JP2023113410A - フィルタ部材、光学部品及びゲームシステム - Google Patents

フィルタ部材、光学部品及びゲームシステム Download PDF

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Abstract

【課題】ディスプレイの色域を広げる。【解決手段】フィルタ部材は、1種類以上の吸収色素を備える。1種類以上の吸収色素の吸収スペクトルは、450nm以上510nm以下の第1波長帯域内に位置する吸収ピークと、540nm以上600nm以下の第2波長帯域内に位置する吸収ピークと、650nm以上780nm以下の第3波長帯域内に位置する吸収ピーク波長と、を有する。380nm以上445nm以下の波長帯域内におけるフィルタ部材の最も高い透過率は、第1波長帯域内におけるフィルタ部材の最も低い透過率の1.1倍以上である。500nm以上540nm以下の波長帯域内におけるフィルタ部材の最も高い透過率は、第2波長帯域内におけるフィルタ部材の最も低い透過率の4倍以上である。580nm以上700nm以下の波長帯域内におけるフィルタ部材の最も高い透過率は、第3波長帯域内におけるフィルタ部材の最も低い透過率の2倍以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、フィルタ部材、光学部品及びゲームシステムに関する。
特許文献1には、透過率曲線において、3つのバレー極小を有する防眩光学要素が開示されている。3つのバレー極小は、450~500nmに位置する第1バレー極小と、550~630nmに位置する第2バレー極小と、650~700nmに位置する第3バレー極小と、を含んでいる。
特開2013-11840号公報
本発明は、ディスプレイの色域を広げることができるフィルタ部材などを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るフィルタ部材は、基材と、前記基材に分散された1種類以上の吸収色素と、を備える。前記1種類以上の吸収色素の吸収スペクトルは、450nm以上510nm以下の第1波長帯域内にピーク波長が位置する吸収ピークと、540nm以上600nm以下の第2波長帯域内にピーク波長が位置する吸収ピークと、650nm以上780nm以下の第3波長帯域内にピーク波長が位置する吸収ピークと、を有する。380nm以上445nm以下の第4波長帯域内における前記フィルタ部材の最も高い透過率は、前記第1波長帯域内における前記フィルタ部材の最も低い透過率の1.1倍以上である。500nm以上540nm以下の第5波長帯域内における前記フィルタ部材の最も高い透過率は、前記第2波長帯域内における前記フィルタ部材の最も低い透過率の4倍以上である。580nm以上700nm以下の第6波長帯域内における前記フィルタ部材の最も高い透過率は、前記第3波長帯域内における前記フィルタ部材の最も低い透過率の2倍以上である。
本発明の一態様に係る光学部品は、上記一態様に係るフィルタ部材を備える。
本発明の一態様に係るゲームシステムは、上記一態様に係る光学部品と、ゲーム映像を表示する表示装置と、を備える。
本発明によれば、ディスプレイの色域を広げることができるフィルタ部材などを提供することができる。
図1は、実施の形態に係るフィルタ部材及び光学部品の一例を示す外観斜視図である。 図2は、実施例1に係るフィルタ部材の透過率特性を示す図である。 図3は、実施例1に係るフィルタ部材が含む吸収色素の吸収特性を示す図である。 図4は、実施例2に係るフィルタ部材の透過率特性を示す図である。 図5は、実施例2に係るフィルタ部材が含む吸収色素の吸収特性を示す図である。 図6は、実施の形態に係るゲームシステムの構成を示す図である。 図7は、実施の形態に係るゲームシステムのディスプレイの発光スペクトルを示す図である。 図8は、実施例1に係るフィルタ部材を介した場合の実施の形態に係るゲームシステムのディスプレイの発光スペクトルを示す図である。 図9は、実施例2に係るフィルタ部材を介した場合の実施の形態に係るゲームシステムのディスプレイの発光スペクトルを示す図である。 図10は、実施の形態に係るゲームシステムのディスプレイの色域を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態に係るフィルタ部材、光学部品及びゲームシステムについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書において、要素間の関係性を示す用語、要素の形状を示す用語、及び、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りの無い限り、構成要素の数又は順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、区別する目的で用いられている。
(実施の形態)
[構成]
まず、本実施の形態に係るフィルタ部材及び光学部品の構成について、図1を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係るフィルタ部材10及び光学部品1の一例を示す外観斜視図である。図1に示されるように、光学部品1は、フィルタ部材10を備える。光学部品1は、例えばメガネである。メガネは、視力矯正用のメガネではなく、サングラス又は後述するゲームシステム専用のメガネであってもよい。光学部品1は、左眼用レンズ及び右眼用レンズとして、2枚のフィルタ部材10を備える。なお、フィルタ部材10は、集束、発散などのレンズ機能を有しなくてもよい。
フィルタ部材10は、基材11と、基材11に分散された1種類以上の吸収色素12と、を備える。
基材11は、透光性を有する板状の部材である。基材11は、例えば、透明な樹脂材料を所定形状に成形することで形成された樹脂基材である。具体的には、基材11は、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂を主成分として含む。なお、「主成分として含む」とは、基材11全体の質量に対する、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂の質量が占める割合(質量%)が50%を超えていることを意味する。本実施の形態では、基材11は、実質的にポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂から構成されている。基材11の形成に用いられる樹脂材料は、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリシラザン、シロキサン、アリルジグリコールカーボネート(CR-39)、又は、ポリシロキサン複合アクリル樹脂であってもよい。
基材11の板厚は、例えば1mm以上3mm以下である。基材11は、平板であってもよく、凸面又は凹面を有する湾曲板であってもよい。例えば、基材11は、凸レンズ又は凹レンズのように光を集光又は拡散させるレンズ機能を実現する形状を有してもよい。つまり、基材11の板厚は、面内で均一でなくてもよく、部位によって異なっていてもよい。基材11の大きさ及び形状は、例えば、人が装着可能なメガネなどに合った大きさ及び形状である。
吸収色素12は、所定の波長帯域の光を選択的に吸収する色素材料である。吸収色素12の吸収スペクトルの具体例については、後で説明する。
吸収色素12は、例えば、基材11の内部に均等に分散されている。具体的には、吸収色素12は、基材11の厚み方向及び面方向の全体に均等に分散されている。なお、吸収色素12は、基材11の内部の一部の領域のみに分散されていてもよい。例えば、基材11の主面を正面から見た場合に、吸収色素12は、基材11の中央領域のみに分散されていてもよい。あるいは、吸収色素12は、基材11の厚み方向において一方の面の表層部分のみに分散されていてもよい。
吸収色素12は、例えば、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、メロシアニン系色素又はメチン系色素などを用いることができる。例えば、吸収色素12は、中心金属がCu、Ni、Co、Pdからなる群から選択される金属元素であり、かつ、置換基がエトキシ、フルオロベンゾ及びフルオロエトキシからなる群から選択される置換基であるポルフィリン系色素である。ポルフィリン系色素の中心金属及び置換基の少なくとも一方の材料を調整することにより、吸収色素12の吸収スペクトルを異ならせることができる。
本実施の形態では、フィルタ部材10は、複数種類の吸収色素12を含んでいる。吸収色素12の種類、数、含有量及び混合比などを調整することによって、フィルタ部材10の光学特性(透過スペクトル)を調整することができる。
[透過スペクトル]
次に、本実施の形態に係るフィルタ部材10の透過スペクトルについて説明する。フィルタ部材10の透過スペクトルでは、波長帯域毎の透過率の最大値と最小値とに所定の関係性がある。
450nm以上510nm以下の波長帯域を第1波長帯域W1と定義する。つまり、第1波長帯域W1は、青色成分(B)と緑色成分(G)との間の範囲を主として含む波長範囲である。第1波長帯域W1内のフィルタ部材10の最も低い透過率を最小値MIN1と定義する。
540nm以上600nm以下の波長帯域を第2波長帯域W2と定義する。つまり、第2波長帯域W2は、緑色成分(G)と赤色成分(R)との間の範囲を主として含む波長範囲である。第2波長帯域W2内のフィルタ部材10の最も低い透過率を最小値MIN2と定義する。
650nm以上780nm以下の波長帯域を第3波長帯域W3と定義する。つまり、第3波長帯域W3は、赤色成分(R)の長波長側の範囲を主として含む波長範囲である。第3波長帯域W3内のフィルタ部材10の最も低い透過率を最小値MIN3と定義する。
380nm以上445nm以下の波長帯域を第4波長帯域W4と定義する。つまり、第4波長帯域W4は、青色成分(B)を主として含む波長範囲である。第4波長帯域W4内のフィルタ部材10の最も高い透過率を最大値MAX1と定義する。
500nm以上540nm以下の波長帯域を第5波長帯域W5と定義する。つまり、第5波長帯域W5は、緑色成分(G)を主として含む波長範囲である。第5波長帯域W5内のフィルタ部材10の最も高い透過率を最大値MAX2と定義する。
580nm以上700nm以下の波長帯域を第6波長帯域W6と定義する。つまり、第6波長帯域W6は、赤色成分(R)を主として含む波長範囲である。第6波長帯域W6内のフィルタ部材10の最も高い透過率を最大値MAX3と定義する。
フィルタ部材10の透過スペクトルでは、最大値MAX1は、最小値MIN1の1.1倍以上である。最大値MAX2は、最小値MIN2の4倍以上である。最大値MAX3は、最小値MIN3の2倍以上である。つまり、本実施の形態に係るフィルタ部材10は、赤(R)、緑(G)及び青(B)の各々に対して高い透過率を有し、かつ、青と緑との間(第1波長帯域W1)、緑と赤との間(第2波長帯域W2)、及び、赤の長波長側(第3波長帯域W3)の各々の透過率が低くなっている。これにより、RGBを強調することができるので、一般的なディスプレイの色域を広げることができる。具体的には、第1波長帯域W1内、第2波長帯域W2内及び第3波長帯域W3内の各々におけるフィルタ部材10の最も低い透過率、すなわち、透過率の最小値MIN1、MIN2及びMIN3はいずれも、0%以上60%以下である。
例えば、第4波長帯域W4におけるフィルタ部材10の透過率の最大値MAX1は、50%以上である。また、第4波長帯域W4におけるフィルタ部材10の透過率の平均値は、40%以上である。第4波長帯域W4は、青色成分を主として含む。つまり、フィルタ部材10は、青色光を十分な強度で透過させることができる。
同様に、第5波長帯域W5におけるフィルタ部材10の透過率の最大値MAX2は、40%以上である。また、第5波長帯域W5におけるフィルタ部材10の透過率の平均値は、36%以上である。第5波長帯域W5は、緑色成分を主として含む。つまり、フィルタ部材10は、緑色光を十分な強度で透過させることができる。
同様に、第6波長帯域W6におけるフィルタ部材10の透過率の最大値MAX3は、50%以上である。また、第6波長帯域W6におけるフィルタ部材10の透過率の平均値は、30%以上である。第6波長帯域W6は、赤色成分を主として含む。つまり、フィルタ部材10は、赤色光を十分な強度で透過させることができる。
本実施の形態では、フィルタ部材10の視感透過率は、20%以上である。視感透過率とは、可視光線透過率とも称される。視感透過率は、380nm以上780nm以下の可視光帯域全体の光の透過率に、分光比視感度関数を掛けて合算した値の比である。フィルタ部材10が高い視感透過率を有することによって、フィルタ部材10を介してディスプレイを見た場合にも目に届く光量を十分に確保することができる。
なお、フィルタ部材10の透過スペクトルにおける最小値MIN1~MIN3は、1種類以上の吸収色素12によって形成されたものである。すなわち、フィルタ部材10は、1種類以上の吸収色素12を含むことによって、透過スペクトルに3つの谷(最小値MIN1~MIN3)を有する。
以下では、フィルタ部材10の具体的な実施例の透過スペクトルについて、図2~図5を用いて説明する。
[実施例1]
まず、実施例1に係るフィルタ部材10の透過スペクトルについて、図2を用いて説明する。図2は、実施例1に係るフィルタ部材10の透過スペクトルを示す図である。図2において、横軸は波長(単位:nm)を表し、縦軸は透過率(単位:%)を表している。また、実線のグラフがサンプル品の透過率の実測値を表しており、破線のグラフがシミュレーション値(SM値)を表している。
図2に示される透過スペクトルを有するフィルタ部材10は、3種類の吸収色素C1~C3を含んでいる。図3は、3種類の吸収色素C1~C3の吸収スペクトルを示す図である。図3において、横軸は波長(単位:nm)を表し、縦軸は透過率(単位:%)を表している。なお、図3に示される吸収スペクトルは、透明基材の内部に所定量の吸収色素を分散させた状態で透明基材の透過率を測定した値である。
吸収色素C1は、第1波長帯域W1内にピーク波長が位置する吸収ピークを有する。図3の実線のグラフで示されるように、吸収色素C1の吸収ピークのピーク波長は、約495nmであり、この場合の透過率は、約15%である。
吸収色素C2は、第2波長帯域W2内にピーク波長が位置する吸収ピークを有する。図3の破線のグラフで示されるように、吸収色素C2の吸収ピークのピーク波長は、約595nmであり、この場合の透過率は、約0%である。
吸収色素C3は、第3波長帯域W3内にピーク波長が位置する吸収ピークを有する。図3の点線のグラフで示されるように、吸収色素C3の吸収ピークのピーク波長は、約715nmであり、この場合の透過率は、約5%である。
実施例1に係るフィルタ部材10は、3種類の吸収色素C1~C3をC1:C2:C3=0.0015wt%:0.012wt%:0.0045wt%の割合で含んでいる。これにより、実施例1に係るフィルタ部材10の透過スペクトルは、図2に示される透過スペクトルになる。
図2に示される透過スペクトルの実測値では、第1波長帯域W1内の透過率の最小値MIN1は、495nmに位置し、18%である。第2波長帯域W2内の透過率の最小値MIN2は、595nmに位置し、0.3%である。第3波長帯域W3内の透過率の最小値MIN3は、725nmに位置し、0.9%である。
なお、最小値MIN1、MIN2、MIN3はそれぞれ、吸収色素C1、C2、C3の吸収ピークに起因する。最小値MIN1、MIN2、MIN3の各波長は、対応する吸収色素C1、C2、C3の各々のピーク波長の近傍に位置している。なお、シミュレーション値では、透過率の3つの最小値は、対応する吸収色素C1、C2、C3のピーク波長に実質的に等しくなる。
また、図2に示される透過スペクトルの実測値では、第4波長帯域W4内の最大値MAX1は、425nmに位置し、58%である。つまり、最大値MAX1は、最小値MIN1の約3.2倍である。なお、第4波長帯域W4におけるフィルタ部材10の透過率の平均値は、40%である。
第5波長帯域W5内の透過率の最大値MAX2は、525nmに位置し、51%である。つまり、最大値MAX2は、最小値MIN2の約255倍である。なお、第5波長帯域W5におけるフィルタ部材10の透過率の平均値は、36%である。
第6波長帯域W6内の最大値MAX3は、670nmに位置し、50%である。つまり、最大値MAX3は、最小値MIN3の約55倍である。なお、第6波長帯域W6におけるフィルタ部材10の透過率の平均値は、30%である。また、実施例1に係るフィルタ部材10の視感透過率は、24.8%である。
[実施例2]
次に、実施例2に係るフィルタ部材10の透過スペクトルについて、図4を用いて説明する。図4は、実施例2に係るフィルタ部材10の透過スペクトルを示す図である。図4において、横軸は波長(単位:nm)を表し、縦軸は透過率(単位:%)を表している。また、実線のグラフがサンプル品の透過率の実測値を表しており、破線のグラフがシミュレーション値(SM値)を表している。
図4に示される透過スペクトルを有するフィルタ部材10は、4種類の吸収色素C4~C7を含んでいる。図5は、4種類の吸収色素C4~C7の吸収スペクトルを示す図である。図5において、横軸は波長(単位:nm)を表し、縦軸は透過率(単位:%)を表している。なお、図5に示される吸収スペクトルは、透明基材の内部に所定量の吸収色素を分散させた状態で透明基材の透過率を測定した値である。
吸収色素C4は、第1波長帯域W1内にピーク波長が位置する吸収ピークを有する。図5の実線のグラフで示されるように、吸収色素C4の吸収ピークのピーク波長は、約495nmであり、この場合の透過率は、約57%である。
吸収色素C5は、第2波長帯域W2内にピーク波長が位置する吸収ピークを有する。図5の一点鎖線のグラフで示されるように、吸収色素C5の吸収ピークのピーク波長は、約575nmであり、この場合の透過率は、約52%である。
吸収色素C6は、第2波長帯域W2内にピーク波長が位置する吸収ピークを有する。図5の破線のグラフで示されるように、吸収色素C6の吸収ピークのピーク波長は、約595nmであり、この場合の透過率は、約35%である。
吸収色素C7は、第3波長帯域W3内にピーク波長が位置する吸収ピークを有する。図5の点線のグラフで示されるように、吸収色素C7の吸収ピークのピーク波長は、例えば約720nmであり、この場合の透過率は、約58%である。
実施例2に係るフィルタ部材10は、3種類の吸収色素C4~C7をC4:C5:C6:C7=0.00045wt%:0.001125wt%:0.00225wt%:0.00075wt%の割合で含んでいる。これにより、実施例2に係るフィルタ部材10の透過スペクトルは、図4に示される透過スペクトルになる。
透過スペクトルの実測値では、第1波長帯域W1内の最小値MIN1は、495nmに位置し、57%である。第2波長帯域W2内の最小値MIN2は、595nmに位置し、16%である。第3波長帯域W3内の最小値MIN3は、725nmに位置し、40%である。なお、最小値MIN1は、吸収色素C4の吸収ピークに起因する。最小値MIN2は、吸収色素C5及びC6の吸収ピークに起因する。最小値MIN3は、吸収色素C7の吸収ピークに起因する。
また、図4に示される透過スペクトルの実測値では、第4波長帯域W4内の最大値MAX1は、430nmに位置し、79%である。つまり、最大値MAX1は、最小値MIN1の約1.3倍である。なお、第4波長帯域W4におけるフィルタ部材10の透過率の平均値は、58%である。
第5波長帯域W5内の最大値MAX2は、525nmに位置し、74%である。つまり、最大値MAX2は、最小値MIN2の約4倍である。なお、第5波長帯域W5におけるフィルタ部材10の透過率の平均値は、68.5%である。
第6波長帯域W6内の最大値MAX3は、675nmに位置し、80%である。つまり、最大値MAX3は、最小値MIN3の約2倍である。なお、第6波長帯域W6におけるフィルタ部材10の透過率の平均値は、64%である。また、実施例2に係るフィルタ部材10の視感透過率は、57.4%である。
[ゲームシステム]
次に、本実施の形態に係る光学部品1を備えるゲームシステムについて、図6を用いて説明する。
図6は、本実施の形態に係るゲームシステム100の構成を示す図である。図6に示されるように、ゲームシステム100は、光学部品1と、ディスプレイ110と、を備える。
ディスプレイ110は、ゲーム映像を表示する表示装置である。ディスプレイ110は、例えば、液晶表示装置又は有機EL(Electroluminescence)表示装置などである。液晶表示装置は、一般的には、白色光を発する光源を備える。光源は、青色LED(Light Emitting Diode)と黄色蛍光体とを含む。黄色蛍光体は、青色LEDから発せられる青色光の一部を波長変換することで、黄色光を発する。波長変換されなかった青色光と黄色光との合成光が白色光となる。
図7は、本実施の形態に係るゲームシステム100のディスプレイ110の発光スペクトルを示す図である。図7において、横軸は波長(単位:nm)を表し、縦軸は光強度を表している。図7に示されるように、ディスプレイ110の発光スペクトルでは、赤色光(R)と緑色光(G)との重なりが大きい。つまり、ディスプレイ110の色域が十分ではない。
本実施の形態に係るゲームシステム100では、図6に示されるように、ユーザUは、光学部品1(メガネ)を着用して、ディスプレイ110を見る。すなわち、ユーザUの眼には、光学部品1のフィルタ部材10を介してディスプレイ110の光が入射する。フィルタ部材10は、上述したように、第1波長帯域W1、第2波長帯域W2及び第3波長帯域W3の光を吸収するので、RGBの各色間の重なりを減らすことができる。
図8は、実施例1に係るフィルタ部材10を介した場合のディスプレイ110の発光スペクトルを示す図である。図9は、実施例2に係るフィルタ部材10を介した場合のディスプレイ110の発光スペクトルを示す図である。なお、図8及び図9において、横軸は波長(単位:nm)を表し、縦軸は光強度を表している。
図8及び図9のいずれにおいても、赤色光(R)、緑色光(G)及び赤色光(R)の重なりが減っている。特に、赤色光(R)と緑色光(G)との重なりの減少が顕著である。これにより、RGBの各色の分離性が高まるので、フィルタ部材10を介して見ることでディスプレイ110の色域を広げることができる。
図10は、本実施の形態に係るゲームシステム100のディスプレイ110の色域を示す図である。具体的には、図10は、CIE(国際照明委員会)で規定された色度図(CIE1931)を表している。
図10において、頂点が三角印のプロットで表された点線の三角形は、ディスプレイ110のみの色域を示しており、図7の発光スペクトルに対応している。頂点が丸印のプロットで表された破線の三角形は、実施例2のフィルタ部材10を介して見たときのディスプレイ110の色域を表しており、図9の発光スペクトルに対応している。頂点が四角印のプロットで表された実線の三角形は、実施例1に係るフィルタ部材10を介して見たときのディスプレイ110の各々の色域を表しており、図8の発光スペクトルに対応している。なお、三角形の各頂点のプロットは、ディスプレイ110のRGBにそれぞれ対応している。図10に示されるように、ディスプレイ110のみの色域に比べて、フィルタ部材10を介して見ることで色域が広がっていることが分かる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係るフィルタ部材10は、基材11と、基材11に分散された1種類以上の吸収色素12と、を備える。1種類以上の吸収色素12の吸収スペクトルは、450nm以上510nm以下の第1波長帯域W1内にピーク波長が位置する吸収ピークと、540nm以上600nm以下の第2波長帯域W2内にピーク波長が位置する吸収ピークと、650nm以上780nm以下の第3波長帯域W3内にピーク波長が位置する吸収ピークと、を有する。380nm以上445nm以下の第4波長帯域W4内におけるフィルタ部材10の最も高い透過率MAX1は、第1波長帯域W1内におけるフィルタ部材10の最も低い透過率MIN1の1.1倍以上である。500nm以上540nm以下の第5波長帯域W5内におけるフィルタ部材10の最も高い透過率MAX2は、第2波長帯域W2内におけるフィルタ部材10の最も低い透過率の4倍以上である。580nm以上700nm以下の第6波長帯域W6内におけるフィルタ部材10の最も高い透過率MAX3は、第3波長帯域W3内におけるフィルタ部材10の最も低い透過率MIN3の2倍以上である。
これにより、ディスプレイ110のRGBの各色の分離性が高まるので、フィルタ部材10を介して見ることでディスプレイ110の色域を広げることができる。
また、例えば、第4波長帯域W4内におけるフィルタ部材10の最も高い透過率は、50%以上である。第5波長帯域W5内におけるフィルタ部材10の最も高い透過率は、40%以上である。第6波長帯域W6内におけるフィルタ部材10の最も高い透過率は、50%以上である。
これにより、ディスプレイ110のRGBの各色に対して高い透過率を有するので、ディスプレイ110の視認性を良くすることができる。
また、例えば、第4波長帯域W4内におけるフィルタ部材10の透過率の平均値は、40%以上である。第5波長帯域W5内におけるフィルタ部材10の透過率の平均値は、36%以上である。第6波長帯域W6内におけるフィルタ部材10の透過率の平均値は、30%以上である。
これにより、ディスプレイ110のRGBの各色に対して高い透過率を有するので、ディスプレイ110の視認性を良くすることができる。
また、例えば、フィルタ部材10の視感透過率は、20%以上である。
これにより、可視光帯域に高い透過率を有するので、ディスプレイ110の視認性を良くすることができる。
また、例えば、第1波長帯域W1内、第2波長帯域W2内及び第3波長帯域W3内の各々におけるフィルタ部材10の最も低い透過率は、0%以上60%以下である。
これにより、ディスプレイ110のRGBの各色の分離性が高まるので、フィルタ部材10を介して見ることでディスプレイ110の色域を広げることができる。
また、例えば、基材11は、樹脂基材である。
これにより、吸収色素12の基材11内への混合を容易に行うことができる。また、樹脂基材として、透明性に優れた材料も利用することができるので、フィルタ部材10の透過率を高めることができる。また、成形も容易であるので、所定形状のレンズなどを容易に形成することができる。
また、例えば、1種類以上の吸収色素12は、互いに異なる3種類以上の前記吸収色素である。
これにより、3種類以上の吸収色素12を利用することで、フィルタ部材10の透過スペクトルの調整を容易に行うことができる。
また、本実施の形態に係る光学部品1は、フィルタ部材10を備える。また、例えば、光学部品1は、メガネである。
これにより、ユーザUの頭に装着することができるので、両手を自由にすることができる。両手が自由になるので、ゲームシステム100などのコントローラを操作するのに光学部品1は有用である。
また、本実施の形態に係るゲームシステム100は、光学部品1と、ゲーム映像を表示するディスプレイ110と、を備える。
これにより、ディスプレイ110の色域が広がり、視認性を高めることができる。ディスプレイ110としては、安価な汎用ディスプレイを利用することができるので、ゲームシステム100を低コストで構築することができる。近年広がりを見せているeスポーツ分野において特に有用である。
(その他)
以上、本発明に係るフィルタ部材、光学部品及びゲームシステムについて、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、光学部品1がメガネである例を示したが、これに限定されない。光学部品1は、ゴーグルであってもよい。また、フィルタ部材10は、左眼用及び右眼用で分離していなくてもよい。光学部品1は、1枚のフィルタ部材10を両眼用に備えてもよい。あるいは、光学部品1は、メガネのレンズ若しくはゴーグルのレンズ、又は、コンタクトレンズであってもよい。
また、例えば、基材11が樹脂基材である例を示したが、これに限定されない。基材11は、ガラス基材又は石英基材などであってもよい。
また、例えば、光学部品1は、ゲームシステム100以外に利用されてもよい。例えば、光学部品1は、写真などの画像又は動画像の編集システム又は視聴システムに利用されてもよい。例えば、ディスプレイ110は、インターネット又は放送を介して取得した映像を表示してもよく、ユーザUは、光学部品1を介してディスプレイ110に表示される映像を見てもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1 光学部品
10 フィルタ部材
11 基材
12 吸収色素
100 ゲームシステム
110 ディスプレイ

Claims (10)

  1. フィルタ部材であって、
    基材と、
    前記基材に分散された1種類以上の吸収色素と、を備え、
    前記1種類以上の吸収色素の吸収スペクトルは、
    450nm以上510nm以下の第1波長帯域内にピーク波長が位置する吸収ピークと、
    540nm以上600nm以下の第2波長帯域内にピーク波長が位置する吸収ピークと、
    650nm以上780nm以下の第3波長帯域内にピーク波長が位置する吸収ピークと、を有し、
    380nm以上445nm以下の第4波長帯域内における前記フィルタ部材の最も高い透過率は、前記第1波長帯域内における前記フィルタ部材の最も低い透過率の1.1倍以上であり、
    500nm以上540nm以下の第5波長帯域内における前記フィルタ部材の最も高い透過率は、前記第2波長帯域内における前記フィルタ部材の最も低い透過率の4倍以上であり、
    580nm以上700nm以下の第6波長帯域内における前記フィルタ部材の最も高い透過率は、前記第3波長帯域内における前記フィルタ部材の最も低い透過率の2倍以上である、
    フィルタ部材。
  2. 前記第4波長帯域内における前記フィルタ部材の最も高い透過率は、50%以上であり、
    前記第5波長帯域内における前記フィルタ部材の最も高い透過率は、40%以上であり、
    前記第6波長帯域内における前記フィルタ部材の最も高い透過率は、50%以上である、
    請求項1に記載のフィルタ部材。
  3. 前記第4波長帯域内における前記フィルタ部材の透過率の平均値は、40%以上であり、
    前記第5波長帯域内における前記フィルタ部材の透過率の平均値は、36%以上であり、
    前記第6波長帯域内における前記フィルタ部材の透過率の平均値は、30%以上である、
    請求項1又は2に記載のフィルタ部材。
  4. 前記フィルタ部材の視感透過率は、20%以上である、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のフィルタ部材。
  5. 前記第1波長帯域内、前記第2波長帯域内及び前記第3波長帯域内の各々における前記フィルタ部材の最も低い透過率は、0%以上60%以下である、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のフィルタ部材。
  6. 前記基材は、樹脂基材である、
    請求項1~5のいずれか1項に記載のフィルタ部材。
  7. 前記1種類以上の吸収色素は、互いに異なる3種類以上の前記吸収色素である、
    請求項1~6のいずれか1項に記載のフィルタ部材。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のフィルタ部材を備える光学部品。
  9. 前記光学部品は、メガネ若しくはゴーグル、又は、これらのレンズである、
    請求項8に記載の光学部品。
  10. 請求項9に記載の光学部品と、
    ゲーム映像を表示する表示装置と、を備える、
    ゲームシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024080266A1 (ja) * 2022-10-12 2024-04-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 レンズ及びゲームシステム

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