JP2023110129A - プラズマアクチュエータおよび流体機械 - Google Patents

プラズマアクチュエータおよび流体機械 Download PDF

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孝幸 松沼
Takayuki Matsunuma
武彦 瀬川
Takehiko Segawa
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Abstract

【課題】タービン翼列の空力特性を向上可能なプラズマアクチュエータおよび流体機械を提供する。【解決手段】回転軸11と、回転軸に設けられた金属材料からなり、先端部を第1の電極15とする回転ブレードと、回転ブレードを内包する金属材料からなり、回転ブレードの先端部に対向する内周面の作動流体の流入側から流出側に亘って周方向に形成された凹部を占める絶縁材料によりフラッシュマウント化された絶縁部14を有し、筐体の作動流体の流入側の内周面が凹部の側壁面と形成する端部を第2の電極16とする筐体と、絶縁部内に埋設され絶縁材料により被覆され、第2の電極の作動流体の流出側から回転ブレードの先端部に対向する位置に亘って延在する第3の電極と、筐体および回転ブレードを接地することにより第1の電極および第2の電極を接地するとともに第3の電極に交流電圧を印加する電源部19と、を備える流体機械10が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、誘電体バリア放電を用いたプラズマアクチュエータおよびこれを備える流体機械に関する。
ガスタービン内部で発生する流路渦、漏れ渦などの二次流れについて、その現象の理解のための各種計測および二次流れ抑制のための制御技術の両方において、多種多様な研究開発が行われてきた。プラズマアクチュエータにより非熱プラズマを生成し誘起流れにより二次流れの制御の研究も行われてきた(例えば、特許文献1、非特許文献1、2参照)
本発明者等は、流体機械の筐体側に絶縁被覆導線を埋め込み、回転ブレードと絶縁被覆導線との間に誘電体バリア放電を発生させて、筐体の内周面と回転ブレードの先端部とのチップクリアランスから作動流体が漏洩するのを防止可能な流体機械を開示した(特許文献2参照)。
国際公開第2009/086475号 米国特許出願公開第2017/0326989号明細書
D. K. Van Ness II et al., AIAA-2006-0021 T. Matsunuma et al., Energies 2020, 13, 764
本発明の目的は、流路渦および漏れ渦を抑制してタービン翼列の空力特性を向上可能であるとともに、実装がより容易なプラズマアクチュエータおよび流体機械を提供することである。
本発明の一態様によれば、回転軸と、上記回転軸に設けられた金属材料からなる回転ブレードであって、先端部を第1の電極とする上記回転ブレードと、上記回転ブレードを内包する金属材料からなる筐体であって、上記回転ブレードの先端部に対向する内周面の作動流体の流入側から流出側に亘って周方向に形成された凹部を占める絶縁材料によりフラッシュマウント化された絶縁部を有し、上記筐体の上記作動流体の流入側の上記内周面が上記凹部の側壁面と形成する端部を第2の電極とする上記筐体と、上記絶縁部内に埋設され上記絶縁材料により被覆された第3の電極であって、上記第2の電極の上記作動流体の流出側から上記回転ブレードの先端部に対向する位置に亘って延在する上記第3の電極と、上記筐体および上記回転ブレードを接地することにより上記第1の電極および上記第2の電極を接地するとともに上記第3の電極に交流電圧を印加する電源部と、を備える流体機械が提供される。
上記態様によれば、電源部が第3の電極に交流電圧を印加することにより、第1の電極とフラッシュマウント化された内周面との間と、上記第2の電極から上記作動流体の下流側の上記フラッシュマウント化された内周面に沿って誘電体バリア放電を発生させる。誘電体バリア放電の発生に伴って誘起流れが発生し、これによって、絶縁部の表面と回転ブレードの先端部との間の間隙を通る作動流体により発生する漏れ渦と、入口境界層が回転タービン間で負圧面側に巻き上がって発生する流路渦とが抑制される。これにより、回転タービンの空力特性を向上でき、回転タービンが複数配列されたタービン翼列の空力特性を向上できる。
本発明の他の態様によれば、回転軸に設けられた金属材料からなる回転ブレードの先端部に配置された第1の電極と、上記回転ブレードを内包する金属材料からなる筐体に、上記回転ブレードの先端部に対向する内周面の作動流体の流入側から流出側に亘って周方向に形成された凹部を占める絶縁材料によりフラッシュマウント化された絶縁部と、上記筐体の上記作動流体の流入側の上記内周面が上記凹部の側壁面と形成する端部に配置された第2の電極と、上記絶縁部内に埋設され上記絶縁材料により被覆された第3の電極であって、上記第2の電極の上記作動流体の流出側から上記回転ブレードの先端部に対向する位置に亘って延在する上記第3の電極と、上記筐体および上記回転ブレードを接地することにより上記第1の電極および上記第2の電極を接地するとともに上記第3の電極に交流電圧を印加する電源部と、を備えるプラズマアクチュエータが提供される。
上記他の態様によれば、電源部が第3の電極に交流電圧を印加することにより、第1の電極と筐体のフラッシュマウント化された内周面との間と、上記第2の電極から上記作動流体の下流側の上記フラッシュマウント化された内周面に沿って誘電体バリア放電を発生させ、それに伴って誘起流れが発生する。この誘起流れによって、絶縁部の表面と回転ブレードの先端部との間の間隙を通る作動流体により発生する漏れ渦と、入口境界層が回転タービン間で負圧面側に巻き上がって発生する流路渦とが抑制される。これにより、回転タービンの空力特性を向上でき、回転タービンが複数配列されたタービン翼列の空力特性を向上できる。
第1実施形態に係るガスタービンの構成を示す概略断面図である。 第2実施形態に係るガスタービンの構成を示す概略断面図である。 第3実施形態に係るガスタービンの構成を示す概略断面図である。 第4実施形態に係るガスタービンの構成を示す概略断面図である。 一実施形態に係るプラズマアクチュエータの実験装置の概略俯瞰図である。 実施例および比較例の空気の流れを粒子画像流速測定法により可視化した図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。なお、複数の図面間において共通する要素については同じ符号を付し、その要素の詳細な説明の繰り返しを省略する。
図1は、第1実施形態に係るガスタービンの構成を示す概略断面図である。図1を参照するに、本実施形態に係るガスタービン10は、回転軸11を中心に回転する回転ブレード12を有する。回転軸11および回転ブレード12は金属製である。回転軸11および回転ブレード12は金属材料からなるケーシング13に内包されている。ケーシング13の内周面13aの凹部13bには、回転ブレード12の先端部12aに対向する位置の作動流体WFの流入側から流出側に亘って絶縁材料によってフラッシュマウント化された絶縁部14を有する。絶縁部14は、凹部13bに絶縁材料を充填した部分である。なお、作動流体WFは、矢印で示しているように紙面の左側から右側に流れているとする。
ガスタービン10は、2つのプラズマアクチュエータを有する。プラズマアクチュエータの一つの電極は、回転ブレード12の先端部12aを電極15とする。回転軸11が電気的に接地(以下、単に「接地」ともいう。)されることにより、回転ブレード12の先端部12aが接地される。電極18に高電圧の高周波信号が印加されることで、電極15と電極18との間の電磁場が繰り返し変化する。
プラズマアクチュエータの他の電極は、ケーシング13の内周面13aが絶縁材料が充填された凹部13bの側壁面と形成する端部13cを電極16とする。ケーシング13が電気的に接地(以下、単に「接地」ともいう。)されることにより、電極16が接地される。電極16(端部13c)は、ケーシング13の内周面13aにおいて、回転ブレード12の回転方向に同様の形状に形成されている。
絶縁材料は、耐熱性が良好なアルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素などのファインセラミックス材料、またはサファイア、石英ガラスなどのガラス材料を用いることが好ましい。絶縁材料は、耐熱性を要求されない場合は、例えば、アクリル樹脂、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂(例えばテフロン(登録商標))、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、パイレックス(登録商標)ガラス、PEEK、各種樹脂などを用いることができる。
プラズマアクチュエータのその他の電極は、絶縁部14の内部に埋設され絶縁材料により被覆された電極18である。電極18は、電極16の作動流体の流出側から回転ブレード12の先端部12aに対向する位置に亘って延在する。電極18は、回転ブレード12の回転方向に沿って延在する金属薄体である。電極18は、回転ブレード12の回転方向に分割して配置された金属薄体でもよい。電極18は、電源部19の出力部19aに電気的に接続される。電極18は、金属材料、例えば,ステンレス、タングステン、インコネル、チタン、ニッケル、鉄、銅、アルミニウム、金、銀、および導電性酸化物、例えば酸化インジウムスズ(ITO)で形成された薄板状または薄膜状であることが好ましい。
電源部19は、高周波あるいはパルス状の高電圧信号を供給可能な電源であれば特に限定されない。この高電圧信号は、高周波あるいはパルス状であり、周波数が、電源の装置コストを考慮した実用的な観点から、0.05kHz~1000kHzに設定可能であることが好ましく、電圧が0.1kV~100kVに設定可能であることが好ましい。電源部19は、電極18に最大波高値が+Vおよび-Vの交流電圧を印加すると、電極18と接地された電極15および電極16との間に最大電位差Vおよび-Vが交互に印加されことになる。これにより、誘電体バリア放電((Dielectric Barrier Discharge)、DBD)が生成される。
このように、一つのプラズマアクチュエータは、電極18と絶縁部14の絶縁材料と電極15と電源部19とで構成され、もう一つのプラズマアクチュエータは、電極18と絶縁部14の絶縁材料と電極16と電源部19とで構成される。電源部19の出力部19aから高電圧の高周波信号を電極18に印加することで、電極18に絶縁部14の絶縁材料および空隙SP1を介して対向する回転ブレード12の先端部12aが接地側の電極15となり、電極15と絶縁部14の表面14aとの間の空隙SP1に誘電体バリア放電DBD1が生成される。これと並行して、電極18に絶縁部14の絶縁材料を介して近接する作動流体の流入側のケーシング13の端部13cが接地側の電極16となり、電極16から作動流体の下流側の絶縁部14の表面14aに沿って誘電体バリア放電DBD2が生成される。
本実施形態によれば、誘電体バリア放電DBD1およびDBD2が発生すると、それに伴って誘起流れが発生する。この誘起流れによって、絶縁部14の表面14aと回転ブレード12の先端部12aとの間の間隙を通る漏れにより発生する漏れ渦と、入口境界層が翼列内部で負圧面側に巻き上がって発生する流路渦とが抑制される。これにより、回転ブレード12の空力特性を向上することができ、ひいては、回転ブレード12が複数配列されたタービン翼列の空力特性を向上することができる。
さらに、本実施形態によれば、電極15は、回転ブレード12の先端部12aに位置するが、回転軸11を接地することで電極15が接地される。電極16はケーシング13の一部(端部13c)であるので、ケーシング13を接地することで電極16が接地される。電極18に電源部19から高周波あるいはパルス状の高電圧信号を供給することで2つのプラズマアクチュエータが機能する。したがって、2つのプラズマアクチュエータの実装が非常に容易である。
[第2実施形態]
図2は、第2実施形態に係るガスタービンの構成を示す概略断面図である。図2を参照するに、本実施形態に係るガスタービン20は、図1に示した第1実施形態に係るガスタービン10の電極16の変形例である。ガスタービン20の電極26は、ケーシング23の内周面23aが絶縁材料で充填された凹部23bの側壁面と形成する端部23cであり、作動流体WFの流出側に絶縁部14の表面に沿って尖った形状を有する。電極26(端部23c)は、ケーシング23の内周面23aにおいて回転ブレード12の回転方向に同様の形状に形成されている。電源部19の出力部19aから高電圧の高周波信号を電極18に印加することで、電極26から作動流体の下流側の絶縁部14の表面14aに沿って誘電体バリア放電DBD2が生成される。これと並行して電極15と絶縁部14の表面14aとの間の空隙SP1に誘電体バリア放電DBD1が生成される。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を有し、さらに、電極26(端部23c)が作動流体WFの流出側に絶縁部14の表面に沿って尖った形状を有するので、電荷が集中してより密度の高い誘電体バリア放電DBD2が生成され、流路渦をより効果的に抑制可能である。
[第3実施形態]
図3は、第3実施形態に係るガスタービンの構成を示す概略断面図である。図3を参照するに、本実施形態に係るガスタービン30は、図1に示した第1実施形態に係るガスタービン10の電極18の変形例である。ガスタービン30の電極38は、絶縁部14の表面14aに回転ブレード12の回転方向に沿って延在し、作動流体WFの流れの方向に沿って配列された複数の絶縁被覆導線39からなる。絶縁被覆導線39は、芯線が導電体であり、芯線を絶縁材で被覆した線材である。複数の絶縁被覆導線39は、芯線が互いに電気的に接続されており、全体で電極38を構成し、電源部19の出力部19aに電気的に接続されている。電源部19の出力部19aから高電圧の高周波信号を電極38に印加することで、電極15と絶縁部14の表面14aとの間の空隙SP1に誘電体バリア放電DBD1が生成される。また、これと並行して電極16から作動流体の下流側の絶縁部14の表面14aに沿って誘電体バリア放電DBD2が生成される。なお、絶縁被覆導線39は、絶縁部14の表面側が絶縁部14に充填された絶縁材料に覆われていてもよく、覆われていなくてもよい。また、電極38は、複数の絶縁被覆導線39が回転ブレード12の回転方向に分割して配置され、それぞれが電源部19の出力部19aに電気的に接続される構成でもよい。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を有し、さらに、電極38が複数の絶縁被覆導線39により形成されているので、芯線の導電体が絶縁体で被覆されているので、より容易かつ確実に電極38をケーシング13および外部に対して絶縁することができる。また、絶縁被覆導線39は柔軟性を有しているので、ケーシング13の内周面の凹部13bの3D形状に応じて設置可能である。
[第4実施形態]
図4は、第4実施形態に係るガスタービンの構成を示す概略断面図である。図4を参照するに、本実施形態に係るガスタービン40は、図1に示した第1実施形態に係るガスタービン10の電極16の代わりに浮遊電極46を用いて誘電体バリア放電DBD2を生成する。浮遊電極46は、ケーシング13の端部13cと回転ブレード12の先端部12aの作動流体WFの流入側との間の絶縁部14の表面14aに配置される。浮遊電極46は、絶縁部14の絶縁材料に接し、回転ブレード12の回転方向に沿って延在する。浮遊電極46は、ケーシング13に接触しておらず、電源部19とは電気的に接続されていない。電源部19の出力部19aから高電圧の高周波信号を電極18に印加すると、浮遊電極46から作動流体の下流側の絶縁部14の表面14aに沿って誘電体バリア放電DBD2が生成される。これは、電極18にプラスの高電圧が印加されると浮遊電極46にはマイナスの電荷が現れ、電極18にマイナスの高電圧が印加されると浮遊電極46にはプラスの電荷が現れることで、交流電磁場が形成されて作動流体WFの例えば空気を電離するためであると推察される。これと並行して電極15と絶縁部14の表面14aとの間の空隙SP1に誘電体バリア放電DBD1が生成される。
なお、浮遊電極46は、絶縁部14の表面14aに一部を埋め込んでもよい。この場合、浮遊電極46が表面14aに露出しかつ電極18に接触していなければよい。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を有し、さらに、浮遊電極46は電気配線が無くても機能するので絶縁部14の表面14aへの配置が容易になり、その位置決めも容易になる。
[実施例]
図5は、一実施形態に係るプラズマアクチュエータの実験装置の概略俯瞰図である。図5を図1と合わせて参照するに、実験装置60は、5枚翼の直線タービン翼列62(621~625)に第1実施形態のタービン10のプラズマアクチュエータを適用したものである。空気の流れ(気流)は、送風機によって形成され、X方向から直線タービン翼列621~625に流入し、翼の間を通り抜けてZ方向に流出する。アルミ合金製の直線タービン翼列621~625の先端部の上方に、空隙(1.6mm)を介して、図1で示した絶縁部14、電極16および電極18に相当する構成のプラズマアクチュエータが配置される。プラズマアクチュエータは、絶縁部14に相当するシリコーン樹脂板64の下面に電極16に相当する表面電極66が直線タービン翼列621~625の先端部(上面)の気流の上流側に配置され、シリコーン樹脂板64の上面に電極18に相当する裏面電極68が配置される。表面電極66および裏面電極68は銅箔を用いた。表面電極66は、直線タービン翼列621~625の先端部側の気流の流入側に配置し、裏面電極68は、表面電極66の気流の下流側に直線タービン翼列621~625の先端部の全体に対向するように配置した。
電源部19の出力部19aを裏面電極68に電気的に接続し、電源部19を接地するとともに、直線タービン翼列621~625の各々および表面電極66を接地した。電源部19の出力電圧、つまりプラズマアクチュエータの入力電圧Vp-p(ピーク・ツー・ピーク値)を12kV、周波数を10kHzに設定した。
直線タービン翼列62の翼列出口のレイノルズ数Reoutは1.8×104、翼列出口の流速Uoutを2.4m/sに設定した。
直線タービン翼列621~625の渦の発生を測定するため、粒子画像流速測定法(PIV(Particle Image Velocimetry))を用いた。PIV測定装置は、リトロンレーザー製、モデルNANOS30-15PIVのダブルパルスNd-YAGレーザー装置と、TSI製、モデルPIVCAM13-8のカメラ、処理ソフトウェアとしてTSI製、モデルInsightを用いた。PIV測定の領域は、図5にPIVで示すように、X方向は翼624の面から直線タービン翼列の翼622の後端をZ方向に延長した位置までであり、Y方向はシリコーン樹脂板64の表面から下方に44mmの範囲である。
電源部19をオンにして実験装置60の裏面電極に設定した入力電圧を投入したところ、直線タービン翼列621~625の先端部(上面)とシリコーン樹脂板64との間と、表面電極66の気流の下流側にシリコーン樹脂板64の表面に沿って誘電体バリア放電が生成され、非熱プラズマの発光が確認された。
図6は、実施例および比較例の空気の流れを粒子画像流速測定法により可視化した図であり、(a)は電源部19をオフにした場合、(b)は電源部19をオンにした場合である。図中の縦の破線のうち、X=45mmの破線は翼622の後端の下流側の位置を示し、X=22mmの破線は翼623の後端の下流側の位置を示す。(a)および(b)の上面(Y=0)はシリコーン樹脂基板の表面を示し、右側の(X=0)は翼624の表面を表す。図中の矢印は、その長さおよび太さが流れの速さを示し、その方向が流れの方向を示す。
図6(a)を参照するに、電源部19をオフにして誘電体バリア放電を生成しない場合は、流路渦として、翼間のほぼ中央に、(X,Y)=(11mm、12mm)および(32mm、18mm)を各々中心A,Bとして翼間を占める大きな渦を形成していることが分かる。また、漏れ渦として、シリコーン樹脂基板64の表面の近傍に、(X,Y)=(1~2mm、1~14mm)および(24mm、4mm)を各々中心C,Dとした渦を形成していることが分かる。
図6(b)を参照するに、電源部19をオンにして誘電体バリア放電を生成させた場合は、流路渦はほぼ認められず、発生を極めて抑制できていることが分かる。また、漏れ渦として、(X,Y)=(3mm、4mm)および(30mm、4mm)を各々中心E,Fとして渦が発生しているが、流れの速さは図6(a)に示した漏れ渦よりも極めて小さく、漏れ渦の発生を抑制できていることが分かる。このことから、実施例のプラズマアクチュエータにより、流路渦の発生を極めて抑制し、漏れ渦の発生も抑制できていることが分かった。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、各実施形態は、発電用ガスタービン、航空用ジェットエンジン、自動車用ターボチャージャ等に用いられている軸流タービン、ラジアルタービン、軸流圧縮機、遠心圧縮機に適用可能である。
10,20,30,40 ガスタービン
11 回転軸
12 回転ブレード
13,23 ケーシング
13b,23b 凹部
14 絶縁部
15,16,18,26,38 電極
19 電源部
39 絶縁被覆導線
46 浮遊電極

Claims (16)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸に設けられた金属材料からなる回転ブレードであって、先端部を第1の電極とする該回転ブレードと、
    前記回転ブレードを内包する金属材料からなる筐体であって、前記回転ブレードの先端部に対向する内周面の作動流体の流入側から流出側に亘って周方向に形成された凹部を占める絶縁材料によりフラッシュマウント化された絶縁部を有し、該筐体の該作動流体の流入側の該内周面が該凹部の側壁面と形成する端部を第2の電極とする該筐体と、
    前記絶縁部内に埋設され前記絶縁材料により被覆された第3の電極であって、前記第2の電極の前記作動流体の流出側から前記回転ブレードの先端部に対向する位置に亘って延在する該第3の電極と、
    前記筐体および前記回転ブレードを接地することにより前記第1の電極および前記第2の電極を接地するとともに前記第3の電極に交流電圧を印加する電源部と、を備える流体機械。
  2. 前記電源部が前記第3の電極に前記交流電圧を印加することにより、前記第1の電極と前記フラッシュマウント化された内周面との間と、前記第2の電極から前記作動流体の下流側の前記絶縁部の表面に沿って誘電体バリア放電を発生させる、請求項1記載の流体機械。
  3. 前記第2の電極は、前記端部が前記作動流体の流出側に向かって尖った形状をなす、請求項1または2記載の流体機械。
  4. 前記端部と前記回転ブレードの先端部に対向する内周面の作動流体の流入側との間の前記絶縁部の表面に電気的に浮遊させた浮遊電極をさらに備える、請求項1または2記載の流体機械。
  5. 前記電源部が第3の電極に交流電圧を印加することにより、前記浮遊電極から前記作動流体の流入側の前記絶縁部の表面に沿って誘電体バリア放電を発生させる、請求項4記載の流体機械。
  6. 前記第3の電極は、前記回転ブレードの回転方向に延在する金属薄体からなる、請求項1~5のうちいずれか一項記載の流体機械。
  7. 前記第3の電極は、前記回転ブレードの回転方向に分割して配置された複数の金属薄体からなる、請求項1~6のうちいずれか一項記載の流体機械。
  8. 前記第3の電極は、前記絶縁部の表面に前記回転ブレードの回転方向に延在する複数の絶縁被覆導線からなる、請求項1~5のうちいずれか一項記載の流体機械。
  9. 前記第3の電極は、前記回転ブレードの回転方向に分割して配置された複数の絶縁被覆導線からなる、請求項1~5および8のうちいずれか一項記載の流体機械。
  10. 回転軸に設けられた金属材料からなる回転ブレードの先端部に配置された第1の電極と、
    前記回転ブレードを内包する金属材料からなる筐体に、前記回転ブレードの先端部に対向する内周面の作動流体の流入側から流出側に亘って周方向に形成された凹部を占める絶縁材料によりフラッシュマウント化された絶縁部と、
    前記筐体の前記作動流体の流入側の該内周面が該凹部の側壁面と形成する端部に配置された第2の電極と、
    前記絶縁部内に埋設され前記絶縁材料により被覆された第3の電極であって、前記第2の電極の前記作動流体の流出側から前記回転ブレードの先端部に対向する位置に亘って延在する該第3の電極と、
    前記筐体および前記回転ブレードを接地することにより前記第1の電極および前記第2の電極を接地するとともに前記第3の電極に交流電圧を印加する電源部と、を備えるプラズマアクチュエータ。
  11. 前記第2の電極は、前記端部が前記作動流体の流出側に向かって尖った形状をなす、請求項10記載のプラズマアクチュエータ。
  12. 前記端部と前記回転ブレードの先端部に対向する内周面の作動流体の流入側との間の前記絶縁部の表面に電気的に浮遊させた浮遊電極をさらに備える、請求項10記載のプラズマアクチュエータ。
  13. 前記第3の電極は、前記回転ブレードの回転方向に延在する金属薄体からなる、請求項10~12のうちいずれか一項記載のプラズマアクチュエータ。
  14. 前記第3の電極は、前記回転ブレードの回転方向に分割して配置された複数の金属薄体からなる、請求項10~13のうちいずれか一項記載のプラズマアクチュエータ。
  15. 前記第3の電極は、前記絶縁部の表面に前記回転ブレードの回転方向に延在する複数の絶縁被覆導線からなる、請求項10~12のうちいずれか一項記載のプラズマアクチュエータ。
  16. 前記第3の電極は、前記絶縁部の表面に前記回転ブレードの回転方向に分割して配置された複数の絶縁被覆導線からなる、請求項10~12および15のうちいずれか一項記載のプラズマアクチュエータ。

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