JP2023116323A - 応力計算装置及び応力計算方法 - Google Patents

応力計算装置及び応力計算方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023116323A
JP2023116323A JP2022019064A JP2022019064A JP2023116323A JP 2023116323 A JP2023116323 A JP 2023116323A JP 2022019064 A JP2022019064 A JP 2022019064A JP 2022019064 A JP2022019064 A JP 2022019064A JP 2023116323 A JP2023116323 A JP 2023116323A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stress
load
frame
wheels
processor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022019064A
Other languages
English (en)
Inventor
和哉 長坂
Kazuya Nagasaka
雅史 道上
Masafumi Michigami
敦司 佐野
Atsushi Sano
翔平 細川
Shohei Hosokawa
偉紀 寺田
Akinori Terada
太一 稲場
Taichi Inaba
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Heavy Industries Ltd filed Critical Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority to JP2022019064A priority Critical patent/JP2023116323A/ja
Publication of JP2023116323A publication Critical patent/JP2023116323A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】車両のフレームに生じる応力分布の素早い評価を可能とする。【解決手段】応力計算装置は、複数の車輪が取り付けられたフレームを有する車両に関して、前記フレームに生じる応力分布を計算する。応力計算装置はプロセッサを備える。前記プロセッサは、前記車輪のうち1つの車輪に、ある方向の荷重が加わった場合に前記フレームに生じる応力分布を示す3次元応力解析結果のデータを、車輪と荷重方向の組合せのそれぞれに関して取得する。前記プロセッサは、それぞれの前記車輪に加わった荷重を受け付ける。前記プロセッサは、前記受け付けた複数の前記車輪それぞれに加わった荷重の、前記取得した複数の前記荷重方向それぞれの成分に基づいて、前記3次元応力解析結果の線形和を計算する。前記プロセッサは、前記線形和に基づいて、前記フレームに生じる応力分布を3次元表示するための出力データを生成する。【選択図】図1

Description

本開示は、車両を対象とする応力の計算に関する。
特許文献1は、人間オペレータを表すアバタを生成したモデルマネージャを備えるオブジェクト管理システムを開示する。アバタは、オブジェクトのモデルを有する3次元環境内に配置され、オブジェクトのモデル、及び、アバタを有する3次元環境が、アバタに関する視点から表示システムに表示される。アバタとオブジェクトのモデルの間の対話がリアルタイムに特定され、この対話は、オブジェクトのモデル内の1群の寸法を変化させる。この対話はシステムに表示され、人間オペレータは、当該オブジェクトのモデルにおける設計変更が可能である。
特許文献1には、ライブ情報に基づいて有限要素分析をモデルに対して実施し、オブジェクト内の応力を当該有限要素分析から特定することが開示されている。モデルが飛行機の翼である例において、青色は低応力を示し、赤色は高応力を示すようなグラフィカルインジケータを用いて、モデルに生じる応力がディスプレイに表示される。
特開2017-59213号公報
上記特許文献1においては、オブジェクト又はモデルが自動車等であっても良いことが開示されている。しかし、車両においてどのようなデータに基づいて応力を特定するか、具体的な構成は示されていない。
本開示は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、車両のフレームに生じる応力分布の素早い評価を可能とすることにある。
本開示の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本開示の第1の観点によれば、以下の構成の応力計算装置が提供される。即ち、この応力計算装置は、複数の車輪が取り付けられたフレームを有する車両に関して、前記フレームに生じる応力分布を計算する。応力計算装置は、プロセッサを備える。前記プロセッサは、前記車輪のうち1つの車輪に、ある方向の荷重が加わった場合に前記フレームに生じる応力分布を示す3次元応力解析結果のデータを、車輪と荷重方向の組合せのそれぞれに関して取得する。前記プロセッサは、それぞれの前記車輪に加わった力を受け付ける。前記プロセッサは、前記受け付けた複数の前記車輪それぞれに加わった荷重の、前記取得した複数の前記荷重方向それぞれの成分に基づいて、前記3次元応力解析結果の線形和を計算する。前記プロセッサは、前記線形和に基づいて、前記フレームに生じる応力分布を3次元表示するための出力データを生成する。
本開示の第2の観点によれば、以下の応力計算方法が提供される。即ち、この応力計算方法では、複数の車輪が取り付けられたフレームを有する車両に関して、前記フレームに生じる応力分布を計算する。前記車輪のうち1つの車輪に、ある方向の荷重が加わった場合に前記フレームに生じる応力分布を示す3次元応力解析結果を、車輪と荷重方向の組合せのそれぞれに関して記憶する。それぞれの前記車輪に加わった荷重が入力される。複数の前記車輪それぞれに加わった荷重の、複数の前記荷重方向それぞれの成分に基づいて、前記3次元応力解析結果の線形和を計算する。前記線形和に基づいて、前記フレームに生じる応力分布を3次元表示するためのデータを出力する。
これにより、事前に記憶した3次元応力解析結果を、それぞれの車輪に加わる荷重に基づいて合成することで、車両のフレームに生じる応力分布を素早く評価することができる。
本開示によれば、車両のフレームに生じる応力分布の素早い評価が可能になる。
本開示の一実施形態に係る応力計算コンピュータを含む応力計算システムの全体的な構成を示すブロック図。 応力計算を行う前の準備作業を示す概念図。 応力の計算及び表示について説明する概念図。 応力計算コンピュータにおける応力計算処理を示すフローチャート。 応力計算コンピュータにおける損傷度計算処理を示すフローチャート。
次に、図面を参照して、開示される実施の形態を説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る応力計算コンピュータ10を含む応力計算システム1の全体的な構成を示すブロック図である。
図1に示す応力計算コンピュータ10は、応力計算装置に相当する。応力計算コンピュータ10は、記憶部11と、入力部12と、線形和計算部13と、出力部14と、損傷度計算部15と、を備える。
具体的に説明すると、応力計算コンピュータ10は公知のコンピュータとして構成されており、CPU、RAM、SSD等を備える。CPUは、プロセッサの一種である。SSDには、リアルタイム応力計算ソフトウェアが予め記憶されている。これにより、応力計算コンピュータ10を、記憶部11、入力部12、線形和計算部13、出力部14及び損傷度計算部15として動作させることができる。
記憶部11は、応力計算対象の車両について作成された応力解析用のモデルを記憶する。このモデルは、FEMに従って、3次元データとして作成される。FEMは、有限要素モデリングの略称である。モデルの作成は、例えば公知の3次元CAD等のソフトウェアを用いて行うことができる。
FEMでは、モデルは、メッシュと呼ばれる多数の要素に分割され、離散的に取り扱われる。それぞれのメッシュに対して、当該メッシュを特定するための番号が定められる。メッシュの番号と、モデルにおける当該メッシュの位置及び形状の関係は、記憶部11に予め記憶される。
本実施形態において、応力の解析対象は、4輪車両の骨格をなすフレームである。作成された応力解析用のモデルは、フレームと、4つの車輪と、を有している。
本実施形態では、3次元データは、車両の前から後へ向かう方向が+X方向、左から右へ向かう方向が+Y方向、下から上へ向かう方向が+Z方向となるように定義されたXYZ座標空間において作成されている。ただし、座標軸をどのように定義するかは任意である。
記憶部11は、応力解析用のモデルが備える4つの車輪と、3つの荷重方向と、の組合せのそれぞれについて、車輪の接地点に所定の大きさの荷重が加わった場合にフレームに生じる応力分布を、基礎データとして記憶する。この応力分布は、具体的には各メッシュの応力テンソルである。応力分布は、応力解析コンピュータ20によって計算される。
入力部12は、車両の4つの車輪に関し、接地点において車輪に作用する荷重に関するデータを入力することができる。荷重は、力と言い換えることもできる。入力部12は、例えば、走行シミュレータ30を実現する別のコンピュータに対する通信インタフェースとして構成することができる。
走行シミュレータ30は、公知のコンピュータとして構成されている。図示しないが、走行シミュレータ30は、入力インタフェース及び出力インタフェースを備える。入力インタフェースとしては、例えば、ステアリングハンドルコントローラ、ペダルコントローラ、レバーコントローラ等を挙げることができる。出力インタフェースとしては、例えば、適宜のディスプレイ(ヘッドマウント型ディスプレイを含む)を挙げることができる。
走行シミュレータ30と応力計算コンピュータ10は、LAN等の公知のネットワークによって接続されており、通信によるデータのやり取りを行うことができる。
走行シミュレータ30には、適宜の3次元ドライビングシミュレータソフトウェアがインストールされている。走行シミュレータ30をドライバーが操作することにより、仮想空間に配置された路面上において、仮想の車両をシミュレーション走行させることができる。これにより、仮想的な走行試験機能が実現される。仮想の路面は、例えば耐久路面とすることができる。
シミュレーション走行の過程で、走行シミュレータ30は、仮想の車両が備える4つの車輪のそれぞれに路面から加わる荷重をリアルタイムで計算し、応力計算コンピュータ10へ出力する。入力部12には、この荷重が入力される。この情報の入力は、例えば、公知のUDP通信により実現することができる。
線形和計算部13は、入力部12に入力された荷重のデータに基づいて応力分布の基礎データを線形的に重ね合わせることにより、応力分布データを計算する。この詳細については後述する。
出力部14は、線形和計算部13の計算により得られた応力分布データに基づいて、応力分布を3次元的に表現する出力用データを生成し、出力する。
損傷度計算部15は、線形和計算部13の計算により得られた応力分布データに基づいて、累積損傷度分布データを計算する。出力部14は、累積損傷度分布データに基づいて、累積損傷度分布を3次元的に表現する出力用データを生成し、出力することができる。この詳細については後述する。
次に、リアルタイム応力計算システムにおける応力計算のフローについて詳細に説明する。
最初に、図2を参照して、応力計算のための準備作業について説明する。この準備作業では、応力分布の基礎データを、応力計算コンピュータ10の記憶部11に記憶する。
上述のとおり、応力分布の基礎データは、応力解析コンピュータ20を用いて求められる。
応力解析用のモデルの左前輪に着目し、この左前輪の接地点に、+X方向に1000Nの大きさの荷重が加えられた場合を考える。応力解析コンピュータ20は、この場合においてフレームに生じる応力分布を計算する。この計算は、公知の慣性リリーフ解析によって実現することができる。慣性リリーフ解析とは、慣性力の座標の基準となる支持点で物体が支持された状態(自由支持状態)において、等加速度運動中の物体に作用する力から応力及び歪みを求める解析手法を意味する。
応力解析コンピュータ20は、フレームに生じる応力分布を、左前輪に+Y方向に1000Nの大きさの荷重が加えられた場合、及び、左前輪に+Z方向に1000Nの大きさの荷重が加えられた場合のそれぞれについても求める。この結果、左前輪に関して、荷重の3つの方向のそれぞれについて、応力分布の解析結果が得られる。本実施形態において、基準荷重の大きさは1000Nとしているが、任意に変更することができる。
応力解析コンピュータ20は、フレームに生じる3つの応力分布の解析結果を、右前輪、左後輪、及び右後輪のそれぞれについても求める。従って、応力分布の解析結果が合計で12つ得られる。
得られた解析結果は、応力解析コンピュータ20から応力計算コンピュータ10へ出力され、応力計算コンピュータ10が備える記憶部11に記憶される。応力解析コンピュータ20から応力計算コンピュータ10へのデータの受渡しは、例えば、応力解析コンピュータ20が解析結果のファイルをリムーバブル記憶媒体に保存し、このファイルを応力計算コンピュータ10において読み込むことで実現することができる。ただし、これに限定されず、例えば、公知のネットワーク通信によってデータが応力解析コンピュータ20から応力計算コンピュータ10へ送信されても良い。
以下では、4つから1つ選択された車輪と、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3つから1つ選択された荷重方向と、の組合せを、「ケース」と呼ぶことがある。ケースの数は、4×3=12である。上述のとおり、応力分布の解析結果は12のケースのそれぞれについて求められ、記憶部11に記憶される。
それぞれのケースを特定するために、各ケースには1から12までの番号が適宜定められる。図2には、左車輪に+X軸方向に1000Nの大きさの荷重が加えられたケースについて、1番が付された例が示されている。
応力解析コンピュータ20の処理は、以下の式(1)で示す応力テンソルσmnを求めることに相当する。
Figure 2023116323000002
式(1)の応力テンソルの各要素のσは、応力を表す。1番目の添字は応力が作用する面の向きを法線の向きによって表し、2番目の添字は応力が作用する方向を表す。添字のmは、上述のメッシュを特定する番号である。添字のnは、上述のケースを特定する番号を1から12までの整数によって示す。
応力解析コンピュータ20が計算し、応力計算コンピュータ10の記憶部11に記憶される上述の基礎データは、実質的には、それぞれのケースに対する全てのメッシュの応力テンソルσm1,σm2,・・・,σm12である。
応力解析用のモデルの作成は、応力計算コンピュータ10及び応力解析コンピュータ20のうち何れかにおいて行われても良いし、何れとも異なるコンピュータにおいて行われても良い。応力解析処理は、応力解析コンピュータ20に代えて、応力計算コンピュータ10において行われても良い。
次に、図3を参照して、準備作業の完了後に行われる実際の応力計算フローについて詳細に説明する。
走行シミュレータ30が行う走行シミュレーションにおいて、4つの車輪それぞれの接地点に加わる荷重が計算される。走行シミュレータ30で計算された荷重は、リアルタイムで応力計算コンピュータ10に入力される。
1つの車輪、例えば左前輪に着目したときに、この車輪に対して接地点において加わる荷重は、3軸の方向、即ち、X方向、Y方向、Z方向の力の成分の大きさ(Fx,Fy,Fz)で表現することができる。本実施形態で車両は4つの車輪を有しているので、12個の値が入力部12に入力される。
入力部12に入力される12個の値は、前述の12のケースと1対1で対応する。例えば、左前輪に加わる荷重のX方向の成分Fxは、前述の12のケースのうち、1番のケースに対応する。
応力計算コンピュータ10の線形和計算部13は、4つの車輪に加わる荷重を表す12個の値が入力部12に入力されると、応力解析モデルのメッシュごとに、応力テンソルの線形和を計算する。これにより、現在の状況における応力分布を得ることができる。
応力テンソルの線形和σm,TOTALは、以下の式(2)によって求めることができる。
Figure 2023116323000003
ここで、Fnは、ケース番号nに対応する車輪に対して接地点において加わる荷重の、当該ケースで着目する方向の成分の大きさが、前述の基準荷重に対して何倍であるかを示す係数である。この係数は、重みと言い換えることもできる。
線形和計算部13は、各メッシュについて得られた線形和σm,TOTALを、出力部14に出力する。
出力部14は、全てのメッシュについて得られた応力テンソルの線形和σm,TOTALに基づいて、フレームに生じる応力分布を3次元的にグラフィカルに表示するためのデータを生成して出力する。
この処理は、例えば以下のようにして行うことができる。即ち、各メッシュについて、公知のスカラー量であるミーゼス応力が計算により求められる。この計算は、応力テンソルの線形和σm,TOTALを用いて、良く知られた公式によって行うことができる。出力部14は、メッシュの番号と、当該ミーゼス応力の大きさと、を対応付けたデータから、応力に応じて色分けされた3次元モデルデータを生成する。
応力計算コンピュータ10には、例えばディスプレイ3が電気的に接続されている。ディスプレイ3は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等とすることができるが、これに限定されない。出力部14は、応力を示す色情報を含む3次元モデルデータを2次元にレンダリングすることで、ディスプレイ3に応力分布をグラフィカルに表示することができる。この例では、2次元にレンダリングされたデータが、応力分布を3次元表示するためのデータに相当する。
レンダリング表示の例が、図3の符号50に示されている。図面の表現の都合により、図3の表示データ50は、色の違いが灰色の濃淡で表されている。応力の大小をどのような色で表現するかは任意であり、また、表示データ50のフォーマットも任意である。
出力部14は、例えば公知の3Dゲーム開発用ライブラリによって提供される3次元ビュー機能を用いて実現することができる。ユーザは、応力計算コンピュータ10の操作デバイス(例えば、マウス2)を操作することにより、応力を表す3次元モデルデータに対する視点を変更することができる。
上記のディスプレイ3に代えて、ヘッドマウント型ディスプレイが応力計算コンピュータ10に接続されても良い。この構成では、仮想現実機能(VR)を実現することができる。具体的に説明すると、応力計算コンピュータ10において適宜の3次元仮想空間が構築され、当該仮想空間に、応力に応じて色を異ならせた3次元モデルデータが仮想現実オブジェクトとして配置される。ヘッドマウント型ディスプレイの位置及び向きは、公知のトラッキング技術により検出され、得られた位置及び向きは応力計算コンピュータ10にリアルタイムで入力される。3次元仮想空間には仮想カメラが配置され、この仮想カメラの位置及び向きは、検出されたヘッドマウント型ディスプレイの位置及び向きに追従するように変更される。応力計算コンピュータ10の出力部14は、仮想カメラの位置及び向きに基づいて仮想現実オブジェクトをレンダリングし、レンダリング結果をヘッドマウント型ディスプレイにリアルタイムで出力する。この例では、レンダリングされたデータが、応力分布を3次元表示するためのデータに相当する。これにより、ユーザは、車両のどの部分において大きな応力が生じ易いかを、現実に近い臨場感を伴って理解することができる。
応力計算コンピュータ10が、別のクライアントコンピュータに対するサーバとして機能しても良い。クライアントコンピュータは、携帯型でも良いし据置型でも良い。
クライアントコンピュータがタブレットコンピュータのような携帯型コンピュータの場合、拡張現実機能(AR)が実現されても良い。具体例を説明すると、タブレットコンピュータは、タッチパネル付きのディスプレイを備える。更に、タブレットコンピュータは、周囲を連続的に撮影可能なカメラを備える。カメラは、適宜の場所に配置された現実の車両を撮影することができる。この車両は、前述の3次元モデルに相当する形状を有している。車両又はその周囲には、複数のマーカーが設置されている。
タブレットコンピュータは、カメラで撮影された複数のマーカーの位置に基づいて、現実の車両に対するカメラの位置及び向きをリアルタイムに取得する。この処理は、公知の画像認識技術によって実現することができる。タブレットコンピュータは、検出されたカメラの位置及び向きを応力計算コンピュータ10にリアルタイムで送信する。応力計算コンピュータ10とタブレットコンピュータとの間の通信は、公知の無線通信手段により実現することができる。
応力計算コンピュータ10の出力部14は、受信したカメラの位置及び向きに追従するように視点を変更した上で、応力色分け3次元モデルデータの2次元レンダリング結果を生成する。このレンダリング結果は、応力計算コンピュータ10からタブレットコンピュータへリアルタイムで送信される。タブレットコンピュータは、カメラによる撮影映像に合成する形で、受信した2次元レンダリング結果を、当該コンピュータのディスプレイに表示する。この例では、2次元にレンダリングされたデータが、応力分布を3次元表示するためのデータに相当する。これにより、ユーザは、現実の車両のどの部分において大きな応力が生じ易いかを、合成映像に基づいて容易に理解することができる。
上述の拡張現実機能は、タブレットコンピュータに代えて、透過型のヘッドマウントディスプレイによって実現することもできる。ヘッドマウントディスプレイとしては、光学透過型が採用されても良いし、ビデオ透過型が採用されても良い。
レンダリングが、クライアントコンピュータ側において行われても良い。この場合、応力計算コンピュータ10からクライアントコンピュータに対し、3次元モデルデータ等が送信される。この例では、3次元モデルデータが、応力分布を3次元表示するためのデータに相当する。
次に、上記のフローについて、図4のフローチャートを参照して具体的に説明する。
応力計算のフローでは、最初に、応力計算コンピュータ10の入力部12に、各車輪に加わる荷重が入力される(ステップS101)。
次に、線形和計算部13が、入力部12に入力された荷重の値に基づいて、それぞれのメッシュの応力テンソルを線形和により計算する(ステップS102)。
次に、出力部14が、ステップS102で求められた線形和に基づいて、例えばミーゼス応力の分布を色で表現した3次元モデルをレンダリングし、レンダリング結果をディスプレイ3に出力する(ステップS103)。その後、処理はステップS101に戻る。
ステップS101~S103で説明した一連の処理は、実質的にリアルタイムで行われる。これにより、ユーザは、車両に生じる応力の傾向について素早く理解することができる。従って、通常は長期間を要する強度評価を、著しく短い時間で完了させることができる。
次に、損傷度計算部15が行う、車両フレームの累積損傷度の計算について説明する。
本実施形態においては、記憶部11に記憶されている応力解析用のモデルにおいて、フレームメンバの溶接部に相当するメッシュが予め特定されている。損傷度計算部15は、当該メッシュに関する応力テンソルの線形和σm,TOTALに基づいて、溶接部に直交する方向の応力を求める。この応力は、応力テンソルに関する周知の変換公式を用いて、容易に求めることができる。
損傷度計算部15は、溶接部に直交する方向の応力をリアルタイムで計算し、その時間推移を求める。次に、損傷度計算部15は、時間推移に基づいて応力の極大値及び極小値を求め、公知のレインフロー法によって、疲労寿命に有効な成分をリアルタイムでカウントする。このカウント結果に基づいて、損傷度が計算される。損傷度の計算は、例えば、公知の修正マイナー則に基づいて行うことができる。
出力部14は、応力に代えて、損傷度計算部15が計算した損傷度に応じて色分けされた3次元モデルデータをレンダリングして、ディスプレイ等に出力することができる。これにより、ユーザは、フレームに生じる損傷の傾向について、リアルタイムで理解することができる。
次に、上記のフローについて、図5のフローチャートを参照して具体的に説明する。
ステップS201、S202の処理は、図4のステップS101、S102の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS202の処理が完了すると、損傷度計算部15は、フレーム溶接部のメッシュに関して、溶接部に直交する方向の応力を計算する(ステップS203)。この計算は、線形和計算部13が計算した応力テンソルの線形和に基づいて行われる。
次に、損傷度計算部15は、ステップS203で計算した応力の時間推移に基づいて、応力頻度をカウントする(ステップS204)。
次に、損傷度計算部15は、応力頻度のカウント結果に基づいて、溶接部の損傷度を計算する(ステップS205)。
次に、出力部14が、溶接部の損傷度の分布を色で表現した3次元モデルをレンダリングしたデータを、ディスプレイ3に出力する(ステップS206)。その後、処理はステップS201に戻る。
ステップS201~S206で説明した一連の処理は、実質的にリアルタイムで行われる。これにより、ユーザは、車両に生じる損傷度の傾向について素早く理解することができる。
以上に説明したように、本実施形態の応力計算コンピュータ10は、4つの車輪が取り付けられたフレームを有する車両に関して、フレームに生じる応力分布を計算する。応力計算コンピュータ10は、プロセッサを備える。前記プロセッサは、4つの車輪のうち1つの車輪に、ある方向の荷重が加わった場合にフレームに生じる応力分布を示す3次元応力解析結果のデータを、車輪と荷重方向の組合せのそれぞれに関して取得する。前記プロセッサは、それぞれの車輪に加わった荷重を受け付ける。前記プロセッサは、前記受け付けた複数の車輪のそれぞれに加わった荷重の、前記取得した複数の荷重方向のそれぞれの成分に基づいて、3次元応力解析結果の線形和を計算する。前記プロセッサは、線形和に基づいて、フレームに生じる応力分布を3次元表示するための出力データを生成する。
これにより、事前に記憶した3次元応力解析結果を、それぞれの車輪に加わる荷重に基づいて合成することで、車両のフレームに生じる応力分布を素早く評価することができる。
本実施形態の応力計算コンピュータ10において、前記プロセッサは、生成した出力データを、荷重の受付けに対して、リアルタイムで出力する。
これにより、評価対象の車両が遭遇する応力的な状況を極めて素早く評価することができる。
本実施形態の応力計算コンピュータ10において、前記プロセッサは、車輪に加わる荷重として、走行シミュレータ30が計算した結果を受け付ける。
これにより、車両の走行の結果として生じる応力的な状況を、現実の車両を走行させることなく素早く把握することができる。
本実施形態の応力計算コンピュータ10において、前記プロセッサは、フレームに生じる応力分布に基づいてフレームの損傷度分布を計算する。前記プロセッサは、算出した損傷度分布を3次元表示するための出力データを生成する。
これにより、車両の走行に伴うフレームの損傷を素早く評価することができる。
以上に本開示の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。変更は単独で行われても良いし、複数の変更が任意に組み合わせて行われても良い。
フレームに生じる応力分布として、ミーゼス応力の分布に代えて、例えば主応力の大きさの分布が出力されても良い。
フレームに生じる応力に代えて、又はそれに加えて、フレームに生じる変位が線形和として計算され、変位の分布として出力されても良い。視覚的な分かり易さのため、変位が適宜の倍率で誇張されて表示されても良い。
損傷度計算部15は、省略することができる。
走行シミュレータ30のシミュレーション計算結果に代えて、実車両を走行させた場合に適宜のセンサによって収集された情報に基づく荷重の値が、入力部12に入力されても良い。例えば、実車両に加速度センサが搭載され、このセンサにより、車両の走行中の加速度が計測される。この加速度に基づいて、各車輪に対して加わる荷重が適宜のモデルを用いて計算され、入力部12に入力される。
入力部12への荷重データの入力が、非リアルタイムで行われても良い。例えば、走行シミュレータ30が行うシミュレーション計算によって、時刻と、12のケースに対応する力の大きさと、を対応付けて記述した車輪荷重履歴ファイルが作成される。その後、応力計算コンピュータ10は当該ファイルを読み込んで、フレームに生じる応力分布の推移を生成し、ディスプレイ3に出力する。
累積損傷度は、フレーム溶接部に相当するメッシュ以外のメッシュにおいて計算及び表示されても良い。
応力の分布及び累積損傷度の分布のうち少なくとも一方が、非リアルタイムで計算されても良い。
応力解析対象の車両が備える車輪の数は、2つ、3つ、又は5つ以上であっても良い。
本開示にて開示する応力計算コンピュータ10、応力解析コンピュータ20及び走行シミュレータ30をはじめとする各要素の機能は、開示された機能を実行するように構成又はプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、及び/又は、それらの組み合わせ、を含む回路又は処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路又は回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、又は手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、又は、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラム又は構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、又はユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェア及び/又はプロセッサの構成に使用される。
1 応力計算システム
10 応力計算コンピュータ
11 記憶部
12 入力部
13 線形和計算部
14 出力部
15 損傷度計算部
20 応力解析コンピュータ
30 走行シミュレータ

Claims (5)

  1. プロセッサを備え、複数の車輪が取り付けられたフレームを有する車両に関して、前記フレームに生じる応力分布を計算する応力計算装置であって、
    前記プロセッサは、
    前記車輪のうち1つの車輪に、ある方向の荷重が加わった場合に前記フレームに生じる応力分布を示す3次元応力解析結果のデータを、車輪と荷重方向の組合せのそれぞれに関して取得し、
    それぞれの前記車輪に加わった荷重を受け付け、
    前記受け付けた複数の前記車輪それぞれに加わった荷重の、前記取得した複数の前記荷重方向それぞれの成分に基づいて、前記3次元応力解析結果の線形和を計算し、
    前記線形和に基づいて、前記フレームに生じる応力分布を3次元表示するための出力データを生成する、
    応力計算装置。
  2. 請求項1に記載の応力計算装置であって、
    前記プロセッサは、生成した前記出力データを荷重の受付けに対してリアルタイムで出力する、応力計算装置。
  3. 請求項1又は2に記載の応力計算装置であって、
    前記プロセッサは、前記車輪に加わる荷重として、シミュレータが計算したシミュレーション結果、又は、実車両に設けられたセンサに基づく計算結果を受け付ける、応力計算装置。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載の応力計算装置であって、
    前記プロセッサは、
    前記フレームに生じる応力分布に基づいて前記フレームの損傷度分布を計算し、
    算出した前記損傷度分布を3次元表示するための出力データを生成する、応力計算装置。
  5. 複数の車輪が取り付けられたフレームを有する車両に関して、前記フレームに生じる応力分布を計算する応力計算方法であって、
    前記車輪のうち1つの車輪に、ある方向の荷重が加わった場合に前記フレームに生じる応力分布を示す3次元応力解析結果を、車輪と荷重方向の組合せのそれぞれに関して記憶し、
    それぞれの前記車輪に加わった荷重を入力し、
    複数の前記車輪それぞれに加わった荷重の、複数の前記荷重方向それぞれの成分に基づいて、前記3次元応力解析結果の線形和を計算し、
    前記線形和に基づいて、前記フレームに生じる応力分布を3次元表示するためのデータを出力する、
    応力計算方法。
JP2022019064A 2022-02-09 2022-02-09 応力計算装置及び応力計算方法 Pending JP2023116323A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022019064A JP2023116323A (ja) 2022-02-09 2022-02-09 応力計算装置及び応力計算方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022019064A JP2023116323A (ja) 2022-02-09 2022-02-09 応力計算装置及び応力計算方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023116323A true JP2023116323A (ja) 2023-08-22

Family

ID=87579368

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022019064A Pending JP2023116323A (ja) 2022-02-09 2022-02-09 応力計算装置及び応力計算方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023116323A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6551184B2 (ja) シミュレーション装置、シミュレーション方法、およびシミュレーションプログラム
Leu et al. CAD model based virtual assembly simulation, planning and training
Huang et al. Visualization and interaction of finite element analysis in augmented reality
Ryken et al. Applying virtual reality techniques to the interactive stress analysis of a tractor lift arm
CN107393017A (zh) 图像处理方法、装置、电子设备及存储介质
US9898556B2 (en) Immersive dimensional variation
US10416836B2 (en) Viewpoint navigation control for three-dimensional visualization using two-dimensional layouts
CN101140598A (zh) 部件识别图像处理器、生成部件识别图像的程序和存储程序的记录介质
JP7051111B2 (ja) デジタル画像とモデルに基づくフィルタ技術を用いた電気機械量の推定
US20160098501A1 (en) Virtual sensors supported by a computer aided design (cad) model and software
CN111598273B (zh) 一种基于vr技术的环控生保系统维修性检测方法及装置
WO2018156087A1 (en) Finite-element analysis augmented reality system and method
Wu et al. Performing ergonomics analyses through virtual interactive design: Validity and reliability assessment
Jaiswal et al. Real-time multibody model-based heads-up display unit of a tractor
CN114327076A (zh) 作业机械与作业环境的虚拟交互方法、装置及系统
JP2006107093A (ja) 画像処理装置、およびプログラム
EP3392789A1 (en) Digital double platform
JP2007072224A (ja) ドライビングシミュレータ
KR20170127871A (ko) 차량 시뮬레이터 및 그 제어방법
JP2023116323A (ja) 応力計算装置及び応力計算方法
CN112530022A (zh) 在虚拟环境中计算机实现模拟lidar传感器的方法
Mao et al. ARE-Platform: An Augmented Reality-Based Ergonomic Evaluation Solution for Smart Manufacturing
CN117195683A (zh) 机械臂及其故障诊断模型的训练方法、故障诊断方法
CN115588082A (zh) 空间数字模型实时展示方法、装置、设备及存储介质
Schulz et al. Crashing in cyberspace-evaluating structural behaviour of car bodies in a virtual environment