO)、ステップSg1114を実行することなく、ステップSg1115に進む。
ステップSg1115では、外れ用の停止結果を設定する処理を実行する。具体的には、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63f(図455)における外れ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSg1115を実行した後、当たり判定処理を終了する。
<変動時間設定処理>
次に、変動時間設定処理について説明する。変動時間設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図481:Sg0904)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図484は、変動時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSg1201では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタバッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSg1202に進む。
ステップSg1202では、変動時間テーブルを特定する処理を実行する。変動時間テーブルは、図柄が変動を開始してから停止するまでの時間である変動時間の情報(変動時間情報)と変動種別カウンタCSの値とをデータ要素とする表形式のデータである。ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dには、遊技状態や、小当たりの有無、大当たりの有無、時短付与の有無、リーチ発生の有無等に応じた様々な種類の変動時間テーブルを記憶している。ステップSg1202では、これらの変動時間テーブルから一の変動時間テーブルを特定する。具体的には、当たりフラグから特定される今回の遊技回に係る当否判定の判定結果と振分判定の判定結果や、リーチ発生フラグから特定されるリーチ判定の判定結果等に基づいて、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dの中から一の変動時間テーブルの特定を行う。ステップSg1202を実行した後、ステップSg1203に進む。
ステップSg1203では、ステップSg1202で特定した変動時間テーブルを参照することによって、ステップSg1201で取得した変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSg1203を実行した後、ステップSg1204に進む。
ステップSg1204では、ステップSg1203で取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間設定処理を終了する。
<変動停止処理>
次に、変動停止処理について説明する。変動停止処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図480:Sg0805)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図485は、変動停止処理を示すフローチャートである。ステップSg1301では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動中フラグ記憶エリアの特図変動中フラグがONであるか否かを判定する。特図変動中フラグは、上述したように、第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。このため、ステップSg1301の処理によれば、特図ユニット37に備えられる第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かの判定が行われる。
ステップSg1301において、特図変動中フラグがONであると判定した場合には(Sg1301:YES)、ステップSg1302に進む。
ステップSg1302では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップSg1302では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64f)に格納されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、前述した変動時間設定処理(図484)において設定されたものである。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップSg1302において、変動時間が経過していると判定した場合には(Sg1302:YES)、ステップSg1303に進む。ステップSg1303~ステップSg1314は、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの停止表示が開始される場合に実行される。
ステップSg1302において、変動時間が経過していないと判定した場合には(Sg1302:NO)、ステップSg1303~ステップSg1313を実行することなく、ステップSg1314に進む。また、ステップSg1301において、特図変動中フラグがONでないと判定した場合には(Sg1301:NO)、ステップSg1302~ステップSg1313を実行することなく、ステップSg1314に進む。
ステップSg1303では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部における図柄の変動を終了させる処理を行う。ステップSg1303を実行した後、ステップSg1304に進む。
ステップSg1304では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動中フラグ記憶エリアに記憶されている特図変動中フラグをOFFする。ステップSg1304を実行した後、ステップSg1305に進む。
ステップSg1305では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図確定中フラグ記憶エリアに記憶されている特図確定中フラグをONする。特図確定中フラグは、第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方について停止表示を開始させる場合にONにされ、その停止表示が終了する場合にOFFにされる。ステップSg1305を実行した後、ステップSg1306に進む。
ステップSg1306では、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が外れであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の3R大当たりAフラグ、3R大当たりBフラグ、9R大当たりAフラグ、および1R小当たりフラグの全てがOFFであるか否かを判定する。ステップSg1306において、全てがOFFである、すなわち、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が外れであると判定した場合には(Sg1306:YES)、ステップSg1307に進む。
本実施形態のパチンコ機10では、先に説明したように、主制御装置60のMPU62によって、時短回数カウンタPNCの値を変動表示の実行回数と特2始動保留処理の実行回数との両方で更新(減算)し、当該時短回数カウンタの値が0に達した場合に、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行させる構成としたが、ステップSg1307からステップSg1313までの処理は、変動表示の実行回数で時短回数カウンタPNCの値を更新するための処理である。
ステップSg1307では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSg1307において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sg1307:YES)、ステップSg1308に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶された停止時減算フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSg1308において、停止時減算フラグがONであると判定した場合には(Sg1308:YES)、ステップSg1309に進み、時短回数カウンタPNCの値をデクリメントする。ステップSg1309の処理は、本変動停止処理が第1図柄表示部37aと第2図柄表示部37bとのうちのいずれについての変動停止処理かにかかわらず行われる。ステップSg1309を実行した後、ステップSg1310に進む。
ステップSg1310では、変動停止時減算演出コマンドを設定する。変動停止時減算演出コマンドは、変動停止時減算演出を実行することをサブ側の制御装置に認識させる情報を含むコマンドである。変動停止時減算演出コマンドは、前述した通常処理のコマンド出力処理(図479:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSg1310を実行した後、ステップSg1311に進む。
ステップSg1311では、停止時減算フラグをOFFする。ステップSg1311を実行した後、ステップSg1312に進む。
ステップSg1308において、停止時減算フラグがONでないと判定した場合には(Sg1308:NO)、ステップSg1309~ステップSg1311を実行することなく、ステップSg1312に進む。
ステップSg1312では、時短回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。ステップSg1312において、時短回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合には(Sg1312:NO)、ステップSg1313に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップSg1313を実行した後、ステップSg1314に進む。
ステップSg1312において、時短回数カウンタPNCの値が0を上回っていると判定した場合には(Sg1312:YES)、ステップSg1313を実行することなく、ステップSg1314に進む。ステップSg1307において、高頻度サポートモードフラグがONでないと判定した場合には(Sg1307:NO)、ステップSg1308~ステップSg1313を実行することなく、ステップSg1314に進む。また、ステップSg1306において、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が外れでないと判定した場合には(Sg1306:NO)、ステップSg1307~ステップSg1313を実行することなく、ステップSg1314に進む。
ステップSg1314では、確定時間経過時の処理である確定時間経過時処理を実行する。確定時間経過時処理の詳細については後述する。ステップSg1315を実行した後、本変動停止処理を終了する。
<確定時間経過時処理>
次に、確定時間経過時処理について説明する。確定時間経過時処理は、変動停止処理のサブルーチン(図485:Sg1314)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図486は、確定時間経過時処理を示すフローチャートである。ステップSg1401では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図確定中フラグ記憶エリアの特図確定中フラグがONであるか否かを判定する。特図確定中フラグは、上述したように、第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方について停止表示を開始させる場合にONにされ、その停止表示が終了する場合にOFFにされる。このため、ステップSg1401の処理によれば、特図ユニット37に備えられる第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方が確定中であるか否かの判定が行われる。
ステップSg1401において、特図確定中フラグがONであると判定した場合には(Sg1401:YES)、ステップSg1402に進む。
ステップSg1402では、今回の遊技回の確定時間が経過したか否かを判定する。具体的には、ステップSg1402では、予め定められた確定時間(例えば、1秒)が初期値として設定された確定時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該確定時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップSg1402において、確定時間が経過していると判定した場合には(Sg1402:YES)、ステップSg1403に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図確定中フラグ記憶エリアに記憶されている特図確定中フラグをOFFする。ステップSg1403を実行した後、ステップSg1404に進む。
ステップSg1404では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図遊技回中フラグ記憶エリアに記憶されている特図遊技回中フラグをOFFする。ステップSg1404を実行した後、ステップSg1405に進む。
ステップSg1405では、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の3R大当たりAフラグ、3R大当たりBフラグ、および9R大当たりAフラグのうちのいずれかがONであるか否かを判定する。ステップSg1405において、3R大当たりAフラグ、3R大当たりBフラグ、および9R大当たりAフラグのうちのいずれかがONである、すなわち、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選であると判定した場合には(Sg1405:YES)、ステップSg1406に進む。
ステップSg1406では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶された大当たり開閉実行モードフラグをONする。ステップSg1406の実行後、本確定時間経過時処理を終了する。
一方、ステップSg1405において、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選でないと判定した場合には(Sg1405:NO)、ステップSg1407に進み、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が小当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の1R小当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSg1407において、1R小当たりフラグがONである、すなわち、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が小当たり当選であると判定した場合には(Sg1407:YES)、ステップSg1408に進む。
ステップSg1408では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶された小当たり開閉実行モードフラグをONする。ステップSg1408の実行後、本確定時間経過時処理を終了する。
一方、ステップSg1407において、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が小当たり当選でないと判定した場合には(Sg1407:NO)、ステップSg1408を実行することなく、本確定時間経過時処理を終了する。
また、ステップSg1401において、特図確定中フラグがONでないと判定した場合には(Sg1401:NO)、ステップSg1402~ステップSg1408を実行することなく、本確定時間経過時処理を終了する。ステップSg1402において、確定時間が経過していないと判定した場合には(Sg1402:NO)、ステップSg1403~ステップSg1408を実行することなく、本確定時間経過時処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図479:Sg0707)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図487は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップSg1501では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、開閉実行モードにおける大入賞口開閉処理期間の終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされるフラグである。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。ここで、開閉実行モードとは、小当たりに基づく開閉実行モードおよび大当たり(小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む)に基づく開閉実行モードのいずれも該当する。
ステップSg1501において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sg1501:NO)、ステップSg1502に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。開閉処理期間フラグは、開閉実行モード中においてオープニング期間が終了し、小当たり専用可変入賞装置57の開閉扉57bまたは可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉動作が実行される期間である大入賞口開閉処理期間が開始されるタイミングでONにされ、当該開閉動作が終了するタイミングでOFFにされるフラグである。
ステップSg1502において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(Sg1502:NO)、ステップSg1503に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされるフラグである。
ステップSg1503において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sg1503:NO)、ステップSg1504に進み、大当たり開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSg1504において、大当たり開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sg1504:YES)、ステップSg1505以降の大当たりに基づく開閉実行モードを開始させるための処理群に進む。
ステップSg1505では、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップSg1506を実行した後、ステップSg1506に進む。
ステップSg1506では、開閉シナリオを設定する開閉シナリオ設定処理を実行する。開閉シナリオは、ラウンド遊技における小当たり専用可変入賞装置57に備えられた開閉扉57bまたは可変入賞装置36に備えられた開閉扉36bの開閉動作のパターンを定めるもので、本実施形態では、開閉扉57b,36bを閉鎖状態から開放状態へ移行する条件(以下、「開放条件」とも呼ぶ)と、開閉扉57b,36bを開放状態から閉鎖状態へ移行する条件(以下、「閉鎖条件」とも呼ぶ)と、が記録されたプログラムである。
開放条件は、例えば下記の通りである。
・パチンコ機10の現在の状態が、開閉実行モードにおける各ラウンド遊技を開始するタイミングであること。
上記1つの項目が成立した場合に開閉扉57b,36bは閉鎖状態から開放状態に移行する。
閉鎖条件は、例えば下記の通りである。
・各ラウンド遊技を開始してからの経過時間が、予め定められた上限継続時間(例えば15秒)を超えること。
・各ラウンド遊技を開始してから大入賞口57a,36aへ入球した遊技球の個数が、予め定められた上限個数を超えること。
上記2つの項目のうちのいずれか一方が成立した場合に、開閉扉57b,36bは開放状態から閉鎖状態に移行する。
開閉シナリオは、ROM63の開閉シナリオ記憶エリア63hに予め記憶されている。ステップSg1506の開閉シナリオ設定処理は、当たりの種別に対応したフラグ(当たりフラグ)と、実行契機判定フラグと等に基づいて、開閉シナリオ記憶エリア63hの中から開閉シナリオを選択することによって設定する。ステップSg1506を実行した後、ステップSg1507に進む。
ステップSg1507では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のオープニング期間において同じ一定の長さのオープニング時間を設定する。具体的には、オープニング時間を決定するオープニング期間タイマカウンタエリアに「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、オープニング期間タイマカウンタエリアは、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップSg1507を実行した後、ステップSg1508に進む。
ステップSg1508では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図479)におけるステップSg0703にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間および今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および大入賞口開閉処理期間に対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSg1508を実行した後、ステップSg1509に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップSg1504において、大当たり開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(Sg1504:NO)、ステップSg1510に進み、小当たり開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSg1510において、小当たり開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sg1510:YES)、ステップSg1505を実行することなく、ステップSg1506に進み、ステップSg1506~ステップSg1509の処理を行う。
ステップSg1510において、小当たり開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(Sg1510:NO)、ステップSg1511に進み、V入賞フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSg1511において、V入賞フラグがONであると判定した場合には(ステップSg1511:YES)、ステップSg1512に進み、大当たり開閉実行モードフラグをONにし、その後、ステップSg1513に進み、実行契機判定フラグをONする。実行契機判定フラグは、今回の大当たり開閉実行モードの実行の契機がV入賞大当たり当選によるものであるか否かを判別するためのフラグである。ステップSg1513を実行した後、ステップSg1505に進み、ステップSg1505~ステップSg1509の処理を行う。すなわち、本実施形態では、当たり抽選において大当たりに当選した場合(大当たり開閉実行モードフラグがONになった場合)だけでなく、V入賞口59に遊技球が入球してV入賞大当たりに当選した場合(V入賞フラグがONになった場合)にも、大当たり開閉実行モードが開始されることになる。
一方、ステップSg1511において、V入賞フラグがONではないと判定した場合には(ステップSg1511:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSg1503において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(Sg1503:YES)、ステップSg1515に進む。
ステップSg1515では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、オープニング期間タイマカウンタエリアの値が「0」であるか否かを判定する。ステップSg1515において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(Sg1515:YES)、ステップSg1516に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSg1517に進む。
ステップSg1517では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップSg1517を実行した後、ステップSg1518に進む。
ステップSg1518では、開閉処理期間フラグをONにする。続くステップSg1519では、開閉処理開始コマンドを設定する。開閉処理開始コマンドは、開閉処理期間が開始されたことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉処理開始コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図479:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSg1519を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSg1502において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(Sg1502:YES)、ステップSg1520に進み、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理については後述する。ステップSg1520を実行した後、ステップSg1521に進む。
ステップSg1521では、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定する。具体的には、開閉扉57b,36bが開放された回数をカウントするための第1ラウンドカウンタエリアの値が「0」であるか否かによって、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定する。ステップSg1521において、大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(Sg1521:YES)、ステップSg1522に進む。一方、ステップSg1521において、大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(Sg1521:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSg1522では、開閉処理期間フラグをOFFにし、その後、ステップSg1523に進む。
ステップSg1523では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップSg1523を実行した後、ステップSg1524に進む。
ステップSg1524では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のエンディング期間において同じ一定の長さのエンディング時間を設定する。具体的には、エンディング時間を決定するエンディング期間タイマカウンタエリアに「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、エンディング期間タイマカウンタエリアは、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップSg1524を実行した後、ステップSg1525に進む。
ステップSg1525では、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図479)におけるステップSg0703において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップSg1525を実行した後、ステップSg1526に進む。
ステップSg1526では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSg1501において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(Sg1501:YES)、ステップSg1527に進む。
ステップSg1527では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(Sg1524)において、エンディング時間として設定したエンディング期間タイマカウンタエリアの値が「0」であるか否かを判定する。ステップSg1524において、エンディング時間として設定したエンディング期間タイマカウンタエリアの値が「0」であると判定した場合には(Sg1527:YES)、ステップSg1528に進む。
ステップSg1528では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSg1529に進み、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の3R大当たりAフラグ、3R大当たりBフラグ、および9R大当たりAフラグのうちのいずれかがONであるか否かを判定する。ステップSg1529において、3R大当たりAフラグ、3R大当たりBフラグ、および9R大当たりAフラグのいずれもOFFである、すなわち、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選でないと判定した場合には(Sg1529:NO)、ステップSg1530に進み、実行契機判定フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSg1530において、実行契機判定フラグがONであると判定された場合には(Sg1530:YES)、今回の開閉実行モードの実行の契機がV入賞大当たり当選によるものであることから、ステップSg1531に進む。
ステップSg1531では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのV入賞フラグをOFFする。ステップSg1531を実行した後、ステップSg1532に進み、実行契機判定フラグをOFFにする。ステップSg1532を実行した後、ステップSg1533に進む。
一方、ステップSg1529において、3R大当たりAフラグ、3R大当たりBフラグ、および9R大当たりAフラグのうちのいずれかがONである、すなわち、今回の遊技回に係る当たり抽選の当否結果が大当たり当選であると判定した場合には(Sg1529:YES)、ステップSg1530~ステップSg1532を実行することなく、ステップSg1533に進む。
ステップSg1533では、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、大当たり又は小当たりに基づく開閉実行モードにおけるエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップSg1533を実行した後、ステップSg1534に進む。
一方、ステップSg1530において、実行契機判定フラグがONでないと判定された場合には(Sg1530:NO)、今回の開閉実行モードの実行の契機がV入賞大当たり当選によるものではないことから、ステップSg1531~ステップSg1533を実行することなく、ステップSg1534に進む。
ステップSg1534では、開閉実行モード終了コマンドを設定する。設定された開閉実行モード終了コマンドは、通常処理(図479)におけるコマンド出力処理(ステップSg0703)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、開閉実行モード終了コマンドを受信したことに基づいて、エンディング演出を終了するように設定する。ステップSg1534を実行した後、ステップSg1535に進む。
ステップSg1535では、小当たり開閉実行モード用終了処理を実行する。小当たり開閉実行モード用終了処理では、小当たり開閉実行モードフラグがONであった場合には当該フラグをOFFにし、小当たりに基づく開閉実行モードの開始時に高頻度サポートモードフラグがONであった場合には当該高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップSg1536に進み、大当たり開閉実行モードフラグをOFFする。ステップSg1536を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSg1527において、エンディング期間が終了していないと判定された場合には、ステップSg1528~ステップSg1536を実行することなく、本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図487:Sg1520)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図488は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップSg1601では、小当たり専用可変入賞装置57に備えられた開閉扉(以下、小当たり用の開閉扉とも呼ぶ)57bは開放中であるか否かを判定する。具体的には、第1特別電動役物駆動部57cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップSg1601において、開閉扉36bは開放中ではないと判定した場合には(Sg1601:NO)、ステップSg1602に進む。
ステップSg1602では、小当たり用の開閉扉57bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、小当たり用の開閉扉57bの開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSg1602において、小当たり用の開閉扉57bの開放条件が成立したと判定した場合には(Sg1602:YES)、ステップSg1603に進む。
ステップSg1603では、小当たり用の開閉扉57bを開放する。その後、ステップSg1604に進む。
ステップSg1604では、第1開閉扉開放コマンドを設定する。第1開閉扉開放コマンドは、小当たり用の開閉扉57bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図479:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSg1604を実行した後、ステップSg1608に進む。
ステップSg1602において、小当たり用の開閉扉57bの開放条件が成立していないと判定した場合には(Sg1602:NO)、ステップSg1603およびステップSg1604を実行することなく、ステップSg1608に進む。
ステップSg1601において、小当たり用の開閉扉57bは開放中であると判定した場合には(Sg1601:YES)、ステップSg1605に進む。
ステップSg1605では、小当たり用の開閉扉57bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、小当たり用の開閉扉57bの閉鎖のタイミングであるか否かを判定する。ステップSg1605において、小当たり用の開閉扉57bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sg1605:YES)、ステップSg1606に進む。
ステップSg1606では、小当たり用の開閉扉57bを閉鎖する。その後、ステップSg1607に進む。
ステップSg1607では、第1開閉扉閉鎖コマンドを設定する。第1開閉扉閉鎖コマンドは、小当たり用の開閉扉57bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図479:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSg1607を実行した後、ステップSg1608に進む。
ステップSg1605において、小当たり用の開閉扉57bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sg1605:NO)、ステップSg1606およびステップSg1607を実行することなく、ステップSg1608に進む。
ステップSg1608では、可変入賞装置36に備えられた開閉扉(以下、大当たり用の開閉扉とも呼ぶ)36bは開放中であるか否かを判定する。具体的には、第2特別電動役物駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップSg1608において、大当たり用の開閉扉36bは開放中ではないと判定した場合には(Sg1608:NO)、ステップSg1609に進む。
ステップSg1609では、大当たり用の開閉扉36bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、大当たり用の開閉扉36bの開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSg1602において、大当たり用の開閉扉36bの開放条件が成立したと判定した場合には(Sg1609:YES)、ステップSg1610に進む。
ステップSg1610では、大当たり用の開閉扉36bを開放する。その後、ステップSg1611に進む。
ステップSg1611では、第2開閉扉開放コマンドを設定する。第2開閉扉開放コマンドは、大当たり用の開閉扉36bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図479:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSg1611を実行した後、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSg1609において、大当たり用の開閉扉36bの開放条件が成立していないと判定した場合には(Sg1609:NO)、ステップSg1610およびステップSg1611を実行することなく、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSg1608において、大当たり用の開閉扉36bは開放中であると判定した場合には(Sg1608:YES)、ステップSg1612に進む。
ステップSg1612では、大当たり用の開閉扉36bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、大当たり用の開閉扉36bの閉鎖のタイミングであるか否かを判定する。ステップSg1612において、大当たり用の開閉扉36bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sg1612:YES)、ステップSg1613に進む。
ステップSg1613では、大当たり用の開閉扉36bを閉鎖する。その後、ステップSg1614に進む。
ステップSg1614では、第2開閉扉閉鎖コマンドを設定する。第2開閉扉閉鎖コマンドは、大当たり用の開閉扉36bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図479:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSg1614を実行した後、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSg1612において、大当たり用の開閉扉36bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sg1612:NO)、ステップSg1613およびステップSg1614を実行することなく、大入賞口開閉処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図487:Sg1533)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図489は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップSg1701では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている3R大当たりAフラグがONであるか否かを判定する。ステップSg1701において、3R大当たりAフラグがONでないと判定した場合には(Sg1701:NO)、ステップSg1702に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている9R大当たりAフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSg1701において3R大当たりAフラグがONであると判定した場合(Sg1701:YES)、またはステップSg1702において9R大当たりAフラグがONであると判定した場合(Sg1702:YES)には、ステップSg1703に進む。
ステップSg1703では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている当たりフラグ(3R大当たりAフラグ、3R大当たりBフラグ、9R大当たりAフラグ、および1R小当たりフラグ)をOFFする。その後、ステップSg1704に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これによって、遊技状態は高サポ状態に移行される。その後、ステップSg1705に進み、時短回数カウンタPNCに4がセットされる。これによって、高サポ状態が継続する遊技回の実行回数は4回に設定される。ステップSg1705の実行後、ステップSg1706に進む。
ステップSg1706では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。ステップSg1706を実行した後、ステップSg1707に進む。
ステップSg1707では、時短回数演出コマンドを設定する。時短回数演出コマンドは、高サポ状態中において時短回数カウンタの値を図柄表示装置41に表示する演出(時短回数演出)を実行することをサブ側の制御装置に認識させる情報を含むコマンドである。時短回数演出コマンドは、前述した通常処理のコマンド出力処理(図479:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSg1707を実行した後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
一方、ステップSg1702において、9R大当たりAフラグがONでないと判定した場合には(Sg1702:NO)、ステップSg1708に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている当たりフラグ(3R大当たりAフラグ、3R大当たりBフラグ、9R大当たりAフラグ、および1R小当たりフラグ)をOFFする。その後、ステップSg1709に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。その後、ステップSg1710に進み、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。ステップSg1710を実行した後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図479:Sg0708)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図490は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップSg1801では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の普通電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップSg1801において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(Sg1801:NO)、ステップSg1802に進む。
ステップSg1802では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、普通電動役物34aを開放状態とするか否かの普通電動役物開放抽選において開放当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップSg1802において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(Sg1802:NO)、ステップSg1803に進む。
ステップSg1803では、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップSg1803において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sg1803:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sg1803:YES)、ステップSg1804に進む。
ステップSg1804では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップSg1804において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(Sg1804:YES)、ステップSg1805に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップSg1804において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(Sg1804:NO)、ステップSg1806に進む。
ステップSg1806では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップSg1806において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(Sg1806:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSg1806において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(Sg1806:YES)、ステップSg1807に進む。
ステップSg1807では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップSg1808に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップSg1807において開閉実行モードではなく(Sg1807:NO)、且つ、ステップSg1808において高頻度サポートモードである場合には(Sg1808:YES)、ステップSg1809に進み、普通電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0~461であった場合に、電役長開放に当選となる。また、普通電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「2500」(すなわち5.0sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップSg1810に進む。
ステップSg1810では、ステップSg1809の普通電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSg1810において、普通電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(Sg1810:YES)、ステップSg1811に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、普通電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、電役サポート用処理を終了する。
一方、ステップSg1810において、普通電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(Sg1810:NO)、ステップSg1811の処理を実行することなく、電役サポート用処理を終了する。
ステップSg1807において開閉実行モードであると判定した場合(Sg1807:YES)、又は、ステップSg1808において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(Sg1808:NO)、ステップSg1812に進み、普通電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0または1であった場合に、電役短開放に当選となる。また、普通電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「300」(すなわち0.6sec)をセットする。その後、ステップSg1813に進む。
ステップSg1813では、ステップSg1812の普通電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSg1813において、サポート当選でないと判定した場合には(Sg1813:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSg1813において、サポート当選であると判定した場合には(Sg1813:YES)、ステップSg1814に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSg1802において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(Sg1802:YES)、ステップSg1815に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSg1815において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sg1815:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSg1815において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sg1815:YES)、ステップSg1816に進む。
ステップSg1816では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップSg1817に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSg1801において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(Sg1801:YES)、ステップSg1818に進み、普通電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図490:Sg1818)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図491は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップSg1901では、普通電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。普通電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。普通電動役物34aが開放されていると判定した場合には(Sg1901:YES)、ステップSg1902に進む。
ステップSg1902では、普通電動役物34aを閉鎖する特別閉鎖条件が成立しているか否かを判定する。ここで、特別閉鎖条件とは、普通電動役物34aの開放中に第2始動口34へ遊技球が入球することである。ステップSg1902において、特別閉鎖条件が成立していないと判定された場合には(Sg1902:NO)、ステップSg1903に進む。
ステップSg1903では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普通電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSg1903において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sg1903:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、普通電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSg1903において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sg1903:YES)、ステップSg1904に進む。
ステップSg1902において、特別閉鎖条件が成立していると判定された場合には(Sg1902:YES)、ステップSg1903を実行することなく、ステップSg1904に進む。
ステップSg1904では、普通電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「5」(すなわち0.01sec)をセットする。すなわち、普通電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、普通電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を普通電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「5」をセットする。ステップSg1904を実行した後、ステップSg1905に進む。
ステップSg1905では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップSg1906に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSg1906において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(Sg1906:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSg1906において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(Sg1906:YES)、ステップSg1907に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSg1901において、普通電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(Sg1901:NO)、ステップSg1908に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普通電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSg1908において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(Sg1908:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSg1908において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(Sg1908:YES)、ステップSg1909に進み、普通電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップSg1910に進む。
ステップSg1910では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sg1910:NO)、ステップSg1911に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップSg1911において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(Sg1911:YES)、ステップSg1912に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップSg1910において開閉実行モードであると判定した場合(Sg1910:YES)、又は、ステップSg1911において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(Sg1911:NO)、ステップSg1913に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
《10-6》音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、予告演出や結果告知演出を実行するために、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図492は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSg2001では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップSg2001を実行した後、ステップSg2002に進む。
ステップSg2002では、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理では、ステップSg2001で記憶したコマンドのうちの第1保留コマンドに対応した処理を行う。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップSg2002を実行した後、ステップSg2003に進む。
ステップSg2003では、遊技回演出設定処理を実行する。遊技回演出設定処理では、図柄の変動が開始してから停止するまでの遊技回において実行する演出の設定を行う。遊技回演出設定処理の詳細については後述する。ステップSg2003を実行した後、ステップSg2004に進む。
ステップSg2004では、開閉実行モード演出用処理を実行する。開閉実行モード演出用処理では、オープニング期間における演出や、大入賞口開閉処理期間における演出、エンディング期間における演出に関する処理を行う。ステップSg2004を実行した後、ステップSg2005に進む。
ステップSg2005では、報知演出用処理を実行する。報知演出用処理は、様々な報知演出を実現するための処理である。報知演出としては、例えば、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることを遊技者に報知するための右打ち報知演出や、遊技球発射機構による発射態様を右打ちから左打ちに戻すことを遊技者に報知するための左打ち報知演出、遊技球発射機構による発射態様を右打ちとすることによってV入賞口59に遊技球を入球させることを遊技者に報知するためのV狙い報知演出などを実現する。また、ステップSg2005を実行した後、ステップSg2006に進む。
ステップSg2006では、背景演出用処理を実行する。背景演出用処理では、主側MPU62から受信した遊技状態を示すコマンドに応じて定まる背景画像(背景動画)を図柄表示装置41に表示させる処理を行う。例えば、低サポ状態時の通常時演出モードに対応した背景画像や、ラッシュステージ時のラッシュ時演出モードに対応した背景画像等を表示させる処理を行う。ステップSg2006を実行した後、ステップSg2007に進む。
ステップSg2007では、時短回数演出用処理を実行する。時短回数演出用処理では、主側MPU62から受信した時短回数演出コマンドに応じて定まる演出画像を図柄表示装置41に表示させる処理を行う。具体的には、当該演出画像として、図柄表示装置41の表示面41cに時短回数表示領域RC(図465~図468参照)を表示させる。遊技者は、図柄表示装置41の表示面41aに表示された時短回数表示領域RCを視認することによって、ラッシュステージH3の残り回数を認めることができる。この結果、遊技者に当たり当選することへの期待感とドキドキ感とを付与することができる。ステップSg2007を実行した後、ステップSg2008に進む。
ステップSg2008では、保留格納時減算演出用処理を実行する。保留格納時減算演出用処理では、主側MPU62から受信した保留格納時減算演出コマンドに応じて定まる演出画像を図柄表示装置41に表示させる処理を行う。具体的には、図465および図466を用いて先に説明した保留格納時減算演出を図柄表示装置41の表示面41cに表示させる。遊技者は、図柄表示装置41の表示面41aに表示された保留格納時減算演出を視認することによって、ラッシュステージH3の残り回数が減っていくことを認めることができる。この結果、遊技者に当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう付与することができる。ステップSg2008を実行した後、ステップSg2009に進む。
ステップSg2009では、変動停止時減算演出用処理を実行する。変動停止時減算演出用処理では、主側MPU62から受信した変動停止時減算演出コマンドに応じて定まる演出画像を図柄表示装置41に表示させる処理を行う。具体的には、図467および図468を用いて先に説明した変動停止時減算演出を図柄表示装置41の表示面41cに表示させる。遊技者は、表示面41aに表示された変動停止時減算演出を視認することによって、ラッシュステージH3の残り回数が減っていくことを認めることができる。この結果、遊技者に当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう付与することができる。ステップSg2009を実行した後、ステップSg2010に進む。
ステップSg2010では、変動開始時減算演出用処理を実行する。変動開始時減算演出用処理では、主側MPU62から受信した変動開始時減算演出コマンドに応じて定まる演出画像を図柄表示装置41に表示させる処理を行う。具体的には、先に説明した変動開始時減算演出を図柄表示装置41の表示面41cに表示させる。遊技者は、表示面41aに表示された変動開始時減算演出を視認することによって、ラッシュステージH3の残り回数が減ることを認めることができる。この結果、遊技者に当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう付与することができる。ステップSg2010を実行した後、ステップSg2011に進む。
ステップSg2011では、その他の処理を実行する。その他の処理は、遊技者によって遊技が行われていない時にデモ画像(動画)を図柄表示装置41に表示させる処理等である。ステップSg2011を実行した後、ステップSg2012に進む。
ステップSg2012では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSg2012を実行した後、ステップSg2013に進む。
ステップSg2013では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記のBGM用処理及び各演出用処理において読み出された音声データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSg2013を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図492:Sg2002)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図493は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップSg2101では、主側MPU62から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSg2101において、主側MPU62から保留コマンドを受信していると判定した場合には(Sg2101:YES)、ステップSg2102に進む。
ステップSg2102では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップSg2102において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には(Sg2102:YES)、ステップSg2103に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSg2103を実行した後、ステップSg2105に進む。
ステップSg2102において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものでないと判定した場合(Sg2102:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップSg2104に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSg2104を実行した後、ステップSg2105に進む。
ステップSg2103及びステップSg2104の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入球に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップSg2105では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップSg2105を実行した後、ステップSg2106に進む。
ステップSg2101において、主側MPU62から保留コマンドを受信していないと判定した場合には(Sg2101:NO)、ステップSg2102~ステップSg2105を実行することなく、ステップSg2106に進む。
ステップSg2106では、対応制御処理である保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップSg2103において特定された第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数に基づいて、第1保留表示部37cの表示態様(点灯させるLEDランプの色や組み合わせ)を制御するとともに、ステップSg2104において特定された第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数に基づいて、第2保留表示部37dの表示態様(点灯させるLEDランプの色や組み合わせ)を制御する。ステップSg2106を実行した後、本保留コマンド対応処理を終了する。
<遊技回演出設定処理>
次に、遊技回演出設定処理について説明する。遊技回演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図492:Sg2003)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図494は、遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSg2201では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSg2201において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(Sg2201:NO)、本遊技回演出設定処理を終了する。一方、ステップSg2201において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していると判定した場合には(Sg2201:YES)、ステップSg2202に進む。
ステップSg2202では、今回受信した変動用コマンドと種別コマンドとを読み出し、これらのコマンドから、大当たりの有無、小当たりの有無、大当たり当選する場合(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合も含む)の大当たりの種別、リーチ発生の有無、および変動時間の情報をそれぞれ把握する。そして、把握した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップSg2203に進む。
ステップSg2203では、演出パターン設定処理を実行する。演出パターン設定処理は、今回の遊技回において実行する演出のパターン(予告演出、リーチ演出の内容や実行のタイミング)を演出パターンテーブルに基づいて決定し、設定する処理である。演出パターン設定処理の詳細については後述する。ステップSg2203を実行した後、ステップSg2204に進む。
ステップSg2204では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選であった場合には、有効ラインL1(図453(b)参照)上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の当たり抽選で大当たりまたは小当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が3R大当たりAである場合には、7を除いた同一の奇数図柄の組合せ、すなわち、111、333、または555が選択され得る。今回の遊技回の当たり抽選で大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が3R大当たりBである場合には、8を除いた同一の偶数図柄の組合せ、すなわち、222、444、または666が選択され得る。今回の遊技回の当たり抽選で大当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が9R大当たりAである場合には、「7」図柄の組合せ、すなわち、777が選択され得る。今回の遊技回の当たり抽選で小当たりに当選し、振り分けられた当たり種別が9R大当たりAである場合には、「8」図柄の組合せ、すなわち、888が選択され得る。なお、これは一例であり、他の同一図柄の組合せとしてもよい。さらに、同一図柄の組み合わせに換えて、他の特定の規則(例えば、連番)に則った図柄の組み合わせとしてもよい。
今回の遊技回の当たり抽選の当否結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL1上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL1上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。
ステップSg2205では、今回の遊技回の変動パターンを設定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップSg2204において設定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動パターンを選択する。なお、変動パターンを選択する際には、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動パターンテーブルが参照される。ステップSg2205を実行した後、ステップSg2206に進む。
ステップSg2206では、特2保留連続演出の設定処理を実行する。特2保留連続演出の設定処理では、第2始動口34に遊技球が入球する毎に主制御装置60から送られてくる保留コマンドを受信し、当該保留コマンドから、リーチ演出などの大当たり当選の期待度が高いリーチ演出を実行する(実行予定の)保留情報を有する特2保留であると判定された場合に、当該リーチ演出の内容と、当該特2保留の前に存在する特2保留情報の数(特2保留数の上限が2であることから1となる)とに基づいて、当該特2保留の前に存在する特2保留情報のいずれで泡BL(図469参照)を出現する特2保留連続演出を実行するかを決定する。
ステップSg2207では、特1保留連続演出の設定処理を実行する。本実施形態のパチンコ機10では、特1保留連続演出として、特2保留連続演出と同様の泡BLが出現する演出を実行する。特1保留連続演出の設定処理では、第1始動口33に遊技球が入球する毎に主制御装置60から送られてくる保留コマンドを受信し、当該保留コマンドから、リーチ演出などの大当たり当選の期待度が高いリーチ演出を実行する(実行予定の)保留情報を有する特1保留であると判定された場合に、当該リーチ演出の内容と、当該特1保留の前に存在する特1保留情報の数とに基づいて、当該特1保留の前に存在する特1保留情報のいずれで泡BLを出現する演出(特1保留連続演出)を実行するかを決定する。ステップSg2207を実行した後、ステップSg2208に進む。
ステップSg2208では、今回の遊技回においてステップSg2203で設定された演出パターン、ステップSg2204で設定された停止図柄、ステップSg2205で設定された変動パターンの情報、ステップSg2207で設定された特1保留連続演出の情報、ステップSg2206で設定された特2保留連続演出の情報等を演出コマンドに設定する。その後、ステップSg2209に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップSg2209を実行した後、ステップSg2210に進む。
ステップSg2210では、変動開始時の更新処理を実行する。変動開始時の更新処理は、図柄表示装置41の第1始動口保留用領域Ds1または第2始動口保留用領域Ds2における保留表示を更新するための処理である。変動開始時の更新処理の詳細については後述する。ステップSg2210を実行した後、本遊技回演出設定処理を終了する。
<演出パターン設定処理>
次に、演出パターン設定処理について説明する。演出パターン設定処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図494:Sg2203)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図495は、演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSg2301では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数RNを取得する。その後、ステップSg2302に進む。
ステップSg2302では、演出パターンテーブルを特定する処理を実行する。演出パターンテーブルは、遊技回において実行する演出のパターンと、変動時間と、演出パターン用乱数RNとをデータ要素とする3次元の表形式のデータである。ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93aには、小当たりの有無、時短付与の有無、当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合の大当たりの種別、リーチ発生の有無に応じた様々な種類の演出パターンテーブルを記憶している。ステップSg2302では、これらの演出パターンテーブルから一の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、遊技回演出設定処理(図494)のステップSg2202で把握した、小当たりの有無、時短付与の有無、当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選する場合の大当たりの種別、リーチ発生の有無に基づいて、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93aの中から一の演出パターンテーブルの特定を行う。ステップSg2302を実行した後、ステップSg2303に進む。
ステップSg2303では、Sg2302で特定した演出パターンテーブルを参照して、遊技回演出設定処理(図494)のステップSg2202で把握した変動時間と、ステップSg2301によって得られた今回の演出パターン用乱数RNの値とに対応した演出パターンを取得する。ステップSg2303を実行した後、ステップSg2304に進む。
ステップSg2304では、ステップSg2303によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSg2304を実行した後、本演出パターン設定処理を終了する。
<変動開始時の更新処理>
次に、変動開始時の更新処理について説明する。変動開始時の更新処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図494:Sg2210)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図496は、変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。ステップSg2401では、今回受信した変動用コマンドが第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであるか否かを判定する。ステップSg2401において、今回受信した変動用コマンドが第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであると判定した場合には(Sg2401:YES)、ステップSg2402に進み、音光側RAM94の第1保留個数カウンタエリアに記憶されている個数が1減算されるように、当該第1保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、ステップSg2404に進む。
一方、ステップSg2401において、今回受信した変動用コマンドが第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものではないと判定した場合には(Sg2401:NO)、ステップSg2403に進み、音光側RAM94の第2保留個数カウンタエリアに記憶されている個数が1減算されるように、当該第2保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、ステップSg2404に進む。
ステップSg2404では、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図497は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSg2501では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ107a,107bに、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSg2502に進む。
ステップSg2502では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図498は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSg2601では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド格納エリアに、その抽出したコマンドデータを格納する。コマンド格納処理によってコマンド格納エリアに格納された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図499は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド格納領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。V割り込み処理が実行される毎に、ワークRAM104内の表示データテーブルバッファに記憶されている表示データテーブルの実行位置を示すポインタを1加算して更新することによって、図柄表示装置41に表示させる画像の特定を行う。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファ107a,107bに、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSg2701では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図498)によってコマンド格納エリアに格納されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。例えば、演出コマンドが格納されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。具体的には、例えば、低サポ状態時の通常時演出モードに対応した背景画像を示す演出コマンドがコマンド格納エリアに格納されていた場合に、その演出コマンドによって指定された背景画像が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。高サポ状態時のラッシュ時演出モードに対応した背景画像を示す演出コマンドがコマンド格納エリアに格納されていた場合に、その演出コマンドによって指定された背景画像が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが格納されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(Sg2701)では、その時点でコマンド格納エリアに格納されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド格納エリアに格納されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド格納エリアに格納されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や、停止図柄、変動表示パターン、演出モードに対応した背景画像等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップSg2702では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(Sg2701)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSg2703に進む。
ステップSg2703では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(Sg2702)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターは描画リストの形でワークRAM104に格納される。その後、ステップSg2704に進む。
ステップSg2704では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(Sg2703)によって生成された描画リストを、VDP105に対して送信する。VDP105は、描画リストに基づいて1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した1フレーム分の画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップSg2705に進み、その他の処理を実行した後、本V割込み処理を終了する。例えば、大当たり当選に係る遊技回を例に挙げると、当該遊技回では、初期状態から更新終了状態となるまで、すなわち、同一図柄の組み合わせとなる停止図柄用の表示データテーブルにおいてポインタが初期位置に設定されてから最後まで到達するまで、本V割込み処理が実行されることになる。この結果、大当たり当選に係る変動表示が開始されてから停止表示の確定時間が終了するまでの描画が完了する。この描画完了後の予め定められたタイミングで開閉実行モードが実行され、賞球が遊技者に付与される。
以上、パチンコ機10において大当たり演出を含めた様々な処理を実行するための具体的な制御の一例を説明した。
《10-7》作用・効果:
以下、従来のパチンコ機における課題を述べた後、本実施形態のパチンコ機10の利点について具体的に説明する。
従来のパチンコ機等の遊技機では、遊技球が始動口に入球した(以下、「入賞した」とも呼ぶ)ことを契機に、図柄表示装置(例えば、液晶表示装置)に特別図柄を変動表示する。そして、変動表示後に停止表示した特別図柄の態様によって、その入賞に対して行われた当たり抽選の結果が大当たり当選であるか否かを遊技者に報知する。例えば、抽選結果が大当たり当選である場合には、同じ種類の特別図柄が3つ揃った「777」等の大当たり図柄配列を表示して遊技者に大当たり当選を報知している。大当たり当選が報知されると、遊技者にはその後に大当たり遊技(大入賞口を一定時間開く等)が付与される。
近年、特別図柄の変動表示に要する時間(以下、変動表示時間と呼ぶ)を短縮させる、いわゆる「時短機能」を備えたパチンコ機が多数登場している。時短機能の動作中である時短遊技状態においては、始動口(例えば、右打ちルート上に設けられた第2始動口)に設けられた普通電動役物が高頻度サポートモードにて始動口への入賞を補助することから、遊技者は、始動口への多数の入賞を短時間で発生させることが可能となる。
この種の遊技機では、普通電動役物に対応した始動口の方が、普通電動役物に対応しない始動口よりも、当該始動口に遊技球が入賞した場合に遊技者に付与される利益が高くなるように設計されているのが一般的である。このため、時短遊技状態中は通常時より遊技者にとっていっそう有利な遊技状態となり、遊技性が向上する。
しかし、上記遊技機では、時短遊技状態の終了制御が好適に行われないと、時短遊技状態中の変動回数が不定な回数となってしまう。具体的には、従来の遊技機では、特別図柄の変動回数や普通電動役物の開放回数が所定回数に達した場合に時短遊技状態を終了させるように構成されている。普通電動役物の開放回数が所定回数に達した場合に時短遊技状態を終了させる構成とした場合に、普通電動役物の開放時に始動口に遊技球が入球するか否かによって、実行され得る変動回数が大きく変化してしまう。そのために、特別図柄の変動回数が所定回数に達した場合に時短遊技状態を終了させる構成が選択され易いが、この構成の場合、時短遊技状態の終了制御を好適に行うことが難しく、終了制御が好適に行われない場合に、時短遊技状態中の特別図柄の変動回数が所定回数より多い回数となってしまう虞があった。
したがって、遊技機において、時短遊技状態の終了制御を好適に行って、安定した変動回数の時短遊技を実行させることのできる技術が望まれていた(課題1)。
従来の遊技機では、さらに次の課題も生じ得た。
従来の遊技機では、遊技性を向上させるために、特別図柄の変動表示中に始動口に遊技球が入賞した場合でも、その入賞により取得された特別情報を無効とせずに、保留情報として所定数まで記憶させる。記憶させた保留情報の数(保留数)は、複数のLED等で構成される保留ランプの点灯・消灯状態によって遊技者に認識可能とされており、特別図柄の変動表示が終了する毎に保留情報が1つずつ当たり抽選の対象となり、それに伴って保留ランプも1つずつ消灯される。なお、記憶させる保留数を複数としたパチンコ機では、複数の保留情報を先読みして保留を跨いだ連続演出を行うことが可能となり、大当たりに対してより大きな期待感を遊技者に対して抱かせることができる。
しかし、上記複数の保留情報を記憶可能なパチンコ機において上述した時短機能を採用した場合では、時短遊技状態の終了条件として設定されている所定回数目の変動表示中に保留情報が上限数以下の個数だけ記憶されることがあり得て、時短遊技の発生に基づいて実行される変動表示の回数にバラツキが生じてしまう。先に説明したように、普通電動役物に対応した始動口の方が、普通電動役物に対応しない始動口よりも、当該始動口に遊技球が入賞した場合に遊技者に付与される利益が高くなるように設計されていることから、時短遊技の発生に基づいて実行される変動表示の回数にバラツキが生じる事は遊技機の出球性能に大きな変化をもたらす。
したがって、遊技機において、保留情報の記憶状況によって、時短遊技の発生に基づいて実行され得る変動回数にバラツキが生じないように、時短遊技状態の終了制御を好適に行いたいという課題が生じた(課題2)。
従来の遊技機では、さらに次の課題も生じ得た。
従来の遊技機としてのパチンコ機では、例えば、1種2種混合タイプのスペックを採用し、普通電動役物に対応した第2始動口への遊技球の入賞を契機として実行される当たり抽選における大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む)の確率を極めて大きくし、少ない変動表示の回数で極めて高い継続率を実現する構成を備えているものが知られている。具体的には、大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む)の確率を約1/2とし、変動表示の回数を最大4回として、約94%の継続率を実現するパチンコ機が提案されている。かかるパチンコ機では、最大4回とした変動表示の回数は厳格に制限される必要があり、何かのタイミングで5回目の変動表示が行われてしまうと、継続率が100%に近い値となってしまい、パチンコ機の出球性能に大きな変化が起きてしまうという課題が発生してしまう。
このために、従来、高頻度サポートモードの遊技状態(時短遊技状態)が継続する変動表示の実行回数を3回とし、第2始動口に対応した保留情報の上限数を1個とすることによって、3変動+保留1回の4変動で継続して当たり抽選を行うことで、5回転目の変動表示が発生しないように構成したパチンコ機が提案されている。
しかしながら、この構成では、記憶可能な保留数の上限が1個であるために、上述した保留を跨いだ連続演出を行うことができないことから、大当たりに対してより大きな期待感を遊技者に対して抱かせることが困難であった。このため、記憶可能な保留数の上限を複数(例えば2個)とする必要があるが、そうすると、時短遊技状態の終了条件として設定されている所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中に複数の保留情報を記憶させることが可能となってしまう。具体的には、遊技者は、時短遊技状態の終了条件として設定されている所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中に遊技球を打ち続けることで、当該所定回数目の変動表示中において複数の保留情報を記憶させることが可能となってしまう。換言すれば、所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中において、時短遊技状態となってから5球目の遊技球の始動口への入賞が発生してしまう。このために、当該所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中に複数(例えば2個)の保留情報が記憶された場合に、第2始動口への入賞に基づく変動表示の回数が規定した回数(上記例では4変動)を上回ってしまい、上述した課題、すなわち、継続率が100%に近い値となってしまい、出球性能に大きな変化が起きてしまうという課題を解決することができなくなってしまう。
なお、当該課題を解決する遊技機として、上述した所定回数目の変動表示中に記憶可能となる複数の保留情報の分を見越して、上記所定回数目よりも手前で時短状態を終了する構成(上記保留数を2個とした例では、2回目の変動表示の停止時に時短状態を終了する構成)を考えることができるが、この構成の場合、不慣れで単発打ちになってしまった遊技者や、発射不良によって単発打ちとなってしまった遊技者が、所定回数目の変動表示中に複数の保留情報を記憶させることできずに、結果として1回少ない回数で第2始動口への入賞に基づく変動表示を行うこととなってしまうことがあり得た。この結果、遊技者間で著しく不公平となってしまう新たな課題が発生してしまう。
このように、遊技機において、第2始動口に対応した保留情報の上限数を複数とすることで、保留を跨いだ連続演出を行うことを可能として、大当たりに対してより大きな期待感を遊技者に対して抱かせることができることと、時短遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動回数のバラツキによって出球性能に大きな変化が起きてしまうことを抑制することとを両立できる技術が望まれていた(課題3)。
上述した課題1~課題3からわかるように、本実施形態のパチンコ機10は、時短遊技状態の終了制御を好適に行って、安定した変動回数の時短遊技を実行させることを目的としている。
前述してきた本実施形態のパチンコ機10は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、具体的には、以下の形態を採用することが可能である。
本実施形態によれば、特定始動口入賞に基づいて特定抽選が行われ、特定抽選に基づいて所定期間の特定変動表示が実行され、所定期間に特定始動入賞した場合に特定上限数までの保留制御処理と対応制御処理とを含む特定制御処理が実行され、特定抽選が所定抽選結果である場合に、所定期間が終了することに基づいて特定変動表示が所定抽選結果に対応した所定表示結果で停止表示させられ、所定表示結果の停止表示後に特別遊技状態が発生させられる。また、本実施形態によれば、特定開始条件の成立に基づいて特定期間の所定遊技状態が実行され、特定終了条件の成立に基づいて所定遊技状態が終了させられる。さらに、特定変動表示が特定回数N(Nは2以上の整数)回行われ、制御処理部による特定制御処理の実行が行われなかった場合、特定変動表示がN-1回行われ、制御処理部による特定制御処理の実行が1回行われた場合、または、特定変動表示がN-2回行われ、制御処理部による特定制御処理の実行が2回行われた場合に、少なくとも所定遊技状態が終了させられる。
このために、本実施形態によれば、特定変動表示の回数と特定制御処理の回数との合計値が特定回数Nに達した場合に、少なくとも所定遊技状態が終了させられることになる。上記合計値が特定回数Nに達した場合(すなわち、特定変動表示が特定回数N回行われ、特定制御処理の実行が行われなかった場合、特定変動表示がN-1回行われ、特定制御処理の実行が1回行われた場合、および、特定変動表示がN-2回行われ、特定制御処理の実行が2回行われた場合の各ケース)には、特定回数N回分の変動表示の実行が既に確保されたことになり、この場合に、所定遊技状態を終了させることで、遊技球が特定始動口へ入賞することを極めて困難とし、所定遊技状態を実行開始してから特定回数N回を上回る回数の変動表示が実行されてしまうことを抑制することができる。
したがって、本実施形態によれば、特定制御処理による変動表示を行う権利の保留状況によって、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数にバラツキが発生することを抑制することができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、遊技球が第2始動口34に入賞することに基づいて特定抽選である当たり抽選(特図2当たり抽選)が行われ、特図2当たり抽選に基づいて所定期間の特定変動表示である特2図柄の変動表示が実行され、当該特2図柄変動を含む遊技回中に遊技球が第2始動口34に入賞することに基づいて2個までの保留制御処理である変動表示を行なう特2始動保留処理と対応制御処理である特2保留コマンド設定処理とを含む処理(特2保留プラス処理)が行なわれ、特図2当たり抽選の抽選結果が大当たり当選(当たり抽選で小当たりしてV入賞大当たり当選した場合も含む)である場合に、変動表示が大当たり当選結果に対応した同一図柄の組み合わせで停止表示させられ、その後に遊技者に付与される特典として大当たりに基づく開閉実行モードが実行される。また、本実施形態のパチンコ機10によれば、特定開始条件である当たり抽選で大当たり当選または小当たり当選し、3R大当たりAまたは9R大当たりAに振り分けられることが成立したことに基づいて所定遊技状態である高サポ状態に移行し、特定終了条件の成立に基づいて高サポ状態が終了させられる。特定終了条件としては、特定変動表示である、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が4回行われ、特定制御処理である、遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2保留プラス処理(=特2始動保留処理と特2保留コマンド設定処理とを含む処理)の実行が行われなかった場合(例えば、図472のケース4の場合)、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が3回行われ、遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2保留プラス処理が1回行われた場合(例えば、図471のケース3の場合)、または、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が2回行われ、遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2保留プラス処理が2回行われた場合(例えば、図470のケース2の場合)に、高サポ状態が終了させられる。また、本実施形態によれば、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が1回行われ、遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2保留プラス処理が3回行われた場合(例えば、図463のケース1の場合)に、高サポ状態が終了させられる。
このために、本実施形態によれば、高サポ状態が開始されてからの非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示の回数と、高サポ状態が開始されてからの遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2保留プラス処理の実行回数との合計値が規定回数である4回に達した場合に、高サポ状態が終了させられることになる。上記合計値が規定回数である4回に達した場合(すなわち、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が4回行われ、遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2保留プラス処理の実行が行われなかった場合、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が3回行われ、遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2保留プラス処理が1回行われた場合、および、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示が2回行われ、遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2保留プラス処理が2回行われた場合等の各ケース)には、規定回数である4回分の変動表示の実行が既に確保されたことになり、この場合に、高サポ状態を終了させることで、遊技球が第2始動口34へ入賞することを極めて困難とし、高サポ状態を実行開始してから規定回数である4回を上回る回数の変動表示が実行されてしまうことを抑制することができる。
したがって、本実施形態によれば、特2始動保留処理による変動表示を行う権利の保留状況によって、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数にバラツキが発生することを抑制することができる。
本実施形態によれば、上述したように、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示の回数と、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理の実行回数とに基づいて、高サポ状態の終了タイミングを決定している。ここで、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理の実行回数だけに基づいて、高サポ状態の終了タイミングを決定する構成を考えてみる。この構成によれば、高サポ状態が開始されてからの非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合に、当該第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理の実行時に時短回数カウンタの減算が行われることになるが、当該特2始動保留処理の終了後から、当該特2始動保留処理によって格納された保留情報に従う変動表示が実行開始されるまでの期間は人間の識別が不能なほどの極めて短い期間であり、保留アイコンが点灯する事も視認できないし、この一瞬の期間に減算演出を行うこともできない。このために、遊技者からみたとき、知らないうちに高サポ状態の残り回数の表示が減っていくことになり、遊技の興趣の低下を招く虞がある。これに対して、本実施形態によれば、非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合には、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理の実行回数としてカウントするのではなく、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示の回数としてカウントするべく、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示の停止時に時短回数カウンタを減算する構成とした。これによって、当該変動表示の停止時に減算演出を行うことを可能としている。この結果、変動停止時減算演出によって、非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生した場合にも高サポ状態の残り回数の表示が減っていることを遊技者に告知することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、先に説明したように、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合(小当たりしてV入賞大当たりとなった場合も含む)の方が、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合よりも遊技者にとっての有利性が高いものとなっている(図458参照)ことから、先に説明したように、時短遊技の発生に基づいて実行され得る変動回数のバラツキを抑制することで、パチンコ機10の出球性能に大きな変化が起きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態は、先に説明したように、ラッシュステージH3における変動表示の回数を4回という少ない回数で、約95%という高い継続率を実現している。このために、最大4回とした変動表示の回数は厳格に制限される必要があり、何かのタイミングで5回目の変動表示が行われてしまうと、継続率が100%に近い値となってしまい、パチンコ機の出球性能に大きな変化が起きてしまう。これに対して、本実施形態では、上述したように、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を規定回数以下に確実に抑えることができることができることから、パチンコ機の出球性能に大きな変化が起きてしまうことをいっそう確実に抑制することができるという効果を奏する。
ここで、従来例として、高サポ状態が継続する変動表示の実行回数を3回とし、第2始動口に対応した保留情報の上限数を1個とすることによって、3変動+保留1回の4変動で当たり抽選を継続することで、5回転目の変動表示が発生しないように構成したパチンコ機を考えてみる。この従来例のパチンコ機では、記憶可能な特2保留数が1個であるために、複数の特2保留を先読みして複数の遊技回を跨いだ連続演出を行うことができないことから、大当たりに対してより大きな期待感を遊技者に対して抱かせることが困難であった。このため、記憶可能な保留数の上限を複数(例えば2個)とする必要があるが、そうすると、従来例のパチンコ機では、高サポ状態の終了条件として設定されている所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中に複数の保留情報を記憶させることが可能となってしまう。具体的には、遊技者は、高サポ状態の終了条件として設定されている所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中に遊技球を打ち続けることで、当該所定回数目の変動表示中において複数の保留情報を記憶させることが可能となってしまう。換言すれば、所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中において、高サポ状態となってから5球目の遊技球の始動口への入賞が発生してしまう。このために、当該所定回数目(上記例では3回目)の変動表示中に複数(例えば2個)の保留情報が記憶された場合に、第2始動口への入賞に基づく変動表示の回数が規定回数(上記例では4変動)を上回ってしまい、パチンコ機の出球性能に大きな変化が起きてしまう。
なお、この問題を解決する遊技機として、上述した所定回数目の変動表示中に記憶可能となる複数の保留情報の分を見越して、上記所定回数目よりも手前で時短状態を終了する構成(上記保留数を2個とした例では、2回目の変動表示の停止時に時短状態を終了する構成)を考えることができるが、この構成の場合、不慣れで単発打ちになってしまった遊技者や、発射不良によって単発打ちとなってしまった遊技者が、所定回数目の変動表示中に複数の保留情報を記憶させることできずに、結果として1回少ない回数で第2始動口への入賞に基づく変動表示を行うこととなってしまうことがあり得た。この結果、遊技者間で著しく不公平となってしまう新たな問題が発生してしまう。
この従来例に対して、本実施形態は、保留を跨いだ連続演出を行うことが可能であり、大当たりに対してより大きな期待感を遊技者に対して抱かせることができ、その上、上述したように、時短遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動回数のバラツキを抑制し、出球性能に大きな変化が起きてしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、開閉動作部は、1回の開放動作中に1球ずつしか特定始動口への遊技球の入賞が発生しないように構成されていることから、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった数にいっそう安定させることができる。例えば、開閉動作部が、1回の開放動作中に遊技球が2球、同時に入球し得る構成であった場合、特定変動表示の回数と特定制御処理の回数との合計値があと1回で特定回数Nに達するタイミングで、開閉動作部の1回の開放動作中に遊技球が2球、同時に入球することで、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が特定回数Nを上回ってしまうことがあった。しかしながら、本実施形態によれば、1回の開放動作中に1球ずつしか特定始動口への遊技球の入賞が発生しないことから、特定変動表示の回数と特定制御処理の回数との合計値があと1回で特定回数Nに達するタイミングであっても、特定始動口に遊技球が同時に入球して、上記合計値が特定回数Nを上回ってしまうことがない。その結果、開閉部の所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった特定回数Nにいっそう安定させることができ、遊技機の出球性能に大きな変化が起きてしまうことをいっそう抑制することができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、特定始動口である第2始動口34を備える始動口ユニット200の構成およびその制御によって、開閉動作部である普通電動役物34aの1回の開放状態中に1球ずつしか特定始動口である第2始動口34への遊技球の入賞が発生しないように構成されている。このために、時短遊技の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数をいっそう安定させることができる。例えば、普通電動役物が、1回の開放動作中に遊技球が2球、同時に入球し得る構成であった場合、所定遊技状態である高サポ状態が開始されてからの特定変動表示である、非遊技回中の第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示の回数と、高サポ状態が開始されてからの特定制御処理である、遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球を契機とした特2始動保留処理の実行回数との合計値があと1回で規定回数である4回に達するタイミングで、普通電動役物の1回の開放動作中に遊技球が2球、同時に入球することで、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が規定回数(4回)を上回ってしまうことがあった。しかしながら、本実施形態によれば、1回の開放動作中に1球ずつしか第2始動口34への遊技球の入賞が発生しないことから、上記合計値があと1回で規定回数(4回)に達するタイミングであっても、第2始動口34に遊技球が同時に入球して、上記合計値が規定回数(4回)を上回ってしまうことがない。その結果、時短遊技の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数をいっそう安定させることができ、パチンコ機の出球性能に大きな変化が起きてしまうことをいっそう抑制することができる。
また、本実施形態によれば、特定制御処理の実行が行われることによって所定遊技状態を終了させる場合に、特定制御処理が正常に完了した後に、少なくとも所定遊技状態を終了させ得ることから、特定制御処理が正常に完了しなかった場合に所定遊技状態は終了せずに、特定制御処理が正常に完了した場合に限り所定遊技状態が終了する。例えば、特定制御処理の実行が行われることによって所定遊技状態を終了させる場合に、特定制御処理が正常に完了しなかった場合にも所定遊技状態が終了する構成であった場合、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった数に安定させることが出来なかった。しかしながら、本実施形態によれば、特定制御処理の実行が行われることによって所定遊技状態を終了させる場合に、特定制御処理が正常に完了しなかった場合に所定遊技状態は終了せずに、特定制御処理が正常に完了した場合に限り所定遊技状態が終了することから、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった特定回数Nに正確に安定させることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、特定制御処理である第2の所定条件下(遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生すること)での特2保留プラス処理の実行が行われることによって所定遊技状態である高サポ状態を終了させる場合に、特2保留プラス処理が正常に完了した後に、高サポ状態を終了させ得ることから、ノイズ等を原因として、特2保留プラス処理に含まれる特2始動保留処理において、保留情報としての当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSのうちの少なくとも一つでも正常範囲外であると判定された場合に、当該保留情報は無視して、保留情報としての全ての値が正常範囲内であると判定されて特2保留プラス処理が正常に完了した場合に限り高サポ状態が終了する。例えば、特2保留プラス処理の実行が行われることによって高サポ状態を終了させる場合に、上述したように保留情報の少なくとも一つでも正常範囲外であると判定されて特2保留プラス処理が正常に完了しなかった場合にも高サポ状態が終了する構成であった場合、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった数に正確に安定させることが出来なかった。しかしながら、本実施形態によれば、特2保留プラス処理の実行が行われることによって高サポ状態を終了させる場合に、特2保留プラス処理が正常に完了しなかった場合に高サポ状態は終了せずに、特2保留プラス処理が正常に完了した場合に限り高サポ状態が終了することから、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった数である4回に正確に安定させることができる。
また、本実施形態によれば、特定変動表示と、対応制御処理の実行とを、同一の計数部によって計数することから、本来まったく異なる2つの事象を1つの計数部によって計数ができ、制御の簡易化を図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下(非遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生すること)での変動表示の実行回数と、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下(遊技回中において第2始動口34への遊技球の入球が発生すること)での特2始動保留処理(あるいは特2保留コマンド設定処理)の実行回数とを、時短回数カウンタという1つの計数部によって計数することから、本来まったく異なる2つの事象を1つの計数部によって計数ができ、制御の簡易化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、特定期間の所定遊技状態を実行する場合に、所定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、表示手段は、特定変動表示の実行と、特定制御処理の実行とに基づいて残り回数を減算することから、表示手段によって表示する残り回数を、特定変動表示と特定制御処理の実行とに基づいて適正に減算することができる。このために、遊技者は特定期間における残り回数を正確に知ることができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態を実行する場合に、図柄表示装置41の表示面41aに、高サポ状態を実行する残り回数を表示する時短回数表示領域RCを設け、図柄表示装置41は、高サポ状態が開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数と、高サポ状態が開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数とに基づいて、時短回数表示領域RCに表示される残り回数を減らす構成であることから、図柄表示装置41によって表示する高サポ状態の残り回数を、第1の所定条件下での変動表示の実行と、第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行とに基づいて適正に減らすことができる。このために、遊技者はラッシュステージH3における残り回数を正確に知ることができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、特定期間の所定遊技状態を実行する場合に、所定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、表示手段は、特定変動表示として特定演出処理を実行し、特定制御処理の実行に対する演出として特定演出処理とは異なる所定演出処理を実行することから、特定期間の所定遊技状態を実行する場合に、表示手段によって、特定期間において実行される変動表示の残り回数が表示されるとともに、特定演出処理と、特定演出処理とは異なる所定演出処理とが実行され得る。このために、遊技者は表示手段による表示から残り回数、第1の演出、および第2の演出を容易に把握することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。さらに、遊技者は特定演出処理を認識することによって、特定変動表示の実行に基づいて残り回数が減算されたと認識することができ、所定演出処理を認識することによって、特定制御処理の実行に基づいて残り回数が減算されたと認識することができることから、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態を実行する場合に、図柄表示装置41の表示面41aに、高サポ状態を実行する残り回数を表示する時短回数表示領域RCを設け、図柄表示装置41は、特定変動表示としての特2図柄変動演出を表示し、特2図柄変動演出とは異なる所定演出処理としての保留格納演出を行う構成であることから、高サポ状態を実行する場合に、図柄表示装置41によって、高サポ状態において実行される変動表示の残り回数が表示されるとともに、特2図柄変動演出と、特2図柄変動演出とは異なる保留格納演出とが実行され得る。このために、遊技者は、図柄表示装置41の表示面41aの表示から、変動表示の残り回数、特2の変動表示としての図柄変動、および保留格納演出を容易に把握することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。さらに、遊技者は特2の変動表示としての図柄変動を認識することによって、特図2当たり抽選に基づいて実行される変動表示の実行に基づいて残り回数が減算されたと認識することができ、保留格納演出を認識することによって、特2始動保留処理の実行に基づいて残り回数が減算されたと認識することができることから、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、所定遊技状態の実行中における特定始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される特定変動表示が所定遊技状態が開始されてから特定回数N回目である場合に、所定遊技状態が開始されてから当該特定回数N回目より前に実行された特定変動表示の時間より長い時間に、当該N回目の特定変動表示の時間を設定可能であることから、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示の時間が、最終前に実行された変動表示の時間よりも長くなり得る。このために、最終の変動表示の際に、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とを、最終前の変動表示よりも長い間、遊技者に付与することができることから、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、高サポ状態が開始されてから4回目の遊技回である最終の遊技回における変動時間が1回目から3回目までのいずれの遊技回における変動時間よりも長くなるように設定されている。このために、本実施形態によれば、最終の変動表示の際に、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とを、最終前の変動表示よりも長い間、遊技者に付与することができる。その結果、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、所定遊技状態の実行中における特定始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される特定変動表示が所定遊技状態が開始されてから特定回数N回目である場合に、所定遊技状態が開始されてから当該特定回数N回目より前に実行された特定変動表示に伴う第1演出と比べて相違する第2演出を、当該N回目の特定変動表示中に実行可能であることから、遊技者は、所定遊技状態が開始された後の特定変動表示の実行中において、当該特定変動表示よりも前に実行された所定の変動中に見た第1演出とは相違する第2演出を見た場合に、当該特定変動表示が所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができる。このために、本実施形態によれば、当該変動表示中が最終の変動表示中であるとして、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とを遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、高サポ状態が開始されてから特定回数N回目(4回目)の遊技回である最終の遊技回における変動表示中にあらわれる状態背景(第2演出)がバトル演出と結果告知演出とによって構成され、当該状態背景は1回目から3回目までの遊技回における変動表示中にあらわれるいずれの状態背景(第1演出)とも相違する内容となっている。このために、遊技者は、高サポ状態が開始された後の変動表示中においてバトル演出を見た場合に、当該変動表示が高サポ状態の発生に基づいて実行され得る4回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができる。したがって、本実施形態によれば、当該変動表示中が最終の変動表示中であるとして、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とを遊技者に付与することができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、特定変動表示の実行中に、特定制御処理の実行が行われ得ることから、特定変動表示の実行中に特定制御処理の実行が行われ得ない構成に比べて、所定遊技状態の発生に基づいて実行される変動表示の回数を特定回数N回まで早急に達成することが可能となる。この結果、遊技をスピーディに行うことができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、特2の変動表示の実行中に、第2始動口34の遊技球の入賞があった場合に特2始動保留処理が行われる得ることから、特2の変動表示の実行中に、第2始動口34の遊技球の入賞があった場合に特2始動保留処理が行われ得ない構成に比べて、所定遊技状態である高サポ状態の発生に基づいて実行される変動表示の回数を特定回数N回まで早急に達成することが可能となる。この結果、遊技をスピーディに行うことができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、特定期間の所定遊技状態を実行する場合に、所定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、表示手段は、特定制御処理の実行が行われることによって表示手段による残り回数を更新させる場合に、特定制御処理が正常に完了した後に、残り回数の更新をさせ得ることから、特定制御処理が正常に完了しなかった場合に残り回数は更新されずに、特定制御処理が正常に完了した場合に限り残り回数は更新される。例えば、特定制御処理が正常に完了する前に表示手段による残り回数を更新させる構成であった場合、変動表示を行う保留制御処理が正常に完了する前に残り回数が更新されることになる。このため、当該保留処理によって変動表示を行う権利が正常に記憶されなかった場合であっても、残り回数が更新されることになり、遊技者にとって酷すぎる状況となってしまう。しかしながら、本実施形態によれば、特定制御処理が正常に完了する前に表示手段による残り回数が更新されることがないことから、当該保留処理によって変動表示を行う権利が正常に記憶されなかった場合には、残り回数が更新されることがない。このために、本実施形態によれば、遊技者にとって酷すぎる状況となってしまうことを回避することができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態を実行する場合に、図柄表示装置41の表示面41aに、高サポ状態を実行する残り回数を表示する時短回数表示領域RCを設け、図柄表示装置41は、特定制御処理である第2の所定条件下での特2保留プラス処理の実行が行われることによって残り回数を更新させる場合に、特2保留プラス処理が正常に完了した後に残り回数の更新をさせ得ることから、特2保留プラス処理が正常に完了しなかった場合に残り回数は更新されずに、特2保留プラス処理が正常に完了した場合に限り残り回数は更新される。例えば、特2保留プラス処理が正常に完了する前に残り回数を更新させる構成であった場合、変動表示を行う特2始動保留処理が正常に完了する前に残り回数が更新されることになる。このため、当該保留処理によって変動表示を行う権利が正常に記憶されなかった場合であっても、残り回数が更新されることになり、遊技者にとって酷すぎる状況となってしまう。しかしながら、本実施形態によれば、特2保留プラス処理が正常に完了する前に残り回数が更新されることがないことから、特2保留プラス処理に含まれる特2始動保留処理によって変動表示を行う権利が正常に記憶されなかった場合には、残り回数が更新されることがない。このために、本実施形態によれば、遊技者にとって酷すぎる状況となってしまうことを回避することができる。
また、本実施形態によれば、特定期間の所定遊技状態を実行する場合に、所定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、表示手段は、特定遊技終了手段において特定制御処理の実行が行われることによって所定遊技状態を終了させる場合に、特定制御処理が正常に完了した後に、少なくとも残り回数の表示を終了することから、特定制御処理が正常に完了して所定遊技状態が終了した後に、表示手段によって残り回数が継続して表示されることがない。例えば、特定制御処理が正常に完了して所定遊技状態が終了した後に、表示手段によって残り回数が継続して表示される構成であった場合、所定遊技状態から通常状態に移行したにも関わらず残り回数の表示が継続していることになり、所定遊技状態が継続しているのではと遊技者に違和感を与えてしまう。しかしながら、本実施形態によれば、特定制御処理が正常に完了して所定遊技状態が終了した後に、表示手段によって残り回数が継続して表示されることがないことから、実際に所定遊技状態が終了しているにもかかわらず所定遊技状態が継続しているのではと遊技者に違和感を与えてしまうことを防止することができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態を実行する場合に、図柄表示装置41の表示面41aに、高サポ状態を実行する残り回数を表示する時短回数表示領域RCを設け、図柄表示装置41は、特定制御処理である第2の所定条件下での特2保留プラス処理の実行が行われることによって高サポ状態を終了させる場合に、特2保留プラス処理が正常に完了した後に、少なくとも残り回数の表示を終了することから、特2保留プラス処理が正常に完了して高サポ状態が終了した後に、図柄表示装置41によって残り回数が継続して表示されることがない。例えば、特2保留プラス処理が正常に完了して高サポ状態が終了した後に、図柄表示装置によって残り回数が継続して表示される構成であった場合、高サポ状態から通常状態に移行したにも関わらず残り回数の表示が継続していることになり、高サポ状態が継続しているのではと遊技者に違和感を与えてしまう。しかしながら、本実施形態によれば、特2保留プラス処理が正常に完了して高サポ状態が終了した後に、表示手段によって残り回数が継続して表示されることがないことから、実際に高サポ状態が終了しているにもかかわらず高サポ状態が継続しているのではと遊技者に違和感を与えてしまうことを防止することができる。
また、本実施形態によれば、所定遊技状態を実行中において、特定抽選が特定抽選結果である場合に、所定遊技状態を終了させることから、遊技者は、特定抽選が特定抽選結果となることで、発生手段によって特別遊技状態の発生の提供を受けることができるとともに、一旦、所定遊技状態を終えた後に、例えば、特定抽選が特定抽選結果を得ることによって所定遊技状態の実行条件である特定開始条件が成立する場合に、所定遊技状態を再度実行させることができる。この結果、遊技機の出球を効率的に増大することができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態を実行中において、特定抽選である当たり抽選が大当たり当選または小当たり当選である場合に、高サポ状態を終了させることから、遊技者は、当たり抽選が大当たり当選または小当たり当選となることで、ラウンド遊技の発生の提供を受けることができるとともに、一旦、高サポ状態を終えた後に、例えば、当たり抽選が大当たり当選または小当たり当選し、3R大当たりAまたは9R大当たりAに振り分けられることによって高サポ状態の実行条件が成立する場合に、高サポ状態を再度実行させることができる。この結果、遊技機の出球を効率的に増大することができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、所定遊技状態の実行中における特定始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される特定変動表示が所定遊技状態が開始されてから特定回数N回目である場合に、当該特定変動表示中に所定のキャラクターが出現する演出を行うことから、遊技者は、所定遊技状態が開始された後の特定変動表示の実行中において、所定のキャラクターを見た場合に、当該特定変動表示は、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができることから、当該変動表示中において、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態が開始されてから4回目の遊技回である最終の遊技回において、当該遊技回の変動表示中に所定のキャラクターが出現する演出を行うことから、遊技者は、高サポ状態が開始された後の変動表示の実行中において、所定のキャラクターを見た場合に、当該変動表示は、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができることから、当該変動表示中において、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、所定遊技状態の実行中における特定始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される特定変動表示が所定遊技状態が開始されてから特定回数N回目である場合に、当該特定変動表示中に勝敗を決する演出を行うことから、遊技者は、所定遊技状態が開始された後の特定変動表示の実行中において、勝敗を決する演出を見た場合に、当該特定変動表示は、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができることから、当該変動表示中において、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態が開始されてから4回目の遊技回である最終の遊技回において、当該遊技回の変動表示中に勝敗を決するバトル演出を行うことから、遊技者は、高サポ状態が開始された後の変動表示の実行中において、バトル演出を見た場合に、当該変動表示は、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができることから、当該変動表示中において、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、遊技者による発射部への操作とは別の特定操作を受け付ける手段を備え、所定遊技状態の実行中における特定始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される特定変動表示が所定遊技状態が開始されてから特定回数N回目である場合に、当該特定変動表示中に、特定操作を行うことを遊技者に促す演出を実行し得ることから、遊技者は、所定遊技状態が開始された後の特定変動表示の実行中において、特定操作を行うことを促す演出を見た場合に、当該特定変動表示は、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができることから、当該変動表示中において、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、遊技者による操作ハンドル25の操作とは別の操作を受け付ける演出操作ボタン24を備え、所定遊技状態である高サポ状態が開始されてから4回目の遊技回である最終の遊技回において、当該遊技回の変動表示中に、演出操作ボタン24の操作を行うことを遊技者に促す演出を実行し得ることから、遊技者は、高サポ状態が開始された後の変動表示の実行中において、演出操作ボタン24の操作を行うことを促す演出を見た場合に、当該変動表示は、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができることから、当該変動表示中において、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、所定遊技状態の終了後に、所定遊技状態中に実行した特定制御処理に対応した演出を実行しうることから、遊技者は、所定遊技状態が終了した後に当該演出の付与を受けることが可能となる。例えば、所定遊技状態中に実行した特定制御処理に対応した演出を所定遊技状態の終了後に遊技者が受けることができない構成であった場合、所定遊技状態中に特定制御処理が完了したことを遊技者が知り得ないことがあった。しかしながら、本実施形態によれば、所定遊技状態中に実行した特定制御処理に対応した演出を所定遊技状態の終了後に遊技者が受けることができることから、所定遊技状態中に特定制御処理が完了したことを遊技者が確実に知ることができる。したがって、本実施形態によれば、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態の終了後に、高サポ状態中に実行した特定制御処理である第2の所定条件下での特2始動保留処理に対応した特2図柄変動演出を実行しうることから、遊技者は、高サポ状態が終了した後に当該特2図柄変動演出の付与を受けることが可能となる。例えば、高サポ状態中に実行した特2始動保留処理に対応した特2図柄変動演出を高サポ状態の終了後に遊技者が受けることができない構成であった場合、高サポ状態中に特2始動保留処理が完了したことを遊技者が知り得ないことがあった。しかしながら、本実施形態によれば、高サポ状態中に実行した第2の所定条件下での特2始動保留処理に対応した特2図柄変動演出を高サポ状態の終了後に遊技者が受けることができることから、高サポ状態中に特2始動保留処理が完了したことを確実に知ることができる。したがって、本実施形態によれば、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
また、本実施形態によれば、特定期間の所定遊技状態を実行する場合に、所定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、表示手段は、特定変動表示または特定制御処理の実行が行われることによって表示手段による残り回数を更新させる場合に、当該表示を特定期間だけ行うことから、表示手段によって表示される残り回数が更新される(切り替わる)毎に、当該残り回数の表示がついたり消えたりすることになる。例えば、表示手段によって、所定遊技状態が開始されてから残り回数が常時表示される構成であった場合、表示手段による表示の自由度が残り回数の表示によって制限されることあり得た。しかしながら、本実施形態によれば、表示手段によって表示される残り回数が更新される毎に、当該残り回数の表示が特定期間だけ行われることから、表示手段による表示の自由度が残り回数の表示によって制限されることを抑制することができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、所定遊技状態である高サポ状態を実行する場合に、図柄表示装置41の表示面41aに、高サポ状態を実行する残り回数を表示する時短回数表示領域RCを設け、図柄表示装置41は、第1の所定条件下での変動表示、または第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行が行われることによって図柄表示装置41による残り回数を更新させる場合に、当該表示を特定期間だけ行うことから、図柄表示装置41よって表示される残り回数が更新される(切り替わる)毎に、当該残り回数の表示がついたり消えたりすることになる。例えば、図柄表示装置によって、高サポ状態が開始されてから残り回数が常時表示される構成であった場合、図柄表示装置による表示の自由度が残り回数の表示によって制限されることあり得た。しかしながら、本実施形態によれば、図柄表示装置41によって表示される残り回数が更新される毎に、当該残り回数の表示が特定期間だけ行われることから、図柄表示装置41による表示の自由度が残り回数の表示によって制限されることを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、特定回数N回目の特定変動表示の開始時、または特定回数N回目に対応する特定制御処理の完了時に、少なくとも所定遊技状態を終了させ得ることから、特定変動表示が行われることによって特定回数N回目となって所定遊技状態を終了させる場合、当該特定変動表示の開始時に所定遊技状態が終了する。例えば、特定回数N回目の特定変動表示の終了時に所定遊技状態を終了させる構成であった場合、当該特定変動表示中において保留制御処理が行われることが可能となる。このため、当該保留制御処理に基づいて実行される変動表示が、特定回数N回目の特定変動表示が行われた後に実行されることになり、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が特定回数Nを上回ってしまうことがあった。しかしながら、本実施形態によれば、特定回数N回目の特定変動表示の開始時に所定遊技状態が終了することから、当該特定変動表示中において保留制御処理が行われることが極めて困難となることから、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が特定回数Nを上回ってしまうことがない。一方、本実施形態によれば、特定制御処理の実行が行われることによって特定回数N回目となって所定遊技状態を終了させる場合、当該特定制御処理の完了時に所定遊技状態が終了する。このため、特定回数N回目に対応する特定制御処理が完了した場合、当該特定制御処理の完了時に直ちに所定遊技状態が終了され、その後は、変動表示を行う保留制御処理が更に行われることが極めて困難となることから、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が特定回数Nを上回ってしまうことがない。これらの結果、所定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった数にいっそう安定させることができ、遊技機の出球性能に大きな変化が起きてしまうことをいっそう抑制することができる。
具体的には、例えば、本実施形態によれば、高サポ状態が開始されてから規定回数である4回目の特定変動表示である特2の図柄変動の開始時、または4回目に対応する特定制御処理である特2始動保留処理の完了時に、少なくとも所定遊技状態である高サポ状態を終了させ得ることから、特2の図柄変動が行われることによって4回目目となって高サポ状態を終了させる場合、当該特2図柄変動の開始時に高サポ状態が終了する。例えば、規定回数である4回目の特2図柄変動の終了時に高サポ状態を終了させる構成であった場合、当該特2図柄変動中において変動表示を行う特2始動保留処理が行われることが可能となる。このため、当該保留処理に基づいて実行される変動表示が、4回目の特2図柄変動が行われた後に実行されることになり、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が規定回数である4回を上回ってしまうことがあった。しかしながら、本実施形態によれば、規定回数である4回目の特2図柄変動の開始時に高サポ状態が終了することから、当該4回目の特2図柄変動中において保留処理が行われることが極めて困難となることから、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が4回を上回ってしまうことがない。一方、本実施形態によれば、特定制御処理である特2始動保留処理の実行が行われることによって規定回数である4回目となって高サポ状態を終了させる場合、当該特2始動保留処理の完了時に高サポ状態が終了する。このため、4回目に対応する特2始動保留処理が完了した場合、当該特2始動保留処理の完了時に直ちに高サポ状態が終了され、その後は、変動表示を行う特2始動保留処理が更に行われることが極めて困難となることから、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が規定回数である4回を上回ってしまうことがない。これらの結果、高サポ状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった数にいっそう安定させることができ、遊技機の出球性能に大きな変化が起きてしまうことをいっそう抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、所定遊技状態の終了制御を好適に行って、安定した変動回数の所定遊技状態を実行させることが可能となる。
《10-8》第10実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《10-8-1》変形例1:
上記第10実施形態およびその変形例では、高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数と、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数との合計値が、特定回数N回に相当する4回に達することを、高サポ状態が終了する条件(特定終了条件)としていた。具体的には、高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数が4回であり、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数が0回である場合、高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数が3回であり、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数が1回である場合、または、高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数が2回であり、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数が2回である場合に、高サポ状態を終了させる。なお、特定回数N回は、4回に限る必要はなく、他の回数であってもよい。例えば、特定回数N回が5回の場合には、次の通りとなる。高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数が5回であり、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数が0回である場合、高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数が4回であり、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数が1回である場合、または、高頻度サポートモードが開始されてからの第1の所定条件下での変動表示の実行回数が3回であり、高頻度サポートモードが開始されてからの第2の所定条件下での特2始動保留処理の実行回数が2回である場合に、高サポ状態を終了させる。かかる構成であっても、第10実施形態と同様に、時短遊技状態の終了制御を好適に行って、安定した変動回数の時短遊技状態を実行させることが可能となる。
《10-8-2》変形例2:
上記第10実施形態およびその変形例では、本発明の構成を、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選と、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選とを個別に実行するとともに、第1図柄表示部37aの変動表示と第2図柄表示部37bの変動表示とを個別に実行するパチンコ機に採用したが、この代わりに、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選と、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選とを並列的に実行するとともに、第1図柄表示部37aの変動表示と第2図柄表示部37bの変動表示とを並列的に(同時に)実行することが可能な同時変動機に採用する構成としてもよい。この構成によれば、高サポ状態の発生に基づいて実行される変動表示の回数を特定回数N回まで早急に達成することが可能となる。この結果、遊技をスピーディに行うことができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
《10-8-3》変形例3:
上記第10実施形態およびその変形例では、図柄表示装置41の表示面41aに時短回数表示領域RCを設け、高サポ状態中において、常時、高サポ状態を実行する残り回数を時短回数表示領域RCに表示する構成としたが、この代わりに、高サポ状態中において、第1の所定条件下で変動表示が実行されること、もしくは第2の所定条件下で特2始動保留処理が実行されることによって時短回数表示領域RC内の残り回数を更新させる場合に、当該更新された残り回数の表示を特定期間だけ行う構成としてもよい。具体的には、例えば、残り回数の更新がなされてから、当該更新がなされた遊技回における変動時間より短い特定期間が経過するまでの間、時短回数表示領域RC内に残り回数を表示し、特定期間の経過後、時短回数表示領域RC内の表示そのものを消す構成としてもよい。高サポ状態中において、残り回数が常時表示される構成であった場合、図柄表示装置41の表示面41aにおける表示の自由度が残り回数の表示によって制限されることあり得た。しかしながら、本変形例によれば、図柄表示装置41の表示面41aに表示される残り回数が更新される(切り替わる)毎に、当該残り回数の表示が特定期間だけ行われ、その後、消されることから、表示手段による表示の自由度が残り回数の表示によって制限されることを抑制することができる。
《10-8-4》変形例4:
上記第10実施形態およびその変形例では、図柄表示装置41の表示面41aに、高サポ状態を実行する残り回数を表示する時短回数表示領域RCを設けた構成としたが、この代わりに、高サポ状態を開始してからの実行回数を時短回数表示領域RCに表示する構成としてもよい。この構成によっても、上記第10実施形態と同様に遊技の興趣向上を図ることができる。
《10-8-5》変形例5:
上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える外枠は、木製に限らず、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える内枠は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える前扉枠は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機には、内枠を外枠に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠する機能とを有するシリンダ錠が設けられているが、このシリンダ錠が省略された構成を採用した上で、内枠を外枠に対して開放不能に施錠する機能を有する第1シリンダ錠と、前扉枠を内枠に対して開放不能に施錠する機能を有する第2シリンダ錠とが別々に設けられた構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、内枠を外枠に対して回動させる回動軸が正面視左側に設けられている構成を採用したが、この回動軸が正面視右側に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、前扉枠を内枠に対して回動させる回動軸が正面視左側に設けられている構成を採用したが、この回動軸が正面視右側に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、パチンコ機が備える遊技盤は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製であってもよく、また、鉄鋼(炭素鋼)や鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、合金鋼等の金属製であってもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、パチンコ機は上皿と下皿とを備える構成を採用したが、下皿が省略され、上皿のみを備える構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、正面視右側に操作ハンドルが設けられている構成を採用したが、正面視左側に操作ハンドルが設けられている構成を採用してもよい。また、操作ハンドルが正面視右側と正面視左側の両方に設けられている構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、遊技者が操作ハンドルを握っているか否か(遊技者の手が操作ハンドルに接触しているか否か)を検出可能なタッチセンサーが操作ハンドルに設けられている構成を採用したが、このタッチセンサーが省略された構成を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、遊技球を発射可能な発射手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、バネ等の弾性力を利用して遊技球を発射させる構成や、圧縮気体が噴出する際の風圧を利用して遊技球を発射させる構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、操作ハンドルが右回りに所定量回動操作された状態においては、1分間に100発程度の遊技球が発射されるように構成されているが、1分間に100発未満(例えば60発)の遊技球が発射される構成であってもよく、また、1分間に100発以上(例えば200発)の遊技球が発射される構成であってもよい。また、レバーを弾くことによって遊技球を1発ずつ発射させる構成としてもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例では、音声を出力可能な手段としてスピーカーを備える構成を採用したが、スピーカーに加えて又はスピーカーに代えてイヤホンジャックを備える構成を採用してもよい。この構成によれば、遊技者は、自身が持参したイヤホンやヘッドホンを当該イヤホンジャックに接続することによって、周囲のパチンコ機の音声に邪魔されずに、自身が遊技中のパチンコ機の音声を存分に楽しむことが可能となる。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種始動口に遊技球が入球したことに基づいて変動表示を開始する特別図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、LEDランプや、LED表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、ハロゲンランプ等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種ゲートを遊技球が通過したことに基づいて変動表示を開始する普通図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、LEDランプや、LED表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、ハロゲンランプ等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各種の装飾図柄を表示可能な表示手段としては、種々の構成を採用することができ、例えば、液晶表示装置や、有機EL表示装置、LED表示装置、ドラム回転式表示装置、導光板、三次元ホログラム表示装置等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、装飾図柄としては、数字に限らず、種々の文字や図形、記号、絵柄等及びこれらの組み合わせを採用することができる。例えば、装飾図柄として、アルファベットや、ギリシャ文字、平仮名、カタカナ、漢字、各種キャラクター等及びこれらの組み合わせを採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、装飾図柄がスクロールする図柄列の数は3つに限らず、例えば、2つ以下であってもよく、4つ以上であってもよい。そして、装飾図柄の図柄列が1つである構成を採用した場合には、例えば、特定の装飾図柄(例えば「7」)が停止した場合に大当たりに当選となる構成としてもよい。また、装飾図柄の列が2つ又は4つ以上である構成を採用した場合には、例えば、特定のラインに同一の装飾図柄が停止した場合に大当たりに当選となる構成としてもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、特別電動役物としては、種々の構成を採用することができ、例えば、板状部材の下方に略水平方向に延びる回動軸が設けられ、当該回動軸を中心として当該板状部材が前方側に回動することによって大入賞口を開放可能な構成や、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材によって大入賞口を開閉する構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、普通電動役物としては、種々の構成を採用することができ、例えば、一対の可動弁が左右に開放可能な所謂チューリップ型普通電動役物や、板状部材の下方に略水平方向に延びる回動軸が設けられ、当該回動軸を中心として当該板状部材が前方側に回動することによって始動口を開放可能な構成、遊技盤の前後方向にスライド可能な板状部材によって始動口を開閉する構成等を採用してもよい。また、上記実施形態及び上記各変形例において、各入球口(始動口や一般入賞口、大入賞口等)に設定されている賞球数は例示であり、各入球口に設定される賞球数を適宜変更することによって、スペックの異なる複数種類のパチンコ機を実現することが可能である。
《10-8-6》変形例6:
上記実施形態およびその変形例では、パチンコ機10は、主制御装置60、音声発光制御装置90、表示制御装置100といった3つの制御装置を備える構成としたが、これに換えて、主制御装置と副制御装置といった2つの制御装置を備える構成としても良い。副制御装置では、上記実施形態において音声発光制御装置90と表示制御装置100とにおいて実行される各種処理を実行する構成とすれば良い。また、上記実施形態およびその変形例において、3つの制御装置60,90,100のそれぞれで実行される各種処理は、上記実施形態で説明した区分けに限る必要はなく、3つの制御装置60,90,100の全体として、上記実施形態における各種の処理が実行できれば良い。
《10-9》他の構成への適用:
上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
《10-10》上記各実施形態等から抽出される特徴群について:
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴gA群>
特徴gA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第10実施形態とその変形例から抽出される。
[特徴gA1]
遊技領域の所定領域に向けて遊技球を発射可能な発射手段(発射部/遊技球発射機構81と操作ハンドル25)と、
前記所定領域に向けて発射された遊技球が流下可能な所定流路(特定流路/右側流路)に設けられ、開閉動作可能な開閉手段(開閉部/普通電動役物34a)と、所定の始動口(特定始動口/第2始動口34)と、を備えた開閉動作手段(開閉動作部/始動口ユニット200)と、
遊技球が前記所定の始動口に入賞すること(特定始動口入賞/特2始動入賞すること)に基づいて所定の抽選(特定抽選/当たり抽選)を行い、前記所定の抽選に基づいて所定期間の所定の変動表示(特定変動表示/特2図柄変動)を実行する実行手段と、
前記所定期間に前記遊技球が所定の始動入賞(特定始動入賞/特2始動入賞)した場合に、所定の複数の上限数(特定上限数/2個)までの変動表示を行う権利の保留処理(保留制御処理/取得した各種乱数の値が正常範囲内であるかを判定し、正常範囲内であると判定された場合に各値を特2保留情報として2個まで記憶する特2始動保留処理)と、前記権利の保留に対応した保留対応処理(対応制御処理/特2保留コマンド設定処理)とを含む所定制御処理(特定制御処理)を実行する制御手段(制御処理部/主制御装置60)と、
前記所定の抽選が所定抽選結果である場合に、前記所定期間が終了することに基づいて前記所定の変動表示を前記所定抽選結果に対応した所定表示結果で停止表示させる停止表示手段と、
前記所定表示結果の停止表示後に特別遊技状態を発生させる発生手段と、
を備えた遊技機であって、
特定条件(特定開始条件/当たり抽選で大当たり当選または小当たり当選し、3R大当たりAまたは9R大当たりAに振り分けられること)の成立に基づいて特定期間の前記開閉動作手段の特定遊技状態(所定遊技状態/高サポ状態)を実行する特定遊技実行手段と、
特定終了条件の成立に基づいて前記特定遊技状態を終了させる特定遊技終了手段と、
を備え、
前記特定遊技終了手段は、
前記実行手段による前記所定の変動表示(特定変動表示/第1の所定条件下での特2図柄変動)が特定回数N(Nは2以上の整数)回(4回)行われ、前記制御手段による前記所定制御処理(特定制御処理/第2の所定条件下での特2始動保留処理と特2保留コマンド設定処理とを含む特2保留プラス処理)の実行が行われなかった場合、
前記実行手段による前記所定の変動表示がN-1回(3回)行われ、前記制御手段による前記所定制御処理の実行が1回行われた場合、または、
前記実行手段による前記所定の変動表示がN-2回(2回)行われ、前記制御手段による前記所定制御処理の実行が2回行われた場合に、少なくとも前記特定遊技状態を終了させる
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、実行手段によって、遊技球が所定の始動口に入賞すること(特2始動入賞すること)に基づいて所定の抽選(当たり抽選)が行われ、所定の抽選に基づいて所定期間の所定の変動表示(特2図柄変動)が実行され、制御手段によって、所定期間に遊技球が所定の始動入賞(特2始動入賞)した場合に、所定の複数の上限数(2個)までの変動表示を行う権利の保留処理(特2始動保留処理)と、前記権利の保留に対応した保留対応処理(特2保留コマンド設定処理)とを含む所定制御処理が実行され、停止表示手段によって、所定の抽選が所定抽選結果である場合に、所定期間が終了することに基づいて所定の変動表示が所定抽選結果に対応した所定表示結果で停止表示させられ、発生手段によって、所定表示結果の停止表示後に特別遊技状態が発生させられる。また、本特徴によれば、特定遊技実行手段によって、特定条件(当たり抽選で大当たり当選または小当たり当選し、3R大当たりAまたは9R大当たりAに振り分けられること)の成立に基づいて特定期間の開閉動作手段の特定遊技状態(高サポ状態)が実行され、特定遊技終了手段によって、特定終了条件の成立に基づいて特定遊技状態が終了させられる。さらに、特定遊技終了手段によって、実行手段による所定の変動表示が特定回数N(Nは2以上の整数)回(4回)行われ、制御手段による所定制御処理の実行が行われなかった場合、実行手段による所定の変動表示がN-1回(3回)行われ、制御手段による所定制御処理の実行が1回行われた場合、または、実行手段による所定の変動表示がN-2回(2回)行われ、制御手段による所定制御処理の実行が2回行われた場合に、少なくとも特定遊技状態が終了させられる。
このために、本特徴によれば、特定遊技状態において、実行手段による所定の変動表示の回数と制御手段による所定制御処理の回数との合計値が特定回数Nに達した場合に、少なくとも特定遊技状態が終了させられることになる。上記合計値が特定回数Nに達した場合(すなわち、実行手段による所定の変動表示が特定回数N回行われ、制御手段による所定制御処理の実行が行われなかった場合、実行手段による所定の変動表示がN-1回行われ、制御手段による所定制御処理の実行が1回行われた場合、および、実行手段による所定の変動表示がN-2回行われ、制御手段による所定制御処理の実行が2回行われた場合の各ケース)には、特定回数N回分の変動表示の実行が既に確保されたことになり、この場合に、特定遊技状態を終了させることで、遊技球が所定の始動口へ入賞することを極めて困難とし、特定遊技状態を実行開始してから特定回数N回を上回る回数の変動表示が実行されてしまうことを抑制することができる。
したがって、本特徴によれば、制御手段による変動表示を行う権利の保留状況によって、特定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数にバラツキが発生することを抑制することができる。
[特徴gA2]
特徴gA1に記載の遊技機であって、
前記開閉動作手段は、1回の開放動作中に1球ずつしか前記所定の始動口(特定始動口/第2始動口34)への遊技球の入賞が発生しないように構成されている(普通電動役物34aは1カウントで閉鎖するように構成されている)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、開閉動作手段は、1回の開放動作中に1球ずつしか所定の始動口(特定始動口/第2始動口34)への遊技球の入賞が発生しないように構成されていることから、開閉動作手段の特定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった数にいっそう安定させることができる。例えば、開閉動作手段が、1回の開放動作中に遊技球が2球、同時に入球し得る構成であった場合、実行手段による所定の変動表示の回数と制御手段による所定制御処理の回数との合計値があと1回で特定回数Nに達するタイミングで、開閉動作手段の1回の開放動作中に遊技球が2球、同時に入球することで、開閉動作手段の特定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が特定回数Nを上回ってしまうことがあった。しかしながら、本特徴によれば、1回の開放動作中に1球ずつしか所定の始動口への遊技球の入賞が発生しないことから、実行手段による所定の変動表示の回数と制御手段による所定制御処理の回数との合計値があと1回で特定回数Nに達するタイミングであっても、所定の始動口に遊技球が同時に入球して、上記合計値が特定回数Nを上回ってしまうことがない。その結果、開閉手段の特定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった特定回数Nにいっそう安定させることができ、遊技機の出球性能に大きな変化が起きてしまうことをいっそう抑制することができる。
[特徴gA3]
特徴gA1または特徴gA2に記載の遊技機であって、
前記特定遊技終了手段は、前記制御手段による前記所定制御処理の実行が行われることによって前記特定遊技状態を終了させる場合に、前記所定制御処理(特定制御処理/第2の所定条件下での特2始動保留処理と特2保留コマンド設定処理とを含む処理)が正常に完了した後に、少なくとも前記特定遊技状態(所定遊技状態/高サポ状態)を終了させ得る(特2始動保留処理において各値が正常範囲内であると判定され、各値が特2保留として格納された場合に高頻度サポートモードを終了させる)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定遊技終了手段は、制御手段による所定制御処理の実行が行われることによって特定遊技状態を終了させる場合に、所定制御処理が正常に完了した後に、少なくとも特定遊技状態(高サポ状態)を終了させ得ることから、所定制御処理が正常に完了しなかった場合に特定遊技状態は終了せずに、所定制御処理が正常に完了した場合に限り特定遊技状態が終了する。例えば、制御手段による所定制御処理の実行が行われることによって特定遊技状態を終了させる場合に、所定制御処理が正常に完了しなかった場合にも特定遊技状態が終了する構成であった場合、特定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった数に安定させることが出来なかった。しかしながら、本特徴によれば、特定遊技終了手段が、制御手段による所定制御処理の実行が行われることによって特定遊技状態を終了させる場合に、所定制御処理が正常に完了しなかった場合に特定遊技状態は終了せずに、所定制御処理が正常に完了した場合に限り特定遊技状態が終了することから、開閉動作手段の特定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった特定回数Nに正確に安定させることができる。
[特徴gA4]
特徴gA1から特徴gA3までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定遊技終了手段は、前記実行手段による前記所定の変動表示と、前記制御手段による前記保留対応処理の実行とを、同一の計数手段(計数部/時短回数カウンタ)によって計数する
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定遊技終了手段は、実行手段による所定の変動表示と、制御手段による保留対応処理の実行とを、同一の計数手段(時短回数カウンタ)によって計数することから、本来まったく異なる2つの事象を1つの計数手段によって計数ができ、制御の簡易化を図ることができる。
[特徴gA5]
特徴gA1から特徴gA4までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
保留された前記権利に対して前記上限数以下の複数回の連続的演出(特2保留連続演出)を実行可能な手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、保留された権利に対して上限数以下の複数回の連続的演出(特2保留連続演出)を実行可能な手段を備えることから、複数の保留の権利を先読みして変動を跨いだ連続的演出を行うことが可能となり、大当たりに対してより大きな期待感を遊技者に対して抱かせることができる。
[特徴gA6]
特徴gA1から特徴gA5までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定期間の前記特定遊技状態を実行する場合に、前記特定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、
前記表示手段は、前記実行手段による前記所定の変動表示と前記制御手段による前記所定制御処理の実行とに基づいて前記残り回数を減算する(特2の変動と特2の始動保留処理とに基づいて高頻度サポートモードの残り回数を減算)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定期間の特定遊技状態を実行する場合に、特定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、表示手段は、実行手段による所定の変動表示の実行と、制御手段による所定制御処理の実行とに基づいて残り回数を減算することから、表示手段によって表示する残り回数を、実行手段による所定の変動表示と制御手段による所定制御処理の実行とに基づいて適正に減算することができる。このために、遊技者は特定期間における残り回数を正確に知ることができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴gA7]
特徴gA1から特徴gA6までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定期間の前記特定遊技状態を実行する場合に、前記特定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、
前記表示手段は、前記実行手段による前記所定の変動表示として第1の演出制御(特定演出処理/特2の変動表示としての図柄変動演出)を実行し、前記制御手段による前記所定制御処理の実行に対する演出として前記第1の演出制御とは異なる第2の演出制御を実行する(所定演出処理/図柄変動演出とは異なる保留格納演出を行う)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定期間の特定遊技状態を実行する場合に、特定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、表示手段は、実行手段による所定の変動表示として第1の演出制御を実行し、制御手段による所定制御処理の実行に対する演出として第1の演出制御とは異なる第2の演出制御を実行することから、特定期間の特定遊技状態を実行する場合に、表示手段によって、特定期間において実行される変動表示の残り回数が表示されるとともに、第1の演出制御と、第1の演出制御とは異なる第2の演出制御とが実行され得る。このために、遊技者は表示手段による表示から残り回数、第1の演出、および第2の演出を容易に把握することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。さらに、遊技者は第1の演出制御を認識することによって、所定の変動表示の実行に基づいて残り回数が減算されたと認識することができ、第2の演出制御を認識することによって、制御手段による所定制御処理の実行に基づいて残り回数が減算されたと認識することができることから、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴gA8]
特徴gA1から特徴gA7までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定遊技状態の実行中における前記所定の始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される前記所定の変動表示が前記特定遊技状態が開始されてから前記特定回数N回目である場合に、前記特定遊技状態が開始されてから当該特定回数N回目より前に実行された前記所定の変動表示の時間より長い時間に、当該N回目の所定の変動表示の時間を設定可能である(4回目の変動表示の時間が3回目以前の変動表示の時間よりも長いこと)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定遊技状態の実行中における所定の始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される所定の変動表示が特定遊技状態が開始されてから特定回数N回目である場合に、特定遊技状態が開始されてから当該特定回数N回目より前に実行された所定の変動表示の時間より長い時間に、当該N回目の所定の変動表示の時間を設定可能であることから、特定遊技状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示の時間が、最終前に実行された変動表示の時間よりも長くなり得る。このために、最終の変動表示の際に、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とを、最終前の変動表示よりも長い間、遊技者に付与することができることから、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴gA9]
特徴gA1から特徴gA8までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定遊技状態の実行中における前記所定の始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される前記所定の変動表示が前記特定遊技状態が開始されてから前記特定回数N回目である場合に、前記特定遊技状態が開始されてから当該特定回数N回目より前に実行された前記所定の変動表示に伴う第1演出と比べて相違する第2演出を、当該N回目の所定の変動表示中に実行可能である(4回目の変動表示中に表示される状態背景が、3回目以前の変動表示中に表示される状態背景と相違すること)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定遊技状態の実行中における所定の始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される所定の変動表示が特定遊技状態が開始されてから特定回数N回目である場合に、特定遊技状態が開始されてから当該特定回数N回目より前に実行された所定の変動表示に伴う第1演出と比べて相違する第2演出を、当該N回目の所定の変動表示中に実行可能であることから、遊技者は、特定遊技状態が開始された後の所定の変動表示の実行中において、当該所定の変動表示よりも前に実行された所定の変動中に見た第1演出とは相違する第2演出を見た場合に、当該所定の変動表示が特定遊技状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができる。このために、本特徴によれば、当該変動表示中が最終の変動表示中であるとして、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とを遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴gA10]
特徴gA1から特徴gA9までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記実行手段による前記所定の変動表示の実行中に、前記制御手段による前記所定制御処理の実行が行われ得る(特2変動表示中に特2入賞があった場合に特2始動保留処理が行われる構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、実行手段による所定の変動表示の実行中に、制御手段による所定制御処理の実行が行われ得ることから、実行手段による所定の変動表示の実行中に制御手段による所定制御処理の実行が行われ得ない構成に比べて、特定遊技状態の発生に基づいて実行される変動表示の回数を特定回数N回まで早急に達成することが可能となる。この結果、遊技をスピーディに行うことができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴gA11]
特徴gA1から特徴gA10までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定期間の前記特定遊技状態を実行する場合に、前記特定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、
前記表示手段は、前記制御手段による前記所定制御処理の実行が行われることによって前記表示手段による前記残り回数を更新させる場合に、前記所定制御処理が正常に完了した後に、前記残り回数の更新をさせ得る
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定期間の特定遊技状態を実行する場合に、特定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、表示手段は、制御手段による所定制御処理の実行が行われることによって表示手段による残り回数を更新させる場合に、所定制御処理が正常に完了した後に、残り回数の更新をさせ得ることから、所定制御処理が正常に完了しなかった場合に残り回数は更新されずに、所定制御処理が正常に完了した場合に限り残り回数は更新される。例えば、所定制御処理が正常に完了する前に表示手段による残り回数を更新させる構成であった場合、変動表示を行う権利の保留処理が正常に完了する前に残り回数が更新されることになる。このため、当該保留処理によって変動表示を行う権利が正常に記憶されなかった場合であっても、残り回数が更新されることになり、遊技者にとって酷すぎる状況となってしまう。しかしながら、本特徴によれば、所定制御処理が正常に完了する前に表示手段による残り回数が更新されることがないことから、当該保留処理によって変動表示を行う権利が正常に記憶されなかった場合には、残り回数が更新されることがない。このために、本特徴によれば、遊技者にとって酷すぎる状況となってしまうことを回避することができる。
[特徴gA12]
特徴gA1から特徴gA11までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定期間の前記特定遊技状態を実行する場合に、前記特定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、
前記表示手段は、前記特定遊技終了手段において前記制御手段による前記所定制御処理の実行が行われることによって前記特定遊技状態を終了させる場合に、前記所定制御処理が正常に完了した後に、少なくとも前記残り回数の表示を終了する
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定期間の特定遊技状態を実行する場合に、特定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、表示手段は、特定遊技終了手段において制御手段による所定制御処理の実行が行われることによって特定遊技状態を終了させる場合に、所定制御処理が正常に完了した後に、少なくとも残り回数の表示を終了することから、制御手段による所定制御処理が正常に完了して特定遊技状態が終了した後に、表示手段によって残り回数が継続して表示されることがない。例えば、制御手段による所定制御処理が正常に完了して特定遊技状態が終了した後に、表示手段によって残り回数が継続して表示される構成であった場合、特定遊技状態から通常状態に移行したにも関わらず残り回数の表示が継続していることになり、特定遊技状態が継続しているのではと遊技者に違和感を与えてしまう。しかしながら、本特徴によれば、制御手段による所定制御処理が正常に完了して特定遊技状態が終了した後に、表示手段によって残り回数が継続して表示されることがないことから、実際に特定遊技状態が終了しているにもかかわらず特定遊技状態が継続しているのではと遊技者に違和感を与えてしまうことを防止することができる。
[特徴gA13]
特徴gA1から特徴gA12までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定遊技状態を実行中において、所定の抽選(特定抽選/当たり抽選)が特定抽選結果(当たり当選)である場合に、前記特定遊技状態を終了させる(当たり当選時に高サポ状態を終了)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定遊技状態を実行中において、所定の抽選が特定抽選結果である場合に、特定遊技状態を終了させることから、遊技者は、所定の抽選が特定抽選結果となることで、発生手段によって特別遊技状態の発生の提供を受けることができるとともに、一旦、特定遊技状態を終えた後に、例えば、所定の抽選が特定抽選結果を得ることによって特定遊技状態の実行条件である特定条件が成立する場合に、特定遊技状態を再度実行させることができる。この結果、遊技機の出球を効率的に増大することができ、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴gA14]
特徴gA1から特徴gA13までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定遊技状態の実行中における前記所定の始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される前記所定の変動表示が前記特定遊技状態が開始されてから前記特定回数N回目である場合に、当該所定の変動表示中に所定のキャラクターが出現する演出を行う
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定遊技状態の実行中における所定の始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される所定の変動表示が特定遊技状態が開始されてから特定回数N回目である場合に、当該所定の変動表示中に所定のキャラクターが出現する演出を行うことから、遊技者は、特定遊技状態が開始された後の所定の変動表示の実行中において、所定のキャラクターを見た場合に、当該所定の変動表示は、特定遊技状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができることから、当該変動表示中において、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴gA15]
特徴gA1から特徴gA14までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定遊技状態の実行中における前記所定の始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される前記所定の変動表示が前記特定遊技状態が開始されてから前記特定回数N回目である場合に、当該所定の変動表示中に勝敗を決する演出を行う
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定遊技状態の実行中における所定の始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される所定の変動表示が特定遊技状態が開始されてから特定回数N回目である場合に、当該所定の変動表示中に勝敗を決する演出を行うことから、遊技者は、特定遊技状態が開始された後の所定の変動表示の実行中において、勝敗を決する演出を見た場合に、当該所定の変動表示は、特定遊技状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができることから、当該変動表示中において、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴gA16]
特徴gA1から特徴gA15までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者による前記発射手段への操作とは別の特定操作を受け付ける手段を備え、
前記特定遊技状態の実行中における前記所定の始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される前記所定の変動表示が前記特定遊技状態が開始されてから前記特定回数N回目である場合に、当該所定の変動表示中に、前記特定操作を行うことを遊技者に促す演出(演出操作ボタン24を操作することを遊技者に対して促す示唆演出)を実行し得る
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、遊技者による前記発射手段への操作とは別の特定操作を受け付ける手段を備え、特定遊技状態の実行中における所定の始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される所定の変動表示が特定遊技状態が開始されてから特定回数N回目である場合に、当該所定の変動表示中に、特定操作を行うことを遊技者に促す演出を実行し得ることから、遊技者は、特定遊技状態が開始された後の所定の変動表示の実行中において、特定操作を行うことを遊技者に促す演出を見た場合に、当該所定の変動表示は、特定遊技状態の発生に基づいて実行され得る特定回数N回の変動表示のうちの最終の変動表示であることを知ることができることから、当該変動表示中において、当たり当選することへの期待感とドキドキ感とをいっそう遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴gA17]
特徴gA1から特徴gA16までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定遊技状態の終了後に、前記特定遊技状態中に実行した前記制御手段による前記所定制御処理に対応した演出を実行し得る(高サポ状態中に実行した特2始動保留処理に対応した特2図柄変動演出を高サポ状態の終了後に実行し得る構成)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定遊技状態の終了後に、特定遊技状態中に実行した制御手段による所定制御処理に対応した演出を実行しうることから、遊技者は、特定遊技状態が終了した後に当該演出の付与を受けることが可能となる。例えば、特定遊技状態中に実行した制御手段による所定制御処理に対応した演出を特定遊技状態の終了後に遊技者が受けることができない構成であった場合、特定遊技状態中に制御手段による所定制御処理が完了したことを遊技者が知り得ないことがあった。しかしながら、本特徴によれば、特定遊技状態中に実行した制御手段による所定制御処理に対応した演出を特定遊技状態の終了後に遊技者が受けることができることから、特定遊技状態中に制御手段による所定制御処理が完了したことを遊技者が確実に知ることができる。したがって、本特徴によれば、遊技の興趣向上をいっそう図ることができる。
[特徴gA18]
特徴gA1から特徴gA17までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定期間の前記特定遊技状態を実行する場合に、前記特定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、
前記表示手段は、前記実行手段による前記所定の変動表示または前記制御手段による前記所定制御処理の実行が行われることによって前記表示手段による前記残り回数を更新させる場合に、当該表示を特定期間だけ行う(変形例3)
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定期間の特定遊技状態を実行する場合に、特定遊技状態を実行する残り回数を表示する表示手段を設け、表示手段は、実行手段による所定の変動表示または制御手段による所定制御処理の実行が行われることによって表示手段による残り回数を更新させる場合に、当該表示を特定期間だけ行うことから、表示手段によって表示される残り回数が更新される(切り替わる)毎に、当該残り回数の表示がついたり消えたりすることになる。例えば、表示手段によって、特定遊技状態が開始されてから残り回数が常時表示される構成であった場合、表示手段による表示の自由度が残り回数の表示によって制限されることがあり得た。しかしながら、本特徴によれば、表示手段によって表示される残り回数が更新される毎に、当該残り回数の表示が特定期間だけ行われることから、表示手段による表示の自由度が残り回数の表示によって制限されることを抑制することができる。
[特徴gA19]
特徴gA1から特徴gA18までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定遊技終了手段は、前記特定回数N回目の前記実行手段による前記所定の変動表示(特定変動表示/第1の所定条件下での特2図柄変動)の開始時(ケース4における時刻t74)、または前記特定回数N回目に対応する前記制御手段による前記所定制御処理の完了時に、少なくとも前記特定遊技状態を終了させ得る
ことを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、特定遊技終了手段は、特定回数N回目の実行手段による所定の変動表示の開始時、または特定回数N回目に対応する制御手段による所定制御処理の完了時に、少なくとも特定遊技状態を終了させ得ることから、実行手段による所定の変動表示が行われることによって特定回数N回目となって特定遊技状態を終了させる場合、当該所定の変動表示の開始時に特定遊技状態が終了する。例えば、特定回数N回目の実行手段による所定の変動表示の終了時に特定遊技状態を終了させる構成であった場合、当該所定の変動表示中において変動表示を行う権利の保留処理が行われることが可能となる。このため、当該保留処理に基づいて実行される変動表示が、特定回数N回目の所定の変動表示が行われた後に実行されることになり、特定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が特定回数Nを上回ってしまうことがあった。しかしながら、本特徴によれば、特定回数N回目の実行手段による所定の変動表示の開始時に特定遊技状態が終了することから、当該所定の変動表示中において変動表示を行う権利の保留処理が行われることが極めて困難となることから、特定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が特定回数Nを上回ってしまうことがない。一方、本特徴によれば、制御手段による所定制御処理の実行が行われることによって特定回数N回目となって特定遊技状態を終了させる場合、当該制御手段による所定制御処理の完了時に特定遊技状態が終了する。このため、特定回数N回目に対応する制御手段による所定制御処理が完了した場合、所定制御処理の完了時に直ちに特定遊技状態が終了され、その後は、変動表示を行う権利の保留処理が更に行われることが極めて困難となることから、特定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数が特定回数Nを上回ってしまうことがない。これらの結果、特定遊技状態の発生に基づいて実行され得る変動表示の回数を予め決まった数にいっそう安定させることができ、遊技機の出球性能に大きな変化が起きてしまうことをいっそう抑制することができる。
なお、上記各特徴群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
上記各特徴群に含まれる1又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、上記の各特徴群を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、前記始動入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示手段と、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示を始動させる始動手段と、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間の経過に起因して前記複数の絵柄の可変表示を停止させる停止手段と、停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。