JP2023116253A - 卵巣機能制御方法及び卵巣機能制御用キット - Google Patents

卵巣機能制御方法及び卵巣機能制御用キット Download PDF

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嘉浩 若林
Yoshihiro Wakabayashi
崇 山村
Takashi Yamamura
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Abstract

【課題】家畜の卵巣機能を容易に制御することが可能な方法を提供する。【解決手段】本発明の卵巣機能制御方法は、ニューロキニン受容体アゴニストを含む製剤を、家畜の腟内に投与する工程を包含する。【選択図】図1

Description

本発明は、卵巣機能制御方法及び卵巣機能制御用キットに関する。
近年、家畜の分娩後の空胎期間延長に伴った繁殖サイクルの長期化による、生産性の低下が問題になっている。分娩後の家畜の空胎期間を短縮する方法として、GnRH製剤、プロジェステロン製剤等を家畜に投与して強制的に排卵を誘発する方法が知られている。また、特許文献1に記載されているように、繁殖中枢に作用して正常な排卵を促すニューロキニン受容体アゴニストを血中に投与して、卵胞発育を制御する方法もある。
家畜への製剤の投与方法として、上述した血中投与の他に、腟内投与が挙げられる。腟内投与には、ヒトの手により製剤を直接腟内に挿入する方法や、製剤を塗布又は接着した腟内投与具を家畜の腟内に挿入する方法がある。腟内投与具の例として、非特許文献1には、ヤギの腟内にプロジェステロン製剤を投与するための腟内投与具が記載されている。
特開2017-81917
Endo et. al., Journal of Reproduction and Development, Vol.66, p.489-492, 2020
分娩後の家畜の空胎期間を短縮するためには、卵巣機能を持続的に刺激してその機能を向上させる必要がある。卵巣機能を持続的に刺激するために、特許文献1に記載された技術では、ニューロキニン受容体アゴニストを血中に継続して投与する必要がある。しかしながら、ニューロキニン受容体アゴニストの血中への継続投与は、家畜への負担が大きい。また、畜産農家自身が家畜に対して頻繁に注射を行うことは容易ではない。そして、非特許文献1には、ニューロキニン受容体アゴニストの投与に関してはなんら記載されていない。
本発明の一態様は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、家畜の卵巣機能を容易に制御することが可能な方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る卵巣機能制御方法は、ニューロキニン受容体アゴニストを含む製剤を、家畜の腟内に投与する工程を包含する。
本発明の一態様に係る卵巣機能制御用キットは、ニューロキニン受容体アゴニストを含む製剤と、前記製剤を装着する腟内投与具と、を備えている。
本発明の一態様によれば、家畜の卵巣機能を容易に制御することが可能な方法を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る腟内投与具を示す図である。 本発明の実施形態1に係る腟内投与具に製剤を装着した状態を示す図である。 本発明の実施形態2に係る腟内投与具を示す図である。 本発明の実施形態2に係る腟内投与具に製剤を装着した状態を示す図である。 本発明の一態様に係る腟内投与具を示す図である。 ニューロキニン受容体アゴニストの血中投与によるMUAボレー間隔の変化を示した図である。 ニューロキニン受容体アゴニストの腟内投与によるMUAボレー間隔及び血中LH濃度の変化を示した図である。 ニューロキニン受容体アゴニストを含む徐放性製剤の腟内投与によるMUAボレー間隔の変化を示した図である。
[腟内投与具]
本発明の一態様は、家畜の腟内に製剤を投与する腟内投与具に関する。また、本発明の一態様に係る腟内投与具を用いて、製剤を家畜の腟内に投与する工程を包含する、腟内投与方法についても、本発明の範疇に含まれる。本発明の一態様に係る腟内投与方法は、家畜の卵巣機能を制御し得る製剤を、本発明の一態様に係る腟内投与具を用いて家畜の腟内に投与する卵巣機能制御方法でもあり得る。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1に係る腟内投与具について、図1~2、及び5に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る腟内投与具100を示す図である。図2は、本発明の実施形態1に係る腟内投与具100に、製剤12を装着した状態を示す図である。図1において、1001は正面図を示し、1002は左側面図を示し、1003は右側面図を示し、1004は平面図を示し、1005は底面図を示している。図2において、1011は正面図を示し、1012は左側面図を示し、1013は右側面図を示し、1014は平面図を示し、1015は底面図を示している。なお、図1及び2において、腟内投与具100の背面図は、正面図1001又は1011と同一であるため省略する。図5は、本発明の一態様に係る腟内投与具を示す図である。
図1及び2に示すように、腟内投与具100は、挿入部10と、羽部20とを備えている。腟内投与具100は、挿入部10及び羽部20の全体、又はその一部が、家畜の腟口から腟内に挿入される。腟内投与具100は、家畜の腟内に挿入可能な安全性を有しており、腟への挿入時、滞留時、及び脱着時に腟内を傷つけない柔軟性を有する材料から製造されたものであり得る。腟内投与具100は、少なくとも挿入部10及び羽部20が医療用シリコーン製であることが好ましい。また、羽部20は、後述する羽部20の開閉が所望の程度で実施可能な柔軟性を有するように製造することが好ましい。
(挿入部10)
挿入部10は、家畜の腟内に投与する製剤12を装着する装着部11を有しており、家畜の腟に挿入される。挿入部10は、腟内投与具100が家畜の腟内に挿入される場合に、最初に家畜の体内に挿入される部分である。挿入部10は、家畜の腟口から挿入されて腟内に到達することが可能な大きさ及び形状であり得る。家畜の腟内への挿入を容易にする観点から、挿入部10の形状は、例えば菱形であってもよいが、これに限定されない。
腟内投与具100において、挿入部10が有する装着部11は、挿入部10の外縁に設けられた溝11a及び11bである。一例として、製剤12を溝11a及び11bに挿し込むことで、溝11a及び11bの側壁により製剤12の側面を挟み込んで保持するようになっている。製剤12は、一例として、日本薬局方で規定されている形状及び大きさのカプセルであるため、溝11a及び11bは、このようなカプセルを保持可能な形状であればよい。一例として、溝11a及び11bの長さは3~5cmであり、深さは0.5~1cmである。
装着部11は、製剤12を1個又は複数個装着可能になっていればよい。一例として、図1及び2に示すように、菱形の挿入部10の先端の2つの辺のそれぞれに溝11a及び11bを設け、それぞれに製剤12を装着してもよい。なお、菱形の挿入部10の羽部20側の2つの辺に溝を設けてもよいし、4つの辺の全てに溝を設けてもよい。
このように構成された装着部11によれば、投与する製剤12の種類及び大きさ(投与量)を適宜変更できるため、汎用的に使用することができる。製剤12は、腟から吸収することが可能な製剤であれば特に限定されないが、一例として、後述する卵巣機能制御方法において用いられる製剤である。
(羽部20)
羽部20は、挿入部10の一端に接続され、当該一端から離れる方向に伸長した複数の羽を備えている。羽部20は、挿入部10において、腟口に挿入される先端に対向する端部に接続されている。羽は、挿入部10に接続された端部から、挿入部10から離れる方向に伸長した形状である。羽部20は、少なくとも2枚の羽21a及び21bを備えていればよく、3枚以上の羽を備えていてもよい。
羽部20は、羽21a及び21bの挿入部10に接続された端部に対向する端部が、互いに離れた開状態となっている。そして、羽部20は、羽21a及び21bのそれぞれの離れた端部を、互いに近づける方向(図1のY方向)に力が加わることにより、当該端部が互いに近接する閉状態となる。羽部20は、羽21a及び21bのそれぞれの離れた端部を、互いに近づける方向に力が加わることにより容易に変形し、当該端部を近接させることができるようになっている。
このように、羽部20は、羽21a及び21bが開いた開状態から閉じた閉状態に変形するように構成されている。したがって、羽部20を閉状態として腟内に挿入することで、腟内投与具100を容易に腟内に挿入することができる。そして、腟内投与具100が腟内に挿入された後に羽部20を開状態とすれば、開いた羽21a及び21bにより腟内投与具100が腟壁に引っ掛かり、容易には脱落しにくい。
腟内投与具100は、羽21a及び21bのそれぞれの離れた端部を、互いに近づける方向に力を加えた状態で腟内に挿入した後、その力を開放するのみで、腟内投与具100を腟内に挿入して留めることができる。また、羽部20を柔軟性の高い材料により製造し、小さい力により容易に開閉するようにすれば、腟の脈動によって、羽部20を開閉させることもできる。これにより、腟内投与具100を腟のより奥の方向へ挿入することができ、腟内投与具100をより腟から脱落しにくくすることができる。
羽部20の少なくとも一部には紐30が接続されていてもよい。図5に示すように、紐30は、その一端を羽21aに設けられた孔23aに固定し、他端を羽21bに設けられた孔23bを貫通させて、孔23bにおいて紐30を出し入れ可能になっている。これにより、紐30を羽部20(特に、羽21b)から離れる方向に引いた場合、羽21aが紐30により羽21b側に引っ張られ、羽21aが羽21bに近づくように羽部20が変形して閉状態となる。
そして、紐30は、挿入部10と羽部20とが家畜の腟内に存在する場合に、その少なくとも一部が家畜の体外に存在するようになっている。したがって、腟内投与具100が腟内に留まっている場合に、紐30を引くことで羽部20が閉状態となり、腟内投与具100を腟から取り出すことができる。
このように、腟内投与具100は、腟内に挿入する場合及び腟内から取り出す場合には、羽部20が閉状態となっているので、抜去が容易であり、腟壁等を傷つけることを防ぐことができる。また、腟内投与具100が腟内に留まっている場合には、羽部20が開状態となっているので、羽21a及び21bが腟壁などに引っ掛かり、腟から脱落しにくい。
なお、紐30は、一端を孔23bに固定して、孔23aを貫通させるように接続してもよい。また、紐30において孔23a又は23bに固定された端部に対向する端部(固定されていないほうの端部)には、リング40が取り付けられていてもよい。これにより、リング40を引くことで、紐30が引っ張られるので、紐30を引きやすい。
羽部20は、羽21a及び21bの少なくとも一つと挿入部10との接続部分に、切込部22が設けられていてもよい。切込部22の形状は特に限定されないが、円形、半円形、扇形等、少なくとも一部に円弧を有する形状であることが好ましい。切込部22を設けることにより、羽部20を開閉するために必要な力が小さくなり、開閉しやすくなる。切込部22は、その形状や大きさにより、開閉しやすさの程度が変化する。一例として、切込部22が半円形状である場合、その直径が大きいほど、羽部20は開閉しやすくなる。
腟内投与具100は、家畜の腟内に製剤を投与するために使用する。腟内投与具を使用する家畜としては、例えば、ウシ、ヤギ、ヒツジ等が挙げられるがこれに限定されない。腟内投与具100において、各部の大きさや形状は、使用する家畜の種類、家畜の大きさ、家畜の腟の形状及び大きさ等に応じて適宜設定することができる。
例えば、腟内投与具100をウシ用とする場合、通常、ウシの腟口は6~9cmであるため、これに応じた大きさとすればよい。一例として、挿入部10の長径(図1の正面図1001における左右方向の最も長い径)は3~7cm、短径(図1の正面図1001における上下方向の最も長い径)は2~5cmである。また、羽21a及び21bの長さは10~15cm、幅は10~15cm、羽部21a及び21b間の角度は40~100度である。また、切込部22が半円形状である場合、その直径は0.5~1.5cmである。このような大きさの腟内投与具100であれば、腟壁に過剰な負荷がかかってウシに違和感や痛みを感じさせたり、炎症を生じさせたりすることが少なく、好ましい。
腟内投与具100は、腟内から脱落しにくいので、製剤12を適切に腟内に投与することができる。これにより、家畜に安定的に製剤を供給することができるため、より安定的に家畜の卵巣機能を制御することができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。本実施形態は、挿入部210の構成以外は、前述の実施形態1と同様である。
以下、本発明の実施形態2に係る腟内投与具について、図3~5に基づいて説明する。図3は、本発明の実施形態2に係る腟内投与具200を示す図である。図4は、本発明の実施形態2に係る腟内投与具200に、製剤12を装着した状態を示す図である。図3において、2001は正面図を示し、2002は左側面図を示し、2003は右側面図を示し、2004は平面図を示し、2005は底面図を示している。図4において、2011は正面図を示し、2012は左側面図を示し、2013は右側面図を示し、2014は平面図を示し、2015は底面図を示している。なお、図3及び4において、腟内投与具200の背面図は、正面図2001又は2011と同一であるため省略する。図3及び4に示すように、腟内投与具200は、挿入部210と、羽部20とを備えている。
(挿入部210)
挿入部210は、家畜の腟内に投与する製剤12を装着する装着部211を有しており、家畜の腟に挿入される。挿入部210は、腟内投与具200が家畜の腟内に挿入される場合に、最初に家畜の体内に挿入される部分である。挿入部210は、家畜の腟口から挿入されて腟内に到達することが可能な大きさ及び形状であり得る。家畜の腟内への挿入を容易にする観点から、挿入部210の形状は、例えば菱形であってもよいが、これに限定されない。
腟内投与具200において、挿入部210が有する装着部211は、挿入部210内に設けられた孔である。一例として、製剤212を装着部211の孔に挿し込むことで、製剤212を保持するようになっている。製剤212は、一例として、日本薬局方で規定されている形状及び大きさのカプセルであるため、装着部211の孔は、このようなカプセルを保持可能な形状であればよい。一例として装着部211の孔は円形であり、その直径は0.6~1cmである。
装着部は、製剤212を1個又は複数個装着可能になっていればよい。一例として、図3及び4に示すように、菱形の挿入部210の面内に、装着部211として4つの孔を設け、それぞれに製剤212を装着してもよい。装着部211の4つの孔の直径は同一であってもよいし、異なっていてもよい。装着部211として、直径の異なる複数の孔を設けることによって、種々の大きさの製剤212を保持することができる。これにより、投与する製剤212の種類及び大きさ(投与量)を適宜変更できるため、汎用的に使用することができる。製剤212は、腟から吸収することが可能な製剤であれば特に限定されないが、一例として、後述する卵巣機能制御方法において用いられる製剤である。
腟内投与具200は、腟内投与具100と同様に機能し、同様の効果を奏する。すなわち、腟内投与具200は、腟内から脱落しにくいので、製剤212を適切に腟内に投与することができる。これにより、家畜に安定的に製剤を供給することができるため、より安定的に家畜の卵巣機能を制御することができる。
[卵巣機能制御方法]
本発明の一態様に係る卵巣機能制御方法は、ニューロキニン受容体アゴニストを含む製剤を、家畜の腟内に投与する工程を包含する。本発明の一態様に係る卵巣機能制御方法は、本発明の一態様に係る腟内投与具を用いて、ニューロキニン受容体アゴニストを含む製剤を家畜の腟内に投与する工程を包含し得る。
〔製剤〕
卵巣機能制御方法において用いられる製剤は、卵胞発育を制御するニューロキニン受容体アゴニストを含む。ニューロキニン受容体アゴニストを含む製剤を家畜の腟内に投与することによって、家畜に安定的に製剤を供給することができるため、より安定的に家畜の卵巣機能を制御することができる。
(ニューロキニン受容体アゴニスト)
ニューロキニン受容体アゴニストは、卵胞発育を制御する繁殖中枢に対して刺激作用を有し、中枢系に作用してキスペプチン及びニューロキニン神経の脈動的な神経発火活動を持続的に亢進することで血中へのLH分泌頻度を促進させる。したがって、ニューロキニン受容体アゴニストを家畜に投与することにより、未成熟卵胞を正常に発育及び成熟させ、生体内における排卵メカニズムと同様の機構に基づいて、正常な排卵を促すことができる。ニューロキニン受容体アゴニストは、プロゲステロンのような性ホルモンの分泌機構よりも上流の機構を制御することにより、卵胞の発育を制御するものである。
ニューロキニン受容体アゴニストは、一例として、センクタイド(senktide)、GR73632、GR64349等、又はこれらの誘導体である。ニューロキニン受容体アゴニストは、市販されており、当業者であれば容易に入手可能である。ニューロキニン受容体アゴニストは、腟からの吸収をしやすくする観点から、分子量が5000Da以下であることが好ましく、1000Da以下であることがより好ましい。
ニューロキニン受容体アゴニストの投与量は、家畜の種類等に応じて適宜調整することができる。家畜の脳にニューロキニン受容体アゴニストが届きやすくするために、血中投与を行う場合と比較して、同量~1.5倍量のニューロキニン受容体アゴニストを投与することが好ましい。家畜の卵巣機能を長時間にわたり持続的に刺激する観点から、一例として、ニューロキニン受容体アゴニストをウシに投与する場合、その投与量は、1分間あたり10nmol以上、1000nmol以下であることが好ましく、30nmol以上、200nmol以下であることがより好ましい。
卵巣機能制御方法においてニューロキニン受容体アゴニストの腟内投与後1時間から72時間の、家畜における血中への黄体形成ホルモン(LH)の脈動的分泌の間隔は、20分以上、120分以下に維持され得る。卵巣機能制御方法においては、ニューロキニン受容体アゴニスト投与後のLHの脈動的分泌間隔の短縮が長時間維持され、ニューロキニン受容体アゴニストの効果が長時間持続する。したがって、卵巣機能制御方法によれば、家畜の血管にカテーテルを挿入した状態で製剤を連続投与したり、注射による頻回投与したりする必要がなく、家畜への負担及び作業者の負担が少ない。そして、卵巣機能制御方法によれば、LHの脈動的分泌間隔の短縮が長時間持続することによって、より安定的に卵巣機能を制御することができる。
(他の成分)
製剤は、ニューロキニン受容体アゴニスト以外に、他の成分を含んでいてもよい。他の成分は、ニューロキニン受容体アゴニストの効果に影響を与えず、且つ生体に悪影響を及ぼさないものであればよい。一例として、賦形剤、滑沢剤、結合剤、及び崩壊剤等が挙げられる。さらに、必要に応じて、例えば、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、吸着剤、及び湿潤剤等の添加物を含んでいてもよい。また、ニューロキニン受容体アゴニストの粘膜からの吸収効率を向上させてロスを低減するために、製剤は、吸収促進剤をさらに含んでいてもよい。
(製剤の形態)
製剤の形態は、ニューロキニン受容体アゴニストが家畜の腟から漏れ出してこなければよく、製剤化できるような形態であれば、特に限定されない。製剤として、例えば、製剤の固形物、固体又は液体状の製剤の外側を固形物により被覆した形態、液体状の製剤を染み込み及び染み出し可能な担体に染み込ませた形態等が挙げられる。製剤の外側を固形物により被覆した形態としては、カプセル剤等が挙げられる。液体状の製剤を染み込み及び染み出し可能な担体に染み込ませた形態としては、製剤を染み込ませたスポンジ等が挙げられる。製剤は、ニューロキニン受容体アゴニストを公知の方法によって製剤化したものであり得る。
製剤は、徐放性製剤であることが好ましい。徐放性製剤であることにより、持続的にニューロキニン受容体を刺激することができるため、より安定的に卵巣機能を制御することができる。ニューロキニン受容体アゴニストを含む徐放性製剤は、公知の方法により得ることができる。
製剤は、ニューロキニン受容体アゴニストと共に、粘膜粘着性シリコーンを含むことが好ましい。粘膜粘着性シリコーンを用いることによって、製剤を腟から脱落しにくくすることができる。
製剤は、安定性及び安全性の確保の観点から、ニューロキニン受容体アゴニスト及び粘膜粘着性シリコーンと共に、さらにシリカ、水溶性高分子、製剤安定化剤、及び放出促進剤を含むことが好ましい。また、このような構成により、剤形の自由度が高くなる。
〔投与工程〕
ニューロキニン受容体アゴニストを含む製剤を、家畜の腟内に投与する投与工程において、製剤を家畜の腟内に投与する方法としては、特に限定されず、人の手により直接腟内に製剤を挿入してもよいし、腟内投与具を用いて製剤を腟内に挿入してもよい。また、先端にスポンジを固定したチューブを家畜の腟内に挿入し、製剤を充填したシリンジとチューブを連結して、ポンプを用いてシリンジ内の製剤を腟内に投与してもよい。
投与工程においては、製剤を装着した本発明の一態様に係る腟内投与具を家畜の腟内に挿入することが好ましい。本発明の一態様に係る腟内投与具を用いることにより、腟内から脱落しにくいので、製剤を長期間にわたり適切に腟内に投与することができる。本発明の一態様に係る腟内投与具を用いることにより、家畜に安定的に製剤を供給することができるため、より安定的に家畜の卵巣機能を制御することができる。
投与工程において製剤を腟内に投与する家畜は、哺乳動物であれば特に限定されず、例えば、ウシ、ヤギ、ヒツジ等が挙げられる。
投与工程において、家畜は分娩後の家畜であることが好ましい。これにより、分娩後の低調である卵巣機能を高めることが可能であり、分娩後早期に発情及び排卵を誘起することで受胎機会を早期化し、空胎期間を短縮できる。
卵巣機能制御方法においては、ニューロキニン受容体アゴニストの効果が長時間持続するため、投与工程を複数回実行する必要はないが、適宜複数回実行してもよい。投与工程を複数回実行する場合には、投与終了から21日後までの発情あるいは排卵の有無等を指標として、これらがニューロキニン受容体アゴニストの投与によって誘起されない場合において、再度実行すればよい。
〔他の工程〕
卵巣機能制御方法は、投与工程の前及び後の少なくとも一方に、家畜の血中LH濃度を測定、監視及び記録の少なくとも1つを実行する工程を含んでいてもよい。卵巣機能制御方法は、また、投与工程の前及び後の少なくとも一方に、家畜における多ニューロン発火活動(MUAボレー)を測定、監視及び記録の少なくとも1つを実行する工程を含んでいてもよい。
卵巣機能制御方法は、また、投与工程の前及び後の少なくとも一方に、超音波検査又は卵巣の直腸壁を介した触診によって、家畜の卵巣の状態、卵胞の発育状態、又は排卵の有無を確認し、投与の必要性又は投与の有効性を判断する工程を含んでいてもよい。
卵巣機能制御方法は、また、分娩後の家畜への投与を行う場合、投与工程の前に、家畜の腟内の状態を目視して、分娩による損傷の有無又は損傷からの回復状況、ならびに腟内に残存する悪露等を確認して、ニューロキニン受容体アゴニストの投与を開始する時期を判断する工程を含んでいてもよい。
卵巣機能制御方法は、また、投与工程の前及び後の少なくとも一方に、市販されている発情行動を検知する技術、又は家畜の活動量記録解析による発情検知技術等を利用して発情の有無を確認することにより、ニューロキニン受容体アゴニスト投与の必要性、又はニューロキニン受容体アゴニスト投与の有効性を判断する工程を含んでいてもよい。
[卵巣機能制御用キット]
本発明の一態様に係るキットは、家畜の腟内に投与するためのキットである。家畜の腟内に投与するためのキットは、製剤と、前記製剤を装着する腟内投与具とを備えている。
家畜の腟内に投与するためのキットは、ニューロキニン受容体アゴニストを含む製剤と、前記製剤を装着する腟内投与具とを備えた、卵巣機能制御用キットであり得る。また、家畜の腟内に投与するためのキットにおいて、腟内投与具は、本発明の一態様に係る腟内投与具であり得る。家畜の腟内に投与するためのキットを用いることにより、製剤が腟内から脱落しにくく、製剤を適切に腟内に投与することができる。これにより、家畜に安定的に製剤を供給することができるため、ニューロキニン受容体アゴニストを含む製剤を用いることで、より安定的に家畜の卵巣機能を制御することができる。
家畜の腟内に投与するためのキットが備える腟内投与具の一態様は、本発明の一態様に係る腟内投与具である。家畜の腟内に投与するためのキットが備える製剤の一態様は、本発明の一態様に係る卵巣機能制御方法において用いられる製剤である。したがって、本発明の卵巣機能制御用キットの詳細は、上述した本発明の一態様に係る腟内投与具及び本発明の一態様に係る卵巣機能制御方法に関する説明に準ずる。
本発明の一態様に係る卵巣機能制御用キットは、必要に応じて、他の構成を含んでいてもよい。他の構成の一例として、卵巣機能制御用キットの使用説明書が挙げられる。卵巣機能制御用キットの使用説明書には、例えば、本発明の一態様に係る卵巣機能制御方法を行うための具体的手順の一例が記載されていてもよい。
上述した本発明によれば、家畜の生産性を向上させることができるため、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標2「飢餓をゼロに」に貢献することが可能となる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
[実施例1:センクタイドの血中投与]
卵巣を摘出したヤギ(5歳、経産)において、視床下部弓状核のキスペプチン/ニューロキニン(NKB)ニューロン(KNDyニューロン)近傍に記録電極を外科的に留置する処理を施した。約1ヶ月の回復期間の経過後、覚醒したヤギの神経活動を多ニューロン発火活動(Multiple unit activity,MUA)としてリアルタイムに計測した。約2分程度続くMUAの一過性の上昇(MUAボレー)が一定の間隔で起きていることを確認した。
MUAボレーは、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)及び黄体形成ホルモン(LH)を脈動的に分泌させるKNDyニューロンの神経活動を反映している。卵巣を摘出したヤギでは、通常、内因性に規則的に起こるMUAボレーの間隔が約25分(±5分)程度であり、個体により多少異なるが、同一個体内においてはその間隔はほぼ一定(±2分以内)である。
試験当日、ヤギの頸静脈にカテーテルを装着した。次に、MUA計測機器をセットし、MUAを連続的に記録した。試験開始前2時間のコントロール時間中に起きる内因性MUAボレーを数本確認し、ボレー間隔を確認した。頸静脈に装着したカテーテルと、センクタイド([Succinyl-Asp6,NMePhe8]-SubstanceP(6-11),Senktide、ANASPEC、AS-22887、CA、USA)を含む溶液を充填した50mlシリンジとをチューブで連結し、マイクロシリンジポンプを用いて300nmol/分となるようにセンクタイドを2時間持続投与し、投与中及び投与後のMUAボレー間隔を確認した。
結果を図6に示す。図6に示すように、センクタイドの血中持続投与によって、MUAボレー間隔が短縮されることがわかった。したがって、センクタイドの血中持続投与によって、卵胞発育を制御できることが明らかとなった。
[実施例2:センクタイドの腟内投与]
実施例1と同様の方法で、実施例1と同じ卵巣を摘出したヤギにおいて、MUAボレーが一定の間隔で起きていることを確認した。
試験当日、ヤギの頸静脈にカテーテルを装着した。次に、MUA計測機器をセットし、MUAを連続的に記録した。試験開始前2時間のコントロール時間中に起きた内因性MUAボレーを数本確認し、ボレー間隔を確認した。先端にスポンジを固定したチューブをヤギ腟内に挿入し、センクタイドを含む溶液を充填した50mlシリンジと連結した。マイクロシリンジポンプを用いて60nmol/30μl/分となるようにセンクタイドを2時間持続投与し、投与中及び投与後のMUAボレー間隔を確認した。
試験開始2時間前から試験終了2時間後まで、頸静脈に装着したカテーテルから、6分毎に約1mlの頻回採血を行い、ラジオイムノアッセイ法によって血中LH濃度を測定した。
結果を図7に示す。図7に示すように、センクタイドの経腟持続投与によって、MUAボレー間隔が短縮されることがわかった。また、血中LH濃度が、MUAボレーに付随して上昇することがわかった。したがって、センクタイドの経腟持続投与によって、卵胞発育を制御できることが明らかとなった。
[実施例3:センクタイドを含む徐放性製剤の腟内投与]
実施例1と同様の方法で、実施例1と同じ卵巣を摘出したヤギにおいて、MUAボレーが一定の間隔で起きていることを確認した。
試験当日、ヤギにMUA計測機器をセットし、終日MUAを連続的に記録した。試験開始前2時間のコントロール時間中に起きた内因性MUAボレーを数本確認し、ボレー間隔の平均値(T)を確認した。被験試料として、センクタイド(0.12g)を含む徐放性製剤(0.43g)を作成し、1号ゼラチンカプセルに封入したものを用意した。被験試料を腟内へ挿入し、被験試料が漏出しないようにスポンジを用いて膣口に栓をした。投与後、MUAボレー間隔がTの8割以下になった場合に、被験試料が有効と判断した。
徐放性製剤の総質量を100質量%とした場合の各成分の含有量を、以下に示す。徐放性製剤の作成は、以下の処方に従って行った:
(徐放性製剤の処方)
シリコーンオイル:48.8質量%
シリカ:6.16質量%
ステアリルアルコール:1.71質量%
水溶性高分子:12.78質量%
ポリエチレングリコール:2.78質量%
ニューロキニン受容体アゴニスト:27.77質量%
結果を図8に示す。図8に示すように、センクタイドの腟内投与によって、投与後1時間~40時間において、MUAボレー間隔がTの8割以下になることがわかった。したがって、センクタイドを腟内投与することによって、持続的に卵胞発育を制御できることが明らかとなった。
[実施例4:センクタイドを含む徐放性製剤の分娩後のウシへの腟内投与]
黒毛和種2頭(分娩時月齢いずれも26ヶ月齢、未経産)を供試した。分娩日を0日とし、分娩後6~7日に試験を行った。被験試料として、センクタイド(0.88g)を含む徐放性製剤(3.15g)を上述に記載の処方の通りに作成し、000号ゼラチンカプセルに封入したものを2個用意した。徐放性製剤を腟内投与具へ装填し、腟内へ挿入した。投与72時間後に、徐放性製剤を装填した腟内投与具を抜去した。分娩後の初回排卵の指標として、超音波検査により卵巣の黄体形成の有無を確認した。
同時期に分娩した無処置の牛群(11頭)における平均初回排卵日は分娩後33.4日であったのに対し、投与した2個体ではそれぞれ分娩後20日、又は分娩後26日に初回排卵が確認された。
本発明は、酪農家及び肉用繁殖農家等において、家畜への腟内投与に利用することができる。
10、210 挿入部
11、211 装着部
12 製剤
20 羽部
21a、21b 羽
22 切込部
30 紐
100、200 腟内投与具

Claims (8)

  1. ニューロキニン受容体アゴニストを含む製剤を、家畜の腟内に投与する工程を包含する、卵巣機能制御方法。
  2. 前記ニューロキニン受容体アゴニストは分子量が5000Da以下である、請求項1に記載の卵巣機能制御方法。
  3. 前記ニューロキニン受容体アゴニストはセンクタイドである、請求項1又は2に記載の卵巣機能制御方法。
  4. 前記製剤は徐放性製剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の卵巣機能制御方法。
  5. 前記ニューロキニン受容体アゴニストの腟内投与後1時間から72時間の、家畜の血中黄体形成ホルモンの脈動的な分泌間隔の平均値が、投与開始前の前記平均値と比較して8割以下に維持される、請求項1~4のいずれか1項に記載の卵巣機能制御方法。
  6. 前記工程において、家畜は分娩後の家畜である、請求項1~5のいずれか1項に記載の卵巣機能制御方法。
  7. 前記工程において、前記製剤を装着した腟内投与具を家畜の腟内に挿入する、請求項1~6のいずれか1項に記載の卵巣機能制御方法。
  8. ニューロキニン受容体アゴニストを含む製剤と、
    前記製剤を装着する腟内投与具と、を備えた、卵巣機能制御用キット。
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